武田薬品工業株式会社 四半期報告書 第147期第3四半期(2023/10/01-2023/12/31)
提出書類 | 四半期報告書-第147期第3四半期(2023/10/01-2023/12/31) |
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提出者 | 武田薬品工業株式会社 |
カテゴリ | 四半期報告書 |
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武田薬品工業株式会社(E00919)
四半期報告書
【表紙】
【提出書類】 四半期報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条の4の7第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2024年2月2日
【四半期会計期間】 第147期第3四半期(自 2023年10月1日 至 2023年12月31日)
【会社名】 武田薬品工業株式会社
【英訳名】 Takeda Pharmaceutical Company Limited
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長CEO クリストフ ウェバー
【本店の所在の場所】 大阪府大阪市中央区道修町四丁目1番1号
(上記は登記上の本店所在地で実際の業務は「最寄りの連絡場所」で行っ
ております。)
【電話番号】 該当なし
【事務連絡者氏名】 該当なし
【最寄りの連絡場所】 東京都中央区日本橋本町二丁目1番1号
(武田薬品工業株式会社武田グローバル本社)
【電話番号】 東京(3278)2111(代表)
【事務連絡者氏名】 グローバルファイナンス チーフアカウンティングオフィサー&コーポ
レートコントローラー 竹田 徳正
【縦覧に供する場所】 武田薬品工業株式会社武田グローバル本社
(東京都中央区日本橋本町二丁目1番1号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
株式会社名古屋証券取引所
(名古屋市中区栄三丁目8番20号)
証券会員制法人福岡証券取引所
(福岡市中央区天神二丁目14番2号)
証券会員制法人札幌証券取引所
(札幌市中央区南一条西五丁目14番地の1)
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四半期報告書
第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
第146期 第147期 第146期
回次
前第3四半期累計 当第3四半期累計 (前年度)
自 2022年4月1日 自 2023年4月1日 自 2022年4月1日
会計期間
至 2022年12月31日 至 2023年12月31日 至 2023年3月31日
売上収益 3,071,322 3,212,893
(百万円) 4,027,478
(第3四半期) ( 1,096,551 ) ( 1,111,186 )
税引前四半期(当期)利益 (百万円) 327,175 100,313 375,090
四半期(当期)利益 (百万円) 285,903 147,191 317,038
親会社の所有者に帰属する
285,883 147,085
四半期(当期)利益
(百万円) 317,017
(第3四半期) ( 119,127 ) ( 105,720 )
四半期(当期)包括利益 (百万円) 750,209 625,154 911,574
資本合計 (百万円) 6,176,498 6,742,607 6,354,672
資産合計 (百万円) 13,504,705 14,222,947 13,957,750
基本的1株当たり四半期(当期)
184.32 94.10
利益
(円) 204.29
(第3四半期) ( 76.63 ) ( 67.38 )
希薄化後1株当たり四半期(当期)
(円) 182.65 93.17 201.94
利益
親会社所有者帰属持分比率 (%) 45.7 47.4 45.5
営業活動による
(百万円) 683,463 437,756 977,156
キャッシュ・フロー
投資活動による
(百万円) △ 168,610 △ 402,378 △ 607,102
キャッシュ・フロー
財務活動による
(百万円) △ 702,548 △ 296,193 △ 709,148
キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の四半期末
(百万円) 685,141 288,359 533,530
(期末)残高
(注) 1.当社は要約四半期連結財務諸表を作成しておりますので、提出会社の主要な経営指標等の推移については記
載しておりません。
2.記載金額は百万円未満を四捨五入して表示しております。
3.本報告書においては、第3四半期連結累計期間を「第3四半期累計」、第3四半期連結会計期間を「第3四
半期」、前連結会計年度を「前年度」と記載しております。
4.前年度の指標は、国際会計基準(IFRS)により作成された連結財務諸表に基づいております。前第3四半期
累計および当第3四半期累計の指標は、IAS第34号に準拠して作成された要約四半期連結財務諸表に基づい
ております。
2 【事業の内容】
当第3四半期累計において、当社グループ(当社および当社の関係会社)が営む事業の内容に重要な変更はありませ
ん。
2023年12月31日現在において、当社グループは、当社と連結子会社172社(パートナーシップを含む)、持分法適用関
連会社17社を合わせた190社により構成されております。なお、当第3四半期累計において主要な関係会社の異動はあ
りません。
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第2 【事業の状況】
1 【事業等のリスク】
当第3四半期累計において、新たな事業等のリスクの発生、または、前年度の有価証券報告書に記載した「事業等の
リスク」について重要な変更はありません。
2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 業績の概要
当期(2023年4-12月期)の連結業績は、以下のとおりとなりました。
(単位:億円、%以外)
対前年同期
AERベース CERベース
前年同期 当期
増減額
増減率 増減率
売上収益 30,713 32,129 1,416 4.6 % 0.0 %
6.8
売上原価 △9,343 △10,442 △1,099 11.8 % %
販売費及び一般管理費 △7,425 △7,686 △261 3.5 % △1.3 %
研究開発費 △4,724 △5,341 △617 13.1 % 7.3 %
製品に係る無形資産償却費及び減損損失 △4,092 △5,070 △978 23.9 % 16.3 %
その他の営業収益 167 108 △59 △35.4 % △35.7 %
その他の営業費用 △1,276 △1,457 △180 14.1 % 9.1 %
営業利益 4,019 2,241 △1,778 △44.2 % △42.9 %
金融収益及び費用(純額) △716 △1,266 △549 76.7 % 77.9 %
持分法による投資損益 △31 27 59 - -
税引前四半期利益
3,272 1,003 △2,269 △69.3 % △67.9 %
法人所得税費用 △413 469 882 - -
四半期利益
2,859 1,472 △1,387 △48.5 % △50.1 %
本項において、前年同期に対する、国際会計基準(IFRS)に準拠した実勢レート(Actual Exchange Rate)ベースの増減額およ
び増減率は「AER」の表記で示し、国際会計基準(IFRS)に準拠しない恒常為替レート(Constant Exchange Rate)ベースの増
減率は「CER」の表記で示しています。「CERベースの増減」の定義については、「当期(2023年4-12月期)におけるCore業績
の概要」の「Core財務指標とCERベースの増減の定義」をご参照ください。
〔売上収益〕
売上収益は、 3兆2,129億円 ( +1,416億円 および +4.6% AER 、+0.0% CER)となりました。この増収は、為替相場が
円安に推移したこと、血漿分画製剤(免疫疾患)、消化器系疾患および希少疾患において事業が好調に推移したこ
とによるものです。これらビジネスエリアでの増収は、オンコロジー(がん)およびニューロサイエンス(神経精
神疾患)において、円安による増収影響があったものの、一部の製品が後発品の参入や競争の激化による影響を大
きく受け減収となったことにより相殺されました。加えて、当社の5つの主要なビジネスエリア以外における減収
は、主に日本における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンによる売上貢献が減少したことによるもの
です。
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地域別売上収益
各地域の売上収益は以下のとおりです。
( 単位 : 億円、%以外 )
対前年同期
前年同期 当期
AERベース CERベース
売上収益:
増減額 増減率 増減率
日本 3,898 3,426 △472 △12.1 % △12.3 %
米国 16,218 16,855 637 3.9 % △1.8 %
欧州およびカナダ 6,324 7,215 891 14.1 % 4.7 %
アジア(日本を除く) 1,690 1,888 198 11.7 % 8.9 %
中南米 1,214 1,384 169 14.0 % 15.2 %
ロシア/CIS 667 454 △213 △32.0 % △16.9 %
その他 (注1)
702 907 205 29.3 % 35.4 %
合計 30,713 32,129 1,416 4.6 % 0.0 %
(注1) その他の地域は中東、オセアニアおよびアフリカを含みます。
ビジネスエリア別売上収益
各 ビジネスエリア の売上収益は以下のとおりです。
(単位:億円、%以外)
対前年同期
前年同期 当期
AERベース CERベース
売上収益:
増減額 増減率 増減率
消化器系疾患 8,575 9,361 785 9.2 % 3.6 %
希少疾患 5,536 5,851 315 5.7 % 3.3 %
希少血液疾患 2,326 2,300 △26 △1.1 % △4.3 %
希少遺伝子疾患およびその他 3,210 3,550 341 10.6 % 8.9 %
血漿分画製剤(免疫疾患) 5,024 6,112 1,088 21.7 % 16.2 %
オンコロジー 3,450 3,463 13 0.4 % △2.2 %
ニューロサイエンス 4,771 4,749 △23 △0.5 % △5.8 %
その他 3,357 2,594 △763 △22.7 % △28.3 %
合計 30,713 32,129 1,416 4.6 % 0.0 %
各ビジネスエリアにおける売上収益の前年同期からの増減は、主に以下の製品によるものです 。
・消化器系疾患
消化器系疾患の売上収益は、 9,361億円 ( +785億円 および +9.2% AER 、+3.6% CER)となりました。
潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「ENTYVIO」(国内製品名:「エンタイビオ」)の売上は、 6,193億円 ( +714億
円 および +13.0% AER 、+6.6% CER)となりました。 米国における売上は、4,318億円(+435億円および+11.2%
AER)となりました。この増収は、円安による増収影響、および炎症性腸疾患の主に潰瘍性大腸炎に対する生物学
的製剤の新規投与の需要によるものです。欧州およびカナダにおける売上は、1,431億円(+207億円および
+16.9% AER)となりました。この増収は、主に円安による増収影響、および皮下注射の使用拡大に伴い新規患者
が増加したことによるものです。
短腸症候群治療剤「GATTEX/レベスティブ」の売上は、 900億円 ( +118億円 および +15.1% AER 、+10.9% CER)と
なりました。この増収は、主に米国、欧州および日本において需要が増加したこと、処方拡大(乳児までを対象
とする適応拡大および地理的拡大)、および円安による増収影響によるものです。
酸関連疾患治療剤「タケキャブ/VOCINTI」の売上は、 903億円 ( +58億円 および +6.8% AER 、+6.2% CER)となり
ました。この増収は、主に日本やブラジルおよび中国を含む成長新興国において本剤の売上が増加したことによ
るものです。
逆流性食道炎治療剤「DEXILANT」の売上は、 361億円 ( △190億円 および △34.5% AER 、△38.7% CER)となりま
した。この減収は、米国における独占販売期間満了による影響、およびオーソライズド・ジェネリックのプログ
ラム終了による影響によるものです。
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・希少疾患
希少疾患の売上収益は、 5,851億円 ( +315億円 および +5.7% AER 、+3.3% CER)となりました。
希少血液疾患の売上収益は、2,300億円(△26億円および△1.1% AER、△4.3% CER)となりました。
血友病Aおよび血友病B治療剤「ファイバ」の売上は、289億円(△37億円および△11.3% AER 、△14.1% CER)
となりました。この減収は、 主に多数の国々での競合品の影響および成長新興国において入札タイミングが遅延
したことによるものです 。
フォン・ヴィレブランド病治療剤「ボンベンディ」の売上は、120億円(+28億円および+30.6% AER 、+22.5%
CER) となりました。この増収は、主に米国において需要が増加したことによるものです。
血友病A治療剤「アドベイト」の売上は、939億円(+18億円および+2.0% AER、△0.9% CER)となりました。こ
の増収は、主に円安による増収影響によるものです。
「ボンベンディ」および「アドベイト」の増収は、その他の希少血液疾患の製品の減収影響により一部相殺され
ました。
希少遺伝子疾患およびその他の売上収益は、3,550億円(+341億円および+10.6% AER、+8.9% CER)となりまし
た。
遺伝性血管性浮腫治療剤「タクザイロ」の売上は、 1,364億円 ( +195億円および+16.7% AER 、+11.5% CER) とな
りました。上市以降の好調な売上推移の維持、小児適用など新たな患者層への拡大、診断率の上昇、予防投与向
け市場の拡大、および円安による増収影響が継続的な成長に貢献しています。
移植後のサイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症治療剤「LIVTENCITY」の売上は、139億円(+66億円および
+90.8% AER 、+78.8% CER) となりました。この増収は、主に米国において上市後、順調に市場浸透しているこ
とに加え、 欧州において引き続き販売エリアが拡大したことによるものです。
酵素補充療法のハンター症候群治療剤「エラプレース」の売上は、700億円 ( +50億円 および +7.7% AER 、+7.5%
CER)となりました。この増収は、主に成長新興国での堅調な需要によるものです。
・血漿分画製剤(免疫疾患)
血漿分画製剤(免疫疾患)の売上収益は、 6,112億円 ( +1,088億円 および +21.7% AER 、+16.2% CER)となりまし
た。
免疫グロブリン製剤の売上合計は、 4,857億円 ( +952億円 および +24.4% AER 、+18.4% CER)となりました。原発
性免疫不全症(PID)と多巣性運動ニューロパチー(MMN)の治療に用いられる静注製剤「GAMMAGARD
LIQUID/KIOVIG」および皮下注製剤である「キュービトル」と「HYQVIA」の三つのグローバル製品の売上は、引き
続きグローバルに需要が堅調に推移し供給量が増加したこと、皮下注製剤は静脈注射に比べ投薬の利便性が高い
こと、また円安による増収影響により、2桁台の売上収益増加率となりました。
主に血液量減少症と低アルブミン血症の治療に用いられる「HUMAN ALBUMIN」と「FLEXBUMIN」を含むアルブミン
製剤の売上合計は、 943億円 ( +88億円 および +10.2% AER 、+6.9% CER)となりました。この増収は、主に中国に
おける需要が増加したことによるものです。
・オンコロジー
オンコロジーの売上収益は、 3,463億円 ( +13億円 および +0.4% AER 、△2.2% CER)となりました。
多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド」の売上は、41億円(△206億円および△83.3% AER 、△84.2% CER) となりま
した。この減収は、米国において後発品が市場浸透したことによるものです。
多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」の売上は、667億円(△92億円および△12.1% AER、△15.1% CER)となりま
した。この減収は、円安による増収影響が一部相殺したものの、主に米国における競争の激化の影響や需要減少
の影響があったことによるものです。
悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」の売上は、842億円(+185億円および+28.1% AER 、+27.9% CER) となりま
した。この増収は、成長新興国における好調な伸長が牽引したことによるものです。
白血病治療剤「アイクルシグ」の売上は、415億円(+59億円および+16.7% AER、+9.2% CER)となりました。こ
の増収は、米国における堅調な伸長と円安による増収影響によるものです。
非小細胞肺がん治療剤「アルンブリグ」の売上は、211億円(+54億円および+34.0% AER 、+30.3% CER) となり
ました。この増収は、全ての地域において需要が堅調に推移したことによるものです。
オンコロジーのその他の製品の売上合計は、2023年11月に米国において上市した新製品である直腸結腸がん治療
剤「FRUZAQLA」などの貢献により前年同期から増収となりました。
・ニューロサイエンス
ニューロサイエンスの売上収益は、 4,749億円 ( △23億円 および △0.5% AER 、△5.8% CER)となりました。
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注意欠陥/多動性障害(ADHD)治療剤「VYVANSE/ELVANSE」(国内製品名:「ビバンセ」)の売上は、 3,129億円
( △226億円 および △6.7% AER 、△12.1% CER)となりました。この減収は、米国において2023年8月から複数
の 後発品が参入したことによるものです。欧州における成人向け市場の拡大や円安による増収影響は、この減収
影響を一部相殺したにとどまりました。
ADHD治療剤「ADDERALL XR」の売上は、352億円(+162億円および+84.7% AER、+73.5% CER)となりました。こ
の増収は、主に米国における後発品である競合他社の即放性製剤の供給不足による本剤に対する増収影響による
ものです。
ADHD治療剤「インチュニブ」の売上は、254億円(+88億円および+52.7% AER、+50.2% CER)となりました。この
増収は、主に日本における本剤に係る権利を買い戻したことによるものです。
「 ADDERALL XR 」および「インチュニブ」の増収は、日本において後発品による影響を継続的に受けた不眠症治療
剤「ロゼレム」など、その他のニューロサイエンスの製品の減収影響が一部相殺しました。
〔売上原価〕
売上原価は、1兆442億円(+1,099億円および+11.8% AER、 +6.8% CER)となりました。この増加は主に、製品構
成の変動を含む5つの主要なビジネスエリアの好調な売上 および円安による為替影響によるものです。なお、この
増加は、Shire社買収に伴い計上された棚卸資産の公正価値調整等にかかる非資金性の費用が減少したことにより一
部相殺されております。
〔販売費及び一般管理費〕
販売費及び一般管理費は、7,686億円(+261億円および+3.5% AER、△1.3 % CER)となりました。 様々な取組みに
より一部費用が効率化されたものの、円安による為替影響により増加しました。
〔研究開発費〕
研究開発費は、5,341億円(+617億円および+13.1% AER、+7.3% CER)となりました。この増加要因は主に、パイ
プラインへの研究開発投資および円安による為替影響によるものです。
〔製品に係る無形資産償却費及び減損損失〕
製品に係る無形資産償却費及び減損損失は、5,070億円(+978億円および+23.9% AER、+16.3 % CER)となりまし
た。この増加は主に、仕掛研究開発品および上市後製品に係る減損損失の増加、円安による為替影響に伴う無形資
産償却費の増加によるものです。当期計上した1,193億円の減損損失には、主にクローン病に伴う複雑痔瘻治療剤
「アロフィセル」の臨床第3相 ADMIRE-CD Ⅱ試験のトップライン結果を踏まえて計上した740億円の減損損失、お
よび非小細胞肺がん治療剤「EXKIVITY」の販売や開発活動を全世界で自主的に中止する決定を行ったことに伴い計
上した285億円の減損損失が含まれております。
〔その他の営業収益〕
その他の営業収益は、108億円(△59億円および△35.4% AER、 △35.7% CER)となりました。
〔その他の営業費用〕
その他の営業費用は、1,457億円(+180億円および+14.1% AER、 +9.1% CER)となりました。この増加は主に、事
業構造再編費用およびAbbVie, Inc.(以下、「AbbVie社」)との供給契約に関する訴訟について当期に計上した費
用の増加によるものです。これらの増加は、承認前在庫に係る評価損の引当額が減少したことにより一部相殺され
ております。
〔営業利益〕
営業利益は、上記の要因を反映し、 2,241億円 ( △1,778億円 および △44.2% AER 、△42.9% CER)となりました。
〔金融損益〕
金融収益と金融費用をあわせた金融損益は1,266億円の損失(+549億円および +76.7% AER 、+77.9% CER)となりま
した 。 前年同期の損失からの増加は主に、従来持分法を適用していた会社の買収に伴う投資の再測定に係る利益および当
社が株式を保有する企業のワラントにかかるデリバティブの再測定によるプラス影響を前年同期に計上したことにより金融収益
が減少したことによるものです。
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〔持分法による投資損益〕
当期の持分法による投資損益は、27億円の利益(+59億円 、前年同期は31億円の損失) となりました。
〔法人所得税費用〕
法人所得税費用は、△469億円(△882億円 、 前年同期は413億円 ) となりました。 この減少は主に、2014年にShire
社がAbbVie社から受領した買収違約金の取り扱いに係る税務評価について、アイルランド歳入庁と和解したことに
伴い和解金を超える部分の未払法人所得税を振り戻したことによる税金費用の減額635億円および税引前四半期利益
の減少によるものです。これらの減少は、繰延税金資産の評価減および組織再編にかかる税金費用と一部相殺され
ております。
〔四半期利益〕
四半期利益は、上記の要因を反映し、 1,472億円 ( △1,387億円 および △48.5% AER 、△50.1% CER)となりまし
た 。
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当期(2023年4-12月期)におけるCore業績の概要
Core財務指標 と CER ベースの増減の定義
当社は、業績評価において「Core財務指標」の概念を採用しています。本指標は、国際会計基準(IFRS)に準拠し
たものではありません。
C ore 売上収益は、売上収益から、重要性のある本業に起因しない(非中核)事象による影響を控除して算出しま
す。
Core営業利益は、当期利益から、法人所得税費用、持分法による投資損益、金融損益、その他の営業収益及びその他の営
業費用、製品に係る無形資産償却費及び減損損失を控除して算出します。その他、非定常的な事象に基づく影響 、 企業買
収に係る会計処理の影響や買収関連費用など、本業に起因しない(非中核)事象による影響を調整します。
Core EPSは、当期利益から、Core営業利益の算出において控除された項目と営業利益以下の各科目のうち、非定常的もしく
は特別な事象に基づく影響、本業に起因しない(非中核)事象による影響を調整します。これらには、条件付対価に係る公正
価値変動(時間的価値の変動を含む)影響などが含まれます。さらに、これらの調整項目に係る税金影響を控除した後、報告
期間の自己株式控除後の平均発行済株式総数で除して算出します。
CER(Constant Exchange Rate:恒常為替レート)ベースの増減は、当期の財務ベースの業績もしくはCore業績について、前年
同期に適用した為替レートを用いて換算することにより、前年同期との比較において為替影響を控除するものです。
Core業績
(単位:億円、%以外)
対前年同期
AERベース CERベース
前年同期 当期
増減額 増減率 増減率
Core売上収益 30,713 32,129 1,416 4.6 % 0.0%
Core営業利益 9,547 8,656 △891 △9.3 % △12.7%
Core EPS (円)
456 412 △44 △9.7 % △12.9%
〔Core 売上収益〕
当期のCore売上収益は、 3兆2,129億円 ( +1,416億円 および +4.6% AER 、+0.0% CER)となりました。当期および前年
同期においては、売上収益から控除した重要性のある本業に起因しない(非中核)事象による影響はなかったこと
(注)
から、Core売上収益は財務ベースの売上収益と同額となりました。タケダの成長製品・新製品 の売上収益は、
1兆3,847億円(+2,166億円および+18.5% AER、+12.7% CER)となり、好調に推移した事業を牽引しました。
(注)タケダの成長製品・新製品
消化器系疾患:ENTYVIO、アロフィセル
希少疾患:タクザイロ、LIVTENCITY、ADZYNMA
血漿分画製剤(免疫疾患): GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、HYQVIA、キュービトルを含む免疫グロブリン製剤、
HUMAN ALBUMIN、FLEXBUMINを含むアルブミン製剤
オンコロジー:アルンブリグ、EXKIVITY(グローバルに自主的な販売中止を決定)、FRUZAQLA
その他:QDENGA
〔Core営業利益〕
当期のCore営業利益は、 8,656億円 ( △891億円 および △9.3% AER 、△12.7% CER)となりました。この減少は主
に、製品構成の変動およびパイプラインへの研究開発投資やデータとテクノロジーへの投資の増加によるもので
す。
〔Core EPS〕
当期のCore EPS は、 412円 ( △44円 および △9.7% AER 、△12.9% CER) となりました。
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(2) 財政状態の分析
前年度末からの実勢レート(Actual Exchange Rate)ベースの増減額を表記しております。
〔資産〕
当第3四半期末における資産合計は、 14兆2,229億円 ( +2,652億円 )となりました。この増加は、のれん、棚卸資産
および有形固定資産(+3,206億円、+1,832億円および+1,503億円 )が、主に為替換算の影響によりそれぞれ増加したこと
によるものです。これらの増加は、現金及び現金同等物の減少(△2,452億円)と一部相殺されております。加えて、為替換算
の影響による増加と一部相殺したものの、主に償却費および減損損失に伴い、無形資産が減少(△1,726億円)しております。
〔負債〕
当第3四半期末における負債合計は、 7兆4,803億円 ( △1,227億円 )となりました。この減少は、主にNimbus
Therapeutics, LLC(以下、「Nimbus社」)から取得したTAK-279に関連する一時金の残額、およびHUTCHMED
(China)Limited(以下、「HUTCHMED社」)と締結した独占的ライセンス契約に関連する支払いに伴う仕入債務及
びその他の債務の減少(△1,656億円)、主に法人所得税の支払いに伴う未払法人所得税の減少(△1,404億円)、な
らびに繰延税金負債の減少(△1,376億円)によるものです。これらの減少は、コマーシャル・ペーパーの 発行およ
び為替換算の影響に伴う社債及び借入金の増加(+2,818億円)と一部相殺されております。当第3四半期末における
社債及び借入金合計は、4兆6,642億円(注)となりました。
( 注) 当第3四半期末における社債及び借入金の帳簿価額はそれぞれ 3兆9,276億円 および 7,365億円 です。なお、
社債及び借入金の内訳は以下の通りです。
社債:
銘柄
発行時期 償還期限 帳簿価額
(外貨建発行額)
米ドル建無担保普通社債
2025年6月
2015年6月 1,855億円
(1,301百万米ドル) ~2045年6月
米ドル建無担保普通社債
2016年9月 2026年9月 4,106億円
(3,000百万米ドル)
ユーロ建無担保普通社債 2026年11月
2018年11月 4,679億円
(3,000百万ユーロ) ~2030年11月
米ドル建無担保普通社債
2018年11月 2028年11月 2,469億円
(1,750百万米ドル)
ハイブリッド社債
2019年6月 2079年6月 4,994億円
(劣後特約付社債)
米ドル建無担保普通社債 2030年3月
2020年7月 9,869億円
(7,000百万米ドル) ~2060年7月
ユーロ建無担保普通社債 2027年7月
2020年7月 5,608億円
(3,600百万ユーロ) ~2040年7月
円貨建無担保普通社債 2021年10月 2031年10月 2,495億円
2023年11月 2024年2月
3,200億円
コマーシャル・ペーパー
~2023年12月 ~2024年3月
3兆9,276億円
合計
借入金:
名称
借入時期 返済期限 帳簿価額
(外貨建借入額)
シンジケートローン 2016年4月 2026年4月 1,000億円
〃 2017年4月 2027年4月 1,135億円
〃
2017年4月 2027年4月 2,126億円
(1,500百万米ドル)
〃 2023年4月 2030年4月 1,000億円
2016年3月 2024年4月
その他のバイラテラルローン 2,100億円
~2023年3月 ~2029年3月
4億円
その他
7,365億円
合計
当社グループは、返済期日を迎えたシンジケートローン1,000億円について、2023年4月26日に返済するとともに、
同日に2030年4月26日に返済期日を迎えるシンジケートローン1,000億円を実行しました。2023年9月23日には、
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2016年9月に発行した米ドル建無担保普通社債の残高1,000百万米ドルについて満期償還を実行しました。さらに、
2023年11月26日には、2018年11月に発行した米ドル建無担保普通社債の残高500百万米ドルについて満期償還を実行
し ました。当第3四半期末におけるコマーシャル・ペーパーの発行残高は3,200億円となりました。
〔資本〕
当第3四半期末における資本合計は、 6兆7,426億円 ( +3,879億円 )となりました。この増加は、主に円安の影響に
よる為替換算調整勘定の変動によりその他の資本の構成要素が増加(+4,815億円)したことによるものです。この
増加は、四半期利益の計上があったものの、主に配当金の支払いに伴う2,878億円の減少による利益剰余金の減少
(△1,443億円)と一部相殺されております。
〔キャッシュ・フロー〕
(単位:億円)
前年同期 当期
営業活動によるキャッシュ・フロー 6,835 4,378
投資活動によるキャッシュ・フロー △1,686 △4,024
財務活動によるキャッシュ・フロー △7,025 △2,962
現金及び現金同等物の増減額 △1,877 △2,608
現金及び現金同等物の期首残高 8,497 5,335
現金及び現金同等物に係る換算差額 231 156
現金及び現金同等物の四半期末残高 6,851 2,884
前年同期からの 実勢レート(Actual Exchange Rate)ベースの増減額を表記しております。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
営業活動によるキャッシュ・フローは、 4,378億円 ( △2,457億円 )となりました。 この減少は、資産及び負債の増
減額における減少、ならびに非資金項目およびその他の調整項目を調整した後の四半期利益が減少したこと等によ
るものです。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
投資活動によるキャッシュ・フローは、 △4,024億円 ( △2,338億円 )となりました。この減少は、主にNimbus社か
ら取得したTAK-279、およ びHUTCHMED社と締結した 独占的ライセンス契約に関連して、無形資産の取得による支出が
増加したことによるものです。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
財務活動によるキャッシュ・フローは、 △2,962億円(+4,064億円)となりました。この増加は、主にコマーシャ
ル・ペーパーが当期に純額で増加(+2,800億円)したこと、社債の償還による支出が当期に純額で減少(+609億
円)したこと、およ び社債に係る金利通貨スワップの決済が当期に行われたことによるものです。
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(3) 研究開発活動の内容および成果
当第3四半期累計の研究開発費の総額は 5,341億円 であります。
当社の研究開発は、サイエンスにより、患者さんの人生を根本的に変えうるような非常に革新性が高い医薬品を創
製することに注力しています。当社は、「革新的なバイオ医薬品」、「血漿分画製剤」および「ワクチン」の3つ
の分野において研究開発活動を実施しています。「革新的なバイオ医薬品」に対する研究開発は、当社の研究開発
投資の中で最も高い比率を占めています。「革新的なバイオ医薬品」における重点疾患領域(消化器系・炎症性疾
患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー、希少遺伝子疾患および血液疾患)には未だ有効な治療
法が確立されていない疾患に対する高い医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)が存在し、当社はベス
ト・イン・クラスあるいはファースト・イン・クラスとなりうる画期的な新規候補物質を創出してまいりました。
当社では新たな研究開発能力、さらには次世代プラットフォームに対して社内および外部との提携によるネット
ワークを通じて投資し、細胞療法および遺伝子治療の領域の強化を図っています。また、当社はデータとデジタル
技術を活用し、イノベーションの質を向上させ、実行を加速させています。
当社のパイプラインは、当社事業の短期的および中長期的かつ持続的な成長を支えるものです。初回の承認取得後
も上市後の製品に対して、地理的拡大や効能追加に加え、市販後調査および剤型追加の可能性を含めた継続的な研
究開発活動による支援体制が整っています。当社の研究開発チームは、販売部門との緊密な連携を通じ既発売品の
価値の最大化を図り、販売活動を通じて得られた知見を研究開発戦略やポートフォリオに反映します。
当社の2023年4月以降の主要な研究開発活動の進捗は、以下のとおりです。
研究開発パイプライン
消化器系・炎症性疾患
消化器系・炎症性疾患において、消化管疾患、肝疾患および免疫介在性の炎症性疾患の患者さんに革新的で人生を
変えうるような治療法をお届けすることにフォーカスしています。炎症性腸疾患(IBD)においては、「ENTYVIO
(国内製品名:エンタイビオ)」に関する皮下注射製剤の開発および活動性の慢性回腸嚢炎をはじめとする適応症
拡大を含め、フランチャイズのポテンシャルを最大化しています。加えて、「GATTEX/レベスティブ」の地理的拡
大により当社の消化器系疾患におけるポジショニングの拡大を目指しています。また、当社は、自社創製、社外と
の提携および事業開発を通じて炎症性疾患( 消化器系、皮膚科系、リウマチ性の疾患に加え、厳選した希少血液疾
患および腎疾患 )、肝疾患、消化管運動関連疾患における機会を探索し、パイプラインの構築を進めております。
そのうち、後期開発段階にあり、複数の免疫介在性炎症性疾患の治療薬としてベスト・イン・クラスとなる可能性
を有する経口アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬「TAK-279」は、事業開発を通じて獲得した候補
物質の一例です。また、後期開発段階にある「fazirsiran(TAK-999)」は、α-1アンチトリプシン欠損関連肝疾
患に対するファースト・イン・クラスのRNA干渉治療薬となる可能性があり、社外との提携を通じたパイプライン
構築の一例です。
注)「ADZYNMA (TAK-755)」および「mezagitamab(TAK-079)」は、2023年度第4四半期より消化器系・炎症性
疾患領域において開発が継続されています。
[ENTYVIO/エンタイビオ 一般名:ベドリズマブ]
- 2023年4月、当社は、「ENTYVIO」点滴静注製剤による導入療法後の成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸
炎に対する維持療法として、「ENTYVIO」皮下注射製剤の生物学的製剤承認申請(BLA)を米国食品医薬品局
(FDA)に再提出し、受理されたことを公表しました。今回の再提出は、2019年12月の審査完了報告通知(CRL)
におけるFDAの指摘内容に対応することを目的としていました。CRLの受領以降、当社はFDAと緊密に連携し、当
局の指摘内容に取り組んでまいりました。今回の再提出パッケージには、「ENTYVIO」皮下注射製剤の使用につ
いて検討するために収集した追加データが含まれていました。同通知の内容は、「ENTYVIO」点滴静注製剤、臨
床安全性および有効性データ、ならびに「ENTYVIO」皮下注射製剤のBLAを支持する検証試験である「VISIBLE1
試験」の結論とは関連していませんでした。「VISIBLE1試験」では、0週および2週時点に非盲検下にて
「ENTYVIO」点滴静注製剤を2回投与後、6週時点で臨床的改善が得られた中等症から重症の活動期潰瘍性大腸
炎の成人患者216名を対象に、「ENTYVIO」皮下注射製剤の維持療法としての安全性および有効性を評価しまし
た。主要評価項目は、52週時点における臨床寛解であり、これは完全Mayoスコアが2ポイント以下、かつすべて
のサブスコアが1以下と定義しました。2023年9月、当社は、「ENTYVIO」点滴静注製剤による導入療法後の成
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人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎に対する維持療法として、「ENTYVIO」皮下注射製剤が、FDAによって
承認されたことを公表しました。
- 2023年9月、当社は、「ENTYVIO」点滴静注製剤による導入療法後の成人の中等症から重症の活動期クローン病
に対する維持療法として、「ENTYVIO」皮下注射製剤のBLAが、FDAによって受理されたことを公表しました。本
BLA申請パッケージは、「VISIBLE2試験」のデータに基づいています。本試験は、0週および2週時点に非盲検
下にて「ENTYVIO」の点滴静注製剤による静脈内投与を2回実施後、6週時点で臨床的改善を達成した中等症か
ら重症の活動期クローン病成人患者409名を対象に、「ENTYVIO」皮下注射製剤による維持療法の安全性と有効性
を評価しました。主要評価項目は、52週時点における臨床寛解であり、これはクローン病活動指数(CDAI:
Crohn's Disease Activity Index)のスコアが150以下と定義しました。
- 2023年9月、当社は、中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)を
効能または効果として、「エンタイビオ皮下注108mgペン/同皮下注108mgシリンジ」(「エンタイビオSC」)につ
いて、厚生労働省より製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを公表しました。今回の承認は、「エン
タイビオSC」の中等症から重症の活動期クローン病の維持療法としての有効性および安全性を評価した国際共同
臨床第3相試験である「MLN0002SC-3031試験」および「MLN0002SC-3030試験」に基づくものです。
[アロフィセル 一般名:ダルバドストロセル]
- 2023年10月、当社は、クローン病に伴う複雑痔瘻の治療薬「アロフィセル」の有効性および安全性を評価する臨
床第3相「ADMIRE-CD II試験」において、主要評価項目である24週時点の複合寛解率を達成しなかったことを公
表しました。「アロフィセル」の安全性プロファイルは過去の試験と一致し、安全性に関する新たな所見は認め
られませんでした。データ解析から得られた結果は、今後、医学学会または査読付き学術誌において発表する予
定です。 「アロフィセル」は、これまでに完了している「ADMIRE-CD試験」の良好な結果に基づき、欧州連合
(EU)、イスラエル、スイス、セルビア、英国および日本において承認されています。
[ADZYNMA 一般名:apadamtase alfa/cinaxadamtase alfa(開発コード:TAK-755)]
- 2023年6月、当社は、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)に対する予防的治療法として、「TAK-755」補
充療法の安全性および有効性を評価する無作為化対照非盲検クロスオーバー国際共同ピボタル臨床第3相試験の
中間解析の良好な結果および「TAK-755」の薬物動態(PK)の特性に加えて、臨床第3b相継続試験からの「TAK-
755」の予防効果に関する長期データを2023年の国際血栓止血学会(ISTH)で発表しました。本ピボタル試験で
は、「TAK-755」の予防的治療を受けている期間中に急性TTPイベントが発現した患者はいませんでした。また、
「TAK-755」は、血漿製剤を用いた治療(血漿療法)と比較して血小板減少症事象の発現率を60%低減させました
(ハザード比[HR]0.40;95%信頼区間[CI]:0.3–0.7)。試験治療下で発現した有害事象は、血漿療法群で50%で
あったのに対し、「TAK-755」の投与を受けた12歳以上68歳以下の患者において10.3%であり、良好な安全性およ
び忍容性プロファイルが確認されるとともに血漿療法よりも安全性が高い可能性が示されました。加えて、12歳
以上のcTTP患者36例を対象に、単回輸注後(0~168時間)のADAMTS13の薬物動態の特性を評価し、血漿療法と
比較しました。「TAK-755」による治療を受けた患者は、血漿療法を受けた患者と比較して、ADAMTS13の活性レ
ベルが5倍増加し(Cmax:「TAK-755」群 100% vs. 血漿療法群 19%)、かつ変動が少ないという結果でした
(変動係数[CV]:23.8% vs. 56%)。
また、cTTP患者29例を対象に「TAK-755」の長期予防投与の安全性および有効性を評価した臨床第3b相継続試験
の中間解析の結果、「TAK-755」の予防投与による安全性プロファイルは一貫して良好であり、中和抗体の産生
は認められませんでした。「TAK-755」の予防投与期間中に発現した急性TTPイベントはなく、亜急性TTPイベン
トおよびTTP症状の発現率は、ピボタル試験における「TAK-755」予防投与時の発現率と同程度でした。
- 2023年8月、当社は、「TAK-755」について、cTTPを予定される効能または効果として厚生労働省に対し製造販
売承認申請を行ったことを公表しました。本申請は、主にcTTPの患者(日本人5名を含む)を対象としたグロー
バル臨床第3相試験である「281102試験」および臨床第3b相継続試験である「TAK-755-3002試験」の中間解析
結果に基づくものです。これらの試験において、「TAK-755」はcTTPの治療薬として有効性および安全性が評価
されました。
- 2023年11月、当社は、米国食品医薬品局(FDA)により、cTTPの成人および小児患者の予防的治療薬ならびに酵
素補充療法として「ADZYNMA」の承認を取得したことを公表しました。本剤は、cTTPを対象としたファスト・ト
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ラック指定、希少疾病用医薬品指定および希少小児疾患指定を受け、生物学的製剤承認申請(BLA)は優先審査
指定を受けていました。また、FDAは本承認に対して希少小児疾患優先審査権を付与しました。本承認は、cTTP
を 対象とした初の無作為比較非盲検クロスオーバー臨床第3相試験の有効性、薬物動態、安全性および忍容性
データの解析、ならびに継続試験のデータを含む包括的なエビデンスに基づきます。「ADZYNMA」は、欠乏した
ADAMTS13酵素を補充することによりcTTP患者のアンメット・メディカル・ニーズに対応するFDAに承認された初
めてかつ唯一の遺伝子組換えADAMTS13(rADAMTS13)です。
[開発コード:TAK-279]
- 2023年11月、当社は、活動性の乾癬性関節炎患者を対象として「TAK-279」を評価する無作為化二重盲検プラセ
ボ対照臨床第2b相試験の良好な結果を、米国リウマチ学会(ACR)Convergence 2023のLate-Breaking Session
において発表しました。本試験では、1日1回投与した患者群において12週時点で米国リウマチ学会が定めた基
準による20%以上の改善(ACR20)を示した患者の割合が「TAK-279」群では53.3%(15mg)および54.2%(30mg)
であり、プラセボ群の29.2%と比較して統計学的に有意に高く(p=0.002)主要評価項目を達成しました。本試験
において「TAK-279」は重要な副次評価項目でも改善を示し、安全性および忍容性プロファイルは、尋常性乾癬
を対象とした臨床第2b相試験と一致していました。本臨床第2b相試験の結果に基づき、乾癬性関節炎を対象と
した「TAK-279」の臨床第3相開発プログラムを開始する予定です。また当社は、2023年度第3四半期に尋常性
乾癬を対象とした「TAK-279」の臨床第3相開発プログラムを開始済みであり、クローン病、潰瘍性大腸炎など
の免疫介在性炎症性疾患を対象として「TAK-279」を評価する予定です。
[開発コード:TAK-721(予定製品名:Eohilia) 一般名:ブデソニド]
- 2023年9月、当社は、好酸球性食道炎に対する短期の治療薬として開発中の「TAK-721」(ブデソニド経口懸濁
液)について、再提出した新薬承認申請(NDA)が米国食品医薬品局(FDA)に受理されたことを公表しました。
今回の再提出は、当社による最初のNDA申請に対するFDAからのフィードバックに対応したものです。
ニューロサイエンス(神経精神疾患)
当社は、高いアンメット・ニーズが存在する神経疾患および神経筋疾患を対象に、革新的治療法に研究開発投資を
集中させ、当社の専門知識やパートナーとの提携を生かし、パイプラインを構築しています。疾患の生物学的理
解、トランスレーショナルなツール、革新的なモダリティの進展により、当社は希少神経疾患、特にオレキシン2
受容体作動薬フランチャイズ(「TAK-861」、「danavorexton(TAK-925)」など)によるナルコレプシーや特発性
過眠症などの睡眠・覚醒障害、「soticlestat(TAK-935)」による希少てんかん、および「pabinafusp alfa
(TAK-141)」によるハンター症候群の中枢性および身体症状の治療薬の開発に注力しています。当社はさらに、神
経筋疾患、神経変性疾患および運動障害のうち患者セグメントを明確に定義できる疾患に特化した投資を行ってい
ます。
オンコロジー
オンコロジー領域では、患者さんを通じて得られるインスピレーションおよびあらゆるイノベーションを活用する
ことで、がんの治癒を目指しています。本疾患領域では、(1)既発売品(「ニンラーロ」、「アドセトリス」、
「アイクルシグ」など)を通じた血液がん領域におけるさらなるプレゼンスの構築、(2)既発売品(「アルンブ
リグ」、「FRUZAQLA(米国において上市、中国本土、香港およびマカオを除く他の地域における開発が進行
中)」)による固形がん領域の拡充、(3)高度に革新的な治療薬候補および基盤技術からなる最先端のパイプラ
インの進捗の3つの分野にフォーカスしています。
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[カボメティクス 一般名:カボザンチニブ]
- 2024年1月、当社は、1種類の新規ホルモン療法による1回の前治療歴があり転移を有する去勢抵抗性前立腺が
んで測定可能な軟部組織病変を有する患者を対象に、「カボメティクス」と抗PD-L1(Programmed Death-
Ligand 1)ヒト化モノクローナル抗体「アテゾリズマブ」の併用療法と、2剤目の新規ホルモン療法(NHT群)
を比較した、Exelixis社が主導する国際共同臨床第3相「CONTACT-02試験」の結果が、2024年米国臨床腫瘍学会
泌尿器癌シンポジウム(ASCO GU)の口頭セッションで発表されたことを公表しました。主要評価項目である無
増悪生存期間(PFS)ITT(intent-to-treat)集団(400例)の追跡期間中央値14.3ヵ月において、ハザード比
(HR)は0.65(95%信頼区間[CI]:0.50-0.84、p=0.0007)であり、PFS中央値(mPFS)は、「カボメティク
ス」と「アテゾリズマブ」併用群で6.3ヵ月であったのに対し、NHT群は4.2ヵ月でした。これはITT集団(507
例)のPFSとほぼ同じでした(HRは0.64(95%信頼区間:0.50-0.81、p=0.0002))。もうひとつの主要評価項目
である全生存期間(OS)中央値は、ITT集団の追跡期間中央値12.0ヵ月において、「カボメティクス」と「アテ
ゾリズマブ」併用群の16.7ヵ月に対し、NHT群では14.6ヵ月であり(HR:0.79、95%CI:0.58-1.07、p=
0.13)、改善傾向を示しました。本試験で認められた「カボメティクス」および「アテゾリズマブ」の安全性プ
ロファイルは、それぞれの単剤で既知の安全性プロファイルと一致しており、併用レジメンによる新たな安全性
への懸念は特定されませんでした。
[アドセトリス 一般名:ブレンツキシマブ ベドチン]
- 2023年10月、当社は、欧州委員会(EC)より、未治療のⅢ期CD30陽性ホジキンリンパ腫成人患者に対するドキソ
ルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン(AVD)との併用療法として、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」
の承認を取得したことを公表しました。この決定は、2023年9月の欧州医薬品評価委員会(CHMP)の承認を推奨
する肯定的見解に沿ったものです。本承認は、未治療のⅢ期またはⅣ期の成 人 ホジキンリンパ腫患者を対象に、
「アドセトリス」+AVD療法を「ドキソルビシン」、「ブレオマイシン」、「ビンブラスチン」および「ダカル
バジン」併用群(ABVD)と比較した無作為化臨床第3相「ECHELON-1試験」の結果に基づきます。本試験では、
主要評価項目である修正無増悪生存期間(PFS)および重要な副次評価項目である全生存期間(OS)が達成さ
れ、未治療のⅢ期またはⅣ期古典的ホジキンリンパ腫に対して「アドセトリス」+AVD併用療法を受けた成人患
者のOSに統計学的に有意な改善が示されました。「アドセトリス」の安全性プロファイルはこれまでの臨床試験
と一致しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
- 2023年11月、当社は、「アドセトリス」について、再発又は難治性のCD30陽性の皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)を
新たな効能・効果として、厚生労働省より製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを公表しました。本承
認は、再発または難治性のCD30陽性のCTCL患者を対象とした、海外臨床第3相臨床「ALCANZA試験」ならびに国
内臨床第2相医師主導「SGN-35-OU試験」の結果に基づきます。
[ニンラーロ 一般名:イキサゾミブ]
- 2023年9月、当社は、「ニンラーロカプセル 2.3mg/3mg/4mg」の剤形追加として、厚生労働省に対し「ニンラー
ロカプセル0.5mg」の製造販売承認申請を行ったことを公表しました。当社は多発性骨髄腫患者の維持療法にお
ける、より適切な用量調節の実現を目指し、「ニンラーロ」の低用量製剤による新たな治療選択肢(1.5mg用量
(0.5mg/カプセル×3))を提供すべく、今回の製造販売承認申請を行いました。
[EXKIVITY 一般名:mobocertinib]
- 2023年10月、当社は、プラチナ製剤ベースの化学療法を実施中あるいは実施後に病勢が進行した上皮成長因子受
容体(EGFR)エクソン20挿入変異陽性を伴う局所進行性または転移性非小細胞肺がんの成人患者の治療薬
「EXKIVITY」について、米国食品医薬品局(FDA)との議論の結果、米国における自主的取り下げに向けてFDAと
協働していくことを公表しました。「EXKIVITY」が既に承認されている国においては全世界で同様に自主的取り
下げを開始する予定であり、現在販売されているその他の国では規制当局と今後の対応について協議を進めてい
ます。この決定は、臨床第3相「EXCLAIM-2検証試験」の結果に基づいています。この試験で主要評価項目が達
成されなかったため、FDAから付与された迅速承認および他の国々における条件付き承認の検証データの要件を
満たしませんでした。「EXCLAIM-2試験」は、EGFRエクソン20挿入変異を伴う局所進行または転移性非小細胞肺
がんの一次治療における「EXKIVITY」単剤療法とプラチナ製剤ベースの化学療法との安全性および有効性を検討
するために計画された臨床第3相多施設共同非盲検試験です。「EXCLAIM-2試験」において新たな安全性シグナ
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ルは認められませんでした。試験の全データは、今後の医学学会もしくは査読付き学術誌にて発表する予定で
す。
[FRUZAQLA 一般名:フルキンチニブ]
- 2023年6月、当社と HUTCHMED(China)Limited( HUTCHMED社)は、治療歴を有する転移性大腸がん(mCRC)の成
人患者の治療薬として、「フルキンチニブ」の製造販売承認申請(MAA)が、欧州医薬品庁(EMA)により受理さ
れたことを公表しました。承認された場合、「フルキンチニブ」は、治療歴を有するmCRC患者の治療薬として、
欧州連合(EU)で承認された初めてかつ唯一の血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1/2/3に高い選択性を有す
る阻害薬となります。本申請には、臨床第3相「FRESCO試験」からのデータとともに、国際共同臨床第3相
「FRESCO-2試験」から得られた結果を含めています。
- 2023年6月、当社とHUTCHMED社は、治療歴を有するmCRC患者を対象に「フルキンチニブ」を評価する臨床第3相
試験「FRESCO-2試験」結果が The Lancet に掲載されたことを公表しました。「FRESCO-2試験」は、治療歴を有
するmCRC患者を対象に、「フルキンチニブ」+最良支持療法(BSC)群とプラセボ+BSC群を比較検討する、米
国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された国際共同臨床第3相試験です。「FRESCO-2試験」は主要評
価項目および重要な副次評価項目を達成し、「フルキンチニブ」の投与により、統計学的に有意で臨床的に意味
のある全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の改善が示されました。「FRESCO-2試験」における「フルキ
ンチニブ」の安全性プロファイルは、これまでに報告された「フルキンチニブ」の試験結果と一致しています。
- 2023年9月、当社は前治療歴を有するmCRCに対する治療薬「フルキンチニブ」について、厚生労働省に製造販売
承認申請を行ったことを公表しました。今回の製造販売承認申請は、国際共同臨床第3相「FRESCO-2試験」お
よび臨床第3相「FRESCO試験」に基づくものです。
- 2023年11月、当社は、「フルオロピリミジン」、「オキサリプラチン」、および「イリノテカン」を含む化学療
法、抗VEGF療法、および抗EGFR療法(RAS野生型で医学的に適切な場合)の治療歴があるmCRC成人患者に対し、
「FRUZAQLA」が米国食品医薬品局(FDA)によって承認されたことを公表しました。「FRUZAQLA」は、バイオ
マーカーのステータスにかかわらず、治療歴を有するmCRC患者の治療薬として、米国で承認された初めてかつ唯
一の3種類のVEGFRキナーゼすべてに対して選択性を有する阻害薬です。「FRUZAQLA」の承認は、中国で実施さ
れた「FRESCO試験」およびグローバル試験である「FRESCO-2試験」の2つの大規模臨床第3相試験のデータに
基づきます。
希少遺伝子疾患および血液疾患
当社は、希少遺伝子疾患および血液疾患において、高いアンメット・メディカル・ニーズが存在する複数の疾患に
注力しています。遺伝性血管性浮腫においては、「タクザイロ」をはじめとするライフサイクルマネジメントプロ
グラムへの継続的な研究開発投資を通じて、既存の治療パラダイムの変革を目指します。希少血液疾患において
は、「アドベイト」、「アディノベイト/ADYNOVI」を通じて、出血性疾患治療における現在のニーズへ対応するこ
とに注力しています。また、「LIVTENCITY」においては、移植後サイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症の治療
を再定義することを目指しています。当社は、希少疾患の患者さんに対し革新的な医薬品を届けるという当社のビ
ジョンを実現するための取組みに注力します。
[アディノベイト/ADYNOVI 一般名:ルリオクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え)]
- 2023年6月、当社は、「アディノベイト」について、用法および用量に関する製造販売承認事項一部変更承認を
日本において取得したことを公表しました。本承認により、患者の臨床状態や活動レベルに応じ、投与量だけで
はなく投与間隔を含む用法および用量を調整することで、最適な定期投与による個別化治療への貢献が可能とな
ります。今回の承認は、主に国際共同臨床第3相試験である「CONTINUATION試験」および海外臨床第3相試験
「PROPEL試験」の成績に基づくものです。
[OBIZUR 一般名:スソクトコグ アルファ(遺伝子組換え)]
- 2023年6月、当社は、「スソクトコグ アルファ(遺伝子組換え)」について、後天性血友病A(AHA)患者にお
ける出血抑制を予定される効能・効果として厚生労働省に対し製造販売承認申請を行ったことを公表しました。
本申請は、主にAHAの日本人成人患者を対象とした国内臨床第2/3相試験およびAHAの非日本人成人患者を対象
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とした海外臨床第2/3相試験に基づくものです。
[LIVTENCITY 一般名:maribavir]
- 2023年11月、当社は、「maribavir」について、臓器移植(造血幹細胞移植も含む)におけるサイトメガロウイ
ルス感染症の治療を予定される効能・効果とし、厚生労働省に対し製造販売承認申請を行ったことを公表しまし
た。本申請は、主に日本人の造血幹細胞移植(HSCT)または固形臓器移植(SOT)患者でサイトメガロウイルス
(CMV)感染・感染症を有する患者を対象とした国内臨床第3相非盲検試験およびHSCTまたはSOT患者で既存の抗
CMV治療に難治性または抵抗性を示すCMV感染・感染症患者を対象とした海外臨床第3相非盲検「SOLSTICE試験」
に基づきます。
- 2023年12月、当社は、「LIVTENCITY」について、HSCTまたはSOT移植後の、「ガンシクロビル」、「バルガンシ
クロビル」、「シドフォビル」または「ホスカルネット」による治療に対して難治性(遺伝子耐性有無にかかわ
らず)のCMV感染・感染症の成人患者を対象として中国国家食品薬品監督管理局(NMPA)より承認を取得したこ
とを公表しました。NMPAによる本承認は、臨床第3相「SOLSTICE試験」の結果に基づきます。「LIVTENCITY」は
2021年に中国医薬品審査評価センター(CDE)によりブレークスルー・セラピー指定を付与されていました。
「LIVTENCITY」は中国において本適応症を有する初めてかつ唯一のCMV特異的UL97プロテインキナーゼ阻害薬で
す。
血漿分画製剤
当社は、血漿分画製剤(PDT)に特化したPDTビジネスユニットを設立し、血漿の収集から製造、研究開発および商
用化まで、エンド・ツー・エンドのビジネスを運営しています。本疾患領域では、様々な希少かつ複雑な慢性疾患
に対する患者さんにとって生命の維持に必要不可欠な治療薬の開発を目指しています。本領域に特化した研究開発
部門は、既発売の治療薬の価値最大化、新たな治療ターゲットの特定および現有する製品の製造効率の最適化とい
う役割を担います。短期的には、当社の幅広い免疫グロブリン製剤ポートフォリオ(「HYQVIA」、「CUVITRU」、
「GAMMAGARD」および「GAMMAGARD S/D」)における効能追加、地理的拡大および総合的な医療テクノロジーの活用
を通じたより良い患者体験を追求しています。血液製剤およびスペシャリティケアのポートフォリオにおいては、
「PROTHROMPLEX(4F-PCC)」、「ファイバ」、「CEPROTIN」および「ARALAST」における効能追加や剤型追加の開
発機会の追求を優先しています。また、当社は、グローバルに販売している20種類以上にわたる治療薬ポートフォ
リオに加え、「20% fSCIg」(「TAK-881」)や「IgG Low IgA」(「TAK-880」)といった次世代の免疫グロブリ
ン製剤の開発、およびその他の早期段階の治療薬候補(高シアル化免疫グロブリン(hsIgG)を含む)の開発を
行っています。
[HYQVIA 一般名:遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼ含有皮下注(ヒト)免疫グロブリン10%]
- 2023年4月、当社は、「HYQVIA」について、米国食品医薬品局(FDA)より、原発性免疫不全(PI)治療薬とし
て対象年齢を2歳から16歳までの小児患者へ拡大する生物製剤承認一部変更申請(sBLA)の承認を取得したこと
を公表しました。FDAによる小児PI患者の治療薬としての「HYQVIA」の承認は、2歳から16歳までの44名の小児
PI患者を対象に実施したピボタル前向き非盲検非対照臨床第3相試験のエビデンスに基づきます。「HYQVIA」
は、主要評価項目である急性の重篤な細菌感染症(aSBIs)の発現率につき、12ヵ月の治療期間において有効性
が確認されました。年間の平均aSBI発現率は0.04であり、事前に設定された達成規準である被験者1名あたりの
年間aSBI発現率1未満に対し統計学的に有意に低率(片側上限99%信頼区間 0.21、p<0.001)であったことか
ら、小児PI患者に対する「HYQVIA」の有効性が確認されました。すべての患者が12ヵ月間(1年間の観察期間)
の試験参加期間を完了した時点で行われた中間解析の結果では、成人と同様な安全性プロファイルが確認されま
した。
- 2023年6月、当社は、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の成人患者を対象とした維持療法としての
「HYQVIA」を評価するピボタル臨床第3相「ADVANCE-CIDP1試験」の結果を発表しました。「ADVANCE-CIDP1試
験」は、前向き無作為化プラセボ対照二重盲検多施設共同臨床第3相試験であり、静注用免疫グロブリン
(IVIG)による治療で病勢が安定している成人CIDP患者を1:1の割合でHYQVIA群(n=62)、プラセボ群
(n=70)へ無作為に割り付け、再発または試験治療の中止に至らない限り6ヵ月間の治療を行いました。主要評
価項目は、CIDPの症状の増悪をInflammatory Neuropathy Cause and Treatment(INCAT)スコアで評価する再発
率です。副次評価項目には、機能的悪化、再発までの期間、Rasch-built Overall Disability Scale(R-ODS)
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スコアの皮下注製剤開始前のベースライン時からの変化および安全性が含まれます。本試験の結果において、
「HYQVIA」はプラセボと比較して臨床的に意義のある再発率の低下を示し(9.7% vs. 31.4%、p=0.0045)、そ
の 他の解析では「HYQVIA」はプラセボと比較して再発までの期間の延長を示しました。また、その他の評価項目
でも良好なデータが得られ、良好な忍容性が確認されました。これらの結果は、2023年6月にデンマークで開催
された2023年末梢神経学会(PNS)年次総会で発表され、同時に the Journal of the Peripheral Nervous
System (JPNS)に掲載されました。
- 2024年1月、当社は、CIDPの成人患者における神経筋障害および機能障害の再発予防の維持療法として
「HYQVIA」がFDAにより承認されたことを公表しました。本承認は、「ADVANCE-CIDP1試験」および単群非盲検
継続試験である「ADVANCE-CIDP3試験」の結果に基づきます。「HYQVIA」はFDAが承認した唯一の免疫グロブリ
ン(IG)とヒアルロニダーゼの組合せ製剤であり、皮下注用免疫グロブリン製剤(SCIG)です。ヒアルロニダー
ゼ成分により皮膚と筋肉の間の皮下組織における大量のIGの拡散と吸収が促進されるため、CIDPの成人患者では
「HYQVIA」を最長で1か月に1回(2、3または4週ごと)の間隔で投与できます。また「HYQVIA」は皮下投与
のため、医療従事者が医療機関または患者の自宅で投与することが可能であり、適切なトレーニングを受けた
後、患者や介護者が自己注射することも可能です。
- 2024年1月、当社は、あらゆる年齢のCIDP患者を対象に、IVIGによる治療で安定した後の維持療法として
「HYQVIA」が欧州委員会(EC)により承認されたことを公表しました。本承認は、CIDP患者の再発予防のための
維持療法として「HYQVIA」の有効性と安全性を評価したピボタル臨床第3相「ADVANCE-CIDP1試験」のデータに
基づいています。
[CEPROTIN 一般名:乾燥濃縮ヒトプロテインC(開発コード:TAK-662)]
- 2023年4月、当社は「乾燥濃縮ヒトプロテインC(TAK-662)」について、先天性プロテインC欠乏症に起因する
静脈血栓塞栓症、電撃性紫斑病の治療および血栓形成傾向の抑制を予定される効能・効果として厚生労働省に対
し製造販売承認申請を行ったことを公表しました。今回の製造販売承認申請は、主に日本人の先天性プロテイン
C欠乏症患者を対象とした国内臨床第1/2相試験および先天性プロテインC欠乏症患者を対象とした2つの海外
臨床第2/3相試験(「IMAG-098試験」、「400101試験」)に基づくものです。これらの試験において、「TAK-
662」は先天性プロテインC欠乏症の治療薬として有効性と安全性が評価されました。
[キュービトル 一般名:皮下注(ヒト)免疫グロブリン20%]
- 2023年9月、当社は、「キュービトル」について、2歳以上の患者を対象に、無又は低ガンマグロブリン血症を
効能または効果として、厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。無又は低ガンマグロブリ
ン血症は、原発性免疫不全症(PID)または続発性免疫不全症(SID)による抗体が無いあるいは低い状態で、重
篤な感染症の再発リスクが増加することを特徴とする疾患です。皮下投与の免疫グロブリン製剤の日本における
承認取得は、当社として初めてです。本申請は、有効性、安全性、忍容性および薬物動態を評価するための、日
本人のPID患者を対象とした臨床第3相試験、ならびに北米と欧州のPID患者を対象とした臨床第2/3相試験に
基づくものです。日本の患者17例を対象とした試験において、有効性および安全性が確認されました。「キュー
ビトル」投与期間中に、重篤または重度の有害事象は報告されておらず、良好な忍容性を示しました。主な有害
事象は、頭痛および注射部位腫脹各4例(23.5%)、注射部位紅斑3例(17.6%)でした。これまでに報告されて
いる臨床試験においても本剤の有効性および安全性が確認されています。
[GAMMAGARD LIQUID 一般名:(ヒト)免疫グロブリン10%]
- 2024年1月、当社は慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の成人患者における神経筋障害および機能障害改善
のための静注用人免疫グロブリン製剤(IVIG)治療薬として、「GAMMAGARD LIQUID」が、米国食品医薬品局
(FDA)により承認されたことを公表しました。本剤は、導入時用量とそれに続く維持時用量が含まれる導入療
法としての使用が可能です。「GAMMAGARD LIQUID」は、CIDPの治療において免疫グロブリン製剤未投与の患者に
対して、または6か月を超える期間の維持療法としては検討されていません。本承認は、「HYQVIA」の
「ADVANCE-CIDP1試験」において再発した成人のCIDP患者を対象に「GAMMAGARD LIQUID」の有効性および安全性
を評価した無作為化プラセボ対照二重盲検「ADVANCE-CIDP2試験」の結果に基づいています。
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ワクチン
ワクチンでは、イノベーションを活用し、デング熱(「QDENGA(開発コード:TAK-003)」)、新型コロナウイル
ス感染(COVID-19)(「ヌバキソビッド筋注」)など、世界で最も困難な感染症に取り組んでいます。当社パイプ
ラインの拡充およびプログラムの開発に対する支援を得るために、政府機関(日本、米国)や主要な世界的機関と
のパートナーシップを締結しています。これらのパートナーシップは、当社のプログラムを実行し、それらのポテ
ンシャルを最大限に引き出すための重要な能力を構築するために必要不可欠です。
[QDENGA 一般名:4価弱毒生デング熱ワクチン(開発コード:TAK-003)]
- 2023年7月、当社は「TAK-003」について、現行の生物学的製剤承認申請(BLA)の審査サイクル内では解決が困
難なデータ収集に関する米国食品医薬品局(FDA)との議論の結果、米国における「TAK-003」のBLAを自主的に
取り下げたことを公表しました。「TAK-003」の米国における今後の計画は、旅行者およびプエルトリコなどの
米国のデング熱流行地域に居住する人々のニーズを考慮し検討される予定です。「TAK-003」の有効性および安
全性プロファイルは、8つのデング熱流行地域に居住する2万例を超える小児および成人を対象とした4.5年間
の臨床第3相試験を含む強固な臨床試験プログラムにより示されています。この臨床試験は、世界保健機関
(WHO)による第二世代のデング熱ワクチンに関するガイダンスに基づいており、デング熱流行地域において被
験者脱落防止と治験実施計画書遵守を達成できるようデザインされていました。「TAK-003」は、複数のデング
熱の流行国および非流行国で承認されており、今後数年で更なる承認が見込まれています。
- 2023年10月、当社は、WHOの予防接種に関する戦略的諮問委員会(SAGE)が、「QDENGA」の使用に関する推奨を
発表したことを公表しました。
SAGEは、以下の推奨を発表しました。
- 本ワクチンは、公衆衛生上のインパクトを最大化し、血清反応陰性者における潜在的リスクを最小限に抑える
ため、デング熱による疾病負担と感染率が高い地域での導入を検討すること。
- 6歳から16歳の小児を対象とする。この年齢範囲で、デング熱による入院の発生率がピークに達する年齢の約
1-2年前にワクチンを導入すること。2回接種とし、接種間隔は3ヵ月とすること。
- 本ワクチンは、よく検討された適切なコミュニケーションおよびコミュニティとの連携と併せて導入するこ
と。
SAGEは、第2世代デング熱ワクチンに関するWHOのガイダンスに従ってデザインされた臨床第3相「TIDES
(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)試験」を含む、28,000人を超える小児および成
人を対象とした19件にわたる臨床第1、2、3相試験のデータをレビューしました。
WHOは、SAGEの推奨を踏まえ、公的予防接種プログラムにおける「QDENGA」の使用に関する最終的なガイダンス
を含むデング熱ワクチンに関するポジションペーパーを更新すると見込まれます。
将来に向けた研究プラットフォームの構築/研究開発における提携の強化
自社の研究開発機能向上への注力に加え、社外パートナーとの提携も、当社研究開発パイプライン強化のための戦
略における重要な要素の一つです。社外提携の拡充と多様化に向けた戦略により、様々な新製品の研究に参画し、
当社が大きな研究関連のブレイクスルーを達成する可能性を高めます。
- 2023年8月、当社は、ImmunoGen, Inc.(ImmunoGen社)より日本を対象とした「mirvetuximab soravtansine-
gynx(MIRV))の独占的開発・販売に関するライセンス権を取得したことを公表しました。「MIRV」は、抗葉酸
受容体α(FRα)抗体に微小管阻害剤を結合させた抗体薬物複合体(ADC)という特徴を有する静脈注射剤であ
り、卵巣がん治療のために開発された初のADCです。「MIRV」は、1~3種類の全身治療レジメンの前治療歴を
有するFRα高発現のプラチナ製剤抵抗性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんの成人患者の治療薬として米国で
迅速承認を受けています。「MIRV」は、FRα高発現のプラチナ製剤抵抗性の再発・難治性卵巣がんを対象とした
海外臨床第3相「MIRASOL試験」において、既存の化学療法と比較して全生存率(OS)の有意な延長を示した初
めての薬剤です。
- 2024年1月、当社とProtagonist Therapeutics, Inc.(Protagonist Therapeutics社)は、天然型ホルモンヘプ
シジンの注射用ヘプシジンミメティクスペプチドであり、現在ピボタル臨床第3相「VERIFY試験」が進行中であ
る真性多血症 (PV) の治療薬候補としての「rusfertide」の開発・商業化に関する全世界でのライセンスおよび
提携契約を締結したことを公表しました。Protagonist Therapeutics社のペプチド技術プラットフォームを通じ
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て発見された「rusfertide」の作用機序は、鉄の恒常性を調節し、体内の鉄の吸収、貯蔵、分散を制御すると考
えられています。PVにおける「rusfertide」の臨床第2相「REVIVE試験」の無作為化部分は、主要評価項目を達
成 しました。2年間の非盲検延長試験による長期追跡データは米国血液学会2023年年次総会で発表され、PV患者
において持続的なヘマトクリット制御、瀉血使用の減少、長期忍容性が示され、新たな安全性シグナルは認めら
れませんでした。Protagonist Therapeutics社は引き続き臨床第3相試験の完了と米国規制当局による承認ま
で、研究開発を担当します。当社は米国以外での開発権を有し、グローバルでの商業化活動のリードを担いま
す。
(4) 主要な設備
当第3四半期累計に著しい変動があった新設の設備計画は、次のとおりであります。
投資予定金額
着手及び完了予定
事業所名及び
(注1)
セグメントの 資金調達
区分 設備の内容
子会社事務所名
名称 方法
総額 既支払額
《主な所在地》
着手 完了
(百万円) (百万円)
バクスアルタUS Inc.
2024年 2027年
《米国 カリフォルニア州
新設 製造設備 32,382 331 自己資金
医薬品事業
1月 6月
ロサンゼルス》
(注1)投資予定金額は、2023年12月末現在の為替レートで算出しております。
3 【経営上の重要な契約等】
当第3四半期において、経営上の重要な契約等の締結等はありません。
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第3 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
種類 発行可能株式総数(株)
普通株式 3,500,000,000
計 3,500,000,000
② 【発行済株式】
第3四半期末 上場金融商品取引所名
提出日現在発行数(株)
種類 現在発行数(株) 又は登録認可金融商品 内容
(2024年2月2日)
( 2023年12月31日 ) 取引業協会名
東京(プライム市場)、名
古屋(プレミア市場)、福 単元株式数は100
普通株式 1,582,392,825 1,582,399,825
岡、札幌、ニューヨーク各 株であります。
証券取引所
計 1,582,392,825 1,582,399,825 - -
(注)1.米国預託証券(ADS)をニューヨーク証券取引所に上場しております。
2.提出日現在発行数には、2024年2月1日からこの四半期報告書提出日までの新株予約権の行使により発行さ
れた株式数は、含まれておりません。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
発行済株式 発行済株式 資本準備金 資本準備金
資本金増減額 資本金残高
年月日 総数増減数 総数残高 増減額 残高
(百万円) (百万円)
(千株) (千株) (百万円) (百万円)
2023年10月1日~
20 1,582,393 40 1,676,543 40 1,668,555
2023年12月31日
(注) 新株予約権の行使による増加であります。
(5) 【大株主の状況】
当四半期は第3四半期であるため、記載事項はありません。
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(6) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2023年12月31日 現在
区分 株式数(株) 議決権の数(個) 内容
無議決権株式 - - -
議決権制限株式(自己株式等) - - -
議決権制限株式(その他) - - -
(自己保有株式)
- -
普通株式 7,513,000
完全議決権株式(自己株式等)
(相互保有株式)
- -
普通株式 287,000
完全議決権株式(その他) 15,730,409 -
普通株式 1,573,040,900
単元未満株式 - 1単元(100株)未満の株式
普通株式 1,551,925
発行済株式総数 1,582,392,825 - -
総株主の議決権 - 15,730,409 -
(注)1 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、株式付与ESOP信託にかかる信託口が所有する当社株式
3,630,200株(議決権36,302個)および役員報酬BIP信託にかかる信託口が所有する当社株式2,257,800株
(議決権22,578個)が含まれております。
2 「単元未満株式」欄の普通株式には、自己保有株式14株、株式付与ESOP信託にかかる信託口が所有する当社
株式139株及び役員報酬BIP信託にかかる信託口が所有する当社株式219株が含まれております。
② 【自己株式等】
2023年12月31日 現在
自己名義 他人名義 所有株式数 発行済株式総数
所有者の氏名
所有者の住所 所有株式数 所有株式数 の合計 に対する所有
又は名称
(株) (株) (株) 株式数の割合(%)
(自己保有株式)
大阪市中央区道修町
武田薬品工業株式会社 7,513,000 - 7,513,000 0.47
4丁目1-1
(相互保有株式)
豊中市新千里東町1丁目
天藤製薬株式会社 275,000 - 275,000 0.02
5-3
大阪市中央区平野町
渡辺ケミカル株式会社 12,000 - 12,000 0.00
3丁目6-1
計 - 7,800,000 - 7,800,000 0.49
(注) 上記の自己保有株式及び自己保有の単元未満株式14株のほか、株式付与ESOP信託にかかる信託口が所有する当
社株式3,630,339株及び役員報酬BIP信託にかかる信託口が所有する当社株式2,258,019株を要約四半期連結財
務諸表上、自己株式として処理しております。
2 【役員の状況】
該当事項はありません。
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第4 【経理の状況】
1.要約四半期連結財務諸表の作成方法について
当社の要約四半期連結財務諸表は、「四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(平成19年内閣
府令第64号。以下、「四半期連結財務諸表規則」)第93条の規定により、国際会計基準第34号「期中財務報告」(以
下、「IAS第34号」)に基づいて作成しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、第3四半期連結会計期間(2023年10月1日から2023年
12月31日まで)及び第3四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年12月31日まで)に係る要約四半期連結財務
諸表について、有限責任 あずさ監査法人による四半期レビューを受けております。
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1 【要約四半期連結財務諸表等】
① 【要約四半期連結損益計算書】
【第3四半期累計】
(単位:百万円)
前第3四半期累計 当第3四半期累計
(自 2022年4月1日 (自 2023年4月1日
注記
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
番号
売上収益 4 3,071,322 3,212,893
売上原価 △ 934,300 △ 1,044,177
販売費及び一般管理費 △ 742,513 △ 768,585
研究開発費 △ 472,381 △ 534,068
製品に係る無形資産償却費及び減損損失 5 △ 409,219 △ 507,003
その他の営業収益 16,676 10,768
△ 127,643 △ 145,685
その他の営業費用 6
営業利益
401,943 224,144
金融収益 55,130 46,101
金融費用 △ 126,765 △ 172,663
△ 3,133 2,731
持分法による投資損益
税引前四半期利益
327,175 100,313
△ 41,273 46,878
法人所得税費用 7
四半期利益 285,903 147,191
四半期利益の帰属
親会社の所有者持分 285,883 147,085
19 106
非支配持分
合計 285,903 147,191
1株当たり四半期利益(円)
基本的1株当たり四半期利益 8 184.32 94.10
希薄化後1株当たり四半期利益 8 182.65 93.17
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【第3四半期】
(単位:百万円)
前第3四半期 当第3四半期
(自 2022年10月1日 (自 2023年10月1日
注記
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
番号
売上収益 4 1,096,551 1,111,186
売上原価 △ 335,973 △ 379,481
販売費及び一般管理費 △ 262,299 △ 267,520
研究開発費 △ 174,629 △ 187,381
製品に係る無形資産償却費及び減損損失 △ 135,576 △ 137,338
その他の営業収益 3,200 894
△ 44,284 △ 35,446
その他の営業費用
営業利益
146,990 104,914
金融収益 41,679 22,550
金融費用 △ 79,749 △ 67,329
△ 1,767 1,125
持分法による投資損益
税引前四半期利益
107,153 61,260
11,996 44,496
法人所得税費用
四半期利益 119,149 105,756
四半期利益の帰属
親会社の所有者持分 119,127 105,720
22 36
非支配持分
合計 119,149 105,756
1株当たり四半期利益(円)
基本的1株当たり四半期利益 8 76.63 67.38
希薄化後1株当たり四半期利益 8 75.86 66.70
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② 【要約四半期連結包括利益計算書】
【第3四半期累計】
(単位:百万円)
前第3四半期累計 当第3四半期累計
(自 2022年4月1日 (自 2023年4月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
四半期利益 285,903 147,191
その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金
730 △ 1,383
融資産の公正価値の変動
12,977 △ 3,038
確定給付制度の再測定
13,707 △ 4,421
純損益にその後に振り替えられる可能性のある項目
在外営業活動体の換算差額 481,206 459,803
キャッシュ・フロー・ヘッジ △ 17,584 22,746
ヘッジコスト △ 12,107 301
持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する
△ 915 △ 466
持分
450,599 482,383
その他の包括利益合計 464,306 477,963
四半期包括利益合計 750,209 625,154
四半期包括利益の帰属
親会社の所有者持分 750,193 625,030
16 124
非支配持分
合計 750,209 625,154
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【第3四半期】
(単位:百万円)
前第3四半期 当第3四半期
(自 2022年10月1日 (自 2023年10月1日
至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
四半期利益 119,149 105,756
その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金
△ 4,554 △ 7,920
融資産の公正価値の変動
△ 418 △ 5,681
確定給付制度の再測定
△ 4,972 △ 13,602
純損益にその後に振り替えられる可能性のある項目
在外営業活動体の換算差額 △ 553,986 △ 319,417
キャッシュ・フロー・ヘッジ 15,616 24,760
ヘッジコスト 10,642 2,880
持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する
170 △ 187
持分
△ 527,558 △ 291,964
その他の包括利益合計 △ 532,531 △ 305,566
四半期包括利益合計 △ 413,381 △ 199,810
四半期包括利益の帰属
親会社の所有者持分 △ 413,341 △ 199,814
△ 40 4
非支配持分
合計 △ 413,381 △ 199,810
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③ 【要約四半期連結財政状態計算書】
(単位:百万円)
注記 前年度 当第3四半期
番号 (2023年3月31日) (2023年12月31日)
資産
非流動資産
有形固定資産 1,691,229 1,841,499
のれん 4,790,723 5,111,287
無形資産 4,269,657 4,097,022
持分法で会計処理されている投資 99,174 103,312
その他の金融資産 279,683 269,606
その他の非流動資産 63,325 54,703
366,003 316,689
繰延税金資産
非流動資産合計
11,559,794 11,794,117
流動資産
棚卸資産 986,457 1,169,640
売上債権及びその他の債権 649,429 716,230
その他の金融資産 20,174 29,045
未収法人所得税 32,264 26,849
その他の流動資産 160,868 179,393
現金及び現金同等物 533,530 288,359
15,235 19,313
売却目的で保有する資産
流動資産合計
2,397,956 2,428,830
資産合計 13,957,750 14,222,947
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(単位:百万円)
注記 前年度 当第3四半期
番号 (2023年3月31日) (2023年12月31日)
負債及び資本
負債
非流動負債
社債及び借入金 9 4,042,741 4,293,872
その他の金融負債 534,269 542,126
退職給付に係る負債 127,594 138,945
未払法人所得税 24,558 4,101
引当金 55,969 13,619
その他の非流動負債 65,389 72,473
270,620 133,036
繰延税金負債
非流動負債合計
5,121,138 5,198,172
流動負債
社債及び借入金 9 339,600 370,292
仕入債務及びその他の債務 649,233 483,666
その他の金融負債 185,537 248,100
未払法人所得税 232,377 112,446
引当金 508,360 482,467
その他の流動負債 566,689 585,197
売却目的で保有する資産に直接関連
144 -
する負債
流動負債合計 2,481,940 2,282,168
負債合計
7,603,078 7,480,340
資本
資本金 1,676,345 1,676,543
資本剰余金 1,728,830 1,730,138
自己株式 △ 100,317 △ 51,253
利益剰余金 1,541,146 1,396,838
1,508,119 1,989,669
その他の資本の構成要素
親会社の所有者に帰属する持分
6,354,122 6,741,934
549 673
非支配持分
資本合計
6,354,672 6,742,607
負債及び資本合計 13,957,750 14,222,947
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④ 【要約四半期連結持分変動計算書】
前第3四半期累計(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
その他の包括利益を
注記
資本 在外営業
通じて公正価値で測
番号
資本金 自己株式 利益剰余金
剰余金
活動体の 定される
金融資産の
換算差額
公正価値の変動
2022年4月1日残高 1,676,263 1,708,873 △ 116,007 1,479,716 984,141 22,068
超インフレによる影響額 △ 1,960 4,121
2022年4月1日残高
1,676,263 1,708,873 △ 116,007 1,477,756 988,263 22,068
(調整後)
四半期利益 285,883
その他の包括利益 480,326 698
四半期包括利益 - - - 285,883 480,326 698
新株の発行 71 71
自己株式の取得 △ 5 △ 27,056
自己株式の処分 0 1
配当 10 △ 278,321
その他の資本の構成要素
22,402 △ 9,424
からの振替
株式報酬取引による増加 45,823
株式報酬取引による減少
△ 42,727 42,749
(権利行使)
所有者との取引額合計 71 3,162 15,693 △ 255,919 - △ 9,424
2022年12月31日残高 1,676,334 1,712,036 △ 100,314 1,507,720 1,468,588 13,341
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
注記 非支配
資本合計
キャッシ 確定給付
番号 持分
ヘッジ
合計 合計
ュ・フロ 制度の
コスト
ー・ヘッジ 再測定
2022年4月1日残高 △ 65,901 △ 6,135 - 934,173 5,683,019 504 5,683,523
超インフレによる影響額 4,121 2,161 2,161
2022年4月1日残高
△ 65,901 △ 6,135 - 938,294 5,685,180 504 5,685,684
(調整後)
四半期利益 - 285,883 19 285,903
その他の包括利益 △ 17,584 △ 12,107 12,977 464,310 464,310 △ 4 464,306
四半期包括利益 △ 17,584 △ 12,107 12,977 464,310 750,193 16 750,209
新株の発行 - 142 142
自己株式の取得 - △ 27,062 △ 27,062
自己株式の処分 - 1 1
配当 10 - △ 278,321 △ 278,321
その他の資本の構成要素
△ 12,977 △ 22,402 - -
からの振替
株式報酬取引による増加 - 45,823 45,823
株式報酬取引による減少
- 22 22
(権利行使)
所有者との取引額合計 - - △ 12,977 △ 22,402 △ 259,395 - △ 259,395
2022年12月31日残高 △ 83,486 △ 18,242 - 1,380,202 6,175,978 520 6,176,498
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当第3四半期累計(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
注記
その他の包括利益を
資本
在外営業
通じて公正価値で測
番号
資本金 自己株式 利益剰余金
剰余金
活動体の 定される
金融資産の
換算差額
公正価値の変動
2023年4月1日残高 1,676,345 1,728,830 △ 100,317 1,541,146 1,606,128 12,470
四半期利益 147,085
その他の包括利益 459,256 △ 1,320
四半期包括利益 - - - 147,085 459,256 △ 1,320
新株の発行 198 198
自己株式の取得 △ 2,362
自己株式の処分 0 0
配当 10 △ 287,788
持分変動に伴う増減額
その他の資本の構成要素
△ 3,605 567
からの振替
株式報酬取引による増加 52,603
株式報酬取引による減少
△ 51,492 51,426
(権利行使)
所有者との取引額合計 198 1,308 49,064 △ 291,393 - 567
2023年12月31日残高 1,676,543 1,730,138 △ 51,253 1,396,838 2,065,384 11,717
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
注記 非支配
資本合計
キャッシ 確定給付
番号 持分
ヘッジ
合計 合計
ュ・フロ 制度の
コスト
ー・ヘッジ 再測定
2023年4月1日残高 △ 87,352 △ 23,127 - 1,508,119 6,354,122 549 6,354,672
四半期利益 - 147,085 106 147,191
その他の包括利益 22,746 301 △ 3,038 477,945 477,945 18 477,963
四半期包括利益 22,746 301 △ 3,038 477,945 625,030 124 625,154
新株の発行 - 395 395
自己株式の取得 - △ 2,362 △ 2,362
自己株式の処分 - 1 1
配当 10 - △ 287,788 △ 287,788
持分変動に伴う増減額 - - △ 0 △ 0
その他の資本の構成要素
3,038 3,605 - -
からの振替
株式報酬取引による増加 - 52,603 52,603
株式報酬取引による減少
- △ 67 △ 67
(権利行使)
所有者との取引額合計 - - 3,038 3,605 △ 237,218 △ 0 △ 237,219
2023年12月31日残高 △ 64,606 △ 22,826 - 1,989,669 6,741,934 673 6,742,607
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四半期報告書
⑤ 【要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書】
(単位:百万円)
前第3四半期累計 当第3四半期累計
(自 2022年4月1日 (自 2023年4月1日
注記
番号 至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
四半期利益 285,903 147,191
減価償却費及び償却費 502,990 541,258
減損損失 41,969 134,281
持分決済型株式報酬 45,823 52,683
有形固定資産の処分及び売却に係る損益(△は益) △ 161 1,988
事業譲渡及び子会社株式売却益 △ 959 △ 441
条件付対価契約に関する金融資産及び金融負債の公
4,323 12,773
正価値変動額(純額)
金融収益及び費用(純額) 71,635 126,563
持分法による投資損益 3,133 △ 2,731
法人所得税費用 41,273 △ 46,878
資産及び負債の増減額
売上債権及びその他の債権の増減額(△は増加) 6,856 △ 58,793
棚卸資産の増加額 △ 34,240 △ 128,490
仕入債務及びその他の債務の増減額(△は減少) △ 144,971 20,587
引当金の増減額(△は減少) 11,605 △ 138,669
その他の金融負債の減少額 △ 7,906 △ 10,014
その他(純額) 21,258 △ 47,242
営業活動による現金生成額 848,529 604,064
法人所得税等の支払額 △ 173,363 △ 179,298
法人所得税等の還付及び還付加算金の受取額 8,297 12,990
営業活動によるキャッシュ・フロー 683,463 437,756
投資活動によるキャッシュ・フロー
利息の受取額 2,792 8,245
配当金の受取額 3,234 531
有形固定資産の取得による支出 △ 104,888 △ 130,884
有形固定資産の売却による収入 80 8,604
無形資産の取得による支出 △ 84,721 △ 285,520
投資の取得による支出 △ 5,441 △ 4,724
投資の売却、償還による収入 20,553 1,089
事業売却による収入
- 365
(処分した現金及び現金同等物控除後)
その他(純額) △ 219 △ 82
投資活動によるキャッシュ・フロー △ 168,610 △ 402,378
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四半期報告書
(単位:百万円)
前第3四半期累計 当第3四半期累計
(自 2022年4月1日 (自 2023年4月1日
注記
番号 至 2022年12月31日) 至 2023年12月31日)
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの純増加額 - 280,000
社債の発行及び長期借入れによる収入 - 100,000
社債の償還及び長期借入金の返済による支出 △ 281,585 △ 320,817
社債に係る金利通貨スワップの決済による収入 - 60,063
自己株式の取得による支出 △ 26,929 △ 2,326
利息の支払額 △ 86,563 △ 78,685
配当金の支払額 △ 268,997 △ 278,062
リース負債の支払額 △ 32,510 △ 43,394
その他(純額) △ 5,964 △ 12,971
財務活動によるキャッシュ・フロー △ 702,548 △ 296,193
現金及び現金同等物の減少額 △ 187,695 △ 260,814
現金及び現金同等物の期首残高 849,695 533,530
現金及び現金同等物に係る換算差額 23,141 15,644
現金及び現金同等物の四半期末残高 685,141 288,359
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四半期報告書
【要約四半期連結財務諸表注記】
1 報告企業
武田薬品工業株式会社(以下、「当社」)は、日本に所在する上場企業であります。当社および当社の子会社(以
下、「当社グループ」)は、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹と
する、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業です。当社グループは、幅広い医薬品のポートフォリオを有
し、研究、開発、製造、およびグローバルでの販売を主要な事業としております。当社グループの主要な医薬品に
は、当社の主要なビジネスエリアである消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤(免疫疾患)、オンコロジー(が
ん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)の医薬品が含まれております。
2 作成の基礎
(1) 準拠する会計基準
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、IAS第34号に準拠して作成しております。本要約四半期連結財務諸表
は、年度の連結財務諸表で要求されるすべての情報を含んでいないため、2023年3月31日に終了した前年度の連
結財務諸表と併せて利用されるべきものであります。
(2) 財務諸表の承認
本要約四半期連結財務諸表は、2024年2月2日に代表取締役社長CEO クリストフ ウェバーおよび取締役CFO コン
スタンティン サルウコスによって承認されております。
(3) 機能通貨および表示通貨
当社グループの要約四半期連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示されており、特に記載のない限
り、百万円未満を四捨五入して表示しております。四捨五入された数値を含む表の合計は必ずしも各項目の合算
値と一致しない場合があります。
(4) 会計上の判断、見積りおよび仮定
要約四半期連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の金
額、ならびに偶発資産および偶発負債の開示に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行うことが要求さ
れております。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は、継続的に見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、その見積り
を変更した会計期間および影響を受ける将来の会計期間に認識されます。
本要約四半期連結財務諸表における会計方針を適用する過程で行われた判断および見積り、ならびに会計上の見
積りおよび仮定は、前年度と同様であります。
3 重要性がある会計方針
本要約四半期連結財務諸表において適用する重要性がある会計方針は、前年度に係る連結財務諸表において適用し
た会計方針と同一であります。
なお、当第3四半期累計の法人所得税費用は、見積年次実効税率を基に算定しております。
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4 事業セグメントおよび売上収益
当社グループは、医薬品の研究開発、製造、販売およびライセンス供与に従事しており、単一の事業セグメントか
ら構成されております。これは、資源配分、業績評価、および将来予測において最高経営意思決定者であるCEOの財
務情報に対する視点と整合しております。
(1) 収益の分解
当社グループの顧客との契約から生じる売上収益の内訳は、以下のとおりであります。
財またはサービスの種類別の売上収益
(第3四半期累計)
(単位:百万円)
前第3四半期累計 当第3四半期累計
(自 2022年4月1日 (自 2023年4月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
医薬品販売 2,982,909 3,149,744
ライセンス供与による収益・役務収益 88,414 63,149
合計 3,071,322 3,212,893
(第3四半期)
(単位:百万円)
前第3四半期 当第3四半期
(自 2022年10月1日 (自 2023年10月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
医薬品販売 1,068,509 1,089,062
ライセンス供与による収益・役務収益 28,042 22,124
合計 1,096,551 1,111,186
ビジネスエリア別および製品別の売上収益
(第3四半期累計)
(単位:百万円)
前第3四半期累計 当第3四半期累計
(自 2022年4月1日 (自 2023年4月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
消化器系疾患
ENTYVIO(注)1 547,888 619,291
タケキャブ/VOCINTI(注)2 84,540 90,307
GATTEX/レベスティブ 78,213 89,999
DEXILANT 55,106 36,117
PANTOLOC/CONTROLOC(注)3 33,777 35,520
アロフィセル 1,984 2,556
その他 56,007 62,267
消化器系疾患合計 857,515 936,056
希少疾患
希少血液疾患
アドベイト 92,092 93,912
アディノベイト/ADYNOVI 49,860 51,235
ファイバ 32,593 28,911
ボンベンディ 9,207 12,027
RECOMBINATE 9,667 8,957
その他 39,226 35,001
希少血液疾患合計 232,645 230,042
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(単位:百万円)
前第3四半期累計 当第3四半期累計
(自 2022年4月1日 (自 2023年4月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
希少遺伝子疾患およびその他
タクザイロ 116,880 136,429
エラプレース 65,002 69,983
リプレガル 50,559 55,068
ビプリブ 36,330 38,962
LIVTENCITY 7,312 13,948
その他 44,871 40,643
希少遺伝子疾患およびその他合計 320,954 355,033
希少疾患合計 553,600 585,075
血漿分画製剤(免疫疾患)
免疫グロブリン製剤 390,483 485,696
アルブミン製剤 85,508 94,265
その他 26,426 31,261
血漿分画製剤(免疫疾患)合計 502,418 611,222
オンコロジー
アドセトリス 65,785 84,244
リュープリン/ENANTONE 85,182 79,674
ニンラーロ 75,939 66,741
アイクルシグ 35,529 41,460
アルンブリグ 15,764 21,120
ベルケイド 24,735 4,138
EXKIVITY 2,250 3,357
その他 39,770 45,536
オンコロジー合計 344,953 346,269
ニューロサイエンス(神経精神疾患)
VYVANSE/ELVANSE(注)4 335,449 312,872
トリンテリックス 79,699 80,226
その他 61,994 81,771
ニューロサイエンス(神経精神疾患)合計 477,141 474,868
その他
アジルバ(注)2 56,590 29,055
ホスレノール 10,906 11,135
その他 268,199 219,213
その他合計 335,695 259,403
売上収益合計 3,071,322 3,212,893
(注)1 国内製品名:エンタイビオ
2 配合剤、パック製剤を含む
3 一般名:pantoprazole
4 国内製品名:ビバンセ
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(第3四半期)
(単位:百万円)
前第3四半期 当第3四半期
(自 2022年10月1日 (自 2023年10月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
消化器系疾患
ENTYVIO(注)1 201,272 227,582
タケキャブ/VOCINTI(注)2 29,845 31,528
GATTEX/レベスティブ 29,779 31,108
DEXILANT 17,115 12,952
PANTOLOC/CONTROLOC(注)3 11,571 12,638
アロフィセル 849 1,029
その他 20,693 22,352
消化器系疾患合計 311,124 339,189
希少疾患
希少血液疾患
アドベイト 29,724 31,208
アディノベイト/ADYNOVI 15,464 17,751
ファイバ 11,299 9,101
ボンベンディ 3,308 4,594
RECOMBINATE 3,491 2,965
その他 13,642 11,702
希少血液疾患合計 76,928 77,321
希少遺伝子疾患およびその他
タクザイロ 44,053 49,337
エラプレース 22,589 24,312
リプレガル 16,251 18,862
ビプリブ 12,990 14,632
LIVTENCITY 3,084 5,623
その他 15,479 14,017
希少遺伝子疾患およびその他合計 114,446 126,784
希少疾患合計 191,374 204,104
血漿分画製剤(免疫疾患)
免疫グロブリン製剤 145,428 176,538
アルブミン製剤 33,743 35,317
その他 9,269 10,987
血漿分画製剤(免疫疾患)合計 188,440 222,843
オンコロジー
リュープリン/ENANTONE 31,525 30,896
アドセトリス 24,070 29,972
ニンラーロ 27,120 20,399
アイクルシグ 12,312 14,449
アルンブリグ 6,053 7,408
ベルケイド 3,905 1,232
EXKIVITY 811 △110
その他 13,865 16,862
オンコロジー合計 119,662 121,107
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(単位:百万円)
前第3四半期 当第3四半期
(自 2022年10月1日 (自 2023年10月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
ニューロサイエンス(神経精神疾患)
VYVANSE/ELVANSE(注)4 124,213 86,603
トリンテリックス 29,901 29,258
その他 20,713 28,307
ニューロサイエンス(神経精神疾患)合計 174,827 144,167
その他
アジルバ(注)2 19,405 5,374
ホスレノール 3,380 2,998
その他 88,338 71,404
その他合計 111,124 79,776
売上収益合計 1,096,551 1,111,186
(注)1 国内製品名:エンタイビオ
2 配合剤、パック製剤を含む
3 一般名:pantoprazole
4 国内製品名:ビバンセ
(2) 地域別情報
当社グループの顧客との契約から生じる売上収益の地域別内訳は、以下のとおりであります。
(第3四半期累計)
(単位:百万円)
前第3四半期累計 当第3四半期累計
(自 2022年4月1日 (自 2023年4月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
日本 389,843 342,647
米国 1,621,772 1,685,498
欧州およびカナダ 632,403 721,538
アジア(日本を除く) 169,024 188,779
中南米 121,425 138,375
ロシア/CIS 66,700 45,360
その他 70,156 90,696
合計 3,071,322 3,212,893
(注)「その他」には、中東・オセアニア・アフリカが含まれております。売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国
または地域に分類しております。
(第3四半期)
(単位:百万円)
前第3四半期 当第3四半期
(自 2022年10月1日 (自 2023年10月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
日本 128,490 114,119
米国 589,246 580,736
欧州およびカナダ 223,438 261,570
アジア(日本を除く) 63,306 65,503
中南米 38,167 46,306
ロシア/CIS 28,882 14,270
その他 25,021 28,682
合計 1,096,551 1,111,186
(注)「その他」には、中東・オセアニア・アフリカが含まれております。売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国
または地域に分類しております。
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5 製品に係る無形資産償却費及び減損損失
当第3四半期累計の製品に係る無形資産減損損失119,307百万円には、主にクローン病に伴う複雑痔瘻治療剤「アロ
フィセル」の臨床第3相 ADMIRE-CD Ⅱ試験のトップライン結果を踏まえて計上した73,979百万円の減損損失、およ
び非小細胞肺がん治療剤「EXKIVITY」の販売や開発活動を全世界で自主的に中止する決定を行ったことに伴う
28,477百万円の減損損失が含まれております。
6 その他の営業費用
前第3四半期累計および当第3四半期累計のその他の営業費用は、それぞれ127,643百万円および145,685百万円と
なりました。
前第3四半期累計のその他の営業費用には、事業構造再編費用38,473百万円、承認前在庫に係る評価損18,984百万
円、提携契約に伴い当社グループが認識したオプション権に係る評価損14,796百万円が含まれております。
当第3四半期累計のその他の営業費用には、事業構造再編費用60,130百万円、AbbVie, Inc.(以下、「AbbVie
社」)との供給契約に関する訴訟について当期に計上した費用25,339百万円、および条件付対価契約に関する金融
資産の公正価値変動による評価損12,957百万円が含まれております。
7 法人所得税費用
Shire社は、2018年11月28日に、アイルランド歳入庁から398百万ユーロの課税に関する通知を受領しました。本通
知は、2014年にShire社がAbbVie社からの買収の申し出の取下げに関する違約金として受領した1,635百万米ドルの
税務上の取り扱いに関係するものです。Shire社は2019年1月に当社によって買収されています。当社グループは、
本件に関して税務不服審査委員会に異議申し立てを行い、2020年末に税務不服審査委員会においてヒアリングが行
われました。2021年7月30日、当社グループは本件に関して税務不服審査委員会よりアイルランド歳入庁の見解を
支持する裁定を受領したことを受けて、本件に関する税金費用を引当計上しました。その後、2023年10月17日、当
社グループはアイルランド歳入庁と本違約金の受領に関するすべての債務の完全かつ最終的な解決として、利息を
含み罰金を含まない金額である130百万ユーロを以って本税務評価について和解する契約を締結しました。これによ
り、当社グループは、当第3四半期累計において、未払法人所得税のうち130百万ユーロの和解金を超える部分を振
り戻し、税金費用63,547百万円を減額しました。 なお、当社グループは、当第3四半期に和解金を支払っておりま
す。
実際税負担率は、前第3四半期累計12.6%に対して当第3四半期累計では△46.7%となりました。この減少は主
に、当第3四半期累計に認識した上記税金費用の減額によるものです。この減少は、繰延税金資産の評価減および
組織再編にかかる税金費用の増加と一部相殺されております。
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8 1株当たり利益
当社の普通株主に帰属する基本的1株当たり四半期利益および希薄化後1株当たり四半期利益の算定基礎は以下の
とおりであります。
(第3四半期累計)
前第3四半期累計 当第3四半期累計
(自 2022年4月1日 (自 2023年4月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
親会社の普通株主に帰属する四半期利益
親会社の所有者に帰属する四半期利益 (百万円)
285,883 147,085
1株当たり四半期利益の算定に使用する四半期利益 (百万円)
285,883 147,085
普通株式の加重平均株式数 (千株) 1,550,992 1,563,101
希薄化効果の影響 (千株) 14,243 15,575
希薄化効果の影響調整後 (千株) 1,565,235 1,578,676
1株当たり四半期利益
基本的1株当たり四半期利益 (円)
184.32 94.10
希薄化後1株当たり四半期利益 (円)
182.65 93.17
(第3四半期)
前第3四半期 当第3四半期
(自 2022年10月1日 (自 2023年10月1日
至 2022年12月31日 ) 至 2023年12月31日 )
親会社の普通株主に帰属する四半期利益
親会社の所有者に帰属する四半期利益 (百万円)
119,127 105,720
1株当たり四半期利益の算定に使用する四半期利益 (百万円)
119,127 105,720
普通株式の加重平均株式数 (千株) 1,554,524 1,568,902
希薄化効果の影響 (千株) 15,892 16,217
希薄化効果の影響調整後 (千株) 1,570,416 1,585,118
1株当たり四半期利益
基本的1株当たり四半期利益 (円)
76.63 67.38
希薄化後1株当たり四半期利益 (円)
75.86 66.70
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9 社債及び借入金
(1) 社債
当第3四半期累計において、当社グループは、下記の社債を償還いたしました。
発行通貨ベース
銘柄 発行時期 償還日 償還区分
の元本額
米ドル建無担保普通社債 2016年9月 2023年9月23日 1,000百万米ドル 満期償還
米ドル建無担保普通社債 2018年11月 2023年11月26日 500百万米ドル 満期償還
(2) 借入金
当第3四半期累計において、当社グループは、下記の借入を行いました。
発行通貨ベース
名称 借入時期 返済期日
の元本額
シンジケートローン 2023年4月 2030年4月 100,000百万円
当第3四半期累計において、当社グループは、下記の借入を返済いたしました。
発行通貨ベースの
名称 借入時期 返済日 返済区分
元本額
シンジケートローン 2016年4月 2023年4月26日 100,000百万円 満期返済
10 資本及びその他の資本項目
(1) 自己株式の処分
前第3四半期累計において、当社は、国外の当社グループ従業員に対する長期インセンティブ報酬制度に基づき、
自己株式8,091千株を処分しました。自己株式処分により、当社の自己株式は27,599百万円減少しました。
当第3四半期累計において、当社は、国外の当社グループ従業員に対する長期インセンティブ報酬制度に基づき、
自己株式13,958千株を処分しました。自己株式処分により、当社の自己株式は47,614百万円減少しました。
なお、当該自己株式は、当社米国預託証券(American Depositary Share)に転換の上、従業員に交付されていま
す。
(2) 配当
配当金の総額 1株当たり
基準日 効力発生日
(百万円) 配当額(円)
前第3四半期累計
(自 2022年4月1日
至 2022年12月31日 )
2022年度第1四半期
140,365 90.00 2022年3月31日 2022年6月30日
2022年度第3四半期
140,474 90.00 2022年9月30日 2022年12月1日
当第3四半期累計
(自 2023年4月1日
至 2023年12月31日 )
2023年度第1四半期
140,475 90.00 2023年3月31日 2023年6月29日
2023年度第3四半期
148,037 94.00 2023年9月30日 2023年12月1日
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11 金融商品
(1) 公正価値の測定方法
公正価値で測定されるデリバティブおよび非デリバティブ金融商品は、公正価値測定を行う際のインプットの重
要性を反映した、以下の3段階の公正価値ヒエラルキーに分類しております。レベル1は活発に取引される市場
での同一の資産又は負債の取引相場価格などの観察可能なインプットとして定義されます。レベル2は、レベル
1に含まれる相場価格以外のインプットのうち、資産又は負債について直接的又は間接的に観察可能なものとし
て定義されます。レベル3は資産又は負債に関する観察可能でないインプットであります。
(単位:百万円)
2023年12月31日 レベル1 レベル2 レベル3 合計
資産:
純損益を通じて公正価値で測定される
金融資産
デリバティブ
- 22,770 7,311 30,081
転換社債への投資 - - 10,997 10,997
負債性金融商品への投資 - - 1,113 1,113
条件付対価契約に関する金融資産 - - 11,950 11,950
ヘッジ会計を適用している
- 44,299 - 44,299
デリバティブ
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定される金融資産
売上債権及びその他の債権 - 104,931 - 104,931
資本性金融商品 91,109 - 84,708 175,817
合計 91,109 172,000 116,079 379,188
負債:
純損益を通じて公正価値で測定される
金融負債
デリバティブ - 7,223 7,311 14,534
条件付対価契約に関する金融負債
- - 8,321 8,321
ヘッジ会計を適用している
- 23,664 - 23,664
デリバティブ
合計 - 30,886 15,632 46,518
(2) 評価技法
レベル2に分類されるデリバティブの公正価値は、財務管理システムの評価モデル、または ブラック・ショール
ズ・モデルを用いて測定しております。これらの評価技法への重要なインプットは観察可能な市場情報に基づい
ております。
レベル3に分類されるデリバティブには、バーチャル電力販売契約に基づく再生可能エネルギーの固定価格と市
場変動価格との差額から生じるキャッシュ・フローの決済に関連して認識したデリバティブおよび当該キャッ
シュ・フローの変動を相殺するために行った契約により認識したデリバティブが含まれております。レベル3に
分類されるデリバティブの公正価値は、割引キャッシュ・フロー法を用いて算定しており、主な仮定として再生
可能エネルギーの予想価格および再生可能エネルギー発電設備の予想発電量が考慮されております。
転換社債への投資の公正価値は、割引キャッシュ・フロー法、オプション・プライシング・モデル等の評価技法
を用いて算定して おります。
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当社グループが売却する権利を有する顧客に対する売上債権及びその他の債権の公正価値は、請求額に基づいて
測定しております。
資本性金融商品および負債性金融商品は売買目的保有ではありません。資本性金融商品または負債性金融商品が
活発な市場で取引されている場合、公正価値は期末日の市場価格に基づいております。資本性金融商品または負
債性金融商品が活発な市場で取引されていない場合、公正価値は各期末日現在の入手可能な情報および類似企業
に基づき、修正簿価純資産法またはEBITDA倍率法を用いて算定しております。レベル3に分類された資本性金融
商品または負債性金融商品の公正価値算定に用いた観察可能でない主なインプットは、EBITDA倍率法における
EBITDA倍率であり、4.1倍から12.4倍の範囲に分布しております。
条件付対価契約に関する金融資産および金融負債は、売却時または企業結合における取得日時点の公正価値で測
定しております。条件付対価契約が金融資産または金融負債の定義を満たす場合は、その後の各期末日において
公正価値で再測定しております。公正価値はシナリオ・ベース・メソッドや割引後のキャッシュ・フロー等を基
礎として算定しており、主な仮定として、各業績指標の達成可能性、将来収益予測および割引率が考慮されてお
ります。なお、条件付対価契約に関する金融資産は主に「XIIDRA」の売却に伴い認識した金融資産であります。
条件付対価契約に関する金融負債の詳細は、「 (5) 条件付対価契約に関する金融負債」に記載しております 。
(3) 公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替
当社グループは、報告期間に発生した公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を報告期間の末日において生じた
ものとして認識しております。当第3四半期累計において、レベル3からレベル1への振替がありました。当該
振替は、以前取引所に上場しておらず、観察可能である活発な市場で取引がなかった企業の株式が取引所に上場
したことによるものです。同社の株式は現在活発な市場において取引されており、活発な市場における取引相場
価格を有しているため、公正価値の測定額を公正価値ヒエラルキーのレベル3からレベル1に振替えておりま
す。上記以外に、当第3四半期累計において公正価値ヒエラルキーのレベル間の重要な振替はありません。
(4) レベル3の金融資産の公正価値
当社グループは、主に研究協力企業への出資を目的として、資本性金融商品への投資を行っております。レベル
3の金融資産の公正価値の期首残高から期末残高への調整は以下のとおりであります。レベル3の金融負債であ
る条件付対価契約に関する金融負債については、「(5) 条件付対価契約に関する金融負債」に記載しておりま
す 。レベル3の金融資産に関して、公正価値に影響を与える重要な仮定が変動した場合における、公正価値の重
要な変動はありません。
(単位:百万円)
条件付対価契約に
資本性金融商品
関する金融資産
期首残高 23,806 83,236
金融収益または金融費用として計上された公正価値の変動 △600 -
条件付対価契約に関する金融資産の時間の経過以外による公正価値
△12,957 -
の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される 金融資産の
1,701 574
公正価値の変動および在外営業活動体の換算差額にかかる変動
購入 - 1,691
売却 - △1
レベル1への振替 - △5,022
転換社債の転換による取得 - 4,230
期末残高 11,950 84,708
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四半期報告書
(5) 条件付対価契約に関する金融負債
条件付対価契約に関する金融負債は、当社グループが買収した被買収企業における既存の条件付対価契約を含
む、開発マイルストンおよび販売マイルストンの達成等の将来の事象を条件とする企業結合における条件付対価
またはライセンス契約に基づき認識した金融負債であります。各期末日において、条件付対価契約に関する金融
負債の公正価値は、リスク調整後の将来のキャッシュ・フローを適切な割引率を用いて割り引いた金額に基づい
て再測定しております。
当四半期末の残高は主に過去の買収から生じた既存の条件付対価契約に関するものであります。
条件付対価契約に関する金融負債の公正価値は、公正価値測定の前提となる特定の仮定が変動することにより増
減します。当該仮定には、マイルストンの達成可能性が含まれます。
条件付対価契約に関する金融負債の公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3であります。条件付対価契約に
関する金融負債 の期首残高から期末残高への調整は以下のとおりであります。 条件付対価契約に関する金融負債
に関して、公正価値に影響を与える重要な仮定が変動した場合における、公正価値の重要な変動はありません。
(単位:百万円)
当第3四半期累計
(自 2023年4月1日
至 2023年12月31日 )
期首残高 8,139
期中公正価値変動額 27
為替換算差額 155
期末残高 8,321
(6) 公正価値で測定されない金融商品
要約四半期連結財政状態計算書上において公正価値で測定されない金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとお
りであります。短期間で決済され、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている場合、金融商品の公正価
値情報は下の表から除外しております。
(単位:百万円)
当第3四半期
( 2023年12月31日 )
帳簿価額 公正価値
社債 3,607,636 3,307,319
長期借入金 736,236 733,090
長期金融負債は帳簿価額で認識しております。社債の公正価値は、評価技法への重要なインプットが観察可能な
市場情報に基づいている時価情報によっており、長期借入金の公正価値は、一定の期間ごとに区分した債務ごと
に、信用リスクを加味した利率により、その将来キャッシュ・フローを割り引いた現在価値によっております。
社債および長期借入金の公正価値のヒエラルキーはレベル2であります。
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12 コミットメントおよび偶発債務
訴訟
当社グループは、複数の訴訟および行政手続に当事者として関与しております。下記の記載事項を除き、当第3四
半期累計において重要な変更はありません。
販売・営業および規制
コルクリスの反トラスト訴訟
2021年9月、米国ペンシルバニア州の東部地区連邦地方裁判所において、武田ファーマシューティカルズU.S.A.,
Inc.(以下、「当社グループ」)に対して反トラスト集団訴訟が提起されました。原告は卸売業者から成る暫定
的クラスであり、2015年および2016年に、「コルクリス」の後発品の複数の後発品製薬会社との間の特許侵害訴
訟の解決のために、当社グループが締結した和解が反競争的であると主張しておりました。2023年9月、当社グ
ループと原告は、当社グループが少額の和解金を支払うことにより本訴訟を解決することで概ね合意し、2023年
12月に和解契約を締結しました。なお、この和解は当社グループの要約四半期連結損益計算書に重大な影響を及
ぼすものではありません。
供給契約に関連するAbbVie社による訴訟
2020年11月、AbbVie社は、デラウェア州の衡平法裁判所において、武田薬品工業株式会社(以下、「当社グルー
プ」)に対して訴訟を提起し、米国食品医薬品局が当社グループの日本の光工場について指摘した品質管理体制
上の問題に関連して2019年11月にForm 483および2020年6月にWarning Letterを受領したことにより生じた供給
不足に起因して、AbbVie社と締結した「リュープリン」の米国での供給契約の債務不履行があったと主張してい
ました。当該訴訟において、AbbVie社は予備的差止命令および損害賠償請求の申し立てを行いました。2021年9
月、衡平法裁判所は、AbbVie社の予備的差止命令の申し立てを却下し、その後、当社グループによる供給契約の
債務不履行を認めた判決を言い渡しました。2023年9月、衡平法裁判所は、AbbVie社の損害賠償額の算定につい
て判定を行い、続いて2023年12月に判決を言い渡しました。これに基づき、当社グループは利息を含めた506百万
米ドルを2024年4月にAbbVie社に支払います。当社グループは、これまでの訴訟過程において当該訴訟に係る引
当金を計上しており、2023年9月の衡平法裁判所による判定に伴い、当第3四半期累計において、その他の営業
費用として25,339百万円、利息を金融費用として6,577百万円、追加計上しました。
患者支援プログラムに関する調査
2019年3月期に当社グループがShire社の買収により取得したShire Pharmaceuticals LLCに対して、2019年6月
に、米国司法省ボストン地方検事局から召喚状(subpoena)が発行されました。当該召喚状において、遺伝性血
管性浮腫の治療薬である「フィラジル」や「CINRYZE」を含むShire社の医薬品を使用するメディケア・プログラ
ム上の患者に対して財政支援を行う非営利団体(501(c)(3))とShire社の関係について情報の提出を求めら
れておりました。当社グループは当該調査に協力しておりましたが、2023年12月、少額の支払により本件を解決
することで合意しました。なお、この支払は当社グループの要約四半期連結損益計算書に重大な影響を及ぼすも
のではありません。
13 後発事象
該当事項はありません。
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2 【その他】
中間配当について
2023年10月26日開催の当社取締役会において、第147期(2023年4月1日から2024年3月31日)の中間配当につ
き、当社定款第29条に基づき、下記のとおり決議し、配当いたしました。
(ア)中間配当金の総額 148,037,012,490円
(イ)1株当たりの中間配当金 94円00銭
(ウ)支払請求の効力発生日及び支払開始日 2023年12月1日
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第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
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独立監査人の四半期レビュー報告書
2024年2月2日
武田薬品工業株式会社
取締役会 御中
有限責任 あずさ監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
公認会計士 野中浩哲
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士 知野雅彦
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士 難波宏暁
業務執行社員
監査人の結論
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、「経理の状況」に掲げられている武田薬品工業株
式会社の2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度の第3四半期連結会計期間(2023年10月1日から2023
年12月31日まで)及び第3四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年12月31日まで)に係る要約四半期連結財務
諸表、すなわち、要約四半期連結損益計算書、要約四半期連結包括利益計算書、要約四半期連結財政状態計算書、要約
四半期連結持分変動計算書、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書及び要約四半期連結財務諸表注記について四半
期レビューを行っ た。
当監査法人が実施した四半期レビューにおいて、上記の要約四半期連結財務諸表が、「四半期連結財務諸表の用語、
様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定された国際会計基準第34号「期中財務報告」に準拠して、武田薬品
工業株式会社及び連結子会社の2023年12月31日現在の財政状態、同日をもって終了する第3四半期連結会計期間及び第
3四半期連結累計期間の経営成績並びに第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況を適正に表示していない
と信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかった。
監査人の結論の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期レビューの基準に準拠して四半期レビューを行っ
た。四半期レビューの基準における当監査法人の責任は、「要約四半期連結財務諸表の四半期レビューにおける監査人
の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から
独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、結論の表明の基礎となる
証拠を入手したと判断している。
要約四半期 連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任
経営者の責任は、国際会計基準第34号「期中財務報告」に準拠して要約四半期連結財務諸表を作成し適正に表示する
ことにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない要約四半期連結財務諸表を作成し適正に表示するた
めに経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
要約四半期連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、経営者が清算若しくは事業停止の意図があるか、又はそれ
以外に現実的な代替案がない場合を除いて、継続企業の前提に基づき要約四半期連結財務諸表を作成することが適切で
あるかどうかを評価し、国際会計基準第1号「財務諸表の表示」第4項に基づき、継続企業に関する事項を開示する必
要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
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四半期報告書
要約 四半期連結財務諸表の四半期レビューにおける監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した四半期レビューに基づいて、四半期レビュー報告書において独立の立場から要約
四半期連結財務諸表に対する結論を表明することにある。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期レビューの基準に従って、四半期レビューの過程を通
じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 主として経営者、財務及び会計に関する事項に責任を有する者等に対する質問、分析的手続その他の四半期レビュー
手続を実施する。四半期レビュー手続は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施さ
れる年度の財務諸表の監査に比べて限定された手続である。
・継続企業の前提に関する事項について、重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認め
られると判断した場合には、入手した証拠に基づき、要約四半期連結財務諸表において、国際会計基準第1号「財務
諸表の表示」第4項に基づき、適正に表示されていないと信じさせる事項が認められないかどうか結論付ける。ま
た、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、四半期レビュー報告書において要約四半期連結財
務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する要約四半期連結財務諸表の注記事項が適切で
ない場合は、要約四半期連結財務諸表に対して限定付結論又は否定的結論を表明することが求められている。監査人
の結論は、四半期レビュー報告書日までに入手した証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企
業として存続できなくなる可能性がある。
・要約四半期連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準第34号「期中財務報告」に準拠していないと信じさせ
る事項が認められないかどうかとともに、関連する注記事項を含めた要約四半期連結財務諸表の表示、構成及び内
容、並びに要約四半期連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示していないと信じさせる事項が認めら
れないかどうかを評価する。
・要約四半期連結財務諸表に対する結論を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する証拠を入手する。
監査人は、要約四半期連結財務諸表の四半期レビューに関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、
単独で監査人の結論に対して責任を負う。
監査人は、監査等委員会に対して、計画した四半期レビューの範囲とその実施時期、四半期レビュー上の重要な発見
事項について報告を行う。
監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに
監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又
は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はな
い。
以 上
(注)1 上記の四半期レビュー報告書の原本は当社(四半期報告書提出会社)が別途保管しております。
2 XBRLデータは四半期レビューの対象には含まれていません。
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