株式会社オリエンタルコンサルタンツホールディングス 内部統制報告書 第18期(2022/10/01-2023/09/30)

提出書類 内部統制報告書-第18期(2022/10/01-2023/09/30)
提出日
提出者 株式会社オリエンタルコンサルタンツホールディングス
カテゴリ 内部統制報告書

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                                       株式会社オリエンタルコンサルタンツホールディングス(E05646)
                                                           内部統制報告書
    【表紙】
     【提出書類】                   内部統制報告書

     【根拠条文】                   金融商品取引法第24条の4の4第1項
     【提出先】                   関東財務局長
     【提出日】                   2023年12月22日
     【会社名】                   株式会社オリエンタルコンサルタンツホールディングス
     【英訳名】                   Oriental     Consultants      Holdings     Company    Limited
     【代表者の役職氏名】                   代表取締役社長  野崎 秀則
     【最高財務責任者の役職氏名】                   該当事項はありません。
     【本店の所在の場所】                   東京都渋谷区本町三丁目12番1号
     【縦覧に供する場所】                   株式会社東京証券取引所
                         (東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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                                                           内部統制報告書
     1【財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項】
       代表取締役社長野崎秀則は、当社の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、企業会計審議会
      の公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する
      実施基準の設定について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を
      整備及び運用しております。
       なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合理
      的な範囲で達成しようとするものであります。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完
      全には防止又は発見することができない可能性があります。
     2【評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項】

       財務報告に係る内部統制の評価は、当事業年度の末日である2023年9月30日を基準日として行われており、評価に当
      たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠しております。
       本評価においては、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を
      行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定しております。当該業務プロセスの評価にお
      いては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、
      当該統制上の要点について整備及び運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を行っており
      ます。
       財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、当社並びに連結子会社及び持分法適用会社について、財務報告の信頼性
      に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を決定しております。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額
      的及び質的影響の重要性を考慮して決定しており、当社及び連結子会社7社を対象として行った全社的な内部統制の
      評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定しております。なお、連結子会社6社及
      び持分法適用会社2社については、金額的及び質的重要性の観点から僅少であると判断し、全社的な内部統制の評価
      範囲に含めておりません。
       業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、各事業拠点の当連結会計年度の売上高(連結会社間取引消去
      後)の金額が高い拠点から合算していき、当連結会計年度の連結売上高の概ね2/3に達している2事業拠点を「重
      要な事業拠点」といたしました。当社グループは国内外において、社会基盤の整備から維持管理に至るコンサルティ
      ング事業、人材、業務プロセスに係るマネジメントなど幅広い知的サービスの提供並びに建設・建築に係る工事、リ
      サイクル、環境事業、これらに関連する情報システム、ソフトウェアの研究開発、販売を行っており、事業活動の成
      果を最も示す指標を売上高と認識し、これを選定指標として採用しました。
       選定した重要な事業拠点においては、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目として売上高、売掛金及び棚卸資産
      に至る業務プロセスを評価の対象としております。さらに、選定した重要な事業拠点にかかわらず、それ以外の事業
      拠点をも含めた範囲について、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積りや予測を伴う重要な勘定科目に係る業務
      プロセスを財務報告への影響を勘案して重要性の大きい業務プロセスとして評価対象に追加しております。具体的に
      は、当社の預金、借入金、有価証券・投資有価証券の評価、固定資産の評価、税効果会計に関する決算財務報告プロ
      セス、重要な2事業拠点及びその他の5事業拠点の預金、有価証券・投資有価証券の評価、売上債権の評価、棚卸資
      産の評価、固定資産の評価、未払賞与・賞与引当金、退職給付引当金、役員退職慰労引当金、業務損失引当金、未払
      法人税・法人税等の計上、税効果会計に関する決算財務報告プロセスについては、計算誤りによる誤謬リスクや見積
      もり・予測を伴うことも踏まえ追加しています。また、その他の1事業拠点の購買プロセス(委託費・経費)につい
      て、重要な虚偽記載の発生可能性を考慮して評価対象に追加しました。
     3【評価結果に関する事項】

       以下に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要
      な不備に該当するため、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしま
      した。
      3.1 今回発生した事案の発見に至った経緯と特別調査委員会の立ち上げ

        当社は、2023年2月27日から行われた当社連結子会社である株式会社オリエンタルコンサルタンツ(以下、「OC」
      という。)に対する定期税務調査において、協力会社(下請業者)への委託費及び経費について、協力会社の役務提
      供を受けた案件ではなく、別の案件に計上している(以下、「原価付け替え」という。)との指摘を受け、同年4月
      27日からのOC社内調査、並びに、同年7月18日からの弁護士及び公認会計士等の外部専門家による原価付け替えの実
      態把握のための調査の結果、複数の拠点において原価付け替えが行われていたこと、また、売上の前倒し計上の疑義
      もあること、これらが過年度においても行われていた疑義があることが判明いたしました。
        そのため、当社は、特別調査委員会を設置して徹底した調査を行う必要があるものと判断し、当社と利害関係を有
      しない外部の有識者によって構成する特別調査委員会を同年8月4日に設置し、調査を開始いたしました。
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        特別調査委員会による調査の結果、OCにおいて原価付け替え、売上の前倒し計上という不適切な会計処理が全拠点
      において、また、複数事業年度に亘って行われていたことを確認いたしました。また、OC以外の当社連結子会社にお
      い ても、一部の案件について原価付け替えが行われていたことを確認いたしました。
      3.2 OCにおける不適切な会計処理の発生原因

      (1)動機
         原価付け替えを行う動機として、①案件ごとの目標原価率の達成を目的とした原価調整(平準化)、②部署また
        は個人の出来高及び売上の確保・達成、③出来高が少ない部署の要員が他部署へのサポート要員となることの回
        避、④手戻り案件や仮件番の申請に関する社内手続きの回避があることを確認いたしました。
         また、売上の前倒し計上を行う動機として、業績目標達成に対するプレッシャーがあることを確認いたしまし
        た。
         それらの動機の原因は、事業本部が案件毎の目標原価率の達成におけるモニタリングを月次で実施している等の
        業績管理手法に起因していることを確認いたしました。
      (2)機会

         原価付け替え及び売上の前倒し計上を行うことができた機会として、①委託費および経費の支払いに関する
        チェック体制の不備、②上長の指示・黙認、③役務提供とは別の案件の件番や業務内容を記載した「請求書」の作
        成依頼に応じる協力会社の存在、④第2線(OC全社の経営・業務・財務等を管理している統括本部)および第3線
        (内部監査部門)の機能不全があることを確認いたしました。
      (3)正当化理由

         原価付け替えの正当化理由として、①周囲の皆が行っているという意識、②上長の承認または指示によるものと
        いう意識、③原価付け替えによる会計上の影響はほぼ発生しないという意識(知識・意識の欠如)を確認いたしま
        した。
         また、売上の前倒し計上を行う正当化理由として、①ほぼ完成している案件であるという意識(完成基準)、②
        会社や部署の業績目標を達成するためという意識、③会社または上長の意向・指示によるものであるという意識、
        ④協力会社が全く何の作業も行っていないわけではないという意識であることを確認いたしました。
      (4)真因

         以上の動機、機会、正当化理由の確認結果により、不適切な会計処理が行われていた原因は様々でありますが、
        不適切な会計処理を行ってはいけないという規範意識が浸透しておらず、安易に原価付け替えや売上の前倒し計上
        が行われていることとなり、真因は、適正な会計処理に対する規範意識の全社的な欠如であることを確認いたしま
        した。
         具体的には、①社長からのメッセージとして事業の前提あるいは土台となるコンプライアンスの重要性に関する
        情報発信に不足があったこと、②事業本部からの通達においても、会計処理におけるコンプライアンスに関する意
        識喚起はほぼ皆無であったこと、③事業本部の月次原価モニタリングが現場には業績目標達成のプレッシャーとし
        て捉えられてしまうような業績管理手法であったこと、④行動指針等に上場企業グループの中核企業の一員として
        の適正な財務報告(会計処理)に関する記述がなかったこと、⑤予算管理者に対して会計に関する教育が実施され
        ていないこと、⑥OC経営陣の不適切な会計処理に対するリスク感度や上場会社グループとしての会計処理の重要性
        に対する認識が欠如していたこと、⑦当社の内部監査部門に十分なリソースが投入されておらず当社連結子会社に
        対して十分な支援ができていなかったことなどが、適正な会計処理に対する規範意識の全社的な欠如をもたらした
        問題点であります。
         また、委託費及び経費の支払いに関して、件名や件番を記載した「請求書」を入手する社内ルールは特段存在し
        ておらず、不適切な委託費及び経費の支払い防止という観点の社内ルールが十分ではありませんでした。また、上
        述した適正な会計処理に対する規範意識の全社的な欠如もあり、技術部長の承認(ルール上は委託費のみ)や経理
        部門の確認・承認は原価付け替えや売上の前倒し計上の防止策として機能していませんでした。
      3.3 開示すべき重要な不備

        3.2 OCにおける不適切な会計処理の発生原因にて確認した点に基づき、全社的な内部統制、及び業務プロセス
      の再評価を行った結果、下記の2点について不備があることを確認し、これらの不備は財務報告に重要な影響を及ぼ
      す可能性が高いものであり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
        OC以外の当社連結子会社においては、一部の案件について原価付け替えが行われていることを確認しましたが、少
      額あるいは特殊な事情によるものであることから、財務報告に重要な影響を及ぼすものではないため、開示すべき重
      要な不備に該当しないと判断いたしました。
        なお、開示すべき重要な不備の識別が当事業年度末日以降となったため、当事業年度末日までに是正することがで
      きませんでした。
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      (1)全社的な内部統制上の不備
         当社およびOC経営陣は、2019年2月の定期税務調査において、原価付け替えの指摘を受け、是正方針を定め、OC
        職員に対して周知し運用を行っておりましたが、その後も原価付け替えを行っている予算管理者が存在していたこ
        とから、その是正方針が十分、機能しておりませんでした。
         また、調査結果により、適切な会計処理に対する規範意識がOC内において欠如していることが明らかになりまし
        た。
         このため、当社及びOCにおける全社的な内部統制において、①社長からのメッセージとして事業の前提あるいは
        土台となるコンプライアンスの重要性に関する情報発信に不足があったこと、②事業本部からの通達においても、
        会計処理におけるコンプライアンスに関する意識喚起はほぼ皆無であったこと、③事業本部の月次原価モニタリン
        グが現場には業績目標達成のプレッシャーとして捉えられてしまうような業績管理手法であったこと、④行動指針
        等に上場企業グループの中核企業の一員としての適正な財務報告(会計処理)に関する記述がなかったこと、⑤予
        算管理者に対して会計に関する教育が実施されていないこと、⑥OC経営陣の不適切な会計処理に対するリスク感度
        や上場会社グループとしての会計処理の重要性に対する認識が欠如していたこと、⑦当社の内部監査部門に十分な
        リソースが投入されておらず連結子会社に対して十分な支援・モニタリングができていなかったこと等から、これ
        らに関する内部統制の整備状況及び運用状況が有効ではありませんでした。
      (2)業務プロセスにおける不備

         OCにおける発注購買プロセス(委託費発注・支払いの業務プロセス)において、委託費の発注段階では、技術部
        長または代行者は、委託申請書類(「見積書」、「協力者打合せ記録・照査チェックシート」)をもとに、「見積
        書」の委託内容と金額および業務件番との整合を確認し、発注を承認しておりましたが、役務の内容に基づき正し
        い件番で発注しているかの確認が技術部長または代行者にて十分に行われておらず、内部統制が適切に運用されて
        おりませんでした。
         また、委託費の支払い段階では、予算管理者が協力会社からの成果品を確認し、技術部長または代行者は、予算
        管理者が成果品を確認していることを「成果品照査及び完了報告書」で確認したうえで、「請求書」の支払いを承
        認し、その後、経理部門にて支払先、金額等の確認を行っておりました。
         しかし、件名や件番を記載した「請求書」を入手する全社的な社内ルールがなく、現場に委ねられており、内部
        統制が適切に整備されておりませんでした。また、役務の内容に基づき正しい件番に費用計上されているかの確認
        が技術部長または代行者及び経理部門にて十分に行われておらず、内部統制が適切に運用されておりませんでし
        た。
         発注購買プロセス(経費支払いの業務プロセス)においては、「請求書」をもとに支払申請者が経費精算システ
        ムで「支払要求書」(予算管理者が件番や業務内容の記載を支払申請者に指示)として作成し、予算管理者または
        代理者が「請求書」と「支払要求書」の内容(件番や業務内容、委託先、金額等)を確認したうえで、同システム
        上で承認を行い、その後、経理部門にて支払先、金額等の確認を行っておりましたが、支払申請者が役務の内容に
        基づき正しい件番を「支払要求書」に記載し費用計上しているかの確認が経理部門にて十分に行われておらず、内
        部統制が適切に運用されておりませんでした。
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         さらに、委託費や経費の支払いにおいて、未作業分の費用を協力会社へ支払うことにより、進行基準で計算され
        る売上の前倒し計上が行われていたことについて、委託費や経費の支払い計上ルールが整備されておりませんでし
        た。
      3.4 再発防止策

        当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、今回の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不
      備を是正するために、特別調査委員会からの提言を踏まえ、以下の再発防止策を講じて適正な内部統制の整備・運用
      を図ってまいります。計画した再発防止策は、本日までの実施状況とあわせて記載しております。
      (1)OCの再発防止策

        1)経営陣の意識改革
        ①上場企業グループの一員としての適正な財務報告(会計処理)に係る責任の再認識
         経営陣や職員は、現場の実態を理解したうえで、上場企業グループとして適正な会計処理のあり方やコンプラ
        イアンスの重要性を認識すること、今後同様の事案が再発した場合には、事業存続に関わるリスクがあることを
        十分に認識することを、再発防止の第一歩とし、適正な会計処理及びコンプライアンスの重要性について、全社
        の部長職以上が参加する経営推進委員会(2023年11月9日から10日)において経営層と意見交換し共有いたしまし
        た。
         OCは、企業活動の目的や目標、考え方、心がけ等を明文化している「経営理念・経営姿勢・行動指針」を定
        め、役職員一人ひとりが理解し、日常活動の中で行動できるように教育・指導しておりました。
         しかし、その経営理念等に株主その他のステークホルダーに対して果たすべき適正な財務報告(会計処理)に
        係わる内容が十分に盛り込まれていなかったことを反省し、「経営理念・経営姿勢・行動指針」にコンプライア
        ンスの記載を追記した改訂版を2024年1月に配布し、以降理解浸透を図ってまいります。
        ②経営陣と現場の認識ギャップの解消に向けて

         経営陣や事業本部が発する現場へのメッセージは、現場ではその目的や主旨が正しく理解されておらず、現場
        の実態を分かっていない上からの一方的な押しつけと受け止められる傾向にありました。経営陣は、現場の本音
        や実態を把握した上で、現場に対して適正な会計処理のために必要な方針・方法を明確にして共有するため、全
        社の部長職以上が参加する経営推進委員会(2023年11月9日から10日)において特別調査報告書にとりまとめられ
        たOC社員に対するアンケートの自由記載の内容をもとに、意見交換を行いました。
         また、経営陣と現場の双方向のコミュニケーション等の充実と丁寧な説明により、経営陣が示す方針や方法に
        ついて、その必要性や重要性をしっかりと示し、現場の納得度・理解度の向上を図ってまいります。経営陣と現
        場の予算管理者の橋渡し役を担う支社長においては、経営陣からの指示等の目的や趣旨を理解し、部長やチーム
        リーダーとともに現場に丁寧に落とし込むという意識を強く持って行動を開始しております。
         現場の理解度・納得度の向上に向けては、適正な会計処理のあり方とコンプライアンスの重要性を共有すると
        ともに、リスク管理のルールや仕組みについて共有し、継続的かつ実効的な勉強会等を実施いたします。検討期
        間としては2023年12月までを予定し、以降の運用実施を図ります。
        ③健全な職業的懐疑心に基づくリスク管理の実行

         経営陣は、不適切な会計処理は行われていないという認識でありましたが、調査結果により不適切な会計処理が
        行われていることが確認されました。
         現場及び本部においては、リスク(予兆)の早期把握・対応に資するため、定期的に実施する経営推進委員会等
        において、リスク管理の仕組みについて議論をすることを実施しております。
         また、会計処理等の問題を含む様々なリスク情報に関する相談・通報が経営陣に届くように、匿名による社員と
        のコミュニケーションツール(Oriconsul_Reed)の効果的な運用方法の改善を図るとともに、毎年実施している全
        社員を対象とした社員意向調査において、再発防止策の実践状況に対する意識調査を行い、日常の業務処理の中で
        感じているコンプライアンスに係わる問題点を把握できる仕組みの構築につきましては、上期中に具体的なプログ
        ラム案を検討の上、今期中に順次運用を開始し、さらなる充実を図ってまいります。
         さらに、業務プロセスの有効性と経営戦略に則った事業パフォーマンス向上に資することを意図してトータルマ
        ネジメントシステム(TMS)を構築運用していますが、品質と環境、情報セキュリティを対象としたリスク管理で
        ありますので、財務報告やコンプライアンスに関するリスク管理を含めて運用を実現できるための仕組みにつきま
        しては、TMSに係る内部監査に財務報告及びコンプライアンスに関する項目を加える方針について決定済みであ
        り、具体的な監査項目や方法について上期中に決定し実施する予定です。
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        ④適切なリスク管理態勢の構築に向けたリソースの投入
         a)支社における会計処理体制の強化
          現場の発注購買プロセス(委託費支払いの業務プロセス、及び経費支払いの業務プロセス)を適切に運用
         し、リスクに対して迅速に対応するため、支社における会計処理体制を強化いたします。リソースの強化につ
         きましては引き続き検討を図り、当面は現場の各部署の庶務担当が果たす役割・作業内容を各支社で共有いた
         しました。
         b)本部における会計処理体制の強化
          統括本部財務経理室が担っている会計処理プロセスの問題点や課題を明らかにし、プロセスの改善と処理体
         制を強化いたしました。具体的には、予算の変更や予算・実績の乖離をチェックリストに記録し、第1線(支
         社・部)での確認結果を第2線(本部)がモニタリングするなど、原価付け替えの発見や防止のための対応を検
         討し、2023年10月以降運用を実施しております。
         c)内部監査体制の強化
          当社が取り組む内部監査体制の再構築と連携し、適切なリスク管理体制を構築するため、内部監査体制を強
         化いたします。現場の意見等を傾聴し、不適切な会計処理行為等の発生を未然に防止することを目的とした本
         社組織(内部監査室)を、2023年11月1日に設置いたしました。
      2)現場に向けた再発防止策

       ①経営陣の本気度が伝わるメッセージの発信
        現場に向けた再発防止策の第一歩として、社長より、今回の不祥事について会社としての危機感を率直に説明
       し、会計処理に関する規範意識の定着に向けて、しっかりと再発防止策に取り組む決意を2023年10月2日の「期首社
       長メッセージ」にて表明いたしました。
        また、同年10月23日から11月6日の間の期間において3回にわたり「不適切な会計処理に関する社長メッセージ」
       において、改めて不適切な会計処理が発生した経緯と、特別調査委員会の報告書を踏まえ不適切な会計処理に至っ
       た真因、経営者としての反省、今後の再発防止策に取り組む決意等について役職員に向けてWeb会議にて説明いたし
       ました。
        同年11月20日から12月11日の間の期間において4回にわたり、同経営推進委員会での検討結果について役職員に向
       けてWeb会議にて説明いたしました。
        今後も本部は組織風土の改革を含む再発防止策を、本気で実行しようとしていることが分かるような具体策を提
       示・実行・継続いたします。
       ②組織風土の改善

        OCでは、本事案の発覚以前より、職場のエンゲージメント向上の一環として心理的安全性の確保に関する問題解
       決に取り組んでまいりました。経営陣は、今後も積極的に「失敗をおそれず、次に生かせる現場」の実現に取り組
       んでまいります。
        支社長や部長は、予算管理者等に対して、適正な会計処理のあり方やコンプライアンスの重要性を共有するとと
       もに、業務管理の問題点・課題について早期に把握し、予算管理者等に対して心理的安全性を確保しつつ、寛容で
       変化を受け入れる組織風土を醸成するための改善策を検討し、実行してまいります。
        この点につきましては、定期的に実施する経営推進委員会等において、現場の意見を取り入れやすい環境づくり
       や予算管理方法のわかりやすい説明などの改善策を既に検討しております。今後は改善策に係る方針に基づいて継
       続的な改善を図ってまいります。
       ③余裕のある職場づくり

        現場が感じる繁忙感等の軽減に向けた職場づくりを進めていくため、a)原価管理プロセスの見直し、b)業績
       目標設定方法の見直し、c)業務分担の適正化、d)システム整備による省力化の施策について、現場の本音と実
       態を把握した上で、改善策を検討いたします。
        これまでに、少しでも余裕のある職場づくりになるように、当期の業績目標を総合的にバランスのとれた目標と
       なるように見直すとともに、発注者へのアフターフォロー費用の処理手続きを見直し、手続き負荷を軽減しまし
       た。今後も、改善策が具体化したものから順次、運用実施を図ってまいります。
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       ④メリハリの効いた制度・ルールの策定
        再発防止策の策定にあたっては、現場の実態や考えを聞いたうえで、不正の機会に関連するチェック体制の整備
       や協力会社との取引の適正性確認の統制手続きに関する制度・仕組みを検討し既に方針は決定済みであり、上期中
       に具体的なプログラム案を検討の上、今期中に順次運用を開始し、さらなる充実を図ってまいります。
        また、制定した制度・仕組みについて、持続可能性のある手続きとするために、運用していく過程の中で、しっ
       かり現場のニーズを踏まえて、実行・評価・改善のPDCAサイクルを廻し、手続きの合理化やシステムによる業務負
       担の軽減を図ってまいります。評価・改善の期間としては2024年4月~9月までを予定し、以降の運用実施を図りま
       す。
      3)業務プロセスの見直し

        発注購買プロセス(委託費発注・支払いの業務プロセス、経費支払いの業務プロセス)において、現場の実態や
       考えを踏まえたうえで、「注文書」、「請求書」に、業務件名、業務件番、委託契約金額、前月までの既支払額と
       当月支払額、支払残額を記載することを手続きに記載し、2023年10月以降、運用を実施しております。
        さらに、協力会社との取引の適正性確認といった手続きに関する制度・仕組みを検討いたします。
        また、進行基準における委託費及び経費の計上ルールを整備し、業務プロセスの統制手続きに反映し、運用して
       まいります。
        この点につきましては、既に方針は決定済みであり、今期中に順次運用を開始し、さらなる充実を図ってまいり
       ます。
      4)再発防止策の実施体制

        再発防止策は、各項に記載のスケジュールに沿って速やかに実行いたします。各再発防止策については、主管部
       署を定め、本部が実施状況についてモニタリングを行います。また、各再発防止策の詳細検討や導入・推進にあ
       たっては、本部と支社・事業部が協議・調整を行い、再発防止策の実効性を確実に確保いたします。
        支社においては、現場の再発防止策の実施状況をチェックし、本部は、支社における再発防止策の運用状況をモ
       ニタリングいたします。また「TMSマネジメント委員会」が本部・支社の再発防止策の運用状況を検証し、重要なリ
       スク管理に関する意思決定を行います。
        新設した内部監査組織はOCHD内部監査本部と連携し、本部や現場における再発防止策等の運用に関する内部監査
       を実施いたします。また、監査役監査においても運用状況について監査を実施いたします。
        さらに、必要に応じて顧問弁護士、公認会計士等の外部専門家の助言を得て再発防止策の実効性を確保してまい
       ります。
     (2)OC以外の当社連結子会社の再発防止策

        当社は、OCにおいて実施される再発防止策に準じて、OC以外の当社連結子会社においても再発防止策を検討いたし
      ます。検討期間としては2023年10月~2024年3月までを予定し、以降の運用実施を図ります。
     (3)当社の再発防止策

        当社は、OCを含む当社連結子会社に対する適切なガバナンス態勢を構築すべき立場にありながら、会計不正を含む
      リスク管理、コンプライアンス経営、及び内部監査・内部統制のモニタリング機能が不十分であったとの指摘を重く
      受け止めております。
        2023年10月2日の「期首スタートにあたって」の社長訓示において、不適切な会計処理が発生したことを経営者と
      して深く反省し、このような事態を二度と繰り返さないように再発防止策を策定し推進していくことを当社連結子会
      社の役職員に向けてWeb会議にて説明いたしました。今後もOCを含む当社連結子会社の役職員に対して、今後の道筋
      を示したメッセージを発信し、実行、継続してまいります。
        リスク管理においては、社会情勢や業界動向、社内状況等を踏まえ、当社連結子会社におけるコンプライアンスリ
      スクがどこに潜んでいるのか、リスクを見落としていないかなどを定期的に検証するといった能動的なリスク管理を
      より強化してまいります。
        また、OCを含む当社連結子会社の再発防止策の検討・実行を支援し、リスク管理態勢(スリーラインディフェンス
      における内部監査体制)を強化するため、内部監査及び内部統制を担当とする組織として、各本部から独立した「内
      部監査本部」を2023年11月1日に新設し、当社連結子会社各社の内部監査機能と連携しながら、より効果的な制度・
      ルールの構築と運用に関与してまいります。「内部監査本部」は、当社及び当社連結子会社の再発防止策の実施状況
      を把握するとともに、外部リソースを活用し、より実効性のある具体策の実践を支援してまいります。
                                 7/8



                                                          EDINET提出書類
                                       株式会社オリエンタルコンサルタンツホールディングス(E05646)
                                                           内部統制報告書
       開示すべき重要な不備と再発防止策の関係は以下の通りです。
              開示すべき重要な不備                              再発防止策
      (1)全社的な内部統制上の不備
      ①社長からのメッセージとして事業の前提あるいは土台                           (1)OCの再発防止策
       となるコンプライアンスの重要性に関する情報発信に                           1)経営陣の意識改革
       不足があったこと                            ①上場企業グループの一員としての適正な財務報告
      ②事業本部からの通達においても、会計処理におけるコ                             (会計処理)に係る責任の再認識
       ンプライアンスに関する意識喚起はほぼ皆無であった                            ②経営陣と現場の認識ギャップの解消に向けて
       こと                           2)現場に向けた再発防止策
      ③事業本部の月次原価モニタリングが現場には業績目標                             ①経営陣の本気度が伝わるメッセージの発信
       達成のプレッシャーとして捉えられてしまうような業                            ②組織風土の改善
       績管理手法であったこと                            ③余裕のある職場づくり
                                    a)原価管理プロセスの見直し
                                    b)業績目標設定方法の見直し
                                    c)業務分担の適正化
                                    d)システム整備
      ④行動指針等に上場企業グループの中核企業の一員とし                           (1)OCの再発防止策
       ての適正な財務報告(会計処理)に関する記述がな                           1)経営陣の意識改革
       かったこと                            ①上場企業グループの一員としての適正な財務報告
                                   (会計処理)に係る責任の再認識
      ⑤予算管理者に対して会計に関する教育が実施されてい                           (1)OCの再発防止策
       ないこと                           1)経営陣の意識改革
                                   ②経営陣と現場の認識ギャップの解消に向けて
      ⑥OC経営陣の不適切な会計処理に対するリスク感度や上                           (1)OCの再発防止策
       場会社グループとしての会計処理の重要性に対する認                           1)経営陣の意識改革
       識が欠如していたこと                             ③健全な職業的懐疑心に基づくリスク管理の実行
      ⑦当社の内部監査部門に十分なリソースが投入されてお                           (1)OCの再発防止策
       らず連結子会社に対して十分な支援ができていなかっ                           1)経営陣の意識改革
       たこと                             ④適切なリスク管理態勢の構築に向けたリソースの
                                    投入
                                    c)内部監査体制の強化
                                 (3)当社の再発防止策
      (2)業務プロセスにおける不備
      ①発注購買プロセス(委託費発注・支払いの業務プロセ                           (1)OCの再発防止策
       ス)                           1)経営陣の意識改革
       ・正しい件番で発注しているかの確認が不足していた                            ④適切なリスク管理態勢の構築に向けたリソースの
        こと                            投入
       ・件名や件番を記載した「請求書」を入手する全社的                             a)支社における会計処理体制の強化
        な社内ルールがないこと                            b)本部における会計処理体制の強化
       ・役務の内容に基づき正しい件番に費用計上されてい                           2)現場に向けた再発防止策
        るかの確認が不足していたこと                           ④メリハリの効いた制度・ルールの策定
      ②発注購買プロセス(経費支払いの業務プロセス)                            3)業務プロセスの見直し
       ・正しい件番を「支払要求書」に記載し費用計上して
        いるかの確認が不足していたこと
      ③委託費や経費の支払い計上ルールが未整備であったこ
       と
     4【付記事項】

       該当事項はありません。
     5【特記事項】

       該当事項はありません。
                                 8/8


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2024年4月16日

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2023年2月15日

2023年1月より一部報告書の通知、表示が旧社名で通知、表示される現象が発生しておりました。対応を行い現在は解消しております。

2023年2月15日

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2023年1月7日

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2023年1月6日

2023年分より情報が更新されない状態となっております。原因調査中です。

2022年4月25日

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2020年12月21日

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2020年9月22日

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2019年3月22日

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2017年10月31日

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2017年2月12日

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2017年1月23日

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