オリンパス株式会社 有価証券報告書 第154期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2022年6月21日
【事業年度】 第154期(2022年3月期)(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
【会社名】 オリンパス株式会社
【英訳名】 OLYMPUS CORPORATION
【代表者の役職氏名】 取締役 代表執行役 社長兼CEO 竹内 康雄
【本店の所在の場所】 東京都八王子市石川町2951番地
【電話番号】 東京3340局2111番(代表)
【事務連絡者氏名】 経理部門バイスプレジデント 青柳 隆之
【最寄りの連絡場所】 東京都新宿区西新宿2丁目3番1号 新宿モノリス
【電話番号】 東京3340局2111番(代表)
【事務連絡者氏名】 IR部門バイスプレジデント 櫻井 隆明
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
1/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
国際会計基準
回次
第150期 第151期 第152期 第153期 第154期
決算年月 2018年3月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月
786,497 793,862 755,231 730,544 868,867
売上高 (百万円)
76,665 20,117 86,617 76,810 149,873
税引前利益 (百万円)
57,064 8,147 51,670 12,918 115,742
親会社の所有者に帰属する当期利益 (百万円)
61,234 8,094 33,284 36,670 160,773
親会社の所有者に帰属する当期包括利益 (百万円)
442,793 441,193 370,747 394,326 510,168
親会社の所有者に帰属する持分 (百万円)
978,663 932,030 1,015,663 1,183,453 1,357,999
総資産額 (百万円)
324.25 323.06 288.39 306.72 400.75
1株当たり親会社所有者帰属持分 (円)
41.71 5.97 39.37 10.05 90.22
基本的1株当たり当期利益 (円)
41.69 5.96 39.36 10.04 90.17
希薄化後1株当たり当期利益 (円)
45.2 47.3 36.5 33.3 37.6
親会社所有者帰属持分比率 (%)
13.6 1.8 12.7 3.4 25.6
親会社所有者帰属持分当期利益率 (%)
24.21 201.34 39.67 227.96 25.93
株価収益率 (倍)
95,146 66,943 133,544 124,122 169,729
営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円)
投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円) △ 53,312 △ 60,296 △ 62,430 △ 118,918 △ 71,016
40,800
財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円) △ 51,058 △ 82,948 △ 19,462 △ 40,667
191,239 114,563 162,717 217,478 302,572
現金及び現金同等物の期末残高 (百万円)
35,933 35,124 35,174 31,653 31,557
従業員数
(名)
(外、平均臨時雇用者数) ( 1,511 ) ( 1,396 ) ( 1,437 ) ( 1,135 ) ( 934 )
(注)1 連結経営指標等の従業員数については、平均臨時雇用者数を( )外数で記載しています。
2 第150期(2018年3月期)より国際会計基準(以下、「IFRS」)に基づいて連結財務諸表を作成しています。
3 当社は、2019年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。第150期(2018年3
月期)の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、「1株当たり親会社所有者帰属持分」、「基本的1株
当たり当期利益」及び「希薄化後1株当たり当期利益」は、株式分割後の数値を表示しています。
4 第153期(2021年3月期)において、映像事業を非継続事業に分類しております。この結果、上記指標の第
153期(2021年3月期)の売上高及び税引前利益は、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示し、親会社の
所有者に帰属する当期利益は、継続事業及び非継続事業の合算を表示しております。また上記指標の第152
期(2020年3月期)の売上高及び税引前利益については、同様の組替を行っております。非継続事業の詳細に
ついては、「第5経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記41.非継続事業」をご参照くださ
い。
5 第154期(2022年3月期)において、企業結合に係る取得資産及び引受負債について暫定的に測定された公
正価値の修正を行ったため、連結財政状態計算書を遡及修正しています。これに伴い、第153期(2021年3月
期)の関連する連結経営指標等については、当該修正が反映された後の金額を表示しています。遡及修正の
内容については、「第5経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記40.企業結合(暫定的な金額
の修正)」をご参照ください。
2/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
日本基準
回次
第150期
決算年月 2018年3月
788,996
売上高 (百万円)
61,315
経常利益 (百万円)
親会社株主に帰属する当期純利
46,184
(百万円)
益
63,356
包括利益 (百万円)
442,951
純資産額 (百万円)
967,637
総資産額 (百万円)
324.37
1株当たり純資産額 (円)
33.76
1株当たり当期純利益金額 (円)
潜在株式調整後1株当たり当期
33.74
(円)
純利益金額
45.6
自己資本比率 (%)
11.1
自己資本利益率 (%)
29.92
株価収益率 (倍)
営業活動によるキャッシュ・フ
84,846
(百万円)
ロー
投資活動によるキャッシュ・フ
(百万円) △ 43,012
ロー
財務活動によるキャッシュ・フ
(百万円) △ 51,058
ロー
191,205
現金及び現金同等物の期末残高 (百万円)
35,933
従業員数
(名)
(外、平均臨時雇用者数) ( 1,511 )
(注)1 連結経営指標等の従業員数については、平均臨時雇用者数を( )外数で記載しています。
2 第150期(2018年3月期)の日本基準による諸数値につきましては、金融商品取引法第193条の2第1項
の規定に基づく監査を受けていません。
3 当社は、2019年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。第150期
(2018年3月期)の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、「1株当たり純資産額」、「1株当た
り当期純利益金額」及び「潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額」は、株式分割後の数値を表示
しています。
3/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(2) 提出会社の経営指標等
回次 第150期 第151期 第152期 第153期 第154期
決算年月 2018年3月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月
377,538 376,812 375,258 344,134 378,637
売上高 (百万円)
14,090 43,984 13,266 49,000 57,187
経常利益 (百万円)
15,179 30,223 9,861 8,541 84,844
当期純利益 (百万円)
124,560 124,606 124,643 124,643 124,643
資本金 (百万円)
342,691 342,713 1,370,915 1,370,915 1,299,294
発行済株式総数 (千株)
455,372 471,411 376,219 349,770 357,229
純資産額 (百万円)
786,533 745,793 771,026 826,569 900,917
総資産額 (百万円)
333.07 344.80 292.24 271.69 280.30
1株当たり純資産額 (円)
28.00 30.00 10.00 12.00 14.00
1株当たり配当額
(円)
(内、1株当たり中間配当額) ( -) ( -) ( -) ( -) ( -)
11.10 22.13 7.51 6.64 66.13
1株当たり当期純利益金額 (円)
潜在株式調整後1株当たり当期
11.09 22.12 7.51 6.64 66.10
(円)
純利益金額
57.8 63.1 48.7 42.3 39.6
自己資本比率 (%)
3.3 6.5 2.3 2.4 24.0
自己資本利益率 (%)
91.0 54.3 208.0 345.0 35.4
株価収益率 (倍)
63.0 135.6 133.2 180.7 21.2
配当性向 (%)
6,926 7,024 7,146 4,775 3,478
従業員数 (名)
95.0 113.7 148.3 217.5 223.3
株主総利回り (%)
(比較指標:TOPIX(配当込み)) (%) ( 115.9 ) ( 110.0 ) ( 99.6 ) ( 141.5 ) ( 144.3 )
5,100
最高株価 (円) 4,660 2,148 2,476 2,741
※1,235
3,035
最低株価 (円) 3,600 1,156 1,413 1,998
※1,185
(注)1 当社は、2019年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。第150期(2018年3
月期)の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、「1株当たり純資産額」、「1株当たり当期純利益金
額」及び「潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額」は、株式分割後の数値を表示しています。
2 最高・最低株価は、東京証券取引所市場第一部におけるものであります。
3 ※印は、株式分割による権利落後の株価であります。
4 当社は2020年4月1日をもって、医療分野における品質法規制機能の強化を目的に、研究開発・製造・修理
企画等の一部機能を吸収分割により子会社であるオリンパスメディカルシステムズ㈱に承継させています。
また、2021年1月1日に、映像事業を吸収分割により子会社であるOMデジタルソリューションズ㈱に承継さ
せたうえで、OJホールディングス㈱に譲渡しています。
5 当社は2021年10月1日をもって、医療分野における国内販売体制の強化を目的に、医療分野の国内販売機能
を吸収分割により子会社であるオリンパスマーケティング㈱に承継させています。
4/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
2【沿革】
年月 沿革
1919年10月 東京都渋谷区幡ヶ谷において顕微鏡の国産化とその他光学機械の製作を目的として株式会社高千穂
製作所を設立
1936年4月 写真機の製造を開始
1942年6月 高千穂光学工業株式会社に商号変更
1944年2月 長野県伊那市に伊那工場(現 長野事業場)を新設
1949年1月 オリンパス光学工業株式会社に商号変更
1949年5月 東京証券取引所に株式を上場
1952年5月 医療機器の製造を開始
1955年5月 株式会社高千穂商会の経営に参加、写真機の国内販売を強化
1960年10月 測定機の製造を開始
1963年8月 東京都八王子市に八王子事業場(現 技術開発センター石川)を新設
1964年5月 Olympus Optical Co.(Europa) GmbH(現 連結子会社Olympus Europa SE & Co. KG)を設立、欧州
における当社製品の販売を強化(以後、欧州各地に製造・販売拠点を設ける)
1968年1月 Olympus Corporation of America(現 連結子会社Olympus America Inc.)を設立、米国における
顕微鏡・医療機器の販売を強化
1969年5月 オリンパス精機株式会社(現 連結子会社会津オリンパス株式会社)を設立(以後、国内各地に製
造関係会社を設ける)
1977年3月 Olympus Camera Corporation(現 連結子会社Olympus America Inc.)を設立、米国における写真
機の販売を強化
1980年2月 東京都新宿区西新宿に本社事務所を移転
1981年11月 長野県上伊那郡に辰野事業場(現 長野事業場)を新設
1988年2月 東京都八王子市に技術開発センター宇津木を新設
1990年6月 Olympus USA Incorporated(現 連結子会社Olympus Corporation of the Americas)を設立、米国
における事業基盤を強化
1993年4月 東京都西多摩郡に日の出工場を新設(八王子工場を移転)
2003年10月 オリンパス株式会社に商号変更
2004年10月 映像事業および医療分野をオリンパスイメージング株式会社およびオリンパスメディカルシステム
ズ株式会社(現 連結子会社)として会社分割
2005年6月 Olympus NDT Corporation(現 連結子会社Olympus Scientific Solutions Americas Corp.)を設
立、非破壊検査事業を強化
2008年2月 Gyrus Group PLCを買収し、医療分野における外科の領域を強化
2011年4月 Olympus Corporation of Asia Pacific Limited(現 連結子会社)をアジア・オセアニアの統括会
社とし、同地域における事業基盤を強化
2011年10月 オリンパスオプトテクノロジー株式会社と株式会社岡谷オリンパスを合併、長野オリンパス株式会
社(現 連結子会社)とする
2012年9月 情報通信事業をアイ・ティー・エックス株式会社に承継させ、日本産業パートナーズ株式会社が設
立したアイジェイホールディングス株式会社に譲渡
2015年4月 当社を吸収分割承継会社とするオリンパスメディカルシステムズ株式会社の吸収分割および当社と
オリンパスイメージング株式会社の合併により、医療分野および映像事業を当社に吸収
2016年4月 東京都八王子市に本店所在地を変更
2020年4月 当社医療分野における品質法規制機能の強化を目的に、研究開発・製造・修理企画等の一部機能を
オリンパスメディカルシステムズ株式会社に吸収分割
2020年12月 Veran Medical Technologies, Inc.を買収し、医療分野における呼吸器科の領域を強化
2021年1月 映像事業をOMデジタルソリューションズ株式会社に承継させ、日本産業パートナーズ株式会社が設
立したOJホールディングス株式会社に譲渡
2021年2月 Quest Photonic Devices B.V.を買収し、医療分野における外科領域の蛍光イメージング技術を強化
2021年5月 Medi-Tate Ltd.を買収し、医療分野における泌尿器科の領域を強化
2022年4月 科学事業を株式会社エビデントとして会社分割
5/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
3【事業の内容】
当社グループは、オリンパス株式会社(当社)、子会社106社および関連会社2社で構成されており、内視鏡、治
療機器、科学およびその他製品の製造販売を主な事業とし、さらに各事業に関連する持株会社および金融投資等の事
業活動を展開しています。
次の4事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグ
メント」に掲げるセグメントの区分と同一です。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第5 経理の状況
1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」をご参照ください。
区分 主要製品及び事業の内容 主要な会社名
当社
(連結子会社)
オリンパスメディカルシステムズ㈱、
オリンパスマーケティング㈱、
会津オリンパス㈱、白河オリンパス㈱、ティーメディクス㈱、
Olympus America Inc.、Olympus Europa SE & Co. KG、
消化器内視鏡、外科内視鏡、
Olympus Deutschland GmbH
内視鏡
医療サービス
KeyMed (Medical & Industrial Equipment) Ltd.
Olympus Winter & Ibe GmbH、
Olympus (Beijing) Sales & Service Co.,Ltd.、
Olympus Korea Co., Ltd.、Olympus Singapore Pte. Ltd.
(関連会社)
ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ㈱
当社
(連結子会社)
オリンパスメディカルシステムズ㈱、
オリンパスマーケティング㈱、
消化器科処置具、泌尿器科製品、
青森オリンパス㈱、ティーメディクス㈱、
呼吸器科製品、
Olympus America Inc.、Olympus Europa SE & Co. KG、
治療機器
エネルギー・デバイス、
Olympus Deutschland GmbH
耳鼻咽喉科製品、婦人科製品
Gyrus ACMI, Inc.、Olympus Winter & Ibe GmbH、
Olympus (Beijing) Sales & Service Co.,Ltd.、
Olympus Korea Co., Ltd.、Olympus Singapore Pte. Ltd.
Olympus Vietnam Co.,Ltd.
当社
(連結子会社)
オリンパスマーケティング㈱、長野オリンパス㈱、
生物顕微鏡、工業用顕微鏡、
Olympus America Inc.、Olympus NDT Canada Inc.、
Olympus Scientific Solutions Americas Corp.、
科学 工業用内視鏡、非破壊検査機器、
Olympus Europa SE & Co. KG、
蛍光X線分析計
KeyMed (Medical & Industrial Equipment) Ltd.、
Olympus Soft Imaging Solutions GmbH、
Olympus Singapore Pte. Ltd.
当社
(連結子会社)
生体材料、整形外科用器具 他
その他
オリンパステルモバイオマテリアル㈱
FH ORTHO SAS
当社
(連結子会社)
Olympus Corporation of the Americas、
Olympus Europa Holding SE、Olympus Europa SE & Co. KG、
共通 持株会社、金融投資
Olympus (China) Co.,Ltd.、
Olympus Corporation of Asia Pacific Limited.、
Olympus Global Treasury Services Limited
6/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、当社グループの2022年3月31日現在の状況は次のとおりです。
(注)1 オリンパスメディカルサイエンス販売(株)は、2021年10月1日付で社名をオリンパスマーケティング
(株)に変更しています。
(注)2 当社は、2022年4月1日を効力発生日として、新たに設立した完全子会社である株式会社エビデントに
対して、吸収分割により当社の科学事業を承継させました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財
務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 44.後発事象」をご参照ください。
7/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
4【関係会社の状況】
(2022年3月31日現在)
関係内容
役員の兼
主要な損益情
務等
議決権 報等
資本金又は 主要な事業の内 の所有 (1)売上高
名称 住所
出資金 容 割合 資金援助貸 営業上の (2)営業利益
(%) 提出 提出 付金 取引 (3)当期利益
会社 会社 (4)資本合計
役員 社員 (5)資産合計
(百万円)
(連結子会社)
オリンパスメディカル
内視鏡事業及び
東京都八王子 当社製品
システムズ㈱
90百万円 治療機器事業製 100 あり あり なし
市 の製造
(注) 2
品の製造
内視鏡事業製品 当社製品
会津オリンパス㈱ 福島県
214百万円 100 なし あり なし
会津若松市 の製造 の製造
青森オリンパス㈱ 治療機器事業製 当社製品
青森県黒石市 26百万円 なし あり なし
100
品の製造 の製造
長野オリンパス㈱
長野県上伊那 科学事業製品の 当社製品
100百万円 100 なし あり なし
(注) 2
郡辰野町 製造 の製造
白河オリンパス㈱ 福島県西白河 内視鏡事業製品 当社製品
80百万円 100 なし あり なし
郡西郷村 の製造 の製造
(1)93,457
内視鏡事業、治
オリンパスマーケティン (2)7,446
療機器事業及び 当社製品
グ㈱ 東京都新宿区 96百万円 100 なし あり なし (3)4,930
科学事業製品の の販売
(注)2、3、4 (4)37,403
販売
(5)72,683
オリンパス
運送及び
神奈川県相模
ロジテックス㈱
20百万円 運送業 100 なし あり なし 保管業務
原市南区
(注) 5 の委託
生体材料製品及 生体材料
オリンパステルモバイオ び再生医療に関 製品の製
東京都渋谷区 72百万円 66.6 なし あり なし
マテリアル㈱ する研究開発並 造及び販
びに製造販売 売の開発
内視鏡事業製品 当社製品
ティーメディクス㈱ 東京都新宿区 50百万円 100 なし あり なし
の賃貸 の販売
㈱エビデント
長野県上伊那 科学事業製品の 当社製品
1百万円 あり あり なし
100
(注) 6
郡辰野町 製造 の販売
8/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
関係内容
役員の兼
主要な損益情
務等
議決権 報等
資本金又は 主要な事業の内 の所有 (1)売上高
名称 住所
出資金 容 割合 資金援助貸 営業上の (2)営業利益
提出 提出 付金 取引 (3)当期利益
(%)
会社 会社 (4)資本合計
(5)資産合計
役員 社員
(百万円)
米州の関係会社
Olympus Corporation
に対する総合経
Pennsylvania, 15千 当社製品
of the Americas 営企画及び金融 100 あり なし なし
U.S.A. 米ドル の販売
支援を行う持株
(注)2
会社
(1)270,439
内視鏡事業、治
(2)39,933
Olympus America Inc.
Pennsylvania, 0千 療機器事業及び 100 当社製品
なし なし なし (3)37,095
U.S.A. 米ドル 科学事業製品の (100) の販売
(注)1、2、3
(4)148,506
販売
(5)226,986
内視鏡事業、治
Olympus Latin
Florida, 0千 療機器事業及び 100 当社製品
なし なし なし
America, Inc.
米ドル 科学事業製品の の販売
U.S.A. (100)
(注)1
販売
Gyrus ACMI, Inc.
Massachusetts, 1千 治療機器事業製 100
なし なし なし なし
米ドル 品の製造
U.S.A. (100)
(注)1、2
Gyrus ACMI LP
Minnesota, 0千 治療機器事業製 100
なし なし なし なし
U.S.A. 米ドル 品の製造 (100)
(注)1
Veran Medical
治療機器事業製 当社製品
Missouri 302,181千 100
Technologies, Inc 品の販売及び製 なし なし なし の製造及
U.S.A. 米ドル (100)
造 び販売
(注)1
Olympus Scientific
Solutions Americas
Massachusetts, 40,000千 科学事業製品の 100 当社製品
なし あり なし
米ドル 製造 の製造
U.S.A. (100)
Corp.
(注)1
Olympus Scientific
当社製品
Solutions
Massachusetts, 7,725千 科学事業製品の 100
なし なし なし の輸入販
米ドル の製造
Technologies Inc. U.S.A. (100)
売
(注)1
Olympus Innovation
内視鏡事業及び
Massachusetts,
100
Ventures, LLC 0千米ドル 治療機器事業に あり なし なし なし
(100)
U.S.A.
おける投資
(注)1
Olympus NDT Canada
Québec, 21,688千 科学事業製品の 100 当社製品
なし なし なし
Inc.
カナダドル の製造 の製造
Canada (100)
(注)1
欧州の関係会社
Olympus Europa
Hamburg, 1,000千 に対する総合経
Holding SE 100 あり あり なし なし
ユーロ 営企画を行う持
Germany
株会社
持株会社並びに
Olympus Europa
内視鏡事業、治
Hamburg, 100,000千 100 当社製品
SE & Co. KG 療機器事業及び なし なし なし
ユーロ の販売
Germany (100)
科学事業製品の
(注)1、2
販売
ソフト
Olympus Soft Imaging
Munster, 1,400千 情報サービス及 100 ウェアの
Solutions GmbH なし あり なし
ユーロ びシステム開発 開発を委
Germany (100)
(注)1
託
内視鏡事業、治
Olympus Deutschland
Hamburg, 10,100千 療機器事業及び 100 当社製品
なし なし なし
GmbH
Germany ユーロ 科学事業製品の (100) の販売
(注)1
販売
内視鏡事業、治
Olympus France S.A.S. Rungis Cedex,
3,914千 療機器事業及び 100 当社製品
なし なし なし
ユーロ 科学事業製品の (100) の販売
(注)1 France
販売
9/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
関係内容
役員の兼
主要な損益情
務等
議決権 報等
資本金又は 主要な事業の内 の所有 (1)売上高
名称 住所
出資金 容 割合 資金援助貸 営業上の (2)営業利益
提出 提出 付金 取引 (3)当期利益
(%)
会社 会社 (4)資本合計
(5)資産合計
役員 社員
(百万円)
Olympus Winter & Ibe
内視鏡事業及び
Hamburg, 8,182千 100 当社製品
治療機器事業製 あり あり なし
GmbH
ユーロ の製造
Germany (100)
品の製造
(注)1
KeyMed(Medical &
内視鏡事業及び 当社製品
Industrial Equipment) Essex, 10千 100
科学事業製品の なし なし なし の製造及
U.K. 英ポンド (100)
Ltd.
販売及び製造 び販売
(注)1
Quest Photonic
North Holland
21千 内視鏡事業製品 100 当社製品
Devices B.V. なし なし なし
The Netherlands ユーロ の開発 (100) の開発
(注)1
Arc Medical Design
West Yorkshire,
52千 治療機器事業製 100 当社製品
なし なし なし
Limited
英ポンド 品の製造 (100) の製造
U.K.
(注)1
当社製品
FH ORTHO SAS
Heimsbrunn 44,757千 整形外科用器具 100
なし あり なし の製造及
France ユーロ の販売及び製造 (100)
(注)1
び販売
Olympus Global
Treasury Services
Essex, 266,693千 グループ全体の
100 あり あり なし なし
英ポンド 資金管理
U.K.
Limited
(注)2
28千 治療機器事業製
Medi-Tate Ltd. Or-Akiva,
100 当社製品
イスラエル 品の開発 なし あり なし
(100) の製造
(注)1 Israel
シェケル 及び製造
Olympus Corporation
アジア域内の関
of Asia Pacific 1,729,704千 係会社に対する
香港 100 あり あり なし なし
香港ドル 総合経営企画を
Limited
行う持株会社
(注)2
内視鏡事業、治
Olympus Hong Kong
療機器事業及び 当社製品
540,000千 100
and China Limited 香港 科学事業製品の なし あり なし の製造及
香港ドル (100)
販売並びに科学 び販売
(注)1
事業製品の製造
中国国内の関係
Olympus (China)
中国 31,000千 会社に対する総 100
Co., Ltd. あり あり なし なし
北京市 米ドル 合経営企画を行 (100)
(注)1
う持株会社
Olympus (Guangzhou)
内視鏡事業及び
中国 5,000千 100 当社製品
Industrial Co., Ltd. 科学事業製品の なし あり なし
広州市 米ドル の製造
(100)
製造
(注)1
(1)112,487
Olympus (Beijing)
内視鏡事業、治
(2)7,415
Sales & Service Co., 5,000千 療機器事業及び 100 当社製品
中国
なし あり なし (3)5,401
北京市 米ドル 科学事業製品の の販売
(100)
Ltd.
(4)11,470
販売
(注)1、3
(5)57,689
内視鏡事業、治
Olympus Trading
当社製品
中国 1,000千 療機器事業及び 100
(Shanghai) Limited なし あり なし の輸入販
米ドル 科学事業製品の
上海市 (100)
売
(注)1、2
販売
内視鏡事業、治
Olympus Korea Co.,
大韓民国 18,000百万 療機器事業及び 当社製品
100 なし あり なし
ソウル市 韓国ウォン 科学事業製品の の販売
Ltd.
販売
10/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
関係内容
役員の兼
主要な損益情
務等
議決権 報等
資本金又は 主要な事業の内 の所有 (1)売上高
名称 住所
出資金 容 割合 資金援助貸 営業上の (2)営業利益
提出 提出 付金 取引 (3)当期利益
(%)
会社 会社 (4)資本合計
(5)資産合計
役員 社員
(百万円)
内視鏡事業、治
Olympus Singapore
330千
療機器事業及び 100 当社製品
Pte Ltd. Singapore シンガポール なし あり なし
科学事業製品の (100) の販売
ドル
(注)1
販売
Olympus Vietnam Co.,
24,000 治療機器事業製 100 当社製品
Vietnam なし あり なし
Ltd.
米ドル 品の製造 の製造
内視鏡事業、治
Olympus Australia
7,928千
Victoria, 療機器事業及び 100 当社製品
Pty Ltd. オーストラ なし なし なし
科学事業製品の の販売
Australia (100)
リアドル
(注)1
販売
その他64社
― ― ― ― ― ― ― ― ―
(持分法適用関連会
社)
ソニー・オリンパス
運転資金
メディカルソリュー 内視鏡事業製品 当社製品
東京都八王子市 50百万円 49 なし あり 4,606百万円
ションズ㈱ の開発 の開発
貸付
その他1社 ― ― ― ― ― ― ― ― ―
(注)1 議決権に対する所有割合欄の( )内の数字は間接所有割合(内数)です。
2 特定子会社に該当します。
3 オリンパスマーケティング㈱、Olympus America Inc.及びOlympus (Beijing)Sales & Service Co.,Ltd.
は、連結売上高に占める割合が100分の10を超えています。
4 オリンパスマーケティング㈱は、2021年10月1日付でオリンパスメディカルサイエンス販売㈱から社名変
更しております。
5 当社は、2022年4月1日付でオリンパスロジテックス㈱を吸収合併しました。
6 ㈱エビデントは、2022年4月6日付で資本金を50万円から資本金及び資本準備金をそれぞれ24,000百万円
に増資し、当社の特定子会社となりました。詳細は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 44.後発
事象 (科学事業の分社化)」に記載のとおりです。
7 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社は、ありません。
11/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
(2022年3月31日現在)
セグメントの名称 従業員数(人)
13,646
内視鏡 ( 280 )
8,252
治療機器 ( 201 )
3,709
科学 ( 158 )
524
その他 ( 31 )
5,426
本社管理部門 ( 264 )
31,557
合計 ( 934 )
(注)1 従業員数は、就業人員数です。
2 当社グループ外への出向者は含まず、当社グループへの出向受入者を含む就業人員であり、臨時
雇用者は年間の平均人員を( )外数で記載しています。
3 当連結会計年度より、呼吸器科分野の報告セグメントを治療機器セグメントへ変更したため、集
計方法を変更しています。
(2) 提出会社の状況
(2022年3月31日現在)
従業員数(人) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
3,478 42.61 14.32 9,224,973
セグメントの名称 従業員数(人)
442
内視鏡
216
治療機器
736
科学
17
その他
2,067
本社管理部門
3,478
合計
(注)1 従業員数は、就業人員数です。
2 当社外への出向者は含まず、当社への出向受入者は含んでいます。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
4 当連結会計年度より、呼吸器科分野の報告セグメントを治療機器セグメントへ変更したため、集
計方法を変更しています。
5 従業員数が前事業年度末に比べ1,297人減少しましたのは、一部開発機能のオリンパスメディカルシ
ステムズ㈱への移管、社外転身支援制度の実施、医療分野の国内販売機能を吸収分割によりオリンパ
スマーケティング㈱に承継させたこと等によるものです。
(3) 労働組合の状況(2022年3月31日現在)
名 称 オリンパス労働組合
労使関係 安定しており特記すべき事項はありません。
組合員数 5,463人
12/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、事業活動を通じて、健康・安心・心の豊かさといった世界の人々、社会の根源的な要請に応え、
広く社会に貢献するという考え方を経営理念の「私たちの存在意義」として「世界の人々の健康と安心、心の豊かさ
の実現」と示し、すべての活動の基本思想としています。
この基本思想のもと、当社グループはこれからも、経営理念実現のために、革新的な製品やサービスを社会に提供
し、事業の持続的成長と企業価値向上に努めていきます。
(2) サステナビリティ
当社は、世界をリードする事業を通じて、グローバル規模で企業の社会的責任を果たしていきます。私たちは100
年以上にわたり、革新的な製品・サービスを通じて、世界の人々の健康と安心、心の豊かさを実現し、社会にとって
意義のある価値を提供してきました。特に、患者さまの苦痛軽減やQOL(生活の質)向上、医学・科学の分野におけ
る経済的価値の創出といったソリューションを提供することで、世界の医療に貢献してきました。私たちはESG(環
境・社会・ガバナンス)の観点を取り入れた取り組みを積極的に行うことで、持続可能な社会のために貢献できると
考えています。そして、このような活動によって、当社もまた企業価値を向上させ、持続可能な成長を実現していき
ます。
当社は、経営戦略、ステークホルダーのご意見、ESG評価機関によるベンチマークなどを反映し、グループ経営執
行会議および取締役会でのプロセスを経て、6つのESG領域および5つの重要課題(マテリアリティ)を特定しまし
た。 5つのマテリアリティは、事業を通じた社会課題の解決に貢献することを明文化し、相互に補い合って強化され
る関係にあります。当社が競争力あるグローバル・メドテックカンパニーへと成長し、サステナブルな社会の実現に
貢献するために、ESGを重要な課題と捉えています。マテリアリティは社会・事業変化によって可変のものであり、
今後も必要に応じて見直しを行います。
13/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(3) 目標とする経営指標
2019年に発表した中長期の経営戦略において、当社は、世界をリードするメドテック・カンパニーへ成長し、革新
的な価値によって全てのステークホルダーにベネフィットをもたらし、世界の人々の健康に貢献することを戦略目標
としています。この考え方に基づき経営戦略を実行した結果として、年率5-6%の売上高成長率を持続し、グローバル
メドテック並みの20%を超える営業利益率の達成を目指すとともに、当社が注力する治療領域においてリーディング
ポジションを獲得していきます。
*その他の収益およびその他の費用を除外
また、目標とする財務ガイダンス・参考指標を以下のとおり定めており、2023年3月期に営業利益率を20%超に改
善することを目指しています。
(2022年5月公表見通し)
注:特殊要因調整後 *継続事業のみ **2020年3月期を起点とするCAGR
14/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(4) 経営戦略
(事業の成長・収益性向上のためのコア要素)
当社は、2019年に発表した「Transform Olympus」に沿って、1.グローバル・グループ経営執行体制の構築、2.
人事マネジメントのグローバル統一、3.医療事業の再編成(「Transform Medical」)4.取締役会メンバーの多様
化、5.指名委員会等設置会社への移行など、真のグローバル・メドテックカンパニーとして、当社グループの持続
的な成長を可能とする基盤整備に取り組んでまいりました。また同年に発表した中長期の経営戦略により、真のグ
ローバル・メドテックカンパニーとしての飛躍、そして、当社の企業理念である「世界の人々の健康と安心、心の豊
かさの実現」のもと、より競争力のある、ハイパフォーマンスな企業文化の醸成や、顧客価値の創造を目指していま
す。本経営戦略における事業の成長・収益性向上のためのコア要素を、以下のとおり定めています。
A 事業ポートフォリオの選択と集中
当社の主要な事業は、(i)内視鏡事業、(ii)治療機器事業及び(iii)科学事業になりますが、(i)内視鏡事業や(ii)
治療機器事業が属する医療市場は、全体として高い成長性や収益性を有することに加えて、当社の事業としても持続
的な成長及び高い収益性を示しています。この点を踏まえ、定期的に全社の事業ポートフォリオを見直す中で、さら
なる成長が見込まれる、(i)内視鏡事業及び(ii)治療機器事業に対して、今後も積極的に経営資源を投入していき
ます。
なお、2021年1月に当社の映像事業を、日本産業パートナーズ株式会社が設立した特別目的会社であるOJホール
ディングス株式会社に譲渡しました。また、科学事業については、科学事業の持続的な成長と収益性の向上に向け
て、新たに設立した完全子会社である株式会社エビデントに当社の科学事業を承継させる会社分割を実施し、第三者
へ譲渡する可能性なども念頭に置いた検討を進めています。
B 内視鏡事業における圧倒的ポジションの強化
継続的な技術革新と強固な販売力により、リユース内視鏡の競争優位性をさらに高めるとともに、アンメットニー
ズへの対応も図り、市場全体として高い成長が期待できるシングルユース内視鏡分野における製品を拡充していきま
す。また、今後予想される医療機器に係るビジネスモデルの転換に適切に対応することで、内視鏡市場における現在
の主導的な地位をより一層強固なものにしていきます。
具体的には、以下の施策等を実施していくことで、内視鏡事業において2021年3月期から2023年3月期の3年間で
年平均6%の成長を目指します。
(i) リユース内視鏡における競争優位性の堅持
・AI搭載CAD(Computer-aided Diagnosis)機能等を実装した新消化器内視鏡システムの導入
・病変の発見、分類、ステージング、処置のそれぞれのシーンにおいて術者を支援する新技術の投入による内
視鏡診断・処置の質的な向上
・新機能の投入による内視鏡診断の質の向上を示すクリニカルエビデンスの確立
・今後大きな成長が期待出来る新興国市場におけるドクタートレーニング支援とその継続
(ii) シングルユース内視鏡によるポートフォリオ拡充
・豊富なリユース内視鏡のラインアップにシングルユース内視鏡を加えることで、内視鏡医療のあらゆるシー
ンに対応する圧倒的な製品ポートフォリオを構築
15/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(iii) 内視鏡の販売・サービスモデルの強化
・エビデンスベース、症例ベース課金モデルを試験的に導入
・包括的な保守サービスプログラムの試行拡大
なお、消化器内視鏡の領域においては、2020年4月には欧州と一部アジア地域、7月に日本で、主力の内視鏡シス
テム新製品「EVIS X1(イーヴィス・エックスワン)」を導入しており、2023年3月期の下期中には米国での導入を
目指しています。また、2020年10月には欧州と一部アジア地域にてAIを活用した内視鏡CADプラットフォーム「ENDO-
AID」を発売しました。今後も世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現に向けて製品の普及に取り組んでいきま
す。
C 治療機器事業への注力と拡大
当社が高い競争力を有する、消化器科関連処置具、泌尿器科、呼吸器科関連処置具の3つの領域を中心として、製
品の拡充や手技の普及、販売体制の強化によって成長の拡大を図っていきます。
具体的には、2021年3月期から2023年3月期の3年間、以下の施策等を実施していくことにより、治療機器事業に
おいて年平均8%の成長を目指します。
(i)消化器科関連処置具
・ERCP、消化器ステント、止血デバイスなどの主要カテゴリーにおける付加価値の高い製品の拡充
(ii)泌尿器科
・泌尿器科クリニックに対する前立腺肥大処置に係るソリューションの提供
・ファイバーレーザー技術を用いた結石処置デバイスの導入と泌尿器内視鏡処置デバイスの導入によるライン
アップ拡充
(iii)呼吸器科関連処置具
・気管支内バルブシステムの普及
・穿刺針の製品開発によるEBUS分野のポートフォリオ拡充
なお、治療機器事業においては、世界最大の治療機器市場である米国における事業展開を促進するため、事業のグ
ローバル統括機能を米国に配置していますが、事業開発機能の強化を通して社外パートナーとの協働やライセンシン
グ、M&Aを推し進め、製品ポートフォリオの拡充や補完を図るとともに、法規制対応やクリニカルアフェアーズなど
の機能の強化、製品や手技に対するバリュー・プロポジションの追求もあわせて推進していきます。
当社は上記の3つの注力領域において自社開発による製品投入を行う他、M&Aにも積極的に取り組んでおり、2021
年3月期以降、消化器科関連処置具の領域でArc Medical Design Limitedを、泌尿器科の領域でMedi-Tate Ltd.を、
また呼吸器科関連処置具の領域でVeran Medical Technologies, Inc.を、それぞれ買収しました。
D 次世代低侵襲手術市場のリード
当社は、患者さまの術後のQOL維持といった観点で期待を集める低侵襲手術の分野を中長期の成長に向けた戦略分
野と位置付けています。今後、手技の革新、機器の改善、低侵襲なロボティックスの開発を通じて、低侵襲手術の発
展に貢献するとともに市場全体を牽引すべく、以下の施策を実施していきます。
・技術革新を目標とした病院や学会とのパートナーシップの確立
・技術的な優位性を確立することを主眼に置いたM&Aの実施
・持続可能なものづくりを実現する社内機能の強化
・低侵襲な内視鏡による治療技術(エンドルミナルマニピュレータープラットフォーム)の開発
16/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(医療分野における戦略的な方針)
当社では予防からスクリーニング、診断、治療、予後にいたるまで、患者さまがたどる一連のケア・パスウェイに
着目し、一人ひとりに適したケアをサポート、向上させ、患者さまのアウトカムの改善に貢献するべく、ソリュー
ション提供の強化を図っており、以下の医療分野における戦略的な方針を2021年に発表しました。
(i)「Focus」:当社は、消化器科・泌尿器科・呼吸器科のリーディングカンパニーであり、これらの領域で当社が最
大限の力を発揮できる疾患に注力します。
・消化器科:新製品によるリーダーシップの維持、地域戦略と販売モデルの拡大による成長、関連する領域へ
の事業拡大による成長
・泌尿器科:結石破砕治療におけるリーダーシップ、泌尿器科医に対し包括的なBPH治療ソリューションを提供
・呼吸器科:技術革新と臨床エビデンスによりコア市場でのリーダーシップを維持、アンメットニーズに対応
するソリューションを拡充、市場でのプレゼンスを広げることで当社の影響力を拡大
(ii)「Shape」:新たな投資を行うことにより、診療水準を向上させるイノベーションや価値の創造につなげていき
ます。
・シングルユース内視鏡:内視鏡の領域のリーディングカンパニーとして、処置・治療部位など一人一人の患
者さまのニーズに最適なツールを利用できるよう、シングルユース内視鏡の発売を複数の診療科で予定
・デジタルに関する取り組み:デジタル技術と自動化技術を活用して、臨床医やスタッフの負担の軽減につな
がる製品・サービスの提供を目指す
(iii)「Enable」:グローバル・メドテックカンパニーとして持続的な成長を果たす上で、組織基盤をグローバル・
メドテックカンパニーに相応しい体制やオペレーションに転換する取り組みに注力します。
・ビジネスディベロップメント:インオーガニックな成長の促進のため、新たな機会を模索
・メディカル&サイエンティフィックアフェアーズ:製品やサービスの臨床的意義、経済的価値、安全性の向
上のため、機能を強化
・さらなる組織力の強化:調達・サプライチェーン・製造、R&D、品質保証・法規制対応などにおいても、グ
ローバル・メドテックカンパニーとしてふさわしい機能とするべく変革を推進
17/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(5) 2023年3月期 経営方針
半導体をはじめとした部品供給不足やウクライナにおける戦争、中国での新型コロナウイルスの再拡大など、不確
実性の高いリスクが顕在化しています。一方で世界的には、新型コロナウイルス感染症については、新たな変異株に
よる感染の再拡大のリスクがあるものの、その影響は引き続き縮小していくものと想定しています。2023年3月期は
これらのリスクへの対応を進めつつ、事業運営を行います。
2023年3月期は、上述の「医療分野における戦略的な方針」を推進しつつ、事業成長と効率性の向上によりマイル
ストーンとして掲げた財務ガイダンスの達成を目指します。また、グローバル・メドテックカンパニーとして、患者
さまに高い価値を提供することに注力したうえで、マテリアリティに掲げている社会課題の解決、持続可能な社会の
実現に貢献していきます。
2019年以降、スピード感を持ってさまざまな施策を実行し、企業変革を推進し続けてきたことにより、全社に変革
の文化が根付いてきており、2023年3月期はマイルストーンとして営業利益率20%超の達成を目指すとともに、「変
革」から「成長」にフェーズをシフトしていく年にしたいと考えています。従来の効率性の追求、機能のグローバル
化、健やかな企業文化の実現を目指した取り組み等は今後も継続しつつ、「成長」に舵を切ることにより、売上と収
益性を持続的に向上させ、最終的な目標である当社の存在意義「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」に貢
献していきます。
18/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
2【事業等のリスク】
当社グループの業績は、今後起こりうる様々なリスク(不確実性)によって大きな影響を受ける可能性がありま
す。当社グループでは、経営理念、経営戦略等を含めた「経営の基本方針」を実現するためのリスクマネジメントの
取り組みを実施しています。具体的には、「リスクマネジメント及び危機対応方針」及び関連規程に基づき、積極的
かつ適切なリスクテイクによる企業の持続的成長や価値創出に繋げる“攻め”と、不正や事故の防止という“守り”
の両方の視点で、リスクマネジメントを行っています。
リスクマネジメント体制においては、グローバルなリスクマネジメント体制を構築し、経営戦略ほか当社の事業目
標の達成に影響を与えうるリスクの分類を定義し、各リスク分類を管掌する執行役を明確にしています(リスクア
シュアランスの確立)。各執行役は管掌するリスク分類に付随するリスクを許容範囲に収めるために必要な各種活動
(組織体制の整備、プロセスの整備、重点施策の策定・実行など)を遂行します。
また、リスクマネジメントのプロセスをリスクアセスメント(リスクの特定、分析、評価およびリスク対応策の設
定)、リスク対応策の実行、モニタリングおよびレポーティング、改善のPDCAサイクルで運用しています。リスクア
セスメントは、年度計画策定プロセスに連動させ、全社共通の評価基準を用いてリスクを評価し、全社のリスクを可
視化、一元管理しています。また、グループの重要リスクについてはその対応状況を定期的にグループ経営執行会
議、取締役会および監査委員会へ報告し、継続的にモニタリングしています。
<リスクマネジメント体制>
<「経営の基本方針」を達成するためのリスクマネジメント>
19/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
以下において、当社グループの経営意思決定以外の要因で、業績変動を引き起こす要因となり得る、事業展開上の主な
リスクを記載しています。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
<事業環境に関するリスク>
(医療行政の方針変更、製品関連法規制強化および感染管理に係るリスク)
リスク
医療分野においては、国内外で医療費抑制や、医療サービスの安全性や有効性の向上を通じた患者さまの生活の
質(QOL)の向上を目的とした医療制度改革が継続的に行われており、米国食品医薬品局(FDA)や、欧州医療機器規
制(EU-MDR)をはじめとする各国の医療機器申請・登録等の法規制要求は年々高まっています。加えて、感染管理、
リプロセス(洗浄・消毒・滅菌)要求も高度化しています。
今後、各国の医療関連法規制や関連した行政の方針変更などにより、新製品やサービス等をタイムリーに提供で
きない場合、また、販売した製品等に対する市場対応等を行う場合、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。
FDAより、十二指腸内視鏡の洗浄・消毒に関する市販後の調査研究の実施を遵守していないという理由で、2018年
3月に当社グループを含む十二指腸内視鏡メーカー各社に警告書が発行されました。その後、FDAと協力をしながら
市販後の調査研究を完了し、2020年2月に市販後調査の最終報告書を提出しました。現在は2020年に米国で販売を
開始した後継機種に関する市販後調査を実施していますが、今後の経過によっては、FDAによる更なる規制措置が取
られる可能性があります。
対応策
当社グループは、早期診断および低侵襲治療に寄与する製品ラインアップにより、患者さまのQOLの向上に貢献し
ており、製品ライフサイクルマネジメントおよび感染予防に係る戦略を通じ、安全な商品の開発と選定、法規制に適
合した商品開発、各国への提出資料の共有化などに取り組んでいます。また、当社では品質および法規制対応関連部
門等、当社グループ内部の人材の育成や対応力の強化を通じて、定期的な監査、検証の手順を継続しながら、市場の
変化に速やかに対応できるよう、是正処置および予防処置に係るプロセスを改善していきます。さらに、医療政策や
規制関連の事項について、定期的なモニタリングを実施し経営陣に対して状況のアップデートを行い、関連法令に対
する理解を徹底させるとともに、ベストプラクティスを共有するなど、関連業務に従事する従業員に対して定期的な
トレーニングを実施しています。
(市場・競合状況に係るリスク)
リスク
先進国を中心に、高齢化が進展しており、医療へのニーズは堅調に推移するものと考えられます。また、新興国
においては、経済成長に伴い医療に対するニーズも高まっています。主に先進国では、増加する医療費の適正化や
効率的かつ質の高い医療サービスの提供を図ることを目的とした医療制度改革が進められています。これらの変化
は当社グループの収益確保に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが関連する事業分野においては多くの競合会社が存在し、技術革新も進んでいます。競合会
社との競争激化や、代替技術・製品の出現等の進む環境下において、当社が競争力を維持するためには、当社が価
格、技術、品質等において、競争力を有する製品を適時に投入する必要がありますが、その成否によっては収益確
保に影響を及ぼす可能性があります。
一方で、当社グループが、市場環境の変化や、代替技術、市場に投入される競合製品の動向をキャッチアップ
し、適時に競争力のある製品を市場へ投入できた場合には、販売単価の上昇や当社シェアの拡充等による収益の増
加等の機会を得られる可能性があります。
対応策
当社グループでは、特定の地域での事業展開にとどまらず、全世界の様々な事業分野・地域において、多様な製
品・サービスの提供に努めています。新興国では内視鏡を操作できる医師を増やすことが重要なことから、内視鏡医
の育成をサポートしています。
また、当社グループでは市場における代替技術・製品の出現などを含めた競争環境を注視し、マーケティングや知
的財産および関連部署との協力の下で、採用すべき新技術の選定および開発の迅速化に努めます。社内での開発のみ
ならず、M&Aやアライアンス等を通じた社外の技術の取り込みも積極的に検討します。市場ニーズに即した高付加価
値の新製品・技術の開発にも取り組んでいます。当社グループにおいては特に、内視鏡事業では消化器内視鏡システ
ムEVIS X1の拡販によって圧倒的なシェアを維持し、治療機器事業では消化器科・泌尿器科・呼吸器科の製品ライン
アップの強化によってシェアを拡大し、シングルユース内視鏡等の次世代の医療機器の開発を推進することによっ
て、収益拡大を目指しています。
20/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
<マーケットに関するリスク>
(経済環境に係るリスク)
リスク
ウクライナにおける戦争や米中貿易摩擦のほか、地政学的リスクの顕在化や、資源価格の動向等の経済環境の変
化により、当社グループの収益確保に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、内視鏡事業、治療機器事業、科学事業等において製品およびサービスを世界中の顧客に提供し
ていますが、これらの事業の収益はグローバル経済や各国の景気動向に大きく影響を受けます。
医療分野では、各国の国家予算が縮小された場合、あるいは政策の転換等により、収益確保に影響を及ぼす可能
性があります。
科学事業のライフサイエンス分野では、国公立の研究機関向けの販売の割合が高く、各国の国家予算が縮小され
た場合には、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。産業分野では、自動車産業・航空産業・石油関連産業向
けの販売の割合が高く、企業の設備投資動向が収益確保に影響を及ぼす可能性があります。
一方で、医療分野および科学事業のライフサイエンス分野については、政策等により関連国家予算が増加した場
合、また、科学事業の産業分野についても、企業の事業環境の変化等により設備投資需要が増加した場合、収益の
増加等の機会を得られる可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大は、厳しい状況が徐々に緩和される中で、持ち直しの動きが見ら
れていますが、一部の地域では、医療機関など顧客先への訪問の制限や商談の延期・中止など、販売活動に影響が
生じている他、症例数の減少に伴う製品の販売量の減少などの影響が生じています。詳細は「新型コロナウイルス
感染症に係るリスク」に記載しています。
対応策
当社グループでは、特定の地域での事業展開にとどまらず、全世界の様々な事業分野・地域において、多様な製
品・サービスの提供に努めています。また、各国による自国の産業育成・保護等の政策につき、特に注視すべき状
況となった場合には、必要に応じてタスクフォースの設置や定期的な社内報告等を行います。
(為替変動に係るリスク)
リスク
当社グループは、世界のさまざまなマーケットにおいて製品およびサービスを提供しており、海外売上高比率(連
結ベース)は、2022年3月期において約84%です。円高に推移した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼし、一
方、円安は好影響を与える可能性があります。外貨建債権・債務について可能なものについてはヘッジを行っていま
すが、急激な為替変動が生じた場合、あるいはヘッジの対象となる債権・債務の発生が予定と大きく異なった場合、
当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策
為替変動リスクを軽減することを目的として、先物為替予約や通貨スワップ等のデリバティブ取引を利用していま
す。また、グローバル・キャッシュ・プーリングの導入により、グループ資金の効率化などを通じて、外貨建債権・
債務の縮小を図っています。
(資金調達に係るリスク)
リスク
当社グループは、金融機関等からの借入、社債発行による資金調達を行っていますが、金融市場の環境変化に
よっては、当社グループの資金調達に影響が生じる可能性があります。
また、当社グループの業績悪化等により資金調達コストが上昇した場合、当社グループの資金調達に悪影響が生
じ、一方、業績良化等により資金調達コストが低下した場合、好影響を与える可能性があります。
対応策
当社グループでは、コマーシャル・ペーパーや公募社債の発行等、資金調達手段の多様化による調達コストの低
減に取り組んでおり、長期の有利子負債は基本的に固定金利を採用することで、金利上昇の影響を限定的にしてい
ます。また、グローバル・キャッシュ・プーリングの導入により、グループ資金の効率化や財務管理の強化を図っ
ています。
21/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
<事業活動に関するリスク>
(開発活動に係るリスク)
リスク
当社グループの医療分野は、新型コロナウイルス感染症、高齢化、環境意識の高まりなどを主な要因として、こ
れまで以上に急速な社会環境の変化、不確実性に直面しています。各国の医療政策の変更、医療費削減、医療関連
法規制の強化、感染予防・リプロセスに対する要請の更なる高まりにより、技術開発に対するハードル・複雑さは
増しています。それに対して開発サイクルは短くなる傾向にあります。技術的には、すべての領域でデジタル・ト
ランスフォーメーション(DX)が加速しており、いわゆるテクノロジー・イノベーション技術(AI/ロボティク
ス/ICT)も実用化の段階に入ろうとしています。それに伴い、新技術・代替技術のみならず、巨大IT企業など異業
種からの医療業界への参入により事業環境は厳しさを増しています。また、当社グループの医療分野では、消化器
科、泌尿器科、呼吸器科を中心にケア・パスウェイを広げ、技術開発、イノベーションを通じて診療水準の向上に
貢献し、患者さまのアウトカムの改善を目指しています。既存の製品・技術に対して顧客のニーズに応じた改良を
おこなう「持続型イノベーション」だけでなく、社会環境の変化に対応した新たな発想で技術を実用化する「破壊
型イノベーション」とのバランスが重要だと考えています。市場の変化を適切に予測できない、あるいは製品の開
発が予定通り進展しないことにより、顧客のニーズに合致した新製品をタイムリーに開発できない場合には、収益
確保に影響を及ぼす可能性があります。また、開発期間の長期化に伴う費用の増加あるいは回収可能額が相対的に
低下することによる開発資産の減損損失等が発生する可能性があります。
機会として、当社グループの注力領域における技術開発の発展、およびアンメットニーズに対するソリューショ
ン提供を通じた医療への貢献、中長期ではロボティクス技術の普及による、低侵襲治療、医療費削減、医療従事者
の負荷軽減の可能性があります。
対応策
当社グループでは、医療分野にフォーカスした機動力のある技術開発を行うための組織体制を整備しています。
また、技術開発およびイノベーションに対して、以下の様な複合的なアプローチを用いています。①既存事業およ
び製品に対する継続的な技術開発、②適切なプロダクトライフサイクル管理による製品の安全性の追及、開発効率
向上、開発コストの削減、③M&Aを通じた技術獲得および製品ポートフォリオの拡充、④自社のコア・テクノロ
ジー、コスト、開発期間などを勘案した業務提携、内製・外製の検討、⑤将来の事業および製品のためのイノベー
ションなど。
当社の既存製品に対する技術面での取り組みとして、製品ラインアップの拡充、製品関連法規制への対応、感染
予防およびリプロセスへの対応、製品セキュリティ強化の取り組みが必須です。また、感染対策への意識の高まり
により市場のニーズが増している、シングルユース内視鏡に対する複数のラインナップを用意することは優先度の
高い開発テーマです。また、当社ではDXを加速させ、デジタル技術を活用したサービスを本格的に始めようとして
います。さらに、近い将来に向けて、診療プロセス全体の最適化および新しいビジネスモデル構築のための、より
高度なAI、ICTの活用検討、次世代の低侵襲手術に向けたロボティクスの活用検討も推進しています。このような開
発活動を通して、予防から診療、予後にいたるまで、患者さまがたどる一連のケア・パスウェイに着目し、向上さ
せるためのソリューションを構築していきます。
22/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(サプライチェーンに係るリスク)
リスク
当社グループでは、製品を開発し、必要な部品等を外部の供給元から調達し、生産、製品供給まで、適時に行う必
要があります。特定の供給元に依存する部品等について、調達に制約を受ける場合には、当社における生産および供
給が中断あるいは遅延する可能性があります。昨今の世界的な半導体およびその他の部品不足に関し、今後さらに供
給が減少する、または供給不足が長期化する可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合、収益確保に影響
を及ぼす可能性があります。
地政学的リスク、自然災害、疫病、戦争、内戦、暴動、テロ、サイバー攻撃、港湾労働者によるストライキ、或い
は輸送事故などの理由により物流が停滞する場合、配送遅延による売上機会の損失、復旧対応のコスト増加により当
社の収益確保に影響を及ぼす可能性があります。例えば、中国では、新型コロナウイルスの感染拡大状況に応じて、
厳しいロックダウンが実施されており、特に上海における2022年3月下旬以降のロックダウンは、当社グループの中
国国内におけるサプライチェーンとグローバルな物流に影響を及ぼしています。
製品については外部への生産委託を含め、厳格な品質基準に基づき生産を行っていますが、万一、製品に不具合等
が発生した場合には、リコール等、多額のコストが発生するだけでなく、当社グループの信頼が損なわれ、収益確保
に影響を及ぼす可能性があります。
対応策
当社グループでは、事業継続と持続可能な価値創造を見据えて、サプライチェーン方針や、「オリンパスグループ
グリーン調達基準」を制定し、これらのもとで、法令・社会規範遵守の強化に取り組んでいます。取引先に向けて
は、法令・社会規範の遵守、汚職・賄賂などの禁止、公平・公正な取引の推進、環境への配慮など、具体的な行動指
針を定めています。これらをもとに、公平、公正かつ透明性の高い取引に基づく良好な関係の構築と関係強化に取り
組んでいます。
また、当社グループは、サプライチェーンマネジメントの強化を目指しており、部品等の調達から顧客への納品ま
で、全体を統合したEnd-to-Endサプライチェーンを構築し、顧客満足度およびビジネスの変化対応力の向上、コスト
の効率化、在庫の最適化を目的とした施策を実行しています。End-to-Endサプライチェーントランスフォーメーショ
ンの目標は、製造および調達と緊密に連携してこれらのリスクによる影響を管理し、外的な逆風による影響を制限す
るための計画および流通プロセスと機能を強化することです。新たに設置されたグローバルディストリビューション
機能(End-to-Endサプライチェーントランスフォーメーションの一部)は、安定した配送と、課題やサポートの必要
性に対するタイムリーな問題解決をするため、リスクの軽減と対策を、監督および調整しています。サプライチェー
ン、調達、製造、および営業機能間の緊密なコラボレーションと迅速な意思決定を推進します。
取引先の動向把握や取引先との関係強化を推進するとともに、バックアップ計画の検討を含むBCP(事業継続計
画)の強化等を行っており、特に半導体の調達に関しては、社内横断タスクフォースを設置し、取引先との関係強化
により、必要量の確保を図っています。また、製品の安定供給のため、各拠点で適切な在庫量を設定するとともに、
製造・調達が一体となって、サプライチェーンの変化に対して対応策を講じています。さらに、品質管理部門との協
働のもとで、最適な生産システムの構築と品質の向上に努め、製品開発プロセスを事業レビューや技術レビューなど
に分けるなど、品質改善活動を推進することで品質問題の抑制を目指しています。
23/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(業務提携、企業買収、事業売却および投資全般等に係るリスク)
リスク
当社グループはグローバル・メドテックへの転換を目指して2019年に発表した経営戦略に則り、事業ポートフォ
リオの選択と集中を行っており、医療分野、特に消化器科・泌尿器科・呼吸器科の領域について優先的に投資を実
施しています。事業に係る様々な領域で設備投資や研究開発投資等の投資を実施しており、当該投資に係る意思決
定を行った時点から外部環境が急激に変化する等、予期せぬ状況の変化が発生した場合には、当社グループの業績
および財政状態に影響を与える可能性があります。
技術および製品開発、販売・マーケティングに関して、業界の先進企業と長期的な戦略的提携関係を構築してい
ますが、これらの戦略的パートナーに、財務上あるいはその他事業上の問題が発生した場合、また戦略の変更等に
より提携関係を維持できなくなる等の問題が発生した場合には、当社グループの事業活動に影響が生じる可能性が
あります。
事業拡大のため、企業買収等を実施することがありますが、買収の対象事業を当社グループの経営戦略に沿って
適切に統合できない場合、あるいは既存事業および買収の対象事業について効率的な活用を行うことができなかっ
た場合は、当社グループの事業遂行に影響が生じるほか、のれんの減損や、事業売却損、事業清算損、その他これ
に伴う費用の発生等が生じる可能性があります。
当社グループは、業務提携の推進等を目的として、投資有価証券等を保有しています。市場経済の動向や投資先
の財政状態等により、株価および評価額に著しい変動が生じる場合には、当社グループの業績および財政状態に影
響を及ぼす可能性があります。
また、事業ポートフォリオの戦略的な見直しの一環で、当社はノンコア事業と位置付けられた関連会社あるいは
事業の売却を実行することがありますが、各国の法規制や経済情勢および相手先の経営状況の変化などにより実施
が困難となる場合、あるいは売却損、評価損が発生する場合、当社グループへの経営あるいは財務上の影響が生じ
る可能性があります。当社は、連結子会社であるOlympus (China) Co., Ltd.の保有する中国・深圳市にある当社の
中国現地法人Olympus (Shenzhen) Industrial Ltd.の持分譲渡に向けた活動を継続しています。また、当社は、科
学事業を第三者へ譲渡する可能性なども念頭に置いた検討を進めています。これらの結果によっては、当社グルー
プの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
適切な対応策の下で行われる業務提携および企業買収等を通じて、当社は製品ポートフォリオの拡充や新技術の
獲得を進め、ターゲットとする領域および疾患におけるリーディング・ポジションを確立し、長期的な成長と企業
価値の向上を実現することが可能となります。
対応策
当社グループでは、投資前には投資評価の妥当性を審議し、投資の可否を判断しており、外部環境の変化等に応
じて、投資後も評価を行っています。M&Aや出資の検討に際しては、契約の成立後に深刻な問題が発見されるよう
なリスクを低減すべく、外部の弁護士や財務アドバイザー等も活用して、各種デューデリジェンスを実施した上
で、社内で定められた承認プロセスに従って投資評価の妥当性を審議するなどのプロセスを経て、投資の可否につ
いて判断を行っています。また、コンプライアンスを遵守するための内部指針、価値評価モデル、デューデリジェ
ンス項目の見直し定期的に行うとともに、取引が完了した後も対象事業のモニタリングを実施するなど、投資に関
するプロセス全体の改善に取り組んでいます。事業売却等においても同様の承認プロセスを経て判断を行い、プロ
セス全体の改善に取り組んでいます。
(事業構造改革に係るリスク)
リスク
当社グループは、2019年に公表した経営戦略に基づき、全社横断的な効率改善に向けた取り組みを推進し、持続
的な成長と収益性を伴う真のグローバル・メドテックカンパニーを目指しています。
これらの取り組みの進展に遅れが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があ
ります。
対応策
ボトムアップ型の施策に加えて、各執行役がイニシアチブをとってオペレーティングモデルやプロセスの改善に
向けた重点分野の施策を実行することにより、取り組みを一層加速し、持続的に成長できる企業文化の醸成と、経
営基盤の強化を目指しています。各イニシアチブの進捗は、グループ経営執行会議にも報告されています。
24/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
<経営全般に影響を及ぼすリスク>
(法的規制に係るリスク)
リスク
当社グループおよび当社グループの販売店、供給者の多くが政府系の企業、政府系の医療機関および公務員と取引
を行っています。また、当社グループでは、規制業種である医療分野を含む各種事業を世界各地で展開しており、
本邦の法律に加えて各国・地域における医療に関する法律や独占禁止法のほか、米国海外腐敗行為防止法(FCPA)
の贈賄禁止条項や英国反贈収賄法を始めとした各国・地域の贈収賄禁止に関する法律の適用を受けています。さら
に、不当景品類および不当表示防止法、米国反キックバック法や米国虚偽請求取締法を含む、ヘルスケア事業に関
連する様々な不正防止法の規制対象にあります。
法的規制への違反は罰金や課徴金、禁固刑、特定の国における医療制度への参加禁止などの処罰につながる可能性
があります。さらに、当社グループの顧客の多くが公的医療保険その他、政府による医療制度から医療費を補助さ
れており、法的規制への違反によって制度への参加を制限された場合には、当社グループの製品に対する需要やそ
れを使用した症例数の減少などの影響が生じる可能性があります。
当社は、米国司法省と2018年12月3日に締結した司法取引契約において「当社の子会社であるオリンパスメディカ
ルシステムズ株式会社が法規制を遵守するプロセスを強化し、本合意に基づき同社が期待される水準に達している
ことの確認を定期的に実施する」という義務が課されています。今後の実施状況によっては、米国司法省によりさ
らなる措置が取られる可能性があります。
当社グループは、世界中のプライバシーに関する規制を受けています。個人情報の取り扱いに関して、世界各国の
個人情報保護法制(日本の「個人情報保護法」、欧州連合(EU)の「EU一般データ保護規則(GDPR: General Data
Protection Regulation )」)等に違反することにより、政府機関から罰金その他の処分を受ける、またはステー
クホルダーから訴訟を提起される可能性があります。
当社グループでは、これらの法的規制を遵守することを徹底していますが、違反する行為を行った場合、違反の意
図の有無にかかわらず、当社グループの事業、財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況および株価に影響
を及ぼす可能性があります。
対応策
当社グループではグローバル行動規範において示しているとおり、法令順守に基づいた業務遂行を従業員に徹底し
ており、贈賄防止や各国の競争関連法を順守することの重要性について従業員への教育を行っています。また、中国
では、代理店を対象に法規制遵守等に係るトレーニングも実施しています。
法務、コンプライアンス、内部監査などの統制部門が、当社グループに適用されるすべての法律、規制、内部方針
を遵守しているかどうかという観点から、事業活動をモニタリングしています。また、従業員に対しても必要かつ適
切な研修や教育を実施しています。事業を展開するすべてのマーケットにおいて、当社事業に関連する規制をモニタ
リングし、情報収集を行う体制の構築を進めています。また、関連する法律や規制に改正や変更があった場合には、
従業員に対して周知徹底するとともに、その改正や変更に対応した製品を速やかに開発し、供給していきます。
個人情報保護規制に関わるリスク対応としては、2022年3月期にセキュリティおよびプライバシーコンプライアン
ス戦略を策定し、各地域における個人情報保護関連専門人材の配置を含む対応力の強化を進めるとともに、当社グ
ループ全体での連携をより確実にするためグローバル体制の強化に取り組んでいます。
(訴訟に係るリスク)
リスク
国内外の事業に関連して、訴訟、紛争、その他の法的手続きの対象となるリスクがあります。第三者より、将来、
損害賠償請求や使用差し止め等の重要な訴訟が提起された場合は、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼ
す可能性があります。
また、当社は研究開発および生産活動において様々な知的財産権を使用しており、それらは当社グループが所有し
ているもの、あるいは適法に使用許諾を受けたと認識しているものでありますが、当社グループの認識の範囲を超え
て第三者から知的財産権を侵害したと主張され、係争等が発生した場合には、収益確保に影響を及ぼす可能性があり
ます。
当社の連結子会社であるOlympus (China) Co., Ltd.が保有する中国・深圳市にある当社の中国現地法人Olympus
(Shenzhen) Industrial Ltd.は、深圳市安平泰投資発展有限公司から2016年12月23日付で訴訟を提起され、2018年7
月30日付で判決が出されています。当社はこの第一審判決を不服として2018年8月17日付で控訴しておりました。
2020年7月1日付で広東省高級人民法院から、安平泰側が請求の根拠とする事実関係が不明確であるなどとして、第
一審判決を取り消し、本案の審理を差し戻す裁定が下されました。2021年12月31日付で判決が出され、当社はこの第
一審(差戻審)判決を不服として、2022年1月24日付で控訴しており、現在係属中ですが、今後の経過によっては、当
社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
対応策
訴訟その他法的な手続きが必要となる事案が発生した場合に、適時に弁護士等の外部専門家と対策を検討するこ
とが出来る体制を構築し、日本、米州、欧州、中国、アジア・オセアニアの各地域統括会社においても社内の関連
部署のスキル・専門知識の強化に努めています。また、財務上のリスクを極小化する目的で、訴訟による予期せぬ
損失に備えて、保険の付保等を行っています。
25/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(情報セキュリティに係るリスク)
リスク
当社製品やサービスを安定的に継続して提供するため、事業継続を妨げるサイバー攻撃に備え、当社およびス
テークホルダーの機密情報や個人情報の漏えい防止などの情報セキュリティリスクの低減や、法令違反の防止に努
めています。しかしながら世界的に医療機関や製造業、そのサプライチェーンを標的としたサイバー攻撃が急増し
ており、攻撃の高度化・組織化が進んでいることから、以下にあげるような不測の事態が発生することにより、当
社グループの企業価値の毀損、事業競争力の低下、社会的信用の失墜、影響を受けるステークホルダーに対する補
償、各国当局からの制裁・罰金により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・当社の顧客である医療機関を標的としたサイバー攻撃により、当社製品の使用やその保守作業を介して患者さ
まの情報が漏えいし、顧客が事業を継続することが出来なくなること
・当社やそのサプライチェーンを標的としたサイバー攻撃により、当社において業務が中断したり、保守サービ
スの提供が滞るなどの結果として、医療機関において検査や治療行為が継続出来なくなること
・情報セキュリティ対策の不備や内部不正により、当社内に保管される技術情報・顧客情報が漏えいまたは毀損
すること
2022年3月期には、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ地域)における一部地域および米州(米国、カナダ、ラテ
ンアメリカ)地域のITサーバーが不正アクセスの対象となりました。EMEA地域における不正アクセスでは当社の
データの損失、不正使用ならびに漏洩の痕跡は確認されませんでしたが、米州地域においては、一部のデータが流
出した可能性があり、影響を受けた可能性のある方々に対して通知を行いました。
対応策
2022年3月期に発生したインシデントの解析結果に基づき、各種セキュリティの強化を行っています。また、サ
イバー攻撃等により不正アクセスが発生した場合に、より迅速な対応により顧客やビジネスパートナー、当社業績
への影響を最少化するため、全従業員への定期的な教育の実施の徹底や、当社グループ全体を対象とするインシデ
ント対応体制の構築に取り組んでいます。
上記に加えて、これまでの活動をさらに強化するため、2022年3月期において、新たなセキュリティおよびプラ
イバシーコンプライアンス戦略を策定しました。この戦略には新たなガバナンスモデルの構築が含まれ、これによ
り私たちは当社グループ全体で情報/サイバーセキュリティ、プライバシーのリスク管理を可能にし、複数年にわた
る戦略ロードマップをグローバルで一貫して実行していくことを目指します。具体的には、当社全体におけるグ
ローバル化の進捗に合わせて機能軸での連携をより強化し、ITセキュリティ、Operational Technologyセキュリ
ティ、製品セキュリティ、プライバシー保護、データ保護、それぞれについて関係各機能の責任を明確化しまし
た。これにより、以下のことが可能になります。
・一般的なITシステムのみならず製品開発環境や製造環境においてもサイバー攻撃への耐性を高めること
・開発段階だけでなく製品ライフサイクル全体にわたり、製品セキュリティを継続的に担保すること
・各国・地域の最新動向や法規制に基づき、さらにプライバシー保護を強化すると共に、様々なデータの種類や
機密度に応じた保護と利活用を実現すること
(人材に係るリスク)
リスク
当社グループの競争力を維持するためには、事業遂行に必要な優秀かつ多様な人材を採用し、維持し続ける必要
があります。当社グループの業界における人材獲得競争はグローバルに激化しており、コロナ禍を経て労働市場が
変化したことによる退職率の高まりも一部地域で見られ、人材の採用、育成、リテンションの重要性も増す中、当
社が高い技能を有する人材を採用し、維持することができなかった場合、今後の製品やサービスの供給や持続的な
成長に影響を及ぼす可能性があります。
対応策
当社グループは、従業員一人一人がグループ共通の理念や価値観を深く理解し、高い専門性を有する人材をグ
ローバルで適所に配置することが重要であると考えています。この実現に向けて、理念・価値観の浸透のための活
動を行うほか、スキルトレーニングプログラムなどを展開しています。経営戦略の遂行に必要となる職務を定義
し、グローバル共通のタレント・マネジメントシステムを導入し、重要ポジションから順に後継者育成計画を作成
しています。また、国籍や性別を問わず適切な人材が活躍し、高い専門性を発揮し続けることを可能にする体制の
整備も進めています。このほかにも、グローバル共通のリーダーシップ・コンピテンシー・モデルを定めたほか、
リーダーシップの発揮を支援するためのプログラムの整備を行い、従業員が高いパフォーマンスを発揮し続けるた
めの文化醸成、人材開発のための取り組みを行っています。報酬についても、常にマーケットトレンドを意識しな
がら、競争力のある報酬水準と報酬体系を社員に提供しています。例えば、日本地域においては、職務と成果をよ
り反映した報酬体系に移行すべく労働組合と協議しています。また、日本を含むグループ全体では、グローバル共
通の職務評価と報酬ポリシーにより公平性を担保するとともに、一定層以上の社員に株式報酬を付与することで、
報酬水準の底上げと同時に中長期目標達成へのコミットメントの向上を図ることとしています。人材採用に関して
は、新卒などの定期採用に加えて、専門性を有する人材を不定期に採用しており、人材採用の体制を強化するとと
もに、当社に入社した社員が早期に活躍できるようにオンボーディングの取り組みを充実させています。
26/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(内部統制に係るリスク)
リスク
有効な内部統制システムを構築している状況においても、様々な要因により内部統制システムが機能せず、不測
の事態が生じる可能性があります。その結果、当社の社会的信用の失墜により事業に悪影響が生じる、あるいは行
政処分による課徴金や刑事訴訟による罰金、民事訴訟による損害賠償金等の支払いにより、当社グループの業績お
よび財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
内部統制システムが有効に機能しないことで、経営者が、内部・外部の環境変化を適切に把握し、迅速な意思決
定を行えない場合、当社の経営戦略、事業戦略の達成に悪影響を与える可能性があります。
対応策
当社グループは、グループ・グローバルでの内部統制システムを整備・運用・改善し、教育・啓蒙活動を通じて
浸透を図っています。ガバナンス関連の組織がグループ・グローバルで連携して取り組みを最適化するとともに、
戦略立案、方針・施策策定と関連付けることにより、業務執行と監督活動が一連のサイクルとして実施できる仕組
み作りを進めています。加えて、内部統制システムの運用状況に対するモニタリングを行い、経営に対する定期的
な報告を実施しています。これらの対応策により、内部統制システムが有効に機能していることを検証し、継続的
に改善を行います。
(税務に係るリスク)
リスク
世界各国の租税法令またはその解釈や適用指針の変更等により、追加の税負担が生じる可能性があります。繰延
税金資産については、経営状況の変化や組織再編の実施等により、回収可能性の評価を見直した場合、繰延税金資
産に対する評価性引当金の積み増しが必要となる可能性があります。そのような事態が生じた場合、当社グループ
の業績および財政状態に影響が生じる可能性があります。
対応策
世界各国の租税法令またはその解釈や適用指針の変更等に関しては、法令の改正や規則の変更に対するモニタリ
ングを行いながら、社内の取引ルールを適宜見直していきます。繰延税金資産については、グループ各社の収益性
をモニタリングしながら、それぞれの会社が適切な収益を確保出来る様に業績を管理することに加えて、グループ
会社間の組織再編においても再編後の収益性の変化に留意することでリスクの最小化を図ります。
(気候変動・環境規制に係るリスク)
リスク
当社グループは、気候変動の緩和と適応、水資源の保全、持続的な資源利用、生物多様性の保護といった環境課
題を認識しています。世界各国においておよび脱炭素・循環型社会の実現に向けての炭素税導入や二酸化炭素の排
出規制、資源循環に関する規制、化学物質管理などの規制が強化されることにより、事業コストが増加する可能性
があります。また、気候変動に起因する自然災害の深刻化によって、自社拠点の操業やサプライチェーンに影響す
る可能性が高まり、適切な対応が取れなかった場合に、事業機会の損失等が生じる可能性があります。
対応策
当社グループでは、環境活動を推進する専門の機能を設置し、ISO14001に沿った環境マネジメント体制を整備し
ています。本体制のもと、規定類の維持、環境管理責任者および推進者への教育、現地運用のモニタリングと改善
を通じて環境法規制への対応を推進しています。
また、当社グループは、社会と協調した環境活動の推進が重要であることを認識し、2021年4月にTCFDへの賛同
を表明しました。長期的に製品ライフサイクル全体のカーボンニュートラルを目指しつつ、2030年までに自社事業
所からの二酸化炭素排出量(Scope 1、2*)を実質ゼロとすること、2030年までに自社の事業所で使用する電力を
100%再生可能エネルギー由来とするという2つの野心的な目標を、同年に策定しました。
本目標達成およびサプライチェーンでの環境リスク対策として、世界各国の拠点での製造改善活動や再生可能エ
ネルギーの導入とともに、環境配慮型製品の開発、物流効率改善、取引先と連携したグリーン調達に継続的に取り
組みます。
* Scope 1:敷地内における燃料の使用による直接的な温室効果ガス排出、Scope 2:敷地内で利用する電気・熱の使
用により発生する間接的な温室効果ガス排出
27/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(新型コロナウイルス感染症に係るリスク)
リスク
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響による厳しい状況は徐々に緩和され、ワクチン接種も進み、経済
活動は持ち直していますが、地域によっては感染再拡大の傾向が見られるなど、依然として不確実性の高い状況が続
いています。
当社グループの事業活動においても影響は緩和されつつあるものの、引き続き医療機関など顧客先への訪問の制限
や商談の延期・中止など、販売活動に影響が生じている他、症例数の減少に伴う製品の販売量の減少などの影響が生
じています。医療機関が新型コロナウイルスへの対応を優先せざるを得ない状況において、当社の事業に関連する医
療行為が減少した場合や設備投資が減少した場合等において、当社グループの販売活動にさらなる影響を及ぼす可能
性があります。また、特定の製品および部品調達や、製造・製品供給に制約が生じた場合、当社グループの収益確保
および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
対応策
当社グループは、感染防止対策の徹底に努めており、在宅勤務等の柔軟な働き方の積極的な活用、感染状況を勘案し
た出張やイベントの実施等の措置を講じています。販売活動においては、オンラインでのトレーニングやデモンスト
レーション、セミナーを継続的に実施している他、新たな環境に対応したソリューションの提供に努めています。
(自然災害、感染症、戦争、内戦およびその他のリスク)
リスク
その他、自然災害、感染症、戦争、内戦、暴動、テロ、経済制裁等が発生した場合、収益確保に影響が生じる可能性
があります。
対応策
重大な危機が発生した際には、グループ全体に適用される危機対応ルールに基づいて対策本部を設置し、企業価値に
及ぼす影響を最小限にとどめるべく、危機管理に努めるとともに、平時においてもBCP(事業継続計画)の策定、定期
的な見直しおよびBCPの実効性を高めるための教育・訓練を通じて事業中断リスクへの対応を強化しています。
28/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)業績等の概要
① 業績
業績全般に関する動向
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の大流行の影響による厳しい状況が、ワクチン接
種も進み、徐々に緩和される中で、持ち直しの動きが見られました。一方で、新たな変異株により感染が再拡大する
など、依然として不確実性の高い状況が続いています。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、一部の国や地
域におけるサプライチェーンへの影響や、新型コロナウイルスの感染拡大や米中の貿易摩擦に伴う、世界的な半導体
不足による影響、ウクライナにおける戦争による影響、資源価格の高騰による影響も発生しています。わが国経済に
おいても、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が緩和される中で、世界経済と同様に持ち直しの動き
が見られました。
こうした環境下にあるものの、当社グループは、真のグローバル・メドテックカンパニーへの飛躍を目指し、2019
年11月に発表した中長期の経営戦略に沿って、持続的な成長に向けた取り組みを推し進めています。
本経営戦略に基づき、当社は内視鏡事業及び治療機器事業を中心とした医療分野に経営資源を投入し、持続的な成
長を実現するための経営基盤の強化に努めています。その一環として2022年4月1日には、科学事業の持続的な成長
と収益性の向上に向けて、新たに設立した完全子会社である株式会社エビデントに当社の科学事業を承継させる会社
分割を実施しました。
業績の状況
以下(1)から(7)は継続事業の業績を、(8)は継続事業と非継続事業の合計の業績をそれぞれ示しています。なお、
前連結会計年度において、映像事業を日本産業パートナーズ株式会社が設立した特別目的会社であるOJホールディン
グス株式会社に譲渡したことにより、当該事業に関わる損益については、非継続事業に分類しています。
(単位:百万円)
2021年3月期 2022年3月期 増減額 増減率(%)
(1)売上高 730,544 868,867 138,323 18.9%
(2)売上原価 271,014 297,172 26,158 9.7%
(3)販売費および一般管理費 357,032 405,399 48,367 13.5%
(4)持分法による投資損益/
△20,513 △12,398 8,115 -
その他の収益/その他の費用
(5)営業利益 81,985 153,898 71,913 87.7%
(6)金融損益 △5,175 △4,025 1,150 -
(7)法人所得税費用 11,140 33,903 22,763 204.3%
(8)親会社の所有者に帰属する当期利益 12,918 115,742 102,824 796.0%
29/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(1)売上高
前期比1,383億23百万円増収の8,688億67百万円となりました。内視鏡事業、治療機器事業、科学事業、その他事業
の全ての事業で増収となりました。詳細は次ページのセグメント別の動向に関する分析に記載しています。
(2)売上原価
前期比261億58百万円増加の2,971億72百万円となりました。売上原価率は、34.2%と前期比2.8ポイント改善しま
した。
前期においては、新型コロナウイルス感染症による影響で生産高が減少した結果、工場の操業度が低下するなどの
影響が生じました。また、治療機器事業および内視鏡事業で気管支鏡および胆道鏡の自主回収に伴う費用約57億円を
計上し、治療機器事業で処置具の自主回収に伴う費用約20億円を計上しました。一方、当期は、2020年3月期に計上
した十二指腸内視鏡の市場対応に係る引当金につき、当初想定よりも必要と認められる費用が減少したことから、一
部引当額の取り崩しを行ったことによる売上原価の減額約42億円、前期に計上した気管支鏡の自主回収に係る引当金
につき、当初想定よりも必要と認められる費用が減少したことから、一部引当額の取り崩しを行ったことによる売上
原価の減額約27億円を、それぞれ計上しました。さらに増収に加え操業度の改善もあり、売上原価率も改善しまし
た。
(3)販売費および一般管理費
前期比483億67百万円増加の4,053億99百万円となりました。新型コロナウイルス感染症に伴う販売活動等の制限の
緩和により、業務委託費、研究費、人件費等の費用が増加しました。
(4)持分法による投資損益/その他の収益/その他の費用
持分法による投資損益、その他の収益およびその他の費用の合算で123億98百万円の損失となり、前期比で損失が
81億15百万円減少しました。その他の収益は、2019年3月期に当社の海外子会社が行った間接税に係る自主調査に関
して追加的な負担を見込んで引当計上した税額の内、発生が見込まれなくなった約36億円や、Medi-Tate Ltd.の段階
取得に係る差益約28億円等を計上したことにより、前期比で、約59億円増加しました。一方、その他の費用は、減少
しました。当期は、科学事業における分社化に係る費用約94億円、内視鏡事業における開発資産の減損損失約16億円
をそれぞれ計上しており、また、企業変革プラン「Transform Olympus」を推進するための関連費用は約28億円増加
しましたが、前期は、社外転進支援制度の実施に伴う特別支援金等の費用約119億円や、映像事業における分社によ
る新会社の設立及び譲渡に係る費用約52億円を計上しており、前期比で、約13億円減少しました。
(5)営業利益
上記の要因により、前期比719億13百万円増益の1,538億98百万円となりました。
(6)金融損益
金融収益と金融費用を合わせた金融損益は40億25百万円の損失となり、前期比で損益は11億50百万円改善しまし
た。損益の改善は、主として支払利息が減少したことによるものです。
(7)法人所得税費用
税引前利益が増加したことにより、前期比で227億63百万円増加し、339億3百万円となりました。
(8)親会社の所有者に帰属する当期利益(継続事業及び非継続事業の合算)
上記の要因に加え、前期は非継続事業で526億81百万円の損失を計上していたこともあり、前期比で1,028億24百万
円増益となる1,157億42百万円となりました。
(研究開発支出および設備投資)
当期においては、当社グループ全体で852億72百万円の研究開発費を投じるとともに、755億3百万円の設備投資を
実施しました。
(為替影響)
為替相場は前期に対して、対米ドル、ユーロ及び人民元は円安で推移しました。期中の平均為替レートは、1米ド
ル=112.38円(前期は106.06円)、1ユーロ=130.56円(前期は123.70円)、1人民元=17.51円(前期は15.67円)とな
り、売上高では前期比で487億84百万円の増収要因、営業利益では前期比で227億91百万円の増益要因となりました。
なお、為替の影響を除くと、連結売上高は前期比12.3%の増収、連結営業利益は前期比59.9%の増益となります。
30/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
セグメント別の動向に関する分析
第1四半期連結会計期間より、呼吸器科分野の事業強化を目的として、従来「内視鏡事業」セグメントに含めて
いた気管支鏡を、「治療機器事業」セグメントに移管しています。前期のセグメント情報については、移管後の報
告セグメントに基づき組替を行い、表示しています。
売上高 営業利益又は営業損失(△)
前連結会計年度 当連結会計年度 増減率 前連結会計年度 当連結会計年度 増減率
(百万円) (百万円) (%) (百万円) (百万円) (%)
内視鏡 393,664 461,547 17.2 98,771 133,204 34.9
治療機器 231,842 275,586 18.9 30,567 60,826 99.0
科学 95,861 119,105 24.2 4,949 17,526 254.1
その他 9,177 12,629 37.6 △682 △2,024 -
小計 730,544 868,867 18.9 133,605 209,532 56.8
消去又は全社 - - - △51,620 △55,634 -
連結計 730,544 868,867 18.9 81,985 153,898 87.7
(注) 製品系列を基礎として設定された事業に、販売市場の類似性を加味してセグメント区分を行っています。
[内視鏡事業]
内視鏡事業の連結売上高は、4,615億47百万円(前期比17.2%増)、営業利益は1,332億4百万円(前期比34.9%
増)となりました。
消化器内視鏡分野では、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復により、全ての地域で前期比プラス成長とな
り、特に北米と欧州の売上が増加しました。製品別では、新製品である「EVIS X1」シリーズの販売が堅調に推移し
ていることに加えて、一世代前の上部消化管用スコープや下部消化管用スコープに対するニーズも底堅く、増収に寄
与しました。なお、全体の売上に占める「EVIS X1」シリーズの割合も徐々に上昇しています。
外科内視鏡分野では、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復により、前期比プラス成長となりました。特
に、外科内視鏡システム「VISERA ELITEⅡ」の販売が好調に推移した北米と欧州で売上が増加しました。
医療サービス分野では、保守サービスを含む既存のサービス契約の安定的な売上や、新規契約の増加に加え、新型
コロナウイルス感染症の影響からの回復により、修理件数の増加が見られており、全ての地域で前年同期比プラス成
長となりました。
内視鏡事業の営業損益は、大幅増益となりました。前期は、社外転進支援制度の実施に伴う特別支援金等の費用と
して約42億円をその他の費用に計上していた一方、今期は、開発資産の減損損失約16億円を計上したものの、新型コ
ロナウイルス感染症の影響からの回復に伴い大幅な増収となり、2020年3月期に計上した十二指腸内視鏡の市場対応
に係る引当金につき、当初想定よりも必要と認められる費用が減少したことから、一部引当額の取り崩しを行ったこ
とによる売上原価の減額約42億円も計上しました。
なお、為替の影響を除くと、売上高は前期比10.5%の増収、営業利益は前期比20.3%の増益となっています。
31/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
[治療機器事業]
治療機器事業の連結売上高は、2,755億86百万円(前期比18.9%増)、営業利益は608億26百万円(前期比99.0%
増)となりました。
消化器科(処置具)分野では、症例数が回復傾向にあり、全ての地域・製品群でプラス成長となりました。特に、
社会経済活動が正常化する中で、症例数が増加している欧州や北米で好調に推移しました。また、スクリーニング検
査における組織採取に用いられる生検鉗子等のサンプリング、膵管や胆管などの内視鏡診断・治療に使用するERCP
(内視鏡的逆行性胆道膵管造影術)用の製品群、病変の切除に使用されるESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)、EMR(内
視鏡的粘膜切除術)用の製品群で売上が増加しました。
泌尿器科分野では、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復が進んでいる、北米と欧州を中心に好調に推移
し、BPH(前立腺肥大症)用の切除用電極と尿路結石用破砕装置「SOLTIVE SuperPulsed Laser System」の拡販が奏
功しました。
呼吸器科分野では、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復が進んだ北米と欧州を中心に大幅なプラス成長と
なりました。2020年12月に子会社化したVeran Medical Technologies, Inc.が当期を通じて売上に貢献したほか、
EBUS-TBNA(超音波気管支鏡ガイド下針生検)で主に使われる処置具や気管支鏡等も好調に推移しました。
その他の治療領域では、耳鼻科、エネルギーデバイスで売上が好調に推移しました。特に、耳鼻咽喉科向け内視鏡
や「THUNDERBEAT」の売上が寄与しました。
治療機器事業の営業損益は、大幅増益となりました。前期において、気管支鏡の自主回収に伴う費用を約55億円、
処置具の自主回収に伴う費用約20億円、社外転進支援制度の実施に伴う特別支援金等の費用として約14億円を計上し
ていた一方、当期は、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復に伴い大幅な増収となり、Medi-Tate Ltd.の段階
取得に係る差益約28億円や、前期に計上した気管支鏡の自主回収に係る引当金につき、当初想定よりも必要と認めら
れる費用が減少したことから、一部引当額の取り崩しを行ったことによる売上原価の減額約27億円、Veran Medical
Technologies, Inc.の買収対価の一部である条件付対価の公正価値の変動に伴う利益約12億円も計上しました。
なお、為替の影響を除くと、売上高は前期比12.3%の増収、営業利益は前期比80.7%の増益となっています。
[科学事業]
科学事業の連結売上高は、1,191億5百万円(前期比24.2%増)、営業利益は175億26百万円(前期比254.1%増)
となりました。
ライフサイエンス分野では、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復により、前期比プラス成長となりまし
た。研究所、大学での予算執行が進んだことに加え、販売活動の制限緩和により、市場環境の回復が顕著なアジアパ
シフィックや北米で生物顕微鏡の拡販等が寄与しました。
産業分野では、全体的な市況回復に伴い、顧客の設備投資状況に改善が見られ、全ての分野で前期比プラス成長と
なりました。特に、北米において、市場環境に回復が見られる非破壊検査機器が好調に推移したほか、中国におい
て、5G関連の電子部品や半導体市場が活況であることから工業用顕微鏡が好調に推移し、売上増加に寄与しました。
科学事業の営業損益は、前期に社外転進支援制度の実施に伴う特別支援金等の費用として約12億円を計上した一
方、当期における新型コロナウイルス感染症の影響からの回復に伴う大幅な増収により、大幅増益となりました。
なお、為替の影響を除くと、売上高は前期比17.3%の増収、営業利益は前期比196.5%の増益となっています。
[その他事業]
その他事業では、人工骨補填材等の生体材料、整形外科用器具などの開発・製造・販売等を行っているほか、新規
事業に関する研究開発や探索活動に取り組んでいます。
その他事業の連結売上高は、126億29百万円(前期比37.6%増)、営業損失は20億24百万円(前期は6億82百万円
の営業損失)となりました。
2020年11月に子会社化したFH ORTHO SASの売上約44億円が寄与し、大幅増収となりました。その他事業の営業損益
は、増収だったものの、前期に当社子会社であったオリンパスRMS株式会社の全株式を譲渡したことに伴う譲渡益17
億70百万円を計上していたこともあり、悪化しました。
32/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
② 財政状態の状況
増 減
前連結会計年度末 当連結会計年度末 増減率
(百万円) (百万円) (%)
(百万円)
資産合計 1,183,453 1,357,999 174,546 14.7
資本合計 395,480 511,362 115,882 29.3
親会社所有者帰属
33.3% 37.6% 4.3%
持分比率
当連結会計年度において、2020年12月に買収したVeran Medical Technologies, Inc.及び2021年2月に買収した
Quest Photonic Devices B.V.の取得資産と引受負債の公正価値を修正したことにより、前連結会計年度末の連結財
政状態計算書を遡及修正しています。遡及修正の内容については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 40. 企
業結合 (暫定的な金額の修正)」に記載しています。
[資産]
当連結会計年度末は、資産合計が円安の影響もあり、前連結会計年度末から1,745億46百万円増加し、1兆3,579億
99百万円となりました。これは為替変動の影響分も含めて、現金及び現金同等物が850億94百万円増加したこと、営
業債権及びその他の債権が205億8百万円増加したこと、及び子会社を取得した影響によりのれん及び無形資産がそ
れぞれ371億14百万円及び155億51百万円増加したことが主な要因となります。
[負債]
負債合計は円安の影響もあり、前連結会計年度末から586億64百万円増加し、8,466億37百万円となりました。これ
は為替変動の影響分も含めて、外貨建て社債の発行による資金調達を主因に流動負債及び非流動負債に含まれる社債
及び借入金が308億63百万円増加したこと、及び未払法人税が236億17百万円増加したことが主な要因となります。
[資本]
資本合計は、前連結会計年度末から1,158億82百万円増加し、5,113億62百万円となりました。剰余金の配当及び自
己株式の取得を行った一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益1,157億42百万円を計上したこと等により、利益
剰余金が268億14百万円増加したことに加え、円安の影響による為替換算調整勘定の変動により、その他の資本の構
成要素が361億65百万円増加したことが主な要因となります。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前期末の33.3%から37.6%となりました。
33/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
③ キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度 当連結会計年度 増減
(百万円) (百万円) (百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー 124,122 169,729 45,607
投資活動によるキャッシュ・フロー △118,918 △71,016 47,902
財務活動によるキャッシュ・フロー 40,800 △40,667 △81,467
現金及び現金同等物期末残高 217,478 302,572 85,094
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において営業活動により増加した資金は、1,697億29百万円(前連結会計年度は1,241億22百万円の
増加)となりました。税引前利益1,498億73百万円及び減価償却費及び償却費の調整646億15百万円が主な要因になり
ます。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において投資活動により減少した資金は710億16百万円(前連結会計年度は1,189億18百万円の減
少)となりました。主な要因は、デモ機等の有形固定資産の取得による支出416億88百万円、Medi-Tate Ltd.の取得
による支出218億37百万円及び開発資産等の無形資産の取得による支出200億83百万円となります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において財務活動により減少した資金は、406億67百万円(前連結会計年度は408億円の増加)とな
りました。主な減少要因は、自己株式の取得による支出300億1百万円(単元未満株式の買い取り含む)、配当金の
支払154億28百万円、長期借入金の返済による支出262億46百万円及び短期借入金及びコマーシャルペーパーの減少54
億54百万円等となります。一方で、増加要因としては外貨建て社債の発行に伴う収入561億43百万円となります。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末から850億94百万円増加
し、3,025億72百万円となりました。
34/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
セグメントの名称 生産高(百万円) 前期比(%)
内視鏡 354,993 3.1
治療機器 211,718 8.1
科学 113,297 20.6
その他 2,657 82.9
計 682,665 7.4
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 当連結会計年度より、呼吸器科分野の事業強化を目的として、従来「内視鏡事業」セグメントに含めていた
気管支鏡を、「治療機器事業」セグメントに移管しています。そのため、前連結会計年度のセグメント情報
については、移管後の報告セグメントに基づき組替を行いました。下記④販売実績も同様です。
② 仕入実績
セグメントの名称 仕入高(百万円) 前期比(%)
内視鏡 - -
治療機器 - -
科学 - -
その他 1,463 △16.8
計 1,463 △16.8
③ 受注実績
当社グループの製品は見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しています。
④ 販売実績
セグメントの名称 販売高(百万円) 前期比(%)
内視鏡 461,547 17.2%
治療機器 275,586 18.9%
科学 119,105 24.2%
その他 12,629 37.6%
計 868,867 18.9%
(注) セグメント間の取引については相殺消去しています。
35/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(3)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度時点において判断したものです。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
当社グループは、2019年11月に発表した中長期の経営戦略において、目標とする業績指標を営業利益率で定め
ており、2023年3月期に営業利益率を20%超に改善することを目指しています。
当連結会計年度における営業利益率は、販管費の効率化を進めたものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡
大の影響により、17.7%(前期比6.5ポイント改善)となりました。
目標とする業績指標の達成に向けて、内視鏡事業では消化器内視鏡システム「EVIS X1」の拡販を進めるとと
もに、治療機器事業では消化器科処置具、泌尿器科、呼吸器科処置具の3領域に注力し、売上の成長と費用の効
率向上を図るとともに、引き続き、財務の健全性を考慮しつつ、収益性と資産効率性の向上に向け、事業活動を
推進していきます。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
(i) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)業績等の概要 ③キャッ
シュ・フローの状況」に記載のとおり、当社グループは、当連結会計年度において、子会社株式の取得や自己株
式の取得による支出があった一方で、営業活動からのキャッシュ・インフローが堅調であったことに加え、外貨
建て社債の発行による資金調達を行いましたので、当連結会計年度末時点で約3,000億円(前連結会計年度末よ
り約850億円増加)の手元資金を保有しています。この手元資金規模は、安定した事業運営および財務基盤の確
保に十分な水準であると認識しています。
(ⅱ) 財務政策
当社グループは、財務健全性の維持と、適正な財務レバレッジのコントロールによる資本効率向上の両立を、
財務政策の基本方針としています。この基本方針のもと、D/Eレシオや有利子負債/EBITDA倍率等の財務規律に照
らし、財務健全性を維持する財務政策を行っています。加えて、国内および海外の資本市場での公募社債の発行
等、資金調達基盤の多様化、拡充を進めており、調達コストの低減に取り組んでいます。
当社は、格付投資情報センター、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン、およびムーディーズ・ジャパン
より信用格付けを取得しており、2022年3月31日現在における状況は、次のとおりです。
格付投資情報センター:A(長期、見通し安定的)、a-1(短期)
S&Pグローバル・レーティング・ジャパン:BBB+(長期、見通し安定的)
ムーディーズ・ジャパン:Baa2(長期、見通し安定的)
(ⅲ) 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループの製品を製造するための材料および部品の購入
のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは、人件費および広
告・販売促進費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は、様々な営業費用の一部として計上
されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。また、当社グ
ループの投資資金需要のうち主なものは、主力の製造拠点である国内工場および欧米を中心とした製造、修理拠
点の拡充など、生産効率向上のための設備投資です。加えて、当連結会計年度においては、Medi-Tate Ltd. の
買収を行い、戦略投資の資金需要も生じました。将来の成長に向けた戦略的な投資への資金需要に対しても、財
務健全性の維持と資本効率性の向上を両立させながら、引き続き積極的に対応してまいります。
36/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(ⅳ) 資金調達
当社グループの運転資金および設備投資資金は、内部資金により充当していますが、必要に応じて金融機関か
らの借入や社債の発行により資金を調達しています。これらの借入金および社債については、営業活動から得ら
れるキャッシュ・フローによって十分に完済できると考えており、今後も成長に必要となる資金の調達に問題は
ないものと考えています。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持していることに加えて、
(ⅱ) 財務政策に記載の通り、格付投資情報センターの信用格付けはA格、S&Pグローバル・レーティング・ジャ
パンはBBB+及びムーディーズ・ジャパンはBaa2となっていることから、安定的かつ低コストで適時滞りなく資
金を調達することが出来ると考えています。さらに、主要通貨(米ドル・ユーロ・円)によるグローバルコミッ
トメントラインを設定しており、機動的かつ円滑な資金調達が可能な体制を構築しています。
当連結会計年度においては、手元流動性の確保及び資金調達手段の多様化を目的とし、2021年12月に外貨建て
社債の発行による500百万米ドルの資金調達を行いました。安定した財務基盤の維持と、適正な財務レバレッジ
のコントロールによる資本効率向上の両立を意識しながら、今後も資金需要に応じて、借入や社債の発行による
調達を検討していきます。
(ⅴ) 資金配分
(ⅳ) 資金調達に記載したとおり、機動的な資金調達体制により、当社グループは、成長投資や株主還元に必
要な手元資金も十分に確保出来ています。当社グループの持続的な成長を実現させるため、手元資金は、成長ド
ライバーへの投資に優先的に配分していく方針であり、収益性の高い既存事業への投資や成長機会への戦略的な
投資を実施していきます。また、事業成長等への投資を優先しつつ、株主価値を考慮した積極的な株主還元も実
施していきます。配当については、安定的かつ継続的に増配する方針で、自己株式の取得については、投資機会
と資金状況に応じて機動的に実施する方針です。
③ 重要な会計方針および見積り
当社グループは、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と
思われる見積りにつきましては、合理的な基準に基づいて実施しています。重要な会計方針及び見積りの詳細に
つきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計
上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。
37/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
4【経営上の重要な契約等】
(1)提携契約
契約会社名 相手先 国名 契約内容 契約期間
2001年4月25日よ
医療機器分野における開発・
オリンパス㈱ テルモ㈱ 日本 り1年、但し毎年
販売の提携
自動延長
2012年9月28日以
医療事業における合弁会社の
オリンパス㈱ ソニー㈱ 日本 降、期間の定めな
設立
し
(2)Medi-Tate Ltd.の取得
当社は、2021年5月27日付でMedi-Tate Ltd.の発行済株式の全てを、当社の連結子会社であるOlympus Winter &
Ibe GmbHを通じて取得しました。詳細は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 40.企業結合 (Medi-Tate
Ltd.の取得)」に記載のとおりです。
(3)オリンパスシステムズ株式会社の譲渡
当社は、当社の連結子会社であるオリンパスシステムズ株式会社の全株式をアクセンチュア株式会社へ譲渡する
契約を2021年5月28日付で締結し、2021年8月31日をもって譲渡手続きを完了しました。この結果、当社は同日付
でオリンパスシステムズ株式会社に対する支配を喪失しました。詳細は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注
記 34.キャッシュ・フロー情報 (5)支配の喪失 (オリンパスシステムズ株式会社の譲渡)」に記載のとお
りです。
(4)科学事業の分社化
当社は、2022年4月1日を効力発生日として、新たに設立した完全子会社である株式会社エビデントに対して、
吸収分割により当社の科学事業を承継させることを2021年12月17日付で決定しました。詳細は、「第5 経理の状
況 連結財務諸表注記 44.後発事象 (科学事業の分社化)」に記載のとおりです。
(5)完全子会社の吸収合併契約
当社は、2022年4月1日を効力発生日として、当社の連結子会社であるオリンパスロジテックス株式会社を吸収
合併することを2021年12月17日付で決定しました。詳細は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 44.後発事
象 (完全子会社の吸収合併契約)」に記載のとおりです。
(6)重要な資産の譲渡
当社は、経営資源最適化の観点から保有資産の見直しを行い、当社の保有する固定資産(土地)を譲渡する契約
を2022年3月30日付で締結し、2022年4月27日をもって譲渡手続きを完了しました。詳細は、「第5 経理の状
況 連結財務諸表注記 44.後発事象 (重要な資産の譲渡)」に記載のとおりです。
38/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
5【研究開発活動】
当社グループは、経営理念の「私たちの存在意義」を「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」とし、持続
的発展の実現を目指して、研究開発活動を行っています。
2019年に当社グループは、真のグローバル・メドテックカンパニーとして持続的な成長を実現するための新たな経
営戦略、企業変革プラン「Transform Olympus」を発表しました。当社グループは、消化器科、泌尿器科および呼吸
器科の領域に強みがあり、本経営戦略に基づき、これらの領域に投資・リソースを集中させ、収益性の高い持続的な
成長の実現や、患者さんのアウトカムの改善を目指しています。さらに、今後のさらなる成長に向けて、シングル
ユース内視鏡や、AI・ロボティクス等のデジタルツールや技術を活用したソリューションの開発を進めています。
当社グループは研究開発プロセスの革新に取り組んでおり、フロントローディング型研究開発の推進とアライアンス
やオープンイノベーションによる必要技術の獲得により、開発スピードを向上させます。また、各研究開発テーマの
費用を、収益性を考慮しながら最適化するとともに、プロジェクトの見極めも含めて優先順位付けをし、支出を適切
にコントロールすることにより研究開発の効率性も改善していきます。
2021年4月には、開発初期段階でのコンカレント・エンジニアリングを各プロジェクトで確実に行えるよう、技術
ごとに組織を分けるなど新しい研究開発組織に移行しました。これにより、製品開発のプロジェクトチームに必要な
人材を集める体制とし、多様なエンジニアが開発前の初期段階から集まり、各方面の要件定義、設計検証を行うこと
で各種の要求に応えることが可能になりました。また、製品開発の責任を各プロジェクトのプロジェクトリーダーと
し、プロジェクトに参加する各エンジニアの能力開発、育成の責任を各エンジニア部門のマネージャーとすること
で、従来以上に開発者の育成、専門技術の追求を目指しています。
当連結会計年度の研究開発支出は、前期比4.3%増の 853 億円であり、売上高に対する比率は前期から1.4ポイント
減少し9.8%となりました。
○ 内視鏡事業
内視鏡ビデオスコープシステムや外科手術用内視鏡システムなど、病気の早期発見と患者様の負担の少ない低侵
襲治療に貢献する医療機器の研究開発を主に行っています。
当期の主な成果としては、AIサポートを備えたクリニック向けのクラウド型の内視鏡画像・レポート管理ソフト
ウェア「Vivoly+」のサブスクリプションサービスなどを開発しました。また、次世代外科内視鏡システムやシン
グルユース十二指腸内視鏡などの発売に向けて、開発を進めています。
当事業領域に係わる研究開発支出は、前期比9.3%増の 393 億円です。
○ 治療機器事業
消化器科内視鏡処置具、呼吸器科および泌尿器科治療機器など、患者様の負担の少ない低侵襲治療に貢献する医
療機器の研究開発を主に行っています。
当期の主な成果としては、腹腔鏡手術や開腹手術で血管やリンパ管の封止や組織の剥離、把持などに使われるア
ドバンスドバイポーラデバイス「POWERSEAL Curved Jaw Sealer and Divider, Double Action」や、ニーズに応じ
た切開・凝固性能の簡単な調整を可能とし、消化管における早期がんやポリープなどの内視鏡的治療に対応する高
周波焼灼電源装置「ESG-150」を開発しました。また、シングルユース尿管鏡やシングルユース胆道鏡、シングル
ユース気管支鏡などの発売に向けて、開発を進めています。
当事業領域に係わる研究開発支出は、前期比12.0%増の 207 億円です。
〇 科学事業
医学・生命科学の研究を支援する生物顕微鏡や、非破壊検査領域で社会インフラの安心と安全を支える工業用顕
微鏡、工業用内視鏡、超音波探傷器などの研究開発を主に行っています。
当期の主な成果としては、医学研究の細胞観察や製造現場での品質管理に貢献する高解像度・忠実な色再現を実
現した、顕微鏡用デジタルカメラDP23/DP28や、ライフサイエンス研究の効率向上に貢献するクラウドサービスを
開発しました。また、顕微鏡用画像解析ソフトウェア「OLYMPUS Stream」に、半導体・電子部品など検査業務の効
率を飛躍的に向上させるディープラーニングオプション「TruAI」を追加しました。
なお、2022年4月1日には、科学事業の持続的な成長と収益性の向上に向けて、新たに設立した完全子会社であ
る株式会社エビデントに当社の科学事業を承継させる会社分割を実施しました。
当事業領域に係わる研究開発支出は、前期比12.5%増の 101 億円です。
〇 その他事業及び全社共通
医療分野を主とした当社の主力事業のさらなる発展を目指し、様々な分野における研究開発を行っています。
当期の主な成果としては、早期診断・観察機能向上を実現する光学技術やAIを含む画像処理技術、低侵襲治療を
実現するためのデバイス技術やロボティクスを含む精密制御技術の開発、および内視鏡や治療器をはじめとした医
療分野新製品の高機能化、低コストを実現するシミュレーション技術開発や材料技術開発、高精度レンズ量産化の
加工技術開発や、自動化ラインに繋がる設備開発などの生産技術に関する取り組みなどです。
39/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
当事業領域に係わる研究開発支出は、前期比17.5%減の 152 億円です。
40/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
第3【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
当連結会計年度における設備投資は、当社を中心に新製品開発、生産合理化、販売体制の強化及び老朽設備の更新
を主な目的として実施しており、当社グループ全体で 755 億円となりました。
報告セグメントごとの状況は、以下のとおりです。
内視鏡事業
当連結会計年度の内視鏡事業の設備投資は、 404 億円となりました。国内では、研究開発資産の投資、販売促進を
目的とした投資及び次世代内視鏡システムの生産設備に対する投資が中心となっています。海外においては、販売促
進を目的とした投資、研究開発資産の投資に加え、米州及び欧州における修理拠点の再開発に係る投資を実施しまし
た。
治療機器事業
当連結会計年度の治療機器事業の設備投資は、 163 億円となりました。国内では、研究開発資産の投資、処置具製
品のラインアップ強化及び増産に対応するための機械装置等の増強に対する投資が中心となっています。海外におい
ては、販売促進を目的とした投資及び研究開発資産の投資を実施しました。
科学事業
当連結会計年度の科学事業の設備投資は、 96 億円となりました。国内では、研究開発資産の投資及び生産設備が中
心となっています。海外においては、販売促進を目的とした投資及び米国における研究開発資産の投資を実施しまし
た。
その他事業
当連結会計年度のその他事業の設備投資は、 10 億円となりました。主に整形外科事業に関する設備投資が中心と
なっています。
(注)1 セグメントに配賦することが不可能な当社のコーポレート部門(管理部門等)及び技術開発部門の設備投資
額については、セグメント別の説明から除いています。
2 設備投資額には、有形固定資産の他、無形資産への投資額を含んでいます。
41/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
2【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
(2022年3月31日現在)
設備の種類別の帳簿価額(百万円)
事業所 セグメン 従業員数
設備の内容
土地
建物及び 機械装置 リース資産
(所在地) トの名称 (人)
その他 合計
構築物 及び運搬具
(面積千㎡) (有形)
長野事業場 辰野 科学 1,365
製造設備 1,632 586 ― 426 4,009 358
(長野県上伊那郡辰野町) その他 (127)
長野事業場 伊那 内視鏡 67
製造設備 686 3 ― 10 766 2
科学
(長野県伊那市) (32)
内視鏡
技術開発センター石川 治療機器 試験研究用設備 93
7,950 910 138 1,696 10,787 1,166
(東京都八王子市) 科学 及びその他備品 (49)
その他
内視鏡
技術開発センター宇津木 試験研究用設備 4,231
治療機器 3,223 95 4 508 8,061 351
(東京都八王子市) 及びその他備品
(41)
その他
技術開発センター高倉 試験研究用設備
科学 264 18 ― ― 285 567 291
(東京都八王子市) 及びその他備品
内視鏡
幡ヶ谷 旧本社 4,963
2 ― ― ― 4,965 ―
治療機器
(東京都渋谷区) (11)
事務所設備及び
科学
その他備品
本社事務所
本社管理
226 ― ― 5 138 369 830
(東京都新宿区)
その他
内視鏡
東京事業場 笹塚 事務所設備及び
治療機器 74 ― ― 14 14 102 94
(東京都渋谷区) その他備品
その他
内視鏡
東京備品センター 治療機器
販売促進用備品 32 ― ― ― 443 475 10
(神奈川県相模原市南区) 科学
その他
白河事業場 事務所設備及び
内視鏡 4,373 71 ― ― 1,327 5,771 285
(福島県西白河郡西郷村) その他備品
内視鏡
支店 治療機器 事務所設備及び
大阪支店 他14ヶ所 66 ― ― ― 18 84 61
営業所 科学 その他備品
その他
長野オリンパス㈱
科学 製造設備 442 1,108 ― ― 532 2,082 ―
(長野県上伊那郡辰野町)
会津オリンパス㈱
内視鏡 製造設備 3,916 34 ― ― 4 3,954 ―
(福島県会津若松市)
青森オリンパス㈱ 184
治療機器 製造設備 2,595 ― ― ― 2,779 ―
(青森県黒石市) (31)
貸与設備
白河オリンパス㈱
内視鏡 製造設備 72 58 ― ― 178 308 ―
(福島県西白河郡西郷村)
オリンパスメディカルシス
内視鏡
テムズ㈱ 製造設備 400 ― ― ― ― 400 ―
治療機器
(東京都西多摩郡日の出町)
260
その他 ― ― 949 682 ― 29 1,920 ―
(7)
3,103
厚生施設(独身寮・社宅) ― ― 752 ― ― 5 3,860 ―
(22)
6
その他 ― ― 181 52 177 6,321 6,737 30
(26)
14,272
合計 27,835 3,617 338 11,934 57,996 3,478
(346)
(注)1 帳簿価額は、日本基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しています。
2 上記のうちには建設仮勘定及びソフトウエア仮勘定は含んでいません。
3 その他は工具、器具及び備品並びに無形資産です。
4 IFRSとの主要な差異として研究開発資産7,328百万円、使用権資産(土地、建物及び構築物)5,811百万円が
あります。
5 連結会社以外からの主要な賃借設備の内容は、下記のとおりです。
42/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(賃借契約) (2022年3月31日現在)
事業所 面積 年間賃借料
セグメントの名称 設備の内容
(所在地) (千㎡) (百万円)
内視鏡
治療機器
本社事務所
科学 本社事務所用建物 14 1,022
(東京都新宿区)
その他
本社管理
(2022年3月31日現在)
(リース契約)
リース 年間 リース
事業所 セグメント
設備の内容 リース期間 契約額 リース料 契約残高
(所在地) の名称
(百万円) (百万円) (百万円)
2022年3月から
技術開発センター 石川 ネットワーク機
その他 80 1 79
(東京都八王子市) 器
2027年5月
43/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(2) 主要な国内子会社
(2022年3月31日現在)
設備の種類別の帳簿価額(百万円)
事業所名 従業員数
セグメント
リース
会社名 設備の内容
の名称 建物及び 機械装置 土地 (人)
(所在地)
資産 その他 合計
構築物 及び運搬具 (面積千㎡)
(有形)
オリンパス
日の出事業場 内視鏡 1,440
メディカル
製造設備 200 720 4 185 2,549 255
治療機器
システムズ (東京都西多摩郡日の出町) (10)
㈱
試験研究用
技術開発センター石川
内視鏡
設備及びそ 0 612 ― 18 3,068 3,698 2,145
(東京都八王子市)
治療機器
の他備品
試験研究用
技術開発センター宇津木 内視鏡
設備及びそ 5 242 ― 8 323 578 123
(東京都八王子市)
治療機器
の他備品
東京事業場 笹塚
内視鏡
その他備品 ― 2 ― ― 127 129 75
(東京都渋谷区)
治療機器
長野オリン
パス㈱
科学 製造設備 22 240 ― ― 177 439 ―
(長野県上伊
那郡辰野町)
会津オリン
パス㈱ 1,232
内視鏡 製造設備 1,370 2,809 ― 905 6,316 ―
(福島県会津 (76)
若松市)
貸与設備
青森オリン
パス㈱ 420
治療機器 製造設備 556 1,086 ― 164 2,226 ―
(青森県黒石 (40)
市)
白河オリン
パス㈱ 868
内視鏡 製造設備 236 1,162 ― 817 3,083 ―
(福島県西白 (75)
河郡西郷村)
171
厚生施設(独身寮・社宅) ― ― 71 ― ― ― 242 ―
(3)
その他
― ― ― 747 ― 19 1,040 1,806 79
4,131
合計 2,460 7,620 49 6,806 21,066 2,677
(204)
(注)1 帳簿価額は、日本基準に基づく金額を記載しています。
2 上記のうちには建設仮勘定及びソフトウエア仮勘定は含んでいません。
3 その他は工具、器具及び備品並びに無形資産です。
4 IFRSとの主要な差異として研究開発資産34,664百万円があります。
5 連結会社以外からの主要な賃借設備の内容は、下記のとおりです。
(賃借契約) (2022年3月31日現在)
事業所 面積 年間賃借料
セグメントの名称 設備の内容
(所在地) (千㎡) (百万円)
内視鏡
東京備品センター 治療機器
倉庫 32 573
(神奈川県相模原市南区) 科学
その他
44/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(3) 主要な在外子会社
(2022年3月31日現在)
設備の種類別の帳簿価額(百万円)
会社名 セグメン 従業員数
設備の内容
トの名称 建物及び 機械装置 土地
(所在地) (人)
その他 合計
構築物 及び運搬具
(面積千㎡)
事務所建物
Olympus Corporation
Pennsylvania, 販売促進用
本社管理 11,941 1,893 ― 1,799 15,633 804
of the Americas 備品及びそ
U.S.A.
の他設備
内視鏡
717
Pennsylvania,
Olympus America Inc.
治療機器 事業用資産 5,049 234 30,335 36,335 1,433
U.S.A.
(219)
科学
Olympus Scientific
販売促進用
256
Massachusetts,
Solutions Americas
科学 備品及びそ 5,576 1,068 4,029 10,929 1,051
U.S.A.
(33)
の他設備
Corp.
製造設備、
113
Massachusetts, 販売促進用
Gyrus ACMI, Inc.
治療機器 6,255 1,403 14,667 22,438 1,514
備品及びそ
U.S.A.
(43)
の他設備
Veran Medical
Missouri,
治療機器 無形資産 231 13 ― 19,721 19,965 56
U.S.A.
Technologies
Dong Nai
Olympus Vietnam
治療機器 事務所建物
Province, 2,416 862 ― 225 3,503 1,725
その他 製造設備
Co.,Ltd.
Vietnam
Olympus (Beijing)
内視鏡 販売促進用
Beijing,
Sales & Service
治療機器 備品及びそ 4,227 28 ― 15,871 20,126 1,667
China
科学 の他設備
Co.,Ltd
製造設備、
KeyMed(Medical &
171
Essex, 内視鏡 販売促進用
4,236 124 4,566 9,097 1,055
Industrial
U.K. 科学 備品及びそ
(55)
Equipment)Ltd.
の他設備
事務所建物
内視鏡
Olympus Europa SE &
Hamburg, 販売促進用
治療機器
20,051 40 ― 5,121 25,212 887
Co. KG Germany 備品及びそ
科学
の他設備
Olympus Winter & Ibe
1,809
Hamburg, 内視鏡 事務所建物
Properties GmbH &
10,229 ― ― 12,038 ―
Germany 治療機器 土地
(34)
Co. KG
Olympus Winter & Ibe
Hamburg, 内視鏡 事務所建物
2,097 2,127 ― 1,573 5,797 1,348
治療機器 製造設備
Germany
GmbH
Or-Akiva,
Medi-Tate Ltd.
治療機器 無形資産
15 7 ― 9,334 9,356 12
Israel
(注)1 帳簿価額はIFRSに基づく金額を記載しています。
2 上記のうちには建設仮勘定及びソフトウエア仮勘定は含んでいません。
3 その他は工具、器具及び備品並びに無形資産です。
45/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
3【設備の新設、除却等の計画】
当グループの2022年3月末現在で計画している当連結会計年度後1年間の設備投資計画(新設・拡充)は以下のとおり
です。
(1) 重要な設備の新設等
資金調達
会社名又は事業所名 投資予定額総額 既支払額
完成後における生
会社区分 セグメントの名称 設備の内容
産能力
(所在地) (百万円) (百万円)
方法
現在の生産能力
土地
820 ―
と同程度となる
機械装置
204 ―
長野事業場 辰野
見込みです。
その他 自己資金
(長野県上伊那郡辰野町)
その他
31 ―
合計
1,055 ―
建物及び附属設備
5,244 70
試験研究用設備
551 ―
内視鏡
技術開発センター石川
治療機器 ソフトウェア 自己資金
1,960 614
(東京都八王子市)
その他
その他
910 1
合計
8,665 685
ソフトウェア
1,349 ―
内視鏡
技術開発センター宇津木
その他
治療機器 自己資金
176 13
(東京都八王子市)
その他
合計
1,525 13
内視鏡
ソフトウェア
3,156 359
本社事務所
治療機器
その他
自己資金
1 ―
本社管理
(東京都新宿区)
その他 合計
3,157 359
内視鏡
ソフトウェア
2,061 821
東京事業場 笹塚
提出会社 治療機器
その他
自己資金
13 ―
本社管理
(東京都渋谷区)
その他 合計
2,074 821
建物及び附属設備
287 ―
工具
216 ―
内視鏡 自己資金
貸与資産 会津オリンパス㈱
その他
109 ―
合計
612 ―
建物及び附属設備
107 ―
機械装置
165 ―
貸与資産 その他 自己資金
―
工具
562 ―
その他
170 ―
合計
1,004 ―
建物及び附属設備
140 ―
機械装置
157 ―
その他 自己資金
―
その他
370 140
合計
667 140
合計
18,759 2,018
ソフトウェア
211 ―
販売促進用備品
9,628 ―
オリンパスマーケティング㈱
内視鏡
国内子会社 自己資金
治療機器
(東京都新宿区)
その他
167 ―
合計
10,006 ―
機械装置
1,549 70
オリンパスメディカルシステ
試験研究用設備
2,238 ―
内視鏡
国内子会社 ムズ㈱ 自己資金
治療機器
その他
254 ―
(東京都八王子市)
合計
4,041 70
建物及び付属設備
1,573 ―
機械装置
2,255 ―
工具
438 ―
㈱エビデント
ソフトウェア
国内子会社 科学 自己資金
2,312 ―
(東京都新宿区)
販売促進用備品
2,185 ―
その他
1,169 ―
合計
9,932 ―
(注)1 日本基準に基づく金額を記載しています。
2 IFRSとの主要な差異として研究開発資産4,150百万円があります。
資金調達
会社名又は事業所名 投資予定額総額 既支払額
完成後における生
会社区分 セグメントの名称 設備の内容
産能力
(所在地) (百万円) (百万円)
方法
現在の生産能力
建物及び附属設備
2,012 1,619
と同程度となる
機械装置
199 1,429
見込みです。
ソフトウェア
570 106
46/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
資金調達
会社名又は事業所名 投資予定額総額 既支払額
完成後における生
会社区分 セグメントの名称 設備の内容
産能力
(所在地) (百万円) (百万円)
方法
在外子会社 内視鏡 自己資金
販売促進用備品
9,994 8
Olympus Corporation of the 治療機器
その他
Americas,
Olympus America Inc.他
(米州)
研究開発資産
2,750 ―
その他
579 20
合計
16,104 3,182
建物及び附属設備
1,652 5,670
機械装置
1,530 973
工具
332 189
Olympus Europa SE & Co.
KG, 内視鏡
ソフトウェア
240 36
Olympus Winter & Ibe GmbH 治療機器 自己資金
販売促進用備品
5,281 55
その他
他
(欧州・中東)
研究開発資産
2,538 ―
その他
666 215
合計
12,239 7,138
建物及び附属設備
711 ―
ソフトウェア
114 ―
Olympus (Beijing) Sales &
内視鏡
Service Co.,Ltd. 治療機器 販売促進用備品 自己資金
4,969 ―
その他
(Beijing, China)
その他
532 77
合計
6,326 77
(2) 重要な設備の除却等
重要なものはありません。
47/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
第4【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
種類 発行可能株式総数(株)
普通株式 4,000,000,000
計 4,000,000,000
②【発行済株式】
事業年度末現在発行数(株) 提出日現在発行数(株) 上場金融商品取引所名又は登
種類 内容
(2022年3月31日) (2022年6月21日) 録認可金融商品取引業協会名
東京証券取引所
単元株式数
1,299,294,333 1,285,892,000
普通株式 市場第一部(事業年度末現在)
100株
プライム市場(提出日現在)
1,299,294,333 1,285,892,000
計 ― ―
(注)2022年5月11日開催の取締役会決議により、2022年6月8日付で自己株式13,402,333株を消却しました。
(2)【新株予約権等の状況】
①【ストックオプション制度の内容】
第1回新株予約権 第2回新株予約権
決議年月日 2013年8月8日 2014年6月26日
当社取締役5名 当社取締役5名
付与対象者の区分および人数
当社執行役員20名 当社執行役員20名
新株予約権の数※ 199個[191個] 259個[226個]
新株予約権の目的となる株式の種類、内 普通株式 普通株式
容および数※ 79,600株[76,400株](注2) 103,600株[90,400株](注2)
新株予約権の行使時の払込金額※ 1円(注3) 1円(注3)
自 2013年8月27日 自 2014年7月12日
新株予約権の行使期間※
至 2043年8月26日 至 2044年7月11日
新株予約権の行使により株式を発行する
発行価格 735円 発行価格 907円
場合の株式の発行価格および資本組入
資本組入額 368円 資本組入額 454円
額※
①新株予約権者は、当社の取締役、執行役および執行役員のいずれの地位を
も喪失した日の翌日の1年後から10年間に限って新株予約権を行使するこ
とができます。
新株予約権の行使の条件※ ②新株予約権者が死亡した場合は、相続人がこれを行使することができるも
のとします。
③新株予約権者は、新株予約権の全部または一部の行使ができるものとしま
す。
新株予約権の譲渡に関する事項※ 新株予約権を譲渡により取得する場合は、当社取締役会の承認を要する。
組織再編成行為に伴う新株予約権の交付
(注4)
に関する事項※
48/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
第3回新株予約権 第4回新株予約権
決議年月日 2015年6月26日 2016年6月28日
当社取締役5名 当社取締役5名
付与対象者の区分および人数
当社執行役員19名 当社執行役員19名
新株予約権の数※ 281個[267個] 335個[315個]
新株予約権の目的となる株式の種類、内 普通株式 普通株式
容および数※ 112,400株[106,800株](注2) 134,000株[126,000株](注2)
新株予約権の行使時の払込金額※ 1円(注3) 1円(注3)
自 2015年7月14日 自 2016年7月14日
新株予約権の行使期間※
至 2045年7月13日 至 2046年7月13日
新株予約権の行使により株式を発行する
発行価格 1,104円
発行価格 896円
場合の株式の発行価格および資本組入
資本組入額 552円
資本組入額 448円
額※
①新株予約権者は、当社の取締役、執行役および執行役員のいずれの地位を
も喪失した日の翌日の1年後から10年間に限って新株予約権を行使するこ
とができます。
新株予約権の行使の条件※ ②新株予約権者が死亡した場合は、相続人がこれを行使することができるも
のとします。
③新株予約権者は、新株予約権の全部または一部の行使ができるものとしま
す。
新株予約権の譲渡に関する事項※ 新株予約権を譲渡により取得する場合は、当社取締役会の承認を要する。
組織再編成行為に伴う新株予約権の交付
(注4)
に関する事項※
※ 当事業年度の末日(2022年3月31日)における内容を記載しています。当事業年度の末日から提出日の前月末現在
(2022年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載してお
り、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注)1 2019年2月8日開催の取締役会決議により、2019年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を
行っています。これにより「新株予約権の目的となる株式の数」および「新株予約権の行使により株式を発行
する場合の株式の発行価格および資本組入額」が調整されています。
2 新株予約権1個当たりの目的である株式の数(以下、「付与株式数」といいます。)は400株とします。な
お、新株予約権の割当日後、当社が、当社普通株式につき、株式分割、株式無償割当てまたは株式併合を行う
場合には、次の算式により付与株式数の調整を行い、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる
ものとします。
調整後付与株式数=調整前付与株式数×株式分割、株式無償割当てまたは株式併合の比率
調整後付与株式数は、株式分割または株式無償割当ての場合は、当該株式分割または株式無償割当ての基準日
の翌日以降、株式併合の場合は、その効力発生日以降、これを適用します。ただし、剰余金の額を減少して資
本金または準備金を増加する議案が当社株主総会において承認されることを条件として株式分割または株式無
償割当てが行われる場合で、当該株主総会の終結の日以前の日を株式分割または株式無償割当てのための基準
日とする場合は、調整後付与株式数は、当該株主総会の終結の日の翌日以降これを適用します。
また、当社が吸収合併もしくは新設合併を行い新株予約権が承継される場合または当社が完全子会社となる株
式交換もしくは株式移転を行い新株予約権が承継される場合には、当社は、合併比率等に応じ、必要と認める
付与株式数の調整を行うことができるものとします。
3 新株予約権を行使することにより交付を受けることができる株式1株当たりの払込金額1円に付与株式数を乗
じた金額とします。
4 当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限ります。)、吸収分割もしくは新設分割(それぞれ当社が
分割会社となる場合に限ります。)、または株式交換もしくは株式移転(それぞれ当社が完全子会社となる場
合に限ります。)(以上を総称して以下、「組織再編成行為」といいます。)をする場合において、組織再編
成行為の効力発生日(吸収合併につき吸収合併の効力発生日、新設合併につき新設合併設立会社成立の日、吸
収分割につき吸収分割の効力発生日、新設分割につき新設分割設立会社成立の日、株式交換につき株式交換の
効力発生日、および株式移転につき株式移転設立完全親会社の成立の日をいいます。)の直前において残存す
る新株予約権(以下、「残存新株予約権」といいます。)を保有する新株予約権者に対し、それぞれの場合に
49/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
つき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編成対象会社」といいま
す。)の新株予約権を交付することとします。ただし、以下の条件に沿って再編成対象会社の新株予約権を交
付 する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約または株式移転計画
において定めることを条件とします。
(1) 交付する再編成対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとします。
(2) 新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の種類
再編成対象会社の普通株式とします。
(3) 新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の数
組織再編成行為の条件等を勘案の上、(注)2に準じて決定します。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
① 交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、下記②に定める再編成後払込金額
に上記(3)に従って決定される当該各新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の数を乗じて得ら
れる金額とします。
② 再編成後払込金額は、交付される各新株予約権を行使することにより交付を受けることができる再編
成対象会社の株式1株当たり1円とします。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編成行
為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使す
ることができる期間の満了日までとします。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金および資本準備金に関する事項
①新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1
項に従い計算される資本金等増加限度額に0.5を乗じた金額とし、計算の結果1円未満の端数が生じた
ときは、その端数を切り上げるものとします。
②新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本準備金の額は、上記①記載の資本金
等増加限度額から上記①に定める増加する資本金の額を減じた額とします。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編成対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとし
ます。
(8) 新株予約権の取得条項
以下の①、②、③、④または⑤のいずれかの議案につき当社株主総会で承認された場合(株主総会決議が
不要の場合は、当社の取締役会決議がなされた場合)は、取締役会が別途定める日に、当社は無償で新株
予約権を取得することができるものとします。
① 当社が消滅会社となる合併契約承認の議案
② 当社が分割会社となる分割契約もしくは新設分割計画承認の議案
③ 当社が完全子会社となる株式交換契約もしくは株式移転計画承認の議案
④ 当社の発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当社の承認を要すること
についての定めを設ける定款の変更承認の議案
⑤ 新株予約権の目的である株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当社の承認を要するこ
とまたは当該種類の株式について当社が株主総会の決議によってその全部を取得することについての
定めを設ける定款の変更承認の議案
(9) その他の新株予約権の行使の条件
上記「新株予約権の行使の条件」に準じて決定します。
②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
50/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
発行済株式 発行済株式 資本準備金 資本準備金
資本金増減額 資本金残高
年月日 総数増減数 総数残高 増減額 残高
(百万円) (百万円)
(千株) (千株) (百万円) (百万円)
2017年8月28日(注1) 20 342,691 40 124,560 40 90,980
2018年7月26日(注2) 22 342,713 46 124,606 46 91,026
2019年4月1日(注3) 1,028,140 1,370,853 - 124,606 - 91,026
2019年7月25日(注4) 62 1,370,915 37 124,643 37 91,063
2021年6月4日(注5) △71,621 1,299,294 - 124,643 - 91,063
(注)1 譲渡制限付株式報酬の付与を目的とした新株式の有償発行によるものです。
発行価額 4,065円
資本組入額 2,032.5円
割当先 取締役(社外取締役を除く)5名、執行役員14名
2 譲渡制限付株式報酬の付与を目的とした新株式の有償発行によるものです。
発行価額 4,135円
資本組入額 2,067.5円
割当先 取締役(社外取締役を除く)5名、執行役員17名
3 株式分割(1:4)によるものです。
4 譲渡制限付株式報酬の付与を目的とした新株式の有償発行によるものです。
発行価額 1,205円
資本組入額 602.5円
割当先 執行役(取締役兼務者を含む)4名、執行役員15名
5 自己株式の消却によるものです。
6 2022年5月11日開催の取締役会決議により、2022年6月8日付で自己株式13,402,333株を消却しました。
(5)【所有者別状況】
2022年3月31日現在
株式の状況(1単元の株式数 100 株)
単元未満
株式の
政府及び
区分 外国法人等
金融商品 その他 個人
状況
地方公共 金融機関 計
取引業者 の法人 その他
(株)
個人以外 個人
団体
株主数
71 54 374 852 92 38,674 40,117
- -
(人)
所有株式数
4,955,489 214,965 308,549 6,697,558 691 814,009 12,991,261 168,233
-
(単元)
所有株式数
38.14 1.65 2.38 51.56 0.00 6.27
の割合 - 100.00 -
(%)
(注)1 自己株式26,261,612株は、「個人その他」に262,616単元、「単元未満株式の状況」に12株含まれていま
す。
2 「その他の法人」には、証券保管振替機構名義の株式が41単元含まれています。
51/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(6)【大株主の状況】
2022年3月31日現在
発行済株式(自己
株式を除く。)の
所有株式数
氏名又は名称 住所 総数に対する所有
(株)
株式数の割合
(%)
日本マスタートラスト信託銀行
243,809,100 19.15
東京都港区浜松町2丁目11番3号
㈱(信託口)
イギリス ロンドン
JP MORGAN CHASE BANK 385632
87,088,376 6.84
(東京都港区港南2丁目15番1号品川イン
(常任代理人 ㈱みずほ銀行)
ターシティA棟)
㈱日本カストディ銀行(信託
78,118,300 6.14
東京都中央区晴海1丁目8番12号
口)
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT
アメリカ ボストン
48,860,900 3.84
(常任代理人 香港上海銀行東
(東京都中央区日本橋3丁目11番1号)
京支店)
㈱SMBC信託銀行(㈱三井住友銀
39,509,300 3.10
東京都千代田区丸の内1丁目3番2号
行退職給付信託口)
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT
BRITISH VIRGIN ISLANDS/U.K.
アメリカ ボストン
38,216,084 3.00
(東京都中央区日本橋3丁目11番1号)
(常任代理人 香港上海銀行東
京支店)
30,522,344 2.40
㈱三菱UFJ銀行 東京都千代田区丸の内2丁目7番1号
THE BANK OF NEW YORK MELLON
AS DEPOSITARY BANK FOR
アメリカ ニューヨーク
23,670,841 1.86
DEPOSITARY RECEIPT HOLDERS
(東京都千代田区丸の内1丁目1番2号)
(常任代理人 ㈱三井住友銀
行)
日本生命保険(相) 21,258,572 1.67
東京都千代田区丸の内1丁目6番6号
MSCO CUSTOMER SECURITIES
アメリカ ニューヨーク
20,972,600 1.65
(東京都千代田区大手町1丁目9番7号大
(常任代理人 モルガン・スタ
手町フィナンシャルシティサウスタワー)
ンレーMUFG証券㈱)
632,026,417 49.65
計 ―――
(注)1 2018年8月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、ブラックロック・
ジャパン㈱他共同保有者5名が2018年7月31日現在で17,238,214株を保有している旨が記載されています
が、当社として2022年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況に
は含めていません。なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりです。
発行済株式総数に対する
氏名または名称 所有株式数(株)
所有株式数の割合(%)
ブラックロック・ジャパン㈱ 6,121,100 1.79
BlackRock Fund Managers Limited
382,321 0.11
BlackRock Asset Management Ireland Limited
1,302,333 0.38
BlackRock Fund Advisors
4,412,100 1.29
BlackRock Institutional Trust Company, N.A.
4,233,068 1.24
BlackRock Investment Management (UK) Limited
787,292 0.23
合計 17,238,214 5.03
52/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
2 2020年7月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、野村證券㈱他共同
保有者2名が2020年7月15日現在で79,093,014株を保有している旨が記載されていますが、当社として
2022年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めていませ
ん。なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりです。
発行済株式総数に対する
氏名または名称 所有株式数(株)
所有株式数の割合(%)
野村證券㈱ 267,614 0.02
NOMURA INTERNATIONAL PLC
122,900 0.01
野村アセットマネジメント㈱ 78,702,500 5.74
合計 79,093,014 5.77
3 2020年12月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、Capital Research
and Management Companyが2020年11月30日現在で87,462,134株を保有している旨が記載されていますが、
当社として2022年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含
めていません。なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりです。
発行済株式総数に対する
氏名または名称 所有株式数(株)
所有株式数の割合(%)
Capital Research and Management Company
87,462,134 6.38
合計 87,462,134 6.38
4 2021年6月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、三井住友信託銀行
㈱他共同保有者2名が2021年6月15日現在で82,941,600株を保有している旨が記載されていますが、当社
として2022年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めて
いません。なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりです。
発行済株式総数に対する
氏名または名称 所有株式数(株)
所有株式数の割合(%)
三井住友信託銀行㈱ 3,556,000 0.27
三井住友トラスト・アセットマネジメント㈱ 37,309,500 2.87
日興アセットマネジメント㈱ 42,076,100 3.24
合計 82,941,600 6.38
5 2021年7月9日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、Baillie Gifford & Co他共同保
有者1名が2021年6月30日現在で65,597,033株を保有している旨が記載されていますが、当社として2022
年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めていません。
なお、当該大量保有報告書の内容は次のとおりです。
発行済株式総数に対する
氏名または名称 所有株式数(株)
所有株式数の割合(%)
Baillie Gifford & Co
27,961,656 2.15
Baillie Gifford Overseas Limited
37,635,377 2.90
合計 65,597,033 5.05
6 2021年12月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、㈱三井住友銀行他
共同保有者2名が2021年11月30日現在で52,610,800株を保有している旨が記載されていますが、当社とし
て2022年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めていま
せん。なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりです。
発行済株式総数に対する
氏名または名称 所有株式数(株)
所有株式数の割合(%)
㈱三井住友銀行 45,616,000 3.51
SМBC日興証券㈱ 1,980,400 0.15
三井住友DSアセットマネジメント㈱ 5,014,400 0.39
合計 52,610,800 4.05
53/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
7 2022年4月4日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、㈱三菱UFJ銀行他共
同保有者5名が2022年3月28日現在で79,862,180株を保有している旨が記載されていますが、当社として
2022年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めていませ
ん。なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりです。
発行済株式総数に対する
氏名または名称 所有株式数(株)
所有株式数の割合(%)
㈱三菱UFJ銀行 30,522,344 2.35
三菱UFJ信託銀行㈱ 19,737,400 1.52
三菱UFJ国際投信㈱ 19,914,000 1.53
三菱UFJモルガン・スタンレー証券㈱ 2,181,936 0.17
First Sentier Investors (Hong Kong) Limited
2,961,300 0.23
First Sentier Investors (Singapore)
4,545,200 0.35
合計 79,862,180 6.15
8 上記1の保有株式数は、2019年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で実施した株式分割前の株式
数を記載しています。
(7)【議決権の状況】
①【発行済株式】
2022年3月31日現在
区分 株式数(株) 議決権の数(個) 内容
無議決権株式 - - -
議決権制限株式(自己株式等) - - -
議決権制限株式(その他) - - -
(自己保有株式)
完全議決権株式(自己株式等) - -
26,261,600
普通株式
1,272,864,500 12,728,645
完全議決権株式(その他) 普通株式 -
168,233
単元未満株式 普通株式 - -
1,299,294,333
発行済株式総数 - -
12,728,645
総株主の議決権 - -
(注)1 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、証券保管振替機構名義の株式が4,100株(議決権41個)含
まれています。
2 2022年5月11日開催の取締役会決議により、2022年6月8日付で自己株式13,402,333株を消却しました。
②【自己株式等】
2022年3月31日現在
発行済株式総数に
所有者の氏名又は 自己名義所有 他人名義所有 所有株式数の合
所有者の住所 対する所有株式数
名称 株式数(株) 株式数(株) 計(株)
の割合(%)
(自己保有株式)
東京都八王子市石川
26,261,600 26,261,600 2.02
-
オリンパス㈱
町2951番地
26,261,600 26,261,600 2.02
計 - -
(注)2022年5月11日開催の取締役会決議により、2022年6月8日付で自己株式13,402,333株を消却しました。
54/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
2【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】会社法第155条第3号に該当する普通株式の取得、会社法第155条第7号に該当する普通株式の取得
および会社法第155条第13号に該当する普通株式の取得
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
区分 株式数(株) 価額の総額(円)
取締役会(2021年12月17日)での決議状況
16,000,000 30,000,000,000
(取得期間2021年12月21日~2022年3月31日)
当事業年度前における取得自己株式 - -
当事業年度における取得自己株式 12,681,000 29,999,970,301
残存決議株式の株数および価額の総額 3,319,000 29,699
当事業年度の末日現在の未行使割合(%) 20.7 0
当期間における取得自己株式 - -
提出日現在の未行使割合(%) 20.7 0
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分 株式数(株) 価額の総額(円)
当事業年度における取得自己株式 9,544 1,529,614
当期間における取得自己株式 1,407 45,360
(注)1 当事業年度における取得自己株式のうち8,903株は、譲渡制限付株式報酬制度により無償取得したもので
す。
2 当期間における取得自己株式のうち1,387株は、譲渡制限付株式報酬制度により無償取得したものです。
3 当期間における取得自己株式には、2022年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の
買取りによる株式は含んでいません。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
当事業年度 当期間
区分
処分価額の総額 処分価額の総額
株式数(株) 株式数(株)
(円) (円)
引き受ける者の募集を行った取得自己
- - - -
株式
消却の処分を行った取得自己株式 71,620,630 82,340,328,338 - -
合併、株式交換、株式交付、会社分割
- - - -
に係る移転を行った取得自己株式
その他(新株予約権の権利行使に係る
83,600 114,539,086 30,000 52,091,150
自己株式の処分)
その他(譲渡制限付株式報酬に係る自
4,623 5,316,450 - -
己株式の処分)
保有自己株式数 26,261,612 - 26,233,019 -
(注)1 2022年5月11日開催の取締役会決議により、2022年6月8日付で自己株式13,402,333株を消却しました。
2 当期間における保有自己株式数には、2022年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの自己株式の取
得および処分による株式数は含んでいません。
55/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
3【配当政策】
当社は、当社グループの持続的な成長を実現させるため、手元資金を成長ドライバーへの投資に優先的に配分して
いく方針であり、収益性の高い既存事業への投資や成長機会への戦略的な投資を実施していきます。配当について
は、安定的かつ継続的に増配する方針で、自己株式取得については、投資機会と資金状況に応じて機動的に実施する
方針です。
上記方針に基づき、当事業年度の期末配当金につきましては、2022年5月11日開催の取締役会決議により、前期よ
り2円増配の1株当たり14円としました。この効力発生日および支払開始日は、2022年6月3日です。
当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、剰余金の配当等を取締役会決議により行うことが可能である旨を
定款に定めています。なお、毎事業年度における配当の回数について定めはありません。また、当社は連結配当規制
適用会社です。
配当金の総額 1株当りの配当額
決議年月日
(百万円) (円)
2022年5月11日
17,822 14
取締役会
56/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
4【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
有価証券報告書提出日(2022年6月21日)現在の状況
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
[コーポレート・ガバナンスに関する基本方針]
当社の経営理念
当社は、「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」をすべての活動の基本思想とし、株主をはじめと
したすべてのステークホルダーのために、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指す。
コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、基本的にコーポレートガバナンス・コードの原則を実施し、株主に対する受託者責任および顧客、
従業員、地域社会等のステークホルダーに対する責任、ならびに上記の当社の経営理念を踏まえ、実効性ある
コーポレートガバナンスの実現をめざし、当方針を策定する。
1.株主の権利、平等性の確保
①当社は、株主の権利を尊重し、また、株主の実質的な平等性を確保する。
②当社は、株主総会における権利行使に係る適切な環境整備を行う。
③当社は、中長期的な経済合理性や将来の見通しを検証のうえ当社グループの中長期的な企業価値向上に資す
ると判断した上場株式を保有する。毎年、取締役会で個別の政策保有株式について、保有目的、保有に伴う
便益、リスク等を総合的に勘案の上、保有の適否を検証し、保有に適さないと判断した株式については順次
縮減する。政策保有株式について、株主としての権利を行使すべく、すべての議案に対して議決権を行使す
ることとし、政策保有先の中長期的な企業価値向上の観点から当該企業の経営状況を勘案し、議案ごとの賛
否を適切に判断する。
④当社およびその子会社が関連当事者間取引を行う場合は、「職務権限規程」および関連する規程に基づき、
各社の取締役会の承認を要することとし、さらに地域統括会社の承認を得るとともに当社へ報告する。
2.株主以外のステークホルダーとの協働
当社は、経営理念である「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」のもと、従業員、顧客、取引先、
債権者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーとの適切な協働に努める。
ステークホルダーとの適切な協働やその利益の尊重、健全な事業活動倫理などについて、会社としての価値
観を示しその構成員が従うべき行動準則を定め、実践する。具体的には、グループ全員の行動の拠り所として
「経営理念」、「オリンパスグローバル行動規範」を策定し、当社グループに属するすべての役員および従業
員に、広く浸透させる。
当社は、組織全体のダイバーシティとインクルージョンを促進し、性別、障がい、国籍、人種に関わらず、
適切なポジションに適切な人材を登用して多様な人材に活躍の場を提供することで、専門的かつ持続的な成長
を図る。
コンプライアンスの統括責任者としてチーフコンプライアンスオフィサー(CCO)を任命する。また、すべ
てのステークホルダーに対し、多言語で24時間対応可能なグローバル通報受付窓口を設置するとともに、各地
域においても必要に応じ適切な内部通報制度を構築する。CCOは運用状況を定期的に監査委員会へ報告すると
ともに、必要に応じて取締役会に報告する。
3.情報開示の充実および透明性の確保
当社は、経営理念である「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」をすべての企業活動の基本思想と
し、すべてのステークホルダーから正しい理解と信頼を得るために、経営方針、財務状況、事業活動状況、サ
ステナビリティなどの企業情報を公正、適時適切かつ積極的に開示する。
4.サステナビリティを巡る取組みについての基本的な考え方
当社は、経営理念に基づき、責任ある企業活動を通じたサステナブルな社会の実現に貢献するために、経営
戦略において注力すべきESG領域と重要課題(マテリアリティ)を特定するなどし、積極的に取り組むものと
する。
5.取締役会等の責務
①取締役会の役割
取締役会は、経営の基本方針や内部統制システムに係る事項その他の重要事項を決定し、取締役および執行
役の職務の執行を監督する。
②取締役の資質
当社の取締役は、高い倫理観を有し、かつ、中長期的な企業価値を創造するために必要な経験、知識、能力
を有し、自らの義務と責任を全うするために、取締役会に対して十分な時間を割く。
③取締役会の多様性
57/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
当社は、取締役会の構成については、国際性、ジェンダー、職歴、年齢を含む多様性および経験、知識、能
力等に配慮する。
④取締役会の規模
当社グループの規模および事業の内容から、定款に定める15名以内で取締役会の機能を効果的かつ効率的に
発揮できる適切な員数を維持する。
⑤独立社外取締役
取締役会の監督機能を高める観点から、取締役の半数以上を独立社外取締役とする。独立性基準は指名委員
会で定める。
⑥取締役会の議長
取締役会の監督機能を確保するため、取締役会の議長は独立社外取締役が務める。
⑦指名、報酬および監査に関する委員会
取締役会は、指名委員会、報酬委員会および監査委員会を設置する。
指名委員会
・指名委員会は、取締役および執行役の人事に係る事項を審議し、株主総会に提出する取締役の選任および
解任に関する議案の内容を決定する。
・指名委員会は、取締役会が取締役の中から選定した3名以上の委員で構成し、その過半数を独立社外取締
役とする。また、委員長は独立社外取締役とする。
報酬委員会
・報酬委員会は、取締役および執行役の報酬に係る事項等を審議し、個人別の報酬等の内容に係る決定に関
する方針を定め、その方針にしたがい、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容を定める。
・報酬委員会は、取締役会が取締役の中から選定した3名以上の委員で構成し、その過半数を独立社外取締
役とする。また、委員長は独立社外取締役とする。
監査委員会
・監査委員会は、次に掲げる職務を行う。
1)執行役および取締役の職務の執行の監査および監査報告の作成
2)会計監査人の選任および解任ならびに不再任に関する議案の内容の決定
3)その他法令および定款に定められた職務およびその他監査委員会が必要と認めた事項
・監査委員会は、取締役会が取締役の中から選定した3名以上の委員で構成し、その過半数を独立社外取締
役とする。また、委員長は独立社外取締役とする。かつ少なくとも1名は、財務、会計業務に関する豊富
な知識を有する者とする。
⑧取締役の選任プロセス
指名委員会が取締役候補者を選任基準に照らして審議、面接して、株主総会に提出する取締役の選任・解任
に関する議案の内容を決定する。
⑨CEOの後継者の育成とその決定
指名委員会は、CEOの後継者計画を定期的に審議する。
後継者の決定は、指名委員会で候補者がCEOに相応しい資質を有するか審議を行い、取締役会に意見の陳述
および助言を行い、取締役会が後継者を決定する。
⑩報酬制度
役員報酬(取締役および執行役の報酬)については、「企業価値の最大化を図り様々なステークホルダーの
期待に応える」という意識を強く持たせ、その責務にふさわしい処遇とすることを、基本方針とする。報酬
委員会は、同方針に基づき、短期および中長期の業績と連動する報酬の割合を適切に設定することを重視
し、役員報酬を決定する。
⑪取締役会の運営
取締役会の議題、時間および開催頻度は、重要事項の決定および業務執行の監督のために、必要かつ十分な
議論が可能なように設定する。また、取締役会において建設的な議論・意見交換ができるように、取締役会
の付議および報告議案について、取締役会出席者の事前準備に要する期間に配慮して、事前に資料を送付す
る。また、取締役会の開催スケジュールや予想される審議事項については予め決定する。
⑫社外取締役だけの会合
当社は、社外取締役だけが参加する会議として、毎回の取締役会終了後に「エグゼクティブ・セッショ
ン」、四半期毎に「社外取締役意見交換会」を開催する。各会議において、社外取締役が認識の共有化を図
るとともに経営課題を抽出し、その内容を執行にフィードバックする。
⑬取締役会評価
毎年、取締役会の実効性について、第三者の視点も含めた分析および評価を行い、課題を抽出し、必要に応
じ改善を図ることで、取締役会の実効性を向上させ、ひいては当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の
向上を図る。なお、その評価結果については概要を公表する。
⑭情報入手と支援体制
58/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
・当社は取締役に対して、その役割および責務が実効的に果たせるように積極的な情報の提供に努める。
・当社の社外取締役は、必要があるときまたは適切と考えるときにはいつでも、社内取締役、執行役および
従業員に対して説明もしくは報告を求め、または社内資料の提出を求めることができる。
・当社は社外取締役に対して、議案の事前説明を行うほか、必要に応じて経営戦略に関する討議の場等の機
会を設け、取締役会における議論の活性化を図る。
・当社は、指名委員会、報酬委員会および監査委員会ならびに各委員がその職務を適切に遂行することがで
きるよう、適切な人員等を付与された事務局を各委員会に設置する。
⑮取締役のトレーニング
取締役は、その役割や責務を果たすために、知識の習得や更新等の研鑽に努める。また、当社は新任の社外
取締役に対して、当社の事業所、工場見学や事業の勉強会等当社に関する知識を習得するために様々なプロ
グラムを提供する。
6.株主との対話
当社は持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、株主との建設的な対話を促進するための体制整備お
よび取組みに関する方針を取締役会で定め、公表する。
株主との建設的な対話を促進するための体制整備および取組みに関する方針
1)基本方針
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、CEOおよびCFOが中心となって株主との建設
的な対話を積極的に実施する。IR機能がこれを補佐して社内における情報交換や株主から得た意見の経
営陣幹部へのフィードバック等の体制を整備する。
2)CEOおよびCFOによる対話の方針
株主との対話全般については、CEOおよびCFOが中心となって建設的な対話の実現に向け、対応する。
具体的には、株主との個別の面談に加え、四半期決算ごとに説明会、スモールミーティング、海外投資
家との電話会議を実施するほか、定期的な国内および海外ロードショーの実施、証券会社主催のカン
ファレンスへの参加等、株主との直接の対話の機会を積極的に設けることとする。
3)IR機能によるIR活動の方針
IR活動を専門に担当するIR機能を設置し、株主との対話の充実に向けて積極的なIR活動を実施する。
具体的には、株主の依頼に応じて随時個別の面談を実施するほか、個人投資家向け説明会や施設見学会
といったIRイベントを定期的に実施する。また、ホームページ、統合レポート、株主通信、株主総会招
集ご通知等を通じて株主に対して積極的な情報提供を行う。
4)IR機能による社内情報交換体制整備の方針
IR機能は、経営企画、内部統制、財務、経理、法務機能等と日常的に適宜情報交換を行い、必要に応
じてプロジェクトチームを組むなどして、有機的な連携体制を取る。また、機関投資家を中心とする株
主との対話から得た株主の意見および懸念については、必要に応じて、IR機能からグループ経営執行会
議や取締役会において報告し、その内容について議論する。
5)株主との対話におけるインサイダー情報管理の方針
インサイダー情報については、「インサイダー取引防止規程」に従い厳重な管理を行う。株主との対
話に際しては、担当者に対してIR機能から改めて注意喚起を行うことで、インサイダー情報の漏洩を未
然に防止する。
なお、当社グループにおけるIR活動の概要は以下のとおりです。
当社グループは、会社の説明責任を果たし、経営の透明性を確保するため、IRの専門機能を設置していま
す。投資家をはじめ様々なステークホルダーから当社グループに対する正しい理解と信頼を得るため、さら
には適正な企業価値の実現を目指すため、情報開示活動に注力しています。投資家やアナリストに向けて
は、経営方針、事業活動状況等の企業情報を代表執行役および執行役が直接説明する決算説明会を年に数回
開催しています。また、四半期決算ごとに投資家、アナリスト向けのIR取材や電話会議を開催しています。
海外の投資家に対しては、1970年代の早い時期からIR活動を実施しており、代表取締役(当時)および担当
役員等による現地での投資家訪問やヘルスケアカンファレンスへの参加、大半の情報開示を和文と同等レベ
ルの内容およびタイミングで英文でも実施する等、積極的に情報開示を行っています。
2016年より、代表取締役(当時)および担当役員等が中長期の経営戦略や事業戦略を投資家等に直接説明
する「OLYMPUS Investor Day」を開催しています。2019年の開催では、真のグローバル・メドテックカンパ
ニーとして持続的な成長を実現させるための新たな経営戦略および企業変革プラン「Transform Olympus」
を発表し、2021年の開催では経営戦略を深化させた医療ビジネスの今後の方向性を説明しました。個人投資
家向けには、オンラインで会社説明会を開催しています。また、当社医療分野の製品や強み等を紹介した
「オリンパスの医療分野」を作成し、ホームページに掲載する等、IR情報の充実を図っています。
59/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
②企業統治の体制の概要および当該体制を採用する理由
当社は、真のグローバル・メドテックカンパニーを目指すにあたり、業務執行の意思決定の迅速化、ガバナン
スの強化と透明性の一層の向上を図るため、2019年6月に指名委員会等設置会社へ移行しました。
[コーポレートガバナンス体制]
有価証券報告書提出日現在における当社のコーポレートガバナンス体制は次の図のとおりです。
[取締役、取締役会]
有価証券報告書提出日現在、取締役会は11名の取締役で構成し、過半数の8名が社外取締役であり、その全員
が独立社外取締役です。取締役の任期は1年です。当社は、取締役会を3ヶ月に1回以上、および必要に応じて
随時これを開催し、経営の基本方針や内部統制システムに係る事項その他の重要事項を決定するとともに、取締
役および執行役等の職務の執行を監督します。取締役会の議長は、独立社外取締役が務めます。社外取締役8名
には、取締役会において監督を行うにあたり、各取締役が有する専門知識を経営に活かすことを期待していま
す。なお、当社は取締役に対して、その役割および責務が実効的に果たせるように積極的な情報の提供に努める
一方、社外取締役は、必要があるときまたは適切と考えるときにはいつでも、社内取締役、執行役、執行役員お
よび従業員に対して説明もしくは報告を求め、または社内資料の提出を求めることができ、情報伝達および監督
面での機能強化を図り、経営の健全性が確保される仕組みを構築しています。
有価証券報告書提出日現在の取締役会の構成メンバーは、次のとおりです。なお、取締役会の議長は藤田純孝
氏が務めています。
取締役 竹内康雄、シュテファン・カウフマン、古閑信之
藤田純孝、神永晉、岩村哲夫、桝田恭正、岩﨑淳、デイビッド・ロバート・ヘイル、
社外取締役
ジミー・シー・ビーズリー、市川佐知子
[指名、報酬、監査委員会]
過半数の独立社外取締役で構成する指名・報酬・監査の三委員会は、指名委員会が取締役候補者を決定し、報
酬委員会が取締役および執行役の個人別の報酬等の決定を行い、監査委員会が取締役および執行役の職務の執行
の監査を行います。各委員会の役割および構成は次のとおりです。
・指名委員会は、取締役および執行役の人事に係る事項を審議し、株主総会に提出する取締
役の選任および解任に関する議案の内容を決定する。
指名委員会
・指名委員会は、取締役会が取締役の中から選定した3名以上の委員で構成し、その過半数
を独立社外取締役とする。また、委員長は独立社外取締役とする。
60/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
・報酬委員会は、取締役および執行役の報酬に係る事項等を審議し、個人別の報酬等の内容
に係る決定に関する方針を定め、その方針にしたがい、取締役および執行役の個人別の報酬
報酬委員会 等の内容を定める。
・報酬委員会は、取締役会が取締役の中から選定した3名以上の委員で構成し、その過半数
を独立社外取締役とする。また、委員長は独立社外取締役とする。
1)執行役および取締役の職務の執行の監査および監査報告の作成
2)会計監査人の選任および解任ならびに不再任に関する議案の内容の決定
3)その他法令および定款に定められた職務およびその他監査委員会が必要と認めた事項
監査委員会
・監査委員会は、取締役会が取締役の中から選定した3名以上の委員で構成し、その過半数
を独立社外取締役とする。また、委員長は独立社外取締役とする。かつ少なくとも1名は、
財務、会計業務に関する豊富な知識を有する者とする。
有価証券報告書提出日現在の各委員会のメンバーは次のとおりです。
委員長 (独立社外取締役)藤田純孝
指名委員会
(独立社外取締役)岩村哲夫、デイビッド・ロバート・ヘイル
委員
(取締役)竹内康雄
委員長 (独立社外取締役)神永晉
報酬委員会
委員 (独立社外取締役)岩村哲夫、ジミー・シー・ビーズリー
委員長 (独立社外取締役)桝田恭正
監査委員会
(独立社外取締役)岩﨑淳、市川佐知子
委員
(取締役)古閑信之
当事業年度における各委員会の活動状況は次のとおりです。
開催回数 活動状況
・取締役会の構成案を検討するにあたり、当社の取締役に求められる経験・
知見のマトリックスを更新しました。
・取締役候補者の決定については、外部コンサルタントも活用し、当社の取
締役会の構成を勘案のうえ、選任基準に照らし審議・面接を行いました。
指名委員会 11回
・執行役の選任案については、年間を通じた評価・選定プロセスを経て、適
格性等の審議を行い決定しました。
・執行役の後継者計画については、当社の業務執行において期待される役割
等に照らして、望ましい経験・知見を有しているか、審議を行いました。
・取締役および執行役の個人別の報酬等の決定方針と報酬等の内容の見直し
報酬委員会 11回 および決定を行いました。
・詳細は、「(4)役員の報酬等」に記載しています。
・独立の立場・公正不偏の態度を保持し、会計監査人や内部監査部門の監
査・監督を行うとともに、監査委員会が直接、取締役および執行役の職務
執行の適法性・妥当性を確認することにより、実効的・効率的な監査を実
施しました。
監査委員会 24回
・会計監査人が独立の立場を保持し、かつ、適正な監査を実施しているかを
監視および検証するとともに、会計監査人からその職務の執行状況につい
て報告を受け、必要に応じて説明を求めました。
・詳細は、「(3)監査の状況」に記載しています。
[執行役]
執行役は、チーフエグゼクティブオフィサー(CEO)、チーフオペレーティングオフィサー(COO)、チーフテ
クノロジーオフィサー(CTO)、チーフマニュファクチャリングアンドサプライオフィサー(CMSO)、チーフ
ファイナンシャルオフィサー(CFO)、チーフアドミニストレイティブオフィサー(CAO)の6名で構成されてお
り、当社グループにおける意思決定体制の迅速化・効率化およびグループ全体でのリスクマネジメントの一元管
理を行います。
③企業統治に関するその他の事項
[内部統制システムに関する基本的な考え方およびその整備の状況]
61/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
当社が業務の適正を確保するための体制として取締役会において決議した内容および当該体制の運用状況の概
要は次のとおりです。
当社は、経営理念に掲げている「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」をすべての活動の基本思想と
しています。
当社は、この基本思想のもと、当社および子会社(以下、「オリンパスグループ」)の業務の有効性と効率性
ならびに財務報告の適正性と信頼性を確保するための体制を整備し、運用するとともに、継続的な改善を図るも
のとしています。
1. 当社執行役および使用人ならびに子会社の取締役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合する
ことを確保するための体制
<体制>
(1) 当社は、当社の執行役および使用人ならびに子会社の取締役および使用人が法令および定款を遵守して職
務を執行する体制を確保するため、取締役会が取締役および執行役の職務の執行を監督する際の基本方針
となる「経営の基本方針」を定めます。また、経営理念に基づき、オリンパスグローバル行動規範および
各種の規程類を制定し、内容の浸透を図るとともに、継続的な教育等によりオリンパスグループにおける
コンプライアンス意識の向上を推進します。
(2) 当社は、コンプライアンス推進体制として、コンプライアンス機能の責任者(チーフ・コンプライアン
ス・オフィサー)を任命するとともに、統括機能を設置します。統括機能はコンプライアンスマネジメン
トシステムに基づいたコンプライアンス体制の充実に向けた活動を行います。また、使用人に対する教育
やアセスメントに関する取り組みを継続的に実施します。なお、使用人は、法令違反等が発生または発生
する可能性があると判断した場合、多言語で24時間対応可能なグローバル通報受付窓口をはじめ、各地域
に設置された通報受付窓口を活用し、通報することができます。
(3) 当社は、CEOをCSR責任者とするとともに、ESG担当役員を任命してオリンパスグループにおけるESGに関す
る目標を設定し、継続的に取り組みます。また、役員の業績連動報酬の一部にESGに関する指標を設定し、
経営戦略として取り組みを強化します。
(4) 当社は、CEO直轄の内部監査機能を設置します。内部監査機能は内部監査規程に基づき、リスクマネジメン
ト、コントロールおよびガバナンスの各プロセスの有効性等につき内部監査を実施します。また、オリン
パスグループの内部監査結果をCEO および監査委員会に対して報告します。
(5) 当社は、主要な子会社に取締役および監査役を派遣するとともに、子会社の重要事項については職務権限
規程および関連する規程類に基づき当社が承認することにより、子会社における業務の適正性を確保しま
す。
(6) 当社は、オリンパスグループの財務報告の適正性と信頼性を確保するために、内部監査機能において財務
報告に係る内部統制制度における統制活動が有効に機能するための取り組みや運用状況を定期的に評価
し、継続的な改善活動を実施します。
(7) 当社は、社会の秩序や安全を脅かす反社会的勢力や団体に対して、弁護士および警察等と連携し組織的に
毅然とした姿勢で対応します。また、オリンパスグループとして反社会的勢力排除の社会的責任を果たす
ため、関連する規程を整備し反社会的勢力排除の取り組みを継続的に実施します。
<運用状況の概要>
(1) 当社は、取締役会が取締役および執行役の職務の執行を監督する際の基本方針となる「経営の基本方針」を
定めています。また、適宜各種の規程類の制改定を行っています。さらに、持続可能な職場作りという目標
を支える従業員エンゲージメントの重要なツールとして、コアバリューサーベイを実施し、経営理念が日々
の業務でどのように実践されているかを調査するとともに、内容の浸透を図っています。
(2) 当社は、チーフ・コンプライアンス・オフィサーの指示のもと、定期的に会議体を開催し、グローバルでの
重要施策の確認等を行っています。また、従業員に対するコンプライアンス研修を実施しました。さらに、
内部通報受付窓口を設置するとともに、従業員に対し内部通報制度について周知しています。
(3) 当社は、ESGに関する短中期の目標設定を行うとともに、関連する方針を制定しています。また、役員の業
績連動報酬である長期インセンティブ報酬の一部に、ESG評価機関による評価結果を指標として設定し、経
営戦略として取り組みを強化しています。
(4) 内部監査機能は、内部監査規程に基づき、監査計画について取締役会および監査委員会に付議するととも
に、監査実施状況等についてCEOおよび監査委員会ならびにグループ経営執行会議に報告しています。
(5) 当社は、主要な子会社に取締役および監査役を派遣しているほか、子会社の重要事項については職務権限規
程および関連する規程類に基づき、当社において審議しています。
(6) 当社は、財務報告に係る内部統制の評価実施方針およびその運用状況をCEO、グループ経営執行会議および
監査委員会に報告しています。
(7) 当社は、オリンパスグループの取引に関して反社会的勢力排除規程に基づいた調査を実施しています。
2.当社の執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
62/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
<体制>
(1) 当社は、法令および文書管理規程等の規程類に従い、文書または電磁的情報の保存および管理を行いま
す。
(2) 取締役は、文書管理規程に基づき取締役会議事録および決裁書等の重要な文書を常時閲覧できます。
<運用状況の概要>
(1) 当社は、文書管理規程に基づき、取締役会議事録、有価証券報告書および規程類等の作成および保存を
行っています。
(2) 取締役は、重要な文書を必要なときに常時閲覧しています。
3.オリンパスグループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
<体制>
(1) 当社は、取締役会およびグループ経営執行会議等の会議体における慎重な審議ならびに決裁手続の適正な
運用により、オリンパスグループの事業リスクの管理を行います。
取締役会は、経営の基本方針、内部統制システムに係る事項、その他の重要事項および重要な業務執行に
関する事項を決定する他、執行役に委任する事項を決定します。また、執行役は、取締役会で決議する事
項以外の重要事項については、意思決定を行い、取締役会に報告を行います。
(2) 当社は、品質、製品安全、輸出管理、情報セキュリティ、安全衛生、環境、災害等のリスクに関して、そ
れぞれ所管する機能を定め、規程類を制定し、オリンパスグループとして予防的リスクマネジメントに取
り組むとともに、教育・指導を行うことにより管理します。
(3) 当社は、内部統制規程および関連する規程類に基づき、オリンパスグループの事業活動に伴う重大リスク
の顕在化を防ぎ、万一リスクが顕在化した場合の損害を最小限に留めるためのリスクマネジメントシステ
ムを整備し、その適切な運用および管理にあたります。
また、リスクマネジメント運用規程に従い、オリンパスグループの担当機能においてリスクの把握、予防
に取り組むとともに、有事の際、すみやかに対処できる体制としています。企業倫理違反ならびに震災、
火災および事故等の重大なリスクが発生した場合、担当機能は、執行役および関係者に緊急報告を行い、
CEOが対策を決定します。
<運用状況の概要>
(1) 当社は、経営戦略や事業計画等のオリンパスグループの重要事項について、グループ経営執行会議で十分
な審議を行ったうえで取締役会に付議しています。執行役は、取締役会から委任された事項について職務
権限規程に基づき意思決定を行うとともに、取締役会に報告しています。また、昨年に引き続き、新型コ
ロナウイルス感染症の影響によりグループ経営執行会議および取締役会をオンラインの活用により計画的
かつ定期的に開催しました。さらに、電子決裁システムによる決裁手続きの適正な運用によりグループの
事業リスクの管理を行っています。
(2) 当社は、品質、製品安全、輸出管理、情報セキュリティ、安全衛生、環境、災害等のリスクに関して、必
要に応じて規程の制改定、会議体の開催および教育等を実施しています。特に今期発生した不正アクセス
を踏まえ、オリンパスグループ全体でより迅速な対応を可能とするインシデント対応体制の強化に取り組
んでいます。
(3) 当社は、内部統制規程および関連する規程類に基づき、必要な教育・研修および会議体を開催する等によ
りオリンパスグループとしてリスクマネジメントの取り組みを行っています。また、各事業および各担当
機能においてリスクアセスメントを実施するとともに、災害が発生した場合の迅速な対応のための訓練等
を実施しています。当事業年度は、新型コロナウイルス感染症の早期収束に向けた対応の一環として、職
域接種を実施しました。
4.当社の執行役および子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
<体制>
(1) 取締役会は、オリンパスグループの経営目標を定めた中長期の経営基本計画およびその実行計画である年
度事業計画について承認します。取締役会はその他の重要事項を決定し、取締役会で決議すべき事項以外
の業務執行事項は、意思決定の迅速化および効率化を図るため、執行役に委任します。また、取締役会は
年度事業計画の進捗評価のために業績等につき四半期に1回報告を受け、執行役の職務の執行を監督しま
す。
(2) 取締役会は、執行役の職務の分担を決定します。また、その職務の執行状況について3カ月に1回以上報
告を受けます。
(3) 取締役会は、職務権限規程、組織規程および関連する規程類により、主要な職位の責任と権限について承
認します。また、主要な職位から職務の執行状況について報告を受けます。
63/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(4) 当社は、オリンパスグループの財務運営の基礎となる財務方針を規定した財務規程を定め、オリンパスグ
ループの財務面でのガバナンスを強化するとともに、オリンパスグループにおける資金、為替、金融機関
取引の統括および管理を実施します。
<運用状況の概要>
(1) 取締役会は、経営基本計画に基づく年度事業計画その他の重要事項について承認しています。また、取締
役会で決議すべき事項以外の業務執行事項は、執行役に委任し、意思決定の迅速化および効率化を図って
います。当事業年度においては、取締役会を12回開催しました。
(2) 取締役会は、執行役の職務の分担を決定し、その職務の執行状況について報告を受けています。
(3) 取締役会は、主要な職位の責任と権限について承認し、その職務の執行状況について報告を受けていま
す。
(4) 当社は、財務規程に基づき、定期的に子会社の資金、為替および金融機関取引状況を取得し統括管理して
います。
5.子会社の取締役および使用人の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
<体制>
(1) 当社は、関係会社管理規程および関連する規程類により子会社に関する管理基準を明確化したうえで、地
域統括会社の責任者が子会社の経営状況のレビューを行い、レビュー結果を定期的にCEOに報告します。
(2) 当社は、連結会計規程に基づき、子会社からの適時適切な報告を徹底することにより、オリンパスグルー
プの財務状態および経営成績を的確に把握し、かつ、連結会計方針の適切な維持管理を行います。
<運用状況の概要>
(1) 当社は、子会社からの報告に基づき定期的に経営状況のレビューを行い、CEOが出席するグループ経営執行
会議および監査委員会に報告しています。
(2) 当社は、連結会計規程に基づき、子会社から必要な財務情報を適時適切に取得し、内容の確認および承認
を行っています。
6.当社の監査委員会の職務を補助すべき使用人およびその使用人の当社の執行役からの独立性に関する事項な
らびに当社の監査委員会の使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
<体制>
当社は、監査委員会の職務を補助すべき専任の使用人を配置します。さらに必要に応じて兼任の使用人を
置くことができることとします。また、規程類を定め、次のとおり執行からの独立性を確保するとともに、
監査委員会の職務を補助する使用人に対する指示の実効性を確保します。
(1)取締役(監査委員を除く)、執行役および使用人等は、監査委員会の職務を補助すべき使用人が監査委
員会の職務を補助するにあたり指揮および命令を行わないものとします。
(2)監査委員会の職務を補助すべき使用人の任免、異動、賃金および人事評価等は監査委員会の同意を得た
うえで決定します。
<運用状況の概要>
当社は、監査委員会室を設置し、2022年3月31日時点において専任の使用人を2名、兼任の使用人を1名
配置しています。また、規程類の定めに従い、これらの使用人の執行からの独立性を確保するとともに、監
査委員会の使用人に対する指示の実効性を確保しています。
7.当社の取締役(監査委員を除く)、執行役および使用人が当社の監査委員会に報告をするための体制および
子会社の取締役および使用人またはこれらの者から報告を受けた者が当社の監査委員会に報告をするための
体制
<体制>
(1) 当社の取締役(監査委員を除く)、執行役および使用人、ならびに子会社の取締役、監査役および使用人
は、法令および定款に違反する重大な事実、不正行為の事実または会社に著しい損害を及ぼす可能性のあ
る事実について、直接または担当機能を通じ速やかに監査委員会に報告します。その他、法令および監査
委員会規程等に基づき、監査委員会がオリンパスグループの取締役、執行役および使用人等に対して報告
を求めたときは、当該取締役、執行役および使用人等は速やかに監査委員会に報告します。
(2) コンプライアンス機能の責任者は、オリンパスグループにおけるコンプライアンスに関する状況を監査委
員会に対して定期的に報告します。また、内部通報制度に基づく通報内容および調査結果を定期的に監査
委員会に報告します。
(3) 内部監査機能は、オリンパスグループにおける内部監査の状況を監査委員会に対して定期的に報告しま
す。
<運用状況の概要>
64/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(1) 当社は、当社および子会社の取締役、執行役、執行役員および使用人が法令違反等の事実を知ったときに
は、その事実について、速やかに監査委員会に報告する体制を整備しています。また、監査委員会から報
告を求められたときにも、速やかに監査委員会に報告することとしています。
(2) コンプライアンス機能の責任者は、定期的および必要な都度、コンプライアンスに関する状況および内部
通報状況ならびに調査結果を監査委員会に報告しています。
(3) 内部監査機能の責任者は、定期的および必要な都度、内部監査の計画および監査状況を監査委員会に報告
しています。
8.監査委員会への報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するた
めの体制
<体制>
当社は、規程類を定め、監査委員会に報告を行ったことを理由として、当該報告者に対して不利益な処遇
(解雇、降格、減給等の懲戒処分や不利益な配置転換等の人事上の措置の他、業務に従事させない、専ら雑
務に従事させる等の事実上の措置を含む)を行いません。
<運用状況の概要>
当社は、監査委員および監査委員会の職務を支える体制に係る規程において、監査委員会に報告したこと
を理由として、当該報告者に対して不利益な取扱いをすることを禁止し、これを遵守しています。
9.当社の監査委員の職務の執行について生ずる費用の前払または償還の手続その他の当該職務の執行について
生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
<体制>
当社は、規程類に基づき、監査委員による職務の執行に伴う費用の前払または償還の請求があった場合に
は、当該監査委員の職務の執行に必要でないと明らかに認められる場合を除き、その請求に応じ速やかに支
出します。
<運用状況の概要>
当社は、監査委員の求めに応じて、必要な費用を適宜精算しています。
10.その他当社の監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
<体制>
(1) 当社の取締役、執行役および使用人ならびに子会社の取締役および使用人は、監査委員会によるヒアリン
グや往査等の調査に応じることで、監査の実効性を確保します。
(2) 当社は、監査委員会が取締役、執行役および会計監査人、その他必要な者との十分な意見交換を行う機会
を確保します。
(3) 当社は、監査委員会が監査委員を重要な会議に出席させ、意見を述べる機会を確保します。
(4) 監査委員会と内部監査機能は緊密に連携するとともに、必要に応じて監査委員会が内部監査機能に指揮・
命令権を行使できるものとします。
(5) 当社は、監査委員会の求めに応じて、子会社の監査役との連携および子会社の使用人からの情報収集の機
会を確保します。
<運用状況の概要>
(1) 当社は、取締役、執行役、執行役員および使用人が監査委員会によるヒアリングや往査に応じることによ
り、監査委員会の監査の実効性を確保しています。
(2) 監査委員会は、取締役、執行役、執行役員および会計監査人と、定期的および必要な都度、意見交換を
行っています。
(3) 当社は、監査委員がグループ経営執行会議等の重要な会議に出席する機会を確保しています。
(4) 内部監査機能は、定期的および必要な都度、監査委員会に報告を行っています。また、必要に応じて、監
査委員会が内部監査機能に指揮命令することができることとしています。
(5) 当社は、監査委員会の求めに応じて関係会社監査役連絡会を開催するとともに、子会社の監査役との意見
交換を実施しています。また、監査委員会は海外を含む主要な子会社の責任者から報告を受けています。
[責任限定契約の内容の概要]
当社は、取締役が期待される役割を十分に発揮できるよう、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)と
の間で、会社法第427条第1項の規定に基づき、会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結していま
す。当該契約に基づく賠償責任限度額は、法令の規定する最低責任限度額です。
[役員等賠償責任保険契約の内容の概要]
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する、役員等を被保険者とする役員等賠償責任保険契約を保険会社
との間で締結しています。当該保険契約により、被保険者が、その職務の執行に関し責任を負うことまたは当該
65/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を補填することとしています。なお、保険料
は全額当社が負担しています。
[取締役の定数および選任の決議要件]
当社は、取締役は15名以内とする旨を定款に定めています。また、取締役の選任については、株主総会におい
て、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数に
よって選任する旨および選任決議は累積投票によらない旨を定款に定めています。
[株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項]
当社は、経営環境の変化に応じた資本政策および株主への機動的な利益還元を行うため、剰余金の配当等会社
法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取
締役会の決議により定める旨を定款に定めています。
また、当社は、取締役および執行役が期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定
に基づき、取締役会の決議によって取締役(取締役であった者を含む)または執行役(執行役であった者を含
む)の会社法第423条第1項の賠償責任について法令に定める要件に該当する場合には賠償責任額から法令に定
める最低責任限度額を控除して得た額を限度として免除することができる旨を定款に定めています。
[株主総会の特別決議要件]
当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営が行えるようにす
るため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権の3分の1以上を有する株主
が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。
[財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針]
株式会社の支配に関する基本方針については以下のとおりです。
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務および事業の内容や当社の企業価値
の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆さまの利益を継続的かつ持続的に確保・向上していく
ことを可能とする者である必要があると考えています。
また、当社は、当社株式の大量買付であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれ
ば、これを一概に否定するものでもありません。株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるか否かの判断
は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるものと考えています。
しかしながら、株式の大量買付の中には、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少な
くありません。当社株式の大量買付を行う者が、当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、
向上するのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。当社は、このよ
うな当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株式の大量買付を行う者は、当社の財務および事業
の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による当社株式の大量買付に対しては、当社の企
業価値ひいては株主共同の利益を確保するため、必要かつ十分な情報提供を要求するほか、適時適切な情報開示
を行い、株主の皆さまがこれに応じるべきか否かを適切に判断するために必要な情報や時間の確保に努める等、
金融商品取引法、会社法その他の法令および定款の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
66/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
④ その他コーポレート・ガバナンスに関する取り組みの状況
[ESG]
当社は、競争力あるグローバル・メドテックカンパニーへと成長し、サステナブルな社会の実現に貢献するた
めに、ESGを重要な課題と捉えています。経営戦略、ステークホルダーのご意見、ESG評価機関によるベンチマー
ク等を反映し、グループ経営執行会議および取締役会に諮る等のプロセスを経て、6つのESG領域および5つの
重要課題(マテリアリティ)を特定し、これらを中心にESGを推進しています。
2021年4月にはESG担当役員を設置し、ESGに関する短中期の目標設定を行う等、その推進に取り組んでいま
す。ESG担当役員はESGを包括的に推進するとともに進捗状況をモニタリングし、グループ経営執行会議および取
締役会に報告し、各会議体でこれを議論しています。また、執行役の報酬の評価指標の一部として、世界の代表
的なESG投資指標であるDow Jones Sustainability Indices(DJSI)のIndexを設定しています。なお、当社は、
DJSIにおいて2021年に初めて”World Index”を獲得したほか、”Asia/Pacific Index”を3年連続で獲得して
います。
また、各マテリアリティにおける主な取り組みは以下のとおりです。
1.医療機会の幅広い提供および患者さまのアウトカムの向上
当社は、経験豊富な臨床医でもあるチーフメディカルオフィサーのもと、医療分野の質の高い臨床的・科
学的知見を生かし、医療機器の安全等への取り組みを行っています。医療機会の幅広い提供を行うため、医
師をはじめとする医療従事者を対象とした実践的な研修を、各地で積極的に実施しているほか、がん啓発活
動を含むソーシャルキャンペーンを通じて、世界中の多くの地域社会に向けて疾患に対する早期発見を促す
ための啓発活動を支援しています。また、製品の安全性と有効性に関する客観的なエビデンスの提供や、ア
ンメットニーズを特定し、それに応える製品を生み出します。これにより、医療水準を向上させ、患者さま
の予後の改善に寄与することで、患者さまのアウトカムの向上に貢献していきます。
2.コンプライアンスおよび製品の品質安全性への注力
当社は、ESGに対する姿勢を包括的に宣言した「オリンパスグローバル行動規範」により、コンプライア
ンスの徹底を図っています。製品の品質安全性については、「オリンパスグループ クオリティ・ポリ
シー」のもと、当社グループのすべての従業員に対して安全・品質を重視するマインドを醸成しています。
また、2020年3月期に改訂したグローバルマネジメントルールに基づき、執行役および品質法規制機能の
トップであるチーフクオリティオフィサー(CQO)への定期報告を行い、全社課題の明確化を行っていま
す。さらに「グローバル基準:オリンパスがサードパーティに期待すること」を定めて公表し、当社の事業
活動に協力する全てのサードパーティに対する基本的な要請事項を明らかにしています。
3.責任あるサプライチェーンの推進
当社は、責任ある強固なサプライチェーンマネジメントを確立することで、組織全体で持続可能な価値創
造を促進します。当社のサプライチェーンシステムと基準に基づき、環境および人権を含む社会問題に取り
組んでいるほか、環境への配慮や人権尊重等への具体的な行動指針を設けた「サプライチェーン方針」およ
び「サプライヤーさまへのお願い」を定めています。2021年3月期からは、国連指導原則に準拠したグロー
バルでの人権デューデリジェンスの活動を実施しています。
4.ダイバーシティ・インクルージョンの推進
当社は、組織全体のダイバーシティとインクルージョンを促進することで、より魅力的で競争力のある革
新的な事業展開を実現していけると考えています。一例として、2021年3月期はグローバルにおける外国人
役職者の割合が36.9%となっており、役職者の多様化が進んでいます。
また、特に日本では、性別、年齢、国籍、障がい、性的指向、性自認、価値観および働き方等、あらゆる多
様性を尊重することに加え、互いを受け入れるオープンな組織風土づくりや、一人ひとりの固有の課題をお
互いに理解し、乗り越えていけるような支援にも取り組んでいます。2021年6月にはグローバルな視点を兼
ね備えた女性の社外取締役が就任したほか、女性向けの研修やメンタリングを継続的に実施しており、管理
職における女性の比率は年々増加しています。さらに、自宅だけでなく外部施設の利用も認めるテレワーク
勤務制度や、事由を問わない時間単位での年休取得を可能とすることで、働く場所と時間の自由度が上が
り、すべての従業員が自律して能力を発揮できる環境を整えています。これらの取組みの結果、「えるぼし
(3段階目)」「くるみん」「PRIDE指標2021におけるシルバー」の認定を取得しました。
5.社会と協調した脱炭素・循環型社会実現への貢献
当社は、事業活動のすべての場面における環境負荷の削減活動とともに、脱炭素・循環型社会に貢献する
製品やサービスの拡大や各地域での環境貢献活動を通じて、地球環境への配慮と事業成長を両立し、持続可
能な社会の実現に向けて取り組んでいます。環境課題の中でも気候変動を事業活動に影響を及ぼす重大な課
題の一つであると認識し、2021年5月には、オリンパスグループの事業所から排出するCO2排出量を2030年
までに実質ゼロにするカーボンニュートラル目標を設定しました。併せて、TCFD(気候関連財務情報開示タ
スクフォース:Task Force on Climate-Related Financial Disclosures)の提言に賛同し、気候変動に関
67/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
する事業影響や取組み内容の開示を強化しています。2022年2月には、国際的な非営利団体CDPが実施して
いる、気候変動課題に対するサプライヤーとの協同を評価する「サプライヤー・エンゲージメント評価」に
お いて、最高ランクの「CDP2021サプライヤー・エンゲージメント・リーダー」に選定されました。
[コンプライアンス]
当社グループでは、経営理念である「私たちの存在意義」と「私たちのコアバリュー」を実践するべく、誠実
であり続けるためのゆるぎない決意のもと「オリンパスグルーバル行動規範」を制定し、各地域の方針や手順に
従いながら、倫理的かつ責任ある事業活動を行うことで、コンプライアンスを強力に推進しています。
グローバルでのコンプライアンスの責任者であるチーフコンプライアンスオフィサー(CCO)により、各地域
統括会社のコンプライアンス責任者を集めたグローバルコンプライアンスリーダーシップチームミーティングが
四半期毎に開催され、その中でCCO方針の各地域での徹底や、地域共通で取り組む重要施策を討議し、当社グ
ループ全体におけるコンプライアンス状況の把握と施策の推進に努め、より高い次元のコンプライアンス構築に
取り組んでいます。当事業年度は、贈賄防止に関するリスク低減策や教育、モニタリングの強化、そして、グ
ローバル共通の内部通報システムをベースに、通報案件の情報管理と対応力の強化を実施しました。
日本地域では、グローバル共通施策としての贈賄防止に加え国内独自に重要法令を設定し、関連する規程の制
定およびプロセス管理の実施、役員や従業員に対するeラーニングや集合研修およびセミナー等による体系的な
コンプライアンス教育を行い、その結果はコンプライアンス推進委員会を通じ、日本地域グループ会社へ展開し
ています。
なお、CCOはこれらの活動を監査委員会に報告し、コンプライアンスリスクの低減に努めています。
[リスクマネジメント]
当社では、積極的かつ適切なリスクテイクによる企業の持続的成長や価値創出に繋げる“攻め”と、不正や事
故の防止という“守り”の両方の視点で、リスクマネジメントを行っています。
また、予期せぬインシデントが発生した際にも企業価値への影響を最小限に留めるために、危機管理プロセス
を整備しています。
①リスクマネジメント
各地域や個社のリスク情報は、事業・機能・地域において適切に管理し、必要な情報を本社に集約していま
す。また、当社では事業計画策定プロセスにリスクアセスメントを活用し、透明性の高い事業運営に繋げてい
ます。
②危機管理
経営に影響を及ぼす可能性のあるインシデントは、速やかに社長ほか経営陣に報告され、責任者が関連機能
と連携して適切に対応しています。また、防災・減災活動も常時改善を図っており、国内外の激甚な自然災害
の増加を受け、国内では在宅勤務等の新しい働き方を前提に、全国の拠点における暴風雨や地震への備えや体
制整備、グローバルでは各地域との連携体制を強化しています。
さらに、新型コロナウイルス感染症に対しては、引き続き各地域と連携し、従業員、医療従事者の皆さま、
患者さま、そしてコミュニティの健康と安全を守ることを最優先対策とし、事業継続対策も加えて、実施して
います。
[情報セキュリティ]
当社では、2018年よりチーフインフォメーションセキュリティオフィサー(CISO)とその専任機能を設置し、
事業で取り扱う情報および社内業務情報を適切に保護、管理し、安全に活用するとともに、安全で信頼できる製
品やサービスを提供できるよう、当社の製品やサービス上のセキュリティを強化するための活動を進めてきまし
た。
当事業年度においては、これまでの活動をさらに強化するため、新たなセキュリティおよびプライバシーコン
プライアンス戦略を策定しました。この戦略には、新たなガバナンスモデルの構築が含まれ、これにより、当社
全体で情報/サイバーセキュリティ、プライバシーのリスク管理を可能にしています。そして、この戦略では複
数年にわたる戦略ロードマップをグローバルで一貫して実行していくことを目指しています。具体的には、当社
全体におけるグローバル化の進捗に合わせて、機能軸での連携をさらに強化し、ITセキュリティ、Operational
Technologyセキュリティ、製品セキュリティ、プライバシー保護、データ保護、それぞれについて関係各機能の
責任を明確化しました。これにより、一般的なITシステムのみならず製品開発環境や製造環境においてもサイ
バー攻撃への耐性を高めること、開発段階だけでなく製品ライフサイクル全体にわたり、製品セキュリティを継
続的に担保すること、各国の最新動向や法規制に基づき、プライバシー保護をさらに強化するとともに、様々な
データの種類や機密度に応じた保護と利活用を実現することが可能となります。
[品質管理]
当社は、お客さまが求める真の価値を探求し、品質を最優先して行動し、安全で社会に有用な製品およびサー
ビスを提供し続けるために、品質マネジメントシステムの有効性をグローバルで維持、改善しています。
68/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
当事業年度は、前事業年度に引き続き、当社グループ全ての従業員の安全・品質を重視するマインドをより向
上させるために、「オリンパスグループ クオリティ・ポリシー」に沿って、品質法規制機能だけでなく、当社
の全機能および全地域の従業員が、お客さまの安全と安心を第一に考えて行動する組織風土の維持、改善に向け
て 様々な活動を行っています。
当社の経営理念である「私たちのコアバリュー」に基づき、法規制や社会規範の遵守やリスク判断について、
社外有識者および行政当局と積極的にコミュニケーションを取り、「誠実」に判断、対応するためのプロセスを
強化しています。特に、行政当局とのコミュニケーションは透明性を持って積極的に進めました。
また、製品品質の確保、製品法規制の確実な遵守に向けて、グローバルマネジメントルールに基づき、執行役
および品質法規制機能のトップであるチーフクオリティオフィサー(CQO)への定期報告を行い、全社課題の明
確化を行っています。
当社は、グローバルな経験を持つ人材をCQOに任命し、グローバル・メドテックカンパニーにふさわしい迅速
な判断、対応を目指しています。さらに、製品の安全性および製品品質の向上と法規制遵守をグローバル・メド
テックカンパニーとして相応しいレベルで遂行するために、品質・製品法規制機能の戦略的改革を進めており、
品質活動の重要プロセスにグローバル責任者(Global Process Owner)を配置することで、グローバルSOP
(Standard Operating Procedure)に基づき各地域で統一した品質活動を開始しました。
当社グループは、今後も、グローバルで業務品質を改善し続け、お客さまの安全と安心に貢献します。
69/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
定時株主総会終結日(2022年6月24日)現在の状況
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
[コーポレートガバナンス体制]
定時株主総会終結日(2022年6月24日)現在における当社のコーポレートガバナンス体制は次の図のとおりと
なる予定です。
[取締役、取締役会]
取締役会は、次の12名で構成し、過半数の9名が独立社外取締役となる予定です。なお、取締役会の議長には
藤田純孝氏が就任する予定です。
取締役 竹内康雄、シュテファン・カウフマン、古閑信之
藤田純孝、岩村哲夫、桝田恭正、デイビッド・ロバート・ヘイル、ジミー・シー・ビーズ
独立社外取締役
リー、市川佐知子、新貝康司、觀恒平、ゲイリー・ジョン・プルーデン
[指名、報酬、監査委員会]
各委員会のメンバーは次のとおり就任する予定です。
委員長 (独立社外取締役)藤田純孝
指名委員会
(独立社外取締役)デイビッド・ロバート・ヘイル、新貝康司
委員
(取締役)竹内康雄
委員長 (独立社外取締役)岩村哲夫
報酬委員会
(独立社外取締役)ジミー・シー・ビーズリー、新貝康司、ゲイリー・ジョ
委員
ン・プルーデン
委員長 (独立社外取締役)桝田恭正
監査委員会
(独立社外取締役)市川佐知子、觀恒平
委員
(取締役)古閑信之
70/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(2)【役員の状況】
① 役員一覧
a.取締役の状況
1.有価証券報告書提出日(2022年6月21日)現在の当社の取締役の状況は、次のとおりです。
男性 14 名 女性 1 名 (役員のうち女性の比率 7 %) ※左記は執行役の員数を含みます。
所有株式数
(うち株式報
酬制度に基づ
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
く交付予定株
式の数)
(株)
1980年4月 当社入社
2005年4月 オリンパスメディカルシステムズ株式会
社統括本部長
2009年4月 Olympus Europa Holding GmbH取締役
2009年6月 当社執行役員
2011年10月 Olympus Europa Holding GmbH取締役会
長
2012年4月 当社取締役(現任)
当社専務執行役員
当社グループ経営統括室長
Olympus Corporation of the Americas
取締役会長(現任)
取締役
124,189
Olympus Corporation of Asia Pacific
代表執行役社長兼
竹内 康雄 1957年2月25日 (注)3 (57,883)
Limited董事
チーフエグゼクティブ
(注)4
オフィサー(CEO) 2013年3月 Olympus Europa Holding SE取締役
2015年4月 当社経営統括室長
2016年4月 当社副社長執行役員
当社チーフファイナンシャルオフィサー
(CFO)
当社地域統括会社統括役員
2019年4月 当社代表取締役
当社社長執行役員
当社チーフエグゼクティブオフィサー
(CEO)(現任)
2019年6月 当社代表執行役社長(現任)
1965年4月 伊藤忠商事株式会社入社
1995年6月 同社取締役
1997年4月 同社常務取締役
1998年4月 同社代表取締役常務取締役
1999年4月 同社代表取締役専務取締役
2001年4月 同社代表取締役副社長
2006年4月 同社代表取締役副会長
2006年6月 同社取締役副会長
2007年6月 株式会社オリエントコーポレーション社
外取締役
13,018
2008年6月 伊藤忠商事株式会社相談役
(注)3
社外取締役 藤田 純孝 1942年12月24日 (2,848)
古河電気工業株式会社社外取締役
(注)4
日本興亜損害保険株式会社(現損害保険
ジャパン株式会社)社外監査役
2009年6月 日本板硝子株式会社社外取締役
2010年4月 NKSJホールディングス株式会社(現
SOMPOホールディングス株式会社)社外
取締役
2011年6月
日本CFO協会理事長(現任)
2012年4月
当社社外取締役(現任)
<重要な兼職の状況>
日本CFO協会理事長
71/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
所有株式数
(うち株式報
酬制度に基づ
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
く交付予定株
式の数)
(株)
1969年5月 住友精密工業株式会社入社
1995年3月 Surface Technology Systems Ltd.代表
取締役
2000年6月 住友精密工業株式会社取締役
2002年6月 同社常務取締役
2004年6月 同社代表取締役社長
2012年6月 同社相談役
2012年10月 SKグローバルアドバイザーズ株式会社代
表取締役(現任)
5,438
(注)3
2012年12月 株式会社デフタ・キャピタル社外取締役
社外取締役 神永 晉 1946年12月3日 (2,848)
(現任)
(注)4
2016年6月 当社社外取締役(現任)
2019年5月 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
会長
2020年6月 東レ株式会社社外取締役(現任)
<重要な兼職の状況>
SKグローバルアドバイザーズ株式会社代表取締役
株式会社デフタ・キャピタル社外取締役
東レ株式会社社外取締役
1978年4月 本田技研工業株式会社入社
2000年6月 同社取締役
2003年4月 ホンダサウスアメリカ・リミターダ取締
役社長
モトホンダ・ダ・アマゾニア・リミター
ダ取締役社長
ホンダオートモーベイス・ド・ブラジ
ル・リミターダ取締役社長
2006年6月 本田技研工業株式会社常務取締役
2007年4月 ホンダノースアメリカ・インコーポレー
テッド取締役社長
6,797
(注)3
アメリカンホンダモーターカンパニー・
社外取締役 岩村 哲夫 1951年5月30日 (2,848)
インコーポレーテッド取締役社長
(注)4
2008年6月 本田技研工業株式会社専務取締役
2011年4月 同社取締役専務執行役員
2011年6月 同社専務執行役員
2012年4月 同社副社長執行役員
2012年6月 同社代表取締役
2013年4月 同社リスクマネジメントオフィサー
2014年4月 同社コーポレートブランドオフィサー
アメリカンホンダモーターカンパニー・
インコーポレーテッド取締役会長
2017年6月
当社社外取締役(現任)
1980年4月 藤沢薬品工業株式会社(現アステラス製
薬株式会社)入社
2008年6月 同社執行役員経営推進部長
2011年6月 同社執行役員財務担当兼経営推進部長
2012年4月 同社執行役員財務担当(CFO)
5,549
2012年6月 同社上席執行役員財務担当(CFO)
(注)3
社外取締役 桝田 恭正 1957年2月27日 (2,848)
2017年4月 同社上席執行役員社長付
(注)4
2017年6月 有限責任監査法人トーマツ独立非業務執
行役員
2018年6月 デロイトトーマツ合同会社独立非業務執
行役員
当社社外取締役(現任)
72/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
所有株式数
(うち株式報
酬制度に基づ
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
く交付予定株
式の数)
(株)
1990年11月 センチュリー監査法人(現EY新日本有限
責任監査法人)入所
1991年3月 公認会計士登録
1997年3月 不動産鑑定士登録
1997年12月 センチュリー監査法人(現EY新日本有限
責任監査法人)社員
2005年9月 岩﨑公認会計士事務所長(現任)
2013年6月 井関農機株式会社社外取締役(現任)
13,201
2015年6月 日本ハム株式会社社外監査役
(注)3
社外取締役 岩﨑 淳 1959年1月9日 (2,848)
2016年6月 当社社外監査役
(注)4
2019年6月 日本ハム株式会社社外取締役(2022年6
月24日退任予定)
当社社外取締役(現任)
<重要な兼職の状況>
岩﨑公認会計士事務所長
井関農機株式会社社外取締役
日本ハム株式会社社外取締役(2022年6月24日退任予
定)
2007年9月 The Parthenon Group(現EY-
Parthenon)入社
2009年1月 Strategic Value Capital*アナリスト
* The Parthenon Groupの投資子会社
2009年6月 The Parthenon Groupシニアアソシエイ
ト
2010年5月 同社プリンシパル
2011年1月 ValueAct Capital Management L.P.入社
-
2012年12月 同社バイスプレジデント
デイビッド・ロ (注)3
(注)4
社外取締役 1984年12月21日
2014年5月
同社パートナー(現任)
バート・ヘイル
(注)5
2015年3月 MSCI Inc.ディレクター
2015年8月 Bausch Health Companies Inc.ディレク
ター
2019年6月
当社社外取締役(現任)
2021年6月 JSR株式会社社外取締役(現任)
<重要な兼職の状況>
ValueAct Capital Management L.P.パートナー
JSR株式会社社外取締役
1986年3月 Roche Laboratories(Division of
Hoffman LaRoche)地区マネージャー
1989年6月 C.R. Bard Inc.バイスプレジデント 営
業マーケティング担当
2003年6月 同社Bard Access Systems部門プレジデ
ント
2007年4月 同社Bard Peripheral Vascular部門プレ
ジデント
2,048
2009年5月 同社グループ・バイスプレジデント
ジミー・シー・ (注)3
社外取締役 1963年4月6日 (1,307)
2013年6月 同社グループ・プレジデント
ビーズリー
(注)4
2018年5月 ValueAct Capital Management L.P.(以
下、VAC 社)へのコンサルタント兼エグ
ゼクティブアドバイザー
※エグゼクティブアドバイザーの役割は、VAC社の
コンサルティングであり、同社の従業員ではあり
ません。本コンサルティング契約は、2019年3月
に終了しています。
2019年6月
当社社外取締役(現任)
73/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
所有株式数
(うち株式報
酬制度に基づ
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
く交付予定株
式の数)
(株)
1997年4月 弁護士登録
田辺総合法律事務所入所
2005年1月 米国ニューヨーク州弁護士登録
2009年11月 公益社団法人会社役員育成機構監事
2011年1月
田辺総合法律事務所パートナー(現任)
2015年6月 アンリツ株式会社社外取締役
公益社団法人会社役員育成機構理事
2018年4月
米国公認会計士登録
1,307
2018年5月
株式会社良品計画社外監査役
(注)3
社外取締役 市川 佐知子 1967年1月17日
(1,307)
2020年6月 公益社団法人会社役員育成機構監事(現
(注)4
任)
2021年6月 東京エレクトロン株式会社社外取締役
(現任)
当社社外取締役(現任)
<重要な兼職の状況>
田辺総合法律事務所パートナー
公益社団法人会社役員育成機構監事
東京エレクトロン株式会社社外取締役
1990年9月 Karstadt AG 人事機能勤務
2000年10月 Thomas Cook 人事部長
2003年5月 Olympus Europa GmbH( 現 Olympus
Europa
SE & Co.KG)人事部ゼネラルマネー
ジャー
2008年4月 同社コーポレート部門マネジング・ディ
レクター
取締役
2011年11月 同社エグゼクティブマネジング・ディレ
執行役
クター
チーフアドミニストレイ
42,810
2013年9月 同社コンシューマ事業マネジング・ディ
シュテファン・ (注)3
ティブオフィサー(CAO) 1968年1月24日
(41,303)
レクター
カウフマン
チーフストラテジー
(注)4
2017年4月 当社執行役員
オフィサー(CSO)
2019年4月 当社チーフアドミニストレイティブオ
ESGオフィサー
フィサー(CAO)(現任)
Olympus Europa Holding SE スーパーバ
イザリーボード(チェアマン)(現任)
2019年6月
当社取締役(現任)
当社執行役(現任)
2022年4月 当社チーフストラテジーオフィサー
(CSO)(現任)
当社ESGオフィサー(現任)
1978年4月 当社入社
2002年4月 白河オリンパス株式会社代表取締役社長
2006年4月 当社人事部長
2009年6月 当社執行役員
オリンパスメディカルシステムズ株式会
56,178
(注)3
社取締役
取締役 古閑 信之 1955年9月14日 (2,848)
2009年7月 同社製造サービス本部長
(注)4
2010年4月 会津オリンパス株式会社代表取締役社長
2014年4月 当社コーポレートサービス本部長
2017年6月 当社常勤監査役
2019年6月 当社取締役(現任)
270,535
計 (118,888)
(注)4
74/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(注)1 取締役のうち藤田純孝、神永晉、岩村哲夫、桝田恭正、岩﨑淳、デイビッド・ロバート・ヘイル、ジミー・
シー・ビーズリーおよび市川佐知子の各氏は社外取締役です。
2 取締役のうち藤田純孝、神永晉、岩村哲夫、桝田恭正、岩﨑淳、デイビッド・ロバート・ヘイル、ジミー・
シー・ビーズリーおよび市川佐知子の各氏は、株式会社東京証券取引所有価証券上場規程第436条の2に定
める独立役員です。
3 任期は、2021年6月24日開催の定時株主総会における選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のもの
に関する定時株主総会の終結の時までです。
4 「所有株式数」は、2022年3月31日現在の所有株式数を記載しています。また、当社役員持株会における本
人持分および当社の株式報酬管理会社を通じて所有する本人持分ならびに株式報酬制度に基づく交付予定株
式の数を含めて記載しています。
5 デイビッド・ロバート・ヘイル氏はValueAct Capital Management L.P.のパートナーです。同社が管理する
ValueAct Capital Master Fund, L.P.が所有する当社株式数は38,216,084株です(2022年3月31日現在)。
6 当社は指名委員会等設置会社です。委員会の体制は、次のとおりです。
指名委員会:藤田純孝、岩村哲夫、デイビッド・ロバート・ヘイル、竹内康雄
報酬委員会:神永晉、岩村哲夫、ジミー・シー・ビーズリー
監査委員会:桝田恭正、岩﨑淳、市川佐知子、古閑信之
75/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
2.2022年6月24日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役12名選任の件」を提案しており、
当該議案が承認可決されると、当社の取締役の状況は、次のとおりとなる予定です。
なお、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項の内容(役職等)も含めて記載し
ています。
男性 15 名 女性 1 名 (役員のうち女性の比率 6 %) ※左記は執行役の員数を含みます。
所有株式数
(うち株式報
酬制度に基づ
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
く交付予定株
式の数)
(株)
1980年4月 当社入社
2005年4月 オリンパスメディカルシステムズ株式会
社統括本部長
2009年4月 Olympus Europa Holding GmbH取締役
2009年6月 当社執行役員
2011年10月 Olympus Europa Holding GmbH取締役会
長
2012年4月
当社取締役(現任)
当社専務執行役員
当社グループ経営統括室長
Olympus Corporation of the Americas
取締役
取締役会長(現任)
124,189
代表執行役社長兼
Olympus Corporation of Asia Pacific
1957年2月25日
竹内 康雄 (注)3 (57,883)
チーフエグゼクティブ
Limited董事
(注)4
オフィサー(CEO)
2013年3月 Olympus Europa Holding SE取締役
2015年4月 当社経営統括室長
2016年4月
当社副社長執行役員
当社チーフファイナンシャルオフィサー
(CFO)
当社地域統括会社統括役員
2019年4月
当社代表取締役
当社社長執行役員
当社チーフエグゼクティブオフィサー
(CEO)(現任)
2019年6月
当社代表執行役社長(現任)
1965年4月 伊藤忠商事株式会社入社
1995年6月 同社取締役
1997年4月 同社常務取締役
1998年4月 同社代表取締役常務取締役
1999年4月 同社代表取締役専務取締役
2001年4月 同社代表取締役副社長
2006年4月 同社代表取締役副会長
2006年6月 同社取締役副会長
2007年6月 株式会社オリエントコーポレーション社
外取締役
(注)3 13,018
2008年6月
伊藤忠商事株式会社相談役
社外取締役 藤田 純孝 1942年12月24日 (2,848)
古河電気工業株式会社社外取締役
(注)4
日本興亜損害保険株式会社(現損害保険
ジャパン株式会社)社外監査役
2009年6月 日本板硝子株式会社社外取締役
2010年4月 NKSJホールディングス株式会社(現
SOMPOホールディングス株式会社)社外
取締役
2011年6月
日本CFO協会理事長(現任)
2012年4月
当社社外取締役(現任)
<重要な兼職の状況>
日本CFO協会理事長
76/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
所有株式数
(うち株式報
酬制度に基づ
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
く交付予定株
式の数)
(株)
1978年4月 本田技研工業株式会社入社
2000年6月 同社取締役
2003年4月
ホンダサウスアメリカ・リミターダ取締
役社長
モトホンダ・ダ・アマゾニア・リミター
ダ取締役社長
ホンダオートモーベイス・ド・ブラジ
ル・リミターダ取締役社長
2006年6月 本田技研工業株式会社常務取締役
2007年4月
ホンダノースアメリカ・インコーポレー
6,797
(注)3
テッド取締役社長
社外取締役 岩村 哲夫 1951年5月30日 (2,848)
アメリカンホンダモーターカンパニー・
インコーポレーテッド取締役社長
(注)4
2008年6月 本田技研工業株式会社専務取締役
2011年4月 同社取締役専務執行役員
2011年6月 同社専務執行役員
2012年4月 同社副社長執行役員
2012年6月 同社代表取締役
2013年4月 同社リスクマネジメントオフィサー
2014年4月
同社コーポレートブランドオフィサー
アメリカンホンダモーターカンパニー・
インコーポレーテッド取締役会長
2017年6月
当社社外取締役(現任)
藤沢薬品工業株式会社(現アステラス製
1980年4月
薬株式会社)入社
2008年6月 同社執行役員経営推進部長
2011年6月 同社執行役員財務担当兼経営推進部長
2012年4月
同社執行役員財務担当(CFO)
5,549
2012年6月
同社上席執行役員財務担当(CFO)
(注)3
社外取締役 桝田 恭正 1957年2月27日 (2,848)
2017年4月 同社上席執行役員社長付
(注)4
2017年6月 有限責任監査法人トーマツ独立非業務執
行役員
2018年6月
デロイトトーマツ合同会社独立非業務執
行役員
当社社外取締役(現任)
The Parthenon Group(現EY-
2007年9月
Parthenon)入社
2009年1月
Strategic Value Capital*アナリスト
* The Parthenon Groupの投資子会社
2009年6月 The Parthenon Groupシニアアソシエイ
ト
2010年5月 同社プリンシパル
2011年1月 ValueAct Capital Management L.P.入社
-
2012年12月 同社バイスプレジデント
デイビッド・ロ (注)3
(注)4
社外取締役 1984年12月21日
2014年5月 同社パートナー(現任)
バート・ヘイル
2015年3月 MSCI Inc.ディレクター
(注)5
2015年8月 Bausch Health Companies Inc.ディレク
ター
2019年6月 当社社外取締役(現任)
2021年6月 JSR株式会社社外取締役(現任)
<重要な兼職の状況>
ValueAct Capital Management L.P.パートナー
JSR株式会社社外取締役
77/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
所有株式数
(うち株式報
酬制度に基づ
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
く交付予定株
式の数)
(株)
1986年3月 Roche Laboratories(Division of
Hoffman LaRoche)地区マネージャー
1989年6月 C.R. Bard Inc.バイスプレジデント 営
業マーケティング担当
2003年6月 同社Bard Access Systems部門プレジデ
ント
2007年4月 同社Bard Peripheral Vascular部門プレ
ジデント
2,048
2009年5月 同社グループ・バイスプレジデント
ジミー・シー・
(注)3
社外取締役 1963年4月6日
(1,307)
2013年6月 同社グループ・プレジデント
ビーズリー
(注)4
2018年5月
ValueAct Capital Management L.P.(以
下、VAC社)へのコンサルタント兼エグ
ゼクティブアドバイザー
※エグゼクティブアドバイザーの役割は、VAC社の
コンサルティングであり、同社の従業員ではあり
ません。本コンサルティング契約は、2019年3月
に終了しています。
2019年6月
当社社外取締役(現任)
1997年4月 弁護士登録
田辺総合法律事務所入所
2005年1月 米国ニューヨーク州弁護士登録
2009年11月 公益社団法人会社役員育成機構監事
2011年1月
田辺総合法律事務所パートナー(現任)
2015年6月 アンリツ株式会社社外取締役
公益社団法人会社役員育成機構理事
2018年4月
米国公認会計士登録
1,307
2018年5月
株式会社良品計画社外監査役
(注)3
社外取締役 市川 佐知子 1967年1月17日 (1,307)
2020年6月 公益社団法人会社役員育成機構監事(現
任)
(注)4
2021年6月 東京エレクトロン株式会社社外取締役
(現任)
当社社外取締役(現任)
<重要な兼職の状況>
田辺総合法律事務所パートナー
公益社団法人会社役員育成機構監事
東京エレクトロン株式会社社外取締役
78/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
所有株式数
(うち株式報
酬制度に基づ
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
く交付予定株
式の数)
(株)
1980年4月 日本専売公社(現日本たばこ産業株式会
社)入社
2004年6月 日本たばこ産業株式会社執行役員財務グ
ループリーダー
2004年7月 同社執行役員財務責任者
2005年6月 同社取締役執行役員財務責任者
2006年6月 同社取締役
JT International S.A.エグゼクティブ
ヴァイスプレジデント
2011年6月 日本たばこ産業株式会社代表取締役副社
長
2014年6月 株式会社リクルートホールディングス社
外取締役
2018年1月 日本たばこ産業株式会社取締役
2018年3月
アサヒグループホールディングス株式会
社社外取締役
(注)3 -
2018年6月
株式会社エクサウィザーズ社外取締役
社外取締役 新貝 康司 1956年1月11日
(注)4
(現任)
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グ
ループ社外取締役(現任)
2019年6月
第一生命ホールディングス株式会社社外
取締役(現任)
2021年6月
西日本電信電話株式会社社外取締役(現
任)
2022年4月
株式会社新貝経営研究所代表取締役(現
任)
2022年6月
当社社外取締役(予定)
<重要な兼職の状況>
株式会社エクサウィザーズ社外取締役
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ社外取締役
第一生命ホールディングス株式会社社外取締役
西日本電信電話株式会社社外取締役
株式会社新貝経営研究所代表取締役
1986年9月 公認会計士登録
1987年4月 監査法人三田会計社(現有限責任監査法
人トーマツ)入所
1998年6月 監査法人トーマツ(現有限責任監査法人
トーマツ)社員(パートナー)
2013年11月 デロイトトーマツグループおよび有限責
任監査法人トーマツボードメンバー
2015年11月 有限責任監査法人トーマツ包括代表
2018年6月 デロイトトーマツ合同会社シニアアドバ
イザー
2018年9月 デロイトアジアパシフィックリミテッド
監査保証業務リーダー
(注)3 -
社外取締役 觀 恒平 1960年3月7日
2020年1月 デロイトアジアパシフィックリミテッド
(注)4
シニアアドバイザー
2020年10月 觀恒平公認会計士事務所長(現任)
2020年11月 国際会計士連盟(IFAC)ボードメンバー
(現任)
2022年1月 日本公認会計士協会シニアアドバイザー
(現任)
2022年6月
当社社外取締役(予定)
<重要な兼職の状況>
觀恒平公認会計士事務所長
国際会計士連盟(IFAC)ボードメンバー
日本公認会計士協会シニアアドバイザー
79/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
所有株式数
(うち株式報
酬制度に基づ
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
く交付予定株
式の数)
(株)
1985年10月 Janssen Pharmaceutica入社
1999年6月 同社GI Franchiseマーケティングディレ
クター
2001年5月 同社Primary Care Franchiseマーケティ
ングバイスプレジデント
2002年11月 同社CNS Franchiseマーケティングバイ
スプレジデント
2004年2月 Janssen-Ortho Canada INCプレジデント
兼チーフオペレーティングオフィサー
2006年1月 Ethicon Products Incワールドワイドプ
レジデント
2009年4月 Ethicon Franchise Incカンパニーグ
ループチェアマン
2012年1月 Johnson & Johnson Global Surgery
ゲイリー・ジョ (注)3 -
Groupワールドワイドチェアマン
社外取締役 1961年5月10日
ン・プルーデン
(注)4
2015年6月 同社Medical Devicesエグゼクティブバ
イスプレジデント兼ワールドワイドチェ
アマン
2017年12月
Motus GI社外取締役(現任)
2018年4月 Lantheus Holdings Inc社外取締役(現
任)
2019年12月 GPS Med Tech Strategy Consultingチー
フエグゼクティブオフィサー(現任)
2022年6月 当社社外取締役(予定)
<重要な兼職の状況>
Motus GI社外取締役
Lantheus Holdings Inc社外取締役
GPS Med Tech Strategy Consultingチーフエグゼク
ティブオフィサー
1990年9月 Karstadt AG 人事機能勤務
2000年10月 Thomas Cook 人事部長
2003年5月 Olympus Europa GmbH(現Olympus
Europa SE & Co.KG)人事部ゼネラルマ
ネージャー
2008年4月 同社コーポレート部門マネジング・ディ
レクター
2011年11月 同社エグゼクティブマネジング・ディレ
取締役
クター
執行役
2013年9月 同社コンシューマ事業マネジング・ディ
42,810
チーフアドミニストレイ
シュテファン・ (注)3
レクター
1968年1月24日 (41,303)
ティブオフィサー(CAO)
カウフマン
2017年4月 当社執行役員
チーフストラテジー
(注)4
2019年4月
当社チーフアドミニストレイティブオ
オフィサー(CSO)
フィサー(CAO)(現任)
ESGオフィサー
Olympus Europa Holding SE スーパーバ
イザリーボード(チェアマン)(現任)
2019年6月
当社取締役(現任)
当社執行役(現任)
2022年4月
当社チーフストラテジーオフィサー
(CSO)(現任)
当社ESGオフィサー(現任)
1978年4月 当社入社
2002年4月 白河オリンパス株式会社代表取締役社長
2006年4月 当社人事部長
2009年6月 当社執行役員
56,178
オリンパスメディカルシステムズ株式会
(注)3 (2,848)
社取締役
取締役 古閑 信之 1955年9月14日
(注)4
2009年7月 同社製造サービス本部長
2010年4月 会津オリンパス株式会社代表取締役社長
2014年4月 当社コーポレートサービス本部長
2017年6月 当社常勤監査役
2019年6月
当社取締役(現任)
251,896
計 (113,192)
(注)4
80/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(注)1 取締役のうち藤田純孝、岩村哲夫、桝田恭正、デイビッド・ロバート・ヘイル、ジミー・シー・ビーズ
リー、市川佐知子、新貝康司、觀恒平およびゲイリー・ジョン・プルーデンの各氏は、社外取締役です。
2 取締役のうち藤田純孝、岩村哲夫、桝田恭正、デイビッド・ロバート・ヘイル、ジミー・シー・ビーズ
リー、市川佐知子、新貝康司、觀恒平およびゲイリー・ジョン・プルーデンの各氏は、株式会社東京証券取
引所有価証券上場規程第436条の2に定める独立役員として届出る予定です。
3 任期は、2022年6月24日開催予定の定時株主総会における選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終の
ものに関する定時株主総会の終結の時までです。
4 「所有株式数」は、2022年3月31日現在の所有株式数を記載しています。また、当社役員持株会における本
人持分および当社の株式報酬管理会社を通じて所有する本人持分ならびに株式報酬制度に基づく交付予定株
式の数を含めて記載しています。
5 デイビッド・ロバート・ヘイル氏はValueAct Capital Management L.P.のパートナーです。同社が管理する
ValueAct Capital Master Fund, L.P.が所有する当社株式数は38,216,084株です(2022年3月31日現在)。
6 当社は指名委員会等設置会社です。委員会の体制は、次のとおりとなる予定です。
指名委員会:藤田純孝、デイビッド・ロバート・ヘイル、新貝康司、竹内康雄
報酬委員会:岩村哲夫、ジミー・シー・ビーズリー、新貝康司、ゲイリー・ジョン・プルーデン
監査委員会:桝田恭正、市川佐知子、觀恒平、古閑信之
81/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
b.執行役の状況
所有株式数
(うち株式報
酬制度に基づ
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
く交付予定株
式の数)
(株)
取締役
124,189
代表執行役社長兼
竹内 康雄 1957年2月25日 a.取締役の状況参照
(注)1 (57,883)
チーフエグゼクティブ
(注)2
オフィサー(CEO)
1994年1月 GCI Distributionプロダクトマネー
ジャー
1996年3月 Tech Data Espana S.L.U.シニアプロダ
クトマネージャー
1997年8月 Sony Espanaパーソナルエンターテイン
メント事業ディビジョンマネージャー
2000年6月 Sony Europe Limited,デジタルイメージ
ング事業南ヨーロッパマーケティングマ
ネージャー
2001年6月 Olympus Spain S.A.(現Olympus Iberia
S.A.U) イベリアリージョンマネジング
ディレクター
2008年3月 Olympus Europa GmbH (現Olympus
執行役 42,428
Europa SE & Co.KG)イメージング事業マ
チーフオペレーティング ナチョ・アビア 1968年8月3日
(注)1 (42,428)
ネジングディレクター
オフィサー(COO)
(注)2
2011年3月 Olympus Imaging America Inc.プレジデ
ント
2013年7月 Olympus Corporation of the Americas
プレジデント
2015年4月 Olympus Corporation of the Americas
CEO(現任)
2017年4月 当社執行役員
2019年4月 当社米州統括役員
当社治療機器事業担当役員
2020年4月 当社執行役(現任)
当社チーフオペレーティングオフィサー
(COO)(現任)
1985年4月 山之内製薬株式会社(現アステラス製薬
株式会社)入社
2014年4月 同社執行役員経営企画部長
2016年4月 同社執行役員経営推進部長
2017年4月 同社執行役員Chief Financial Officer
(CFO)
2018年4月 同社上席執行役員Chief Financial
Officer(CFO) 兼グローバル調達部長
執行役 16,615
2020年1月 当社入社
チーフファイナンシャル 武田 睦史 1962年10月6日
(注)1 (15,849)
2020年4月
当社執行役(現任)
オフィサー(CFO)
(注)2
当社チーフファイナンシャルオフィサー
(CFO)(現任)
Olympus Europa Holding SE スーパーバ
イザリーボード(現任)
Olympus Corporation of Asia Pacific
Limited董事(現任)
Olympus (China) Co., Ltd.董事(現
任)
82/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
所有株式数
(うち株式報
酬制度に基づ
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
く交付予定株
式の数)
(株)
取締役
執行役
チーフアドミニストレイ
42,810
シュテファン・
ティブオフィサー(CAO)
1968年1月24日 a.取締役の状況参照 (注)1 (41,303)
カウフマン
チーフストラテジー
(注)2
オフィサー(CSO)
ESGオフィサー
1983年4月 当社入社
2011年4月 当社事業構造改革本部長
2012年4月 当社執行役員
当社グループ経営統括本部長
2013年7月 当社財務本部長
2016年7月 Olympus Corporation of the Americas
副米州統括役員
執行役
2019年2月 当社経営統括本部長
26,317
チーフマニュファクチャリ
2019年4月 当社オフィスオブチーフエグゼクティブ
小林 哲男 1960年6月17日 (注)1 (2,702)
ングアンドサプライオフィ
オフィサー
(注)2
サー(CMSO)
2021年4月 当社チーフストラテジーオフィサー
(CSO)
2020年4月 Olympus Europa Holding SE スーパーバ
イザリーボード
2022年4月
当社執行役(現任)
当社チーフマニュファクチャリングアン
ドサプライオフィサー(CMSO)(現任)
1991年9月 Laser-Medizin-Zentrum(Laser- und
Medizin-Technologie GmbH)リサーチア
ソシエイト
1996年7月 University Hospital Benjamin
Franklinプロジェクトマネージャー
1998年4月 Laser- und Medizin-Technologie GmbH
バイオメディカルエンジニアリング部門
テクニカルディレクター
2001年7月 Celon AG medical instruments ディレ
クター研究開発担当
2004年1月
同社CTO
2008年10月
同社CEO
2010年4月 Olympus Winter & Ibe GmbH マネージン
グディレクター研究開発および品質法規
執行役 4,589
制担当
アンドレ・ロー
チーフテクノロジーオフィ 1962年9月19日 (注)1 (4,589)
2012年4月 同社マネージングディレクター、スピー
ガン
サー(CTO) (注) 2
カー・オブ・ザ・ボード
2013年4月 同社エグゼクティブ・マネージング・
ディレクター取締役会議長
Olympus Europa Management SE マネー
ジングディレクター
2019年4月 当社治療機器事業開発部門グローバル
ヘッド
2021年4月 当社執行役員
当社オペレーショングループマネジメン
トヘッド兼オリンパスサージカルテクノ
ロジーズヨーロッパヘッド
2022年4月
当社執行役(現任)
当社チーフテクノロジーオフィサー
(CTO)(現任)
256,948
計 (164,754)
(注)2
83/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(注)1 任期は、2023年3月31日までです。
2 「所有株式数」は、2022年3月31日現在の所有株式数を記載しています。また、当社役員持株会における本
人持分および当社の株式報酬管理会社を通じて所有する本人持分ならびに株式報酬制度に基づく交付予定株
式の数を含めて記載しています。
3 当社は執行役員制度を採用しています。執行役員は次の19名です。
執行役員 大久保 俊彦
執行役員 土屋 英尚
執行役員 齋藤 吉毅
執行役員 斉藤 克行
執行役員 安藤 幸二
執行役員 田代 芳夫
執行役員 江口 和孝
執行役員 長谷川 晃
執行役員 櫻井 友尚
執行役員 大月 重人
執行役員 後藤 正仁
執行役員 楊 文蕾
執行役員 フランク・ドレバロウスキー
執行役員 河野 裕宣
執行役員 倉本 聖治
執行役員 ガブリエラ・ケイナー
執行役員 ロス・セガン
執行役員 ピエール・ボワシエ
執行役員 スティーブン・ニーボーン
84/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
② 社外役員の状況
当社は、取締役11名のうち過半数の8名を社外取締役とすることで、客観的な視点と豊富な経験や知識を経営
に反映し、コーポレート・ガバナンス体制を強化しています。
当社は、社外取締役8名を独立役員として指定しています。なお、社外取締役と当社との間に特別の利害関係
はありません。
社外取締役の機能および役割ならびに当社の選任状況に関する考え方は次のとおりです。
社外取締役の藤田純孝、神永晉、岩村哲夫、桝田恭正、デイビッド・ロバート・ヘイルおよびジミー・シー・
ビーズリーの各氏は、企業経営者としての豊富な経験と幅広い知識を有しており、当社が持続的な成長を続ける
ために貢献いただけると判断し、選任しています。
社外取締役の岩﨑淳氏は、公認会計士として財務・会計に関して相当程度の知見を有しており、その豊富な経
験と幅広い知識を活かして当社経営の監査、監督を遂行していただくため、選任しています。
社外取締役の市川佐知子氏は、弁護士(日本および米国ニューヨーク州)の資格を有しています。さらに、米
国公認会計士として財務・会計に関して相当程度の知見を有しており、その豊富な経験と幅広い知識を活かして
当社経営の監査、監督を遂行していただくため、選任しています。
なお、当社は、取締役が期待される役割を十分に発揮できるよう、取締役(業務執行取締役等であるものを除
く)との間に、会社法第427条第1項の規定に基づき、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締
結しており、当該契約に基づく損害賠償責任限度額は、法令の規定する最低責任限度額です。
[社外役員の独立性に関する考え方]
当社は、社外役員の独立性に関する考え方を明確にするため、以下のとおり「社外役員の独立性に関する基
準」を定めています。
(社外役員の独立性に関する基準)
1. 過去10年間のいずれかの会計年度において、当社および当社の関係会社(以下、併せて「当社グルー
プ」)から1千万円超の報酬(当社からの役員報酬を除く)またはその他の財産を直接受け取っていな
いこと。本人がコンサルタント、会計専門家または法律専門家の場合は、本人が所属する団体への当社
グループからの報酬等支払額が1千万円超でないこと。
2. 過去10年間に、以下に該当する会社の業務執行取締役、執行役、執行役員および部長職以上の使用人で
ないこと。
① 過去10年間のいずれかの会計年度において、当社グループとの取引金額が、双方いずれかにおいて連
結売上高の2%超である
② 当社の大株主(総議決権数の5%超の議決権数を直接または間接的に保有、以下同様)である
③ 当社グループが大株主である
④ 当社グループと実質的な利害関係がある(メインバンク、コンサルタント等)
⑤ 取締役を相互に派遣し就任させる関係がある
3. 上記1.および2.に該当する者と生計を一にしていないこと。
4. 当社グループの取締役、業務執行取締役、執行役員および部長職以上の使用人の配偶者または3親等以
内の親族でないこと。
5. 当社グループの法定監査を行う監査法人に所属する者でないこと。
6. 上記各号のほか、独立性を疑わせる重要な利害関係を有していないこと。
③ 社外取締役による監督または監査と内部監査、監査委員会監査および会計監査との相互連携ならびに内部統制
部門との関係
当事業年度において、監査委員は監査委員会において内部監査機能および会計監査人それぞれから報告等を受
けたことに加え、内部監査機能および会計監査人と意見交換を行う等の連携を図りました。また、社外取締役
は、取締役会において監査委員会から定期的に報告を受けました。
85/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(3)【監査の状況】
① 監査委員会監査の状況
a.監査委員会の組織、人員および手続について
当社は、4名の監査委員のうち、過半数の3名が独立社外取締役の非常勤監査委員であり、桝田恭正、岩﨑
淳、市川佐知子の各氏が務めています。それ以外の1名は社内取締役の常勤監査委員で、古閑信之氏です。監査
委員長は独立社外取締役の桝田恭正氏です。監査委員のうち市川佐知子氏は、弁護士(日本および米国ニュー
ヨーク州)の資格を有しています。さらに、岩﨑淳氏は公認会計士として、市川佐知子氏は米国公認会計士とし
て財務および会計に関する相当程度の知見を有し、桝田恭正氏はチーフファイナンシャルオフィサー(CFO)や監
査法人の独立非執行役員等の財務・会計に関する業務経験があります。
(常勤監査委員の役割分担)
社内取締役の常勤監査委員は、当社および関係会社における必要な情報を収集しています。収集した情報は監
査委員会で共有し、監査委員会として監査意見を形成します。会計監査人、チーフインターナルオーディットオ
フィサー(CIAO)による監査業務を確認し、チーフコンプライアンスオフィサー(CCO)等から報告を聴取しま
す。取締役会に加え、グループ経営執行会議を始めとする重要会議への出席、代表執行役等経営陣との意見交換
および国内外の地域拠点等からの聞き取りを行い、さらに、関係会社常勤監査役連絡会を開催し、企業集団とし
てのガバナンス向上を図っています。また、重要な決裁書類等を閲覧し、業務の適正性の確保について確認を
行っています。
(非常勤監査委員の役割分担)
独立社外取締役の非常勤監査委員は、監査委員会等で共有された情報を踏まえ、専門的知見に基づき、中立、
独立の立場から、監査委員会として監査意見を形成します。また、会計監査人、CIAOによる監査業務を確認し、
CCO等より報告を聴取するとともに、取締役会等の重要会議への出席、代表執行役等経営陣との意見交換および国
内外の地域拠点等からの聞き取りを行っています。
(監査委員会を補助するスタッフ)
執行からの独立性を確保したうえで3名(内訳:専任2名、兼任1名)設置しており、監査委員会事務局を担
当するほか、関係会社等への調査や会議への出席など監査委員会の補助を行っています。
b.監査委員会の活動状況について
(監査委員会の開催頻度・個々の監査委員の出席状況)
監査委員会は、取締役会同日および臨時にて年間24回開催しています。さらに監査委員会を補完するために適
宜監査委員連絡会を開催し、情報共有に努めています。監査委員会の平均所要時間は一回あたり3時間であり、
年間の議案数は78議案です。年間を通じ次のような報告、決議がなされました。
報告:執行役による職務執行状況、事業報告の記載内容、経理機能による四半期決算概要および決算報告、会
計監査人による会計監査計画および四半期決算レビュー・会計監査報告、内部監査機能による内部監査
計画およびJ-SOX評価・内部監査報告、コンプライアンス機能による機能方針および活動状況、内部統制
システムの整備・運用状況等
決議:会計監査人の監査方法および監査結果の相当性、会計監査人評価、会計監査人の再任、監査委員会監査
報告書、選定監査委員および特定監査委員の選定、監査委員会監査計画、会計監査人の監査報酬に対す
る同意、旧取締役に対する損害賠償請求訴訟について、監査委員会運営規程改定等
個々の監査委員の出席状況については次のとおりです。
地 位 氏 名 出席状況 出席率
18回/18回
監査委員長(独立社外取締役) 桝田 恭正 100%
(2021年6月に委員就任)
監査委員(独立社外取締役) 岩﨑 淳 24回/24回 100%
18回/18回
監査委員(独立社外取締役) 市川佐知子 100%
(2021年6月に委員就任)
常勤監査委員(社内取締役) 古閑 信之 24回/24回 100%
6回/6回
監査委員(独立社外取締役) 名取 勝也 100%
(2021年6月に委員退任)
6回/6回
監査委員(独立社外取締役) 木川理二郎 100%
(2021年6月に委員退任)
(監査委員会の主な検討事項)
監査委員会は独立の立場・公正不偏の態度を保持しつつ、会計監査人の監査の相当性を確認し、内部監査機能
を通じて監査を行うとともに、監査委員会が直接、取締役、執行役の職務執行の適法性・妥当性を確認すること
により、実効的・効率的な監査を実施しています。なお、新型コロナウイルス感染症からの関係者の安全確保と
監査の実効性確保を両立させるため、Web会議の実施やリモートによる重要書類・決裁書データベースの確認な
ど、監査活動は主としてオンライン環境にて行いました。今後においても安全性を重視した上で、オンライン方
式による監査活動の利点と制約を踏まえ、デジタル技術を活用した監査と現地往査を併用することによってさら
なる監査の実効性向上に努めます。
86/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(内部監査機能による監査結果を活用した内部統制システムの監査)
当社の内部統制システムがグローバルレベルで有効に機能しているかを監査するために、内部監査機能による
監査を通じ、執行役のもとで行われるリスクマネジメント、コントロールおよびガバナンスの各プロセスの有効
性の評価について確認しています。
(監査委員会による直接監査と重要監査テーマ)
関係会社監査役、コンプライアンス機能および内部統制機能等と連携し、重要な会議への出席、経営陣との
ミーティング、グローバルにおける重要拠点や主な機能に対する調査、重要書類や決裁書等の閲覧を主としてオ
ンライン方式によって行い、監査の実効性を高めています。当期の重点監査テーマは次のとおりです。
(1) Transform Olympusによる経営基盤強化の取組状況
(2) M&AのPMI(買収後の経営統合作業)の状況
(3) 医療品質法規制に対する体制整備
(会計監査人の監査の相当性)
監査委員会は、会計監査人であるEY新日本有限責任監査法人の品質管理体制の整備・運用状況および同法人当
社監査チームの会計監査における品質管理や監査の実施状況をオンライン方式にて確認しています。海外関係会
社も含めたグローバルな会計監査体制および監査品質に関しては、ネットワークファームにオンライン方式で確
認を行い、会計監査の相当性を判断しています。
(取締役の競業取引・利益相反取引および不祥事対応)
取締役の競業取引・利益相反取引についても適切に確認しています。不祥事が発生した場合は当社監査委員会
監査基準に基づき、適切な対応を図ります。
② 内部監査の状況
当社の内部監査は、CEO直轄に位置するCIAOが責任者として、日本を含む、欧米アジアのオリンパスグループ全
体の内部監査体制を管理し、内部監査業務を統括しています。内部監査の対象範囲は、当社および当社グループ
会社です。内部監査では、リスクベースで策定された年度監査計画に基づき監査を実施し、監査先への改善指摘
とその改善状況のフォローアップを行っています。また、金融商品取引法に基づく内部統制の整備・運用状況の
評価を行っています。
内部監査の状況および結果、ならびに内部統制の整備・運用状況の評価結果については、CEOおよび取締役会な
らびに監査委員会に対して定期的または適宜報告を行うほか、会計監査人とも監査計画や監査結果について緊密
な情報交換を行い、連携を図っています。現在、内部監査機能はグルーブ全体で67名(2022年3月末現在)であ
り、うち公認会計士10名(日本以外で認証の会計士を含む)、公認内部監査人19名、公認情報システム監査人9
名、公認不正検査士7名を擁しています(重複資格保有者を含む)。
③ 会計監査の状況
a.監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
b.継続監査期間
13年間
c.業務を執行した公認会計士
山﨑 隆浩
吉田 哲也
飯田 昌泰
d.監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士19名、会計士試験合格者17名、その他37名です。
e.監査法人の選定方針と理由
監査委員会による会計監査人の解任について定めた会社法第340条第1項各号への該当の有無、会計監査人の適
格性および信頼性に影響を及ぼす事象の有無を確認したうえで、当社の会計監査人評価基準に従い、監査法人の
選定を行っています。
また、会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当すると認められる場合、必要に応じて、監査委
員会は、監査委員全員の同意により会計監査人を解任します。さらに、上記のほか、会計監査人の適格性および
信頼性に影響を及ぼす事象が生じたことにより、当社における監査が適切に実施されないと認められる場合、そ
の他必要があると判断した場合には、監査委員会は、株主総会に提出する会計監査人の解任または不再任に関す
る議案の内容を決定します。
f.監査委員会による監査法人の評価
87/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
監査委員会は、公益社団法人日本監査役協会策定の「会計監査人の評価および選定基準策定に関する監査役等
の実務指針」を基に当社の会計監査人評価基準を定め、EY新日本有限責任監査法人の品質管理体制、継続関与年
数、経営の安定性および同法人当社監査チームの監査品質の適正性、独立性、EY(Ernst & Young)も含めたグ
ロー バル・グループの監査体制を確認します。この評価結果を基に株主総会に提出する会計監査人の解任または
不再任に関する議案の内容を決定します。2023年3月期は再任が妥当と判断し、当該議案は提出しませんでし
た。具体的な評価プロセスは下記のとおりです。
プロセス 時 期 主な実施内容
継続して評価する項目に加え、当該年度の重点評価項
当該年度の評価項目の決定 10月~11月
目を決定し、評価時期や評価方法を定める。
執行部門に対し会計監査人の評価を確認する。また、
監査チームとしての品質管理状況
10月~11月 監査チームと共同でネットワークファームへの確認を
の確認
行い、コミュニケーション状況を確認する。
監査法人の機能長とのコミュニケーションおよび日本
監査法人としての品質管理状況の 公認会計士協会による品質管理レビュー結果等を聴取
11月~1月
確認 し、法人としての品質評価を確認する。また、他の会
計監査人のベンチマークを実施する。
項目ごとに評価を行う。あわせて、最終評価までに実
会計監査人中間評価 12月
施する項目を選定する。
会計監査人最終評価および会計監 会計監査人に対する最終評価を行い、会計監査人の再
5月
査人再任の適否の審査 任の適否を審査する。
④ 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報 監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報
報酬(百万円) 酬(百万円) 報酬(百万円) 酬(百万円)
266 4 252 18
提出会社
19 19
連結子会社 - -
285 4 271 18
計
(前連結会計年度)
当社は、監査公認会計士等に対して、非監査業務として、各種アドバイザリー業務等を委託し、その対価を支
払っています。
(当連結会計年度)
当社は、監査公認会計士等に対して、非監査業務として、海外市場での社債発行に関するコンフォートレター業
務等の各種アドバイザリー業務等を委託し、その対価を支払っています。
b.監査公認会計士等と同一のネットワーク(Ernst & Young)に属する組織に対する報酬(a.を除く)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報 監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報
報酬(百万円) 酬(百万円) 報酬(百万円) 酬(百万円)
6 7
提出会社 - -
768 83 841 53
連結子会社
768 89 841 60
計
(前連結会計年度)
当社および連結子会社における非監査業務の内容は、アドバイザリー業務等です。
88/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(当連結会計年度)
当社および連結子会社における非監査業務の内容は、アドバイザリー業務等です。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
(前連結会計年度)
該当事項はありません。
(当連結会計年度)
該当事項はありません。
d.監査報酬の決定方針
当社は監査公認会計士等に対する監査報酬を決定するにあたり、監査公認会計士等より提示される監査計画の内
容をもとに、監査工数等の妥当性を勘案、協議し、会社法第399条に基づき、監査委員会の同意を得た上で決定す
ることとしています。
e.監査委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査委員会は、会計監査人の報酬等について、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務の執行状況および
監査報酬の見積もりの算出根拠など必要な情報の入手および検証を行った結果、会社法第399条第1項の同意をし
ました。
89/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(4)【役員の報酬等】
①役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針に係る事項
当社は、指名委員会等設置会社として3名以上かつ独立社外取締役が過半数を占める委員で構成される報酬委員会を
置き、独立社外取締役を委員長とすることで透明性を確保し、公正かつ適正に報酬を決定しています。当社の役員報酬
体系は、役員に「企業価値の最大化を図り様々なステークホルダーの期待に応える」という意識を強く持たせ、その責
務に相応しい処遇とすることを基本方針としています。報酬委員会は、この趣旨に沿い、取締役および執行役が受ける
個人別の報酬決定に関する方針を以下のとおり決定し、この方針に従い取締役および執行役が受ける個人別の報酬等の
額等を決定し、取締役会に報告します。
a.取締役(執行役兼務者を除く)の報酬体系
ⅰ. 取締役の報酬水準
① 優秀な人材の確保・保持を可能とする競争力のある報酬水準とするべく、役割責任とそれぞれの居住地にお
けるピアグループとの比較で、50%~75%水準とします。
② ピアグループの構成企業は、それぞれの居住地において医療機器を事業ポートフォリオに持つ企業およびヘ
ルスケア企業から選定します。
③ ピアグループの報酬水準は、外部専門機関の客観的な報酬調査データを活用して確認します。
④ 取締役から報酬辞退の申し出がある場合には、報酬委員会で確認の上、対応を決定します。
ⅱ. 取締役の報酬構成
① 取締役と投資家との利害の共有を図るという考え方を重視し、現金報酬(基本報酬(BS:Base Salary))
に加え、非業績連動型の株式報酬(非金銭報酬)を付与します。
② 非業務執行取締役に対する株式報酬は事後交付型譲渡制限付株式報酬(RSU : Restricted Stock Unit)と
し、日本居住者は退任時に権利確定とします。日本非居住者の権利確定は、各地域の非業務執行取締役に対す
る株式報酬の一般的な方法に準じて個別に設定します。
③ 2023年3月期の株式報酬は日本居住者、日本非居住者ともに同額の600万円とします。前年度から増額した
理由は、株式保有の促進による取締役と投資家との利害の共有という考え方を一層進めるためです。
④ 株主総会における就任時の株価で支給株数を算出し、権利確定後にその株数を支給する方法を採用します。
⑤ 株式保有ガイドラインを以下のように定めています。
1. 日本居住者:全ての事後交付型譲渡制限付株式報酬(RSU)は、退任時に権利確定とするため、株式保有
ガイドラインは設定していません。
2. 日本非居住者:基本報酬(BS)の1倍以上とします。おおよそ就任後5年で達成するレベルです。ただ
し、この5年という期間は、納税を目的とした知る前計画による売却の影響を考慮しない場合です。
⑥ 取締役会議長には基本報酬(BS)に議長手当を加算します。
⑦ 取締役を兼務する執行役について、日本出身の執行役に対しては、取締役としての管理監督機能に対する現
金報酬を執行役報酬とは別に支給します。日本出身ではない執行役に対しては、取締役としての管理監督機能
に対する現金報酬は執行役報酬に含めて支給します。
b.執行役(取締役兼務者を含む)の報酬体系
ⅰ. 報酬に関する理念
① 経営戦略を達成し企業価値を創造するためには、有能な経営人材を確保し、その能力を十分に発揮してもら
う報酬制度が必須です。そのために次の考え方で報酬制度を決定しています。
1. グローバル・メドテックカンパニーに対抗しうる、より強力なインセンティブプログラムとする。
2. 経営戦略と整合性のあるインセンティブプログラムとする。
3. 非金銭報酬等である長期インセンティブ報酬(LTI:Long Term Incentive)を活用し、価値創造とパ
フォーマンス評価を重視したプログラムとする。
4. グローバル・メドテックカンパニーへの発展のステージを考慮した報酬水準とする:グローバル水準と出
身労働市場水準のハイブリッド型
5. クローバック条項や株式保有ガイドラインを導入し、インセンティブに対する健全な管理を確保する。
6. チャレンジングかつアチーバブルな目標設定により、執行役のモチベーションを向上させる。
(注)執行役の構成が日本人中心からグローバルな構成に変わる中で、報酬委員会は、理念の4項目として定め
ていた「日本の大手グローバル企業と比較して競争力のある基本報酬(BS)を支給する。」がふさわしく
ないと判断し、上記の内容に改訂することを決議しました。
90/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
ⅱ. 執行役の報酬水準
① 報酬総額の考え方
1. 「グローバル・メドテックカンパニーへの発展のステージを考慮した報酬水準とする:グローバル水準と
出身労働市場水準のハイブリッド型」という報酬に関する理念を念頭に、グローバル・メドテックカンパ
ニーの役員の報酬総額を考慮し、業績連動報酬および株式報酬を重視しその比重を高める方向を目指しま
す。
2. 執行役の出身国の労働市場の状況や労働市場における競争力、執行役の役割責任等を考慮し、ターゲット
水準および許容レンジを設定し、基本報酬・TCC(Total Cash Compensation)・TDC(Total Direct Cash)
を総合的に比較し、決定します。なお、各国労働市場の報酬水準は、外部専門機関の客観的な報酬調査デー
タを活用して確認しています。
3. 執行役報酬の金額の妥当性はペイレシオ(CEOの報酬と日本居住の従業員の給与の中央値の比率)で確認
しています。また一部従業員(日本非居住者を含む)への株式報酬支給など、執行役報酬と従業員報酬の制
度面での連続性を確保する取り組みを進めています。
ⅲ. 執行役の報酬構成
① 執行役の報酬は、固定報酬である基本報酬(BS)、業績連動報酬等である短期インセンティブ報酬(STI:
Short Term Incentive)、および非金銭報酬等である長期インセンティブ報酬(LTI)の組み合わせとしま
す。
② 日本出身ではない執行役については、個人別にその出身地で一般的なレベルのフリンジベネフィットやセベ
ランス・ペイ等を設定します。個人別に設定される金額等は報酬委員会で決議します。なお、セベランス・ペ
イの退任時の支給有無、手当額は在任期間等の複数条件に基づいて決定されます。
③ グローバル・メドテックカンパニーの報酬総額も考慮し、業績連動報酬等である短期インセンティブ報酬
(STI)、および非金銭株式報酬である長期インセンティブ報酬(LTI)の比率を前期よりも高めた報酬構成と
しました。
<CEO>
2022年3月期 = BS:STI:LTI=1(25%):1(25%):2(50%)
2023年3月期 = BS:STI:LTI=1(19%):1.25(24%):3(57%)
<CEO以外の執行役共通>
2022年3月期 = BS:STI:LTI=1(29%):1(29%):1.5(42%)
2023年3月期 = BS:STI:LTI=1(24%):1.15(28%):2(48%)
④ 長期インセンティブ報酬(LTI)は事後交付型譲渡制限付株式報酬(RSU)と業績連動型株式報酬(PSU:
Performance Share Unit)で構成します。
ⅳ. 報酬リスクマネジメント
① 株式保有ガイドライン
1. 投資家と経営層(執行役)の利害の共有を図る目的で、株式保有ガイドラインを設定します。
2. 株式保有ガイドラインは以下とします。
・執行役は基本報酬の5倍以上
3. 2023年3月期から執行役の基本報酬(BS)に対する長期インセンティブ報酬(LTI)の比率を増加させた
ことに合わせ、報酬委員会は株式保有ガイドラインを見直しました。株式保有ガイドラインは、目標達成状
況に左右されますが、おおよそ就任後5年で達成するレベルとしています。
② クローバック条項
1. 経営層(執行役)の無謀な投資や不正会計処理の抑止力とすることを目的に、クローバック条項を設定し
ます。
2. クローバックの対象は、執行役の業績連動報酬等である短期インセンティブ報酬(STI)および非金銭報
酬等である長期インセンティブ報酬(LTI)とします。以下の事象が発生した場合にクローバックを発動さ
せます。
1. 報酬の前提となる情報が誤っているまたは異なっていることが発覚したことに起因して、本来支給され
るべきであった報酬額との差額の返還を求める事象
2. 義務違反等が発生した場合の一種の制裁措置として、支給済の報酬額の返還を求める事象
3. 個別事象に対するクローバックの適用の最終決定は報酬委員会が行い、取締役会に報告します。
91/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
ⅴ. 業績連動報酬等である短期インセンティブ報酬(FY2023-STI)
① 目標の構成
2023年3月期(FY2023)の短期インセンティブ報酬(FY2023-STI)は財務指標と戦略目標で構成します。
財務指標は成長と効率を評価するために売上高と営業利益率としました。また長期的、戦略的な取り組みを
各年度内で着実に実施することが重要であることから、戦略目標を指標としています。各指標の比率は以下
の図に示すとおり、売上高が30%、営業利益率が40%、戦略目標が30%です。
売上高 営業利益率 戦略目標
30% 40% 30%
② 評価テーブルの上限/下限および調整項目
1. 評価指標ごとに上限を200%、下限を0%とします。
2. 調整項目
1. 売上:為替調整としてFY2023業績予想に使用の為替レートを適用
2. 営業利益:その他の収益/その他の費用を控除
③ 売上高の評価テーブル
1. 支給率200%:FY2023売上高調整事業計画値 +{(FY2023売上高調整事業計画値 ― FY2022売上高実績値)
x70%}
=9,822+{(9,822-9,249)*70%}=10,223億円
2. 支給率110%~200%=110+(X–9,822)*90/401
3. 支給率110%:FY2023売上高調整事業計画値 =9,822億円
4. 支給率100%~110%=100+(X–9,680)*10/142
5. 支給率100%:FY2023売上高予想値 =9,680億円
6. 支給率50%~100%=50+(X–9,249)*50/431
7. 支給率50%:FY2022売上高実績値(為替調整後)=9,249億円
8. 支給率0%:FY2022売上高実績値未満(為替調整後)
(注)1.FY2023売上高調整事業計画値は、半導体供給やウクライナなどのリスク要因を除外した数値
2.XはFY2023の売上実績(為替調整後)
④ 営業利益率評価テーブル
1. 支給率200%:2022年3月時点のピアグループの過去12か月の営業利益率の75%水準=23.5%
2. 支給率110%~200%=110+(Y–22.4)*90/1.1
3. 支給率110%:FY2023営業利益率調整事業計画値=22.4%
4. 支給率100%~110%=100+(Y–20.9)*10/1.5
5. 支給率100%:FY2023業績予想の営業利益率=20.9%
6. 支給率50%~100%=50+(Y–19.3)*50/1.6
7. 支給率50%:FY2022営業利益率実績値=19.3%
8. 支給率0%:FY2022営業利益率実績値未満
(注)1.YはFY2023の営業利益率実績(調整後)
2.FY2023営業利益率調整事業計画値は、半導体供給やウクライナなどのリスク要因を除外した数値
⑤ 戦略目標
1. 2022年5月11日に開催した2022年3月期決算説明会において示した、以下に示す2023年3月期の「全社で
取り組む重要課題」に関連する項目を設定し、全執行役共通の目標とします。評価テーブル0%~200%間の
支給カーブは項目ごとに設定します。
1. 当社が最大限の力を発揮できる疾患に重点的に取り組む
2. 診療水準を向上させる新たな投資によって、医療の未来を形成する
3. 組織のグローバルかつスピーディーな対応力を向上させる
92/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
ⅵ. 非金銭報酬等である長期インセンティブ報酬(FY2023-LTI)
2023年3月期から2025年3月期の3年間を対象期間とする長期インセンティブ報酬(FY2023-LTI)は、以下のと
おりです。
事後交付型譲渡制限付株式報酬(RSU)と業績連動型株式報酬(PSU)の比率は、業績連動報酬に重きを置くとい
う基本的考え方に従い、RSU=25%、PSU=75%を基本としています。しかしながら、現在の不透明で変化の大きい事
業環境を考慮し、報酬総額における株式の望ましい比率を確保するため、FY2023-LTIについては、RSU=40%、
PSU=60%と決定しました。
① 事後交付型譲渡制限付株式報酬(FY2023-RSU)
1. 権利確定
1. ユニット支給から1年ごとに1/3のユニットの権利確定および株式支給を行います。なお報酬委員会
の確認を経て権利確定とします。
2. 執行役退任時に権利未確定のユニットについては、退任から6ヶ月後の報酬委員会の確認を経て権利確
定とします。
2. 付与日と支給ユニット数
1. 付与日は2022年4月1日とします。
2. 算定株価は付与日の前営業日における当社普通株式の終値とします。
3. 為替は付与日の前営業日におけるTTM(Telegraphic Transfer Middle Rate)を適用します。
4. 付与の基準となる執行役の基本給の総額は399,062,820円で、RSU支給ユニットの総数は149,130ユニッ
トです。
② 業績連動型株式報酬(FY2023-PSU)
1. 『経営戦略と整合性のあるインセンティブプログラムとする。』という報酬に関する理念に基づき、また
事業環境を考慮した上で、業績連動型株式報酬(PSU)を決定します。
2. 権利確定
ユニット支給から3年後に達成度を評価し、権利確定および株式支給を行います。なお、報酬委員会の確
認を経て権利確定とします。
3. 付与日と支給ユニット数
1. 付与日は2022年4月1日とします。
2. 算定株価は付与日の前営業日における当社普通株式の終値とします。
3. 為替は付与日の前営業日におけるTTM(Telegraphic Transfer Middle Rate)を適用します。
4. 付与の基準となる執行役の基本給の総額は399,062,820円で、PSU支給ユニットの総数は223,697ユニッ
トです。
4. PSUの評価指標は、営業利益、相対TSR、ESG指標で構成し、その比率は以下のとおりです。
営業利益 相対TSR ESG
20% 60% 20%
5. 各指標の目標値と評価テーブルは以下のように設定します。
1. 営業利益:20%
① 今後も企業価値向上のため継続的に改革を推進することから、報酬委員会は以下の方法で営業利益の
評価を行うことが適切と判断しました。
② 業績連動型株式報酬(PSU)の評価期間中の各期初に、営業利益の目標および0%~200%の支給カー
ブを決定し、各期末に実績から各期の支給率を算定します。そして3期分の支給率の平均をPSUの営業
利益に対する支給率とします。
③ 2023年3月期の営業利益の目標値および支給カーブは、短期インセンティブ報酬(FY2023-STI)の項
に記載のとおりです。
2. 相対TSR:60%
① 報酬委員会は、企業価値・株主価値を評価する指標として相対TSRが適切であるとともに、企業価
値・株主価値の向上をさらに進めるために、相対TSRの比重を増加させることが適切であると判断しま
した。
93/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
② “医療機器を事業ポートフォリオに持つ製造業”もしくは“GICSコードのHealth Careに分類される
メーカー”から、以下の日欧米の20社をピアグループとして設定します。
Abbott Laboratories, Thermo Fisher Scientific Inc., Medtronic plc, Koninklijke Philips
N.V., Danaher Corporation, Asahi Kasei Corporation, Becton, Dickinson and Company, Siemens
Healthineers AG, Stryker Corporation, Baxter International Inc., Boston Scientific
Corporation, Zimmer Biomet Holdings, Inc., Terumo Corporation, Agilent Technologies, Inc.,
HOYA Corporation, Smith & Nephew plc, Edwards Lifesciences Corporation, Intuitive Surgical,
Inc., STERIS plc, Sysmex Corporation
③ 自社のTSRのランクが75%水準以上の場合200%支給、50%水準で100%支給、25%水準で50%支給とし、25%
水準未満の場合には支給率を0%とします。75%水準と50%水準の間の水準(X)%時の支給率(Y)%は、
Y=4(X-50)+100 です。50%水準と25%水準の間の水準(X)%時の支給率(Y)%は、Y=2(X-25)+50
です。
3. ESG:20%
① 企業経営のベースであり、経営戦略でも重視することを表明しているESGに関する指標とします。
② 当社の事業特性を鑑み、以下の理由でDJSI(Dow Jones Sustainability Index)のIndexを評価指標
として設定します。
・企業活動全体に対する網羅性がある。
・評価領域のカバレッジの広さから、幅広くステークホルダーの期待との対照をとることができる。
・信頼性の高い外部評価機関であり、透明性・公平性が担保できる。
③ DJSIの評価結果は、ランクの上位から“World Index(W)”、“Asia Pacific Index(AP)”、”
Non-Index(N)”となります。E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)の全ての領域でグローバル水
準を満たすことを目標に、1年目、2年目の結果を考慮し、3年目に獲得するIndexを重視した次の評
価テーブルを設定します。
1st Year 2nd Year 3rd Year Payout %
W 200%
W AP 150%
Non 50%
W 200%
W AP AP 150%
Non 50%
W 150%
Non AP 100%
Non 0%
W 200%
W AP 150%
Non 50%
W 200%
AP AP AP 100%
Non 50%
W 150%
Non AP 100%
Non 0%
W 200%
W AP 100%
Non 0%
W 200%
Non AP AP 100%
Non 0%
W 150%
Non AP 50%
Non 0%
94/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
② 2022年3月期の報酬等
a.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数
報酬等の種類別の総額(百万円)
報酬等の総額 対象となる役員の
役員区分
(百万円) 員数(人)
基本報酬 業績連動報酬等 非金銭報酬等
919 514 224 181 3
社内
138 116 22 10
取締役 社外 -
計 1,057 630 224 203 13
666 282 234 150 3
執行役
(注)1.基本報酬は2022年3月期に支払った金額、業績連動報酬等は2022年3月期を対象期間とした短期インセン
ティブ報酬額(2022年7月に支給予定)、非金銭報酬等は2022年3月期に費用計上すべき長期インセン
ティブ報酬額を記載しています。なお、業績連動型株式報酬(PSU)の額227百万円は非金銭報酬等にのみ
計上しており、業績連動報酬等には計上していません。
2.執行役は上記の3名のほかに2名(取締役兼務)います。その2名の報酬等は社内取締役としての報酬等
に含めて記載しています。
3.当社は、執行役を兼務しない取締役に対して業績連動報酬等を支給していません。
4.上記の社外取締役には、2021年6月24日開催の2021年3月期定時株主総会終結の時をもって退任した社外
取締役2名を含んでいます。
5.社外取締役1名から報酬辞退の申し出があり、報酬委員会として支給しないことを決定しました。ただし
上記社外取締役の員数には含めて記載しています。
b.報酬等の総額が1億円以上である役員ごとの報酬等の総額等
報酬等の種類別の総額(百万円)
報酬等の総額
氏名 役員区分
(百万円)
基本報酬 業績連動報酬等 非金銭報酬等
302
竹内 康雄 取締役・執行役 91 103 109
661
シュテファン・カウフマン 取締役・執行役 472 121 68
144
田口 晶弘 執行役 42 56 47
102
武田 睦史 執行役 32 42 28
338
ナチョ・アビア 執行役 130 136 71
(注)1.上表における「基本報酬」には、2022年3月期に支払った金額を記載しています。海外法人に在籍し、当
社において就任している執行役については、基本報酬以外に、当該国法および当該法人の制度に基づき給
付される諸手当や福利厚生相当額を含みます。「業績連動報酬等」には、2022年3月期を評価対象期間と
した短期インセンティブ報酬の支給額を記載しています。「非金銭報酬等」には、2022年3月期を評価対
象期間に含む長期インセンティブ報酬(事後交付型譲渡制限付株式報酬、および業績連動型株式報酬)に
ついて、当事業年度に費用として計上している額を記載しています。なお、業績連動型株式報酬の費用計
上額は、「業績連動報酬等」には計上していません。
2.シュテファン・カウフマン氏は、海外法人に在籍しつつ、当社において執行役に就任しており、日本を主
たる居住地として執行を行っています。同氏の所得税について、当該国居住者との間で税負担の一貫性が
保てるよう、必要な税額調整を行っており、当該取扱に伴い発生する税金等の額も上表の同氏の「基本報
酬」記載の金額に含まれています。
95/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
c.2022年3月期を評価対象期間とする短期インセンティブ報酬(FY2022-STI)
2022年3月期の短期インセンティブ報酬(STI)の評価指標と構成比は、売上高=30%、営業利益率=40%、戦略目標
=30%です。
ⅰ.売上高:30%
2021年3月期の決算短信の「次期の見通し」の売上高を目標としていましたが、当該連結業績予想が更新された
ことを受け、2022年3月期第1四半期決算短信に記載された連結業績予想の売上高を目標とするよう変更しまし
た。目標の100%達成に対し100%が支給され、支給率は下限0%~上限200%です。売上高(X)が目標を超える場合、
100%支給から200%支給の間の支給率は、支給率=100+(X-7,857)*100/363 で算出されます。売上高(X)が目標を
下回る場合、50%支給から100%支給の間の支給率は、支給率=50+(X-7,339)*50/518 で算出されます。
ⅱ.営業利益率:40%
2021年3月期決算短信の「次期の見通し」の営業利益額を目標としていましたが、2022年3月期第1四半期決算
短信に記載された連結業績予想の損益計算書から算出した調整後営業利益率に変更しました。目標の100%達成に対
し100%が支給され、支給率は下限0%~上限200%です。営業利益率(Y)が目標を超える場合、100%支給から200%支
給の間の支給率は、支給率=100+40(Y–17.5) で算出されます。営業利益率(Y)が目標を下回る場合、50%支給
から100%支給の間の支給率は、支給率=50+12.5(Y–13.5) で算出されます。
ⅲ.戦略目標:30%
2021年5月7日に開催した2021年3月期決算説明会において示した2022年3月期の以下の全社で取り組む重要課
題の中から項目を設定し、全執行役共通の目標としました。各目標の達成度に対し下限0%~上限200%で支給する
よう設定しました。
・医療ビジネスにおける収益性の高い成長戦略の深化
・Transform Olympusによる企業体質の更なる改善および基盤強化
・今後の成長を牽引する製品開発への着実な投資継続
各業績評価指標の目標値および実績値は次のとおりです。
業績連動報酬等(STI) 目標値 実績値 達成率 支給率
売上高(30%) 7,857億円 8,011億円 142.4% 42.7%
業績評価指標 営業利益率(40%) 17.5% 19.3% 172% 68.8%
戦略目標(30%) - - 70% 21%
(注)1.売上高:為替調整後
2.営業利益率:その他の収益・費用を差し引いた調整後の営業利益から算出
以上により、支給率は各業績評価指標の支給率の合計132.5%となりました。また、この支給率を業績連動報酬
(STI)標準額に乗じ支給額を決定しました。
d.2022年3月期を評価対象最終期間とする長期インセンティブ報酬(19PSU)
中長期の成長性と収益性を高める意欲を刺激し、その結果に報いることを目的に、対象期間は3期分とし、業績評
価指標を、①親会社の所有者に帰属する当期利益(以下、当期利益)の対象期間合計額、②売上高成長率の対象期間平
均としていました。また、対象期間終了時における目標達成度に応じて、0%~150%の範囲で調整した金額に相当する
数の当社の普通株式を交付するように設定していました。これに対し、評価対象期間中に映像事業の譲渡が発生した
ため、業績評価指標の目標値および実績値から可能な範囲で映像事業分を除いて評価することが適切と報酬委員会は
判断しました。総支給額および支給株数の算定方法は以下のとおりです。
総支給額={((3事業年度当期利益合計額-1,108億円))×0.046219567% +((3事業年度平均売上高成長率-
3.25%))×675,923,077円}×((対象となる取締役・執行役の個別ポイントの総和÷7,323))
各役員への個別支給株数は、上記に基づき計算された総支給額を当社普通株式の割当に係る当社報酬委員会決議の
前営業日の東京証券取引所における当社普通株式の終値で除して算出した総支給株数を、個人別に定められたポイン
トおよび在任期間に応じて按分し決定します。
96/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
各業績評価指標の目標値および実績値は次のとおりです。
業績評価指標 目標値 下限値 実績値
当期利益の対象期間合計額 2,217億円 1,108億円 2,251億円
売上高成長率の対象期間平均 6.5% 3.25% 5.67%
(注)1.当期利益の合計額は、目標値は変えず、全社実績から映像事業譲渡に関する一時費用を控除した調整値
を実績値とし、達成度を評価しました。
2. 売上高成長率は、全社売上から映像事業分を除いた計画値および実績値で達成度を評価しました。
以上により、総支給額は51,905,112円となりました。また、この総支給額に基づき総支給株数は19,796株となりま
した。
e.2022年3月期にユニットを付与した株式報酬
2022年3月期にユニットを付与した株式報酬は以下のとおりです。
タイプ 名称 付与対象 ユニット付与日 付与ユニット総数
非業務執行取締役 2021年6月24日 10,456
FY2022-RSU
執行役 2021年4月1日 91,866
事後交付型譲渡制限付株式報酬
Transformational
執行役
2021年4月1日 9,380
(CEO・CTO)
FY2022-RSU
業績連動型株式報酬 FY2022-PSU 執行役 2021年4月1日 137,800
③ 報酬委員会
報酬委員会は当期に係る報酬等の内容について、取締役および執行役の個人別の報酬等の決定方針と報酬等の内容お
よび額の決定方法の整合性、また、当該決定方法に数値その他の関係する要素を当てはめ報酬等の内容および額を導き
出す過程の合理性など、報酬等の決定に関する事項について審議を行ったうえで決定していることから、当該決定方針
に沿うものであると判断しております。
報酬委員会の構成は次のとおりです。
委員長: 神永 晉(独立社外取締役)
委員 : 岩村 哲夫(独立社外取締役)
委員 : ジミー・シー・ビーズリー(独立社外取締役)
報酬委員会が行う決議または審議事項は次のとおりです。
・取締役および執行役の個人別の報酬等の決定方針
・取締役および執行役の職位ごとに支給する報酬の種類、報酬の種類ごとの構成比率、業績連動報酬の指標
・取締役および執行役の個人別の報酬等の内容
・確定額報酬の個人別の額、不確定額報酬の個人別の算定方法、非金銭報酬の個人別の具体的内容
・取締役および執行役の報酬規程に関する事項
・上記のほか、取締役および執行役の報酬に関し取締役会から諮問を受けた事項および委員会が必要と認めた事項
なお、当期における当社の役員の報酬等の額の決定過程における報酬委員会の活動は以下のとおりです。
報酬委員会の開催回数は11回で、合計時間は20時間でした。
委員全員が全ての回に出席しました。
報酬委員会は、取締役および執行役の報酬に対する客観的かつ専門的な立場からの情報提供および検討支援を目的
に、グローバルに展開する独立報酬コンサルタントのPay Governance社を採用し、2021年4月~2022年3月に開催し
た11回中10回に陪席しました。
97/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
当期における報酬委員会の具体的活動内容は以下の表のとおりです。
回 開催日付 内容
1.FY2021-STI結果レビューと支給額の決定について(決議)
2.18PSU結果レビューと支給額の決定について(決議)
3.Transformational FY22-RSUの設定について(決議)
第23回 2021年4月27日
4.取締役の報酬について(決議)
5.FY2022-STIについて(討議)
6.FY2022-LTIについて(討議)
7.招集通知および有価証券報告書の記載内容について(討議)
1.FY2022-STIについて(討議)
第24回 2021年5月11日
2.FY2022-LTIについて(討議)
第25回 2021年5月14日 1.FY2022-LTIについて(討議)
第26回 2021年6月10日 1.FY2022-STIについて(討議)
1.譲渡制限付株式報酬(18RS)の制限解除の件(決議)
2.退任取締役および日本非居住取締役に対する事後交付型譲渡制限付株式報酬
第27回 2021年6月24日 (RSU)の件(決議)
3.取締役の月例報酬個別支給額および株式報酬ユニット数決定の件(決議)
4.FY2022-STIについて(討議)
1.FY2022修正事業計画に基づくFY2022報酬の変更の件(決議)
第28回 2021年8月5日
2.FY2022報酬内容変更に関する開示の件(討議)
1.FY2022 報酬委員会の検討課題について(討議)
第29回 2021年8月26日 2.FY2022 執行役員の報酬について(討議)
3.統合レポートの記載内容の件(討議)
1.FY2023の執行役報酬について(討議)
第30回 2021年11月4日
2.FY2023の取締役報酬について(討議)
1.報酬理念の一部改訂について(決議)
2.従業員の報酬について(討議)
第31回 2021年12月16日
3.FY2023の執行役報酬について(討議)
4.FY2023の取締役報酬について(討議)
1.FY2022-STIの戦略目標の進捗報告(討議)
2.FY2023執行役報酬について(討議)
第32回 2022年2月3日
3.FY2023取締役報酬と株式保有ガイドライン改訂について(討議)
4.退任執行役の株式報酬について(決議)
1.FY2023執行役報酬について(決議)
2.FY2023-LTIについて(討議)
第33回 2022年3月24日
3.報酬規程の改定について(決議)
4.従業員の株式報酬に関する報告の件(討議)
(注)FY2022:2022年3月期
FY2023:2023年3月期
18PSU:2019年3月期~2021年3月期を対象期間とする長期インセンティブ報酬
FY2021-STI:2021年3月期を対象期間とする短期インセンティブ報酬
FY2022-STI:2022年3月期を対象期間とする短期インセンティブ報酬
FY2022-LTI:2022年3月期~2024年3月期を対象期間とする長期インセンティブ報酬
FY2023-LTI:2023年3月期~2025年3月期を対象期間とする長期インセンティブ報酬
98/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(5)【株式の保有状況】
①投資株式の区分の基準および考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、「純投
資目的」とは専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的とすることとし、社内
規程に則り、余剰資金は、元本保証あるいはそれに準ずる安全性が確保されている方法に限定し、リスクのある投
資運用は行わないこととしています。「純投資目的以外」とは、保有することによって当社グループの事業運営
上、中長期的な企業価値向上に資することを目的とすることと定義しています。
②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針および保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の
内容
当社は、中長期的な経済合理性や将来の見通しを検証のうえ当社グループの中長期的な企業価値向上に資すると
判断した上場株式を保有します。毎年、取締役会で個別の政策保有株式(純投資目的以外で保有する株式)につい
て、保有目的、保有に伴う便益、リスク等を総合的に勘案の上、保有の適否を検証し、保有に適さないと判断した
株式については順次縮減します。政策保有株式について、株主としての権利を行使すべく、全ての議案に対して議
決権を行使することとし、政策保有先の中長期的な企業価値向上の観点から当該企業の経営状況を勘案し、議案ご
との賛否を適切に判断します。
当事業年度は、保有意義を検証した結果、8銘柄(1銘柄は一部売却)の株式を売却しました。
b.銘柄数および貸借対照表計上額
銘柄数 貸借対照表計上額の
(銘柄) 合計額(百万円)
9 65
非上場株式
2 1,532
非上場株式以外の株式
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
銘柄数 株式数の増加に係る取得
株式数の増加の理由
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
非上場株式 - - -
非上場株式以外の株式 - - -
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
銘柄数 株式数の減少に係る売却
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
非上場株式 - -
8 8,280
非上場株式以外の株式
c.特定投資株式およびみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
当事業年度 前事業年度
株式数(株) 株式数(株) 保有目的、定量的な保有効果 当社の株式
銘柄
および株式数が増加した理由 保有の有無
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
・同社株式は当社の医療分野および科学事
560,575 1,121,575
業における円滑な取引関係の維持・強化の
ウシオ電機㈱
有
ため保有しています。
1,024 1,636
・(注)1
99/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
当事業年度 前事業年度
株式数(株) 株式数(株) 保有目的、定量的な保有効果 当社の株式
銘柄
および株式数が増加した理由 保有の有無
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
・同社は当社の中核事業にとって重要な
400,000 400,000
パートナーであり、安定的な取引関係を保
㈱オハラ 無
持するため、同社株式を保有しています。
508 675
・(注)1
・同社株式は資金調達を中心とする、安定
2,095,990
-
した金融取引の維持・強化のため保有して
㈱三菱UFJフィナン
いましたが、当事業年度において、同社株 無
シャルグループ
式の保有の合理性を検証し売却していま
1,240
-
す。
・同社株式は資金調達を中心とする、安定
した金融取引の維持・強化のため保有して
2,029,248
-
㈱めぶきフィナン
いましたが、当事業年度において、同社株 無
シャルグループ
式の保有の合理性を検証し売却していま
530
-
す。
・同社株式は当社の医療分野および科学事
1,350,400
-
業における円滑な取引関係の維持・強化の
朝日インテック㈱
ため保有していましたが、当事業年度にお 有
いて、同社株式の保有の合理性を検証し売
4,119
-
却しています。
・同社株式は資金調達を中心とする、安定
1,173,807
-
した金融取引の維持・強化のため保有して
㈱八十二銀行 いましたが、当事業年度において、同社株 有
式の保有の合理性を検証し売却していま
473
-
す。
・同社株式は設備関連の円滑な業務の推進
285,000
-
のため保有していましたが、当事業年度に
住友不動産㈱
有
おいて、同社株式の保有の合理性を検証し
1,113
-
売却しています。
・同社株式は主に医療分野における円滑な
40,600
-
取引関係の維持・強化のため保有していま
佐鳥電機㈱
有
したが、当事業年度において、同社株式の
33
-
保有の合理性を検証し売却しています。
・同社株式は主に医療分野における円滑な
29,877
-
取引関係の維持・強化のため保有していま
ヒロセ電機㈱
有
したが、当事業年度において、同社株式の
509
-
保有の合理性を検証し売却しています。
(注)1 保有株式に関する定量的な保有効果の算出は困難ですが、当社は、毎年の取締役会において、個別の政策保
有株式に関する保有目的、保有に伴う便益、リスク等を総合的に勘案のうえ、保有の合理性を検証していま
す。
2 「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しています。
みなし保有株式
該当株式の保有はありません。
③保有目的が純投資目的である投資株式
該当株式の保有はありません。
100/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
第5【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。
以下、「連結財務諸表規則」という。)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことか
ら、第93条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に準拠して作成しています。
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号、以下
「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。 なお、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務
諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日
まで)の連結財務諸表及び事業年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)の財務諸表について、EY新日本有限
責任監査法人により監査を受けています。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表を適正
に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表を適正に作成す
ることができる体制の整備を行っています。その内容は以下のとおりです。
(1)会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応するため、公益財団法人財務会計基
準機構等から情報の収集を行い、適正性の確保に努めています。
(2)IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把
握を行っています。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方
針及び実務指針を作成し、それらに基づいて会計処理を行っています。
101/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
1【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結財政状態計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
資産
流動資産
217,478 302,572
現金及び現金同等物 7,35
157,920 178,428
営業債権及びその他の債権 8,35
10,268 10,269
その他の金融資産 10,35
158,895 167,368
棚卸資産 9
10,425 3,718
未収法人所得税
24,970 27,565
その他の流動資産 11
小計 579,956 689,920
117 4,685
売却目的で保有する資産 12
流動資産合計 580,073 694,605
非流動資産
239,166 247,112
有形固定資産 13
127,384 164,498
のれん 14
104,810 120,361
無形資産 14
22,677 25,975
退職給付に係る資産 23
3,128 1,514
持分法で会計処理されている投資
24,577 27,857
営業債権及びその他の債権 8,35
23,350 16,152
その他の金融資産 10,35
56,720 57,783
繰延税金資産 37
1,568 2,142
その他の非流動資産 11
603,380 663,394
非流動資産合計
1,183,453 1,357,999
資産合計
102/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
負債及び資本
負債
流動負債
69,870 60,547
営業債務及びその他の債務 17,35
31,529 52,281
社債及び借入金 18,35
21,873 26,015
その他の金融負債 19,35
10,736 34,353
未払法人所得税
33,412 22,114
引当金 20
160,971 180,941
その他の流動負債 21
328,391 376,251
流動負債合計
非流動負債
323,735 333,846
社債及び借入金 18,35
60,197 64,600
その他の金融負債 19,35
42,446 40,001
退職給付に係る負債 23
5,676 2,783
引当金 20
13,103 13,087
繰延税金負債 37
14,425 16,069
その他の非流動負債 21
459,582 470,386
非流動負債合計
負債合計 787,973 846,637
資本
124,643 124,643
資本金 24
90,835 91,239
資本剰余金 24
自己株式 24 △ 98,048 △ 45,589
34,818
その他の資本の構成要素 24 △ 1,347
278,243 305,057
利益剰余金 24
親会社の所有者に帰属する持分合計 394,326 510,168
1,154 1,194
非支配持分
395,480 511,362
資本合計
1,183,453 1,357,999
負債及び資本合計
103/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
②【連結損益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記 (自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
継続事業
730,544 868,867
売上高 6,28
9,13
271,014 297,172
売上原価
14,23
売上総利益 459,530 571,695
13,14
357,032 405,399
販売費及び一般管理費
23,29
595 1,492
持分法による投資損益 6
8,479 14,425
その他の収益 30
29,587 28,315
その他の費用 16,30
営業利益 6 81,985 153,898
1,193 1,356
金融収益 31
6,368 5,381
金融費用 31
76,810 149,873
税引前利益
11,140 33,903
法人所得税費用 37
65,670 115,970
継続事業からの当期利益
非継続事業
△ 52,681 -
非継続事業からの当期損失 41
12,989 115,970
当期利益
当期利益の帰属
12,918 115,742
親会社の所有者
71 228
非支配持分
12,989 115,970
当期利益
1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益(△は損失)(円)
51.03 90.22
継続事業 32
非継続事業 32 △ 40.98 -
10.05 90.22
基本的1株当たり当期利益 32
希薄化後1株当たり当期利益(△は損失)(円)
51.00 90.17
継続事業 32
非継続事業 32 △ 40.96 -
10.04 90.17
希薄化後1株当たり当期利益 32
104/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
③【連結包括利益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記 (自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
12,989 115,970
当期利益
その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
2,626
33 △ 686
する金融資産
5,312
△ 926
確定給付制度の再測定 33
純損益に振り替えられることのない項目合
33 1,700 4,626
計
純損益に振り替えられる可能性のある項目
21,938 42,407
在外営業活動体の換算差額 33
169
キャッシュ・フロー・ヘッジ 33 △ 2,154
持分法適用会社におけるその他の包括利益
152
△ 55
33
に対する持分
純損益に振り替えられる可能性のある項目
22,052 40,405
33
合計
23,752 45,031
その他の包括利益合計
36,741 161,001
当期包括利益
当期包括利益の帰属
36,670 160,773
親会社の所有者
71 228
非支配持分
36,741 161,001
当期包括利益
105/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
④【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
非支配
注記 その他の 資本合計
資本 利益 持分
資本金 自己株式 資本の 合計
剰余金 剰余金
構成要素
124,643 91,157 275,833 370,747 1,211 371,958
2020年4月1日 残高 △ 98,135 △ 22,751
12,918 12,918 71 12,989
当期利益
23,752 23,752 23,752
その他の包括利益
23,752 12,918 36,670 71 36,741
当期包括利益 - - -
自己株式の取得 24
△ 2 △ 2 △ 2
58 0 0
自己株式の処分 24 △ 58
剰余金の配当 26 △ 12,856 △ 12,856 △ 170 △ 13,026
その他の資本の構成要
2,348
素から利益剰余金への △ 2,348 - -
振替額
240 31 271 271
株式報酬取引 27
非支配持分との
42
△ 504 △ 504 △ 462
資本取引
87
所有者との取引額等合計 - △ 322 △ 2,348 △ 10,508 △ 13,091 △ 128 △ 13,219
124,643 90,835 278,243 394,326 1,154 395,480
△ 98,048 △ 1,347
2021年3月31日 残高
106/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
非支配
注記 その他の 資本合計
資本 利益 持分
資本金 自己株式 資本の 合計
剰余金 剰余金
構成要素
124,643 90,835 278,243 394,326 1,154 395,480
2021年4月1日 残高 △ 98,048 △ 1,347
115,742 115,742 228 115,970
当期利益
45,031 45,031 45,031
その他の包括利益
45,031 115,742 160,773 228 161,001
当期包括利益 - - -
自己株式の取得 24
△ 30,001 △ 30,001 △ 30,001
115 4 4
自己株式の処分 24 △ 111
82,340
自己株式の消却 24 △ 82,340 - -
剰余金の配当 26 △ 15,428 △ 15,428 △ 188 △ 15,616
利益剰余金から資本剰
82,366
△ 82,366 - -
余金への振替額
その他の資本の構成要
8,866
素から利益剰余金への △ 8,866 - -
振替額
489 5 494 494
株式報酬取引 27
404 52,459
所有者との取引額等合計 - △ 8,866 △ 88,928 △ 44,931 △ 188 △ 45,119
124,643 91,239 34,818 305,057 510,168 1,194 511,362
△ 45,589
2022年3月31日 残高
(注)資本金、資本剰余金、利益剰余金、自己株式及びその他の資本の構成要素の内容等につきましては、注記「24.資
本及びその他の資本項目」において記載しています。
107/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
⑤【連結キャッシュ・フロー計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記 (自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
76,810 149,873
税引前利益
非継続事業からの税引前損失 41 △ 52,476 -
59,937 64,615
減価償却費及び償却費
段階取得に係る差損益(△は益) 30,40 - △ 2,826
842 3,396
減損損失(又は戻入れ) 16
受取利息及び受取配当金 △ 1,169 △ 1,184
3,992 4,865
支払利息
44,794
映像事業譲渡に関する損失 41 -
持分法による投資損益(△は益) △ 595 △ 1,492
営業債権及びその他の債権の増減額(△は増
△ 9,718 △ 10,981
加)
4,024
棚卸資産の増減額(△は増加) △ 2,097
営業債務及びその他の債務の増減額(△は減
7,361
△ 8,827
少)
181
退職給付に係る負債の増減額(△は減少) △ 987
328
退職給付に係る資産の増減額(△は増加) △ 718
6,826
引当金の増減額(△は減少) △ 15,372
13,847 1,516
その他
小計 152,770 181,995
817 1,017
利息の受取額
352 167
配当金の受取額
利息の支払額 △ 3,355 △ 4,286
△ 26,462 △ 9,164
法人所得税の支払額
124,122 169,729
営業活動によるキャッシュ・フロー
108/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記 (自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
投資活動によるキャッシュ・フロー
定期預金の預入による支出 △ 40,002 △ 1
40,015
定期預金の払戻による収入 -
有形固定資産の取得による支出 △ 38,660 △ 41,688
1,621 4,485
有形固定資産の売却による収入
無形資産の取得による支出 △ 20,567 △ 20,083
貸付による支出 △ 466 △ 129
1,167 1,271
貸付金の回収による収入
7,870 8,282
投資の売却及び償還による収入
事業譲渡による支出 34 △ 27,830 -
2,121
事業譲渡による収入 34 -
子会社の取得による支出 34,40 △ 44,541 △ 21,837
1,328 724
子会社の売却による収入 34
関連会社株式の取得による支出 △ 1,069 -
95
△ 2,040
その他
投資活動によるキャッシュ・フロー
△ 118,918 △ 71,016
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増
34 △ 67,721 △ 5,454
減額(△は減少)
リース負債の返済による支出 34 △ 16,188 △ 17,691
99,230
長期借入れによる収入 34 -
長期借入金の返済による支出 34 △ 10,606 △ 26,246
配当金の支払額 26 △ 12,856 △ 15,428
非支配持分への配当金の支払額 △ 170 △ 188
49,757 56,143
社債の発行による収入 18,34
自己株式の取得による支出 △ 2 △ 30,001
非支配持分からの子会社持分取得による支出 △ 462 -
△ 182 △ 1,802
その他
財務活動によるキャッシュ・フロー 40,800
△ 40,667
8,757 27,048
現金及び現金同等物に係る換算差額
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 54,761 85,094
162,717 217,478
現金及び現金同等物の期首残高
217,478 302,572
現金及び現金同等物の期末残高
109/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
オリンパス株式会社(以下、「当社」)は、日本に所在する株式会社であり、その登記されている本社の住所は東
京都八王子市です。当社の連結財務諸表は、当社及びその子会社(以下、「当社グループ」)、並びに当社の関連会
社に対する持分により構成されています。
当社グループは、主に内視鏡、治療機器、科学、及びその他の製品の製造・販売を行って行っています。各事業の
内容は注記「6.事業セグメント」に記載のとおりです。
2.作成の基礎
(1)連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しています。当社
は連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たしていることから、同第93条
の規定を適用しています。
なお、本連結財務諸表は、2022年6月21日に取締役代表執行役社長兼CEO竹内康雄及び執行役CFO武田睦史によっ
て承認されています。
(2)測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、注記「3.重要な会計方針」に記載のとおり、公正価値で測定されている特定
の金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成されています。
(3)機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を四捨五入して表示していま
す。
110/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
3.重要な会計方針
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生
じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーによりそのリター
ンに影響を及ぼす能力を有している場合、当社グループはその企業を支配していると判断しています。子会社の
財務諸表は、支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めています。
グループ会社間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連
結財務諸表の作成に際して消去しています。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に
帰属させています。
支配が継続する子会社に対する当社の持分変動は、資本取引として会計処理しています。非支配持分の調整額
と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しています。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失を純損益として認識しています。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有するものの、支配又は共同支
配をしていない企業をいいます。関連会社に対する投資は、当社グループが重要な影響力を有することとなった
日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって会計処理しています。
関連会社に対する投資には、取得に際して認識されたのれんが含まれています。
(2)企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しています。
企業結合が生じた期間の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、暫定的な金額で会計
処理を行い、取得日から1年以内の測定期間において、暫定的な金額の修正を行っています。
取得対価は、被取得企業の支配と交換に移転した資産、引受けた負債、及び当社グループが発行する資本性金融
商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得対価には条件付対価が含まれます。取得対価が識別可能
な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして認識しています。反対に
下回る場合には、連結損益計算書において直ちに純損益として認識しています。発生した取得関連費用は純損益と
して認識しています。
段階的に達成される企業結合の場合、当社グループが以前保有していた被取得企業の持分は支配獲得日の公正価
値で再測定し、発生した利得又は損失は純損益として認識しています。
(3)外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における為替レート又は近似するレートで当社グループの各社の機能通貨に換算してい
ます。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しています。公正価
値で測定する外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の測定日における為替レートで機能通貨に換算して
います。換算及び決済により発生した換算差額は、その期間の純損益として認識しています。ただし、その他の
包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産から生じる換算差額については、その他の包括利益として認識し
ています。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債は期末日の為替レート、収益及び費用は為替レートが著しく変動している場合
を除き、期中の平均為替レートで換算しています。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、そ
の他の包括利益として認識しています。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損
益に振替えています。
(4)金融商品
① 金融資産
(i)当初認識及び測定
営業債権及びその他の債権はその発生日に、その他の金融資産は当該金融資産に関する契約の当事者となっ
た取引日に、当初認識しています。当初認識時において金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融
資産を除き、公正価値に取引費用を加算した金額で測定しています。
111/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(ⅱ)分類及び事後測定
金融資産については、当初認識時に、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で
測定する金融資産、もしくは純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
(償却原価で測定する金融資産)
金融資産のうち、以下の要件をともに満たすものは、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有する事業モデルの中で保有されている
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが所
定の日に生じる
償却原価で測定する金融資産は当初認識後、実効金利法による償却原価によって測定しています。
(その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産)
投資先との取引関係の維持又は強化を主な目的として保有する株式等の資本性金融商品については、当初認
識時に、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は当初認識後、公正価値の変動額をその他の
包括利益として認識しています。認識を中止した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合に、その他の
包括利益の累積額を直接利益剰余金に振替えています。
なお、当該金融資産から生じる配当金については、純損益として認識しています。
(純損益を通じて公正価値で測定する金融資産)
上記以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は当初認識後、公正価値の変動を純損益として認識していま
す。
(ⅲ)金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産については、予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しています。
当社グループでは、金融資産にかかる信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを報告期
間の末日ごとに評価し、著しく増加していない場合には12ヶ月の予想信用損失に等しい金額を、信用リスクが
当初認識時点から著しく増加している場合には全期間の予想信用損失に等しい金額を、貸倒引当金として認識
しています。
なお、営業債権、契約資産及びリース債権は常に、全期間の予想信用損失に等しい金額を貸倒引当金として
認識しています。
また、過去に減損損失を認識した金融資産について、当初減損損失を認識した後に発生した事象により減損
損失の金額が減少した場合には、過去に認識した減損損失を戻入れ、純損益として認識しています。
(ⅳ)認識の中止
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時点、又は、金融資産から生じる
キャッシュ・フローを受取る契約上の権利を譲渡し、リスクと経済的便益のほとんどすべてを移転した時点
で、金融資産の認識を中止しています。
② 金融負債
(i)当初認識及び測定
金融負債は、当該金融負債の契約当事者になる取引日に当初認識しています。全ての金融負債は当初認識時
に公正価値で測定していますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引費用を控除した
金額で測定しています。
(ⅱ)分類及び事後測定
金融負債については、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債、もしくは償却原価で測
定する金融負債に分類しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は当初認識後、公正価値の変動を純損益として認識していま
す。
償却原価で測定する金融負債は当初認識後、実効金利法による償却原価によって測定しています。実効金利
法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、純損益として認識しています。
112/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(ⅲ)認識の中止
金融負債が消滅したとき、すなわち、契約上の義務が免責、取消又は失効となった時点で認識を中止してい
ます。
③ 金融商品の相殺
金融資産及び金融負債は、当社グループが残高を相殺する法的権利を有し、かつ、純額で決済するかもしくは
資産の実現と債務の決済を同時に実行する意思を有している場合にのみ連結財政状態計算書上で相殺し、純額で
表示しています。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスク及び金利リスクをヘッジする目的で、為替予約、金利スワップ契約及び金利通貨
スワップ等のデリバティブを利用しており、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び純損益を通じて公
正価値で測定する金融負債に分類しています。また、ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブをヘッジ手段とし
て指定し、ヘッジ会計を適用しています。
ヘッジ会計の適用に当たっては、ヘッジ開始時に、ヘッジ関係、リスク管理目的及び戦略について、公式に指
定並びに文書化を行っています。当該文書には、ヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジするリスクの性質、及びヘッ
ジの有効性を判定する方法が記載されており、ヘッジ関係が将来に向けて有効であるかどうかを継続的に評価し
ています。
当社グループでは、ヘッジ会計の要件を満たす金利及び金利通貨関連のデリバティブ取引についてキャッ
シュ・フロー・ヘッジを適用しています。
キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段にかかる公正価値の変動額のうち、ヘッジの効果が有効な部分はそ
の他の包括利益に認識し、ヘッジ対象取引を実行し純損益に認識するまでその他の資本の構成要素として認識し
ています。また、有効でない部分は純損益として認識しています。
その他の資本の構成要素に認識したヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える
時点で純損益に振替えています。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合に
は、その他の資本の構成要素として認識している金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正と
して会計処理しています。
予定取引の発生がもはや見込まれない場合には、ヘッジ会計を中止し、従来その他の資本の構成要素として認
識していた累積損益を純損益に振替えています。ヘッジ会計を中止した場合であっても、ヘッジされた将来
キャッシュ・フローの発生の可能性が見込まれる場合には、ヘッジ会計の中止時までにその他の資本の構成要素
として認識していた金額を、当該将来キャッシュ・フローが発生するまで引き続きその他の資本の構成要素に認
識しています。
なお、当社グループでは公正価値ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資ヘッジは行っていません。
(5)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、現金、随時引き出し可能な預金、及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について
僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資により構成されています。
(6)棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能額のうちいずれか低い方の金額で測定しています。取得原価には、購入原
価及び加工費、並びに棚卸資産が現在の場所と状態に至るまでに発生したその他のコストが含まれ、主として加重
平均法に基づいて算定されています。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要
する見積原価及び見積販売費用を控除した金額です。
(7)有形固定資産
有形固定資産の測定は原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で
表示しています。
有形固定資産の取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体・除去及び原状回復費用、並びに資産計上
の要件を満たす借入コストが含まれています。
土地等の償却を行わない資産を除き、各資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって定額法で減価償却していま
す。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりです(使用権資産は除く)。
・建物及び構築物:2~50年
・機械装置及び運搬具:2~10年
・工具、器具及び備品:2~15年
見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は会計上の見
積りの変更として将来に向かって適用しています。
113/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(8)のれん
のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
のれんは償却を行わず、毎期又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。減損
損失が発生した場合には純損益として認識しています。
なお、のれんの当初認識時における測定は「(2) 企業結合」に記載しています。
(9)無形資産
無形資産の測定は原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示して
います。
個別に取得した無形資産の取得原価には、資産の取得に直接起因する費用が含まれています。企業結合において
取得した無形資産は取得日現在の公正価値で測定しています。また、自己創設無形資産には、開発局面に発生し
た費用のうち以下の資産化の要件すべてを満たす開発費用を認識し、要件を満たさない場合には、発生時に費用
として認識しています。
・使用又は売却に利用できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性があること
・無形資産を完成させて、使用するか又は売却するという意図があること
・無形資産を使用又は売却できること
・無形資産が将来の経済的便益を創出する可能性が高いこと
・開発を完了させて、無形資産を使用するか又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他
の資源の利用可能性があること
・開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できること
耐用年数を確定できない無形資産を除いて、各資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却していま
す。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりです。
・開発資産:4~8年
・ソフトウェア:3~5年
・その他:3~15年
見積耐用年数及び償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更
として将来に向かって適用しています。
耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能ではない無形資産は償却を行わず、毎期又は減損の兆候が存
在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。
(10)リース
①借手リース
借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類するのではなく、単一の会計
モデルを導入し、原則としてすべてのリースについて、原資産を使用する権利を表す使用権資産とリース料を支
払う義務を表すリース負債を認識しています。
リース負債は、リース開始日において支払われていないリース料総額の現在価値で測定しています。使用権資
産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料並びに原状回復コスト等を調整した額
を当初測定額としています。使用権資産は、見積耐用年数又はリース期間のいずれか短い期間にわたって定額法
で償却しています。
リース期間は、解約不能期間を基準として、合理的に確実なオプション期間を見積り加減しています。
また、支払リース料総額をリース負債元本相当部分と利息相当部分とに区分し、支払リース料の利息相当部分へ
の各期の配分額は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように算定のうえ、純損益として認識していま
す。
契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には当該契約が
リース又はリースを含むと契約開始時に判断しています。
また、短期リース及び原資産の価値が少額であるリースについては、使用権資産とリース負債の認識を行わ
ず、支払リース料を費用として認識しています。
なお、使用権資産およびリース負債は連結財政状態計算書上、それぞれ「有形固定資産」「その他の金融負
債」として表示しています。
②貸手リース
資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転するリース取引をファイナンス・リースに、そ
れ以外の場合はオペレーティング・リースに分類しています。
ファイナンス・リース取引においては、リース投資未回収総額の現在価値を、リース期間の起算日に収益に
認識し、対応する金額をリース債権として認識しています。また、未稼得金融収益は、リース期間にわたり純
投資額に対して一定率で配分し、当該期間に帰属する部分を収益に認識しています。
114/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
オペレーティング・リース取引においては、対象となるリース物件を連結財政状態計算書上で認識し、受取
リース料をリース期間にわたって定額法により収益に認識しています。
(11)非金融資産の減損
非金融資産(棚卸資産、繰延税金資産、退職給付に係る資産及び売却目的で保有する非流動資産を除く)の帳簿
価額について、報告期間の末日ごとに減損の兆候の有無を検討し、減損の兆候が存在する場合には、減損テストを
実施しています。ただし、のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能ではない無形資産について
は、毎期又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。
減損テストにおいて個別にテストされない資産は、他の資産又は資産グループのキャッシュ・イン・フローから
概ね独立したキャッシュ・イン・フローを生成する最小の資金生成単位に統合しています。全社資産は独立した
キャッシュ・イン・フローを生成しないため、全社資産に減損の兆候がある場合、当該全社資産が帰属する資金生
成単位の回収可能価額に基づき減損テストを実施しています。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額として
います。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスク
を反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割引いています。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に認識しています。資金生成単位
に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に当該
単位内のその他の資産に対し、各資産の帳簿価額に基づき比例按分しています。
過去の期間に認識した減損損失について戻入れを示す兆候が存在し、資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳
簿価額を上回る場合に、減損損失を戻入れています。減損損失の戻入れ後の帳簿価額は、減損損失を認識しなかっ
た場合に戻入れが発生した時点まで減価償却又は償却を続けた場合の帳簿価額を上限としています。なお、のれん
に関連する減損損失は戻入れをしていません。
(12)売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
継続的使用ではなく主に売却取引により回収される非流動資産又は処分グループのうち、1年以内に売却する可
能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約している
場合には、売却目的で保有する非流動資産又は処分グループに分類しています。
売却目的保有に分類されている間又は売却目的保有に分類されている処分グループの一部である間は、非流動資
産は減価償却又は償却を行わず、売却目的保有に分類された非流動資産又は処分グループを、帳簿価額と売却コス
ト控除後の公正価値のうち、いずれか低い金額で測定しています。
当社グループは、経営上の意思決定を行う単位としての事業について、既に売却された場合、あるいは売却目的
保有として分類すべき要件を満たした場合に、当該事業を非継続事業として分類することとしています。
(13)引当金
引当金は、過去の事象の結果として当社グループが現在の債務を有しており、当該債務を決済するために経済的
資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しています。
貨幣の時間的価値の影響が重要である場合、引当金は見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及び当該負
債に特有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割引いて測定しています。
(14)偶発債務
報告期間末日現在において発生可能性のある債務を有しているが、それが報告期間末日現在の債務であるか否か
確認ができないもの、又は引当金の認識基準を満たさないものについては、報告期間末日現在において当該債務の
履行による経済的資源の流出の可能性がほとんどないと判断している場合を除き、偶発債務として注記していま
す。
(15)政府補助金
政府補助金は、その補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られ
た時に公正価値で認識しています。発生した費用に対する補助金は、当該費用の発生と同じ期間に収益として認識
しています。資産の取得に対する補助金は、繰延収益として認識し、関連資産の見積耐用年数にわたり規則的に純
損益として認識しています。
115/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(16)従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、確定給付型年金制度及び確定拠出型年金制度を採用しています。
確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用は、予測単位積増方式を用いて算
定しています。
確定給付制度債務の現在価値への割引に使用する割引率は、退職後給付債務と通貨や期日が整合する優良社債
の利回りを参照して決定しています。
確定給付制度に係る資産又は負債は、制度ごとの確定給付債務の現在価値と制度資産の公正価値との純額とし
て算定しています。
確定給付型年金制度から生じる再測定による差額は、発生した期においてその他の包括利益として認識し、直
ちに利益剰余金に振替えています。また、過去勤務費用は発生時に純損益として認識しています。
確定拠出型年金制度への拠出は、従業員が関連するサービスを提供した期間に応じて費用として認識していま
す。
② 短期従業員給付
短期従業員給付は割引計算を行わず、関連する勤務が提供された時点で費用として認識しています。当社グ
ループが従業員から過去に提供された勤務の結果として支払うべき現在の法的及び推定的債務を負っており、か
つその金額の信頼性のある見積りが可能である場合に、支払われると見積られる額を負債として認識していま
す。
③ その他の長期従業員給付
当社グループは、年金制度以外の長期従業員給付として、一定の勤続年数に応じた特別休暇や報奨金制度を有
しています。その他の長期従業員給付に対する債務額は、従業員が過年度及び当年度において提供した勤務の対
価として稼得した将来給付の見積額を現在価値に割引いた額を負債として認識しています。
(17)資本
普通株式は発行価額を資本として認識しています。また、普通株式の発行に係る付随費用は、税効果控除後の金
額にて資本から控除しています。
自己株式は取得原価で認識し、資本の控除項目としています。自己株式の購入、売却又は消却において利得又は
損失は認識していません。なお、売却時の帳簿価額と対価の差額は資本として認識しています。
(18)株式に基づく報酬
当社は、当社の取締役、執行役および執行役員に対するインセンティブ制度として、以下の持分決済型の株式報
酬制度を採用しています。
ストック・オプション制度
ストック・オプションは権利付与日の公正価値に基づき算定しており、最終的に権利確定すると予想されるス
トック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として
認識しています。ストック・オプションの公正価値は、ブラック・ショールズモデルにて算定しています。
株式報酬制度
企業価値の持続的な向上に対する貢献意識を高めるとともに、株主との価値共有を進めることを目的として、
取締役を対象として事後交付型譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。また、執行役および執行役員を対象
として譲渡制限付株式報酬制度、業績連動型株式報酬制度、事後交付型譲渡制限付株式報酬制度を導入していま
す。本制度における報酬は、付与する当社株式の公正価値を参照して測定しており、算定された報酬は費用とし
て純損益に認識するとともに、対応する金額を資本の増加として認識しています。
(19)収益
顧客との契約について、以下のステップを適用することにより収益を認識しています(IFRS第9号「金融商品」
に基づく利息及び配当収益等やIFRS第16号「リース」に基づく受取リース料を除く)。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
116/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
当社グループは、内視鏡、治療機器、科学、及びその他製品の製造販売を主な事業としています。これらの製品
の販売については、多くの場合、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足
されると判断していることから、主として当該製品の引渡時点で収益を認識しています。
収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引及びリベートを控除した金額で測定し、返品額を減額
しています。
(20)金融収益及び金融費用
金融収益は、主として受取利息、受取配当金、為替差益及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産・負債
の公正価値の変動から構成されています。受取利息は、実効金利法により発生時に認識しています。受取配当金
は、配当を受ける権利が確定した時点で認識しています。
金融費用は主として支払利息、社債利息、為替差損及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産・負債の公
正価値の変動から構成されています。支払利息及び社債利息は、実効金利法により発生時に認識しています。
(21)法人所得税
法人所得税費用は当期税金と繰延税金から構成されています。これらは、その他の包括利益又は資本で直接認識
する項目から生じる場合及び企業結合から生じる場合を除き、純損益として認識しています。
① 当期税金
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しています。税額の算定
に使用する税率及び税法は、報告期間の末日までに制定又は実質的に制定されているものです。
法人所得税の不確実な税務ポジションについて、税法上の解釈に基づき税務ポジションが発生する可能性が高
い場合には、合理的な見積額を資産又は負債として認識しています。
② 繰延税金
繰延税金は、報告期間の末日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との差額である一時差
異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しています。
なお、以下の場合には、繰延税金資産又は負債を認識していません。
・のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異
・企業結合以外の取引で、かつ会計上の利益にも税務上の課税所得(欠損金)にも影響を及ぼさない取引に
よって発生する資産又は負債の当初認識に係る一時差異
・子会社、関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異で、その解消時期をコントロールでき、かつ予見可
能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
・子会社、関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異で、予見可能な期間内に当該一時差異が解消しない
可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課
税所得が生じると見込まれる範囲内において認識し、繰延税金負債は、原則として、すべての将来加算一時差異
について認識しています。
繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異又は繰越欠損金が将来課税所得に対して利用できる可能性を
評価しています。また、繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩し、予測
される将来課税所得及びタックスプランニングを考慮しています。
繰延税金資産及び負債は、報告期間の末日までに制定又は実質的に制定されている税率及び税法によって測定
しています。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ同一の
税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、又は、異なる納税主体であるものの税金資産及び負債を
純額で決済するか、あるいは税金資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺していま
す。
当社及び一部の子会社は、連結納税制度を適用しています。
(22)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した普通株
式の加重平均発行済株式数で除して計算しています。
希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在的普通株式の影響を調整して計算していま
す。
117/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用、資産、負債、収益及び費用の金額に影
響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されています。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合が
あります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されており、その影響は、その見積りを見直した期間及びそれ以降
の期間において認識しています。
当社グループが行った、連結財務諸表に重要な影響を与える判断に関する情報は以下のとおりです。
・子会社及び関連会社の範囲(注記「3.重要な会計方針 (1)連結の基礎」)
・リースを含む契約の会計処理(注記「3.重要な会計方針 (10)リース」、注記「36.リース取引」)
・収益(注記「3.重要な会計方針 (19)収益」、注記「28.売上高」)
連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積り及び仮定に関する情報は以下のとおりです。
・棚卸資産の評価(注記「3.重要な会計方針 (6)棚卸資産」、注記「9.棚卸資産」)
棚卸資産は、取得原価で測定していますが、報告期間末における正味実現可能価額が取得原価より下落している
場合には、当該正味実現可能価額で測定し、取得原価との差額を原則として売上原価に認識しています。また、営
業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の需要や市場動向を反映して正味実現可能価額等を算定
しています。市場環境が予測より悪化して正味実現可能価額が著しく下落した場合には、損失が発生する可能性が
あります。
・非金融資産の減損(注記「3.重要な会計方針 (11)非金融資産の減損」、注記「16.非金融資産の減損」)
当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産について、注記「3.重要な会計方針」に従って、減損テ
ストを実施しています。減損テストにおける回収可能価額の算定において、将来のキャッシュ・フロー、割引率等
について仮定を設定しています。これらの仮定については、経営者の最善の見積りと判断により決定しています
が、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結
財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
・引当金の測定(注記「3.重要な会計方針 (13)引当金」、注記「20.引当金」)
引当金は、将来において債務の決済に要すると見込まれる支出の期末日における最善の見積りに基づいて測定し
ています。将来において債務の決済に要すると見込まれる支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算
定しています。これら引当金の測定において使用される仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受
ける可能性があり、将来にわたり、引当金の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しています。
・偶発債務(注記「3.重要な会計方針 (14)偶発債務」、注記「42.偶発債務」)
偶発事象は、報告日におけるすべての利用可能な証拠を勘案し、その発生可能性及び金額的影響を考慮した上
で、将来の事業に重要な影響を及ぼしうる項目がある場合には開示しています。
・確定給付制度債務の測定(注記「3.重要な会計方針 (16)従業員給付」、注記「23.従業員給付」)
確定給付企業年金制度については、確定給付制度債務と制度資産の公正価値の純額を負債又は資産として認識し
ています。確定給付制度債務は、年金数理計算により算定しており、年金数理計算の前提条件には、割引率、退職
率、死亡率、昇給率等の見積りが含まれています。これらの前提条件は、金利変動の市場動向等、入手可能なあら
ゆる情報を総合的に判断して決定しています。これら年金数理計算の前提条件は将来の不確実な経済環境あるいは
社会情勢の変動等によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、確定給付制度債務の測定額に重要な修正を
生じさせるリスクを有しています。
118/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
・繰延税金資産の回収可能性(注記「3.重要な会計方針 (21)法人所得税」、注記「37.法人所得税」)
繰延税金資産は、将来減算一時差異等を使用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しています。課
税所得が生じる可能性の判断においては、事業計画に基づき課税所得の発生時期及び金額を見積っています。この
ような見積りは、経営者による最善の見積りにより行っていますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果に
よって実際の結果と異なる可能性があります。
・新型コロナウイルス感染症の影響
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う影響については、地域ごとに状況は異なるものの、現時点では、総
じて世界的なワクチン接種の進展とともに引き続き縮小していくことを想定し、当社の営業活動についても正常化
に向かうとの仮定を置いています。当該仮定に基づき、のれんを含む固定資産の減損テストに加えて、繰延税金資
産の回収可能性に係る評価等、会計上の見積りを行っています。
5.未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準及び解釈指針の新設又は改定のうち、当社グループが早期適
用していないもので重要な影響があるものはありません。
119/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
6.事業セグメント
(1)報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、分離された財務情報が入手可能であり、経営資源の配分の決定及び業績の評
価を行うために、定期的に報告を行う単位となっているものです。
当社グループは、「内視鏡事業」「治療機器事業」「科学事業」及び「その他事業」の4つの区分に基づいて製
品・サービスの戦略を立案し、事業活動を展開しています。報告セグメントについては、この区分に沿って決定し
ています。
第1四半期連結会計期間より、呼吸器科分野の事業強化を目的として、従来「内視鏡事業」セグメントに含めて
いた気管支鏡を、「治療機器事業」セグメントに移管しています。そのため、前連結会計年度のセグメント情報に
ついては、移管後の報告セグメントに基づき組替を行い、表示しています。
なお、前連結会計年度において、映像事業を日本産業パートナーズ株式会社が設立した特別目的会社であるOJ
ホールディングス株式会社に譲渡したことにより、当該事業に関わる損益については、非継続事業に分類していま
す。
非継続事業の詳細については、注記「41.非継続事業」に記載しています。
なお、報告セグメントに属する主要な製品及びサービスは以下のとおりです。
報告セグメント 主要な製品及びサービス
内視鏡事業 消化器内視鏡、外科内視鏡、医療サービス
消化器科処置具、泌尿器科製品、呼吸器科製品、エネルギー・デバイ
治療機器事業
ス、耳鼻咽喉科製品、婦人科製品
生物顕微鏡、工業用顕微鏡、工業用内視鏡、非破壊検査機器、蛍光X線
科学事業
分析計
その他事業 生体材料、整形外科用器具
(2)報告セグメントの収益、業績及びその他の項目
報告セグメントによる収益、業績及びその他の項目は、以下のとおりです。なお、報告セグメントの会計処理の
方法は、注記「3.重要な会計方針」における記載と同一です。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
報告セグメント 調整額 連結
(注2,3 財務諸表
内視鏡 治療機器 科学 その他 計 4,5) 計上額
売上高
393,664 231,842 95,861 9,177 730,544 730,544
外部顧客への売上高 -
4 166 170
- - △ 170 -
セグメント間の売上高(注1)
393,664 231,842 95,865 9,343 730,714 730,544
計 △ 170
98,771 30,567 4,949 133,605 81,985
△ 682 △ 51,620
営業利益又は損失
金融収益
1,193
6,368
金融費用
76,810
税引前利益
その他の項目
656 595 595
持分法による投資損益 △ 61 - - -
29,421 14,504 7,313 923 52,161 7,398 59,559
減価償却費及び償却費
70 414 484 358 842
減損損失(非金融資産) - -
451,254 343,460 97,088 20,517 912,319 271,134 1,183,453
セグメント資産
持分法で会計処理されている投
1,040 2,088 3,128 3,128
- - -
資
50,878 24,366 9,098 928 85,270 13,665 98,935
資本的支出
(注1) セグメント間の売上高は、市場実勢価格に基づいています。
(注2) 営業利益(又は損失)の調整額は、セグメント間取引消去並びに報告セグメントに帰属しない一般管理費及
び基礎的研究費等からなる全社費用です。
(注3) セグメント資産の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産です。
120/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(注4) 減価償却費及び償却費の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産にかかる減価償却費及び償却費で
す。
(注5) 資本的支出の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産にかかる固定資産の増加額です。
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
報告セグメント 調整額 連結
(注2,3 財務諸表
内視鏡 治療機器 科学 その他 計 4,5) 計上額
売上高
461,547 275,586 119,105 12,629 868,867 868,867
外部顧客への売上高 -
47 373 420
- - △ 420 -
セグメント間の売上高(注1)
461,547 275,586 119,152 13,002 869,287 868,867
計 △ 420
133,204 60,826 17,526 209,532 153,898
△ 2,024 △ 55,634
営業利益又は損失
金融収益
1,356
5,381
金融費用
149,873
税引前利益
その他の項目
1,539 1,492 1,492
持分法による投資損益 △ 47 - - -
33,523 16,935 7,156 1,093 58,707 5,908 64,615
減価償却費及び償却費
2,006 488 2,494 902 3,396
減損損失(非金融資産) - -
493,582 412,914 112,255 20,685 1,039,436 318,563 1,357,999
セグメント資産
持分法で会計処理されている投
1,514 1,514 1,514
- - - -
資
40,437 16,343 9,585 997 67,362 8,141 75,503
資本的支出
(注1) セグメント間の売上高は、市場実勢価格に基づいています。
(注2) 営業利益(又は損失)の調整額は、セグメント間取引消去並びに報告セグメントに帰属しない一般管理費及
び基礎的研究費等からなる全社費用です。
(注3) セグメント資産の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産です。
(注4) 減価償却費及び償却費の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産にかかる減価償却費及び償却費で
す。
(注5) 資本的支出の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産にかかる固定資産の増加額です。
(3)製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しています。
121/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(4)地域別に関する情報
売上高及び非流動資産の地域別情報は、以下のとおりです。
売上高
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
日本 123,454 135,197
北米 236,979 293,441
欧州 181,227 217,858
中国 110,354 125,406
アジア・オセアニア 63,563 77,484
14,967 19,481
その他
730,544 868,867
合計
(注1) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(注2) 本邦以外の区分に属する主な国又は地域は、次のとおりです。
(1)北米……米国、カナダ
(2)欧州……ドイツ、イギリス、フランス等
(3)アジア・オセアニア……シンガポール、韓国、オーストラリア等
(4)その他……中南米、アフリカ等
前連結会計年度及び当連結会計年度において、米国における外部顧客への売上高は、それぞれ222,057百万
円及び273,429百万円です。前連結会計年度及び当連結会計年度において、日本、米国及び中国を除き、外部
顧客への売上高について、重要性のある単一の国及び地域はありません。
非流動資産(金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く)
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
日本 158,872 150,796
米州 190,348 214,365
欧州・中東 99,499 139,256
24,209 29,696
アジア・オセアニア
472,928 534,113
合計
(注1) 国又は地域の区分は、地理的近接度によっています。
(注2) 本邦以外の区分に属する主な国又は地域は、以下のとおりです。
(1)米州………米国、カナダ、メキシコ、ブラジル
(2)欧州・中東………ドイツ、イギリス、フランス等
(3)アジア・オセアニア……シンガポール、中国、韓国、オーストラリア等
米州のうち、米国における前連結会計年度末及び当連結会計年度末の非流動資産(金融商品、繰延税金資産
及び退職給付に係る資産を除く)は、それぞれ、182,958百万円及び205,699百万円です。欧州・中東のうち、
ドイツにおける前連結会計年度末及び当連結会計年度末の非流動資産(金融商品、繰延税金資産及び退職給付
に係る資産を除く)は、それぞれ、52,414百万円及び55,905百万円です。前連結会計年度末及び当連結会計年
度末において、日本、米国及びドイツを除き、非流動資産(金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産
を除く)が重要な単一の国及び地域はありません。
(5)主要な顧客に関する情報
単一の外部顧客との取引については、それぞれの売上高が当社グループの売上高の10%未満であるため、記載を
省略しています。
122/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
7.現金及び現金同等物
連結財政状態計算書における現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりです。また、連結キャッシュ・フロー計
算書における現金及び現金同等物に含まれるものは、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
現金及び預金 173,278 294,580
44,200 7,992
短期投資
217,478 302,572
連結財政状態計算書における現金及び現金同等物
売却目的で保有する資産に含まれる現金及び現金同等物
- -
217,478 302,572
連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
受取手形及び売掛金 136,657 151,043
未収入金 12,147 14,955
契約資産 436 728
リース債権 45,377 50,517
△12,120 △10,958
貸倒引当金
182,497 206,285
合計
流動 157,920 178,428
24,577 27,857
非流動
182,497 206,285
合計
(注) 営業債権及びその他の債権は、連結財政状態計算書では貸倒引当金控除後の金額で表示しています。
123/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
9.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
77,807 64,116
商品及び製品
23,718 40,428
仕掛品
57,370 62,824
原材料及び製造貯蔵品
158,895 167,368
合計
前連結会計年度及び当連結会計年度に売上原価として費用認識した棚卸資産の金額は、それぞれ219,710百万円及
び253,024百万円です。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度に費用認識した棚卸資産の評価減の金額は、それぞれ14,959百万円及び
18,542百万円です。
棚卸資産には、各連結会計年度末から12ヶ月を超えて使用又は販売されるものが含まれていますが、すべて正常営
業循環期間内で保有するものであり、その帳簿価額は、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、5,779百万
円、4,135百万円です。
10.その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
デリバティブ資産 968 1,874
株式等 1,495 956
償却原価で測定する金融資産
引出制限付預金 4,661 6,023
敷金及び保証金 4,760 4,359
その他 10,554 8,738
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
金融資産
11,180 4,471
株式
33,618 26,421
合計
流動 10,268 10,269
23,350 16,152
非流動
33,618 26,421
合計
124/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
11.その他の流動資産及びその他の非流動資産
その他の流動資産及びその他の非流動資産の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
前払費用 10,090 14,528
未収消費税 9,277 7,285
7,171 7,894
その他
26,538 29,707
合計
流動 24,970 27,565
1,568 2,142
非流動
26,538 29,707
合計
12.売却目的で保有する資産
売却目的で保有する資産の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
資産
土地 45 4,683
建物及び構築物 72 2
0 -
機械装置及び運搬具
117 4,685
合計
前連結会計年度に売却目的保有に分類した資産は 、 当連結会計年度において 、 売却手続きは完了しています 。
当連結会計年度に売却目的保有に分類した資産は、経営資源最適化の観点からセグメントに属さない全社保有
の資産の売却を決定した資産であり、2022年4月27日に売却完了いたしました。
125/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
13.有形固定資産
(1)増減表
有形固定資産の帳簿価額の増減、取得原価並びに減価償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりです。
帳簿価額
(単位:百万円)
建物 機械装置 工具、器具
土地 建設仮勘定 合計
及び構築物 及び運搬具 及び備品
2020年4月1日 残高 91,976 21,880 61,464 22,739 4,075 202,134
取得 39,927 5,625 23,195 482 10,204 79,433
企業結合による取得 696 281 818 57 10 1,862
減価償却費 △14,879 △6,777 △22,906 △356 - △44,918
減損損失 △339 △11 △27 - - △377
売却又は処分 △2,615 △1,153 △3,841 △69 - △7,678
売却目的保有への振替 △72 0 - △45 - △117
科目振替 3,870 1,534 2,137 - △7,015 526
在外営業活動体の換算差額 4,882 502 3,413 266 401 9,464
事業譲渡による減少 △372 △343 △195 △47 △204 △1,161
その他 △13 11 △1 1 - △2
123,061 21,549 64,057 23,028 7,471 239,166
2021年3月31日 残高
取得 12,846 6,342 25,554 358 10,326 55,426
企業結合による取得 - - 29 - - 29
減価償却費 △15,883 △6,965 △25,233 △360 - △48,441
減損損失 △163 △4 △82 - - △249
売却又は処分 △7,079 △830 △2,160 △67 - △10,136
売却目的保有への振替 △2 - - △4,683 - △4,685
科目振替 2,690 2,486 2,413 - △6,100 1,489
在外営業活動体の換算差額 6,505 884 6,346 253 773 14,761
その他 △214 △9 △22 △2 △1 △248
121,761 23,453 70,902 18,527 12,469 247,112
2022年3月31日 残高
(注1)資産化した借入コストの金額は、前連結会計年度、当連結会計年度ともにありません。
(注2)減価償却費は連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めています。
(注3)前連結会計年度及び当連結会計年度の「建物及び構築物」には、当社が契約し従業員に貸し付けている
社宅による帳簿価額の増減が、それぞれ2,134百万円及び3,416百万円が「取得」と「売却又は処分」に同額計上
され、残高には影響を与えません。
取得原価
(単位:百万円)
建物 機械装置 工具、器具
土地 建設仮勘定 合計
及び構築物 及び運搬具 及び備品
2020年4月1日 残高 195,563 64,040 261,650 23,249 4,075 548,577
244,133 66,029 267,051 23,873 7,471 608,557
2021年3月31日 残高
257,067 70,030 305,888 19,622 12,469 665,076
2022年3月31日 残高
減価償却累計額及び減損損失累計額
(単位:百万円)
建物 機械装置 工具、器具
土地 建設仮勘定 合計
及び構築物 及び運搬具 及び備品
2020年4月1日 残高 103,587 42,160 200,186 510 - 346,443
121,072 44,480 202,994 845 369,391
2021年3月31日 残高 -
135,306 46,577 234,986 1,095 417,964
2022年3月31日 残高 -
126/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
2022年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正
を行ったため、2021年3月期の有形固定資産の「帳簿価額」および「取得原価」の金額を遡及修正しています。
遡及修正の内容については、注記「40.企業結合」に記載しています。
(2)使用権資産
有形固定資産に含まれる使用権資産の原資産種類別の帳簿価額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
建物 機械装置 工具、器具
土地 合計
及び構築物 及び運搬具 及び備品
2020年4月1日 残高 25,195 4,588 2,335 308 32,426
2021年3月31日 残高 51,624 4,487 2,173 264 58,548
2022年3月31日 残高 50,341 5,112 1,881 260 57,594
(注)前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額は、それぞれ39,849百万円及び16,122百万円であ
ります。
14.のれん及び無形資産
(1)のれん及び無形資産の帳簿価額の増減、取得原価並びに償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりです。
帳簿価額
(単位:百万円)
無形資産
のれん
開発資産 ソフトウェア その他 合計
2020年4月1日 残高 98,328 47,696 11,730 15,366 74,792
取得 - - 2,948 1,485 4,433
内部開発による増加 - 16,134 - - 16,134
企業結合による取得(注2) 25,087 521 199 22,125 22,845
償却費 - △8,617 △3,542 △2,860 △15,019
減損損失 - △465 - - △465
売却又は処分 - △80 △208 △610 △898
科目振替 - △9 267 113 371
在外営業活動体の換算差額 3,969 1,054 263 1,339 2,656
事業譲渡による減少 - - △16 △44 △60
その他 - - - 21 21
127,384 56,234 11,641 36,935 104,810
2021年3月31日 残高
取得 - - 3,205 1,373 4,578
内部開発による増加 - 15,499 - - 15,499
企業結合による取得(注3) 21,093 - - 8,645 8,645
償却費 - △9,049 △3,296 △3,829 △16,174
減損損失 - △2,061 △1,086 - △3,147
売却又は処分 - - △24 △381 △405
科目振替 - 11 △232 8 △213
在外営業活動体の換算差額 16,021 1,310 332 4,527 6,169
その他 - 16 801 △218 599
164,498 61,960 11,341 47,060 120,361
2022年3月31日 残高
(注1)開発資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」に、開発資産以外の無形資産の償却費は、連結損益
計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」にそれぞれ含めています。
(注2)企業結合による取得のうち、「その他」に含まれる主な内容は、FH ORTHO SASを取得した際に生じた技術
関連資産2,016百万円、Veran Medical Technologies,Inc.を取得した際に生じた、技術関連資産14,339百万
円です。企業結合の詳細については、注記「40.企業結合」に記載しています。
(注3)企業結合による取得のうち、「その他」に含まれる主な内容は、Medi-Tate Ltd.を取得した際に生じた、
技術関連資産8,645百万円です。企業結合の詳細については、注記「40.企業結合」に記載しています。
127/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
取得原価
(単位:百万円)
無形資産
のれん
開発資産 ソフトウェア その他 合計
2020年4月1日 残高 98,328 72,665 53,962 121,662 248,289
127,384 87,537 56,335 147,960 291,832
2021年3月31日 残高
164,498 99,283 58,389 172,542 330,214
2022年3月31日 残高
償却累計額及び減損損失累計額
(単位:百万円)
無形資産
のれん
開発資産 ソフトウェア その他 合計
2020年4月1日 残高 - 24,969 42,232 106,296 173,497
31,303 44,694 111,025 187,022
2021年3月31日 残高 -
37,323 47,048 125,482 209,853
2022年3月31日 残高 -
2022年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正を
行ったため、2021年3月期ののれん及び無形資産の「帳簿価額」および「取得原価」の金額を遡及修正していま
す。遡及修正の内容については、注記「40.企業結合」に記載しています。
(2)重要な無形資産
前連結会計年度末において重要性があると認識しているものは、2020年12月29日の当社グループによるVeran
Medical Technologies,Inc.の取得により生じた技術関連資産です。企業結合に係る取得資産および引受負債につ
いて暫定的に測定された公正価値の修正を反映した帳簿価額は、前連結会計年度において、14,968百万円であり、
残存償却期間は15年です。
当連結会計年度末において重要性があると認識しているものは、2020年12月29日の当社グループによるVeran
Medical Technologies,Inc.の取得により生じた技術関連資産と2021年5月27日の当社グループによるMedi-Tate
Ltd.の取得により生じた技術関連資産です。帳簿価額は、当連結会計年度において、それぞれ15,168百万円と
9,276百万円であり、残存償却期間はそれぞれ14年です。
企業結合の詳細については、注記「40.企業結合」に記載しています。
(3)費用認識した研究開発支出
研究費及び資産認識基準を満たさない開発費は、発生時に費用として認識しています。費用認識した研究開発支
出は前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ65,660百万円及び69,773百万円です。
15.コミットメント
各報告期間の末日以降の資産の取得に係るコミットメントは、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
有形固定資産 6,738 5,972
910 1,825
無形資産
7,648 7,797
合計
128/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
16.非金融資産の減損
(1)減損損失
当社グループでは、資産の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に減損損失を認識しています。非金融資産に
関する減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に計上しています。
事業資産においては、主として事業セグメントの区分ごと、処分予定資産においては、廃棄・売却等により処分
が予定されている資産ごと、遊休資産については、個別資産ごとにグルーピングしています。
減損損失の資産種類別の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
有形固定資産
建物及び構築物 339 163
機械装置及び運搬具 11 4
工具、器具及び備品 27 82
無形資産
開発資産 465 2,061
- 1,086
ソフトウェア
842 3,396
合計
前連結会計年度においては、重要性の観点から個別に記載する減損損失は、ありません。
当連結会計年度において認識した主な減損損失は、以下のとおりです。
内視鏡事業における開発資産について 、 市場環境の変化等の影響により取得時に想定していた収益を見込めな く
なったことから回収可能価額まで減額し 、 減損損失を1,630百万円認識しています。回収可能価額は、処分費用控除
後の公正価値であり、当該資産は売却が困難であるため、処分費用控除後の公正価値を零としています。なお、公
正価値の測定レベルは、レベル3です。
報告セグメントに帰属しない全社資産のソフトウェアにおいて、将来の使用見込みがなくなったため、回収可能
価額まで減損し、減損損失を902百万円認識しています。回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値であり、当
該資産は売却が困難であるため、処分費用控除後の公正価値を零としています。なお、公正価値の測定レベルは、
レベル3です。
公正価値の測定レベルについては注記「35. 金融商品(4)公正価値」に記載しています。
129/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(2)のれんの減損テスト
のれんの帳簿価額の資金生成単位の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
内視鏡セグメント 19,496 21,339
治療機器セグメント 102,849 137,501
科学セグメント 1,971 2,174
その他
3,068 3,484
整形外科事業
127,384 164,498
合計
当社グループは、前連結会計年度及び当連結会計年度においてのれんの減損テストを実施しました。
連結財政状態計算書に計上されている重要なのれんは、内視鏡セグメント及び治療機器セグメントののれんで
す。なお、2022年3月期において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値
の修正を行ったため、2021年3月期ののれんの金額を遡及修正しています。遡及修正の内容については、注記
「40.企業結合」に記載しています。また、当連結会計年度より、呼吸器科分野の事業強化を目的として、従来、
内視鏡セグメントに含めていた気管支鏡を、治療機器セグメントに移管しています。これに伴い、気管支鏡に帰属
するのれんについて前連結会計年度及び当連結会計年度に2,865百万円及び3,133百万円を内視鏡セグメントののれ
んから分割し、治療機器セグメントののれんに移管しています。当連結会計年度の企業結合の結果計上したのれん
について、Medi-Tate Ltd.ののれんは治療機器セグメントに帰属しています。
のれんの減損テストにおいて回収可能価額は、使用価値に基づき算定しています。
使用価値は、主として経営者が承認した事業計画、及び事業計画の期間経過後は成長率を基礎とした継続価値によ
るキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて計算しています。
事業計画は5年を限度としており、業界の将来の趨勢に関する経営者の評価と過去のデータを反映し、外部情報
及び内部情報との整合のうえ作成し、当該事業計画に基づき将来キャッシュ・フローを見積っています。
計画期間経過後の成長率は、資金生成単位が属する市場調査レポートを参考に決定しています。内視鏡セグメン
ト及び治療機器セグメントの成長率は前連結会計年度においてはそれぞれ1.1%~5.00%、1.8%~4.43%、当連結
会計年度においてはそれぞれ1.7%~4.00%、1.7%~3.83%です。
割引率は、資金生成単位の税引前の加重平均コストを基礎に算定しています。前連結会計年度の割引率は
8.6%、当連結会計年度の割引率は7.7%です。
使用価値の見積りにおける主要な仮定は、事業計画に基づく5カ年の将来キャッシュ・フローの見積りにおける
成長率、営業利益率、計画期間経過後の成長率及び割引率です。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う影響については、地域ごとに状況は異なるものの、現時点で
は、総じて世界的なワクチン接種の進展とともに引き続き縮小していくことを想定し、当社の営業活動についても
正常化に向かうとの仮定を置いています。
以上を用いて算定した結果、使用価値は当該資金生成単位の帳簿価額を十分上回っており、減損判定に用いた主
要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変動した場合において、減損が発生する可能性は乏しいと判断しています。
17.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
支払手形及び買掛金 44,463 45,316
25,407 15,231
未払金
69,870 60,547
合計
130/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
18.社債及び借入金
社債及び借入金の内容は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度 平均利率
返済期限
(2021年3月31日) (2022年3月31日) (%)
短期借入金 5,458 67 1.52 -
2022年9月~
1年内償還予定の社債 - 39,966 0.10
2022年12月
2023年2月~
1年内返済予定の長期借入金 26,071 12,248 2.92
2023年3月
社債(1年内に償還予定のものを 2024年3月~
119,596 140,356 1.11
除く) 2030年7月
長期借入金(1年以内に返済予定 2023年11月~
204,139 193,490
0.43
のものを除く) 2029年9月
355,264 386,127
合計
流動 31,529 52,281
323,735 333,846
非流動
355,264 386,127
合計
(注)「平均利率」については、借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載しています。
社債及び借入金は、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
社債の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度 利率
会社名 銘柄 発行年月日 償還期限
(2021年3月31日) (2022年3月31日) (%)
オリンパス㈱ 第22回無担保社債 2017年9月20日 9,984 9,994 0.22 2022年9月
オリンパス㈱ 第23回無担保社債 2019年3月7日 9,967 9,979 0.27 2024年3月
オリンパス㈱ 第24回無担保社債 2019年12月5日 29,933 29,971 0.06 2022年12月
オリンパス㈱ 第25回無担保社債 2019年12月5日 19,931 19,949 0.20 2024年12月
オリンパス㈱ 第26回無担保社債 2020年7月18日 24,903 24,925 0.25 2025年7月
オリンパス㈱ 第27回無担保社債 2020年7月19日 24,878 24,891 0.47 2030年7月
2026年満期ドル建
- 60,613
オリンパス㈱ 2021年12月8日 2.14 2026年12月
無担保普通社債
119,596 180,322
社債合計
131/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
長期借入金(1年内返済予定含む)の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度 利率
銀行種別 返済期限
(2021年3月31日) (2022年3月31日) (%)
国内銀行 13,007 13,063 0.86 2029年9月
国内銀行 1,458 1,464 0.73 2027年9月
国内銀行 10,000 10,000 1.38 2025年9月
国内銀行 9,538 9,608 0.53 2027年8月
国内銀行 10,000 10,000 1.39 2025年9月
国内銀行 15,000 - 2.04 2021年5月
国内銀行 5,535 - 2.91 2022年2月
国内銀行 5,536 6,120 2.91 2023年2月
国内銀行 5,536 - 2.92 2022年3月
国内銀行 5,536 6,120 2.92 2023年3月
国内銀行 9,581 9,639 0.55 2028年6月
国内銀行 39,855 39,912 0.10 2023年11月
国内銀行 49,611 49,710 0.32 2025年4月
国内銀行 39,751 39,831 0.22 2024年5月
国内銀行 10,000 10,000 0.35 2024年5月
266 271
その他
230,210 205,738
借入金合計
19.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
デリバティブ負債 2,467 4,037
条件付対価 3,608 6,100
償却原価で測定する金融負債
リース負債 66,407 65,015
9,588 15,463
その他
82,070 90,615
合計
流動 21,873 26,015
60,197 64,600
非流動
82,070 90,615
合計
132/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
20.引当金
引当金の内訳及び増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
十二指腸内視鏡
製品保証 訴訟損失
の市場対応に
その他 合計
引当金 引当金
係る引当金
2021年4月1日 残高 9,759 4,108 12,394 12,827 39,088
期中増加額 908 61 1,632 2,765 5,366
目的使用による減少 △2,622 △50 △1,919 △2,698 △7,289
戻入による減少 △3,766 △12 △4,153 △4,861 △12,792
5 400 - 119 524
在外営業活動体の換算差額
4,284 4,507 7,954 8,152 24,897
2022年3月31日 残高
流動 4,083 4,474 7,954 5,603 22,114
201 33 - 2,549 2,783
非流動
4,284 4,507 7,954 8,152 24,897
合計
(注)1 当社は、米国で先端キャップ着脱式の新しい十二指腸内視鏡の法規制認可を取得したことを背景に、これ
まで販売した先端キャップ固定式の旧型製品を洗浄消毒作業が容易な先端キャップ着脱式の新型製品へ自
主的に置き換えることを決定し、この市場対応に必要と認められる金額を引当金として計上しています。
この置き換えにあたっては、これまで下取りによる旧型製品の回収を進めていましたが、当連結会計年度
において進捗を早めることを目的としてFDAの推奨する新型製品と無償で交換することを決定し、市場対
応に必要と認められる金額が変動したことから、十二指腸内視鏡の市場対応に係る引当金4,153百万円を
取り崩しています。
2 当社の自主的な市場調査の結果、社内の品質基準に照らし、患者様の安全を最優先で確保するという立場
から、対象となる気管支ビデオスコープおよび胆道ファイバースコープを自主的に回収することを決定
し、この市場対応に必要と認められる金額を引当金として計上しています。一部地域においてこれまで下
取りによる旧型製品の回収を進めていましたが、当連結会計年度において進捗を早めることを目的として
新型製品と無償で交換することを決定し、市場対応に必要と認められる金額が変動したことから、製品保
証引当金2,663百万円を取り崩しています。
3 2019年3月期に当社の海外子会社が行った間接税に係る自主調査に関して追加的な徴収を見込んで引当計
上した税額の内、当期に発生が見込まれなくなった引当額3,596百万円をその他の引当金から取り崩して
います。
(1)製品保証引当金
品質保証型の製品保証に関し、販売済製品に対して保証期間内に発生が見込まれるアフターサービス費用を計上
したもので、過去のアフターサービス費の実績額を基礎として、所定の基準により算出しています。これらは、保
証期間(主に3年以内)にわたって支払いが発生すると見込まれています。
(2)訴訟損失引当金
訴訟の進行状況等に鑑み、訴訟等に係る損失に備えるため、必要と認められる金額を合理的に見積り、損失見込
額を計上しています。これらは、主に1年内に支払いが発生すると見込まれています。
(3)十二指腸内視鏡の市場対応に係る引当金
米国で十二指腸内視鏡に関する先端キャップ着脱式新型製品の法規制認可を取得したことを背景に、当社は十二
指腸内視鏡製品を対象として、先端キャップ固定式の旧型製品から、洗浄消毒作業の容易な先端キャップ着脱式の
新型製品へ自主的に置き換えを行うことを決定しました。この市場対応に必要と認められる金額を合理的に見積り
引当金として計上しています。
133/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
21.その他の流動負債及びその他の非流動負債
その他の流動負債及びその他の非流動負債の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
未払費用 107,754 117,143
契約負債 44,923 53,650
22,719 26,217
その他
175,396 197,010
合計
流動 160,971 180,941
14,425 16,069
非流動
175,396 197,010
合計
22.政府補助金
その他の流動負債及びその他の非流動負債に含まれている政府補助金は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
その他の流動負債 473 443
その他の非流動負債 2,425 2,038
政府補助金は、主として、日本の特定の医療分野における設備を取得することを条件とするものであり、当該補助
金の対象資産のそれぞれの耐用年数にわたって均等に償却しています。
これら補助金に付帯する未履行の条件又は偶発事象はありません。
また、前連結会計年度において、政府補助金として2,388百万円を「その他の収益」に計上しています。これは新
型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、各国の政府、自治体等からの助成金の適用を受けたものです。
134/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
23.従業員給付
当社及び一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付企業年金制度、確定拠出年金制度及び退
職一時金制度を設けています。
確定給付企業年金制度ではポイント制を採用し、キャッシュ・バランス・プランを導入しています。当該制度で
は、加入者の職能に応じて付与されるポイント及び市場金利の動向に基づいた再評価率により計算された利息ポイン
トを、加入者の仮想個人勘定に積み立てます。
当社グループ、基金及び制度資産の運用受託機関は、加入者の将来にわたる確実な年金給付を目的として忠実に制
度資産の管理及び運用を行うことが法令により求められており、基金の作成する基本方針に沿って運用を行う責任を
負っています。
当社グループの退職給付制度は、制度資産に係る投資リスクや確定給付制度債務に係る利率等のリスクに晒されて
います。
当社グループの英国所在の主要な年金制度にて、2020年6月に、年金バイイン(Buy-in)を実施しました。取引の
実施に際して、当該年金制度は、保有していた制度資産の一部を保険会社に対して拠出し、保険会社との間で、将来
にわたって年金受給者への年金給付に相当する金額の受領を保証する保険契約を締結しました。この結果、当該年金
制度は、制度資産の運用リスク及び受給者の長寿化等による確定給付制度債務の増加リスクから解放されています。
ただし、保険会社が保険証券に定められている従業員給付を従業員に対し支払わない場合に、当社グループが追加で
支払う法的又は推定的債務を引き続き有しています 。
また、当社グループの米国所在の主要な年金制度にて、2021年3月に、年金受給者への年金給付を対象とした年金
バイアウト(Buyout)を実施しました。これに伴い、当該制度の確定給付制度債務に手数料等を加えた金額で、保険
会社が制度資産及び債務の引き受けを行い、今後当該保険会社が制度加入者に対する給付を行うこととなります。こ
の結果、当該年金制度は、年金受給者への年金給付に対して、制度資産の運用リスク及び受給者の長寿化等による確
定給付制度債務の増加リスクから解放されています。なお、現役従業員及び年金受給待機者への年金給付については
当該年金バイアウトの対象外であることから、現役従業員及び年金受給待機者への年金給付に対しては、当社グルー
プは制度資産の運用リスク及び受給者の長寿化等による確定給付制度債務の増加リスクを引き続き有しています。
135/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(1)確定給付制度
① 確定給付制度債務の調整表
確定給付制度債務の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
期首残高 202,638 179,340
勤務費用 7,314 6,943
過去勤務費用 51 343
利息費用 2,878 2,461
確定給付制度の再測定
人口統計上の仮定の変化による数理計算上の差異 △516 480
財務上の仮定の変化による数理計算上の差異 1,133 △7,718
その他 301 △1,219
従業員による拠出 137 156
退職給付の支払額 △13,403 △11,094
制度の清算(注1) △21,921 -
企業結合及び処分の影響額 △3,007 △494
在外営業活動体の換算差額 3,776 6,462
△41 △27
その他
179,340 175,633
期末残高
(注1)年金バイアウト取引実施による確定給付制度債務の減少であります。
② 制度資産の公正価値の調整表
制度資産の公正価値の増減は、以下のとおりです。
当社企業年金規約に基づき、積立金の不足の確認のために毎事業年度の決算時に財政検証を実施し、掛金再計
算の要否を検討しています。
なお、当社グループは、2023年3月期に5,875百万円の掛金を拠出する予定です。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
期首残高 184,142 159,571
利息収益 2,585 1,988
再測定
制度資産に係る収益(注1) △2,580 △410
事業主による拠出 6,570 6,646
従業員による拠出 136 134
退職給付の支払額 △11,083 △10,288
制度の清算(注2) △22,474 -
企業結合及び処分の影響額 △3,550 -
在外営業活動体の換算差額 6,051 4,058
△226 △92
その他
159,571 161,607
期末残高
(注1)前連結会計年度の「制度資産に係る収益」には年金バイイン取引の実施に伴い発生した制度資産の公正価値
の再測定による差額△14,418百万円が含まれています。
(注2)年金バイアウト取引実施による制度資産の減少であります。
136/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
③ 確定給付制度債務及び制度資産の調整表
確定給付制度債務及び制度資産と連結財政状態計算書に計上された退職給付に係る負債及び資産との関係は、
以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
積立型の確定給付制度債務の現在価値 161,366 157,914
△159,571 △161,607
制度資産の公正価値
小計
1,795 △3,693
17,974 17,719
非積立型の確定給付制度債務の現在価値
19,769 14,026
退職給付に係る負債(資産)の純額
連結財政状態計算書上の金額
退職給付に係る負債 42,446 40,001
△22,677 △25,975
退職給付に係る資産
19,769 14,026
退職給付に係る負債(資産)の純額
④ 制度資産の内訳
制度資産の主な内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
活発な市場における公表価格があるもの
国内株式 1,407 1,440
海外債券 8,008 742
2,458 10,849
現金及び現金同等物
合計 11,873 13,031
活発な市場における公表価格がないもの
海外株式 12,098 15,300
海外債券 9,044 10,540
生命保険一般勘定 55,138 52,929
合同運用投資信託 53,756 52,933
17,662 16,874
その他(注1)
合計 147,698 148,576
159,571 161,607
制度資産合計
(注1)「その他」に含まれている、年金バイイン取引にて締結した保険契約は、前連結会計年度末及び当連結会計
年度末において、それぞれ15,202百万円及び14,187百万円です。
当社グループの企業年金基金における制度資産の運用は、確定給付制度債務の支払を将来にわたり確実に行う
ため、安全かつ効率的な資産運用により、制度を維持するに足りるだけの運用収益率を中長期的に上回ることを
目的としています。そのため、許容されるリスクの程度について十分な検証を行い、そのリスクの範囲内で最適
な資産構成割合を定め、多様な投資対象に分散投資を行っています。
137/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
⑤ 数理計算上の仮定に関する事項
確定給付制度債務の現在価値の算定に用いた重要な数理計算上の仮定は、以下のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
割引率 0.61% 0.74%
⑥ 感応度分析
数理計算に用いた割引率が0.5%変化した場合に、確定給付制度債務の現在価値に与える影響は、以下のとお
りです。この分析は、他のすべての変数が一定であると仮定していますが、実際には他の仮定の変化が感応度分
析に影響する可能性があります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
割引率
0.5%上昇(債務の減少) △11,736 △12,282
0.5%低下(債務の増加) 13,769 14,362
⑦ 加重平均デュレーション
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ13.9
年及び14.3年です。
(2)確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として認識した金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ
18,714百万円及び19,684百万円です。
なお、上記には公的制度に関して費用として認識した金額を含んでいます。
138/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
24.資本及びその他の資本項目
(1)授権株式数、発行済株式総数及び自己株式数
授権株式数、発行済株式総数及び自己株式数の増減は、以下のとおりです。
(単位:株)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
授権株式数 4,000,000,000 4,000,000,000
発行済株式総数(注1)
期首 1,370,914,963 1,370,914,963
- △71,620,630
増減(注2)
1,370,914,963 1,299,294,333
期末
自己株式数(注3)
期首 85,329,780 85,279,921
△49,859 △59,018,309
増減(注4)
85,279,921 26,261,612
期末
(注1)当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であり、発行済株式は全額
払込済みとなっています。
(注2)当連結会計年度の減少は、2021年6月4日付で実施した自己株式の消却によるものです。
(注3)当社はストック・オプション制度を採用しており、その権利行使に伴う株式の交付に自己株式を充当し
ています。なお、契約条件及び金額等は、注記 「27.株式に基づく報酬」に記載しています。
(注4)当連結会計年度の主な増減は、2021年6月4日付で実施した自己株式の消却による減少71,620,630株
と、2021年12月21日から2022年2月18日(約定ベース)の間で実施した自己株式の取得による増加
12,681,000 株です。
(2)資本剰余金
会社法では、株式の発行に対しての払込み又は給付に係る額の2分の1以上を資本金に組み入れ、資本金として
計上しないこととした金額は資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されています。
また、資本準備金の額は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
(3)利益剰余金
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本
金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されています。
積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当でき、また株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すこと
ができることとされています。
当社における会社法上の分配可能額は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作
成された当社の会計帳簿上の利益剰余金の金額に基づいて算定されています。
また、会社法は分配可能額の算定にあたり一定の制限を設けており、当社はその範囲内で利益剰余金の分配を
行っています。
139/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(4)その他の資本の構成要素
その他の資本の構成要素の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
その他の包括 持分法適用
利益を通じて 会社における
在外営業活動体 キャッシュ・ 確定給付制度
公正価値で その他の包括 合計
の換算差額 フロー・ヘッジ の再測定
測定する 利益に対する
金融資産 持分
2020年3月31日 残高 △27,763 △516 5,625 - △97 △22,751
その他の包括利益 21,938 169 2,626 △926 △55 23,752
- - △3,274 926 - △2,348
利益剰余金への振替
2021年3月31日 残高 △5,825 △347 4,977 - △152 △1,347
その他の包括利益
42,407 △2,154 △686 5,312 152 45,031
- - △3,554 △5,312 - △8,866
利益剰余金への振替
36,582 △2,501 737 - - 34,818
2022年3月31日 残高
① 在外営業活動体の換算差額
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額です。
② キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社は将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジを行っており、キャッシュ・フロー・
ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動額のうち有効と認められる部分です。
③ その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の評価差額です。
④ 確定給付制度の再測定
数理計算上の仮定と実際の結果との差異及び数理計算上の仮定の変更による影響額の変動額です。これについ
ては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えていま
す。
⑤ 持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分
持分法適用会社における、在外営業活動体の財務諸表の換算差額に対する当社持分です。
140/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
25.資本政策
当社グループは、企業価値向上のため、安定した財務基盤の確保を前提とし、医療事業を中心とした成長領域への
投資を優先した上で、継続的な株主還元を実施することを基本方針としています。
当社グループは、すべての資本と有利子負債を資本コストの対象として管理しています。また当社グループは、財
務の安定性と資本の効率性を意識し、グローバルに円滑な資金調達を行うことを目的として、格付機関による信用格
付の向上を目指しています。当社グループが適用を受ける重要な資本の規制(会社法等の一般的な規定を除く)はあ
りません。
当社グループの資本に関する主な指標は、自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)と株主資本利益率(ROE)
です。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における各指標は以下のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
自己資本比率(注1) 33.3% 37.6%
株主資本利益率(ROE)(注2,3) 3.4% 25.6%
(注1)親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
(注2)親会社の所有者に帰属する当期利益(継続事業と非継続事業の合計)/親会社の所有者に帰属する持分(
期首・期末平均)
(注3)前連結会計年度末における、親会社の所有者に帰属する当期利益(継続事業のみ)で計算したROEは17.1%で
す。
26.配当金
配当金の支払額は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2020年7月30日
普通株式 12,856 10 2020年5月31日 2020年7月31日
定時株主総会
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2021年5月7日
普通株式 15,428 12 2021年3月31日 2021年6月3日
取締役会
また、基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは、以下のと
おりです。
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2022年5月11日
普通株式 17,822 14 2022年3月31日 2022年6月3日
取締役会
141/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
27.株式に基づく報酬
当社グループは、企業価値の持続的な向上に対する貢献意識を高めるとともに、株主との価値共有を進めること
を目的として、取締役、執行役及び執行役員に対して、持分決済型の株式報酬制度を採用しています。
(1)ストック・オプション
①ストック・オプション制度の概要
当制度の下では、新株予約権1個当たり普通株式400株が付与対象者に付与されます。
権利確定条件は付されていませんが、新株予約権者は、当社の取締役、執行役及び執行役員のいずれの地位も喪
失した日(取締役及び執行役員退任後、監査役に就任した場合は、監査役の地位を喪失した日)の翌日の1年後か
ら10年間に限って新株予約権を行使することができます。権利行使期間内に権利行使されない場合には、当該オプ
ションは失効します。なお、当社は、2018年3月期より譲渡制限付株式報酬制度及び業績連動型株式報酬制度を導
入したことにより、ストック・オプション制度を廃止しました。そのため、2018年3月期以降におけるストック・
オプションの付与はありません。これまでに付与されたストック・オプションの権利行使期間の最終日は2046年7
月13日です。
② ストック・オプションの内容
付与数 権利行使価格
付与日 権利行使期間
(株) (円)
2013年8月27日から
第1回新株予約権 2013年8月26日 160,400 1
2043年8月26日
2014年7月12日から
第2回新株予約権 2014年7月11日 164,000 1
2044年7月11日
2015年7月14日から
第3回新株予約権 2015年7月13日 154,800 1
2045年7月13日
2016年7月14日から
第4回新株予約権 2016年7月13日 158,000 1
2046年7月13日
(注)ストック・オプションの数については、株式数に換算して記載しています。
③ ストック・オプションの数及び加重平均行使価格の変動
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
株式数 加重平均行使価格 株式数 加重平均行使価格
(株) (円) (株) (円)
期首未行使残高 563,600 1 513,200 1
期中付与 - - - -
期中行使 △50,400 1 △83,600 1
- - - -
期中失効
513,200 1 429,600 1
期末未行使残高
期末行使可能残高
294,800 1 211,200 1
(注1)ストック・オプションの数については、株式数に換算して記載しています。
(注2)ストック・オプションの行使時点の加重平均株価は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それ
ぞれ1,988円及び2,325円です。
(注3)期末時点で未行使のストック・オプションの加重平均残存契約年数は、前連結会計年度及び当連結会計年
度において、それぞれ23.9年及び23.0年です。
142/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(2)譲渡制限付株式報酬制度
①譲渡制限付株式報酬制度の概要
譲渡制限付株式報酬制度は、当社の執行役及び執行役員を対象としています。
当制度の下では、一定期間継続して当社の執行役及び執行役員を務めることを条件として、当社から支給された金
銭報酬債権の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式について発行を受けることとなります。
「譲渡制限付株式報酬」での当社の普通株式の発行に当たっては、当社と対象執行役及び執行役員の間におい
て、①一定期間、本株式に係る第三者への譲渡、担保権の設定その他一切の処分を禁止すること、②一定の事由が
生じた場合には当社が本株式を無償取得すること等をその内容に含む契約が締結されることを条件とします。な
お、当社は、2021年3月期より事後交付型譲渡制限付株式報酬制度を導入したことにより、譲渡制限付株式報酬制
度を廃止しました。そのため、2021年3月期以降における譲渡制限付株式報酬制度による株式の付与はありませ
ん。
②期中に付与された株式数と公正価値
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
付与日 2020年7月30日 -
付与数(株) 26,821 -
付与日の公正価値(円) 1,947 -
(3)業績連動型株式報酬制度
①業績連動型株式報酬制度の概要
業績連動型株式報酬は、当社の執行役及び執行役員を対象としています。
執行役に対する業績連動型株式報酬は、業績評価期間開始時点において、基本報酬額をベースとして交付する普通
株式のユニット数を定めておき、業績評価期間終了時点での達成度に応じて支給された金銭報酬債権の全部を現物
出資財産として払込み、当社の普通株式の発行を受けることとなります。
業績評価期間は3事業年度であり、報酬委員会が予め定めた業績指標と目標値の業績評価期間終了時点における達
成度に応じて、予め設定された範囲で報酬委員会が支給率を決定します。
なお、執行役員に対する業績連動報酬も基本的に同様ですが、業績評価期間開始時における業績指標と目標値、お
よび評価期間終了時の支給率は代表執行役が決定します。
②期中に付与された株式数と公正価値
前連結会計年度及び当連結会計年度における本制度の付与日の加重平均公正価値は、それぞれ1,824円及び1,947
円です。
株式数については、上記(3)①に記載のとおり、報酬委員会又は代表執行役が予め定めた業績指標の3事業年度
終了時における達成度に応じて、予め設定された範囲で調整した金額に相当する数の当社普通株式を交付します。
(4)事後交付型譲渡制限付株式報酬制度
①事後交付型譲渡制限付株式報酬制度の概要
事後交付型譲渡制限付株式報酬制度は、当社の取締役、執行役及び執行役員を対象としています。
取締役、執行役及び執行役員に対する事後交付型譲渡制限付株式報酬制度は、譲渡制限期間開始時点において、基
本報酬額等をベースとして事前に交付する普通株式のユニット数を定めておき、譲渡制限期間終了後に、そのユ
ニット数に対応する金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式の発行を受けることとなり
ます。
日本居住の取締役は、原則退任時に譲渡制限が解除され、執行役及び執行役員の譲渡制限期間は3年間です。日本
非居住の取締役は、居住地域の標準的な譲渡制限期間を設定します。
②期中に付与された株式数と公正価値
前連結会計年度及び当連結会計年度における本制度の付与日の加重平均公正価値は、それぞれ1,939円及び2,160
円です。
株式数については、上記(4)①に記載のとおり、当社が事前に定めた当社の普通株式を、譲渡制限期間終了後に
に交付します。
(5)株式報酬費用
143/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
販売費及び一般管理費 175 400
28.売上高
(1)収益の分解
当社グループは、内視鏡事業、治療機器事業、科学事業及びその他事業を基本にして組織が構成されています。
これらの事業毎に分離された財務情報が入手可能であり、経営資源の配分の決定及び業績の評価を行うために、定
期的に報告を行う単位となっていることから、これらの事業で計上する収益を売上高として表示しています。ま
た、売上高は、顧客の所在地に基づき地域別に分解しています。これらの分解した売上高と各報告セグメントの売
上高との関連は、以下のとおりです。
なお、第1四半期連結会計期間より、呼吸器科分野の事業強化を目的として、従来「内視鏡事業」セグメントに
含めていた気管支鏡を、「治療機器事業」セグメントに移管しています。そのため、前連結会計年度のセグメント
情報については、移管後の報告セグメントに基づき組替を行い、表示しています。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
内視鏡 治療機器 科学 その他 計
日本 60,148 41,541 14,798 6,967 123,454
北米 132,506 78,925 25,384 164 236,979
欧州 101,111 59,185 19,132 1,799 181,227
中国 60,073 30,982 19,277 22 110,354
アジア・オセアニア 32,593 18,293 12,452 225 63,563
7,233 2,916 4,818 0 14,967
その他
393,664 231,842 95,861 9,177 730,544
合計
顧客との契約から認識した収益
346,230 223,033 95,132 9,177 673,572
その他の源泉から認識した収益 47,434 8,809 729 - 56,972
(注)その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース収益等が含まれています。
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
内視鏡 治療機器 科学 その他 計
日本 65,908 44,988 16,732 7,569 135,197
北米 161,066 100,074 32,090 211 293,441
欧州 117,045 72,789 23,492 4,532 217,858
中国 68,299 32,651 24,432 24 125,406
アジア・オセアニア 39,662 21,149 16,380 293 77,484
9,567 3,935 5,979 0 19,481
その他
461,547 275,586 119,105 12,629 868,867
合計
顧客との契約から認識した収益
409,183 269,092 118,657 12,629 809,561
その他の源泉から認識した収益 52,364 6,494 448 - 59,306
(注)その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース収益等が含まれています。
144/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
① 内視鏡事業
内視鏡事業においては、消化器内視鏡、外科内視鏡などの医療機器の販売並びにリース及び修理などの医療サー
ビスを行っており、国内外の医療機関を主な顧客としています。
内視鏡事業における製品の販売については、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち、製品を顧客に引き渡
した時点で、顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスクおよび経済価値が移転し、顧
客から支払いを受ける権利を得るため、その時点で収益を認識しています。これらの製品の販売による収益は、顧
客との契約に係る取引価格で測定しています。また、取引の対価は履行義務を充足してから主として1年以内に受
領しており、重大な金融要素は含んでいません。なお、製品、および保守サービス等の複数の要素から構成される
取引については、販売する製品および提供するサービス等が単独で独立の価値をもつ場合に、各構成要素を個別の
履行義務として取り扱い、取引総額を各構成要素の独立販売価格に基づいて比例的に配分しています。
医療機器に関する保守契約については、履行義務が時の経過につれて充足されるため、顧客との契約に係る取引
額を契約期間にわたり均等に収益認識しています。なお、取引の対価は、主として契約時に一括で前受けの形式に
より受領しています。
医療機器に関する貸手のリース取引については、注記「3.重要な会計方針 (10)リース」に従って会計処理し
ています。なお、リース契約に関するリース料は、個々の契約に定められた支払い条件に基づき受領しています。
② 治療機器事業
治療機器事業においては、消化器科処置具、泌尿器科製品、呼吸器科製品、エネルギーデバイス並びに耳鼻咽喉
科製品及び婦人科製品などの医療機器の販売を行っており、国内外の医療機関を主な顧客としています。
治療機器事業における製品の販売については、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち、製品を顧客に引き
渡した時点で、顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスクおよび経済価値が移転し、
顧客から支払いを受ける権利を得るため、その時点で収益を認識しています。これらの製品の販売による収益は、
顧客との契約に係る取引価格で測定しています。また、取引の対価は履行義務を充足してから主として1年以内に
受領しており、重大な金融要素は含んでいません。
③ 科学事業
科学事業においては、生物顕微鏡、工業用顕微鏡、工業用内視鏡、非破壊検査機器及び蛍光X線分析計などの販
売を行っており、国内外の研究機関や医療機関等を主な顧客としています。
科学事業における製品の販売については、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち、製品を顧客に引き渡し
た時点で、顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転し、顧客か
ら支払いを受ける権利を得るため、その時点で収益を認識しています。これらの製品の販売による収益は、顧客と
の契約に係る取引価格で測定しています。また、取引の対価は履行義務を充足してから主として1年以内に受領し
ており、重大な金融要素は含んでいません。
科学事業に関する製品の保守契約については、履行義務が時の経過につれて充足されるため、顧客との契約に係
る取引額を契約期間にわたり均等に収益認識しています。なお、取引の対価は、主として契約時に一括で前受けの
形式により受領しています。
④ その他の事業
その他の事業においては、生体材料および整形外科用器具などの販売を行っているほか、新規事業に関する研究
開発や探索活動が含まれています。
145/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(2)契約残高
顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の残高は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
2020年4月1日 2021年3月31日
顧客との契約から生じた債権 121,174 131,127
契約資産 367 436
契約負債 34,480 44,923
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
2021年4月1日 2022年3月31日
顧客との契約から生じた債権 131,127 145,912
契約資産 436 728
契約負債 44,923 53,650
連結財政状態計算書において、顧客との契約から生じた債権及び契約資産は、営業債権及びその他の債権に含ま
れており、契約負債は、その他の流動負債及びその他の非流動負債に含まれています。
契約資産は、報告日時点で完了しているが、まだ請求していない履行義務に係る対価に関連するものです。契約
資産は、支払に対する権利が無条件になった時点で債権に振り替えられます。契約負債は、主に保守契約において
顧客へまだサービスを提供していないが、先に代金の一部又は全部を受け取っている顧客からの前受金です。
前連結会計年度及び当連結会計年度に認識された収益について、期首時点で契約負債に含まれていた金額はそれ
ぞれ、30,629百万円及び41,702百万円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充
足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
(3)残存履行義務に配分した取引金額
残存履行義務の充足時期ごとの収益は、以下のとおりです。なお、個別の予想契約期間が1年以内の取引は、実
務上の便法の規定を適用し当該開示には含みません。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
1年以内 10,771 13,670
7,097 9,594
1年超
17,868 23,264
合計
29.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の主なものは、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
213,793 227,191
人件費(注)
31,543 34,193
減価償却費
11,746 15,173
広告・販売促進費
(注)人件費には、給与、賞与、法定福利費、退職後給付に係る費用及び開発部門において生じた人件費等を含め
ています。
146/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
30.その他の収益及びその他の費用
(1)その他の収益
その他の収益のうち、主なものは、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(政府補助金)
政府補助金収入として 2,388 百万円を「その他の収益」に計上しています。これは新型コロナウイルス感染症
の感染拡大に伴い、各国の政府、自治体等からの助成金の適用を受けたものです。
(貸倒引当金戻入額)
当社における貸倒引当金戻入額 1,359 百万円を「その他の収益」に計上しています。
(子会社株式の譲渡)
当社は、当社の連結子会社であるオリンパスRMS株式会社の全株式を譲渡し、その譲渡益 1,770 百万円を「その
他の収益」に計上しています。
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(段階取得に係る差益)
Medi-Tate Ltd.を企業結合で取得したことにより段階取得に係る差益 2,826 百万円を「その他の収益」に計上
しています。当該企業結合の内容については、注記「40.企業結合」に記載しています。
(固定資産売却益)
当社における固定資産売却益 1,393 百万円を「その他の収益」に計上しています。
(連結子会社の間接税に係る引当金の一部戻入)
2019年3月期に当社の海外子会社が行った間接税に係る自主調査に関して追加的な徴収を見込んで引当計上し
た税額の内、当期に発生が見込まれなくなった 3,596 百万円を「その他の収益」に計上しています。
(買収対価の一部である条件付対価の公正価値変動額)
Veran Medical Technologies,Inc.の買収対価の一部である条件付対価の公正価値の変動により、 1,249 百万円
を「その他の収益」に計上しています。公正価値の変動の内容は注記「40.企業結合」に記載しています。
(2)その他の費用
その他の費用のうち、主なものは、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(事業構造改革費用)
当社における企業変革プラン「Transform Olympus」を推進するための関連費用として、 6,614 百万円を「その
他の費用」に計上しています。
当社の事業ポートフォリオの選択と集中を推進するため、映像事業における分社による新会社の設立及び譲渡
に係る費用として、 5,156 百万円を「その他の費用」に計上しています。
(社外転進支援制度の実施)
当社および当社国内グループ会社が実施した社外転進支援制度による特別支援金の支給や再就職の支援におい
て発生する費用として、 11,866 百万円を「その他の費用」に計上しています。
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(事業構造改革費用)
当社における企業変革プラン「Transform Olympus」等を推進するための関連費用として、 9,380 百万円を「そ
の他の費用」に計上しています。
事業特性に合ったグローバルな事業一貫体制及び機動的かつ迅速な意思決定を可能にする経営体制を確立する
ことを目的として実施する科学事業における分社化に係る費用として、 9,353 百万円を「その他の費用」に計上し
ています。
(減損損失)
147/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
内視鏡事業における開発資産について、市場環境の変化等の影響により取得時に想定していた収益を見込めな
くなったことから回収可能価額まで減額し、減損損失を 1,630 百万円認識し、「その他の費用」に計上していま
す。
31.金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
金融収益
受取利息
817 1,017
償却原価で測定される金融資産
受取配当金
352 167
その他の包括利益を通じて測定される金融資産
24 172
その他
1,193 1,356
合計
金融費用
支払利息
3,597 4,311
償却原価で測定される金融負債
社債利息
391 554
償却原価で測定される金融負債
2,098 158
為替差損(注1)
282 358
その他
6,368 5,381
合計
(注1)ヘッジ指定されていない通貨デリバティブの評価損益は、為替差損益に含めています。
(注2)償却原価で測定される金融資産から生じる手数料収益及び費用に、重要なものはありません。
148/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
32.1株当たり利益
(1)基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
基本的1株当たり当期利益(円)
継続事業 51.03 90.22
非継続事業 △40.98 -
基本的1株当たり当期利益 10.05 90.22
希薄化後1株当たり当期利益(円)
継続事業 51.00 90.17
非継続事業 △40.96 -
希薄化後1株当たり当期利益 10.04 90.17
(2)基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり
当期利益の計算に使用する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 12,918 115,742
- -
親会社の普通株主に帰属しない当期利益(百万円)
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益
12,918 115,742
(百万円)
継続事業
65,599 115,742
非継続事業 △52,681 -
- -
当期利益調整額(百万円)
希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する当期利
12,918 115,742
益(百万円)
継続事業 65,599 115,742
△52,681 -
非継続事業
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり
当期利益の計算に使用する普通株式の加重平均株式数
普通株式の加重平均株式数(千株) 1,285,607 1,282,920
普通株式増加数
ストック・オプションによる新株予約権(千株) 536 480
事後交付型譲渡制限付株式報酬による普通株式
71 203
(千株)
1,286,214 1,283,603
希薄化後の普通株式の加重平均株式数(千株)
149/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
33.その他の包括利益
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるその他の包括利益(非支配持分を含む)の各項目の内訳は、以下のと
おりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
当期発生額 3,914 △481
△1,288 △205
税効果額
税効果後
2,626 △686
確定給付制度の再測定
当期発生額 △3,498 8,047
2,572 △2,735
税効果額
税効果後 △926 5,312
純損益に振り替えられることのない項目合計
1,700 4,626
純損益に振り替えられる可能性のある項目
在外営業活動体の換算差額
当期発生額 21,736 42,407
組替調整額 202 -
税効果調整前 21,938 42,407
- -
税効果額
税効果後
21,938 42,407
キャッシュ・フロー・ヘッジ
当期発生額 △28 1,622
組替調整額 271 △4,727
税効果調整前 243 △3,105
△74 951
税効果額
税効果後
169 △2,154
持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分
当期発生額 △55 152
組替調整額 - -
税効果調整前 △55 152
- -
税効果額
税効果後 △55 152
純損益に振り替えられる可能性のある項目合計 22,052 40,405
23,752 45,031
その他の包括利益合計
150/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
34.キャッシュ・フロー情報
(1)非資金取引
主な非資金取引の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
リース取引に係る使用権資産の取得 39,644 16,116
(2)財務活動に関する負債
財務活動に関する負債の増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
非資金変動
財務キャッ
シュ・フ
期首残高 期末残高
ローによる 新規リースに 在外営業活動
その他
変動 よる増加 体の換算差額
短期借入金 10,135 △7,721 - △25 3,069 5,458
社債(注) 69,737 49,757 - - 102 119,596
コマーシャル・ペーパー 60,000 △60,000 - - - -
長期借入金(注) 141,043 88,624 - 118 425 230,210
リース負債(注) 41,743 △16,188 39,644 443 765 66,407
(注)1年内に返済又は償還予定の残高を含んでいます。
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
非資金変動
財務キャッ
シュ・フ
期首残高 期末残高
ローによる 新規リースに 在外営業活動
その他
変動 よる増加 体の換算差額
短期借入金 5,458 △5,454 - 78 △15 67
社債(注) 119,596 56,143 - - 4,583 180,322
長期借入金(注) 230,210 △26,246 - 1,349 425 205,738
リース負債(注) 66,407 △17,691 16,116 787 △604 65,015
(注)1年内に返済又は償還予定の残高を含んでいます。
151/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(3)事業の取得による支出
前連結会計年度及び当連結会計年度において、重要な事業の取得による収支はありません。
(4)子会社の取得による支出
子会社の取得による支払対価と取得による収支の関係は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
現金による支払対価 45,472 23,222
△931 △1,385
支配獲得時の資産のうち現金及び現金同等物
44,541 21,837
子会社の取得による支出
(5)支配の喪失
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(映像事業の譲渡)
(ⅰ)取引の概要
当社は、日本産業パートナーズ株式会社が設立した特別目的会社であるOJホールディングス株式会社と2020
年9月30日に締結した株式譲渡契約に基づき、当社が保有するOMデジタルソリューションズ株式会社の株式総
数の95%(発行済株式総数の95%)を2021年1月1日付で譲渡しました。これにより、当社はOMデジタルソ
リューションズ株式会社に対する支配を喪失しています。
(ⅱ)支配の喪失を伴う資産及び負債
(単位:百万円)
金額
現金及び現金同等物 24,266
その他流動資産 282
非流動資産 479
資産合計 25,027
流動負債 24,783
非流動負債 244
負債合計 25,027
(ⅲ)支配の喪失を伴うキャッシュ・フロー
(単位:百万円)
金額
支配喪失の対価として受け取った現金及び現金同等物 0
事業譲渡に関連する費用 △3,564
支配を喪失した子会社における現金及び現金同等物 △24,266
事業譲渡による支出(注) △27,830
(注)事業譲渡による支出は、連結キャッシュ・フロー計算書において投資活動によるキャッシュ・フローに
含まれています。
152/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(ⅳ)支配の喪失に伴う損益
支配の喪失に伴って認識した損失は44,794百万円であり、連結損益計算書上、「非継続事業からの当期損
失」に計上しています。当該譲渡に関する損失の詳細については、注記「41.非継続事業」に記載していま
す。
(重要な営業の譲渡)
(ⅰ)取引の概要
当社は、2020年8月6日に米国における治療機器の製造拠点Olympus Surgical Technologies Americaの一
つであるノーウォーク工場(以下、同工場)を、NISSHA株式会社(以下、NISSHA)の100%子会社Nissha
Medical Technologiesに譲渡することについて、NISSHAとの間で契約を締結しました。同工場の譲渡が2020年
11月2日で完了し、同工場に対する支配を喪失しました。
(ⅱ)支配の喪失を伴う資産及び負債
(単位:百万円)
金額
流動資産 860
非流動資産 1,488
資産合計 2,348
(ⅲ)支配の喪失に伴うキャッシュ・フロー
(単位:百万円)
金額
支配喪失の対価として受け取った現金及び現金同等物 2,121
支配を喪失した事業における現金及び現金同等物 -
事業譲渡による収入(注) 2,121
(注)事業譲渡による収入は、連結キャッシュ・フロー計算書において投資活動によるキャッシュ・フローに
含めています。なお、譲渡価額の合計は、30百万米ドルであり、このうち翌連結会計年度以降に受け取る
予定の対価は、上記に含めていません。
(ⅳ)支配の喪失に伴う損益
同工場に対する支配の喪失に伴って認識した譲渡益は486百万円であり、連結損益計算書上、「その他の収
益」に含めています。
153/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(オリンパスRMS株式会社の譲渡)
(ⅰ)取引の概要
当社は、当社の連結子会社であるオリンパスRMS株式会社の全株式をロート製薬株式会社へ譲渡する契約を
締結し、譲渡手続きを2021年3月23日をもって完了しました。この結果、当社は同日付でオリンパスRMS株式
会社に対する支配を喪失しました。
(ⅱ)支配の喪失を伴う資産及び負債
(単位:百万円)
金額
流動資産 418
非流動資産 6
資産合計 424
流動負債 572
非流動負債 -
負債合計 572
(ⅲ)支配の喪失に伴うキャッシュ・フロー
(単位:百万円)
金額
支配喪失の対価として受け取った現金及び現金同等物 1,622
支配を喪失した子会社における現金及び現金同等物 △294
子会社の売却による収入(注) 1,328
(注)子会社の売却による収入は、連結キャッシュ・フロー計算書において投資活動によるキャッシュ・フ
ローに含まれています。
(ⅳ)支配の喪失に伴う損益
オリンパスRMS株式会社に対する支配の喪失に伴って認識した譲渡益は1,770百万円であり、連結損益計算書
上、「その他の収益」に含めています。
154/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(オリンパスシステムズ株式会社の譲渡)
(ⅰ)取引の概要
当社は 、 当社の連結子会社であるオリンパスシステムズ株式会社の全株式をアクセンチュア株式会社へ譲 渡
する契約を2021年5月28日付で締結し 、 2021年8月31日をもって譲渡手続きを完了しました 。 この結果 、 当社
は 、 同日付でオリンパスシステムズ株式会社に対する支配を喪失しました 。
(ⅱ)支配の喪失を伴う資産及び負債
(単位:百万円)
金額
流動資産 783
非流動資産 414
資産合計 1,197
流動負債 569
非流動負債 507
負債合計 1,076
(ⅲ)支配の喪失に伴うキャッシュ・フロー
(単位:百万円)
金額
支配喪失の対価として受け取った現金及び現金同等物 726
支配を喪失した子会社における現金及び現金同等物 △2
子会社の売却による収入(注) 724
(注)子会社の売却による収入は、連結キャッシュ・フロー計算書において投資活動によるキャッシュ・フ
ローに含まれています。
(ⅳ)支配の喪失に伴う損益
オリンパスシステムズ株式会社に対する支配の喪失に伴って認識した譲渡益は605百万円であり、連結損益
計算書上、「その他の収益」に含めています。
155/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
35.金融商品
(1)信用リスク
信用リスクは、当社グループの債務者の契約不履行等により、当社グループが財務的損失を被ることとなるリス
クです。
当社グループが晒されている信用リスクは主に、償却原価で測定する金融資産に係る顧客や取引先の信用リスク
及び為替変動等の財務リスクをヘッジするために保有するデリバティブに係る取引相手である金融機関の信用リス
クです。
償却原価で測定する金融資産については、社内規定に従い、主な外部取引先の信用調査、取引先別の期日管理及
び残高管理を行うとともに、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握により、信用リスクの軽減を図ってい
ます。デリバティブについては、信用度の高い金融機関に限定して取引を行うことで、信用リスクを軽減していま
す。
償却原価で測定する金融資産は、主に受取手形、売掛金及びリース債権から構成される「営業債権」と「営業債
権以外の債権等」に分類しており、それぞれに対して以下のように貸倒引当金を設定しています。
「営業債権」は、期末日における債務者の経営状態・財務状況に応じて、「経営状態に重大な問題が生じていな
い債務者」に対する債権、「債務の弁済に重大な問題が生じている債務者」に対する債権、「経営破綻に陥ってい
る債務者」に対する債権の3つの区分に分類し、その区分ごとに常に全期間の予想信用損失と同額の貸倒引当金を
認識しています。
「経営状態に重大な問題が生じていない債務者」とは、債務の弁済について問題となる兆候が見られず、また債
務弁済能力に問題が生じていない債務者です。当該債務者に対する債権の貸倒引当金は、過去の貸倒実績率に将来
の状況を加味した引当率を利用し、集合的に計上しています。
「債務の弁済に重大な問題が生じている債務者」とは、経営破綻の状態には至っていないが、債務の弁済に重大
な問題が生じている、又は、生じる可能性が高い債務者です。当該債務者に対する債権の貸倒引当金は、当該資産
に係る回収見込額を個別に見積り計上しています。
「経営破綻に陥っている債務者」とは、法的、形式的な経営破綻の事実が発生している場合、又は深刻な経営難
の状態にあり、再建の見通しがない状態にあると認められる債務者です。当該債務者に対する債権の貸倒引当金
は、担保又は信用補完として受入れた資産を除く債権全額に対して計上しています。
「営業債権以外の債権等」は、信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを報告期間の末日ご
とに評価し、著しく増加していない場合には12ヶ月の予想信用損失に等しい金額を、著しく増加している場合には
全期間の予想信用損失に等しい金額を、貸倒引当金として認識しています。
信用リスクが著しく増加している場合とは、当初認識時と比較して、期末日において債権の回収可能性に重大な
問題が発生している状況をいいます。当社グループにおいては、信用リスクが著しく増加しているか否かの評価を
行う際には、期日経過情報のほか、債務者の過去の経営成績や経営改善計画等、合理的に利用可能かつ裏づけ可能
な情報を考慮しています。
「営業債権以外の債権等」は、債務者の信用リスクの程度に応じて、集合的に信用損失を見積る方法、又は個別
的に信用損失を見積る方法により、貸倒引当金を認識しています。ただし、債務者が深刻な財政難にある場合や法
的、形式的な経営破綻の事実が発生している場合は、信用減損金融資産として、個別的に信用損失を見積る方法に
より貸倒引当金を認識しています。
上記の分類に関わらず、法的に債権が消滅する場合等、金融資産の全部又は一部について回収できないことが明
らかな場合には、当該金融資産の帳簿価額を直接償却しています。
156/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
貸倒引当金に関する情報
貸倒引当金の認識対象となる金融資産の帳簿価額は、以下のとおりです。
これらの帳簿価額は、当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーを表しています。
(単位:百万円)
経営状態に重大な問題 債務の弁済に重大な問 経営破綻に陥っている
営業債権 合計
が生じていない債務者 題が生じている債務者 債務者
2021年3月31日 残高 179,320 4,470 418 184,208
2022年3月31日 残高 199,234 3,928 364 203,526
2021年3月31日及び2022年3月31日において、「営業債権」に対する貸倒引当金に重要な影響を与える著しい変
動はありません。
(単位:百万円)
信用リスクが著しく増加している
信用リスクが著しく増
営業債権以外の債権等 合計
加していない 信用減損金融資産では
信用減損金融資産
ない金融資産
2021年3月31日 残高 24,108 6,783 584 31,475
2022年3月31日 残高 26,502 6,924 604 34,030
2021年3月31日及び2022年3月31日において、「営業債権以外の債権等」に対する貸倒引当金に重要な影響を与
える著しい変動はありません。
上記の金融資産に対応する貸倒引当金の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
営業債権以外の債権等
信用リスクが著しく増加している
営業債権
信用リスクが著しく増
加していない 信用減損金融資産で
信用減損金融資産
はない金融資産
2020年4月1日 残高 7,444 0 8,225 517
増加 382 0 - 17
減少 △2,228 △0 △1,442 -
その他 274 - - 50
2021年3月31日 残高 5,872 0 6,783 584
増加 179 84 79 -
減少 △860 △32 △9 △0
その他 55 0 - 20
2022年3月31日 残高 5,246 52 6,853 604
157/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(2)流動性リスク
流動性リスクは、当社グループが借入金等の金融負債を支払期日に返済できなくなるリスクです。
当社グループが保有する借入金や社債等の金融負債は、流動性リスクに晒されています。当該リスクは、財務部
門が各部署からの報告に基づき適時に資金繰計画を作成・更新するとともに、手許流動性を連結売上高の一定水準
以上に維持すること等により管理しています。
主な金融負債の期日別残高は以下のとおりです。なお、営業債務及びその他の債務は1年以内に決済され、契約
上のキャッシュ・フローは帳簿残高にほぼ等しいことから、表には含めていません。
前連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
契約上のキャッシュ・フロー
帳簿残高
合計 1年内 1年超
非デリバティブ金融負債
社債及び借入金 355,264 364,972 33,462 331,510
リース負債 66,407 77,256 16,617 60,639
デリバティブ金融負債
通貨関連デリバティブ 1,967 1,967 1,821 146
金利関連デリバティブ 500 499 184 315
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
契約上のキャッシュ・フロー
帳簿残高
合計 1年内 1年超
非デリバティブ金融負債
社債及び借入金 386,127 400,462 55,036 345,426
リース負債 65,015 73,246 16,498 56,748
デリバティブ金融負債
通貨関連デリバティブ 3,752 4,086 3,912 174
金利関連デリバティブ 285 285 81 204
満期分析に含まれているキャッシュ・フローが著しく早期に、又は著しく異なる金額で発生することは見込まれ
ていません。
158/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(3)市場リスク
市場リスクは、市場価格の変動により金融商品の公正価値又は将来キャッシュ・フローが変動するリスクであ
り、外国為替の変動により生じる為替リスク、市場金利の変動により生じる金利リスク及び上場株式の市場価格
の変動により生じる市場価格変動リスク等が含まれています。
① 為替リスク
当社グループは、グローバルに事業展開しているため、機能通貨以外の取引から生じる金融資産及び金融負債
は外国為替相場の変動リスクに晒されています。為替変動リスクを軽減することを目的として、当社グループは
主に先物為替予約及び通貨スワップを利用しています。
(i)為替予約及び通貨スワップ
為替予約及び通貨スワップの詳細は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
契約額 公正価値 契約額 公正価値
為替予約 96,391 △1,050 115,534 △3,063
米ドル 18,364 △579 72,307 △1,773
その他の通貨 78,027 △471 43,227 △1,290
通貨スワップ 20,689 51 87,910 1,185
他通貨受取/ユーロ支払 20,235 54 26,537 △121
ユーロ受取/他通貨支払 454 △3 178 △0
- - 61,195 1,306
米ドル受取/日本円支払
117,080 △999 203,444 △1,878
合計
(ii)為替変動リスクの感応度分析
当社グループが、連結会計年度末において保有する金融商品について、日本円に対し米ドル及びユーロが
1円円高になった場合の連結損益計算書の税引前利益に与える影響額(△は損)は、以下のとおりです。な
お、当該分析は他のすべての変数が一定であると仮定しています。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
米ドル △445 △209
ユーロ △103 △162
159/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
② 金利リスク
当社グループの金利リスクのエクスポージャーは、主に借入金や社債などの債務に関連しています。利息の金
額は市場金利の変動に影響を受けるため、利息の将来キャッシュ・フローが変動する金利リスクに晒されます。
当社グループは、主に金利の上昇による将来の利息の支払額の増加を抑えるために、固定金利の長期借入金及
び社債によって資金調達を行っています。長期借入金を変動金利により調達する場合には、原則として、変動金
利を受け取り、固定金利を支払う金利スワップ契約を金融機関と締結し、調達金利を実質的に固定化することに
より、キャッシュ・フローの安定化を図っています。
当社グループは、前連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響を鑑み、事業
資金及び長期運転資金として1,000億円の借入を行っています。このうち500億円は、変動金利で調達しており、
金利スワップ契約を締結していないことから、利息の将来キャッシュ・フローが変動する金利リスクに晒されて
います。当社グループは、変動金利の有利子負債を超える現金及び現金同等物を保持しており、金融市場環境の
変化により金利が上昇した場合、当該資金を活用して有利子負債を圧縮する等により、金利リスクを軽減しま
す。
金利の感応度分析
当社グループが、連結会計年度末において保有する変動金利借入金において、連結会計年度末における金利
が1%上昇した場合の連結損益計算書の税引前利益に与える影響額は以下のとおりです。この分析は、連結会
計年度末における変動金利借入金の残高に1%を乗じて影響額を算定しています。なお、金利スワップ取引に
よって金利が固定化された変動金利借入金は除いて分析しています。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
連結損益計算書(税引前利益) △498 △498
③ 市場価格リスク
当社グループは、業務提携の円滑な実施等の政策投資目的で上場株式を保有しています。上場株式の市場価格
は市場原理に基づき決定されるため、市場経済の動向によっては価額が変動する可能性があります。上場株式に
ついては、定期的に市場価格や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、また、取引先企業との関係を勘案
して保有状況を継続的に見直しています。
市場価格の感応度分析
当社グループが連結会計年度末において保有する上場株式において、連結会計年度末における市場価格が
1%下落した場合の連結包括利益計算書のその他の包括利益(税効果考慮前)に与える影響額は以下のとおり
です。この分析は、連結会計年度末における上場株式に1%を乗じて影響額を算定しています。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
その他の包括利益(税効果考慮前) △103 △15
160/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(4)公正価値
① 公正価値のヒエラルキー
公正価値の測定レベルは、測定に用いた評価技法へのインプットの観察可能性に応じて以下の3つに区分して
います。
レベル1:同一の資産又は負債に関する活発な市場における(無調整の)市場価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算定された公正価値
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプットを含む評価技法から算定された公正価値
金融商品のレベル間の振替は、各期末日に発生したものとして認識しています。なお、前連結会計年度及び当
連結会計年度において、レベル間の振替が行われた重要な金融商品はありません。
② 公正価値で測定される金融商品
公正価値で測定される主な金融商品の測定方法は、以下のとおりです。
(その他の金融資産、その他の金融負債)
上場株式はレベル1に区分し、各期末の市場価格によって測定しています。
非上場株式等はレベル2またはレベル3に区分し、類似公開会社比較法等の評価技法を用いて測定してい
ます。
デリバティブ資産・負債はレベル2に区分し、通貨デリバティブは先物為替相場、金利デリバティブは市
場金利や信用リスク、満期までの期間等の観察可能なデータに基づいて、それぞれ測定しています。
企業結合等により生じた条件付対価の公正価値は、レベル3に区分し、将来の支払い可能性を見積り測定
しています。
公正価値で測定される主な金融商品の、公正価値の測定レベル別の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
レベル1 レベル2 レベル3 合計
金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
デリバティブ資産 - 968 - 968
株式等 - - 1,495 1,495
その他の包括利益を通じて公正価値で測定す
る金融資産
株式 10,327 - 853 11,180
金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
デリバティブ負債 - 2,467 - 2,467
条件付対価 - - 3,608 3,608
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
レベル1 レベル2 レベル3 合計
金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
デリバティブ資産 - 1,874 - 1,874
株式等 - - 956 956
その他の包括利益を通じて公正価値で測定す
る金融資産
株式等 1,532 - 2,939 4,471
金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
デリバティブ負債 - 4,037 - 4,037
条件付対価 - - 6,100 6,100
161/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
レベル3に区分された金融資産の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
期首残高 1,658 2,348
利得及び損失(注)
純損益 11 △58
その他の包括利益 1 34
購入 727 1,978
持分法で会計処理されている投資への振替 - △597
△48 190
その他
2,348 3,895
期末残高
(注)純損益に認識した利得又は損失は、連結損益計算書上の「金融収益」又は「金融費用」に表示しており、そ
の他の包括利益に認識した利得又は損失は、連結包括利益計算書上の「その他の包括利益を通じて公正価値
で測定する金融資産」に表示しています。
純損益に認識した利得又は損失合計の内、各連結会計年度末において保有する金融商品に係るものは、前連
結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ11百万円及び136百万円です。
レベル3に区分された金融負債の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
期首残高 163 3,608
企業結合等 3,433 2,834
公正価値の変動 △111 △594
123 252
その他
3,608 6,100
期末残高
162/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
③ 償却原価で測定される金融商品
償却原価で測定される主な金融商品の公正価値の測定方法は、以下のとおりです。なお、これらの金融商品は
主としてレベル2に区分しています。
(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務)
短期間で決済されるものについては、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によって測定
しています。
リース債権は、一定の期間ごとに区分した債権毎に、債権の額を満期までの期間及び信用リスクを加味した利
率により割引いた現在価値に基づいて測定しています。
(その他の金融資産、その他の金融負債)
短期間で決済されるものについては、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によって測定
しています。
(社債及び借入金)
固定金利による社債及び借入金は、将来キャッシュ・フローを同様の社債の発行や新規借入を行った場合に想
定される利率で割引いて測定しています。
変動金利による借入金は、短期間で市場金利を反映し、また、信用状態は実行後大きく異なっていないため、
公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によって測定しています。
なお、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーは、短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等し
いことから、当該帳簿価額によって測定しています。
償却原価で測定される主な金融商品の帳簿価額と公正価値は、以下のとおりです。なお、帳簿価額と公正価値
がほぼ等しい金融商品は下表に含めていません。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
金融資産
リース債権 45,377 45,319 50,517 50,513
金融負債
社債 119,596 120,070 180,322 178,341
借入金 155,456 157,715 145,903 146,336
163/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
④ 資本性金融商品
当社グループでは、取引関係の維持・強化を目的として保有する資本性金融商品に対する投資について、その
保有目的に鑑み、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。資本性金融商品の
主な銘柄ごとの公正価値は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度
銘柄
(2021年3月31日)
朝日インテック株式会社 4,119
ウシオ電機株式会社 1,636
株式会三菱UFJフィナンシャルグループ 1,240
住友不動産株式会社 1,113
株式会社オハラ 675
(単位:百万円)
当連結会計年度
銘柄
(2022年3月31日)
Noah Medical Corporation
1,836
ウシオ電機株式会社 1,024
株式会社オハラ 508
当社の政策目的で保有する株式等の方針に従い、期中で売却した銘柄の売却時における公正価値及び売却に係
る累積利得又は損失は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
売却日における公正価値 7,869 8,280
売却に係る累積利得又は損失 4,721 4,756
資本性金融商品から認識される受取配当金の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
期中に認識を中止した資本性金融商品 195 130
157 37
期末日現在で保有する資本性金融商品
352 167
合計
164/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(5)ヘッジ会計
当社グループでは一部の資金調達を変動金利借入、外貨建固定金利社債により行っており、その範囲で金利リス
クおよび外貨建取引の為替リスクに晒されております。これらのリスクに対するヘッジを目的として、変動金利借
入を実質的に固定金利借入に転換する金利スワップおよび外貨建固定金利社債を実質的に円貨の固定金利社債に転
換する金利通貨スワップを利用しており、これらをキャッシュ・フロー・ヘッジに指定してヘッジ会計を適用して
います。
金利スワップについては、原則としてヘッジ手段とヘッジ対象の想定元本、期間(満期)及び金利基礎数値が一
致するようにしています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、非有効部分は認識していません。
金利通貨スワップについて、ヘッジの非有効部分に関して純損益として認識した金額は、当連結会計年度におい
て重要性はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジを適用する金利スワップ及び金利通貨スワップの概要は、以下のとおりです。
前連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
帳簿価額(注)
想定元本 うち1年超 利率
資産 負債
変動受取:日本円TIBOR6ヶ月物
金利スワップ 25,000 10,000 - 500
固定支払:1.3815%~2.040%
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
帳簿価額(注)
想定元本 うち1年超 利率
資産 負債
変動受取:日本円TIBOR6ヶ月物
金利スワップ 10,000 10,000 - 285
固定支払:1.3815%
金利通貨ス 固定受取:米ドル 2.143%
61,195 61,195 1,306 -
ワップ 固定支払:日本円 0.6975%
(注)連結財政状態計算書上、満期までの期間に応じて流動・非流動の別に、「その他の金融資産」又は「その
他の金融負債」に計上しています。
上記に係るキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の残高(税効果考慮前)は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
金利スワップ △500 △285
金利通貨スワップ - △3,320
キャッシュ・フロー・ヘッジについて、連結包括利益計算書及びその他の包括利益に計上された金額(税効果考
慮前)は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
キャッシュ・フロー・ヘッジ
その他の包括利益に認識した
から当期利益への組替調整額
公正価値の変動額
(注)
金利スワップ △28 271
当連結会計年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
キャッシュ・フロー・ヘッジ
その他の包括利益に認識した
から当期利益への組替調整額
公正価値の変動額
(注)
金利スワップ 41 174
金利通貨スワップ 1,581 △4,901
(注)連結損益計算書上、「金融収益」又は「金融費用」に計上しています。
165/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(6)金融商品の譲渡
全体が認識の中止となるわけではない譲渡金融資産
当社グループは、資金調達の多様化を図り、安定的に資金を調達することを目的として、営業債権の一部を第
三者へ譲渡しています。第三者は債務者の不履行に際して、当該譲渡資産のみに遡求権を有しており、当社グ
ループの他の資産に対しては遡求できません。第三者との契約上、当社グループは債権譲渡額の一部については
貸倒リスクを負っていませんが、全体としては金融資産の認識中止の要件を満たさないため、連結財政状態計算
書上、債権譲渡全額の認識を継続しています。当該資産の譲渡時に生じた入金額は、関連する負債として計上し
ており、譲渡資産に対して支払いが行われた場合に決済されますが、その間、当社グループが当該譲渡資産を利
用することはできません。
譲渡資産全部の認識が継続される譲渡資産及び関連する負債の帳簿価額は、以下のとおりであり、それぞれ連
結財政状態計算書の「営業債権及びその他の債権」及び「その他の金融負債」に計上しています。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
譲渡金融資産 2,928 4,533
1,996 4,533
関連する負債
932 -
譲渡金融資産の正味ポジション
(注)上記に関する公正価値は、帳簿価額と同額です。
166/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
36.リース取引
(1)貸手側
当社グループは、ファイナンス・リースとして内視鏡機器等の賃貸を行っています。また、オペレーティング・
リースとして内視鏡機器等の賃貸や自社所有不動産の賃貸等を行っています。
定期的に顧客状況、機器の使用率等のモニタリングを実施し、原資産に対するリスクを管理しています。
ファイナンス・リースに係る収益の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
販売損益 7,710 7,971
受取利息 1,997 2,395
リース料債権の期日別残高は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
割引前受取リース料
1年以内 22,241 24,712
1年超2年以内 13,001 14,666
2年超3年以内 7,762 8,522
3年超4年以内 3,451 3,605
4年超5年以内 1,539 1,107
84 159
5年超
48,078 52,771
合計
無保証残存価値
1,380 2,167
未獲得金融収益 △4,081 △4,421
45,377 50,517
正味リース投資未収額
オペレーティング・リースに係る収益の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
リース収益 6,381 26,921
変動リース料(注) 22,110 12,627
(注)指数又はレートに応じて決まるものではない変動リース料に係る収益であります。
オペレーティング・リースに係る将来の受取リース料の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
1年以内 17,873 17,609
1年超2年以内 11,081 11,727
2年超3年以内 5,332 6,609
3年超4年以内 2,359 2,568
4年超5年以内 860 602
451 374
5年超
37,956 39,489
合計
167/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(2)借手側
当社グループは、借手として、不動産等を賃借しています。
一部のリース取引には更新又は購入選択権及びエスカレーション条項が付されていますが、リース契約によって
課された制限(配当、追加借入及び追加リースに関する制限等)はありません。
また、リース契約の一部については、延長オプション及び解約オプションが付与されています。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、当社グループが締結済みのリース契約のうち、まだ開始して
いない重要な契約はありません。
原資産種類別の使用権資産の帳簿価額および使用権資産の増加額は、注記「13.有形固定資産」に記載していま
す。
リースに係るキャッシュ・アウト・フローの合計額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ
18,975百万円及び20,240百万円です。
借手のリースに関連する収益及び費用の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
使用権資産のサブリースによる収益 18 18
原資産種類別の使用権資産に係る減価償却費
土地 356 360
建物及び構築物 8,667 9,464
機械装置及び運搬具 1,048 2,852
工具、器具及び備品 2,736 818
リース負債に係る金利費用 1,124 1,585
短期リースに係る費用 582 505
少額資産のリースに係る費用 1,388 799
(注)リース負債の期日別残高については、注記「35.金融商品」に記載しています。
168/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
37.法人所得税
(1)繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な原因別の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
繰延税金資産
棚卸資産 5,442 8,112
前払費用 11,099 16,547
未払賞与 7,057 7,704
未払費用 5,998 4,599
未実現利益 7,123 11,992
有形固定資産 9,814 10,037
無形資産 3,379 3,305
金利スワップ 153 87
繰延ヘッジ損益 - 1,017
退職給付に係る負債 5,931 6,263
繰越欠損金 18,830 12,819
9,430 8,803
その他
合計
84,256 91,285
繰延税金負債
有形固定資産 △3,602 △5,306
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
△1,516 △287
金融資産
退職給付に係る資産 △2,158 △4,309
買収による公正価値差額 △8,546 △9,773
開発費の資産化 △17,193 △18,976
在外子会社留保利益 △2,318 △2,341
△5,306 △5,597
その他
合計 △40,639 △46,589
43,617 44,696
繰延税金資産及び負債の純額
当連結会計年度において、企業結合に係る取得資産および引受負債について暫定的に測定された公正価値の修正
を行ったため、前連結会計年度末の繰延税金資産及び繰延税金負債の金額を遡及修正しています。遡及修正の内容
については、注記「40.企業結合」に記載しています。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金、将来減算一時差異及び繰越税額控除は、以下のとおりです。なお、
金額はいずれも税額ベースです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
繰越欠損金 18,660 5,117
将来減算一時差異 29,767 27,317
842 718
繰越税額控除
49,269 33,152
合計
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額と繰越期限は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
4年目以内 12,943 -
5,717 5,117
5年目以降
18,660 5,117
合計
当社は、子会社における未分配利益について、当社が一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な
将来に一時差異が解消しない可能性が高い場合には、当該一時差異に関連する繰延税金負債を認識していません。
169/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
繰延税金負債として認識されていない子会社における未分配利益に係る一時差異の総額(所得ベース)は、前連結
会計年度末及び当連結会計年度末現在、それぞれ261,657百万円、319,744百万円です。
(2)法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
当期税金費用(注1) 19,347 37,495
△8,207 △3,592
繰延税金費用(注2,3,4)
11,140 33,903
法人所得税費用合計
(注1)当期税金費用には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた
便益の額が含まれています。これに伴う当期税金費用の減少額は、前連結会計年度及び当連結会計年度にお
いて、それぞれ1,657百万円及び2,246百万円です。
また、当連結会計年度の当期税金費用は、前連結会計年度の法人税△1,045百万円を含んでいます。
(注2)繰延税金費用には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた
便益の額が含まれています。これに伴い繰延税金費用は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、そ
それぞれ557百万円減少、323百万円減少しています。
(注3)繰延税金費用には、繰延税金資産の評価減又は以前に計上した評価減の戻入(繰延税金資産の回収可能性の
評価)により生じた費用の額が含まれています。これに伴う繰延税金費用は、前連結会計年度及び当連結会
計年度において、それぞれ3,941百万円増加、1,925百万円減少しています。
(注4)繰延税金費用は、国内外の税率変更の影響により前連結会計年度に174百万円減少、当連結会計年度に267百
万円増加しています。
(3)その他の包括利益で認識された法人所得税
その他の包括利益で認識された法人所得税は、注記「33.その他の包括利益」に記載しています。
(4)実効税率の調整
各年度の法定実効税率と平均実際負担税率との調整は、以下のとおりです。
当社は主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率は、前連結会
計年度において30.6%、当連結会計年度において30.6%となっています。海外子会社については、その所在地にお
ける法人税所得税が課されています。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
法定実効税率 30.6% 30.6%
永久に損金に算入されない項目 2.9 1.8
永久に益金に算入されない項目 △0.3 0.1
試験研究費等税額控除 △1.2 △1.7
子会社の適用税率差異 △3.0 △2.1
子会社留保金課税 1.3 0.4
未認識の繰延税金資産及び負債の増減 3.3 △12.0
税率変更による影響 △0.2 0.2
繰越欠損金の期限切れ 1.2 3.1
組織再編等による影響 △20.9 -
0.8 2.2
その他
14.5% 22.6%
平均実際負担税率
170/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
38.重要な子会社
(1)企業集団の構成
当連結会計年度末の主要な子会社の状況は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。
(2)重要な非支配持分のある子会社
前連結会計年度及び当連結会計年度において、個々に重要性のある非支配持分を有する子会社はありません。
39.関連当事者
(1)関連当事者との取引
前連結会計年度及び当連結会計年度において、関連当事者との取引(連結財務諸表において消去されたものを除
く)については、重要な取引等がないため記載を省略しています。
(2)経営幹部に対する報酬
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
基本報酬及び賞与 1,124 1,370
173 353
株式報酬
1,297 1,723
合計
171/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
40.企業結合
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(Arc Medical Design Limitedの取得)
(1)企業結合の概要
① 被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称 Arc Medical Design Limited(以下、「Arc Medical Design社」)
事業の内容 大腸内視鏡を用いた診断及び治療に対する補助デバイスの開発及び製造
② 企業結合を行った主な理由
当社は、早期診断及び低侵襲治療に対する当社のコアコンピタンスをより強固なものとするため、自社開
発にとどまらず、最適なパートナーを買収することを通じて、消化器疾患治療機器のラインアップ拡充や大
腸がんの診断・治療補助デバイスの開発に努めています。
今回の買収により、当社はArc Medical Design社の革新的な製品に関するすべての権利を取得しました。
当社はこれまでもArc Medical Design社の主力製品であるENDOCUFF VISION™について、欧米市場で独占販売
契約を有していましたが、今後は全ENDOCUFF製品群に関する設計、製造、販売、事業戦略を担うことになり
ます。本製品群の導入により、医療コストの削減、及び患者様のQOL向上にさらに貢献していきます。
③ 取得した議決権付資本持分の割合
100%
④ 取得日
2020年8月7日
⑤ 被取得企業の支配を獲得した方法
現金を対価とする株式取得
(2)取得関連費用
取得関連費用として67百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しています。
(3)取得日における支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値
(単位:百万円)
金額
支払対価の公正価値
現金 3,472
条件付対価 488
合計 3,960
取得資産及び引受負債の公正価値
現金及び現金同等物 79
有形固定資産 0
無形資産 1,296
その他の資産 5
繰延税金負債 △246
その他の負債 △74
取得資産及び引受負債の公正価値(純額) 1,060
のれん 2,900
合計 3,960
支払対価は、取得日における公正価値を基礎として、取得した資産及び引受けた負債に配分しています。
なお、前連結会計年度において支払対価の配分は完了しており、当初の暫定的な金額から重要な変動はあり
ません。
172/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
のれんの内容は、主に、期待される将来の超過収益力の合理的な見積りにより発生したものです。なお、当
該のれんについて税務上、損金算入を見込んでいる金額はありません。
(4)条件付対価
条件付対価は、Arc Medical Design社製品の売上高に応じて将来の一定期間に渡りArc Medical Design社の
旧株主に対して支払われるロイヤルティであり、その公正価値は、将来の販売予測や貨幣の時間的価値を考慮
して計算しています。なお、当該ロイヤルティについては支払額の上限は設けられておりません。
条件付対価の公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3です。条件付対価に係る公正価値変動額のうち、
貨幣の時間的価値の変動に基づく部分を「金融費用」に計上するとともに、貨幣の時間的価値以外の変動に基
づく部分を「その他の収益」または「その他の費用」に計上しています。
(5)当社グループに与える影響
当該企業結合に係る取得日以降の損益情報及び当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の損益情報
は、連結損益計算書に与える影響額に重要性が乏しいため、記載を省略しています。
なお、当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の損益情報は、監査法人の監査を受けていません。
(FH ORTHO SASの取得)
(1)企業結合の概要
① 被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称 FH ORTHO SAS(以下、「FH ORTHO社」)
事業の内容 整形外科用器具の開発・製造・販売
② 企業結合を行った主な理由
当社は、子会社であるオリンパステルモバイオマテリアル株式会社を通じて、日本国内においてすでに整
形外科事業を展開しており、人工骨、HTO(高位脛骨骨切り術)用金属プレート、その他関連製品の製造・販
売を行っています。また、当社は、より正確で安全な生体組織(骨)の破砕、及び切除をサポートするため
に、関節鏡下で初めてとなる超音波技術を用いた手術装置を開発しました。
今回の買収により、当社は靭帯再建術や足関節固定術、外傷手術などにおいて使用される、革新的で患者
様のQOL向上に貢献する製品のポートフォリオを強化します。また、当社の整形外科向けの製品を、FH
ORTHO社が持つグローバルな販売ルートで展開するとともに、FH ORTHO社の主力製品の一部を日本国内で販
売することで、当社グループの販路拡大と事業の成長を促進します。低侵襲手術に貢献する、より多くの製
品・ソリューションの導入、販路拡大により、当社はグローバル・メドテックカンパニーとしてのポジショ
ンを更に強化していきます。
③ 取得した議決権付資本持分の割合
100%
④ 取得日
2020年11月2日
⑤ 被取得企業の支配を獲得した方法
現金を対価とする株式取得
(2)取得関連費用
取得関連費用として403百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しています。
173/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(3)取得日における支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値
(単位:百万円)
金額
支払対価の公正価値
現金 5,776
条件付対価 194
合計 5,970
取得資産及び引受負債の公正価値
現金及び現金同等物 122
営業債権及びその他の債権 618
棚卸資産 3,445
その他の流動資産 1,099
有形固定資産 1,271
無形資産 2,232
繰延税金資産 617
営業債務及びその他の債務 △727
社債及び借入金(流動) △3,055
引当金 △460
その他の流動負債 △723
退職給付に係る負債 △206
繰延税金負債 △847
その他の非流動負債 △356
取得資産及び引受負債の公正価値(純額) 3,030
のれん 2,940
合計 5,970
支払対価は、取得日における公正価値を基礎として、取得した資産及び引受けた負債に配分しています。な
お、前連結会計年度において支払対価の配分は完了しており、当初の暫定的な金額から、取得日における資産
及び負債の金額を修正しています。
主な修正の内容は、棚卸資産の増加1,251百万円、無形資産の増加1,725百万円、繰延税金負債の増加847百
万円であり、その結果、のれんの金額が2,303百万円減少しています。無形資産残高2,232百万円のうち、主な
内容は、FH ORTHO社の製品に関する技術関連資産2,031百万円であり、将来の売上高成長率、価値減耗率、お
よび割引率等の仮定に基づき測定しています。なお、技術関連資産の見積耐用年数は10~16年です。
のれんの内容は、主に、期待される将来の超過収益力の合理的な見積りにより発生したものです。なお、当
該のれんについて税務上、損金算入を見込んでいる金額はありません。
(4)条件付対価
条件付対価は、企業結合後のFH ORTHO社の特定の業績指標の達成水準に応じて支払う契約となっており、支
払額の上限は2,550千ユーロです。その公正価値は、将来の業績予測や貨幣の時間的価値を考慮して計算して
います。
条件付対価の公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3です。条件付対価に係る公正価値変動額のうち、
貨幣の時間的価値の変動に基づく部分を「金融費用」に計上するとともに、貨幣の時間的価値以外の変動に基
づく部分を「その他の収益」または「その他の費用」に計上しています。
174/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(5)当社グループに与える影響
当該企業結合に係る取得日以降の損益情報及び当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の損益情報
は、連結損益計算書に与える影響額に重要性が乏しいため、記載を省略しています。
なお、当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の損益情報は、監査法人の監査を受けていません。
(Veran Medical Technologies,Inc.の取得)
(1)企業結合の概要
① 被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称 Veran Medical Technologies,Inc.(以下、「VMT社」)
事業の内容 呼吸器科関連医療機器の製造・販売
② 企業結合を行った主な理由
VMT社が持つ電磁ナビゲーションシステムは、細く枝分かれした気管支末梢部への気管支鏡や処置具の挿
入を支援するシステムであり、気管支末梢部にある病変の位置の特定や、病変部の細胞採取をサポートしま
す。気管支鏡およびラジアルEBUS(気管支内超音波)などの当社の既存の呼吸器科向け製品と組み合わせて
使用することで、病変部へのスムーズなアクセスや、肺がんの確定診断における更なる貢献が期待できま
す。今回の買収により、当社の呼吸器事業の製品ラインアップが強化されるだけでなく、VMT社の経験豊富
なセールススタッフにより北米における販売体制が大幅に強化されます。呼吸器科市場における当社の競争
力を向上させることで、呼吸器疾患の早期診断・低侵襲治療により一層貢献していきます。
③ 取得した議決権付資本持分の割合
100%
④ 取得日
2020年12月29日
⑤ 被取得企業の支配を獲得した方法
現金を対価とする株式取得
(2)取得関連費用
取得関連費用として440百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しています。
175/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(3)取得日における支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値
(単位:百万円)
金額
支払対価の公正価値
現金 31,050
条件付対価 1,461
合計 32,511
取得資産及び引受負債の公正価値
現金及び現金同等物 433
営業債権及びその他の債権 506
棚卸資産 2,176
有形固定資産 241
無形資産 16,953
その他の資産 353
繰延税金資産 2,746
営業債務及びその他の債務 △108
その他の負債 △779
繰延税金負債 △4,244
取得資産及び引受負債の公正価値(純額) 18,277
のれん 14,234
合計 32,511
支払対価は、取得日における公正価値を基礎として、取得した資産及び引受けた負債に配分しています。な
お、当連結会計年度において支払対価の配分は完了しており、当初の暫定的な金額から、取得日における資産
及び負債の金額を修正しています。
主な修正の内容は、無形資産の増加16,953百万円、繰延税金資産の増加1,128百万円、繰延税金負債の増加
4,244百万円であり、その結果、のれんの金額が16,295百万円減少しています。無形資産残高16,953百万円の
うち、主な内容は、VMT社の製品に関する技術関連資産13,993百万円及び仕掛中の研究開発2,577百万円であ
り、将来の売上高成長率、価値減耗率、および割引率等の仮定に基づき測定しています。なお、技術関連資産
の見積耐用年数は15年です。
のれんの内容は、主に、期待される将来の超過収益力の合理的な見積りにより発生したものです。なお、当
該のれんについて税務上、損金算入を見込んでいる金額はありません。
(4)条件付対価
条件付対価は、企業結合後のVMT社の特定の業績指標の達成水準等に応じて支払う契約となっており、支払
額の上限は40,000千USドルです。条件付対価の公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3です。
なお、当該業績指標の達成に遅れが生じていることから、当連結会計年度において、条件付対価の公正価値
を当初算定した1,461百万円から367百万円に修正しています。また、差額の1,094百万円のうち、公正価値自
体の見直しによる影響額1,249百万円を連結損益計算書上のその他の収益に、為替変動による影響額155百万円
を連結包括利益計算書上の在外営業活動体の換算差額に計上しています。
(5)当社グループに与える影響
当該企業結合に係る取得日以降の損益情報及び当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の損益情報
は、連結損益計算書に与える影響額に重要性が乏しいため、記載を省略しています。
なお、当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の損益情報は、監査法人の監査を受けていません。
176/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(Quest Photonic Devices B.V.の取得)
(1)企業結合の概要
① 被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称 Quest Photonic Devices B.V.(以下、「Quest社」)
事業の内容 医療機器の開発・製造・販売
② 企業結合を行った主な理由
Quest社は、先進的な医療用蛍光イメージングシステムの開発、製造、販売を行っている企業で、外科領
域のイメージング技術の革新に貢献しています。様々な光の波長を活用したイメージング技術の開発に強み
を持っており、開腹手術や腹腔鏡手術における蛍光ガイド手術用のイメージングシステム「Spectrum®」を
はじめ、光線力学療法向け機器など幅広い医療用イメージング機器を提供しています。
当社はこれまでも外科内視鏡イメージングの分野において4K、3Dなどの技術を導入してきましたが、今回
の買収により、蛍光イメージング技術および製品ラインアップを強化することで、より正確で安全な外科手
術の実現に貢献していきます。
③ 取得した議決権付資本持分の割合
100%
④ 取得日
2021年2月9日
⑤ 被取得企業の支配を獲得した方法
現金を対価とする株式取得
(2)取得関連費用
取得関連費用として69百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しています。
177/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(3)取得日における支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値
(単位:百万円)
金額
支払対価の公正価値
現金 4,684
条件付対価 1,290
合計 5,974
取得資産及び引受負債の公正価値
現金及び現金同等物 301
営業債権及びその他の債権 53
棚卸資産 197
その他の流動資産 24
有形固定資産 204
無形資産 2,468
その他の金融資産(非流動) 45
繰延税金資産 32
営業債務及びその他の債務 △21
社債及び借入金(流動) △39
引当金 △1
その他の流動負債 △314
社債及び借入金(非流動) △1,035
繰延税金負債 △475
その他の非流動負債 △22
取得資産及び引受負債の公正価値(純額) 1,417
のれん 4,557
合計 5,974
支払対価は、取得日における公正価値を基礎として、取得した資産及び引受けた負債に配分しています。な
お、当連結会計年度において支払対価の配分は完了しており、当初の暫定的な金額から、取得日における資産
及び負債の金額を修正しています。
修正の内容は、無形資産の増加1,899百万円及び繰延税金負債の増加475百万円であり、その結果、のれんの
金額が1,424百万円減少しています。無形資産残高2,468百万円のうち、主な内容は、Quest社の製品に関する
技術関連資産1,995百万円及び顧客関連資産466百万円であり、将来の売上高成長率、価値減耗率、および割引
率等の仮定に基づき測定しています。なお、見積耐用年数は技術関連資産、顧客関連資産共に16年です。
のれんの内容は、主に、期待される将来の超過収益力の合理的な見積りにより発生したものです。なお、当
該のれんについて税務上、損金算入を見込んでいる金額はありません。
(4)条件付対価
条件付対価は、Quest社の旧株主に対して、主にQuest社の開発に伴う認可の取得に応じて支払われるマイル
ストンであり、当該開発に伴う認可を取得できる可能性や貨幣の時間的価値を考慮して計算しています。な
お、支払額の上限は14,000千ユーロです。
条件付対価の公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3です。条件付対価に係る公正価値変動額のうち、
貨幣の時間的価値の変動に基づく部分を「金融費用」に計上するとともに、貨幣の時間的価値以外の変動に基
づく部分を「その他の収益」または「その他の費用」に計上しています。
178/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(5)当社グループに与える影響
当該企業結合に係る取得日以降の損益情報及び当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の損益情報
は、連結損益計算書に与える影響額に重要性が乏しいため、記載を省略しています。
なお、当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の損益情報は、監査法人の監査を受けていません。
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(Medi-Tate Ltd.の取得)
(1)企業結合の概要
① 被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称 Medi-Tate Ltd.(以下、「Medi-Tate社」)
事業の内容 治療機器事業製品の研究開発・製造
② 企業結合を行った主な理由
Medi-Tate社は、良性前立腺肥大症(以下、BPH)向けの低侵襲治療デバイスの研究開発、製造を行う医療
機器メーカーです。Medi-Tate社の持つBPH向けの低侵襲治療デバイスを自社の製品ポートフォリオに加える
ことで、多様化する前立腺疾患の低侵襲治療の普及と患者様の QOL 向上に貢献していき、泌尿器分野にお
ける事業競争力をさらに強固なものとしていきます。
③ 取得した議決権付資本持分の割合
100%
④ 取得日
2021年5月27日
⑤ 被取得企業の支配を獲得した方法
当社は、取得日直前に当社の連結子会社であるOlympus Winter & Ibe GmbHを通じて、Medi-Tate社の議決
権付株式を18.46%所有していましたが、取得日に現金を対価として、同社株式をOlympus Winter & Ibe
GmbHを通じて81.54%追加取得し、完全子会社化しました。
(2)取得関連費用
取得関連費用として168百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しています。
(3)段階取得に係る差益
取得日直前に保有していた被取得企業の資本持分を取得日における公正価値で再測定した結果、2,826百万
円の段階取得に係る差益を認識しています。当段階取得に係る差益は、連結損益計算書上、「その他の収益」
に計上しています。
179/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(4)取得日における支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値
(単位:百万円)
金額
支払対価の公正価値
現金 22,680
取得日直前に保有していた資本持分の公正価値 4,932
条件付対価 2,148
合計 29,760
取得資産及び引受負債の公正価値
現金及び現金同等物 1,353
営業債権及びその他の債権 3
棚卸資産 3
その他の流動資産 214
有形固定資産 30
無形資産 8,866
その他の金融資産(非流動) 3
繰延税金資産 604
営業債務及びその他の債務 △46
その他の流動負債 △675
繰延税金負債 △2,039
その他の非流動負債 △16
取得資産及び引受負債の公正価値(純額) 8,300
のれん 21,460
合計 29,760
支払対価は、取得日における公正価値を基礎として、取得した資産及び引受けた負債に配分しています。な
お、当連結会計年度において支払対価の配分は完了しており、当初の暫定的な金額から重要な変動はありませ
ん。無形資産残高8,866百万円はMedi-Tate社の製品に関する技術関連資産であり、将来の売上高成長率、価値
減耗率、および割引率等の仮定に基づき測定しています。なお、技術関連資産の見積耐用年数は14年です。
のれんの内容は、主に、期待される将来の超過収益力の合理的な見積りにより発生したものです。なお、当
該のれんについて税務上、損金算入を見込んでいる金額はありません。
(5)条件付対価
条件付対価は、Medi-Tate社の開発に伴う認可の取得に応じて支払われるマイルストンであり、当該開発に
伴う認可を取得できる可能性や貨幣の時間的価値を考慮して計算しています。なお、支払額の上限は40,000千
USドルです。
条件付対価の公正価値のヒエラルキーのレベルは3になり、観察可能な市場データに基づかないインプット
を含む評価技法から算定された公正価値です。条件付対価に係る公正価値変動額のうち、貨幣の時間的価値の
変動に基づく部分を「金融費用」に計上するとともに、貨幣の時間的価値以外の変動に基づく部分を「その他
の収益」または「その他の費用」に計上しています。
(6)当社グループに与える影響
当該企業結合に係る取得日以降の損益情報及び当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の損益情報
は、連結損益計算書に与える影響額に重要性が乏しいため、記載を省略しています。
なお、当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の損益情報は、監査法人の監査を受けていません。
180/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(暫定的な金額の修正)
前連結会計年度において発生した下記の企業結合について、当連結会計年度において暫定的な金額の修正を
行っています。これに伴い、連結財政状態計算書の前連結会計年度末の数値の遡及的な修正を行っています。
(Veran Medical Technologies,Inc.の取得)
現金を対価とする株式取得により、Veran Medical Technologies,Inc.は2020年12月29日付で当社の連結子
会社となっています。
当連結会計年度において、当該企業結合における取得日現在の取得資産及び引受負債の公正価値の測定に関
して、一部の取得資産及び引受負債の公正価値を修正しています。なお、当該企業結合については、当連結会
計年度において取得資産、引受負債及びのれんの当初の測定が完了しています。
(単位:百万円)
前連結会計年度末の
その後の修正 修正後の公正価値
暫定的な公正価値
支払対価の公正価値
現金 31,050 - 31,050
条件付対価 1,461 - 1,461
合計 32,511 - 32,511
取得資産及び引受負債の公正価値
現金及び現金同等物 433 - 433
営業債権及びその他の債権 506 - 506
棚卸資産 2,259 △83 2,176
有形固定資産 41 200 241
無形資産 14,647 2,306 16,953
その他の資産 210 143 353
繰延税金資産 1,612 1,134 2,746
営業債務及びその他の債務 △128 20 △108
その他の負債 △587 △192 △779
繰延税金負債 △2,586 △1,658 △4,244
取得資産及び引受負債の公正価値(純額) 16,407 1,870 18,277
のれん 16,104 △1,870 14,234
合計 32,511 - 32,511
この修正に伴い、前連結会計年度の連結財政状態計算書を遡及修正しています。主な修正として、無形資
産、繰延税金資産及び繰延税金負債が、それぞれ2,467百万円、1,213百万円、1,774百万円増加し、のれんが
1,998百万円減少しています。
181/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(Quest Photonic Devices B.V.の取得)
現金を対価とする株式取得により、Quest Photonic Devices B.V.は2021年2月9日付で当社の連結子会社
となっています。
当連結会計年度において、当該企業結合における取得日現在の取得資産及び引受負債の公正価値の測定に関
して、一部の取得資産及び引受負債の公正価値を修正しています。なお、当該企業結合については、当連結会
計年度において取得資産、引受負債及びのれんの当初の測定が完了しています。
(単位:百万円)
前連結会計年度末の
その後の修正 修正後の公正価値
暫定的な公正価値
支払対価の公正価値
現金 4,684 - 4,684
条件付対価 1,290 - 1,290
合計 5,974 - 5,974
取得資産及び引受負債の公正価値
現金及び現金同等物 301 - 301
営業債権及びその他の債権 53 - 53
棚卸資産 197 - 197
その他の流動資産 24 - 24
有形固定資産 204 - 204
無形資産 569 1,899 2,468
その他の金融資産(非流動) 45 - 45
繰延税金資産 32 - 32
営業債務及びその他の債務 △21 - △21
社債及び借入金(流動) △39 - △39
引当金 △1 - △1
その他の流動負債 △314 - △314
社債及び借入金(非流動) △1,035 - △1,035
繰延税金負債 - △475 △475
その他の非流動負債 △22 - △22
取得資産及び引受負債の公正価値(純額) △7 1,424 1,417
のれん 5,981 △1,424 4,557
合計 5,974 - 5,974
この修正に伴い、前連結会計年度の連結財政状態計算書を遡及修正しています。無形資産及び繰延税金負債
が、それぞれ1,908百万円、477百万円増加し、のれんが1,431百万円減少しています。
182/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
41.非継続事業
(1)非継続事業の概要
前連結会計年度において、映像事業を日本産業パートナーズ株式会社が設立した特別目的会社であるOJホー
ルディングス株式会社に譲渡したことにより、当該事業に関わる損益については、非継続事業に分類していま
す。
(2)非継続事業の損益
非継続事業の損益は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
売上高 21,062 -
-
14,715
売上原価
-
売上総利益
6,347
-
販売費及び一般管理費 13,633
-
持分法による投資損益 -
-
その他の収益 75
-
44,898
その他の費用(注)
-
営業損失
△52,109
-
金融収益 0
-
367
金融費用
-
税引前損失
△52,476
-
205
法人所得税費用
△52,681 -
非継続事業からの当期損失
(注) 前連結会計年度のその他の費用には、映像事業譲渡に関する損失44,794百万円(譲渡契約に基づく費用
負担額28,618百万円、棚卸資産譲渡損14,910百万円、固定資産譲渡損等1,266百万円)が含まれています。
(3)非継続事業のキャッシュ・フロー
非継続事業のキャッシュ・フローは、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
非継続事業のキャッシュ・フロー (自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー(純額) △2,999 -
投資活動によるキャッシュ・フロー(純額) △28,686 -
財務活動によるキャッシュ・フロー(純額) △68 -
183/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
42.偶発債務
当社グループは、以下のとおり保証を行っています。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
3 1
従業員(住宅資金借入金)
3 1
合計
(従業員の住宅資金借入金に対する保証)
当該保証の最長期限は2023年です。当社グループは、当社グループの従業員が保証債務の対象となっている住宅
ローンの借入金を返済できない場合、当該債務を負担する必要があります。これらの保証債務は、従業員の住宅に
よって担保されています。
184/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
43.追加情報
(国内販売機能再編に係る会社分割)
当社は、2021年10月1日に、会社分割により、内視鏡事業及び治療機器事業の国内販売機能に関する権利義務
の一部を、当社の完全子会社であるオリンパスメディカルサイエンス販売株式会社に承継させる会社分割を行い
ました。これは2021年2月12日に当社とオリンパスメディカルサイエンス販売株式会社との間で締結した吸収分
割契約によるものです。また、当社は、科学事業の分社化に関する検討を開始したことを受けて、2021年6月17
日に当社とオリンパスメディカルサイエンス販売株式会社との間で吸収分割に係る変更契約を締結しました。
なお、オリンパスメディカルサイエンス販売株式会社は、2021年10月1日付で、商号を「オリンパスマーケテ
ィング株式会社」に変更しました。
1. 取引の概要
①対象となった事業の名称及びその事業の内容
事業の名称 内視鏡事業、治療機器事業
事業の内容 上記事業の国内販売機能
②会社分割の効力発生日
2021年10月1日
③会社分割の法定形式
オリンパス株式会社を吸収分割会社とし、オリンパスマーケティング株式会社(旧社名:オリンパスメディカル
サイエンス販売株式会社)を吸収分割承継会社とする吸収分割
④会社分割後企業の名称
オリンパスマーケティング株式会社
2. 取引の目的を含む取引の内容
当社グループの国内販売機能は、当社及びオリンパスメディカルサイエンス販売株式会社が担っていました
が、この2社の内視鏡事業及び治療機器事業の国内販売機能を統合することで、「柔軟な人員配置」や「パート
ナーとの連携強化」、さらには「全国統一の施策の展開」や「優秀人材の獲得・リテンション」等の実現を目指
し、販売体制の強化を目的として、本会社分割を行いました。
(子会社の設立)
当社の連結子会社であるOlympus Corporation of the Americasは、2021年10月5日付けでコーポレート・ベン
チャー・キャピタル・ファンド(以下、CVCファンド)としてOlympus Innovation Ventures, LLC(以下、OIV)を設立し
ました。
近年、技術革新のスピードは加速しており、デジタル、AI、ロボットなどの新しいトレンド が医療技術の状
況を変えつつあります。このような機会を活用し、当社が成長する機会を創出するため、CVCファンドを設立し
ました。このファンドは、アーリーステージの企業との関係を構築し、当社グループの技術と関連性のある魅力
的な 起業家チームとのパートナーシップの育成、技術の探索、取得を支援します。
当社グループは、差別化された技術を持つアーリーステージの企業を探索、特定、審査、投資するために、
OIVに対し、今後5年間で総額50百万ドルを投資します。OIVへの投資によって、以下の目標を達成することを目
指します。
(1) 将来のM&Aターゲットのパイプラインの構築
(2) 技術、医学、治療提供の各分野における重要なトレンドの発見
(3) 将来の成長のための有望な新市場の特定
(4) 投資資本に対する財務的リターンの創出
(5) 医療技術革新のエコシステムにおける当社グループの知名度向上
設立した子会社の名称 : Olympus Innovation Ventures, LLC
事業内容 : コーポレート・ベンチャー・キャピタル業務
設立時期 : 2021年10月5日
出資者及び出資割合 : Olympus Corporation of the Americas 100%
185/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
44.後発事象
(自己株式の消却)
当社は、2022年5月11日開催の取締役会において、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却を行うことを決
議し、2022年6月8日付で自己株式を消却しています。詳細は、以下のとおりです。
(1)消却した株式の種類 : 普通株式
(2)消却した株式の総数 : 13,402,333株(消却前の発行済株式総数に対する割合1.03%)
(3)消却日 : 2022年6月8日
(4)消却後の発行済株式総数:1,285,892,000 株
(科学事業の分社化)
当社は、2022年4月1日を効力発生日として、新たに設立した完全子会社である株式会社エビデント(以下「エ
ビデント」)に対して、吸収分割(以下「本会社分割」)により当社の科学事業を承継させました。
(1) 会社分割の背景及び目的
当社は、真のグローバルなメディカル・テクノロジーカンパニーとして、持続的な成長を実現させるための経
営戦略(以下「本経営戦略」)を2019年11月6日付で公表しました。本経営戦略に基づき、内視鏡事業及び治療
機器事業を中心とした医療分野に経営資源を投入し、持続的な成長を実現するための経営基盤の強化に努めてい
ます。このような状況において当社は、科学事業の持続的な成長と収益性向上に向けて、事業譲渡等を含むあら
ゆる選択肢を視野に入れた上で科学事業の分社化について慎重に分析・検討を重ねてきました。その結果、上記
2事業を中心とする医療分野と科学事業で、それぞれの事業特性に合った経営体制を確立することが、それぞれ
の持続的な成長と収益性向上に向けた取り組みを加速させ、当社グループ全体の企業価値向上に資するとの判断
に至り、科学事業の分社化を決定し、2022年4月1日付で新たに設立した完全子会社であるエビデントに当社の
科学事業を承継させる本会社分割を完了いたしました。
(2) 会社分割の要旨
① 会社分割の方法
当社を吸収分割会社とし、エビデントを吸収分割承継会社とする吸収分割(簡易吸収分割)により行いまし
た。
② 会社分割の日程
決定日 : 2021年12月17日
吸収分割契約締結日 : 2022年1月14日
本会社分割の効力発生日 : 2022年4月1日
本会社分割は、当社においては会社法第784条第2項の規定に基づく簡易吸収分割に該当するため、株主総会
を開催せずに行いました。
③ 会社分割に係る割当の内容
エビデントは、本会社分割に際し、普通株式1株を新たに発行し、当社に割り当てました。
④ 吸収分割承継会社が承継する権利義務
エビデントは、科学事業に関して当社が有する資産及び権利義務のうち、当社との間の本会社分割に係る吸収
分割契約に定めるものを承継しています。
⑤ 吸収分割承継会社となる会社の概要
名称 : 株式会社エビデント
所在地 : 長野県上伊那郡辰野町大字伊那富 6666 番地
代表者の氏名 : 代表取締役社長 齋藤 吉毅
資本金の額 : 50万円(2022 年4月1日時点)(注)
事業の内容 : 生物顕微鏡、工業用顕微鏡、工業用内視鏡、非破壊検査機器、X線分析計等の開発、製
造、販売及びソリューションの提供等に関する事業
(注)当社は2022年4月6日付でエビデントが実施する増資(以下「本増資」)を引き受けることを決定しま
した。本増資後のエビデントの資本金及び資本準備金は、それぞれ24,000百万円となっています。な
お、本増資によりエビデントの資本金が当社資本金額の100分の10以上に相当しますので、エビデント
は、当社の特定子会社に該当します。
186/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(完全子会社の吸収合併契約)
当社は、2022年4月1日を効力発生日として、当社の連結子会社であるオリンパスロジテックス株式会社(以下
「オリンパスロジテックス」)を吸収合併(以下「本合併」)しました。
(1) 合併の背景及び目的
当社は、業務改善と業績及び組織の健全性を向上するため、全社横断的な企業変革プラン「Transform
Olympus」に取り組んでおり、その重点施策の1つである「End-to-End(E2E)サプライチェーントランスフォー
メーション」において、部品の調達からお客様への納品まで全体を統合したE2Eサプライチェーンを構築し、顧
客満足度及びビジネスの俊敏性の向上、コストの効率化、在庫の最適化を目指しています。そのEnd-to-Endサプ
ライチェーントランスフォーメーションの一環として、オリンパスグループ製品の保管倉庫機能、国内外の販売
店・お客様へのディストリビューション機能を担うオリンパスロジテックスを、グループ全体のサプライチェー
ン戦略立案機能を担う当社サプライチェーンマネジメント部門に統合することで、物流ソリューションの提案力
強化やグローバルでの調達・製造・販売機能との連携強化を図ることを目的とし、本合併を行いました。
(2) 合併の要旨
① 合併の方法
当社を存続会社とし、オリンパスロジテックスを消滅会社とする吸収合併(簡易合併・略式合併)です。
② 合併の日程
決定日 : 2021年12月17日
吸収合併契約締結日 : 2021年12月17日
合併の効力発生日 : 2022年4月1日
本合併は、当社においては会社法第796条第2項に基づく簡易吸収合併であり、オリンパスロジテックスにお
いては会社法第784条第1項に定める略式合併であるため、いずれも吸収合併契約承認に関する株主総会は開催
しません。
③ 合併に係る割当の内容
オリンパスロジテックスは当社の完全子会社であるため、本合併による株式及び金銭等の割当てはありませ
ん。
④ 吸収合併存続会社となる会社の概要(2022年3月31日現在)
名称 : オリンパス株式会社
資本金 : 124,643百万円
事業内容 : 医療機器、科学機器等の製造販売
(重要な資産の譲渡)
経営資源最適化の観点から保有資産の見直しを行い、当社の保有する固定資産(土地)を2022年4月27日付で譲
渡しました。
(1)譲渡資産の内容
① 資産の名称及び所在地 土地:約10,395㎡(東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目)
② 現況:駐車場
③ 譲渡益:16,395百万円
(2)譲渡先の概要
当社と譲渡先との間には資本関係、人的関係、取引関係及び関連当事者として特記すべき事項はありません。
(3)譲渡の日程
① 決定日 : 2022年3月30日
② 契約締結日 : 2022年3月30日
③ 物件引渡日 : 2022年4月27日
187/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(2)【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
(累計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 当連結会計年度
売上高(百万円) 191,517 413,059 629,757 868,867
税引前四半期利益又は税引前利
26,952 73,846 103,635 149,873
益(百万円)
親会社の所有者に帰属する四半
18,690 62,397 87,667 115,742
期(当期)利益(百万円)
基本的1株当たり四半期(当
14.54 48.53 68.19 90.22
期)利益(円)
(会計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
基本的1株当たり四半期利益
14.54 34.00 19.66 22.02
(円)
188/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
2【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
資産の部
流動資産
40,060 46
現金及び預金
29 42
受取手形
843 102
電子記録債権
※2 73,292 ※2 68,671
売掛金
35,357 33,136
製品
2,566 2,424
仕掛品
45,796 47,403
原材料及び貯蔵品
※2 102,293 ※2 196,422
短期貸付金
※2 44,910 ※2 63,143
未収入金
3,758
未収還付法人税等 -
※2 6,905 ※2 10,417
その他
△ 5,237 △ 3,506
貸倒引当金
350,572 418,300
流動資産合計
固定資産
有形固定資産
29,764 27,124
建物
865 711
構築物
4,012 3,613
機械及び装置
6 4
車両運搬具
16,010 7,204
工具、器具及び備品
14,372 14,272
土地
7,737 338
リース資産
223 224
建設仮勘定
72,989 53,490
有形固定資産合計
無形固定資産
470 298
特許権
4,635 4,426
ソフトウエア
2,172 1,794
ソフトウエア仮勘定
6 6
施設利用権等
7,283 6,524
無形固定資産合計
189/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
投資その他の資産
※1 11,093 ※1 2,553
投資有価証券
342,659 374,137
関係会社株式
278 612
関係会社出資金
※2 70
長期貸付金 -
14,690 15,749
前払年金費用
※4 5,752 ※4 5,634
長期未収入金
23,268 26,215
繰延税金資産
4,789 4,497
その他
※4 △ 6,874 ※4 △ 6,794
貸倒引当金
395,725 422,603
投資その他の資産合計
475,997 482,617
固定資産合計
826,569 900,917
資産合計
負債の部
流動負債
※2 43,980 ※2 39,739
買掛金
※2 11,694
短期借入金 -
40,000
1年内償還予定の社債 -
15,000
1年内返済予定の長期借入金 -
2,674 122
リース債務
※2 ,※3 15,820 ※2 ,※3 5,351
未払金
※2 28,628 ※2 33,163
未払費用
166 17,083
未払法人税等
※2 36,353 ※2 68,950
預り金
117 45
製品保証引当金
891 61
事業構造改革引当金
※2 701 ※2 2,288
その他
156,024 206,802
流動負債合計
固定負債
120,000 141,195
社債
195,000 195,000
長期借入金
5,325 219
リース債務
358 358
長期預り金
92 114
その他
320,775 336,886
固定負債合計
476,799 543,688
負債合計
190/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
純資産の部
株主資本
124,643 124,643
資本金
資本剰余金
91,063 91,063
資本準備金
9
-
その他資本剰余金
91,072 91,063
資本剰余金合計
利益剰余金
その他利益剰余金
1,084 1,047
圧縮記帳積立金
226,059 187,443
繰越利益剰余金
227,143 188,490
利益剰余金合計
自己株式 △ 98,048 △ 45,589
344,810 358,607
株主資本合計
評価・換算差額等
4,488 529
その他有価証券評価差額金
- △ 2,303
繰延ヘッジ損益
4,488
評価・換算差額等合計 △ 1,774
472 396
新株予約権
349,770 357,229
純資産合計
826,569 900,917
負債純資産合計
191/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
②【損益計算書】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
※1 344,134 ※1 378,637
売上高
※1 220,227 ※1 251,924
売上原価
123,907 126,713
売上総利益
※1 ,※2 95,332 ※1 ,※2 81,361
販売費及び一般管理費
28,575 45,352
営業利益
営業外収益
※1 111 ※1 84
受取利息
※1 32,728 ※1 29,267
受取配当金
340
為替差益 -
※1 4,978 ※1 4,999
その他
38,157 34,350
営業外収益合計
営業外費用
※1 1,264 ※1 1,036
支払利息
290 410
社債利息
338
為替差損 -
243 612
社債発行費
822 6
シンジケートローン手数料
11,532 16,905
事業構造改革費用
※1 3,581 ※1 3,208
その他
17,732 22,515
営業外費用合計
49,000 57,187
経常利益
特別利益
1,396
固定資産売却益 -
4,726 4,850
投資有価証券売却益
3,518 763
関係会社株式売却益
30
関係会社清算益 -
109 891
訴訟関連受取金
※1 ,※5 30,309
-
移転価格税制調整金
8,383 38,209
特別利益合計
特別損失
84
減損損失 -
1
投資有価証券評価損 -
5 95
投資有価証券売却損
※3 47,623
映像事業譲渡に関する損失 -
※4 8,886 ※4 91
早期割増退職金等
82
-
開発中止に伴う損失
56,515 352
特別損失合計
868 95,044
税引前当期純利益
法人税、住民税及び事業税 11,988
△ 864
△ 6,809 △ 1,788
法人税等調整額
10,200
法人税等合計 △ 7,673
8,541 84,844
当期純利益
192/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
資本金
その他資本 資本剰余金
資本準備金 利益剰余金合計
剰余金 合計
圧縮記帳積立金 繰越利益剰余金
124,643 91,063 1 91,064 1,122 251,880 253,002
当期首残高
会計方針の変更による
△ 139 △ 139
累積的影響額
会計方針の変更を反映
124,643 91,063 1 91,064 1,122 251,741 252,863
した当期首残高
当期変動額
剰余金の配当 △ 12,856 △ 12,856
会社分割による減少 △ 21,405 △ 21,405
8,541 8,541
当期純利益
自己株式の取得
8 8
自己株式の処分
38
圧縮記帳積立金の取崩 △ 38 -
株主資本以外の項目の
当期変動額(純額)
8 8
当期変動額合計 - - △ 38 △ 25,682 △ 25,720
124,643 91,063 9 91,072 1,084 226,059 227,143
当期末残高
株主資本 評価・換算差額等
新株予約権 純資産合計
株主資本 その他有価証券 評価・換算
自己株式
合計 評価差額金 差額等合計
370,574 5,128 5,128 517 376,219
当期首残高 △ 98,135
会計方針の変更による
△ 139 △ 139
累積的影響額
会計方針の変更を反映
370,435 5,128 5,128 517 376,080
△ 98,135
した当期首残高
当期変動額
剰余金の配当 △ 12,856 △ 12,856
会社分割による減少 △ 21,405 △ 21,405
8,541 8,541
当期純利益
自己株式の取得 △ 2 △ 2 △ 2
89 97 52
自己株式の処分 △ 45
圧縮記帳積立金の取崩 - -
株主資本以外の項目の
△ 640 △ 640 △ 640
当期変動額(純額)
87
当期変動額合計 △ 25,625 △ 640 △ 640 △ 45 △ 26,310
344,810 4,488 4,488 472 349,770
△ 98,048
当期末残高
193/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
当事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
資本金
その他資本 資本剰余金
資本準備金 利益剰余金合計
剰余金 合計
圧縮記帳積立金 繰越利益剰余金
124,643 91,063 9 91,072 1,084 226,059 227,143
当期首残高
当期変動額
剰余金の配当 △ 15,428 △ 15,428
会社分割による減少 △ 25,703 △ 25,703
84,844 84,844
当期純利益
自己株式の取得
自己株式の処分 △ 35 △ 35
自己株式の消却 △ 82,340 △ 82,340
利益剰余金から資本剰
82,366 82,366
△ 82,366 △ 82,366
余金への振替
37
圧縮記帳積立金の取崩 △ 37 -
株主資本以外の項目の
当期変動額(純額)
当期変動額合計 - - △ 9 △ 9 △ 37 △ 38,616 △ 38,653
124,643 91,063 91,063 1,047 187,443 188,490
-
当期末残高
株主資本 評価・換算差額等
新株予約権 純資産合計
株主資本 その他有価証券 繰延ヘッジ 評価・換算
自己株式
合計 評価差額金 損益 差額等合計
344,810 4,488 4,488 472 349,770
当期首残高 △ 98,048 -
当期変動額
剰余金の配当 △ 15,428 △ 15,428
会社分割による減少 △ 25,703 △ 25,703
84,844 84,844
当期純利益
自己株式の取得 △ 30,001 △ 30,001 △ 30,001
120 85 9
自己株式の処分 △ 76
82,340
自己株式の消却 - -
利益剰余金から資本剰
- -
余金への振替
圧縮記帳積立金の取崩 - -
株主資本以外の項目の
△ 3,959 △ 2,303 △ 6,262 △ 6,262
当期変動額(純額)
52,459 13,797 7,459
当期変動額合計 △ 3,959 △ 2,303 △ 6,262 △ 76
358,607 529 396 357,229
△ 45,589 △ 2,303 △ 1,774
当期末残高
194/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1)有価証券
① 満期保有目的の債券……………償却原価法
② 子会社株式及び関連会社株式…移動平均法による原価法
③ その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの……時価法
(評価差額は、全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法
により算定)
市場価格のない株式等…………………移動平均法による原価法
なお、投資事業有限責任組合及びこれに類する組合への出資(金融商
品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるもの)については、
組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書を基
礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法によっています。
(2)デリバティブ取引により生ずる債権及び債務………時価法
(3)棚卸資産………移動平均法による原価法(貸借対照表価額については、収益性の低下に基づく簿価切り下げの
方法により算定)
2.固定資産の減価償却の方法
(1)有形固定資産(リース資産を除く)…定額法
① 車両運搬具、工具及び備品……………法人税法に基づく耐用年数によっています。
② その他の有形固定資産…………………機能的耐用年数の予測に基づいて決定した当社所定の耐用年数によ
っています。
(2)無形固定資産(リース資産を除く)…定額法
法人税法に基づく耐用年数によっています。なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可
能期間(3年から5年)によっています。
(3)リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しています。
3.引当金の計上基準
(1)貸倒引当金
売掛金、貸付金等の債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定
の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
(2)製品保証引当金
販売済製品に対して当社の保証期間内に発生が見込まれるアフターサービス費用を計上したもので、過去のアフ
ターサービス費の実績額を基礎として、当社所定の基準により計上しています。
(3)退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当期末における退職給付債務及び年金資産に基づき、当期末に発生していると
認められる額を計上しています。
過去勤務費用については、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(5年)による按分額を費
用処理しています。
数理計算上の差異については、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(5年)による按分額
を翌期より費用処理しています。
(4)事業構造改革引当金
事業構造改革に伴い発生する費用に備えるため、その発生見込額を計上しています。
195/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
4.収益及び費用の計上基準
当社は、内視鏡事業、治療機器事業、及び科学事業の製品販売を主な事業としています。
内視鏡事業
内視鏡事業においては、消化器内視鏡、外科内視鏡などの医療機器の販売及び修理などの医療サービスを行って
おり、グループ会社を主な顧客としています。
内視鏡事業における製品の販売については、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち、製品を顧客に引き渡
した時点で、顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスクおよび経済価値が移転し、顧
客から支払いを受ける権利を得るため、その時点で収益を認識しています。これらの製品の販売による収益は、顧
客との契約に係る取引価格で測定しています。また、取引の対価は履行義務を充足してから主として1年以内に受
領しており、重大な金融要素は含んでいません。なお、製品、および保守サービス等の複数の要素から構成される
取引については、販売する製品および提供するサービス等が単独で独立の価値をもつ場合に、各構成要素を個別の
履行義務として取り扱い、取引総額を各構成要素の独立販売価格に基づいて比例的に配分しています。
医療機器に関する保守契約については、履行義務が時の経過につれて充足されるため、顧客との契約に係る取引
額を契約期間にわたり均等に収益認識しています。なお、取引の対価は、主として契約時に一括で前受けの形式に
より受領しています。
治療機器事業
治療機器事業においては、消化器科処置具、泌尿器科製品、呼吸器科製品、エネルギーデバイス並びに耳鼻咽喉
科製品及び婦人科製品などの医療機器の販売を行っており、グループ会社を主な顧客としています。
治療機器事業における製品の販売については、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち、製品を顧客に引き
渡した時点で、顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスクおよび経済価値が移転し、
顧客から支払いを受ける権利を得るため、その時点で収益を認識しています。これらの製品の販売による収益は、
顧客との契約に係る取引価格で測定しています。また、取引の対価は履行義務を充足してから主として1年以内に
受領しており、重大な金融要素は含んでいません。
科学事業
科学事業においては、生物顕微鏡、工業用顕微鏡、工業用内視鏡、非破壊検査機器及び蛍光X線分析計などの販
売を行っており、グループ会社を主な顧客としています。
科学事業における製品の販売については、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち、製品を顧客に引き渡し
た時点で、顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転し、顧客か
ら支払いを受ける権利を得るため、その時点で収益を認識しています。これらの製品の販売による収益は、顧客と
の契約に係る取引価格で測定しています。また、取引の対価は履行義務を充足してから主として1年以内に受領し
ており、重大な金融要素は含んでいません。
科学事業に関する製品の保守契約については、履行義務が時の経過につれて充足されるため、顧客との契約に係
る取引額を契約期間にわたり均等に収益認識しています。なお、取引の対価は、主として契約時に一括で前受けの
形式により受領しています。
196/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
5.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1)重要な繰延資産の処理方法
株式交付費及び社債発行費…………支出時に全額費用として処理しています。
(2)ヘッジ会計の方法
① ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用しています。なお、為替予約が付されている外貨建売掛金については、振当処理を
行っています。また金利スワップについては、特例処理の要件を満たしていますので、特例処理を採用してい
ます。
② ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段……為替予約取引、金利スワップ取引、金利通貨スワップ取引
ヘッジ対象……外貨建売掛金の予定取引、借入金、外貨建社債、外貨建社債利息、外貨建預金
③ ヘッジ方針
デリバティブに関する権限及び取引限度額等を定めた内部規程に基づき、為替変動リスク、並びに金利変動
リスクをヘッジしています。
④ ヘッジの有効性評価の方法
ヘッジ対象の相場変動、キャッシュ・フローとヘッジ手段の間に高い相関関係があることを確認し、有効性
の評価としています。
(3)連結納税制度の適用
連結納税制度を適用しています。
(重要な会計上の見積り)
財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見
積り及び仮定を行うことが要求されています。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されており、その影響は、その見積りを見直した期間及びそれ以降
の期間において認識しています。
財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積り及び仮定に関する情報は以下のとおりです。
1.棚卸資産の評価
棚卸資産は、取得原価で測定していますが、報告期間末における正味実現可能価額が取得原価より下落している
場合には、当該正味実現可能価額で測定し、取得原価との差額を原則として売上原価に認識しています。
また、営業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の需要や市場動向を反映して正味実現可能価
額等を算定しています。市場環境が予測より悪化して正味実現可能価額が著しく下落した場合には、損失が発生す
る可能性があります。
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
棚卸資産 83,719 82,963
2.固定資産の減損
当社は、有形固定資産および無形固定資産のうち事業年度末現在で減損している可能性を示す兆候がある資産ま
たは資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳
簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減損し減損損失を計上しています。
減損損失の認識および測定にあたり、将来のキャッシュ・フロー、割引率等について仮定を設定しています。
これらの仮定については、経営者の最善の見積りと判断により決定していますが、将来の不確実な経済条件の変
動等の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、財務諸表に重要な影響を与える可能
性があります。
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
有形固定資産 72,989 53,490
無形固定資産 7,283 6,524
減損損失 1,362 84
3.偶発債務
197/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
偶発事象は、報告日におけるすべての利用可能な証拠を勘案し、その発生可能性及び金額的影響を考慮した上
で、将来の事業に重要な影響を及ぼしうる項目がある場合には開示しています。
4.退職給付債務の測定
退職給付制度については、退職給付債務と年金資産の公正価値及び数理差異等の未認識項目の純額を負債又は資
産として認識しています。
退職給付債務は、年金数理計算により算定しており、年金数理計算の前提条件には、割引率、退職率、死亡率、
昇給率等の見積りが含まれています。これらの前提条件は、金利変動の市場動向等、入手可能なあらゆる情報を総
合的に判断して決定しています。
これら年金数理計算の前提条件は将来の不確実な経済環境あるいは社会情勢の変動等によって影響を受ける可能
性があり、将来にわたり、退職給付債務の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しています。
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
前払年金費用 14,690 15,749
5.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、将来減算一時差異等を使用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しています。
課税所得が生じる可能性の判断においては、事業計画に基づき課税所得の発生時期及び金額を見積っています。
このような見積りは、経営者による最善の見積りにより行っていますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結
果によって実際の結果と異なる可能性があります。
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
繰延税金資産(純額) 23,268 26,215
繰延税金資産(繰延税金負債と相殺前) 29,814 31,829
6.新型コロナウイルス感染症の影響
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う影響については、地域ごとに状況は異なるものの、現時点では、総
じて世界的なワクチン接種の進展とともに引き続き縮小していくことを想定し、当社の営業活動についても正常化
に向かうとの仮定を置いています。
当該仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性に係る評価等、会計上の見積りを行っています。
198/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(貸借対照表関係)
※1 投資有価証券
投資有価証券の内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
政策保有目的有価証券 11,093 2,553
※2 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
短期金銭債権 203,547 323,653
長期金銭債権 70 -
短期金銭債務 88,910 106,699
※3 ファクタリング方式により振替えた仕入債務の未払額
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
2,982 2,875
※4 貸倒引当金のうち、以下の金額は受け皿ファンドに関連した支払手数料のうち過大なものとして投資その他の資
産の「長期未収入金」に計上された金額に対する回収不能見込額です。なお、当該支払手数料は、複数の受け皿
ファンドの外部協力者に支払われたものですが、合意されたものではないため当社は受け皿ファンドの外部協力
者に対して請求しており、当期において一部を回収しています。
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
5,752 5,634
5 偶発債務
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
保証債務残高 2,650 2,706
(うち関係会社に対する保証予約等) 2,647 2,704
6 受取手形割引高
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
64 194
受取手形割引高
199/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引に係るもの
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
営業取引による取引高
売上高 281,357 340,379
仕入高 260,874 286,936
その他の営業取引 17,841 26,742
営業取引以外の取引による取引高 38,550 62,544
※2 販売費及び一般管理費の主要な費目及び金額は、次のとおりです。
なお、販売費及び一般管理費のうち販売費に属する費用のおおよその割合は、前事業年度は21%、当事業年度は
17%です。
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
16,473 20,172
業務委託費
26,617 19,845
給料手当
13,924 11,115
賞与
5,752 873
退職給付費用
8,435 11,373
試験研究費
6,586 5,868
減価償却費
控除額等 △ 12,050 △ 15,873
(注)控除額等は、委託管理業務(複合費)等、関係会社等に対する実費精算等による控除額で、人件費及び経
費からの控除項目です。
※3 映像事業譲渡に関する損失
前事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
「映像事業譲渡に関する損失」47,623百万円(OMデジタルソリューションズ株式会社の株式売却損42,516百万
円、同社株式評価損2,238百万円、固定資産減損損失等2,869百万円)は、当社が実施した映像事業譲渡に関連して発
生した損失です。
※4 早期割増退職金等
「早期割増退職金等」は、当社および関係会社が実施した社外転進支援制度による特別支援金の支給や再就職支
援に関連して発生した費用です。
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
早期割増退職金等 8,886 91
※5 移転価格税制調整金
当事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当社は、米国所在の子会社Olympus Corporation of the Americas及びその子会社との取引に対する移転価格につ
いて、日米税務当局に対し独立企業間価格の算定方法に関する事前確認を申請し、両税務当局との間で交わされた相
互協議において合意に至っています。特別利益に計上している移転価格税制調整金は、本合意内容に基づくOlympus
Corporation of the Americasとの調整金です。
200/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2021年3月31日)
時価を把握することが極めて困難と認められる子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額
(単位:百万円)
区分 前事業年度
子会社株式 342,659
関連会社株式 0
当事業年度(2022年3月31日)
市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(単位:百万円)
区分 当事業年度
子会社株式 374,137
関連会社株式 0
201/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
繰延税金資産
棚卸資産 2,165 3,337
前払費用 6,079 9,919
未払賞与 2,557 2,064
有形固定資産 4,358 3,862
無形固定資産 3,140 2,973
投資有価証券 2,989 2,036
関係会社株式 7,724 28,381
貸倒引当金 3,708 3,154
繰越欠損金 24,017 8,684
繰延ヘッジ損益 - 1,017
その他 2,970 2,860
繰延税金資産小計
59,707 68,287
税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額 △15,359 △2,184
将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額 △14,534 △34,274
評価性引当額小計
△29,893 △36,458
繰延税金資産合計
29,814 31,829
繰延税金負債
その他有価証券評価差額金 △1,403 △163
固定資産圧縮記帳積立金 △479 △462
前払年金費用 △4,498 △4,822
その他 △166 △167
繰延税金負債合計
△6,546 △5,614
繰延税金資産の純額
23,268 26,215
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった
主要な項目別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
法定実効税率 30.6% 30.6%
(調整)
交際費等永久に損金に算入されない項目 137.6% 0.5%
受取配当金等永久に益金に算入されない項目 △1,102.8% △8.9%
試験研究費等税額控除 -% △0.6%
評価性引当額の増減 △60.9% 6.9%
繰越欠損金の期限切れ 112.2% 4.9%
組織再編による影響 -% △21.8%
その他 △0.6% △0.9%
税効果会計適用後の法人税等の負担率
△883.9% 10.7%
202/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(企業結合等関係)
前事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(品質法規制機能の強化を目的とした一部機能の承継)
当社は、2020年4月1日に、会社分割により、品質法規制機能の確実なガバナンスと適切な品質を維持できる体制を強
化するため、研究開発・製造・修理企画などの一部機能を当社の完全子会社であるオリンパスメディカルシステムズ株式
会社に承継しました。これは2019年12月20日に当社とオリンパスメディカルシステムズ株式会社との間で締結した吸収分
割契約によるものです。
(1)取引の概要
①対象となった事業の名称及びその事業の内容
事業の名称 内視鏡事業、治療機器事業
事業の内容 医療機器の研究開発、製造・修理企画などの一部機能
総資産 24,310百万円
負債 2,905百万円
純資産 21,405百万円
②企業結合日
2020年4月1日
③企業結合の法的形式
オリンパス株式会社を吸収分割会社とし、オリンパスメディカルシステムズ株式会社を吸収分割承継会社とする吸収
分割
④結合後企業の名称
オリンパスメディカルシステムズ株式会社
(2)取引の目的を含む取引の内容
当社は真のグローバル・メドテックカンパニーとして成長し、持続的な成長を実現させるための新たな経営戦略を
2019年11月6日付で公表し、本経営戦略において、当社は品質法規制機能の強化を掲げており、年々高まる品質・法規
制に関する要求に対して、市場や顧客から求められる最高レベルの品質と安全基準を満たす製品をタイムリーに導入し
ていくことを目指しています。今回、品質法規制機能の確実なガバナンスと適切な品質を維持できる体制を強化するた
め、本会社分割を行いました。
(3)実施した会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会
計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)に基づき、共通支配下の取引として処理
をしました。なお当事業年度における会社(分割元企業)の繰延税金資産の回収可能性について、「企業結合に関する
会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指
針」(企業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)に基づき、将来の課税所得の見積りに当該会社分割の影響を加
味し、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。
203/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(映像事業の譲渡)
当社は、2020年9月30日付で、日本産業パートナーズ株式会社(以下、「JIP」)が設立した特別目的会社であるOJホ
ールディングス株式会社と、当社の映像事業譲渡に関する株式譲渡契約を締結し、2021年1月1日付で映像事業を譲渡し
ました。
事業の譲渡にあたっては、当社の子会社として新たにOMデジタルソリュ―ションズ株式会社(以下、「映像新会社」)
を設立後、当社の映像事業を吸収分割の方法により承継させたうえで、当社が保有する映像新会社の株式総数の95%(発
行済株式総数の95%)をOJホールディングス株式会社に譲渡する方法で行いました。
1.共通支配下の取引等
(1)取引の概要
①対象となった事業の名称及びその事業の内容
事業の名称 映像事業
事業の内容 ミラーレス一眼を中心としたデジタルカメラや交換レンズ、ICレコーダーなどのオーディオ製品等の
製造及び販売等に関する事業
②企業結合日
2021年1月1日
③企業結合の法的形式
オリンパス株式会社を吸収分割会社とし、OMデジタルソリューションズ株式会社を吸収分割承継会社とする吸収分割
④企業結合企業の名称
OMデジタルソリュ―ションズ株式会社
(2)取引の目的を含む取引の内容
本会社分割は、事業分離を目的として実施したものです。
(3)実施する会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会
計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)に基づき、共通支配下の取引として処理
をしました。
2.事業分離
(1)事業分離の概要
①分離先企業の名称
OJホールディングス株式会社
②分離した事業の内容
事業の名称 映像事業
事業の内容 ミラーレス一眼を中心としたデジタルカメラや交換レンズ、ICレコーダーなどのオーディオ製品等の
製造及び販売等に関する事業
③事業分離を行った主な理由
近年では、スマートフォンの進化に伴う市場の急激な縮小等、デジタルカメラの市場環境は極めて厳しい状況にあり
ます。当社はこれまでコスト構造の見直しや事業の効率化に向けたさまざまな施策に取り組んできましたが、映像事
業は2020年3月期まで3期連続で営業損失を計上するに至っています。このような状況の中で、当社は、映像事業をよ
りコンパクトで筋肉質かつ持続的な組織構造とすべく分社化し、JIPのもとで事業展開することが、映像事業の自律
的かつ持続的な成長の実現に資すると判断し、事業譲渡を行いました。
④事業分離日
2021年1月1日
⑤法的形式を含むその他取引の概要に関する事項
受取対価を現金等の財産のみとする株式譲渡
(2)実施した会計処理の概要
①移転損失の金額
42,516百万円
②移転した事業に係る資産及び負債の適正な帳簿価額並びにその主な内訳
総資産 45,280百万円
負債 419百万円
純資産 44,861百万円
③会計処理
当該譲渡株式の帳簿価額と売却価額との差額である関係会社株式売却損を「映像事業譲渡に関する損失」に含めて特
別損失に計上しました。
(3)分離した事業が含まれていた報告セグメント
映像事業
(4)前事業年度の損益計算書に計上されている分離した事業にかかる損益の概算額
売上高 14,793百万円
営業損失 7,429百万円
204/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
当事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(国内販売機能再編に係る会社分割)
当社は、2021年10月1日に、会社分割により、内視鏡事業及び治療機器事業の国内販売機能に関する権利義務の一部
を、当社の完全子会社であるオリンパスメディカルサイエンス販売株式会社に承継させる会社分割を行いました。これは
2021年2月12日に当社とオリンパスメディカルサイエンス販売株式会社との間で締結した吸収分割契約によるものです。
また、当社は、科学事業の分社化に関する検討を開始したことを受けて、2021年6月17日に当社とオリンパスメディカル
サイエンス販売株式会社との間で吸収分割に係る変更契約を締結しました。
なお、オリンパスメディカルサイエンス販売株式会社は、2021年10月1日付で、商号を「オリンパスマーケティング株
式会社」に変更しました。
(1)取引の概要
①対象となった事業の名称及びその事業の内容
事業の名称 内視鏡事業、治療機器事業
事業の内容 上記事業の国内販売機能
総資産 35,668百万円
負債 9,965百万円
純資産 25,703百万円
②企業結合日
2021年10月1日
③企業結合の法的形式
当社を吸収分割会社とし、オリンパスマーケティング株式会社(旧社名:オリンパスメディカルサイエンス販売株式
会社)を吸収分割承継会社とする吸収分割
④結合後企業の名称
オリンパスマーケティング株式会社
(2)取引の目的を含む取引の内容
当社グループの国内販売機能は、当社及びオリンパスメディカルサイエンス販売株式会社が担っていましたが、この
2社の内視鏡事業及び治療機器事業の国内販売機能を統合することで、「柔軟な人員配置」や「パートナーとの連携強
化」、さらには「全国統一の施策の展開」や「優秀人材の獲得・リテンション」等の実現を目指し、販売体制の強化を
目的として、本会社分割を行いました。
(3)実施した会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会
計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)に基づき、共通支配下の取引として処理
をしました。
(重要な後発事象)
(自己株式の消却)
当社は、2022年5月11日開催の取締役会において、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却を行うことを決
議し、2022年6月8日付で自己株式を消却しています。詳細は、以下のとおりです。
(1)消却した株式の種類 :普通株式
(2)消却した株式の総数 :13,402,333株(消却前の発行済株式総数に対する割合1.03%)
(3)消却日 :2022年6月8日
(4)消却後の発行済株式総数:1,285,892,000 株
(科学事業の分社化)
当社は、2022年4月1日を効力発生日として、新たに設立した完全子会社である株式会社エビデント(以下「エビデ
ント」)に対して、吸収分割(以下「本会社分割」)により当社の科学事業を承継させました。
(1)取引の概要
①対象となった事業の名称及びその事業の内容
事業の名称 科学事業
事業の内容 生物顕微鏡、工業用顕微鏡、工業用内視鏡、非破壊検査機器、X線分析計等の開発、製造、販売及び
ソリューションの提供等に関する事業
②会社分割の効力発生日
2022年4月1日
③企業結合の法的形式
当社を吸収分割会社とし、エビデントを吸収分割承継会社とする吸収分割
④結合後企業の名称
株式会社エビデント
(2)取引の目的を含む取引の内容
当社は、真のグローバルなメディカル・テクノロジーカンパニーとして、持続的な成長を実現させるための経営戦
略(以下「本経営戦略」)を2019年11月6日付で公表しました。本経営戦略に基づき、内視鏡事業及び治療機器事業
205/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
を中心とした医療分野に経営資源を投入し、持続的な成長を実現するための経営基盤の強化に努めています。このよ
うな状況において当社は、科学事業の持続的な成長と収益性向上に向けて、事業譲渡等を含むあらゆる選択肢を視野
に入れた上で科学事業の分社化について慎重に分析・検討を重ねてきました。その結果、上記2事業を中心とする医
療分野と科学事業で、それぞれの事業特性に合った経営体制を確立することが、それぞれの持続的な成長と収益性向
上に向けた取り組みを加速させ、当社グループ全体の企業価値向上に資するとの判断に至り、科学事業の分社化を決
定し、2022年4月1日付で新たに設立した完全子会社であるエビデントに当社の科学事業を承継させる本会社分割を
完了いたしました。
(3)実施した会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等
会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)に基づき、共通支配下の取引として
処理をしました。
206/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(完全子会社の吸収合併契約)
当社は、2022年4月1日を効力発生日として、当社の連結子会社であるオリンパスロジテックス株式会社(以下「オ
リンパスロジテックス」)を吸収合併(以下「本合併」)しました。
(1)取引の概要
①対象となった事業の内容
事業の内容 オリンパスグループ製品の保管・出荷および物流企画
②合併の効力発生日
2022年4月1日
③企業結合の法的形式
当社を存続会社とし、オリンパスロジテックスを消滅会社とする吸収合併(簡易合併・略式合併)
④吸収合併存続会社となる会社の概要(2022年3月31日現在)
名称 オリンパス株式会社
資本金 124,643百万円
事業内容 医療機器、科学機器等の製造販売
(2)取引の目的を含む取引の内容
当社は、業務改善と業績及び組織の健全性を向上するため、全社横断的な企業変革プラン「Transform Olympus」
に取り組んでおり、その重点施策の1つである「End-to-End(E2E)サプライチェーントランスフォーメーション」
において、部品の調達からお客様への納品まで全体を統合したE2Eサプライチェーンを構築し、顧客満足度及びビジ
ネスの俊敏性の向上、コストの効率化、在庫の最適化を目指しています。そのEnd-to-Endサプライチェーントランス
フォーメーションの一環として、オリンパスグループ製品の保管倉庫機能、国内外の販売店・お客様へのディストリ
ビューション機能を担うオリンパスロジテックスを、グループ全体のサプライチェーン戦略立案機能を担う当社サプ
ライチェーンマネジメント部門に統合することで、物流ソリューションの提案力強化やグローバルでの調達・製造・
販売機能との連携強化を図ることを目的とし、本合併を行いました。
(3)実施した会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等
会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)に基づき、共通支配下の取引として
処理をしました。
207/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
(重要な資産の譲渡)
経営資源最適化の観点から保有資産の見直しを行い、当社の保有する固定資産(土地)を2022 年4月 27日付で譲渡
しました。
(1)譲渡資産の内容
①資産の名称及び所在地
土地:約 10,395 ㎡(東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目)
②現況
駐車場
③譲渡益
当該固定資産の譲渡に伴い、翌事業年度において固定資産売却益16,395百万円を特別利益として計上します。
(2)譲渡先の概要
当社と譲渡先との間には資本関係、人的関係、取引関係及び関連当事者として特記すべき事項はありません。
(3)譲渡の日程
決定日 2022年3月30日
契約締結日 2022年3月30日
物件引渡日 2022年4月27日
(子会社の増資)
当社は、新たに設立した完全子会社である株式会社エビデント(以下「エビデント」)が実施する増資(以下「本増
資」)を引き受けることを2022年4月6日に決定し、2022年4月7日に払い込みを実行しました。
なお、本増資によりエビデントの資本金が当社資本金の100分の10以上に相当し、当社の特定子会社に該当すること
となりました。
(1)増資の理由
当社は、2022年4月1日付で会社分割により、エビデントに当社の科学事業を承継しました。これに伴い、エビデン
ト及びそのグループ会社における経営基盤の強化を目的として、エビデントに対し本増資を行うことを決定いたしまし
た。
(2)増資の概要
増資金額 47,999百万円
払込期日 2022年4月7日
増資後資本金 24,000百万円
増資後資本準備金 24,000百万円
増資後の出資比率 100%
(子会社への貸付)
当社は、2022年4月1日を効力発生日として、新たに設立した完全子会社である株式会社エビデント(以下「エビデ
ント」)との間で、極度貸付契約を下記のとおり締結し、貸付を実行しました。
資金使途 エビデント及びそのグループ会社における経営基盤の強化
契約日 2022年3月31日
貸付極度額 65,000百万円
貸付金額 40,000百万円
貸付日 2022年4月4日
利率 0.25636%
返済期限 2023年4月1日
208/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
減価償却
区分 資産の種類 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期償却額 当期末残高
累計額
建物 29,764 578 118 3,100 27,124 56,249
構築物 865 38 0 192 711 3,638
497
機械及び装置 4,012 836 738 3,613 10,008
(4)
車両運搬具 6 - - 2 4 62
有形
9,822
固定
工具、器具及び備品 16,010 4,311 3,295 7,204 28,968
(80)
資産
土地 14,372 - 100 - 14,272 -
リース資産 7,737 2,477 8,244 1,632 338 291
建設仮勘定 223 304 303 - 224 -
19,084
計 72,989 8,544 8,959 53,490 99,216
(84)
特許権 470 - - 172 298 -
ソフトウエア 4,635 1,813 155 1,867 4,426 -
無形
ソフトウエア仮勘定 2,172 1,569 1,947 - 1,794 -
固定
資産
施設利用権等 6 - 0 0 6 -
計 7,283 3,382 2,102 2,039 6,524 -
(注1)「当期減少額」欄の()は内数で、当期の減損損失計上額です。
(注2)当期増加額の主なものは、下記のとおりです。
医療分野金型取得 (工具、器具及び備品) 761百万円
グローバル人事システム導入 (ソフトウエア) 639百万円
医療国内営業支援システム開発 (ソフトウエア仮勘定等) 432百万円
グローバル共通のITプラットフォーム構築 (ソフトウエア) 399百万円
(注3)当期減少額の主なものは、下記のとおりです。
国内販売機能再編に係る会社分割 (工具、器具及び備品) 8,953百万円
(リース資産) 8,153百万円
(ソフトウエア) 4百万円
209/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
【引当金明細表】
(単位:百万円)
科目 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高
貸倒引当金 12,111 207 2,018 10,300
製品保証引当金 117 45 117 45
事業構造改革引当金 891 - 830 61
(注)貸倒引当金の当期減少額の主なものは、下記のとおりです。
ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社 1,662百万円
(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3)【その他】
該当事項はありません。
210/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
第6【提出会社の株式事務の概要】
事業年度 4月1日から3月31日まで
定時株主総会 6月中
基準日 3月31日
9月30日
剰余金の配当の基準日
3月31日
1単元の株式数 100株
単元未満株式の買取り
東京都千代田区丸の内一丁目4番1号
取扱場所
三井住友信託銀行㈱ 証券代行部
東京都千代田区丸の内一丁目4番1号
株主名簿管理人
三井住友信託銀行㈱
取次所 -
買取手数料 株式の売買の委託に係る手数料相当額として別途定める金額
当社の公告方法は、電子公告とします。ただし、事故その他やむを得ない事
由によって電子公告による公告をすることができない場合は、日本経済新聞に
掲載して行います。
公告掲載方法
なお、電子公告は当社ホームページに掲載しており、そのアドレスは次のと
おりです。
https://www.olympus.co.jp/ir/
株主に対する特典 該当事項はありません。
211/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
第7【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
該当事項はありません。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
(1)有価証券報告書及び 事業年度 自 2020年4月1日 2021年6月21日
その添付書類並びに確認書 (第153期) 至 2021年3月31日 関東財務局長に提出。
(2)内部統制報告書及び 事業年度 自 2020年4月1日 2021年6月21日
その添付書類 (第153期) 至 2021年3月31日 関東財務局長に提出。
(3)臨時報告書 金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容 2021年6月25日
等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号 関東財務局長に提出。
の2の規定に基づく臨時報告書です。
(4)四半期報告書及び確認書 (第154期第1四半期) 自 2021年4月1日 2021年8月5日
至 2021年6月30日 関東財務局長に提出。
(5)四半期報告書及び確認書 (第154期第2四半期) 自 2021年7月1日 2021年11月5日
至 2021年9月30日 関東財務局長に提出。
(6)臨時報告書 金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容 2021年12月17日
等の開示に関する内閣府令第19条第2項第7号 関東財務局長に提出。
の規定に基づく臨時報告書です。
(7)自己株券買付状況報告書 報告期間 自 2021年12月1日 2022年1月11日
至 2021年12月31日 関東財務局長に提出。
(8)四半期報告書及び確認書 (第154期第3四半期) 自 2021年10月1日 2022年2月4日
至 2021年12月31日 関東財務局長に提出。
(9)自己株券買付状況報告書 報告期間 自 2022年1月1日 2022年2月8日
至 2022年1月31日 関東財務局長に提出。
(10)自己株券買付状況報告書 報告期間 自 2022年2月1日 2022年3月9日
至 2022年2月28日 関東財務局長に提出。
(11)臨時報告書 金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容 2022年4月7日
等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号 関東財務局長に提出。
の規定に基づく臨時報告書です。
(12)自己株券買付状況報告書 報告期間 自 2022年3月1日 2022年4月7日
至 2022年3月31日 関東財務局長に提出。
(13)発行登録書(株券、社債券等) 2022年4月15日
及びその添付書類 関東財務局長に提出。
212/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
213/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書
2022年6月21日
オリンパス株式会社
取締役会 御中
EY新日本有限責任監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
公認会計士
山﨑 隆浩
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
吉田 哲也
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
飯田 昌泰
業務執行社員
<財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いるオリンパス株式会社の2021年4月1日から2022年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政
状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務
諸表注記について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定さ
れた国際会計基準に準拠して、オリンパス株式会社及び連結子会社の2022年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって
終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと
認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職
業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果
たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要
であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形
成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
214/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
企業結合で取得した無形資産の取得日時点における当初測定
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
連結財務諸表注記40. に記載されているとおり、会社は 当監査法人は、VMTとMedi-Tateの技術関連資産の取得日
当連結会計年度中に、2020年12月に取得したVeran 時点における当初測定を検討するにあたり、構成単位の監
査人と連携し主として以下の手続を実施した。
Medical Technologies, Inc.(以下、VMT)及び、2021年
5月に取得したMedi-Tate Ltd.(以下、Medi-Tate)の取
● VMTとMedi-Tateの取得目的、会社の事業戦略上の位置
得資産、引受負債及びのれんの当初測定を完了している。
づけ、また、両社における技術と製品の概要を理解する
(単位:百万円)
ために、経営管理者と協議し、取締役会等における議事
VMT Medi-Tate
資料を閲覧した。
のれん 14,234 21,460
● 技術関連資産の算定にあたり利用された将来の売上高
成長率について、経営管理者と協議するとともに、過去
無形資産 16,953 8,866
の実績及び類似企業の成長率との比較を行った。
(うち技術関連資産) (13,993) (8,866)
● 当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を
(上記以外) (2,960) (-)
関与させ、以下の手続を実施した。
・ 価値減耗率の前提となる、価値の減耗パターンと関
その他 1,324 △566
連する技術が収益に寄与する期間の合理性について評
価した。
※1 32,511 ※2 29,760
取得対価
・ 割引率について、利用可能な外部データを用いた見
※1:連結総資産の2.4%、※2:連結総資産の2.2%
積りと比較した。
・ 経営者が利用した外部の評価専門家の適性、能力及
会社は2019年11月に発表した経営戦略で「治療機器事業
び客観性を評価した。
への注力と拡大」を掲げており、同事業において消化器
・ 技術関連資産の算定にあたって用いられた評価方法
科、泌尿器科、呼吸器科を注力分野としている。VMTは呼
(多期間超過収益法)の合理性を評価した。
吸器科、Medi-Tateは泌尿器科の技術・製品のポートフォ
リオを拡充する投資であり、いずれの投資からも主な無形
● VMTについては、取得年度である前連結会計年度にお
資産として技術関連資産が識別されている。
ける暫定評価額と、確定評価額との差異内容の合理性に
技術関連資産の算定にあたっての主要な仮定は、将来の
ついて検討した。
売上高成長率、価値減耗率、及び割引率である。これら主
要な仮定は経営者の見積りに伴う不確実性を含んでおり、
仮に無形資産の当初測定が適切に行われない場合、その後
の償却計算を通じて取得後の期間損益に影響を与える。ま
た、測定された無形資産の当初測定の結果は計上されるの
れんの金額にも影響を与えることから、当監査法人は当該
事項を監査上の主要な検討事項と判断した。
215/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
治療機器セグメントのれんの評価
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
連結財務諸表注記16.(2) に記載されているとおり、会社 当監査法人は、治療機器セグメントのれんの評価を検討
は当連結会計年度において治療機器セグメント(資金生成 するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
単位)に関するのれんの減損テストを実施している。2022
年3月31日現在、治療機器セグメントに関するのれんの金
● 5年を限度とした事業計画について、前提となる治療
額は137,501百万円(連結総資産の10.1%)である。これ
機器事業の戦略を理解するため経営管理者への質問を行
には、 連結財務諸表注記40. に記載されている、会社が当
うとともに、関連する資料を閲覧した。また、事業計画
連結会計年度にMedi-Tateを追加取得により子会社化した
で用いられた成長率及び営業利益率について、過去実
際に生じたのれん21,460百万円が含まれている。
績、市場予測及び利用可能な外部データとの比較を行
会社は治療機器セグメントに関するのれんの減損テスト
い、加えて監査人独自の感応度分析を実施した。
の実施にあたり、回収可能価額を使用価値により測定して
いる。使用価値は経営者が承認した5年を限度とした事業
● 当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を
計画によるキャッシュ・フローと事業計画の期間経過後の
関与させ、以下の手続を実施した。
成長率を基礎とした継続価値を、現在価値に割り引いて算
・ 計画期間経過後の成長率について、市場予測及び利
定されている。使用価値の算定に際しての主要な仮定は以
用可能な外部データとの比較を行った。
下の通りである。
・ 割引率について、算定方法の合理性及び算定基礎と
・ 事業計画における成長率、営業利益率
して利用された外部データの信頼性を評価した。
・ 計画期間経過後の成長率
・ 使用価値算定について、算定方法の合理性を評価し
・ 割引率
た。
これら主要な仮定は経営者の見積りに伴う不確実性を含
んでおり、使用価値の算定に重要な影響を及ぼす。特に事
● Medi-Tateの取得対価の経済合理性、及び治療機器事
業計画における成長率と営業利益率は、処置具やデバイス
業における戦略上の位置づけを理解するため、Medi-
のポートフォリオ拡充と手技の普及による成長を前提とし
Tate株式の当初の持分取得時の取締役会等での議事資料
ているが、これらは会社が治療機器事業を展開する国・地
を閲覧するとともに、追加取得を検討した取締役会等で
域の医療機器に関する規制や、他社製品との競合といった
の議事資料、また追加取得の契約書を閲覧した。
外部環境の影響を受ける。加えて、当連結会計年度におけ
るMedi-Tateの追加取得による子会社化により、治療機器
セグメントののれんが増加していることから、当監査法人
は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以
外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他
の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記
載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容
と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのよ
うな重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告す
ることが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
216/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
連結財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任
経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬
による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運
用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかど
うかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任が
ある。
監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにあ
る。
連結財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示
がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明する
ことにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の
意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を
立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監
査証拠を入手する。
・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価
の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び
関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づ
き、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論
付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に
注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対し
て除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づい
ているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連
結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを
評価する。
・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入
手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見
に対して責任を負う。
監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不
備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査
人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じてい
る場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項
を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されて
いる場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合
理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、オリンパス株式会社の2022年
3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、オリンパス株式会社が2022年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内
部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報
告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制
監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責
任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立し
ており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適
切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者及び監査委員会の責任
経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に
係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があ
る。
217/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
内部統制監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについ
て合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにあ
る。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を
通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施す
る。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適
用される。
・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部
統制報告書の表示を検討する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人
は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任
を負う。
監査人は、監査委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内
部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告
を行う。
監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査
人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じてい
る場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はな
い。
以 上
※ 1.上記の監査報告書の原本は、当社が連結財務諸表及び内部統制報告書に添付する形で別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
218/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
独立監査人の監査報告書
2022年6月21日
オリンパス株式会社
取締役会 御中
EY新日本有限責任監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
公認会計士
山﨑 隆浩
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
吉田 哲也
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
飯田 昌泰
業務執行社員
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いるオリンパス株式会社の2021年4月1日から2022年3月31日までの事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益
計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、オリンパ
ス株式会社の2022年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において
適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫
理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査
法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると
判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対
応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
219/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
移転価格税制における独立企業間価格の調整
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
財務諸表注記の(損益計算書関係)※5 に記載されてい 当監査法人は、会社のOCAに対する移転価格税制調整金
るとおり、会社の損益計算書において、会社の子会社であ の検討に当たり、主として以下の監査手続を実施した。
るOlympus Corporation of the Americas(以下、OCA)に
対する移転価格税制調整金30,309百万円が特別利益に計上 ● 会社のグループ間取引価格の設定方針、移転価格リス
されている。 クのモニタリング体制を理解するため、当監査法人の
会社は生産拠点及び販売拠点を海外に展開しており、多 ネットワーク・ファームの税務専門家を関与させ、経営
数の在外子会社を有している。このため、拠点間のグルー 管理者に対する質問、及び協議を行った。
プ間取引に関連した移転価格税制に基づく課税リスクが存
在する。
● OCAに対する移転価格税制調整金の算定資料を入手
当該リスクへの対応として、会社はグループ内の移転価
し、内容を理解するため経営管理者と協議するととも
格税制に係る文書の作成、税務当局に対する独立企業間価
に、グループ内の移転価格税制に係る方針、税務当局と
格の算定方法等に関する事前確認申請や合意により税務リ
の事前確認制度に基づく合意文書との整合性を確認し
スクの低減に努めているが、これらに基づいてグループ内
た。また、移転価格税制調整金の算定に用いられている
の移転価格調整を行う場合があり、会社の個別損益計算書
OCAの財務数値について、根拠となる資料との比較を
の当期純利益に重要な影響を及ぼすことがある。
行った。
加えて移転価格税制は複雑であり専門的な知識を必要と
する分野であることから、当監査法人は当該事項を監査上
● 移転価格税制調整金を特別利益項目として表示するこ
の主要な検討事項と判断した。
との妥当性について検討した。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以
外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他
の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内
容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財
務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要
な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告す
ることが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示
することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が
必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評
価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要があ
る場合には当該事項を開示する責任がある。
監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにあ
る。
財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がな
いかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにあ
る。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影
響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を
立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監
査証拠を入手する。
・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実
施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び
関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、
継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付け
る。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚
220/221
EDINET提出書類
オリンパス株式会社(E02272)
有価証券報告書
起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見
を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の
事 象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどう
かとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象
を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不
備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査
人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じてい
る場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上
の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合
や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見
込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
利害関係
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
※ 1.上記の監査報告書の原本は、当社が財務諸表に添付する形で別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
221/221