焼津水産化学工業株式会社 意見表明報告書
提出書類 | 意見表明報告書 |
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提出日 | |
提出者 | 焼津水産化学工業株式会社 |
カテゴリ | 意見表明報告書 |
EDINET提出書類
焼津水産化学工業株式会社(E00475)
意見表明報告書
【表紙】
【提出書類】 意見表明報告書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2024年2月6日
【報告者の名称】 焼津水産化学工業株式会社
【報告者の所在地】 静岡県焼津市小川新町五丁目8番13号
【最寄りの連絡場所】 静岡県焼津市小川新町五丁目8番13号
【電話番号】 (054)202-6030
【事務連絡者氏名】 執行役員 経営統括本部長 中島正民
焼津水産化学工業株式会社
【縦覧に供する場所】
(静岡県焼津市小川新町五丁目8番13号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
(注1) 本書中の「当社」とは、焼津水産化学工業株式会社をいいます。
(注2) 本書中の「公開買付者」とは、Jump Life株式会社をいいます。
(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和
と必ずしも一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書の提出に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、法で定められた手続き及び情報開示
基準に従い実施されるものです。
(注6) 本書中の「株券等」とは、株式等に係る権利をいいます。
(注7) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又
は日時を指すものとします。
(注8) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)
第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
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1 【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】
名称 Jump Life株式会社
所在地 静岡県静岡市清水区由比北田114番地の1
(同所は登記上の本店所在地であり、実際の業務は東京都中央区日本橋2丁目11番2号太陽生命ビル21階で
行っているとのことです。)
2 【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】
普通株式
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
(1) 本公開買付けに関する意見の内容
当社は、2024年2月5日付の取締役会決議により、下記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記
載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては本公開
買付けへの応募を推奨する旨を決定いたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避する
ための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監
査等委員を含む。)全員の承認」に記載の方法により決議されております。
(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた
説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、いなば食品株式会社(以下「いなば食品」といいます。)が発行済株式の全てを所有する株式会
社であり、当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得、所有し、当社の事業を支配及
び管理することを主たる目的として、2024年1月23日に設立されたとのことです。
いなば食品は、昭和23年に設立され、事業セグメントとして、いなばライトツナ等を商品とする食品事業、業
務用食品・冷凍食品販売事業を営んでいるとのことです。いなば食品は、持株会社である株式会社いなば(以下
「いなば」といいます。)が完全親会社であるとのことです。
いなばは、2024年2月5日時点で、子会社27社の企業集団を形成し(以下「いなばグループ」といいます。)、
いなばグループは、その理念として「独創と挑戦」を掲げ、日本、米国、韓国、中国、タイ及び欧州において事
業を展開しているとのことです。
なお、いなばグループは、INBホールディングス株式会社(以下「INBホールディングス」といい、INBホール
ディングスと公開買付者を「公開買付者ら」と総称します。)が持株会社でしたが、本書提出日現在において、い
なばが持株会社機能を有しているとのことです。
いなばグループにおける2022年度の連結売上高は108,800百万円、連結営業利益は6,300百万円、従業員は合計
4,060名であり、2023年2月には2023年度から2026年度までの中期経営計画を策定し、2026年度の連結売上高とし
て260,000百万円、連結営業利益として22,000百万円を掲げているとのことです。いなばグループには、その基幹
子会社として、いなば食品に加えて、いなばペットフード株式会社(平成9年設立)が存在し、同社はCIAOチュー
ル等を商品とするペットフード事業を営んでいるとのことです。
なお、本書提出日現在において、いなば食品は、当社株式を100株(所有割合0.00%)保有しているとのことで
す。また、いなば食品を除くいなばグループ各社は、本書提出日現在において、当社株式を所有していないとの
ことです。
今般、公開買付者は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上
場している当社の発行済株式のうち、当社が所有する自己株式を除いた当社株式の全て(11,442,256株、所有割合
100%(注))を取得及び所有することにより、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的とした取引(以下
「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施するとのことです。
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(注) 当社が2024年2月5日に提出した「2023年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社
第3四半期決算短信」といいます。)に記載された2023年12月31日現在の発行済株式総数(11,450,398株)か
ら、当社第3四半期決算短信に記載された当社の保有する自己株式数(但し、同日現在の監査等委員でない
取締役(社外取締役を除きます。)を対象とする株式報酬制度に係る信託が所有する当社株式(68,384)株を
除きます。以下同じです。)(8,142株)を控除した株式数(11,442,256株(以下「自己株式控除後発行済株式
総数」といいます。))に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいい、以下同じとし
ます。
本公開買付けに関連して、公開買付者は、エスエスケイフーズ株式会社(以下「エスエスケイフーズ」といいま
す。)(本書提出日現在における所有普通株式数1,285,800株、所有割合11.24%。筆頭株主(注))、静岡塩業株式会
社(以下「静岡塩業」といいます。)(本書提出日現在における所有普通株式数30,000株、所有割合0.26%)、株式会
社ベルキャリエール(以下「ベルキャリエール」といいます。)(本書提出日現在における所有普通株式数23,600
株、所有割合0.21%)(以下、エスエスケイフーズ、静岡塩業及びベルキャリエールを総称して「鈴与グループ」、
個別に「鈴与グループ各社」といいます。鈴与グループが保有する本書提出日現在における当社株式の合計所有
普通株式数1,339,400株、当該合計における所有割合11.71%。以下「応募合意株式」といいます。)との間で2024
年2月5日付で公開買付応募契約をそれぞれ締結し、鈴与グループ各社から、応募時点で所有する当社株式の全
て(本書提出日現在における合計所有普通株式数1,339,400株、当該合計に係る所有割合11.71%)について、本公開
買付けに応募する旨の合意を得ているとのことです。これらの契約の詳細については、下記「(7) 本公開買付け
に係る重要な合意に関する事項」の「①公開買付者と鈴与グループ各社との間における本公開買付けへの応募に
係る契約」をご参照ください。
(注) 当社の株主の順位に関しては、当社が2023年11月10日に提出した第65期第2四半期報告書の「第一部 企業
情報」の「第3 提出会社の状況」の「1 株式等の状況」の「(5) 大株主の状況」に記載の株式数を元に
記載をしています。以下同じです。
また、下記「⑥ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)当社における意
思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、2024年1月31日に、株式会社シティインデックスイレブンス
(所有普通株式数100株、所有割合0.00%)(以下「シティインデックスイレブンス」といいます。)、株式会社南青
山不動産(所有普通株式数1,122,700株、所有割合9.81%。第2位の株主)及び株式会社エスグラントコーポレー
ション(所有普通株式数62,900株、所有割合0.55%)(以下、シティインデックスイレブンス、株式会社南青山不動
産及び株式会社エスグラントコーポレーションを「シティインデックスイレブンスら」と総称します。シティイ
ンデックスイレブンスらが保有する本書提出日現在における当社株式の合計所有普通株式数1,185,700株、当該合
計に係る所有割合10.36%)から、シティインデックスイレブンスらが保有している当社株式の全てについて、公開
買付者が公開買付価格を1株当たり1,350円以上として本公開買付けを開始した場合、本公開買付けに係る公開買
付期間(以下「公開買付期間」といいます。)中に、市場での売却又は本公開買付けへの応募を通じて処分する旨
の意向を確認しています。
本公開買付けにおいて、公開買付者は、7,628,200株(所有割合66.67%)を買付予定数の下限と設定しており、本
公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の合計が買付予定数の下限に満たない場合
は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。買付予定数の下限は、自己株式控除後発行済株式総
数(11,442,256株)に係る議決権の数(114,422個、1単元(100株)未満に係る数を切り捨てています。)の3分の2
(小数点以下を切り上げ)に相当する議決権の数(76,282個)に当社株式1単元(100株)を乗じた株式数(7,628,200
株)としているとのことです。公開買付者がかかる買付予定数の下限(7,628,200株)を設定したのは、本公開買付
けは当社株式を非公開化することを目的としているところ、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわ
ゆる二段階買収に関する事項)」のとおり、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社
法」といいます。)第180条に基づく当社株式の併合の手続を実施する場合には、会社法第309条第2項に規定する
株主総会における特別決議が要件とされているためであり、公開買付者単独において特別決議を成立させること
ができるように設定したとのことです。また、当該株式数は、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主の皆
様が所有する当社株式の数の過半数、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」
を充足する株式数となるとのことです。
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他方、上記のとおり、本公開買付けは、公開買付者が当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きま
す。)を取得することを企図しているため、買付予定数の上限は設けておらず、買付予定数の下限(7,628,200株、
所有割合66.67%)以上の応募があった場合は、応募株券等の全ての買付け等を行うとのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの本公開買付けにより当社株式の全て(但し、当社が所有する自己
株式を除きます。)を取得できなかった場合には、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段
階買収に関する事項)」に記載のとおり、本公開買付け終了後に、公開買付者が当社株式の全て(但し、当社が所
有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とするための手続の実施を要請する予定
とのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けを含む本取引に要する資金を、いなば食品におい
て、株式会社静岡銀行(以下「静岡銀行」といいます。)から借入れた上で(以下「本銀行融資」といいます。)、
本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日前までに、いなば食品が公開買付者に貸付けを行うことにより賄う
ことを予定しており、かかる資金をもって、本公開買付けの決済に要する資金に充当する予定とのことです。な
お、本銀行融資に係る融資条件の詳細は、いなば食品が静岡銀行と別途協議の上、本銀行融資に係る融資契約に
おいて定めることとされているとのことです。
② 当社を取り巻く事業環境、当社の経営課題
当社は、カツオやマグロなど魚の町として全国的に有名な静岡県焼津市にて、今から60年以上前の1959年3月
に設立されました。当時は、焼津市内の鰹節工場などで加工時に頭や内臓、骨などの副産物が大量に発生してお
りましたが、その殆どは利用されず廃棄されており、その際の悪臭や水質汚濁などが問題となっておりました。
これらの問題解決を目的としてスタートした当社は、設立当時は、水産物の加工時に発生する副産物を有効活用
した飼肥料向けのフィッシュソリブル及び肝油の製造を主な事業としておりましたが、設立後まもなく、より付
加価値の高いエキス調味料の製造に方針を転換しました。その後、調味料原料製造で培った天然素材から美味し
さを抽出する技術をベースに、天然調味料や乾燥食品へと製造の幅を広げていきました。1980年以降には機能性
素材の開発を本格的に開始し、カニ殻からキチン、キトサンを精製し、販売を始めました。これらを出発点にキ
チンオリゴ糖、N-アセチルグルコサミンの製造を開始し、現在では、これらの技術を生かして海洋性のアンセ
リンやコラーゲンなどの機能性新素材を世に送り出し、日本の高度成長期以降の加工食品マーケットの拡大や高
齢化に伴う健康志向の高まりと共に成長してまいりました。当社製品は、各種食品メーカーや健康食品メーカー
に原料素材として利用いただいており、設立以来60年を超える歴史の中で、その製造技術を磨いてまいりまし
た。当社は「天然素材の持つ無限の可能性を追求し、“おいしさ”と“健康”を通して豊かな生活に貢献しま
す」を企業理念としており、原料素材メーカーとして、多くの方の豊かな食生活の一助となるような事業活動を
通じて、企業価値の向上を図っております。
当社株式は、1988年11月に社団法人日本証券業協会東京地区協会及び名古屋地区協会に天然調味料業界の企業
として初めて店頭登録し、1992年9月に株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)市
場第二部に上場しました。その後、2000年9月に東京証券取引所市場第二部に追加上場し、2001年3月には東京
証券取引所市場第一部及び名古屋証券取引所市場第一部(但し、2006年1月に名古屋証券取引所市場第一部上場廃
止)に指定替えとなりました。直近では、2022年4月の東京証券取引所における新市場区分への移行を経て、本書
提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しております。
食品業界は、国内の人口減少や少子高齢化に伴う市場規模の縮小、気候変動による天然素材の安定調達不安な
ど厳しい環境下にあると認識しております。国内市場規模の縮小は今後も見込まれていることから、新たな市場
を開拓することが重要な経営課題であると認識しており、また、安定した事業運営のために、個体数の減少や魚
体の縮小に起因する漁獲高の減少に伴う原料の調達懸念を調達先の多様化により極小化することも重要な経営課
題であると認識しております。また、消費者向け製品の多様化や差別化がより一層促進されていることから、原
料素材メーカーとして、消費者ニーズの多様化に対応可能な体制構築が求められております。一方、国外では
ASEANをはじめとするアジア諸国の経済が引き続き拡大していくことが予想され、日本食の拡大と健康志向の高ま
りをみせており、上記のとおり国内市場の規模の縮小が見込まれている状況においては、アジア諸国の旺盛な需
要を取り込むことが当社の事業規模の拡大において重要であると認識しております。
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こうした状況も踏まえて、当社は2022年5月23日付で「価値創造の加速」をビジョンとした2025年3月までの
3ヵ年中期経営計画を公表し、①安全・安心の向上、②国内事業(調味料、機能性)の強化、③海外展開の加速、
④新たな事業分野の創出の4つを基本戦略として事業運営を行ってまいりました。具体的には、①安全・安心の
向上においては、原料開発の強化、各国への輸出規制に対する取り組みにより、新たな価値創造に適合する品質
保証体制の確立を目指しております。②国内事業(調味料・機能性)の強化においては、調味料事業については、
新たな地域からの原料調達や、昆布・エビ分野に集中した商品投入、DXを活用した生産性の進化、成長著しい中
食市場に向けた設備導入などの方策により当該事業分野におけるシェアを拡大し、食シーンの多様化に貢献でき
る天然調味料メーカーへの進化を図っております。また、機能性食品事業については、戦略的な知的財産権の取
得を基盤として、マーケットイン(注1)によるオリジナル素材の積極的な商品投入により、健康訴求領域(注2)
の拡大を図り、独自の製造技術を活用した受託生産の拡大にも積極的に取り組んでおります。③海外展開の加速
においては、海外売上増加に向け、ASEANと米国の拠点開設に向けた積極投資を行い、海外市場に当社ブランドを
浸透させることを目指しております。④新たな事業分野の創出においては、他社との積極的な協業も視野に入
れ、調味料、機能性に続く新たな事業確立を目指し、2021年に出資したフードテック特化型ファンド「食の未来
ファンド」の投資先企業の情報を共有し、当社の持つ開発・製造・販売ノウハウと融合していくことで、新たな
価値創造を加速させ、事業領域の拡大に取り組んでおります。
(注1) 「マーケットイン」とは、消費者がより必要とするモノを提供するという考え方で、顕在化している顧
客ニーズへの適合を優先し、そのニーズに答えるための商品開発を行う方法です。
(注2) 「健康訴求領域」とは、体組成やひざ関節の悩みの改善、尿酸値を低下させるといった健康の維持や向
上に関与する生体調節機能を持つ食品の領域であり、主に機能性表示食品向けの素材及びそれを利用し
た食品を製造する事業です。
当社はこれら4つの基本戦略を軸に企業価値の向上を図ってまいりましたが、従前より認識していた国内人口
の減少・少子高齢化に伴う市場縮小に加えて、当社の事業基盤である水産資源の減少や昨今の原材料高、エネル
ギー価格の高騰など、当社を取り巻く経営環境は一層厳しさを増しております。また、原材料高やエネルギー価
格の高騰などを補う目論見で実施していた価格改定についても、原材料高やエネルギー価格の高騰が継続する
中、断続的な値上げについて顧客からの理解が得られにくくなっており、交渉が想定どおりに進捗しない状況が
当社業績の一時的な下押し要因となっております。このような状況を踏まえ、2023年8月4日付「中期経営計
画~ビジョン「価値創造の加速」~の見直しに関するお知らせ」において2025年3月期の定量目標を取り下げ、
2027年3月期の定量目標である「連結売上高15,006百万円、連結営業利益495百万円及びROE1.9%」を新規で策定
の上、公表しております。上記のような厳しい経営環境の中で、中長期的な企業価値向上を実現するためには、
更なる大胆な経営改革が必要だと認識しております。具体的には、当社事業の強化に必要な設備投資をより迅速
に行うことや、市場拡大が想定される中食・外食向けの商品開発体制の構築及び商品開発の加速、旺盛な需要が
期待できる海外展開の加速、事業運営上重要である天然由来の水産系原材料の仕入れ体制を強化する観点での垂
直統合、当社の企業価値向上に資する企業との提携等が必要だと考えております。
また、このような状況と並行して、当社は、2019年8月頃より、断続的に非公開化を含めた当社の資本施策や
企業価値向上に向けた経営資源の最適配分などについて議論してまいりました。2020年2月には、東京証券取引
所から市場区分の見直しに関する概要が公表され、2021年度中に新市場区分の選択が必要となり、当社内でも経
営資源の最適配分や上場企業であることの意義等、新市場区分選択に関する議論がなされ、その際にも非公開化
は選択肢のひとつとして議論されておりました。当該市場区分見直しにおいて、当社は最終的に東京証券取引所
スタンダード市場への移行を選択し、現在に至りますが、非公開化を含めた資本施策は当社の経営課題となって
いました。
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③ 当社が前回公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
上記「② 当社を取り巻く事業環境、当社の経営課題」に記載のとおり、市場規模の縮小や原料調達への懸念
といった経営環境が厳しさを増す状況の下、当社は、2023年3月下旬、当社が今後も成長し、中長期的に企業価
値を高めていくためには、当社の企業価値向上のための取り組みに対して付加価値を提供し、当社の中長期的な
成長を促進してくれることが期待できる戦略的パートナーの下、当社株式を非公開化し、株式市場からの短期的
な業績期待に左右されない状況下で、十分な事業投資を行い、かつ大胆な経営改革を行うことが経営上の合理的
な選択肢であるという考えに至り、戦略的パートナーの探索を開始することにいたしました。具体的には、2023
年4月上旬より、当社は戦略パートナーとなり得る事業会社や投資ファンドとの間で非公開化を含む当社の成長
戦略の可能性について議論を開始いたしました。また、戦略的なパートナーの探索に際して、2023年3月下旬に
森・濱田松本法律事務所をかかる取引に関するリーガル・アドバイザーに、同年5月上旬にフロンティア・マネ
ジメント株式会社(以下「フロンティア・マネジメント」といいます。)を当該取引に関するファイナンシャル・
アドバイザーに、それぞれ選任いたしました。
また、前回公開買付け(2023年8月4日に株式会社YJホールディングス(以下「前回公開買付者」といいま
す。)が公表した、東京証券取引所スタンダード市場に上場している当社株式の全て(但し、当社が所有する自己
株式を除きます。)を取得することにより、当社を完全子会社化することを目的とした一連の取引(以下「前回取
引」といいます。)の一環として実施された公開買付けをいいます。以下同じです。)はいわゆるマネジメント・
バイアウト(MBO)(注)や支配株主との取引等には該当しないものの、前回取引が当社を前回公開買付者の完全
子会社とすることを目的としており当社の一般株主に大きな影響を与えること等を踏まえて、当社は、前回取引
に係る手続の公正性を担保することにより、前回取引に係る取引条件の公正性を確保する観点から、当社の特別
委員会(以下「前回特別委員会」といいます。)を設置し、(a)前回取引を実施することの是非(前回取引が公開買
付けにより行われる場合には、前回公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社株主に
対して前回公開買付けへの応募を推奨するべきか否か)を検討し、当社取締役会に勧告を行うこと、なお、(a)の
検討に際しては、①当社の企業価値の向上に資するか否かの観点から、前回取引の是非について検討・判断する
とともに、②当社の一般株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性について検討・判断す
るものとすること、及び、(b)当社取締役会における前回取引についての決定が、当社の少数株主にとって不利益
なものでないかについて検討し、当社取締役会に意見を述べること(以下「前回委嘱事項」といいます。)を委嘱
いたしました。
(注) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、公開買付者が当社の役員である公開買付け(公開買付者が当
社の役員の依頼に基づき公開買付けを行う者であって当社の役員と利益を共通にする者である公開買付け
を含みます。)をいいます(東京証券取引所の有価証券上場規程第441条参照)。
その後、当社は、当社による戦略的パートナーとして3社の投資ファンド及び1社の事業会社に対して本取引
に関する提案の打診を行い、当該打診に応じて前回取引に関心を示した投資ファンド2社を対象として、第一次
入札プロセスを実施し、2023年6月下旬に、当該2社から前回取引に関する意向表明書を受領いたしました。当
社は、受領した意向表明書の内容について、株式価値評価額、資金調達の確実性、本取引実施後の経営方針及び
その支援施策等の観点から慎重に検討を行い、前回特別委員会の承認を受けた上で、第二次入札プロセスに進む
候補者としてJ-STAR株式会社(以下「J-STAR」といいます。)を選定し、当該候補者に対して詳細な
デュー・ディリジェンスの機会を与え、法的拘束力のある最終意向表明書を提出することを求めることといたし
ました。
その後、J-STARによる当社へのデュー・ディリジェンスを経て、2023年7月下旬に当社はJ-STAR
から第二次意向表明書を受領いたしました。前回特別委員会は、株式価値評価額、前回取引実施後の経営方針及
びその他支援施策等の観点から総合的に検討した結果、株式価値127億円、公開買付価格1株当たり1,110円とい
う提案を含むJ-STARの提案を検討することが最善であるとの結論に至りました。
その上で、当社は、フロンティア・マネジメントによる当社の株式価値の試算結果、当社ビジネスの将来見通
し、過去の類似する取引において付与されたプレミアムの実例、及び買付価格を前提として算出したPBR等を総合
的に勘案の上、前回特別委員会の意見も踏まえて、前回公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付等の価格
(以下「前回公開買付価格」といいます。)についてJ-STARと交渉を行い、2023年8月2日、J-STAR
との間で前回公開買付価格を1,137円とすることに合意いたしました。
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以上の経緯のもと、当社は、フロンティア・マネジメントより取得した2023年8月3日付株式価値算定書(以下
「前回株式価値算定書」といいます。)及び森・濱田松本法律事務所から得た法的助言を踏まえつつ、前回特別委
員会における検討及び前回特別委員会から提出を受けた2023年8月3日付答申書の内容を最大限尊重しながら、
前回取引に関する諸条件について企業価値向上の観点から慎重に検討を行いました。
その結果、当社は、前回公開買付者とともに前回取引を実施することにより、株式市場からの短期的な業績期
待に左右されない状況下で、十分な事業投資を行い、かつ大胆な経営改革を行うことが可能になると考えたこと
に加え、以下の観点から、前回取引は企業価値向上に資すると判断いたしました。
(ア) J-STARが保有する経営資源を活用した海外展開の加速
現在、当社が主戦場としている国内市場は、今後も国内人口減少に伴い、市場規模が縮小していくことが想
定されており、当社の中長期的な企業価値向上には海外売上高の増加が必要不可欠であると考えられるとこ
ろ、当社の経営資源に限りがある中、J-STARが運営するファンドの投資家であるアジア・欧米・中東圏
など多くの海外投資家と構築している幅広いネットワークやJ-STARの投資先が海外における原料調達や
拠点展開を進める中で獲得してきた海外マーケットに関する知見といった経営資源を有効活用することで、当
社の課題である海外展開を加速することができると考えられたこと。
(イ) 業界再編(M&A)によるスケールメリットの享受
天然調味料や機能性素材を開発、製造、販売する同業他社は国内に複数存在しており、特に国内市場におい
ては国内人口減少に伴う市場規模縮小という同様の課題を抱えていると想定されるところ、J-STARの知
見を活用しながら、同業他社との資本業務提携等を加速し、開発、製造、販売などの分野でスケールメリット
を享受可能な体制を構築できると考えられたこと。
(ウ) J-STAR投資先企業とのシナジー追求
J-STARは、株式会社ダイニチ、株式会社小島水産、株式会社食縁フードテックなど複数の水産系企業
に投資をしており、これらの企業とは主に原料調達の観点でシナジーが見込めると考えられたこと。また、J
-STARは、株式会社ホットパレット、株式会社越後屋など外食企業に対しても投資を行っており、これら
の企業における商品開発において当社製品を活用すること等によるシナジーが見込めると考えられたこと。
(エ) 経営管理体制の強化
当社は上場企業として十分な経営管理を行ってきたと自負しているものの、J-STARは多様な企業への
投資経験を通じて、経営管理体制に関する豊富な知見を有していると考えており、その知見を当社へ導入し、
経営管理指標を整備し、DXを活用した生産性向上を加速することで、収益性、生産性の更なる向上が見込める
ものと考えられたこと。
(オ) 経営資源の最適配置
近年のコーポレートガバナンス・コードの改訂、資本市場に対する規制の強化等により、金融商品取引法上
の有価証券報告書等の継続開示に要する費用、監査法人への報酬や証券代行費用等、上場を維持するために必
要な人的・金銭的コストは増加を続けており、当社の事業規模・人員規模を踏まえた場合、相当の負担となっ
てきているところ、前回取引を通じて、当社株式が非公開化された際には、IR対応に割いていた人的・金銭的
リソースを事業戦略の実行へと集中させることができ、企業価値の向上を図ることが可能になると考えられた
こと。
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なお、当社としては、上記を含めたJ-STARとの協業により実行可能となる各施策には多額の先行投資を
要するものも含まれているところ、各施策が業績に寄与するまでには相応の時間を要することも見込まれ、施策
実行には失敗のリスクも内在するため、一時的には収益及びキャッシュ・フローのマイナスを招く可能性がある
と考えておりました。他方で、上場企業である以上、短期的な業績に対してもコミットメントが求められる中、
各施策実行の過程で中長期的な成長を優先する意思決定を行った結果、資本市場から十分な評価が得られず、当
社株式の株価の下落が生じ、既存株主の利益を損なう可能性があると考えておりました。そのため、当社として
は、前回取引により当社株式を非公開化した上で、J-STARとの協業を実行していくことが必要であると判
断いたしました。
また、当社株式の非公開化により、当社は、資本市場からエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うこ
とができなくなり、また、上場会社であることに伴う社会的な信用の向上といったこれまで上場会社として享受
してきたメリットを喪失することになります。もっとも、当社の現在の財務状態を踏まえると、当面の間エクイ
ティ・ファイナンスの必要性は高くなく、また、当社の事業においては、食品安全等に関する規格認証を適切に
取得し維持することが信用力の確保として最も重要であり、上場企業であることに伴う社会的な信用力を理由に
取引している取引先は僅少だと考えており、上場会社であることによるメリットは大きくないことから、今後も
継続して当社株式の上場を維持する必要性は限定的であると考えました。
以上に加えて、当社は、前回公開買付価格について、フロンティア・マネジメントによる前回株式価値算定書
における当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価平均法による算定結果のレンジの上限を上回るもので
あり、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果のレンジの
範囲内のものであり、前回公開買付けの公表日(2023年8月4日)の前営業日である同年8月3日の東京証券取引
所スタンダード市場における当社株式の終値823円に対して38.15%、また、2023年7月4日から2023年8月3日ま
での過去1ヶ月の終値単純平均株価820円(小数点以下を四捨五入しています。以下、終値単純平均株価の計算に
おいて同じとします。)に対して38.66%、2023年5月8日から2023年8月3日までの過去3ヶ月の終値単純平均株
価823円に対して38.15%、2023年2月6日から2023年8月3日までの過去6ヶ月の終値単純平均株価852円に対し
て33.45%のプレミアムを加えたものであるところ、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した
2019年6月28日以降、前回公開買付けの公表日(2023年8月4日)までに公表された、公開買付けを利用して成立
した類似事例35件のプレミアム水準の中央値(公表日の前営業日の終値に対して32.99%、公表日の前営業日までの
過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して38.29%、公表日の前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対し
て40.57%、公表日の前営業日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して44.71%)と比較して遜色ない水準のプ
レミアムが付与された価格であること、前回公開買付けの公正性を担保するための措置が採られており、当社の
少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、前回公開買付けの公正性を担保するための措置が採
られた上で決定された価格であること等を踏まえて総合的に判断すると、前回公開買付価格は、妥当なものであ
り、前回公開買付けは当社の株主の皆様に対して合理的な株式売却の機会を提供するものであると判断いたしま
した。
なお、前回公開買付価格は、当社の2023年6月30日現在の連結簿価純資産から算出した1株当たり純資産額
(1,653円)を31%(小数点以下を四捨五入しています。)下回っているものの、純資産額は会社の清算価値を示すも
のであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値算定において重視するこ
とは合理的でないと考えました。また、同日現在の当社の連結貸借対照表において総資産に占める流動性の低い
資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品、土地建物といった固定資産)の割合が37.9%(小数点以下第二位
を四捨五入しています。)と相当程度存在すること、清算に際しては売上債権の早期回収に伴う費用・損失、工場
の閉鎖に伴う除去コスト、清算に伴う様々な追加コストが発生すると見込まれること等を考慮すると、仮に当社
が清算する場合にも、連結簿価純資産額が同額で換価されるわけではなく、現実的には当社の株主の皆様に対し
て分配することができる金額は連結簿価純資産額から相当程度毀損された金額になることが想定されることか
ら、前回公開買付価格が2023年6月30日現在の連結簿価純資産から算出した1株当たり純資産額を下回っている
ことをもって、前回公開買付価格の妥当性を否定する理由にはならないと考えました。
これらを踏まえ、当社は、2023年8月4日付の当社取締役会決議により、当社の意見として、前回公開買付け
に賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、前回公開買付けに応募することを推奨する旨の
決定をいたしました。
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④ 前回公開買付けの結果並びに公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の
過程
2023年8月7日に前回公開買付者が提出した前回公開買付けに係る公開買付届出書(2023年9月19日に前回公開
買付者が提出した前回公開買付けに係る公開買付届出書の訂正届出書を含みます。)に記載のとおり、前回公開買
付者は、2023年8月7日から2023年10月18日までを買付け等の期間とする前回公開買付けを実施しましたが、前
回公開買付けの開始以降、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の市場株価は2023年8月30日から
9月1日までの期間を除いて終値ベースで前回公開買付価格である1,137円を上回って推移(注)したこともあり、
2023年10月19日に前回公開買付者が提出した公開買付報告書に記載のとおり、前回公開買付けに応募された株券
等の数の合計は3,018,668株となり、買付予定数の下限(7,628,600株)に満たなかったため、前回公開買付けは不
成立となりました。
(注) 当社株式の市場株価の推移は、株式会社Quickが提供する当社株式に係る株価情報を参照しております。
なお、前回公開買付けの買付け等の期間内である2023年9月5日から同月26日までの間に、シティインデック
スイレブンスらから当社株式に係る大量保有報告書及びその変更報告書が複数回にわたって提出され、シティイ
ンデックスイレブンスらが、当社株式合計1,185,700株(所有割合10.36%)を取得したことが明らかとなりました。
また、これと前後する2023年8月下旬から9月上旬にかけて、当社は、当社の株主であるシティインデックスイ
レブンスらから、前回公開買付価格や前回公開買付けに係るプロセスについて、株主の利益の最大化という観点
から、当社における検討が十分ではなかったと考えている旨の連絡を複数回にわたって受けました。これに対し
て、当社は、2023年9月上旬から9月中旬にかけて、シティインデックスイレブンスらに対して、当社を取り巻
く事業環境や前回公開買付けに係るプロセスの公正性等について説明を行いましたが、シティインデックスイレ
ブンスらから前回公開買付けに対する賛同を得ることはできませんでした。
その後、当社は、前回公開買付けの結果も踏まえ、当社の企業価値向上のための施策について検討を行ってお
りましたが、当社を取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況にあることから、前回取引の実施を決定した際の当
社の考えに変更はなく、企業価値向上策の一つとして、当社の企業価値向上のための取り組みに対して付加価値
を提供し、当社の中長期的な成長を促進してくれることが期待できる戦略的パートナーの下、当社株式を非公開
化し、株式市場からの短期的な業績期待に左右されない状況下で、十分な事業投資を行い、かつ大胆な経営改革
を行うことが経営上の合理的な選択肢であると考えるに至り、2023年11月中旬に、戦略的パートナーの探索を再
度実施することを決定し、戦略的パートナーとなり得る事業会社や投資ファンドを探索する方法について検討を
開始いたしました。
かかる状況において、INBホールディングスは、いなばグループとこれまで取引関係があった当社から、2023年
12月1日、いなばグループによる当社株式の非公開化に関する提案の打診を受けるとともに当社株式の全ての取
得を伴う当社株式の非公開化の可能性に関して当社との間で協議を行い、同日、INBホールディングスは、当社に
対し、当社株式の非公開化を検討する旨を口頭にて回答したとのことです。上記の当社との協議を踏まえて、INB
ホールディングスは、2023年12月上旬より、当社株式の非公開化に関する取引に向けて検討を開始したとのこと
です。なお、2023年12月14日、INBホールディングスは、当社より、マーケット・チェックの観点より本取引は入
札の形式とすることとの連絡を受け、また、戦略的パートナーの1社として入札プロセス(以下「本入札プロセ
ス」といいます。)へ参加していただきたい旨の打診を受け、同日、当社に本入札プロセスに参加する旨を回答し
たとのことです。
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そして、INBホールディングスは、2023年12月上旬に、本取引の可能性についてEYストラテジー・アンド・コン
サルティング株式会社(以下「EY」といいます。)との間で意見交換を行い、2023年12月上旬から同年12月中旬に
かけて、EYとの間で本取引の可能性について更なる検討及び議論を重ねたとのことです。当該議論の結果、2023
年12月中旬に、いなばグループがこれまで当社から材料を買い付けてきたところ、本公開買付けにより当社を完
全子会社化することで、いなばグループと当社との間で従前より安定した材料の供給関係を構築し、また、当社
が供給するN-アセチルグルコサミンやキトサンを活用した新製品を開発することによる商品力の強化といった
いなばグループとのシナジーの可能性も期待できるとの認識に至ったことから、2023年12月中旬より当社の非公
開化について本格的な検討を行うこととしたとのことです。そして、INBホールディングスは、2023年12月中旬、
INBホールディングスのフィナンシャルアドバイザーとしてEYを選任し、財務面からの助言を、また、2023年12月
中旬、INBホールディングスの法務アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業を選
任し、法務面からの助言を受けることとしたとのことです。
その後、INBホールディングスは、2023年12月下旬から2024年1月下旬まで実施した、デュー・ディリジェンス
(以下「本件デュー・ディリジェンス」といいます。)を通じて、当社は海に由来する多様な原料の調達ルートを
有しており、FSSC22000(注)認証を取得した信頼性の高い工場で天然素材を抽出・精製・乾燥して調味料を製造す
る特許やノウハウを有していることが競争力の源泉になっていると理解したとのことです。また、INBホールディ
ングスは、当社が、機能性食品の素材の開発・製造にも注力しており、例えば、(ア)通常のグルコサミンと比べ
て、同じ量を摂取した場合、体内での利用効率が高いことで知られるN-アセチルグルコサミンや、(イ)日常的な
疲労感、肉体疲労を軽減する抗疲労作用及び尿酸値の上昇を抑制する作用があると言われており、新しい機能性
表示食品対応素材として注目されているアンセリン等の高付加価値商品を有しており、これらの商品も競合他社
との差別化要素になっていると理解したとのことです。
(注) 「FSSC22000」とは、Food Safety System Certification 22000の略であり、国際食品安全イニシアチブ
(Global Food Safety Initiative)によって承認された国際的な食品安全管理のためのシステム規格です。
加えて、INBホールディングスは、中長期的に「食」に関する国内市場が縮小傾向にあることに加えて、ビーガ
ンや代替肉、個食化など「食」に関して多様化が進む国内市場において、当社の従来の経営資源では対応が難し
くなっている状況と理解したとのことです。
そして、本件デュー・ディリジェンスを通じて、INBホールディングスは、いなばグループのペットフード事業
において、当社を完全子会社化することで、N-アセチルグルコサミンやキトサン等の質の高い機能性素材の安
定調達が可能となることに加えて、それらの機能性素材を活用した新製品の両社での共同研究開発及び海外事業
展開の上での協業が可能になると考え、また、2023年12月18日に当社より2024年1月15日を期限として意向表明
書の提出を求められていたことから、2023年12月下旬より、当社に対する当社株式の非公開化に関する意向表明
書(以下「本意向表明書」といいます。)の作成に向けた検討を本格的に開始したとのことです。加えて、INBホー
ルディングスは、本件デュー・ディリジェンスを通じて、これまで当社が構築してきた強みを活かして再成長を
目指すために、工場投資、中食・外食向けの商品開発、海外展開の促進、業界再編によるスケールメリットの追
求等を迅速に進めることが、当社の課題であると認識するに至り、当社に提出する意向表明書の中で、当社が直
面する課題の克服のために必要とINBホールディングスが認識する具体的な施策を提案することにしたとのことで
す。
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その後、INBホールディングスは、本件デュー・ディリジェンスの結果を踏まえて、当社に対し、2024年1月15
日、本公開買付けにおける公開買付価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を1,250円とすることを含む本意
向表明書を提出したとのことです。INBホールディングスは、当社株式に関する足元の株価が、前回公開買付けに
よる影響を受けていると考えたことから、プレミアムについては、前回公開買付けの公表日の前営業日以前の株
価対比で検討するべきと考えたとのことです。その観点から、上記の提案価格である1,250円は、前回公開買付け
の公表日(2023年8月4日)の前営業日である同年8月3日の当社株式の終値823円に対しては51.88%、2023年7月
4日から同年8月3日までの1ヶ月の終値単純平均株価820円に対しては52.44%、5月8日から8月3日までの
3ヶ月の終値単純平均株価823円に対しては51.88%、2月6日から8月3日までの6ヶ月の終値単純平均株価852
円に対しては46.71%のプレミアムとなるとのことです(小数点以下第三位を四捨五入しています。以下、プレミア
ム率の計算について他に取扱いを定めない限り同じです。)。
なお、本意向表明書の提出日の前営業日である2024年1月12日の当社株式の終値1,193円に対しては4.78%、
2023年12月13日から2024年1月12日までの1ヶ月の終値単純平均株価1,199円に対して4.25%、2023年10月13日か
ら2024年1月12日までの3ヶ月の終値単純平均株価1,195円に対して4.60%、2023年7月13日から2024年1月12日
までの6ヶ月の終値単純平均株価1,153円に対しては8.41%のプレミアムとなるとのことです。
また、INBホールディングスは、本意向表明書において、上記の当社が直面する課題についての具体的な施策と
して、以下を提案しており、これらを実行することで当社のさらなる企業成長を支援できるものと考えていると
のことです。
(ⅰ) 国内事業(調味料、機能性)の強化
いなばグループが国内市場で13.7%のシェア(2022年度の市場規模は約4,800億円)(注)を誇るという独自の強
みを持つペットフード市場において、当社の強みであるN-アセチルグルコサミンやキトサン等の機能性素材
を活用した商品の共同研究開発を実施し、製品化につなげることで両社の事業拡大を目指す方針とのことで
す。また、いなばグループは傘下に業務用食品を製造及び販売をする子会社を持ち、その販路を活用すること
で当社の調味料事業における中食・外食向け製品の販売強化をすることが実現できると考えているとのことで
す。
(注) 上記のいなばグループのペットフード市場におけるシェアと市場規模は、株式会社インテージのSRI+
(全国小売店パネル調査)を根拠としております。SRI+は、スーパーマーケット、コンビニエンススト
ア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より収集し
ている小売店販売データベースになります。以下同じです。
(ⅱ) 海外展開の加速
いなばグループの海外75か国での営業拠点や、ペットフード事業で培った獣医とのネットワークを活用し、
当社が中期経営計画で掲げる海外での販売強化を目指す方針とのことです。また、いなばグループは中国、タ
イに生産拠点を有しており、海外生産で培った知見を活かすことで当社の調味料事業におけるASEANでの
現地生産を支援することができると考えているとのことです。
(ⅲ) 新たな事業分野の創出
いなばグループでは、これまでM&Aにより6社がグループ入りしており、事業は冷凍食品製造業、ペット
フード製造業、飲料製造業、レトルト食品製造業、蒟蒻製品製造業と多様化しているとのことです。これらの
グループ企業と当社が連携することにより新事業分野の創出を進める方針とのことです。また、複数のM&A
で培った知見をもとに、当社におけるM&Aを活用した事業拡大についても支援することができると考えてい
るとのことです。
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そのような状況の中で、2024年1月17日、INBホールディングスは、当社から、本特別委員会(下記「⑥ 当社
が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」において定義します。以下同じです。)は、INB
ホールディングス及び投資ファンド1社からそれぞれ受領した意向表明書の内容について、みずほ証券株式会社
(以下「みずほ証券」といいます。)による当社株式の株式価値の試算結果も踏まえ、株式価値評価額、資金調達
の確実性、本取引実施後の経営方針及びシナジー効果等の観点から慎重に検討を行った結果、株式価値評価額を
14,218百万円、1株当たりの公開買付価格を1,250円とするINBホールディングスの提案が、当社が受領した提案
の中で最も高い株式価値評価額及び公開買付価格を提示するものであること並びに具体的なシナジーが想定され
当社の企業価値向上に資すると考えられること等の理由から、INBホールディングスと具体的な協議を進めること
とした旨を書面により受領したとのことです。
また、当該連絡と同時に、本特別委員会より、本意向表明書についての記載について、(ⅰ)想定する当社の経
営課題に対する支援内容、(ⅱ)いなばグループにとってのシナジー、(ⅲ)非公開化に伴う当社のディスシナ
ジー、(ⅳ)想定するスキームに関する質問書を受領し、2024年1月23日、INBホールディングスは当社に対して書
面での回答を行ったとのことです。なお、INBホールディングスは、上記質問に対し、(ⅰ)国内事業(調味料、機
能性)の強化、海外展開の加速、新たな事業分野の創出において、当社への支援が可能と考えていること、(ⅱ)
ペットフード事業において、当社を完全子会社化することで、N-アセチルグルコサミンやキトサン等の質の高
い機能性素材の安定調達が可能となることに加えて、それらの機能性素材を活用した新製品の両社での共同研究
開発及び海外事業展開の上での協業が可能になると考えていること、(ⅲ)一般に株式の非公開化に伴うデメリッ
トとしては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなること、また、
上場会社としての社会的な信用や知名度に影響を及ぼすことが考えられるが、当社は公募増資等の上場会社特有
の資金調達の実施は想定していないことに加え、当社はいなばグループの一員となることから、資金調達の必要
性に応じて親子ローンや出資が可能であること、また、INBホールディングスとして、当社の事業活動を通じて培
われたブランド力は上場廃止により悪影響が生じることはないと考えていること、(ⅳ)鈴与グループ各社及びシ
ティインデックスイレブンスらとの応募契約締結を想定しており、また、スクイーズアウトは反対株主の株式買
取請求権等が確保できないスキームは採用せず、本公開買付価格と同額で行う想定であることを回答したとのこ
とです。
一方、本公開買付価格について、2024年1月17日、INBホールディングスは、本特別委員会より、前回公開買付
け時における株主の動向や、前回公開買付けの公表後から現在までの当社の市場株価の推移に加え、みずほ証券
による当社株式価値の試算結果等を総合的に勘案し、一般株主の利益の確保の観点から、本公開買付価格の引き
上げの要請を受けたとのことです。
その後、INBホールディングスは、当社との交渉に加えて、鈴与グループ各社及びシティインデックスイレブン
スらと応募契約を締結すべく打診及び協議を開始し、まずは、2024年1月22日、INBホールディングスは、鈴与グ
ループの持株会社である鈴与ホールディングス株式会社(以下「鈴与ホールディングス」といいます。)に対し
て、本公開買付価格を1,250円とした鈴与グループ各社との応募契約締結の打診をし、同日、鈴与ホールディング
スより検討する旨の回答を受領したとのことです。その後、同年1月26日、INBホールディングスは、鈴与ホール
ディングスと本公開買付けの準備進捗状況及び応募契約に関する協議を実施し、同年1月29日に、鈴与ホール
ディングスより、鈴与グループ各社が応募契約を締結することについて応諾する意向である旨を受領したとのこ
とです。詳細な応募契約の内容については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「①公
開買付者と鈴与グループ各社との間における本公開買付けへの応募に係る契約」をご参照ください。
また、INBホールディングスは、当社とともに、2024年1月25日に、シティインデックスイレブンスらとの間で
面談を実施し、本取引を実施する目的、シティインデックスイレブンスらを株式交換完全親会社、当社を株式交
換完全子会社とする現金対価による株式交換を実施した後、当社の事業用資産を切り出して新パートナーに売却
すること(以下「本株式交換スキーム」といいます。)の是非及び本公開買付けへの応募の可否等について議論し
たとのことです。
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その後、INBホールディングスは、当社から、2024年1月30日、シティインデックスイレブンスらから示された
後述の意向を踏まえ、公開買付価格を1,350円以上に引き上げることの要請を受けたとのことです(同時に、INB
ホールディングスは、当社から、シティインデックスイレブンスらより、一般株主を含めた株主の利益の最大化
という観点を考慮し、公開買付者が公開買付価格を1株当たり1,350円以上として本公開買付けを開始した場合に
は、公開買付期間中に、シティインデックスイレブンスらが保有する当社株式の全部を市場での売却又は本公開
買付けへの応募を通じて処分する意向である旨の伝達を受けたとの説明を受けたとのことです。)。これに対し
て、INBホールディングス(2024年1月31日以降、いなばが持株会社機能を有することとなりましたが、本取引に
関する交渉権限は引き続きINBホールディングスに付与されているとのことです。以下同じです。)は、当社に対
して、2024年1月31日、公開買付価格を1,350円(前回公開買付け公表日(2023年8月4日)の前営業日である同年
8月3日の当社株式の終値823円に対して64.03%、7月4日から8月3日までの1ヶ月の終値単純平均株価820円
に対して64.63%、5月8日から8月3日までの3ヶ月の終値単純平均株価823円に対して64.03%、2月6日から8
月3日までの6ヶ月の終値単純平均株価852円に対して58.45%のプレミアム。また、提案日の前営業日である2024
年1月30日の当社株式の終値1,225円に対して10.20%、過去1ヶ月の終値単純平均株価1,200円に対して12.50%、
3ヶ月の終値単純平均株価1,188円に対して13.64%、6ヶ月の終値単純平均株価1,187円に対して13.73%のプレミ
アム)に引き上げる旨の連絡を行ったとのことです。INBホールディングスは、同日、当社から、シティインデッ
クスイレブンスらに対して当該連絡の内容を伝えたところ、シティインデックスイレブンスらより、当該価格で
本公開買付けが開始された場合、公開買付期間中に、シティインデックスイレブンスらが保有する当社株式の全
部を市場での売却又は本公開買付けへの応募を通じて処分する旨の意向を改めて確認したとの連絡を受けたとの
ことです。
なお、2024年2月2日、INBホールディングスは、当社の事業計画に対する検証を踏まえたキャッシュ・フロー
分析を最重視しつつ、当社の市場株価や過去の出来高(具体的には、過去10年間(2014年1月31日から2024年1月
30日まで)の出来高のうち、90%以上が本公開買付価格1,350円を下回り取引されていること)、過去の同種事例の
プレミアム(2020年12月1日から2023年11月30日までの3年間において公表された同種事例(上場会社の非公開化
を目的とした他の公開買付けの事例)144件のうち上位10%に相当する14件及び下位10%に相応する14件を除外した
116件に係るプレミアムの平均値(公表日の前営業日41.93%、1ヶ月間で44.76%、3ヶ月間で46.04%、6ヶ月間で
47.28%(小数点以下第三位を四捨五入)を参考にしているとのことです。なお、同種事例144件の単純平均値と中央
値の乖離が大きかったことを踏まえ、極端に大きな値及び小さな値を除外する目的から、プレミアムの平均値の
計算においては公表日の前営業日、1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間それぞれデータ数の上下10%に相当する14件を
除外した116件により算出をしているとのことです。)を総合的に勘案した上で、本特別委員会からの本公開買付
価格の引き上げの要請、並びにシティインデックスイレブンスらから示された意向を踏まえた当社からの本公開
買付価格を1,350円以上に引き上げる要請も踏まえ既存株主にとってのメリットについて検討した結果、本特別委
員会に対して公開買付価格を1,350円(前回公開買付けの公表日(2023年8月4日)の前営業日である同年8月3日
の当社株式の終値823円に対して64.03%、7月4日から8月3日までの1ヶ月の終値単純平均株価820円に対して
64.63%、5月8日から8月3日までの3ヶ月の終値単純平均株価823円に対して64.03%、2月6日から8月3日ま
での6ヶ月の終値単純平均株価852円に対して58.45%のプレミアム。また、提案日の前営業日である2024年2月1
日の当社株式の終値1,223円に対して10.38%、同日までの過去1ヶ月の終値単純平均株価1,203円に対して
12.22%、同日までの過去3ヶ月の終値単純平均株価1,189円に対して13.54%、同日までの過去6ヶ月の終値単純平
均株価1,194円に対して13.07%のプレミアム。)に引き上げる旨を当社に回答したとのことです。
その後、当社は、2024年2月2日、本特別委員会において協議を行い、当社ビジネスの将来見通し、本公開買
付価格の当社株式の市場株価に対するプレミアムの水準、過去の類似する取引(経済産業省が「公正なM&Aの在り
方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降2023年12月末までに公表された上場会社の非公開化を目的とし
た公開買付け事例(MBO事例、支配株主が関わる公開買付け事例、公開買付者の公開買付け前の議決権所有割合
が20%以上である事例、不成立、中止又は撤回となった事例を除く。)23件)において付与されたプレミアム水準
(プレミアムの中央値は、公表日の前営業日の終値に対して41.3%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に
対して40.6%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値に対して41.7%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純
平均値に対して53.0%)及び当社の大株主の意向等を総合的に勘案の上、同日、本公開買付価格を1,350円とするこ
とに応諾する旨をINBホールディングスに伝達いたしました。
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⑤ 本公開買付け後の経営方針
公開買付者らと当社の取締役の間では、本公開買付け後の役員就任について何らの合意も行っていないとのこ
とです。なお、本公開買付け実施後の当社の役員構成を含む経営体制の詳細については、本公開買付けの成立
後、当社と友好的に協議しながら決定していく予定とのことですが、協議内容によっては、将来的に取締役を派
遣する可能性があるとのことです。また、本公開買付け成立後の当社グループ(当社及び当社の子会社を総称して
いいます。以下同じです。)の従業員については、原則として現在の処遇を維持することを予定しているとのこと
です。
⑥ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
(ⅰ) 当社における意思決定の過程及び理由
上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 前回公開買付けの結果並びに公開買付者が
本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社は、前回公開
買付けの結果も踏まえ、当社の企業価値向上のための施策について検討を行っておりましたが、当社を取り巻
く経営環境は引き続き厳しい状況にあることから、前回取引の実施を決定した際の当社の考えに変更はなく、
企業価値向上策の一つとして、当社の企業価値向上のための取り組みに対して付加価値を提供し、当社の中長
期的な成長を促進してくれることが期待できる戦略的パートナーの下、当社株式を非公開化し、株式市場から
の短期的な業績期待に左右されない状況下で、十分な事業投資を行い、かつ大胆な経営改革を行うことが経営
上の合理的な選択肢であると考えるに至り、2023年11月中旬に、戦略的パートナーの探索を再度実施すること
を決定し、戦略的パートナーとなり得る事業会社や投資ファンドを探索することについて検討を開始いたしま
した。なお、当社は、戦略的パートナーの探索に際して、森・濱田松本法律事務所を引き続き本取引に関する
リーガル・アドバイザーとすることとしております。
なお、当社は、2023年11月中旬に、当社の株主であるシティインデックスイレブンスらから、当社が改めて
非公開化の実施を検討する場合には、公開された入札手続のもとで戦略的パートナーの探索を行うべき旨や、
マネジメント・バイアウト(MBO)の実施に関する検討を促す旨の申入れを受けました。
また、下記「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本
公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会
からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付けはいわゆるマネジメント・バイアウトや支配株主との取
引等には該当しないものの、本取引が当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としており当社の一般
株主に大きな影響を与えること等を踏まえて、当社は、本取引に係る手続の公正性を担保することにより、本
取引に係る取引条件の公正性を確保する観点から、当社の特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を
設置し、(a)本取引を実施することの是非(本取引が公開買付けにより行われる場合には、本公開買付けについ
て当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否か)
を検討し、当社取締役会に勧告を行うこと、なお、(a)の検討に際しては、①当社の企業価値の向上に資するか
否かの観点から、本取引の是非について検討・判断するとともに、②当社の一般株主の利益を図る観点から、
取引条件の妥当性及び手続の公正性について検討・判断するものとすること、及び、(b)当社取締役会における
本取引についての決定が、当社の少数株主にとって不利益なものでないかについて検討し、当社取締役会に意
見を述べること(以下「本委嘱事項」といいます。)を委嘱いたしました(本特別委員会の構成、本特別委員会に
付与した権限その他本特別委員会の活動内容等については、下記「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するた
めの措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社
における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。
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かかる状況において、当社は、従前から当社の取引先であったいなばグループについて、当社による原材料
の供給強化等を通じたシナジーが生じる可能性があるとの考えに基づき、2023年12月1日、INBホールディング
スに対して、当社株式の非公開化に関する提案の打診を行いつつINBホールディングスとの間で、当社株式の非
公開化の可能性に関して協議を行い、INBホールディングスより、口頭にて当社株式の非公開化を検討する旨を
受領しました。その結果、当社は、いなばグループについて、当社がいなばグループの傘下に入り、関係性を
強化することにより、いなばグループへの原材料の供給強化等を通じて、安定的な売上の拡大といったシナ
ジーが期待でき、当社の戦略的パートナーになり得ると考えたことから、2023年12月上旬、同社を戦略的パー
トナー候補の1社として、当社株式の非公開化に関する取引の実施可否や具体的なプロセスについて本格的に
検討を開始いたしました。
その一方で、当社は、当社株式の非公開化に際しては、当社の中長期的な企業価値向上の観点から最も適切
な戦略的パートナーを選定する必要があることに加え、本取引に係る手続の公正性を担保することにより、本
取引に係る取引条件の公正性を確保する必要があると考えたことから、当社の大株主であるシティインデック
スイレブンスらから2023年11月中旬に受けた上記の意見も踏まえて、戦略的パートナーの候補を幅広く募るた
め、本取引に係る入札手続を実施することといたしました。
なお、当社は、かかる入札プロセスの検討及び実施と並行して、2023年12月5日に、シティインデックスイ
レブンスらから、本株式交換スキームの検討を促す申入れを受けました。当社は、かかる取引について、当社
の企業価値向上に資するか否か及び当社の一般株主に対してどのような影響を及ぼすかという観点から継続し
て検討を行うことにいたしました。
その後、当社は、上記の入札プロセスを実施する方針のもと、2023年12月中旬に、本取引と同様に上場会社
を完全子会社とすることを目的とした取引において多数の実績を有しており、事業会社や投資ファンドに幅広
いネットワークを持つファイナンシャル・アドバイザーを起用することが本取引に係る手続の公正性の担保及
び当社の中長期的な企業価値向上に資すると考え、みずほ証券を本取引に関するファイナンシャル・アドバイ
ザーに選任いたしました。そして、当社は、INBホールディングスのほか、2023年12月中旬から下旬にかけて、
29社の事業会社及び9社の投資ファンドに対して本取引に関する提案の打診を行い、当該打診に応じて本取引
に関心を示した1社の事業会社及び2社の投資ファンドを対象として、2024年1月15日を期限として、本取引
に係る意向表明書の提出を求めることにいたしました。また、INBホールディングスに対しても、2023年12月18
日、当該入札手続の一環として、本取引に係る意向表明書の提出を求め、同日、INBホールディングスから本入
札プロセスに参加する旨の連絡を受領いたしました。
そのような状況の中で、当社は、2024年1月15日までに、INBホールディングス及び投資ファンド1社から意
向表明書をそれぞれ受領いたしました。その上で、本特別委員会は、受領した意向表明書の内容について、み
ずほ証券による当社株式の株式価値の試算結果も踏まえ、株式価値評価額、資金調達の確実性、本取引実施後
の経営方針及びシナジー効果等の観点から慎重に検討を行い、2024年1月17日、株式価値評価額を14,218百万
円、1株当たりの公開買付価格を1,250円とするINBホールディングスの提案が、受領した提案の中で最も高い
株式価値評価額及び公開買付価格を提示するものであること並びに具体的なシナジーが想定され当社の企業価
値向上に資すると考えられること等の理由から、INBホールディングスと具体的な協議を進めることが最善であ
るとの結論に至り、INBホールディングスに対して、具体的な協議を進める旨を書面により回答しました。
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また、合わせて、本特別委員会は、INBホールディングスに、本意向表明書についての記載について、(ⅰ)想
定する当社の経営課題に対する支援内容、(ⅱ)いなばグループにとってのシナジー、(ⅲ)非公開化に伴う当社
のディスシナジー、(ⅳ)想定するスキームに関する質問書を送付し、2024年1月23日、INBホールディングスは
当社に対して書面での回答を行いました。なお、INBホールディングスは、上記質問に対し、(ⅰ)国内事業(調
味料、機能性)の強化、海外展開の加速、新たな事業分野の創出において、当社への支援が可能と考えているこ
と、(ⅱ)ペットフード事業において、当社を完全子会社化することで、N-アセチルグルコサミンやキトサン
等の質の高い機能性素材の安定調達が可能となることに加えて、それらの機能性素材を活用した新製品の両社
での共同研究開発及び海外事業展開の上での協業が可能になると考えていること、(ⅲ)一般に株式の非公開化
に伴うデメリットとしては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなく
なること、また、上場会社としての社会的な信用や知名度に影響を及ぼすことが考えられるが、当社は公募増
資等の上場会社特有の資金調達の実施は想定していないことに加え、当社はいなばグループの一員となること
から、資金調達の必要性に応じて親子ローンや出資が可能であること、INBホールディングスとして、当社の事
業活動を通じて培われたブランド力は上場廃止により悪影響が生じることはないと考えていること、(ⅳ)鈴与
グループ各社及びシティインデックスイレブンスらとの応募契約締結を想定しており、また、スクイーズアウ
トは反対株主の株式買取請求権等が確保できないスキームは採用せず、本公開買付価格と同額で行う想定であ
ることを回答したとのことです。
一方、本公開買付価格については、2024年1月17日、当社は、INBホールディングスに対して、前回取引時に
おける株主の動向や、前回公開買付けの公表後から現在までの当社の市場株価の水準や推移に加え、みずほ証
券による当社株式価値の試算結果等を総合的に勘案し、一般株主の利益の確保の観点から、公開買付価格の引
き上げを要請いたしました。
その後、INBホールディングスは、当社との交渉に加えて、鈴与グループ各社及びシティインデックスイレブ
ンスらと応募契約を締結すべく打診及び協議を開始し、まずは、2024年1月22日、INBホールディングスは、鈴
与グループの持株会社である鈴与ホールディングス株式会社(以下「鈴与ホールディングス」といいます。)に
対して、本公開買付価格を1,250円とした鈴与グループ各社との応募契約締結の打診をし、同日、鈴与ホール
ディングスより検討する旨の回答を受領したとのことです。その後、同年1月26日、INBホールディングスは、
鈴与ホールディングスと本公開買付けの準備進捗状況及び応募契約に関する協議を実施し、同年1月29日に、
鈴与ホールディングスより、鈴与グループ各社が応募契約を締結することについて応諾する意向である旨を受
領したとのことです。詳細な応募契約の内容については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する
事項」の「① 公開買付者と鈴与グループ各社との間における本公開買付けへの応募に係る契約」をご参照く
ださい。
また、当社は、かかる検討と並行して、2024年1月23日に、シティインデックスイレブンスらとの間で面談
を実施し、本入札プロセスの概要を含む本取引の検討の経緯を説明いたしました。これに対して、同面談に同
席したシティインデックスイレブンスらのグループ会社の大株主である村上世彰氏からは、本入札プロセスに
ついて好意的な評価が示されるとともに、本取引を実施することをサポートする旨の意向が示されました。そ
れを受けて、INBホールディングス及び当社は、2024年1月25日に、シティインデックスイレブンスらとの間で
面談を実施し、本取引を実施する目的、2023年12月5日にシティインデックスイレブンスらから申入れを受け
た本株式交換スキームの是非及び本公開買付けへの応募の可否等について議論しました。なお、当社は、本株
式交換スキームについて、同スキームにおいても事業用資産の売却先となる戦略的パートナーの探索が必要に
なるところ、当社が実施した入札プロセスの結果、最善の戦略的パートナー候補であると判断したINBホール
ディングスとの間において、本公開買付け及び本スクイーズアウトを通じて当社を完全子会社化するスキーム
を検討していたことから、シティインデックスイレブンスに対し、本株式交換スキームではなく、当該スキー
ムによる本取引を実施したい旨を説明しました。
その後、当社は、2024年1月30日に、シティインデックスイレブンスらより、一般株主を含めた株主の利益
の最大化という観点を考慮し、公開買付者が公開買付価格を1株当たり1,350円以上として本公開買付けを開始
した場合には、公開買付期間中に、シティインデックスイレブンスらが保有する当社株式の全部を市場での売
却又は本公開買付けへの応募を通じて処分する意向である旨の伝達を受けました。
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これを受けて、当社は、2024年1月30日、INBホールディングスに対して、シティインデックスイレブンスら
から示された意向を説明した上、公開買付価格を1,350円以上に引き上げることを要請いたしました。これに対
して、当社は、INBホールディングスから、2024年1月31日、公開買付価格を1,350円(前回公開買付け公表日
(2023年8月4日)の前営業日である同年8月3日の当社株式の終値823円に対して64.03%、7月4日から8月3
日までの1ヶ月の終値単純平均株価820円に対して64.63%、5月8日から8月3日までの3ヶ月の終値単純平均
株価823円に対して64.03%、2月6日から8月3日までの6ヶ月の終値単純平均株価852円に対して58.45%のプ
レミアム。また、提案日の前営業日である2024年1月30日の終値1,225円に対して10.20%、2024年1月4日から
2024年1月30日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,200円に対して12.50%、2023年10月31日から2024年1月
30日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,188円に対して13.64%、2023年7月31日から2024年1月30日までの
過去6ヶ月間の終値単純平均値1,187円に対して13.73%のプレミアム)に引き上げる旨の連絡を受領したため、
同日、シティインデックスイレブンスらにその旨を伝達した上、シティインデックスイレブンスらから、当該
価格で本公開買付けが開始された場合には、公開買付期間中に、シティインデックスイレブンスらが保有する
当社株式の全部を市場での売却又は本公開買付けへの応募を通じて処分する旨の意向を改めて確認し、その旨
をINBホールディングスに伝えました。
なお、2024年2月2日、当社は、INBホールディングスから、当社の事業計画に対する検証を踏まえたキャッ
シュ・フロー分析を最重視しつつ、当社の市場株価及び過去の出来高(具体的には、過去10年間(2014年1月31
日から2024年1月30日まで)の出来高のうち、90%以上が本公開買付価格1,350円を下回り取引されているこ
と)、過去の同種事例のプレミアム(2020年12月1日から2023年11月30日までの3年間において公表された同種
事例(上場会社の非公開化を目的とした他の公開買付けの事例)144件のうち上位10%に相当する14件及び下位10%
に相応する14件を除外した116件に係るプレミアムの平均値(公表日の前営業日41.93%、1ヶ月間で44.76%、
3ヶ月間で46.04%、6ヶ月間で47.28%(小数点以下第三位を四捨五入)を参考にしているとのことです。なお、
同種事例144件の単純平均値と中央値の乖離が大きかったことを踏まえ、極端に大きな値及び小さな値を除外す
る目的から、プレミアムの平均値の計算においては公表日の前営業日、1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間それぞ
れデータ数の上下10%に相当する14件を除外した116件により算出をしているとのことです。)を総合的に勘案し
た上で、本特別委員会からの本公開買付価格の引き上げの要請、並びにシティインデックスイレブンスらの意
向を踏まえた当社からの本公開買付価格を1,350円以上に引き上げる要請も踏まえ既存株主にとってのメリット
について検討した結果、本特別委員会に対して公開買付価格を1,350円(前回公開買付けの公表日(2023年8月4
日)の前営業日である同年8月3日の当社株式の終値823円に対して64.03%、7月4日から8月3日までの1ヶ
月の終値単純平均株価820円に対して64.63%、5月8日から8月3日までの3ヶ月の終値単純平均株価823円に
対して64.03%、2月6日から8月3日までの6ヶ月の終値単純平均株価852円に対して58.45%のプレミアム。ま
た、提案日の前営業日である2024年2月1日の当社株式の終値1,223円に対して10.38%、同日までの過去1ヶ月
の終値単純平均株価1,203円に対して12.22%、同日までの過去3ヶ月の終値単純平均株価1,189円に対して
13.54%、同日までの過去6ヶ月の終値単純平均株価1,194円に対して13.07%のプレミアム)に引き上げる旨の回
答を受領しました。
その後、当社は、2024年2月2日、本特別委員会において協議を行い、当社ビジネスの将来見通し、本公開
買付価格の当社株式の市場株価に対するプレミアムの水準、過去の類似する取引(経済産業省が「公正なM&A
の在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降2023年12月末までに公表された上場会社の非公開化を
目的とした公開買付け事例(MBO事例、支配株主が関わる公開買付け事例、公開買付者の公開買付け前の議決
権所有割合が20%以上である事例、不成立、中止又は撤回となった事例を除く。)23件)において付与されたプレ
ミアム水準(プレミアムの中央値は、公表日の前営業日の終値に対して41.3%、同日までの過去1ヶ月間の終値
の単純平均値に対して40.6%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.7%、同日までの過去6ヶ
月間の終値単純平均値に対して53.0%)及び当社の大株主の意向等を総合的に勘案の上、同日、本公開買付価格
を1,350円とすることに応諾する旨をINBホールディングスに伝達いたしました。
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(ⅱ) 判断の内容
以上の経緯のもと、当社は、みずほ証券より取得した2024年2月2日付株式価値算定書(以下「本株式価値算
定書」といいます。)及び森・濱田松本法律事務所から得た法的助言を踏まえつつ、本特別委員会における検討
及び本特別委員会から提出を受けた2024年2月2日付答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限
尊重しながら、本取引に関する諸条件について企業価値向上の観点から慎重に検討を行いました。
その結果、当社は、公開買付者とともに本取引を実施することにより、株式市場からの短期的な業績期待に
左右されない状況下で、十分な事業投資を行い、かつ大胆な経営改革を行うことが可能になると考えたことに
加え、以下の観点から、本取引は企業価値向上に資すると判断いたしました。
(ア) ペットフード分野におけるシナジー
いなばグループは国内市場で、13.7%のシェア(2022年度の市場規模は約4,800億円)を有しており、当社が
製造するペットフード原料のいなばグループへの供給の増加が想定されます。また、当社が強みを持つ機能
性素材を活用し、いなばグループとの健康食品などの新製品の共同研究開発を進めることが可能と考えられ
ます。
(イ) 中食・外食向け商品の販売拡大
いなばグループは業務用食品の製造販売を行っており、全国の主要な食品卸、小売業者、給食、病院食、
中食、外食企業との取引を有しています。当社が目指す調味料分野における中食・外食向け製品の強化に関
し、いなばグループとの協業によって、いなばグループの業務用食品への当社製品の活用と新製品の開発、
及びいなばグループの販路を通じた当社製品の拡販が可能と考えられます。
(ウ) 海外展開の加速
当社は海外展開の拡大の一環として、ASEANや米国での販売・生産拠点の設立を目指しています。いなばグ
ループは欧米やASEANにおいて多くの販売拠点を有しており、いなばグループの販路を通じた当社製品の拡販
が可能と考えられます。また、いなばグループはタイに生産拠点を有しており、タイ国内での販売に加えて
周辺国への輸出を行っています。いなばグループがタイで培った製造や販売等の知見を活用することで、当
社のASEANにおける生産拠点設立の実現が加速すると想定されます。
(エ) M&Aを通じた事業拡大
いなばグループは、食品及びペットフード業界におけるM&Aを通して事業拡大、新技術の獲得、市場の開拓
等を実現してきた実績を持ち、いなばグループの企業と連携を行うことで、当社の新事業の創出が可能と考
えられます。また、いなばグループが培ったM&Aの知見を活用することで、当社の今後の事業拡大が見込める
ものと考えております。
なお、当社としては、上記を含めたいなばとの協業により実行可能となる各施策には多額の先行投資を要す
るものも含まれているところ、各施策が業績に寄与するまでには相応の時間を要することも見込まれ、施策実
行には失敗のリスクも内在するため、一時的には収益及びキャッシュ・フローのマイナスを招く可能性がある
と考えております。他方で、上場企業である以上、短期的な業績に対してもコミットメントが求められる中、
各施策実行の過程で中長期的な成長を優先する意思決定を行った結果、資本市場から十分な評価が得られず、
当社株式の株価の下落が生じ、既存株主の利益を損なう可能性があると考えております。そのため、当社とし
ては、本取引により当社株式を非公開化した上で、いなばとの協業を実行していくことが必要であると判断い
たしました。
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また、当社株式の非公開化により、当社は、資本市場からエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行う
ことができなくなり、また、上場会社であることに伴う社会的な信用の向上といったこれまで上場会社として
享受してきたメリットを喪失することになります。もっとも、当社の現在の財務状態を踏まえると、当面の間
エクイティ・ファイナンスの必要性は高くなく、また、当社の事業においては、食品安全等に関する規格認証
を適切に取得し維持することが信用力の確保として最も重要であり、上場企業であることに伴う社会的な信用
力を理由に取引している取引先は僅少だと考えており、上場会社であることによるメリットは大きくないこと
から、今後も継続して当社株式の上場を維持する必要性は限定的であると考えております。
以上に加えて、当社は、本公開買付価格について、下記「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措
置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社におけ
る独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されているみずほ証券による本株式価値算定
書における当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価基準法による算定結果のレンジの上限を上回るも
のであり、DCF法による算定結果のレンジの範囲内のものであること、前回公開買付けの公表後の市場株価
は公開買付価格の引上げや再度の公開買付け実施への期待の影響を受けている可能性があると判断したことか
ら、これを排除して、本公開買付価格は、前回公開買付けの公表日(2023年8月4日)の前営業日である同年8
月3日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値823円に対して64.03%、また、2023年7月4
日から2023年8月3日までの過去1ヶ月の終値単純平均株価820円に対して64.63%、2023年5月8日から2023年
8月3日までの過去3ヶ月の終値単純平均株価823円に対して64.03%、2023年2月6日から2023年8月3日まで
の過去6ヶ月の終値単純平均株価852円に対して58.45%のプレミアムを加えた価格であり、同種案件(経済産業
省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降2023年12月末までに公表された上
場会社の非公開化を目的とした公開買付け事例(MBO事例、支配株主が関わる公開買付け事例、公開買付者の
公開買付け前の議決権所有割合が20%以上である事例、不成立、中止又は撤回となった事例を除く。)23件)にお
いて付与されたプレミアム水準の中央値(公表日の前営業日の終値に対して41.3%、同日までの過去1ヶ月間の
終値の単純平均値に対して40.6%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値に対して41.7%、同日までの過
去6ヶ月間の終値単純平均値に対して53.0%)を上回るプレミアム水準であると評価できること、前回公開買付
けは不成立となったものの、本公開買付価格は前回公開買付価格よりも213円高い1,350円であること、本取引
に際しては、上記「(ⅰ)当社における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、合計で39社に対して提案の
打診を行っており、前回取引と比較してもさらに幅広く提案を募った上で、最も高い公開買付価格を提示した
候補者を選定していること、下記「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避す
るための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するた
めの措置が採られており、当社の少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、本公開買付けの
公正性を担保するための措置が採られた上で決定された価格であること等を踏まえて総合的に判断すると、本
公開買付価格は、妥当なものであり、本公開買付けは当社の株主の皆様に対して合理的な株式売却の機会を提
供するものであると判断いたしました。
なお、本公開買付価格は、当社の2023年12月31日現在の連結簿価純資産から算出した1株当たり純資産額
(1,657円)を19%(小数点以下を四捨五入しています。)下回っているものの、純資産額は会社の清算価値を示す
ものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値算定において重視す
ることは合理的でないと考えております。また、同日現在の当社の連結貸借対照表において総資産に占める流
動性の低い資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品、土地建物といった固定資産)の割合が39.1%(小数
点以下第二位を四捨五入しています。)と相当程度存在すること、清算に際しては売上債権の早期回収に伴う費
用・損失、工場の閉鎖に伴う除去コスト、清算に伴う様々な追加コストが発生すると見込まれること等を考慮
すると、仮に当社が清算する場合にも、連結簿価純資産額が同額で換価されるわけではなく、現実的には当社
の株主の皆様に対して分配することができる金額は連結簿価純資産額から相当程度毀損された金額になること
が想定されることから、本公開買付価格が2023年12月31日現在の連結簿価純資産から算出した1株当たり純資
産額を下回っていることをもって、本公開買付価格の妥当性を否定する理由にはならないと考えております。
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これらを踏まえ、当社は、2024年2月5日付の当社取締役会決議により、当社の意見として、本公開買付け
に賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の
決定をいたしました。上記の取締役会決議の詳細は、下記「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措
置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社におけ
る利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」をご参照ください。
なお、当社は、2007年4月27日開催の当社取締役会において、「当社株式の大規模買付行為に関する対応方
針(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)を導入し、その後一部変更を加えた上で現時点まで本プラ
ンを継続しておりますが、上記のとおり、当社は、本取引の実施は当社の企業価値向上に資するものであると
判断したことから、上記取締役会において、本公開買付けに対して本プランを適用せず、対抗措置を発動しな
いことを決議いたしました。
(3) 算定に関する事項
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ) 第三者算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
本取引において当社は、本公開買付けに関する意見を決定するにあたり、当社、公開買付者ら、鈴与グルー
プ及びシティインデックスイレブンスらから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関で
あるみずほ証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2024年2月2日付で本株式価値算定書を取得して
おります。なお、みずほ証券は当社、公開買付者ら、鈴与グループ及びシティインデックスイレブンスらの関
連当事者には該当せず、みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいま
す。)は、いなばグループとの間で通常の銀行取引の一環としての融資取引等を行っておりますが、本公開買付
けを含む本取引に関して、当社、公開買付者ら、鈴与グループ及びシティインデックスイレブンスらとの間で
重要な利害関係を有しておりません。みずほ証券は金融商品取引法(第36条第2項)及び金融商品取引業等に関
する内閣府令(第70条の4)の適用法令に従い、みずほ証券とみずほ銀行間の情報隔壁措置等の適切な利益相反
管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行の貸付人の地位とは独立した立場で当社の株式価値算定を
行っているとのことです。本特別委員会は、みずほ証券の算定機関としての実績に加え、みずほ証券とみずほ
銀行との間において適切な弊害防止措置が講じられていること等に鑑み、本取引におけるファイナンシャル・
アドバイザー及び第三者算定機関として職務を行うにあたり十分な独立性が確保されており、当社がみずほ証
券に対して当社株式の株式価値算定を依頼することに関し、特段の問題はないと判断しております。また、本
取引に係るみずほ証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。
当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合であっても当社に相応の金銭
負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれることを
もって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりみずほ証券を当社のファイナン
シャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しました。
なお、当社は、当社及び公開買付者らにおいて、本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益
相反を回避するための措置(具体的には「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回
避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 入札手続の実施」乃至「⑦ 他
の買付者からの買付機会を確保するための措置」記載の措置)を実施し、当社の少数株主の利益には十分な配慮
がなされていると考えていることから、みずほ証券から本公開買付けの価格の公正性に関する意見書(フェアネ
ス・オピニオン)は取得しておりません。
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(ⅱ) 算定の概要
みずほ証券は、当社の財務状況、当社株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価す
ることが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から採用すべき算定手法を検討した結果、市場株価
基準法及びDCF法を用いて、当社の株式価値の算定を行いました。上記各手法を用いて算定された当社株式
1株当たりの価値の範囲は、以下のとおりです。
市場株価基準法:1,189円から1,219円
DCF法 :1,168円から1,837円
市場株価基準法においては、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年2月2日を算定基準日として、
当社株式の東京証券取引所スタンダード市場における算定基準日の終値1,219円、同日までの過去1ヶ月間の終
値単純平均株価1,204円、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均株価1,189円及び同日までの過去6ヶ月間の
終値単純平均株価1,197円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を1,189円から1,219円までと算定してお
ります。
DCF法では、当社が本取引に際して作成した2024年3月期から2031年3月期までの8期分の連結ベースの
事業計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2024年3月期以降において創出すると見込
まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算
定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,168円から1,837円と算定しております。なお、当該事業計画
は、本取引の実行を前提としたものではなく、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果につ
いては、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該事業計画には加味しておりません。当
該事業計画には、前年度比で大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年
3月期には、一部製品の売上増加やエネルギー価格高騰が一服することによる変動費減少を主因に営業利益が
前事業年度比117百万円増加すること、これらの要因に加え、前事業年度比設備投資金額を抑制したことを要因
にフリー・キャッシュ・フローが前事業年度比698百万円増加することが見込んでおります。2026年3月期に
は、注力素材への設備投資や研究開発センターへの設備投資に伴いフリー・キャッシュ・フローが前事業年度
比3,493百万円減少することが見込まれているとのことです。2027年3月期には、一部製品において、大型受注
を想定していることに伴う売上増加を主因に営業利益が前事業年度比295百万円、EBITDAが前事業年度399百万
円、これらの要因に加え、前事業年度比設備投資金額を抑制したことを要因にフリー・キャッシュ・フローが
4,273百万円増加することを見込んでおります。なお、当該事業計画の数値については、2024年3月期の着地見
込みの更新に伴い、前回公開買付け時の事業計画との差異が生じております。
なお、下記「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本
公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会
からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、当該事業計画の内容及び作成経緯等について説明を
受け、これらの点に関する質疑応答を行うことを通じて、当該事業計画の合理性について確認をしておりま
す。
② 公開買付者による算定方法
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、当社が公表しているキャッシュ・フローやセグメント別
の実績値等の財務情報や当社ホームページに記載のIR情報や中期経営計画の資料、いなばグループが、2023年
12月下旬から2024年1月中旬まで実施した本件デュー・ディリジェンスの結果を踏まえて、当社の事業及び財務
の状況を多面的・総合的に分析したとのことです。
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また、公開買付者は、当社の事業計画に対する検証を踏まえたキャッシュ・フロー分析を最重視しつつ、当社
株式が金融商品取引所を通じて取引されているため、当社株式に係る株価についても参考にしたとのことです。
但し、いなばグループは、当社株式に関する足元の株価が、2023年8月4日に公表された前回公開買付けによる
影響を受けていると考えたことから、プレミアムについては、前回公開買付けの公表日の前営業日以前の株価対
比で検討するべきと考えたとのことです。そのため、株価については、前回公開買付けの公表日(2023年8月4
日)の前営業日である同年8月3日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値823円並びに過去
1ヶ月間、過去3ヶ月間及び過去6ヶ月間の終値単純平均株価(820円、823円及び852円)に対するプレミアムを参
考にしたとのことです。
さらに、過去の出来高(具体的には、過去10年間(2014年1月31日から2024年1月30日まで)の出来高のうち、
90%以上が本公開買付価格1,350円を下回り取引されていること)、過去の同種事例のプレミアム(2020年12月1日
から2023年11月30日までの3年間において公表された同種事例(上場会社の非公開化を目的とした他の公開買付け
の事例)144件のうち上位10%に相当する14件及び下位10%に相当する14件を除外した116件に係るプレミアムの平均
値(公表日の前営業日41.93%、1ヶ月間で44.76%、3ヶ月間で46.04%、6ヶ月間で47.28%(小数点以下第三位を四
捨五入)を参考にしているとのことです。なお、同種事例144件の単純平均値と中央値の乖離が大きかったことを
踏まえ、極端に大きな値及び小さな値を除外する目的から、プレミアムの平均値の計算においては公表日の前営
業日、1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間それぞれデータ数の上下10%に相当する14件を除外した116件により算出を
しているとのことです。)についても参考にしており、本特別委員会からの本公開買付価格の引き上げの要請、並
びにシティインデックスイレブンスらから示された意向を踏まえた当社からの本公開買付価格を1,350円以上に引
き上げる要請も踏まえ、総合的に勘案の上、2024年2月2日に本公開買付価格を1,350円に決定したとのことで
す。
なお、公開買付者は、上記の要素を総合的に考慮し、かつ、当社の協議及び交渉を経て本公開買付価格を決定
していることから、第三者機関からの算定書や意見(フェアネス・オピニオン)は取得していないとのことです。
本公開買付価格1,350円は、前回公開買付けの公表日(2023年8月4日)の前営業日である同年8月3日の当社株
式の終値823円に対して64.03%、7月4日から8月3日までの1ヶ月の終値単純平均株価820円に対して64.63%、
5月8日から8月3日までの3ヶ月の終値単純平均株価823円に対して64.03%、2月6日から8月3日までの6ヶ
月の終値単純平均株価852円に対して58.45%、本公開買付け公表の前営業日である2024年2月2日の当社株式の東
京証券取引所スタンダード市場における終値1,219円に対して10.75%、同日までの過去1ヶ月の終値単純平均株価
1,204円に対して12.13%、同日までの過去3ヶ月の終値単純平均株価1,189円に対して13.54%、同日までの過去
6ヶ月の終値単純平均株価1,197円に対して12.78%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となるとのことです。
なお、いなば食品は、2024年1月25日付で締結された株式譲渡契約書に基づき、当社の株主である内山毅彦氏
から、相対売買により、2024年1月26日を実行日として、当社株式100株を1株当たり1,193円(契約締結日(2024
年1月25日)の前営業日である同年1月24日の東京証券取引所における当社株式の終値)で取得しているとのこと
です。本公開買付価格(1株当たり1,350円)と当該取得の価格(1株当たり1,193円)との間には、157円の差異が生
じているとのことです。これは、当該株式取得日の前営業日である同1月24日の当社株式の終値1,193円から本公
開買付け公表の前営業日である2024年2月2日の当社株式の終値1,219円(同年1月24日対比で2.18%の上昇)に変
動していることに加え、本公開買付価格には本公開買付け公表の前営業日である同年2月2日の当社株式の終値
1,219円に対して10.75%のプレミアムが付されているためであるとのことです。
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(4) 上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しておりますが、公開買付者は本公開買
付けにおいて買付予定数に上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は、東京証券取引
所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。
また、本公開買付けの完了時点で当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けが成立した後、
下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、適用法令に
従い、当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)の取得を目的とした取引を実施することを予
定しておりますので、その場合、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止と
なります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできませ
ん。
なお、上場廃止を目的とする理由及び少数株主の皆様への影響及びそれに対する考え方につきましては、上記
「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「⑥ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過
程及び理由」に記載のとおりです。
(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
当社が公表した2024年2月5日付「Jump Life株式会社による焼津水産化学工業株式会社(証券コード:2812)に対
する公開買付けの開始に関するお知らせ」(以下「公開買付者プレスリリース」といいます。)によると、公開買付
者は、最終的には当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを目的として、本
公開買付けを実施しますが、本公開買付けにおいて当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)
を取得できなかった場合には、公開買付者は、本公開買付けの成立後に、以下の方法により、公開買付者が当社株
式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得するための手続を実施することを予定しているとの
ことです。
① 株式売渡請求
公開買付者は、本公開買付けの成立により、その保有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数
の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの
決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定により、本公開買付けに応募されなかった当社の
普通株主(当社及び公開買付者を除きます。)の皆様(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社
株式の全部を売り渡すことを請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)することを予定しているとのことで
す。
本株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対
して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対し本
株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社がその取締役会決議により本株式売渡請求を承認した場合に
は、関係法令の定める手続に従い、当社の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、本株式売渡請求
において定めた取得日をもって、売渡株主が所有する当社株式の全部を取得するとのことです。そして、公開買
付者は、売渡株主が所有していた当社株式1株当たりの対価として、各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額
の金銭を交付する予定とのことです。なお、当社は、公開買付者より本株式売渡請求をしようとする旨の会社法
第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社の取締役会は、公開買付者による本株式売渡
請求を承認する予定です。
本株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他
関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対してその所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行う
ことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の売買価格は、最終的には裁判所が判断
することになります。
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② 株式併合
本公開買付けの成立後、公開買付者の保有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満で
ある場合には、公開買付者は、当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の
効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総
会を開催することを当社に要請する予定とのことです。なお、公開買付者は、当該臨時株主総会において当該各
議案に賛成する予定とのことです。当該臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認いただいた場
合、本株式併合がその効力を生じる日において、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が
生じるときは、本公開買付けに応募されなかった当社の普通株主(当社及び公開買付者を除きます。)の皆様に対
して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端
数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に
売却すること等によって得られる金銭が交付されることになるとのことです。当該端数の合計数に相当する当社
株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の普通株主(当社及び公開買
付者を除きます。)の皆様に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各普通株主が所有していた当社株式の
数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請
する予定とのことです。
本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者のみが当社株式の全てを所有すること
となるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の普通株主(当社及び公開買付者を除きます。)の皆様の所有
する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定する予定とのことです。
また、本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合がなされた
場合であって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4
及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、本公開買付けに応募されなかった当社の普通株主(当社及び公
開買付者を除きます。)の皆様は、当社に対し、自己の所有する普通株式のうち1株に満たない端数となるものの
全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを
行うことができる旨が定められています。上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されな
かった当社の普通株主(当社及び公開買付者を除きます。)の皆様が保有する当社株式の数は1株に満たない端数
となる予定ですので、本株式併合に反対する当社の普通株主は、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関
係法令の定めに従い、価格決定の申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた
場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
上記①及び②の各手続については、関係法令の改正や、関係法令についての当局の解釈等の状況によっては、
実施に時間を要し、又はそれと概ね同等の効果を有するその他の方法に変更する可能性があるとのことです。
但し、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の普通株主(当社及び公開買付者を除きます。)の
皆様に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各普通株主に交付され
る金銭の額については、本公開買付価格に当該各普通株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一にな
るよう算定する予定とのことです。以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、当社と協
議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定とのことです。
なお、本公開買付けは、上記臨時株主総会における当社の普通株主の皆様の賛同を勧誘するものではありませ
ん。加えて、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の普通株主の皆
様が自らの責任にて税務専門家にご確認ください。
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(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を
担保するための措置
本書提出日現在、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いた
しません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、
本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト取引にも該当いたしません。もっとも、本取引
が当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としており当社の一般株主に大きな影響を与えること等を踏ま
えて、本取引に係る手続の公正性を担保することにより、本取引に係る取引条件の公正性を確保する観点から、
森・濱田松本法律事務所の助言を踏まえ、以下の措置を講じております。
① 入札手続の実施
上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「⑥ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思
決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、INBホールディングスのほか、2023年12月中旬から下旬にかけ
て、29社の事業会社及び9社の投資ファンドに対して本取引に関する提案の打診を行い、当該打診に応じて本取
引に関心を示した1社の事業会社及び2社の投資ファンドを対象として、本取引に係る意向表明書の提出を求め
ることにいたしました。また、INBホールディングスに対しても、当該入札手続の一環として、本取引に係る意向
表明書の提出を求めることといたしました。
本特別委員会は、候補者から受領した意向表明書の内容について、みずほ証券による当社株式の株式価値の試
算結果も踏まえ、株式価値評価額、資金調達の確実性、本取引実施後の経営方針及びシナジー効果等の観点から
慎重に検討を行い、INBホールディングスの提案が、受領した提案の中で最も高い株式価値評価額及び公開買付価
格を提示するものであること並びに具体的なシナジーが想定され当社の企業価値向上に資すると考えられること
等の理由から、INBホールディングスの提案が最善であると判断いたしました。
② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、本公開買付けに関する意見を決定するにあたり、当社、公開買付者ら、鈴与グループ及びシティイン
デックスイレブンスらから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券に対
して、当社の株式価値の算定を依頼し、同社から2024年2月2日付で本株式価値算定書を取得いたしました。ま
た、みずほ証券は当社、公開買付者ら、鈴与グループ及びシティインデックスイレブンスらの関連当事者には該
当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、当社、公開買付者ら、鈴与グループ及びシティインデックスイレ
ブンスらとの間で重要な利害関係を有しておりません。
なお、当社は、当社及び公開買付者において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反
を回避するための措置(具体的には「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避する
ための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 入札手続の実施」乃至「⑦ 他の買付者
からの買付機会を確保するための措置」記載の措置)を実施し、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされて
いると考えていることから、みずほ証券から本公開買付けの価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオ
ン)は取得しておりません。
本株式価値算定書の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算
定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
③ 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、当社、公開買付者ら、鈴与グループ
及びシティインデックスイレブンスらから独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選
任し、本公開買付け及びその後の一連の手続に対する当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の意思決定
にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。なお、森・濱田松本法律事務所は、当社、公開買付者
ら、鈴与グループ及びシティインデックスイレブンスらの関連当事者には該当せず、本取引に関して重要な利害
関係を有しておりません。また、森・濱田松本法律事務所の報酬体系は、本公開買付けの成立如何によって成功
報酬が発生する体系とはなっておりません。
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④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ) 本取引における設置等の経緯
本公開買付けはいわゆるMBOや支配株主との取引等には該当しないものの、本取引が当社を公開買付者の
完全子会社とすることを目的としており当社の一般株主に大きな影響を与えること等を踏まえて、当社は、本
取引に係る手続の公正性を担保することにより、本取引に係る取引条件の公正性を確保する観点から、森・濱
田松本法律事務所の助言も踏まえて、2023年12月15日付の取締役会決議により、東京証券取引所に独立役員と
して届け出ている当社の社外取締役である森憲司氏(当社社外取締役)、東京証券取引所に独立役員として届け
出ている当社の社外取締役である長沢芳裕氏(当社社外取締役)並びに弁護士として同種の上場会社を完全子会
社とすることを目的とした取引について高度な見識を有する後藤高志氏(弁護士)の3名から構成される、当
社、公開買付者ら、鈴与グループ及びシティインデックスイレブンスらのいずれからも独立した本特別委員会
を設置いたしました。なお、本特別委員会の構成については、本特別委員会全体としての知識・経験・能力の
バランスを確保しつつ適正な規模をもって構成するとともに、本取引と同種の取引に関する専門性を補完する
観点から、上記の3名を選定いたしました。また、本特別委員会の委員は、前回特別委員会の委員と同じであ
り、また、いずれも公開買付者ら、鈴与グループ及びシティインデックスイレブンスら並びに本取引との間に
特段の利害関係を有しておりません。本特別委員会の委員の報酬については、稼働時間に時間単価を乗じて算
出するものとされており、成功報酬は採用しておりません。また、当社は、本特別委員会の委員として設置当
初からこの3名を選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。
その上で、当社取締役会は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「⑥ 当社が本公開
買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本特別委員会に対し、本委嘱事項を委
嘱いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会設置の決議に際して、(a)当社取締役会は、本特別委員
会の判断内容を最大限尊重して本取引に関する意思決定を行うこと、及び、(b)本特別委員会が本取引の取引条
件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は当該取引条件による本取引の承認をしないことを決議す
るとともに、本特別委員会に対し、(a)本取引の相手方との間で取引条件等についての交渉(当社役職員やアド
バイザーを通じた間接的な交渉を含む。)を行うこと、(b)本委嘱事項について検討するに当たり、必要に応
じ、自らの財務のアドバイザー若しくは第三者算定機関及び法務のアドバイザー(以下「アドバイザー等」と総
称する。)を選任又は指名すること(この場合の費用は当社が負担すること。)、又は当社のアドバイザー等を指
名し、若しくは承認(事後承認を含みます。)すること(なお、本特別委員会は、当社のアドバイザー等を信頼し
て専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求める
ことができること。)、(c)本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報につ
いて説明を求めること、(d)当社グループの役職員から本取引に関する検討及び判断に合理的に必要な情報を受
領すること、並びに、(e)その他本取引に関する検討及び判断に際して必要と本特別委員会が認める事項につい
て権限を付与することを決議しております。
(ⅱ) 本取引における検討の経緯
本特別委員会は、2024年1月9日から2024年2月2日までの間に合計7回にわたって開催され、本特別委員
会の各開催日間においても電子メール等を通じて審議・意思決定等を行う等して、本委嘱事項に関して、慎重
に協議及び検討を行いました。
具体的には、まず、2024年1月9日開催の第1回特別委員会にて、リーガル・アドバイザーである森・濱田
松本法律事務所並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券につき、いずれ
も独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれ、リーガル・アドバイザー、ファイナンシャル・アドバ
イザー及び第三者算定機関として承認し、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができ
ることを確認いたしました。
さらに、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与
する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認し
ております。
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その上で、本特別委員会は、(a)当社から、当社の事業環境、当社の経営状況・課題、本取引の背景・目的・
経緯・影響、本取引のストラクチャー等について説明を受けるとともに、(b)いなばグループに対する書面によ
る質問等を通じて、いなばグループから、本取引によって創出されるシナジー効果を含む本取引の意義・目
的、本取引後の当社の企業価値向上施策を含む事業運営方針、本取引のストラクチャー、本公開買付価格を含
む取引条件の考え方、資金調達の方法等について説明を受けました。
また、本特別委員会は、当社及びみずほ証券から、みずほ証券が当社の株式価値の算定に際して使用した事
業計画の内容及び作成経緯のほか、本株式価値算定書の内容及び算定手法・前提等について説明を受け、これ
らの点に関する質疑応答を行いました。
そのほか、本特別委員会は、本特別委員会を都度開催し、当社、みずほ証券及び森・濱田松本法律事務所か
ら、候補者の選定に係る入札プロセスの内容を含む本取引に係るINBホールディングスとの間の協議・交渉の経
緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、最終的な本取引の取引条件の提案を受けるに至るまで、複数回
に亘り当社及びみずほ証券との間で交渉方針等について協議し、これを指示する等して、INBホールディングス
との協議・交渉に直接的又は間接的に関与しております。
(ⅲ) 本取引における判断内容
以上の経緯で、本特別委員会は2024年2月2日に、当社取締役会に対し、本委嘱事項につき大要以下を内容
とする本答申書を提出しております。
(a) 本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は合理的である。
・当社は、1959年3月に設立され、調味料、機能性食品、水産物その他の食品等の製造・販売事業を営む会
社であり、主に国内外から調達する天然由来の水産系原材料を活用した調味料及び機能性食品の原料素材
や加工品を主たる収益源とし、売上高の大半(90%超)を国内販売に依存する中堅メーカーである。なお、水
産物セグメントは主力セグメントと比較して相対的に利益率が低い状況となっている。
・過去数事業年度における当社の収益実績を見ると、売上・利益ともに下降傾向が継続しており、直近の
2023年3月期においても、調味料セグメントにおいて販売価格の改定効果等により売上高が前期比微増と
なったものの、主力事業である調味料・機能性食品における継続的な原材料やエネルギー価格等の高騰等
が主たる悪化要因となり、セグメント利益は前期比でいずれも減少した(調味料セグメントは前期比12.6%
減、機能性食品セグメントは前期比30.5%減)。以上の結果、当社は2022年5月に「価値創造の加速」をビ
ジョンとした2025年3月までの3ヵ年中期経営計画(以下「現中計」という。)を2023年8月4日に見直
し、2027年3月期の連結営業利益目標額を現中計から大幅に下方修正した。また、進行期である2024年3
月期も業績の下降トレンドは継続しており、通期連結業績予想数値における営業利益は前期比で70%超の減
少と予想している。
・当社は、現在の当社を取り巻く事業環境及び経営課題について、①売上高の大半を国内市場へ依存する一
方で国内の人口減少や少子高齢化に伴い国内市場規模の縮小傾向が継続すると見込まれるため、新たな市
場開拓を要する、②主力事業は主に天然由来の水産系原材料を活用しているところ、気候変動による天然
素材の個体数の減少や魚体の縮小に起因する漁獲高の減少に伴って原料の調達懸念が生じているため、調
達先の多様化により当該懸念の極小化を要する、③主力製品の最終的な利用先は短期に嗜好が変化しうる
消費者向け食品であるところ、消費者向け製品の多様化や差別化がより一層促進されていることから、消
費者ニーズの多様化に対応可能な体制(研究開発センターや工場投資、中食・外食向けの商品開発及びマー
ケティングの強化等を含む。)の構築を要する、④国外ではASEANをはじめとするアジア諸国の経済が引き
続き拡大していくことが予想され、日本食の拡大と健康志向の高まりをみせており、上記のとおり国内市
場の規模の縮小が見込まれている状況においては、アジア諸国の旺盛な需要の取り込みを要する、と認識
している。
・当社は上記課題に対して、①安心・安全の向上、②国内事業(調味料、機能性)の強化、③海外展開の加速
及び④新たな事業分野の創出の4つを基本戦略に据え、それぞれについて中長期的な経営戦略を立案し、
原材料費や輸送費用の高騰によるコスト増を価格転嫁するための値上、原材料費やエネルギー価格の高騰
に対応するための原料調達先の多様化・生産ロットの最大化・工場への太陽光発電設備の設置、販管費上
昇に対応するための物流経費の削減等に取り組んできた。
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・しかるに現時点においても、気候変動等のコンロールが困難な外的要因により調達価格、調達可否や原材
料品質等が左右される天然由来の水産系原材料に依存していること、商社や水産資源の一次加工業者経由
の間接的な仕入ルートに依存していること、仕入の3分の1程度を為替変動や世界的なインフレ(特にアジ
ア諸国におけるインフレ)等の影響を受ける輸入に依存していること等の原材料仕入に関する構造的な問題
を解決するには至っていない。
・このため当社は、このような現状を打破し、中長期的な企業価値向上を実現するためには、更なる大胆な
経営改革が必要であると認識している。具体的には、当社事業の強化に必要な設備投資をより迅速に行う
ことや、市場拡大が想定される中食・外食向けの商品開発体制の構築及び商品開発の加速、旺盛な需要が
期待できる海外展開の加速、事業運営上重要である天然由来の水産系原材料の仕入れ体制を強化する観点
での垂直統合、当社の企業価値向上に資する企業との提携等が必要と認識している。
・以上の認識内容は、従前からの当社の認識と軌を一にするものであり、本特別委員会が行ったINBホール
ディングスに対する書面質問への回答及び質疑応答によれば、当該認識内容について、当社といなばの間
に認識の齟齬もない。
・いなばが本取引後に実行を要するとして提案する施策内容、具体的には①国内事業(調味料、機能性)の強
化、②海外展開の加速及び③新たな事業分野の創出は、上述した当社を取り巻く事業環境、経営課題及び
基本戦略・中長期的な経営戦略・施策と整合的であり、いなばグループの事業内容や企業規模を踏まえる
と、その実現可能性を否定するに足る事情もないから、中長期的な視点から、従前より当社が計画してい
る施策に加えて、いなばが提案する各施策を抜本的かつ機動的に実行することが当社の企業価値の向上に
資するものであるとの当社の判断内容は、合理的なものとして首肯し得るところである。
・他方で、当該施策を現状の資本関係で行うことには、①従前より当社が計画している施策に加えて、いな
ばとの協業により実行可能となる上述の各施策の実行には多額の先行投資を要するものも含まれているこ
と、当該施策が業績に寄与するまでには相応の時間を要することも見込まれること、海外進出、新製品の
開発・上市やM&A等の施策実行には失敗のリスクも内在すること等により、一時的には収益及びキャッ
シュ・フローのマイナスを招く可能性があること、②上場企業である以上、短期的な業績に対してもコ
ミットメントが求められる中、上記各施策実行の過程で中長期な成長を優先する意思決定を行った結果、
資本市場から十分な評価が得られず、当社株式の株価の下落が生じ、既存株主の利益を損なう可能性もあ
ることといった懸念も存する。
・以上のことからすれば、①当社を取り巻く外部環境及び内部環境を踏まえると、いなばの提案する施策を
積極的かつ機動的に実行することが当社の経営課題の克服に繋がり、もって当社の中長期的な企業価値向
上に資するものであり、かつ、②本取引は、当社の株主に発生する可能性のある悪影響を回避しつつ当社
の中長期的な企業価値向上を実現する手段として優れていることから、本取引にメリットがあるとの当社
の判断は合理的なものとして首肯しうる。
・他方で、本取引のデメリットについても具体的な検討がなされており、その検討内容に特段不合理な点は
認められない。その検討結果によれば、少なくとも前述したメリットを明らかに上回るデメリットが本取
引によって生じるとは認められない。また、当社の企業価値向上の観点において、本取引に優る有効な代
替手段が存在すると認めるに足る事情は見当たらない。
・以上のことから、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると思
料する。
(b) 本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性が確保されている。
・本取引は現時点で若干数の当社株式を保有するに過ぎない事業会社グループによる買収であるため、いわ
ゆる構造的利益相反取引には該当しない。にもかかわらず本取引では、本特別委員会の設置(本特別委員会
の実効性を高める実務上の工夫の実施を含む。)、独立した外部専門家(ファイナンシャル・アドバイザー
及びリーガル・アドバイザー)の早期登用並びに専門的助言及び本株式価値算定書の取得、競争原理の働く
入札手続を通じた積極的なマーケット・チェックの実施、本取引公表後における買収提案の機会の確保、
マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定、本取引の検討・交渉・決議における利害関係者の排除、
少数株主への情報提供の充実を通じたプロセスの透明性の向上、強圧性の排除といった各種の公正性担保
措置が履践されている。
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・本取引の具体的状況に照らすと、当該公正性担保措置の内容は、①取引条件の形成過程における独立当事
者間取引と同視し得る状況の確保及び②少数株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保とい
ういずれの視点からしても、必要十分な内容・組合せであり、かつ、現実にも実効性をもって運用された
と思料する。
・以上の次第であるから、本取引においては、公正な手続を通じて当社の少数株主の利益への十分な配慮が
なされていると認められる。
(c) 本取引の条件の妥当性は確保されている。
・本取引は構造的利益相反取引ではなく、当社から独立した事業会社による買収取引であるから、買収者と
当社の間で馴れ合いの条件交渉が行われる構造的な懸念はない。このため、当社と公開買付者の関係はい
わゆる独立当事者であり、本取引は基本的には独立当事者間取引に近似する取引と評価する余地がある。
・また、本件では、前回取引に関わる一連の開示により、当社が非公開化を実施する意向を有しているこ
と、前回公開買付けが不成立となったこと等は公知の事実となっており、当社株式の買収に関心を有する
者は当社にアプローチすることも可能な状況下において、本取引と同様に上場会社を完全子会社とするこ
とを目的とした取引において多数の実績を有しており、事業会社や投資ファンドに幅広いネットワークを
持つみずほ証券の支援を得ながら、幅広い業種かつ多数の候補者をリストアップし、相当の期間と工数を
費やした上で競争原理が働く競争入札手続が行われており、当該手続を経て最高価格であったいなばの提
案価格は合理的に実現可能な最善の条件であることが一定程度推認される。
・さらに本取引における対価は、当社及び公開買付者が、当社の筆頭株主であるエスエスケイフーズを含む
鈴与グループの持株会社である鈴与ホールディングス及び大株主であるシティインデックスイレブンスら
と複数回の交渉を行い、当該交渉を経て公開買付者の当初提示額を上回る金額に引き上げられた金額であ
る。当該交渉の結果、鈴与グループは公開買付者と応募契約を締結し、シティインデックスイレブンスら
は当該価格で本公開買付けが開始された場合には、公開買付期間中に保有する当社株式の全部を市場での
売却又は本公開買付けへの応募を通じて処分する意向を示している。上記各株主は売却価格の最大化に最
も利害関係を有しており、特に投資会社等は株式価値評価に関する専門的知見と売却価格を引き上げる強
い動機を有していると推定される。これらを踏まえると、当社及び公開買付者が、価格引き上げについて
当社の少数株主と利害が一致する大株主と交渉を行い、かつ、現に価格の引き上げが行われた上で妥結し
たことは、取引条件に関する協議・交渉過程において独立当事者間で行われる場合と実質的に同視し得る
状況があったものといえる。
・以上に加えて、①本取引の条件が形成される過程において本特別委員会の設置及び関与を含む公正性担保
措置の履践を通じて独立当事者間取引と同視し得る状況が確保されており、現に当事者間で真摯な交渉を
経て合意されたこと、②本株式価値算定書は、我が国において多数の実績を有する大手事業者であって、
公開買付関連当事者及び当社から独立した第三者算定機関により作成されており、かつ、算定基礎となる
財務予測や前提条件(フリー・キャッシュ・フローの算定、割引率、継続価値、事業価値に加減算する非事
業用資産及び有利子負債を含む。)等に不合理な点(算定基礎となる財務予測を恣意的に悲観的な収益予測
としたことを窺わせる事情を含む。)は見受けられず、その算定方法及び算定結果は合理的なものと認めら
れるところ、本取引における対価は、市場株価基準法レンジの上限値を超え、かつ、DCF法のレンジに収ま
ること、③前回公開買付けの公表日以前の株価対比で見ると、同種案件を上回るプレミアム水準であるこ
とを総合的に考慮すれば、当社の少数株主は、本取引において対価の交付を受けることにより、「本取引
を行わなくても実現可能な価値」のみならず「想定される本取引による企業価値増加効果」も相当程度享
受することを推認させる。
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・なお、本取引における対価は当社の2023年12月31日現在の連結簿価純資産から算出した1株当たり純資産
額を下回っている。もっとも、修正純資産法は、将来の収益性やキャッシュ・フローを加味しないことか
ら、継続企業の株式価値算定には馴染まない手法であるとの判断に不合理な点は認められない。また、仮
に当社が清算する場合にも、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではない。当社の具体的な状況を見
ても、連結貸借対照表において総資産に占める流動性の低い資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵
品、土地建物といった固定資産)の割合が約39.1%と相当程度存在すること、清算に際しては売上債権の早
期回収に伴う費用・損失、工場の閉鎖に伴う除去コスト、清算に伴う様々な追加コストが発生すると見込
まれること等を考慮すると、仮に当社が清算する場合にも、連結簿価純資産額が同額で換価されるわけで
はなく、現実的には当社株主に分配することができる金額は連結簿価純資産額から相当程度毀損された金
額になることが想定される。以上の諸点を踏まえると、本取引における対価が1株当たり純資産額(2023年
12月31日現在)を下回っていることをもって、本取引における対価の妥当性を否定する理由にはならないと
の判断に不合理な点は認められない。
・以上の点を総合的に考慮すると、本公開買付価格は、妥当なものであり、本公開買付けは当社の株主に対
して合理的な株式売却の機会を提供するものである。
・また、スキームその他の取引条件についてみても、本取引の方法及び対価は、当社の少数株主にとって不
利益ではないため、公正性・妥当性が認められる。
・以上の次第であるから、本取引の条件には公正性・妥当性が確保されている。
(d) 当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する
ことは相当であるため、当該決議を行うことを勧告する。
・本公開買付けに対して当社の取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへ
の応募を推奨することの是非を問うものである。
・本特別委員会としては、前記(a)から(c)において検討を要請されている事項が、本事項を検討する際の考
慮要素になるものと考える。
・そして、本特別委員会の審議の結果、前記(a)から(c)について、いずれも問題があるとは考えられないこ
とは、本答申書で詳細に述べてきたとおりである。
・以上から、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であるから、当社
の取締役会が賛同の意見を表明すること、及び、本公開買付価格を含む本取引の条件は公正な手続を経て
形成された妥当な内容であって本公開買付けは当社株主に合理的な株式の売却機会を提供するものである
から、当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことは、いずれも相当
であるため、当該決議を行うことを勧告する。
(e) 本取引に関する決定(本公開買付けに関する意見表明の決定を含む。)は当社の少数株主にとって不利益な
ものでない。
・本取引は当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるかを問うものである。
・もっとも、本特別委員会としては、前記(a)から(d)において検討を要請されている事項が、(e)を検討する
際の考慮要素になるものと考える。
・そして、本特別委員会の審議の結果、前記(a)から(d)について、いずれも問題があるとは考えられないこ
とは、本答申書で詳細に述べてきたとおりである。
・以上から、本特別委員会は、本取引は当社の少数株主にとって不利益なものでないと思料する。
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⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認
当社は、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券の本株式価値算定書の内容及
び森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言を参照し、当社及びINBホールディングスとの間で実施した複数回
に亘る協議の内容その他の関連資料を踏まえ、本特別委員会から取得した本答申書の内容を最大限に尊重しなが
ら、本取引に関する諸条件について慎重に審議及び検討を行った結果、当社は、上記「(2) 本公開買付けに関す
る意見の根拠及び理由」の「⑥ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のと
おり、2024年2月5日に、当社の取締役8名のうち、審議及び決議に参加した当社の取締役7名の全員一致で、
当社の意見として、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付け
に応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、当社の取締役8名のうち、代表取締役である山田潤氏(以下「山田氏」といいます。)については、2023
年6月15日付で当社の株主である株式会社ナナホシマネジメントから、当社が2019年9月11日付で公表したプレ
スリリース「当社製品の一部における不適切な食品表示についてのお詫びと今後の対応について」に記載の不適
切な食品表示に関し、山田氏及び当時の担当取締役(現時点では退任済み)に対して当社に生じた損害の賠償を求
める株主代表訴訟が提起されているところ、本取引が完了して当社の株主が公開買付者のみとなった場合には、
当社の現在の株主は株主代表訴訟の原告適格を失うことになるため、本取引の実施について一定の利害関係を有
していると評価される可能性も完全には否定できないことから、本取引の意思決定における公正性の確保につい
て慎重を期すため、本取引に関する当該取締役会の審議及び決議並びにINBホールディングス、鈴与グループ各社
及びシティインデックスイレブンスらとの協議及び交渉には参加しておりません。
⑥ マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)を上回る買付予定数の下限の設定
公開買付者は当社を非公開化とすることを目的としているため、本公開買付けにおいて買付予定数の下限を
7,628,200株(所有割合:66.67%)と設定しており、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(7,628,200株)に満
たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。なお、買付予定数の下限(7,628,200株)
は、自己株式控除後発行済株式総数(11,442,256株)に係る議決権の数(114,422個、1単元(100株)未満に係る数を
切捨てています。)に、株式併合を承認するための株主総会の特別決議に必要となる議決権割合に相当する3分の
2を乗じた数(76,282個、小数点以下を切り上げております。)に、当社の単元株式数である100株を乗じた株式数
としているとのことです。また、当該株式数は、当社第3四半期決算短信に記載された2023年12月31日現在の当
社の発行済株式総数(11,450,398株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(8,142株)並びに応募合意株式の
数(1,339,400株)及びいなば食品が保有する当社株式(100株)を控除した株式数(10,102,756株)の過半数に相当す
る株式数(5,051,379株。これは、公開買付者と重要な利害関係を有さない当社の株主の皆様が所有する当社株式
の数の過半数、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」に相当する数にあたる
とのことです。)に応募合意株式の数(1,399,400株)及びいなば食品が保有する当社株式(100株)を加算した株式数
(6,390,879株、所有割合55.85%)を上回るものとなるとのことです。これにより、公開買付者と利害関係を有さな
い当社の株主の皆様の過半数の賛同が得られない場合には、当社の少数株主の皆様の意思を重視して、本公開買
付けを含む本取引を行わないこととしているとのことです。なお、公開買付者としては、公開買付者との間で公
開買付応募契約を締結している各株主は、いずれも公開買付者と利害関係を共通にするものではないと考えてい
るとのことですが、仮にこれらの株主を一般株主から除外したとしても、上記のとおり、買付予定数の下限は、
マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)を上回るとのことです。
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⑦ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「⑥ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思
決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、戦略的パートナーの探索のため、INBホールディングスのほか、
2023年の12月中旬から下旬にかけて29社の事業会社と9社の投資ファンドに対して本取引に関する提案の打診を
行い、入札プロセスを実施し、INBホールディングスを戦略的パートナーとして選定しております。
さらに、当社は、公開買付者との間で、本特別委員会の答申が撤回又は変更されていないことを条件として、
原則として、本公開買付けに対する賛同意見表明(下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の
「②公開買付けに係る覚書」において定義します。)を維持し、これを撤回又は変更する取締役会決議を行わない
ことに合意しておりますが、当社は、第三者による本取引と競合、矛盾又は実質的に抵触する合理的なおそれの
ある取引又は行為の提案、公表又は実行がなされた場合で、賛同意見表明を撤回又は変更しないことが、当社の
取締役の善管注意義務違反となる相当程度の可能性があると合理的に判断した場合には、賛同意見表明を撤回又
は変更することができるとされていることに加え、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するよ
うな内容の合意を行っておらず、対抗的な買付け等を行う機会を妨げないようにしています。
また、公開買付者は、本公開買付けにおける買付け等の期間を、法令に定められた最短期間である20営業日よ
り長い30営業日に設定することにより、当社の少数株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な検討
期間を提供しつつ、当社株式について、他の公開買付者以外の者による対抗的な買付け等を行う機会を確保する
ことで、本公開買付けの公正性を担保することを企図しているとのことです。
したがって、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は十分に確保されております。
(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
① 公開買付者と鈴与グループ各社との間における本公開買付けへの応募に係る契約
本公開買付けに関して、公開買付者は、鈴与グループ各社との間で2024年2月5日付で公開買付応募契約をそ
れぞれ締結しているとのことです。当該契約の中で、鈴与グループ各社は、応募時点で所有する当社株式の全て
(本書提出日現在において、エスエスケイフーズ株式会社(所有普通株式数1,285,800株、所有割合11.24%。筆頭株
主)、静岡塩業(所有普通株式数30,000株、所有割合0.26%)、ベルキャリエール(所有普通株式数23,600株、所有割
合0.21%)(本書提出日現在における鈴与グループの合計所有普通株式数1,339,400株、当該合計に係る所有割合
11.71%)について本公開買付けに応募することに合意しているとのことです。なお、公開買付者は、鈴与グループ
各社との間で下記の応募契約以外に合意をしておらず、本公開買付けに応募することに得られる金銭以外に、公
開買付者から鈴与グループ各社に供与される利益はないとのことです。
公開買付者が、鈴与グループ各社との間で締結した2024年2月5日付で公開買付応募契約(以下「本応募契約」
と総称します。)においては、鈴与グループ各社が所有する当社株式の全てを本公開買付けに応募する条件とし
て、(a)本応募契約に基づき本公開買付けの開始までに公開買付者が履行し又は遵守すべき義務について重要な点
において履行及び遵守をしていること、(b)公開買付者について本応募契約に定める表明及び保証(注)に重要な点
において誤りがないことが規定されているとのことです。但し、鈴与グループ各社は、その裁量により、これら
の条件の全部又は一部を放棄して応募を行うことができるとのことです。
(注) 本応募契約において、公開買付者は、(a)設立及び存続、(b)本応募契約の締結及び履行に関する権限、(c)
本応募契約の強制執行可能性、(d)法令との接触の不存在、(e)許認可等の取得、(f)法的倒産手続の不存
在、並びに(g)反社会的勢力との関与・取引の不存在について表明及び保証を行っているとのことです。
その他、本応募契約において、以下の内容を合意しているとのことです。
(ⅰ) 鈴与グループ各社は、本応募契約の締結日以降、本公開買付けに係る決済の開始日以前の日を基準日とす
る当社の株主総会が開催され、当該株主総会において議決権を有するときは、公開買付者の要請に従い、
当該株主総会における株主としての一切の権利を公開買付者の指示に従い行使し、又はかかる権利に関す
る代理権を、公開買付者又は公開買付者の指定する第三者に授与する義務を負っているとのことです。
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(ⅱ) 鈴与グループ各社は、公開買付者の事前の書面による承諾がある場合を除き、公開買付期間中といえど
も、本公開買付けに対する応募を撤回せず、本公開買付けに対する応募により成立する本公開買付けに係
る契約を解除しないものとされているとのことです。
② 公開買付けに係る覚書
本公開買付けに際し、公開買付者及び当社は、2024年2月5日付で本取引に関し覚書(以下「本覚書」といいま
す。)を締結しております。本覚書において、大要、以下の内容を合意しております。
(ⅰ) 当社は、本特別委員会において、当社の取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買
付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うこと(以下、本②において「賛同意見表明」といいます。)に
ついて肯定的な内容の答申が行われており、かつ、当該答申が撤回又は変更されていないことを条件とし
て賛同意見表明を行い、公開買付期間中、本公開買付けにできる限り多くの株主の応募が得られるよう必
要な協力を誠実に行うこと
(ⅱ) 当社は、公開買付者との間で、本特別委員会の答申が撤回又は変更されていないことを条件として、原則
として、本公開買付けに対する賛同意見表明を維持し、これを撤回又は変更する取締役会決議を行わない
こと(但し、当社は、第三者による本取引と競合、矛盾又は実質的に抵触する合理的なおそれのある取引
又は行為の提案、公表又は実行がなされた場合で、賛同意見表明を撤回又は変更しないことが、当社の取
締役の善管注意義務違反となる相当程度の可能性があると合理的に判断した場合には、賛同意見表明を撤
回又は変更することができる。)
(ⅲ) 当社及び公開買付者は、本公開買付けが成立したことを条件として、当社の株主を公開買付者のみとする
ため必要な手続(以下、本②において「本スクイーズアウト」といいます。)を実施すること
(ⅳ) 当社は、本覚書の締結日から本スクイーズアウトの効力発生時までの間、直接又は間接に、公開買付者以
外の者から本取引と実質的に抵触し若しくは本取引の実行を困難にする又はその合理的なおそれのある取
引(公開買付け、組織再編その他方法を問わず、当社の株式を取得する取引、当社グループの株式又は事
業の全部又は重要な一部を処分する取引を含み、以下、本②において「競合取引」といいます。)に関連
する提案、勧誘、申込若しくは協議申入れを受けた場合、又は公開買付者以外の者と競合取引に関する協
議を行った場合には、その詳細を公開買付者に速やかに通知し、対応について誠実に協議を行うこと
(ⅴ) 当社及び公開買付者は、相互に合理的な範囲で協力して本取引を実施し、遅延が生じ又は遅延が生じるこ
とが見込まれる場合には、対応について誠実に協議すること
(ⅵ) その他、当社の義務として、以下の事項を遵守すること
(a) 通常の業務の範囲内での業務の遂行
(b) 一定の取引先からの本取引に関する承諾取得に係る最大限の努力及び一定の取引先に対する本取引に関
する通知
(c) 公開買付者に対する当社グループの情報への一定のアクセス権付与
(d) 公開買付者による資金調達への協力
(e) 自らの表明及び保証が虚偽若しくは不正確となる具体的なおそれがある事由を認識した場合、又は、自
らの本覚書上の義務違反を認識した場合の公開買付者への通知
(f) (x)焼津水産化学工業株式会社従業員持株会が保有する当社株式の全部、(y)焼津水産化学工業株式会社
役員持株会が保有する当社株式の全部、及び(z)取締役向け株式交付信託の信託財産として三井住友信託
銀行株式会社が保有する当社株式の全部が本公開買付けに応募されるために必要な手続の実施に係る最
大限の努力
(g) 2007年4月27日開催の取締役会において当社が導入した株式の大規模買付行為に関する対応方針(その後
の変更を含む。以下、本②において「本買収防衛策」といいます。)について、本公開買付けに対して本
買収防衛策を適用せず、対抗措置を発動しない旨を決議すること
(ⅶ) その他、公開買付者の義務として、以下の事項
(a) 自らの表明及び保証が虚偽若しくは不正確となる具体的なおそれがある事由を認識した場合、又は、自
らの本覚書上の義務違反を認識した場合の当社への通知
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EDINET提出書類
焼津水産化学工業株式会社(E00475)
意見表明報告書
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
氏名 役職名 所有株式数(株) 議決権数(個)
代表取締役
社長
山田 潤 18,844 188
経営統括本部管掌
開発本部管掌
取締役
常務執行役員
内山 毅彦 7,521 75
営業本部長
品質保証本部管掌
取締役
大橋 弘明 執行役員 7,908 79
海外事業本部長
取締役
多々良 勝広 執行役員 1,644 16
生産本部長
森 憲司 取締役 ― ―
取締役
長沢 芳裕 ― ―
(監査等委員)
取締役
杉山 洋志 1,800 18
(監査等委員)
取締役
小山 圭子 1,830 18
(監査等委員)
計 - 39,547 394
(注1) 役名、職名、所有株式数及び議決権数は、本書提出日現在のものです。
(注2) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ当社役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそれら
に係る議決権の数を含めた数を記載しております。
(注3) 森憲司、長沢芳裕、小山圭子の各氏は、社外取締役です。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
該当事項はありません。
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
上記「3当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理
由」の「⑥ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅱ) 判断の内容」に記載のとお
り、当社は、2007年4月27日開催の当社取締役会において本プランを導入し、その後一部変更を加えた上で現時点ま
で本プランを継続しておりますが、当社は、本取引の実施は当社の企業価値向上に資するものであると判断したこと
から、2024年2月5日開催の取締役会において、本公開買付けに対して本プランを適用せず、対抗措置を発動しない
ことを決議いたしました。
7 【公開買付者に対する質問】
該当事項はありません。
8 【公開買付期間の延長請求】
該当事項はありません。
以 上
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