ITbookホールディングス株式会社 内部統制報告書 第5期(2022/04/01-2023/03/31)
提出書類 | 内部統制報告書-第5期(2022/04/01-2023/03/31) |
---|---|
提出日 | |
提出者 | ITbookホールディングス株式会社 |
カテゴリ | 内部統制報告書 |
EDINET提出書類
ITbookホールディングス株式会社(E34165)
内部統制報告書
【表紙】
【提出書類】 内部統制報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条の4の4第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2023年8月31日
【会社名】 ITbookホールディングス株式会社
【英訳名】 ITbook Holdings Co.,Ltd.
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 前 俊守
【最高財務責任者の役職氏名】 執行役員管理本部長兼CFO 野間 崇
【本店の所在の場所】 東京都江東区豊洲三丁目2番24号
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
1/3
EDINET提出書類
ITbookホールディングス株式会社(E34165)
内部統制報告書
1【財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項】
代表取締役社長前俊守および最高財務責任者野間崇は、当社および連結子会社(以下「当社グループ」という。)
の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、企業会計審議会の公表した「財務報告に係る内部統
制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見
書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を整備および運用しております。
なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合理
的な範囲で達成しようとするものであります。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完
全には防止又は発見することができない可能性があります。
2【評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項】
財務報告に係る内部統制の評価は、当事業年度の末日である2023年3月31日を基準日として行われており、評価に
当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠しております。
本評価においては、連結ベースでの財務諸表全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を
行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定しております。当該業務プロセスの評価にお
いては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、
当該統制上の要点について整備および運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価をいたしま
した。
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、当社グループについて、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点
から必要な範囲を決定いたしました。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的および質的影響の重要性を
考慮して決定しており、当社グループを対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係
る内部統制の評価範囲を合理的に決定いたしました。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、各事業拠点の連結会計年度の売上高(連結会社間取引消去
後)の金額が高い拠点から合算していき、連結会計年度の連結売上高の概ね2/3に達している事業拠点を「重要な
事業拠点」として選定しました。選定した重要な事業拠点においては、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目とし
て売上高、売掛金および棚卸資産に至る業務プロセスを評価の対象といたしました。
3【評価結果に関する事項】
下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な
不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内
部統制は有効でないと判断いたしました。
記
当社は、当社連結子会社である株式会社サムシング(以下「サムシング」といいます。)の従業員による不正行為
(以下「本件不正行為」といいます。)が発覚したことを受け、事実関係や類似する事象の有無の調査及び原因・背
景の究明並びに再発防止策の提言を目的として、2023年5月22日に調査委員会を設置いたしましました。さらにその
後、本件不正行為とは別事案として、外部機関より当社および連結子会社であるITbookテクノロジー株式会社(以下
「ITbookテクノロジー」といいます。)の会計処理の一部に疑義(以下「本疑義」といいます。)があるとの指摘を
受け、本疑義の客観的な事実関係や類似する事象の有無の調査及び原因・背景の究明並びに再発防止策の提言を目的
として、2023年6月16日に特別調査委員会を設置いたしました。
調査委員会による調査の結果、本件不正行為について過年度より当該従業員による現預金の私的流用及び当私的流
用の発覚を防ぐための隠ぺい工作が行われていたことが判明いたしました。また、特別調査委員会の調査の結果、本
疑義についてもITbookテクノロジーの2021年3月期および2022年3月期の決算における棚卸資産の水増し計上・売上
高の前倒し計上と、これに伴う売上原価の過小計上及び売上高の過大計上、当社の2022年3月期の連結決算における
投資有価証券売却益の過大計上並びにITbook株式会社(以下「ITbook」といいます。)とITbookテクノロジーにおけ
るソフトウエア資産の過大計上がそれぞれ判明いたしました。なおこれらの誤りの主なものは、2021年3月期に計上
されております。
調査委員会および特別調査委員会による調査結果に伴い、当社は、本件不正行為を隠ぺいするための不適切な仕訳
計上、本疑義により判明した不適切な会計処理に関する訂正を行い、2021年3月期から2022年3月の有価証券報告書
及び2021年3月期の第2四半期から2023年3月期の第3四半期までの四半期報告書について、訂正報告書を提出いた
しました。
これらの内部統制の不備が生じた主な要因は次のとおりです。サムシングの現預金について、その現物管理と出納
の記帳は不正を働いた従業員にいずれも容認されており、内部牽制が無効化していたことによります。ITbookテクノ
ロジーのデジタルテクノロジー部門においては、売上処理と製品の出荷の事実とが連動して管理されておらず、未出
荷・預かり売上処理が可能であったことが、伝票だけの架空売上や前倒し売上などの不適切な売上処理が行われる要
因になりました。ITbookテクノロジーのシステム事業部門においては、取引先への納品・検収の事実を確認すること
2/3
EDINET提出書類
ITbookホールディングス株式会社(E34165)
内部統制報告書
なく、営業担当者が自ら発行した請求書に基づき経理担当者が売上計上できる仕組みとなっていたため、営業担当者
が売上計上時期を調整し前倒し売上を計上するという不適切な売上処理が行われる要因になりました。ITbookにおい
て は、エンドユーザーから未発注の役務提供について売上高を計上していました。ITbookテクノロジーでは、資産性
のない在庫の過大計上が認められるところ、同社では製品・部品在庫の受け払いシステムがなく、管理を発注書では
なく請求書に基づき都度手作業で管理していたため適宜な在庫受払い管理ができていなかった上、そもそも実地棚卸
が行われていなかったことから正確な在庫残高が把握・管理されていませんでした。そのため、出荷の事実と売上と
を連動して管理できる体制になっておらず未出荷売上処理を容易に行うことができ、また、イレギュラーな返品処理
などによる利益操作の意図のない不注意による在庫の過大計上でさえも防ぐことができない管理状況になっていまし
た。ITbookとITbookテクノロジーにおいては、ソフトウエア会計について明確な社内ルールの制定と運用がなされて
いないことによって過大なソフトウエア勘定・ソフトウエア仮勘定を計上いたしました。当社では、2022年3月期に
おいて非経常的な取引である非上場株の取得において株式取得価額を過大に計上するとともに、単純なミスにより連
結決算における株式会社三鈴株式売却益を過大計上いたしました。
これらは、当社及びサムシングにおける全社的な観点で評価することが適切と考えられる決算・財務報告プロセス
の不備並びにITbook及びITbookテクノロジーにおいて業務プロセスの不備であり、財務報告に重要な影響を及ぼして
おり、開示すべき重要な不備に該当するものと判断いたしました。
当事業年度の末日までに当該内部統制の不備が是正されなかった理由は、当該開示すべき重要な不備の判明が当事
業年度末日以降となったためです。
なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正事項は、全て財務諸表及び連結財務諸表に反映しており
ます。
当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、これらの開示すべき重要な不備を是正するために、特
別調査委員会からの指摘・提言も踏まえ、以下の観点で具体的な改善策を講じて、適正な内部統制の整備及び運用を
図ってまいります。
1) コンプライアンス意識の強化
2) グループ内部管理体制の強化
3) 開示制度と会計についてのリテラシーの向上
4) 子会社役員の適切な選任と役員研修
5) 取締役会の運営方法の改善
6) グループ内部通報制度の改善
7) 危機管理規程の改定
4【付記事項】
サムシングにおいて生じた従業員による現預金の私的流用に対して、事業年度の末日後に策定した再発防止策を導
入し改善策を実行に移しました。改善後の内部統制の整備及び運用状況の評価を行った結果、内部統制報告書提出日
において現預金の保全に係る内部統制は有効であると判断いたします。
5【特記事項】
特記すべき事項はありません。
3/3