アルゼンチン共和国 有価証券報告書
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第 24 条1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和5年9月 14 日
【 会計 年度】 自 令和4年1月1日 至 令和4年 12 月 31 日
【 発行者の名称 】 アルゼンチン共和国
(The Republic of Argentina)
【代表者の役職氏名】 経済省金融局長
Eduardo Pablo Guillermo Setti
【事務連絡者氏名】 弁 護 士 黒 丸 博 善
【 住所 】 東京都港区六本木六丁目 10 番1号
六本木ヒルズ森タワー 23 階
TMI総合法律事務所
【電話番号】 (03)6438-5511
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
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有価証券報告書
本報告書の注記
注 (1) 定義および一定の語法
定 義
本有価証券報告書(「本報告書」)中、「アルゼンチン」または「共和国」という場合はすべてアルゼンチン共和
国をさし、「政府」という場合はすべて、アルゼンチン中央銀行(「中央銀行」)、アルゼンチン国立銀行( Banco
de la Nación Argentina )および海外投資貿易銀行( Banco de Inversión y Comercio Exterior 、または「 BICE 」)
を除いたアルゼンチン連邦政府の非金融部門をさすものとする。
以下に記載の 用語 は、本報告書中以下の意味を有する。
● 「 2005 年債務交換」とは、 2001 年末以来債務不履行となっていた公的債務の、 2005 年1月から5月に政府に
よってなされた再編および交換をいう。
● 「 2010 年債務交換」とは、 2001 年末以来債務不履行となっていた公的債務の、 2010 年4月から 12 月に政府に
よってなされた再編および交換をいう。
● 「 2020 年債務交換」とは、外貨建であり外国法および現地法に準拠する公的債務の、 2020 年4月から9月に
政府によってなされた再編および交換をいう。
● 「 ALADI 」とは、ラテンアメリカ統合連合( Asociación Latinoamericana de Integración )をいう。
● 「 BADLAR 金利」とは、アルゼンチンの金融機関における名目年金利の調査に基づき中央銀行が公表する 100
万ペソを超える 30 日から 35 日のペソ建定期預金の平均金利をいう。
● 「 CAF 」とは、アンデス開発公社( Corporación Andina de Fomento )をいう。
● 「消費者物価指数」または「 CPI 」とは、加重調整された消費財およびサービスのバスケットに基づき計算
された指数をいう。本報告書では全国 CPI を参照しており、これは INDEC および 39 の都市部に置かれたいくつ
かの州統計局(共和国の各州をカバーする。)により実施される調査に基づき、 INDEC が 2017 年7月に公表
を開始した全国 CPI データによる CPI の数値である。調査 結果 は、州単位ではなく、全国規模ならびに大エノ
スアイレス圏( 2016 年6月に CPI の公表を再開済み。)、クージョ地域、北東地域、北西地域、中部(パン
パ)地域および南部(パタゴニア)地域の6の統計地域単位で報告される。
● ある特定の日現在において、「不履行債務」とは、アルゼンチンが当該日現在支払いを怠っている元本また
は利息に係るアルゼンチン公的債務に、約定利率で計算される元利金の支払遅延金の全額を足し合わせたも
のをいう。
● 「 FONPLATA 」とは、ラプラタ河流域開発基金( Fondo Financiero para el Desarrollo de la Cuenca del
Plata )をいう。
● 「 GAFISUD 」とは、南米マネーロンダリング対策金融活動作業部会をいう。
● 「国内総生産」または「 GDP 」とは、関係する期間中にアルゼンチンで生産された最終生産物およびサービ
スの価値合計をいう。
● 「 IMF 」とは、国際通貨基金( International Monetary Fund )をいう。
● 「 IADB 」とは、米州開発銀行( Inter-American Development Bank )をいう。
● 「支払非継続債務」( non-performing debt )とは、 2001 年 12 月に政府により宣言されたモラトリアムの正
式な対象とされたアルゼンチンの公的債務(未交換債務を除く。)をいう。アルゼンチンの支払非継続債務
は、ある特定の日現在にアルゼンチンが債務不履行(デフォルト)に陥っているすべての公的債務を包含
し、約定利率で計算される元利金の支払遅延金の全額を含む。支払非継続債務には以下も含む。
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(ⅰ)正式に債務支払停止の対象となっているにもかかわらず、政府が、(きわめて高度な必要性がある場
合(例えば 75 歳以上の高齢市民向けなど)や必需サービスの提供が脅かされる場合など)状況に応じ
て 支払を継続してきた一定の債務。
(ⅱ)一部の企業による租税債務の前納により生じた一定の債務。こうした租税の前納に伴い、前納額につ
いてアルゼンチンに対する請求権が生じた。政府は、かかる請求権をアルゼンチンの追加公的債務で
あると考えており、また政府勘定においてそのように取り扱っている。ただし、かかる請求権は、前
納された租税債務の実際の納付期が到来すると同時に租税債務と相殺され、消滅する。そのため、正
式に支払停止の対象となっていても、かかる請求権に関する政府の債務は不履行に陥らない。
● 「本和解案」とは、米国その他の国で裁判の対象となっている債権を含む(時効完成前の)未交換債務にか
かるすべての請求を和解で処理するための提案をいう。「第3 発行者の概況-1 発行者が国である場合-
(7) その他-① 訴訟手続」を参照のこと。
● 「未交換債務」とは、 2016 年までに本報告書に記載されたデータに関し、 2005 年債務交換および 2010 年債務
交換において交換対象であったが交換されなかった証券に関する不履行債務のうち、 2016 年2月5日以降も
和解に至っていないものをいう。本報告書における未交換債務への言及は、当該請求権の行使に関してアル
ゼンチンが利用可能な防御の権利の放棄を構成せず、また、それを構成すると解釈されるべきではない。本
注記中の「-防御権の留保」を参照のこと。共和国は、時効完成済みの元利金に係る債権に対して支払いの
提案をしていない。「第3 発行者の概況-1 発行者が国である場合- (7) その他-① 訴訟手続」を参照
のこと。本報告書に記載する未交換債務は、本報告書において、未払い元本に約定金利で計算される 2022 年
12 月 31 日までの経過未払い利息を足し合わせ、かつ制裁金または延滞利息を含むものと定義する。債務再編
に応じなかった和解拒絶(ホールドアウト)債権者との間の未解決の紛争を本和解案に従い和解で処理する
にあたり、共和国は、不履行に陥った各発行回の債券につき当初意図されていた償還期後の経過利息(時効
完成済みの利息を除く。)および延滞利息を考慮に入れた。
● 「 WTO 」とは、世界貿易機関( World Trade Organization )をいう。
本報告書中、様々な公的 債務 証書を示す以下の用語は、以下に記載の意味を有する。
● 「 2017 年 グローバル 債券」: 2010 年債務交換に基づき国際資本市場において発行された米ドル建グローバ
ル債券。
● 「 2035 年 GDP 連動証券」: 2005 年債務交換および 2010 年債務交換に基づき、国際資本市場においてドル
建、ユーロ建、日本円建およびペソ建で発行された長期の政府国債。
● 「 2045 年準元本維持債」: 2005 年債務交換に基づき、国際資本市場においてペソ建で発行された長期の政
府国債。
● 「 Birads 債」: GDP 連動証券の買戻しの資金として共和国が発行する米ドル建債券。
● 「 Bocones 債」: 年金受給者および供給者に対する債務を再編し、また軍事独裁政権下の被害者の家族に
対する賠償金を支払うために、共和国が発行する債券。
● 「 Bonacs 債」、「 Bonads 債」、「 Boncers 債」、「 Bontes 債」および「 Botapos 債」: 一般目的のために共
和国が発行する債券。米ドル建ペソ決済(米ドル連動)型の Bonads 債を除き、あとの債券はすべてペソ建で
ある。
● 「 Bonares 債」: 政府の一般目的および CER 指数連動債券との交換のために共和国が発行する債券。
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● 「 Bonar デュアル債」: 政府の一般目的のために共和国が発行する米ドル建ペソ決済型の債券。共和国
は、(ⅰ)米ドル建の元本残高を発行日現在の適用為替レートでペソ換算した額と、資産計上経過利息を発
行日に決定されるレートでペソ換算した額の合算額、および(ⅱ)米ドル建の元本残高と米ドル建の資産計
上 経過利息の合算額を満期日現在の適用為替レートでペソ換算した額のいずれをも上回る金額を償還しなけ
ればならない。
● 「 Bonos R.A U.S. 債」: 2020 年債務交換に従い 現地法に準拠して国際資本市場で発行される米ドル建債券。
● 「グローバル債」: 2020 年債務交換に従い国際資本市場で発行される米ドル建グローバル債券。
● 「 Lebacs 債」: 主にペソ建で中央銀行が発行する債券。
● 「 Lecaps 債」: 経済省が発行するペソ建債券。
● 「 Lecer 債」: 経済省が発行するペソ建のインフレ調整債。
● 「 Lelink 債」: 経済省が発行する、米ドルにペグされたペソ建債券。
● 「 Leliqs 債」: 7日満期で中央銀行が発行するペソ建流動性債券。 Leliqs 債は週2回供給され、銀行事業
者による自己ポートフォリオとしての購入のみが認められている。
● 「 Lelite 債」:引受先を投資信託に限定したペソ建の短期債券。
● 「 Letes 債」: 政府の一般目的のために共和国が発行する米ドル建国債。
● 「国家保証ローン」: 2001 年に行われた自発的な債券募集の一部をかつて構成した既発債との交換で共和
国が保証を付した、租税担保付きのローン。国家保証ローンの貸主は、返済不履行を条件に原債券から回収
する権利を留保する。
● 「 Nobacs 債」: ペソ建で中央銀行が発行する中期債券。
● 「 Notaliqs 債」:平均 182 日満期で中央銀行が発行するペソ建変動利付流動性債券。
防御権の留保
本 報告 書またはいかなる共和国による連絡も、ある債権が存在しもしくは当該債権に関する共和国の弁済義務が存
在することの自認もしくは承諾、当該債権について任意の法域で手続を開始する適格性もしくは当該債権にかかる時
効の放棄もしくは不援用の自認、または当該債権(またはその一部)の弁済に関する明示もしくは黙示の約束を構成
するものではない。債権の存否にかかわらず、共和国はその単独裁量で、正当な権限を有する共和国の官吏からその
旨の書面通知を受けた場合に限り、共和国の本和解案またはその他のあらゆる目的において、債権に対してその価値
を認めることができる。適用ある出訴期限法その他の利用可能なすべての防御権は、あらゆる目的において確保され
る。ある債権が存在しまたは当該債権の弁済に関して共和国の意思、能力もしくは義務が存在することを内容とする
共和国の契約において、本 報告 書はその証拠とならない可能性がある。共和国の本和解案またはその他のあらゆる目
的において債権に価値を帰することは、当該債権が存在しまたは有効であることの自認とはみなされない。また、当
該債権を主張する者に対して共和国が本人または代理人により交付した対価は、当該債権にかかる訴訟もしくは手続
を終了させ、当該債権に関する権利(もしあれば)のすべてを共和国に確定的に譲渡および帰属させ、かつ(当該債
権が存在する場合に)当該債権の存続または共和国の責任にかかる主張立証の可能性を債権の主張者およびその承継
人または譲受人(共和国を除く。)から確実に奪うために必要なすべての形式および要件の具備を保証することを内
容とする契約の対価とみなされるにとどまる。
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為替レート
共和国は、経済指標その他の統計の大半をペソ建で公表している。 2016 年1月から 2019 年 12 月までの期間中、ペソ
は中央銀行の限定的な介入のもとで自由に変動した。同期間中、ペソの対米ドル価値は 77.9 %下落し、 2016 年1月1
日 の 1.00 米ドル当たり 13.65 ペソから 2019 年8月 30 日に 1.00 米ドル当たり 59.1 ペソとなった。 2019 年の単年では、ペ
ソの対米ドル価値は 36.9 %下落した。 2019 年9月、中央銀行は外国為替取引に制限を課し、 2019 年 10 月から 12 月にか
けて制限は強化された。「第3 発行者の概況 -1 発行者が国である場合- (3) 貿易及び国際収支-② 対外貿易と
国際収支の最近の傾向- (e) 外国為替および外貨準備高」を参照のこと。 2022 年中にペソは対米ドル価値を 42.0 %落
とし、 2022 年 12 月 31 日の為替レートは 1.00 米ドル当たり 177.128 ペソであった。 2023 年5月 31 日現在、ペソ/米ドル
の参照為替レートは 1.00 米ドル当たり 239.33 ペソであった。
中央銀行は、インフレ率抑制のための段階的プロセスの強化を目指す為替レート管理政策を継続している。また中
央銀行は、準備金を蓄積し貿易黒字を維持するために、実質為替レートが競争力を備える水準になるよう努めてい
る。
以下の表は、記載される期間の、中央銀行が発表したペソ/米ドル(インフレ未調整)の年間最高、最低、平均お
よび期末為替レートを示す。ペソが将来において下落または上昇しないという保証はない。ニューヨーク連邦準備銀
行は、ペソの正午買い相場を発表しない。
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為替レート (1)
平均 (2)
最高 最低 期末
12 月 31 日終了年度
2017 年 18.830 15.174 16.567 18.774
2018 年 40.897 18.416 28.094 37.808
2019 年 60.003 37.035 48.242 59.895
2020 年 84.145 59.815 70.594 84.145
2021 年 102.750 84.703 95.161 102.750
2022 年 177.13 103.04 130.81 177.13
2023 年
1月 186.88 178.14 182.24 186.88
2月 197.15 187.31 191.89 197.15
3月 208.99 197.56 203.11 208.99
4月 222.58 210.33 216.56 222.58
5月 239.33 224.63 231.19 239.33
(1) 中央銀行の参考為替レート(中央銀行コミュニケ A3500 )
(2) 終値の平均
出所:中央銀行
ペソの米ドルへの換算を含む通貨換算は、もっぱら読者の便宜のために掲載するものであり、当該金額が特定の
レートまたは何らかのレートにより特定の通貨に交換された、交換されるはずだったまたは交換されうる旨の表明で
あるように解釈されてはならない。
注 (2) 統計およびその他の情報の表示
本 報告 書において表示されるすべての年度情報は、別途記載がない限り、1月1日から 12 月 31 日の期間に基づいて
いる。
本 報告 書中、表中の個々の数字が四捨五入されている場合、合計は数字の総和と必ずしも一致しない。
別途記載がない限り、価格および数値は、表示通貨の現在の価額で記載されており、本 報告 書において、「ペソ」
および「アルゼンチンペソ」とはアルゼンチンペソをいい、「ドル」および「米ドル」はアメリカ合衆国の通貨をい
い、「ユーロ」は欧州連合の通貨のことをいい、「 CHF 」はスイスフランをいい、「日本円」または「円」は日本円
をいう。
本 報告 書において共和国またはそのいずれかの省庁または機関の公表から得られたと認識される情報は、共和国の
権限で策定された正式な公的文書として記載される。本 報告 書に記載する一部の統計情報は暫定的なものであり、変
更、完成または修正の対象となる可能性がある。
INDEC
本 報告 書において公表される統計情報は、公式刊行物ならびに INDEC (国家統計センサス局)およびブエノスアイ
レス市統計・国勢調査総局( Dirección General de Estadística y Censos de la Ciudad de Buenos Aires )を含む
数多くの機関から提供される情報を典拠としている。
2007 年から 2015 年まで、全国的な公式統計を発表する権限を有するアルゼンチンで唯一の機関である INDEC は、組
織および手法の改革を行い、このことは INDEC が提供する情報( CPI 、 GDP 、失業および貧困に関するデータを含
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む。)の信頼性に関して論争を引き起こした。 IMF (国際通貨基金)は、アルゼンチンが、国際通貨基金協定が定め
た、 CPI および GDP データを含む公式データの質に関する改善策の適用を十分に進めていないとして非難した。
2016 年1月、政府は INDEC の構成の再編に着手した。 2016 年6月 26 日、 INDEC は、大ブエノスアイレス圏( GBA )で
実施した調査に基づき、 CPI の( 2016 年5月以降の)数値の公表を開始した。
2016 年6月、 INDEC は INDEC 報告書を出して 2004 年の国民総生産( GDP )の計算値を修正した。かかる GDP の修正計算
が、 2004 年以後の各年についてアルゼンチンの実質 GDP の計算基準となっている。それ以外の調整で特筆すべきは、
2004 年の GDP 計算において、 INDEC が当該年につき、結果として上方修整をもたらす GDP の構成変更を行った点であ
る。修正後の 2004 年 GDP に基づくその後の年の実質 GDP の計算において、 INDEC は修正されたインフレ計算手法に沿っ
たデフレーターを使用した。
2016 年 11 月、 IMF 理事会は、アルゼンチンに対する非難決議を撤回した。
2017 年7月 11 日、政府は、 個人消費を目的別に分類し 12 の要素に細分化された 全国消費者物価指数(「全国
CPI 」)の公表を開始した 。全国 CPI の導入により、アルゼンチンの統計実務は、経済協力開発機構(「 OECD 」)のガ
イドラインならびに国連、世界銀行、 IMF 、ラテンアメリカ・カリブ経済委員会および IADB (米州開発銀行)を含む
国際機関の統計部署で採用されている手法に準じたものとなった。
国家公共会計
歴史的に、中央銀行およびサステナビリティ保証基金( Fondo de Garantía de Sustentabilidad ) ( 「 FGS 」 ) から
政府への移転は、経常歳入として「その他非課税歳入」項目に計上されてきた。 2016 年以降、 ( プロフォルマベース
では 2015 年より ) 、政府は中央銀行および FGS から得た利益を、基礎的財政収支の計算に関与しない財務収益に分類し
ている。「第3 発行者の概況-1 発行者が国である場合- (5) 財政-① 財政制度および租税制度の概要-概要」
を参照のこと。
一定の手法
CER および CVS : 本 報告 書に含まれる一部のデータは、安定化指数( Coeficiente de Estabilización de
Referencia 、「 CER 」)および給与変動指数( Coeficiente de Variación Salarial 、「 CVS 」)に基づいてインフレ
調整済みである。 CER は計算上の単位値であり、そのペソ建て値は、 CPI (用いるべき指標として政府が指定したも
の)に関連付けられる。 CER に基づく金融商品の名目価額は CER 調整後価額に換算され、金融商品の利息は CER 調整後
残高に基づいて計算される。 CVS は計算上の単位値であり、そのペソ建て値は公共部門および民間部門の賃金指標の
変動に基づいて決定される。 CVS に基づく金融商品の名目価額は CVS 調整後価額に換算され、金融商品の利息は CVS 調
整後残高に基づいて計算される。 CER および CVS に関連付けられている共和国債券への調整および支払いは、これら指
標の再表示または改定による影響を受けない。
輸 出: 輸出は ( ⅰ ) 貿易の目的では、財貨が FOB 条件でアルゼンチンを出国した時点でアルゼンチン税関総局
( Dirección General de Aduanas )から INDEC に報告される統計に基づき、および ( ⅱ ) 国際収支の目的では、本船渡
し条件(「 FOB 条件))のもとで収集された統計に基づき、算出される。
輸 入: 輸入は ( ⅰ ) 貿易の目的では、財貨が運賃保険料込条件(「 CIF 条件」)でアルゼンチンに入国次第、ア
ルゼンチンの税関から INDEC に報告される統計に基づき、および ( ⅱ ) 国際収支の目的では、出荷地において FOB 条件の
もとで収集された統計に基づき、算出される。
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インフレーション: インフレ率は、経済における財貨およびサービス価格の変動率を総合的に測る尺度を提供す
る。インフレ率は一般に、別途指定する場合を除き、2つの期間の CPI の変動率として測定される。特定日現在の CPI
の変動年率は、当該日現在の指標と 12 か月前同日現在の指標とを比較して計算される。アルゼンチンの CPI は INDEC に
よ り算出される。
不完全雇用率: 不完全雇用率とは、測定日の前週においてき労働時間が 35 時間未満でさらに労働を望むアルゼン
チンの労働人口の割合を示す。
失業率: 失業率とは、測定日の前週において少なくとも、報酬を得て1時間以上または、報酬を得ないで 15 時間
以上の労働をしていないアルゼンチンの労働人口の割合を示す。労働人口とは、アルゼンチン全土の主要都市におい
て、測定日の前週において少なくとも、報酬を得て1時間以上または、報酬を得ないで 15 時間以上の労働をした人口
および失業しているが積極的に仕事を探している人口の合計を指す。
国際収支: 2017 以降、国際収支は、国際通貨基金(「 IMF 」)の国際収支および対外資産負債残高マニュアル第
6版の分類基準に準拠して作成されている。「第3 発行者の概況-1 発行者が国である場合- (3) 貿易及び国際収
支-① 概要」を参照のこと。
注 (3) データの公表
アルゼンチンは、利用加盟国の情報の適時性と質を改善するために考案された IMF の特別データ公表基準
(「 SDDS 」)の利用国である。 SDDS は利用加盟国に、事前に、データが発表される日付、いわゆる「アドバンス・リ
リース・カレンダー」を示すスケジュールを提供することを要求している。アルゼンチンに対し、 SDDS に基づくデー
タ発表の正確な日付または「締切り日」は、事前にインターネット上で、 IMF の公表基準掲示板のもとに発表され
る、アドバンス・リリース・カレンダーを通して公表される。統計の編集の透明性を高めるための全てのメタデータ
の方法論の要約もまたインターネット上で、 IMF の公表基準掲示板のもとに提供される。インターネットのウェブサ
イトは http : //dsbb . imf . org に表示される。共和国、政府または共和国もしくは政府に代わって活動するいかなる
機関も、本 報告 書に関して、ウェブサイト上に含まれる情報に対しいかなる責任も認めず、その内容は参照により本
報告 書に組込まれることを意図しない。
注 (4) 将来の見通しに関する記述
本 報告 書には、将来の見通しに関する記述が含まれている。将来の見通しに関する記述は、歴史的な事実ではな
く、共和国の意見および予測ならびに国会に提出された 2021 年および 2022 年予算法案に含まれる計画についての記述
を含むものである。この記述は、共和国の現状の計画、見積りおよび予測に基づいている。これらの将来の見通しに
関する記述は、その作成時には合理的であっても、当時点では合理的に予見不能または未知でありかつ将来に関する
当該記述での考察と大きく異なる結果を伴いうる、将来の見通しに関する一定のリスクおよび不確実性(現在の事象
の潜在的影響を含む。)にさらされている。したがって、共和国は、現実の事象が本表示に含まれる情報と大きく異
ならないことを保証しない。将来の見通しに関する記述は、その基準日現在のみを物語っている。共和国は、そのい
ずれについても、新たな情報または将来の事象に照らして更新する義務を負っていない。
将来の見通しの記述は、固有のリスクおよび不確実性を内包する。多くの重要な要因により、実際の結果が将来の
見通しに含まれるそれとは大幅に異なるものとなる可能性がある。本 報告 書に含まれる情報は、そうした違いをもた
らし得る重要な要因を特定する。かかる要因には以下のものを含むが、それに限られない。
● 不利な国内要因。例えば、
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○ インフレ上昇
○ 国内における金利上昇
〇 最近のコロナウィルス( COVID-19 )などの伝染病の拡大防止措置による経済や政府の財政への影響
○ 為替レートの変動のうち、経済成長の低下、またはアルゼンチンの外貨準備高の減少に繋がる可能性が
あるもの
● 不利な外部的要因。例えば、
○ 外国投資の減少のうち、アルゼンチン経済から経済成長に必要な資本を奪うこととなる可能性があるも
の
○ 国際価格の変動(商品価格を含む。)や国際的な高金利のうち、アルゼンチンの経常収支の赤字と歳出
を増大させる可能性があるもの
○ アルゼンチンの貿易相手国の景気後退および低経済成長のうち、アルゼンチンからの輸出を減少させ、
アルゼンチンの国際競争力を低下させ、アルゼンチン経済の縮小を引き起こし、間接的に租税歳入およ
びその他の公的部門収入を低下させ国家財政に悪影響を及ぼす可能性があるもの
● その他の不利な要因。例えば、
○ 気候事象
○ 国内およびロシア-ウクライナ紛争などの海外の闘争および政治的不透明性
○ 新たな判決や裁定が出されうる目下進行中の複数の法域での訴訟および仲裁手続において、アルゼンチ
ンにとって不利な結果が下されること
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第1【募集(売出)債券の状況】
2010 年
2022 年 上場証券
債務交換
12 月 31 日 取引所名
券面総額
債券の名称 発行年月 償還額 (包括式) 現在残余 又は
(1)
未償還額 登録証券業
における
(1)
協会名
交換元本額
第8回
アルゼンチン
共和国
21,037,843,000 245,488,000 18,118,526,000
0 円
2005 年 6 月 -
円 円 円
円貨債券
( 元本維持債 )
(2005)
第9回
アルゼンチン
共和国
5,840,497,000 167,908,000 8,221,549,000
0 円
2005 年 6 月 -
円 円 円
円貨債券
( 元本削減債 )
(2005)
(1) 金額は当該債券の当初名目金額である。
2005 年債務交換で円貨債券およびユーロ円債との交換で発行されたユーロ建とアルゼンチン・ペソ建の元本維持債
および元本削減債、ならびにペソ建の準元本維持債はすべて、 2010 年債務交換の交換対象となった。 2010 年債務交換
では対象債券が追加され、 2010 年債務交換債のうち円貨債券およびユーロ円債との交換で発行された金額を特定する
ことができなくなった。そのため、これらの債券についての情報はここに開示されていない。
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第2【外国為替相場の推移】
(1) 【最近5年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
記載を省略(アルゼンチンペソと日本円との為替相場は、日本国内において発表されていない。アルゼンチンペソ
の米ドルとの為替相場については、上記「本報告書の注記-注 (1) 定義および一定の語法-為替レート」ならびに下
記「第3 発行者の概況-1 発行者が国である場合- (3) 貿易及び国際収支-② 対外貿易と国際収支の最近の動向
- (e) 外国為替および外貨準備高」を参照のこと。
(2) 【当会計年度(又は事業年度)中最近6月間の月別為替相場の推移】
記載を省略
(3) 【最近日の為替相場】
記載を省略
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第3【発行者の概況】
1【発行者が国である場合】
(1) 【概 要】
① 位置、地域、地形、人口等
アルゼンチン共和国は 23 の州とブエノスアイレス市から成り立っている。南米の南東地域に位置し、領土の点では
ラテンアメリカにおいて2番目、世界では8番目に大きい国である。南極地域において領土権を主張する地域(約 97
万平方キロメートル)および、近年認識されたアルゼンチンの南大西洋における主権の伸張を除く一定の南大西洋諸
島(約 5,000 平方キロメートル)を含め、約 380 万平方キロメートル( 150 万平方マイル)の領土を有する。「-② 政
治および外交- (b) 外交および国際機関-マルビナスの主権問題」および「-② 政治および外交- (b) 外交および
国際機関-大陸棚問題」を参照のこと。
最も人口密度の高い居住地域と主要な農業生産地域はアルゼンチンの中央部を横切る広大な温暖帯に位置してい
る。直近で 2022 年に実施された国勢調査の暫定データによれば、 2022 年のアルゼンチンの人口は推計で約 4,600 万人
であった。 2022 年国勢調査の暫定データによれば、 2010 年から 2022 年までの期間に、アルゼンチンの人口は年平均で
推計 1.0 %増加した。
2010 年の国勢調査のデータによれば、 2010 年現在アルゼンチンの人口のうち約 91.0 %が都市部に居住し、その人口
の約 46.2 %(約 1,850 万人)が大ブエノスアイレス圏と言われるブエノスアイレス市およびブエノスアイレス市周辺
の極度に人口密度の高い都市部の居住者であった。 2010 年現在、 10 歳以上の人口の識字率は 98.1 %であった。
下の表は 2014 年(比較データの入手が可能な直近の年度)のデータを用いて、国民総所得(「 GNI 」)の数値およ
びその他特定の統計値を以下の表において比較する。
人口
アルゼンチン ブラジル チ リ コロンビア メキシコ ペルー 米 国
1人当たり GNI (1) (米ドル ) 9,960 7,740 14,780 6,190 9,590 6,460 70,930
75.9 74.0 79.4 74.8 70.1 73.7 77.3
平均寿命 ( 年 ) (2)
幼児死亡率
( 出生数に占める比率 )( % ) (3) 0.61 1.29 0.56 1.11 1.14 1.1 0.54
成人識字率 (2)
( 15 歳以上の人口に占める比率 )( % ) 99 94.3 97 95.6 95.2 94.5
未詳
(1) 2021 年のデータ。
(2) 2020 年のデータ。
(3) 2018 年のデータ。ただし、アルゼンチンおよび米国は 2020 年、ならびにブラジルおよびチリは 2021 年のデータ。
出所: 世界銀行世界発展指標
② 政治および外交
(a) 憲 法、国家組織および政党
アルゼンチンの憲法は、 1853 年に制定され、統治の三権分立制を規定している。すなわち、大統領を長とする行政
府、二院制議会からなる立法府、および最高裁判所を頂点とする司法府からなる。 1994 年に直近の憲法改正が行われ
た。各州およびブエノスアイレス市は独自の憲法を有し、州民が政府から独立した知事および議員を選ぶ。政府は、
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共和政統治制度を擁護するため、および外国の侵略があった場合などの一定の緊急事態には、州政府の行政に直接介
入できる。
行政府
大統領および副大統領は、任期を4年として直接選挙により選ばれ、最長で2期連続の在任が可能であり、公職を
退いた1期後に再選されることも可能である。大統領は国政の運営を監督し、全体として、あるいは一部分かを問わ
ず、法律に拒否権を行使できる。国会は各議院の3分の2の多数の投票により大統領の拒否権行使を無効とすること
ができる。内閣府( Jefatura de Gabinete de Ministros )は、国政の運営を担い、国会の承認に付される政府年度
予算を作成する。大統領は内閣総理大臣を選任するが、両院はその絶対多数の議決により内閣総理大臣を解任でき
る。本報告書中、「行政権」という場合はすべて、本項記載の行政府を指すものとする。
国 会
国会は上院および下院で構成されている。
上 院: 上院は各州およびブエノスアイレス市に対して各々3名ずつ選出され、 72 議席により構成されている。
各選挙区より選出される上院議員3名の内2名は、当該選挙区において最高得票の政党を代表し、3人目の上院議員
は2番目に得票した政党を代表する。上院議員は普通選挙により選出され、任期は 6 年間である。2年毎に上院議席
数の3分の1が改選される。上院の直近の選挙は 2021 年 11 月に実施された。
下 院: 下院は各選挙区の人口に応じて配分された 257 議席で構成される。下院議員は普通選挙により選出され、任
期は4年間である。2年毎に下院議席数の2分の1が改選される。直近の下院選は 2021 年 11 月に実施された。
司法制度
司法制度は連邦および州の第一審裁判所、控訴裁判所および5人までの裁判官を擁する最高裁判所により構成され
ている。
司法官審議会( Consejo de la Magistratura )は、弁護士、司法当局の代表者、議員、行政府および学会の代表者
による独立の委員会で構成されている。この組織は、司法府の運営、最高裁判所の裁判官を除く裁判官に対する弾劾
手続の開始、および裁判官の選任を監督する。訴追陪審( Jurado de Enjuiciamento )は、司法官審議会により開始
された裁判官の罷免手続きを決定する。
大統領は、上院の承認を条件とするがすべての最高裁判所の裁判官を任命する。上院の承認を条件として、すべて
の連邦裁判所の裁判官も大統領により任命されるが、司法官審議会から提出された人物の名簿より選任されなければ
ならない。最高裁判所の裁判官およびすべての連邦裁判所の判事は、 75 歳を定年として任命される。すべての司法上
の任命には、常に上院の3分の2以上による承認が必要である。大統領による命令に従い、現在は候補者の身元と追
加関連情報が公表され、また、行政府は各推薦が上院に提出されるのに先立ち意見を求める公示期間を設けている。
2023 年6月 22 日現在、最高裁判所には承認を受けた4名の裁判官が在職していた。 2021 年 10 月1日にロザッティ氏が
最高裁判所長官に就任した。
近年の政情
アルゼンチンは、不適切な経済運営とマルビナス諸島をめぐる英国との短期戦争の敗北が要因となり、最後の軍事
政権が終焉を迎えた 1983 年以来、文民統治を維持している。 1983 年、ラウル・アルフォンシン氏が大統領に選ばれ
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た。 1989 年、ラウル・アルフォンシン氏の後任としてカルロス・メネム氏が大統領となった。メネム大統領は、大統
領の任期を6年から4年に短縮した 1994 年憲法改正の直後、 1995 年に任期を4年として再選された。
比較的安定した 10 年間を経て、アルゼンチンは、 2001 年および 2002 年より前例のない社会的、経済的および政治的
な危機に直面した。「 (2) 経済-① 近時の経済動向-経済の歴史および背景」を参照のこと。この危機の間に、ア
ルゼンチンの経済は著しく縮小し、貧困と失業率は過去最高レベルに達した。 1999 年 10 月に発足したフェルナンド・
デ・ラ・ルア大統領の政権は、経済成長を回復させることができず、 2001 年下半期、深刻化した景気後退は高まる社
会不安を増幅させた。
広範囲に及ぶ暴動や抗議運動が続き、その結果、デ・ラ・ルア大統領とその内閣の全員が 2001 年 12 月 19 日と 20 日に
辞任を余儀なくされた。 2001 年 12 月から 2002 年1月までの間に、国会は憲法に従いエドゥアルド・ドゥアルデ氏を含
む3名の後継の大統領を指名した。同氏は、所定任期の満了に先立ち 2003 年4月 27 日に選挙を実施するよう要求し
た。ネストル・キルチネル元サンタクルス州知事が選出され、 2003 年5月 25 日に大統領として宣誓し就任した。キル
チネル大統領の任期は 2007 年 12 月 10 日に満了となった。
2007 年 10 月 28 日、キルチネル大統領の妻で、ペロン党会派の勝利戦線から立候補したクリスティーナ・ E ・フェル
ナンデス・デ・キルチネル女史が大統領に選出された。フェルナンデス・デ・キルチネル大統領は 2011 年 10 月 23 日に
任期を 2015 年 12 月 10 日に終了する4年間とする2期目の再選を果たした。
2015 年 11 月 22 日に、アルゼンチン史上初めての大統領選の決選投票で、統一戦線「変革」の候補者であるマウリシ
オ・マクリ氏が大統領に選出され、 2019 年 12 月 10 日にその任期が終了した。
2019 年 10 月 27 日にアルゼンチンで実施された国の大統領選挙で、すべての戦線連合が約 48.10 %を得票してアルベ
ルト・フェルナンデス氏が大統領に選出された。フェルナンデス氏は 2019 年 12 月 10 日に就任した。
政 党
以下にアルゼンチンの主な国政会派を列挙する。
● すべての戦線( Frente de Todos )。主に下記を含むいくつかの政党の連立会派である。
〇 正義党( Partido Justicialista 、もしくは「 PJ 」)またはペロン党。 1940 年代にホアン・ペロン元大
統領により結党され、以下の会派を含む。
・ 市民連合( Unidad Ciudadana )(旧・勝利戦線( Frente para la Victoria ))
・ ペロニスタ戦線( Frente Peronista )
〇 改革戦線( Frente Renovador 、または「 FR 」)。 2013 年に正義党の分派として結成された。 2015 年の大
統領選では、改革戦線と前コルドバ州知事のフアン・マニュエル・デラソタが連立して改革更新連合
( Unidos por una Nueva Alternativa 、または「 UNA 」)を形成した。
● 変革のために共に( Juntos por el Cambio ): 2015 年に結成された、主に下記を含むいくつかの政党の連立
会派である。
〇 2007 年にアルゼンチンで発足した政治連合である建議共和連合( Unión Propuesta Republicana 、または
「 PRO 連合」)。建議共和( Propuesta Republicana )(旧・変革のための約束( Compromiso para el
Cambio ))、民主中道連合( Unión del Centro Democrático 、または「 UCeDé 」)、成長のための国家再
建( Recrear para el Crecimiento )、連邦党( Partido Federal )、青と白の連合( Unión Celeste y
Blanco )、ブエノスアイレス・キリスト教徒党( Partido Popular Cristiano Bonaerense )およびブエ
ノスアイレス新党( Partido Nuevo Buenos Aires )からなる。
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〇 急進市民連合
〇 進化急進( Evolución Radical )
〇 市民連合( Coalición Cívica 、または「 ARI 」)
これらに加えて、サンティアゴ・デル・エステロ州、サンルイス州およびカタマルカ州と地方に基盤のある政党を
含め、いくつかの州の政党が国会に相当数の議席を有している。
2019 年 10 月 27 日に、大統領選挙および国政選挙がアルゼンチンで実施された。大統領選挙では、アルベルト・フェ
ルナンデス氏(すべての戦線)が 48.10 %、マウリシオ・マクリ氏(変革のために共に)が 40.37 %、およびロベル
ト・ラバニャ氏が 6.16 %の票を獲得した。
2021 年 11 月 14 日、中間国政選挙がアルゼンチンで実施された。変革のために共に( Juntos por el Cambio 、旧「変
革」)の候補者が総投票数の 41.89 %を、すべての戦線( Frente de Todos 、正義党等の諸政党連立会派)が 33.0. %
を、左派労働者戦線( Frente de Izquierda y de Trabajadores )が総投票数の 5.94 %を、進歩自由( Avanza
Libertad )が総投票数の 4.67 %を、およびその他の諸政党が総投票数の 13.25 %を獲得した。
次の表は表示された各年に行われた選挙後における下院および上院の政党別構成を示している。
下 院 (1) 上 院 (2)
2017 年 2019 年 2021 年 2017 年 2019 年 2021 年
政 党:
すべての戦線派 (3) 95 119 118 33 41 35
変革のために共に 108 116 116 24 25 33
連邦超党派 (4) - 11 8 - - -
34 12 15 15 6 4
その他 (5)
257 257 257 72 72 72
合 計
(1) 表示された各年に選出された議員が就任した各年の 12 月 10 日現在の下院の構成。
(2) 表示された各年の 12 月 31 日現在の上院の構成。
(3) 2021 年の選挙から、改革戦線( Frente Renovador )がすべての戦線( Frente de Todos )に合流した。
(4) 下院では、 (i) 2019 年の選挙において、この党派には連邦コルドバ( Córdoba Federal )、正義党( Partido Justicialista )、民
意連邦( Consenso Federal )、市民社会前進戦線( Frente Progresista Cívico y Social )および社会主義党が含まれ、また
(ii) 2021 年の選挙において、かかる連邦超党派( Interbloque Federal )には連邦コルドバ( Córdoba Federal )、自主ブエノス
アイレス( Identidad Bonaerense )および社会党( Partido Socialista )が含まれた。
(5) その他の登録政党(主に所属議員が1人であるもの)および一部の州の地方政党を含む。
出所:アルゼンチン上院および下院
2009 年 12 月2日に国会で可決した政治改革法案に従い、アルゼンチンにおける選挙は以下の規則に従っている。
● 選挙戦のための私的献金は個人のみが行うことができる。さらに、政府は国の財源の 50 %をメディア広告の
ため全候補者に公平に分配し、残りの 50 %を前回選挙で各政党が獲得した割合に応じて分配する。
● 大統領候補および国会議員候補を選出する予備選挙は、非制限的であり、開催必須であり、全国で一斉に実
施される。政党への所属に関わらず、すべての国民が自ら選択する予備選挙で投票することができる。
● 候補者は全国選挙を戦うため、大統領予備選挙で最低 1.5 %の票(連立も含む。)を獲得しなければなら
ず、法案で定められた一定数の党員の支持を有していなければならない。
2019 年 5 月 15 日、国会は、透明性を強化し、資金源を管理・制限することを目的として、政党の資金調達を規制す
る法律を制定した。
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全国で一斉に実施される開催必須の次期の予備選挙ならびに大統領選挙および国政選挙は、それぞれ 2023 年8月お
よび 2023 年 10 月である。
(b) 外交および国際機関
アルゼンチンはさまざまな国と外交関係を結び、いくつかの国際機関に加盟している。アルゼンチンは国連の原加
盟国であり、米州機構(「 OAS 」)の設立メンバーでもある。さらに、以下に列挙する機関を始めとする国際機関の
加盟国でもある。
● IMF (国際通貨基金)
● 世界銀行グループ
● 国際金融公社
● IADB (米州開発銀行) IADB
● CAF (アンデス開発公社)
● FONPLATA (ラプラタ河流域開発基金)
● 中米経済統合銀行
● 国際農業開発基金
● WTO (世界貿易機構)
● 国際労働機構
● 金融活動作業部会および GAFISUD (南米マネーロンダリング対策金融活動作業部会)
● 保険監督者国際機構
● 証券監督者国際機構
● 世界関税機関
● ALADI (ラテンアメリカ統合連合)
G-20
アルゼンチンは、 G-20 が設立された 1999 年からその加盟国である。 G-20 は、世界経済に関する主要な問題につい
て、先進国と新興国の間での議論を促進する非公式会議である。 G-20 はその加盟国にとって国際経済協力のための重
要な会議である。
二国間投資協定( BIT )
アルゼンチンは、現在効力を有している 48 件の二国間投資協定の当事国であり、また投資家-国家間の紛争処理制
度を定めた投資条項を含むチリとの貿易協定の当事国である。 2001 年- 2002 年の危機およびこの危機に対処するため
に政府が採用した基本措置を受け、投資家から、アルゼンチンに対するいくつかの仲裁手続が投資紛争解決国際セン
ター(「 ICSID 」)仲裁規則および国連国際商取引法委員会(「 UNCITRAL 」)規則に基づき ICSID に、ならびに個々の
BIT に従い常設裁判所に申し立てられた。 2023 年6月 22 日現在、これらの手続の大部分がすでに裁定または和解に
至っている。「 (7) その他-① 訴訟手続- ICSID における仲裁」および「 (7) その他-① 訴訟手続-その他の仲
裁」を参照のこと。
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金融安定理事会
金融安定理事会(「 FSB 」)は、世界の金融システムにつき監督し推薦をおこなう国際機関である。 FSB は、金融シ
ステムを強化し国際金融市場の安定性を高めることを目的としており、その目的を、加盟国の国の金融当局と国際標
準 の設定団体が、国際的な金融の安定を促進するために規制上、監督上およびその他の金融部門の政策の進展に向け
作業するように、当該当局および団体の間の調整を行うことにより実行している。 FSB は、部門および管轄区域を越
えてのこうした政策の継続的な実施を後押しすることにより公平な競争の場の育成を目的としている。アルゼンチン
は 2009 年より FSB の加盟国であり、中央銀行が代表を務めている。
G-24
アルゼンチンは、国際通貨・開発金融関連事項に関する 24 カ国政府間グループ( G-24 )が設立された 1971 年から 24
カ国グループの加盟国である。このグループの目的は、通貨および開発問題、特に、 IMF 委員会および開発委員会の
アジェンダについての問題、に関し発展途上国の立場を調整し、国際通貨制度改革に関する交渉で発展途上国の代表
者の権限および関与の向上を確保することである。
メルコスール
アルゼンチンは、ブラジル、パラグアイおよびウルグアイと共に 1991 年3月に正加盟国または「加盟国」として創
設した南米共同市場(「メルスコール」)の創設メンバーである。 2012 年7月に創設メンバー(パラグアイを除
く。)は、ベネズエラ共和国をメルコスールの正加盟国として承認し、 2013 年 12 月にパラグアイがベネズエラの正加
盟国としての地位を承認した。メルコスールへの加盟に関して 2012 年に受諾した責務に従い4年の設定期間内にメル
コスールの規則を実施に移すことができなかったとみなされ、 2016 年 12 月2日にベネズエラの正加盟国としての地位
が一時的に他の加盟国により停止され、 2017 年8月5日、創設メンバーは、メルコスールの民主主義条項を運用して
ベネズエラの資格停止を延長した。 2015 年7月に、ボリビアがメルコスールの正加盟国となるための議定書に署名し
たが、ブラジルの国会による批准待ちの状態である。承認をもって、ボリビアは4年の期間をかけてメルコスールの
法令を徐々に取り入れることとなる。
チリ、コロンビア、エクアドル、ぺルー、ガイアナおよびスリナムはメルコスールの準加盟国である。この地域と
の貿易の約 80 %には関税が課せられていない。
メルスコール条約に基づき、メルスコールの創設メンバーは以下の誓約を行った。
(1) 加盟国間の貿易に対する輸入税、関税およびその他の障壁を、場合により数年かけて除去または大幅に削減
することにより、財貨、サービスおよび製造部品の移動が自由な共通市場を創設する。
(2) 非加盟国との間の貿易に関し共通の対外関税を設定する。
(3) 第三国および圏外ブロックに対する共通の貿易政策の採用。
1994 年 12 月に、地域を1つの関税連合に変換する目的で、メルコスールの創設メンバーは共通の対外関税を実施す
ることに合意した。 1995 年1月1日付で、共通対外関税制度は施行されたが、各加盟国は一定の項目を当該制度から
除外することが認められていた。除外項目を維持できる除外期間は、アルゼンチンおよびブラジルにつき 2021 年 12 月
31 日まで、ウルグアイにつき 2022 年 12 月 31 日まで、パラグアイにつき 2023 年 12 月 31 日までそれぞれ延長されている。
メルコスール加盟国は、国境管理をなくしていく政策を推進するための規制細則や関税の例外項目、ひいては国家
の貿易体制について、まだ完全に足並みが揃っているわけではない。
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メルコスールは、エネルギー、運輸、通信、教育、保健、社会発展、司法、科学およびテクノロジーなどのいくつ
かの分野を含む加盟国間での統合プロセスをさらに発展させることを目的として、域内および関連諸国内で組織およ
び機関を創設している。また、メルコスールの居住者は、ブロック加盟国の領土内において特別居住制度および就業
許 可制度からの恩恵を受けている。
2019 年6月 28 日および 2019 年8月 23 日、メルコスールは(ⅰ)自由貿易エリアや提携コミットメントなどを盛り込
んだ欧州連合との連携協定、および(ⅱ) EFTA (欧州自由貿易連合)との包括的自由貿易協定について、実質的な交
渉を終えた。現在、当事者間で文言の法的レビューを実施し技術的詳細を確定している。
2022 年7月、シンガポールと貿易協定の実質的な交渉が終了した。現在、当事者間で文言の法的レビューを実施し
技術的詳細を確定している。
2019 年 12 月、メルコスール加盟国は、域内貿易の拡大および域外産品に関する競争条件の平準化を目的として、貿
易円滑化協定を締結した。
2022 年7月 20 日、メルコスール加盟国は、多くの財貨について共通対外関税を 10 %に引き下げることを合意した。
2022 年9月 28 日現在、メルコスールはまた、カナダ、韓国、レバノンおよびシンガポールと自由貿易協定の交渉を
進めている。同時にメルコスールは、インドよびイスラエルと既存の協定を発展させるための、ならびにインドネシ
ア、ベトナムおよびエルサルバドルと潜在的交渉の始動に向けて条件を設定するための非公式協議に取り組んでい
る。
アジアインフラ投資銀行
2017 年6月、アルゼンチンは、アジアインフラ投資銀行(「 AIIB 」。加盟国が関与するエネルギー、輸送および電
気通信のプロジェクトに融資することを目的とする。)に対して加盟を申請した。アジア開発投資銀行の株式の取得
は、 2020 年 11 月に国会で承認された。 2022 年9月 28 日現在、アルゼンチンは AIIB とのティエラ・デル・フエゴでの初
プロジェクトの承認に向けて作業を進めており、同プロジェクトでは 2023 年に融資契約およびソブリン保証の約定が
予定されている。
中国との協定
2022 年2月、共和国と中国は、シルクロード経済圏および流通網の構想(「一帯一路構想」)の枠組みに則り覚書
を締結した。一帯一路構想は、陸路と海路の両方を通じた各国間の協力および接続性の強化を目標とする。同構想
は、地域間の貿易および投資、市場の統合ならびに経済協力の促進に向けたプラットフォームの開発を目指してい
る。この覚書の中期的な狙いは、財貨・サービスの二国間貿易の促進および生産部門や技術力強化のための投資の増
加に置かれている。
この覚書に基づき、アルゼンチンの戦略的インフラ整備に対する資金供給は2トランシェ構成となる見込みであ
る。その内訳は、第1トランシェが 2022 年1月に開催された経済協力・調整に係る戦略対話( DECCE )の第5回会合
で合意されたプロジェクトに対するもの(承認済み)、および第2トランシェがこの覚書に基づき設定される両国間
の特別部会でアルゼンチンから提示するプロジェクトに対するものとなる。
一帯一路構想に関する覚書に加え、共和国と中国は、グリーン開発、デジタル経済、宇宙開発、技術・イノベー
ション、教育・大学の提携、農業、地球科学、公共メディアおよび原子力などの様々な項目に関する 13 種の組織間協
力文書を締結した。
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マルビナスの主権問題
フェルナンデス政権は 2019 年 12 月の政権発足後、マルビナス諸島の主権を平和的手段によって完全に行使するこ
と、および島民の暮らしを尊重することが憲法上の使命であることを再確認した。
共和国は、マルビナス、ジョージアおよび南サンドイッチ諸島ならびにその周辺海域をアルゼンチン固有の領土で
あり、これが 1833 年以降英国により不法に占拠されていると繰返し確認している。
国連は、総会決議 2065(XX) 及びその後の決議を通じて、アルゼンチンとグレートブリテンおよび北アイルランド連
合王国との間に「マルビナス諸島問題」に関して主権紛争が存在することを認定しており、同決議は、直接交渉によ
る問題の平和的解決を両当事者に求めている。マルビナス諸島の問題は、他の多くの事例とは異なる特殊で固別的な
植民地状況として国連に認定されている。いかなる国連決議においても、本件に関して自己決定の原則は適用されて
おらず、またその適用可能性が認められたこともない。さらに、地域および国際機関の多くが、同諸島の在り方が交
渉が付されている間は、アルゼンチンおよび英国が国連総会決議第 31/49 号の規定(アルゼンチンとグレートブリテ
ンおよび北アイルランド連合王国の両政府に主権紛争に関する協議を進めること、ならびに両当事者が一方的な現状
変更を示唆する決定を控えることを要求している。)を重ねて訴えている。
2022 年9月 28 日現在、英国は主権問題の平和的解決に向けた協議の再開を受け入れていない。
大陸棚問題
2009 年4月 21 日、共和国は、国連海洋法条約( UNCLOS )により設置されたニューヨークを本拠とする専門機関であ
る国連大陸棚限界委員会( CLCS )に対し、大陸棚の拡張限界を申請した。
共和国は、詳細で綿密な科学的・技術的な作業を遂行することで、大陸棚の限界を画定することができた。この事
業により、資源に対する主権的権利の及ぶ地理的範囲が、領海基線と二百海里間の約 4,799,000 平方キロメートルに
加え、アルゼンチン大陸棚のうち二百海里外の 1,782,000 平方キロメートル超の海床および海底にもわたることが確
実視された。
2016 年3月 11 日および 2017 年3月 17 日、 CLCS は、領海を超えてアルゼンチン領有権の自然的拡張が及ぶ海底区域の
海床および海底で構成される大陸棚の拡張限界について、アルゼンチンの申請に対する勧告を全会一致で承認した。
CLCS の勧告について、いかなる国も異議を唱えていない。
マルビナス、南ジョージアおよび南サンドウィッチ諸島の大陸棚については、 CLCS は共和国が申請した同区域の大
陸棚限界の分析を、主権紛争が解決するまで先送りした。 CLCS はまた、アルゼンチンも締結国である 1951 年 12 月1日
付の南極条約(改訂済)で定められた特別な領有関係を考慮して、南極地方の大陸棚の検討も先送りした。
同委員会は、マルビナス、南ジョージアおよび南サンドイッチ諸島の周辺地域についての明確な見解を示さないこ
とで、アルゼンチンと英国の間に主権問題が存在することを認めたこととなった。
2020 年8月5日、国会は、 CLCS の勧告に基づき、アルゼンチン大陸棚の拡張境界を画定する法案を全会一致で成立
させた。 UNCLOS 第 77 条に従い、天然資源の探査および開発に関して沿岸国が大陸棚に対する主権的権利を有するもの
とされる限りにおいて、 CLCS 勧告および拡長された大陸棚に対するアルゼンチンの権利の承認は、経済的に有益な影
響を及ぼすと予想される。
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③ 最近の動向
外交および国際機関
2023 年6月1日、新開発銀行の総裁が経済大臣に対し、アルゼンチンを含む数か国を新たな加盟国として迎え入れ
ることを BRICs 会議が前向きに検討していると正式に伝えた。
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(2) 【経済】
① 近時の経済動向
経済の歴史および背景
背 景
1800 年代末から 1900 年代初めにかけて、アルゼンチンは大繁栄期を迎え、国民1人当たり GDP は多くの西ヨーロッ
パ諸国の水準にまで上昇した。かかる成長期に、アルゼンチン経済はその輸出農産物に対する持続的な海外の需要に
過度に依存した。
しかし大恐慌と第2次世界大戦の到来はアルゼンチン経済に劇的な変化をもたらし、対外貿易の減少はアルゼンチ
ンから主要な収入源を奪った。政府はこうした展開に対応して経済政策を大幅に転換し、国家主導の資本主義と輸入
代替のモデルを採用し、国による景気への介入を強化した。
1940 年代初めに、政府は多くの基幹産業・サービスを国有化し、アルゼンチンの産業と農業において自給自足を目
指し、その経済を外国との競争から守るために、輸入障壁を引き上げた。石油・電力から通信・金融事業に至るまで
政府の関与は増大した。
1950 年代に新たに世界的繁栄の時代が到来したものの、経済における政府の役割は依然大きく、アルゼンチンの成
長は他の発展途上国と比較して低いものとなった。
1970 年半ばまでに製造業が経済の最大構成要素となったものの、国の輸出は引き続き農産物が大勢を占めた。アル
ゼンチン経済の成長は依然として低水準であった。
1976 年に、事実上の政府が輸入代替モデルからの転換を開始し、輸入障壁を引き下げ、対外借入れへの規制を緩和
した。中央銀行によるクローリング・ペッグ為替相場体制の採用は、 1977 年から 1981 年にかけてペソ高ならびに公的
部門および民間部門の対外債務負担を招来した。
1981 年から 1990 年にかけて、経済成長は政治の不安定、国有企業の多額の助成金、高いインフレーション、定期的
な通貨の下落、非効率的な税金徴収システムおよび非効率的な生産のために阻害された。同期間における年平均実質
GDP 縮小率は 0.7 %であった。政府は同期間中の財政赤字を主に中央銀行からの信用供与ならびに二国間および多国間
での海外債権者からの借入れで埋めた。政府に対する中央銀行からの信用供与の増加によりマネー・サプライの増加
が抑制されず、これにより高いインフレ水準になった。 1981 年から 1990 年にかけて、年平均インフレ率は 876.0 %で
あった。さらに 1982 年、政府は、対外債務の不履行に陥った。
1980 年代に、政府は経済安定化のためにいくつかの経済政策を採用した。かかる政策は当初いくらかの成功を収め
たが、最終的に生産性と経済の競争力が向上することはなかった。こうした要因と高水準のインフレ、政府の政策の
頻繁な変更および不安定な金融市場とが相まって、アルゼンチン経済の実質成長の達成を妨げた。
経済の自由化: 1983 年に民主制に復帰して以降二度目の民主的選挙で選ばれた メネム大統領が率いる政権は、
1989 年半ばに、ハイパーインフレーションと深刻な景気後退に苦しむ経済を引き継いだ。海外債権者との関係は緊張
し、民間銀行債務は二度の繰延べの対象となり、再び延滞利息を累積し、 IMF および世界銀行(世銀)とのプログラ
ムは失効し、世銀と米州開銀( IADB )に対する返済はしばしば遅滞した。メネム政権の緊急の課題は物価の安定と海
外債権者との関係の改善であった。
経済の安定化とハイパーインフレーションの歯止めに何度か失敗した後、メネム政権は経済の自由化と金融面の規
律の実施を模索する経済政策を採用した。兌換制度として知られるようになった新しい経済政策は、 1991 年兌換法お
よびその関連措置を軸とした。その主な特徴は以下のとおりである。
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● ペソをドルに連動(ペッグ)させかつマネタリー・ベースを外貨準備に関連付けした固定為替相場制。これ
により中央銀行の金融政策手段は制限された。
● 民営化、規制緩和、貿易自由化の政策
● 海外債権者との関係の改善( 1992 年のブレイディのリストラ策による民間債権者向け国債の大部分の借換え
を含む。)
兌換制度と政府の自由市場政策は一時的に物価の安定をもたらし、アルゼンチン経済の効率と生産性を引き上げ、
外国からの巨額な投資を引き寄せた。実質 GDP は 1991 年には 9.1 %、 1992 年には 7.9 %成長した。 1993 年から 1998 年に
かけて、実質 GDP は、 1994 年のメキシコ金融危機に端を発した資本流出を主な要因とする 1995 年の 2.8 %の減少にもか
かわらず、平均年率で 4.8 %成長した。
こうしたことにもかかわらず、兌換制度は以下のような重大な弱点を有していた。
● 柔軟性に欠ける金融政策: 中央銀行から金融面の裁量を取り上げたことにより、兌換制度は、経済活動の
低迷に対応して景気を刺激するための金融政策の活用を制限することとなった。
● 外国資本への依存: 外国資本流入の急激な減少は、しばしば政府の支配が及ばない要因により引き起こさ
れるものであり、マネー・サプライを悪いタイミングで縮小させるおそれを伴った。アルゼンチン経済を対
外貿易に解放して大幅な赤字を招いたことにより、および政府の経常的な財政赤字に伴い外国資本から巨額
の資金調達をしたことにより、アルゼンチンの外国資本への依存は高まった。
● 外的ショックに対する脆弱性: 外国資本への依存は、資本の流出入に対する政府規制の解除と相まって、
アルゼンチン経済を外的ショックに対して脆弱にした。
● 特定の経済部門への過度の依存: 実質的なペソ高およびペソと米ドルのペッグ制の結果、この期間の経済
成長はサービス部門、特に金融および公的サービス部門によりもたらされ、生産ベースの製造業および産業
部門は遅れを取った。さらに、農業部門の生産量増加による貢献は、国際的な商品価格の低下により相殺さ
れた。
● 失業の増加: 経済成長にもかかわらず、建築・製造などの労働集約的部門の成長が比較的低かったため失
業水準が上昇した。
1994 年のメキシコ財政危機に端を発する経済低迷期に、兌換制度の弱点が明らかとなった。メキシコのクローリン
グ・ペッグ為替相場の崩壊は、投資家の新興市場に対する信頼を損なうとともに、兌換体制の持続可能性に関する懸
念を投げかけた。この信頼喪失が誘発した純資本流入の急減により、 1995 年に資本が流出に転じ、アルゼンチンの銀
行システムの流動性危機が引き起こされた。その結果、アルゼンチンは兌換制度を実施して以来初の景気後退に陥っ
た。
メキシコ危機の後、アルゼンチン経済は 1990 年代前半に記録していた成長水準まで回復した。 1996 年から 1998 年に
かけて、 GDP は平均年率で 5.8 %成長した。しかし、政府は赤字を埋めるために借入れに大きく依存し、借入先は手始
めに国外の資金供給元から果ては国内の銀行や新興の民間年金基金にまで及んだ。 1997 年の第4四半期始め、アジア
やロシアの地域金融危機、米国の金利上昇および商品価格の下落を含む外的要因により、資本フローがマイナスに転
じ、経済活動が急減し、究極的に 2001 年の経済危機の引き金となった。
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危機および回復の始まり: 2001 年および 2002 年
2001 年下半期に、ペソ切下げが差し迫ったとの認識の拡大が大規模な銀行預金の取付けを引き起こし、アルゼンチ
ン経済からの資本流出が大幅に加速した。アルゼンチンの銀行制度における預金残高は 2001 年下半期に 20.3 %減少
し、同時期に中央銀行の外貨準備は 42.1 %低下した。
兌換制度を保護し金融部門の崩壊を回避する最終的な取組みとして、 2001 年 12 月、政府は銀行預金引出しに関し、
1人につき1か月当たりの厳格な制限( corralito として知られる。)を課し、ペソ建ておよび米ドル建ての要求払
い預金の約 600 億米ドルについて預金者が金融機関から引出す権限を実際に制限した。アルゼンチンにおける特定の
外国為替取引にも厳格な制限を課した。その直後に、政府は国債の大部分について利息および元金の支払いを延期す
ると宣言した。
大きな社会不安はデ・ラ・ルア政権を早期退陣に導くとともに政治危機を誘発し、その結果 2002 年1月にエドゥア
ルド・ドゥアルデ氏が大統領に任命された。国会は 2002 年国家緊急事態・改革法(「国家緊急事態法」)を可決し、
これによりペソ・米ドル間の為替平価が正式に終了し、兌換制度が廃止された。国家緊急事態法および一連の大統領
令の制定を通じて、ドゥアルデ政権は以下の措置を実施した。
● 多国間信用機関向け債券を除き、アルゼンチンのソブリン債の支払いを停止することを承認。
● 兌換制度の廃止直後に採用された二重為替相場制を廃止。これに代えて他通貨に対してペソの価値が変動す
ることを認める単一為替相場制を導入した結果、米ドル・ペソ為替レートは 2002 年に 240.1 %上昇した。
● 一定の米ドル建て資産および負債を次の為替レートでペソ化する「非対称の」転換を発令:金融機関その他
の債権者に対して負う民間部門の負債(個人および会社の米国建て負債)につき 1.00 米ドル当たり 1.00 ペ
ソ、国または州の金融機関のポートフォリオを構成する公共部門のすべての米ドル建て負債証券につき 1.00
米ドル当たり 1.40 ペソ、およびすべての米ドル建て銀行預金につき 1.00 米ドル当たり 1.40 ペソ。
● 中央銀行憲章を改定し、中央銀行が通貨を増刷すること、政府に一定の短期貸出しをすること、および流動
性困難に陥った金融機関に対する最後の貸手として行為することを容認。
● 銀行預金引出しについて 2002 年 12 月まで追加規制を設定。すべての定期預金が実際に凍結され、強制繰延べ
の対象とされた。
また、外国為替取引について以下を含む追加規制が導入された。
● 銀行口座から1か月間で引出し可能な米ドル額を制限。
● アルゼンチン国外への外貨の送金を制限。
● 対外貿易取引を規制。
経済危機は 2002 年上半期にピークを迎えた。この間、アルゼンチン史上最悪の経済活動水準の落込みを伴って経済
活動が破綻し、歳入が減少し、インフレが急進し、金融システムの流動性危機が悪化した。外国為替市場の管理に飽
き足らず、政府は輸出収入を強制的に本国送金させた。厳しい為替管理と国の貿易収支の大幅黒字により外国通貨が
確実に市場に供給され、その結果同年の下半期にはペソ高に動いた。
2002 年半ばまでには、外国為替市場管理の強化に合わせた外貨準備の売却と資本の移動とを組み合わせた政策によ
り、ペソの安定化に成功した。国内通貨が安定するにつれ、インフレ圧力も軽減した。このことは、マネタリー・
ベースの拡大と相まって、兌換制度の終了後に急騰していた金利の段階益な安定化を可能とした。
2002 年下半期に、実質 GDP の縮小は 2001 年下半期比で 6.7 %にまで減速し、アルゼンチンは経常収支で 50 億米ドルの
黒字を計上した。 2002 年 12 月 31 日現在の状況は以下のとおりであった。
● ペソが1ドル当たり 3.36 ペソのペソ高となった。これに対して 2002 年6月 26 日は最安の 3.87 ペソであった。
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● INDEC (国家統計センサス局)により測定されたインフレ率は 2002 年 12 月 31 日に終了した下半期で 8.0 %で
あった。これに対して 2002 年6月 30 日に終了した上半期は 30.5 %であった。 2002 年中、 INDEC により測定さ
れ たインフレ率は 40.9 %で、卸売物価指数( WPI )に基づくインフレ率は 118.0 %であり、これに対して同年
中にペソの対米ドル価値は 240.1 %超も下落した。
● 中央銀行の外貨準備は、 2002 年6月 30 日の 96 億米ドルから 105 億米ドルに増加した。
2002 年下半期中の景気改善にもかかわらず、同年通期の GDP は 2001 年比で 10.9 %減少した。
ペソ高を継続させないように、中央銀行は 2002 年 11 月から 2003 年1月まで課していた一部の為替規制を緩和した。
景気の改善、とりわけアルゼンチン経済からの資本流出の減少により、政府は 2002 年 11 月に銀行口座引出し規制の解
除にも着手できるようになった。
1998 年に始まった経済の危機および景気後退は 2002 年末までに底打ちしたかに見えた。しかし、回復の道は険し
く、経済活動の水準は 1990 年代始めのそれと同程度に著しく停滞した。また、この回復は主に危機を管理することを
目指した一連の経済政策の結果にすぎず、持続可能な長期的経済成長を生み出すために必要とされる構造改革は織り
込まれていなかった。 2002 年 12 月に、世帯の 42.3 %および人口の 54.3 %が貧困レベルにあった。
2003 年から 2007 年
2002 年下半期に始まった経済回復は 2003 年いっぱい続き、 GDP は 2003 年に 8.8 %成長した。この改善は、主にアルゼ
ンチンの輸出への需要増加によりもたらされ、消費者および投資家の信頼改善に刺激されて国内生産を増加させ、輸
入産品から国内産品への切換えも増やした。 2003 年中、準通貨(経済危機の間にアルゼンチンの州が発行した地方
債)が流通から回収され、銀行預金に係る規制が解除された。同年中、名目ベースで総銀行預金額が 24.0 %増加した
ことにより、金融システムへの信頼回復が裏付けられた。
同期間中、政府は3つの柱を政策の軸に据えた。
● 実質賃金の段階的な回復
● 財政政策を駆使した国内市場および国内消費の成長強化、ならびに輸出商品価格の上昇に応じた富の配分の
促進
● 地域産業の生産能力向上に向けて臨時輸出収入を振り充てるための、複数為替レートおよび価格設定規制の
活用
政策の併用により、アルゼンチン経済は 2004 年、 2005 年、 2006 年および 2007 年にかけてそれぞれ 9.0 %( 2016 年6
月 29 日より前に INDEC が公表したデータを用いて計算した、 2003 年から 2004 年にかけての変動率を表す。)、 8.9 %、
8.1 %および 9.0 %の成長を続けた。この間、中央銀行の総外貨準備高は 2003 年 12 月 31 日現在の 141 億ペソから 2007 年
12 月 31 日現在の 462 億ペソまで増加した。キルチネル政権の財政・貿易政策は、(輸出税の寄与による徴税額の増加
を主因として)財政黒字と貿易黒字を生み出した。 2007 年から 2008 年半ばにかけては、需要増加と供給抑制の結果イ
ンフレ圧力が高まった。
2008 年から 2015 年
政府は 2008 年以降、 2001 年の経済危機後に導入された経済成長率の維持を目指す財政金融政策、価格統制、関税制
限、助成金および輸出税を含む経済政策を継続し、これを徐々に拡充していった。
2003 年から 2007 年までにアルゼンチンで見られた力強い景気回復は、 2008 年上半期中に失速し始めた。 2008 年3
月、特定の輸出産品の国際価格上昇から生じた利益を課税対象とする追加的な変動輸出税が農産品について導入さ
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れ、これが口火となって農家との5か月闘争が勃発し、同国の一部地域で経済の重要部門が停滞した。アルゼンチン
では 2008 年に銀行預金の引出しと資本流出の現象が生じた。アルゼンチンからの資本流出を制限するために、景気後
退 が始まったのと同時期に中央銀行が金利を引き上げ、これを受けて景気後退はさらに悪化した。 2008 年第3四半期
までに、アルゼンチン経済は景気後退局面に入り、世界金融危機の深刻化がこれに追打ちをかけた。 2008 年 11 月、国
会はアルゼンチンの民間年金制度を改革する法律を承認し、同法に基づいて、広範な上場会社の株主持分を含む民間
年金基金の保有資産が、 ANSES (国家社会保障機構)が所管する新しい公的制度の一部をなす別口の基金に移管され
た。この措置は、他の政策目標の中でもとりわけ、危機の時期に国際市場に代わる国内の経済活動および投資への供
給資金として国内貯蓄を充てることを狙いとした。
アルゼンチン経済は、他国の経済と同様に世界金融危機の影響を受けた。実質 GDP は 2008 年第4四半期から 2009 年
第1四半期にかけて 10 %縮小した。 2009 年半ばまでに国家財政は急速に悪化し、景気後退の影響の限定化を目指す政
府の取組みに伴い同年上半期中に公共部門歳出は同歳入の2倍のペースで増加した。 2009 年第4四半期中には産業の
活動増加を主因として経済活動の回復が始まったものの、国家財政は引き続き停滞していた。社会保険料および中央
銀行や ANSES などの政府機関からの移転支出を含む特別歳入が主な材料となって、 2009 年に公共部門歳入は 19 %増加
し、これを原資として特に稼得が基準月額を下回る公式経済部門の労働者向けの家族手当および非公式経済部門の労
働者や失業者向けの所得支援を織り込んだ2本の貧困対策プログラムが拡充された。 2009 年終盤、政府は中央銀行準
備金の一部を対外債務の支払いに充当するための命令を発した。
2010 年始めにインフレ圧力が高まり、財政赤字の一部を補填するため中央銀行が政府に資金を供給した。同時に、
産業の生産増加に伴い経済は回復の兆しを見せ始めた。アルゼンチン経済は 2010 年に 10.1 %成長し、 2005 年以来の高
い成長水準に達した。対照的に、経常収支は 2010 年中に悪化し、主要な外貨獲得源である貿易黒字が 2010 年に 20 %以
上縮小したことから経常黒字は 2009 年の 82 億米ドルから 2010 年には 15 億米ドルまで落ち込んだ。
2010 年6月、政府は未交換債務を繰り延べるため 2010 年債務交換を実施し、その承諾率は 81 %であった。 2001 年に
不履行に陥ったアルゼンチンの債務のうち約 92 %が 2005 年と 2010 年の債務交換を通じて繰り延べられたが、こうした
債務繰延措置を経てもなお未交換債務の元金総額約 61 億米ドルの未処理残高があり、和解拒絶(ホールドアウト)債
権者との間で訴訟が続いた。
2011 年以降、アルゼンチン経済はその構造的な制約により国際収支に悪影響が生じていることが露呈した。自動車
産業やティエラ・デル・フエゴの電子製品産業における輸入部品への需要、輸入資本財への需要の増加、外国債務の
返済義務、および居住者から非居住者への継続的な送金が、中央銀行の外貨準備高の足かせになっていた。また、経
済成長は石油・ガス産業の過少投資に起因するエネルギー供給の制約に直面し、経済活動の減速を回避するため政府
が手配してエネルギーを輸入することになった。経済の基幹部門の自主性を回復することが決定され、スペインの
Repsol S.A. (「 Repsol 」)が過半を所有する国内最大の石油会社 YPF S.A. (「 YPF 」)の株式の 51 %を国有化する政
府提出法案が 2012 年5月に国会で承認された。 2008 年から 2011 年までの間に、エネルギー部門と輸送部門への助成金
が 156 %増加し、一方でエネルギーの対外貿易赤字は増加した。
中央銀行は 2011 年中も、特に外貨購入と対政府融資を通じて景気刺激型の金融政策を継続した。中央銀行はまた、
中央銀行証券( Lebac 債および Nobac 債)の発行によりペソを下支えして引き続き不胎化に取り組んだ。公共部門は、
2010 年の 31 億ペソの黒字に対して 2011 年は 307 億ペソの赤字を計上した。
政府は 2011 年第4四半期に、資本流出を減らす意図のもと一連の資本・為替管理に乗り出した。 2011 年 12 月に終了
する 12 か月の期間において、資本流出は推計で 250 億米ドル(中央銀行の同年の期首外貨準備のほぼ半分)に達し
た。その結果米ドル需要が高まり、公式の為替レートおよび非公式のそれとの乖離が拡大した。
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エネルギー部門への投資が限定的であるまま数年が過ぎ、また政府の緊急措置の一環で電気および天然ガスの料金
が 2002 年以降凍結され続けたことから、アルゼンチンは 2011 年にエネルギー不足にも見舞われ始めた。
2012 年4月、政府は中央銀行憲章の改定を発表し、これにより中央銀行の政策決定裁量が拡大されるとともに金融
機関への政府の追加的介入手段が設定され、また社会的衡平に適合した経済成長を促すという新たな目的が憲章中に
包含された。
2012 年半ばに、外貨取得規制が導入された。外貨準備の積み増しに向けた政府の取組みは、対外債務返済のために
米ドルを蓄積し、かつ世界市場の状況悪化または国内経済活動の急減といった事象に伴う通貨危機を回避するための
バッファーを設けるという2大目標を主軸に推進された。
2012 年には経済活動に著しい鈍化が見られ、実質 GDP は、 2011 年が 6.0 %の拡大であったのに対し 2012 年は 1.0 %の
縮小であった。 2012 年中、中央銀行の財政出動に一部依存した景気刺激型の財政政策が景気の後退と税収増加幅の縮
小を回避できず、基礎的財政収支(プライマリー・バランス)が急速に悪化して 2011 年の 49 億ペソの黒字から 44 億ペ
ソの赤字となり、 1996 年以来初の赤字転落となった。 2012 年に総財政赤字が GDP に占める割合は推計で 2.1 %であっ
た。
2013 年1月に政府は、一定の所得基準額にみたない家庭に児童手当を給付する2つのプログラムを通じて、社会的
移転を増やしていくことを発表した。インフレ鎮静化に向けて継続的に取り組む中で、政府は約 500 種の産品(食
品、飲料、洗剤およびトイレ用品を含む。)の価格を当初3か月の期間にわたって凍結すると宣言し、これを受けて
一連の価格凍結が 2014 年まで続けられた。 2013 年に経済は回復し、実質 GDP は前年比で 2.4 %成長した。
2014 年1月、外貨準備が 300 億米ドルを切ったことから、中央銀行は名目で1日当たり米ドルに対して 8.2 %のペソ
安を許容し、これは 2001 年から 2002 年の危機以来最大の変動幅であった。その後すぐに政府は一部の為替管理の緩和
を発表した。インフレ緩和に取り組む中で、政府は 2014 年1月に「価格配慮( Precios Cuidados )」プログラムもス
タートさせ、様々な家庭向け必需品その他の産品について価格統制を敷いた。
政府は国際金融市場へのアクセスを回復するための措置を講じ、これにはパリクラブとの協定の交渉( 2016 年5月
に締結)、および 2001-2002 年の経済危機時に採用された基準で仲裁判断を取得した外国投資家との和解や Repsol と
の和解が含まれた。こうした取り組みは十分ではなかった。されていないとの IMF による対アルゼンチン問責決議
2014 年6月、 2001 年以前の債券の和解拒絶(ホールドアウト)債権者を相手方とする係争事件の米国ニューヨーク州
南部地区連邦地方裁判所(「ニューヨーク連邦地裁」)の決定により、ニューヨーク法の適用下において、 2005 年お
よび 2010 年の債務交換に基づいて発行された債券(「 2005 年および 2010 年の債務交換債」)の一部に係る政府の支払
いに支障が生じた。これが妨げとなりアルゼンチンは国際資本市場へのアクセスを回復できず、国際収支危機のリス
クが高まった。
国内の製造業、鉱業および公益事業(ユーティリティ)部門は、消費者および企業のマインド低下、社会不安、長
引く高インフレ、高まる通貨圧力ならびにアルゼンチンにとって最大の輸出市場であるブラジルでの需要減退に直面
することとなり、 2013 年第3四半期に始まった産業の生産減少傾向が 2014 年いっぱい継続した。 2014 年、政府の社会
的給付および年金支払いの増加を主因として、歳入の増加を上回るペースで総歳出が増加した。その結果、 2014 年に
総財政赤字は 1,097 億ペソまで膨れ上がり、 2013 年比で 70 %増加した。全体では、プライマリー支出が 41.8 %増加
し、特にエネルギー助成金や社会的助成の形でなされた民間部門への移転がこの赤字拡大を牽引した。 2014 年に実質
GDP は 2.5 %縮小した。
アルゼンチンはグローバル資本市場から締め出され、それから 10 年以上の間、中央銀行にとって国際的に高騰した
商品価格に支えられる貿易黒字が外貨準備の主要調達源であり続けた。しかし、対外的競争力の低下、商品価格の下
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落およびアルゼンチンの主要な製造業輸出先であるブラジルの景気後退により 2014 年には輸出が悪化した。全体で
2014 年に輸出収入は 10 %減少し、貿易黒字は 60 億米ドルにまで縮小した。中央銀行が中国人民銀行と締結した通貨ス
ワッ プ協定に基づくものを含めた 2014 年の資本流入は、外貨準備を増加させた。
継続的な公共部門支出の拡大は、 2015 年第1四半期に始まったアルゼンチン経済の穏やかな回復に貢献した。イン
フレが鈍化する中、 2015 年上半期には金融緩和が進められた。 2015 年の間に貨幣供給量が増加し、その増加率は 2014
年の 20.5 %と比べて 30.2 %となった。この 2014 年と 2015 年の差は、中央銀行の不胎化政策の変更を反映したもので
あった。すなわち、 2014 年に中央銀行が 946 億ペソ規模の不胎化を実施し、また Lebac 債の利息を引き上げたのに対
し、 2015 年には Lebac 債の利率の低下に伴い金融機関が中央銀行証券への投資を減らしたことから、不胎化額は 87 億
ペソまで減少した。消費の活性化に取り組む中で、 2015 年7月には最低賃金が 31.4 %上昇し、 2014 年9月以来初めて
の大幅な賃金上昇となった。
2015 年半ばまでに、中国が重要な貿易相手国(ブラジルに次いでアルゼンチンの2番目の輸出先)となり、重要な
外貨獲得先となった。そのため、人民元の切下げを受けて政府は 2015 年8月、外貨準備の保全および通貨危機の回避
に向けて為替管理をさらに強化した。
2015 年から 2019 年
2015 年 12 月 10 日の政権交代後、政府は、財政収支を通じたマクロ経済の安定確保、第三国との貿易拡大および中央
銀行の強化により持続可能な発展を目指す経済・政策改革を発表および実施し、アルゼンチンの財政および国際収支
上の制約の克服に取り組んだ。その措置には、対外貿易および外国為替改革、金融および財政政策上の措置、エネル
ギー部門改革、一定の社会経済的ニーズに対応するための措置、ならびにアルゼンチン経済の生産性および競争力の
向上が含まれた。
2015 年 12 月のペソの 28.6 %の下落および為替管理の全廃は、結果的にインフレ率の上昇を招き、 2016 年に WPI は年
率 36.6 %で上昇し、実質 GDP は 2.1 %下落した。 2017 年には景気が回復し、実質 GDP は 2.8 %増加した。ペソは比較的安
定してインフレ率は 24.8 %に低下した(中央銀行の目標は 17%) 。金融政策の引締めによりインフレを抑制するという
表明済みの目標と、経済成長の促進への意欲との間で大きな葛藤が生じ、政府は、金融政策を緩和することおよび
2018 年のインフレ目標を5%引き上げて 15 %とすることでこれを解決した。多数の非居住者投資家を含むペソ建金融
商品の保有者は、外貨資産を求めて保有商品を売却し、かかる外貨資産は海外に移転された。
対外貿易および外国為替に関して、政府はまず小麦、とうもろこし、牛肉、鉱業、石油および地域産品に対する輸
出関税を撤廃し、また大豆の輸出関税を 35 %から 30 %に5%引き下げた。また、ほとんどの産業の輸出に課されてい
た5%の関税も撤廃した。 2017 年、政府はコンピュータ、コンピュータ部品およびその付随製品(プリンタやスキャ
ナなど)への輸入関税を撤廃した。ただし、「- 2018 年および 2019 年のアルゼンチン経済への影響因子および対応措
置」を参照のこと。政府はまた、為替市場へのアクセス規制を廃止し、さらに過年に導入された一定の通貨管理を含
むすべての為替規制を撤廃したが、これにより金融収支はより脆弱になった。「- 2018 年および 2019 年のアルゼンチ
ン経済への影響因子および対応措置」を参照のこと。 2019 年9月に中央銀行は外貨取引に制限を設定した。「 (3) 貿
易及び国際収支 - ② 対外貿易と国際収支の最近の傾向- (e) 外国為替および外貨準備高-外国為替」を参照のこ
と。
政府は海外からの資金供給にも大きく依存していた。 2016 年1月1日から 2018 年 12 月 31 日にかけて、政府はグロー
バル・ボンドの発行および一連の売買を通じて国際市場で資金調達を行った。
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財政政策に関する政府の 2016 年から 2017 年にかけての主な取組みには、 2016 年の年金改革(「-② 最近5年間の
経済の動向- (e) 社会保障制度-退職者向けプログラムおよび年金改革法」を参照のこと。)、アルゼンチン税制の
一部の抜け穴や非効率性を除去し、脱税を減らし、個人に適用される所得税の範囲を拡大することを意図した 2017 年
の 税制改革(「 (5) 財政-③ 一般会計- (b) 祖税制度」を参照のこと。)および 23 のアルゼンチン地方政府法域
( 22 州およびブエノスアイレス市)との間で交わした 2017 年の財務協定(「 2017 年財政コンセンサス」と通称され
る。)が含まれる。で財政コンセンサスには、歪曲効果のある課税を5年の期間( 2018 年から 2022 年)をかけて GDP
の 1.5 %分減らす旨の誓約、連邦政府に対する 23 の署名主体による訴訟の放棄、ならびに大ブエノスアイレス圏基金
への反復的な連邦政府拠出を廃止することと引き換えにブエノスアイレス州に支給される補償金( 2018 年に 210 億ペ
ソ、 2019 年に 440 億ペソおよび 2020 年以降に 440 億ペソ相当額(インフレ調整後))が盛り込まれている。
一部の社会的セクターにおける不利な状況の影響を軽減するため、政府は(ⅰ)児童手当の受給者基盤を拡大し、
(ⅱ)ユニバーサル児童手当( Asignación Universal por Hijo )とローカル・プログラムの併用を認めて複数のプ
ログラムにつき加入資格を認定し、かつ同プログラムの手当額を増やし、(ⅲ)最低保証年金を受給する退職者およ
びユニバーサル児童手当または妊娠手当を受給する者が一部の日用品(食品、衣料および洗剤など)の購入に際して
支払った付加価値税( VAT )を還付し、(ⅳ)単一課税( monotoribute )社会的プログラムの対象者の上限年間所得
を引き上げ、(ⅴ)学業を修了し様々な分野の訓練を受ける豊富な機会を提供するためのプログラムを設定し、
(ⅵ)インフレの影響を考慮して所得税の税率区分を調整し、(ⅶ)その他の社会的プログラムを強化した。 2019 年
8月 12 日のペソの切下げを受け、政府は低所得者層人口に救済を与えるための様々な措置を採用した。
政府はまた、アルゼンチン経済の生産性、競争力および透明性の向上を目指していくつかの措置を実施した。
2018 年および 2019 年のアルゼンチン経済への影響因子および対応措置
2018 年の当初5か月中、エネルギー価格の上昇、および米ドル高や米国のイールドカーブの上方シフトによるグ
ローバル資金調達へのアクセス縮小が生じる中、アルゼンチン経済は干ばつに伴う農業生産と輸出収益の激減により
大きな影響を受けた。これらの要因はペソに悪影響を与え、 2018 年1月2日から5月 31 日までの間にペソの対米ドル
価値は 25.6 %下がり、短期債務を借り換える中央銀行の能力について市場の懸念が生じ、アルゼンチンのソブリン・
リスク・プレミアムが急騰する結果となった。 アルゼンチンの財政不均衡、財政赤字の補填における外貨収入への依
存、および外的要因を吸収し対処する経済部門の能力を歴史的に制限してきた重度の硬直性が、経済悪化の深刻さを
加速させ、投資家の信頼を蝕んだ。 2018 年の1月から6月にかけて、中央銀行の外貨準備高は約 154 億米ドル減少し
た。
2018 年6月、政府は IMF と 36 か月のスタンドバイ取決め( SBA )を交わし、また多国間機関とその他の融資協定を締
結した。「- IMF との協定」を参照のこと。
SBA を交わしても、インフレは沈静化することなく、外貨準備高(純額)は減り続け、経常収支の赤字は高止まり
し、その他のプログラム上の目標も達成されなかった。 2018 年8月、ペソの対米ドル価値が 20 日間で 21.3 %下がった
ことを受け、政府は必要予算を支えるために(ⅰ) SBA に基づく資金アクセスの増枠、(ⅱ)( 2020 年- 2021 年分
の)アクセスの 2018 年- 2019 年への前倒し、および(ⅲ) SBA に基づく引出しが可能な国内アクセス先の設定を要請
した。
IMF と合意したプログラムを推進するにあたり、政府は、 2019 年の基礎的財政収支の均衡および 2020 年の基礎的財
政収支の黒字化を目指すための、ならびに行政を再編するための一連の措置を発表した。発表された措置には、公共
部門歳出を減らすための取組みおよび公共部門歳入を増やすための取組みが併用された。
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同様に中央銀行は、為替非介入ゾーン内でペソの自由変動を容認しつつも、金利の引上げおよびマネー・サプライ
の増加の抑制により金融政策を引き締めている。「 (4) 通貨・金融制度-① 通貨・金融制度および証券市場の概要
- (b) 金融政策」を参照のこと。
2019 年中は、 2018 年第2四半期に始まった景気後退が続いた。 2019 年に GDP は 2.1 %減少した。また、中央銀行の総
外貨準備は減少し、 2019 年 12 月 31 日現在で 448 億米ドル (2018 年 12 月 31 日現在の総外貨準備と比べて 209 億米ドルの減
少 ) となった。この減少は主に、アルゼンチンの非居住者が保有するアルゼンチンのポートフォリオ投資の流出と、
アルゼンチン居住者による外国金融資産の取得によって説明され、これらの 2019 年の累計額はは 312 億米ドルであっ
た。
経済活動の継続的かつ強力な引締めにもかかわらず、インフレは 2019 年中に加速し、 2019 年 12 月には前年比 53.8 %
に達した。経済活動の縮小にもかかわらず、失業率は 2018 年の 9.1 %から 2019 年には 8.9 %に低下した。また、 2019 年
下半期には貧困レベルおよび極貧レベルの人口比が増加し、それぞれ 35.5 %および 8.0 %となった。
景気後退は共和国の国際収支の改善につながった。 2019 年の経常収支赤字は、財貨輸入が 25.0 %減少したことおよ
び財貨輸出が 5.4 %増加したことを主因として、 40 億米ドルに減少した。財貨およびサービス貿易収支は、 2018 年の
97 億米ドルの赤字から、 2019 年には 130 億米ドルの黒字となった。
IMF との協定
2018 年6月7日、アルゼンチンの当時の経済省、中央銀行および IMF (国際通貨基金)は、 SBA (スタンドバイ取決
め)の条件に基づく総額約 500 億米ドルの融資実行について共通認識を形成し、 2018 年6月 20 日に IMF 理事会がこれを
承認した。 SBA は、マクリ政権の経済プログラムを助勢することを目的とした。 2018 年6月 22 日、政府は SBA に基づき
約 150 億米ドルの初回引出しを行った。
SBA 締結後の 2018 年8月、アルゼンチンはボラティリティの予測外の急転に直面し、その影響は新興市場全般にも
及んだ。 2018 年 10 月 26 日、政府および中央銀行により公表された財政金融政策の修正を考慮して、 IMF 理事会は 57 億
米ドル相当額を引き出すことを政府に許可し、これにより 2018 年6月以降の実行額は総額で約 206 億米ドルとなっ
た。また 2021 年までのプログラム期間について、資産総額で約 571 億米ドルまでの SBA の増枠および実行の前倒しが承
認された。修正された SBA に基づき、 2018 年 -2019 年期のアルゼンチンのための IMF の資金源は 189 億米ドル増加した。
( 2018 年6月に実行された 150 億米ドルに加えて) 2018 年の残余期間の IMF の融資実行額は総額 134 億米ドルとなり、
当初の IMF の支援プログラムから2倍以上増加した。このプログラムで利用可能な資金源は予備的な位置付けとの想
定はなく、 IMF 融資を予算の補助として使用したい旨の 2018 年の政府の要望は容認された。 2019 年の1月1日から7
月 10 日にかけて政府は SBA に基づき 162 億米ドルを引き出し、また直近の融資実行は 2019 年7月になされた。 2021 年9
月 22 日、アルゼンチンは SBA に基づく分割返済の初回分として 19 億米ドルを支払った。
2022 年3月 25 日、共和国は、 SBA の設定を変更するため、 IMF と期間を 30 か月とする 319 億 SDR (約 440 億米ドル)の
拡大信用供与措置(「 EFF 」)を締結した。「 (6) 公債-③ 最近の動向-金融機関に対する債務- IMF 」を参照のこ
と。
フェルナンデス政権
2019 年 12 月に実施された措置
フェルナンデス政権は、国会の承認を経て、 2019 年 12 月 23 日、広範な経済・社会改革を掲げる、社会緊急事態体制
下における社会連帯産業再活性化法( Ley de Solidaridad Social y Reactivación Productiva en el Marco de la
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Emergencia Pública 、以下「連帯法」)を公布した。連帯法により、経済、金融、財政、行政、年金、公共料金、エ
ネルギー、保健および社会問題に関する 2020 年 12 月 31 日までの社会緊急事態が宣言された。 COVID-19 のパンデミック
を 受けて、社会緊急事態宣言の一部は 2021 年 12 月 31 日まで延長された。連帯法は、社会的・経済的難局に対処し、ま
たアルゼンチンの公的債務プロファイルを調整するために、一定の法律制定権限を行政府に委任することを認めた。
連帯法によって導入された主な改革は、以下のとおりである。
1. 公的債務およびその持続可能性 : 行政府は、アルゼンチンの公共部門の債務の持続性を回復および確保す
るために必要なすべての行動を実施する権限を与えられた。「 (6) 公債-① 概要- (b) 債務記録- 2020 年
債務交換」を参照のこと。さらに政府は、アルゼンチンの外貨建て債務の弁済に使途を限定した準備金を積
むのと引き換えに、中央銀行に対して最大 46 億米ドルの債務証券を発行する権限を与えられた。
2. エネルギーシステム : 行政府は、連邦管轄下の光熱・水道事業会社が課す電気・ガス料金を 2019 年 12 月 23
日から凍結し(かかる凍結は 2021 年3月 17 日まで延長された。)、当該光熱・水道事業会社との一体的な再
折衝を始める権限を与えられた。さらに行政府は、国家電力規制機関( Ente Nacional Regudor de la
Electricidad 、以下「 ENRE 」)および国家ガス規制機関( Ente Nacional Regudor del Gas 、以下
「 ENARGAS 」)の運営に 2021 年3月 17 日まで介入する権限を与えられた。
3. 租税債務 : 所得税、個人資産税、銀行貸方・借方税、輸出入関税、社会保障税の税率が引き上げられ、ま
た新たな還付税制が承認された。「 (5) 財政-③ 一般会計- (b) 租税制度」および「-② 最近5年間の経
済の動向- (d) 雇用および労働-非公式経済」を参照のこと。
また政府は、特定の外国為替取引に適用される特別税である PAIS 税( Impuesto Para una Argentina
Inclusiva Solidaria )を導入した。「 (5) 財政-③ 一般会計- (b) 租税制度-連帯法による税制改正-包
括的かつ連帯的なアルゼンチンのための税」を参照のこと。
4. 賃金 : 連帯法は行政府に対して、最低賃金の引き上げを設定する権限を与えており、これは民間部門の雇
用主を拘束する。「-② 最近5年間の経済の動向- (d) 雇用および労働-賃金および労働生産性」を参照
のこと。
5. 年金 : 連邦政府の年金支払債務を自動調整するための計算式の適用が、 2020 年 12 月まで停止された。連帯
法は行政府に対して、かかる一時的な適用停止後、四半期ベースで年金調整額を計算するために用いる新し
い計算式を設定する権限を与えている。「-② 最近5年間の経済の動向- (e) 社会保障制度-退職者向け
プログラムおよび年金改革法」を参照のこと。
COVID-19 パンデミックへの対応措置
2019 年 12 月下旬、湖北省武漢で初めて見つかった新型肺炎(新種のコロナウィルスを原因とする COVID-19 )が世界
保健機関に報告され、間もなく中国の複数の州およびその他の国で症例が確認された。 2020 年3月 11 日、世界保健機
関は COVID-19 のパンデミックを認定した。 2022 年 12 月 31 日現在、アルゼンチンでは 1,000 万件超の COVID-19 の感染例
が確認され、そのうち 13 万人超が死亡した。
2020 年および 2021 年に、アルゼンチンは集団感染や国内医療サービス機関への患者の殺到を防止するため、 COVID-
19 のパンデミックへのいくつかの対応措置を採用した。これには以下が含まれる。
● 特別で必要不可欠な業務および国内移動のみが許される全国規模の強制ロックダウンを、 2020 年3月から6
月にかけて発動。その後、パンデミックの影響がもっとも大きかった区域では強制ロックダウンを延長し、
それ以外の区域ではソーシャル・ディスタンス確保を義務化。
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● アルゼンチン国境の監視の強化;空港での乗客スクリーニング、 COVID-19 の疑いまたは確定症例のある者、
COVID-19 の疑いまたは確定症例のある者との濃厚接触者、および感染地域からの到着者または直近の入国者
を 対象とする 14 日間の強制隔離;人が密集する活動の休止;(食糧支援および行政目的を除いた)学校の休
校;妊婦、 60 歳超の高齢者、特別な感染リスクが懸念される者を対象とする臨時休暇;(必要不可欠サービ
スの提供担当者以外の)連邦公務員のリモート勤務の許可;公共・民間部門のホームオフィス政策の推進。
● 全国で8つの病院をモジュール工法で建設。
● COVID-19 のワクチンを調達。
同時に政府は、上記の措置の経済的影響を軽減するためいくつかの刺激策を実施し、これには特に直接的な資金移
転、民間部門賃金の一部支払、融資枠の金利助成、信用の追加供与、金融機関から融資を受けた企業への保証、租税
の減免などが含まれた。 2020 年、連邦の非金融公共部門が COVID-19 パンデミックの影響を軽減するために実施した財
政金融政策パッケージは金額にして GDP の約 6.5 %に相当し、その4分の3は政府財政に効果をもたらす措置に関係
し、4分の1は信用供与枠に関連する措置に充てられた。
さらに政府は、州財政緊急プログラム( Programa para la Emergencia Financiera Provincial )のチャネルを通
じて、 COVID-19 の影響の軽減を支援するための追加原資を州に提供した。この措置には、総額6億 7,200 万 ペソ の国
庫拠出金および総額5億 3,100 万ペソの資金移転が含まれた。まら、州開発信託基金( Fondo Fiduciario para el
Desarrollo Provincial )を通じて GDP の 0.3 %すなわち7億 300 万ペソの財政支援を行った。
信用供与の措置に関して、非金融公共部門が様々な助成・保証付きの信用枠を設定し、その利用可能額は GDP の約
2.0 %に相当した。これらには、労働・生産への緊急支援プログラムの一環として6か月の返済猶予期間が設けられ
た独立労働者(自営納税者または単体納税者)向けの約 566,000 件のゼロ金利ローン(上限 150,000 ペソ)ならびに、
賃金支払、運転資本の立直しおよびその他のローン返済のために連保政府機関が供与する名目年利 24 %のローンが含
まれた。
他にも政府は、パンデミック終息後の時期を見据えていくつかの景気浮揚プログラムに着手し、これには失業の影
響がもっとも大きい世代のひとつである若年層の訓練および労働投入を主眼としたプログラムが含まれる。また、自
営納税者向けの無利子融資プログラムや、多様な商品購入を使途とする固定条件の 30 回分割払可能な融資プログラム
が更新された。
2021 年中、政府は、雇用の保護、保健制度の強化、社会包摂の促進、および COVID-19 パンデミック第2波で特に影
響を受けた家計や企業の所得維持のため、いくつかの措置を実施した。 COVID-19 パンデミック第2波の影響緩和のた
めに連邦の非金融公共部門が 2021 年に実施した財政・金融パッケージは、金額にして GDP の約 1.8 %(約8億 2,000 万
ペソ)に相当し、これには以下に関する支出が含まれた。 (i) COVID-19 ワクチンの購入、 (ii) ユニバーサル児童手
当、妊娠手当、食料購入助成カード、労働力向上プログラム、一部の単体納税者への支援、社会開発省による食料買
上げ、ならびに育英奨学金および若年層包摂強化( Potenciar Inclusión Jóvenes )奨学金を含む、低所得層向けの
拠出金、 (iii) 生産に影響する任意の活動または外的要因の結果として財政難に陥った企業の支援を目的とするプロ
グラム、 (iv) 閑散月の観光活性化を目的とするプログラムの再開、旅客保健センターの開設、ならびに観光部門の
就労者および中小企業向けの保護プログラムの実施を内容とする観光サービスの需要喚起ならびに (v) 即時実行性
と地域の雇用需要に対する大きな効果がある、早急に着工可能な小規模インフラの整備を促進するためのアルゼンチ
ン行動プラン( Plan Argentina Hace )の強化。
2022 年に政府は、経済の持続可能な成長の促進、 インフレ抑制のための条件の強化、および最低保証月額賃金の引
上げの政策に重点を置いた。
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2022 年8月3日、行政府は、セルジオ・マッサ氏を経済大臣に任命した。同大臣は就任以降、国際準備および共和
国への投資を増やすための以下の措置を発表した。
● 大豆生産者向けの特別為替レート( 200 ペソ/1米ドル)を設定し、 2022 年9月5日から 2022 年9月 30 日に
かけて適用。
● 自動車業界との協約により、輸出が増えた企業について当該増加分に係る輸出関税をゼロにする仕組みの導
入。
● 最大7億米ドルの民間投資を伴うティエラ・デル・フエゴ州の洋上ガス田開発プロジェクト。
● ヴァカ・ムエルタ-バイア・ブランカ間のパイプラインの輸送能力の倍増を目的としたインフラ整備プロ
ジェクトの開始。これには、ネウケン州とブエノスアイレス州を結ぶネストル・キルチネル・ガス・パイプ
ラインの建設推進が含まれる ( - ② 最近5年間の経済の動向 - (g) その他の経済関連情報 - 経済における
国家の役割 - エネルギー部門改革」を参照のこと。) 。
● ヴァカ・ムエルタ地域でサービスを提供する中小企業への投資促進を目的とする 300 億ペソの助成。
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② 最近5年間の経済の動向
(a) 国内総生産
国内総生産( GDP )は、国内で生産された最終の製品およびサービスの総価値の指標である。名目 GDP は実勢価格で
最終製品の総価値を評価する。実質 GDP は特定年の固定価格で最終製品の総価値を評価し、インフレの影響を除外し
た過去の GDP との比較を可能とする。アルゼンチンの実質 GDP 値は、ペソ建で、 INDEC 報告書により補正された 2004 年
の固定価格を基準に評価される。その他の調整の中でも、 2004 年の GDP 算出において INDEC は当該年につき、結果とし
て約 8.4 %の上方修整をもたらした GDP の構成変更を行った。補正後の 2004 年 GDP に基づくその後の年の実質 GDP の算出
において、 INDEC は修正されたインフレ算出手法に合致したデフレーターを使用した。
本項目で以下に記載する情報は、 INDEC 報告書に含まれる統計に基づいている。
以下の表は、表示年度中の実勢価格に基づく名目 GDP および1人当たり GDP の推移を示す。
名目 GDP および1人当たり GDP の推移
(実勢価格)
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 (3) 2022 年 (3)
21,558,444
名目 GDP (百万ペソ) (1) 14,744,811 27,195,699 46,282,066 82,650,240
446,878
GDP (百万米ドル) (1) 524,844 385,240 486,583 631,840
9,944
1人当たり GDP (米ドル) (1) 11,796 8,490 10,622 13,666
ペソ / 米ドル為替レート (2) 28.09 48.24 70.59 95.12 130.80
(1) 本表中の GDP の数値は名目基準で表示されている。 2022 年に実施された人口調査に基づく人口数は速報値であるため、本表の情報
は 2010 年の人口調査に基づく INDEC の人口予測を用いて計算されている。
(2) 指定期間の平均の名目為替レート。
(3) 速報値。
出所: INDEC および 経済 省
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以下の表は、表示年度中の 2004 年固定価格に基づくアルゼンチンの歳出別実質 GDP に関する情報を示す。
歳出別実質 GDP の内訳
(百万ペソ、 2004 年固定価格)
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 (1) 2022 年 (1)
消 費:
公共部門消費 96,954 90,749 89,027 95,345 97,100
526,488 494,230 426,362 469,104 513,420
民 間 消 費
消 費 合 計 564,449 610,520
623,442 584,979 515,389
総 投 資 138,487 153,591
141,879 119,247 103,794
財貨・サービスの輸出 147,009 161,344 132,767 145,005 153,278
206,000 167,484 136,566 166,638 195,559
財貨・サービスの輸入
純 輸 出 / (輸入) (21,632) (42,281)
(58,991) (6,140) (3,798)
棚卸資産の増減額 1,048 (4,606) 1,922 2,264 (483)
- - 6,988 5,642 4,000
統計上の誤差
- -
- (257) -
有価物 (2)
707,377 693,224 624,295 689,211 725,346
実 質 GDP
(1) 速報値。
(2) 石、貴金属、宝飾品などの、主に生産または消費目的で使用されず、価値保存手段として長期間にわたり管理される相当の価値を
有する財。
出所: INDEC および 経済 省
歳出別実質 GDP の内訳
(実質 GDP 合計に占める比率 ( % ) 、 2004 年固定価格)
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 (1) 2022 年 (1)
消 費:
公共部門消費 13.7 13.1 14.3 13.8 13.4
74.4 71.3 68.3 68.1 70.8
民 間 消 費
消 費 合 計
84.4 82.6 81.9 84.2
88.1
総 投 資
17.2 16.6 20.1 21.2
20.1
財貨・サービスの輸出 20.8 23.3 21.3 21.0 21.1
29.1 24.2 21.9 24.2 27.0
財貨・サービスの輸入
純 輸 出 / (輸入)
(0.9) (0.6) (3.1) (5.8)
(8.3)
棚卸資産の増減額 0.1 (0.7) 0.3 0.3 (0.1)
- - 1.1 0.8 0.6
統計上の誤差
- - - - -
有価物 (2)
100.0
100.0 100.0 100.0 100.0
実 質 GDP
(1) 速報値。
(2) 石、貴金属、宝飾品などの、主に生産または消費目的で使用されず、価値保存手段として長期間にわたり管理される相当の価値を
有する財。
出所: INDEC および 経済 省
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歳出別実質 GDP の推移
(前年からの変動率 ( % ) 、 2004 年固定価格)
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 (1) 2022 年 (1)
消 費:
公共部門消費 (1.9) (6.4) (1.9) 7.1 1.8
(2.2) (6.1) (13.7) 10.0 9.4
民 間 消 費
消 費 合 計
(2.2) (6.2) (11.9) 9.5 8.2
総 投 資
(5.7) (16.0) (13.0) 33.4 10.9
財貨・サービスの輸出 0.6 9.8 (17.7) 9.2 5.7
(4.5) (18.7) (18.5) 22.0 17.4
財貨・サービスの輸入
純 輸 出 / (輸 入)
(15.2) (89.6) (38.1) 469.5 95.5
棚卸資産の増減額 (86.9) (539.7) (141.7) 17.8 (121.3)
- - - (19.3) (29.1)
統計上の誤差
(2.6) (2.0) (9.9) (10.4) 5.2
実 質 GDP
(1) 速報値。
出所: INDEC および 経済 省
以下の表は、表示年度中の 2004 年固定価格に基づくアルゼンチンの歳出別総投資に関する情報を示す。
総投資の内訳
(百万ペソ、 2004 年固定価格)
2018 年 2019 年 2020 年 (3) 2021 年 (3) 2022 年 (3)
天然資源その他 (1) 959 913 883 1,032 1,142
製造用耐久性設備
機械類および設備:
国 産 22,060 17,963 18,869 25,545 28,645
40,434 31,641 27,116 36,343 44,813
輸 入
合 計 62,494 49,604 45,985 61,888 73,459
輸送用製品
国 産 9,430 6,330 6,990 10,847 12,027
輸 入 6,052 3,073 3,207 3,642 3,400
合 計 15,482 9,403 10,197 14,490 15,426
製造用耐久性設備合計 77,975 59,007 56,182 76,378 88,885
62,945 59,327 46,729 61,077 63,565
建 設 (2)
141,879 119,247 103,794 138,487 153,591
総投資合計
(1) 研究開発および育成生物資源を含む。
(2) 採掘探査を含む。
(3) 速報値。
出所: INDEC および 経済 省
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総投資の内訳
(総投資合計に占める比率 ( % ) 、 2004 年固定価格)
2018 年 2019 年 2020 年 (3) 2021 年 (3) 2022 年 (3)
天然資源その他 (1) 0.7 0.8 0.9 0.7 0.7
製造用耐久性設備
機械類および設備:
国 産 15.5 15.1 18.2 18.4 18.7
28.5 26.5 26.1 26.2 29.2
輸 入
44.0 41.6 44.3 44.7 47.8
合 計
輸送用製品
国 産 6.6 5.3 6.7 7.8 7.8
4.3 2.6 3.1 2.6 2.2
輸 入
合 計 10.9 7.9 9.8 10.5 10.0
製造用耐久性設備合計 55.0 49.5 54.1 55.2 57.9
44.4 49.8 45.0 44.1 41.4
建 設 (2)
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
総投資合計
(1) 研究開発および育成生物資源を含む。
(2) 採掘探査を含む。
(3) 速報値。
出所: INDEC および経済省
総投資の推移
(前年からの変動率 ( % ) 、 2004 年固定価格)
2018 年 2019 年 202 0 年 2021 年 (3) 2022 年 (3)
天然資源その他 (1) 72.5 (4.7) (3.3) 16.9 10.6
製造用耐久性設備
機械類および設備:
国 産 (14.7) (18.6) 5.0 35.4 12.1
(2.2) (21.7) (14.3) 34.0 23.3
輸 入
(7.0) (20.6) (7.3) 34.6 18.7
合 計
輸送用製品
国 産 (18.8) (32.9) 10.4 55.2 10.9
(28.3) (49.2) 4.4 13.6 (6.7)
輸 入
合 計 (22.8) (39.3) 8.4 42.1 6.5
製造用耐久性設備合計 (10.6) (24.3) (4.8) 35.9 16.4
0.4 (5.7) (21.2) 30.7 4.1
建 設 (2)
(5.7) (16.0) (13.0) 33.4 10.9
総投資合計
(1) 研究開発および育成生物資源を含む。
(2) 採掘探査を含む。
(3) 速報値。
出所: INDEC および 経済 省
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(b) 産業構造、主要部門の状況および鉱工業生産指数の推移
経済の主要部門
以下の表は、指定期間中のアルゼンチンの実質 GDP の経済部門別内訳を示す。
部門別実質 GDP
(百万ペソ、 2004 年固定価格)
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 (3) 2022 年 (3)
第一次産業:
農業・畜産・狩猟・林業 43,726 53,949 50,129 50,201 48,145
水 産 2,695 2,423 1,915 2,232 2,309
21,268 21,571 19,326 21,288
24,165
鉱業・採取(石油・ガスを含む。)
67,689 77,943 71,370 73,722 74,619
第一次産業合計
第二次産業:
製 造 115,461 108,352 100,016 115,912 121,656
建 設 22,108 21,174 16,430 20,771 21,977
12,489 12,107 12,280 12,678
13,020
電気・ガス・水道
150,058 141,633 128,725 149,361 156,653
第二次産業合計
サービス:
運輸・倉庫・通信 57,139 56,737 47,105 50,553 54,839
商業・ホテル・飲食 102,459 95,500 85,312 97,565 105,862
金融・不動産・業務・賃貸サービス 103,982 99,945 95,443 101,648 105,533
行政・教育・保健・社会的・個人向
け
103,044
サービス 102,923 89,903 96,942 101,905
4,161 4,362 3,546 3,665 4,042
家事サービス (1)
370,785 359,468 321,310 350,373 372,180
サービス合計
118,845 114,180 102,890 115,755 121,894
輸入税加算 (2)
707,377 693,224 624,295 689,211 725,346
実質 GDP 合計
(1) 介護職員、家事使用人および専属運転手を含む家事労働者により完結されるサービスを含む。
(2) 本表の第一次および第二次産業の生産高は生産に用いる輸入品に課される関税を含んでいないが、実質 GDP を算定する際にはこれ
を考慮しなければならない。実質 GDP を算定するために、輸入税が本項目に計上されている。
(3) 速報値。
出所: INDEC および 経済 省
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部門別実質 GDP
(実質 GDP に占める比率 ( % ) 、 2004 年固定価格)
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 (3) 2022 年 (3)
第一次産業:
農業・畜産・狩猟・林業 6.2 7.8 8.1 7.3 6.6
水 産 0.4 0.3 0.3 0.3 0.3
3.0 3.1 3.1 3.1 3.3
鉱業・採取(石油・ガスを含む。)
9.6 11.2 11.4 10.7 10.3
第一次産業合計
第二次産業:
製 造 16.3 15.6 16.0 16.8 16.8
建 設 3.1 3.1 2.6 3.0 3.0
1.8 1.7 2.0 1.8 1.8
電気・ガス・水道
21.2 20.4 20.6 21.7 21.6
第二次産業合計
サービス:
運輸・倉庫・通信 8.1 8.2 7.5 7.3 7.6
商業・ホテル・飲食 14.5 13.8 13.7 14.2 14.6
金融・不動産・業務・賃貸サービス 14.7 14.4 15.3 14.7 14.5
行政・教育・保健・社会的・個人向け
サービス 14.6 14.8 14.4 14.1 14.0
0.6 0.6 0.6 0.5 0.6
家事サービス (1)
52.4 51.9 51.5 50.8 51.3
サービス合計
16.8 16.5 16.5 16.8 16.8
輸入税加算 (2)
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
実質 GDP 合計
(1) 介護職員、家事使用人および専属運転手を含む家事労働者により完結されるサービスを含む。
(2) 本表の第一次および第二次産業の生産高は生産に用いる輸入品に課される関税を含んでいないが、実質 GDP を算定する際にはこれ
を考慮しなければならない。実質 GDP を算定するために、輸入税が本項目に計上されている。
(3) 速報値。
出所: INDEC および経済省
部門別実質 GDP
( 前年からの変動率 ( % ) 、 2004 年固定価格)
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 (3) 2022 年 (3)
第一次産業:
農業・畜産・狩猟・林業 (15.6) 23.4 (7.1) 0.1 4.1
水 産 5.4 (10.1) (20.9) 16.5 3.4
0.8 1.4 (10.4) 10.2 13.5
鉱業・採取(石油・ガスを含む。)
(10.3) 15.1 (8.4) 3.3 1.2
第一次産業合計
第二次産業:
製 造 (4.8) (6.2) (7.7) 15.9 5.0
建 設 1.1 (4.2) (22.4) 26.4 5.8
0.1 (3.1) 1.4 3.2 2.7
電気・ガス・水道
(3.6) (5.6) (9.1) 16.0 4.9
第二次産業合計
サービス:
運輸・倉庫・通信 (3.2) (0.7) (17.0) 7.3 8.5
商業・ホテル・飲食 (3.6) (6.8) (10.7) 14.4 8.5
金融・不動産・業務・賃貸サービス 2.0 (3.9) (4.5) 6.5 3.8
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部門別実質 GDP
( 前年からの変動率 ( % ) 、 2004 年固定価格)
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 (3) 2022 年 (3)
行政・教育・保健・社会的・個人向け
サービス 0.7 (0.1) (12.6) 7.8 5.1
0.8 4.8 (18.7) 3.4 10.3
家事サービス (1)
(0.8) (3.1) (10.6) 9.0 6.2
サービス合計
(2.3) (3.9) (9.9) 12.5 5.3
輸入税加算および銀行業務調整控除 (2)
(2.6) (2.0) (9.9) 10.4 5.2
実質 GDP 合計
(1) 介護職員、家事使用人および専属運転手を含む家事労働者により完結されるサービスを含む。
(2) 本表の第一次および第二次産業の生産高は生産に用いる輸入品に課される関税を含んでいないが、実質 GDP を算定する際にはこれ
を考慮しなければならない。実質 GDP を算定するために、輸入税が本項目に計上されている。
(3) 速報値。
出所: INDEC および経済省
2018 年、実質 GDP は 2.6 %減少した。この減少は、総投資の 5.7 %減および総消費の 2.2 %減によるものであったが、
一方で財貨・サービスの輸出は 0.6 %増加した。第一次産業部門、第二次産業部門およびサービス部門はすべて 2017
年と比べ縮小した。第一次産業部門は、主に農業・畜産・狩猟・林業の 15.6 %縮小により 10.3 %減少したが、これは
農業生産地域の大部分に影響を与えた深刻な干ばつによるものであった。第一次産業部門の縮小は、経済の残りの部
門に直接的な影響を及ぼした。第二次産業部門は 3.6 %減少したが、これは主に製品の製造が 4.8 %縮小したことによ
る。サービス部門は 0.8 %減少したが、これは、運輸・倉庫・通信部門の 3.2 %の減少および商業・ホテル・飲食部門
の 3.6 %の減少が主因であった。
2019 年、実質 GDP は 2.0 %減少した。この減少は、総投資が 16.0 %減および総消費が 6.2 %減となった中、財貨・
サービスの輸出の 9.8 %増および財貨・サービスの輸入の 18.7 %減により純輸出が 89.6 %減となったことによるもの
である。第一次産業部門は 15.1 %増加したが、これは主に、農業・畜産・狩猟・林業が、農業生産地域の大部分に影
響を与えた 2018 年の干ばつから通常の水準に回復して 23.4 %増加したことによる。一方、第二次産業部門は 5.6 %減
少したが、これは主に製造が 6.2 %減少し、建設業が 4.2 %減少したことによる。サービス部門は 3.1 %減少したが、
これは主に商業・ホテル・飲食部門が 6.8 %減少し、金融・不動産・業務・賃貸サービス部門が 3.9 %減少したことに
よる。
2020 年 10 月に政府は、地場生産の促進および付加価値輸出の増加を主目的として産業、鉱業、農業および建設部門
向けの一連の経済対策を発表し、これには以下が含まれる。
● 産業部門:製品の付加価値に関する輸出還付金の増額、産業製品の輸出関税の暫定的な引下げ、およびメル
コスールへの自動車輸出関税の撤廃。
● 鉱業部門:政府が8%を上限に金属輸出関税を設定。
● 農業部門:大豆の輸出関税が 33% から 2020 年 10 月、 11 月および 12 月にそれぞれ 30 %、 31.5 %および 32 %に暫
定的に引き下げられ、 2021 年1月には 33 %に戻る。その他の大豆派生品の輸出関税はより大きな下げ幅で、
2020 年 10 月、 11 月および 12 月にそれぞれ約 28 %、 29.5 %および 30 %となり、 2021 年1月は 31 %となる。ま
た、小規模な大豆生産者や協同組合を保証および奨励するために最大 115 億ペソが割り当てられる。バイオ
ジーゼルについては、輸出関税が 30 %から 2020 年 10 月、 11 月および 12 月に 26 %、 27.5 %および 28 %に引き下
げられ、 2021 年1月以降は 29 %となる 。
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● 建設部門:政府は、新規建設プロジェクトへの割当金融資産に対する3年間の課税免除、ならびに所得税お
よび資産移転税の納付猶予によって投資を刺激する2つの新法案を公表した。同法案は、免税期間を2年に
短 縮するなどの修正を経て、 2021 年3月に国会で成立した。
2020 年、実質 GDP は 9.9 %減少した。この減少は、総消費が 11.9 %減および総投資が 13.0 %減となった中、財貨・
サービスの輸出の 17.7 %減および財貨・サービスの輸入の 18.5 %減により純輸出が 38.1 %減となったことによるもの
である。第一次産業部門は 8.4 %減少したが、これは主に農業・畜産・狩猟・林業の 7.1 %減によるものである。第二
次産業部門は 9.1 %減少したが、これは主に製造の 7.7 %減および建設の 22.4 %減によるものである。サービス部門は
10.6 %減少したが、これは主に行政・教育・保健・社会的・個人向けサービス部門の 12.6 %減、商業・ホテル・レス
トラン部門の 10.7 %減、および運輸・倉庫・通信部門の 17.0 %減を受けたものである。
2021 年、実質 GDP は 10.4 %増加した。この増加は、総消費が 9.5 %増および総投資が 33.4 %増となった中、財貨・
サービスの輸出の 9.2 %増および財貨・サービスの輸入の 22.0 %増により純輸入が 469.5 %増となったことによるもの
である。第一次産業部門は 3.3 %増加したが、これは主に鉱業・採取の 10.2 %増によるものである。第二次産業は
16.0 %増加したが、これは主に建設の 26.4 %増および製造の 15.9 %増によるものである。サービス部門は 9.0 %増加
したが、これは商業・ホテル・飲食の 14.4 %増、および行政の 7.8 %増、および金融・不動産・業務・賃貸サービス
の 6.5 %増によるものである。
2022 年、実質 GDP は 5.2 %増加した。この増加は、総消費が 8.2 %増および総投資が 10.9 %増となった中、財貨・
サービスの輸出の 5.7 %増および財貨・サービスの輸入の 17.4 %増により純輸入が 95.5 %増となったことによるもの
である。第一次産業部門は 1.2 %増加したが、これは主に鉱業・採取の 13.5 %増によるものである。第二次産業部門
は 4.9 %増加したが、これは主に製造の 5.0 %増および建設の 5.8 %増によるものである。サービス部門は 6.2 %増加し
たが、これは主に商業・ホテル・飲食の 8.5 %増、運輸・倉庫・通信部門の 8.5 %増および行政・教育・社会的・個人
向けサービス部門の 5.1 %増によるものである。
第一次産業
2018 年、第一次産業部門合計は、農業・畜産・狩猟・林業の 15.6 %減少を主因として 2017 年と比べ 10.3 %減少し
た。 2019 年、第一次産業部門合計は、農業・畜産・狩猟・林業の 23.4 %増を主因として 2018 年と比べ 15.1 %増加し
た。 2020 年、第一次産業部門合計は、農業・畜産・狩猟・林業の 7.1 %減を主因として 2019 年と比べ 8.4 %減少した。
2021 年、第一次産業部門合計は、主に石油・ガス部門の一層の活性化に伴う鉱業・採取の 10.2 %増を主因として、
2020 年と比べ 3.3 %増加した。 2022 年、第一次産業部門合計は、石油・ガス部門の一層の活性化に伴う鉱業・採取の
13.5 %増を主因として、 2021 年と比べ 1.2 %増加した。
農業・畜産・狩猟・林業
アルゼンチンはほぼすべての農産物および畜産品を自国生産に依存しており、加工穀物、穀物、食肉および魚介を
含む1次産品の主要輸出国である。穀物生産は主に大豆、とうもろこしおよび小麦で構成される。 2021 年から 2022 年
にかけてのシーズン中、大豆、とうもろこしおよび小麦が農業生産高合計のそれぞれ 30.8 %、 41.4 %および 15.5 %を
占めた。 2018 年、 2019 年、 2020 年、 2021 年および 2022 年中、アルゼンチンの農業・畜産・狩猟・林業部門が実質 GDP
のそれぞれ 6.2 %、 7.8 %、 8.1 %、 7.3 %および 6.6 %を占めた。
2021 年、農業・畜産・狩猟・林業部門は、 2020 年と比べ 0.1 %増加した。 2020/2021 年収穫期中、収穫された穀物、
油糧種子および、産業用作物は1億 4,010 万トンとなり、 2019/2020 年収穫期と比べ 0.6 %減少した。
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2022 年、農業・畜産・狩猟・林業部門は、主に 2022/2023 年収穫期の干ばつの影響により、 2021 年と比べ 4.1 %減少
した。 2021/2022 年収穫期中、収穫された穀物、油糧種子および、産業用作物は1億 4,200 万トンとなり、 2020/2021
年 収穫期と比べ 1.9 %増加した。
鉱業・採取(石油・ガスの生産を含む。)
鉱業・採取産業部門は、主に貴金属および半貴石、石炭、石油およびガスの探査および生産で構成される。歴史的
に、アルゼンチンの鉱業は経済に占める割合が小さく、 2018 年、 2019 年、 2020 年、 2021 年および 2022 年は実質 GDP の
それぞれ 3.0 %、 3.1 %、 3.1 %、 3.1 %および 3.3 %を占めた。
アルゼンチンは、 2022 年6月に発行された BP 世界エネルギー統計レビュー 2022 年版によれば、 2021 年生産量ベース
で中南米第1位の天然ガス産出国および中南米第4位の原油産出国である。 2021 年 12 月 31 日現在、 YPF はアルゼンチ
ンに 119 の油田およびガス田を保有している。 YPF は民間のパートナーと連携して、主にネウケン州およびリオネグロ
州に位置するヴァカ・ムエルタ地層でシェールオイルやシェールガスを含む非在来型資源の探査・開発に関するプロ
ジェクトにも従事している。「- (g) その他の経済関連情報-経済における国家の役割-石油・ガス産業」を参照の
こと。
第二次産業
製 造
アルゼンチンの製造業は主に、食品および飲料、化学製品および化学物質、普通金属、ゴムおよびプラスチック製
品、自動車、トレーラーおよびセミトレーラーならびに衣料品の生産で構成される。アルゼンチンに重大な悪影響を
及ぼした 2001 年から 2002 年の経済危機は 2002 年の GDP を 10.9 %縮小させ、この部門にも大きな悪影響を及ぼした。輸
入代替政策を採用して 2002 年にこれに着手したことは、この部門の次年度以降の成長に貢献した。 2003 年から 2008 年
にかけて、経済成長はペソ切下げの影響や生産促進型の投資を通じて競争力を高めた製造部門の成長に下支えされ
た。同期間中は化学製品、航空機および船舶などの工業製品、ならびに穀物および畜産品などの農産品も輸出の増加
に貢献した。しかし、アルゼンチンの製造部門は資本コストの変動に大きく左右され、資本コストは政府の財政政策
および金融政策の影響を受ける。近年、製造部門はアルゼンチンの不安定なマクロ経済環境から悪影響を受け続けて
いる。 2022 年中、製造部門は実質 GDP の 16.8 %を占めた。
2018 年、製造部門は 2017 年比で 4.8 %縮小した。この縮小の主因は以下のとおりであった。
● 機械類・設備の 19.7 %減
● 化学製品の 6.5 %減
● 電気器具生産の 16.4 %減
● ゴム製品生産の 10.2 %減
この減少は、普通金属の 4.4 %増により一部相殺された。
2019 年、製造部門は 2018 年比で 6.2 %縮小した。この縮小の主因は以下のとおりであった。
● 自動車・トレーラー・セミトレーラーの 21.9 %減
● 機械類・設備の 12.2 %減
● 普通金属の 8.2 %減
● 化学製品の 4.4 %減
2020 年、製造部門は 2019 年比で 7.7 %縮小した。この縮小の主因は以下のとおりであった。
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● 普通金属の 27.1 %減
● 衣料品の 32.7 %減
● 金属製品の 18.9 %減
● 自動車・トレーラー・セミトレーラーの 20.7 %減
この減少は、化学製品の 2.2 %増、機械類・設備の 4.6 %増および電気製品の 10.8 %増により一部相殺された。
2021 年、製造部門は 2020 年比で 15.9 %増加した。この増加の主因は以下のとおりであった。
● 機械類・設備の 34.9 %増
● 普通金属の 35.1 %増
● 自動車・トレーラー・セミトレーラーの 49.4 %増
● 食品・飲料の 6.2 %増
2021 年中、家具・寝具産業以外のすべての製造活動が増加した。
2022 年、製造部門は 2021 年比で 5.0 %増加した。この増加の主因は以下のとおりであった。
● 機械類・設備の 10.6 %増
● 食品・飲料の 2.8 %増
● 化学製品の 3.6 %増
● 自動車・トレーラー・セミトレーラーの 12.3 %増
この増加は、木材およびコルク製品の 11.7 %減により一部相殺された。
建 設
アルゼンチン経済は、実質 GDP の推移と主に住宅プロジェクトで構成される建設部門との間にある強い相関関係を
示している。
2018 年、建設部門の活動水準は 2017 年比で 1.1 %上昇した。 2018 年に建設部門は実質 GDP の 3.1 %を占めた。
2019 年、建設部門の活動水準は 2018 年比で 4.2 %低下した。 2019 年に建設部門は実質 GDP の 3.1 %を占めた。
2020 年、建設部門の活動水準は 2019 年比で 22.4 %低下した。 2020 年に建設部門は実質 GDP の 2.6 %を占めた。
2021 年、建設部門の活動水準は 2020 年比で 26.4 %増加した。 2021 年に建設部門は実質 GDP の 3.0 %を占めた。
2022 年、建設部門の活動水準は 2021 年比で 5.8 %増加した。 2022 年に建設部門は実質 GDP の 3.0 %を占めた。
電気・ガス・水道
アルゼンチンの電気は主に複合サイクル発電(ガスおよび蒸気タービンの両方を用いる発電)および水力発電で生
産され、補助的にガス、石炭および原子力発電所でも生産されている。電気・ガス・水道部門はアルゼンチン経済の
ごく一部にすぎず、 2022 年には実質 GDP の 1.8 %を占めた。
電気・ガス・水道部門は、 2018 年、 2020 年、 2021 年および 2022 年は前年比でそれぞれ 0.1 %、 1.4 %、 3.2 %および
2.7 %増加し、 2019 年は前年比で 3.1 %減少した。 2018 年から 2022 年にかけて、アルゼンチンは超過的な消費需要に対
応するため一部を輸入燃料に依存した。
以下の表は、指定期間中のアルゼンチンの電力部門に関する情報を示す。
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電気部門主要経済指標
(別途記載する場合を除き、ギガワット/時間)
2018 年 2019 年 2020 年 (1) 2021 年 (1) 2022 年 (1)
電気部門生産量
火 力 88,124 80,691 83,061 91,203 81,746
水 力 41,384 36,832 30,350 25,292 30,186
原子力 6,453 7,927 10,011 10,170 7,469
1,521 5,796 10,755 15,133 19,340
風力
344 2,746 1,204 819 6,310
輸 入 (2)
137,825 133,992 135,380 142,616 145,052
総生産量
経済部門別需要量
産 業 37,764 36,390 32,207 36,450 37,098
住 宅 57,017 55,53 60,001 60,774 63,093
38,229 37,026 35,098 36,658 38,565
商 業
280 261 3,089 3,850 31.2
輸 出
4,535 4,785 4,985 4,888 6,265
消費電力損失等
137,825 133,992 135,380 142,616 145,052
総需要量
(1) 速報値。
(2) 国内発電量を超える国内需要に対応するための、主にウルグアイからの輸入。
出所: INDEC および 経済 省
以下の表は、指定期間中の燃料およびエネルギーの輸出入を示す。
燃料およびエネルギーの輸出入
(別途記載する場合を除き、百万米ドル)
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 (1) 2022 年 (1)
FOB (本船渡し)輸出合計 61,781 65,116 54,884 77,935 88,445
燃料およびエネルギー 4,200 4,421 3,594 5,284 8,397
FOB 輸出合計に占める比率
6.8 6.8 6.5 6.8 9.5
(%)
前年からの変動率(%) 69.6 5.3 (18.7) 47.1 58.9
CIF 輸入合計 65,842 49,124 42,354 63,185 81,522
燃料およびエネルギー 6,530 4,447 2,640 5,842 12,868
CIF 輸入合計に占める比率
10.0 9.1 6.2 9.2 15.8
(%)
前年からの変動率(%) 14.3 (31.9) (40.6) 121.3 120.3
燃料およびエネルギーの純輸出
(2,330) (175) 954 (558) (4,471)
(輸入)
(1) 速報値。
出所: INDEC および 経済 省
2021 年、燃料およびエネルギーの輸出および輸入は、 2020 年と比べそれぞれ 47.1 %および 121.3 %増加した。この
増加は主に、景気回復に伴うエネルギー消費の増加および国際価格の上昇によるものであった。
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2022 年、燃料およびエネルギーの輸出および輸入は、 2021 年と比べそれぞれ 58.9 %および 120.3 %増加した。この
増加は主に、景気回復に伴うエネルギー消費の増加および国際価格の上昇によるものであった。
燃料およびエネルギーの輸出入の推移
(前年からの変動率 ( % ) )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 (1) 2022 年 (1)
輸出量の推移 42.4 12.6 20.9 (14.9) 12.1
輸入量の推移 (8.6) (32.0) (21.1) 68.1 28.3
(1) 速報値。
出所: INDEC および 経済 省
サービス
サービス部門はアルゼンチン経済のもっとも大きな要素であり、実質 GDP のうち、 2018 年に 52.4 %、 2019 年に
51.9 %、 2020 年に 51.5 %、 2021 年に 50.8 %および 2022 年に 51.3 %を占めた。
以下の表は、指定年度中のサービス部門の構成および成長率を示す。
サービス部門の構成
(単位:百万ペソ、 2004 年固定価格)
2018 年 2019 年 2020 年 (2) 2021 年 (2) 2022 年 (2)
卸売 ・ 小売・修繕業 90,986 84,020 79,462 90,324 96,087
運輸 ・ 倉庫 ・ 通信サービス 57,139 56,737 47,105 50,553 54,839
不動産 ・ 業務 ・ 賃貸サービス 75,314 74,614 70,365 76,364 80,175
教育 ・ 社会福祉 ・ 保健サービス 51,333 51,506 47,868 50,079 51,558
金融サービス 28,668 25,331 25,078 25,284 25,358
他の地域的 ・ 社会的 ・ 個人向けサー
17,860 10,953 14,095 15,326
ビス 18,436
行 政 33,275 33,558 31,082 32,768 35,021
ホテル ・ 飲食 11,473 11,481 5,850 7,241 9,775
4,161 4,362 3,546 3,665 4,042
家事サービス (1)
370,785 359,468 321,310 350,373 372,180
合 計
(1) 介護職員、家事使用人および専属運転手を含む家事労働者により完結されるサービスを含む。
(2) 速報値。
出所: INDEC および 経済 省
サービス部門の成長率
(前年からの変動率 ( % ) 、 2004 年固定価格)
2018 年 2019 年 2020 年 (2) 2021 年 (2) 2022 年 (2)
卸売 ・ 小売・修繕業 (4.0) (7.7) (5.4) 13.7 6.4
運輸 ・ 倉庫 ・ 通信サービス (3.2) (0.7) (17.0) 7.3 8.5
不動産 ・ 業務 ・ 賃貸サービス 1.3 (0.9) (5.7) 8.5 5.0
教育 ・ 社会福祉 ・ 保健サービス 1.7 0.3 (7.1) 4.6 3.0
金融サービス 3.7 (11.6) (1.0) 0.8 0.3
他の地域的 ・ 社会的 ・ 個人向けサービ
ス (0.8) (3.1) (38.7) 28.7 8.7
行 政 0.1 0.8 (7.4) 5.4 6.9
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サービス部門の成長率
(前年からの変動率 ( % ) 、 2004 年固定価格)
2018 年 2019 年 2020 年 (2) 2021 年 (2) 2022 年 (2)
ホテル ・ 飲食 (0.4) 0.1 (49.0) 23.8 35.0
家事サービス (1) 0.8 4.8 (18.7) 3.4 10.3
合 計 (0.8) (3.1) (10.6) 9.0 6.2
(1) 介護職員、家事使用人および専属運転手を含む家事労働者により完結されるサービスを含む。
(2) 速報値。
出所: INDEC および経済省
2018 年にサービス部門は 2017 年比で 0.8 %減少した。この減少は主に卸売・小売・修繕業の 4.0 %減および運輸・倉
庫・通信サービスの 3.2 %減により牽引されたが、不動産・業務・賃貸サービスが 1.7 %増加し、金融サービスが
3.7 %増加したため一部相殺された。
2019 年にサービス部門は 2018 年比で 3.1 %減少した。この減少は主に卸売・小売・修繕業の 7.7 %減および金融サー
ビスの 11.6 %減により牽引されたが、行政部門が 4.8 %増加したため一部相殺された。金融サービスの減少は主に民
間部門への実質ベースでの貸付額が減少したことによるものであった。
2020 年にサービス部門は 2019 年比で 10.6 %減少した。この減少は主に運輸・倉庫・通信の 17.0 %減および他の地域
的 ・ 社会的 ・ 個人向けサービス の 38.7 %減により牽引された。金融サービスは COVID-19 感染拡大の影響がもっとも小
さく、 2019 年比で 1.0 %の減少であった。
2021 年にサービス部門は 2020 年比で 9.0 %増加した。この増加は主に卸売・小売・修繕業の 13.7 %増、不動産・業
務・賃貸サービスの 8.5 %増、運輸、倉庫・通信の 7.3 %増および他の地域的 ・ 社会的 ・ 個人向けサービス の 28.7 %増
により牽引された。金融サービスは 2020 年比で 0.8 %の増加であった。
2022 年にサービス部門は 2021 年比で 6.2 %増加した。この増加は主に卸売・小売・修繕業の 6.4 %増、不動産・業
務・賃貸サービスの 5.0 %増、運輸、倉庫・通信の 8.5 %増、家事サービスの 10.3 %増およびホテル・飲食の 35.0 %増
により牽引された。金融サービスは 2021 年比で 0.3 %の増加であった。
電気通信
電気通信部門は 2001 年以降成長している。手ごろな携帯電話の料金プランが設定され、また消費者の購買力が改善
したことに伴い、アルゼンチンでも徐々に一般的になりつつあるモバイル通信の利用が大幅に増えたことがこの成長
に大きく寄与した。
2017 年以降、政府は、競争環境下でネットワークとサービスのコンバージェンスを加速させ、次世代ネットワーク
の展開および国内全域のブロードバンドインターネット接続の強化を促進するためのルールを採用した。
2020 年9月、政府は、州および国の既存通信インフラの効率的な利用によってデジタル格差の縮小、情報通信技術
サービスへのアクセス拡大、ブロードバンド接続の共和国全土への拡充を目指す、全国規模のコネクティビティ計画
であるプラン・コネクタル( Plan Conectar )を採択した。この計画は多様な分野に対する大規模な政府投資を伴う
ものであり、これには新しい衛星の造設、連邦光ファイバー網のアップデートおよび拡大、ならびにオープン・デジ
タルテレビおよびデータセキュリティ・サービスのアップデートが含まれる。 2022 年には、 ARSAT SG-1 人工衛星の開
発に関連して進展があった。さらに、 ARSAT-SG2 人工衛星の開発にも進展があった。この SG2 衛星により、( i )利用
可能なアンテナを倍増させること、( ii )インターネット通信のより柔軟な割当てを可能にすること、および
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( iii )特定の地域の需要に応じて衛星の通信容量を調整することが期待されている。この技術は、国内人工衛星産
業の独力でのイノベーションであり、衛星サービスの提供において ARSAT の国際競争力を高めるものである。
2021 年、政府は、 ARSAT 社衛星フリートの第3号機衛星となる静止通信衛星 ARSAT SG-1 に関するプロジェクトの開
始を発表した。同衛星は、初のアルゼンチン製の電気推進衛星となる。さらに政府は、クラウドサービスや情報セ
キュリティを提供する ARSAT 社の全国データセンターのサイバーセキュリティおよびストレージ容量を拡張するた
め、機器の調達にも着手した。同時に、 IADB からの資金供給を受けて、全土を網羅するブロードバンドの拡張・更新
事業も実施され、これにより容量、速度および接続が強化されインターネット通信量が増加した。
2021 年、政府は、公共部門の行政手続の簡素化を目指し、国家行政のデジタル化に着手した。さらに自治体および
州には、各公共団体独自の行政手続デジタル化に向けた支援が提供された。
2022 年、政府は、接続格差是正プログラム( Conectar Igualdad program )を通じて、初・中等学校の生徒に 55 万
2,087 台のネットブックを配布した。さらに政府は、州・地方政府のデジタル開発を促進し、個人向けサービス向上
および共和国内のデジタル格差の縮小のため、国民皆接続( Mi Pueblo Conectado )プログラムを発表した。加え
て、国家コミュニケーション機関( Ente Nacional de Comunicaciones 、「 ENACOM 」)は、見積投資額を 2,770 万米ド
ルとする 4G インターネット・サービスの全土展開のための入札手続を完了した。
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(c) インフレーションおよび物価の動向
2017 年7月 11 日、 INDEC は 2017 年1月以降の期間を対象に全国 CPI の公表を再開した。「本報告書の注記-注 (2) 統
計およびその他の情報の表示- INDEC 」を参照のこと。 2017 年中、全国 CPI は 24.8 %上昇した。
2018 年に、全国 CPI は上昇して 47.6 %となり、その主な要因は公共サービスやその他の規制対象価格の上昇および
ペソの対米ドル価値の下落であった。「 (5) 財政-③ 一般会計- (a) 国家公共会計- 2018 年の財務実績と 2017 年の
財務実績の比較」を参照のこと。
2019 年に、全国 CPI の方法による累積インフレ率は 53.8 %に達し、 1990 年代前半のハイパーインフレ以来の最高値
となった。
フェルナンデス政権はインフレ減少を主たる政策目標の1つに掲げ、インフレが人々に与える影響を限定するため
に数々の措置を講じた。 2020 年1月2日、政府は大ブエノスアイレス圏の公共交通運賃の凍結を発表し、これは 2020
年 12 月 31 日まで延長された。 2020 年2月3日、政府は文房具、学用品、制服の多くについて2か月間の価格凍結を発
表し、 2020 年3月 31 日まで実施した。
COVID-19 のパンデミックに応じて、政府は、上限設定による価格配慮( Precios Cuidados )プログラムで食品、飲
料、クリーニング、日用品の価格を 2020 年3月の水準に巻き戻すなどの一連の緊急措置を講じた。当初、指定商品の
価格の凍結は 30 日間とされたが、この期間は、一部の価格を更新しつつ、商品バスケットの修正と同様に数回にわ
たって 2021 年半ばまで延長された。また、電話サービス料金が 2020 年3月の水準まで引き下げられ、パンデミック下
での教育、職場および一般的なコネクティビティにおける電気通信の基幹的な役割を考慮して情報通信技術がエッセ
ンシャルな公共サービスである旨の宣言がダ出され、 2020 年の残期間につきその値上げが制限された。さらに、
COVID-19 のパンデミックが国民の多くに与える影響を軽減するために、大ブエノスアイレス圏の電力や全国のガスな
どの一部公共サービスも価格凍結の対象とされた。
2021 年4月、政府は、インフレ抑制を目的とする新たな措置を発表した。
● 協約の締結に向けていくつかの生産部門と協議。相手方には、(ⅰ)養鶏チェーン(同部門の技術開発の向
上に向けた資金調達機会の設定について)、(ⅱ)産業用投入材供給者( 2021 年 12 月までの価格維持につい
て)、ならびに ( ⅲ ) 電子製品の大手生産者( 2021 年 10 月までの価格維持、ならびに携帯電話、テレビおよ
びコンピュータ向け特別価格の設定について)が含まれる。
● より安価に顧客が製品にアクセスできるようにする様々なプログラムを設定、および配慮価格( Precios
Cuidados )プログラムを更新して 2020 年1月比で対象商品数を倍増。
● COVID-19 パンデミックに伴う医療緊急事態下の適正な商品供給を監督するために、 500 人の検査官を投入し
て物価監視局( Observatorio de Precios )を設置。
● 様々な労働部門の給与に関して、(ⅰ)建設部門で 47.8 %、(ⅱ)銀行および保健部門で 45.1 %、(ⅲ)
輸送部門で 45.0 %、および(ⅳ)商業部門で 42.0 %の賃上げに向けて協議。
政府は 2021 年 10 月、消費者層が広い 1,432 品目の価格を 2022 年1月7日まで凍結した。
2021 年および 2022 年に全国 CPI 方式で測定された累積インフレ率は、それぞれ 50.9 %および 94.8 %に達した。
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以下の表は、 全国 CPI により 測定された指定期間中のインフレ率を示す。
インフレ率 (1)
全国 CPI および WPI の年率変動の推移
(別途記載のない限り、前期からの変動率 ( % ) )
全国 CPI W PI
2018 年 47.6 73.5
1月 1.8 4.6
2月 2.4 4.8
3月 2.3 1.9
4月 2.7 1.8
5月 2.1 7.5
6月 3.7 6.5
7月 3.1 4.7
8月 3.9 4.9
9月 6.5 16.0
10 月 5.4 3.0
11 月 3.2 0.1
12 月 2.6 1.3
2019 年 53.8 58.5
1月 2.9 0.6
2月 3.8 3.4
3月 4.7 4.1
4月 3.4 4.6
5月 3.1 4.9
6月 2.7 1.7
7月 2.2 0.1
8月 4.0 11.2
9月 5.9 4.2
10 月 3.3 3.6
11 月 4.3 5.4
12 月 3.7 3.7
2020 年 36.1 35.4
1月 2.3 1.5
2月 2.0 1.1
3月 3.3 1.0
4月 1.5 (1.3)
5月 1.5 0.4
6月 2.2 3.7
7月 1.9 3.5
8月 2.7 4.1
9月 2.8 3.7
10 月 3.8 4.7
11 月 3.2 4.2
12 月 4.0 4.4
2021 年 50.9 51.3
1月 4.0 5.6
2月 3.6 6.1
3月 4.8 3.9
4月 4.1 4.8
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5月 3.3 3.2
6月 3.2 3.1
7月 3.0 2.2
8月 2.5 2.5
9月 3.5 2.8
10 月 3.5 2.8
11 月 2.5 2.9
12 月 3.8 2.3
202 2 年 94.8 94.8
1月 3.9 3.7
2月 4.7 4.7
3月 6.7 6.3
4月 6.0 5.9
5月 5.1 5.2
6月 5.3 4.8
7月 7.4 7.1
8月 7.0 8.2
9月 6.2 5.5
10 月 6.3 4.8
11 月 4.9 6.3
12 月 5.1 6.1
(1) 年率は年間累積インフレ率を示す。月報値は当該月の前月比のインフレ率を示す。
出所: INDEC
2016 年、中央銀行および政府は、貯蓄および長期融資をインフレの影響から保護することを意図して、2つの新し
い金融商品を導入した。 2016 年4月、中央銀行は、ブエノスアイレス、コルドバ、ロサリオ、サルタの各市および
(サンタフェ・デラ・ヴェラ・クルスからパラナにかけての)海岸地域の1平方メートル当たり平均工事費単価
( 2016 年3月 31 日現在)に基づく当初価格で、購買力ユニット( Unidades de Valor Adquisitivo 、または「 UVA 」)
と称する1つ目の商品を導入した。 UVA の価額は、安定化指数( CER )に基づき日次で調整される。 2016 年9月、政府
は、アルゼンチンの1平方メートル当たり平均工事費単価に基づく当初価格で、住宅供給ユニット( Unidades de
Vivienda 、または「 UVI 」)と称する2つ目の商品を導入した。 UVI の価額は、 INDEC により公表される「大ブエノス
アイレス圏工事費指標( Índice de la Construcción para el Gran Buenos Aires )」に基づき月次で調整される。
2018 年、金融機関の UVA 建て資金調達を補強するため、 UVA を正規の基準貨とする預金その他の有期の投資の最短期
間を 90 日に短縮した。
2019 年 8 月、政府は、 UVA 建てモーゲージ・ローンの手取金で不動産を取得した家庭のモーゲージ予定返済分につい
て、 2019 年 12 月までインフレーション調整を行わないことを決定し、これは後に 2021 年1月まで延長された。
2020 年、政府および中央銀行は、 COVID-19 パンデミックの影響への対応政策フレームワークの一環で債務者の保護
を目的とした様々な措置を採用した。これには、 2020 年4月から 2021 年1月までを実施期間として、 UVA 指数に連動
する変動モーゲージ・ローンの分割返済を据え置くことが含まれた。さらに、据置期間後の分割返済額の変動におけ
る急騰を回避するため、 2021 年2月から 2022 年7月を実施期間とする収束メカニズムが設定された。このフレーム
ワーク下で生じうる脆弱状況を回避するため、金融機関は債務者に対して、所得に対する分割返済比率が一定の基準
値を超える場合には便宜を図らなければならない。 UVA 建て融資の融資元企業から公表された所得に対する分割返済
比率によれば、 2022 年7月には、債務者の 90 %超において所得に対する分割返済比率が 35 %を下回る見込みである。
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2022 年第1四半期において、 2021 年のインフレに影響を与えた要素の事後経過、および労働組合との交渉を受けて
政府が採用した給与調整プログラムなどの物価スライド方式を主因として、インフレ率が上昇した。 2022 年第2四半
期 において、国内金融市場におけるボラティリティの高まり、外国為替市場の不確実性および予想インフレの上昇を
主因としてインフレ率が上昇した。
2022 年3月、政府は、製粉業者向け小麦価格を安定させるため、およびロシア・ウクライナ紛争に伴う国際市場で
の価格高騰の影響を緩和するために、アルゼンチンの小麦価格安定化のためのファンド( Fondo Estabilizador del
Trigo Argentino )を設置した。さらに、当該ファンドは、大豆製品の税率を 31.0 %から 33.0 %に引き上げた。
2022 年7月、政府は、インフレ率を考慮した医薬品価格の維持を目的として、医薬品価格の引上げ幅を月当たり
1.0 %とする協定を製薬産業と締結したと発表した。
2022 年 11 月、政府は、特定商品の定価を 2023 年2月まで維持するため、価格配慮プログラム( Precios Cuidados
program )に代えて公正価格プログラム( Programa de Precios Justos )を新設した。当該プログラムを遵守した企
業に対しては、商品不足時に措置が講じられた。
(d) 雇用および労働
失業および不完全雇用
INDEC は、主に継続的家計調査( Encuesta Permanente de Hogares 、または「 EPH 」)で収集されたデータに基づ
き、アルゼンチン人口の社会的、人口統計的、および経済的な特徴を計測するために使用される一連の指標を作成し
ている。
以下の表は、表示期間中の雇用統計を示す。
就業率および失業率 (1)
(%)
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
第4 第4 第4 第4 第4
四半期 四半期 四半期 四半期 四半期
大ブエノスアイレス圏:
労働力率 (2) 47.7 48.7 44.9 47.6 48.3
就業率 (3) 42.7 43.8 39.3 44.1 45.0
失業率 (4) 10.5 10.0 12.6 7.4 7.0
不完全就業率 (5) 12.8 12.7 17.0 11.6 10.4
主要内陸都市: (1)
労働力率 (2) 45.0 45.5 45.1 46.0 46.8
就業率 (3) 41.7 42.0 41.0 43.0 44.2
失業率 (4) 7.5 7.6 9.1 6.4 5.5
不完全就業率 (5) 11.0 13.5 12.9 12.7 11.5
都市部全体:
労働力率 (2) 46.5 47.2 45.0 46.9 47.6
就業率 (3) 42.2 43 40.1 43.6 44.6
失業率 (4) 9.1 8.9 11.0 7.0 6.3
不完全就業率 (5) 12.0 13.1 15.1 12.1 10.9
(1) 数値は、 31 の主要都市を基準としている。 EPH の実測のための現行手法は、ラウソン、トレレウ、サンニコラス、ヴィラコンス
ティチューション、コンコルディア、広域パラナ、広域メンドーザ、広域レシステンシア、広域サン・フアン、ラ・リオハ、サン
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ティアゴ・デル・エステロ、ラ・バンダを除くすべての主要都市に適用されているが、ここに列挙した都市は情報源の制約のため現
行の手法の対象とされていない。
(2) 労働力人口は、就業者人口および失業中だが積極的に求職している人口の合計からなる。
(3) 労働力人口に対して就業人口の占める割合。就業中とみなされるためには、最低年齢要件をみたす者が測定日の前週の間に少なく
とも(ⅰ)報酬を得て1時間以上または(ⅱ)報酬を得ないで 15 時間以上労働していなければならない。
(4) 労働力人口に対して失業人口の占める割合。失業人口は不完全就業人口を含まない。
(5) 労働力人口に対して不完全就業人口の占める割合。労働時間が週 35 時間未満で、かつより多くの労働を望んでいる労働者は、不完
全就業の状態にあるとみなされる。
出所: INDEC および経済省
非公式経済
アルゼンチンの経済には、主にアルゼンチンの社会保障制度に登録することなく合法事業に従事している被用者で
構成される、非公式な部分がある。その性質上、アルゼンチン経済の非公式な部分は、統計情報その他の信頼性ある
データ活動によっては容易に把握することができない。
活動には、合法的な財貨・サービスの生産や取引を行っているものの、適切な事業許可を受けていない、租税債務
を申告しない、労働規制に従わないまたはサプライヤおよびエンドユーザーに対する法定保証を付けない小企業(個
人や家族により所有されることが多い。)の活動が含まれる。 2022 年第4四半期現在、 INDEC の推計によれば、労働
力合計のうち非公式での雇用割合は 2018 年第4四半期現在の 35.3 %に対して 35.5 %となった。
以下の表は、アルゼンチンの公式および非公式の経済における労働者の割合(推計値)を示す。
公式および非公式経済 (1)
(全体に対する割合 ( % ) )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
第4 第4 第4 第4 第4
四半期 四半期 四半期 四半期 四半期
公 式 64.7 64.1 67.3 66.7 64.5
非公式 35.3 35.9 32.7 33.3 35.5
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
合 計
(1) 数値には、世帯主プログラムの参加者および 18 歳未満の個人は含まれない。
出所: INDEC および経済省
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以下の表は、指定期間の経済部門別の民間雇用データを示す。
雇 用
(経済部門別の割合 ( % ) ) (1)
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年 (2)
第一次産業:
農業・畜産・水産・林業 5.5 5.7 5.8 5.8 5.4
1.3 1.4 1.4 1.3 1.4
鉱業・採取産業(石油・ガスを含む。)
6.8 7.1 7.2 7.2 6.8
第一次産業合計
第二次産業:
製 造 18.4 17.9 18.3 18.6 18.6
建 設 7.2 7.0 5.7 6.0 6.7
1.1 1.2 1.2 1.2 1.2
電気・ガス・水道
26.7 26.1 25.2 25.9 26.4
第二次産業合計
貿 易 18.1 17.9 18.2 18.1 18.1
48.5 49.0 49.5 48.9 48.7
サービス
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
合 計
(1) 各年の年平均を示す。
(2) 2022 年第3四半期時点のデータである。
出所: INDEC および経済省
労働規制
アルゼンチンの労働組合は、団体交渉のプロセスに大きな影響力を行使している。地方および連邦のどちらの組合
も賃上げを求めて様々なストライキを行っている。ストライキやデモは多くの場合、数日間と短期的ではあるが、交
通に重大な影響を与える傾向にあり、経済の様々な部門における生産を一時的に中断させることに成功した。
賃金および労働生産性
雇用・社会保障省は賃金審議会を介して、 GDP 成長率やインフレ率などのマクロ経済指標に基づきすべての経済部
門に共通の単一最低保証賃金を毎年設定している。官民の被用者の最低保証月額賃金は、それぞれ前年比で 2018 年に
27.5 %、 2019 年に 49.3 %、 2020 年に 22.0 %、 2021 年に 55.4 %および 2022 年に 93.6 %上昇した。
以下の表は、指定年における非公式経済で雇用されている者に関する推定も含めた、アルゼンチンの被用者の平均
月額名目賃金を示す。
平均最低保証月額名目賃金
(実勢ペソ)
平均最低保証
月額賃金
(基礎バスケッ
平均最低保証
基礎バスケット ト 平均費用に対
12 月 31 日終了会計年度 月額賃金 の平均費用 (1) する割合 ( % ) )
2018 年 10,033 20,631 49
2019 年 13,790 32,140 43
2020 年 17,522 45,479 39
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平均最低保証月額名目賃金
(実勢ペソ)
平均最低保証
月額賃金
(基礎バスケッ
平均最低保証
基礎バスケット ト 平均費用に対
12 月 31 日終了会計年度 月額賃金 の平均費用 (1) する割合 ( % ) )
2021 年 26.533 66,510 40
2022 年 45,034 112,395 40
(1) 貧困線を定めるために使用される「参考」家庭にとって必需的な財貨・サービスのバスケットの平均費用。「参考」家庭は、 35 歳
の男性1人、 31 歳の女性1人、6歳と8歳の2人の子供の4人家庭とする。
出所:雇用・社会保障省および経済省
以下の表は、指定年度中のアルゼンチンの被用者の名目賃金における変動率を示す。
名 目 賃 金
(前年からの変動率 ( % ) )
民間部門
公式 非公式 公共部門
合計
2018 年 12 月 30.4 27.2 30.3 29.7
2019 年 12 月 44.3 29.5 42.9 40.9
2020 年 12 月 34.4 39.0 26.8 33.0
2021 年 12 月 55.3 40.5 58.7 53.4
2022 年 12 月 93.8 65.4 99.3 90.4
出所:経済省( INDEC の提供資料に基づく。)
(e) 社会保障制度
年金基金制度改革
2008 年 11 月 20 日、国会は、民間年金制度を改革する法律第 26,425 号を承認した。同法に基づき、従来の年金制度
は、「賦課型」の構造を有するアルゼンチン統合年金制度に吸収および承継された。この結果、民間の年金基金によ
り管理されていたすべての資金は、広範囲の上場会社に対する株主持分を含め、 ANSES により管理される別口の基金
( FGS )に移管された。 FGS が保有する資産は、アルゼンチン統合年金制度により社会保障および年金の支払を行う政
府の( ANSES を通じた)債務の履行を妨げる予想外の財政赤字を補うことを目的とした、政府への前払金にのみ利用
することができる。 2022 年9月現在、 FGS の評価額は 76 億ペソであった。
大統領令 2103/08 号により、 FGS は、証券の中でもとりわけ支払能力が一般に認められている公債または地方債など
の金融資産に投資するよう義務付けられている。国家社会保障機構( ANSES )は、経済・社会の動向により公的年金
制度が受ける財務的影響を緩和し、公的年金制度の余剰金が適切に投資されるようにするための積立金として機能
し、 FGS の資金の価値および収益性の維持ならびに公的年金制度の持続可能な発展の維持に貢献し、かつ、年金制度
または ANSES の資金不足を手当てするような投資を優先している。
FGS は、意思決定機関および統治機関を有する。 FGS は、執行委員会(経済省の金融局、財務局および経済政策局の
局長で構成される。)の補佐を受けて ANSES の執行理事により運営される。 FGS の業務担当代理理事が執行委員会の執
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行事務局長となり、業務部門長も兼務する。意思決定は単純多数決によるが、 ANSES の執行理事は拒否権を有する。
FGS の活動は、 FGS の審議会(就労者、退職者、実業家、政治家、閣僚および ANSES の代表者が含まれる。)の他、両
院 基金管理委員会、 FGS の監査局、国家総合監査局および国家オンブズマン事務局により監査される。
社会保障の枠組み
ANSES は、国政府とは区別される独自の法的地位を有する自律的団体であり、財政上および経済上の自治権を享受
している。3つの異なる機関がアルゼンチンの国営国民年金制度を運営する。
● 国家社会保障機構( Administracion Nacional de Saguridad Social )。一般民の年金基金を監督する。
● 軍年金基金( Instituto de Ayuda Financiera para Pago de Retiros y Pensiones Militares )。軍の特別
年金基金を運営する。
● 連邦警察年金基金( Caja de Retiros, Jubilaciones y Pensiones de la Policia Federal )。連邦の法執
行機関職員の特別年金基金を運営する。
ANSES の投資ポートフォリオには政府債券が含まれる。
1994 年から 1996 年にかけて、政府は 10 の州およびブエノスアイレス市について州年金制度を運営する責任を負って
いた。政府はかかる州年金基金を ANSES と併合した。
現行の公的社会保障制度は、以下を主として退職者および適格者向けの給付金を提供している。
● 以下により構成される一般年金。
〇 基礎年金( Prestacion basica universal )。 ANSES は、生涯勤続期間の過半において社会保障拠出金を
支払いかつ定年に達したすべての個人に対して、その拠出額にかかわらず基礎年金を支払う。かかる給
付額は法律により定められており、拠出額に左右されない。
〇 補助年金( Prestacion compensatoria )。 ANSES はまた、基礎年金の受給者に対して、本人またはその
代理人が 1994 年7月より前に支払った社会保障拠出金に比例して補助年金を支払う。かかる補助年金の
金額は、個人の社会保障拠出額および拠出がなされた期間に基づき決定される。
〇 追加年金( Prestacion adicional por permanencia )。基礎年金および補助年金の受給者はまた、追加
年金を受け取る。その給付額は、退職前の 10 年間における年間平均給与の 1.5 %に個人が社会保障拠出
金を支払った役務年数を乗じた値に相当する。
● 主に以下により構成される特別年金および手当。
〇 障害退職者手当( Retiro por invalidez )。 65 歳以下の障害者に対する手当である。
〇 高齢者手当( Jubilación por edad avanzada )。退職者基礎年金の受給資格がない 70 歳以上の者に対す
る手当で ある 。
〇 死亡年金( Pensión por fallecimiento )。死亡した退職者の被扶養者の一部に対する手当であり、退
職者の死亡時にその被扶養者が障害のために働くことができない場合に支給される。
〇 ユニバーサル児童手当。 ANSES は、非公式経済部門で働いているか、その給与が最低保証月額賃金を下
回るかまたは 失業中 である労働者の 18 歳未満の子、および障害をもつ子(年齢を問わない。)に月単位
の年金を支給する。
〇 ユニバーサル妊娠手当( Asignación Universal por Embarazo )。 ANSES は、医療保険に未加入の妊婦に
対して妊娠第 12 週から月次手当を支給する。
アルゼンチンの社会保障制度にはまた、以下の2種の失業対策プログラムが含まれる。
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● 失業者および一定の条件をみたすその被扶養家族に対して一時金または月次給付金を提供する失業保険。
● 世界銀行が出資する世帯主プログラム。同プログラムに基づき、失業中の世帯主は地域奉仕活動と引換えに
給付を受け取ることができる。また世帯主プログラムの受給者は、雇用の質・量改善( Más y Mejor
Empleo )、職業訓練・雇用保険( Seguro de Capacitación y Empleo )および家庭の社会的包摂化
( Familias por la Inclusión Social )の新しい各プログラムを選択することができる。
国民社会保障制度は現在、主に以下の税金により資金供給されている。
● 被用者の賃金に基づく給与税(通常、被用者については 11 %、雇用者についてはその業種によって 18 %から
20.4 %)。
● 年金受給者・退職者社会奉仕機関( Instituto Nacional de Servicios Sociales para Jubilados y
Pensionados )に対する強制的被用者拠出(被用者の賃金の3%に相当する)。
● 被用者の賃金に基づく被用者健康制度税(被用者は3%、雇用者は6%)。
● 自営業者に適用される単一課税( Monotoribute )制度(税額は各業種に割り当てられた推定所得の範囲に
従って個人毎に決定される)。
現在、 ANSES の費用に充当するために配分される他の財源には以下が含まれる。
● 付加価値税歳入(輸出業者向け還付金を控除後)の 11 %。 6.27 %が社会保障基金の連邦政府への移管を実施
していない州(ブエノスアイレス、チャコ、チュブト、コルドバ、コリエンテス、エントレリオス、フォル
モサ、ラパンパ、ミシオネス、サンタクルス、サンタフェ、およびティエラ・デル・フエゴ)に、残りの
93.73 %が ANSES に配分された。
● タバコに対する緊急課税の 100 %。
● 金融取引税歳入の 100 %。
● PAIS 税歳入の 42 %。
社会保障収入および支出の推移
2018 年から 2022 年にかけて、社会保障制度の赤字は 2018 年の 1,930 億ペソから 2022 年の1兆 2,550 億ペソに増加し
た。この赤字増加の主な理由は、受給者数が増加したこと、および公的社会保障制度の移管に対応するため 2008 年 10
月に制定された法律第 26,417 号(社会保障移管法)が定める自動調整による給付額の増加を主因として社会保障支出
の 396 %の増加が生じたことであった。同法は、 INDEC が公表する賃金指数と税収の両方の変動に応じて半期ベースで
調整される最低年金額を保証する。
2018 年 12 月 18 日、最高裁判所は、 ANSES が年金支払額の算出に際して建設業基礎給与指数( Salarios Básicos de
la Industria y la Construcción ( 「 ISBIC 」 ) )を使用すべきだったところ、誤って正規被用者の平均課税所得指数
( Remuneración Imponible Promedio de los Trabajadores Estable (「 RIPTE 」))を使用していたと判断した。そ
の結果、推定で 12,000 人の年金受給者が指標の誤適用の補償を受けることとなった。
社会保障収入: 2018 年、社会保障収入は 2017 年比で 24.7 %増となり、課税対象賃金の上昇( 2017 年比)を主因と
して 9,144 億ペソに増加した。 2019 年、社会保障収入は 2018 年比で 34.0 %増となり、課税対象賃金の上昇( 2018 年
比)を主因として1兆 2,256 億ペソに増加した。 2020 年、社会保障収入は 2019 年比で 26.3 %増となり、課税対象賃金
の上昇( 2019 年比)を主因として1兆 5,480 億ペソに増加した。 2021 年、社会保障収入は 2020 年比で 54.9 %増とな
り、課税対象賃金の上昇および公式経済の雇用増加を主因として2兆 3,981 億ペソに増加した。 2022 年、社会保障収
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入は 2021 年比で 80.6 %増となり、課税対象賃金の上昇および公式経済の雇用増加を主因として4兆 3,320 億ペソに増
加した。
社会保障支出: 2018 年の社会保障支出は、 28.7 %増の1兆 5,383 億ペソとなった。 2019 年の社会保障支出は、
44.2 %増の2兆 2,181 億ペソとなった。 2020 年の社会保障支出は、 63.0 %増の3兆 6,149 億ペソとなった。 2021 年の社
会保障支出は、 24.6 %増の4兆 5,057 億ペソとなった。 2022 年の社会保障支出は、 74.8 %増の7兆 8,776 億ペソとなっ
た。
退職者向けプログラムおよび年金改革法
2016 年6月 29 日、国会は退職者および年金受給者向けの遡及的補償プログラムを承認する法案を可決し、同法は官
報への掲載と同時に施行された。このプログラムは、政府の社会保障政策を最高裁判所の判断と一致させることを目
的としたものであり、その主な構想には、(ⅰ) 200 万人超の退職者に対する給付および 30 万人超の退職者に対する
遡及的補償、ならびに(ⅱ)退職者適格が認められない 65 歳超の者すべてにベーシックインカムを保障するユニバー
サル年金( pensión universal )の新設が含まれる。退職者および年金受給者向けの遡及的補償プログラムは、退職
者に対して総額 470 億ペソ以上の遡及的補償請求権を付与し、またすべての潜在的受給者を対象とする支出として最
大 750 億ペソを盛り込んでいる。同法は、このプログラムを賄うために、株主持分を含め、 FGS により保有される資産
を売却することができる旨を定めている。「-年金基金制度改革」を参照のこと。
2017 年 12 月 28 日、国会は、アルゼンチンの年金制度の持続性および予測可能性の向上を目指す年金改革法(「 2017
年年金改革法」)を可決した。
2017 年年金改革法はさらに、法律上の定年年齢を(男性につき) 65 歳から 70 歳に、および(女性につき) 60 歳から
70 歳に引き上げた。公共部門の被用者はこの制度の対象から除外されている。
2020 年 12 月 29 日、国会は、アルゼンチンの年金制度の持続性および予測可能性をさらに向上させるための年金改革
法(「 2020 年年金改革法」)を制定した。その趣旨に沿って、退職給付金、年金およびユニバーサル児童手当の定期
調整に係る基本計算式が 2021 年3月に修正され、当該期間の ANSES の収入(計算式上のウェイト付けは 50 %)と、国
の被用者の給与上昇を測定するために労働省が公表する指数である RIPTE (計算式上のウェイト付けは 50 %)を組み
合わせて四半期毎の調整を行っていく。
政府は、すべての退職金、年金および手当について、 2022 年3月および6月にそれぞれ 12.28 %および 15.0 %増額
することを発表し、 2022 年6月 30 日に終了した6か月間の累計増額率は 29.1 %となった。
政府は、所得の低い退職者および年金受給者に対して、(ⅰ) 2022 年4月に 6,000 ペソ(対象は所得が最低保証月
額賃金未満の者)、および(ⅱ) 2022 年5月に 12,000 ペソ(対象は所得が最低保証月額賃金の2か月分未満の者)の
日程で特別給付を実施した。また、 2022 年8月に政府は、 2022 年9月現在のすべての退職金、年金および手当を
15.5 %増額すると発表した。さらに政府は、退職者および年金受給者のうち受給額が最低保証年金未満である者に対
しては 2022 年9月、 10 月および 11 月に毎月 7,000 ペソ、および受給額が最低保証月額賃金の2か月分未満である者に
対してはこれを段階的に 4,000 ペソまで減額して手当を支給することを発表した。この措置の対象となる退職者およ
び年金受給者は推計で約 610 万人である。
さらに 2022 年7月、政府は、社会保障制度への最低拠出要件をみたさない定年年齢の者のための猶予期間を延長
し、もって年金の拠出不足を解消して定年退職者としての資格を得るチャンスを与え、これにより約7万人の女性が
定年退職者として認められた。
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(f) 今後の経済計画
2019 年 12 月 10 日に発足したフェルナンデス政権は、5つの主要な基本目的の枠組みからなる持続可能な開発を、経
済、社会および政治の面で達成することを体系的な目標としている。
● 包摂(インクルージョン) : フェルナンデス政権は、雇用の創出に基づく包摂、教育や保健やコネクティ
ビティなどの基礎的で質の高いサービスへの十分なアクセス、ならびに端的に事実上の機会的不平等の最小
化を目的とする政策を推進していく。
● 活力(ダイナミズム) : フェルナンデス政権は、地域産品の付加価値の持続的な向上を目指し、それを
もって生産体制を多様化していく。金融に関して、フェルナンデス政権は、好況時には増産に円滑に対応し
不況時にはセーフガードを提供する金融市場の柔軟な機能が、活力ある経済には必要であると認識してい
る。
● 安定性(スタビリティ) : フェルナンデス政権は、ペソ安定化のために外貨準備を増やし、公共部門の債
務削減に寄与していく。対外的均衡を実現するには、経済の外貨需要に応じるに足る所要の黒字が確保され
るように貿易収支を構成することが求められる。そのためには、為替の競争力、投資および消費のための資
金調達費用の適正化、ならびに一部の規制枠組みの見直しが必要である。また、成長と所得分配に見合った
財政収支を実現するため、フェルナンデス政権は、税制の見直しを行って累進性を高めていく。フェルナン
デス政権は、既存の経済・社会に係る規制のため、財政勘定および対外勘定の改善は段階的なものとなり、
景気循環に左右されると認識している。
● 連邦主義(フェデラリズム) : フェルナンデス政権は、共和国のインフラ整備と、基礎的サービスへのア
クセスの付与が、国全体で機会を増やすために必要な道筋と考えている。この目標は、法域毎の租税徴収を
尊重する税制により補完されなければならない。
● 金融の自律性 : 過去に債務水準の高さが共和国の金融の自律性を制限してきた経緯から、フェルナンデス
政権は、後述のとおり、共和国の債務を持続可能な水準に導くための措置を講じており、今後も引き続き講
じていく。
また、近隣国や貿易パートナー共々、共和国の対外的成長のプラットフォームとして今後も重要な役割を果たして
いくのがメルコスールである。フェルナンデス政権は、経済社会的発展に向けた共通の課題全般への復帰を目指し
て、メルコスールおよび中南米全体への関与を強化いていく。詳細は、「-① 近時の経済動向‐フェルナンデス政
権」を参照のこと。
(g) その他の経済関連情報
経済における国家の役割
国有事業体
政府は、国有企業および国営企業を通じて一定の任務および商業活動を実施しており、それには以下が含まれる。
● アルゼンチン最大の航空会社である Aerolíneas Argentinas S.A.
● Banco de la Nacion Argentina (アルゼンチン国立銀行)
● Banco de Inversion y Comercio Exterior (「 BICE 」)
● 飲料水および公衆衛生の基礎サービスを提供する Agua y Saneamientos Argentinos S.A. (「 AYSA 」)
● 国家の郵政事業を行う Correo Oficial de la República Argentina (「 Correo Argentino 」)
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● 国有エネルギー会社である Integración Energética Argentina S.A. (「 IEASA 」)
● 国有鉄道会社である Operadora Ferroviaria S.E.
● 国営のエネルギー会社である YPF
国家の経済への関与
2001 年から 2002 年の危機の後、政府は 1990 年代に実施した経済の規制緩和および政府介入の縮小のための多くの措
置を覆した。政府が導入した国家的管理のうち、特記すべきものとして以下があった。
● 従来の民間年金制度を「賦課型」の公的年金制度に統合および改編、ならびに民間の年金基金により管理さ
れていたすべての財源(広範囲の上場会社に対する持分を含む。)を ANSES が管理する別口の基金( FGS )に
移管
● ENARSA の設立、ハイドロカーボン法(以下に定義する。)の制定および YPF の 51 %株式の国有化を通じた、
石油・ガス産業への直接的関与
● 公益事業(ユーティリティ)会社への規制強化
● 一部の公共サービス(いくつかの鉄道および水道サービスを含む。)に係るコンセッションの取消し
● 資本移転その他の金融取引の制限(「 (4) 通貨・金融制度-① 通貨・金融制度および証券市場の概要- (d)
金融部門に対する規制」を参照のこと。)
● 輸送、農産品およびエネルギー産品の価格統制(「- (b) 産業構造、主要部門の状況および鉱工業生産指数
の推移-第一次産業」を参照のこと。)
● 農作物に対する輸出関税(「 (3) 貿易及び国際収支-② 対外貿易と国際収支の最近の傾向- (a) 経常収支
-貿易の規制」を参照のこと。)
● エネルギーおよび輸送部門に対する助成金
● 輸出規制(「 (3) 貿易および国際収支-② 対外貿易と国際収支の最近の傾向- (a) 経常収支-貿易の規
制」を参照のこと。)
2008 年 12 月、国会は、アルゼンチン航空およびその関連会社である Líneas Aéreas Cielos del Sur S.A. (アウス
トラル航空)ならびにその子会社である Optar S.A., Jet Paq S.A. および Aerohandling S.A. の株式はいわゆる「公
共利益」であり、それゆえ法律第 21,499 号(「アルゼンチン国有化法」)に基づく国有化の対象になると宣言した。
アルゼンチン国有化法が定める評価基準に基づき、国の評価審判機関はこれらの事業体は概算総額で6億 200 万米ド
ルから8億 7,200 万米ドルの範囲で負の価値を有すると推計した。本件の詳細な議論については、「 (7) その他-①
訴訟手続- ICSID における仲裁」を参照のこと。
石油・ガス産業
助成金に関連するエネルギー部門への移転額は 2018 年に 1,779 億ペソ、 2019 年に 2,141 億ペソ、 2020 年に 4,942 億ペ
ソ 2021 年に1兆 508 億ペソおよび 2022 年に1兆 6,570 億ペソであった。
以下の表は、指定期間中のアルゼンチンにおける原油および天然ガスの確認埋蔵量を示す。
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
原 油 (1) 320,640 379,796 407,420 383,280 451,231
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2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
天然ガス (2) 355,459 371,566 400,321 397,246 415,988
(1) 千立方メートル
(2) 百万立方メートル
出所:エネルギー鉱業省
エネルギー部門改革
2004 年初頭、アルゼンチンはエネルギー不足に陥り始め、その結果まず天然ガスやその他のエネルギー輸出が減少
し、やがてアルゼンチン経済全体に影響が及んだ。 政府はそれ以降も、インフラ改修や導入発電容量の増強に向けて
多様な措置を講じてきた。
2015 年、政府は国内向け電力を確実に供給するための様々な措置を講じた。 政府が採用した措置は、火力発電や再
生可能エネルギーのプロジェクトの入札によるエネルギーの増産、および再生可能エネルギーの自由市場の創設に目
標を置いた。 2017 年から 2021 年にかけて合計 4,507MW の新規火力発電プロジェクト 37 件が稼働を開始し、また 2023 年
6月 22 日現在で合計 456MW 分のプロジェクト4件の建設が進められている。
さらに、入札を経て、 2017 年から 2022 年にかけて新規再生可能エネルギー・プロジェクト 100 件が稼働を開始し、
また 954MW 分のプロジェクト 32 件が自由市場で商業運用を始めた。 2023 年6月 22 日現在、 23 州のうち 19 州にわたって
合計 1,525MW のプロジェクト 73 件の開発が進められている。
政府は、供給増加に向けた措置と並行して、助成金の廃止を視野に入れた料金の引上げを模索した。後者の一連の
措置は、司法上の異議申立てに直面して当初から実施に遅れが生じた。結局、これらの措置の有効性は、継続的なペ
ソ安の影響によってさらに損なわれることとなった。最終的に政府は、これらの措置の責任および費用を州政府に委
管することで、主に大ブエノスアイレス圏向けのエネルギー助成金の負担軽減しようとした。
天然ガスについては、政府は 2012 年、ガス生産を促進するための「ガス・プラン」に着手し、ガス田の減少率を上
回る「新式」ガスの生産に対して1 MBTU 当たり 7.5 米ドルを支給した。 2017 年、決議第 46/2017 号により、 2017 年と
2018 年の非従来型ガスの追加生産価格が 7.5 米ドル /MBTU に設定されたが、これは 2019 年に 7.0 米ドル /MBTU 、 2020 年に
6.5 米ドル /MBTU 、 2021 年に 6.0 米ドル /MBTU へと引き下げられた。井戸元価格規制に関する移行期間を経て、 2018 年よ
り、国内の天然ガス販売会社、生産者および仲介業者間の価格交渉が自由化された。電力については、送電および電
力販売料金が 2017 年から 2018 年にかけて段階的に引き上げられた。
2018 年 11 月、政府は、 2018 年4月のペソの急激な下落を受けて、ユーザーが払うペソ建て購入金額とエネルギー販
売会社が負担する米ドル建て金額の間の為替レート差に起因する損失につきエネルギー販売会社を補償するため、
2018 年4月 1 日から 2018 年9月 30 日までのエネルギー価格を遡及的に引き上げた。 2018 年 11 月 15 日、政府はエンド
ユーザー料金を急騰させないよう、販売会社に対する当該保証は国庫から 30 回の分割で支払う旨を定める大統領令第
1053/2018 号を出した。
2018 年9月、アルゼンチンはチリへのガス輸出を再開した。 2017 年と 2018 年にヴァカ・ムエルタ地域で生産能力の
過剰が生じたことから、 2018 年のガスおよびエネルギーの輸出は 2017 年の 25 億米ドルに対して 69.2 %増加して 42 億米
ドルとなった。
2018 年 11 月4日、政府は、パタゴニア州の沿岸海域におけるハイドロカーボン探索に係る国際公開入札手続を開始
した。 2019 年5月 16 日に 18 の海域が選定された。
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2018 年中の政府のエネルギー部門への移転額は、 2017 年の 1,256 億ペソに対して 1,779 億ペソであった。この増加は
主に、エネルギー費用の大部分が外貨建である中でペソの対米ドル価値が下落したことにより生じた。
2019 年 1 月初め、最弱者層の必要をみたすための「社会福祉」料金体系の決定および負担の責任が、政府から州に
移された。政府はまた、各州に対して、社会福祉料金体系の移管に伴い州が負担することとなる費用を補填するため
に予算を転配することを表明した。
2019 年1月に政府は、エネルギー料金を段階的に引き上げ、消費者料金を 2019 年の2月1日、5月1日および8月
1日にそれぞれ 40 %、7%および6% の設定比率で値上げしていくことを発表した。しかし、 2019 年4月に政府は、
消費者が負担するエネルギー料金の引上げを 2019 年いっぱい延期すること、および 2019 年の5月1日および8月1日
に予定していた段階的値上げ分は政府が負担することを発表した。
2019 年4月、政府はガスの井戸元価格を段階的に引き上げ、 2019 年の4月1日、5月1日および6月1日にそれぞ
れ 10 %、9%および8%の設定比率で値上げしていくことを発表した。政府はまた、居住者エンドユーザー向けの
22 %の冬季料金割引( 2019-2020 年の夏季に当該ユーザーに転嫁して補填する。)を発表した。
2019 年7月5日、政府は、ヴァカ・ムエルタ地域とブエノスアイレス州パラナ川流域のサンニコラス市を結ぶ新た
な天然ガス用パイプライン(約 1,010 キロメートル)の敷設に係る国際公開入札手続を開始し、 2019 年 11 月にその応
札を受けた。
2020 年 11 月、政府は、ガスの生産水準について、夏季の需要増加に対して十分な供給を確保するための計画として
プラン・ガサール(「 Plan GasAr 」)を発表した。プラン・ガサールの要諦は以下の通りである。
● プラン・ガサールは、ガス生産者を一方当事者、(優先的需要に応じるための)ガス販売会社および/また
は販売請負会社ならびに CAMMESA (火力発電所の需要に応じるための卸売電力市場管理者)を他方当事者と
する直接契約によって実施される。エネルギー庁が指定する競売、入札、および/または類似の手続を通じ
て、契約が選考および交渉され、輸送システム流入口(「 TSEP 」)のガス価が成立する。
● プラン・ガサールは当初期間を4年とするが、エネルギー庁はガス市場、需要量およびインフラ投資の可能
性の分析に基づき1年ずつ追加して期間を延長することができる。オフショア・プロジェクトについては8
年を上限として延長を検討することができる。
● プラン・ガサールの想定規模は、実施年の各年 365 日につき総量ベースで 70 百万立方メートル/日
( mmcm/d )、および4年間の各年冬季における一定量の追加分とする。
● 生産者は、約束注入量を達成するための投資計画を提示し、現在の生産水準の維持および/または向上を保
証する地域別の生産曲線を実現しなければならない。
● 参加する生産会社には、総量 11mmcm/d を上限として、冬期以外の期間に限り、所定の条件に基づき輸出優遇
条件の適用を受けることができる。この輸出優遇措置は、天然ガスをパイプラインにより輸出する場合、お
よびアルゼンチン国内で液化したうえで液化天然ガスとして輸出する場合の両方に適用される見込みであ
る。
● エンドユーザーに転嫁される天然ガス費用の影響を軽減するために、 TSEP の天然ガス価の月払額の一部を政
府が負担する場合がある。
● 中央銀行は、直接投資やそのリターンの本国への還流および/または海外資金調達の元利支払を保証するた
めの適切なメカニズムを構築しなければならない。対象は、プラン・ガサールへの採用後にアルゼンチンに
送金され、アルゼンチン外国為替市場でペソに交換され、プラン・ガサールのプロジェクトに実際に充当さ
れる資金とする。
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さらに、プラン・ガサールでは、参加会社による契約義務の不履行について様々な制裁が想定されている。
2021 年3月、エネルギー庁は、公聴会( 2021 年の優先需要への供給に必要なガスの総費用のうちプラン・ガサール
に基づき政府が拠出を負担する範囲について、およびエンドユーザーへの転嫁方法について議論するために同月開催
された。)に関連して技術報告書を公表した。この技術報告書によれば、 2021 年3月現在、優先需要をみたすために
必要な天然ガスの総費用のうち 60 %を政府が負担するものとし、これは 2021 年の年額で 1,330 億ペソの財政支出に相
当する。
2022 年中に、ネウケン州とブエノスアイレス州を結ぶネストル・キルチネル・ガス・パイプラインの建設が進めら
れた。このガス・パイプラインの構想は以下のとおりである。
● ヴァカ・ムエルタのガス層から国内の主要消費地までのガス輸送能力を日量 1,100 万立方メートル増やす。
● エンドユーザー向けおよびブエノスアイレス都市部への電力供給を担う発電所向けのガス供給を増やす。
● 年額で最大 22 億ドル分の輸入燃料を代替することで、外貨需要を抑える。
● 直接雇用および間接雇用を増やして、サプライヤの成長を支援する。
2022 年5月、政府は命令第 277/2022 号を出して、ハイドロカーボン(炭化水素)の増産に向けて外貨アクセス確保
制度を設定した。その目的は(ⅰ)外貨へのアクセスの予測可能性の提供、および(ⅱ)産出部門への投資の増加で
ある。
2022 年5月にエネルギー庁が発表した技術報告書によれば、優先的需要に応じるために必要な天然ガスの総費用の
うち 75.60 %は政府により資金が供給されており、これは年額で 2,751 億ペソの支出に相当する。 2022 年8月、政府
は、各世帯の経済力に基づいて電気・ガスの助成金を設定するため、区分別料金体系を導入した。この料金体系で
は、助成金を必要とする世帯の登録簿の作成が予定されている。電気・ガス・水道料金の合理的で公平な料金体系を
実現するため、世帯は3グループに分けられ、既存の助成金は各世帯が該当する所得区分に応じて減額される。区分
は以下の通りである。
● 高所得世帯: 以下のいずれかに該当する世帯(世帯の全構成員を参照)。
〇 世帯の月収合計が 389,543 ペソ以上。パタゴネス地区(ブエノスアイレス州)、チュブト州、ラパンパ
州、ネウケン州、リオネグロ州、サンタクルス州またはティエラ・デル・フエゴ州の世帯については、
世帯の月収合計が 475,242.46 ペソ以上とする。
〇 車齢5年未満の自動車を3台以上保有。
〇 3個以下の不動産を所有、または
〇 船舶、富裕層向け航空機、または高収入を裏付ける会社資産を所有。
区分別料金体系に従い、高所得世帯への助成金は段階的に廃止される。
● 中所得世帯: 高所得世帯に該当しない世帯で、以下のいずれかに該当する世帯(世帯の全構成員を参
照)。
〇 世帯の月収合計が 111,298 ペソ以上 389,542 ペソ以下。世帯に障害者手帳の被交付者が含まれる場合、世
帯の月収合計の要件は 166,947 ペソ以上 389,542 ペソ以下に修正されうる。
〇 2個以下の不動産を所有、または
〇 車齢3年未満の自動車を1台所有。
● 低所得世帯: 前出の区分に該当せず、かつ以下のいずれかの条件に該当する世帯(世帯の全構成員を参
照)。
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〇 世帯の月収合計が 111,298 ペソ未満。世帯に障害者手帳の被交付者者が含まれる場合、世帯の月収合計
の要件は 166,947 ペソ未満とする。
〇 1個以下の不動産を所有、または
〇 車齢3年未満の自動車の所有なし。ただし、世帯に障害者手帳の被交付者が含まれる場合、車齢3年未
満の自動車の所有が1台まで認められる。
また、高所得世帯に該当せず、かつ特定の状況下にあることを証明した世帯も、給与変動指数が 40 %相当で
あれば低所得世帯とみなされ、約 21.3 %の料金引上げの対象となる。
区分別料金体系は、低所得世帯向け料金の引上げを認めている。
2022 年9月、政府はプラン・ガサールを 2028 年まで延長すると発表した。
2018 年中、電力卸売市場におけるエネルギー末端価格(輸送および販売費用を除いたもので、ブエノスアイレス市
内のエンドユーザーに対する請求料金が約 67 %を占める。)の対前年の上昇率は 94 %(平均価格で 2017 年 12 月 31 日現
在の 579 ペソ /MWh から 2018 年 12 月 31 日現在の 1,124 ペソ /MWh )にのぼり、天然ガスの居住者エンドユーザー価格の上昇
率は 113 %(平均価格で 2017 年 12 月 31 日現在の 69 ペソ /MMBtu から 2018 年 12 月 31 日現在の 147 ペソ /MMBtu )であった。
2019 年中、電力卸売市場におけるエネルギー末端価格(輸送および販売費用を除いたもので、ブエノスアイレス市
内の居住者エンドユーザーに対する請求料金が約 74 %を占める。)の対前年の上昇率は全体で 85 %(平均価格で 2018
年 12 月 31 日現在の 1,124 ペソ /MWh から 2019 年 12 月 31 日現在の 2,079 ペソ /MWh )にのぼり、天然ガスの居住者エンドユー
ザー価格の上昇率は 26 %(平均価格で 2018 年 12 月 31 日現在の 147 ペソ /MMBtu から 2019 年 12 月 31 日現在の 185 ペ
ソ /MMBtu )であった。
2020 年中、電力卸売市場におけるエネルギー末端価格(輸送および販売費用を除いたもので、ブエノスアイレス市
内の居住者エンドユーザーに対する請求料金が約 68 %を占める。)の対前年の上昇率は全体で4%(平均価格で 2019
年 12 月 31 日現在の 2,079 ペソ /MWh から 2020 年 12 月 31 日現在の 2,154 ペソ /MWh )であり、天然ガスの居住者エンドユー
ザー価格の下落率は 2.6 %(平均価格で 2019 年 12 月 31 日現在の 185 ペソ /MMBtu から 2020 年 12 月 31 日現在の 180 ペ
ソ /MMBtu )であった。
2021 年中、電力卸売市場におけるエネルギー末端価格(輸送および販売費用を除いたもので、ブエノスアイレス市
内の居住者エンドユーザーに対する請求料金が約 70 %を占める。)の対前年の上昇率は全体で 14 %(平均価格で 2020
年 12 月 31 日現在の 2,154 ペソ /MWh から 2021 年 12 月 31 日現在の 2,448 ペソ /MWh )であり、天然ガスの居住者エンドユー
ザー価格の上昇率は 14 %(平均価格で 2020 年 12 月 31 日現在の 180 ペソ /MMBtu から 2021 年 12 月 31 日現在の 205 ペ
ソ /MMBtu )であった。
2022 年中、電力卸売市場におけるエネルギー末端価格(輸送および販売費用を除いたもので、ブエノスアイレス市
の居住者エンドユーザーに対する請求料金が約 89 %を占める。)の対前年の上昇率は全体で 83 %(平均価格で 2021 年
12 月 31 日現在の 2,448 ペソ / MWh から 2022 年 12 月 31 日現在の 4,652 ペソ /MWh )であり、天然ガスの居住者エンドユー
ザー価格の上昇率は 82 %(平均価格で 2020 年 12 月 31 日現在の 205 ペソ /MMBtu から 2022 年 12 月 31 日現在の 373 ペ
ソ /MMBtu )であった。
貧困および所得分布
貧困の測定は、個人の生存維持に最低限必要と考えられる財貨・サービスのバスケット(主に食料、衣料品、運
輸、保健、住宅および教育で構成される。)を基準としている。政府が助成対象としたバスケットにおける「必需的
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財貨・サービス」には、天然ガス、電力、バス輸送および郊外・都市部の公共交通機関、鉄道輸送、地下鉄交通、燃
料ならびに教育が含まれる。
2018 年下半期において、アルゼンチンの世帯の 23.4 %および人口の 32.0 %が貧困線を下回り、また世帯の 4.8 %お
よび人口の 6.7 %が極貧線を下回っていた。
2019 年下半期において、アルゼンチンの世帯の 25.9 %および人口の 35.5 %が貧困線を下回り、また世帯の 5.7 %お
よび人口の 8.0 %が極貧線を下回っていた。
2020 年下半期において、アルゼンチンの世帯の 31.6 %および人口の 42.0 %が貧困線を下回り、また世帯の 7.8 %お
よび人口の 10.5 %が極貧線を下回っていた。
2021 年下半期において、アルゼンチンの世帯の 27.9 %および人口の 37.3 %が貧困線を下回り、また世帯の 6.1 %お
よび人口の 8.2 %が極貧線を下回っていた。
2022 年下半期において、アルゼンチンの世帯の 29.6 %および人口の 39.2 %が貧困線を下回り、また世帯の 6.2 %お
よび人口の 8.1 %が極貧線を下回っていた。
以下の表は、アルゼンチンの貧困レベルを示す。
貧 困 (1)
(人口に占める比率 ( % ) )
下半期 世帯 人口
2018 年 23.4 32.0
2019 年 25.9 35.5
2020 年 31.6 42.0
2021 年 27.9 37.3
2022 年 29.6 39.2
(1) 貧困線は、一定期間中の必需的財貨・サービスのバスケットに係る推計費用を基準としている。これは、個々人および各世帯の特
質により異なる。たとえば、 30 歳から 60 歳までの男性で 2022 年 12 月に所得が月額 49,357 ペソ未満であった者は、生活が貧困線を下回
るとされた。世帯では、4人の家庭( 35 歳の男性および 31 歳の女性の大人2人、6歳および8歳の子ども2人)で 2022 年 12 月に合計
所得が月額 152,515 ペソ未満であった世帯は、生活が貧困線を下回るとされた。
出所: INDEC および経済省
INDEC の大ブエノスアイレス圏における必需的財貨・サービスのバスケット評価によれば、標準的な家庭が必需的
財貨・サービスの一式を享受するために必要な額は、 2021 年 12 月の 76,146.13 ペソに対して 2022 年 12 月は 152,515 ペソ
であった。
INDEC によれば、世帯当たり必需食料バスケット額は、 2021 年 12 月の 32,963.69 ペソに対して 2022 年 12 月は 67,187 ペ
ソであった。
2018 年第4四半期から 2022 年第4四半期にかけて、アルゼンチン人口の年収上位 10 %層による国民所得全体への寄
与は約 1.6 %ポイント増加し、アルゼンチン人口の年収上位 20 %層による国民所得全体への寄与は約 1.2 %ポイント増
加した。同期間中、人口の年収下位 40 %層による国民所得全体への寄与は概ね前年並みであった。 2022 年第4四半期
において、アルゼンチン人口の年収上位 10 %層が国民所得全体の 30.2 %を、上位 20 %層が国民所得全体の 47.0 %を占
め、また下位 40 %層が国民所得全体の 15.0 %を占めた。
以下の表は、所定日現在の所得分布に関する数値を示す。
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第4四半期
所得層 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
下から 40 % 14.1 14.1 14.6 15.0 15.0
上欄に続く下から 20 % 15.1 15.3 15.2 15.6 15.4
上欄に続く下から 20 % 22.6 23.1 22.9 23.0 22.7
上から 20 % 48.2 47.5 47.3 46.5 47.0
上から 10 % 31.8 31.0 30.8 30.0 30.2
出所: INDEC および経済省
環 境
2002 年初頭から、アルゼンチンは環境基準を規制、監視および改善するための様々な措置を講じてきた。これらの
措置の大半は、事業会社に対し、厳格化が進む安全基準をみたすよう求めている。
2002 年、アルゼンチンで一般環境法( Ley General de Medioambiente )が制定され、総合環境政策の策定、環境管
理に向けた地方と国のプログラムおよび戦略の調整、持続可能な環境資源利用の指針の作成、経済の開発・成長計画
の推進、対環境影響の研究の情報提供および実施、環境基準の設定、比較研究の実施ならびに環境プロジェクトの国
際資金調達の管理を担う連邦環境審議会( Consejo Federal de Medioambiente )の設置が承認された。さらに、京都
議定書の締約国として、アルゼンチンは温室効果ガスの排出削減を目指して様々な規制を実施している。
環境基準の確実な遵守に向けて監視と執行を強化するためにとられた措置には、以下が含まれる。
● 2007 年に制定された法律第 26,011 号により、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約を承認した。
● マタンサ・リアチェロ川流域の持続可能開発プロジェクト( Proyecto de Desarrollo Sustentable de la
Cuenca Matanza-Riachuelo )が、内閣の環境・持続的開発部会( Secretaría de Ambiente y Desarrollo
Sustentable de la Jefatura de Gabinete de Ministros )の監督のもと、その基金の一部をマタンサ・リ
アチェロ川流域当局のコンピュータ機器購入費に割り当てた。 2016 年3月、政府は、マタンサ・リアチェロ
側流域の持続可能開発プロジェクトに対する総額約 10 億米ドルの融資について世界銀行と合意した。
● 都市固形廃棄物管理国家プロジェクト( Proyecto Nacional para la Gestión Integral de los Residuos
Sólidos Urbanos )は、持続可能な手法で固形廃棄物問題の解消を実現しようとする初の国家プロジェクト
である。同プロジェクトは、州および自治体に 各公共団体独自の 計画の設定および総合管理システムの開発
を促すインセンティブとして、インフラおよび関連システムの開発に技術的・財政的な支援を提供する。
● 環境保護課( Unidad de Medio Ambiente )は、効率および競争力の改善を通じて環境要因を向上させること
で、アルゼンチンの持続可能な産業開発を支援する。
● 地域開発統合基金( El Fondo integral para el Desarrollo Regional 、または「 FONDER 」)が、雇用創
出、輸出拡大および地域市場の開発を目標に、中小・零細企業(「 MESME 」)のニーズを重視して生産活動
やサービスの開発のための資金を提供する。
● 2021 年6月、国会は、環境保護意識の向上のための環境教育を全学年に取り入れる法律第 27,621 号を制定し
た。
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③ 最近の動向
共和国が講じた最近の措置
2023 年3月 31 日に終了した3か月間で、政府は経済の特定分野の支援、インフレ抑制のための条件の強化、経済の
持続可能な成長の促進および雇用の創出を目的とする以下の措置を発表した。
● 農業。 中小の生乳生産者を対象とする支援プログラム。これに従い政府は4か月にわたり、生乳1リットル
につき所定額の給付金(総給付額は 92 億ペソ)をペソ払いで給付する。日販 1,500 リットル以下の生産者に
は1リットル当たり 15 ペソが、および日販 1,501 リットル以上 5,000 リットル以下の生産者には1リットル当
たり 10 ペソが給付される。同プログラムの一生産者当たりの月額補償上限は 60 万ペソであり、対象となる生
乳生産者は日販 1,500 リットル以下で 2,600 件以上、および 1,501 リットル以上 5,000 リットル以下の生産者で
2,500 件以上と想定されている。
さらに政府は、 2023 年の当初数か月間にわたって主にサンタフェ州、エントレリオス州、コリエンテス州
およびチャコ州を襲い、農業生産や輸出収入の急減が懸念される深刻な干ばつの被害を軽減するため、いく
つかの措置を講じた。政府が採用した主な措置は、該当州の生産者を支援するものであり、これには (i)
小規模生産者に回転資金を提供するための州、自治体および/または農業協同組合との協定、 (ii) 所得税
の予納の猶予、 (iii) 徴税執行訴訟および銀行口座差押えの停止、 (iv) 干ばつの影響で強制的に処分され
た家畜の売却所得に係る所得税計算上の控除、 (v) 債務負担時の条件を維持してのリファイナンス、 (vi)
商業上の義務の履行、運転資金の確保および来期リース料の支払のための金利補助付きの新規信用供与枠、
(vii) 大豆生産者に財務費用を追加負担させる中央銀行の決定の一部廃止が含まれる。また、コルドバ州、
ブエノスアイレス州、サルタ州の生産者で緊急事態の認定を受けた者も、かかる支援を申請することができ
る。
● 商品価格。 2023 年2月、商務長官は、一部の商品について月間平均価格を 4.0 %から 3.2 %の範囲で値下げす
る公正価格( Precios Justos )プログラムを、 2023 年6月 30 日までに発効させると発表した。同プログラム
には、衣料品、建設、工業用品、繊維などの様々な産業から 482 社以上が参加し、その対象製品は 49,900 以
上となる。さらに政府は、食肉生産・加工商品産業の企業との間で、一部の食肉製品価格の値下げについて
合意した。
● 輸出関税。 2023 年1月6日、経済大臣は、輸出が増えた自動車産業の企業について、当該輸出増加分には輸
出関税をかけない旨を発表した。
● 社会保障。 2023 年2月 10 日、政府は、すべての退職給付金および年金を 73,000 ペソ超に維持するため、退職
給付金および年金を 17.04 %引き上げると発表した。さらに政府は、受給額が最低保証年金未満である者に
対して 2023 年3月、4月および5月に毎月固定で 15,000 ペソを、ならびに社会保障受給額が最低保証年金の
2か月分未満である者に対してはこれを段階的に 5,000 ペソまで減額して支給すると発表した。
さらに政府は、ユニバーサル児童手当( Asignación Universal por Hijo 、または「 AUH 」)を 11,465 ペソ
増額すること、および約 90 万人の児童を総合家族手当制度( Sistema Único de Asignaciones Familiares 、
または「 SUAF 」)に編入することを発表した。
● 所得税。 政府は 2023 年3月1日現在、家族手当として受給する金員の送金上限額を課税対象最低所得と同額
とし、当該上限額を 158,000 ペソから 404,000 ペソに引き上げることを発表した。
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● 2023 年5月 29 日、政府は、国連の 2030 年持続可能な開発目標の枠組みに沿って経済・社会目標を達成するた
めに公共投資および民間投資を管理する、サステナビリティ・ファイナンス国家戦略( Estrategia
Nacional de Finanzas Sostenibles )を採択した。
● 2023 年6月2日、経済大臣は、鶏製品、豚・牛の臓器、とうもろこし、乾燥フルーツおよびソルガムなど食
品産業の輸出品の多様化を促進するため、中国当局と交渉した。さらに経済大臣は、 (i) ダム建設プロ
ジェクト、 (ii) 電鉄システム用資材の購入、ならびに (iii) シルクロード経済圏および流通網の構想
(「一帯一路構想」)への参加協力プランに係るインフラ・プロジェクトの投資スケジュールについて、中
国開発銀行の総裁と協議した。
インフレーション
以下 の表は、表示期間中の 卸売物価指数( WPI )および 全国 CPI を示す。
全国 CPI WPI
20 23 年
1月 6.0 6.5
2月 6.6 7.0
3月 7.7 5.1
4月 8.4 6.9
5月 7.8 7.1
INDEC から発表された 2023 年5月の全国 CPI 手法の測定によるインフレ率は 42.2 %であり、これは主に衣料品、運輸
および食品の価格上昇により牽引された。 2023 年5月の対前年インフレ率は 114.2 %であった。
雇用および労働
賃金および労働生産性
2023 年6月の最低保証月額賃金は、 2022 年6月比で 93.2 %増の 87,987 ペソに設定された。
2022 年5月において、所得税の課税対象となる最低所得は 506,230 ペソであった。
社会保障制度
退職者向けプログラム
2023 年3月1日、国会は年金債務追納プラン( Plan de Pago de Deuda Previsional )を制定し、これにより定年
退職扱いを受けるチャンスが約 80 万人に開かれる見込みである。年金債務追納プランにより、定年年齢以上でありか
つ 30 年の社会保障拠出期間の要件をみたさない者について、年金の拠出不足を解消して定年退職者としての資格を得
るチャンスが与えられる。かかるチャンスは、定年退職年齢となる時に社会保障制度拠出期間の要件をみたせないこ
とが分かっている個人にも与えられる。
経済における国家の役割
エネルギー部門改革
2023 年2月2日、政府は、発電パークからの再生可能エネルギーの追加購入に関する公開入札を開始した。この公
募では、5億米ドル相当の投資に対して 620MW が割り当てられる見通しである。
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2023 年2月6日、政府は 2023 年のエネルギー料金区分に関するガイドラインを発表し、これにより助成金は引き続
き最脆弱部門に重点が置かれ、また居住者ユーザーの 49 %および月間需要量が 800kWh 未満の小規模事業者についてエ
ネ ルギーの季節変動価格が維持された(-② 最近5年間の経済の動向- (g) その他の経済関連情報-経済における
国家の役割-エネルギー部門改革」を参照のこと。)。
2023 年3月 12 日、政府は、国家原子エネルギー委員会および ENSI SE 社( Empresa Neuquina de Servicios de
Ingeniería Sociedad del Estado )との間で工業用重水プラント( Planta Industrial de Agua Pesada 、「 PIAP 」)
の保全、保守および整備に関する協定を締結し、これにより国内の原子力発電所の技術機構に重水を供給し、将来の
輸出機会を拡大することを目指す。
2023 年4月 24 日、政府は、電力の浪費削減に向けて 550 万米ドルを投資する電気エネルギー計画に着手し、その利
益は約 60 万人のユーザーに及ぶ見通しである。
ネストル・キルチネル・ガス・パイプライン(ケウネン州とブエノスアイレス州を結ぶ。)については、 2023 年
6月に第一期工事を開始し、その後、第二区の資金調達交渉を行う(-② 最近5年間の経済の動向- (g) その他の
経済関連情報-経済における国家の役割-エネルギー部門改革」を参照のこと。)。
貧困および所得分布
INDEC の大ブエノスアイレス圏における必需的財貨・サービスのバスケット評価によれば、標準的な家庭が必需的
財貨・サービスの一式を享受するために必要な額は、 2022 年2月の 83,807 ペソに対して 2023 年2月は 177,063 ペソで
あった。
INDEC によれば、世帯当たり必需食料バスケット額は、 2022 年2月の 37,414 ペソに対して 2023 年2月は 80,483 ペソ
であった。
アルゼンチンの貧困水準はパンデミックの拡大以降に悪化し、 2022 年下期には世帯の 29.6 %および人口の 39.2 %が
貧困レベルにあり、特に北東および北西地方において悪化が顕著であった。政府は、 COVID-19 の感染拡大期にもっと
も影響を受けた低所得部門への影響を緩和するための幅広い支援策を実施している。 「-① 近似の経済動向-フェ
ルナンデス政権- COVID-19 パンデミックへの対応措置」 を参照のこと。
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(3) 【貿易及び国際収支】
① 概 要
2017 年6月以降、共和国は、国際通貨基金( IMF )の国際収支および対外資産負債残高マニュアル第6版の分類基
準に準拠した手法に基づく国際収支統計を報告している。
国際収支勘定は、ある国の居住者とその他の世界各国の居住者との間で行われた取引高を計上するために用いられ
る。アルゼンチンの国際収支勘定は、以下3つの勘定から構成される。
● 経常収支: 当事国の国際貿易(財貨およびサービス)の一般的な尺度、居住者と非居住者の間の第一次所
得(労働力、金融資源または非生産・非金融資産の一時的使用による授受)および第二次所得(財貨および
投資収益の経常移転)を反映する。
● 資本移転等収支: 居住者と非居住者の間の非生産・非金融資産に係る貸方および借方への記入ならびに資
本の移転を表す。
● 金融収支: 居住者と非居住者の間の金融資産および金融負債の取得および処分(純額)を計上する。
2022 年、共和国の経常収支は、 2021 年の 67 億米ドルの黒字に対し、 38 億米ドルの赤字を計上した。この赤字の増加
は、主に財貨およびサービス貿易収支が減少したことによるものであり、 2021 年に計上した黒字が 150 億米ドルで
あったのに対し、 2022 年に計上した黒字は 55 億米ドルであった。
2022 年、共和国の資本移転等収支は、 2021 年に計上した2億 3,910 万米ドルの黒字から 6,220 万米ドル減少して、1
億 7,690 万米ドルの黒字を計上した。これは主に、非金融・非生産資産の取得および処分の総額の減少によるもので
あった。
2022 年、共和国の金融収支は、 64 億米ドルの純流入を計上した。これは主に 74 億米ドルのその他の投資に対する支
払いによるものであった。
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以下の表は、記載の期間におけるアルゼンチンの国際収支の情報を示す。
国 際 収 支
(単位:百万米ドル)
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
合計 合計 合計 合計 合計
3,121 6,708
(27,084) (3,492) (3,788)
経常収支
13,361 12,092 15,053
(9,678)
財貨およびサービス貿易
5,520
財 貨 (1)
(743) 18,234 14,631 18,696 12,353
貸 方 61,801 65,162 54,946 77,987 88,515
借 方 62,544 46,928 40,315 59,291 76,163
サービス (2)
(8,935) (4,843) (2,538) (3,643) (6,833)
貸 方 15,342 14,802 9,486 9,428 14,432
借 方 24,277 19,646 12,024 13,071 21,264
第一次所得収支(所得収支)
(18,650) (17,732) (10,119) (9,826) (11,321)
雇用者報酬 (79) (93) (81) (109) (101)
投資収益 (18,571) (17,639) (10,038) (9,717) (11,220)
直接投資 (7,421) (5,610) (2,502) (4,905) (6,093)
ポートフォリオ投資 (9,346) (8,708) (3,861) (1,405) (1,685)
その他の投資 (2,220) (3,650) (3,721) (3,413) (3,608)
準備資産 417 328 47 6 166
第二次所得収支(経常移転収支)
1,245 849 1,147 1,481 2,013
資本移転等収支 111 284 163 239 177
正味外部資金調達需要 3, 284 6,947 (3,611)
(26,973) (3,209)
(28,036) (5,119) (6,396)
金融収支 3,896 4,538
中央銀行 4,074 (22,375) (4,432) 6,920
(7,227)
準備金 11,277 (21,375) (106) 6,920
(7,727)
負 債 7,203 1,000 4,326 -
(500)
預金取扱機関 1,858 (2,691) 254 (1,747) (2,381)
政 府 (44,380) (7,978) 2,599 5,533 (5,794)
その他部門 10,412 27,924 8,271 5,184 (5,141)
(1,063) (1,911) 612 (2, 409) (2,785)
誤差脱漏純額
備忘項目
(21,375) (7,727) (106)
準備資産の取引の増減 11,277 6,920
中央銀行外貨準備高の推移 10,731 (20,937) (5,461) 275 4,936
為替調整 (546) 437 2,266 381 (1,984)
(1) 財貨は FOB ベースで計算されている。
(2) 輸出・輸入の輸送量および保険料を含む。
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② 対外貿易と国際収支の最近の傾向
(a) 経常収支
アルゼンチンの経常収支は、貿易取引収支、サービス貿易、第一次所得(雇用者報酬および投資収益)および第二
次所得(経常移転)で構成される。 2018 年から 2019 年の各年において経常収支は赤字を計上し、 2020 年および 2021 年
は黒字を計上した。
以下は、 2018 年から 2019 年の間に経常収支赤字に最も重要な影響を与えた要因である。
● 主として利息および配当の支払いによる第一次所得収支の赤字。
● 主として貨物および旅客運送、観光ならびにロイヤルティに関する赤字による 2018 年から 2019 年の期間にお
けるサービス貿易収支の赤字。
以下は、 2020 年および 2021 年の経常収支の黒字に影響を与えた要因である。
● 財貨貿易収支の黒字が牽引した貿易黒字。これはサービス収支の赤字により一部相殺された。
● 2020 年債務交換による支払利息の減少に牽引された第一次所得収支の赤字減少。
2018 年、経常収支は 2017 年の 312 億米ドルの赤字から 271 億米ドルの赤字計上となった。この赤字の減少は、主に
2018 年に計上した財貨貿易収支の赤字が 47 億米ドル減少し、財貨およびサービス貿易収支の赤字が 2017 年に計上した
151 億米ドルから 2018 年には 97 億米ドルへと 55 億米ドル減少したことによる。 2018 年、第一次所得収支は 2017 年の 164
億米ドルの赤字から 23 億米ドル増加して 186 億米ドルの赤字を計上したが、これは主に、ポートフォリオ投資による
流出が 34 億米ドル増加したことによるものであった。
2019 年、経常収支は 2018 年の 271 億米ドルの赤字から 35 億米ドルの赤字計上となった。この赤字の減少は、主に財
貨貿易収支が 182 億米ドルの黒字となり、財貨およびサービス貿易収支が 2018 年に計上した 97 億米ドルの赤字から
2019 年には 134 億米ドルの黒字へと 231 億米ドル変動したことによる。 2019 年、第一次所得収支は 2018 年の 186 億米ド
ルの赤字から9億米ドル減少して 177 億米ドルの赤字を計上したが、これは主に、直接投資による流出が 18 億米ドル
減少したことによるものであった。
2020 年、経常収支は 2019 年の 35 億米ドルの赤字から 31 億米ドルの黒字に転じた。この経常収支の変動は、主にポー
トフォリオ投資による流出が 48 億ドル減少し、直接投資による流出が 31 億米ドル減少したことで、第一次所得収支の
赤字が 76 億米ドル減少したことに起因した。財貨およびサービス貿易収支は、 2019 年に 134 億米ドルの黒字であった
のに対し、 2020 年は 121 億米ドルの黒字を計上した。この黒字の減少は、主に財貨貿易収支が 36 億米ドル減少したこ
とによるものであった。
2021 年、経常収支は 2020 年の 31 億米ドルの黒字から 67 億米ドルの黒字計上となった。この経常収支の変動は、主に
財貨貿易収支が 41 億米ドル増加するとともに、ポートフォリオ投資による流出が 25 億米ドル減少し、経常移転の黒字
が3億米ドル増加したことによる。財貨およびサービス貿易収支は、 2020 年に 121 億米ドルの黒字であったのに対
し、 2021 年は 151 億米ドルの黒字を計上した。この黒字の増加は、主に財貨輸出収支が 230 億米ドル増加したことによ
るものであった。
2022 年、経常収支は 2021 年の 67 億米ドルの黒字から 38 億米ドルの赤字計上となった。この経常収支の変動は、主に
財貨貿易収支が 63 億米ドル減少し、サービス貿易収支が 32 億米ドル減少するとともに、直接投資による流出が 12 億ド
ル増加したことによる。財貨およびサービス貿易収支は、 2021 年に 151 億米ドルの黒字であったのに対し、 2022 年は
55 億米ドルの黒字を計上した。この黒字の減少は、主に財貨輸入収支が 169 億米ドル増加し、サービス輸入収支が 82
億米ドル増加したことによるものであった。
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財貨の貿易
輸 出
2018 年において財貨輸出は、 2017 年比で 5.4 %増加の 618 億米ドルであった。この増加は主に価格の 5.7 %上昇によ
るものであり、輸出量が 0.4 %減少したことにより一部相殺された。
2018 年において、
● 一次産品の輸出は 5.4 %減少した。この減少は輸出量の 11.2 %減少(主として農業部門に影響を及ぼした干
ばつが原因)によるもので、価格の 6.5 %上昇により一部相殺された。
● 農業物加工品の輸出は 1.6 %増加した。この増加は価格の 7.0 %上昇によるもので、輸出量の 5.0 %減少によ
り一部相殺された。
● 工業製品の輸出は 9.7 %増加した。この増加は輸出量の 9.1 %増加および価格の 0.5 %上昇による。
● 燃料およびエネルギーの輸出は 69.6 %増加した。この増加は輸出量の 42.4 %増加および価格の 19.0 %上昇
による。
近年におけるアルゼンチンの主要な輸出品は、大豆や穀物などの商品、農産物加工品および工業製品である。 2018
年には、輸出全体の 59.9 %が(一次産品または加工品のいずれかの)農産物であった。また、 2018 年、 17 年間停止さ
れていたレモンの米国への輸出が再開され、メキシコへの輸出も開始した。
2018 年1月、アルゼンチンは、米国一般特恵関税制度を再度適用できることとなった。当該制度により、 500 を超
えるアルゼンチンの輸出者は特恵税率を享受している。アルゼンチンは、米国の会社に関連する ICSID 条約を遵守し
なかったため、 2012 年に当該制度の適用が停止されていた。さらに、 2018 年4月に米国は、アルゼンチンの鋼鉄およ
びアルミニウムの米国への輸出について関税を免除することで合意した。
2018 年1月、政府は、中国によるアルゼンチンの食肉輸入に対する制限撤廃について、中国と協定を締結した。
2019 年において財貨輸出は、 2018 年比で 5.4 %増加の 652 億米ドルであった。この増加は主に輸出量の 12.2 %増加に
よるものであり、価格が 6.0 %減少したことにより一部相殺された。
2019 年において、
● 一次産品の輸出は 25.1 %増加した。この増加は輸出量の 33.2 %増加(主として農業部門に影響を及ぼした
干ばつからの回復が起因した)によるもので、価格の 6.1 %低下により一部相殺された。
● 農業物加工品の輸出は 4.6 %増加した。この増加は輸出量の 14.2 %増加によるもので、価格の 8.5 %減少に
より一部相殺された。
● 工業製品の輸出は 6.8 %減少した。この減少は輸出量の 4.5 %減少および価格の 2.4 %低下による。
● 燃料およびエネルギーの輸出は 4.1 %増加した。この増加は輸出量の 12.6 %増加によるもので、価格の
7.6 %低下により一部相殺された。
2020 年において財貨輸出は、 2019 年比で 15.7 %減少の 549 億米ドルであった。この減少は主に輸出量の 13.1 %減少
および価格の 2.9 %低下によるものであった。
2020 年において、
● 一次産品の輸出は 7.5 %減少した。この減少は輸出量の 7.9 %減少(主として財貨およびサービスの国際貿
易に影響を及ぼした COVID-19 パンデミックに起因した)によるもので、価格の 0.4 %上昇により一部相殺さ
れた。
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● 農業物加工品の輸出は 9.1 %減少した。この減少は輸出量の 10.0 %減少によるもので、価格の 1.0 %上昇に
より一部相殺された。
● 工業製品の輸出は 30.8 %減少した。この減少は輸出量の 28.3 %減少および価格の 3.4 %低下による。
● 燃料およびエネルギーの輸出は 18.5 %減少した。この減少は価格の 32.4 %低下によるもので、輸出量の
20.9 %増加により一部相殺された。
2021 年5月 19 日、政府は 30 日間の食肉輸出の停止を発表した。 2021 年6月 22 日、政府は特定の牛肉片について輸出
を停止し、またその他の牛肉製品の輸出については月間輸出枠(該当製品につき 2020 年7月から 12 月の月間平均輸出
重量(トン)の 50 %以下)を設定し、それぞれ 2021 年 12 月 31 日まで行われた。政府は、 2021 年8月より上記の制限を
緩和したが、特定の牛肉片については、 2022 年1月から 2023 年 12 月 31 日までその輸出停止および規制が再度実施され
た。
2021 年に政府は、新たな輸出促進策を発表した。これは主に、 2018 年に政府が着手した戦略的部門における現地サ
プライヤー育成計画に資金提供しより多くの企業を取り込むことで、中小企業の生産変革を奨励するものである。こ
れらの輸出促進策には、以下が含まれる。
● 2021 年4月、政府は大統領令第 234/2021 号を発布し、輸出に関する投資促進制度を開始した。当該制度に
は、林業、鉱業、炭化水素産業、製造業および農産業部門の生産プロジェクトの推進に加えて、生産性向上
のため投資を必要とする既存の事業ユニットの拡大が含まれる。当該制度によって企業は、新規投資に関連
する輸出から取得した外貨の 20 %までを自由に使用することが認められ、その年間の上限は、当該プロジェ
クトに投資される外貨総額の 25 %である。
● 生産開発省は、 30 億ペソの MSME 産業開発プログラムの入札を行った。当該プログラムは、産業開発国家基
金( Fondo Nacional de Desarrollo Productivo 、「 FONDEP 」)の支援を受け、 MSME の生産性、付加価値お
よび輸出量の向上を目的とする MSME 向け戦略プロジェクトの立上げを想定したものである。
● 2021 年3月、生産開発省は、国家サプライヤー育成プログラム(「 PRODEPRO 」)の利用に興味を示す企業
向けのプログラムを開始した。当該プログラムは、産業を活性化し、国内の生産マトリックスを多様化する
ことで、戦略的部門における付加価値を向上させ、競争力と生産変革を促進するために、戦略的部門の国内
サプライヤーの育成を目指す。 2021 年、政府は、返還不要の拠出および借入金利補助を通じて、このプログ
ラムによる支援を別の部門に提供した。
2021 年において財貨輸出は、 2020 年比で 42 %増加の 780 億米ドルであった。この増加は、主に輸出量の 12.8 %増加
および価格の 25.8 %上昇によるものであった。
2021 年において、
● 一次産品の輸出は 34.6 %増加した。この増加は輸出量の 5.4 %増加および価格の 27.7 %上昇による。
● 農業物加工品の輸出は 42.0 %増加した。この増加は輸出量の 11.6 %増加および価格の 27.2 %上昇による。
● 工業製品の輸出は 49.9 %増加した。この増加は輸出量の 32.7 %増加および価格の 12.8 %上昇による。
● 燃料およびエネルギーの輸出は 46.3 %増加した。この増加は価格の 71.8 %上昇によるもので、輸出量の
14.9 %減少により一部相殺された。
2022 年において財貨輸出は、 2021 年比で 13.5 %増加の 884 億米ドルであった。この増加は、主に価格の 16.2 %上昇
によるものであったが、輸出量の 2.3 %減少により一部相殺された。
2022 年において、
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● 一次産品の輸出は 9.3 %増加した。この増加は価格の 12.6 %上昇によるもので、輸出量の 2.8 %減少により一
部相殺された。
● 農業物加工品の輸出は 7.0 %増加した。この増加は価格の 16.8 %上昇によるもので、輸出量の 8.3 %減少によ
り一部相殺された。
● 工業製品の輸出は 15.6 %増加した。この増加は輸出量の 3.0 %増加および価格の 12.3 %上昇による。
● 燃料およびエネルギーの輸出は 61.0 %増加した。この増加は価格の 43.7 %上昇および輸出量の 12.1 %増加に
よる。
以下の表は、記載の期間におけるアルゼンチンの輸出品の情報を示す。
製 品 別 輸 出 (1)
( 単位:百万米ドル )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
一次産品:
穀 物 7,646 9,408 9,040 13,645 15,548
種子および油糧種子 1,784 4,095 3,413 3,884 4,345
魚類および海産物(未加工
品) 1,860 1,558 1,485 1,721 1,536
果 物 856 711 678 627 524
野 菜 609 641 686 669 633
銅 504 346 214 397 300
タバコ 287 238 232 244 316
はちみつ 174 147 172 220 248
394 376 287 402 381
その他
14,021 17,520 16,207 21,808 23,830
合 計
農産物加工品:
残余物 (2)
9,997 9,515 8,404 12,743 13,216
油 脂 3,990 4,698 4,808 8,694 9,152
食 肉 2,702 3,946 3,424 3,501 4,156
野菜加工品 1,211 1,013 741 782 812
飲料、酒類および酢 939 889 884 973 946
製粉製品 718 777 690 846 1,018
乳製品 755 772 979 1,143 1,419
皮 革 743 586 325 450 463
1,886 1,768 1,531 1,798 1,873
その他
22,941 23,962 21,786 30,929 33,055
合 計
工業製品:
輸送機器 7,433 6,454 3,878 6,466 7,932
化成品 4,318 3,841 3,183 5,009 6,107
宝石および貴金属 2,504 2,563 2,144 2,555 2,673
卑金属 2,191 2,045 1,253 1,841 2,079
機械・設備 1,486 1,372 1,067 1,375 1,590
プラスチック 1,079 842 711 1,041 1,081
紙、段ボールおよび印刷物 504 471 363 458 463
ゴムおよびゴム製品 275 291 164 232 224
海上、河川および航空輸送機 186 195 77 162 246
642 1,137 458 776 654
その他
20,618 19,211 13,298 19,913 23,051
合 計
燃料およびエネルギー:
燃 料 3,613 4,422 3,593 5,284 8,509
588 - - - -
エネルギー
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4,201 4,422 3,593 5,284 8,509
合 計
61,782 65,115 54,884 77,934 88,446
輸出額合計
(1) FOB ベースで算定されている。
(2) 残余物とは、農産加工物からの残りの副産物でほかの目的で転売することができるもののことである。
出所 : INDEC および経済省
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製 品 別 輸 出 (1)
( 総輸出に占める比率 ( % ) )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
一次産品:
穀 物 12.3 14.4 16.4 17.5 17.6
種子および油糧種子 2.9 6.3 6.2 5.0 4.9
魚類および海産物(未加
工品) 3.0 2.4 2.7 2.2 1.7
果 物 1.4 1.1 1.2 0.8 0.6
野 菜 1.0 1.0 1.2 0.9 0.7
銅 0.8 0.5 0.5 0.5 0.3
タバコ 0.5 0.4 0.4 0.3 0.4
はちみつ 0.3 0.2 0.3 0.3 0.3
0.6 0.6 0.5 0.5 0.4
その他
22.7 26.9 29.5 28.0 26.9
合 計
農産物加工品:
残余物 (2)
16.2 14.6 15.4 16.4 14.9
油 脂 6.5 7.2 8.8 11.2 10.3
食 肉 4.4 6.1 6.2 4.5 4.7
野菜加工品 2.0 1.6 1.3 1.0 0.9
飲料、酒類および酢 1.5 1.4 1.6 1.2 1.1
製粉製品 1.2 1.2 1.3 1.1 1.2
乳製品 1.2 1.2 1.8 1.5 1.6
皮 革 1.2 0.9 0.6 0.6 0.5
3.1 2.7 2.7 2.3 2.1
その他
37.1 36.8 39.7 39.7 37.4
合 計
工業製品:
輸送機器 12.0 9.9 7.0 8.3 9.0
化成品 7.0 5.9 5.8 6.4 6.9
宝石および貴金属 4.1 3.9 3.9 3.3 3.0
卑金属 3.5 3.1 2.3 2.4 2.4
機械・設備 2.4 2.1 1.9 1.8 1.8
プラスチック 1.7 1.3 1.3 1.3 1.2
紙、段ボールおよび印刷
物 0.8 0.7 0.7 0.6 0.5
ゴムおよびゴム製品 0.4 0.4 0.3 0.3 0.3
海上、河川および航空輸
送機 0.3 0.3 0.1 0.2 0.3
1.0 1.7 0.9 1.0 0.7
その他
33.4 29.5 24.2 25.6 26.1
合 計
燃料およびエネルギー:
燃 料 5.8 6.8 6.5 6.8 9.6
1.0 - - - -
エネルギー
6.8 6.8 6.5 6.8 9.6
合 計
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
輸出額合計
(1) FOB ベースで算定されている。
(2) 残余物とは、農産加工物からの残りの副産物でほかの目的で転売することができるもののことである。
出所: INDEC および経済省
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輸 入
2018 年、財貨の輸入は、 2017 年の 669 億米ドルから 2.2 %減少して 655 億米ドルとなった。資本財とその部品および
付属品は 12.3 %減少し総輸入の 37.3 %となった一方、中間財の輸入は 14.6 %増加し総輸入の 31.2 %を占めた。燃料お
よびエネルギーの輸入は 14.6 %増加し、乗用車の輸入は 16.2 %減少した一方、消費財の輸入は 5.1 %減少した。上記
は米ドルの価値による。
2019 年、財貨の輸入は、 2018 年の 655 億米ドルから 25.0 %減少して 491 億米ドルとなった。資本財とその部品および
付属品は 23.8 %減少し総輸入の 37.9 %となり、中間財の輸入は 16.2 %減少し総輸入の 34.9 %を占めた。燃料およびエ
ネルギーの輸入は 32.2 %減少し、乗用車の輸入は 55.2 %減少した一方、消費財の輸入は 25.6 %減少した。上記は米ド
ルの価値による。
2020 年、財貨の輸入は、 2019 年の 491 億米ドルから 13.8 %減少して 424 億米ドルとなった。資本財とその部品および
付属品は 19.5 %減少し総輸入の 35.3 %となり、中間財の輸入は 2.1 %減少し総輸入の 39.6 %を占めた。燃料およびエ
ネルギーの輸入は 40.6 %減少し、乗用車の輸入は 31.7 %減少した一方、消費財の輸入は 4.7 %減少した。上記は米ド
ルの価値による。
2021 年、財貨の輸入は、 2020 年の 423 億米ドルから 49.2 %増加して 632 億米ドルとなった。資本財とその部品および
付属品は 47.5 %増加し総輸入の 34.9 %となり、中間財の輸入は 53.6 %増加し総輸入の 40.8 %を占めた。燃料およびエ
ネルギーの輸入は 121.3 %増加し、乗用車の輸入は 4.8 %増加した一方、消費財の輸入は 20.3 %増加した。上記は米ド
ルの価値による。
2022 年、財貨の輸入は、 2021 年の 632 億米ドルから 29.0 %増加して 815 億米ドルとなった。資本財とその部品および
付属品は 24.6 %増加し総輸入の 33.7 %となり、中間財の輸入は 16.5 %増加し総輸入の 36.8 %を占めた。燃料およびエ
ネルギーの輸入は 15.8 %増加し、乗用車の輸入は 2.4 %増加した一方、消費財の輸入は 10.5 %増加した。上記は米ド
ルの価値による。
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以下の表は、記載の期間におけるアルゼンチンの経済的用途別の輸入品の情報を示す。
経 済 的 用 途 別 輸 入 (1)
(単位:百万米ドル)
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
中間財 20,448 17,132 16,765 25,758 30,009
資本財の部品および付属品 12,171 10,124 7,592 11,890 15,037
資本財 12,238 8,478 7,374 10,181 12,454
消費財 8,488 6,314 6,015 7,236 8,567
燃料およびエネルギー 6,555 4,446 2,640 5,843 12,868
乗用車 5,275 2,362 1,614 1,692 1,996
307 268 356 584 592
その他
65,483 49,125 42,356 63,184 81,253
合 計
(1) CIF ベースで算定されている。この表に記載されたデータは、 FOB ベースで算定された「国際収支」の表に記載されたデータとは異
なる。
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以下の表は、記載の期間におけるアルゼンチンの主要な特性別の輸入製品の情報を示す。
製 品 別 輸 入 (1)
( 単位:百万米ドル )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
機械、装置および電気材料 17,333 14,013 11,145 16,175 20,215
工業製品 9,700 8,939 8,946 12,645 14,977
輸送機器 11,521 5,991 4,815 6,710 8,144
鉱 物 7,134 4,785 3,024 7,028 13,961
プラスチック、ゴムおよび
プラスチック・ゴム製品 3,394 2,968 2,850 4,194 5,066
常用金属および常用金属製品 3,621 2,784 2,348 4,431 5,042
野菜加工品 3,217 2,213 2,737 3,503 3,163
光学機器、医療・外科用精密機、
時計および楽器 1,797 1,435 1,232 1,680 1,947
繊維および繊維製品 1,572 1,173 1,118 1,379 1,835
木材パルプ、紙および段ボール 1,161 994 882 977 1,292
日用品およびその他の製品 1,172 838 660 858 1,128
飼料、飲料およびタバコ 1,075 800 829 995 1,195
靴、傘、造花およびその他 642 446 303 459 706
宝石、石膏、セメント、石綿、
雲母、陶磁器およびガラス 613 433 397 614 735
家畜および畜産物 320 263 218 320 357
その他の製品 1,209 1,051 852 1,216 1,760
65,483 49,125 42,356 63,184 81,523
輸入額合計
(1) CIF ベースで算定されている。この表に記載されたデータは、 FOB ベースで算定された「国際収支」の表に記載されたデータとは異
なる。
出所: INDEC および経済省
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製 品 別 輸 入 (1)
( 総輸入に占める比率 ( % ))
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
機械、装置および電気材料 26.5 28.5 26.3 25.6 24.8
工業製品 14.8 18.2 21.1 20.0 18.4
輸送機器 17.6 12.2 11.4 10.6 10.0
鉱 物 10.9 9.7 7.1 11.1 17.1
プラスチック、ゴムおよび
プラスチック・ゴム製品 5.2 6.0 6.7 6.6 6.2
常用金属および常用金属製品 5.5 5.7 5.5 7.0 6.2
野菜加工品 4.9 4.5 6.5 5.5 3.9
光学機器、医療・外科用精密機
器、時計および楽器 2.7 2.9 2.9 2.7 2.4
繊維および繊維製品 2.4 2.4 2.6 2.2 2.3
木材パルプ、紙および段ボール 1.8 2.0 2.1 1.5 1.6
日用品およびその他の製品 1.8 1.7 1.6 1.4 1.4
飼料、飲料およびタバコ 1.6 1.6 2.0 1.6 1.5
靴、傘、造花およびその他 1.0 0.9 0.7 0.7 0.9
宝石、石膏、セメント、石綿、
雲母、陶磁器およびガラス 0.9 0.9 0.9 1.0 0.9
家畜および畜産物 0.5 0.5 0.5 0.5 0.4
その他の製品 1.8 2.1 2.0 1.9 2.2
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
輸入額合計
(1) CIF ベースで算定されている。この表に記載されたデータは、 FOB ベースで算定された「国際収支」の表に記載されたデータとは異
なる。
出所: INDEC および経済省
貿易の規制
1990 年代の初めまで、アルゼンチンは、輸入代替政策を手本とし、高い貿易障壁を有する比較的閉鎖的な経済で
あった。 1960 年代から 1980 年代を通じ、貿易自由化のための改革が何度か実行されたが、 1990 年代になって初めて政
府は大幅な貿易自由化政策を実施した。
1990 年代の貿易政策は比較的安定しており、経済のいくつかの部門における少ない輸出税と低い輸入税率によって
特徴付けられる。兌換制度が崩壊した 2002 年以降、政府は、歳入の増加、外貨流出の抑制、基本財貨の価格決定管理
(輸出抑制を含む。)および地域産業の保護を目的とした貿易政策を採用した。
貿易の地域分布
アルゼンチンの最大の貿易相手国はブラジルである。アルゼンチンはまた、中国、米国ならびにラテンアメリカお
よびヨーロッパ諸国を含むその他の国々とも相当な量の貿易を行っている。
以下の表は、記載の期間におけるアルゼンチンの輸出の地域分布の情報を示す。
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輸 出 の 地 域 分 布 (1)
( 単位:百万米ドル )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
ブラジル 11,288 10,385 7,941 11,767 12,637
中 国 4,497 7,053 5,397 6,295 8,015
米 国 4,287 4,110 3,310 4,999 6,701
チリ 3,059 3,069 2,888 4,205 5,020
オランダ 1,718 1,807 1,593 2,985 3,567
ペルー 1,169 1,588 1,378 2,008 2,439
スペイン 1,594 1,432 1,103 1,849 1,735
ウルグアイ 1,247 1,136 1,051 1,334 1,544
パラグアイ 1,257 1,017 876 1,293 1,322
ドイツ 1,055 942 723 811 887
カナダ 1,339 651 439 705 874
その他の ALADI 諸国 (2)
3,239 3,077 2,330 3,591 4,468
その他の EU 諸国 4,887 4,641 5,487 6,607 7,223
ASEAN 諸国 5,260 6,351 5,845 7,431 7,875
中東諸国 2,932 3,304 3,194 4,499 4,649
その他のアジア諸国 2,656 3,905 3,992 7,396 8,018
その他 (3)
9,153 9,743 6,488 9,323 10,151
1,145 904 849 836 1,321
目的地未詳 (4)
61,782 65,115 54,884 77,934 88,446
合 計
備忘項目 :
メルコスール (5)
14,173 12,690 9,999 14,603 15,761
ALADI
21,259 20,272 16,464 24,198 27,430
(1) FOB ベースで算定されている。
(2) 2022 年 12 月 31 日現在、 ALADI 諸国は以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、キューバ、
エクアドル、メキシコ、パラグアイ、ペルー、パナマ、ウルグアイおよびベネズエラ。
(3) その他の全ての国への輸出を含む。
(4) 目的地が特定できない輸出を含む。
(5) 2023 年6月 22 日現在、メルコスールは以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ブラジル、パラグアイおよびウルグアイ。ベネズ
エラ・ボリバル共和国については、ウシュアイア議定書の第5条2項の規定により、メルコスール加盟国としての地位に固有のすべ
ての権利義務が停止されている。メルコスール加盟国についての詳細は、「 (1) 概要-② 政治および外交- (b) 外交および国際機
関-メルコスール」を参照のこと。
出所: INDEC および経済省
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輸 出 の 地 域 分 布 (1)
( 総輸出に占める比率 ( % ) )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
ブラジル 18.3 15.9 14.5 15.1 14.3
中 国 7.3 10.8 9.8 8.1 9.1
米 国 6.9 6.3 6.0 6.4 7.6
チリ 5.0 4.7 5.3 5.4 5.7
オランダ 2.8 2.8 2.9 3.8 4.0
ペルー 1.9 2.4 2.5 2.6 2.8
スペイン 2.6 2.2 2.0 2.4 2.0
ウルグアイ 2.0 1.7 1.9 1.7 1.7
パラグアイ 2.0 1.6 1.6 1.7 1.5
ドイツ 1.7 1.4 1.3 1.0 1.0
カナダ 2.2 1.0 0.8 0.9 1.0
その他の ALADI 諸国 (2)
5.2 4.7 4.2 4.6 5.1
その他の EU 諸国 7.9 7.1 10.0 8.5 8.2
ASEAN 諸国 8.5 9.8 10.6 9.5 8.9
中東諸国 4.7 5.1 5.8 5.8 5.3
その他のアジア諸国 4.3 6.0 7.3 9.5 9.1
その他 (3)
14.8 15.0 11.8 12.0 11.5
1.9 1.4 1.5 1.1 1.5
目的地未詳 (4)
合 計
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
備忘項目 :
メルコスール (5)
22.9 19.4 18.2 18.7 17.8
ALADI
34.4 31.1 30.0 31.0 31.0
(1) FOB ベースで算定されている。
(2) 2022 年 12 月 31 日現在、 ALADI 諸国は以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、キューバ、
エクアドル、メキシコ、パラグアイ、パナマ、ペルー、ウルグアイおよびベネズエラ。
(3) その他の全ての国への輸出を含む。
(4) 目的地が特定できない輸出を含む。
(5) 2023 年6月 22 日現在、メルコスールは以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ブラジル、パラグアイおよびウルグアイ。ベネズ
エラ・ボリバル共和国については、ウシュアイア議定書の第5条2項の規定により、メルコスール加盟国としての地位に固有のすべ
ての権利義務が停止されている。メルコスール加盟国についての詳細は、「 (1) 概要-② 政治および外交- (b) 外交および国際機
関-メルコスール」を参照のこと。
出所: INDEC および経済省
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アルゼンチン共和国(E06011)
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以下の表は、記載の期間におけるアルゼンチンの輸入の地域分布の情報を示す。
輸 入 の 地 域 分 布 (1)
( 単位:百万米ドル )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
ブラジル 15,577 10,094 8,649 12,392 15,979
中 国 12,092 9,267 8,664 13,538 17,516
米 国 7,716 6,274 4,414 5,922 10,330
ドイツ 3,351 2,766 1,988 2,527 2,719
パラグアイ 2,177 1,647 2,218 2,915 1,959
ボリビア 1,442 1,369 1,030 1,055 2,220
イタリア 1,559 1,126 1,007 1,312 1,678
メキシコ 1,877 1,125 946 1,403 1,711
スペイン 1,431 977 706 1,084 1,260
日 本 1,082 895 724 1,140 1,201
フランス 1,110 885 782 1,002 1,099
その他の ALADI 諸国 (2)
2,140 1,633 1,560 2,183 3,262
その他の EU 諸国 3,815 3,193 2,142 4,889 6,281
ASEAN 諸国 2,867 2,685 2,489 3,928 4,225
中東諸国 1,147 533 482 1,579 2,534
その他のアジア諸国 2,056 1,670 1,558 2,643 3,226
その他 (3)
3,448 2,403 2,544 3,007 3,431
596 583 453 665 892
原産地未詳 (4)
65,483 49,125 42,356 63,184 81,523
合 計 (5)
備忘項目 :
メルコスール (6)
18,235 12,159 11,284 15,929 19,264
ALADI
23,213 15,868 14,403 19,948 25,131
(1) CIF ベースで算定されている。
(2) 2022 年 12 月 31 日現在、 ALADI 諸国は以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、キューバ、
エクアドル、メキシコ、パラグアイ、パナマ、ペルー、ウルグアイおよびベネズエラ。
(3) その他の全ての国からの輸入を含む。
(4) 原産地が特定できない輸入を含む。
(5) この表のデータは「国際収支」の表に記載のデータより更新頻度が高いため、この表の輸入合計は「国際収支」の表のデータとは
異なることがある。
(6) 2023 年6月 22 日現在、メルコスールは以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ブラジル、パラグアイおよびウルグアイ。ベネズ
エラ・ボリバル共和国については、ウシュアイア議定書の第5条2項の規定により、メルコスール加盟国としての地位に固有のすべ
ての権利義務が停止されている。メルコスール加盟国についての詳細は、「 (1) 概要-② 政治および外交- (b) 外交および国際機
関-メルコスール」を参照のこと。
出所: INDEC および経済省
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輸 入 の 地 域 分 布 (1)
( 総輸入に占める比率 ( % ) )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
ブラジル 23.8 20.5 20.4 19.6 19.6
中 国 18.5 18.9 20.5 21.4 21.5
米 国 11.8 12.8 10.4 9.4 12.7
ドイツ 5.1 5.6 4.7 4.0 3.3
パラグアイ 3.3 3.4 5.2 4.6 2.4
ボリビア 2.2 2.8 2.4 1.7 2.7
イタリア 2.4 2.3 2.4 2.1 2.1
メキシコ 2.9 2.3 2.2 2.2 2.1
スペイン 2.2 2.0 1.7 1.7 1.5
日 本 1.7 1.8 1.7 1.8 1.5
フランス 1.7 1.8 1.8 1.6 1.3
その他の ALADI 諸国 (2) 3.3
3.3 3.7 3.5 4.0
その他の EU 諸国 5.8 6.5 5.1 7.7 7.7
ASEAN 諸国 4.4 5.5 5.9 6.2 5.2
中東諸国 1.8 1.1 1.1 2.5 3.1
その他のアジア諸国 3.1 3.4 3.7 4.2 4.0
その他 (3) 5.3
4.9 6.0 4.8 4.2
0.9 1.2 1.1 1.1 1.1
原産地未詳 (4)
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
合 計 (5)
備忘項目 :
メルコスール (6)
27.8 24.8 26.6 25.2 23.6
ALADI
35.4 32.3 34.0 31.6 30.8
(1) CIF ベースで算定されている。
(2) 2022 年 12 月 31 日現在、 ALADI 諸国は以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、キューバ、
エクアドル、メキシコ、パラグアイ、パナマ、ペルー、ウルグアイおよびベネズエラ。
(3) その他の全ての国からの輸入を含む。
(4) 原産地が特定できない輸入を含む。
(5) この表のデータは「国際収支」の表に記載のデータより更新頻度が高いため、この表の輸入合計は「国際収支」の表のデータとは
異なることがある。
(6) 2023 年6月 22 日現在、メルコスールは以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ブラジル、パラグアイおよびウルグアイ。ベネズ
エラ・ボリバル共和国については、ウシュアイア議定書の第5条2項の規定により、メルコスール加盟国としての地位に固有のすべ
ての権利義務が停止されている。メルコスール加盟国についての詳細は、「 (1) 概要-② 政治および外交- (b) 外交および国際機
関-メルコスール」を参照のこと。
出所: INDEC および経済省
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メルコスール(南米共同市場)諸国との貿易
枠 組 み
アルゼンチンの他に、メルコスールにはブラジル、パラグアイ、ウルグアイおよび 2012 年からベネズエラが加盟国
として含まれている。 2016 年 12 月以降、ベネズエラの正式加盟国としての資格が、他の加盟国により一時停止となっ
た。詳細は「 (1) 概要- ② 政治および外交- (b) 外交および国際機関-メルコスール」を参照のこと。 2015 年7
月、ボリビアは、正式加盟国となるための協定書に署名したが、現在もブラジル、パラグアイおよびボリビアの議会
による承認が条件となっている。メルコスールの目的は、貿易障壁の撤廃、マクロ経済政策の調和ならびに共通対外
関税および共通対外貿易政策の設定により加盟国の経済を段階的に統合することである。ただし、詳細は「 (1) 概要
-② 政治および外交- (b) 外交および国際機関」を参照のこと。
貿 易
メルコスール加盟国間の貿易は、 2010 年までの 10 年において大幅に増加したが、その後減少した。この減少は、国
内外の経済状況の悪化という状況下で起きている。かかる業績の悪化は広くすべての加盟国に影響をもたらしてい
る。
2022 年におけるアルゼンチンのメルコスール加盟国との貿易は、アルゼンチンの貿易総額の 20.6 %を占める 350 億
米ドルに達した。アルゼンチンのメルコスール加盟国への輸出は 158 億米ドルで、アルゼンチンの総輸出額の 17.8 %
を占めた一方、メルコスールからの輸入は 193 億米ドルで、アルゼンチンの総輸入額の 23.6 %を占めた。アルゼンチ
ンのメルコスールとの貿易収支は、 2021 年の 13 億 3,000 万米ドルの赤字から 2022 年の 35 億米ドルの赤字となった。こ
の変動は、主に対ブラジル貿易赤字が 2021 年の7億米ドルの赤字から 2022 年には 34 億米ドルの赤字へと増加したこと
によるものであった。
ブラジル
ブラジルはアルゼンチンの主要輸出先市場かつ輸入元である。工業製品は総輸出額の約 61.6 %を占める。 2022 年、
ブラジルからの主要輸入品は、合計 70 億米ドルに相当する中間財、および 33 億米ドルに相当する部品および付属品で
あった。 2022 年における対ブラジル主要輸出品は合計 78 億米ドルに相当する工業製品で、これに一次産品が続き、合
計 20 億米ドルに相当した。アルゼンチンの対ブラジル貿易は、 2021 年の7億米ドルの赤字から 2022 年には 34 億米ドル
の赤字となった。これは、対ブラジル輸入合計が 28.8 %増加したためである。
2021 年との比較で 2022 年にブラジルへの輸出が増加したのは、主に工業製品の輸出における 17.4 %の増加および農
産物加工品における 20.1 %の増加による。
2021 年との比較で 2022 年にブラジルからの輸入が増加したのは、資本財の部品および付属品の輸入が 42.1 %増加し
たこと、ならびに中間財の輸入が 17.5 %増加したことによる。
中 国
中国はアルゼンチンの主要な貿易相手国の1つである。中国からの輸入品は、主に化学製品、機械および電子機
器、オートバイおよびシリンダー容積の小さいエンジン、ならびに玩具を含む。中国への輸出品には、主に小麦、大
豆およびトウモロコシなどの農産物に加え、食肉および食肉製品が含まれる。
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2022 年における中国からの輸入品は、主に中間財(合計 59 億米ドル相当)、資本財(合計 53 億米ドル相当)ならび
に部品および付属品(合計 38 億米ドル相当)であった。 2022 年における中国への輸出品は、主に一次産品(合計 44 億
米ドル相当)、これに農産物加工品(合計 30 億米ドル相当)が続く。アルゼンチンの対中国貿易赤字は、 2021 年の 72
億 米ドルから 2022 年の 95 億米ドルとなった。
2021 年との比較で 2022 年に中国からの総輸入額が 29.4 %増加したのは、主に中間財の輸入が増加したことによる。
2021 年との比較で 2022 年に中国への総輸出額が 27.3 %増加したのは、主に一次産品の輸出が 35.6 %増加し、農産物
加工品の輸出が 8.6 %増加したことによる。
米 国
米国は歴史的にアルゼンチンの最も重要な貿易相手国の1つであった。アルゼンチンの対米輸入では資本財および
中間財が非常に大きな割合を占める一方で、アルゼンチンの対米輸出では工業製品が大きな割合を占めている。
2022 年、米国からの輸入品には、主に総額 35 億米ドルになる中間財、総額 42 億米ドルになる燃料および総額9億米
ドルとなる資本財(機械、機器および電子材など)が含まれた。同期間の対米輸出品は、主に総額 22 億米ドルの工業
製品があり、総額 27 億米ドルで燃料が続いた。アルゼンチンの対米貿易赤字は、 2021 年の9億米ドルから 2022 年は 36
億米ドルとなった。これは主に、米国への輸出総額が 34.0 %増加した一方で、米国からの輸入総額の増加が 74.4 %で
あったためである。
2021 年との比較で 2022 年に米国からの輸入が増加したのは、主に燃料および中間財がそれぞれ 225.5 %および
45.6 %増加したことによる。
2021 年から 2022 年に米国への輸出が増加したのは、主に農産物加工品の輸出が 5.8 %増加し、燃料およびエネル
ギーの輸出が 144.2 %増加したことによる。
日 本
2022 年において、アルゼンチンから日本への輸出は総輸出の 0.9 %を占め、日本からの輸入は総輸入の 1.5 %を占め
た。貿易収支は全期間を通じて日本の受取り超過であった。
2022 年において、日本に対する貿易赤字は、 2021 年の4億 1,800 万米ドルから 2.9 %減少して、4億 600 万米ドルと
なった。さらに、 2022 年の輸出の増加率は、主として穀物等の一次産品の輸出によって輸入の増加率の2倍にのぼっ
たが、名目値では輸入が輸出を上回ったため、貿易赤字は微減であった。以下の表は、 2018 年から 2022 年までのアル
ゼンチンの日本との貿易を示す。
( 単位:百万米ドル )
貿 易 収 支
年 輸 出 輸 入
2018 年 486 1,082 (596)
2019 年 453 895 (442)
2020 年 317 724 (406)
2021 年 722 1,140 (418)
2022 年 795 1,201 (406)
サービス貿易
サービス貿易収支は、非居住者がアルゼンチン国内で購入したサービスの額と、アルゼンチン居住者がアルゼンチ
ン国外で購入したサービス(金融サービスを含むが、利息、配当およびその他の収入の支払いは除く。)の金額との
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対比を計上したものである。たとえば、サービス貿易の赤字は、アルゼンチン居住者がアルゼンチン国外で購入した
サービスの価値が、非居住者がアルゼンチン国内で購入したサービスの価値を超えることを指す。アルゼンチンの
サー ビス収支は、輸出入取引に関連する輸送費および保険料を含むため、アルゼンチンの財貨貿易の全体的水準をも
部分的に織り込んだものとなっている。
2018 年において、サービス貿易収支に計上された純流出は8億米ドル減少して 89 億米ドルとなった。これは、サー
ビス収支の流出減少がサービス収支の流入増加を上回ったためである。具体的には、サービス貿易収支に計上された
2018 年の純流出の減少は以下に起因する。
● 観光収支の純流出が、 2017 年の 60 億米ドルから 15.0 %減少して、 2018 年は 51 億米ドルとなった。
● ロイヤルティ収支の純流出が、 2017 年の 20 億米ドルから 13.1 %減少して、 2018 年は 17 億米ドルとなった。
2019 年において、サービス貿易収支に計上された純流出は 41 億米ドル減少して 48 億米ドルとなった。これは、サー
ビス収支の流出減少がサービス収支の流入減少を上回ったためである。具体的には、サービス貿易収支に計上された
2019 年の純流出の減少は以下に起因する。
● 観光収支の純流出が、 2018 年の 51 億米ドルから 48.9 %減少して、 2019 年は 26 億米ドルとなった。
● 輸送収支の純流出が、 2018 年の 30 億米ドルから 33.8 %減少して、 2019 年は 20 億米ドルとなった。
2020 年において、サービス貿易収支に計上された純流出は 23 億米ドル減少して 25 億米ドルとなった。これは、サー
ビス収支の流出減少がサービス収支の流入減少を上回ったためである。具体的には、サービス貿易収支に計上された
2020 年の純流出の減少は以下に起因する。
● 観光収支の純流出が、 2019 年の 26 億米ドルから 102.9 %減少して、 2020 年は 12 億米ドルとなった。
● 輸送収支の純流出が、 2019 年の 20 億米ドルから 42.6 %減少して、 2020 年は9億米ドルとなった。
2021 年において、サービス貿易収支に計上された純流出は 11 億米ドル増加して 36 億米ドルとなった。これは、サー
ビス収支の流出増加およびサービス収支の流入減少によるものであった。具体的には、サービス貿易収支に計上され
た 2021 年の純流出の増加は以下に起因する。
● ロイヤルティ収支の純流出が、 2020 年の9億米ドルから 26.2 %増加して、 2021 年は 12 億米ドルとなった。
● 輸送収支の純流出が、 2020 年の9億米ドルから 134.1 %増加して、 2021 年は 20 億米ドルとなった。
2022 年において、サービス貿易収支に計上された純流出は 32 億米ドル増加して 68 億米ドルとなった。これは、サー
ビス収支の流出増加によるものであったが、サービス収支の流入増加により一部相殺された。具体的には、サービス
貿易収支に計上された 2022 年の純流出の増加は以下に起因する。
● 観光収支の純流出が、 2021 年の9億米ドルから 118.0 %増加して、 2022 年は 21 億米ドルとなった。
● 輸送収支の純流出が、 2021 年の 20 億米ドルから 106.0 %増加して、 2022 年は 41 億米ドルとなった。
以下の表は、記載された期間におけるアルゼンチンのサービス貿易の純収支を示す。
サ ー ビ ス
( 単位:百万米ドル、現在価格 )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
輸 送:
貨 物 (2,027) (1,453) (1,304) (2,440) (3,583)
旅 客 (1,977) (1,583) (340) (489) (1,626)
その他 1,028 1,067 788 924 1,077
輸送合計 (2,976) (1,969) (857) (2,005) (4,132)
観 光 (5,107) (2,609) (1,164) (961) (2,094)
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ロイヤルティ (1,733) (1,404) (940) (1,185) (1,481)
専門職・技術・業務サービス 1,133 1,440 843 1,049 1,491
その他 (1) (252) (299) (421) (540) (617)
サービス合計 (8,935) (4,843) (2,538) (3,643) (6,833)
(1) 電気通信、建設、保険、金融、情報、娯楽およびリクレーションサービスならびに一部の政府サービスを含む。
出所: INDEC および経済省
観 光
2018 年、観光部門は、 2017 年の 60 億米ドルの純流出に対して 51 億米ドルの純流出を計上した。この純流出の減少は
主に、居住者の海外旅行に関する流出が 6.2 %減少した一方で、非居住者の訪アルゼンチン旅行に関する流入が 3.6 %
増加したことによる。
2019 年、観光部門は、 2018 年の 51 億米ドルの純流出に対して 26 億米ドルの純流出を計上した。この純流出の減少は
主に、居住者の海外旅行に関する流出が 26.4 %減少した一方で、非居住者の訪アルゼンチン旅行に関する流入が
5.8 %減少したことによる。
2020 年、観光部門は、 2019 年の 26 億米ドルの純流出に対して 12 億米ドルの純流出を計上した。この純流出の減少は
主に、居住者の海外旅行に関する流出が 63.2 %減少した一方で、非居住者の訪アルゼンチン旅行に関する流入が
67.0 %減少したことによる。
2021 年、観光部門は、 2020 年の 12 億米ドルの純流出に対して 10 億米ドルの純流出を計上した。この純流出の減少は
主に、居住者の海外旅行に関する流出が 52.8 %減少したことによる。 2021 年、非居住者の訪アルゼンチン旅行に関す
る流入は 76.5 %減少した。
2022 年、観光部門は、 2021 年の 10 億米ドルの純流出に対して 21 億米ドルの純流出を計上した。この純流出の増加は
主に、居住者の海外旅行に関する流出が 307.0 %増加したことによる。 2022 年、非居住者の訪アルゼンチン旅行に関
する流入は 753.0 %増加した。
以下の表は、記載された期間におけるアルゼンチンの観光情報を示す。
観 光 統 計
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
観光収入 ( 単位:百万米ドル ) 5,563 5,240.7 1,728 405.7 3,461
観光支出 ( 単位:百万米ドル ) 10,670 7,850.1 2,892 1,366 5,555
収支 ( 単位:百万米ドル ) (5,107) (2,609) (1,164) (960.7) (2,094)
出所: INDEC および経済省
第一次所得
第一次所得収支は、居住者と非居住者の間における労働力、金融資源および非生産・非金融資産(雇用者報酬なら
びに直接投資、ポートフォリオ投資、その他の投資および準備資産から稼得する収益で構成される投資収益を含
む。)の一時的な使用の授受に係る対価の支払額および受取額を計上する。
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2018 年、第一次所得の赤字は、 2017 年から 13.9 %増加し 186 億米ドルとなった。これは主に、ポートフォリオ投資
による赤字が 2017 年比で 56.3 %増加し、その他の投資による赤字が 25.6 %増加したためであるが、直接投資による赤
字の 14.5 %の減少により一部相殺された。
2019 年、第一次所得の赤字は、 2018 年から 4.9 %減少し 177 億米ドルとなった。これは主に、直接投資による赤字が
2018 年比で 24.4 %減少し、ポートフォリオ投資による赤字が 6.8 %減少したためであるが、その他の投資による赤字
の 64.4 %の増加により一部相殺された。
2020 年、第一次所得の赤字は、 2019 年から 42.9 %減少し 101 億米ドルとなった。これは主に、直接投資による赤字
が 2019 年比で 55.4 %減少し、ポートフォリオ投資による赤字が 55.7 %減少したためである。
2021 年、第一次所得の赤字は、 2020 年から 2.9 %減少し 98 億米ドルとなった。これは主に、ポートフォリオ投資に
よる赤字が 61.1 %減少したためである。
2022 年、第一次所得の赤字は、 2021 年から 15.2 %増加し 113 億米ドルとなった。これは主に、直接投資による赤字
が 24.4 %増加したためである。
以下の表は、記載された期間における第一次所得情報を示す。
第 一 次 所 得
( 単位:百万米ドル )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
第一次所得収支(所得収支) (18,650) (17,732) (10,119) (9,825) (11,321)
貸 方 6,277 6,328 4,046 2,477 3,524
雇用者報酬 90 80 76 68 70
投資所得 6,187 6,248 3,970 2,410 3,453
直接投資 1,523 1,302 850 854 1,123
ポートフォリオ投資 3,034 3,238 2,226 955 1,103
その他の投資 1,213 1,380 846 594 1,062
準備資産 417 328 47 6 166
借 方 24,927 24,060 14,165 12,302 14,844
雇用者報酬 169 173 157 174 171
投資所得 24,758 23,887 14,008 12,129 14,674
直接投資 8,945 6,911 3,353 5,750 7,216
ポートフォリオ投資 12,380 11,946 6,087 2,368 2,788
その他の投資 3,433 5,030 4,568 4,010 4,670
出所: INDEC および経済省
(b) 資本移転等収支
資本移転等収支は、アルゼンチンの居住者と非居住者の間の資本移転ならびに非生産・非金融資産の取得および処
分を計上する。
IMF の勧告に従い 2017 年に INDEC が採用した国際収支の報告手法が要求する通り、資本移転等収支は金融収支とは別
個に表示される。
2018 年から 2022 年の各年度において、資本移転等収支は黒字を計上した。
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2018 年、資本移転等収支は、 2017 年の資本移転等収支に計上した1億 7,300 万米ドルの黒字から 36.0 %減少し、1
億 1,110 万米ドルの黒字を計上した。
2019 年、資本移転等収支は、 2018 年の資本移転等収支に計上した1億 1,110 万米ドルの黒字から 155.6 %増加し、2
億 8,390 万米ドルの黒字を計上した。
2020 年、資本移転等収支は、 2019 年の資本移転等収支に計上した2億 8,390 万米ドルの黒字から 42.5 %減少し、1
億 6,310 万米ドルの黒字を計上した。
2021 年、資本移転等収支は、 2020 年の資本移転等収支に計上した1億 6,310 万米ドルの黒字から 46.6 %増加し、2
億 3,910 万米ドルの黒字を計上した。
2022 年、資本移転等収支は、 2021 年の資本移転等収支に計上した2億 3,910 万米ドルの黒字から 26.0 %減少し、1
億 7,790 万米ドルの黒字を計上した。
(c) 金融収支
金融収支は、居住者と非居住者の間での金融資産および金融負債の取得および処分の純額を計上する。
金融収支には、直接投資フロー、ポートフォリオ投資、金融デリバティブ(外貨準備を除く。)、その他の投資お
よび準備資産(貨幣用の金、特別引出権、 IMF 準備ポジションおよびその他の準備資産)が含まれる。中央銀行準備
金は金融収支の一部を構成する。外国人所有資産によりアルゼンチンで生成された分配所得のうち、所有者の決定か
否かにかかわらず、または規制上の障害(送金規制等)により分配されていないものについては、金融収支上生成さ
れたが送金されていない年度の流入として取り扱われる。
2018 年に、金融収支は、 2017 年から 10.4 %の減少となる 280 億米ドルの純流入を計上した。
預金取扱機関: 2018 年、預金取扱機関は、 2017 年に計上した 61 億米ドルの純流入に対し、 19 億米ドルの純流出を
計上した。これらの流出は主に、対外資産(主に現金および預金)の取得の増加および非居住者が保有する預金取扱
機関の債務免除(純額)に起因した。
政府: 2018 年、非金融公共部門は、前年に計上した 339 億米ドルの純流入から 104 億米ドルの増加となる 444 億米
ドルの純流入を計上した。この増加は主に、 2018 年1月の国際資本市場における債務証券の売出し、 IMF と締結した
SBA に基づく金融支援、ならびに共和国が締結した取引に従った 2024 年満期の Bonares 債および 2025 年満期の Bonares
債の売出しに起因した。共和国は、当該取引に基づき定められた金額を支払うことで当該 Bonares 債を消却できる権
利が付与されている。この増加は、ポートフォリオ投資の流出により一部相殺された。売出しの対象である 2024 年満
期の Bonares 債および 2025 年満期の Bonares 債は、 2019 年8月に消却された。
その他部門: 2018 年、その他部門は、前年の6億 9,500 万米ドルの純流入に対して 104 億米ドルの純流出を計上し
た。この変動は主に、海外金融資産(通貨および預金)の取得の増加によるものであった。
経常収支、資本移転等収支および金融収支の変動の結果、中央銀行の外貨準備高は 113 億米ドル増加した。
中央銀行の金融負債は 72 億米ドル増加した。これは、中央銀行と中国人民銀行との間の通貨スワップ協定に基づく
借入金によるものであったが、残存していた Lebacs 債の消却により一部相殺された。
2019 年に、金融収支は、 2018 年から 81.7 %の減少となる 51 億米ドルの純流入を計上した。
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預金取扱機関: 2019 年、預金取扱機関は、 2018 年に計上した 19 億米ドルの純流出に対し、 27 億米ドルの純流入を
計上した。これらの流入は主に、対外資産(主に現金および預金)の取得の増加によるものであり、預金取扱機関の
対外債務の免除(純額)を上回った。
政府: 2019 年、非金融公共部門は、 2018 年に計上した 444 億米ドルの純流入から 364 億米ドルの減少となる 80 億米
ドルの純流入を計上した。この減少は主に、国際資本市場における債務証券の売出し額の減少、および IMF と締結し
た SBA に基づく金融支援の減少に起因した。
その他部門: 2019 年、その他部門は、前年の 104 億米ドルの純流出に対して 279 億米ドルの純流出を計上した。こ
の増加は主に、対外金融資産(通貨および預金)の取得の増加によるものであった。
経常収支、資本移転等収支および金融収支の変動の結果、中央銀行の外貨準備高は 214 億米ドル減少した。
中央銀行の金融負債は 10 億米ドル増加した。これは、中央銀行と中国人民銀行との間の通貨スワップ協定に基づく
借入金によるものであったが、残存していた Lebacs 債の消却により一部相殺された。
2020 年に、金融収支は、前年の 51 億米ドルの純流入に対して 39 億米ドルの純流出を計上した。
預金取扱機関: 2020 年、預金取扱機関は、 2019 年に計上した 27 億米ドルの純流入に対し、2億米ドルの純流出を
計上した。これらの流出は主に、対外債務の減少によるものであり、預金取扱機関の対外資産の純取得を上回った。
政府: 2020 年、非金融公共部門は、 2019 年に計上した 80 億米ドルの純流入に対し、 26 億米ドルの純流出を計上し
た。この変動は主に、債務返済に起因した対外債務の減少によるものであった。
その他部門: 2020 年、その他部門は、前年の 279 億米ドルの純流出に対して 83 億米ドルの純流出を計上した。こ
の変動は主に、対外金融資産(通貨および預金)の取得が前年から減少したことによるものであった。
経常収支、資本移転等収支および金融収支の変動の結果、中央銀行の外貨準備高は 77 億米ドル減少した。
中央銀行の金融負債は、国際機関に対する債務の免除により5億米ドル減少した。
2021 年に、金融収支は、前年の 39 億米ドルの純流出に対して 45 億米ドルの純流出を計上した。
預金取扱機関: 2021 年、預金取扱機関は、 2020 年に計上した2億米ドルの純流出に対し、 17 億米ドルの純流入を
計上した。これらの流入は主に、対外債務の増加によるものであった。
政府: 2021 年、非金融公共部門は、 2020 年に計上した 26 億米ドルの純流出に対し、 55 億米ドルの純流出を計上し
た。この変動は主に、総額 23 億米ドルの貸付による支出に起因した。
その他部門: 2021 年、その他部門は、前年の 83 億米ドルの純流出に対して 52 億米ドルの純流出を計上した。この
変動は主に、対外債務が前年から増加したことによるものであった。
経常収支、資本移転等収支および金融収支の変動の結果、中央銀行の外貨準備高は1億米ドル減少した。
中央銀行の金融負債は、国際機関に対する債務の免除により 43 億米ドル増加した。
2022 年に、金融収支は、前年の 45 億米ドルの純流出に対して 64 億米ドルの純流入を計上した。
預金取扱機関: 2022 年、預金取扱機関は、 2021 年に計上した 17 億米ドルの純流出に対し、 24 億米ドルの純流出を
計上した。これらの流出は主に、対外債務の増加によるものであった。
政府: 2022 年、非金融公共部門は、 2021 年に計上した 55 億米ドルの純流出に対し、 58 億米ドルの純流入を計上し
た。この変動は主に、総額 94 億米ドルの貸付実行に起因した。
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その他部門: 2022 年、その他部門は、前年の 52 億米ドルの純流出に対して 51 億米ドルの純流入を計上した。この
変動は主に、対外債務が前年から増加したことによるものであった。
経常収支、資本移転等収支および金融収支の変動の結果、中央銀行の外貨準備高は 69 億米ドル増加した。
中央銀行の金融負債は、前年から大きな変動はなかった。
(d) 海外投資
海外投資規制
2016 年に政府および中央銀行は、貿易収支に影響を与える規制のすべてを廃止した。詳細は、後述の「② 対外貿
易と国際収支の最近の傾向- (e) 外国為替および外貨準備高-外国為替」を参照のこと。しかしながら、 2019 年9月
に中央銀行は、外貨取引に制限を課した。詳細は、「 (4) 通貨・金融制度-① 通貨・金融制度および証券市場の概
要- (b) 金融政策」を参照のこと。
ポートフォリオ投資および直接投資の推移
以下の表は、記載の期間におけるアルゼンチン経済に対するポートフォリオ投資、直接投資およびその他の投資に
関する情報を示す。
ポートフォリオ投資、直接投資およびその他の投資の状況
(単位:百万米ドル)
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
金融収支 (28,036) (5,119) 3,896 4,537 (6,396)
直接投資 (9,991) (5,126) (3,430) (5,420) (12,764)
金融資産の純取得(外国会社への債務) 1,726 1,523 1,292 1,363 2,323
既発生債務の純額(外国会社への債務) 11,717 6,649 4,723 6,782 15,087
ポートフォリオ投資 (6,924) 7,109 2,506 4,811 5,194
金融資産の純取得 6,167 2,104 (2,447) 1,356 1,684
既発生債務の純額 13,091 (5,004) (4,952) (3,455) (212)
金融デリバティブの純額 (32) (24) 10 (16) 2
その他の投資 (22,366) 14,297 12,538 5,268 (7,431)
金融資産の純取得 25,617 31,253 8,823 6,487 7,290
債務発行の純額 47,983 16,956 (3,714) 1,219 14,720
外貨準備金 11,277 (21, 375 ) (7,727) (106) 6,920
出所: INDEC および経済省
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海外直接投資
アルゼンチンへの直接投資は、兌換制度の導入および海外投資への障壁解除を受けて、 1990 年代に大幅に増加し
た。 1990 年代初頭から半ばにかけての資本流入の大半は、国有企業の民営化により海外の民間資本が集まったことに
よるものであった。直接投資純額は 1999 年、 1992 年から進行していた YPF の完全民営化を以て最高潮に達した。 2002
年に開始したマクロ経済政策および YPF 株式の 51 %を含む、民営企業の収用の結果、直接投資による資本流入は大幅
に減少した。
2018 年、直接投資による純流入は 2017 年の 104 億米ドルから3億 7,040 万米ドル減少して 100 億米ドルとなった。
2019 年、直接投資による純流入は 2018 年の 100 億米ドルから 49 億米ドル減少して 51 億米ドルとなった。かかる減少
は主に、非居住者によるアルゼンチンへの投資が 52 億米ドル減少したことによりもたらされた。
2020 年、直接投資による純流入は 2019 年の 51 億米ドルから 17 億米ドル減少して 34 億米ドルとなった。かかる減少は
主に、非居住者によるアルゼンチンへの投資が 25 億米ドル減少したことによりもたらされた。
2021 年、直接投資による純流入は 2020 年の 34 億米ドルから 20 億米ドル増加して 54 億米ドルとなった。かかる増加は
主に、居住者による海外投資が 18 億米ドル減少したことによりもたらされた。
2022 年、直接投資による純流入は 2021 年の 54 億米ドルから 73 億米ドル増加して 128 億米ドルとなった。かかる増加
は主に、非居住者による直接投資が 83 億米ドル増加したことによりもたらされた。
ポートフォリオ投資
株式、債券およびその他の証券の購入から成るポートフォリオ投資は、非常に流動的かつ短期となる傾向があり、
このためとりわけ市場における変動に左右されやすい。
2018 年、ポートフォリオ投資による純流入は 69 億米ドルとなった。 2017 年は 359 億米ドルの純流入であった。これ
は主に、政府による債券発行の減少および残存していた Lebacs 債の消却によるものであった。デリバティブ金融商品
による純流入は、 2018 年に総額 3,200 万米ドルとなったが、 2017 年は 9,600 万米ドルの純流入であった。
2019 年、ポートフォリオ投資による純流出は 71 億米ドルとなった。 2018 年は 69 億米ドルの純流入であった。これは
主に、政府による債券発行の減少および残存していた Lebacs 債の消却によるものであった。デリバティブ金融商品に
よる純流入は、 2019 年に総額 2,400 万米ドルとなったが、 2018 年は 3,200 万米ドルの純流入であった。
2020 年、ポートフォリオ投資による純流出は 25 億米ドルとなった。 2019 年は 71 億米ドルの純流出であった。これは
主に、金融資産の純取得の減少によるものであった。デリバティブ金融商品による純流出は、 2020 年に総額 1,000 万
米ドルとなったが、 2019 年は 2,400 万米ドルの純流入であった。
2021 年、ポートフォリオ投資による純流出は 48 億米ドルとなった。 2020 年は 25 億米ドルの純流出であった。これは
主に、金融資産の純取得の増加によるものであった。デリバティブ金融商品による純流入は、 2021 年に総額 1,600 万
米ドルとなったが、 2020 年は 1,000 万米ドルの純流出であった。
2022 年、ポートフォリオ投資による純流出は 69 億米ドルとなった。 2021 年は 48 億米ドルの純流出であった。これは
主に、純有利子負債の支払いの増加によるものであった。デリバティブ金融商品による純流入は、 2022 年に総額 200
万米ドルとなったが、 2021 年は 1,600 万米ドルの純流出であった。
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その他の投資
その他の投資は、非金融公共部門(政府)、非金融民間部門およびその他金融機関(その他部門)、金融部門(預
金取扱機関)ならびに中央銀行のその他の資産および負債に関する情報を含み、以下のように分類される。
● その他の株式投資
● 貨幣および預金
● 融資
● 保険、年金および標準化された保証手段
● 商業信用および前渡金
● その他の支払/受取勘定
2018 年、その他の投資は、 224 億米ドルの純流入を計上した。金融資産の増加は、対外金融資産(主に現金および
預金)の取得、 IMF と締結した SBA に基づく金融支援および通貨スワップによる流入に起因した。当該期間において、
アルゼンチン居住者によるオフショア投資は、 2017 年の 125 億米ドルから増加して 256 億米ドルとなり、また非居住者
によるアルゼンチンへの投資は、 2017 年の 120 億米ドルに対して 2018 年は 480 億米ドルとなった。
2019 年、その他の投資は、 143 億米ドルの純流出を計上した。当該期間において、アルゼンチン居住者によるオフ
ショア投資は、 2018 年の 252 億米ドルから増加して 312 億米ドルとなり、また非居住者によるアルゼンチンへの投資
は、 2018 年の 480 億米ドルに対して 2019 年は 170 億米ドルに減少した。
2020 年、その他の投資は、 125 億米ドルの純流出を計上した。当該期間において、アルゼンチン居住者によるオフ
ショア投資は、 2019 年の 312 億米ドルから減少して 88 億米ドルとなり、また非居住者によるアルゼンチンへの投資
は、 2019 年の 162 億米ドルの流入に対して 2020 年は 25 億米ドルの流出となった。
2021 年、その他の投資は、 53 億米ドルの純流出を計上した。当該期間において、アルゼンチン居住者によるオフ
ショア投資は、 2020 年の 88 億米ドルから減少して 65 億米ドルとなり、また非居住者によるアルゼンチンへの投資は、
2020 年の 37 億米ドルの流出に対して 2021 年は 12 億米ドルの流入となった。
2022 年、その他の投資は、 74 億米ドルの純流入を計上した。当該期間において、アルゼンチン居住者によるオフ
ショア投資は、 2021 年の 65 億米ドルから増加して 73 億米ドルとなり、また非居住者によるアルゼンチンへの投資は、
2021 年の 12 億米ドルの流入に対して 2022 年は 147 億米ドルの流入となった。
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(e) 外国為替および外貨準備高
外国為替
2002 年2月より、ペソは他通貨に対する変動が認められた。名目為替レートが数年変動した後、 2012 年に米ドルに
対するペソの価値は約 12.5 %下落した。中央銀行による介入およびアルゼンチン居住者による外貨取得の制限措置が
強化されたにもかかわらず、 2014 年、ペソの価値は米ドルに対して 23.8 %下落した。
2015 年 12 月、中央銀行は為替規制の大部分を撤廃し、中央銀行は外国為替市場の運営強化を目的とした介入を行い
変動相場制に移行した。 2015 年 12 月 16 日に通貨規制の大部分が撤廃され、その直後の 2015 年 12 月 17 日、為替レートは
1.00 米ドル 13.76 ペソに達し、米ドルに対するペソの価値は 28.6 %下落した。
2016 年および 2017 年、中央銀行はペソの他の通貨に対する自由な変動を認めた。中央政府による介入は、外国為替
市場の秩序ある運営を確実にするための政策に限定された。
2018 年、中央銀行にとって、その金融政策および為替政策を維持することは大きな課題となった。 2018 年1月2日
から5月 31 日の間の米ドルに対するペソの価値は 25.6 %下落し、中央銀行の外貨準備高は約 154 億米ドル減少した。
IMF が SBA を通じて支援を行ったにもかかわらず、 2018 年には米ドルに対するペソの価値が 50.3 %下落した。
2019 年、中央銀行は、退蔵目的の外国為替市場へのアクセスに新たな制限を設けた。 2019 年7月 18 日、中央銀行
は、 中国との間で締結した 7,000 万人民元のスワップ協定を更新し、 2019 年 12 月 17 日、当該契約を補完する 6,000 万人
民元の契約を更新し、スワップ協定の合計額は1億 3,000 万人民元となった 。 2019 年、米ドルに対するペソの価値は
36.9 %下落した。詳細は、「 (4) 通貨・金融制度-① 通貨・金融制度および証券市場の概要- (b) 金融政策- 2019 年
に実施された金融政策措置」を参照のこと。
2020 年、為替レートを安定させ貯蓄を保護するために中央銀行が実施した措置の一貫として、主要な為替市場の規
制措置が維持された。詳細は、後述の「③ 外国為替市場の制限およびその他関連措置」を参照のこと。
2020 年および 2021 年、米ドルに対するペソの価値は(中央銀行の通達A第 3500 号により公表された為替レートに基
づくと)それぞれ 28.8 %および 18.1 %下落した。
2022 年、米ドルに対するペソの価値は(中央銀行の通達A第 3500 号により公表された為替レートに基づくと)
42.0 %下落した。詳細は、「 (4) 通貨・金融制度-① 通貨・金融制度および証券市場の概要- (b) 金融政策- 2022 年
に実施された金融政策措置」を参照のこと。
以下の表は、記載の期間におけるペソの米ドルに対する為替レートを示す。
名目為替レート (1)
(単位 : 1米ドル当たりのペソ)
平 均 期 末
2018 年 28.09 37.81
2019 年 48.24 59.90
2020 年 70.59 84.15
2021 年 95.16 102.75
2022 年 130.81 177.13
(1) 中央銀行の参照為替レート(中央銀行の通達A第 3500 号)である。
出所:中央銀行
2023 年4月 28 日現在の為替レートは、 2022 年 12 月 31 日現在の 1.00 米ドル 177.13 ペソに対して 222.6 ペソとなった。
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外貨準備高
中央銀行の外貨準備高は、外貨預金、外貨および金で構成されている。以下の表は、記載された各年度における 12
月 31 日現在の中央銀行の外貨準備高内訳を示す。
中央銀行の外貨準備高
(単位 : 十億米ドル)
合計 外貨預金 外貨 金
2018 年 65.8 20.1 43.9 2.3
2019 年 44.8 13.1 29.1 2.7
2020 年 39.4 8.3 27.4 3.8
2021 年 39.7 8.0 28.4 3.2
2022 年 44.6 15.7 25.5 3.6
出所:中央銀行
2018 年 12 月 31 日現在、中央銀行の外貨準備高は前年比で 19.5 %増加の 658 億米ドルであった。このうち、 201 億米ド
ルは外貨預金、 439 億米ドルは外貨、 23 億米ドルは金での保有であった。
2019 年 12 月 31 日現在、中央銀行の外貨準備高は前年比で 31.8 %減少の 448 億米ドルであった。このうち、 131 億米ド
ルは外貨預金、 291 億米ドルは外貨、 27 億米ドルは金での保有であった。
2020 年 12 月 31 日現在、中央銀行の外貨準備高は前年比で 12.2 %減少の 394 億米ドルであった。このうち、 83 億米ド
ルは外貨預金、 274 億米ドルは外貨、 38 億米ドルは金での保有であった。
2021 年 12 月 31 日現在、中央銀行の外貨準備高は前年比で 0.7 %増加の 397 億米ドルであった。このうち、 80 億米ドル
は外貨預金、 284 億米ドルは外貨、 32 億米ドルは金での保有であった。
2022 年 12 月 31 日現在、中央銀行の外貨準備高は前年比で 12.4 %増加の 446 億米ドルであった。このうち、 157 億米ド
ルは外貨預金、 255 億米ドルは外貨、 36 億米ドルは金での保有であった。
③ 外国為替市場の制限およびその他関連措置
2001 年におけるアルゼンチン経済および財務制度の悪化、アルゼンチンの対外債務の返済能力欠如、および財政制
度における積立レベルの低下により、政府は 2001 年 12 月3日付で大統領令第 1570/2001 号を発布し、一定の金融およ
び為替管理政策を敷いた。これには一定の例外を除く銀行預入資金の積立制限および海外送金の制限が含まれる。
上記政策に加え、 2002 年2月8日、政府および中央銀行は、海外債務の元利金支払いのための一部の海外送金に事
前の承認を要求するようになった。 2011 年から 2015 年 12 月までの間、政府は国内居住者による外貨の売却および海外
資産取得に対する規制を強化し、資金の海外移転可能性に制限を加えた。
一部の外国為替取引にアルゼンチン税務当局または中央銀行による事前承認を課す 2012 年に制定した規制と併せ
て、当局が実施した一定の政策は単一自由為替相場( Mercado Único y Libre de Cambio 、または「 MULC 」)へのア
クセスを著しく制限した。これに対し、公式の対米ドル為替レートからは大きく乖離する非公式の米ドル取引市場が
発展した。
資本流入の増加を目的として 2015 年 12 月に採用した一連の最初の措置に続き、政府および中央銀行は、貿易収支に
影響を与える制限を撤廃する追加措置を導入した。 2016 年8月に中央銀行は、 MULC へのアクセスを大幅に緩和した。
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2016 年 12 月 30 日、中央銀行は、輸出代金の本国送金義務を撤廃することで、為替管理のさらなる緩和を実施した。
2017 年1月4日、当時の財務省は、 ( ⅰ ) 一定の対外債務によって生成される国内為替市場への資金流入、および
( ⅱ ) 非居住者による資本流入に適用する最低滞留期間義務を廃止した。 2017 年1月 20 日、工業生産大臣は、財貨輸
出代金の本国送金に適用される期限を5年から 10 年に延長した。
中央銀行は 2017 年7月1日付で、残る為替規制の大半を撤廃し、居住者および非居住者による外国為替市場へのア
クセスを提供する措置を導入した。 2017 年 11 月、政府は、アルゼンチン居住者の輸出代金の本国送金義務を撤廃し
た。アルゼンチン居住者のみに適用されている報告義務は、統計の作成のみを目的としている。
2018 年以降、状況の抜本的な変化により、マクリ政権初期に導入された政策の多くが急速に転換された。 2019 年9
月1日に中央銀行は、外貨取引に制限を課し、金融機関に対して、外国為替市場での外貨購入に中央銀行の事前承認
を取得するよう要求した(外国貿易の場合を除く。)。個人による外貨購入については、1か月につき 10,000 米ドル
以下に制限され、最終的には 2019 年 10 月にその制限は、1か月につき 200 米ドルにまで引き下げられた。さらに中央
銀行は、輸出者に対し、支払受領後5日以内にまたは出荷許可取得後 180 日以内に、輸出取引代金を本国送金するよ
う要求した。
2020 年、中央銀行は、外貨準備の水準を保持するために、 MULC へのアクセス制限を強化する規制を導入した。
中央銀行は、他の政府機関と協力して、これらの規制に沿った措置を講じた。その措置には、 ( ⅰ ) 外貨購入なら
びに外貨によるクレジットカードおよびデビットカードでの購入に課す 35 %の付加税、 ( ⅱ ) 非居住者による外貨に
対する証券決済業務の制限、 ( ⅲ ) 民間企業による対外金融債務の繰延べを円滑に進めることを目的とした民間企業
向けガイドラインの策定が含まれる。さらに中央銀行は、輸出の事前融資において、大企業に対して中小企業を優先
する措置を実施した。
2020 年 10 月から 2021 年3月の間、中央銀行は、輸入者が輸入前払金および商業債務の支払いのために取得できる外
貨額を価格の 50 %に引き上げるなど、外国為替規制にいくらかの調整を行った。さらに、共和国の生産能力を増強さ
せる可能性のある財貨を輸入する場合、前払金および海外からの事前融資による全ての収入を資本財の前払金の支払
いに使用することが認められた。
2021 年、中央銀行は、輸出のための投資強化制度( Régimen de Fomento de Inversión para las Exportaciones )
を定めた。当該制度は、生産能力の増強を目的として、新しい生産プロジェクトおよび既存の事業ユニットの拡大に
向けた投資を促進する。当該制度を利用し1億米ドルを超える投資を行う会社は、当該プロジェクトに関連する輸出
により取得した外貨の最大 20 %を、非居住者に対する商業債務もしくは金融債務の元利払い、ならびに/または監査
済貸借対照表の対象期間中における利益や配当および/もしくは非居住者による直接投資の本国送金のために使用す
ることができる。この便益の年間上限額は、外国為替取引を締結した外貨総額の 25 %に等しい額である。
2022 年3月、中央銀行は、輸入総合モニタリングシステム( Sistema Integral de Monitoreo de Importaciones 、
「 SIMI 」)による宣誓供述書の提出を条件として、外国為替規制の対象外となる財貨の輸入者を新たに分類すること
を発表した。この分類は、輸入者が外国為替市場へ迅速にアクセスできるか、または輸入代金の海外への送金は、財
貨の輸入通関日から 180 暦日後以降でなければならないかを判断することを目的とする。中央銀行は、エネルギー輸
入者の外貨需要に対応するとともに、中小企業の発展を促進し経済成長を維持するため、 SIMI に基づく制限を一部緩
和した。
2022 年5月、中央銀行は、輸入者が海外で新たに保有する金融債務による収入の証明書を提供した場合、規制で定
められる一定の条件に従い、当該輸入者が、支払期限より前に財貨およびサービスの輸入のために生じた商業債務の
元本の支払いを目的として、外国為替市場へアクセスすることができると発表した。
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加えて、 2021 年8月、中央銀行は、海外から新たに融資を受ける会社は、商業債務の支払いにそれを充当すること
ができ、 500 万米ドルまでの債務の支払いについて、中央銀行による事前承認なく外国為替市場にアクセスすること
が 可能であると定めた。
2021 年 10 月、中央銀行は、輸入代金の支払いにさらなる制限を課し、 2020 年1月時点で外国為替市場を通じて実行
した財貨の輸入(中央銀行の事前承認なし)に関連する支払額合計の上限を 250,000 米ドルとした。
さらに 2022 年、中央銀行は、 ( ⅰ ) 石油およびガスの増産、ならびに ( ⅱ ) 一部サービス(知識サービスを含む。)
の輸出を目的とする外国為替市場へのアクセスを促進する措置を実施した。加えて、中央銀行は、農業部門の個人お
よび会社に対し、穀物または油糧種子の価格および米ドル/ペソの為替レートに連動した金利による定期預金の更新
について、その制限を撤廃し、農産物輸出業者が取得するペソ建て資金を増加させる優遇措置を行った。
加えて、中央銀行は、大豆生産者に対して、穀物の販売価格の 70 %までをドル連動型の要求払預金として預け入れ
ること、残りの 30 %相当額の外貨を(公式為替レートに富裕税( Impuesto PAIS (本書で定義される。)率を加算し
たレートによって)国内の外国為替市場で購入することを認めた。しかし、中央銀行は、輸出拡大プログラム
( Programa de Incremento Exportador )に参加する大豆生産者に対し、外貨の購入や外貨建て債券のペソへの交換
のために外国為替市場へアクセスすることを禁止した。
さらに 2022 年、中央銀行は、国内での財貨の生産を目的とする輸入の代金支払いのための外国為替市場へのアクセ
スを認めた。ただし、 2022 年6月 27 日までに船積みされたものに限られる。また金融機関は、外国の与信枠を外貨に
よる外国貿易への融資業務に充当することが可能となった。加えて、非居住者の旅行者は、 1 か月当たり 5,000 米ドル
(または他通貨の相当額)を上限として、外国為替市場において米ドルの参照レートで外貨を売却することが可能と
なった。海外での外貨によるカード決済に対する所得税または個人資産税の前払い税率は、 35 %から 45 %に引き上げ
られた。
2022 年7月、中央銀行は、米国上場会社の株式を表章するアルゼンチン預託証券(「 CEDEAR 」)の保有を、外国為
替市場へアクセスする企業に課されている 100,000 米ドルの保有制限の対象に加えた。 CEDEAR は、過去 90 日以内に外
国為替市場にアクセスして外貨を購入した場合および外国為替市場へのアクセスから 90 日間は取引ができなくなっ
た。
2022 年8月、中央銀行は、 ( ⅰ ) 大手輸出業者による外貨流入を促すため、金融機関に対し、 180 日満期の米ドル建
証券(事前解約オプション付きで、元本は当該金融機関の外貨口座に預託される米ドルに等しい額)を発行すること
を承認し、 ( ⅱ ) 部門ごとに決定された適用期間に関して、 30 日超経過後の決済を見越している輸出者に、ドル連動
型の要求払預金口座へのアクセスを認めたことを発表した。
2022 年9月、中央銀行は、補助金の適用を受けている電気、水道および天然ガスの利用者につき、その外貨の購入
をさらに制限した。これにより、外国為替市場へのアクセスおよび外貨で決済される有価証券その他の金融商品の取
引の実行が制限された。
2022 年 10 月、外貨による一定の金額を超えた経費に加えて、海外から提供された個人、文化および娯楽サービスに
対して加算税が課せられた。さらに中央銀行は、 SIMI を廃止し、中央政府が規制するアルゼンチン共和国輸入システ
ム( Sistema de Importaciones de la República Argentina 、「 SIRA 」)に置き換えた。政府は、 SIRA に基づき、
( ⅰ ) 輸入者の経済と財政能力を分析し、 ( ⅱ ) 税関のリスクプロファイルを作成し、 ( ⅲ ) 中小企業の場合は、輸入
代金の支払いのために米ドルを購入するまでの期間を最長 60 日に短縮する一方で、その他の事業会社および取引に関
する期間は最長 180 日に維持した。
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これらの規制強化のために 2023 年に実施した措置の詳細は、後述の「 ④ 最近の動向-外国為替市場の規制および
その他関連措置」を参照のこと。
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④ 最近の動向
対外貿易と国際収支の最近の傾向
外国為替
2023 年5月 31 日に終了した5か月において、中央銀行は、インフレ率に応じて変動為替レートに基づく米ドルのク
ローリングを再度段階的に実施し、対外黒字の蓄積を通じて外貨準備高を強化することにより、国際競争力を維持す
る措置を採用した。
2023 年4月、政府は、輸出拡大プログラム( Programa de Incremento Exportador )を導入した。当該プログラム
は、前述のとおり、様々な州に影響を及ぼした深刻な干ばつによる被害の影響を軽減することを目的とした措置を含
み、蓄積された穀物の販売を促進するものである。さらに、大豆輸出者については 2023 年5月 31 日まで、地域経済産
品の輸出者については 2023 年 8 月 30 日まで、1米ドル当たり 300 ペソの優遇為替レートが適用された。
外国為替市場の制限およびその他関連措置
2023 年第1四半期において、 SIRA を通じた外国為替市場へのアクセスに関して例外規定が設けられた。さらに中央
銀行は、国際機関からの融資や拠出による外貨建資産口座および外貨保有者が自主的に申告した外貨建資産口座を規
制した。
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(4) 【通貨・金融制度】
① 通貨・金融制度および証券市場の概要
(a) 中央銀行
1935 年に創設された中央銀行は、アルゼンチンの通貨および金融の職責を有する主たる官庁である。中央銀行はそ
の憲章および金融機関法( Ley de Entidades Financieras 、「金融機関法」)に従い運営される。
中央銀行は、中央銀行総裁が率いる 10 名の理事からなる理事会により統治されている。中央銀行総裁および理事会
構成員は大統領により選任され、上院による承認を受ける。任期は6年で再任可能であり、理由がある場合のみ大統
領が解任することができる。中央銀行はその憲章の条項に従い、その運営は政府から独立していなければならない。
中央銀行憲章(直近では 2012 年に改正済)に基づき、中央銀行はとりわけ、
● 通貨および金融制度の安定、雇用ならびに社会的平等を伴う経済成長を促進しなければならない。
● 金利を規制し、貸付業務を規制および指導する権限を与えられている。
● 金および外貨を含む外貨準備高を維持および管理しなければならない。
● 適用ある法制に従った為替相場政策を実行しなければならない。
● 政府の財務代理人として行為し、資本市場が適切に機能するようにし、金融システムおよび外国為替取引に
関係する業務を規制し、金融サービスの消費者の権利を保護しなければならない。
● 直近 12 か月間に政府が徴収した歳入の 10 %に相当する金額を上限として、政府に特別前払金を付与すること
ができる。
(b) 金融政策
通貨単位
アルゼンチンの通貨単位はペソであり、1ペソは 100 セントをもって構成される。銀行券は、 10 、 20 、 50 、 100 、
200 、 500 、 1,000 および 2,000 ペソの額面で発行されている。硬貨の種類は1、5、 10 、 25 および 50 セントならびに
1、2、5および 10 ペソである。
経 緯
1991 年から 2001 年までのアルゼンチンの金融政策は、ペソ対米ドルを1対1の交換レートにペグ(固定)し、中央
銀行に少なくともマネタリー・ベース(流通自国通貨および金融機関の中央銀行へのペソ建預金で構成される。)と
等しい外貨準備高を維持することを要求した 1991 年兌換法に従っていた。兌換制度の下では、ペソは実質ベースで過
大評価され、 1995 年のメキシコ通貨危機および 1997 年のアジア通貨危機など、アルゼンチン経済に影響を及ぼした外
的ショックに対処するために必要な手段を中央銀行は有していなかった。さらに、 1995 年から、政府はその業務の資
金を調達するために国際資本市場への依存度を高め、ペグ相場のための外貨準備に対する需要をさらに高めることと
なった。 2001 年 12 月までに、アルゼンチン経済からの継続的な資本逃避により、兌換制度を維持することが不可能に
なった。 2002 年1月6日、国会は国家緊急事態法を制定し、同法により、中央銀行の外貨準備高の総額が常にマネタ
リー・ベースの少なくとも 100 %と等しくなければならないという要件が撤廃されたことで、兌換制度は事実上廃止
された。国家緊急事態法はペソと米ドル間のペグ制を廃止し、行政府に外国為替市場を規制し、外国為替相場を設定
する権限を与えた。
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2003 年、中央銀行は、通貨の安定性の回復および中央銀行の外貨準備高の増強を意図した一連の措置を講じた。こ
の措置には、 2001 年から 2002 年の危機の間にいくつかの州が発行した準通貨の廃止、 2002 年にその貸借対照表の不釣
り合いなペソ化を命ずる政令により影響を受けた多くの金融機関の資本強化、経済成長の加速の影響を制限するため
の インフレ目標の採択、金融システムによる貸付業務の拡大ならびに、経済成長の資金調達源としての資本市場取引
の奨励、が含まれていた。 2004 年第4四半期中、中央銀行は外貨準備の蓄積を開始し、マネタリー・ベースの増加を
成し遂げるための様々な措置を講じた。
2007 年下半期より、信用市場の逼迫および世界的な金融危機に対応し、中央銀行は、為替相場の不安定性の高まり
を管理するために外国為替市場に介入し、地方銀行に流動性を供給し、マネタリー・ベースを拡大した。中央銀行の
行動には、特に、レポ貸付の利回りの管理、 Lebacs 債および Nobacs 債に対する売りオプションの入札実施ならびに金
融機関向け外貨預金最低準備率の引下げが含まれていた。これらの手段は、銀行がその流動性比率を適正水準に維持
することを可能にし、また、銀行の貸出を促すことを目的とした。 2009 年後半に政府は緊急命令( Decreto de
Necesidad y Urgencia )を発し、中央銀行が保有する外貨準備を対外債務の支払いに充当できるようにした。
2012 年に中央銀行憲章が改訂され、実体経済に関連付けた目的を含む中央銀行の任務が拡大し、その権限および
手段が強化された。その結果、中央銀行は、特に生産活動への貸出の積極的な推進を開始した。さらに、積極的な
金融政策および名目為替レートの変動性を軽減することを目的とした政策手段の実行には、 2011 年末以降有効と
なった資本規制の実施が求められた。
2015 年 12 月、中央銀行はペソを変動相場制に移行するとともに、為替および資本フローに対する制限を撤廃し、
為替規制を簡素化した。さらに、中央銀行は、インフレ目標に基づく長期金融政策の実施決定およびその主たる金
融政策の手段として短期利付債に依存することを公表した。 2017 年1月から、中央銀行は、インフレ・ターゲット
体制のアンカーとして7日物レポ参照レートを用いた正式なインフレ・ターゲット制度を実施した。
2018 年に実施された金融政策措置
2018 年第1四半期までのアルゼンチン経済において、月間インフレ率は、 15 %に設定された年間目標を達成できな
い状態が続いた。金融システムの流動性を吸収するため、中央銀行はペソ建の短期 Lebacs 債に依存しているが、イン
フレ抑制には十分でなく、重大なリファイナンス・リスクが生じるとともに、投資家がペソ市場からの撤退を模索し
たためペソへの圧力が高まった。 2018 年5月より、中央銀行は、主要金利の数回にわたる引上げを含む、増大するペ
ソへの圧力を緩和するための一連の措置を発表した。 2018 年8月、中央銀行は、新しい金融政策金利として7日物レ
ポ参照レートから7日物 Leliqs 債に切り替え、銀行事業体がそのポートフォリオのために入手できる唯一の金利と
なった。中央銀行はまた、 Lebacs 債の在庫を段階的に廃止する意向を発表した。 2018 年 10 月1日より、中央銀行は、
インフレ対策をマネタリー・ベース拡大の管理へと完全に移行した。中央銀行は、 2019 年3月までマネタリー・ベー
スを拡大せず、金銭需要の季節的増加に対処するために 12 月と6月に調整を行うことを発表した。この目標は、実質
ベースで大幅な通貨収縮を引き起こした。マネタリー・ベース目標を達成するために、中央銀行は、日次ベースで銀
行と Leliqs 債の取引を行った。中央銀行は、為替介入および不介入レンジにより金融目標を補完した。
2019 年に実施された金融政策措置
2019 年第1四半期には、公共サービスなどの規制価格の上昇や米ドルに対するペソ安が、インフレの新たな加速要
因となった。こうした中、 2019 年3月から4月にかけて、中央銀行は、インフレ圧力の緩和を目的とした一連の追加
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措置を採択した。特に、マネタリー・ベース目標の引き下げ、 2019 年6月に予定されていた目標の季節調整の撤廃、
2019 年6月から 2019 年 12 月までのマネタリー・ベースの引き上げを行わない旨のコミットメントの延長を行った。
中央銀行は、ドル需要の高まりを受けて、金融政策金利から定期預金金利への伝達メカニズムの強化を図った。
2019 年8月からは、為替相場に対する強い圧力があったことから、中央銀行は、政策金利を相次いで引き上げ、為替
市場に積極的に参加することとなった。これにもかかわらず、外貨預金の払戻しが続き、金融システムはこれに対応
することができた。外貨準備高の減少に対処するため、中央銀行は個人のドル購入の上限を設定し、マネタリー・
ベースの目標を新たな市場状況に適合させた。
高い実質金利と金融引締め政策によってインフレを削減する戦略は、過去2年間にアルゼンチン経済が経験してき
た経済の縮小を悪化させることによって非効率で逆効果であることが証明された。
2020 年に実施された金融政策措置
フェルナンデス政権が発足した 2019 年 12 月以降、経済的および社会的緊急事態を背景に、中央銀行は、金利および
為替管理を中心とした政策指針を調整した。中央銀行は、実質金利の水準は、金融および為替レートの安定性を維持
し、生産資金の調達や長期イールドカーブの構築と両立し、国内通貨の貯蓄に有利に働くものでなければならないと
発表した。また、為替レートの急激な変動がインフレや成長にマイナスの影響を与えることを防ぐため、為替レート
の変動管理政策が発表された。
2020 年1月 27 日、中央銀行は、アルゼンチンの困難な社会的および経済的事情に対応し、政府の財政への取組みに
沿って、通貨および金融の安定の実現と経済的発展の推進を追求することを目的とした、最新の金融政策ガイドライ
ンの採択を発表した。
最新の金融政策ガイドラインにより、中央銀行は、アルゼンチン経済省に対し、一部の対外債務の返済を許可する
ための資金、ならびに例外的な状況下では、バランスのとれた短期金融市場の保全を確保する意図の範囲内で、ペソ
建の金融債務および経費に対処するための資金を供給することが可能になった。
中央銀行の金融政策ガイドラインは、以下の主要原則に基づいている。
● 金利 : 金融および経済の安定を維持し、長期的なイールドカーブを形成するとともに、マイナスの実質金
利を回避することで、現地通貨の貯蓄を促す水準に設定される。
● 物価 : 政府の経済および所得政策イニシアティブと合致し調整された、慎重な金融政策アプローチに基づ
き、緩やかではあるが持続可能なインフレ削減経路を誘導する。
● 通貨集計量 : インフレに直接的または間接的な影響を及ぼす可能性のある流動性の不均衡を回避し、長期
的な成長に見合ったマネタイゼーション水準を維持する。
● 為替レート : 為替レートの大幅な変動を抑制するために管理変動相場制を採用し、外貨準備の蓄積を優先
する。
● 信用 : 生産的発展に対応する実質金利で、短期、中期および長期の国内信用市場の発展を推進する。
● 活動および雇用水準 : 国内市場の回復を支援し、輸出を増加させるとともに、持続可能な投資と生産性を
促進する金融政策を立案する。
限定的な為替レートの変動に伴う為替規制および価格の緩和により、 Leliq 金利は、 2019 年 12 月 31 日現在の 55 %か
ら 2020 年 12 月 31 日現在には 38 %へと引き下げられた。また、スワップ・レートは、 2019 年 12 月 31 日現在の 48.13 %か
ら 2020 年3月1日現在には 19 %、 2020 年 12 月 31 日には 32 %に引き下げられた。こうした利下げにより、中央銀行は、
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マイナスの実質金利での生産的な信用への取組みを促進することが可能となった。さらに、中央銀行は、期待インフ
レ率と比較して、国内通貨での貯蓄にプラスの実質リターンをもたらすことが期待される利回りの改善を進めた。
補助利率で信用枠を設定したことで、 2018 年半ばに始まった強力な信用の縮小サイクルが逆転し、前例のない一定
価格で信用枠が拡大した (2019 年7月から 2020 年7月までで 53 % ) 。 2020 年5月、ペソによる貯蓄を促すため、中央銀
行は、個人の 100 万ペソ を上限とする 30 日間の定期預金に適用される年間 名目金利を 33.06 %とし、その他すべての預
金に適用される名目金利を 30.02 %に設定した。
2020 年 10 月、為替圧力の高まりを受けて、中央銀行は以下を実施した。
● ( ⅰ ) 短期の現地通貨建て金融商品の実質金利のリターンを上昇させるため、翌日物リバース・スワップ金
利を 19 %から 30 %に引き上げ、 ( ⅱ ) 年利 33 %の7日物スワップの提供を開始し、 ( ⅲ ) 財務省の金利を中央
銀行の不胎化における商品金利に段階的に合わせるために Leliqs 金利を 36 %に設定し、 ( ⅳ ) 個人の 100 万ペ
ソを上限とする 30 日間の定期預金に適用される年間名目金利を 34 %とし、その他すべての預金に適用される
年間名目金利を 32 %に設定した。
● 通貨切下げを事前に設定する仕組みを廃止することで、柔軟性を高め多国間実質為替レートの競争水準を維
持した。
● MAE で円卓会議を開き、外国貿易業務のための人民元購入を可能にするため、ロサリオ先物取引所 (ROFEX) で
の処理を認可した。さらに、中央銀行は、人民元建ての先物契約を承認する予定である。中央銀行は、これ
らの業務に対応するため、人民元での準備預金を利用する意向であるが、中国人民銀行との通貨スワップを
利用する意向はない。
● 新たな外国直接投資を通じた資本流入を促進するため、投資売却後1年以内に投資を本国送金することによ
り、投資家による公定市場へのアクセスが可能になった。
2020 年 11 月中旬、 Leliq 金利は、年間名目金利で 38 %(年間実質金利で 45.44 %)に引き上げられ、中央銀行が1日
物および7日物の定期預金に対して支払う金利は、それぞれ年間名目金利で 32 %(年間実質金利で 37.7 %)および年
間名目金利で 36.5 %(年間実質金利で 43.9 %)に引き上げられた。同様に、定期預金の最低予定利率は、個人の定期
預金については 100 万ペソを上限として年間名目金利で 37 %(年間実質金利で 44 %)、その他すべての定期預金につ
いては年間名目金利で 34.0 %(年間実質金利で 39.8 %)に調整された。
2021 年に実施された金融政策措置
2021 年、中央銀行は、 2020 年 10 月に定めたガイドラインに基づき、その金融政策を維持した。
政府がペソ建て債券市場を強化するために講じた措置により、当該市場を通じて資金調達ニーズの大部分に対応す
ることが可能となったため、中央銀行による財務省への金融支援が縮小された。
それと同時に、中央銀行は、国内資本市場の発展を促進することを目指し、金融機関がその一定の割合の準備預金
を、 Leliqs 債のみならず政府が新規発行により取得したペソ建て証券(米ドル連動のものを除く。)にも組み入れる
ことを認めるとともに、最低保有期間を 180 日とした。随時流動性を保証することを目的とし、銀行は、準備率の充
足のため、取得した証券を中央銀行に売却することが許可されている。
中央銀行は最低保有期間を維持し、当期中において政策金利に変更はなかった。中央銀行および政府は、零細・中
小企業(「 MSME 」)による信用枠の利用を有利な条件で確保するための措置を継続した。信用枠支援の取組みは、鶏
肉および豚肉の生産能力を高めること、また最近では飲食店、ホテル、文化および娯楽サービス部門を支援するため
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の投資プロジェクトにまで拡大させた。 2021 年9月、農業活動に従事する中小企業に対する資金供給は、資金を牛肉
および/または牛乳の生産能力を高めるために使用することを条件として、適格融資に追加された。
さらに、 2021 年4月、中央銀行は(他の政府機関と協力して)、 MSME による資金調達を促進する電子クレジットイ
ンボイス・システムを実施した。当該システムにより、 MSME は、銀行口座から電子クレジットインボイスの承認、割
当および割引が可能になることで、大企業の MSME 供給業者はより多くの事前融資にアクセスでき、返済期日における
インボイスの不払いは、中央銀行の債務者登録簿に反映されるため、回収の確実性が改善される。
また中央銀行は、民間部門の銀行部門からの資金調達能力を高める目的で、金融機関の顧客が生産回復プログラム
Ⅱ( Programa de Recuperación Productiva Ⅱ、「 REPRO Ⅱ」)の受益者である場合には、金融機関は分割払いにお
ける未払分の支払いを信用枠の期限まで猶予しなければならないことを公表した(クレジットカード融資の分割払い
を除く。)。
加えて、民間部門に対しては、銀行による資金供給を増加させるための措置が講じられた。詳細は 「 (2) 経済 -①
近時の経済動向-フェルナンデス政権- COVID-19 パンデミックへの対応措置 」を参照のこと。
外国為替政策については、中央銀行は対インフレ戦略を進め、外国為替規制を通じてより効率的な外貨配分を促進
するために、名目為替レートの変動性の管理からなる短期戦略により、外貨準備を積み増しする構造目標を補完して
いる。中央銀行は、名目為替レートに関して、インフレ抑制プロセスに寄与する比較的限られた低いレートを維持し
た。為替相場の低迷により、多国間実質為替相場指数( Índice Tipo de Cambio Real Multilateral 、「 ITCRM 」)が
上昇したが、この指数は過去 24 年間の平均と一致した競争水準を維持している。
2022 年に実施された金融政策措置
2022 年、中央銀行は、金融と財政の安定によって国内市場と輸出の成長を強固にすることを目的として、 2020 年に
定めた政策ガイドラインを再開した。これらのガイドラインを遵守するために中央銀行が採用した措置には、以下が
含まれる。
● 金融政策 中央銀行は、 ( ⅰ ) 金融機関レベルでの流動性管理の改善、 ( ⅱ ) Notaliqs 債等の商品を発行する
ことによる不胎化商品の平均満期の長期化、および ( ⅲ ) 金融政策金利における Leliqs 債金利の重視を目的
とする、金融政策手段を再策定した。加えて、中央銀行は、利付債券間での7日物スワップの使用を停止し
た。金融政策の変更に従い、翌日物リバースレポによって金融機関の短期流動性を不胎化した一方、長期
Leliqs 債によって構造的流動性に対応した。さらに中央銀行は、民間部門の金融機関が、定期預金の残高を
上限として、これらの商品を購入できるように規制を改正した。
● 基準金利 中央銀行は、ペソ建の貯蓄預金の預金者が確実にプラスの収益率を得られることを目的として、
貯蓄預金商品に対する基準金利を引き上げた。さらに中央銀行は、政策金利に加え、国内通貨による貯蓄商
品の需要を支援するために、定期預金の最低予定金利も引き上げた。 2022 年 12 月 31 日現在、金融政策金利
( 28 日物 Leliq 債)は 75 %であった。
● 信用政策 2022 年における中央銀行の信用政策は、 2021 年に定めたガイドラインに従い、 MSME への信用支援
の継続に注力した。中央銀行は、主に MSME による有利な条件での信用枠の利用を確保するため、投資プロ
ジェクトに対する名目年率を段階的に調整し、 2022 年 12 月 31 日現在で 64.5 %に維持し、運転資本に対する名
目年率を同日現在で 74.5 %に維持した。 2022 年 12 月、政府は、合計 50 億ペソの信用プログラムである CreAr
プログラムにつき、中小企業および大企業の参加資格を公表した。当該プログラムは、生産構造を変化さ
せ、戦略的産業における輸入の代替に寄与するプロジェクトの資金調達を目指すものである。加えて、 2022
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年6月に中央銀行は、金融政策の波及経路を強化するために、ペソ建最低現金制度( Régimen de Efectivo
Mínimo en Pesos )の簡略化手続きを開始した。簡略化は、一部の預金準備率を引き下げ、 MSME と家計の消
費 資金に対する生産的な信用枠を拡大することを目的とした。この簡略化制度の第一段階は、 2022 年 10 月か
ら 2023 年3月までの間で徐々に実施された。
● ミューチュアル・ファンド 中央銀行は、政策金利の金融システムおよび資本市場の異なるセグメントへの
波及を最適化することを目的として、 2022 年8月にミューチュアル・ファンドによるレポ運用を認可した。
● 国債 中央銀行は、国債の価格変動性を低下させることを目指した。そのため、中央銀行は、政府が発行し
2022 年7月以降 15 日を超える残存期間の有価証券を流通市場へ参加させることを発表し、流通市場の利回り
が引き続き発行市場で決定されるものと整合するように、過去の公募入札と類似する利率(これに最大2%
のスプレッドを加算する。)で購入する。加えて中央銀行は、 2022 年7月現在、 2023 年 12 月 31 日より前に満
期が到来する、政府発行の有価証券に対するプットオプションの入札を実施することを公表した。
さらに中央銀行は、短期トレジャリー・ビル(現在は満期が 60 日から 90 日の割引債)の利率を、金融政策の
決定のための参照金利として組み込むことを決定した。この決定は、 ( ⅰ ) 経済の主要金融資産を基準とし
て、実質ベースでプラスの金利構造を目指し、 ( ⅱ ) ペソの公共債券市場を強化して、その厚みと流動性を
増強し、 ( ⅲ ) 金融政策手段として、国債の使用を段階的に推進するための中央銀行の戦略の一貫であっ
た。
● 国庫への移転 2022 年において、政府は、 2022 年の中央銀行から国庫への移転を GDP の1%に等しい額に制
限し徐々に減少させた。加えて中央銀行は、現地通貨資産に対する需要を強化し、取引所および金融の安定
性に貢献するために、プラスの実質金利構造を設定した。
● 為替レート政策 中央銀行は、 (i) 金利を国内のインフレ率に沿った水準にするため、クローリング・ペッ
グを段階的に加速し、 ( ⅱ ) 外国為替規制を通じてより効率的な外貨の配分を推進した。さらに政府は、輸
出販売を増加させ外国為替市場へのアクセスを促進するため、大豆の輸出代金をペソに交換する際の優遇為
替レートを導入した。詳細は「 (2) 経済-② 最近5年間の経済の動向- (g) その他の経済関連情報-経済
における国家の役割-エネルギー部門改革」を参照のこと。
2023 年1月1日以降、中央銀行が講じた金融政策措置の詳細は、前述の「 (2) 経済-① 近時の経済動向-フェル
ナンデス政権- COVID-19 パンデミックへの対応措置」を参照のこと。
(c) 流動性総額
マネタリー・ベースは、流通自国通貨(銀行が保有する手元現金を含む。)および金融機関が中央銀行に保有する
ペソ建預金から構成される。
さらに、中央銀行は以下の集計量を用いて、経済の流動性水準を測定している。
● M1は、流通自国通貨にペソ建要求払預金および外貨建要求払預金を加えた合計である。
● M2は、M1にペソ建貯蓄預金および外貨建貯蓄預金を加えた合計である。
● M3は、M2にその他すべてのペソ建預金および外貨建預金を加えた合計である。
以下の表は、表示日現在におけるアルゼンチンの流動性総額に関する情報を示す。
流動性総額
(単位:百万ペソ)
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12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
流通通貨 (1)
859,536 1,153,405 1,897,825 2,691,400 4,094,595
M1 1,514,752 1,952,282 3,396,052 5,393,072 8,539,263
M2 3,023,178 3,684,447 6,037,543 9,258,007 15,737,735
M3 4,736,256 5,700,972 9,524,645 14,506,267 26,332,795
マネタリー・ベース 1,408,977 1,895,381 2,470,260 3,654,036 5,203,751
(1) 銀行の手元現金は含まない。
出所:中央銀行
流動性総額
(前期からの変動率 ( % ) )
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
流通通貨 (1)
34.2 64.5 41.8 52.1
9.3
M1 21.8 28.9 74.0 58.8 58.3
M2 40.5 21.9 63.9 53.3 70.0
M3 52.5 20.4 67.1 52.3 81.5
マネタリー・ベース 40.7 34.5 30.3 47.9 42.4
(1) 銀行の手元現金は含まない。
出所:中央銀行
2018 年におけるマネタリー・ベースの 4,078 億 6,400 万ペソの増加は、主に 2018 年第2四半期および第3四半期の
Lebacs 債の消却に促進されたが、 Leliqs 債の売却および外貨の売却により一部相殺された。
2019 年におけるマネタリー・ベースの 34.5 %の増加(同年のインフレ率は 53.8 %)は、主に中央銀行から国庫への
純移転(前貸しおよび利益納付の形で)および中央銀行発行の有価証券の利払いによるものであったが、外貨の購
入、 Leliqs 債の純発行および不胎化目的のレポ取引により一部相殺された。
2020 年におけるマネタリー・ベースの 30.3 %の増加(同年のインフレ率は 36.1 %)は、主に中央銀行から国庫への
純移転(前貸しおよび利益納付の形で)および中央銀行発行の有価証券の利払いによるものであったが、外貨の購
入、 Leliqs 債の純発行および不胎化目的のレポ取引により一部相殺された。
2021 年におけるマネタリー・ベースの 47.9 %の増加(同年のインフレ率は 50.9 %)は、主に中央銀行から国庫への
純移転(前貸しおよび利益納付の形で)および中央銀行による外貨購入によるものであった。
マネタリー・ベースの拡大は、規制当局の貨幣調節手段(パッシブパスおよび Leliqs 債)を通じて部分的に不胎化
された。とりわけ、 Leliqs 債の発行は 2021 年中に 71 %増加した。
2022 年におけるマネタリー・ベースの 42.4 %の増加(同年のインフレ率は 94.8 %)は、主に中央銀行から国庫への
純移転(前貸しおよび利益納付の形で)および不胎化目的のレポ取引における 28.5 %の増加によるものであった。
(d) 金融部門に対する規制
中央銀行は金融部門を規制している。中央銀行は、最低資本金、流動性および支払能力の要件の設定、銀行の合併
の承認、一定の増資および株式譲渡の承認、銀行免許の付与および取消しならびにアルゼンチンにおける外国金融機
関の支店設立の許可について権限を有している。また、中央銀行は、それらの金融機関に対し定期的な財務報告の提
出を求め金融機関の活動および運営を定期的に監視し、金融機関法に従った規制を採用する権限を与えられている。
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中央銀行は、主に金融機関および取引所監督局( Superintendencia de Entidades Financieras y Cambiarias )を
通じて金融部門への規制を行う。金融機関および取引所監督局ではアルゼンチンの銀行法の執行、銀行部門に対する
会 計および財務の報告要件の設定、金融機関の融資慣行の監視および規制ならびに金融機関の外国為替市場への参加
および債券その他証券の発行に関する規則の制定に責任を有する。
2011 年に、中央銀行はバーゼルⅢ実施のためのロードマップを公表した。それ以来中央銀行はシステム上重要な国
内金融機関の流動性不足に関連したリスクの特定を目的としたこれらの規則を段階的に採用し、システム上の脆弱性
対策につながるバーゼルⅢに基づく包括的な改革措置の実施を開始した。現在、中央銀行は、金融機関による既存指
標の遵守を監視し、その結果を6か月ごとに出される財務安定性報告書で公表している。
2016 年上半期中、バーゼル銀行監督委員会は資本および銀行流動性の規制に関するアルゼンチンの国際基準採択に
ついて定期的なレビューを実行した。このレビューの主たる目的は、バーゼル委員会の全メンバーに、これらの基準
の一貫した適用を保証することであった。 2017 年および 2018 年に、バーゼル銀行監督委員会は、アルゼンチンによる
これらの基準採択の進捗状況を反映した報告書を公表した。さらに、 2018 年 11 月に、国際決済銀行は、かかる基準採
択の進捗状況を記載し、基準に関する規制の整合性および一貫性を評価し、また規制の結果を分析する報告書を公表
した。
2019 年1月 22 日、政府は、大統領令第 62/2019 号を制定した。この大統領令は、汚職、麻薬取引、マネーロンダリ
ングおよび人身売買等の犯罪行為から得た対価で取得された財貨および不動産を、司法が早急に回収する手続きを確
立するものである。
2019 年7月 28 日、政府は、指定テロ組織のリストを作成した。このリストは司法省で管理され、テロ活動またはそ
の資金供給に関与する者、公人および機関に関する情報へのアクセスおよび情報交換を行い、テロ活動およびその資
金供給の防止、取締まりおよび根絶のために国内外に協力を促すことを目的としている。
2021 年4月、中央銀行は、金融安定理事会の勧告に従い、サイバー攻撃に関連するリスクを軽減する目的で、金融
部門向けサイバー攻撃への対応に関するガイドラインを策定した。
2022 年2月、中央銀行は「即時振込-リテール決済のスピードとアベイラビリティの向上」に関する BIS の報告書
を採用し、デジタルウォレットに関連するセキュリティ対策の強化を目的として、金融機関および決済サービス提供
者に対し、不正操作に注意を払うよう指示した。
(e) 金融部門の構成
2022 年 12 月 31 日現在、アルゼンチンにおいて営業していた金融機関数は 77 であった。以下の表は、表示日現在にお
いてアルゼンチンで営業していた金融機関の数を示す。
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金融システムの下で営業している金融機関の種類別の数
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
国有銀行 (1)
13 13 13 13 13
民間銀行 50 50 51 51 50
銀行以外の金融機関 14 15 15 15 14
信用機関 ( Cajas de
1 - - - -
Crédito )
合 計 78 78 79 79 77
(1) 国立、州立および自治体の銀行を含む。
出所:中央銀行
金融システムの下で営業している国内金融機関および外国金融機関の数
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
国内機関 (1)
53 53 54 54 54
外資系機関 (2)
25 25 25 25 23
合 計
78 78 79 79 77
(1) 国有銀行、民間銀行および(信用組合などの)その他の金融機関を含む。
(2) 民間の外国銀行および銀行以外のその他の外国金融機関を含む。
出所:中央銀行
(f) 金融システムの資産および負債
以下の表は、表示日現在におけるアルゼンチンの金融システムの資産および負債を示す。
金融機関の種類別による金融システムの資産および負債の総額
(単位:百万ペソ)
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
国有銀行 (1)
資 産 2,206,045 2,543,317 4,060,819 6,453,792 12,484,337
負 債 1,979,127 2,283,135 3,534,957 5,575,296 10,476,001
純 額 226,918 260,182 525,862 878,496 2,008,336
民間銀行
資 産 3,234,660 4,091,928 6,702,994 10,124,860 19,306,406
負 債 2,862,124 3,459,164 5,561,498 8,324,566 15,548,708
純 額 372,536 632,764 1,141,496 1,800,294 3,757,698
銀行以外の金融機関
資 産 91,100 105,906 138,356 184,071 297,074
負 債 79,917 88,245 113,260 149,535 243,089
純 額 11,183 17,661 25,096 34,535 53,986
資産および負債の総額
資 産 5,531,805 6,741,151 10,902,169 16,762,722 32,087,817
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負 債 4,921,168 5,830,544 9,209,715 14,049,397 26,267,797
合計(純額) 610,637 910,607 1,692,454 2,713,325 5,820,020
(1) 国立、州立および自治体の銀行を含む。
出所:中央銀行
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金融機関の種類別による金融システムの資産および負債の総額
(前期からの変動率 ( % ) )
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
国有銀行 (1)
資 産 66.2 15.3 59.7 58.9 93.4
負 債 66.4 15.4 54.8 57.7 87.9
純 額 64.7 14.7 102.1 67.1 128.6
民間銀行
資 産 56.1 26.5 63.8 51.0 90.7
負 債 57.4 20.9 60.8 49.7 86.8
純 額 46.4 69.9 80.4 57.7 108.7
銀行以外の金融機関
資 産 32.3 16.3 30.6 33.0 61.4
負 債 33.3 10.4 28.3 32.0 62.6
純 額 25.2 57.9 42.1 37.6 56.3
資産および負債の総額
資 産 59.5 21.9 61.7 53.8 91.4
負 債 60.4 18.5 58.0 52.5 87.0
合計(純額) 52.2 49.1 85.9 60.3 114.15
(1) 国立、州立および自治体の銀行を含む。
出所:中央銀行
資 産
金融システムの資産総額は増加し、名目額では、 2018 年が 59.5 %増の5兆 5,320 億ペソ、 2019 年が 21.9 %増の6兆
7,411 億ペソ、 2020 年が 61.7 %増の 10 兆 9,022 億ペソ、 2021 年が 53.8 %増の 16 兆 7,627 億ペソであった。 2022 年の金融
システムの資産総額は、名目額で 91.4 %増の 32 兆 878 億ペソとなった。
貸付ポートフォリオおよびリスク・プロファイル
以下の表は、表示日現在における金融部門の金融機関の種類別による貸付に関するデータである。
金融機関の種類別による貸付残高
(単位:百万ペソ)
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
国有銀行 (1)
802,674 989,157 1,277,241 1,898,738 3,251,254
民間銀行 1,398,031 1,651,170 2,171,554 3,055,176 5,152,596
銀行以外の金融機関 77,682 84,161 106,937 138,629 181,642
合 計 2,278,387 2,724,488 3,555,732 5,092,543 8,585,492
(1) 国立、州立および自治体の銀行を含む。
出所:中央銀行
金融機関の種類別による貸付残高
(合計に占める比率 ( % ) )
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12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
国有銀行 (1)
35.2 36.3 35.9 37.3 37.9
民間銀行 61.4 60.6 61.1 60.0 60.0
銀行以外の金融機関 3.4 3.1 3.0 2.7 2.1
合 計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
(1) 国立、州立および自治体の銀行を含む。
出所:中央銀行
貸付残高の部門別内訳
(単位:百万ペソ)
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
非金融公共部門 49,351 104,130 97,734 120,621 206,218
金融部門(公共および民
間) 61,653 58,154 68,654 94,118 103,483
非金融民間部門 2,254,399 2,721,102 3,608,305 5,137,193 5,644,794
貸倒引当金 (87,016) (158,898) (218,961) (259,389) (368,002)
合 計 2,278,387 2,724,488 3,555,732 5,092,543 5,586,492
出所:中央銀行
貸付残高の部門別内訳
(前期からの変動率 ( % ) )
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
非金融公共部門 30.8 111.0 (6.1) 23.4 71.0
金融部門(公共および
民間) 39.2 (5.7) 18.1 37.1 9.9
非金融民間部門 36.2 20.7 32.6 42.4 9.9
貸倒引当金 89.7 82.6 37.8 18.5 41.9
合 計 34.7 19.6 30.5 43.2 9.7
出所:中央銀行
2018 年中、民間および公共部門へのペソ建貸付は 2017 年比で 18.6 %増加した。民間および公共部門への米ドル建貸
付は 2017 年の 148 億米ドルから 4.7 %増加し、 2018 年は 155 億米ドルとなった。また民間部門へのペソ建貸付は 2017 年
の1兆 2,930 億ペソから 2018 年には1兆 5,405 億ペソへと 19.1 %増加した。同年のインフレ率は 47.6 %であった(詳細
は「 (2) 経済 -② 最近5年間の経済の動向- (c) インフレーションおよび物価の動向」を参照のこと。)。
2019 年中、民間および公共部門へのペソ建貸付は 2018 年比で 19.4 %増加した。民間および公共部門への米ドル建貸
付は 2018 年の 155 億米ドルから 30.7 %減少し、 2019 年は 108 億米ドルとなった。また民間部門へのペソ建貸付は 2018 年
の1兆 5,400 億ペソから 2019 年には1兆 8,110 億ペソへと 17.6 %増加した。同年のインフレ率は 53.8 %であった(詳細
は「 (2) 経済 -② 最近5年間の経済の動向- (c) インフレーションおよび物価の動向」を参照のこと。)。
2020 年中、民間および公共部門へのペソ建貸付は 2019 年比で 47.1 %増加した。民間および公共部門への米ドル建貸
付は 2019 年の 108 億米ドルから 49.3 %減少し、 2020 年は 55 億米ドルとなった。また民間部門へのペソ建貸付は 2019 年
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の1兆 8,110 億ペソから 2020 年には2兆 7,050 億ペソへと 49.4 %増加した。同年のインフレ率は 36.1 %であった(詳細
は「 (2) 経済 -② 最近5年間の経済の動向- (c) インフレーションおよび物価の動向」を参照のこと。)。
2021 年中、民間および公共部門へのペソ建貸付は 2020 年比で 47.4 %増加した。民間および公共部門への米ドル建貸
付は 2020 年の 55 億米ドルから 21.8 %減少し、 2021 年は 43 億米ドルとなった。また民間部門へのペソ建貸付は 2020 年の
2兆 7,050 億ペソから 2021 年には4兆 30 億ペソへと 48.0 %増加した。同年のインフレ率は 50.9 %であった(詳細は
「 (2) 経済 -② 最近5年間の経済の動向- (c) インフレーションおよび物価の動向」を参照のこと。)。
2022 年中、民間および公共部門へのペソ建貸付は 2021 年比で 66.7 %増加した。民間および公共部門への米ドル建貸
付は 2021 年の 43 億米ドルから 14.6 %減少し、 2022 年は 36 億米ドルとなった。また民間部門へのペソ建貸付は 2021 年の
4兆 30 億ペソから 2022 年には6兆 6,950 億ペソへと 67.2 %増加した。同年のインフレ率は 94.8 %であった(詳細は
「 (2) 経済 -② 最近5年間の経済の動向- (c) インフレーションおよび物価の動向」を参照のこと。)。
以下の表は、金融システムによる融資に関する情報をリスク分類別および金融機関の種類別に示す。
金融システム資産総額の金融機関種類別のリスク分類
( 2022 年 12 月 31 日現在の融資合計に占める比率 ( % ) )
公営 民間 金融 金融
銀行 銀行 会社 システム
リスク分類 :
正 常 (1)
93.1 97.3 94.5 95.7
潜在的問題資産:
特別監視/低リスク (2)
1.9 1.1 1.8 1.4
問題資産/中リスク (3)
0.8 0.6 1.1 0.7
高い支払不能リスク/高リスク (4)
0.9 0.7 1.3 0.8
回収不能 (5) 3.3 0.4 1.3 1.5
合 計
100.0 100.0 100.0 100.0
(1) 期日までに債務を返済したまたは未払いが 31 日以内である顧客を含む。
(2) 顧客のうち、 (ⅰ ) 債務未払いが 31 日超 90 日以内で一時的に不履行に陥っており、かつ (ⅱ )1暦年以内に初めて借換えが実施さ
れ、当該借換えの最初の分割払いを行った顧客を含む。
(3) 債務未払いが 90 日超 180 日以内であり、債務の返済能力を有しないことが一部示された顧客を含む。
(4) 債務未払いが 180 日超1年以内である顧客を含む。
(5) 融資が回収される可能性がほとんどもしくは全くないまたは1年超返済が延滞している、支払不能となったまたは破産した顧客を
含む。
出所:中央銀行
負 債
金融システムの負債総額は名目額で増加し、 2018 年が 60.4 %増の4兆 9,212 億ペソ、 2019 年が 18.5 %増の5兆 8,305
億ペソ、 2020 年が 58.0 %増の9兆 2,097 億ペソ、 2021 年が 52.5 %増の 14 兆 494 億ペソ、 2022 年が 87.0 %増の 26 兆 2,678
億ペソとなった。
預 金
2018 年中、アルゼンチンの銀行システムにおける預金総額は、 67.0 %増加し、 2018 年 12 月 31 日現在で4兆 852 億ペ
ソに達した。これは主に、金利の引上げおよび Lebacs 債の消却によるものであった。 2018 年 12 月 31 日現在、非金融公
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共部門の預金は 88.9 %増加した。 2018 年 12 月 31 日現在、非金融民間部門の預金は 61.8 %増加したが、これは定期預金
における 75.6 %の増加、貯蓄預金口座における 65.4 %の増加および要求払預金における 15 %の増加を反映している。
預金の通貨・部門別内訳は 2018 年 12 月 31 日現在以下のとおりである。
● ペソ建預金総額は、 2017 年同日比で 53.3 %増加し2兆 6,762 億ペソとなった。
● 非金融公共部門によるペソ建預金は、 2017 年同日比で 97.3 %増加し 7,248 億ペソとなった。
● 非金融民間部門によるペソ建預金は、 2017 年同日比で 41.5 %増加し1兆 9,500 億ペソとなった。
● 米ドル建預金は、 2017 年同日比で 7.0 %増加し 327 億米ドルとなった。
2019 年中、アルゼンチンの銀行システムにおける預金総額は、 2018 年 12 月 31 日現在の4兆 852 億ペソから 18.4 %増
加し、 2019 年 12 月 31 日現在で4兆 8,389 億ペソに達した。 2019 年 12 月 31 日現在、非金融公共部門の預金は 2018 年 12 月
31 日より 11.8 %減少した。 2019 年 12 月 31 日に終了した 11 か月間において、非金融民間部門の預金は 2018 年 12 月 31 日よ
り 26.5 %増加したが、これは要求払預金における 75.7 %の増加、貯蓄預金口座における 16.9 %の増加および定期預金
における 20.7 %の増加を反映している。
預金の通貨 ・部門別(金融部門を除く。) 内訳は 2019 年 12 月 31 日現在以下のとおりである。
● 非金融部門によるペソ建預金総額は、 2018 年同日比で 20.3 %増加し3兆 2,188 億ペソとなった。
● 非金融公共部門によるペソ建預金は、 2018 年比で 19.2 %減少し 5,863 億ペソとなった。
● 非金融民間部門によるペソ建預金は、 2018 年比で 35.0 %増加し2兆 6,325 億ペソとなった。
● 非金融部門による米ドル建預金は、 2018 年比で 36.5 %減少し 208 億米ドルとなった。
2019 年中、アルゼンチンの景気後退および財政難が悪化したことで、金融部門の米ドル建預金は大幅に減少し、 当
座預金 口座は定期預金に比べて大幅に増加した。
2020 年中、アルゼンチンの銀行システムにおける預金総額は、 2019 年 12 月 31 日現在の4兆 8,389 億ペソから 66.4 %
増加し、 2020 年 12 月 31 日現在で8兆 496 億ペソに達した。 2020 年 12 月 31 日現在、非金融公共部門の預金は 2019 年 12 月
31 日より 89.0 %増加した。 2020 年 12 月 31 日に終了した 12 か月間において、非金融民間部門の預金は 2019 年 12 月 31 日よ
り 62.1 %増加したが、これは要求払預金における 80.3 %の増加、貯蓄預金口座における 52.8 %の増加および定期預金
における 68.8 %の増加を反映している。
預金の通貨 ・部門別(金融部門を除く。) 内訳は 2020 年 12 月 31 日現在以下のとおりである。
● 非金融部門によるペソ建預金総額は、 2019 年同日比で 88.5 %増加し6兆 667 億ペソとなった。
● 非金融公共部門によるペソ建預金は、 2019 年比で 103.3 %増加し1兆 1,917 億ペソとなった。
● 非金融民間部門によるペソ建預金は、 2019 年比で 85.2 %増加し4兆 8,750 億ペソとなった。
● 非金融部門による米ドル建預金は、 2019 年比で 14.4 %減少し 178 億米ドルとなった。
2020 年中、アルゼンチンの景気後退および財政難が悪化したことで、金融部門の米ドル建預金は大幅に減少し、当
座預金口座は定期預金に比べて大幅に増加した。
2021 年中、アルゼンチンの銀行システムにおける預金総額は、 2020 年 12 月 31 日現在の8兆 496 億ペソから 53.4 %増
加し、 2021 年 12 月 31 日現在で 12 兆 3,451 億ペソに達した。 2021 年 12 月 31 日現在、非金融公共部門の預金は 2020 年 12 月
31 日より 64.3 %増加した。 2021 年 12 月 31 日に終了した 12 か月間において、非金融民間部門の預金は 2020 年 12 月 31 日よ
り 51.0 %増加したが、これは要求払預金における 65.8 %の増加、貯蓄預金口座における 44.2 %の増加および定期預金
における 50.5 %の増加を反映している。
預金の通貨 ・部門別(金融部門を除く。) 内訳は 2021 年 12 月 31 日現在以下のとおりである。
● 非金融部門によるペソ建預金総額は、 2020 年同日比で 58.0 %増加し9兆 5,859 億ペソとなった。
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● 非金融公共部門によるペソ建預金は、 2020 年比で 56.2 %増加し1兆 8,605 億ペソとなった。
● 非金融民間部門によるペソ建預金は、 2020 年比で 58.4 %増加し7兆 7,254 億ペソとなった。
● 非金融部門による米ドル建預金は、 2020 年比で 2.6 %増加し 182 億米ドルとなった。
2022 年中、アルゼンチンの銀行システムにおける預金総額は、 2021 年 12 月 31 日現在の 12 兆 3,451 億ペソから 88.5 %
増加し、 2022 年 12 月 31 日現在で 23 兆 2,645 億ペソに達した。 2022 年 12 月 31 日現在、非金融公共部門の預金は 2021 年 12
月 31 日より 57.8 %増加した。 2022 年 12 月 31 日に終了した 12 か月間において、非金融民間部門の預金は 2021 年 12 月 31 日
より 95.6 %増加したが、これは要求払預金における 64.3 %の増加、貯蓄預金口座における 86.5 %の増加および定期預
金における 118.5 %の増加を反映している。
預金の通貨 ・部門別(金融部門を除く。) 内訳は 2022 年 12 月 31 日現在以下のとおりである。
● 非金融部門によるペソ建預金総額は、 2021 年同日比で 90.3 %増加し 18 兆 2,452 億ペソとなった。
● 非金融公共部門によるペソ建預金は、 2021 年比で 65.6 %増加し3兆 807 億ペソとなった。
● 非金融民間部門によるペソ建預金は、 2021 年比で 96.3 %増加し 15 兆 1,645 億ペソとなった。
● 非金融部門による米ドル建預金は、 2021 年比で 3.0 %増加し 188 億米ドルとなった。
以下の表は、表示日現在における金融部門に対する預金総額に関する情報を示す。
金融機関種類別預金高
(単位:百万ペソ)
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
国有銀行 (1)
1,796,873 2,059,643 3,278,539 5,232,990 9,737,241
民間銀行 2,275,692 2,763,659 4,745,214 7,074,426 13,443,447
銀行以外の金融機関 12,678 15,585 25,894 37,679 83,832
合 計 4,085,244 4,838,886 8,049,647 12,345,095 23,264,520
(1) 国立、州立および自治体の銀行を含む。
出所:中央銀行
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金融機関種類別預金高
(合計に占める比率 ( % ) )
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
国有銀行 (1)
44.0 42.6 40.7 42.4 41.9
民間銀行 55.7 57.1 58.9 57.3 57.8
銀行以外の金融機関 0.3 0.3 0.3 0.3 0.4
合 計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
(1) 国立、州立および自治体の銀行を含む。
出所:中央銀行
部門別および預金種類別預金高
(単位:百万ペソ)
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
非金融公共部門 864,851 763,198 1,442,092 2,369,708 3,740,432
金融部門(公共および民
間) 12,996 17,950 28,359 37,927 90,744
非金融民間部門 3,207,397 4,057,738 6,579,197 9,937,460 19,433,344
要求払預金 396,692 696,920 1,256,704 2,083,553 3,423,856
貯蓄口座 1,398,264 1,634,611 2,498,286 3,601,765 6,715,728
定期預金 1,279,725 1,544,710 2,606,969 3,924,526 8,576,387
その他 332,036
132,716 181,497 217,238 327,616
預金総額
4,085,244 4,838,886 8,049,647 12,345,095 23,264,519
出所:中央銀行
部門別および預金種類別預金高
(前期からの変動率 ( % ) )
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
非金融公共部門 88.9 (11.8) 89.0 64.3 57.8
金融部門(公共および
民間) 114.7 38.3 58.0 33.7 139.3
非金融民間部門 61.8 26.5 62.1 51.0 95.6
要求払預金 15.0 75.7 80.3 65.8 64.3
貯蓄口座 65.4 16.9 52.8 44.2 86.5
定期預金 75.6 20.7 68.8 50.5 118.5
その他 1.3
112.3 36.2 19.7 50.8
預金総額
67.0 18.4 66.4 53.4 88.5
出所:中央銀行
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(g) 金 利
銀行の貸付に対する金利
2022 年 12 月 31 日現在、ペソ建貸付に対する年間平均銀行間金利は 48.1 %(これに対し 2021 年 12 月 31 日は 31.2 %)で
あった。当座預金貸越金利は、 2021 年 12 月 31 日現在の 35.6 %から 2022 年 12 月 31 日現在は 52.5 %に上昇した。年間平均
米ドル建銀行間金利は、 2021 年 12 月 31 日現在の 3.6 %から 2022 年 12 月 31 日現在は 4.1 %に上昇した。
2022 年 12 月 31 日現在、個人向け融資のペソ建名目年金利は 2021 年 12 月 31 日現在の 51.5 %から 77.9 %に上昇し、ペソ
建抵当貸付の平均金利は 2021 年 12 月 31 日現在の 29.7 %から 2022 年 12 月 31 日現在は 62.7 %に上昇した。
以下の表は、表示日現在における銀行貸付に対する平均金利に関する情報を示す。
銀行の貸付に対する金利
(名目年金利 ( % ) )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
自国通貨
銀行間貸付金利 (1)
44.3 60.2 22.7 31.2 48.1
当座預金貸越 (2)
48.6 67.3 29.3 35.6 52.5
外国通貨
銀行間貸付金利 (1)
2.6 3.1 6.2 3.6 4.1
(1) 平均銀行間金利
(2) 当座預金のペソ建貸越に係る平均金利
出所:中央銀行
2020 年5月、政府は金融機関に対し、上限年金利を 24 %とする特別信用枠を中小企業に提供するよう要求した。そ
の代わりに中央銀行は、金融機関の法定準備率を引き下げ、金融機関がその融資能力を増強するために Leliqs 債の一
部ポジションを売却することを許可した。この措置の結果、 Leliqs 債およびパッシブパスによる銀行システムの流動
性は、 2019 年 12 月 31 日の 55.3 %から 2020 年 12 月 31 日には 60.6 %に上昇した。さらに中央銀行は、金融機関に対し、商
業債務、消費債務または抵当債務が延滞している個人について、さらに 60 日の免除を認めるよう指示した。
2020 年6月、政府は、資金不足を理由に小切手の支払いが拒否された場合の罰金や銀行口座の閉鎖および凍結の停
止を 2020 年 12 月 31 日まで延長した。政府はまた、 ATM からの現金引出制限および他行所有の ATM で行う操作に対する銀
行事業体による手数料請求を禁止する措置を、 2021 年9月 30 日まで延長した。
2021 年 10 月、中央銀行は、中小企業向け新規生産性投資ライン( Nueva Línea de Inversión Productiva para
MiPymes )を定め、銀行事業体はそれに基づき、新規信用枠を設定するために一般預金の最大 7.5 %(約 4,500 億ペ
ソ)を提供しなければならない。このプログラムには、 ( ⅰ ) 2年間にわたり年率 30 %の利息が付される資本財の購
入、および ( ⅱ ) 年率 35 %で利息が付される運転資本の支払いの2つの融資枠が盛り込まれている。
2021 年 12 月 31 日、中央銀行は、金融機関が資本市場を通じて、中小企業の財務力を改善させるための中小企業共通
基金( Fondos Comunes de Inversión PyMEs )に投資できるようになることを発表した。それぞれの中小企業共通基
金への投資額は、発行総額の 15 %を超えないものとし、財務的責任の2%までとする。
2022 年9月 15 日、中央銀行は、金融政策金利を 69.5 %から 75.0 %に引き上げ、個人による定期預金の下限について
は、 1,000 万ペソを上限とする 30 日間の定期預金に適用される年間金利を最大 75.0 %に引き上げた。民間部門の残り
の定期預金の下限は 66.5 %に設定された。
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預金に対する金利
ペソ建定期預金に対する平均名目金利は、 2017 年の 19.1 %から 2018 年には 32.0 %に上昇した。米ドル建定期預金に
対する平均名目金利は、 2017 年の 0.5 %から 2018 年には 1.0 %に上昇した。民間銀行向けペソ建 BADLAR 金利は、 2017 年
12 月の 23.2 %から 2018 年 12 月には 48.6 %に上昇した。
ペソ建定期預金に対する平均名目金利は、 2018 年の 32.0 %から 2019 年には 47.3 %に上昇した。米ドル建定期預金に
対する平均名目金利は、 2018 年の 1.0 %から 2019 年には 1.6 %に上昇した。民間銀行向け月平均名目ペソ建 BADLAR 金利
は、 2018 年 12 月の 48.6 %から 2019 年 12 月には 41.7 %に低下した。
ペソ建定期預金に対する平均名目金利は、 2019 年の 47.3 %から 2020 年には 29.4 %に低下した。米ドル建定期預金に
対する平均名目金利は、 2019 年の 1.6 %から 2020 年には 0.8 %に低下した。民間銀行向け月平均名目ペソ建 BADLAR 金利
は、 2019 年 12 月の 39.4 %から 2020 年 12 月には 34.2 %に低下した。
ペソ建定期預金に対する平均名目金利は、 2020 年の 29.4 %から 2021 年には 33.6 %に上昇した。米ドル建定期預金に
対する平均名目金利は、 2020 年の 0.8 %から 2021 年には 0.4 %に低下した。民間銀行向け月平均名目ペソ建 BADLAR 金利
は、 2020 年 12 月の 34.2 %から 2021 年 12 月には 34.1 %に低下した。
ペソ建定期預金に対する平均名目金利は、 2021 年の 33.6 %から 2022 年には 52.5 %に上昇した。米ドル建定期預金に
対する平均名目金利は、 2021 年の 0.42 %から 2022 年には 0.38 %に低下した。民間銀行向け月平均名目ペソ建 BADLAR 金
利は、 2021 年 12 月の 34.1 %から 2022 年 12 月には 69.4 %に上昇した。
以下の表は、表示日現在における平均銀行預金金利に関する情報を示す。
預金、 Lebacs 債および Leliqs 債に対する金利
(名目年金利 ( % ) )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
自国通貨
貯蓄預金 3.4 7.2 4.5 7.4 13.2
定期預金 (1)
32.0 47.3 29.4 33.6 52.5
平均預金金利 (2)
23.5 34.6 19.6 23.8 41.4
Lebacs 債 (3)
35.7 - - - -
Leliqs 債 (4)
64.83 66.02 48.45 38.00 60.05
Notaliqs 債 (5)
- - - - 62.91
外国通貨
貯蓄預金 0.03 0.04 0.03 0.02 0.02
定期預金 (1)
1.0 1.6 0.8 0.42 0.38
平均預金金利 (2)
0.3 0.5 0.3 0.15 0.14
(1) 全定期預金に対する加重平均金利
(2) 定期預金および貯蓄預金の合計に対する加重平均金利
(3) 全定期 Lebacs 債に対する加重平均年金利
(4) 全定期 Leliqs 債に対する加重平均年金利
(5) 全定期 Notaliqs 債に対する加重平均年金利
出所:中央銀行
米ドルおよびペソ建の Lebacs 債の運用は、それぞれ 2016 年4月 26 日および 2018 年 11 月 20 日に終了した。上述の「-
(b) 金融政策- 2018 年に実施された金融政策措置」を参照のこと。
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有価証券報告書
(h) 証券市場
アルゼンチンの証券市場においては、国債取引が主流であり、その後に会社株式取引、社債取引と続いている。先
物(フューチャー)およびオプションなどその他の金融商品の取引は、市場活動のごく一部を占めるにすぎない。
証券市場に対する規制
アルゼンチンの証券市場は、国家証券委員会( Comisión Nacional de Valores 、または「 CNV 」)および株式市場
による規制を受けている。 CNV は、アルゼンチンの公開証券市場において取引を行う、ブローカー、上場会社、
ミューチュアル・ファンドおよび決済機関を含むすべての仲介業者を監督の対象とし、国債の新規発行を除くすべて
の証券の公募を規制・監督する権限を有する。
2016 年 12 月 29 日、公募に対する承認を経て、 CNV は、 Bolsas y Mercados Argentinos (「 ByMA 」)を証券上場市場
として認可した。 ByMA は、 2017 年5月 23 日にその業務を開始し、これに伴い MERVAL に上場されていた証券はすべて自
動的に ByMA に移管された。現在、主要な市場は、 ByMA および Mercado Abierto Electrónico (「 MAE 」)である。
1990 年代前半に法的枠組みを変更し、コマーシャル・ペーパー、新種の社債ならびに先物およびオプションを含
む、アルゼンチン資本市場での新規金融商品の発行・取引を規定した。この時期は、アルゼンチン証券市場は規制が
比較的低水準で、その実行は限られていた。 2013 年 11 月に国会は、アルゼンチン証券市場に係る開示および規制基準
を強化する権限を CNV に与える資本市場法第 26,831 号を承認した。新たな基準は、決議第 622/2013 号に基づき施行さ
れる CNV 規則の変更を通じて導入される。 2018 年5月9日に、国会は、法律第 27,440 号を制定した。同法は、 ( ⅰ )
MSME 向けの融資を増やすために国内資本市場を発展させること、 ( ⅱ ) 抵当ローン向け融資を提供することにより住
宅の購入を促進すること、 ( ⅲ ) 長期貯蓄に有利でありそれを促進する金融商品を増やすこと、 ( ⅳ ) CNV の規制権限
を強化すること、ならびに ( ⅴ ) 技術を通じて資本市場の連邦化を促進することを目的としている。
2018 年において、アルゼンチンの有価証券の価格は、マクロ経済の動向の長期的影響に対する投資家の見方により
悪影響を受けた。その結果、企業評価が大幅に低下し、アルゼンチンの発行体の債務証券の流通市場利回りが上昇し
た。 2018 年 12 月 31 日現在、アルゼンチンの主要株式市場の時価総額は、 2017 年 12 月 31 日に比べ 24.0 %減少して 2,784
億米ドルであった。
2019 年において、アルゼンチンの有価証券の価格は、マクロ経済の動向の長期的影響に対する投資家の見方により
悪影響を受けた。その結果、企業評価が大幅に低下し、アルゼンチンの発行体の債務証券の流通市場利回りが上昇し
た。 2019 年 12 月 31 日現在、アルゼンチンの主要株式市場の時価総額は、米ドルにより評価すると、 2018 年 12 月 31 日現
在の当該時価総額に比べて 36.7 %減少し 1,763 億米ドルとなった。ペソによる評価の場合、 2019 年におけるアルゼン
チンの主要株式市場の時価総額は、上場会社が減少したにもかかわらず安定していた。
2020 年において、アルゼンチンの有価証券の価格は、マクロ経済の動向の長期的影響に対する投資家の見方および
COVID-19 パンデミックにより悪影響を受けた。その結果、企業評価が大幅に低下し、アルゼンチンの発行体の債務証
券の流通市場利回りが上昇した。 2020 年 12 月 31 日現在、アルゼンチンの主要株式市場の時価総額は、米ドルにより評
価すると、 2019 年 12 月 31 日現在に比べて 36.4 %減少し 1,121 億米ドルとなった。ペソによる評価の場合、 2020 年にお
けるアルゼンチンの主要株式市場の時価総額もまた減少した。
2021 年において、アルゼンチンの有価証券の価格は、マクロ経済の動向の長期的影響に対する投資家の見方および
COVID-19 パンデミックにより悪影響を受けた。その結果、企業評価が大幅に低下し、アルゼンチンの発行体の債務証
券の流通市場利回りが上昇した。
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
2020 年 12 月から 2021 年 12 月の間、アルゼンチン企業の資本市場での資金調達は 43 %増加した。 2021 年 12 月 31 日現
在、アルゼンチンの主要株式市場の時価総額は 417 億米ドルであり、米ドルおよびペソによる評価の場合、 2020 年 12
月 31 日からそれぞれ 41.4 %および 79.7 %の増加となった。
2022 年において、アルゼンチンの証券の評価額は、マクロ経済の動向の長期的影響に対する投資家の見方および
COVID-19 パンデミックにより悪影響を受けた。その結果、企業評価が大幅に低下し、アルゼンチンの発行体の債務証
券の流通市場利回りが上昇した。
2021 年 12 月から 2022 年 12 月の間、アルゼンチン企業の資本市場での資金調達は 51.0 %増加した。 2022 年 12 月 31 日現
在、アルゼンチンの主要株式市場の時価総額は 541 億米ドルであり、米ドルによる評価の場合、 2021 年 12 月 31 日から
29.8 %の増加となった。
ミューチュアル・ファンドおよび FGS
2005 年から 2008 年にかけて、個人、年金基金およびミューチュアル・ファンドは、アルゼンチンの資本市場におけ
る最も規模の大きい投資家グループを構成した。
2008 年 11 月 20 日に、 国会は法律第 26,425 号を承認し、民間年金制度が改革された。同法に基づき、従来の民間年金
制度は、「賦課型」の構造を有するアルゼンチン統合年金制度( Sistema Solidario de Reparto )に吸収および承継
された。 この結果、民間の年金基金により管理されていたすべての資金は、広範な上場会社の株主持分を含め、
ANSES により管理される別口の基金( FGS )に移管された。 FGS が保有する資産は、社会保障および年金の支払いを行
う政府の( ANSES を通じた)債務の履行を妨げる予想外の財政赤字を補うことを目的とした、政府への前払金にのみ
利用することができる。 FGS は幅広い金融資産を保有し、これには公共部門証券、会社株式、固定および変動利付商
品、債券、投資信託、信託に基づき発行される負債表章証券ならびにモーゲージ債が含まれるがこれらに限定されな
い。 2022 年9月現在、 FGS の評価額は 77 億ペソであった。有価証券および株式は FGS の最も重要な投資対象であり、同
基金の総評価額の 83.0 %を占めた。
FGS の総資産
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年 (1)
資産(単位:十億ペ
ソ) 1,648.2 2,387.8 3,500.6 5,254.9 7,654.1
前年からの増加率
(%) 37.1 44.8 46.6 50.1 62.0
(1) 2022 年9月 30 日現在のデータである。
出所: FGS
国 債
取引高という点で、アルゼンチンの債券市場は、政府の有価証券が大半を占めている。公債の総取引高は、 2018 年
が 1,189 億米ドル、 2019 年が 1,596 億米ドル、 2020 年が 2,188 億米ドル、 2021 年が 2,843 億米ドル、 2022 年が 3,833 億米
ドルであった。
政府が発行する債券の種類に関する記載については、「 (6) 公債」を参照のこと。
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社 債
社債は、記名式で発行され、自国通貨または外国通貨建であることができる。社債の金利は固定金利または変動金
利のいずれかであり、市場条件および発行者の信用力により大きく異なることがある。
株 式
アルゼンチンの株式市場は CNV の規制を受ける。認可された市場は、 CNV の基準に従い、発行企業がこれらの市場に
株式を上場するために従わなければならない規則を制定する。
2018 年に、株式の総取引高は 3.6 %増加し 74 億米ドルとなった。 2019 年に、株式の総取引高は 2018 年の 74 億米ドル
から 41.6 %減少し 43 億米ドルとなった。 2020 年に、株式の総取引高は 2019 年の 43 億米ドルから 16.4 %減少し 36 億米ド
ルとなった。 2021 年に、株式の総取引高は 2020 年の 36 億米ドルから 14.5 %減少し 31 億米ドルとなった。 2022 年に、株
式の総取引高は 2021 年の 31 億米ドルから 3.3 %増加し 32 億米ドルとなった。
以下の表は、表示日現在のブエノスアイレス証券取引所における時価総額および一日当たり平均取引高に関する一
定のデータを示す。
ブエノスアイレス証券取引所における
時価総額および取引高
(単位:別段の記載がない限り、百万米ドル)
12 月 31 日現在
2020 年 2021 年 2022 年
2018 年 2019 年
市場の時価総額
(単位:十億米ドル) 185.6 37.1 29.5 41.7 54.1
一日当たり平均取引高 628.9 857.5 1,695.7 2,339.2 3,469.8
株 式 33.1 17.9 14.9 12.6 13.0
社 債 16.5 18.5 121.3 281.2 578.2
公 債 507.2 627.0 897.3 1,165.1 1,570.7
その他 (1)
72.1 194.1 662.1 880.2 1,307.9
総取引高 (2)
146,721 214,049 414,672 570,759 846,635
株 式 7,386 4,313 3,607 3,085 3,175
社 債 3,862 4,670.2 31,321 68,611 141,089
公 債 118,886 159,619.4 218,854 284,291 383,250
その他 (1)
16,588 45,446 160,890 214,772 319,121
(1) 投資信託、指数先物、オプションその他を含む。
(2) 各年の総取引高
出所:ブエノスアイレス証券取引所
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② 中央銀行の貸借対照表
以下の表は、表示日現在の中央銀行の貸借対照表に関する情報を示す。
中 央 銀 行
貸 借 対 照 表
(単位:別段の記載がない限り、百万ペソ) (1)
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
資 産
外貨準備 :
金 85,281 160,786 316,238 330,214 640,845
外 貨 1,658,318 1,740,554 2,303,362 2,921,510 4,513,989
外貨プレースメント 760,307 786,790 696,428 823,583 2,785,786
その他 (2) (16,660) (1,939) (1,803) 9 (40,976)
外貨準備高総額 (3) 2,487,248 2,686,192 3,314,225 4,075,316 7,899,645
公 債 (4)
1,657,560 3,372,924 5,159,609 6,729,005 14,155,074
貸 付:
政府への貸付(一時的な前渡
金) 502,730 852,730 1,260,450 2,173,049 2,793,100
(5)
金融システムへの貸付
62 736 573 126 218
国際機関 (6)
168,417 273,446 397,546 526,442 924,626
その他資産 (7) 698,483 1,691,043 3,257,275 5,604,366 5,966,331
資産合計 5,514,500 8,877,071 13,389,679 19,108,305
31,738,994
負 債
マネタリー・ベース:
流通通貨 (8)
859,536 1,153,405 1,897,825 2,691,400 4,094,595
ペソ建経常勘定 (9) 549,441 741,976 572,343 962,636 1,109,156
マネタリー・ベース合計 1,408,977 1,895,381 2,470,260 3,654,036 5,203,751
預 金:
政府預金 527,210 50,258 68,849 119,383 1,212,511
その他の預金 534,459 534,549 916,491 1,242,412 2,139,357
預金合計 1,061,760 584,807 985,340 1,361,796 3,351,868
(10)
国際機関に対する債務
101,761 220,491 265,749 324,131 554,691
中央銀行手形:
外貨建て - - - - -
ペソ建て 735,114 1,065,094 2,941,905 5,044,615 10,522,286
中央銀行手形合計 (11)
735,114 1,065,094 2,941,905 5,044,615 10,522,286
その他負債 1,622,126 3,126,070 5,348,532 8,075,736 10,150,172
負債合計 4,926,738 6,891,843 12,011,786 18,460,314 29,782,768
純資産 584 ,762 1,985,228 1,377,893 647 ,991 1,956,225
備忘項目:
外貨準備(単位:百万米ドル) 65,786 44,848 39,387 39,662 44,598
中央銀行の外貨準備(輸入総額
月数) 9.1 7.4 9.1 6.6 7.0
ペソ/米ドル為替レート (12)
37.81 59.90 84.15 102.75 177.13
(1) 本表における各年の情報は、中央銀行が各年の最終週について提供した貸借対照表に基づいている。
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(2) ラテンアメリカ統合連合( ALADI )との相殺信用契約に基づく取引の純利益を含む。
(3) 短期の外貨建債券および外貨建預金を含む。
(4) 1990 年統合債券( 1990 Consolidated Treasury Note )、 IMF 債務などを含む。
(5) 借換後の信用枠を含む。 2018 年、金融システムへの貸付は 90.9 %減少したが、これは主に地域インフラ連邦信託基金( Fondo
Fiduciario Federal de Infraestructura Regional )による中央銀行への債務残高3億 7,440 万ペソの免除に起因した。
(6) 政府勘定からの国際機関への移転および IMF による政府への移転を含む。
(7) 経過勘定などを含む。
(8) 銀行の手元現金を含む。
(9) 中央銀行におけるペソ建預金準備を含む。
(10) 国際決済銀行と締結した信用契約 20 億米ドルを含む。
(11) Lebacs 債、 Nobacs 債および Leliqs 債を含む。
(12) 中央銀行がその貸借対照表公表のために使用している為替レート。
出所: 中央銀行
2018 年に、中央銀行に保有する政府預金が 2017 年の 370 億ペソから 5,272 億ペソに増加した。これは主に、 2018 年1
月の国際資本市場における債務証券の売出し、 IMF と締結した SBA に基づく融資 、ならびに共和国が締結した取引に
従った 2024 年満期の Bonares 債および 2025 年満期の Bonares 債の売出しによるものであった。共和国は、当該取引に基
づき定められた金額を支払うことで当該 Bonares 債を消却できる権利が付与されている。この増加は、ポートフォリ
オ投資の流出により一部相殺された。売出しの対象であった 2024 年満期の Bonares 債および 2025 年満期の Bonares 債は
すべて、 2019 年8月に消却された。
2019 年に、中央銀行に保有する政府預金が 2018 年の 5,272 億ペソから 503 億ペソに減少した。これは主に、 2019 年の
SBA に基づく融資が 2018 年から減少したこと、および政府が様々な目的により一部の預金を引き出したことに起因し
た。
2020 年に、中央銀行に保有する政府預金が 2019 年の 503 億ペソから 688 億ペソに増加した。
2021 年に、中央銀行に保有する政府預金が 2020 年の 688 億ペソから 1,194 億ペソに増加した。
2022 年に、中央銀行に保有する政府預金が 2021 年の 1,194 億ペソから1兆 2,125 億ペソに増加した。これは主に、
EFF に基づく IMF による融資に起因した。
③ 最近の動向
金融政策
2023 年5月 31 日に終了した5か月において、中央銀行は、金融と財政の安定によって国内市場と輸出の成長を強固
にすることを目指す措置を採用した。中央銀行が採用した措置には、以下が含まれる。
● 金融政策 中央銀行の金融政策ガイドラインは、 ( ⅰ ) インフレ抑制を目的とする流動性比率の管理、 ( ⅱ )
ペソ建ての投資によるプラスの実質リターンを維持するための金利設定、および ( ⅲ ) 財政収支の監視によ
る資本市場の安定と発展の促進を含んでいた。
● 外国為替政策 中央銀行は、 ( ⅰ ) 対外的競争力の維持、 ( ⅱ ) 外貨準備ポジションの強化、および ( ⅲ ) 金
融と外国為替の安定を確保するための外国為替規制の管理および調整を図った。
● 信用政策 中央銀行は、消費、生産的投資および技術開発を活性化するため、金融仲介を促進した。さらに
中央銀行は、民間部門におけるペソ建信用枠の発展を目的とする措置を採用した。
● 金融政策 中央銀行は、信用市場への参加者数の増加を目指し、金融の安定性と銀行システムの支払能力を
保証する措置を講じるとともに、透明性と安全性の向上を目的とする技術的改善を実施した。加えて中央銀
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行は、社会のあらゆる部門にわたる統合を促進し、金融教育を向上させるため、州、その他の政府機関およ
び組織との新たな契約の締結を進めた。さらに中央銀行は、暗号資産やバーチャルウォレット、およびそれ
ら の金融機関への影響を監視した。また中央銀行は、金融システムの安定に対する潜在的リスクを評価する
ため、関連情報の生成および公表を含め、国際的および地域的な確約の枠組み内での持続可能な金融に関連
する措置を推進した。
2023 年1月、中央銀行は、金融機関のリバースレポ金利を2ベーシスポイント引き上げ、またミューチュアル・
ファンドに支払われる翌日物リバースレポ金利を金融機関に支払う翌日物リバースレポ金利の 85 %に達するように引
き上げた。
2023 年3月、中央銀行は、個人による 1,000 万ペソを上限とする定期預金に適用される年間名目金利を 78 %に、そ
の他すべての預金に適用される年間名目金利を 69.5 %に引き上げた。中小企業に対する信用枠とクレジットカードの
金利に変更はなかった。
2023 年4月、政府は中国からの輸入品の支払いを円滑に進めるため、中国と 10 億米ドルの通貨スワップ協定を締結
したことを公表した。 2023 年6月、中央銀行は 190 億米ドルのスワップ協定を3年間早期更新し、さらに 50 億米ドル
増額する手続きを開始した。
加えて中央銀行は、金融政策金利を 91 %とするため 1,000 ベーシスポイント引き上げた。また、個人による定期預
金の最低金利を引き上げ、 30 日の定期預金については 91 %に、残りの民間部門の定期預金については 85.5 %とした。
2023 年5月、中央銀行は、金融政策金利を 97 %とするため 600 ベーシスポイント引き上げた。さらに、個人による
定期預金の最低金利を引き上げ、 3,000 万ペソを上限とする 30 日の定期預金については 97 %に、残りの民間部門の定
期預金については 90 %とした。加えて、クレジットカード未払残高に対する融資の金利を 88 %から 86 %に引き下げ
た。また中央銀行は、輸入者の支払いに対する輸出の事前融資システムの適用を承認し、輸入者は約 30 億米ドルの資
金調達が可能となった。
2023 年6月1日、中央銀行は、外貨建て債務を減少させるため、州政府に適用される一連の規則を公表した。当該
規則に従い、州当局は、外貨建て債務残高の 40 %を上限とすることを含む返済計画と共に、残りの 60 %については2
年以上の期間を上限とする新規金融協定を提示しなければならない。
以下の表は、表示日現在の中央銀行の貸借対照表に関する情報を示す。
中 央 銀 行 (1)
貸 借 対 照 表
(単位:別段の記載がない限り、百万ペソ)
4月 30 日現在
2022 年 2023 年
資 産
外貨準備 :
金 436,934 878,972
外 貨 2,680,748 3,765,006
外貨プレースメント 1,724,385 3,144,785
その他 (2) 1,785 1,648
外貨準備高総額 (3) 4,843,852 7,790,411
公 債 (4) 7,497,513 19,446,791
貸 付:
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政府への貸付(一時的な前渡金) 2,375,049 3,023,100
金融システムへの貸付 403 287
国際機関 (5) 587,068 1,181,867
その他資産 (6)(7) 3,381,860 4,667,459
資産合計 18,685,745 36,109,916
負 債
マネタリー・ベース:
流通通貨 (8) 2,677,179 4,234,096
ペソ建経常勘定 (9) 832,355 1,132,503
マネタリー・ベース合計 3,509,534 5,366,599
預 金:
政府預金 791,436 302,817
その他の預金 1,413,969 4,215,191
預金合計 2,205,405 4,518,007
国際機関に対する債務 362,780 700,016
中央銀行手形:
外貨建て - 326,783
ペソ建て 5,461,595 13,450,588
中央銀行手形合計 (10) 5,461,595 13,777,371
その他負債 6,303,398 8,168,769
負債合計 17,842,712 32,530,763
純資産 890,669 3,579,153
備忘項目:
外貨準備(単位:百万米ドル) 42,007 35,001
ペソ/米ドル為替レート (11)
115.31 222.58
(1) 本表における各年の情報は、中央銀行が各年度の最終週について提供した貸借対照表に基づいている。
(2) ラテンアメリカ統合連合( ALADI )との相殺信用契約に基づく取引の純利益を含む。
(3) 短期の外貨建債券および外貨建預金を含む。
(4) 1990 年統合債券( 1990 Consolidated Treasury Note )、 IMF 債務などを含む。
(5) 政府勘定からの国際機関への移転および IMF による政府への移転を含む。
(6) 経過勘定などを含む。
(7) 外貨準備に対するデリバティブの追加額および多国間信用協定による。
(8) 銀行の手元現金を含む。
(9) 中央銀行におけるペソ建預金準備を含む。
(10) Lebacs 債、 Nobacs 債および Leliqs 債を含む。
(11) 中央銀行がその貸借対照表公表のために使用している為替レート。
出所: 中央銀行
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(5) 【財政】
① 財政制度および租税制度の概要
概 要
アルゼンチンの公共部門は、中央政府、州政府および地方自治体から成る。これらの組織は非金融公共部門および
金融公共部門に分けられる。非金融公共部門は、国家、州および地方自治体の統治機構、国有企業、一定の公的機関
および特別目的信託基金により構成される。また、国家統治機構は、中央統治機構、国家分権機関および社会保障機
関(かつての州年金基金を含む。)により構成される。金融公共部門は、中央銀行、バンコ・デ・ラ・ナシオン・ア
ルヘンティーナ(アルゼンチン国立銀行)、 BICE および 10 のその他の公的金融機関(州および地方自治体の銀行を含
む。)より成る。
以下の図はアルゼンチンの公共部門の組織構成(地方自治体の非金融部門を除く。)を表す。
中央統治機構は、省庁を含め、政府の行政府、立法府および司法府から成る。国家の分権機関は、公共歳入管理庁
( AFIP )等、中央統治機構から独立した予算、歳入および歳出を有する政府機関を含む。国家の社会保障機関は、
ANSES (国民社会保障機構)(独立機関である。)、軍隊年金基金および連邦警察年金基金より成る。 2023 年6月 22
日現在において、 10 州およびブエノスアイレス市がその社会保障債務を ANSES に移管していた。
国家公共会計は国家の非金融公共部門の連結成績を反映するものである。
アルゼンチンの州政府および地方自治体政府は政府から独立し、別個の財政を営んでいる。したがって、州政府お
よび地方自治体政府の財政実績は国家公共会計には反映されていない。しかしながら、中央統治機構は法律上、その
歳入の一部を州に移転しなければならず、また随時、州に対してその他の形の財政援助を行っている。「-③ 一般
会計- (f) 州との財政関係」を参照のこと。
以下の検討において別途明示する場合を除き、国家公共会計は、歳入および歳出が発生した期間に関係なく、
キャッシュフローが実際に起こった期間において計算する現金主義で計上されている。下記の国家公共会計の検討お
よび本報告書全体において、国家の非金融公共部門を「政府」という。さらに、国家の非金融公共部門の財政収支を
基礎的財政収支(プライマリー・バランス)という。この基礎的財政収支には、政府が(納入業者等に対する)その
支払債務および支払利息の一部を弁済するために発行する債務証書である Bocones 債の発行は反映されていない。国
家の非金融公共部門の総合収支には、別途明示する場合を除き、支払利息が含まれる。
② 公共機関の概要
政府は、国有企業および国営企業を通じて一定の任務を遂行し、商業活動を行っており、それには以下のものが含
まれる。
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● アルゼンチン最大の航空会社である Aerolíneas Argentinas S.A. (「 Aerolíneas Argentinas 」)
● Banco de la Nación Argentina (アルゼンチン国立銀行)
● Banco de Inversión y Comercio Exterior S.A.( 「 BICE 」 )
● 飲料水および公衆衛生の基礎サービスを提供する Agua y Saneamientos Argentinos S.A. (「 AYSA 」)
● 国家の郵政事業を担う Correo Oficial de la República Argentina (「 Correo Argentino 」)
● 国有エネルギー会社である Integración Energética Argentina S.A. (「 IEASA 」)
● 国有鉄道会社である Operadora Ferroviaria S.E.
● 国営のエネルギー会社である YPF
③ 一般会計
(a) 国家公共会計
概 要
2016 年以降、財政実績は、 (ⅰ) 中央銀行および FGS からの政府に対する移転は財政歳入合計から除外され、 (ⅱ) 政
府による公的部門内における公債の支払利息は基礎的歳出合計から除外され、ならびに (ⅲ) 税収は州との租税配分に
基づく歳入および移転を控除して表示され、年金拠出金、助成金および政府の社会保障移転が表示されている。以下
に記載の 2016 年より前の年度についての情報には、上記の新たな報告方式によるデータが使用されている。
以下の財政実績の検討の記述中の数値は直後の表中に表示されている数値である。ただし、社会保障税、付加価値
税(「 VAT 」)、所得税、財貨およびサービス税ならびに燃料税による歳入の記述はこの限りでなく、これらはそれ
ぞれ、州との租税配分に基づく歳入(および移転)(「- (f) 州との財政的関係」を参照のこと。)およびアルゼン
チン統合年金制度により義務付けられた年金拠出金を含む「- (b) 租税制度」に記載の「租税歳入の構成」という表
題の表中に記載されている数値に関連する。
財政実績の推移: 2018 年- 2022 年
2018 年から 2022 年に、政府は、基礎的財政収支と総合収支の双方において赤字を記録した。基礎的歳出は、対 GDP
比で 2018 年の 19.5 %から 2019 年に 18.3 %に減少した後、 2020 年に対 GDP 比で 23.7 %まで増加し、 2021 年には対 GDP 比で
20.5 %まで減少した。この減少は主に、 COVID-19 のパンデミックの影響に対処するための社会プログラムへの資金拠
出の減少や社会保障給付金の増加などによるものであった。 2022 年において基礎的歳出は対 GDP 比で 19.6 %に減少し
た。
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国 家 公 共 会 計
( 単位:百万ペソ )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
財 政 歳 入:
経 常 歳 入 :
国家管理税 (1)
9,152,136
1,414,607 2,209,307 2,868,196 5,128,525
社会保障税 (1)
4,274,215
901,922 1,224,439 1,533,019 2,382,291
国有企業運営利益(純額) (70,981) (84,725) (142,481) (363,735) (626,597)
その他の租税外歳入 (2)
1,683,248
271,828 383,686 344,730 1,355,145
資本収入 (3) 12,202 119,642 95,509 14,180 40,023
財政歳入合計 (4) 2,529,579 3,852,349 4,698,974 8,516,405 14,523,025
基 礎 的 歳 出 : (5)
経 常 歳 出 :
国家統治機構の給与 400,835 536,937 696,030 1,078,560 1,987,026
財貨およびサービス 134,995 168,399 216,761 461,544 624,903
社会保障 (6)
6,288,154
1,291,678 1,866,686 2,613,832 3,709,542
州への移転 79,266 130,846 363,729 418,836 637,042
その他の移転 (7)
5,278,593
738,462 994,296 2,267,478 3,144,573
その他の歳出 13,034 13,944 11,475 32,531 34,644
資本支出 210,296 236,362 279,626 651,058 1,332,412
基礎的歳出合計 2,868,566 3,947,470 6,448,931 9,496,646 16,182,773
基礎的財政収支 (338,987) (95,122) (1,749,957) (980,240) (1,659,748)
支払利息 (8)
1,493,009
388,940 724,285 542,873 684,241
民営化による収入 - - - -
-
非金融公共部門の総合収支 (9)
(727,927) (819,407) (2,292,831) (1,664,482) (3,152,757)
(1) 本表に記載されているデータは「租税歳入の構成」という表題の表のデータとは異なる。これは、州との租税配分に基づく歳入
(および移転)を除いているためであり、また、「租税歳入の構成」の表のデータに後れて公表され、したがって、更新された情報
を反映しているためである。
(2) 中央銀行および FGS からの移転は含まれず、行政の財貨およびサービスの販売、事業収入、経常移転ならびにその他の移転を含
む。
(3) 民営化による収入を除く。
(4) アルゼンチン統合年金制度により義務付けられた年金拠出金を含む。
(5) 政府は Bocones として知られる債券の発行により(納入業者等に対する)その一定の支払債務を履行している。 Bocones 債は現金払
いされるというよりも将来において支払われる債券であり、上記の表に表示の期間において基礎的歳出として計上されたり、または
非金融公共部門の総合収支の一部として反映されることはない。 2018 年、 2019 年、 2020 年、 2021 年および 2022 年に発行された
Bocones 債の金額は、それぞれ、 11 億ペソ、 20 億ペソ、 104 億ペソ、 39 億ペソおよび 16 億ペソであった。
(6) 上記の表中で「社会保障」の項目で表示されている金額は現金ベースで算出されているため、発生主義に基づき算出され国家統治
機構についての金額と一致する「国家の公共部門歳出の構成」という表題の表の数値とは異なる。
(7) 民間部門への移転(助成金を含む。)、公共部門への移転(大学への移転等)、世帯主プログラムに基づく移転、国有企業への移
転を含む。
(8) 公的部門間における利息の支払いを除き、 2005 年債務交換および 2010 年債務交換に基づき発行された債券に対する支払利息を含
む。
(9) 非金融公共部門の総合収支は、基礎的財政収支から支払利息を控除したものに相当する。
出所:経済省
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( 対名目 GDP 比 ( % ))
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
財 政 歳 入:
経 常 歳 入 :
国家管理税 (1)
5.2%
9.6% 10.2% 10.5% 11.1%
社会保障税 (1)
(0.8)
6.1 5.7 5.6 5.1
国有企業運営利益(純額) (0.5) (0.4) (0.5) (0.8) 2.0
その他の租税外歳入 (2)
-
1.8 1.8 1.3 2.9
資本収入 (3) 0.1 0.6 0.4 - 17.6
財政歳入合計 (4) 17.2 17.9 17.3 18.4 5.2
基 礎 的 歳 出 : (5)
経 常 歳 出 :
国家統治機構の給与 2.7 2.5 2.6 2.3 2.4
財貨およびサービス 0.9 0.8 0.8 1.0 0.8
社会保障 (6)
7.6
8.8 8.7 9.6 8.0
州への移転 0.5 0.6 1.3 1.0 0.8
その他の移転 (7)
6.4
5.0 4.6 8.3 6.8
その他の歳出 0.1 0.1 - 0.1 -
資本支出 1.4 1.1 1.0 1.4 1.6
基礎的歳出合計 19.5 18.3 23.7 20.5 19.6
基礎的財政収支 (0.4) (6.4) (2.1) 2.0
(2.3)
支払利息 (8)
1.8
2.6 3.4 2.0 1.5
民営化による収入 - - - - -
非金融公共部門の総合収支 (9) (4.9)% (3.8)% (8.4)% (3.6)% (3.8)%
(1) 本表に記載されているデータは「租税歳入の構成」という表題の表のデータとは異なる。これは、州との租税配分に基づく歳入
(および移転)を除いているためであり、また、「租税歳入の構成」の表のデータに後れて公表され、したがって、更新された情報
を反映しているためである。
(2) 中央銀行および FGS からの移転は含まれず、行政の財貨およびサービスの販売、事業収入、経常移転ならびにその他の移転を含
む。
(3) 民営化による収入を除く。
(4) アルゼンチン統合年金制度により義務付けられた年金拠出金を含む。
(5) 政府は Bocones として知られる債券の発行により(納入業者等に対する)その一定の支払債務を履行している。 Bocones 債は現金払
いされるというよりも将来において支払われる債券であり、上記の表に表示の期間において基礎的歳出として計上されたり、または
非金融公共部門の総合収支の一部として反映されることはない。 2018 年、 2019 年、 2020 年、 2021 年および 2022 年に発行された
Bocones 債の金額は、それぞれ、 11 億ペソ、 20 億ペソ、 104 億ペソ、 39 億ペソおよび 16 億ペソであった。
(6) 上記の表中で「社会保障」の項目で表示されている金額は現金ベースで算出されているため、発生主義に基づき算出され国家統治
機構についての金額と一致する「国家の公共部門歳出の構成」という表題の表の数値とは異なる。
(7) 民間部門への移転(助成金を含む。)、公共部門の団体への移転(大学への移転等)、世帯主プログラムへの移転、国有企業への
移転を含む。
(8) 公的部門間における利息の支払いを除き、 2005 年債務交換および 2010 年債務交換に基づき発行された債券に対する支払利息を含
む。
(9) 非金融公共部門の総合収支は、基礎的財政収支から支払利息を控除したものに相当する。
出所:経済省
2018 年において、基礎的財政収支の赤字は名目 GDP の 2.3 %に相当し、非金融公共部門の総合収支の赤字は、名目
GDP の 4.9 %となった。 2019 年において、基礎的財政収支の赤字は名目 GDP の 0.4 %に相当し、総合収支の赤字は名目
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GDP の 3.8 %となった。 2020 年において、基礎的財政収支の赤字は名目 GDP の 6.4 %に相当し、総合収支の赤字は名目
GDP の 8.4 %となった。 2021 年において、基礎的財政収支の赤字は名目 GDP の 2.1 %に相当し、総合収支の赤字は名目
GDP の 3.6 %となった。 2022 年において、基礎的財政収支の赤字は名目 GDP の 2.0 %に相当し、総合収支の赤字は名目
GDP の 3.8 %となった。
2 018 年の財政実績と 2017 年の財政実績の比較
基礎的財政収支: 基礎的財政赤字は、 2017 年が 4,041 億ペソであったのに対して、 2018 年には 3,390 億ペソとなっ
た。 2018 年において、財政歳入合計が 29.6 %増加した一方、基礎的歳出(支払利息を除く。)は 21.8 %の増加となっ
た。
財政歳入: 2018 年において、財政歳入は 2017 年の1兆 9,514 億ペソから2兆 5,296 億ペソとなり 29.6 %増加した。
この増加は主に、 VAT 、金融取引税ならびに輸入および輸出税からの歳入の増加によるものであった。
基礎的歳出: 2018 年において、政府の基礎的歳出(支払利息を除く。)は、 2017 年の2兆 3,556 億ペソから
21.8 %増加して2兆 8,686 億ペソとなった。この増加は主に以下の要因によるものであった。
● 社会保障支出は、 2017 年の1兆 225 億ペソから 26.3 %増加して 2018 年には1兆 2,917 億ペソとなり、歳出の増
加額全体の約 52.5 %を占めた。この増加は主に、法律により定められた年金支払の増加による。
● その他の移転(対外部門移転、民間部門助成金および大学等の自治的な公共団体への移転を含む。)は、
2017 年の 5,999 億ペソから 23.1 %増加して 2018 年には 7,385 億ペソとなり、基礎的歳出の増加額全体の約
27.0 %を占めた。この増加は主に、特定の助成金(特にエネルギー部門への移転)によるもので、前年と比
べて 41.6 %増加した。また、その他の移転の増加は、特に一般的子供手当および一般的出産手当を通じた社
会保障給付の増加も要因となった。
● 国家統治機構における給与は、 2017 年の 3,332 億ペソから 20.3 %増加して 2018 年には 4,008 億ペソとなり、基
礎的歳出の増加額全体の約 13.2 %を占めた。資本支出は、 2017 年の 2,079 億ペソから 2018 年には 2,103 億ペソ
に増加した。
総合財政収支: 政府の総合財政収支は、 2017 年の 6,291 億ペソの赤字に対して、 2018 年には 7,279 億ペソの赤字と
なった。
2 019 年の財政実績と 2018 年の財政実績の比較
基礎的財政収支: 基礎的財政赤字は、 2018 年が 3,390 億ペソであったのに対して、 2019 年には 951 億ペソとなっ
た。 2019 年において、財政歳入合計が 52.3 %増加した一方、基礎的歳出(支払利息を除く。)は 37.6 %の増加となっ
た。
財政歳入: 2019 年において、財政歳入は 2018 年の2兆 5,296 億ペソから3兆 8,523 億ペソとなり 52.3 %増加した。
この増加は主に、 VAT 、輸入および輸出税からの歳入ならびに社会保障税の増加によるものであった。
基礎的歳出: 2019 年において、政府の基礎的歳出(支払利息を除く。)は、 2018 年の2兆 8,686 億ペソから
37.6 %増加して3兆 9,475 億ペソとなった。この増加は主に以下の要因によるものであった。
● 社会保障支出は、 2018 年の1兆 2,917 億ペソから 44.5 %増加して 2019 年には1兆 8,667 億ペソとなり、歳出の
増加額全体の約 53.3 %を占めた。この増加は主に、法律により定められた年金支払額の増加による。
● その他の移転(対外部門移転、民間部門助成金および大学等の自治的な公共団体への移転を含む。)は、
2018 年の 7,385 億ペソから 34.6 %増加して 2019 年には 9,943 億ペソとなり、基礎的歳出の増加額全体の約
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23.7 %を占めた。この増加は主に、特に一般的子供手当および一般的出産手当を通じた社会保障給付の増加
が要因となった。
● 国家統治機構における給与は、 2018 年の 4,008 億ペソから 34.0 %増加して 2019 年には 5,369 億ペソとなり、基
礎的歳出の増加額全体の約 12.6 %を占めた。
● 資本支出は、 2018 年の 2,103 億ペソから 2019 年には 2,364 億ペソに増加した。
総合財政収支: 政府の総合財政収支は、 2018 年の 7,279 億ペソの赤字に対して、 2019 年には 8,194 億ペソの赤字と
なった。
2 020 年の財政実績と 2019 年の財政実績の比較
基礎的財政収支: 基礎的財政赤字は、 2019 年が 951 億ペソであったのに対して、 2020 年には 1,749 億 9,000 万ペソ
となった。 2020 年において、財政歳入合計が 22.0 %増加した一方、基礎的歳出(支払利息を除く。)は COVID-19 のパ
ンデミックの影響への対処のために政府が採った措置を反映して 63.4 %の増加となった。「 (2) 経済-① 近時の経
済動向-フェルナンデス政権- COVID-19 パンデミックへの対応措置」を参照のこと。
財政歳入: 2020 年において、財政歳入は 2019 年の3兆 8,523 億ペソから4兆 6,989 億ペソとなり 22.0 %増加した。
VAT 、輸入税および輸出税ならびに社会保障税からの歳入が増加したのは、 COVID-19 のパンデミックが経済活動に及
ぼした悪影響を表している。
基礎的歳出: 2020 年において、政府の基礎的歳出(支払利息を除く。)は、 2019 年の3兆 9,475 億ペソから
63.4 %増加して6兆 4,489 億ペソとなった。この増加は主に以下の要因によるものであった。
● その他の移転(対外部門移転、民間部門助成金および大学等の自治的な公共団体への移転を含む。)は、
2019 年の 9,943 億ペソから 128.0 %増加して 2020 年には2兆 2,675 億ペソとなり、歳出の増加額全体の約
50.9 %を占めた。この増加は主に、特に一般的子供手当、一般的出産手当、緊急時家計所得( Ingreso
Familiar de Emergencia )および労働・生産への緊急支援プログラム( Programa de Asistencia al
Trabajo y la Producción )を通じた社会保障給付の増加が要因となっており、これらは COVID-19 の蔓延阻
止のために政府が行った措置が経済に及ぼす影響を緩和することを目的として行われた。
● 社会保障支出は、主に法で定められた年金の支払いの増加により、 2019 年の1兆 8,667 億ペソから 2020 年に
は2兆 6,138 億ペソへと 40.0 %増加し、歳出の増加額全体の約 29.9 %を占めた。
● 国家統治機構における給与は、 2019 年の 5,369 億ペソから 29.6 %増加して 2020 年には 6,960 億ペソとなり、歳
出の増加額全体の約 6.4 %を占めた。
● 資本支出は、 2019 年の 2,364 億ペソから 2020 年には 2,796 億ペソに増加した。
総合財政収支: 政府の総合財政収支は、 2019 年の 8,194 億ペソの赤字に対して、 2020 年には2兆 2,928 億ペソの赤
字となった。
2 021 年の財政実績と 2020 年の財政実績の比較
基礎的財政収支: 基礎的財政赤字は、 2020 年が1兆 7,499 億ペソであったのに対して、 2021 年には 9,802 億ペソと
なった。 2021 年において、財政歳入合計が 81.2 %増加した一方、基礎的歳出(支払利息を除く。)は 47.3 %の増加と
なった。
財政歳入: 2021 年において、財政歳入は 2020 年の4兆 6,989 億ペソから8兆 5,164 億ペソとなり 81.2 %増加した。
これは主に、 ( ⅰ )VAT 、輸入税および輸出税ならびに社会保障税、 ( ⅱ ) 連帯法により導入された税制改正(「- (b)
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租税制度-連帯法による税制改正」を参照のこと)、 ( ⅲ ) 主に COVID-19 のパンデミックに起因する世界的危機の影響
緩和のために IMF から受けた特別引出権の特別配分による 4,390 億ドル、および ( ⅳ ) 個人資産および不可分財産に対し
て 課される高所得部門からの連帯に関する一時的な拠出を定めた法律第 27,605 号の制定、により発生した歳入の増加
によるものである。
基礎的歳出: 2021 年において、政府の基礎的歳出(支払利息を除く。)は、 2020 年の6兆 4,489 億ペソから
47.3 %増加して9兆 4,966 億ペソとなった。この増加は主に以下の要因によるものであった。
● 社会保障支出は、主に法で定められた年金の支払いの増加により、 2020 年の2兆 6,138 億ペソから 2021 年に
は3兆 7,095 億ペソへと 41.9 %増加し、歳出の増加額全体の約 36.0 %を占めた。
● 国家統治機構における給与は、 2020 年の 6,960 億ペソから 55.0 %増加して 2021 年には1兆 785 億ペソとなり、
歳出の増加額全体の約 12.6 %を占めた。
● その他の移転(対外部門移転、民間部門助成金および大学等の自治的な公共団体への移転を含む。)は、
2020 年の2兆 2,675 億ペソから 38.7 %増加して 2021 年には3兆 1,445 億ペソとなり、歳出の増加額全体の約
28.8 %を占めた。この増加は主に、社会保障給付の増加が要因となっており、これらは COVID-19 の蔓延阻止
のために政府が行った措置が経済に及ぼす影響を緩和することを目的として行われ、以下を含んだ。
○ COVID-19 のパンデミックの影響緩和を目的として5月、4月、8月および 12 月に行われた、低所得層の
年金および退職給付金受給者に対する臨時の社会保障給付。
○ 国家食糧緊急事態の枠組内での食糧購入助成カードに対する 909 億ペソの分配。これは 2022 年 12 月 31 日
まで延長された。
○ 一般子供手当の受給者および家族手当受給者である単身納税者への約 15,000 ペソの臨時補助金の支払
い、ならびに低所得層の一般子供手当受給者への追加の月次支給。
○ 雇用と新たな生産プロジェクトの促進を目的とした雇用促進計画( Plan Potenciar Trabajo )に基づく
1,494 億ペソの支出。
● 資本支出は、 2020 年の 2,796 億ペソから 2021 年には 6,510 億ペソに増加した。
総合財政収支: 政府の総合財政収支は、 2020 年の2兆 2,928 億ペソの赤字に対して、 2021 年には1兆 6,644 億ペソ
の赤字となった。
2 022 年の財政実績と 2021 年の財政実績の比較
基礎的財政収支: 基礎的財政赤字は、 2021 年が 9,802 億ペソであったのに対して、 2022 年には1兆 6,597 億ペソと
なった。 2022 年において、財政歳入合計が 70.5 %増加した一方、基礎的歳出(支払利息を除く。)は 70.4 %の増加と
なった。
財政歳入: 2022 年において、財政歳入は 2021 年の8兆 5,164 億ペソから 14 兆 5,230 億ペソとなり 70.5 %増加した。
この増加は主に、 VAT 、輸入税および輸出税ならびに社会保障税による歳入が増加したことによる。
基礎的歳出: 2022 年において、政府の基礎的歳出(支払利息を除く。)は、 2021 年の9兆 4,966 億ペソから
70.4 %増加して 16 兆 1,827 億ペソとなった。この増加は主に以下の要因によるものであった。
● 社会保障支出は、主に法で定められた年金の支払いの増加ならびに脆弱層の保護の強化を目的として 2022 年
4月、5月、8月および 12 月に行われた臨時の社会保障給付により、 2021 年の3兆 7,095 億ペソから 2022 年
には6兆 2,882 億ペソへと 69.5 %増加し、歳出の増加額全体の約 38.6 %を占めた。政府は、 2022 年4月およ
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び5月にそれぞれ 6,000 ペソおよび1万 2,000 ペソの低所得者層の年金および退職給付金への追加支給を発表
した。さらに、政府は低所得者の月次年金額の増額を発表した。
● その他の移転(対外部門移転、民間部門助成金および大学等の自治的な公共団体への移転を含む。)は、
2021 年の3兆 1,445 億ペソから 67.9 %増加して 2022 年には5兆 2,786 億ペソとなり、歳出の増加額全体の約
32 %を占めた。この増加は主に、 ( ⅰ ) エネルギー政策の実施のための CAMMESA および ENARSA への財政支援、
( ⅱ ) 主に新たなモビリティ(人口移動)の指標の結果を受けた家族手当の増加、 ( ⅲ ) 財政能力の悪化の影響
を軽減するための退職者、年金受給者および脆弱層への追加支援、 ( ⅳ ) 収入の購買力の喪失に対する補償、
( ⅴ ) 主に給与支払いおよび運営費用のための国家大学への移転、ならびに ( ⅵ )Plan Potenciar Trabajo (雇
用促進計画)に対するさらなる資産の分配によるものであった。
● 国家統治機構における給与は、 2021 年の1兆 785 億ペソから 84.2 %増加して 2022 年には1兆 9,870 億ペソとな
り、歳出の増加額全体の約 13.6 %を占めた。
● 資本支出は、 2021 年の 6,510 億ペソから 2022 年には1兆 3,324 億ペソに増加した。
総合財政収支: 政府の総合財政収支は、 2021 年の1兆 6,644 億ペソの赤字に対して、 2022 年には3兆 1,527 億ペソ
の赤字となった。
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(b) 租 税 制 度
概 要
アルゼンチンにおいては、法的な課税権限は国会、州立法府および、一定の限度で、地方自治体に分有されてい
る。
連邦税は国会の法律により授権されなければならないが、行政機関は国会の立法を実施するために必要な規則およ
び命令を発する権限を与えられている。アルゼンチンは連邦歳入法典を有していない。これに代え、随時変更される
個別の法律が様々な種類の租税について定める。経済省は連邦歳入の徴収責任を負っている。経済省はこの任務を主
として、 AFIP を通じて遂行する。
本項で表示されているデータは、州との租税配分の歳入(および移転)を含むため、「- (a) 国家公共会計」の項
で表示されているものとは異なる。「- (f) 州との財政関係」を参照のこと。
租税歳入の構成
政府は以下の租税を課している。
● 物品財貨およびサービスに対する VAT
● 所得税
● 社会保障税
● 外国貿易税
● 資本税
● 燃料税
● 財貨およびサービスに係るその他の租税(消費税および金融取引税等)
2020 年において、政府は個人の富裕層を対象とした臨時的な富裕税( PAÍS 税)の課税を行った。「-連帯法による
税制改正」を参照のこと。
伝統的に、政府はその収入の大部分を VAT (付加価値税)、社会保障負担金および所得税から得ている。
2022 年 12 月 31 日に終了した年度の租税歳入は、 2021 年と比較して 81.7 %増加し、 20 兆 2,405 億ペソであった。この
増加は主として以下によるものである。
● 公共部門および民間部門の名目賃金額の増加
● 製品およびサービスの価格上昇
● 経済活動の活発化
● 外国貿易税、名目為替レートの上昇に伴う輸出入関税の増加、輸出量の増加ならびに Programa de
Incremento Exportador (輸出成長プログラム)の効果
● PAÍS 税の課税
● COVID-19 のパンデミックの影響緩和を目的とした連帯のための特別拠出金( Aporte Solidario y
Extraordinario )の課税
2022 年中、
● 金融取引税からの歳入は、主に銀行取引が名目ベースで増加したため 79.0 %増加した。
● VAT 歳入は 79.8 %増加した。
● 社会保障税は主に課税対象賃金の増加(名目ベース)により 80.6 %増加した。
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● 主に法人および個人による予納税額および納税額の(名目ベースによる)増加、金融収入に対する徴税、課
税資産の再評価ならびに源泉徴収および認識の制度の対象となる取引件数の増加による租税歳入の増加によ
り、 所得税収は 100.9 %増加した。
● 資本税による税収は、主に個人資産の増加により 51.3 %増加した。
● 国際貿易および国際取引からの収入が 2021 年と比べて 83.4 %増加した。
● 輸入関税による歳入は、主に名目為替レートの上昇ならびに輸入量の増加および輸出価格の上昇により
72.3 %増加した。
● 輸出関税による歳入は、輸出価格の上昇に共に、主に名目為替レートの上昇により、 71.3 %増加した。
● 租税歳入と社会保障負担金の対前年比の増加は主に、 ( ⅰ ) 価格、為替レート、賃金および活動水準の上昇、
および ( ⅱ ) ロシアとウクライナ間の紛争によるマイナスの影響を要因とした。
以下の表は、表示特定期間中の政府の租税歳入の構成を示す。
租税歳入の構成
( 単位:百万ペソ )
2021 年 (3) 2022 年 (3)
2018 年 2019 年 2020 年
VAT 1,104,580 1,532,597 1,905,385 3,243,608 5,831,330
金融取引税 234,300 349,559 452,459 750,414 1,343,374
社会保障税 (1)
4,331,972
914,436 1,225,664 1,548,052 2,398,126
所得税 742,052 1,096,521 1,467,303 2,346,646 4,715,417
法人所得税 399,210 587,272 755,545 1,151,650 2,397,764
個人所得税 294,318 429,882 632,275 999,343 2,071,777
その他 48,524 79,367 79,483 195,653 245,876
輸入および輸出税 227,427 570,669 725,773 1,450,171 2,659,046
資本税 15,296 32,383 209,929 283,469 428,916
燃料税 116,409 161,666 195,659 356,273 431,487
物品およびサービスに対する
その他の税 103,819 136,602 215,293 335,975 538,469
そ の 他 12,348 26,026 38,429 42,114 70,465
租税規制対応 (8,646) (1,070) 6,215 5,262 18,284
その他 20,994 27,095 32,214 36,852 52,181
租税歳入総額 (2)
20,350,476
3,470,667 5,131,687 6,758,283 11,206,796
払 戻 し (34,600) (29,270) (32,182) (65,950) (109,970)
純租税歳入 3,436,067 5,102,417 6,726,101 11,140,846
20,240,506
(1) アルゼンチンの包括年金制度による年金負担金を含む。
(2) 租税歳入総額には、一定の状況において払い戻されることとなる VAT および所得税など、ある年度において徴収され、後日払い戻
される特定の租税歳入を含む。かかる払い戻しは、純租税歳入を計算するために租税歳入総額から控除される。
(3) 暫定値。
出所:経済省
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租税歳入の構成
( 政府の歳入総額に対する割合 ( % ))
2021 年 (3) 2022 年 (3)
2018 年 2019 年 2020 年
VAT 32.1 30.0 28.3 29.1 28.8
金融取引税 6.8 6.9 6.7 6.7 6.6
社会保障税 (1)
21.4
26.6 24.0 23.0 21.5
所得税 21.6 21.5 21.8 21.1 23.3
法人所得税 11.6 11.5 11.2 10.3 11.8
個人所得税 8.6 8.4 9.4 9.0 10.2
その他 1.4 1.6 1.2 1.8 1.2
輸入および輸出税 6.6 11.2 10.8 13.0 13.1
資本税 0.4 0.6 3.1 2.5 2.1
燃料税 3.4 3.2 2.9 3.2 2.1
物品およびサービスに対する
その他の税 3.0 2.7 3.2 3.0 2.7
そ の 他 0.4 0.5 0.6 0.4 0.3
租税規制対応 (0.3) - 0.1 - 0.1
0.6 0.5 0.5 0.3 0.3
その他
租税歳入総額 (2)
100.5
101.0 100.6 100.5 100.6
(1.0) (0.6) (0.5) (0.6) (0.5)
払 戻 し
100.0 100.0 100.0 100.0 100.00
純租税歳入
(1) アルゼンチンの包括年金制度による年金拠出金を含む。
(2) 租税歳入総額には、一定の状況において払い戻されることとなる VAT および所得税など、ある年度において徴収され、後日払い戻さ
れる一定の租税歳入を含む。かかる払い戻しは、純租税歳入を計算するために租税歳入総額から控除される。
(3) 暫定値。
出所:経済省
以下の情報は、社会保障税を除き、政府により課せられる 2022 年 12 月現在の主な租税の略述である。社会保障税の
内容については、「 (2) 経済- ② 最近5年間の経済の動向- (e) 社会保障制度」を参照のこと。
付加価値税 ( VAT )
VAT は、アルゼンチン内における財貨およびサービスの販売、および海外におけるサービスの実質的な利用がアル
ゼンチン内で行われた場合の海外でのサービス提供であって、かつ、そのサービスの提供者が VAT 課税対象者として
登録されている場合におけるかかる海外におけるサービスの提供に対して課せられる。 VAT は消費財の輸入およびア
ルゼンチン内で実質的に利用されたデジタル・サービスに対しても課せられる。
2022 年 12 月 31 日現在、一般 VAT の税率は 21.0 %であった。 27.0 %の増加税率が非居住者向のガス、電気、水道、下
水道および電気通信サービスの提供に適用される。 10.5 %の削減税率が、住宅プロジェクト、家畜およびその他の農
産物の販売、資本財の販売ならびに一定の財務収益および費用を含む、一定の場合に適用される。
政府はまた、一定の財貨およびサービスの消費に対して一定の税を課している。以下の表は、一定の製品に対して
適用される税率の例を示す。
財貨およびサービスに対する税の構成
製 品 税率 ( % )
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財貨
20-70
タバコ製品
8-26
アルコール飲料
4-10
非アルコール飲料(エキス、濃縮物およびミネラルウォーターを含む。)
20
高級品
0-20
レクレーション・スポーツ機器(自家用飛行機およびヨットを含む。)
17
電子製品
0-35
自動車、エンジンおよびオートバイ
サービス
0.1-23
保険
5
衛星電話および携帯電話
出所:経済省
金融取引税
金融取引税は例外的措置として 2001 年に導入され、政府の重要な収入源となっている。この税は特定の限定的な例
外を除き、大部分の金融取引の総額に対して課せられる。標準税率は当座預金口座への入出金については 0.6 %、資
金その他の現金の送金については 1.2 %、一定の業務および会社に対する入出金については 0.25 %から 0.5 %の間であ
る。金融取引税は当初は、 2002 年 12 月に失効予定だったが、国会が何度も連続してその失効期日を延長した。その結
果、当座預金口座への出入金に対する租税は 2022 年 12 月 31 日まで有効となった。かかる税収は、社会保障制度/年金
支払に充当されている。
所得、ユーティリティおよびキャピタルゲインに対する税金
アルゼンチンの居住者およびアルゼンチンに住所を有する法人はその全世界における所得に対して所得税の課税対
象となる。非居住者については、アルゼンチンに源泉のある所得に対して所得税の課税対象となる。
国、州および地方自治体当局の収入ならびに非営利団体(生活協同組合、宗教的機関および財団を含む。)は所得
税を免除される。政府は、ティエラ・デル・フエゴ島等の一定の地域において行われているプロジェクト、ならびに
公共輸送およびごみ収集等の一定の経済活動に対して、税を免除しまたは特別報奨金(優遇税制措置の形式による)
を創設した。
アルゼンチンにおいては主に2種類の所得に対する税金がある。
● 利益所得税( Impuesto a las ganancias ):
○ 所得税の目的におけるアルゼンチンの居住者である個人については、その全世界における所得に対し
て、下記の基準に従った累進税率により課税される。
課税対象純所得累積額
最低額 最高額 固定支払額 各収入階層当たりの
( 単位:ペソ ) ( 単位:ペソ ) ( 単位:ペソ ) 加算率 (1)
0
97,202.00 0 5 %
97,202.00 194,404.01 4,860.10 9 %
194,404.01 291,606.01 13,608.28 12 %
291,606.01 388,808.02 25,272.52 15 %
388,808.02 583,212.02 39,852.82 19 %
583,212.02 777,616.02 76,789.58 23 %
777,616.02 1,166,424.03 121,502.50 27 %
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1,166,424.03 1,555,232.07 226,480.66 31 %
1,555,232.07 1,555,232.07 超 347,011.16 35 %
(1) 各収入階層当たりの加算率は、個人の所得額と該当する階層における最低額との差額に対して適用される。例えば、 250,000 ペソの
個人所得については、 13,609.28 ペソに、 55,596 ペソ(すなわち 250,000 ペソと 194,404.01 ペソの差額)の 12 %の額を加算した金額
を利益所得税として支払うことが要求される。
○ 非居住者である個人および事業体は、アルゼンチンに源泉のある所得(アルゼンチンを源泉とするとみ
なす所得を含む。)に対して 35 %の税が課される。
○ 個人および不可分財産は、 ( ⅰ ) 配当および送金については7%の税率、 ( ⅱ )2018 年1月1日以後に取得
した財産にかかる不動産売却による実現利益については 15 %の税率、ならびに ( ⅲ ) 証券取引およびデジ
タル通貨から発生した正味利益は5%から 15 %までの税率が課される。
○ 企業その他の事業体については、その全世界における所得の純額に対して下記の基準に従った累進税率
により課税される。
課税対象純所得累積額
最低額 最高額 固定支払額 各収入階層当たりの
( 単位:ペソ ) ( 単位:ペソ ) ( 単位:ペソ ) 加算率 (1)
0 7,604,948.57 0 25 %
7,604,948.57 76,049,485.68 1,901,237.14 30 %
76,049,485.68 76,049,485.68 超 22,434,598.28 35 %
(1) 各収入階層当たりの加算率は、法人の所得額と該当する階層における最低額との差額に対して適用される。例えば、 40,000,000 ペ
ソの法人所得については、 1,901,237.14 ペソに、 32,295,051 ペソ(すなわち 40,000,000 ペソと 7,604,948.57 ペソの差額)の 30 %の
額を加算した金額を利益所得税として支払うことが要求される。
○ また、外国会社の支店に対してはその親会社に利益を送金した時点で7%の追加税が課せられる。
2019 年 12 月に導入された所得税の改正については、「-連帯法による税制改正」を参照のこと。
● くじおよび賭博収益特別税:この税率は 31 %であり、くじおよび賭博による利得の純額の 90 %に対して課せ
られる。
2022 年6月6日、政府は、大統領令第 298 / 2022 号を発して一定の所得税納税の例外規定を改正し、月給 40 万 4,062
ペソ未満の個人は所得税の対象から外された。
外国貿易税
外国貿易税は輸出関税および輸入関税から成る。
輸入関税はアルゼンチンに消費向けに輸入される物品財貨およびサービスに対して課される。輸入関税は従価(す
なわち、物品財貨またはサービスの実価)もしくは単位(単位当たりの固定額で算定される。)のいずれかに基づ
き、またはこれらを組み合わせて賦課される。
以下の輸入関税とそれぞれの税率が適用される。
● 域内輸入関税 : メルコスール加盟国から輸入され、メルコスール加盟国を原産とする消費財の輸入に対し
ては、 20 %の輸入関税の対象となる砂糖および関連製品を除き、課される輸入関税は0%である。
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● 共通対外関税 : 非メルコスール加盟国を原産とし、他のメルコスール加盟国からアルゼンチンに輸入され
る消費財の輸入に対しては、0%から 35 %の範囲の輸入関税が課される。
● 域外輸入関税: 非メルコスール加盟国を原産地とし、かつ、非メルコスール加盟国から輸入される消費財
に対して課される輸入関税率は、各メルコスール加盟国が提供する除外リストに含まれる一定の製品を除
き、共通対外関税に規定される適用税率である。
輸出関税は 2003 年以降、主に、国際的商品価格の高騰およびペソの下落により、政府の重要な歳入源となってお
り、ペソの下落は 2002 年のペソ切下げ後の当初数年間においてアルゼンチンの米ドル建ての輸出品のペソでみた競争
力と価値を高めた。時の経過とともに国内のインフレーションおよびペソの実質的上昇によりアルゼンチンの輸出は
競争力を損なった。 2015 年 12 月、政府は、小麦、トウモロコシ、牛肉、鉱業、石油および地域産品に対する輸出関税
を撤廃し、とりわけ、大豆の輸出関税を5%引き下げ、 35 %から 30 %にした。しかしながら、 2018 年において、アル
ゼンチン経済に影響を及ぼした一連の要因を受けて、政府は全ての輸出品に対する輸出関税を 2019 年1月1日より再
導入した(ただし、(ⅰ)国内で提供され、実際の使用または利用が海外で行われるサービス、(ⅱ)最終生産財お
よび基本的投入物、(ⅲ)地域経済の農工業製品、(ⅳ)自動車部門の最終財および(ⅴ)簡易な輸出制度の下で行
われる輸出業務を除く。)。
2021 年、政府は、財貨およびサービスの輸出促進のための輸出関税の調整を目的とした一連の政策を発表した。こ
れらには、(ⅰ) MSME の輸出増加分に対する輸出関税の撤廃、(ⅱ)車両および自動車部品に対する輸出関税の引き
下げ、(ⅲ)果汁、ピーナッツ、オート麦、亜麻、ライ麦、ヒマワリおよび羊毛製品などの地域産品に対する輸出関
税の引き下げ、ならびに(ⅳ)金および鉱物燃料に対する輸出関税の 12 %から8%への引き下げを含む。
2022 年9月5日、政府は、 Programa de Incremento Exportador (輸出成長プログラム)を創設し、 2022 年 11 月 28
日前の 18 か月間において大豆製品を輸出した者に対して1米ドル当たり 230 ペソの為替レートを認めた。
輸出関税は消費財の輸出に課される。国内から提供され、その使用または実際の利用が海外で行われるサービスも
輸出税の対象になる商品とみなされる。
以下が、 2022 年 12 月 31 日現在に施行されている一定の輸出関税率に関する説明である。
● 原油および燃料の輸出については、
○ 1バレル当りの原油および燃料の国際価格が 45.00 米ドル以下の場合、適用される輸出関税は0%であ
る。
○ 1バレル当りの原油および燃料の国際価格が 60.00 米ドル以上の場合、適用される輸出関税は8%であ
る。
○ 1バレル当りの原油および燃料の国際価格が 45.00 米ドル超 60.00 米ドル未満の場合、輸出関税は、次の
公式に従って計算される。
D は輸出関税、 PI は国際価格、 VB は基準価格( 45.00 米ドルに相当)および VR は参照価格( 60.00 米ド
ルに相当)である。
● 鉱業セクター製品の輸出に対する輸出関税については3%から8%
● 工業製品の輸出に対する輸出関税については0%から 4.5 %
● 地域経済の農工業由来製品および基本的な工業投入物の輸出に対する輸出関税については0%から 12 %
● 大豆および大豆派生製品の輸出に対する輸出関税については 4.5 %から 33 %
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● 全て自国内で生産され、最終消費を目的とした漁業部門製品の輸出に対する輸出関税については0%から
9%
● 銅および合金の輸出に対する輸出関税については 4.5 %
MSME による輸出は、かかる輸出が以下であることを条件として、一定の課税控除および関税引き下げの対象とな
る。
● メルコスールの共通関税品目分類表の範囲内であること
● 50 万米ドル相当額を超えないこと
● MSME が自己の勘定で行った業務に関する輸出であること
● 前歴年または当暦年の間に行われた 300 万米ドルを超えない MSME による輸出であること
また、年間 50 万米ドルから 100 万米ドルの輸出を自己勘定で行った企業は、輸出関税の 50 %の引き下げが認められ
る。
輸出入関税による歳入は、 2021 年の1兆 4,501 億ペソから 83.4 %増加し、 2022 年は2兆 6,590 億ペソになった。
輸出関税による歳入は、輸出価格の増加と共に、名目為替レートの上昇により、 2022 年は 2021 年と比べて 71.3 %増
加した。さらに、 2022 年9月、政府は、 大豆製品の輸出業者に対して特別な為替レートを認める Programa de
Incremento Exportador (輸出成長プログラム)を発表し、その結果、輸出関税による歳入が増加した。
輸入関税による歳入は、主に名目為替レートの上昇および輸出価格の上昇と輸出量の増加により 2021 年と比べて
2022 年には 72.3 %増加した。
純資産税
純資産税には、個人が所有する個人資産の価額に対する租税、信用組合の純資産に対する租税および不動産の売却
に対する租税が含まれる。全体的に見た場合、 2022 年において資本税が政府の租税歳入総額に占める割合は 2.1 %未
満であった。
非居住者および外国人の不可分財産については、アルゼンチンに所在する資産に対して 0.5 %の税率が課される。
アルゼンチンの居住者については、 0.5 %から 1.75 %まで(海外保有の資産に対しては 2.25 %まで)の間の累進税率
により課税される。「-連帯法による税制改正-資本税 」 を参照のこと。
燃料税
政府はガソリンおよびディーゼル等の液体燃料ならびに圧縮天然ガスを含む種々の燃料の販売に対して租税を課し
ている。 2022 年末まで、液体燃料の販売に対する租税は一般的に輸入業者、精製業者および販売業者に対して課せら
れていた。燃料の販売に対する租税は、単位(液体燃料1リットル当たりの固定額で表示され、 INDEC が公表する全
国 CPI の変動率に基づき AFIP により四半期毎にアップデートされ、そのウェブサイトに公表される。)に基づき賦課
される。
携帯電話税
2010 年以降、政府は携帯電話税を徴収しており、「その他の税」に計上されている。この租税は、顧客が携帯電話
会社に支払う金額( VAT を控除後)の1%に相当する。 2017 年 12 月、政府は、携帯電話税を顧客が携帯電話会社に支
払う金額( VAT を控除後)の5%まで引き上げる法律を制定した。
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租税の執行
租税徴収率の改善のために政府が取り入れた最近の取り組みには、以下を含む。
二重課税防止および租税協力協定
アルゼンチンは多くの国々(近年におけるブラジル( 2017 年)、パナマ( 2017 年)、モロッコ( 2018 年)、カナダ
( 2018 年)および米国( 2022 年)を含む。)との間で、情報の交換を通じて租税事項の国際協力を促進し、国境を越
えた商業取引の透明性を高めるための協力協定に調印している。こうした協定により、書類の形式による租税情報の
共有が規定され、および一定の場合相手国の領土において、一国の管轄当局の代表者が事情を聴取し、当該領土での
記録の検証ができる。その他の場合、こうした協約は、関税手続きにおける相互の援助を規定している。
アルゼンチンは、 OECD が推進する 1988 年税行政執行共助条約および 2014 年当局多国間合意の参加当事国でもある。
2018 年、アルゼンチンは OECD との間で、 OECD 南米租税金融犯罪調査アカデミーの設立に関する覚書を締結した。かか
るアカデミーの目的は、租税と金融に関する犯罪に対処するため、脱税の処理に包括的に取り組むことを促進するこ
とである。
2022 年中、 AFIP は、多国籍企業と加盟国が活動する法域における税務当局との間の協力と透明性の向上を目的とし
て、アルゼンチンの国際コンプライアンス保証プログラム(「 ICAP 」)への参加を承認する2通の覚書を締結した。
2022 年 12 月5日、政府は、米国政府との間で、自動的で相互的な情報交換のための効果的なインフラを基盤とし、
外国口座税務コンプライアンス法( FATCA )の規定の実施に従った、税務上の相互支援を通じて国際的な租税コンプ
ライアンスを向上させることを目的とした協定に署名した。
連帯法による税制改正
2017 年 12 月 27 日、アルゼンチン国会は税制改革 ( 「 2017 年税制改革」 ) について承認した。これは、アルゼンチンの
租税制度における一定の抜け穴および非効率性を排除し、脱税を減らし、個人に適用される所得税の対象を拡大し、
財政収支回復を目指したアルゼンチンの中期および長期の取り組みを持続しつつ投資を促進することを目的としてい
る。
しかしながら、 2017 年税制改革による変更以後において経済成長は見られず、アルゼンチンの税収が GDP に占める
割合が減少した。 2019 年 12 月、アルゼンチン国会は連帯法を制定したが、これは一連の税制措置と非税制措置を通じ
て短期的な財政収支の改善を目的とした。
連帯法によって導入されたアルゼンチンの税制の主な改正は以下のとおりである。
雇用主の社会保障制度拠出
2017 年税制改革では、社会保障制度への雇用主拠出金の算定に先立ち、従業員の総報酬から控除する非課税額 ( 1
万 2,000 ペソ、毎年インフレ調整される。 ) が設定された。さらに、 2017 年税制改革では、税率の収斂プロセスが確立
され、これはほとんどの雇用主(特に最も多くの拠出を行うことになる雇用主)が最高税率を支払うことから、実際
には平均実効税率の大幅な低下を意味した。
連帯法により、 2020 年について設定された税率の引き下げと非課税額のさらなる拡大が凍結されたが、登録労働者
が 25 人未満の企業は、追加で 1 万ドルを控除することができる。また、企業の給与増額を促すため、連帯法により、
給与増額に伴う手数料や社会保障拠出金の支払いの一時的な免除を認める権限が政府に与えられた。
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インフレ調整
2017 年税制改革( 2018 年に修正済)では、インフレの影響を考慮した財務諸表の修正再表示の結果として所得の決
定がなされる場合、かかる決定に関する経過措置期間が考慮された。
2020 年に包括的なインフレ調整がもたらしたと思われる財政への影響をさらに緩和するため、連帯法は経過措置期
間を 72 か月延長した。
資本税
2015 年までの資本税の税率は、課税された資産の総額に応じて 0.5 %から 1.25 %の範囲であった。 2018 年 12 月、ア
ルゼンチン国会は、最高税率を 0.75 %まで引き下げ、非課税基準を 1,800 万ペソとする住宅用不動産を構成する資産
を除き、非課税基準を 200 万ペソとする法律を成立させた。
連帯法により、税率は 2015 年のものに戻されたが、 ( 税の累進性を高める ) 非課税基準は維持され、アルゼンチン国
外で保有される資産に適用される税率を最大 100 %まで引き上げる権限が政府に与えられた。ただし、これらの資産
の一部の本国への還流については一定の例外が設けられている。
さらに、連帯法では、一定のペソ建の預金および金融資産から生じた利息についても免除が与えられている。
包摂的かつ連帯的なアルゼンチンのための税
連帯法により、貯蓄のための外貨の購入または交換、財貨・サービスの取得に関するオフショア支払いおよびアウ
トバウンド・ツーリズムに関するその他の支払いならびに非居住者によりアルゼンチンで提供される財貨・サービス
の消費に課される特別税 ( 「 PAIS 税」 ) が導入された。ただし、医薬品、健康関連給付金、書籍、教育プラットフォー
ムの利用、研究プロジェクトに関連する費用は除く。 PAIS 税の税率は、デジタル・サービスに支払われる価格(8%
の税率で課税される。 ) を除き、各取引額の 30 %に設定された。 PAIS 税からの収入の 70 %は ANSES プログラムの資金調
達に、残りの 30 %は経済インフラおよび公営住宅への資金供給に充てられる。 2020 年および 2021 年における PAIS 税に
関連した徴税額はそれぞれ 1,350 億ペソおよび 1,114 億ペソであった。
銀行の入出金その他金融取引に対する税
現金の使用を最小限に抑え、公的経済と金融包摂を奨励するために、連帯法は、現金の引き出しが行われる場合、
銀行からの引落し金額に現行の適用税率の2倍を課税することを定めた。個人および中小企業はかかる規則の対象と
はならない。
内国税
内国税は、タバコ、アルコール飲料、電話サービス、高級品、自動車、オートバイ、レジャー用ボートおよび航空
機などを対象としている。これらの税は、国内生産を保護し、高級品の消費に課税するために連帯法によって修正さ
れた。特に、内国税の累進性を高めるため、陸上自動車、オートバイ、船舶および航空機については、従来の 20 %の
単一税率制度から、国内卸売物価指数の推移を反映させるため、四半期毎に調整される販売価格に応じた制度に変更
された。自動車やオートバイの場合、自動車またはオートバイの価値に基づく税率となる。
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法人所得税
2017 年税制改革により、法人所得税率は 2018 年度と 2019 年度については 35 %から 30 %、 2020 年度については 25 %に
引下げられた。当該改革以前は、法人所得税は一律 35 %であったが、株主配当は課税されなかった。連帯法により、
2020 年についての法人所得税率の引下げが延期され、かかる税率は 30 %とされた。
所得税
給料が1か月当たり 17 万 5,000 ペソ以下の労働者は所得税の納付を免除される。退職者については、非課税最低所
得は最低保証賃金の8倍である。
特定の金融資産に係る所得税免除
2017 年 12 月 29 日、アルゼンチンの居住者および非居住者である個人が保有する一定の金融資産に対する特定の所得
税免除について規定した法律第 27,430 号が官報において公表された。法律第 27,430 号に従い、「協力的な管轄地」の
居住者であり、かつその資金が「協力的な管轄地」において発生したアルゼンチンの非居住者は、(イ)( ⅰ )証券
取引委員会( CNV )により承認された公募を通じて募集される、( ⅱ )時間と価格の優先性の障害となるものから募
集が守られているセグメントの下で CNV により承認された証券取引所において取引される、または( ⅲ ) CNV により承
認された株式公開買付けまたは交換制度を通じて売却される限りにおいて、株式または現物株を表象する証券の売却
または交換により発生したキャピタルゲイン、ならびに(ロ)(ⅰ)連邦政府、州政府もしくは地方自治体またはブ
エノスアイレス市により発行されたソブリン証券( LEBACs 債を除く。)、(ⅱ)法律第 23,576 号の第 36 条に基づき定
められた要件を満たす譲渡可能債務、( ⅲ )アルゼンチンの金融信託により発行された公募債券、( ⅳ )法律第
24,083 号第1条に含まれるアルゼンチンのミューチュアル・ファンドの公募割当、および( ⅴ )アルゼンチン企業に
より発行され、 CNV の承認により公募される現物株を表象する海外発行証券により生じる利息およびキャピタルゲイ
ンに対して、所得税の支払いが免除される。
一般的には、アルゼンチンの非居住者である受益者が「協力的な管轄地」に居住しており、その資金が「協力的な
管轄地」において生じる場合、免除の要件を満たさない通貨調整条項が付されていないペソ建証券からの利子所得は
5%の税率で課税され、一方、通貨調整条項が付されたペソ建証券または外貨建証券から生じる利子所得は 15 %の税
率で課税される。アルゼンチンの非居住者である受益者が「協力的な管轄地」に居住しており、その資金が「協力的
な管轄地」において生じる場合、免除の要件を満たさない金融資産の売却または交換により発生したキャピタルゲイ
ンは、関連する資産に応じて5%または 15 %の税率で課税される。
アルゼンチンの非居住者である受益者が「非協力的な管轄地」に居住している、またはアルゼンチンの金融資産を
購入するために使用された資金が「非協力的な管轄地」において生じた場合、利息および/またはキャピタルゲイン
について法定の課税べースに対して 35 %の税率が適用される。
中小企業モラトリアム
連帯法では、中小企業および非営利団体に納税義務を遵守させることを目的としたモラトリアムを設定する権限を
政府に与えた。
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(c) 公共部門歳出の構成
公共部門歳出には一般管理歳出、公債の元利金支払い、公共インフラおよびサービスに対する投資、防衛および安
全保障に関する支出、司法制度の管理費用ならびに社会プログラム支出が含まれる。
以下の表は、歳入および歳出の支払いが受領または実行される期間にかかわらず、それらの歳入歳出が発生する期
間において計上する発生主義により計算された以下に示す期間の国家統治機構の歳出を示す。この計算方法は、国家
の公共会計を計算するためにアルゼンチンが使用する現金主義とは異なるものである。「-① 財政制度および租税
制度の概要-概要」を参照のこと。
国家統治機構の歳出の構成 (1)
( 対名目 GDP 比 ( % ))
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
一般管理
0.7 0.7 1.2 0.8 0.7
防衛および安全保障
1.0 0.9 0.9 0.9 0.9
司 法
0.4 0.4 0.4 0.4 0.4
社会プログラム
13.6 13.1 17.3 15.2 13.8
社会保障 (2)
10.4 10.3 13.3 9.7 9.5
文化、教育、科学および技術
1.6 1.3 1.4 1.5 1.6
保 健
0.8 0.8 1.2 1.3 0.8
住 宅
0.4 0.2 0.4 1.2 0.5
社会福祉
0.4 0.4 0.9 1.2 1.3
労 働
0.1 0.0 0.1 0.2 0.1
経済的インフラストラクチャーおよび
サービスに対する公共支出
2.9 2.6 3.6 4.3 3.5
公債の元利金支払い (3)
3.8 4.4 2.3 1.7 1.9
23.3
合 計 22.4 22.1 25.7
21.2
(1) この表に記載の未払の金額には、国有企業および信託基金のようなアルゼンチンの国家の非金融公共部門の一部を構成するが、国
家統治機構の一部ではない機関の予算額は含まれていない。上記のデータには未交換債務について発生した利息は含まれておら
ず、かかる利息の実質上全てが 2016 年4月以降において支払われた。未交換債務は、未払元本および当初予定されていた満期まで
の約定利率により算出された未払利息のみを含むと定義されており、罰則的または不履行利息は含まれない。アルゼンチンは、時
効完成済みの元本または利息に関する請求に対して支払いの申入れを行っていない。「 (7) その他-① 訴訟手続」を参照のこ
と。
(2) 本表の「社会保障」項目で表示される金額は、「国家公共会計」の表で表示されるデータと異なる方法を用いて計算されたため、
これらのデータは一致していない。
(3) 支払継続債務に基づく。
出所:経済省
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国家の公共部門歳出の構成 (1)
( 対政府歳出総額比 ( % ))
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
一般管理
3.2 3.1 4.5 3.6 3.5
防衛および安全保障
4.6 4.1 3.6 3.8 4.1
司 法
1.7 1.7 1.5 1.7 1.9
社会プログラム
60.9 59.4 67.3 65.2 65.1
社会保障 (2)
46.6 46.6 51.6 41.9 44.9
文化、教育、科学および技術
6.9 6.0 5.6 6.5 7.4
保 健
3.6 3.6 4.8 5.6 4.0
住 宅
1.7 1.1 1.7 5.0 2.4
社会福祉
1.8 1.9 3.5 5.2 6.0
労 働
0.2 0.2 0.2 1.0 0.3
経済的インフラストラクチャーおよびサービ
スに対する公共支出
12.8 12.0 13.9 18.6 16.3
公債の元利金支払い (3)
16.8 19.7 9.0 7.2
9.1
100.0 100.0 100.0 100.0
合 計 100.0
(1) この表に記載の未払の金額には、国有企業および信託基金のようなアルゼンチンの国家の非金融公共部門の一部を構成するが、国
家統治機構の一部ではない機関の予算額は含まれていない。上記のデータには、未交換債務について発生した利息は含まれておら
ず、かかる利息の実質上全てが 2016 年4月以降において支払われた。未交換債務は、未払元本および当初予定されていた満期までの
約定利率により算出された未払利息のみを含むと定義されており、罰則的または不履行利息は含まれない。アルゼンチンは、時効完
成済みの元本または利息に関する請求に対して支払いの申入れを行っていない。「 (7) その他-① 訴訟手続」を参照のこと。
(2) 本表の「社会保障」項目で表示される金額は、「国家公共会計」の表で表示されるデータと異なる方法を用いて計算されたため、
これらのデータは一致していない。
(3) 支払継続債務に基づく。
出所:経済省
社会プログラムに対する歳出
政府は歳入の大部分を社会プログラムにあてている。 2018 年から 2022 年までの間、社会プログラムに対する歳出は
平均で国家統治機構の年間歳出の 63.6 %を占めており、そのうち社会保障給付のみで平均 46.3 %を占めた。これらの
社会プログラムには社会保障制度、文化財およびサービス、教育、科学および技術プログラム、保健制度、低所得住
宅プログラム、社会福祉プログラムならびに労働補助金が含まれている。また、現行法に基づき、政府、州およびブ
エノスアイレス市の統合年間予算の6%が教育、科学および技術に割り当てられなければならない。
特に、 2022 年において社会保障支出は 2021 年と比べて 74.8 %増加し、その大部分が社会保障制度および雇用促進計
画( Plan Potenciar Trabajo )の受給者への移転で、これらの一部は COVID-19 のパンデミックの影響を緩和すること
を目的とした民間部門への移転の減少により相殺された。
公共のインフラストラクチャーおよびサービス
公共インフラの主要プロジェクトには以下のものが含まれる。
● 鉄道および道路の建設
● 送電のための電線の敷設のおよび改修
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● 火力発電所のためのガス輸送システムの拡張
● 水道管および排水路の建設
詳細な情報については、「- (d) インフラストラクチャー開発」を参照のこと。
2016 年 12 月 21 日、アルゼンチンの最高裁判所は、サンタクルス州にある「ネストル・キルチネル大統領」ダムおよ
び「ホルヘ・セペルニック知事」ダムにおける建設工事を差し止めた。最高裁は、法的強制力のある環境への影響に
関するアセスメントおよびプロジェクトに関する公聴会が行われていないとし、工事の続行はこれらの手続きが完了
することを条件とした。最高裁判所により義務付けられたように、 2017 年中にこれらのプロジェクトは見直され、国
会が開催した公聴会を受けた環境への影響についての報告結果が採り入れられ、 2018 年に建設は再開された。 2023 年
6月 22 日現在、建設は継続されている。
公債の元利金支払い
政府は支払継続債務に関して支払われた利息のみを計上している。下記のデータには、未交換債務について発生し
た利息は含まれておらず、かかる利息の一部は 2016 年4月およびその後の取引において支払われた。未交換債務は、
未払元本および当初予定されていた満期までの約定利率により算出された未払利息のみを含むと定義されている。か
かる金額には罰則的または不履行利息は含まれない。アルゼンチンは、時効完成済みの元本または利息に関する請求
に対して支払いの申入れを行っていない。和解拒絶(ホールドアウト)債権者との間の係争事案の和解手続きの中
で、アルゼンチン政府は不履行となった各債券シリーズの当初予定された償還期限後に発生した利息(時効完成済み
の利息は除く。)も不履行利息と同様に考慮した。「 (7) その他-① 訴訟手続」を参照のこと。 2016 年4月以降に
発行された債務証券(その手取金の全部または一部は未交換債務に基づく債権の返済に充当された。)について支払
われる利息は「公債の元利金支払い」の項目に反映される。 2018 年には、主に Birads 債、 Bontes 債およびトレジャ
リー・ノートに関する支払いにより、支払利息が歳出総額に占める割合は 2017 年の 12.7 %から 16.8 %まで上昇し、名
目ベースで見た場合には 70.7 %増加した。 2019 年には、主に、 Bonares 債、元本削減債、 Birads 債およびその他の外
貨建債務の利払いにおけるペソの対米ドル価値の下落の影響ならびに SBA およびペソ建債券( Botapo 債および Bonares
債)に基づく支払いの増加により、支払利息が歳出総額に占める割合は 19.7 %まで上昇し、名目ベースで見た場合に
は 69.2 %増加した。 2020 年には、支払利息が歳出総額に占める割合は、 2019 年の 19.7 %から 9.0 %まで減少し、名目
ベースで見た場合には 32.5 %減少したが、この減少はとりわけ 2020 年債務交換などの債務管理取引が主な要因であっ
た。 2021 年には、支払利息が歳出総額に占める割合は、 2020 年の 9.0 %から 7.2 %まで減少し、名目ベースで見た場合
には 22.7 %増加した。 2022 年には、支払利息が歳出総額に占める割合は、 2021 年の 7.2 %から 9.1 %まで増加し、名目
ベースで見た場合には 106.3 %増加した。「 (6) 公債-① 概要- 2020 年債務交換」を参照のこと。
防衛および安全保障
防衛および安全保障に対する政府歳出が歳出総額に占める割合は、 2018 年に 4.6 %、 2019 年に 4.1 %、 2020 年に
3.6 %、 2021 年に 3.8 %および 2022 年に 4.1 %となった。
一般管理歳出
2018 年には一般管理歳出が政府歳出総額に占める割合は 2017 年の 5.2 %から 3.2 %に低下し、名目ベースでは 2017 年
と比べて 21.2 %減少した。
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2019 年には一般管理歳出が政府歳出総額に占める割合は 2018 年の 3.2 %から 3.1 %へと僅かに低下し、名目ベースで
は 2018 年と比べて 40.4 %増加した。
2020 年には一般管理歳出が政府歳出総額に占める割合は 2019 年の 3.1 %から 4.5 %へと上昇し、名目ベースでは 2019
年と比べて 114.7 %増加した。この増加は主に、 COVID-19 への対処を目的とした州および自治体への送金が 178.0 %増
加したことによる。
2021 年には一般管理歳出が政府歳出総額に占める割合は 2020 年の 4.5 %から 3.6 %へと低下し、名目ベースでは 2020
年と比べて 20.7 %増加した。
2022 年には一般管理歳出が政府歳出総額に占める割合は 2021 年の 3.6 %から 3.5 %へと低下し、名目ベースでは 2021
年と比べて 59.7 %増加した。
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(d) インフラストラクチャー開発
以下の表は、表示の年度のインフラ開発における政府の歳出(助成金を含む。)の構成を示す。
公共部門歳出の構成
( 対歳出総額比 ( % ))
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
経済的インフラストラクチャーに対する公共
部門歳出 12.8 12.0 13.9 18.6 16.3
エネルギー、燃料および鉱業 6.3 5.2 6.8 4.4 2.6
通 信 0.4 0.2 0.3 0.2 0.1
運 輸 5.2 5.6 4.0 2.6 1.5
エコロジーおよび環境 0.2 0.3 0.3 0.2 0.1
農 業 0.3 0.3 0.3 0.2 0.1
工 業 0.3 0.2 2.0 1.3 0.7
貿易、観光およびその他のサービス 0.1 0.1 0.2 0.1 0.1
保険および金融 - - 0.1 - -
出所:経済省
公共部門歳出の構成
( 対 GDP 比 ( % ))
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
経済的インフラストラクチャーに対する公共部
門歳出 2.9 2.6 3.6 4.3 3.5
エネルギー、燃料および鉱業 1.4 1.1 1.7 1.0 0.5
通 信 0.1 0.1 0.1 - -
運 輸 1.2 1.2 1.0 0.6 0.3
エコロジーおよび環境 0.1 0.1 0.1 - -
農 業 0.1 0.1 0.1 - -
工 業 0.1 - 0.5 0.3 0.2
貿易、観光およびその他のサービス - - - - -
保険および金融 - - - - -
出所: INDEC および経済省
(e) 予 算
内閣の長は国家統治機構の予算を作成する責任があり、予算は次年度以降3年間の国家統治機構の財政実績を予想
しなければならない。予算は3年度単位で作成されるが、国会は次年度の予算のみを承認する。予算が承認されて初
めて、政府は割当てられた金額を種々の機関ならびに州およびブエノスアイレス市に対して四半期毎に配布すること
ができる。国家会計検査院( Auditoría General de la Nación )は国家統治機構およびその機関の予算遵守を監督す
る責任がある。公共部門財政法は、政府が運営費用を賄うために借入を行うことを禁止している。
2022 年9月、政府は 2023 年 12 月 31 日に終了する会計年度の国家予算(「 2023 年度予算」)の原案を国会に提出し
た。 2023 年度予算の原案には、以下の 2023 年度についてのマクロ経済および財政上の前提が含まれ、これにはそれぞ
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れ 2022 年比で、(ⅰ)約 2.0 %の実質 GDP 成長率、( ⅱ ) 2.0 %の民間消費の増加、(ⅲ)公共消費の 2.0 %の増加、
(ⅳ)投資の 2.9 %の増加、(ⅴ) 7.1 %の輸出の増加および 2.0 %の輸入の増加、などがあった。 2023 年について、
公 共部門の歳出合計は対 GDP 比で 20.6 %、基礎的歳出合計は対 GDP 比で 18.8 %、歳入合計は対 GDP 比で 16.8 %と見積ら
れた。これに伴い、 2023 年の基礎的財政赤字および総財政赤字はそれぞれ 2.0 %および 3.8 %と予想された。
以下の表は、 2022 年度と 2023 年度の国家公共部門の予算情報の比較(いずれも 2023 年度予算に含まれている。)を
示している。
予算比較表
( 単位:百万ペソ )
2022 年度 2023 年度
増 減
予算 (1) 予算 (1)
増減額(ペソ) 増減率(%)
経 常 歳 入
24,765,938.9 10,719,164.0 76.3
14,046,774.9
租税歳入 9,044,594.2 15,936,417.3 6,891,823.1 76.2
社会保障拠出金 4,153,329.7 7,600,382.0 3,447,052.3 83.0
租税外歳入 255,481.1 494,064.0 238,582.9 93.4
行政の財貨およびサービス
37,018.3 238,582.9 93.4
の販売 23,090.5
資産税 534,824.3 646,826.7 112,002.4 20.9
経常移転 12,585.9 14,316.4 1,730.5 13.8
その他の歳入 22,869.2 36,914.2 14,045.0 61.4
公的事業体の営業余剰 - - - -
経 常 歳 出 16,426,723.2 27,984,235.5 11,557,512.3 70.4
消費支出 2,722,184.0 4,745,873.4 2,023,689.4 74.3
個人 2,082,329.3 3,648,743.2 1,566,413.9 75.2
財貨およびサービス 639,854.7 1,097,130.2 457,275.5 71.5
資産税 1,291,950.2 2,619,984.3 1,328,034.1 102.8
社会保障支出 6,133,499.5 11,108,222.5 4,974,723.0 81.1
その他の歳出 21,313.6 34,694.2 13,380.6 62.8
経常移転 5,626,412.3 8,450,233.5 2,823,821.2 50.2
公的事業体の営業損失 631,363.6 1,025,227.6 393,864.0 62.4
基礎的収支 (2,379,948.3) (3,218,296.6) (1,101,474.0) 88.7
資本収入 1,392.0 15,276.2 13,884.2 997.4
資本支出 1,242,410.1 2,343,884.1 1,101,474.0 88.7
実質直接投資 653,601.8 1,392,887.9 739,286.1 113.1
資本移転 554,994.8 881,154.8 326,160.0 58.8
財政投資 33,813.5 69,841.4 36,027.9 106.6
歳入合計 14,048,166.9 24,781,215.1 10,733,048.2 76.4
歳出合計 17,669,133.3 30,328,119.6 12,658,986.3 71.6
基礎的歳出合計 16,378,050.8 27,709,541.6 11,331,490.8 69.2
基礎的収支 (2,329,883.9) (2,928,326.5) (598,442.6) 25.7
財政収支 (3,620,966.4) (5,546,904.5) (1,925,938.1) 53.2
(1) 2023 年度予算に含まれている 2022 年 12 月 31 日に終了する会計年度についての予算情報を参照のこと。
出所: 2023 年度予算および財務省
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行政府の 2023 年度予算において基礎的財政赤字は対 GDP 比 2.5 %とされた。サステナビリティ保証基金( Fondo de
Garantía de Sustenabilidad )の財産所得からの収入を控除後、政府の財政需要額は約 35 億ペソ( GDP の 2.4 %に相
当) とされた。かかる需要は、国内市場におけるペソ建の公債の発行、法により設定された限度内での中央銀行から
の一時前払金および国際機関から供与される予定の融資を通じて賄われる予定である。
(f) 州との財政関係
アルゼンチンの 23 の州およびブエノスアイレス市はその相互間でおよび政府から独立した別個の法律上および財政
上の団体である。アルゼンチンの連邦制度は公共サービスおよびその他の公共支出に対する重要な責任を州に配分し
ているが、集権的租税徴収制度に主に依存している。州は主として租税配分制度(以下に定義される。)を通じて、
政府からの歳入移転に依存している。「-歳入移転」を参照のこと。憲法に基づき、州は連邦政府に対して一定の租
税を徴収する権限を授権し、政府はこれに対して、租税配分制度に基づきかかる租税から発生する歳入の一部を州に
移転することに同意している。
2018 年から 2022 年第3四半期までに、州(ブエノスアイレス市を含む。)の年間歳出総額は平均で名目 GDP の
14.4 %であったが、州(ブエノスアイレス市を含む。)の徴収した年間歳入は平均で名目 GDP の約 14.5 %(租税配分
額を含む。)であった。以下の表は、表示期間中の州レベルの財政実績総額の変動の要約を示している。
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州およびブエノスアイレス市の歳入および歳出の概要
(単位:百万ペソ )(1)
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
歳 入
経常歳入
管理税
州税
768,150.2 1,042,447.5 1,368,518.6 2,321,953.4
国税
租税配分
1,006,862.0 1,475,567.8 1,956,075.8 3,143,437.1
69,886.8 154,948.1 284,567.1 412,304.0
その他の国税
1,076,748.9 1,630,515.8 2,240,642.9 3,555,741.1
国税合計
管理税合計
1,844,899.1 2,672,963.3 3,609,161.5 5,877,694.5
その他の租税外収入
136,972.4 219,999.8 203,333.1 355,270.1
行政の物品およびサービスの販
14,087.5 19,394.7 22,170.8 36,994.1
売
資産税
39,370.9 69,618.9 42,219.3 90,982.5
122,576.0 129,121.4 333,841.9 412,146.7
経常移転
経常歳入合計
2,157,906.0 3,111,098.1 4,210,726.8 6,773,087.9
66,454.8 56,043.9 60,317.4 160,589.6
資本収入
2,224,360.7 3,167,142.0 4,271,044.2 6,933,677.5
歳入合計
歳 出
経常歳出
消費支出
州行政賃金
1,110,042.4 1,609,339.7 2,155,196.4 3,213,314.7
消費財
50,340.3 81,518.8 136,444.6 256,230.4
161,869.7 222,905.2 285,898.4 468,694.8
サービス
消費支出合計
1,322,252.4 1,913,763.8 2,577,539.5 3,938,239.8
支払利息
100,603.9 175,904.0 140,432.7 175,454.4
513,824.0 784,578.1 1,179,895.6 1,865,575.7
経常移転
経常歳出合計
1,936,680.3 2,874,245.9 3,897,867.7 5,979,269.9
資本支出
直接投資
222,014.7 272,586.5 252,718.6 517,243.3
資本移転
66,509.8 71,332.7 91,642.8 141,586.2
33,670.9 39,799.6 69,523.5 118,908.0
財政投資
322,195.4 383,708.8 413,884.9 777,728.5
資本支出合計
2,258,875.7 3,257,954.7 4,311,752.6 6,756,998.4
歳出合計
(34,515) (90,812) (40,708.5) 176,679.2
財政収支
(1) 発生主義に基づき算定したの金額。
出所:経済省
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州およびブエノスアイレス市の歳入および歳出の概要
(単位:百万ペソ )(1)
9月 30 日現在
増減率 対 GDP 比
2021 年 2022 年
(%) (%)
歳 入
経常歳入
管理税
1,638,403 2,864,051 74.8 4.1
州税
国税
2,212,134 3,970,370 79.5 5.6
租税配分
292,570 431,967 47.6 0.6
その他の国税
2,504,705 4,402,338 75.8 6.3
国税合計
4,143,108 7,266,388 75.4 10.3
管理税合計
246,807 419,136 69.8 0.6
その他の租税外収入
20,261 39,513 95.0 0.1
行政の物品およびサービスの販売
62,747 168,040 167.8 0.2
資産税
255,941 457,515 78.8 0.6
経常移転
4,728,864 8,350,592 76.6 11.9
経常歳入合計
102,966 150,712 46.4 0.2
資本収入
4,831,830 8,501,305 75.9 12.1
歳入合計
歳 出
経常歳出
消費支出
2,175,954 3,741,387 71.9 5.3
州行政賃金
165,693 235,323 42.0 0.3
消費財
281,114 474,839 68.9 0.7
サービス
2,622,761 4,451,549 69.7 6.3
消費支出合計
128,199 207,332 61.7 0.3
支払利息
1,237,902 2,131,813 72.2 3.0
経常移転
3,988,862 6,790,694 70.2 9.6
経常歳出合計
資本支出
298,155 622,571 108.8 0.9
直接投資
85,981 170,043 97.8 0.2
資本移転
71,769 130,617 82.0 0.2
財政投資
455,905 923,231 102.5 1.3
資本支出合計
4,444,768 7,713,925 73.6 11.0
歳出合計
387,062 787,380 103.4 1.1
財政収支
(1) 発生主義に基づき算定したの金額。
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以下の表は、表示期間中の州レベルの財政実績総額の要約を百分率で示す。
州およびブエノスアイレス市の歳入および歳出の概要
( 前年度比 ( % )) (1)
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
歳 入
経常歳入
管理税
州税
32.3 35.7 31.3 69.7
国税
租税配分
60.3 46.6 32.6 60.7
その他の国税 (44.7) 121.7 83.7 44.9
国税合計 42.7 51.4 37.4 58.7
管理税合計
38.2 44.9 35.0 62.9
その他の租税外収入
60.3 60.6 (7.6) 74.7
行政の物品およびサービスの販売
27.0 37.7 14.3 66.9
資産税
112.2 76.8 (39.4) 115.5
経常移転 (3.2) 5.3 158.5 23.5
経常歳入合計
36.8 44.2 35.3 60.9
資本収入 (10.3) (15.7) 7.6 166.2
34.7 42.4 34.9 62.3
歳入合計
歳 出
経常歳出
消費支出
州行政賃金
25.6 45.0 33.9 49.1
消費財
28.6 61.9 67.4 87.8
サービス 33.9 37.7 28.3 63.9
消費支出合計
26.7 44.7 34.7 52.8
支払利息
113.6 74.8 (20.2) 24.9
経常移転 34.3 52.7 50.4 58.1
経常歳出合計
31.5 48.4 35.6 53.4
資本支出
直接投資
15.8 22.8 (7.3) 104.7
資本移転
52.7 7.2 28.5 54.5
財政投資 25.1 18.2 74.7 71.0
資本支出合計 22.9 19.1 7.9 87.9
歳出合計 30.2 44.2 32.3 56.7
(59.0) 163.1 (55.2) (534.0)
財政収支
(1) 発生主義に基づき算定した金額。
出所:経済省
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州およびブエノスアイレス市の歳入および歳出の概要
( 対 GDP 比 ( % )) (1)
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
歳 入
経常歳入
管理税
州税
5.2 4.8 5.0 5.0
国税
租税配分
6.8 6.8 7.2 6.8
その他の国税 0.5 0.7 1.0 0.9
国税合計 7.3 7.6 8.2 7.7
管理税合計
12.5 12.4 13.3 12.7
その他の租税外収入
0.9 1.0 0.7 0.8
行政の物品およびサービスの販売
0.1 0.1 0.1 0.1
資産税
0.3 0.3 0.2 0.2
経常移転 0.8 0.6 1.2 0.9
経常歳入合計
14.6 14.4 15.5 14.6
資本収入 0.5 0.3 0.2 0.3
15.1 14.7 15.7 15.0
歳入合計
歳 出
経常歳出
消費支出
州行政賃金
7.5 7.5 7.9 6.9
消費財
0.3 0.4 0.5 0.6
サービス 1.1 1.0 1.1 1.0
消費支出合計
9.0 8.9 9.5 8.5
支払利息
0.7 0.8 0.5 0.4
経常移転 3.5 3.6 4.3 4.0
経常歳出合計
13.1 13.3 14.3 12.9
資本支出
直接投資
1.5 1.3 0.9 1.1
資本移転
0.5 0.3 0.3 0.3
財政投資 0.2 0.2 0.3 0.3
資本支出合計 2.2 1.8 1.5 1.7
歳出合計 15.3 15.1 15.9 14.6
(0.2) (0.4) (0.1) 0.4
財政収支
(1) 発生主義に基づき算定したの金額。
出所:経済省
歳入移転
現在、租税配分制度およびその他のいくつかの特別歳入分配取決めに基づき、政府と州の間において歳入移転が行
われている。 1988 年租税配分法( 2002 年の改正を含む。)(「租税配分法」)は現行の租税配分制度(「租税配分制
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度」)について定めている。租税配分法は当初、暫定的措置として意図されたものであったが、 1989 年末の失効予定
時以降、毎年自働的に更新されている。 1994 年の憲法改正は 1996 年までに新租税配分法の採択を要求しているが、今
日 までいかなる法律も採択されていない。 1980 年代中頃から、政府の行政機関と州およびブエノスアイレス市は歳入
移転に関し合意的取決めを堅持し、国会はこれを定期的にそのまま承認している。租税配分法に基づき創設された連
邦の機関である連邦税制委員会( Comisión Federal de Impuestos )が租税配分制度の遵守を監視している。
2017 年 12 月 31 日まで、租税配分法により政府は、下記に記載の特別歳入分配取決めに基づく控除後、所得税歳入の
64.0 %(下記の5億 8,000 万ペソを控除後)、付加価値税歳入の 89.0 %、名目最低所得税歳入の 100.0 %、個人資産税
歳入の 93.7 %、金融取引に係る税収の 30.0 %、物品税およびその他の少額の税からの税収を連邦租税配分基金に移転
することを要求されていた。 2018 年1月1日から、 2017 年度財政協定により、租税配分制度に基づく自動分配に従
い、所得税歳入に関する 64.0 %の上限が撤廃された。この撤廃の結果、 2018 年より、所得税歳入の 100 %が租税配分
基金に組み入れられ、租税配分制度に従い配分されなければならない。さらに、 2017 年度財政協定により、金融取引
に係る税収の 100.0 %が ANSES に配分されることになる。加えて、 2017 年度財政協定により、(ⅰ)所得税と金融取引
税の配分変更により資金が減少した法域への一定の補償および(ⅱ)大ブエノスアイレス圏基金の廃止に伴うブエノ
スアイレス州への特定の補償が定められた。
2022 年 12 月 31 日まで行われていた特別歳入分配取決めには、連邦租税配分制度に加えて以下が含まれていた。
● VAT: VAT 歳入(輸出関税払戻しを控除後)の 11 %は以下の通り配分された。社会保障基金が連邦政府に移
転されなかった州(ブエノスアイレス、チャコ、チュブ、コルドバ、コリエンテス、エントレ・リオス、
フォルモサ、ラ・パンパ、ミシオネス、ネウケン、サンタクルス、サンタフェおよびティエラ・デル・フエ
ゴ)に対して 6.27 %ならびに ANSES に残りの 93.73 %を配分
● 液体燃料および二酸化炭素に関する税: 液体燃料および二酸化炭素に対する税からの収入の 10.40 %が国
家住宅基金( Fonavi )を通じて州およびブエノスアイレス市に配分され、(ⅰ) 60 %が道路、( ⅱ )が 30 %
がインフラ、および( ⅲ ) 10 %が州およびブエノスアイレス市のための特別電力開発基金( Fondo Especial
Desarrollo Electrico del Interior )に対して分配される。
● 個人資産税: INCUCAI に対する 300 万ペソを控除後、社会保障基金が連邦政府に移転されなかった州に
6.27 %を配分
● 個人事業主税( Monotributo ): 個人事業主税収入は、税部分および社会保障部分に分けられる。税部分
は、 ANSES に 70 %、 30 %は租税配分法の規定に従い配分される。社会保障部分は全て、 ANSES に配分される。
新連邦主義のための合意
2017 年度財政協定の実施前は、政府、州およびブエノスアイレス市の間の 1992 年の合意により、 ANSES に資金拠出
するため、租税配分制度に従い政府は租税歳入合計の 15 %を控除することが認められていた。この 15 %の控除は1年
毎に延長されていたが、最終的に 2006 年に法律第 26,078 号「 2006 年国家予算法( Presupuesto de Gastos y Recursos
de la Administración Nacional para el Ejercicio 2006 ) 」第 76 条の下に制定された。 2015 年 11 月、アルゼンチン
最高裁判所は、かかる控除のサンルイス州およびサンタフェ州への適用は違憲とし、 2006 年以降これらの州から徴収
した資金をそれまでの利息とともに返還するよう政府に命じた。さらに、コルドバ州は予備的判断を得たが、最高裁
判所から 2006 年以降の経過利息を付した遡及的な資金の返還を確認する終局判決は得ていない。
2016 年、政府は、(最高裁判所の判決による利益を受けた)コルドバ州、サンルイス州およびサンタフェ州を除く
州との間で 2006 年国家予算法第 76 条に基づき徴収された資金の段階的な返還について合意(「新連邦主義のための合
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意( Programa Acuerdo para el Nuevo Federalismo ) 」)した。新連邦主義のための合意により、各州は一定の条件
に従い、政府により従前に徴収されていた 15 %分につき段階的に回収していくことが認められた。 ANSES を通じた特
別 金融措置により、これらの州およびブエノスアイレス市に返還すべき上記の 15 %のうち、6%に相当する額が 2016
年中に、および3%に相当する額が 2020 年までの各年において供給された。
ブエノスアイレス市との紛争
2016 年1月、マクリ政権は、非連邦事項の公共安全分野における管轄権移転(その時までに関連があったすべての
人員、機関、機能、能力、サービスおよび資産の移転を含む。)に伴い、ブエノスアイレス市への租税配分税の配分
比率を 1.4 %から 3.75 %に引き上げた。かかる比率は、政府とブエノスアイレス市の間の合意に従い 2017 年に 3.5 %ま
で引き下げられた。 2020 年9月、フェルナンデス政権は、 2.32 %までかかる租税配分比率を引き下げた。この決定を
受けて、ブエノスアイレス市は最高裁判所に違憲性の申し立てを行った。
2020 年 12 月、法律第 27,606 号を通じて、ブエノスアイレス市の租税配分比率はさらに 1.4 %まで引き下げられた。
また、ブエノスアイレス市は、警察への資金提供のために国庫からの拠出金を受領するようになった。
2022 年 12 月、最高裁判所は差止命令を発し、(ⅰ)かかる裁判所が本件判決を出すまで、政府は租税配分資金の
2.95 %をブエノスアイレス市に分配しなけれならないとし、および(ⅱ)法律第 27,606 号の効力を停止した。
その他の州との取決め
1990 年代後半以降、政府は州の財政状態を正常化するため、州との間で様々な合意を結んできた。これらの取決め
に従い、政府は州に対して様々な形で種々の条件に基づき財政支援を提供している。以下にこれらのプログラムのい
くつかを挙げる。
財政責任法:財政責任法は、 2004 年に制定され、これを承認した州およびブエノスアイレス市でのみ、拘束力があ
る。現在までに 23 の州のうち 21 州およびブエノスアイレス市が財政責任法を承認している。同法はアルゼンチンの国
家、州および地方自治体の公共部門の財政枠組みに対して重要な改革を実施することを目的としている。その主な内
容の一部は以下のとおりである。
● 政府および州は一定の財政方針、目標および予測を記載した将来の各年度の年次財政計画を作成し、その財
務実績をそれぞれウェブサイトで定期的に公表しなければならない。
● 国家および州の政府の基礎的歳出の増加率は予想名目 GDP 成長率を上回ることができない。
● 政府および州は均衡予算を堅持しなければならない。
● 政府および州は財政周期の変動を抑えるため、特別の周期調整基金を創設しなければならない。
● 州は地方自治体への租税配分移転額控除後の州の当期の収入の 15 %を超える元利払債務を負うことができな
い(経済活動、雇用および社会的支援の促進に向けた支出に関するものを除く。)。この制限に反する州は
一定の例外を除き、追加的債務を負うことができなくなる。
● 政府はその債務再編後、名目 GDP の一定割合に残存債務を削減する責任を負わなければならない。
● 州は債務を負担し、または保証を行うためには、経済省の承認を求めなければならない。
● 経済省はその州債券の発行もしくは保証に関する承認を当該法律案に定める要素を基準に行う。
しかしながら、財政責任法は連邦租税配分制度に対する変更を行うものではない。
2009 年以降、国会は、財政規制に対して大幅な柔軟性を与えるための財政責任法の改正案を可決した。より大幅な
柔軟性とは、公共部門歳出の増加と財政実績の水準の両方を指す。また、州は適切な年度に、地方政府への租税配分
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移転額控除後の州の当期収入の 15 %を超える元利払債務を負うことができない。かかる改正は、州政府による財政赤
字への対処に資することを目的としている。
2016 年 10 月 25 日、その当時の財務・財政省は、各州の財務大臣と共に、財政責任法の一定の改正を政府の 2017 年予
算に適用すると発表した。この改正により、 2017 年の公共部門の総合収支赤字を削減し、州の公共会計の透明性を高
め、および 2017 年の公共支出の伸びの上限を名目 GDP の成長率とすることで公共支出を抑制することを目指してい
る。
2017 年 11 月 16 日、全ての州(サンルイス州およびラ・パンパ州を除く。)は、国家および州レベルでの健全な公共
財政慣行を推進し、一定の期間における公共支出の増加率を当該期間のインフレ率までとした上限の設定ならびに全
体的な公的雇用の増加を人口増加率までとした上限の設定などの各法域がその支出の管理の維持を確保するための
ルールを定めた 2017 年度財政協定を承認した。 2017 年度財政協定を通じて、国家および州レベルでの経済成長を育む
ため、特に労働および生産ならびにそれらに対する資金提供に対する税などの増税の制限を州は約束している。
2017 年 12 月 22 日、国会は財政責任制度の改正と共に 2017 年度財政協定を承認し、公共部門の総合収支赤字の削減を
目的として国家および州の公共部門会計の支払能力向上のためのガイドラインを定めた。 2023 年6月 22 日現在、全て
の州議会(ラ・パンパ州およびサンルイス州の議会を除く。)およびブエノスアイレス市議会が 2017 年度財政協定を
承認しており、改正後の財政責任制度を遵守している。
2018 年8月、政府は合同連邦基金( Fondo Federal Solidario )を廃止する大統領令を制定した。合同連邦基金は
州および地方自治体のインフラ支出のために 2009 年3月に創設された。同基金は大豆輸出からの税収の 30 %により賄
われ、租税配分法に従い各州の間で分配されていた。歳入が失われる分を州に補填するため、 2018 年9月に政府は、
州・地方自治体向け連邦財政支援プログラム( Programa de Asistencia Financiera a Provincias y Municipious )
を創設し、これを通じて政府は 2017 年度財政協定を締結した全ての法域に対して総額 41 億ペソの移転を確約した。
2017 年度財政協定は、法律第 27,469 号( 2018 年度財政協定)、法律第 27,542 号( 2019 年度財政協定)、法律第
27,634 号( 2020 年度財政協定)、法律第 27,687 号( 2021 年度財政協定)および法律第 27,591 号第 20 条乃至第 22 条によ
り改正され、特に債務の発生に関して財政責任制度の改正が行われた。
④特 別 会 計
アルゼンチンは特別会計を設けていない。
⑤減 債 基 金
アルゼンチンは国家減債基金を設けていない。
⑥最近の動向
2023 年3月 31 日終了の3か月間において、基礎的財政赤字は、 2022 年の同期における 1,927 億ペソから 258.0 %増加
して 6,899 億ペソとなった。財政歳入合計が 78.3 %増加して2兆 8,163 億ペソから5兆 204 億ペソとなった一方、基礎
的歳出(支払利息を除く。)は 89.8 %増加して3兆 91 億ペソから5兆 7,103 億ペソに増加した。
2023 年6月8日、政府は、(ⅰ)最低課税所得の 41 %の引き上げ、および(ⅱ)低所得者層への減税を目的として
約 120 万人の個人が恩恵を受ける Crédito Argentino (アルゼンチン信用供与枠)の拡大を発表した。
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租税歳入
租税歳入の構成
2023 年5月において、租税歳入は総額 32 億ペソにのぼり、これは年間増減率の 111.1 %に相当したが、主として VAT
歳入の増加によるものであった。
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(6) 【公債】
① 概 要
(a) 概 観
別段の定めがない限り、本章「 (6) 公債」に記載のアルゼンチンの未償還債券に関する金額の算出は 2022 年 12 月 31
日現在のものである。
アルゼンチンの総公的債務合計は、政府により直接に借入れられた外貨建およびペソ建債務、ならびに他の国家公
共機関、州(ブエノスアイレス市を含む。)および民間部門の団体の債務に対し政府が付与した保証より成る間接債
務により構成される。これには州または他の機関の直接債務で政府による保証が付与されていないものは含まれな
い。示された場合を除き、外貨建債務およびペソ建債務は、支払継続債務および支払非継続債務(未交換債務を含
む。)で構成される。「 (7) その他-① 訴訟手続」を参照のこと。
2020 年2月5日、国会は、行政権に対し、経済省を通じてアルゼンチンの公的対外債務の持続可能性を回復する目
的でアルゼンチンの債権者との取引や交渉を行う権限を付与する法律 ( 「債務持続可能性法案」 ) を制定した。これに
は、アルゼンチンが発行し、外国法に準拠する公的証券の額面金額、償還期限、利払いの変更などが含まれる。 2020
年4月から9月までの間において、政府は債務持続可能性法案に従い、 2020 年債務交換を実施した。「- (b) 債務記
録- 2020 年債務交換」を参照のこと。
2018 年から 2022 年までのアルゼンチンの総公的債務合計(未交換債務を含む。)は、以下の通りであった。
● 2018 年 12 月 31 日現在、 3,322 億米ドル
● 2019 年 12 月 31 日現在、 3,231 億米ドル
● 2020 年 12 月 31 日現在、 3,356 億米ドル
● 2021 年 12 月 31 日現在、 3,632 億米ドル
● 2022 年 12 月 31 日現在、 3,966 億米ドル
2022 年 12 月 31 日現在未償還のアルゼンチンの総公的債務合計である 3,966 億米ドルのうち、ペソ建債務は、総額 23
兆 2,348 億ペソ( 1,312 億米ドル)であり、アルゼンチンの総公的債務合計の 33.1 %を占めており、そのうち 51.8 %は
CER 指数連動債券であった。外貨建債務は総額 2,654 億米ドルであり、アルゼンチンの総公的債務合計の 66.9 %を占め
ていた。
2022 年 12 月 31 日現在、債権者の種類別に分類した総公的債務合計(支払非継続債務および未交換債務を含む。)
は、以下のとおりである。
● 総公的債務合計の 45.9 %( 1,819 億米ドル)が主に公共部門国家機関が保有する公債によるものであった。
● 総公的債務合計の 33.8 %( 1,340 億米ドル)が民間部門債権者が保有する公債によるものであった。
● 総公的債務合計の 20.3 %( 806 億米ドル)が主に多国間および二国間の貸し手が保有する公債によるもので
あった。
2022 年 12 月 31 日現在、金融商品の種類別に分類した(支払非継続債務および未交換債務を除く。)総公的債務合計
は、債券が 60.8 %で 2,395 億米ドル、多国間および二国間の貸し手からの借入れが 20.4 %で 806 億米ドル、トレジャ
リー・ノートおよびトレジャリー・ビルが 8.2 %で 324 億米ドル、中央銀行からの一時前払金が 4.0 %で 158 億米ドル、
保証債務(官民パートナーシップのプロジェクトに関連のない再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付の
トレジャリー・ノート、 Avales および約束手形)が 2.0 %で 80 億米ドル、商業銀行からの借入れが 0.7 %で 27 億米ド
ル、および国家保証ローンが 0.2 %で8億 2,860 万米ドルであった。
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未交換債務は、未払元本および 2022 年 12 月 31 日までの約定利率により算出された未払利息に、補償利息または不履
行利息を加えたものと定義されている。アルゼンチンは、時効完成済みの元本または利息に関する請求に対して支払
い の申し出を行っていない。
2022 年 12 月 31 日現在、経済省の公的勘定に登録されている未交換債務勘定に係る額面請求額(この目的のみにおい
てアルゼンチンが時効完成済みとみなす請求を含む。)は総額約 24 億米ドルであった。
2022 年 12 月 31 日現在、支払非継続債務(未交換債務を除く。)は合計で1億 280 万米ドル、総公的債務合計の
0.03 %未満であり、そのうち 6,050 万米ドルは期日未到来の支払非継続債務が占め、 4,230 万米ドルは債務再編対象ま
たは支払遅延の支払非継続債務に相当する。
(b) 債務記録
序論
アルゼンチンは、法第 24,156 号第 65 項およびその他適用ある法律に従い、随時債務再編取引を公的および民間の債
権者との間で行っている。 1990 年から 2022 年の間において、アルゼンチンはブレイディ・プラン、 2005 年債務交換、
2010 年債務交換および 2020 年債務交換の4度にわたる対外および国内不履行債務の再編を行ってきた。
パリクラブ
アルゼンチンは、 1985 年、 1987 年、 1989 年、 1991 年、 1992 年の5回にわたる個々の契約を通じて、債権国のグルー
プであるパリクラブのメンバーに対する債務を再編した。 2001 年に始まった債務危機の間、アルゼンチンはパリクラ
ブのメンバー国に対する残存債務について債務を履行しなかった。 2014 年4月 30 日現在、パリクラブのメンバー国に
対する残存債務は総額 96 億 9,000 万米ドルであり、この内訳は、元本 49 億 5,500 万米ドル、利息 11 億 200 万米ドルおよ
び 36 億 3,300 万米ドルの遅延利息であった。 2014 年5月 29 日に、アルゼンチンは今後5年間で債務残高すべてを償却
するとの決済契約締結に至った。 2019 年 12 月 31 日現在、 19 億 4,120 万米ドルの元本が未償還であった。 2020 年4月7
日、経済大臣は、パリクラブのメンバー国に対し、パリクラブ 2014 年決済契約の現行条件の変更提案を行い、主に満
期日の延長と金利の大幅な引下げを求めた。 2021 年6月 22 日、経済大臣は、債務不履行を回避するために、パリクラ
ブとの交渉の枠組内において、アルゼンチンが債務再編合意の猶予期間を得た旨を発表した。 2022 年 10 月 28 日、アル
ゼンチンとパリクラブの債権者の間で、推定額 19 億米ドルの遅延金の繰り延べを目的としたパリクラブ 2014 年決済契
約の修正(「修正パリクラブ決済契約」)を行うことについて合意に達した。修正パリクラブ決済契約に基づき、残
額の返済は6年にわたり 13 回の分割で行われ、適用利率は 9.0 %から 4.5 %に引き下げられる。「-③ 最近の動向-
金融機関に対する債務-パリクラブ」を参照のこと。
商業銀行
1985 年および 1987 年にアルゼンチンは国際商業銀行債権者に対し負っていた 347 億米ドルの債務につき再編交渉を
行った。これら銀行による総額約 30 億米ドルの新規貸付提供に加え、「ニュー・マネー・ボンド」および「代替参加
証書」(「 API 」)という2つの債券発行がこの再編の一部をなしている。銀行債権者への利息支払は 1988 年4月に
停止され、ブレイディ・プラン(以下に記載される。)に基づく中期および長期の商業銀行債務の借換えまで、部分
的に再開されただけであった。
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ブレイディ・プラン
1992 年4月、アルゼンチンは、商業銀行から借入れた中期および長期債務に関しブレイディ・プランに基づく借換
契約を発表した。ブレイディ・プランは、当時未払いであった商業銀行の債務の 96.0 %超に相当する、推定 93 億米ド
ル の遅延利息を含む推定 285 億米ドルの債務に適用された。ブレイディ・プランはアルゼンチンの対外債務の額面金
額の約 30 億米ドル削減を達成した。
商業銀行への債務の 96.0 %超はブレイディ・プランに従い借換えられた。ブレイディ・プランは、遅延利息 93 億米
ドルを含めすでに残存していた 285 億米ドルの対商業銀行債務と交換に、元本維持債、元本削減債および変動利付債
券の発行ならびに7億米ドルの現金支払いを規定していた。
アルゼンチンは、 2001 年の債務不履行まではブレイディ債の支払いを行っていた。その時点で残存していた米ドル
建ブレイディ債の約 95.7 %およびその時点で残存していたユーロ建ブレイディ債の 81.3 %が 2005 年債務交換で交換さ
れた。
2022 年 12 月 31 日現在、 2005 年および 2010 年債務交換で申し込みがなされなかったまたは 2016 年以降の和解契約に基
づくブレイディ債および変動利付債券は約 7,690 万米ドル(約定利率で発生した金利は含むが罰則的利息を含まな
い。)残存していた。
2001 年の債務危機
2001 年 12 月 24 日に、(ロドリゲス・サア大統領の暫定統治下にあった)政府は、アルゼンチン公債の大半につき支
払停止を宣言した。後継者であるデュアルデ大統領は、数日後に就任した時に債務支払の停止を承認した。 2002 年1
月6日に制定された国家緊急事態法は、経済回復の条件を創出し、アルゼンチン公債を再編するために必要な措置を
講ずる権限を政府に与えた。
2002 年2月6日、政府は、アルゼンチンの公債に関する支払を公式に停止し、経済省にこれら債務の再編を行う権
限を付与した。続いて政府は、債務支払停止の範囲をより明確化した様々な政策を発した。これらの措置により、政
府は次の債権者に対する債務の履行を継続している。
● 多国間公式貸付機関
● 国家保証ローンのペソ化に同意した債権者
● 政府の債務支払停止宣言以降に発行された新債券( Boden 債など)の保有者
● 他の一定範囲の公債
2005 年債務交換
2005 年1月 14 日、アルゼンチンは 2001 年に債務不履行に陥った 152 種の異なる種類の証券所有者に対し、その不履
行債務を 2038 年元本維持債、 2045 年準元本維持債、 2033 年元本削減債および 2035 年 GDP 連動証券と交換するよう勧誘
した。債務交換の参加適格を有する債券の総額(対象となる債券の元本、および 2001 年 12 月までに累積した未払いの
経過利息を含む。)はおよそ 818 億米ドルであった。 2005 年債務交換で申込まれた証券の交換対象総額は(いずれの
場合も期日到来済利息を併せて)約 623 億米ドルであり、対象証券の交換対象総額の 76.2 %に相当する。
交換に提出された証券と提出時期により、 2005 年債務交換に参加した対象証券の所有者はその保持していた証券と
引き換えに以下の異なった組み合わせの債券を受取る権利があった。 :
● 2038 年 12 月 31 日満期の 2038 年元本維持債
● 2033 年 12 月 31 日満期の 2033 年元本削減債
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● 2045 年 12 月 31 日満期の 2045 年準元本維持債
● 2035 年 12 月 15 日までに期日が到来する GDP 連動証券の想定元本金額を伴う 2035 年 GDP 連動証券
ブレイディ債の保有者は元本総額約 28 億米ドルおよび2億 3,500 万ユーロのブレイディ債を交換に付し、その現在
価値をブレイディ債の元本担保の償還から現金で受取った。
2010 年債務交換
2010 年4月 30 日、アルゼンチンは、 2005 年債務交換において発行された証券および 2001 年に債務不履行に陥った
149 種の異なる種類の証券の所有者に対し、当該証券を下記の新規証券、および場合により、現金支払いと交換する
よう勧誘(「4月の勧誘」)を開始した。
4月の勧誘、またはアルゼンチンが4月の勧誘と並行して日本において実施する募集のいずれかに参加した適格証
券の所有者は、その証券と引き換えに以下の異なった組み合わせの債券を受取る権利があった。
● 2033 年 12 月満期で米ドル、ユーロ、日本円およびペソ建の 2033 年元本削減債( 2010 )
● 2038 年 12 月満期で米ドル、ユーロ、日本円およびペソ建の 2038 年元本維持債( 2010 )
● 2017 年満期で米ドル建の 2017 年グローバル債、および
● 2035 年 12 月までに期日が到来し米ドル、ユーロ、日本円およびペソ建の 2035 年 GDP 連動証券( 2010 )
2010 年 12 月に、アルゼンチンは、国内市場において4月の勧誘を再開した(「 12 月の勧誘」)。 12 月の勧誘は 2010
年 12 月 31 日に締め切られた。
12 月の勧誘に参加した適格証券の所有者は、その証券と引き換えに以下の異なった組み合わせの債券を受取る権利
があった。
● 米ドルおよびペソ建の 2033 年元本削減債( 2010 )
● 2017 年グローバル債、および
● 米ドルおよびペソ建の 2035 年 GDP 連動証券( 2010 )
2010 年債務交換に申し込まれた不履行証券の交換対象金額は総額約 124 億米ドルで、対象証券の交換対象総額の約
66.2 %に相当した。
ブレイディ債の勧誘
2010 年 12 月中、アルゼンチンは、ブレイディ債の所有者に対し、その所有するブレイディ債の、 2033 年元本削減債
( 2010 )、 2017 年グローバル債券、 2035 年 GDP 連動証券( 2010 )および現金支払いとの組合せによる交換を勧誘する
「ブレイディ勧誘」を公表した。ブレイディ勧誘は、しかしながら、下級審が申し込みのあったブレイディ債を担保
する担保物件の手取り金を解放、清算および申し込み所有者に対して移転を認める決定を控訴審が支持することとい
う要件が付されていた。 2011 年7月 20 日に控訴審は下級審の決定を破棄した。その結果、 2011 年8月にアルゼンチン
は何ら申し込みを受諾することなくブレイディ勧誘を中止した。ブレイディ勧誘に基づく申し込みはすべて、自動的
に拒絶されたものとみなされた。
2020 年債務交換
外国法に準拠する債券
2020 年4月 21 日、アルゼンチンは、元本総額約 665 億米ドルを保有する 2005 年および 2016 年の契約に基づき発行さ
れた外貨建対外債券の保有者に対し、当該債券を新規債券と交換する勧誘を実施した。当該勧誘は、当該債券の条件
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にそれぞれ含まれる集団訴訟条項の使用を意図したものであり、その使用により、一定の過半数による決定は、債券
交換の申入れに応じない保有者を拘束することになる。当該勧誘を発表して以降、アルゼンチンの代表者は、勧誘の
条 件に関して当該債券の保有者と数回の協議を行った。
2020 年8月 17 日、アルゼンチンは、債権者からの意見を取り入れるため当該勧誘を修正し、 2020 年8月 31 日、債務
交換の申入れへの参加に勧誘された対象債券全シリーズの残存額面総額の 99.01 %にあたる交換および/または修正
に必要な債権者の同意を取得したことを発表した。当該勧誘は 2020 年9月4日に終了した。この勧誘の結果、アルゼ
ンチンが支払った外貨建対外債券の平均利率は 3.07 %に低下し、最高利率は 5.0 %となったが、これに対し、勧誘前
の平均利率は 7.0 %、最高利率は 8.28 %であった。また、アルゼンチンの外貨建対外債券の残高総額は 1.9 %減少し、
その平均残存期間は拡大した。
アルゼンチン法に準拠する債券
2020 年4月5日、政府は大統領令第 346/2020 号を制定し、 ( ⅰ ) アルゼンチンの公的債務の持続可能性を回復するた
めに計画されたプロセスの前倒しの程度を考慮しつつ、アルゼンチン法に準拠する外貨建債券の一部の元本および利
息の支払いを 2020 年 12 月 31 日までまたは経済省が決定するより早い日まで延期し、また、 ( ⅱ ) 経済省に対し、当該大
統領令に従って支払いが延期されたアルゼンチン法に準拠する外貨建債券に影響を与える債務管理取引もしくは債務
交換の申入れまたは債務再編措置を実施する権限を与えた。
2020 年8月 18 日、アルゼンチンは、アルゼンチン法に準拠する外貨建債券の保有者に対し、外国法に準拠する債券
の保有者への勧誘条件とほぼ同等の条件で、当該債券を新債券と交換する申入れを行った。 2020 年9月 18 日、アルゼ
ンチンは、国内債務交換の申入れへの参加に勧誘された対象債券全シリーズの残存額面総額の 99.4 %に相当する保有
者が参加したと発表した。債務交換の申入れの結果、アルゼンチンが支払うアルゼンチン法に準拠する外貨建債券の
平均利率は、交換前の平均利率である 7.6 %から 2.4 %に低下した。また、債務交換の申入れによりかかる債券の平均
残存期間が拡大した。
(c) 債権同順位に基づく訴訟(パリパス訴訟)および和解案
2001 年末のアルゼンチンの債務に関する不履行の後、債権者はアルゼンチンに対し、米国を含むいくつもの法域に
おいて膨大な数の訴訟を提起した。債権同順位に基づく訴訟および未交換債務に係る請求を和解で処理するためのア
ルゼンチンの提案を含む米国の訴訟に関する詳細は、「 (7) その他-① 訴訟手続」を参照のこと。
(d) 間接債務
政府は、州およびその他の国営および民間団体の特定の債務に関する元利金支払につき保証を付している。これら
政府保証の一部は政府の資産または受取ることのできる租税により担保されている。
2022 年 12 月 31 日現在、政府は、 2021 年 12 月 31 日現在の 104 億米ドルに対し総額 92 億米ドル(支払期日到来済元利金
を含む。)の第三者の債務を保証しており、これらは以下の債務により構成されている。
● 州による負債の 27 億米ドル(ブエノスアイレス市を含む。)で、その全額が発行者の資産により担保されて
いた。
● 政府以外の公共部門事業者(バンコ・デ・ラ・ナシオン・アルヘンティーナ(アルゼンチン国立銀行)な
ど)が負っていた負債5億 3,890 万米ドル、および
● 民間部門事業者の負債、 60 億米ドル。
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これらの保証はアルゼンチンの資産により担保されていなかった。
(e) 担保付債務
特定の政府債務は、受取租税および他の形式の担保を含む特定の資産に係る質権により担保されている。以下にこ
れら担保約定を記載する。
国家保証ローン : このペソ建て借入は金融取引税および配分租税(すなわち、租税配分法に基づき政府が州と分
配しなければならない租税)より生ずる歳入のうち、政府の帰属分に対する質権により担保される。 2022 年 12 月 31 日
現在、国家保証ローンの元本残高は約8億 2,860 万米ドルであった。
ブレイディ債: 元本維持および元本削減ブレイディ債の総元本金額は、米ドル建債券の場合はゼロ・クーポン米
国国債により、またユーロ建(当初はドイツ・マルク建債券であった。)の場合はドイツ復興金融公庫が発行したゼ
ロ・クーポン債券により担保される。これら債券を担保する担保物件は 2023 年のこれら債券の満期日までは引出すこ
とはできない。 2022 年 12 月 31 日現在、担保物件の価値は3億 1,520 万米ドルであった。ブレイディ債に対し支払われ
る利息の一部についても担保された。
スペイン債: 1993 年にブレイディ債の債務再編の一環として政府はスペインの銀行に対し( 30 年物のブレイディ
債の代りに) 2008 年に満期を迎える無担保債券を発行した。この債券はスペイン政府により保証され、スペイン政府
は 2001 年におけるアルゼンチン政府による債務支払停止の後、その保証を履行した。 2014 年に、政府は、スペイン政
府に対する債務である支払総額 9,370 万米ドルの全額につき和解し、返済スケジュールについて合意した。 2022 年 12
月 31 日現在、スペイン政府に対する債務の残高は総額 2,250 万米ドルであった。
(f) 公債の変遷
2018 年から 2022 年にかけて、アルゼンチンの総公的債務合計(未交換債務を含む。)は 2018 年 12 月 31 日現在の
3,322 億米ドルから 19.4 %増加して 2022 年 12 月 31 日には 3,966 億米ドルとなった。これは主に、発行高が償却支払額を
上回ったことおよび IMF と締結した SBA に基づく融資の実行によるものであった。ペソの名目価額の下落により米ドル
換算した場合のペソ建債務は減少した。
外貨建債務は、 2021 年 12 月 31 日現在において 2,554 億米ドルで総公的債務合計の 70.3 %を占めたのに対し、 2022 年
12 月 31 日現在は 2,654 億米ドルで総公的債務合計の 66.9 %を占めた。 2022 年 12 月 31 日現在、アルゼンチンの公債全体
の 45.9 %は公共部門事業体が保有しており、同日現在、アルゼンチンの外貨建債務全体の 35.5 %を公共部門事業体が
保有していた。
次の表は、記載の期間におけるアルゼンチンの総公的債務合計に関する情報を示している。
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総公的債務合計 (1)
(単位:百万米ドル)
12 月 31 日現 在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
ペソ建債務 (2)
78,427 71,581 78,979 107,808 131,113
支払継続
2 2 2 2 2
支払非継続延滞元本
67 63 49 56 60
未交換債務 (5)
78,496 71,646 79,029 107,866 131,175
ペソ建債務合計
総公的債務合計に占める
23.6% 22.2% 23.5% 29.7% 33.1%
比率
外貨建債務 (4)
250,854 248,945 253,996 252,881 262,952
支払継続
60 60 60 60 60
支払非継続(期日未到来) (3)
34 34 36 34 32
支払非継続延滞元本
8 8 9 8 8
支払非継続延滞利息
- - - - -
支払非継続債務の補償利息
2,739 2,372 2,451 2,383 2,328
未交換債務 (5)
253,696 251,419 256,553 255,367 265,381
外貨建債務合計
総公的債務合計に占める
76.4% 77.8% 76.5% 70.3% 66.9%
比率
総公的債務合計 ( 延滞分を含
332,192 323,065 335,582 363,233 396,555
む。) (6)
(1,639) (1,754) (1,734) (1,764) (1,818)
担保および他の債権
担保および他の債権控除後の公
330,553 321,311 333,848 361,468 394,737
債合計(延滞分を含む。)
備忘項目:
総公的債務合計(延滞分を含
85.2% 89.8% 103.8% 80.6% 85.0%
む。)の対 GDP 比 (7)
総公的債務合計(延滞分を含
473.1% 455.6% 440.2% 397.2% 478.0%
む。)の対年間政府歳入比
37.81 59.90 84.15 102.75 177.13
為替レート (8)
12.34 18.70 25.49 38.64 73.50
CER (参照安定化)指数 (8)
(1) 債務の合計は各期間末現在の為替相場を使用して算出されている。
(2) 自国通貨建公債(公債、国家保証ローン、中央銀行からの一時前払金、トレジャリー・ノート、トレジャリー・ビル、商業銀行債
務、約束手形およびその他)を含む。当初は米ドルで発行されたがペソに転換された債務証書を含む。この証書の一覧については、
「- (b) 債務記録」を参照のこと。
(3) 支払非継続債務の定義については、「本報告書の注記-注 (1) 定義および一定の語法-定義」を参照のこと。
(4) 外貨建公債(多国間および二国間債務、公的債券、トレジャリー・ノート、トレジャリー・ビル、商業銀行債務その他)を含む。
(5) アルゼンチンが時効完成済みとみなした元本および/または利息に係る請求を含む。
(6) 未交換債務、主要債務者からアルゼンチンに対して支払額を弁償する債務を示す担保およびその他の債権を含む。
(7) GDP の数値は名目値で表示されている。
(8) 各期間末に公債合計を算出するために使用された為替相場および CER 。
出所: INDEC および経済省
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
2018 年に、アルゼンチンの総公的債務合計は 3.5 %増加して 3,322 億米ドル(名目 GDP の 85.2 %)となった。総公的
債務合計の増加は主に以下による。
● 625 億米ドル相当のペソ建債券の発行
● 763 億米ドル相当の外貨建債券の発行。そのうち 70 億米ドルは 2024 年満期 Bonares 債および 2025 年満期
Bonares 債に相当し、同債券は一定の取引の一環として発行され、アルゼンチンは同取引に基づき定められ
た金額を支払うことを条件に、かかる Bonares 債を消却できる権利を与えられている。売出しの対象となっ
た未償還の 2024 年満期 Bonares 債および 2025 年満期 Bonares 債は 2019 年4月に消却された。
上記の要因は、総額 756 億米ドルの元本支払い、 468 億米ドルの債務削減をもたらした為替相場の変動および 74 億米
ドルの債務削減をもたらした CER によるインデクセーション調整により一部相殺された。
2019 年に、アルゼンチンの総公的債務合計は 2.7 %減少して 3,231 億米ドル(名目 GDP の 88.8 %)となった。 2019 年
においてアルゼンチンは以下を行った。
● 535 億米ドル相当のペソ建債券の発行
● 452 億米ドル相当の外貨建債券の発行
● 57 億米ドル相当の利息の資産計上
総額 932 億米ドルの元本支払い、 204 億米ドルの債務削減をもたらした為替相場の変動および 11 億米ドルの債務削減
をもたらした CER によるインデクセーション調整がこれらの要因を上回った。
2020 年に、アルゼンチンの総公的債務合計(米ドルで見た場合)は 3.9 %増加して 3,356 億米ドル(名目 GDP の
103.8 %)となった。 2020 年においてアルゼンチンは以下を行った。
● 786 億米ドル相当のペソ建債券の発行
● 1,202 億米ドル相当の外貨建債券の発行。そのうち 1,099 億米ドルは 2020 年債務交換の一環として発行され、
また、同交換に従い 1,085 億米ドルの既発の外貨建の債券およびビルを消却した( -Debt Record -2020 Debt
Exchanges 」を参照のこと。)。
● 11 億米ドル相当の利息の資産計上
上記の要因は、総額 668 億米ドルの元本支払い、 105 億米ドルの債務削減をもたらした為替相場の変動および 12 億米
ドルの債務削減をもたらした CER によるインデクセーション調整により一部相殺された。
2021 年に、アルゼンチンの総公的債務合計(米ドルで見た場合)は 8.2 %増加して 3,632 億米ドル(名目 GDP の
80.6 %)となった。 2021 年においてアルゼンチンは以下を行った。
● 780 億米ドル相当のペソ建債券の発行
● 198 億米ドル相当の外貨建債券の発行
● 2,605 億米ドル相当の利息の資産計上
● 115 億米ドル相当の CER によるインデクセーション調整
上記の要因は、総額 727 億米ドルの元本支払いおよび 87 億米ドルの債務削減をもたらした為替相場の変動により一
部相殺された。
2022 年に、アルゼンチンの総公的債務合計(米ドルで見た場合)は 9.2 %増加して 3,966 億米ドル(名目 GDP の
85.0 %)となった。 2022 年においてアルゼンチンは以下を行った。
● 1,238 億米ドル相当のペソ建債券の発行
● 429 億米ドル相当の外貨建債券の発行
● 72 億米ドル相当の CER によるインデクセーション調整
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
上記の要因は、総額 1,167 億米ドルの元本支払いおよび 240 億米ドルの債務削減をもたらした為替相場の変動により
一部相殺された。
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
次の表は、国庫に資金を供給した 2018 年1月1日から 2022 年 12 月 31 日までのアルゼンチン公共機関と契約をしたア
ルゼンチン公債の発行に関する情報を示す。
公共部門内公債 (1)
(単位:百万米ドル)
12月31日に終了した年度
20 18 年 20 19 年 2020 年 2021 年 2022 年
一時前払金 (2)
17,395 16,636 15,656 24,225 18,539
ペソ 建債券 17,395 16,636 15,656 24,225 18,539
外貨建債券 - - - - -
中央銀行 譲渡不能債券
- 1,327 3,358 13,764 11,956
ペソ建債券 - - - - -
外貨建債券 (3)
- 1,327 3,358 13,764 11,956
トレジャリー・ノート 4,200 4,795 4,319 3,307 4,619
ペソ建債券 (4)
4,200 3,689 2,476 1,131 2,370
外貨建債券 (5)
- 1,106 1,843 2,176 2,249
約束手形 - - 932 861 1,222
ペソ建債券 (6)
- - 932 861 1,222
外貨建債券 - - - - -
Bontes 債 102 - - 257 111
ペソ建債券 (7)
102 - - 257 111
外貨建債券 - - - - -
Bonares 債 2,120 6,203 - - -
ペソ建債券 (8)
- 1,058 - - -
外貨建債券 (9)
2,120 5,145 - - -
Boncers 債 893 1,861 - - -
ペソ建債券 (10)
893 1,861 - - -
外貨建債券 - - - - -
トレジャリー・ビル - 738 - - -
ペソ建債券 - - - - -
外貨建債券 (11 )
- 738 - - -
BNA からの借入 - 521 - - -
ペソ建債券 - 521 - - -
外貨建債券 - - - - -
発行済アルゼンチン
24,711 32,081 24,265 42,414 36,446
公債合計
(1) 表中の数字は、表が示す各期間に国庫に新しい資金を供給したアルゼンチンの公共機関と契約をした資金の米ドルの額である。表
中で表示される各期間の合計額は、特定日現在のかかる資金について残高を示しているものではなく、 2018 年から 2022 年の各年の1
月1日から 12 月 31 日までのそれぞれのかかる資金の米ドルでの合計額を示すものである。使用された為替レートは発行日現在のもの
である。
(2) 中央銀行からの調達資金
(3) 中央銀行に対し発行された譲渡不能債券を含む。これらの債券への適用利率は、 LIBOR マイナス1%と国際準備利回りのいずれか
低い方により、満期日は 2029 年 12 月 30 日から 2032 年 12 月 30 日の間である。
(4) BADLAR 金利の債券で、 2019 年1月 21 日から 2023 年6月 16 日の間に満期が到来するトレジャリー・ノート
(5) BADLAR 金利およびゼロ金利の債券で、 2020 年3月 13 日から 2023 年3月1日の間に満期が到来するトレジャリー・ノート
(6) 2021 年3月 15 日および 2023 年3月 15 日に満期が到来する約束手形
(7) 利率が BADLAR 金利および BADLAR プラス 100 ベーシス・ポイントで、満期が 2019 年8月8日から 2030 年7月5日の間に到来する
Bontes 債
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
(8) 利率が BADLAR プラス 200 ベーシス・ポイントで、満期が 2021 年2月8日に到来する Bonares 債
(9) 7%から9%の間の固定利付で、満期が 2020 年5月 29 日から 2037 年4月 18 日までの間に到来する Bonares 債
(10) 利率が 2.25 %から 4.25 %までの間で、 2020 年4月 28 日から 2022 年 11 月 29 日の間に満期が到来する Boncers 債
(11) 利率が0%で、満期が 2020 年1月 17 日から 2020 年2月 28 日までの間に到来する トレジャリー・ビル
出所:経済省
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
金利の種類別公債
次の表は金利の種類別のアルゼンチンの総公的債務合計に関する情報を示す。
金利の種類別総公的債務合計 (1)
(単位:百万米ドル)
12月31日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
190,021 161,098 174,449 183,706 178,009
固定金利 (2)
104,587 122,267 125,274 124,398 139,931
変動金利
7,030 6,449 2,419 2,152 2,378
BADLAR
17,128 18,557 21,322 23,693 8,649
LIBOR
48,687 50,013 53,258 57,509 64,837
LIBOR マイナス 1 % (3)
759 704 93 85 -
IADB の変動利率
28,032 44,128 45,965 40,952 45,707
IMF
- - - - 18,353
SOFR
2,952 2,415 2,218 7 7
その他 (4)
37,584 39,699 35,859 55,129 78,615
ゼロ金利 (5)
332,192 323,065 335,582 363,233 396,555
総公的債務合計
(1) 支払期日到来済元利金(未交換債務を含む。)を含む。
(2) 元金が CER により測定されるアルゼンチンでのインフレ率に対して調整される債券が含まれる。かかる CER 連動型債券額(支払期日
到来済元利金を含む。)は、 2022 年 12 月 31 日現在 497 億米ドルであった。
(3) IMF 、民間の債券保有者、多国間機関および二国間の債権者への債務解約の補償として発行され、中央銀行に対し発行された譲渡
不能債券(中央銀行向けの 2020 、 2021 、 2022 、 2023 、 2024 、 2025 、 2026 、 2029 、 2030 、 2031 および 2032 年債)。かかる債券の適用金
利は、 LIBOR マイナス 1%および国際準備利回りのうちの低い方である。
(4) 貯蓄預金口座金利その他を含む。
(5) 中央銀行からの一時前払金、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付トレジャリー・ノート、トレジャリー・ノート、
約束手形およびディスカウント・レート・トレジャリー・ビルを含む。 2018 年 12 月 31 日現在、中央銀行からの一時前払金に基づく残
存総額は 133 億米ドルであり、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付トレジャリー・ノートの残高は 74 億米ドル、約束
手形の残高は 11 億米ドル、トレジャリー・ノートの残高は2億 3,270 万米ドルおよびトレジャリー・ビルの残高は 142 億米ドルであっ
た。 2019 年 12 月 31 日現在、中央銀行からの一時前払金に基づく残存総額は 142 億米ドルであり、再生可能エネルギー・プロジェクト
のための保証付トレジャリー・ノートの残高は 74 億米ドル、約束手形の残高は 13 億米ドル、トレジャリー・ノートの残高は 23 億米ド
ル、保証の残高は 20 億米ドル、商業銀行からの借入れは 20 億米ドルおよびトレジャリー・ビルの残高は 94 億米ドルであった。 2020 年
12 月 31 日現在、中央銀行からの一時前払金に基づく残存総額は 150 億米ドルであり、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保
証付トレジャリー・ノートの残高は 71 億米ドル、約束手形の残高は8億米ドル、トレジャリー・ノートの残高は 22 億米ドル、保証の
残高は 19 億米ドル、商業銀行からの借入れは 16 億米ドルおよびトレジャリー・ビルの残高は 70 億米ドルであった。 2021 年 12 月 31 日現
在、中央銀行からの一時前払金に基づく残存総額は 211 億米ドルであり、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付トレ
ジャリー・ノートの残高は 64 億米ドル、約束手形の残高は8億米ドル、トレジャリー・ノートの残高は 19 億米ドル、保証の残高は 15
億米ドル、商業銀行からの借入れは 21 億米ドルおよびトレジャリー・ビルの残高は 212 億米ドルであった。 2022 年 12 月 31 日現在、中
央銀行からの一時前払金に基づく残存総額は 158 億米ドルであり、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付トレジャ
リー・ノートの残高は 51 億米ドル、約束手形の残高は 10 億米ドル、トレジャリー・ノートの残高は 17 億米ドル、保証の残高は 13 億米
ドル、商業銀行からの借入れは 23 億米ドルおよびトレジャリー・ビルの残高は 298 億米ドルであった。
出所:経済省
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
金利の種類別総公的債務合計 (1)
(対 総公的債務合計 比(%))
12月31日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
固定利率 (2)
44.9
57.2 49.9 52.0 50.6
変動利率 35.3
31.5 37.8 37.3 34.2
0.6
BADLAR 2.1 2.0 0.7 0.6
2.2
LIBOR 5.2 5.7 6.4 6.5
16.4
LIBOR マイナス 1 % (3) 14.7 15.5 15.9 15.8
-
IADB の変動利率 0.2 0.2 - 0.02
11.5
IMF 8.4 13.7 13.7 11.3
4.6
SOFR - - - -
-
その他 (4) 0.9 0.7 0.7 -
19.8
ゼロ金利 (5)
11.3 12.3 10.7 15.2
100.0
総公的債務合計
100.0 100.0 100.0 100.0
(1) 支払期日到来済元利金(未交換債務を含む。)を含む。
(2) 元金が CER により測定されるアルゼンチンでのインフレ率に対して調整される債券が含まれる。かかる CER 連動型債券額(支払期日
到来済元利金を含む。)は、 2022 年 12 月 31 日現在 497 億米ドルであった。
(3) IMF 、民間の債券保有者、多国間機関および二国間の債権者への債務解約の補償として発行され、中央銀行に対し発行された譲渡
不能債券(中央銀行向けの 2020 、 2021 、 2022 、 2023 、 2024 、 2025 、 2026 、 2029 、 2030 、 2031 および 2032 年債)。かかる債券の適用金
利は、 LIBOR マイナス 1%および国際準備利回りのうちの低い方である。
(4) 貯蓄預金口座金利その他を含む。
(5) 中央銀行からの一時前払金、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付トレジャリー・ノート、トレジャリー・ノート、
約束手形およびディスカウント・レート・トレジャリー・ビルを含む。 2018 年 12 月 31 日現在、中央銀行からの一時前払金に基づく残
存総額は 133 億米ドルであり、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付トレジャリー・ノートの残高は 74 億米ドル、約束
手形の残高は 11 億米ドル、トレジャリー・ノートの残高は2億 3,270 万米ドルおよびトレジャリー・ビルの残高は 142 億米ドルであっ
た。 2019 年 12 月 31 日現在、中央銀行からの一時前払金に基づく残存総額は 142 億米ドルであり、再生可能エネルギー・プロジェクト
のための保証付トレジャリー・ノートの残高は 74 億米ドル、約束手形の残高は 13 億米ドル、トレジャリー・ノートの残高は 23 億米ド
ル、保証の残高は 20 億米ドル、商業銀行からの借入れは 20 億米ドルおよびトレジャリー・ビルの残高は 94 億米ドルであった。 2020 年
12 月 31 日現在、中央銀行からの一時前払金に基づく残存総額は 150 億米ドルであり、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保
証付トレジャリー・ノートの残高は 71 億米ドル、約束手形の残高は8億米ドル、トレジャリー・ノートの残高は 22 億米ドル、保証の
残高は 19 億米ドル、商業銀行からの借入れは 16 億米ドルおよびトレジャリー・ビルの残高は 70 億米ドルであった。 2021 年 12 月 31 日現
在、中央銀行からの一時前払金に基づく残存総額は 211 億米ドルであり、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付トレ
ジャリー・ノートの残高は 64 億米ドル、約束手形の残高は8億米ドル、トレジャリー・ノートの残高は 19 億米ドル、保証( Avales )
の残高は 15 億米ドル、商業銀行からの借入れは 21 億米ドルおよびトレジャリー・ビルの残高は 212 億米ドルであった。 2022 年 12 月 31
日現在、中央銀行からの一時前払金に基づく残存総額は 158 億米ドルであり、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付ト
レジャリー・ノートの残高は 51 億米ドル、約束手形の残高は 10 億米ドル、トレジャリー・ノートの残高は 17 億米ドル、保証
( Avales )の残高は 13 億米ドル、商業銀行からの借入れは 23 億米ドルおよびトレジャリー・ビルの残高は 298 億米ドルであった。
出所: INDEC および経済務省
2022 年 12 月 31 日現在、金利の種類別の公債構成(未交換債務を除く。)には以下を含む。
● Boncers 債、 Bontes 債、 2045 年準元本維持債、 2033 年元本削減債、国家保証ローン、 2038 年元本維持債、約
束手形、 Bonar 債および Bocones 債などのペソ建固定金利債券
● 2020 年債務交換に基づき発行された米ドル建債券およびユーロ建債券、多国間債務、二国間債務、 2038 年元
本維持債、商業銀行からの借入、 2033 年元本削減債などの固定金利外貨建債券
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
● トレジャリー・ビル、中央銀行からの一時前払金、商業銀行からの借入れ、約束手形、トレジャリー・ノー
トなどのゼロ金利ペソ建債券
● 再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付トレジャリー・ノート、トレジャリー・ノート、保証お
よび多国間債務などのゼロ金利外貨建債券
● Bontes 債、トレジャリー・ノート、 Bocones 債その他、および BADLAR 、普通預金、 Lebacs 債または定期預金
の金利で発行された全ての債券などの変動金利ペソ建債券
● LIBOR 金利商品、多国間組織( IMF を含む。)からの借入および二国間債務、中央銀行に発行された譲渡不能
債券 ( 民間債権者、多国間組織および二国間債権者に対する債務解約のために使用された前払金の補償とし
て発行された中央銀行向けの 2023 、 2024 、 2025 、 2026 、 2029 、 2030 、 2031 および 2032 年債 ) 、 IMF におけるア
ルゼンチンの出資割当額引上げのために中央銀行に対して発行された譲渡不能債券、二国間債務の一部およ
び IADB 金利借入のような変動金利外貨建債券
満期プロフィール
債務満期プロフィール上、アルゼンチンはその債務を3つに分類した : 短期債務、中長期債務および延滞債務・未
交換債務である。延滞元利金ですでに満期となったものは、短期あるいは中長期債務額には含まれていないが、債務
残高合計には含まれている。また、補償利息および不履行利息ならびに未交換債務も債務残高合計に含まれている。
次の表は、表示日現在のアルゼンチンの期間別公債合計を示す。
期間別総公的債務合計
(単位:百万米ドル)
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
短期 (1)
48,688
38,733 19,365 22,614 34,921
中期およ
び 長 期 345,437
(2)
290,609 301,221 310,421 325,828
延 滞 債
務:
元本 34
36 35 37 36
利息 8
8 8 9 8
補償利
-
息 (3)
- - - -
延滞債務
42
合計
44 43 46 44
未交換
2,388
債務 (4)
2,805 2,435 2,500 2,439
総公的債
332,192 323,065 335,582 363,233 396,555
務 合 計
(5)
2,388
(1) 当初の満期が1年以下の債務
(2) 当初の満期が1年超の債務
(3) 補償利息は約定利率に基づき評価されている。
(4) アルゼンチンが時効完成済みとみなした元本および/または利息に係る請求を含む。
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アルゼンチン共和国(E06011)
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(5) かかる合計には未交換債務を含む。
出所:経済省
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
期間別総公的債務合計
(対 総公的債務合計 比 ( %))
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
短期 (1)
11.7 6.0 6.7 9.6 12.3
中期および長期 (2)
87.5 93.2 92.5 89.7 87.1
延滞債務:
- - - - -
元本
- - - - -
利息
- - - - -
補償利息 (3)
- - - - -
延滞債務合計
- - - - -
未交換債務 (4)
0.8 0.8 0.7 0.7 0.6
総公的債務合計 (5)
100.0 100.0 100.0 100.0 100.00
(1) 当初の満期が1年以下の債務。
(2) 当初の満期が1年超の債務。 2024 年満期 Bonares 債、 2025 年満期 Bonares 債および 2037 年満期 Bonares 債は 2017 年、 2018 年および
2019 年に一定の取引の一環として発行され、アルゼンチンは同取引に基づき定められた金額を支払うことを条件に、かかる Bonares
債を消却できる権利を与えられている。売出しの対象となった未償還の 2024 年満期 Bonares 債、 2025 年満期 Bonares 債および 2037 年満
期 Bonares 債は 2019 年8月に消却された。
(3) 補償利息は約定利率に基づき評価されている。
(4) アルゼンチンが時効完成済みとみなした元本および/または利息に係る請求を含む。
(5) かかる合計には未交換債務を含む。
出所:経済省
アルゼンチンの短期債務が総公的債務合計に占める割合は、 2018 年 12 月 31 日現在の 11.7 %から 2022 年 12 月 31 日現在
には 12.3 %に増加した。この増加は主に、債券が 2018 年の 42 億米ドルから 2022 年には 143 億米ドル、トレジャリー・
ビルが 2018 年の 201 億米ドルから 2022 年の 220 億米ドル、約束手形が 2018 年の 10 億 1,300 万米ドルから 2022 年の 10 億
1,600 万米ドルに増加したことによるものであった。
2022 年中、アルゼンチンの短期債務は、 2021 年の 349 億米ドルから 487 億米ドルへと 39.4 %増加した。この増加は主
に、 ( ⅰ ) トレジャリー・ビルが 2021 年の 190 億米ドルから 2022 年には 220 億米ドルへ増加し、 ( ⅱ ) 債券が 2021 年の0十
億米ドルから 2022 年には 143 億米ドルに増加し、 ( ⅲ ) トレジャリー・ノートが 2021 年の 16 億米ドルから 2022 年には 20
億米ドルに増加したことによる。
アルゼンチンの中期および長期債務は、相対的には総公的債務合計に占める割合で 2018 年 12 月 31 日現在の 88.3 %か
ら 2022 年 12 月 31 日現在の 87.7 %に減少し、金額ベースでは、 2018 年 12 月 31 日現在の 2,935 億米ドルから 2022 年 12 月 31
日現在では 544 億米ドル増加して 3,479 億米ドルとなった。これは主に、 IMF との間で締結した SBA に基づく融資の実
行、償却支払分を上回る発行高、一定の未償還債券のインフレ調整および複利計算による利息によるものであった。
これらの影響は、米ドル表示するとペソ建債務を削減させるペソの名目上の下落により一部相殺された。
債権者および期間別総公的債務合計分布
以下の表は債権者別のアルゼンチンの支払継続債務および支払非継続債務(未交換債務を含む。)に関する情報を
示す。
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
債権者別支払継続・支払非継続総公的債務合計
(単位:百万米ドル)
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
支払継続債務 :
中期および長期債務 :
公式債務:
多国間債務:
28,032 44,128 45,965 40,952 45,707
IMF
12,332 12,647 13,368 14,052 15,648
米州開発銀行
6,879 7,128 7,721 8,517 9,205
世界銀行
3,467 3,656 3,649 3,781 3,931
アンデス開発公社
167 237 323 404 491
ラプラタ河流域開発基金
71 86 106 122 211
欧州投資銀行
45 41 39 34 36
国際農業開発基金
3 3 3 79 138
中米経済統合銀行
41 75 94 124 145
OPEC 国際開発基金
51,037 68,001 71,268 68,065 75,512
多国間債務総額
3,596 1,941 2,240 1,714 1,928
パリクラブ
3,316 3,457 3,248 2,996 3,122
二国間債務
6,912 5,398 5,488 4,710 5,049
二国間債務合計
57,950 73,399 76,756 72,775 80,561
公式債務総額
債券:
43,400 38,723 47,590 60,334 65,639
ペソ建債券
171,851 155,429 166,336 170,035 173,891
外貨建債券
215,252 194,153 213,926 230,369 239,530
債券総額
トレジャリー・ビル (1) :
3,189 5,840 - 2,187 7,829
ペソ建債券
717 8,704 30 7 -
外貨建債券
3,906 14,544 30 2,193 7,829
トレジャリー・ビル総額
2,478 4,842 6,611 7,864 6,380
中央銀行からの一時前払金
トレジャリー・ノート (2) :
233 185 161 125 66
ペソ建債券
- 1,016 938 705 493
外貨建債券
233 1,202 1,098 829 560
トレジャリー・ノート総額
1,194 2,284 2,029 2,530 2,745
商業銀行
684 640 605 751 829
国家保証ローン
保証債務:
504 332 306 379 418
約束手形
931 2,397 1,920 1,667 1,428
保証( Avales )
7,417 7,368 7,080 6,410 5,097
保証付トレジャリー・ノート
8,852 10,098 9,307 8,456 6,943
保証債務総額
290,548 301,161 310,361 325,768 345,377
中期および長期債務総額
短期債務:
債券 (3) :
4,208 - 2,842 - 14,301
ペソ建債券
- - - - -
外貨建債券
4,208 - 2,842 - 14,301
債券総額
トレジャリー・ビル (4) :
8,010 4,319 9,060 19,041 21,990
ペソ建債券
12,056 - - - -
外貨建債券
20,066 4,319 9,060 19,041 21,990
トレジャリー・ビル総額
トレジャリー・ノート (5)
2,629 2,752 438 550 857
ペソ建債券
- 1,106 1,061 1,096 1,134
外貨建債券
2,629 3,859 1,499 1,647 1,992
トレジャリー・ノート総額
10,819 9,395 8,369 13,285 9,389
中央銀行からの一時前払金
1,013 1,291 844 827 1,016
約束手形
- - - 121 0.5
保証( Avales )
- 501 - - -
商業銀行
38,733 19,365 22,614 34,921 48,688
短期債務総額
329,282 320,525 332,975 360,689 394,064
支払継続債務合計
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
支払非継続債務 (6) :
支払非継続債務(期日未到来):
中期および長期債務 :
- - - - -
二国間債務 (7)
- - - - -
納入業者
60 60 60 60 60
商業銀行
60 60 60 60 60
支払非継続債務(期日未到
来)
合計
支払非継続延滞元利金:
- - - - -
パリクラブ
- - - - -
その他二国間債務
34 33 36 34 32
商業銀行
10 10 10 10 11
納入業者
- - - - -
補償利息
44 43 46 44 42
支払非継続延滞元利金合計
105 104 107 105 103
支払非継続債務合計
2,805 2,435 2,500 2,439 2,388
未交換債務 (8)
332,192 323,065 335,582 363,233 396,555
総公的債務合計 ( 延滞金を含む。 ) (9)
(1) Letes 、 Lecaps 、 Lecer 、 Lelink 、 Lepas および Ledes などの公開入札または私募により発行される中・長期の譲渡可能証券を含む 。
(2 ) 公的部門事業体または一定の民間事業体(とりわけ、 China Machinery Engineering Argentina S.A. (「 CMEA 」))により保有さ
れている中・長期の譲渡不能証券を含む。
(3) 2017 年、 2018 年および 2019 年に一定の取引の一環として発行された 2024 年満期 Bonares 債、 2025 年満期 Bonares 債および 2037 年
Bonares 債を含む。アルゼンチンは同取引に基づき定められた金額を支払うことを条件に、かかる Bonares 債を消却できる権利を与え
られている。売出しの対象となった未償還の 2024 年満期 Bonares 債、 2025 年満期 Bonares 債および 2037 年満期 Bonares 債は 2019 年8月
に消却された。
(4) Letes 、 Lecaps 、 Lecer 、 Lelink 、 Lebad 、 Ledes および Lelites などの公開入札または私募により発行される短期の譲渡可能証券を
含む 。
(5 ) 公的部門事業体または一定の民間事業体により保有されている短期の譲渡不能証券を含む。
(6) 支払非継続債務については、「本報告書の注記-注 (1) 定義および一定の語法-定義」を参照のこと。
(7) 二国間債務とは、主権国家政府との間の債務である。
(8) アルゼンチンが時効完成済みとみなした元本および/または利息に係る請求を含む。
(9) かかる合計には未交換債務を含む。
出所:経済省
債権者別支払継続・支払非継続総公的債務合計
(対 総公的債務 合計比(%))
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
支払継続債務 :
中期および長期債務 :
公式債務:
多国間債務:
8.4 13.7 13.7 11.3 11.5
IMF
3.9
米州開発銀行
3.7 3.9 4.0 3.9
2.1 2.2 2.3 2.3 2.3
世界銀行
1.0 1.1 1.1 1.0 1.0
アンデス開発公社
0.1 0.1 0.1 0.1 0.1
ラプラタ河流域開発基金
- - - 0.03 0.05
欧州投資銀行
0.01
国際農業開発基金
- - - 0.01
0.03
中米経済統合銀行
- - - 0.02
0.03 0.04
- - -
OPEC 国際開発基金
15.4 21.0 21.2 18.7 19.0
多国間債務総額
1.1 0.6 0.7 0.5 0.5
パリクラブ
1.0 1.1 1.0 0.8 0.8
二国間債務
2.1 1.7 1.6 1.3 1.3
二国間債務合計
17.4 22.7 22.9 20.0 20.3
公式債務総額
債券:
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
13.1 12.0 14.2 16.6 16.6
ペソ建債券
51.7 48.1 49.6 46.8 43.9
外貨建債券
60.4
債券総額
64.8 60.1 63.7 63.4
トレジャリー・ビル:
1.0 1.8 - 0.6 2.0
ペソ建債券
- - -
0.2 2.7
外貨建債券
1.2 4.5 - 0.6 2.0
トレジャリー・ビル総額
0.7 1.5 2.0 2.2 1.6
中央銀行からの一時前払金
トレジャリー・ノート
0.1 0.1 - 0.03 0.02
ペソ建債券
0.1
- 0.3 0.3 0.2
外貨建債券
0.1 0.4 0.3 0.2 0.1
トレジャリー・ノート総額
0.7 0.6 0.7 0.7
商業銀行
0.4
0.2 0.2 0.2 0.2
国家保証ローン
0.2
保証債務:
0.2 0.1 0.1 0.1 0.1
約束手形
0.3 0.7 0.6 0.5 0.4
保証( Avales )
2.2 2.3 2.1 1.8 1.3
保証付トレジャリー・ノート
2.7 3.1 2.8 2.3 1.8
保証債務総額
87.1
87.5 93.2 92.5 89.7
中期および長期債務総額
短期債務:
債券:
- 3.6
ペソ建債券
1.3 - 0.8
- - -
- -
外貨建債券
- 3.6
債券総額
1.3 - 0.8
トレジャリー・ビル:
2.4 1.3 2.7 5.2 5.5
ペソ建債券
3.6 - - - -
外貨建債券
6.0 1.3 2.7 5.2 5.5
トレジャリー・ビル総額
トレジャリー・ノート
0.8 0.9 0.1 0.2 0.2
ペソ建債券
0.3
- 0.3 0.3 0.3
外貨建債券
0.8 1.2 0.4 0.5 0.5
トレジャリー・ノート総額
2.9 2.5 3.7 2.4
中央銀行からの一時前払金
3.3
0.4 0.3 0.2 0.3
約束手形
0.3
- - 0.03 -
-
保証( Avales )
0.2 - - -
-
商業銀行
11.7 6.0 6.7 9.6 12.3
短期債務総額
99.4
99.1 99.2 99.2 99.3
支払継続債務合計
支払非継続債務 (1) :
支払非継続債務(期日未到来):
中期および長期債務 :
- - - - -
二国間債務 (2)
- - - - -
納入業者
0.02 0.02 0.02 0.02 0.02
商業銀行
支払非継続債務(期日未到
来)
0.02 0.02 0.02 0.02 0.02
合計
支払非継続延滞元利金:
- - - - -
パリクラブ
- - - - -
その他二国間債務
0.01 0.01 0.01 0.01 0.01
商業銀行
- - - - -
納入業者
- - - - -
補償利息
0.01 0.01 0.01 0.01 0.01
支払非継続延滞元利金合計
0.03 0.03 0.03 0.03 0.03
支払非継続債務合計
0.8 0.8 0.7 0.7 0.6
未交換債務 (3)
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
総公的債務合計 ( 延滞金を含む。 ) (4)
(1) 支払非継続債務については、「本報告書の注記-注 (1) 定義および一定の語法-定義」を参照のこと。
(2) 二国間債務とは、主権国家政府との間の債務である。
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
(3) アルゼンチンが時効完成済みとみなした元本および/または利息に係る請求を含む。
(4) かかる合計には未交換債務を含む。
出所:経済省
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
支払継続債務
中期・長期債務
支払継続債務の合計に対する中期および長期債務の割合は、相対的には、 2018 年 12 月 31 日現在の 88.2 %から 2022 年
12 月 31 日には 87.6 %に減少したが、金額では、 2018 年 12 月 31 日現在の 2,905 億米ドルから 2022 年 12 月 31 日現在では
3,454 億米ドルと 548 億米ドル増加した。これは新債券の発行、トレジャリー・ビル、中央銀行からの一時前払金、商
業銀行からの借入、トレジャリー・ノート、国家保証ローンおよび保証( Avales )、 IMF との間で締結した SBA に基づ
く融資の実行および一定の未償還債券のインフレ調整によるものである。この増加は、再生可能エネルギー・プロ
ジェクトのための保証付トレジャリー・ノート、約束手形の発行額の減少および為替相場の変動(ユーロの名目値の
下落による米ドル表示の際のユーロ建債券金額の減少およびペソの名目値の下落による米ドル表示の際のペソ建債券
金額の減少)により一部相殺された。
短期債務
2019 年8月 28 日、政府は、アルゼンチン法に準拠し、機関投資家により保有されている 2019 年第4四半期に満期を
迎える短期債務の償還額の 85 %について、予定されていた償還日を繰り延べる政令を発した。繰延べられる金額のう
ち 30 %は当初の支払期日から 90 日後に返済され、残りの 70 %は当初の支払期日から 180 日後に返済されるが、 2020 年
満期 Lecaps 債の国内保有分については当初の支払期日から 90 日後に全額返済される。個人の投資家が保有する短期債
券の支払いは当初の予定通り行われた。
支払継続債務の合計に対する短期債務の割合は、相対的には、 2018 年 12 月 31 日現在の 11.8 %から 2022 年 12 月 31 日現
在では 12.4 %に増加し、金額では、 2018 年 12 月 31 日現在の 387 億米ドルから 2022 年 12 月 31 日現在では 487 億米ドルと
100 億米ドル増加した。これは主として、債券およびトレジャリー・ビルの発行が増加したことによる。この増加は
中央銀行からの一時前払金の減少により一部相殺された。
債権者別の総支払継続公的債務合計における変動
アルゼンチンの総公的債務合計に対する多国間債務の割合は、相対的にみて、 2021 年 12 月 31 日現在の 18.7 %から
2022 年 12 月 31 日現在には 19.0 %へと増加し、金額では、 2021 年 12 月 31 日現在の 681 億米ドルから 2022 年 12 月 31 日現在
には 755 億米ドルへと 74 億米ドル増加した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する二国間債務の割合は、相対的にみて、 2021 年 12 月 31 日現在の 1.3 %から
2022 年 12 月 31 日現在には 1.27 %に低下したが、金額では、 2021 年 12 月 31 日現在の 47 億米ドルから 2022 年 12 月 31 日現在
には 50 億米ドルへと3億 3,950 万米ドル増加した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する債券による債務の割合は、相対的にみて 2021 年 12 月 31 日現在の 63.4 %から
2022 年 12 月 31 日現在には 60.4 %へとわずかに低下し、金額では、 2021 年 12 月 31 日現在の 2,304 億米ドルから 2022 年 12
月 31 日現在には 2,395 億米ドルへと 92 億米ドル増加した。この増加は主に、為替相場の変動(これは CER 調整により一
部相殺された。)、複利計算による利息および新債券の発行が要因となった。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する中期および長期のトレジャリー・ビルの割合は、相対的にみて、 2021 年 12
月 31 日現在の 0.6 %から 2022 年 12 月 31 日現在には 2.0 %に上昇し、金額では、 2021 年 12 月 31 日現在の 22 億米ドルから
2022 年 12 月 31 日現在には 78 億米ドルへと 56 億米ドル増加した。
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アルゼンチン共和国(E06011)
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アルゼンチンの総公的債務合計に対する中期および長期の中央銀行からの一時前払金の割合は、相対的にみて、
2021 年 12 月 31 日現在の 2.2 %から 2022 年 12 月 31 日現在には 1.6 %に減少し、金額では、 2021 年 12 月 31 日現在の 79 億米ド
ルから 2022 年 12 月 31 日現在には 64 億米ドルへと 15 億米ドル減少した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する中期および長期のトレジャリー・ノートの割合は、相対的にみて、 2021 年
12 月 31 日現在の 0.2 %から 2022 年 12 月 31 日現在には 0.1 %に低下し、金額では、 2021 年 12 月 31 日現在の8億 2,920 万米
ドルから 2022 年 12 月 31 日現在には5億 5,970 万米ドルへと2億 6,950 万米ドル減少した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する商業銀行への債務の割合は、相対的にみて、 2021 年 12 月 31 日現在の 0.7 %
から 2022 年 12 月 31 日現在には 0.69 %に低下し、金額では、 2021 年 12 月 31 日現在の 25 億米ドルから 2022 年 12 月 31 日現在
には 27 億米ドルへと2億 1,510 万米ドル増加した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する国家保証ローンの割合は、 2022 年 12 月 31 日現在において 0.2 %で、 2021 年
12 月 31 日現在の国家保証ローンと比べて大幅な変動はなかった。金額では、 2021 年 12 月 31 日現在の7億 5,100 万米ド
ルから 2022 年 12 月 31 日現在には8億 2,860 万米ドルへと 7,7600 万米ドル増加した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する保証債務の割合は、相対的にみて、 2021 年 12 月 31 日現在の 2.3 %から 2022
年 12 月 31 日現在には 1.8 %に低下し、金額では、 2021 年 12 月 31 日現在の 85 億米ドルから 2022 年 12 月 31 日現在には 69 億
米ドルへと 15 億米ドル減少した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する短期の債券の割合は、相対的にみて、 2021 年 12 月 31 日現在の 0.0 %から
2022 年 12 月 31 日現在には 3.6 %に増加し、金額では、 2021 年 12 月 31 日現在の 0.0 十億米ドルから 2022 年 12 月 31 日現在に
は 143 億米ドルまで増加した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する短期トレジャリー・ビルの割合は、相対的にみて、 2021 年 12 月 31 日現在の
5.2 %から 2022 年 12 月 31 日現在には 5.5 %に増加し、金額では、 2021 年 12 月 31 日現在の 190 億米ドルから 2022 年 12 月 31
日現在には 220 億米ドルへと 29 億米ドル増加した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する短期トレジャリー・ノートの割合は、相対的にみて、 2021 年 12 月 31 日現在
の 0.45 %から 2022 年 12 月 31 日現在には 0.5 %に増加し、金額では、 2021 年 12 月 31 日現在の 16 億米ドルから 2022 年 12 月
31 日現在には 20 億米ドルへと3億 4,500 万米ドル増加した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する短期の中央銀行からの一時前払金の割合は、相対的にみて、 2021 年 12 月 31
日現在の 3.7 %から 2022 年 12 月 31 日現在には 2.4 %に減少し、金額では、 2021 年 12 月 31 日現在の 133 億米ドルから 2022
年 12 月 31 日現在には 94 億米ドルへと 39 億米ドル減少した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する短期約束手形の割合は、相対的にみて、 2021 年 12 月 31 日現在の 0.2 %から
2022 年 12 月 31 日現在には 0.3 %に増加し、金額では、 2021 年 12 月 31 日現在の8億 2,730 万米ドルから 2022 年 12 月 31 日現
在には 10 億米ドルへと1億 8,900 万米ドル増加した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する短期保証の割合は、相対的にみて、 2022 年 12 月 31 日現在において 0.1 %未
満に低下し、金額では、 2022 年 12 月 31 日現在には1億 2,060 万米ドルに減少した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する短期債務の割合は、相対的にみて、 2021 年 12 月 31 日現在の 9.6 %から 2022
年 12 月 31 日現在には 12.3 %に上昇し、金額では、 2021 年 12 月 31 日現在の 349 億米ドルから 2022 年 12 月 31 日現在には 487
億米ドルへと 138 億米ドル増加した。
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支払非継続債務(未交換債務を除く。)
支払非継続債務(未交換債務を除く。)は、金額ベースで、 2018 年 12 月 31 日現在の1億 480 万米ドルから 2022 年 12
月 31 日現在では1億 280 万米ドルと 210 万米ドル減少した。この減少の要因は為替の変動であった。
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② 債務内容および債務再編
(a) 外貨建債務
次の表は、表示日現在の、支払期日到来済元利金ならびに補償利息および不履行利息を含む、アルゼンチンの外貨
建債務総額に関する情報を示す。
債券別外貨建公債 (1)
( 単位:百万米ドル )
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
支払継続債務
250,854 248,945 253,996 252,881 262,952
多国間債務
51,037 68,001 71,268 68,065 75,512
グローバル債券
- - 68,317 67,964 67,685
中央銀行向け 2021 、
2022 、 2023 、 2024 、
2025 、 2026 、 2029 、
2030 、 2031 および 2032
年譲渡不能債券
48,687 50,013 53,371 57,509 61,707
Bono R.A.
- - 43,471 43,510 43,628
再生可能エネルギー・
プロジェクトのための
保証付トレジャリー・
ノート
7,417 7,368 7,080 6,410 5,097
二国間債務
6,912 5,398 5,488 4,710 5,049
トレジャリー・ノート
- - 1,999 1,801 1,628
2038 年元本維持債
( 2010 )
1,821 1,789 744 695 650
商業銀行
1 279 424 438 402
2038 年元本維持債
12,441 12,329 203 179 132
2033 年元本削減債
14,834 14,885 80 69 52
2033 年元本削減債
( 2010 )
4,559 4,500 34 30 23
Bontes 債
4 4 4 4 4
Bocones 債
3 3 3 3 3
Bonar 債
24,104 22,182 55 37 -
2024 年 Bonar 債
15,426 6,634 44 26 -
うち、合意に基づ
く Bonar24 債 (2)
7,705 - - - -
トレジャリー・ビル
12,773 10,826 30 7 -
2025 年 Bonar 債
5,555 1,536 3 2 -
うち、合意に基づ
く Bonar25 債 (3)
4,019 - - - -
約束手形
48 18 1 - -
Birad 債
38,000 35,250 - - -
Birae 債
6,004 5,885 - - -
Biraf 債
406 413 - - -
2017 年グローバル債券
- - - - -
その他
821 1,631 1,377 1,422 1,380
支払非継続債務
103 102 105 103 101
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支払非継続債務(期日
未到来)
60 60 60 60 60
支払非継続延滞債務
42 42 45 42 40
補償利息
- - - - -
未交換債務 (4)
2,739 2,372 2,451 2,383
2,328
外貨建債務合計
253,696 251,419 256,553 255,367 265,381
(1) 支払継続および支払非継続債務(未交換債務を含む。)を含む。
(2) アルゼンチンが締結した一定の合意の裏付けとして発行された 2024 年満期 Bonares 債に相当し、アルゼンチンは、同合意に基づき
定められた金額を支払うことを条件に、かかる Bonares 債を消却できる権利を与えられている。かかる 2024 年満期 Bonares 債は 2019 年
8月に消却された。
(3) アルゼンチンが締結した一定の合意の裏付けとして発行された 2025 年満期 Bonares 債に相当し、アルゼンチンは、同合意に基づき
定められた金額を支払うことを条件に、かかる Bonares 債を消却できる権利を与えられている。かかる 2025 年満期 Bonares 債は 2019 年
8月に消却された。
(4) アルゼンチンが時効完成済みとみなした元本および/または利息に係る請求を含む。
出所:経済省
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総外貨建公債 (1)
( 単位:百万米ドル、%は除く )
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
外貨建債務(百万米ドル)
253,696 251,419 256,553 255,367 265,381
対 GDP 比(%)
48.3 56.3 66.6 52.5 42.0
対政府歳入比(%)
268.5 285.8 282.3 258.7 236.2
対輸出比(%)
328.9 314.4 398.2 292.1 257.8
対外貨準備比(%)
385.5 560.6 651.4 643.9 595.0
対総公的債務合計比(%)
76.4 77.8 76.5 70.3 66.9
(1) 支払継続および支払非継続債務(未交換債務を含む。)を含む。
出所: INDEC および経済省
外貨建債務
2022 年、アルゼンチンは、元本総額 144 億米ドルの外貨建債務を発行した。これらは主に、 2020 年債務交換の枠内
で発行された元本総額 121 億米ドルの外貨建債券および元本総額 23 億米ドルのトレジャリー・ノートで構成されてい
た。「-① 概要- (b) 債務記録- 2020 年債務交換」を参照のこと。
次の表は、表示日現在のアルゼンチンの通貨別総外貨建債務に関する情報を示す。
通貨別総外貨建公債 (1)
( 単位:百万米ドル )
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
米ドル 201,060 184,101 201,120 205,873 211,418
ユーロ 22,770 21,779 8,341 7,609 7,289
日本円 1,128 790 862 675 648
特別引出権 28,048 44,142 45,976 40,960 45,711
その他 (2) 690 608 255 251 315
外貨建債務合計 253,696 251,419 256,553 255,367 265,381
(1) 未交換債務を含む。
(2) 数値は、デンマーク・クローネ、スウェーデン・クローナ、スイス・フラン、カナダ・ドル、豪ドルおよびクウェート・ディナー
ルを含む。
出所:経済省
2022 年 12 月 31 日現在、アルゼンチンの総外貨建公的債務合計は以下の通貨建てであった。
● 米ドル建 79.7 %
● ユーロ建 2.7 %
● 日本円建 0.2 %
● その他の通貨建 17.3 %(特別引出権を含む。)
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支払継続外貨建債務支払
2018 年、アルゼンチンの支払継続外貨建債務に対する支払利息は 96 億米ドル (2018 年の対名目 GDP 比 1.8 % ) であっ
た。 2019 年、アルゼンチンの支払継続外貨建債務に対する支払利息は 111 億米ドル (2019 年の対名目 GDP 比 2.5 % ) で
あっ た。 2020 年において、 2020 年債務交換を実施後のアルゼンチンの支払継続外貨建債務に対する支払利息は 36 億米
ドル (2020 年の対名目 GDP 比 0.9 % ) であった。 2021 年において、アルゼンチンの支払継続外貨建債務に対する支払利息
は 22 億米ドル (2021 年の対名目 GDP 比 0.4 % ) であった。 2022 年、アルゼンチンの支払継続外貨建債務に対する支払利息
は 40 億米ドル (2022 年の対名目 GDP 比 0.6 % ) であった。
以下の表は、 2022 年 12 月 31 日現在の下記の期間中の支払継続外貨建債務に対するアルゼンチンの予定債務支払義務
に関する情報を示す。
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債権者別支払継続外貨建公債支払予定 (1)(2)
(単位:百万米ドル)
2023 年 2024 年 2025 年 2026 年
元本 利息 元本 利息 元本 利息 元本 利息
多国間債務 :
米州開発銀行 898 750 1,009 712 1,090 665 1,173 613
世界銀行 289 495 318 491 332 472 402 453
アンデス開発公社 517 250 524 230 509 192 347 159
国際農業開発基金 6 - 6 - 5 - 5 -
ラプラタ河流域開発基金 47 32 65 29 55 25 51 21
中米経済統合銀行 2 10 2 10 3 10 5 10
OPEC 国際開発基金 13 7 13 7 13 6 13 5
欧州投資銀行 11 9 11 9 12 9 15 9
IMF 17,771 2,380 4,559 1,505 - 1,377 1,113 1,372
多国間債務合計 19,554 3,934 6,507 2,993 2,019 2,756 3,124 2,641
二国間債務(パリクラブを除
く) 406 202 408 195 407 161 398 129
パリクラブ 326 56 361 70 417 53 292 35
二国間債務合計 733 259 769 264 824 214 690 164
公的債務合計 20,287 4,193 7,276 3,257 2,843 2,970 3,814 2,804
債券 9,438 2,371 12,184 3,439 16,610 3,696 6,424 3,610
トレジャリー・ビル - - - - - - - -
トレジャリー・ノート 1,582 - 45 - - - - -
商業銀行 72 7 72 6 69 4 67 3
保証債務
約束手形 - - - - - - - -
保証( Avales ) 290 7 34 3 16 1 - -
保証付トレジャリー・ノー
296 - 296 - 296 - 296 -
ト
586 7 329 3 312 1 296 -
保証債務合計
支払継続外貨建債務支払合
31,965 6,578 19,907 6,704 19,833 6,670 10,601 6,417
計
2027 年 2028 年 2029 年 2030 年
元本 利息 元本 利息 元本 利息 元本 利息
多国間債務 :
米州開発銀行 1,148 557 1,191 503 1,073 445 986 397
世界銀行 447 430 460 406 468 379 469 353
アンデス開発公社 323 134 283 113 260 93 222 76
国際農業開発基金 5 - 5 - 4 - 1 -
ラプラタ河流域開発基金 50 18 50 14 41 11 33 8
中米経済統合銀行 8 9 10 9 10 8 10 7
OPEC 国際開発基金 13 5 13 4 13 3 13 3
欧州投資銀行 19 8 9 7 9 7 9 6
IMF 3,896 1,230 3,896 966 3,896 696 3,896 428
多国間債務合計 5,909 2,391 5,917 2,022 5,774 1,641 5,640 1,278
二国間債務(パリクラブを除
く) 398 96 398 63 380 31 135 10
パリクラブ 278 24 254 12 - - - -
二国間債務合計 676 120 653 75 380 31 135 10
公的債務合計 6,586 2,511 6,569 2,097 6,154 1,672 5,775 1,288
債券 6,934 3,559 8,799 3,817 13,410 3,711 8,011 3,625
トレジャリー・ビル - - - - - - - -
トレジャリー・ノート - - - - - - - -
商業銀行 57 2 28 1 18 1 12 -
保証債務
約束手形 - - - - - - - -
保証( Avales ) 800 - 30 - - - 120 -
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保証付トレジャリー・ノー
296 - 296 - 296 - 296 -
ト
1,096 - 326 - 296 - 416 -
保証債務合計
支払継続外貨建債務支払合
14,673 6,071 15,723 5,915 19,878 5,384 14,214 4,913
計
(1) 2022 年 12 月 31 日現在の債務合計、為替レートおよび金利に基づき算出されている。
(2) 保護訴訟( acciones de amparo )を通じて民間団体が得た判決に従うために政府によってなされた支払を含む。「 (7) その他 - ①
訴訟手続 -アルゼンチンにおける訴訟」を参照のこと。
出所: INDEC および経済省
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(b) ペソ建債務
以下の表は、表示日現在のアルゼンチンのペソ建債務総額を示す。
債券別ペソ建債務 (1)
(単位:百万米ドル)
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
支払継続債務
78,427 71,581 78,979 107,808 131,113
Boncer 債
9,392 10,992 26,723 34,701 34,412
トレジャリー・ビル
11,199 10,159 9,060 21,228 29,819
Bonar デュアル債
3,638 1,638 5 1 20,167
中央銀行からの一時前払金
13,297 14,237 14,979 21,149 15,769
Bontes 債
11,586 3,727 9,707 11,751 11,234
2045 年準元本維持債
7,290 6,974 6,768 8,400 9,269
2033 年元本削減債
2,970 2,842 2,758 3,423 3,777
商業銀行
1,193 2,505 1,604 2,092 2,343
約束手形
1,469 1,605 1,149 1,206 1,434
トレジャリー・ノート
2,861 2,938 598 675 924
国家保証ローン
684 640 605 751 829
2038 年元本維持債
633 606 588 730 805
Bonares 債
5,682 3,139 1,573 1,016 136
Bocones 債
471 357 360 260 86
2033 年元本削減債( 2010 )
36 34 33 41 45
2038 年元本維持債( 2010 )
3 2 2 3 3
Bontes PIK 債
- 3,973 1,587 - -
Bonos PGN 債
- 950 317 - -
Botapos 債
2,761 2,377 - - -
Bogato 債
3,123 1,097 - - -
Bonads 債
- - - - -
Bonacs 債
- - - - -
その他
139 787 560 381 62
支払非継続債務
2 2 2 2 2
支払非継続債務(期日未到来)
- - - - -
支払非継続期日到来済債務
1 2 2 2 2
未交換債務 (2)
67 63 49 56 60
ペソ建債務総額 78,496 71,646 79,029 107,866 131,175
(1) 支払継続および支払非継続債務(未交換債務を含む。)を含む。
(2) アルゼンチンが時効完成済みとみなした元本および/または利息に係る請求を含む。
出所: INDEC および経済省
2022 年 12 月 31 日現在のペソ建債務総額は、 2018 年 12 月 31 日現在の2兆 9,678 億ペソ( 785 億米ドル、総公的債務合計
の 23.6 %)に対し、 23 兆 2,348 億ペソ( 1,312 億米ドル、総公的債務合計の 33.1 %)となった。この債務合計に対する
割合の増加は主として、以下を反映したものであった。
● ペソ建債券、 Boncers 債、トレジャリー・ビル、 Bonar デュアル債の発行、中央銀行からの一時前払金および
2045 年準元本維持債の増加
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● その条件により CER に基づくインフレ調整の対象となるペソ建債務の一部がインフレ調整を要因として額面
価額でみて増加したが、ペソの下落の影響がかかる増加を上回ったこと
支払継続ペソ建債務支払
2018 年、アルゼンチンのペソ建債務に対する利息は、 2017 年の 1,685 億ペソから 45.4 %増加し、 2,450 億ペソ( 87 億
米ドル、または利息合計の 47.7 %)となった。この増加は主として、 Bonares 債、 Bontes 債および Botapo 債にかかる
利払いが増加したことによる。
2019 年、アルゼンチンのペソ建債務に対する利息は、 2018 年の 2,450 億ペソから 54.4 %増加し、 3,783 億ペソ( 78 億
米ドル、または利息合計の 41.4 %)となった。この増加は主として、 Bonares 債および Botapo 債にかかる利払いが増
加したことによる。
2020 年において、アルゼンチンは、国内資本市場の発展の重要な要因と見なすペソ建債務のための国内資本市場の
正常な機能維持に努めた。特に、当該期間中、政府は、国庫の資金調達能力を回復し、国内資本市場の発展のための
条件を整え、プラスでかつ持続可能な実質金利を有する貯蓄商品を創出し、その結果、財政上の資金調達ニーズを減
らし、国内債券市場の深化と関連機関投資家の参加を拡大することを目指した。さらに、 2020 年の資金需要を満たす
ために必要な資金を調達し、 2021 年予算に概説されたガイドラインに従って 2021 年の財政プログラムを策定するため
に、国庫における資金調達手段を拡充させた。
2020 年、アルゼンチンのペソ建債務に対する利息は、 2019 年の 3,783 億ペソから 5.1 %減少し、 3,977 億ペソ( 56 億
米ドル、または利息合計の 61.0 %)となった。この減少は主として、 Bonares 債およびトレジャリー・ビルにかかる
利払いが減少したことによる。
2021 年、アルゼンチンのペソ建債務に対する利息は、 2020 年の 3,977 億ペソから 42.7 %増加し、 5,674 億ペソ( 60 億
米ドル、または利息合計の 73.2 %)となった。この増加は主として、 Bonares 債、トレジャリー・ビルおよび Boncer
債にかかる利払いが増加したことによる。
2022 年、アルゼンチンのペソ建債務に対する利息は、 2021 年の 5,674 億ペソから 100.9 %増加し、1兆 1,401 億ペソ
( 87 億米ドル、または利息合計の 68.5 %)となった。この増加は主として、 Bonares 債、トレジャリー・ビルおよび
2020 年債務交換において発行された債券にかかる利払いが増加したことによる。
以下の表は、表示期間中の支払継続ペソ建公債に対するアルゼンチンの債務支払予定に関する情報を示す。
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債権者別支払継続ペソ建公債支払予定 (1)(2)
( 単位:百万米ドル )
2023 年 2024 年 2025 年 2026 年 2027 年
元本 利息 元本 利息 元本 利息 元本 利息 元本 利息
40,432 3,656 16,237 2,789 4,809 2,078 3,632 1,493 1,758 863
国家保証ローン - 42 - 42 - 42 - 42 168 40
商業銀行 2,343 - - - - - - - - -
中央銀行からの一時前 - - - - - - -
払金 13,793 - 1,976
トレジャリー・ノート 857 243 66 - - - - - - -
トレジャリー・ビル 29,819 - - - - - - - - -
約束手形 1,016 7 - 7 - 7 - 7 - 7
10 37 13 35 15 33 14 24 4 7
保証( Avales )
支払継続ペソ建債務
88,270 3,985 18,292 2,873 4,825 2,160 3,646 1,567 1,929 917
支払合計
2028 年 2029 年 2030 年
元本 利息 元本 利息 元本 利息
債券 790 512 527 467 567 426
国家保証ローン - 34 - 33 46 33
商業銀行 - - - - - -
中央銀行からの一時前払 - - - - - -
金
トレジャリー・ノート - - - - - -
トレジャリー・ビル - - - - - -
約束手形 - 7 21 9 42 10
- 0 - - - -
保証( Avales )
支払継続ペソ建債務
790 553 547 509 654 468
支払合計
(1) 2022 年 12 月 31 日現在の債務の残存、為替レートおよび金利に基づき算出されている。
(2) 保護訴訟( acciones de amparo )を通じて民間団体が得た判決に従うために政府によってなされた支払を含む。「 (7) その他 - ①
訴訟手続-アルゼンチンにおける訴訟」を参照のこと。
出所: INDEC および経済省
マーケットメーカー・プログラム
2021 年8月、経済省は、マーケットメーカー・プログラム( Programa Creadores de Mercado )を開始し、アルゼ
ンチンが発行する証券を買取り、その売買の申入れを日々継続して行うマーケットメーカーとの提携により、迅速、
透明かつ効率的な国内資本市場の開発と発展を目指した。この枠組みの開始にあたり、経済省は、 13 の事業体から
マーケットメーカーとしてプログラムへの参加への関心を示された。経済省は評価期間を経て、業績および一定の要
件を基準としてマーケットメーカーのメンバーを発表した。
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(c) 金融機関に対する債務
概要
長年にわたり、 IMF 、米州開発銀行および世界銀行は、政府が安定化および改革の方針に従うことを条件として、
アルゼンチンに対し財政支援を提供している。世界銀行および米州開発銀行の財政支援には、国家および州レベルの
社会プログラム、公共事業および構造プロジェクトに対する資金調達を目的とし、分野を特定した構造融資を含む。
2018 年から 2022 年にかけて、政府の多国間債権者に対する債務残高は 245 億米ドル( 48.0 %)増加し、 755 億米ドルと
なった。これは主として、 IMF と締結した SBA に基づく融資の実行による。
● 2018 年に、政府は、多国間債権者に対し 19 億米ドルの元本支払を行い、これに対し政府に対する多国間債権
者による実行額は 318 億米ドルであった。
● 2019 年に、政府は、多国間債権者に対し 18 億米ドルの元本支払を行い、これに対し政府に対する多国間債権
者による実行額は 189 億米ドルであった。
● 2020 年に、政府は、多国間債権者に対し 19 億米ドルの元本支払を行い、これに対し政府に対する多国間債権
者による実行額は 33 億米ドルであった。
● 2021 年に、政府は、多国間債権者に対し 56 億米ドルの元本支払を行い、これに対し政府に対する多国間債権
者による実行額は 37 億米ドルであった。
● 2022 年に、政府は、多国間債権者に対し 185 億米ドルの元本支払を行い、これに対し政府に対する多国間債権
者による実行額は 280 億米ドルであった。 2018 年から 2022 年まで、多国間債権者(米州開発銀行、世界銀行、 IMF およ
びその他の機関を含む。)に対する利息支払の総額は 91 億米ドルであった。政府はまた、諸州が多国間債権者に対し
負っている債務の保証を行っている。当該債務の総額は、 2022 年 12 月 31 日現在7億 4,600 万米ドルであった。「 (2)
経済-① 近時の経済動向- IMF との協定」を参照のこと。
2018 年6月7日、経済省と IMF のスタッフは、総額約 500 億米ドルの融資の実行について、期間 36 か月間の SBA( スタ
ンドバイ取決め ) の条件に関する合意に達し、 2018 年6月 20 日に IMF の理事会による承認を受けた。 2018 年 10 月 26 日、
IMF の理事会は、 2021 年までのプログラムの期間中に総資産を約 571 億米ドルまで増加させる SBA の強化について承認
した。 2018 年6月以降、政府は、 SBA に基づき約 445 億米ドルを引き出している。「 (2) 経済-① 近時の経済動向-
IMF との協定」を参照のこと。 2021 年9月 22 日、アルゼンチンは IMF に対して SBA に基づき 19 億米ドルの最初の元本分
割払いを行った。
2022 年3月 25 日、アルゼンチンは、 SBA の借換えを目的として、 IMF との間で 319 億 SDR (約 440 億米ドル)について
30 か月間の拡大信用供与措置(「 EFF 」)協定を締結した。「 -③ 最近の動向-金融機関に対する債務- IMF 」を参
照のこと。
2022 年において、開発プロジェクトのために国際貸付機関が付与したアルゼンチンへの実行額は 50 億米ドル相当額
で過去最高となり、 2021 年と比べて 27.5 %増加した。 2022 年の実行総額のうち、 77 %が8月から 12 月にかけて行われ
た。融資の正味実行額は過去 26 年において最高となり、 19 億米ドルに達した。
表示された各年の多国間債権者からの実行額および多国間債権者への支払額を以下の表に示す。
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実行額/支払額 - 多国間債権者
( 単位:百万米ドル )
12 月 31 日現在
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
世界銀行:
実行額 1,244 761 1,047 1,191 998
元本支払 (698) (511) (454) (394) (310)
実行額(元本支払控除後) 546 249 593 796 688
利息支払 (177) (239) (177) (113) (187)
(5) (6) (6) (5) (6)
手数料支払
純(流出)流入 365 5 410 678 495
国際通貨基金:
実行額 28,252 16,225 - - 23,503
元本支払 - - - (3,373) (16,644)
実行額(元本支払控除後) 28,252 16,225 - (3,373) 6,859
利息支払 (153) (1,227) (1,284) (1,347) (1,721)
(249) (115) (29) - (212)
手数料支払
純(流出)流入 27,850 14,883 (1,313) (5,084) 4,926
米州開発銀行:
実行額 1,405 1,188 1,586 1,550 2,442
元本支払 (865) (857) (865) (867) (845)
実行額(元本支払控除後) 540 331 721 683 1,596
利息支払 (393) (439) (371) (303) (369)
(17) (24) (27) (26) (29)
手数料支払
純(流出)流入 129 (132) 324 354 1,198
FAD : (1)
実行額 6 2 - 5 9
元本支払 (5) (6) (6) (8) (7)
実行額(元本支払控除後) 1 (3) (6) (3) 2
利息支払 (1) (4) (1) - (1)
- - - - -
手数料支払
純(流出)流入 (1) (7) (7) (3) 2
ラプラタ河流域開発基金: (2)
実行額 65 94 105 108 123
元本支払 (13) (24) (19) (27) (36)
実行額(元本支払控除後) 52 70 86 81 87
利息支払 (5) (10) (10) (10) (14)
(1) (1) (1) (1) (1)
手数料支払
純(流出)流入 45 59 75 70 71
アンデス開発公社:
実行額 774 571 533 694 760
元本支払 (346) (382) (536) (561) (610)
実行額(元本支払控除後) 428 189 (3) 133 150
利息支払 (111) (154) (124) (75) (100)
(5) (5) (4) (6) (8)
手数料支払
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純(流出)流入 312 31 (131) 52 41
OPEC 国際開発基金 :
実行額 21 37 17 32 30
元本支払 - (4) (4) (4) (10)
実行額(元本支払控除後) 21 33 13 29 21
利息支払 (1) (2) (4) (5) (7)
- - - - -
手数料支払
純(流出)流入 20 31 9 24 14
中米経済統合銀行 :
実行額 - 6 - 77 60
元本支払 - - - (1) (1)
実行額(元本支払控除後) - 6 - 77 59
利息支払 - (1) - - (3)
- - - - -
手数料支払
純(流出)流入 - 4 - 76 56
欧州投資銀行:
実行額 71 10 20 26 100
元本支払 - - - (10) (11)
実行額(元本支払控除後) 71 10 20 16 89
利息支払 - (2) (2) (1) (1)
- (1) (1) (1) (1)
手数料支払
純(流出)流入 70 6 18 14 86
実行額合計 31,838 18,893 3,308 3,684 28,026
元本支払合計 (1,928) (1,783) (1,884) (5,610) (18,475)
実行額(元本支払控除後) 29,910 17,110 1,425 (1,926) 9,551
利息支払合計 (842) (2,078) (1,972) (1,855) (2,402)
(277) (151) (67) (39) ( 258)
手数料合計
28,790 14,881 (615) (3,819) 6,890
純(流出)流入合計
(1) 国際農業開発基金
(2) ラプラタ河流域開発基金
出所:経済省
国際通貨基金
IMF は、兌換制度の崩壊に至る数年間に、アルゼンチンに対し1件は 2000 年 12 月に、もう1件は 2001 年8月にと2
件の別個の財政支援パッケージを組成した。当該支援の一環として、 IMF は、アルゼンチンの信用供与枠に基づきア
ルゼンチンが利用し得る金額を増額し、また、アルゼンチンのためにその他資金源を確保した(世界銀行、米州開発
銀行およびスペイン政府からの融資確定契約(コミットメント)を含む。)。
2001 年から 2005 年の間、アルゼンチンは残存する対 IMF 債務を 2001 年 12 月 31 日現在の 140 億米ドルから 2005 年 12 月 31
日現在で 95 億米ドルまで削減した。 2004 年 8 月、 IMF はアルゼンチン政府が 2003 年のスタンバイ協定に基づき自己の実
績を計画通りに再検討することを無期限延長した後、当該協定に基づく実行を停止した。
2006 年1月3日、政府は IMF に対する全債務残高、 95 億米ドルを一括返済した。 IMF への返済はアルゼンチンの公債
総額の 7.4 %を占め、5億 6,800 万米ドルの利息節約となった。政府は支払のため中央銀行から資金を借入れ、結果と
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して中央銀行の準備金は 33.3 %減少し、 281 億米ドルから 186 億米ドルとなった。中央銀行に対してこの融資を返済す
るため、政府は米ドル建 10 年物譲渡不能トレジャリー・ノートを発行した。 IMF への債務は同額の中央銀行への債務
へ と交換されたことを考慮すると、 IMF への返済は政府の債務総額に影響を与えなかった。
IMF 協定の第4条に基づき、 IMF は加盟国との二者間協議を通常毎年行う。 IMF のスタッフは加盟国を訪問して経済お
よび金融に関する情報を収集し、その国の経済発展および政策について当局職員と議論を交わす。その後 IMF のスタッ
フは、理事会による審議の土台となる報告書を作成する。
2018 年6月、政府は、 IMF と期間 36 か月のスタンドバイ取決めを締結した。 2023 年6月 22 日現在において、政府は
かかる SBA に基づき約 439 億米ドルを引き出している。「 (2) 経済-① 近時の経済動向- IMF との協定」を参照のこ
と。 2020 年8月 26 日、アルゼンチンは、 IMF との間で、既存の SBA の下で生じた債務の条件に対処する新たなプログラ
ムを模索するための正式な協議を開始した。アルゼンチンは、景気回復がなければ安定化は不可能であると指摘して
おり、これが IMF との交渉の指針の前提としている。 2020 年 10 月6日、 IMF の代表団は、 SBA の下で期限が到来した金
額の借換えに関する新たなプログラムと合意の基盤を定めるために政府との協議を開始した。
2021 年9月 22 日、アルゼンチンは IMF に対して SBA に基づき 19 億米ドルの最初の元本分割払いを行った。
2022 年3月 25 日、アルゼンチンは、 2018 年6月に締結した SBA の借換えを目的として、 IMF との間で 319 億 SDR (約
440 億米ドル)について 30 か月間の拡大信用供与措置(「 EFF 」)協定を締結した。 EFF により、財政強化、インフレ
対応、外貨準備の積増し、より持続可能で包摂的な経済成長の基盤構築を目的とした国際収支と予算の支援が行われ
る。
EFF には2年半の間に IMF により実施される四半期毎の 10 回の審査が含まれている。 2022 年6月 25 日、 IMF は EFF に基
づく最初の四半期審査を承認し、約 40 億 1,000 万米ドルの融資実行について即時の許可を与えた。残りの融資の実行
は各審査完了後に行われる予定である。各融資の返済期間は 10 年で、4年半の猶予期間が与えられるため、アルゼン
チンは 2026 年から 2034 年の間に債務を返済することになる。
2022 年3月 25 日から 2022 年7月 29 日までの間に、政府は IMF に対して 60 億 2,800 万 SDR (約 81 億米ドル)の元本を返
済した。
2022 年9月 19 日、アルゼンチンは、 EFF に基づく2回目の審査について IMF と合意に達し、 2022 年 10 月7日に IMF 理
事会が承認し、約 39 億米ドルの融資実行について即時の許可を与えた。
2022 年 12 月2日、アルゼンチンは、 EFF に基づく3回目の審査について IMF と合意に達し、 2022 年 12 月 22 日に IMF 理
事会が承認し、約 60 億米ドルの融資実行について即時の許可を与えた。
「-③ 最近の動向-金融機関に対する債 務- IMF 」を参照のこと。
世界銀行
2022 年7月 25 日、9月7日および 12 月7日、政府は、それぞれ2億米ドル、9億米ドルおよび2億米ドルの世界銀
行との融資協定について発表した。これらの融資協定は、イノベーションを原動力としたアルゼンチンの持続可能な
成長の促進を目的としており、生産力の高い技術を基盤とした企業の創出、起業家の支援と民間資本の利用に重点を
置いている。
2018 年から 2022 年まで、世界銀行は、国家および州の両レベルで、インフラおよび教育プロジェクトを含む、経済
復興を促進する活動、ならびに健康および環境など社会発展の各種プログラムのために、アルゼンチンに対し約 52 億
米ドルの融資を実行した。 2022 年 12 月 31 日現在、世界銀行による貸付の残存元本総額は、 2021 年 12 月 31 日現在の 85 億
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米ドルに対して、 92 億米ドルであった。 2022 年 12 月 31 日現在、世界銀行からの約 34 億ドルの融資確定契約が未実行で
あった。
2018 年から 2022 年の間に、アルゼンチンは、世界銀行の融資に基づき総額 24 億米ドルの元本支払および利息として
総額8億 9,320 万米ドルの支払いを行った。
米州開発銀行
2022 年 11 月、アルゼンチンは、米州開発銀行との間で5億米ドルの融資契約を締結し、 2022 年 12 月に融資が実行さ
れた。かかる融資は、気候変動計画能力の支援、グリーン・ファイナンスの強化および循環型経済の促進に重点を置
いたものであった。
2018 年から 2022 年まで、米州開発銀行はアルゼンチンに対し、経済成長を支援する活動のためならびに健康、イン
フラおよび教育など多種の社会開発プログラムのため、約 82 億米ドルの融資を実行した。 2022 年 12 月 31 日現在、米州
開発銀行による貸付の残存元本総額は、 2021 年 12 月 31 日現在の 141 億米ドルに対して、 156 億米ドルであった。 2022 年
12 月 31 日現在、米州開発銀行からの約 47 億ドルの融資確定契約が未実行である。
2018 年から 2022 年の間に、アルゼンチンは、米州開発銀行の融資に基づき約 43 億米ドルの元本支払および利息とし
て 19 億米ドルの支払いを行った。
FONPLATA
2018 年から 2022 年の間、 FONPLATA は、アルゼンチンに対し、経済開発、インフラ・プログラムおよび社会プログラ
ムのために総額4億 9,480 万米ドルの融資を実行した。 2022 年 12 月 31 日現在、 FONPLATA により行われた融資の残存元
本総額は、 2021 年 12 月 31 日現在の4億 430 万米ドルに対し、4億 9,100 万米ドルであった。 2022 年 12 月 31 日現在、
FONPLATA からの承認済融資額約3億 9,790 万米ドルが未実行であった。
2018 年から 2022 年の間に、アルゼンチンは、 FONPLATA の融資に基づき総額 1 億 1,950 万米ドルの元本支払および利息
として 4,880 万米ドルの支払いを行った。
CAF
2022 年 12 月、 CAF は、アルゼンチンに対して4億 3,000 万米ドルの2件の融資を承認した。この融資は、国内の相互
接続と地方経済に利益をもたらす生産性の高い地方道路の開発の促進と Pan American Energy が実施する気候変動緩
和行動への資金供給を目的としている。
2018 年から 2022 年の間、 CAF はアルゼンチンに対する約 33 億米ドルの融資を、主にインフラ整備プログラム向けに
実行した。 2022 年 12 月 31 日現在、 CAF により行われた融資の残存元本総額は、 2021 年 12 月 31 日現在の 38 億米ドルに対
し、 39 億米ドルであった。 2022 年 12 月 31 日現在、 CAF から承認された融資のうち約 27 億米ドルが未実行であった。
2018 年から 2022 年の間に、アルゼンチンは、 CAF の融資に基づき総額 24 億米ドルの元本支払および利息として5億
6,340 万米ドルの支払いを行った。
IFAD
2018 年から 2022 年の間、国際農業開発基金(「 IFAD 」)は、アルゼンチンに対し、経済開発および社会プログラム
のために総額 2,300 万米ドルの融資を実行した。 2022 年 12 月 31 日現在、 IFAD により行われた融資の残存元本総額は、
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2021 年 12 月 31 日現在の 3,360 万米ドルに対し、 3,610 万米ドルであった。 2022 年 12 月 31 日現在、 IFAD からの承認済融資
額約 1,960 万米ドルが未実行であった。
2018 年から 2022 年の間に、アルゼンチンは、 IFAD の融資に基づき総額 3,240 万米ドルの元本支払および利息として
650 万米ドルの支払いを行った。
EIB
2018 年から 2022 年の間、欧州投資銀行(「 EIB 」)は、アルゼンチンに対し、経済開発およびインフラのために総
額2億 2,650 万米ドルの融資を実行した。 2022 年 12 月 31 日現在において、 EIB により行われた融資の残存元本総額は2
億 1,070 万米ドルで、 EIB からの承認済融資額3億 6,580 万米ドルが未実行であった。
2018 年から 2022 年の間に、アルゼンチンは、 EIB の融資に基づき総額 2,140 百万米ドルの元本支払および利息として
600 万米ドルの支払いを行った。
OFID
2018 年から 2022 年の間、 OPEC 国際開発基金(「 OFID 」)は、アルゼンチンに対し、経済開発プログラムのために総
額1億 3,750 万米ドルの融資を実行した。 2022 年 12 月 31 日現在、 OFID により行われた融資の残存元本総額は、 2021 年
12 月 31 日現在の1億 2,380 万米ドルに対し、1億 4,450 万米ドルであった。 2022 年 12 月 31 日現在、 OFID からの承認済融
資額約 4,590 万米ドルが未実行であった。
2018 年から 2022 年の間に、アルゼンチンは、 OFID の融資に基づき総額 2,030 万米ドルの元本支払および 1,930 万米ド
ルの利息の支払いを行った。
BCIE
2018 年から 2022 年の間、中米経済統合銀行(「 BCIE 」)は、アルゼンチンに対し、主にインフラ・プログラム向け
に約1億 4,330 万米ドルの融資を実行した。 2022 年 12 月 31 日現在、 BCIE により行われた融資の残存元本総額は、 2021
年 12 月 31 日現在の 7,930 万米ドルに対し、1億 3,830 万米ドルであった。 2022 年 12 月 31 日現在、 BCIE からの承認済融資
額2億 2,070 万米ドルが未実行であった。
二国間債務および民間債権者の債務
二国間債務は、パリクラブ債務およびその他二国間債務と呼ばれる債務を含む。パリクラブ債務には、パリクラブ
のメンバー国との交渉ラウンドにおいて再編されてきたパリクラブのメンバー国に対するすべての債務を含む。その
他二国間債務には、主権国家政府との間の他の債務すべてが含まれる。アルゼンチンの実質的にすべての二国間債務
は、パリクラブのメンバー国に対する債務に関するものであり、パリクラブの枠組みの下で扱われる。
民間債権者の債務は、納入業者への債務および商業銀行への債務から成る。民間債権者の債務の一部は、外国政府
により付与される輸出信用保険により保証されており、パリクラブの枠組みの下で通常扱われる。
2014 年4月 30 日現在、パリクラブのメンバー国に対する残存債務は総額 96 億 9,000 万米ドルであり、この内訳は、
元本が 49 億 5,500 万米ドル、利息が 11 億 200 万米ドルおよび 36 億 3,300 万米ドルの遅延利息であった。 2014 年5月に、
アルゼンチンはパリクラブのメンバー国と、アルゼンチンが負っていた 96 億 9,000 万米ドル(元本が 49 億 5,500 万米ド
ル、利息は 11 億 200 万米ドルおよび罰則的利息として 36 億 3,300 万米ドル)の債務を 5 年以内に帳消しにするとの合意
(「パリクラブ 2014 年決済契約」)に達した。
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2020 年4月7日、経済大臣は、パリクラブのメンバー国に対し、パリクラブ 2014 年決済契約の現行条件の変更提案
を行い、主に満期日の延長と金利の大幅な引下げを求めた。 2021 年6月 22 日、経済大臣は、債務不履行を回避するた
め に、パリクラブとの交渉の枠組内において、アルゼンチンが債務再編合意の猶予期間を得た旨を発表した。「 -③
最近の動向-金融機関に対する債務 -パリクラブ」を参照のこと。
2021 年6月 22 日、経済大臣は、債務不履行を回避するために、パリクラブとの交渉の枠組内においてアルゼンチン
が債務再編合意の猶予期間を得た旨を発表した。この合意により、パリクラブのメンバーとの債務再編の合意までの
期間が 2022 年3月 31 日までとされた一方、アルゼンチンは SBA に基づき発生した債務の借換えについての IMF との合意
に力を注いだ。
2022 年5月 30 日、政府は大統領令第 286/2022 号を公布し、 ( ⅰ ) アルゼンチンの残存債務の返済に関する新たな協定
の締結、または ( ⅱ )2024 年9月 30 日のいずれか早い方の日まで、債務の返済を繰り延べることについてパリクラブと
合意に達したと発表した。
2022 年 10 月 28 日、アルゼンチンとパリクラブの債権者の間で、推定額 19 億米ドルの遅延金を繰り延べるためにパリ
クラブ 2014 年決済契約を修正することが合意された。修正パリクラブ決済契約に基づき、残額の返済は6年にわたり
13 回の分割で支払われることとなり、適用利率は 9.0 %から 4.5 %に引き下げられた。
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外貨建債務
直接債務
元本金額
2022 年
12 月 31 日
融資機関 利率 発行日 最終満期 通貨 額面金額 現在残高
(単位:百万米ドル)
世界銀行 2.89%/(a) 2009 年 2月 27 日 2038 年 3月 15 日 米ドル 51 32
世界銀行 2.89%/(a) 2009 年 1月 13 日 2038 年 3月 15 日 米ドル 20 12
世界銀行 3.67%/(a) 2009 年 6月 10 日 2038 年 12 月 15 日 米ドル 450 288
世界銀行 2.90%/(a) 2009 年 3月 27 日 2038 年 9月 15 日 米ドル 300 202
世界銀行 3.32%/(a) 2009 年 8月 6日 2038 年 4月 1日 米ドル 153 96
世界銀行 3.00%/(a) 2010 年 1月 18 日 2038 年 9月 15 日 米ドル 50 32
世界銀行 3.37%/(a) 2009 年 8月 25 日 2039 年 3月 15 日 米ドル 840 544
世界銀行 3.23%/(a) 2010 年 3月 30 日 2039 年 9月 15 日 米ドル 141 96
世界銀行 2.99%/(a) 2010 年 2月 1日 2038 年 3月 15 日 米ドル 31 20
世界銀行 3.24%/(a) 2010 年 6月 11 日 2040 年 2月 15 日 米ドル 31 21
世界銀行 3.23%/(a) 2010 年 8月 11 日 2039 年 9月 15 日 米ドル 150 108
世界銀行 (a) 2011 年 5月 4日 2037 年 3月 15 日 米ドル 200 146
世界銀行 (a) 2011 年 4月 11 日 2037 年 3月 15 日 米ドル 447 332
世界銀行 (a) 2011 年 4月 11 日 2038 年 5月 15 日 米ドル 140 97
世界銀行 (a) 2011 年 5月 4日 2037 年 3月 15 日 米ドル 400 268
世界銀行 (a) 2011 年 8月 4日 2037 年 10 月 15 日 米ドル 480 351
世界銀行 (a) 2011 年 11 月 23 日 2036 年 12 月 15 日 米ドル 160 159
世界銀行 (a) 2012 年 8月 6日 2037 年 11 月 15 日 米ドル 400 293
世界銀行 (a) 2015 年 4月 16 日 2046 年 12 月 15 日 米ドル 250 232
世界銀行 (a) 2015 年 4月 16 日 2047 年 6月 15 日 米ドル 425 408
世界銀行 (a) 2015 年 9月 21 日 2047 年 8月 15 日 米ドル 59 20
世界銀行 (a) 2015 年 10 月 9日 2049 年 10 月 15 日 米ドル 200 85
世界銀行 (a) 2015 年 10 月 9日 2047 年 10 月 15 日 米ドル 350 299
世界銀行 (a) 2015 年 12 月 9日 2046 年 6月 15 日 米ドル 52 49
世界銀行 (a) 2016 年 3月 31 日 2047 年 10 月 15 日 米ドル 200 196
世界銀行 (a) 2016 年 9月 30 日 2048 年 11 月 15 日 米ドル 600 599
世界銀行 (a) 2016 年 12 月 28 日 2048 年 5月 15 日 米ドル 45 33
世界銀行 (a) 2017 年 4月 25 日 2049 年 3月 15 日 米ドル 45 45
世界銀行 (a) 2017 年 8月 17 日 2049 年 5月 15 日 米ドル 200 161
世界銀行 (a) 2017 年 8月 17 日 2049 年 3月 15 日 米ドル 80 79
世界銀行 (a) 2017 年 8月 17 日 2049 年 7月 15 日 米ドル 300 0.3125
世界銀行 (a) 2018 年 7月 23 日 2049 年 1月 1日 米ドル 300 90
世界銀行 (a) 2018 年 4月 20 日 2049 年 1月 15 日 米ドル 50 48
世界銀行 (a) 2018 年 12 月 12 日 2050 年 12 月 1日 米ドル 500 500
世界銀行 (a) 2018 年 12 月 12 日 2050 年 9月 1日 米ドル 450 450
世界銀行 (a) 2018 年 12 月 17 日 2049 年 10 月 1日 米ドル 300 240
世界銀行 (a) 2019 年 2月 12 日 2050 年 7月 15 日 米ドル 150 25
世界銀行 (a) 2019 年 11 月 12 日 2051 年 1月 1日 米ドル 245 234
世界銀行 (a) 2019 年 11 月 14 日 2051 年 4月 15 日 米ドル 341 228
世界銀行 (a) 2020 年 5月 5日 2051 年 10 月 1日 米ドル 35 35
世界銀行 (a) 2020 年 5月 5日 2051 年 10 月 1日 米ドル 300 300
世界銀行 (a) 2021 年 6月 28 日 2053 年 1月 15 日 米ドル 80 9
世界銀行 (a) 2021 年 7月 21 日 2052 年 10 月 15 日 米ドル 250 185
世界銀行 (a) 2021 年 10 月 4日 2039 年 10 月 15 日 米ドル 500 498
世界銀行 (a) 2021 年 10 月 7日 2053 年 1月 15 日 米ドル 347 44
世界銀行 (a) 2021 年 8月 11 日 2053 年 2月 15 日 米ドル 300 53
世界銀行 (a) 2021 年 9月 22 日 2053 年 6月 1日 米ドル 265 118
世界銀行 (a) 2021 年 12 月 21 日 2053 年 7月 15 日 米ドル 400 63
世界銀行 (a) 2022 年 5月 16 日 2054 年 2月 15 日 米ドル 250 29
世界銀行 (a) 2022 年 6月 14 日 2053 年 9月 15 日 米ドル 45 2
世界銀行 200 41
2022 年 10 月 28 日 2054 年 7月 15 日 米ドル
(a)
合計 12,558 8,493
米州開発銀行 3.00% 1998 年 3月 16 日 2023 年 3月 16 日 米ドル 33 0.45856
米州開発銀行 5.49% 1998 年 3月 16 日 2023 年 3月 16 日 米ドル 16 0.46444
米州開発銀行 5.49% 1998 年 8月 8日 2023 年 8月 8日 米ドル 300 19
米州開発銀行 5.49% 1999 年 1月 13 日 2024 年 1月 13 日 米ドル 3 0.24108
米州開発銀行 4.00% 1998 年 12 月 9日 2023 年 12 月 9日 米ドル 16 1
米州開発銀行 3.00% 1998 年 12 月 9日 2023 年 12 月 9日 米ドル 15 1
米州開発銀行 5.49% 1999 年 10 月 18 日 2024 年 10 月 18 日 米ドル 140 15
米州開発銀行 固定利率
2001 年 10 月 25 日 2026 年 10 月 25 日 米ドル 43 9
(3.42%~5.49%)
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
米州開発銀行 固定利率
2003 年 11 月 20 日 2028 年 11 月 20 日 米ドル 597 177
(3.57%~5.49%)
米州開発銀行 2.27% 2004 年 12 月 28 日 2024 年 12 月 15 日 米ドル 500 67
米州開発銀行 2.29% 2005 年 5月 4日 2025 年 5月 4日 米ドル 4 1
米州開発銀行 固定利率
2005 年 5月 4日 2025 年 5月 4日 米ドル 5 1
(2.29%~2.93%)
米州開発銀行 固定利率
2005 年 8月 24 日 2025 年 8月 24 日 米ドル 30 7
(2.34%~2.95%)
米州開発銀行 固定利率
2005 年 8月 24 日 2025 年 8月 24 日 米ドル 19 4
(2.32%~2.95%)
米州開発銀行 2.83% 2006 年 3月 1日 2031 年 3月 1日 米ドル 700 270
米州開発銀行 2.39% 2006 年 5月 18 日 2026 年 5月 18 日 米ドル 500 117
米州開発銀行 2.41% 2006 年 8月 9日 2026 年 8月 9日 米ドル 280 72
米州開発銀行 固定利率
(2.48%~3.06%)/ 2006 年 11 月 7日 2026 年 11 月 7日 米ドル 50 16
(a)
米州開発銀行 固定利率
(2.88%~5.49%)/ 2006 年 11 月 6日 2031 年 11 月 6日 米ドル 840 406
(b)
米州開発銀行 固定利率
2007 年 3月 29 日 2032 年 3月 29 日 米ドル 350 166
(3.81%~5.49%)
米州開発銀行 固定利率
(2.91%~3.37%)/ 2007 年 3月 29 日 2032 年 3月 29 日 米ドル 242 120
(b)
米州開発銀行 固定利率
(3.81%~5.49%)/ 2007 年 3月 29 日 2032 年 3月 29 日 米ドル 1,197 609
(b)
米州開発銀行 固定利率
(2.99%~3.40%)/ 2007 年 11 月 6日 2032 年 11 月 6日 米ドル 49 25
(b)
米州開発銀行 固定利率
(2.91%~3.39%)/ 2007 年 11 月 6日 2032 年 6月 15 日 米ドル 61 30
(b)
米州開発銀行 3.41%/(b) 2007 年 11 月 6日 2032 年 11 月 6日 米ドル 39 22
米州開発銀行 固定利率
(2.99%~3.40%)/ 2007 年 11 月 6日 2032 年 11 月 6日 米ドル 23 10
(b)
米州開発銀行 3.41%/(b) 2007 年 11 月 6日 2032 年 11 月 6日 米ドル 50 41
米州開発銀行 固定利率
(3.07 %~3.42%)/ 2008 年 4月 6日 2033 年 4月 6日 米ドル 114 63
(b)
米州開発銀行 固定利率
(3.04 %~3.42%)/ 2008 年 4月 17 日 2033 年 4月 17 日 米ドル 100 54
(b)
米州開発銀行 固定利率
2008 年 4月 17 日 2033 年 4月 17 日 米ドル 850 301
(3.03%~3.42%)
米州開発銀行 固定利率
2008 年 4月 17 日 2033 年 4月 17 日 米ドル 200 101
(3.03%~3.42%)
米州開発銀行 固定利率
(3.06%~3.44%)/ 2008 年 11 月 4日 2033 年 11 月 4日 米ドル 100 130
(b)
米州開発銀行 3.08%/(b) 2009 年 2月 27 日 2034 年 2月 27 日 米ドル 14 8
米州開発銀行 固定利率
2009 年 3月 31 日 2034 年 3月 31 日 米ドル 50 29
(3.14%~3.63%)
米州開発銀行 固定利率
2009 年 7月 31 日 2034 年 7月 31 日 米ドル 850 435
(3.06%~3.47%)
米州開発銀行 固定利率
(3.13%~3.47%)/ 2009 年 7月 31 日 2034 年 7月 31 日 米ドル 200 115
(b)
米州開発銀行 固定利率
2010 年 3月 8日 2035 年 3月 8日 米ドル 100 63
(3.17%~3.48%)
米州開発銀行 固定利率
(3.16%~3.48%)/ 2010 年 3月 29 日 2035 年 3月 29 日 米ドル 120 73
(b)
米州開発銀行 (b) 2010 年 4月 12 日 2035 年 4月 12 日 米ドル 2 2
米州開発銀行 固定利率
(3.27%~3.56%)/ 2011 年 3月 26 日 2036 年 3月 26 日 米ドル 200 135
(b)
米州開発銀行 固定利率
2011 年 3月 26 日 2036 年 3月 26 日 米ドル 492 303
(3.25%~3.53%)
米州開発銀行 3.56%/(b) 2011 年 3月 26 日 2036 年 3月 26 日 米ドル 131 89
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
米州開発銀行 3.56%/(b) 2011 年 3月 26 日 2036 年 3月 26 日 米ドル 200 142
米州開発銀行 3.54%/(b) 2011 年 3月 26 日 2036 年 3月 26 日 米ドル 120 79
米州開発銀行 3.62% 2012 年 1月 13 日 2037 年 1月 13 日 米ドル 14 10
米州開発銀行 (b) 2011 年 12 月 29 日 2036 年 12 月 15 日 米ドル 40 27
米州開発銀行 3.59%/(b) 2011 年 12 月 29 日 2036 年 12 月 15 日 米ドル 230 154
米州開発銀行 3.67%/(b) 2012 年 7月 31 日 2037 年 7月 31 日 米ドル 400 300
米州開発銀行 3.64%/(b) 2012 年 7月 31 日 2037 年 7月 31 日 米ドル 200 148
米州開発銀行 3.61%/(b) 2012 年 7月 31 日 2037 年 7月 31 日 米ドル 14 7
米州開発銀行 3.64%/(b) 2012 年 8月 21 日 2037 年 8月 21 日 米ドル 200 162
米州開発銀行 3.68%/(b) 2012 年 9月 28 日 2037 年 9月 15 日 米ドル 44 25
米州開発銀行 (b) 2012 年 11 月 29 日 2037 年 11 月 15 日 米ドル 3 2
米州開発銀行 3.67%/(b) 2012 年 7月 31 日 2037 年 7月 31 日 米ドル 300 230
米州開発銀行 (b) 2012 年 10 月 30 日 2037 年 10 月 30 日 米ドル 80 55
米州開発銀行 3.71%/(b) 2013 年 3月 19 日 2038 年 3月 15 日 米ドル 200 155
米州開発銀行 3.71%/(b) 2013 年 3月 19 日 2037 年 3月 15 日 米ドル 500 279
米州開発銀行 3.70%/(b) 2013 年 1月 30 日 2038 年 1月 15 日 米ドル 50 18
米州開発銀行 3.68%/(b) 2013 年 5月 6日 2038 年 4月 15 日 米ドル 154 111
米州開発銀行 (b) 2013 年 5月 16 日 2038 年 5月 15 日 米ドル 60 47
米州開発銀行 (b) 2013 年 5月 17 日 2038 年 5月 15 日 米ドル 60 45
米州開発銀行 3.75%/(b) 2013 年 10 月 28 日 2038 年 10 月 15 日 米ドル 280 221
米州開発銀行 3.77%/(b) 2013 年 12 月 13 日 2038 年 11 月 15 日 米ドル 300 245
米州開発銀行 3.78%/(b) 2014 年 3月 10 日 2039 年 2月 15 日 米ドル 19 16
米州開発銀行 (b) 2014 年 3月 26 日 2039 年 3月 15 日 米ドル 50 39
米州開発銀行 (b) 2014 年 3月 26 日 2039 年 3月 15 日 米ドル 300 263
米州開発銀行 3.79%/(b) 2014 年 3月 29 日 2039 年 3月 15 日 米ドル 180 138
米州開発銀行 3.79%/(b) 2014 年 3月 29 日 2039 年 3月 15 日 米ドル 24 17
米州開発銀行 3.82%/(b) 2014 年 9月 30 日 2039 年 9月 15 日 米ドル 145 106
米州開発銀行 (b) 2014 年 12 月 9日 2039 年 11 月 15 日 米ドル 100 23
米州開発銀行 (b) 2014 年 12 月 9日 2038 年 11 月 15 日 米ドル 150 114
米州開発銀行 (b) 2015 年 9月 16 日 2040 年 9月 15 日 米ドル 200 185
米州開発銀行 (b) 2015 年 10 月 30 日 2040 年 10 月 15 日 米ドル 150 136
米州開発銀行 (b) 2015 年 10 月 30 日 2040 年 10 月 15 日 米ドル 200 133
米州開発銀行 (b) 2016 年 5月 19 日 2041 年 5月 15 日 米ドル 200 187
米州開発銀行 (b) 2016 年 10 月 25 日 2041 年 10 月 15 日 米ドル 20 19
米州開発銀行 (b) 2017 年 5月 11 日 2042 年 4月 15 日 米ドル 320 258
米州開発銀行 (b) 2017 年 2月 22 日 2042 年 2月 15 日 米ドル 120 70
米州開発銀行 (b) 2017 年 5月 11 日 2042 年 4月 15 日 米ドル 100 86
米州開発銀行 (b) 2017 年 5月 31 日 2042 年 5月 15 日 米ドル 40 24
米州開発銀行 (b) 2017 年 5月 31 日 2042 年 5月 15 日 米ドル 100 93
米州開発銀行 (b) 2017 年 7月 26 日 2042 年 7月 15 日 米ドル 13 9
米州開発銀行 (b) 2017 年 7月 26 日 2042 年 7月 15 日 米ドル 74 17
米州開発銀行 (b) 2017 年 9月 13 日 2042 年 8月 15 日 米ドル 300 260
米州開発銀行 (b) 2017 年 9月 29 日 2042 年 9月 15 日 米ドル 200 100
米州開発銀行 (b) 2017 年 10 月 31 日 2042 年 10 月 15 日 米ドル 200 121
米州開発銀行 (b) 2017 年 11 月 3日 2042 年 10 月 15 日 米ドル 25 18
米州開発銀行 (b) 2017 年 11 月 30 日 2037 年 11 月 15 日 米ドル 200 200
米州開発銀行 (b) 2018 年 1月 16 日 2043 年 1月 15 日 米ドル 50 46
米州開発銀行 (b) 2018 年 1月 16 日 2043 年 1月 15 日 米ドル 50 45
米州開発銀行 (b) 2018 年 5月 31 日 2043 年 5月 15 日 米ドル 200 75
米州開発銀行 (b) 2018 年 6月 15 日 2043 年 6月 15 日 米ドル 200 109
米州開発銀行 (b) 2018 年 6月 19 日 2043 年 6月 15 日 米ドル 20 0.48308
米州開発銀行 (b) 2018 年 8月 21 日 2038 年 8月 15 日 米ドル 300 300
米州開発銀行 (b) 2018 年 11 月 26 日 2043 年 11 月 15 日 米ドル 200 200
米州開発銀行 (b) 2018 年 12 月 3日 2043 年 11 月 15 日 米ドル 900 900
米州開発銀行 0.75% 2019 年 4月 22 日 2039 年 1月 15 日 米ドル 200 100
米州開発銀行 (b) 2019 年 5月 3日 2044 年 4月 15 日 米ドル 900 22
米州開発銀行 (b) 2019 年 5月 15 日 2039 年 5月 15 日 米ドル 300 300
米州開発銀行 (b) 2019 年 6月 11 日 2046 年 1月 15 日 米ドル 324 4
米州開発銀行 (b) 2019 年 6月 12 日 2039 年 5月 15 日 米ドル 200 200
米州開発銀行 (b) 2019 年 9月 4日 2044 年 9月 15 日 米ドル 150 18
米州開発銀行 (b) 2019 年 11 月 28 日 2044 年 11 月 15 日 米ドル 300 56
米州開発銀行 (b) 2020 年 3月 20 日 2045 年 3月 15 日 米ドル 40 9
米州開発銀行 (b) 2020 年 4月 8日 2045 年 3月 15 日 米ドル 600 599
米州開発銀行 (b) 2020 年 4月 24 日 2045 年 4月 15 日 米ドル 300 22
米州開発銀行 (b) 2020 年 9月 2日 2043 年 8月 15 日 米ドル 490 403
米州開発銀行 (b) 2020 年 9月 16 日 2045 年 7月 15 日 米ドル 50 33
米州開発銀行 (b) 2020 年 10 月 20 日 2043 年 9月 15 日 米ドル 500 480
米州開発銀行 (b) 2021 年 1月 20 日 2042 年 2月 15 日 米ドル 20 2
米州開発銀行 (b) 2021 年 9月 28 日 2046 年 9月 15 日 米ドル 200 199
米州開発銀行 (b) 2021 年 10 月 13 日 2046 年 9月 15 日 米ドル 230 56
米州開発銀行 (b) 2021 年 11 月 1日 2046 年 10 月 15 日 米ドル 130 24
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
米州開発銀行 (b) 2021 年 11 月 17 日 2045 年 5月 15 日 米ドル 200 21
米州開発銀行 (b) 2022 年 1月 17 日 2047 年 1月 15 日 米ドル 100 5
米州開発銀行 (b) 2022 年 3月 3日 2047 年 2月 15 日 米ドル 150 12
米州開発銀行 (b) 2022 年 9月 6日 2047 年 8月 15 日 米ドル 33 2
米州開発銀行 (b) 2022 年 10 月 14 日 2029 年 3月 15 日 米ドル 700 700
米州開発銀行 (b) 500 500
2022 年 12 月 1日 2042 年 11 月 15 日 米ドル
合計 25,041 14,636
ラプラタ河流域開発基金 ゼロクーポン 2010 年 6月 4日 2029 年 12 月 2日 米ドル 1 1
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2014 年 5月 7日 2029 年 5月 3日 米ドル 25 13
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2015 年 2月 20 日 2030 年 2月 15 日 米ドル 10 1
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2015 年 6月 25 日 2030 年 6月 20 日 米ドル 35 22
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2015 年 6月 16 日 2030 年 6月 13 日 米ドル 28 14
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2015 年 3月 20 日 2030 年 3月 14 日 米ドル 18 10
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2017 年 3月 16 日 2025 年 3月 11 日 米ドル 12 6
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2017 年 3月 10 日 2025 年 3月 24 日 米ドル 7 3
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2017 年 4月 1日 2025 年 3月 28 日 米ドル 20 10
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2017 年 5月 11 日 2029 年 5月 6日 米ドル 20 16
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2017 年 6月 1日 2029 年 5月 27 日 米ドル 35 11
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2017 年 6月 1日 2029 年 5月 27 日 米ドル 20 1
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2017 年 6月 8日 2025 年 6月 4日 米ドル 10 0.04111
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2017 年 7月 3日 2025 年 6月 30 日 米ドル 40 19
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2018 年 6月 15 日 2033 年 6月 15 日 米ドル 22 8
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2018 年 10 月 23 日 2026 年 9月 15 日 米ドル 7 6
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2018 年 10 月 23 日 2032 年 10 月 21 日 米ドル 40 34
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2019 年 1月 21 日 2030 年 9月 15 日 米ドル 50 47
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2019 年 8月 7日 2034 年 9月 15 日 米ドル 30 9
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2019 年 9月 9日 2034 年 3月 15 日 米ドル 120 29
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2019 年 11 月 4日 2039 年 5月 4日 米ドル 50 50
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2020 年 5月 28 日 2028 年 10 月 15 日 米ドル 12 12
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2021 年 2月 22 日 2033 年 3月 15 日 米ドル 30 18
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2021 年 6月 3日 2036 年 9月 15 日 米ドル 28 5
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2021 年 7月 23 日 2029 年 3月 15 日 米ドル 5 0.19400
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2021 年 9月 2日 2036 年 9月 15 日 米ドル 18 2
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2021 年 9月 13 日 2029 年 9月 15 日 米ドル 5 1
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2022 年 1月 11 日 2030 年 3月 15 日 米ドル 15 2
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2022 年 1月 19 日 2037 年 9月 15 日 米ドル 13 1
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2022 年 2月 16 日 2037 年 3月 15 日 米ドル 12 1
ラプラタ河流域開発基金 (c) 25 3
2022 年 2月 23 日 2037 年 3月 15 日 米ドル
合計 763 354
国際農業開発基金 (d) 2008 年 10 月 17 日 2024 年 10 月 1日 米ドル 19 2
国際農業開発基金 (d) 2011 年 11 月 25 日 2030 年 6月 1日 米ドル 8 2
国際農業開発基金 (d) 2011 年 11 月 25 日 2030 年 6月 1日 ユーロ 50 14
国際農業開発基金 (d) 2017 年 4月 21 日 2029 年 6月 1日 米ドル 12 5
国際農業開発基金 (d) 2017 年 3月 13 日 2029 年 12 月 1日 ユーロ 24 11
国際農業開発基金 (d) 7 1
2021 年 11 月 30 日 2053 年 11 月 15 日 米ドル
合計 120 36
アンデス開発公社 (c) 2008 年 5月 21 日 2023 年 5月 21 日 米ドル 95 5
アンデス開発公社 (c) 2010 年 7月 29 日 2024 年 1月 29 日 米ドル 100 10
アンデス開発公社 (c) 2010 年 7月 29 日 2025 年 7月 29 日 米ドル 64 4
アンデス開発公社 (c) 2010 年 12 月 10 日 2025 年 12 月 10 日 米ドル 36 125
アンデス開発公社 (c) 2011 年 3月 18 日 2026 年 3月 18 日 米ドル 500 76
アンデス開発公社 (c) 2011 年 3月 18 日 2023 年 3月 18 日 米ドル 326 1
アンデス開発公社 (c) 2011 年 3月 18 日 2026 年 3月 18 日 米ドル 8 45
アンデス開発公社 (c) 2012 年 4月 23 日 2024 年 4月 23 日 米ドル 140 11
アンデス開発公社 (c) 2012 年 7月 20 日 2024 年 7月 20 日 米ドル 100 13
アンデス開発公社 (c) 2012 年 3月 30 日 2024 年 4月 23 日 米ドル 50 3
アンデス開発公社 (c) 2012 年 8月 30 日 2024 年 8月 30 日 米ドル 14 14
アンデス開発公社 (c) 2012 年 11 月 15 日 2027 年 11 月 15 日 米ドル 65 56
アンデス開発公社 (c) 2012 年 8月 9日 2024 年 8月 9日 米ドル 168 5
アンデス開発公社 (c) 2012 年 12 月 18 日 2024 年 12 月 18 日 米ドル 30 14
アンデス開発公社 (c) 2012 年 12 月 18 日 2027 年 12 月 18 日 米ドル 240 31
アンデス開発公社 (c) 2012 年 12 月 18 日 2027 年 12 月 18 日 米ドル 70 98
アンデス開発公社 (c) 2012 年 12 月 18 日 2024 年 12 月 18 日 米ドル 250 33
アンデス開発公社 (c) 2013 年 2月 6日 2025 年 2月 6日 米ドル 75 8
アンデス開発公社 (c) 2013 年 2月 6日 2025 年 2月 6日 米ドル 42 10
アンデス開発公社 (c) 2013 年 2月 6日 2031 年 2月 6日 米ドル 50 146
アンデス開発公社 (c) 2014 年 4月 15 日 2029 年 4月 15 日 米ドル 150 87
アンデス開発公社 (c) 2014 年 6月 18 日 2026 年 6月 18 日 米ドル 150 7
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
アンデス開発公社 (c) 2014 年 6月 18 日 2028 年 12 月 18 日 米ドル 75 28
アンデス開発公社 (c) 2014 年 6月 18 日 2029 年 6月 18 日 米ドル 60 85
アンデス開発公社 (c) 2014 年 8月 19 日 2026 年 8月 19 日 米ドル 120 53
アンデス開発公社 (c) 2014 年 9月 4日 2029 年 9月 4日 米ドル 90 45
アンデス開発公社 (c) 2014 年 9月 30 日 2026 年 9月 30 日 米ドル 90 15
アンデス開発公社 (c) 2014 年 10 月 21 日 2029 年 10 月 21 日 米ドル 50 50
アンデス開発公社 (c) 2015 年 5月 19 日 2027 年 5月 19 日 米ドル 70 27
アンデス開発公社 (c) 2015 年 6月 15 日 2027 年 6月 15 日 米ドル 70 62
アンデス開発公社 (c) 2015 年 7月 21 日 2027 年 7月 21 日 米ドル 100 2
アンデス開発公社 (c) 2016 年 3月 9日 2031 年 3月 9日 米ドル 9 108
アンデス開発公社 (c) 2016 年 8月 12 日 2023 年 8月 12 日 米ドル 400 0.35674
アンデス開発公社 (c) 2016 年 8月 12 日 2028 年 8月 12 日 米ドル 150 8
アンデス開発公社 (c) 2017 年 1月 30 日 2032 年 1月 30 日 米ドル 120 331
アンデス開発公社 (c) 2017 年 7月 4日 2032 年 7月 4日 米ドル 70 125
アンデス開発公社 (c) 2017 年 11 月 21 日 2032 年 11 月 21 日 米ドル 57 1
アンデス開発公社 (c) 2017 年 11 月 15 日 2029 年 11 月 15 日 米ドル 75 70
アンデス開発公社 (c) 2018 年 1月 16 日 2033 年 1月 16 日 米ドル 150 20
アンデス開発公社 (c) 2018 年 2月 15 日 2033 年 2月 15 日 米ドル 119 7
アンデス開発公社 (c) 2018 年 8月 21 日 2025 年 8月 21 日 米ドル 100 377
アンデス開発公社 (c) 2018 年 9月 17 日 2030 年 9月 17 日 米ドル 750 120
アンデス開発公社 (c) 2019 年 2月 22 日 2034 年 2月 22 日 米ドル 300 9
アンデス開発公社 (c) 2020 年 3月 10 日 2035 年 3月 30 日 米ドル 300 14
アンデス開発公社 (c) 2020 年 3月 30 日 2035 年 3月 30 日 米ドル 150 44
アンデス開発公社 (c) 2020 年 6月 1日 2032 年 6月 1日 米ドル 55 36
アンデス開発公社 (c) 2020 年 11 月 27 日 2040 年 11 月 27 日 米ドル 40 299
アンデス開発公社 (c) 2021 年 6月 7日 2036 年 6月 7日 米ドル 244 48
アンデス開発公社 (c) 2021 年 8月 19 日 2037 年 2月 19 日 米ドル 75 21
アンデス開発公社 (c) 2021 年 10 月 18 日 2041 年 10 月 18 日 米ドル 75 75
アンデス開発公社 (c) 2021 年 10 月 18 日 2036 年 10 月 18 日 米ドル 300 299
アンデス開発公社 (c) 2021 年 10 月 18 日 2035 年 10 月 18 日 米ドル 100 100
アンデス開発公社 (c) 2021 年 10 月 18 日 2036 年 10 月 18 日 米ドル 40 12
アンデス開発公社 (c) 2021 年 11 月 3日 2037 年 3月 7日 米ドル 200 5
アンデス開発公社 (c) 2022 年 1月 26 日 2037 年 1月 26 日 米ドル 100 19
アンデス開発公社 (c) 2022 年 6月 24 日 2037 年 6月 24 日 米ドル 100 11
アンデス開発公社 (c) 2022 年 6月 24 日 2037 年 6月 27 日 米ドル 75 3
アンデス開発公社 (c) 2022 年 8月 19 日 2037 年 8月 21 日 米ドル 75 75
アンデス開発公社 (c) 2022 年 8月 19 日 2037 年 8月 21 日 米ドル 75 75
アンデス開発公社 (c) 2022 年 8月 19 日 2037 年 8月 21 日 米ドル 100 100
アンデス開発公社 (c) 50 50
2022 年 11 月 24 日 2043 年 5月 24 日 米ドル
合計 7,902 3,631
欧州投資銀行 (c) 2017 年 11 月 2日 2027 年 9月 15 日 米ドル 71 50
欧州投資銀行 (c) 100 100
2021 年 12 月 17 日 2046 年 9月 30 日 米ドル
合計 171 150
中米経済統合銀行 (c) 2016 年 10 月 21 日 2032 年 12 月 19 日 米ドル 71 19
中米経済統合銀行 (c) 2018 年 1月 20 日 2036 年 8月 16 日 米ドル 30 17
中米経済統合銀行 (c) 2020 年 9月 17 日 2035 年 2月 25 日 米ドル 32 4
中米経済統合銀行 (c) 2021 年 9月 24 日 2041 年 11 月 26 日 米ドル 50 38
中米経済統合銀行 (c) 2021 年 9月 28 日 2041 年 12 月 10 日 米ドル 50 10
中米経済統合銀行 (c) 2021 年 10 月 5日 2042 年 8月 28 日 米ドル 50 1
中米経済統合銀行 (c) 50 50
2022 年 12 月 16 日 2042 年 12 月 22 日 米ドル
合計 333 138
IMF IMF レート 45,965 45,707
2018 年 6月 20 日 2033 年 2月 1日 SDR
合計 45,965 45,707
パリクラブ・ラウンド 3.9%
8,559 1,928
2014 年 4月 30 日 2028 年 9月 30 日 多種
6
合計 8,559 1,928
(a) 世界銀行の変動利率 + スプレッド
(b) 米州開発銀行の変動利率
(c) 6ヶ月物 LIBOR + スプレッド
(d) 国際農業開発基金の変動利率
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
外貨建債務
間接債務
元本金額
2022 年
12 月 31 日
融資機関 利率 発行日 最終満期 通貨 額面金額 現在残高
(単位:百万ドル)
世界銀行 (a) 2008 年 5月 30 日 2023 年 4月 15 日 米ドル 264 5
世界銀行
2011 年 5月 30 日 2040 年 11 月 15 日 27 22
(a) 米ドル
世界銀行 (a) 2011 年 8月 31 日 2040 年 2月 15 日 米ドル 49 34
世界銀行 (a) 2012 年 2月 6日 2039 年 2月 15 日 米ドル 50 40
世界銀行 (a) 2016 年 11 月 10 日 2038 年 4月 15 日 米ドル 200 170
世界銀行 (a) 2017 年 12 月 21 日 2045 年 12 月 1日 米ドル 170 155
世界銀行 (a) 2017 年 12 月 21 日 2046 年 7月 15 日 米ドル 30 9
世界銀行 (a) 2017 年 12 月 21 日 2046 年 3月 15 日 米ドル 300 130
世界銀行 (a) 2019 年 10 月 24 日 2051 年 8月 15 日 米ドル 150 138
世界銀行 100 9
2020 年 12 月 11 日 2049 年 3月 15 日
(a) 米ドル
合計 1,340 713
米州開発銀行 (b) 2003 年 12 月 4日 2028 年 12 月 4日 米ドル 214 10
米州開発銀行 (b) 2004 年 3月 9日 2024 年 3月 9日 米ドル 200 1
米州開発銀行 (b) 2005 年 8月 24 日 2025 年 8月 24 日 米ドル 70 15
米州開発銀行 5.49%/(b) 2006 年 11 月 7日 2031 年 11 月 7日 米ドル 180 77
米州開発銀行 (b) 2006 年 11 月 7日 2031 年 11 月 7日 米ドル 230 111
米州開発銀行 4.59%/(b) 2007 年 2月 5日 2032 年 2月 5日 米ドル 33 16
米州開発銀行 (b) 2008 年 4月 17 日 2033 年 4月 17 日 米ドル 100 54
米州開発銀行 (b) 2009 年 1月 15 日 2034 年 1月 15 日 米ドル 58 34
米州開発銀行 (b) 2010 年 6月 30 日 2035 年 6月 15 日 米ドル 25 16
米州開発銀行 (b) 2012 年 1月 19 日 2037 年 1月 19 日 米ドル 30 10
米州開発銀行 (b) 2013 年 5月 6日 2038 年 4月 15 日 米ドル 34 23
米州開発銀行 (b) 2014 年 12 月 10 日 2038 年 11 月 15 日 米ドル 230 107
米州開発銀行 (b) 2015 年 3月 6日 2040 年 2月 15 日 米ドル 50 47
米州開発銀行 (b) 2018 年 8月 31 日 2043 年 8月 15 日 米ドル 100 99
米州開発銀行 (b) 2018 年 12 月 20 日 2043 年 12 月 15 日 米ドル 34 10
米州開発銀行 (b) 2018 年 12 月 20 日 2043 年 12 月 15 日 米ドル 11 7
米州開発銀行 (b) 2019 年 7月 2日 2044 年 6月 15 日 米ドル 50 19
米州開発銀行 (b) 2019 年 9月 16 日 2044 年 9月 15 日 米ドル 50 7
米州開発銀行 (b) 2019 年 11 月 20 日 2044 年 11 月 15 日 米ドル 150 11
米州開発銀行 (b) 2020 年 3月 20 日 2045 年 3月 15 日 米ドル 200 150
米州開発銀行 (b) 2020 年 9月 18 日 2045 年 9月 15 日 米ドル 80 5
米州開発銀行
(b) 2020 年 12 月 23 日 2045 年 6月 15 日 米ドル 100 6
米州開発銀行 (b) 2022 年 3月 22 日 2047 年 2月 15 日 米ドル 50 7
米州開発銀行 300 168
2022 年 9月 29 日 2047 年 9月 15 日
(b) 米ドル
合計 2,579 1,012
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2008 年 8月 26 日 2028 年 7月 26 日 米ドル 47 24
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2019 年 11 月 21 日 2034 年 9月 15 日 米ドル 50 50
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2019 年 12 月 2日 2035 年 3月 15 日 米ドル 11 11
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2019 年 12 月 2日 2034 年 3月 15 日 米ドル 41 27
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2021 年 3月 3日 2033 年 3月 15 日 米ドル 40 18
ラプラタ河流域開発基金 (c) 2021 年 6月 1日 2036 年 3月 15 日 米ドル 20 2
ラプラタ河流域開発基金 15 5
2021 年 6月 29 日 2036 年 9月 15 日
(c) 米ドル
合計 224 137
アンデス開発公社 (c) 2016 年 7月 19 日 2028 年 7月 19 日 米ドル 49 33
アンデス開発公社 (c) 2017 年 7月 4日 2029 年 7月 4日 米ドル 13 5
アンデス開発公社 (c) 2017 年 10 月 27 日 2029 年 10 月 27 日 米ドル 10 4
アンデス開発公社 (c) 2017 年 10 月 27 日 2032 年 10 月 27 日 米ドル 100 20
アンデス開発公社 (c) 2020 年 3月 30 日 2035 年 3月 30 日 米ドル 100 85
アンデス開発公社 (c) 2020 年 3月 30 日 2035 年 3月 30 日 米ドル 100 66
アンデス開発公社 (c) 2020 年 3月 30 日 2035 年 3月 30 日 米ドル 100 4
アンデス開発公社 (c) 2020 年 11 月 11 日 2035 年 11 月 11 日 米ドル 120 2
アンデス開発公社 (c) 2021 年 1月 27 日 2036 年 1月 27 日 米ドル 50 18
アンデス開発公社 (c) 2021 年 4月 27 日 2036 年 4月 21 日 米ドル 75 29
アンデス開発公社 (c) 2021 年 6月 18 日 2037 年 6月 18 日 米ドル 75 30
アンデス開発公社 (c) 米ドル 75 5
2022 年 8月 19 日 2036 年 8月 19 日
合計 867 300
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
OPEC 国際開発基金 5.00% 2015 年 2月 23 日 2032 年 9月 15 日 米ドル 50 36
OPEC 国際開発基金 5.00% 2018 年 2月 2日 2032 年 2月 15 日 米ドル 50 33
OPEC 国際開発基金 5.10% 2018 年 12 月 14 日 2036 年 6月 15 日 米ドル 50 37
OPEC 国際開発基金 5.00% 米ドル 50 38
2018 年 10 月 19 日 2036 年 5月 15 日
合計 200 145
欧州投資銀行 (c) 2018 年 11 月 29 日 2036 年 10 月 20 日 米ドル 45 16
欧州投資銀行 (c) 米ドル 104 45
2018 年 11 月 29 日 2039 年 4月 20 日
合計 149 60
(a) 世界銀行の変動利率 + スプレッド
(b) 米州開発銀行の変動利率
(c) 6か月物 LIBOR + スプレッド
203/224
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
ペソ建債務
直接債務
ペソ建支払継続債券
元本金額
2022 年
12 月 31 日
債券 利率 発行日 最終満期 通貨 額面金額 現在残高
(単位:百万ドル)
BOCON 10ºS./$/BADLAR/02-05-
民間部門 Badlar
2022 年 5月 2日 2029 年 5月 2日 ペソ 0.04634 0.06006
金利
2029/PR17
BONAR/$/6,72763943919512%/31-
6.7276% 2018 年 4月 3日 2028 年 12 月 31 日 ペソ 206 136
12-2028
ドル
(1)
ゼロクーポン 2022 年 8月 12 日 2023 年 6月 30 日 4,641 4,641
BONAR/DLK/DUAL/30-06-2023
連動型
ドル
(1)
ゼロクーポン 2022 年 8月 12 日 2023 年 7月 31 日 9,576 9,576
BONAR/DLK/DUAL/31-07-2023
連動型
ドル
(1)
ゼロクーポン 2022 年 8月 12 日 2023 年 9月 29 日 5,240 5,240
BONAR/DLK/DUAL/29-09-2023
連動型
ドル
(1)
ゼロクーポン 2022 年 9月 30 日 2024 年 2月 28 日 710 710
BONAR/DLK/DUAL/28-02-2024
連動型
BONO CONSOLIDADO/$/02-01-2089
ゼロクーポン 1990 年 1月 2日 2089 年 1月 2日 ペソ 5 4
BONTE/$/15,50%/17-10-2026 15.5000% 2016 年 10 月 17 日 2026 年 10 月 17 日 ペソ 545 545
BONTE/$/16,00%/17-10-2023 16.0000% 2016 年 10 月 17 日 2023 年 10 月 17 日 ペソ 362 362
43.25% /
BONTE/$/43,25% o
2022 年 5月 23 日 2027 年 5月 23 日 ペソ 3,130 3,130
1.00% + CER
1,00%+CER/23-05-2027
民間部門
BONTE/$/BADLAR/05-07-2030 2021 年 7月 5日 2030 年 7月 5日 ペソ 116 116
Badlar 金利
民間部門
BONTE/$/BADLAR/22-12-2026 2021 年 12 月 22 日 2026 年 12 月 22 日 ペソ 27 27
Badlar 金利
BONTE/$/BADLAR+0,70%/23-11-
(a) 2022 年 11 月 23 日 2027 年 11 月 23 日 ペソ 749 749
2027
BONTE/$/BADLAR+4,00%/17-08-
(a) 2021 年 8月 17 日 2031 年 8月 17 日 ペソ 67 58
2031
BONTE/$/BADLAR+5,00%/18-4-
(a) 2022 年 4月 18 日 2024 年 4月 18 日 ペソ 52 52
2024
BONTE/$/BADLAR+5,25%/06-02-
(a) 2021 年 2月 5日 2023 年 2月 6日 ペソ 517 517
2023
ドル
(1)
0.3000% 2021 年 9月 13 日 2023 年 4月 28 日 3,017 3,017
BONTE/DLK/0,30%/28-04-2023
連動型
ドル
(1)
0.4000% 2022 年 4月 18 日 2024 年 4月 30 日 1,278 1,278
BONTE/DLK/0,40%/30-04-2024
連動型
ドル
(1)
ゼロクーポン 2022 年 12 月 16 日 2023 年 4月 28 日 83 83
BONTE/DLK/28-04-2023
連動型
ドル
(1)
ゼロクーポン 2022 年 7月 15 日 2023 年 7月 31 日 1,298 1,298
BONTE/DLK/31-07-2023
連動型
LEDES/$/28-02-2023 ゼロクーポン 2022 年 7月 15 日 2023 年 2月 28 日 ペソ 2,417 2,417
LEDES/$/28-04-2023 ゼロクーポン 2022 年 7月 15 日 2023 年 4月 28 日 ペソ 3,339 3,339
LEDES/$/31-01-2023 ゼロクーポン 2022 年 8月 31 日 2023 年 1月 31 日 ペソ 1,261 1,261
LEDES/$/31-03-2023 ゼロクーポン 2022 年 11 月 23 日 2023 年 3月 31 日 ペソ 3,500 3,500
LEDES/$/31-05-2023 ゼロクーポン 2022 年 12 月 30 日 2023 年 5月 31 日 ペソ 712 712
LELITE/21D/$/20-01-2023 ゼロクーポン 2022 年 12 月 30 日 2023 年 1月 20 日 ペソ 301 301
LETRA/$/BADLAR/INTRA-SP/16- 公共部門
2022 年 12 月 21 日 2023 年 6月 16 日 ペソ 607 607
06-2023 Badlar 金利
LETRA/$/BADLAR/INTRA-SP/27- 公共部門
2022 年 9月 28 日 2023 年 3月 27 日 ペソ 250 250
03-2023 Badlar 金利
ドル
(1)
ゼロクーポン 2022 年 9月 21 日 2024 年 9月 21 日 66 66
LETRA/DLK/CMEA/21-09-2024
連動型
安全保障および防衛 ペソ - 0.00068
ペソ +
PR13/$+CER/2,00%/15-03-2024 2.0000% 2004 年 3月 15 日 2024 年 3月 15 日 11 86
CER
ペソ +
BONCER/$+CER/4,00%/06-03-2023 4.0000% 2018 年 3月 6日 2023 年 3月 6日 160 1,332
CER
ペソ +
BONCER/$+CER/4,00%/27-04-2025 4.0000% 2018 年 4月 27 日 2025 年 4月 27 日 164 1,318
CER
ペソ +
BONCER/$+CER/1,40%/25-03-2023 1.4000% 2020 年 3月 25 日 2023 年 3月 25 日 1,739 6,272
CER
ペソ +
BONCER/$+CER/1,50%/25-03-2024 1.5000% 2020 年 3月 25 日 2024 年 3月 25 日 1,952 7,041
CER
204/224
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
ペソ +
BONCER/$+CER//1,45%/13-08-
1.4500% 2020 年 8月 13 日 2023 年 8月 13 日 2,440 7,995
2023
CER
ペソ +
BONCER/$+CER/2,00%/09-11-2026 2.0000% 2020 年 9月 4日 2026 年 11 月 9日 1,077 3,481
CER
ペソ +
BONCER/$+CER/2,25%/09-11-2028 2.2500% 2020 年 9月 4日 2028 年 11 月 9日 429 1,385
CER
ペソ +
BONCER/$+CER/1,55%/26-07-2024 1.5500% 2021 年 2月 26 日 2024 年 7月 26 日 1,778 4,779
CER
ペソ +
BONCER/$+CER/1,80%/09-11-2025 1.8000% 2022 年 5月 23 日 2025 年 11 月 9日 272 418
CER
ペソ +
BONCER/$+CER/2,50%/30-11-2031 2.5000% 2022 年 5月 31 日 2031 年 11 月 30 日 257 389
CER
PAR/$+CER/FIJA/31-12- ペソ +
1.7700% 2003 年 12 月 31 日 2038 年 12 月 31 日 16 805
2038/DTO. 1735-04
CER
PAR/$+CER/FIJA/31-12- ペソ +
1.7700% 2003 年 12 月 31 日 2038 年 12 月 31 日 0.06349 3
2038/DTO. 563-10
CER
DISCOUNT/$+CER/31-12- ペソ +
5.8300% 2003 年 12 月 31 日 2033 年 12 月 31 日 59 3,777
2033/DTO. 1735-04
CER
DISCOUNT/$+CER/31-12- ペソ +
5.8300% 2003 年 12 月 31 日 2033 年 12 月 31 日 1 45
2033/DTO. 563-10
CER
CUASIPAR/$+CER/31-12- ペソ +
3.3100% 2003 年 12 月 31 日 2045 年 12 月 31 日 132 9,269
2045/DTO. 1735-04
CER
ペソ +
LECERs/$+CER/20-01-2023 ゼロクーポン 2022 年 1月 31 日 2023 年 1月 20 日 2,709 4,994
CER
ペソ +
LECERs/$+CER/17-02-2023 ゼロクーポン 2022 年 3月 2日 2023 年 2月 17 日 2,164 3,839
CER
ペソ +
LECERs/$+CER/21-04-2023 ゼロクーポン 2022 年 3月 31 日 2023 年 4月 21 日 1,942 3,305
CER
ペソ +
LECERs/$+CER/19-05-2023 ゼロクーポン 2022 年 4月 29 日 2023 年 5月 19 日 2,802 4,524
CER
ペソ +
LECERs/$+CER/16-06-2023 ゼロクーポン 2022 年 8月 31 日 2023 年 6月 16 日 1,014 1,300
CER
ペソ +
LECERs/$+CER/18-09-2023 ゼロクーポン 2022 年 9月 30 日 2023 年 9月 18 日 273 327
CER
ペソ +
安全保障および防衛 - 1
CER
合計
65,465 110,682
(1) 満期において中央銀行が公表する公的為替レートによりペソで支払われる米ドル建債券に相当
(a) 民間部門 BADLAR 金利 + スプレッド
205/224
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
直接債務
外貨建支払継続債券
元本金額
2022 年
12 月 31 日
債券 利率 発行日 最終満期 通貨 額面金額 現在残高
(単位:百万ドル)
BONO GLOBAL/U$S/STEP UP/09-
0.5000% 2020 年 9月 4日 2030 年 7月 9日 米ドル 16,091 16,091
07-
2030
BONO GLOBAL/U$S/STEP UP/09-
1.5000% 2020 年 9月 4日 2035 年 7月 9日 米ドル 20,502 20,502
07-
2035
BONO GLOBAL/U$S/STEP UP/09-
3.8750% 2020 年 9月 4日 2038 年 1月 9日 米ドル 11,405 11,405
01-
2038
BONO GLOBAL/U$S/STEP UP/09-
3.5000% 2020 年 9月 4日 2041 年 7月 9日 米ドル 10,482 10,482
07-
2041
BONO GLOBAL/U$S/1,00%/09-07-
1.0000% 2020 年 9月 4日 2029 年 7月 9日 米ドル 2,635 2,635
2029
BONO GLOBAL/U$S/STEP UP/09-
1.5000% 2020 年 9月 4日 2046 年 7月 9日 米ドル 2,092 2,092
07-
2046
BONO R.A./U$S/STEP UP/09-07-
0.5000% 2020 年 9月 4日 2030 年 7月 9日 米ドル 13,581 13,581
2030
BONO R.A./U$S/STEP UP/09-07-
1.5000% 2020 年 9月 4日 2035 年 7月 9日 米ドル 19,077 19,077
2035
BONO R.A./U$S/STEP UP/09-01-
3.8750% 2020 年 9月 4日 2038 年 1月 9日 米ドル 7,231 7,231
2038
BONO R.A./U$S/STEP UP/09-07-
3.5000% 2020 年 9月 4日 2041 年 7月 9日 米ドル 1,542 1,542
2041
BONO R.A./U$S/1,00%/09-07-
1.0000% 2020 年 9月 4日 2029 年 7月 9日 米ドル 2,196 2,196
2029
BONO GLOBAL/EUR/0,125%/09-07-
0.1250% 2020 年 9月 4日 2030 年 7月 9日 ユーロ 1,247 1,247
2030
BONO GLOBAL/EUR/STEP UP/09-
0.8750% 2020 年 9月 4日 2035 年 7月 9日 ユーロ 320 320
07-
2035
BONO GLOBAL/EUR/STEP UP/09-
3.0000% 2020 年 9月 4日 2038 年 1月 9日 ユーロ 866 866
01-
2038
BONO GLOBAL/EUR/STEP UP/09-
2.7500% 2020 年 9月 4日 2041 年 7月 9日 ユーロ 1,683 1,683
07-
2041
BONO GLOBAL/EUR/0,50%/09-07-
0.5000% 2020 年 9月 4日 2029 年 7月 9日 ユーロ 97 97
2029
BONO GLOBAL/EUR/STEP UP/09-
0.8750% 2020 年 9月 4日 2046 年 7月 9日 ユーロ 266 266
07-
2046
PAR/U$S/TASA FIJA/31-12-
3.7500% 2003 年 12 月 31 日 2038 年 12 月 31 日 米ドル 36 36
2038/DTO. 563-10/LEY NY
PAR/EUR/TASA FIJA/31-12-
3.3800% 2003 年 12 月 31 日 2038 年 12 月 31 日 ユーロ 608 608
2038/DTO. 563-10
PAR/JPY/TASA FIJA/31-12-
0.6700% 2003 年 12 月 31 日 2038 年 12 月 31 日 日本円 132 132
2038/DTO. 1735-04
PAR/JPY/TASA FIJA/31-12-
0.6700% 2003 年 12 月 31 日 2038 年 12 月 31 日 日本円 7 7
2038/DTO. 563-10
DISCOUNT/JPY/4,33%/31-12-
4.3300% 2003 年 12 月 31 日 2033 年 12 月 31 日 日本円 43 52
2033/DTO. 1735-04
DISCOUNT/JPY/4,33%/31-12-
4.3300% 2003 年 12 月 31 日 2033 年 12 月 31 日 日本円 19 23
2033/DTO. 563-10
ゼロクーポ
LETRA/U$S/INTRA-SP/01-03-2023 2022 年 9月 2日 2023 年 3月 1日 米ドル 1,134 1,134
ン
ゼロクーポ
LETRA/U$S/MENDOZA/28-10-2024 2019 年 8月 16 日 2024 年 10 月 28 日 米ドル 1,023 493
ン
LETRA/U$S/FDA/TITULOS/16-01-
Libor-1.00% 2013 年 1月 16 日 2023 年 1月 16 日 米ドル 7,133 7,133
2023
206/224
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
LETRA/U$S/FDA/TITULOS/30-01-
Libor-1.00% 2014 年 1月 30 日 2024 年 1月 30 日 米ドル 7,897 7,897
2024
LETRA/U$S/FDA/TITULOS/01-06-
Libor-1.00% 2015 年 6月 1日 2025 年 6月 1日 米ドル 10,563 10,563
2025
LETRA/U$S/FOI/16-08-2023
Libor-1.00% 2013 年 8月 16 日 2023 年 8月 16 日 米ドル 2,292 2,292
LETRA/U$S/FOI/25-08-2024
Libor-1.00% 2014 年 8月 25 日 2024 年 8月 25 日 米ドル 3,043 3,043
LETRA/U$S/BCRA/29-04-2026
Libor-1.00% 2016 年 4月 29 日 2026 年 4月 29 日 米ドル 376 376
LETRA/U$S/BCRA/30-12-2029 Libor-1.00% 2019 年 12 月 30 日 2029 年 12 月 30 日 米ドル 4,571 4,571
LETRA/U$S/BCRA/20-04-2030 Libor-1.00% 2020 年 4月 20 日 2030 年 4月 20 日 米ドル 119 119
LETRA/U$S/BCRA/07-01-2031 Libor-1.00% 2021 年 1月 7日 2031 年 1月 7日 米ドル 9,628 9,628
LETRA/U$S/BCRA/21-09-2031 Libor-1.00% 2021 年 9月 21 日 2031 年 9月 21 日 米ドル 4,334 4,334
LETRA/U$S/BCRA/20-04-2032 Libor-1.00% 2022 年 4月 20 日 2032 年 4月 20 日 米ドル 7,809 7,809
LETRA/U$S/BCRA/30-09-2032 準備率 2022 年 9月 30 日 2032 年 9月 30 日 米ドル 2,962 2,962
LETRA/U$S/BCRA/30-12-2032 準備率 2022 年 12 月 30 日 2032 年 12 月 30 日 米ドル 982 982
安全保障および防衛 米ドル - 14
合計 176,023 175,519
207/224
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
間接債務
外貨建支払継続債券
元本金額
2022 年
12 月 31 日
債券 利率 発行日 最終満期 通貨 額面金額 現在残高
(単位:百万ドル)
LETRAS EN GARANTIA
ゼロクーポン 2017 年 8月 31 日 2042 年 12 月 31 日 米ドル 3,697 3,120
LETRAS EN GARANTIA
2,221 1,977
ゼロクーポン 2018 年 12 月 21 日 2041 年 12 月 31 日 米ドル
合計 5,918 5,097
208/224
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
ペソ建債務
直接債務
ペソ建債務不履行債券
元本金額
2022 年
12 月 31 日
債券 利率 発行日 最終満期 通貨 額面金額 現在残高
(単位:百万ドル)
変動利率 - 貯
BOCON PREV 2º S. PESOS -PRE3
1992 年 9月 1日 2002 年 9月 1日 ペソ 0.01183 0.00282
蓄預金口座
変動利率 - 貯
BOCON PROV 1º S. PESOS - PRO1
1991 年 4月 1日 2007 年 4月 1日 ペソ 0.06872 0.0504
蓄預金口座
変動利率 - 貯
BOCON PROV 5ª S. PESOS - PRO9
2001 年 4月 15 日 2007 年 4月 15 日 ペソ 0.03475 0.03475
蓄預金口座
変動利率 - 貯
BOCON PROV 2º S. PESOS - PRO3
1994 年 12 月 28 日 2010 年 12 月 28 日 ペソ 0.00074 0.00081
蓄預金口座
変動利率 - 貯
BOCON PROV 3º S. PESOS - PRO5
1999 年 1月 15 日 2007 年 4月 15 日 ペソ 0.03863 0.03399
蓄預金口座
ペソ +
BONEX 1992 / PESIFICADO
2% 1992 年 9月 15 日 2003 年 5月 8日 34 4
CER
ペソ +
BONO/2002 / 9% / PESIFICADO
2% 2001 年 4月 16 日 2002 年 4月 16 日 3 3
CER
ペソ +
BONTE 02 / PESIFICADO
2% 1997 年 5月 9日 2002 年 5月 9日 6 6
CER
ペソ +
BONTE 03 / PESIFICADO
2% 2000 年 2月 21 日 2003 年 5月 21 日 5 5
CER
ペソ +
BONTE 03 V / PESIFICADO
2% 1998 年 7月 21 日 2003 年 7月 21 日 0.21579 0.21579
CER
ペソ +
BONTE 04 / PESIFICADO
2% 1999 年 5月 24 日 2004 年 5月 24 日 1 1
CER
ペソ +
BONTE 05 / PESIFICADO
2% 2000 年 2月 21 日 2005 年 5月 21 日 2 2
CER
ペソ +
BONTE 06 / PESIFICADO
2% 2001 年 2月 21 日 2006 年 5月 15 日 0.02361 0.02361
CER
ペソ +
B-P 02 / E+3,30% / PESIFICADO
2% 2000 年 8月 22 日 2002 年 8月 22 日 1 1
CER
ペソ +
B-P 02 / E+4,00% / PESIFICADO
2% 2000 年 4月 24 日 2002 年 4月 24 日 0.19447 0.19447
CER
ペソ +
B-P 04 / E+4,35% / PESIFICADO
2% 2001 年 2月 16 日 2004 年 2月 16 日 0.05809 0.05809
CER
変動利率 - 貯
DTO.1023 1995 年 4月 24 日 2007 年 4月 1日 ペソ 0.04443 0.03259
蓄預金口座
EUROLETRA/$/11,75%/2007 11.75% 1997 年 2月 12 日 2007 年 2月 12 日 ペソ 0.00181 0.00181
EUROLETRA/$/8,75%/2002 8.75% 1997 年 7月 10 日 2002 年 7月 10 日 ペソ 0.00007 0.00007
ペソ +
FERROBONOS / PESIFICADO
2% 1991 年 10 月 1日 2030 年 10 月 1日 0.00373 0.00373
CER
ペソ +
LETES/Vto:15-02-
2% 2001 年 12 月 14 日 2002 年 2月 15 日 2 2
2002/PESIFICADO
CER
ペソ +
LETES/Vto:15-03-
2% 2001 年 3月 16 日 2002 年 3月 15 日 5 5
2002/PESIFICADO
CER
ペソ +
LETES/Vto:22-02-
2% 2001 年 12 月 28 日 2002 年 2月 22 日 0.4585 0.4585
2002/PESIFICADO
CER
ペソ +
LETES/Vto:08-03-
2% 2001 年 12 月 14 日 2002 年 3月 8日 2 2
2002/PESIFICADO
CER
ペソ +
LETES/Vto:22-03-
2% 2001 年 12 月 28 日 2002 年 3月 22 日 0.50137 1
2002/PESIFICADO
CER
ペソ +
PRE4 / PESIFICADO
2% 1992 年 9月 1日 2002 年 9月 1日 4 1
CER
ペソ +
PRE6 / PESIFICADO
2% 2000 年 1月 1日 2010 年 1月 1日 0.17013 0.28654
CER
ペソ +
PRO10 / PESIFICADO
2% 2001 年 4月 15 日 2007 年 4月 15 日 2 2
CER
ペソ +
PRO2 / PESIFICADO
2% 1991 年 4月 1日 2007 年 4月 1日 11 7
CER
ペソ +
PRO4 / PESIFICADO
2% 1994 年 12 月 28 日 2010 年 12 月 28 日 2 3
CER
ペソ +
PRO6 / PESIFICADO
2% 1999 年 1月 15 日 2007 年 4月 15 日 5 5
CER
209/224
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
ペソ +
0.0801 0.1349
PRO8 / PESIFICADO
2% 2000 年 1月 1日 2016 年 1月 1日
CER
合計 87 52
210/224
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
外貨建債務
直接債務
外貨建債務不履行債券
元本金額
2022 年
12 月 31 日
債券 利率 発行日 最終満期 通貨 額面金額 現在残高
(単位:百万米ドル)
2008 年 12 月 19
GLOBAL BOND/u$s/7%-15,5%/2008
2001 年 6月 19 日 米ドル 8 8
7% - 15.5%
日
GLOBAL BOND/u$s/12,25%/2018
2001 年 6月 19 日 2018 年 6月 19 日 米ドル 61 111
12.25%
GLOBAL BOND/u$s/12%/2031
2001 年 6月 19 日 2031 年 6月 19 日 米ドル 33 58
12%
GLOBAL BOND/$/10%-12%/2008
2001 年 6月 19 日 2008 年 9月 19 日 米ドル 0.00036 0.00036
10% - 12%
LIBOR +
DISCOUNT/u$s/L+0,8125%/2023 1993 年 3月 31 日 2023 年 3月 31 日 米ドル 7 7
0.8125%
PAR BONDS/u$s/6%/2023
1993 年 3月 31 日 2023 年 3月 31 日 米ドル 7 7
6%
LIBOR +
DISCOUNT/DEM/L+0,8125%/2023 1993 年 3月 31 日 2023 年 3月 31 日 ユーロ 0.26812 0.26812
0.8125%
PAR BONDS/DEM/5,87%/2023
1993 年 3月 31 日 2023 年 3月 31 日 ユーロ 4 4
5.87%
FLOATING RATE LIBOR +
1993 年 3月 31 日 2005 年 3月 31 日 米ドル 47 27
BOND/u$s/L+0,8125%/2005 0.8125%
1993 年 12 月 20 2003 年 12 月 20
GLOBAL BOND/u$s/8,375%/2003
米ドル 53 53
8.38% 日 日
GLOBAL BOND/u$s/11%/2006
1996 年 10 月 9日 2006 年 10 月 9日 米ドル 11 11
11%
GLOBAL BOND/u$s/11,375%/2017
1997 年 1月 30 日 2017 年 1月 30 日 米ドル 182 182
11.38%
GLOBAL BOND/u$s/9,75%/2027
1997 年 9月 19 日 2027 年 9月 19 日 米ドル 52 52
9.75%
1997 年 12 月 16 2002 年 11 月 30
SPAN/u$s/SPREAD AJUS+T.F./2002
米ドル 0.45831 0.45831
変動利率 日 日
EUROLETRA/EUR/8,75%/2003 1998 年 2月 4日 2003 年 2月 4日 ユーロ 4 4
8.75%
FRANs/u$s/TASA FLOTANTE/2005
1998 年 4月 13 日 2005 年 4月 10 日 米ドル 0.31400 0.31400
変動利率
GLOBAL BOND/u$s/8,875%/2029
1999 年 3月 1日 2029 年 3月 1日 米ドル 0.00200 0.00200
8.88%
GLOBAL BOND/u$s/11%/2005
1998 年 12 月 4日 2005 年 12 月 4日 米ドル 18 18
11%
GLOBAL BOND/u$s/12,125%/2019
1999 年 2月 25 日 2019 年 2月 25 日 米ドル 3 3
12.13%
LIBOR +
EUROLETRA/u$s/LIBOR+5,75%/2004 1999 年 4月 6日 2004 年 4月 6日 米ドル 0.22679 0.22679
5.75%
GLOBAL BOND/u$s/11,75%/2009
1999 年 4月 7日 2009 年 4月 7日 米ドル 10 10
11.75%
GLOBAL BOND/u$s/CERO CUPON/2000-
1999 年 10 月 15 2004 年 10 月 15
ゼロ
米ドル 0.06300 0.06300
日 日
04 クーポン
GLOBAL BOND/u$s/10,25%/2030
1999 年 7月 21 日 2030 年 7月 21 日 米ドル 0.37600 0.37600
10.25%
GLOBAL BOND/u$s/12,375%/2012
2001 年 2月 21 日 2012 年 2月 21 日 米ドル 36 36
12.38%
BADLAR +
EUROLETRA/u$s/BADLAR+2,98%/2004 2001 年 5月 11 日 2004 年 5月 11 日 米ドル 0.00001 0.00001
2.98%
1996 年 11 月 12
EUROLETRA/JPY/6%/2005 2005 年 3月 24 日 日本円 0.15254 0.15254
6% 日
1996 年 12 月 20 2002 年 12 月 20
EUROLETRA/JPY/5%/2002 日本円 3 3
5% 日 日
EUROLETRA/DEM/7%/2004 1997 年 3月 18 日 2004 年 3月 18 日 ユーロ 26 26
7%
1997 年 10 月 30 2009 年 10 月 30
EUROLETRA/DEM/8%/2009 ユーロ 1 1
8% 日 日
EUROLETRA/EUR/11%-8%/2008 1998 年 2月 26 日 2008 年 2月 26 日 ユーロ 2 2
11% - 8%
8% - 8.25%
EUROLETRA/EUR/8-8,25-9%/2010 1998 年 7月 6日 2010 年 7月 6日 ユーロ 1 1
- 9%
EUROLETRA/DEM/7,875%/2005 1998 年 7月 29 日 2005 年 7月 29 日 ユーロ 0.28618 0.28618
7.88%
1998 年 11 月 19 2008 年 11 月 19
EUROLETRA/DEM/14%-9%/2008 ユーロ 0.16306 0.16306
14% - 9%
日 日
EUROLETRA/JPY/3,50%/2009 1999 年 8月 11 日 2009 年 8月 11 日 日本円 0.15254 0.15254
3.50%
1999 年 12 月 17 2003 年 12 月 17
BONO R.A./JPY/5,40%/2003
日本円 1 1
5.40% 日 日
BONO R.A./EUR/9%/2003
2000 年 6月 20 日 2003 年 6月 20 日 ユーロ 2 2
9%
SAMURAI/JPY/5,125%/2004 2000 年 6月 14 日 2004 年 6月 14 日 日本円 4 4
5.13%
BONO R.A./EUR/10%/2007
2000 年 9月 7日 2007 年 9月 7日 ユーロ 1 1
10%
211/224
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
BONO RA/JPY/SAMURAI/4,85%/2005
2000 年 9月 26 日 2005 年 9月 26 日 日本円 7 7
4.85%
EUROLETRA/ATS/7%/2004 1997 年 3月 18 日 2004 年 3月 18 日 ユーロ 1 1
7%
BONO R.A./EUR/9%/2006
1999 年 4月 26 日 2006 年 4月 26 日 ユーロ 2 2
9%
BONO R.A./EUR/10%/2004
1999 年 12 月 7日 2004 年 12 月 7日 ユーロ 2 2
10%
1999 年 11 月 26 2003 年 11 月 26
BONO R.A./EUR/9,75%/2003
ユーロ 8 8
9.75% 日 日
EUROLETRA/EUR/10%/2005 2000 年 1月 7日 2005 年 1月 7日 ユーロ 4 4
10%
EURIBOR +
1999 年 12 月 22 2004 年 12 月 22
EUROLETRA/EUR/EURIBOR+5,10%/2004 ユーロ 1 1
日 日
5.1%
BONO R.A./EUR/10,25%/2007
2000 年 1月 26 日 2007 年 1月 26 日 ユーロ 1 1
10.25%
EUROLETRA/EUR/8,125%/2004 2000 年 4月 4日 2004 年 10 月 4日 ユーロ 6 6
8.13%
EUROLETRA/EUR/9%/2005 2000 年 5月 24 日 2005 年 5月 24 日 ユーロ 4 4
9%
EUROLETRA/EUR/9,25%/2004 2000 年 7月 20 日 2004 年 7月 20 日 ユーロ 8 8
9.25%
EUROLETRA/EUR/10,00%/2007 2001 年 2月 22 日 2007 年 2月 22 日 ユーロ 2 2
10%
EUROLETRA/ITL/11%/2003 1996 年 11 月 5日 2003 年 11 月 5日 ユーロ 2 2
11%
EUROLETRA/ITL/10%/2007 1997 年 1月 3日 2007 年 1月 3日 ユーロ 1 1
10%
LIBOR +
EUROLETRA/ITL/LIBOR+1,6%/2004 1997 年 5月 27 日 2004 年 5月 27 日 ユーロ 2 2
1.6%
EUROLETRA/ITL/10%-7,625%/2007 1997 年 8月 11 日 2007 年 8月 11 日 ユーロ 2 2
10%-7.625%
1997 年 10 月 21
EUROLETRA/ITL/9,25%-7%/2004 2004 年 3月 18 日 ユーロ 3 3
9.25%-7% 日
1997 年 10 月 24
EUROLETRA/ITL/9%-7%/2004 2004 年 3月 18 日 ユーロ 2 2
9%-7% 日
1995 年 11 月 14 2002 年 11 月 14
EUROLETRA/DEM/10,50%/2002 ユーロ 27 27
10.50% 日 日
EUROLETRA/DEM/10,25%/2003 1996 年 2月 6日 2003 年 2月 6日 ユーロ 27 27
10.25%
EUROLETRA/DEM/11,25%/2006 1996 年 4月 10 日 2006 年 4月 10 日 ユーロ 19 19
11.25%
EUROLETRA/DEM/11,75%/2011 1996 年 5月 20 日 2011 年 5月 20 日 ユーロ 36 36
11.75%
EUROLETRA/DEM/9%/2003 1996 年 9月 19 日 2003 年 9月 19 日 ユーロ 8 8
9%
EUROLETRA/DEM/12%/2016 1996 年 9月 19 日 2016 年 9月 19 日 ユーロ 12 12
12%
1996 年 11 月 13 2026 年 11 月 13
EUROLETRA/DEM/11,75%/2026 ユーロ 15 15
11.75% 日 日
1996 年 12 月 23
EUROLETRA/DEM/8,50%/2005 2005 年 2月 23 日 ユーロ 18 18
8.50% 日
BONO R.A./EUR/10%-8%/2008
1998 年 4月 3日 2008 年 2月 26 日 ユーロ 1 1
10% - 8%
EURO-BONO/ESP/7,50%/2002 1997 年 5月 23 日 2002 年 5月 23 日 ユーロ 4 4
7.50%
スイス
EUROLETRA/CHF/7%/2003 7% 1996 年 12 月 4日 2003 年 12 月 4日 8 8
フラン
英
EUROLETRA/GBP/10%/2007 10% 1997 年 6月 25 日 2007 年 6月 25 日 1 1
ポンド
GLOBAL BOND/EUR/8,125%/2008
8.13% 1998 年 4月 21 日 2008 年 4月 21 日 ユーロ 4 4
EUROLETRA/EUR/CUP-FIJO/2028 固定利率 1998 年 5月 28 日 2028 年 5月 28 日 ユーロ 0.18801 0.18801
EUROLETRA/EUR/8,50%/2010 8.50% 1998 年 7月 30 日 2010 年 7月 30 日 ユーロ 2 2
BONO R.A./EUR/8%/2002
8% 1999 年 2月 25 日 2002 年 2月 25 日 ユーロ 6 6
BONO R.A./EUR/15%-8%/2008 15% - 8%
1999 年 2月 26 日 2008 年 2月 26 日 ユーロ 11 11
10.375% -
2009 年 10 月 30
EUROLETRA/ITL/10,375%-8%/2009 1998 年 3月 12 日 ユーロ 1 1
日
8%
LIBOR +
EUROLETRA/ITL/LIBOR+2,50%/2005 1998 年 7月 8日 2005 年 7月 8日 ユーロ 3 3
2.5%
BONO R.A./EUR/9,50%/2004
9.50% 1999 年 3月 4日 2004 年 3月 4日 ユーロ 1 1
BONO R.A./EUR/14%-8%/2008 14% - 8%
1999 年 4月 6日 2008 年 2月 26 日 ユーロ 2 2
10.5% - 7%
EUROLETRA/EUR/10,50%-7%/2004 1999 年 5月 10 日 2004 年 3月 18 日 ユーロ 3 3
BONO R.A./EUR/9%/2009
9% 1999 年 5月 26 日 2009 年 5月 26 日 ユーロ 1 1
EUROLETRA/EUR/7,125%/2002 7.13% 1999 年 6月 10 日 2002 年 6月 10 日 ユーロ 2 2
BONO R.A./EUR/8,50%/2004
8.50% 1999 年 7月 1日 2004 年 7月 1日 ユーロ 8 8
EURIBOR +
BONO R.A./EUR/EURIBOR+4%/2003
1999 年 7月 22 日 2003 年 7月 22 日 ユーロ 3 3
4%
1999 年 10 月 21 2002 年 10 月 21
BONO R.A./EUR/9,25%/2002
9.25% ユーロ 33 33
日 日
GLOBAL BOND/u$s/12%/2020
12% 2000 年 2月 3日 2020 年 2月 1日 米ドル 2 2
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
GLOBAL BOND/u$s/11,375%/2010
2000 年 3月 15 日 2010 年 3月 15 日 米ドル 9 9
11.38%
GLOBAL BOND/u$s/11,75%/2015
2000 年 6月 15 日 2015 年 6月 15 日 米ドル 8 8
11.75%
25 22
BOCON PRO.3ºS./u$s/L./07/PRO6
1999 年 1月 15 日 2007 年 4月 15 日 米ドル
LIBOR
合計 936 987
213/224
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
③ 最近の動向
外貨建債務
概要
2023 年5月 31 日現在において、総公的債務合計は 2022 年 12 月 31 日現在と比べて 0.6 %減少して 3,988 億米ドルとな
り、そのうち 0.03 %(1億 300 万米ドルに相当)は支払非継続債務(未交換債務を除く。)であった。 CER 指数連動型
債務および国内通貨建債務が総支払継続公的債務合計の 34.27 %を占め、外貨建債務が 65.73 %を占めた。
2023 年1月および2月において、アルゼンチンは、ニューヨーク法に準拠した 5,251 億米ドルの米ドル建債券を規
制市場において適用規制に従い買入れた。
2023 年6月9日現在、経済省は、短期ビル・プログラムの枠内での証券および長期債券( CER 指数連動型債券およ
びドル連動債券を含む。)の発行を含む 13 件の入札による募集を実施し、債務管理取引により短期債務の平均満期を
延長させた。 2023 年5月 31 日現在、短期ビル( Ledes 債、 Lecer 債、 Lelite 債および Lelink 債)の残高は 101 億米ドル
であり、これに対して 2022 年 12 月 31 日現在は 298 億米ドルであった。
ペソ建債務
マーケットメーカー・プログラム
2023 年5月8日、政府は、マーケットメーカー・プログラム( Programa Creadores de Mercado )を改正し、 2023
年 10 月 31 日まで新たな評価期間を設け、発行市場と流通市場への参加を考慮したパフォーマンス指標に従って参加者
の評価基準を簡素化した。「-② 債務内容および債務再編- (b) ペソ建債務-マーケットメーカー・プログラム」
を参照のこと。
ペソ建トレジャリー・ビル・プログラム
2023 年5月 31 日現在、元本総額 101 億ペソの Ledes 債、 Lecer 債、 Lelite 債および Lelink 債が残存しており、そのう
ち民間部門が約 83 億ペソを保有していた。
金融機関に対する債務
IMF
2023 年3月 13 日、アルゼンチンは、 2022 年3月 25 日に締結された 30 か月間の拡大信用供与措置(「 EFF 」)協定に
基づく4回目の審査を完了させるために必要であった最新のマクロ経済の枠組みと関連政策について、 IMF と担当者
レベルでの合意に達した。 2023 年4月 1 日の IMF 理事会による4回目の審査の承認を受けて、アルゼンチンは最大 53 億
米ドル( 40 億 SDR )を利用できるようになった。
審査において、 IMF は、 2022 年下半期における慎重なマクロ経済管理がアルゼンチンの安定を支え、 2022 年末まで
プログラム目標をある程度の余裕をもって確保するのに貢献したと強調した。しかしながら、 IMF は、とりわけ深刻
さを増す干ばつなどのより厳しい経済的背景に対して、安定性を維持し、インフレ上昇や政策の後退に対処し、プロ
グラムの下支えの役割を継続するためにはより強力な政策行動が必要となるとした。
とりわけ、 2023 年3月の合意において下記の事項が検討された。
● 財政政策 : アルゼンチンは、歳出管理の継続、エネルギー補助金および社会的支援の目標設定の改善、資本
支出の優先順位付けの改善を通じて基礎的財政赤字を対 GDP 比で 1.9 %とする一方、優先的な社会支出やインフ
214/224
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
ラ支出は確保することを約束した。赤字削減目標を達成し、エネルギー補助金の累進性を高めるため、アルゼ
ンチンは引き続き、高所得の居住者である利用者への補助金を5月から、商業利用者の補助金は 2023 年末にま
で に廃止することを予定している。
● 金融および為替政策 : 継続的なインフレ圧力に対処するため、アルゼンチンは、中央銀行と協働して政策金
利を実質的にプラスに保つ意向である。一方で、対外競争力を確保し、外貨準備カバレッジを強化するための
努力を継続し、為替政策の適時の合理化を通じてそれらを補完していく予定である。また、並行為替レート市
場への介入のために国際準備の利用や短期の対外債務証券の発行を行わないことを約束した。
● 資金調達政策 : IMF は、将来を見越した市場に基づく国内債務管理戦略が慎重に実施され、周知されてお
り、これは、とりわけ 2023 年第2四半期および第3四半期に迫った国内での満期到来に向けての管理、国内で
の資金調達ならびに債券市場および外国為替市場の機能改善を支えているとした。アルゼンチンは、残り少な
いパリクラブの債権者との二国間協定をまとめることを含め、多国間および二国間の資金源から公的に資金を
調達する努力を継続していく意向である。
これらの合意と予測は、策定の段階では合理的であったとしても、現時点では合理的に予見または知られていない
進行中の事象の潜在的な影響を含む特定のリスクと不確実性の影響を受け、実際の結果が上記の合意と予測で予期さ
れたものと大幅に異なる可能性がある。そのため、アルゼンチンは、実際の事象が上記の情報と大幅に異ならないと
保証することはできない。
2023 年3月 13 日、アルゼンチンは、 EFF に基づく 4 回目の審査について IMF と合意に達し、 2023 年4月1日に IMF 理事
会が承認し、約 54 億米ドルの融資実行について即時の許可を与えた。
パリクラブ
2023 年3月 30 日、アルゼンチンは、修正パリクラブ決済契約に基づき最初の2回の分割払いを実施した。パリクラ
ブのすべての債権者との二国間協定の締結は、 2023 年6月末に完了する予定である。
世界銀行
2023 年第1四半期において、世界銀行はアルゼンチンに対して総額1億 1,250 万米ドルの融資を実行した。
2023 年2月、世界銀行は、中等・高等教育における包摂性向上プログラム( Programa para la Mejora de la
Inclusión Educativa en el Nivel Secundario y Superior )に対する3億米ドルおよび第2回居住環境・都市部プ
ロジェクト( Segundo Proyecto de Hábitat y Suelo Urbano )に対する1億 5,000 万米ドルの追加融資について承認
した。
米州開発銀行
2023 年第 1 四半期において、米州開発銀行は、重要情報インフラ向けサイバーセキュリティ・プログラム
( Programa de Ciberseguridad para Infraestructuras Cr íticas de Informaci ó n )に対する 3,000 万米ドルおよび
アルゼンチン小規模ワイン生産者支援プログラムⅡ( PROVIAR Ⅱ)( Programa de Apoyo a los Peque ñ os
Productores Vitivin ícolas de Argentina II )に対する 4,000 万米ドルの融資を承認した。さらに、米州開発銀行
は、都市社会統合および住宅改善プログラム( Programa de Integraci ó n Social Urbana y Mejora de la
Vivienda )に対して1億 5,000 万米ドルの追加融資を承認した。
2023 年第1四半期において、米州開発銀行は、アルゼンチンに対して総額 9,980 万米ドルの融資を実行した。
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2023 年4月 13 日、米州開発銀行は、アルゼンチンの医療制度の改善を目的とした政策への資金提供として、投資プ
ロジェクト向け条件付信用供与枠( CCLIP )( L ínea de Cr édito Condicional para Proyectos de Inversi ó n )に対
す る2億米ドルの融資を承認した。
CAF
2023 年第1四半期において、 CAF は、アルゼンチン北部州におけるガス供給の拡大とチリおよびブラジルへのガス
輸出量の増加を目的として、ガスのパイプラインおよび圧縮プラントの建設に対する5億 4,000 万米ドルの融資実行
について承認した。また、障害の社会的モデルおよび障害者の権利へのアクセス促進プログラム( Programa para la
Promoci ó n del Modelo Social de la Discapacidad y el Acceso a Derechos de las Personas con Discapacidad )
に対する3億米ドルの融資実行について承認した。
2023 年第1四半期において、 CAF は、アルゼンチンに対して総額3億 3,350 万米ドルの融資を実行した(そのうち
3,080 万米ドルは国庫に対して直接融資された。)。
BCIE
2023 年第 1 四半期において、 BCIE は、 240 万にのぼる脆弱層世帯の栄養状態改善を目的として4億米ドルの融資実行
を承認した。
2023 年第1四半期において、 BCIE は、アルゼンチンに対して総額4億 500 万米ドルの融資を実行した(そのうち3
億 9,500 万米ドルは国庫に対して直接融資された。)。
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(7) 【その他】
① 訴訟手続
2001 年末に共和国の債券につき不履行を生じたことを受け、米国を含むいくつかの法域で債権者が共和国に対して
多くの訴訟を提起した。これらの訴訟の原告は一般に、共和国が債券の利息および/または元本の適時支払を怠った
と主張し、これら債券の額面価額および経過利息の支払の判決を求めている。
和 解
2016 年2月5日、共和国は、アルゼンチン議会の承認を第1条件、およびパリパス(債権同順位)に基づく差止め
( 2012 年にニューヨーク連邦地裁が初めて発令し、これにより共和国は、かかる差止めを取得した不履行債務の債権
者に按分弁済を行うまでの間、一部の対外債務の支払を制限されていた。)の解除を第2条件とする2つの条件を付
したうえで、米国で裁判対象となっている債券を含む未交換債務に係る適格債権を和解で処理するための提案(「本
和解案」)を公開した。本和解案では、時効完成済みの元本または利息に係る債権は対象とされなかった。
本和解案に従って和解した債権者は、すべての強制執行手続きを含む共和国に対する一切の訴訟を確定的に取り下
げることに合意している。
連邦地裁は 2016 年3月2日、未交換債務の保有者との和解に関するすべて立法的障害が除去されることを第1条
件、および債権同順位に基づく差止命令の取得者のうち 2016 年2月 29 日までに共和国と基本合意に至った者に対して
共和国が当該合意の所定の条件に従い全額弁済をすることを第2条件として、債権同順位に基づく差止めをすべて取
り消していくことを決定した。 2016 年4月 13 日、第2巡回区控訴裁判所はニューヨーク連邦地裁の本決定を支持し
た。
2016 年3月 31 日、アルゼンチン議会は債務承認法を可決し、これにより和解に関する立法上の障害が除去され、本
和解案が承認された。 2016 年4月 22 日、アルゼンチンは国際資本市場で 165 億米ドルの新規債券を発行し、元本ベー
スで約 42 億米ドル相当の未交換債務の保有者との合意に基づく和解金支払を履行するために純手取金から 93 億米ドル
を充当した。 2016 年3月2日の決定に付された条件の成就が確認され、連邦地裁は 2016 年4月 22 日、債権同順位に基
づくすべての差止めの解除を決定した。
2016 年7月 20 日、アルゼンチンは、ドイツ法に準拠する適格債券の保有者向けに、当該債券に関する和解案を実施
するための和解手続を公表した。
2018 年 12 月、アルゼンチンは、日本法に準拠する未償還残存債券4シリーズに関して、議案(これが承認される
と、標準和解案が採択され、サムライ債の未償還残高の 100 %をカバーする条項をもって和解が行われる。)を投票
に付すため債権者集会を招集した。当該集会は 2019 年2月に開催され、アルゼンチンは 2019 年6月にその支払を完了
した。
共和国はこれまでに、 2015 年 12 月 31 日現在で未交換債務の保有者の大半と合意に至っており、また多くの訴訟で訴
訟上の合意による訴訟の取下げや判決の履行命令が提起的され裁判所により承認されている。共和国は係属中の訴訟
について、引き続き和解を通じた解決を進めていく。
米国における個別訴訟
2016 年4月以降、アルゼンチンに対して、未交換債券の保有者により様々な根拠に基づく様々な手続が開始されて
いる。時効その他の抗弁が可能な場合、アルゼンチンは抗弁を提出し、多くの手続を退けている。同様に、アルゼン
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チンは、未交換債券の保有者が主張するところのアルゼンチンによるパリパス条項違反に基づく救済取得の試みを、
適切に阻止している。
(米国および英国における) GDP ワラント訴訟
2005 年および 2010 年に共和国により発行された GDP 連動ワラントの支払の計算方法に関する紛争について、原告ら
により訴訟が提起されている。
2019 年1月 14 日、額面元本金額で約7億 9,700 万米ドルの GDP 連動ワラントを所有する旨を主張するある原告が、当
該 GDP 連動ワラントの支払期日は到来済みであるとして、 2013 年分の不払金額である約 8,370 万米ドルおよびその利息
の支払を求めてニューヨーク連邦地裁に訴えを提起した。 2019 年4月 18 日、共和国はこの主張の棄却を申し立てた。
ニューヨーク連邦地裁は 2020 年1月7日に共和国の申立てを認めた。ニューヨーク連邦地裁はまた、原告が請求内容
を変更して訴えを提起し直すことを許可し、 2020 年3月9日に原告は訴えを提起した。
2019 年 10 月、別途3人の原告が、額面元本金額でそれぞれ約1億 8,100 万米ドル、3億 4,300 万米ドルおよび 14 億米
ドルの GDP 連動ワラントを所有する旨を主張して、ニューヨーク連邦地裁に個別に訴えを提起した。 2 019 年 12 月、別
の原告グループが、額面元本金額で 10 億米ドル超の GDP ワラントを共同所有する旨を主張して、支払期日が到来済み
とされる当該 GDP 連動ワラントの 2013 年分の不払金額およびその利息として 7,500 万米ドル超(公判において特定され
る。)を請求する訴えを提起した。ニューヨーク連邦地裁による 2020 年1月7日の棄却決定後、当事者間条項に従
い、原告らは 2020 年3月9日から3月 23 日にかけて請求内容を変更して訴えを提起し直した。全5件の訴訟は 2020 年
4月に併合され、請求変更後の訴えを棄却する申立てについて審理が進められた。 2020 年6月8日、共和国はニュー
ヨーク連邦地裁に請求変更後の訴えの棄却を申し立てた。原告は 2020 年8月 24 日に共和国の申立てに対する異議を提
出した。 2021 年3月 29 日、ニューヨーク連邦地裁は、請求変更後の5件の併合訴訟に対する共和国の棄却申立てを退
けた。
2020 年 12 月 10 日、額面金額で1億 2,600 百万米ドルの GDP 連動ワラント債を保有する旨を主張する別の原告が、個別
にニューヨーク連邦地裁に訴訟を提起した。 2021 年5月 19 日、共和国は、この訴えの棄却を申し立てた。 2022 年2月
15 日、ニューヨーク連邦地裁は共和国の訴え棄却の申立てを退けた。 この訴訟は他の 5件の併合訴訟と併合して審理
されている。
6件の GDP 連動ワラント併合訴訟の 事実に関する証拠開示手続は 2022 年7月 29 日に完了した。 「-② 最近の動向-
訴訟手続-(米国および英国における) GDP ワラント訴訟」を参照のこと。
2019 年8月、額面金額で約 55 億ユーロの GDP 連動ワラントを所有する旨を主張する3人の原告が、当該 GDP 連動ワラ
ントの支払期日は到来済みであるとして、 2013 年分の不払金額である約3億 8,470 万ユーロの支払を求めて英国の高
裁に訴えを提起した。 2019 年 12 月 10 日付の決定により、額面金額で約 31 億ユーロの GDP 連動ワラントを所有する旨を
主張する4人目の原告が訴訟に追加され、これに伴い原告らには請求内容の個別事項を変更することが許可された。
原告らの保有債券の増加を反映するため、請求内容には事後的に追加変更が加えられ、 2019 年 12 月 23 日に提出された
個別事項の再変更により、額面元本金額で約 92 億ユーロ超の GDP ワラントを所有する旨の主張に基づき、支払期日が
到来済みとされる当該 GDP 連動ワラントの 2013 年分の不払金額およびその利息として約6億 4,530 万ユーロが請求され
ることとなった。本件の証拠開示手続の期限は 2021 年 12 月 15 日に設定されていたが、当事者は期限後も証拠開示手続
を継続した。 証人および専門家証人の陳述が 2022 年4月から 2022 年9月にかけて行われた。
2022 年9月 14 日、英国における GDP ワラント訴訟の原告が、請求内容の個別事項の新たな変更を申し立てた。変更
の内容として、ワラントに基づく 2013 年分の不払金額に係る請求に代えて、 (i) 契約違反の主張に基づく7億 7,910
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万ユーロおよびその利息の損害賠償、ならびに (ii) ワラントが法的に無効との根拠に基づく救済(訴額は、もしあ
れば公判において確定予定)の2つの請求を追加することが主張された 。
本件の公判は 2022 年 10 月 17 日から 2022 年 11 月 18 日にかけて実施された。 「-② 最近の動向-訴訟手続-(米国お
よび英国における) GDP ワラント訴訟」を参照のこと。
米国訴訟におけるアルゼンチンの財産に対する差押えまたは執行の試み
米国において、外国を相手方とする債権者の執行による救済は、米国での商業活動に用いられる当該外国の資産を
その対象とする場合には、 1976 年外国主権免除法(「 FSIA 」)により制限される。 FSIA はまた、外国の中央銀行の外
貨準備ならびに軍事財産および外交財産を差押えおよび執行から特別に保護している。共和国またはいわゆる共和国
の分身の財産に対する執行の試みは裁判所によりほぼ退けられているが、いくつかの事件では、アルゼンチンの未交
換債務に基づいて支払を請求した原告が共和国資産の差押さえおよび保全に成功しており、これには約5億米ドルの
債権を主張する複数の原告に許与された差押命令が含まれた。
米国判決の海外承認手続
一部の原告は、英国、ルクセンブルク、フランス、ベルギー、スイス、イタリア、ガーナおよびアルゼンチンを含
む外国の裁判所において米国判決の承認を求めており、一部の訴訟でかかる承認を取得した。当該原告らの多くは、
アルゼンチンに対する請求につき和解に応じている。
ドイツにおける訴訟
一部の債券保有者は、ニューヨークの裁判所で認められたものと同様の債権同順位に基づく救済を取得すべく、ド
イツで手続を開始した。ドイツの裁判所は事実審および上訴審の両レベルでかかる救済を退けている。
判決を執行しようとする原告は、共和国の大使館および領事館の銀行口座など外交上または領事上の目的で使用さ
れる資産を差し押さえることができない。共和国の理解によれば、ドイツの原告は、(別の政府発行債の利息支払に
係る)支払代行機関により保有される共和国資金の差押えに成功している。一部の債権者はまた、ドイツの「敗訴当
事者負担」の制度に基づき共和国の費用(法定の弁護士費用および、もしあれば訴訟費用)を負担するその他の原告
(たとえば、共和国に対する請求を取り下げ、または訴訟の一部または全部で敗訴した者)に対して共和国が有する
債権を、当該原告による相殺が及ばない範囲で差し押さえている。
一部の原告は、米国、ルクセンブルクおよびスペインを含む外国の裁判所においてドイツ判決の承認を求めてい
る。
日本における訴訟
2010 年2月 10 日、共和国は、日本の法律に基づき共和国が発行した不履行債券4シリーズについて、日本の債券管
理会社が提起した額面価額で約 110 億円およびその利息を請求する訴状の送達を受けた。当該原告は、 2010 年債務交
換に参加した結果、大半の請求を取り下げた。 2013 年1月、東京地方裁判所(東京地裁)は、債券保有者のための債
券管理会社は訴えを提起するための原告適格を欠くとして本件請求を退けた。 2014 年1月、東京高等裁判所は東京地
裁の判断を支持し、原告は最高裁に上告した。 2016 年6月2日、最高裁は高裁判断を覆し、追加審理のために事件を
東京地裁に差し戻した。 2016 年6月8日、共和国は、日本の法律に基づき共和国が発行した不履行債券3シリーズに
係る額面価額で9億 3,300 万円の債権につき、和解金を支払った。
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2018 年3月 26 日、東京地裁はアルゼンチンに対して新たな判決を下した。日本法に準拠する残存債券の保有者を対
象とする 2016 年2月の和解案の実施に関して債券管理会社と協議を進める中で、 2018 年 12 月、アルゼンチンは、 日本
法 に準拠する未償還残存債券4シリーズに関して、議案(これが承認されると、標準和解案が採択され、サムライ債
の未償還残高の全額を対象とする条項により和解が行われる。)を投票に付すため債権者集会を招集した。
2019 年2月 22 日、共和国は、日本法に準拠する未償還残存債券4シリーズの各シリーズに関する債権者集会を開催
し、この集会において債権者は、当該シリーズ債券保有者の全員を拘束する 2016 年2月の本和解案の標準オプション
を内容とする決議を、必要多数をもって承認した。和解金額は4シリーズ合計で 28 億 1,700 万円となった。
2019 年 10 月 29 日、東京高裁は、4シリーズそれぞれについて債権者が必要多数で承認した決議は有効であり、決議
において可否のいずれに投票したかにかかわらず当該シリーズの全債権者を拘束する旨を判示した。 2021 年5月 20
日、債権者による2年の支払請求期間が満了した。 2021 年 10 月 13 日、共和国を代理する日本の弁護士に債券管理会社
から2通の書簡が届き、その内容は、2年の支払請求期間の満了以降も銀行に保有されている残存資金と、債券管理
会社の費用として共和国が負担すべきと解される金額とを相殺する旨を共和国に通知するものであった。書簡には、
債券管理会社の費用が残存資金を超えるため残存資金は返還されないこと、また相殺後の残債務(新生銀行に対して
1,292 万 4,927 円、および三菱 UFJ 銀行に対して 979 万 9,783 円)について債券管理会社が共和国に弁済を請求すること
が記されている。
スペインにおける訴訟
2014 年4月 10 日、ドイツで判決を取得済みの原告が、スペインに所在する共和国資産を差し押さえるための手続を
マドリードの裁判所で開始した。 2015 年5月 14 日、当該裁判所は在スペインの共和国資産に対して原告がドイツ判決
を執行することを認容した。 2015 年 12 月、裁判所が当該決定に対する共和国の取消しの申立てを退けたため、共和国
はその判断について控訴した。 2016 年9月 28 日、控訴裁判所は共和国の控訴を認め、下級審の執行命令を取り消し
た。 2019 年1月 25 日、スペインの最高裁判所は、原告による 2016 年9月 28 日の高等裁判所の決定に対する上告を受理
した。 2019 年 10 月8日、スペインの高裁は原告の訴えを認容する判決を出した。この判決により原告は下級裁判所で
強制執行手続をとることが可能となったが、共和国は別の根拠でこれを争っている。 2020 年5月 25 日、スペインの下
級裁判所は原告による差押えの請求を退けた。原告はこの判断の審査を申し立てたが、これは 2020 年7月 15 日に退け
られた。原告は釈明の申立てを行ったが、これは 2020 年 10 月 26 日に退けられた。 2020 年 11 月3日、原告は別途の再審
理を請求し、共和国に対して差止対象資産の特定を命じるよう求めた。 裁判所は 2021 年1月 13 日、 2021 年5月5日お
よび 2021 年6月2日に、差止対象資産の特定に係る原告の別途の請求を棄却した。 「-② 最近の動向-訴訟手続-
スペインにおける訴訟」を参照のこと。
2022 年 10 月5日、ドイツで2つの判決を取得済みの原告が、執行の裁判を開始する予定である旨を共和国に通知し
てきた。共和国は 2022 年 12 月 16 日に抗弁を提出し、当該執行裁判に対する共和国の異議は 2022 年 12 月 31 日現在で判断
が保留されている。「-② 最近の動向-訴訟手続-スペインにおける訴訟」を参照のこと。
ICSID における仲裁
アルゼンチンは、 2001 年および 2002 年のアルゼンチン経済危機に対処するためにとられた措置の結果に関するもの
を含め、 1965 年国家と他の国家の国民との間の投資紛争の解決に関する条約(「 ICSID 条約」)に基づく仲裁手続の
当事者となっている。
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2013 年から 2022 年までの間、共和国は、アルゼンチンに対する総額約 12 億 5,000 万米ドル(利息および費用を除い
た元本ベース)の請求を認容した9件の ICSID 仲裁廷の最終判断を決済した。
2021 年8月 24 日および 2021 年9月 20 日、2人の原告が、 ICSID 条約に基づき共和国に下された仲裁判断の執行を求
め、コロンビア特別区連邦地裁に個別に訴訟を提起した。原告らはそれぞれ、約3億 2,530 万米ドルおよび 2,130 万米
ドルならびにその利息について判決を求めている。 2021 年 11 月 15 日、共和国は片方の訴訟について送達を受けた。
2022 年6月9日、共和国はもう片方の訴訟について送達を受けた。
2021 年 11 月 15 日に送達を受けた事件について、共和国は 2022 年1月 14 日に訴えの棄却を申し立てた。 2022 年1月 28
日、執行申立人は、かかる棄却申立てに対する異議申立てを提出した。 2022 年2月4日、共和国は、棄却申立てに係
る理由補充のための答弁書を提出した。「-② 最近の動向-訴訟手続- ICSID における仲裁」を参照のこと。
2022 年6月9日に送達を受けた事件について、共和国は 2022 年8月8日に訴えの棄却を申し立てた。 2022 年8月 22
日、執行申立人は、かかる棄却申立てに対する異議申立てを提出した。 2022 年8月 29 日、共和国は、棄却申立てに係
る理由補充のための答弁書を提出した。「-② 最近の動向-訴訟手続- ICSID における仲裁」を参照のこと。
2021 年 12 月7日、1人の原告が、 ICSID 条約に基づき共和国に下された仲裁判断の執行を求め、アルゼンチンの裁
判所に訴訟を提起した。この原告は、約 100 万米ドルおよびその利息について判決を求めている。 2022 年7月1日、
共和国はこの訴訟について送達を受けた。 共和国は 2022 年8月 29 日、訴状に対する答弁書を提出した。 「-② 最近
の動向-訴訟手続- ICSID における仲裁」を参照のこと。
その他の仲裁
国連国際商取引法委員会(「 UNCITRAL 」)のルールに基づく仲裁廷、および国際商工会議所(「 ICC 」)のルール
に基づく仲裁廷に請求を申し立てた申立人もいる。
アルゼンチンは 2013 年から 2022 年にかけて、共和国に対する総額約2億 5,980 万米ドル(利息および費用を除く元
本ベース)の請求を認容した UNCITRAL の3件の最終判断を決済した。
「-② 最近の動向-訴訟手続-その他の仲裁」を参照のこと。
米国におけるその他の非債権者による訴訟
2015 年4月8日、 Petersen Energía Inversora, S.A.U. および Petersen Energía, S.A.U. (「 Petersen 事業体」)
が、アルゼンチンに対して 2012 年の YPF 国有化に関する訴えをニューヨーク連邦地裁に提起した。
Petersen 事業体は、共和国が YPF のクラスD株式の 51 %を取得した際に YPF の付属定款への違反があったと主張し、
これを根拠に填補的損害賠償を求めている。 2015 年9月、共和国は、ニューヨーク連邦地裁は FSIA により管轄権を有
しない旨を重点的に主張して訴状の却下を求めた。 2016 年9月9日、ニューヨーク連邦地裁は、原告の主張の退ける
よう求めた共和国の申立てを一部認容し、一部棄却した。 2018 年7月 10 日、第2巡回区控訴裁判所はニューヨーク連
邦地裁の判断を支持する旨の決定を出した。 2019 年6月 24 日、 2019 年6月 24 日、米国連邦最高裁は、アルゼンチンに
よる裁量上訴受理申立てを棄却した。
2016 年 11 月3日、 Eton Park Capital Management, L.P. 、 Eton Park Master Fund, Ltd. および Eton Park fund,
L.P. (「 Eton Park 事業体」)は、 YPF のクラスD株式の 51 %が共和国に取得されたことを発端に YPF の付属定款への
違反があったと主張し、これを根拠に共和国に対して填補的損害賠償請求の訴えを提起した。
2019 年7月 24 日、ニューヨーク連邦地裁は、 Eron Park 事業体により開始された不便宜法定地の法理に基づく訴え
に対して、被告が却下の申立てを行うための期日を命令により設定し、 2019 年8月 30 日に申立てがなされた。 2019 年
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12 月6日、原告は、被告の当該申立てを退けるよう異議申立てを行い、これは 2020 年6月5日に却下された。 2020 年
7月 20 日、ニューヨーク連邦地裁は Petersen 事業体と Eron Park 事業体の訴えの併合審理日程)を決定した。同審理
日 程は事後的に修正された。
事実に関する証拠開示手続は 2021 年8月 27 日に完了した。 専門家による証拠開示手続は 2022 年3月 30 日に完了し
た。
2022 年4月 14 日、当事者双方から略式判決の申立てが提出された。原告は、略式判決の申立てにおいて、 Petersen
事業体の直接損害として 75 億米ドルおよび Eton Park 事業体の直接損害として8億 9,800 万米ドル、 Petersen 事業体の
間接損害として1億 5,600 万米ドル、ならびに判決前利息を請求した。共和国は、その略式判決の申立てにおいて、
原告の請求全部について共和国の主張に沿った判決が与えられるべきと主張した。当事者は、相手方の略式判決申立
てに対する異議申立てを 2022 年5月6日に、また自らの略式判決申立てに係る理由補充のための答弁書を 2022 年6月
23 日にそれぞれ提出した。共和国は、原告の救済適格や損害額の計算を含め、責任と損害賠償に係る原告の両主張に
ついて争っている。
「-② 最近の動向-訴訟手続-米国におけるその他の非債権者による訴訟」を参照のこと。
② 最近の動向
訴訟手続
和 解
2023 年6月 18 日現在、 2015 年 12 月 31 日現在の未交換債務の額面残高の約 87 %(共和国が時効完成済みと認識してい
る債権、および合意が交わされていない債権を含めて算定している。)を占める未交換債務保有者との間で基本合意
が交わされている。
2023 年6月 18 日現在、和解に応じた債権者への支払により、額面価額の合計約 35 億米ドルおよびその利息に対する
請求が米国で取り下げられ、また判決の履行額は約 55 億米ドルとなった。ニューヨーク連邦地裁に係属するその他の
訴えも和解の合意に至っており、和解で定めた金額を支払えば訴えは取り下げられる。
2023 年6月 18 日現在、共和国はドイツ法に準拠する額面価額にして7億 5,010 万ユーロの債券を所有する債権者と
の間で和解した。券面が保有されているその他のドイツ法準拠債券の決済および消却を可能とするための手続が検討
されている。
米国における個別訴訟
2023 年6月 18 日現在、 2001 年の不履行債券につき 27 件、額面価額にして約2億 4,940 万米ドルの訴訟が裁判所に係
属している。これらの訴訟の中で、額面価額にして約1億 7,500 万米ドルの債券について総額約4億 8,380 万米ドルの
判決が言い渡された。アルゼンチンはこれらの紛争につき、交渉による和解を通じた解決を模索していく。
(米国および英国における) GDP ワラント訴訟
ニューヨーク連邦地裁での6件の GDP 連動ワラント併合訴訟の事実に関する専門家による証拠開示手続が 2023 年1
月 13 日に完了した。共和国は 2023 年4月 14 日に略式判決の申立てを提出した。原告は 2023 年6月 13 日に、共和国の同
申立てに対する異議申立ておよび略式判決の反対申立てを提出した。当事者は、今後数か月で趣旨書を出し合い、
2023 年 10 月までに申立ての整理が尽くされる。
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EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
2023 年6月 18 日現在、 (i) 6件の併合訴訟の第一原告は約 9,000 万米ドルおよびその利息を、 (ii) 同併合訴訟の
第二原告は未確定の訴額を、 (iii) 同併合訴訟の第三原告は約3億 8,900 万米ドルおよびその利息を、 (iv) 同併合訴
訟の第四原告は約 16 億 2,600 万米ドルおよびその利息を、 (v) 同併合訴訟の第五原告は少なくとも 7,500 万米ドル(公
判 において確定予定)およびその利息を、ならびに (vi) 同併合訴訟の第六原告は 900 万米ドルおよびその利息を、
いずれも当該 GDP 連動ワラントの 2013 年分の不払金額として請求している。
パリパス訴訟
原告らは 債権同順位に基づく差止めが 2016 年4月に解除された後、 パリパス条項違反に基づく請求を主張した
が、 2023 年6月 22 日現在、ニューヨーク連邦地裁は 2016 年4月 22 日以降になされた債権者同順位に基づく差止めま
たは損害賠償の請求を一切認めていない。「-① 訴訟手続」を参照のこと。
ドイツにおける訴訟
2023 年6月 18 日現在、ドイツでは、未交換債券に係る総額約1億 2,130 万ユーロの元本ならびにその利息および訴
訟費用の支払を内容とするアルゼンチンに対する終局判決が下されたが、不履行債務に関する約 94 万ユーロの元本な
らびにその利息を求める訴訟については未だ一件も終局判決に至っていない。共和国は、引き続きドイツ法に準拠す
る時効完成前の未交換債券の所有者との間で和解案と合致する内容にて和解を進めている。
スペインにおける訴訟
2023 年6月 18 日、3人の原告がスペインで共和国に対する執行の裁判を提起した。共和国への執行請求額は3件の
総額で4億 5,000 万ユーロである。2件は現在、整理に付されている。3件目については共和国を支持する決定が出
され、原告は控訴しなかった。
ICSID における仲裁
2023 年6月 18 日現在、 (i) ICSID 仲裁廷がアルゼンチンに対して出した6件の最終判断(総額約8億 400 万米ド
ル) 、 (ii) アルゼンチンに対する1件の ICSID 仲裁判断( 2,170 万米ドル)(アルゼンチンによる仲裁取消請求が審
理中)、ならびに (iii) アルゼンチンを相手方として審理中の5件の ICSID 仲裁案件(請求総額約 29 億米ドル)があ
る。これらの金額はすべて、利息および費用を除く元本を概算して表示している。
2021 年 11 月 15 日に送達を受けた ICSID 仲裁判断の米国内での執行請求訴訟については、 2023 年6月 18 日現在、コロ
ンビア特別区連邦地裁は共和国による棄却申立てに対する判断を保留している。
2023 年2月 15 日、共和国は、同じ ICSID 仲裁判断をマドリード民事裁判所第二部により認証および執行させようと
する原告の試みについて通知を受けた。共和国は 2023 年2月 22 日に管轄異議の申立てを行い、裁判所は 2023 年3月6
日に共和国の手続内での法的代表性を正式に認定して原告に執行申立ての変更を命じた。通知および管轄に関する共
和国の異議について、 2023 年6月 18 日現在、裁判所は判断を保留している。 2023 年4月、共和国は同じ原告から、同
じ ICSID 仲裁判断の英国での執行を求める旨の不完全な通知を受けた。
2022 年6月9日に送達を受けた ICSID 仲裁判断の米国内での執行請求訴訟については、 2023 年6月 18 日現在、コロ
ンビア特別区連邦地裁は共和国による棄却申立てに対する判断を保留している。
2022 年7月1日に送達を受けた別の ICSID 仲裁判断に係るアルゼンチンの裁判所への執行請求訴訟については、
2023 年6月 13 日に、 1,047,000 米ドルおよびその利息に関して仲裁判断の執行を認める判決が出された。
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EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
その他の仲裁
2023 年6月 18 日現在、 (i) アルゼンチンに対する UNCITRAL の2件の最終判断(総額 750 万米ドル)、 (ii) アルゼン
チンに対する1件の ICC の仲裁判断( 6,710 万米ドル)(アルゼンチンによる判断取消請求が審理中)、 (iii) アルゼ
ンチンを相手方として審理中の1件の UNCITRAL 仲裁手続(1億 1,100 万米ドル)、 (iv) 当事者が和解の協議中であ
るため手続が停止されている2件の ICC 仲裁手続(請求総額2億 70 万米ドル)、および (v) アルゼンチンを相手方と
して審理中の2件の ICC の仲裁判断(合計 37 億 6,700 万米ドル)がある。
米国におけるその他の非債権者による訴訟
2023 年3月 30 日、ニューヨーク連邦地裁は、共和国の債務に関して、 Petersen 事業体および Eton 事業体を支持する
略式判決を出した。 2023 年6月 18 日現在、連邦地裁は損害賠償およびその利息を審理するための公判期日を指定して
いない。
2【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
3【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
該当事項なし
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