アサヒグループホールディングス株式会社 有価証券報告書 第100期(2023/01/01-2023/12/31)
提出書類 | 有価証券報告書-第100期(2023/01/01-2023/12/31) |
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提出日 | |
提出者 | アサヒグループホールディングス株式会社 |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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アサヒグループホールディングス株式会社(E00394)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2024年3月27日
【事業年度】 第100期(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
【会社名】 アサヒグループホールディングス株式会社
【英訳名】 Asahi Group Holdings, Ltd.
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 兼 Group CEO 勝木 敦志
【本店の所在の場所】 東京都墨田区吾妻橋一丁目23番1号
【電話番号】 0570(00)5112
【事務連絡者氏名】 エグゼクティブオフィサー 吉田 正和
【最寄りの連絡場所】 東京都墨田区吾妻橋一丁目23番1号
【電話番号】 0570(00)5112
【事務連絡者氏名】 エグゼクティブオフィサー 吉田 正和
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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アサヒグループホールディングス株式会社(E00394)
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第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
回次 第96期 第97期 第98期 第99期 第100期
決算年月 2019年12月 2020年12月 2021年12月 2022年12月 2023年12月
2,089,048 2,027,762 2,236,076 2,511,108 2,769,091
売上収益 (百万円)
197,391 125,399 199,826 205,992 241,871
税引前利益 (百万円)
141,290 92,584 153,823 151,717 166,031
当期利益 (百万円)
親会社の所有者に帰属する
142,207 92,826 153,500 151,555 164,073
(百万円)
当期利益
149,721 147,763 295,622 361,781 460,504
当期包括利益合計 (百万円)
親会社の所有者に帰属する
150,815 148,151 295,255 361,604 458,266
(百万円)
当期包括利益
親会社の所有者に帰属する
1,246,314 1,516,124 1,757,104 2,060,734 2,460,548
(百万円)
持分
3,140,788 4,439,378 4,547,748 4,830,344 5,285,913
資産合計 (百万円)
1株当たり親会社所有者
2,720.76 2,992.06 3,467.47 4,067.12 4,856.22
(円)
帰属持分
310.44 196.52 302.92 299.10 323.82
基本的1株当たり利益 (円)
310.42 196.49 302.89 299.06 323.77
希薄化後1株当たり利益 (円)
39.7 34.2 38.6 42.7 46.5
親会社所有者帰属持分比率 (%)
親会社所有者帰属持分
11.9 6.7 9.4 7.9 7.3
(%)
当期利益率
16.1 21.6 14.8 13.8 16.2
株価収益率 (倍)
営業活動による
253,469 275,859 337,812 265,991 347,547
(百万円)
キャッシュ・フロー
投資活動による
(百万円) △ 103,666 △ 1,243,372 △ 14,348 △ 69,186 △ 117,713
キャッシュ・フロー
財務活動による
956,759
(百万円) △ 158,841 △ 320,325 △ 219,556 △ 226,746
キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の
48,489 48,460 52,743 37,438 59,945
(百万円)
期末残高
29,327 29,850 30,020 29,920 28,639
従業員数
(名)
(外、平均臨時雇用者数) ( 6,669 ) ( 6,849 ) ( 6,665 ) ( 6,645 ) ( 6,089 )
(注) 国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
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(2)経営指標等
回次 第96期 第97期 第98期 第99期 第100期
決算年月 2019年12月 2020年12月 2021年12月 2022年12月 2023年12月
200,895 191,290 210,060 172,189 65,258
営業収益 (百万円)
162,562 145,848 165,891 148,471 31,248
経常利益 (百万円)
159,957 147,806 173,574 146,769 30,998
当期純利益 (百万円)
182,531 220,216 220,216 220,216 220,216
資本金 (百万円)
483,585 507,003 507,003 507,003 507,003
発行済株式総数 (千株)
896,646 1,113,536 1,229,747 1,296,035 1,235,530
純資産額 (百万円)
1,901,105 3,088,810 3,045,652 2,935,917 2,867,911
総資産額 (百万円)
1,957.42 2,197.56 2,426.78 2,557.89 2,438.49
1株当たり純資産額 (円)
100.00 106.00 109.00 113.00 121.00
1株当たり配当額 (円)
(内1株当たり中間配当額) (円) ( 52.00 ) ( 53.00 ) ( 54.00 ) ( 55.00 ) ( 56.00 )
349.19 312.91 342.54 289.66 61.18
1株当たり当期純利益 (円)
潜在株式調整後
349.17 312.87 342.51 289.62 61.17
(円)
1株当たり当期純利益
47.2 36.1 40.4 44.1 43.1
自己資本比率 (%)
19.4 14.7 14.8 11.6 2.4
自己資本利益率 (%)
14.3 13.6 13.1 14.2 85.9
株価収益率 (倍)
28.6 33.9 31.8 39.0 197.8
配当性向 (%)
155 313 336 164 192
従業員数
(名)
(外、平均臨時雇用者数) ( 1 ) ( 7 ) ( 14 ) ( 4 ) ( 8 )
119.1 104.2 112.2 106.5 136.0
株主総利回り (%)
(比較指標:配当込みTOPIX) (%) ( 118.1 ) ( 126.8 ) ( 143.0 ) ( 139.5 ) ( 178.9 )
最高株価 (円) 5,578 5,200 5,684 5,228 5,973
最低株価 (円) 4,171 3,006 4,120 3,918 3,993
(注)1 従業員数については、関係会社等への出向者を除き、提出会社への出向者を含めた就業人員を記載しており
ます。
2 最高株価及び最低株価は2022年4月3日以前は東京証券取引所(市場第一部)におけるものであり、2022年
4月4日以降は東京証券取引所(プライム市場)におけるものであります。
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2【沿革】
設立の経緯
当社は、旧大日本麦酒株式会社が過度経済力集中排除法の適用を受け、二社に分割されたことに伴い、1949年9
月朝日麦酒株式会社として発足いたしました。生産設備として吾妻橋、吹田、西宮、博多の四工場を、主要ブラン
ドとして、アサヒビール、三ツ矢サイダーを継承いたしました。
なお、上述の旧大日本麦酒株式会社は、1906年3月、大阪麦酒株式会社、日本麦酒株式会社及び札幌麦酒株式会
社の3社大合同に端を発しておりますが、そのうちアサヒビールを製造・販売していた大阪麦酒株式会社(=現在
のアサヒビール株式会社吹田工場)は1889年の設立であります。
当社は2011年7月1日をもって純粋持株会社制に移行し、当社の酒類事業を会社分割により当社の100%子会社
に承継いたしました。また、当社は同日付で「アサヒビール株式会社」から「アサヒグループホールディングス株
式会社」に商号変更するとともに、その事業目的を純粋持株会社制移行後の事業に合わせて変更しております。
年月 主要事項
1949年9月 朝日麦酒株式会社を発足し、下記事業所を開設
支店:東京、大阪、九州、広島、四国
工場:吾妻橋(1985年2月廃止)、吹田、西宮(2012年8月廃止)、博多
1949年10月 東京証券取引所上場
1949年11月 大阪証券取引所上場
1949年12月 名古屋証券取引所上場
1954年8月 ニッカウヰスキー株式会社(現連結子会社)に資本参加
1962年5月 東京大森工場完成(2002年3月製造停止、2002年5月神奈川工場へ拠点移転)
1964年4月 北海道の現地資本との共同出資により、北海道朝日麦酒株式会社(1994年7月当社と合併)を設
立
1966年12月 柏工場(飲料専用工場)完成
1973年4月 名古屋工場完成
同 ワインの販売開始
1979年3月 福島工場完成
1982年7月 エビオス薬品工業株式会社を合併
1988年10月 アサヒビール飲料製造株式会社(1996年7月現アサヒ飲料株式会社・連結子会社に合併)設立
1989年1月 アサヒビール株式会社に商号変更
1989年12月 明石工場(飲料専用工場)完成
1991年1月 茨城工場完成
1992年3月 アサヒビール食品株式会社設立
1994年1月 杭州西湖 酒朝日(股份)有限公司他へ資本参加、中国への本格進出開始
1994年3月 アサヒビール薬品株式会社設立
1994年7月 北海道アサヒビール株式会社を合併、北海道支社・北海道工場新設
1995年12月 伊藤忠商事株式会社と共同で (現連結子会社)と煙台 酒朝日有限公司(現
煙台 酒青島朝日有限公司・持分法適用会社)の経営権を取得
1996年7月 飲料事業部門をアサヒビール飲料株式会社(現アサヒ飲料株式会社・連結子会社)に営業譲渡
1997年9月 アサヒビール研究開発センター完成
1998年4月 Asahi Beer U.S.A., Inc.(現連結子会社)設立
1998年6月 四国工場完成
1999年7月 深圳青島 酒朝日有限公司(現持分法適用会社)を開業
1999年8月 アサヒ飲料株式会社東京証券取引所市場第一部に株式を上場
2001年4月 ニッカウヰスキー株式会社(現連結子会社)から営業譲受
2002年5月 神奈川工場完成
2002年7月 アサヒビール食品株式会社とアサヒビール薬品株式会社を合併し、アサヒフードアンドヘルスケ
ア株式会社を設立
2002年9月 協和発酵工業株式会社、旭化成株式会社から酒類事業を譲受
2003年5月 オリオンビール株式会社において、アサヒスーパードライ他のライセンス生産並びに沖縄県内で
の販売開始
2003年7月 名古屋証券取引所上場廃止
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年月 主要事項
2003年9月 1単元の株式の数を1,000株から100株に変更
2004年4月 康師傅控股有限公司と飲料事業の合弁会社、康師傅飲品控股有限公司を設立
2004年5月 北京 酒朝日有限公司(現連結子会社)新工場(通称:グリーン北京工場)竣工
2004年7月 ヘテ飲料株式会社を連結子会社化
2005年3月 株式会社サンウエル(2008年9月アサヒフードアンドヘルスケア㈱と合併)の株式を取得
2005年5月 株式会社エルビー(東京)の株式を取得
2005年9月 株式会社エルビー(名古屋)の株式を取得
2006年5月 和光堂株式会社の株式を取得
2008年4月 アサヒ飲料株式会社を完全子会社化(東京証券取引所第一部上場廃止)
2008年7月 天野実業株式会社の株式を取得
2009年4月 英・キャドバリーグループの所有するオーストラリア飲料事業(Schweppes Holdings Pty Ltd
他2社(現連結子会社))を買収
2009年4月 青島 酒股份有限公司の発行済株式の19.99%を取得
2011年1月 株式会社エルビー(東京)が株式会社エルビー(名古屋)を吸収合併
2011年1月 ヘテ飲料株式会社の株式を譲渡
2011年7月 純粋持株会社制に移行し、アサヒグループホールディングス株式会社に商号変更
当社の酒類事業を会社分割により承継したアサヒグループホールディングス株式会社はアサヒ
ビール株式会社(現連結子会社)に商号変更
2011年8月 Charlie's Group Limited(Charlie's Trading Company Limitedに合併、2013年5月The Better
Drinks Co Limitedに社名変更)他5社(現連結子会社)の株式を取得
2011年9月 P&N Beverages Australia Pty. Limited(Asahi Beverages Australia Pty Ltdに社名変更)他
1社(現連結子会社)の株式を取得
2011年9月 Flavoured Beverages Group Holdings Limited (2012年10月Independent Liquor (NZ) Limited
と合併)他14社(現連結子会社)の株式を取得
2011年9月 杭州西湖 酒朝日(股份)有限公司及び浙江西湖 酒朝日有限公司の出資持分を譲渡
2011年11月 Permanis Sdn. Bhd.(2016年8月にEtika Beverages Sdn. Bhd.に社名変更)他9社の株式を取
得
2012年9月 PT Asahi Indofood Beverage Makmur及びPT Indofood Asahi Sukses Beverageを設立
2012年10月 カルピス株式会社(2016年1月1日アサヒ飲料㈱と合併)他4社の株式を取得
2013年9月 PT Prima Cahaya Indobeveragesの株式を取得
2014年2月 Asahi Loi Hein Company Limited(現連結子会社)を設立
2014年6月 Etika Dairies Sdn. Bhd.(現連結子会社)他15社の株式を取得
2014年12月 株式会社なだ万他3社(現連結子会社)の株式を取得
2015年3月 エノテカ株式会社他4社(現連結子会社)の株式を取得
2016年1月 ドライ飲料事業をアサヒ飲料(株)に集約。カルピス(株)の機能性食品・飼料事業は「アサヒ
カルピスウエルネス(株)」に移管
アサヒフードアンドヘルスケア(株)、和光堂(株)、天野実業(株)の食品3事業を「アサヒ
グループ食品(株)」に集約
2016年10月 SABMiller plc(現社名SABMiller Limited)のイタリア、オランダ、英国事業その他関連資産の
取得(子会社化)
2016年12月 SABMiller plc(現社名SABMiller Limited)の中東欧事業その他関連資産の取得に関する株式売
買契約をAnheuser-Busch InBev SA/NVと締結
2017年3月 SABMiller plc(現社名SABMiller Limited)の中東欧事業その他関連資産の取得(子会社化)
2017年11月 株式会社エルビーの株式を譲渡
2017年12月 康師傅飲品控股有限公司の株式を譲渡
2018年3月 青島 酒股份有限公司の株式を譲渡
同 PT Asahi Indofood Beverage Makmur、PT Tirta Sukses Perkasa、PT Indofood Asahi Sukses
Beverage、PT Prima Cahaya Indobeveragesの株式を譲渡
2019年4月 Asahi UK Holdings Ltd(2019年4月29日付で、The Fuller's Beer Company Limitedから商号変
更)他3社(現連結子会社)の株式を取得
2020年6月 CUB Australia Holding Pty Ltd(2020年8月7日付で、ABI Australia Holding Pty Ltdから商
号変更)他54社(現連結子会社)の株式を取得
2021年9月 アサヒグループジャパン株式会社(現連結子会社)を設立
2022年1月 アサヒグループジャパン株式会社は当社の国内事業の事業管理等に関する事業を会社分割により
承継
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3【事業の内容】
当企業集団(アサヒグループ)は、当社、連結子会社199社及び関連会社32社により構成され、その主な事業内容
と、主要な会社の当該事業に係る位置づけは次の通りです。
(1)日本
(酒類、飲料、食品、薬品の製造・販売)
連結子会社であるアサヒグループジャパン㈱はアサヒビール㈱等の日本地域子会社を統括する地域統括会社であ
ります。
連結子会社であるアサヒビール㈱は全国でビール類、低アルコール飲料等の製造・販売及び焼酎、洋酒、ワイン
等の販売を行っております。また、連結子会社であるニッカウヰスキー㈱は、焼酎、洋酒等の製造を行っており、
アサヒビール㈱等へ販売しております。連結子会社であるエノテカ㈱は、ワインの販売を行っております。連結子
会社であるアサヒドラフトマーケティング㈱は、酒類販売設備の制作、販売及び保守業務を行い、アサヒビール㈱
より業務を受託しております。連結子会社であるアサヒビールモルト㈱は、アサヒビール㈱等の麦芽の受託加工等
を行っております。連結子会社である㈱アサヒビールフィードはアサヒビール㈱のモルトフィード(ビール粕)の
受託加工等を行っております。
連結子会社であるアサヒ飲料㈱及びカルピス㈱は各種飲料の製造・販売を行っております。
連結子会社であるアサヒグループ食品㈱はベビーフード・菓子・フリーズドライ食品・サプリメント等の製造・
販売を行っています。
連結子会社であるアサヒロジ㈱等は、アサヒグループ製品等の運送、物流センターの管理、倉庫業を行っており
ます。連結子会社であるアサヒユウアス㈱は、サステナブルプロダクツの開発・販売を行っております。連結子会
社である㈱なだ万は、レストラン等の経営を行っております。
(2)欧州
(酒類の製造・販売)
連結子会社であるAsahi Europe & International Ltdは 等の欧州地域子会社を統括す
る地域統括会社であります。
連結子会社である 、 、Kompania Piwowarska
S.A.、Ursus Breweries SA、Dreher Sörgyárak Zrt.は中東欧にて、Birra Peroni S.r.l.、Koninklijke Grolsch
N.V.等は西欧にてビールの製造・販売を行っております。
(3)オセアニア
(酒類、飲料の製造・販売)
連結子会社であるAsahi Beverages Pty LtdはCUB Pty Ltd等のオセアニア地域子会社を統括する地域統括会社で
あります。
連結子会社であるCUB Pty Ltdはオーストラリアにて、Asahi Beverages (NZ) Limitedはニュージーランドにて
酒類の製造・販売を行っており、Asahi Lifestyle Beveragesはオーストラリアにて飲料の製造・販売を行ってお
ります。
(4)東南アジア
(飲料の製造・販売)
連結子会社であるAsahi Holdings Southeast Asia Sdn. Bhd.はEtika Beverages Sdn. Bhd.等の東南アジア地域
子会社を統括する地域統括会社であります。
連結子会社であるEtika Beverages Sdn. Bhd.はマレーシアにて飲料の製造・販売を行っております。連結子会
社であるEtika Dairies Sdn. Bhd.はマレーシアを中心とした東南アジアにて乳製品の製造・販売を行っておりま
す。
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(5)その他
連結子会社であるアサヒクオリティーアンドイノベーションズ㈱はグループの持続的な発展につながる中長期的
な研究を行っております。
連結子会社であるアサヒバイオサイクル㈱はアニマルニュートリション(飼料添加物等)、農業・緑化分野にお
けるバイオスティミュラント(肥料原料)、微生物利用の製品・サービスの提供を行っております。
連結子会社であるAsahi Group Beverages & Innovation, LLCは、米国サンフランシスコにて、ビールを中心と
した既存事業の基盤を活かした新規領域での成長を目指し、スタートアップ投資ファンド Asahi Group Beverages
& Innovation Fund の運営及び米国のスタートアップ企業へのマイノリティ出資等を行っております。
連結子会社であるAsahi Global Procurement Pte. Ltd.は、シンガポールにて、グループ全体の調達機能の高度
化を目指し、アサヒグループのグローバル調達に関する戦略立案と管理を行っております。
なお、当社は特定上場会社等であります。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要
事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
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企業集団の状況
事業の系統図及び主要な会社名は次の通りであります。
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4【関係会社の状況】
(1)連結子会社
資本金又
主要な事業 所有持分
名称 住所 は出資金 関係内容
の内容 割合(%)
(百万円)
東京都 設備の賃貸・・・有
アサヒグループジャパン㈱ 50 日本 100.00
墨田区 役員の兼任等・・・有
アサヒビール㈱ 東京都 100.00 設備の賃貸・・・有
20,000 日本
(注)3、4 墨田区 (100.00) 役員の兼任等・・・有
北海道 100.00
ニッカウヰスキー㈱ 100 日本 設備の賃貸・・・有
余市町
(100.00)
東京都 100.00
エノテカ㈱ 1,761 日本 なし
港区
(100.00)
アサヒ飲料㈱ 東京都 100.00 設備の賃貸・・・有
日本
11,081
(注)3、5 墨田区 (100.00) 役員の兼任等・・・有
東京都 100.00
カルピス㈱ 90 日本 設備の賃貸・・・有
墨田区 (100.00)
東京都 100.00 設備の賃貸・・・有
アサヒグループ食品㈱ 500 日本
墨田区 役員の兼任等・・・有
(100.00)
東京都 100.00
アサヒロジ㈱ 80 日本 設備の賃貸・・・有
大田区
(100.00)
東京都 100.00
㈱なだ万 日本 役員の兼任等・・・有
41
千代田区 (100.00)
東京都 100.00 設備の賃貸・・・有
アサヒプロマネジメント㈱ 50 日本
墨田区 役員の兼任等・・・有
(100.00)
Asahi Europe & International Ltd
イギリス 1,196,492
欧州 100.00 役員の兼任等・・・有
サリー州
(€9,838百万)
(注)3
チェコ 9,860 100.00
欧州 なし
ピルゼン
(CZK2,000百万) (100.00)
中国 9,996
欧州 なし
100.00
上海市 (RMB.737,487千)
Asahi Holdings (Australia) Pty Ltd
オーストラリア 1,385,448
オセアニア 役員の兼任等・・・有
100.00
ヴィクトリア州 (AU.$18,926百万)
(注)3
CUB Pty Ltd
オーストラリア 289,810 100.00
オセアニア なし
ヴィクトリア州
(AU.$4,019百万) (100.00)
(注)3、6
Asahi Beverages Pty Ltd
オーストラリア 28,166 100.00
オセアニア なし
ヴィクトリア州
(AU.$372百万) (100.00)
(注)3
Asahi Beverages (NZ) Limited
ニュージーランド 29,235 100.00
オセアニア なし
オークランド (NZ.$392百万) (100.00)
(注)3
Asahi Holdings Southeast Asia Sdn. Bhd.
マレーシア 51,487 100.00
東南アジア 役員の兼任等・・・有
クアラルンプール
(RM.377,010千) (100.00)
(注)3
マレーシア 2,756 100.00
Etika Beverages Sdn. Bhd. 東南アジア なし
クアラルンプール (RM.112,005千) (100.00)
マレーシア 2,868 100.00
Etika Dairies Sdn. Bhd.
東南アジア なし
クアラルンプール
(RM.89,315千) (100.00)
ミャンマー 4,723 51.00
Asahi Loi Hein Company Limited
その他 役員の兼任等・・・有
ヤンゴン
(MMK44,620百万) (51.00)
3,026
Asahi Global Procurement Pte. Ltd.
シンガポール その他 100.00 なし
(USD20百万)
アサヒクオリティーアンド 茨城県 設備の賃貸・・・有
50 その他 100.00
イノベーションズ㈱ 守谷市 役員の兼任等・・・有
その他176社 - - - - -
(注)1 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2 「所有持分割合」の欄の( )内は間接所有割合を内書きで記載しています。
3 特定子会社に該当します。
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4 アサヒビール㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合
が10%を超えております。
主要な損益情報等(日本基準)
① 売上高 769,297百万円
② 経常利益 60,789百万円
③ 当期純利益 39,772百万円
④ 純資産 199,916百万円
⑤ 総資産 564,334百万円
5 アサヒ飲料㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が
10%を超えております。
主要な損益情報等(日本基準)
① 売上高 367,018百万円
② 経常利益 18,430百万円
③ 当期純利益 11,864百万円
④ 純資産 78,404百万円
⑤ 総資産 246,004百万円
6 CUB Pty Ltdについては、売上高(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が
10%を超えております。
主要な損益情報等
① 売上収益 375,322百万円
② 税引前当期利益 95,937百万円
③ 当期利益 69,228百万円
④ 資本合計 668,025百万円
⑤ 資産合計 990,439百万円
(2)持分法適用会社
資本金又 議決権の
主要な事業
名称 住所 は出資金 所有割合 関係内容
の内容
(百万円) (%)
東京都 49.00
㈱アサヒビールコミュニケーションズ 50 日本 設備の賃貸・・・有
台東区 (49.00)
大阪府 33.40
ダイナミックベンディングネットワーク㈱ 50 日本 なし
大阪市
(33.40)
東京都 49.00 設備の賃貸・・・有
日本
アサヒビジネスソリューションズ㈱ 110
墨田区 (49.00) 役員の兼任等・・・有
中国 3,801 29.00
欧州 なし
広東省
(RMB.248,522千) (29.00)
その他28社 - - - - -
(注)1 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2 「議決権の所有割合」の欄の( )内は間接所有割合を内書きで記載しています。
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5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2023年12月31日現在
セグメントの名称 従業員数(名)
12,002
日本 ( 3,874 )
10,150
欧州 ( 973 )
4,132
オセアニア ( 1,007 )
1,842
東南アジア ( 218 )
148
その他 ( -)
365
全社(共通) ( 17 )
28,639
合計 ( 6,089 )
(注)1 従業員数は就業人員であります。
2 臨時従業員数は( )内に期中平均人員を外数で記載しております。
(2)提出会社の状況
2023年12月31日現在
従業員数(名) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
192 42.8 2.7 12,326,738
( 8 )
(注)1 従業員数は就業人員であります。なお、上記に含まれる提出会社への出向者は、134名であります。
2 臨時従業員数は( )内に期中平均人員を外数で記載しております。
3 平均勤続年数は、提出会社への出向者については、出向日を起算日としております。なお、出向元での勤続
年数を含めた通算勤続年数は、10.9年になります。
4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
5 当社は純粋持株会社であるため、セグメント別の従業員数は記載しておりません。
(3)労働組合の状況
一部の子会社には労働組合が組織されております。
なお、労使関係については、特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
当事業年度
労働者の男女の賃金の差異(%)
管理職に占める 補足説明
男性労働者の
女性労働者の割合(%)
育児休業取得率(%)
注2 うち正規雇用 うちパート・
全労働者
労働者 有期労働者
19.7 - - - - 注5
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② 連結子会社
当事業年度
労働者の男女の賃金の差異(%)
管理職に占める
男性労働者の 補足説明
注1
女性労働者の割合
名称 育児休業取得率
(%)
(%) うち正規雇用 うちパート・
全労働者
注2
労働者 有期労働者
アサヒビール㈱ 8.4 95.1 70.4 79.2 67.6 注4
ニッカウヰスキー㈱ 4.9 - 53.0 53.0 75.6 注5
エノテカ㈱ 35.2 - 75.0 78.7 78.4 注5
アサヒ飲料㈱ 9.7 76.4 75.1 77.1 76.3 注4
アサヒグループ食品㈱ 17.7 100.0 76.1 77.7 78.4 注4
注3
アサヒロジ㈱ - 52.4 58.9 66.7 64.8
注5
㈱なだ万 15.0 25.0 57.1 68.6 58.3 注3
アサヒドラフトマーケティング㈱ 0.6 - 69.4 75.3 106.3 注5
合計 12.4 83.3 62.1 70.5 61.3 注6
(注)1 労働者の男女の賃金の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64
号)(以下、「女性活躍推進法」)の規定に基づき、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しておりま
す。なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。
2 管理職に占める女性労働者の割合については、「女性活躍推進法」に基づき算出したものであります。正規
雇用の従業員のみを対象としております。
3 男性労働者の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に
関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労
働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取
得割合を算出したものです。
4 男性労働者の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に
関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労
働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び
育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
5 「-」は、「女性活躍推進法」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する
法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略していることを示し
ております。
6 合計は、上記国内連結子会社8社の指標を集約したものであり、記載を省略している指標を除いて算出して
おります。
③ 提出会社および連結子会社の合計
当事業年度
労働者の男女の賃金の差異(%)
補足説明
管理職に占める 男性労働者の
女性労働者の割合(%) 育児休業取得率(%) うち正規雇用 うちパート・
全労働者
労働者 有期労働者
12.8 83.3 62.1 70.5 61.3 注1
(注)1 上記の指標は、提出会社および上記国内連結子会社8社の指標を集約したものであり、記載を省略している
指標を除いて算出しております。
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第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中には、中期経営方針等に関する様々な業績予想及び目標数値、並びにその他の将来に関する情報が開示されて
います。これらの業績予想及び目標数値、並びにその他の将来に関する情報は、将来の事象についての現時点におけ
る仮定及び予想、並びにアサヒグループが現在入手可能な情報や一定の前提に基づいているため、今後様々な要因に
より変化を余儀なくされるものであり、これらの予想や目標の達成及び将来の業績を保証するものではありません。
(1)経営の基本方針
アサヒグループは、純粋持株会社であるアサヒグループホールディングス株式会社のもと、日本、欧州、オセア
ニア、東南アジアを核として主に酒類、飲料、食品事業を展開しています。
グループ理念「Asahi Group Philosophy(AGP)」に基づき、未来のステークホルダーからも信頼されるグ
ループを目指しています。AGPは、Mission、Vision、Values、Principlesで構成され、グループの使命やあり
たい姿に加え、受け継がれてきた大切にする価値観とステークホルダーに対する行動指針・約束を掲げています。
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(2)中長期経営方針
AGPの実践に向けて、『中長期経営方針』では、長期戦略のコンセプトとして「おいしさと楽しさで“変化す
るWell-being”に応え、持続可能な社会の実現に貢献する」ことを掲げています。
目指す事業ポートフォリオを示すとともに、サステナビリティと経営の統合、DX(デジタル・トランスフォー
メーション)やR&D(研究開発)といったコア戦略の一層の強化により、持続的な成長と全てのステークホルダー
との共創による企業価値向上を目指しています。
1.『中長期経営方針』:長期戦略の概要
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2.目指す事業ポートフォリオ
長期戦略における事業ポートフォリオでは、人々のWell-beingの変化に応えていくなかでの「リスクと機会」
を捉え、ビールを中心とした既存事業の持続的成長に加えて、その事業基盤を活かした周辺領域や新規事業・
サービスの拡大を目指しています。
既存事業については、主力ブランドを中心としたプレミアム戦略の推進などにより、各地域において販売単価
の向上を実現したほか、『Asahi Super Dry』と『Peroni Nastro Azzurro』を中心とした世界的なパートナー
シップの強化などにより、グローバル5ブランド全体で販売数量は前年比4%増加しました。
※
新規領域については、各地域でのノンアルコールや低アルコールカテゴリーの取り組みを推進するなど、BAC
への投資強化による新市場拡大を図りました。また、新たな成長ドライバーの探索を目指して設立した米国の投
資運用会社が本格的に稼働をスタートしたほか、酵母・乳酸菌技術を活用した新たな領域拡大やデジタル技術を
活かした新サービスの開発に取り組みました。
今後もビールを中心に培ってきたケイパビリティや事業基盤を活かし、BACや新商材・新サービスの領域で成
長機会を拡大することで、最適な事業ポートフォリオを構築していきます。
※ BAC:Beer Adjacent Categoriesの略。低アルコール飲料、ノンアルコールビール、成人向け清涼飲料な
ど、ビール隣接カテゴリーを指します。
3.コア戦略 ―サステナビリティ戦略―
アサヒグループは、事業成長と社会価値の創出の最大化を目指して、バリューチェーン全体で人々のサステナ
ブルな生活を実現することを重点方針として定めています。また、経営課題として取り組む領域を特定したマテ
リアリティ・取り組みテーマを設定し、適切で実効性のある取り組みにつなげています。
詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
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4.コア戦略 ―DX戦略―
アサヒグループのDXは単なるデジタライゼーションではなく、生
き残りをかけた経営改革であると認識しており、DX=BXと捉え、
「Business」「Process」「Organization」の領域において、三位
一体でイノベーションを推進しています。
①Business Innovation
一人ひとりの“Well-being”の形を捉え、パーソナライゼーションモデルの実現を目指します。また、デジタ
ル技術でサステナビリティに関する課題を解決し、人々のサステナブルな生活の実現に向けた取り組みを推進し
ていきます。
②Process Innovation
全工場の生産性・品質情報を数値化・透明化し、生産性向上を目指します。また、グローバル調達で規模の経
済を実現し、調達コストやリスクを最適化するとともに、サプライチェーン、サステナビリティチームとIT組
織が協働し、最適なソリューションの導入に向け、取り組んでいます。
③Organization Innovation
デジタルネイティブ組織への変革を目指し、各機能・組織がIT/データ活用スキルを当たり前のスキルとし
※1
て持つ「IT/データ活用の民主化」を目指します。また、アジャイルな働き方 の導入を同時に進めていき
ます。
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5.コア戦略 ―R&D戦略―
R&D戦略においては、中長期的な社会環境や競争環境の変化を見据え、メガトレンドからバックキャストで導
いた未来シナリオとこれまでの研究で蓄積してきた技術・知見・ノウハウを踏まえ、以下の4つを重点領域とし
て位置付け、新たな価値創造やリスク軽減に向けた商品・技術開発に取り組んでいます。また、海外を含む拠点
間での技術シナジーの醸成、異分野とのオープンイノベーション活用による新たな価値創造にも積極的に取り組
んでいます。
①アルコール関連
アルコールを取り巻く消費者ニーズの変化や将来予測に複数の角度から対応すべく、アルコール価値代替、新
価値創造、BACにおける優位性構築に向けた商品・技術開発を中心に研究開発に取り組んでいます。
変化する消費者ニーズを捉えるべく、2023年は、欧州で発売したノン
アルコールビール『Kozel 0,0%』では、従来の脱アルコール技術を用
いながら、より環境負荷が低い製法を開発しました。スマートドリンキ
ングをはじめとしたBAC領域の開拓を目的に、今後もさまざまな技術開
発を進めていきます。
また、消費者ニーズのダイナミックな変化に対応すべく、Z世代のイ
ンサイト探索手法の構築及び迅速なZ世代向けコンセプト生成技術の開
発も進めています。
ニーズを技術課題に落とし込み、製品提案に至るまでの一連のプロセ
スを迅速にすることで、研究成果の更なる導出を目指します。
②ヘルス&ウェルネス
身体や心の健康に関する消費者の拡大するニーズに対
し、さまざまなタイプのソリューションを提供すること
で人々の健康的な生活をサポートしています。
「L-92乳酸菌」は、長年にわたって積み重ねてきた
データやエビデンスにより、健康な人の免疫機能の維持
に役立つことが確認されました。「L-92乳酸菌」と免疫
の関わりをさらに明らかにすることで、人々の生涯にわ
たる健康の維持増進に貢献していきます。
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また、長年、研究をしてきた乳酸菌「ラクトバチルス・ガセリCP2305
※1
株」は、腸に作用し、脳腸相関 を介して脳に働きかけ、精神ストレ
※2
スを緩和することが確認されました。今回、フェムケア 領域への展
開を目指し、ヒト試験により効果の評価を行い、女性の月経周期に関連
した精神的疲労や眠気の軽減効果を持つ機能性表示を届け出て、「月経
周期」に関連した具体的な機能性を表示する製品として初めて受理され
ました。
独自性のある健康機能性素材とそれを活用したサービスに関する研究
を強化し、国内外での新しい価値提案を目指します。
※1 脳腸相関:腸と脳が互いに情報伝達を行い、生体機能を保つ仕組み
※2 女性の体や健康をケアすること
③サステナビリティ
環境・エネルギー分野や副産物利用における世界トッ
プ水準の技術の実装を目指すとともに、気候変動に伴う
原料コスト影響の最小化や容器包装の環境負荷低減に取
り組み、サステナビリティ戦略の実効性を高めていま
す。
環境・エネルギー分野では、ビール工場排水由来のバ
イオメタンガスを利用した燃料電池による発電技術の実
証を行っており、2023年は、アラブ首長国連邦・ドバイ
で開催された国連気候変動枠組条約第28回締約国会議
(COP28)の「ジャパン・パビリオン」に出展し、技
術普及にも取り組みました。
サステナビリティに関する研究開発を通じて、社会的
責務を果たすとともに、持続的な企業活動を通じ、事業
利益につながる成果獲得を目指します。
④新規事業
中長期的に目指す事業ポートフォリオの実現に向け、グループ内外の技術とビジネスモデルとの掛け合せ等に
より、新規事業につながる非凡なシーズの創出に取り組んでいます。
酵母や乳酸菌など、アサヒグループがこれまでに活用してきた微生物領域に新たな視点を加えることで、グ
ループのメリットを活かした新規事業を開拓していきます。これらを実現するため、革新的な外部技術の取り込
みや従来とは異なる領域との融合を積極的に推進していきます。
6.人的資本の高度化
戦略基盤強化に向けて、「ありたい企業風土の醸成」、「継続的な経営者人材の育成」及び「必要となるケイ
※
パビリティ の獲得」の3つの取り組みを連携させながら、競争優位の源泉となる「人的資本の高度化」の実現
を目指しています。
※ 戦略を実現するために必要な組織的能力
詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」を
ご参照ください。
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(3)中期的なガイドライン
『中長期経営方針』の中期的なガイドラインについては、以下のとおりです。
■主要指標のガイドライン
3年程度を想定したガイドライン
※1
事業利益
・CAGR(年平均成長率):一桁台後半
※2
・CAGR(年平均成長率):一桁台後半
EPS(調整後 )
※3
・年平均2,000億円以上
FCF
※1 為替一定ベース
※2 調整後とは、事業ポートフォリオの再構築や減損損失など一時的な特殊要因を除いたものです。
※3 FCF=営業CF-投資CF (M&A等の事業再構築を除く)
■財務方針のガイドライン
2022年以降のガイドライン
・FCFは債務削減へ優先的に充当し、成長投資への余力を高める
※1
成長投資・債務削減 ・Net Debt/EBITDA は2024年に3倍程度を目指す
(劣後債の50%はNet Debtから除いて算出)
※2
・配当性向 35%程度を目途とした安定的な増配
株主還元
(配当性向は2025年までに40%を目指す)
※1 Net Debt/EBITDA(EBITDA純有利子負債倍率)=(金融債務-現預金)/EBITDA
※2 配当性向は、親会社の所有者に帰属する当期利益から事業ポートフォリオ再構築及び減損損失などに係る
一時的な損益(税金費用控除後)を控除して算出しております。
(4)対処すべき課題
中長期的な外部環境としては、テクノロジーの発展が人類に新たな技術力と自由な時間を与え、気候変動・資源
不足といった地球規模の課題を抱える中、社会・経済だけではなく人類の幸福(Well-being)のあり方も変化して
いくものと想定されます。
そうしたメガトレンドを踏まえて更新した『中長期経営方針』に基づき、各地域統括会社は、既存事業の持続的
成長に加えて、その事業基盤を活かした周辺領域や新規事業・サービスを拡大していきます。さらに、サステナビ
リティと経営の統合などコア戦略の一層の強化により、グループ全体で企業価値の向上に努めていきます。
<地域統括会社の中期重点戦略>
[日本]
① 変化を先読みする商品ポートフォリオ最適化とシナジー創出による日本事業のポテンシャル拡大
② ニーズの多様化に対応したスマートドリンキングなどの推進、高付加価値型サービスの創造
③ カーボンニュートラルなど社会課題の事業による解決、日本全体でのサプライチェーン最適化
[欧州]
① グローバル5ブランドの拡大と強いローカルブランドを軸としたプレミアム戦略の強化
② ノンアルコールビールやクラフトビール、RTDなど高付加価値商品を軸とした成長の加速
③ 再生エネルギーの積極活用や循環可能な容器包装の展開など環境負荷低減施策の推進
[オセアニア]
① 酒類と飲料を融合したマルチビバレッジ戦略の推進、統合シナジーの創出
② BACなど成長領域でのイノベーションの推進、健康・Well-beingカテゴリーの強化
③ 新容器・包装形態などサステナビリティを重視した新価値提案、SCM改革の推進
[東南アジア]
① マレーシアの持続成長と自社ブランドの強化など、域内6億人超の成長市場での基盤拡大
② 植物由来商品など新セグメントの拡大による最適なプレミアムポートフォリオの構築
③ 環境配慮型容器の展開などによる持続可能性の確保や原材料調達での地域社会との共創
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2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1)サステナビリティ
アサヒグループは『中長期経営方針』のコア戦略のひとつに、「サステナビリティと経営の統合による社会・事
業のプラスインパクトの創出、社会課題解決」を掲げています。その実現に向けてサステナビリティ・ガバナンス
体制の実効性を高めるとともに、マテリアリティに基づいた取り組みを推進しています。
①ガバナンス
[サステナビリティ・ガバナンス]
アサヒグループでは取締役会の諮問機関として、取締役会のモニタリング体制の強化を目的とした「サステナビ
リティ委員会」を2023年12月に設置しました。社外取締役2名及び代表取締役社長兼Group CEOを含む社内取締役
2名で構成し、委員長は代表取締役社長兼Group CEOが務め、諮問・討議事項により、外部有識者を都度招へいし
ます。
また、執行側においてはアサヒグループホールディングス(株)の代表取締役社長兼Group CEOが委員長となる
「グローバルサステナビリティ委員会」を設置して、サステナビリティ推進を包含したコーポレート・ガバナンス
体制を構築しています。
「グローバルサステナビリティ委員会」で決定した内容は、「サステナビリティ実行会議」「サステナビリティ
タスクフォース」を通じてグループ全体の戦略として落とし込む仕組みになっており、グループ一体となってサス
テナビリティを推進する体制を組んでいます。
組織体 役割 構成 開催頻度
委員長:
アサヒグループホールディングス
●専門的な見地から、サステナ
(株)代表取締役社長 兼 Group CEO
ビリティと経営の統合のさら
サステナビリティ
委員:
なる推進、サステナビリティ 年2回
委員会
●アサヒグループホールディングス(株)
に関する重要なテーマについ
社内取締役 1名
て取締役会に提言
●アサヒグループホールディングス(株)
社外取締役 2名
委員長:
アサヒグループホールディングス(株)
●グループのサステナビリティ
代表取締役社長 兼 Group CEO
グローバル 方針の策定
委員:
サステナビリティ ●サステナビリティ戦略の決定 年1回
●アサヒグループホールディングス(株)
委員会 ●サステナビリティに関する投
サステナビリティ担当役員・関係部門 Head
資判断
●Regional Headquarters CEO、
サステナビリティ担当役員
議長:
●グローバルサステナビリティ
アサヒグループホールディングス(株)
委員会で決定された戦略の、
Sustainability 部門 Head
サステナビリティ
Regional Headquarters(地
年2回
実行会議 メンバー:
域統括会社)・事業会社への
●Regional Headquarters
落とし込みの具体化
サステナビリティ担当役員・関係部門 Head
リーダー:
アサヒグループホールディングス(株)
Sustainability 部門・関連機能部門
サステナビリティ 各マテリアリティ担当者
●各マテリアリティの具体的検
タスクフォース メンバー: 適宜開催
討及び推進
(各マテリアリティ) ●アサヒグループホールディングス(株)
各マテリアリティ担当者、関係部署担当者
●Regional Headquarters
各マテリアリティ担当者
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2022年の開催実績
組織体 開催月 主な議題
●コミュニティ戦略に関する討議と決議
グローバルサステナビリティ委員会 11月
●責任ある飲酒 取り組みの方向性に関する討議
●2021年12月のグローバルサステナビリティ委員会で決
議した「PETボトル環境配慮素材100%達成」について
3月
の、2030年までのロードマップ
サステナビリティ実行会議
●重点方針実現に向けた議論
●コミュニティ戦略に関する討議
9月
●重点方針の実現に向けた進捗の共有
●「アサヒカーボンゼロ」目標設定に関する議論
※
6、7、11月 ●コミュニティ戦略、目標に関する討議
サステナビリティリーダー会議
●エンゲージメントの共有など
●「気候変動、プラスチック問題などへの取り組みに関
環境 4、7、10月 する議論
●2022年計画の進捗の共有など
サステナビリティタスク ●グローバル共通で行うコミュニティ支援に関する議論
コミュニティ 4、6、9月
フォース ●コミュニティ戦略に関する議論など
●グローバルトレンドの共有
2、4、6、
責任ある飲酒 ●グローバル目標設定や達成に向けた議論
8、10、12月
●各地域取り組み事例の共有など
※サステナビリティ実行会議の議論を補完するために実施
[取締役会におけるサステナビリティの議論]
アサヒグループでは、『中長期経営方針』のコア戦略に位置付けられているサステナビリティ戦略について、取
締役会においても重点的に議論を行っています。「グローバルサステナビリティ委員会」で議論した戦略や目標値
は経営戦略会議(現 Corporate Management Board)で審議し、取締役会に報告してモニタリングされています。ま
た、各Regional Headquarters(以下、RHQ)のCEOが毎年2回、各地域でのサステナビリティに関する具体的な取
り組みや進捗について、取締役会に報告しています。
サステナビリティに関する直近の取締役会報告内容
議題 内容
2023年3月 TCFD提言への取り組み シナリオ分析で特定されたリスクと機会、取り組み強化に向けた課題
サステナビリティと経営の統合に向けた、[戦略][計画][管理]
2023年7月 サステナビリティと経営の統合
[エンゲージメント][ガバナンス]における主な内容と今後の課題
2023年12月 アサヒグループ人権方針の改定 全社取り組み強化に向けた、人権方針の改定
2023年12月 サステナビリティ委員会の設置 取締役会のモニタリング体制強化に向けた、サステナビリティ委員会設置
2024年1月 TCFD/TNFD開示 TCFD/TFNDを統一したシナリオ分析結果と開示内容
[取締役会のサステナビリティスキル・能力]
アサヒグループホールディングス(株)は「取締役会スキルマトリックス」に照らし、豊富な経験、高い見識、
高度な専門性・能力を有する人物により取締役会を構成することとしています。
「取締役会スキルマトリックス」は、役員に求める要件をグループ理念“Asahi Group Philosophy”(以下、
AGP)や経営戦略などから導いて策定したもので、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に必要な取締役会全
体としての知識・経験・能力のバランス、多様性を確保することを目的としています。この中では意思決定スキル
として「サステナビリティ」も設定しており、「事業を通じた社会インパクト創出をリードするスキル」「ESGの
知識と見識に基づき経営を方向付けるスキル」と定義しています。具体的には、サステナビリティの重点テーマで
ある「気候変動への対応」「持続可能な容器包装」「人と人とのつながりの創出による持続可能なコミュニティの
実現」などの監督経験があることや、「不適切飲酒の撲滅」「新たな飲用機会の創出によるアルコール関連問題の
解決」への対応を踏まえ酒類事業の経験があることなどを指しています。
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取締役会スキルマトリックス
意思決定スキル 監督スキル
シニア
サステナ リスク・
長期戦略 グローバル 非連続成長 リーダー 財務 人材・文化
ビリティ ガバナンス
シップ
小路 明善 〇 〇 〇 〇 〇 〇
勝木 敦志 〇 〇 〇 〇 〇 〇
谷村 圭造 〇 〇 〇 〇
﨑田 薫 〇 〇 〇 〇
クリスティーナ・
〇 〇 〇 〇
アメージャン
佐々江 賢一郎 〇 〇 〇 〇
大橋 徹二 〇 〇 〇 〇 〇
松永 真理 〇 〇 〇 〇
西中 直子 〇 〇 〇 〇
佐藤 千佳 〇 〇 〇 〇
メラニー・ブロック 〇 〇 〇 〇
*「取締役会スキルマトリックス」は各取締役の役割に照らして発揮が期待されるスキルを記載しており、各取締役が
保有するすべての知見・経験を表すものではありません。
「取締役会スキルマトリックス」に定めるスキルの定義
スキル 定義
●長期あるいは超長期の社会の変化を洞察するスキル
長期戦略
●洞察した将来をバックキャストして戦略に導くスキル
●グローバルの視点・視座で意思決定を行うスキル
グローバル
●ローカルとグローバルを融合し最適化するスキル
意思決定スキル
●事業を通じた社会インパクト創出をリードするスキル
サステナビリティ
●ESGの知識と見識に基づき経営を方向付けるスキル
●事業構造や稼ぐモデルを変革するスキル
非連続成長
●イノベーションを促し、新規領域を探索するスキル
●的確な執行状況の把握と課題提起するスキル
シニアリーダーシップ
●リーダーシップチームの業務遂行を評価するスキル
●業績・経営指標から経営状況を把握し課題提起するスキル
財務
●資源配分の状況を把握し課題提起するスキル
監督スキル
●リスクコントロール状況を把握し課題提起するスキル
リスク・ガバナンス
●執行ガバナンスの状況を把握し課題提起するスキル
●多様な人材の能力発揮の状況を評価するスキル
人材・文化
●企業文化の状況を把握し課題提起するスキル
[役員報酬への社会的価値指標(サステナビリティ指標)の組み込み]
アサヒグループホールディングス(株)は、取締役の報酬がAGPの実現やサステナビリティと経営の統合などに
向けたインセンティブとして機能するよう設計しています。取締役の報酬はあらかじめ株主総会で決議された総額
の範囲内で取締役会の決議により決定されており、決議の際は報酬委員会で内容を検討したうえで、透明性及び客
観性を高めて公正なプロセスで決定しています。報酬委員会は取締役会の諮問機関として社外取締役が委員長を務
めるとともに過半数が社外取締役で構成されており、公正な判断を保証するため、必要に応じて外部の客観的デー
タを活用しています。
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取締役の報酬は、社内取締役は基本報酬と賞与(年次・中期)及び株式報酬で構成し、社外取締役は基本報酬の
みとしています。社内取締役の賞与のうち3年ごとに支給される中期賞与は、業績指標のうち40%が社会的価値指
標によって決定されます。サステナビリティ戦略における重点方針及び事業・社会への影響を踏まえ、グループと
して取り組むべき領域を選定して社会的価値指標としています。具体的には、サステナビリティ戦略の5つの重点
テーマと、『中長期経営方針』で戦略基盤強化として位置付けている「人的資本の高度化」において取り組んでい
る「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」の5領域を選定しています(マテリアリティ「責任ある飲
酒」に紐づく2つの重点テーマは1領域として設定)。
これらの各指標は中期計画KPIと連動しており、領域に応じてウェイトを設定しています。ウェイトを考慮し、
目標達成度合いに応じて50~150%の範囲で、各指標の進捗及び達成状況を総合的に評価して決定します。
具体的な中期賞与の算定方法については、「 第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等
(4)役員の報酬等 5) 変動報酬 」をご参照ください。
②戦略
アサヒグループは、事業成長と社会価値の創出の最大化を目指して、バリューチェーン全体で人々のサステナブ
ルな生活を実現することを重点方針として定めています。また、経営課題として取り組む領域を特定したマテリア
リティ・取り組みテーマを設定し、適切で実効性のある取り組みにつなげています。
③リスク管理
[リスクマネジメント体制]
アサヒグループは、グループ全体を対象に、エンタープライズリスクマネジメント(ERM)を導入しています。
ERMには、サステナビリティ関連のリスクも含んでおり、詳細については、「 第2 事業の状況 3 事業等のリ
スク 」をご参照ください。
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④指標及び目標
[2023年指標・目標]
SDGs
(貢献できる
テーマ 対象組織 指標・目標(2023年現在)
ゴール・ター
ゲット)
2040年までに、Scope1,2,3においてCO2排出量
グループ全体(共通)
ネットゼロを達成する(排出量の削減が90%以
(AB、ASD、AGS、
※1 ※2
AEI、AHA、AHSEA)
上、炭素除去 は最大10%)
グループ全体(平均)
2030年までに、Scope1,2においてCO2排出量を
(AGJ、AEI、AHA、
70%削減する(2019年比)
AHSEA)
グループ全体(平均)
2030年までに、Scope3においてCO2排出量を30%
(AB、ASD、AGS、
削減する(2019年比)
AEI、AHA、AHSEA)
グループ全体(平均)
2025年までに、Scope1,2においてCO2排出量を
(AGJ、AEI、AHA、
40%削減する(2019年比)
AHSEA)
気候変動への 7.2/7.3/
2025年までに、全生産拠点の購入電力を100%再
AGJ
対応 13.1/13.2
生可能エネルギーにする
AGJ CO2排出量を毎年前年比1%以上削減する
2030年までに、生産拠点におけるカーボンニュー
AEI
トラルを実現する
2025年までに、生産拠点において使用する電力を
AEI
100%再生可能エネルギーにする
2025年までに、Scope1,2においてCO2排出量を
AHA
50%削減する(2019年比)
2025年までに、購入電力の100%を再生可能エネ
AHA
環境
ルギーにする
2030年までに、Scope1,2においてCO2排出量を
AHSEA
50%削減する(2019年比)
グループ全体(共通)
※3
2025年までに、プラスチック容器 を100%有効
(AB、ASD、AEI、
※4 ※2
利用可能 な素材とする
AHA、AHSEA)
グループ全体(共通)
2030年までに、PETボトルを100%リサイクル素
(ASD、AEI、AHA、
※2
材、バイオ由来の素材等に切り替える
AHSEA)
プラスチックに替わる持続可能な新素材の開発・
グループ全体
プラスチック容器包装を利用しない販売方法を推
(共通)
※2
進する
持続可能な 「ラベルレス商品」の売上目標(2023年前年比: 12.4/12.5/
AGJ
容器包装 117%)を達成する(対象:アサヒ飲料(株)) 14.1
2030年までに、容器及び二次包装を、リユースま
AEI たはリサイクル可能で、主にリサイクル材料から
作られた素材とする
2030年までに、プラスチック使用量を25%削減す
AEI
る(2019年比)
2030年までに、びんとアルミ缶におけるリサイク
AHA
ル素材の使用率を50%以上にする
2025年までに、PETボトルにリサイクル素材を
AHSEA
30%使用する
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SDGs
(貢献できる
テーマ 対象組織 指標・目標(2023年現在)
ゴール・ター
ゲット)
※5
グループ全体(共通) 2030年までに大麦とコーヒーについて、認証
(AB、ASD、AGS、 を活用して、100%持続可能に生産された原料の
※2
AEI、AHA、AHSEA)
調達を実現する
2030年までに5原料(コーヒー、サトウキビ、
パーム油、カカオ、茶)の農園レベルの人権
グループ全体(共通)
持続可能な
デューデリジェンス実施により、原料生産地の人
(AB、ASD、AGS、
農産物原料
権リスクを低減し、持続可能に生産された原料を
AEI、AHA、AHSEA)
※2
調達する
2023年RSPO認証パーム油(Book & Claim認証方
AGJ 2.4/12.2
式)の購入量1,900トンを達成する
(購入見込み総量の50%)
2030年までに水使用量の原単位をグローバル平均
グループ全体(平均)
3 ※6
(AB、ASD、AEI、 3.2m /kl以下、優先流域の主要な生産拠点 では
3 ※2
AHA、AHSEA)
平均2.7m /kl以下にする
環境
2030年までに、欧州におけるビール1Lあたりの
水の消費量を2.75Lにする
AEI
すべての醸造所で1Lのビールを醸造するために
持続可能な
6.4/6.6
使用する水の量を3L未満にする
水資源
2030年までに、主要生産拠点における製品1Lあ
AHA
たりの水の使用量を2.19Lにする
※7
2030年までに水リスクの高い地域 にある生産
※8
グループ全体(共通)
拠点100%で、流域の各課題 改善に貢献する取
※2
り組みを実施する
グループ全体(共通)
2030年までに、自社生産拠点の埋立廃棄ゼロを達
(AGJ、AEI、AHA、
その他環境の 2.4/12.2/
成する
AHSEA)
取り組み 12.5
AGJ 副産物、廃棄物再資源化比率100%を継続する
基本活動「コミュニティ支援活動」において、グ
ローバル施策「RE:CONNECTION for the EARTH」
グループ全体(共通)
人と人との
を実施し、全RHQが参画する
つながりの創出
コミュ 2.4/11.a/
による持続可能
地域環境に関するグループ横断型コミュニティ支
ニティ 17.16/17.17
AGJ
なコミュニティ
援施策を年2回実施する
の実現
各ビジネスユニットでコミュニティプログラムを
AHSEA
年2回実施する
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SDGs
(貢献できる
テーマ 対象組織 指標・目標(2023年現在)
ゴール・ター
ゲット)
グループ全体(共通) 2023年までに従業員の研修参加率100%(2021年
(AGJ、AEI、AHA) 以降で1回以上)を達成する
2024年までに「IARDデジタルガイドライン」への
グループ全体(共通)
不適切飲酒の 対応率100%を達成する
撲滅
2024年までに、すべてのアルコール飲料ブランド
責任ある
(そのブランドで販売されるノンアルコール飲料
3.5
グループ全体(共通)
飲酒
を含む)の商品に、飲酒の年齢制限に関する表示
をする
新たな飲用機会
※9
2030年までに主要な酒類商品 に占めるノンア
の創出による
グループ全体(平均) ルコール飲料・低アルコール飲料の販売量構成比
アルコール関連
※2
20%以上を達成する
問題の解決
特保・機能性・ヘルスケア商品の売上目標を達成
AGJ
※10
する
健康価値を訴求する小容量シリーズの売上目標を
健康 健康価値の創造 3.2/3.4
AGJ
※11
達成する
100ml当たり砂糖の使用量5g以下の商品の構成
AHSEA
比70%以上を継続する
※12
2030年までに自社従業員 と直接材一次サプラ
※13
8.5/8.7/
イヤー の100%で人権デューデリジェンスを実
人権 人権の尊重 AGH
8.8/10.2
施し、各事業会社・機能部門が継続的にPDCAをモ
※2
ニタリングできる状態にする
持続可能なサプ 「アサヒグループサプライヤー行動規範」につい
2.3/2.4/
ライチェーンの AGH て、コミットメント高度化のため見直しを行い
12.6/12.7
実現 2023年中に改正案を決定する
その他
※14
グループ全体(共通)
諸課題
品質事故 ゼロを実現する
食の安全・安心 3.2/3.4
2024年までにすべての工場でFSSC 22000認証を取
AHSEA
得する
*略称で記載している会社の正式名称は以下のとおりです。
AGH:アサヒグループホールディングス(株)
AGJ:アサヒグループジャパン(株)
AB :アサヒビール(株)
ASD:アサヒ飲料(株)
AGS:アサヒグループ食品(株)
AEI:アサヒヨーロッパアンドインターナショナル
AHA:アサヒホールディングスオーストラリア
AHSEA:アサヒホールディングスサウスイーストアジア
※1.炭素除去:SBTイニシアチブに準拠し、ネットゼロ目標時点における残余排出量、及びそれ以降に大気中に放出され
るすべてのCO2排出量について、大気中から炭素を除去し、永続的に貯蔵することで中和する
※2.2024年に目標として新設または目標・文言改訂
※3.対象とするプラスチック容器:PETボトル、プラボトル、PETボトル・プラボトルに使用する一部のキャップ、プラ
カップ(販売用)など
※4.有効利用:リユース可能、リサイクル可能(研究段階でのリサイクル可能性を含む)、堆肥化可能、熱回収可能など
※5.原料ごとに活用する認証・基準を2024年に最終化する
※6.優先流域の生産拠点は水リスク評価ツール(Aqueduct, Water Risk Filter, Integrated Biodiversity Assessment
Tool(IBAT))の結果及び各生産拠点で行っている水リスク詳細調査に基づき選定(対象:9生産拠点)
※7.水リスクの高い地域とは水量、水質、Water Sanitation and Hygiene(WASH)等に関するリスクのある流域または世界
的に認知されている流域(例えばCEO Water Mandate priority basins)を加味し、選定(対象:7製造生産拠点)
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※8.流域課題は、水量、水質、Water Sanitation and Hygiene(WASH)などに関するリスク含む各流域固有の課題
※9.主要な酒類商品:ビール類、RTD、ノンアルコール飲料(ノンアルコールのアルコールテイスト(風味)飲料)
※10.対象商品:『カラダカルピス® BIO(ビオ)』『アサヒ 十六茶 糖と脂肪にはたらく』など
※11.対象商品:『届く強さの乳酸菌』『守る働く乳酸菌』など
※12.ディストリビューターを通じた輸出事業を除く事業展開国
※13.原材料・包装資材の10万米ドル以上の既存サプライヤー
※14.品質事故:GRIスタンダード416-2、及び417-2にて示された関連規制及び自主的規範の違反などを理由とした新聞社
告または自社Webサイトにて告知した商品回収の事例
[取り組み進捗状況(2022年)]
2022年の取り組み状況は以下のとおりです。サステナビリティ推進体制のもと、未達の項目についてはその原因を把
握し、達成に向けて推進していきます。
テーマ 対象組織 指標・目標(2022年現在) 2022年実績
2050年までに、Scope1,2,3にお
グループ全体(共通)
いてCO2排出量をゼロとし、 Scope1,2,3の排出量:8,914千
(AB、ASD、AEI、
カーボンニュートラルを実現す t-CO2
AHA、AHSEA)
る
グループ全体(平均) 2030年までに、Scope1,2におい
Scope1,2の排出量:686千t-
(AGJ、AEI、AHA、 てCO2排出量を70%削減する
CO2、2019年比30%削減
AHSEA) (2019年比)
グループ全体(平均) 2030年までに、Scope3において
Scope3の排出量:8,328千t-
(AB、ASD、AEI、 CO2排出量を30%削減する
CO2、2019年比5%削減
AHA、AHSEA) (2019年比)
2025年までに、全生産拠点の購
生産拠点における購入電力の再
AGJ 入電力を100%再生可能エネル
生可能エネルギー比率:83%
ギーにする
CO2排出量を毎年前年比1%以 Scope1,2の排出量:341千t-
AGJ
上削減する CO2、前年比15%削減
気候変動への
2030年までに、生産拠点におけ 生産拠点におけるScope1,2の排
対応
AEI るカーボンニュートラルを実現 出量:139千t-CO2、2019年比
する 54%削減
2025年までに、生産拠点におい
環境
生産拠点における使用電力の再
AEI て使用する電力を100%再生可
生可能エネルギー比率:65%
能エネルギーにする
2025年までに、Scope1,2におい
Scope1,2の排出量:168千t-
AHA てCO2排出量を50%削減する
CO2、2019年比11%増加
(2019年比)
2025年までに、豪州とニュー
豪州とニュージーランドにおけ
ジーランドにおいて使用する電
AHA る使用電力の再生可能エネル
力を100%再生可能エネルギー
ギー比率:9%
にする
2030年までに、Scope1,2におい
Scope1,2の排出量:38千t-
AHSEA てCO2排出量を20%削減する
CO2、2019年比29%削減
(2019年比)
2025年までに、プラスチック容
グループ全体(共通) 有効利用可能な素材の比率:
※1
(AB、ASD、AHA、 99%(事業国により、有効利用
器を100%有効利用 可能な素
AHSEA) の考え方が異なる)
材とする
持続可能な
容器包装
2030年までに、PETボトルを
グループ全体(共通)
※2
(ASD、AEI、AHA、 環境配慮素材の比率:21%
100%環境配慮素材 に切り替
AHSEA)
える
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テーマ 対象組織 指標・目標(2022年現在) 2022年実績
●日本でラベルレス商品の拡大
●欧州・豪州でプラスチック製
シュリンクフィルムから段
ボールへの切替えを実施
環境配慮新素材の開発・プラス
●日本のアサヒユウアス(株)
グループ全体(共通) チック容器包装を利用しない販
で、「森のタンブラー」など
売方法を検討する
のリユースカップにより、ス
ポーツ施設やイベントにおけ
る使い捨てプラスチックカッ
プを削減
「ラベルレス商品」の売上目標
(2022年前年比:109%)を達 売上目標達成率:134%(前年
持続可能な
AGJ
成する(対象:アサヒ飲料 比:149%)
容器包装
(株))
2030年までに、容器及び二次包
装を、リユースまたはリサイク リユース、またはリサイクル可
AEI
ル可能で、主にリサイクル材料 能な素材の比率:97%
から作られた素材とする
2030年までに、プラスチック使
AEI 用量を25%削減する(2019年 2019年比21%削減
比)
リサイクル素材使用率:0%
2025年までに、PETボトルにリ
AHSEA 取り組み開始に向け、社外イニ
サイクル素材を30%使用する
シアチブへの参画などを推進
2022年までに、RSPO認証パーム
持続可能な
油の購入比率50%を達成する
AGJ 購入比率:48%
農産物原料
環境
※3
(Book & Claim認証方式)
2030年までに、水使用量の適正
グループ全体(平均)
化やリサイクルシステムの拡大
3
(AB、ASD、AEI、
水使用量原単位:3.4m /kl
などにより、水使用量の原単位
AHA、AHSEA)
3
を3.2m /kl以下とする
2030年までに、欧州における
ビール1Lあたりの水の消費量
を2.75Lにする
AEI 水使用量原単位:2.92L
すべての醸造所で1Lのビール
醸造に使用する水の量を3L未
満にする
持続可能な
水資源
2030年までに、主要生産拠点に
AHA おける製品1Lあたりの水の使 水使用量原単位:2.23L
用量を2.19Lにする
グループ内の酒類、飲料の主要
水リスク調査実施拠点数:18拠
生産拠点における水リスク調査
グループ全体(共通) 点(2024年までに全主要拠点で
を定期的に(5年に1回)実施
実施予定)
する
「アサヒの森」を活用した日本 日本国内ビール工場の水使用量
AGJ 国内ビール工場のウォーター の1.1倍の水を「アサヒの森」
ニュートラルを継続する で涵養
グループ全体(共通)
2030年までに、自社生産拠点の
(AGJ、AEI、AHA、 埋立廃棄率:2%
埋立廃棄ゼロを達成する
その他環境の
AHSEA)
取り組み
副産物、廃棄物再資源化比率
AGJ 再資源化比率:100%
100%を継続する
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テーマ 対象組織 指標・目標(2022年現在) 2022年実績
●「食」「地域環境」「災害支
援」を重点領域とする
●「食」を支える基盤であり、
地域環境にも影響の大きい農
「RE:CONNECTION for the
業を未来へつなぐための「地
グループ全体(共通) 域農業支援活動」と、従業員
EARTH」を6月に実施し、全RHQ
が地域の社会課題の解決に参
が参加
画することでコミュニティの
つながりの強化を目指す「コ
人と人との
ミュニティ支援活動」を重点
つながりの創出
施策とする
コミュ
による持続可能
日本国内事業会社共通のプラッ
ニティ
コミュニティ支援活動ポータル
なコミュニティ
トフォームを立ち上げ、従業員
AGJ サイト「ぐるぐるアサヒ」を2
の実現
のコミュニティ支援活動機会を
月に開設
提供する
「地域共創」事業場オリジナル
施策実施数について、2022年の 計画8件に対して、22件実施。
AGJ
目標を達成する(対象:アサヒ 目標達成率:275%
飲料(株))
各ビジネスユニットでコミュニ
AHSEA ティプログラム(ビーチクリー 実施回数:46回
ンなど)を、年に2回実施する
2023年までに、従業員の研修参
グループ全体(共通) 2023年にグローバルで開始予定
加率100%(1回以上)を達成
(AGJ、AEI、AHA) (日本での受講率:93%)
する
2022年までに、「IARDデジタル
グループ全体(共通) ガイドライン」への対応率95% 対応率:77%
不適切飲酒の
を達成する
撲滅
2024年までに、すべてのアル
コール飲料ブランド(そのブラ グループ全体で目標達成に向け
グループ全体(共通) ンドで販売されるノンアルコー て取り組み中(日本での表示率
ル飲料を含む)の製品に、飲酒 実績:100%)
の年齢制限に関する表示をする
2025年までに、主要な酒類商品
責任ある
※4
飲酒
に占めるノンアルコール飲
グループ全体(平均) 販売量構成比:10%
料・低アルコール飲料の販売量
構成比15%以上を達成する
2025年までに、ノンアルコール
新たな飲用機会
AGJ 飲料・低アルコール飲料の販売 販売量構成比:8%
の創出による
量構成比20%を達成
アルコール関連
2030年までに、ノンアルコール
問題の解決
AEI 飲料の販売量構成比20%を達成 販売量構成比:6%
する
2025年までに、ノンアルコール
AHA 飲料・低アルコール飲料の販売 販売量構成比:27%
量構成比30%を達成する
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テーマ 対象組織 指標・目標(2022年現在) 2022年実績
特保・機能性・ヘルスケア商品
売上目標達成率:99%(前年
AGJ
※5
比:113%)
の売上目標を達成する
売上目標達成率:110%(前年
健康 健康価値の創造
健康価値を訴求する100mlシ
比:145%)
※
AGJ
リーズの売上目標を達成する
(2022年に、200mlシリーズを
6
発売)
目標に対して計画どおり進捗。
2022年は、前年に引き続き、サ
プライヤーCSR質問表の結果を
踏まえた一次サプライヤーへの
2022年までに、サプライヤーに オンラインによる取り組み状況
AGH おける人権デューデリジェンス のヒアリング実施。現代奴隷リ
プロセスを一巡させる スク分析により高リスクと判断
人権 人権の尊重
した農作物栽培地域において、
関連するステークホルダーや
NGOへのインタビュー調査、デ
スクリサーチを実施
従業員に対する人権研修を年2
AGH 実施回数:2回
回実施する
持続可能なサプ サプライヤーCSR質問表実施後
実施回数:9件(オンラインで
ライチェーンの AGH の現地インタビューを、年間12
実施)
実現 件実施する
その他
※7
グループ全体(共通) 品質事故:1件
品質事故 ゼロを実現する
諸課題
食の安全・安心
2024年までに、すべての工場で
AHSEA 4工場のうち3工場で取得
※8
FSSC 22000認証を取得する
*略称で記載している会社の正式名称は以下のとおりです。
AGH:アサヒグループホールディングス(株)
AGJ:アサヒグループジャパン(株)
AB :アサヒビール(株)
ASD:アサヒ飲料(株)
AEI:アサヒヨーロッパアンドインターナショナル
AHA:アサヒホールディングスオーストラリア
AHSEA:アサヒホールディングスサウスイーストアジア
※1.有効利用:リユース可能、リサイクル可能、堆肥化可能、熱回収可能など
※2.環境配慮素材:リサイクル素材、バイオマス素材など
※3.2021年に実績算出方法を見直した
※4.ビール類、RTD、ノンアルコール飲料(ノンアルコールのアルコールテイスト(風味)飲料)
®
※5.対象商品:『カラダカルピス BIO(ビオ)』『アサヒ 十六茶 糖と脂肪にはたらく』
※6.対象商品:『届く強さの乳酸菌』『守る働く乳酸菌』など
※7.品質事故:GRIスタンダード416-2、及び417-2にて示された関連規制及び自主的規範の違反などを理由とした新聞社
告または自社Webサイトにて告知した商品回収の事例
※8.2022年に目標を見直した
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(2)その他の項目
a.気候変動への対応
地球温暖化による気候変動は、干ばつや洪水といった異常気象の激化を引き起こし、世界中の人々の生活や多
様な生態系に大きな影響を与えています。気候変動による生態系への被害は年々激化しており、社会全体の脱炭
素化の実現が叫ばれています。そのため、「自然の恵み」を享受して事業を行うアサヒグループにとって、気候
変動問題への対策は重要な課題と認識しています。アサヒグループは大切な「自然の恵み」を地球温暖化から守
り、次世代につなげるために、事業の脱炭素化を実現しなくてはいけません。
アサヒグループは、2024年にScope1,2,3の中長期脱炭素目標「アサヒカーボンゼロ」を10年前倒しして、2040
年にCO2排出量ネットゼロを目指しています。また、事業の枠を超えた社会全体におけるカーボン排出量削減に
貢献するありたい姿「Beyondカーボンニュートラル」を掲げ、達成に向けてさまざまな取り組みを積極的に推進
しています。
アサヒグループは、気候変動を看過できない事業上のリスクとして認識しています。これまで、シナリオ分析
を通じて気候変動の自社への将来影響を分析してきた結果、炭素税が導入された場合、2030年に90億円、2050年
に153億円製造コスト上昇の影響があると試算しました(2022年時分析)。しかし、「アサヒカーボンゼロ」に
取り組むことで、2030年に62億円、2050年に153億円の削減効果があると見込んでいます(2022年時分析)。さ
らに、アサヒグループがバリューチェーン全体のCO2排出量を削減することで、気候変動の緩和に貢献します。
気候変動への対応は、アサヒグループにとって製造方法の抜本的な見直しや新技術の実証試験を加速させ、コ
スト競争力向上とさらなる効率化を推進させる機会になるとも捉えています。また、「ラベルレス商品」等を販
売することで、脱炭素社会への移行に貢献し、新たな事業機会を生み出すことができると考えています。
アサヒグループは、今後、事業に関わるすべての活動(Scope1,2,3)において脱炭素を実現し、さらにCO2排
出量削減、吸収、回収などの技術を開発・展開することで「アサヒグループ環境ビジョン2050」で定めた2050年
の世界のありたい姿である「事業の枠を超えた社会全体におけるカーボン排出量が削減され、生物多様性が保全
された世界」を目指し、取り組みを加速させていきます。
①ガバナンス
アサヒグループは、アサヒグループホールディングス(株)の代表取締役社長兼Group CEOが委員長を務める
グローバルサステナビリティ委員会で、グループ全体の環境を含むサステナビリティ課題に対して取り組む体制
を構築しています。環境マネジメントの対象は、アサヒグループジャパン(株)、アサヒヨーロッパアンドイン
ターナショナル、アサヒホールディングスオーストラリア、アサヒホールディングスサウスイーストアジアで
す。日本では、アサヒグループジャパン(株)社長をトップマネジメントとした「グループ環境会議」やISO
14001グループ統合認証「ISO事務局連絡会」を組織し、「アサヒグループ環境ビジョン2050」達成に向けた目標
策定及び環境活動の進捗把握・評価を行っています。
②戦略
アサヒグループは、2040年までにCO2排出量ネットゼロを目指す中長期目標「アサヒカーボンゼロ」を設定し
ています。また、バリューチェーンを越えて社会全体のカーボン排出量削減に貢献できるよう「Beyondカーボン
ニュートラル」の目標を掲げています。この2つの目標実現のため、多岐にわたる取り組みを積極的に進めてい
ます。また、2019年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、シナリオ分析
を通じて、気候変動へ対応した事業戦略の策定も進めています。
<「アサヒカーボンゼロ」への取り組み>
アサヒグループは、気候変動への中長期目標「アサヒカーボンゼロ」を設定しています。「アサヒカーボン
ゼロ」は、2040年にScope1,2及びScope3にてCO2排出量ネットゼロを目指すものであり、2030年にScope1,2に
おいて70%削減、Scope3において30%削減を目標とするものです。さらに、Scope1,2は2025年までに40%削減
する中間目標を設定しました。また、「Beyondカーボンニュートラル」では、バリューチェーンを超えた社会
全体のカーボン排出量削減を目指します。
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Scope1,2におけるCO2排出量削減のため、事業場の設備を中心に省エネ化と電化を進め、使用するエネル
ギー全体における熱および燃料の利用割合を削減します。また2030年までに脱炭素関連施策に500億円以上を
投資し、自社内での再エネ化の早期導入完了を目指します。さらに、再生可能エネルギーの活用については、
2020年10月に日本国内飲料業界としては初となるRE100に加盟し、2040年までに使用する電力全てを再生可能
エネルギーにすることを目指しています。Scope3におけるCO2排出量削減については、全体の80%以上を占め
る「原料・資材」「輸送(上流・下流)」由来のCO2排出を優先領域と定めて削減を進めます。具体的には、
原料・資材においてはアルミ缶・PETボトルなどの容器包装の軽量化やリサイクル素材の活用を推進し、量と
質の両面から取り組みを進めます。輸送においては、実証実験中の燃料電池トラックなどCO2排出量の少ない
輸送手段を導入します。また、サプライヤーの皆様やパートナーと協働し、バリューチェーンのCO2削減と生
態系保全の両立を目指します。
アサヒグループとして、科学的な根拠に基づく脱炭素目標設定の重要性を認識しています。そのため、「ア
サヒカーボンゼロ」は、SBT(Science Based Targets)イニシアチブと呼ばれる、脱炭素目標が科学的な根拠
と整合しているかを認定する国際的なイニシアチブに認定を申請しました。その結果、2030年のScope1,2目標
において「1.5℃目標」、Scope3目標において「2℃目標」の認定を取得しています。2040年までにCO2排出量
ネットゼロを目指す中長期目標についてもSBTイニシアチブからの認証取得に向けて取り組んでいます。
<TCFD提言への取り組み>
アサヒグループは、気候変動によるリスクと機会に関連する事業インパクトの評価及び対応策の立案が、持
続可能な社会の実現及び事業の持続可能性に不可欠であると認識し、「気候関連財務情報開示タスクフォース
(TCFD)」提言への賛同を表明しています。
③リスク管理
アサヒグループは、地球温暖化により、気候の変化や、異常気象が起こることによって、アサヒグループの事
業継続が難しくなるとともに社会へさまざまな悪影響を及ぼすことをリスクと捉えています。
これらのリスクについては、グループ全体で実施しているエンタープライズリスクマネジメント(ERM)体制
下において代表取締役社長兼Group CEOが委員長を務めるリスクマネジメント委員会が管理すべき主要リスクと
位置付け、リスク評価、対応計画の策定・実行・モニタリングを継続的に実施しています。
④指標及び目標
「 (1)サステナビリティ ④指標及び目標 」をご参照ください。
b.持続可能な容器包装
容器包装は、お客様に価値ある商品を提供する上で重要な役割を担っています。品質保持や輸送強度を担保す
るとともに、デザインや表示によりコミュニケーション手段としての機能を果たすほか、使用段階での使いやす
さ、原料資源の持続可能性が求められています。一方で、不適切に廃棄されたプラスチック製の容器包装によ
る、海洋汚染や生態系への影響が、喫緊の社会課題となっています。
アサヒグループは、「アサヒグループ環境ビジョン2050」において、容器包装の領域における2050年の世界の
ありたい姿を「容器包装廃棄物のない社会」と定義しました。具体的には、「使用される容器包装の資源利用最
小化と、使用後の容器包装再利用化による循環型社会の構築への貢献によって、海洋生態系が保全された世界」
を目指しています。
アサヒグループは、環境に配慮されていない容器包装への規制や、リサイクル素材やバイオ由来の素材に対す
る需要増加による調達やコストへの影響を想定しています。炭素税が導入された場合、PETボトルをはじめとす
る代表的な容器への価格転嫁による影響は、2030年が376億円、2050年が728億円と試算しています(2022年時分
析)。また、プラスチックを消費者が敬遠することによって売上が減少するリスクがある一方、リサイクル素材
やバイオ由来の素材の積極的な使用は、環境に配慮された商品を買いたいというお客様のニーズに応え、売上が
拡大することにもつながります。
容器包装にリサイクル素材やバイオ由来の素材を使用することは、化石由来原料の使用量とCO2排出量の削減
につながり、気候変動問題への対応にも寄与します。また、リサイクルのバリューチェーンの一端を担い、リサ
イクル素材の導入や品質の向上、需給の安定化に努めることで、長期的には廃棄物発生をなくし、資源が循環す
る社会の構築に貢献します。
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①ガバナンス
「 (2)その他の項目 a.気候変動への対応 ①ガバナンス 」をご参照ください。
②戦略
アサヒグループは、環境に配慮されていない容器包装への規制や、リサイクル素材やバイオ由来の素材に対す
る需要増加による調達やコストへの影響を想定しており、そのリスク軽減に取り組む重要性を認識しています。
一方、容器包装において環境に配慮した素材を使用することは、循環型社会の構築及び化石由来原料の使用量と
CO2排出量の削減につながると考えています。
アサヒグループは、「アサヒグループ環境ビジョン2050」において2050年の世界のありたい姿として掲げた
「容器包装廃棄物のない社会」の実現に向けて、アサヒググループの全ての容器包装(三次包装まで)の資源を
循環させて、容器包装廃棄物を出さないことを目指します。「3R+Innovation」目標のもと推進してきたプラス
チックの課題への対応を継続し、2030年までにPETボトルを100%リサイクル素材、バイオ由来の素材等に切り替
えることを目標とします。また、リデュースの取り組みや、環境に配慮した新容器の開発にも取り組んでいきま
す。
上記に加えて、缶、びん、樽、紙などその他の容器包装資材についても、3Rの観点から省資源・軽量化・リサ
イクル性向上に努めます。
③リスク管理
アサヒグループは、不適切に廃棄された容器包装により、海洋汚染や生態系への影響が出てくることによっ
て、アサヒグループの事業継続が難しくなるとともに社会へさまざまな悪影響を及ぼすことをリスクと捉えてい
ます。
これらのリスクについては、グループ全体で実施しているエンタープライズリスクマネジメント(ERM)体制
下において代表取締役社長兼Group CEOが委員長を務めるリスクマネジメント委員会が管理すべき主要リスクと
位置付け、リスク評価、対応計画の策定・実行・モニタリングを継続的に実施しています。
④指標及び目標
「 (1)サステナビリティ ④指標及び目標 」をご参照ください。
c.持続可能な農産物原料
「自然の恵み」を享受して事業活動を行う企業として、持続可能な農産物原料調達を実現することはアサヒグ
ループの事業の根幹を成しています。
一方で、農産物原料のバリューチェーンでは、人権、コミュニティ、環境の観点からさまざまな課題が起こり
えます。人権やコミュニティの観点からは、関係しているさまざまなステークホルダー(農産地から生産拠点、
市場に至るまでの農産物生産者、加工業者、輸出入業者、サプライヤーなど)に対して、人権配慮やコミュニ
ティへの貢献が欠かせません。また、環境の面では、農産物の生産、収穫、加工、物流の工程を通じてCO2を排
出し、水・土壌を利用しています。このようなバリューチェーン上の営みは、農産物生産地の近隣生態系維持に
必要な水の不足、土壌汚染等の理由による生物の生息へのインパクトといった生態系への悪影響を引き起こす可
能性があります。また気候変動により収量や品質が大きな影響を受ける作物もあります。
アサヒグループは、気候変動により農産物収量が減少することによる調達コストの増加をリスクとして想定し
ており、各事業の主要原料の将来の収量影響とともにアサヒグループへの財務影響を試算しています。21世紀末
までの平均気温が4℃程度上昇するシナリオのもとでは、コーヒー関連で26億円、トウモロコシ関連で19億円の
コスト上昇の可能性があることを特定しています(2022年時分析)。さらに、農産物原料を生産する地域が活性
化し、生産者が心身ともに健康で地域社会との繋がりを持ちつつ豊かな生活を送り、次世代に誇りをもって事業
を継承していけるよう、生産者のWell-being向上に貢献することも重要だと考えています。
アサヒグループは「アサヒグループ環境ビジョン2050」において、農産物原料の領域における2050年の世界の
ありたい姿を「命を育む持続可能な農産物原料」とし、「環境配慮、人権尊重、地域活性化が実現された農業が
行われ、安定的な生産と生態系の維持が両立した世界」と定義しました。
この実現を目指すため、環境・人権に配慮した農産物原料の調達を推進し、生産地までのトレーサビリティを
確保することを目指します。また、ビール製造工程で発生する副産物やアサヒグループの環境関連技術を活用
し、農業・酪農における環境負荷低減に貢献していきます。これからも将来にわたって農産物原料を枯渇させず
に安定して確保する取り組みを各地で進めるとともに、ステークホルダーとの共創を通じて大切な「自然の恵
み」を次世代につなげることができる「持続可能な農産物原料」の実現を目指していきます。
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①ガバナンス
「 (2)その他の項目 a.気候変動への対応 ①ガバナンス 」をご参照ください。
②戦略
2023年2月に改定した「アサヒグループ環境ビジョン2050」において、農産物原料における2050年の世界のあ
りたい姿を「命を育む持続可能な農産物原料」とし、「環境配慮、人権尊重、地域活性化が実現された農業が行
われ、安定的な生産と生態系の維持が両立した世界」と定義しました。この実現に向けて、2023年に「環境」
「コミュニティ」「人権」のマテリアリティを横断した検討チームを立ち上げ、アサヒグループホールディング
ス(株)と各Regional Headquartersのサステナビリティ・調達部門が共に戦略・中期目標・取り組みを検討
し、目標達成に向けたロードマップを策定しました。
このロードマップにおいて、アサヒグループとして初めて、グローバル全体で推進する農産物原料に関する
2030年目標を策定しました。具体的には、第一に、2030年までに大麦とコーヒーについて認証を活用して100%
持続可能に生産された原料調達を実現することです。活用する認証の選択基準や詳細なルールを2024年中に整理
し、活動を具体化します。第二に、2030年までにコーヒー、サトウキビ、パーム油、カカオ、茶の5原料につい
て、農園に対する人権デューデリジェンスを実施することで原料生産地の人権リスクを低減し、持続可能な原料
調達を進めることです。
加えて、2030年までに農産物生産者のWell-being向上を実現することを検討しています。これを実現するた
め、農産物生産者の地域コミュニティとのつながり、安定的な収量・品質などの指標について、2024年中に具体
化することを目指しています。
そのため、アサヒグループは、気候変動、水リスク、生物多様性などの環境リスクへの評価のほか、地域社会
や農園における人権リスクに対しても評価を行い、サプライヤーのリスクの現状を確認し、明らかになったリス
クへの対策を進めていきます。同時に産地のコミュニティ課題解決の支援、特に農業支援の取り組みを進めてい
きます。
また今後は2030年目標の達成に向けて、サプライヤーやより上流の農産物生産者との連携が欠かせません。グ
ローバルの調達戦略機能を集約する目的で新たに立ち上げたアサヒグローバルプロキュアメントを中心に、計画
と実行を進めていきます。そして、より長期の2050年のめざす姿の実現に向けて、継続的に戦略と目標を刷新し
ていきます。
③リスク管理
アサヒグループは、気候変動などの環境影響により、農産物原料の収量や品質に大きな影響が出ることによっ
て、アサヒグループの事業継続が難しくなるとともに、大切な「自然の恵み」としての農産物を次世代につなげ
ることができなくなることをリスクと捉えています。
これらのリスクについては、グループ全体で実施しているエンタープライズリスクマネジメント(ERM)体制
下において代表取締役社長兼Group CEOが委員長を務めるリスクマネジメント委員会が管理すべき主要リスクと
位置付け、リスク評価、対応計画の策定・実行・モニタリングを継続的に実施しています。
④指標及び目標
「 (1)サステナビリティ ④指標及び目標 」をご参照ください。
d.持続可能な水資源
世界人口の増加や開発途上国の経済成長、気候変動などにより、世界規模での水資源問題が発生しています。
世界の水需要は年々増加し、今後、さらに水不足の状態となるエリアが拡大するだけでなく、降水量の変動によ
り洪水や干ばつが増加する恐れがあります。
水は、「自然の恵み」を享受して事業を行うアサヒグループにとって、欠かすことのできない大切な資源であ
り、地球環境にとっても大切な資源です。
アサヒグループは、主要原料の生産地域について、事業への影響が大きいサプライヤー・生産地を特定し、干
ばつリスク、洪水リスク、評判リスクなどをそれぞれ特定しています。また、水害による生産拠点の操業停止を
リスクとして想定し、床上浸水による固定資産・棚卸資産(在庫)の毀損リスクの可能性のある生産拠点を5ヵ
所、毀損額が19億円と試算しています。一方、操業停止の可能性が高い生産拠点を10ヵ所と特定し、機会損失額
を67億円と試算しました(2022年時分析)。また生産工程で水資源を利用する際、水不足地域において水を過剰
に消費することは、地域住民の水アクセスの悪化や水を利用する生態系が水を得られない、生息する場所がない
などの悪影響につながる可能性があります。
水に対する課題は自社だけでは解決できませんが、共創によって各地域の水資源に起因する問題の解決に寄与
することができると考えています。
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「アサヒグループ環境ビジョン2050」で定めた2050年の世界のありたい姿である「健康、生活環境、生物多様
性が保たれる適切な水質・水量、土壌の機能が維持されており、自然災害へのレジリエンスが向上した世界」を
実現するため、各地域の水課題に対する取り組みを通じて、水リスクの大きいアサヒグループのサプライチェー
ン上(特に農産物原料の生産)で使用する水の総量以上のポジティブインパクトを地球に与えることを目指しま
す。
①ガバナンス
「 (2)その他の項目 a.気候変動への対応 ①ガバナンス 」をご参照ください。
②戦略
アサヒグループは、人と自然のための健全な水環境の実現のため、グローバル共通で「水使用量の削減」「水
リスクが大きい流域における課題改善への貢献」という目標を掲げ、取り組みを行っています。
水使用量の削減では、酒類・飲料を製造するグループ自社工場での水使用量原単位ではグローバル全体で
3.2m³/kl以下、また、優先流域の主要な生産拠点の水使用量原単位では平均で2.7m³/kl以下を目指し、水使用量
の削減のためにさまざまな取り組みを実施しています。水を扱うすべての拠点において、製造設備の洗浄工程に
おける水使用の適正化や用途に応じて同じ水を多段的に利用するカスケード利用など、効率性の向上を追求し、
取水・排水においては環境への負荷をできる限り小さくできるよう適切な対応・管理に努め、水使用量原単位目
標の達成を目指す生産拠点では水管理計画を策定し、水使用量の削減に取り組んでいます。また生態系保全を考
慮し、今後もより環境負荷を低減できる排水方法を検討していきます。
水リスクが大きい流域の課題改善への貢献に向けて、生産拠点とその流域のリスク調査を実施し、リスク低減
の対応策を実施しています。水リスクが大きい流域以外の生産拠点においても、今後、現在実施している水源地
保全活動の拡大や、ほかの組織との協働などにより、流域課題の改善に貢献していきます。また、アサヒグルー
プの商品は世界中で生産される多種多様な農産物原料を用いているため、それらの水リスクを把握することも不
可欠と考え、農産物原料の水リスクの把握と低減に努めています。
③リスク管理
アサヒグループは、世界的な水需要の高まりによる水不足が引き起こされることによって、アサヒグループの
事業継続が難しくなるとともに、大切な「自然の恵み」としての水を次世代につなげることができなくなること
をリスクと捉えています。これらのリスクについては、グループ全体で実施しているエンタープライズリスクマ
ネジメント(ERM)体制下においてアサヒグループホールディングス(株)Sustainability部門やRegional
Headquartersが管理すべきリスクと位置付け、リスク評価、対応計画の策定・実行・モニタリングを継続的に実
施しています。
④指標及び目標
「 (1)サステナビリティ ④指標及び目標 」をご参照ください。
e.人と人とのつながりの創出による持続可能なコミュニティの実現
経済発展とともに人口の流動化が加速し、世界各地で都市部への一極集中や過疎化などの人口分布の偏りが発
生することで、地縁的な「つながり」や共通の価値観を持った「つながり」が希薄化しています。このような
「つながり」の希薄化は社会的孤立、治安の悪化、地域愛着度の低下、地域社会の担い手不足などのさまざまな
社会課題を生み出し、コミュニティ活力低下の要因の1つになっています。
調達・生産・販売などの事業活動を通じてさまざまなコミュニティに支えられてきたアサヒグループは、改め
て「つながり」を見直して進化させることが重要だと考え、マテリアリティ「コミュニティ」の活動スローガン
を「RE:CONNECTION」と定めて取り組みを推進しています。
①ガバナンス
アサヒグループは、グループ全体で「コミュニティ」の活動を強化することを目的に、2021年に「コミュニ
ティタスクフォース」を立ち上げてグローバルでの推進体制を構築しました。年に4回実施するコミュニティタ
スクフォースでは、アサヒグループホールディングス(株)とRHQが、施策の協議やベストプラクティスの共有
を通じてグループ全体の活動レベルを向上させることを目指しています。
2022年には、新たにコミュニティ戦略を構築しました。その構築プロセスとして、コミュニティタスクフォー
スで各RHQの実務担当者と議論をした後に、サステナビリティリーダー会議、サステナビリティ実行会議で担当
役員による討議を経て、グローバルサステナビリティ委員会で決議しました。
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②戦略
アサヒグループはコミュニティ活動をより強化するため、2022年にコミュニティ戦略を策定し、重点活動を
「持続可能な農産業」、基本活動を「従業員が参画するコミュニティ支援活動」と定めました。
●重点活動「持続可能な農産業」
アサヒグループは、「自然の恵み」である農産物を活用して商品・サービスを生み出しており、農産業と深
い関わりを持っています。その農産業は、雇用創出や特産・伝統の継承など、コミュニティにおいて人の「つ
ながり」を産む場としての大切な役割を果たしてきました。そこで、アサヒグループの事業、及び社会に与え
るインパクトが大きいコミュニティとして、事業の根幹を担う農産物原料への取り組みを強化することを定め
ました。
持続的な事業成長を目的とした原料の安定調達とともに、アサヒの独自技術を活用して、農産業を通じた
「地域活性化」「環境負荷低減」「人権尊重」などに取り組み、“ステークホルダーとの「つながり(共
創)」による農産物生産者のWell-being向上”に貢献します。
●基本活動「従業員が参画するコミュニティ支援活動」
コミュニティの「つながり」を見直し、進化させるためには、従業員自らが地域の抱える課題を考え、その
解決に向け行動することが重要であると考えています。基本活動として、従業員がコミュニティ支援活動に参
画することを定め、事業との関連性の高い「食」「地域環境」「災害支援」の領域で積極的に活動すること
で、コミュニティとのつながりを強化することを目指しています。
食:アサヒグループの主要事業領域は酒類・飲料・食品であり、「食」はこれらと密接なつながりがある
地域環境:アサヒグループの商品は「自然の恵み」を享受して事業を展開しており、「地域環境」への配慮は
事業継続の要である
災害支援:災害が発生した場合、「災害支援」はその地域で事業を展開する企業として当然の行動と考えてい
る
③リスク管理
アサヒグループは、事業展開地域や原料産地などの地域コミュニティが脆弱化することによってグループの事
業の安定操業や安定調達に影響を及ぼすことをリスクと捉えています。これらのリスクについては、アサヒグ
ループホールディングス(株)のSustainability部門が、年に4回各RHQから持続可能な農産業の取り組みやコ
ミュニティ支援活動などの進捗報告を受けるなど、グループ全体の地域社会における活動を管理しています。
アサヒグループは地域社会から信頼を獲得することで事業の安定操業や安定調達を継続しており、これからも
持続可能なコミュニティ活動を推進していきます。
④指標及び目標
「 (1)サステナビリティ ④指標及び目標 」をご参照ください。
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f.不適切飲酒の撲滅
酒類は、長い人類の歴史の中で、日々の暮らしに喜びと潤いをもたらすとともに、冠婚葬祭など人生の節目に
おいても、大きな役割を果たしてきました。私たちは、そのような酒類の生産や販売に携わっていることを、大
変誇りに思います。一方、不適切な飲酒によって、個人や家庭そして社会にさまざまな問題を起こすこともあり
ます。
そこでアサヒグループは、グループ飲酒基本方針のもと、不適切な飲酒を撲滅し、アルコールが起因の社会課
題の解決を目指していきます。
①ガバナンス
アサヒグループでは、アサヒグループホールディングス(株)のSustainability部門が事務局を担い、各
Regional Headquarters(以下、RHQ)の担当役員や担当者が参加するグローバルアルコールポリシー会議を隔月
で開催しています。同会議がサステナビリティタスクフォースの役割を担い、グループ全体における酒類関連の
課題対応の協議や成功事例の共有などを実施するとともに、同体制の中で、責任ある飲酒の目標達成に向けた協
議を行っています。また、2022年には、責任ある飲酒の中長期的な方向性や目標について経営戦略会議(現
Corporate Management Board)やグローバルサステナビリティ委員会で複数回に渡って討議し、将来に向けた具
体的な活動を明らかにしました。
具体的なグローバルKPIやRHQレベルのKPIは、グローバルアルコールポリシー会議で議論を進め、合意された
KPIは四半期ごとの業績報告の中で各RHQのCEOから経営戦略会議(現 Corporate Management Board)に進捗を報告
し、必要であれば詳細を議論します。
また、各事業会社は、中長期の方向性や目標、さらにはグループ飲酒基本方針に基づき、各国・各地域のアル
コール関連課題や消費者ニーズを捉えながら具体的な施策を展開しています。
②戦略
アサヒグループは、グループ飲酒基本方針に基づき、不適切な飲酒の撲滅を目指し、従来から各地域の課題を
考慮しながらさまざまな活動に取り組んできました。
2022年には、世界保健機関(WHO)が採択したグローバルアクションプラン2022-2030の内容を踏まえて、その
中で設定されたグローバル目標の指標となる2030年までに「大量飲酒者の削減」や「一人当たりの純アルコール
摂取量の削減」の実現に貢献する取り組みを強化する方針を定めました。
政府によるアルコールに関するマーケティング・営業活動の規制や課税以外の対策で不適切飲酒の課題を解決
できることを実証し、その取り組みを進めることでアルコール業界の健全な成長を目指します。そのためにも多
くのステークホルダーとともに有害なアルコール使用の削減を社会全体で実現すべく、多様なステークホルダー
との対話を重ねながら具体的な課題解決への貢献を目指します。
こうした活動を通じて、リスクの低減と機会創出につなげていきます。
③リスク管理
不適切な飲酒は、人々の健康や社会に悪影響を及ぼす可能性があります。また、アサヒグループが予想する以
上に、世界的な規模で酒類販売に関する規制が強化されることも考えられます。これらの影響で、アルコールを
製造・販売する当社グループのレピュテーション及びブランド価値が毀損されたり、アルコールに対する消費者
需要の縮小などにより、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があることをリスクと捉えています。
これらのリスクについては、グループ全体で実施しているエンタープライズリスクマネジメント(ERM)体制
下において、代表取締役社長兼Group CEOが委員長を務めるリスクマネジメント委員会が管理すべき主要リスク
と位置付け、リスク評価、対応計画の策定・実行・モニタリングを継続的に実施しています。同時に、
Sustainability部門においても、International Alliance for Responsible Drinking(IARD)など業界団体と
連携しながら、幅広く業界やアサヒグループにとって今後起こりうるリスクに関する情報を収集し、常にリスク
の見直しを行っています。
④指標及び目標
「 (1)サステナビリティ ④指標及び目標 」をご参照ください。
g.新たな飲用機会の創出によるアルコール関連問題の解決
アサヒグループは「酒類を取り扱う企業グループとしての飲酒に関する基本方針」のもと、アサヒグループの
知見と技術を結集して新たな革新的な商品を展開し、新たな飲用機会を創出していきます。
人と酒類の関係の革新に挑戦し、人々の豊かな生活の一翼を担う酒類文化の健全な発展に寄与しながら、不適
切な飲酒による社会課題に取り組み、アルコールが起因の課題が減少している社会の実現を目指していきます。
①ガバナンス
「 (2)その他の項目 f.不適切飲酒の撲滅 ①ガバナンス 」をご参照ください。
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②戦略
アサヒグループは、グループ飲酒基本方針に基づき、不適切な飲酒の撲滅を目指し、従来から各地域の課題を
考慮しながらさまざまな活動に取り組んできました。
2022年には、世界保健機関(WHO)が採択したグローバルアクションプラン2022-2030の内容を踏まえて、その
中で設定されたグローバル目標の指標となる「大量飲酒者の削減」や「一人当たりの純アルコール摂取量の削
減」の実現に貢献する取り組みを強化する方針を定めました。
政府によるアルコールに関するマーケティング・営業活動の規制や課税の対策だけではなく、自主的な取り組
みを進めることで不適切飲酒の課題を解決できることを実証し、アルコール業界の健全な成長を目指します。そ
のためにもアサヒグループの知見と技術を結集して、ノンアルコール・低アルコール商品の開発と展開に努める
ことで、新たな選択肢の提案を進めていきます。新たな飲用機会の拡大によって不適切な飲酒の削減を実現し、
具体的な課題解決への貢献を目指します。
こうした活動を通じて、リスクの低減と機会創出につなげていきます。
③リスク管理
「 (2)その他の項目 f.不適切飲酒の撲滅 ③リスク管理 」をご参照ください。
④指標及び目標
「 (1)サステナビリティ ④指標及び目標 」をご参照ください。
h.健康価値の創造
消費者の健康意識の高まりとともに、食に対する健康志向が高まっています。
アサヒグループはこれまでに培ったさまざまな技術や知見を活用し、商品・サービスを通じて人々の健康に貢
献していくことを目指します。具体的には、酵母、乳酸菌や微生物などの知見を活かした付加価値を高めていく
ほか、砂糖の過剰摂取による健康面での負の影響を抑制するなど、健康に配慮した商品・サービスの展開を進め
ていきます。
①ガバナンス
飲料と食品を扱うアサヒグループにとって「健康」は欠かせないテーマであり、健康価値の創造は、アサヒグ
ループの事業の成長に中心的な役割を担っています。
マテリアリティ「健康」で取り組む主な領域は、特定原料の過剰摂取による健康被害の減少や、酵母や乳酸菌
などの研究による新たな健康価値の創造です。なお、アルコールに関わる健康課題はマテリアリティ「責任ある
飲酒」で管理しており、また品質に関わる健康課題はサステナビリティからは切り離し、グループの品質保証体
制で管理しています。
グループ全体の戦略は、アサヒグループホールディングス(株)のマネジメント体制で決定しています。具体
的な取り組みは、事業会社の事業そのものとなるため、事業会社における通常の事業管理プロセスの中でマネジ
メントしています。
②戦略
消費者の健康意識の高まりによって、商品に対する選択眼も厳しくなっています。また、特定原料の過剰摂取
による健康被害を懸念する各国政府が、砂糖などの原料を使用した商品への課税や、マーケティング規制を始め
ています。アサヒグループは、常に社会の動向の兆しを見極め、商品開発やマーケティング活動において、必要
なリスクと機会への対策を講じていきます。
さらに、グループが持つ酵母や乳酸菌などの独自素材の健康機能について研究を進め、発酵技術の知見と消費
者の新たなニーズとを結び付けた商品開発を行うことで、新たな健康価値を提供できる商品の拡充を目指してい
きます。
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③リスク管理
アサヒグループは、砂糖の過剰摂取による健康被害や世界的な砂糖に関する規制強化への対応の遅れによって
グループの経営面に悪影響を及ぼすことをリスクとして捉えています。これらのリスクについては、グループ全
体で実施しているエンタープライズリスクマネジメント(ERM)体制下においてアサヒグループホールディング
ス(株)Sustainability部門やRegional Headquartersが管理すべきリスクと位置付け、リスク評価、対応計画
の策定・実行・モニタリングを継続的に実施しています。
④指標及び目標
「 (1)サステナビリティ ④指標及び目標 」をご参照ください。
i.人権の尊重
コロナウイルスや紛争の勃発、気候変動などの環境問題の深刻化により、脆弱な立場の人々における人権に対
しての負の影響がさらに深刻化し、企業の人権尊重への取り組みが注目されています。アサヒグループはグロー
バルに事業を展開する企業として、自らの事業活動によって影響を受ける人々の人権を尊重することを責務とし
て認識しています。事業を行ううえで、個人の人権と多様性(ダイバーシティ)を尊重し、差別や個人の尊厳を
損なう行為を行わないこと、強制労働や児童労働を行わないことを「アサヒグループ人権方針」(以下、人権方
針)の中で明示しています。
現在、人権デューデリジェンスの実施、従業員・ビジネスパートナーなどへの人権尊重の教育の徹底、人権侵
害の被害者への救済の仕組みを構築しています。
①ガバナンス
事業活動全体の人権侵害リスク低減に向け、サステナビリティの推進体制における「サステナビリティタスク
フォース」のひとつとして、「アサヒグループ人権会議」を設置しました。ここで議論された人権課題は、責任
者であるGroup CSOに報告され、経営戦略会議(現 Corporate Management Board)で議論をしています。
人権方針、人権尊重に対する取り組みはアサヒグループホールディングス(株)の取締役会が監督責任を負
い、同方針の遵守状況や取り組みの進捗を取締役会で定期的に確認することを定めており、毎年報告していま
す。最終の意思決定責任は代表取締役社長兼Group CEOが担っています。人権方針は定期的に見直しを行ってお
り、2023年12月には、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」への準拠を強化すること、脆弱なステークホル
ダーを具体的に明示すること、そして2022年に国連総会の中で普遍的人権と決議した新たな領域も包括すること
を目的に人権方針を改訂しました。
具体的な取り組みについては、「アサヒグループ人権会議」の構成メンバーであるアサヒグループホールディ
ングス(株)の各部門が連携して実行しています。また、各部門の機能軸でRegional Headquartersと連携し、
取り組みを強化しています。
②戦略
アサヒグループでは2019年に人権方針を策定した際、方針内で定めた重要な人権課題への対応状況についてベ
ストプラクティス事例とのギャップ分析を行いました。その結果とバリューチェーンにおける人権課題をもとに
優先度が高い取り組み項目を特定し、各部門の行動計画を策定しています。これらの取り組みは国連「ビジネス
と人権に関する指導原則」に基づいて進めています。2023年にはアサヒグループの主要事業である3カテゴリー
(酒類・飲料・食品)を対象にバリューチェーン全体の包括的な人権リスクの見直しを行い、結果的にこれらの
取り組み項目に変更の必要が無いことを確認しました。
〈優先度が高い取り組み項目〉
●サプライチェーン
●自社の従業員
●人権侵害の被害者への救済の仕組みの構築・運用
また2023年の見直しにおいては、業務に従事する労働者などのステークホルダーと、ステークホルダーに紐づ
く人権課題をより具体的に洗い出し、アサヒグループが取り組むべきリスクをバリューチェーン上にマッピング
しました。今後このマップをもとに、人権方針の改正と、新たに高リスクと判断した事象に対する取り組みを検
討していきます。
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バリューチェーンにおける主な潜在的人権リスク
③リスク管理
アサヒグループは、人権関連法規制の強化や、人権リスクの高い国・地域での企業活動に対する社会の関心の
高まりにより、事業活動に関連した人権侵害が発生した場合の当社グループへの影響は大きいと認識していま
す。人権尊重に関するリスクについては、グループ全体で実施しているエンタープライズリスクマネジメント
(ERM)体制下において代表取締役社長兼Group CEOが委員長を務めるリスクマネジメント委員会が管理すべき主
要リスクと位置付け、リスク評価、対応計画の策定・実行・モニタリングを継続的に実施しています。
また、「アサヒグループリスクアペタイトステートメント」においても、「『アサヒグループ行動規範』、
『アサヒグループ人権方針』を遵守することはもちろん、これらの遵守を妨げうるリスクもとらない」と宣言し
ています。
④指標及び目標
「 (1)サステナビリティ ④指標及び目標 」をご参照ください。
(3)人的資本
■人的資本の高度化
アサヒグループは『中長期経営方針』において戦略基盤強化に向けた人的資本の高度化を掲げており、これを通
じて事業ポートフォリオとコア戦略の実効性を高めることを目指しています。
①ガバナンス
アサヒグループでは、人材戦略を経営課題として捉え、執行側の経営戦略会議(現 Corporate Management
Board)で、中長期戦略遂行の中で議論し、かつ、取締役会への報告を行っています。また、世界各地のRegional
Headquarters (以下、RHQ)と連携し、様々な人材マネジメント策を推進し、経営課題対応としての土台を構築
しています。毎月グローバルHRミーティングを開催し、組織と従業員一人ひとりの成長に向けて、ノウハウの共
有やグループ横断の課題に取り組んでいます。また、各RHQでは、経営層の任命、サクセッションプラン、報酬
制度などを決議する人事委員会を設置し、アサヒグループホールディングス(株)の経営層が議長もしくは委員
として参画しています。
②戦略
アサヒグループでは「人的資本の高度化」について3つのアプローチで人材戦略を策定しています。「ありた
※
い企業風土の醸成」、「継続的な経営者人材の育成」及び「必要となるケイパビリティ の獲得」。この3つの
取り組みを通して経営基盤を支え、競争優位の源泉となる「人的資本の高度化」を通して、社員の成長と会社の
成長を両立し、企業価値の向上を推進していきます。
※ 戦略を実現するために必要な組織的能力
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■ありたい企業風土の醸成
アサヒグループを取り巻く複雑化・多様化するさまざまな課題の解決に向けて、これまでとは異なる多様な
経験や発想が不可欠になっています。そうした状況なども踏まえ、「ピープルステートメント」を基に、“学
び、成長し、そして共にやり遂げる”風土醸成の具現化を図っています。
なお、詳細につきましては、以下の当社ウェブサイトに掲載しています。
https://www.asahigroup-holdings.com/company/policy/key_hr_principles.html
「セーフティ&ウェルビーイング(S&W)」では、「グローバルS&Wカウンシル」において、グローバルビ
ジョンに関する討議や従業員の健康増進、コミュニケーションの活性化に向けた取り組みを推進しています。
「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」では、コアメッセージとして「shine AS YOU
ARE」を掲げ、全世界の従業員への浸透を図っています。また、「グローバルDE&Iカウンシル」を中心に、ア
サヒグループの多様な文化を尊重し、インクルーシブな文化を醸成するため、「多文化性
(Multiculturalism)」の取り組みをグローバル全体で開始しました。さらに、2030年までに経営層の女性比
率を40%以上とするべく、人事制度の見直しや昇格、研修、採用等のガイドラインの整備に取り組み、経営層
の女性比率向上を推進しています。
「学習する組織」、「コラボレーション」では、新たに発足した「CHROラーニングコミュニティ」におい
て、「Storytelling」、「Workshop」、「Mentoring」の3つのコミュニティで活動を開始し、さまざまな知
識や経験、スキル、能力、資質を有する従業員が講師やメンターとなり、グローバルに地域を超えて、学び合
い、成長する場の構築に取り組んでいます。
■継続的な経営者人材の育成
事業環境の変化するスピードがさらに増すことが想定されるなか持続的な成長を実現するべく、経営力の安
定的充実に向け、グローバルで次世代経営者育成プログラムを実施するなど、持続的に経営者人材を輩出でき
る仕組みの強化に取り組んでいます。
また、リーダーに求められるコンピテンシーを示した「グローバルリーダーシップコンピテンシーモデル
(GLCM)」を策定しました。本モデルに基づき、特にキーポジションに就いている人材を対象に、パフォーマ
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ンスの発揮度合いや開発ポイントを共有するグローバルタレントレビューを実施しています。グループ全体の
有能な人材の可視化を進め、最適な人材を選抜し、適材適所の配置や人材育成などを通じて、これまで以上に
層 の厚いリーダー人材のパイプライン形成に取り組んでいます。
さらに、グループ全体と各地域の両面からリーダーシッププログラムの更なる拡充などを進め、中長期にわ
たって安定した人材を確保できる体制を強化しています。
■必要となるケイパビリティの獲得
人的資本の高度化の実現に向け、『中長期経営方針』における事業ポートフォリオ戦略、コア戦略及び戦略
基盤強化の観点から必要なケイパビリティの獲得に向けたグループ内人材の活用や、専門性に秀でた外部人材
の獲得に加え、パートナーシップやアライアンスなどによる社外リソースの活用を進めています。また、ケイ
パビリティの獲得とその獲得したケイパビリティを発揮できる土台づくりのため、新報酬制度を導入し、グ
ループ内人材の育成や地域を超えた人材配置、採用競争力の強化を推進しています。
③リスク管理
アサヒグループは、中長期人材戦略の柱である「ありたい企業風土の醸成」「継続的な経営者人材の育成」
「必要となるケイパビリティの獲得」それぞれについて、これらが毀損されて人的資本の高度化が実現できずに
戦略の実行と目標達成が困難になることをリスクと捉えています。これらのリスクについては、グループ全体で
実施しているエンタープライズリスクマネジメント(ERM)体制下において代表取締役社長兼Group CEOが委員長
を務めるリスクマネジメント委員会が管理すべき主要リスクと位置付け、リスク評価、対応計画の策定・実行・
モニタリングを継続的に実施しています。
④指標及び目標
テーマ 対象組織 指標・目標(2022年現在) 2022年実績
グローバルエンゲージメントサーベイに
おける「持続可能なエンゲージメント」
スコア目標
ありたい企業風土の醸成 グループ全体 「持続可能なエンゲージメント」
2025年に82とする(グローバル食品・飲
(エンゲージメント) (共通) スコア 78
料企業並み)
2029年に89とする(グローバル高業績企
業並み)
ありたい企業風土の醸成 グループ全体 2030年までに経営層の女性比率を40%以
「経営層の女性比率」26.8%
(DE&I) (共通) 上とする
※なお、その他の取り組みや最新の実績については、2024年5月に発行予定の当社統合報告書及び2024年6月に発行予定
のサステナビリティレポートをご参照ください。
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3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成
績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りで
あります。
なお、文中における将来に関する事項は、当年度末現在においてアサヒグループが判断したものであります。
1.アサヒグループのリスクマネジメント体制
アサヒグループは、グループ全体を対象に、エンタープライズリスクマネジメント(ERM)を導入しておりま
す。この取り組みの中で、グループ理念「Asahi Group Philosophy」の具現化、並びに「中長期経営方針」の戦略
遂行及び目標達成を阻害しうる重大リスクを、戦略、オペレーション、財務、コンプライアンス等全ての領域から
特定及び評価し、対応計画を策定、その実行及びモニタリングを継続的に実施することで、効果的かつ効率的にア
サヒグループのリスク総量をコントロールします。
ERMを推進するにあたり、代表取締役社長兼Group CEO以下の業務執行取締役、Group CxO及び委員長が指名する
FunctionのHeadで構成される、リスクマネジメント委員会を設置しています。ERMはグループ全体を対象とし、リ
スクマネジメント委員会の委員長である代表取締役社長兼Group CEOが実行責任を負います。
アサヒグループ各社は、事業単位毎にERMを実施し、リスクマネジメント委員会に取組内容を報告します。同委
員会はそれらをモニタリングするとともに、委員自らがグループ全体の重大リスクを特定、評価、対応計画を策
定、その実行及びモニタリングを実施します。これらの取り組みは取締役会に報告され、取締役会はこれらをモニ
タリングすることで、ERMの実効性を確認します。
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2.アサヒグループ リスクアペタイト
アサヒグループは、ERMを推進するとともに、「中長期経営方針」の目標達成のために、「とるべきリスク」と
「回避すべきリスク」を明確化する、「アサヒグループ リスクアペタイト」を制定しております。
「アサヒグループ リスクアペタイト」は、アサヒグループのリスクマネジメントに関する「方針」です。ERMの
運用指針及び意思決定の際のリスクテイクの指針となるものであり、リスクに対する基本姿勢を示す「リスクアペ
タイト ステートメント」と、実務的な活用を想定した、事業遂行に大きく影響する主要なリスク領域に対する姿
勢(アペタイト)を示す「領域別リスクアペタイト」で構成されます。グループ戦略、リスク文化とリスク状況、
及びステークホルダーの期待をもとに検討し、取締役会にて決定、グループ全体に適用され、実施状況はリスクマ
ネジメント委員会でモニタリング、取締役会へ報告されます。本取り組みを通じて、アサヒグループ全体で適切な
リスクテイクを促進してまいります。
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3.アサヒグループのクライシスマネジメント体制
アサヒグループでは、ERMにおけるグループ全体の重大リスクの中でも、人・モノ・カネ・情報等の経営資源遮
断の危機があり「即時対応」する領域を「クライシスマネジメント」の対象としております。
クライシスマネジメントの実効性を上げるため、平時から「事前の想定」を行い、クライシス時に混乱なく速や
かに対応できるよう「緊急時の即応体制」を構築しております。事前の想定については、経営資源遮断の危機を想
定した「リスクシナリオ」を作成し対応を準備しております。
また、緊急時の即応体制については、クライシス類型に応じた対応主体を予め明確にし、危機発生時の初動にお
ける事実確認と重大性の評価を迅速・的確に実施し対応する体制を構築しております。
4.主要リスク
当社グループでは、「1.アサヒグループのリスクマネジメント体制」に記載の通り、代表取締役社長兼Group
CEO以下の業務執行取締役、Group CxO及び委員長が指名するFunctionのHeadで構成されるリスクマネジメント委員
会で、中長期経営方針の事業遂行及び目標達成を阻害しうる特に重大なリスクを特定及び評価し、以下の「(2)個
別戦略リスク」として認識しております。
加えて、それ以外に考えられる当社グループの事業等のリスクについても、「(1)全体リスク」及び「(3)その
他リスク」に記載しております。但し、以下に記載したリスクは当社グループに関する全てのリスクを網羅したも
のではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、投資者の判断
に影響を及ぼす可能性があります。
また、前述の、当社グループリスクマネジメントの取り組みの中で、以下に記載する各リスクに対する対応策を
含む種々の対応策をとりますが、それらの対策が有効に機能しない等によりリスクが解消できず、当社グループの
業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)全体リスク
1)中長期経営方針について
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指して、2019年に「Asahi Group Philosophy
(AGP)」を制定し、2022年、それに基づいて、また、その後のグループ内外の環境変化も踏まえて中長期経
営方針を更新しました。「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、本方針では、3年程
度を想定した主要指標のガイドラインや、財務・キャッシュ・フロー方針を示しておりますが、これらのガイド
ライン・方針は、策定時に当社グループが入手可能な情報や適切と考えられる一定の前提に基づき、将来の事象
に関する仮定及び予想に依拠して策定されたものです。そのため、本「3 事業等のリスク」に記載の各リスク
等を含む様々な要因により変更を余儀なくされるものであり、当社グループの事業や業績が中期経営方針内の同
ガイドライン・方針等を達成できない可能性があります。
2)事業環境について
当社グループの売上収益において日本の占める割合は約49.2%(2023年12月期決算)となっております。今後
の日本国内での景気の動向によって、酒類・飲料・食品の消費量に大きな影響を与える可能性があり、人口の減
少、少子高齢化が進んでいくと、酒類・飲料・食品の消費量が減少する可能性があります。また、原材料・エネ
ルギー価格の高騰やインフレの影響などにより、国内での競争環境がさらに激化することで当社売上数量・金額
が低下するとともに、コスト構造の悪化を招き、当社グループ事業の収益性が想定より損なわれる可能性があり
ます。
日本の売上収益のうち、ビール類は4割を超えます。このような状況は、当社グループのビール類商品に対す
るお客様の信頼を反映したものであり、当社グループ国内酒類事業での効率的な利益創出に寄与しております
が、消費者の嗜好性の変化、世代交代等により、お客様の支持を失ってしまうと、本商品群の売上が低下し、当
社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
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また、当社グループは海外での事業領域を拡大しており、2023年12月期決算での売上収益における欧州、オセ
アニア、東南アジアの占める割合は、約50.5%となっております。今後、欧州、オセアニア地域を中心とする当
社グループが事業を展開する各国における景気の悪化、当該各国での競争環境の激化、消費者の嗜好の変化等、
市場の需要動向が変化すること等により、当該地域における当社グループの売上収益の低下、利益率の悪化が生
じる可能性があります。
当社グループは、中長期経営方針に『ビールを中心とした既存事業の成長と新規領域の拡大』を掲げ、『アサ
ヒスーパードライ』や『Peroni Nastro Azzurro』などのグローバルブランドをはじめとした高付加価値ブラン
ドの価値向上や新市場の創造を目指すとともに、今後の環境変化も見据えた収益構造改革を加速することで、本
リスクが顕在化した場合の業績及び財政状態への影響の低減を図っていきます。また、ビール類以外にも酒類全
般における商品のラインアップを充実させることで売上収益を増加させるとともに、飲料、食品事業において、
消費者の健康志向の高まり及び高齢化社会に対応する領域へ挑戦することで、事業拡大を図っていきます。
当社グループは、テクノロジーの発展が、人類に新たな技術力と自由な時間を与え、気候変動・資源不足と
いった地球規模の課題を抱える中、社会・経済だけではなく人類の幸福(Well-being)のあり方も変化していく
ものと想定しています。そうしたメガトレンドを踏まえて更新した「おいしさと楽しさで“変化するWell-
being”に応え、持続可能な社会の実現に貢献する」という方針のもと、変化しつつあるWell-beingへの迅速な
対応、市場環境の変化を先取りした事業戦略の立案と展開、ならびに新たなオペレーティングモデルの構築を通
じて、当社グループの戦略及び事業の競争力を強化してまいります。
(2)個別戦略リスク
当社リスクマネジメント委員会は、中長期経営方針の事業遂行及び目標達成を阻害しうる特に重大なリスクを以
下の通り認識しております。その中で、中長期的に顕在化が懸念されるリスクを①、短中期的に顕在化が懸念され
るリスクを②、及び継続的に顕在化を留意すべきリスクを③、とそれぞれ分類し記載しました。
① 中長期的に顕在化が懸念されるリスク
1)事業拡大について
当社グループは、Schweppes Australia社の買収(2009年、買収額1,185百万豪ドル(適時開示の際に公表し
た金額、以下同じ))、カルピス社の買収(2012年、買収額920億円)、旧SAB Miller社の西欧ビール事業の
取得(2016年、買収額2,550百万ユーロ)、中東欧ビール事業の取得(2017年、買収額7,300百万ユーロ)及び
CUB事業の買収(2020年、買収額160億豪ドル)をはじめとして、国内外での事業領域拡大のため、積極的に外
部の経営資源を獲得してきました。2020年6月には、CUB事業を取得する手続きを完了することで、日本、欧
州に加え、オセアニア地域での事業を盤石にし、日本、欧州、オセアニアの3極を核としたグローバルプラッ
トフォームを構築、成長基盤の拡大を実現しました。ここ数年は財務基盤の強化を優先し大型の買収は控えて
おりましたが、今後条件が揃えば、成長のために、外部の経営資源を活用していきます。
外部の経営資源獲得にあたっては、慎重に検討を行い、一定の社内基準をもとに、将来の当社グループの業
績に貢献すると判断した場合のみ実行します。しかしながら、営業、人員、技術及び組織の統合ができずコス
ト削減等の期待したシナジー効果が創出できなかった場合、アルコールや砂糖の摂取に対する社会の価値観の
変化や人口動態の変化等により、買収した事業における製品に対する継続的な需要を維持できない場合、買収
した事業における優秀な人材を保持し又は従業員の士気を維持することができない場合、高付加価値ブランド
の育成不振等、効果的なブランド及び製品ポートフォリオを構築することができない場合、並びに異なる製品
ラインにおける販売及び市場戦略の連携(クロスセルの拡大)ができない場合等により、当社グループの期待
する成果が得られない可能性があります。
当社グループは、買収に伴い、相当額ののれん及び無形資産を連結財政状態計算書に計上しており、2023年
12月末現在、のれん及び無形資産の金額はそれぞれ、連結総資産の40.6%(21,471億円)及び21.5%(11,368
億円)を占めております。
当社グループは、当該のれん及び無形資産につきまして、それぞれの事業価値及び将来の収益力を適切に反
映したものと考えておりますが、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が将来にわたって大きく損
なわれると判断された場合、又はカントリーリスクの顕在化による金利高騰や市場縮小等により適用される割
引率や長期成長率が大きく変動した場合等は、減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を
及ぼす可能性があります。
当社グループは、AGP及び中長期経営方針に基づいた価値創造経営により、事業の持続的成長と中長期的
な企業価値向上を目指しており、『ビールを中心とした既存事業の成長と新規領域の拡大』、や『持続的成長
を実現するためのコア戦略の推進』とともに、『長期戦略を支える経営基盤の強化』の一環としてグループガ
バナンスの更なる実効性向上に向けた取り組みを実施することで、グループ戦略の実行と期待成果をより確実
なものとします。
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2)アルコール摂取に対する社会の価値観
アルコールの摂取は人々の生活を豊かにしてきた一方で、その不適切な摂取は健康面あるいは社会的悪影響
が指摘されています。世界保健機関(WHO)においては世界的な規模での酒類販売に関する規制が推奨されて
おり、当社グループの予想を上回る規制強化が行われる可能性があります。新型コロナウイルス感染症の拡大
時には、アルコールの製造販売の禁止や制限を含む行動規制が世界各国で布かれ、このような規制が消費者の
ライフスタイルの見直しに直結することを体験しました。将来、不適切な飲酒による酒類業界や当社グループ
のレピュテーション及びブランド価値を毀損する可能性や、行政による行動規制が重なると、アルコールに対
する消費者の需要が縮小する可能性もあります。その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす
可能性があります。
当社グループは、アルコール飲料を製造・販売する企業としての社会的責任を果たすため、WHOが2022年5
月に新たに採択したグローバルアルコールアクションプラン2022-2030の中で掲げたグローバル目標「有害な
アルコール使用20%低減」の達成に貢献する戦略の方向性を経営の中で議論し、地域ごとに具体的なアクショ
ンプランの策定に取り組んできています。責任ある飲酒の取り組み促進のためにグループスローガン
「Responsible Drinking Ambassador」を打ち出し、不適切な飲酒の撲滅に向けた活動を強化するとともに、
社員に対する「責任ある飲酒」の研修の取り組みを推進してきました。今後更に社会インパクトを創出する取
り組みを強化していきます。更に、新しい飲用機会の創出に向けた取り組みとして、2030年までにアサヒグ
ループにおけるノンアルコール・低アルコールの販売構成比20%を新たな目標に掲げ、アルコール起因の課題
解決にも取り組んでいます。アサヒビール株式会社は2020年に「スマートドリンキング宣言」を発表し、商品
ごとの純アルコール量の積極的な開示を開始。多様な飲み方に対応すべく、様々な度数の低アルコール飲料に
よる飲み方提案や、ノンアルコール飲料の強化などを進めています。2022年にはノンアルコールや低アルコー
ル飲料のメニューを100種提供し、飲む人も飲まない人も楽しめる『SUMADORI-BAR SHIBUYA(スマドリバー シ
ブヤ)』を、2023年には、酔わなくても楽しめる新しい大人の嗜好品を提供するバー『THE 5th by SUMADORI-
BAR』を展開するなど、新たな飲食店のカタチを提案しています。
アルコールの有害な使用の低減による健康被害の予防を更に推進するためには産業界が協力し合って課題解
※
決に取り組むことも重要になります。酒類事業を行う各地の関連法令遵守のほか、IARD をはじめとする業界
団体や他業種の業界と協力・連携して販売や広告に関する自主基準を設け、責任あるマーケティングに取り組
んでいます。2020年1月に、IARDに加盟する企業のCEOによる未成年飲酒防止に向けた取り組みを推進する共
同声明を公表しました。2021年にはIARDとしてeコマースのプラットフォームなどと共にeコマースにおける世
界基準を策定し実践を開始したほか、インフルエンサーマーケティングの世界基準を新たに策定し広告代理店
やPR代理店などと共に取り組むことを宣言しています。
※ IARD=International Alliance for Responsible Drinking(責任ある飲酒国際連盟)の略称。不適切
な飲酒の撲滅と、責任ある飲酒を促進するという共通の目的のもとに、世界のビール、ワイン、
スピリッツの製造業者である大手企業15社の加盟企業で構成される非営利団体。
3)技術革新による新たなビジネスモデルの出現
当社グループが国内外で事業を展開する、酒類・飲料・食品業界は、その製造販売に関して、技術革新によ
る競争環境の変化が比較的少ない安定した業界でしたが、最近では、低アルコール飲料、ノンアルコールビー
ルテイスト飲料、成人向け清涼飲料などのビール隣接カテゴリー(BAC:Beer Adjacent Categories)による
新たな飲用シーンの提案ができるようになり、最新デジタル技術を活用して“変化するWell-Being”に応える
ことで新たな価値の提供、AI活用による各種業務の効率化、あるいはアルコール代替品等、技術革新による新
たなビジネスモデルの可能性も示されております。更に、2020年以降世界中へ拡大した新型コロナウイルス感
染症の影響により、テレワークの急激な普及や、EC等のオンラインチャネル利用の加速等、それまで将来的に
発生すると想定されていた変化が前倒しで出現しています。
こうした環境変化や新たなビジネスモデルの出現により、当社グループ事業がコスト構造や顧客体験で劣後
し、業界での主導権喪失や競争力の低下につながり、売上収益、事業利益の低下等、当社グループ業績に影響
を及ぼす可能性があります。その一方で、当社グループがこのようなイノベーションを先導することによっ
て、市場優位性獲得や、新規市場創出につなげることが期待できます。
当社グループは、このような状況に対して、単なるリスク対応に留まることなく技術革新を先取りすること
※
を目指して、中長期経営方針において「DX=BX と捉え、3つの領域(プロセス、組織、ビジネスモデル)で
のイノベーションを推進」及び「R&D(研究開発)機能の強化による既存商品価値の向上・新たな商材や市場
の創造」を掲げ、領域を特定した戦略的DX及びR&D投資を推進していきます。
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DX領域においては、グローバル調達プラットフォーム、グローバルデータマネジメント、環境負荷の予測と
見える化といった生産性を向上するグローカル基盤を構築するとともに、新たな消費者データ、多様化・細分
化する顧客ニーズの把握と新しい素材や製法による新ビジネスモデルの開発、及びこれらのイノベーションを
実現するためのデジタルネイティブ組織への変革、インキュベーション機能の強化、アジャイル型働き方の組
み込みを推進します。
R&Dにおいては、中長期的な社会環境や競争環境の変化を見据え、メガトレンドからバックキャストで導い
た未来シナリオとこれまでの研究で蓄積してきた技術・知見・ノウハウを踏まえ、変化するアルコールに関す
る価値観に対応した新たな価値創造、消費者の身体と心の健康の実現、サステナビリティ実現に向けた環境・
気候変動リスクの軽減、及び新規事業につながる非凡なシーズの開発を重点領域と位置づけ、新たな価値創造
やリスク軽減に向けた商品・技術開発への投資を推進します。
また、米国サンフランシスコに投資運用会社を設立し、2023年1月から運用を開始したスタートアップ投資
ファンドは、低アルコール飲料やノンアルコールビールテイスト飲料、成人向け清涼飲料など、将来大きく成
長する可能性のある魅力的なブランドや、新たな販売手法や製造手法に繋がるテクノロジーを持った米国のス
タートアップ企業にマイノリティ出資を行い、当社グループの市場優位性獲得や、新規市場創出につながるイ
ノベーションに貢献することが期待できます。
※ DX=BX:デジタル・トランスフォーメーション = ビジネス・トランスフォーメーション
4)気候変動に関わるリスク
地球温暖化により、これまで経験したことのない気候の変化や熱波による干ばつ、台風や豪雨による洪水な
ど異常気象が世界各地で発生し、生命や財産に大きな被害をもたらしています。この気候変動問題は、「自然
の恵み」を享受して事業を行うアサヒグループにとってきわめて重要な環境課題です。
当社グループは、「アサヒグループ環境ビジョン2050」の中で、「Beyondカーボンニュートラル」を2050年
の世界のあるべき姿として掲げています。脱炭素社会に向けて、事業の枠を超えた社会全体におけるカーボン
排出量が削減され、生物多様性が保全された世界を目指すため、バリューチェーンのCO2削減と生態系の保全
の両立、CO2の排出量削減・吸収・回収の技術開発・展開などに取り組んでいきます。
将来的な気候変動が業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性がある物理リスクとして、以下の通り認
識しています。海外の生産拠点における干ばつが深刻化し、水需給が逼迫、水価格の高騰による操業コストが
上昇する可能性があります。気温上昇(生育環境や労働環境の変化)・天候・自然災害・CO2濃度等が需給バ
ランスや品質に影響し、主要な原材料価格が変動する可能性があります。更に、必要な水資源が確保できない
場合、操業停止による機会損失と工場移転費用が発生する可能性があります。異常気象の激甚化により、深刻
な風水害及び土砂災害が発生することで生産ラインや物流が停止し、設備被害や機会損失、製品廃棄による損
失が発生する可能性があります。
また、将来的な気候変動を見据えた脱炭素社会への移行リスクを以下の通り認識しています。炭素税が導入
され、特にPETボトル等の製品原材料への価格転嫁や生産拠点の操業コストが上昇する可能性があります。水
ストレスの高い地域の生産拠点において取水制限を受けて操業が停止、機会損失が発生する可能性がありま
す。エシカル志向の高まりにより、環境配慮が不十分な製品があった場合、その需要が低下し、当社グループ
の売上に影響を与える可能性があります。
当社グループは、脱炭素社会の速やかな実現を目指し、CO2排出量ゼロを目指す中長期目標「アサヒカーボ
※
ンゼロ」を改訂しました。「アサヒカーボンゼロ」の中期目標として、Scope1,2 においては、2025年に40%
※
削減、2030年に70%削減の脱炭素目標を設定しています。Scope3 においても、2030年に30%削減(ともに
2019年比)を設定しています。その上で、長期目標として掲げていたScope1,2,3におけるCO2排出量ネットゼ
ロの目標年を2050年から2040年へ上方修正し、今後更なる省エネルギー化や再生可能エネルギーの活用を推進
していきます。また、グループ全体で水使用量削減に向けた取り組みを進めて、水リスクに対応していきま
す。
将来的な気候変動リスクに関連する経営のレジリエンスと持続性を高めるために、「気候関連財務情報開示
タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の提言への対応を行っ
ています。シナリオ分析によって明確化された重要なリスクと機会に対してそれぞれの対策を講じ、リスクの
低減と機会の確実な獲得につなげていきます。特に、炭素税による生産コストなどへの影響を軽減するため、
「アサヒカーボンゼロ」に基づくCO2排出量削減施策として、2030年までに500億円以上を投資していきます。
※ Scope1は、自社(工場・オフィス・車など)での燃料の使用によるCO2の直接排出、Scope2は、自社が
購入した電気・熱・蒸気の使用によるCO2の間接排出、Scope3は、自社のバリューチェーンからのCO2の
排出を指します。
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5)プラスチック使用
近年、廃棄プラスチックの規制強化の動きが加速しています。同時に、プラスチックを大量に使用する製品
に対する社会の目は厳しくなってきており、容器包装をプラスチック素材に依存している当社グループの飲
料・食品製品の需要が著しく低下し、売上に影響を与えるだけでなく、対応不十分とのことで、当社グループ
に対するレピュテーションが低下する可能性があります。また、リサイクル費用の負担が増加することや、バ
イオマス素材等の代替素材を使用した場合の材料費が増加すること等で、製造原価が増嵩する可能性がありま
す。
当社グループは、「アサヒグループ環境ビジョン2050」の中で、「容器包装廃棄物のない社会」を2050年の
世界のあるべき姿として掲げています。容器包装の中でも海洋汚染や生態系への影響が世界的に喫緊の課題と
なっている海洋プラスチック問題への対応については、2020年、グループの戦略の方向性として「3R+
Innovation」を定め、2022年に目標を上方修正してグローバル統一の新たな目標として2030年までにPETボト
ルを100%リサイクル素材、バイオ由来の素材等に切り替えることを設定しました。それに基づき、グループ
各社において様々な取り組みを進めています。
国内では、アサヒ飲料株式会社がリサイクルPET等リサイクル素材の使用、リデュースの推進、環境への配
慮を前提とした新容器開発等に関する目標「容器包装2030」の達成に向けた取り組みを進めています。更なる
「ラベルレスボトル」製品の拡大やリサイクル素材活用拡大のために「ボトルtoボトル」の水平リサイクルを
進めています。後者の取り組みとして、再生事業者である株式会社JEPLANへの融資を行い、アサヒ飲料販売株
式会社が管理・運営する首都圏エリア約3万台の自動販売機から使用済みPETボトルを回収、ケミカルリサイ
クルPET樹脂に再生させ、当社商品に再利用する循環システムを構築し、水平リサイクルを進めています。
2022年4月から、一部の大型ペットボトル(「三ツ矢」「カルピス」「アサヒ 十六茶」「アサヒ おいしい
水」「バヤリース」)でこのリサイクルPET樹脂を使用することにより、年間のCO2排出量は従来比で約47%削
減され、約18,400tのCO2が削減される見込みです。また、業界の枠を超えた連携体制により使用済のプラス
チックを再資源化する会社に共同出資を行い、中長期的なPET調達に向けた取り組みも強化しています。
また、2023年には飲料他社と共同で、複数の地方自治体との間で使用済みペットボトルを新たなペットボト
ルに再生する水平リサイクル「ボトルtoボトル」事業の連携協定を締結しました。各地で2024年から取り組み
を開始し、プラスチック資源循環を推進していきます。
海外では、オーストラリアの子会社Asahi Beverages Pty Ltdが、業界の枠を超えたパートナーシップ構築
を通じて、PETボトルのリサイクルを推進しています。リサイクル大手企業や容器メーカーと合弁会社を設立
し、2022年にはニューサウスウェールズ州でリサイクルPET樹脂の更なる生産と供給のための工場を稼働しま
した。さらに2023年にビクトリア州で2拠点目のリサイクル工場の操業を開始しました。オーストラリアでは
既に2019年より水ブランドの「Cool Ridge(クールリッジ)」に100%リサイクルPETボトルを使用しCO2排出量
を従来の約半分に削減しました。
当社グループ全体として、プラスチックのリサイクル素材、バイオ由来の素材等の更なる活用を推進してま
いります。
② 短中期的に顕在化が懸念されるリスク
1)主要原材料の調達リスク
当社がグローバルに事業展開する酒類・飲料・食品の製造においては、原材料の調達に関し、市況悪化によ
る価格高騰、気候変動や自然災害及びパンデミック等による納期遅延や供給停止に陥るリスクがあります。こ
のようなリスクに直面した場合、製造コストが上昇し、また製造数量が計画を下回ることで、グループの業績
及び財政に大きな影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対し当社では、原材料毎にヘッジポリシー及びガードレールを定め、原材料商品及び為
替市況をつぶさにモニタリングし、状況に応じ複数年での契約締結や、金融商品を活用することで価格高騰リ
スクを回避し、また必要量の安定確保に努めております。併せて、グローバル各製造拠点で原材料毎に在庫量
を定め、安全在庫を確保すると共に、シナジー創出を期待できる品目については、2024年1月に運営を開始し
たグループグローバル調達組織であるAsahi Global Procurementが、カテゴリーマネジメントとソーシング機
能を集約し、スケールメリットを活かしコスト低減に努めております。加えて、グループ間での在庫情報共有
による調整機能を活用し、調達困難時でも全製造拠点で十分な在庫量を維持できるよう努めております。
2)地政学的リスク
現在、当社グループは20を超える国に拠点を構え、グローバルに事業を展開しております。世界経済全体の
動向に加え、当社グループが事業活動を展開する国・地域における政治、経済、社会、法規制、自然災害等の
要素が、各事業に影響を与える可能性があります。
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さらに、近年は、地政学的な要因が事業に影響を及ぼす可能性が高まっていると認識しています。例えば、
ウクライナ情勢や中東情勢、台湾を巡る緊張の高まり、米国と中国の対立関係などの要因により、当社グルー
プが事業を展開する複数の国・地域において、輸出入制限、差別的な措置、商品不買運動、技術の分断、デー
タに関する規制等の具体的なリスクが想定され、同時に、今後の事業の強化やエリアの拡大を進める上でも影
響を与える要素となります。地政学的な要因によりこれらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの中
長期経営方針の実行や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、地政学的リスクに関する動向の情報収集と分析をもとに、リスクシナリオの策定及びリス
クの把握を行い、その影響を低減するための適切な対策の検討を進めてまいります。また、事業展開国・地域
のカントリーリスクの調査、情報収集、評価をもとに、リスクを早期に認識し、顕在化する前に具体的かつ適
切な対処をする取り組みも継続しております。
3)情報セキュリティ
当社グループは、高い市場競争力を確保するため、事業活動の多くをITシステムに依存しており、停電、災
害、ソフトウェアや機器の欠陥、あるいはサイバー攻撃によって、事業活動の混乱、機密情報の喪失、個人情
報の漏洩、詐欺被害、EU一般データ保護規則(GDPR)等の各国法令違反が発生する可能性があります。
このようなリスクが顕在化した場合、事業の中断、損害賠償請求やセキュリティ対策費用の増加等による
キャッシュアウト、GDPR違反による制裁金等により、当社グループの業績及び財政状態、並びに企業ブランド
価値に影響を及ぼす可能性があります。
サイバー攻撃リスクの高まりへの対応としては2022年10月にグループ全体で遵守すべきサイバーセキュリ
ティ基準を制定し、運用の徹底を図っています。当基準に準じて国内・海外グループ会社のサイバー攻撃対策
状況を評価し、セキュリティ体制の維持、及び向上に努めており、本件リスクが顕在化しないようにセキュリ
ティの改善に取り組んでいます。また、当基準内でインシデント発生時の報告ルールを明示することでグルー
プ全体でのインシデント情報を集約し、リスク対応の強化を目的とした体制整備も完了しています。
当社グループは、ビジネスの多様な分野における生成AIの活用を積極的に推進しています。我々は、この技
術が企業の競争力を高める重要な要素であると認識しており、その有効な活用を通じて、業務効率の向上とイ
ノベーションの促進を図っています。さらに、生成AIの使用に伴うリスクに対処するため、国内・海外グルー
プ会社に適用される包括的なガイドラインを制定しました。このガイドラインは、生成AIの安全かつ責任ある
使用を確実にするための運用基準と注意事項を定めており、リスクの軽減と管理に努めています。
4)多様で有能な人材の確保
中長期経営方針の目標達成には、多様な価値観や専門性を持つ社員の貢献が不可欠です。そのため、当社グ
ループは社員の多様性を尊重し、一人ひとりの成長を支援する人材育成プログラムへの投資を増やし、必要に
応じて、経営幹部や一般社員を外部から採用する取り組みを進めています。しかし、グローバルな事業の成長
に伴う人材需要の増加や必要なスキルの変化、高度化により、多様で有能な経営幹部や一般社員の確保、育
成、定着が難しく、中長期経営方針の戦略実行に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは中長期経営方針で「目指す事業ポートフォリオの構築やコア戦略を支える高度な人的資本の
確保」を掲げ、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進を通じて、戦略を支える経営基盤を強
化し、従業員のエンゲージメントを高める企業文化を醸成しています。定期的にエンゲージメント調査を実施
し、望ましい企業文化の実現度を確認しています。
また、経営者候補の育成を計画的に進めるため、グループ全体で共通のコンピテンシーモデルを策定し、将
来の経営幹部候補を育成するグローバルリーダーシッププログラムを実施し、人材パイプラインを拡充・強化
しています。さらに、各地域の人材を可視化し、国籍や性別に関係なく適材適所で配置するためのタレントレ
ビューを実施し、多様な有能な人材の活用を推進しています。新しいケイパビリティを獲得するために、社外
からの人材登用も積極的に行っています。
③ 継続的に顕在化を留意するリスク
1)大規模自然災害
2024年1月に能登半島で発生した地震が甚大な被害をもたらすなど、国内外問わず世界各地で地震、津波、
台風、洪水等の自然災害に関連するリスクは年々高まっており、大規模災害が現実のものとなっています。こ
のような大規模自然災害の発生により、従業員の被害、工場損壊、設備故障及びユーティリティー(電気、ガ
ス、水)遮断により製造が停止、倉庫損壊及び保管製品破損により出荷が停止、並びに物流機能停止により原
材料資材の調達及び製品の出荷が不能になる可能性があります。更に、事務所施設の損壊、交通機関マヒによ
る従業員の通勤不能、及びシステム障害に伴う重要データの消失等もあわせて、事業活動が停止する可能性が
あります。事業活動の復旧に長期を要した場合、施設等の改修に多額の費用が発生した場合、消費マインドが
落ち込んだ場合等、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
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当社グループは、大規模災害が発生した際に、いち早く従業員及びその家族の安否を確認する仕組みを導入
するとともに、大規模地震を含め災害リスクが高い日本においては、早急に被災地の被害状況を把握するた
め、衛星携帯電話の配備をはじめとした緊急時通信体制の強化を進めています。そのうえで、定期的な訓練を
実施することで、有事の対応力を強化するとともに、災害対応意識の啓発に努めています。
また、生産工場では、建物倒壊対策のため、全建物対象に耐震診断を実施しており、対策が必要な物件につ
いては、順次計画的に補強工事を実施しています。ボイラー、冷凍機等の大型エネルギー供給設備には大地震
(震度5弱相当)を検知すると、安全に自動停止する機能が付属し、大型ビール工場では電力供給が遮断した
場合でも、自家発電によりタンクを冷却させることで、半製品の大量腐敗を防止する等2次災害のリスク低減
対策を進めています。
また、主要グループ会社において、過去の防災対策の実績及び自然災害の経験を踏まえた「事業継続計画
(BCP)」の策定を行い、主要商品の供給を継続するための需給調整機能を早急に復旧する体制を構築すると
ともに、受発注処理等に関する重要なデータを処理するサーバーセンターのバックアップセンターを設置する
等、大規模な自然災害が起こった場合であっても被災地以外での事業活動に支障が無いように備えています。
なお、大規模な災害等が発生した際には、代表取締役社長兼Group CEOを本部長とした「緊急事態対策本
部」を設置して対応する危機管理体制を構築しており、平常時のリスクマネジメントにおいて、顕在化した際
に即時対応を要するリスクを抽出し、その影響度と必要な対応を想定することで、危機発生時にクライシスマ
ネジメントへ寸断なく移行できるよう準備しています。あわせて、国内を含めた4つのRegional
Headquarters(RHQ)体制において、危機の類型に応じてRHQと当社の役割を明確にするとともに、危機発生時
の情報ラインの整流化を図り、グローバルなクライシスマネジメント体制の強化も進めています。
これらの事前対策により災害による被害の最小化、当社グループの業績及び財政状態に対する影響の低減に
努めています。
2)人権尊重に関わるリスク
格差や貧困の拡大、気候変動等環境問題の深刻化、感染症や紛争の勃発、さらに欧米を中心とした人権尊重
に関する法規制強化などを背景に、当社グループにとって人権尊重並びに関連法規制の遵守は特に重要と認識
しています。2023年は全社の人権取り組みを強化する目的で、「アサヒグループ人権方針」を改定しました。
その中で、脆弱なステークホルダー(例:子ども、女性、移住労働者、先住民族)や人権擁護者の権利尊重
や、グリーバンスメカニズムへの通報者保護と救済措置の実行強化を加えました。また「清潔で健康的かつ持
続可能な環境に対する権利」へのコミットメントを新たに加え、今後は気候変動や生物多様性の喪失等による
人権リスクも理解し、これらを人権デューデリジェンスに組み込んで取り組みを強化していきます。
具体的な取り組みとしては、2019年以降、サプライヤーと自社従業員への人権デューデリジェンスと教育、
救済へのアクセスの構築を優先して進めています。サプライヤーについては、2024年1月からAsahi Global
Procurementが本格稼働することに伴い、グローバル調達活動を一元化し人権デューデリジェンスの方針や基
準整備、計画と実行を同組織の中で担い、今後取組内容を深化させます。新たに2030年までに原材料一次サプ
ライヤー(※既存の原材料及び包装資材の年間10万ドル以上取引のある一次サプライヤー)へのリスクアセス
メントを優先的に100%実施することを目標に実施する計画です。また、2021年には現代奴隷リスク分析でハ
イリスクとの結果が出たエチオピアとタンザニアのコーヒー豆に関わるサプライヤー等を対象とし、2022年は
ブラジルのサトウキビを対象にデスク・リサーチを行いました。2023年にはブラジルのサトウキビを対象に現
地訪問調査を実施しています。これら調査結果を踏まえて人権リスクを特定・評価し、負の影響の是正や発生
予防に取組む予定です。
自社従業員については、2030年までに事業展開国(※ディストリビューターを通じた輸出事業を除く)への
リスクアセスメントを100%実施し、各事業会社、機能部門が継続的にPDCAをモニタリングができている状態
を目指します。2024年は高リスク国の全生産拠点におけるSedexによるリスクアセスメントと、高リスクと判
断した生産拠点への実態把握調査、インタビュー、指摘事項の是正を計画しています。従業員一人ひとりが人
権方針を遵守するための人権教育として、2023年は国内全役員・社員を対象にした3つの「ビジネスと人権」
eラーニングを実施しました。
救済へのアクセス構築については、「クリーン・ライン制度」へのアンケート結果や人権有識者との対話等
を通じて抽出した課題を基に検討を進め、2024年春に新しい通報システムの運用を開始する予定です。
3)法規制とソフトローのコンプライアンス
当社グループは事業の遂行にあたって、食品衛生法、製造物責任法、労働関連規制、贈収賄規制、競争法、
GDPR等の個人情報保護規則、環境関連法規等の様々な法規制の適用を受けています。これらの法令が変更され
る、又は予期し得ない法律、規制等が新たに導入される等の理由による法令違反や社会規範に反した行動等に
より、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受け、規制遵守対応のためのコストが増加し、又はお客様
をはじめとしたステークホルダーの信頼を失うことにより、レピュテーションやブランド価値が毀損し、当社
グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
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当社グループは、事業活動を行う全ての国・地域において、適用される法令・ルールを遵守することを含
め、「Asahi Group Philosophy」で示したステークホルダーに対する5つのPrinciplesに基づき、企業倫理・
コンプライアンスを実践するための「アサヒグループ行動規範」を制定し、グループ全体での実践を推進して
います。そして、代表取締役社長兼Group CEOが委員長を務め、代表取締役社長兼Group CEO以下の業務執行取
締役、Group CxO及び委員長が任命したFunctionのHeadで構成される「コンプライアンス委員会」を設置し、
グループ全体の企業倫理・コンプライアンスを推進・監督するとともに、「アサヒグループ行動規範」に関す
る社員の研修等を通じてコンプライアンスのレベルを高め、法令違反や社会規範に反した行為等の発生可能性
を低減するよう努めています。
④ 個別戦略リスクのヒートマップ
[評価変更リスク]
②-1)主要原材料の調達リスク
2024年1月に運営を開始したグループグローバル調達組織であるAsahi Global Procurementへのカテゴリーマ
ネジメントとソーシング機能の集約により、グローバルでの安定調達と更なるコストベネフィット獲得につな
がる体制が整備された。社外環境としては今後も予断を許さない状況が続くと認識するが、前項取り組みの進
捗により、当該リスク顕在時の影響度が低減していると評価する。
②-4)多様で有能な人材の確保
引き続き人材獲得が難しい状況が続く国や地域がある中で、当社グループ内の多様で有能な人材を機動的に活
用できる体制が整い、またグループ内人材育成の強化や競争力ある報酬制度の導入等により、当該リスク顕在
化の蓋然性が低減していると評価する。
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⑤ 個別戦略リスクの経営方針・戦略との関連性
(3)その他リスク
1)品質について
当社グループは、研究開発、調達、生産、物流、販売、お客様とのコミュニケーションに至る全てのプロセス
において、お客様の期待を超える商品・サービスを提供することで、お客様の満足を追求することをグループ品
質基本方針とし、いずれのグループ会社も品質を通して、お客様との信頼関係を築くことに不断の努力を続けて
います。お客様の健康に密接に関連する事業を展開しているため、万一、不測の事態により、お客様の健康を脅
かす可能性が生じたときは、お客様の安全を最優先に考え、迅速に対応します。
しかしながら、万一、品質に問題が生じて、商品の安全性に疑義が持たれた場合には、商品の回収や製造の中
止を余儀なくされ、その対応に費用や時間を要するだけでなく、お客様からの信頼を失う可能性があります。こ
のような事象が発生した場合、中長期経営方針に掲げた「既存地域でのプレミアム化とグローバルブランドによ
る成長、展開エリアの拡大」の未達を含む、当社グループの業績及び財政状態、並びにレピュテーション及びブ
ランド価値に対して影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、品質リスク低減を目的とした品質保証レベル向上の取り組みとして、サプライチェーンの全
てのプロセスにおいて、品質に影響を与える業務や注意すべき事項を抽出し、その点検と是正による改善のPDCA
サイクルをグローバル共通の仕組みとして展開しています。
また、食の安全に関わる分野においては、研究開発部門を中心に微生物・農薬・カビ毒・重金属・樹脂・放射
性物質等多岐にわたる最新の分析技術を開発しており、グループ内の連携によりグローバルでの品質保証活動を
展開する体制・仕組みを通じて、技術面からグループ全体をサポートしています。
さらに、各グループ会社の商品特性や製造工場の環境に応じて、国際的な品質・食品安全マネジメントシステ
ムの考え方を取り入れ、必要に応じて外部認証取得しています。
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2)財務リスク
為替変動: 当社グループはグローバルに事業を展開しているため為替リスクを負っています。この
うち、海外子会社及び関連会社における資産や負債については円高が進行すると在外営
業活動体の換算差額を通じて自己資本が減少するリスクがあります。このため、必要に
応じて為替リスクのヘッジをする等の施策を実行していますが、完全にリスクが回避で
きるわけではありません。また、海外連結子会社等の損益の連結純利益に占める割合が
比較的高く、これらの収益の多くが外貨建てであり、当社の報告通貨が円であることか
ら、外国通貨に対して円高が進むと、連結純利益にマイナスのインパクトを与えます。
一方、本国で行う輸出入、及び外国間等の貿易取引から発生する、外貨建債権及び債務
等は為替レートの変動によるリスクを有しておりますが、このリスクは為替予約等と相
殺されるため影響は限定されます。
金利変動: 当社グループは銀行預金や国債等の金融資産及び銀行借入金や社債、リース負債等の負
債を保有しております。これらの資産及び負債に係る金利の変動は受取利息及び支払利
息の増減、あるいは金融資産及び金融負債の価値に影響を与え、当社グループの業績及
び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、金利リスクを回避する
目的で、金利を実質的に固定化する金利スワップを利用することがあります。またヘッ
ジ会計の要件を満たす取引については、ヘッジ会計を適用しております。
格付低下: 当社グループに対する外部格付機関による格付けが引き下げとなり、当社グループの資
本・資金調達の取引条件の悪化、もしくは取引そのものが制限される場合には、当社グ
ループの業務運営や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
保有資産の価格変動:当社グループが保有する土地や有価証券等の資産価値の下落や事業環境の変化等があっ
た場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3)税務リスク
当社グループはグローバルに事業を展開しており、本国をはじめとする、各国の税制による適用を受けてお
り、予期し得ない改正や税務当局からの更正処分を受けた場合、大幅なコストの増加、競争環境の悪化、事業活
動の制限等が懸念され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4)訴訟リスク
当社グループは、事業を遂行していくうえで、訴訟を提起される可能性があります。万一当社グループが訴訟
を提起された場合、また訴訟の結果によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり
ます。
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4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績等の概要)
(1)業績
当期における世界経済は、米国において、雇用者数の増加や個人消費の拡大を背景に景気は堅調に推移しました
が、欧州においては、インフレの進行により景気に弱さが見られました。日本経済は、原材料価格の上昇などの影
響を受けたものの、経済活動の再開による内需の回復などにより、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られまし
た。
こうした状況のなかアサヒグループは、グループ理念“Asahi Group Philosophy”の実践に向けて、メガトレン
ドからバックキャストして更新した『中長期経営方針』に基づき、持続的な成長と企業価値向上を目指した取り組
みを推進しました。「目指す事業ポートフォリオ」の構築では、グローバルブランドの拡大展開やプレミアム戦略
の推進による既存事業の成長に加え、周辺・新規領域の拡大と探索にも経営資源を積極的に配分しました。また、
サステナビリティと経営の統合をはじめとして、持続的な成長を支えるDX(デジタル・トランスフォーメーショ
ン)やR&D(研究開発)といったコア戦略を推進するとともに、長期戦略を支える経営基盤の強化として、人的資
本の高度化やグループガバナンスの進化にも取り組みました。
その結果、アサヒグループの売上収益は、2兆7,690億9千1百万円(前期比10.3%増)となりました。また、
※1
利益については、事業利益 は2,636億8千万円(前期比8.1%増)、営業利益は2,449億9千9百万円(前期比
12.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,640億7千3百万円(前期比8.3%増)、調整後親会社の所有
※2
者に帰属する当期利益 は1,656億3千2百万円(前期比0.1%増)となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前期比6.8%の増収、事業利益は前期比3.9%の増益となりまし
※3
た。
※1 事業利益とは、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した、恒常的な事業の業績を測
る当社独自の利益指標です。
※2 調整後親会社の所有者に帰属する当期利益とは、親会社の所有者に帰属する当期利益から事業ポートフォ
リオ再構築及び減損損失など一時的な特殊要因を控除したものです。
※3 2023年の外貨金額を、2022年の為替レートで円換算して比較しています。
アサヒグループの実績 (単位:百万円)
実績 前期比
売 上 収 益 2,769,091 10.3%
事 業 利 益 263,680 8.1%
営 業 利 益 244,999 12.9%
親会社の所有者に
164,073 8.3%
帰属する当期利益
調整後親会社の所有者
165,632 0.1%
に帰属する当期利益
当年度の財政状態の状況は、連結総資産は前年度末と比較して4,555億6千9百万円増加し、5兆2,859億1千3
百万円、負債は前年度末と比較して527億3千2百万円増加し、2兆8,201億3千1百万円となりました。また、資
本は前年度末に比べ4,028億3千6百万円増加し、2兆4,657億8千1百万円となりました。
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セグメントの業績は次の通りです。各セグメントの売上収益はセグメント間の内部売上収益を含んでおります。
事業セグメント別の実績
(単位:百万円)
前期比
前期比
売上収益
売上収益 営業利益 前期比
事業利益
事業利益率
為替一定 為替一定
日本 1,362,850 4.7% 4.7% 119,535 9.8% 9.8% 8.8% 111,266 15.4%
欧州 688,725 20.0% 8.3% 85,078 11.9% △1.0% 12.4% 59,437 7.7%
オセアニア 652,154 11.8% 9.1% 110,632 3.3% 0.8% 17.0% 89,673 11.8%
東南アジア 57,806 11.9% 7.8% 1,398 144.2% 134.1% 2.4% 1,009 59.4%
その他 21,542 145.8% 137.0% 5,321 278.1% 260.2% 24.7% 5,174 311.5%
調整額計 △13,988 - - △21,424 - - - △21,562 -
無形資産
- - - △36,862 - - - - -
償却費
263,680 8.1% 3.9% 9.5%
合計 2,769,091 10.3% 6.8% 244,999 12.9%
※営業利益における無形資産償却費は各事業に配賦しています。
[日本]
日本においては、酒類、飲料、食品事業で主力ブランドの価値向上を軸に成長戦略を推進するとともに、環境変
化を捉えた新たな価値提案の強化に取り組みました。また、各事業の収益基盤の強化に加え、事業の枠を超えた日
本全体でのシナジーの創出やサステナビリティへの取り組み強化により、持続的な成長に向けた基盤構築を推進し
ました。
酒類事業では、ビール類において、主力の『アサヒスーパードライ』に加え、『アサヒスーパードライ 生
ジョッキ缶』や『アサヒ生ビール』のラインアップを拡充するとともに、「ラグビーワールドカップ2023フランス
大会」に関連した広告・販売促進活動を強化しました。また、アルコール分3.5%の『アサヒスーパードライ ドラ
イクリスタル』を発売するなど、新たな価値提案を強化しました。さらに、『アサヒスタイルフリー<生>』や
※
『クリアアサヒ』をリニューアルするなど、主力ブランドの価値向上を図りました。RTD において、複数の新ブラ
ンドを各々エリア限定で発売し、新価値創造に向けた取り組みを強化しました。また、お酒を飲む人と飲まない人
が共に楽しめる生活文化の創造を目指し、「スマートドリンキング」の推進に取り組みました。
飲料事業では、微発酵茶葉を一部使用し華やかな香りが特長の緑茶の新ブランド『アサヒ 颯(そう)』に加
え、濃厚な味わいが特長の『三ツ矢』の「特濃」シリーズから新商品を発売するなど、市場の活性化を図りまし
た。また、健康な人の免疫機能の維持に役立つ機能性表示食品『守る働く乳酸菌W』を発売し、健康志向を踏まえ
た価値提案の強化に取り組みました。
食品事業では、エチケットケアニーズの高まりに対応した『ミンティアブリーズ クリアプラスマイルド』のリ
ニューアルに加え、人気アニメとコラボレーションした商品などを発売し、『ミンティア』のユーザー層の拡大を
図りました。また、機能性表示食品『ディアナチュラゴールド L-92乳酸菌&食物繊維』を発売するなど、多様化
するニーズへの対応に取り組みました。
以上の結果、売上収益は、ビール類の売上が増加した酒類事業を中心に各事業が増収となり、1兆3,628億5千
万円(前期比4.7%増)となりました。
事業利益は、原材料関連費用の増加などの影響はあったものの、増収効果や各種コストの効率化などにより、
1,195億3千5百万円(前期比9.8%増)となりました。
※ RTD:Ready To Drinkの略。購入後、そのまま飲用可能な缶チューハイなどを指します。
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[欧州]
欧州においては、欧州地域におけるブランドポートフォリオの競争優位を強化するとともに、『Asahi Super
Dry』や『Peroni Nastro Azzurro』などのグローバルブランドの拡大展開を加速させることにより、プレミアム戦
略を推進しました。また、サステナビリティの重点テーマである「環境」や「コミュニティ」などの取り組みを深
化させることにより、持続的な成長基盤を強化しました。
欧州の主要地域では、チェコにおいて、『Pilsner Urquell』を中心にチェコのビール文化を体験できる施設の
オープンに加えて、ポーランドの『Lech』での責任ある飲酒の促進や、ルーマニアの『Ursus』での生物多様性を
支援するプロモーションの展開など、ブランド価値の向上に取り組みました。また、ポーランドやイタリア、ルー
マニアにおける『Kozel』のほか、英国やルーマニア、フランスでの『Peroni Nastro Azzurro』などの拡大展開に
より、プレミアム化を推進しました。さらに、ノンアルコールビールにおいて、チェコの『Birell』やポーランド
の『Lech Free』、ルーマニアの『Ursus Cooler』など、主力ブランドを中心に新たな飲用機会の創出に向けた取
り組みを強化しました。
グローバルブランドの拡大展開では、「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」の大会公式ビールである
『Asahi Super Dry』をノンアルコールビール『Asahi Super Dry 0.0%』とともにスタジアムやファンゾーンで提
供したほか、「City Football Group」とのパートナーシップを活かしたマーケティング活動により、Asahi Super
Dryにおけるブランド認知度の向上を図りました。『Peroni Nastro Azzurro』において、欧米のゴルフ大会「2023
Ryder Cup」の公式ビールとして積極的なプロモーションを展開したほか、低アルコール度数の『Peroni Nastro
Azzurro Stile Capri』を発売しました。また、ノンアルコールビール『Peroni Nastro Azzurro 0.0%』におい
TM
て、モータースポーツチーム「Aston Martin Cognizant FORMULA ONE TEAM」とのパートナーシップによる広告を
積極展開するなど、ブランド力の強化を推進しました。
以上の結果、売上収益は、インフレ影響などにより販売数量は減少したものの、各国の主力ブランドやグローバ
ルブランドの販売強化に加えて、価格改定の効果などにより、6,887億2千5百万円(前期比20.0%増)となりま
した。
事業利益は、原材料や人件費などの費用増加はあったものの、増収効果や各種コストの効率化、為替変動の影響
などにより、850億7千8百万円(前期比11.9%増)となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前期比8.3%の増収、事業利益は前期比1.0%の減益となりまし
た。
[オセアニア]
オセアニアにおいては、酒類、飲料事業におけるプレミアム戦略の強化に加え、各事業の強みを融合したマルチ
ビバレッジ戦略の推進や統合シナジーの創出などにより、収益基盤の更なる強化を図りました。また、健康やウェ
ルネスを意識した新たな商品やサービスの提案など、サステナビリティを重視した取り組みを推進しました。
酒類事業では、主力ブランドの『Great Northern』において、積極的なマーケティング活動の推進やエクステン
ション商品として『GINGER BEER』を発売したほか、クラフトビールの商品ポートフォリオを拡充することなどに
より、ブランド価値の向上に取り組みました。また、ノンアルコールビール『Asahi Super Dry 0.0%』を展開する
とともに、RTDブランド『Vodka Cruiser』から主に若年層をターゲットにした缶商品を発売するなど、ニーズの多
様化を踏まえたラインアップの拡充を図りました。
飲料事業では、『Solo』ブランドにおいて発売50周年記念のキャンペーンを展開するなど、主力ブランドの販売
促進活動を強化したほか、健康志向の高まりに対応した新しい炭酸飲料『Bubly』を発売するなど、新たな価値提
案を推進しました。
さらに、エネルギー小売企業であるFlow Power社と再生可能エネルギー由来の電力(年間40,000メガワット時)
を購入する契約を新たに締結するなど、サステナビリティの取り組みを推進しました。
以上の結果、売上収益は、物流の混乱による影響はあったものの、行動制限の解除に伴う需要回復などにより、
6,521億5千4百万円(前期比11.8%増)となりました。
事業利益は、原材料関連の費用増加などの影響はあったものの、ミックスの改善による増収効果や各種コストの
効率化、為替変動の影響などにより、1,106億3千2百万円(前期比3.3%増)となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前期比9.1%の増収、事業利益は前期比0.8%の増益となりまし
た。
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[東南アジア]
東南アジアにおいては、主力ブランドへの選択と集中の加速や各販売チャネルとの関係強化などにより、マレー
シアを中心に各展開国における事業ポートフォリオの再構築を図りました。また、環境や貧困などの社会課題に対
する取り組みや人材育成などの強化を通じて、持続的な成長基盤の確立を推進しました。
マレーシアでは、主力ブランド『WONDA』における大規模なリニューアルに加え、eスポーツ関連のキャンペーン
を展開したほか、『CALPIS』のエクステンション商品の発売や積極的なキャンペーンの展開など、ブランド認知度
の向上を推進しました。また、再生可能エネルギー事業者との連携により、マレーシアとインドネシアにおいて太
陽光発電の利用を推進したことに加え、フィリピンでは全国の教育機関に『Goodday』を寄贈するなど、気候変動
への対応やコミュニティ活動への積極参加により、サステナビリティの取り組みを推進しました。
以上の結果、売上収益は、マレーシアにおける主力ブランドの販売が好調に推移したことに加え、価格改定の効
果や為替変動の影響などにより、578億6百万円(前期比11.9%増)となりました。
事業利益は、原材料関連の費用や輸送費の増加などの影響はあったものの、固定費全般の効率化などを推進した
ことにより、13億9千8百万円(前期比144.2%増)となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前期比7.8%の増収、事業利益は前期比134.1%の増益となりま
した。
[その他]
その他については、売上収益は、215億4千2百万円(前期比145.8%増)、事業利益は、53億2千1百万円(前
期比278.1%増)となりました。
[『中長期経営方針』の中期的なガイドラインの進捗]
「主要指標のガイドライン」については、各地域における原材料価格の上昇による影響に加えて、将来を見据え
たブランド投資の拡大などにより、事業利益(為替一定ベース)及びEPS(調整後)がガイドラインを下回る進捗
となりました。また、フリー・キャッシュ・フロー(FCF)については、有形固定資産の売却や運転資本の圧縮など
のキャッシュ創出により、ガイドラインを上回る進捗となりました。
「財務方針のガイドライン」については、FCFを金融債務の削減に充当したことなどにより、Net Debt/EBITDAも
ガイドラインどおりの進捗となりました。また、株主還元については、EPSの増加に伴い、当期は1株当たりの配
当額を8円増配の121円とすることにより、ガイドライン並みの水準となりました。
主要指標のガイドライン
3年程度を想定したガイドライン 2022-23年進捗
※1
事業利益 CAGR:5.0%
CAGR(年平均成長率):一桁台後半
※2
CAGR(年平均成長率):一桁台後半 CAGR:3.5%
EPS(調整後 )
※3
年平均2,000億円以上 年平均:2,266億円
FCF
※1 為替一定ベース
※2 調整後とは、事業ポートフォリオの再構築や減損損失など一時的な特殊要因を除いたものです。
※3 FCF=営業CF-投資CF (M&A等の事業再構築を除く)
(注)「主要指標のガイドライン」におけるFCFの金額は、表示単位未満を四捨五入して表示しております。
財務方針のガイドライン
2022年以降のガイドライン 2023年実績
・FCFは債務削減へ優先的に充当し、成長投資への余力を高める
※1
・Net Debt/EBITDA は2024年に3倍程度を目指す
成長投資・債務削減 3.08倍
(劣後債の50%はNet Debtから除いて算出)
※2
配当性向 35%程度を目途とした安定的な増配
株主還元 37.0%
(配当性向は2025年までに40%を目指す)
※1 Net Debt/EBITDA(EBITDA純有利子負債倍率)=(金融債務-現預金)/EBITDA
※2 配当性向は、親会社の所有者に帰属する当期利益から事業ポートフォリオ再構築及び減損損失などに係る
一時的な損益(税金費用控除後)を控除して算出しております。
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(2)キャッシュ・フローの状況
当年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益が2,418億7千1百万円となりましたが、法人所得
税等の支払による減少があった一方で、減価償却費等の非キャッシュ項目による増加や運転資本の効率化により、
3,475億4千7百万円(前期比:815億5千6百万円の収入増)の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や無形資産の取得に加え条件付対価の決済による支出など
により、1,177億1千3百万円(前期比:485億2千6百万円の支出増)の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に社債発行による収入があった一方で、社債の償還や借入金の返済に
よる支出などがあり、2,267億4千6百万円(前期比:71億8千9百万円の支出増)の支出となりました。
以上の結果、当年度末では、前年度末と比較して現金及び現金同等物の残高は225億7百万円増加し、599億4千
5百万円となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績
当年度におけるセグメントごとの生産実績は以下の通りであります。
セグメントの名称 金額 前期比
日 本 1,270,559 百万円 4.8%
欧 州 565,090 百万円 24.0%
オ セ ア ニ ア 555,327 百万円 10.6%
東 南 ア ジ ア 46,344 百万円 4.5%
(注)1 金額は、販売価額によっております。
2 IFRSに基づく金額を記載しております。
3 日本の生産高には、外部への製造委託を含めております。
(2)受注実績
当社グループでは受注生産はほとんど行っておりません。
(3)販売実績
当年度におけるセグメントごとの販売実績は以下の通りであります。
セグメントの名称 金額 前期比
日 本 1,362,850 百万円 4.7%
欧 州 688,725 百万円 20.0%
オ セ ア ニ ア 652,154 百万円 11.8%
東 南 ア ジ ア 57,806 百万円 11.9%
そ の 他 21,542 百万円 145.8%
調 整 額 △13,988 百万円 -
合 計 2,769,091 百万円 10.3%
(注)1 調整額はセグメント間取引であります。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、外部顧客への売上収益の
うち、総販売高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
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(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下の通りであります。
(1)重要性がある会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要
となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 6 重要な会計上の見積
り及び判断」に記載しております。
(2)当年度の経営成績の分析
① 売上収益
アサヒグループの当年度の売上収益は、前期比10.3%増、2,579億8千2百万円増収の2兆7,690億9千1百万
円となりました。日本においては、ビール類の売上が増加した酒類事業を中心に各事業が増収となり、前期比
4.7%増の1兆3,628億5千万円となりました。欧州においては、インフレ影響などにより販売数量は減少したも
のの、各国の主力ブランドやグローバルブランドの販売強化に加えて、価格改定の効果などにより、前期比
20.0%増の6,887億2千5百万円となりました。オセアニアにおいては、物流の混乱による影響はあったもの
の、行動制限の解除に伴う需要回復などにより、前期比11.8%増の6,521億5千4百万円となりました。東南ア
ジアにおいては、マレーシアにおける主力ブランドの販売が好調に推移したことに加え、価格改定の効果や為替
変動の影響などにより、前期比11.9%増の578億6百万円となりました。その他においては、前期比145.8%増の
215億4千2百万円となりました。
② 事業利益
当年度の事業利益は、前期比8.1%増、198億6千3百万円増益の2,636億8千万円となりました。日本におい
ては、原材料関連費用の増加などの影響はあったものの、増収効果や各種コストの効率化などにより、前期比
9.8%増の1,195億3千5百万円となりました。欧州においては、原材料や人件費などの費用増加はあったもの
の、増収効果や各種コストの効率化、為替変動の影響などにより、前期比11.9%増の850億7千8百万円となり
ました。オセアニアにおいては、原材料関連の費用増加などの影響はあったものの、ミックスの改善による増収
効果や各種コストの効率化、為替変動の影響などにより、前期比3.3%増の1,106億3千2百万円となりました。
東南アジアにおいては、原材料関連の費用や輸送費の増加などの影響はあったものの、固定費全般の効率化など
を推進したことにより、前期比144.2%増の13億9千8百万円となりました。その他においては、前期比278.1%
増の53億2千1百万円となりました。
③ 営業利益
営業利益は、事業利益の増益などにより、前期比12.9%増、279億5千万円増益の2,449億9千9百万円となり
ました。
④ 税引前利益
当年度の税引前利益は、営業利益の増益に加え、金融収益が前期比156.8%増、86億1千9百万円増加の141億
1千8百万円となったことや、金融費用が前期比5.2%増、8億9千9百万円増加の181億2千1百万円となった
ことなどにより、前期比17.4%増、358億7千8百万円増益の2,418億7千1百万円となりました。
⑤ 親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益の増益などにより、前期比8.3%増、125億1千8百万円増
益の1,640億7千3百万円となりました。
また、基本的1株当たり利益は323.82円(前期299.10円)となり、親会社所有者帰属持分比率は46.5%(前期
42.7%)となりました。
また、事業ポートフォリオ再構築など一時的な特殊要因を除いた親会社の所有者に帰属する当期利益を算出に
用いた調整後基本的1株当たり利益は326.90円(前期326.48円)となりました。
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(3)財政状態の分析
① 総資産
当年度の連結総資産は、為替相場の変動によるのれん及び無形資産を含む外貨建資産の増加等により、総資産
は前年度末と比較して4,555億6千9百万円増加し、5兆2,859億1千3百万円となりました。
② 負債
負債は、原材料関連の価格上昇等に伴う営業債務及びその他の債務の増加や、為替相場の変動による外貨建負
債の増加、社債及び借入金の減少等により、前年度末と比較して527億3千2百万円増加し、2兆8,201億3千1
百万円となりました。
③ 資本
資本は、前年度末に比べ4,028億3千6百万円増加し、2兆4,657億8千1百万円となりました。これは、配当
金支出により利益剰余金が減少したものの、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により利益剰余金が増加
したこと及び為替相場の変動により在外営業活動体の換算差額が増加したこと等によるものです。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は46.5%となりました。
また、事業ポートフォリオ再構築や為替変動など一時的な特殊要因を除いた「親会社の所有者に帰属する当期
利益」及び「親会社の所有者に帰属する持分合計」を算出に用いた調整後親会社所有者帰属持分当期利益率は
10.3%(前期11.1%)となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(業績等の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載の
通りであります。
また、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下の通りであります。
前年度 当年度
親会社所有者帰属持分比率(%) 42.7 46.5
時価ベースの親会社所有者帰属
43.2 50.4
持分比率(%)
キャッシュ・フロー対有利子
6.1 6.2
負債比率(年)
インタレスト・カバレッジ・
24.5 27.5
レシオ(倍)
(注)親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※ キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを使用しております。
② 資金の調達
アサヒグループの資金の源泉は、主として営業活動からのキャッシュ・フローと金融機関からの借入、社債の
発行からなります。当社は経営方針として、有利子負債残高の圧縮を基本として掲げておりますが、「事業基盤
強化・効率化を目指した設備投資」及び「M&Aを含む戦略的事業投資」については資金需要に応じて金融債務
を柔軟に活用することとしております。一方、運転資金需要については、短期借入金及びコマーシャル・ペー
パーでまかなうことを基本としております。
③ 資金の流動性
当社及び主要な連結子会社はCMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しており、各社における余剰
資金を当社へ集中し、一元管理を行うことにより、資金効率の向上と金融費用の極小化を図っております。
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(5)戦略的現状と見通し
2024年度は、コスト全般の高止まりやインフレなどによる経済減速リスクが懸念されますが、引き続き『中長期
経営方針』に基づいて、各地域におけるプレミアム戦略の推進などによる事業ポートフォリオの強靭化に取り組み
ます。更に、サステナビリティと経営の統合をはじめとしたコア戦略の一層の推進に加えて、真のグローバル化に
向けた人的資本の高度化やグループガバナンスの強化により、長期戦略を支える経営基盤を強化していきます。
日本においては、酒類、飲料、食品事業の主力ブランドに経営資源を投下するとともに、新たな価値提案の強化
などにより、成長基盤の拡大に取り組みます。また、各事業の枠を超えたシナジー創出に加えて、人的資本や組織
機能の高度化、サステナビリティへの取り組み推進などにより、日本全体の経営基盤を強化します。
欧州においては、各国のプレミアム戦略に基づく競争優位性の向上に加えて、『Asahi Super Dry』や『Peroni
Nastro Azzurro』を軸とした世界的なパートナーシップの活用などにより、グローバルブランドの認知度向上を図
ります。また、「環境」や「コミュニティ」を中心としたサステナビリティへの取り組みを強化することなどによ
り、成長基盤を更に拡大します。
オセアニアにおいては、『Great Northern』など主力ブランドを中心とした持続的な成長に加え、酒類と飲料事
業の強みを活かしたマルチビバレッジ戦略により、商品ポートフォリオの強化を図ります。また、各種オペレー
ションの最適化などによる収益構造改革やサステナビリティを重視した新価値提案などにより、事業基盤を一層強
化します。
東南アジアにおいては、自社ブランドを中心とした主力ブランドへの投資強化や販売チャネルの最適化を推進
し、マレーシアなど展開国における収益性向上を図ります。また、健康需要の取り込みやDX投資、人材育成などの
強化を通じて、成長基盤の拡大を図ります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、この文中に記載したほか、「1 経営方針、経営環境及び対処
すべき課題等」に記載の通りであります。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載の通りであります。
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5【経営上の重要な契約等】
業務提携等に関する契約
会社名 契約事項 契約締結先 締結年月 発効年月 有効期限
中国における「アサヒスーパー
アサヒグループ
ドライ」及び「アサヒビール」
ホールディングス 伊藤忠商事株式会社 1997年 1998年 2024年
の製造ライセンス供与のための
株式会社 日鉄物産株式会社 10月 8月 7月
「 」
(提出会社)
の合弁契約
沖縄県及び鹿児島県奄美大島群
アサヒビール
島を除く日本における「アサ 2020年 2020年
株式会社 オリオンビール株式会社 自動更新
ヒ オリオンドラフト」等の販 7月 7月
(連結子会社)
売契約
アサヒビール 沖縄県における「アサヒスー
2003年 2003年
株式会社 パードライ」等の製造販売ライ オリオンビール株式会社 自動更新
5月 5月
(連結子会社) センスの供与契約
アサヒグループ
飲料事業、チルド事業、食品事
ホールディングス 2007年 2007年
業、海外事業、調達・物流等の カゴメ株式会社 自動更新
株式会社 2月 2月
機能面における業務提携契約
(提出会社)
「シャンソン十六茶」バルクの
アサヒ飲料
継続的売買及び商標の使用許諾 株式会社シャンソン化粧 1998年 1998年
株式会社 自動更新
に関する契約 品 12月 12月
(連結子会社)
(注)
いずれの当事
者も5年間の
期間の延長を
Asahi Europe &
英国においてFullers, Smith &
相手方に請求
Fuller, Smith & Turner
International 2019年 2019年
できる規定を
Turner社が運営するパブに対す
4月 4月
plc
Ltd
行使し契約期
るビール等の飲料の供給契約
(連結子会社)
間が2029年4
月まで延長さ
れた。
CUB PTY LTD
豪州におけるCorona・Lowenbrau
(連結子会社)、
等のビールの継続的供給及びブ
(CUBの義務履行
ランドの使用許諾に関する契約
無期限
に関する保証の
ANHEUSER-BUSCH INBEV
2020年 2020年
(但し、2021年1月5日付けで
(但し一定の終了
み)
6月 6月
SA/NV
Heineken社に売却された、
事由あり)
アサヒグループ
Stella Artois及びBeck’sに関
ホールディングス
株式会社 する保証債務は消滅)
(提出会社)
豪州におけるCUB PTY LTD等の買
収事業の内、豪州競争法当局の
DBG (Australia) Pty
CUB PTY LTD
2021年 2021年 2024年1月
承認を受けた問題解消措置とし
Ltd及び
1月 1月 5日終了
(連結子会社) ての一部ブランド(ビール及びサ
SBM Beer Pty Ltd
イダー)の売却に付随する買主の
ための製造受託。
(注) 「シャンソン十六茶」バルクとは、アサヒ飲料社商品「十六茶」の原料茶葉であります。
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6【研究開発活動】
当年度におけるグループ全体の研究開発費は、 17,470 百万円です。そのうち日本に係る研究開発費は 7,550 百万
円、欧州に係る研究開発費は 2,779 百万円、オセアニアに係る研究開発費は 370 百万円、東南アジアに係る研究開発費
は 105 百万円、その他の事業又は全社(共通)の研究開発費は 6,664 百万円です。
※
日本、欧州、オセアニア、東南アジアでは、各地域統括会社における『中期重点戦略』 に基づき、研究開発活動
を行いました。
アサヒクオリティーアンドイノベーションズ㈱では、アサヒグループの先端研究の拠点として、アサヒグループに
おける持続的な成長を実現するため、中長期的な社会環境や競争環境の変化を見据え、メガトレンドからバックキャ
ストで導いた未来シナリオとこれまでの研究で蓄積してきた技術・知見・ノウハウを踏まえ、グループの研究開発の
重点領域に対して、新たな価値創造やリスク軽減に向けた商品・技術開発に取り組んでいます。また、グローバルに
展開している強みを活かし、最適な研究成果の導出先を見極め、各リージョンと連携を取りながら成果の最大化に努
めています。
※『中期重点戦略』の詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)対処す
べき課題」をご参照ください。
[先端研究]
(アルコール関連)
社会環境の変化や消費者ニーズの多様化に対応すべく、アルコール代替価値、新価値創造などBACにおける優位
性構築に向けた商品・技術開発の研究強化を進めております。これまでにグループで培った技術・知見に加え、外
部の先端技術も積極的に活用することで、社会の需要に対応可能な、そして既存のビジネスモデルを大きく変える
ような技術の実現を目指して参ります。本年欧州で販売開始したノンアルコールビール「Kozel 0,0%」への技術
提供など、海外への成果導出を見据えた各種技術開発にも取り組んでおり、得られた研究成果の最大化を図ってま
いります。
(ヘルス&ウェルネス)
酵母・乳酸菌をはじめとする微生物研究や、これまで培ってきた健康機能性研究に、最先端のテクノロジーを導
入し磨き続けています。乳酸菌等既存素材の潜在的な健康機能を探索することに加え、新しい健康領域における素
材の開発、これまで科学的に検証されてこなかった飲食がもたらす価値の深掘り、及び発酵技術を活かした天然素
材の開発に取り組むことで、独自性の高い健康価値の事業化やグローバル展開に貢献しています。
具体的には、「L-92乳酸菌」の研究によって免疫領域での機能性表示が可能となりました。「L-92乳酸菌」と免
疫研究を通じて、我々は人々の生涯にわたる健康の維持増進に貢献できると考えています。また、「ラクトバチル
ス・ガセリCP2305株」では、近年社会的に注目されているフェムテック領域において機能性表示が可能になりまし
た。月経周期に関連した具体的な機能性表示の届出が受理された、初の事例になります。さらに、これらの素材の
海外展開を見据え、各国の法規制対応やヘルスクレームの取得に向けた取り組みも開始しました。
(サステナビリティ)
2023年2月に制定した新環境ビジョンのスローガン「プラネットポジティブ」の達成に向けて、農業、エネル
ギー、容器包装など原料製造から製品提供に至るバリューチェーン上のさまざまな工程において持続可能な社会の
実現に資する技術開発に取り組んでいます。気候変動対策では、CO2排出量削減の取り組みである「ビール工場排
水由来のバイオメタンガスを利用した燃料電池による発電技術」を国連気候変動枠組条約第28回締約国会議
(COP28)ジャパンパビリオンにて世界にPRする一方で、同技術の実装及び汎用性向上に向けた低コスト化・省ス
ペース化に取り組んでいます。加えて事業活動で副生する副産物や熱など未利用資源・エネルギーの幅広い活用を
目的とした研究も行っています。容器包装については、化石燃料を用いたプラスチック容器の使用量削減に向け
て、環境配慮素材への代替検討をはじめ、使い捨て容器を使用しない社会に向けた技術として強炭酸サーバーの実
用化も進めています。更に、将来的な農産物原料の調達リスク低減のため、再生型農業の検証、節水型農業の技術
開発やコーヒーなどの気候変動に影響を受けやすい原料の代替技術の開発にも着手しています。
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第3【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
当年度の設備投資は、 140,525 百万円(ソフトウエアを含む)であり、セグメント毎の内訳は次の通りでありま
す。
日本においては、主に売上・事業利益拡大につながる成長投資、収益改善投資やコア戦略の一つであるDXに関わ
るシステム投資を実施しました。その結果、日本の設備投資額は 56,953 百万円となりました。
欧州においては、主にハンガリー及びルーマニアにおける製造能力増強など成長投資を実施しました。その結果、
欧州の設備投資額は、 60,853 百万円となりました。
オセアニアにおいては、主に売上拡大につながる缶の能力増強投資を実施しました。その結果、オセアニアの設備
投資額は、 19,501 百万円となりました。
東南アジアにおいては、売上拡大に向けた基盤事業の維持・強化を目的とした営業投資を実施しました。その結
果、東南アジアの設備投資額は 894 百万円となりました。
その他の事業及び全社(共通)の設備投資額は、それぞれ 510 百万円、 1,813 百万円となりました。
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2【主要な設備の状況】
(1)提出会社
帳簿価額(百万円)
セグメ 従業
事業所名 設備の
ントの 機械装置 員数
(所在地) 内容 建物及び 土地 使用権
名称 及び その他 合計 (人)
構築物 (面積㎡) 資産
運搬具
本店他 3,665 192
その他 本店設備等 13,868 2 19 607 18,163
(東京都墨田区他) (44,018) ≪8≫
(2)国内子会社
帳簿価額(百万円)
セグメ 従業
事業所名 設備の
会社名 ントの 機械装置 員数
(所在地) 内容 建物及び 土地 使用権
名称 及び その他 合計 (人)
構築物 (面積㎡) 資産
運搬具
茨城工場他
23,483
アサヒビール 5工場 ビール等 882
日本 31,661 41,738 (1,640,377) - 2,230 99,114
㈱ (茨城県守谷 製造設備 ≪82≫
[18,580]
市他)
仙台工場他 3,071
ウイス
ニッカウヰス 7工場 (871,872) 277
日本 キー等製 7,629 14,256 - 304 25,262
キー㈱ (仙台市青葉 [18,440] ≪226≫
造設備
区他) <1,140>
明石工場他
16,509
アサヒ飲料㈱ 6工場 清涼飲料 768
日本 19,545 30,318 (595,543) - 646 67,019
他1社 (兵庫県明石 製造設備 ≪658≫
<238,632>
市他)
岡山工場他
3,372
アサヒグルー 4工場 食品 488
日本 9,742 8,200 (169,620) - 280 21,594
プ食品㈱ (岡山県浅口 製造設備 ≪315≫
[85]
郡)
本社・野洲工
アサヒビール 場他1工場 麦芽 489 32
日本 619 426 - 18 1,554
モルト㈱ (滋賀県野洲 加工設備 (85,833) ≪3≫
市他)
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(3)在外子会社
帳簿価額(百万円)
セグメ 従業
事業所名 設備の
機械装置
会社名 ントの 員数
建物及び 土地 使用権
(所在地) 内容
及び その他 合計
名称 (人)
構築物 (面積㎡) 資産
運搬具
ローマ工場他
Birra Peroni
ビール 5,660 395
3工場 欧州 10,315 18,049 258 157 34,441
製造設備 (512,980) ≪113≫
S.r.l.
(ローマ 他)
エンスヘーデ
Koninklijke
工場 ビール 3,960 271
欧州 13,110 7,182 184 - 24,438
Grolsch N.V. (エンスヘー 製造設備 (254,000) ≪81≫
デ)
ピルゼン工場
8,384
他2工場 ビール 793
欧州 25,263 24,299 (947,392) 5,957 13,145 77,050
(ピルゼン 製造設備 ≪-≫
[6,755]
他)
ヴェルキーサ
Pivovary
ビール 464 166
リス工場 欧州 1,303 2,319 15 152 4,255
Topvar a.s. 製造設備 (93,000) ≪-≫
(プレショフ)
ポズナン工場
Kompania
他2工場 1,410
ビール 984
Piwowarska (ヴィエルコ 欧州 13,832 15,330 (539,831) 42 889 31,506
製造設備 ≪-≫
ポルスカ [474,666]
S.A.
他)
ブザウ工場他
Ursus
ビール 2,414 756
3工場 欧州 9,492 14,935 93 663 27,599
Breweries SA 製造設備 (294,000) ≪23≫
(ブザウ 他)
Dreher
ブダペスト工
ビール 847 199
Sörgyárak 場 欧州 2,424 4,855 - 57 8,184
製造設備 (244,868) ≪3≫
(ブダペスト)
Zrt.
タラマリン工
Asahi
5,081
場他5工場 オセア 清涼飲料 545
2,838 21,574 (1,528,415) 14,464 685 44,645
Lifestyle
(ヴィクトリ ニア 製造設備 ≪153≫
[143,882]
Beverages
ア州 他)
アボッツ
フォード工場
CUB Pty Ltd
オセア ビール 18,677 851
他4工場 7,900 30,390 3,233 3,174 63,375
ニア 製造設備 (4,316,722) ≪121≫
他8社
(ヴィクトリ
ア州 他)
Asahi
パパクラ工場 オセア ビール 853 65
Beverages
1,383 1,742 525 19 4,524
(パパクラ) ニア 製造設備 (85,972) ≪-≫
(NZ) Limited
Etika
バンギ工場 67
東南 清涼飲料 272
Beverages
(スランゴー 1,488 1,569 (40,636) - 32 3,159
アジア 製造設備 ≪1≫
ル州) [40,636]
Sdn. Bhd.
Etika
メル工場他
964
Dairies Sdn.
3工場 東南 乳製品 483
2,196 2,023 (558,664) 146 27 5,359
(スランゴー アジア 製造設備 ≪1≫
Bhd.
[35,290]
ル州 他)
他3社
(注)1 帳簿価額の内「その他」は、工具、器具及び備品等で、建設仮勘定の金額を含めておりません。
2 上記の内土地の一部について連結会社以外から賃借しています。賃借料は年額1,686百万円で、賃借してい
る土地の面積については[ ]で内書しております。
3 上記< >は、連結会社以外への賃貸設備で、帳簿価額に含まれております。
4 上記≪ ≫は、臨時従業員数であります。
5 現在休止中の主要な設備は、ありません。
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6 上記の他、連結子会社の支社等の営業設備の工具、器具及び備品を中心に賃借資産があります。
3【設備の新設、除却等の計画】
(1)重要な設備の新設等
該当事項はありません。
(2)重要な設備の除却等
アサヒビール鳥栖工場の操業開始について、2022年2月15日に公表した「生産・物流拠点の再編計画」に基づき
準備を進めてきましたが、建設や設備などにかかる費用が当初計画から大幅に高騰したため、3年をめどに延期
し、2029年からの操業開始とすることを2023年11月10日に決定しました。
アサヒビール博多工場は2025年末をめどに操業を終了する予定でしたが、本件に伴い操業を延長します。
博多工場の操業終了後の跡地活用については、現時点で未定です。
(注)「鳥栖工場」は、2022年2月15日に開示した「新九州工場」を指します。
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第4【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
種類 発行可能株式総数(株)
普通株式 972,305,309
計 972,305,309
②【発行済株式】
事業年度末現在 提出日現在 上場金融商品取引所名
種類 発行数(株) 発行数(株) 又は登録認可金融商品 内容
(2023年12月31日) (2024年3月27日) 取引業協会名
完全議決権株式であり権利内
容に制限のない標準となる株
東京証券取引所
507,003,362 507,003,362
普通株式 式であります。
プライム市場
単元株式数は100株でありま
す。
507,003,362 507,003,362
計 - -
(2)【新株予約権等の状況】
①【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
発行済株式 発行済株式 資本準備金 資本準備金
資本金増減額 資本金残高
年月日 総数増減数 総数残高 増減額 残高
(百万円) (百万円)
(千株) (千株) (百万円) (百万円)
2020年9月14日(注)1 20,875 504,461 33,435 215,967 33,435 83,728
2020年10月13日(注)2 2,541 507,003 4,077 220,044 4,077 87,806
(注)1 2020年9月14日を払込期日とする公募による新株式発行により、発行済株式総数が20,875千株、資本金及び
資本準備金がそれぞれ33,435百万円増加しております。
発行価格 3,357円
発行価額 3,218.56円
資本組入額 1,609.28円
払込金総額 67,189百万円
2 2020年10月13日を払込期日とするオーバーアロットメントによる売出しに関連して行う第三者割当増資によ
る新株式発行により、発行済株式総数が2,541千株、資本金及び資本準備金がそれぞれ4,077百万円増加して
おります。
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(5)【所有者別状況】
2023年12月31日現在
株式の状況(1単元の株式数 100 株)
単元未満
区分 政府及び 外国法人等 株式の状況
金融商品 その他の 個人
地方公共 金融機関 計 (株)
取引業者 法人 その他
団体 個人以外 個人
株主数
- 141 45 1,298 894 227 124,266 126,871 -
(人)
所有株式数
- 1,806,604 432,936 215,420 2,134,578 623 474,311 5,064,472 556,162
(単元)
所有株式数の割合
- 35.672 8.548 4.253 42.148 0.012 9.365 100.000 -
(%)
(注)1 自己株式191,598株は「個人その他」に1,915単元及び「単元未満株式の状況」に98株含めて記載しておりま
す。
2 「その他の法人」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が28単元含まれております。
3 単元未満株式のみを保有する株主数は、16,930名であります。
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(6)【大株主の状況】
2023年12月31日現在
発行済株式(自己
株式を除く。)の
所有株式数
氏名又は名称 住所 総数に対する所有
(千株)
株式数の割合
(%)
日本マスタートラスト信託銀行株式
東京都港区浜松町2-11-3 94,896 18.72
会社(信託口)
株式会社日本カストディ銀行(信託
東京都中央区晴海1-8-12 33,099 6.53
口)
東京都千代田区丸の内3-3-1 17,106 3.38
SMBC日興証券株式会社
東京都千代田区有楽町1-13-1 11,200 2.21
第一生命保険株式会社
東京都千代田区内幸町2-2-2 10,000 1.97
富国生命保険相互会社
STATE STREET BANK WEST CLIENT -
1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY,
TREATY 505234
9,429 1.86
MA 02171,U.S.A.
(常任代理人 株式会社みずほ銀行
(東京都港区港南2-15-1)
決済営業部)
ONE CONGRESS STREET, SUITE 1,
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT
7,903 1.56
BOSTON, MASSACHUSETTS
(常任代理人 香港上海銀行東京支
店カストディ業務部)
(東京都中央区日本橋3-11-1)
168 ROBINSON ROAD #37-01 CAPITAL
GIC PRIVATE LIMITED - C
7,463 1.47
TOWER SINGAPORE068912
(常任代理人 株式会社三菱UFJ
銀行)
(東京都千代田区丸の内2-7-1)
25 BANK STREET, CANARY WHARF,
JP MORGAN CHASE BANK 385781
6,802 1.34
LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM
(常任代理人 株式会社みずほ銀行
決済営業部)
(東京都港区港南2-15-1)
CEP LUX-ORBIS SICAV 31 Z.A. BOURMICHT, L-8070 BERTRANGE,
5,727 1.13
(常任代理人 シティバンク、エ LUXEMBOURG
ヌ・エイ東京支店) (東京都新宿区新宿6-27-30)
203,628 40.18
計 -
(注)1 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)及び株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式
数は、全て信託業務に係る株式であります。
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2 ブラックロック・ジャパン株式会社から、大量保有報告書(変更報告書)の提出があり(報告義務発生日
2023年5月31日)、次のとおり株式を所有している旨報告を受けておりますが、2023年12月31日現在におけ
る当該法人名義の実質所有株式数の確認ができませんので、上記「大株主の状況」では考慮しておりませ
ん。
発行済株式総数に
所有株式数
氏名又は名称 住所 対する所有株式数
(千株)
の割合(%)
ブラックロック・ジャパン株式会社 東京都千代田区丸の内1-8-3 10,270 2.03
ブラックロック(ネザーランド)BV
オランダ王国 アムステルダム
1,267 0.25
(BlackRock (Netherlands) BV)
HA1096 アムステルプレイン 1
ブラックロック・ファンド・マネ
英国 ロンドン市 スログモートン・ア
ジャーズ・リミテッド(BlackRock
1,003 0.20
ベニュー 12
Fund Managers Limited)
ブラックロック・アセット・マネジ
アイルランド共和国 ダブリン ボール
メント・アイルランド・リミテッド
スブリッジ ボールスブリッジパーク 2
3,023 0.60
(BlackRock Asset Management
1階
Ireland Limited)
ブラックロック・ファンド・アドバ
米国 カリフォルニア州 サンフランシ
イザーズ(BlackRock Fund
8,650 1.71
スコ市 ハワード・ストリート 400
Advisors)
ブラックロック・インスティテュー
ショナル・トラスト・カンパニー、
米国 カリフォルニア州 サンフランシ
エヌ.エイ.(BlackRock
6,378 1.26
スコ市 ハワード・ストリート 400
Institutional Trust Company,
N.A.)
ブラックロック・インベストメン
ト・マネジメント(ユーケー)リミ
英国 ロンドン市 スログモートン・ア
643 0.13
テッド(BlackRock Investment
ベニュー 12
Management (UK) Limited)
3 野村アセットマネジメント株式会社から、大量保有報告書(変更報告書)の提出があり(報告義務発生日
2023年12月15日)、次のとおり株式を所有している旨報告を受けておりますが、2023年12月31日現在におけ
る当該法人名義の実質所有株式数の確認ができませんので、上記「大株主の状況」では考慮しておりませ
ん。
発行済株式総数に
所有株式数
氏名又は名称 住所 対する所有株式数
(千株)
の割合(%)
ノムラ インターナショナル ピー
1 Angel Lane, London EC4R 3AB,
エルシー(NOMURA INTE 699 0.14
United Kingdom
RNATIONAL PLC)
野村アセットマネジメント株式会社 東京都江東区豊洲2-2-1 28,518 5.62
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4 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループから、大量保有報告書の提出があり(報告義務発生日 2023
年12月25日)、次のとおり株式を所有している旨報告を受けておりますが、2023年12月31日現在における当
該法人名義の実質所有株式数の確認ができませんので、上記「大株主の状況」では考慮しておりません。
発行済株式総数に
所有株式数
氏名又は名称 住所 対する所有株式数
(千株)
の割合(%)
株式会社三菱UFJ銀行 東京都千代田区丸の内2-7-1 740 0.15
三菱UFJ信託銀行株式会社 東京都千代田区丸の内1-4-5 13,272 2.62
三菱UFJアセットマネジメント株
東京都港区東新橋1-9-1 6,233 1.23
式会社
三菱UFJモルガン・スタンレー証
東京都千代田区大手町1-9-2 5,108 1.01
券株式会社
5 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社から、大量保有報告書(変更報告書)の提出があり(報
告義務発生日 2023年12月29日)、次のとおり株式を所有している旨報告を受けておりますが、2023年12月
31日現在における当該法人名義の実質所有株式数の確認ができませんので、上記「大株主の状況」では考慮
しておりません。
発行済株式総数に
所有株式数
氏名又は名称 住所 対する所有株式数
(千株)
の割合(%)
三井住友トラスト・アセットマネジ
東京都港区芝公園1-1-1 14,037 2.77
メント株式会社
日興アセットマネジメント株式会社 東京都港区赤坂9-7-1 11,865 2.34
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(7)【議決権の状況】
①【発行済株式】
2023年12月31日現在
区分 株式数(株) 議決権の数(個) 内容
無議決権株式 - - -
議決権制限株式(自己株式等) - - -
議決権制限株式(その他) - - -
(自己保有株式)
-
191,500
株主としての権利内容に制
完全議決権株式(自己株式等)
限のない標準となる株式
(相互保有株式)
-
9,400
506,246,300 5,062,463
完全議決権株式(その他) 同上
556,162
単元未満株式 - -
507,003,362
発行済株式総数 - -
5,062,463
総株主の議決権 - -
(注)1 事業年度末現在の「単元未満株式」の欄には、自己保有株式98株及び相互保有株式(今泉酒類販売株式会
社)2株、株式報酬制度の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行が保有する株式5株が含まれてお
ります。
2 「完全議決権株式(その他)」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が2,800株(議決権の数28個)及び
株式報酬制度の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行が保有する株式が132,500株(議決権の数
1,325個)含まれております。
3 「完全議決権株式(自己株式等)」「完全議決権株式(その他)」「単元未満株式」は、全て普通株式であ
ります。
②【自己株式等】
2023年12月31日現在
発行済株式
自己名義 他人名義 所有株式数
所有者の氏名 総数に対する
所有者の住所 所有株式数 所有株式数 の合計
又は名称 所有株式数
(株) (株) (株)
の割合(%)
(自己保有株式)
東京都墨田区吾妻橋
191,500 191,500 0.04
アサヒグループホールディ -
一丁目23番1号
ングス株式会社
(相互保有株式) 福岡県糟屋郡粕屋町大字
9,400 9,400 0.00
-
今泉酒類販売株式会社 仲原1771番地の1
200,900 200,900 0.04
計 - -
(注) 株式報酬制度の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行が保有する株式132,500株は、上記自己保有株
式には含めておりません。
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(8)【役員・従業員株式所有制度の内容】
当社は、「長期にわたる継続した企業価値向上に対する取締役の動機付け」と「株主の皆様との利益・リス
クの共有を図ること」を目的として、株式報酬制度を導入しております。
① 制度の概要
本制度は、社外取締役を除く取締役(以下「取締役」といいます。)に対し、役位・役割に応じたポイントを
毎年付与し、取締役の退任時に、付与されたポイントの累積数に相当する数の当社株式を交付するという、長期
の株式報酬制度です。本制度は、当社が金銭を拠出し設定する信託(以下「本信託」といいます。)が当社株式
を取得し、対象となる取締役に株式を交付するという、役員向け株式交付信託の仕組みを採用いたします。な
お、取締役に当社株式等の交付等を行う時期は、原則、取締役の退任時であります。
② 各取締役に付与されるポイントの算定方法
当社は、取締役会で定める株式交付規程に基づき、各取締役に対し、本信託の期間中における毎年の決算承認
取締役会の日に、役位・役割に応じて算定されるポイントを付与いたします。ただし、当社が取締役に付与する
ポイントの総数は、1事業年度当たり37,500ポイントを上限といたします。
③ 本信託に株式取得資金として拠出される信託金の上限額
当社は、本制度により当社株式を取締役に交付するのに必要な当社株式の取得資金として、2022年12月末日に
終了する事業年度から2024年12月末日に終了する事業年度までの3事業年度(以下「対象期間」といいます。)
中に、金4億5千万円を上限とする金銭を、2016年12月28日に設定済みである本信託に対して追加拠出し、一定
の要件を満たす取締役を受益者として本信託を継続いたします。本信託は、当社が追加信託した金銭(及び、追
加信託以前に本信託内に残存する金銭があれば当該残存金銭)を原資として、当社株式を、株式市場を通じて、
又は当社の自己株式処分を引き受ける方法により取得いたします。なお、当社の取締役会の決議により、対象期
間を3年ごとに延長するとともに信託期間を延長し(当社が設定する本信託と同一の目的の信託に本信託の信託
財産を移転することにより、実質的に信託期間を延長することを含みます。)、本制度を継続することがありま
す。この場合、当社は、本制度により取締役に交付するのに必要な当社株式の追加取得資金として、当該延長分
の対象期間中に、金4億5千万円を上限とする金銭を本信託に追加拠出いたします。また、この場合には、延長
された本信託の期間内に前記②のポイントの付与及び後記④の当社株式の交付を継続いたします。
ただし、上記によるポイント付与を継続しない場合であっても、本信託の期間満了時において、既にポイント
を付与されているもののまだ退任していない取締役がある場合には、当該取締役が退任し当社株式の交付が完了
するまで、本信託の信託期間を延長することがあります。
※当社が実際に本信託に追加信託する金銭は、上記の当社株式の取得資金のほか、信託報酬、信託管理人報酬等
の必要費用の見込み額を合わせた金額となります。
④ 各取締役に対する当社株式の交付
各取締役に交付すべき当社株式の数は、当該取締役に付与されたポイント数に1を乗じた数といたします(た
だし、当社株式について、株式分割・株式併合等、交付すべき当社株式数の調整を行うことが合理的であると認
められる事象が生じた場合には、かかる分割比率・併合比率等に応じて、合理的な調整を行います。)。
各取締役に対する当社株式の交付は、各取締役がその退任時に所定の受益者確定手続きを行うことにより、本
信託から行われます。なお、現制度に基づき付与されたポイント相当の当社株式で未交付のものは、本制度に基
づき付与されたポイント相当の当社株式とともに本信託から交付されます。また、源泉徴収税の納税資金を当社
が源泉徴収するのに必要な場合など、株式交付規程・信託契約に定めた一定の場合に該当する場合には、交付す
べき当社株式の一部を本信託内で売却換金したうえで、当社株式に代わり金銭で交付することがあります。
⑤ 本信託の概要
名称:役員向け株式交付信託
委託者:当社
受託者:三井住友信託銀行株式会社
受益者:取締役のうち受益者要件を満たす者
信託管理人:当社及び当社の子会社並びにそれらの役員及び執行役員と利害関係のない第三者を選定
信託の種類:金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
金銭を追加信託する日:2022年5月
信託の期間:2016年12月~2025年6月
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2【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】
会社法第155条第7号に該当する普通株式の取得
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分 株式数(株) 価額の総額(千円)
当事業年度における取得自己株式 4,850 25,801
当期間における取得自己株式 792 4,347
(注)1 当期間における取得自己株式には、2024年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り
による株式数は含めておりません。
2 上記の取得自己株式には、株式報酬の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行が取得した当社株式は
含めておりません。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
当事業年度 当期間
区分
処分価額の総額 処分価額の総額
株式数(株) 株式数(株)
(千円) (千円)
引き受ける者の募集を行った取得自己株式 - - - -
消却の処分を行った取得自己株式 - - - -
合併、株式交換、株式交付、会社分割に係る移
- - - -
転を行った取得自己株式
その他(注)3 122 379 - -
保有自己株式数 191,598 - 192,390 -
(注)1 当期間における「その他」には、2024年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買増請求
等による株式数は含めておりません。
2 当期間における「保有自己株式数」には、2024年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の
買取請求及び単元未満株式の買増請求等による株式数は含めておりません。
3 当事業年度及び当期間の内訳は、全て単元未満株式の買増請求によるものであります。
4 上記の保有自己株式数には、株式報酬の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行が保有する当社株式
は含めておりません。
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3【配当政策】
「中長期経営方針」に基づいて、創出されるフリー・キャッシュ・フローは、2020年に実施した豪州のCUB事業の
取得に伴い増加した債務の削減へ優先的に充当し、成長投資への余力を高めるとともに、2022年以降のガイドライン
※
として、「Net Debt/EBITDA は2024年に3倍程度」を掲げております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、これらの剰余金の配当の
決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当期の期末配当金は、連結財務状況や通期の連結業績等を勘案し、1株当たり65円とし、中間配当の56円と合わせ
て、年間では8円増配の121円の普通配当を実施いたしました。
当社は、取締役会の決議によって、毎年6月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めて
おります。
次期の配当金は、1株当たり中間配当66円、期末配当66円の年間では11円増配の132円の普通配当となる予定で
す。
※劣後債の50%はNet Debtから除いて算出。
基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下の通りであります。
配当金の総額 1株当たり配当額
決議
(百万円) (円)
2023年8月9日
28,381 56.00
取締役会
2024年3月26日
32,942 65.00
定時株主総会
(注)1.2023年8月9日開催取締役会の決議による配当金の総額には、株式報酬制度の信託財産として、株式会社日
本カストディ銀行が保有する当社株式に対する配当金7百万円が含まれております。
2.2024年3月26日開催定時株主総会の決議による配当金の総額には、株式報酬制度の信託財産として、株式会
社日本カストディ銀行が保有する当社株式に対する配当金8百万円が含まれております。
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4【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、グループのコーポレート・ガバナンスの充実を経営の最優先課題の一つと位置付け、グローバル化に
対応したグループ経営の強化、サステナビリティ経営の推進など社会との信頼関係の強化、ステークホルダーと
のエンゲージメントの推進など企業の社会性・透明性の向上に積極的に取り組んでいます。
② 企業統治の体制
当社は、監査役会設置会社として、監査役の独立性・独任制、常勤監査役といった監査役制度の特長を活かし
つつ、過半数を独立社外監査役で構成する監査役会により取締役の職務の執行を監査しています。また、取締役
会の諮問機関として、その過半数を独立社外役員とする指名委員会及び報酬委員会並びにその半数を独立社外役
員とするサステナビリティ委員会を任意に設置しており、これらの体制により取締役会が高い実効性をもって経
営陣をモニタリングできる仕組みを構築しています。
(a)企業統治の体制の概要
当社のコーポレート・ガバナンス体制は、次の通りです。
注 Corporate Management Boardは従来の経営戦略会議の後継組織です。
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1) 取締役会
■構成員:16名(うち社外取締役6名、社外監査役3名)
役職 氏名
取締役会長 兼 取締役会議長
◎小路 明善
代表取締役社長 兼 Group CEO
勝木 敦志
取締役 EVP 兼 Group CPO
谷村 圭造
取締役 EVP 兼 Group CFO
﨑田 薫
取締役 EVP
西中 直子
社外取締役(独立役員) クリスティーナ・アメージャン
社外取締役(独立役員) 佐々江 賢一郎
社外取締役(独立役員) 大橋 徹二
社外取締役(独立役員) 松永 真理
社外取締役(独立役員) 佐藤 千佳
社外取締役(独立役員) メラニー・ブロック
常勤監査役 福田 行孝
常勤監査役 大島 明子
社外監査役(独立役員) 川上 豊
社外監査役(独立役員) 大八木 成男
社外監査役(独立役員) 田中 早苗
◎は、議長を示しています。
Group CEO:Group Chief Executive Officer、Group CPO:Chief People Officer、
Group CFO:Group Chief Financial Officer、EVP:Executive Vice President
取締役会は、グループ理念「Asahi Group Philosophy」や「中長期経営方針」などの重要な企業戦略を決
議し、その実行を推進しています。また、内部統制システムやリスク管理体制を整備することで、CEO以下
の経営陣によるリスクテイクを適切に支えています。
■構成
当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に必要な、取締役会全体としての知識・経験・能力のバ
ランス、多様性を確保するため、AGPや経営戦略などから導いた取締役に求める要件を明確化した「取締役
会スキルマトリックス」を策定し、この「取締役会スキルマトリックス」に基づき、当社が必要とする豊富
な経験・高い見識・高度な専門性、能力を有する人物により取締役会を構成しています。また、社外取締役
は、企業経営者、有識者など、取締役の1/3以上を当社で定める独立役員の要件を満たす人物とすることと
しております。
■活動状況
取締役会は原則として毎月1回定期的に開催するほか、必要に応じて臨時に開催しております。2023年度
は定例の取締役会を12回開催し、超長期を見据えた経営の方向性の討議、中長期の経営方針、事業ポート
フォリオの方針決定、執行と監督の分離による意思決定プロセス強化、役員人事と役員報酬の審議、リスク
ガバナンス及び取締役会としての有事対応などの答申又は討議を行いました。取締役及び監査役の出席率は
100%でした。
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2) 監査役会
■構成員:5名(うち社外監査役3名)
役職 氏名
常勤監査役 ◎福田 行孝
常勤監査役 大島 明子
社外監査役(独立役員) 川上 豊
社外監査役(独立役員) 大八木 成男
社外監査役(独立役員) 田中 早苗
◎は、議長を示しています。
常勤監査役の有する情報と社外監査役の有する高い専門性を合せることで、独立した客観的な立場で能動
的・積極的に権限を行使し、適切に判断して行動することができる体制を確保しています。
■構成
当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に貢献するために求められる知識・経験・能力及び多様
性を監査役会全体としてバランス良く確保するため、監査役に求める要件を明確化した「監査役会スキルマ
トリックス」に基づき、当社が必要とする豊富な経験、高い見識、高度な専門性・能力を有する監査役に相
応しい人物により監査役会を構成しています。
また、監査役のうち3名は当社の定める独立役員の要件を満たす社外監査役とすることとしており、その
分野における豊富な経験と幅広い見識を有する、企業会計に関する専門家、弁護士及び企業経営経験者を選
任することとしております。
■活動状況
2023年度は12回開催し、監査役の出席率は100%でした。
3) 指名委員会
■構成員:5名(うち社外取締役3名)
役職 氏名
社外取締役(独立役員) ◎佐々江 賢一郎
社外取締役(独立役員) クリスティーナ・アメージャン
社外取締役(独立役員) 大橋 徹二
取締役会長 兼 取締役会議長
小路 明善
代表取締役社長 兼 Group CEO
勝木 敦志
◎は、委員長を示しています。
Group CEO:Group Chief Executive Officer
取締役及び監査役の候補者などに関する取締役会の諮問に対し、答申を行います。
■構成
社外取締役3名及び社内取締役2名で構成され、委員長は互選により社外取締役が務めています。
■活動状況
2023年度は9回開催され、主に取締役及び監査役の候補者の選任、代表取締役、会長、社長・Group
CEO、Group CXOの選定、指名委員会委員選任、2023年度の委員会活動計画、サクセッション・プラン及び人
材育成・獲得・評価制度などの答申又は討議を行いました。委員の出席率は100%でした。
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4) 報酬委員会
■構成員:5名(うち社外取締役3名)
役職 氏名
社外取締役(独立役員) ◎クリスティーナ・アメージャン
社外取締役(独立役員) 佐々江 賢一郎
社外取締役(独立役員) 大橋 徹二
取締役 EVP 兼 Group CPO
谷村 圭造
取締役 EVP 兼 Group CFO
﨑田 薫
◎は、委員長を示しています。
Group CPO:Group Chief People Officer、Group CFO:Group Chief Financial Officer
EVP:Executive Vice President
取締役の報酬制度・報酬額などに関する取締役会の諮問に対し、答申を行います。
■構成
社外取締役3名及び社内取締役2名で構成され、委員長は互選により社外取締役が務めています。
■活動状況
2023年度は10回開催され、主に年次賞与支給にかかる個人評価、役員賞与(年次、中期)、株式報酬ポイ
ントの付与、報酬委員会委員選任、中期賞与における社会的価値指標、業務執行取締役の評価制度及び次年
度以降の役員報酬などの答申又は討議を行いました。委員の出席率は100%でした。
5) サステナビリティ委員会
■構成員:4名(うち社外取締役2名)
役職 氏名
代表取締役社長 兼 Group CEO
◎勝木 敦志
取締役 EVP 兼 Group CPO
谷村 圭造
社外取締役(独立役員) クリスティーナ・アメージャン
社外取締役(独立役員) 松永 真理
◎は、委員長を示しています。
Group CEO:Group Chief Executive Officer、Group CPO:Group Chief People Officer、
EVP:Executive Vice President
サステナビリティと経営の統合のさらなる推進及びサステナビリティに関する重要なテーマについて専門
的な見地から討議し提言を行うことにより、取締役会のモニタリング体制を強化します。
■構成
社外取締役2名及び社内取締役2名で構成され、委員長は代表取締役社長兼Group CEOが務めています。
■活動状況
2023年度は1回開催され、主にサステナビリティ委員会の運営方針、2024年度の討議テーマについて討議
を行いました。委員の出席率は100%でした。
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6) グローバルサステナビリティ委員会
■構成員:13名
役職 氏名
代表取締役社長 兼 Group CEO
◎勝木 敦志
取締役 EVP 兼 Group CPO
谷村 圭造
取締役 EVP 兼 Group CFO
﨑田 薫
Senior Executive Officer, Group CR&DO
佐見 学
Senior Executive Officer, Group CSO Drahomira Mandikova
CEO, Asahi Global Procurement Pte. Ltd. Tomas Veit
アサヒグループジャパン株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
濱田 賢司
CEO, Asahi Europe and International, Ltd. Paolo Lanzarotti
Corporate Affairs Officer, Asahi Europe and International, Ltd. Pavlína Kalousová
Group CEO, Asahi Beverages Pty. Ltd. Amanda Sellers
Group Chief Procurement & Sustainability Officer,
John Tortora
Asahi Beverages Pty. Ltd.
Group CEO, Asahi Holdings Southeast Asia Pte. Ltd. Erwin Selvarajah
Group Chief Supply Chain, Innovation & Sustainability Officer,
Renganathan Tewagudan
Asahi Holdings Southeast Asia Pte. Ltd.
◎は、委員長を示しています。
Group CEO:Group Chief Executive Officer、Group CPO:Group Chief People Officer、
Group CFO:Group Chief Financial Officer、Group CR&DO:Group Chief Research & Development
Officer、Group CSO:Group Chief Sustainability Officer
アサヒグループ全体のサステナビリティの戦略立案・監督に関する代表取締役社長兼Group CEOの諮問に
対し、答申を行います。
■構成
代表取締役社長兼Group CEO以下のGroup CxO、Asahi Global Procurement CEOのほか、RHQのCEO及びサス
テナビリティ担当役員で構成され、委員長は代表取締役社長兼Group CEOが務めております。
■活動状況
2023年度は1回開催され、当社のサステナビリティ戦略におけるマテリアリティ、『環境』、『責任ある
飲酒』、『人権』などについて、議論及び答申を行いました。
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7) 情報開示委員会
■構成員:12名
役職 氏名
代表取締役社長 兼 Group CEO
◎勝木 敦志
取締役 EVP 兼 Group CPO
谷村 圭造
取締役 EVP 兼 Group CFO
﨑田 薫
取締役 EVP 西中 直子
Senior Executive Officer, Group CGO
朴 泰民
Senior Executive Officer, Group CR&DO
佐見 学
Senior Executive Officer, Group CSO Drahomira Mandikova
*
Executive Officer, Head of IR
石坂 修
*
Executive Officer, Head of CEO Office
佐藤 輝
Executive Officer, Head of Legal
小田 祐司
Executive Officer, Head of Finance
吉田 正和
*
Head of Corporate Communications
根本 ささ奈
◎は、委員長を示しています。
Group CEO:Group Chief Executive Officer、Group CPO:Group Chief People Officer、
Group CFO:Group Chief Financial Officer、Group CGO:Group Chief Growth Officer、
Group CSO:Group Chief Sustainability Officer、Group CR&DO:Group Chief Research & Development
Officer、EVP:Executive Vice President
企業情報の開示を一元的に管理・統括し、代表取締役社長兼Group CEOの諮問に対して公平・迅速かつ広
範な情報開示の観点から、答申を行います。
■構成
代表取締役社長兼Group CEO以下の業務執行取締役、Group CxO及びCEO Office、Finance、Legal、CC、
IRの各Headで構成され、委員長は代表取締役社長兼Group CEOが務めています。
■活動状況
2023年度は11回開催され、情報の内容を分析し、東京証券取引所の適時開示規則等に照らして、開示の要
否、開示の内容・方法などの答申を行いました。
*を付した委員は2024年4月1日就任予定です。
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8) リスクマネジメント委員会
■構成員:14名
役職 氏名
代表取締役社長 兼 Group CEO
◎勝木 敦志
取締役 EVP 兼 Group CPO
谷村 圭造
取締役 EVP 兼 Group CFO
﨑田 薫
取締役 EVP 西中 直子
Senior Executive Officer, Group CGO
朴 泰民
Senior Executive Officer, Group CR&DO
佐見 学
Senior Executive Officer, Group CSO Drahomira Mandikova
Senior Executive Officer
北川 亮一
*
Executive Officer, Head of IR
石坂 修
*
Executive Officer, Head of CEO Office
佐藤 輝
Executive Officer, Head of Legal
小田 祐司
Executive Officer, Head of Supply Chain
前田 直彦
*
Head of Risk Management
曽我 拓生
*
Head of Corporate Communications
根本 ささ奈
◎は、委員長を示しています。
Group CEO:Group Chief Executive Officer、Group CPO:Group Chief People Officer、
Group CFO:Group Chief Financial Officer、Group CGO:Group Chief Growth Officer、
Group CSO:Group Chief Sustainability Officer、Group CR&DO:Group Chief Research & Development
Officer、EVP:Executive Vice President
アサヒグループ全体を対象とした、エンタープライズリスクマネジメント(ERM)の推進・監督に関す
る代表取締役社長兼Group CEOの諮問に対し、答申を行います。
■構成
代表取締役社長兼Group CEO以下の業務執行取締役、Group CxO及び委員長が指名するFunctionのHeadで構
成され、委員長は代表取締役社長兼Group CEOが務めており、常勤監査役も出席しています。
■活動状況
2023年度は4回開催され、テールリスク(起こりやすさは低いものの発生すると甚大な損失をもたらしう
るリスク)を含むグループ全体での重大リスクの特定及びその評価、対応計画及びその実施状況に対する評
価、リスクアペタイト改定案、サイバーセキュリティ体制と対応状況、危機発生時にクライシスマネジメン
トへ寸断なく移行できる体制整備とリスクシナリオなどの答申を行いました。
*を付した委員は2024年4月1日就任予定です。
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9) コンプライアンス委員会
■構成員:12名
役職 氏名
代表取締役社長 兼 Group CEO
◎勝木 敦志
取締役 EVP 兼 Group CPO
谷村 圭造
取締役 EVP 兼 Group CFO
﨑田 薫
取締役 EVP 西中 直子
Senior Executive Officer, Group CGO
朴 泰民
Senior Executive Officer, Group CR&DO
佐見 学
Senior Executive Officer, Group CSO Drahomira Mandikova
*
Executive Officer, Head of IR
石坂 修
*
Executive Officer, Head of CEO Office
佐藤 輝
Executive Officer, Head of Legal
小田 祐司
Executive Officer, Head of Supply Chain
前田 直彦
*
Head of Corporate Communications
根本 ささ奈
◎は、委員長を示しています。
Group CEO:Group Chief Executive Officer、Group CPO:Group Chief People Officer、
Group CFO:Group Chief Financial Officer、Group CGO:Group Chief Growth Officer、
Group CSO:Group Chief Sustainability Officer、Group CR&DO:Group Chief Research & Development
Officer、EVP:Executive Vice President
アサヒグループ全体の企業倫理・コンプライアンスの推進・監督に関する代表取締役社長兼Group CEOの
諮問に対し、答申を行います。
■構成
代表取締役社長兼Group CEO以下の業務執行取締役、Group CxO及び委員長が任命したFunctionのHeadで構
成され、委員長は代表取締役社長兼Group CEOが務めており、常勤監査役も出席しています。
■活動状況
2023年度は4回開催され、コンプライアンス推進計画やグループのコンプライアンスの状況、内部通報制
度の運用状況などの答申を行いました。
*を付した委員は2024年4月1日就任予定です。
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10) Executive Committee
■構成員:12名
役職 氏名
代表取締役社長 兼 Group CEO
◎勝木 敦志
取締役 EVP 兼 Group CPO
谷村 圭造
取締役 EVP 兼 Group CFO
﨑田 薫
取締役 EVP 西中 直子
Senior Executive Officer, Group CGO
朴 泰民
Senior Executive Officer, Group CR&DO
佐見 学
Senior Executive Officer, Group CSO Drahomira Mandikova
Senior Executive Officer
北川 亮一
アサヒグループジャパン株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
濱田 賢司
CEO, Asahi Europe and International, Ltd. Paolo Lanzarotti
Group CEO, Asahi Beverages Pty. Ltd. Amanda Sellers
Group CEO, Asahi Holdings Southeast Asia Pte. Ltd. Erwin Selvarajah
◎は、議長を示しています。
Group CEO:Group Chief Executive Officer、Group CPO:Group Chief People Officer、
Group CFO:Group Chief Financial Officer、Group CGO:Group Chief Growth Officer、
Group CSO:Group Chief Sustainability Officer、Group CR&DO:Group Chief Research & Development
Officer、EVP:Executive Vice President
グループ全体戦略やグループ横断施策の方向性に関わるテーマを議論し、Group CEOへ各構成員の専門的
な見地から答申を行います。
■構成
代表取締役社長兼Group CEO以下の業務執行取締役、Group CxO、Region CEO及びSenior Executive
Officerで構成され、議長は代表取締役社長兼Group CEOが務めます。
■活動状況
本書発行時点以降、活動を開始します。概ね2か月に1度の開催を予定しております。
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11) Corporate Management Board
■構成員:16名
役職 氏名
代表取締役社長 兼 Group CEO
◎勝木 敦志
取締役 EVP 兼 Group CPO
谷村 圭造
取締役 EVP 兼 Group CFO
﨑田 薫
取締役 EVP
西中 直子
Senior Executive Officer, Group CGO
朴 泰民
Senior Executive Officer, Group CR&DO
佐見 学
Senior Executive Officer, Group CSO Drahomira Mandikova
Senior Executive Officer
北川 亮一
*
Executive Officer, Head of IR
石坂 修
*
Executive Officer, Head of CEO Office
佐藤 輝
Executive Officer, Head of Legal
小田 祐司
Executive Officer, Head of Supply Chain
前田 直彦
*
Head of Risk Management
曽我 拓生
*
Head of Corporate Communications
根本 ささ奈
常勤監査役 福田 行孝
常勤監査役 大島 明子
◎は、議長を示しています。
Group Chief Executive Officer、Group CPO:Group Chief People Officer、
Group CFO:Group Chief Financial Officer、Group CGO:Group Chief Growth Officer、
Group CSO:Group Chief Sustainability Officer、Group CR&DO : Group Chief Research & Development
Officer、EVP:Executive Vice President
業務執行における重要事項に関する代表取締役社長兼Group CEOの諮問に対し、その適法性、客観性、合
理性の評価について答申を行います。
■構成
代表取締役社長兼Group CEO以下の業務執行取締役、Group CxO、常勤監査役、Senior Executive Officer
及び議長が任命するFunctionのHeadで構成され、議長は代表取締役社長兼Group CEOが務めます。
■活動状況
本書発行時点以降、活動を開始します。概ね1週間に1度の開催を予定しています。なお、前身の経営戦
略会議は、2023年度は49回開催され、主に経営戦略の策定やグループ会社の業務執行状況などの答申を行い
ました。
*を付した委員は2024年4月1日就任予定です。
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(b)当該企業統治の体制を採用する理由
当社は以下の理由により、経営の透明性の確保及び当社の業務の適正が担保されていると考え、現在の企業
統治の体制を採用しております。
1) 独立・公正な立場から当社の業務執行を監督する社外取締役、会計・法律等の専門的見地から当社の監査
を実施する社外監査役の選任
2) 社外取締役を取締役会の任意の諮問機関である指名委員会と報酬委員会のメンバーとして選任
(c)内部統制システムの整備の状況
業務の適正を確保するための体制についての決議内容の概要
当社は、取締役会において上記体制につき、次の通り決議しております。
当社は、グループ理念「Asahi Group Philosophy」に定める「期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の
創造」を実現するため、
1) 会社法及び会社法施行規則に基づき、当社及び当社の子会社(以下「グループ会社」という。)の取締
役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他業務の適正を確保するための
体制(以下「内部統制システム」という。)の整備に関する基本方針を以下の通り定める。
2) 代表取締役は本決議に基づく内部統制システムの整備に関する最高責任を負い、各担当役員をして所管
組織及び職制を通じた本基本方針に基づく必要な当社又はアサヒグループ全体に適用される社内規定の整
備、運用を徹底せしめるものとする。
3) 本基本方針と当社又はアサヒグループ全体に適用される社内規定を状況変化に応じて適宜見直すことに
より、内部統制システムの実効性の維持向上を図る。
・当社及びグループ会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための
体制
1) 「Asahi Group Philosophy」に定める「すべてのステークホルダーとの共創による企業価値向上」を
図るため、「アサヒグループ行動規範」を定め、取締役、監査役及び使用人はこれを遵守する。
2) 「コンプライアンス委員会」を設置し、「アサヒグループ倫理・コンプライアンス基本規程」に基づ
き、アサヒグループのコンプライアンスを統括する。
3) アサヒグループのコンプライアンスは当社の担当役員が所轄し、当該事務は当社の法務を担当する組
織が行う。
4) 当社及びグループ会社にコンプライアンスに係る推進責任者を配置し、事業活動のあらゆる局面でコ
ンプライアンスを最優先させるための取り組みを行う。
5) 「クリーン・ライン制度」をはじめとする内部通報制度を国内外に設ける。
6) 購買先を対象に、公平・公正な取引や社会的責任に対する相互の取り組みを定める「アサヒグループ
グローバルプロキュアメント規程」を定め、必要に応じてその違反を通報できる制度を設ける。これら
の購買先への周知を図ることにより、購買先と一体となった内部統制システムの構築を進める。
7) 反社会的勢力の排除のため、情報をアサヒグループ内で共有し、対応に関する体制を整備する。ま
た、業界・地域社会で協力し、警察等の外部専門機関と緊密な連携を取る。
8) 上記諸機関・制度の運用の細目は、別途定める当社又はアサヒグループ全体に適用される社内規定に
よる。
・取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
1) 取締役の職務の執行に係る情報につき、「文書管理規程」その他当社又はアサヒグループ全体に適用
される社内規定に従い、適切に保存及び管理を行う。
2) 上記の情報の保存及び管理は、当該情報を取締役・監査役が常時閲覧できる状態で行う。
3) 上記の情報の保存及び管理の事務の所轄は、当社又はアサヒグループ全体に適用される社内規定に従
う。
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・アサヒグループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
1) 「アサヒグループリスクマネジメント規程」において、リスク管理を経営の中核と位置づけ、継続的
に実践する。
2) リスク管理は当該分野の所管組織が行うほか、「リスクマネジメント委員会」を設置し、アサヒグ
ループ全体の横断的な重要リスクを特定・評価のうえ、対応策を策定する。
3) 品質リスクについては、食品製造グループとしての商品の安全・安心の確保という社会的責任を認識
し、十分な管理体制を構築する。
4) 大規模な事故、災害、不祥事等が発生したときは、代表取締役社長を本部長とする「緊急事態対策本
部」を設置する。
・当社及びグループ会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
1) 取締役の職務の効率性を確保するため、「取締役会」において取締役の合理的な職務分掌を定める。
2) 権限委譲と組織間・グループ会社間の相互牽制機能を備えた「権限規程」及び「アサヒグループ権限
規程」を定める。
3) 当社の社内取締役及び常勤監査役を構成員とする「経営戦略会議」において、アサヒグループの経営
戦略の策定及び進捗管理を行うなど、その有効な活用を図る。
4) 業務効率の最大化にあたっては、客観的で合理性のある経営管理指標等を用い、統一的な進度管理・
評価を行う。
5) 資金を効率的に活用するため、当社とグループ会社との間でグローバルキャッシュマネジメントシス
テムを導入する。
・アサヒグループにおける業務の適正を確保するための体制
1) リスク管理、コンプライアンス、危機管理体制その他内部統制システムに必要な制度は、アサヒグ
ループ全体を横断的に対象とするものとし、当社が持株会社として、グループ会社の自律性を尊重しつ
つ、内部統制システムの構築及び運用を支援し、個別の状況に応じてその管理にあたる。
2) 当社の内部監査を担当する組織は、アサヒグループ内設置の内部監査を担当する組織と連携し、直接
的又は間接的なグループ会社の監査を通じて、アサヒグループの内部統制システム及び事務規律の状況
を把握・評価するとともに、グループ会社の財務報告に係る内部統制評価及び報告を行う。
3) グループ会社の事業活動に係る決裁権限は、「アサヒグループ権限規程」による。
4) グループ会社は、「経営戦略会議」において、リスク情報を含めた業務執行状況の報告を四半期に1
回以上行う。
・監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
「監査役会」に監査役会付の使用人を配置し、監査役の業務を補助させるものとする。
・前号の使用人の取締役からの独立性及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
1) 前号に定める監査役会付の使用人は、監査役より監査業務に必要な命令を受けた場合は、その命令に
関して取締役、使用人の指揮命令を受けない。
2) 前号に定める監査役会付の使用人の発令・異動・考課・懲戒にあたっては、事前に監査役の同意を得
るものとする。
・取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制
1) 取締役及び使用人は、内部統制システムに関する事項について監査役に対し定期的に、また、重要事
項が生じた場合は都度報告するものとし、監査役は必要に応じて取締役及び使用人(グループ会社を含
む。)に対して報告を求めることができる。
2) 取締役は、監査役が「取締役会」のほか「経営戦略会議」「リスクマネジメント委員会」「コンプラ
イアンス委員会」等の重要な機関等の協議の場に常時出席する機会を確保するものとし、また、その議
題内容につき事前に提示を行う。
3) 監査役は、重要な議事録、決裁書類等を常時閲覧できるものとする。
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・グループ会社の取締役、監査役及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当社の監査役に報告する
ための体制
1) グループ会社の取締役、監査役及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者は、内部統制システム
に関する事項について当社の監査役に対し定期的に、また、重要事項が生じた場合は都度報告するもの
とし、当社の監査役は必要に応じてグループ会社の取締役及び使用人に対して報告を求めることができ
る。
2) 当社又はグループ会社の内部監査を担当する部門は当社の監査役に対し、グループ会社の内部監査結
果を遅滞なく報告する。
3) 「クリーン・ライン制度」による通報窓口として、当社の監査役への通報窓口を設けるとともに、他
の通報窓口に通報された情報は、当社の監査役に報告するものとする。
4) 前号及び本号に定める監査役に報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受け
ることを禁止する。
・監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費
用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査役の職務の執行について生ずる費用を支弁するため、あらかじめ一定額の予算を確保し、監査役会又
は常勤監査役からの請求に応じ、監査役の職務の執行について生ずる費用の前払若しくは償還又は債務の処
理を行う。
・その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
取締役は、監査の実効性を確保するため、監査役が内部監査を担当する組織及び会計監査人と定期的に情
報・意見を交換する機会を確保する。
業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要
・内部統制システム全般
1) 当社及びグループ会社の内部統制システムを整備・運用し、内部統制の目標を効果的に達成するた
め、当社の内部監査を担当する組織とアサヒグループ内設置の内部監査を担当する組織が連携して、年
間の監査計画に基づいて業務執行が適正かつ効率的に行われているかを監査しております。
2) 財務報告に係る内部統制については、当社の内部統制評価を担当する組織とアサヒグループ内設置の
内部統制評価を担当する組織が連携して、「財務報告に係る内部統制の評価及び報告に関する基本規
程」に基づきグループ会社の内部統制評価を実施しております。
・コンプライアンス体制
1) 「アサヒグループ行動規範」を定め、その周知・徹底を図っております。
2) 当社及びグループ会社にコンプライアンスに係る推進責任者を配置し、職制に応じた教育を通じて、
コンプライアンスの啓発を推進しております。
3) 当社及びグループ会社の使用人等に対して、「コンプライアンスサーベイ」を実施し、コンプライア
ンスに関する意識・行動等、当社及びグループ会社の実態を多面的かつ多層的に調査しております。
4) 「クリーン・ライン制度」によって、問題の早期発見とその解決措置、問題の発生自体の牽制に効果
を上げております。
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・リスク管理体制
1) アサヒグループ全体を対象に、エンタープライズリスクマネジメント(ERM)を導入しておりま
す。
2) アサヒグループ各社は、事業目標の達成を阻害しうる重大リスクを、戦略、オペレーションなどすべ
ての領域から特定及び評価、対応計画を策定し、その実行及びモニタリングを継続的に実施しておりま
す。アサヒグループ各社は、その取組内容を当社「リスクマネジメント委員会」に報告し、同委員会は
それらをモニタリングするとともに、委員自らがグループ全体の重大リスクを特定、評価、対応計画を
策定し、その実行及びモニタリングをしております。また、これらの取り組みの実効性を確認するた
め、取締役会に報告しております。
3) 大規模な事故、災害、不祥事等が発生したときは、代表取締役社長を本部長とした「緊急事態対策本
部」を設置して対応する危機管理体制を構築しております。
平常時のリスクマネジメントにおいては、顕在化した際に即時対応を要するリスクを抽出し、その影響
度と必要な対応を想定する「リスクシナリオアプローチ」により、起こり得る危機に備えております。
また、危機発生時に必要な初動体制、対応主体、情報ラインを予め定め、実際の危機発生時にはクライ
シスマネジメントへ寸断なく移行、速やかに、混乱なく、的確に対応できる体制をグローバルに構築し
ております。
さらに、事業継続に影響をおよぼす災害等に対しては、事業継続計画(BCP)を定め、速やかに業務復
旧できる体制を整備しております。
・グループ会社の経営管理
1) グループ会社の経営管理につきましては、「アサヒグループ権限規程」に基づき、グループ会社の業
務執行について重要度に応じて、当社の「取締役会」の決議又は当社の取締役若しくは主管組織の責任
者の決裁を受ける体制を整備しております。
2) 「経営戦略会議」において、毎月1回主要なグループ会社から業務執行状況の報告を受けておりま
す。
・取締役の職務執行
取締役の職務の効率性を確保するため、「取締役会」において業務の分担を受けた取締役が、3ヶ月に1
回業務執行状況の報告を行っております。
・監査役の職務執行
1) 監査役は、「取締役会」のほか「経営戦略会議」「リスクマネジメント委員会」「コンプライアンス
委員会」等の重要な機関等の協議の場への出席や、取締役や使用人等からの報告を受け、内部統制シス
テムの整備・運用状況を確認しております。
2) 監査役は、内部監査を担当する組織、会計監査人等と定期的又は随時に情報・意見を交換する場を設
けることにより、監査の実効性の向上を図っております。2023年度は、内部監査を担当する組織と11
回、会計監査人と20回、それぞれ情報・意見を交換する場を設けました。また、主要なグループ会社の
監査役とは原則として毎月、情報・意見を交換する場を設けております。
3) 「監査役会」に監査役会付のスタッフを4名配置し、監査役及び監査役会の業務が円滑に遂行できる
体制にしております。
③ 社外取締役及び社外監査役との間で締結している会社法第427条第1項に規定する契約の概要
1) 対象
社外取締役及び社外監査役
2) 責任限度
20百万円と会社法第425条第1項に掲げる額とのいずれか高い金額とする。
3) 契約の効力
社外役員が、当社又は当社の子会社の業務執行取締役等に就任したときには、将来に向かってその効力を失
う。
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④ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
1) 被保険者の範囲
当社の取締役、監査役、執行役員、組織長並びに国内及び海外グループ会社の役員
2) 保険契約の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に定める役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、被保険者が
1)の会社の役員としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して損害賠償請求がなされたこと
により、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用等を補償することとしております。なお、保険料は全額当社
が負担しております。
⑤ 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
1) 基本方針の内容
当社では、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者とは、アサヒグループの企業価値の源泉である
“魅力ある商品づくり”“品質・ものづくりへのこだわり”“お客様へ感動をお届けする活動”や有形無形の
経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、その他アサヒグループの企業価値を構成する事項等、さまざま
な事項を適切に把握したうえで、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上し
ていくことを可能とする者でなければならないと考えています。
当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、当社取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵
対的買収」であっても、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するもの
ではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主
全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。
しかしながら、株式の大量買付のなかには、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する
明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株
主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な
時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者と
の交渉を必要とするものなど、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありませ
ん。
このように当社株式の大量買付を行う者が、アサヒグループの企業価値の源泉を理解し、中長期的に確保
し、向上させられる者でなければ、アサヒグループの企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることにな
ります。
そこで当社は、このような大量買付に対しては、アサヒグループの企業価値ひいては株主共同の利益を守る
必要があると考えています。
2) 基本方針実現のための取り組み
① 基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社では、グループの使命やありたい姿に加え、受け継がれてきた大切にする価値観とステークホルダー
に対する行動指針・約束を掲げたグループ理念「Asahi Group Philosophy」を制定するとともに、「Asahi
Group Philosophy」の実現を目指した「中長期経営方針」を策定し、これらに基づく取り組みをグループ全
体で行ってまいります。
こうした経営方針を設定し実行していくことが、経営戦略の柔軟性を担保するとともに、「エンゲージメ
ント・アジェンダ(建設的な対話の議題)」としてステークホルダーとの対話を深め、持続的な企業価値の
向上ひいては株主共同の利益の確保につながるものであると考え、コーポレート・ガバナンスの更なる強化
を図っています。
② 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するた
めの取り組み
当社は、大量取得行為を行おうとする者に対しては、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断する
ための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のた
めの時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の定めるところに従い、適切な措置
を講じてまいります。
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3) 具体的取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
前記2) ①に記載した各取り組みは、前記1) 記載の基本方針に従い、当社を始めとするアサヒグループの企
業価値ひいては株主共同の利益に沿うものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありま
せん。
⑥ 内部監査及び監査役監査の状況
当社は、取締役による業務執行状況の監督、監査役及び監査役会による監査を軸に経営監視体制を構築してお
ります。
監査役監査体制につきましては、監査役5名中過半数の3名を社外監査役とすることで、透明性を高めており
ます。同時に監査役会付スタッフを配置することで、監査役の監査業務が円滑に遂行できる体制としておりま
す。なお監査役監査につきましては、経営環境にあわせ毎年重点項目等の見直しを行い実施しております。内部
監査につきましては、内部監査を担当する組織として内部監査部門を設置し、年間の監査計画に基づいてグルー
プ全体の業務執行が適正かつ効率的に行われているかを監査しております。監査役、内部監査部門及び会計監査
人は、各々定期的又は必要に応じて報告会を開催し、監査結果や内部統制の状況などの情報交換を行い、連携を
図っております。
⑦ 社外取締役及び社外監査役
当社の社外取締役は6名、社外監査役は3名であります。
(a) 会社と会社の社外取締役及び社外監査役の人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係
1)社外取締役佐々江賢一郎氏が理事長に就任している公益財団法人日本国際問題研究所との間に取引がありま
すが、取引額は当社及び対象法人の連結売上収益又は経常収益の1%未満と僅少であるため、当社の経営に
影響を与えるような特記すべき取引関係はございません。
2)社外取締役佐藤千佳氏の兼職先である日本電気株式会社との間に取引がありますが、取引額は当社及び対象
法人の連結売上収益又は経常収益の1%未満と僅少であるため、当社の経営に影響を与えるような特記すべ
き取引関係はございません。
3)社外取締役及び社外監査役のその他の重要な兼職先と当社との間に重要な取引その他の特別な関係はござい
ません。
(b) 社外取締役及び社外監査役が企業統治において果たす機能及び役割
当社の社外取締役及び社外監査役が企業統治において果たす機能及び役割は、「②企業統治の体制」に記載
の通りです。
(「社外取締役及び社外監査役の独立性の基準」について)
当社は、社外取締役及び社外監査役(以下「社外役員」という。)の独立性を客観的に判断するため、以下
の通り社外役員の独立性の基準を定め、社外役員が以下のいずれかの項目に該当する場合には、当社にとって
十分な独立性を有していないとみなすこととしています。
※1
1.当社及び当社の子会社(以下、総称して「当社グループ」という。)の業務執行者 又は過去において
業務執行者であった者
※2
2.当社グループを主要な取引先とする者 (当該取引先が法人である場合には当該法人の業務執行者)
※3
3.当社グループの主要な取引先である者 (当該取引先が法人である場合には当該法人の業務執行者)
※4
4.当社グループから役員報酬以外に多額の金銭その他の財産 を得ているコンサルタント、公認会計士等
の会計専門家又は弁護士等の法律専門家(当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合は、当
該団体に所属する者)
5.当社グループの会計監査人である監査法人に所属する公認会計士
※5
6.当社グループの主要株主 (当該主要株主が法人である場合には当該法人の業務執行者)
7.当社グループが主要株主である法人の業務執行者
※6
8.社外役員の相互就任の関係 にある他の会社の業務執行者
※7
9.当社グループから多額の寄附 を受けている者(当該寄附を受けている者が法人、組合等の団体である
場合には、当該団体の業務執行者)
※8 ※9
10.第1項から第9項までのいずれかに該当する者(第1項を除き、重要な者 に限る。)の近親者
11.過去10年間において、第2項から第10項までのいずれかに該当していた者
※10
12.当社が定める社外役員としての在任年数 を超える者
13.前各項の定めにかかわらず、一般株主と利益相反の生じるおそれがあると判断される特段の事由が認めら
れる者
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※1 業務執行者とは、会社法施行規則第2条第3項第6号に規定する業務執行者をいい、業務執行取締役
のみならず使用人を含むが、監査役は含まれない。
※2 当社グループを主要な取引先とする者とは、直近事業年度における取引額が、当該事業年度における
当該取引先グループの連結売上高の2%以上の者をいう。
※3 当社グループの主要な取引先である者とは、直近事業年度における取引額が、当社の連結売上収益の
2%以上の者又は直近事業年度末における当社の連結資産合計の2%以上の額を当社グループに融資
している者をいう。
※4 多額の金銭その他の財産とは、直近事業年度における、役員報酬以外の年間1,000万円以上の金銭そ
の他の財産上の利益をいう(当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体の
直近事業年度における総収入額の2%以上の金銭その他の財産上の利益をいう。)。
※5 主要株主とは、総議決権の10%以上の議決権を直接又は間接的に保有する者又は保有する法人をい
う。
※6 社外役員の相互就任の関係とは、当社グループの業務執行者が他の会社の社外役員であり、かつ、当
該他の会社の業務執行者が当社の社外役員である関係をいう。
※7 多額の寄附とは、直近事業年度における、年間1,000万円以上の寄附をいう。
※8 重要な者とは、取締役(社外取締役を除く。)、執行役、執行役員及び部長職以上の業務執行者並び
に監査法人又は会計事務所に所属する者のうち公認会計士、弁護士法人又は法律事務所に所属する者
のうち弁護士、財団法人・社団法人・学校法人その他の法人に所属する者のうち評議員及び理事等の
役員、その他同等の重要性を持つと客観的・合理的に判断される者をいう。
※9 近親者とは、配偶者及び二親等内の親族をいう。
※10 当社が定める社外役員としての在任年数とは、取締役は10年、監査役は12年をいう。
なお、当社は上記考え方に基づき、社外取締役であるクリスティーナ・アメージャン、大橋徹二、佐々江賢
一郎、松永真理、佐藤千佳及びメラニー・ブロックの6氏並びに社外監査役である川上豊、大八木成男及び田
中早苗の3氏を、東京証券取引所の定める独立役員として指定し、同証券取引所に届け出ております。
⑧ 取締役の定数
当社の取締役は15名以内とする旨定款に定めております。
⑨ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株
主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、またその決議は累積投票によらない旨定款に定めておりま
す。
⑩ 取締役会にて決議できる株主総会決議事項
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得す
ることができる旨を定款に定めております。これは、経済環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を目的
とするものであります。
また、当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議
によって毎年6月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
⑪ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める決議について、議決
権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上を
もって行う旨を定款に定めております。
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(2)【役員の状況】
① 役員一覧
男性 9 名 女性 7 名 (役員のうち女性の比率 43.8 %)
所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1975年4月 当社入社
2001年9月 当社執行役員
2003年3月 アサヒ飲料株式会社常務取締役企画本
部長
2006年3月 同社専務取締役企画本部長
取締役会長
2007年3月 当社常務取締役兼常務執行役員
兼 小路 明善 1951年11月8日 生 (注)3 17,000
2011年7月 当社取締役兼アサヒビール株式会社代
取締役会議長
表取締役社長
2016年3月 当社代表取締役社長兼COO
2018年3月 当社代表取締役社長兼CEO
2021年3月 当社取締役会長兼取締役会議長(現在
に至る)
1984年4月 ニッカウヰスキー株式会社入社
2002年9月 当社転籍
2011年10月 Asahi Holdings (Australia) Pty
Ltd, Managing Director
2014年4月 Asahi Holdings (Australia) Pty Ltd
Director, Group CEO
2016年3月 当社執行役員兼 Asahi Holdings
代表取締役
(Australia) Pty Ltd, Director,
社長
勝木 敦志 1960年3月17日 生 (注)3 2,798
Group CEO
兼
2017年3月 当社取締役兼執行役員
Group CEO
2018年3月 当社常務取締役兼常務執行役員
2019年3月
当社常務取締役兼常務執行役員CFO
2020年3月 当社専務取締役兼専務執行役員CFO
2021年3月 当社代表取締役社長兼CEO
2024年3月 当社代表取締役社長兼Group CEO(現
在に至る)
1989年4月 当社入社
2016年4月 当社理事人事部門ゼネラルマネジャー
2017年3月 当社執行役員人事部門ゼネラルマネ
ジャー
取締役
2018年9月 当社執行役員グローカルタレントマネ
EVP
ジメント担当
谷村 圭造 1965年8月11日 生
(注)3 5,123
兼
2019年3月 当社取締役兼執行役員
Group CPO
2020年3月
当社取締役兼執行役員CHRO
2023年3月 当社取締役EVP兼CHRO
2024年3月 当社取締役EVP兼Group CPO(現在に至
る)
1988年4月 当社入社
2016年4月 当社理事調達部門ゼネラルマネジャー
2018年3月 当社執行役員調達部門ゼネラルマネ
取締役
ジャー
EVP
2020年4月
当社執行役員Head of Procurement
﨑田 薫 1966年3月3日 生 (注)3 339
兼
2022年3月
当社取締役兼執行役員CFO
Group CFO
2023年3月
当社取締役EVP兼CFO
2024年3月 当社取締役EVP兼Group CFO(現在に至
る)
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所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1988年4月 当社入社
2016年4月 当社理事兼アサヒグループ食品株式会
社品質保証部長
2017年4月 当社理事品質保証部門ゼネラルマネ
ジャー兼アサヒプロマネジメント株式
取締役
会社品質保証部長
西中 直子 1965年8月11日 生
(注)3 1,301
EVP
2018年3月 当社執行役員品質保証部門ゼネラルマ
ネジャー兼アサヒプロマネジメント株
式会社品質保証部長
2020年3月 当社常勤監査役
2024年3月 当社取締役EVP(現在に至る)
1995年1月 コロンビア大学ビジネススクール助教
授
2001年10月 一橋大学大学院国際企業戦略研究科助
教授
2004年1月 同大学大学院国際企業戦略研究科教授
2010年4月 同大学大学院国際企業戦略研究科研究
クリスティーナ
取締役 1959年3月5日 生 (注)3 -
科長
・アメージャン
2012年4月 同大学大学院商学研究科教授
2018年4月 同大学大学院経営管理研究科教授
2019年3月
当社取締役(現在に至る)
2022年4月 立教大学経営学部国際経営学科特任教
授
1974年4月 外務省入省
2002年3月 経済局長
2005年1月 アジア大洋州局長
2008年1月 外務審議官
2010年8月 外務事務次官
取締役 佐々江 賢一郎 1951年9月25日 生 (注)3 -
2012年9月 在アメリカ合衆国駐箚特命全権大使
2018年6月 公益財団法人日本国際問題研究所理事
長兼所長
2020年12月 同法人理事長(現在に至る)
2022年3月 当社取締役(現在に至る)
1977年4月 株式会社小松製作所入社
2004年1月
コマツアメリカ株式会社社長兼COO
2007年4月 株式会社小松製作所執行役員
2008年4月 同社常務執行役員
2009年6月 同社取締役兼常務執行役員
2012年4月 同社取締役兼専務執行役員
取締役 大橋 徹二 1954年3月23日 生 (注)3 -
2013年4月 同社代表取締役社長兼CEO
2019年4月 同社代表取締役会長
2022年3月 当社取締役(現在に至る)
2022年4月 株式会社小松製作所取締役会長(現在
に至る)
1977年4月 株式会社日本リクルートセンター(現
株式会社リクルートホールディング
ス)入社
1986年7月 同社「就職ジャーナル」編集長
1988年7月 同社「とらばーゆ」編集長
取締役 松永 真理 1954年11月13日 生
(注)3 -
1997年7月 エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社
(現株式会社NTTドコモ)ゲートウェ
イビジネス部企画室長
2000年4月 松永真理事務所代表(現在に至る)
2023年3月 当社取締役(現在に至る)
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所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1982年4月 住友電気工業株式会社入社
1996年7月 GE株式会社(現日本GE株式会社)入社
2011年9月 日本マイクロソフト株式会社執行役人
事本部長
2016年9月 ノキアソリューションズ&ネットワー
クス合同会社日本・ノースアジア人事
統括
2018年4月 日本電気株式会社執行役員カルチャー
変革統括部長
取締役 佐藤 千佳 1962年1月23日 生 (注)3 -
2019年4月 同社シニア・エグゼクティブ人材組織
開発部長
2022年4月 同社人事総務部門コーポレートエグゼ
クティブI&D推進リーダー
2023年4月 同社ピープル&カルチャー部門
Chief Diversity Officer(現在に至
る)
2024年3月 当社取締役(現在に至る)
2003年3月 株式会社AGENDA(現株式会社Melanie
Brock Advisory)代表取締役(現在に
至る)
2010年3月 豪日交流基金理事会役員
2010年4月 豪日経済委員会理事会役員(現在に至
る)
在日オーストラリア・ニュージーラン
ド商工会議所会頭
メラニー
取締役 1964年4月10日 生 (注)3 -
2010年10月 豪州食肉家畜生産者事業団駐日代表
・ブロック
2012年12月 オーストラリアン・ビジネス・アジア
会長
2016年11月 在日オーストラリア・ニュージーラン
ド商工会議所名誉会頭(現在に至る)
2019年7月 豪日研究センター理事会役員(現在に
至る)
2024年3月
当社取締役(現在に至る)
1986年4月 東洋エンジニアリング株式会社入社
2001年10月 当社入社
2012年9月 当社財務部門ゼネラルマネジャー
2015年3月 当社執行役員財務部門ゼネラルマネ
ジャー
常勤監査役 福田 行孝 1963年5月20日 生
(注)6 1,147
2017年3月 アサヒプロマネジメント株式会社代表
取締役社長
2022年3月 アサヒグループジャパン株式会社監査
役
2023年3月 当社常勤監査役(現在に至る)
1991年4月 当社入社
2018年1月 当社経営企画部担当部長
2022年4月 当社Strategy Senior Officer
常勤監査役 大島 明子 1968年10月17日 生 (注)7 -
2023年4月 当社Executive Officer, Head of
Internal Audit
2024年3月 当社常勤監査役(現在に至る)
1976年2月 等松・青木監査法人(現有限責任監査
法人トーマツ)入所
1980年3月 公認会計士登録
1990年6月 同監査法人パートナー
監査役 川上 豊 1952年6月13日 生 (注)5 -
2007年6月 同監査法人経営会議メンバー兼人事本
部長
2016年9月 同監査法人退職
2017年3月 当社監査役(現在に至る)
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所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1971年3月 帝人株式会社入社
1999年6月 同社執行役員
2001年6月 同社常務執行役員
2002年6月 同社帝人グループ専務執行役員
2003年10月 帝人ファーマ株式会社代表取締役社長
2005年6月 帝人株式会社常務取締役
2006年6月 同社専務取締役
監査役 大八木 成男 1947年5月17日 生 (注)4 -
2008年6月 同社代表取締役社長CEO
2014年4月 同社取締役会長
2018年4月 同社取締役相談役
2018年6月 同社相談役
2022年3月 当社監査役(現在に至る)
2023年4月
帝人株式会社名誉顧問(現在に至る)
1989年4月 弁護士登録
1991年9月 田中早苗法律事務所代表(現在に至
監査役 田中 早苗 1962年7月15日 生
(注)6 1,100
る)
2023年3月 当社監査役(現在に至る)
計 - - - - 28,808
(注)1 取締役クリスティーナ・アメージャン、佐々江賢一郎、大橋徹二、松永真理、佐藤千佳及びメラニー・ブ
ロックの6氏は、社外取締役であります。
2 監査役川上豊、大八木成男及び田中早苗の3氏は、社外監査役であります。
3 2024年3月26日就任後、1年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会終結の時まで。
4 2022年3月25日就任後、4年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会終結の時まで。
5 2021年3月25日就任後、4年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会終結の時まで。
6 2023年3月28日就任後、4年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会終結の時まで。
7 2024年3月26日就任後、4年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会終結の時まで。
8 当社は、経営と執行を分離して取締役会の強化を図るとともに、業務執行における意思決定のスピードアッ
プを図るためCXO制度を導入しております。対象となるポジションは以下のとおりであります。詳細は、
「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制」をご参照ください。
CEO:Chief Executive Officer、CFO:Chief Financial Officer、CPO:Chief People Officer
CGO:Chief Growth Officer、CR&DO:Chief Research & Development Officer、
CSO:Chief Sustainability Officer
② 社外役員の状況
「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ⑦ 社外取締役及び社外監査役」に記載の通りであります。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部
統制部門との関係
「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ⑥ 内部監査及び監査役監査の状況」に記載の通りであります。
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(3)【監査の状況】
① 監査役監査の状況
1.組織・人員
1) 当社の監査役は5名であり、常勤監査役2名と社外監査役3名から構成されております。なお、常勤監査
役福田行孝氏は、当社執行役員財務部門ゼネラルマネジャー、アサヒプロマネジメント株式会社代表取締役
社長、アサヒグループジャパン株式会社常勤監査役として主に財務・会計業務をはじめ、マネジメント経験
を豊富に持ち合わせております。また、社外監査役川上豊氏は、公認会計士並びに上場企業等の会計監査人
の業務執行社員として、企業会計に関する専門的知識と国内・海外での豊富な監査経験を有しております。
2) 社外監査役3名は、それぞれ、企業会計に関する専門家、弁護士、企業経営経験者として豊富な経験と幅
広い見識を有しております。
3) 監査役の職務を適切に補助できる監査役会付スタッフを4名配置し、監査役の監査業務が円滑に遂行でき
る体制としております。
2.監査役会の活動状況
1) 2023年度は監査役会を12回開催しております。
2) 監査役会の具体的な検討内容は以下の通りであり、取締役会に定期的に報告しております。
・期初における当該年度の監査方針・監査計画の決議並びに上期及び年間の監査活動のレビュー
・監査報告書の作成及び会計監査人の選解任・報酬同意等の法定事項の決議
・会計監査人による四半期レビュー報告、監査結果、並びに監査役会の実効性評価で認識した課題等につい
て検討
・監査上の主要な検討事項(KAM:Key Audit Matters)について確認・審議
3) 監査役会の実効性評価
監査役会では、中長期的な企業価値の向上に貢献していくため、監査役会の実効性評価を行い、監査役会
として今後取り組むべき課題を認識し、その課題に取り組むことで監査役会の実効性向上に努めておりま
す。
2023年度は、当社の常勤監査役、社外監査役、国内グループ会社の常勤監査役に対してアンケートを実施
したほか、第三者によるインタビューを当社の取締役会長、代表取締役社長、常勤監査役、社外監査役、国
内グループ会社常勤監査役、内部監査部門長に加えて、会計監査人と監査役スタッフに対して実施し、外部
視点による内容分析、評価意見等を得て、監査役会において協議いたしました。その結果、2023年度の監査
役会は「有効に機能しており、実効性が認められる」と結論付けました。
なお、監査役会実効性評価の結果の概要は、以下の当社ウェブサイトに記載しております。
https://www.asahigroup-holdings.com/company/governance/policy.html
[監査役会への出席状況]
区 分 氏 名 出席状況
常勤監査役 西中 直子 12回/12回
常勤監査役 福田 行孝 8回/8回
社外監査役 川上 豊 12回/12回
社外監査役 大八木 成男 12回/12回
社外監査役 田中 早苗 8回/8回
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3.監査役の主な活動状況
常勤 社外
主な項目 活動状況
監査役 監査役
取締役会への出席 ○ ○
経営戦略会議、コンプライアンス委員会、リスクマネジメント委員会等の重要会議
○ -
への出席
取締役会長、代表取締役社長との意見交換会を開催し、経営方針、経営状況や課題
等について確認及び情報の共有 ○ ○
(取締役会長1回、代表取締役社長2回)
取締役の
職務執行状況
取締役会長、代表取締役社長とのミーティングを開催し、経営方針、経営状況や課
題等について確認及び情報の共有 ○ -
(取締役会長4回、代表取締役社長4回)
取締役会長、代表取締役社長を除く業務執行取締役との面談を開催し、内部統制の
○ -
整備・運用状況、リスク状況等の確認、検証(3回)
社外取締役と常勤監査役・社外監査役との意見交換会(1回) ○ ○
内部監査部門との情報共有や意見交換を開催し、内部統制の整備・運用状況、リス
ク状況等の確認、情報の共有等
○ ○
・内部監査部門と常勤監査役(8回)
内部統制
・内部監査部門と常勤監査役・社外監査役(3回)
社外監査役による財務部門へのヒアリングや意見交換(2回) ○ ○
社外監査役による法務部門へのヒアリングや意見交換(1回) ○ ○
国内グループ会社常勤監査役との情報共有や意見交換を開催し、内部統制の整備・
運用状況、リスク状況等の確認、情報の共有等
○ ○
・国内グループ会社常勤監査役と常勤監査役(毎月実施)
・国内グループ会社常勤監査役と常勤監査役・社外監査役(2回)
国内グループ会社常勤監査役会議の開催(6回) ○ -
グループ会社
国内グループ会社の往査
○ -
・常勤監査役による国内グループ会社16社の往査
海外グループ会社の往査
○ -
・常勤監査役による海外地域統括会社2社の往査
海外グループ会社の監査
○ -
・常勤監査役による監査委員会への出席(10回)
会計監査人との情報共有や意見交換を開催し、会計監査人からの監査計画説明、四
半期レビュー報告、監査結果報告等
会計監査 ○ ○
・会計監査人と常勤監査役(14回)
・会計監査人と常勤監査役・社外監査役(6回)
会計監査人に 国際会計士倫理基準審議会(IESBA)倫理規程改訂に伴い、会計監査人及びそのメ
よる非保証業 ンバーファームが実施する非保証業務に対する監査役会事前了解の枠組みについて ○ ○
務の事前了解 協議・決議
国内グループ会社常勤監査役、内部監査部門、会計監査人による
○ -
国内グループ三様監査会議の開催(1回)
三様監査の連携
会計監査人による国内グループ会社常勤監査役、内部監査部門等を対象にしたセミ
○ -
ナーの開催(1回)
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② 内部監査及び財務報告に係る内部統制の評価の状況
内部監査につきましては、当社 Internal Audit(人員9名)とアサヒグループ内設置の内部監査を担当する
組織が連携して、当社及び子会社を対象に、監査計画に基づいて、不確実性・リスクの最小化、コンプライアン
ス、適正かつ効率的な業務遂行の観点から、監査を実施しております。また、財務報告の信頼性を確保するた
め、金融商品取引法で定められた内部統制報告制度に沿って、当社 Internal Auditとアサヒグループ内設置の
内部統制評価を担当する組織が連携して、内部統制の整備及び運用状況の評価を実施しております。なお、内部
監査の結果及び内部統制評価の結果につきましては、当社の取締役に報告しております。
また、当社 Internal Auditは、監査役及び会計監査人と各々定期的又は必要に応じて報告や情報交換を行
い、連携を図っております。内部監査の結果及び内部統制評価の結果につきましては、監査役会においても報告
を行っております。
③ 会計監査の状況
1.監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
2.継続監査期間
54年間
上記は、有限責任 あずさ監査法人の前身である監査法人朝日会計社が監査法人組織になって以降の期間
について記載したものであります。
3.業務を執行した公認会計士の氏名及び継続監査年数
小倉 加奈子(継続監査年数1年)
谷 尋史 (継続監査年数3年)
森田 真佐宏(継続監査年数2年)
有限責任 あずさ監査法人は、その業務執行社員について、2003年と2007年の公認会計士法の改正に基づ
いて適切に交替期限(ローテーション)を設けております。業務執行社員については、連続して7会計期間
を超えて監査業務に関与しておりません。筆頭業務執行社員については、連続して5会計期間を超えて監査
業務に関与しておりません。
4.監査業務に係る補助者の構成
当社の監査業務にかかる補助者は、公認会計士34名、その他43名であります。
5.監査法人の選定方針と理由
当社は、会社法に基づく会計監査人である有限責任 あずさ監査法人による会計監査を受けております。
当社は、監査役会が定める「会計監査人選任、解任・不再任基準」に基づき、
①独立性 ②透明性 ③監査品質 ④海外ネットワーク ⑤外部評価
⑥監査業務に関与するパートナーの定期的なローテーション
⑦監査報酬の妥当性 ⑧監査法人の組織的な運営に関する原則(監査法人のガバナンス・コード)の対応
⑨会社法上の欠格事由該当の有無
等を勘案し、会計監査人を決定しております。
また、監査役会は会計監査人がその適格性、独立性を害する事由の発生等により、適正な監査の遂行が困難
であると判断した場合は、当該会計監査人を解任又は不再任とし、新たな会計監査人を選任する議案の内容を
決定いたします。また、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合
は、監査役全員の同意に基づき会計監査人を解任いたします。
以上を踏まえて、当社は、2024年度の会計監査人の職務執行に問題はないと評価し、有限責任 あずさ監査
法人の再任を決議いたしました。
6.監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社の監査役及び監査役会は、監査役会が定める「会計監査人選任、解任・不再任基準」に基づき、会計年
度毎に会計監査人の評価を行っております。また、国内外の財務部門や内部監査部門など社内関係部門より会
計監査人の業務品質やコミュニケーションの状況等についてヒアリングを行う他、会計監査人に対して品質管
理体制、独立性、ガバナンス体制、当社の経営幹部や執行部門とのコミュニケーションの状況等についてヒア
リングを行い、選任、解任・不再任の判断の参考にしております。
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④ 監査報酬の内容等
1) 監査公認会計士等に対する報酬
前年度 当年度
区分
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円)
257 5 288 54
提出会社
165 172
連結子会社 - -
423 5 460 54
計
前年度
当社における非監査業務の内容は、社債発行に伴うコンフォートレター作成業務であります。
当年度
当社における非監査業務の内容は、株式の売出し・社債発行に伴うコンフォートレター作成業務でありま
す。
2) 監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMG)に属する組織に対する報酬( 1)を除く)
前年度 当年度
区分
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円)
5
提出会社 - - -
486 129 575 26
連結子会社
486 134 575 26
計
前年度
当社における非監査業務の内容は、グローバルコンプライアンス体制の構築支援等であります。
連結子会社における非監査報酬の内容は、アサヒグループジャパン株式会社におけるセキュリティインフラ
強化支援業務等であります。
当年度
連結子会社における非監査報酬の内容は、税務関係業務等であります。
3) その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
(前連結会計年度)
該当事項はありません。
(当連結会計年度)
該当事項はありません。
4) 監査報酬の決定方針
該当事項はありませんが、監査公認会計士等より提示された監査計画及び監査報酬見積資料に基づき、監査
公認会計士等と協議した上で決定しております。
なお、監査公認会計士等の独立性を担保する観点から、監査報酬の額の決定に際しては監査役会の同意を得
ております。
5) 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社の監査役会は、社内関係部門及び会計監査人から必要な資料を入手し、報告を受けたうえで、会計監査
人の職務遂行状況、当期の監査計画の内容、報酬見積りの算定根拠等について確認し審議した結果、監査内
容、監査時間数及び単価等について妥当であると判断し、報酬等について同意いたしました。
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(4)【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針、方針の決定権限者、委員会等の活動内容
(1)取締役の報酬等について
1) 基本方針
当社は、役員報酬を、AGPの実践及び当社の持続的な成長と中長期の企業価値向上の実現、サステナビ
リティの追求を図るための重要な手段として位置付け、以下の方針に則り、透明で公正なプロセスに基づ
き、報酬を決定します。
・当社の持続的な成長と中長期の企業価値向上への動機付けをさらに強めること
・多様な能力を持つ優秀な人材を確保し続けるために有効な報酬内容、水準であること
・取締役の役割・責任の大きさと業績貢献に応じたものであること
・経営戦略と連動し、業績に応じた変動性の高い報酬であること
・株主の皆様と利益・リスクを共有し、ESG視点での経営への動機付けとなる報酬であること
2) 報酬構成
取締役の報酬等は、社内取締役は基本報酬、賞与(年次・中期)及び株式報酬で構成し、社外取締役は基
本報酬のみとしております。社内取締役の報酬等の構成比率は、業績連動性が高い報酬となることを基本と
し、拠点のある地域の構成比率を参考にしております。代表取締役社長兼Group CEOはその年収における変
動報酬比率(賞与・株式報酬)が70%程度となること、また、株主の皆様との利益・リスクを共有する報酬
である株式報酬の比率が20%程度となる構成にしております。なお、その他の社内取締役は、変動報酬比率
が60%程度となるよう、役位・役割に応じて設計しております。
構成比率 ※2024年度年初予定額をもとに記載しております。
3) 報酬水準
取締役の報酬等は、当社と同様の業容や規模、事業展開地域等の複雑性を有するグローバル企業群及び国
内ベンチマークを参考に、多様な能力を持つ優秀な人材を確保し続けるために有効な報酬水準であることを
考慮のうえ設定しております。また、報酬水準を設定する際は、報酬構成の考え方に則して設定しておりま
す。
4) 固定報酬
取締役の固定報酬は、月毎に固定額を支払う基本報酬のみとしております。基本報酬は、役位又は役割に
基づく固定額に健康診断費用等、取締役が負担した実費相当分を加算して決定しております。
基本報酬の改定は、役位又は役割が変更する場合を基本に、業容の変化や報酬水準の情勢等を勘案し、決
定しております(改定時期は毎年4月を基本としておりますが、毎年改定を前提とするものではありませ
ん)。
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5) 変動報酬
取締役の報酬等は、当社の持続的成長と中長期の企業価値向上への動機付けをさらに強めることを基本方
針のひとつに、変動報酬(インセンティブ)の年収に占める比率を高めるとともに、当社の持続的成長(短
期・中期・長期)と企業価値向上(財務的価値と社会的価値の両面)にインセンティブ施策全体で資するこ
とを念頭に、制度設計を行っております。
変動報酬一覧
フォーミュラ
種類 目的 期間 支給方法 支給時期 業績評価 個人評価
(個人別支給額)
持続的かつ確実な
成長、財務的価値 役職別基準額×業績評価係数×
年次賞与 単年度 現金 毎年3月 あり あり
向上と計画達成へ 個人評価係数
の強い動機付け
非連続な成長、中
役職別基準額×業績評価係数×
中期賞与 期業績達成への強 3年 現金 毎年3月 あり あり
個人評価係数
い動機付け
長期にわたる継続
した企業価値向上
役職別基準額
に対する動機付
株式報酬 3年 株式 退任時 - - (付与ポイント=役位別基準額
け、株主の皆様と
÷株式取得時単価)
の利益・リスクの
共有
※マルス・クローバック条項の導入:支給対象である役員に企業価値向上に反する行為(次のいずれかに該当)が
あった場合は、支給額或いは確定した交付ポイントの一部又は全部を減額或いは返還
(1)不祥事等により取締役会が支給額・付与ポイントを失効させることが適当と判断した者
(2)会社法に定める取締役の欠格事由に該当することとなったことにより取締役会が支給額・付与ポイントを失
効させることが適当と判断した者
(3)その他上記(1)又は(2)に準ずると取締役会が判断した者
年次賞与の業績評価係数・KPI、個人評価係数
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中期賞与の業績評価係数・KPI、個人評価係数
個人別支給額 = 役位別基準額 × 業績評価係数(財務的価値指標支給率 × 60% + 社会的価値指標
(サステナビリティ指標)支給率 × 40%)× 個人評価係数
6) 報酬決定方法
取締役の報酬等は、あらかじめ株主総会で決議された報酬等の総額の範囲内で、取締役会の決議により、
決定しております。取締役会で報酬等を決議する際には、取締役会の諮問機関として過半数が社外取締役で
構成され、社外取締役が委員長を務める報酬委員会にて内容を検討し、透明性及び客観性を高め、公正なプ
ロセスで決定しております。なお、個人額は報酬委員会にて決定しております。
7) 報酬委員会
報酬委員会は、公正な判断を保証するため、必要に応じ、外部の客観的データを活用しております。ま
た、社会適合性や株主への説明責任等の観点から、取締役の報酬等の開示について討議し、必要に応じ、取
締役会に答申することとしております。
報酬委員会は、取締役会の決議により3名の社外取締役と2名の社内取締役の計5名で構成され、委員長
は社外取締役が務めております。
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報酬委員会の構成
委員会出席回数
役割 氏名 役位 委員在任期間
(2023年度)
委員長 クリスティーナ・アメージャン 社外取締役 5年 10回/10回
委員 佐々江 賢一郎 社外取締役 2年 10回/10回
委員 大橋 徹二 社外取締役 2年 10回/10回
取締役 EVP 兼 Group CPO
委員 谷村 圭造 5年 10回/10回
取締役 EVP 兼 Group CFO
委員 﨑田 薫 2年 10回/10回
8) 報酬委員会の活動状況
活動状況
※報酬委員会:年間10回開催、年間5時間
回 開催日付 内容
①役員賞与(年次、中期)支給及び株式報酬ポイント付与について討議し決定、同日の
第1回 2023年2月14日
取締役会に答申
①2022年度役員報酬について討議し決定、同日の取締役会に答申
第2回 2023年3月28日
②2022年度監査役報酬について討議し決定、同日の監査役会に提案
第3回 2023年5月12日 ①業務執行取締役の2023年度目標設定について討議
第4回 2023年6月9日 ①2023年度委員会年間計画案について、同日取締役会に報告
第5回 2023年7月12日 ①業務執行取締役の2023年度目標設定について、同日取締役会に報告
第6回 2023年8月9日 ①取締役報酬の社会的価値指標決定について、同日取締役会に報告
第7回 2023年9月14日 ①2024年度役員報酬について討議(全体方針)
第8回 2023年10月12日 ①2024年度役員報酬について討議(具体方針、水準討議)
①2024年度の役員報酬について討議(詳細設計、具体案の提案)
第9回 2023年11月10日
②取締役報酬の社会的価値指標決定について(全体方針)
①2024年度の役員報酬について討議(詳細設計、具体案の提示)
第10回 2023年12月8日
②取締役報酬の社会的価値指標について討議(項目ウェイト付けの検討)
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(2)監査役の報酬等について
監査役の報酬等は、あらかじめ株主総会で決議された報酬等の総額の範囲内で、監査役の協議により、決定
しております。
監査役の報酬等は、月毎に固定額を支払う基本報酬のみとしており、その水準は、外部専門機関の調査デー
タを活用し、職責や社内・社外の別に応じて監査役の協議により設定しております。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
報酬等の種類別の総額(百万円)
対象となる
報酬等の総額
役員区分 役員の員数
(百万円)
基本報酬 年次賞与 中期賞与 株式報酬 (名)
取締役
750 251 264 127 107 5
(社外取締役を除く。)
監査役
79 79 3
- - -
(社外監査役を除く。)
127 127 8
社外役員 - - -
(注)1.上記には、2023年3月28日開催の第99回定時株主総会終結の時をもって退任した取締役朴泰民氏並びに監査
役奥田好秀氏及び早稲田祐美子氏を含めております。
2.取締役の報酬限度額(基本報酬及び賞与)は年額3,000百万円(うち社外取締役400百万円)であります
(2024年3月26日開催の第100回定時株主総会決議。決議時の取締役は11名)。また、これとは別に、2022
年3月25日開催の第98回定時株主総会において、信託期間(3年間)中に450百万円を上限とする金銭を拠
出し、信託期間中に選任され就任した取締役(社外取締役は除く)に対して株式報酬を支給することが決議
されております。(決議時の取締役(社外取締役は除く)は5名。)。なお、これにより取締役に付与する
当社株式の総数上限は、支給の対象となる取締役全員で1事業年度当たり37,500株となっております。
3.年次賞与及び中期賞与の額は、当期において費用計上した額を記載しております。
4.株式報酬の額は、2022年3月25日開催の第98回定時株主総会において決議した株式報酬制度に基づき費用計
上した額を記載しております。
5.監査役の報酬限度額は年額500百万円(うち社外監査役200百万円)であります(2024年3月26日開催の第
100回定時株主総会決議)。対象となる監査役は5名(うち社外監査役は3名)であります。
③ 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等
連結報酬等の種類別の総額(百万円)
連結報酬等の
氏名 役員区分 会社区分 総額
基本報酬 年次賞与 中期賞与 株式報酬
(百万円)
203
小路 明善 取締役 提出会社 83 60 30 30
356
勝木 敦志 取締役 提出会社 88 138 72 57
(注)1.報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しております。
2.年次賞与及び中期賞与の額は、当期において費用計上した額を記載しております。
3.株式報酬の額は、2022年3月25日開催の第98回定時株主総会において決議した株式報酬制度に基づき費用計
上した額を記載しております。
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(5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、その
投資株式が専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的に保有する株式を純投資
目的である株式とし、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式とします。
なお、2023年12月末時点において純投資目的で保有する投資株式はありません。
② アサヒビール株式会社における株式の保有状況
当社及び連結子会社のうち、投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が最も大きい会社(最大保有会
社)である アサヒビール株式会社 については以下の通りであります。
a.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
イ 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証
の内容
当社は、資産・資本効率の向上を踏まえ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資すると認められ
ない株式については保有を行いません。
また、保有株式について保有目的が適切か、業績貢献度やリスクの観点などから保有に伴う効果が得られ
たかどうか等を総合的に勘案して、資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、毎年、アサヒグルー
プホールディングス株式会社の取締役会で主要なものについてその保有意義等の検証結果を確認しておりま
す。
そのなかで、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資すると認められない株式がある場合は、株主
として相手先企業との必要十分な対話を行います。対話の実施によっても、改善が認められない株式につい
ては、適時・適切に売却します。
当事業年度における保有株式については、上記方針に基づき、リスク等の観点から保有の適否を検証しま
した。また、アサヒグループホールディングス株式会社の取締役会において、その検証結果を報告し、その
保有の妥当性に問題ないことを確認しております。
ロ 銘柄数及び貸借対照表計上額
銘柄数 貸借対照表計上額の
(銘柄) 合計額(百万円)
104 19,506
非上場株式
79 77,305
非上場株式以外の株式
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
銘柄数 株式数の増加に係る取得
株式数の増加の理由
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
非上場株式 - - -
取引関係を強化し、当社製品取扱いの維持・拡
8 241
非上場株式以外の株式
大を図るため
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
銘柄数 株式数の減少に係る売却
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
2 11
非上場株式
7 2,871
非上場株式以外の株式
(注) 株式数が増加及び減少した銘柄には、株式の併合、株式の分割、株式移転、株式交換、合併等による変動を含
みません。
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ハ 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
同社及び同社グループにおける製品取扱
2,053,700 2,053,700
㈱王将フードサービ いの維持・拡大など取引関係を強化し、
有
ス 売上の拡大を図るため、保有していま
16,573 12,281
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
3,640,000 1,820,000
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
売上の拡大を図るため、保有していま
㈱第一興商 有
す。
7,594 7,243 株式分割により株式数が増加していま
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
3,416,600 3,416,600
㈱すかいらーくホー いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
ルディングス 売上の拡大を図るため、保有していま
7,055 5,217
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
6,816,256 3,408,128
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
売上の拡大を図るため、保有していま
㈱帝国ホテル 有
す。
6,495 6,581 株式分割により株式数が増加していま
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
1,000,000 1,000,000
㈱セブン&アイ・ いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
ホールディングス 売上の拡大を図るため、保有していま
5,595 5,660
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
627,000 627,000
㈱ゼンショーホール いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
ディングス 売上の拡大を図るため、保有していま
4,632 2,075
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
1,759,700 1,759,700
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
チムニー㈱
無
売上の拡大を図るため、保有していま
2,518 1,979
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
1,996,300 1,996,300
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
㈱大庄 有
売上の拡大を図るため、保有していま
2,463 2,080
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
296,500 296,500
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
伊藤忠食品㈱
有
売上の拡大を図るため、保有していま
2,345 1,464
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
568,500 113,700
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
売上の拡大を図るため、保有していま
東海旅客鉄道㈱
有
す。
2,037 1,842 株式分割により株式数が増加していま
す。
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
同社及び同社グループにおける製品取扱
1,961,300 1,961,300
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
㈱ロイヤルホテル 無
売上の拡大を図るため、保有していま
2,033 2,590
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
1,032,000 1,032,000
㈱サガミホールディ いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
ングス 売上の拡大を図るため、保有していま
1,487 1,247
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
496,000 496,000
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
㈱木曽路 無
売上の拡大を図るため、保有していま
1,271 1,039
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
181,100 181,100
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
藤田観光㈱
無
売上の拡大を図るため、保有していま
1,068 542
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
690,000 690,000
㈱DDホールディン いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
グス 売上の拡大を図るため、保有していま
894 468
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
357,500 357,500
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
㈱リンガーハット 無
売上の拡大を図るため、保有していま
841 786
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
100,150 100,150
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
㈱安楽亭 無
売上の拡大を図るため、保有していま
703 697
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
179,600 179,600
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
東武鉄道㈱
有
売上の拡大を図るため、保有していま
680 553
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
150,000 150,000
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
大和ハウス工業㈱
有
売上の拡大を図るため、保有していま
640 455
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
200,000 200,000
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
九州旅客鉄道㈱
無
売上の拡大を図るため、保有していま
621 584
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
100,000 100,000
日本空港ビルデング
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
㈱
売上の拡大を図るため、保有していま
621 653
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
474,000 474,000
イオンフィナンシャ
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
ルサービス㈱
売上の拡大を図るため、保有していま
599 663
す。
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
同社及び同社グループにおける製品取扱
172,800 172,800
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
くら寿司㈱
無
売上の拡大を図るため、保有していま
589 518
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
3,192,035 3,192,035
㈱ヴィア・ホール いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
ディングス 売上の拡大を図るため、保有していま
568 316
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
422,000 422,000
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
㈱グルメ杵屋 無
売上の拡大を図るため、保有していま
451 418
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
366,400 337,000
売上の拡大を図るため、保有していま
㈱幸楽苑ホールディ
す。 無
ングス
当事業年度において、更なる取引関係の
強化による酒類等の売上拡大を図るた
444 344
め、株式数が増加しています。
同社及び同社グループにおける製品取扱
52,000 52,000
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
東日本旅客鉄道㈱
無
売上の拡大を図るため、保有していま
422 391
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
82,300 82,300
近鉄グループホール
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
ディングス㈱
売上の拡大を図るため、保有していま
368 358
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
210,000 210,000
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
㈱カクヤスグループ 無
売上の拡大を図るため、保有していま
367 272
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
60,000 60,000
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
西日本旅客鉄道㈱
無
売上の拡大を図るため、保有していま
352 343
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
300,000 300,000
SRSホールディング
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
ス㈱
売上の拡大を図るため、保有していま
329 261
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
85,745 85,745
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
㈱東京會舘 無
売上の拡大を図るため、保有していま
312 255
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
104,000 104,000
㈱ヨシックスホール いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
ディングス 売上の拡大を図るため、保有していま
282 222
す。
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
同社及び同社グループにおける製品取扱
72,600 72,600
京阪ホールディング
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
ス㈱
売上の拡大を図るため、保有していま
267 250
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
1,757,200 1,757,200
㈱JFLAホール いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
ディングス 売上の拡大を図るため、保有していま
258 583
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
79,613 79,136
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
㈱吉野家ホールディ 売上の拡大を図るため、保有していま
無
ングス す。
255 181 取引先持株会において継続的に取得して
いるため、保有株式が増加しています。
同社及び同社グループにおける製品取扱
150,000 200,000
㈱力の源ホールディ いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
ングス 売上の拡大を図るため、保有していま
214 177
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
103,000 103,000
㈱西武ホールディン いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
グス 売上の拡大を図るため、保有していま
201 148
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
500,000 500,000
㈱極楽湯ホールディ いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
ングス 売上の拡大を図るため、保有していま
199 111
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
237,000 237,000
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
ワシントンホテル㈱
無
売上の拡大を図るため、保有していま
180 198
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
50,000 50,000
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
三井不動産㈱
無
売上の拡大を図るため、保有していま
172 120
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
60,700 60,700
㈱ワイズテーブル いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
コーポレーション 売上の拡大を図るため、保有していま
171 115
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
95,000 95,000
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
カメイ㈱
無
売上の拡大を図るため、保有していま
162 115
す。
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
同社及び同社グループにおける製品取扱
611,500 611,500
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
マルシェ㈱
無
売上の拡大を図るため、保有していま
146 239
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
37,922 37,087
売上の拡大を図るため、保有していま
ヤマエ久野㈱
無
す。
取引先持株会において継続的に取得して
144 54
いるため、保有株式が増加しています。
同社及び同社グループにおける製品取扱
51,100 51,100
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
㈱近鉄百貨店 無
売上の拡大を図るため、保有していま
135 132
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
102,700 102,700
ユナイテッド&コレ
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
クティブ㈱
売上の拡大を図るため、保有していま
116 123
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
623,500 623,500
㈱SANKO MA
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
RKETING F
無
売上の拡大を図るため、保有していま
OODS
103 119
す。
当事業年度において、更なる取引関係の
333,300
-
強化による酒類等の売上拡大を図るた
㈱ノバレーゼ 無
め、新規購入により株式数が増加してい
98
-
ます。
同社及び同社グループにおける製品取扱
34,560 34,560
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
リゾートトラスト㈱
無
売上の拡大を図るため、保有していま
84 81
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
20,000 100,000
㈱ライフコーポレー いの維持・拡大など取引関係を強化し、
無
ション 売上の拡大を図るため、保有していま
66 264
す。
同社及び同社グループにおける製品取扱
2,155,000
-
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
ワタミ㈱
無
売上の拡大を図るため、保有しておりま
2,116
-
した。
同社及び同社グループにおける製品取扱
149,000
-
いの維持・拡大など取引関係を強化し、
三菱食品㈱
有
売上の拡大を図るため、保有しておりま
464
-
した。
(注) 個別銘柄毎の定量的な保有効果については、取引関係に与える影響等を鑑みて開示を控えさせていただきま
す。
保有株式については、上記保有目的に照らし、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具
体的に精査し、取締役会において、主要なものについて株式保有の合理性を検証しています。
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みなし保有株式
当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
815,000 815,000
退職給付信託として保有し、議決権の指
伊藤忠食品㈱
有
図権限を有しています。
6,446 4,026
1,000,000 1,000,000
㈱セブン&アイ・ 退職給付信託として保有し、議決権の指
無
ホールディングス 図権限を有しています。
5,595 5,660
退職給付信託として保有し、議決権の指
853,000 170,600
図権限を有しています。
東海旅客鉄道㈱
有
株式分割により株式数が増加していま
3,057 2,764
す。
260,000 260,000
阪急阪神ホールディ
退職給付信託として保有し、議決権の指
無
ングス㈱
図権限を有しています。
1,167 1,019
退職給付信託として保有し、議決権の指
298,000 149,000
三井住友トラスト・
図権限を有しています。
無
ホールディングス㈱
株式分割により株式数が増加していま
806 683
す。
242,500 242,500
㈱みずほフィナン 退職給付信託として保有し、議決権の指
無
シャルグループ 図権限を有しています。
585 450
50,000 50,000
退職給付信託として保有し、議決権の指
東日本旅客鉄道㈱
無
図権限を有しています。
406 376
60,000 60,000
退職給付信託として保有し、議決権の指
西日本旅客鉄道㈱
無
図権限を有しています。
352 343
263,300 848,500
退職給付信託として保有し、議決権の指
旭化成㈱
有
図権限を有しています。
273 798
250,000
-
退職給付信託として保有しておりまし
住友化学㈱
有
た。
118
-
(注) 貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。
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③ 提出会社における株式の保有状況
提出会社については、以下の通りであります。
a.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
イ 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証
の内容
当社は、資産・資本効率の向上を踏まえ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資すると認められ
ない株式については保有を行いません。
また、保有株式について保有目的が適切か、業績貢献度やリスクの観点などから保有に伴う効果が得られ
たかどうか等を総合的に勘案して、資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、毎年、取締役会で主
要なものについてその保有意義等の検証結果を確認しております。
そのなかで、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資すると認められない株式がある場合は、株主
として相手先企業との必要十分な対話を行います。対話の実施によっても、改善が認められない株式につい
ては、適時・適切に売却します。
当事業年度における保有株式については、上記方針に基づき、リスク等の観点から保有の適否を検証しま
した。また、取締役会において、その検証結果を報告し、その保有の妥当性に問題ないことを確認しており
ます。
ロ 銘柄数及び貸借対照表計上額
銘柄数 貸借対照表計上額の
(銘柄) 合計額(百万円)
15 1,342
非上場株式
21 6,305
非上場株式以外の株式
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
銘柄数 株式数の増加に係る取得
株式数の増加の理由
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
非上場株式 - - -
非上場株式以外の株式 - - -
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
銘柄数 株式数の減少に係る売却
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
2 183
非上場株式
1 83
非上場株式以外の株式
(注) 株式数が増加及び減少した銘柄には、株式の併合、株式の分割、株式移転、株式交換、合併等による変動を含
みません。
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ハ 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
同社が保有又は管理する商業施設におけ
1,138,000 1,138,000
る当社製品取扱いの維持・拡大など取引
住友不動産㈱
有
関係を強化し、当社の事業活動の円滑化
4,772 3,551
を図るため、保有しています。
同社グループとの取引関係を強化し、資
791,080 791,080
㈱三菱UFJフィナ
金調達など財務取引での安全性・安定性 無
ンシャル・グループ
958 703
を高めるため、保有しています。
同社グループとの取引関係を強化し、資
74,300 74,300
㈱三井住友フィナン
金調達など財務取引での安全性・安定性 無
シャルグループ
511 393
を高めるため、保有しています。
同社グループとの取引関係を強化し、資
14,304 7,152
金調達など財務取引での安全性・安定性
三井住友トラスト・
を高めるため、保有しています。 無
ホールディングス㈱
株式分割により株式数が増加していま
38 32
す。
同社グループとの取引関係を強化し、資
6,800 6,800
㈱みずほフィナン
金調達など財務取引での安全性・安定性 無
シャルグループ
16 12
を高めるため、保有しています。
同社株主総会へ参加し、当社株主総会運
300 100
日清食品ホールディ
営の参考とするため、少数を保有してい 無
ングス㈱
1 1
ます。
同社株主総会へ参加し、当社株主総会運
100 100
ソニーグループ㈱
営の参考とするため、少数を保有してい 無
1 1
ます。
同社株主総会へ参加し、当社株主総会運
100 100
㈱王将フードサービ
営の参考とするため、少数を保有してい 有
ス
0 0
ます。
同社株主総会へ参加し、当社株主総会運
100 100
エーザイ㈱
営の参考とするため、少数を保有してい 無
0 0
ます。
同社株主総会へ参加し、当社株主総会運
100 100
ソフトバンク
営の参考とするため、少数を保有してい 無
グループ㈱
0 0
ます。
同社グループとの取引関係を強化し、工
18,000
-
場関連設備などの取引を通じて、当社の
㈱東芝 無
事業活動の円滑化を図るため、保有して
82
-
おりました。
(注) 個別銘柄毎の定量的な保有効果については、取引関係に与える影響等を鑑みて開示を控えさせていただきま
す。
保有株式については、上記保有目的に照らし、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具
体的に精査し、取締役会において、主要なものについて株式保有の合理性を検証しています。
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第5【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。
以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作
成しております。
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下
「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
なお、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しており
ます。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年1月1日から2023年12月31日
まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年1月1日から2023年12月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あ
ずさ監査法人により監査を受けております。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適
正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っております。具体的には、会計基準等の内
容を適切に把握し、連結財務諸表等に反映できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、研
修等に参加しております。
また当社は、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の情報を把握する
とともに、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方針を作成し、それ
に基づいて会計処理を行っております。
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1【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結財政状態計算書】
(単位:百万円)
前年度 当年度
注記
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
資産
流動資産
37,438 59,945
現金及び現金同等物 8
9 32 415,676 465,633
営業債権及びその他の債権
234,969 267,317
棚卸資産 10
7,354 2,930
未収法人所得税等
10,028 10,469
その他の金融資産 14
32,062 40,655
その他の流動資産 15
737,529 846,953
流動資産合計
非流動資産
834,721 888,070
有形固定資産 12
3,027,929 3,283,948
のれん及び無形資産 13
6,722 11,081
持分法で会計処理されている投資 38
125,780 151,168
その他の金融資産 14
54,888 48,544
繰延税金資産 29
24,004 36,515
確定給付資産 19
18,767 19,629
その他の非流動資産 15
4,092,815 4,438,960
非流動資産合計
4,830,344 5,285,913
資産合計
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(単位:百万円)
前年度 当年度
注記
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
負債及び資本
負債
流動負債
591,869 714,781
営業債務及びその他の債務 16
17 32 35 367,267 389,848
社債及び借入金
30,906 26,263
未払法人所得税等
14,103 17,429
引当金 20
135,983 113,642
その他の金融負債 17
125,816 134,984
その他の流動負債 21
1,265,946 1,396,950
流動負債合計
非流動負債
17 32 35 1,130,042 1,020,950
社債及び借入金
20,349 17,242
確定給付負債 19
213,494 233,190
繰延税金負債 29
131,792 143,156
その他の金融負債 17
5,774 8,642
20 21
その他の非流動負債
1,501,452 1,423,181
非流動負債合計
2,767,399 2,820,131
負債合計
資本
220,044 220,044
資本金 22
161,793 161,867
資本剰余金 22
1,165,542 1,282,432
利益剰余金 22
自己株式 22 △ 1,178 △ 1,190
514,532 797,393
その他の資本の構成要素
2,060,734 2,460,548
親会社の所有者に帰属する持分合計
2,210 5,233
非支配持分
2,062,945 2,465,781
資本合計
負債及び資本合計 4,830,344 5,285,913
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②【連結損益計算書】
(単位:百万円)
前年度 当年度
注記 (自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
2,511,108 2,769,091
売上収益 25
△ 1,589,272 △ 1,770,157
売上原価
売上総利益 921,835 998,933
販売費及び一般管理費 26 △ 678,018 △ 735,252
16,850 8,300
その他の営業収益 27
13 27 △ 43,619 △ 26,981
その他の営業費用
営業利益 217,048 244,999
5,498 14,118
金融収益 28
金融費用 28 △ 17,221 △ 18,121
667 875
持分法による投資損益 38
税引前利益 205,992 241,871
△ 54,275 △ 75,840
法人所得税費用 29
当期利益 151,717 166,031
当期利益の帰属:
151,555 164,073
親会社の所有者
162 1,957
非支配持分
合計 151,717 166,031
299.10 323.82
基本的1株当たり利益(円) 30
299.06 323.77
希薄化後1株当たり利益(円) 30
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③【連結包括利益計算書】
(単位:百万円)
前年度 当年度
注記 (自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
151,717 166,031
当期利益
その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で測定さ
13,370
31 △ 991
れる金融商品への投資の公正価値の変動
19 31 3,776 10,599
確定給付制度に係る再測定
純損益に振り替えられる可能性のある項目
31 32
キャッシュ・フロー・ヘッジ △ 2,865 △ 1,599
31 32 122 53
ヘッジコスト
209,867 271,916
在外営業活動体の換算差額 31
155 133
持分法適用会社に対する持分相当額 31
210,063 294,473
その他の包括利益合計 31
361,781 460,504
当期包括利益合計
当期包括利益合計の帰属:
361,604 458,266
親会社の所有者
177 2,238
非支配持分
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④【連結持分変動計算書】
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
その他の包括利益
区分 注記
を通じて公正価値
キャッシュ
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式
確定給付制度
で測定される金融
・フロー・
に係る再測定
商品への投資の公
ヘッジ
正価値の変動
2022年1月1日現在の残高 220,044 161,731 1,064,644 △ 923 37,975 - 7,486
当期包括利益
当期利益
151,555
その他の包括利益 △ 991 3,765 △ 2,866
当期包括利益合計 - - 151,555 - △ 991 3,765 △ 2,866
非金融資産等への振替
△ 2,042
所有者との取引
剰余金の配当 23 △ 55,738
自己株式の取得 △ 263
自己株式の処分 0 8
企業結合による変動
株式報酬取引 24 61
その他の資本の構成要素から
5,081 △ 1,316 △ 3,765
利益剰余金への振替
その他の増減
所有者からの拠出及び所有者へ
- 62 △ 50,657 △ 255 △ 1,316 △ 3,765 -
の分配合計
所有者との取引合計
- 62 △ 50,657 △ 255 △ 1,316 △ 3,765 -
2022年12月31日現在の残高 220,044 161,793 1,165,542 △ 1,178 35,667 - 2,577
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
親会社の
区分 注記 非支配持分 資本合計
所有者に
在外営業 その他の
ヘッジ
帰属する
活動体の 資本の構成
コスト
持分合計
換算差額 要素合計
2022年1月1日現在の残高 △ 601 266,746 311,607 1,757,104 2,043 1,759,148
当期包括利益
当期利益 - 151,555 162 151,717
その他の包括利益 122 210,019 210,048 210,048 15 210,063
当期包括利益合計
122 210,019 210,048 361,604 177 361,781
非金融資産等への振替 △ 2,042 △ 2,042 △ 2,042
所有者との取引
剰余金の配当 23 - △ 55,738 △ 15 △ 55,753
自己株式の取得 - △ 263 △ 263
自己株式の処分
- 8 8
企業結合による変動 - - -
株式報酬取引 24 - 61 61
その他の資本の構成要素から
△ 5,081 - -
利益剰余金への振替
その他の増減
- - 4 4
所有者からの拠出及び所有者へ
- - △ 5,081 △ 55,931 △ 10 △ 55,941
の分配合計
所有者との取引合計 - - △ 5,081 △ 55,931 △ 10 △ 55,941
2022年12月31日現在の残高 △ 478 476,765 514,532 2,060,734 2,210 2,062,945
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当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
その他の包括利益
区分 注記
を通じて公正価値
キャッシュ
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式
確定給付制度
で測定される金融
・フロー・
に係る再測定
商品への投資の公
ヘッジ
正価値の変動
2023年1月1日現在の残高 220,044 161,793 1,165,542 △ 1,178 35,667 - 2,577
当期包括利益
当期利益
164,073
その他の包括利益 13,370 10,626 △ 1,600
当期包括利益合計 - - 164,073 - 13,370 10,626 △ 1,600
非金融資産等への振替
△ 752
所有者との取引
剰余金の配当 23 △ 57,761
自己株式の取得 △ 25
自己株式の処分 0 13
企業結合による変動
株式報酬取引 24 74
その他の資本の構成要素から
10,578 48 △ 10,626
利益剰余金への振替
その他の増減 △ 0
所有者からの拠出及び所有者へ
- 74 △ 47,183 △ 12 48 △ 10,626 -
の分配合計
所有者との取引合計
- 74 △ 47,183 △ 12 48 △ 10,626 -
2023年12月31日現在の残高 220,044 161,867 1,282,432 △ 1,190 49,086 - 224
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
親会社の
区分 注記 非支配持分 資本合計
所有者に
在外営業 その他の
ヘッジ
帰属する
活動体の 資本の構成
コスト
持分合計
換算差額 要素合計
2023年1月1日現在の残高 △ 478 476,765 514,532 2,060,734 2,210 2,062,945
当期包括利益
当期利益 - 164,073 1,957 166,031
その他の包括利益 53 271,742 294,192 294,192 281 294,473
当期包括利益合計
53 271,742 294,192 458,266 2,238 460,504
非金融資産等への振替 △ 752 △ 752 △ 752
所有者との取引
剰余金の配当 23 - △ 57,761 △ 16 △ 57,778
自己株式の取得 - △ 25 △ 25
自己株式の処分
- 13 13
企業結合による変動 - - 800 800
株式報酬取引 24 - 74 74
その他の資本の構成要素から
△ 10,578 - -
利益剰余金への振替
その他の増減
- △ 0 0 △ 0
所有者からの拠出及び所有者へ
- - △ 10,578 △ 57,700 784 △ 56,916
の分配合計
所有者との取引合計 - - △ 10,578 △ 57,700 784 △ 56,916
2023年12月31日現在の残高 △ 425 748,508 797,393 2,460,548 5,233 2,465,781
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⑤【連結キャッシュ・フロー計算書】
(単位:百万円)
前年度 当年度
注記 (自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
205,992 241,871
税引前利益
140,419 147,992
減価償却費及び償却費
18,490 2,183
減損損失 13
受取利息及び受取配当金 △ 2,656 △ 7,450
12,306 14,269
支払利息
持分法による投資損益(△は益) △ 667 △ 875
3,564
固定資産除売却損益(△は益) △ 9,540
営業債権の増減額(△は増加) △ 826 △ 23,608
棚卸資産の増減額(△は増加) △ 27,957 △ 24,447
25,737 32,898
営業債務の増減額(△は減少)
2,984
未払酒税の増減額(△は減少) △ 4,062
1,441 1,073
確定給付資産負債の増減額(△は減少)
3,369 36,027
その他
小計 362,049 426,484
3,344 7,624
利息及び配当金の受取額
利息の支払額 △ 10,839 △ 12,646
△ 88,562 △ 73,914
法人所得税の支払額
営業活動によるキャッシュ・フロー 265,991 347,547
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(単位:百万円)
前年度 当年度
注記 (自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出 △ 83,049 △ 89,580
25,109 11,710
有形固定資産の売却による収入
無形資産の取得による支出 △ 16,796 △ 20,248
868
無形資産の売却による収入 -
投資有価証券の取得による支出 △ 552 △ 1,292
8,483 3,387
投資有価証券の売却による収入
持分法で会計処理されている投資の売却によ
676
-
る収入
連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の取得
34 △ 2,661 △ 3,551
による支出
条件付対価の決済による支出 32 △ 2,357 △ 18,574
1,091 434
その他
投資活動によるキャッシュ・フロー
△ 69,186 △ 117,713
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の増減額(△は減少) 35 △ 8,527 △ 200,705
リース負債の返済による支出 35 △ 23,307 △ 24,555
50,000
長期借入による収入 35 -
長期借入の返済による支出 35 △ 51,460 △ 43,062
60,000 150,000
社債の発行による収入 35
社債の償還による支出 35 △ 140,000 △ 100,000
自己株式の取得による支出 △ 263 △ 25
配当金の支払 23 △ 55,738 △ 57,761
△ 258 △ 635
その他
財務活動によるキャッシュ・フロー △ 219,556 △ 226,746
7,447 20,004
現金及び現金同等物に係る為替変動による影響
23,093
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) △ 15,304
52,743 37,438
現金及び現金同等物の期首残高 8
連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の
- △ 586
増減額(△は減少)
現金及び現金同等物の期末残高 8 37,438 59,945
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【連結財務諸表注記】
1 報告企業
アサヒグループホールディングス株式会社(以下「当社」という。)は日本に所在する企業であります。当
社及び子会社(以下総称して「当社グループ」という。)は、酒類、飲料及び食品の製造・販売等を行ってお
ります。
2 作成の基礎
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる指定国際会計基準特定会社の要件を
全て満たすことから、同第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。当社グループの2023年12月
31日に終了する連結会計年度の連結財務諸表は、2024年3月26日に当社代表取締役社長兼Group CEO 勝木 敦
志及び取締役EVP兼Group CFO 﨑田 薫より公表の承認を得ております。
当社グループの連結財務諸表は、「5 重要性がある会計方針」に記載している金融商品等を除き、取得原
価を基礎として作成しております。
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、一部の重要な事項について会計上の見積りを行う必要があり
ます。また、グループの会計方針を適用する過程において、経営者が自ら判断を行うことが求められます。
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円により表示されております。なお、当社グ
ループの連結財務諸表において、百万円未満の端数は切り捨てて表示しております。
3 会計方針の変更
(IAS第12号「法人所得税」)
(1)国際的な税制改革-第2の柱モデルルール
2023年5月23日に公表された「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS第12号の改訂)」(以
下、改訂IAS第12号)は、第2の柱モデルルールに関する税制から生じる税金について、繰延税金の認識
及び開示を不要とする一時的かつ強制的な例外規定を設けています。
当社グループは、改訂IAS第12号公表時より、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」
に従って、当該例外規定を遡及して適用しております。
なお、改訂IAS第12号の適用は、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えるものではありませ
ん。
(2)単一の取引から生じた資産及び負債に係る繰延税金
当社グループは、当連結会計年度の期首よりIAS第12号「法人所得税」の改訂(単一の取引から生じた
資産及び負債に係る繰延税金の会計処理の明確化)を適用しています。
改訂IAS第12号の適用は、「注記29 法人所得税(1)繰延税金資産及び繰延税金負債」への影響を除き
当社グループの連結財務諸表への重要な影響はありません。なお、改訂IAS第12号を遡及的に適用し、
「注記29 法人所得税(1)繰延税金資産及び繰延税金負債」における前年度を修正再表示しておりま
す。
4 未適用の公表済基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた主な公表済みの基準書及び解釈指針のうち、重要な影
響があるものはありません。
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5 重要性がある会計方針
連結財務諸表の作成にあたって採用した主要な会計方針は以下のとおりであります。これらの方針は、特に
断りのない限り、表示されている全期間に一貫して適用されております。
(1)連結
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。投資先への関与により生じる変動リ
ターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、投資先に対するパワーにより当該リターンに影響
を及ぼす能力を有している場合には、当社グループは投資先を支配していると判断しております。
子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、連結財務諸表に含まれております。子会社の
財務諸表は、当社グループが適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて調整しております。
グループ会社間の債権債務残高、取引、及びグループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸
表作成にあたり消去しております。
なお、決算日が異なる子会社の財務諸表は、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用し
ております。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有している企業をいいま
す。当社グループが他の企業の議決権の20パーセント以上を保有する場合、当社グループは当該他の企業に
対して重要な影響力を有していると推定しております。共同支配企業とは、取決めに対する共同支配を有す
る当事者が当該取決めの純資産に対する権利を有している共同支配の取決めをいいます。
関連会社及び共同支配企業に対する持分は、持分法を用いて会計処理しております(持分法適用会社)。
これらは、当初認識時に取得原価で認識し、それ以後、当社グループの重要な影響力又は共同支配が終了す
る日まで、持分法適用会社の純資産に対する当社グループの持分の変動を連結財務諸表に含めて認識してお
ります。当社グループの投資には、取得時に認識したのれんが含まれております。
関連会社及び共同支配企業の会計方針が、当社グループが採用した方針と異なる場合には、一貫性を保つ
ため必要に応じて調整しております。
(2)企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、
引き受けた負債及び当社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。
のれんは、移転した企業結合の対価、被取得企業の非支配持分の金額及び取得企業が以前に保有していた被
取得企業の資本持分の公正価値の合計額が、取得日における識別可能資産及び引受負債の正味価額を上回る場
合に、その超過額として測定しております。下回る場合は、純損益として認識しております。当社グループ
は、非支配持分を公正価値で測定するか、又は識別可能な純資産の認識金額の比例持分で測定するかを個々の
取引ごとに選択しております。発生した取得費用は費用として処理しております。なお、支配獲得後の非支配
持分の追加取得については、資本取引として処理し、当該取引からのれんは認識しておりません。
また、共通支配下の企業又は事業が関わる企業結合(すべての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の
前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的でない企業結合)については、帳簿価額に基づき会計
処理しております。
(3)外貨換算
① 機能通貨及び表示通貨
当社グループの各企業の財務諸表に含まれる項目は、その企業が業務を行う主要な経済環境における通貨
(以下、「機能通貨」といいます。)を用いて測定しております。連結財務諸表は日本円により表示されて
おり、これは当社グループの表示通貨であります。
② 取引及び取引残高
外貨建取引は、取引日の為替レートを用いて、機能通貨に換算しております。取引の決済から生じる外国
為替差額並びに外貨建の貨幣性資産及び負債を期末日の為替レートで換算することによって生じる外国為替
差額は、純損益において認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定される金融資産及び適
格キャッシュ・フロー・ヘッジ、在外営業活動体に対する純投資ヘッジから生じる換算差額については、そ
の他の包括利益として認識しております。
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③ 在外営業活動体
表示通貨とは異なる機能通貨を使用しているすべての在外営業活動体の業績及び財政状態は、以下の方法
で表示通貨に換算しております。なお、在外営業活動体には、超インフレ経済の通貨を使用している会社は
存在しません。
(ⅰ)資産及び負債は、期末日現在の決算日レートで換算
(ⅱ)収益及び費用は、平均レートで換算(ただし、当該平均レートが取引日における換算レートの累積的
な影響の合理的な概算値とはいえない場合は除く。この場合は収益及び費用を取引日レートで換算)
(ⅲ)結果として生じるすべての為替差額はその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素である在
外営業活動体の換算差額に累積
在外営業活動体の部分的処分又は売却時には、その他の包括利益に認識された為替差額は売却に伴う利得
又は損失の一部分として純損益で認識しております。
(4)有形固定資産
建物及び構築物、機械装置及び運搬具、工具、器具及び備品並びに土地は、主に製造・加工設備、本店設備
で構成されております。有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で
計上しております。取得原価には、当該資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び設置していた場所の
原状回復費用並びに資産計上すべき借入費用が含まれます。
取得後支出は、当該項目に関連する将来の経済的便益が当社グループに流入する可能性が高く、かつ、その
費用を合理的に見積ることができる場合には、当該資産の帳簿価額に含めるか又は適切な場合には個別の資産
として認識しております。取り替えられた部分についてはその帳簿価額の認識を中止しております。その他の
修繕及び維持費は、発生した会計期間の純損益として認識しております。
土地は減価償却しておりません。他の資産の減価償却額は、各資産の取得原価を残存価額まで以下の主な見
積耐用年数にわたって定額法で配分することにより算定しております。
建物及び構築物 3年から50年
機械装置及び運搬具 2年から15年
工具、器具及び備品 2年から20年
有形固定資産の残存価額、耐用年数及び減価償却方法は各期末日に見直し、必要があれば修正しておりま
す。処分に係る利得又は損失は、対価と帳簿価額を比較することで算定し、純損益として認識しております。
(5)借入費用
適格資産の取得、構築又は製造に直接関連する借入費用は、その資産が意図した使用又は売却することがで
きるようになるまで、その資産の取得原価に加算されます。適格資産への支出までの特定の借入金の一時的な
投資からの獲得投資収益は、資産計上可能な借入費用と相殺されます。
その他の借入費用は、発生した会計年度の純損益として認識されます。
(6)のれん及び無形資産
① のれん
のれんは、毎期減損テストを実施し、取得原価から減損損失累計額を控除した額が帳簿価額となります。
のれんの減損損失は戻入れを行いません。事業の売却による損益には、その事業に関連するのれんの帳簿価
額が含まれております。
のれんは企業結合から便益を受けることが期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分され
ます。
② 商標権
個別に取得した商標権は、取得原価により表示しております。企業結合により取得した商標権は、取得日
の公正価値により認識しております。商標権については、耐用年数が確定できないものを除き一定の耐用年
数を定め、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上されます。償却額は、商標権
の取得原価を主に20年から40年の見積耐用年数にわたって定額法で配分することにより算定しております。
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③ ソフトウェア
ソフトウェアは、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額を帳簿価額として認識してお
ります。
当社グループ独自のソフトウェアの設計及びテストに直接関連する開発費は、信頼性をもって測定可能で
あり、技術的に実現可能であり、将来経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成さ
せ、当該資産を使用する意図及びそのための十分な資源を有している場合にのみ無形資産として認識してお
ります。
これらの要件を満たさないその他の開発費は、発生時に費用として認識しております。過去に費用として
認識された開発費は、その後の会計期間において資産として認識されることはありません。
ソフトウェアは、主として5年の見積耐用年数にわたり定額法により償却しております。
ソフトウェアの保守に関連する費用は、発生時に費用認識しております。
④ その他無形資産
その他無形資産は、取得原価に基づき認識しております。企業結合により取得し、のれんとは区別して識
別された無形資産の取得原価は企業結合日の公正価値で測定しております。その他無形資産については一定
の耐用年数を定め、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上されます。しかし、
一部の無形資産(借地権等)は事業を継続する限り基本的に存続するため、耐用年数が確定できないと判断
し、償却しておりません。償却額は、各その他無形資産の取得原価を見積耐用年数にわたって定額法で配分
することにより算定しております。
無形資産の残存価額、耐用年数及び償却方法は各期末日に見直し、必要があれば修正しております。
(7)リース
① 借手としてのリース
当社グループは、リースの開始日に使用権資産とリース負債を認識します。使用権資産は、取得原価で当
初測定しております。この取得原価は、リース負債の当初測定額に、開始日又はそれ以前に支払ったリース
料を調整し、発生した当初直接コストと原資産の解体及び除去、原資産又は原資産の設置された敷地の原状
回復の際に生じるコストの見積りを加え、受領済みのリース・インセンティブを控除して算定します。当社
グループは、連結財政状態計算書において、使用権資産を「有形固定資産」及び「無形資産」に、リース負
債を「その他の金融負債」に含めて表示しております。
当初認識後、使用権資産は、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれ
か早い方の日まで、定額法により減価償却します。使用権資産の見積耐用年数は、自己所有の有形固定資産
と同様に決定します。さらに、使用権資産は、該当ある場合、減損損失によって減額され、特定のリース負
債の再測定に際して調整されます。
リース負債は、開始日時点で支払われていないリース料をリースの計算利子率又は計算利子率を容易に算
定できない場合には当社グループの追加借入利子率で割り引いた現在価値で当初測定しております。通常、
当社グループは割引率として追加借入利子率を用いております。
また、当社グループは、短期リース及び少額資産のリースにつき、認識の免除規定を適用しております。
② 貸手としてのリース
当社グループが貸手となるリースについては、リース契約時にそれぞれのリースをファイナンス・リース
又はオペレーティング・リースに分類します。
それぞれのリースを分類するにあたり、当社グループは、原資産の所有に伴うリスクと経済価値が実質的
にすべて移転するか否かを総合的に評価しております。移転する場合はファイナンス・リースに、そうでな
い場合はオペレーティング・リースに分類します。この評価の一環として、当社グループは、リース期間が
原資産の経済的耐用年数の大部分を占めているかなど、特定の指標を検討します。
当社グループが中間の貸手である場合、ヘッドリースとサブリースは別個に会計処理します。サブリース
の分類は、原資産ではなくヘッドリースから生じる使用権資産を参照して判定します。ヘッドリースが上記
の免除規定を適用して会計処理する短期リースである場合、サブリースはオペレーティング・リースとして
分類します。当社グループは、連結財政状態計算書において、当該サブリースに係る貸手のファイナンス・
リースを「営業債権及びその他の債権」及び「その他の非流動資産」に含めて表示しております。
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(8)非金融資産の減損
のれん及び耐用年数が確定できない無形資産は償却の対象ではなく、毎期減損テストを実施しております。
その他の非金融資産は、事象の発生あるいは状況の変化により、その帳簿価額が回収できない可能性を示す兆
候がある場合に、減損について検討しております。資産の帳簿価額が回収可能価額を超過する金額については
減損損失を認識しております。回収可能価額とは、資産の処分コスト控除後の公正価値と、使用価値のいずれ
か高い金額であります。減損を評価するために、資産は個別に識別可能なキャッシュ・フローが存在する最小
単位(資金生成単位)に分けられます。のれんを除く減損損失を認識した非金融資産については、減損損失が
戻入れとなる可能性について、各期末日に再評価を行います。
(9)金融商品
① 金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、契約の当事者となった時点で金融資産を認識しております。通常の方法で売買される
金融資産に関する契約の当事者となった取引日に認識しております。金融資産は事後に償却原価で測定さ
れる金融資産又は公正価値で測定される金融資産に分類しております。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産は公正価値で当初認識しております。その他の包括利益
を通じて公正価値で測定される金融資産及び償却原価で測定される金融資産は、取得に直接起因する取引
コストを公正価値に加算した金額で当初認識しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業
債権は取引価格で当初認識しております。
(a)償却原価で測定される金融資産
当社グループの事業モデルの目的が契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有する
こと、また、契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フロー
が特定の日に生じるという条件がともに満たされる場合にのみ、償却原価で測定される金融資産に分
類しております。
(b)公正価値で測定される金融資産
上記の2つの条件のいずれかが満たされない場合は公正価値で測定される金融資産に分類されま
す。
当社グループは、公正価値で測定される金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定しな
ければならない売買目的で保有する資本性金融商品を除き、個々の金融商品ごとに、その他の包括利
益を通じて公正価値で測定するという取消不能の指定を行うかを決定しております。指定を行わな
かった資本性金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定しております。
デリバティブについては「⑤ デリバティブ及びヘッジ会計」に記載しております。
(ⅱ)事後測定
金融資産は、それぞれの分類に応じて以下のとおり事後測定しております。
(a)償却原価で測定される金融資産
実効金利法による償却原価で測定しております。
(b)公正価値で測定される金融資産
期末日における公正価値で測定しております。
公正価値の変動額は、金融資産の分類に応じて純損益又はその他の包括利益で認識しております。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定された資本性金融商品から生じる受取
配当金については純損益で認識し、公正価値が著しく下落した場合又は処分を行った場合は、その他
の包括利益累計額を利益剰余金に振り替えております。
(ⅲ)認識の中止
金融資産は、投資からのキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利が消滅したとき又は当該投資が譲
渡され、当社グループが所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転したときに認識を中止しま
す。
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② 金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定される金融資産の回収可能性に関し、期末日ごとに予想信用損失の見積
りを行っております。
当初認識後に信用リスクが著しく増大していない金融商品については、12ヶ月以内の予想信用損失を損失
評価引当金として認識しております。当初認識後に信用リスクが著しく増大している金融商品については、
全期間の予想信用損失を損失評価引当金として認識しております。ただし、営業債権については、常に全期
間の予想信用損失で損失評価引当金を測定しております。
信用リスクが著しく増大している金融資産のうち、減損している客観的証拠がある金融資産については、
帳簿価額から損失評価引当金を控除した純額に実効金利を乗じて利息収益を測定しております。
金融資産の全部又は一部について回収ができず、又は回収が極めて困難であると判断された場合には債務
不履行と判断しております。
減損の客観的な証拠が存在するかどうかを判断する場合に当社グループが用いる要件には以下のものがあ
ります。
・発行体又は債務者の重大な財政的困難
・利息又は元本の支払不履行又は延滞などの契約違反
・借手の財政的困難に関連した経済的又は法的な理由による、そうでなければ当社グループが考えないよ
うな、借手への譲歩の供与
・借手が破産又は他の財務的再編成に陥る可能性が高くなったこと
・当該金融資産についての活発な市場が財政的困難により消滅したこと
金融資産の全体又は一部を回収するという合理的な予想を有していない場合は、当該金額を金融資産の帳
簿価額から直接減額しております。以後の期間において損失評価引当金の変動は、減損利得又は減損損失と
して純損益に認識します。
③ 金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、契約の当事者となった時点で金融負債を認識しております。金融負債は純損益を通じ
て公正価値で測定される金融負債と償却原価で測定される金融負債に分類しております。純損益を通じて
公正価値で測定される金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定される金融負債は
取得に直接起因する取引コストを公正価値から減算した金額で当初測定しております。
(ⅱ)事後測定
金融負債は、それぞれの分類に応じて以下のとおり事後測定しております。
(a)純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
期末日における公正価値で測定しております。
(b)償却原価で測定される金融負債
実効金利法による償却原価で測定しております。
(ⅲ)認識の中止
金融負債は、契約上の義務が免責、取消し又は失効した場合に認識を中止しております。
④ 金融商品の相殺
金融資産及び金融負債は、認識された金額を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、純額
で決済するか、資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有する場合にのみ相殺し、連結財政状態計
算書において純額で表示しております。
⑤ デリバティブ及びヘッジ会計
デリバティブはデリバティブ契約を締結した日の公正価値で当初認識を行い、当初認識後は期末日ごとに
公正価値で再測定を行っております。再測定の結果生じる利得又は損失の認識方法は、デリバティブがヘッ
ジ手段として指定されているかどうか、また、ヘッジ手段として指定された場合にはヘッジ対象の性質に
よって決まります。
当社グループは一部のデリバティブについてキャッシュ・フロー・ヘッジ(認識されている資産もしくは
負債に関連する特定のリスク又は可能性の非常に高い予定取引のヘッジ)のヘッジ手段として指定を行って
おり、一部の外貨建借入金及び外貨建社債については、在外営業活動体に対する純投資のヘッジ手段として
指定を行っております。
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当社グループは、取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係並びにこれらのヘッジ取引の実施につ
いてのリスク管理目的及び戦略について文書化しております。また、当社グループはヘッジ開始時及び継続
的に、ヘッジ取引に利用したデリバティブ又はデリバティブ以外のヘッジ手段がヘッジ対象のキャッシュ・
フロー又は在外営業活動体に対する純投資の為替の変動を相殺するために有効であるかどうかについての評
価も文書化しております。
ヘッジの有効性は継続的に評価しており、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があること、信用
リスクの影響が経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと並びにヘッジ関係のヘッ
ジ比率が実際にヘッジしているヘッジ対象及びヘッジ手段の数量から生じる比率と同じであることのすべて
を満たす場合に有効と判定しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段として指定され、かつ、その要件を満たすデリバティブの公正
価値の変動のうち有効部分は、その他の包括利益で認識しております。非有効部分に関する利得又は損失
は、直ちに純損益として認識しております。
その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累積額は、ヘッジ対象から生じるキャッシュ・フ
ローが純損益に影響を与える期に純損益に振り替えております。しかし、ヘッジ対象である予定取引が非金
融資産(例えば、棚卸資産又は有形固定資産)の認識を生じさせるものである場合には、それまでその他の
包括利益に繰り延べていた利得又は損失を振り替え、当該資産の当初の取得原価の測定に含めております。
繰り延べていた金額は最終的には、棚卸資産の場合には売上原価として、また、有形固定資産の場合には減
価償却費として認識されます。
ヘッジ手段の失効又は売却等によりヘッジ会計の要件をもはや満たさなくなった場合には、将来に向かっ
てヘッジ会計の適用を中止しております。ヘッジされた将来キャッシュ・フローがまだ発生すると見込まれ
る場合は、その他の包括利益に認識されている利得又は損失の累積額を引き続きその他の包括利益累計額と
して認識しております。予定取引の発生がもはや見込まれなくなった場合等は、その他の包括利益に認識し
ていた利得又は損失の累積額を直ちに純損益に振り替えております。
在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブ及び借入金等
のデリバティブ以外のヘッジ手段は、在外営業活動体に対する純投資のヘッジとして、為替変動額をヘッジ
効果が認められる範囲内でその他の包括利益として認識しております。デリバティブ及びデリバティブ以外
のヘッジ手段に係る為替変動額のうち、ヘッジの非有効部分及びヘッジ有効性評価の対象外の部分について
は純損益として認識しております。
純投資ヘッジにより、その他の包括利益として認識した利得又は損失の累積額は、在外営業活動体の処分
時に純損益に振り替えております。
(10)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動に
ついて僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されておりま
す。
(11)棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で認識しております。原価は、商品、製品及び
半製品については主として総平均法、原材料及び貯蔵品については主として移動平均法を用いて算定しており
ます。商品、製品及び半製品の取得原価は、原材料費、直接労務費、その他の直接費及び関連する製造間接費
(正常生産能力に基づいている)から構成されます。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における予想売
価から関連する見積販売費を控除した額であります。
(12)売却目的で保有する資産又は処分グループ
継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産又は処分グループのうち、売却する可能性が非常
に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能である場合には、売却目的で保有する資産又は処分グループとして
分類しております。売却目的で保有する資産又は処分グループの一部である資産は減価償却又は償却は行いま
せん。売却目的で保有する資産又は処分グループは、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれ
か低い方の金額で測定しております。
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(13)従業員給付
① 退職後給付
グループ会社は、さまざまな年金制度を有しております。当社グループは確定給付制度を採用し、一部の
連結子会社において退職給付信託を設定しております。当該制度に加えて、一部の連結子会社は確定拠出制
度及び退職金前払制度を導入しております。
確定給付制度は、確定拠出制度以外の退職後給付制度であります。確定拠出制度は、雇用主が一定額の掛
金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的債務を負わない退職後給付
制度であります。
確定給付制度においては、制度ごとに、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価とし
て獲得した将来給付額を見積り、当該金額を割り引くことによって確定給付制度債務の現在価値を算定して
おります。確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額を確定給付負債(資産)と
して認識しております。確定給付制度債務は予測単位積増方式により算定しております。割引率は、将来の
毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の
市場利回りに基づき決定しております。制度への拠出金は、定期的な数理計算により算定し、通常、保険会
社又は信託会社が管理する基金へ支払を行っております。
計算の結果、当社グループにとって確定給付制度が積立超過である場合は、制度からの将来の払戻額又は
制度への将来拠出額の減額の形で享受可能な経済的便益の現在価値を限度として確定給付資産を測定してお
ります。経済的便益の現在価値の算定に際しては、当社グループの制度に対して適用されている最低積立要
件を考慮しております。経済的便益については、それが制度存続期間内又は年金負債の決済時に実現可能で
ある場合に、当社グループは当該経済的便益を享受することが可能であるとしております。
当社グループは、確定給付制度から生じる確定給付負債(資産)の純額の再測定をその他の包括利益に認
識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。
なお、確定拠出制度への拠出は、従業員がサービスを提供した期間に、従業員給付費用として純損益で認
識しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識し
ております。賞与については、当社グループが従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現
在の法的又は推定的債務を負っており、かつ、その金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それ
らの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
(14)株式報酬
従業員に付与される持分決済型の株式報酬の付与日における公正価値は、通常、その権利確定期間にわたり
費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。ただし、付与した持分決済型の株式報酬の権
利が直ちに確定する場合は、付与日に全額を費用及び資本の増加として認識しております。
現金決済型の株式報酬の公正価値は、その権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を負債の増加とし
て認識しております。なお、報告日及び決済日において当該負債の公正価値を再測定し、公正価値の変動を純
損益として認識しております。
(15)引当金
当社グループは過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するため
に資源の流出が必要となる可能性が高く、その金額について信頼性をもって見積ることができる場合に引当金
を認識しております。
同種の債務が多数ある場合、決済に要するであろう資源の流出の可能性は同種の債務全体を考慮して決定し
ております。同種の債務のうちある一つの項目について流出の可能性が低いとしても、引当金は認識されま
す。
引当金は、現時点の貨幣の時間価値の市場評価と当該債務に特有なリスクを反映した税引前の割引率を用い
て、債務の決済に必要とされると見込まれる支出の現在価値として測定しております。時の経過による引当金
の増加は利息費用として認識しております。
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(16)資本
普通株式は資本に分類しております。
新株(普通株式)又はストック・オプションの発行に直接関連する増分費用は資本から控除しております。
当社グループ内の会社が当社の株式を買い入れる場合(自己株式)、当該株式が消却され又は再発行される
まで、支払われた対価は直接関連する増分費用(税引後)も含めて、当社の株主に帰属する資本から控除して
おります。その後、当該普通株式が再発行される場合、直接関連する増分費用及び関連する法人所得税の税効
果を考慮した後の受入対価を当社の株主に帰属する資本に認識します。
(17)収益
当社グループは、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは、物品の販売については、通常は物品の引渡時点において顧客が当該物品に対する支配を獲
得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該物品の引渡時点で収益を認識しております。ま
た、収益は、返品、リベート及び割引額を差し引いた純額で測定しております。
取引の対価は履行義務を充足してから主に1年以内に受領しているため、実務上の便法を使用し、重要な金
融要素の調整は行っておりません。
顧客に約束した財を移転する前に、当社グループがその財を支配している場合には本人として取引を行って
いるものと考え、移転する特定された財と交換に権利を得ると見込んでいる取引の総額を収益として認識して
おります。
(18)政府補助金
政府補助金は、補助金が交付されるための付帯条件が満たされ、かつ、補助金を受領することについて合理
的な保証が得られた場合に認識されます。政府補助金は、補助金で補償することが意図されている関連コスト
が費用として認識される期間にわたって、規則的に純損益として認識されます。資産に関する政府補助金の場
合には、繰延収益として認識され、関連資産の見積耐用年数にわたって均等に純損益に認識されます。公正価
値により測定される非貨幣性資産による補助金も同様に処理されます。収益に関する補助金の場合には、関連
する費用を認識した期に、その他の営業収益に含めて処理されます。
(19)配当金
当社の株主に対する配当のうち、期末配当は当社の株主総会により承認された日、中間配当は取締役会によ
り承認された日の属する期間の負債として認識しております。
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(20)法人所得税
法人所得税は当期税金及び繰延税金から構成されております。法人所得税は、収益又は費用として認識し当
期の純損益に含めております。ただし、法人所得税が、その他の包括利益で認識される項目あるいは資本に直
接認識される項目に関連する場合を除きます。この場合は、その税金もまた、その他の包括利益で認識あるい
は資本において直接認識しております。
当期税金は、税務当局から還付もしくは税務当局に対する納付が予想される金額で測定され、税額の算定に
使用する税率及び税法は、期末日で施行又は実質的に施行されている税法に基づき算定しております。
繰延税金は、資産及び負債の税務基準額と連結財政状態計算書上の帳簿価額との間に生じる一時差異に対し
て認識しております。ただし、のれんの当初認識により生じる一時差異については繰延税金負債を認識してお
りません。また、企業結合ではなく、取引日に会計上の純損益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えず、か
つ同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における、資産又は負債の当初認識から
生じる一時差異についても、繰延税金資産・負債を認識しません。繰延税金の算定には、期末日までに施行又
は実質的に施行されており、関連する繰延税金資産が実現する期又は繰延税金負債が決済される期において適
用されると予想される法定(及び税法)税率を使用しております。
繰延税金資産は、一時差異を利用できるだけの課税所得が生じる可能性が高い範囲内においてのみ認識して
おります。
子会社、関連会社に対する投資から生じる一時差異に対して繰延税金資産・負債を認識しておりますが、繰
延税金負債については、当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールしており、かつ、予測可能な
期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合は繰延税金負債を認識しておりません。
当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的に強制力のある権利が存在し、かつ、繰延税金資産及び負債
が、同一の納税事業体に対して、同一の税務当局によって課されている法人所得税に関連するものである場合
には、繰延税金資産及び負債は相殺されます。
なお、当社及び国内の100%出資子会社は、グループ通算制度を適用しております。
当社グループは、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制
定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対す
る例外を適用しております。
6 重要な会計上の見積り及び判断
連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響
を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っております。見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直され
ます。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した連結会計年度と将来の連結会計年度にお
いて認識されます。翌連結会計年度において資産や負債の帳簿価額に重要な修正を加えることにつながる重要
なリスクを伴う見積り及びその基礎となる仮定は以下のとおりであります。
・非金融資産の減損(注記12、13)
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7 事業セグメント
(1)一般情報
当社グループは、経営陣のレビューを受け戦略的意思決定において活用されている報告書に基づき事業セ
グメントを決定しております。
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であ
り、経営陣が経営資源の配分の決定等のために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、グループ全体の戦略策定及び経営管理に特化するGlobal Headquartersと、各地域の特性に合わ
せた酒類、飲料製品等の製造・販売の戦略を策定・実行する地域統括会社であるRegional Headquarters
(RHQ)から構成される経営体制を構築しています。当社は、各RHQを管掌する責任者を配置し、グローバル
戦略を踏まえた各地域における事業戦略の策定等を統括しています。
したがって、当社グループは、酒類、飲料製品等の製造・販売を基礎としたRHQの所在地域別のセグメン
トから構成されており、「日本」、「欧州」、「オセアニア」、「東南アジア」の4つの事業を報告セグメ
ントにしております。
報告セグメント 主な製品及びサービス
日本 酒類、飲料、食品、薬品の製造・販売
欧州 酒類の製造・販売
オセアニア 酒類・飲料の製造・販売
東南アジア 飲料の製造・販売
経営陣は、セグメント利益又は損失の測定結果に基づいて、事業セグメントの実績を評価しております。
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
その他
日本 欧州 オセアニア 東南アジア 計 調整額 連結
(注)
売上収益
対外部売上収益 1,297,197 572,662 580,845 51,639 8,764 2,511,108 - 2,511,108
セグメント間売上収益 4,534 1,213 2,321 40 - 8,110 △ 8,110 -
売上収益合計 1,301,731 573,875 583,167 51,680 8,764 2,519,219 △ 8,110 2,511,108
セグメント利益又は損失(△) 96,417 55,163 80,177 633 1,257 233,647 △ 16,599 217,048
セグメント資産 997,249 1,798,105 1,918,822 45,472 9,025 4,768,675 61,669 4,830,344
その他の項目
減価償却費及び償却費 54,175 49,184 32,580 2,128 596 138,665 1,754 140,419
減損損失 18,304 - - 185 - 18,490 - 18,490
持分法による投資損益 171 467 28 - - 667 - 667
持分法で会計処理されている投資
2,217 3,455 1,051 - - 6,724 △ 1 6,722
非流動資産に追加される支出
(金融商品及び繰延税金資産を
55,429 56,422 24,195 931 204 137,183 1,281 138,465
除く)
(注) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、韓国酒類事業、飼料事業他を含ん
でおります。
セグメント利益又は損失(△)の調整額△16,599百万円には、各報告セグメントに配分していない全社費用△17,505
百万円、セグメント間取引消去等905百万円が含まれております。全社費用は、主として純粋持株会社である当社にお
いて発生するグループ管理費用であります。セグメント間の内部取引における価額は、外部顧客との取引価額に準じて
おります。
セグメント資産の調整額61,669百万円には、各報告セグメントに配分していない全社資産86,216百万円、セグメント
間の債権と債務の相殺消去額等△24,547百万円が含まれております。全社資産は、主として純粋持株会社である当社に
おける資産であります。
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当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
その他
日本 欧州 オセアニア 東南アジア 計 調整額 連結
(注)
売上収益
対外部売上収益 1,353,194 687,637 649,513 57,204 21,542 2,769,091 - 2,769,091
セグメント間売上収益 9,656 1,088 2,641 602 - 13,988 △ 13,988 -
売上収益合計
1,362,850 688,725 652,154 57,806 21,542 2,783,080 △ 13,988 2,769,091
セグメント利益又は損失(△) 111,266 59,437 89,673 1,009 5,174 266,561 △ 21,562 244,999
セグメント資産 1,036,548 2,006,197 2,084,718 54,872 15,226 5,197,564 88,349 5,285,913
その他の項目
減価償却費及び償却費
52,278 58,616 32,923 1,850 481 146,150 1,841 147,992
減損損失 1,492 - - 691 - 2,183 - 2,183
持分法による投資損益 427 446 1 - - 875 - 875
持分法で会計処理されている投資 5,910 3,632 1,541 - - 11,083 △ 1 11,081
非流動資産に追加される支出
(金融商品及び繰延税金資産を
61,401 65,166 19,501 895 510 147,475 1,814 149,290
除く)
(注) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、韓国酒類事業、飼料事業他を含ん
でおります。
セグメント利益又は損失(△)の調整額△21,562百万円には、各報告セグメントに配分していない全社費用△21,732
百万円、セグメント間取引消去等169百万円が含まれております。全社費用は、主として純粋持株会社である当社にお
いて発生するグループ管理費用であります。セグメント間の内部取引における価額は、外部顧客との取引価額に準じて
おります。
セグメント資産の調整額88,349百万円には、各報告セグメントに配分していない全社資産108,735百万円、セグメン
ト間の債権と債務の相殺消去額等△20,385百万円が含まれております。全社資産は、主として純粋持株会社である当社
における資産であります。
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(2)製品及びサービスに関する情報
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 25 売上収益」をご参照ください。
(3)地域に関する情報
地域に関する情報は、対外部収益は顧客の所在地を基礎とし、非流動資産は資産の所在地を基礎として日
本及び海外に分類しております。
対外部売上収益
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
日本 1,281,768 1,340,989
海外 1,229,340 1,428,101
うち、オーストラリア 534,961 601,978
合計 2,511,108 2,769,091
非流動資産
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
日本 456,927 453,441
海外 3,424,491 3,738,207
うち、オーストラリア 1,745,295 1,873,337
うち、チェコ及びスロバキア 748,340 811,556
合計 3,881,419 4,191,649
(4)主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、記載を
省略しております。
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8 現金及び現金同等物
前年度及び当年度の連結財政状態計算書における現金及び現金同等物の残高と連結キャッシュ・フロー計算
書上の現金及び現金同等物の残高は一致しております。
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
現金及び預金 37,438 59,945
合計 37,438 59,945
現金及び現金同等物は、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
9 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
受取手形及び売掛金 396,918 439,369
その他 28,882 37,663
控除:損失評価引当金 △10,124 △11,399
合計 415,676 465,633
営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
10 棚卸資産
棚卸資産の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
105,357 128,127
商品及び製品
57,107 61,406
半製品及び仕掛品
58,574 61,254
原材料
13,930 16,529
貯蔵品
234,969 267,317
合計
半製品及び仕掛品の中には各年度末から12ヶ月を超えて販売される予定のウイスキーや同等の製品を含んで
おり、半製品及び仕掛品の67.9%(前年度:66.7%)を占めております。
当年度に1,657,801百万円の棚卸資産を費用として認識し「売上原価」に含めて認識しております(前年
度:1,480,317百万円)。
負債の担保に差し入れている棚卸資産はありません。
また「売上原価」には原材料費754,366百万円(前年度:598,274百万円)が含まれております。
11 売却目的で保有する資産又は処分グループ
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
該当事項はありません。
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。
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12 有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の増減及び取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりでありま
す。
(単位:百万円)
建物及び 機械装置 工具、器具
帳簿価額 土地 建設仮勘定 合計
構築物 及び運搬具 及び備品
前年度
262,468 260,432 114,108 143,289 38,099 818,398
(2022年1月1日)
個別取得 24,358 20,835 22,386 385 45,456 113,421
企業結合による取得 249 16 38 - - 304
処分 △2,522 △796 △3,343 △9,030 △200 △15,893
為替差額 10,235 11,407 4,650 3,521 2,726 32,542
建設仮勘定からの振替 5,170 17,882 5,515 544 △29,112 -
減損損失(注) △7,615 △3,892 △168 △5,592 △14 △17,283
減価償却費 △27,782 △46,829 △23,501 - - △98,113
その他 101 1,754 601 80 △1,192 1,344
前年度
264,662 260,810 120,287 133,198 55,762 834,721
(2022年12月31日)
個別取得 17,093 27,120 28,341 19 50,710 123,286
企業結合による取得 - - 11 - - 11
処分 △1,415 △1,357 △5,844 △1,170 △628 △10,417
為替差額 14,661 15,563 7,736 3,317 4,587 45,865
建設仮勘定からの振替 10,048 23,588 10,654 82 △44,374 -
減損損失(注) △1,035 △748 △313 △57 - △2,153
減価償却費 △28,123 △48,254 △24,797 - - △101,176
その他 △887 △1,062 44 461 △622 △2,066
当年度
275,003 275,660 136,120 135,851 65,433 888,070
(2023年12月31日)
(注) 減損損失の認識等については、「13 のれん及び無形資産」に記載しております。
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(単位:百万円)
建物及び 機械装置 工具、器具
取得原価 土地 建設仮勘定 合計
構築物 及び運搬具 及び備品
前年度
632,138 812,951 280,143 144,132 38,099 1,907,465
(2022年1月1日)
前年度
653,194 846,412 294,468 138,921 55,762 1,988,760
(2022年12月31日)
当年度
692,695 910,264 335,413 141,632 65,433 2,145,439
(2023年12月31日)
(単位:百万円)
減価償却累計額及び 建物及び 機械装置 工具、器具
土地 建設仮勘定 合計
減損損失累計額 構築物 及び運搬具 及び備品
前年度
369,669 552,518 166,034 843 - 1,089,066
(2022年1月1日)
前年度
388,532 585,601 174,181 5,723 1,154,038
-
(2022年12月31日)
当年度
417,691 634,604 199,292 5,780 1,257,368
-
(2023年12月31日)
なお、有形固定資産の帳簿価額の中には、以下の使用権資産の帳簿価額が含まれております。
(単位:百万円)
建物及び 機械装置 工具、器具
使用権資産 土地 合計
構築物 及び運搬具 及び備品
前年度
57,194 12,770 6,746 23 76,736
(2022年1月1日)
前年度
63,533 14,976 5,305 20 83,835
(2022年12月31日)
当年度
63,246 21,515 5,102 12 89,877
(2023年12月31日)
有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書において、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」とし
てそれぞれ費用計上されております。
有形固定資産については、原則として工場等事業所ごとに区分し、キャッシュ・フローの相互補完性を考慮
しながら資金生成単位を決定しております。
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13 のれん及び無形資産
(1)帳簿価額、取得原価、償却累計額及び減損損失累計額
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減及び取得原価、償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりであ
ります。
(単位:百万円)
帳簿価額 のれん 商標権 ソフトウェア その他 合計
前年度
1,816,862 967,781 24,099 10,891 2,819,634
(2022年1月1日)
個別取得 - - 9,196 4,524 13,720
企業結合による取得 2,289 770 1 14 3,075
処分 - - △268 △950 △1,218
為替差額 148,001 80,556 731 356 229,646
建設仮勘定からの振替 - - 812 △812 -
減損損失 △181 - △6 △4 △192
償却費 - △33,601 △5,433 △3,271 △42,305
その他 △0 607 1,474 3,488 5,569
前年度
1,966,971 1,016,113 30,607 14,237 3,027,929
(2022年12月31日)
個別取得 - - 16,436 3,654 20,091
企業結合による取得 1,158 3,813 - - 4,971
処分 - - △2,343 △478 △2,822
為替差額 179,009 99,372 1,227 622 280,232
建設仮勘定からの振替 - - - - -
減損損失 - - △21 △8 △30
償却費 - △36,862 △6,839 △3,114 △46,816
その他 △0 648 △590 334 391
当年度
2,147,139 1,083,084 38,476 15,248 3,283,948
(2023年12月31日)
(単位:百万円)
取得原価 のれん 商標権 ソフトウェア その他 合計
前年度
1,892,850 1,120,771 110,992 25,712 3,150,326
(2022年1月1日)
前年度
2,043,140 1,202,705 121,750 29,076 3,396,673
(2022年12月31日)
当年度
2,223,308 1,306,539 136,480 33,210 3,699,538
(2023年12月31日)
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(単位:百万円)
償却累計額及び
のれん 商標権 ソフトウェア その他 合計
減損損失累計額
前年度
75,987 152,990 86,893 14,821 330,691
(2022年1月1日)
前年度
76,169 186,591 91,143 14,838 368,743
(2022年12月31日)
当年度
76,169 223,454 98,004 17,962 415,589
(2023年12月31日)
なお、無形資産の帳簿価額の中には、以下の使用権資産が含まれております。
(単位:百万円)
ソフトウェア その他 合計
前年度
61 - 61
(2022年1月1日)
前年度
207 - 207
(2022年12月31日)
当年度
200 - 200
(2023年12月31日)
前年度及び当年度において重要な自己創設無形資産はありません。
償却費は、連結損益計算書において、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」としてそれぞれ費用計
上されております。
上記の無形資産のうち、耐用年数を確定できない資産の帳簿価額は、7,063百万円(前年度(2022年12月
31日):6,691百万円)であり、商標権及び借地権等であります。これらは事業が存続する限り基本的に存
続するため、耐用年数を確定できないと判断しております。
連結財政状態計算書に計上している重要な無形資産は、2020年度におけるCUB Australia Holding Pty
Ltd(2020年8月7日付でABI Australia Holding Pty Ltdから商号変更)の買収、2017年度における
、 、Kompania Piwowarska S.A.の買収により
認識した商標権です。
2020年度にCUB Australia Holding Pty Ltdの買収により認識した商標権の帳簿価額は、334,268百万円
(前年度(2022年12月31日):318,154百万円)であります。
2017年度に 、 の買収により認識した商標権
の帳簿価額は、314,430百万円(前年度(2022年12月31日):298,218百万円)であります。また、Kompania
Piwowarska S.A.の買収により認識した商標権の帳簿価額は、90,244百万円(前年度(2022年12月31日):
77,657百万円)であります。
なお、商標権については、耐用年数が確定できないものを除き定額法により償却しております。CUB
Australia Holding Pty Ltdの買収により認識した商標権の残存償却期間は、主として36年であります。ま
た、 、 及びKompania Piwowarska S.Aの買収
により認識した商標権の残存償却期間は33年であります。
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(2)減損
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
セグメント 減損損失額(注) 資産の種類
日本 18,304 建物、機械装置及びその他の非流動資産 他
東南アジア 185 のれん及び建物
合計 18,490
前年度に計上した減損損失額において重要なものは、日本セグメントに属するアサヒグループジャパン
株式会社傘下における生産・物流体制の再編計画を決定したことに伴い、関連する工場の減損テストを実
施し、計上した減損損失額16,467百万円であります。この減損損失は、主に土地、建物及び機械装置等の
帳簿価額を回収可能価額(4,103百万円)まで減額したことで発生したものであり、回収可能価額は使用
価値により測定しております。使用価値の算定に使用した割引率は3.7%であります。
(注)減損損失額は連結損益計算書の「その他の営業費用」に含まれております。
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
セグメント 減損損失額(注) 資産の種類
日本 1,492 建物、工具、器具及び備品、土地 他
東南アジア 691 機械装置
合計 2,183
(注)減損損失額は連結損益計算書の「その他の営業費用」に含まれております。
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テスト
当年度において、各資金生成単位(資金生成単位グループ)に配分されたのれん及び耐用年数の確定で
きない無形資産のうち、重要なものの帳簿価額は以下のとおりであります。
(オセアニアセグメント)
オセアニア事業に配分されたのれん1,358,310百万円(前年度(2022年12月31日):1,255,241百万円)
であります。
回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値により測定しており、公正価値ヒエラルキーはレベル3
に分類しております。処分コスト控除後の公正価値は将来キャッシュ・フローを10.2%(前年度(2022年
12月31日):10.1%)で割り引いて算定しており、使用した割引率は、資金生成単位(資金生成単位グ
ループ)の税引前の加重平均資本コストを参考にして決定しております。
将来キャッシュ・フローは、過去の経験と外部の情報を反映して作成され、経営者により承認された5
年以内の事業計画と事業計画が対象とする期間後は成長率2.5%(前年度(2022年12月31日):2.5%)を
基礎としており、成長率は、資金生成単位(資金生成単位グループ)が属する市場のインフレ率等を参考
にして決定しております。
当該見積りには、将来の売上収益の増加及び事業計画の対象期間後の成長率といった主要な仮定が用い
られておりますが、これらはオセアニアの事業環境や競業状況の変化等による影響を受けるため、高い不
確実性を伴い、また、経営者の判断が当該見積りに重要な影響を与えます。
当年度において回収可能価額が帳簿価額を170,462百万円(前年度(2022年12月31日):202,664百万
円)上回っておりますが、仮に割引率が0.8%(前年度(2022年12月31日):1.0%)上昇した場合には、
帳簿価額が回収可能価額を上回ることになります。
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(欧州セグメント)
欧州(チェコ及びスロバキア)事業に配分されたのれん361,338百万円(前年度(2022年12月31日):
331,872百万円)であります。
回収可能価額は、使用価値により測定しており、使用価値は将来キャッシュ・フローを6.7%(前年度
(2022年12月31日):6.5%)で割り引いて算定しております。使用した割引率は、資金生成単位(資金
生成単位グループ)の税引前の加重平均資本コストを参考にして決定しております。
将来キャッシュ・フローは、過去の経験と外部の情報を反映して作成され、経営者により承認された5
年以内の事業計画と成長率2.0%(前年度(2022年12月31日):2.2%)を基礎としており、成長率は、資
金生成単位(資金生成単位グループ)が属する市場のインフレ率等を参考にして決定しております。
当年度において回収可能価額が帳簿価額を243,827百万円(前年度(2022年12月31日):239,143百万
円)上回っておりますが、仮に割引率が1.5%(前年度(2022年12月31日):1.5%)上昇した場合には、
帳簿価額が回収可能価額を上回ることになります。
欧州(インターナショナル)事業に配分されたのれん113,145百万円(前年度(2022年12月31日):
100,770百万円)であります。
回収可能価額は、使用価値により測定しており、使用価値は将来キャッシュ・フローを8.1%(前年度
(2022年12月31日):6.9%)で割り引いて算定しております。使用した割引率は、資金生成単位(資金
生成単位グループ)の税引前の加重平均資本コストを参考にして決定しております。
将来キャッシュ・フローは、過去の経験と外部の情報を反映して作成され、経営者により承認された5
年以内の事業計画と成長率2.0%(前年度(2022年12月31日):1.9%)を基礎としており、成長率は、資
金生成単位(資金生成単位グループ)が属する市場のインフレ率等を参考にして決定しております。
当該見積りには、将来の売上収益の増加や、事業計画の対象期間後の成長率といった主要な仮定が用い
られておりますが、これらは輸出先の各地域における事業環境や競業状況の変化等による影響を受けるた
め、高い不確実性を伴い、また、経営者の判断が当該見積りに重要な影響を与えます。
当年度において回収可能価額が帳簿価額を20,930百万円(前年度(2022年12月31日):20,914百万円)
上回っておりますが、仮に割引率が0.6%(前年度(2022年12月31日):0.5%)上昇した場合には、帳簿
価額が回収可能価額を上回ることになります。
当年度において、各資金生成単位(資金生成単位グループ)に配分されたのれんのうち重要なものでな
いものの帳簿価額の合計は314,345百万円(前年度(2022年12月31日):279,088百万円)、耐用年数を確
定できない無形資産の帳簿価額の合計は7,063百万円(前年度(2022年12月31日):6,691百万円)であり
ます。
(3)研究開発費
前年度及び当年度において連結損益計算書で認識した研究開発費は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
15,094 17,470
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14 その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
デリバティブ資産 15,277 23,779
株式 107,715 124,696
債券 0 -
その他 12,816 13,162
合計 135,809 161,638
流動資産 10,028 10,469
非流動資産 125,780 151,168
合計 135,809 161,638
デリバティブ資産は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(ヘッジ会計が適用されているものを除
く)、株式はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品、債券は償却原価で測定される
金融資産にそれぞれ分類しております。
株式は、政策投資目的で保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商
品に指定しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品の銘柄の公正価値及び受取配当金は以下の
とおりであります。
前年度(2022年12月31日)
(単位:百万円)
銘柄 金額
㈱コロワイド 13,142
㈱王将フードサービス 12,281
㈱第一興商 7,243
㈱帝国ホテル 6,581
㈱セブン&アイ・ホールディングス 5,660
㈱すかいらーくホールディングス 5,217
銀泉㈱ 4,772
住友不動産㈱ 3,551
㈱ロイヤルホテル 2,590
ワタミ㈱ 2,116
その他 44,557
合計 107,715
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当年度(2023年12月31日)
(単位:百万円)
銘柄 金額
㈱王将フードサービス 16,573
㈱コロワイド 15,138
㈱第一興商 7,594
㈱すかいらーくホールディングス 7,055
㈱帝国ホテル 6,495
㈱セブン&アイ・ホールディングス 5,595
銀泉㈱ 4,951
住友不動産㈱ 4,772
㈱ゼンショーホールディングス 4,632
チムニー㈱ 2,518
その他 49,368
合計 124,696
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
受取配当金 1,703 1,942
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品として指定された金融商品の一部は、取引
関係の見直し等の観点から期中に処分しております。処分時の公正価値、処分時の累積利得又は損失及び受取
配当金は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
公正価値 累積利得・損失 受取配当金 公正価値 累積利得・損失 受取配当金
10,107 285 5 3,375 689 3
その他の資本の構成要素として認識されていた累積損益は、公正価値が著しく下落した場合又は処分を行っ
た場合にその他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えており、48百万円(前年度(2022年12月31日):
△1,316百万円)認識しております。
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15 その他の資産
「その他の流動資産」及び「その他の非流動資産」の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
前払費用 22,269 19,151
その他 28,560 41,133
合計 50,829 60,285
流動資産 32,062 40,655
非流動資産 18,767 19,629
合計 50,829 60,285
16 営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
支払手形及び買掛金 291,431 343,351
未払金及び未払費用 186,705 244,623
返金負債 113,732 126,807
合計 591,869 714,781
支払手形及び買掛金、未払金及び未払費用は、償却原価で測定される金融負債に分類しております。
返金負債は、顧客から受け取った対価のうち、顧客に支払われると見込まれる返品、リベート、割引額等を
返金負債として認識しています。当該返金負債の見積りにあたっては、過去の実績及び報告期間の末日現在で
入手可能な情報に基づき行っております。
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17 社債及び借入金(その他の金融負債含む)
(1)金融負債の内訳
「社債及び借入金」及び「その他の金融負債」の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度 平均利率
返済期限
(2022年12月31日) (2023年12月31日) (%)(注)
デリバティブ負債 6,399 9,543 - -
~2024年
短期借入金 114,302 4,846 7.14
2月23日
~2024年
1年以内に返済予定の長期借入金 43,046 44,658 0.34
11月30日
~2024年
1年以内に償還予定の社債 99,919 321,342 0.08
10月23日
~2024年
コマーシャル・ペーパー 110,000 19,000 △0.00
1月15日
~2026年
長期借入金 103,632 108,980 0.42
9月25日
~2080年
社債 1,026,409 911,970 0.68
10月15日
その他 261,376 247,255 - -
合計 1,765,085 1,667,597 - -
流動負債 503,251 503,490 - -
非流動負債 1,261,834 1,164,106 - -
合計 1,765,085 1,667,597 - -
(注) 「平均利率」については、借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載しております。上記のうち、当年
度における変動利付借入はありません。前年度における変動利付借入は123,961百万円であります。
デリバティブ負債は純損益を通じて公正価値で測定される金融負債(ヘッジ会計が適用されているものを
除く)、コマーシャル・ペーパー、社債及び借入金は償却原価で測定される金融負債に分類しております。
社債及び借入金に関し、当社グループの財務活動に重大な影響を及ぼす財務制限条項は付されておりませ
ん。
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(2)社債の明細
(単位:百万円)
前年度 当年度 償還期限
会社名 種別 発行年月日
(2022年12月31日) (2023年12月31日) (利率)
2024年
第11回 2017年 19,978 19,992
提出会社 6月13日
無担保社債 6月13日 (-) (19,992)
(0.230%)
2027年
第12回 2017年 29,928 29,944
提出会社 6月11日
無担保社債 6月13日 (-) (-)
(0.330%)
2025年
2025年満期 2017年 84,726 94,172
提出会社 9月19日
ユーロ建て普通社債 9月19日 (-) (-)
(1.151%)
第1回
2080年
利払繰延条項・期限前償還条 2020年 298,744 299,196
提出会社 10月15日
項付無担保社債(劣後特約 10月15日 (-) (-)
(0.970%)
付)
2023年
第13回 2020年 99,919
提出会社 - 10月13日
無担保社債 10月15日 (99,919)
(0.001%)
2025年
第14回 2020年 9,969 9,980
提出会社 10月15日
無担保社債 10月15日 (-) (-)
(0.120%)
2024年
2024年満期 2020年 113,011 125,663
提出会社 10月23日
ユーロ建普通社債 10月23日 (-) (125,663)
(0.155%)
2028年
2028年満期 2020年 112,812 125,412
提出会社 10月23日
ユーロ建普通社債 10月23日 (-) (-)
(0.541%)
2024年
第15回 2021年 49,930 49,986
提出会社 3月15日
無担保社債 3月15日 (-) (49,986)
(0.001%)
2026年
第16回 2021年 49,869 49,910
提出会社 3月13日
無担保社債 3月15日 (-) (-)
(0.080%)
2024年
2024年満期 2021年 113,042 125,699
提出会社 4月19日
ユーロ建普通社債 4月19日 (-) (125,699)
(0.010%)
2027年
2027年満期 2021年 84,621 94,083
提出会社 4月19日
ユーロ建普通社債 4月19日 (-) (-)
(0.336%)
2027年
第17回 2022年 49,823 49,863
提出会社 6月1日
無担保社債 6月1日 (-) (-)
(0.290%)
2032年
第18回 2022年 9,950 9,955
提出会社 6月1日
無担保社債 6月1日 (-) (-)
(0.469%)
2026年
第19回 2023年 49,874
提出会社 - 3月6日
無担保社債 3月8日 (-)
(0.280%)
2028年
第20回 2023年 24,911
提出会社 - 3月8日
無担保社債 3月8日 (-)
(0.544%)
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前年度 当年度 償還期限
会社名 種別 発行年月日
(2022年12月31日) (2023年12月31日) (利率)
2030年
第21回 2023年 24,906
提出会社 - 3月8日
無担保社債 3月8日 (-)
(0.870%)
2028年
第22回 2023年 19,907
提出会社 - 9月7日
無担保社債 9月7日 (-)
(0.509%)
2033年
第23回 2023年 29,849
提出会社 - 9月7日
無担保社債 9月7日 (-)
(1.033%)
1,126,329 1,233,312
合計 - -
(99,919) (321,342)
(注) 残高の( )内の金額は1年以内に償還予定の金額であります。
(3)負債の担保に供している資産
担保付債務及び担保に供する資産の帳簿価額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
担保付債務
短期借入金 1,793 1,964
合計 1,793 1,964
担保に供する資産
建物及び構築物 157 153
機械装置及び運搬具 25 45
土地 135 146
現金及び現金同等物 65 68
合計 383 414
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18 リース
(1)使用権資産
当社グループは、借手として、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、工具、器具及び備品その他を賃借
しております。
リース契約には、契約期間終了後に同じ期間リースを延長するオプションが含まれている契約もありま
す。
購入選択権やリース契約によって課された制限等の重要な付帯条項はありません。
報告期間の末日現在の使用権資産の帳簿価額及び減価償却費については以下のとおりであります。
前年度(2022年12月31日)
(単位:百万円)
建物及び 機械装置 工具、器具 ソフト
土地 合計
構築物 及び運搬具 及び備品 ウェア
前年度(2022年12月31日)の帳簿価額 63,533 14,976 5,305 20 207 84,043
使用権資産の前年度における減価償却費 13,033 3,785 2,722 - 77 19,619
なお、使用権資産の前年度における増加額は24,356百万円です。
当年度(2023年12月31日)
(単位:百万円)
建物及び 機械装置 工具、器具 ソフト
土地 合計
構築物 及び運搬具 及び備品 ウェア
当年度(2023年12月31日)の帳簿価額 63,246 21,515 5,102 12 200 90,077
使用権資産の当年度における減価償却費 13,645 4,897 2,425 - 66 21,035
なお、使用権資産の当年度における増加額は24,001百万円です。
(2)リース負債
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
1年以内 21,638 24,196
1年超2年以内 17,226 19,382
2年超3年以内 12,671 14,100
3年超4年以内 9,518 10,486
4年超5年以内 7,170 8,044
5年超 57,802 58,357
割引前リース負債の期末残高 126,027 134,568
連結財政状態計算書に含まれるリース負債の残高 102,120 111,441
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(3)純損益に認識された金額
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
リース負債に係る金利費用 2,712 3,116
短期リースの免除規定によるリース費用 660 661
少額資産の免除規定によるリース費用 4,851 4,018
リース負債の測定に含まれていない変動リース料 2,024 2,014
使用権資産のサブリース収入 △1,617 △1,805
合計 8,631 8,004
セール・アンド・リースバック取引から生じた利得又は損失は重要ではありません。
(4)キャッシュ・フロー計算書で認識された金額
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額 33,555 34,364
(5)ファイナンス・リース(貸手)
当社の海外子会社において、リースした建物のサブリースを行っております。当該サブリースはリスクと
経済価値のほとんど全てがサブリースの借手に移転したと判断し、当社グループは、当該サブリースをファ
イナンス・リースに分類しております。
正味リース投資未回収額に対する金融収益及び変動リースに係る収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
正味リース投資未回収額に対する金融収益 104 136
変動リース料に係る収益 - -
(6)オペレーティング・リース(貸手)
重要な取引はありません。
(7)満期分析(貸手)
将来の割引前受取リース料の期日別残高の満期分析は、以下のとおりであります。
前年度(2022年12月31日)
(単位:百万円)
1年超 2年超 3年超 4年超 無保証 未稼得 正味リース
1年以内 5年超 合計
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内 残存価値 金融収益 投資未回収額
割引前
1,721 1,059 943 818 616 2,838 7,998 2,702 △494 10,206
受取リース料
当年度(2023年12月31日)
(単位:百万円)
1年超 2年超 3年超 4年超 無保証 未稼得 正味リース
1年以内 5年超 合計
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内 残存価値 金融収益 投資未回収額
割引前
1,906 1,136 991 762 656 3,150 8,603 4,406 △693 12,316
受取リース料
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19 従業員給付
(1)確定給付制度の概要
当社グループは確定給付制度として、企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。また、上記
制度に加え、一部の連結子会社は確定拠出制度及び退職金前払制度を採用しております。日本では、確定給
付企業年金法に基づき確定給付制度を運用しております。当社グループは、確定給付企業年金法の定めに従
い作成された確定給付企業年金に係る規約に基づき、従業員の退職時に一時金を、退職後の一定期間にわた
り年金を支給しております。当該給付額は、勤続勤務年数に基づくポイントと各勤務期間の報酬額等に基づ
き算定されております。
当社グループの制度資産運用は、年金受給者(将来の年金受給者を含む)に対する給付を確保するため
に、許容されるリスクの範囲内で制度資産価値の増大を図ることを目的としております。当社グループは、
制度資産運用の基本方針を策定し、その基本方針に基づいて一貫した資産運用を行っております。制度資産
の運用にあたっては、投資対象資産の期待収益率及びリスクを考慮した上で、将来にわたり最適な組み合わ
せである政策アセットミックスを策定し、運用担当者の選定、財政状態の定期的な確認、長期運用方針の策
定、資産配分状況のモニタリングなどにより資産運用状況を管理しております。政策アセットミックスは、
設定した当初前提からの市場環境の変化や積立状況の変化に対応するため、定期的に見直しを行っておりま
す。退職一時金制度については、退職後給付の原資について外部積立てを行わずに、従業員が定年や自己都
合で退職する際に、一時金として支払う制度であります。退職一時金は、就業規則による退職金規程で定め
られた内容に基づき支給されます。
(2)確定給付制度
① 調整表の開示
確定給付制度債務の現在価値の変動は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
期首残高 131,722 123,452
当期勤務費用 6,022 5,559
利息費用 1,008 1,346
再測定
数理計算上の差異(注) △9,573 △4,708
過去勤務費用 41 -
年金等給付額 △6,193 △6,843
その他 424 △1,437
期末残高 123,452 117,369
(注) 主に財務上の仮定の変更により生じた差異であります。
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制度資産の公正価値の変動は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
期首残高 131,650 127,107
利息収益 696 1,450
再測定
制度資産に係る収益 △4,160 10,599
事業主による拠出額 3,515 3,469
年金等給付額 △4,930 △5,649
その他 336 △336
期末残高 127,107 136,641
② 資産上限額
前年度及び当年度において、資産上限額による影響はありません。
③ 制度資産の内訳
当社グループの資産カテゴリー別の制度資産の構成は以下のとおりであります。
前年度(2022年12月31日)
(単位:百万円)
活発な市場における 活発な市場における
合計
公表市場価格があるもの 公表市場価格がないもの
現金及び現金同等物 - 2,681 2,681
資本性金融商品 34,441 12,937 47,379
国内株式 25,461 6,822 32,283
海外株式 8,980 6,114 15,095
負債性金融商品 17,986 6,561 24,548
国内債券 1,826 3,727 5,553
海外債券 16,159 2,834 18,994
生保一般勘定 - 25,598 25,598
その他 8,823 18,076 26,900
合計 61,251 65,855 127,107
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当年度(2023年12月31日)
(単位:百万円)
活発な市場における 活発な市場における
合計
公表市場価格があるもの 公表市場価格がないもの
現金及び現金同等物 - 6,752 6,752
資本性金融商品 40,334 15,154 55,488
国内株式 29,479 8,247 37,727
海外株式 10,854 6,906 17,761
負債性金融商品 17,703 6,808 24,511
国内債券 668 3,993 4,662
海外債券 17,034 2,814 19,849
生保一般勘定 - 25,052 25,052
その他 9,661 15,174 24,835
合計 67,699 68,942 136,641
④ 重要な数理計算上の仮定
重要な数理計算上の仮定は以下のとおりであります。
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
割引率 1.10% 1.45%
割引率が報告期間の末日現在で0.5%増加した場合、当年度末の確定給付制度債務は7,228百万円減少
(前年度末は7,505百万円減少)します。当該試算は数理計算上の仮定を割引率以外は変動させずに割引
率のみ変動させた場合として算出しております。なお、当該算出方法は仮定に基づく試算であるため、実
際の計算ではそれ以外の変数の変動により影響を受ける場合があります。
⑤ 将来への影響
確定給付制度については、確定給付企業年金法に基づく継続基準や非継続基準により、確定給付制度債
務に対して制度資産が一定の積立水準を確保することが要請されております。
具体的には、確定給付企業年金に係る規約に定めるところにより、各月につき掛金を拠出する必要があ
ります。当該掛金の額は、給付に要する費用の額の予想額及び予定運用収入の額に照らし、将来にわたっ
て財政の均衡を保つことができるように、予定利率、予定死亡率、予定脱退率その他の給付に要する費用
の額の予想額の算定の基礎となる率に基づき計算されます。また、当該掛金の金額は、3年ごとに再計算
(財政再計算)が行われます。
さらに、給付に充てる積立金の額が最低積立基準額を下回っている場合は、一定の金額を掛金として拠
出することが求められます。
当社グループの2024年1月1日から2024年12月31日までの1年間の予定拠出額は4,038百万円でありま
す。
また、確定給付制度債務における加重平均デュレーションは13.08年(前年度:13.97年)であります。
(3)その他の退職後給付
確定拠出制度に関する費用は5,528百万円(前年度:5,044百万円)であります。
(4)従業員給付費用
連結損益計算書に含まれている従業員給付費用は295,448百万円(前年度:267,995百万円)であります。
従業員給付費用には、給与、賞与、法定福利費及び退職給付に係る費用などを含めており、連結損益計算
書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に費用計上されております。
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20 引当金
引当金の内訳及び増減は以下のとおりであります。なお、非流動負債に分類される引当金は、連結財政状態
計算書の「その他の非流動負債」に含まれております。
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
訴訟関連 税金関連 その他 合計
期首残高(2022年1月1日) 351 8,361 5,062 13,775
当期繰入額 2 1,442 2,192 3,637
目的使用による減少額 △10 - △2,498 △2,508
当期戻入額 △182 △1,023 △269 △1,475
その他 4 639 232 876
期末残高(2022年12月31日) 165 9,419 4,720 14,304
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
訴訟関連 税金関連 その他 合計
期首残高(2023年1月1日) 165 9,419 4,720 14,304
当期繰入額 175 1,418 4,251 5,845
目的使用による減少額 △9 △1 △417 △428
当期戻入額 △10 △1,846 △545 △2,402
その他 23 1,305 316 1,645
期末残高(2023年12月31日) 343 10,296 8,325 18,964
訴訟関連
主に発生の可能性がある訴訟関連費用の支出に備える引当金であり、各年度末において必要と認めた合理
的な発生見積額を計上しております。
経済的便益の流出時期は今後の訴訟の動向等に影響されます。
税金関連
主に法人所得税エクスポージャーから発生する利子税やペナルティー等の支出に備える引当金です。
経済的便益の流出時期は各税務当局の判断に影響されます。
その他
その他には、事業統合関連引当金及び有給休暇引当金等が含まれます。
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21 その他の負債
「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
未払酒税 91,292 95,899
未払消費税等 24,187 23,275
従業員賞与 4,988 5,795
その他 11,121 18,656
合計 131,590 143,627
流動負債 125,816 134,984
非流動負債 5,774 8,642
合計 131,590 143,627
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22 資本及びその他の資本項目
(1)資本金及び剰余金
授権株式数及び発行済株式は以下のとおりであります。
授権株式数 発行済株式数
(千株) (千株)
前年度
972,305 507,003
(2022年1月1日)
増減 - -
前年度
972,305 507,003
(2022年12月31日)
増減 - -
当年度
972,305 507,003
(2023年12月31日)
授権株式及び発行済株式は、いずれも無額面の普通株式であります。発行済株式は全て全額払込を受けて
おります。
剰余金の主な内容は、以下のとおりであります。
① 資本剰余金
資本剰余金は資本準備金及びその他資本剰余金から構成されます。日本における会社法では、株式の
発行に際しての払込み又は給付に係る額の2分の1以上を資本金に組み入れ、資本金として計上しない
こととした金額は資本準備金として計上することが規定されております。
② 利益剰余金
利益剰余金は利益準備金及びその他利益剰余金から構成されます。日本における会社法では、剰余金
の配当に際し、減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分
の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。
(2)自己株式
当社保有の自己株式、子会社及び関連会社保有の自己株式は、以下のとおりであります。
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
株数(千株) 株数(千株)
当社保有の自己株式 186 191
子会社及び関連会社保有の自己株式 144 141
子会社及び関連会社保有の自己株式には、株式報酬制度の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行
が保有する当社株式132,505株(前年度:135,468株)が含まれております。
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23 配当金
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(1)配当金支払額
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2022年3月25日
普通株式 27,875 55.00 2021年12月31日 2022年3月28日
定時株主総会
2022年8月9日
普通株式 27,875 55.00 2022年6月30日 2022年9月1日
取締役会
(注)1 2022年3月25日開催定時株主総会の決議による配当金の総額27,875百万円には、株式報酬制度の信託財産と
して、株式会社日本カストディ銀行が保有する当社株式に対する配当金4百万円が含まれております。
2 2022年8月9日開催取締役会の決議による配当金の総額27,875百万円には、株式報酬制度の信託財産とし
て、株式会社日本カストディ銀行が保有する当社株式に対する配当金7百万円が含まれております。
(2)基準日が当年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)に属する配当のうち、配当の効力発生日
が翌連結会計年度となるもの
1株当たり
配当金の総額
決議 株式の種類 配当の原資 配当額 基準日 効力発生日
(百万円)
(円)
2023年3月28日
普通株式 利益剰余金 29,395 58.00 2022年12月31日 2023年3月29日
定時株主総会
(注) 2023年3月28日開催定時株主総会の決議による配当金の総額29,395百万円には、株式報酬制度の信託財産とし
て、株式会社日本カストディ銀行が保有する当社株式に対する配当金7百万円が含まれております。
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(1)配当金支払額
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2023年3月28日
普通株式 29,395 58.00 2022年12月31日 2023年3月29日
定時株主総会
2023年8月9日
普通株式 28,381 56.00 2023年6月30日 2023年9月1日
取締役会
(注)1 2023年3月28日開催定時株主総会の決議による配当金の総額29,395百万円には、株式報酬制度の信託財産と
して、株式会社日本カストディ銀行が保有する当社株式に対する配当金7百万円が含まれております。
2 2023年8月9日開催取締役会の決議による配当金の総額28,381百万円には、株式報酬制度の信託財産とし
て、株式会社日本カストディ銀行が保有する株式に対する配当金7百万円が含まれております。
(2)基準日が当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)に属する配当のうち、配当の効力発生日
が翌連結会計年度となるもの
1株当たり
配当金の総額
決議 株式の種類 配当の原資 配当額 基準日 効力発生日
(百万円)
(円)
2024年3月26日
普通株式 利益剰余金 32,942 65.00 2023年12月31日 2024年3月27日
定時株主総会
(注) 2024年3月26日開催定時株主総会の決議による配当金の総額32,942百万円には、株式報酬制度の信託財産とし
て、株式会社日本カストディ銀行が保有する当社株式に対する配当金8百万円が含まれております。
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24 株式報酬
当社は、株式報酬制度を採用しております。
(1)株式報酬制度の内容等
当社は、当社グループの中長期の持続的な成長と企業価値向上への貢献意欲をさらに高めることを目的と
して、株式報酬制度を導入しております。本制度は、一定の要件を満たす取締役を対象としてポイントを付
与し(1ポイント=1株)、取締役の退任時に、付与されたポイント数に相当する数の当社株式を交付する
という、株式報酬制度です。本制度は報酬として株式の交付又は金銭の支払いを行うものであるため行使価
額はありません。
ポイント数は、株式交付規程に基づき、社外取締役を除く各取締役に対し、本信託の期間中における毎年
の決算承認取締役会の日に、役位・役割に応じて算定されるポイントを付与致します。
当社は、2020年9月25日及び2022年5月24日に、2016年12月28日に設定済みである本信託に対して追加拠
出し、信託は、当社が信託した金銭(及び、追加信託以前に本信託内に残存する金銭があれば当該残存金
銭)を原資として、各取締役がその退任時に所定の受益者確定手続を行うことにより、本信託から交付が行
われます。ただし、このうち一定の割合の当社株式については、本信託内で売却換金したうえで、当社株式
に代わり金銭で交付します。また、本信託内の当社株式について公開買付けに応募して決済された場合等、
本信託内の当社株式が換金された場合には、当社株式に代わり金銭で交付することがあります。
2016年12月末日に終了する事業年度から2018年12月末日に終了する事業年度を対象とする株式報酬制度に
ついては、株式交付規程に基づき、社外取締役を除く各取締役の役位及び評価対象の年度における基本的1
株当たり当期純利益(EPS)の目標達成度を考慮して算定します。当社が取締役に付与するポイントの総数
は、各年度21,000ポイントを上限としております。
2019年12月末日に終了する事業年度から2021年12月末日に終了する事業年度を対象とする株式報酬制度に
ついては、株式交付規程に基づき、社外取締役を除く各取締役に対し、本信託の期間中における毎年の決算
承認取締役会の日に、役位・役割に応じて算定されるポイントを付与します。当社が取締役に付与するポイ
ントの総数は、各年度25,000ポイントを上限としております。
2022年12月末日に終了する事業年度から2024年12月末日に終了する事業年度を対象とする株式報酬制度に
ついては、株式交付規程に基づき、社外取締役を除く各取締役に対し、本信託の期間中における毎年の決算
承認取締役会の日に、役位・役割に応じて算定されるポイントを付与します。当社が取締役に付与するポイ
ントの総数は、各年度37,500ポイントを上限としております。
本制度のうち、株式の交付を伴う部分は持分決済型の株式報酬制度、金銭の支払いを伴う部分は現金決済
型の株式報酬制度として会計処理しております。持分決済型の株式報酬に関しては、87百万円(前年度:68
百万円)を販売費及び一般管理費で認識しており、資本剰余金として認識しております。現金決済型の株式
報酬に関しては、21百万円(前年度:17百万円)を販売費及び一般管理費として認識し、株式報酬から生じ
た負債として114百万円(前年度:72百万円)はその他の非流動負債で認識しております。
(2)ポイント数の変動及びポイントの加重平均公正価値
各年度のポイント数の変動及びポイントの加重平均公正価値は、以下のとおりであります。なお、ポイン
トの付与日における公正価値は、付与日の株価に近似していることから、付与日の株価を使用しておりま
す。
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
ポイント数の増減:
期首未行使残高 67,038ポイント 85,515ポイント
ポイント付与による増加 19,995ポイント 24,878ポイント
ポイント行使による減少 △1,518ポイント △2,948ポイント
ポイント失効による減少 - -
期末未行使残高 85,515ポイント 107,445ポイント
期末行使可能残高 85,515ポイント 107,445ポイント
加重平均公正価値: 4,119円 5,258円
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25 売上収益
(1)売上収益の分解とセグメント収益との関連
当社グループは、「日本」、「欧州」、「オセアニア」、「東南アジア」の報告セグメントについて、
財・サービスの種類に応じて、「酒類製造・販売」、「飲料製造・販売」、「食品、薬品製造・販売」、
「その他」の区分に分解しております。
「その他」の区分に、「日本」では物流事業、外食事業他を含んでおります。
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
セグメント間
酒類 飲料 食品、薬品
その他 売上収益の 合計
製造・販売 製造・販売 製造・販売
消去
日本 742,474 378,549 117,296 63,411 △4,534 1,297,197
欧州 573,875 - - - △1,213 572,662
オセアニア 450,971 132,195 - - △2,321 580,845
東南アジア - 51,680 - - △40 51,639
その他 3,281 1,945 - 3,536 - 8,764
連結合計 1,770,604 564,370 117,296 66,947 △8,110 2,511,108
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
セグメント間
酒類 飲料 食品、薬品
その他 売上収益の 合計
製造・販売 製造・販売 製造・販売
消去
日本 800,178 374,899 122,673 65,098 △9,656 1,353,194
欧州 688,725 - - - △1,088 687,637
オセアニア 492,229 159,925 - - △2,641 649,513
東南アジア - 57,806 - - △602 57,204
その他 14,945 2,582 - 4,013 - 21,542
連結合計 1,996,079 595,214 122,673 69,112 △13,988 2,769,091
(2)残存履行義務に配分した取引価格
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を使
用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しております。また、顧客との契約から生じる対価の中に、
取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
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26 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
108,635 110,243
販売促進費
86,744 100,286
広告宣伝費
103,037 104,909
運搬費
181,970 203,234
従業員給付費用
69,447 75,270
減価償却費及び償却費
128,182 141,308
その他
678,018 735,252
合計
27 その他の営業収益及びその他の営業費用
「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」の内訳は以下のとおりであります。
(1)その他の営業収益
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
14,541 3,859
有形固定資産売却益
2,309 4,440
その他
16,850 8,300
合計
(2)その他の営業費用
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
5,001 7,423
有形固定資産除却損
18,490 2,183
減損損失
20,127 17,374
その他(注)
43,619 26,981
合計
(注)前年度及び当年度の「その他」には国内外の事業構造改革の費用が含まれております。
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28 金融収益及び金融費用
「金融収益」及び「金融費用」の内訳は以下のとおりであります。
(1)金融収益
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
953 5,507
受取利息(注)
受取配当金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
1,703 1,942
資本性金融商品
デリバティブ評価益
2,842 6,668
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
5,498 14,118
合計
(注) 主に償却原価で測定される金融資産に係る受取利息によるものです。
(2)金融費用
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
12,306 14,269
支払利息(注)
デリバティブ評価損
1,326 2,145
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
228 1,305
為替差損
3,360 400
その他
17,221 18,121
合計
(注) 主に償却原価で測定される金融負債に係る支払利息によるものです。
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29 法人所得税
(1)繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び負債の内訳は以下のとおりであります。
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
その他の包括
期首残高 当期利益に 期末残高
利益における その他(注)
(2022年1月1日) おける認識額 (2022年12月31日)
認識額
繰延税金資産
損失評価引当金 957 △11 - 16 962
従業員給付 6,021 143 △1,636 397 4,927
有形固定資産及び無形資産 75,440 12,234 - 1,970 89,645
税務上の繰越欠損金 1,201 1,071 - △5 2,267
未払事業税 1,542 △278 - 23 1,287
従業員賞与 1,832 △29 - 89 1,892
社債及び借入金 3,056 - 8,414 - 11,471
その他 37,755 2,311 1,687 1,005 42,759
繰延税金資産合計 127,808 15,441 8,465 3,497 155,213
繰延税金負債
有形固定資産及び無形資産 △256,744 4,275 - △18,618 △271,086
有価証券 △15,129 - △1,218 922 △15,425
関係会社留保利益 - △459 - - △459
その他 △24,965 1,046 1,040 △3,971 △26,848
繰延税金負債合計 △296,838 4,863 △177 △21,666 △313,819
繰延税金資産負債の純額 △169,030 20,305 8,288 △18,169 △158,606
(注) 主に外貨換算差額であります。
前年度において、「繰延税金資産 社債及び借入金」は「その他」に含めて開示しておりましたが、金額的重
要性が増したため、当年度より独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前年度の項目
を組み替えて表示しております。
また、「注記3 会計方針の変更」に記載のとおり、改訂IAS第12号を遡及的に適用し、前年度を修正再表示
しております。
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当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
その他の包括
期首残高 当期利益に 期末残高
利益における その他(注)
(2023年1月1日) おける認識額 (2023年12月31日)
認識額
繰延税金資産
損失評価引当金 962 △147 - 10 825
従業員給付 4,927 557 △4,708 △425 350
有形固定資産及び無形資産 89,645 △8,607 - 6,240 87,278
税務上の繰越欠損金 2,267 603 - 208 3,079
未払事業税 1,287 △399 - △64 823
従業員賞与 1,892 363 - 32 2,288
社債及び借入金 11,471 - 12,015 - 23,486
その他 42,759 △1,162 874 △599 41,871
繰延税金資産合計 155,213 △8,791 8,180 5,401 160,004
繰延税金負債
有形固定資産及び無形資産 △271,086 757 - △23,389 △293,717
有価証券 △15,425 - △5,723 △170 △21,319
関係会社留保利益 △459 △581 - - △1,040
その他 △26,848 2,576 △1,170 △3,129 △28,572
繰延税金負債合計 △313,819 2,752 △6,893 △26,689 △344,649
繰延税金資産負債の純額 △158,606 △6,038 1,286 △21,287 △184,645
(注) 主に外貨換算差額であります。
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繰延税金資産が認識されていない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の金額は、
以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
将来減算一時差異 96,598 76,038
税務上の繰越欠損金
繰越期限1年以内 1,651 5,309
繰越期限1年超5年以内 5,585 7,150
5,130 1,620
繰越期限5年超
税務上の繰越欠損金合計
12,368 14,080
当社グループは子会社の投資に係る将来加算一時差異については、当社グループが一時差異の解消時期
をコントロールでき、かつ予見可能な将来に一時差異が解消しない可能性が高い場合には、当該一時差異
に関連する繰延税金負債を認識しておりません。繰延税金負債として認識されていない子会社の投資に係
る将来加算一時差異の金額は、772,645百万円(前年度(2022年12月31日):343,669百万円)でありま
す。
当社グループは、日本国内においてグループ通算制度を適用しておりますが、上記には、同制度の適用
外である地方税(住民税及び事業税)にかかる繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び繰越
欠損金の金額を含めておりません。地方税(住民税及び事業税)にかかる将来減算一時差異の金額は
169,542百万円(前年度(2022年12月31日):114,968百万円)であり、繰越欠損金の金額は住民税分
17,059百万円(前年度(2022年12月31日):14,401百万円)、事業税分26,439百万円(前年度(2022年12
月31日):21,283百万円)であります。
なお、住民税、事業税に係る繰越欠損金の繰越期限は主として10年になっております。
(2)法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
当期法人所得税費用
74,544 69,802
当年度
当期法人所得税費用 計
74,544 69,802
繰延法人所得税費用
一時差異の発生及び解消 △18,455 532
繰延税金資産の回収可能性の評価 △1,527 118
△286 5,387
税率変更による影響
繰延法人所得税費用 計
△20,269 6,038
合計 54,275 75,840
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法定実効税率と平均実際負担税率との差異要因は以下のとおりであります。
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
法定実効税率 30.6% 30.6%
海外子会社の税率差異 △3.5% △3.3%
課税所得計算上加減算されない損益による影響 △0.0% 1.1%
繰延税金資産の回収可能性の評価による影響 △0.7% 0.0%
持分法による投資損益 0.1% △0.1%
税率変更による影響 △0.1% 2.2%
のれんの減損 0.0% -%
関係会社留保利益 0.2% 0.2%
その他 △0.2% 0.5%
平均実際負担税率 26.3% 31.4%
当社グループは、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎とした法定実効税率は
30.6%となっております。ただし、在外子会社については、その所在地における法人税等が課されておりま
す。
(3)グローバル・ミニマム課税
当社グループは、グローバル・ミニマム課税を適用するための税制を制定した法域において事業を展開して
おります。ただし、当該税制は当年度末においては施行されていないため、当年度の法人所得税費用への影響
はありません。
仮に2023年度にグローバル・ミニマム課税が適用された場合、当社グループにおいては事業を展開している
欧州及びアジアの一部の国でグローバル・ミニマム課税の対象となる可能性がありますが、影響は軽微です。
30 1株当たり利益
(1)基本的1株当たり利益及び希薄化後1株当たり利益
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
基本的1株当たり利益(円) 299.10 323.82
希薄化後1株当たり利益(円) 299.06 323.77
(2)基本的1株当たり利益及び希薄化後1株当たり利益の算定の基礎
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 151,555 164,073
基本的加重平均普通株式数(株) 506,701,382 506,680,848
希薄化効果の影響(株):
役員向け株式交付信託 65,814 83,541
希薄化効果の影響調整後加重平均普通株式数(株) 506,767,196 506,764,389
希薄化効果を有しないため、希薄化後1株当たり当
- -
期利益の算定に含まれなかった潜在株式の概要
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31 その他の包括利益
その他の包括利益の各項目の内訳とそれらに係る税効果額は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
税効果前 税効果 税効果後 税効果前 税効果 税効果後
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定される金融商品への投資の公正価
値の変動
△2,210 1,218 △991 19,094 △5,723 13,370
当期発生額
期中増減額
△2,210 1,218 △991 19,094 △5,723 13,370
確定給付制度に係る再測定
5,412 △1,636 3,776 15,308 △4,708 10,599
当期発生額
期中増減額
5,412 △1,636 3,776 15,308 △4,708 10,599
純損益に振り替えられる可能性のある項目
キャッシュ・フロー・ヘッジ
当期発生額 △4,021 1,207 △2,814 △1,045 △496 △1,542
△73 22 △50 △82 24 △57
当期利益への組替修正額
期中増減額
△4,095 1,230 △2,865 △1,127 △472 △1,599
ヘッジコスト
当期発生額 179 △54 124 79 △24 55
△2 0 △1 △2 0 △1
当期利益への組替修正額
期中増減額
176 △54 122 76 △23 53
在外営業活動体の換算差額
当期発生額 201,135 8,731 209,867 259,901 12,015 271,916
- - - - - -
当期利益への組替修正額
期中増減額
201,135 8,731 209,867 259,901 12,015 271,916
持分法適用会社に対する持分相当額
当期発生額 155 - 155 133 - 133
- - - - - -
当期利益への組替修正額
期中増減額
155 - 155 133 - 133
その他の包括利益合計 200,574 9,489 210,063 293,386 1,087 294,473
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32 金融商品
(1)資本管理
資本管理における当社グループの目的は、株主へのリターンの提供、他の利害関係者への便益の供与並び
に資本コスト削減に向けた最適な資本構成の維持のために、継続企業として存続するためのグループの能力
を維持することにあります。
資本構成を維持又は調整するために、当社グループは、株主に対して支払う配当の金額の調整、株主に対
する資本の償還、新株発行又は債務を削減するための資産の売却を行うことがあります。
当社グループは資本負債比率に基づいて資本をモニタリングしております。この比率は正味負債額を資本
で除することで算出されます。正味負債額は有利子負債から現金及び現金同等物を差し引いて算出されま
す。資本は連結財政状態計算書に示される資本(親会社の所有者に帰属する持分)としております。
各報告日時点における資本負債比率は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
有利子負債 1,635,238 1,558,888
控除:現金及び現金同等物 △37,438 △59,945
正味負債額 1,597,800 1,498,942
資本合計
2,060,734 2,460,548
(親会社の所有者に帰属する持分)
資本負債比率 77.5% 60.9%
なお、当社グループでは、外部から課されている自己資本規制はありません。
(2)リスク管理
当社グループの活動は、市場リスク(為替リスク、価格リスク及び金利リスクを含む)、信用リスク及び
流動性リスクなどのさまざまな財務リスクに晒されております。当社グループのリスク管理方針は、金融市
場の予測不能性に特化し、当社グループの財務業績に与える潜在的に不利な影響を最小限に抑えることを目
的としております。当社グループは一定のリスク・エクスポージャーをヘッジするためにデリバティブ取引
を利用しております。
当社及び主要な連結子会社は、事業環境の変化に応じ資金調達コストとリスク分散の観点から直接金融と
間接金融又は短期と長期のバランスに配慮し、コマーシャル・ペーパーや金融機関からの借入、社債発行等
により必要な資金を調達しております。当社グループでは、資金を効率的に活用するために当社及び主要な
連結子会社はキャッシュマネジメントシステムを導入し、連結有利子負債の削減を図っております。この結
果、当社において一時的に余剰資金が発生する場合には、安全性の高い金融商品に限定して運用を行ってお
ります。
なお、当社グループは、為替リスク、原材料及びエネルギー等の価格リスク及び金利リスクを回避する手
段として、また、資金調達コストの削減手段として、外貨建資産・負債、社債・借入金の取引残高及び予定
される取引金額の範囲でデリバティブ取引を利用しております。デリバティブ取引は、原則として高い格付
けを有する金融機関に限定して行っております。
当社では、社内規定に基づき財務部門がデリバティブ取引の実行及び管理を担当しております。個々のデ
リバティブ取引の契約は、当社の権限基準に基づき承認決裁され、契約が締結されます。また、財務部門で
は、デリバティブ取引の内容、残高等の状況を把握し、随時財務部門の長及び財務担当役員に報告しており
ます。
連結子会社においても、グループ権限基準に基づき契約の締結がなされており、当社は連結子会社からの
定期的な報告に基づき、状況を把握しております。
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① 市場リスク
(i)為替リスク
当社グループは、国際的に事業活動を行っており、米ドル、ユーロ、チェココルナ及び豪ドルを中
心とした為替リスクに晒されております。為替リスクは将来の仕入、販売、資金調達及び返済などの
予定取引又はすでに認識されている資産及び負債から発生します。
当社グループは、為替リスクを回避する目的で、為替予約及び通貨スワップを利用しております。
ヘッジ会計の要件を満たす取引については、ヘッジ会計を適用しております。ヘッジ手段を指定する
際は、通貨スワップの通貨ベーシス・スプレッド及び為替予約の先渡部分についてはヘッジコストと
して区分して会計処理し、その他の資本の構成要素の独立項目であるヘッジコストに計上しておりま
す。
外貨建債権及び債務等は為替レートの変動によるリスクを有しておりますが、このリスクは為替予
約等と相殺されるため影響は限定的であります。
為替リスクへのエクスポージャー
当社グループの日本円を機能通貨とする会社における主要な外貨である米ドル、ユーロ、チェコ
コルナ及び豪ドルに対するエクスポージャーは以下のとおりであります。なお、エクスポージャー
の金額は、デリバティブ取引等により為替リスクがヘッジされている金額を除いております。
機能通貨:日本円
(単位:百万円)
前年度(2022年12月31日)
米ドル ユーロ チェココルナ 豪ドル
エクスポージャー純額 532 2,234 7 537
(単位:百万円)
当年度(2023年12月31日)
米ドル ユーロ チェココルナ 豪ドル
エクスポージャー純額 874 3,392 11 823
上記の他、ユーロを機能通貨とする子会社における主要な為替リスクのエクスポージャーは以下
のとおりであります。
機能通貨:ユーロ
(単位:百万円)
前年度(2022年12月31日)
米ドル チェココルナ
エクスポージャー純額 1,875 △1,981
(単位:百万円)
当年度(2023年12月31日)
米ドル チェココルナ
エクスポージャー純額 943 △5,595
感応度分析
米ドル、ユーロ、チェココルナ及び豪ドルに対して日本円が1%円高となった場合における当社
グループの税引後利益への影響は以下のとおりであります。また、その他全ての変数が一定である
ことを前提として、米ドル、ユーロ、チェココルナ及び豪ドルに対して日本円が1%円安となった
場合は、以下の表と同額で反対の影響があります。
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機能通貨:日本円
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
米ドル △4 △6
ユーロ △15 △23
チェココルナ △0 △0
豪ドル △4 △5
米ドル及びチェココルナに対してユーロが1%ユーロ高となった場合における当社グループの税
引後利益への影響は以下のとおりであります。また、その他全ての変数が一定であることを前提と
して、米ドル及びチェココルナに対してユーロが1%ユーロ安となった場合は、以下の表と同額で
反対の影響があります。
機能通貨:ユーロ
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
米ドル △15 △7
チェココルナ 16 44
(ⅱ)価格リスク
当社グループは、連結財政状態計算書上、公正価値で測定される区分に分類された投資を保有して
いるため、資本性金融商品の価格リスクに晒されております。資本性金融商品への投資から生じる価
格リスクを管理するため、当社グループは、定期的に公正価値や発行体の財務状況等を把握するとと
もに、保有状況を継続的に見直しております。
なお、当社グループでは、短期トレーディング目的で保有する資本性金融商品はなく、これらの投
資を活発に行うことは想定しておりません。
なお、他の変動要因は不変のまま株価が5%上昇(下落)した場合にはその他の資本の構成要素
(税効果考慮前)は公正価値の変動により4,509百万円(前年度:3,887百万円)増加(減少)しま
す。
また、当社グループの製品の製造に使用する主要な原材料及びエネルギー等の価格は、天候、自然
災害、経済環境等によって変動するため、当社グループは原材料及びエネルギー等の価格リスクに晒
されております。当社グループは、これらの原材料等の価格変動リスクを回避するために主に商品ス
ワップ取引及び仮想電力購入契約(VPPA:Virtual Power Purchase Agreement)を行っております。
当社グループが利用している商品スワップ取引は、商品の市場価格の変動によるリスクを有しており
ますが、当社グループが有する当該商品の買入債務に係る商品の市場価格の変動によるリスクと相殺
されるため、価格リスクは限定的であります。VPPAは、電力の市場価格の変動によるリスクを有して
おりますが、製品の製造に利用する電力の市場価格の変動によるリスクと相殺されるため、価格リス
クは限定的であります。
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(ⅲ)金利リスク
当社グループは、変動金利による資金調達を行っており、金利リスクに晒されております。金利リ
スクは主に長期借入金から発生します。
当社グループは、金利リスクを回避する目的で、金利を実質的に固定化する金利スワップを利用し
ております。また、ヘッジ会計の要件を満たす取引については、ヘッジ会計を適用しております。
当社グループが当年度末現在において保有する金融商品において1%の金利変動が生じた場合、税
引後利益に及ぼす影響は、以下のとおりであります。この分析は金利変動の影響を受ける金融商品を
対象としており、為替変動の影響等その他の要因は一定であることを前提としております。なお、金
利スワップにより、実質的に金利が固定化された部分を除いた変動金利借入金残高に対する感応度を
記載しております。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
税引後利益 957 212
② 信用リスク
当社グループは、営業債権(受取手形及び売掛金)、その他の債権(未収入金)及びその他の金融資産
(営業貸付金等)について、信用リスクに晒されております。
当社グループは、経理規程に基づき、営業債権及び営業貸付金について、主要な取引先の状況を定期的
にモニタリングするとともに、取引先ごとの期日管理と残高管理を日常的に行っております。また、当社
グループは不良債権の発生とその回収状況を把握して対応しております。
デリバティブ取引の実施にあたっては、信用リスクを軽減するため、原則として高い格付けを有する金
融機関に限定して取引を行っております。
当社グループでは、信用リスク特性に基づき債権等を区分して損失評価引当金を算定しております。
営業債権については、常に全期間の予想信用損失と同額で損失評価引当金を認識しております。営業債
権以外の債権等については、原則として12ヶ月の予想信用損失と同額で損失評価引当金を認識しておりま
すが、弁済期日を経過した場合等には、信用リスクが当初認識時点より著しく増加したものとして、全期
間の予想信用損失と同額で損失評価引当金を認識しております。営業債権以外の債権等のうち12ヶ月の予
想信用損失と同額で損失評価引当金を測定しているものは、全て集合的ベースで測定しております。
予想信用損失の金額は、以下のように算定しております。
・営業債権
単純化したアプローチに基づき、債権等を相手先の信用リスク特性に応じて区分し、その区分に応じ
て算定した過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を乗じて算定しており
ます。
・営業債権以外の債権等
原則的なアプローチに基づき、信用リスクが著しく増加していると判定されていない債権等について
は、同種の資産の過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を帳簿価額に乗
じて算定しております。信用リスクが著しく増加していると判定された資産及び信用減損金融資産につ
いては、見積将来キャッシュ・フローを当該資産の当初の実効金利で割り引いた現在価値の額と、帳簿
価額との間の差額をもって算定しております。
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損失評価引当金の認識対象となる金融資産の帳簿価額及び損失評価引当金は以下のとおりであります。
営業債権及びその他の債権
(単位:百万円)
全期間の予想信用損失に
12ヶ月の予想信用損失で 単純化したアプローチを
帳簿価額 等しい金額で測定
測定している金融資産 適用した金融資産
している金融資産
前年度(2022年1月1日) 23,524 214 381,435
前年度(2022年12月31日) 28,719 163 396,918
当年度(2023年12月31日) 37,468 194 439,369
全期間の予想信用損失に等しい金額で測定している金融資産は、主として信用減損している金融資産
です。
信用リスク格付け
全期間の予想信用損失に等しい金額で測定している金融資産の信用リスク格付けは、12ヶ月の予想信
用損失で測定している金融資産の予想信用損失の信用リスク格付けに比べて相対的に低く、単純化した
アプローチを適用した金融資産の信用リスク格付けは、主として12ヶ月の予想信用損失で測定している
金融資産の信用リスク格付けに相当します。同一区分内における金融資産の信用リスク格付けは概ね同
一であります。
なお、当社グループは連結損益計算書において信用リスクに係る減損損失を重要性の観点から「その
他の営業費用」に含めて処理しております。
(単位:百万円)
全期間の予想信用損失に 単純化したアプローチを
12ヶ月の予想信用損失で
損失評価引当金 等しい金額で測定 適用した金融資産に
測定している引当金
している引当金 係る引当金
前年度
195 302 8,701
(2022年1月1日)
期中増加額 16 0 1,354
期中減少額(目的使用) 0 △60 △2,579
期中減少額(戻入れ) △18 △2 △1,257
その他 △174 117 3,529
前年度
19 356 9,748
(2022年12月31日)
期中増加額 10 - 1,501
期中減少額(目的使用) - △0 △1,612
期中減少額(戻入れ) △16 △0 △1,137
その他 0 30 2,499
当年度
13 386 10,999
(2023年12月31日)
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その他の金融資産
(単位:百万円)
12ヶ月の予想信用損失で 全期間の予想信用損失に等しい
帳簿価額
測定している金融資産 金額で測定している金融資産
前年度(2022年1月1日) 9,986 2,067
前年度(2022年12月31日) 9,626 1,937
当年度(2023年12月31日) 9,364 2,102
全期間の予想信用損失に等しい金額で測定している金融資産は、主として信用減損している金融資産
です。
信用リスク格付け
全期間の予想信用損失に等しい金額で測定している金融資産の信用リスク格付けは、12ヶ月の予想信
用損失で測定している金融資産の予想信用損失の信用リスク格付けに比べて相対的に低く、同一区分内
における金融資産の信用リスク格付けは概ね同一であります。
なお、当社グループは連結損益計算書において信用リスクに係る減損損失を重要性の観点から「その
他の営業費用」に含めて処理しております。
(単位:百万円)
12ヶ月の予想信用損失で 全期間の予想信用損失に等しい
損失評価引当金
測定した引当金 金額で測定している引当金
前年度
227 454
(2022年1月1日)
期中増加額 10 98
期中減少額(目的使用) △32 △0
期中減少額(戻入れ) △69 △56
その他 13 2
前年度
149 499
(2022年12月31日)
期中増加額 0 39
期中減少額(目的使用) - -
期中減少額(戻入れ) △1 △61
ステージ異動による増減額 △6 6
その他 16 △14
当年度
157 469
(2023年12月31日)
期中の金融商品の総額での帳簿価額の著しい変動の影響
前年度及び当年度において、損失評価引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい
増減はありません。
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信用リスクに係る最大エクスポージャー
金融資産については、報告日において保有する担保及びその他の信用補完を考慮に入れない場合の信
用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている帳簿価額でありま
す。債務保証については、信用リスクに係る最大エクスポージャーは以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
債務保証 18 2,825
なお、上記の債務保証契約の履行により発生しうる損失に係る債務保証損失引当金は、金額的に重要
性がないと見込まれるため、当該引当金は計上しておりません。
報告日時点で信用減損している金融資産について、保証として保有している担保及び他の信用補完の
金額は4,345百万円(前年度(2022年12月31日):2,567百万円)であります。
保証として保有している担保は主に保証金であります。
③ 流動性リスク
当社グループは、借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債により資金を調達しておりますが、資金調
達環境の悪化などにより支払期日にその支払を実行できなくなる流動性リスクに晒されております。
当社及び主要な連結子会社は、キャッシュマネジメントシステムを導入していることから、当該システ
ム参加会社の流動性リスクの管理は当社が行っております。
当社は、グループ各社からの報告に基づき資金繰り計画を作成し、適時に更新しております。資金需要
に関する継続的な見通しをモニタリングするとともに、契約上の借入限度枠の未使用部分に常に十分な余
裕を維持し、あらゆる借入契約が限度額や制限条項(該当する場合)に抵触しないようにしております。
かかる予測では、当社グループの借入融資計画、制限条項の遵守、内部的な財政状態計算書比率目標の遵
守のほか、該当する場合には通貨規制など適用されうる外部の規制要件や法定要件について考慮しており
ます。
当社及び主要な連結子会社が運転資本管理に必要な残高を超えて保有する剰余金は、キャッシュマネジ
メントシステムによりグループレベルで管理しております。当社グループは、上記予測で決定された十分
な余裕をもたらすために、適切な満期や流動性のある金融商品を選択し、当座預金、定期預金、短期金融
市場預金及び市場性のある有価証券などに投資しております。
以下の表は、当社グループの非デリバティブ金融負債及び純額決済されるデリバティブ負債を契約上の
満期日までの残余期間に基づき分析したものであります。
前年度(2022年12月31日)
(単位:百万円)
契約上の
キャッシュ 1年超 2年超 3年超 4年超
帳簿価額 1年以内 5年超
・フロー 2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
合計
営業債務及びその他
591,869 591,869 591,869 - - - - -
の債務
社債及び借入金 1,497,310 1,536,552 373,315 346,456 137,584 75,428 168,668 435,099
デリバティブ負債 6,399 6,399 4,620 1,182 118 - - 477
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当年度(2023年12月31日)
(単位:百万円)
契約上の
キャッシュ 1年超 2年超 3年超 4年超
帳簿価額 1年以内 5年超
・フロー 2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
合計
営業債務及びその他
714,781 714,781 714,781 - - - - -
の債務
社債及び借入金 1,410,798 1,450,421 396,824 148,060 176,624 178,901 174,857 375,153
デリバティブ負債 9,543 9,543 5,817 289 36 34 - 3,364
(3)金融商品の公正価値
当社グループは、公正価値測定において入手可能な限り市場の観察可能なデータを用いております。公正
価値測定はインプットのレベル区分に基づき以下のいずれかに分類されます。
レベル1:活発な市場における無調整の同一資産・負債の市場価格のインプット
レベル2:レベル1で使用された市場価格以外の、直接又は間接的に観察可能な価格で構成されたイン
プット
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプット
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化の日に認識しておりま
す。
財務諸表上、公正価値で測定されていない金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
長期貸付金 2,423 2,317 2,559 2,446
長期借入金 146,678 146,689 153,638 153,746
社債 1,126,329 1,074,992 1,233,312 1,203,626
上記には1年以内に回収、1年以内に返済及び償還予定の残高を含んでおります。
帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品及びリース負債は上表には含めておりませ
ん。
長期貸付金の公正価値については、元利金の受取見込額を新規に同様の貸付を行った場合に想定される利
率で割り引いた現在価値により算定する方法によっております。
長期借入金の公正価値については、元利金の合計額を新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で
割り引いた現在価値により算定する方法によっております。
社債の公正価値については、市場価格のあるものは市場価格を公正価値としております。
なお、上記の公正価値測定のうち、社債はレベル2、その他のものはレベル3に分類しております。レベ
ル2の社債は、日本証券業協会等の売買参考統計値を用いて公正価値を見積っております。レベル3の金融
商品の公正価値は、契約上のキャッシュ・フローを市場利率で割り引いて測定しており、帳簿価額との差額
は、市場利率と契約利率との差によるものであります。
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以下の表は公正価値で測定した当社グループの金融資産及び金融負債を示したものであります。
前年度(2022年12月31日)
(単位:百万円)
レベル1 レベル2 レベル3 合計
金融資産
ヘッジに指定されたデリバティブ資産 - 7,983 5,514 13,498
ヘッジに指定されないデリバティブ資産 - 1,779 - 1,779
株式 77,755 52 29,907 107,715
その他 - 1,415 - 1,415
金融資産合計 77,755 11,230 35,422 124,408
金融負債
ヘッジに指定されたデリバティブ負債 - 5,191 - 5,191
ヘッジに指定されないデリバティブ負債 - 1,208 - 1,208
条件付対価 - - 31,028 31,028
金融負債合計 - 6,399 31,028 37,427
前年度において、公正価値ヒエラルキーのレベル1とレベル2の間の重要な振替はありません。
当年度(2023年12月31日)
(単位:百万円)
レベル1 レベル2 レベル3 合計
金融資産
ヘッジに指定されたデリバティブ資産 - 17,149 3,329 20,479
ヘッジに指定されないデリバティブ資産 - 3,299 - 3,299
株式 90,198 52 34,446 124,696
その他 - 1,620 20 1,640
金融資産合計 90,198 22,122 37,796 150,116
金融負債
ヘッジに指定されたデリバティブ負債 - 4,567 1,810 6,377
ヘッジに指定されないデリバティブ負債 - 1,611 1,553 3,165
条件付対価 - - 12,183 12,183
金融負債合計 - 6,178 15,547 21,726
当年度において、公正価値ヒエラルキーのレベル1とレベル2の間の重要な振替はありません。
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活発な市場で取引される金融商品の公正価値は、期末日現在の市場相場価格に基づいております。これら
の金融商品はレベル1に分類されます。当社グループにおいてレベル1に含まれる金融商品は、主に、活発
な市場のある資本性金融商品であります。
活発な市場で取引されていない金融商品(例えば、金利スワップや為替予約)の公正価値は、評価技法を
用いて測定されます。この評価技法では、入手可能な場合は観察可能な市場データを最大限に利用し、企業
独自の見積りには可能な限り依存しておりません。デリバティブの金融商品の評価は、主に取引金融機関か
ら提示された価格等を基礎として算定しています。ある金融商品の公正価値測定に求められる全ての重要な
インプットが観察可能な場合、当該金融商品はレベル2に分類されます。
一つ又は複数の重要なインプットが観察可能な市場データに基づくものではない場合、その金融商品(例
えば、活発な市場のない資本性金融商品やVPPA)はレベル3に分類されます。これらの金融商品の評価は合
理的に入手可能なインプットや多くの市場参加者が合理的だとして採用しているインプット等によって、主
に類似会社比較法及び割引キャッシュ・フロー法で評価しております。また、条件付対価は将来の業績等を
考慮し、支払額を見込んで算定しております。
レベル3に分類される金融商品の公正価値算定に用いた観察可能でないインプットのうち主なものは、資
本性金融商品の類似会社比較法における株価純資産倍率(0.9倍から1.7倍(前年度:0.6倍から1.6倍)の範
囲に分布)及び、仮想電力購入契約の割引キャッシュ・フロー法における予想電力購入量(各契約の予想電
力購入量は66~512GWh(前年度:66~595GWh)の範囲に分布)であります。資本性金融商品の公正価値は、
株価純資産倍率が増加(減少)した場合、公正価値の見積りが増加(減少)し、仮想電力購入契約の公正価
値は、市場価格が当初想定より上昇しており、かつ、予想電力購入量が増加(減少)した場合、通常、公正
価値の見積りが増加(減少)します。
財務部門が公正価値測定に使用する各種計算モデルについては、年1回見直しを行い、必要に応じて外部
の独立した公正価値測定の専門家のレビューを受けております。また、公正価値測定上、社内において使用
されている各種見積値を使用することもありますが、当該見積値を使用する際は、時系列比較等、各種分析
を行い、当該見積値の妥当性を検討の上、必要に応じて財務担当役員が内容をレビューしております。
当社グループでは、公正価値測定(レベル3を含む)の変動についてインプット等の要因別に分析を行っ
ております。公正価値測定の結果及びその算定プロセス(外部に評価を依頼した場合にはその評価結果の検
証内容を含む)並びに公正価値変動の要因分析結果について、財務担当役員に報告し、財務担当役員はその
内容について検討の上、必要に応じて取締役会に報告を行っております。
なお、レベル3に分類した金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮
定に変更した場合に重要な公正価値の増減は見込まれておりません。
以下の表は、レベル3に分類される金融商品の変動を表示しております。
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
その他の包括利益を
純損益を通じて
通じて公正価値で
デリバティブ取引 公正価値で測定される
測定される資本性
金融負債
金融商品
期首残高(△は負債) 40,461 4,088 △27,863
純損益で認識された利得及び損失 - - △3,284
その他の包括利益で認識された利得及び損失(注) △4,602 1,426 △2,073
購入 2,034 - -
売却 △8,870 - -
決済 - - 2,193
その他 885 - -
期末残高(△は負債) 29,907 5,514 △31,028
純損益で認識された利得及び損失のうち、各年度末
において保有している資産及び負債に係る未実現損 - - △3,284
益の変動
(注)その他の包括利益で認識された利得及び損失のうち、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債については、
連結包括利益計算書の「在外営業活動体の換算差額」に含まれております。
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当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
その他の包括利益を
純損益を通じて
通じて公正価値で
デリバティブ取引 公正価値で測定される
測定される資本性
金融負債
金融商品
期首残高(△は負債) 29,907 5,514 △31,028
純損益で認識された利得及び損失 - △1,501 △397
その他の包括利益で認識された利得及び損失(注) 3,903 △4,047 △1,762
購入 724 - -
売却 △69 - -
決済 - - 21,079
その他 - - △73
期末残高(△は負債) 34,466 △34 △12,183
純損益で認識された利得及び損失のうち、各年度末
において保有している資産及び負債に係る未実現損 - △1,496 △397
益の変動
(注)1.連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。
2.その他の包括利益で認識された利得及び損失のうち、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債について
は、連結包括利益計算書の「在外営業活動体の換算差額」に含まれております。
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(4)デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループのリスク管理におけるヘッジ会計の運用については、「(2)リスク管理」に記載しておりま
す。
① 連結財政状態計算書における影響
ヘッジ指定されているヘッジ手段が当社グループの連結財政状態計算書に与える影響は以下のとおりで
あります。なお、ヘッジ手段に係る資産の帳簿価額(公正価値)は、「その他の金融資産」に含まれてお
り、ヘッジ手段に係る負債の帳簿価額(公正価値)は、「その他の金融負債」及び「社債及び借入金」に
含まれております。
前年度(2022年12月31日)
帳簿価額(公正価値)
想定元本
ヘッジ種類 ヘッジ手段
(百万円) 資産 負債
(百万円) (百万円)
為替予約 321,460 2,322 2,254
通貨スワップ 87,300 967 86
キャッシュ・フロー・ヘッジ
商品スワップ 44,873 4,692 2,850
仮想電力購入契約 9,150 5,514 -
合計 462,785 13,498 5,191
424,438
在外営業活動体に対する純投資ヘッジ ユーロ建社債 - 424,438
(3,000百万ユーロ)
主な為替予約における平均レートは、1米ドル当たり122.14円、1ユーロ当たり132.38円、1ポーラ
ンドズロチ当たり0.21ユーロ、1豪ドル当たり0.71米ドル、1中国元当たり18.14円であります。主な
通貨スワップにおける平均レートは1ユーロ当たり130.46円であります。また、主な仮想電力購入契約
における平均契約単価は1Mwh当たり218ポーランドズロチ及び64ユーロであります。
当年度(2023年12月31日)
帳簿価額(公正価値)
想定元本
ヘッジ種類 ヘッジ手段
(百万円) 資産 負債
(百万円) (百万円)
為替予約 511,300 1,124 3,422
通貨スワップ 94,703 12,166 34
キャッシュ・フロー・ヘッジ
商品スワップ 45,324 3,858 1,110
仮想電力購入契約 24,186 3,329 1,810
合計 675,515 20,479 6,377
471,366
在外営業活動体に対する純投資ヘッジ ユーロ建社債 - 471,366
(3,000百万ユーロ)
主な為替予約における平均レートは、1米ドル当たり127.59円、1ユーロ当たり140.48円、1ポーラ
ンドズロチ当たり0.21ユーロ、1豪ドル当たり0.67米ドル、1中国元当たり18.57円であります。主な
通貨スワップにおける平均レートは1ユーロ当たり130.46円であります。また、主な仮想電力購入契約
における平均契約単価は1Mwh当たり218ポーランドズロチ及び67ユーロであります。
なお、前年度において「仮想電力購入契約」は「商品スワップ」に含めて開示しておりましたが、金
額的重要性が増したため、当年度より独立掲記しております。また、「仮想電力購入契約」の想定元本
は約定単価に予想電力購入量を乗じて算定しております。
この表示方法の変更を反映させるため前年度の項目を組み替えて表示しております。
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なお、当社グループが行うヘッジ取引においては、ヘッジ対象項目全体をヘッジしており、一部のリ
スク要素をヘッジする取引はありません。
為替予約、通貨スワップ、商品スワップ、仮想電力購入契約によりキャッシュ・フローの変動をヘッ
ジしている期間は最長でそれぞれ約4年、約3年、約5年、約10年であります。
純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎
として用いたヘッジ手段の公正価値の変動の記載は省略しております。
なお、仮想電力購入契約においては実際の電力購入量が予測と異なること等により重要な非有効が生
じる可能性があります。
上記以外に、ヘッジ指定されていないデリバティブ資産及びデリバティブ負債の公正価値は以下のと
おりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
資産 負債 資産 負債
為替予約 49 - 63 1,169
通貨スワップ 1,730 1,139 3,220 441
商品スワップ - 68 15 -
仮想電力購入契約 - - - 1,553
合計 1,779 1,208 3,299 3,165
キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金、ヘッジコスト剰余金及び在外営業活動体に対する純投資ヘッジ
は以下のとおりであります。
なお、ヘッジ会計を中止したヘッジ関係から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金はありませ
ん。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金
為替予約 △5,493 △480
通貨スワップ 713 △2,255
商品スワップ 1,842 1,906
仮想電力購入契約 5,514 1,053
合計 2,577 224
ヘッジコスト剰余金
通貨スワップ(期間関連) △478 △425
在外営業活動体に対する純投資ヘッジ
ユーロ建社債 △33,356 △68,293
なお、前年度において「仮想電力購入契約」は「商品スワップ」に含めて開示しておりましたが、金
額的重要性が増したため、当年度より独立掲記しております。
この表示方法の変更を反映させるため前年度の項目を組み替えて表示しております。
純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎
として用いたヘッジ対象の公正価値の変動の記載は省略しております。
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② 連結損益計算書及び連結包括利益計算書における影響
キャッシュ・フロー・ヘッジ、ヘッジコスト及び在外営業活動体に対する純投資ヘッジとして指定した
ヘッジ手段に関する当社グループの純損益及びその他の包括利益への影響は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
その他の包括利益で認識 その他の資本の構成要素 組替調整額として
リスク区分 されたヘッジ損益の金額 から純損益に組替調整額と 振り替えられた
(注) して振り替えた金額(注) 純損益の表示科目
キャッシュ・フロー・ヘッジ
為替リスク △4,297 △73 金融費用
価格リスク 275 -
金利リスク - -
合計 △4,021 △73
ヘッジコスト
為替リスク(期間関連) 179 △2 金融費用
在外営業活動体に対する純投資
ヘッジ
純投資の為替変動リスク △33,918 -
(注) 税効果考慮前の金額であります。
(単位:百万円)
当年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
その他の包括利益で認識 その他の資本の構成要素 組替調整額として
リスク区分 されたヘッジ損益の金額 から純損益に組替調整額と 振り替えられた
(注) して振り替えた金額(注) 純損益の表示科目
キャッシュ・フロー・ヘッジ
為替リスク 3,770 △82 金融費用
価格リスク △4,815 -
金利リスク - -
合計 △1,045 △82
ヘッジコスト
為替リスク(期間関連) 79 △2 金融費用
在外営業活動体に対する純投資
ヘッジ
純投資の為替変動リスク △46,952 -
(注) 税効果考慮前の金額であります。
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ヘッジの中止等による組替調整額はありません。なお、ヘッジ対象が棚卸資産の取得等に関する予定取
引である場合は、「その他の資本の構成要素」に累積されたキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金を棚卸資
産等の取得原価に振り替えております。取得原価に振り替えられた金額のうち、為替リスクに対応するも
のは△752百万円(前年度:△2,042百万円)であります。
また、純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
(5)金融資産・負債の相殺
当社は、金融機関とキャッシュプーリング契約を締結しており、当該キャッシュプーリング契約により認
識した金融資産・負債について相殺する法的に強制可能な権利を有しており、かつ純額で決済するか又は資
産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有しております。
上記キャッシュプーリング契約により認識した当年度末における金融資産及び金融負債はそれぞれ以下の
とおりです。
前年度(2022年12月31日)
(単位:百万円)
財政状態計算書に
認識した総額 相殺した金額
表示している純額
<金融資産>
現金及び現金同等物 130,028 △127,421 2,607
<金融負債>
社債及び借入金 127,421 △127,421 -
当年度(2023年12月31日)
(単位:百万円)
財政状態計算書に
認識した総額 相殺した金額
表示している純額
<金融資産>
現金及び現金同等物 222,268 △215,802 6,466
<金融負債>
社債及び借入金 215,802 △215,802 -
33 重要な非資金取引
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
該当事項はありません。
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。
34 子会社に対する所有持分の変動
(1)子会社の取得による収支
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(2)子会社の売却による収支
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
該当事項はありません。
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。
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35 財務活動から生じる負債の変動
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
非資金変動
財務
期首残高 期末残高
キャッシュ
項目 (2022年 (2022年
・フローに 連結範囲 公正価値
1月1日) 取得 長短振替 為替差額 その他 12月31日)
よる変動 変動 の変動
短期借入金(注) 232,301 △8,527 - - - 528 - - 224,302
リース負債 93,370 △23,307 26,643 - 13 5,399 - - 102,120
1年以内に返済予定
51,388 △50,520 - 42,101 - 75 - - 43,046
の長期借入金
長期借入金
146,608 △940 - △42,101 - 66 - - 103,632
1年以内に償還予定
139,962 △140,000 - 99,875 - - - 81 99,919
の社債
社債 1,025,943 59,748 - △99,875 - 39,437 - 1,156 1,026,409
財務活動から生じる
負債をヘッジするた
めに保有しているデ
△844 - - - - - 37 - △807
リバティブ負債又は
資産(△)
合計 1,688,729 △163,548 26,643 - 13 45,508 37 1,238 1,598,622
(注) 短期借入金には、コマーシャル・ペーパーを含めております。
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
非資金変動
財務
期首残高 期末残高
キャッシュ
(2023年 (2023年
項目
・フローに 連結範囲 公正価値
1月1日) 取得 長短振替 為替差額 その他 12月31日)
よる変動 変動 の変動
短期借入金(注) 224,302 △200,705 - - - 250 - - 23,846
リース負債 102,120 △24,555 26,918 - - 6,957 - - 111,441
1年以内に返済予定
43,046 △42,823 - 44,420 - 16 - - 44,658
の長期借入金
長期借入金 103,632 49,761 - △44,420 - 5 - - 108,980
1年以内に償還予定
99,919 △100,000 - 295,956 - 25,042 - 423 321,342
の社債
社債
1,026,409 149,360 - △295,956 - 31,300 - 857 911,970
財務活動から生じる
負債をヘッジするた
めに保有しているデ △807 - - - - - △11,313 - △12,120
リバティブ負債又は
資産(△)
合計
1,598,622 △168,962 26,918 - - 63,573 △11,313 1,280 1,510,119
(注) 短期借入金には、コマーシャル・ペーパーを含めております。
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36 関連当事者との取引
(1)関連当事者との取引及び債権債務残高
関連当事者との取引については、重要な取引等がありません。
(2)主要な経営幹部に対する報酬
当社グループの主要な経営幹部に対する報酬額は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
短期従業員給付費用 642 722
株式に基づく報酬 86 107
計 728 829
37 企業結合
前年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
該当事項はありません。
当年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。
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38 他の企業への関与
(1)子会社への関与
連結財務諸表に含まれている子会社は以下のとおりであります。
前年度(2022年12月31日)
所有持分割合
名称 住所
(%)
アサヒグループジャパン㈱ 東京都墨田区 100.00
100.00
アサヒビール㈱ 東京都墨田区
(100.00)
100.00
ニッカウヰスキー㈱ 北海道余市町
(100.00)
100.00
エノテカ㈱ 東京都港区
(100.00)
100.00
アサヒ飲料㈱ 東京都墨田区
(100.00)
100.00
カルピス㈱ 東京都墨田区
(100.00)
100.00
アサヒ飲料販売㈱ 東京都台東区
(100.00)
100.00
アサヒグループ食品㈱ 東京都墨田区
(100.00)
100.00
アサヒロジ㈱ 東京都大田区
(100.00)
100.00
㈱なだ万 東京都千代田区
(100.00)
100.00
アサヒプロマネジメント㈱ 東京都墨田区
(100.00)
イギリス
Asahi Europe & International Ltd
100.00
サリー州
イタリア 100.00
Birra Peroni S.r.l.
ローマ (100.00)
オランダ 100.00
Koninklijke Grolsch N.V.
エンスヘーデ (100.00)
イギリス 100.00
Meantime Brewing Company Ltd.
ロンドン (100.00)
イギリス 100.00
Asahi UK Ltd
ロンドン (100.00)
チェコ 100.00
ピルゼン (100.00)
スロバキア 100.00
ヴェルキーサリス (100.00)
ポーランド 100.00
Kompania Piwowarska S.A.
ヴィエルコポルスカ (100.00)
ルーマニア 98.68
Ursus Breweries SA
ブザウ (98.68)
ハンガリー 99.78
Dreher Sörgyárak Zrt.
ブダペスト (99.78)
中国上海市 100.00
オーストラリア
Asahi Holdings(Australia) Pty Ltd
100.00
ヴィクトリア州
オーストラリア 100.00
CUB Pty Ltd
ヴィクトリア州 (100.00)
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所有持分割合
名称 住所
(%)
オーストラリア 100.00
Asahi Beverages Pty Ltd
ヴィクトリア州 (100.00)
ニュージーランド 100.00
Asahi Beverages (NZ) Limited
オークランド (100.00)
マレーシア 100.00
Asahi Holdings Southeast Asia Sdn. Bhd.
クアラルンプール (100.00)
マレーシア 100.00
Etika Beverages Sdn. Bhd.
クアラルンプール (100.00)
マレーシア 100.00
Etika Dairies Sdn. Bhd.
クアラルンプール (100.00)
ミャンマー 51.00
Asahi Loi Hein Company Limited
ヤンゴン (51.00)
アサヒクオリティーアンドイノベーションズ㈱ 茨城県守谷市 100.00
その他177社 - -
(注)所有持分割合の( )内は、間接所有割合を内数で記載しております。
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当年度(2023年12月31日)
所有持分割合
名称 住所
(%)
アサヒグループジャパン㈱ 東京都墨田区 100.00
100.00
アサヒビール㈱ 東京都墨田区
(100.00)
100.00
ニッカウヰスキー㈱ 北海道余市町
(100.00)
100.00
エノテカ㈱ 東京都港区
(100.00)
100.00
アサヒ飲料㈱ 東京都墨田区
(100.00)
100.00
カルピス㈱ 東京都墨田区
(100.00)
100.00
アサヒグループ食品㈱ 東京都墨田区
(100.00)
100.00
アサヒロジ㈱ 東京都大田区
(100.00)
100.00
㈱なだ万 東京都千代田区
(100.00)
100.00
アサヒプロマネジメント㈱ 東京都墨田区
(100.00)
イギリス
Asahi Europe & International Ltd
100.00
サリー州
イタリア 100.00
Birra Peroni S.r.l.
ローマ (100.00)
オランダ 100.00
Koninklijke Grolsch N.V.
エンスヘーデ (100.00)
イギリス 100.00
Meantime Brewing Company Ltd.
ロンドン (100.00)
イギリス 100.00
Asahi UK Ltd
ロンドン (100.00)
チェコ 100.00
ピルゼン (100.00)
スロバキア 100.00
ヴェルキーサリス (100.00)
ポーランド 100.00
Kompania Piwowarska S.A.
ヴィエルコポルスカ (100.00)
ルーマニア 98.68
Ursus Breweries SA
ブザウ (98.68)
ハンガリー 99.78
Dreher Sörgyárak Zrt.
ブダペスト (99.78)
中国上海市 100.00
オーストラリア
Asahi Holdings(Australia) Pty Ltd
100.00
ヴィクトリア州
オーストラリア 100.00
CUB Pty Ltd
ヴィクトリア州 (100.00)
オーストラリア 100.00
Asahi Beverages Pty Ltd
ヴィクトリア州 (100.00)
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所有持分割合
名称 住所
(%)
ニュージーランド 100.00
Asahi Beverages (NZ) Limited
オークランド (100.00)
マレーシア 100.00
Asahi Holdings Southeast Asia Sdn. Bhd.
クアラルンプール (100.00)
マレーシア 100.00
Etika Beverages Sdn. Bhd.
クアラルンプール (100.00)
マレーシア 100.00
Etika Dairies Sdn. Bhd.
クアラルンプール (100.00)
ミャンマー 51.00
Asahi Loi Hein Company Limited
ヤンゴン (51.00)
Asahi Global Procurement Pte. Ltd.
シンガポール 100.00
アサヒクオリティーアンドイノベーションズ㈱ 茨城県守谷市 100.00
その他168社 - -
(注)所有持分割合の( )内は、間接所有割合を内数で記載しております。
(2)関連会社及び共同支配企業への関与
① 関連会社
関連会社に対する持分の帳簿価額、当期利益の持分取込額及びその他の包括利益の持分取込額は以下の
とおりであります。なお、当社グループにとって重要な関連会社はありません。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
帳簿価額 6,613 10,966
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
当期利益 668 881
その他の包括利益 129 120
包括利益合計 797 1,002
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② 共同支配企業
共同支配企業に対する持分の帳簿価額、当期利益の持分取込額及びその他の包括利益の持分取込額は以
下のとおりであります。なお、当社グループにとって重要な共同支配企業はありません。
(単位:百万円)
前年度 当年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
帳簿価額 109 115
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
当期利益 △0 △5
その他の包括利益 25 12
包括利益合計 24 6
39 コミットメント
資産の取得に関する重要なコミットメントはありません。
40 偶発事象
該当事項はありません。
41 後発事象
該当事項はありません。
(2)【その他】
当年度における四半期情報等
(累計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 当年度
売上収益 (百万円) 556,335 1,253,000 2,023,004 2,769,091
税引前四半期利益又は税引前利益 (百万円) 28,601 92,503 185,355 241,871
親会社の所有者に帰属する四半期
(百万円) 19,969 65,798 133,034 164,073
(当期)利益
基本的1株当たり四半期(当期)
(円) 39.41 129.86 262.56 323.82
利益
(会計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
基本的1株当たり四半期利益 (円) 39.41 90.45 132.70 61.26
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2【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
資産の部
流動資産
5,524 10,103
現金及び預金
※1 134,454 ※1 55,071
短期貸付金
550 1,030
前払費用
※1 22,639 ※1 13,565
未収入金
0
未収還付法人税等 -
※1 127 ※1 489
その他
163,297 80,260
流動資産合計
固定資産
有形固定資産
15,269 14,905
建物
357 329
構築物
4 2
機械及び装置
0 0
車両運搬具
493 607
工具、器具及び備品
15,037 15,037
土地
28 19
リース資産
0 19
建設仮勘定
31,191 30,921
有形固定資産合計
無形固定資産
27 27
施設利用権
6,045 5,077
商標権
1,116 976
ソフトウエア
3 2
その他
7,191 6,083
無形固定資産合計
投資その他の資産
6,656 8,425
投資有価証券
2,689,543 2,692,570
関係会社株式
4,519 4,519
関係会社出資金
33,166 44,737
繰延税金資産
518 553
その他
△ 167 △ 160
貸倒引当金
2,734,237 2,750,646
投資その他の資産合計
2,772,620 2,787,651
固定資産合計
2,935,917 2,867,911
資産合計
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(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
負債の部
流動負債
※1 154,088 ※1 44,420
短期借入金
110,000 19,000
コマーシャル・ペーパー
100,000 321,398
1年内償還予定の社債
10 10
リース債務
3,500 2,859
未払金
※1 6,054 ※1 12,172
未払費用
※1 132,011 ※1 221,744
預り金
223 311
賞与引当金
288 308
役員賞与引当金
6,479 1,853
その他
512,656 624,078
流動負債合計
固定負債
1,022,714 898,244
社債
103,400 108,980
長期借入金
20 10
リース債務
1,090 1,067
その他
1,127,225 1,008,303
固定負債合計
1,639,882 1,632,381
負債合計
純資産の部
株主資本
220,216 220,216
資本金
資本剰余金
87,977 87,977
資本準備金
106,533 106,534
その他資本剰余金
194,511 194,511
資本剰余金合計
利益剰余金
その他利益剰余金
195,000 195,000
別途積立金
718,748 691,969
繰越利益剰余金
913,748 886,969
利益剰余金合計
自己株式 △ 1,178 △ 1,190
1,327,297 1,300,506
株主資本合計
評価・換算差額等
2,094 3,270
その他有価証券評価差額金
△ 33,356 △ 68,246
繰延ヘッジ損益
評価・換算差額等合計 △ 31,262 △ 64,976
1,296,035 1,235,530
純資産合計
2,935,917 2,867,911
負債純資産合計
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②【損益計算書】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
営業収益
30,326 33,443
グループ運営収入等
1,829 1,894
不動産賃貸収入
140,033 29,920
関係会社受取配当金
※1 172,189 ※1 65,258
営業収益合計
※1 ,※2 22,225 ※1 ,※2 25,996
営業費用
149,963 39,262
営業利益
営業外収益
※1 583 ※1 3,656
受取利息及び配当金
1,150 2,062
為替差益
3,757
貸倒引当金戻入額 -
205 80
その他
5,697 5,799
営業外収益合計
営業外費用
※1 6,683 ※1 12,002
支払利息
268 634
社債発行費
5
貸倒引当金繰入額 -
237 1,170
その他
7,189 13,813
営業外費用合計
148,471 31,248
経常利益
特別利益
※4 11 ※4 141
投資有価証券売却益
63
-
その他
75 141
特別利益合計
特別損失
※3 147 ※3 71
固定資産除売却損
1,030
投資有価証券売却損 -
113
-
事業構造改善費用
1,291 71
特別損失合計
147,254 31,318
税引前当期純利益
42 415
法人税、住民税及び事業税
442
△ 95
法人税等調整額
485 320
法人税等合計
146,769 30,998
当期純利益
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③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
資本金
その他資本 資本剰余金 利益剰余金
資本準備金
剰余金 合計 繰越利益 合計
別途積立金
剰余金
当期首残高 220,216 87,977 106,533 194,511 195,000 627,728 822,728
当期変動額
剰余金の配当 △ 55,750 △ 55,750
当期純利益
146,769 146,769
自己株式の取得
自己株式の処分 0 0
株主資本以外の項目の当期変
動額(純額)
当期変動額合計 - - 0 0 - 91,019 91,019
当期末残高 220,216 87,977 106,533 194,511 195,000 718,748 913,748
株主資本 評価・換算差額等
その他 純資産合計
繰延ヘッジ 評価・換算
自己株式 株主資本合計 有価証券
損益 差額等合計
評価差額金
当期首残高
△ 923 1,236,533 1,882 △ 8,667 △ 6,785 1,229,747
当期変動額
剰余金の配当 △ 55,750 △ 55,750
当期純利益
146,769 146,769
自己株式の取得 △ 263 △ 263 △ 263
自己株式の処分 8 8 8
株主資本以外の項目の当期変
211 △ 24,688 △ 24,476 △ 24,476
動額(純額)
当期変動額合計
△ 255 90,764 211 △ 24,688 △ 24,476 66,287
当期末残高 △ 1,178 1,327,297 2,094 △ 33,356 △ 31,262 1,296,035
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当事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
資本金
その他資本 資本剰余金 利益剰余金
資本準備金
剰余金 合計 繰越利益 合計
別途積立金
剰余金
当期首残高
220,216 87,977 106,533 194,511 195,000 718,748 913,748
当期変動額
剰余金の配当 △ 57,776 △ 57,776
当期純利益 30,998 30,998
自己株式の取得
自己株式の処分 0 0
株主資本以外の項目の当期変
動額(純額)
当期変動額合計
- - 0 0 - △ 26,778 △ 26,778
当期末残高 220,216 87,977 106,534 194,511 195,000 691,969 886,969
株主資本 評価・換算差額等
その他 純資産合計
繰延ヘッジ 評価・換算
自己株式 株主資本合計 有価証券
損益 差額等合計
評価差額金
当期首残高 △ 1,178 1,327,297 2,094 △ 33,356 △ 31,262 1,296,035
当期変動額
剰余金の配当 △ 57,776 △ 57,776
当期純利益 30,998 30,998
自己株式の取得 △ 25 △ 25 △ 25
自己株式の処分
13 13 13
株主資本以外の項目の当期変
1,175 △ 34,890 △ 33,714 △ 33,714
動額(純額)
当期変動額合計 △ 12 △ 26,791 1,175 △ 34,890 △ 33,714 △ 60,505
当期末残高
△ 1,190 1,300,506 3,270 △ 68,246 △ 64,976 1,235,530
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【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1)子会社株式及び関連会社株式
移動平均法に基づく原価法
(2)その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
移動平均法に基づく原価法
2 デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法
3 固定資産の減価償却の方法
(1)有形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しております。
なお、耐用年数につきましては、法人税法に規定する方法と同一の基準によっております。
(2)無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しております。
なお、耐用年数につきましては、法人税法に規定する方法と同一の基準によっております。
ただし、ソフトウエア(自社利用分)につきましては、社内における利用可能期間(5年)に基づき、
また、商標権につきましては、主として20年の定額法により償却しております。
(3)リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産につきましては、リース期間を耐用年数と
し、残存価額を零とする定額法を採用しております。
4 引当金の計上基準
(1)貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権につきましては貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特
定の債権につきましては個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2)賞与引当金
従業員の賞与の支給に充てるため、支給見込額のうち、当事業年度に対応する見積額を計上しておりま
す。
(3)役員賞与引当金
役員の賞与の支給に充てるため、支給見込額のうち、当事業年度に対応する見積額を計上しておりま
す。
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5 ヘッジ会計の方法
(1)ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジによって行うこととしております。
なお、為替予約及び通貨スワップにつきましては、振当処理の要件を満たしている場合は振当処理を
行っております。また、金利スワップにつきましては、特例処理の要件を満たしている場合には特例処理
を行っております。
(2)ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段・・・為替予約、金利スワップ、通貨スワップ、外貨建社債
ヘッジ対象・・・外貨建予定取引、外貨建貸付金、借入金利息、外貨建社債、在外子会社への投資
(3)ヘッジ方針
デリバティブは、為替相場変動や金利変動のリスク回避、資金調達コストの削減を目的として利用して
おり、実需に基づかない投機目的の取引及びレバレッジ効果の高いデリバティブは行わない方針でありま
す。
(4)ヘッジの有効性の評価
ヘッジの有効性につきましては、ヘッジ手段とヘッジ対象について、相場変動額をヘッジ期間全体にわ
たり比較し、評価しております。なお、振当処理及び特例処理を採用しているものにつきましては、その
判定をもってヘッジの有効性の判定に代えております。
6 収益及び費用の計上基準
当社は、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社は、主に、当社グループの経営方針、経営戦略、経営資源配分方針を策定し、子会社に対しそれらの
実施のために必要な指導等を行うとともに、当社グループの総合的なブランド価値及び総合力を高めるため
の諸施策を実施しています。経営指導及び当社グループのブランド価値や総合力に依拠した便益を子会社に
提供すること等を履行義務として識別しております。当該履行義務は顧客に対し契約に基づくサービスを提
供することにより充足されるため、サービスを提供する期間にわたり収益を認識しています。
また、当該対価は1年以内に回収しており、重要な金融要素や変動対価は含んでおりません。
7 その他財務諸表作成のための重要な事項
グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しております。
(会計方針の変更)
(時価の算定に関する会計基準の適用指針の適用)
「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2021年6月17日。以下「時価
算定会計基準適用指針」という。)を当事業年度の期首から適用し、時価算定会計基準適用指針第27-2項に
定める経過的な取扱いに従って、時価算定会計基準適用指針が定める新たな会計方針を将来にわたって適用す
ることとしました。
これによる、財務諸表に与える影響はありません。
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(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りは、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて合理的な金額を算出しております。当事業年
度の財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼす
リスクが有る項目は以下の通りです。
1 市場価格のない関係会社株式の評価
(1)当事業年度の貸借対照表に計上した金額
関係会社株式2,692,570百万円(前事業年度:2,689,543百万円)が計上されております。これには、Asahi
Holdings(Australia)Pty Ltd株式1,340,416百万円(前事業年度:1,340,416百万円)が含まれておりま
す。
(2)会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
市場価格のない関係会社株式は、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した
ときには、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、評価損を認識しております。
また、一部の関係会社株式は、超過収益力を反映して実質価額を算定しており、Asahi Holdings
(Australia)Pty Ltd株式の評価にあたっては、オセアニア事業の超過収益力等を反映して実質価額を算定
しております。
この超過収益力の評価に関連して、連結財務諸表上、当該のれんについて、年次の減損テストが行われて
おります。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表
注記 13 のれん及び無形資産 (2)減損」をご参照ください。
上記の結果、当事業年度末において、同社の超過収益力等を反映した実質価額が著しく低下している状況
にはないことから、評価損は認識しておりません。
なお、Asahi Holdings(Australia)Pty Ltd株式の実質価額の見積りにおける主要な仮定は、連結財務諸
表の作成における減損テストに用いる回収可能価額の見積りの仮定と同一であります(「第5 経理の状
況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 13 のれん及び無形資産 (2)減損」を
ご参照ください)。
これらの仮定の見直しが必要となった場合、翌事業年度において、評価損が生じる可能性があります。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する資産及び負債
区分表示されたもの以外で当該関係会社に対する金銭債権又は金銭債務の金額は、次のとおりでありま
す。
前事業年度 当事業年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
短期金銭債権 157,030 百万円 68,586 百万円
短期金銭債務 137,635 〃 226,614 〃
2 偶発債務
保証債務
銀行借入及び営業債務等に対する保証債務
保証債務
前事業年度 当事業年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
Etika Dairies Sdn. Bhd. Etika Dairies Sdn. Bhd.
697 百万円 238 百万円
Etika Beverages Sdh. Bhd. Etika Beverages Sdh. Bhd.
160 〃 - 〃
Asahi Loi Hein Company Limited Asahi Loi Hein Company Limited
891 〃 1,710 〃
Asahi Europe & International Ltd Asahi Europe & International Ltd
1,484 〃 3,071 〃
CUB Pty Ltd
4,052 〃
合計 3,233 百万円 合計 9,072 百万円
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(損益計算書関係)
※1 関係会社との営業取引及び営業取引以外の取引の取引高の総額
前事業年度 当事業年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
営業収益 172,006 百万円 65,024 百万円
営業費用 7,456 〃 8,184 〃
営業取引以外の取引高 1,094 〃 6,607 〃
※2 営業費用の主要な費目及び金額は次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
従業員給料手当 2,515 百万円 2,888 百万円
減価償却費 2,443 〃 2,321 〃
業務委託料 9,502 〃 11,900 〃
※3 固定資産除売却損
前事業年度 当事業年度
(自 2022年1月1日 (自 2023年1月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
建物 66 百万円 64 百万円
工具、器具及び備品 12 〃 7 〃
ソフトウエア 63 〃 0 〃
その他 - 〃 0 〃
除却損計 142 百万円 71 百万円
工具、器具及び備品 4 〃 - 〃
売却損計 4 百万円 - 百万円
除売却損計 147 百万円 71 百万円
※4 投資有価証券売却益
前事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
投資有価証券売却益は、政策投資目的株式の売却等によるものです。
当事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
投資有価証券売却益は、政策投資目的株式の売却等によるものです。
(有価証券関係)
前事業年度の子会社株式(貸借対照表計上額は2,689,543百万円)は、市場価格のない株式等であることか
ら、時価を記載しておりません。
また、当事業年度の子会社株式(貸借対照表計上額は2,692,570百万円)は、市場価格のない株式等である
ことから、時価を記載しておりません。
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(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(繰延税金資産)
前事業年度 当事業年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
組織再編に伴う関係会社株式 17,083 百万円 19,727 百万円
子会社株式評価損否認 32,008 〃 32,082 〃
子会社出資金評価損否認 4,558 〃 4,558 〃
繰越欠損金 750 〃 - 〃
繰延ヘッジ損失 13,726 〃 28,103 〃
連結法人間譲渡損繰延 746 〃 746 〃
934 〃 1,664 〃
その他
繰延税金資産小計
69,805 百万円 86,880 百万円
△30,758 〃 △35,723 〃
評価性引当額
繰延税金資産合計 39,046 百万円 51,157 百万円
(繰延税金負債)
前事業年度 当事業年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
その他有価証券評価差額金 △853 百万円 △1,372 百万円
連結法人間譲渡益繰延 △5,027 〃 △5,026 〃
- 〃 △20 〃
その他
繰延税金負債合計 △5,880 百万円 △6,418 百万円
繰延税金資産の純額 33,166 百万円 44,737 百万円
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主要な項目別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2022年12月31日) (2023年12月31日)
法定実効税率 30.6 % 30.6 %
(調整)
交際費等永久に損金に算入
0.0 % 0.1 %
されない項目
評価性引当額 △0.8 % 0.5 %
受取配当金等永久に益金に
△28.5 % △27.9 %
算入されない項目
税額控除 △0.8 % △4.3 %
△0.2 % 1.9 %
その他
税効果会計適用後の法人税等の
0.3 % 1.0 %
負担率
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、当事業年度から、連結納税制度からグループ通算制度へ移行しております。
これに伴い、法人税及び地方法人税並びに税効果会計の会計処理及び開示については、「グループ通算制
度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日。以下「実
務対応報告第42号」という。)に従っております。
また、実務対応報告第42号第32項(1)に基づき、実務対応報告第42号の適用に伴う会計方針の変更によ
る影響はないものとみなしております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報については、「(重要な会計方針) 6 収益
及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
減価償却
区分 資産の種類 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期償却額 当期末残高
累計額
有形固定資産
建物 15,269 563 12 914 14,905 27,590
構築物 357 2 - 30 329 1,141
機械及び装置 4 - - 1 2 102
車両運搬具 0 - - - 0 2
工具、器具及び備品 493 247 6 126 607 1,240
土地 15,037 - - - 15,037 -
リース資産 28 - - 9 19 44
建設仮勘定 0 831 812 - 19 -
計 31,191 1,644 832 1,082 30,921 30,121
無形固定資産
施設利用権 27 - - 0 27 -
商標権 6,045 - 0 967 5,077 -
ソフトウエア 1,116 130 - 270 976 -
その他 3 0 - 1 2 -
計 7,191 131 0 1,239 6,083 -
(注) 当期の主な増減内容は、次のとおりであります。
建設仮勘定の当期減少額は主として建物、その他の固定資産への振替によるものであります。
【引当金明細表】
当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高
区分
(百万円) (百万円) (百万円) (百万円)
貸倒引当金 167 0 6 160
賞与引当金 223 311 223 311
役員賞与引当金 288 308 288 308
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(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3)【その他】
該当事項はありません。
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第6【提出会社の株式事務の概要】
事業年度 1月1日から12月31日まで
定時株主総会 3月中
基準日 12月31日
剰余金の配当の基準日 6月30日、12月31日
1単元の株式数 100株
単元未満株式の買取・買増
(特別口座)
取扱場所 東京都千代田区丸の内一丁目4番1号
三井住友信託銀行株式会社 証券代行部
(特別口座)
株主名簿管理人 東京都千代田区丸の内一丁目4番1号
三井住友信託銀行株式会社
取次所 -
以下の算式により、1単元当たりの金額を算定し、これを請求に係る単元未満株式
の数で按分した金額の2分の1とする。
(算式)1株当たりの買取単価又は買増単価に1単元の株式数を乗じた合計金額の
うち
100万円以下の金額につき 1.150%
買取・買増手数料
100万円超500万円以下の金額につき 0.900%
500万円超1,000万円以下の金額につき 0.700%
1,000万円超3,000万円以下の金額につき 0.575%
3,000万円超5,000万円以下の金額につき 0.375%
(円未満の端数を生じた場合は切り捨てる。)
ただし、1単元当たりの金額が2,500円に満たない場合には2,500円とする。
電子公告により行う。ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告によ
ることができない場合は、日本経済新聞に掲載して行う。
公告掲載方法
なお、電子公告は当社ホームページに掲載し、そのURLは次のとおりです。
https://www.asahigroup-holdings.com/ir/e_public/
株主優待制度
(1)対象株主 毎年12月31日現在の株主名簿に記録された1単元以上の株主
(2)優待内容 ① 100~500株未満保有株主 1,000円相当の優待品
株主に対する特典
② 500~1,000株未満保有株主 2,000円相当の優待品
③ 1,000株以上保有株主 3,000円相当の優待品
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第7【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はありません。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類 事業年度 自 2022年1月1日 2023年3月29日
並びに確認書 (第99期) 至 2022年12月31日 関東財務局長に提出
(2) 内部統制報告書 事業年度 自 2022年1月1日 2023年3月29日
及びその添付書類 (第99期) 至 2022年12月31日 関東財務局長に提出
自 2023年1月1日 2023年5月12日
(3) 四半期報告書及び確認書 (第100期第1四半期)
至 2023年3月31日 関東財務局長に提出
自 2023年4月1日 2023年8月10日
(第100期第2四半期)
至 2023年6月30日 関東財務局長に提出
自 2023年7月1日 2023年11月10日
(第100期第3四半期)
至 2023年9月30日 関東財務局長に提出
(4) 臨時報告書 ① 2023年3月29日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会
における議決権行使の結果)に基づく臨時報告書であります。
② 2023年11月16日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第1号(本邦以外の地
域における有価証券の募集)の規定に基づく臨時報告書であります。
③ 2024年3月27日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会
における議決権行使の結果)に基づく臨時報告書であります。
(5) 臨時報告書の訂正報告書 2023年11月28日関東財務局長に提出
上記(4)②臨時報告書の訂正報告書
2023年11月29日関東財務局長に提出
上記(4)②臨時報告書の訂正報告書
(6) 訂正発行登録書 2023年2月1日関東財務局長に提出
2023年3月29日関東財務局長に提出
2023年11月16日関東財務局長に提出
2023年11月28日関東財務局長に提出
2023年11月29日関東財務局長に提出
(7) 発行登録追補書類(株券、社債 2023年3月2日関東財務局長に提出
券等)及びその添付書類 2023年9月1日関東財務局長に提出
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
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独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書
2024年3月26日
アサヒグループホールディングス株式会社
取締役会 御中
有限責任 あずさ監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
公認会計士
小倉 加奈子
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
谷 尋史
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
森田 真佐宏
業務執行社員
<連結財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いるアサヒグループホールディングス株式会社の2023年1月1日から2023年12月31日までの連結会計年度の連結財務諸
表、すなわち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フ
ロー計算書及び連結財務諸表注記について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定さ
れた国際会計基準に準拠して、アサヒグループホールディングス株式会社及び連結子会社の2023年12月31日現在の財政状
態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正
に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職
業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果
たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要
であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形
成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
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オセアニア事業に関するのれんの評価
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
連結財務諸表注記「13.のれん及び無形資産」 に記載の 当監査法人は、オセアニア事業に関するのれんの評価の
とおり、アサヒグループホールディングス株式会社の連結 合理性を評価するため、同事業を統括する連結子会社の監
財政状態計算書において、オセアニア事業に配分されたの 査人に監査の実施を指示し、以下を含む監査手続の実施結
れん1,358,310百万円が計上されており、総資産の25.7% 果の報告を受け、十分かつ適切な監査証拠が入手されてい
を占めている。 るか否かを評価した。
のれんを含む資金生成単位グループについては、減損の (1)見積りの不確実性の評価
兆候があるときに加え、毎期減損テストが実施され、回収 事業計画に用いられている仮定の選択が適切に行われ
可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額が回収可 ているかどうかを評価するため、主要な仮定に一定の不
能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として 確実性を織り込み、減損損失の認識の要否の判定に与え
認識される。なお、回収可能価額は使用価値と処分コスト る影響について検討した。
控除後の公正価値のいずれか高い方として算定される。 (2)内部統制の評価
当連結会計年度におけるオセアニア事業の資金生成単位 のれんの評価に関する内部統制の整備状況及び運用状
グループの減損テストでは、回収可能価額として処分コス 況の有効性を評価した。特に、将来キャッシュ・フロー
ト控除後の公正価値が用いられている。この処分コスト控 の見積りの適切性を担保する統制に焦点を当てた。
除後の公正価値の測定に用いる将来キャッシュ・フロー (3)処分コスト控除後の公正価値の見積りの合理性の評価
は、経営者により承認された同事業の事業計画及び事業計 処分コスト控除後の公正価値の見積りにあたって採用
画が対象とする期間後は成長率を基礎として見積もられ された主要な仮定が適切かどうかを評価するため、主に
る。当該見積りには、将来の売上収益の増加及び事業計画 以下の手続を実施した。
の対象期間後の成長率といった主要な仮定が用いられてい ●売上収益の増加見込みについて、オセアニア事業の責
るが、これらは、オセアニアの事業環境や競業状況の変化 任者に対して質問するとともに、関連資料を閲覧し、
等による影響を受けるため、高い不確実性を伴い、また、 事業計画との整合性を確認した。
経営者の判断が当該見積りに重要な影響を与える。 ●売上収益について、過年度からの趨勢分析及び直近実
また、公正価値の測定に用いる割引率の見積りにおいて 績との比較を行うとともに、売上収益の増加見込みに
は、計算手法及びインプットデータの選択にあたり、評価 ついて、外部機関が公表しているオセアニアの酒類及
に関する高度な専門知識を必要とする。 び飲料市場の予測データとの比較を行った。
以上から、当監査法人は、オセアニア事業に関するのれ ●事業計画の対象期間後の成長率について、連結子会社
んの評価が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において の監査人が属するネットワークファームの評価の専門
特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当す 家を利用し、外部機関が公表している市場予測データ
ると判断した。 との比較を行った。
●割引率について、連結子会社の監査人が属するネット
ワークファームの評価の専門家を利用し、経営者が採
用した割引率の算定方法の適切性を評価するととも
に、専門家が独自に算出した割引率との比較による合
理性の検討を行った。
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欧州(インターナショナル)事業に関するのれんの評価
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
連結財務諸表注記「13.のれん及び無形資産」 に記載の 当監査法人は、欧州(インターナショナル)事業に関す
とおり、アサヒグループホールディングス株式会社の連結 るのれんの評価の合理性を評価するため、同事業を統括す
財政状態計算書において、欧州(インターナショナル)事 る連結子会社の監査人に監査の実施を指示するとともに、
業に配分されたのれん113,145百万円が計上されており、 その監査手続の結果についての報告を受け、十分かつ適切
総資産の2.1%を占めている。 な監査証拠が入手されているか否かについて評価した上
のれんを含む資金生成単位グループについては、減損の で、主に以下の監査手続を実施した。
兆候があるときに加え、毎期減損テストが実施され、回収 (1)見積りの不確実性の評価
可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額が回収可 事業計画に用いられている仮定の選択が適切に行われ
能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として ているかどうかを評価するため、主要な仮定に一定の不
認識される。なお、回収可能価額は使用価値と処分コスト 確実性を織り込み、減損損失の認識の要否の判定に与え
控除後の公正価値のいずれか高い方として算定される。 る影響について検討した。
当連結会計年度における欧州(インターナショナル)事 (2)内部統制の評価
業の資金生成単位グループの減損テストでは、回収可能価 のれんの評価に関する内部統制の整備状況及び運用状
額として使用価値が用いられている。この使用価値の測定 況の有効性を評価した。特に、将来キャッシュ・フロー
に用いる将来キャッシュ・フローは、経営者により承認さ の見積りの適切性を担保する統制に焦点を当てた。
れた同事業の事業計画及び事業計画が対象とする期間後は (3)使用価値の見積りの合理性の評価
成長率を基礎として見積もられる。当該見積りには、将来 使用価値の見積りにあたって採用された主要な仮定が
の売上収益の増加及び事業計画の対象期間後の成長率と 適切かどうかを評価するため、主に以下の手続を実施し
いった主要な仮定が用いられているが、これらは、輸出先 た。
の各地域における事業環境や競業状況の変化等による影響 ●売上収益の増加見込みについて、欧州(インターナ
を受けるため、高い不確実性を伴い、また、経営者の判断 ショナル)事業の責任者に対して質問するとともに、
が当該見積りに重要な影響を与える。 関連資料を閲覧し、事業計画との整合性を確認した。
また、使用価値の測定に用いる割引率の見積りにおいて ●売上収益について、過年度からの趨勢分析及び直近実
は、計算手法及びインプットデータの選択にあたり、評価 績との比較を行うとともに、売上収益の増加見込みに
に関する高度な専門知識を必要とする。 ついて、外部機関が公表している主要な輸出先の酒類
以上から、当監査法人は、欧州(インターナショナル) 市場の予測データとの比較を行った。
事業に関するのれんの評価が、当連結会計年度の連結財務 ●事業計画の対象期間後の成長率について、当監査法人
諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事 が属する国内ネットワークファームの評価の専門家を
項の一つに該当すると判断した。 利用し、外部機関が公表している市場予測データとの
比較を行った。
●割引率について、当監査法人が属する国内ネットワー
クファームの評価の専門家を利用し、経営者が採用し
た割引率の算定方法の適切性を評価するとともに、専
門家が独自に算出した割引率との比較による合理性の
検討を行った。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以
外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任
は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記
載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容
と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのよ
うな重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告す
ることが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
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連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬
による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運
用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、経営者が清算若しくは事業停止の意図があるか、又はそれ以外に現実的
な代替案がない場合を除いて、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国
際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示
がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明する
ことにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の
意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立
案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査
証拠を入手する。
・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の
実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関
連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づ
き、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論
付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に
注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対し
て除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づい
ているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結
財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評
価する。
・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手
する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に
対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の
重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並
びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合
又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断
した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁
止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上
回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、アサヒグループホールディン
グス株式会社の2023年12月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、アサヒグループホールディングス株式会社が2023年12月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であ
ると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基
準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認め
る。
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監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制
監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責
任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立し
ており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適
切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に
係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があ
る。
内部統制監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについ
て合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにあ
る。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を
通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。
内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用さ
れる。
・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統
制報告書の表示を検討する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、
内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負
う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識
別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項につ
いて報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並
びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合
又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
<報酬関連情報>
当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及
び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状
況】に記載されている。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はな
い。
以 上
(注)1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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独立監査人の監査報告書
2024年3月26日
アサヒグループホールディングス株式会社
取締役会 御中
有限責任 あずさ監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
公認会計士
小倉 加奈子
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
谷 尋史
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
森田 真佐宏
業務執行社員
<財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いるアサヒグループホールディングス株式会社の2023年1月1日から2023年12月31日までの第100期事業年度の財務諸
表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表につい
て監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、アサヒグ
ループホールディングス株式会社の2023年12月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全
ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫
理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査
法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると
判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対
応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
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Asahi Holdings (Australia) Pty Ltd社に対する投資持分の評価
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
注記事項「(重要な会計上の見積り)」 に記載のとお 連結財務諸表の監査報告書において、「オセアニア事業
り、アサヒグループホールディングス株式会社の貸借対照 に関するのれんの評価」が監査上の主要な検討事項に該当
表に計上されている関係会社株式2,692,570百万円には、 すると判断し、監査上の対応について記載している。
非上場の子会社であるAsahi Holdings (Australia) Pty 当該記載内容は、財務諸表監査における監査上の対応と
実質的に同一の内容であることから、監査上の対応に関す
Ltd(以下「AHA社」という。)に対する投資1,340,416百
る具体的な記載を省略する。
万円が含まれており、総資産の46.7%を占めている。
市場価格のない関係会社株式は、その実質価額が著しく
低下した場合には、回復可能性が十分な証拠によって裏付
けられる場合を除き、評価損の認識が必要となる。
AHA社は、オセアニア事業に属する子会社を統括する持
株会社であり、アサヒグループホールディングス株式会社
では、AHA社株式の評価にあたり、同事業の将来の超過収
益力を反映した価額で実質価額を算定している。当該実質
価額を帳簿価額と比較した結果、実質価額が著しく低下し
ていないため、評価損の認識は不要と判断している。
この超過収益力の評価に関連して、連結財務諸表上、当
該のれんについて、年次の減損テストが行われている(連
結財務諸表に関する監査上の主要な検討事項「オセアニア
事業に関するのれんの評価」参照)。減損テストにおける
処分コスト控除後の公正価値の測定に用いる将来キャッ
シュ・フローは、経営者により承認された同事業の事業計
画及び事業計画が対象とする期間後は成長率を基礎として
見積もられる。当該見積りには、将来の売上収益の増加及
び事業計画の対象期間後の成長率といった主要な仮定が用
いられているが、これらは、オセアニアの事業環境や競業
状況の変化等による影響を受けるため、高い不確実性を伴
い、また、経営者の判断が当該見積りに重要な影響を与え
る。
また、公正価値の測定に用いる割引率の見積りにおいて
は、計算手法及びインプットデータの選択にあたり、評価
に関する高度な専門知識を必要とする。
以上から、当監査法人は、AHA社に対する投資持分の評
価が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であ
り、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以
外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任
は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内
容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財
務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要
な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告す
ることが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
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有価証券報告書
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示
することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が
必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評
価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要があ
る場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がな
いかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにあ
る。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影
響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立
案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査
証拠を入手する。
・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施
に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関
連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継
続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付け
る。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚
起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見
を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の
事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうか
とともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を
適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の
重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並
びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合
又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項
を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されて
いる場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合
理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報>
報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。
利害関係
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
(注)1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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