BNG銀行N.V. 半期報告書
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BNG銀行N.V.(E06075)
半期報告書
【表紙】
【提出書類】 半期報告書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和5年9月 29 日
【中間会計期間】 自 令和5年1月1日 至 令和5年6月 30 日
【発行者の名称】 BNG銀行N.V.
(BNG Bank N.V.)
【代表者の役職氏名】 最高経営責任者
執行委員会法定構成員 G.J. Salden
【事務連絡者氏名】 弁護士 黒 丸 博 善
弁護士 奥 村 文 彦
【住所】 東京都港区六本木六丁目 10 番1号
六本木ヒルズ森タワー 23 階
TMI総合法律事務所
【電話番号】 (03)6438-5511
【縦覧に供する場所】 該当なし
注 (1) 本書中、別段の記載がない限り、「ユーロ」または「 EUR 」と表示される金額は、欧州連合条約によ
り改正された欧州共同体を設立する条約に従い単一通貨を採択した欧州連合加盟国の法定通貨を意味
する。 2023 年9月 22 日現在、東京の主要銀行により公表されたユーロに対する日本円の為替相場の中
値は1ユーロにつき 157.40 円であった。
(2) 以下、BNG銀行N.V.を「 BNG 銀行」または「発行者」という。
(3) BNG 銀行の事業年度およびオランダ王国の予算会計年度は暦年である。
(4) 本書中の表で、計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがあ
る。
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第1 【募集(売出)債券の状況】
該当事項なし
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第2 【発行者の概況】
1 【概況】
BNG 銀行は、上半期において好調を維持し、純利益は1億 4,100 万ユーロ( 2022 年上半期:2億 600 万ユー
ロ)となった。これには主に中核的な損益が寄与しており、利息損益は 2023 年上半期に2億 6,900 万ユーロ
( 2022 年上半期:2億 2,000 万ユーロ)となった。純利益は、 2023 年上半期に 6,500 万ユーロ減少したが、
これは昨年度の金融取引損益が当年度を1億 2,000 万ユーロ上回っていたためである。
BNG 銀行は、 2023 年上半期に新たに 60 億ユーロの長期貸付け( 2022 年上半期: 66 億ユーロ)を行った。地
方自治体に対する貸付総額は前年度より 15 億ユーロ減少したが、 BNG 銀行はネットワーク企業など他の部門
にクレジット・ファシリティにより 10 億ユーロ超を供与した。 信用需要 を満たすため、 BNG 銀行は 112 億
ユーロ( 2022 年上半期: 88 億ユーロ)の長期資金を調達した。
株主資本利益率は、純利益が減少したため、 9.5 %から 6.3 %に低下した。しかしながら、目標の 2.7 %を
大幅に上回った。利息損益は2億 6,900 万ユーロで、 2022 年上半期の損益より 4,900 万ユーロ増加した。こ
の損益は、顧客がより長期の融資を BNG 銀行から受けたこと、金利が上昇したことから、プラスの影響を受
けた。
2022 年上半期と比べ、手数料損益は 400 万ユーロ増加し 1,300 万ユーロとなった。 400 万ユーロ増加した主
因は、財務活動による受取手数料である。受取手数料には、 支払取引 手数料および 約定手数料 も含まれ
る。
2023 年上半期の金融取引損益は 2,800 万ユーロの損失( 2022 年上半期: 9,200 万ユーロの利益)であっ
た。 2023 年上半期には、特に米国において、信用および流動性スプレッドの拡大ならびに 金融不安 が見ら
れた。これらの要因は、金融商品の評価にマイナスの影響を与えた。 BNG 銀行の流動性ポートフォリオの売
却による実現損益は、 2023 年上半期には 600 万ユーロの損失( 2022 年上半期: 4,000 万ユーロの利益)で
あった。最後に、利付有価証券の 信用部分 の再評価に伴い、 1,000 万ユーロの損失が計上された。
連結営業費用は、 2023 年上半期に 1,000 万ユーロ増加し 6,400 万ユーロとなった。これは主に、 IT への投
資ならびに顧客のインテグリティおよび商業部門の全体的な強化のための追加職員の配置によるものであ
る。
報告期間における金融資産の減損損益は 1,100 万ユーロの利益( 2022 年上半期: 1,400 万ユーロの利益)
であった。この主たる原因は1件の決済であった。 BNG 銀行の予想信用損失引当金の総額は、主に貸付金が
償却されたため、 2023 年上半期に 4,300 万ユーロ減少し1億 2,000 万ユーロとなった。ヘルスケア部門につ
いては、追加的な信用損失引当金が依然設定されており、この措置が引き続き必要であるかを決定するた
めに、下半期に掘り下げた調査が行われる予定である。
2023 年6月 30 日現在、法人所得税費用は 4,700 万ユーロであった。これは前年度より 1,900 万ユーロ減少
しているが、税引前利益の減少によるところが大きい。
BNG 銀行の 2023 年度の欧州破綻処理基金への拠出額は、 2022 年度の拠出額より 600 万ユーロ少ない 1,400 万
ユーロであった。 2021 年 12 月 31 日現在の貸借対照表価額が大幅に減少したことも、拠出額が減少した一因
であった。
貸借対照表の動向
貸借対照表総額は、 2023 年上半期に 162 億ユーロ増加し 1,283 億ユーロとなった。これは、 2022 年度末よ
りも多くの短期流動性資産が貸借対照表に計上されていたためであった。
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報告期間において、配当を1億 3,900 万ユーロ分配したにもかかわらず、 BNG 銀行の株主資本は 46 億ユー
ロと変わらないままであった。また、金利が上昇した結果、リスク加重された信用リスク・エクスポー
ジャー が減少し、デリバティブの信用価値調整リスクが低下したため、リスク加重資産は 114 億ユーロから
107 億ユーロに減少した。 BNG 銀行の普通株式等 Tier 1比率および Tier 1比率は、それぞれ 38.5 %および
41.4 %と、ほぼ横ばいであった。貸借対照表総額の増加に伴い、 BNG 銀行のレバレッジ比率は 2022 年度末の
13.0 %から 8.9 %に低下した。 BNG 銀行の流動性ポジションは非常に強固であり、これは流動性カバレッジ
比率 178.6 %および安定調達比率 126.3 %で裏付けられている。 BNG 銀行の 自己資本比率および流動性比率
は、規制当局が設定した最低水準を依然として大幅に上回っている。
見通し
長期貸付けを巡る競争が激化している。当行はまた、高水準の流動性および投資の遅れのため、多数の
地方自治体の借入要件が予想より低いことも注視している。したがって、 BNG 銀行は、ソルベンシー要件の
対象とならない新規の長期貸付けを 100 億ユーロとする年間目標は、困難ではあるが達成可能と考えてい
る。資金調達方針は引き続き、金融および資本市場に恒久的にアクセスし、可能な限り低金利で必要な期
間および金額の資金を確保することに重点が置かれる。
BNG 銀行の連結営業費用は当年下半期に増加する予定である。これは、インフレおよび厳しい労働市場に
おける BNG 銀行の外部請負業者の利用に伴う増加である。 IT アプリケーションの設定および拡張のための追
加費用により、 IT コストは高止まりしている。最後に、 2023 年度の銀行税は、 2022 年 12 月 31 日現在の貸借
対照表総額が減少した結果、 2,200 万ユーロと見積もられている。
将来の市場価値の変動および減損の動向は、当然ながら不確実である。したがって、 BNG 銀行は、 2023 年
度の予想純利益について発表することは賢明でないと考えている。
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2 【資本構成】
2023 年6月 30 日現在の BNG 銀行の資本構成(未監査)は以下のとおりである。
2023 年6月 30 日現在
(未監査)
(単位:百万ユーロ)
授権株式資本:2億 5,000 万ユーロ
資本金(発行済全額払込済) 139
資本準備金 6
利益剰余金 3,972
再評価剰余金 23
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 8
自己信用調整 1
ヘッジコスト準備金 (9)
当期純利益 141
その他 Tier 1資本 309
負債証券 107,657
受託資金 5,626
18
劣後債務
117,891
資本合計
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3 【組織】
2023 年上半期中において、 BNG 銀行の組織に重大な変更はなかった。
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4 【経理の状況】
BNG 銀行の連結中間財務書類(未監査)は、以下のとおりである。
連結貸借対照表
(単位:百万ユーロ)
2023 年6月 30 日現在 2022 年 12 月 31 日現在
注記
資産
現金および中央銀行残高 20,668 6,821
銀行預入金 409 346
差入現金担保 4,092 4,144
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 892 901
デリバティブ 3,012 3,737
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 9,074 7,398
償却原価で測定される利付有価証券 8,774 7,636
償却原価で測定される貸付金および前渡金 89,546 89,624
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
貸付金に対する価値調整 (8,286) (8,679)
関連会社および共同支配企業 23 24
有形固定資産 13 13
未収還付税金 2 -
その他の資産 99 109
資産合計
128,318 112,074
負債
銀行借入金 2,780 4,012
受入現金担保 874 1,173
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 184 185
デリバティブ 6,332 6,129
負債証券 1 107,657 90,774
受託資金 5,626 4,785
劣後債務 18 38
未払税金 - 11
繰延税金負債 7 14
その他の負債 250 338
負債合計
123,728 107,459
株主資本
資本金 139 139
資本準備金 6 6
利益剰余金 3,972 3,824
再評価剰余金 23 4
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 8 14
自己信用調整 1 2
ヘッジコスト準備金 (9) 17
当期純利益 141 300
株主に帰属する持分
4,281 4,306
その他 Tier 1資本 309 309
株主資本合計
4,590 4,615
負債および株主資本合計
128,318 112,074
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連結損益計算書
(単位:百万ユーロ)
2023 年上半期 2022 年上半期
注記
-実効金利法を用いて計算した受取利息 2,204 2,041
-その他の受取利息 734 134
受取利息合計
2,938 2,175
-実効金利法を用いて計算した支払利息 2,636 1,915
-その他の支払利息 33 40
支払利息合計
2,669 1,955
利息損益 2 269 220
-受取手数料 14 11
-支払手数料 1 2
手数料損益
13 9
金融取引損益 3 (28) 92
関連会社および共同支配企業による損益 1 10
その他の損益 0 0
収益合計
255 331
人件費 41 35
その他の一般管理費 22 18
減価償却費 1 1
その他の営業費用 0 0
営業費用合計
64 54
金融資産の減損損失純額 4 (11) (14)
関連会社および共同支配企業の減損損失純額 - (1)
破綻処理基金への拠出 14 20
その他の費用合計
3 5
税引前当期利益 188 272
法人所得税費用 47 66
当期純利益 141 206
-うちその他 Tier 1資本所有者に帰属 14 23
-うち株主に帰属 127 183
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連結包括利益計算書
(単位:百万ユーロ)
計算書の数値はすべて税引後である。
2023 年上半期 2022 年上半期
当期純利益
141 206
株主資本で直接認識される組替調整される損益
キャッシュフロー・ヘッジ準備金の変動:
-未実現価額の変動 (6) 5
-純損益に振り替えられた実現価額の変動 0 0
(6) 5
ヘッジコスト準備金の変動:
-未実現価額の変動 (20) (133)
-純損益に振り替えられた実現価額の変動 (6) (1)
(26) (134)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
金融資産に係る再評価剰余金の変動:
-未実現価額の変動 12 16
-純損益に振り替えられた実現価額の変動 7 (39)
19 (23)
組替調整される損益合計
(13) (152)
株主資本で直接認識される組替調整されない損益:
-自己信用調整( OCA )の未実現価額の変動 (1) (2)
組替調整されない損益合計 (1) (2)
株主資本で直接認識される損益 (14) (154)
合計
127 52
-うちその他 Tier 1資本所有者に帰属 14 23
-うち株主に帰属 113 29
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連結 キャッシュフロー計算書
(単位:百万ユーロ)
2023 年上半期 2022 年上半期
営業活動によるキャッシュフロー
税引前当期利益 188 272
調整:
-減価償却費 1 1
-減損 (11) (15)
-純損益を通じて測定される未実現損益 21 (56)
営業資産および負債の変動:
-銀行預入金および銀行借入金(要求払以外)の変動 649 57
-差入現金担保および受入現金担保の変動 (44) 11,048
-貸付金および前渡金の変動 967 141
-受託資金の変動 721 2,111
-デリバティブの変動 406 1,282
-支払法人税 (60) (73)
-営業活動によるその他の変動 178 (405)
営業活動によるキャッシュフロー純額
3,016 14,363
投資活動によるキャッシュフロー
投資および取得:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 (11) (10)
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 (3,140) (2,778)
-償却原価で測定される利付有価証券 (1,437) (667)
-関連会社および共同支配企業に対する投資 - -
-有形固定資産 (1) -
処分および償還:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 123 65
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 1,591 3,202
-償却原価で測定される利付有価証券 451 565
-関連会社および共同支配企業に対する投資 1 3
投資活動によるキャッシュフロー純額
(2,423) 380
財務活動によるキャッシュフロー
受取額:
-欧州中央銀行供給資金( TLTRO )への参加 - -
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 - -
-負債証券 265,777 189,038
支払額:
-中央銀行供給資金( TLTRO )の返済 (2,008) -
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 (1) (80)
-負債証券 (250,339) (187,067)
-劣後債務 (21) (1)
- その他 Tier 1資本に係る利息支払い (15) (23)
-株主に対する配当金 (139) (127)
- その他 Tier 1資本に係る返済 - (424)
財務活動によるキャッシュフロー純額
13,254 1,316
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2023 年上半期 2022 年上半期
現金および現金同等物の純変動
13,847 16,059
1月1日現在の現金および現金同等物 6,824 9,286
6月 30 日現在の現金および現金同等物 20,671 25,345
6月 30 日現在の現金および現金同等物:
-現金および中央銀行残高 20,668 25,350
-「銀行預入金」項目における現金同等物 4 4
-「銀行借入金」項目における現金同等物 (1) (9)
20,671 25,345
営業活動によるキャッシュフローに対する注記
受取利息額 2,789 2,093
支払利息額 (2,078) (1,911)
711 182
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連結株主資本変動計算書
(単位:百万ユーロ)
計算書の数値はすべて税引後である。
2023 年上半期
キャッ
株主に
シュフ
ロー・ 自己 ヘッジ 帰属 その他
資本 再評価 ヘッジ 信用 コスト 利益 未処分 する Tier 1
資本金 準備金 剰余金 準備金 調整 準備金 剰余金 利益 持分 資本 合計
2023 年1月1日
現在の残高 139 6 4 14 2 17 3,824 300 4,306 309 4,615
包括利益合計 - - 19 (6) (1) (26) - 141 127 - 127
その他 Tier 1
資本に係る返済 - - - - - - - - - - -
BNG 銀行株主に
対する配当金 - - - - - - (139) - (139) - (139)
その他 Tier 1
資本所有者に
対する利息支払い - - - - - - (13) - (13) - (13)
前年度利益処分額 - - - - - - 300 (300) - - -
2023 年6月 30 日
現在の残高 139 6 23 8 1 (9) 3,972 141 4,281 309 4,590
2022 年上半期
キャッ
株主に
シュフ
ロー・ 自己 ヘッジ 帰属 その他
資本 再評価 ヘッジ 信用 コスト 利益 未処分 する Tier 1
資本金 準備金 剰余金 準備金 調整 準備金 剰余金 利益 持分 資本 合計
2022 年1月1日
現在の残高 139 6 83 1 3 125 3,736 236 4,329 733 5,062
包括利益合計 - - (23) 5 (2) (134) - 206 52 - 52
その他 Tier 1
資本に係る返済 - - - - - - - - - (424) (424)
BNG 銀行株主に
対する配当金 - - - - - - (127) - (127) - (127)
その他 Tier 1
資本所有者に
対する利息支払い - - - - - - (18) - (18) - (18)
前年度利益処分額 - - - - - - 236 (236) 0 - 0
2022 年6月 30 日
現在の残高 139 6 60 6 1 (9) 3,827 206 4,236 309 4,545
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連結中間財務書類の会計原則
会社概要
BNG 銀行 N.V. は、オランダの法律に基づく法定二段構造企業であり、社会的インパクトを原動力としてい
る。 BNG 銀行の重点は公共領域に置かれ、その社会的インパクトの拡大が重視されている。 BNG 銀行の資本金
の半分をオランダ王国政府が所有し、残りの半分を州、地方自治体および地域治水委員会が所有している。
BNG 銀行は、オランダ、ハーグ Koninginnegracht 2 に登録事務所を置き(商工会議所番号 27008387 で登
録)、支店はない。
適用法令
中間財務書類は、欧州連合( EU )により採用されている IAS 第 34 号「中間財務報告」に準拠して作成され
る。
本中間財務書類には、連結財務書類に必要な情報および開示のすべてが記載されるわけではないため、 EU
により採用されている IFRS およびオランダ民法典第2編第9章の適用ある条項に準拠して作成された BNG 銀行
の 2022 年度連結財務書類と併せて読む必要がある。本報告書で使用されている会計方針は、 BNG 銀行の 2022 年
度連結財務書類の注記に記載されているものと一致している。ただし、「 EU により採用され 2023 年1月1日
以降に発効した、適用されている会計基準」の項目に記載された会計方針の変更を除く。
一般に、 BNG 銀行は、 EU により採用されていない IASB 発行の新規または改訂基準および解釈指針を適用しな
い。 BNG 銀行は、 EU により採用された 2023 年1月1日より後に開始する事業年度に強制適用される改訂基準お
よび解釈指針の早期適用を原則として行わないことも決定した。
以下の新規または改訂基準、解釈指針および改善の適用により、 BNG 銀行の評価、損益の算定および開示の
面で、本 2023 年度中間報告書において重要な調整は行われなかった。
EU により採用され 2023 年1月1日以降に発効した、適用されている会計基準
・ IFRS 第 17 号「保険契約」の改訂: IFRS 第 17 号および IFRS 第9号の適用開始 - 比較情報: IASB により 2021 年 12
月9日に発行され、 2022 年9月8日に承認された。これらの改訂は 2023 年1月1日に発効している。 BNG 銀
行は顧客との間で保険契約を締結していないため、中間財務書類への影響はない。
・ IFRS 第8号「会計方針、会計上の見積りの変更および誤謬」の改訂:会計上の見積りの定義: IASB により
2021 年2月 12 日に発行され、 EU により 2022 年3月2日に承認された。これらの改訂は 2023 年1月1日に発
効している。本改訂は定義の変更のみを含むため、中間財務書類への影響はない。
・ IAS 第1号「財務諸表の表示」および IFRS 実務記述書第2号の改訂:会計方針の開示: IASB により 2021 年2
月 12 日に発行され、 EU により 2022 年3月2日に承認された。これらの改訂は 2023 年1月1日に発効してい
る。本改訂は、連結中間財務書類の作成に関する内部プロセスに影響を与えるが、中間財務書類への影響
は限定的である。
・ IAS 第 12 号「法人所得税」の改訂:単一取引から生じた資産および負債に係る繰延税金: IASB により 2021 年
5月7日に発行され、 EU により 2022 年8月 11 日に承認された。 BNG 銀行には IAS 第 12 号第 15 項 (b) または IAS
第 12 号第 24 項に基づくいずれの免除も適用されないため、中間財務書類への影響はない。
EU により採用されていない未適用の会計基準
当報告期間または将来の報告期間および予測可能な取引において、 BNG 銀行に重要な影響を及ぼすと見込ま
れる、未発効の他の基準はない。
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評価および損益の算定に適用される重要な会計原則
中間報告書は、継続企業の前提に基づき作成される。貸借対照表項目のほとんどは、償却原価で測定され
る。貸借対照表項目「純損益を通じて公正価値で測定される( FVTPL )金融資産」、「その他の包括利益を通
じて公正価値で測定される( FVOCI )金融資産」、「デリバティブ」および「純損益を通じて公正価値で測定
される( FVTPL )金融負債」は、公正価値で測定される。貸借対照表項目「関連会社および共同支配企業」
は、持分法に準拠し表示される。貸借対照表項目「有形固定資産」は、減価償却累計額控除後の原価で表示
される。収益は、 BNG 銀行に経済価値が発生する見込みがあり、かつ信頼性を持って収益を決定できる場合に
認識される。費用は、可能な場合、サービスが提供された期間またはこれらの費用を相殺する関連した収益
に割り当てられる。詳細については、個々の貸借対照表項目に係る会計原則を参照のこと。
ユーロは BNG 銀行が使用する機能通貨であり報告通貨である。別段の記載がない限り、連結財務書類におい
て、金額はすべて百万ユーロで表示される。
連結の会計原則
中間財務書類の作成に使用される親会社とその子会社の中間財務書類は、同一の報告日時点で作成され、
同一の原則に基づく。収益、費用、配当金等のグループ会社内取引および残高のすべては、中間財務書類で
完全に消去されている。連結に含まれる子会社の報告期間は BNG 銀行と一致している。
本中間財務書類は、親会社および BNG 銀行が支配するすべての子会社の中間決算から構成される。支配は、
BNG 銀行が投資者となっていることにより変動リターンに対するエクスポージャーを有し、当該投資に関係し
た活動に対するパワーを行使することで当該リターンに影響を及ぼすことができる場合に存在する。グルー
プ会社は、支配を獲得した日から、支配が消滅する時まで、完全に連結対象となる。 BNG 銀行が受益権または
持分を保有する投資ファンドの支配を有するか否かを決定する際には、参加者として BNG 銀行が保有する財務
上の利害関係が考慮される。
比較数値の表示の変更
本中間財務書類の比較数値は、 2022 年度財務書類および 2022 年度中間財務書類で開示された数値と相違す
るものはない。
中間財務書類に対する諸事象の影響
中間報告書に対するウクライナ戦争の影響
ウクライナとロシアの戦争については、 2022 年度と同様、 2023 年上半期には BNG 銀行への直接的な影響はほ
とんどなかった。 BNG 銀行はロシアにおいて直接のエクスポージャーを有していないため、 BNG 銀行の継続
性、ビジネスモデルおよび業績に直接的な影響はない。間接的には、この戦争はインフレその他のマクロ経
済要因に著しい影響を与えている。
セグメント情報
BNG 銀行は、リソース配分と業績測定を決定する際に、貸付業務と地域開発業務を区別している。 BNG 銀行
は、貸付業務の管理と設定において、異なるセグメントまたは事業ユニットを区別していない。 BNG 銀行の地
域開発業務は、その貸付業務と比較して重要ではない。したがって、本中間報告書にセグメント情報は含ま
れていない。
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配当
2022 年度の配当金は1億 3,900 万ユーロが株主総会に提案され、 2023 年4月 20 日に支払われた。
その他 Tier 1資本所有者に対する 1,400 万ユーロの利息支払いは 2023 年上半期に分配された。この分配は、
法人所得税上、損金算入可能である。 BNG 銀行は、 2023 年上半期の業績に係る中間配当を支払う予定はない。
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連結中間財務書類に対する注記
1 負債証券
2023 年上半期に、負債証券は 169 億ユーロ増加し 1,077 億ユーロとなった。これは、長期資金調達が 34 億
ユーロ増加し、(コマーシャル・ペーパーの形による)短期資金調達が 135 億ユーロ増加したためである。
BNG 銀行は、その長期資金調達業務に関連して、 2023 年上半期に 112 億ユーロ( 2022 年上半期: 87 億ユー
ロ)の長期負債証券を発行した。報告期間における長期負債証券の償還価額合計は 79 億ユーロ( 2022 年上半
期: 88 億ユーロ)であった。
2 利息損益
2023 年上半期 2022 年上半期
受取利息
実効金利法を用いて計算した受取利息:
-償却原価で測定される金融資産 1,113 866
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
金融資産 70 24
-ヘッジ会計を適用するデリバティブ 1,007 1,015
-金融負債に係る受取利息 14 136
2,204 2,041
その他の受取利息:
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして
指定された金融資産 24 31
-強制的に純損益を通じて公正価値で測定される
金融資産 1 1
-ヘッジ会計を適用しないデリバティブ 216 95
-その他 493 7
734 134
受取利息合計
2,938 2,175
支払利息
実効金利法を用いて計算した支払利息:
-償却原価で測定される金融負債 1,493 656
-ヘッジ会計を適用するデリバティブ 1,131 1,120
-金融資産に係る支払利息 12 139
2,636 1,915
その他の支払利息:
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして
指定された金融負債 4 4
-ヘッジ会計を適用しないデリバティブ 23 30
-その他 6 6
33 40
支払利息合計
2,669 1,955
利息損益合計 269 220
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2023 年6月に、 BNG 銀行は、 TLTRO 第三弾の残高 35 億ユーロのうち 20 億ユーロを返済した。 2023 年上半期の
TLTRO 第三弾の預金に係る支払利息は 2,000 万ユーロ( 2022 年上半期:受取利息 9,200 万ユーロ)である。 2022
年 11 月以降、条件の変更に伴い、 TLTRO の利息は受取るのではなく支払うことになっている。「その他の受取
利息」の増加額のうち4億 8,200 万ユーロは、 ECB に預け入れた翌日物預金の金利が上昇したことによる。
3 金融取引損益
以下の表は、実現および未実現の市場価値変動による金融取引損益の内訳を示している。
2023 年上半期 2022 年上半期
信用スプレッドおよび流動性スプレッドの変動に
起因する純損益を通じて公正価値で測定する
以下の金融資産の市場価値変動:
-利付有価証券 (5) (4)
-ストラクチャード・ローン (5) (3)
(10) (7)
ヘッジ会計による損益
-ポートフォリオ公正価値ヘッジ会計 25 3
-ミクロ公正価値ヘッジ会計 (40) 19
-ミクロ・キャッシュフロー・ヘッジ会計 0 0
(15) 22
デリバティブに係る取引先信用リスクの変動
( CVA / DVA ) 2 14
売却および買取りによる実現損益 (6) 40
その他の市場価値変動 1 23
合計
(28) 92
金融取引損益は 2,800 万ユーロの損失( 2022 年上半期: 9,200 万ユーロの利益)であった。減少額の大半
は、 BNG 銀行の流動性ポートフォリオからの利付有価証券の売却による実現損益が減少したことが原因であ
る。その影響により、(前年同期の 4,000 万ユーロの利益に対して) 2023 年上半期は 600 万ユーロの損失と
なった。当年上半期の市場動向を受けて、ヘッジ会計による損益は 1,500 万ユーロの損失であった。
4 金融資産およびオフバランスシート契約の減損
金融資産およびオフバランスシート契約の減損のステージ別内訳
以下の表は、減損の対象となる金融資産およびオフバランスシート契約の3つの減損のステージ別内訳を
示している。
ステージ1:当初認識以降、信用リスクの著しい増大がない正常債権エクスポージャー
ステージ2:当初認識以降に、信用リスクの著しい増大があった正常債権エクスポージャー
ステージ3:不良債権エクスポージャー
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2023 年6月 30 日現在
帳簿価額総額 信用損失引当金(評価性)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
帳簿価額 ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
減損対象の金融資産
現金および
中央銀行残高 20,668 20,668 - - - - -
銀行預入金 409 409 - - 0 - -
差入現金担保 4,092 4,092 - - - - -
その他の包括利益
を通じて公正価値
で測定される金融
1
資産 9,074 9,074 - - 0 0 -
償却原価で測定
される利付有価
証券 8,774 8,699 77 - (1) (1) -
貸付金および
89,546 86,739 2,221 701 (6) (20) (89)
前渡金
合計
132,563 129,681 2,298 701 (7) (21) (89)
注1 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に対する信用損失引当金はその他の包括利益に含ま
れており、(正味)帳簿価額には含まれていない。
2023 年6月 30 日現在
額面金額 引当金(負債性)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
オフバランスシート契約
偶発債務 474 3 1 0 0 (1)
取消可能信用供与契約 6,633 196 221 - - -
取消不能信用供与契約 4,526 52 11 0 (1) (1)
合計
11,633 251 233 0 (1) (2)
2022 年 12 月 31 日現在
帳簿価額総額 信用損失引当金(評価性)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
帳簿価額 ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
減損対象の金融資産
現金および
中央銀行残高 6,821 6,821 - - - - -
銀行預入金 346 346 0 0 0 0 0
差入現金担保 4,144 4,144 - - - - -
その他の包括利益
を通じて公正価値
で測定される金融
1
資産 7,398 7,398 0 - 0 0 0
償却原価で測定
される利付有価
証券 7,636 7,552 86 - 0 (2) 0
貸付金および
89,624 86,885 2,049 848 (8) (21) (129)
前渡金
合計
115,969 113,146 2,135 848 (8) (23) (129)
注1 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に対する信用損失引当金はその他の包括利益に含ま
れており、(正味)帳簿価額には含まれていない。
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2022 年 12 月 31 日現在
額面金額 引当金(負債性)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
オフバランスシート契約
偶発債務 485 3 1 0 0 (1)
取消可能信用供与契約 5,781 228 239 - - -
取消不能信用供与契約 4,341 43 42 0 (1) (1)
合計
10,607 274 282 0 (1) (2)
2023 年6月 30 日現在、不良債権エクスポージャーは合計7億 100 万ユーロ( 2022 年度末:8億 4,800 万ユー
ロ)であった。不良債権エクスポージャーは、ポートフォリオ合計の 0.5 %( 2022 年度末: 0.8 %)を占め、
29 件の債務者( 2022 年度末: 28 件の債務者)に関係する。 BNG 銀行は、不良債権エクスポージャーに関連して
合計4億 4,600 万ユーロ( 2022 年度末:3億 9,100 万ユーロ)の政府保証を受けている。以下の表は、不良債
権エクスポージャーの推移を示している。
2023 年上半期 2022 年度
1月1日現在の不良債権エクスポージャー合計
848 549
既存の不良債権エクスポージャーの増加
8 10
正常債権から不良債権エクスポージャーへの移動 26 510
不良債権から正常債権エクスポージャーへの移動 (117) -
不良債権エクスポージャーの返済および決済 (21) (221)
(43) -
償却
期末現在の不良債権エクスポージャー合計
701 848
予想信用損失引当金の変動
以下の表は、金融資産に係る予想信用損失引当金(評価性)およびオフバランスシート契約に係る予想信
用損失引当金(負債性)の変動を示している。
2023 年上半期
認識中止、
組成および 返済および 信用リスクの
取得による 処分による 変動による
期首残高 増加 減少 変動(純額) 期末残高
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - - - -
銀行預入金 0 - - 0 0
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定される金融資産 0 0 0 0 0
償却原価で測定される
利付有価証券 2 0 0 0 2
158 1 (46) 2 115
貸付金および前渡金
160 1 (46) 2 117
引当金(負債性)
3 (1) 0 1 3
オフバランスシート契約
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2022 年上半期
認識中止、
組成および 返済および 信用リスクの
取得による 処分による 変動による
期首残高 増加 減少 変動(純額) 期末残高
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - - - -
銀行預入金 0 - - 0 0
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定される金融資産 0 0 0 0 0
償却原価で測定される
利付有価証券 2 0 0 (1) 1
237 2 (1) (13) 225
貸付金および前渡金
239 2 (1) (14) 226
引当金(負債性)
1 0 0 (1) 0
オフバランスシート契約
契約上のキャッシュフローの変更
全期間の予想信用損失に基づく損失引当金が設定されている(すなわちステージ2または3)金融資産
で、 2023 年上半期中に契約上のキャッシュフローが変更されたものはない。 2023 年上半期に、支払猶予措置
の対象となった金融資産を有する2件の債務者がステージ2からステージ1へ移動した。この移動により契
約上のキャッシュフローが変更されたものはなかった。
主要なインプットおよび仮定
金融資産の予想信用損失( ECL )は、信用リスクの著しい増大( SICR )が発生したかどうかによって、 12 か
月または全期間のどちらかに基づいて測定される。予想信用損失合計は、デフォルト確率( PD )、デフォル
ト時損失率( LGD )およびデフォルト時エクスポージャー( EAD )の結果を割り引いたものである。
デフォルト確率
PD は、 ECL および SICR の決定における主要な構成要素として使用される。 BNG 銀行は、外部格付が入手でき
ないエクスポージャーについて、主に専門家の判断に基づく PD モデルを開発した。 IFRS 第9号の遵守および
いわゆる「ポイント・イン・タイム」の PD を確保するため、 BNG 銀行は将来に関する情報( FLI )を含んだ
オーバーレイ・モデルを開発した。ステージの決定においては、 FLI を調整済の信用格付が使用されている。
BNG 銀行は、財務書類内の他の関連する見積りに対するインプットと整合するような、経済予測に基づく3つ
の内部開発シナリオを適用している。提案されたマクロ経済予測は、外部のマクロ経済予測と比較され、シ
ナリオの外部検証性を確保している。シナリオは、資産・負債委員会( ALCO )で承認されている。これに
よって、 BNG 銀行は PD が合理的かつ裏付可能であることを確保している。
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デフォルト時損失率
信用ポートフォリオのデフォルト率が低く、過去の内部の LGD データが不足しているため、 BNG 銀行は LGD モ
デルを確立することができない。したがって、 BNG 銀行はエクスポージャー全体に対して、4つの異なる LGD
率を伴う基本的な一律 LGD アプローチを適用している。
・ (オランダ)中央政府または地方政府が交付または保証するエクスポージャーについて0%
・ EU 内の中央政府または地方政府が発行する政府債について 10 %
・ 中央政府または地方政府の保証がないエクスポージャーおよび優先無担保債について 35 %
・ 劣後ローンについて 75 %
デフォルト時エクスポージャー
貸付金および利付有価証券(証券化を除く)に係る EAD は、債務者が 12 か月間または全期間にわたって義務
を負う契約上の返済額に基づく。任意返済または早期償還は、過去の実績から頻度が高くないため、考慮に
入れていない。証券化に関する将来の契約上の返済額は、外部情報源から得られる見積定率期限前返済率に
基づく。コミットメント(オフバランスシート)ファシリティの場合、最大エクスポージャーは、 12 か月間
または全期間(減損のステージによる)のどちらかにおいて予想される融資枠の使用を反映するよう調整さ
れる。
信用リスクの著しい増大
BNG 銀行は、認識以降の信用リスクの著しい変動を評価するためのインプット・パラメータとして、 FLI に
ついて調整されたポイント・イン・タイム PD を適用している。さらに BNG 銀行は、 SICR を判定するための補完
基準として、支払猶予措置および 30 日超の期日経過を使用している。他方で、 BNG 銀行は認識以降の信用リス
クの著しい変動のモニタリングについて、低信用リスクである場合の除外も適用している。この場合、 SICR
が生じているかを判定せずに、 12 か月間の ECL を使用して減損が測定される。 BNG 銀行は、投資適格の格付を
有する金融資産については「低信用リスク」であるとみなす。債券については、 BNG 銀行は BBB- 以上を投資適
格とみなしている。貸付金については、内部相手先信用格付を使用して投資適格であるかを判定している。
内部相手先信用格付は、多数の市場セクター固有の内部格付モデルから導き出され、これらのモデルは外部
的に検証されている。
BNG 銀行は、ステージ3の減損金額を決定する際に、専門家を利用して判断を行っている。このアプローチ
は、特別管理部により金融商品レベルごとに実行される。
将来に関するマクロ経済情報
主要なマクロ経済変数を識別するために、過去のデータの分析が実施され、これらの変数は四半期毎に提
供される。専門家による判断が適用され、資産・負債委員会( ALCO )により承認される。証券化以外につい
てデフォルト確率の決定に適用されるマクロ経済要素は、名目国内総生産( GDP )、失業率および雇用率であ
る。証券化について適用されるマクロ経済要素は、住宅価格指数、長期金利および債務である。シナリオに
対する加重は、 2022 年度の加重と比較して調整されなかった。
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証券化
2023 年6月 30 日現在の期間 2022 年 12 月 31 日現在の期間
マクロ経済変数
ユーロ圏( 17 か国)の住宅価格指数
3年 3年
ユーロ圏( 19 か国)の長期金利 3年 3年
1
3年 3年
ユーロ圏の債務(家計および NPISH への貸付)
2023 年6月 30 日現在の加重 2022 年 12 月 31 日現在の加重
シナリオ
基本シナリオ
50 % 50 %
上昇シナリオ 10 % 10 %
下降シナリオ 40 % 40 %
注1 対家計非営利団体
証券化以外
2023 年6月 30 日現在の期間 2022 年 12 月 31 日現在の期間
マクロ経済変数
オランダの国内総生産( GDP )
3年 3年
オランダの失業率 3年 3年
雇用率 3年 3年
2023 年6月 30 日現在の加重 2022 年 12 月 31 日現在の加重
シナリオ
基本シナリオ
50 % 50 %
上昇シナリオ 10 % 10 %
下降シナリオ 40 % 40 %
不良債権エクスポージャー
BNG 銀行は、以下の基準のいずれかを満たす場合、不良債権の定義と完全に合致している金融商品を債務不
履行と定義する。
・ BNG 銀行が、債務者による BNG 銀行に対する信用債務の支払可能性が低いとみなしている。
・ 債務者による BNG 銀行に対する重要な信用債務の支払いが 90 日以上遅延している。
BNG 銀行は、「支払可能性が低いこと」について以下の指標を採用している。
・ 債務者の収入源が、支払債務を履行するには不十分とみなされる。
・ 将来キャッシュフローに対する疑義の兆候が見られる。
・ 債務者の負債比率が著しく上昇した。
・ 1件以上の約款違反が発生した。
・ BNG 銀行が保証の実行を求めたまたは担保権を実行した。
・ 他の債権者に対する著しい支払遅延(登記所に記録された)。
・ 債務者の市場セクターに経済的危機があり、同セクター内の債務者が信用弱者とみなされている。
・ 財務的困難により、 債務者は 市場セクターにおいて活発に活動しているとはみなされなくなった。
・ BNG 銀行以外の債権者が当該債務者の破産を申し立てた。
信用損失引当金の感応度分析
信用損失引当金の金額の(再)計算において、インプットの変動に対する信用損失引当金の感応度を測定
するために、異なるシナリオが設定されている。
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シナリオA
シナリオAでは、減損の対象となるすべての個別エクスポージャーの信用格付が1ノッチ引き下げられる
(例えば、 AAA から AA+ )。これらの(引き下げられた)信用格付およびそれに伴う PD がステージ分類評価お
よび信用損失引当金の計算に適用される。その結果、一部のエクスポージャーがステージ1からステージ2
に振り替えられる。 EAD および LGD については、ベース水準からの変更はない。
シナリオB
シナリオBでは、通常は LGD が0%のエクスポージャーの LGD を 10 %とする。通常は LGD が 10 %、 35 %または
75 %のエクスポージャーの LGD は変更されない。 EAD 、信用格付および PD についても、ベース水準からの変更
はない。
シナリオC
シナリオCでは、信用損失引当金の計算がポイント・イン・タイム PD ではなく、「スルー・ザ・サイク
ル」 PD を使用して実施される。すなわち、将来に関するマクロ経済情報を組み込まない PD が計算に使用され
る。 EAD 、信用格付、ステージレベルおよび LGD については、ベース水準からの変更はない。
以下の表は、3つのシナリオにおける信用損失引当金合計の感応度を示している。
2023 年6月 30 日現在
シナリオA シナリオB シナリオC
(1ノッチ ( LGD を0% (スルー・ザ・
実際の計上額 引き下げ) から 10 %に) サイクル PD )
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - - -
銀行預入金 0 0 0 0
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定される金融資産 0 0 0 0
償却原価で測定される利付有価証券 2 4 3 1
115 122 141 117
貸付金および前渡金
117 126 144 118
引当金(負債性)
3 3 3 3
オフバランスシート契約
2022 年 12 月 31 日現在
シナリオA シナリオB シナリオC
(1ノッチ ( LGD を0% (スルー・ザ・
実際の計上額 引き下げ) から 10 %に) サイクル PD )
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - - -
銀行預入金 0 0 0 0
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定される金融資産 0 0 0 0
償却原価で測定される利付有価証券 2 3 2 1
158 165 182 159
貸付金および前渡金
160 168 184 160
引当金(負債性)
3 3 3 3
オフバランスシート契約
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5 分類別の金融商品の内訳
2023 年6月 30 日現在
その他の包括
純損益を通じて 損益を通じて
償却原価 公正価値で測定 公正価値で測定 合計
現金および中央銀行残高
20,668 - - 20,668
銀行預入金 409 - - 409
差入現金担保 4,092 - - 4,092
純損益を通じて公正価値で測定される
金融資産 - 892 - 892
デリバティブ - 3,012 - 3,012
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定される金融資産 - - 9,074 9,074
償却原価で測定される利付有価証券 8,774 - - 8,774
貸付金および前渡金 89,546 - - 89,546
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
(8,286) - - (8,286)
貸付金に対する価値調整
資産合計
115,203 3,904 9,074 128,181
銀行借入金 2,780 - - 2,780
受入現金担保 874 - - 874
純損益を通じて公正価値で測定される
金融負債 - 184 - 184
デリバティブ - 6,332 - 6,332
負債証券 107,657 - - 107,657
受託資金 5,626 - - 5,626
劣後債務 18 - - 18
負債合計
116,955 6,516 - 123,471
2022 年 12 月 31 日現在
その他の包括
純損益を通じて 損益を通じて
償却原価 公正価値で測定 公正価値で測定 合計
現金および中央銀行残高
6,821 - - 6,821
銀行預入金 346 - - 346
差入現金担保 4,144 - - 4,144
純損益を通じて公正価値で測定される
金融資産 - 901 - 901
デリバティブ - 3,737 - 3,737
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定される金融資産 - - 7,398 7,398
償却原価で測定される利付有価証券 7,636 - - 7,636
貸付金および前渡金 89,624 - - 89,624
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
(8,679) - - (8,679)
貸付金に対する価値調整
資産合計
99,892 4,638 7,398 111,928
銀行借入金 4,012 - - 4,012
受入現金担保 1,173 - - 1,173
純損益を通じて公正価値で測定される
金融負債 - 185 - 185
デリバティブ - 6,129 - 6,129
負債証券 90,774 - - 90,774
受託資金 4,785 - - 4,785
劣後債務 38 - - 38
負債合計
100,782 6,314 - 107,096
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6 金融商品の公正価値
公正価値とは、意思または能力にかかわらず、現在の市場状況の下、測定日時点で、市場参加者間の秩序
ある取引により、資産が売却された場合に受け取るであろう移転価格(取引費用調整前)または負債が移転
された場合に支払うであろう価格である。評価が市場参加者の観点から行われる必要があるということを想
定しており、これにより、金融商品の固有の特徴および制限のみが考慮される。3つのレベルの公正価値の
間で区別がなされ、インプットの性質およびその全体の評価にとっての重要性がヒエラルキーの正しい分類
にとって決定的である。
公正価値ヒエラルキー
・ レベル1:活発な市場における、当該商品の、または入手できない場合は同一商品の、(未調整の)相
場価格に基づく評価。金融商品は、相場価格が定期的に入手可能である場合、ならびにそれらの価格が現
在および定期的に生じる独立当事者間の市場取引を反映している場合に、活発な市場での相場価格がある
とみなされる。金融資産および負債の相場価格は、中間市場価格に基づいている。
・ レベル2:レベル1で使用された相場価格を除く、直接的または間接的に観察可能な市場データを用い
た評価技法に基づく評価。このカテゴリーは、類似した商品の活発な市場での相場価格、同一もしくは類
似した商品の活発とはみなされない市場での相場価格、またはすべて市場データから直接的もしくは間接
的に観察可能な重要なインプットによるその他の評価技法を用いて評価される商品を含む。
・ レベル3:市場で公表されない観察不能なインプットを大幅に用いた評価技法に基づく評価。このカテ
ゴリーは、観察可能な市場データに基づかないインプットを用いた評価技法による商品を含み、そのた
め、観察不能な市場データが商品の評価に重要な影響を与える。このカテゴリーはまた、類似した商品の
相場価格に従って評価された商品も含み、これにより重要で公には観察不能な変更または前提が、商品間
の差異を示すために必要となる。
可能な場合、 BNG 銀行は、価格カーブおよび資金調達カーブを決定するために、相場価格(レベル1)を使
用する。 BNG 銀行は、評価目的で中間市場価格を使用する。中間市場価格の使用は、金融資産および金融負債
の市場リスクが相殺される場合、認められている。
多くの場合、 BNG 銀行は債務者に関し理論的な評価(レベル2)に依拠している。かかる場合は、一般的に
金融業界で使用される評価モデルおよび技法に基づき公正価値が決定される。これらの大部分は純現在価値
計算に基づくモデルおよびオプション価格モデルである。これらのモデルのための変数は、市場価格、フォ
ワード価格設定、割引の市場条件に沿ったイールド曲線、相関、ボラティリティ、クロスカレンシー・ス
ワップのベーシス・スプレッド、取引先の信用力ならびに市場当事者が価格決定に使用するその他の要因、
見積り、仮定等の直接的または間接的に客観的に観察可能なインプットに基づく。 BNG 銀行は、いわゆるスプ
レッド曲線を、理論的な評価が必要な信用および流動性リスクに関連する金融商品の公正価値を決定するた
めに使用する。これらのスプレッド曲線は、関連する金利曲線ならびに信用および流動性リスクのスプレッ
ドに基づき作成される。信用リスク・スプレッドは、受入担保、保証および満期を考慮に入れ、債務者の信
用度に左右される。流動性リスク・スプレッドは、商品の市場性の程度に左右される。個々の顧客および金
融商品のリスク・プロファイルは、少なくとも四半期に1回評価される。必要な場合、信用リスク・スプ
レッドが調整される。
ごく限られた場合に、 BNG 銀行の金融商品の評価は、かなりの程度まで、市場で観察不能なインプットおよ
び経営陣の見積り(レベル3)に基づいている。
デリバティブ取引の公正価値決定の際に、信用評価調整( CVA )および債務評価調整( DVA )が、 BNG 銀行が
日次の担保交換に関する契約を締結していないすべての顧客および金融取引先とのデリバティブ取引すべて
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に適用される。 CVA および DVA はまた、 BNG 銀行が日次の担保交換に関する契約を締結したが、担保額の算定に
おいて重要な閾値が適用される顧客または取引先とのデリバティブ取引すべてに適用される。
BNG 銀行は自己の信用リスクの決定において、関連するスワップ・カーブに対するスプレッド、すなわち
「自己信用調整( OCA )」を適用している。 OCA は、「純損益を通じて公正価値で測定される金融負債」に含
まれる商品のみに関連する。
金融商品がフォワード契約の性格を持つ限り、フォワード・イールド曲線およびフォワード為替相場など
の公表されているフォワード価格が使用される。複雑な商品の場合、商品の構成要素は、上記の技法および
モデルに基づき個別に測定される。商品全体の公正価値は構成要素の公正価値の合計として決定される。 BNG
銀行は、各報告期間末の財務ポジション処理のために継続的に測定される経常的な公正価値のみを適用す
る。
2023 年6月 30 日現在 2022 年 12 月 31 日現在
貸借対照表 貸借対照表
価額 公正価値 価額 公正価値
現金および中央銀行残高
20,668 20,666 6,821 6,821
銀行預入金 409 410 346 346
差入現金担保 4,092 4,092 4,144 4,144
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 892 892 901 901
デリバティブ 3,012 3,012 3,737 3,737
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定される金融資産 9,074 9,074 7,398 7,398
償却原価で測定される利付有価証券 8,774 8,649 7,636 7,462
貸付金および前渡金 89,546 80,682 89,624 81,162
金融資産合計
136,467 127,477 120,607 111,971
銀行借入金 2,780 2,771 4,012 4,004
受入現金担保 874 874 1,173 1,173
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 184 184 185 185
デリバティブ 6,332 6,332 6,129 6,129
負債証券 107,657 107,314 90,774 90,662
受託資金 5,626 5,663 4,785 4,826
劣後債務 18 20 38 40
金融負債合計
123,471 123,158 107,096 107,019
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取引を行う際、公正価値のヒエラルキー分類は、分類を決定付けるインプット要因の性質およびその評価
全体への重要性を踏まえた、評価に関連する特徴に基づいて決定されている。分類は、取引全体として公正
価値に重要性のあるインプットのレベルのうち最も低いものに基づいて行われる。
重要性は、評価全体の結果に対する観察不能なインプット要因の影響を、これらの観察不能なインプット
要因に関する代替的な仮定の範囲を考慮に入れて決定することにより評価される。四半期毎に、各取引のヒ
エラルキー分類は評価され、必要な場合、調整される。
以下の表は、公正価値で認識される取引の公正価値ヒエラルキーの概要を示している。
2023 年6月 30 日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
58 825 9 892
デリバティブ - 3,012 - 3,012
その他の包括利益を通じて公正価値で
8,997 77 - 9,074
測定される金融資産
金融資産合計
9,055 3,914 9 12,978
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 114 70 - 184
デリバティブ - 6,332 - 6,332
金融負債合計
114 6,402 - 6,516
2022 年 12 月 31 日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
58 834 9 901
デリバティブ - 3,737 - 3,737
その他の包括利益を通じて公正価値で
7,322 76 - 7,398
測定される金融資産
金融資産合計
7,380 4,647 9 12,036
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 - 185 - 185
デリバティブ - 6,129 - 6,129
金融負債合計
0 6,314 - 6,314
2023 年6月 30 日現在、1件の資産がレベル3に分類されている。これは金利リスクがスワップでヘッジさ
れている劣後ローンである。これは市場ではほとんど取引されない仕組利付有価証券である。したがって、
類似の証券について入手できる観察可能な市場データは現在の公正価値を完全に反映するものではない。こ
の取引の公正価値は公表された市場データに基づいて決定され、重要な、市場で公表されない観察不能なイ
ンプットを用いて調整される。
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償却原価による取引の公正価値ヒエラルキー
以下の表は、貸借対照表上、償却原価で認識される取引の公正価値を決定する方法の概要を示している。
2023 年6月 30 日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
現金および中央銀行残高
266 20,400 - 20,666
銀行預入金 4 404 2 410
差入現金担保 - 4,092 - 4,092
償却原価で測定される利付有価証券 1,740 6,650 259 8,649
貸付金および前渡金 377 73,515 6,790 80,682
金融資産合計
2,387 105,061 7,051 114,499
銀行借入金 1 2,770 - 2,771
受入現金担保 - 874 - 874
負債証券 81,249 26,065 - 107,314
受託資金 3,440 1,745 478 5,663
劣後債務 - 20 - 20
金融負債合計
84,690 31,474 478 116,642
2022 年 12 月 31 日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
現金および中央銀行残高
6,821 - - 6,821
銀行預入金 4 339 3 346
差入現金担保 - 4,144 - 4,144
償却原価で測定される利付有価証券 439 6,760 263 7,462
貸付金および前渡金 590 74,086 6,486 81,162
金融資産合計
7,854 85,329 6,752 99,935
銀行借入金 1 4,003 - 4,004
受入現金担保 - 1,173 - 1,173
負債証券 79,599 11,063 - 90,662
受託資金 3,484 792 550 4,826
劣後債務 - 40 - 40
金融負債合計
83,084 17,071 550 100,705
レベル3に含まれる償却原価で測定される金融資産は主に、 BNG 銀行の法定顧客に対する自己資本要件が課
される貸付金および前渡金に関連する。政府保証に基づく法定取引先に対する貸付金および前渡金は、オラ
ンダ王国が発行した債券との強い相関のため、レベル2に含まれる。「負債証券」項目のレベル1に含まれ
る償却原価で測定される金融負債は、 BNG 銀行が発行した売買可能なベンチマーク債券に関連する。民間借入
は、「受託資金」項目のレベル3として分類される。
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7 信用リスク
支払猶予されたエクスポージャー
支払猶予は、債務者の不安定な財務ポジションの結果、債務者がその債務を果たすことができるよう債務
者のために信用条件が変更された信用契約に関連する。
2023 年6月 30 日現在
うち支払猶予
エクスポージャー
合計 減損控除前 減損控除後 合計に占める割合
金融資産(デリバティブを除く)
現金および中央銀行残高 20,668 - - 0.0 %
銀行預入金 409 - - 0.0 %
差入現金担保 4,092 - - 0.0 %
純損益を通じて公正価値で測定される
金融資産 892 - - 0.0 %
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定される金融資産 9,074 - - 0.0 %
償却原価で測定される利付有価証券 8,774 - - 0.0 %
貸付金および前渡金 89,546 368 315 0.4 %
133,455 368 315 0.3 %
オフバランスシート契約
偶発債務 478 2 2 0.4 %
取消可能信用供与契約 7,050 23 23 0.3 %
取消不能信用供与契約 4,589 1 1 0.0 %
12,117 26 26 0.2 %
2022 年 12 月 31 日現在
うち支払猶予
エクスポージャー
合計 減損控除前 減損控除後 合計に占める割合
金融資産(デリバティブを除く)
現金および中央銀行残高 6,821 - - 0.0 %
銀行預入金 346 - - 0.0 %
差入現金担保 4,144 - - 0.0 %
純損益を通じて公正価値で測定される
金融資産 901 - - 0.0 %
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定される金融資産 7,398 - - 0.0 %
償却原価で測定される利付有価証券 7,636 - - 0.0 %
貸付金および前渡金 89,624 353 302 0.4 %
116,870 353 302 0.3 %
オフバランスシート契約
偶発債務 489 2 2 0.4 %
取消可能信用供与契約 6,248 35 35 0.6 %
取消不能信用供与契約 4,427 - - 0.0 %
11,164 37 37 0.3 %
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債務者の不利な財務ポジションの結果として契約条項が変更された金融資産は、 2023 年6月 30 日現在3億
6,800 万ユーロ(減損控除前)( 2022 年度末:3億 5,300 万ユーロ)であった。支払猶予されたエクスポー
ジャーは、ポートフォリオ合計の 0.3 %( 2022 年度末: 0.3 %)を占め、 14 件の債務者( 2022 年度末: 14 件の
債務者)に関係する。支払猶予は、減損のステージ決定評価における防護指標として用いられ、その結果、
すべての支払猶予エクスポージャーは減損のステージ2に分類されている。
不良債権
BNG 銀行の不良債権エクスポージャーの方法の開示については、注記4(金融資産およびオフバランスシー
ト契約の減損)を参照のこと。不良債権に分類されるエクスポージャーは、以下のすべての条件を満たす場
合、再び正常債権とみなされる。
・ 債務者が再び、すべての契約条件を満たしている(債務不履行は生じていない)。
・ 既存または変更後の支払条件に従って、債務者の状況が、債務者が債務を返済することができる程度ま
で改善している(「支払可能性がある」)。
・ 債務者に 90 日を超える支払いの遅延がない。
正常債権の支払遅延エクスポージャーの満期分析
数値は、 IFRS 第9号に基づく減損ステージ3に含まれない支払遅延エクスポージャーで構成されている。
2023 年6月 30 日現在 2022 年 12 月 31 日現在
31 日未満
6 2
31 日以上 60 日以下 - 0
61 日以上 90 日以下 0 -
4 -
90 日超
期末残高 10 2
90 日超の支払遅延エクスポージャーは 400 万ユーロであり、貸付金の返済スキームに関する債務者との紛争
に関連する。かかる債務者は、顧客として現在も正常債権である。
金融資産および金融負債(デリバティブ)のネッティング
BNG 銀行がデリバティブ取引を締結する準備を整えている金融相手先は、信用リスクを減らすためにネッ
ティング契約が提供される。さらに、相対の担保契約が締結される。これらにより、市場価額の動向を担保
によって日次で緩和できるようにしている。契約は、規制の変更に応じて必要があれば更新される。これら
の契約は、キャッシュフローが中央清算参加者を通じて相殺されない限り、貸借対照表上のネッティングの
対象ではない。以下の表は、貸借対照表上のネッティング前の総額ポジション、および担保契約を考慮に入
れた場合の総額ポジションを示している。
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2023 年6月 30 日現在
デリバティブ デリバティブ
(資産として計上) (負債として計上) 純額
金融資産および金融負債(デリバティブ)の
ネッティング
貸借対照表上のネッティング前の金融資産
および負債の総価額 5,848 (9,168) (3,320)
ネッティングされる金融資産および負債の総価額 (2,836) 2,836 0
金融資産および負債の貸借対照表価額
(ネッティング後) 3,012 (6,332) (3,320)
ネッティング目的で IAS 第 32 号(同一相手先との
デリバティブのネッティング)に適合しない
(2,072) 2,072 0
金融ネッティング商品の価額
担保考慮前のエクスポージャー
940 (4,260) (3,320)
ネッティング目的で IAS 第 32 号に適合しない
(760) 4,087 3,327
金融担保の価額
正味エクスポージャー
180 (173) 7
2022 年 12 月 31 日現在
デリバティブ デリバティブ
(資産として計上) (負債として計上) 純額
金融資産および金融負債(デリバティブ)の
ネッティング
貸借対照表上のネッティング前の金融資産
および負債の総価額 17,203 (19,595) (2,392)
ネッティングされる金融資産および負債の総価額 (13,466) 13,466 0
金融資産および負債の貸借対照表価額
(ネッティング後) 3,737 (6,129) (2,392)
ネッティング目的で IAS 第 32 号(同一相手先との
デリバティブのネッティング)に適合しない
(2,134) 2,134 0
金融ネッティング商品の価額
担保考慮前のエクスポージャー
1,603 (3,995) (2,392)
ネッティング目的で IAS 第 32 号に適合しない
(1,173) 4,144 2,971
金融担保の価額
正味エクスポージャー
430 149 579
2023 年6月 30 日現在、デリバティブに係る差入担保額は 44 億ユーロ( 2022 年度: 45 億ユーロ)であった。
BNG 銀行の信用格付が3ノッチ引き下げられても、 2022 年度と同様、当該金額には影響しない。 BNG 銀行の流
動性ポジションの強さは、担保債務を満たし、担保債務の変動を吸収するのに十分である。
2023 年6月 30 日現在
リバースレポ取引 レポ取引
(資産) (負債)
リバースレポ契約およびレポ契約のネッティング
貸借対照表上のネッティング前の貸借対照表価額総額 1,264 (1,264)
リバースレポ契約およびレポ契約の貸借対照表上の
(1,264) 1,264
ネッティング
金融資産および負債の貸借対照表価額純額
0 0
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2022 年 12 月 31 日現在
リバースレポ取引 レポ取引
(資産) (負債)
リバースレポ契約およびレポ契約のネッティング
貸借対照表上のネッティング前の貸借対照表価額総額 857 (857)
リバースレポ契約およびレポ契約の貸借対照表上の
(857) 857
ネッティング
金融資産および負債の貸借対照表価額純額
0 0
利付有価証券( IBS )投資
BNG 銀行の IBS ポートフォリオは、主に流動性管理目的で保有されている。ポートフォリオは、質の高い債
券で構成され、その大部分は中央銀行が担保として受け入れる。 BNG 銀行の IBS ポートフォリオ全体は流動性
ポートフォリオと ALM (資産および負債管理)ポートフォリオに分けられる。流動性ポートフォリオは、譲渡
性の高い有価証券のみで構成され、以下の表に示される様々な流動性カバレッジ比率のレベルに従って細分
化されている。 ALM ポートフォリオは、有価証券の種類によって細分化されている。ポートフォリオの動向は
毎月報告される。外部格付および内部格付等の要因を用いて、 BNG 銀行はその動向を個別に監視している。こ
れらのポートフォリオ内の資産は、年2回減損分析を受ける。
各格付カテゴリーについて以下に表示された金額は、残存元本額で、百万ユーロ単位である。貸借対照表
価額合計(減損控除前)も最右列に示されている。価額合計 184 億 7,500 万ユーロは、貸借対照表項目「その
他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産」( 90 億 7,400 万ユーロ)、「償却原価で測定される利
付有価証券」( 87 億 1,100 万ユーロ)および「純損益を通じて公正価値で測定される金融資産」(6億 2,700
万ユーロ)で認識される。
2023 年6月 30 日現在
額面価額 貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額合計
流動性ポートフォリオ
レベルⅠ-政府/国際機関 4,136 3,077 1,283 46 - 8,542 8,043
レベルⅠ B -カバード・ボンド 2,149 - - - - 2,149 2,061
レベルⅡ A -政府/国際機関 - 58 - - - 58 58
レベルⅡ A -カバード・ボンド 295 - - - - 295 286
レベルⅡ B -法人 - - - - - 0 0
レベルⅡ B - RMBS 1,502 - 131 - - 1,633 1,651
8,082 3,135 1,414 46 - 12,677 12,099
ALM ポートフォリオ
RMBS 16 138 53 - - 207 207
ABS 37 - 15 16 46 114 113
RMBS-NHG 3,288 43 94 - - 3,425 3,441
その他 1,063 542 629 448 - 2,682 2,615
4,404 723 791 464 46 6,428 6,376
合計
12,486 3,858 2,205 510 46 19,105 18,475
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2022 年 12 月 31 日現在
額面価額 貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額合計
流動性ポートフォリオ
レベルⅠ-政府/国際機関 3,844 2,739 1,083 46 - 7,712 7,018
レベルⅠ B -カバード・ボンド 1,517 - - - - 1,517 1,422
レベルⅡ A -政府/国際機関 - 56 - - - 56 58
レベルⅡ A -カバード・ボンド 275 - - - - 275 266
レベルⅡ B -法人 - - - - - - -
レベルⅡ B - RMBS 1,492 - - - - 1,492 1,509
7,128 2,795 1,083 46 - 11,052 10,273
ALM ポートフォリオ
RMBS 11 168 42 16 - 237 238
ABS 40 - 16 23 48 127 125
RMBS-NHG 3,375 48 101 - - 3,524 3,536
その他 25 507 521 423 - 1,476 1,493
3,451 723 680 462 48 5,364 5,392
合計
10,579 3,518 1,763 508 48 16,416 15,665
長期外国エクスポージャー
以下の表は、長期外国エクスポージャーの概要を示している。デリバティブ取引および短期取引(銀行と
の特定の現金担保を含む。)は含まれていない。表示された金額は、残存元本額で、百万ユーロ単位であ
る。
2023 年6月 30 日現在
額面価額 貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額合計
国際機関
2,839 - - - - 2,839 2,683
国際開発金融機関 205 - - - - 205 202
オーストリア - 1,041 - - - 1,041 920
ベルギー - 447 - 118 - 565 593
デンマーク 36 - - - - 36 35
フィンランド - 274 - - - 274 235
フランス 608 1,318 - - - 1,926 1,911
ドイツ 590 152 24 - - 766 691
イタリア - - 15 - 46 61 61
ルクセンブルク 483 - - - - 483 425
ポルトガル - 17 17 - - 34 33
スペイン 16 121 114 47 - 298 317
英国 295 492 138 484 46 1,455 1,435
米国 23 - - - - 23 22
合計
5,095 3,862 308 649 92 10,006 9,563
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半期報告書
2022 年 12 月 31 日現在
額面価額 貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額合計
国際機関
1,554 - - - - 1,554 1,405
国際開発金融機関 - - - - - - -
オーストリア - 896 - - - 896 754
ベルギー - 387 - 122 - 509 492
デンマーク 36 - - - - 36 34
フィンランド - 260 - - - 260 210
フランス 418 1,210 - 5 - 1,633 1,573
ドイツ 581 130 16 - - 727 641
イタリア - 1 16 - 48 65 63
ルクセンブルク 499 - - - - 499 420
ポルトガル - 18 19 - 30 67 66
スペイン 11 150 101 66 - 328 349
英国 275 457 130 458 51 1,371 1,397
米国 73 - - - - 73 61
合計
3,447 3,509 282 651 129 8,018 7,465
投資不適格項目(すなわち、格付 BBB- 未満の項目)は、英国およびイタリアにおけるエクスポージャーで
構成される。イタリアのエクスポージャーは、住宅ローン担保証券( RMBS )取引で構成される。英国の投資
不適格エクスポージャーは、インフラ、教育、エネルギーおよびヘルスケアの分野での少数の民間プロジェ
クト・ファイナンスのスキームに関係する。ポルトガルのエクスポージャーは、貸付金の返済後はゼロであ
る。長期外国投資不適格エクスポージャーの公正価値合計は 8,200 万ユーロ( 2022 年度末:1億 1,600 万ユー
ロ)であった。
オフバランスシート契約
偶発資産
オランダ中央銀行( DNB )は、内部手続上の誤りにより、 2020 年6月 24 日から 2021 年6月 23 日までの期間に
関連する税引前で 5,700 万ユーロの TLTRO 第三弾の優遇金利を、是正措置にもかかわらず、 BNG 銀行に付与しな
かった。 BNG 銀行は、法的助言を受けて、この DNB の決定に対して訴訟を提起した。 2023 年上半期に、 BNG 銀行
は敗訴し、控訴することを決定した。
偶発債務
これは、 BNG 銀行が第三者のために保証を発行した取引から生じる一切の契約債務を含む。これらのいわゆ
る信用状は、預金または公的機関の副保証によりカバーされる。 BNG 銀行は、借主が債務不履行の場合に支払
う必要がある原貸付元本額で偶発債務を計上している。
2023 年6月 30 日現在 2022 年 12 月 31 日現在
偶発債務
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取消可能信用供与契約
これは、取消可能な当座勘定信用供与契約に帰属する一切の契約債務を含む。
2023 年6月 30 日現在 2022 年 12 月 31 日現在
取消可能信用供与契約
7,050 6,248
取消不能信用供与契約
これは、貸付金および前渡金を供与することになりうる一切の取消不能な契約債務を含む。以下の表で、
これらの契約は、与信枠ならびに契約済み貸付金および前渡金の将来の実行に区分される。
2023 年6月 30 日現在 2022 年 12 月 31 日現在
与信枠の未使用部分に関する基本契約
2,024 2,031
将来実行予定の契約済み貸付金および前渡金 2,565 2,396
合計
4,589 4,427
貸借対照表日以降の事象
貸借対照表日以降、中間報告書の数値または開示に調整が必要な報告すべき事象はない。
ハーグ、 2023 年9月1日
法定取締役会
Gita Salden ( CEO )
Olivier Labe ( CFO )
Cindy van Atteveldt-Machielsen ( CRO )
監督取締役会
Huub Arendse 、会長
Jan van Rutte 、副会長
Karin Bergstein
Johan Conijn
Marlies van Elst
Leonard Geluk
Femke de Vries
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第3 【外国為替相場の推移】
(1) 【当該半期中における月別為替相場の推移】
該当事項なし
(2) 【最近日の為替相場】
該当事項なし
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