コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー 半期報告書
| 提出書類 | 半期報告書 |
|---|---|
| 提出日 | |
| 提出者 | コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー |
| カテゴリ | 半期報告書 |
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
【表紙】
【提出書類】 半期報告書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和５年９月13日
【中間会計期間】 2023年度中(自 2023年１月１日 至 2023年６月30日)
【会社名】 コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー
(COÖPERATIEVE RABOBANK U.A.)
【代表者の役職氏名】 長期資金調達・資本部長(アジア太平洋）
(Head of Long Term Funding and Capital, APAC)
ヘル・ブルス
(Ger Buls)
【本店の所在の場所】 オランダ国 3521 CB ユトレヒト市クローセラーン18
(Croeselaan 18 3521 CB Utrecht, the Netherlands)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 梅 津 立
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目１番１号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03(6775)1000
【事務連絡者氏名】 弁護士 中村 慎二／伊藤 雄太／船岡 諒／田中 奈央
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目１番１号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03(6775)1000
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
1/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
第一部【企業情報】
(注) １ 本書において、別段の記載がある場合を除き、以下の用語は下記の意味を有する。
「当社」、「当行」、「ラボバンク」または「ラボバンク・ネダーランド」
：文脈上、別意を指す場合を除き、コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー
「ラボバンク・グループ」
：(i)コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー（支店、駐在員事務所および代理店を含む。）（以下「ラボバン
ク」という。）、ならびにオランダおよび世界各地の(ii)ラボバンクの子会社、および(iii)ラボバンクが支配的
持分を有するその他の事業体。
(注) ２ 別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「ユーロ」はその時々の欧州経済通貨同盟に参加している欧州連合の
加盟国の単一通貨としてのユーロを指す。本書において便宜上記載されている日本円への換算は、別段の記載がな
い限り、１ユーロ＝157.97円の換算率(令和５年８月10日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売相場と買
相場の仲値)によって換算されている。
(注) ３ ラボバンクの決算期は毎年12月31日をもって終了する１年間である。本書では、2022年12月31日に終了した会計年
度を「2022年度」といい、他の会計年度についてもこれに準ずる。
(注) ４ 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがある。
第１【本国における法制等の概要】
2023年１月１日から2023年６月30日までの６ヶ月間(以下「当上半期」という。)中、2023年６月29日に提出した
有価証券報告書（以下「有価証券報告書」という。）に記載した内容から重要な変更はなかった。
2/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
第２【企業の概況】
１【主要な経営指標等の推移】
主要データ 上半期 通期
(単位：百万ユーロ) 6 6
2023年 2022年 2021年 2022年 2021年
主要財務データ
普通株等Tier 1比率
16.7％ 15.1％ 17.2％ 16.0％ 17.4％
1
21.5％ 19.9％ 23.0％ 21.1％ 22.6％
総自己資本比率（BIS比率）
2
6.8％ 6.2％ 7.1％ 6.6％ 7.3％
レバレッジ比率
リスク加重資産 242,274 251,455 210,768 240,376 211,855
ホールセールによる資金調達（発行済債
126,272 130,035 126,088 124,448 121,663
券）
3
51.3％ 66.8％ 58.0％ 65.4％ 63.8％
収益に対する費用の比率（賦課金を含む）
基礎的な収益に対する費用の比率（賦課金
52.1％ 62.0％ 59.4％ 61.4％ 60.4％
を含む）
自己資本利益率 10.7％ 5.7％ 10.4％ 5.4％ 8.8％
収益 7,682 5,659 6,112 11,800 12,169
営業費用 3,615 3,344 3,177 7,049 7,044
金融資産に係る減損費用 339 42 (274) 344 (474)
当期純利益 2,528 1,276 2,160 2,403 3,692
総資産 630,203 666,844 650,997 628,513 639,231
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 433,058 432,551 414,197 432,122 417,685
顧客からの預金 395,368 385,111 376,859 396,472 372,381
流動性カバレッジ比率 169％ 199％ 229％ 156％ 184％
預貸率（12ヶ月平均） 1.09 1.10 1.09 1.10 1.08
不良債権 9,654 8,323 12,276 8,636 9,231
主要非財務データ
オンライン・サービスを積極利用している
68.7％ 67.6％ 65.4％ 68.1％ 67.0％
オランダの民間顧客（％）
オンライン・サービスを積極利用している
83.0％ 82.7％ 81.7％ 82.9％ 82.4％
オランダの法人顧客（％）
4
99.6％ 99.8％ 99.9％ 99.8％ 99.8％
ネット・バンキングの使用率
4
99.6％ 99.8％ 99.9％ 99.8％ 99.8％
モバイル・バンキングの使用率
4
99.9％ 99.9％ 99.9％ 99.9％ 99.8％
iDEALの使用率
持続可能な融資総額 32,794 31,023 28,989 31,418 30,392
5
68.5 70.2 71.8 69.2 70.4
レップトラック・パルス・スコア
加盟者のエンゲージメント・スコア 42％ 43％ 47％ 42％ 44％
コミュニティー・ファンドおよび寄付 8.7 5.7 5.6 30.4 27.6
3/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
従業員エンゲージメント・スコア 87 85 - 86 83
多様性：オランダ国内の従業員の女性比率
50％ 49％ 49％ 50％ 49％
（％）
オランダ国内の長期欠勤率 4.3％ 4.4％ 3.5％ 4.4％ 3.9％
格付
スタンダード・アンド・プアーズ A+ A+ A+ A+ A+
ムーディーズ Aa2 Aa2 Aa3 Aa2 Aa2
フィッチ A+ A+ A+ A+ A+
AA 低 AA 低 AA 低 AA 低 AA 低
DBRS
サステイナリティクスESGリスク格付
10.2 10.5 9.8 10.2 10.6
（多角経営型銀行部門）
1 総自己資本比率（BIS比率）は、適格資本をリスク加重資産によって除することにより算出される。
2 レバレッジ比率は、Tier 1資本をCRR/CRD IVに規定の定義に基づくバランスシート・ポジションおよびオフ・バランス
シート負債によって除することにより算出される。
3 収益に対する費用の比率（賦課金を含む）は、営業費用合計（賦課金を含む）と収益合計の比率として計算される。
4 12ヶ月にわたり算出された平均使用率。
5 敬意、感心、総合的な好感度および信頼を数値化し感情的な結びつきを測る、レピュテーション・インスティチュートが
測定および決定する評判。レップトラック・パルス・スコアは12ヶ月間の平均値に基づくものである。
6 IFRS第９号および第17号の遡及的適用に伴い、ラボバンクは関連会社であるアフメアの会計処理にあたり2022年度通期お
よび2022年度上半期の比較数値を再表示した。
4/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
２【事業の内容】
本書に記載の内容以外に、当上半期において当社の事業の内容に重要な変更はなかった。
３【関係会社の状況】
本書に記載の内容以外に、当上半期において当社の関係会社の状況に重要な変更はなかった。
４【従業員の状況】
2023年６月30日現在、当社の常勤に相当する従業員の数は48,946名である。セグメント別の従業員数について
は、「第３ ３『経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析』」の「(1)業績等の
概要」を参照のこと。
5/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
第３【事業の状況】
１【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当上半期中、経営方針および経営環境について重要な変更はなかった。対処すべき課題については、第６ １
「中間財務書類」の中間財務情報に対する注記「法的手続および仲裁手続」を参照のこと。
２【事業等のリスク】
有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
３【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 業績等の概要
① ラボバンクの経営委員会議長による序文
2023 年度のはじめの数ヶ月は引続き、地政学的緊張、経済的不確実性および激動する市況を背景とする高いイ
ンフレ率を特徴としていた。経済を沈静化するため、中央銀行は一連の金利引上げ策を続けた。ラボバンクの財
務成績はかかる金利の上昇の恩恵を大いに受け、貸倒損失が少なかったことも相まって、2023年度上半期の純利
益は2,528百万ユーロとなった。
顕在化する気候変動の影響および地政学的緊張の継続が、化石燃料からより持続可能な資源へのエネルギーの
移行を加速することの重要性を明確に示している。2023年度上半期には、当行の新規住宅ローン顧客の35％超
が、自宅をより持続可能なものにする先行投資のために資金を調達した。世界的には、当行は20のグリーン・エ
ネルギー・プロジェクトに融資し、その合計額は１十億ユーロに上った。
6/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
地球温暖化ガス排出量（スコープ１、２、３）を1.5℃目標の経路上またはそれ以下に抑え、（二酸化炭素排
出量）実質ゼロに向け取り組むという、気候変動に対する当行の持続可能性目標の一環として、顧客の排出量お
よび削減機会に対する（科学的根拠に基づく）見識を有することは不可欠である。当行の気候変動に関する計画
（パリへの道）に従い、当行は顧客の排出量に関する予測の範囲を拡大し精度を高めた。当行はモデル計算への
依存度を下げ、農家または企業レベルのデータをより多く活用することにより、上記予測の基礎を成すデータの
正確性を絶えず高めていくことに努めている。こうした見識を得ることは、顧客の「パリ」までの進捗状況およ
び顧客が低炭素な未来へ移行するために当行にはどのような支援ができるかを当行がより深く理解するための手
助けとなる。並行して当行は、自然を保護および再生しネイチャーポジティブな道へと向かうという当行の持続
可能性目標の一環として、生物多様性に関する目標の設定にも継続して取り組んでいる。また、当行は自然およ
び気候変動に係る方針も更新中である。
本年度の重大な出来事としては、移民抑制に向けた追加政策につき連立政権内で合意に至らなかったことを受
け、オランダの内閣が総辞職したことが挙げられる。オランダ経済への大きな影響はないものと当行は見込んで
いるが、その結果生じる政策の不確実性により、（いずれも当行のアジェンダの上位にある）窒素削減およびエ
ネルギーに係る移行といった重要な分野における進展がさらに先送りとなることを当行は懸念している。
オランダの農業者は、全国的な農業協定である「ヘット・ランドバウアコード」の締結に向けた協議が早期に
打ち切られたことで、不確実性と向き合い続けている。当該業界がより持続可能な商慣習へ移行するための支援
を行うため、ラボバンクは３十億ユーロを融資向けに確保している。これらの融資により、手堅いビジネスケー
スを有する起業家は、好条件にてかつ／または猶予期間を延長して事業の調整資金を調達することができる。さ
らにラボバンクは農家がより持続可能となるためのアドバイザーを増員する予定である。
125 年の歴史を有する協同組合
当行は125年にわたり顧客の目標達成を支援してきた。今日、当行は周囲に対してプラスの影響を与えるた
め、２百万人超の加盟者および９百万人の顧客とともに歩んでいる。社会は変化し、よりいっそう複雑な課題に
直面していることを当行は理解している。そのため銀行としての当行は、協同組合のルーツを捨てることなく、
時代とともに変化していかなければならない。一方、協同組合としての当行の進むべき道は明確である。すなわ
ち、共に障壁を乗り越えていくため、ネットワーク、知識および資源を結集していかなければならないのであ
る。
7/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
当行の堅調な業績は当行が差別化を図る上での支えとなっている。当行の堅調な業績により、顧客はプラスの
影響を与えることができ、同時に当行は社会に対して意義ある貢献ができる。また当行の業績は、顧客によるエ
ネルギーに係る移行および食料システムに係る移行を加速させる新たな協同組合商品およびイニシアチブを開発
するための支えとなり、同時に当行の商品は顧客がその経営状態を改善し目標を達成する上で役に立つ。
当行の戦略強化
当行は2015年度より設定している戦略枠組みの実行に、この数年間概ね成功してきた。当行はガバナンスを簡
素化し、国内の経営モデルを合理化し、複数の非中核的事業を売却し、国内外における当行のフランチャイズの
中核的成長を可能にする余力を生み出した。また当行はコスト削減を実現し、資本基盤を改善した。当行のブラ
ンド認知は強化され、顧客、加盟者および従業員のエンゲージメントも増した。
ラボバンクは、協同組合に強力なルーツを持つ特殊な銀行である。当行はローカル・ネットワークを活性化
し、コミュニティーに貢献し、社会的移行を支援している。この堅固な立場に基づき、めまぐるしく変化する世
界、（新規参入者を含めた）熾烈な競争および加速するデジタル化にいっそう上手く対処するため、当行は戦略
の強化を図っている。「Growing a Better World Together（一体となってより良い世界を作る）」とのミッ
ションを基盤として、オランダにおけるリーダーとしての立場を強化し、食品・農業銀行として世界的に選ばれ
る存在となり、ベンダーに対する融資につき世界の市場を牽引することが当行の目標である。
私（経営委員会議長であるステファーン・デクラーネ）は、当行の顧客および加盟者のラボバンクに対する信
頼に感謝したい。当行の従業員に対しては、その懸命な働きとコミットメントに感謝している。我々の素晴らし
い銀行を最高の銀行の一つへと成長させるため当行が今後も努力を続けることを私は楽しみにしている。
次へ
8/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
② ラボバンクの業績
ラボバンク
2023 年度上半期は、高インフレ、継続中の地政学的緊張および激動する市況を特徴としていた。インフレを抑
制するため、中央銀行は一連の金利引上げ策を続けた。結果的に変化しつつある金利環境は当行の業績にプラス
に作用した。前年度同期の純利益が1,276百万ユーロであったのに対し、当期の純利益は2,528百万ユーロとなっ
た。
預金へのマージンの増加により純受取利息が堅調に推移したことに起因し、収益合計は36％増加した。マージ
ンの増加は、主に新規住宅ローンおよび法人顧客に対する貸付により生じている、資産の部へのマージンプレッ
シャーを補うものであった。費用は８％増加したが、これは主に金融経済犯罪（FEC）対策に関連する従業員の
増員が主因であり、程度としては少ないがITにも起因するものであった。加えて、労働協約による人件費の増加
も費用の増加につながった。
金融資産に係る減損費用は、297百万ユーロ増の339百万ユーロ（平均貸付ポートフォリオの16ベーシスポイン
ト）となったが、それでもなお長期平均の22ベーシスポイントを下回っている。
現在のマクロ経済状況（高インフレおよび高金利等）の結果として、ローンの需要は世界的に低下している。
それでも、当行の民間セクター向け貸付ポートフォリオは、わずかに増加し433.1十億ユーロとなった。顧客か
らの預金の合計額は395.4十億ユーロで安定していた。リテール顧客の預金残高の増加により、SMEからの貯蓄性
預金の減少が補われ、結果的に純額にして1.1十億ユーロのわずかな減少となった。
2023 年度上半期の当行の業績は好調であったが、引続き当行が直面する、銀行に対する広範な規制、インフレ
の加速、地政学的緊張、新技術および競争への対応、気候変動リスク、サイバーリスクおよび前例のない金利の
上昇による影響の段階的解消といった銀行業界の主要課題を当行は意識している。
9/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
ラボバンクの財務業績
業績
2023年 2022年
（単位：百万ユーロ） 増減率
６月30日 ６月30日
純受取利息 5,807 4,380 33％
純受取手数料 1,007 1,050 -4％
その他利益 868 229 279％
収益合計 7,682 5,659 36％
人件費 2,742 2,368 16％
その他一般管理費 704 814 -14％
減価償却費および償却費 169 162 4％
営業費用合計 3,615 3,344 8％
総利益 4,067 2,315 76％
のれんおよび関連会社に係る減損損失 - -5 -100％
金融資産に係る減損費用 339 42 707％
賦課金 327 438 -25％
税引前営業利益 3,401 1,840 85％
法人税等 873 564 55％
当期純利益 2,528 1,276 98％
金融資産に係る減損費用（単位：ベーシスポイント） 16 2
比率
収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 51.3％ 66.8％
基礎的な収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 52.1％ 62.0％
自己資本利益率（ROE） 10.7％ 5.7％
貸借対照表
2023年 2022年
（単位：十億ユーロ）
６月30日 12月31日
資産合計 630.2 628.5 0％
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 433.1 432.1 0％
顧客からの預金 395.4 396.5 0％
内部従業員数（常勤換算従業員） 39,237 37,834 4％
外部従業員数（常勤換算従業員） 9,709 9,125 6％
総従業員数（常勤換算従業員） 48,946 46,959 4％
10/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
ラボバンクの財務業績に関する注記
税引前基礎的営業利益の変動
（単位：百万ユーロ） 2023年６月30日 2022年６月30日
収益 7,682 5,659
収益に対する調整 公正価値により評価される項目 -112 93
アフメアにおける会計処理方針
- 300
変更
基礎的収益 7,570 6,052
営業費用 3,615 3,344
費用に対する調整 事業再構築費用 -5 -7
臨時FEC費用 - 39
基礎的費用 3,620 3,312
基礎的総利益 3,950 2,740
のれんおよび関連会社に係る減
- -5
損損失
金融資産に係る減損費用 339 42
賦課金 327 438
税引前営業利益 3,401 1,840
合計調整額 -117 425
税引前基礎的営業利益 3,284 2,265
収益：36％増
純受取 利息は大幅に増加
純受取利息は、33％増に相当する合計5,807百万ユーロとなった（2022年度：4,380百万ユーロ）。これは主に
国内リテール・バンキング（DRB）において預金へのマージンが増加し、主に新規住宅ローンおよび企業向け貸
付により生じている資産の部に対するマージンプレッシャーを補う以上の効果を有していたことに起因する。金
利の上昇も投資の含み益の増加をもたらした。純受取利息を平均総資産で除することにより計算される年間純利
息マージンは、2022年６月30日時点の1.29％に対して2023年６月30日時点では1.56％に増加した。
11/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
純受取手数料は変動なし
当行の純受取手数料は、1,007百万ユーロと比較的安定していた（2022年度：1,050百万ユーロ）。ホールセー
ル・アンド・ルーラル（W＆R）においては、主にキャピタル・マーケッツにおける手数料収入の減少により、純
受取手数料は158百万ユーロに減少した（2022年度：198百万ユーロ）。シンジケーション市場全般に活気がなく
なったことにより、事業活動は抑制された。ただしその一部は、当行の中核を担う貸付事業に係る収益が増加し
たことにより相殺された。DRBにおいては、主に当座預金に係る手数料収入が増加した一方で、その一部は住宅
ローン、企業向け貸付および投資商品に係る手数料収入の減少により相殺されたため、純受取手数料は６百万
ユーロの増加となった。住宅ローンに係る手数料収入の減少は、主に新規住宅ローンに対する需要が減少したこ
とによるものである。
その他利益は増加
その他利益は868百万ユーロまで増加した（2022年度：229百万ユーロ）。W＆Rにおいては、マーケッツおよび
バリュー・チェーン・ファイナンシング（VCF）における収益が増加したことによりその他利益が増加した。
リース終了に係る収益が健全な状態を維持し続けていることに起因し、リース部門においてもその他利益の増加
1
が見られた。加えて、公正価値により評価される項目に係る損益 は205百万ユーロ上昇し、メキャニクス・バン
クに対する当行の持分についての評価損は2022年度上半期と比較し42百万ユーロ減少した。その他利益の増加
は、BPDにおける収益の減少により部分的に抑えられた。当該収益の減少は、オランダにおける住宅ローン市場
の冷え込みに一部起因し、取引数およびマージンとも前年度同期と比較し減少したことによるものであった。
IFRS第17号の遡及的適用に伴い、ラボバンクは関連会社であるアフメアの会計処理にあたり比較数値を再表示し
た。当該再表示により、2022年度上半期の収益は300百万ユーロ減少した。
1 公正価値により評価される項目に係る損益には、当行のヘッジ会計に係る損益および当行のマーケッツ部門のXVA収益
が含まれる。
営業費用：８％増
人件費は増加
2023 年度上半期中、ラボバンクの総従業員数（外部採用従業員を含む。）は常勤換算従業員にして48,946人に
増加した（2022年度：46,959人）。FECおよびITのための従業員の増員によって、DRBにおける合計常勤換算従業
員数は増加した。事業の拡大およびコンプライアンス関連の活動を支えるため、リース部門における従業員数は
常勤換算従業員にして前年度比118人増となり、W＆Rにおける従業員数も常勤換算従業員にして前年度比390人増
となった。効率性に関する施策は引続き実施されているものの、全体としての人件費は、労働協約（CLA）によ
る増加の影響もあり、16％増加して2,742百万ユーロとなった（2022年度：2,368百万ユーロ）。
12/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
その他一般管理費は減少
その他一般管理費の合計は、704百万ユーロまで減少した（2022年度：814百万ユーロ）。前年度とは対照的
に、臨時のFEC費用に対する引当金の追加が発生しなかったことが、その他一般管理費に対してプラスに作用し
た。これまでDRBにおいて計上されてきた複数の引当金につき見直しがなされ、また付加価値税の還付額も増加
したことが、いずれも費用の減少につながった。当行のリース子会社であるDLLにおける、コンサルタント手数
料およびITへの投資額の増加に伴う費用の増加は、部分的な相殺効果を有した。
減価償却費および償却費はわずかに増加
減価償却費および償却費は、169百万ユーロにわずかに増加した（2022年度：162百万ユーロ）。DRBにおける
所有不動産の減価償却費の減少は、ソフトウェアに係る減価償却費の増加を完全に相殺するに足るものとはなら
なかった。
金融資産に係る減損費用
2023 年度上半期の金融資産に係る減損費用は、前年度同期に対して297百万ユーロの増加に当たる、339百万
ユーロとなった。特にインフレおよび金利の上昇の影響に対する懸念は存在するものの、現在のところ、当行の
貸付ポートフォリオの信用度に対する影響はわずかとなっている。しかし、当行はあらゆる不確実性を考慮し引
続き注意を払っている。減損費用の増加は、ヨーロッパおよび北アメリカにおけるいくつかの特定の事案に起因
してW＆Rにおける減損レベルが上昇したことが主因となっている。経済の動向は2022年度上半期ほど前向きでは
なかったものの、DRBにおける減損費用は再び取り崩された。年間で見た場合の金融資産に係る減損費用は16
ベーシスポイントとなったが（2022年度：２ベーシスポイント）、これは長期平均（2013年度から2022年度）の
22ベーシスポイントを依然として下回っている。詳細については、「リスクおよび不確実性」の項を参照された
い。
賦課金は減少
賦課金は2022年度上半期よりも低い水準となり、主に単一破綻処理基金および預金保証スキームに対する拠出
金がいずれも減少したことにより、327百万ユーロまで減少した（2022年度：438百万ユーロ）。
13/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
バランスシートの動向
バランスシート 2023 年６月30日 2022 年12月31日
（単位：十億ユーロ）
現金および現金同等物 116.8 129.6
顧客に対する貸出金および預け金 436.5 428.9
金融資産 18.1 16.5
他行に対する貸出金および預け金 19.8 11.1
デリバティブ 24.0 26.9
その他資産 15.0 15.5
資産合計 630.2 628.5
顧客からの預金 395.4 396.5
発行済債務証券 114.2 112.3
他行からの預り金 34.9 31.5
デリバティブ 16.6 20.2
金融負債 5.0 4.1
その他負債 15.7 17.5
負債合計 581.8 582.1
自己資本 48.4 46.4
負債および自己資本合計 630.2 628.5
14/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
民間セクター向け貸付ポートフォリオは変動なし
高インフレおよび高金利を特徴とする現在のマクロ経済環境の結果として、ローンの需要は世界的に低下して
いる。かかるローンに対する需要の低下にもかかわらず、当行の民間セクター向け貸付額はわずか1.0十億ユー
ロ増とほぼ変動はなく、2023年６月30日現在433.1十億ユーロとなっている。為替変動につき修正した場合、当
該ポートフォリオは約2.8十億ユーロ増加したことになる。また住宅市場の冷え込みにもかかわらず、当行の住
宅ローンポートフォリオは最終的にわずかに（0.6十億ユーロ）増加した。DRBの民間セクター向け貸付ポート
フォリオ合計は、272.3十億ユーロとなった（2022年度：274.0十億ユーロ）。W＆Rの貸付ポートフォリオは増加
し、DLLにおいても企業向け貸付（主に商業融資）の新規件数の増加により当該ポートフォリオは増加した。
貸付ポートフォリオ
(単位：十億ユーロ) 2023年６月30日 2022年12月31日
顧客に対する貸付および預け金の合計 436.5 428.8
うち：政府系顧客に対する貸付および預け金 1.9 1.4
リバース・レポ取引および証券貸借 13.7 8.4
金利ヘッジ（ヘッジ会計） -12.2 -13.1
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 433.1 432.1
国内リテール・バンキング 272.3 274.0
ホールセール・アンド・ルーラル 120.7 119.8
リース 39.4 37.7
不動産開発 0.1 0.1
その他 0.6 0.5
2023 年６月30日現在の民間セクター向け貸付ポートフォリオの地理的内訳（債務者の所在国に基づく）は、オ
ランダが68％、北アメリカが11％、ヨーロッパ（オランダ以外）が９％、オーストラリアおよびニュージーラン
ドが７％、南アメリカが４％、アジアが２％であった。
1
セクター別貸付ポートフォリオ
(単位：十億ユーロ) 2023年６月30日 2022年12月31日
民間個人顧客に対する貸付 204.1 47％ 204.4 47％
商業・工業・サービス業に対する貸付 114.3 26％ 114.4 26％
うち：オランダ国内の貸付 75.2 75.4
うち：オランダ国外の貸付 39.2 39.0
食品・農業に対する貸付 114.7 26％ 113.3 26％
うち：オランダ国内の貸付 40.4 40.4
うち：オランダ国外の貸付 74.4 73.0
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 433.1 100％ 432.1 100％
1 当該事業体の設立国に基づく。
15/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
顧客からの預金は比較的安定
マーケット・ダイナミクスにもかかわらず、顧客からの預金の合計は比較的安定していた。実勢預金は395.4
十億ユーロとなり（2022年度：396.5十億ユーロ）、わずかな減少が確認された。法人顧客からの預金残高が減
少した結果、DRBにおける顧客からの預金は318.9十億ユーロまで減少した（2022年度：320.1十億ユーロ）。オ
ランダ国内の企業は、費用の増加に直面しており、またその多くは依然としてCOVID-19に係る未払の税金の一部
またはほぼ全てを返済する必要に迫られており、結果として利用可能な貯蓄性預金は減少した。休日手当が使用
されないまま貯金されていることに一部起因し、DRBにおける貯蓄性個人預金は5.6十億ユーロ増加し158.5十億
ユーロとなった。その他の部門における顧客からの預金は、76.4十億ユーロのまま変動はなかった（2022年度：
76.4十億ユーロ）。当行の預貸率（LtD比率、12ヶ月平均）は1.09となった（2022年度：1.10）。
顧客からの預金
(単位：十億ユーロ) 2023年６月30日 2022年12月31日
貯蓄性個人預金 164.6 158.6
国内リテール・バンキング 158.5 152.9
その他の部門 6.1 5.7
顧客からのその他の預金 230.8 237.9
国内リテール・バンキング 160.4 167.2
その他の部門 70.4 70.7
顧客からの預金合計 395.4 396.5
流動性
当行は潜在的な流動性危機の影響からその身を十分に守ることができるよう保証するため常に努力している。
その目的において、当行は強固な流動性バッファを慎重な資金調達特性およびリスク枠組みと組み合わせて維持
している。2023年６月30日現在、当行の流動性カバレッジ比率（LCR）は169％（51.9十億ユーロの絶対的剰余）
となっている。これにはその大部分（111.9十億ユーロ）が現金で構成される、126.7十億ユーロの適格流動資産
（HQLA）バッファ（2022年度：137.7十億ユーロ）が含まれる。LCRにおいて考慮される換金価値に加えて、当行
は担保権が設定されておらずECB適格である、留保中の住宅ローン担保証券、資産担保証券およびカバードボン
ドを含む、不測の事態向けの流動性ポートフォリオを維持している。2023年６月30日現在、当該ポートフォリオ
は57.3十億ユーロの換金価値を有する。
16/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
自己資本
当行の自己資本は48.4十億ユーロに増加した（2022年度：46.4十億ユーロ）が、当該増加の大部分は利益剰余
金によるものである。当行の2023年６月30日現在の自己資本のうち、72％（2022年度：71％）が利益剰余金およ
び準備金、16％（2022年度：17％）がラボバンク証書、10％（2022年度：11％）が資本証券、そして１％（2022
年度：１％）がその他非支配持分により構成されている。
自己資本の変動
(単位：百万ユーロ)
2022年12月末時点の自己資本 46,358
当期中の純利益 2,528
その他包括利益 -156
ラボバンク証書に対する支払い -254
ラボバンク発行の資本証券に対する支払い 101
その他 11
2023年６月末時点の自己資本 48,386
ホールセールによる資金調達
当行のホールセールによる資金調達の合計残高は、わずかに増加して2023年６月30日時点では126十億ユーロ
となった。この数年間で当行の資金調達構成がいっそう多様化したことにより、当行のホールセールによる資金
調達への依存度は大幅に抑えられてきている。当行は様々な市場、償還期限、通貨および商品を利用しているた
め、当行のホールセールによる資金調達は依然として多様である。資金調達の多様化に意識を向けることは、今
後も優先事項であり続け、経済的考察による影響を受ける。
次へ
17/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
リスクおよび不確実性
ロシア・ウクライナ戦争は地政学的、経済的および財務的なリスクの高まりをもたらし、高インフレは消費者
の消費を圧迫している。これまでのところ、当行の住宅ローン・ポートフォリオへの影響は、オランダ政府によ
る救済措置もあり、重大なものではない。同時に、企業は投入コストの高騰、高金利および労働力不足に直面し
ており、収益性や企業投資への意欲に影響することが予想される。当行のポートフォリオを積極的に管理するこ
と（ロシアにおける事業の撤退を含む。）により、当行のリスク特性は堅固な状態で維持される。
18/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
マクロ経済環境
パンデミックからの力強い回復の後、ロシア・ウクライナ戦争および高インフレによって、オランダの経済動
向は2022年度中に悪化した。当行は現在、2023年度の大半の時期について、GDPが大幅に低下するのではなく、
成長が多かれ少なかれ伸び悩むものと予想している。高金利は2024年度の経済見通しを押し下げる。また、2023
年度下半期から2024年度にかけて、資金調達コストの高騰が、政府および企業の債務持続可能性を圧迫するだろ
う。全体として、当行は引続き、減損費用の増加につながり得る不確実性および財務リスクが増大していると判
断する。
2023 年度第１四半期には、米国の地方銀行恐慌により、中堅銀行４行が破綻した。この恐慌は、金利の上昇、
テック業界の低迷、顧客預金の大規模な引出しおよびこの種の銀行に対する規制制度の影響により引き起こされ
たものであった。ラボバンクは、直接的な影響を受けた米国地方銀行に対するエクスポージャーを実質的に有し
ておらず、欧州の金融システムは当該影響を十分に吸収できる強固なものであると見込んでいる。
オランダ・ベースライン・シナリオ
前年と比較した場合の増減率（％） 2023 年 2024 年 2025 年 2026 年 2027 年
国内総生産（GDP） 1.1 0.9 1.3 1.2 1.3
民間消費 2.2 1.2 1.7 1.3 1.3
企業投資 5.1 -0.6 1.0 1.6 1.6
住宅投資 0.4 -7.6 -2.9 1.3 2.0
政府支出 2.1 2.1 2.2 1.6 1.9
商品およびサービスの輸出量 2.4 2.8 3.5 3.2 3.2
商品およびサービスの輸入量 3.0 3.5 4.0 3.8 3.8
インフレーション（％） 4.9 3.8 2.5 2.4 2.2
失業率（％） 3.7 4.0 4.1 4.1 4.1
住宅価格（％） -5.2 -2.4 1.7 3.2 4.2
信用ポートフォリオ
2023 年度上半期中、当行の信用ポートフォリオの質は、ロシア・ウクライナ戦争の影響にかかわらず良好に維
持された。2023年６月30日現在、ウクライナに対するエクスポージャーは81百万ユーロ（トレード・アンド・コ
モディティ・ファイナンス）であった。ステージ２のエクスポージャーの割合は、2022年度末の8.6％から減少
し、2023年６月30日には8.1％となった。当行のNPLポートフォリオ合計は、住宅用不動産の監視強化に特に起因
し、2023年６月30日現在、9.6十億ユーロ（2022年度：8.6十億ユーロ）に増加した。NPL比率（EBAの定義によ
る。）は1.6％（2022年度：1.5％）となった。2023年度下半期および2024年度には、資産の質のさらなる低下お
よびそれに伴うNPLの上昇が予想されている。しかし、このような低下がどの程度の規模で起きるかはまったく
不透明であり、地政学的動向、エネルギー供給および物価動向に大きく左右される。当行のNPLエクスポー
ジャー合計は、引続きリスク選好度の範囲内に保たれている。
19/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
脆弱なセクター
不透明な経済環境にもかかわらず、市況は比較的良好な状態へと移行しつつある（すなわち、COVID-19の影響
を脱している。）。脆弱なセクターのエクスポージャーは信用リスクの大幅な上昇および／または不確実性の大
幅な増加をもたらすとされ、ステージ２に分類される。2023年６月30日現在、これらの脆弱なセクターは減少
し、14.4十億ユーロ（2022年度：23.0十億ユーロ）となった。ナチュラ2000区域から一定の距離内に位置する畜
産（豚肉、鶏肉、牛肉および乳製品）ポートフォリオのF&Aエクスポージャー（6.0十億ユーロ）は、依然として
脆弱である。現在の政治情勢および政府の窒素削減目標を取り巻く不確実性を考慮すると、畜産ポートフォリオ
の見通しは未だ明らかではない。このような理由により、54.1百万ユーロ（2022年度：83.7百万ユーロ）の管理
調整が講じられた。2023年度から2040年度のセクター構想は、自然、水、気候、生物多様性および動物福祉の分
野における目標を組み込む更新がされた。これらの更新されたセクター構想の完全な統合および政府規制のさら
なる発展により、今後の当該セクターの脆弱性評価がさらに改善される可能性が高い。食品・農業以外のセク
ター、特にオートモーティブ・ヨーロッパならびにホールセール・トレードおよびリテール・トレード・ヨー
ロッパの一部のサブセクターにおいては、特定のエクスポージャーが脆弱と分類されている（合計8.3十億ユー
ロ）。この数値には、現在のマクロ経済の動向に特に影響されやすいセクターにおける高レバレッジ取引（ECB
の定義による。）が含まれている。全体として、2023年６月30日現在、433十億ユーロの民間セクター向け貸付
ポートフォリオのうち3.3％（2022年度：5.3％）が脆弱と分類されている。
減損：マクロ経済の低迷、高インフレおよび金利の影響
全体的な減損費用は引続き選好度内に収まってはいるものの、前年度同期間の42百万ユーロ（２ベーシスポイ
ント）から339百万ユーロ（16ベーシスポイント）に増加した。かかる増加は、特に（主にW&R内の）ステージ３
の減損によるものであり、25百万ユーロの管理調整の取り崩しによって一部相殺された。不履行の水準はCOVID-
19およびロシア・ウクライナ戦争前の水準を大幅に下回っているが、金利の上昇、高インフレ、 繰延べを受けた
税金の支払い および政府による支援の返済に関連する不確実性は残存している。それゆえラボバンクは、これら
のリスクについて、167百万ユーロの追加的な管理調整を計上した。住宅用不動産に対する管理調整は35百万
ユーロ増加し、窒素に対する管理調整は30百万ユーロが取り崩された。
20/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
以下の２つの表のうち最初の表は、段階ごとのの減損費用を示す。減損引当金合計に対するステージ１および
２の引当金の割合は、管理調整の実質的な取り崩しおよびモデル・パラメータの調整により、34％（2022年度：
39％）に減少した。
減損費用
2023 年 2022 年 2022 年
( 単位：百万ユーロ) 2022 年
上半期 下半期 上半期
ステージ１ 19 34 23 11
ステージ２ -115 55 5 50
ステージ３ 435 255 274 -19
ラボバンクグループ 339 344 302 42
ステージ構成ポートフォリオ
2023 年 2022 年
2022 年 2021 年
上半期 上半期
ステージ１ 89.9% 89.6% 89.8% 91.6%
ステージ２ 8.1% 8.6% 8.4% 6.4%
ステージ３ 2.0% 1.9% 1.7% 2.0%
ラボバンクグループ 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％
NPL 戦略
当行のNPLポートフォリオは、グループ全体にまたがるNPL戦略の枠組み内で管理されている。当行は、事業分
野およびグループレベルでNPLポートフォリオを注意深く監視し、必要に応じて地域またはセクターに関連する
ポートフォリオ戦略に従う。個人顧客戦略は、顧客と協働し新たな可能性を作り出すという当行の使命に基づい
ている。財政難にある各顧客の事業および財政の継続性に関して必要な評価に加えて、当行は、プルデンシャ
ル・バックストップ等の規制の影響をも重視する。
過去数年間、NPLポートフォリオを積極的に管理するため、複数の施策を実行してきた。当行は引続き、NPL顧
客への明確なマイルストーンの設定に注力するとともに、当行の信用（NPLを含む。）ポートフォリオに対する
経済動向の影響およびオランダ国内にある当行のF&Aポートフォリオに関連する窒素に関する政府の最新の決定
を注視する。
21/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
住宅用不動産
オランダの住宅ローン・ポートフォリオの業績は、好調を保っている。マクロ経済環境が変化しているため、
かかるポートフォリオを注意深く監視する必要がある。当行はこれまで、ポートフォリオの変化をより早い段階
で検知できるよう、監視を拡大してきた。NPLの割合は2023年度上半期中に上昇したものの、これは信用ポート
フォリオの悪化によるものではなく、とりわけインタレスト・オンリー住宅ローン（IOM）に対するより厳格な
リスク・アプローチおよび不履行の定義の変更によるものである。このような強化されたアプローチを支援する
ため管理調整が更新され、2023年度上半期において、82百万ユーロ（2022年度：47百万ユーロ）に増額された。
当行は今後、リスクベースかつ重点的な顧客支援活動を拡大し、返済能力を注視していく。IOMに対する実行中
の監督監査は、将来の資本要件および減損の水準に影響を与える可能性がある。
オランダにおける窒素
2019 年５月のオランダ最高裁判所の判決以降、住宅開発、建設および高速道路の拡張等のプロジェクトについ
て、許可のない窒素の排出は認められないこととなった。これらの窒素削減目標は社会全体に影響を及ぼしてお
り、特に農業者への影響は甚大である。
2022 年６月、オランダ政府は、排出削減目標および農業者向けの新たな展望を含むオランダ窒素計画を発表し
た。農業セクターの大転換を加速させたいという前提上、後者は特に重要である。オランダ政府は、2030年まで
に循環農業における世界のリーダーになるという目標を掲げており、これは当行の気候および自然に関する目標
とも一致する。この構想は、生産量増加・費用価格削減というあり方から、気候および自然（生物多様性、水お
よび土壌の質を含む。）と調和した資源利用・食料生産の最適化というあり方へのパラダイムシフトを必然的に
伴う。目的は、手段ではなく目標によってセクターを導くことである。政府による25十億ユーロの転換資金（削
減目標への取り組みにも用いられる。）が、この目標の達成を可能にするだろう。
2022 年６月以降、農業セクターは、その将来に関してさらなる不確実性に直面している。当行が積極的に関与
している多くの利害関係者との広範囲にわたる交渉は、意図する農業協定（ヘット・ランドバウアコード）に未
だ至っていない。農業者への持続可能かつ公正な収入についての見通しがないことが、合意に達しない主な原因
の一つである。最近の州議会選挙の結果およびオランダ政府の崩壊により、このセクターに関する不確実性は長
期化する見込みである。
22/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
当行は、オランダにおける現在の農業システムは限界に達しており、変革が必要であると認識している。当行
は、 2023 年度から2040年度のセクター構想 に自然、水、気候、生物多様性および動物福祉における目標を組み込
む更新を行った。農業セクターの大部分への融資を担う銀行の一つとして、また乳製品、豚肉、鶏肉および牛肉
の農業者に対して現在約13十億ユーロのエクスポージャーを有する銀行として、当行は、より持続可能なセク
ターへの転換を通じて当行の農業顧客への支援に尽力する。当行は、当行の顧客が必要な転換を実現するため
に、今後数年間で約３十億ユーロの新規融資が必要になると想定している。政府規制および州地域計画が決定さ
れ次第、農業者は、当行の提案、すなわち、拡張、革新、切替、移転または停止のいずれが最も適しているかを
判断することができるだろう。融資の前提条件には、持続可能かつ財政的に継続可能なビジネスモデルおよび農
業者の経営に必要な許認可が含まれる。当行は、転換期にある農業者を支援し自然を保護するという目標をもっ
て、全国のF&Aバリューチェーン全体のパートナーらと協働する。
気候関連および環境リスク
気候関連および環境（C&E）リスクは、（１）移行リスク（規制、技術および市場心理の変化等）および
（２）物理的リスク（嵐、山火事および洪水等の急激な気象現象ならびに海面上昇や干ばつ等の慢性的な現象に
おける変化）を通じて信用ポートフォリオに影響を及ぼす可能性がある。C&Eリスクに対する当行のエクスポー
ジャーを評価および管理する着実な取り組みは、2050年までにネット・ゼロ・バンクになるという持続可能性目
標に不可欠である。そのため当行は、銀行全体を通じてC&Eリスクを積極的に管理している。
気候関連財務情報開示タスクフォース（TCFD）は、気候変動および環境悪化の影響を最も被る可能性のある４
つの業種、すなわち、①エネルギー、②運送業、③不動産を含む建材および建設業ならびに④農業、食品および
林産物を優先事項とした。これらのセクターは、C&Eリスクの測定および監視を行うで優先的に取り組むべきセ
クターである。現在行っているヒートマップ作業、シナリオ分析およびストレステストは、地理的位置、セク
ターおよび時間軸に基づくC&Eリスクの質的かつ量的な信用リスク推定を可能にする。当行はまた、質的かつ量
的なリスク評価に基づくラボバンクのリスク選好度アプローチに従って、C&Eリスク選好度を設定する。
23/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
情報セキュリティ／サイバー犯罪
外部からのサイバー脅威をめぐる状況は、2023年度上半期中も厳しいものだった。これには、脅威アクターの
動機を強めることとなる地政学的状況の悪化が含まれる。サイバー犯罪は依然として儲けの多いビジネスモデル
であり、サイバー脅威のレベルは、頻度および影響のいずれの観点においても高いままである。サイバー犯罪者
は、情報セキュリティの脆弱性を悪用し、企業のデータを盗み、金融セクターのサービス継続性を途絶させるた
めの手法を革新し続けている。当行は、顧客のデータを保護するため、当行が直面する脅威およびリスクに基づ
き、継続的に当行の情報セキュリティ管理を改善している。例えば、生成人工知能（AI）などの新たな技術を通
じて、新たなリスクが出現している。AIは、サイバー犯罪者の活動を自動化し、銀行にとっても顧客にとっても
本物と区別することが難しい偽造の文書、写真、動画および通話を生成することを可能にする。銀行内の専門作
業部会がこの新たなリスクを調査しており、必要に応じて低減措置を準備する。また、オペレーショナル・レジ
リエンスに関する規制要件も強化されている。2023年度上半期中、ラボバンクは、信頼性のあるサービスに関し
て顧客の期待に応え続けるべく、継続的な改善を行った。
金融経済犯罪
2021 年末に、オランダ銀行（DNB）はラボバンクに対して、オランダ・リテール部門のマネー・ロンダリング
防止およびテロリスト資金供与防止法（オランダ語：ヴェット・テル・フォルコーミング・ファン・ヴィット
ワーセン・フィナンシーリング・ファン・テロリスメ（Wwft））の遵守に関する欠陥を是正するよう命じた。こ
れらの欠陥は主に、顧客デュー・ディリジェンス、取引監視および異常取引の報告の実行、記録およびアウト
ソーシングに関するものである。ラボバンクは、遅くとも2024年12月31日までに、DNBの指導に応じなければな
らない。2022年12月には、オランダ検察庁が、ラボバンクによるWwft違反の疑いに関連して犯罪捜査を開始した
ことを発表した。ラボバンクは、この捜査に全面的に協力している。進行中の捜査の期間や結果の見込みを判断
するのは、現時点では時期尚早である。その後の罰金、罰則またはその他の関連する処分の性質および重大性
は、これらが重大なものとなる可能性があるということを除いては、信頼性を持って推測することはできない。
24/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
改善計画の実行は引続き当行の最優先課題であり、「 Growing a Better World Together（一体となってより
良い世界を作る） 」という当行の使命の不可欠な要素であるこの目標の達成に向け、投資を行い、取り組みを強
化している。これはすべて、ロシアに対する激しく変化する制裁、縮小する労働市場および新たな規制への対応
を行うダイナミックな外部環境の中で行われている。このような困難かつ変化する状況に対処するため、当行は
改善計画を更新および強化し、約束の期日を厳守するべく努めている。当行は2023年度上半期を通して、金融経
済犯罪（FEC）の検知・阻止活動を強化し、当行の全従業員および特にFEC従業員の研修への投資を続けた。過年
度のFEC従業員の増加に違わず、当行（DLLおよびオプフィオンを含む。）は世界中のFEC従業員を拡大してお
り、2022年12月31日の約7,000人から2023年度上半期には7,800人に増員した。このような従業員は、当行の顧
客、加盟者および社会を金融経済犯罪から守るため、日々熱心に働いている。ラボバンクは、人工知能やロボッ
トの活用など、意思決定を強化するプロセスの自動化およびイノベーションへの投資を継続している。チーフ・
フィナンシャル・エコノミック・クライム・オフィサー（CFECO）の就任により、取引監視、CDDおよび制裁監視
の経験豊富なグローバル・ヘッドの採用と相まって、さらにFECリーダー・チームが強化された。ラボバンクは
2023年度上半期単期で、FECコンプライアンス（DLLおよびオプフィオンを含む。）に約471百万ユーロを費やし
た。2023年度上半期の損益計算書に計上された費用合計は368百万ユーロとなった。
制裁
ラボバンクは、ロシア・ウクライナ戦争に関する状況を引続き注視している。数十年を経てヨーロッパ大陸が
このような暴力に直面していることは、とても遺憾である。何よりもまず、ウクライナの人々にこの戦争がもた
らす痛ましい状況や不安定さについても同様である。ロシア・ウクライナ戦争に関連する制裁は、ウクライナの
支配権を脅かす個人および事業体に対する制限措置ならびにロシアへの輸出入制限を含む経済制裁を対象とす
る。制裁の発動前から、ラボバンクのロシアにおける商業的利益は比較的少ない。当行の子会社であるDLLはロ
シアにおける事業の縮小を完了し、その後ロシアから撤退した。
ラボバンクは状況の監視を続け、既存の制限措置への追加的な措置を含む適用ある新たな制裁措置が公開され
た場合にはこれを実行する。またラボバンクは、制裁の動向について、DNBおよびオランダ財務省と緊密に連携
を取っている。制裁の状況は、非常に不安定かつ複雑であり続けることが予想される。これにより、発動される
制裁の断片化や分散化が進み、その遵守はますます困難になる。
消費者信用商品
オランダ金融市場当局（AFM）は、当行の特定の状況下にある顧客の信用力の評価手続きに疑義を示した。ラ
ボバンクはこの指摘事項に回答し、AFMの結果を待っている。この件のほか、オランダ金融関連紛争処理機関
（Kifid）は、特定の消費者商品の貸主は、これらの商品の変動金利を判断する際に市場金利の動きに従うべき
であったとの判断を下した。ラボバンクは、特定の消費者信用商品の金利について、Kifidが選定した基準相場
に従って一貫して調整していなかったことを認めた。これら２件の事案に基づき、ラボバンクは211百万ユーロ
（2022年12月31日：301百万ユーロ） の引当金を計上した。
前へ 次へ
25/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
③ 事業分野毎の業績
国内リテール・バンキング
要旨
オランダにおいて、国内リテール・バンキング（DRB）は、住宅ローン市場における融資の主要な提供者であ
り、貯蓄、決済、投資および保険の商品およびサービスを提供している。また、DRBは、SMEおよび食品・農業市
場における市場リーダーでもある。貯蓄および当座預金口座に係るマージンの上昇を主因とする純受取利息の増
加（+97％）が、2023年度上半期におけるDRBの純利益の増加をもたらした。金融資産に係る減損費用は、2022年
度上半期と同様に、当行の貸付ポートフォリオの信用度が依然高い水準であったことから、取り崩しが行われ
た。顧客からの預金は、引続き比較的安定した状態を保っており、当行の住宅ローン貸付ポートフォリオは、オ
ランダ住宅市場の冷え込みにもかかわらず、わずかに増加した。
26/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
財務業績
業績
2023年 2022年
単位：百万ユーロ 増減率
６月30日 ６月30日
純受取利息 4,048 2,060 97%
純受取手数料 813 807 1%
その他収益 32 39 -18%
収益合計 4,893 2,906 68%
人件費 1,515 1,272 19%
その他一般管理費 380 490 -22%
減価償却費および償却費 44 51 -14%
営業費用合計 1,939 1,813 7%
総利益 2,954 1,093 170%
金融資産に係る減損費用 -41 -150 -73%
賦課金 195 249 -22%
税引前営業利益 2,800 994 182%
法人税等 722 256 182%
純利益 2,078 738 182%
金融資産に係る減損費用（単位：ベーシスポイント） -3 -11
比率
収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 43.6% 71.0%
基礎的な収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 43.7% 70.1%
貸借対照表
2023年 2022年
単位：十億ユーロ
６月30日 12月31日
外部資産 275.4 277.0 -1%
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 272.3 274.0 -1%
顧客からの預金 318.9 320.1 0%
内部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 23,072 22,159 4%
外部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 7,759 7,149 9%
合計従業員数（単位：常勤換算従業員数） 30,831 29,308 5%
27/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
財務業績に関する注記
税引前基礎的利益の変動
2023年 2022年
単位：百万ユーロ
６月30日 ６月30日
収益 4,893 2,906
営業費用 1,939 1,813
費用調整 事業再構築費用 -2 -14
臨時FEC費用 - 39
基礎的費用 1,941 1,788
金融資産に係る減損費用 -41 -150
賦課金 195 249
税引前営業利益 2,800 994
合計調整額 -2 25
税引前基礎的営業利益 2,798 1,019
基礎的な業績は拡大
DRB の基礎的な業績は、2023年度上半期中、2022年度同期間中に比べ拡大した。税引前基礎的営業利益は、前
年度の1,019百万ユーロに対し2,798百万ユーロとなった。純受取利息は、預金に係る平均マージンの上昇を受
け、増加した。人件費の増加が継続中の効率化に向けた取り組みによる相殺を上回ったことにより、基礎的営業
費用は増加した。また、 当行の貸付ポートフォリオ の 信用度 は依然高い水準であり、厳しい市況にもかかわら
ず、41百万ユーロの金融資産に係る減損費用が実質的に取り崩されることとなった。
収益は大幅に増加
収益合計は、4,893百万ユーロ（2022年度：2,906百万ユーロ）と大幅に増加した。金利の上昇により預金に係
るマージンが上昇したため、純受取利息は増加した。一方で、 当行の住宅ローン・ポートフォリオ に係る平均貸
付けマージンは、資金調達コストの上昇および熾烈な競争の影響を受け、低下した。純受取利息合計は4,048百
万ユーロ（2022年度：2,060百万ユーロ）となった。純受取手数料は、813百万ユーロ（2022年度：807百万ユー
ロ）にわずかに増加したが、これは主に当座預金口座に係る手数料収入の増加によるもので、住宅ローンおよび
投資商品に係る手数料収入の減少により部分的に相殺された。住宅ローンに係る手数料収入の減少は、住宅市場
の冷え込みによる取引数の減少に主に起因する。運用資産の平均水準は2022年度上半期よりも低く、投資商品に
関連する純受取手数料にマイナスの影響を及ぼした。これは、2022年度下半期における株式市場のマイナスの動
向によるものである。その他収益は、32百万ユーロ（2022年度：39百万ユーロ）まで減少した。
28/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
営業費用は増加
営業費用合計は前年度に比べて７％増加し、1,939百万ユーロ（2022年度：1,813百万ユーロ）となった。FEC
およびITへの増員に主に起因し、人件費は1,515百万ユーロ（2022年度：1,272百万ユーロ）に増加した。また、
CLAが費用を増加させた。その他一般管理費は、380百万ユーロ（2022年度：490百万ユーロ）に減少した。前年
度とは対照的に、臨時FEC費用に係る追加の引当金が講じられなかったこと、および（過年度分の）付加価値税
の払戻額が増加したことがこの減少に寄与した。減価償却費および償却費は、44百万ユーロ（2022年度：51百万
ユーロ）に減少した。オフィスおよび賃貸契約が減少したことが減価償却費の水準に下方効果をもたらしたが、
これは不動産ポートフォリオの動向に一致する。
減損費用は引続き低値
経済動向は、前年度上半期に比べると低調ではあるものの、減損費用は再び取り崩しされた。金融資産に係る
減損費用は、-41百万ユーロ（2022年度：-150百万ユーロ）となり、これは、平均民間セクター向け貸付ポート
フォリオの-３ベーシスポイント（2022年度：-11ベーシスポイント）に換算され、長期平均の10ベーシスポイン
トを大幅に下回る。
貸付ポートフォリオは減少
上半期中、DRBポートフォリオの合計は、272.3十億ユーロ（2022年度：274.0十億ユーロ）に減少した。当該
数値には、35.0十億ユーロ（2022年度：34.2十億ユーロ）のオプフィオンの貸付ポートフォリオが含まれる。
2023年６月30日現在、当行の住宅ローン貸付ポートフォリオの合計額は、オランダ住宅市場の動向にかかわらず
やや増加し、193.6十億ユーロ（2022年度：193.0十億ユーロ）となった。2023年度上半期中、地方ラボバンクに
おける顧客の追加住宅ローン返済額、すなわち、強制返済に追加して支払われた金額は、合計約6.5十億ユーロ
（2022年度：9.0十億ユーロ）となった。当該追加返済額のうち0.9十億ユーロ（2022年度：1.2十億ユーロ）は
部分返済に関連するものであり、5.6十億ユーロ（2022年度：7.8十億ユーロ）の一部は顧客の転居を理由とした
住宅ローンの完済によるものであった。企業への貸付は、不透明な市況を受け、また世界的な需要減の傾向と相
まって、70.2十億ユーロ（2022年度：71.4十億ユーロ）に減少した。
セクター別貸付ポートフォリオ
単位：十億ユーロ 2023年６月30日 2022年12月31日
民間個人顧客に対する貸付額 202.1 202.6
商業・工業・サービス業に対する貸付額 48.3 48.9
食品・農業に対する貸付額 21.9 22.5
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 272.3 274.0
29/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
住宅ローン貸付ポートフォリオ
ラボバンクのオランダ住宅ローン市場におけるシェアは、2023年度上半期に新規に組まれた住宅ローンの
1
19.4％（2022年度：17.3％）に増加した 。住宅ローン貸付ポートフォリオの0.80％を占める不良債権は、前年
度上半期よりもやや増加した。NPLの割合は2023年度上半期中に上昇したものの、これは信用ポートフォリオの
悪化によるものではない。主因は、とりわけインタレスト・オンリー住宅ローン（IOM）についてより厳格なリ
スク・アプローチが取られたこと、および不履行の定義が変更されたことにある。全国住宅ローン保証スキーム
(ナショナール・ヒポテークガランシー（NHG）)が後援する融資は、15.6％（2022年度：15.5％）に増加した。
2023年６月30日現在、住宅ローン貸付ポートフォリオの加重平均指数化されたLTVは54％（2022年度：51％）と
なった。
住宅ローン
単位：百万ユーロ 2023年６月30日 2022年12月31日
住宅ローン・ポートフォリオ 193,634 192,986
加重平均LTV 54% 51%
不良債権（金額） 1,541 888
不良債権
0.80% 0.46%
（住宅ローン貸付ポートフォリオ合計に占める割合）
90日超の支払い遅延 0.15% 0.14%
NHGポートフォリオのシェア 15.6% 15.5%
金融資産における貸倒引当金 186 168
不良債権に基づくカバー率 7% 9%
純増額 -3 61
純増額(ベーシスポイント) -1 3
評価減 -3 -4
1
市場におけるシェアは、新たなデータ出典元であるヒポテーク・データ・ネットワーク（HDN）に基づいて算出されてお
り、比較数値はこれに従って調整される。
30/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
顧客からの預金はわずかに減少
オランダの民間貯蓄性預金市場は、2023年６月30日現在、４％成長して447.7十億ユーロ（2022年度：431.0十
億ユーロ）となった。休日手当が使用されないままであることが貯蓄の増加に寄与した。当行の市場シェアは
2
34.8％（2022年度：34.9％）となった 。顧客からの預金はわずかに減少して318.9十億ユーロ（2022年度：
320.1十億ユーロ）となった。DRBに預金された個人貯蓄性預金は、5.6十億ユーロ増加し、158.5十億ユーロ
（2022年度：152.9十億ユーロ）となった。顧客からのその他の預金は、オランダの企業が経費の増加に直面し
ており、またこれらの企業の多くがCOVID-19に関連して繰延べを受けた税金の一部または大部分を今なお支払う
必要があるため利用可能な預金が減少した結果、6.8十億ユーロ減少して160.4十億ユーロとなった。
2
出典元：スタティスティックス・ネザーランド（セントラール・ビューロー・フォー・デ・スタティスティーク）
前へ 次へ
31/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
ホールセール・アンド・ルーラル
要旨
代表的かつ世界的な食品・農業銀行として、ホールセール・アンド・ルーラルは、ヨーロッパ＆アフリカ、北ア
メリカ、南アメリカ、オーストラリア＆ニュージーランドおよびアジアという、５つの領域で顧客にサービスを
提供している。当行のバンキング・フォー・フードおよびバンキング・フォー・ザ・ネザーランド戦略は、W＆R
ポートフォリオの原動力となっており、エネルギーに係る移行は当行のホールセール事業にとって重要な焦点と
なっている。2023年度上半期におけるW＆Rの純利益は、前年度同期間中と比較して49％の減少となった。収益
は、マーケッツの収益が増加しコア・レンディングの業績が伸びた一方で、市場における物価の下落傾向とこれ
に伴う資産規模の縮小を受けてトレード・アンド・コモディティ・ファイナンスの収益が減少したことに起因し
て、５％の増加となった。新規事業に係るイニシアチブおよびコンプライアンス関連活動のための増員に加え、
インフレ圧力に関連した給与の引き上げにより、費用は増加した。金融資産に係る減損費用は、主にヨーロッパ
および北アメリカにおけるいくつかの重大な減損により増加した。
32/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
財務業績
業績 2023年 2022年
増減率
単位：百万ユーロ ６月30日 ６月30日
純受取利息 1,393 1,398 0％
純受取手数料 158 198 -20％
その他収益 360 222 62％
収益合計 1,911 1,818 5％
人件費 765 671 14％
その他一般管理費 161 177 -9％
減価償却費および償却費 60 54 11％
営業費用合計 986 902 9％
総利益 925 916 1％
金融資産に係る減損費用 328 -17 -2029％
賦課金 136 154 -12％
税引前営業利益 461 779 -41％
法人税等 173 211 -18％
当期純利益 288 568 -49％
金融資産に係る減損費用（単位：ベーシスポイント） 54 -3
比率
収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 58.7％ 58.1％
基礎的な収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 59.1％ 58.4％
貸借対照表 2023年 2022年
単位：十億ユーロ ６月30日 12月31日
外部資産 153.2 154.2 -1％
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 120.7 119.8 1％
顧客からの預金 24.0 23.8 1％
内部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 9,404 9,011 4％
外部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 1,417 1,420 0％
合計従業員数（単位：常勤換算従業員数） 10,821 10,431 4％
33/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
財務業績に関する注記
税引前基礎的利益の変動
2023年 2022年
単位：百万ユーロ
６月30日 ６月30日
収益 1,911 1,818
収益に対する調整 公正価値項目 -13 -11
基礎的収益 1,898 1,807
営業費用 986 902
金融資産に係る減損費用 328 -17
賦課金 136 154
税引前営業利益 461 779
合計調整額 -13 -11
税引前基礎的営業利益 448 768
基礎的な業績は減損の増加による影響を受けた
2022 年度における力強い業績を経て、2023年度上半期においてW＆R部門の収益は増加したものの純利益は減少
した。2023年度上半期中の税引前基礎的営業利益は、2022年度上半期中の768百万ユーロに対し、448百万ユーロ
となった。新規事業に係るイニシアチブおよびコンプライアンス関連活動により人員が増加したこと、また、イ
ンフレ圧力に起因して給与が引き上げられたことにより、費用は増加した。減損費用は、2023年度上半期におい
て大幅に増加し、ヨーロッパおよび北アメリカにおいて最も高い水準を見せた。
収益は堅調
W ＆Rの収益合計は、2023年度上半期中、1,911百万ユーロ（2022年度：1,818百万ユーロ）まで増加した。純受
取利息は1,393百万ユーロ（2022年度：1,398百万ユーロ)で安定していた。金利の上昇による資本収入の増加が
当該増加の要因となった。物価の下落、またその後の事業量の減少を受けて、トレード・アンド・コモディ
ティ・ファイナンス事業における受取利息は減少した。キャピタル・マーケッツからの手数料収入が減少したこ
とを主な要因として、純受取手数料は減少し158百万ユーロ（2022年度：198百万ユーロ）となった。シンジケー
ション市場の全般的な冷え込みを受けて事業活動は抑制されたものの、コア・レンディング事業の収益増加に
よって一部相殺された。その他収益は、バリュー・チェーン・ファイナンシング（VCF）およびマーケッツの両
方からの収益増加に支えられ、138百万ユーロ増加し360百万ユーロ（2022年度：222百万ユーロ）となった。
34/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
営業費用は増加
2023 年度上半期中、営業費用は増加し、986百万ユーロ（2022年度：902百万ユーロ）となった。W＆Rにおける
平均従業員数は増加し、かかる増加は、新規事業に係るイニシアチブおよびコンプライアンス関連活動によって
説明可能である。インフレ圧力による給与の引き上げに加え、人件費は765百万ユーロ（2022年度：671百万ユー
ロ）まで増加した。その他一般管理費は、過年度の付加価値税の還付額が増加したことにより、161百万ユーロ
（2022年度：177百万ユーロ）まで減少した。減価償却費および償却費は、ソフトウェアに係る減価償却費の増
加に起因して60百万ユーロ（2022年度：54百万ユーロ）まで増加した。
減損費用は増加
主にヨーロッパおよび北アメリカにおけるいくつかの重大な減損を受け、昨年度同時期と比較して2023年度上
半期の減損費用は増加した。金融資産に係る減損費用合計は、長期平均の37ベーシスポイントを上回り、平均民
間セクター向け貸付ポートフォリオの328百万ユーロ（2022年度：-17百万ユーロ）、すなわち54ベーシスポイン
ト（2022年度：-３ベーシスポイント）となった。
35/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
オランダおよび国際ホールセール
ホールセール・ポートフォリオは、80.2十億ユーロ（2022年度：80.7十億ユーロ）となった。外国為替による
影響を除いた場合、ホールセール・ポートフォリオは引続き安定していた。2023年度上半期中、オランダの最大
規模の企業への貸付は、34.7十億ユーロ（2022年度：34.3十億ユーロ）までやや増加した。オランダ国外のホー
ルセールの貸付ポートフォリオの規模は、2023年６月30日時点で、45.5十億ユーロ（2022年度：46.4十億ユー
ロ）であった。
国際ルーラル・バンキング
ルーラル顧客に対する貸付高は、39.5十億ユーロ（2022年度：38.0十億ユーロ）に達した。外国為替による影
響を除いた場合、ルーラル・ポートフォリオは約2.3十億ユーロ増加した。ルーラル・バンキングの主な市場
は、オーストラリア、ニュージーランド、米国およびブラジルであり、当行はまた、チリ、ペルーおよびアルゼ
ンチンでも活動している。貸付ポートフォリオは、オーストラリアで13.5十億ユーロ（2022年度：12.0十億ユー
ロ）、ニュージーランドで7.5十億ユーロ（2022年度：7.7十億ユーロ）、米国で13.2十億ユーロ（2022年度：
13.0十億ユーロ）、ブラジルで4.2十億ユーロ（2022年度：4.2十億ユーロ）ならびにチリ、ペルーおよびアルゼ
ンチンで合計1.0十億ユーロ（2022年度：1.0十億ユーロ）となった。
顧客からの預金は増加
2023 年度上半期中、顧客からの預金は24.0十億ユーロ（2022年度：23.8十億ユーロ）までやや増加した。オー
ストラリアおよびニュージーランドで稼働している当行のオンライン貯蓄性預金銀行に顧客が預けている預金
は、9.0十億ユーロ（2022年度：8.7十億ユーロ）まで増加した。オンライン貯蓄性預金銀行の顧客の数もまた増
加し、約215,000人（2022年度：210,000人）に達した。
36/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
リース事業
要旨
世界的なアセット・ファイナンス法人として、当行のリース子会社であるDLLは、事業者に対して設備、テクノ
ロジーおよびソフトウェアへのより良いアクセスを提供できるよう、設備製造業者、ディーラーおよび販売業者
だけでなく、エンドユーザー顧客とも直接的に提携している。DLLは、25カ国を超える国において、農業、食
品、医療、クリーン・テクノロジー、建設、輸送、工業、事務設備および技術産業に対して金融ソリューション
を提供している。DLLの純利益における増加は、ポートフォリオの成長による収益の増加および金融資産に係る
減損費用の減少に、主に起因している。リース・ポートフォリオは、2022年12月時点と比較して４％増加した。
2023年６月30日時点で、ポートフォリオのうち食品・農業が占める割合は20.0十億ユーロ（2022年度：19.1十億
ユーロ）に達し、DLLのポートフォリオの48％（2022年度：47％）を占めている。
37/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
財務業績
業績
2023年 2022年
単位：百万ユーロ 増減率
６月30日 ６月30日
純受取利息 645 612 5％
純受取手数料 52 52 0％
その他収益 189 166 14％
収益合計 886 830 7％
人件費 335 302 11％
その他一般管理費 126 108 17％
減価償却費および償却費 12 13 -8％
営業費用合計 473 423 12％
総利益 413 407 1％
金融資産に係る減損費用 55 209 -74％
賦課金 28 31 -10％
税引前営業利益 330 167 98％
法人税等 75 71 6％
当期純利益 255 96 166％
金融資産に係る減損費用（単位：ベーシスポイント） 29 111
比率
収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 56.5％ 54.7％
貸借対照表 2023年 2022年
単位：十億ユーロ ６月30日 12月31日
リース・ポートフォリオ 42.1 40.6 4％
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 39.4 37.7 5％
内部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 5,397 5,273 2％
外部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 257 263 -2％
合計従業員数（単位：常勤換算従業員数） 5,654 5,536 2％
38/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
財務業績に関する注記
収益合計は増加
2023 年度上半期中、リース部門の収益合計は、７％増加し886百万ユーロ（2022年度：830百万ユーロ）となっ
た。ポートフォリオ（特に商業金融）の成長により、純受取利息は５％増加し645百万ユーロ（2022年度：612百
万ユーロ）となった。市場金利の急上昇にもかかわらず、DLLは、価格設定についてやや圧力を受けながらも事
業量を維持することができている。純受取手数料は、52百万ユーロ（2022年度：52百万ユーロ）で安定してい
た。その他収益は主にオペレーティング・リースによる収益およびリースが終了した資産の売却から構成され、
14％増加し189百万ユーロ（2022年度：166百万ユーロ）となった。
営業費用は増加
リース部門の営業費用合計は、12％増加して473百万ユーロ（2022年度：423百万ユーロ）となった。人件費は
11％増加して335百万ユーロ（2022年度：302百万ユーロ）となった。事業の成長、ITおよびコンプライアンス関
連活動を支えるため、2023年度上半期中、従業員数は、常勤換算従業員にして118人増加し5,654人となった。そ
の他一般管理費は、コンサルタント費用の増加およびITへの投資の増加を要因として17％増加し、126百万ユー
ロ（2022年度：108百万ユーロ）となった。減価償却費および償却費合計は、12百万ユーロ（2022年度：13百万
ユーロ）で安定していた。
39/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
金融資産に係る減損費用は減少
ロシアにおける全ての事業活動の恒久的停止および現地業務の見切り売りについてのDLLの決定により2022年
度における減損費用が高額となっていたことから、2023年度上半期における減損費用は大幅に減少した。金融資
産に係る減損費用は55百万ユーロ（2022年度：209百万ユーロ）となり、これは、平均貸付およびリース・ポー
トフォリオの29ベーシスポイント（2022年度：111ベーシスポイント)に一致し、DLLの長期平均の45ベーシスポ
イントを大幅に下回っている。
リース・ポートフォリオの成長
リース・ポートフォリオは、４％増加して42.1十億ユーロ（2022年度：40.6十億ユーロ）となった。これは主
に新規事業量の増加によるもので、特にDLLに融資された在庫が大幅に増加した商業金融が好調であった。2023
年度上半期中、食品・農業のポートフォリオにおけるシェアは、20.0十億ユーロ（2022年度：19.1十億ユーロ）
まで増加し、DLLポートフォリオの48％（2022年度：47％）を占めている。
前へ 次へ
40/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
不動産開発
要旨
不動産開発部門は、主にバウフォンツ・プロパティ・ディベロップメント（BPD）の事業活動によって構成され
ており、これはオランダおよびドイツにおいて活動している。2023年度上半期において、住宅市場は2022年度と
比較して低調であった。これは、取引軒数だけでなく達成されたマージンの両方において、当上半期における
BPDの商業的業績に影響を及ぼした。
41/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
財務業績
業績
2023年 2022年
単位：百万ユーロ 増減率
６月30日 ６月30日
純受取利息 -11 -2 -450％
純受取手数料 - -
その他収益 68 163 -58％
収益合計 57 161 -65％
人件費 54 54 0％
その他一般管理費 19 18 6％
減価償却費および償却費 4 5 -20％
営業費用合計 77 77 0％
総利益 -20 84 -124％
金融資産に係る減損費用 - -
賦課金 1 1 0％
税引前営業利益 -21 83 -125％
法人税等 -1 15 -107％
当期純利益 -20 68 -129％
比率
収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 136.8％ 48.4％ 182％
貸借対照表
住宅用不動産の取引軒数 1,551 2,750 -44％
2023年 2022年
単位：十億ユーロ
６月30日 12月31日
開発中住宅 1,096 1,027 7％
内部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 705 719 -2％
外部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 53 73 -27％
合計従業員数（単位：常勤換算従業員数） 758 792 -4％
42/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
財務業績に関する注記
収益は減少
不動産開発部門の収益合計は、取引軒数の減少およびマージンの低下により57百万ユーロ（2022年度：161百
万ユーロ）まで減少した。オランダおよびドイツの住宅市場は現在、不確実性ならびに金利の上昇およびインフ
レの影響により停滞している。かかる市場の停滞は、2023年度の収益に影響を及ぼしており、2024年度の収益水
準にも影響を及ぼすことが見込まれている。
営業費用は安定
営業費用合計は、77百万ユーロ（2022年度：77百万ユーロ）で安定していた。BPDが事業活動の減少に適応
し、人件費を安定した水準に維持することができたことで、合計54百万ユーロ（2022年度：54百万ユーロ）と
なった。その他一般管理費は、19百万ユーロ（2022年度：18百万ユーロ）までやや増加した。減価償却費および
償却費は比較的安定し、４百万ユーロ（2022年度：５百万ユーロ）となった。
住宅用不動産の取引軒数は減少
現在の市況が昨年度同時期と比較して陰りを見せていることから、住宅用不動産の取引軒数は1,551件（2022
年度：2,750件）まで減少した。売却可能な新規プロジェクト数は、建築費の増加および住宅ローン金利の上昇
のために遅れが出ている。オランダにおける取引軒数は1,450件（2022年度：2,285件）まで減少し、ドイツにお
ける取引軒数の合計は101件（2022年度：465件）まで減少した。BPDウォーニングフォンツのポートフォリオ合
計は、開発中住宅1,096件（2022年度：1,027件）および建設中ユニット1,077件（2022年度：967件)によって構
成されている。
前へ 次へ
43/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
④ 自己資本（BIS比率）の動向
堅固な資本基盤の維持
自己資本比率（BIS比率）
（単位：百万ユーロ） 2023 年６月30日 2022 年12月31日
準備金および利益剰余金 34,996 33,029
予定される分配 -1 -2
ラボバンク証書 7,825 7,825
非支配持分のうち適格資本として扱われるもの 0 0
規制上の調整 -2,406 -2,496
経過措置に伴う調整 9 16
普通株等Tier 1資本
40,423 38,372
資本証券 4,971 4,971
適用除外対象証券 0 0
非支配持分 0 0
規制上の調整 -97 -96
経過措置に伴う調整 0 0
その他Tier 1資本
4,874 4,875
Tier 1 資本
45,297 43,247
劣後債務のうち適格資本として扱われるもの 6,782 7,671
非支配持分 0 0
規制上の調整 -87 -88
経過措置に伴う調整 0 0
Tier 2 資本
6,695 7,583
適格資本 51,992 50,830
リスク加重資産 242,274 240,376
普通株等Tier 1資本比率
16.7 ％ 16.0 ％
Tier 1 資本比率
18.7 ％ 18.0 ％
MREL バッファ 30.2 ％ 29.2 ％
総自己資本比率（BIS比率） 21.5 ％ 21.1 ％
自己資本比率 18.1 ％ 17.4 ％
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー単体（発行体
16.2 ％ 15.2 ％
レベル）の普通株等Tier 1資本比率
44/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
2023 年６月30日現在、当行のCET １比率は16.7％（2022年度：16.0％）となった。 これは、当行の14％超とい
う目標を十分に上回っている。CET １比率の動向の主要な原動力となったのは、純利益が堅調であったことによ
り利益剰余金が1.9十億ユーロ増加したこと（34.1十億ユーロから36.0十億ユーロ）であった。RWAは1.9十億
ユーロ増加（240.4十億ユーロから242.3十億ユーロ）し、これはCET １比率にわずかにマイナスの影響があっ
た。当行はレバレッジ比率（すなわち、当行のTier 1資本をオン・バランスの総資産およびオフ・バランスの負
債で除した数値）をCRR／CRD IVに規定される定義に基づき算出している。2023年６月30日時点の当行のレバ
レッジ比率は6.8％（2022年度：6.6％）であり、３％の最低レバレッジ比率を十分に上回っている。MREL要件を
充足するため、当行は当行の資本戦略に沿ってNPS商品を発行した。当行の総自己資本比率（BIS比率）は、利益
剰余金の増加が発行済みTier 2商品の適格分の償却により一部相殺されたことで、21.5％（2022年度：21.1％）
まで増加した。ラボバンクは、20％の総自己資本比率（BIS比率）は適切だと考えている。
リスク加重資産
2023 年度上半期中、RWA合計はやや増加して242.3十億ユーロ（2022年度：240.4十億ユーロ）となった。RWA
は、通常の事業成長により約2.3十億ユーロ増加した一方、為替変動はこれに約1.2十億ユーロのマイナスの影響
を及ぼした。その他の影響は合わせて約0.8十億ユーロの影響を及ぼした。以前に施行されたアド・オンにより
現在のRWA水準に対して残存するバーゼルIVの影響はないと当行は見込んでいる。
ラボバンクは、ラボバンクが直面するリスクの潜在的なマイナスの影響をカバーするために保有するのが適切
とみなされる資本を決定するため、自己資本比率を規範的な観点（すなわち、規制上の観点）および経済的な観
点の両方から評価している。両方の観点から、ラボバンクは適切に資本化されている。
45/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
規制上の自己資本
規制上の自己資本要件は、当行のリスク加重資産の８％である。当行の自己資本要件は、CRRおよびCRD IVが
当行に保有を義務付ける資本の最小額を意味する。当行の規制上（要求される）自己資本は、2023年６月30日時
点で19.4十億ユーロ（2022年度：19.2十億ユーロ）となり、このうち86％は信用および移転リスク、12％がオペ
レーショナルリスク、２％が市場リスクに関係している。
事業部門別の規制上の自己資本
（単位：十億ユーロ） 2023 年６月30日 2022 年12月31日
国内リテール・バンキング 6.2 6.2
ホールセール・アンド・ルーラル 7.5 7.5
リース 2.3 2.2
不動産開発 0.4 0.4
その他 2.9 2.9
ラボバンク 19.4 19.2
当行のMREL適格資本バッファ
当行は、万が一ベイル・インが発生した場合にシニア債権者および預金者を保護することを目指している。そ
のため、当行はベイル・イン時に当初損失を吸収する資本、劣後債務および非優先シニア債務による多くのバッ
ファを有している。
当行は法的拘束力を有する自己資本および適格債務の最低基準（MREL）に関する単一破綻処理委員会（SRB）
による決定について、DNBより正式な通知を受領した。MREL要件は、欧州連合の銀行が潜在的な破綻に際して損
失を吸収するための十分な自己資本および適格債務を保有することを確保するために設けられた。MREL要件は、
SRBによる現時点での決定に基づき、ラボバンクについては連結レベルで設定されている。（2022年１月１日に
定められた） 法的拘束力を有する当行のMREL要件はRWAの28.2％（段階的に導入されているコンバインド・バッ
ファ要件（CBR）を含む。）およびレバレッジ比率エクスポージャーの7.5％に設定されている。
46/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
当行は、MREL適格資本および債務によるバッファを、適格資本に、満期日までの残存期間が１年以上のTier 2
資本証券（の償却済み分）および満期日までの残存期間が１年以上の非優先シニア債を加えたものとして定義し
ている。当該バッファは、70.2十億ユーロから73.2十億ユーロまで増加し、これはリスク加重資産の30.2％
（2022年度：29.2％）に相当する。
MREL 適格資本バッファ
（単位：十億ユーロ） 2023 年６月30日 2022 年12月31日
適格資本 52.0 50.8
満期日までの残存期間が１年以上のTier 2のうち償却済
1.7 1.3
みのもの
満期日までの残存期間が１年以上の非優先シニア債 19.5 18.0
MREL 適格資本および非優先シニア債によるバッファ 73.2 70.2
リスク加重資産 242.3 240.4
MREL 適格資本および非優先シニア債によるバッファ
30.2 ％ 29.2 ％
／リスク加重資産
前へ 次へ
47/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
⑤ 最近の動向
該当事項なし。
前へ 次へ
48/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
(2) 生産、受注及び販売の状況
上記「(1) 業績等の概要」を参照のこと。
(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
上記「(1) 業績等の概要」を参照のこと。
前へ
49/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
４【経営上の重要な契約等】
該当する契約はない。
５【研究開発活動】
当上半期中、重要な変更はなかった。
50/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
第４【設備の状況】
１【主要な設備の状況】
当上半期中、重要な変更はなかった。
２【設備の新設、除却等の計画】
当上半期中、重要な変更はなかった。
51/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
第５【提出会社の状況】
１【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
①【株式の総数】
該当事項なし。
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アーには加盟者はいるものの、株主は存在しない。
②【発行済株式】
該当事項なし。
(2) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。
(3) 【発行済株式総数及び資本金の状況】
該当事項なし。
上記「(1)株式の総数等」を参照。
(4) 【大株主の状況】
該当事項なし。上記「(1)株式の総数等」を参照。
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アーには加盟者はいるものの、株主は存在しない。2023年６月30日現
在、コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アーには約2.2百万人の加盟者がいる。
52/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
２【役員の状況】
監督委員会
ラボバンクの一般加盟者理事会は、2023年６月28日付でゲイル・クリントワースおよびマシュー・エルダー
フィールドを監督委員会のメンバーに任命した。
ゲイル・クリントワースは、1984年に南アフリカのウィットウォーターズランド大学およびローズ大学で産
業心理学および言語学の分野で学士号を取得した。さらに2015年には、ケンブリッジ大学でサステナビリ
ティ・リーダーシップの分野で修士号を取得した。クリントワース氏は、ユニリーバ・サウスアフリカの
CEO、セイボリー・フーズのグローバル・シニア・ヴァイス・プレジデント、後にグローバル・チーフ・サス
テナビリティ・オフィサーを務めるなど、キャリアの大半をユニリーバで過ごした。
マシュー・エルダーフィールドは、1988年にケンブリッジ大学で国際関係学の分野で修士号を取得した。同
氏は、最近ではノルデア銀行でCROを務めた経験を持ち、コンプライアンスに関する知識および経験も持って
いる、熟練した銀行家および取締役である。また同氏は、英国およびアイルランド中央銀行における関連規制
対応の経験を有している。
経営委員会
ベリー・マルティンの経営委員会メンバーとしての任期は2023年９月１日付で終了した。
これを受け、エルス・カンプホフが2023年９月１日付で経営委員会メンバーに就任した。同氏は４年間の任
期で指名され、当行のホールセール・アンド・ルーラル・ポートフォリオ担当となった。エルス・カンプホフ
はベリー・マルティンの後任となる。
経営委員会メンバーに就任する前、エルス・カンプホフは、2021年初めからラボバンクの欧州およびアフリ
カの地域責任者を務めていた。それ以前は、オランダおよびアフリカのホールセール・バンキング、また、
オーストラリアおよびニュージーランドのホールセール・バンキングを担当していた。
カンプホフ氏は、フローニンゲン大学で計量経済学を学んだ。1992年、同氏はABNアムロでインベストメン
ト・バンキング・アンド・グローバル・クライアントの研修生としてキャリアを開始させた。ABNアムロで13
年超にわたり様々な役職を経験した後、2006年初めにラボバンクに転職した。
53/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
第６【経理の状況】
ラボバンクの要約中間連結財務諸表は欧州連合が採用している国際財務報告基準（IFRS）に従って作成され、国
際会計基準（IAS）第34号「期中財務報告」に従って表示されている。ラボバンクが採用している会計原則と日本
において一般に公正妥当と認められる会計原則の主要な相違点は、以下に記す「３ 国際財務報告基準(IFRS)と日
本における会計原則及び会計慣行の相違」で説明している。
以下に記載されているラボバンクの2023年６月30日に終了した半期に係る要約中間連結財務諸表は、「中間財務
諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和52年大蔵省令第38号、以下「中間財務諸表等規則」という)
第76条第１項の規定に従って作成されている。
ラボバンクの要約中間連結財務諸表の英語版は、オランダにおけるラボバンクの独立した会計監査人であるプラ
イスウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイによる監査を受けていない。
ラボバンクの公表した要約中間連結財務諸表は百万ユーロで表示されている。以下の要約中間連結財務諸表で表
示された円貨額は、利用者の便宜のためであり、中間財務諸表等規則第79条の規定に従って、2023年８月10日現在
の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売相場と買相場の仲値である１ユーロ＝157.97円の換算レートで換算さ
れたものである。日本円に換算された金額は、四捨五入のため合計欄の数値が総数と一致しない場合がある。
54/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
１【中間財務書類】
連結財政状態計算書
連結財政状態計算書
注記 2023 年６月30日現在 2022 年12月31日現在
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
資産
現金および現金同等物 116,839 18,457,057 129,580 20,469,753
金融機関に対する貸出金および預け金 19,756 3,120,855 11,121 1,756,784
売買目的金融資産 3,516 555,423 2,742 433,154
強制的に公正価値で測定される金融資産 2,368 374,073 2,302 363,647
デリバティブ 24,001 3,791,438 26,865 4,243,864
顧客に対する貸出金および預け金 6 436,513 68,955,959 428,861 67,747,172
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資
12,171 1,922,653 11,495 1,815,865
産
関連会社および共同支配企業への投資 1,730 273,288 1,679 265,232
のれんおよびその他無形資産 804 127,008 847 133,801
有形固定資産 4,053 640,252 4,265 673,742
投資不動産 605 95,572 562 88,779
当期税金資産 116 18,325 105 16,587
繰延税金資産 806 127,324 800 126,376
その他資産 6,681 1,055,398 7,039 1,111,951
244 38,545 250 39,493
売却目的固定資産 15
630,203 99,553,168 628,513 99,286,199
資産合計
55/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
注記 2023 年６月30日現在 2022 年12月31日現在
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
負債
金融機関預り金 34,907 5,514,259 31,543 4,982,848
顧客預り金 8 395,368 62,456,283 396,472 62,630,682
発行済負債証券 114,230 18,044,913 112,307 17,741,137
売買目的金融負債 2,397 378,654 1,543 243,748
公正価値測定に指定した金融負債 2,564 405,035 2,599 410,564
デリバティブ 16,642 2,628,937 20,198 3,190,678
その他負債 4,541 717,342 5,850 924,125
引当金 640 101,101 885 139,803
当期税金負債 234 36,965 433 68,401
繰延税金負債 213 33,648 229 36,175
10,081 1,592,496 10,096 1,594,865
劣後債務
負債合計 581,817 91,909,631 582,155 91,963,025
資本
準備金および利益剰余金 10 34,996 5,528,318 33,029 5,217,591
ラボバンクにより発行された資本性金融商品
－ラボバンク証書 7,825 1,236,115 7,825 1,236,115
4,971 785,269 4,971 785,269
－資本証券
12,796 2,021,384 12,796 2,021,384
594 93,834 533 84,198
非支配持分
48,386 7,643,536 46,358 7,323,173
資本合計
630,203 99,553,168 628,513 99,286,199
負債および資本の合計
56/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
連結損益計算書
連結損益計算書
注記 2023 年度上半期 2022 年度上半期
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
実効金利法を使用して認識する金融資産
1
11,876 1,876,052 6,353 1,003,583
からの受取利息
その他の受取利息 1 115 18,167 636 100,469
6,184 976,886 2,609 412,144
支払利息 1
純受取利息 1 5,807 917,332 4,380 691,909
受取手数料 1,178 186,089 1,215 191,934
171 27,013 165 26,065
支払手数料
純受取手数料 1,007 159,076 1,050 165,869
その他の営業活動による収益 2 999 157,812 1,166 184,193
その他の営業活動による費用 780 123,217 887 140,119
2
その他の営業活動による純利益
2 219 34,595 279 44,074
関連会社および共同支配企業への投資か
95 15,007 (200) (31,594)
1
らの利益
償却原価で測定する金融資産の認識中止
12 1,896 (21) (3,317)
から生じた利益／（損失）
損益を通じて公正価値で測定する金融資
447 70,613 147 23,222
産および金融負債に係る利益／（損失）
その他の包括利益を通じて公正価値で測
3 474 (78) (12,322)
定する金融資産に係る利益／（損失）
92 14,533 102 16,113
その他収益
収益合計 7,682 1,213,526 5,659 893,952
人件費 3 2,742 433,154 2,368 374,073
その他一般管理費 4 704 111,211 814 128,588
169 26,697 162 25,591
減価償却費および償却費
営業費用 3,615 571,062 3,344 528,252
関連会社および共同支配企業への投資に
- - (5) (790)
1
係る減損費用
金融資産に係る減損費用 5 339 53,552 42 6,635
327 51,656 438 69,191
規制上の賦課金
税引前営業利益 3,401 537,256 1,840 290,665
873 137,908 564 89,095
法人税
2,528 399,348 1,276 201,570
当期純利益
うち、ラボバンク帰属分 2,126 335,844 895 141,383
うち、ラボバンク証書帰属分 254 40,124 254 40,124
うち、ラボバンクにより発行された資本
101 15,955 88 13,901
証券帰属分
47 7,425 39 6,161
うち、非支配持分帰属分
2,528 399,348 1,276 201,570
当期純利益
1 2022 年度については調整後の表示（「作成基準」に記載されているIFRS第17号「保険契約」を参照のこと）。
57/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
要約連結包括利益計算書
要約連結包括利益計算書
2023 年度上半期 2022 年度上半期
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
当期純利益 2,528 399,348 1,276 201,570
特定の条件に合致した場合に損益に振り替えられる
その他の包括利益（税引後）：
在外営業活動体に係る為替差損益 (205) (32,384) 613 96,836
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債
36 5,687 (153) (24,169)
性金融商品の公正価値の増加／（減少）
ヘッジ・コスト 8 1,264 7 1,106
キャッシュ・フロー・ヘッジ (11) (1,738) 15 2,370
関連会社および共同支配企業のその他の包括利益へ
(6) (948) 24 3,791
1
の持分
損益に振り替えられることのないその他の包括利益
（税引後）：
退職後給付債務の再測定 2 316 1 158
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本
12 1,896 (10) (1,580)
性金融商品の公正価値の増加／（減少）
関連会社および共同支配企業のその他の包括利益へ
(1) (158) 52 8,214
1
の持分
公正価値測定に指定した金融負債に係る自己の信用
9 1,422 59 9,320
リスクによる公正価値の減少／（増加）
(156) (24,643) 608 96,046
その他の包括利益
2,372 374,705 1,884 297,615
包括利益合計
うち、ラボバンク帰属分 1,970 311,201 1,473 232,690
うち、ラボバンク証書帰属分 254 40,124 254 40,124
うち、ラボバンクにより発行された資本証券帰属分 101 15,955 88 13,901
47 7,425 69 10,900
うち、非支配持分帰属分
2,372 374,705 1,884 297,615
包括利益合計
1 2022 年度については調整後の表示（「作成基準」に記載されているIFRS第17号「保険契約」を参照のこと）。
58/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
連結持分変動計算書
連結持分変動計算書
準備金および ラボバンクにより発行された
利益剰余金 資本性金融商品 非支配持分 合計
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
2022 年12月31日現在残高
33,029 5,217,591 12,796 2,021,384 533 84,198 46,358 7,323,173
当期純利益
2,481 391,924 - - 47 7,425 2,528 399,348
(156) (24,643) - - - - (156) (24,643)
その他の包括利益
包括利益合計
2,325 367,280 - - 47 7,425 2,372 374,705
ラボバンク証書に係る支払額
(254) (40,124) - - - - (254) (40,124)
ラボバンクにより発行された資本証券
(101) (15,955) - - - - (101) (15,955)
に関する支払額
(3) (474) - - 14 2,212 11 1,738
その他
34,996 5,528,318 12,796 2,021,384 594 93,834 48,386 7,643,536
2023 年６月30日現在残高
2021 年12月31日現在残高
31,097 4,912,393 11,803 1,864,520 502 79,301 43,402 6,856,214
1
1,237 195,409 - - 39 6,161 1,276 201,570
当期純利益
1
578 91,307 - - 30 4,739 608 96,046
その他の包括利益
包括利益合計
1,815 286,716 - - 69 10,900 1,884 297,615
ラボバンク証書に係る支払額
(254) (40,124) - - - - (254) (40,124)
ラボバンクにより発行された資本証券
(88) (13,901) - - - - (88) (13,901)
に関する支払額
資本証券の発行
- - 1,000 157,970 - - 1,000 157,970
資本証券の発行費用
- - (5) (790) - - (5) (790)
(4) (632) (14) (2,212) (2) (316) (20) (3,159)
その他
32,566 5,144,451 12,784 2,019,488 569 89,885 45,919 7,253,824
2022 年６月30日現在残高
1 2022 年度については調整後の表示（「作成基準」に記載されているIFRS第17号「保険契約」を参照のこと）。
59/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
要約連結キャッシュ・フロー計算書
要約連結キャッシュ・フロー計算書
2023 年度上半期 2022 年度上半期
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
1
3,401 1,840
537,256 290,665
税引前営業利益
1
237 819
37,439 129,377
税引前営業利益に認識されている非現金項目
(18,767) 13,611
(2,964,623) 2,150,130
営業活動に関する資産および負債の変動（純額）
(15,129) 16,270
営業活動によるキャッシュ・フロー（純額）
(2,389,928) 2,570,172
(34) 7
投資活動によるキャッシュ・フロー（純額） (5,371) 1,106
2,751 7,207
434,575 1,138,490
財務活動によるキャッシュ・フロー（純額）
(12,412) 23,484
現金および現金同等物残高 の増減額（純額）
(1,960,724) 3,709,767
129,580 120,533
１月１日現在の現金および現金同等物残高 20,469,753 19,040,598
(12,412) 23,484
現金および現金同等物残高の増減額（純額） (1,960,724) 3,709,767
(329) 740
(51,972) 116,898
現金および現金同等物残高に係る為替差損益
116,839 144,757
６月30日現在の現金および現金同等物残高 18,457,057 22,867,263
1 2022 年度については調整後の表示（「作成基準」に記載されているIFRS第17号「保険契約」を参照のこと）。
60/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
中間財務諸表に対する注記
企業情報
ラボバンクは、協同組合の原則に基づき事業を行う国際的な金融サービス・プロバイダーである。ラボバンク
は、オランダにおけるあらゆる金融サービスの提供および食品・農業セクターに属する顧客に対する国際的な
サービス提供に注力している。ラボバンクは、リテール・バンキング、ホールセール・バンキング、ルーラル・
バンキング、プライベート・バンキング、ベンダー融資、リースおよび不動産開発事業において、その戦略に従
い商品・サービスを顧客に提供することにより価値を創出している。ラボバンクの中間財務諸表にはコーペラ
ティブ・ラボバンク・ウー・アーおよびオランダ国内外のその連結子会社の財務情報が記載されている。
作成基準
ラボバンクの中間財務諸表は、欧州連合により採択された国際会計基準（以下「IAS」という）第34号「期中
財務報告」に従って作成されている。
中間財務諸表の公表に関して、ラボバンクは連結包括利益計算書および連結キャッシュ・フロー計算書の要約
版を表示することを選択した。本中間財務諸表は、連結財務諸表に要求される情報や開示のすべてを含んではい
ないため、ラボバンクの2022年度連結財務諸表と併せて読むべきである。当該連結財務諸表は欧州連合（以下
「EU」という）により採択された国際財務報告基準（以下「IFRS」という）およびオランダ民法典第２編第９章
の該当する条項に準拠して作成されている。本報告書で使用されている会計方針は、注記「国際会計基準審議会
（以下「IASB」という）により公表され、EUにより採択された、当年度に適用されている新基準および修正基
準」に記載された会計方針の変更を除き、2022年度連結財務諸表に対する注記に記載されたものと一致してい
る。
IASB により公表され、EUにより採択された、当年度に適用されている修正基準
IFRS 第17号「保険契約」
IFRS 第17号は、同基準の適用範囲に含まれる保険契約の認識、測定、表示および開示に関する原則を定めたも
のである。IFRS第17号は、企業がこれらの保険契約を正確に示す適切な情報を確実に提供することを目的として
いる。IASBはまた、保険カバーを提供するクレジットカード契約および類似する契約の適用範囲からの除外、な
らびに死亡時の債務免除の付いた融資の適用範囲からの任意の除外を含むIFRS第17号の修正を公表した。ラボバ
ンクは小規模な再保険子会社を除いて保険事業を保有しておらず、また保険商品を仲介者として販売しているも
のの、かかる状況においては、ラボバンクは保険リスクを負っていない。
61/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
したがって、IFRS第17号の適用は、ラボバンクにおいては、関連会社アフメアについてIFRS第17号とIFRS第９
号を初度適用したことが主な会計処理への影響である。これら基準の初度適用により、保険契約と大部分の金融
商品の両方の評価および算定結果が変更されたため、アフメアの連結財務諸表には重要な影響を及ぼしている。
これら新基準の適用は、金融商品および保険負債の評価額のボラティリティを反映することになる。両基準を遡
及適用した結果、移行日である2022年１月１日現在のアフメアの資本は1.0十億ユーロ減少した。
関連会社アフメアにおける会計処理の変更は新しい会計方針を適用したことによるものであるため、ラボバン
クは2022年度通年と2022年度半期の比較数値について修正再表示を行った。ラボバンクのアフメアへの投資につ
いて帳簿価額に影響はなかったが、これはラボバンクが自己の投資を回収可能価額で測定し、当初認識後は帳簿
価額総額の変動は対応する累積減損額の変動として認識されるためである。ラボバンクの比較数値の主な調整
は、アフメアの資本価値（純額）の変動に係る配分を、その他の包括利益と損益の間で変更を行ったことによる
ものである。財政状態および包括利益の変動を以下に示す。
62/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
IFRS 第９号およびIFRS第17号を遡及適用したことによる比較数値の変動
単位：百万ユーロ
2022 年１月１日 2022 年６月30日 2022 年12月31日
財政状態計算書（修正再表示前）
準備金 (990) (707) (1,065)
利益剰余金 32,087 33,273 34,094
財政状態計算書（修正再表示後）
準備金 (1,143) (566) (836)
利益剰余金 32,240 33,132 33,865
財政状態計算書における変動額
準備金 (153) 141 229
利益剰余金 153 (141) (229)
損益計算書（修正再表示前）
関連会社および共同支配企業への投資からの利益 100 115
関連会社および共同支配企業への投資に係る減損費用 0 105
損益計算書（修正再表示後）
関連会社および共同支配企業への投資からの利益 (200) (169)
関連会社および共同支配企業への投資に係る減損費用 (5) 204
損益計算書における変動額
関連会社および共同支配企業への投資からの利益 (300) (284)
関連会社および共同支配企業への投資に係る減損費用 (5) 99
その他の包括利益(修正再表示前)
関連会社および共同支配企業のその他の包括利益への持分のうち、損益
(231) (415)
に振り替えられるもの
関連会社および共同支配企業のその他の包括利益への持分のうち、損益
12 83
に振り替えられることのないもの
その他の包括利益(修正再表示後)
関連会社および共同支配企業のその他の包括利益への持分のうち、損益
24 2
に振り替えられるもの
関連会社および共同支配企業のその他の包括利益への持分のうち、損益
52 49
に振り替えられることのないもの
その他の包括利益における変動額
関連会社および共同支配企業のその他の包括利益への持分のうち、損益
255 417
に振り替えられるもの
関連会社および共同支配企業のその他の包括利益への持分のうち、損益
40 (34)
に振り替えられることのないもの
63/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
IFRS のその他の修正
IAS 第１号、IAS第８号およびIAS第12号に軽微な修正が加えられている。これらの修正は、会計方針の開示、
会計上の見積りの定義、および単一の取引から生じた資産および負債に係る繰延税金に関するものである。これ
らの修正の適用が損益または資本に影響を及ぼすことはなかった。
IASB により公表されたが、EUによりまだ採択されていない、当報告期間にはまだ適用されていない修正基
準
IAS 第１号およびIFRS第16号に軽微な修正が加えられており、2024年１月１日以降に開始する事業年度から適
用される。当該修正は、負債の流動または非流動への分類、特約条項付の非流動負債、セール・アンド・リース
バック取引におけるリース負債に関するものである。これらの新しい要求事項は現在分析中であり、その影響は
まだ不明であるが、ラボバンクは、これらの修正の適用が損益または資本に影響を及ぼすことはないと予想して
いる。
2021 年10月、世界のGDPの90％超を占める130ヶ国余りが、多国籍企業に適用するミニマム課税制度「第２の
柱」を導入することで合意した。2021年12月、経済協力開発機構（OECD）は、企業への国際課税を改革すべく第
２の柱モデルルール（グローバル税源浸食防止提案（Global Anti-Base Erosion Proposal）、通称「GloBE」と
いう）を発表した。こうした動きを受けてIASBは2023年５月23日、IAS第12号の限定的修正を公表した。ラボバ
ンクは、税に関するそれらの新たな追加的年次開示規定を（本年度から）適用する予定である。
継続企業
経営委員会は、本財務諸表の作成に当たり、継続企業の前提を採用したことは適切であると判断している。こ
れは、継続企業の前提を裏付けるラボバンクの中期計画（MTP）および予算編成プロセスに基づいている。
判断および見積り
経営陣は、本中間連結財務諸表の作成に当たり、中間連結財務諸表日現在の資産および負債の計上金額、偶発
資産および偶発債務の計上、ならびに報告期間中の収益および費用の計上金額に影響を与える見積りおよび仮定
について判断を行った。
下記の会計原則では、評価および仮定に基づく重要な見積りを必要とする。経営陣の見積りは、利用可能な財
務データや情報を基礎とする、現在の状況および活動に関するこの上なく慎重な評価に基づいて行われている
が、実際の結果はこれらの見積りから乖離することがあり得る。
64/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
金融資産の減損引当金
ラボバンクは、３つのステージから成る予想信用損失減損モデルを適用して予想信用損失の測定および認識を
行っており、これには経営陣の判断を伴う。同モデルに基づく減損引当金の計上に係る予想信用損失の算出にお
いて、ラボバンクは見積りと経営陣の判断を用いている。特定の状況においては、モデルの結果に加え、ラボバ
ンクは本注記において説明するトップ・レベル調整を適用している。これらのトップ・レベル調整では、経営陣
による重要な判断が求められることが多い。モデルに基づく減損引当金に関する詳細な情報は、注記７「金融資
産に係る減損引当金」に記載している。
信用減損している金融資産で個別に評価するものについては、割引キャッシュ・フローの計算を行う。多くの
場合、予想将来キャッシュ・フローの見積りと使用する（３つの）シナリオの加重に判断が求められる。
二次的影響に関するトップ・レベル調整
ロシアとウクライナの戦争勃発を受け、ラボバンクはロシアでの事業を全て段階的に縮小することを決定し
た。2023年６月30日現在、全てのエクスポージャーを国外に移したため、トップ・レベル調整はゼロ（2022年12
月31日：19百万ユーロ）に減少した。
金利上昇、高いインフレ率、税金の滞納、そしてCovid-19の期間に関連する公的補助金の返済に関して大きな
不確実性が残っているにもかかわらず、正常な企業向け貸出金ポートフォリオにおいてはそれがまだ顕現化して
いないと考えられる。また、債務不履行が依然としてCovid-19やロシア・ウクライナ戦争前の水準を大幅に下
回っている。ラボバンクは、これらの二次的影響がIFRS第９号のモデルによって十分捕捉されておらず、さら
に、特に支払能力が既に限定的となっているかまたは低下している顧客への企業向け貸出金ポートフォリオにつ
いて今後債務不履行が生じるのではないかと懸念している。よってラボバンクは、167百万ユーロ（2022年12月
31日：181百万ユーロ）のトップ・レベル調整を認識した。
65/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
住宅ローンに関するトップ・レベル調整
オランダにおける住宅ローン・ポートフォリオの返済状況は悪化はしていない状態である。マクロ経済情勢の
変化により、同ポートフォリオを注視する重要性が高まっている。過去１年間において、ラボバンクはそうした
監視を強化し、ポートフォリオの変化を早期に検出できるようにした。2023年度上半期の不良債権（NPL）比率
は上昇したものの、これはポートフォリオの信用悪化が原因ではない。主な原因は、特にインタレスト・オン
リー・モーゲージ（以下「IOM」という）に対してより厳格なリスク・アプローチが採用されたことや債務不履
行の定義が変更されたことによるものである。トップ・レベル調整は、この厳格化された、さらにリスク・ベー
スになったアプローチに対応するための調整であり、2023年度上半期においては82百万ユーロ（2022年12月31
日：47百万ユーロ）に引き上げた。今後もラボバンクは、リスク・ベースの、焦点を絞った顧客への働きかけを
強化し、返済能力を注意深く監視する予定である。IOMに対する監督機関の厳しい調査により、今後、所要資本
と減損の水準が影響を受ける可能性がある。
物理的気候変動リスクに関するトップ・レベル調整
2023 年６月30日、オーストラリアにおける洪水について１百万ユーロ（2022年12月31日：２百万ユーロ）の
トップ・レベル調整を認識した。
気候変動の移行リスクに関するトップ・レベル調整：窒素
2019 年５月にオランダの最高行政裁判所が下した判決により、窒素の排出は、住宅開発や建設、高速道路の拡
張などの許可を得たプロジェクトでなければ認められなくなった。そうした窒素削減目標は社会全体に影響を及
ぼしており、特に農家が大きな影響を受けている。
オランダ政府は2022年６月、農業セクターの大規模な移行を加速させたいとの意欲を踏まえ、農家の窒素排出
削減目標や見通しが盛り込まれた、オランダ窒素プラン（Nitrogen Plans for the Netherlands）を公表した。
農業セクターは、農業の将来を巡り不確実性の増大に直面している。ラボバンクによる積極的な働きかけを含む
数多くの利害関係者を巻き込んだ広範に及ぶ交渉にも拘わらず、「農業合意」にはまだ至っていない。農家の持
続可能かつ相当の収入を担保できないことが、合意に至ることができなかった主因の一つである。最近実施され
た州議会選挙の結果と、現オランダ政府の凋落の影響で、農業セクターを巡る不確実性は長期化することが見込
まれる。
ラボバンクは、オランダにおける現在の農業の仕組みは限界に達しており、変化が必要であると認識してい
る。農業セクターの展望は、自然や水、気候、生物多様性、動物福祉の分野における2023年から2040年までの期
間に達成すべき目標を組み込むよう更新されている。ラボバンクは農業セクターの大部分に資金調達を行ってい
るため、より持続可能なセクターに向けたこの移行期において、農業セクターの顧客支援に取り組んでいる。
66/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
特にナチュラ2000の地域では、オランダにおける食品・農業セクターの顧客の先行きは、現在のところ不確実
である。ラボバンクは、食品・農業セクターの顧客のビジネスモデルについて、オランダ政府の窒素対策措置に
よる「移行リスク」を評価した。ラボバンクは、畜産セクターの顧客が影響を受けると予想している。ただし、
顧客レベルの影響は不確実かつ不透明である。この不確実性を評価した結果、経営陣によるトップ・レベル調整
を加えることにした。この調整の一環として、ナチュラ2000の地域から一定の距離にある畜産セクターを脆弱セ
クターに分類し、全期間の予想信用損失（ステージ２の分類）を計上している。その結果、54百万ユーロ（2022
年12月31日：84百万ユーロ）のトップ・レベル調整を認識した。
その他のトップ・レベル調整
残りのトップ・レベル調整は総額253百万ユーロ（2022年12月31日：166百万ユーロ）である。増加は主に、
2023年上半期に実施したモデルの変更に起因する50百万ユーロにのぼるIFRS第９号モデルのバックテストに関す
るトップ・レベル調整の認識と、モデルの短期的な既知の欠陥を補うための戦術的なソリューションに関する85
百万ユーロにのぼるトップ・レベル調整の認識によるものである。
金融資産および金融負債の公正価値
金融資産および金融負債の公正価値の決定に関する情報は注記11「金融資産および金融負債の公正価値」に記
載されている。
のれん、その他無形資産、ならびに関連会社および共同支配企業への投資の減損
その他無形資産ならびに関連会社および共同支配企業への投資は、 特定のトリガーが識別された時点で 減損テ
ストを実施し、のれんは、少なくとも年１回、減損テストを実施する。回収可能額が帳簿価額を下回る場合、減
損損失が認識される。これらの資産の減損の評価に当たり、回収可能額を決定するには、市場価格、比較対象企
業の価格、現在価値もしくはその他の評価手法、またはそれらの組み合わせに基づく見積りが必要となり、経営
陣は、主観的な判断および仮定を行うことが求められる。基礎となる状況が変化した場合、これらの見積りや仮
定により、計上額に大幅な差異が生じる可能性があることから、それらの見積りは極めて重要と考えられる。
課税
法人税ならびに関連する当期税金資産および負債ならびに繰延税金資産および負債の決定に際しては見積りを
使用する。取引の税務上の取扱いは常に明確または確実であるとは限らず、複数の国において過年度の納税申告
が多くの場合確定しないまま、長期にわたり税務当局による承認の対象となる場合がある。計上されている税金
資産および負債は、入手可能な最善の情報、および適切な場合、外部の助言に基づいて決定されたものである。
最終結果と当初の見積りの差異は、取扱いが合理的に確実になった期間に当期税金資産および負債ならびに繰延
税金資産および負債として会計処理される。中間期間の法人税は、通年で予想される加重平均年次法人税率の最
善の見積りに基づいて認識される。
67/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
その他引当金
IAS 第37号の適用においては、現在の債務が存在するか否かの決定、ならびに資源流出の可能性、時期および
金額を見積もるための判断が必要になる。法的手続および仲裁手続に係る引当金に関する判断についての詳しい
情報は、注記９「法的手続および仲裁手続」に記載されている。
68/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
主たる財務諸表に対する注記
1. 純受取利息
純受取利息
単位：百万ユーロ 2023 年度上半期 2022 年度上半期
受取利息
現金および現金同等物 2,532 132
金融機関に対する貸出金および預け金 246 77
顧客に対する貸出金および預け金 8,938 6,002
公正価値ヘッジ会計に利用されるデリバティブ (37) 83
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 197 59
実効金利法を用いて測定する金融資産からの受取利息 11,876 6,353
売買目的金融資産 50 19
強制的に公正価値で測定される金融資産 5 7
マイナス金利の金融負債に係る受取利息 2 563
その他 58 47
その他の受取利息 115 636
受取利息合計 11,991 6,989
支払利息
金融機関預り金 459 82
顧客預り金 3,166 729
発行済負債証券 2,087 801
売買目的金融負債 31 9
経済的にヘッジする目的で保有されるデリバティブ 153 413
公正価値測定に指定した金融負債 55 61
劣後債務 230 229
マイナス金利の金融資産に係る支払利息 - 270
リース負債 8 7
その他 (5) 8
支払利息合計 6,184 2,609
純受取利息 5,807 4,380
69/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
2. その他の営業活動による純利益
その他の営業活動による純利益
単位：百万ユーロ 2023 年度上半期 2022 年度上半期
不動産事業からの収益 410 588
不動産事業による費用 353 451
不動産事業からの純利益 57 137
オペレーティング・リース事業からの収益 571 563
オペレーティング・リース事業による費用 413 425
オペレーティング・リース事業からの純利益 158 138
投資不動産からの収益 18 15
投資不動産による費用 14 11
投資不動産からの純利益 4 4
その他の営業活動による純利益 219 279
3. 人件費
人件費
単位：百万ユーロ 2023 年度上半期 2022 年度上半期
賃金および給与 1,581 1,405
社会保険拠出金および保険料 181 157
年金費用－確定拠出制度 224 228
その他の退職後給付引当金の繰入／（戻入） 10 12
研修および旅費交通費 80 51
その他の人件費 666 515
人件費 2,742 2,368
4. その他一般管理費
その他一般管理費
単位：百万ユーロ 2023 年度上半期 2022 年度上半期
引当金の繰入および戻入 (81) 93
IT お よびソフトウェア費用 260 214
コンサルタント費用 242 230
広報費用 49 39
有形（無形）資産の認識中止および減損に係る損益 17 (11)
その他費用 217 249
その他一般管理費 704 814
5. 金融資産に係る減損費用
金融資産に係る減損費用
単位：百万ユーロ 2023 年度上半期 2022 年度上半期
顧客および金融機関に対する貸出金および預け金 395 95
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 1 (1)
償却後の回収額 (61) (67)
ローン・コミットメントおよび金融保証 4 15
金融資産に係る減損費用 339 42
70/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
6. 顧客に対する貸出金および預け金
貸出金ポートフォリオの内訳を下表に示す。
顧客に対する貸出金および預け金
単位：百万ユーロ 2023 年６月30日現在 2022 年12月31日現在
顧客に対する貸出金および預け金の帳簿価額総額 451,657 444,859
ヘッジ会計による調整 (12,184) (13,136)
顧客に対する貸出金および預け金に係る減損引当金 (2,960) (2,862)
顧客に対する貸出金および預け金合計 436,513 428,861
顧客に対する貸出金および預け金（ステージ別）
単位：百万ユーロ
2023 年６月30日現在 ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
顧客に対する貸出金および預け金の
帳簿価額総額 404,344 37,969 9,344 451,657
顧客に対する貸出金および預け金に
係る減損引当金 413 601 1,946 2,960
2022 年12月31日現在 ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
顧客に対する貸出金および預け金の
帳簿価額総額 397,482 38,915 8,462 444,859
顧客に対する貸出金および預け金に
係る減損引当金 393 717 1,752 2,862
7. 金融資産に係る減損引当金
下表に金融資産に係る減損引当金および信用関連の偶発債務の期首残高から期末残高までの増減を示す。
金融資産に係る減損引当金および信用関連の偶発債務
単位：百万ユーロ
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2023 年１月１日現在の残高 428 741 1,828 2,997
当初認識および取得に伴う増加 77 15 90 182
認識中止に伴う減少 (38) (30) (98) (166)
信用リスクの変動に伴う変動 (17) (103) 505 385
当年度の不良債権の償却 (7) (1) (283) (291)
その他の変動 (4) (7) 2 (9)
2023 年６月30日現在の残高 439 615 2,044 3,098
単位：百万ユーロ
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2022 年１月１日現在の残高 406 906 2,297 3,609
当初認識および取得に伴う増加 127 37 102 266
認識中止に伴う減少 (89) (263) (237) (589)
信用リスクの変動に伴う変動 (11) 48 537 574
当年度の不良債権の償却 (13) (3) (864) (880)
その他の変動 8 16 (7) 17
2022 年12月31日現在の残高 428 741 1,828 2,997
71/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
信用リスクの著しい増大
資産をステージ１からステージ２へ振り替えるには判断が求められる。PDの閾値に対するECLの感応度を実証
するために、すべての資産がPDの閾値未満であると仮定して12ヶ月のECLを割り当てる分析を実施した。同じ資
産を基礎として、すべての資産がPDの閾値を超えると仮定して全期間のECLを割り当てる分析も実施した。いず
れの分析もトップ・レベル調整の影響を考慮に入れずに実施し、その結果、ECLはそれぞれ547百万ユーロ（2022
年12月31日：610百万ユーロ）と1,513百万ユーロ（2022年12月31日：2,047百万ユーロ）であった。2023年６月
30日現在のステージ１およびステージ２の減損引当金の合計は1,054百万ユーロ（2022年12月31日：1,169百万
ユーロ）である。
将来予測的情報およびマクロ経済シナリオ
ラボバンクは、各ステージの予想信用損失の見積りおよび信用リスクの著しい増大の評価において、過去の事
象や現在の状況に関する情報、ならびに将来の事象および経済情勢に関する合理的で裏付け可能な予測（以下
「将来予測的情報」という）を使用する。ラボバンクは、ECLモデルにおいて、確率加重した３つのマクロ経済
シナリオ（基本シナリオ、下振れシナリオ、上振れシナリオ）を使用して予想信用損失を算出している。確率加
重は、下振れシナリオについては20％（2022年12月31日：30％）、上振れシナリオについては20％（2022年12月
31日：10％）、基本シナリオについては60％（2022年12月31日：60％）をそれぞれ使用している。重要な変数は
国内総生産の成長率、失業率および民間セクター投資である。これら将来のマクロ経済的な予測には判断が必要
であり、概ねラボバンク内部の調査を基にしている。ステージ１、ステージ２、およびモデルに基づくステージ
３の引当金計上のためのECLモデル・プロセスにおいて使用した将来のマクロ経済に関する主なインプットの感
応度分析、および３つの各シナリオに適用した確率加重が、ECLに占める割合が最も大きい地域、すなわちオラ
ンダについて、以下に示されている。トップ・レベル調整による影響は考慮されていない。
マクロ経済シナリオ
加重後ECL 加重後ECL
（百万ユーロ） （百万ユーロ）
2023 年 2022 年
オランダ 2023 年 2024 年 2025 年 加重前のECL 確率 ６月30日現在 12月31日現在
上振れ 国民１人当たり 0.52% 2.06% 0.66%
のGDP
失業率 3.56% 3.27% 2.84% 893 20%
民間セクター投 3.38% 1.63% -3.40%
資
基本 国民１人当たり 0.26% 0.61% 1.01%
のGDP
失業率 3.68% 4.01% 4.11% 952 60% 954 1,125
民間セクター投 2.42% -2.51% -0.03%
資
下振れ 国民１人当たり 0.01% -0.77% 1.39%
のGDP
失業率 3.79% 4.67% 5.25% 1,020 20%
民間セクター投 1.52% -6.69% 3.55%
資
72/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
仮に下振れおよび上振れシナリオの確率加重をいずれも15％とし、基本シナリオの確率加重を70％とした場
合、ステージ１、ステージ２、およびモデルに基づくステージ３のエクスポージャーに係る加重後の（全地域に
関する）ECL合計は１百万ユーロ減少することになる。他方、下振れおよび上振れシナリオの確率加重をいずれ
も25％とし、基本シナリオの確率加重を50％とした場合、ステージ１、ステージ２、およびモデルに基づくス
テージ３のエクスポージャーに係る加重後の（全地域に関する）ECL合計は１百万ユーロ増加することになる。
信用リスクに影響を及ぼす可能性のある外的動向
気候関連および環境リスク
気候関連および環境（以下「C&E」という）リスクは次の経路を介して信用ポートフォリオに影響を及ぼす可
能性がある：（１）移行リスク（例えば、規制、テクノロジー、市場心理の変更・変化）、（２）物理的リスク
（例えば、暴風雨、山火事、洪水などの急激な気象事象と、海面上昇や干ばつなどの慢性的な事象の変化）。ラ
ボバンクがC&Eリスクに対するエクスポージャーを評価および管理するために確固たるアプローチを取ること
は、2050年までにネット・ゼロ銀行になるというラボバンクの持続可能性に関する目標の一つを達成するために
不可欠である。ラボバンクが銀行のC&Eリスクを積極的に管理しているのはこのためである。
気候関連財務情報開示タスクフォース（TCFD）は、気候変動と環境悪化による影響を最も受けるであろう業界
として、次の４つを優先的に挙げている：（１）エネルギー、（２）輸送、（３）素材・建築物（不動産を含
む）、（４）農業・食糧・林業製品。これらは、ラボバンクがC&Eリスクを優先的に測定し監視しているセク
ターでもある。現在進行中のヒートマップ作成作業、シナリオ分析、およびストレステストにより、地理的位
置、業種および時間軸に基づくC&Eリスクの定性的および定量的信用リスクの見積りを算出する予定である。ラ
ボバンクはまた、C&Eリスク選好度を、定性的および定量的リスク評価に基づくラボバンクのリスク選好度方針
に沿って設定している。
C&E リスクは、複数のルートを通じてIFRSに基づく貸出金の減損引当金の測定に繋がることになる。すなわ
ち、C&Eリスクは（１）マクロ経済の動向を通じて、IFRS第９号のモデルで捕捉される、（２）個々のクライア
ント評価に組み込まれる、（３）セクターの脆弱性評価に含まれる、（４）気候変動の影響を直接受けるセク
ターまたは地域に関してなされる経営陣の調整に含まれる。最初の２項目は、個別に測定および定量化すること
はできない。３項目および４項目については、55百万ユーロ（2022年12月31日：86百万ユーロ）のトップ・レベ
ル調整を認識している（「判断および見積り：金融資産の減損引当金」も参照のこと）。
73/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
8. 顧客預り金
顧客預り金
単位：百万ユーロ 2023 年６月30日現在 2022 年12月31日現在
当座預り金 121,133 136,046
満期を合意済みの預り金 69,775 65,157
通知預り金 203,840 194,644
レポ契約 620 625
顧客預り金合計 395,368 396,472
9. 法的手続および仲裁手続
ラボバンクは、相当の訴訟リスクを引き起こす法律・規制上の環境の中で活動している。ラボバンクはオラン
ダおよび他の諸国において訴訟、仲裁および規制手続に関与している。この点に関する概要については、ラボバ
ンクの2022年度連結財務諸表の注記4.10「法的手続および仲裁手続」を参照のこと。以下では、ラボバンクに負
債を発生させる可能性のある、最も関連性の深い法律・規制上の訴訟について述べる。
個人向け信用商品
オランダ金融市場庁（以下「AFM」という）から、特定の状況における顧客の信用度を評価するためのラボバ
ンクの手続きについて疑問を指摘された。ラボバンクはそれら指摘に対して回答を提出しており、AFMの結論を
待っているところである。この事案の他にも、オランダ金融サービス苦情処理機関（以下「Kifid」という）
が、特定の個人向け商品の貸手はそれら商品の変動金利を決定する際に市場金利の動きに従うべきであったとの
判断を下した。ラボバンクは、一部の個人向け信用商品について、Kifidが選択した参照金利に沿った金利調整
を必ずしも行っていなかったと認めた。両事案に基づき、ラボバンクは211百万ユーロ（2022年12月31日：301百
万ユーロ）の引当金を認識した。
74/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
マネーロンダリング防止、テロリスト資金供与防止および制裁
2021 年末、オランダ中央銀行（以下「DNB」という）はラボバンクに対して、オランダのリテール部門のマ
ネーロンダリング防止およびテロリスト資金供与防止法（オランダ語でWet ter voorkoming van witwassen en
financieren van terrorisme、以下「Wwft」という）の遵守に関する不備を是正するよう命じた。指摘された不
備は主に、顧客デューディリジェンスの実施、記録および外部委託、取引のモニタリング、ならびに異常な取引
の報告に関するものである。ラボバンクは遅くとも2024年12月31日までにDNBの指示に従わなければならない。
是正計画の実施は引き続きラボバンクの最優先事項であり、これには43百万ユーロ（2022年12月31日：146百万
ユーロ）の引当金が含まれる。2023年度上半期を通して、ラボバンクは金融経済犯罪（以下「FEC」という）部
門における検出・防止活動を一段と強化し、FEC部門の従業員を中心に全従業員の研修への投資を継続してい
る。この数年にわたるFEC部門の増員と並行して、ラボバンク（DLLとオプフィオンを含む）は世界中に配置して
いるFEC担当の従業員を2022年12月31日時点の約7,000名の常勤換算従業員から2023年度上半期には7,800名の常
勤換算従業員へ拡充した。これらのスタッフは、金融経済犯罪から顧客、行員および社会を守るために日々懸命
に努力している。ラボバンクはまた、人工知能やロボティクスの活用など、プロセスおよび技術の自動化とイノ
ベーションへ投資を継続し、意思決定の改善を図っている。金融経済犯罪最高責任者（CFECO）の着任と、取引
モニタリング、顧客デューディリジェンス、および制裁モニタリングの各部門にそれぞれ経験豊富なグローバル
ヘッドを採用したことが相まって、FECリーダーシップチームは一段と強化された。2023年度上半期だけでラボ
バンクは、FECに関するコンプライアンスへ約471百万ユーロを支出した（DLLとオプフィオンを含む）。2023年
度上半期の損益計算書に認識した費用合計は368百万ユーロであった。
2022 年12月、オランダ検察庁はラボバンクによるWwft違反の疑いに関係して犯罪捜査に着手したと発表した。
ラボバンクは同捜査に全面的に協力している。現時点では、進行中の捜査に要する時間や行方について確定的な
ことを述べることはできない。今後科せられ得る罰金や処罰、その他関係する措置の性質および重要性について
も、信頼をもって見積もることはできず、重大になりかねないと述べる以上のことはできない。
制裁
ラボバンクは、ロシアとウクライナの紛争を巡る状況を注視している。欧州大陸が、長年にわたる比較的平和
な時代を経てこうした暴力に直面しているという事実は極めて遺憾である。また、この紛争による非常に悲痛な
状況と不安定性を、何よりもまずウクライナの人々が被っていることも極めて遺憾である。ロシアとウクライナ
の紛争に関連する制裁として、ウクライナの主権に対する脅威に加担している個人および事業体に対する焦点を
絞った制限措置と、ロシアに対する輸出入の制限を含む経済制裁が科されている。ラボバンクは、それらの制裁
が科される前からロシアにおける商業的利害関係は比較的少なかった。当行子会社の DLL は、ロシアにおける事
業活動の段階的縮小を完了させた後、ロシアから撤退している。
75/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
ラボバンクは、今後も当該情勢を注視し、既存の制限措置の強化を含め、新たな制裁策が発表された時には、
実行する方針である。ラボバンクはまた、制裁の動向について DNB およびオランダ財務省と密に連絡をとってい
る。制裁を巡る状況は今後も極めて流動的かつ複雑になると見込まれる。このため、発動される制裁の細分化や
多様化が増し、制裁の遵守がますます困難になっている。
欧州連合競争法に関する手続
欧州委員会が2022年12月６日に報道発表を通じて公表した通り、同委員会はラボバンクおよび別の銀行１行が
独占禁止法に違反したとして手続きを開始した。これらの手続きは、ユーロ建「ソブリン債、SSA債（国際機関
債、外国ソブリン債、準ソブリン債／政府機関債）、カバードボンド、および政府保証債」の流通市場での行為
に関するものである。これらの手続きにおいて同委員会は、ラボバンクに属する一部のトレーダーと欧州内の他
の銀行との間で2005年から2016年の間に締結された双務契約のうち、EUの競争法に違反した可能性があると同委
員会の懸念する契約を調査している。ラボバンクは本調査に協力している。
欧州委員会から、当事者に対して提起した異議を当事者に通知する異議告知書（以下「SO」という）が送付さ
れてきた。SOには、本事案に関する同委員会の予備的見解が反映されているだけで、調査結果について予め判断
が示されているわけではない。こうした調査に関する標準手続によると、SOの受取人には書面および口頭で回答
する機会が認められる。欧州委員会が、当該回答を聞いた上で違反があったことを示す十分な証拠があると判断
した場合は、違反を確定させ罰金を科す決定を下すことができる。法律では、欧州委員会が調査を完了させなけ
ればならない期限は特に定められていない。こうした調査の期間は、事件の複雑性などさまざまな要素に左右さ
れる。当事者は、欧州委員会の決定に不服があれば、裁判所に上訴する権利が認められている。
ラボバンクは、欧州委員会の指摘する疑いを認めず、本件異議に対して厳然たる姿勢で抗弁を行っている。如
何なる責任も認めないものの、ラボバンクは、欧州委員会がこれまでこの段階の後は罰金を科す決定を下してき
たことに鑑み、同委員会による調査の結果として資金の流出が生じる可能性の方が高いと考えている。こうした
ことから、ラボバンクは引当金を認識している。
以上に関連して、2022年12月９日、ラボバンクおよび別の銀行１行に対して推定上の集団訴訟が、民事訴訟の
原告によってニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に提起された。これらの民事訴訟は開始されたばかりであ
り、具体的な損害賠償請求額はまだ提示されていない。ラボバンクは、本訴訟に対して、法律および事実に基づ
く実質的かつ説得力のある抗弁を有するという立場を取っており、これらの訴訟に対して引き続き争う方針であ
る。ラボバンクは、資金流出の可能性は軽微ではないが可能性が高いというわけではないと考えており、これら
民事訴訟に関連して引当金を計上していない。最終的な結果を現段階で予測することは難しいため、ラボバンク
はこの偶発債務を定量化することはできない。
76/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
イムテック
イムテックグループは2015年８月に破産を宣告された。ラボバンクは、同グループへ資金を供与した銀行の一
つであり、また2013年７月と2014年10月のいずれの株主割当も引き受けている。2018年１月30日、ラボバンク
は、目論見書に虚偽表示があったとの主張に基づく集団訴訟と詐欺的偏頗行為（actio pauliana）の疑いに関す
る集団訴訟に関する訴訟手続が後日開始される可能性があるとのライアビリティ・レターを株主グループから受
領した。ラボバンクは2022年12月の時効を中断させる書状を受け取った。2018年３月28日付の書状、そして（時
効を中断させる）2022年６月10日付の書状により、VEB（株主全般の利益増進を目的とするオランダの団体）
は、イムテックの投資家が被ったとされる損害について、ラボバンクを含む関係者に責任があると主張した。
2018年８月10日、ラボバンクは、イムテックの管財人から、同グループは多数の取引の無効化と様々な損害賠償
を求めるとの正式通知を受領した。当該書状は、訴訟の可能性を視野に時効期間を中断させることを目的とした
ものである。現時点までにいかなる訴訟手続もまだ開始されていない。ラボバンクは、現時点でこれらの（潜在
的）訴訟の結果を評価できないことから、イムテックの事案は偶発債務であるとみなしている。引当金は計上し
ていない。
BBA およびICE Libor／Euribor
ラボバンクは、他の多数のパネル行およびディーラー間ブローカーと共に、米国の連邦裁判所における様々な
推定上の集団訴訟および個別の民事訴訟の被告とされている。これらの訴訟は、米ドル（USD）Libor、英ポンド
（GBP）Libor、日本円（JPY）Libor、Tibor（注：ラボバンクはTiborのパネル行を務めたことはない）および
Euriborに関するものである。また、ラボバンクは、金利ベンチマークに関連する民事訴訟（集団訴訟を含む）
でオランダ、アルゼンチン、英国およびイスラエルの様々な裁判所への出廷をラボバンクに命じる訴状および召
喚状を受け取った。上記の民事訴訟は、本質的に不確実性に晒されているため、その結果を予測することは困難
である。ラボバンクはこれらの訴訟に対し実質的かつ説得力のある法律および事実関係に基づく抗弁を有すると
いう立場を取っている。ラボバンクはこれらの訴訟に対して引き続き争う方針である。ラボバンクは、資金流出
が発生する可能性が高くはないものの、ほとんどないとは言えないと考えているため、Libor／Euriborの事案グ
ループを偶発債務と捉えている。ラボバンクは、この偶発債務によって予想される資金流出合計額について現時
点においては信頼をもって見積もることはできない。引当金は計上していない。
その他の事案
ラボバンクが対象になっている、引当金を認識した法的手続は他にもある。これらの事案は各々が比較的小規
模であることから個別に開示していない。引当金額を上に明記していないこれらの事案を併せた引当金総額は70
百万ユーロ（2022年12月31日：103百万ユーロ）である。上記以外の請求に関連する、発生する可能性がほとん
どないとは言えない測定可能な偶発債務の金額は最大で185百万ユーロ（2022年12月31日：180百万ユーロ）であ
る。
77/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
10. 準備金および利益剰余金
準備金および利益剰余金の内訳は以下のとおりである。
準備金および利益剰余金
2022 年12月31日
2023 年６月30日 2022 年６月30日
1
単位：百万ユーロ 現在 現在 現在
外国為替換算準備金 (834) (624) (284)
再評価準備金－その他の包括利益を通じて公正価値で測定する (128) (177) (177)
金融資産
再評価準備金－ キャッシュ・フロー・ヘッジ (33) (22) 1
再評価準備金－ ヘッジ・コスト 111 103 85
再測定準備金－年金 (55) (54) (120)
再評価準備金－公正価値測定に指定した金融負債に係る自己の (53) (62) (71)
信用リスクに起因する公正価値の変動
利益剰余金 35,988 33,865 33,132
準備金および利益剰余金合計 34,996 33,029 32,566
1 2022 年度については調整後の表示（「作成基準」に記載されているIFRS第17号「保険契約」を参照のこと）。
11. 金融資産および金融負債の公正価値
本注記は、2022年度連結財務諸表の注記4.9「金融資産および金融負債の公正価値」と併せて読むべきであ
る。同注記には、採用された会計方針、公正価値の計算に使用された評価方法、および評価の監視の基準となる
評価管理の枠組みがより詳細に示されている。採用された会計方針または適用された評価方法に変更はない。
78/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
次表は、以下に詳述されている評価方法および仮定に基づき償却原価で認識される金融商品の公正価値を示し
たものである。公正価値とは、評価日に市場参加者の間で実施される標準的な取引において、資産売却の対価と
して受け取られるであろう価格、または負債譲渡のために支払われるであろう価格を表す。ラボバンクは、公正
価値の測定に関して、資産売却または負債譲渡の取引は、当該資産または負債の主要市場、あるいは主要市場が
存在しない場合には最も有利な市場で実施されると仮定する。
ラボバンクが保有または発行している多くの金融資産および金融負債について市場価格が入手不可能である。
これらの金融商品の場合、下表に示された公正価値は、報告日時点の市況に基づき、現在価値法または他の見積
りおよび評価方法の結果を使用して見積られたものである。これらの方法を使用して算出される評価額は、金額
のほか、将来キャッシュ・フローのタイミング、割引率および市場の流動性悪化の可能性に使用された前提とな
る仮定に大きく影響される。
財政状態計算書において償却原価で測定する金融商品の公正価値
2023 年６月30日現在 2022 年12月31日現在
単位：百万ユーロ 帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
資産
現金および現金同等物 116,839 116,844 129,580 129,584
金融機関に対する貸出金および預け金 19,756 19,755 11,121 11,119
顧客に対する貸出金および預け金 436,513 423,415 428,861 417,589
負債
金融機関預り金 34,907 34,706 31,543 31,311
顧客預り金 395,368 393,970 396,472 395,533
発行済負債証券 114,230 111,354 112,307 109,053
劣後債務 10,081 9,678 10,096 9,692
上表に示された金額は、一定の方法と仮定に基づいて経営陣が行った最善の見積りである。活発な市場におけ
る市場価格が入手可能な場合は、それが公正価値の最善の見積りとされる。
期間の定めがある証券、資本性金融商品、デリバティブまたはコモディティ商品などに関して活発な市場にお
ける市場価格が入手できない場合、ラボバンクは、これらの投資の信用格付と満期までの期間に対応する市場金
利で割引いた、将来キャッシュ・フローの現在価値に基づく予想公正価値を基準として用いる。また、モデルに
基づく価格を公正価値の決定に使用することもできる。ラボバンクは、財政状態計算書に計上されている金融商
品の評価のために使用したすべてのモデルを、金融商品の公正価値を算定するスタッフから独立している専門ス
タッフに検証させるという方針をとっている。
市場価値または公正価値の決定にあたっては様々な要因を検討しなければならない。かかる要因には、貨幣の
時間的価値、ボラティリティ、原オプションおよび取引相手の信用の質が含まれる。評価プロセスは、定期的に
入手可能な市場価格が体系的に使用されるように設計されている。仮定の修正は、売買目的および売買目的以外
の金融資産および金融負債の公正価値に影響することもある。
79/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
下表は、金融資産および金融負債の公正価値決定に使用された公正価値ヒエラルキーを示したものである。内
訳は以下のとおりである。
・レベル１：同一の資産または負債に関する活発な市場における市場価格。「活発な市場」とは、当該資産また
は負債に関連する取引が、価格情報を恒久的に提供するうえで十分な頻度と十分な取引量で行われている市場
をいう。
・レベル２：レベル１に含まれる市場価格以外のインプットで、資産または負債に関して直接的（すなわち、価
格として）または間接的（すなわち、価格からの派生として）に観察可能なもの。
・レベル３：観察可能な市場データに基づかない、資産・負債に関するインプット。
公正価値による金融商品の再評価では、ラボバンクは、各報告期間末時点のレベルを再評価することにより、
公正価値ヒエラルキーの各カテゴリー間において振替が発生した時点を決定する。
財政状態計算書において公正価値で測定する金融資産および金融負債の公正価値ヒエラルキー
単位：百万ユーロ レベル１ レベル２ レベル３ 合計
2023 年６月30日現在
財政状態計算書において公正価値で計上す
る資産
売買目的金融資産 2,928 197 391 3,516
強制的に公正価値で測定される金融資産 - 332 2,036 2,368
デリバティブ 33 23,786 182 24,001
その他の包括利益を通じて公正価値で測定 10,441 1,587 143 12,171
する金融資産
売却目的固定資産 - - 244 244
財政状態計算書において公正価値で計上す
る負債
デリバティブ 63 16,365 214 16,642
売買目的金融負債 2,397 - - 2,397
公正価値測定に指定した金融負債 - 2,564 - 2,564
単位：百万ユーロ
2022 年12月31日現在
財政状態計算書において公正価値で計上す
る資産
売買目的金融資産 2,364 50 328 2,742
強制的に公正価値で測定される金融資産 - 341 1,961 2,302
デリバティブ 17 26,643 205 26,865
その他の包括利益を通じて公正価値で測定 9,471 1,853 171 11,495
する金融資産
売却目的固定資産 - - 250 250
財政状態計算書において公正価値で計上す
る負債
デリバティブ 17 19,946 235 20,198
売買目的金融負債 1,543 - - 1,543
公正価値測定に指定した金融負債 - 2,599 - 2,599
80/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
次表は、財政状態計算書に公正価値で計上している金融商品のうちレベル３に分類されたものの変動を示して
いる。資本に含められるレベル３における公正価値の調整額は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
金融資産に係る再評価準備金として会計処理されている。
レベル３における公正価値で測定する金融商品
損益に含ま
2023 年 れている公 OCI に含まれ レベル３へ 2023 年
１月１日 正価値の変 ている公正 の（から ６月30日
単位：百万ユーロ 現在の残高 動 価値の変動 購入額 売却額 決済額 の）振替 現在の残高
資産
売買目的金融資産 328 12 - 341 (37) (253) - 391
強制的に公正価値で測定さ 1,961 32 - 133 (90) - - 2,036
れる金融資産
デリバティブ 205 (1) - - (5) (17) - 182
その他の包括利益を通じて 171 - 27 22 (77) - - 143
公正価値で測定する金融資
産
負債
デリバティブ 235 5 - - - (26) - 214
損益に含ま
2022 年 れている公 OCI に含まれ レベル３へ 2022 年
１月１日 正価値の変 ている公正 の（から 12 月31日
単位：百万ユーロ 現在の残高 動 価値の変動 購入額 売却額 決済額 の）振替 現在の残高
資産
売買目的金融資産 856 17 - 265 (479) (331) - 328
強制的に公正価値で測定さ 1,817 73 - 358 (287) - - 1,961
れる金融資産
デリバティブ 60 399 - - - (251) (3) 205
その他の包括利益を通じて 191 - (6) 2 - (16) - 171
公正価値で測定する金融資
産
負債
デリバティブ 45 370 - - - (172) (8) 235
81/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
レベル３に分類される資産 および 負債に関連して、損益計算書に認識された利益／（損失）合計額を下表に示
す。
報告期間末時点
報告期間末時点 でもはや保有さ
で保有されてい れていない金融
単位：百万ユーロ る金融商品 商品 合計
2023 年度上半期
資産
売買目的金融資産 12 - 12
強制的に公正価値で測定される金融資産 37 (5) 32
デリバティブ (28) 27 (1)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 - - -
負債
デリバティブ (31) 36 5
2022 年度上半期
資産
売買目的金融資産 21 - 21
強制的に公正価値で測定される金融資産 96 (1) 95
デリバティブ 66 38 104
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 - - -
負債
デリバティブ 100 38 138
レベル３の金融商品の評価に当たり、より有利な合理的仮定を用いた場合の損益計算書への潜在的な税引前影
響額は192百万ユーロ（2022年度上半期：167百万ユーロ）であり、その他の包括利益への潜在的な税引前影響額
は０百万ユーロ（2022年度上半期：３百万ユーロ）である。レベル３の金融商品の評価に当たり、より不利な合
理的仮定を使用した場合の損益計算書への潜在的な税引前影響額はマイナス191百万ユーロ（2022年度上半期：
マイナス168百万ユーロ）であり、その他の包括利益への潜在的な税引前影響額は０百万ユーロ（2022年度上半
期：マイナス３百万ユーロ）である。
レベル３の公正価値で測定する金融資産には主にプライベート・エクイティ持分が含まれる。公正価値で測定
するこれらレベル３の金融資産合計額は1,849百万ユーロ（2022年12月31日：1,861百万ユーロ）である。プライ
ベート・エクイティ持分の評価に係る重要な観察不能なインプットはEBITDAに適用される倍率である。加重平均
倍率は11.0倍（2022年12月31日：10.0倍）であり、その幅は倍率のマイナス１（不利な仮定）からプラス１（有
利な仮定）である。
82/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
12. 関連当事者
財務上もしくは経営上の決定に関して、一方の当事者が他方の当事者に対する支配力を行使している場合、ま
たは他方の当事者に対する重大な影響力を有する場合、両者は関連当事者とみなされる。通常の業務において、
ラボバンクは、関連当事者との間で、貸出、預金および外貨建取引など、様々な取引を行う。関連当事者間の取
引には、関連会社、年金基金、共同支配企業、経営委員会および監督委員会との取引も含まれる。これらの取引
は商取引上の条件のもと市場価格に照らして行われている。2023年度上半期には、ラボバンクの当期中の財政状
態または業績に重大な影響を与える関連当事者取引は発生しなかった。
13. 信用関連の偶発債務
信用関連の偶発債務は、ローン・コミットメント、金融保証、信用状、およびその他の貸出関連のオフバラン
スの金融商品を表している。信用関連の偶発債務は81十億ユーロ（2022年12月31日：77十億ユーロ）である。訴
訟に関連する偶発債務は注記９「法的手続および仲裁手続」に開示されている。
14. 売却目的固定資産
売却目的固定資産は244百万ユーロ（2022年12月31日：250百万ユーロ）であり、ある外国金融機関への70百万
ユーロにのぼる大規模投資などのホールセール・アンド・ルーラル(以下「W&R」という）セグメントにおける各
種投資、および不動産開発セグメントにおける売却目的固定資産59百万ユーロが含まれている。これらの帳簿価
額は、使用の継続ではなく売却を通じて実現される見込みである。
15. 事業セグメント
ラボバンクが会計報告に使用している事業セグメントは、経営上の視点から定義されたものである。これは、
各セグメントがラボバンクの戦略的経営の一部としてレビューされ、異なるリスクおよびリターンを伴う事業に
関する意思決定のために使用されることを意味している。
ラボバンクは、国内リテール・バンキング（以下「DRB」という）、ホールセール・アンド・ルーラル
（W&R）、リース、不動産開発、およびその他のセグメントという５つの主要事業セグメントを設けている。
83/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
・ 国内リテール・バンキングは、主として地方ラボバンク、オプフィオンおよびファイナンシャル・ソ
リューションズが行う事業から成っている。
・ ホールセール・アンド・ルーラル（W&R）は、オランダの卸売事業を含んでいる。またオランダ国外では、
食品・農業セクターに重点を置いている。このセグメントは企業向けバンキング事業を行うと共に、マー
ケッツ、マージャーズ・アンド・アクイジション、コーポレート・ファイナンス・オリジネーション、コ
ア・レンディング、プロジェクト・ファイナンス、トレード・アンド・コモディティ・ファイナンス、バ
リューチェーン・ファイナンス、ラボ・インベストメンツなどのグローバルな業務を行う部門も統括してい
る。またこのセグメントには、ラボバンクブランドのもとでの国際ルーラル事業も含まれている。
・ リース・セグメントの中では、DLLがリース事業に責任を負い、幅広いリース商品を提供している。DLL
は、アセット・ファイナンス関連の商品の販売において世界中の製造企業、ベンダーおよび販売企業を支援
している。
・ 不動産開発は、主にBPDの事業で構成されている。中核事業は居住用不動産の開発である。
・ ラボバンク内のその他のセグメントには様々なサブセグメントが含まれるが、いずれも独立セグメントと
して掲記すべきものはない。この事業セグメントは主に関連会社（特にアフメア）への投資、トレジャリー
およびラボバンク・グループ・オーガニゼーションの財務実績で構成される。
ラボバンクの収益合計の10％超を占める顧客はいない。様々な事業セグメント間の取引は、通常の商取引条件
に基づいて行われる。事業セグメント間には、事業活動によるものを除き、他の重要な包括利益は存在しない。
セグメントに使用されている財務報告の原則は、注記「作成基準」に記載されたものと同じである。経営陣は、
主に純受取利息に依拠して各セグメントの業績を評価し、セグメントに配分するリソースに関する意思決定を下
すため、セグメントの受取利息は支払利息控除後の金額で表示されている。
84/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
事業セグメント
国内
リテール・ その他の
単位：百万ユーロ バンキング W&R リース 不動産開発 セグメント 連結効果 合計
2023 年度上半期
純受取利息 4,048 1,393 645 (11) (267) (1) 5,807
純受取手数料 813 158 52 - (11) (5) 1,007
その他収益 32 360 189 68 215 4 868
収益 4,893 1,911 886 57 (63) (2) 7,682
人件費 1,515 765 335 54 76 (3) 2,742
その他一般管理費 380 161 126 19 67 (49) 704
減価償却費および償却費 44 60 12 4 (2) 51 169
営業費用 1,939 986 473 77 141 (1) 3,615
金融資産に係る減損費用 (41) 328 55 - (3) - 339
規制上の賦課金 195 136 28 1 (33) - 327
税引前営業利益 2,800 461 330 (21) (168) (1) 3,401
法人税 722 173 75 (1) (97) 1 873
純利益 2,078 288 255 (20) (71) (2) 2,528
収益に対する費用の比率（規制上の賦課 43.6 58.7 56.5 136.8 n/a n/a 51.3
1
金を含む、単位：％）
金融資産に係る減損費用（民間セクター (3) 54 29 n/a n/a n/a 16
向け貸出金ポートフォリオの平均に対す
2
る比率、単位：ベーシスポイント）
外部資産 275,375 153,193 43,557 3,948 154,130 - 630,203
のれん 322 - - - - - 322
民間セクター向け貸出金ポートフォリオ 272,346 120,709 39,407 106 490 - 433,058
1 営業費用に規制上の賦課金を加算した金額を、収益で除した比率
2 年換算した金融資産に係る減損費用を、民間セクター向け貸出金ポートフォリオの６ヶ月間の平均値で除した比率
金融資産に係る減損引当金および信用関連の偶発債務
国内
リテール・
その他の
単位：百万ユーロ バンキング W&R リース 不動産開発 セグメント 連結効果 合 計
2023 年１月１日現在の残高 1,439 1,162 395 1 - - 2,997
当初認識および取得による増加 46 88 48 - - - 182
認識中止による減少 (109) (51) (6) - - - (166)
信用リスクの変動による変動 34 330 21 - - - 385
当年度の不良債権の償却 (65) (161) (65) - - - (291)
その他調整 3 (12) - - - - (9)
2023 年６月30日現在の残高 1,348 1,356 393 1 - - 3,098
減損引当金： 12 ヶ月の ECL 117 242 80 - - - 439
減損引当金：全期間の ECL －非 信用減損 398 112 105 - - - 615
減損引当金：全期間の ECL － 信用減損 833 1,002 208 1 - - 2,044
2023 年６月30日現在の残高 1,348 1,356 393 1 - - 3,098
85/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
事業セグメント
国内
リテール・
その他の
単位：百万ユーロ バンキング W&R リース 不動産開発 セグメント 連結効果 合 計
2022 年度上半期
純受取利息 2,060 1,398 612 (2) 313 (1) 4,380
純受取手数料 807 198 52 - (5) (2) 1,050
その他収益 39 222 166 163 (363) 2 229
収益 2,906 1,818 830 161 (55) (1) 5,659
人件費 1,272 671 302 54 73 (4) 2,368
その他一般管理費 490 177 108 18 56 (35) 814
減価償却費および償却費 51 54 13 5 3 36 162
営業費用 1,813 902 423 77 132 (3) 3,344
関連会社への投資に係る減損（戻入れ） - - - - (5) - (5)
金融資産に係る減損費用 (150) (17) 209 - - - 42
規制上の賦課金 249 154 31 1 3 - 438
税引前営業利益 994 779 167 83 (185) 2 1,840
法人税 256 211 71 15 11 - 564
純利益 738 568 96 68 (196) 2 1,276
収益に対する費用の比率（規制上の賦課 71.0 58.1 54.7 48.4 n/a n/a 66.8
1
金を含む、単位：％）
金融資産に係る減損費用（民間セクター (11) (3) 111 n/a n/a n/a 2
向け貸出金ポートフォリオの平均に対す
2
る比率、単位：ベーシスポイント）
2022 年12月31日現在
外部資産 276,987 154,179 41,960 3,853 151,534 - 628,513
のれん 322 - - - - - 322
民間セクター向け貸出金ポートフォリオ 273,952 119,804 37,721 100 544 - 432,121
1 営業費用に規制上の賦課金を加算した金額を、収益で除した比率
2 年換算した金融資産に係る減損費用を、民間セクター向け貸出金ポートフォリオの６ヶ月間の平均値で除した比率
金融資産に係る減損引当金および信用関連の偶発債務
国内
リテール・
その他の
単位：百万ユーロ バンキング W&R リース 不動産開発 セグメント 連結効果 合 計
2022 年１月１日現在の残高 1,664 1,522 422 1 - - 3,609
当初認識および取得による増加 108 83 75 - - - 266
認識中止による減少 (229) (146) (214) - - - (589)
信用リスクの変動による変動 101 256 217 - - - 574
当年度の不良債権の償却 (204) (567) (109) - - - (880)
その他調整 (1) 14 4 - - - 17
2022 年12月31日現在の残高 1,439 1,162 395 1 - - 2,997
減損引当金： 12 ヶ月の ECL 174 187 67 - - - 428
減損引当金：全期間の ECL －非 信用減損 510 109 122 - - - 741
減損引当金：全期間の ECL － 信用減損 755 866 206 1 - - 1,828
2022 年12月31日現在の残高 1,439 1,162 395 1 - - 2,997
16. 後発事象
開示すべき後発事象はなかった。
86/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
２【その他】
(1) 後発事象
第３ ３「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1) 業績等の概要」
の「⑤最近の動向」を参照のこと。
(2) 訴訟
第６ １「中間財務書類」の中間財務諸表に対する注記９「法的手続および仲裁手続」を参照のこと。
87/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
３【国際財務報告基準(IFRS)と日本における会計原則及び会計慣行の相違】
日本基準
国際財務報告基準(IFRS)
項目 (一般に公正妥当と認められる会計原則)
（2023年６月30日現在のもの）
（2023年６月30日現在のもの）
( 1 ) 表示が求められ 財務諸表で報告されるすべての金額に 前連結会計年度および当連結会計年度の財務諸
ついて、最低１会計期間分の比較情報 表を併記する。
る会計期間
を開示しなければならない。
(IAS1.38, 38A)
( 2 ) 財政状態計算書 下記の財務諸表※1、2の作成を求めて 下記の財務諸表※1の作成を求めている。
いる。 連結貸借対照表
（貸借対照表）と包
連結財政状態計算書 連結損益計算書および包括利益計算書（１
括利益計算書（損益
連結純損益および包括利益計算書 計算書方式）または連結損益計算書と連結包
計算書）等の様式
（１計算書方式）、または連結純損 括利益計算書を別個に作成（２計算書方
(IAS1.10)
益計算書と連結包括利益計算書を別 式）※2
個に作成（２計算書方式）※3 連結株主資本等変動計算書
連結持分変動計算書 連結キャッシュ・フロー計算書
連結キャッシュ・フロー計算書 連結附属明細表
会計方針および注記 ※1 会計方針を遡及適用した場合、財務諸表の
※1 各計算書の名称については他のも 修正再表示を行った場合、および財務諸表の組
のを使用することも可。 替えを行った場合でも、IFRSが求めるような開
※2 過去に遡って会計方針を適用（遡 示されるもっとも古い比較年度の期首貸借対照
及適用）した場合、財務諸表項目の修 表の追加作成は不要。
正再表示を行った場合、および財務諸 ※2 １計算書方式と２計算書方式のいずれでも
表項目の組替を行った場合には、上記 可。
財務諸表に加えて、開示される最も古
い比較年度の期首財政状態計算書の作
成も求められる。
※3 １計算書方式と２計算書方式のい
ずれでも可。
( 3 ) 特別（異常）損 収益または費用のいかなる項目も、異 特別損益に属するものはその内容を示す名称を
常項目として、包括利益計算書もしく 付した科目をもって表示する。
益の表示
は損益計算書（表示されている場合）
(IAS1.87)
または注記のいずれにも表示してはな
らない。
88/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 4 ) 連結の範囲 支配の概念による。 （連結財務諸表に関する会計基準（以下「連結
以下の要件を全て満たす場合に支配を 会計基準」第6項,第7項,第13項）
(IFRS10.7)
有するものと判断される。 支配力の概念による。
投資先に対してパワーを有してい 親会社が、他の企業の財務および営業または事
る。 業の方針を決定する機関（意思決定機関）を支
投資先への関与から生じる変動リ 配している場合、当該他の企業に対する支配が
ターンにさらされている、もしくは 存在する。
変動リターンに対する権利を有して
いる。 日本基準には、支配の有無の判断にあたり、潜
投資者のリターンの金額に影響を 在的議決権の影響や、意思決定権の行使が本人
与えるようなパワーを、投資先に対 と代理人のいずれの立場として行われるか等を
して行使することができる。 考慮することを明示的に求める規定は存在しな
い。
（IFRS10, B22, B47）
一方、IFRS第10号の「事実上の支配」に一部類
支配の有無を判断する際には、実態を
似する考え方として、自らの議決権が過半数に
伴う潜在的議決権を考慮する。その際
満たない場合であっても、「緊密な者」と「同
は、投資者が保有する潜在的議決権の
意している者」が所有する議決権を合わせた判
みならず、他の当事者が保有する議決
断を行うこと、取締役会の構成、資金調達の状
権も踏まえて判断する。
況および方針決定を支配する契約の存在等を考
慮することを求める規定が存在する。
（IFRS10, B41, B42）
投資者が投資先の議決権のうち、過半
数に満たない部分しか保有していない
場合であっても、いわゆる「事実上の
支配」が成立する可能性がある。
（IFRS10, 18, B58）
支配の有無の判断にあたり、意思決定
保有者が意思決定権を本人として自身
の利益のために行使するか、代理人と
して他の当事者のために行使するかを
考慮しなければならない。
( 5 ) 連結の範囲 （IFRS10 付録A） （連結会計基準第14項）
以下の子会社は連結の範囲から除かれる。
（例外） IFRS第10号に伴い、すべての子会社を
支配が一時的であると認められる企業
連結しなければならない。日本基準の
利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれ
ような例外はない。ただし、以下の投
のある企業
資企業に関する例外規定が適用された
場合は除く。
（IFRS10, 31-33）
一定の要件を満たす投資企業について
は、子会社を連結せず、当該投資を
IFRS第９号に基づき、純損益を通じて
公正価値で測定する。
自身が投資企業ではない親会社は、そ
の連結財務諸表において投資企業の会
計処理を適用することは認められな
い。すなわち、米国基準のようなroll-
up処理は認められない。
89/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 6 )特別目的事業体 投資者が支配を有すると判断されるス （連結会計基準第7-2項）
（SPE）およびスト トラクチャード・エンティティ― （投資事業組合に関する実務上の取扱い）
ラクチャード・エン （SE）についても連結対象に含める。 一定の特別目的会社につき、一定の要件を満た
ティティ―（SE） す場合には、オリジネーターの子会社に該当し
(IFRS10.7) ないものと推定する。
投資事業の場合、基本的には業務執行権限の有
無により判断する。
( 7 ) 共同支配の取決 共同契約のうち、共同支配事業（ジョ 共同支配投資企業は、共同支配企業に対する投
イント・オペレーション）は、自らの 資について、連結財務諸表上、持分法を適用す
め（ジョイント・ア
資産、負債、収益および費用ならびに/ る。
レンジメント）
または当事者に共通して発生したそれ
（IFRS11.20, 24）
らに対する持分相当額を認識する方法
により会計処理される。ジョイント・
ベンチャーは、持分法により会計処理
される。
( 8 ) のれんの当初認 企業結合ごとに、以下のいずれかを選 のれんとは、被取得企業または取得した事業の
択できる。 取得原価が、取得した資産および引き受けた負
識と非支配株主持分
1)非支配持分も含めた被取得企業全体 債に配分された純額を超過する額として算定さ
の測定方法
を公正価値で測定し、のれんは非支配 れる（購入のれんアプローチのみ）。
（IFRS3.19, 32）
持分に帰属する部分も含めて認識する
方法（全部のれんアプローチ）。 （連結会計基準第20項）
全面時価評価法により、子会社の資産および負
2)非支配持分は、被取得企業の識別可 債のすべてを支配獲得日の時価により評価す
能純資産の公正価値に対する比例持分 る。
相当額として測定し、のれんは取得企
業の持分相当額についてのみ認識する ※IFRSで選択できるような、非支配株主持分自
方法（購入のれんアプローチ）。 体を支配獲得日の時価で評価する処理は認めら
れていない。
( 9 ) のれんの取扱い 規則的な償却は行わず、減損の兆候が 20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定
無くても毎期１回、さらに減損の兆候 額法その他合理的な方法により償却する。ただ
(IFRS3.B63(a),
がある場合には追加で、減損テストの し、のれんの金額に重要性が乏しい場合には、
IAS36.88,90)
対象となる。 当該のれんが生じた事業年度の費用として処理
することができる。
のれんに減損の兆候がある場合に減損損失を認
識するかどうか判定する。
研究費は発生した時点で費用として認 研究開発費は、すべて発生時に費用として処理
( 10 ) 自己創設研究
識する。 しなければならない。
開発費
開発費については、技術上の実行可能 ソフトウェア制作費のうち、研究開発に該当す
(IAS38.52-62)
性や使用または売却するという企業の る部分も研究開発費として費用処理する。
意図等、一定の要件がすべて立証可能
な場合のみ、無形資産として認識する
（満たさない場合には発生時に費用処
理しなければならない）。
コンピュータ・ソフトウェアの研究開
発費に関する個別の指針はない。
90/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 11 ) 借入費用の資 適格資産とは、意図した使用または売 固定資産を自家建設した場合には、適正な原価
却が可能になるまでに相当の期間を必 計算基準に従って製造原価を計算し、これに基
産計上
要とする資産をいう。 づいて取得原価を計算する。建設に要する借入
(IAS23.5,8)
企業は、適格資産の取得、建設または 資本の利子で稼動前の期間に属するものは、こ
製造に直接帰属する借入費用を当該資 れを取得価額に算入することができる。
産の一部として資産化しなければなら
ない。また、上記に該当しない借入費
用を発生時に費用として認識しなけれ
ばならない。
( 12 ) 有形固定資産 IAS第37号に従い、引当金の認識要件を 資産除去債務計上額を関連する有形固定資産の
満たす解体および除却費用ならびに原 帳簿価額に加える。
解体および除却費用
状回復費用等は、有形固定資産の取得 資産除去債務は、有形固定資産の除去に関して
ならびに原状回復費
原価に含める。IAS第37号の引当金に 法令または契約で要求される法律上の義務およ
用等
は、法的債務および推定的債務が含ま びそれに準ずるものを計上する。
(IAS16.16(C), 18,
れる。
IAS37.10, 14, 19,
資産除去債務の割引率は負債計上時に決定し、
45, 47, IFRIC1.3,
有形固定資産が原価モデルで測定され その後の変更は行わない（ただし、将来CFの見
8)
ており、引当金に係る割引率が事後的 積額が増加した場合は、その時点の割引率に変
に変更された場合は、引当金を再測定 更し、減少した場合は負債計上時の割引率を用
し、変動額を有形固定資産の取得原価 いる）。
に加減する。 時の経過による資産除去債務の調整額は、損益
計算書上、当該資産除去債務に関連する有形固
引当金の割引に関する振戻しは、金融 定資産の減価償却費と同じ区分に含めて計上す
費用として費用計上する。 る。
敷金が資産計上されている場合、簡便的に敷金
日本基準にある敷金に関する例外処理 の回収が見込めないと認められる金額を合理的
は、認められない。 に見積り、当期の負担に属する金額を費用に計
上する方法によることができる。
( 13 ) 有形固定資産 原価モデルまたは再評価モデルのどち 取得原価から減価償却累計額および減損損失累
らかを会計方針として選択し、同一種 計額を控除した金額で測定する（再評価は認め
および無形資産の事
類のすべての有形固定資産および無形 られていない）。
後測定
資産に適用しなければならない。
(IAS16.29-31,
再評価モデルを選択した場合、帳簿価
IAS38.72, 75)
額が報告期間の期末日における公正価
値と大きく相違しないよう、再評価を
定期的に実施しなければならない。
( 14 ) 投資不動産 原価モデルまたは公正価値モデルの選 （注記による開示だけであるため、特に明示さ
択が必要である。資産の存続期間にわ れた基準はなく）原価モデルのみ。
当初認識後の測定
たって選択したアプローチが変更され
(IAS40.30)
る可能性は非常に低い。
( 15 ) 投資不動産公 公正価値モデルを選択する企業は、一 該当する基準はない。
定の場合を除き、すべての投資不動産
正価値モデルでの測
を公正価値で評価しなければならな
定
い。
(IAS40.33, 35,
投資不動産の公正価値の変動は、発生
53A, 53B, 54)
した期の損益として処理される。
建設中の投資不動産に関しても原則と
して同じ考え方であるが、実務を配慮
した特別な取扱いが定められている。
91/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 16 ) 減損プロセス １段階アプローチ ２段階アプローチ
減損の兆候が存在する場合には、資産 減損の兆候が存在する場合には、最初に回収可
－減損の認識判定に
の帳簿価額がその回収可能価額を上回 能性テスト（資産の帳簿価額を、使用および最
用いる数値
る場合に、その差額を減損損失として 終的処分を通じて発生する割引前将来キャッ
(IAS36.59)
認識する。 シュ・フローの総額と比較する）を行う。その
回収可能価額は処分費用控除後の公正 結果、資産の帳簿価額が割引前キャッシュ・フ
価値と使用価値のいずれか高い金額と ローの総額よりも大きいため、回収不能と判断
なる。 された場合、資産の帳簿価額を回収可能価額
（正味売却価額と使用価値のいずれか高い金
額）まで減額するように減損損失を認識する。
( 17 ) 減損損失の戻 のれんに関し、その戻入れは禁止され あらゆる資産について禁止される。
ているが、他の資産については、毎
入れ
年、減損の兆候について検討しなけれ
(IAS36.110, 117,
ばならない。戻入れが必要な場合は、
124)
過年度に減損がなかったとした場合の
（償却または減価償却控除後の）帳簿
価額を上限として、減損損失を戻し入
れる。
92/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 18 ) リース 「使用権」資産および対応する金融負 リース取引はオペレーティング・リースおよび
債は財政状態計算書に認識される。 ファイナンス・リースに分類される。ファイナ
借手の会計処理
使用権資産および対応するリース負債 ンス・リースは解約不能かつフルペイアウトの
当初測定
は、リース期間にわたり未だ支払われ 要件を充足するリース取引をいい、以下の判定
(IFRS 16.6,8,23,
ていないリース料の現在価値に相当す 基準が用いられる。
24, 26)
る金額で測定される。 リース期間にわたる解約不能のリース料総
額の現在価値が、見積現金購入価額の概ね
短期リース 90％以上
短期リースはリース期間が12ヶ月以内 解約不能のリース期間が、当該リース物件
のリースと定義されている。借手は、 の経済的耐用年数の概ね75％以上
短期リースについて認識の免除を選択 ファイナンス・リース取引については、通常の
することができる。この場合、リース 売買取引に係る方法に準じて会計処理を行う。
料はリース期間にわたり定額法、また オペレーティング・リース取引は、通常の賃貸
は借手の便益のパターンをより適切に 借取引に係る方法に準じて会計処理を行う。
表す他の規則的な基礎のいずれかで費
用として認識される。この選択は、使 リース資産およびリース債務の価額は以下のと
用権が関連する原資産のクラスごとに おり。
行わなければならない。 〈貸手の購入価額が明らかな場合〉
所有権移転：貸手の購入価額
原資産が少額であるリース 所有権移転外：貸手の購入価額、または、リー
借手は、原資産が少額であるリースに ス料総額（残価保証額を含む）の割引現在価値
ついて認識の免除を選択することがで のいずれか低い金額
きる。この場合、リース料はリース期 〈貸手の購入金額が不明の場合〉
間にわたり定額法、または借手の便益 リース料総額（所有権移転の場合は割安購入選
のパターンをより適切に表す他の規則 択権の行使価額を含む）の割引現在価値また
的な基礎のいずれかで費用として認識 は、借手の見積現金購入価額のいずれか低い金
される。 額
ただし、以下のいずれかを満たす場合、通常の
賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行う
ことができる。
重要性が乏しい減価償却資産で、購入時に
費用処理する方法が採用され、リース料総額
が当該基準額以下のリース取引
リース期間が１年以内のリース取引
（所有権移転外のみ）事業内容に照らして
重要性の乏しい、契約１件当たりのリース料
総額が300万円以下のリース取引
( 19 ) リース 借手は、使用権資産を減価償却する際 所有権移転外ファイナンス・リースについて
にIAS第16号「有形固定資産」の減価償 は、企業の実態に応じたものを選択適用する。
借手の会計処理
却の要求事項を適用しなければならな 自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と
減価償却方法
い。 同一である必要はない。
(IFRS 16.31)
所有権移転ファイナンス・リースについては、
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と
同一の方法を適用する。
93/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 20 ) リース リース開始日から使用権資産の耐用年 所有権移転外ファイナンス・リースの償却期間
数の終了時までの期間と、リース開始 は、リース期間（再リース期間をリース期間に
借手の会計処理
日からリース期間の終了時までの期間 含めている場合は、再リース期間を含む年数）
償却期間
のいずれか短い期間を償却期間とす である。
(IFRS 16.32)
る。 所有権移転ファイナンス・リースの償却期間
ただし、リース期間の終了時に所有権 は、リース資産の経済的耐用年数である。
が移転する場合または購入オプション
の行使が使用権資産の取得原価に反映
されている場合（つまり、購入オプ
ションの行使が合理的に確実である場
合）には、リース開始日から原資産の
耐用年数の終了時までの期間を償却期
間とする。
( 21 ) リース リースは、原資産の所有に伴うリスク リースは、所有に伴うリスクと経済価値のほと
と経済価値のほとんどすべてを移転す んどすべてが借手に移転する場合には、ファイ
貸手の会計処理
る場合には、ファイナンス・リースに ナンス・リースに分類される。
分類
分類される。それ以外の場合にはオペ ファイナンス・リースの分類には数値基準があ
(IFRS 16.61-65)
レーティング・リースに分類される。 る。上記（18）を参照のこと。
数値基準はない。
( 22 ) リース 開始日において、貸手はファイナン ファイナンス・リースの貸手は、リース開始日
ス・リース債権を正味リース投資未回 にリース債権（リース投資資産）を認識する。
貸手の会計処理
収額に等しい金額で認識しなければな 利息相当額は、次のいずれかの方法を継続的に
ファイナンス・リー
らない。正味リース投資未回収額は、 適用して各期へ配分される。
スの会計処理
リース料と無保証残存価値をリースの (1) リース取引開始日に売上高と売上原価を計
(IFRS 16.67,
計算利子率で割り引いた現在価値であ
上
付録 A)
る。
(2) リース料受取時に売上高と売上原価を計上
(3) 売上高を計上せずに利息相当額を各期へ配
分
各期における利息相当額は、いずれの方法を採
用しても、同額となる。
( 23 ) リース リース料は定額法で、または他の規則 リース料はリース期間にわたり収益として認識
的な基礎の方が原資産の使用による便 される。
貸手の会計処理
益が減少するパターンをより適切に表
オペレーティング・
す場合には当該基礎を適用して、収益
リースの会計処理
として認識される。
(IFRS 16.81)
94/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 24 ) 金融商品の当 通常は取引価格が金融商品の当初認識 時価と取引価格が異なる場合、差額は取引の実
日における公正価値の最善の証拠とさ 態に応じて処理するものとされ、具体的な取扱
初測定
れる。 いは明記されていない。（金融商品会計に関す
（初日の利得／損
ただし、金融商品の当初認識時の公正 る実務指針 243）
失）
価値が取引価格と異なると判断される
場合、その当初認識時の公正価値につ
いて、同一の資産または負債の活発な
市場における相場価格の証拠があると
き、または観察可能な市場からのデー
タのみを用いた評価技法に基づいてい
るときには、当初認識時の公正価値と
取引価格との差額は初日の利得または
損失として認識する。
これに対して、上記条件を満たさない
評価技法に基づく当初認識時の公正価
値が取引価格と異なる場合には、当初
認識時の公正価値と取引価格との差額
は初日の利得または損失として認識し
ない。(IFRS9.B5.1.2A、B5.2.2A)
95/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 25 ) 金融資産の分 負債性金融商品に対する投資 金融資産は、原則として法的形態をベースに、
負債性金融商品に対する投資は、事業 有価証券、債権、金銭の信託、デリバティブな
類
モデルと契約上のキャッシュ・フロー どに分類して規定が定められている。さらに、
特性に基づいて以下の3つの測定区分に 有価証券については、売買目的有価証券、満期
分類される。 保有目的の債券、子会社および関連会社株式、
(1) 償却原価：契約上のキャッシュ・ その他有価証券に分類される。
フローを回収するために金融資産を保
有することを目的とする事業モデルの
中で金融資産が保有されており、か
つ、対象となる金融資産の所定の日に
生じる契約上のキャッシュ・フローが
元本と利息の支払いのみ（SPPI）から
なる場合
(2) その他の包括利益を通じて公正価
値（FVOCI）：契約上のキャッシュ・フ
ローの回収および売却の両方により目
的が達成される事業モデルの中で金融
資産が保有されており、対象となる金
融資産の所定の日に生じる契約上の
キャッシュ・フローがSPPIからなる場
合
(3) 純利益を通じて公正価値
（FVPL）：金融資産が上記のいずれに
も該当しない場合
資本性金融商品に対する投資
資本性金融商品に対する投資は純損益
を通じて公正価値で測定される。しか
し、当初認識時に、売買目的で保有さ
れていない資本性金融商品の公正価値
の変動を、その他の包括利益に表示す
るという取消不能な選択をすることが
できる（OCIオプション）。その他の包
括利益に表示された金額を事後的に純
損益に振り替えてはならない。しか
し、企業が利得または損失の累計額を
資本の中で振り替えることはできる。
（ IFRS 9.4.1.1, 4.1.2, 4.1.2A,
4.1.3, 4.1.4, 5.7.5, B5.7.1,
B5.7.1A）
96/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 26 ) 金融資産の認 企業は、金融資産の管理に関する事業 原則として、有価証券の保有目的区分は当初の
モデルを変更した場合に、かつその場 意図に基づくものであり、正当な理由がなく変
識の分類の変更
合にのみ、影響を受けるすべての金融 更することはできない。
資産を分類変更しなければならない。 満期保有目的の債券からの再分類を行った場合
金融資産を分類変更する場合には、企 には、その後２事業年度内の満期保有目的の債
業は分類変更日から将来に向かって分 券への分類を禁止する規定がある。
類変更を適用しなければならない。 なお、資金運用方針の変更または法令もしくは
(IFRS 9.4.4.1, 5.6.1) 基準などの改正もしくは適用に伴い、有価証券
のトレーディング取引を行わないこととした場
合には、すべての売買目的有価証券をその他有
価証券に振り替えることができる。
逆に、有価証券のトレーディング取引を開始す
ることとした場合、または有価証券の売買を頻
繁に繰り返したことが客観的に認められる場合
には、その他有価証券を売買目的有価証券に振
り替えなければならない。
( 27 ) 金融資産の認 リスク経済価値アプローチに基づき、 財務構成要素アプローチに基づき、金融資産の
金融資産の認識を中止する。 消滅を認識する。
識の中止
金融資産の所有に係るリスクと経済価
(IFRS 9)
値のほとんどすべてを移転したわけで
も、ほとんどすべてを保持しているわ
けでもない場合は、「支配」の有無を
検討する。引き続き支配を保持してい
る場合は、継続的関与アプローチに基
づき認識を継続する。
金融資産 公正価値オプションの概念は存在しない。
( 28 ) 公正価値オプ
IFRS第９号では、測定または認識の不
ション
整合（「会計上のミスマッチ」と呼ば
れることがある。）を除去または大幅
に低減する場合にのみ当初認識時にお
いて金融資産を純損益を通じて公正価
値で測定するものとして取消不能の指
定をすること（公正価値オプション）
が認められる。
非金融資産
非金融資産にデリバティブが組込まれ
ている場合に公正価値オプションを適
用できる（ただし、組込デリバティブ
がキャッシュ・フローの大幅な変更を
もたらさない場合、または、類似の混
合金融商品が最初に検討される際に組
込デリバティブの分離が禁じられるこ
とがほとんど分析なしに明らかな場合
を除く）。
(IFRS 9.4.1.5, 4.3.5)
97/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
企業は、当初認識時に金融資産を公正 売買目的有価証券は時価で測定され、時価の変
( 29 ) 測定
価値で測定し、損益を通じて公正価値 動は損益に認識される。
で測定されない金融資産の場合は、金 なお、時価とは、算定日において市場参加者間
融資産の取得に直接起因する取引コス で秩序ある取引が行われると想定した場合の、
トを加算する。組込デリバティブを伴 当該取引における資産の売却によって受け取る
う金融資産は、そのキャッシュ・フ 価格または負債の移転のために支払う価格をい
ローが元本と利息の支払いのみで構成 う。
されているか否かの判断時に全体的に 満期保有目的の債券は償却原価で測定され、原
検討される。デリバティブは、公正価 則として利息法によるものとするが、継続適用
値で当初認識され、その後も損益を通 を条件として、簡便法である定額法を採用する
じて公正価値で測定される。 ことができる。
(IFRS 9.5.1.1) その他有価証券は、時価で測定する。時価の変
動額（評価差額）は、a)純資産の部に計上さ
れ、売却、減損あるいは回収時に損益計算書へ
負債性金融商品
計上される、もしくは（継続適用を条件に）b)
償却原価（AC）
個々の有価証券について、時価が取得原価を上
これらの金融資産は、償却原価で測定
回る場合には純資産の部に計上し、下回る場合
され、これらの金融資産からの受取利
には損益計算書に計上する。
息は実効金利法を使用して純受取利息
債権は償却原価で測定され、原則として利息法
として認識される。認識の中止から利
によるものとするが、契約上、元利の支払いが
益または損失が発生した場合、直接損
弁済期限に一括して行われる場合または規則的
益に認識される。(IFRS 9.5.4.1,
に行われる場合に、定額法を採用することがで
5.7.2)
きる。
その他の包括利益を通じた公正価
非上場株式は市場価格のない株式等として取り
値（FVOCI）
扱われ、取得原価で測定される。市場価格のな
これらの負債性金融商品は、その他の
い株式等については、株式の発行会社の財政状
包括利益を通じて公正価値で測定され
態の悪化により実質価額（保有株式数に、一株
る。その帳簿価額の変動はOCIを通じて
あたり純資産を乗じて計算される）が著しく低
計上されるが、減損損益、受取利息お
下したときに、減損損失が認識される。
よび為替換算損益は損益に認識され
る。当該金融資産の認識が中止された
場合、それまでOCIに認識されていた累
積損益は資本から損益に再分類され
る。これらの金融資産からの受取利息
は実効金利法を使用して純受取利息と
して認識される。(IFRS 9.5.7.10)
損益を通じた公正価値（FVPL）
当初認識後にFVPLで測定される負債性
金融商品に係る利益または損失は、こ
れが発生した期間における損益を通じ
て公正価値で認識される。(IFRS
9.5.7.1)
98/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
資本性金融商品
企業は、当初認識後にすべての資本性
金融商品を公正価値で測定しなければ
ならない。株式投資に係る公正価値損
益をOCIに表示することを選択した場
合、当該商品の認識を中止した後に事
後的に公正価値損益を損益に再分類す
ることはない。
損益を通じて公正価値で測定する金融
資産の公正価値の変動は、損益計算書
に認識される。
(IFRS 9.5.2.1, 9.5.7.1, B5.2.3,
B5.7.1)
( 30 ) 外貨建金融資 企業は、IAS第21号を、IAS第21号に 外貨建その他有価証券の評価差額に関して、取
従った貨幣性項目であり、かつ、外貨 得原価または償却原価に係る換算差額も評価差
産
で表示されている金融資産および金融 額と同様に処理する。
負債に適用する。IAS第21号は、貨幣性 すなわち、外貨建の売買目的有価証券および満
資産および貨幣性負債についての為替 期保有目的の債券の換算差額は損益計算書で認
の利得および損失を純損益に認識する 識され、外貨建のその他有価証券の換算差額は
ことを求めている。 a) 純資産の部に計上され、売却、減損あるいは
例外は、キャッシュ・フロー・ヘッ
回収時に損益計算書へ計上される、もしくはb)
ジ、純投資のヘッジまたはOCIオプショ
個々の有価証券について、時価が取得原価を上
ンに従って公正価値の変動をその他の
回る場合には純資産の部に計上し、下回る場合
包括利益に表示することを企業が選択
には損益計算書に計上される。
した資本性金融商品の公正価値ヘッジ
上記に加え、外貨建債券については、外国通貨
のいずれかにおいてヘッジ手段として
による時価の変動に係る換算差額を評価差額と
指定されている貨幣性項目である。
し、それ以外の差額については為替差損益とし
(IFRS 9.B5.7.2)
て処理することもできる。
99/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 31 ) 減損 減損（損失評価引当金）の対象となる 貸倒引当金の対象となる金融商品は、法的形式
金融商品は次のとおり。 が債権であるもの（売掛金、受取手形、売掛
適用範囲
償却原価で測定する金融資産 金、貸付金、リース債権等）である。
（IFRS 9.4.1.2） 当座貸越契約および貸出コミットメントは金融
商品会計基準の対象であるが、会計処理の定め
FVOCIで測定される金融資産
はない。貸手は、未使用のコミットメント残高
（IFRS 9.4.1.2A）
を注記する。
IFRS16「リース」に従って会計処
債務保証契約は、引当金の要件に該当する場合
理されるリース債権
には引当金を計上し、それ以外の場合は債務保
IFRS15「顧客との契約から生じる
証の金額を注記する。
収益」に従って認識および測定される
契約資産
ローン・コミットメント（IFRS 9.
2.1(g), 4.2.1(d)）（＊）
金融保証契約（IFRS 9.4.2.1
（c））（＊）
＊純損益を通じて公正価値で測定する
ものは含まない。
（IFRS 9.5.5.1）
なお、FVPLで測定される金融資産およ
びOCIオプションを選択した資本性金融
商品には減損（損失評価引当金）の要
求事項は適用されない。
100/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 32 ) 減損 損失評価引当金は、金融商品の「信用 貸倒引当金の算定は、以下の（1）から（3）
リスクが当初認識時以降に著しく増 の区分に応じて測定する。
予想信用損失の測定
大」しているかどうかを判断し、判断 (1) 一般債権
一般的なアプローチ
結果に応じて測定する。
過去の貸倒実績率等合理的な基準により貸倒見
積高を算定する。貸倒損失の過去のデータから
(1) 信用リスクが当初認識時以降に著し
貸倒実績率を算定する期間は、一般には、債権
く増大していない金融商品（「ス の平均回収期間が妥当とされている。
テージ１」）：「12ヶ月の予想信用 (2) 貸倒懸念債権
損失」と同額で損失評価引当金を測
以下のいずれかの方法による。
定
債権額から担保の処分見込額および保証に
12ヶ月の予想信用損失とは、全期間の
よる回収見込額を減額し、その残額について債
予想信用損失のうち、ある金融商品に
務者の財政状態および経営成績を考慮して貸倒
ついて報告日後12ヶ月以内に生じ得る
見積高を算定する方法
「債務不履行」事象から生じる予想信
債権の元本および利息に係るキャッシュ・
用損失を表す部分をいう。
フローを合理的に見積り、当期末まで当初の約
定利子率または実効利子率で割り引いた金額の
(2) 信用リスクが当初認識時以降に著し
総額と債権の帳簿価額との差額を貸倒見積高と
く増大している金融商品（「ステー する方法
ジ２」、「ステージ３」）：「全期 (3) 破産更生債権等
間の予想信用損失」と同額で損失評
債権額から担保の処分見込額および保証による
価引当金を測定
回収見込額を減額し、その残額を貸倒見積高と
全期間の予想信用損失とは、当該金融
する方法
商品の存続期間にわたるすべての生じ
（注）IFRS第９号のような当初認識後の信用リ
得る「債務不履行」事象から生じる
スクの増大を考慮した相対的アプローチではな
「予想信用損失」をいう。
く、現時点における信用リスクを考慮した絶対
（IFRS 9.5.5.3, 5.5.5,付録Ａ）
的アプローチによっていると考えられる。ま
た、基本的には常に全期間の予想信用損失を考
慮していると考えられる。
（金融商品に関する会計基準第27項、28項、金
融商品会計実務指針第109項-117項）
( 33 ) 減損 の戻入れ 減損損失の減少は、減損認識後の事象 減損の戻入れは行われない。
と客観的に関連付けられる場合、戻し
(IFRS 9)
入れなければならない。
( 34 ) 貸出コミット 当初認識時において、貸出コミットメ (金融商品実務指針第139項)
ントが、公正価値オプションとして指 貸出コミットメントはオフバランス取引であ
メント
定されている場合、現金または他の金 る。
融商品の引渡しまたは発行による純額 当座貸越契約(これに準ずる契約を含む。) およ
決済が可能である場合、または、市場
び貸出コミットメントについて、貸手である金
金利を下回る金利で貸付金を提供する
融機関等は、その旨および極度額または貸出コ
コミットメントの場合、公正価値で評
ミットメントの額から借手の実行残高を差し引
価される。
いた額を注記する。
上記以外は、IFRS第９号の（当初認識
時の）適用範囲から除外されている。
ただし、この場合でも、当初認識後は
IFRS第９号の減損の要求事項が適用さ
れる。
（IFRS 9.2.1(g), 2.3, 5.1.1）
101/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 35 ) 金融負債と資 IAS第32号にて、金融負債と資本の区分 金融負債と資本の区分に関する包括的な規定は
に関する包括的な規定が設けられてお 存在しない。
本の区分
り、金融商品の契約の実質ならびに金
(IAS32.11, 16A-
融負債、資本性金融商品の定義に基づ
16D, 15, 18)
き区分しなければならない。
( 36 ) 自己の信用リ 金融負債は、純損益を通じて公正価値 支払手形、買掛金などの金銭債務は、債務額を
で測定する金融負債（売買目的負債お もって貸借対照表価額とし、社債については社
スク
よび公正価値オプション）および償却 債金額より低いまたは高い価額で発行した場合
(IFRS 9)
原価で測定される金融負債に分類され には償却原価で評価する必要がある。
る。
公正価値オプションを適用した金融負
債について、当該負債の信用リスクの
変動に起因する公正価値の変動はその
他の包括利益に表示しなければならな
い。ただし、この処理が純損益におけ
る会計上のミスマッチを創出または拡
大する場合は、負債の信用リスクの変
動の影響を含む全ての利得または損失
を純損益に表示しなければならない。
（ IFRS 9.4.2.1, 4.2.2, 5.7.7,
5.7.8）
( 37 ) 組込デリバ （IFRS 9.4.3.2） 複合金融商品に組込まれた組込デリバティブ
は、次のすべての要件を満たした場合、主契約
ティブの分離要件 主契約がIFRS第９号の範囲内の金融資
から区分して時価評価される。
（金融資産が主契約 産である場合は、組込デリバティブを
組込デリバティブのリスクが現物の金融資
の場合） 分離せず、当該金融商品全体について
産または金融負債に及ぶ可能性がある
(IFRS 9) 分類の判定を行う。
組込デリバティブと同一条件の独立したデ
リバティブが、デリバティブの特徴を満たす
当該複合金融商品について、時価の変動に
よる評価差額が当期の損益に反映されない
上記の要件を満たさない場合でも、管理上組込
デリバティブを区分して管理している場合には
主契約と組込デリバティブを区分して会計処理
することができる。
( 38 ) 組込デリバ （IFRS 9.4.3.3） 非金融商品が主契約となる組込デリバティブに
関する規定は存在しない。
ティブの分離要件 組込デリバティブは、次のすべての要
（非金融商品が主契 件を満たす場合、かつ、その場合にの
約の場合） み、主契約から区分して公正価値評価
(IFRS 9) する。
組込デリバティブの経済的特徴およ
びリスクが、主契約の経済的特徴お
よびリスクに密接に関連していない
組込デリバティブと同一条件の別の
デリバティブが、デリバティブの定
義を満たす
当該混合金融商品について、公正価
値変動が純損益に反映されない
102/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 39 ) ヘッジ会計の 公正価値ヘッジ（ヘッジ対象の特定の 原則として、ヘッジ手段に係る損益または評価
リスクに係る公正価値の変動と、ヘッ 差額を、税効果を考慮のうえ、原則、純資産の
手法
ジ手段の公正価値の変動を、ともに損 部において繰り延べる。
(IAS39, IFRS 9)
益として認識・計上する）、キャッ ただし、ヘッジ対象に係る相場変動等を損益に
シュ・フロー・ヘッジ（ヘッジ手段の 反映させる時価ヘッジも認められる。
公正価値変動のうち、有効部分を資本
の部に直接計上する）、および在外営
業活動体に対する純投資のヘッジにつ
いて、ヘッジ会計の会計処理が行われ
ている。
ラボバンクは、ミクロ・キャッシュ・
フロー・ヘッジ会計についてのみIFRS
第９号を適用している。IFRS第９号は
金利リスクのポートフォリオ・ヘッジ
に関するソリューションを提供してい
ないため、経営陣は、マクロ公正価値
ヘッジ会計について、引き続きIAS第39
号に基づくヘッジ会計のソリューショ
ンを適用している。
( 40 ) ヘッジ非有効 （IFRS9.6.5.3, 6.5.11（c）） (金融商品実務指針第172項)
ヘッジ全体が有効と判定され、ヘッジ会計の要
部分の処理 ヘッジの非有効部分は、純損益に認識
件が満たされている場合には、非有効部分につ
(IFRS 9) する必要がある。
いても繰延処理することができる。
OCIオプションを選択した資本性金融商
非有効部分を合理的に区分できる場合には、当
品に対する投資を公正価値ヘッジの
期の損益に計上することができる。
ヘッジ対象に指定する場合（かつ、そ
の場合のみ）、ヘッジの非有効部分は
その他の包括利益に表示され、純損益
に振り替えられることはない。
( 41 ) 金利スワップ 該当する基準はなく、このような処理 (金融商品会計基準第107項)
は認められない。 一定の条件を満たす場合には、金利スワップを
の特例処理
時価評価せず、金利スワップに係る利息を直
接、金融資産・負債に係る利息に加減して処理
することが認められる。
( 42 ) 未払有給休暇 累積型については、将来の有給休暇に 該当する基準はない。
対する権利を増加させる勤務を従業員
(IAS19.13-18)
が提供したときに、有給休暇に係る予
想コストを認識することが求められ
る。
非累積型については、休暇取得時に認
識する。
( 43 ) 確定給付制度 確定給付制度において積立超過がある （退職給付に関する会計基準「以下「退職会計
場合、正味確定給付制度資産として認 基準」第13項）
－資産計上など
識しうる額は、当該積立超過の額また
(IAS19.8, 64)
はアセット・シーリングのいずれか低 年金資産の額が退職給付債務を超える場合に
い金額に制限される。 は、資産として計上する（なお、個別財務諸表
については別個の定めがある（「退職会計基
準」第39（1）項）。
103/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 44 ) 確定給付制度 確定給付制度負債（または資産）の純 （退職会計基準第15項、第24項，注7，退職給付
額を財政状態計算書に認識しなければ に関する会計基準の適用指針（以下「退職給付
－数理計算上の差異
ならない（そのため、数理計算上の差 適用指針」第33-40項，第43項）
(IAS19.8, 63)
異の遅延認識は認められない）。その 数理計算上の差異は、原則として各期の発生額
他の包括利益で認識された当該差異の について、平均残存勤務期間以内の一定の年数
純損益への振替は認められない。 で按分した額を毎期費用処理する。また、当期
に発生した未認識数理計算上の差異は税効果を
調整の上、その他の包括利益を通じて純資産の
部に計上する（なお、個別財務諸表については
別個の定めがある（「退職会計基準」第39（1）
項）。
その他の包括利益累計額に計上されている未認
識数理計算上の差異のうち、当期に費用処理さ
れた部分について、その他の包括利益の調整
（組替調整）を行う（なお、個別財務諸表につ
いては組替調整は行わない（「退職会計基準」
第39（2）項）。
数理計算上の差異については、未認識数理計算
上の差異の残高の一定割合を費用処理する方法
によることができる。数理計算上の差異につい
ては、当期の発生額を翌期から費用処理する方
法を用いることができる。
過去勤務費用と数理計算上の差異の費用処理年
数は別個に設定することが可能である。
( 45 ) 確定給付年金 原則：給付算定式方式 （退職会計基準第19項、退職給付適用指針第11
例外：定額方式（後期の年度の勤務が 項，第12項，第13項）
制度－確定給付制度
初期の年度より著しく高い水準の給付 計算方法は、以下の選択適用となる。
債務の期間配分方法
を生じさせる場合） ・期間定額基準
(IAS19.67, 70)
・給付算定式基準（IAS19号と同様）
なお、給付算定式基準に従う給付額が著しく後
加重であるときには、当該後加重である部分の
給付については、当該期間（退職給付に関する
会計基準の適用指針第13項参照）の給付が均等
に生じるとみなして、定額で期間帰属させる。
( 46 ) 確定給付年金 以下の順序で検討する。 （退職会計基準第20項、注6、退職給付適用指針
割引率は、退職後給付債務と同一通貨 第24項）
制度－割引率
で同様の期日を有する優良社債の（報 安全性の高い債券の利回りを基礎として決定す
(IAS19.83)
告期間の末日現在の）市場利回りを参 る（検討にあたり順序はない）。
照して決定する。 割引率の基礎とする安全性の高い債券の利回り
そのような社債について厚みのある市 とは、期末における国債、政府機関債および優
場が存在しない場合には、報告期間の 良社債の利回りをいう。
末日現在における国債の市場利回りを
使用しなければならない。
104/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 47 ) 確定給付年金 期待運用収益という概念はない。 （退職会計基準第23項、退職給付適用指針第21
上記で算定された割引率を確定給付制 項、第25項）
制度－期待運用収益
度負債（資産）の純額に乗ずること 期待運用収益は、期首の年金資産の額（期中に
率
で、確定給付制度負債（資産）の純額 年金資産の重要な変動があった場合には、これ
(IAS19.123)
に係る利息純額を算定する。 を反映させる）に合理的に期待される収益率
（長期期待運用収益率）を乗じて計算する。
長期期待運用収益率は、年金資産が退職給付の
支払に充てられるまでの時期、保有している年
金資産のポートフォリオ、過去の運用実績、運
用方針および市場の動向等を考慮して設定す
る。
( 48 ) 確定給付年金 制度が改訂または縮小された時と、会 （退職会計基準第15項、第25項、注9、注10、退
社が関連するリストラ費用や解雇給付 職給付適用指針 第33項、第41項、第42項、第
制度－過去勤務費用
を認識した時のいずれか早い時期に過 43項）
(IAS19.103)
去勤務費用を純損益として認識する。 過去勤務費用は、原則として各期の発生額につ
いて、平均残存勤務期間以内の一定の年数で按
分した額を毎期費用処理する。また、当期に発
生した未認識過去勤務費用は税効果を調整の
上、その他の包括利益を通じて純資産の部に計
上する（なお、個別財務諸表については別個の
定めがある（「退職会計基準」第39（1）項）。
その他の包括利益累計額に計上されている未認
識過去勤務費用のうち、当期に費用処理された
部分について、その他包括利益の調整（組替調
整）を行う（なお、個別財務諸表については組
替調整は行わない（「退職会計基準」第39（2）
項）。
過去勤務費用については、未認識過去勤務費用
の残高の一定割合を費用処理する方法によるこ
とができる。この場合の一定割合は、過去勤務
費用の発生額が平均残存勤務期間以内に概ね費
用処理される割合としなければならない。数理
計算上の差異については、当期の発生額を翌期
から費用処理することができるが、過去勤務費
用については同様の処理を認める規定が存在し
ない。
退職従業員に係る過去勤務費用は、他の過去勤
務費用と区分して発生時に全額を費用処理する
ことができる。
過去勤務費用と数理計算上の差異の費用処理年
数は別個に設定することが可能である。
105/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 49 )保険契約の特徴 IFRS第17号「保険契約」は、当該基準 日本の会計基準では保険契約の会計処理を取り
（IFRS17.1, BC16） の範囲に含まれる保険契約の認識、測 扱う会計基準はなく、金融商品に該当すれば金
定、表示及び開示に関する原則を定め 融商品会計に関する実務指針により会計処理す
ている。 ることになる。一方保険会社には「保険業法で
(1) IFRS 第17号は、保険契約は金融商 定められた会計」としての保険会計が適用され
る。保険業とは、「人の生存又は死亡に関し一
品とサービス契約の両方の要素を組
定額の保険金を支払うことを約し保険料を収受
み合わせたものであると捉えてい
する保険、一定の偶然の事故によって生ずるこ
る。
とのある損害をてん補することを約し保険料を
(2) IFRS第17号は、多くの保険契約は長
収受する保険その他の保険で、第3条第4項各号
期間にわたり相当な変動性を伴う
又は第5項各号に掲げるものの引受けを行う事業
キャッシュ・フローを生成するとい
をいう。（保険業法第2条第1項）」とされてい
う考えに基づき、これらの要素に関
る。
して有用な情報を提供するために以
下のようなアプローチをする。
(a) 将来キャッシュ・フローを現在
価値で測定することと、契約に
基づいてサービスが提供される
期間にわたって利益を認識する
こととを組み合わせる。
(b) 保険サービス損益（保険収益の
表示を含む）を保険金融収益又
は費用と区分して表示する。
(c) すべての保険金融収益又は費用
を純損益に認識するのか、それ
とも当該収益又は費用の一部を
その他の包括利益に認識するの
かの会計方針の選択を、企業が
ポートフォリオのレベルで行う
ことを要求する。
( 50 )保険契約の定義 保険契約とは、一方の当事者（発行 保険契約とは、保険契約、共済契約その他いか
（IFRS17 付録A） 者）が、他方の当事者（保険契約者） なる名称であるかを問わず、当事者の一方が一
から、所定の不確実な将来事象（保険 定の事由が生じたことを条件として財産上の給
事故）が保険契約者に不利な影響を与 付（生命保険契約及び傷害疾病定額保険契約に
えた場合に保険契約者に補償すること あっては、金銭の支払に限る。）を行うことを
に同意することにより、重大な保険リ 約し、相手方がこれに対して当該一定の事由の
スクを引き受ける契約である。 発生の可能性に応じたものとして保険料（共済
掛金を含む。）を支払うことを約する契約をい
う。（保険法第2条第1号）
106/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 51 )保険契約の範囲 企業はIFRS第17号を以下のものに適用 損害保険契約とは、保険契約のうち、保険者が
（分類） しなければならない。 一定の偶然の事故によって生ずることのある損
（IFRS17.3） (a) 当該企業が発行する保険契約（再保 害をてん補することを約するものをいう。
傷害疾病損害保険契約とは、損害保険契約のう
険契約を含む）
ち、保険者が人の傷害疾病によって生ずること
(b) 当該企業が保有する再保険契約
のある損害（当該傷害疾病が生じた者が受ける
(c) 当該企業が発行する裁量権付有配当
ものに限る。）をてん補することを約するもの
投資契約（企業が保険契約も発行す
をいう。
る場合）
生命保険契約とは、保険契約のうち、保険者が
人の生存又は死亡に関し一定の保険給付を行う
ことを約するもの（傷害疾病定額保険契約に該
当するものを除く。）をいう。
傷害疾病定額保険契約とは、保険契約のうち、
保険者が人の傷害疾病に基づき一定の保険給付
を行うことを約するものをいう。（保険法第2条
第6号乃至第9号）
107/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
第７【外国為替相場の推移】
日本円とユーロの交換に関する為替相場は、国内において発行される２紙以上の日刊新聞紙に、当上半期中毎
日掲載されているため、本書におけるその記載を省略する。
108/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
第８【提出会社の参考情報】
当社は、当事業年度開始日から本書提出日までの間に下記の書類を関東財務局長に提出した。
書類名 提出日
有価証券報告書 2023 年６月29日
109/110
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第１【保証会社情報】
該当なし
第２【保証会社以外の会社の情報】
該当なし
第３【指数等の情報】
該当なし
110/110
