キリンホールディングス株式会社 有価証券報告書 第185期(2023/01/01-2023/12/31)
提出書類 | 有価証券報告書-第185期(2023/01/01-2023/12/31) |
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提出者 | キリンホールディングス株式会社 |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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キリンホールディングス株式会社(E00395)
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【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2024年3月28日
【事業年度】 第185期(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
【会社名】 キリンホールディングス株式会社
【英訳名】 Kirin Holdings Company, Limited
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長COO 南 方 健 志
【本店の所在の場所】 東京都中野区中野四丁目10番2号
【電話番号】 03(6837)7015
【事務連絡者氏名】 財務戦略部長 松 尾 英 史
【最寄りの連絡場所】 東京都中野区中野四丁目10番2号
【電話番号】 03(6837)7015
【事務連絡者氏名】 財務戦略部長 松 尾 英 史
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 最近5連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移
回次 第181期 第182期 第183期 第184期 第185期
決算年月 2019年12月 2020年12月 2021年12月 2022年12月 2023年12月
売上収益 (百万円) 1,941,305 1,849,545 1,821,570 1,989,468 2,134,393
税引前利益 (百万円) 116,823 124,550 99,617 191,387 197,049
親会社の所有者に帰属する
(百万円) 59,642 71,935 59,790 111,007 112,697
当期利益
親会社の所有者に帰属する
(百万円) 54,134 64,028 109,631 189,195 214,321
当期包括利益
親会社の所有者に帰属する
(百万円) 906,576 838,584 894,179 980,022 1,132,581
持分
資産合計 (百万円) 2,412,874 2,459,363 2,471,933 2,542,263 2,869,585
1株当たり親会社所有者
(円) 1,043.57 1,005.96 1,072.69 1,210.16 1,398.47
帰属持分
基本的1株当たり
(円) 68.00 85.57 71.73 135.08 139.16
当期利益
希薄化後1株当たり
(円) 67.98 85.54 71.70 135.07 139.15
当期利益
親会社所有者帰属持分比率 (%) 37.6 34.1 36.2 38.5 39.5
親会社所有者帰属持分
(%) 6.6 8.2 6.9 11.8 10.7
利益率
株価収益率 (倍) 35.15 28.45 25.75 14.89 14.85
営業活動による
(百万円) 178,826 164,839 219,303 135,562 203,206
キャッシュ・フロー
投資活動による
(百万円) △ 175,619 △ 115,981 △ 56,408 △ 10,399 △ 226,091
キャッシュ・フロー
財務活動による
(百万円) △ 9,997 △ 52,474 △ 180,463 △ 167,835 35,909
キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の
(百万円) 165,671 161,667 149,488 88,060 131,399
期末残高
従業員数
31,040 31,151 29,515 30,538 30,183
(人)
[ 4,677 ] [ 5,063 ] [ 4,077 ] [ 4,012 ] [ 3,556 ]
[外、平均臨時雇用者数]
(注) 1 国際会計基準(以下、「IFRS」という。)により連結財務諸表を作成しております。
2 百万円未満を四捨五入して記載しております。
3 売上収益及び税引前利益は、継続事業の金額を表示しております。
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(2) 提出会社の最近5事業年度に係る主要な経営指標等の推移
回次 第181期 第182期 第183期 第184期 第185期
決算年月 2019年12月 2020年12月 2021年12月 2022年12月 2023年12月
売上高 (百万円) 138,629 138,798 139,504 152,789 139,030
経常利益 (百万円) 77,666 72,043 73,830 76,878 62,239
当期純利益 (百万円) 147,226 79,333 77,251 48,679 70,386
資本金 (百万円) 102,046 102,046 102,046 102,046 102,046
発行済株式総数 (千株) 914,000 914,000 914,000 914,000 914,000
純資産額 (百万円) 1,041,712 987,054 1,007,022 951,119 964,241
総資産額 (百万円) 1,945,335 1,969,497 1,996,761 1,898,795 2,282,080
1株当たり純資産額 (円) 1,199.12 1,184.06 1,208.06 1,174.47 1,190.61
1株当たり配当額 (円) 64.00 65.00 65.00 69.00 71.00
(内1株当たり中間配当額) (円) ( 31.50 ) ( 32.50 ) ( 32.50 ) ( 32.50 ) ( 34.50 )
1株当たり当期純利益金額 (円) 167.87 94.37 92.67 59.24 86.91
潜在株式調整後1株当たり
(円) - - - - -
当期純利益金額
自己資本比率 (%) 53.5 50.1 50.4 50.1 42.3
自己資本利益率 (%) 14.55 7.82 7.75 4.97 7.35
株価収益率 (倍) 14.24 25.79 19.93 33.95 23.77
配当性向 (%) 38.1 68.9 70.1 116.5 81.7
従業員数 (人) 1,070 1,117 1,156 914 977
株主総利回り (%) 106.8 111.5 88.8 98.9 104.4
(比較指標:配当込みTOPIX) (%) ( 118.1 ) ( 126.8 ) ( 143.0 ) ( 139.5 ) ( 178.9 )
最高株価 (円) 2,729.00 2,591.00 2,430.00 2,306.00 2,245.00
最低株価 (円) 2,033.00 1,826.00 1,788.00 1,739.00 1,906.00
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 提出会社の従業員数については、関係会社等から提出会社への出向者を含む就業人員を記載しております。
3 百万円未満を四捨五入して記載しております。
4 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所第一部、2022年4月4日以降は東京証券取
引所プライム市場におけるものであります。
5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第184期の期首から適用してお
り、第184期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっておりま
す。
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2 【沿革】
当社創立以後のキリングループ(当社及び関係会社)に係る主要事項は次のとおりであります。
年 月 主 要 事 項
1907年2月 麒麟麦酒㈱(現・キリンホールディングス㈱)設立
1907年7月 東京株式取引所に上場
1928年3月 清涼飲料製造開始
1949年5月 東京、大阪各証券取引所再開と同時に株式上場
1963年4月 自動販売サービス㈱(現・キリンビバレッジ㈱)設立
1972年8月 キリン・シーグラム㈱(現・キリンディスティラリー㈱)設立
1975年8月 ◆「昭和50年度構造計画~安定成長への布石~」策定、第一次多角化
1976年6月 小岩井乳業㈱設立
1977年5月 KW Inc.(現・Coca-Cola Beverages Northeast, Inc.)設立
1981年12月 ◆「長期経営ビジョン(第21次長期計画)」策定、第二次多角化
1983年5月 ㈱キリンシティ(現・キリンシティ㈱)設立
1983年8月 ハイネケン ジャパン㈱(現・ハイネケン・ジャパン㈱)設立
※2023年3月に株式譲渡完了
1988年3月 キリンエンジニアリング㈱設立
1988年5月 台湾麒麟工程股份有限公司(現・台湾麒麟啤酒股份有限公司)設立
1990年4月 麒麟麦酒㈱が腎性貧血治療剤「エスポー®」(EPO製剤)を発売
1991年1月 キリンレモン㈱が麒麟麦酒㈱清涼飲料事業部門の営業譲渡を受けキリンビバレッジ㈱に商号変更
1991年10月 Kirin Europe GmbH設立
1996年7月 Kirin Brewery of America, LLC 設立
1996年12月 珠海麒麟統一啤酒有限公司(現・麒麟啤酒(珠海)有限公司)設立
1998年4月 LION NATHAN LTD.(現・LION PTY LTD)に資本参加
1999年9月 ◆長期経営ビジョン「KG21」策定
2002年2月 Four Roses Distillery, LLC設立
2002年3月 San Miguel Corporationに資本参加
2002年4月 ㈱永昌源を連結子会社化
2004年12月 麒麟(中国)投資有限公司設立
2005年1月 San Miguel Corporationへの追加投資 (同年4月にも追加投資)
2006年5月 ◆長期経営構想「キリン・グループ・ビジョン2015」(KV2015)を策定
2006年10月 キリンビバレッジ㈱を完全子会社化
2006年12月 メルシャン㈱を連結子会社化
2007年7月 純粋持株会社制を導入、キリンホールディングス㈱に商号変更
2007年7月 麒麟麦酒㈱発足
2007年7月 キリンファーマ㈱発足、持続型赤血球造血刺激因子製剤「ネスプ®」を発売
2007年12月 協和醱酵工業㈱に資本参加
2007年12月 National Foods Limited(2011年にLion-Dairy & Drinks Pty Ltdに商号変更)を完全子会社化
※2021年1月に株式譲渡完了
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年 月 主 要 事 項
2008年10月 協和醱酵工業㈱とキリンファーマ㈱が合併し、協和発酵キリン㈱(現・協和キリン㈱)発足
2008年10月 協和発酵バイオ㈱設立
Dairy FarmersをNational Foods Limited傘下とし、完全子会社化
2008年11月
SAN MIGUEL BREWERY INC.株式取得(同年5月 San Miguel Corporation 株式売却)
2009年4月
2009年10月 オセアニアにおける酒類事業LION NATHAN LTD.と飲料事業National Foods Limitedをオセアニア綜合
飲料事業として統括
※2021年1月に飲料事業の譲渡が完了し、オセアニア綜合飲料事業はオセアニア酒類事業に名称を変更
(現・LION PTY LTD)
2010年7月 Fraser and Neave, Limitedに資本参加
※2013年2月に株式譲渡完了
Kirin Holdings Singapore Pte, Ltd.設立
2010年10月
2010年12月 メルシャン㈱を完全子会社化
Interfood Shareholding Companyを連結子会社化
2011年3月
2011年8月 華潤麒麟飲料(大中華)有限公司設立
※2022年8月に株式譲渡完了
2011年10月 スキンカリオール・グループ(2012年ブラジルキリンに商号変更)を連結子会社化し、11月に完全子
会社化
※2017年6月に株式譲渡完了
2012年10月 ◆長期経営構想「キリン・グループ・ビジョン2021」(KV2021)を策定
2013年1月 キリン㈱(現・キリンホールディングス㈱)設立、CSV本部を新設
2015年1月 スプリングバレーブルワリー㈱設立
2015年8月 Myanmar Brewery Limitedを連結子会社化
※2023年1月に株式譲渡完了
2016年2月 ◆新長期経営構想「キリン・グループ・ビジョン2021」(新KV2021)に改定
2016年2月 「コーポレートガバナンス・ポリシー」を策定
2017年2月 ブルックリンブルワリー・ジャパン㈱設立
2017年12月 Mandalay Brewery Limitedを連結子会社化
※2023年1月に株式譲渡完了
2018年10月 Thorne Research, Inc. (現・Thorne HealthTech, Inc.) に資本参加
※2023年10月に株式譲渡完了
2019年2月 ◆長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」(KV2027)を策定
2019年4月 当社が協和キリン㈱から協和発酵バイオ㈱の株式を95%取得
※2023年1月に完全子会社化
2019年7月 当社がキリン㈱を吸収合併
2019年9月 ㈱ファンケルに資本参加
2020年1月 New Belgium Brewing Company, Inc.を完全子会社化
2021年11月 Fermentum Pty Ltdを完全子会社化
2022年1月 Bell's Brewery Inc.を完全子会社化
※2023年12月に New Belgium Brewing Company, Inc.が吸収合併
2023年8月 Blackmores Limitedを完全子会社化
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3 【事業の内容】
当社グループは、純粋持株会社制を導入しており、当社及び連結子会社171社、持分法適用会社30社によって構成さ
れております。当社は、持株会社として、グループ戦略の策定、グループ経営のモニタリング機能を果たすととも
に、グループ会社への専門サービスの提供を行っております。当社グループの主な事業の内容と主な会社の当該事業
における位置付けは、次のとおりであります。
以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
また、当社は特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結
ベースの数値に基づいて判断することとなります。
<国内ビール・スピリッツ事業>
麒麟麦酒㈱(連結子会社)を統括会社として日本におけるビール、発泡酒、新ジャンル、洋酒他酒類製品の製造・販
売を行っております。
<国内飲料事業>
キリンビバレッジ㈱(連結子会社)を統括会社として日本における清涼飲料の製造・販売を行っております。
<オセアニア酒類事業>
LION PTY LTD(連結子会社)を統括会社としてオセアニア地域等におけるビール、洋酒等の製造・販売を行っており
ます。
<医薬事業>
協和キリン㈱(連結子会社、東京証券取引所プライム市場上場)を統括会社として医薬品の製造・販売を行っており
ます。
<その他>
メルシャン㈱(連結子会社)は、日本における酒類の輸入・製造・販売を行っております。Coca-Cola Beverages
Northeast,Inc.(連結子会社)は、米国におけるコカ・コーラ製品の製造・販売を行っております。協和発酵バイオ㈱
(連結子会社)は、医薬品原料、各種アミノ酸、健康食品の製造・販売を行っております。Blackmores Limited(連結子
会社)は、アジア・パシフィックにおいてサプリメント等の健康食品の製造・販売を行っております。SAN MIGUEL
BREWERY INC.(持分法適用会社)は、フィリピン等におけるビールの製造・販売を行っております。㈱ファンケル(持分
法適用会社)は、日本における化粧品、健康食品の製造・販売を行っております。
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事業の系統図及び主要な会社名は次のとおりであります。
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4 【関係会社の状況】
(1) 連結子会社 171社
資本金又は 議決権の
主要な事業
名称 住所 出資金 所有割合 関係内容
の内容
(百万円) (%)
国内ビール・ 資金の貸付、設備の賃貸借
麒麟麦酒㈱ *1*3
東京都中野区 30,000 100.0
スピリッツ 役員の兼任…有
国内ビール・ 99.9
㈱永昌源 東京都中野区 90 設備の賃貸
スピリッツ (99.9)
国内ビール・ 100.0
キリンディスティラリー㈱ 静岡県御殿場市 10 資金の貸付
スピリッツ (100.0)
国内ビール・ 100.0
スプリングバレーブルワリー㈱ 東京都渋谷区 60 なし
スピリッツ (100.0)
143,000
国内ビール・
麒麟(中国)投資有限公司 *1
中国上海市 100.0 なし
スピリッツ
千米ドル
84,700
国内ビール・ 100.0
麒麟啤酒(珠海)有限公司 中国広東省 なし
スピリッツ (100.0)
千米ドル
64,000
国内ビール・ 100.0
台湾麒麟啤酒股份有限公司 台湾台北市 なし
スピリッツ (100.0)
千台湾ドル
ドイツ 77
国内ビール・ 100.0
Kirin Europe GmbH
なし
スピリッツ (100.0)
デュッセルドルフ市 千ユーロ
資金の貸付、設備の賃貸借
キリンビバレッジ㈱ *4
東京都千代田区 8,417 国内飲料 100.0
役員の兼任…有
オーストラリア 8,730,936 オセアニア
LION PTY LTD *1
100.0 役員の兼任…有
ニューサウスウェールズ州
千豪ドル 酒類
Kirin Foods Australia Holdings Pty オーストラリア 1 オセアニア
100.0
なし
ニューサウスウェールズ州
(100.0)
Ltd 豪ドル 酒類
Lion-Beer,Spirits & Wine Pty Limited オーストラリア 1,500,000 オセアニア
100.0
なし
ニューサウスウェールズ州
(100.0)
*1 千豪ドル 酒類
ニュージーランド オセアニア
414,794 100.0
Lion (NZ) Limited *1
なし
千ニュージーランドドル
(100.0)
オークランド州 酒類
アメリカ
New Belgium Brewing Company, Inc.
396,585 オセアニア 100.0
なし
*1 千米ドル 酒類 (100.0)
コロラド州
Lion Global Craft Beverages Pty
オーストラリア オセアニア
259,449
Ltd 100.0 なし
ニューサウスウェールズ州
千豪ドル
酒類
*1
オーストラリア オセアニア
30,304 100.0
Fermentum Pty Ltd
なし
ニューサウスウェールズ州
千豪ドル (100.0)
酒類
協和キリン㈱ *1*2*6
東京都千代田区 26,745 医薬 53.8 役員の兼任…有
Kyowa Kirin Asia Pacific
123,045
100.0
Pte.Ltd.
シンガポール 医薬 なし
千シンガポール
(100.0)
*1 ドル
Blackmores Limited
202,319
オーストラリア
100.0
その他 役員の兼任…有
ニューサウスウェールズ州
(100.0)
*1
千豪ドル
Kirin Health Science Australia Pty
オーストラリア 1,799,000
100.0
その他 なし
Ltd
ニューサウスウェールズ州
(100.0)
千豪ドル
*1
Kirin Holdings Australia Pty Ltd
1,800,000
オーストラリア
その他 100.0 なし
ニューサウスウェールズ州
千豪ドル
*1
資金の貸付、設備の賃借
メルシャン㈱
東京都中野区 3,000 その他 100.0
役員の兼任…有
Kirin Holdings Singapore Pte,Ltd. 4,430,737
シンガポール その他 100.0 なし
*1 千豪ドル
ベトナム 871,410
95.7
Interfood Shareholding Company
その他 なし
百万ベトナムドン
(95.7)
ドンナイ省
Coca-Cola Beverages Northeast, Inc. アメリカ 930
その他 100.0 役員の兼任…有
*5 ニューハンプシャー州 千米ドル
資金の貸付、設備の賃借
協和発酵バイオ㈱ *7
東京都千代田区 10,000 その他 100.0
役員の兼任…有
小岩井乳業㈱ 東京都中野区 100 その他 99.9 設備の賃貸
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資本金又は 議決権の
主要な事業
名称 住所 出資金 所有割合 関係内容
の内容
(百万円) (%)
100.0
キリンシティ㈱ 東京都中央区 100 その他 資金の貸付
(100.0)
アメリカ 60,000
100.0
Four Roses Distillery, LLC
その他 資金の貸付
(100.0)
ケンタッキー州 千米ドル
アメリカ 13,000
100.0
Kirin Brewery of America, LLC
その他 資金の貸付
(100.0)
カリフォルニア州 千米ドル
その他 141 社
― ― ― ― ―
(2) 持分法適用会社 30社
資本金又は 議決権の
主要な事業
名称 住所 出資金 所有割合 関係内容
の内容
(百万円) (%)
国内ビール・ 33.3
㈱ヤッホーブルーイング 長野県軽井沢町 10 なし
スピリッツ (33.3)
アメリカ 3,729 国内ビール・ 25.5
Brooklyn Brewery Corporation
なし
ニューヨーク州 米ドル スピリッツ (25.5)
フィリピン 15,410
SAN MIGUEL BREWERY INC.
その他 48.6 役員の兼任…有
百万フィリピンペソ
メトロマニラ
㈱ファンケル *
神奈川県横浜市 10,795 その他 32.7 役員の兼任…有
2
その他 26社
― ― ― ― ―
(※) 1 主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。
2 議決権の所有割合の( )内は間接所有割合で内数を記載しております。
3 *1:特定子会社に該当します。
4 *2:有価証券報告書を提出しております。
5 *3:麒麟麦酒㈱は、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%
を超えております。
主要な損益情報等 ① 売上収益 648,074 百万円
② 税引前利益 28,547 百万円
③ 当期利益 20,640 百万円
④ 資本合計 64,074 百万円
⑤ 資産合計 396,092 百万円
6 *4:キリンビバレッジ㈱は、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割
合が10%を超えております。
主要な損益情報等 ① 売上収益 226,867 百万円
② 税引前利益 4,793 百万円
③ 当期利益 3,510 百万円
④ 資本合計 51,267 百万円
⑤ 資産合計 137,749 百万円
7 *5:Coca-Cola Beverages Northeast, Inc.は、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結
売上収益に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 ① 売上収益 250,142 百万円
② 税引前利益 30,911 百万円
③ 当期利益 24,493 百万円
④ 資本合計 72,416 百万円
⑤ 資産合計 134,905 百万円
8 *6:協和キリン㈱は、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が
10%を超えておりますが、同社は有価証券報告書提出会社であるため、主要な損益情報等の記載を省
略しております。
9 *7:協和発酵バイオ㈱は、債務超過の状況にある会社であり、債務超過の額は5,103百万円です。
10 上記はIFRSで要求される開示の一部であり、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表
連結財務諸表注記 34.子会社一覧」で上記を参照しております。
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5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2023年12月31日 現在
セグメントの名称 従業員数(人)
国内ビール・スピリッツ 4,356 [ 1,278 ]
国内飲料 3,408 [ 541 ]
オセアニア酒類 3,956 [ 416 ]
医薬 5,974 [ 233 ]
その他 11,203 [ 1,088 ]
全社(共通) 1,286 [ -]
合計 30,183 [ 3,556 ]
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
3 臨時従業員数には、派遣社員を除いております。
(2) 提出会社の状況
2023年12月31日 現在
従業員数(人) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
977 42.30 14.8 9,565,557
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 平均勤続年数は、雇用形態等により積算方法が異なるため概算となります。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4) 女性経営職比率、男性育児休暇取得率、男女賃金差異
① 提出会社
男女賃金差異(%)(注1)
女性経営職比率(%) 男性育児休暇取得率(%)
正規雇用 パート・
(注1) (注2)
全労働者
労働者 有期労働者
13.6 61.2 69.6 70.2 43.9
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したもの
であります。なお、経営職とは、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者
をいい、監督若しくは管理の地位にある者をいいます。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規
定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」
(1991年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出した
ものであります。
3 女性経営職比率、男性育児休暇取得率、男女間賃金差異の集計対象はキリンホールディングス原籍者とし
ています。
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② 連結子会社
男女賃金差異(%)(注1)
女性経営職 男性育児
名称 比率(%) 休暇取得率(%)
正規雇用 パート・
全労働者
(注1) (注2)
労働者 有期労働者
麒麟麦酒㈱ 7.7 88.0 71.1 80.9 63.9
キリンビバレッジ㈱ 7.0 85.7 75.2 79.2 80.7
メルシャン㈱ 14.1 66.7 87.9 85.5 77.1
協和発酵バイオ㈱ 9.3 60.0 76.2 75.6 75.2
協和キリン㈱ 14.8 75.0 75.3 76.3 54.4
キリンディスティラリー㈱ 0.0 100.0 65.8 67.7 67.4
キリンシティ㈱ 6.4 50.0 48.8 68.6 96.8
東京キリンビバレッジサービス㈱ 3.6 17.4 77.0 87.2 67.0
関西キリンビバレッジサービス㈱ 0.0 28.6 69.0 88.4 85.5
㈱キリンビバックス 7.0 36.4 73.5 81.0 107.8
キリンメンテナンス・サービス㈱ 5.0 0.0 87.3 89.4 110.2
協和ファーマケミカル㈱ 10.3 55.6 84.3 82.6 -
協和キリンプラス㈱ 0.0 0.0 72.6 73.9 85.1
小岩井乳業㈱ 15.7 50.0 66.1 76.0 82.1
キリングループロジスティクス㈱ 7.0 87.5 69.3 82.1 61.7
ケーエルサービス東日本㈱ 0.0 100.0 43.0 81.6 60.9
ケーエルサ-ビス九州㈱ 0.0 57.1 63.1 90.5 68.1
ケーエルサービス西日本㈱ 0.0 0.0 35.2 85.2 63.8
キリンアンドコミュニケーションズ
60.0 0.0 50.2 89.7 88.6
㈱
キリンエンジニアリング㈱ 1.5 25.0 71.3 70.8 -
キリンビジネスシステム㈱ 11.1 100.0 74.7 75.0 180.6
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したもの
であります。なお、経営職とは、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者
をいい、監督若しくは管理の地位にある者をいいます。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規
定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」
(1991年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出した
ものであります。
3 なお、女性経営職比率、男性育児休暇取得率、男女間賃金差異の集計対象は各社の原籍者としています。
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第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するもの
ではありません。
(1)経営の基本方針
当社は2019年度に、2027年に向けた新たなキリングループ長期経営構想である「キリングループ・ビジョン2027」
(略称:KV2027)を策定しました。また、KV2027の実現に向けて、社会と価値を共創し持続的に成長するための指針
である「キリングループCSVパーパス」(略称:CSVパーパス)を策定しました。
長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」
キリングループは、グループ経営理念及びグループ共通の価値観である“One KIRIN”Values のもと、食から医
にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となることを目指します。
食から医にわたる領域における価値創造に向けては、既存事業領域である「食領域」(酒類・飲料事業)と「医
領域」(医薬事業)に加え、キリングループならではの強みを 活かし た「ヘルスサイエンス領域」を立ち上げまし
た。「ヘルスサイエンス領域」では、キリングループ創業以来の基幹技術である発酵 &バイオテクノロジー に磨き
をかけ、これまで培ってきた組織能力や資産を 活用し 、キリングループの次世代の成長の柱となる事業を育成して
います。また、社会課題 の解決をグループの成長機会と捉え 、イノベーションを実現する組織能力をより強化し、
持続的な成長を可能にする事業ポートフォリオを構築しています。
持続的成長のための経営諸課題「グループ・マテリアリティ・マトリックス:GMM」
キリングループは、社会とともに、持続的に存続・発展していく上での重要テーマを事業へのインパクトとス
テークホルダーへのインパクトの2つの観点から評価し、「持続的成長のための経営諸課題(グループ・マテリア
リティ・マトリックス:GMM)」に整理しています。GMMは時間の経過とともに変化していくものと捉え、中期経営
計画策定(3年)ごとに再評価し、改訂しています。
2022年中期経営計画の策定に合わせ、新型コロナウイルス感染症の拡大をはじめとする環境変化やステークホル
ダーからの期待を踏まえて、GMMの粒度を細分化して重要性を再評価することにより、社会的要請への適合度を高め
ました。
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※各象限内の重要性に差異はありません。
「キリングループCSVパーパス」
GMMに基づき、当社は「酒類メーカーとしての責任」を果たすことを前提に、「健康」「コミュニティ」「環境」
の4つの領域の課題解決を目指しており、これを「CSVパーパス」と定めています。また、具体的なアクションプラ
ンをCSVコミットメントとして、成果指標を会社別により具体化して目標値を設定し、グループ各社の取り組みに繋
げています。
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価値創造モデル/CSV経営の概念
CSV経営のベースの考え方である「社会課題の解決を通じて、社会的価値と経済的価値を創出すること」を持続的
に推進していく仕組みとして、当社は価値創造モデルを策定しています。イノベーションを生み出すための組織能
力(INPUT)を基盤として、社会課題の解決に事業活動(BUSINESS)を通じて取り組むことで、価値
(OUTPUT/OUTCOME)を創出しCSVパーパスを実現しています。特に人的資本や自然資本などの非財務資本の強化は、
社会と共に自然の恵みを利用しながら事業を行う当社にとって、継続的な価値の創造につながります。
事業を通じて、当社は社会的価値と経済的価値を同時に生み出し、それらを組織能力などの経営基盤に再投資す
ることで、持続的に資本と価値を成長させることを目指しています。
このCSV経営を推進していくことがどのように企業価値の向上に繋がっているかを図示すると以下のようになります。
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社会課題の解決を通じた事業活動(Business)は経済的価値を生み、フリー・キャッシュフローを増加させると共
に、事業リスクを低減することにつながるため、資本コストを下げ、企業価値の向上に寄与します。
他方、これらの活動から社会的価値を創出し、その価値がお客様のニーズを充足することで、弊社の製品・サービス
に対するWillingness to Payが高まり、長期的にはフリー・キャッシュフローの増加にも影響すると考えられます。さ
らに、社会的価値が創出され高い水準になることで、従業員エンゲージメントの上昇や採用での優位性などにも影響す
ることが考えられ、価値創造モデルにおけるINPUTの基盤である人的資本の強化に繋がります。その結果、企業の成長率
にもポジティブな影響を及ぼすと当社は認識しています。
(参考)
・持続的な成長のための経営諸課題(グループ・マテリアリティ・マトリックス)
URL https://www.kirinholdings.com/jp/impact/materiality/
・キリングループ CSVパーパス
URL https://www.kirinholdings.com/jp/purpose/csv_purpose/
・キリングループ CSVコミットメント
URL https://www.kirinholdings.com/jp/impact/csv_management/commitment/
・価値創造モデル
URL https://www.kirinholdings.com/jp/purpose/model/
(2)中長期的な経営戦略と目標とする経営指標
キリングループ2022年-2024年中期経営計画
近年、世界各地で起こる異常気象、天候不順など、社会システムを大きく揺るがす環境変化が続きましたが、 特
に 2020年以降 は、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により、生活者の意識は大きく変化しました。このよう
な環境下においても、 キリングループは、新型コロナウイルスの影響を最小限に抑え、新たな社会課題に向き合っ
てきました。KV2027の実現に向けた最初の3カ年計画「キリングループ2019年-2021年中期経営計画」(略称:2019
年中計)では、食、ヘルスサイエンス、医の各ビジネス領域で、新たな成長軌道に向けた変革の基盤づくりに取り
組みました。さらに、各ビジネスが健全に成長できるよう、コーポレートガバナンス体制を強化するなど、2022年
度から始まる新たな中期経営計画 を実行する準備を整えることができました。
2019年 中計期間中に起きた外部環境の変化を受けて、改めて当社が目指すKV2027の方向性に間違いはなく、10年
後に想定していた社会が前倒しで到来していると認識しています。2027年までの長期経営構想の第2ステージとな
る「キリングループ2022年-2024年中期経営計画」(略称:2022年中計)は、変革の基盤づくりを行った2019年中計
から、新たな成長軌道へシフトし、KV2027実現に向けた成長ストーリーを固めていくステージです。食、ヘルスサ
イエンス、医の3領域の成長により企業価値を向上させるべく、ポートフォリオマネジメントを強化し、投資の優先
順位を明確にすることで経営資源を集中させています。
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(基本方針)
2021年度までに実現した成果を基礎とし、ポストコロナを見据えた事業構造改革の実行と新たな価値創造により、
成長を加速しています。
(重点課題)
①キャッシュ創出をリードする食領域での利益の増大
②将来の大きな柱となるヘルスサイエンス領域での規模の拡大
③グローバル・スペシャリティファーマの地位を確立する医領域でのグローバル基盤の強化
(重要成果指標)
2022年中計の財務指標について、平準化EPS の 成長による株主価値向上を目指すと共に、成長投資を優先的に実施す
る3ヵ年の財務指標としてROICの採用を継続します。非財務目標については、CSVを経営の根幹にすえる当社にふさ
わしいものとして、より直接的に経済的価値に繋がる指標に変更しました。
また、重要成果指標(財務目標・非財務目標)及び単年度連結事業利益目標の達成度を役員報酬に連動させること
により、株主・投資家との中長期的な価値共有を促進しています。(なお、役員報酬に関する詳細は、第4[提出会
社の状況]4[コーポレート・ガバナンスの状況等](4)[役員の報酬等]をご参照ください。)
※1
[財務目標 ]
※2
2024年度 10%以上
・ROIC
※3
11%以上
年平均成長率
・平準化EPS
※1 財務指標の達成度評価にあたっては、在外子会社等の財務諸表項目の換算における各年度の為替変動による影響等を除く。
※2 ROIC=利払前税引後利益/(有利子負債の期首期末平均+資本合計の期首期末平均)
※3 平準化EPS=平準化当期利益/期中平均株式数
平準化当期利益=親会社の所有者に帰属する当期利益±税金等調整後その他の営業収益・費用等
[非財務目標]
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(財務方針)
中計3年間で創出する営業キャッシュ・フローの総額は約7,000億円を想定しています。資金使途として最も優
先順位の高い配当金については、平準化EPSに対する配当性向40%以上を継続し、 約 2,300億円を予定していま
す。2019年中計では、設備投資計画を 約 3,100億円としましたが、2022年中計では基盤投資・成長投資に区分し
た上で、 合計約 4,000億円に増額しています。通常の設備投資に加え、3領域の新たな成長に向けた投資枠とし
て区分し、ウェイトを高めることで企業価値向上に繋げます。
オーガニック成長に加え規模の拡大を目指すべく、M&A投資の機会についても探索しています。特に、規模の
拡大を目指すヘルスサイエンス領域においては、国内外で幅広く機会を検討しています。なお、M&A投資を行う
際の原資は、バランスシートのスリム化やポートフォリオマネジメントによるノンコア事業の売却で賄うことを
基本とします。
M&Aを除く事業領域ごとのキャッシュ・フロー計画として、食領域では、投資額を一定水準に抑えた上で、利
益成長による営業キャッシュ・フローの最大化を目指しています。ヘルスサイエンス領域では、中長期的な営業
キャッシュ・フロー最大化に向けた設備投資を行います。 医領域については、グローバル戦略品の成長により営
業キャッシュ・フローが順調に拡大する計画ですが、グローバル・スペシャリティファーマとしての持続的成長
に必要な生産・営業基盤をグローバルレベルで整えるべく、 必要な設備投資を進めています。
キャッシュ・フロー計画に加え、 2022年中計ではバランスシートマネジメントを重視しています。2021年に導
入したグローバルキャッシュマネジメントシステムを通じて、国内外のグループ会社が保有するキャッシュの一
※4
元管理による運転資金の最適化や、SCM の効率化によるキャッシュ・コンバージョン・サイクルの改善などに
より、中計3年間で約1,000億円規模のキャッシュを創出します。
また、 事業ポートフォリオについては、取締役会での継続的な議論により、ノンコアと判断した事業の売却を
検討していきます。
これら、 バランスシートマネジメント、ポートフォリオマネジメントにより創出したキャッシュは、将来の成
長ドライバーを獲得するためのM&A投資に優先して振り向けます。一方、自己株式の取得を中心とする追加的株
主還元については、投資機会や、キャッシュイン/アウトのバランスを考慮しながら機動的に判断していきま
す。
※4 サプライ・チェーン・マネジメント(Supply Chain Management)の略。原材料の調達、工場での生産、商品の需給・物流の供
給連鎖を効率よく構築し管理することを指す。
(非財務方針)
2022年中計基本方針に従い、非財務への取り組みもより強化しています。ポストコロナを見据えた「イノベー
ションを実現する組織能力」の強化や、キリングループのDNAである品質本位の徹底、効率と持続可能性を両立す
るSCM※体制の構築、価値創造を支えるガバナンスの強化により、強固な組織基盤の構築を目指しています。ま
た、組織能力の強化とステークホルダーからの期待を踏まえ、経済的価値に直接的につながる非財務目標を設定
し、価値創造モデルのInput~Business~Outputを強化することでより大きなOutcomeの創出を目指しています。非
財務資本への戦略的な取り組みを通じて、当社はCSV経営を推進し、社会のサステナビリティ課題の解決にも貢献
していきます。
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(3)会社の対処すべき課題
世界各地で紛争が続き、社会生活や経済活動に負の影響を与えています。およそ4年にわたったコロナ禍は収束
しつつありますが、感染症の発生は今後も避けられません。地球温暖化の深刻度も高まり、経営環境は一層複雑さ
を増しています。このような時代だからこそ、キリングループは社会課題に正面から向き合い、課題解決と同時に
経済価値を創出するCSV経営を実践し、持続可能な社会への貢献とグループの持続的成長を追求していきます。食領
域、医領域、ヘルスサイエンス領域の成長に国内外で取り組み、特にヘルスサイエンス領域では、Blackmores
Limitedを加えたグローバル事業体制を推し進めていきます。キリングループの成長を支えるのは、発酵・バイオテ
クノロジーを根幹とした技術力に加えて、人財、ICT等の組織能力です。人財に関しては、グループが持つ事業ポー
トフォリオによる多様な事業経験を通じ、専門性と多様性を備えた人財を育成すると同時に、イノベーションを創
発し続ける組織風土の醸成を目指します。人権尊重の取り組みでは、改定した「キリングループ人権方針」のも
と、原材料の調達先を含めたバリューチェーンにおける人権の負の影響の特定、その予防・軽減・是正、モニタリ
ング、情報開示まで一貫して取り組む「人権デューデリジェンス」を進めていきます。ICTの領域では、営業や商品
開発、調達・生産・物流など様々な分野で、生成AI等のデジタル技術を活用した業務プロセス改革や効率化を進め
ていきます。これらの取り組みを通じて、財務目標である「平準化EPS」「ROIC」と、非財務目標である「環境」
「健康」「従業員」各項目の達成を目指します。なお、2024年度より事業セグメントを「酒類事業」「飲料事業」
「医薬事業」「ヘルスサイエンス事業」「その他事業」と改めます。
① 食領域(酒類・飲料事業)
「食領域」では、引き続き主力ブランドを中心とした強固なブランド体系の確立と、高付加価値・高単価商品の
育成による高収益化に取り組みます。
麒麟麦酒㈱は、「 キリン一番搾り生ビール 」を中心に、多様なラインアップでブランドの魅力や楽しみ方を提案
します。「 本麒麟 」はリニューアルを行い、ブランド価値の発信を継続していきます。また、今春にはビールカテ
ゴリーの新ブランドを発売するなど、強固なブランド体系の確立を目指します。
クラフトビールの拡大にも引き続き取り組みます。3月に「 スプリングバレー 」ブランドをリニューアルし、
ビールがより身近に感じられる機会を増やすことで、ビールが持つ多様な楽しみ方を伝えていきます。また、同ブ
ランドの直営店「スプリングバレーブルワリー東京」(東京都渋谷区)を全面リニューアルし、気軽にクラフトビー
ルを体験できる機会を提供します。これらにより、新価値を提供する事業・ブランドの着実な成長にも取り組みま
す。
キリンビバレッジ㈱は、「 午後の紅茶 」ブランドや「 生茶 」ブランドから付加価値の高い商品を展開すること
で、紅茶カテゴリーの活性化と無糖茶カテゴリーの魅力化に取り組みます。4月に「 キリン 生茶 」をリニューアル
し、ブランド力の強化を図ります。また、プラズマ乳酸菌入り飲料にも引き続き注力します。「 おいしい免疫ケ
ア 」「 おいしい免疫ケア カロリーオフ 」をリニューアルするほか、お客様の生活シーンやニーズを捉えた新商品を
投入し、「免疫ケア」の習慣化を一層進めることで、「免疫ケア」市場の拡大を目指します。
LIONは、豪州での主力ビールブランド「 XXXX (フォーエックス) 」や、新たに豪州とニュージーランドで販売を開
始した「 キリン 氷結® 」等のブランド強化に注力します。また、豪州や北米でクラフトビールの拡大に引き続き取
り組みます。
メルシャン㈱は、日本ワイン「 シャトー・メルシャン 」を中心に取り組み、収益性を強化します。
Coke Northeastは、売り上げ成長を実現させながら、サプライチェーンの生産性を高めるITの活用により、高収
益体制を維持していきます。
②医領域 (医薬事業)
※1
協和キリン㈱は、グローバル戦略品である「 Crysvita 」や「 Poteligeo 」のさらなる成長を目指します。ま
た、パイプライン充実に向け、主要開発品の「 KHK4083(一般名:rocatinlimab) 」 や 「 KHK4951(一般名:
※2
tivozanib) 」 のグローバル開発を着実に進捗させるとともに、Orchard Therapeutics plcとの統合・連携を進
めます。
※1 特定の血液がんの治療薬です。国内では製品名「ポテリジオ」として販売しています。
※2 滲出型加齢黄斑変性(視細胞が密着する黄斑と呼ばれる部位に異常な血管新生が起こり、急激な視力低下を招く疾患)
及び糖尿病黄斑浮腫(高血糖により網膜が損傷を受ける疾患の合併症として、黄斑部の毛細血管が障害され、黄斑に浮
腫が生じて視力が低下する疾患)の治療を目的とした開発品です。
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③ヘルスサイエンス領域 (ヘルスサイエンス事業)
コロナ禍を経て、人々の健康意識は高まっています。グループの強みであるお客様主語のマーケティング力や価
値を創出する技術力をさらに高め、アジア・パシフィックを中心にグローバル展開を進めます。Blackmores
Limitedや㈱ファンケルのブランド力を生かし、キリングループ全体で独自の事業モデルを確立します。
国内では、2024年も「免疫ケア」ニーズの拡大に引き続き取り組み、プラズマ乳酸菌関連事業の成長を目指しま
す。㈱ファンケルとは、「カロリミット」ブランドのキリングループ各社での展開や、通販事業のノウハウ共有に
よる効率化、共同研究の推進等、グループシナジーを拡大します。
海外では、豪州を基盤とするBlackmores Limitedを中心に、成長市場である東南アジアでの地位を盤石なものと
します。「プラズマ乳酸菌」を活用した商品開発も進めます。
キリングループは、強みである発酵・バイオテクノロジーを軸に、食、医、ヘルスサイエンスの各領域で社会的
価値と経済的価値を創造するCSV経営を実践しています。2022年中計最終年度となる2024年も、グループ全従業員の
挑戦と創意工夫で戦略実行力をさらに高め、世界のCSV先進企業への歩みを進めます。
今後とも、株主の皆様の一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
経営理念・長期経営計画に基づき、当社は気候変動や人的資本等のサステナビリティに関連する課題について、
リスク低減のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、CSV経営を積極的・能動的に推進す
ることで、中長期的な企業価値の向上とサステナビリティ課題の解決の両立を目指しています。当社はサステナビ
リティ課題全般およびテーマごとに、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の観点から考え方を
整理し、取り組みを強化しています 。
(1)サステナビリティ課題全般
項目 内容
ガバナンス 当社はサステナビリティに関する重要事項について、グループ経営戦略会議及び取締役会で審
議・決議しています。また、当社はCSV経営を推進していくため、キリンホールディングス社長を
委員長としてグループCSV委員会を年3回実施し、CSVの方針・戦略および取り組み計画策定のため
の討議や計画実行状況のモニタリングを行っています。その内容を取締役会に報告し、議論の結果
をグループ全体戦略に反映させています。
グループCSV委員会開催報告
https://www.kirinholdings.com/jp/impact/csv_management/promotion_impact/#link-1648082512
環境・健康・従業員という3つのテーマで設定したグループ非財務目標を、当社の取締役(社外
取締役を除く)及び執行役員の業績評価に反映させています。それらについては、 1[経営方針、
経営環境及び対処すべき課題等](2)中長期的な経営戦略と目標とする経営指標 に記載してい
ます。
グループCSV委員会の討議を踏まえ決定されたCSVの方針・戦略の実効性を高めるため、キリン
ホールディングス各部門および主要事業会社企画部門の実務担当者で構成されるCSV担当者会議を
設置し、情報共有と意見交換を行っています。(図1参照)
グループCSV委員会の傘下には、グループ横断の会議体である、CSV戦略担当役員を議長とするグ
ループ環境会議、人事総務戦略担当役員を議長とするグループ ビジネスと人権会議/グループ健康
経営推進会議を設定し、サステナビリティに関する個別課題への対応を促進しています。(図2参
照)
サステナビリティ課題別会議開催報告
https://www.kirinholdings.com/jp/impact/csv_management/promotion_impact_sustainability/
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(図1)
(図2)
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戦略 ①グループ・マテリアリティ・マトリックス
当社は社会とともに持続的に存続・発展していくうえでの重要課題をグループ・マテリアリ
ティ・マトリックス(GMM)に整理しています。GMMを元に経営理念を社会的存在意義に翻訳した指
針としてCSVパーパスを策定し、その実現に向けてCSV経営を推進することで社会課題を解決すると
ともに経済的価値も創出することを目指しています。詳細は、 1[経営方針、経営環境及び対処す
べき課題等](1)経営の基本方針 に記載をしています。
②マテリアリティ選定プロセス
マテリアリティは「経営諸課題の抽出」、「社内評価の実施」、「ステークホルダー・エンゲー
ジメントの実施」、「マテリアリティの決定」の4つのプロセスで選定しています。各プロセスの
詳細については以下の通りです。
経営課題の抽出においては、ISO26000、GRI、SASBなどの報告ガイドライン、FTSE、MSCI、
Sustainalytics等の評価項目、SDGsのターゲット等をベースに、課題を洗い出しました。
社内評価の実施においては、NGO・NPOのレポートやメディア情報等の社会課題に関する客観的情
報に基づき社会課題の事業活動への影響と事業活動による社会への影響について、グループ経営戦
略会議での意見交換を実施しました。
ステークホルダー・エンゲージメントにおいては、社内評価結果を元に、投資家・NGO・NPO・従
業員(労働組合)から意見を得ました。
マテリアリティの決定においては、ステークホルダーの意見を反映した結果について、グループ
CSV委員会での意見交換を実施したうえで、取締役会で決議しました。
③課題別の対応
サステナビリティ全般への考え方や取り組みを受けて、環境・ビジネスと人権・健康経営につい
ては課題別の会議体を通じて社会と当社のリスクと機会を評価し、方針や戦略・計画を議論してい
ます。各会議体の開催報告は幅広いステークホルダーへ積極的に情報開示を行っています。
リスク管理 当社はグループCSV委員会及びその傘下会議体において、サステナビリティ課題のリスクと機会
について議論しています。またサステナビリティ課題を含む事業へのリスクについて、四半期ごと
に開催するグループリスク・コンプライアンス委員会で検討・モニタリングを実施しています。リ
スク管理の詳細は、 3[事業等のリスク] に記載をしています。
その他、個別のテーマについては、それぞれのリスクに対してシナリオを設定して分析・評価す
ることで重要リスクを抽出・検討する新しいアプローチを導入・運用しています。気候変動・自然
資本に関するリスク管理については、(2)テーマ別内の[気候変動・自然資本への対応] に記載を
しています。
指標と目標 サステナビリティに関する重要課題に対する目標は、グループ非財務指標として当社の経営計画
に織り込まれています。具体的には、 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](2)中長
期的な経営戦略と目標とする経営指標 に記載しています。
また、CSVパーパスを実現するために、当社および主要子会社が取り組むべき課題に対するアク
ションプランとして、各社はCSVコミットメントを設定しています。それらを経営計画に組み込
み、その進捗を各社経営層の業績評価に反映させています。
CSVコミットメント
https://www.kirinholdings.com/jp/impact/csv_management/commitment/
(2)テーマ別
当社グループは、気候変動に対するレジリエンスを高め、適切かつ継続的に自然資本を利用し、循環型社会の構築
に貢献するために、緩和や適応などの移行戦略を推進しています。当社は気候変動・自然資本・人的資本など、様々
なサステナビリティ課題が社会と企業に与えるリスクと機会や戦略のレジリエンスを評価し、幅広いステークホル
ダーへ情報開示を行っています。
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[気候変動・自然資本への対応]
気候変動問題はグローバル社会の最重要課題の1つであると同時に、農産物と水を原料とし「自然の恵み」を享受
して事業を行うキリングループにとって重要な経営課題です。この認識の元、キリングループは、気候関連財務情報
開示タスクフォース(TCFD)が2017年に公表した提言に準拠し、2018年からいち早くシナリオ分析とその開示を実施
しています。2022年には、世界に先駆けて自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)のフレームワークβ版の
LEAPアプローチによる開示を行い、2023年にはTCFDとTNFDの両フレームワークに基づいて気候変動情報と自然資本情
報を統合的に開示しました。気候変動や自然資本などの環境課題に対して統合的(holistic)にアプローチすること
で、キリングループのレジリエンスを高め、脱炭素とネイチャー・ポジティブをリードしていきます。
ガバナンス 内容 □取締役会は環境関連課題全体の基本方針、中長期戦略、年度計画、環境を含む
重要な非財務目標とKPIを審議・決議し、非財務目標の進捗モニタリングを通し
て気候変動や自然資本・循環型社会などのグループ環境業務の執行を四半期ご
とに監督します。 グループリスク・コンプライアンス委員会事務局から、事業
会社が評価・特定したリスクと機会の報告を受け、月次で監視し、特定された
重要リスクやマテリアリティについて決議します。以上により、環境マネジメ
ントの有効性を監督しています。
□気候関連課題や自然資本など環境関連課題の重要な目標設定や改定、投資計画
はグループ経営戦略会議で審議・決議します。2022年からは、グループCSV委員
会の下にCSV戦略担当役員を議長、関係役員および部門長を委員としたグループ
環境会議を置き、環境課題別に設定したロードマップの進捗状況のモニタリン
グや方針・戦略・計画に対する意見交換を行うことで体制を強化しています。
議論した内容は必要に応じてグループCSV委員会および取締役会に対して付議・
報告します。
※グループCSV委員会、および環境課題の役員報酬への反映については、(1)サ
ステナビリティ課題全般に記載しています。
進捗 □グループCSV委員会の開催回数を増やしています。(年1回→年3回)。
□グループCSV委員会の下にグループ環境会議(年2回)を新規に設置していま
す。
(以上、2022年)
戦略 内容 気候変動による温暖化や降雨量の変化、自然災害が、重要な原料である農産物
や水に大きな影響を与える一方で、自然資本の保全・回復が「自然に根差した社
会課題の解決策」として気候変動の緩和策や適応策になることを理解し、研究・
技術開発力およびエンジニアリング力を活用して環境課題の解決に向けて統合的
にアプローチしています。
□気候変動では、TCFDのシナリオ分析をインプットとして2020年に改訂した「キ
リングループ環境ビジョン2050」で、2050年のネットゼロ目標を設定しまし
た。SBT1.5℃目標の設定、RE100への加盟(以上、2020年)により中間目標にブ
レイクダウンし、自社主体の削減に加えて、取引先の削減を促進します。
□自然資本では、場所固有・依存性を考慮し、「持続可能な生物資源利用行動計
画」の下、TNFDが提唱するLEAPアプローチを活用しながら、持続可能な原料農
産物の調達と水資源の利用を図るとともに、気候変動問題の緩和策としても活
用し、事業のレジリエンスを向上させます。
□容器包装では、2027年の日本でのペットボトルのリサイクル樹脂使用率50%目
標達成と持続可能な容器包装の開発により、プラスチックが循環する社会構築
に貢献するとともに、Scope3でのGHG削減、自然環境への影響低減を目指しま
す。
□気候変動・自然資本等の環境課題への統合的アプローチの推進とルールメイキ
ングへの貢献を目的として、以下に参画・活動しています。
・Alliance To End Plastic Waste(2021年に加盟)
・SBTs for Natureのコーポレートエンゲージメントプログラム(2021年に国内医
薬品・食品業界初として参加)
・TNFDシナリオ分析のパイロットテスト(2021年からThe TNFD Forumに参加。
2022年にパイロットテストに参加。2023年にTNFD Adopter登録)
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※1
進捗
□TCFD新ガイダンス に完全準拠したシナリオ分析の中でアセットのリスクと機
会を分析・評価する等、気候変動による財務インパクト把握の精緻化(2022
年~)を行うとともに、自然資本の依存度・影響度・リスクと機会を把握する
ための評価を実施して、気候変動と自然資本の財務インパクトを統合的に開示
しました(2023年)。
□気候変動の緩和策として、2030年までのGHG排出量削減ロードマップを策定
(2023年)し、グループ会社の削減目標・行程を確定して実行を開始していま
す。主な取り組みは以下の通りです。
・大規模太陽光発電をPPA方式(横浜工場除く)でキリンビール全工場(2021
年)、協和キリン宇部工場・メルシャン藤沢工場(2023年)に設置。協和キリ
ン高崎工場およびライオン豪州およびニュージランドの全拠点(2023年)、
シャトー・メルシャンの全ワイナリー(2022年)、キリンビール全工場・全営
業拠点(2024年)での調達電力再生可能エネルギー比率100%を達成。
・食品企業として世界で初めてSBTネットゼロの認定を取得(2022年)。
・その他、低GHG排出の原料農産物や資材の調達検討、ペットボトルの再生樹脂使
用比率の増加等のバリューチェーン全体のGHG排出量削減を推進中。主要なサプ
ライヤーへのアンケートから把握した各社の削減計画と削減進捗状況をもとに
削減施策を協同検討する等、エンゲージメントを重視して削減を計画(2023
年)。
□適応策として、スリランカの紅茶農園での持続可能な農園認証の取得支援、水
ストレスを考慮した適切な節水を継続しています。
□気候変動の事業機会では、オーストラリアで初のカーボンニュートラルなアル
コールフリービール「XXXX Zero」(2022年)を発売しました。免疫機能の機能
性表示食品を外部パートナー企業と連携してラインアップを拡大し、デング
熱・新型コロナウイルスなど気候変動の影響でリスクが拡大すると言われてい
る感染症対応研究も継続しています 。
□自然資本では、気候変動の緩和・適応に寄与する再生型農業の知見獲得と推進
を目的として、スリランカでレインフォレスト・アライアンスと共同で「リ
ジェネラティブ・ティー・スコアカード」の開発を開始しています。椀子ヴィ
ンヤードは、生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で新しい世界目標とし
て採択された「30by30」の目標達成に向けた環境省の自然共生サイトに正式認
定(2023年)されました。アメリカコロラド州のニュー・ベルジャン・ブルワ
リーでTNFDと共同で実施したシナリオ分析結果はTNFDフレームワークβ版
「ディスカッションペーパー」で紹介され、2023年9月に開示されたTNFD正式版
の中でもオーストラリアでの水資源への対応が事例紹介されました。
リスク管理 内容 □グループリスク・コンプライアンス委員会を設置し、気候変動や自然資本、法
規制などの環境関連リスクと機会を、他のサステナビリティ関連を含めたリス
クマネジメントの中で統括し、リスク管理の基本方針を審議します。
※リスク管理の詳細は、 3[事業等のリスク] に記載しています。
進捗 □危機事象個々に対するアプローチ方法を見直し、経営資源の喪失にスポットを
当てて対策を検討する「オールハザード型BCP」に移行(2021年以降)していま
す。
□シナリオ分析では各種の研究論文、Aqueductなどの科学的根拠に基づいたリス
ク評価ツールを活用しています。2023年からは、TNFDが推奨するENCORE、IBAT
といったツールの活用も開始しています。
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指標と目標 気候変動に関連
※2
する目標
項目 目標
実績
バリューチェーン全体の
ネットゼロ(2050年) 4,876千tCO2e
GHG排出量
50%削減(2030年/2019
Scope1+2 18%削減
年比)
30%削減(2030年/2019年
※3
1%削減
Scope3
比)
使用電力の再生可能エネル
100%(2040年) 27%
ギー比率
自然資本に関連
※2
する目標
項目 目標
実績
スリランカ大農園認証取得 累計15農園
4農園
トレーニング数 (2022年~2024年)
スリランカ小農園認証取得 累計5,350農園
9農園
トレーニング数 (2022年~2024年)
国内でのパーム油の認証油
100%維持 100%
比率
ライオン用水原単位
2.4kl/kl(2025年) 3.6kl/kl
(オセアニア地域)
容器包装に関連
※2
する目標
項目 目標
実績
ペットボトルの再生樹脂使
50%(2027年) 8.3%
用比率
国内飲料事業紙・印刷物
100%維持 100%
FSC認証紙採用比率
※1:2021年10月に公開された「 TCFD 指標、目標、移行計画に関するガイダンス」および「TCFDの提言の実施(2021年版)」を指します。
※2:2022年末実績です。
※3:各年度のScope3算定には産総研 IDEA Ver2.3、Ver.3.1を使用しています。
リスク・機会の事業インパクト評価と対応戦略
2017年以降、継続的に気候変動のシナリオ分析を行うことで、気候変動によるリスクと機会の把握レベルと戦略を
向上してきました。2023年は、自然資本や容器包装のインパクト評価を依存性や影響なども考慮して試算し、統合的
に開示しています。
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財務影響の分析
事業リスク/社会課題 財務インパクト 対応
物理的リスク 農産物の収量減 2℃シナリオ:約11億円~約30億円 ・大麦に依存しない醸造技
4℃シナリオ:約32億円~約104億円 術
※4
・植物大量増殖技術
(2050年)
・持続可能な農園認証取得
支援
洪水による操業停止 約10億円 ・洪水の知見共有
(200年災害、国内20カ所合計) ・洪水への設備対応
渇水による操業停止 約0.3億円~約6億円 ・渇水の知見共有
・節水技術開発・展開
ペットボトルのマイナスの 約11億円 ・メカニカルリサイクルの
影響 拡大
・ケミカルリサイクルの製
造技術確立
移行リスク カーボンプライシングによ 2℃シナリオ:約77億円 ・GHG排出量削減の実現
るエネルギー財務インパク 4℃シナリオ:約12億円 ・損益中立でのエネルギー
※5
ト 転換
(2030年)
カーボンプライシングによ 2℃シナリオ:約9億円~約21億円 ・植物大量増殖技術
る農産物財務インパクト 4℃シナリオ:約40億円~約76億円 ・持続可能な農園認証取得
※6
支援
(2050年)
持続可能な農園認証の農園 約0.6億円 ・持続可能な農園認証取得
からの認証品の調達 支援
・持続可能な原材料の調達
事業機会 健康な人の免疫機能の維持 免疫健康サプリメント市場: ・ヘルスサイエンス領域で
28,961.4Mn米ドル(2030年) の貢献
熱中症の予防 熱中症対策飲料市場:940~1,880億 ・熱中症対策飲料での貢献
円(2100年、4℃シナリオ)
フードウェイスト削減 約9億円 ・製品廃棄の削減
※7
ベトナムコーヒー農園での ・エンゲージメントの強化
約1.1億円
化学肥料、農薬削減による
財務インパクト
※4:価格変動予測データ分布の中央の50パーセンタイル幅で評価しています。
※5:GHG排出量削減を行わなかった場合で評価しています。
※6:価格変動予測データ分布の中央の50パーセンタイル幅で評価しています。
※7:現地コーヒー農園からのヒアリングより試算しています。
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2022年~2023年、TCFD新ガイダンスが求めるアセットに対する気候変動の影響分析を実施しました。事業売却・自
然災害などによる影響は小さいと評価しています。
分析項目 影響
買収、売却、方針による影響 Lion-Dairy & Drinks・ミャンマー事業売 515千tCO2e
(BT1.5℃目標を達成するために必要な2030年ま
却前
でのGHG排出削減量)
※8
463千tCO2e
同売却後
リスクに晒されている資産 国内事業所20カ所の200年災害によるエク 約10億円
※9
スポージャー
※10
約11億円
関連設備残存簿価
※8:目標達成可能性は若干容易になる方向ではあるものの、必要な投資・費用に大きな影響はないと判断しています。
※9:自然災害モデルAIR洪水シミュレーションでの算出結果です。自然災害によるエクスポージャーも小さいと考えていますが、今後事業所の現地調査等を行い付保の可否に
ついても検討していきます。
※10:気候変動に伴う法規制または社会的な情勢を主要因として耐用年数に達さず更新せざるを得なくなる可能性は低いと判断しています。参考としてキリンビール、キリン
ビバレッジ、メルシャンのボイラー、および物流グループ会社所有のトラックの残存簿価の合計値を提示しています。
移行計画
気候変動の緩和に対するロードマップを策定し、グループ経営戦略会議で審議・決議して2022年1月より運用を開
始しています。自然資本については、生態系保全に加えて「自然に根差した社会課題の解決策」として気候変動の緩
和策や適応策を含めたロードマップの策定を検討しています。ペットボトルに関しては、2027年の国内再生樹脂使用
比率50%に向けたロードマップを策定して運用を開始しています。
□省エネルギー推進、再生可能エネルギー拡大、エネルギー転換の3つが主要テーマ。
Scope1 と
□2030年までは、省エネルギーの推進と再生可能エネルギー比率の拡大が中心。
Scope2の排出量
□2030年以降は、蒸気製造工程の燃焼燃料を化石燃料から水素などへ転換を想定。
削減
□新たな再生可能エネルギー電源を世の中に作り出し増やしていく「追加性」と、環境負荷や
人権の観点でエネルギー利用の「倫理性」を重視。
※11
事業会社別GHG排出量削減実績および予定 (単位:千tCO2e)
2019年 2021年 2024年 2030年
キリンビール 199 184 140 90
キリンビバレッジ 45 40 37 20
メルシャン 60 59 45 27
ライオン 114 84 74 51
協和キリン 56 41 27 25
協和発酵バイオ 243 201 165 109
※11:2019年~2021年は実績。2024年以降は、2022年にロードマップを策定した時点での想定値であり、今後順次見直す可能性があります。
□GHGプロトコルで定めたカテゴリーのうち、約60%を占めるカテゴリー1(原料・資材の製
Scope3の排出量
造)、次に排出割合の大きいカテゴリー4(輸送)、カテゴリー9(販売)を重点取組領域に
削減
設定。
□「取引先の削減促進」では、主要なサプライヤーへのアンケートから把握した各社の削減計
画と定量および定性の進捗状況を元に、エンゲージメントを重視して削減を計画。GHG排出量
の少ない原料・資材への切り替えを進めつつ、更なるGHG削減策についての情報をサプライ
ヤーに提供する等、サプライチェーン一体となって推進。
□「自社主体の削減」では、自社で容器包装の開発を行う研究所を持つ強みを活かし、容器包
装の軽量化、ペットボトルの樹脂使用率向上を推進。
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投資計画
2030年までは損益中立を原則とし、省エネ効果で得られたコストメリットで投資による減価償却費や再生可能エネ
ルギー電力調達の増加分を相殺します。GHG排出量削減を主目的とした環境投資の指標としてNPV(Net Present
Value)を使用し、投資判断枠組みにはICP(Internal Carbon Pricing:$63/tCO2e)を導入しています。再生PET樹
脂の調達及び工場におけるヒートポンプシステム導入への支出を資金使途とするグリーンボンド(期間:2020年~
2024年、100億円)に続き、2023年1月には、当社がScope1とScope2の温室効果ガス(GHG)排出量削減に向けて推進
する省エネ、および再生可能エネルギー関連のプロジェクトに充当する国内食品企業初のトランジション・リンク・
ローンによる資金調達(期間:2022年~2042年、500億円)を実行しました。本ローンについては、経済産業省による
令和4年度温暖化対策促進事業費補助金及び産業競争力強化法に基づく成果連動型利子補給制度(カーボンニュート
ラル実現に向けたトランジション推進のための金融支援)が適用されます。2022年には、省エネルギーに44億円、再
生エネルギーの拡大に14億円を充当しています(エネルギー転換への充当はありません)。また、2023年には、省エ
ネルギーに51億円、再生エネルギーの拡大に20億円を充当しています(エネルギー転換への充当はありません)。
※12
気候変動対応ロードマップの投資予定
(単位:億円)
2019-2021年中計 2022-2024年中計 2025-2027年中計 2028-2030年中計
省エネルギー投資・施策 15 74 104 48
※13
15 150 237 362
再生可能エネルギー使用拡大
エネルギー転換 0 0 9 12
合計 30 224 350 422
※12:2019-2021年中計は実績。2022~2030年はトランジション・リンク・ローン策定時の想定であり、今後修正される可能性があります。
※13:再生可能エネルギー使用拡大には再生可能エネルギー電力調達に関わる全ての投資額を含めております。
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[人的資本への対応]
人財戦略を取りまく環境は社内外で大きく変化しており、キリングループの人財戦略も大きな転換期を迎えていま
す。生活環境の変化や個人の価値観の多様化もあいまって、働き方をはじめ労働市場環境は劇的に変化し、また、キ
リングループにおいては事業ポートフォリオの転換によって、経営戦略実行に求められる人財も変化しています。
キリングループでは、「人財」を価値創造・競争優位の源泉とあらためて位置づけ、その価値を最大限引き出すこ
とで、KV2027の実現と、グループの持続的成長・価値向上を実現していきます。
項目 内容
戦略
1.人財戦略のありたい姿
キリングループでは、「人財」を価値創造、競争優位の源泉と位置付け、人財に投資していくこ
とで、「人財が育ち、人財で勝つ会社」を目指します。
キリングループでは、経営戦略が人財戦略の方向性を規定すると同時に、人財のケイパビリティ
が経営戦略を策定する上での重要な要素となり、経営戦略の可能性を広げると考えています。競争
力の源泉である人財に対し、マーケティング、R&D、ICTといった専門性を高め、食領域からヘルス
サイエンス領域・医領域にわたるユニークな事業ポートフォリオを通じて多様な事業経験を積むこ
とで、専門性と多様性を備えた人財を育成していきます。
また、外部人財や障害者の採用、女性の活躍推進など、多様性を受容する組織風土の醸成と成長
意欲のある人財の成長を支援する環境を整備することで、一人一人のチャレンジする意欲を高め、
イノベーションにつながる機会を増やしていきます。
2.グループ経営課題から見る人財戦略の課題認識
人財戦略では、短期的には、事業ポートフォリオ転換に向けて組織能力を強化するとともに戦略
の実行度を高め、中長期的には、専門性・多様性を兼ね備えた人財輩出によって、将来にわたる企
業価値を高めていきます。そのために、現時点で5つの課題を認識しています。
① 事業ポートフォリオ転換に伴う、組織能力の強化(ヘルスサイエンス・新規事業 等)
② 将来を見据え、先が見えない時代にこそ求められる、専門性・多様性の人財マネジメント
③ 挑戦する人財とそれを支える風土づくり=高度な戦略を実現する戦略実行力
④ 労働市場や個人の価値観の変化に対応した、働きがいの創出
⑤ 人的資本への注目を契機とした、ステークホルダーとの対話による戦略進化
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3.人財戦略の全体像
人財戦略実行のキーとなるのは、「専門性」と「多様性」です。VUCA時代において、イノベー
ションを創発し続けるには、人財と組織の両面の「専門性」と「多様性」を高めていく必要があ
り、そこでは、個人の「成長意欲」と、多様な人財によるコラボレーション・「共創」の視点が重
要です。
人財においては、キリングループが大切にしている「グループ理念・パーパス」への共感を通
じ、グループへの貢献と自らの成長につながるWillを基にした自律的なキャリア形成を促進するこ
とで、主体的な学び・挑戦といった「成長意欲」を喚起し、専門性を高めることにつなげていきま
す。そして、専門性を軸とした事業を超えた出向や、高度で広範囲な課題に挑戦する機会などを通
じて、多様な視点・価値観に磨きをかけ、人財力の強化を組織としての能力向上につなげていきま
す。
さらに、組織においては食領域からヘルスサイエンス領域・医領域まで幅広くグローバル展開し
ているユニークな事業ポートフォリオを生かして、事業を超えた専門性と多様性のある人財の流動
性を高め、多様な人財によるコラボレーション・「共創」機会を増やすことで、個人・チームを超
えた組織としての専門性と多様性を高め、イノベーションが創発し続ける組織能力の獲得と組織風
土の醸成を目指します。
このように、専門性と多様性をキーとし、自律的に学び・挑戦を続ける個人の「成長意欲」と、
多様な人財によるコラボレーション・「共創」を高めることでイノベーションの創発へつなげてい
くストーリーを、今後「キリングループらしいチャレンジ創出」に向けた取り組みに反映していき
ます。
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人財戦略の重点取り組み
人財力の強化 組織風土の醸成
事業の持続的な成長を目指し、「専門性」と 多様な価値観や専門性を持つ人財が、挑戦を
「多様性」を 兼ね備えた 「決断力」「適応 通じて成長できる、惹きつけられる環境・風
土を醸成していきます。
力」「構想力」のある人財を育成・輩出する
<具体的な取り組み>
人財マネジメントを実行していきます。
・挑戦し、やり切る組織風土へ進化するた
<具体的な取り組み>
め、リーダーの役割(目標達成・人財育
・戦略実現に求められる専門能力の向上に向
成)を高いレベルで実践することで、ゴー
けて、機能軸のタレントマネジメントへ変
ルに向けて多様な人財が知恵を出し合い、
革していきます(採用、育成、配置)。
挑戦することやその結果が評価される組織
・将来の経営を担うグループ経営人財の発掘
へと変革していきます。
と育成に向けて、若手層を含む機能軸で成
・多様な人財が違いを力に変え、挑戦できる
果を上げている人財をトップタレントとし
環境づくりに向けて、「Diversity&
てプール形成し、必要な基準を踏まえなが
Inclusion」から「Diversity, Equity&
ら、経営トップ層と人事部門が一体となっ
た育成を推進します。 Inclusion」へ取り組みを推進します。
・自律的なキャリア形成を起点する成長と ・キリングループで働くことが従業員一人ひ
リーダーの支援力向上のため、従業員の自 とりの成長実感(キャリアの実現・コミュ
律的なキャリアに基づく成長支援環境(公 ニティとの繋がり・会社への貢献)に繋が
募等の手上げ機会の拡充、リーダーの育成 る組織風土を目指して、理念・パーパスへ
支援力向上の取り組み等)を整え、事業の の共感の獲得、組織への愛着・誇りの醸成
業務経験を通じて成果を生み出し成長して を強化します。
いく育成サイクルを加速します。
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《取り組み事例》
■グループ理念浸透・グループ一体感醸成
キリングループが目指すグループ理念・価値観を体現した取り組みを表彰する「キリングルー
プ・アワード」を毎年開催しています。2023年からは、よりグループ一体感の醸成を図るため、従
業員を主役とした内容へと位置づけを刷新しました(応募数98件、当日オンライン視聴1,200アクセ
ス)。従業員同士が、表彰案件の事例に共感・共鳴し合う場とすることで、国や地域・事業を越え
たグループシナジーの発揮へとつなげていきます。
■越境学習を通じた個と組織の多様性
越境学習では、『個の自律的なキャリア形成』に加え、『個と組織の多様性』を狙いとしていま
す。自社内の経験や価値観にとどまらず、社外・人とのつながりを通じて新たな視点や価値観が得
られ、また、さまざまな価値観をもつ人財を受け入れることで、組織の多様性受容にもつなげてい
ます。2019年に「留職プログラム制度」をスタート、2020年には「副業」を解禁し、同時に外部か
らの副業受け入れも開始しました(グループ内副業件数:174件※)。2021年以降、企業間で相互に
副業に取り組む「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム」に参画。また、2022年8
月に設立された「人的資本経営コンソーシアム」にも参画し、経済産業省・金融庁の支援の下、日
本企業の持続的価値向上に向けて「人的資本経営」を推進していきます。
※2020年7月〜2023年12月 許可数(キリンホールディングス、キリンビール、キリンビバレッジ、
メルシャンの4社勤務者)
4.人事の基本理念
人財戦略の基盤となるのが「人事の基本理念」です。人財戦略は大きな転換期を迎えています
が、グループ人事の基本理念である「人間性の尊重」は変わりません。人間のもつ無限の可能性を
大事にするという考え方は、キリンビールの醸造フィロソフィーである「生への畏敬」にも通じま
す。無限の可能性をもって、従業員一人一人が新たな価値創造に向かって挑戦し、生き生きと働く
ことで、仕事を通じて成長し、発展し続ける環境を提供していきます。
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指標と キリングループは、KV2027において非財務指標の一つに「従業員」(従業員エンゲージメント、
目標 多様性向上達成度、休業災害度数率)を設定し、役員報酬とも連動しております。また、人的資本
に関する情報開示およびステークホルダーとの対話強化にも取り組んでいきます。
非財務指標「従業員」 2024年目標 2023年実績
従業員エンゲージメント 75% 70%
※1
女性経営職比率 15.0%
13.6%
※1
キャリア採用比率 30.0%
45.4%
休業災害度数率 0.95 1.42
2023年12月31日時点
(注)1 女性経営職比率およびキャリア採用比率は、集計対象をキリンホールディングス原籍者と
しています。
人的資本開示指標
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3 【事業等のリスク】
(1) リスクマネジメントの考え方
キリングループでは、経営目標の達成や企業の継続性に大きな影響を与える不確実性を「リスク」、ある時点を
境にリスクが顕在化し対応に緊急性を要するものを「クライシス」と定義しており、お客様、従業員、株主および
社会から長期的な信頼を獲得できるよう、以下の考え方のもとリスクマネジメントシステムを構築・運用すること
で、事業活動上で発生するさまざまなリスクを特定し、適切にコントロールしていくことを基本方針としていま
す。なお、リスク情報は、当社ホームページなどを通じて適時適切に開示してまいります。
(基本方針)
① 経営理念および価値観のもと、経営目標の達成や企業の継続性を確保し、企業の社会的責任を果たし、中長期的
な企業価値の向上を目的として、リスクマネジメントを実行する。
② 戦略とリスクを一体で検討を行い、適切なリスクテイクを実現する。
③ リスクマネジメントの推進のため、組織や仕組みを整え、環境変化に柔軟に対応できる組織能力の向上を図る。
④ 平時からリスクの洗い出しを行い、企業活動に伴うさまざまなリスクを把握の上、リスクの特定・分析・評価・
対策+モニタリングを行い、リスクへの適切な対応(保有、低減、回避、移転)を行っていく。
⑤ リスクマネジメントは全社員が参画して取り組む活動であるとの認識を持ち、教育や訓練等の啓発活動を通じ
て、リスクへの感度の醸成を図る。
⑥ クライシスに対しては、未然防止を徹底するとともに、早期発見、迅速な報告・情報共有・対応を通じ、影響を
最小化する。クライシスの対応後には、その発生要因・対処法などを分析し、再発防止に努める。
⑦ 会社におけるリスクの内容や対策等のリスク情報について、適時、ステークホルダーに対し適切な情報開示を行
う。
(2)リスクマネジメント体制及び、グループ重要リスクの確定プロセスとモニタリング
キリングループでは、キリンホールディングスの常務執行役員以上で構成され、リスク担当執行役員が委員長を
務める「グループリスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。同委員会は、リスク情報の収集やグルー
プリスク方針の立案、リスク低減に向けた取り組み、クライシス発生時の情報共有や対策の検討、グループ会社へ
の必要な指示や支援など、リスクマネジメント活動の全般を統括しています。また、取締役会ではグループ重要リ
スクの審議や報告を通じ、リスクマネジメントの有効性を監督しています。(図1)
グループ重要リスクの確定プロセスについては、各年度で設定するキリングループのリスクマネジメント方針に
基づき、グループ会社で戦略・事業遂行上のリスクや重大なクライシスに転ずる可能性のあるリスクを検討し抽出
しています。キリンホールディングスではこれら事業固有のリスクを集約し、またグループ全体に共通するリスク
について精査します。それぞれのリスクについて全社的な経営の観点からグループリスク・コンプライアンス委員
会において経済的損失や事業継続性、レピュテーション棄損などグループとして影響度が大きなリスクを定量・定
性の両面で総合的に評価し、発生確率を踏まえて優先順位の高いリスクを選定しています。これを取締役会にて審
議し、グループ重要リスクとして確定させています。(図2)
グループ重要リスクについては、影響度と発生確率を踏まえてリスクマップ上で一元化して管理し、最重要リス
クについては取締役会でも状況変化の確認や対策の見直しを行っています。(図3)キリンホールディングスおよ
び当該グループ会社ではリスク内容に応じた対策を立案し実行していますが、キリンホールディングスはグループ
会社に対して必要な支援や指示を行い、グループ会社はキリンホールディングスに報告や相談を行うなど、相互に
連携することでリスクマネジメントを推進・運用しています。また、各グループ会社およびキリンホールディング
スは戦略・リスクの両面から事業と機能の両軸でモニタリングを実施し、戦略リスクを管理・統制すると共に、ク
ライシスに転ずるリスクの顕在化の未然防止や発生時にはその影響を最小限に留めるなど、リスクマネジメント体
制を整備し、リスクの低減や適切な管理に努めています。(図4)
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(図1)
(図2)
(図3) (図4)
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(3) キリングループの主要なリスク
キリングループの戦略・事業その他を遂行する上でのリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能
性があると考えられる主要な事項について、「各事業領域におけるリスク」と「各事業領域共通のリスク」に分類
して記載しています。なお、本文中における将来に関する事項は、別段の記載がない限り当年度末において当社が
判断した内容に基づきます。
① 各事業領域におけるリスク
事業分野 想定するリスク リスクが顕在化した場合の主な影響
・事業環境の変化への対応に関するリス ・市場環境や嗜好の変化、販売価格の変動、競合他社の動向
ク 等により、販売計画を達成できない
・原材料価格・燃料価格の高騰に関する ・原材料価格・燃料価格の高騰により調達コストが上昇し、
リスク 製造原価に影響を及ぼす
・新規事業の成否に関するリスク ・新規事業が市場に浸透せず、売上・利益が下振れし、事業
計画が遅滞する
主な対策、その他リスクの状況認識等
食領域
食領域はキリングループの主力事業分野であり、リスクが発現した場合には甚大な影響が想定されま
す。既存事業では事業環境の変化に対してこれまでに培った知見を基にリスクへの対応策を実施すると
ともに、新規事業についても従来とは異なる新たなリスクに直面する可能性を想定し、対策することで
リスクの低減に努めています。地政学リスクに起因する原材料や燃料価格の高騰が直接的に収益に影響
を与える可能性や、高付加価値商品の展開拡大の成否による中長期的な事業計画への影響はそれぞれグ
ループ重要リスクの一つとして位置づけており、引き続き情勢を注視し適切なリスクコントロール策を
講じてまいります。
(具体的な対策につきましては、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています)
事業分野 想定するリスク リスクが顕在化した場合の主な影響
・グローバル戦略品の価値最大化に関す ・上市準備の遅延等により事業エリア拡大が遅れる、潜在患
るリスク 者の掘り起こしの難航などで市場に浸透しない
・製品品質・安定供給に関するリスク ・製品の安全性や品質に懸念が生じる、急激な需要増/需給
・研究開発に関するリスク 逼迫により安定供給に支障が発生する
・医療費抑制策に関するリスク ・パイプラインの拡充が進まず、将来の成長性と収益性が低
下する
・国内外において医療費抑制の圧力による製品の価格引き下
げ、後発医薬品への移行が進む
主な対策、その他リスクの状況認識等
医領域
医領域においては、グローバル戦略品の価値最大化に向けて、市場浸透施策や欧米を中心とした事業地
域の拡大を進めており、製品の品質保証体制と安定供給体制といった基盤の強化も重要と考えていま
す。グローバル品質保証委員会等によるモニタリングや、独立した専門の監査チームによる自社や委託
先の品質監査を実施するとともに、委託先の拡充、自社工場への設備投資、需給計画の可視化や製造作
業効率化のためのデジタル化推進等に取り組んでいます。また、国内外において医薬費抑制の圧力が高
まっていますが、各国の医療政策動向を注視するとともに、患者さんにLife-changingな医薬品を確実
にお届けするために、その医薬品のもつ価値を多様な側面から評価する方策を戦略的に検討していま
す。また、上市後の価格設定については、各国制度に準拠しながら、革新的な医薬品を継続的に創出し
ていくために適正な売上収益の確保につながるよう、事業への影響を評価しています。
(詳細につきましては、協和キリン社の有価証券報告書に記載しています)
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事業分野 想定するリスク リスクが顕在化した場合の主な影響
・社会課題に対し独自の商品やサービス ・有効なビジネスモデルが構築できずに、販売計画が未達と
を提供できないリスク なる
・競合等の外部環境変化への対応が遅れ ・グループ内でのシナジーが進まず、新たな価値創造を伴う
るリスク 高収益モデルが構築できない
・事業を担う人財や組織能力が不足する ・生産計画通りに製造が進まず商品の欠品が発生する
リスク ・品質トラブル、エビデンス不足、不適切な情報発信等によ
・品質保証、製品の安全性、欠品に関す り、ブランド、レピュテーションを毀損する
るリスク
ヘルスサイ
主な対策、その他リスクの状況認識等
エンス領域
ヘ ルスサイエンス領域では新たに取得したBlackmores社の成長とグループ内のシナジー創出を最優先課
題として取り組み、将来に向けたビジネス基盤の構築を目指しています。特に機能性表示食品を有する
免疫領域では、お客様の日常への免疫ケア習慣の定着、プラズマ乳酸菌についての認知拡大、機能啓発
とともに、外部導出も含めた市場活性化により、早期の成果創出とビジネスモデルの確立に取り組んで
います。既存事業とは異なる領域での事業推進にあたり、迅速果断な意思決定を実行するため、また、
適時適切なリスクコントロールができるよう、リスクマネジメントの観点でも組織能力の拡充とガバナ
ンスの強化を図ってまいります。
(具体的な対策につきましては、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています)
② 各事業領域共通のリスク
項目 想定するリスク リスクが顕在化した場合の主な影響
・グループ経営を推進する人財や事業活 ・競争優位性のある組織能力が実現せず、経営戦略が推進で
動に必要な高い専門性を持った人財を きない
十分に確保できないリスク ・想定した体制への移行が進まず、組織能力が低下し、経営
・人財マネジメントの仕組みが従業員の 戦略の実現に支障が出る
理解を得られないリスク
人財確保・
主な対策、その他リスクの状況認識等
育成
キリングループは、人財を価値創造の源泉と捉えています。経営戦略の実行に求められる人財の獲得・
育成に向けて、機能を軸とした専門性をより重視する人財マネジメントの仕組み化に取り組むととも
に、多様な価値観・専門性を持った人財が集い、多様性を受容して違いを力に変える組織風土の醸成を
目指しています。多様な人財と挑戦する風土は企業の根幹であるとの認識のもと、中長期視点で経営戦
略と人財戦略の連動性を高め、持続的な事業成長と企業価値向上に取り組んでまいります。
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項目 想定するリスク リスクが顕在化した場合の主な影響
・DXの取り組みが進まず、競合劣後とな ・コストが増大し、顧客ニーズに応える商品の開発・提供が
るリスク できず、売上・利益が限定的となる
・DX専門人財の獲得・育成が計画通りに ・DXの推進に必要な要員が不足し、組織能力を高められず、
進まないリスク 効率化や価値創造の成果創出が遅延する
主な対策、その他リスクの状況認識等
キリングループでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、デジタル技術やデータ
情報技術
を活用した業務プロセスの変革を進め、既存業務の効率化を実現するとともに、顧客理解やプロダク
ト/サービスの開発工程においてもテクノロジー活用を進めるなど、新たな価値創出に取り組んでいま
す。各グループ会社・各部門での自律的なDX推進の実現に向けて、独自のプログラムによる社内人財育
成を進めるとともに、DXの推進に必要な専門人財を外部から確保することで、体制の充実と組織能力の
強化を図っています。今後もグループ全体のあらゆる領域でデジタル技術の活用・推進に取り組み、イ
ノベーション創出に繋げてまいります。
項目 想定するリスク リスクが顕在化した場合の主な影響
・品質保証の取り組みの範囲を超えて、 ・製品の製造中止や回収または損害賠償請求などにより、多
予期し得ない品質問題が発生するリス 額の費用の発生や事業活動の制限がなされる
ク ・お客様からの信頼を失い、企業ブランド価値が低下する
・不適切な表現により、関係官庁からの
改善命令や指導を受けるリスク
主な対策、その他リスクの状況認識等
キリングループでは、経営の原点である「お客様本位」「品質本位」に基づきお客様への安全・安心な
品質
商品・サービスの提供を何よりも優先することを「キリングループ品質方針」および「行動指針」で宣
言しています。23年12月にはグループの事業領域の拡大に合わせ「キリングループ グローバル品質マ
ネジメントの原則」を改訂しており、食・ヘルスサイエンス・医の領域のグループ各社が保有する品質
マネジメントシステムに反映させることで品質保証の仕組みと運用を継続的に改善し、確かな品質の商
品・サービスの提供につなげています。表示・広告等についても、22年に策定した「マーケティングコ
ミュニケーションポリシー」をより具体化した「商品表示に関する指針」を定め、社会情勢の変化も捉
えながら高い倫理観をもって制作に取り組むことを啓発しています。グループ全体で「お客様本位」
「品質本位」を大切にする組織風土の醸成に引き続き取り組んでまいります。
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項目 想定するリスク リスクが顕在化した場合の主な影響
・キリングループの行うビジネスが、バ ・企業ブランドイメージの低下を招く、あるいは事業縮小・
リューチェーンの各プロセスやビジネ 撤退を余儀なくされる
スパートナーを含めて、直接または間 ・法令に違反する場合は罰金や訴訟、または経済的な制裁措
接的に人権に負の影響を及ぼすリスク 置を受ける
主な対策、その他リスクの状況認識等
キリングループでは、人権の尊重は全ての事業活動の土台であるとの認識の下、国連の「ビジネスと人
権に関する指導原則」に準拠した「キリングループ人権方針」を2018年に策定、2023年には国際的な人
人権
権に関する規範に沿って同方針を改定しました。従来通り、人身取引を含む奴隷労働や強制労働、児童
労働を認めない他、人種、肌の色、民族、国籍、社会的身分、門地、性別、障害の有無、健康状態、宗
教、思想・信条、性的指向・性自認及び職種や雇用形態の違い等に基づくあらゆる差別を禁止するとと
もに、改定版にはステークホルダー毎に想定される重要な人権課題を明記するなど、より具体的な内容
としています。国内外グループ会社の全ての従業員および、バリューチェーンに関わる様々なビジネス
パートナーに対しても同方針への理解を求めることで、人権を尊重し、社会に対してポジティブインパ
クトを生み出すことに取り組んでまいります。
項目 想定するリスク リスクが顕在化した場合の主な影響
・気候変動による物理的リスク ・温暖化や渇水・洪水による原材料農産物の収量減による調
・脱炭素社会への移行リスク 達コスト増、渇水・洪水による操業停止
・技術開発等が遅れ、環境問題の解決が ・炭素税などによる燃料費・農産物コストの上昇
困難になる・遅延するリスク ・企業に対する社会の期待に十分に応えられず、企業価値が
低下する
主な対策、その他リスクの状況認識等
キリングループでは、様々な環境問題を統合的に解決するために長期戦略「キリングループ環境ビジョ
ン2050」を策定し、その達成に向けて取り組んでいます。気候変動に伴う原材料農産物の収量減といっ
環境
た物理的リスクやカーボンプライシング等の移行リスク、アセットへの影響に対しては、TCFD提言に基
づくシナリオ分析により財務影響や戦略のレジリエンスを評価し、必要な方針・戦略の修正や取り組み
の深化を進めています。プラスチック容器の問題では、2027年までに日本国内におけるPET樹脂使用量
のリサイクル樹脂50%(「キリングループプラスチックポリシー」)を目指して、ケミカルリサイクル
によるPET再資源化に向けた技術検討と実用化を目指す他企業との共同プロジェクトを開始していま
す。相互に関連する環境問題である生物資源、水資源、容器包装、気候変動を統合的に解決し、持続可
能な地球環境を次世代につなぎます。
(具体的な対策につきましては、「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています)
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項目 想定するリスク リスクが顕在化した場合の主な影響
・世界的な規模で酒類の販売、広告・宣 ・酒類の消費が減少する
伝に対する規制が強化されるリスク ・企業ブランドの価値が低下する
主な対策、その他リスクの状況認識等
アルコールの有害摂取による負の影響に関して、WHOは世界的な規模での酒類販売・マーケティングに
関する将来的な規制に向けた議論をしています。キリングループは、酒類を製造・販売する企業グルー
アルコール
プの社会的責任を果たすために、全ての酒類事業展開国においてアルコールの有害摂取の根絶に向けた
の負の影響
取り組みを推進しています。酒類事業の展開あたっては法令を遵守し、責任ある飲酒に関するグローバ
ルマーケティング指針や厳しい自主基準を遵守する他、IARDをはじめ国内外の業界団体と連携した取り
組みを進めるとともに、ノンアルコール、低アルコール飲料の開発や適正な飲酒に関する正しい知識の
普及や意識の啓発を行っています。社会情勢の変化に対応しながらアルコールの有害摂取根絶に向けた
取り組みを着実に進展させてまいります。
項目 想定するリスク リスクが顕在化した場合の主な影響
・地震・台風などの大規模自然災害や感 ・事業所等の閉鎖や事業活動を縮小・停止する
染症、地政学リスクの影響等によりサ ・地域紛争やテロ、または最盛期の販売量の急増等により、
プライチェーンが分断するリスク 調達・製造・物流能力が供給に追いつかず遅配や欠品が発
生する
主な対策、その他リスクの状況認識等
サプライ
サプライチェーンにおいては、災害・事故等による影響の他、国内では物流の2024年問題の顕在化や将
チェーン
来的なドライバー不足、海外ではテロや政治的な不安が顕在化することによるサプライチェーンの分断
が懸念され、各事業では、需給予測精度の向上や物流能力の強化、代替戦略の検討等によるリスクの低
減を進めています。キリングループでは災害・事故等への対応として、経営資源を起点に対策を考える
オールハザード型BCP(事業継続計画)を策定し、複数のグループ会社を対象として、物流面の機能発
揮状況を確認する訓練を実施していますが、これらの取り組みを継続し、危機事象への対応力強化、レ
ジリエンスの向上に引き続き取り組んでまいります。
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項目 想定するリスク リスクが顕在化した場合の主な影響
・市況・為替変動リスク ・調達コストが計画を上回り、事業利益を圧迫する
・地政学や災害発生リスク ・原材料について必要量を確保できない、または納品に遅れ
・サプライチェーン上の人権・環境リス が生じ、製造計画に影響を及ぼすことで需給調整が発生、
ク 長期化する
・調達が困難となり、加えて企業イメージの低下や不買運動
が発生する
主な対策、その他リスクの状況認識等
市況・為替変動リスクに対しては、長期契約や為替ヘッジによるコスト低減・安定化を行い、地政学・
調達
災害発生リスクに対しては調達先の分散、原材料在庫率の引き上げを行っています。またサプライ
チェーン上の人権や環境に関するリスクへの対応を重要な経営課題の1つと認識しており、2023年には
サプライヤー規範の改定やデューデリジェンスの実施等、高まる企業への要請に十分に応えられる体制
の整備と組織能力の強化に取り組んでいます。サプライヤーに対しては、「キリングループ持続可能な
サプライヤー規範」の説明を行うとともに、遵守に向けて承諾書の提出を求め、定期的にその遵守状況
を確認しています。さらに、サプライヤーが通報できる窓口(ホットライン)や苦情処理メカニズムも
整備しており、サプライヤーとの連携を密にすることで持続可能な調達の推進に取り組んでまいりま
す。
項目 想定するリスク リスクが顕在化した場合の主な影響
・サイバー攻撃、情報セキュリティ事 ・個人情報や重要な営業秘密の情報漏洩により、お客様の信
故、情報漏洩等に関するリスク 頼の失墜や損害賠償などが発生する
・サイバー攻撃などにより、業務が停止する、または復旧に
時間を要することで事業活動が遅延する
主な対策、その他リスクの状況認識等
キリングループでは、深刻化しているサイバー攻撃の脅威に対応するため「KIRIN-CSIRT(Computer
情報セキュ
Security Incident Response Team)」を構築し、グループ重要リスクの一つとして情報セキュリティ
リティ
対策に取り組んでいます。グループ内のセキュリティ対応体制を整え、人的・物理的・技術的対策を実
施することで、ウィルス感染や外部からの不正アクセスといったサイバー攻撃の脅威への対策強化に努
めています。また、サイバー攻撃などでの経済的な影響を低減するためグローバルでサイバー保険の付
保を行うなどリスクの移転も含めて対応を行っています。これらにより、一定レベル以下にリスクは低
減できていると考えていますが、未知のサイバー脅威などには幅広く情報収集などを行いながら対策を
講じてまいります。
(詳細につきましては、「情報セキュリティ報告書」にキリングループの取り組みを記載しています)
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項目 想定するリスク リスクが顕在化した場合の主な影響
・法令違反や社会の要請に反した行動が ・法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受け、お客様
行われるリスク からの信頼を失う
主な対策、その他リスクの状況認識等
キリングループでは、コンプライアンスについて、「法令、社内外の諸規則・ルールの遵守はもちろん
のこと、社会からの要請に応え、法的責任と社会が求める倫理的責任を果たすこと」と定義していま
す。人権やハラスメント、腐敗行為(贈賄を含む)防止や適正飲酒などに関する研修を定期的に実施
コンプライ
し、ルールの理解浸透や意識啓発に取り組んでいます。また、毎年、従業員コンプライアンス意識調査
アンス
を実施し、潜在的なリスクの洗い出しにつなげるとともに、回答によっては事実確認や対策を講じるこ
とでリスク低減に取り組んでいます。リスク事案の早期発見につなげるべく内部通報の体制も整備して
おり、グループ各社で通報窓口が設置されているほか、コンプライアンス担当役員や監査役直通の通報
窓口、海外のグループ会社従業員が利用できるグローバルホットラインも設置しています。法令を遵守
することはもとより、社会の要請を踏まえた高い倫理観を醸成できるよう、引き続き従業員のコンプラ
イアンス意識の向上に取り組んでまいります。
項目 想定するリスク リスクが顕在化した場合の主な影響
・為替レートにより円換算後の価値が変 ・現地通貨建て財務諸表の円換算値や、外国通貨建て取引に
動するリスク よる原材料の調達コストが変動する
・金融市場の変化や格付の変更等により ・資金調達が制約され運転資金不足が生じる / 高金利での
必要資金が調達できないリスク / 資
資金調達により金融収支が悪化する
金調達コストが変動するリスク ・追加税負担により業績が悪化する、社会的信用が低下する
・各国税制の変化や税務申告における税
務当局との見解の相違により、予想以
財務 ・ 税務
上の税負担が生じるリスク
主な対策、その他リスクの状況認識等
市場環境や為替レート変動による影響は完全に排除できませんが、キリングループではデリバティブを
使ったヘッジ等により、業績や財務状況に大きな影響を与える可能性を低減しています。調達手段の多
様化やグループキャッシュの一元管理を通した効率化により、資金関連リスクに大きな影響を与える可
能性を低減しています。税務コンプライアンスを遵守した適正な納税の徹底により、税務リスクに大き
な影響を与える可能性を低減しています。
上記以外にも、レピュテーションに関するリスク、地政学上のリスク、事業投資に関わるリスク、法改正に伴う
リスクなど様々なリスクがあります。これらのリスクを認識した上で、発生の未然防止・速やかな対応に努めてま
いります。
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4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり
まして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等]内、連結財務諸表注記」に記載のとおりであ
ります。
(2) 経営成績の状況
①事業全体の状況
2023年、日本国内では、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染症法上の位置付けが5類に移行し、社会
生活や働き方がふたたび変化した1年でした。人の移動が活発になり、街は賑わいを取り戻しつつあります。一
方、世界では様々な地域で地政学リスクが高まり、世界的なインフレや為替変動等が続いています。加えて、地球
温暖化による新たな感染症のリスク増大や、生成AIをはじめとしたITテクノロジーが急速に進化するなど、消費者
の価値観や行動、社会の変化はますます複雑で先行きが見通せない時代です。
キリングループは、創業以来一貫して発酵・バイオテクノロジーをコア技術とし、酒類・飲料事業だけでなく、
医薬事業にも強みを持つ、世界でも類を見ない企業グループへ進化を続けています。
このコア技術を背景に、「プラズマ乳酸菌」等特長ある素材を生かしたヘルスサイエンス事業に2019年から取り
組んでいます。
健康課題のみならず、社会が抱える課題をキリングループの強みで解決し、同時に企業としての経済的価値を創
出し企業価値の最大化を実現していきます。
2023年のキリングループは、不確実性が高まる厳しい環境下でも、着実に成果を上げました。長期経営構想「キ
リングループ・ビジョン2027」(略称:KV2027)のもと、「キリングループ 2022年-2024年中期経営計画」(略称:
2022年中計)の達成に向け、食領域の利益増大や医領域のグローバル基盤強化、ヘルスサイエンス領域の拡大を推進
しました。
・食領域
酒類・飲料事業では、国内外で主力ブランドの強化と、新たな成長エンジン育成に向けた高付加価値商品の拡
大に取り組みました。また、原材料価格の高騰など厳しい環境下でもコスト削減や価格改定で対応し、収益性改
善に取り組みました。
・医領域
協和キリン㈱では、グローバル戦略品の価値最大化に注力しました。また、次世代パイプラインの拡充と将来
の医療ニーズへの対応に向けて英国のバイオ医薬品メーカー、Orchard Therapeutics plcの株式取得のための契
約を締結するなど、日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして、持続的成長に向けた基盤強化を進め
ました。
・ヘルスサイエンス領域
プラズマ乳酸菌関連事業を中心に、飲料やサプリメント等自社グループ商品の積極展開に加え、外部パート
ナー企業による商品展開を通じ、事業規模を拡大しました。また、豪州を拠点にアジア・パシフィックでサプリ
メント等の健康食品(ナチュラル・ヘルス)事業を展開する、Blackmores Limitedの株式を取得し、ヘルスサイエ
ンス領域の成長加速に向けた体制を構築しました。
ESGの観点でも多くの実績を上げ、国内外で高い評価を獲得しました。
7月に発行した「環境報告書2023」では、TCFDとTNFDに基づく統合的な環境経営情報を開示した事例が、投資家
をはじめとする世界のステークホルダーから、先駆的な取り組みと評価されました。
麒麟麦酒㈱では、国内全ての工場・営業拠点で購入電力の再生可能エネルギー(以下、再エネ)100%化を進めまし
た。
メルシャン㈱では、「シャトー・メルシャン 椀子ヴィンヤード」が、生物多様性の損失を止め回復させる世界目
標「30by30」達成に資する自然共生サイトとして、環境省から正式認定されました。
ヘルスサイエンス領域では、「プラズマ乳酸菌」の発見・商品化による社会への貢献が評価され、「令和5年度
全国発明表彰」で、健康食品素材で初、食品企業としては59年ぶりに「恩賜発明賞」を受賞しました。
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また、「第7回日経スマートワーク経営調査」では、7年連続で最高位を獲得しました。多様で柔軟な働き方や
エンゲージメントの項目が評価されたものです。「第5回日経SDGs経営調査」でも、5年連続で最高位を獲得しま
し た。事業を通じ、持続可能な資源活用や生物多様性の保全に取り組んだ成果が評価されたものです。
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2023年実績 2022年実績 対前年増減 対前年増減率
連結売上収益 2兆1,344億円 1兆9,895億円 1,449億円 7.3%
連結事業利益 2,015億円 1,912億円 103億円 5.4%
連結営業利益 1,503億円 1,160億円 343億円 29.5%
連結税引前利益 1,970億円 1,914億円 57億円 3.0%
親会社の所有者に帰属する当期利益 1,127億円 1,110億円 17億円 1.5%
(重要成果指標)
ROIC 8.0% 8.5%
平準化EPS 177円 171円 6円 3.5%
当年度の連結売上収益は、国内ビール・スピリッツ事業、国内飲料事業、オセアニア酒類事業、医薬事業及び
コーク・ノースイースト社の増収により増加しました。連結事業利益は、国内飲料事業、協和発酵バイオ㈱等が減
益となりましたが、国内ビール・スピリッツ事業、オセアニア酒類事業、医薬事業及びコーク・ノースイースト社
等が増益となり、全体では増益となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、ミャンマー事業撤退による
為替換算調整勘定の実現損、協和発酵バイオ㈱および協和キリン㈱に係る減損損失の計上があったものの、協和キ
リン㈱の欧州事業売却や持分法投資損益の増加等により増益となりました。
重要成果指標について、ROICは、Blackmores Limitedの取得等により8.0%となりました。平準化EPSは、連結事業
利益の増加等により前年より6円増加の177円と過去最高となりました。
②セグメント情報に記載された区分ごとの状況
セグメント別の業績は次のとおりです。
2023年実績 2022年実績 対前年増減 対前年増減率
連結売上収益 2兆1,344億円 1兆9,895億円 1,449億円 7.3%
国内ビール・スピリッツ 6,849億円 6,635億円 213億円 3.2%
国内飲料 2,550億円 2,433億円 118億円 4.8%
オセアニア酒類 2,810億円 2,559億円 251億円 9.8%
医薬 4,419億円 3,979億円 440億円 11.1%
その他 4,716億円 4,289億円 427億円 10.0%
連結事業利益 2,015億円 1,912億円 103億円 5.4%
国内ビール・スピリッツ 777億円 747億円 31億円 4.1%
国内飲料 169億円 188億円 △19億円 △10.1%
オセアニア酒類 324億円 315億円 9億円 2.7%
医薬 960億円 825億円 135億円 16.4%
その他 △215億円 △163億円 △52億円 ―
連結売上収益 対前年
連結事業利益 対前年
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<国内ビール・スピリッツ事業>
国内酒類市場は、原材料価格高騰の影響を受ける中、各社収益性確保に向け価格改定が進みました。10月の酒税
改正と価格改定により、ビールと発泡酒・新ジャンルの価格差が縮小しました。それに伴い、ビールカテゴリーが
活況を呈しました。麒麟麦酒㈱では主力ブランドの「キリン一番搾り生ビール」と、健康志向を捉えた「キリン一
番搾り糖質ゼロ」をリニューアルし堅調に推移したことに加え、業務用市場の回復も追い風となり、「一番搾り」
ブランド全体の販売数量は、前年比5%増となりました。新たな成長エンジンであるクラフトビールカテゴリーで
は、「スプリングバレー」ブランドから「スプリングバレージャパンエール<香>」と、限定商品の「スプリング
バレーアフターダーク<黒>」を発売しラインアップを強化するとともに、流通企業やクラフトビールメーカーと
も連携し、クラフトビールの売場拡大を進めました。また、業務用市場においても、飲食店向けビールサーバー
「Tap Marché (タップ・マルシェ)」の取り扱い店舗拡大に取り組み、クラフトビールの体験機会を提供しました。
麒麟麦酒㈱のウイスキーづくりは、富士御殿場蒸溜所が稼働した1973年に始まり、2023年に50周年を迎えました。
代表ブランドの「富士」は、国内での販売実績が前年の2.7倍に伸長したほか、海外では欧州における展開国をさら
に拡大しました。RTDカテゴリーでは、主力の「キリン氷結®」ブランドが好調に推移しました。特に「キリン氷結®
無糖」シリーズが、年間の販売目標を10月に達成するなど、前年比35%増と大きく伸長しました。また、高付加価
値RTD商品として、「キリン上々焼酎ソーダ」を10月に発売し、食事に合うRTDとして新たな需要を開拓しました。
これらの結果、売上収益は3.2%増加し6,849億円となりました。また、事業利益は、原材料等の高騰影響を上回
る価格改定効果等により、4.1%増加し777億円となりました。
<国内飲料事業>
国内の清涼飲料市場は、原材料価格の高騰等厳しい環境の中でも、猛暑や健康意識の高まりにより、夏場の需要
や健康市場は拡大しました。「午後の紅茶」ブランドは、主力の「キリン午後の紅茶」をリニューアルし夏の需要
拡大に取り組みました。また、「キリン午後の紅茶おいしい無糖ミルクティー」を発売し無糖紅茶の強化を図り、
「午後の紅茶」ブランド全体は前年比2%増となりました。「生茶」ブランドからは、「キリン生茶リッチ」を9
月に発売し、販売開始から2週間で1,000万本を突破するなど、好調に推移しました。注力するヘルスサイエンス領
域では、プラズマ乳酸菌入り飲料を中心に、お客様のニーズに合わせた多様な商品を市場に投入し、「免疫ケア」
の習慣化に取り組みました。新たに発売した「キリンおいしい免疫ケア」シリーズは、「キリンおいしい免疫ケア
カロリーオフ」と「キリンおいしい免疫ケア睡眠」も加わり、2022年から同容器で発売していた商品と比べて、販
売数量は3.4倍に拡大しました。また、「iMUSE」ブランドは、好評な「キリンiMUSE ヨーグルトテイスト」を11月
にリニューアルし、健康意識の高まる冬に向けて強化しました。これらの結果、プラズマ乳酸菌入り飲料の販売数
量は前年比35%増と大きく伸長しました。㈱ファンケルとの取り組みでは、「キリン×ファンケルカロリミット
アップルスパークリング」や「キリン×ファンケルカロリミットブレンド茶」等を共同開発し、シナジーを創出し
ました。
これらの結果、売上収益は4.8%増加し2,550億円となりました。また、原材料等の高騰影響を価格改定効果で相
殺したものの、販売数量減やブランド投資の実施等により、事業利益は10.1%減少し169億円となりました。
<オセアニア酒類事業>
豪州の酒類市場は、新型コロナの影響が収束する一方、インフレ率が高い水準で推移し、Lionもその影響を受け
ました。その中で主力ブランドの強化に取り組んだ結果、健康意識の高まりを捉えた「Hahn(ハーン)」の販売が好
調だったほか、「XXXX(フォーエックス)」等も堅調に推移しました。また、成長するRTDカテゴリーにおいて麒麟麦
酒㈱が展開する「キリン氷結®」ブランドの、豪州での製造を新たに開始し、豪州・ニュージーランドで販売を開始
しました。北米で注力するクラフトビール事業では、New Belgium Brewingの「Voodoo Ranger(ブードゥー・レン
ジャー)」が引き続き好調に推移したことに加え、Bell's BreweryもNew Belgium Brewingとの統合効果により、好
調に推移しました。
これらの結果、円ベースの売上収益は9.8%増加し2,810億円となりました。また、構造改革等のコスト削減の取
り組みにより、事業利益は円ベースで2.7%増加し324億円となりました。
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<医薬事業>
協和キリン㈱は、同社の中期経営計画の3年目にあたる2023年も、日本発のグローバル・スペシャリティファー
マとして、成長に向けた取り組みを進めました。グローバル戦略品の「Crysvita」は、北米における自社販売を開
始し、前年比20%増と順調に推移しました。開発パイプラインについては、「KHK4083(一般名:rocatinlimab)」等
が順調に進捗する一方、「RTA 402」は開発を中止しました。また、今後の新薬創出力強化に向け、造血幹細胞遺伝
子治療を用いた製品や開発品を持ち、事業に必要なプラットフォームを確立しているOrchard Therapeutics plcの
株式取得のための契約を締結しました。
これらの結果、北米を中心としたグローバル戦略品等の海外医薬品売上の増加により売上収益は11.1%増加し
4,419億円となりました。また、事業利益は、研究開発費が増加したものの、売上収益増収に伴う売上総利益の増加
により、16.4%増加し960億円となりました。
また、その他の主な各事業の業績は以下の とおり です。
(協和発酵バイオ㈱)
協和発酵バイオ㈱では、スペシャリティ素材に注力し、収益改善を進める構造改革に取り組みました。海外で展
開する「Cognizin®」の販売が堅調に推移したほか、「HMO(ヒトミルクオリゴ糖)」は、展開予定各国で規制当局か
らの承認が進みました。一方で、市場の競争激化に加え、原料価格や燃料価格の高騰により、アミノ酸事業を中心
に厳しいビジネス環境が続きました。これらの結果、売上収益は0.8%増加し514億円、事業損失は85億円となりま
した。
(メルシャン㈱)
メルシャン㈱では、輸入ワインや原材料に対する円安影響により、主力のワイン事業が大きく影響を受ける中、
収益性の高い自社ブランドの育成を進めました。日本ワインの「シャトー・メルシャン」では、「シャトー・メル
シャン椀子ワイナリー」が「ワールドベストヴィンヤード2023」でアジア最高位を獲得したほか、イタリアへの輸
出を開始しました。「Mercian Wines (メルシャン・ワインズ)」ブランドでは、スパークリングワインの「カン
ティアーモ」や、小容量サイズの「サニーサイドオーガニックスパークリング缶」を発売し、好調に推移しまし
た。これらの結果、売上収益は6.5%増加し644億円、事業利益は8億円となりました。
(Coke Northeast)
米国の飲料市場は、インフレによる物価の上昇が続く中でも消費は底堅く推移しました。Coke Northeastでは、
炭酸飲料やプレミアムミネラルウォーターを中心に販売が順調に推移しました。また、工場や物流拠点の構造改革
やICT導入などオペレーション改革や、価格改定効果等により、高い収益性を一層向上させました。これらの結果、
売上収益は15.7%増加し2,501億円、事業利益は29.0%増加し339億円となりました。
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③生産、受注及び販売の状況
(ⅰ) 生産実績
当年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 金額(百万円) 前年同期比(%)
国内ビール・スピリッツ 677,769 4.8
国内飲料 126,319 △0.7
オセアニア酒類 286,270 8.5
医薬 145,370 △4.4
その他 300,092 6.1
合計 1,535,820 4.3
(注) 金額は、販売価格によっております。
(ⅱ) 受注状況
当社グループの製品は見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しています。
(ⅲ) 販売実績
当年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 金額(百万円) 前年同期比(%)
国内ビール・スピリッツ 684,863 3.2
国内飲料 255,028 4.8
オセアニア酒類 280,990 9.8
医薬 441,882 11.1
その他 471,630 10.0
合計 2,134,393 7.3
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
相手先
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
金額(百万円) 割合(%) 金額(百万円) 割合(%)
三菱食品㈱ 220,074 11.1 230,872 10.8
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
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(3) 財政状態
①事業全体の状況
当年度末の資産合計は、前年度末に比べ 3,273億円増加 して 2兆8,696億円 となりました。有形固定資産、のれ
ん、及び無形資産については、Blackmores Limitedの買収や為替変動の影響等によって、前年度末に比べ2,360億円
の増加となりました。また、現金及び現金同等物が前年度末比433億円増加しました。一方、Myanmar Brewery
Limitedの売却等により、売却目的で保有する資産が461億円減少しました。
資本は、利益剰余金が647億円増加、その他の資本の構成要素が921億円増加し、前年度末に比べ 1,726億円増加 し
て 1兆4,258億円 となりました。その他の資本の構成要素の増加要因は、主に円安の影響によって在外営業活動体の
換算差額が901億円増加した影響です。
負債は、前年度末に比べ 1,547億円増加 して 1兆4,437億円 となりました。2023年10月にBlackmores Limitedの買
収に伴うソーシャルボンド600億円を含む社債930億円を発行したこと及び新規借入等により、社債及び借入金が
1,333億円増加しました 。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は 39.5% 、グロスDEレシオは 0.58倍 となりました。
②セグメント情報に記載された区分ごとの状況
<国内ビール・スピリッツ>
当年度末のセグメント資産は、その他の非流動資産が増加したこと等により、前年度末に比べ 110億円増加 して
4,431億円 となりました。
<国内飲料>
当年度末のセグメント資産は、設備投資による有形固定資産の増加及びその他の非流動資産が増加したこと等に
より、前年度末に比べ 145億円増加 して 1,477億円 となりました。
<オセアニア酒類>
当年度末のセグメント資産は、為替変動の影響等によって、のれん及び有形固定資産が増加したこと等により、
前年度末に比べ 605億円増加 して 6,072億円 となりました。
<医薬>
当年度末のセグメント資産は、欧州エスタブリッシュト医薬品事業の合弁化に伴う持分法で会計処理されている
投資の増加及び 為替変動の影響等による有形固定資産やのれんの増加、並びに現金及び現金同等物が増加したこと
等により、 前年度末に比べ 911億円増加 して 9,714億円 となりました。
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(4) キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フロー及び流動性の状況
当年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前年度末 に比べ433億円増加 の 1,314億円
となりました。活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の 収入 は前年同期 に比べ676億円増加 の 2,032億円 となりました。非資金損益項目である 減損
損失 が 362億円減少 したものの、 持分法で会計処理されている投資の売却益 が 326億円減少 し、 子会社株式売却損 も
191億円増加 した他、運転資金の 流出 が 149億円減少 したこと等により、 小計 では 334億円の増加 となりました。 小計
以下でも 法人所得税の支払額 が 322億円減少した こと等により、営業活動によるキャッシュ・フローが前年同期比で
増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は前年同期 に比べ2,157億円増加 の 2,261億円 となりました。当年度の資金の収入に
は、 子会社株式の売却 や政策保有株式の縮減に向けた取組みを引き続き推進したことによる 投資の売却がそれぞれ
80億円 ありました。一方、当年度に豪州子会社を通じてBlackmores Limited に対する支配を獲得した ことにより 子
会社株式の取得による支出 が前年同期 に比べ1,159億円増加 したことや前年度の華潤麒麟飲料(大中華)有限公司売却
の影響で 持分法で会計処理されている投資の売却による収入 が前年同期 に比べ982億円減少 となったことなどが前年
同期比の支出増加要因となりました。なお、有形固定資産及び無形資産の取得については、前年同期 に比べ153億円
増加 の 1,138億円 を支出しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の収支は 359億円の収入 (前年同期は 1,678億円の支出 )となりました。これは、 Blackmores
Limitedの買収に伴い 有利子負債が 1,630億円増加 した他、前年度に株主還元の拡充を目的とした自己株式取得を実
行した影響で 自己株式の取得による支出 が 500億円減少 したことなどが要因となります。なお、 安定した株主還元を
継続的に行う方針に基づき、 平準化EPSに対する連結配当性向40%以上の配当を実施しており、非支配持分を含めた
配当金の支払いは 712億円 となりました。
当社グループは、引き続き「BS(バランスシート)・PF(ポートフォリオ)マネジメントによるキャッシュ創
出」により生じる資金を「機動的な株主還元施策」と「成長ドライバー獲得への規律ある投資」に振り向け、適切
な利益還元と企業価値の向上に繋げていきます。
②資本政策の基本的な方針
当社は、2022年中計にて策定した資本政策に基づき、事業への資源配分及び株主還元について以下の通り考えて
おります。
事業への資源配分については、ヘルスサイエンス領域を中心とした成長投資を最優先としながら、既存事業の強
化・収益性改善に資する投資を行います。また、将来のキャッシュ・フロー成長を支える無形資産(ブランド・研
究開発・ICT・人的資本など)及び新規事業創造への資源配分を安定的かつ継続的に実施します。なお、投資に際し
ては、グループ全体の資本効率を維持・向上させる観点からの規律を働かせます。
株主還元についても、経営における最重要課題の一つと考えており、1907年の創立以来、毎期欠かさず配当を継
続しております。「平準化EPSに対する連結配当性向40%以上」による配当を安定的かつ継続的に実施するととも
に、自己株式の取得については、追加的株主還元として最適資本構成や市場環境及び投資後の資金余力等を総合的
に鑑み、実施の是非を検討していきます。
資金調達については、経済環境等の急激な変化に備え、金融情勢に左右されない高格付けを維持しつつ、負債に
よる資金調達を優先します。中長期的な目標達成に必要とされる投資に係る資金調達により支配権の変動や大規模
な希釈化をもたらす資金調達については、ステークホルダーへの影響等を十分に考慮し、取締役会にて検証及び検
討を行った上で、株主に対する説明責任を果たします。
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5 【経営上の重要な契約等】
(協和キリン㈱のアトピー性皮膚炎治療薬「KHK4083」の共同開発・販売に関する契約)
当社の連結子会社である協和キリン㈱(以下「協和キリン」)は、Amgen Inc.(以下「アムジェン」)とヒト型
抗OX40モノクローナル抗体KHK4083の自己免疫疾患であるアトピー性皮膚炎等を対象とした共同開発・販売に関する
契約を2021年6月1日付で締結し、本契約は米国の独占禁止法に基づく待機期間が終了したことを受けて、2021年
7月31日に発効しております。
KHK4083は協和キリンが保有している「完全ヒト抗体作製技術」と抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)を高める
®
「POTELLIGENT 技術」を利用したヒト型抗OX40モノクローナル抗体であり、活性化T細胞を選択的に減少させること
が確認されています。現在、G7地域で約3,000万人以上が罹患しているアトピー性皮膚炎を対象として、本剤は米
国、欧州、日本で開発が進められており、アトピー性皮膚炎の治療薬としてファーストインクラスになりうる開発
品です。
ADCC活性を高める協和キリンのPOTELLIGENT技術を利用した抗体医薬品は、現在、がんや喘息などの治療分野で応
用されています。このADCC活性を高める協和キリンのPOTELLIGENT技術は、多くの製薬会社にもライセンスされてい
ます。
当契約に基づき、アムジェンは本剤の開発や製造を主導し、協和キリンが単独で販売活動を担当する日本を除
き、グローバルでの販売活動を主導します。また、両社は米国において本剤のコ・プロモーションを行い、協和キ
リンは米国以外(日本を除く欧州及びアジア)においてコ・プロモーションを行う権利を有しています。アムジェ
ンは、前連結会計年度において協和キリンに400百万ドルの契約一時金を支払い、今後最大850百万ドルのマイルス
トンと全世界での売上に対するロイヤルティーを支払います。両社は、日本を除く全世界での開発費及び米国での
販売にかかる費用を折半します。なお、日本を除く全世界の市場における本剤の売上はアムジェンに計上されま
す。さらにアムジェンは、子会社であるdeCODE Genetics社の独自データを活用し、KHK4083のさらなる開発可能性
も検討します。
(Blackmores Limitedの株式取得について)
当社は、豪州企業Blackmores Limitedと、同社発行済株式100%の取得に関する契約を2023年4月26日に締結し、
2023年8月10日に株式取得を完了しました。
詳細につきましては、「第5 [経理の状況] 1[連結財務諸表等] [連結財務諸表注記] 38.企業結合」に記
載のとおりであります。
(Orchard Therapeutics plcの株式取得について)
当社の連結子会社である協和キリン㈱は、英国のバイオ医薬品企業Orchard Therapeutics plc と、同社発行済株
式100%の取得に関する契約を2023年10月5日に締結し、2024年1月24日に株式取得を完了しました。
詳細につきましては、「第5 [経理の状況] 1[連結財務諸表等] [連結財務諸表注記] 39.後発事象」に記
載のとおりであります。
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6 【研究開発活動】
当社グループでは、長期経営構想キリングループ・ビジョン2027(KV2027)のイノベーションを実現する組織能力
の一つとして「確かな価値を生み出す技術力」を掲げています。従来から強みを持つ発酵・バイオテクノロジー、
パッケージング、エンジニアリングをより発展させるとともに、知的財産の取り組みにも力を入れています。当社グ
ループの研究開発活動は、食領域、ヘルスサイエンス領域においては、キリンホールディングス㈱の4研究所(キリ
ン中央研究所、ヘルスサイエンス研究所、飲料未来研究所、パッケージイノベーション研究所)及び各事業会社の研
究所で行っています。また、医領域においては、協和キリン㈱が中心に研究開発活動を行い、さらに医薬品にとどま
らない価値提供も目指してキリンホールディングス㈱との協働取り組みを推進しています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は 849 億円です。セグメントごとの主な研究開発成果は以下の通
りで、キリンホールディングス㈱の研究開発費は<全社(共通)>に含まれています。
<国内ビール・スピリッツ事業>
国内ビール・スピリッツ事業は、麒麟麦酒㈱が、キリンホールディングス㈱の研究所と連携しながら研究・技術開
発並びに商品開発を実施しています。
「キリン一番搾り生ビール」を中味・パッケージともに1月にリニューアルしました。麦汁の仕込み工程を見直
し、麦本来の澄んだうまみを最大限引き出すことで、飲みごたえの向上と雑味・渋みを抑えた飲みやすい後口を実現
しました。また、「キリン一番搾り 糖質ゼロ」を中味・パッケージともに4月にリニューアルしました。フローラル
な香りを持ちつつ穏やかな苦みが特長のザーツホップを新規で採用することにより、ビールの上品な苦みや味の厚み
が生まれ、飲みごたえを向上させると共に、トラディションホップの増量によって、柑橘様のフルーティな香りの印
象を高め、後味がより爽やかに感じるよう進化させました。
クラフトビールブランドである「SPRING VALLEY (スプリングバレー)」の「SPRING VALLEY 豊潤<496>」を中
味・パッケージともに1月にリニューアルしました。希少な「日本産ホップ」を含む5種類のホップの比率を調整
し、ホップを7日間漬け込む当社の技術「ディップホップ製法」のホップを増量しました。それにより、ホップの華
やかな香りを引き出し、苦味の質を穏やかにすることで、豊潤でありながらすっきりとしたバランスの良いおいしさ
はそのままに、より心地よい後味へ進化しました。「SPRING VALLEY シルクエール<白>」を中味・パッケージとも
に7月にリニューアルしました。ホップの配合比率を調整し、より「まろやかさ」と「華やかな香り」が引き立つ味
わいへ進化しました。また、「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」を10月に新発売しました。華やかな香りが感じられ
る海外ホップと、いちじくやみかん、マスカットのようなユニークで爽やかな香りの日本産ホップを組み合わせ、双
方の良いところを引き出し調和させることで、お客様の味覚に合う爽やかな香りを実現しました。
※1
RTD カテゴリーでは、新ブランド「キリン 上々 焼酎ソーダ」を10月に発売しました。メルシャン八代不知火
蔵の本格麦焼酎原酒を一部使用し、「米麹抽出物」や「食塩」といった焼酎の特長を引き立てる素材を使用すること
で、焼酎の本格感や満足感を感じられながら、クセがなくすっきり爽やかな味覚を実現しました。また、新ブランド
「麒麟百年 極み檸檬サワー」を4月に発売しました。皮ごと搾ったレモン果汁を含む複数のレモン果汁に、ビール酵
母で発酵させたレモン果汁を加え、さらにビールの泡にヒントを得た独特の泡立ちにより、なめらかな口当たりと
ギュッと詰まったレモン感を実現し、お酒としての満足感と飲みやすさを両立したおいしさに仕上げました。この味
覚特長を実現する技術は、「発泡性アルコール飲料で、『炭酸による刺激感や爽快感が抑制されたまろやかな口当た
り』と、『柑橘香の良好な香り立ち』を両立する技術」として特許出願中です。
当事業に係る研究開発費は 8 億円です。
※1 Ready to Drinkの略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料
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キリンホールディングス株式会社(E00395)
有価証券報告書
<国内飲料事業>
国内飲料事業は、キリンビバレッジ㈱が、キリンホールディングス㈱の研究所と連携しながら研究・技術開発並び
に商品開発を実施しています。
キリンの独自素材「プラズマ乳酸菌」を配合した「健康な人の免疫機能の維持をサポート」する機能性表示食品
「キリン おいしい免疫ケア」を3月に新発売しました。満足感のある飲みごたえがありながらも、ほどよい甘さと
酸味でさわやかなおいしさに仕上げました。また、「プラズマ乳酸菌」に加え「GABA」も配合した、“免疫ケア”と
“睡眠の質向上”をサポートするダブルヘルスクレームの機能性表示食品「キリン おいしい免疫ケア 睡眠」を10月
に新発売しました。
「キリン 午後の紅茶」から「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖 ミルクティー」を3月に新発売しました。茶葉に
こだわり、ミルクティーでありながらも無糖でスッキリとしたおいしさを実現しました。「キリン 生茶」を味覚・
パッケージデザインともに4月にリニューアルしました。原料の配合バランスを見直すことで、お茶感を担保しなが
ら、よりすっきりとした味わいにブラッシュアップしました。環境に貢献する取り組みとして「キリン 生茶」「キリ
ン 生茶 ほうじ煎茶」(525ml)に、再生PET樹脂を100%使用した「R100ペットボトル」を順次拡大しました。
「キリン 生茶 リッチ」を9月に新発売しました。約8時間以上かけて10μm(=0.01mm)以下まで粉砕した「微粉
砕かぶせ茶」をぜいたくに「キリン 生茶」の10倍使用し、さらに、じっくりうまみを引き出す45℃抽出を主に、複数
の温度帯で淹れた抽出液をブレンドすることで、苦渋みを抑えた深いうまみを感じる味わいに仕上げるなど、手間と
時間をかけた工程をあえて採用し、本当においしい緑茶を追求しました。
※1 ※2
キリンビバレッジ湘南工場で、リサイクルレジン を100%使ったペットボトルのプリフォーム の製造を3月よ
※3 ※4
り開始しました。(1)リサイクルレジンの製造工程では、バージンレジンと比べ、GHG 排出量を50~60%削減 、
※5
(2)「R100ペットボトル 」の安定した調達量の確保、(3)容器包装の自社製造による品質管理の精度向上 の3点の
効果を見込んでいます。
人手不足や待機車両時間などの物流の2024年問題に向けた取り組みとして三菱重工業株式会社と三菱重工グループ
※6
の三菱ロジスネクスト株式会社とともに行った、飲料出荷拠点への「自動ピッキングソリューション 」導入に関す
る共同実証において、物流現場への実効性が検証されたことから、海老名物流センター(神奈川県海老名市)に本ソ
リューションを2024年12月に導入することを決定しました。
当事業に係る研究開発費は 9 億円です。
※1 使用済みのペットボトルを粉砕・洗浄して造られたPET容器の原料となる樹脂
※2 膨らませる前のペットボトルの原型。試験管のような形をしている
※3 GreenHouse Gas:温室効果ガス
※4 キリングループ環境報告書2022
※5 再生PET樹脂を100%使用したペットボトル
※6 三菱重工グループが開発した、ピッキング作業を自動化・知能化したソリューション
<オセアニア酒類事業>
近年、豪州では多様性のある消費の拡大や、技術力の向上による味覚評価の高まり、爽快感を感じられることなど
を背景にRTD市場が拡大しています。
オセアニア酒類事業を担うLION Pty Ltdは、キリンホールディングス㈱が長年培った技術を活用しながら、オース
トラリアおよびニュージーランドの市場およびお客様の嗜好に合った商品中味や容器の開発に取り組んできました。
2023年8月、「氷結®」の特長である「みずみずしく、スッキリとしたおいしさ」はそのままに、豪州での健康志向
ニーズの高まりに合わせ、糖類0.3g未満・カロリー116kcal・アルコール度数6%の「KIRIN HYOKETSU LEMON」を新た
に開発し、発売しました。
当事業に係る研究開発費は 0 億円です。
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<医薬事業>
協和キリン㈱グループは、研究開発活動へ資源を継続的かつ積極的に投入しています。多様なモダリティを駆使し
て画期的新薬を生み出すプラットフォームを築く技術軸と、これまで培った疾患サイエンスを活かしつつ有効な治療
法のない疾患に"only-one value drug"を提供し続ける疾患軸の両方を進化させ、競合優位性の高いパイプラインを構
築し、Life-changingな価値をもつ新薬をグローバルに展開することを目指しています 。
主な後期開発品の各疾患領域における進捗は、次のとおりです。(◆は当第4四半期連結会計期間の進捗)
腎領域
KHK7580(日本製品名:オルケディア)
・中国において二次性副甲状腺機能亢進症を適応症とする販売承認申請中です(2022年7月申請)。
◆11月に韓国において二次性副甲状腺機能亢進症を適応症とする販売承認を取得しました。
KW-3357(日本製品名:アコアラン)
◆日本において妊娠高血圧腎症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施しましたが、臨床試験結果を踏まえ開発中止を
決定しました。
KHK7791(日本製品名:フォゼベル)
・9月に日本において透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善を適応症とする製造販売承認を取得しま
した。
がん領域
KRN125(日本製品名:ジーラスタ)
・7月に日本において自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員を適応症とする承認事項一部
変更承認申請を行いました。
免疫・アレルギー疾患領域
KHK4827(日本製品名:ルミセフ)
・日本において全身性強皮症を予定適応症とする承認事項一部変更承認申請中です(2021年12月申請)。
・8月に日本において掌蹠膿疱症を適応症とする承認事項一部変更承認を取得しました。
その他
AMG531(日本製品名:ロミプレート)
・9月に日本において既承認効能の「既存治療で効果不十分な再生不良性貧血」を「再生不良性貧血」に変更する
承認事項一部変更承認を取得しました。
当事業に係る研究開発費は 718 億円です。
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<その他・全社(共通)>
メルシャン㈱は、キリンホールディングス㈱の研究所と連携しながらワインの研究・技術開発並びに商品開発を実
施しています。
「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」シリーズから、「おいしい酸化防止剤無添加赤ワイン 濃厚ストロング」を8
月に全国で新発売しました。ワインに濃厚な味わいと飲みごたえを求めるお客様の声にお応えし、ブドウ本来の濃さ
を感じられる果汁や酵母を厳選しポリフェノールをたっぷり含有することで、濃厚な味わいと、飲みごたえを高めま
した。
世界の造り手とメルシャンの造り手が日本のお客様のために共に創るワインブランド「Mercian Wines(メルシャ
ン・ワインズ)」から、ブランド初のボトル缶ワインとして「メルシャン・ワインズ サニーサイド オーガニック ス
パークリング 缶」(白・280ml)を8月に全国で新発売しました。「サニーサイド オーガニック」は、スペインのワ
イナリー「ペニンシュラ」と共創した、優しい味わいのスペインオーガニックワインで、「おいしく品質の良い、気
軽に楽しめるオーガニックワイン」として好評をいただいている特長はそのままに、日本のお客様に向けた「スパー
クリングワイン」として開発しました。また、「メルシャン・ワインズ カンティアーモ スプマンテ」(ブリュッ
ト・ロゼ・750ml)を8月に全国で新発売しました。「飲みやすさ」「食事に合う味」に加え、華やかな香りや際立つ
フレッシュさにこだわり、どんな食事にも合う爽やかなおいしさと華やかな果実感が魅力です。
7月に山梨県で開催された「Japan Wine Competition(日本ワインコンクール)2023」において、「シャトー・メ
ルシャン 桔梗ヶ原メルロー シグナチャー 2018」「同 桔梗ヶ原メルロー 2018」「同 北信右岸シャルドネ
リヴァリス 2020」の計3品が金賞を受賞しました。また、「同 山梨甲州 2022」など4品が銀賞を、「同 北信左
岸シャルドネ リヴァリス 2020」など5品が銅賞を受賞しました。
アジア最大級の国際ワインコンクール「香港インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション
2023」の「ワインアワード部門」で、「シャトー・メルシャン 玉諸甲州きいろ香 2022」が金賞及び、出品された日
本ワインの中で最高評価を得たワインに贈られる「ベスト日本ワイントロフィー」を受賞しました。同時に、「シャ
トー・メルシャン 山梨甲州 2022」など2品が金賞、4品が銅賞を受賞しました。
協和発酵バイオ㈱は、「シチコリン」や「ヒトミルクオリゴ糖」をはじめとする、高収益型のプロダクトパイプラ
インを多数持つグローバル・スペシャリティ発酵メーカーを目指し、長年培ってきた最先端の発酵技術の研究開発に
引き続き注力しています。
「シチコリン」については、協和発酵バイオ山口事業所での設備増設工事を竣工し、2023年11月に稼働開始しまし
た。グローバルな安定供給体制を整えることにより、加齢に伴う脳機能低下予防、集中力やパフォーマンスの向上と
いったニーズに応えます。
※1
協和発酵バイオが世界で初めて 工業レベルでの生産システムを構築した「ヒトミルクオリゴ糖」については、
2022年11月にタイに新設した最先端の工場で3品目の商業生産を開始しました。「ヒトミルクオリゴ糖」は母乳に含
※2
まれるオリゴ糖の総称で、ビフィズス菌などの善玉菌の栄養素となる物質、プレバイオティクス です。ヒトの消化
酵素によって代謝されず大腸まで到達し、腸内細菌によって代謝され、様々な生理機能を発揮します。研究が進むに
つれ、乳児の「栄養素」に加えて「機能性成分」としての働きが期待されています。
3品目の「ヒトミルクオリゴ糖」については、製造に用いる菌株が、中国農業農村部(The Ministry of
Agriculture and Rural Affairs of The People’s Republic of China, MARA )の安全性審査に合格しました。米国
※3
においては、米国食品医薬品庁(FDA:Food and Drug Administration)への GRAS 通知手続きが完了しました。本
※4
通知によって、米国において一般の育児用ミルク や食品に協和発酵バイオの製品が使用可能になりました。また、
3品目のうち6SL(6’-sialyllacotse sodium salt)が、欧州連合の欧州委員会により新規食品(Novel Food)とし
て承認されました。本承認によって、2023年11月13日より、欧州連合加盟27カ国で製造・販売する乳児用ミルクや食
品に、協和発酵バイオの6SL が使用可能になりました。今後、「ヒトミルクオリゴ糖」のニーズが高い世界各国への
展開を通じて「健康」に関する社会課題の解決に貢献します。
※1 Tetsuo Endo et. al.,Appl. Microbiol. Biotechnol. 53, 257-261 (2000)
※2 人体に有益な微生物の選択的栄養源となり、それらの成長や増殖を促す物質
※3 Generally Recognized As Safeの略。「一般に安全とみなされている」という意味で、一定の使用目的にお
ける条件下での安全性を証明するもの
※4 医学的もしくは食事上の問題を有する乳児に使用する特殊なミルクを除く、乳児用ミルクおよびフォロー
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キリンホールディングス㈱は、独自素材である「プラズマ乳酸菌」を中心に、ヘルスサイエンス事業の拡大に繋が
る研究開発に引き続き注力しています。2023年4月1日には、ヘルスサイエンス領域の研究開発を更に加速させるた
めに、新たに「ヘルスサイエンス研究所」を設置しました。ヘルスサイエンス研究所の新設により、市場やお客様の
健康課題をより正確に把握し、最先端のヘルスサイエンス研究成果を創出し、事業活用を加速させる体制へ移行しま
す。また、新たな機能開発や機能性表示食品化の加速、研究とマーケティングの連動による素材の機能認知向上を目
指します。
プラズマ乳酸菌の発見・研究・事業化について、世の中を変革する優れたイノベーション事例を表彰する「第11回
技術経営・イノベーション大賞」(主催:一般社団法人科学技術と経済の会)において文部科学大臣賞を受賞しまし
た。更に、小岩井乳業㈱とともに、乳酸菌を含む免疫賦活用食品組成物の発明(特許第6598824号)が、「令和5年度
全国発明表彰」(主催:公益社団法人 発明協会)において「恩賜発明賞」を受賞しました。恩賜発明賞の受賞は、両
社が共同開発・事業展開を行うプラズマ乳酸菌の発見・商品化に関する発明、取り組みが評価されたもので、健康食
品素材としては初、食品企業では59年ぶりの受賞です。
プラズマ乳酸菌に関しては、国立大学法人長崎大学により、プラズマ乳酸菌を用いた新型コロナウイルス感染症
(COVID-19)患者に対する特定臨床研究が行われました。今回の特定臨床研究では、主要評価項目である自覚症状総
合スコアでは明らかな効果は示されませんでしたが、プラズマ乳酸菌の作用によって免疫系の司令塔であるプラズマ
※1
サイトイド樹状細胞(以下pDC )が維持された結果、新型コロナウイルスが早期から減少し、嗅覚・味覚障害の早
期回復につながっている可能性が示唆されました。プラズマ乳酸菌が新型コロナウイルス感染症に対する新たな予
防、治療法の一つになることを期待しています。
免疫領域の研究において、和歌山県立医科大学が主宰し、NPO法人ヘルスプロモーション研究センターが取りまとめ
※2
ているコホート研究 「わかやまヘルスプロモーションスタディ」に花王㈱とともに参画し、2022年11月から内臓脂
※3
肪と、pDCの活性 について、その関連を調査する研究を共同で実施しました。本研究では、内臓脂肪と免疫活性の
関連性を調査し、内臓脂肪が多いとpDC活性が低い(免疫機能が低い)こと、また、内臓脂肪が多く、かつpDC活性が
※4
低いと、新型コロナウイルス感染症・インフルエンザの罹患リスクが高いことを日本で初めて 確認しました。この
※5
事実は世界でもまだ論文報告されていない 発見です。
独自に発見・開発した「熟成ホップ」に関して、「脳腸相関活性化により認知機能改善と体脂肪低減作用を有する
熟成ホップの発見と事業応用」について、研究と事業応用が高く評価され、公益社団法人日本農芸化学会の2023年度
「農芸化学技術賞」を受賞しました。また、民間が主体となって行う農林水産業その他関連産業に関する優れた研究
開発を表彰する「民間部門農林水産研究開発功績者表彰」(主催:農林水産省及び公益社団法人農林水産・食品産業
技術振興協会)において、公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会会長賞を受賞しました。エビデンスに基づ
いた食品素材として、「熟成ホップ」を活用した社会実装を進めています。
※6
明治大学 宮下芳明研究室との共同研究で、減塩食品の塩味を約1.5倍 に増強させる独自の電流波形を開発しまし
た。減塩に関する悩みを抱えるお客様が、おいしく生活習慣の改善ができるサービスの実現を目指し、この電流波形
を用いた技術を搭載したスプーン、お椀型の「エレキソルト」デバイスを開発しました。2024年中の日本国内での発
売を目指して、小売店舗やECサイト、社員食堂など、さまざまなチャネルでの需要性を確認する実証実験を展開して
います。なお、2023年のイグ・ノーベル賞にて、明治大学の宮下先生は「イグ・ノーベル賞(栄養学)」を受賞され
ています。
※7 ※8
環境領域の研究において、高効率・環境負荷低減を実現する、PET ケミカルリサイクル 技術の開発に取り組
みました。PETを分解する工程を、短時間・低エネルギーで実現する「アルカリ分解法」を開発しました。また、早稲
※9
田大学との共同研究で、PET分解後のモノマー を精製する工程において、環境負荷軽減とコスト削減を両立した
「電気透析」による精製法を開発しました。この2つの技術は特許出願中であり、組み合わせて使用することで、分
解・精製工程で使用する化学薬品のリサイクル利用も可能になります。
グループ会社との連携について、㈱ファンケルとヘルスサイエンス領域でのAIを活用した研究開発などについて、
引き続き協働を進めています。また、アジア・パシフィックにおいて、サプリメントなどの健康食品(ナチュラル・
ヘルス)事業を展開している豪州企業Blackmores Limitedを子会社化しました。これにより、ヘルスサイエンス事業
の商品ラインアップやケイパビリティが充実し、展開地域と共に成長機会と事業規模が拡大します。両社の展開する
事業領域で幅広くシナジーを創出することで、より多くの健康に関する社会課題を解決していきます。
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その他の事業及び全社(共通)に係る研究開発費は 114 億円です。
※1 細菌やウイルスが体内に入ってきたときに重要な働きをする司令塔役の免疫細胞。pDCが活性化することに
よって、NK細胞やT細胞、B細胞などさまざまな免疫細胞が活発に働きウイルス感染から防御する。
※2 疾病の要因と発症の関連を調べるための観察的研究の手法のひとつ。特定の疾病要因に関わっているグルー
プと無関係のグループを作り、それぞれのグループの中での対象疾病発生率を算出することで、要因と疾患
発症の関連性を調べることが可能。
※3 ウイルス感染を模した刺激を与えた際の抗ウイルス因子をつくるpDCの割合
※4 PubMed及び医中誌Webに掲載された論文情報・抄録情報に基づく(2023年11月22日現在 「pDC活性×内臓脂肪
×感染症罹患」で検索 ナレッジワイヤ調べ)。
※5 PubMed及び医中誌Webに掲載された論文情報に基づく(2023年11月22日現在 「pDC活性×内臓脂肪×感染症罹
患」で検索 ナレッジワイヤ調べ)。
※6 一般食品を模したサンプルと、食塩を30%低減させたサンプルでの塩味強度に関する評価の変化値。エレキソ
ルトの技術(電流0.1~0.5 mA)を搭載した箸を用いた試験。現在または過去に減塩をしている/していた経
験のある40~65歳男女31名に対し、試験用食品を食した際に感じた塩味強度をアンケートしたところ、31名
中29名が「塩味が増した」と回答。
※7 ポリエチレンテレフタラート
※8 PETの中間原料まで分解、精製したものを再びPETに合成する方法
※9 PET(ポリマー)を構成する最小の単位
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第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループは、効率的な生産体制の構築を図りながら、お客様のニーズにお応えする製品を提供するため、設備
投資を行いました。当年度の設備投資の総額は 90,786 百万円であります。
国内ビール・スピリッツ事業では、主として麒麟麦酒㈱において、生産基盤の再構築、生産性の向上に向けて、工
場の製造設備の新設・増設等を行いました。その結果、国内ビール・スピリッツ事業の設備投資額は 16,819 百万円と
なりました。
国内飲料事業では、キリンビバレッジ㈱において、 自動販売機の更新等を行ったほか、収益改善等のため工場の製
造設備へ投資を行いまし た。その結果、国内飲料事業の設備投資額は 9,915 百万円となりました。
オセアニア酒類事業では、LION PTY LTDにおいて、生産設備の拡充・合理化などのため、製造設備等への投資を行
いました。その結果、オセアニア酒類事業の設備投資額は 14,729 百万円となりました。
医薬事業では、協和キリン㈱において、生産設備の拡充・合理化及び研究開発力強化などのため、製造設備及び研
究設備への投資を行いました。その結果、医薬事業の設備投資額は 17,678 百万円となりました。
その他の各事業の設備投資額は、 31,644 百万円となりました。
また、当年度において、減損損失 18,332百万円 を計上しております。減損損失の内容については、「第5[経理の
状況]1[連結財務諸表等][連結財務諸表注記] 9.非金融資産の減損」に記載のとおりであります。
2 【主要な設備の状況】
当年度末における状況は、次のとおりであります。
なお、IFRSに基づく帳簿価額にて記載しております。
(1) セグメント別内訳
2023年12月31日 現在
帳簿価額(百万円)
従業員数
セグメントの名称
(人)
建物及び 機械装置
土地 その他 合計
構築物 及び運搬具
4,356
国内ビール・スピリッツ 47,380 40,734 27,428 18,450 133,992
[ 1,278 ]
3,408
国内飲料 9,765 15,596 7,947 14,890 48,198
[ 541 ]
3,956
オセアニア酒類 58,522 89,510 25,493 9,229 182,754
[ 416 ]
5,974
医薬 49,724 11,647 13,044 20,432 94,847
[ 233 ]
11,203
その他 53,209 36,898 18,301 21,859 130,267
[ 1,088 ]
28,897
小計 218,600 194,385 92,213 84,859 590,058
[3,556]
1,286
消去又は全社 4,952 △1,851 △6,490 6,259 2,870
[ - ]
30,183
合計 223,553 192,534 85,723 91,118 592,928
[ 3,556 ]
(2) 提出会社の状況
2023年12月31日 現在
帳簿価額(百万円)
事業所名 セグメント 設備の 従業員数
(所在地) の名称 内容 (人)
建物及び 機械装置 土地
その他 合計
構築物 及び運搬具 (面積千㎡)
本店他
その他
その他の設 1,642 977
(東京都中野区
8,471 1,428 7,375 18,916
備 (177) [-]
全社
他)
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(3) 国内子会社の状況
2023年12月31日 現在
帳簿価額(百万円)
事業所名 セグメント 設備の 従業員数
会社名
(所在地) の名称 内容 (人)
建物及び 機械装置 土地
その他 合計
構築物 及び運搬具 (面積千㎡)
横浜工場他
国内ビー
8工場
23,842 1,427
麒麟麦酒㈱ ル・スピ 製造設備 36,608 33,917 5,669 100,037
(横浜市
(2,669) [106]
リッツ
鶴見区他)
首都圏統括
キリンビバ 本部 その他の 203
国内飲料 12 - - 6,139 6,151
レッジ㈱ (東京都 設備 [20]
千代田区)
湘南工場
キリンビバ (神奈川県 1,980 226
国内飲料 製造設備 4,553 10,048 1,269 17,849
レッジ㈱ 高座郡寒川 (74) [35]
町)
高崎工場
協和キリン 374 546
(群馬県
医薬 製造設備 18,328 7,453 11,295 37,499
㈱ (142) [37]
高崎市)
宇部工場
208
協和キリン (山口県宇 医薬 製造設備 5,015 1,696 - 1,031 7,742
[25]
㈱ 部市)
東京リサー
チパーク
協和キリン
3,366 161
医薬 研究設備 2,690 7 1,453 7,517
㈱
(東京都 (35) [3]
町田市)
富士リサー
チパーク
協和キリン
252 289
(静岡県
医薬 研究設備 4,576 45 1,334 6,206
㈱
(82) [5]
駿東郡
長泉町)
本社(東京
協和キリン 管理設備 1,247 1,259
都千代田 医薬 3,321 844 336 5,749
㈱ 等 (2) [46]
区)
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(4) 在外子会社の状況
2023年12月31日 現在
帳簿価額(百万円)
セグメント 従業員数
会社名
設備の内容
(主な所在地)
の名称 (人)
建物及び 機械装置 土地
その他 合計
構築物 及び運搬具 (面積千㎡)
LION PTY LTD
オセアニア 22,332 2,553
製造設備他 37,638 70,374 8,112 138,457
酒類 (8,691) [378]
(オーストラリア)
Lion Global Craft
オセアニア 3,161 1,403
Beverages Pty Ltd 製造設備他 20,884 19,136 1,117 44,297
酒類 (806) [38]
(オーストラリア)
Coca-Cola
Beverages
5,837 3,492
その他 製造設備他 15,551 16,292 12,692 50,373
(1,388) [35]
Northeast, Inc.
(アメリカ)
LION PTY LTD及びLion Global Craft Beverages Pty Ltdの数値は同社の連結決算数値、
Coca-Cola Beverages Northeast,Inc.の数値は同社の決算数値であります。
(注) 1 金額には使用権資産を含んでおります。消費税等は含んでおりません。
2 帳簿価額「その他」は、「工具器具及び備品」、「建設仮勘定」であります。
3 臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
4 現在休止中の主要な設備はありません。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当年度末における重要な設備の新設計画は次の とおり であります。
なお、重要な設備の除却等の計画はありません。
投資予定金額 着手及び完了予定
事業所名 セグメント
会社名 設備の内容
総額 既支払額
(所在地) の名称
着手 完了
(百万円) (百万円)
高崎工場 バイオ医薬
協和キリン㈱ (群馬県高 医薬 原薬製造設 16,760 1,038 2022年11月 2025年3月
崎市) 備新設
高崎工場
協和キリン㈱ 医薬 倉庫棟新設 7,200 123 2023年10月 2025年10月
(群馬県高
崎市)
山口事業所
キリンバイオ
治験原薬製
(山口県防 その他 12,800 488 2022年10月 2025年6月
造設備
マテリアル㈱
府市)
(注) 上記計画の所要資金は、自己資金により賄う予定であります。
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第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
種類 発行可能株式総数(株)
普通株式 1,732,026,000
計 1,732,026,000
② 【発行済株式】
事業年度末現在 提出日現在
上場金融商品取引所
種類 発行数(株) 発行数(株) 名又は登録認可金融 内容
商品取引業協会名
( 2023年12月31日 ) (2024年3月28日)
東京証券取引所
普通株式 914,000,000 914,000,000 (注)1
(プライム市場)
計 914,000,000 914,000,000 ― ―
(注) 1 完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式(単元株式数は100株)で
あります。
2 米国では、ADR(米国預託証券)により未公開株式流通市場で取引されております。
3 札幌証券取引所、名古屋証券取引所及び福岡証券取引所については、2023年11月9日に上場廃止の申請
を行い、同年12月28日に上場廃止となっております。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
発行済株式 発行済株式 資本準備金 資本準備金
資本金増減額 資本金残高
年月日 総数増減数 総数残高 増減額 残高
(百万円) (百万円)
(千株) (千株) (百万円) (百万円)
2015年2月27日(注) △51,000 914,000 ― 102,046 ― 81,412
(注) 自己株式の消却によるものであります。
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(5) 【所有者別状況】
2023年12月31日 現在
株式の状況(1単元の株式数 100 株)
単元未満
区分 外国法人等 株式の状況
政府及び
金融商品 その他 個人
(株)
地方公共 金融機関 計
取引業者 の法人 その他
団体
個人以外 個人
株主数
3 185 51 2,109 766 542 384,765 388,421 ―
(人)
所有株式数
131 2,773,001 587,703 287,361 2,268,110 1,552 3,206,207 9,124,065 1,593,500
(単元)
所有株式数
0.00 30.39 6.44 3.15 24.86 0.02 35.14 100.00 ―
の割合(%)
(注) 1 自己株式は102,215,135株であり、このうち1,022,151単元については「個人その他」に、35株について
は「単元未満株式の状況」にそれぞれ含めて記載しております。
2 「その他の法人」には、証券保管振替機構名義の株式が70単元含まれております。
(6) 【大株主の状況】
2023年12月31日 現在
発行済株式
(自己株式を
所有株式数 除く。)の
氏名又は名称 住所
(千株) 総数に対する
所有株式数の
割合(%)
日本マスタートラスト信託銀行
港区浜松町二丁目11番3号 144,197 17.76
株式会社(信託口)
株式会社日本カストディ銀行(信
中央区晴海一丁目8番12号 57,717 7.10
託口)
明治安田生命保険相互会社 千代田区丸の内二丁目1番1号
(常任代理人 株式会社日本カス (中央区晴海一丁目8番12号) 31,346 3.86
トディ銀行)
STATE STREET BANK AND TRUST P.O.BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS 02101
COMPANY 505001 U.S.A.
17,856 2.19
(常任代理人 株式会社みずほ銀 (港区港南二丁目15番1号 品川インターシティ
行決済営業部) A棟)
SMBC日興証券株式会社 千代田区丸の内三丁目3番1号 16,127 1.98
STATE STREET BANK WEST CLIENT 1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA
- TREATY 505234 02171,U.S.A.
15,928 1.96
(常任代理人 株式会社みずほ銀 (港区港南二丁目15番1号 品川インターシティ
行決済営業部) A棟)
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON
(常任代理人 香港上海銀行東京 MASSACHUSETTS 10,156 1.25
支店) (中央区日本橋三丁目11番1号)
日本証券金融株式会社 中央区日本橋茅場町一丁目2番10号 10,048 1.23
千代田区丸の内二丁目7番3号 東京ビルディ
JPモルガン証券株式会社 9,357 1.15
ング
THE BANK OF NEW YORK MELLON 240 GREENWICH STREET,NEW YORK,NY 10286,
140044 U.S.A.
8,593 1.05
(常任代理人 株式会社みずほ銀 (港区港南二丁目15番1号 品川インターシティ
行決済営業部) A棟)
計 ― 321,329 39.58
(注)1 当社は、自己株式102,215千株(11.18%)を保有しておりますが、上記大株主から除いております。
2 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社から、2024年1月10日付で、同社及び日興アセットマ
ネジメント株式会社を共同保有者とする大量保有報告書(変更報告書)が提出されておりますが、当社とし
て2023年12月31日現在における当該法人の実質所有株式数を完全に把握できませんので、上記「大株主の
状況」では考慮しておりません。
当該大量保有報告書(変更報告書)による2023年12月29日現在の株式所有状況は、以下のとおりでありま
す。
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発行済株式
所有株式数 総数に対する
氏名又は名称 住所
(千株) 所有株式数
の割合(%)
三井住友トラスト・アセットマ
東京都港区芝公園一丁目1番1号 27,437 3.00
ネジメント株式会社
日興アセットマネジメント株式
東京都港区赤坂九丁目7番1号 19,408 2.12
会社
計 ― 46,846 5.13
3 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループから、2023年8月7日付で、三菱UFJ信託銀行株式会社、三菱
UFJ国際投信株式会社及びMUFG セキュリティーズ(カナダ)(MUFG Securities(Canada),Ltd.) を共同保有
者とする大量保有報告書(変更報告書)が提出されておりますが、当社として2023年12月31日現在における
当該法人の実質所有株式数を完全に把握できませんので、上記「大株主の状況」では考慮しておりませ
ん。
当該大量保有報告書(変更報告書)による2023年7月31日現在の株式所有状況は、以下のとおりでありま
す。
発行済株式
所有株式数 総数に対する
氏名又は名称 住所
(千株) 所有株式数
の割合(%)
三菱UFJ信託銀行株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目4番5号 26,169 2.86
三菱UFJ国際投信株式会社 東京都千代田区有楽町一丁目12番1号 9,696 1.06
Royal Bank Plaza, South Tower, Suite 2940,
MUFGセキュリティーズ(カナ
ダ ) (MUFG Securities
200 Bay Street, Toronto, Ontario M5J 2J1, 1,800 0.20
(Canada),Ltd.)
CANADA
計 ― 37,665 4.12
4 ブラックロック・ジャパン株式会社から、2021年8月19日付で、同社及び他9社を共同保有者とする大量
保有報告書(変更報告書)が提出されておりますが、当社として2023年12月31日現在における当該法人の実
質所有株式数を完全に把握できませんので、上記「大株主の状況」では考慮しておりません。
当該大量保有報告書(変更報告書)による2021年8月13日現在の株式所有状況は、以下のとおりでありま
す。
発行済株式
所有株式数 総数に対する
氏名又は名称 住所
(千株) 所有株式数
の割合(%)
ブラックロック・ジャパン株式
東京都千代田区丸の内一丁目8番3号 12,550 1.37
会社
ブラックロック・アドバイザー
米国 デラウェア州 ウィルミントン リト
ズ・エルエルシー(BlackRock
1,254 0.14
ル・フォールズ・ドライブ 251
Advisers, LLC)
ブラックロック・インベストメ
ント・マネジメント・エルエル
米国 デラウェア州 ウィルミントン リト
1,168 0.13
シ ー (BlackRock Investment
ル・フォールズ・ドライブ 251
Management LLC)
ブラックロック(ネザーラン
オランダ王国 アムステルダム HA1096 アムス
ド ) BV (BlackRock
1,879 0.21
テルプレイン 1
(Netherlands) BV)
ブラックロック・ファンド・マ
ネジャーズ・リミテッド 英国 ロンドン市 スログモートン・アベ
1,508 0.17
(BlackRock Fund Managers ニュー 12
Limited)
ブラックロック・アセット・マ
ネジメント・カナダ・リミテッ
カナダ国 オンタリオ州 トロント市 ベイ・
1,279 0.14
ド(BlackRock Asset Management
ストリート 161、 2500号
Canada Limited)
ブラックロック・アセット・マ
ネジメント・アイルランド・リ
アイルランド共和国 ダブリン ボールスブ
4,241 0.46
ミ テ ッ ド (BlackRock Asset
リッジ ボールスブリッジパーク 2 1階
Management Ireland Limited)
ブラックロック・ファンド・ア
米国 カリフォルニア州 サンフランシスコ
ドバイザーズ(BlackRock Fund
13,247 1.45
市 ハワード・ストリート 400
Advisors)
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ブラックロック・インスティ
テューショナル・トラスト・カ
米国 カリフォルニア州 サンフランシスコ
ンパニー、エヌ.エイ.
17,071 1.87
市 ハワード・ストリート 400
(BlackRock Institutional
Trust Company, N.A.)
ブラックロック・インベストメ
ント・マネジメント(ユー
英国 ロンドン市 スログモートン・アベ
ケー)リミテッド(BlackRock
1,528 0.17
ニュー 12
Investment Management (UK)
Limited)
計 ― 55,730 6.10
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(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2023年12月31日 現在
区分 株式数(株) 議決権の数(個) 内容
無議決権株式 ― ― ―
議決権制限株式(自己株式等) ― ― ―
議決権制限株式(その他) ― ― ―
(自己保有株式)
権利内容に何ら限定のない当社にお
完全議決権株式(自己株式等) 普通株式 ― ける標準となる株式(単元株式数は
102,215,100
100株)
普通株式
完全議決権株式(その他) 8,101,914 同上
810,191,400
普通株式
単元未満株式 ― ―
1,593,500
発行済株式総数 914,000,000 ― ―
総株主の議決権 ― 8,101,914 ―
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」の欄の普通株式には、証券保管振替機構名義の株式7,000株(議決権70 個)
が含まれております。
2 「完全 議決権株式(その他)」の欄の普通株式には、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託 が保有する
株式1,911,000株(議決権の数19,110個)が含まれております。なお、当議決権の数19,110個は、議決権不
行使となっております。
3 「単元未満株式」欄の普通株式には、自己株式が35株含まれております。
② 【自己株式等】
2023年12月31日 現在
発行済株式
自己名義 他人名義 所有株式数
所有者の氏名 総数に対する
所有者の住所 所有株式数 所有株式数 の合計
又は名称 所有株式数
(株) (株) (株)
の割合(%)
(自己保有株式)
東京都中野区中野四丁目
キリンホールディングス 102,215,100 ― 102,215,100 11.18
10番2号
株式会社
計 ― 102,215,100 ― 102,215,100 11.18
(注)役員報酬BIP信託が保有する株式1,911,000株は、上記自己保 有株式に含まれておりません。
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(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
当社は、当社の取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員(取締役である者及び当社との間で雇用関係にあ
る者を除く。)(以下、本項において「取締役等」という。)のうち国内居住者を対象とする信託型株式報酬制
度(以下「本信託制度」という。)を導入しております。
① 本信託制度の概要
本信託制度は、当社が金員を拠出して設定する信託(以下、「本信託」という。)が、当該金員を原資として
当社株式を取得し、原則として、当社の株式交付規程に従ってポイントの付与を受けた取締役等(以下、「ポイ
ント取得者」という。)に対して、当社株式及び換価処分対象となる当社株式に係る換価処分金相当額の金銭
(以下、「当社株式等」という。)の交付及び給付(以下、「交付等」という。)を行う制度であります。
1) 本信託の仕組み
① 当社は、2020年3月27日開催の第181回定時株主総会において、本信託制度の導入に関する役員報酬
の決議を得ており、その後、2022年3月30日開催の第183回定時株主総会(以下、「本株主総会」と
いう。)において、本信託制度の一部改定に関する役員報酬の承認決議を得ております。
② 当社は、取締役会において、本信託制度に係る株式交付規程を制定します。
③ 当社は、本信託の信託期間を延長するにあたり、①の本株主総会の承認決議の範囲内で金銭を追加信
託します。
④ 本信託は、信託管理人の指図に従い、③で信託された金銭と既存の本信託に残存する金銭を原資とし
て当社株式を株式市場又は当社から取得します。
⑤ 本信託内の当社株式に対する配当は、他の当社株式と同様に行われます。
⑥ 本信託内の当社株式については、経営への中立性を確保するため、信託期間中、議決権は行使されな
いものとします。
⑦ 信託期間中、当社の株式交付規程に従い、中期経営計画に掲げる主要な経営指標その他の取締役会が
定める指標の達成度に応じて、原則として、毎事業年度一定の時期、及び中期経営計画最終事業年度
の翌事業年度一定の時期に取締役等にポイントが付与されます。ポイント取得者に対する当社株式等
の交付等の時期及び方法につきましては、以下の 2) ⑧に記載のとおりです。
(注)信託期間中、本信託内の株式数が取締役等について定められるポイント数(詳細は、以下の2)⑥に記載のとおりです。)
に対応した株式数に不足する可能性が生じた場合や、信託財産中の金銭が信託報酬・信託費用の支払いに不足する可能性
が生じた場合には、以下の2)⑤の当社が拠出する金員の上限の範囲内で、本信託に追加で金銭を信託し、本信託により当
社株式を追加取得することがあります。
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2) 本信託制度の内容
本信託制度の内容は、以下のとおりであります。
① 本信託制度に係る本株主総会決議
本株主総会において、当社が拠出する金員の上限及び交付される当社株式の数の上限その他必要な
事項を決議しております。
なお、以下の④に定める本信託の継続を行う場合には、本株主総会の承認決議の範囲内で、取締役
会の決議により、信託期間の満了時に信託契約の変更及び本信託への追加拠出を行うことを決定しま
す。
② 本信託制度の対象となる者
当社の取締役等のうち国内居住者
③ 本信託制度の対象期間
本信託制度は、当社の中期経営計画の対象となる事業年度(以下、「対象期間」という。)を対象
とします。
④ 信託期間
上記③の対象期間に対応する年数
※ 本信託の信託期間の満了時において、当社は、新たな本信託を設定し、又は信託期間の満了し
た既存の本信託の信託契約の変更及び追加信託を行うことにより、本信託制度を継続的に実施
することを予定しております。後者の場合には、本信託の信託期間をその時点の当社の中期経
営計画に対応する対象期間の年数に合わせて延長するものとします。
※ 本信託の信託期間の満了時に信託契約の変更及び追加信託を行わない場合には、それ以降、取
締役等に対するポイントの付与は行いませんが、当該時点で受益者要件を満たす可能性のある
ポイント取得者が存在する場合には、その者に対する当社株式等の交付等が完了するまで、本
信託の信託期間を延長することがあります。
⑤ 当社が拠出する金員の上限
1事業年度あたり14億5,000万円
※ 対象期間の当初に、14億5,000万円に対象期間に係る事業年度数を乗じた額を上限とする金員を
拠出します。
※ 信託期間内の本信託による株式取得資金及び信託報酬・信託費用の合算金額となります。
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⑥ 交付等がなされる当社株式等の数及び金額の算定方法及び上限
ポイント取得者に対して交付等が行われる当社株式等の数及び金額は、毎事業年度一定の時期、及
び中期経営計画最終事業年度の翌事業年度一定の時期に取締役等の役位及び業績目標の達成度等に基
づき付与されるポイント数により定まります。
具体的には、ポイント数は、単年度の業績達成度に連動する単年PSU、業績達成条件が付されていな
いRSU、及び複数年度の中期経営計画の目標達成度に連動する中計PSUにより構成されます。すなわ
ち、単年PSU及び中計PSUについては、単年PSUは対象期間に係る各事業年度を、中計PSUは対象期間を
それぞれ業績評価期間として、各業績評価期間の翌事業年度に、役位別の株式報酬基準額に基づきあ
らかじめ定められた基礎ポイント(中計PSUについては、対象期間に係る各事業年度の役位別の株式報
酬基準額に基づき算出された当該年度の基礎ポイントを、対象期間にわたって累計したものをいいま
※1
す。)に、各業績評価期間における業績目標の達成度に基づき定められる業績連動係数 を乗じて
算出されたポイントが付与されます。RSUについては、対象期間に係る各事業年度の翌事業年度に役位
別の株式報酬基準額に基づきあらかじめ定められたポイントが付与されます。
この場合において、1事業年度あたりに取締役等に対して付与されるポイントの総数の上限は
※2
1,000,000ポイントとします 。このポイントの上限は、上記⑤の当社が拠出する金員の上限等を踏
まえて、設定しています。
ポイント取得者に対して交付等が行われる当社株式等については、1ポイントを当社普通株式1株
に換算しますが、そのうち当社の株式交付規程に定める換価処分対象となる当社株式については、換
価処分金相当額の金銭として給付されます。なお、信託期間中に本信託内の当社株式が株式の分割・
併合等によって増加又は減少した場合には、当社は、その増加又は減少の割合に応じて、交付等が行
われる当社株式等の数及び金額を調整いたします。
※1 業績連動係数は、中期経営計画に掲げる財務指標や非財務指標の各業績評価期間における達成度で評価するもの
とし、単年PSU及び中計PSUの業績連動係数の変動幅は0~200%の間とします。
※2 1事業年度あたりに取締役等に対して付与されるポイントの総数の上限は、単年PSU、RSU及び中計PSUの合計であ
り、中計PSUは複数年度を対象として付与されるポイント数を1事業年度あたりに平均したポイント数に換算して
加味いたします。1ポイントあたり1株の場合、1,000,000株相当となり、当社発行済株式総数(2023年12月31日
時点。自己株式控除後)に対する割合は、約0.123%です。
⑦ 当社株式の取得方法
本信託による当社株式の取得は、上記⑤の当社が拠出する金員の上限及び上記⑥の付与するポイン
ト総数の上限を踏まえた数量の範囲内で、株式市場又は当社から取得予定です。
⑧ ポイント取得者に対する当社株式等の交付等の時期及び方法
当社の株式交付規程に定める受益者要件を充足したポイント取得者は、原則として単年PSU及びRSU
については、当該ポイントが付与された事業年度の開始から2年 (RSUはポイント数決定から3年)
が経過した後の一定の時期に、中計PSUについては、中期経営計画最終年度の翌事業年度の一定の時
期に、それぞれ所定の受益者確定手続を行うことにより、付与された単年PSU及びRSUのポイント並び
に中計PSUのポイントの一定の割合に相当する数の当社株式(単元未満株式は切り上げ)について交
付を受け、残りのポイントに相当する数の当社株式について本信託内で換価したうえで、換価処分金
相当額の金銭の給付を受けるものとします。
⑨ 当社株式に関する議決権行使
本信託内の当社株式については、経営への中立性を確保するため、信託期間中、議決権は行使され
ないものとします。
⑩ 本信託内の当社株式の配当の取扱い
本信託内の当社株式に係る配当は、本信託が受領し、原則として、本信託の信託報酬及び信託費用
に充てられます。
⑪ その他の本信託制度の内容
本信託制度に関するその他の内容については、本信託の設定、信託契約の変更及び本信託への追加
拠出の都度、指名・報酬諮問委員会で審議のうえ、取締役会において定めます。
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3) 信託契約の概要
信託契約の概要は、以下のとおりであります。
① 信託の種類 特定単独運用の金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
② 信託の目的 取締役等に対するインセンティブの付与
③ 委託者 当社
④ 受託者 三菱UFJ信託銀行株式会社
共同受託者 日本マスタートラスト信託銀行株式会社
⑤ 受益者 当社の株式交付規程に従ってポイントの付与を受けた取締役等であって、受益権を
取得した者
⑥ 信託管理人 当社と利害関係のない第三者(公認会計士)
⑦ 信託契約日 2020年5月15日(2022年5月12日付で変更契約締結)
⑧ 信託の期間 2020年5月15日 ~ 2025年6月30日(2022年5月12日付締結の変更契約により、
2022年6月30日から3年間延長)
⑨ 議決権行使 行使しないものとします。
⑩ 取得株式の種類 当社普通株式
⑪ 取得株式の総額 3,093,606,000円
⑫ 株式の取得方法 当社自己株式の第三者割当により取得
⑬ 帰属権利者 当社
残余財産 信託終了時、全ての受益者に信託財産内の当社株式及び当社株式の売却代金の交付
⑭
及び給付が行われた後、残存株式があるときは換価処分します。信託財産内の金銭
が、信託金の合計額から株式取得資金を控除した額(信託費用準備金相当額)を超
過する場合には、当該超過額を本信託契約に定める団体に寄付し、信託費用準備金
相当額の範囲内の金額については、帰属権利者である当社が給付を受けるものとし
ます。
② 本信託制度が当社株式を取得させる予定の株式の総数
1,000,000株(上限)
③ 本信託制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
当社の株式交付規程に従ってポイントの付与を受けた取締役等であって、受益権を取得した者
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2 【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】 会社法第155条第3号及び同条第7号による普通株式の取得
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づく取得
区分 株式数(株) 価額の総額(千円)
取締役会(2022年2月14日)での決議状況
30,000,000 50,000,000
(取得期間2022年2月15日~2023年2月14日)
当事業年度前における取得自己株式 23,714,800 49,999,869
当事業年度における取得自己株式 ― ―
残存決議株式の総数及び価額の総額 6,285,200 130
当事業年度の末日現在の未行使割合(%) 20.9 0.0
当期間における取得自己株式 ― ―
提出日現在の未行使割合(%) 20.9 0.0
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得
区分 株式数(株) 価額の総額(千円)
当事業年度における取得自己株式 10,087 21,055
当期間における取得自己株式 2,000 4,232
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年3月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取
請求による株式数は含めておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
当事業年度 当期間
区分
処分価額の総額 処分価額の総額
株式数(株) 株式数(株)
(千円) (千円)
引き受ける者の募集を行った取得
― ― ― ―
自己株式
消却の処分を行った取得自己株式 ― ― ― ―
合併、株式交換、株式交付、会社
分割に係る移転を行った取得自己 ― ― ― ―
株式
その他(単元未満株式の買増請求) 630 1,313 194 409
その他(役員報酬BIP信託制度導入
に伴う第三者割当による自己株式 ― ― ― ―
の処分)
保有自己株式数 102,215,135 ― 102,216,941 ―
(注) 1 当期間における「その他(単元未満株式の買増請求)」には、2024年3月1日からこの有価証券報告書提
出日までの単元未満株式の買増請求による株式数は含めておりません。
2 当期間における「保有自己株式数」には、2024年3月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未
満株式の買取請求及び単元未満株式の買増請求による株式数は含めておりません。
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3 【配当政策】
当社は、2022年中計にて策定した資本政策に基づき、事業への資源配分及び株主還元について以下の通り考えてお
ります。
事業への資源配分については、ヘルスサイエンス領域を中心とした成長投資を最優先としながら、既存事業の強
化・収益性改善に資する投資を行います。また、将来のキャッシュ・フロー成長を支える無形資産(ブランド・研究
開発・ICT・人的資本など)及び新規事業創造への資源配分を安定的かつ継続的に実施します。なお、投資に際して
は、グループ全体の資本効率を維持・向上させる観点からの規律を働かせます。株主還元についても、経営における
最重要課題の一つと考えており、1907年の創立以来、毎期欠かさず配当を継続しております。「平準化EPSに対する連
結配当性向40%以上」による配当を安定的かつ継続的に実施するとともに、自己株式の取得については、追加的株主
還元として最適資本構成や市場環境及び投資後の資金余力等を総合的に鑑み、実施の是非を検討していきます。
当期の剰余金の配当につきましては、平準化EPSに対する連結配当性向40%以上に基づき、1株につき中間配当 34.5
円 、期末配当 36.5円 とし、年間 71円 配当としました。
なお、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めており、毎事業年度にお
ける配当は期末と中間の2回行うこととしております。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当につきまして
は株主総会、中間配当につきましては取締役会であります。
(注) 基準日が当期に属する剰余金の配当に関する取締役会又は株主総会の決議年月日並びに各決議ごとの配当金の
総額及び1株当たりの配当額は以下のとおりであります。
取締役会決議日 2023年8月8日
配当金の総額 28,007 百万円
1株当たり配当額 34.5 円
株主総会決議日 2024年3月28日
配当金の総額 29,630 百万円
1株当たり配当額 36.5 円
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4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、グループ経営理念及び当社グループ共通の価値観である“One KIRIN” Valuesのもと、当社
グループ長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」(略称:KV2027)における「2027年目指す姿」を実現
することが当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上につながるものと認識し、その実現を効果
的、効率的に図ることができるガバナンス体制を構築します。
当社グループは、グループ経営理念及び経営理念に基づく「2027年目指す姿」を実現するためには各ステーク
ホルダーとの協働が不可欠であることを認識し、それぞれの立場を尊重します。
当社グループは、株主・投資家に対し、透明性、公平性、継続性を基本に迅速な情報開示を行うとともに、株
主・投資家との建設的な対話を積極的に行い、誠意をもって説明責任を果たします。
<グループ経営理念>
キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな
社会の実現に貢献します。
<2027年目指す姿>
食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる。
<“One KIRIN” Values>
熱意、誠意、多様性 “Passion . Integrity . Diversity .”
② 企業統治の体制 の概要と当該体制を採用する理由
当社の企業統治体制は、以下のとおりです。
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(概要及び当該体制を採用する理由)
当社は、食・医・ヘルスサイエンスの3領域を中核とした多様かつグローバルな事業展開を統括する体制と
して純粋持株会社制を採用しています。純粋持株会社である当社は、当社グループ全体戦略の策定と推進、各
事業のモニタリング、グループ連携によるシナジー創出の推進、加えてサステナビリティを巡る課題への対応
等の役割を担っています。
当社グループ各社は、お客様をはじめとしたステークホルダーにより近い場所で自律的かつスピーディな経
営を行います。当社は、当社グループ各社の戦略ステージに合わせて適切な権限付与を行うとともに、当社グ
ループ各社へ取締役を派遣することで各社の取締役または取締役会を通じたガバナンスの向上を図ります。当
社主要グループ会社については、当社の取締役又は執行役員が各社の取締役を兼務します。
当社は、監査役会設置会社を採用し、ステークホルダーにとって透明性の高いガバナンス体制を維持、向上
するため、複数の社外取締役を含む取締役会が、複数の社外監査役を含む監査役会と緊密に連携し、監査役の
機能を有効に活用しながら重要案件の最終意思決定を行うとともに、経営に対する監督機能の強化を図りま
す。
当社は、機動的に各事業・各機能戦略を実行し、執行責任を明確にするため、執行役員制度を導入していま
す。取締役会は、それぞれの分野に関する経験、実績、専門性等を踏まえ、執行役員への委任範囲を定めてい
ます。
1) 取締役会及び取締役
ⅰ)概要
・当社の取締役は12名、うち社外取締役は7名であり、議長は社外取締役が務めています。
・取締役会は、株主に対する受託者責任と説明責任を踏まえ、当社グループや株主共同の利益のため、当社
グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指しています。
・取締役会は、当社グループ全体及び主要グループ会社の長期経営構想、中期経営計画及び年度事業計画等
の当社グループの重要な業務執行並びに法定事項について決定するとともに、取締役の職務執行を監督す
る責務、グループ全体の適切な内部統制システムを構築する責務等を担っています。
・取締役会は、2027年目指す姿の実現のための知識、経験、能力、見識等を考慮し、多様性を確保しながら
全体としてバランスよく、適正な人数で構成 しています。また、透明性の高いガバナンス体制を構築して
客観的な経営の監督の実効性を確保するため、現在選任されている取締役の過半数は独立社外取締役で構
成されています 。
・麒麟麦酒 ㈱、キリンビバレッジ㈱、メルシャン㈱、ライオン社、コーク・ノースイースト社、協和キリン
㈱、協和発酵バイオ㈱、ブラックモアズ社、サンミゲルビール社及び㈱ファンケルの10社については、グ
ループ全体のガバナンス強化のため、当社の取締役、 執行役員、又はこれらに準ずる者が各社の取締役
(社外取締役を含む)に就任し、職務執行状況の監督を行っています。
・ 以上の意思決定及び経営監督をより適切かつ高いレベルで行うべく、当社では社外取締役を選任していま
す。社外取締役は、企業経営者としての豊富な経験に基づく実践的、客観的かつ専門的な視点から、有益
な指摘・意見提起を行っています。なお、社外取締役の専従スタッフは配置していません。社内取締役と
併せて、人財戦略部秘書室がサポートを行っています。
・ また、グループ全体の内部統制システムの有効性を評価するための体制として経営監査部を設置し、当社
及びグループ会社の内部監査を実施・統括しています。
・ 本報告書提出時点の取締役会の構成は以下のとおりです。
柳弘之(議長・社外取締役)、磯崎功典、南方健志、坪井純子、吉村透留、秋枝眞二郎、森正勝(社外取締
役)、塩野紀子(社外取締役)、ロッド・エディントン(社外取締役)、ジョージ・オルコット(社外取締役)、
片野坂真哉(社外取締役)、安藤よし子(社外取締役)
ⅱ)取締役会実効性評価について
キリンホールディグスは、取締役会の果たすべき機能を「重要な意思決定」機能と「監督」機能と定義
しています。毎年1回(11月~12月)に取締役会の運営や議論内容などに対する評価を実施し、その機能の
担保に努めるとともに、次年度に強化すべき議論のポイントを明確化することにより、継続的な実効性の
向上につなげています。
・2023年度の議論のポイント
1. 戦略実行に関するモニタリングの強化
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2. 専門性や組織知を活かした「インオーガニック成長」に関する議論
3. 経営環境の変化に合わせた「ステークホルダーとの対話」に関する議論
4. 戦略とリスク一体での「リスクマネジメント」に関する議論
5. 指名・報酬諮問委員会からの情報共有の拡充
・2023年度の評価
第三者であるアドバイザーの調査に基づく評価の視点を盛り込んだアンケートを毎年11月~12月に実施
し、現状の取り組み・改善状況を踏まえつつ、翌年1月の取締役会で報告・議論しています。評価の視点お
よび評価結果は、以下のとおりです。
・評価の視点
1. 取締役会の構成及び運営
2. 戦略の策定とその実行及びモニタリング
3. リスク管理と危機管理の監督
4. 事業買収・撤退等の意思決定の監督
5. 役員報酬及び後継者育成計画等の監督
6. 健全な企業倫理の周知徹底とその監督
7. ステークホルダーに対する開示全般の監督
8. 実効性向上に向けての強化ポイント
・評価の結果
取締役会全体として適切に機能しており、実効性が確保されている。
・評価された内容
1. 「重要な意思決定」「執行の監督」において適切に意思決定されており、高いレベルで実効性が担保
されている。
2. 取締役会として適切な議題設定がなされ、ディスカッションの質も高まっている。
3. 取締役会の実効性向上に繋がる改善や工夫が継続的に行われており、概ね適切に運営されている。
・2024年度の強化ポイント
2023年度における評価の視点ごとに提起された意見および改善点、そして将来の経営環境変化に対する
見立てに基づき、2024年度の強化ポイントを以下の3点に集約しました。引き続き、独立社外取締役である
柳議長のもとでのアジェンダ設定に加え、運営の更なる改善などにより、実効性維持・向上に努めていき
ます。
1.「コーポレート・ガバナンスの強化」に関する議論
2. 適切なリスクテイクを実現するための「戦略とリスク一体」での議論
3.価値創造を加速するための「デジタルICT戦略」に関する議論
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2) 監査役会及び監査役
・当社の監査役は5名、うち社外監査役は3名です。
・監査役会は、株主に対する受託者責任を踏まえ、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上
に向けて経営の健全性を確保し、株主共同の利益のために行動します。
・監査役会は、常勤監査役による当社グループ内における情報収集力及び社外監査役による独立性を活かし
ながら、各監査役による監査の実効性を確保するための体制を整備しています。
・監査役会は、社外取締役への情報提供を強化するため、社外取締役との意見交換を行い、監査活動を通じ
て得られた情報の提供を行っています。
・また、監査機能強化を図るため、監査役の業務を組織的かつ効果的にサポートするための体制として監査
役室を設置しています。
・本報告書提出時点の監査役会の構成は以下のとおりです。
西谷尚武、石倉徹、鹿島かおる(社外監査役)、藤縄憲一(社外監査役)、土地陽子(社外監査役)
3) 指名・報酬諮問委員会
・取締役、執行役員及び監査役の指名及び報酬に関する委員会として、指名・報酬諮問委員会を設置してい
ます。
・指名・報酬諮問委員会は、社外取締役3名及び社内取締役2名からなる5名の取締役で構成し、その委員
長は社外取締役から選定しています。取締役会の諮問機関として客観的かつ公正な視点から、取締役、執
行役員及び監査役の選解任方針、各候補者案、報酬制度・水準、報酬額、最高経営責任者(CEO)及び最高
執行責任者(COO)の後継者の計画等について審議し、取締役会へ答申を行います。また、取締役会の委任
に基づき、賞与における個人業績評価等を行います。
・本報告書提出時点の指名・報酬諮問委員会の構成は以下のとおりです。
塩野紀子(委員長・社外取締役)、片野坂真哉(社外取締役)、 安藤よし子(社外取締役)、磯崎功典、南方健
志
4) グループ経営戦略会議
・当社は、社長の意思決定を補佐支援する諮問機関として、グループ経営戦略会議を設置しています。グ
ループ経営に関する意思決定のうち、影響の大きい戦略及び投資に関し、社長執行役員を含む執行役員、
社内監査役、プロフェッショナル・アドバイザー等で構成される同会議を機動的に開催することにより、
意思決定の質の向上を図っています。
・本報告書提出時点のグループ経営戦略会議の構成は以下のとおりです。
高岡宏明(議長)、磯崎功典、南方健志、坪井純子、吉村透留、秋枝眞二郎、山形光晴、藤川宏、岩崎昭
良、横山昌人、永嶋一史、三橋英記、西谷尚武、石倉徹、溝内良輔
5) その他の社長諮問機関
・当社グループ全体のCSV活動を所管するグループCSV委員会、コンプライアンス、リスクマネジメントを所
管するグループリスク・コンプライアンス委員会を設け、グループ全体で取り組みを推進しています。
・株主・投資家への開示情報の決定に関する諮問機関である情報開示委員会を設け、適時・公正・公平な
ディスクロージャーの推進による経営の透明性向上に取り組んでいます。
(参考)
・グループCSV委員会
URL https://www.kirinholdings.com/jp/impact/csv_management/promotion_impact/
・グループリスク・コンプライアンス委員会(リスクマネジメントに関する取り組み)
URL https://www.kirinholdings.com/jp/purpose/governance/risk_management/
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③企業統治に関するその他の事項
1) 内部統制システムの整備の状況
キリンホールディングスは、取締役会にて、グループ業務の適正を確保するための体制として、内部統制シ
ステムに関する基本方針を定め、グループのコンプライアンス、リスクマネジメント、財務報告の適正性確保
等について適切な体制の整備と運用に努めています。また、毎年内部統制の整備・運用状況の点検を行い、内
部統制の運用実施部署における活動が自律的に実施され、有効に機能していることを確認するとともに、その
内容を取締役会で確認しています。具体的には以下をご参照下さい。
(参考)
・内部統制システムに関する基本方針
URL https://www.kirinholdings.com/jp/purpose/files/pdf/policy_internalcontrolsystem.pdf
2) リスク管理体制の整備の状況
取締役は、キリングループにおけるリスクマネジメントの基本方針を決定するとともに、これを実効化する
組織及び規程を整備し、各組織の活動に組み込むことにより推進します。併せて、リスクマネジメントに関す
る教育を実施するとともに、リスクの開示及びクライシス発生時の対応に関する手順を明確化しこれを周知し
ます。これらの体制の構築・運用状況については、経営監査部が内部監査を実施します。
3) 取締役の定数
当社の取締役は12名以内とする旨定款に定めています。
4) 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有す
る株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、またその決議は累積投票によらない旨定款に定めていま
す。
5) 取締役及び監査役の責任免除
当社は、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、取
締役会の決議によって、同法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった
者を含む。)の責任を、法令の限度において免除することができる旨定款に定めています。
6) 責任限定契約の内容の概要
当社は、各社外取締役及び各監査役との間で、 会社法第427条第1項に基づき、同 法第423条第1項に定める賠
償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任限度額は、同法第425条第1項に定める最低責
任限度額です。
7) 補償契約の内容の概要
当社は、各取締役及び各監査役との間で、会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結しており、同項
第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することとしています。ただし、
被補償者の職務の執行の適正性が損なわれないための措置として、補償実行が客観的に不適切であることが明ら
かであると当社が判断した場合等の一定の免責事由を定めるなどしています。
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8) 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社及び当社の子会社の取締役、監査役、執行役員等を被保険者として、会社法第430条の3第1項に
規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、保険料については当社及び当社の子会社が
全額負担をしています。
当該保険契約は、被保険者が業務について行った行為に起因して損害賠償責任を負った場合における損害賠償
金及び訴訟費用等を填補するものです。ただし、被保険者による犯罪行為又は詐欺行為等に起因する損害を除く
などの一定の免責事由を定めているほか、免責金額の定めも設けており、当該免責金額に至らない損害について
は填補の対象外としています。
9) 自己の株式の取得
当社は、財務政策等の経営諸施策を機動的に遂行することを可能にするため、会社法第165条第2項の規定によ
り、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨定款に定めています。
10) 中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって
毎年6月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨定款に定めています。
11) 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を可能にするた
め、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決
権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めています。
④当事業年度における取締役会及び指名・報酬諮問委員会の活動状況
1)開催頻度
ⅰ)取締役会
当社は定例の取締役会を原則毎月1回開催しており、2023年度は13回の定例取締役会を開催いたしました。
また、必要に応じて臨時取締役会を開催しており、2023年度は2回の臨時取締役会を開催いたしました。
ⅱ)指名・報酬諮問委員会
当社は定例の指名・報酬諮問委員会を原則毎月1回開催しており、2023年度は13回の指名・報酬諮問委員会
を開催いたしました。
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2)主な検討内容
ⅰ)取締役会
当事業年度は、取締役会において、以下の点について重点的な審議がなされました。
審議テーマ 取締役会での審議内容等
戦略実行に関するモニタリング、及 戦略実行度をより高めるため、事業戦略と機能別戦略の両軸で定期的に
び次年度事業戦略の策定 モニタリングすることで、戦略の実行状況を監督いたしました。また、
市場や競合を含めた外部環境の変化を踏まえ、次年度事業計画の策定に
ついて、重畳的に審議いたしました。
事業ポートフォリオ戦略に関する議 企業価値の最大化を実現するために最適な事業ポートフォリオ戦略につ
論 いて審議し、「KV2027に基づく事業ポートフォリオの方向性を変えず、
食・医・ヘルスサイエンスの3領域で事業を行っていく」ことを決議しま
した。
指名・報酬諮問委員会の活動・審議 指名・報酬諮問委員会における後継者育成計画の審議内容等への監督機
内容 能強化のため、指名・報酬諮問委員会からその活動・審議内容について
定期的に報告を受け、監督しました。
その他重要な業務執行 ブラックモアズ社買収をはじめとするM&A案件に関して慎重に審議し、決
議いたしました。
ⅱ)指名・報酬諮問委員会
当事業年度は、指名・報酬諮問委員会において、以下の点について重点的な審議がなされました。
審議テーマ 指名・報酬諮問委員会での審議内容等
2024年度役員選退任、及びCEOの後継者育成計画の他、次世代経営体制
案及び経営陣の質維持のための持続的な仕組みづくりについて審議いた
指名関連 しました。また、年間の活動計画について5月に取締役会に答申すると
共に、その後定期的に活動・審議内容について取締役会に答申いたしま
した。
役員報酬に関して、2023年度業績評価・金額確定、及び2024年度決定方
報酬関連
針・設計について審議し、2024年2月の取締役会に答申いたしました。
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3)取締役、監査役の出席状況
区分 氏名 取締役会出席状況 指名・報酬諮問委員会出席状況
社外取締役
森 正勝 全15回中15回(100%) ―
(取締役会議長)
取締役社長 磯崎 功典 全15回中15回(100%) 全13回中13回(100%)
取締役副社長 西村 慶介 全15回中15回(100%) ―
取締役 三好 敏也 全15回中15回(100%) 全13回中13回(100%)
取締役 横田 乃里也 全3回中3回(100%) ―
取締役 南方 健志 全15回中15回(100%) ―
取締役 坪井 純子 全12回中12回(100%) ―
社外取締役 柳 弘之 全15回中15回(100%) 全13回中13回(100%)
社外取締役
(指名・報酬諮問委 松田 千恵子 全15回中15回(100%) 全13回中13回(100%)
員長)
社外取締役 塩野 紀子 全15回中15回(100%) 全13回中13回(100%)
社外取締役 ロッド・エディントン 全15回中12回(80%) ―
社外取締役 ジョージ・オルコット 全15回中14回(93%) ―
社外取締役 加藤 薰 全3回中3回(100%) ―
社外取締役 片野坂 真哉 全12回中11回(92%) ―
常勤監査役 桑田 啓二 全3回中3回(100%) ―
常勤監査役 西谷 尚武 全15回中15回(100%) ―
常勤監査役 石倉 徹 全12回中12回(100%) ―
社外監査役 安藤 よし子 全15回中14回(93%) ―
社外監査役 鹿島 かおる 全15回中15回(100%) ―
社外監査役 藤縄 憲一 全15回中15回(100%) ―
※表中の全回数が異なるのは、就任時期の違いによるものです。
※役職は当事業年度のものであり、本報告書提出時点のものとは異なります。
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⑤ 取締役・監査役・執行役員のスキル・マトリックス
本報告書提出時点の取締役・執行役員・監査役のスキル・マトリックスは以下の通りです。
1)取締役
R&D
ブランド
財
法務 生産 ・
企 人財 海
CSV 戦略 ICT
務
・
業 ・ 外
・ ヘルス
・ ・ ・
地位 氏 名 ・
経 組織 事
リスク 品質 サイエンス
会
ESG マーケ DX
営 開発 業
管理 保証 ・
計
ティング
医薬
代表取締役会
磯崎 功典 ● ● ● ● ● ● ●
長CEO
代表取締役社
南方 健志 ● ● ● ● ● ●
長COO
取締役
坪井 純子 ● ● ● ● ● ●
副社長
取締役
吉村 透留 ● ● ● ● ● ● ●
常務執行役員
取締役
秋枝 眞二郎 ● ● ● ● ● ● ●
常務執行役員
取締役 森 正勝 ● ● ● ●
取締役 柳 弘之 ● ● ● ●
取締役 塩野 紀子 ● ● ● ●
取締役 ロッド・
● ●
エディントン
取締役 ジョージ・
● ● ● ●
オルコット
取締役 片野坂 真哉 ● ● ● ●
取締役 安藤 よし子 ● ● ●
2)執行役員
R&D
ブランド
財
法務 生産 ・
企 人財 海
CSV 戦略 ICT
務
・
業 ・ 外
・ ヘルス
・ ・ ・
地位 氏 名 ・
経 組織 事
リスク 品質 サイエンス
会
ESG マーケ DX
営 開発 業
管理 保証 ・
計
ティング
医薬
常務執行役員 山形 光晴 ● ● ● ● ●
常務執行役員 藤川 宏 ● ● ● ● ●
常務執行役員 岩崎 昭良 ● ● ● ●
常務執行役員 横山 昌人 ● ● ● ● ●
常務執行役員 永嶋 一史 ● ● ● ● ●
常務執行役員 三橋 英記 ● ● ● ● ● ●
常務執行役員 堀口 英樹 ● ● ● ●
常務執行役員 井上 一弘 ● ● ●
常務執行役員 深田 浩司 ● ● ● ● ●
3)監査役
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ブランド
財
法務 生産 ・
企 人財 海
CSV 戦略 ICT
務
・
業 ・ 外
・ ヘルスサイ
・ ・ ・
地位 氏 名 ・
経 組織 事
リスク 品質 エンス
会
ESG マーケ DX
営 開発 業
管理 保証 ・
計
ティング
医薬
常勤監査役 西谷 尚武 ● ● ●
常勤監査役 石倉 徹 ● ● ●
監査役 鹿島 かおる ● ●
監査役 藤縄 憲一 ● ● ● ●
監査役 土地 陽子 ● ● ●
(取締役会・監査役会に求められるスキルについて)
当社は、取締役会・監査役会に求められるスキルを次のとおり選定しております。
まず、経営・事業トップの経験を通じた「企業経営」の総合的な能力、そして当社経営の根幹である「CSV」に
おける専門性・経験は、大前提として重要なスキルであります。
次に、重要案件の最終意思決定においては、当社事業領域に対する深い理解が必要であります。特に、グルー
プの長期的な成長を担う「ヘルスサイエンス」「医薬」に関する専門性・経験は、グループを統括する当社が優
先的に備えるべきスキルであります。加えて、当社事業領域の基盤をなす組織能力である「R&D」「生産」「品質
保証」「ブランド戦略/マーケティング」、グローバル展開の推進に必要な「海外事業」、ビジネスモデルの変革
に不可欠となりつつある「ICT/DX」、そしてこれら事業・機能戦略の実行を支える「人財・組織開発」における
専門性・経験が求められます。また、経営に対する監督機能の発揮においても、以上に述べたスキルは必要とな
りますが、加えて「財務・会計」「法務」「リスク管理」「ESG」における専門性・経験は、有効なコーポレート
ガバナンスを実現する観点から特に不可欠であります。
本報告書記載のスキル・マトリックスにおいては、関連性の高いスキルをまとめて表記しております。今後の
事業環境の変化に伴い必要なスキルも変化しますが、本報告書提出時点の取締役会・監査役会は、現時点で必要
なスキルを全体として備えているものと考えております。
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(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性 12 名(うち外国人2名) 女性 5 名 (役員のうち女性の比率 29.4 %、外国人の比率11.8%)
所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1977年4月 当社入社
2004年3月 サンミゲル社取締役
2007年3月 当社経営企画部長
2008年3月 当社執行役員経営企画部長
2009年3月 当社常務執行役員経営企画部長
2010年3月 当社常務取締役(2012年3月退任)
代表取締役会長CEO
磯 崎 功 典 1953年8月9日 生 2012年3月 麒麟麦酒㈱代表取締役社長(2015年1 ※1 71,948
最高経営責任者
月退任)
2013年1月 キリン㈱代表取締役社長
2015年3月 当社代表取締役社長
2021年9月 麒麟麦酒㈱代表取締役社長(2022年1
月退任)
2024年3月 当社代表取締役会長CEO(現任)
1984年4月 当社入社
2012年3月 麒麟麦酒㈱企画部長
2013年1月 キリン㈱執行役員経営企画部長
麒麟麦酒㈱執行役員企画部長
2015年3月 当社常務執行役員グループ経営戦略
担当ディレクター
キリン㈱常務執行役員経営企画部長
2016年3月 当社常務執行役員(2018年3月退任)
2016年4月 ミャンマー・ブルワリー社取締役社
代表取締役社長COO
南 方 健 志 1961年12月31日 生 長 ※1 8,835
最高執行責任者
2018年3月 協和発酵バイオ㈱代表取締役社長
(2021年12月退任)
2020年3月 当社常務執行役員
2022年3月 当社取締役常務執行役員
協和キリン㈱取締役
2022年4月 当社取締役常務執行役員ヘルスサイ
エンス事業本部長
2023年8月 ブラックモアズ社取締役(現任)
2024年3月 当社代表取締役社長COO(現任)
1985年4月 当社入社
2005年3月 キリンビバレッジ㈱広報部長
2010年3月 ㈱横浜赤レンガ代表取締役社長
2012年3月 当社CSR推進部長 兼 コーポレートコ
ミュニケーション部長
2012年11月 当社コーポレートコミュニケーショ
ン部長
取締役副社長 坪 井 純 子 1962年8月8日 生 ※1 19,931
2013年1月 キリン㈱CSV本部ブランド戦略部長
2014年3月 同社執行役員CSV本部ブランド戦略部
長
2019年3月 当社常務執行役員ブランド戦略部長
2020年6月 ㈱ファンケル社外取締役(現任)
2022年3月 当社常務執行役員
2023年3月 当社取締役常務執行役員
2024年3月 当社取締役副社長(現任)
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所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1988年4月 当社入社
2016年3月 キリン㈱経営企画部部長
2017年3月 当社グループ提携戦略担当ディレク
ター
キリン㈱執行役員経営企画部部長
2018年3月 当社執行役員グループ提携戦略担当
ディレクター
取締役
キリン㈱常務執行役員経営企画部部
吉 村 透 留 1964年6月8日 生 ※1 9,942
常務執行役員
長
2019年3月 当社常務執行役員経営企画部長
キリンビバレッジ㈱取締役
2021年3月 麒麟麦酒㈱取締役
2022年3月 当社常務執行役員
キリンビバレッジ㈱代表取締役社長
2024年3月 当社取締役常務執行役員(現任)
ブラックモアズ社取締役(現任)
1988年4月 当社入社
2010年3月 台湾麒麟啤酒股份社董事長総経理
2013年3月 メルシャン㈱執行役員企画部長
2015年3月 キリンビバレッジ㈱執行役員企画部
長
2017年3月 同社常務執行役員企画部長
2018年3月 麒麟麦酒㈱執行役員企画部長
2019年3月 当社執行役員経営企画部部長
取締役
秋 枝 眞 二 郎
1965年7月18日 生 ※1 8,468
常務執行役員
2020年3月 当社執行役員経営企画部部長 兼 DX
戦略推進室長
2022年1月 当社執行役員経営企画部長
麒麟麦酒㈱取締役
2022年3月 当社常務執行役員経営企画部長
2023年3月 当社常務執行役員
2024年3月 当社取締役常務執行役員(現任)
協和キリン㈱取締役(現任)
1969年4月 アーサーアンダーセンアンドカンパ
ニー入社
1989年2月 アンダーセンコンサルティング(現
アクセンチュア㈱)日本代表
1995年12月 同社代表取締役社長
2003年4月 同社代表取締役会長
2005年9月 同社取締役会長
取締役 森 正 勝 1947年1月22日 生 ※1 24,600
2007年9月 同社最高顧問
2009年10月 国際大学学長
2012年10月 同大学理事
2013年11月 同大学副理事長
2015年3月 当社社外監査役
2018年4月 国際大学特別顧問(現任)
2019年3月 当社社外取締役(現任)
1978年4月 ヤマハ発動機㈱入社
2010年3月 同社代表取締役社長兼社長執行役員
2018年1月 同社代表取締役会長
取締役 柳 弘 之 1954年11月20日 生 2019年3月 当社社外取締役(現任) ※1 5,200
2021年3月 ヤマハ発動機㈱取締役会長
2022年1月 同社取締役
2022年3月 同社顧問(現任)
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所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1983年8月 日本ニューメディア㈱入社
2010年3月 エスエス製薬㈱代表取締役社長
2014年1月 ㈱コナミスポーツ&ライフ(現 コナミ
スポーツ㈱)代表取締役社長
2016年5月 同社取締役会長
取締役 塩 野 紀 子 1960年10月18日 生 ※1 9,889
2017年10月 ワイデックス㈱代表取締役社長
2018年3月 キリン㈱社外取締役
2019年3月 当社ストラテジック・アドバイザー
2020年3月 当社社外取締役(現任)
1979年9月 John Swire & Sons (H.K.) Ltd. 入
社
1992年4月 Cathay Pacific Airways Limited
Managing Director
ロッド・エディ
取締役 1950年1月2日 生 ※1 ―
2000年4月 British Airways plc 最高経営責任
ントン
者
2011年3月 ライオン社取締役
2012年3月 同社取締役会長(現任)
2020年3月 当社社外取締役(現任)
1986年7月 S.G. Warburg & Co., Ltd. 入社
1999年2月 UBSアセットマネジメント(日本)社長
日本UBSブリンソングループ社長
2000年6月 UBS Warburg東京マネージングディレ
クター
エクイティキャピタルマーケットグ
ループ担当
ジョージ・オル
取締役 1955年5月7日 生 ※1 3,100
コット
2001年9月 ケンブリッジ大学ジャッジ経営大学
院(Judge Business School)
2005年3月 同大学院FMEティーチング・フェロー
2008年3月 同大学院シニア・フェロー
2014年4月 慶應義塾大学商学部・商学研究科特
別招聘教授
2020年3月 当社社外取締役(現任)
1979年4月 全日本空輸㈱(現ANAホールディング
ス㈱)入社
2013年4月 同社代表取締役副社長執行役員
片 野 坂 真 哉
取締役 1955年7月4日 生 ※1 700
2015年4月 同社代表取締役社長
2022年4月 同社代表取締役会長(現任)
2023年3月 当社社外取締役(現任)
1982年4月 労働省入省
2003年4月 滋賀県副知事
2006年7月 厚生労働省雇用均等・児童家庭局雇
用均等政策課長
2011年7月 同省埼玉労働局長
2013年7月 同省労働基準局労災補償部長
安 藤 よ し 子
取締役 1959年3月17日 生 2014年7月 同省雇用均等・児童家庭局長 ※1 6,500
2015年10月 同省政策統括官(労働担当)
2016年6月 同省政策統括官(統計・情報政策担
当)
2017年7月 同省人材開発統括官
2019年3月 当社社外監査役
2024年3月 当社社外取締役(現任)
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所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1987年4月 当社入社
2011年10月 サンミゲルビール社取締役
2014年3月 当社グループ財務担当ディレクター
2016年3月 ライオン社取締役
常勤監査役 西 谷 尚 武 1963年11月29日 生 2016年4月 キリン㈱経理部長 ※2 5,008
2017年3月 同社執行役員経理部長
2019年4月 当社執行役員経営監査部長
2022年3月 当社常勤監査役(現任)
協和発酵バイオ㈱監査役(現任)
1989年4月 当社入社
2015年3月 キリン㈱R&D本部技術統括部長
2015年4 月 同社R&D本部研究開発推進部長
2018年3月 同社執行役員R&D本部研究開発推進部
長
2019年4月 当社執行役員R&D本部副本部長 兼 研
究開発推進部長
常勤監査役 石 倉 徹 1963年11月30日 生 ※3 4,800
2020年3月 協和発酵バイオ㈱取締役
2020年4月 当社執行役員経営企画部健康事業推
進室長
2022年4月 当社執行役員ヘルスサイエンス事業
本部ヘルスサイエンス事業部部長
2023年3月 当社常勤監査役(現任)
協和キリン㈱監査役(現任)
1981年11月 昭和監査法人(現 EY新日本有限責任
監査法人)入社
1985年4月 公認会計士登録
1996年6月 太田昭和監査法人(現 EY新日本有限
責任監査法人)パートナー
2002年6月 新日本監査法人(現 EY新日本有限責
任監査法人)シニアパートナー
鹿 島 か お る
監査役 1958年1月20日 生 ※4 ―
2006年7月 同監査法人人材開発本部人事担当
2010年9月 新日本有限責任監査法人(現 EY新日
本有限責任監査法人)
常務理事コーポレートカルチャー推
進室、広報室担当
2012年7月 同監査法人常務理事ナレッジ本部長
2013年7月 EY総合研究所㈱代表取締役社長
2020年3月 当社社外監査役(現任)
1980年4月 弁護士登録
長島・大野法律事務所入所
1988年10月 同事務所パートナー
2000年1月 長島・大野・常松法律事務所パート
監査役 藤 縄 憲 一 1955年2月18日 生 ナー ※2 ―
2004年1月 同事務所マネージング・パートナー
2015年1月 同事務所代表
2020年1月 同事務所シニア・カウンセル(現任)
2022年3月 当社社外監査役(現任)
1987年4月 ㈱東京銀行(現 ㈱三菱UFJ銀行)入行
1996年9月 世界銀行グループ入行
2001年5月 Toyota Motor Europe NV/SA.入社
2015年1月 同 社 General Manager, Global
Treasury & Investor Relations
2018年3月 トヨタ自動車㈱経理部IR・株式グ
監査役 土 地 陽 子 1964年10月3日 生 ※4 ―
ループ主幹
2018年11月 ソフトバンクグループ㈱入社
同社マネージングディレクター財務
統括IR部長
2020年2月 SoftBank Group International Ltd.
Managing Partner
2024年3月 当社社外監査役(現任)
計 178,921
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(注) 1 取締役森正勝、柳弘之、塩野紀子、ロッド・エディントン、ジョージ・オルコット、 片野坂真哉、安藤よし
子 の各氏は、社外取締役であります。
2 監査役鹿島かおる、藤縄憲一及び土地陽子の各氏は、社外監査役であります。
3 取締役及び監査役の任期は、次のとおりであります。
※1 2024年3月28日開催の定時株主総会の終結の時から、2024年12月期に係る定時株主総会の終結の時まで。
※2 2022年3月30日開催の定時株主総会の終結の時から、2025年12月期に係る定時株主総会の終結の時まで。
※3 2023年3月30日開催の定時株主総会の終結の時から、2026年12月期に係る定時株主総会の終結の時まで。
※4 2024年3月28日開催の定時株主総会の終結の時から、2027年12月期に係る定時株主総会の終結の時まで。
4 上記取締役、監査役のほかに、9名の執行役員がおります。
常務執行役員 ブランド戦略、マーケティング戦略、デジタル・情報戦略、 山 形 光 晴
麒麟麦酒㈱副社長執行役員(マーケティング管掌)
常務執行役員 当社CSV戦略部長、CSV戦略、広報戦略 藤 川 宏
常務執行役員 SCM戦略、生産技術戦略 岩 崎 昭 良
常務執行役員 当社R&D本部長、R&D戦略 横 山 昌 人
常務執行役員 当社品質保証部長、品質保証統括 永 嶋 一 史
常務執行役員 事業提携・投資戦略、リスク管理統括、海外担当(含む海外 三 橋 英 記
クラフトビール)
常務執行役員 麒麟麦酒㈱代表取締役社長 堀 口 英 樹
常務執行役員 キリンビバレッジ㈱代表取締役社長 井 上 一 弘
常務執行役員 協和発酵バイオ㈱代表取締役社長 深 田 浩 司
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② 社外取締役及び社外監査役
1) 員数
当社の社外取締役は7名、社外監査役は3名です。
2) 企業統治において果たす機能・役割及び選任状況についての考え方
社外取締役は、取締役会において、より客観的な立場から、企業経営の豊富な経験と高い見識に裏付けられ
た発言を行うことにより、重要な業務執行及び法定事項についての意思決定並びに職務執行の監督という取締
役会の企業統治における機能・役割を、健全かつより高いレベルで維持することに貢献しています。社外取締
役は現在7名を選任しており、全取締役の過半数を占めていることから、取締役会のほか、当社のコーポレー
ト・ガバナンス体制における重要な機関である指名・報酬諮問委員会を有効に機能させるのに十分な員数であ
ると考えています。
社外監査役は、複数の企業における社外取締役・社外監査役の経験や、財務・会計・法律等に関する専門性
等により、企業統治の仕組みとして当社が採用している監査役の機能の充実に貢献しています。社外監査役は
現在3名を選任していますが、常勤監査役2名と合わせて5名の体制となっており、取締役の職務執行状況を
監査するのに十分な員数であると考えています。
3) 社外役員の独立性に関する基準及び会社との人的関係、資本的関係又は取引関係その他利害関係
当社は、社外取締役及び社外監査役(以下、併せて「社外役員」という)の独立性を客観的に判断するため
に、株式会社東京証券取引所が定める独立役員の独立性に関する判断基準を参考に、以下のとおり独自の基準
を定めています。ただし、社外役員の選任には、独立性だけでなく、それぞれの知識、能力、見識及び人格等
を考慮して選定していますので、会社法に定める社外役員の要件を満たし、かつ社外役員として当社の意思決
定に対し指摘、意見することができる人材については、以下の基準に該当する場合であっても社外役員として
招聘することがあります。
(社外役員の独立性に関する基準)
当社の社外取締役又は社外監査役が独立性を有していると判断される場合には、当該社外取締役又は社外監
査役が以下のいずれの基準にも該当してはならないこととしております。
① 当社(連結子会社を含む。以下同じ。)を主要な取引先とする者
② 当社を主要な取引先とする会社の業務執行取締役、執行役、執行役員又は支配人その他の使用人である
者
③ 当社の主要な取引先である者
④ 当社の主要な取引先である会社の業務執行取締役、執行役、執行役員又は支配人その他の使用人である
者
⑤ 当社から役員報酬以外に、一定額を超える金銭その他の財産上の利益を受けている弁護士、公認会計
士、税理士又はコンサルタント等
⑥ 当社から一定額を超える金銭その他の財産上の利益を受けている法律事務所、監査法人、税理士法人又
はコンサルティング・ファーム等の法人、組合等の団体に所属する者
⑦ 当社の主要株主である者
⑧ 当社の主要株主である会社等の法人の業務執行取締役その他の業務執行者である者
⑨ 当社から一定額を超える寄付又は助成を受けている者
⑩ 当社から一定額を超える寄付又は助成を受けている法人、組合等の団体の理事その他の業務執行者であ
る者
⑪ 当社の業務執行取締役、常勤監査役が他の会社の社外取締役又は社外監査役を兼任している場合におい
て、当該他の会社の業務執行取締役、執行役、執行役員又は支配人その他の使用人である者
⑫ 上記①~⑪に過去3年間において該当していた者
⑬ 上記①~⑫に該当する者が重要な者である場合において、その者の配偶者又は二親等以内の親族
⑭ 当社の取締役、執行役員若しくは支配人その他の重要な使用人である者(過去3年間において該当して
いた者を含む。)の配偶者又は二親等以内の親族
(注) 1 ①及び②において、「当社を主要な取引先とする者(又は会社)」とは、「直近事業年度にお
けるその者(又は会社)の年間連結売上高(年間連結売上収益)の2%以上又は1億円のいず
れか高い方の支払いを当社から受けた者(又は会社)」をいう。なお、その者(又は会社)が
連結決算を実施していない場合は、年間連結売上高(年間連結売上収益)に代え、年間総収入
又は年間単体売上高を基準とする。
2 ③及び④において、「当社の主要な取引先である者(又は会社)」とは、「直近事業年度にお
ける当社の年間連結売上収益の2%以上の支払いを当社に行っている者(又は会社)、直近事
業年度末における当社の連結資産合計の2%以上の額を当社に融資している者(又は会社)」
をいう。
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3 ⑤、⑨及び⑩において、「一定額」とは、「年間1,000万円」であることをいう。
4 ⑥において、「一定額」とは、「直近事業年度における法人、組合等の団体の年間総収入の
2%以上又は1億円のいずれか高い方」であることをいう。
5 ⑦及び⑧において、「主要株主」とは、「総株主の議決権の10%以上を直接又は間接的に保有
している株主」をいう。
(会社との人的関係、資本的関係又は取引関係その他利害関係)
上記基準に照らし、当社は社外取締役の森正勝氏、柳弘之氏、塩野紀子氏、ロッド・エディントン氏、
ジョージ・オルコット氏、片野坂真哉氏及び安藤よし子氏、社外監査役の鹿島かおる氏、藤縄憲一氏及び土地
陽子氏を株式会社東京証券取引所等の定めに基づく独立役員として指定しています。各社外役員と当社との人
的関係、資本的関係又は取引関係その他利害関係については、以下のとおりです。
・社外取締役の森正勝氏、柳弘之氏、塩野紀子氏、ロッド・エディントン氏、ジョージ・オルコット氏、片野
坂真哉氏及び安藤よし子氏については、当社との間に人的関係、資本的関係及び取引関係その他の利害関係は
なく、一般株主と利益相反が生じるおそれのない独立性を十分に有しているものと判断しています。
・社外監査役の鹿島かおる氏、藤縄憲一氏及び土地陽子氏については、当社との間に人的関係、資本的関係及
び取引関係その他の利害関係はなく、一般株主と利益相反が生じるおそれのない独立性を十分に有しているも
のと判断しています。
4) 社外役員による監督・監査と監査役監査・内部監査・会計監査との相互連携及び内部統制部門との関係
社外取締役は、取締役会への出席等を通じ会計監査及び内部監査の報告を受け、監査役会との情報交換及び
連携を踏まえ必要に応じて意見を述べることにより、これらの監査と連携のとれた取締役の職務執行に対する
監督機能を果たしています。また、取締役会の一員としての意見又は助言により内部統制部門を有効に機能さ
せることを通じて、適正な業務執行の確保を図っています。
社外監査役は、監査役会や取締役会への出席及び会計監査人からの報告等を通じ、直接又は間接に、会計監
査及び内部監査の報告を受け、必要に応じて意見を述べることにより、監査の実効性を高めています。そのう
えで、高い専門性により監査役監査を実施し、監査役会の監査報告につなげています。また、取締役会におい
て内部統制部門の報告に対して意見を述べ、適正な業務執行の確保を図っています。
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(3) 【監査の状況】
①監査役監査の状況
1)監査役監査の組織、人員及び手続
監査役会の組織、人員及び手続については、前述の「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ①コーポレート・ガ
バナンスに関する基本的な考え方及び②企業統治の体制の概要と当該体制を採用する理由」及び、「(2)役員の状
況 ①役員一覧及び②社外取締役及び社外監査役」をそれぞれご参照ください。
監査役会は、西谷尚武監査役及び鹿島かおる監査役を財務・会計に関する相当程度の知見を有する監査役として
選任しています。西谷尚武監査役は、当社入社以来、当社及びグループ会社において財務・経理に携わり、2017年
にキリン株式会社執行役員経理部長に就任し、2022年に現職に就任しています。鹿島かおる監査役は、長年にわた
り公認会計士の職務に携わり、財務及び会計に関し相当程度の知見と経験を有する専門家であり、2020年に現職に
就任しています。
2)監査役及び監査役会の活動状況
当年度において当社は監査役会を合計19回開催しており、個々の監査役の出席状況は以下のとおりです。尚、監
査役会以外にも監査役間の情報共有や意見交換の機会を設けています。
区分 氏名 監査役会出席状況
常勤監査役 桑田 啓二 全5回中5回(100%)
常勤監査役 西谷 尚武 全19回中19回(100%)
常勤監査役 石倉 徹 全14回中14回(100%)
社外監査役 安藤 よし子 全19回中19回(100%)
社外監査役 鹿島 かおる 全19回中19回(100%)
社外監査役 藤縄 憲一 全19回中19回(100%)
※表中の全回数が異なるのは、就任時期の違いによるものです。
監査役会における具体的な検討内容は、監査方針、事業報告及び附属明細書の適法性、取締役の職務執行の妥当
性、内部統制システムの整備・運用状況の妥当性、会計監査人の監査の方法及び結果の相当性、会計監査人の評
価、監査報酬の妥当性、監査上の重要な検討事項(KAM:Key Audit Matters)等です。期末には、監査活動の振り
返りを行い、会社に対する提言事項と翌期の重点監査項目を討議した上で、取締役会に報告しています。
監査役の活動として、監査役会が決定した監査方針及び監査計画に基づき、当社取締役との意見交換、取締役会
その他重要な会議又は委員会への出席、当社各部門の監査・国内外グループ会社への往査の実施、グループ会社の
非常勤監査役の兼務、グループ各社監査役との意見交換、会計監査人からの監査の実施状況・結果報告の確認を
行っており、取締役の職務執行状況を十分に監査できる体制となっています。また、社外取締役との情報共有会を
開催し、監査状況や監査トピックス、内部統制上やリスクに関する懸念事項について意見交換を行うなど、連携を
強化しています。内部監査部門長とは情報共有会を定期開催し、内部統制システムの整備・運用状況や監査計画・
監査結果の報告を受けるとともに意見交換を実施しています。更に、指名・報酬諮問委員会との意見交換や情報共
有も行っています。
監査役会の実効性評価については、各監査役による事前の自己評価アンケートの結果を基に監査役会にてディス
カッションを実施し、監査役会として取り組むべき課題を明確にした上でその課題に取り組むこととしています。
②内部監査の状況
1)内部監査の目的
当社では、内部監査の目的を「キリングループの経営活動について、合法性と合理性の観点から公正かつ独立の
立場で、ガバナンス、リスクマネジメントおよびコントロールに関連する経営諸活動の遂行状況を評価し、アシュ
アランス業務およびコンサルティング業務を行うことにより、グループ経営戦略目標の達成に貢献すること」と
し、「経営に資する監査」の理念のもと、グループの重要リスクおよび内部統制に関する監査を実施しています。
2)内部監査の組織、人員及び手続き
当社では、最高経営責任者(CEO)管轄の独立した組織として経営監査部を設置し、2023年12月現在の人員は24名
で構成されています。公認内部監査人(CIA)、公認情報システム監査人(CISA)、公認不正検査士(CFE)などの
資格保有者を含め、内部監査に関する専門的な知見を有する従業員を相当数配置しています。
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監査方針・重点監査項目を含む年度監査計画については、経営環境を認識した上で、毎年リスク評価を実施し、
監査対象・テーマを決定して、取締役会で承認を受けております。
3)監査役、会計監査人及びグループ各社内部監査部門との関係
経営監査部は、当社監査役、主要グループ会社監査役及び会計監査人と情報・意見交換や協議を適宜行う等、相
互連携を図っています。当社監査役とは月次で、社外監査役・取締役とは年2回の意見交換の場を設け、重点監査
項目などについて議論しております。また会計監査人とも定期的に情報・意見交換を行っております。
主要グループ会社の常勤監査役や内部監査部門とも定期的に情報・意見交換を行い、その他のグループ会社には
非常勤監査役の派遣等も行うことで、グループ全体に対して実効的かつ効率的な監査を行っています。
4)内部監査の実効性を確保するための取り組み
3ラインモデルにおいて、第3線である経営監査部が、事業軸・機能軸のマトリックス型監査やJ-SOX評価を行う
ことで、第1線・第2線での統制状況を確認し、内部統制の強化、3ラインの整備を促しております。
さらに、経営の要請に基づき、グループ横断的な経営課題についてもテーマ監査を実施し、改善提言を行ってお
ります。改善提言については、提言先の各社各部門から措置回答を受領し、改善取り組みが完了するまで定期的に
フォローアップしております。
なお、これらの監査活動の結果については、取締役会等にて報告しております。
また、監査品質については、毎年内部評価を実施し、維持向上に努めております。2023年度においては外部評価
を実施し、内部監査協会(IIA)の国際基準に「一般的に適合している(Generally Conforms)」との評価を受けて
おります。
③会計監査の状況
1)監査法人の名称
有限責任あずさ監査法人
2)継続監査期間
49年間
上記は、調査が著しく困難であったため、現任の監査人である有限責任あずさ監査法人の前身(の1つ)である
新和監査法人が監査法人組織になって以降の期間について記載したものです。 実際の継続監査期間は、この期間を
超える可能性があります。
3)業務を執行した公認会計士
神塚勲氏、佐々木雅広氏、藤岡義博氏
4)監査業務に係る補助者の構成
会計監査業務に係る補助者は、公認会計士25名、その他65名です。
5)監査公認会計士を選定した理由
監査役会は、「会計監査人の選解任等の決定に関する方針」を定めております。監査役及び監査役会は、この方
針に基づき、監査の実施体制、品質管理体制等を総合的に検討した結果、適任と判断しました。
6)監査役及び監査役会による会計監査人の評価
監査役及び監査役会は、会計監査人との定期的な会合その他の連携を通じ、継続的に会計監査人の評価を行って
います。また、監査役会では、会計監査人から期末の会計監査報告を受けた後に、「会計監査人の選解任等の決定
に関する方針」に基づき検討を行い、十分な評価結果を得られたため、再任を決議しました。
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④監査報酬の内容等
1)監査公認会計士等に対する報酬
前年度 当年度
区分
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円)
提出会社 211 16 211 21
連結子会社 344 4 357 4
計 555 19 568 25
(前年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、内部統制報告制度(J-SOX)に関する支援等であります。
(当年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、内部統制報告制度(J-SOX)に関する支援等であります。
2)監査公認会計士と同一のネットワークファームに対する報酬
前年度 当年度
区分
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円)
提出会社 14 33 - 28
連結子会社 510 113 710 78
計 524 145 710 106
(前年度)
当社における非監査報酬の内容は、環境問題への取り組みに関する助言・支援等であります。
連結子会社における非監査報酬の内容は、コーポレートガバナンス及びリスクマネジメントに関するアドバイザ
リー業務等であります。
(当年度)
当社および連結子会社における非監査報酬の内容は、税関連業務及び環境問題への取り組みに関する助言・支援
等であります。
3)監査報酬の決定方針
監査報酬の額は、当社の規模や業務の特殊性等を勘案して監査日数等を検討した上で、監査役会の同意を得て適
切に決定しております。
4)監査役会による監査報酬の同意理由
監査役会は、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務執行状況及び報酬見積もりの算定根拠などを確認
し、検討した結果、会計監査人の報酬等の額につき、会社法第399条第1項の同意を行っております。
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(4) 【役員の報酬等】
1) 役員報酬等の決定方針
当社の役員報酬等の決定方針は、独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬諮問委員会において、その妥
当性を審議したうえで、取締役会にて決定しております。指名・報酬諮問委員会における審議においては、毎
期の経営環境の変化や株主・投資家の要請を踏まえるとともに、必要に応じて外部の報酬コンサルティング会
社の客観的・専門的意見を参考にしております。 当社の役員報酬等の決定方針の概要は以下のとおりです。
① 役員報酬等の基本方針
ⅰ) 業績及び中長期的な企業価値との連動を重視した報酬とし、株主と価値を共有するものとする
ⅱ) 当社グループ役員の役割及び職責に相応しい水準とする
ⅲ) 独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬諮問委員会の審議を経ることで、客観性及び透明性を確保
する
② 報酬構成と支給対象等
当社の役員報酬は、固定報酬である「基本報酬」並びに業績連動報酬である短期インセンティブとしての
「賞与」及び中長期インセンティブとしての「株式報酬」の3つで構成されております。なお、社外取締役は客
観的立場から当社及び当社グループ全体の経営に対して監督及び助言を行う役割を担うこと、監査役は客観的
立場から取締役の職務の執行を監査する役割を担うことから、それぞれ基本報酬のみを支給します。
評価指標及び当該指標を
報酬等の種類 概要
採用した理由
固
● 役位及び職責に基づいた固定報酬
定
基本報酬 ● 職責に応じた追加手当を支給
報 ―
酬
● 年額を12等分して毎月支給
● 年度の業績目標達成及び将来の成長
グループ全体及び主要事業の確実な収益成長と
に向けた取組みを動機付ける業績連
戦略遂行を促すため、以下の評価指標を選定す
動報酬
[短期イ
る。当年度は以下の指標を選定する。
● 役位及び職責ごとにあらかじめ定め
ンセン
られた目標達成時の支給額(基準額)
ティブ]
●会社業績評価指標(連結事業利益)
を100%とした場合、業績目標の達成
賞与
※2
度等に応じて0%~200%の範囲内で変
●事業業績評価指標(各事業の事業利益等)
動
●個人業績評価
● 事業年度終了後に一括支給
業
績
● 中長期的な企業価値の向上を動機付
連
ける業績連動報酬
動
● 単年度の業績達成度に連動するパ
[中長期
報
フォーマンス・シェア・ユニット(単
インセン
酬
年PSU)、中期経営計画の目標達成度
●中期経営計画で定めるキリングループ連結の
ティブ]
に連動するパフォーマンス・シェ
財務・非財務指標から、中長期の株主価値向上
信託型
ア・ユニット(中計PSU)、業績条件が
と社会的価値創出の両立を促す評価指標を選
株式報酬
付されていないリストリクテッド・
定。
(国内居住
シェア・ユニット(RSU)で構成
者の場合)
● 単年PSU及びRSUは各事業年度終了後
※1
一定の時期に、また、中計PSUは中計
対象期間(3事業年度)の翌事業年度
にそれぞれ付与されたポイントに応
じて、株式及び金銭を50:50の比率
で一括支給
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※1 国内非居住者に対しては、信託型株式報酬制度と同一の計算式によって算定された当社株式(信託型株式
報酬制度において換価処分対象となる当社株式を含む)の額に相当する金銭が給付されます。なお、現時
点で支給が予定されている役員はおりません。
※2 事業会社及びヘルスサイエンス戦略担当役員(ヘルスサイエンス事業本部長)についてのみ適用いたしま
す。
イメージ図1:信託型株式報酬における業績評価期間、ポイント数の確定時期及び株式等の交付時期
イメージ図2:信託型株式報酬の業績連動の仕組み(全体像)
※単年PSUの基準額及びRSU基準額の合計を100%とした場合。
単年PSUのみで見た場合の支給率は0%~200%で変動。
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③ 報酬水準と業績連動報酬の比率
当社の役員報酬水準及び業績連動報酬(賞与及び信託型株式報酬)の比率は、外部調査機関の役員報酬調査
データの利用による客観的な比較検証を行ったうえで、個人別の役位及び職責等を基礎として設計します。
● 報酬水準
日本を代表するグローバル製造業企業との比較で、基本報酬につき中位、業績目標達成時の総報酬に
つき中位以上を目安とし、競争力のある報酬水準を確保します。社外取締役の報酬水準についても、当
社のガバナンス強化において期待される役割の大きさを考慮し、中位以上となる水準を確保します。
● 業績連動報酬比率
国内大手企業の水準を参考に固定報酬よりも業績連動報酬の割合を高く設定することとし、特に株式
報酬の比率を高めることで、業績達成に向けたインセンティブ及び株主価値との連動を強化します。具
体的には、代表取締役であるCEOの報酬構成割合を以下のとおり、基本報酬:業績連動報酬の基準額を概
ね30:70(うち、賞与30、株式報酬40)の比率とし、他の取締役(社外取締役を除く)及び執行役員の報酬
構成割合は、これに準じて役位及び職責を考慮して決定いたします。また、信託型株式報酬の基準額に
おける単年PSU:RSU:中計PSU(1年当たり)の構成比は、全ての支給対象者に共通(概ね4:2:1)とい
たします。
イメージ図3:役員の報酬構成
④ 業績連動報酬の評価指標及び目標値
● 賞与の会社業績評価指標及び事業業績評価指標、信託型株式報酬の評価指標
中期経営計画の内容や期初における業績見通し等を踏まえて評価指標及び目標値を決定します。そのうち財
務指標については、過年度実績及び目標値等を踏まえて変動幅(上限値・下限値)を決定します。
● 賞与の個人業績評価指標
代表取締役CEOについては指名・報酬諮問委員会の社外役員(委員長を含む)との面談、代表取締役COOについ
ては、これに加え代表取締役CEOとの面談を経て、それ以外の取締役(社外取締役を除く)及び執行役員につい
ては代表取締役CEOの承認を経た代表取締役COOの原案を審議のうえ、指名・報酬諮問委員会が具体的な評価
指標及び目標を決定します。なお、CEOでない代表取締役会長についても、代表取締役CEOに準じて取り扱う
ものとします。
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⑤ 役員報酬等の決定方法
役員報酬等の内容は、公正かつ合理的な制度運用が担保されるよう、上記①から④に定める方針に従っ
て、独立社外取締役が過半数を占め、かつ独立社外取締役が委員長である指名・報酬諮問委員会において審
議し、取締役会に答申したうえで、あらかじめ株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で、取締役の報酬
については取締役会で、監査役の報酬については監査役の協議により、それぞれ決定します。
ただし、賞与における各役員の個人業績評価及びこれに係る個人別支給率の決定は、客観性及び透明性を担
保するため、指名・報酬諮問委員会に委任しております。上記決定にあたっては、a) 代表取締役CEO及び代表
取締役COOについては、指名・報酬諮問委員会の委員のうち利害関係人を除いた委員長または委員である社外
取締役が面談を実施し、合議により原案を作成します。その際、代表取締役COOについては代表取締役CEOによ
る評価を参考にします。なお、CEOでない代表取締役会長についても、代表取締役CEOに準じて取り扱うものと
します。b) それ以外の取締役(社外取締役を除く)及び執行役員については、代表取締役COOが各役員との面談
を実施し、代表取締役CEO承認のもとで個人業績評価及びこれに係る個人別支給率の原案を作成します。
指名・報酬諮問委員会は、これらの個人業績評価結果及び個人業績評価に係る個人別支給率を決定したうえ
で、適時・適切に取締役会に報告します。
指名・報酬諮問委員会の構成・権限等は以下のとおりです。
ⅰ)指名・報酬諮問委員会の委員構成
指名・報酬諮問委員会は5名の委員で構成されます。(社外取締役3名、社内取締役2名)
● 委員長: 塩野 紀子(社外取締役)
● 委員: 片野坂 真哉(社外取締役)
● 委員: 安藤 よし子(社外取締役)
● 委員: 磯崎 功典(代表取締役CEO)
● 委員: 南方 健志(代表取締役COO)
ⅱ)指名・報酬諮問委員会における審議事項及び決定事項
役員報酬等に関する指名・報酬諮問委員会における審議事項及び決定事項は以下のとおりです。
(審議事項)
〈1〉取締役の報酬制度、報酬水準並びに個人別の報酬に関する決定方針及び個人別の報酬等の額または数
〈2〉監査役の報酬制度及び報酬水準
〈3〉執行役員の報酬制度、報酬水準並びに個人別の報酬に関する決定方針及び個人別の報酬等の額または
数
〈4〉国内外の主要グループ会社の社長の報酬制度及び報酬水準
(決定事項)
〈5〉取締役(社外取締役を除く)及び執行役員の賞与の個人業績評価並びに個人業績評価に係る個人別支給
率の決定
指名・報酬諮問委員会は、主に上記の事項の審議を目的として定期的に開催される他、役員報酬に関する
法規制等の環境変化に応じて開催されます。また、必要に応じて外部のアドバイザーが陪席する場合があり
ます。
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⑥ 株式報酬の没収・返還条件(マルス・クローバック条項)
取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に非違行為や自己都合による辞任、その他受益権・受給権の全部
または一部を取得させないことが相当である事由があったと取締役会が認めた場合など当社の株式交付規程
に定める一定の事由に該当する場合には、当該取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に対し、株式報酬制
度に基づく報酬の受給権の没収または交付した当社株式等相当の金銭の返還を求めることができることとし
ています。
⑦ その他重要な事項
上記①から⑤の内容にかかわらず、取締役(社外取締役を除く)及び執行役員の報酬等の決定に際して、事前
に予期せぬ特殊要因(天変地異、急激な為替の変動、不祥事、組織再編等。ただし、必ずしもこれらに限定さ
れない)が発生した場合には、必要に応じて臨時に指名・報酬諮問委員会の審議を経て、取締役会の決議にお
いて裁量的な判断を加える場合があります。
2) 2024年度の報酬等
上記1)を踏まえて決定した2024年度に係る業績連動報酬の業績評価指標及び算定方法等は以下のとおりで
す。なお、信託型株式報酬の業績指標の達成度評価にあたっては、在外子会社等の財務諸表項目の換算におけ
る各年度の為替変動による影響等を除くものとしております。
① 賞与
評価指標については、上記1)②に記載のとおり、グループ全体及び主要事業の確実な収益成長と戦略遂行
を促すことを目的として、会社業績評価指標(連結事業利益)及び個人業績評価指標を選定し、職責に応じて評
価割合を決定しております。取締役及び執行役員が事業会社社長またはヘルスサイエンス戦略担当を兼任する
場合には、別途担当における事業業績評価指標(各事業の事業利益等)を加味します。それぞれにおける2024年
度の評価割合、支給率の変動幅及び目標業績については以下のとおりです。
評価割合
事業会社社
その他の
支給率の
長等を兼任
代表 代表
業績評価指標 目標業績
取締役及
変動幅
する取締役
取締役 取締役
び執行役
及び執行役
CEO COO
員
員
上限値 2,424億円
会社業績評価
(A) 70% 70% 20% 50% 0%~200% 基準値 2,020億円
(連結事業利益)
下限値 1,616億円
上限値 1,615億円
事業業績評価
(B)
基準値 1,468億円
(ヘルスサイエン
ス領域売上収益)
下限値 1,321億円
- - 40% - 0%~200%
上限値 0億円
事業業績評価
(B)
基準値 △26億円
(ヘルスサイエン
ス領域事業利益)
下限値 △39億円
個人業績評価
上記1)④に従って決定
30% 30% 40% 50% 0%~200%
(C)
します。
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イメージ図4:賞与の業績連動の仕組み
② 信託型株式報酬(単年PSU・中計PSU)
評価指標については、上記1)②に記載のとおり、中長期の株主価値向上と社会的価値創出の両立を促す目
的で、中期経営計画で定める指標からROIC、平準化EPS(単年PSUにおいては額、中計PSUにおいては中期経営計
画期間内の年平均成長率)及び非財務評価の3つを選定し、目標達成度合いに応じた業績連動係数を算出しま
す。
非財務評価は、中長期的なCSV経営にコミットするうえで定めた重要項目である「環境」「健康」「従業
員」の3つについて、項目ごとに定められた具体的な指標の達成度を定量的に判定、これに各指標及び項目全
体の定性面を加えて項目別評価を行ったうえで、それらの評価結果及び定性面での考慮を踏まえた総合評価で
決定します。客観性及び透明性を担保する観点から、グループ経営戦略会議にて評価した内容をもとに、評価
結果及び支給率を指名・報酬諮問委員会において審議し、取締役会において決定するものとします。
目標業績
業績評価指標 評価割合 支給率の変動幅
単年PSU 中計PSU
上限値 12.3% 14.8%
基準値 8.0% 10.0%
ROIC 40% 0%~200%
下限値 3.7% 5.2%
上限値 204円 18%
平準化EPS
(中計PSUにおいては
基準値 177円 11%
40% 0%~200%
中期経営計画期間内
の年平均成長率)
下限値 150円 4%
「環境」「健康」「従業員」の3つの項目におけ
非財務評価 20% 0%~200% る具体的な指標や定性面を考慮し、上記1)④に
従って決定します。
イメージ図5:信託型株式報酬のPSU業績連動係数の算定式(業績評価期間を除き、単年PSU・中計PSU共通)
※上記表の非財務評価の支給率は目安であり、指名・報酬諮問委員会の審議を経たうえで、上記に示され
た支給率とは異なる支給率(ただし、0%~200%の間とする)の決定もできるものとします。
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3) 当年度(2023年度)の報酬等
① 指名・報酬諮問委員会及び取締役会の活動実績
当年度において、指名・報酬諮問委員会は計13回開催されました。当年度は、中期経営計画に即した形での
役員報酬制度の運用(非財務評価の評価方法等)に関する審議のほか、制度の妥当性(報酬水準や業績連動比率
の検証等)に関する審議を行いました。なお、このうち4回は外部の報酬コンサルタントが同席し、客観的か
つ独立的な立場からの助言及び情報提供を受けており、審議内容は定期的に取締役会に報告及び答申しており
ます。当年度開催の指名・報酬諮問委員会及び取締役会における役員報酬に係る主な議題は以下のとおりで
す。
i) 2022年度に係る役員報酬
1 2022年度業績を踏まえた賞与の支給額、及び信託型株式報酬に係る付与ポイントの決定
ii) 当年度(2023年度)に係る役員報酬
1 当年度業績連動報酬の業績評価指標の基準値、下限値及び上限値の設定
2 非財務評価の評価プロセスの検討
ⅲ) 2024年度に係る役員報酬
1 グローバル及び日本国内における最新の役員報酬環境の確認
2 中期経営計画の達成に向けたあるべき報酬水準・業績連動報酬の比率の検討及び妥当性
の確認(外部の報酬コンサルタントによる客観的な役員報酬調査データを参照)
当年度に係る役員区分ごとの報酬等の総額等及び役員ごとの連結報酬等の総額等、並びに業績連動報酬
の目標及び実績等は以下②~④に記載のとおりです。
なお、取締役の個人別の報酬等の内容の決定にあたっては、指名・報酬諮問委員会が役員報酬等の決定
方針に則って、取締役の報酬等の算定方法及びこれに基づく支給額の算出等について多角的に審議・検討
を行ったうえで原案を取締役会に答申し、取締役会もかかる審議経過及び答申を尊重しているため、取締
役の個人別の報酬等の内容は、役員報酬等の決定方針に沿うものであると判断しております。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別総額及び対象となる役員の員数
報酬等の種類別の総額(百万円)及び対象員数(名)
固定報酬 業績連動報酬
報酬等の
金銭報酬 非金銭報酬
総額
役員区分
業績連動型
(百万円)
信託型
基本報酬 賞与
株価連動報酬(ファ
株式報酬
ントム・ストック)
総額 対象員数 総額 対象員数 総額 対象員数 総額 対象員数
取締役
809 281 6 321 5 - - 207 6
(社外取締役を除く)
監査役
76 76 3 - - - - - -
(社外監査役を除く)
社外取締役 142 142 8 - - - - - -
社外
役員
社外監査役 58 58 3 - - - - - -
計 1,084 556 20 321 5 - - 207 6
(注) 1 当年度末日時点における在籍人員は、取締役12名、監査役5名でありますが、上記報酬額には、
2023年3月30日付をもって退任した取締役2名分及び監査役1 名分を含んでおります。
2 上記の賞与の総額は、支給予定の額であります。業績評価指標の実績等は、以下④をご参照くださ
い。
3 上記の業績連動型株価連動報酬(ファントム・ストック)について、対象となった役員はおりませ
ん。
4 非金銭報酬として、取締役(社外取締役を除く)に対し信託型株式報酬を交付しております。上記の
信託型株式報酬の総額は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託に関して、当年度中に費用計
上した金額です。
5 百万円未満を四捨五入して記載しております。
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③ 役員ごとの連結報酬等の総額等
報酬等の種類別の額(百万円)
固定報酬 業績連動報酬
報酬等の総額
氏名 役員区分
(百万円)
金銭報酬 非金銭報酬
信託型株式
基本報酬 賞与
報酬
磯崎 功典 代表取締役社長 338 103 137 98
西村 慶介 代表取締役副社長 172 62 67 43
三好 敏也 取締役 111 43 42 25
(注) 1 報酬等の総額が1億円以上である者を記載しています。
2 上記の信託型株式報酬の報酬額は、役員報酬BIP信託に関して、当年度中に費用計上した金額で
す。
3 百万円未満を四捨五入して記載しております。
④ 業績連動報酬の評価指標に係る目標等及び実績
指名・報酬諮問委員会での審議を経て、取締役会の決議によって決定した当年度の業績連動報酬の評価指標
に係る目標等及び実績は以下のとおりです。
i)賞与
評価 支給率の 指標毎の 最終
業績評価指標 目標業績 実績
割合 変動幅 支給率 支給率
上限値 2,304億円
20% 0%
会社業績評価
基準値 1,920億円
~ ~ 2,015億円 124.7%
(連結事業利益)
70% 200%
下限値 1,536億円
上限値 1,320億円
132.3%
0%
事業業績評価
~
基準値 1,200億円
40% ~ 1,456億円 200%
(ヘルスサイエン
184.9%
200%
ス領域売上収益)
下限値 1,080億円
30% 0% 150%
個人ごとの委嘱業務等の評価指標に基づき
個人業績評価
~ ~ ~
決定しております。
50% 200% 200%
(注) 1 個人業績評価については、上記1)⑤に記載の方法により決定いたしました。
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ⅱ) 信託型株式報酬(当年度を業績評価期間とする単年PSU)
評価 指標毎の
支給率の変
業績評価指標 目標業績 実績 最終支給率
動幅
割合 支給率
上限値 12.8%
0%
ROIC 40% 基準値 8.5% 7.6% 79.0%
~
200%
下限値 4.2%
上限値 197円
0%
100.6%
平準化EPS 40% 基準値 171円 164円 72.7%
~
200%
下限値 145円
「環境」「健康」「従業員」の
0%
3つの項目における指標ごと
非財務指標 20% SS 200%
~
に、以下の評価を行い決定しま
200%
した。
(注) 財務指標の業績評価の達成度評価にあたっては、在外子会社等の財務諸表項目の換算における各年度の為替変
動による影響等を除いております。
[非財務評価]
項目 評価 項目ごとの評価の経緯・背景等 総合評価
以下主要指標のうち、GHG排出量削減については、2024
年目標を既に上回る進捗であり、気候変動や水セキュリ
ティの取組みや情報開示等において、外部から高い評価
を獲得しました。その他の指標については一部未達が
あったものの、2024年目標達成に向けては順調な進捗で
順調に進捗
環境
あると評価しました。
※
•GHG排出量削率: 31%
•PETボトル用樹脂のリサイクル樹脂使用率: 28%
•水ストレスが高い製造拠点における用水使用原単位:
3.4kl/kl
以下の達成度を主な評価としつつ、健康領域における製
左記項目別の評価及びCSVコ
品や研究開発に関する外部からの高い評価を獲得したこ
ミットメント・機能別内部
と等の成果も含め、概ね順調な進捗と評価しました。
管理指標での達成状況並び
•「免疫機能の維持支援」は、2024年の定量目標に対し
て乖離が発生しており、更なる取組み加速の必要があり
にSDGs経営における最高レ
健康 概ね順調に進捗
ます。
ベルでの受賞の成果等を加
•「免疫・脳機能・腸内環境領域における新価値創造」
味し、総合評価としては
は、計画通り順調に進捗しております。
•「医領域との協働推進」は、計画通り進捗しておりま
「SS」、支給率は200%とし
す。
ました。
以下主要指標のうち、休業災害度数率については、2024
年目標に向けて改善が必要な状況であるものの、多様性
向上の指標はいずれも順調に進捗しており、女性活躍推
進や健康経営の取組み等において、外部から高い評価を
獲得する等したことも考慮して、概ね順調な進捗と評価
従業員 概ね順調に進捗
しました。
•従業員エンゲージメントスコア: 70
•「多様性向上」達成度(国内の女性経営職比率:14%、国
内のキャリア採用比率:45%)
※
•休業災害度数率: 1.36
※ 当年度の非財務評価に際して、実績の確定していない指標については、評価時点での見通しをもとに評価してお
ります。
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4) 株主総会決議による定め
取締役及び監査役の1事業年度あたりの報酬限度額等は以下のとおりです。
報酬限度額(百万円)/
報酬の種類 株主総会決議日 決議日時点の員数
上限付与株式数
※1
12名
1,520
取締役 基本報酬及び賞与
(うち社外取締役7名)
(うち社外取締役分210)
※3
取締役(社外取締
※2
取締役5名
2022年3月30日
株式報酬
1,450/100万株
役を除く)
監査役 基本報酬 200 5名(うち社外監査役3名)
※1 国内非居住者の取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に対する業績連動報酬の給付に関して費用計上される
額を含みます。
※2 取締役(社外取締役を除く)及び執行役員のうち国内居住者を対象とする信託型株式報酬制度に関し、当社が拠
出する金員及び交付される当社株式数の1事業年度あたりの上限です。
※3 取締役のほか、執行役員も当該株主総会決議に係る株式報酬制度の対象であり、その決議日時点の員数は9名
です。
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(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社グループは、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的に保有する投資
株式を純投資目的の投資株式、その他の投資株式を純投資目的以外の目的である投資株式と区分しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
当社及び連結子会社のうち、投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が最も大きい会社(最大保有会社)
である 麒麟麦酒(株) については以下のとおりであります。
a.保有方針
当社グループのコーポレートガバナンス・ポリシーに次のとおり規定しております。
・当社グループは、政策保有株式を原則保有しない。但し、中長期的な企業価値向上に資すると認めら
れる銘柄のみ必要最小限保有することができる。
・当社グループが保有する個別の政策保有株式の保有の合理性については、取引先等との対話・交渉を
実施しながら毎年取締役会にて検証を行い、その結果、株主共同利益の観点から保有の合理性が認め
られないと判断した銘柄は売却を進める。
b.保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
政策保有株式は、個別の銘柄毎に保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか
を精査し、ブランドの価値向上に資するか否かの総合的な判断も加えた上で、継続保有の可否について取締役会
で検証しております 。
c.銘柄数及び貸借対照表計上額
イ.当社
貸借対照表計上額の
銘柄数
(銘柄)
合計額(百万円)
非上場株式 22 4,765
非上場株式以外の株式 1 474
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
銘柄数 株式数の増加に係る取得
株式数の増加の理由
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
非上場株式 - -
非上場株式以外の株式 - -
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
銘柄数 株式数の減少に係る売却
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
非上場株式 1 -
非上場株式以外の株式 - -
(注)株式数が増加及び減少した銘柄には、株式の併合、株式の分割、株式移転、株式交換、合併等に
よる変動を含んでおりません。
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貸借対照表計上額の
銘柄数
(銘柄)
合計額(百万円)
非上場株式 81 4,516
非上場株式以外の株式 45 28,418
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
銘柄数 株式数の増加に係る取得
株式数の増加の理由
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
非上場株式 - - -
取引関係を維持・強化し、当社ブラン
非上場株式以外の株式 3 7
ドの価値向上に繋げるため
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
銘柄数 株式数の減少に係る売却
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
非上場株式 2 0
非上場株式以外の株式 11 7,764
(注)株式数が増加及び減少した銘柄には、株式の併合、株式の分割、株式移転、株式交換、合併等に
よる変動を含んでおりません。
d.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
イ.当社
特定投資株式
当事業年度 前事業年度
当社の株
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株)
銘柄 式の保有
定量的な保有効果及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
の有無
(百万円) (百万円)
同社サービスの日本での事業展開等の取引関
2,702,077 2,702,077
係を維持・強化するために保有しておりま
Nightingale
す。個別の定量的、定性的な保有効果につい 無
Health Oyj
ての記載は困難ですが、適宜保有意義につい
474 386
ての検証を実施しております。
(注) 1 「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。
2 保有の合理性は、当事業年度末で保有する全ての政策保有株式について、2024年1月29日開催の取締役会で
継続保有の適否の検証を行いました。
みなし保有株式は保有しておりません。
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ロ.麒麟麦酒(株)
特定投資株式
当事業年度 前事業年度
当社の株
株式数(株) 株式数(株) 保有目的、業務提携等の概要、
銘柄 式の保有
定量的な保有効果及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
の有無
(百万円) (百万円)
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
3,333,300 3,333,300
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
㈱すかいらーく
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
ホールディング 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
ス
6,883 5,090
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
1,268,500 253,700
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
東海旅客鉄道㈱ 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
4,546 4,111
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
1,104,665 1,104,665
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱ハイデイ日高 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
3,144 2,136
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
1,000,000 1,000,000
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
チムニー㈱ 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
1,431 1,125
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
512,212 512,212
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
ロイヤルホール 営業政策上取引関係を維持・強化するため保
無
ディングス㈱ 有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
1,322 1,188
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
1,000,000 1,000,000
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱大庄 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
1,234 1,042
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
1,200,000 600,000
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱帝国ホテル 有
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
1,144 1,159
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
352,049 352,049
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱木曽路 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
903 738
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
332,780 332,780
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
㈱リンガーハッ 営業政策上取引関係を維持・強化するため保
無
ト 有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
784 732
有意義についての検証を実施しております。
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当事業年度 前事業年度
当社の株
株式数(株) 株式数(株) 保有目的、業務提携等の概要、
銘柄 式の保有
定量的な保有効果及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
の有無
(百万円) (百万円)
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
600,000 600,000
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
SRSホール 営業政策上取引関係を維持・強化するため保
有
ディングス㈱ 有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
658 523
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
80,000 80,000 取扱いによるブランド育成が期待できる等、
東日本旅客鉄道 営業政策上取引関係を維持・強化するため保
無
㈱ 有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
650 602
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
115,000 280,000
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
㈱オリエンタル 営業政策上取引関係を維持・強化するため保
無
ランド 有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
604 5,365
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
138,310 138,310 取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱ハチバン 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
458 426
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
210,000 210,000
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
SFPホール 営業政策上取引関係を維持・強化するため保
無
ディングス㈱ 有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
445 378
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
200,000 100,000
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱第一興商 有
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
417 398
有意義についての検証を実施しております。
ブランド育成のための消費者ニーズや業界の
216,000 216,000
動向情報等を得るため保有しています。個別
㈱カクヤスグ
の定量的、定性的な保有効果についての記載 無
ループ
は困難ですが、適宜保有意義についての検証
378 280
を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
60,000 60,000
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
西日本旅客鉄道 営業政策上取引関係を維持・強化するため保
無
㈱ 有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
353 344
有意義についての検証を実施しております。
ブランド育成のための消費者ニーズや業界の
248,100 606,000
動向情報等を得るため保有しています。個別
㈱いなげや の定量的、定性的な保有効果についての記載 有
は困難ですが、適宜保有意義についての検証
315 751
を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
188,000 188,000
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱バルニバービ 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
230 186
有意義についての検証を実施しております。
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当事業年度 前事業年度
当社の株
株式数(株) 株式数(株) 保有目的、業務提携等の概要、
銘柄 式の保有
定量的な保有効果及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
の有無
(百万円) (百万円)
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
201,300 201,300
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱梅の花 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
200 196
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
54,582 54,582
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱東京會舘 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
199 165
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
96,900 96,900
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
㈱西武ホール 営業政策上取引関係を維持・強化するため保
無
ディングス 有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
190 140
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
90,000 90,000
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
㈱イートアンド
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
ホールディング 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
ス
189 210
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
41,569 41,569
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
近鉄グループ
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
ホールディング 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
ス㈱
186 181
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
有意義についての検証を実施しております。
28,330 101,210
営業政策上等の取引関係を維持・強化するた
日本空港ビルデ
め保有しておりましたが、当事業年度に売却 無
ング㈱
176 661
を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
100,000 100,000
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱ライフフーズ 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
170 166
有意義についての検証を実施しております。
ブランド育成のための消費者ニーズや業界の
動向情報等を得るため保有しています。個別
53,452 52,077
の定量的、定性的な保有効果についての記載
イオン㈱ は困難ですが、適宜保有意義についての検証 無
を実施しております。また、ブランド育成強
168 145
化を目的として、取引先持株会による継続的
な株式取得をしております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
33,008 33,008
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
㈱ ホ テ ル 、 営業政策上取引関係を維持・強化するため保
無
ニューグランド 有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
148 128
有意義についての検証を実施しております。
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当事業年度 前事業年度
当社の株
株式数(株) 株式数(株) 保有目的、業務提携等の概要、
銘柄 式の保有
定量的な保有効果及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
の有無
(百万円) (百万円)
ブランド育成のための消費者ニーズや業界の
動向情報等を得るため保有しています。個別
35,900 34,964
ヤマエグループ の定量的、定性的な保有効果についての記載
ホールディング は困難ですが、適宜保有意義についての検証 有
ス㈱ を実施しております。また、ブランド育成強
137 51
化を目的として、取引先持株会による継続的
な株式取得をしております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
40,000 40,000
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱WDI 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
110 79
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
42,000 42,000
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱あさくま 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
88 66
有意義についての検証を実施しております。
ブランド育成のための消費者ニーズや業界の
10,000 10,000
動向情報等を得るため保有しています。個別
伊藤忠食品㈱ の定量的、定性的な保有効果についての記載 有
は困難ですが、適宜保有意義についての検証
79 49
を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
110,600 110,600
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱京都ホテル 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
79 77
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
33,740 33,740
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
㈱ドトール・日
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
レスホールディ 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
ングス
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
74 58
有意義についての検証を実施しております。
ブランド育成のための消費者ニーズや業界の
42,700 85,400
動向情報等を得るため保有しています。個別
カメイ㈱ の定量的、定性的な保有効果についての記載 有
は困難ですが、適宜保有意義についての検証
73 104
を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
16,800 16,800
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱うかい 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
61 53
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
14,562 14,562
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
㈱トリドール
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
ホールディング 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
ス
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
59 39
有意義についての検証を実施しております。
106/211
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有価証券報告書
当事業年度 前事業年度
当社の株
株式数(株) 株式数(株) 保有目的、業務提携等の概要、
銘柄 式の保有
定量的な保有効果及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
の有無
(百万円) (百万円)
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
39,600 39,600
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱グルメ杵屋 無
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
42 39
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
8,500 8,500
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
営業政策上取引関係を維持・強化するため保
㈱中村屋 有
有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
26 26
有意義についての検証を実施しております。
お客様接点数の高い企業であり、当社製品の
20,000 40,000
取扱いによるブランド育成が期待できる等、
㈱ エ ス エ ル 営業政策上取引関係を維持・強化するため保
無
ディー 有しております。個別の定量的、定性的な保
有効果についての記載は困難ですが、適宜保
19 24
有意義についての検証を実施しております。
ブランド育成のための消費者ニーズや業界の
10,000 10,000
動向情報等を得るため保有しています。個別
㈱リテールパー
の定量的、定性的な保有効果についての記載 無
トナーズ
は困難ですが、適宜保有意義についての検証
17 13
を実施しております。
ブランド育成のための消費者ニーズや業界の
6,336 6,336
動向情報等を得るため保有しています。個別
㈱バローホール
の定量的、定性的な保有効果についての記載 無
ディングス
は困難ですが、適宜保有意義についての検証
15 12
を実施しております。
ブランド育成のための消費者ニーズや業界の
3,600 3,600
動向情報等を得るため保有しています。個別
イオン九州㈱ の定量的、定性的な保有効果についての記載 無
は困難ですが、適宜保有意義についての検証
9 9
を実施しております。
ブランド育成のための消費者ニーズや業界の
200 200
動向情報等を得るため保有しています。個別
㈱コスモス薬品 の定量的、定性的な保有効果についての記載 無
は困難ですが、適宜保有意義についての検証
3 3
を実施しております。
ブランド育成のための消費者ニーズや業界の
動向情報等を得るため保有しています。個別
941 715
の定量的、定性的な保有効果についての記載
ウエルシアホー
は困難ですが、適宜保有意義についての検証 無
ルディングス㈱
を実施しております。また、ブランド育成強
2 2
化を目的として、取引先持株会による継続的
な株式取得をしております。
営業政策上等の取引関係を維持・強化するた
- 45,738
㈱アークス め保有しておりましたが、当事業年度に売却 無
- 100
を実施しております。
営業政策上等の取引関係を維持・強化するた
- 20,000
㈱ヤオコー め保有しておりましたが、当事業年度に売却 無
- 136
を実施しております。
営業政策上等の取引関係を維持・強化するた
- 102,200
㈱ ロ ッ ク ・
め保有しておりましたが、当事業年度に売却 無
フィールド
- 154
を実施しております。
営業政策上等の取引関係を維持・強化するた
- 2,499
㈱歌舞伎座 め保有しておりましたが、当事業年度に売却 無
- 12
を実施しております。
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当事業年度 前事業年度
当社の株
株式数(株) 株式数(株) 保有目的、業務提携等の概要、
銘柄 式の保有
定量的な保有効果及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
の有無
(百万円) (百万円)
営業政策上等の取引関係を維持・強化するた
- 6,600
㈱関西フード
め保有しておりましたが、当事業年度に売却 無
マーケット
- 8
を実施しております。
営業政策上等の取引関係を維持・強化するた
- 17,436
藤田観光㈱ め保有しておりましたが、当事業年度に売却 無
- 52
を実施しております。
(注) 1 「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。
2 保有の合理性は、当事業年度末で保有する全ての政策保有株式について、2024年1月29日開催の取締役会
で継続保有の適否の検証を行いました。
みなし保有株式は保有しておりません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
イ.当社
純投資目的である投資株式は保有しておりません。
ロ.麒麟麦酒(株)
純投資目的である投資株式は保有しておりません。
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第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号。以
下、「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成し
ております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号。以下「財務
諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しておりま
す。
(3) 連結財務諸表及び財務諸表は、百万円未満を四捨五入して記載しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年1月1日から2023年12月31日ま
で)の連結財務諸表及び事業年度(2023年1月1日から2023年12月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監
査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成すること
ができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っております。具体的には、会計基準等の内
容を適正に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財
務会計基準機構へ加入し、監査法人等が主催する研修への参加や会計専門誌の定期購読等を行っております。
また当社は、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準を把握するととも
に、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するため、IFRSに準拠したグループ会計方針等を作成し、それに基づ
いて会計処理を行っております。
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1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
(単位:百万円)
前年度 当年度
注記
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
資産
非流動資産
有形固定資産 6,9,18 560,642 592,928
のれん 7,9 289,526 390,568
無形資産 8,9,18 200,900 303,540
持分法で会計処理されている投資 5,36 361,764 370,720
その他の金融資産 10 103,380 105,346
その他の非流動資産 19 27,700 39,340
111,330 109,322
繰延税金資産 11
非流動資産合計
1,655,242 1,911,764
流動資産
棚卸資産 12 290,171 330,984
営業債権及びその他の債権 13 409,168 444,940
その他の金融資産 10 8,376 8,944
その他の流動資産 41,128 37,552
88,060 131,399
現金及び現金同等物 14
(小計) 836,903 953,818
売却目的で保有する資産 15 50,117 4,004
流動資産合計
887,021 957,821
資産合計 2,542,263 2,869,585
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(単位:百万円)
前年度 当年度
注記
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
資本
資本金 16 102,046 102,046
資本剰余金 16 25,519 21,150
利益剰余金 16 1,063,823 1,128,541
自己株式 16 △ 251,788 △ 251,675
40,423 132,519
その他の資本の構成要素 16
親会社の所有者に帰属する持分
980,022 1,132,581
273,181 293,257
非支配持分 35
資本合計
1,253,203 1,425,838
負債
非流動負債
社債及び借入金 17,28 408,662 555,725
その他の金融負債 17,18,28 129,662 82,914
退職給付に係る負債 19 58,084 55,228
引当金 20 3,292 4,316
持分法適用に伴う負債 36 15,529 13,966
その他の非流動負債 22 27,572 19,921
13,564 38,871
繰延税金負債 11
非流動負債合計
656,365 770,941
流動負債
社債及び借入金 17,28 114,459 100,673
営業債務及びその他の債務 21 265,185 306,670
その他の金融負債 17,18,28 59,824 61,720
未払法人所得税 4,611 9,687
引当金 20 2,970 4,153
177,530 189,904
その他の流動負債 22
(小計) 624,579 672,806
売却目的で保有する資産に直接関連する
15 8,116 -
負債
流動負債合計 632,695 672,806
負債合計
1,289,060 1,443,747
資本及び負債合計 2,542,263 2,869,585
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② 【連結損益計算書】
(単位:百万円)
前年度 当年度
注記 (自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
売上収益 5,23 1,989,468 2,134,393
1,083,755 1,170,927
売上原価
売上総利益
905,713 963,466
販売費及び一般管理費 24 714,554 761,971
その他の営業収益 9,25 29,454 28,835
104,594 80,036
その他の営業費用 9,26
営業利益
116,019 150,294
金融収益 27 10,978 9,035
金融費用 27 6,478 10,523
持分法による投資利益 36 22,780 32,773
48,088 15,470
持分法で会計処理されている投資の売却益
税引前利益
191,387 197,049
47,615 46,611
法人所得税費用 11
143,771 150,438
当期利益
当期利益の帰属
親会社の所有者 111,007 112,697
32,764 37,741
非支配持分 35
143,771 150,438
当期利益
1株当たり当期利益(円) 30
基本的1株当たり当期利益 135.08 139.16
希薄化後1株当たり当期利益 135.07 139.15
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③ 【連結包括利益計算書】
(単位:百万円)
前年度 当年度
注記 (自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
当期利益 143,771 150,438
その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定する資本性金融商品の公正価値の 29 1,937 7,854
純変動
確定給付制度の再測定 29 5,126 6,273
持分法によるその他の包括利益 29 694 △ 1,504
純損益に振り替えられる可能性のある項目
在外営業活動体の換算差額 29 48,639 93,125
キャッシュ・フロー・ヘッジ 29 △ 1,600 △ 1,100
持分法によるその他の包括利益 29 21,269 6,715
その他の包括利益合計 76,065 111,362
当期包括利益 219,836 261,801
当期包括利益の帰属
親会社の所有者 189,195 214,321
30,641 47,480
非支配持分 35
当期包括利益 219,836 261,801
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④ 【連結持分変動計算書】
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
その他の包括利
注記
益を通じて公正
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式
確定給付制度の
価値で測定する
資本性金融商品
再測定
の公正価値の純
変動
2022年1月1日残高 102,046 25,104 998,177 △ 201,801 17,978 -
当期利益 - - 111,007 - - -
その他の包括利益 - - - - 1,881 5,386
当期包括利益 - - 111,007 - 1,881 5,386
剰余金の配当 16 - - △ 53,778 - - -
自己株式の取得 16 - - - △ 50,018 - -
自己株式の処分 16 - △ 0 - 1 - -
株式に基づく報酬取引 31 - 229 △ 1 30 - -
支配の喪失を伴わない
子会社に対する - 186 - - - -
所有者持分の変動
その他の資本の構成要素
- - 8,419 - △ 3,033 △ 5,386
から利益剰余金への振替
その他の増減 - - - - - -
所有者との取引額合計 - 415 △ 45,361 △ 49,987 △ 3,033 △ 5,386
2022年12月31日残高 102,046 25,519 1,063,823 △ 251,788 16,826 -
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
注記 非支配持分 資本合計
合計
キャッシュ・
在外営業活動体
合計
の換算差額
フロー・ヘッジ
2022年1月1日残高 △ 47,935 610 △ 29,347 894,179 253,811 1,147,990
当期利益 - - - 111,007 32,764 143,771
その他の包括利益 72,520 △ 1,598 78,188 78,188 △ 2,124 76,065
当期包括利益 72,520 △ 1,598 78,188 189,195 30,641 219,836
剰余金の配当 16 - - - △ 53,778 △ 11,688 △ 65,466
自己株式の取得 16 - - - △ 50,018 - △ 50,018
自己株式の処分 16 - - - 1 - 1
株式に基づく報酬取引 31 - - - 257 △ 196 62
支配の喪失を伴わない
子会社に対する - - - 186 632 818
所有者持分の変動
その他の資本の構成要素
- - △ 8,419 - - -
から利益剰余金への振替
その他の増減 - - - - △ 20 △ 20
所有者との取引額合計 - - △ 8,419 △ 103,352 △ 11,271 △ 114,623
2022年12月31日残高 24,585 △ 988 40,423 980,022 273,181 1,253,203
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当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
その他の包括利
注記
益を通じて公正
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式
確定給付制度の
価値で測定する
資本性金融商品
再測定
の公正価値の純
変動
2023年1月1日残高 102,046 25,519 1,063,823 △ 251,788 16,826 -
当期利益 - - 112,697 - - -
その他の包括利益 - - - - 7,318 4,503
当期包括利益 - - 112,697 - 7,318 4,503
剰余金の配当 16 - - △ 57,500 - - -
自己株式の取得 16 - - - △ 21 - -
自己株式の処分 16 - △ 0 - 2 - -
連結範囲の変更 - - - - - -
株式に基づく報酬取引 31 - 220 △ 7 132 - -
支配の喪失を伴わない
子会社に対する - △ 4,589 - - - -
所有者持分の変動
その他の資本の構成要素
- - 9,528 - △ 5,025 △ 4,503
から利益剰余金への振替
所有者との取引額合計 - △ 4,369 △ 47,978 113 △ 5,025 △ 4,503
2023年12月31日残高 102,046 21,150 1,128,541 △ 251,675 19,119 -
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
注記 非支配持分 資本合計
合計
キャッシュ・
在外営業活動体
合計
の換算差額
フロー・ヘッジ
2023年1月1日残高 24,585 △ 988 40,423 980,022 273,181 1,253,203
当期利益 - - - 112,697 37,741 150,438
その他の包括利益 90,077 △ 275 101,624 101,624 9,739 111,362
当期包括利益 90,077 △ 275 101,624 214,321 47,480 261,801
剰余金の配当 16 - - - △ 57,500 △ 13,742 △ 71,242
自己株式の取得 16 - - - △ 21 - △ 21
自己株式の処分 16 - - - 1 - 1
連結範囲の変更 - - - - △ 18,726 △ 18,726
株式に基づく報酬取引 31 - - - 346 △ 117 229
支配の喪失を伴わない
子会社に対する - - - △ 4,589 5,181 592
所有者持分の変動
その他の資本の構成要素
- - △ 9,528 - - -
から利益剰余金への振替
所有者との取引額合計 - - △ 9,528 △ 61,762 △ 27,403 △ 89,166
2023年12月31日残高 114,662 △ 1,263 132,519 1,132,581 293,257 1,425,838
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⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
(単位:百万円)
前年度 当年度
注記 (自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前利益 191,387 197,049
減価償却費及び償却費 85,937 87,227
減損損失 66,200 29,987
減損損失戻入益 △ 13,152 △ 64
受取利息及び受取配当金 △ 4,497 △ 4,120
持分法による投資利益 △ 22,780 △ 32,773
支払利息 4,894 5,932
有形固定資産及び無形資産売却益 △ 9,512 △ 6,119
有形固定資産及び無形資産除売却損 4,571 2,616
子会社株式売却益 - △ 14,822
子会社株式売却損 28 250 19,358
持分法で会計処理されている投資の
△ 48,088 △ 15,470
売却益
営業債権の増減額(△は増加) △ 8,455 △ 13,365
棚卸資産の増減額(△は増加) △ 39,490 △ 20,063
営業債務の増減額(△は減少) 18,384 10,972
未払酒税の増減額(△は減少) △ 7,383 434
△ 34,251 △ 29,339
その他
小計 184,014 217,440
利息及び配当金の受取額
24,731 27,855
利息の支払額 △ 4,367 △ 5,441
△ 68,815 △ 36,647
法人所得税の支払額
営業活動によるキャッシュ・フロー
135,562 203,206
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(単位:百万円)
前年度 当年度
注記 (自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産及び無形資産の取得による
△ 98,479 △ 113,810
支出
有形固定資産及び無形資産の売却による
11,324 7,465
収入
投資の取得による支出 △ 2,425 △ 1,380
投資の売却による収入 7,884 7,990
子会社株式の取得による支出 38 △ 46,183 △ 162,097
子会社株式の売却による支出 28 △ 442 △ 5,006
子会社株式の売却による収入 - 8,024
持分法で会計処理されている投資の取得
△ 9,382 △ 18
による支出
持分法で会計処理されている投資の売却
122,249 24,017
による収入
5,054 8,723
その他
投資活動によるキャッシュ・フロー △ 10,399 △ 226,091
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の純増減額 △ 6,083 △ 1,900
コマーシャル・ペーパーの純増減額 △ 55,009 △ 18,000
長期借入による収入 71,851 171,532
長期借入金の返済による支出 △ 67,612 △ 63,478
社債の発行による収入 20,000 93,000
社債の償還による支出 - △ 55,000
リース負債の返済による支出 △ 19,387 △ 18,621
自己株式の取得による支出 △ 50,040 △ 25
子会社の自己株式の取得による支出 △ 11 △ 10
デリバティブの決済による収入 4,072 -
配当金の支払額 16 △ 53,778 △ 57,500
非支配持分への配当金の支払額 △ 11,688 △ 13,660
△ 151 △ 428
その他
財務活動によるキャッシュ・フロー 28 △ 167,835 35,909
現金及び現金同等物に係る換算差額 6,728 4,832
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) △ 35,944 17,855
現金及び現金同等物の期首残高 149,488 88,060
売却目的で保有する資産への振替に伴う現
15,28 △ 25,484 25,484
金及び現金同等物の増減額(△は減少)
現金及び現金同等物の期末残高 14
88,060 131,399
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【連結財務諸表注記】
1.報告企業
キリンホールディングス㈱(以下、当社)は、日本に所在する株式会社であります。当社の登録されている住所は、
ウェブサイト(https://www.kirinholdings.com/)で開示しております。
当社及び子会社(以下、当社グループ)は、酒類、清涼飲料、医薬品の製造・販売等を行っております。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満
たすことから、連結財務諸表規則第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
(2) 連結財務諸表の承認
当社グループの連結財務諸表は、2024年3月28日において代表取締役社長COO南方健志及び取締役常務執行役員秋
枝眞二郎により公表の承認がなされております。
(3) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は注記「3.重要性がある会計方針」に記載している金融商品等を除き、取得原価
を基礎として作成しております。
(4) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満の端数は四捨
五入して表示しております。
(5) 会計上の判断、見積り及び仮定
当社グループの連結財務諸表は、収益及び費用、資産及び負債の測定並びに報告日現在の偶発事象の開示等に関
する経営者による会計上の判断、経営者の見積り及び仮定を含んでおります。見積り及び仮定については、実際の
結果は、その性質上、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。
見積り及び仮定は、経営者により継続して見直しております。これらの見積り及び仮定の見直しによる影響は、
その見積り及び仮定を見直した期間及びそれ以降の期間において認識しております。
当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える会計上の判断については以下のとおりであり
ます。
・ 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損テストにおける資金生成単位又は資金生成単位グループの決定(注
記「9.非金融資産の減損」参照)
また当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定は、以下のとおりであり
ます。
・ 有形固定資産、のれん及び無形資産の評価(注記「9.非金融資産の減損」参照)
・ 繰延税金資産の回収可能性(注記「11.法人所得税」参照)
・ 持分法で会計処理されている投資の評価(注記「36.持分法で会計処理されている投資」参照)
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(6) 会計方針の変更
(IAS第12号「法人所得税」の改訂)
当社グループは、当年度より、2023年5月23日に公表された「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS
第12号の改訂)」(以下、改訂IAS第12号)を適用しております。当社グループは、改訂IAS第12号に定める例外
規定を適用しており、第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人
所得税に関連する繰延税金資産及び繰延税金負債の認識及び開示を行っておりません。なお、当会計方針の変更
による当社グループの連結財務諸表への重要な影響は生じない見込みであります。
(7) 表示方法の変更
( 連結キャッシュ・フロー計算書 )
前年度において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「子会社株式売却損」及
び「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「子会社株式の売却による支出」は、金額
的重要性が増したため、当年度において独立掲記しております。
この結果、前年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「そ
の他」に表示していた△34,002百万円は、「子会社株式売却損」250百万円、「その他」△34,251百万円として、
また「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた4,612百万円は、「子会社株式の売却に
よる支出」△442百万円、「その他」5,054百万円としてそれぞれ組替えております。
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3.重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
当社グループの連結財務諸表は、当社及び当社の子会社の財務諸表並びに関連会社及び共同支配の取決めの持分
相当額を含んでおります。
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業を言います。支配とは、投資先に対するパワーを有し、
投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を及
ぼす能力を有している場合を言います。
子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、当社グループの連結財務諸表に含まれておりま
す。
報告日が異なる子会社の財務諸表は、連結報告日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しておりま
す。子会社に対する所有持分の変動で支配の喪失とならないものは、資本取引として会計処理しております。非
支配持分の修正額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されてお
ります。子会社に対する支配を喪失した場合には、当該子会社の資産及び負債、当該子会社に係る非支配持分の
認識を中止し、支配喪失後も継続して保持する残余持分について支配喪失日の公正価値で再測定し、生じた利得
又は損失は、純損益として処理しております。
当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財
務諸表の作成に際して消去しております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配をして
いない企業を言います。
関連会社への投資は、重要な影響力を有することとなった日から、重要な影響力を喪失する日まで、持分法を
用いて会計処理しており、取得時に取得原価で認識しております。
SAN MIGUEL BREWERY INC.等の一部の持分法適用会社は、当該持分法適用会社(その親会社を含む。)の所在地
もしくは株式を上場する現地の法制度上、又は他の株主との関係等により、当社が当該持分法適用会社の財務情
報を入手可能となる時期に制約があるため、報告期間の末日を統一することが実務上不可能な状況にあります。
そのため、当該持分法適用会社については、報告日が3ヶ月相違した財務情報に対して、当社の報告日との間に
生じた重要な取引及び事象の影響については調整を行った上で、持分法を適用しています。
持分法適用会社との取引から発生した未実現利益は、被投資企業に対する当社グループ持分を上限として投資
から控除しております。未実現損失は、減損が生じている証拠がない限り、未実現利益と同様の方法で投資から
控除しております。
関連会社に対する重要な影響力を喪失し、持分法の適用を中止する場合は、売却持分に係る売却損益を純損益
として認識するとともに、残存している持分について公正価値で再測定し、当該評価差額をその期の純損益とし
て認識しております。
③ 共同支配の取決め
共同支配の取決めとは、複数の当事者が共同支配を有する契約上の取決めを言います。当社グループはその共
同支配の取決めへの関与を、当該取決めの当事者の権利及び義務に応じて、共同支配事業(取決めに関連して当社
グループが資産への権利を有し、負債への義務を負う場合)と共同支配企業(当社グループが取決めの純資産に対
する権利のみを有する場合)に分類しております。当社グループが有する共同支配事業については、共同支配が開
始した日から終了する日までの持分に係る資産、負債、収益及び費用を認識し、共同支配企業については、共同
支配が開始した日から終了する日までの財務情報に対して持分法によって会計処理しております。
共同支配企業に対する共同支配を喪失した場合には、関連会社と同様に会計処理しております。
④ 企業結合
企業結合は、取得法を適用して会計処理しております。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は取得日(被取得企業に対する支配開始日)の公正価値で測定して
おります。
のれんは、企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び取得企業が以前に保有していた
被取得企業の資本持分の取得日公正価値の合計が、取得日における識別可能な資産及び負債の正味価額を上回る
場合にその超過額として測定しております。企業結合で移転された対価は、当社グループが移転した資産、引き
受けた負債及び発行した資本持分の公正価値の合計で計算しております。
当社グループは非支配持分を公正価値もしくは被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分相当額で測
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定するかについて、企業結合ごとに選択しております。
企業結合が生じた期間の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、暫定的な金額で会
計処理を行っております。取得日から1年以内の測定期間において、取得日時点で存在した事実及び状況につい
て新しい情報を入手した場合は、暫定的な金額を遡及修正しております。
なお、支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しており、当該取引からのれ
んは認識しておりません。
また、共通支配下の企業又は事業が関わる企業結合(全ての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で
同じ当事者によって支配され、その支配が一時的でない企業結合)については、帳簿価額に基づき会計処理してお
ります。
(2) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レート又はそれに近似するレートで機能通貨に換算しております。
報告日における外貨建貨幣性項目は、報告日の為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は、
当該公正価値の測定日の為替レートで、それぞれ機能通貨に再換算しております。
当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じ
て公正価値で測定する金融資産、及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包
括利益として認識しております。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の財政状態計算書の資産及び負債は、その財政状態計算書の日現在の為替レートで、純損益及
びその他の包括利益を表示する各計算書の収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、平均
為替レートで換算しております。
当該換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体が処分された
場合には、当該営業活動体に関連した換算差額の累計額を処分した期の純損益に振り替えております。
(3) 金融商品
① 金融資産(デリバティブを除く)
(ⅰ)当初認識及び測定
金融資産は償却原価で測定される金融資産、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産、その他の包括
利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております 。当社グループは当初認識においてその分類
を決定しております。通常の方法による金融資産の売買は、取引日において認識又は認識の中止を行っており
ます。
(a) 償却原価で測定される金融資産
次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づ
いて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特
定の日に生じる。
(b) 公正価値で測定される金融資産
償却原価で測定される金融資産以外の金融資産は公正価値で測定される金融資産に分類しております。
公正価値で測定される金融資産のうち売買目的保有でない資本性金融商品については、個々の資本性金融
商品ごとに、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する取消不能の指定を行う場合があります。当該指
定を行っていない資本性金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類されます。
すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される区分に分類される場合を除き、公正価値に、
当該金融資産に直接起因する取引コストを加算した金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含
まない営業債権は、取引価格で測定しております。
なお、デリバティブについては「④デリバティブ及びヘッジ会計」に記載しております。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定される金融資産
償却原価で測定される金融資産については実効金利法による償却原価により測定しております。
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(b) 公正価値で測定される金融資産
償却原価で測定される金融資産以外の金融資産は公正価値で測定しており、公正価値の変動額は、金融資
産の分類に応じて純損益又はその他の包括利益で認識しております。なお、その他の包括利益を通じて公正
価値で測定すると指定された資本性金融商品から生じる配当金については純損益で認識し、公正価値が著し
く下落した場合又は認識を中止した場合は、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損
益を利益剰余金に振り替えております。
(ⅲ)認識の中止
金融資産は、キャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は譲渡され、かつ実質的に所有
に伴うほとんどすべてのリスクと経済価値が移転した場合に認識を中止しております。
② 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産については、予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。予想信用損
失は、契約に基づいて当社グループが受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると
見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の現在価値です。貸倒引当金の変動は純損益に計上しております。
当初認識後は、報告日において、金融資産を次の3つのステージに分類し、それぞれ以下のとおり、予想信用
損失を測定しております。
説明 予想信用損失の測定方法
金融商品の信用リスクが当初認識時よりも著
ステージ1 12ヶ月の予想信用損失
しく増大していないもの
金融商品の信用リスクが当初認識時よりも著
ステージ2 全期間の予想信用損失
しく増大しているもの
ステージ3 信用減損の証拠がある金融商品 全期間の予想信用損失
当社グループでは、原則として契約で定められた支払期限を30日超過した場合に、金融資産の信用リスクが当
初認識時より著しく増大していると判断しており、支払期限を90日超過した場合に債務不履行が生じていると判
断しております。債務不履行に該当した場合、又は発行者又は債務者の著しい財政的困難などの減損の証拠が存
在する場合、信用減損しているものと判断しております。
なお、上記にかかわらず、重大な金融要素を含んでいない営業債権等は、貸倒引当金を全期間の予想信用損失
に等しい金額で測定しております(単純化したアプローチ)。
予想信用損失の測定に当たっては、過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日に
おいて利用可能な合理的で裏付け可能な情報を用いております。
また、金融資産の全部又は一部分を回収できないと合理的に判断した場合は、金融資産の帳簿価額を直接償却
しております。
③ 金融負債(デリバティブを除く)
(ⅰ)当初認識及び測定
金融負債は、償却原価で測定される金融負債、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債、金融保証契
約負債とに分類しております。当社グループは、金融負債の当初認識時に当該分類を決定しております。
すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定される金融負債については、直接
起因する取引コストを控除した金額で測定しております。
なお、デリバティブについては「④デリバティブ及びヘッジ会計」に記載しております。
(ⅱ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定される金融負債
償却原価で測定される金融負債は、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金
利法による利息費用及び認識が中止された場合の利得及び損失は、連結損益計算書において純損益として認
識しております。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債は、当初認識後、公正価値で測定し、その変動については
当期の純損益として認識しております。
(c) 金融保証契約
金融保証契約は、当初認識後、以下のいずれか高い方の金額で測定しております。
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・上記②「金融資産の減損」に従って算定した貸倒引当金の金額
・当初測定額からIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の原則に従って認識した収益の累計額を控
除した額
(ⅲ)認識の中止
金融負債は、義務が履行されたか、免除されたか、又は失効した場合に認識を中止しております。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスク、金利リスクや商品価格をそれぞれヘッジするために、為替予約、通貨スワッ
プ、金利スワップ、商品スワップ契約等のデリバティブを利用しております。これらのデリバティブは、契約が
締結された時点の公正価値で当初測定され、その後も公正価値で再測定しております。
デリバティブの公正価値変動額は連結損益計算書において純損益として認識しております。ただし、キャッ
シュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体の純投資ヘッジの有効部分は連結包括利益計算書においてその他の包
括利益として認識しております。
当社グループは、ヘッジ開始時に、ヘッジ会計を適用しようとするヘッジ関係並びにヘッジを実施するに当
たってのリスク管理目的及び戦略について、公式に指定及び文書化を行っております。当該文書は、具体的な
ヘッジ手段、ヘッジ対象となる項目又は取引並びにヘッジされるリスクの性質及びヘッジされたリスクに起因す
るヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺するに際してのヘッジ手段の公正価
値変動の有効性の評価方法などを含んでおります。これらのヘッジは、キャッシュ・フローの変動を相殺する上
で有効であることが見込まれますが、ヘッジ指定を受けたすべての財務報告期間にわたって実際に有効であった
か否かを判断するために、継続的に評価しております。
ヘッジ会計に関する厳格な要件を満たすヘッジは、IFRS第9号に基づき以下のように分類し、会計処理してお
ります。
(ⅰ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分は連結包括利益計算書においてその他の包括利益として認識
し、非有効部分は直ちに連結損益計算書において純損益として認識しております。
その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時
点で純損益に振り替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせる予定取引であ
る場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の
修正として処理しております。
予定取引の発生がもはや見込まれない場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累
積損益を純損益に振り替えております。ヘッジ手段が失効、売却、又は他のヘッジ手段への入替えや更新が行
われずに終了又は行使された場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識されていた金額は、予
定取引が発生するまで引き続き資本に計上しております。
(ⅱ)在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資から発生する換算差額については、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様の方
法で会計処理しております。ヘッジ手段に係る利得及び損失のうち、有効部分は連結包括利益計算書において
その他の包括利益で認識し、非有効部分は連結損益計算書において純損益として認識しております。在外営業
活動体の処分時には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を純損益に振り替えて
おります。
⑤ 金融商品の公正価値
各報告日現在で活発な金融市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場における公表価格を参
照しております。活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を使用して算定しておりま
す。
(4) 有形固定資産
有形固定資産の認識後の測定として、原価モデルを採用しております。有形固定資産は取得原価から減価償却累
計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体、除去及び原状回復コストの当初見積額等が含まれており
ます。
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土地及び建設仮勘定以外の資産の減価償却費は、見積耐用年数にわたり、定額法で計上しております。主な資産
の種類別の見積耐用年数は以下のとおりであります。
建物及び構築物 2―65年
機械装置及び運搬具 2―30年
工具器具及び備品 2―20年
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、各期末日に見直し、変更が必要な場合は、会計上の見積りの変更とし
て将来に向かって適用しております。
(5) のれん
企業結合から生じたのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
のれんは償却を行わず、資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、年次及び減損の兆候がある場合には
その都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は純損益として認識され、その後の戻入れは行って
おりません。
のれんの内部モニタリング単位が変更された場合には、変更後の内部モニタリング単位に従い資金生成単位又は
資金生成単位グループにのれんを再配分しております。
なお、のれんの当初認識時点における測定は、「(1) 連結の基礎 ④ 企業結合」に記載しております。
(6) 無形資産
無形資産の認識後の測定方法として、原価モデルを採用しております。無形資産は取得原価から償却累計額及び
減損損失累計額を控除した価額で表示しております。取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、自己創設の
過程で生じる従業員給付費用及び消費したサービスに関する費用等が含まれております。
① 個別取得した無形資産
個別取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。
② 企業結合により取得した無形資産
企業結合により取得した無形資産は、取得日の公正価値で測定しております。
③ 自己創設無形資産(開発費)
当社グループで発生した研究開発費は、次の資産計上の要件のすべてを満たす開発活動に対する支出を除き、
発生時に費用として認識しております。
・使用又は売却に利用できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
・無形資産を完成させて、使用するか又は売却するという意図
・無形資産を使用又は売却できる能力
・無形資産が可能性の高い将来の経済的便益をどのように創出するのか
・開発を完成させて、無形資産を使用するか又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他
の資源の利用可能性
・開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できる能力
当社グループにおける、主な無形資産は以下のとおりであります。
(ⅰ) ブランド
ブランドは、取得原価で当初認識しております。ブランドは、原則として正味のキャッシュ・インフロー
が継続すると期待される期間を予見することができないため、耐用年数の確定できない無形資産として償却
は行わず、年次及び減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。
(ⅱ) 販売権
販売権は、取得原価で当初認識しております。販売権は、見積耐用年数(5―20年)にわたり定額法で償却
を行っており、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。
(ⅲ) ソフトウェア
ソフトウェアは、取得原価で当初認識しております。ソフトウェアは、見積耐用年数(2―10年)にわたり
定額法で償却を行っており、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。
(ⅳ) ソフトウェア仮勘定
制作中のソフトウェアであるソフトウェア仮勘定は、取得原価で認識しております。ソフトウェア完成時
にソフトウェアに振替え、見積耐用年数にわたり定額法で償却を行います。年次及び減損の兆候が存在する
場合はその都度、減損テストを実施しております。
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(ⅴ) その他
その他の無形資産は、取得原価で当初認識しております。その他の無形資産は、耐用年数を確定できるも
のについては、見積耐用年数にわたり定額法で償却を行っており、減損の兆候が存在する場合はその都度、
減損テストを実施しております。耐用年数を確定できないものについては、償却は行わず、年次及び減損の
兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。
償却方法、耐用年数及び残存価額は、各期末日に見直し、変更が必要な場合は、会計上の見積りの変更として
将来に向かって適用しております。
(7) リース
リースは、リース開始日において、使用権資産及びリース負債を認識しております。
① 使用権資産
使用権資産は取得原価で当初測定しており、取得原価は、リース負債の当初測定の金額、当初直接コスト、原
資産の解体並びに除去及び原状回復コストの当初見積額等で構成されております。
使用権資産の認識後の測定として、原価モデルを採用しております。使用権資産は、取得原価から減価償却累
計額及び減損損失累計額を控除した価額で、対応する原資産が自社所有であった場合に表示される連結財政状態
計算書上の表示項目に含めて表示しております。
当初認識後は、原資産の所有権がリース期間の終了時までに移転される場合、又は使用権資産の取得原価が購
入オプションを行使することが合理的に確実である場合には、原資産の見積耐用年数で、合理的に確実でない場
合にはリース期間と使用権資産の見積耐用年数のいずれか短い期間にわたって定額法により減価償却を行ってお
ります。
② リース負債
リース負債は、リース開始日現在で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在
価値で当初認識しております。
リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、当社グループの追加借入利子率を用いており、一般的に
当社グループは追加借入利子率を割引率として使用しております。
リース負債は、リース負債に係る金利を反映するように帳簿価額を増額し、支払われたリース料を反映するよ
うに帳簿価額を減額することにより事後測定しており、連結財政状態計算書上、その他の金融負債に含めて表示
しております。
なお、当社グループは短期リース及び少額資産のリースについては、リース料が他の規則的な方法により利用
者の便益のパターンがより適切に表される場合を除いて、リース期間にわたり定額法によって費用として計上し
ております。
(8) 法人所得税
法人所得税は当期税金と繰延税金との合計額であります。
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の算
定に使用する税率及び税法は、報告日までに制定又は実質的に制定されたものであります。純損益として認識さ
れる当期税金には、その他の包括利益又は資本において直接認識される項目から生じる税金及び企業結合から生
じる税金を含んでおりません。
繰延税金は、報告日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に基づいて算定
しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び税務上の繰越欠損金について、
それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は、原則として、将来加
算一時差異について認識しておりますが、それぞれ以下の場合には繰延税金資産又は負債を計上しておりませ
ん。
・のれんの当初認識から一時差異が生じる場合
・企業結合でない取引で、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えない取引における
資産又は負債の当初認識から一時差異が生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異に関しては、予
測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得
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が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異に関しては、当
社グループが一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消
しない可能性が高い場合
繰延税金資産及び負債は、報告日までに制定又は実質的に制定されている税率及び税法に基づいて一時差異が
解消されるときに適用されると予想される税率で算定しております。純損益として認識される繰延税金には、そ
の他の包括利益又は資本において直接認識される項目から生じる税金及び企業結合から生じる税金を含んでおり
ません。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上の強制力のある権利を有し、かつ同
一の税務当局によって同一の納税主体に対して課されている場合、相殺しております。
なお、法人所得税の不確実な税務ポジションについて、税法の解釈に基づき税務ポジションが発生する可能性
が高い場合には、合理的な見積額を資産又は負債として認識しています。
(9) 非金融資産の減損
当社グループは、のれん((5)のれん参照)及び耐用年数が確定できない無形資産((6)無形資産参照)について、少
なくとも年1回減損テストを行っており、さらに減損の兆候がある場合には、その都度減損テストを行っておりま
す。
当社グループでは、報告日現在で、棚卸資産((10)棚卸資産参照)、繰延税金資産((8)法人所得税参照)、退職給付
に係る資産((14)従業員給付参照)を除く非金融資産の減損の兆候の有無を判断しております。なお、持分法適用会
社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは別個に認識されておらず、個別に減損テストを実施しており
ませんが、持分法適用会社に対する投資の総額を単一の資産として減損の兆候を判定し、減損テストを行っており
ます。
減損の兆候がある場合又は年次で減損テストが要求されている場合には、各資産の回収可能価額の算定を行って
おります。個別資産についての回収可能価額の見積りが不可能な場合には、当該資産が属する資金生成単位の回収
可能価額を見積っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額で測
定しております。使用価値は、見積った将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算定しており、
使用する割引率は、貨幣の時間価値、及び当該資産に固有のリスクを反映した利率を用いております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額より低い場合にのみ、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額
まで減額し、純損益として認識しております。
過年度に減損損失を認識した、のれん以外の資産又は資金生成単位については、報告日において過年度に認識し
た減損損失の減少又は消滅している可能性を示す兆候の有無を判断しております。そのような兆候が存在する場合
には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、回収可能価額が帳簿価額を超える場合、算定し
た回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかった場合の減価償却累計額又は償却累計額控除後の帳簿価
額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻入れております。減損損失の戻入れは、直ちに純損益として認
識しております。
(10) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で計上しております。取得原価は主として総平均法
に基づいて算定されており、購入原価、加工費及び棚卸資産を現在の場所及び状態とするまでに発生したその他の
コストが含まれております。正味実現可能価額とは、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する
見積原価及び販売に要するコストの見積額を控除した額であります。
(11) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動につ
いて僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資であります。
(12) 売却目的で保有する資産及び非継続事業
① 売却目的で保有する資産
継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産又は資産グループのうち、1年以内に売却する可能
性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当社グループの経営者が売却を確約している場合には、
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売却目的で保有する資産又は処分グループとして分類し、資産は減価償却又は償却は行わず、又、持分法で会計
処理されている投資は、持分法の適用を中止し、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い
方 の金額で測定することとしております。
② 非継続事業
当社グループでは、既に処分されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成単位で、次のいずれかに該当
するものは非継続事業として認識することとしております。
・独立の主要な事業分野又は営業地域を表す。
・独立の主要な事業分野又は営業地域を処分する統一された計画の一部である。
・転売のみを目的に取得した子会社である。
非継続事業の税引後損益及び非継続事業を構成する処分グループを処分したことにより認識した税引後の利得
又は損失は、連結損益計算書において、継続事業とは区分して非継続事業からの当期利益として表示し、過去の
期間に係る開示もこれに従って再表示することとしております。
(13) 資本
① 普通株式
普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上しております。普通株式の発行に係る付随費用は、税効
果控除後の金額にて資本金及び資本剰余金から控除しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合には、その支払対価及び付随費用(税効果控除後)を資本の控除項目として認識してお
ります。
自己株式を売却した場合には、帳簿価額と売却時の対価の差額を資本剰余金として認識しております。
③ 配当金
当社の株主に対する配当のうち、期末配当は当社の株主総会により承認された日、中間配当は取締役会により
承認された日の属する期間の負債として認識しております。
(14) 従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、確定給付型及び確定拠出型の年金制度を設けており、確定給付型の制度として、退職一時金制
度、確定給付企業年金制度及び厚生年金基金制度を設けております。
確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用は、予測
単位積増方式を用いて個々の制度ごとに算定しております。割引率は、期末日時点の優良社債の市場利回りを参照
して決定しております。確定給付制度負債(資産)の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価
値を控除して算定しております。確定給付制度資産又は負債の純額の再測定は、発生した期に一括してその他の包
括利益で認識し、利益剰余金へ振り替えております。
確定拠出型の退職給付に係る費用は、従業員が役務を提供した期に費用として計上しております。
② 解雇給付
当社グループは、当社グループが通常の退職日前に従業員の雇用を終了する場合、又は従業員が給付と引き換え
に自発的に退職する場合に解雇給付を支給します。当社グループが、従業員を解雇することに関する詳細な公式の
計画を有しており、その撤回可能性がない場合には、雇用の終了が確約された時点で解雇給付を費用として計上し
ております。
③ 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しており
ます。賞与については、当社が従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的又は推定的債
務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われる
と見積られる金額を負債として計上しております。
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(15) 引当金
過去の事象の結果として、現在の法的債務又は推定的債務が存在し、当該債務を決済するために経済的便益をも
つ資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を
認識しております。なお、法人所得税に係るものは(8)法人所得税に記載しております。
主な引当金の説明は以下のとおりであります。
・工場再編損失引当金
国内外の生産拠点の効率化を目的とした工場再編に伴い、一部拠点の固定資産撤去等の方針を決定及び周知し
ているため、当該撤去に係る費用の合理的な見積額を引当金として計上しております。
支払時期は、将来の事業計画等により影響を受けます。
・資産除去債務
保有する有形固定資産に関し、法令、契約又はこれに準ずるもので当該有形固定資産の除却を要求される場合
には、資産除去債務を認識しております。資産除去債務は、資産除去に要するキャッシュ・フローを合理的に見
積り、それを将来キャッシュ・フローが発生する時点までの期間に対応した貨幣の時間価値を反映した無リスク
の税引前の利率で割り引いて測定しております。
(16) 株式に基づく報酬
役員等 に対し、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託、譲渡制限付株式報酬制度、業績連動型株式報酬制度
( パフォーマンス・シェア・ユニット)及びファントム・ストック制度を 採用しております。
役員報酬BIP信託及び譲渡制限付株式報酬制度においては、持分決済型の株式に基づく報酬制度として、受領した
サービスの対価を付与日における株式の公正価値で測定した上で、付与日から権利確定期間にわたり連結損益計算
書において費用として認識し、同額を連結財政状態計算書において資本の増加として認識しております。
パフォーマンス・シェア・ユニットのうち、持分決済型の株式に基づく報酬については、将来的に付与する株式
の公正価値を参照して測定しており、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識し
ております。現金決済型の株式に基づく報酬については、受領した役務及び発生した負債の公正価値を測定してお
り、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を負債の増加として認識しております。当該負債の公正価値
は期末日及び決済日において再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しております。
ファントム・ストック制度においては、現金決済型の株式に基づく報酬制度として、要支払額の公正価値を負債
として認識し、負債が決済されるまで、当該負債の公正価値の変動を純損益に認識しております。
なお、役員等に対する持分決済型の株式に基づく報酬制度として、ストック・オプション制度を採用しておりま
したが、既に付与されている新株予約権を除いて廃止しております。当該制度のもとで、付与されたストック・オ
プションについては、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オ
プションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として連結損益計算書において認識し、同額を連結財
政状態計算書において資本の増加として認識しております。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸
条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデル等を用いて算定しております。
(17) 顧客との契約から生じる収益
以下の5つのステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業の履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
消費税や付加価値税、酒税等については各国の法令や取引実態を総合的に勘案し、税務当局の代理人として取引
を行っていると考えられるものについては、取引金額に含んでおりません。
① 国内ビール・スピリッツ事業、国内飲料事業及びオセアニア酒類事業
国内ビール・スピリッツ事業、国内飲料事業及びオセアニア酒類事業においては、ビール、洋酒、清涼飲料等の
販売を行っております。
このような販売については、顧客へ製商品を引き渡した時点で、製商品への支配が顧客に移転し、履行義務が充
足されることから、当該時点で収益を認識しております。
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製商品の販売から生じる収益は、販売契約における対価から販売数量や販売金額に基づくリベートや値引きなど
を控除した金額で算定しており、顧客に返金すると見込んでいる対価を返金負債として計上しております。当該返
金 負債の見積りにあたっては、契約条件や過去の実績などに基づく最頻値法を用いております。
製商品の販売契約における対価は、顧客へ製商品を引き渡した時点から主として1~2カ月以内に回収しており
ます。なお、重大な金融要素は含んでおりません。
② 医薬事業
医薬事業においては、顧客に対して医薬に関係する製商品の販売及び技術の導出を行っております。
顧客との契約における対価に変動対価が含まれている場合には、変動対価に関する不確実性がその後に解消され
る際に、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引金額に含めており
ます。
(ⅰ) 製商品の販売から生じる収益
顧客に対する製商品の販売契約については、顧客へ製商品を引き渡した時点で、製商品への支配が顧客に移転
し、履行義務が充足されることから、当該時点で収益を認識しております。
製商品の販売から生じる収益は、販売契約における対価から販売数量又は販売金額に基づくリベートや値引き
などを控除した金額で算定しており、顧客に返金すると見込んでいる対価を返金負債として計上しております。
当該返金負債の見積りにあたっては、契約条件や過去の実績などに基づく最頻値法を用いております。
製商品の販売契約における対価は、顧客へ製商品を引き渡した時点から主として1年以内に受領しておりま
す。なお、重大な金融要素は含んでおりません。
(ⅱ) 技術収入
当社グループは、第三者に開発品の開発、製造及び販売に係る権利の許諾等を認めたライセンス契約に基づ
き、技術収入として契約一時金、マイルストン収入及びランニング・ロイヤルティ収入を得ております。 ライセ
ンス契約には、ライセンスの許諾以外に当社グループによる財又はサービスの提供がない場合と、製造技術や薬
剤の提供等の開発協力、規制当局承認対応、共同販売促進等に関して当社グループによる財又はサービスの提供
がある場合があります。
ライセンスの許諾以外の重要な財又はサービスの提供がない場合には、通常、契約一時金は ライセンス許諾時
点において重要な履行義務の全てが充足されることから、 ライセンスを付与した時点で収益を認識しており、開
発活動が成功し規制当局の承認が得られたこと等で受領するマイルストン収入は、事後に収益の重大な戻入が生
じる可能性を考慮し、規制当局への承認申請等の当事者間で合意したマイルストンが達成される可能性が非常に
高くなった時点で収益を認識しております。
また、 ライセンスの許諾を含む複数の重要な財又はサービスの提供がある場合には、単一又は複数の履行義務
として識別し、当該履行義務に対して契約一時金及びマイルストン収入からなる 取引価格を配分し、契約負債と
して計上した上で、当該履行義務の充足に従い一定期間にわたって収益として認識しております。ライセンス契
約に関連する開発協力等の履行義務は、個々のライセンス契約に応じた適切な進捗度をインプット法により測定
しております。
ランニング・ロイヤルティ収入及び製剤の売上高合計が一定額を超えたこと等で受領する販売達成マイルスト
ン収入は、売上高ベース又は使用量ベースのロイヤルティに該当し、契約相手先の売上等を算定基礎として測定
し、実際に販売又は使用された時点か、売上高ベース又は使用量ベースのロイヤルティに配分された履行義務が
充足された時点のいずれか遅い時点で収益を認識しております。
ライセンス契約における対価は、ライセンスの付与時点並びにマイルストン達成等の契約に基づく合意時点か
ら主として1年以内に受領しております。なお、重大な金融要素は含んでおりません。
(18) 金融収益及び金融費用
金融収益は、主として受取利息、受取配当金、為替差益及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正
価値の変動等から構成されております。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。受取配当金
は、当社グループの受領権が確定したときに認識しております。
金融費用は、主として支払利息、為替差損、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動等か
ら構成されております。支払利息は、実効金利法により発生時に認識しております。
なお、為替差損益は、純額で「金融収益」又は「金融費用」に計上しております。
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(19) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られたと
きに公正価値で認識しております。
政府補助金が費用項目に関する場合は、当該補助金で補填することが意図されている関連費用を認識する期間に
わたって、規則的に収益として認識しております。資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原
価から控除しております。
(20) 借入コスト
意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とするような資産に関して、その資産の取得、建設
又は製造に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化((4)有形固定資産及び(6)無形資産
参照)しております。その他の借入コストはすべて、発生した期間に費用として認識しております。
(21) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済
普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべ
ての潜在株式の影響を調整して計算しております。
4.未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、IAS第21号の修正(「交換可
能性の欠如」)の適用による影響は検討中であり、現時点では見積もることができません。また、それ以外の基準書の
適用による影響は軽微であります。
発効日 当社グループの
基準書 基準名 新設・改訂の概要
(以後開始年度) 適用時期
通貨が他の通貨と交換できるかどうかの
評価、並びに、交換できない場合に使用
外国為替レート
IAS第21号 2025年1月1日 2025年12月期 すべき為替レート及び提供すべき開示の
変動の影響
決定における一貫したアプローチを明確
化
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5.事業セグメント
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締
役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっている事業セグメント
を基礎に決定しており、「国内ビール・スピリッツ事業」「国内飲料事業」「オセアニア酒類事業」「医薬事業」
の4つを報告セグメントとしております。
「国内ビール・スピリッツ事業」は、麒麟麦酒㈱を統括会社として日本におけるビール、発泡酒、新ジャンル、
洋酒他酒類製品の製造・販売を行っております。
「国内飲料事業」は、キリンビバレッジ㈱を統括会社として日本における清涼飲料の製造・販売を行っておりま
す。
「オセアニア酒類事業」は、LION PTY LTDを統括会社としてオセアニア地域等におけるビール、洋酒等の製造・
販売を行っております。
「医薬事業」は、協和キリン㈱を統括会社として医薬品の製造・販売を行っております。
また、セグメント情報における会計方針は、当社の連結財務諸表における会計方針と概ね同一であります。
セグメント間売上収益は、市場実勢価格に基づいております。
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(2) 報告セグメントに関する情報
各報告セグメントに関連する情報を以下に記載しております。
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日 )
(単位:百万円)
報告セグメント
その他 調整額
連結
(注1) (注2)
国内ビール・ オセアニア
国内飲料 医薬
スピリッツ 酒類
外部顧客からの
663,522 243,257 255,900 397,863 428,925 - 1,989,468
売上収益
セグメント間
1,976 2,513 91 507 74,819 △ 79,907 -
売上収益
計 665,498 245,770 255,991 398,371 503,744 △ 79,907 1,989,468
セグメント利益
74,660 18,786 31,545 82,462 37,545 △ 53,838 191,159
(注3)
その他の営業収益 29,454
その他の営業費用 104,594
金融収益 10,978
金融費用 6,478
持分法による投資利益 22,780
持分法で会計処理されて
48,088
いる投資の売却益
税引前利益 191,387
(単位:百万円)
報告セグメント
その他 調整額
連結
(注1) (注2)
国内ビール・ オセアニア
国内飲料 医薬
スピリッツ 酒類
セグメント資産 432,140 133,184 546,729 880,281 885,775 △ 335,845 2,542,263
その他の項目
減価償却費
16,409 6,982 15,106 18,319 18,922 10,199 85,937
及び償却費
減損損失(金融
- - 3,525 17,979 44,696 - 66,200
資産を除く)
減損損失戻入益 - - 231 - 12,921 - 13,152
持分法で会計処理
10,090 - 8,960 - 342,714 - 361,764
されている投資
資本的支出 17,940 9,326 13,107 33,298 30,421 12,708 116,799
(注) 1 「その他」の区分は、国内ワイン事業、北米飲料事業、バイオケミカル事業等を含んでおります。
2 調整額は以下のとおりであります。
(1) セグメント利益の調整額は、主にセグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない費用
が含まれております。当該費用は、主に純粋持株会社である当社のグループ管理費用及び機能分担子
会社において発生する複数の報告セグメントに関わる管理費用であります。
(2) セグメント資産の調整額は、セグメント間債権債務消去及び各報告セグメントに配分していない資産
が含まれております。当該資産は、主に純粋持株会社である当社及び機能分担子会社の余資運用資金
(現金及び預金)、長期投資資金(資本性金融商品)及び管理部門に係る資産等であります。
3 セグメント利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除した金額である事業利益を使
用しております。
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当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日 )
(単位:百万円)
報告セグメント
その他 調整額
連結
(注1) (注2)
国内ビール・ オセアニア
国内飲料 医薬
スピリッツ 酒類
外部顧客からの
684,863 255,028 280,990 441,882 471,630 - 2,134,393
売上収益
セグメント間
2,148 2,771 86 351 75,840 △ 81,196 -
売上収益
計 687,010 257,799 281,077 442,233 547,470 △ 81,196 2,134,393
セグメント利益
77,741 16,887 32,398 95,968 32,364 △ 53,863 201,495
(注3)
その他の営業収益 28,835
その他の営業費用 80,036
金融収益 9,035
金融費用 10,523
持分法による投資利益 32,773
持分法で会計処理されて
15,470
いる投資の売却益
税引前利益 197,049
(単位:百万円)
報告セグメント
その他 調整額
連結
(注1) (注2)
国内ビール・ オセアニア
国内飲料 医薬
スピリッツ 酒類
セグメント資産 443,135 147,721 607,203 971,375 1,182,039 △ 481,888 2,869,585
その他の項目
減価償却費
17,817 7,073 14,836 20,938 17,244 9,318 87,227
及び償却費
減損損失(金融
- - 22 10,843 19,122 - 29,987
資産を除く)
減損損失戻入益 - - - 64 - - 64
持分法で会計処理
10,487 - 1,252 12,357 346,624 - 370,720
されている投資
資本的支出 17,864 10,398 15,970 33,273 31,958 10,283 119,745
(注) 1 「その他」の区分は、国内ワイン事業、北米飲料事業、バイオケミカル事業等を含んでおります。
2 調整額は以下のとおりであります。
(1) セグメント利益の調整額は、主にセグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない費用
が含まれております。当該費用は、主に純粋持株会社である当社のグループ管理費用及び機能分担子
会社において発生する複数の報告セグメントに関わる管理費用であります。
(2) セグメント資産の調整額は、セグメント間債権債務消去及び各報告セグメントに配分していない資産
が含まれております。当該資産は、主に純粋持株会社である当社及び機能分担子会社の余資運用資金
(現金及び預金)、長期投資資金(資本性金融商品)及び管理部門に係る資産等であります。
3 セグメント利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除した金額である事業利益を使
用しております。
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(3) 地域別に関する情報
① 売上収益
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
日本 1,159,427 1,183,300
オセアニア 184,343 213,876
アメリカ 459,346 539,076
その他 186,353 198,140
合計 1,989,468 2,134,393
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
② 非流動資産
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
日本 486,545 482,720
オセアニア 300,413 463,968
アメリカ 202,612 229,863
その他 67,572 118,904
合計 1,057,142 1,295,455
(注) 非流動資産は、金融商品、繰延税金資産、退職給付に係る資産は含んでおりません。
(4) 主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先は、次のとおりです。
(単位:百万円)
前年度 当年度
関連するセグメント名 (自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
国内ビール・スピリッツ、
三菱食品㈱ 220,074 230,872
国内飲料、その他
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6.有形固定資産
(1) 帳簿価額の調整表
「有形固定資産」の帳簿価額の増減、取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりでありま
す。
① 帳簿価額
(単位:百万円)
建物及び 機械装置及び
工具器具及び
土地 建設仮勘定 合計
備品
構築物 運搬具
2022年1月1日 残高 202,700 163,794 49,451 80,527 37,387 533,859
取得 8,206 11,307 8,427 33 65,748 93,722
企業結合による取得 5,982 7,567 - 914 1,667 16,129
建設仮勘定からの
14,256 26,017 7,352 2 △47,627 -
振替
減価償却費 △22,549 △29,622 △16,001 △332 - △68,505
減損損失 △14,123 △13,070 △2,987 △2,372 △1,586 △34,137
減損損失の戻入 209 2,850 - 32 - 3,090
処分 △1,738 △353 △463 △1,171 △120 △3,845
売却目的で保有する
△215 △2,899 △75 △32 △456 △3,677
資産への振替
為替換算差額 8,965 9,383 666 3,883 1,094 23,992
その他の増減 2,307 △999 △268 △1,014 △11 15
2022年12月31日 残高 204,001 173,974 46,102 80,471 56,095 560,642
取得 10,632 14,135 9,622 36 56,362 90,786
企業結合による取得 8,129 3,968 768 3,442 815 17,123
建設仮勘定からの
25,708 35,297 8,676 1,403 △71,084 -
振替
減価償却費 △22,474 △30,199 △15,922 △298 - △68,893
減損損失 △5,999 △10,302 △1,424 △98 △510 △18,332
処分 △826 △1,847 △448 △1,338 △138 △4,597
為替換算差額 6,103 7,832 397 2,438 1,494 18,264
その他の増減 △1,722 △324 35 △332 277 △2,065
2023年12月31日 残高 223,553 192,534 47,807 85,723 43,311 592,928
有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」として、処分から
生じる利得又は損失は、連結損益計算書の「その他の営業収益」、「その他の営業費用」として表示しておりま
す。
なお、減損損失及び減損損失の戻入については注記「9.非金融資産の減損」に記載しております。
また、上記には使用権資産の帳簿価額を含んでおります。使用権資産の帳簿価額の増減については「18.リー
ス」に記載しております。
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② 取得原価
(単位:百万円)
建物及び 機械装置及び
工具器具及び
土地 建設仮勘定 合計
備品
構築物 運搬具
2022年1月1日 残高 571,659 927,641 183,749 83,764 39,863 1,806,676
2022年12月31日 残高 600,718 947,984 189,666 84,728 58,333 1,881,429
2023年12月31日 残高 641,170 985,789 197,516 91,633 45,834 1,961,942
③ 減価償却累計額及び減損損失累計額
(単位:百万円)
建物及び 機械装置及び 工具器具及び
土地 建設仮勘定 合計
構築物 運搬具 備品
2022年1月1日 残高 368,959 763,847 134,298 3,237 2,476 1,272,817
2022年12月31日 残高 396,718 774,011 143,564 4,257 2,238 1,320,787
2023年12月31日 残高 417,617 793,255 149,709 5,910 2,523 1,369,014
7.のれん
(1) 帳簿価額の調整表
「のれん」の帳簿価額の増減、取得原価及び減損損失累計額は、以下のとおりであります。
① 帳簿価額
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
期首残高 264,225 289,526
企業結合による取得 25,119 72,673
減損損失 △12,874 -
売却目的で保有する資産への振替 △1,726 -
為替換算差額 14,782 28,369
期末残高 289,526 390,568
減損損失については注記「9.非金融資産の減損」に記載しております。
② 取得原価及び減損損失累計額
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
取得原価 323,451 403,442
減損損失累計額 33,925 12,874
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8.無形資産
(1) 帳簿価額の調整表
「無形資産」の帳簿価額の増減、取得原価、償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりであります。
① 帳簿価額
(単位:百万円)
ソフトウェア
ブランド 販売権 ソフトウェア その他 合計
仮勘定
2022年1月1日 残高 40,187 35,009 23,633 51,482 46,030 196,341
取得 11 40 1,131 8,578 11,735 21,495
企業結合による取得 13,810 - 35 - - 13,845
償却費 △19 △6,412 △10,580 - △422 △17,433
減損損失 - - △1,464 △25 △17,589 △19,078
減損損失の戻入 7,284 - - - 2,704 9,988
処分 △1 △1 △2,127 △9 △12 △2,149
売却目的で保有する資産
△7,287 △10 △7 - △2,876 △10,180
への振替
科目振替 - - 52,642 △52,642 - -
為替換算差額 5,631 1,033 839 148 243 7,894
その他の増減 - 207 △44 74 △60 177
2022年12月31日 残高 59,616 29,866 64,058 7,607 39,753 200,900
取得 65 4,386 769 15,044 8,695 28,959
企業結合による取得 64,162 - 971 252 28,935 94,320
償却費 △25 △5,654 △11,551 - △1,104 △18,334
減損損失 - △1,240 △682 △146 △9,567 △11,636
処分 △1 △1 △267 △71 △5 △346
科目振替 - 9,825 11,073 △11,073 △9,825 -
為替換算差額 5,972 1,296 1,175 35 1,109 9,587
その他の増減 △2 59 41 △9 0 89
2023年12月31日 残高 129,787 38,537 65,586 11,638 57,991 303,540
無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」として、処分から生じる利
得又は損失は、連結損益計算書の「その他の営業収益」、「その他の営業費用」として表示しております。
なお、減損損失及び減損損失の戻入については注記「9.非金融資産の減損」に記載しております。
② 取得原価
(単位:百万円)
ソフトウェア
ブランド 販売権 ソフトウェア その他 合計
仮勘定
2022年1月1日 残高 69,251 120,644 87,288 51,482 86,197 414,863
2022年12月31日 残高 68,508 118,675 136,929 7,631 77,715 409,458
2023年12月31日 残高 138,997 140,628 146,814 11,809 87,699 525,947
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③ 償却累計額及び減損損失累計額
(単位:百万円)
ソフトウェア
ブランド 販売権 ソフトウェア その他 合計
仮勘定
2022年1月1日 残高 29,065 85,635 63,655 - 40,167 218,522
2022年12月31日 残高 8,891 88,810 72,871 25 37,962 208,559
2023年12月31日 残高 9,210 102,091 81,228 171 29,707 222,407
(2) 研究開発費及びソフトウェア開発費
期中に費用認識した研究開発費は、前年度及び当年度においてそれぞれ 74,289百万円 及び 84,920百万円 であり、
連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上しております。なお、期中に費用認識したソフトウェア開発費
は、前年度及び当年度においてそれぞれ 7,096百万円 及び 286百万円 であり、連結損益計算書の「その他の営業費
用」に計上しております。
9.非金融資産の減損
(1) 資金生成単位
当社グループは投資の意思決定単位である各社の事業を資金生成単位としております。なお、のれんについて
は、内部管理目的でモニタリングする単位をもって資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。
また、遊休資産については個別の物件を資金生成単位とし、本社・厚生施設等については独立したキャッシュ・フ
ローは生み出しませんが、他の資金生成単位から生じるキャッシュ・フローに寄与していることから全社資産とし
ております。
(2) 減損損失
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日 )
減損損失のセグメント別内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメント 減損損失額 主な資産の種類
国内ビール・スピリッツ -
国内飲料 -
建物及び構築物・機械装置及び運搬具・
オセアニア酒類 3,525
ソフトウェア
建設仮勘定・ソフトウェア仮勘定・その
医薬 17,979
他の無形資産
建物及び構築物・機械装置及び運搬具・
工具器具及び備品・土地・建設仮勘定・
その他 44,696
のれん・ソフトウェア・ソフトウェア仮
勘定・その他の無形資産
合計 66,200
医薬事業において、ザンデリシブ(開発番号:ME-401)の日本以外での共同開発中止の決定に伴う無形資産(仕
掛研究開発費)の減損損失14,330百万円を計上しました。回収可能価額は使用価値に基づいており、その価値をゼ
ロとしております。
その他事業にはバイオケミカル事業 が含まれております。 当年度において、新型コロナ及び地政学リスクの顕在
化に起因した世界的な原燃料高騰影響による収益性悪化などを受け、同事業に係る事業用資産について減損テスト
を実施しました。この結果、当年度において、バイオケミカル事業に係る非流動資産の減損損失42,957百万円を計
上しました。 当該減損損失42,957百万円の主な内訳は、のれん12,874百万円、建物及び構築物11,351百万円、 機械
装置及び運搬具11,305百万円であります。
なお、回収可能価額は、使用価値を基に測定しており、当該使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映さ
せて作成され、経営陣によって承認された事業計画を基礎とした5ヵ年のキャッシュ・フロー見積額を現在価値に
割り引いて算定しております。割引率は、当該資金生成単位の税引前の加重平均資本コストを基礎とした6.1%を使
用しております。
当該事業計画には、主力製品及び新製品に関する市場規模の拡大及び市場シェア獲得等の重要な仮定が含まれて
おります。
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これらの減損損失については、経営活動全般に跨る費用など、いずれの機能にも結び付かない性質の費用と考え
られるため、その他の営業費用に計上しております。
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当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日 )
減損損失のセグメント別内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメント 減損損失額 主な資産の種類
国内ビール・スピリッツ -
国内飲料 -
オセアニア酒類 22 機械装置及び運搬具
建物及び構築物・販売権・その他の無形
医薬 10,843
資産
建物及び構築物・機械装置及び運搬具・
工具器具及び備品・土地・建設仮勘定・
その他 19,122
ソフトウェア・ソフトウェア仮勘定・そ
の他の無形資産
合計 29,987
医薬事業において、バルドキソロンメチル(開発番号:RTA 402)の開発中止の決定に伴う無形資産(仕掛研究開
発費)の減損損失8,275百万円を計上しました。回収可能価額は使用価値に基づいており、その価値をゼロとしてお
ります。
その他事業にはバイオケミカル事業 が含まれております。 当年度において、ユーティリティコストの高騰や競争
環境の激化、新規素材の各国認証取得時期の不透明性などを受け、同事業に係る事業用資産について減損の兆候が
あると判断し、減損テストを実施しました。この結果、当年度において、バイオケミカル事業に係る非流動資産の
減損損失15,670百万円を計上しました。 当該減損損失15,670百万円の主な内訳は、 機械装置及び運搬具8,644百万
円、 建物及び構築物4,162百万円 であります。
当年度におけるバイオケミカル事業の戦略見直し及びヒトミルクオリゴ糖(以下、HMO)の上市を受け、HMO事業
を新たな資金生成単位として設定しております。これにより、バイオケミカル事業に係る事業用資産の資金生成単
位は、従来のファインケミカル事業(以下、FC事業)及び合成原薬事業から、FC事業、HMO事業及び合成原薬事業へ
当年度より変更しております。
なお、FC事業及びHMO事業に係る資金生成単位の回収可能価額は、使用価値を基に測定しており、当該使用価値
は、過去の経験と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された事業計画を基礎とした資産の
残存耐用年数におけるキャッシュ・フロー見積額を現在価値に割り引いて算定しております。割引率は、当該資金
生成単位の税引前の加重平均資本コストを基礎とした割引率を使用しており、FC事業に係る割引率は5.1%、HMO事
業に係る割引率は8.8%です。合成原薬事業については継続的に営業利益を計上していることから減損テストを実施
しておりません。
これらの減損損失については、経営活動全般に跨る費用など、いずれの機能にも結び付かない性質の費用と考え
られるため、その他の営業費用に計上しております。
(3) 減損損失戻入益
前年度において、ミャンマー酒類事業の譲渡プロセスの過程で、過去の期間に認識した減損損失が減少している
可能性を示す兆候が識別されたことから、回収可能価額の見積りを行いました。この結果、前年度において、ミャ
ンマー酒類事業に係るのれんを除く非流動資産の減損損失戻入益12,921百万円をその他の営業収益に計上しまし
た。
なお、回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値を基に測定しており、当該処分コスト控除後の公正価値
は、譲渡プロセスの過程で合意した譲渡価額を基に算定しております。 この公正価値測定は用いた評価技法への重
要なインプットに基づきレベル3に分類しております。
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(4) のれん及び耐用年数が確定できない無形資産を含む資金生成単位(単位グループ)の減損テスト
減損テストの際に当社グループの資金生成単位又は資金生成単位グループに配分された、のれん及び耐用年数が
確定できない無形資産の主なもの(減損損失認識後)は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
のれん ブランド のれん ブランド
オセアニア酒類事業 192,509 52,984 213,465 60,728
医薬事業 93,157 ― 97,847 ―
その他 ― ― 75,321 61,944
当社グループは、企業結合により生じたLION PTY LTD(オセアニア酒類事業)が保有するブランドを資産計上して
おります。
LION PTY LTDが保有するブランドは、主にオセアニア地域において、今後も長期にわたって当社グループに経済
的便益をもたらすものと期待されていることから、耐用年数が確定できない無形資産として分類しております。
なお、その他には、当年度取得したBlackmores Limitedに関する残高を計上しております。詳細は「38.企業結
合」をご参照ください。
主要なのれん及び耐用年数が確定できない無形資産に対する減損テストは、以下のとおり行っております。
① オセアニア酒類事業
回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値を基に測定しております。
処分コスト控除後の公正価値の算定は、類似企業の事業に関する相場価額に基づいて算定しております(マー
ケ ット・アプローチ)。公正価値の算定は、算定対象となる事業に関する将来の計画等の判断と仮定が必要になり
ますが、これらは現時点で合理的であると判断される一定の前提に基づいております。この公正価値測定は用い
た評価技法への重要なインプットに基づきレベル3に分類しております。
回収可能価額は当該資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、回収可能価額の算定に用いた類似企業の
事業に関する相場価額等について合理的な範囲で変動があった場合にも、回収可能価額が帳簿価額を下回ること
はないと考えております。
② 医薬事業
回収可能価額は、使用価値により測定しております。
使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された事業計画を基礎
とした3ヵ年のキャッシュ・フロー見積額を現在価値に割り引いております。税引前の割引率は資金生成単位の
加重平均資本コストを基礎に10.6%と算定しております。
回収可能価額は当該資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、回収可能価額の算定に用いた将来キャッ
シュ・フロー、割引率等について合理的な範囲で変動があった場合にも、回収可能価額が帳簿価額を下回ること
はないと考えております。
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10.その他の金融資産
(1) 各年度の「その他の金融資産」の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
株式 55,935 60,896
デリバティブ資産 1,511 2,202
社債 28,510 23,511
その他 27,788 29,612
貸倒引当金 △1,989 △1,932
合計 111,756 114,290
非流動資産 103,380 105,346
流動資産 8,376 8,944
(注)1 連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しております。
2 株式はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に、デリバティブ資産は純損益を通じ
て公正価値で測定する金融資産に、その他は主に償却原価で測定される金融資産にそれぞれ分類しておりま
す。
(2) 各年度のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の主な銘柄、及び公正価値等は、以下の
とおりであります。取引・協業関係の構築・維持・強化を目的に保有しているため、その他の包括利益を通じて公
正価値で測定しております。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
市場性あり 32,864 33,105
市場性なし 23,071 27,791
合計 55,935 60,896
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上記のうち、主な市場性のある銘柄の公正価値は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
㈱すかいらーくホールディングス 5,090 6,883
東海旅客鉄道㈱ 4,435 4,905
㈱ハイデイ日高 2,136 3,144
Ardelyx.inc 1,087 2,506
チムニー㈱ 1,139 1,451
ロイヤルホールディングス㈱ 1,188 1,322
㈱帝国ホテル 1,300 1,283
㈱大庄 1,043 1,235
㈱木曽路 738 903
㈱リンガーハット 732 784
市場性のない銘柄は、主に日本国内の事業における取引先等への投資により構成されております。日本国内の事
業における前年度及び当年度の公正価値の合計額はそれぞれ22,046百万円及び26,338百万円で在ります。
(3) 保有資産の効率化及び有効活用を図るため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の売
却(認識の中止)を行っております。各年度の売却時点での公正価値及び資本でその他の包括利益として認識されて
いた累積損益は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
資本でその他の包括利益 資本でその他の包括利益
公正価値 として認識されていた 公正価値 として認識されていた
累積損益(注) 累積損益(注)
7,369 2,565 7,989 5,055
(注) 資本でその他の包括利益として認識されていた累積損益は、認識の中止を行った場合に利益剰余金に振り替え
ております。
(4) 担保資産
各年度の担保資産残高は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
その他の金融資産(流動資産)(注) 300 300
合計 300 300
(注) 関税法・消費税法に基づく納期限延長制度を利用する際の担保として供託しているものであります。
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11.法人所得税
(1) 連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債
各年度の連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債の金額は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
繰延税金資産 111,330 109,322
繰延税金負債 13,564 38,871
純額 97,766 70,451
(2) 繰延税金残高の増減
各年度の繰延税金残高の増減は、以下のとおりであります。
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日 )
(単位:百万円)
その他の
純損益で
1月1日現在の 12月31日現在の
包括利益で その他(注1)
残高(純額) 残高(純額)
認識された額
認識された額
退職給付に係る資産及び負債 18,324 171 △2,048 38 16,486
未払費用 13,690 1,307 - 475 15,472
棚卸資産 24,383 △439 - 1,837 25,781
税務上の繰越欠損金 12,818 △10,927 - △54 1,837
有形固定資産及び無形資産 △9,177 2,774 - △3,693 △10,096
その他の包括利益を通じて公
正価値で測定する資本性金融 △6,954 - △511 1,403 △6,062
商品の評価差額
その他 45,665 7,115 696 873 54,348
合計 98,748 1 △1,864 880 97,766
(注) 1 その他には在外営業活動体の換算差額が含まれております。
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日 )
(単位:百万円)
その他の
純損益で 企業結合に
1月1日現在 12月31日現在
包括利益で その他(注1)
の残高(純額) の残高(純額)
認識された額 よる取得
認識された額
退職給付に係る資産
16,486 △1,552 △2,766 34 △26 12,176
及び負債
未払費用 15,472 4,970 - 737 609 21,788
棚卸資産 25,781 △1,645 - 497 450 25,084
税務上の繰越欠損金 1,837 3,811 - 50 1,591 7,289
有形固定資産及び
△10,096 △7,958 - △26,401 2,961 △41,494
無形資産
その他の包括利益を通
じて公正価値で測定す
△6,062 - △3,449 - 2,048 △7,463
る資本性金融商品の評
価差額
その他 54,348 △22 513 1,372 △3,140 53,071
合計 97,766 △2,395 △5,702 △23,711 4,493 70,451
(注) 1 その他には在外営業活動体の換算差額が含まれております。
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繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の一部又は全部が将来課税所得に対し
て利用できる可能性を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債
の取崩し、予測される将来課税所得及びタックスプランニングを考慮しております。認識された繰延税金資産につ
いては、過去の課税所得水準及び繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の予測に基づき、回収され
る可能性が高いと考えております。
(3) 未認識の繰延税金負債
当社グループが一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な将来に一時差異が解消しない可能性が
高い場合には、当該一時差異に関連する繰延税金負債を認識しておりません。繰延税金負債として認識されていな
い子会社、関連会社に対する投資及び共同支配に対する持分に係る一時差異の総額は、前年度末及び当年度末現
在、それぞれ 520,111百万円 、 632,520百万円 であります。
(4) 未認識の繰延税金資産
当社グループがその便益を利用するために必要となる将来の課税所得を稼得する可能性が高くないため、以下の
項目については繰延税金資産を認識しておりません。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
将来減算一時差異 162,237 153,718
税務上の繰越欠損金 21,243 112,408
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の金額と繰越期限は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
1年目 28 57
2年目 51 26
3年目 14 6,191
4年目 6,774 1,021
5年目以降 10,245 10,945
繰越期限なし 4,131 94,168
合計 21,243 112,408
(5) 法人所得税費用
各年度の法人所得税費用の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
当期税金費用 47,617 44,215
繰延税金費用 △1 2,395
法人所得税費用 47,615 46,611
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(6) 実効税率の調整表
当社グループは、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎とした法定実効税率は、前年
度、当年度 ともに 30.6 %であります。ただし、在外子会社については、その所在地における法人税等が課されてお
ります。
各年度の法定実効税率と平均実際負担税率との調整は、以下のとおりであります。
(単位:%)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
法定実効税率 30.6 30.6
(調整)
課税所得計算上加減算されない損益による影響 0.2 2.4
持分法による投資損益 △3.6 △5.1
未認識の繰延税金資産の増減 2.9 △2.8
子会社の適用税率との差異 △3.4 △0.6
税額控除 △2.7 △3.0
税効果を計上した関係会社留保利益 0.6 0.3
のれんの減損 2.1 -
その他 △1.7 1.9
平均実際負担税率 24.9 23.7
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12.棚卸資産
各年度の「棚卸資産」の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
商品及び製品 199,878 228,717
仕掛品 32,448 33,185
原材料及び貯蔵品 57,845 69,081
合計 290,171 330,984
うち、12ヶ月を超えて
38,709 48,493
販売される予定の棚卸資産
費用として計上された棚卸資産の評価損は、前年度、当年度それぞれ 10,845百万円 、 7,609百万円 であります。
評価減した金額は連結損益計算書の「売上原価」に含まれております。
13.営業債権及びその他の債権
各年度の「営業債権及びその他の債権」の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
受取手形及び売掛金(営業債権) 390,734 425,308
未収入金 19,900 21,167
貸倒引当金 △1,465 △1,535
合計 409,168 444,940
(注)1 連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しております。
2 営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
14.現金及び現金同等物
前年度及び当年度の「現金及び現金同等物」の内訳は「現金及び預金(預入期間が3ヶ月を超える定期預金を除
く)」であり、連結財政状態計算書における「現金及び現金同等物」の金額と連結キャッシュ・フロー計算書における
「現金及び現金同等物」の金額は一致しております。また、「現金及び現金同等物」は、償却原価で測定される金融
資産に分類しております。
当社の連結子会社であるKirin Holdings Singapore Pte. Ltd.は、ミャンマー中央銀行の通達による預金引出制限
の影響等により、同社が保有する一部の現金及び現金同等物の利用に一定の制限を受けております。当年度の現金及
び現金同等物には、同社が保有する現金及び現金同等物の内、その利用に一定の制限を受けている23,190百万円が含
まれております。
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15.売却目的で保有する資産及び直接関連する負債
売却目的で保有する資産及び売却目的で保有する資産に直接関連する負債の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
売却目的で保有する資産
有形固定資産 3,677 ―
のれん 1,726 ―
無形資産 10,180 ―
持分法で会計処理されている投資
― 4,004
棚卸資産 5,230 ―
営業債権及びその他の債権 1,255 ―
その他の金融資産(流動) 948 ―
その他の流動資産 1,379 ―
現金及び現金同等物 25,484 ―
その他 238 ―
合計 50,117 4,004
売却目的で保有する資産に直接関連する負債
繰延税金負債 1,603 ―
営業債務及びその他の債務 1,743 ―
その他の金融負債(流動) 1,890 ―
その他の流動負債 2,309 ―
その他 571 ―
合計 8,116 ―
(前年度)
売却目的で保有する資産及び売却目的で保有する資産に直接関連する負債は、主にミャンマー酒類事業の連結子会
社の 資産及び負債から 構成 されております。 前年度において株式譲渡の可能性が非常に高くなったことに伴い、売却
目的で保有する資産及び売却目的で保有する資産に直接関連する負債に分類しております。
売却目的で保有する資産に関連するその他の資本の構成要素は、△19,393百万円です。また、現金及び現金同等物
には、ミャンマー中央銀行の通達による預金引出制限の影響等により、その利用に一定の制限を受けている18,092百
万円が含まれております。
なお、ミャンマー酒類事業の連結子会社の株式譲渡手続は2023年1月23日に完了しております。
(当年度)
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
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16.払込資本及びその他の資本
(1) 資本金及び剰余金
各年度の発行済株式数の増減、各年度末の授権株式数は、以下のとおりであります。
(単位:千株)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
期首の発行済株式数 914,000 914,000
増減 - -
期末現在の発行済株式数-全額払込済み 914,000 914,000
期末現在の授権株式数 1,732,026 1,732,026
当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であります。
資本剰余金及び利益剰余金の主な内容は、以下のとおりであります。
我が国の会社法では、資本剰余金に含まれる資本準備金及び利益剰余金に含まれる利益準備金の合計額が資
本金の4分の1に達するまで、各年度に剰余金の配当により減少する剰余金の10分の1を、資本準備金又は利
益準備金として積立てることが規定されています。
また、会社法上の分配可能額は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計原則に準拠して記帳
された会計帳簿上の資本剰余金及び利益剰余金に基づいて算定されますが、資本準備金及び利益準備金は当該
分配可能額から控除されます。
(2) 自己株式
各年度の自己株式数の増減は、以下のとおりであります。
(単位:千株)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
期首の自己株式 80,414 104,172
増減 23,757 △45
期末の自己株式 104,172 104,126
当社の自己株式は、当社グループが保有する当社株式の取得原価からなります。
前年度自己株式の増減の内訳は、次のとおりであります。
・自己株式の取得:23,715千株
・単元未満株式の買取:55千株
・単元未満株式の売却:△1千株
・ 役員報酬BIP信託が保有する株式の払出し:△12 千株
前年度期末の自己株式は、役員報酬BIP信託が保有する株式1,966千株が含まれております。
当年度自己株式の増減の内訳は、次のとおりであります。
・単元未満株式の買取:10千株
・単元未満株式の売却:△1千株
・ 役員報酬BIP信託が保有する株式の払出し:△55 千株
当年度期末の自己株式は、役員報酬BIP信託が保有する株式1,911千株が含まれております。
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(3) その他の資本の構成要素の内容及び目的
① 在外営業活動体の換算差額
在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体の財務諸表の換算から生じた為替換算差額であります。
② キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジは、キャッシュ・フロー・ヘッジに利用されたヘッジ手段の公正価値の純変動額
の累積額のうち、ヘッジが有効な部分からなり、ヘッジされたキャッシュ・フローが純損益に影響を与える際に
純損益で認識されます。
③ その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の公正価値の純変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の公正価値の評価差額であります。
④ 確定給付制度の再測定
確定給付制度の再測定とは、数理計算上の差異、制度資産に係る収益(利息収益に含まれる金額を除く)及び資
産上限額の影響(利息収益に含まれる金額を除く)の変動額であります。また、数理計算上の差異とは、確定給付
制度債務に係る実績による修正(期首における数理計算上の仮定と実績の結果との差異)及び数理計算上の仮定の
変更による影響額であります。これらについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要
素から利益剰余金に直ちに振り替えております。
(4) 配当
配当金支払額は、以下のとおりであります。
配当金の総額 1株当たり
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円)(注) 配当金額
2022年3月30日
普通株式 27,104 32円50銭 2021年12月31日 2022年3月31日
定時株主総会
2022年8月8日
普通株式 26,751 32円50銭 2022年6月30日 2022年9月5日
取締役会
2023年3月30日
普通株式 29,630 36円50銭 2022年12月31日 2023年3月31日
定時株主総会
2023年8月8日
普通株式 28,007 34円50銭 2023年6月30日 2023年9月5日
取締役会
(注) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式に対する配当金が含まれており、その額は 2022年3月
30日 定時株主総会 決議分が13百万円、 2022年8月8日 取締役会 決議分が64百万円、 2023年3月30日 定時株主総
会 決議分が72百万円、 2023年8月8日 取締役会 決議分が66百万円になります。
基準日が当期に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるものは、以下のとおりであります。
配当金の総額 1株当たり
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円)(注) 配当金額
2024年3月28日
普通株式 29,630 36円50銭 2023年12月31日 2024年3月29日
定時株主総会
(注) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式に対する配当金70百万円が含まれております。
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17.社債及び借入金(その他の金融負債を含む)
金融負債の内訳
各年度の「社債及び借入金」及び「その他の金融負債」の内訳は、以下のとおりであります。
前年度 当年度
平均利率
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 ) 返済期限
(%)
(注3)
(百万円) (百万円)
2025年2月28日~
社債(1年以内に償還予定のもの
204,415 267,216 0.36
2039年9月5日
を除く)(注4)
1年以内に償還予定の社債(注4) 54,962 29,981 0.17 2024年9月5日
2025年2月25日~
長期借入金(1年以内に返済予定
204,246 288,509 0.50
のものを除く) 2033年1月18日
2024年2月26日~
1年以内に返済予定の長期借入金 38,991 69,991 0.17
2024年12月6日
短期借入金 2,506 701 5.17 -
コマーシャル・ペーパー 18,000 - 0.00 -
受入保証金(注2) 44,886 482 1.09 -
未払費用 28,757 29,858 - -
デリバティブ負債(注1) 3,327 4,875 - -
リース負債 81,900 76,682 - -
その他 30,615 32,737 - -
合計 712,607 801,031 - -
非流動負債 538,324 638,638 - -
流動負債 174,283 162,393 - -
(注) 1 デリバティブ負債は、公正価値で測定される金融負債に、デリバティブ負債及びリース負債以外の金融負債
は、償却原価で測定される金融負債に分類しております。
2 現金担保として差入を受けたものであり、返済期限は設定されておりません。
3 平均利率は期中平均残高により算定しております。
4 社債の発行条件の要約は以下のとおりであります。
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前年度 当年度
発行 利率
会社名 銘柄 ( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 ) 償還期限
年月日 (%)
(百万円) (百万円)
当社 2015年 2025年
当社 14,982 14,990 0.603
第10回無担保社債 3月2日 2月28日
当社 2018年 2023年
当社 24,977 - -
第11回無担保社債 12月6日 12月6日
2019年 2024年
当社
当社 29,955 29,981 0.080
第12回無担保社債
9月5日 9月5日
2019年 2029年
当社
当社 29,903 29,918 0.230
第13回無担保社債
9月5日 9月5日
当社 2019年 2039年
当社 9,943 9,946 0.510
第14回無担保社債 9月5日 9月5日
当社 2020年 2023年
当社 29,984 - -
第15回無担保社債 6月4日 6月2日
当社 2020年 2025年
当社 9,977 9,986 0.180
第16回無担保社債 6月4日 6月4日
当社 2020年 2030年
当社 9,960 9,965 0.370
第17回無担保社債 6月4日 6月4日
当社 2020年 2025年
当社 9,969 9,980 0.110
第18回無担保社債 11月27日 11月27日
当社 2021年 2026年
当社 39,897 39,927 0.090
第19回無担保社債 6月3日 6月3日
当社 2021年 2028年
当社 29,910 29,927 0.180
第20回無担保社債 6月3日 6月2日
当社 2022年
2027年
当社 19,919 19,938 0.290
6月7日
第21回無担保社債 6月7日
当社 2023年
2028年
当社 - 39,859 0.673
10月26日
第22回無担保社債 10月26日
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前年度 当年度
発行 利率
会社名 銘柄 ( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 ) 償還期限
年月日 (%)
(百万円) (百万円)
当社 2023年
当社 - 19,919 0.996 2030年
第23回無担保社債 10月26日
10月25日
当社 2023年
当社 - 32,861 1.318 2033年
第24回無担保社債 10月26日
10月26日
合計 259,377 297,197 ― ―
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18.リース
(1)リース活動
当社グループは、主に事業所及び倉庫の不動産等について、リース契約を締結しております。
当社グループにおいては、リース条件は個々に交渉され、幅広く異なる契約条件となっております。延長オプ
ション及び解約オプションは、主に事業所及び倉庫に係る不動産リースに含まれており、その多くは、1年間ない
し原契約と同期間にわたる延長オプション、また、6ヶ月前までに相手方に書面をもって通知した場合に早期解約
を行うオプションとなっております。なお、これらのオプションは、リース契約主体が不動産を事業に活用する上
で、必要に応じて使用されております。
また、グループ中のリースの一部は、棚卸資産の数量に連動する倉庫料や、店舗から生み出される売上に連動す
る不動産賃借料に係る変動支払条件を含んでおります。変動支払条件は、支払賃料を不動産のキャッシュ・フロー
と連動させ、固定費を最小限にするために使用されております。
(2) 使用権資産
前年度及び当年度の使用権資産の帳簿価額及び減価償却費の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
有形固定資産 無形資産
合計
建物及び 機械装置及び 工具器具及び
土地 ソフトウェア
構築物 運搬具 備品
2022年1月1日 残高 58,045 9,187 8,665 7,344 2,111 85,353
取得 6,388 3,093 2,270 7 91 11,849
減価償却費及び償却費 △13,108 △2,076 △3,321 △332 △833 △19,671
減損損失 △2,181 △458 - △73 - △2,711
売却目的で保有する資
△18 - - △32 - △50
産への振替
その他 3,541 △672 △39 598 △7 3,421
2022年12月31日 残高 52,667 9,075 7,574 7,513 1,362 78,191
取得 5,755 1,607 4,412 - 269 12,043
企業結合による取得 1,869 149 217 - - 2,235
減価償却費及び償却費 △12,392 △2,159 △4,067 △298 △749 △19,666
減損損失 - - △5 - - △5
その他 276 △336 7 305 - 253
2023年12月31日 残高 48,176 8,335 8,138 7,520 882 73,050
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(3) リース負債
前年度末及び当年度末におけるリース負債の期日別残高は、以下のとおりであります。
前年度( 2022年12月31日 )
(単位:百万円)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
キャッ
帳簿価額 1年以内 5年超
シュ・フ
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
ロー
リース負債 81,900 92,604 19,084 15,102 11,780 7,920 6,321 32,397
当年度( 2023年12月31日 )
(単位:百万円)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
キャッ
帳簿価額 1年以内 5年超
シュ・フ
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
ロー
リース負債 76,682 87,534 19,407 15,445 10,328 6,446 4,969 30,938
(4) 連結損益計算書に計上された金額
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
リースに係る支払利息 1,599 1,487
変動リース 533 681
短期リース 2,038 1,998
少額リース 1,382 1,221
(5) 連結キャッシュ・フロー計算書に計上された金額
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額 24,939 24,008
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19.従業員給付
(1) 確定給付制度
当社グループは、確定給付型の制度として、退職一時金制度、確定給付企業年金制度及び厚生年金基金制度を設
けております。
確定給付制度における給付額は、勤続した年数に稼得したポイントや退職時の支給率、勤続年数、退職前の最終
平均給与、その他の条件に基づき設定されております。
なお、通常の退職日前における従業員の退職に際して、退職加算金を支払う場合があります。
確定給付制度は、法令に従い、当社グループ、又は当社グループと法的に分離された年金基金により運営されて
おります。
当社グループ、又は年金基金の理事会及び年金運用受託機関は、制度加入者の基金のため忠実にその業務を遂行
することが法令により求められており、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っております。
制度資産の運用にあたっては、外部機関により年金ALM(資産・負債の総合管理)を実施して最適アセットミックス
を策定しております。最適アセットミックスでは、リスク、期待収益率及び投資資産別の資産構成割合を設定し、
その割合を維持することにより運用を行っております。
また、当社グループ及び年金基金は、法令の定めに従い、将来の給付発生に対する充当や積立不足がある場合の
年金財政の均衡保持を目的として、定期的に財政検証を行うとともに、年金拠出額の再計算を行っております。
当社グループの主要な制度は、投資リスク、金利リスク、インフレリスク、寿命リスク等のリスクに晒されてお
ります。
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① 確定給付制度債務の調整表
確定給付制度債務の現在価値の期首及び期末残高の調整表は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
1月1日残高 291,603 260,681
当期勤務費用 10,862 9,927
利息費用 1,869 3,055
再測定損失(収益)
人口統計上の仮定の変更 △766 △2,162
財務上の仮定の変更 △24,952 △2,636
実績修正 △710 4,119
過去勤務費用 △26 △1,160
為替換算差額 2,995 1,120
制度からの支払 △17,944 △17,489
企業結合及び処分の影響額 - △118
制度移管(注) △2,351 -
その他の増減 100 3
12月31日残高 260,681 255,340
(注) 「制度移管」は、 主にメルシャン㈱が企業年金基金を解散してキリングループ確定拠出制度へ移行したことによ
る減少です。
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前年度末10.9年、当年度末10.5年であります。
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② 制度資産の調整表
制度資産の公正価値の期首及び期末残高の調整表は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
1月1日残高 250,801 224,223
利息収益 1,561 2,764
再測定損失(収益)
制度資産に係る収益(利息収益を除く) △19,254 8,361
為替換算差額 2,274 843
事業主による制度への拠出 5,330 7,572
制度からの支払 △13,692 △12,652
制度移管(注) △2,769 -
その他の増減 △29 △79
12月31日残高 224,223 231,031
(注) 「制度移管」は、 主にメルシャン㈱が企業年金基金を解散してキリングループ確定拠出制度へ移行したことによ
る減少です。
当社グループは、2024年12月期に3,608百万円の掛金を拠出する予定であります。
③ 確定給付制度債務及び制度資産
確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値と連結財政状態計算書に計上された確定給付負債(資産)
の純額との関係は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
確定給付制度債務の現在価値 260,681 255,340
制度資産の公正価値 △224,223 △231,031
合計 36,458 24,308
退職給付に係る負債 58,084 55,228
退職給付に係る資産 △21,626 △30,920
(注) 退職給付に係る資産は、連結財政状態計算書上、「その他の非流動資産」に含まれております。
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④ 制度資産の主な内訳
各年度の制度資産合計に対する主な内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
活発な市場におけ 活発な市場におけ 活発な市場におけ 活発な市場におけ
る公表市場価格が る公表市場価格が る公表市場価格が る公表市場価格が
あるもの ないもの あるもの ないもの
資本性金融商品 44,666 - 47,073 -
負債性金融商品 85,317 - 93,647 -
一般勘定 - 59,411 - 57,580
その他 - 34,829 - 32,731
合計 129,984 94,240 140,720 90,311
⑤ 数理計算上の仮定に関する事項
各年度の数理計算の仮定の主なものは、以下のとおりであります。
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
割引率(加重平均値) 1.5 % 1.6 %
重要な数理計算上の仮定が0.5%変動した場合に、確定給付制度債務に与える影響は、以下のとおりでありま
す。なお、その他の変数は一定であることを前提としております。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
0.5%の上昇 △10,157 △9,706
割引率
0.5%の低下 13,394 13,074
(2) 確定拠出制度
当社及び一部の連結子会社では確定給付型の年金制度の他、確定拠出型の年金制度を設けております。
確定拠出制度に関して費用として計上した金額は、前年度において 16,209百万円 、当年度において 17,500百万円
であります。
なお、上記には公的制度に関して費用として認識した金額を含んでおります。
(3) 従業員給付費用
連結損益計算書に含まれる従業員給付費用は、前年度において 287,843百万円 、当年度において 318,729百万円 で
あります。従業員給付費用には、賃金及び給与、従業員賞与、法定福利費及び退職後給付に係る費用などを含めて
おります。退職後給付に係る利息費用及び利息収益は純額を「金融費用」に、過去勤務費用は「その他の営業費
用」及び「その他の営業収益」に含めており、それ以外の従業員給付に係る費用は、「売上原価」、「販売費及び
一般管理費」、「その他の営業費用」に含めて表示しております。
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20.引当金
「引当金」の内訳及び増減は、以下のとおりであります。
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日 )
(単位:百万円)
工場再編損失引当金 資産除去債務 その他 合計
1月1日残高 361 3,411 2,491 6,263
増加額 - 275 7,400 7,675
減少額(目的使用) - △533 △5,160 △5,693
減少額(戻入) - 110 △145 △35
為替換算差額 30 19 210 259
12月31日残高 390 3,282 4,797 8,469
非流動負債 - 3,223 1,093 4,316
流動負債 390 59 3,703 4,153
(注) 引当金の説明については、注記「3.重要性がある会計方針」に記載しております。
21.営業債務及びその他の債務
各年度の「営業債務及びその他の債務」の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
支払手形及び買掛金 120,456 137,263
未払金 77,223 85,579
返金負債 67,505 83,827
合計 265,185 306,670
(注) 営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定される金融負債に分類しております。
22.その他の負債
各年度の「その他の非流動負債」及び「その他の流動負債」の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
未払酒税 69,262 70,003
契約負債(注) 35,666 27,706
その他 100,174 112,115
合計 205,102 209,824
非流動負債 27,572 19,921
流動負債 177,530 189,904
(注) 契約負債の期首残高のうち認識した収益の金額は、前年度において9,479百万円、当年度において8,265百万円で
あります。また、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の金額は、前年度において24,010百万円、当
年度において34,212百万円であり、主なものは、マイルストン収入及びランニング・ロイヤルティ収入でありま
す。
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23.売上収益
(1) 売上収益の分解とセグメント収益との関連
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
国内ビール・スピリッツ 663,522 684,863
国内飲料 243,257 255,028
オセアニア酒類 255,900 280,990
医薬 397,863 441,882
その他
国内ワイン 55,653 57,510
北米飲料 216,165 250,142
バイオケミカル 45,948 48,224
その他 111,158 115,754
合計 428,925 471,630
連結 1,989,468 2,134,393
(2) 履行義務の充足時期
技術収入に関する契約等における残存履行義務に配分した取引価格の総額及び収益の認識が見込まれる期間は、
以下のとおりであります。なお、実務上の便法を使用しているため、当初の予想残存期間が1年以内の取引は含め
ておりません。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
1年以内 10,559 9,344
1年超2年以内 8,280 8,936
2年超3年以内 8,276 9,015
3年超 8,551 411
合計 35,666 27,706
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24.販売費及び一般管理費
各年度の「販売費及び一般管理費」の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
販売促進費・広告宣伝費 166,032 165,765
従業員給付費用 215,128 233,901
運搬費 59,378 55,700
研究開発費 74,271 84,895
減価償却費及び償却費 41,862 42,674
その他 157,884 179,036
合計 714,554 761,971
25.その他の営業収益
各年度の「その他の営業収益」の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
有形固定資産及び無形資産売却益 9,512 6,119
子会社株式売却益(注) - 14,822
減損損失戻入益 13,152 64
その他 6,789 7,830
合計 29,454 28,835
(注)当年度における子会社株式売却益14,822百万円には、残存持分を支配喪失日現在の公正価値で再評価したこと
による利益7,252百万円が含まれております。
26.その他の営業費用
各年度の「その他の営業費用」の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
減損損失 66,200 29,987
事業構造改善費用(注1) 742 2,784
ソフトウェア開発費 7,096 286
有形固定資産及び無形資産除売却損 5,040 2,755
子会社株式売却損(注2) 250 19,358
その他 25,266 24,865
合計 104,594 80,036
(注)1 前年度における事業構造改善費用は、連結子会社における特別退職金等742百万円を計上したものです。当年度
における事業構造改善費用は、連結子会社における特別退職金等2,784百万円を計上したものです。
2 注記「28.キャッシュ・フロー」の(子会社株式の売却による支出)をご参照ください。
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27.金融収益及び金融費用
各年度の「金融収益」及び「金融費用」の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
受取利息(注1) 4,040 3,546
受取配当金(注2) 457 574
為替差益(純額) 5,281 4,307
その他 1,200 608
金融収益合計 10,978 9,035
支払利息(注1) 4,894 5,932
条件付対価に係る公正価値変動額 659 3,944
その他 925 647
金融費用合計 6,478 10,523
(注)1「受取利息」及び「支払利息」は、主に償却原価で測定される金融資産及び金融負債から発生しております。
2「受取配当金」はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品から発生しております。
28.キャッシュ・フロー
(1) 財務活動に係る負債の調整表
財務活動に係る主な資産及び負債の増減は、以下のとおりであります。
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日 )
(単位:百万円)
財務活動によ
非資金取引等
2022年
2022年
るキャッ
1月1日 12月31日
公正価値の
シュ・フロー
取得 為替換算差額 その他
残高
残高
変動
からの変動
短期借入金 9,052 △6,083 - △462 - - 2,506
コマーシャル・
73,009 △55,009 - - - - 18,000
ペーパー
長期借入金(注) 230,137 4,167 - 8,860 - 73 243,237
社債(注) 239,274 19,909 - - - 195 259,377
リース負債(注) 90,158 △19,387 10,324 3,866 - △3,062 81,900
負債をヘッジす
るのに利用され 2,793 △4,072 - - 1,279 - -
るデリバティブ
(注) 1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日 )
(単位:百万円)
財務活動によ
非資金取引等
2023年
2023年
るキャッ
1月1日 12月31日
企業結合
シュ・フロー
取得 為替換算差額 その他
残高
残高
による取得
からの変動
短期借入金 2,506 △1,900 - - 95 - 701
コマーシャル・
18,000 △18,000 - - - - -
ペーパー
長期借入金(注) 243,237 107,993 - 5,927 1,264 78 358,499
社債(注) 259,377 37,625 - - - 195 297,197
リース負債(注) 81,900 △18,621 10,993 2,113 2,829 △2,531 76,682
(注) 1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。
(2) 子会社株式の売却による支出
当年度において、当社の連結子会社であるKirin Holdings Singapore Pte. Ltd.は、2023年1月23日に、
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Myanmar Brewery Limited(MBL)及びMandalay Brewery Limited(MDL)をMBL及びMDLに譲渡(MBL及びMDLによる
自己株式取得)し、MBL及びMDLに対する支配を喪失しました。
支配喪失時の資産及び負債の内訳並びに売却による支出額と売却損益の関係は以下のとおりであります。なお、
売却損は「その他の営業費用」に計上しております。
(単位:百万円)
受取対価 20,478
支配喪失時の資産及び負債の内訳
非流動資産 14,095
流動資産 34,296
非流動負債 1,823
流動負債 6,294
子会社株式売却損 19,358
受取対価 20,478
支配喪失時に保有していた現金及び現金同等物 25,484
子会社株式の売却による支出 5,006
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29.その他の包括利益
各年度の「その他の包括利益」に含まれている、各包括利益項目別の当期発生額及び純損益への組替調整額、並び
に税効果の影響は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する資本性
金融商品の公正価値の純変動
2,449 11,303
当期発生額
税効果調整前
2,449 11,303
△511 △3,449
税効果額
税効果調整後
1,937 7,854
確定給付制度の再測定
7,174 9,040
当期発生額
税効果調整前
7,174 9,040
△2,048 △2,766
税効果額
税効果調整後
5,126 6,273
在外営業活動体の換算差額
当期発生額 48,389 73,837
250 19,288
組替調整額
税効果調整前
48,639 93,125
- -
税効果額
税効果調整後
48,639 93,125
キャッシュ・フロー・ヘッジ
当期発生額 △14,118 3,835
11,822 △5,449
組替調整額
税効果調整前
△2,295 △1,614
696 513
税効果額
税効果調整後
△1,600 △1,100
持分法によるその他の包括利益
当期発生額 21,512 7,519
451 △2,308
組替調整額
税効果調整前
21,963 5,211
- -
税効果額
税効果調整後
21,963 5,211
その他の包括利益合計
当期発生額 65,406 105,533
12,523 11,531
組替調整額
税効果調整前
77,929 117,064
△1,864 △5,702
税効果額
税効果調整後
76,065 111,362
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30.1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎
基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
① 親会社の普通株主に帰属する利益(基本的)
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
親会社の所有者に帰属する当期利益 111,007 112,697
親会社の普通株主に帰属しない金額 - -
親会社の普通株主に帰属する当期利益 111,007 112,697
② 加重平均普通株式数(基本的)
(単位:千株)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
加重平均普通株式数 821,755 809,853
(2) 希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
希薄化後1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益及びすべての希薄化潜在的普通株式の影
響を調整した加重平均普通株式数に基づき、以下のように算定しております。
① 親会社の普通株主に帰属する当期利益(希薄化後)
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
親会社の普通株主に帰属する当期利益 111,007 112,697
子会社及び関連会社が発行する潜在株式に
△15 △6
係る調整額
希薄化後普通株主に帰属する当期利益 110,992 112,691
② 加重平均普通株式数(希薄化後)
(単位:千株)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
加重平均普通株式数(基本的) 821,755 809,853
希薄化効果の影響 - -
加重平均普通株式数(希薄化後) 821,755 809,853
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31.株式に基づく報酬
(1) 株式に基づく報酬制度の内容
当社は、当社の社外取締役を除く国内の取締役及び執行役員(以下、取締役等)を対象に、報酬制度の安定的で効
率的な運営及び当社の取締役等の中長期的な業績向上と企業価値増大へのインセンティブ確保のために、業績連動
型報酬制度として、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託の仕組みを導入しております。
当社の子会社である協和キリン㈱は、 同社取締役等に対する持分決済型の株式に基づく報酬制度として譲渡制限
付株式報酬制度、持分決済型及び現金決済型の株式に基づく報酬制度として業績連動型株式報酬制度(パフォーマン
ス・シェア・ユニット)、同社グループの一部の従業員に対する現金決済型の株式に基づく報酬制度としてファント
ム・ストック制度をそれぞれ採用しております。
(2) 役員報酬BIP信託
① 制度内容
当社が金員を拠出して設定する信託が、当該金員を原資として当社株式を取得し、原則として、当社の株式交付
規程に従ってポイントの付与を受けた取締役等に対して、当該取締役等が各業績評価期間の開始から3年が経過し
た後の一定の時期に所定の受益者確定手続きを行うことにより、当社株式及び換価処分対象となる当社株式に係る
換価処分相当額の金銭(以下、「当社株式等」という)の交付及び給付を行う制度であります。当該取締役等に対し
て交付及び給付が行われる当社株式等については、1ポイントを1株に換算しますが、そのうち当社の株式交付規
程に定める換価処分対象となる当社株式については換価処分金相当額の金銭として給付されます。
② 期中に付与されたポイント数と公正価値
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
付与日 2022年3月30日 2023年3月30日
225,531
付与ポイント数 276,489
付与日の公正価値 (円) 2,109.5
1,853.5
(注)付与日の公正価値は、付与日の当社株式の株価に近似していると判断されたことから、付与日の株価を使用して算
定しております。
(3) 譲渡制限付株式報酬制度
① 制度内容
当制度の下では、一定期間継続して 当社の子会社である協和キリン㈱ の取締役等を務めることを条件として、同
社から支給された金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払込み、同社の普通株式について発行を受けることと
なります。
譲渡制限付株式報酬での同社の普通株式の発行に当たっては、同社と対象取締役等の間において、①一定期間、
本株式に係る第三者への譲渡、担保権の設定その他一切の処分を禁止すること、②一定の事由が生じた場合には、
同社が本株式を無償取得すること等をその内容に含む契約が締結されることを条件とします。
② 期中に付与された株式数と公正価値
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
付与日 2022年4月14日 2023年4月13日
付与数 (株) 70,908
60,113
公正価値 (円)
3,140 2,838
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(4) 業績連動型株式報酬制度(パフォーマンス・シェア・ユニット)
① 制度内容
当社の子会社である協和キリン㈱は、報酬の付与において、連続する3事業年度を業績評価期間として、業績目
標の達成度合いに応じて増減する業績連動型株式報酬制度(パフォーマンス・シェア・ユニット)を導入しておりま
す。
当該制度は、同社の取締役及び執行役員を対象としております。業績評価期間開始時に「基準となる交付株式
数」を取締役会決議により決定し、業績評価期間終了後に、「基準となる交付株式数」に業績目標達成度を0%か
ら150%の範囲で乗じ、その約半分を株式、残りを現金として、毎年一定の時期(通常は4月)に取締役等に交付及び
支給する設計であります。
当該制度に関する負債の帳簿価額は、前年度末において87百万円、当年度末において83百万円であります。
② 期中に存在するパフォーマンス・シェア・ユニット
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
基準交付株式数 (株) 基準交付株式数 (株)
期首残高 36,343 71,918
付与 35,575 41,015
増加その他 ― ―
交付及び支給 ― ―
減少その他 ― ―
期末残高 71,918 112,933
加重平均公正価値 (円)
3,143 3,032
(注)当該制度における公正価値は、当該制度の対象期間開始当初の同社取締役会決議の日の前営業日における、同社株
式の市場価値を基礎として算定し、予想配当を考慮に入れた修正は行っておりません。
(5) ファントム・ストック
当社の子会社である協和キリン㈱及び同社の一部の子会社は、報酬の付与において、権利確定時の同社株式の株
価を基礎とした金額を現金で決済するファントム・ストック制度を導入しております。
当該制度は、同社グループの一部の従業員を対象としております。権利確定条件は、付与日以降、原則として3
年間勤続していることとなっております。なお、当該制度は、同社株式の株価を基礎として報酬額が決定され、支
払いがなされるものであるため、行使価格はありません。
当該制度に関する負債の帳簿価額は、前年度末において708百万円、当年度末において401百万円であります。
(6) ストック・オプション
① 制度内容
当社の子会社である協和キリン㈱は、2019年度まで、ストック・オプション制度を採用しており、全て持分決済
型の株式に基づく報酬であります。ストック・オプションとして発行する新株予約権は、同社の株主総会において
承認された内容に基づき、同社の取締役会決議により、同社の取締役及び執行役員並びに同社の子会社の一部取締
役に対して付与されております。被付与者が取締役又は執行役員を解任された場合は、当該新株予約権は消滅しま
す。また、被付与者の任期満了前に退任日が到来した場合、新株予約権の数は在任月数に応じて調整されます。行
使期間は、割当契約に定められており、3年から20年であります。なお、被付与者がその地位を喪失した場合、も
しくはその期間内に行使されない場合は、当該新株予約権は消滅します。
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② ストック・オプションの数及び加重平均行使価格
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
株式数 加重平均行使価格 株式数 加重平均行使価格
(株) (円) (株) (円)
期首未行使残高 203,900 1 110,200 1
付与 ― ― ― ―
行使 △93,700 1 △63,300 1
失効又は満期消滅 ― ― ― ―
―
期末未行使残高 14,000 1 ―
46,900
期末行使可能残高 96,200 1 1
(注) 1 期中に行使されたストック・オプションの権利行使日時点の加重平均株価は、前年度において2,894円、当
年度において 2,870円であります。
2 未行使のストック・オプションの加重平均残存期間は前年度において2.8年、当年度において0.9年でありま
す。
(7) 連結損益計算書に計上された金額
上記の株式報酬制度に係る費用は以下のとおりです。当該費用は、連結損益計算書上「販売費及び一般管理費」
に計上しております。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
持分決済型 516 541
現金決済型 603 170
合計 1,119 711
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32.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、企業価値の最大化に向けて、株主還元と財務健全性・柔軟性の確保に重点をおいた最適な資本
構成を維持することを資本管理の基本方針としております。シナジーの創出、CSV経営の推進、資産の圧縮などによ
り、収益性・効率性の向上を目指し、創出したキャッシュ・フローは事業投資や設備投資、株主還元及び有利子負
債の返済に充当します。
(2) リスク管理に関する事項
当社グループは、事業活動を行うに当たり、信用リスク、流動性リスク及び市場リスク等の財務上のリスクに晒
されており、これらのリスクを低減するために、一定の方針等に基づきリスク管理を行っております。
また、当社グループは、デリバティブの利用を財務上のリスクをヘッジする目的とした利用に限定しており、投
機目的では利用しておりません。
(3) 信用リスク
① 信用リスク管理
当社グループは、営業債権(受取手形及び売掛金)、その他の債権(未収入金)及びその他の金融資産(差入保証金
等)について信用リスクに晒されています。
当社及び一部の子会社は、債権管理規程に従い、これらの金融資産について、各営業部門において主要な取引
先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況の悪化等によ
る回収懸念の早期把握や軽減を図っております。
デリバティブ取引の利用にあたっては、取引相手先を高格付を有する金融機関に限定しているため、信用リス
クはほとんどないと認識しております。
なお、当社グループは、特定の相手先又はその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用リス
クを負っておりません。
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② 信用リスク
各年度末における、金融資産のステージ別の帳簿価額(貸倒引当金控除前)は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
営業債権及びその他の債権 410,633 446,474
償却原価で測定されるその他の金融資産
ステージ1の金融資産 51,815 49,228
ステージ2の金融資産 886 789
ステージ3の金融資産 545 601
報告日現在における、保有する担保の評価額を考慮に入れない場合の最大の信用リスク額は、信用リスクに晒
されている金融資産の帳簿価額により表されております。保証として保有している担保は主に営業保証金であり
ます。
また、当社グループでは、営業債権等及びステージ1の金融資産の予想信用損失は、過去の信用損失の実績率
に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を乗じて集合的に評価し、ステージ2及びステージ3の金融資産の
予想信用損失は、過去の信用損失の実績及び将来の経済状況等の予測を加味した上で個別に評価しております。
上記金融資産に対する貸倒引当金の増減表は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
営業債権及び
償却原価で測定されるその他の金融資産
その他の債権
単純化したアプロー
ステージ1の金融資 ステージ2の金融資 ステージ3の金融資
チを適用した金融資
産に係る貸倒引当金 産に係る貸倒引当金 産に係る貸倒引当金
産に係る貸倒引当金
2022年1月1日 残高 1,517 598 895 561
繰入額(純額) 394 △45 13 8
目的使用 △624 - △21 -
その他 177 3 0 △23
2022年12月31日 残高 1,465 556 886 545
繰入額(純額) 321 △19 24 28
目的使用 △232 △0 △95 -
その他 △19 5 △27 28
2023年12月31日 残高 1,535 542 789 601
保証債務については、以下のとおり表示されている保証債務の残高が、当社グループの信用リスクに係る最大
エクスポージャーとなります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
従業員の銀行借入等 114 76
なお、当該保証債務契約の履行により発生しうる損失に係る債務保証損失引当金は、金額的に重要性がないと
見込まれるため、計上しておりません。
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(4) 流動性リスク
① 流動性リスク管理
当社グループは、財務上のリスク管理規程に基づき、年度事業計画に基づく資金調達計画を策定しておりま
す。その上で、資金調達環境の悪化等により発生する流動性リスクに備えるため複数の金融機関からのコミット
メント・ラインの取得、直接調達と間接調達そして短期と長期の適切なバランスなどにより当該リスクを管理し
ております。
② 金融負債の期日別残高
各年度末における金融負債の期日別残高は、以下のとおりであります。
前年度( 2022年12月31日 )
(単位:百万円)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
キャッ
帳簿価額 1年以内 5年超
シュ・フ 2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
ロー
営業債務及び
265,185 265,185 265,185 - - - - -
その他の債務
社債及び借入金 523,121 529,899 116,256 120,146 65,604 65,463 60,378 102,052
デリバティブ
3,327 3,327 2,925 402 - - - -
負債
その他の
39,330 39,330 39,330 - - - - -
金融負債(流動)
受入保証金 44,886 47,550 444 444 444 444 444 45,330
当年度( 2023年12月31日 )
(単位:百万円)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
キャッ
帳簿価額 1年以内 5年超
シュ・フ 2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
ロー
営業債務及び
306,670 306,670 306,670 - - - - -
その他の債務
社債及び借入金 656,397 677,058 103,723 73,430 67,521 62,436 102,335 267,612
デリバティブ
4,875 4,875 4,848 27 - - - -
負債
その他の
38,881 38,881 38,881 - - - - -
金融負債(流動)
受入保証金 482 511 5 5 5 5 5 487
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(5) 市場リスク管理
① 為替変動リスク管理
当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、機能通貨以外の通貨で実施する取引や、在外営業活
動体の財務諸表を日本円に換算し連結する際に、当社グループの資本が為替変動の影響を受けるリスクに晒され
ております。為替変動リスクを管理するため為替予約や通貨スワップ等を利用しヘッジしております。
当社グループは主に、 ミャンマーチャット及び 米ドルとユーロの為替リスク(当社グループ各社が各機能通貨で
実施する取引に係るものを除く)に晒されております。
当社グループの主な為替変動リスクのエクスポージャー(純額。△は負債)は、以下のとおりであります。な
お、デリバティブ取引により為替変動リスクがヘッジされているものを除いております。
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
ミャンマーチャット 19,111,578 千 チャット 343,259,396 千 チャット
米ドル 173,146 千米ドル 91,704 千米ドル
ユーロ 44,230 千ユーロ △13,816 千ユーロ
当社グループが報告日現在において保有する外貨建金融商品について、日本円が ミャンマーチャット及び 米ド
ルとユーロに対して10%通貨安となった場合に、税引後利益に与える影響は、以下のとおりであります。
なお、機能通貨建の金融商品、及び在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響
は含んでおりません。また、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
ミャンマーチャット 100 1,924
米ドル 1,740 914
ユーロ 433 △149
② 金利変動リスク
当社グループは報告日現在において変動金利の金融商品を保有しておらず、金利変動リスクはありません。
③ 価格変動リスク
当社グループでは、資本性金融商品(株式)から生じる株価変動リスクに晒されております。保有している資本
性金融商品については、定期的に公正価値や発行体の財務状況等を把握するとともに、発行体が取引先企業であ
る場合には、当該企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。
当社グループが、報告日現在において保有する資本性金融商品について、報告日における市場価格が1%上昇
した場合の、その他の包括利益(税効果考慮前)が受ける影響は、前年度329百万円、当年度331百万円でありま
す。
なお、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
当社グループは、アルミニウムやオイル等の商品価格変動リスクに晒されておりますが、商品スワップ等を利
用しヘッジしております。報告日現在において、上記の価格が1%変動した場合の、税引前利益に与える影響額
に重要性はありません。
また、当社グループの商品価格変動リスクのエクスポージャーに重要性はありません。
なお、当社グループは、ヘッジ対象とヘッジ手段との経済的関係性について、関連するキャッシュ・フローの金
額及び発生時期等に基づいて判断しております。また、当社グループが現在ヘッジ会計を適用しているヘッジ関係
においては、ヘッジ手段とヘッジ対象の重要な条件は一致しております。
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(6) デリバティブ取引及びヘッジ会計
① ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引の契約額等及び公正価値は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
契約額等 公正価値 契約額等 公正価値
先物為替予約取引 137,922 △213 210,202 388
通貨スワップ取引 790 △21 - -
商品先物取引 - - 1,227 82
合計 138,712 △234 211,429 469
② ヘッジ会計
ヘッジ手段として指定した項目は以下のとおりであります。
なお、デリバティブの帳簿価額は、連結財政状態計算書上「その他の金融資産」又は「その他の金融負債」に
計上された金額であり、満期までの期間が1年超の金額は非流動資産又は非流動負債に分類しております。
前年度( 2022年12月31日 )
(単位:百万円)
ヘッジ非有効部分を
想定元本 帳簿価額
認識する基礎として用いた
ヘッジ手段の公正価値の
総額 うち1年超 資産 負債
変動
キャッシュ・フロー・ヘッジ
為替リスク
為替予約取引 40,440 7,473 621 1,112 △12,942
商品価格リスク
商品スワップ取引 1,510千 -千
- 54 △70
(オイル) リットル リットル
商品スワップ取引・商品先物取引
52千トン 15千トン 157 1,194 △1,275
(アルミニウム他)
為替予約における平均レートは、1米ドル当たり138.70円、1ユーロ当たり142.53円、1豪ドル当たり92.22円で
あります。
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当年度( 2023年12月31日 )
(単位:百万円)
ヘッジ非有効部分を
想定元本 帳簿価額
認識する基礎として用いた
ヘッジ手段の公正価値の
総額 うち1年超 資産 負債
変動
キャッシュ・フロー・ヘッジ
為替リスク
為替予約取引 97,119 1,829 318 3,158 3,939
商品価格リスク
商品スワップ取引 1,736千 416千
6 - 50
(オイル) リットル リットル
商品スワップ取引・商品先物取引
35千トン 8千トン 173 482 △154
(アルミニウム他)
為替予約における平均レートは、1米ドル当たり140.28円、1ユーロ当たり153.85円、1豪ドル当たり94.45円で
あります。
ヘッジ会計を適用した結果として連結包括利益計算書に影響を与えた結果は以下のとおりであります。
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日 )
(単位:百万円)
振替により
その他の包括利益に ヘッジ対象の
純損益に
純損益における
認識されたヘッジ手段 資産の取得価額に
振り替えた金額
の価値の変動 振り替えた金額
影響を受けた表示科目
キャッシュ・フロー・ヘッジ
為替リスク △12,935 12,043 金融収益 -
商品価格リスク △1,183 △221 売上原価 -
純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日 )
(単位:百万円)
振替により
その他の包括利益に ヘッジ対象の
純損益に
純損益における
認識されたヘッジ手段 資産の取得価額に
振り替えた金額
の価値の変動 振り替えた金額
影響を受けた表示科目
キャッシュ・フロー・ヘッジ
為替リスク 3,939 △98 売上原価 △6,257
商品価格リスク △104 906 売上原価 -
純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
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(7) 金融商品の公正価値
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを以下のように分類しております。
レベル1: 活発な市場における公表価格により測定された公正価値
レベル2: レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3: 観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、報告期間の末日時点で発生したものとして認識しております。
① 公正価値の測定方法
各金融商品の公正価値の測定方法は、以下のとおりであります。
(長期借入金)
長期借入金の公正価値については、元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で
割り引いた現在価値により算定しております。
(社債)
社債の公正価値については、元利金の合計額を当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引
いた現在価値により算定しております。
(デリバティブ)
デリバティブの公正価値については、為替レート及び金利等の市場データに基づいて取引先金融機関等が算
定した価格に基づいております。
(株式)
株式の公正価値については、上場株式については取引所の市場価格、非上場株式については類似会社の市場
価格に基づく評価技法等を用いて算定しております。
② 償却原価で測定される金融商品
各年度末における償却原価で測定される金融商品の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりであり
ます。
前年度( 2022年12月31日 )
(単位:百万円)
公正価値
帳簿価額
レベル1 レベル2 レベル3 合計
長期借入金(注) 243,237 - - 241,251 241,251
社債(注) 259,377 - 255,643 - 255,643
(注) 1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。
当年度( 2023年12月31日 )
(単位:百万円)
公正価値
帳簿価額
レベル1 レベル2 レベル3 合計
長期借入金(注) 358,499 - - 357,879 357,879
社債(注) 297,197 - 296,196 - 296,196
(注) 1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。
償却原価で測定される短期金融資産、短期金融負債については、公正価値は帳簿価額と近似しております。
③ 公正価値で測定される金融商品
各年度末における公正価値で測定される金融商品の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりであります。
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前年度( 2022年12月31日 )
(単位:百万円)
公正価値
レベル1 レベル2 レベル3 合計
資産:
デリバティブ資産 - 1,511 - 1,511
株式 32,864 - 23,071 55,935
その他 - 192 2,851 3,043
合計 32,864 1,703 25,922 60,489
負債:
デリバティブ負債 - 3,327 - 3,327
その他 - - 11,511 11,511
合計 - 3,327 11,511 14,838
当年度( 2023年12月31日 )
(単位:百万円)
公正価値
レベル1 レベル2 レベル3 合計
資産:
デリバティブ資産 - 2,202 - 2,202
株式 33,105 - 27,791 60,896
その他 - 74 △1,799 △1,725
合計 33,105 2,276 25,992 61,373
負債:
デリバティブ負債 - 4,875 - 4,875
その他 - - 16,310 16,310
合計 - 4,875 16,310 21,185
(注)1 各年度において、レベル1、2の間の振替はありません。
2 レベル3の株式に係る公正価値の測定は、関連する社内規程に従い実施しております。公正価値の測定に際し
ては、対象となる金融商品の性質、特徴及びリスクをもっとも適切に反映できる評価技法及びインプットを用
いております。
また、経常的に公正価値で測定されるレベル3に分類される株式の公正価値の測定に関する重要な観察可能で
ないインプットは、営業利益倍率及び非流動性ディスカウントであります。公正価値は営業利益倍率の上昇
(低下)により増加(減少)し、非流動性ディスカウントの上昇(低下)により減少(増加)します。
レベル3に分類される株式について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した
場合の公正価値の増減は重要ではありません。
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各年度における、レベル3に分類された金融資産の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
期首残高 26,120 25,922
利得及び損失合計 1,110 3,717
純損益(注1) 320 726
その他の包括利益(注2) 791 2,990
購入 2,873 1,372
売却 △56 △1
その他 △4,125 △5,017
期末残高 25,922 25,992
(注) 1 純損益に含まれている利得及び損失は、報告日時点の純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に関す
るものであります。これらの損益は「金融収益」「金融費用」に含まれております。
2 その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、報告日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定
する資本性金融商品に関するものであります。これらの損益は「その他の包括利益を通じて公正価値で測定
する資本性金融商品の公正価値の純変動」に含まれております。
(8) 金融資産・負債の相殺
当社は、金融機関とキャッシュプーリング契約を締結しており、当該キャッシュプーリング契約により認識した
金融資産・負債について相殺する法的に強制可能な権利を有しており、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負
債の決済を同時に実行する意図を有しております。
上記キャッシュプーリング契約により認識した前年度末及び当年度末における金融資産及び金融負債はそれぞれ
以下のとおりです。
前年度( 2022年12月31日 )
(単位:百万円)
財政状態計算書に
認識した総額 相殺した金額
表示している純額
<金融資産>
52,920 △48,431 4,489
現金及び現金同等物
<金融負債>
48,431 △48,431 ―
社債及び借入金
当年度( 2023年12月31日 )
(単位:百万円)
財政状態計算書に
認識した総額 相殺した金額
表示している純額
<金融資産>
218,727 △211,942 6,785
現金及び現金同等物
<金融負債>
211,942 △211,942 ―
社債及び借入金
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33.関連当事者
(1) 関連当事者との取引
重要性のある関連当事者との取引はありません。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
各年度の主要な経営幹部に対する報酬は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
短期従業員給付 1,002 1,058
株式に基づく報酬 257 346
合計 1,260 1,403
34.子会社一覧
当社の連結子会社は「第1 企業の概況 4.関係会社の状況」に記載しております。
当連結会計年度における連結子会社の異動は次のとおりです。
取得・設立等により連結子会社とした会社の数:42
清算・売却等により減少した会社の数:19
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35.非支配持分
当社グループにおける重要な非支配持分がある子会社は協和キリン㈱であり、その要約財務情報等は以下のとおり
であります。なお、要約財務情報はグループ内取引を消去する前の金額であります。
(1) 一般的情報
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
非支配持分割合 46.26% 46.28%
非支配持分の累積額
251,632 290,586
(単位:百万円)
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
非支配持分に配分された純損益 24,783 37,574
非支配持分に支払った配当 11,682 13,428
(2) 要約財務情報
① 要約連結財政状態計算書
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
非流動資産合計 355,088 372,215
流動資産合計 542,189 611,124
資本合計 720,223 793,815
非流動負債合計 67,229 56,287
流動負債合計 109,825 133,237
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② 要約連結損益計算書
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
売上収益 398,371 442,233
当期利益 53,573 81,188
③ 要約連結包括利益計算書
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
その他の包括利益 △2,918 21,008
包括利益合計 50,654 102,196
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
営業活動によるキャッシュ・フロー(純額) 48,672 115,694
投資活動によるキャッシュ・フロー(純額) △17,185 △20,382
財務活動によるキャッシュ・フロー(純額) △29,032 △32,678
36.持分法で会計処理されている投資
各年度の持分法で会計処理されている投資の帳簿価額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
共同支配企業 △15,271 △13,322
関連会社 361,764 370,720
合計 346,493 357,398
(1) 重要な関連会社
当社グループにおける重要な関連会社はSAN MIGUEL BREWERY INC.(報告日9月30日)及び㈱ファンケル(報告日12
月31日)であります。
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① SAN MIGUEL BREWERY INC.
SAN MIGUEL BREWERY INC.は、フィリピンを中心にビールの製造及び販売を行っており、当社グループは今後も
成長を続ける東南アジアビール市場における事業基盤の強化を図り、グループの成長ドライバーとしていきま
す。
SAN MIGUEL BREWERY INC.の要約財務情報と当社グループの持分の帳簿価額との調整表は以下のとおりでありま
す。なお、財政状態計算書項目については9月30日の財務情報、損益計算書及び包括利益計算書項目について
は、同社の9月30日に終了する報告期間の12ヶ月の財務情報を記載しております。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
所有持分割合 48.55% 48.55%
非流動資産合計 260,706 308,749
流動資産合計 97,614 120,056
非流動負債合計 80,524 109,077
流動負債合計 46,609 61,059
資本 231,187 258,670
非支配持分 10,409 9,861
非支配持分控除後の資本 220,778 248,809
資本の当社グループの持分 107,188 120,797
のれん及び連結調整 81,784 81,855
持分の帳簿価額 188,972 202,652
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
売上収益 317,006 366,852
継続事業からの純損益 53,695 63,050
親会社の所有者に帰属する持分 52,379 62,451
非支配持分 1,316 600
その他の包括利益 28,391 12,211
親会社の所有者に帰属する持分 28,391 12,211
非支配持分 - -
包括利益合計 82,086 75,261
親会社の所有者に帰属する持分 80,770 74,662
非支配持分 1,316 600
当社グループの持分:
継続事業からの純損益 25,430 30,320
その他の包括利益 13,784 5,928
包括利益合計 39,214 36,248
のれん及び連結調整 98 71
当社グループの持分合計 39,312 36,319
当社グループが受け取った配当金 18,693 22,639
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② ㈱ファンケル
㈱ファンケルは、日本を中心に化粧品・健康食品の研究開発、製造及び販売を行っており、当社グループは同
社と経営資源を活用し合うことでシナジーを創出し、事業を育成・拡大していきたいと考えております。
㈱ファンケルの要約財務情報と当社グループの持分の帳簿価額との調整表は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
所有持分割合 32.70% 32.69%
非流動資産合計 252,592 246,877
流動資産合計 58,753 65,069
非流動負債合計 78,634 76,995
流動負債合計 16,746 17,616
資本 215,964 217,336
資本の当社グループの持分 70,620 71,047
のれん及び連結調整 57,836 57,851
新株予約権 △200 △175
持分の帳簿価額 128,257 128,723
持分の公正価値(注) 106,285 93,750
(注) 投資の市場価格に基づく公正価値であり、公正価値ヒエラルキーはレベル1であります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
売上収益 104,075 108,057
継続事業からの純損益 3,091 5,202
その他の包括利益 188 16
包括利益合計 3,279 5,217
当社グループの持分:
継続事業からの純損益 1,013 1,701
その他の包括利益 62 5
包括利益合計 1,075 1,706
のれん及び連結調整 - -
当社グループの持分合計 1,075 1,706
当社グループが受け取った配当金 1,348 1,347
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(2) 個々に重要性のない共同支配企業及び関連会社
個々に重要性のない共同支配企業及び関連会社に対する当社グループの持分の帳簿価額は、以下のとおりであり
ます。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
共同支配企業 △15,271 △13,322
関連会社 44,536 39,346
合計 29,265 26,024
売却目的で保有する資産に分類された関連会社は含めておりません。
個々に重要性のない共同支配企業及び関連会社における継続事業からの純損益、その他の包括利益及び包括利益
合計に対する持分は、以下のとおりであります。
① 個々には重要性のない共同支配企業
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
当社グループの持分:
継続事業からの純損益 4,324 1,460
その他の包括利益 121 53
包括利益合計 4,444 1,513
② 個々には重要性のない関連会社
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
当社グループの持分:
継続事業からの純損益 △7,987 △708
その他の包括利益 9,064 △847
包括利益合計 1,076 △1,555
(3) 関連会社に対する投資 に係る 減損
当年度において、㈱ファンケルに対する投資の公正価値が取得原価を下回る長期にわたる下落が発生したことか
ら、減損の兆候が存在すると判断し、減損テストを実施しました。この結果、回収可能価額が帳簿価額を上回った
ことから、減損損失は認識しておりません。
なお、回収可能価額は、使用価値を基に測定しており、当該使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映さ
せて作成され、経営陣によって承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フロー見積額を現在価値に割り
引いて算定しております。
当該事業計画には、中国等からのインバウンド需要回復の影響、国内通販チャネル及び海外市場における販売拡
大等の重要な仮定が含まれております。
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37.コミットメント
各年度における、報告日後の資産の取得に係るコミットメントは、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
有形固定資産の取得 42,961 43,244
無形資産の取得 255,973 161,849
合計 298,934 205,093
( 注) 上記の金額は、医薬事業における開発品又は製品の導入契約に係る開発・販売目標の達成に伴うマイルストンペ
イメントの最大支払額が含まれております。マイルストンの達成は不確実性が非常に高いため、実際の支払額は
大幅に異なる可能性があります。
38.企業結合
(1) 企業結合の概要
当社は、2023年8月10日付で、豪州子会社であるKirin Holdings Australia Pty Ltd及びKirin Health Science
Australia Pty Ltdを通じて、 Blackmores Limited の議決権100%を取得し、同社に対する支配を獲得しました。
①被取得企業の名称、事業内容
Blackmores Limited
被取得企業の名称
事業内容 サプリメント等の栄養補助食品の製造・販売
②企業結合の主な理由
本件株式取得により、当社ヘルスサイエンス事業の商品ラインアップやケイパビリティの充実、展開地域の拡大
を図ります。さらに、Blackmoresが販売網を有するアジア・パシフィックの数億人の顧客へのアクセス、同社が把
握している消費者ニーズ、国ごとに異なる規制への同社の深い理解等を活用することで、課題解決提案力をさらに
高めていきます。これらを通じて、BtoB及びBtoC領域でヘルスサイエンス事業を進化させ、同事業の継続的な成
長、ひいては、より多くの健康に関する社会課題を解決してまいります。
③取得日
2023年8月10日
④取得企業が被取得企業の支配を獲得した方法
現金を対価とする株式の取得
⑤取得した持分比率
100%
⑥取得対象子会社に関する子会社取得の対価の額
161,407百万円
(2) 取得した資産及び受け入れた負債
(単位:百万円)
項目 金額
流動資産 33,524
非流動資産 105,963
資産合計 139,487
流動負債 13,050
非流動負債 30,646
負債合計 43,697
純資産 95,791
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当連結会計年度末において、企業結合日に受け入れた資産及び引き受けた負債の金額等については、企業結合日
における識別可能資産及び負債の特定を精査中であり、取得価額の配分が完了していないため、暫定的な会計処理
を 行っております。
(3) 取得により生じたのれん
(単位:百万円)
項目 金額
取得の対価 161,407
当社グループが取得した識別可能な純資産の公正価値 94,722
取得により生じたのれん 66,684
当連結会計年度末において、発生したのれんの金額については、企業結合日における識別可能資産及び負債の特
定を精査中であり、取得価額の配分が完了していないため、暫定的な会計処理を行っております。また、のれん
は、今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力から発生したものであります。
(4) 取得の対価と子会社株式の取得による支出額の関係
(単位:百万円)
項目 金額
取得の対価 161,407
現金及び現金同等物で構成される取得の対価 161,407
被取得企業が保有していた現金及び現金同等物 4,818
子会社株式の取得による支出 156,589
(5) 取得関連費用
取得関連費用として、その他の営業費用に2,997百万円計上しております。
(6) 当社グループに与える影響
取得日以降に、Blackmores Limitedから生じた売上収益は31,987百万円、当期利益は1,481百万円であります。ま
た、当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の当連結会計年度の売上収益及び当期利益はそれぞれ2,164,355
百万円及び150,068百万円(プロフォーマ情報)であります。
なお、当該プロフォーマ情報は監査証明を受けておりません。
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39.後発事象
(株式取得による会社等の買収/Orchard Therapeutics plc社の株式取得(子会社化)について)
当社の連結子会社である協和キリン㈱(以下「協和キリン」という。)は、2023年10月5日開催の取締役会に
おいて、英国のバイオ医薬品企業Orchard Therapeutics plc (以下「Orchard社」という。)の発行済株式の
100%を取得することを決議し、英国2006年会社法に基づくスキーム・オブ・アレンジメント手続きによる
Orchard社の全発行済株式の買収は2024年1月24日に完了しました。この買収により、Orchard社は協和キリンの完
全子会社となりました。
(1)株式取得の目的及び理由
本件株式取得は、協和キリンが2030年に向けたビジョンの実現に向けたマテリアリティ(重要経営課題)とし
て選定している「革新的な医薬品の創出」のための重要なステップとなります。Orchard社が開発した遺伝子治療
のアプローチは、患者さん自身の造血幹細胞の遺伝子を改変し投与することを特徴としており、一度の投与で遺
伝性疾患の根本的な原因を治す可能性があります。Orchard社は、造血幹細胞遺伝子治療(hematopoietic stem
cell gene therapy、以下「HSC-GT」という。)のリーディング・プロバイダーとして、すでに欧州でライソゾー
ム病の適応を有するHSC-GTの製品を上市、また米国でも承認審査中であり、本領域において着実に実績を積んで
いる会社です。協和キリンは、自社のバイオ医薬品に対する強みとOrchard社が持つ細胞遺伝子治療研究に関する
強みを掛け合わせることで、将来のアンメットメディカルニーズを満たす医薬品の開発及びLife-changingな価値
の創出を目指します。
(2)株式取得した会社の名称、事業内容、規模
① 名称 Orchard Therapeutics plc
② 所在地 245 Hammersmith Road, 3rd Floor London W6 8PW United Kingdom
Chief Executive Officer
③ 代表者の役職・氏名
Bobby Gaspar
④ 事業内容
造血幹細胞遺伝子治療(HSC-GT)の開発・商業化
⑤ 資本金
29,463千米ドル(2023年9月30日現在)
⑥ 設立年
2015年
(3)株式取得の時期
2024年1月24日
(4) 取得した株式の数、取得価額
0株
① 異動前の所有株式数
(議決権の数:0個)
(議決権所有割合:0%)
② 取得株式数
22,817,354株(議決権の数:18,246,822個)
③ 取得価額
1ADS当たり16.00米ドル、約387.6百万米ドル(約574億円)
④ 異動後の所有株式数
22,817,354株(議決権所有割合:100%)
(注)1 1米ドル=148円で計算しております。
2 取得株式数は普通株式を全てADSに変換した前提です。取得価額は全発行済普通株式、ADS、オプション、
Restricted Stock Unit等その他証券に関する支払いを行うために要する金額です。また、FDAによるOTL-200
の米国販売承認が得られた場合には、株主は追加で1ADS当たり1.00米ドルを受領する権利を持ちます。条件
が達成された場合には追加で1.00米ドルを支払い、取得価額は1ADS当たり17.00米ドル、約477.8百万米ドル
(約707億円)となります。
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40.追加情報
(セグメント区分の変更)
当社グループの報告セグメントの区分は、当年度において「国内ビール・スピリッツ事業」「国内飲料事業」
「オセアニア酒類事業」「医薬事業」としておりましたが、翌年度より「酒類事業」「飲料事業」「医薬事業」
「ヘルスサイエンス事業」に変更することとしました。
当社グループは、長期経営構想「KV2027」において、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企
業となる」ことを目指しています。その実現に向けて、ヘルスサイエンス領域を食領域と医領域に続く当社の第3
の柱にすべく取り組んでおり、当年度において豪州企業Blackmores Limitedの議決権100%を取得し、同社に対する
支配を獲得しました。同社の買収を機に、ヘルスサイエンス領域の事業規模をより拡大させていきます。これに当
たり、2023年11月20日の取締役会において当社グループにおける内部モニタリング単位を翌年度より変更すること
を決議いたしました。
以上より、翌年度より報告セグメントを「酒類事業」「飲料事業」(食領域)、「医薬事業」(医領域)、及び
「ヘルスサイエンス事業」(ヘルスサイエンス領域)の単位に区分して開示することとするものであります。
なお、変更後のセグメント区分によった場合の当年度の報告セグメントごとの売上収益及び利益又は損失の金額
に関する情報は以下のとおりであります。
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
報告セグメント
調整額
その他
連結
ヘルスサイエ
(注1)
(注2)
酒類 飲料 医薬
ンス
外部顧客からの
1,045,138 516,171 441,882 103,354 27,847 - 2,134,393
売上収益
セグメント間
2,336 2,771 351 4,694 66,241 △76,393 -
売上収益
計 1,047,473 518,942 442,233 108,048 94,089 △76,393 2,134,393
セグメント利益
(△は損失)
119,939 52,358 95,968 △12,535 △60 △54,175 201,495
(注3)
(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。
2 調整額は以下のとおりであります。
セグメント利益(△は損失)の調整額は、主にセグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分してい
ない費用が含まれております。当該費用は、主に純粋持株会社である当社のグループ管理費用及び機能
分担子会社において発生する複数の報告セグメントに関わる管理費用であります。
3 セグメント利益(△は損失)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除した金額である事
業利益を使用しております。
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(2) 【その他】
当年度における四半期情報等
(累計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 当年度
売上収益 (百万円) 450,329 970,232 1,547,871 2,134,393
税引前四半期利益又は
(百万円) 20,063 57,074 142,442 197,049
税引前利益
親会社の所有者に帰属
(百万円) 5,591 31,990 83,913 112,697
する四半期(当期)利益
基本的1株当たり
(円) 6.90 39.50 103.62 139.16
四半期(当期)利益
(会計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
基本的1株当たり
(円) 6.90 32.60 64.11 35.54
四半期利益
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2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
資産の部
流動資産
現金及び預金 17,387 20,213
短期貸付金 251,738 310,959
32,504 27,668
その他
流動資産合計 301,629 358,840
固定資産
有形固定資産
建物 3,057 2,943
構築物 158 142
機械及び装置 1,310 1,457
車両運搬具 0 0
工具、器具及び備品 3,049 2,690
土地 1,901 1,642
リース資産 3,726 2,779
496 1,907
建設仮勘定
有形固定資産合計 13,697 13,560
無形固定資産
のれん 9,670 8,596
ソフトウエア 45,157 44,952
リース資産 1,362 882
ソフトウエア仮勘定 4,120 7,754
178 217
その他
無形固定資産合計 60,487 62,400
投資その他の資産
投資有価証券 1,275 1,366
関係会社株式 1,498,874 1,824,929
繰延税金資産 16,665 14,807
その他 7,643 11,564
△ 1,475 △ 5,388
貸倒引当金
投資その他の資産合計 1,522,982 1,847,280
固定資産合計 1,597,166 1,923,240
資産合計
1,898,795 2,282,080
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(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
負債の部
流動負債
短期借入金 432,672 508,506
コマーシャル・ペーパー 18,000 -
1年内償還予定の社債 55,000 30,000
リース債務 1,690 1,444
未払金 14,390 13,913
未払費用 1,588 2,244
未払法人税等 2,505 -
賞与引当金 3,056 3,374
役員賞与引当金 210 270
4,690 2,070
その他
流動負債合計 533,802 561,822
固定負債
社債 205,000 268,000
長期借入金 186,000 464,278
リース債務 2,278 1,376
退職給付引当金 17,807 19,327
2,788 3,036
その他
固定負債合計 413,873 756,018
負債合計 947,676 1,317,839
純資産の部
株主資本
資本金 102,046 102,046
資本剰余金
資本準備金 81,412 81,412
- 3
その他資本剰余金
資本剰余金合計 81,412 81,415
利益剰余金
利益準備金 25,511 25,511
その他利益剰余金
別途積立金 506,368 506,368
486,240 499,126
繰越利益剰余金
利益剰余金合計 1,018,119 1,031,005
自己株式 △ 250,589 △ 250,501
株主資本合計 950,988 963,965
評価・換算差額等
131 275
その他有価証券評価差額金
評価・換算差額等合計 131 275
純資産合計 951,119 964,241
負債純資産合計 1,898,795 2,282,080
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② 【損益計算書】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
営業収益
グループ運営収入 64,870 58,088
関係会社配当金収入 74,914 66,969
13,005 13,973
その他
営業収益合計 152,789 139,030
営業費用
※1 73,402 ※1 67,408
一般管理費
4,783 7,193
その他
営業費用合計 78,185 74,601
営業利益 74,604 64,429
営業外収益
受取利息及び受取配当金 2,692 4,454
為替差益 3,227 1,506
1,946 1,733
その他
営業外収益合計 7,865 7,692
営業外費用
支払利息 3,005 4,510
貸倒引当金繰入額 - 3,914
2,586 1,458
その他
営業外費用合計 5,591 9,881
経常利益 76,878 62,239
特別利益
固定資産売却益 1 1,112
投資有価証券売却益 1,190 -
関係会社株式売却益 82,310 14,454
2,258 -
その他
特別利益合計 85,758 15,567
特別損失
固定資産除売却損 3,101 432
関係会社株式評価損 81,874 -
1,678 199
その他
特別損失合計 86,653 631
税引前当期純利益 75,983 77,175
法人税、住民税及び事業税
14,905 4,961
12,399 1,828
法人税等調整額
法人税等合計 27,304 6,789
当期純利益 48,679 70,386
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③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
資本金
その他 資本剰余金 利益剰余金
資本準備金 利益準備金
繰越利益
資本剰余金 合計 合計
別途積立金
剰余金
当期首残高 102,046 81,412 - 81,412 25,511 506,368 492,182 1,024,061
当期変動額
剰余金の配当 △ 27,092 △ 27,092
剰余金の配当(中間配
△ 26,687 △ 26,687
当)
当期純利益 48,679 48,679
自己株式の取得
自己株式の処分 △ 843 △ 843
利益剰余金から資本剰
843 843 △ 843 △ 843
余金への振替
株主資本以外の項目の
当期変動額(純額)
当期変動額合計 - - - - - - △ 5,942 △ 5,942
当期末残高 102,046 81,412 - 81,412 25,511 506,368 486,240 1,018,119
株主資本 評価・換算差額等
その他
純資産合計
評価・換算
自己株式 株主資本合計 有価証券
差額等合計
評価差額金
当期首残高 △ 201,439 1,006,080 942 942 1,007,022
当期変動額
剰余金の配当 △ 27,092 △ 27,092
剰余金の配当(中間配
△ 26,687 △ 26,687
当)
当期純利益 48,679 48,679
自己株式の取得 △ 53,110 △ 53,110 △ 53,110
自己株式の処分 3,960 3,117 3,117
利益剰余金から資本剰
- -
余金への振替
株主資本以外の項目の
△ 811 △ 811 △ 811
当期変動額(純額)
当期変動額合計 △ 49,150 △ 55,093 △ 811 △ 811 △ 55,903
当期末残高 △ 250,589 950,988 131 131 951,119
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当事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
資本金
その他 資本剰余金 利益剰余金
資本準備金 利益準備金
繰越利益
資本剰余金 合計 合計
別途積立金
剰余金
当期首残高 102,046 81,412 - 81,412 25,511 506,368 486,240 1,018,119
当期変動額
剰余金の配当 △ 29,559 △ 29,559
剰余金の配当(中間配
△ 27,941 △ 27,941
当)
当期純利益 70,386 70,386
自己株式の取得
自己株式の処分 3 3
利益剰余金から資本剰
余金への振替
株主資本以外の項目の
当期変動額(純額)
当期変動額合計 - - 3 3 - - 12,886 12,886
当期末残高 102,046 81,412 3 81,415 25,511 506,368 499,126 1,031,005
株主資本 評価・換算差額等
その他
純資産合計
評価・換算
自己株式 株主資本合計 有価証券
差額等合計
評価差額金
当期首残高 △ 250,589 950,988 131 131 951,119
当期変動額
剰余金の配当 △ 29,559 △ 29,559
剰余金の配当(中間配
△ 27,941 △ 27,941
当)
当期純利益 70,386 70,386
自己株式の取得 △ 21 △ 21 △ 21
自己株式の処分 109 112 112
利益剰余金から資本剰
- -
余金への振替
株主資本以外の項目の
144 144 144
当期変動額(純額)
当期変動額合計 88 12,977 144 144 13,121
当期末残高 △ 250,501 963,965 275 275 964,241
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【注記事項】
(重要な会計方針)
1 資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券の評価基準及び評価方法
子会社株式及び関連会社株式
…移動平均法による原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
…時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定しております。)
市場価格のない株式等
…移動平均法による原価法
(2) デリバティブ取引の評価基準及び評価方法
…時価法
2 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
…定額法
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
…定額法
なお、自社利用のソフトウエアについては社内における利用可能期間(10年以内)に基づく定額法により、のれ
んについてはその効果が発現すると見積られる期間(10年)で均等償却しております。
(3) リース資産
…所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっております。
3 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権につい
ては個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 賞与引当金
従業員に支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額に基づき計上しております。
(3) 役員賞与引当金
役員に支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額を計上しております。
(4) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務の見込額に基づき計上しております。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算
定式基準によっております。
過去勤務費用は、その発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(13年)による定額法により費
用処理しております。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(13年)による定
額法により按分した額を、それぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。
4 収益及び費用の計上基準
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用
指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を適用しており、約束した財又はサービスの支配が顧客に
移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しております。当社の収益
は主に子会社からの経営指導料及び受取配当金からなります。経営指導料については、子会社への契約内容に応じ
た受託業務を提供することが履行義務であり、業務が実施された時点において当社の履行義務が充足されることか
ら、当該時点で収益を認識しております。また、受取配当金は効力が生ずる日に収益を認識しております。
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5 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) ヘッジ会計の方法
原則として繰延ヘッジ処理によっております。なお、為替予約等については、要件を満たしている場合には振当
処理に、金利スワップについては、要件を満たしている場合には特例処理によっております。
(2) グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しております。
(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りにより当事業年度に係る財務諸表にその額を計上した項目であって、翌事業年度に係る財務諸表
に重要な影響を与える可能性があるものは、以下のとおりであります。
1 市場価格のない関係会社株式の評価
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
子会社株式 1,002,148 1,337,691
関連会社株式 135,493 135,493
(2) 会計上の見積りの内容に関する理解に資する情報
市場価格のない関係会社株式は取得原価をもって帳簿価額としておりますが、当該株式の発行会社の財政状態悪
化により実質価額が著しく低下した場合には、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、評価損
を計上して処理をしております。なお、超過収益力等を反映した価額で取得した株式の実質価額は、株式の発行会
社の財政状態に超過収益力等を加味して算定しております。
当該実質価額の基礎となっている事業計画については、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受
ける可能性があります。将来実績が事業計画を大幅に下回る場合は、当該関係会社株式の評価結果が見積りと異な
り、翌事業年度の財務諸表の当該関係会社株式の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(貸借対照表関係)
1 関係会社に対する金銭債権・債務
前事業年度 当事業年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
短期金銭債権 272,607 百万円 324,833 百万円
長期金銭債権 1,380 5,294
短期金銭債務 395,793 444,597
長期金銭債務 843 182,123
2 保証債務
前事業年度 当事業年度
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
関係会社の銀行借入等に
22,890 百万円 2,834 百万円
対する保証
従業員の銀行借入等に
114 百万円 76 百万円
対する保証
合計 23,004 百万円 2,911 百万円
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(損益計算書関係)
※1 一般管理費のうち主要な費目及び金額
前事業年度 当事業年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
給料・賃金及び賞与 6,899 百万円 6,335 百万円
賞与引当金繰入額 3,056 3,374
退職給付費用 2,215 1,869
役員賞与引当金繰入額 210 270
減価償却費 9,044 8,908
業務委託料 7,404 5,047
情報システム費 16,707 15,335
研究開発費 7,655 8,383
2 関係会社との取引(区分掲記したものを除く)
当事業年度
前事業年度
(自 2023年1月1日
(自 2022年1月1日
至 2023年12月31日 )
至 2022年12月31日 )
営業収益 69,982 百万円 63,538 百万円
営業費用 6,908 9,006
営業取引以外の取引高 2,656 6,004
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度末( 2022年12月31日 )
貸借対照表計上額 時価 差額
区分
(百万円) (百万円) (百万円)
子会社株式 222,209 872,233 650,025
関連会社株式 139,024 113,835 △25,189
当事業年度末( 2023年12月31日 )
貸借対照表計上額 時価 差額
区分
(百万円) (百万円) (百万円)
子会社株式 222,209 684,501 462,292
関連会社株式 129,536 93,750 △35,786
(注) 上記に含まれない市場価格のない子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額
(単位:百万円)
前事業年度末 当事業年度末
区分
( 2022年12月31日 ) ( 2023年12月31日 )
子会社株式 1,002,148 1,337,691
関連会社株式 135,493 135,493
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(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
繰延税金資産
関係会社株式及び関係会社出資金 57,947 百万円 57,947 百万円
税務上の繰越欠損金(注) 9,937 9,562
22,622 22,749
その他
繰延税金資産小計
90,507 90,258
税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額 △9,937 △9,349
将来減算一時差異等の合計に係る評価性
△63,526 △65,563
引当額
評価性引当額小計 △73,463 △74,912
繰延税金資産合計
17,044 15,346
繰延税金負債
その他有価証券評価差額金 △2 百万円 △31 百万円
△376 △507
その他
繰延税金負債合計
△379 △538
16,665 百万円 14,807 百万円
繰延税金資産(△は負債)の純額
(注)税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額は下表のとおりであります。将来の課税所
得の見込みに基づき、当事業年度の税務上の繰越欠損金 9,562百万円 のうち213百万円について回収可能と判断
しております。
前事業年度( 2022年12月31日 ) (単位:百万円)
1年超 2年超 3年超 4年超
1年以内 5年超 合計
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
税務上の繰越欠損金 - - - 6,435 897 2,606 9,937
評価性引当額 - - - △6,435 △897 △2,606 △9,937
繰延税金資産 - - - - - - -
当事業年度( 2023年12月31日 ) (単位:百万円)
1年超 2年超 3年超 4年超
1年以内 5年超 合計
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
税務上の繰越欠損金 - - 6,073 883 - 2,606 9,562
評価性引当額 - - △5,860 △883 - △2,606 △9,349
繰延税金資産 - - 213 - - - 213
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との重要な差異の原因となった主要な項目別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
法定実効税率 30.6 % 30.6 %
(調整)
交際費等永久に損金に算入されない項目 0.6 0.5
受取配当金等永久に益金に算入されない
△31.1 △25.8
項目
評価性引当額 34.3 1.9
外国子会社配当金に係る源泉所得税 2.5 2.9
△0.9 △1.3
その他
税効果会計適用後の法人税等の負担率 36.0 8.8
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
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当社は、グループ通算制度を適用しております。また、「 グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示
に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれ
ら に関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
減価償却
当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期償却額 当期末残高
区分 資産の種類 累計額
(百万円) (百万円) (百万円) (百万円) (百万円)
(百万円)
建物 3,057 196 20 290 2,943 6,985
構築物 158 1 5 11 142 429
機械及び装置 1,310 604 25 433 1,457 5,910
車両運搬具 0 - 0 - 0 15
工具、器具及び備品 3,049 491 110 740 2,690 7,744
有形固定資産
土地 1,901 - 259 - 1,642 -
リース資産 3,726 335 - 1,282 2,779 4,569
建設仮勘定 496 2,891 1,480 - 1,907 -
有形固定資産計 13,697 4,517 1,899 2,755 13,560 25,652
のれん 9,670 - - 1,074 8,596 -
ソフトウエア 45,157 5,508 152 5,561 44,952 -
リース資産 1,362 269 - 749 882 -
無形固定資産
ソフトウエア仮勘定 4,120 9,142 5,508 - 7,754 -
その他 178 60 1 19 217 -
無形固定資産計 60,487 14,978 5,661 7,404 62,400 -
(注) 減価償却累計額には減損損失累計額が含まれています。
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【引当金明細表】
当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高
科目
(百万円) (百万円) (百万円) (百万円)
貸倒引当金 1,475 3,951 38 5,388
賞与引当金 3,056 3,374 3,056 3,374
役員賞与引当金 210 270 210 270
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
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第6 【提出会社の株式事務の概要】
事業年度 1月1日から12月31日まで
定時株主総会 3月中
基準日 12月31日
剰余金の配当の基準日 6月30日、12月31日
1単元の株式数 100株
単元未満株式の買取り及
び買増し
(特別口座)
東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
取扱場所
三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
(特別口座)
東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
株主名簿管理人
三菱UFJ信託銀行株式会社
取次所 ―
買取・買増手数料 無料
電子公告により行います。ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告によ
る公告をすることができない場合は、日本経済新聞に掲載して行います。
公告掲載方法
公告掲載URL
https://www.kirinholdings.com/jp/
株主優待制度
(1) 対象株主 毎年12月31日現在の株主名簿に記録された1単元以上の株主
(2) 優待内容 ① 100~1,000株未満保有株主 1,000円相当の優待品
株主に対する特典
② 1,000株以上保有株主 3,000円相当の優待品
上記に加えて、①②共通で当社子会社が運営するECサイト「DRINX(ドリンクス)」で利
用できる500円割引クーポンを進呈。
(注) 定款の規定により単元未満株式を有する株主は、その有する単元未満株式について、以下の権利以外の権利を
行使することができません。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
(4) 単元未満株式の買増しを請求する権利
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第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書 事業年度 自 2022年1月1日 2023年3月30日
及びその添付書類 ( 第184期 ) 至 2022年12月31日 関東財務局長に提出
並びに確認書
(2) 内部統制報告書 事業年度 自 2022年1月1日 2023年3月30日
( 第184期 )
及びその添付書類 至 2022年12月31日 関東財務局長に提出
(3) 四半期報告書 第185期 第1四半期 自 2023年1月1日 2023年5月12日
及び確認書 至 2023年3月31日 関東財務局長に提出
第185期 第2四半期 自 2023年4月1日 2023年8月9日
至 2023年6月30日 関東財務局長に提出
第185期 第3四半期 自 2023年7月1日 2023年11月10日
至 2023年9月30日 関東財務局長に提出
(4) 臨時報告書 金融商品取引法第24条の5第4項 及び 企業内容等の開示に関 2023年3月31日
する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議
関東財務局長に提出
決権行使の結果)に基づく臨時報告書であります。
金融商品取引法第24条の5第4項並びに企業内容等の開示に 2023年8月10日
関する内閣府令第19条第2項第3号(特定子会社の異動)及び
関東財務局長に提出
第8号の2(子会社取得の決定)の規定に基づく臨時報告書で
あります。
(5) 発行登録書(株券、 2023年9月22日
社債券等)及びその
関東財務局長に提出
添付書類
(6) 発行登録追補書類 2023年10月20日
(株券、社債券等)及
関東財務局長に提出
びその添付書類
(7) 訂正発行登録書 2023年9月22日
関東財務局長に提出
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有価証券報告書
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
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有価証券報告書
独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書
2024年3月28日
キリンホールディングス株式会社
取締役会 御中
有限責任 あずさ監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
公認会計士 神 塚 勲
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士 佐々木 雅 広
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士 藤 岡 義 博
業務執行社員
<連結財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いるキリンホールディングス株式会社の2023年1月1日から2023年12月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すな
わち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計
算書及び連結財務諸表注記について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定
された国際会計基準に準拠して、キリンホールディングス株式会社及び連結子会社の2023年12月31日現在の財政状態並
びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に
表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準におけ
る当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国におけ
る職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責
任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重
要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見
の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、当監査法人は、後述する「株式会社ファンケルに対する持分法投資
の評価の合理性」について監査上の主要な検討事項とした。
なお、前連結会計年度において監査上の主要な検討事項とした「バイオケミカル事業に配分されたのれん及び同事業
の有形固定資産の評価の合理性」については、前連結会計年度にのれん及び有形固定資産について減損損失が計上さ
れ、質的・金額的重要性が低下したこと、企業及び企業環境の理解に基づくリスク評価の結果、当連結会計年度におい
て見積りの不確実性や経営者の主観性が低下したことにより、重要な虚偽表示リスクは低減したと判断した。その結果
として、連結財務諸表の監査論点の中で相対的な重要性が低下したため、当連結会計年度の監査上の主要な検討事項と
していない。
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有価証券報告書
株式会社ファンケルに対する持分法投資の評価の合理性
監査上の主要な検討事項の
監査上の対応
内容及び決定理由
【連結財務諸表注記】36.持分法で会計処理されてい 当監査法人は、株式会社ファンケルへの持分法投資に
る投資 に記載のとおり、当連結会計年度末において、株 係るのれんの評価の合理性を検証するため、主に以下の
式会社ファンケルへの投資が128,723百万円(総資産の 監査手続を実施した。
4.5%)計上されている。 (1) 内部統制の評価
持分法適用会社に対する投資は、減損の兆候が認めら
持分法投資の減損テストにおける使用価値の算定に関
れる場合に減損テストの実施が求められる。減損テスト
連するキリンホールディングス株式会社の内部統制の整
の結果、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳
備状況及び運用状況の有効性について、特に将来キャッ
簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額を
シュ・フローの見積額の合理性を検証する統制に焦点を
減損損失として計上する必要がある。
当てて評価した。
株式会社ファンケルに対する投資の公正価値が取得原
(2) 使用価値の見積りの合理性の評価
価から長期にわたり下落しており、同社への投資につい
使用価値の基礎となる、株式会社ファンケルの事業計
て減損の兆候が認められたため、キリンホールディング
画において使用された仮定の適切性を評価するため、主
ス株式会社は、当連結会計年度末において、減損テスト
に以下の手続を実施した。
を実施した。その結果、回収可能価額が帳簿価額を上
● 重要な仮定の根拠について株式会社ファンケルの
回ったため減損損失は計上していない。
経営者に質問するとともに、当該仮定の適切性の
減損テストにおける株式会社ファンケルの持分法投資
検証内容についてキリンホールディングス株式会
の回収可能価額は使用価値により算定されている。当該
社の経営者に質問した。
使用価値は、株式会社ファンケルの経営者によって承認
● 中国等からのインバウンド需要回復に関する仮定
された同社の事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フ
について、旅客者数等の市場予測に関する直近の
ローの見積額を現在価値に割引いて算定されている。
利用可能な外部情報との整合性を確認するととも
使用価値の算定の基礎とした事業計画には、中国等か
に、過去実績に基づく趨勢分析を実施した。
らのインバウンド需要回復、国内通販チャネル及び海外
● 国内通販チャネルの販売拡大に関する仮定につい
市場における販売拡大の重要な仮定が含まれ、その見積
て、外部機関による通販市場予測等との整合性を
りには不確実性を伴うことから使用価値の算定に重要な
確認するとともに、過去実績に基づく趨勢分析を
影響を及ぼす。
実施した。
また、使用価値の算定に用いる割引率及び永久成長率
● 海外市場における販売拡大に関する仮定につい
については、算定手法及びインプットデータの選択にあ
て、外部機関による海外市場予測等との整合性を
たり評価に関する高度な専門知識が必要とされる。
確認した。
以上から、当監査法人は、株式会社ファンケルに対す
また、使用価値の算定に用いる割引率及び永久成長率
る持分法投資の評価の合理性が、当連結会計年度の連結
について、当監査法人が属するネットワークファームの
財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要
評価の専門家を利用して、主に以下の手続を実施した。
な検討事項」の一つに該当すると判断した。
● 割引率及び永久成長率の算定手法について、会計
基準の要求事項を踏まえて、適切性を評価した。
● 割引率及び永久成長率の算定に用いられたイン
プットデータと評価の専門家が入手した外部機関
公表の市場データ等を照合した。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書
以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責
任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の
記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内
容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そ
のような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告
することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤
謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及
び運用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、経営者が清算若しくは事業停止の意図があるか、又はそれ以外に現実
的な代替案がない場合を除いて、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価
し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにあ
る。
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有価証券報告書
連結財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表
示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明
することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利
用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家と
しての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を
立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な
監査証拠を入手する。
・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価
の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び
関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づ
き、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結
論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事
項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表
に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠
に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連
結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうか
を評価する。
・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入
手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意
見に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制
の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、
並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている
場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を
行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判
断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表
が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利
益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、キリンホールディングス株式
会社の2023年12月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、キリンホールディングス株式会社が2023年12月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表
示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に
準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統
制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人
の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から
独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十
分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告
に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があ
る。
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有価証券報告書
内部統制監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかにつ
いて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することに
ある。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程
を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施す
る。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び
適用される。
・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部
統制報告書の表示を検討する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人
は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責
任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、
識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項
について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、
並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている
場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を
行う。
<報酬関連情報>
当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬
及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の
状況】に記載されている。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はな
い。
以 上
※1. 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2. XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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キリンホールディングス株式会社(E00395)
有価証券報告書
独立監査人の監査報告書
2024年3月28日
キリンホールディングス株式会社
取締役会 御中
有限責任 あずさ監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
公認会計士 神 塚 勲
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士 佐々木 雅 広
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士 藤 岡 義 博
業務執行社員
<財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いるキリンホールディングス株式会社の2023年1月1日から2023年12月31日までの第185期事業年度の財務諸表、すなわ
ち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を
行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、キリン
ホールディングス株式会社の2023年12月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての
重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準におけ
る当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職
業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要である
と判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成におい
て対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
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キリンホールディングス株式会社(E00395)
有価証券報告書
超過収益力等を反映した価額で取得した関係会社株式の評価の合理性
監査上の主要な検討事項の
監査上の対応
内容及び決定理由
キリンホールディングス株式会社の当事業年度の貸借 当監査法人は、超過収益力等を反映した価額で取得し
対照表において、関係会社株式1,824,929百万円が計上 た関係会社株式の評価の合理性を検証するため、主に以
されている。 【注記事項】(有価証券関係) に記載のとお 下の監査手続を実施した。
り、これには企業会計基準第10号「金融商品に関する会 (1) 内部統制の評価
計基準」における市場価格のない子会社株式及び関連会
超過収益力等を反映した価額で取得した関係会社株式
社株式がそれぞれ1,337,691百万円及び135,493百万円含
の評価に関する内部統制の整備状況及び運用状況の有効
まれている。それらの大部分は超過収益力等を反映した
性のうち、特に実質価額の算定に関する統制に焦点を当
価額で取得した株式(以下「超過収益力等を反映した価
てて評価を行った。
額で取得した関係会社株式」という。)である。
(2) 超過収益力等を反映した実質価額の見積りの合理性
【注記事項】(重要な会計上の見積り) に記載のとお
の評価
り、超過収益力等を反映した価額で取得した関係会社株
超過収益力等を反映した実質価額の見積りの合理性を
式は、当該株式の発行会社の財政状態に超過収益力等を
評価するため、主に以下の手続を実施した。
反映した価額をもって実質価額とするが、当該実質価額
● 評価対象となる関係会社の当事業年度の予算と実
が著しく低下した場合には、回復可能性が十分な証拠に
績の差異原因を検討するとともに当該関係会社の
よって裏付けられる場合を除いて減損処理が必要とな
事業計画の策定プロセスの確認を通じて事業計画
る。
の見積り精度を評価した。
当事業年度においてキリンホールディングス株式会社
● 評価対象となる関係会社の事業計画に含まれてい
の貸借対照表に計上されている超過収益力等を反映した
る主要な仮定の内容とその根拠を経営者に質問し
価額で取得した関係会社株式の金額的重要性は高く、ま
た。
た、その超過収益力等は株式の発行会社の事業計画を基
● 評価対象となる関係会社の事業計画に含まれてい
礎として算定されており、それらの事業計画には、各関
る主要な仮定について、過去実績との比較分析及
係会社の将来の収益と費用に関する経営者による見積り
び趨勢分析によりその合理性を評価した。
及び判断が含まれる。
● 当監査法人が入手した外部情報及び取締役会の議
以上から、当監査法人は、超過収益力等を反映した価
事録等の関連資料との整合性分析により主要な仮
額で取得した関係会社株式の評価の合理性が、当事業年
定の合理性を評価した。
度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の
主要な検討事項」に該当すると判断した。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書
以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責
任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載
内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と
財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような
重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告
することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表
示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営
者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを
評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要
がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにあ
る。
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有価証券報告書
財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示が
ないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明すること
にある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決
定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家と
しての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を
立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な
監査証拠を入手する。
・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実
施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び
関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、
継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付
ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意
を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項
付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいている
が、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどう
かとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事
象を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制
の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、
並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている
場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を
行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事
項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止さ
れている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回
ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報>
報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。
利害関係
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
※1. 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2. XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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