アンジェス株式会社 訂正有価証券届出書(参照方式)
提出書類 | 訂正有価証券届出書(参照方式) |
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提出日 | |
提出者 | アンジェス株式会社 |
カテゴリ | 訂正有価証券届出書(参照方式) |
EDINET提出書類
アンジェス株式会社(E05301)
訂正有価証券届出書(参照方式)
【表紙】
【提出書類】 有価証券届出書の訂正届出書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2024年3月29日
【会社名】 アンジェス株式会社
【英訳名】 AnGes, Inc.
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 山田 英
【本店の所在の場所】 大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目7番15号
(同所は登記上の本店の所在地であり、実際の管理業務は「最寄り
の連絡場所」で行っております。)
【電話番号】 該当事項なし
【事務連絡者氏名】 財務部長 野村 豊
【最寄りの連絡場所】 東京都港区芝四丁目13番3号PMO田町Ⅱ9階
【電話番号】 03-5730-7871
【事務連絡者氏名】 財務部長 野村 豊
【届出の対象とした募集有価証券の種類】 新株予約権付社債券
(行使価額修正条項付新株予約権付社債券等)
【届出の対象とした募集金額】 (第2回無担保転換社債型新株予約権付社債)
その他の者に対する割当 1,300,000,000円
(注) 後記「募集又は売出しに関する特別記載事項 [包括的新
株予約権付社債発行プログラム] (1) 本プログラムの内
容」に記載の通り、第2回無担保転換社債型新株予約権付
社債の最大払込金額が1,300,000,000円となっているため、
上記金額を見込額として記載しております。
【安定操作に関する事項】 該当事項なし
【縦覧に供する場所】 アンジェス株式会社 東京支社
(東京都港区芝四丁目13番3号PMO田町Ⅱ9階)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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1 【有価証券届出書の訂正届出書の提出理由】
2024年3月19日に提出した有価証券届出書について誤記がありましたのでこれを訂正するとともに、2024年3月29
日に、有価証券報告書(事業年度第25期 自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)及び臨時報告書を関東財務局長
に提出したことに伴い、2024年3月19日に提出した有価証券届出書について当該有価証券報告書及び臨時報告書を参
照書類に追加し、あわせてこれに関連する事項を訂正するため、有価証券届出書の訂正届出書を提出するものであり
ます。
2 【訂正事項】
第一部 証券情報
第3 第三者割当の場合の特記事項
6 大規模な第三者割当の必要性
第三部 参照情報
第1 参照書類
第2 参照書類の補完情報
(添付書類の差替え)
新たな事業年度に係る有価証券報告書を提出したことに伴い、有価証券届出書に添付していた「事業内容の概要
及び主要な経営指標等の推移」を差し替えます。
(添付書類の削除)
2023年12月期連結会計年度(2023年1月1日から2023年12月31日まで)の業績の概要
2023年12月期事業年度(2023年1月1日から2023年12月31日まで)の業績の概要
3 【訂正箇所】
訂正箇所は 罫で示しております。
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第一部 【証券情報】
第3 【第三者割当の場合の特記事項】
6 【大規模な第三者割当の必要性】
2. 本第三者割当の相当性
(訂正前)
(中略)
( 1 ) 他の資金調達手段との比較
(中略)
( 2 ) 発行条件等の相当性
(中略)
( 3 ) 割当予定先の相当性
(中略)
( 4 ) 検討
(後略)
(訂正後)
(中略)
( 2 ) 他の資金調達手段との比較
(中略)
( 3 ) 発行条件等の相当性
(中略)
( 4 ) 割当予定先の相当性
(中略)
( 5 ) 検討
(後略)
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第三部 【参照情報】
(訂正前)
第1 【参照書類】
会社の概況及び事業の概況等金融商品取引法第5条第1項第2号に掲げる事項については、以下に掲げる書類を参照
してください。
1 【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第24期(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) 2023年3月31日関東財務局長に提出
2 【四半期報告書又は半期報告書】
事業年度 第25期第1四半期(自 2023年1月1日 至 2023年3月31日) 2023年5月12日関東財務局長に提出
3 【四半期報告書又は半期報告書】
事業年度 第25期第2四半期(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) 2023年8月14日関東財務局長に提出
4 【四半期報告書又は半期報告書】
事業年度 第25期第3四半期(自 2023年7月1日 至 2023年9月30日) 2023年11月13日関東財務局長に提出
5 【臨時報告書】
1の有価証券報告書提出後、本有価証券届出書提出日(2024年3月19日)までに、金融商品取引法第24条の5第4項
及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づく臨時報告書を2023年3月31日に関東
財務局長に提出
第2 【参照書類の補完情報】
上記に掲げた参照書類としての有価証券報告書 及び四半期報告書(以下「有価証券報告書等」といいます。) に記載
された「事業等のリスク」について、当該 有価証券報告書等 の提出日以後本有価証券届出書提出日( 2024年3月19日 )
までの間において生じた変更 及び追加すべき事由が生じております。下記の「事業等のリスク」は当該有価証券報告書
等に記載された内容を一括して記載したものであり、当該変更及び追加箇所については、___罫で示しております。
また、当該 有価証券報告書等 には将来に関する事項が記載されていますが、当該事項は本有価証券届出書提出日
( 2024年3月19日 )現在において変更の必要はなく、また新たに記載すべき将来に関する事項もないと判断しておりま
す。
(1) 遺伝子治療について
遺伝子治療とは、遺伝子を用いて病気を治療することです。世界初の遺伝子治療は1990年に米国で、アデノシ
ン・デアミナーゼ(ADA)欠損症という先天的に免疫が正常に働かない遺伝子疾患を対象に実施されました。その後、
遺伝子疾患に加え、有効な治療法がない癌や後天性免疫不全症候群などに対しても、遺伝子治療が実施されてきま
した。国内でも1995年に北海道大学においてADA欠損症を対象とした初めての遺伝子治療が行われ以来、過去20年以
上に亘り数多くの臨床試験が行われてきました。
遺伝子治療が有効と考えられる対象疾患としてはまず、遺伝子の変異が原因の遺伝子疾患があります。遺伝子疾
患では、遺伝子治療により正常な遺伝子を補充することで治療効果が期待しやすいと考えられます。
最近では「ゲノム編集」技術の医療への応用が急速に進歩しています。「ゲノム編集」とは、ヒトゲノムの特定
の部位で外因性の遺伝子を追加・挿入、あるいは遺伝子変異を修正・削除できる最新の遺伝子工学技術であり、従
来の遺伝子組み換え技術と比べて著しく精度と効率が高いため、今後医療や科学にとって不可欠な技術になるとみ
られております。
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「ゲノム編集」の前段階として、1990年代に本格的に始まった遺伝子治療(Gene Therapy)の研究は患者の骨髄か
ら幹細胞を取り出し、正常な遺伝子をその幹細胞の核に組み込み、再度その細胞を患者の体内へ戻すことにより、
正常な遺伝子が体内で機能するようにするものでした。2010年代になり遺伝子を自在に書き換える「ゲノム編集」
(Genome Editing)技術が開発され、その技術は今日ますます発展を遂げております。特に遺伝子異常による難病を
持つ患者の治療方法として開発が進んでおり、医療・ヘルスケア業界だけでなく、農業・食品分野に革命的な影響
を及ぼしており事業性の面からも注目されております。
しかしながら、最新の「ゲノム編集」技術を利用した遺伝子(細胞)治療は新規性が高く有効性が期待されるもの
の、現段階では未知のリスクを否定できず、幅広い実用化には至らないリスクがあります。
(2) 今後の事業展開について
慢性動脈閉塞症を適応症としたHGF遺伝子治療用製品に関しては、田辺三菱製薬に対し末梢性血管疾患を対象とし
た米国と日本における独占的販売権を付与しており、開発の進捗に伴ったマイルストーンを、さらに上市後には売
上高の一定料率を対価として受け取る予定です。HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」は2019年度に厚生労働省
から条件及び期限付きの製造販売承認を受けており、2023年5月に条件解除のための製造販売承認を申請しました
が、当該製造販売承認を取得できない可能性があります。
また、イスラエルにおけるHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の独占的販売権の許諾について同国Kamada社
と基本合意書を締結し、2022年に同国において製造販売承認を申請しております。更にスペシャルティ薬(特定疾患
専門薬)を扱うトルコのEr-Kim社と「コラテジェン®」のトルコでの導出(独占的販売権許諾)に関する基本合意書を
締結しました。今後これらの導出先がそれぞれの国での使用の承認を受けた場合、海外での売り上げを見込むこと
ができます。しかしながら導出先のイスラエルやトルコの薬事承認制度は異なるため、それらの国の当局による判
断次第で販売承認を取得できないこともあり、事業計画が実現しない可能性があります。
NF-κBデコイオリゴDNAについては、現在国内で進めている椎間板性腰痛症を対象とした第Ⅱ相臨床試験に関して
塩野義製薬株式会社と契約を締結し、費用の一部を負担いただくとともに、試験結果に基づき第Ⅲ相臨床試験の実
施について協議する予定です。
Vasomune社と共同開発を進めている急性呼吸窮迫症候群の治療薬についても、大手製薬企業に開発・販売権を導
出する計画で、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーンを、さらに上市後には売上
高の一定料率を対価として受け取る予定です。しかしながら、導出条件やその他の理由により、こうした事業計画
が実現しない可能性があります。
ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群及びプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチーの
治療薬として米国Eiger BioPharmaceuticals Inc.より導入したZokinvyは、国内承認を取得し、自社販売により安
定的な売り上げを計上していく計画です。しかしながら、対象患者数が想定より少ないなどの理由により、売上が
計画を下回る可能性があります。
また、ACRLの検査事業は、事業地域を広げ、検査の種類・項目を増やすことにより、事業の拡大をはかる計画で
すが、他の検査会社の進出による競合やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。
以上のように、当社グループが開発、販売する医薬品並びに受託している検査業務が計画通り進捗しない場合に
は、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。
(3) 研究開発について
一般に新薬の開発には、長期に亘る期間と多額の費用が必要です。それにもかかわらず、医薬品の開発は計画通
りに進行するとは限らず、臨床試験のために必要とされる症例数を適時に確保できないこと、臨床試験の実施に係
る各種業務を支援・代行するCRO(医薬品開発業務受託機関)における業務が計画通り進行しないこと等の様々な要因
によって遅延する可能性があります。さらに、様々な試験の結果、期待した有効性を確認できなかったり、安全性
に関する許容できない問題が生じたりした場合には、研究開発を中止するリスクがあります。このような場合に
は、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。
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(4) 製造について
当社グループは、製品及び治験薬等を自社で製造しておらず、他社からの供給に依存しております。従って、製
品や治験薬等について、何らかの要因により、品質上の問題が生じたり、もしくは予定通りに必要な数量を確保で
きない場合には、開発に遅れが生じたり、製品供給の不足により当社グループの業績が影響を受けたりする可能性
があります。
(5) 販売について
当社グループが開発中の医薬品については、国内、米国及び欧州等の各地域において、将来競合する可能性のあ
る製品及び開発品が存在するものもあります。当社グループは、競争力の高い製品を早期に開発、上市すること
で、一定の市場シェアの獲得を目指しております。しかしながら、競合他社が当社の想定より早く承認を取得した
り、想定以上のシェアを獲得した場合には、当社グループが開発した製品が上市された場合においても期待通りの
収益をあげられない可能性があります。
また、日本や欧州においては新薬の価格は原則として政府あるいはそれに準じた公的機関により決定され、ま
た、米国においては保険会社・マネージドケア(健康保険運営団体)及び政府のメディケア・プログラムとの交渉に
より決定されます。そのため、当社グループが開発した製品について当社グループが想定した薬価とならない場合
があり期待通りの収益をあげられない可能性があります。
加えて、当社が販売する医薬品について、予期しない副作用が発生した場合には売上高の減少要因となり、当社
グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(6) 薬事法制による規制について
薬事法制は、医薬品・医療機器等の品質、有効性、安全性確保の観点から、企業が行う開発・製造・販売等に関
して必要な規制を行う法律であり、当社グループが実施している医薬品の研究開発は日本をはじめ各国の薬事法制
の規制を受けております。
各国において、様々な要因による承認要件の変更、さらに薬事法制度の変更により、承認を計画通りに取得でき
ない可能性があります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。
(7) 知的財産権について
① 特許戦略
当社グループが現在展開しているHGF遺伝子治療用製品、NF-κBデコイオリゴDNAの研究開発活動は、主に当社
グループが保有する又は当社グループが実施権を有する特許権あるいは特許出願中の権利に基づき実施しており
ます。以下において、それらのうち特に重要なものを記載しております。
しかしながら、当社グループが現在出願中の特許が全て登録されるとは限りません。また、当社グループの研
究開発を超える優れた研究開発により当社グループの特許が淘汰される可能性は、常に存在しております。仮に
当社グループの研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な
影響を及ぼす可能性があります。
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さらに、当社グループの今後の事業展開の中でライセンスを受けることが必要な特許が生じ、そのライセンス
が受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
対象 表題 保有者 登録(出願)状況
糖尿病性虚血性疾患
HGF遺伝子治療用製品 当社 日本において延長登録済
遺伝子治療
米国、欧州(EP)にて成立済。
NF-κBに起因する疾 日本においては、物質特許及び虚血性
当社
患の治療及び予防剤 疾患・臓器移植・癌などの医薬用途特
許について成立済
デコイを含む薬学的
日本、米国、欧州(EP)にて成立済。な
組成物及びその使用
当社 お日本においては乾癬に対する用途特
方法(アトピー性皮膚
許も分割出願として成立済
炎が対象)
NF-κBデコイオリゴ
DNA
椎間板の疾患を治
療、阻害及び回復す 当社 日本、米国、欧州(EP)、カナダにて成
るための方法及び組 ラッシュ大学(米国) 立済
成物
物質特許。日本、米国、欧州(EP)にて
当社
キメラデコイ
株式会社ジーンデザイン
成立済
② 知的財産権に関する訴訟、クレーム
連結会計年度末現在において、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間
で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。
ただし、他社が当社グループと同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後とも知的財産について
問題が発生しないという保証はありません。
当社グループとしても、このような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては特許調査を実施してお
り、当社グループ特許が他社の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グ
ループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難で
あります。
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(8) 業績の推移について
当社グループの主要な経営指標等の推移は以下のとおりであります。
第20期 第21期 第22期 第23期 第24期
2018年12月期 2019年12月期 2020年12月期 2021年12月期 2022年12月期
(1) 連結経営指標等
事業収益 (千円) 610,050 326,759 39,998 64,148 67,061
経常損失 (千円) △3,096,213 △3,293,214 △6,618,353 △13,588,973 △14,610,015
親会社株主に帰属す
(千円) △2,996,629 △3,750,823 △4,209,511 △13,675,587 △14,714,772
る当期純損失
純資産額 (千円) 7,734,459 12,055,351 32,679,675 38,634,741 30,425,406
総資産額 (千円) 8,050,672 12,524,600 38,354,611 45,455,746 38,820,711
営業活動による
(千円) △2,522,501 △2,179,918 △2,961,329 △11,380,546 △11,214,246
キャッシュ・フロー
投資活動による
(千円) △122,742 △1,249,757 △6,963,969 △154,873 △97,141
キャッシュ・フロー
財務活動による
(千円) 7,283,345 7,676,981 11,403,576 17,378,670 3,572,543
キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物
(千円) 5,784,894 10,040,595 11,537,028 17,835,704 10,969,684
の期末残高
(2) 個別経営指標等
事業収益 (千円) 610,050 326,759 39,998 64,148 67,061
経常損失 (千円) △3,103,216 △3,310,372 △5,318,582 △7,932,836 △8,001,351
当期純損失 (千円) △3,015,015 △3,773,328 △5,318,038 △8,086,792 △8,115,452
資本金 (千円) 9,395,825 13,291,912 24,612,076 33,359,568 35,146,368
純資産額 (千円) 7,619,304 11,919,841 29,356,326 38,688,587 34,141,342
総資産額 (千円) 7,939,245 12,434,672 34,147,677 44,879,500 40,718,613
当社グループは、事業のステージが先行投資の段階にあるため、現時点では、上記記載のように、第20期から第
24期において親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりますが、現在の研究開発を着実に進め、パイプライ
ンの拡充を図り、将来医薬品の販売から得られる収益によって損益を改善し、さらには利益の拡大を目指してまい
ります。
ただし、現在の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、当社グループが将来において
も親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。
また、上記記載のように、第20期から第24期においては、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスであ
り、現状の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、将来においても営業活動による
キャッシュ・フローがプラスにならない可能性もあります。
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(9) 経営上の重要な契約等について
当社グループのビジネス展開上重要と思われる契約の内容を本報告書「第2 事業の状況 4 経営上の重要な
契約等」に記載しております。なお、当社グループは、これらの契約に関して、いずれも当社グループの根幹に関
わる重要な契約であると認識しております。したがって、当該契約の解除及び解約が行われた場合、あるいは当社
グループにとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない等の場合は、当社グ
ループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)組織体制について
① 人材の確保
当社グループの競争力は研究開発力にあり、専門性の高い研究及び開発担当者の確保が不可欠です。また、事
業の成長拡大を支えるためには事業開発、営業、製造、内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社グ
ループは、優秀な人材の確保及び社内人材の教育に努めますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画どおりに
進まない場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。
一方、当社グループは、業務遂行体制の充実に努めますが、小規模組織であり、限りある人的資源に依存して
いるために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が社外流出した場合には、当社グループの業
務に支障をきたす可能性があります。
② 特定人物への依存
当社グループの事業の推進者は、代表取締役である山田英です。代表取締役山田英は、当社グループの最高責
任者として、当社グループの経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の遂行に大きな影響力を有して
おります。また、当社メディカルアドバイザーである森下竜一には、研究開発の面でアドバイスを受けておりま
す。
当社グループではこれらの特定人物に過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っています
が、当面の間はこれらの特定人物への依存度が高い状態で推移すると見込まれます。このような状況のなかで、
これらの特定人物が何らかの理由により当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グ
ループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(11)訴訟について
当社グループは、有価証券報告書提出日現在において医薬品の副作用、製造物責任、知的財産権及び労務問題等
に関して、訴訟を提起されておりません。ただし、将来、当社グループが上記に関して提訴された場合には、その
内容次第で当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(12)配当政策について
当社グループは、創薬系バイオベンチャーであり、2019年9月よりHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」を販
売しているものの、「コラテジェン®」は条件及び期限付の承認であります。また他の主要なプロジェクトにおいて
も医薬品の開発段階であり、事業のステージは、先行投資の段階にあります。このため、現時点においては、親会
社株主に帰属する当期純損失を計上しており、剰余金の配当は実施しておりません。
ただし、株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、現在開発中の新薬が上市され、そ
の販売によって利益が計上され分配可能額が生じる時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、剰余
金の配当を検討したいと考えております。
しかしながら、開発中の新薬の上市や販売が計画通りに進捗しない場合は配当政策を見直す必要が出る可能性が
あります。
(13)外国為替変動について
当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動、海外企業とのライセンス、海
外からの製品及び治験薬の仕入等において外貨建取引が存在します。また、当社グループが現在開発を行っている
製品は、日本のみならず、米国を含む海外市場での販売が見込まれます。そのため、急激な為替変動によって為替
リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。
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(14)地政学的リスクについて
当社連結子会社Emendo社は独自のOMNIヌクレアーゼの開発にあたり、その探索と最適化を労働集約的に行ってま
いりましたが、これまで蓄積された大量のデータをベースに、人工知能、なかんずく機械学習を活用し、知識集約
的な研究開発体制に移行することを検討しております。
Emendo社は、イスラエル中部のテルアビブ近郊に研究施設を有しており、今般のガザ地区における紛争の影響
で、Emendo社のイスラエルにある研究施設(以下、「Emendo R&D」といいます)における研究開発体制の見直しを行
いました。今後のゲノム編集に関するEmendo社の研究開発活動は知識集約的な研究開発体制に移行する計画です
が、事業計画策定にあたり地政学的リスクを考慮する必要が増しております。
以上のように、Emendo社では人工知能の活用を中心とする研究開発機能を集約し、Emendo R&Dの規模もそれに見
合ったものに再編成するとともに、その他の機能を米国に段階的に移管し、米国の拠点化を促進する計画ですが、
ガザ地区の紛争が拡大する場合には、今後Emendo社の研究開発活動の遅延や当社の経営戦略に影響を及ぼす可能性
があります。
(15)継続企業の前提に関する重要事象等について
医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、創薬ベンチャーである当社グルー
プは、継続的に営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、継続
企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループは当該状況を解消すべく、下記を重要な課題として取組んでおります。
① 自社既存プロジェクトの推進
当社グループは、現在開発している医薬品等のプロジェクトを確実に進捗させることが重要な課題と認識して
おります。
当社グループでは、2019年3月に国内初の遺伝子治療用製品コラテジェンの条件及び期限付承認を厚生労働省
から取得し、同年9月から販売を開始いたしました。その後、製造販売後承認条件評価のための目標症例数の患
者登録が完了し、2023年5月に厚生労働省に条件解除に向けた製造販売承認の申請を行いました。また、米国で
の閉塞性動脈硬化症を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験は2022年度末までに当初目標症例の投与を完了し、2023年
3月に脱落例をふまえた追加登録を完了し、投与後の経過観察を実施しております。
椎間板性腰痛症向けの核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAは、米国において後期第Ⅰ相臨床試験を完了し、2023年
10月に日本国内における第Ⅱ相臨床試験における最初の患者投与を実施し、安全性が確認され、予定どおり症例
登録を実施しております。
Vasomune社と共同開発しているTie2受容体アゴニストはこれまで重度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
による肺炎を対象としておりましたが、重症化リスクが低いオミクロン株への置き換わりが進んだことから、対
象疾患をインフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸切迫症候群(ARDS)に広げて米国FDAに申請
し承認を受け前期第Ⅱ相臨床試験を進めております。
これら開発中の医薬品について、今後も優先順位を意識しながら開発を進めてまいります。
② 開発パイプラインの拡充と事業基盤の拡大
当社グループの主力事業である医薬品開発では、開発品の製品化は非常に難易度が高いため、常に開発パイプ
ラインを充実させることが重要な課題と認識しております。
当社グループでは上記プロジェクトに加え、ゲノム編集における先進技術を持つ米国の子会社Emendo社におい
て、究極の遺伝子治療ともいわれるゲノム編集治療のプロジェクト化に向けて準備を進めております。同社は、
ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、新規CRISPRヌクレアーゼを探索・最適化するプラットフォーム技術(OMNI
Platform)を確立し、血液、眼科、肝代謝などの疾患領域についてパイプラインを構築しており、最も進んだ
ELANE関連重症先天性好中球減少症を対象としたプロジェクトは米国での臨床試験実施に向けた準備を進めており
ます。同社はゲノム編集技術の開発をとおして、遺伝性希少疾患に加え様々な疾患へのゲノム編集技術による治
療を検討しております。
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アンジェス株式会社(E05301)
訂正有価証券届出書(参照方式)
また、イスラエルにある同社研究所では、研究開発体制を従来の労働集約型から人工知能の活用を中心とする
知識集約的な研究開発体制に移行し、規模もそれに見合ったものにするため、事業の再編成を進めてまいりま
す。そのような研究開発体制の再編成に加えて、今般のイスラエルとパレスチナにおける紛争の影響の地政学的
リスクを考慮した結果、イスラエルにある同社研究所の人員削減を進めるとともに、米国における臨床試験の準
備を加速し、ゲノム編集技術の導出等を進める目的で、米国での体制強化を進めてまいります。
また、広範な免疫応答を刺激し、ウイルスの増殖防止、拡散の阻止が期待される改良型DNAワクチンの経鼻投与
製剤に関する共同研究をスタンフォード大学と推進しており、これまでの研究において薬剤のデリバリーシステ
ムの改良に関する研究の進捗が見られております。
これらの開発並びに提携先との共同開発などにより、事業基盤の拡大を目指してまいります。
開発パイプラインの拡充実績として、2022年5月に米国のバイオ医薬品企業 Eiger社と早老症治療薬ゾキン
ヴィの日本における独占販売契約を締結し、厚生労働省から希少疾病治療薬(オーファンドラッグ)の指定を受け
2023年5月に、同省に国内製造販売承認申請を行いました。ゾキンヴィは、大変希少な致死性の遺伝的早老症で
あるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群及びプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパ
チーの治療薬として、すでに米国及び欧州で承認を受け、販売されており、2024年1月に厚生労働省から製造販
売承認を取得いたしました。
また、事業基盤の拡大として、首都圏を中心に「希少遺伝性疾患の拡大新生児スクリーニング検査」を受託し
ているACRLでは自治体や民間の検査センター等との連携により受託拡大を進めてまいります。さらに、これまで
の拡大新生児スクリーニング検査に加え、希少遺伝性疾患の遺伝学的検査(確定検査)や治療の効果をモニタリン
グするバイオマーカーの検査など、希少遺伝性疾患の診断から治療に至るまでの包括的な検査を実施できる体制
の構築を進め、検査業務の売上拡大を目指してまいります。
今後も、ライセンス導入や共同開発、他社に対する資本参加や他社の買収等により開発品パイプラインの拡充
による事業基盤の拡大を図り、将来の成長を実現してまいります。
③ 開発プロジェクトにおける提携先の確保
当社グループでは、製薬会社との提携により、開発リスクを低減するとともに、契約一時金・マイルストーン
や開発協力金を受け取ることにより財務リスクを低減しながら開発を進め、上市後にロイヤリティを受領すると
いう提携モデルを事業運営の基本方針としております。
コラテジェンに関しましては、日本と米国を対象とした独占的販売契約を田辺三菱製薬株式会社と締結してお
り、マイルストーン収入やロイヤリティ収入が見込めます。また、イスラエルにおきましては、独占的販売権の
許諾について2019年に基本合意書を締結したKamada社が、2022年にイスラエル保健省に承認申請を行い受理され
審査中です。さらにトルコにおいては、2020年にスペシャルティ薬(特定疾患専門薬)を扱うEr-Kim社と独占的販
売権許諾に関する基本合意書を締結しました。
また、NF-κBデコイオリゴDNAの日本国内における慢性椎間板性腰痛症を対象とした第Ⅱ相臨床試験では、塩野
義製薬株式会社の協力を受けるとともに、続く第Ⅲ相臨床試験の実施について協議いたします。
今後も、更なる製薬会社等との提携を検討するとともに、開発プロジェクトに協力いただける企業を開拓し、
事業基盤の強化に努めてまいります。
④ 資金調達の実施
当社グループにとって、研究開発活動及び事業基盤の拡大を推進することは継続的な発展のために重要であ
り、そのためには状況に応じ機動的に資金調達を行うことが必要となります。2022年10月12日に発行したCantor
Fitzgerald & Co.を割当先とする第42回新株予約権(第三者割当て)について調達開始から2023年3月末日までに
46億50百万円(新株予約権発行による入金を含む)を調達いたしました。また、2023年6月26日開催の取締役会に
おいて、BofA証券株式会社を割当先とする第43回新株予約権(第三者割当て)発行の決議を行い、2023年12月末日
までに9億94百万円(新株予約権発行による入金を含む)を調達いたしました。今後も、研究開発活動推進及び企
業活動維持のために必要となる資金調達の可能性を適宜検討してまいります。
しかしながら、現時点において、第43回新株予約権の今後の行使される個数、行使価額、行使時期は未確定で
あり、また上記に記載したプロジェクトを継続的に進めるための更なる資金調達の方法、調達金額、調達時期に
ついては確定しておらず、当社は継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在していると判断しております。
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アンジェス株式会社(E05301)
訂正有価証券届出書(参照方式)
(訂正後)
第1 【参照書類】
会社の概況及び事業の概況等金融商品取引法第5条第1項第2号に掲げる事項については、以下に掲げる書類を参照
してください。
1 【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第25期(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) 2024年3月29日関東財務局長に提出
2 【臨時報告書】
1の有価証券報告書提出後、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2024年3月29日)までに、金融商品取引法第24
条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づく臨時報告書を2024年3
月29日に関東財務局長に提出
第2 【参照書類の補完情報】
上記に掲げた参照書類としての有価証券報告書に記載された「事業等のリスク」について、当該 有価証券報告書 の提
出日以後本有価証券届出書 の訂正届出書 提出日( 2024年3月29日 )までの間において生じた変更 その他の事由はありま
せん。
また、当該 有価証券報告書 には将来に関する事項が記載されていますが、当該事項は本有価証券届出書 の訂正届出書
提出日( 2024年3月29日 )現在において変更の必要はなく、また新たに記載すべき将来に関する事項もないと判断して
おります。
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