フランス電力 半期報告書
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フランス電力(E05969)
半期報告書
【表紙】
【提出書類】 半期報告書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2023年9月29日
【中間会計期間】 自 2023年1月1日 至 2023年6月30日
【会社名】 フランス電力
(Electricité de France)
【代表者の役職氏名】 会長兼 最高 経営 責任者 リュック・レモン
(Luc Rémont, Chairman and Chief Executive Officer)
【本店の所在の場所】 フランス パリ市 75008 ワグラム通り 22番地30
(22-30, avenue de Wagram, 75008 Paris, France)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 柴 田 弘 典
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号
大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 東京(03)6775-1039
【事務連絡者氏名】 弁護士 大 栢 健 太 朗
同 藤 村 圭 汰
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号
大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 東京(03)6775-1754
【縦覧に供する場所】 該当なし
注(1) 本書中、別段の表示のない限り、すべて、「EDF」、「当社」および「会社」と表示されたものは、親会社であるフラ
ンス電力を意味し、「EDFグループ」、「当グループ」および「グループ」は、フランス電力ならびにその子会社および
株式保有会社を意味する。
( 2) 本書中、別段の表示のない限り、すべて、ユーロまたは€ と 表示されたものは欧州通貨ユーロを、ドル、米ドルまたは
$と表示されたものはアメリカ合衆国ドルを意味する。
ユーロから日本円への換算は、2023年8月31日現在の株式会社三菱UFJ銀行によるユーロの日本円に対する対顧客電信
売買相場の仲値である1ユーロ=159.84円により計算されている。
( 3) 本書における「AMF」への言及はすべて、フランス金融市場監督局( Autorit é des Marchés Financiers )を指す。
( 4) フランス電力の事業年度は暦年である。
( 5) 本書の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計算の総和と必ずしも一致しない。表中の「n.a.」は、「該当な
し」を意味する。
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第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
(ⅰ)株式資本が2,084,757,544.50ユーロから2,084,809,296.50ユーロに増加したこと、および(ⅱ)株式数が4,169,515,089株
から4,169,618,593株に増加したことを反映するために、2023年6月21日に定款が改正された。
第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
連結損益計算書からの抜粋
(単位:百万ユーロ(十億円))
2023 年6月30日 2022 年6月30日 2021 年6月30日
2022 年12月31日 2021 年12月31日
に終了した に終了した に終了した
に終了した年度 に終了した年度
6か月間 6か月間 6か月間
143,476 84,461 75,499 66,262 39,621
売上高
(22,933) (13,500) (12,068) (10,591) (6,333)
減価償却費および償却費控
△4,986 18,005 16,106 2,672 10,601
除前営業利益 (EBITDA)
(△797) (2,878) (2,574) (427) (1,694)
△19,363 5,225 8,614 △4,496 4,272
営業利益 (EBIT)
(△3,095) (835) (1,377) (△719) (683)
△22,916 5,585 7,084 △7,443 5,133
連結会社の税引前利益
(△3,663) (893) (1,132) (△1,190) (820)
△17,940 5,113 5,808 △5,293 4,172
EDF の純利益
(△2,868) (817) (928) (△846) (667)
△12,662 4,717 6,267 △1,312 3,740
(1)
非経常項目を除く純利益
(△2,024) (754) (1,002) (△210) (598)
(1) 非経常項目を除く純利益は、IFRSに定義されていないため、当グループの連結損益計算書に直接的に表示されない。非経常項目を除く純利益は、
非経常項目、トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額ならびに負債性金融商品および資本
性金融商品の公正価値の純変動額(税引後)を除くEDFの純利益に相当する。
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連結貸借対照表からの抜粋
(単位:百万ユーロ(十億円))
2022 年 2021 年 2023 年 2022 年 2021 年
12 月31日 12 月31日 6月30日 6月30日 6月30日
260,834 255,868 263,335 258,650 243,506
非流動資産
(41,692) (40,898) (42,091) (41,343) (38,922)
127,148 105,029 106,307 145,063 72,327
流動資産
(20,323) (16,788) (16,992) (23,187) (11,561)
150 69 138 74 2,617
売却目的保有に分類された資産
(24) (11) (22) (12) (418)
388,132 360,966 369,780 403,787 318,450
資産合計
(62,039) (57,697) (59,106) (64,541) (50,901)
34,340 50,211 47,953 59,107 53,773
資本 (EDF持分)
(5,489) (8,026) (7,665) (9,448) (8,595)
12,272 11,778 13,712 12,211 10,279
資本 (非支配持分)
(1,962) (1,883) (2,192) (1,952) (1,643)
203,941 201,838 210,583 200,518 193,243
非流動負債
(32,598) (32,262) (33,660) (32,051) (30,888)
137,542 97,109 97,497 131,921 60,880
流動負債
(21,985) (15,522) (15,584) (21,086) (9,731)
37 30 35 30 275
売却目的保有に分類された負債
(6) (5) (6) (5) (44)
388,132 360,966 369,780 403,787 318,450
資本および負債合計
(62,039) (57,697) (59,106) (64,541) (50,901)
連結キャッシュ・フロー計算書からの抜粋
(単位:百万ユーロ(十億円))
2023 年6月30日 2022 年6月30日 2021 年6月30日
2022 年12月31日 2021 年12月31日
に終了した に終了した に終了した
に終了した年度 に終了した年度
6か月間 6か月間 6か月間
営業活動による
△7,425 12,648 7,927 4,997 7,508
キャッシュ・フロー
(△1,187) (2,022) (1,267) (799) (1,200)
(純額)
投資活動による
△25,085 △14,577 △10,948 △20,178 △4,958
キャッシュ・フロー
(△4,010) (△2,330) (△1,750) (△3,225) (△792)
(純額)
財務活動による
33,943 4,973 △3 12,740 △3,304
キャッシュ・フロー
(5,425) (795) (0) (2,036) (△528)
(純額)
現金および現金同等物の
1,433 3,044 △3,024 △2,441 △754
(229) (487) (△483) (△390) (△121)
純増加/(減少)額
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純負債額に関する情報
(単位:百万ユーロ(十億円))
2022 年 2021 年 2023 年 2022 年 2021 年
12 月31日 12 月31日 6月30日 6月30日 6月30日
96,053 69,406 93,717 77,425 61,503
借入金およびその他の金融負債
(15,353) (11,094) (14,980) (12,376) (9,831)
負債のヘッジに使用された
△2,024 △3,762 △1,445 △3,893 △2,831
(△324) (△601) (△231) (△622) (△453)
デリバティブ
△ 10,948 △9,919 △8,074 △7,418 △5,928
現金および現金同等物
(△1,750) (△1,585) (△1,291) (△1,186) (△948)
負債証券および持分証券-流動性の高 △18,507 △12,737 △19,314 △23,323 △11,715
い資産 (△2,958) (△2,036) (△3,087) (△3,728) (△1,873)
- - - - -
非継続事業の純負債額
(-) (-) (-) (-) (-)
△74 - △88 △20 -
デリバティブ・ヘッジ資産
(△12) (-) (△14) (△3) (-)
- - - - △22
売却目的保有資産の純負債額
(-) (-) (-) (-) (△4)
64,500 42,988 64,796 42,771 41,007
(1)
純負債額
(10,310) (6,871) (10,357) (6,837) (6,555)
(1) 純負債額は会計基準に定義されておらず、当グループの連結貸借対照表には直接表示されていない。これは、借入金および金融負債の合計から、
現金および現金同等物ならびに流動性の高い資産を控除したものからなる。流動性の高い資産は、ファンドまたは有価証券からなる、当初の満期
3か月超で、容易に換金でき、流動性重視の方針に従って運用されている金融資産である。
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2【事業の内容】
当半期中において、2022年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
3【関係会社の状況】
( 1 ) 親会社
当半期中において、2022年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
( 2) 子会社および関連会社
2023年6月30日現在の要約中間連結財務書類の注記3.1「連結範囲の変更」を参照のこと。
4【従業員の状況】
当半期中において、2022年度有価証券報告書の記載事項に変更はなかった。
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第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
下記「第3 3(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
2【事業等のリスク】
EDF グループが晒されていると考える主要なリスク要因ならびに当グループのリスクの管理および統制に関する方針について
は、2022年度有価証券報告書「第一部 第3 2 事業等のリスク」に記載されている。
当グループは、引き続きその事業に固有の特定されたリスク要因の影響を受けるため、2022年度有価証券報告書に含まれる
主要リスクの記載は、当グループが2023年6月30日現在晒されているか、または当事業年度の下半期中に当グループに影響を
及ぼす可能性のある主要なリスクおよび不確定要素の評価につき、2023年7月27日現在引き続き有効である。
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
( 1) 業績等の概要
下記「第3 3(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
( 2) 生産、受注及び販売の状況
当半期中において、2022年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
( 3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
本項に含まれる将来に関する事項についての記載は、2023年6月30日現在における当社の判断に基づくものである。
① 重要な事象および主要なデータ
EBITDA の大幅改善および純負債額の安定化
原子力発電所の稼働率が徐々に回復
全般的に良好なパフォーマンス
原子力
・応力腐食:ASNが、パンリーの溶接部修理で確認された要素を考慮し、2023年3月にEDFが提案した応力腐食制御戦略の変更
に関するスケジュールを適切と判断( ASNの2023年4月25日付プレスリリースを参照。 )
・フランスにおける原子力発電量の予測は、2023年は300TWhから330TWh、2024年は315TWhから345TWhで確定している。2025年
の予測は、335TWhから365TWhである( 現在稼働中の原子力発電量の予測。 )。
・SMR開発を支援する子会社であるNUWARDの設立および概念設計段階から基本設計段階への移行
・パンリーの敷地にEPR2原子炉の最初の1組を建設する許可を申請
・パンリーおよびグラヴリーヌに次いで、ビュジェを将来のEPR2原子炉2基の建設地に選定
・フラマンビル3:燃料装荷の目標を2024年度第1四半期に維持、第1運転サイクル終了時(2025年度下半期)に原子炉容器
の上蓋を交換
・ヒンクリー・ポイントC:原子炉1号機の原子炉圧力容器の納入および原子炉1号機建屋の内部格納容器コンクリートが完
成
水力
・カメルーンのナハティガルダム(420MW)で貯水が開始された。
・モザンビークのムパンダ・ンクワダム(1.5GW)の開発にEDFのコンソーシアムが選定された。
再生可能エネルギー
・EDFが、フランスにおいてマンシュ・ノルマンディ洋上プロジェクト(1GW)を共同落札
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火力
・EDFの英国における最後の石炭火力発電所であるウェスト・バートンAが、2023年3月31日に最終閉鎖
顧客
・フランスの規制料金は、料金凍結の段階的な廃止に伴い、2023年8月1日に10%引き上げられる。料金上限はCSPEメカニズ
ムによって賄われるため、EBITDAに大きな影響はない。
Enedis
・電力網開発計画の下で、2040年までに96十億ユーロの投資が見込まれることを発表。再生可能エネルギー発電所と電気自動
車の充電インフラの接続のため、年間投資額を2022年の4.4十億ユーロから2032年までに5十億ユーロに加速( 2021年のユー
ロ価値における金額 )。
・Enedisは「 entreprise à mission (使命ある企業)」となり、「革新的、効果的かつ協力的な公共配電サービスのために行
動する。持続可能な世界の構築という集団的課題に社会を結びつける」という同社のレゾンデートルを定款に追加した。
Dalkia
年間11,000トンの炭素排出を回避し、再生可能エネルギーにより77%が賄われる低炭素地熱ネットワークを、パリ地方に開
設した。
Edison
マルゲーラ・レヴァンテにおける780MWのCCGT発電所が、稼働を開始した。この発電所は、イタリアの火力発電所の平均より
も二酸化炭素排出量が30%少なく、最大50%の水素で運転できる技術的能力を備えている。
簡易公開買付けの完了
・EDFの全株式を、フランス政府が2023年6月8日のスクイーズアウトにより取得
ファイナンス
・2023年資金調達プログラムの実施:様々な市場における約6十億ユーロのシニア債発行、および2023年度上半期中における
1.5十億米ドルのハイブリッド債発行
・2024年に満期を迎えるすべてのOCEANE債の株式への転換(2.4十億ユーロ)
・S&P、ムーディーズおよびフィッチの3機関より、安定した見通しの信用格付の確認( 信用格付は、フランス政府の支援に関
連して見通しが1段階引き上げられ、スタンドアロン格付が1段階引き下げられた後は、安定的である。 )
2023 年度上半期の当グループの主要なデータ
本書中の数値は、EDFグループの2023年6月30日現在の要約中間連結財務書類から抜粋している。
2023 年度 2022 年度 本業の変動率
変動 変動率(%)
( 単位:百万ユーロ) 上半期 上半期 (%)
売上高 75,499 66,262 9,237 13.9 14.4
EBITDA 16,106 2,672 13,434 n.a. n.a.
営業利益 (EBIT)
8,614 △4,496 13,110 n.a. n.a.
連結会社の税引前利益 7,084 △7,443 14,527 n.a. n.a.
EDF の純利益-当グループ持分 5,808 △5,293 11,101 n.a. n.a.
(1)
非経常項目を除く純利益
6,267 △1,312 7,579 n.a. n.a.
(2)
当グループのキャッシュ・フロー
△1,589 △3,981 2,392 n.a. n.a.
(3)
純負債額
64,796 42,771 22,025 51.5 51.5
n.a. =該当事項なし。
(1) 非経常項目を除く純利益は、IFRSに定義されていないため、当グループの連結損益計算書に直接的に表示されない。非経
常項目を除く純利益は、非経常項目、トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価
値の純変動額ならびに負債性金融商品および資本性金融商品の公正価値の純変動額(税引後)を除くEDFの純利益(「第
3 3(3)④(ⅵ)非経常項目を除く純利益」を参照。)に相当する。
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(2) 当グループのキャッシュ・フローはIFRSに定義された財務成績を測定するための総額ではなく、また、他社により同名で
発表される指標と比較できるものではない。当グループのキャッシュ・フローは、資産売却、法人所得税支払額、金融費
用 支出(純額)、専用資産への純割当額、現金配当支払額、ヒンクリー・ポイント CおよびLinkyのプロジェクトへの投
資額 を除く営業キャッシュ・フローに等しい(「第3 3(3)⑤純負債額、キャッシュ・フローおよび投資」を参
照。)。
(3) 純負債額は会計基準に定義されておらず、当グループの連結貸借対照表上には直接表示されていない(「第3 3(3)
⑤(ⅰ)純負債額」を参照。)。
② 経済環境
( ⅰ) 電力および主要なエネルギー源の市場価格
欧州における電力スポット価格 ( フランス:EPEXSPOTにおける当日引渡向け前日の平均価格。ベルギー:Belpexにおける当日
引渡向け前日の平均価格。英国:EDF Tradingにおける当日引渡向け前日平均OTC価格。イタリア:GMEにおける当日引渡向け前
日平均価格。 )
フランス 英国 イタリア ベルギー
2023 年度上半期のベースロード
110.8 123.2 137.5 110.0
平均価格 (ユーロ/MWh)
2023 年度上半期/2022年度上半期の
-51.6% -41.3% -45.2% -45.2%
ベースロード平均価格の変動率
2023 年度上半期のピークロード
121.7 133.4 148.1 120.0
平均価格 (ユーロ/MWh)
2023 年度上半期/2022年度上半期の
-51.8% -42.6% -45.8% -45.4%
ピークロード平均価格の変動率
フランスの電力スポット価格は、2023年度上半期において平均110.8ユーロ/MWh(ベースロード)および121.7ユーロ/MWh
(ピークロード)となり、2022年度上半期の著しい価格上昇の後、それぞれ118.1ユーロ/MWhおよび130.9ユーロ/MWh低下し
た。かかる低下は主に、コモディティ価格、特にガスの価格が低下したことならびにフランスにおけるエネルギー発電量が増
加(風力発電量(+27.1%)および太陽光発電量(+23.2%))し、エネルギー消費量が減少(-6.5%)したことに起因す
る。
第1四半期における発電量の増加は、特に風力発電量の増加(2022年1月と比較して2023年1月は+87.4%)により押し上
げられ、15GWに迫る過去最高を記録した。第2四半期には、原子力発電量の大幅な増加(2022年度第2四半期と比較して+
16.8%)により、電力発電量の増加は維持された。対照的に、化石燃料火力発電所(ガス(2022年度上半期と比較して-
21.6%)および石炭(2022年度上半期と比較して-65.0%))の使用は上半期を通して減少した。
フランスは2023年度上半期には純輸出国(+18.1TWh)となったが、2022年度上半期には純輸入国であった。これは、需要が
220.4TWhに減少したにもかかわらず、フランスの電力生産量が238.3TWhに達したことによるものである。こうした状況は、輸
出の増加(2022年度上半期と比較して+57.0%)および輸入の減少(2022年度上半期と比較して-13.8%)につながった。輸
出は主に英国(11.3TWh)、イタリアおよびスイス(各10.9TWh)ならびに欧州中西部(8.7TWh)向けであった。輸入は主に欧
州中西部(12.8TWh)およびスペイン(7.1TWh)からであった。
英国における電力の平均スポット価格は、2022年度上半期と比較して86.6ユーロ/MWh(ベースロード)下落し、2023年度上
半期は平均123.2ユーロ/MWhとなった。当該下落傾向は、主にガスおよび石炭市場の緩和ならびに気温の緩やかな上昇を反映
しており、半期を通して見られた。
コモディティ市場の緊張が緩和したため、イタリアにおける平均スポット価格は、前年同期比で113.6ユーロ/MWh低下し、
平均137.5ユーロ/MWhにまで達した。
ベルギーにおける平均スポット価格は、2022年度上半期と比較して90.9ユーロ/MWh低下し、平均価格は110.0ユーロ/MWhと
なった。ベルギーにおけるスポット価格は2023年度上半期に特に変動が激しく、再生可能エネルギー、特に風力発電の出力変
動のため、13ユーロ/MWhから205ユーロ/MWhの間で大きく変動した。
2023 年5月および6月の数日間、多くの欧州諸国で電力スポット価格が数時間にわたってマイナスとなった。例えば、オラ
ンダでは5月28日午後1時のスポット価格が-236ユーロ/MWhとなり、スイスでは6月11日午後1時のスポット価格が-21.6
ユーロ/MWhとなった。これらのマイナス価格の主な原因は、風力発電および太陽光発電により出力が高く、消費量が少なかっ
たことにある。例えばフランスでは、2023年度上半期の最低スポット価格(5月28日の-37.1ユーロ/MWh)は、太陽光発電の
発電量がピークに近かったときに記録された。
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欧州における電力先物価格 ( フランス:1年先の平均EEX価格。ベルギーおよびイタリア:1年先の平均EDF取引価格。英国:
2022年4月から2023年4月までのICE平均年次契約価格(英国では、年次契約の引渡取引は4月1日から3月31日までの間に行
われる。)。 )
フランス 英国 イタリア ベルギー
2024 年年次契約に基づく2023年度上半期の
189.3 157.4 156.3 137.3
ベースロード平均先物価格 ( ユーロ/MWh)
年次契約に基づく2023年度上半期/2022年度
-15.9% -28.6% -15.4% -14.8%
上半期のベースロード平均先物価格の変動率
2024 年年次契約に基づく2023年6月30日現在
174.33 139.78 151.26 135.93
のベースロード先物価格 (ユーロ/MWh)
2024 年年次契約に基づく2023年度上半期の
299.5 190.0 179.7 159.1
ピークロード平均先物価格 (ユーロ/MWh)
年次契約に基づく2023年度上半期/2022年度
-17.1% -27.6% -12.0% -18.6%
上半期のピークロード平均先物価格の変動率
2024 年年次契約に基づく2023年6月30日現在
274.30 161.47 171.26 157.50
のピークロード先物価格 (ユーロ/MWh)
年次契約に基づく電力のベースロード平均先物見積価格およびピークロード平均先物見積価格は、主に(ガス、石炭および
二酸化炭素の)コモディティ市場が緩和されたため、欧州全土において全般的に下落した。
フランスにおける翌年引渡予定の年次契約に基づくベースロード平均価格は、2023年度上半期は189.3ユーロ/MWhとなり、
2022年度上半期と比較して15.9%低下した。当該期間中、市場は、ガスおよび石炭価格の下落傾向、継続的な需要の減退なら
びに複数の原子炉の運転再開といった多数の要因に反応したが、夏季と冬季では市場の動きに違いが見られた。特に、2024年
度第1四半期分の価格は、応力腐食に関する発表の影響を受け、2023年度上半期中に222.0ユーロ/MWhから453.0ユーロ/MWh
の間で大きく変動し、非常に不安定であった。
英国における年度(Y)+1年の4月1日から年度(Y)+2年の3月31日までの4月先物契約ベースロード価格は、コモ
ディティ価格に続き、全期間を通して徐々に低下して、前年同期比で28.6%下落し、2023年度上半期には平均157.4ユーロ/
MWhとなった。
イタリアにおける翌年引渡予定の年次契約に基づくベースロード価格は、2023年度上半期は平均156.3ユーロ/MWhに減少
し、2022年度上半期と比較して15.4%低下した。この低下は、コモディティ価格の緩和に起因する。
ベルギーにおける翌年引渡予定の年次契約に基づくベースロード価格は、2022年度上半期から14.8%低下し、平均137.3ユー
ロ/MWhとなった。ベルギーにおける年次契約価格は前述の欧州他国と比較して、期間中、比較的安定していた。
二酸化炭素排出権価格
年度(Y)+1年の12月に引渡予定の二酸化炭素排出権価格は、2023年度上半期は平均93.5ユーロ/トンとなった(2022年
度上半期から+9.5%、すなわち+8.1ユーロ/トン)。かかる価格は大きな変動を見せ、半期を通じて比較的高値で推移し、
81.2ユーロ/トンから105.1ユーロ/トン(2月27日付の最高値)の間で取引された。
市場におけるボラティリティの高さは、コモディティ価格の動向とは無関係であり、その投機的な性質を示すものである。
当該市場が3月に銀行部門において発生した事象、特に、米国のシリコンバレー銀行の破綻に反応したという事実が純粋な金
融関係者のポジション取りの影響を示している。
一般的に、二酸化炭素排出権価格は、排出枠の取引量に法的枠組みおよび長期的な可視性を提供する市場安定化リザーブの
働きにより、部分的に高値が維持された。3月に欧州議会は、2024年から2030年にかけて市場安定化リザーブに組み入れる二
酸化炭素の余剰排出枠を当初決定した12%ではなく、引き続き24%とすることを発表した。この法的支援は、オークションで
入手可能な割当量の供給を調整することで、大きな衝撃に対するシステムの耐性を高めることを意図している。
また、欧州委員会が5月に行った、REPOwerEUプロジェクト・イノベーション基金の一部割当量のオークションを2024年まで
延期するという発表を受けて、市場は上昇した。
化石燃料価格 ( 石炭:欧州での翌暦年の引渡取引に関する平均ICE価格(CIF ARA)(米ドル/トン)。石油:ブレント原油バ
レルのICE価格(期近物)(米ドル/バレル)。天然ガス:フランスで翌年の10月以降開始する引渡取引に関するICEにおける
平均OTC価格(PEG Nord-ユーロ/MWhg)。 )
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石炭 石油 天然ガス
( 米ドル/トン) ( 米ドル/バレル) ( ユーロ/MWhg)
2023 年度上半期の平均価格 133.6 80.0 52.6
2023 年度上半期/2022年度
-28.6% -23.8% -29.7%
上半期の平均価格変動率
2023 年度上半期の最高価格 178.0 88.2 72.0
2023 年度上半期の最低価格 92.1 71.8 39.7
2023 年6月30日現在の価格 122.9 74.9 50.1
2022 年6月30日現在の価格 252.0 114.8 109.9
欧州における翌年引渡予定の石炭価格は、2023年度上半期には平均133.6米ドル/トン(2022年度上半期と比較して-
28.6%、すなわち-53.5米ドル/トン)であった。この価格は、穏やかな気温により石炭火力発電所の利用が減少し、供給が
堅調で在庫が多くあったため、年初から下落傾向にあった。5月末の年初来価格は、ロシア・ウクライナ紛争前の2022年1月
の水準に戻った。
2023 年度上半期は、石炭禁輸に続くEUの多様化戦略の成功を確認する結果となった。ガス供給に対する懸念もこの期間に沈
静化し、石炭市場の緊張も緩和した。欧州の主要3港(アムステルダム、ロッテルダムおよびアントワープ)における在庫量
は豊富で、風力発電量も十分であったため、半期中の石炭火力設備の使用は制限された。最後に、ガス価格の下落が石炭価格
の下落に拍車をかけた。
石油価格は、2023年度上半期には平均80.0米ドル/バレル(2022年度上半期と比較して-23.8%、すなわち-25.0米ドル/
バレル)となった。この間、市場は明確な傾向を追うというよりは、いくつかの発表に反応して上昇したり下落したりした。
上半期初頭、中国においてCOVID-19に係る規制が解除され、人の移動が再開したことにより原油価格が急騰した。対照的
に、3月には米国の銀行3行(シルバーゲート銀行、シリコンバレー銀行およびシグネチャー銀行)の破綻とクレディ・スイ
スの諸問題により原油価格が急落し、3月17日には15か月ぶりの最安値をつけた。これを受けて4月2日、OPEC+に加盟する
23の生産国のうち8か国が原油の減産を発表し、かかる減産は2024年末まで延長される。OPECが発表した世界石油需要予測で
は、2022年と比較して依然として増加が見込まれている。
フランスPEGハブにおける翌年引渡予定の年次ガス契約価格は、2023年度上半期には平均52.6ユーロ/MWhとなり、大幅に下
落(2022年度上半期と比較して-29.7%、すなわち-22.3ユーロ/MWh)した。
上半期を通じて見られたガス市況の緩和は、下記のいくつかの要因が重なったことに起因する。
・在庫水準は記録的な高水準を維持し、市場関係者は冬までに欧州の在庫を満たすことができるだろうと徐々に安堵してき
た。6月30日現在、欧州では在庫目標の77%を、また、フランスでは62%を満たしている。
・LNGの供給は、対ロシア措置に対応したガス輸入の多様化を反映し、期間を通じて堅調に推移した。フランスでは、3月に4
つのガス・ターミナルでストライキが発生し、一時的にガス在庫の積み増しが遅れたが、貨物船が他の欧州の港で荷揚げで
きたため、ガス価格には影響しなかった。
・気温が季節的な標準をわずかに上回り、省エネ行動が続いたため、ガスの消費量が減少し、在庫からの引き出しが減少し
た。
このような全般的な市況緩和の一方で、他の要因にも注意する必要がある。第一に、冬季と夏季におけるガス価格の間に広
がりが見られた。これは、冬が始まる前に在庫が満たされるという予測にもかかわらず、次の冬に対する根強い不安を反映し
ている。こうした懸念は主に気温および風力発電量、また、冬季のLNG供給をめぐるアジアとの競争激化の可能性によるもので
ある。
( ⅱ) 電力消費量および天然ガス消費量
フランスにおける電力消費量およびガス消費量
2023年度上半期のフランスにおける電力消費量は大幅な低下を見せ、2022年度上半期と比較して13.1TWh、すなわち5.5%減
少した。公的機関によって奨励された省エネ行動および特定の部門における事業レベルの低下により、電力消費量は14TWh減少
した。わずかな温度差の影響は小さく、+1.2TWhと推定される。
2023年度上半期のフランスにおけるガスの消費量は、2022年度上半期より26.9TWh、すなわち11.1%減少した。第1四半期に
おける減少(-9.8%)より、第2四半期における減少(-13.7%)の方が大きく、ここでも省エネ行動および特定の部門におけ
る事業レベルの低下が当該減少を牽引した。
英国における電力消費量およびガス消費量
2023年度上半期の英国における電力消費量は、2022年度上半期と比較して約3%減少し、ガス消費量は約8%(気候変動に
よる影響は未調整)減少した。これらの傾向は、消費者に係るエネルギー価格の高騰を背景としている。
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イタリアにおける電力消費量およびガス消費量
2023年度上半期のイタリアにおける電力消費量は、合計150.5TWhとなり、2022年度上半期から5.3%減少した。かかる減少
は、高額な電力価格、企業用顧客による需要低下および自家消費の大幅な増加に起因する。温暖な気候もまた、電力消費量の
減少に寄与した。
上半期のイタリアにおける天然ガスの需要は、2022年度上半期と比較して15.2%低下した。温暖な天候およびイタリア政府
が後押しし、エネルギーが十分に確保されていることにより住宅用顧客による消費量は14.7%低下した。主に価格の高騰によ
り、企業用顧客による消費量は10.7%低下した。
(ⅲ) 電力および天然ガスの販売料金
フランスでは、政府が料金上限( bouclier tarifaire )制度の実施を2023年まで延長することを決定し、対象となるすべて
の分野の消費者に対する価格につき、2022年12月31日から規制販売料金を引き上げることを制限した。その結果、2023年2月
1日付で、住宅用および企業用顧客の「青色」料金は税込みで15%(税抜きではそれぞれ20%および19.9%)引き上げられ
た。
英国では、住宅用顧客を対象とする電力およびガスの変動料金(標準変動料金またはSVT)のエネルギー価格上限が当初2019
年1月1日に導入された。かかる上限額は、供給者が直面するコスト、リスクおよび不確実性を考慮するために、3か月ごと
に更新される。
年初からの市場価格の下落を受け、エネルギー価格上限は2023年4月1日に23%引き下げられ、その後2023年7月1日に
37%引き下げられ、標準的な住宅用顧客の電力およびガス使用量における価格上限は現在、年間2,074ポンドに設定されてい
る。
エネルギー価格上限が特に高い水準(2023年1月1日現在、年間4,279ポンド)にあることから、英国政府は住宅用顧客の電
気およびガス料金に上限を設けるエネルギー価格保証を導入し、エネルギー価格上限と住宅用顧客の電気およびガス料金の差
額は政府が負担することとした。英国の標準的な住宅用顧客が支払う上限額は、2022年10月1日から2023年3月31日までは年
間2,500ポンドであったが、2023年4月1日から2024年3月31日までは年間3,000ポンドに引き上げられた。現在のエネルギー
価格上限の水準を鑑みると、かかる制度は2023年7月1日以降無効になる。
企業および団体向けの同様の制度である光熱費救済スキームは、2022年10月1日に導入され、2023年4月1日から2024年3
月31日まで実施されるエネルギー料金割引スキームにより代替された。
英国政府はまた、2022年10月1日から2023年3月31日までの間、全世帯を対象としてエネルギー料金400ポンドの単発の払い
戻し(光熱費支援制度)を実施した。
(ⅳ) 天候:気温および降雨量
フランスの気温
2023 年度上半期は、2022年度上半期同様概ね穏やかな気候で、平均気温は季節平均気温を0.6℃上回った。冬季における3か
月間は特に穏やかで、春の間も例年より早い時期に暑くなることはなかった。しかしながら、6月におけるフランスの気候は
例年より随分と暖かく、季節平均気温を2.3℃上回った。
フランスの降雨量
2023 年度上半期は、非常に対照的な降雨パターンとなり、非常に長い乾燥した時期(1月中旬から3月上旬まで)と春の大
雨の時期が交互に訪れた。
アルプス山脈およびピレネー山脈の積雪量は3月上旬までは平年を大きく下回った。アルプス山脈では4月にほぼ平年並み
に戻ったが、ピレネー山脈では冬の終わりまで積雪量が非常に少ない状態が続いた。
水位は、アルプス山脈での雪解けとフランスの南半分での降雨により平年をやや上回った6月を除き、常に平年を下回っ
た。その結果、2023年度上半期の平均水位指数は0.83(2022年度上半期は0.73)に達し、水力発電の備蓄量の充足率は2023年
6月30日現在82%となり、過去の平均を8ポイント上回った。
③ 重要な事象
「 第3 3(3)①重要な事象および主要なデータ 」に記載されている重要な事象に加えて、2023年度上半期中の重要な事象
の詳細は、2023年6月30日現在の要約中間連結財務書類の注記2「重要な事象の要約」に記載されている。
( ⅰ) 規制環境
規制変更に関する詳細は、2023年6月30日現在の要約中間連結財務書類の注記5.1.1および注記5.3に記載されている。
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( ⅱ) コーポレート・ガバナンス
CGT 労働組合の推薦を受け、従業員により選任された取締役であるクレール・ボルドゥナーヴ氏が2023年2月16日の株主総会
の終了を以って取締役を退任する意向を取締役会に対して表明したため、ファブリス・ギヨン氏が後任として、ボルドゥナー
ヴ氏の退任日から同氏の残りの任期(すなわち、2023年11月22日まで)につき、CGT労働組合の推薦を受け、従業員により選任
された取締役を務める。公共部門の民主化に関する1983年7月26日付法律第16条は、取締役の席が、その理由を問わず、空席
となった場合、直近に選出された候補者の直後に掲載されている候補者が、かかる退任する取締役の後任として任命される旨
を規定している。
2023 年6月28日の株主総会において、株主は、リュック・レモン氏およびアンヌ・マリー・デコート氏をそれぞれフランソ
ワ・ドラットル氏およびジャン・ベルナール・レヴィ氏の後任として取締役に選任する旨、取締役会の承認を得た。また、ア
ンヌ・マリー・デコート氏、クレール・プディニ氏、ブルーノ・クレメル氏、ジル・ドゥノワイエル氏およびフィリップ・プ
ティコラン氏を2026年12月31日に終了する事業年度の財務書類を承認するために招集される株主総会までの4年を任期とする
取締役への任命を更新した。
2023 年5月23日、EDFの取締役会は、当グループのミッション・ステートメントの策定に関する業務について、具体的な準備
および策定プロセスを導入することを決定した。取締役会は、取締役で構成される作業部会を設置し、EDFの経営陣と連携して
当グループのミッション・ステートメントの策定を監視し、EDFの企業利益、主要な戦略的、産業的、財政的および社会的課題
に照らしてミッション・ステートメントの特徴を検討した。当該作業部会の議長は独立監査役が務め、独立監査役3名、フラ
ンス政府を代表する取締役および従業員により選任された取締役1名により構成される。
取締役会は2023年6月28日に、コミットメント委員会と呼ばれる新たな取締役会の委員会を設置した。独立取締役が委員長
を務める当該委員会の役割は、EDFまたはその子会社が実施する買収、事業売却、有機的成長および株式市場取引で、取締役会
の内部手続規則に規定された一定の基準を超えるものについて、取締役会の承認を得るために取締役会に提出される前に、当
該取引につき取締役会に意見を提供することである。コミットメント委員会はまた、会長兼最高経営責任者が委員会に提出す
ることを決定したその他の取引やコミットメント、特に戦略的に重要な性質の業務についても検討することができる。
④ 2023年度上半期および2022年度上半期の事業および連結損益計算書の分析
2023 年度上半期および2022年度上半期の連結損益計算書の表示および分析は、売上高およびEBITDAを事業セグメント(フラ
ンス-発電と供給、フランス-規制業務、EDF Renewables、Dalkia、Framatome、英国、イタリア、その他国外およびその他事
業)別に分類している。EBIT(営業利益)および純利益は内訳なしで分析されている。
( 単位:百万ユーロ) 2023 年度上半期 2022 年度上半期
売上高 75,499 66,262
購入燃料およびエネルギー費用 △48,899 △48,238
(1)
その他の対外費用
△4,117 △3,919
人件費 △8,201 △7,286
法人所得税以外の税金 △2,714 △2,383
その他の営業収益および営業費用 4,538 △1,764
減価償却費および償却費控除前営業利益
16,106 2,672
(EBITDA)
トレーディング業務以外のエネルギーおよび
コモディティ・デリバティブの公正価値の △276 △993
純変動額
(2)
減価償却費および償却費 (純額)
△5,472 △5,534
( 減損)/戻入 △48 △253
その他の収益および費用 △1,696 △388
8,614 △4,496
営業利益 (EBIT)
△1,857 △728
総金融負債に係る費用
△1,977 502
割引の影響
2,304 △2,721
その他の金融収益および費用
△1,530 △2,947
金融損益
7,084 △7,443
連結会社の税引前利益
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法人所得税 △1,323 1,840
関連会社およびジョイント・ベンチャーの
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純利益に対する 持分
非継続事業の純利益 - 4
5,903 △5,155
連結純利益
5,808 △5,293
EDF の純利益-当グループ持分
5,808 △5,297
EDF の純利益 - 継続事業
- 4
EDF の純利益 - 非継続事業
非支配持分に帰属する純利益 95 138
非支配持分に帰属する純利益-継続事業 95 138
非支配持分に帰属する純利益-非継続事業 - -
(1) その他の対外費用は、資本財控除後で計上されている。
(2) 委譲運営有形固定資産更新引当金の純増を含む。
( ⅰ) 売上高
売上高は、2022年度上半期から9,237百万ユーロ増加(+13.9%)し、2023年度上半期には75,499百万ユーロとなった。外国
為替の変動による影響(-278百万ユーロ)および連結範囲の変更による影響(-37百万ユーロ)を除いて、売上高は14.4%の
本業の成長を計上した。
( 単位:百万ユーロ) 2023 年度上半期 2022 年度上半期 変動 変動率(%) 本業の成長率(%)
売上高 75,499 66,262 9,237 13.9 14.4
グループ売上高およびセグメントごとの内訳の増減
以下の表は、セグメント間消去を除くセグメントごとの売上高を示している。
2023 年度 2022 年度 本業の成長率
変動 変動率(%)
( 単位:百万ユーロ) 上半期 上半期 (%)
(1)
フランス-発電と供給
34,622 23,762 10,860 45.7 45.7
(2)
フランス-規制業務
9,978 9,578 400 4.2 4.2
EDF Renewables
985 1,051 △66 -6.3 1.9
Dalkia 3,411 3,211 200 6.2 5.0
Framatome 1,959 1,977 △18 -0.9 -3.1
英国 12,140 6,904 5,236 75.8 79.8
イタリア 9,543 13,017 △3,474 -26.7 -27.3
その他国外 3,099 2,585 514 19.9 19.2
その他事業 4,655 7,697 △3,042 -39.5 -37.6
△4,893 △3,520 △1,373 39.0 39.0
セグメント間消去
75,499 66,262 9,237 13.9 14.4
グループ売上高
(1) フランス本土における発電、供給および最適化、ならびにエンジニアリング、サービスおよびコンサルティングの売上
高。
(2) 規制業務は、Enedisによって行われるフランス本土における配電、EDFの島部業務およびÉlectricité de Strasbourg業務
で構成される。フランス本土において、配電網業務は、TURPE(公共送配電網使用料金)を介して規制されている。
Enedisとは、フランス・エネルギー法に定義されるEDFの独立子会社である。
フランス-発電と供給
2023 年度上半期におけるフランス-発電と供給セグメントの売上高は、2022年度上半期と比較して10,849 百万ユーロの本業
の成長 (+45.7%)となり、34,622百万ユーロとなった。
下流部門の市場において、電力による利益は市場価格の大幅な上昇により7,946百万ユーロ増加した。しかしながら、2023年
2月1日から料金の値上げ上限を税込みで15%までとする規制当局の決定を延長し、政府規制を導入したことによりかかる増
加は制限された(収益の喪失に係る補償金7.2十億ユーロはその他の営業収益および営業費用として計上された。)。
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フランス電力(E05969)
半期報告書
2023 年度の温暖な気候は、43百万ユーロのわずかなプラスの影響をもたらした。
ARENH スキームに基づく代替供給者に対する売上高は、2022年度に(ARENH+スキームを通じて)追加供給が可能となった
が、2023年度には追加供給分がなかったため、286百万ユーロの減少となった。
購入義務の対象である電力の再販売は、主として2021年度第3四半期以降先物市場価格の継続的な上昇に起因して、2,841百
万ユーロ増加した(EBITDAへの影響は、CSPEメカニズムが購入義務に関する費用を補填するため、軽微であった。)。
EDF 施設に係る供給量入札による売上高もまた、178百万ユーロのマイナスの影響をもたらした。これは、2024年度に引き渡
す電力につき、2022年度上半期に入札が行われたのに対し、2025年度に引き渡す電力についての入札は2023年度上半期には行
われなかったことによる。
ガスの売上高が、979百万ユーロの売上高の増加に寄与した。エネルギー・アグリゲーター子会社による売上は330百万ユー
ロ減少した(EBITDAへの重大な影響はなかった。)。
発電
2023 年度上半期におけるフランスの原子力発電量は、2022年度上半期から4.0TWh増加して、158.1TWhとなった。かかる増加
は、特に年初の社会運動の影響によって一部相殺されたものの、発電所の稼働率の向上および適切に管理された運休スケ
ジュールに起因するものである。
総水力発電量は、前年同期比で0.5TWh増加し、19.4TWhとなった( 島部業務における水力発電量を除く揚水発電量差し引き
前。揚水発電量を差し引いた累積水力発電量の合計は、2023年度上半期には16.6TWh(2022年度上半期には15.5TWh)となっ
た。 )。これは主として、2023年6月における水力発電状況が2022年6月と比較してわずかながら良好であったことによるも
のである(「第3 3(3)②(ⅳ)天候:気温および降雨量」を参照。)。
化石燃料火力発電所の発電量は、2022年度上半期から1.8TWh減少して、3.9TWhとなった。かかる減少は、スプレッドの縮小
に起因する。
最終顧客(海外の事業者を除き、地方配電会社を含む市場セグメント)への販売量は、1.9TWh減少した(天候の影響に関す
る+0.7TWhを含む。)。
EDF は、卸売市場において8.7TWhに及ぶ純売手(購入義務対象分を含む。)となり、2022年度上半期と比較して2.5TWh増加し
た。
フランス-規制業務
フランス-規制業務セグメントの2023年度上半期の売上高は、2022年度上半期から400百万ユーロの本業の成長(+4.2%)
となり、9,978百万ユーロとなった。Électricité de StrasbourgおよびSEI-PEIの売上高は、ガス市場における価格上昇および
規制販売料金の課税前価格の上昇により346百万ユーロ増加した。
Enedis の売上高は55百万ユーロの本業の成長(+0.7%)を見せた。再生可能エネルギー施設の接続は2022年度上半期から大
幅に増加したが、消費量の低下を反映して輸送量は減少した。
EDF Renewables
EDF Renewables の売上高は、2022年度上半期と比較して20百万ユーロの本業の成長(+1.9%)となり、合計985百万ユーロ
となった。かかる成長は主に稼働中の発電所からの発電および第三者によるメンテナンス作業によるものである。上半期にお
いて11.4TWhのエネルギーが発電され、前年同期比で5.6%の成長となった。2022年度下半期に新たに稼働した発電所の電力容
量に好影響は北米および英国における風力発電環境の悪化により制限された。
Dalkia
Dalkia の売上高は、2022年度上半期と比較して160百万ユーロの本業の成長(+5.0%)となり、2023年度上半期には3,411百
万ユーロとなった。かかる成長は、主としてフランスにおける事業活動の展開および発電資産の単発的な市場売却によるもの
である。しかしながら、ガス価格が2022年度上半期と比較してほぼ半減したことにより、売上高に悪影響を与えた。
Framatome
Framatome の売上高は、2022年度上半期と比較して61百万ユーロの本業のマイナス成長(-3.1%)となり、1,959百万ユーロ
となった。売上高のほとんどは当グループ内によるものである。業績悪化の重要な要因の1つは、米国における事業水準の低
下であった。米国における売上高は、計装制御契約に関する諸問題、燃料納入量の減少および設置基盤契約の終了による不利
な影響を受けた。
英国
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フランス電力(E05969)
半期報告書
英国における売上高は、12,140百万ユーロとなり、2022年度上半期から5,508百万ユーロの本業の成長(+79.8%)となっ
た。かかる増加は主に、ガスおよび電力の規制販売料金の上昇に起因している。
英国における原子力発電量は、2022年度上半期から5TWh減少し、18.2TWhとなった。これは2022年8月のヒンクリー・ポイ
ントBの閉鎖(-3.7TWh)および2023年におけるより過密なメンテナンス・プログラムによるものである。
イタリア
イタリアのセグメントの売上高は、2022年度上半期と比較して3,555百万ユーロの本業のマイナス成長(-27.3%)となり、
2023年度上半期には合計9,543百万ユーロとなった。これは主にガスの価格および販売量が低下したことにより牽引された。
その他国外
その他国外セグメントは、主にベルギー、ラテン・アメリカ(ブラジルおよびチリ)、アジア(中国、ベトナムおよびラオ
ス)ならびに米国における事業をカバーしている。このセグメントの売上高は、2022年度上半期から497百万ユーロの本業の成
長(+19.2%)となり、2023年度上半期には3,099百万ユーロとなった。
ベルギー( ベルギーはLuminusおよびEDF Belgiumにより構成される。 )における売上高は、2022年度上半期と比較して571百
万ユーロの本業の成長(+27.9%)となった。かかる増加は主に電力価格およびガス価格の上昇により牽引された。顧客の省
エネ志向により、住宅用顧客および企業用顧客向けの販売量は減少した。原子力発電所はショー発電所が再開されたことによ
る恩恵を受けた。風力発電所は拡大を続け、2023年6月30日現在の純設備容量は620MWh( Luminusの純容量。風力発電の総容量
は合計698MW(2022年6月30日現在は664MW)となった。 )に達した。天候も風力発電および水力発電施設の業績を後押しし
た。
ブラジルにおける売上高は、2022年度初頭は市場環境が良好であったことによる恩恵を受けたが、主に市場における販売量
の減少により、52百万ユーロの本業のマイナス成長(-14.0%)となった。かかる減少は、EDFのノルテ・フルミネンセ発電所
に関連する電力購入契約(PPA)の価格が2022年11月に6%上昇したことにより一部相殺された。外国為替による影響は、ユー
ロに対するブラジル・レアルの価値の低下により不利に働いた。
その他事業
その他事業は、とりわけEDF Trading および ガス事業 で構成される。かかるセグメントの売上高は、2022年度上半期と比較し
て2,893百万ユーロの本業のマイナス成長 (-37.6%) となり、2023年度上半期においては4,655百万ユーロとなった。
・ ガス事業の売上高は、2022年度上半期と比較して 3,113 百万ユーロの本業のマイナス成長となり、2,311百万ユーロとなっ
た。かかる大幅な減少は、2022年度上半期と比較して取り扱ったガスの量の減少および市場価格の低下の両方によるもので
ある。
・ EDF Tradingの売上高は、卸売市場における価格およびボラティリティの低下にかかわらず、2022年度上半期と比較して
10.0%の本業の成長となり、合計2,233百万ユーロとなった。取引および業務の最適化による業績は、市場リスクおよびカウ
ンターパーティー・リスクの低減を背景に引き続き好調を維持した。
( ⅱ) EBITDA
フランスにおける原子力発電量の回復を背景に、EBITDAが13.4十億ユーロと大幅に増加したのは、主に2023年度上半期の電
力販売価格の上昇によるものである。2022年にフランスで導入された、消費者価格の上昇を抑制するための例外的な規制措置
の影響は、2023年にはこれに相当するものがなかった。しかしながら、ネットワーク損失をカバーするための購入費用は市場
価格の上昇により大幅に増加した。営業費用もインフレ環境により増加した。
2023 年度 2022 年度 本業の成長率
変動 変動率 (%)
( 単位:百万ユーロ) 上半期 上半期 (%)
売上高 75,499 66,262 9,237 13.9 14.4
購入燃料およびエネルギー費用 △48,899 △48,238 △661 1.4 1.8
その他の対外費用 △4,117 △3,919 △198 5.1 6.1
人件費 △8,201 △7,286 △915 12.6 12.8
法人所得税 以外の 税金 △2,714 △2,383 △331 13.9 13.9
その他の営業収益および営業費用 4,538 △1,764 6,302 n.a. n.a.
EBITDA 16,106 2,672 13,434 n.a. n.a.
n.a. =該当事項なし。
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グループEBITDAの変動および分析
・2023年度上半期の当グループの購入燃料およびエネルギー費用は、2022年度上半期と比較して849百万ユーロの本業の成長
(+1.8%)となり、48,899百万ユーロとなった。
-フランス-発電と供給セグメントにおける購入燃料およびエネルギー費用は、1,416百万ユーロの本業の成長を計上した。
これは、エネルギー購入価格が上昇したことによるものであるが、2023年には追加のARENH容量が割り当てられなかったた
め、代替供給業者にARENH容量を供給するための購入量が減少したことにより、一部相殺された。
-英国の購入燃料およびエネルギー費用における3,752百万ユーロの本業の成長(+71.0%)は、主にエネルギー購入時の市
場価格の上昇による不利な影響を反映している。
-イタリアにおける3,780百万ユーロの本業のマイナス成長(-31.9%)は、主としてガスの価格および量の減少によるもの
である。
-その他事業セグメントの購入燃料およびエネルギー費用は、市場価格の下落により、3,048百万ユーロの本業のマイナス成
長(-60.1%)を計上した。
・2023年度上半期における当グループのその他の対外費用は、2022年度上半期と比較して239百万ユーロの本業の成長(+
6.1%)となり、4,117百万ユーロとなった。
-フランス-発電と供給セグメントのその他の対外費用は、154百万ユーロの本業の成長(+15.2%)となった。かかる増加
は、主として、顧客管理およびIT開発に関連する購入、ならびに価格上昇による一般的な影響を反映しているが、資本財
の増加によって相殺された。
-EDF Renewablesのその他の対外費用は、主として売上高の増加ならびに英国および米国において見込まれる費用の割合の
増加に起因して、55百万ユーロの本業の成長(+15.5%)を計上した。
-Dalkiaのその他の対外費用は、特に英国およびフランスの現場作業における安定した事業の成長に沿って、65百万ユーロ
の本業の成長(+7.4%)となった。
・2023年度上半期における当グループの人件費は、2022年度上半期から931百万ユーロの本業の成長(+12.8%)となり、合計
8,201百万ユーロとなった。
-フランス-発電と供給セグメントの人件費は、主に賃金交渉ならびに2022年度上半期および2023年度上半期におけるそれ
ぞれの割引率の変動により、424百万ユーロの本業の成長(+15.0%)を計上した。
-フランス-規制業務セグメントの人件費は、賃金交渉および割引率の変動に起因して、194百万ユーロ増(+12.5%)と
なった。
-EDF Renewablesの人件費は、46百万ユーロの本業の成長(+17.2%)となった。これは、とりわけ高成長分野の開発およ
び建設に伴う従業員数の増加ならびに賃金の上昇によって説明される。
-Dalkiaの人件費は、賃金の上昇ならびにサービスおよび現場作業の伸びに伴う従業員数の増加が見られたこの期間におい
て、57百万ユーロの本業の成長(+9.0%)となった。
-Framatomeの人件費は、従業員数の増加および賃金上昇を反映して、96百万ユーロの本業の成長(+11.3%)となった。
・2023年度上半期における法人所得税以外の税金は、2022年度上半期と比較して332百万ユーロの本業の成長(+13.9%)とな
り、2,714百万ユーロとなった。
-フランス-発電と供給セグメントにおける156百万ユーロの本業の成長(+10.0%)は、セグメントの利益に適用される付
加価値税に主に起因する。
-その他国外セグメントにおける132百万ユーロの本業の成長は、主にベルギーに関するもので、発電による収益(154百万
ユーロ)に対するEUのインフラマージナル上限価格の導入により生じたものである。
・2023年度上半期におけるその他の営業収益および営業費用は、2022年度上半期と比較して6,291百万ユーロの本業の成長とな
り、4,538百万ユーロの純利益となった。
-フランス-発電と供給セグメントの その他の営業収益および営業費用(純額) における本業の成長は、6,500百万ユーロと
なった。これは主にガスおよび電力の料金上限に対するCSPEの補償に起因する。
-英国セグメントの その他の営業収益および営業費用は、243百万ユーロの本業のマイナス成長を計上した。この変動は、ラ
スト・リゾート・メカニズムに基づく供給者としてUtility Pointの顧客を引き受けたことに対する公的助成金を2022年に
計上したこと、および2022年度上半期における不利な契約に対する引当金の回収率が2023年度上半期よりも高かったこと
を反映している。貸倒引当金も2023年度上半期中に増加した。
連結EBITDAの変動およびセグメントごとの分析
2023 年度 2022 年度 本業の成長率
変動 変動率(%)
( 単位:百万ユーロ) 上半期 上半期 (%)
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フランス-発電と供給 8,641 △4,988 13,629 n.a. n.a.
フランス-規制業務 1,176 3,171 △1,995 -62.9 -62.9
EDF Renewables
433 500 △67 -13.4 -14.6
Dalkia 220 185 35 18.9 20.0
Framatome 110 186 △76 -40.9 -44.1
英国 2,266 860 1,406 n.a. n.a.
イタリア 828 622 206 33.1 30.2
その他国外 508 291 217 74.6 73.5
その他事業 1,924 1,845 79 4.3 6.7
グループEBITDA 16,106 2,672 13,434 n.a. n.a.
n.a. =該当事項なし。
フランス-発電と供給
EBITDA の大幅な増加は、以下の要因によるものである。
EBITDA は、2023年のフランスにおける料金上限がEBITDAに大きく影響しなかったため、推定10十億ユーロの有利な価格効果
によって押し上げられた。2022年には、同年中の消費者販売価格の上昇を抑制するためにフランス政府が導入した例外的な規
制措置により、EBITDAには推定-6.2十億ユーロの悪影響があった。
営業費用は、2023年のインフレを背景に0.6十億ユーロ増加した。
フランス-規制業務
EBITDA の減少は、主に、市場価格が高騰する中で行われたネットワーク損失の購入による、推定-1.8十億ユーロのマイナス
の価格効果によるものである。しかしながら、TURPEの変動( 2022年8月1日付でTURPE6配電料金について+2.26%の指数調
整 )は、推定0.3十億ユーロのプラスの価格効果を及ぼした。
10.9TWh の配電量の減少(気候による影響を除く。)は、企業用市場で-5.1TWhおよび住宅用市場で-5.8TWhとなり、EBITDA
に推定0.3十億ユーロのマイナスの影響を及ぼした。
EDF Renewables
発電事業におけるEBITDAの悪化は、2023年度上半期の営業費用(2022年度上半期には、これに相当するものはなかった。)
によるものである。しかしながら、2022年における新規発電所の稼働により、発電量は5.6%増加した。
プロジェクト・ポートフォリオの拡大に伴う開発費用も、インフレを背景に増加した。
Dalkia
EBITDA の増加は、フランスにおける2023年度第1四半期中の事業活動およびコジェネレーション発電所の稼働によるもので
ある(2022年、Dalkiaは、冬季料金期間の短縮によるコジェネレーションの早期閉鎖による影響を受けた。)。
Framatome
EBITDA の減少は、米国における計装制御契約の難航および燃料売上高の減少によるものである。
2023 年6月30日現在の受注高は約2.2十億ユーロとなり、特に北米の設置基盤事業の寄与により2022年6月30日からわずかに
増加した。
英国
EBITDA の増加は、主に供給事業における利幅の回復によるものである。これは主に、英国の国内既定料金上限に係る引当金
によるもので、供給業者が過年度の市場の混乱によって発生した費用を回収することが可能になった。
販売実績は堅調で、中小規模事業セグメントにおいても、また2022年8月のヒンクリー・ポイントBの閉鎖に伴う発電量の
減少および2023年度上半期の維持管理プログラムがより繁忙であったことによって原子力実現価格の上昇が一部相殺された発
電事業においても、利幅および市場シェアが強化された。
イタリア
EBITDA の増加は、主に、販売事業において、住宅用電力顧客向けの利幅が2022年の損失からプラスに戻ったことによるもの
である。
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発電事業では、供給量市場のプラス寄与があったものの火力発電所関連で不利な価格効果となったが、再生可能エネルギー
関連のプラス価格効果によって一部相殺された。
最後に、ガス事業はポートフォリオの最適化およびより有利な価格による恩恵を受けた。
その他国外
ベルギーのEBITDAの増加は、風力(+15.1%)、水力(+17.4%)および原子力(+5.1%)における発電量の増加、ならび
に有利な価格効果によるものである。
ブラジルでは、システム・サービスの低迷により、EBITDAはわずかに減少した。
その他事業
ガス事業のEBITDAはわずかに減少した。販売量は、ダンケルクのターミナルの事業レベルが低下したため、卸売市場価格が
例外的に高騰した2022年から減少した。2023年度上半期には、2022年度上半期よりも低い価格でLNGを購入したため、減少幅は
限定的となった。
EDF Trading の2023年度上半期におけるEBITDAは、前年よりも卸売市場価格およびボラティリティが低下したにもかかわら
ず、2022年度上半期と比較して増加した。市場リスクおよびカウンターパーティー・リスクの減少を背景に、トレーディング
活動および最適化活動のパフォーマンスは引き続き堅調である。
( ⅲ) EBIT
2023 年度上半期における当グループの連結EBITは、2022年度上半期から13,110百万ユーロ増加して、8,614百万ユーロとなっ
た。
2023 年度 2022 年度
変動 変動率(%)
( 単位:百万ユーロ) 上半期 上半期
EBITDA 16,106 2,672 13,434 n.a.
トレーディング業務以外のエネルギーおよび
コモディティ・デリバティブの公正価値の △276 △993 717 n.a.
純変動額
*
減価償却費および償却費 (純額) △5,472 △5,534 62 -1.1
( 減損)/戻入 △48 △253 205 n.a.
その他の収益および費用 △1,696 △388 △1,308 n.a.
EBIT 8,614 △4,496 13,110 n.a.
n.a. =該当事項なし。
* 委譲資産の取替引当金の純増を含む。
トレーディング業務以外の エネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額
2023 年度上半期のトレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額は、2022
年度上半期は-993百万ユーロであったのに対して、-276百万ユーロであった。これは主に、市場のコモディティ価格が2022
年度上半期の状況とは対照的に下落傾向を辿ったために、2023年の価格のボラティリティが低下したことに起因する。
減価償却費および償却費(純額)
減価償却費および償却費(純額)は、2022年度上半期と比較して35百万ユーロの本業のマイナス成長となり、合計5,472百万
ユーロとなった。フランス-発電と供給セグメントにおける81百万ユーロの本業のマイナス成長は、主にコルドメ発電所の減
価償却費の減少によるものであった。
その他の収益および費用
2023 年度上半期のその他の収益および費用は、-1,696百万ユーロであった(フランス-発電と供給セグメントに関連する-
1,257百万ユーロが含まれる。)。かかる費用は主に、Oranoとの契約が現在再交渉中であるため、偶発事象に対する引当金の
繰入れが行われたことによるものである。
( ⅳ) 金融損益
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2023 年度 2022 年度
変動 変動率(%)
( 単位:百万ユーロ) 上半期 上半期
総金融負債に係る費用 △1,857 △728 △1,129 n.a.
割引の影響 △1,977 502 △2,479 n.a.
その他の金融収益および費用 2,304 △2,721 5,025 n.a.
金融損益 △1,530 △2,947 1,417 -48.1
n.a. =該当事項なし。
2023 年度上半期の財務実績は1,530百万ユーロの金融費用となり、2022年度上半期と比較して1,417百万ユーロ改善した。こ
の変動は、主に以下の要因によるものである。
・その他の金融収益および費用が、主に、2023年度上半期の金融市場の動向を反映して5.5%(2022年度上半期では-8.9%)
のリターンとなった専用資産ポートフォリオのパフォーマンスが向上したことにより、5,025百万ユーロ増加したこと(「第
3 3(3)⑦(ⅰ)(ヘ)EDF SAの専用資産ポートフォリオに対する金融リスクの管理」を参照。)
・2021年12月から2022年6月までの間に30bpの引上げが行われた後、原子力引当金に適用される実質割引率が2022年12月から
2023年6月までの間2.5%と安定していたため、割引の解消コストにより不利な影響が生じたこと(-2,479百万ユーロ)。
・金利および金融負債の水準の上昇により、総金融負債に係る費用が1,129百万ユーロ悪化したこと。
( ⅴ) 法人所得税
2023 年6月30日現在の法人所得税費用は、18.7%の実効税率に相当する1,323百万ユーロであった(2022年6月30日現在は、
24.7%の実効税率に相当する1,840百万ユーロの法人所得税控除であった。)。
2022 年の法人所得税控除と2023年の法人所得税費用の-3,163百万ユーロの差異は、当グループの税引前純利益が14,527百万
ユーロ増加し、-3,751百万ユーロの追加の税金が発生したことを主に反映している。
法人所得税費用はまた、フランスの納税グループ(EDF SA、Enedis、PEIおよびその他のフランスの子会社が95%超を所有)
が2022年に報告した損失に対する繰延税金資産を認識したこと、およびイタリアで導入された発電事業者に対する「超過利潤
税」または税務訴訟による不利な影響が2023年にはなかったことによる影響を受けた。
フランスの納税グループの2022年の損失に対して2022年末に認識された7,872百万ユーロの繰延税金資産に加えて、2023年の
見通しが良好であることから、2022年12月31日現在認識されていなかった1,060百万ユーロの繰延税金資産のうち385百万ユー
ロも現在認識されている。
非経常項目(主に金融資産ポートフォリオおよびコモディティにおける未実現損益の変動)を除外すると、2023年6月30日
現在の実効税率は、2022年6月30日現在は26.1%であったのに対して、18.90%となった。
( ⅵ) 非経常項目を除く純利益
当グループの非経常項目を除く純利益( 非経常項目、トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバ
ティブの公正価値の純変動額ならびに負債性金融商品および資本性金融商品の公正価値の純変動額を除く純利益(税引後) )
は、2022年度上半期から7,579百万ユーロ増加し、2023年度上半期において6,267百万ユーロとなった(2023年6月30日現在の
要約中間連結財務書類の注記18.1「非経常項目を除く純利益」を参照。)。かかる変動は、主として、EBITDAの大幅な増加お
よび関連する法人所得税効果を反映している。
( ⅶ) EDFの純利益-当グループ持分
2023 年6月30日現在のEDFの純利益は、前年同期比で11,101百万ユーロ増加して、合計5,808百万ユーロとなった。この結果
には、主に以下の税引後の項目が含まれる。
・-1,295百万ユーロの減損およびその他の非経常項目
・-210百万ユーロのトレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額
・1,046百万ユーロの負債性金融商品および資本性金融商品の公正価値の純変動額
⑤ 純負債額、キャッシュ・フローおよび投資
2023 年度 2022 年度
変動 変動率(%)
( 単位:百万ユーロ) 上半期 上半期
16,106 2,672 13,434
EBITDA
EBITDA に含まれる非貨幣項目の消去 2,011 △3,343 5,354
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EBITDA ( 現金) △671
18,117 18,788
運転資本の変動 △8,020 6,804 △ 14,824
(1)
△9,141 △8,474 △667
純投資
その他の項目 (関連会社およびジョイント・
38 △510 548
ベンチャーからの受取配当金を含む。)
(2)
営業キャッシュ・フロー
994 △2,851 3,845
資産売却 △3 9 △12
△1,125 △202 △ 923
法人所得税支払額
△1,083 △424 △659
金融費用支出 (純額)
118 30 88
専用資産
△490 △543 53
現金支払配当金
(3)
当グループのキャッシュ・フロー
△1,589 △3,981 2,392
ハイブリッド債の発行 1,377 - 1,377
ハイブリッド債の償還 △1,371 - △1,371
その他の貨幣的変動 △137 3,230 △ 3,367
純負債額の(増加)/減少 (為替レート変動
△1,720 △751 △969
による影響を除く。)
為替レート変動による影響 △176 △113 △ 63
その他非貨幣的変動による影響 1,600 1,081 519
継続事業の純負債額の(増加)/減少 △296 217 △513
非継続事業の純負債額の(増加)/減少 - - -
期首における純負債額 64,500 42,988 21,512 50.0
期末における純負債額 64,796 42,771 22,025 51.5
(1) 純投資は、成長のための営業投資および金融投資の純処分額である。また、純投資には、証券の取得時または処分時に取
得もしくは譲渡された純負債額、投資補助金受取額および非グループパートナー投資も含まれる。これには当グループに
よる売却は含まれていない。
(2) 営業キャッシュ・フローはIFRSに定義された財務成績を測定するための総額ではなく、また、他社により同名で発表され
る指標とは直接比較できないものである。営業活動による資金(FFO)とも認識されているかかる指標は、営業活動によ
るキャッシュ・フロー(純額)、非経常効果の影響と関連する調整を行った運転資本の変動、純投資およびその他の項目
(関連会社およびジョイント・ベンチャーからの受取配当金を含む。)に相当する。
(3) 当グループのキャッシュ・フローは、IFRSに定義された財務成績を測定するための総額ではなく、また他社により同名で
発表される指標と直接比較できるものではない。この値は、資産売却、法人所得税支払額、金融費用支出(純額)、専用
資産への純配分額および現金支払配当金を控除した後の注(2)で定義された営業キャッシュ・フローに相当する。
( ⅰ) 純負債額
純負債額は、現金および現金同等物ならびに流動性の高い資産を控除した後の借入金ならびに金融負債の合計からなる。流
動性の高い資産とは、当初の満期が3か月超で、容易に換金でき、流動性重視の方針に従って運用されるファンドまたは証券
からなる金融資産である。
2023 年6月30日現在の当グループの純負債額は、2022年6月30日現在は42,771百万ユーロであったのに対して、64,796百万
ユーロであった。
2023 年度 2022 年度
変動 変動率(%)
( 単位:百万ユーロ) 上半期 上半期
借入金およびその他の金融負債 93,717 77,425 16,292 21
負債のヘッジに使用されたデリバティブ △1,445 △3,893 2,448 -63
現金および現金同等物 △8,074 △7,418 △656 9
負債証券および持分証券-流動性の高い △19,314 △23,323 4,009 - 17
資産
売却目的保有資産の純負債額 △ 88 △20 △ 68 n.a.
(1)
純負債額 64,796 42,771 22,025 51
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n.a. =該当事項なし。
(1) 純負債額は会計基準に定義されておらず、当グループの連結貸借対照表には直接表示されていない。
純負債額は、2022年12月31日現在と比較して実質的に安定していた(296百万ユーロの増加となった。)。2023年度上半期の
994百万ユーロの営業キャッシュ・フローおよびフランス政府によるOCEANE債の株式への転換による2,390百万ユーロの有利な
影響は、 法人所得税支払額 、 金融費用支出(純額)ならびにその他貨幣的および非貨幣的な変動 によって相殺された。
( ⅱ) 営業キャッシュ・フロー
2023 年度上半期における営業キャッシュ・フローは、2022年度上半期における-2,851百万ユーロと比較して3,845百万ユー
ロの大幅な増加となり、994百万ユーロとなった。ただし、かかる増加は、特にCSPEメカニズムによる運転資本の変動の戻入れ
によって相殺された。
EBITDA (現金)
非貨幣性項目の調整後のEBITDAは2022年度上半期から18,788百万ユーロ増加して、18,117百万ユーロとなった。その主な要
因は、以下のとおりである。
・主に最終顧客への売上げの価格効果および追加のARENH容量を入手可能にした2022年の規制措置の影響(これに匹敵するもの
は2023年にはなかった。)により、フランス-発電と供給セグメントの売上総利益が増加したこと
・2022年はエネルギー危機の環境下で多大な損失を被った年となった一方で、住宅用顧客向けの事業のマージンが回復したこ
とを主に反映して、EDF EnergyのEBITDA(現金)が増加したこと。中小企業セグメントの売上利益率および市場シェアもま
た連結された。
・市場リスクおよびカウンターパーティー・リスクの低下を背景に2023年度上半期も好調を維持したトレーディング業務およ
び最適化業務のパフォーマンスにより、EDF TradingのEBITDA(現金)が増加したこと。かかる変動は、運転資本の変動によ
り相殺された。
運転資本の変動
2023 年度上半期における運転資本の変動は、-8,020百万ユーロであった。この変動は、主としてEDF Tradingの事業および
マージン・コール(-4,349百万ユーロ)を反映したものであるが、CSPEによる報酬の不足(-3,299百万ユーロ)も影響して
いる。
同様に、2022年6月から2023年6月までの間の運転資本の変動(-14,824百万ユーロ)は、主にトレーディング業務(-
10,122百万ユーロ)およびCSPEによる報酬(-5,120百万ユーロ)に起因する。
純投資
2023 年度上半期の純投資は、2022年度上半期から667百万ユーロ増加して、9,141百万ユーロとなった。
2023 年度 2022 年度
変動 変動率(%)
( 単位:百万ユーロ) 上半期 上半期
フランス-発電と供給 3,185 2,850 335 12
フランス-規制業務 2,490 2,310 180 8
EDF Renewables 1,300 1,384 △85 -6
Dalkia 93 78 15 20
Framatome 116 112 4 3
英国 1,803 1,396 407 29
イタリア 167 256 △89 -35
その他国外 △24 78 △102 -131
その他事業 12 10 1 13
純投資 9,141 8,474 667 8
フランス-発電と供給セグメントによる純投資は、とりわけ応力腐食現象の対応で負担した費用に起因して、335百万ユーロ
増加した。
フランス-規制業務セグメントによる純投資は、180百万ユーロ増加した。かかる増加は、主に接続および電力網の近代化に
係る取組みに関連している。
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英国における純投資は、主に ヒンクリー・ポイントCプロジェクトの費用に起因して、407百万ユーロ増加した。
EDF Renewables の85百万ユーロの減少は、主に米国における投資の水準に起因する。
イタリアにおける純投資は、とりわけ2か所のCCG発電所における建設工事の完了により、89百万ユーロ減少した。
( ⅲ) 当グループのキャッシュ・フロー
2023 年度上半期の当グループのキャッシュ・フローは、2022年度上半期に計上された-3,981百万ユーロから改善して、-
1,589百万ユーロとなった。
専用資産
放射性物質および放射性廃棄物の持続可能な管理に関する2006年6月28日付フランス法第2006—739号に基づき、EDFは、長期
原子力債務の資金調達を確実に行うために専用資産のポートフォリオを構築した(「第3 3(3)⑦(ⅰ)(ヘ)EDF SAの専
用資産ポートフォリオに対する金融リスクの管理」を参照。)。
概して、専用資産に関するキャッシュ・フローの内訳は以下のとおりである。
・債務を完全に 填補 するための配分
・かかる資産から生じた金融収益(配当および利息)の再投資
・2006年6月28日付法律の範囲内での長期原子力債務の遵守期間に発生した費用に相当する資産の引出し
・ポートフォリオの価値が、資金調達責任額を超過した際に、専用資産を管理するガバナンス機関へ提案され、かつ、その組
織により正式に認可された例外的な引出し
2023 年6月30日現在における118百万ユーロの専用資産のキャッシュ・フロー(純額)は、上記の2つ目および3つ目の項目
に対応するものである。
現金支払配当金
2023 年度上半期中にEDFにより支払われた現金支払配当金は490百万ユーロとなり、内訳は以下のとおりである。
・永久劣後債(ハイブリッド債)の保有者に対して2023年に行われた合計300百万ユーロの支払い
・当グループの子会社からその少数株主に対して支払われた193百万ユーロの配当
( ⅳ) 為替レートの変動による影響
主にユーロに対する英ポンドの上昇および米ドルの下落( 英ポンドはユーロに対して3.34%上昇し、2022年12月31日現在の
1.1275ユーロ/1英ポンドから2023年6月30日現在には1.1651ユーロ/1英ポンドとなった。米ドルはユーロに対して1.84%
下落し、2022年12月31日現在の0.9376ユーロ/1米ドルから2023年6月30日現在には0.9203ユーロ/1米ドルとなった。 )に
よる外国為替の影響は、当グループの純負債額に176百万ユーロの不利な影響を与えた。
( ⅴ) その他非貨幣的変動
その他非貨幣的変動による影響は、2022年度上半期は1,081百万ユーロであったのに対して、2023年度上半期は1,600百万
ユーロとなった。これは主に、フランス政府によるOCEANE債の株式への転換、新規リース(IFRS第16号)および負債性金融商
品の公正価値の変動により構成される。
⑥ 業績見通し
2023 年の目標の引上げ ( 2023年1月1日現在の連結範囲および為替レートに基づき、一定の規制環境および税制環境、CSPE
(公共電力サービス拠出金)による料金上限に係る資金調達、ならびにフランスの原子力発電量が300TWhから330TWhになると
いう発電計画を前提とした場合 )
・純負債/EBITDA倍率:2.5倍以下
・調整後の実用的な純負債額/調整後のEBITDA倍率( 当該倍率には、一定のスタンダード・アンド・プアーズの方法が適用さ
れる。 ):4倍以下
⑦ 市場リスクの管理および統制
2022 年度有価証券報告書「 第一部 第3 2(2)②金融および市場に関するリスク 」を参照。
( ⅰ) 金融リスクの管理および統制
本項では、戦略的財務管理フレームワークにおいて規定されている当グループの金融リスク(流動性リスク、金利リスク、
為替リスクおよび株式リスク)の管理に関する方針および指針ならびにEDFによって導入された当グループのカウンターパー
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ティー・リスク管理方針について記載している。これらの指針はEDFおよび事業上の被支配子会社またはEnedisのような法律に
よって独立経営の特別保証を受けていない子会社にのみ適用される。IFRS第7号に従い、以下の段落は、感応度および信用
(カ ウンターパーティー)リスクの分析に基づいた、金融商品から生じるリスクの性質について記載している。
当グループのリスク部門内の独立したユニットである金融リスク管理・投資部門(CRFI)は、主として戦略的財務管理フ
レームワークの指針の適切な適用を期することによって当グループ・レベルでの金融リスク管理を担っている。この部門は、
EDFの事業体および当グループの事業上の被支配子会社(Enedisは除く。)の契約相手方の債務不履行リスクの二次チェック
(手順面および組織面)ならびにEDF SAの金融取引担当部署の資金調達活動の一次チェックを行うという職務も担っている。
またCRFI部門は、専用資産ポートフォリオに関する運用活動の二次チェックも実施している。
CRFI 部門は、EDF SAの金融取引担当部署の活動に関連するリスク指標に関して日次および週刊の監視報告書を公表してい
る。
管理が実際に実施されていることを保証し、また、その効果を確実なものとするため、定期的な内部監査が行われている。
( イ) 流動性ポジションおよび流動性リスクの管理
流動性ポジション
流動性の高い資産ならびに現金および現金同等物により構成される当グループの2023年6月30日現在の流動資産は総額
27,388百万ユーロとなり、利用可能な与信枠は14,947百万ユーロであった。
2023 年6月30日現在、1年以内に満期を迎える当グループの借入金およびその他の金融負債は総額21,105百万ユーロであ
り、この中には未払利息を含む債券に関連する940百万ユーロが含まれる。この金額には、負のキャッシュ・ポジション(デリ
バティブのマージン・コール1,829百万ユーロを含む。)および、リース債務に関連する負債も含まれている(2023年6月30日
現在の要約中間連結財務書類の注記17.2.2.3を参照。)。関連する必要資金は、必要に応じて、上記の当グループの流動性お
よび利用可能な与信枠、ならびに以下に記載するその他の短期的な調達手段によって調達される可能性がある。
2023 年6月30日現在、当グループの企業で、外部からの資金調達について債務不履行に陥っている企業はなかった。
流動性リスクの管理
EDF グループは保守的な流動性管理によりその資金調達のニーズに対応することができ、満足のいく条件で資金調達を行うこ
とができている。
・2023年1月3日、その後2023年1月10日に、EDFは2つの二者間ローンの取決めを行った。1つは500百万ユーロの3年ロー
ンであり、もう1つは250百万ユーロの2年ローンである。
・2023年1月25日、EDFは2十億ユーロおよび950百万英ポンドのマルチ・トランシェ・シニア債を発行した。ユーロ建てのト
ランシェはそれぞれ1十億ユーロ、満期はそれぞれ9年および20年、利率はそれぞれ4.250%および4.625%である。英ポン
ド建てのトランシェは、1つは450百万英ポンドの12年満期トランシェ、もう1つは500百万英ポンドの30年満期トランシェ
からなり、それぞれの利率は5.5%および5.625%である。
・2023年3月28日、EDFは2023年1月25日に発行した満期30年の英ポンド建てトランシェについて、99百万英ポンドのタップ発
行(利率5.625%)を追加で行った。
・2023年5月17日、EDFは3十億米ドルおよび500百万カナダ・ドルのマルチ・トランシェ・シニア債を発行した。米ドル建て
のトランシェはそれぞれ1十億米ドル、満期はそれぞれ5年、10年および30年であり、利率はそれぞれ5.7%、6.25%および
6.9%である。カナダ・ドル建てのトランシェは、1つは300百万カナダ・ドルの7年満期トランシェであり、もう1つは200
百万カナダ・ドルの30年満期トランシェからなり、それぞれの利率は5.993%および6.492%である。
・2023年6月8日、EDFは1,500百万米ドルの永久ハイブリッド債を当初利率9.125%で発行した。
・2023年6月22日、EDFは総額33十億円のマルチ・トランシェ・シニア債(5年満期、25.3十億円、利率1.059%のトラン
シェ、7年満期、2.2十億円、利率1.355%のトランシェ、10年満期、4.4十億円、利率1.695%のトランシェおよび20年満
期、1.1十億円、利率2.328%のトランシェ)を発行した。
幅広い特有な手段が、当グループの流動性リスクを管理するために用いられている。
・被支配子会社の現金管理を集中化する当グループのキャッシュ・プーリング・システム。当グループの現金管理の最適化の
ため、また市場における資金調達条件と同等の条件が保証されるシステムを子会社に提供するため、子会社の現金残高は、
利息と引換えにEDF SAが利用できるようにされている。
・被支配子会社の資金調達の集中化。子会社の運転資本の変動は、当グループの現金管理部門から、子会社に提供されるスタ
ンドバイ・クレジット・ラインを通じて資金調達される(当グループからリボルビング・クレジットを付与されることも可
能である。)。
・当グループが利用する資金調達源の積極的な管理および分散化。当グループは、フランスのコマーシャル・ペーパー
( billets de trésorerie )、譲渡可能欧州コマーシャル・ペーパー(NEU CP)および米国のコマーシャル・ペーパー(US
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CP)のためのプログラムを通じて、さまざまな市場において短期資金を調達することができる。EDFの場合、これらの上限
は、NEU CPのプログラムについては12十億ユーロ、そして米国のコマーシャル・ペーパーについては10十億米ドルである。
・現金レポ契約に基づく銀行取引先への借入債務の譲渡
2023 年6月30日現在、当グループの発行済みのコマーシャル・ペーパーは、NEU CPについては7,970百万ユーロで、米国のコ
マーシャル・ペーパーについては2,492百万米ドルであった。
EDF は、世界の主要な債券市場に参入している。
・ユーロ市場(特にユーロ債および英ポンド債)については、現在上限が50十億ユーロのEMTNプログラムで参入している。
・フランス国内市場では米ドル建て(144A債券)、円建て(サムライ債)およびスイス・フラン建てのスタンドアロン発行で
参入している。
当グループの総負債の平均満期は、2022年12月31日現在における9.36年に対し、2023年6月30日現在においては10.53年で
あった。
2023 年6月30日現在、EDF SAは、総額13,457百万ユーロの利用可能な与信枠(シンジケート与信枠および二者間与信枠)を
有している。
・シンジケート与信枠は、4十億ユーロであり、その期限は2025年12月である。2023年6月30日現在、かかるシンジケート与
信枠からの引出しは行われていない。
・2021年12月に署名された1.5十億ユーロのシンジケート・ソーシャル与信枠は、当初満期が3年(2024年12月に期限到来)で
あり、1年間の更新を2回行うことが可能である。2023年6月30日現在、かかるシンジケート・ソーシャル与信枠からの引
出しは行われていない。
・二者間の与信枠は、利用可能額が7,957百万ユーロであり、その期限は2026年12月までに延長された。この利用可能与信枠の
レベルは、当グループが十分な予備の与信枠を確実に有することができるように、極めて頻繁に審査される。
European Investment Bank の7つの与信枠については、2023年6月30日現在、EDF SAにより総額2,675百万ユーロの全額が引
き出されている。
その他の与信枠では、Edisonが、European Investment Bankに与信枠(2023年6月30日現在の利用可能額は300百万ユーロ)
を有している。
( ロ) 格付
2023 年6月30日現在、スタンダード・アンド・プアーズ、ムーディーズおよびフィッチ・レーティングスの3つの財務格付
機関は、EDFグループの事業体に以下の長期格付および短期格付を割り当てた。2023年6月1日にムーディーズは、かかるすべ
ての事業体の見通しをネガティブから安定的に変更した。ムーディーズはEDFの見通しを、唯一の株主であるフランス政府から
の支援の可能性が高いことを考慮して1段階引き上げたが、スタンドアロンの信用格付については1段階引き下げた。
当グループの格付は、2022年度有価証券報告書「 第一部 第3 2 事業等のリスク 」の中の、特にリスク要因「1A:フラン
スおよび欧州における、特にARENHに関連する公共政策および規制枠組みの変化」およびリスク要因「2D:流動性リスク」に
記載されるリスクからの影響を受ける可能性がある。
会社 格付機関 長期格付 短期格付
BBB 安定的な見通し
スタンダード・アンド・プアーズ A-2
EDF ムーディーズ P-2
Baa1 安定的な見通し
フィッチ・レーティングス F2
BBB+ 安定的な見通し
EDF Trading
ムーディーズ Baa3 安定的な見通し n.a.
BB- 安定的な見通し
スタンダード・アンド・プアーズ B
EDF Energy
ムーディーズ n.a.
Baa3 安定的な見通し
フィッチ・レーティングス n.a.
BBB- 安定的な見通し
BBB 安定的な見通し
スタンダード・アンド・プアーズ A-2
Edison
ムーディーズ n.a.
Baa3 安定的な見通し
n.a. =該当事項なし。
( ハ) 為替リスクの管理
当グループは、事業および事業地域の多様化により、貸借対照表項目ならびに当グループの金融費用、資本、純利益および
プロジェクトのIRRに影響を及ぼす換算差額に影響を与える可能性のある為替レートの変動リスクに晒されている。
当グループは、為替リスクに対するエクスポージャーを抑制するために、以下の経営方針を導入した。
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・現地通貨による資金調達:各事業体は、現地の金融市場の機能に照らして可能な限り、事業資金をその現地の機能通貨で調
達する。資金がその他の通貨で調達されるべく契約された場合、為替リスクを抑制するためにデリバティブが使用される場
合がある。
・資産および負債のマッチング:当グループは、ユーロ圏外に所在する子会社の純資産により、為替リスクに晒される。連結
貸借対照表において、為替リスクは、債券の発行もしくは外貨建て債務または金融デリバティブを用いた市場でのヘッジに
より管理される。外国通貨建ての純資産のヘッジはリスク/リターン目標に従い、ヘッジ比率は通貨によって異なる。ヘッ
ジ手段が利用できない場合またはヘッジ費用が高額な場合、為替持高はオープンのままとなり、かかるオープン・ポジショ
ンに関するリスクは、感応度分析により監視される。
・外国通貨建ての営業キャッシュ・フローのヘッジ:一般的に、EDFおよびその子会社の営業キャッシュ・フローは、現地通貨
建てである。ただし、(主に米ドル建てで行われる)燃料購入に関するキャッシュ・フローおよびさほど多額ではない設備
購入に関する一部のキャッシュ・フローはこの限りではない。戦略的財務管理フレームワークにおいて規定される方針の
下、EDFおよび為替リスクの影響を受ける主要子会社(EDF Energy、EDF Trading、Edison、EDF Renewables)は、将来にお
けるこれらの営業キャッシュ・フローに関連して確実に生じるまたは高い可能性で生じるであろうコミットメントをヘッジ
することが要求される。
資金調達および為替リスクのヘッジ方針の結果として、2023年6月30日現在の当グループの総負債の通貨別内訳(ヘッジ
後)は以下のとおりである。
総負債の通貨別構造(ヘッジ前およびヘッジ後)
ヘッジ手段の
ヘッジ手段の
当初の 負債 構造 影響を反映後の 負債の割合(%)
2023 年6月30日
*
影響
( 単位:百万ユーロ) 負債構造
56,761 22,225 78,986 84
ユーロ建て借入債務
23,347 △17,490 5,857 6
米ドル建て借入債務
9,354 △1,787 7,567 8
英ポンド建て借入債務
4,255 △2,948 1,307 2
その他通貨建て借入債務
93,717 0 93,717 100
負債合計
* 負債および純外国投資のヘッジ。
以下の表は、2023年6月30日現在、当グループの総負債における為替レートの変動が資本に対して与える影響を示してい
る。
当グループの総負債の為替リスク感応度
ユーロ換算された 為替レートの不利な 為替レートの不利な
2023 年6月30日
ヘッジ後の負債 変動10%の影響 変動10%後の負債
( 単位:百万ユーロ)
78,986 78,986
ユーロ建て借入債務 -
5,857 586 6,443
米ドル建て借入債務
7,567 758 8,325
英ポンド建て借入債務
1,307 131 1,438
その他通貨建て借入債務
93,717 1,475 95,192
負債合計
当グループの総負債に対する為替リスクに係るヘッジ方針により、当グループの支配する会社の損益計算書は、為替リスク
にわずかに晒される。
以下の表は、外貨建ての純資産に関する当グループの子会社の為替持高を示している。
純資産ポジション
*
2023 年6月30日
純資産 債券 デリバティブ 管理後の純資産
( 各通貨の単位:百万)
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4,547 2,950 △283 1,880
米ドル
20 - 18 2
スイス・フラン (スイス)
302 - 153 149
ポーランド・ズロチ (ポーランド)
23,416 6,084 4,975 12,357
英ポンド (英国)
2,084 - - 2,084
ブラジル・レアル (ブラジル)
9,112 - 4,632 4,480
人民元 (中国)
* 2023年6月30日現在の純資産。債券およびデリバティブは2023年6月30日現在のものである。表示された純資産ポジショ
ンからは、一定の重要ではないエクスポージャーが除外されている。
上記の表は、当グループの外国子会社の外貨建資産であり、資本に計上されたキャッシュ・フロー・ヘッジならびに負債性
金融商品および資本性金融商品の公正価値の変動、ならびに利益に計上された金融商品の公正価値の変動について調整されて
いる。
( ニ) 金利リスクの管理
当グループの純負債額の金利の変動に対するエクスポージャーには、2種類のリスクがある。1つは、変動金利付金融資産
および負債の金融費用(純額)が変動するリスクであり、もう1つは、固定金利で運用している金融資産の価値が変動するリ
スクである。これらのリスクは、金融費用(純額)に対するリスク・リターンを参考にして定義された純負債額の変動金利部
分を、予想される金利の変動を考慮しながら監視することにより管理されている。
この方針の下、一部の負債は変動性を有しており、当グループは、ヘッジ目的で金利デリバティブを使用する場合がある。
2023 年6月30日現在の当グループの負債額(ヘッジ後)の内訳は、67%が固定金利で、33%が変動金利であった。
2023 年6月30日現在、金利が年間一律1%上昇した場合、ヘッジ後の変動金利総負債を基準として、金融費用は約305百万
ユーロ増加する。
当グループの負債の平均費用(残高の加重金利)は、2023年6月30日現在、3.84%であった。
当グループの負債の構造および金利感応度
ヘッジ手段の
金利変動1%の
当初の負債構造 ヘッジ手段の影響 影響を反映後の
2023 年6月30日
純利益への影響
( 単位:百万ユーロ) 負債構造
75,075 △11,902 63,173 -
固定金利
18,642 11,902 30,544 305
変動金利
93,717 0 93,717 305
合計
当グループの金利リスクは、とりわけ当グループの長期的な原子力債務の価値(2023年6月30日現在の要約中間連結財務書
類の注記14を参照。)ならびに当グループの年金およびその他の特定の従業員給付債務(2023年6月30日現在の要約中間連結
財務書類の注記15を参照。)に関連し、様々な期間の金利に応じた割引率を使用して現在価値に調整され、専用資産の運用の
ために保有される債務証券がこれらの債務を補填するために確保される(「第3 3(3)⑦(ⅰ)(ヘ)EDF SAの専用資産
ポートフォリオに対する金融リスクの管理」を参照。)。
( ホ) 株式リスクの管理
EDF の原子力債務の補填
株式リスクの分析は、「第3 3(3)⑦(ⅰ)(ヘ)EDF SAの専用資産ポートフォリオに対する金融リスクの管理」に記載
される。
EDF SAおよびEDF Energyの従業員給付債務の補填
EDF の従業員給付債務に充てられた資産の一部は、国際株式市場および欧州株式市場において投資されている。したがって、
市場動向がこれらの資産の価値に影響を与え、株価が下落することにより、貸借対照表上の引当金が増加する。
2023 年6月30日現在、EDF SAの従業員給付債務に充てられた資産の31.7%(3.1十億ユーロに相当)が、株式に投資されてい
る。
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2023 年6月30日現在、EDF Energyの従業員の年金基金であるEDFG(EDFグループ)の株式および株式ファンド(分散型成長
ファンドを除く。)には、2022年末現在は1%未満であったのに対して、6%近く(5.8%)の資産が割り当てられており、今
や総額346百万英ポンドとなっている。
( ヘ) EDF SAの専用資産ポートフォリオに対する金融リスクの管理
EDF は、長期的な原子力債務の財源確保を保証するために、1999年以来、漸次、専用資産を形成してきた。フランス環境法
(第L.594-1条から第L.594-14条)において成文化されている2006年6月28日付法律およびその施行規則により運転サイクルに
関連しない引当金が定義され、したがって、かかる引当金は専用資産により賄われなければならない(2023年6月30日現在の
要約中間連結財務書類の注記14.3「EDFの長期原子力債務の填補率」に記載される。)。
かかる専用資産ポートフォリオについては、取締役会ならびにその助言委員会(原子力監視委員会(CSEN)および監査委員
会)の監視の下で運用されている。
さらに、原子力財務専門委員会(CEFEN)は、資産および負債のマッチングならびに資産運用に関する問題について、会社お
よびその経営陣を補佐することを目的としている。この委員会の委員は、EDFからは独立した立場にある。
ガバナンスおよび管理原則
規制に準拠しながら原子力費用の資金調達を確実に行うための方針の下、EDFの取締役会によりその正当性が立証されるガバ
ナンスの指針は、専用資産に関する構造ならびに専用資産の運用に係る意思決定および統制プロセスについて規定している。
また、かかる方針は資産ポートフォリオの仕組み、財務管理者の選定ならびにファンドの法制、会計制度および税制について
の原則についても定めている。
戦略的資産配分は、長期原子力債務の資金調達に最も適しているターゲット・ポートフォリオを特定するために行われる資
産および負債の精査に基づいている。戦略的配分は、EDFの取締役会により承認され、特に状況により異なる場合を除き、原則
として3年ごとに見直される。2021年に、債券市場の変化を考慮に入れるために、新規の戦略的配分が有効になった。かかる
対象の配分は収益性ポートフォリオ、成長性ポートフォリオおよび確定利付ポートフォリオで構成され、それぞれポートフォ
リオ全体の30%、40%および30%を占めている。収益性ポートフォリオは、不動産資産およびインフラ資産で構成され、成長
性ポートフォリオは株式および株式ファンド(上場および非上場)で構成され、確定利付ポートフォリオは債券、デット・
ファンド(上場および非上場)ならびに現金で構成されている。これらのポートフォリオは、EDF Gestion(旧上場資産管理部
門)およびEDF Investにより管理される。
成長性資産および確定利付資産の間の配分方針は、各々の市場および地域に関する経済および財政的な見通し、異なる市場
および市場セグメントにおける市場評価の見直し、ならびに金融リスク管理部門により作成されたリスク分析に基づき、運用
管理委員会( 専用資産の運用の分野に関して査定、協議および運用上の意思決定を行う常設の内部委員会 )により構築され
た。
2023 年6月30日現在のポートフォリオの価値の総額は、2022年12月31日現在は33,904百万ユーロであったのに対して、
35,436百万ユーロであった。2023年度上半期における専用資産の変動は、2023年6月30日現在の要約中間連結財務書類の注記
14.1.2に記載されている。また、実現可能価格および帳簿価格についても要約中間連結財務書類の注記14.2.2において詳述さ
れている。
EDF の専用資産ポートフォリオの内容および実績
2023 年6月30日 2022 年12月31日
株式市場価額 株式市場価額
( 単位: ポートフォリオ または ポートフォリオ または
2023 年度上半期
百万ユーロ) の割合 実現可能価額 の実績 の割合 実現可能価額 2022 年の実績
収益性資産 24.9% 8,829 2.4% 25.9% 8,772 11.2%
成長性資産 37.1% 13,133 11.0% 36.1% 12,251 -15.8%
確定利付資産 38.0% 13,474 2.4% 38.0% 12,881 -12.1%
専用資産合計 100% 35,436 5.5% 100% 33,904 -8.5%
専用資産のリスクへのエクスポージャー
EDF は、専用資産ポートフォリオを通じて、株式リスク、金利リスクおよび為替リスクに晒されている。
2023 年6月30日現在、EDFの専用資産ポートフォリオにおける上場株式の市場価額は、12,570百万ユーロとなった。同日現在
の上場株式のボラティリティは、52週間分の実績に基づき14.49%であった(2022年12月31日現在は17.04%であった。)。当
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グループは、かかるボラティリティを2023年6月30日における上場株式の資産価額に適用した場合、専用資産の株式部分に関
する年間ボラティリティを1,784百万ユーロと見積もった。
2023 年6月30日現在、上場債券(11,441百万ユーロ)の感応度は5.2となり、すなわち、金利が一律100ベーシス・ポイント
上昇した場合、市場価額が590百万ユーロ減少することとなる。2022年12月31日現在の感応度は4.9であった。
専用資産の予測収益率の評価
適用される規制に準拠して、また上記のとおり専用資産が目標とする配分に基づいて行われる、今後数年間、特に今後20年
間(原子力引当金の対応期間に近い期間)の予測収益率をシミュレーションする研究では、平均予測利益率が、原子力引当金
を算出するのに使用される割引率(2023年6月30日現在推定4.8%)を上回る確率が高いことを示している(同日現在の要約連
結財務諸表に対する注記14.1を参照。)。
専用資産の価値が初めて1十億ユーロを超えた2004年以降の専用資産の年間平均パフォーマンスは、2023年6月30日現在
5.8%であった。
環境法第D.594-6条および第D.594-7条を適用して、監督機関により現在認められている適用免除および規定
EDF は、2018年5月31日に、専用資産における非上場資産部分を条件次第で10%から15%に引き上げることにつき政府の許可
を受けた(これはCTE株式ないし不動産には適用されない。)。
( ト) カウンターパーティー/信用リスクの管理
カウンターパーティー・リスクは、契約相手方が将来債務不履行に陥った際にEDFグループが被る潜在的な損失である。当グ
ループのカウンターパーティー・リスク管理方針は、EDFおよびすべての事業上の被支配子会社に適用される。同方針は、この
タイプのリスクの監視に関する管理ならびにカウンターパーティー・リスク管理および監視の構成について定めている。同方
針には、当グループの四半期ごとのエクスポージャーの連結が含まれている。金融リスク管理(CRFI)部門は、当グループの
契約相手方に対する監視(日々の警戒態勢の見直し、特定の契約相手方に対する特別警戒基準の策定)を厳重にする。
下記の表は、格付カテゴリー別の、EDFグループのカウンターパーティー・リスクに対する連結エクスポージャーの詳細を示
している。2023年3月31日現在、当グループのエクスポージャーの89%が「投資適格」である契約相手方に関するものであ
る。これは、主として、短期投資の大部分が低リスク資産に関連するものであるため、現金および資産管理業務により生じた
エクスポージャーが優勢であったことに起因する。
投資適格 非投資適格 内部格付なし 合計
2022 年12月31日現在 88% 11% 1% 100%
2023 年3月31日現在 89% 11% 1% 100%
業務の性質によるカウンターパーティー・リスクへのエクスポージャーの分布は、以下のとおりである。
燃料購入およ
配電および 現金および
購入 保険 びエネルギー 合計
販売 資産管理
取引
2022 年12月31日現在 8% 0.5% 17% 54% 20.5% 100%
2023 年3月31日現在 9% 0.5% 13% 61% 16.5% 100%
電力取引事業におけるエクスポージャーは、EDF Tradingに集中している。2022年12月以降のエクスポージャーの下落は、期
間中のコモディティ価格の下落によるものである。
EDF の金融取引担当部署の契約相手方に対して、CRFI部門は、契約相手方の承認手続を明確にする枠組みおよび割当制限の計
算に対する方法論を策定した。エクスポージャーのレベルは、随時助言を受け、日々体系的に監視される。制限の適切性につ
いては、契約相手方に影響する警告または不利な展開が生じた場合には遅滞なく再検討される。高い信用格付けを有する銀
行、ソブリンおよび企業の取引の相手方のみが一定限度の額および満期の限度で、保有が認められている。
( ⅱ) エネルギー市場リスクの管理および統制
( イ) エネルギー市場リスク方針
EDF グループは、発電および供給業務を通じて、主に欧州の非規制エネルギー市場で活動している。これにより当グループ
は、財務実績に重大な影響を与える可能性のあるエネルギー市場において価格変動のリスクに晒されている。
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したがって、当グループは、EDFおよびEDFの運営上の支配の及ぶ事業体に適用されるすべてのエネルギー商品に対するエネ
ルギー市場リスク方針を設定している。
この方針は、以下を目的としている。
・当グループの事業体がそれぞれの資産ポートフォリオの管理事業(発電、最適化および販売)を行い、またEDF Tradingの場
合はトレーディング業務を行っているエネルギー市場におけるリスク管理について、一般的な枠組みを規定すること
・資産運用者およびトレーダーの責任ならびに活動の管理に関する様々なレベルを規定すること
・当グループの財政的責任と一貫した、調和のとれたグループ全体のヘッジ方針を実施すること
・構造的エネルギー関連市場において、EDFが支配する様々な事業体のエクスポージャーを経営上で集約すること
当グループのリスク部門は、この方針の導入についての年次報告書を取締役会の監査委員会に対して提出する。
EDF の運営上の支配が及ばない事業体のリスク管理の枠組みは、統治機関によりレビューされる。
( ロ) リスク統制の構成および一般的なリスクヘッジの原則
当グループの運営上の支配が及ぶ事業体のエネルギー市場リスクの統制は、以下の手続に基づいている。
・管理責任とリスク統制責任とを明確に分離するガバナンスおよび市場リスク・エクスポージャー測定システム
・ヘッジ戦略の策定および関連するリスク限度の設定による、各事業体への明示的な委任。これにより、執行委員会は、財務
目的に沿った当グループの年間のリスクのプロファイルの設定および監視を行うことができ、市場展望(通常は3年)にお
いて、エネルギー市場リスクの運営管理を指示することができる。
現在のヘッジの基本的な方針は、
・上流/下流ポジションの相殺。可能な限り、最終顧客への売上は内部売上によってヘッジされる。
・平均価格を捕らえる所定のヘッジの軌道( エネルギー市場リスクに晒されている各事業体につき、当グループによって毎年
承認されるリスク統制の枠組みには、所定の価格基準を超えた場合における、かかる軌道からの逸脱を認める加速計画また
は減速計画が含まれることがある。かかる計画は、段階的なヘッジに係る一般原則に準拠しないため、厳しい条件の元での
み適用される。 )に基づく事業年度末前のポジションの大部分の段階的なクローズ。
エネルギー・リスク管理プロセスには、当グループのリスク管理部門が関与しており、また、リスク限度を超えた場合の警
告通知手続を組み込んだリスク指標および測定システムに基づいている。
( ハ) エネルギー市場リスクの運営管理および統制の原則
運営上の支配の及ぶ当グループの事業体のエネルギー市場リスクの運営管理および統制の方針は、資産(発電および供給)
管理ならびに取引を識別する、エネルギー市場リスクの管理責任の厳格な分離に基づく。
発電資産および供給資産の事業者は、財務実績の変動性に対するエネルギー市場リスクの影響を軽減するリスク管理戦略を
実施することについて責任を有する(使用されたヘッジの会計分類は2022年度の連結財務書類の注記18.7「デリバティブおよ
びヘッジ会計」に詳述されている。)。しかしながら、未だヘッジされていない容量の範囲において、構造的な価格動向なら
びに(ARENH制度、発電所の供給力および顧客による消費量に関連する)容量の不確実性に依然として晒されている。
当グループの運営上の支配の及ぶ事業体のエネルギー市場におけるポジションは、主には、当グループのトレーディング会
社であるEDF Tradingにより取られており、同社は当グループの卸売市場でのほぼすべての購入/販売注文を執り行っている。
その結果、EDF Tradingは、特にトレーディング会社の欧州規則における厳格なガバナンスおよび統制の枠組みに服する。
EDF Tradingは、規制市場またはOTC市場で、先物、先渡、スワップおよびオプション(当グループのレベルで適用される会
計分類とは無関係である。)等のデリバティブを取引する。エネルギー市場におけるそのエクスポージャーは、子会社の経営
陣およびグループ・レベルでエネルギー市場リスク管理を担当する部門による日々の上限管理により監視されて、厳しく統制
されている。また、自動的警告通知手続が、リスク制限(バリュー・アット・リスク制限)または損失(ストップ・ロス制
限)に違反したことを、EDF Tradingの取締役会の構成員に通知するために存在する。バリュー・アット・リスク(VaR)は、
所与の期間および所与の信頼期間における市場の不利な動向に際するポートフォリオに関する潜在的な市場価値の最大損失を
統計的に測定する指標である( EDF Tradingは、「モンテカルロ」手法を使用してVaRを評価し、かかる手法は、直近の40取引
日にわたって観測された市場価額から推定されるボラティリティおよび過去の相互関係を参照する。VaR制限は、EDF Trading
のポートフォリオ全体に適用される。 )。特定のキャピタル・アット・リスク(CaR)制限もまた、VaRの適用が難しい特定の
分野(非流動市場の運営、長期的な契約および体系的な契約)において使用されている。ストップ・ロス制限は、取引事業の
許容可能なリスクを規定し、トレーディングのマージンに関連する損失の3か月間の最大レベルを設定する。これらの制限を
超過する場合、EDF Tradingの取締役会は、一部のポジションの閉鎖を含む適切な措置を講じる。
2023 年度上半期において、EDF Tradingの市場への拠出額は、VaR制限については、1月1日から57百万ユーロの制限に服し
ていたが、長期契約および非流動市場の取引に係るCaR制限については、それぞれ250百万ユーロ、ならびにストップ・ロス制
限については180百万ユーロの制限に服していた。
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VaR 指標は、2023年度上半期を通して制限値を引き続き下回った。
2022 年度の連結財務書類の注記6を参照。コモディティ・デリバティブについての詳細は、2022年度の連結財務書類の注記
18.7.4を参照。
⑧ 後発事象
後発事象は、2023年6月30日現在の要約中間連結財務書類の注記20に記載されている。
( ⅰ) 2023年7月27日-2023年度上半期の実績
EBITDA の大幅改善および純負債額の安定化
原子力発電所の稼働率が徐々に回復
全般的に良好なパフォーマンス
財務実績
売上高:75.5十億ユーロ。2022年度上半期と比較して14.4%の本業の成長
EBITDA:16.1十億ユーロ。2022年度上半期と比較して6倍の本業の成長
純利益-当グループ持分:5.8十億ユーロ
純負債額:64.8十億ユーロ(2022年度末は64.5十億ユーロ)
当グループの業績の力強い成長は、有利な価格環境における堅調なパフォーマンス、および2022年には例外的な規制があっ
たのに対し、2023年にはこれに相当するものがなかったことによるものである。
パフォーマンス
2023年度上半期における当グループの合計発電量は、以下を含む232.1TWhであった。
原子力発電量179.3TWh。内訳は以下のとおりである。
・フランスでは158.1TWhとなり、2022年度上半期から4TWh増加した。この増加は、社会動向の影響にもかかわらず、発電所の
稼働率が向上したこと、および高度に専門化されたチームの寄与により原子炉の供給停止が適切に管理されたことによるも
のである。応力腐食の影響を最も受けやすい16基の原子炉のうち、現在までに11基が修理済み、2基が修理中、2基が2023
年末までに修理予定、1基が次回の10年点検時に修理予定である。
フランスにおける原子力発電量の予測は、2023年は300TWhから330TWh、2024年は315TWhから345TWhで確定している。2025年
の予測は、335TWhから365TWhである( 現在稼働中の原子力発電量の予測。 )。
・英国では18.2TWhとなり、2022年8月のヒンクリー・ポイントBの閉鎖(-3.7TWh)および2023年の維持管理プログラムがよ
り繁忙であったことにより、2022年度上半期から5TWh減少した。
再生可能発電量34.8TWh。内訳は以下のとおりである。
・フランスにおける水力発電量は19.4TWhとなり( 揚水発電の消費量を差し引く前の、島部業務を除く水力発電量。揚水の消費
量を差し引いた累積水力発電量の合計は、2023年度上半期には16.6TWh(2022年度上半期には15.5TWh)となった。 )、2022
年度上半期から0.5TWh増加した。主に水力発電の条件が悪いため、水力発電量は依然として低い。しかしながら、貯水池の
水位は過去の平均を上回っている。
・フランスにおける水力発電を除く発電量は15.4TWhとなり、2022年度上半期から0.8TWh増加した。2023年6月30日現在、当グ
ループの太陽光および風力の純設備容量は13.5GWであり、建設中の総容量は7.2GWであった。風力および太陽光のプロジェク
トのポートフォリオは、アイルランドにおける1.3GWの洋上風力発電プロジェクトとの提携の獲得を含め、2022年末から総計
6GW増加して総計91GWとなった。
Enedisによる再生可能エネルギー施設の接続は、2022年度上半期から125%増加した。配電量は合計169.1TWhとなり、消費量
の減少を反映して、2022年度上半期から9.3TWh減少した。
2023年度上半期中のG4諸国( フランス、英国、イタリアおよびベルギー )における電力の住宅用顧客ポートフォリオは、安
定的であった。フランスにおける市場でのサービス提供は引き続き進展し、2022年末から17%増加した。
2023年度上半期の炭素強度は、二酸化炭素換算で40g/kWhであった。2022年度上半期から二酸化炭素換算で10g/kWh減少
したのは、主に火力発電量の減少によるものである。
4つの経営優秀プロジェクトは、オペレーションおよびプロジェクトの生産性向上、デジタル化の産業化、スキル開発、な
らびにパフォーマンス管理システムの導入に適用されている。
リュック・レモン氏を議長として開催された2023年7月26日付の会議において、EDFの取締役会は、2023年6月30日に終了し
た6か月の連結財務書類を承認した。
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ハイライト
原子力
・パンリーの敷地にEPR2原子炉の最初の1組を建設する許可を申請
・パンリーおよびグラヴリーヌに次いで、ビュジェを将来のEPR2原子炉2基の建設地に選定
・フラマンビル3:燃料装荷の目標を2024年度第1四半期に維持、第1運転サイクル終了時(2025年度下半期)に原子炉容器
の上蓋を交換
・ヒンクリー・ポイントC:原子炉1号機建屋の内部格納容器コンクリートが完成
顧客
・フランスの規制料金は、料金凍結の段階的な廃止に伴い、2023年8月1日に10%引き上げられる。料金上限はCSPEメカニズ
ムによって賄われるため、EBITDAに大きな影響はない。
簡易公開買付けの完了
・EDFの全株式を、フランス政府が2023年6月8日のスクイーズアウトにより取得
ファイナンス
・2023年資金調達プログラムの実施:様々な市場における約6十億ユーロのシニア債発行、および2023年度上半期中における
1.5十億米ドルのハイブリッド債発行
・2024年に満期を迎えるすべてのOCEANE債の株式への転換(2.4十億ユーロ)
・S&P、ムーディーズおよびフィッチの3機関より、安定した見通しの信用格付の確認( 信用格付は、フランス政府の支援に関
連して見通しが1段階引き上げられ、スタンドアロン格付が1段階引き下げられた後は、安定的である。 )
2023 年の目標の引上げ ( 2023年1月1日現在の連結範囲および為替レートに基づき、一定の規制環境および税制環境、CSPE
(公共電力サービス拠出金)による料金上限に係る資金調達、ならびにフランスの原子力発電量が300TWhから330TWhになると
いう発電計画を前提とした場合 )
純負債/EBITDA倍率:2.5倍以下
調整後の実用的な純負債額/調整後のEBITDA倍率( 当該倍率には、一定のスタンダード・アンド・プアーズの方法が適用さ
れる。 ):4倍以下
主要な財務実績:
EBITDA
2022 年度上半期 2023 年度上半期 本業の変動(%)
( 単位:百万ユーロ)
フランス-発電と供給 △4,988 8,641 n.a.
フランス-規制業務 3,171 1,176 -62.9
EDF Renewables 500 433 -14.6
Dalkia 185 220 20.0
Framatome 186 110 -44.1
英国 860 2,266 167.4
イタリア 622 828 30.2
その他国外 291 508 73.5
その他事業 1,845 1,924 6.7
グループ合計 2,672 16,106 504.9
フランスにおける原子力発電量の回復を背景に、EBITDAが13.4十億ユーロと大幅に増加したのは、主に2023年度上半期の電
力販売価格の上昇によるものである。2022年にフランスで導入された、消費者価格の上昇を抑制するための例外的な規制措置
の影響は、2023年にはこれに相当するものがなかった。しかしながら、ネットワーク損失をカバーするための購入費用は市場
価格の上昇により大幅に増加した。営業費用もインフレ環境により増加した。
純利益
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2023年度上半期の財務実績は1.5十億ユーロの金融費用となり、2022年度上半期と比較して1.4十億ユーロ改善した。これ
は、主に以下の要因によるものである。
・その他の金融収益および費用が、主に専用資産ポートフォリオの良好なパフォーマンスにより、5十億ユーロの大幅改善と
なったこと。5.5%のリターンは2023年度上半期の金融市場の動向を反映したものであった(2022年度上半期は-8.9%)。
・主に、2023年度上半期において原子力引当金に適用された実質割引率が、2022年度上半期に30ベーシス・ポイントの引上げ
が実施されたことのプラスの影響を受けて安定的であったことによる、割引解消費用の2.5十億ユーロの増加
・大幅な金利上昇期における総金融負債に係る費用の1.1十億ユーロの上昇、および金融負債に関連する数量効果(2023年には
安定的となる見込みである。)
非経常項目を除く財務実績(特に専用資産ポートフォリオの公正価値における変動額)は、3.5十億ユーロ減少して、-2.9
十億ユーロとなった。
当グループの非経常項目を除く純利益は、6.3十億ユーロとなった。7.6十億ユーロの増加は、EBITDAの力強い成長を反映し
ており、非経常項目を除く財務実績の減少および法人所得税費用(2023年度上半期に、法人所得税収益が計上された。)に
よって一部相殺された。
EDFの純利益は、前年同期比で11.1十億ユーロ増加して、合計5.8十億ユーロとなった。かかる増加は、非経常項目を除く純
利益の大幅な増加に加えて、以下の税引後の項目によるものである。
・金融商品の公正価値の変動額:3.5十億ユーロ
・Engieおよびベルギー政府との間のバックエンド・サイクル義務移管に関する中間合意に伴う例外的費用:-0.2十億ユーロ
・Oranoとの処理およびリサイクル契約の修正再交渉に関連する偶発事象に対する引当金:-0.8十億ユーロ
キャッシュ・フロー
2023年度上半期の当グループのキャッシュ・フローは、-1.6十億ユーロとなった。2022年度上半期から2.4十億ユーロの改
善となったが、運転資本の悪化により、EBITDAにおける13.4十億ユーロおよびEBITDA(現金)における18.8十億ユーロの増加
を大きく下回るものであった。
・2022年度上半期の運転資本は、2021年のボラティリティ上昇に伴うトレーディング活動における高水準の原ポジションの戻
入れ、および高市場価格環境におけるCSPE超過補償により、6.8十億ユーロ改善した。
・これとは対照的に、2023年度上半期の運転資本は8十億ユーロ悪化した。このうち、4.3十億ユーロはボラティリティが低下
した状況下でのトレーディング活動によるものであり、3.3十億ユーロは、価格が低下した状況下において購入義務からの収
益が減少したことにより、フランスの料金上限によって生じた債権のCSPE補償が不足したことによるものであった。
2023年度上半期の純投資は、特にHPCプロジェクト、原子力発電所の大規模な維持管理作業、および電力網事業の拡大によ
り、0.7十億ユーロとわずかに増加して、9.1十億ユーロとなった。
純負債額
2023年6月30日現在の当グループの純負債額( 純負債額は会計基準に定義されておらず、当グループの連結貸借対照表に直
接表示されない。これは、借入金および金融負債の合計から、現金および現金同等物ならびに流動性の高い資産を控除したも
のからなる。流動性の高い資産は、ファンドまたは有価証券からなる、当初の満期3か月超で、容易に換金でき、流動性重視
の方針に従って運用されている金融資産である。 )は合計64.8十億ユーロと安定化の目的に沿ったものであり、2022年末から
0.3十億ユーロとわずかな増加を示している( 2023年6月30日現在でまだ手続中であった1.5十億米ドルのハイブリッド債(資
本からその他の金融負債に再分類された。)において買い付けられていない0.6十億ユーロを除くと、2023年6月30日現在の純
負債額は2022年12月31日現在から0.3十億ユーロの減少となる。 )。マイナスのキャッシュ・フローは、EDFの資本を補強する
2.4十億ユーロのOCEANE債の転換によって相殺された。
また、2023年度上半期の債券発行および短期負債の減少により、2023年6月30日現在の当グループの負債の満期は10.5年に
延長された(2022年12月31日現在は9.4年)。
セグメント別の財務実績
セグメント売上高は、セグメント間消去前のものである。
フランス-発電と供給
( 単位:百万ユーロ) 2022 年度上半期 2023 年度上半期 本業の変動(%)
売上高 23,762 34,622 45.7
EBITDA △4,988 8,641 n.a.
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EBITDA の大幅な増加は、以下の要因によるものである。
・EBITDAは、2023年のフランスにおける料金上限がEBITDAに大きく影響しなかったため、推定10十億ユーロの有利な価格効果
によって押し上げられた。
・2022年には、同年中の消費者販売価格の上昇を抑制するためにフランス政府が導入した例外的な規制措置により、EBITDAに
は推定-6.2十億ユーロの悪影響があった。
・営業費用は、2023年のインフレを背景に0.6十億ユーロ増加した。
フランス-規制業務 ( Enedis、ÉSおよびフランス島部業務を含む。 )
( 単位:百万ユーロ) 2022 年度上半期 2023 年度上半期 本業の変動(%)
売上高 9,578 9,978 4.2
EBITDA 3,171 1,176 -62.9
うちEnedis 2,683 763 -71.6
EBITDAの減少は、主に、市場価格が高騰する中で行われたネットワーク損失の購入による、推定-1.8十億ユーロのマイナス
の価格効果によるものである。しかしながら、TURPEの変動( 2022年8月1日付でTURPE6配電料金について+2.26%の指数調
整 )は、推定0.3十億ユーロのプラスの価格効果を及ぼした。
10.9TWhの配電量の減少(気候による影響を除く。)は、企業用市場で-5.1TWhおよび住宅用市場で-5.8TWhとなり、EBITDA
に推定0.3十億ユーロのマイナスの影響を及ぼした。
Enedisは「 entreprise à mission (使命ある企業)」となり、「革新的、効果的かつ協力的な公共配電サービスのために行
動する。持続可能な世界の構築という集団的課題に社会を結びつける」という同社のレゾンデートルを定款に追加した。
EDF Renewables -再生可能エネルギー
当グループの再生可能エネルギー事業(フランスにおける水力発電を除く。)
( 単位:百万ユーロ) 2022 年度上半期 2023 年度上半期 本業の変動(%)
売上高 1,796 1,705 -0.6
EBITDA 723 763 4.1
純投資 △1,483 △1,375 -7
EBITDAの増加は、新規の設備容量による発電量の増加によるものである。しかしながら、風力条件はベルギーでは良好で
あったものの、英国および米国では不利であったため、EBITDAが悪化した。
投資は、特に米国において減少した。
EDF Renewables
( 単位:百万ユーロ) 2022 年度上半期 2023 年度上半期 本業の変動(%)
売上高 1,051 985 1.9
EBITDA 500 433 -14.6
うち発電からのEBITDA 653 593 -7.6
発電事業におけるEBITDAの悪化は、2023年度上半期の営業費用(2022年度上半期には、これに相当するものはなかった。)
によるものである。しかしながら、2022年における新規発電所の稼働により、発電量は5.6%増加した。
プロジェクト・ポートフォリオの拡大に伴う開発費用も、インフレを背景に増加した。
フランスにおいて、プロヴァンス・グランド・ラージ風力タービンの最初の浮体式プラットフォームが完成し、フェカンの
洋上風力タービンが設置された。
Dalkia -エネルギー・サービス
当グループのエネルギー・サービス事業 ( 当グループのエネルギー・サービス事業は、Dalkia、IZI Confort、IZI
Solutions、Sowee、IziviaおよびEDF Pulse HoldingならびにEDF Energy、Edison、LuminusおよびEDF SAのサービス事業から
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なる。当該サービス事業は、とりわけ暖房ネットワーク、現地資源を利用する分散型の低炭素発電、街灯、エネルギー消費量
管理および電気モビリティからなる。 )
( 単位:百万ユーロ) 2022 年度上半期 2023 年度上半期 本業の変動(%)
売上高 4,122 4,506 8.3
EBITDA 234 291 19.2
純投資 △148 △164 10.8
フランスにおけるすべてのサービス事業が、EBITDAの増加に寄与した。
投資の増加は、主にDalkiaに関するものであった。
Dalkia
( 単位:百万ユーロ) 2022 年度上半期 2023 年度上半期 本業の変動(%)
売上高 3,211 3,411 5.0
EBITDA 185 220 20.0
EBITDAの増加は、フランスにおける2023年度第1四半期中の事業活動およびコジェネレーション発電所の稼働によるもので
ある(2022年、Dalkiaは、冬季料金期間の短縮によるコジェネレーションの早期閉鎖による影響を受けた。)。
年間11,000トンの炭素排出を回避し、再生可能エネルギーにより77%が賄われる低炭素地熱ネットワークを、パリ地方に開
設した。
Framatome
( 単位:百万ユーロ) 2022 年度上半期 2023 年度上半期 本業の変動(%)
売上高 1,977 1,959 -3.1
EBITDA 321 307 -6.2
EDF グループの
186 110 -44.1
EBITDAへの貢献
EDFグループのEBITDAへの寄与の減少は、米国における計装制御契約の難航および燃料売上高の減少によるものである。
2023年6月30日現在の受注高は約2.2十億ユーロとなり、特に北米の設置基盤事業の寄与により2022年6月30日からわずかに
増加した。
英国
( 単位:百万ユーロ) 2022 年度上半期 2023 年度上半期 本業の変動(%)
売上高 6,904 12,140 79.8
EBITDA 860 2,266 167.4
EBITDAの増加は、主に供給事業における利幅の回復によるものである。これは主に、英国の国内既定料金上限に係る引当金
によるもので、供給業者が過年度の市場の混乱によって発生した費用を回収することが可能になった。
販売実績は堅調で、中小規模事業セグメントにおいても、また2022年8月のヒンクリー・ポイントBの閉鎖に伴う発電量の
減少および2023年度上半期の維持管理プログラムがより繁忙であったことによって原子力実現価格の上昇が一部相殺された発
電事業においても、利幅および市場シェアが強化された。
イタリア
( 単位:百万ユーロ) 2022 年度上半期 2023 年度上半期 本業の変動(%)
売上高 13,017 9,543 -27.3
EBITDA 622 828 30.2
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EBITDAの増加は、主に、販売事業において、住宅用電力顧客向けの利幅が2022年の損失からプラスに戻ったことによるもの
である。
発電事業では、供給量市場のプラス寄与があったものの火力発電所関連で不利な価格効果となったが、再生可能エネルギー
関連のプラス価格効果によって一部相殺された。
最後に、ガス事業はポートフォリオの最適化およびより有利な価格による恩恵を受けた。
2023年6月末現在、再生可能エネルギーの純容量は合計606MW( Edisonの範囲内 )となった。
マルゲーラ・レヴァンテにおける780MWのCCGT発電所が、稼働を開始した。この発電所は、イタリアの火力発電所の平均より
も二酸化炭素排出量が30%少なく、最大50%の水素で運転できる技術的能力を備えている。
その他国外
( 単位:百万ユーロ) 2022 年度上半期 2023 年度上半期 本業の変動(%)
売上高 2,585 3,099 19.2
EBITDA 291 508 73.5
うちベルギー 179 408 127.4
うちブラジル 114 107 -7.0
ベルギー( LuminusおよびEDF Belgium )のEBITDAの増加は、風力(+15.1%)、水力(+17.4%)および原子力(+5.1%)
における発電量の増加、ならびに有利な価格効果によるものである。
2023年6月末現在、風力発電の純容量は合計620MW( Luminusの範囲内 )となった。
ブラジルでは、システム・サービスの低迷により、EBITDAはわずかに減少した。
カメルーンのナハティガルダム(420MW)で貯水が開始され、モザンビークのムパンダ・ンクワダム(1.5GW)の開発にはEDF
のコンソーシアムが選定された。
その他事業
( 単位:百万ユーロ) 2022 年度上半期 2023 年度上半期 本業の変動(%)
売上高 7,697 4,655 -37.6
EBITDA 1,845 1,924 6.7
うちガス事業 20 7 -65.0
うちEDF Trading
1,749 1,866 9.5
ガス事業のEBITDAはわずかに減少した。販売量は、ダンケルクのターミナルの事業レベルが低下したため、卸売市場価格が
例外的に高騰した2022年から減少した。2023年度上半期には、2022年度上半期よりも低い価格でLNGを購入したため、減少幅は
限定的となった。
EDF Tradingの2023年度上半期におけるEBITDAは、前年よりも卸売市場価格およびボラティリティが低下したにもかかわら
ず、2022年と比較して増加した。市場リスクおよびカウンターパーティー・リスクの減少を背景に、トレーディング活動およ
び最適化活動のパフォーマンスは引き続き堅調である。
2023 年度第1四半期業績の発表後における主なプレスリリース
ガバナンス
・カロリーヌ・シャナヴァ氏のEDFグループの執行委員会への任命(2023年6月9日付プレスリリース)
簡易公開買付け
・EDFの持分証券のスクイーズアウト手続の実施(2023年6月8日付プレスリリース)
・EDFの持分証券に対する簡易公開買付け再開後の結果(2023年5月23日付プレスリリース)
・少数株主により提起された、AMFによる認可決定の無効化を求める訴えを棄却するパリ控訴院の判決-EDFの持分証券に対す
る簡易公開買付けの再開(2023年5月2日付プレスリリース)
・2024年満期OCEANE債:フランス政府による簡易公開買付けの再開および転換/交換比率の調整(2023年5月2日付プレスリ
リース)
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再生可能エネルギー
・EDF、MeridiamおよびSIFCAが、西アフリカ最大のバイオマス発電所の礎を築いた(2023年7月20日付プレスリリース)。
・フェカン洋上風力発電所:ノルマンディー初の洋上風力タービンを設置(2023年7月4日付プレスリリース)
・EDFグループが、フレンチ・アルプスのラゼール水力発電所ダムに初の浮体式太陽光発電所を開設(2023年6月20日付プレス
リリース)
・プロヴァンス・グランド・ラージ浮体式洋上風力発電所において最初の浮体設備が完成し、大きな節目を迎えた(2023年5
月22日付プレスリリース)。
・EDF RenewablesおよびFred. Olsen SeaWindが、アイルランド初の洋上風力発電所の入札を落札(2023年5月16日付プレスリ
リース)
原子力
・EDFグループが、パンリーの敷地にEPR2原子炉の最初の1組を建設する許可を申請(2023年6月29日付プレスリリース)
顧客
・EDFおよびTrimetが、電力供給に関する長期契約を締結(2023年6月26日付プレスリリース)
Enedis
・Enedisは、エネルギー分野において初の主要な「 entreprise à mission (使命ある企業)」となる(2023年6月28日付プレ
スリリース)。
・雇用および訓練:「エネルギー移行のためのネットワーク・スクール」プログラムの開始(2023年3月20日付プレスリリー
ス)
Edison
・Edisonがイタリアにおいて最も効率的な熱電発電所を稼働:同国のエネルギー移行を支援する産業上の卓越性(2023年6月
16日付プレスリリース)
ファイナンス
・EDFが、額面金額33十億円のマルチ・トランシェ・シニア債の発行の成功を発表(2023年6月22日付プレスリリース)
・EDFの残存する発行済みの2024年満期OCEANE債の転換(2023年6月13日付プレスリリース)
・EDFが、2023年6月6日に発表した額面金額1.5十億米ドルのハイブリッド債の発行および現金による債券購入のための公開
買付けの成功を発表(2023年6月9日付プレスリリース)
・EDFは、米ドル建ての新規ハイブリッド債を発行し、発行済みの米ドル建てハイブリッド債に対する公開買付けを開始する意
向である(2023年6月6日付プレスリリース)。
・EDFの2024年満期OCEANE債の転換(2023年5月24日付プレスリリース)
・EDFが、額面金額3十億米ドルおよび500百万カナダ・ドルのマルチ・トランシェ・シニア債の発行に成功したことを発表
(2023年5月18日付プレスリリース)
( ⅱ ) 2023年8月21日-EDFは、額面金額325百万スイス・フランのマルチ・トランシェ・シニア・グリーンボンドの発行に成
功したことを発表した
2023 年8月21日、EDF(S&P BBB 安定的/ムーディーズ Baal 安定的/フィッチ BBB+ 安定的)は、2つのトランシェのシニ
ア・グリーンボンドを通じて、325百万スイス・フランの調達に成功した。
・4年満期、固定クーポン2.30%の200百万スイス・フランの債券
・8年満期、固定クーポン2.55%の125百万スイス・フランの債券
グリーンボンドの手取金に相当する金額は、2022年7月に発表されたEDFのグリーンファイナンスの枠組み( グリーンファイ
ナンスの枠組みおよびCICEROによる独立性のある審査については、EDFのウェブサイト上のサステナブルファイナンスのセク
ション(https://www.edf.fr/en/the-edf-group/dedicated-sections/investors/bonds/green-bonds)で入手可能である。 )
において定義されている、とりわけ送電網をエネルギー移行のニーズに適応させるための配電投資の全部または一部の資金調
達および/または資金再調達に使用される予定である。
この取引により、EDFは、投資家層を分散させるとともに、バランスシートの構造のさらなる強化および今後満期を迎える債
券の借換えを行うことができる。
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4【経営上の重要な契約等】
上記「第3 3(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
5【研究開発活動】
当半期中において、2022年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
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第4【設備の状況】
1【主要な設備の状況】
当半期中において、2022年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
2【設備の新設、除却等の計画】
当半期中において、2022年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
(2023年6月30日現在)
* *
授 権 株 数(株) 未発行株式数(株)
種 類 発行済株式総数(株)
- 普通株式 4,169,618,593 株 0 株
*
フランス法の下では、授権株式という概念はない。しかし、一定の範囲内で株主は、取締役会に対して株式またはエクイ
ティ証券の発行に際して、発行額および発行時期を決定する権限を与えることができる。
②【発行済株式】
(2023年6月30日現在)
記名・無記名の別及び 上場金融商品取引所名又は
種 類 発 行 数(株) 内容
額面・無額面の別 登録認可金融商品取引業協会名
未上場
記名式 EDFは2023年6月8日
普通株式 4,169,618,593株 -
(券面額0.5ユーロ) にユーロネクスト・パリから上
場廃止となった。
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。
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(3)【発行済株式総数及び資本金の状況】
(2023年6月30日現在)
資本金
発行済株式 発行済株式総数 資本金残高
年月日 増減額 摘要
総数増減数(株) 残高(株) (ユーロ)
(ユーロ)
2004年 1,625,800,000株 1,625,800,000株 0 8,129,000,000 フランス政府か
11月20日 (増加) らの資本および
資本拠出の当社
株式資本への転
換
2005年 0株 1,625,800,000株 7,316,100,000 812,900,000 連結剰余金への
10月27日 (減少) 移転を通じた減
資
2005年 187,869,028株 1,813,669,028株 93,934,514 906,834,514 株式公開および
11月18日 (増加) (増加) 国際的公募に準
じた増資
2005年 8,502,062株 1,822,171,090株 4,251,031 911,085,545 引受業者による
12月20日 (増加) (増加) オーバーアロッ
トメント・オプ
ションの行使に
よる増資
2010年 26,695,572株 1,848,866,662株 13,347,786 924,433,331 株主の選択によ
1月21日 (増加) (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2011年 (増加) 1,860,812,110株 (増加) 930,406,055 EDF Énergies
6月24日
Nouvellesに関す
る公開買付けに
おいてEDFに出資
さ れ た EDF
Énergies
Nouvellesの株式
の対価としての
増資
2011年 (減少) 1,848,866,622株 (減少) 924,433,331 消却に関する株
9月28日 式買戻プログラ
ムの一環として
の株式の購入に
よる消却
2013年 (増加) 1,860,008,468株 (増加) 930,004,234 株主の選択によ
7月29日 る現金または新
株発行による配
当の支払
2015年 60,130,559株 1,920,139,027株 (増加) 960,069,513.50 株主の選択によ
12月18日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2016年 93,112,364株 2,013,251,391株 (増加) 1,006,625,695.50 株主の選択によ
6月30日 (増加) る現金または新
株発行による配
当の支払
2016年 95,885,292株 2,109,136,683株 (増加) 1,054,568,341.50 株主の選択によ
10月31日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2017年 632,741,004株 2,741,877,687株 (増加) 1,370,938,843.50 優先引受権によ
3月30日 (増加) る増資
2017年 145,476,587株 2,887,354,274株 (増加) 1,443,677,137 株主の選択によ
7月12日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2017年 40,084,530株 2,927,438,804株 (増加) 1,463,719,402 株主の選択によ
12月14日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
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2018年 82,828,872株 3,010,267,676株 (増加) 1,505,133,838 株主の選択によ
6月29日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2019年 40,701,950株 3,050,969,626株 (増加) 1,525,484,813 株主の選択によ
6月18日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2019年 52,651,460株 3,103,621,086株 (増加) 1,551,810,543 株主の選択によ
12月17日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2020年 3,697,507株 3,099,923,579株 (減少) 1,549,961,789.50 EDFの自己株式の
9月30日 (減少) 消却
2021年 57,908,528株 3,157,832,107株 (増加) 1,578,916,053.50 株主の選択によ
6月30日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2021年 80,844,641株 3,238,676,748株 (増加) 1,619,338,374 株主の選択によ
12月2日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2022年 498,257,960株 3,736,934,708株 (増加) 1,868,467,354 優先引受権によ
4月7日 (増加) る増資
2022年 131,545,635株 3,868,480,343株 (増加) 1,934,240,171.50 株主の選択によ
6月7日 (増加) る現金または新
株発行による配
当の支払
2022年 18,100,741株 3,886,581,084株 (増加) 1,943,290,542.00 優先引受権の消
7月25日 (増加) 去を伴う現金に
よる増資
2022年 1,137,336株 3,887,718,420株 (増加) 1,943,859,210 OCEANE債の株式
12月31日 (増加) への転換
2023年 259株 3,887,718,679株 (増加) 1,943,859,339.50 OCEANE債の株式
1月26日 (増加) への転換
2023年 113,215,003株 4,000,933,682株 (増加) 2,000,466,841 OCEANE債の株式
2月22日 (増加) への転換
2023年 168,581,407株 4,169,515,089株 (増加) 2,084,757,544.50 OCEANE債の株式
5月24日 (増加) への転換
2023年 103,504株 4,169,618,593株 (増加) 2,084,809,296.50 OCEANE債の株式
6月13日 (増加) への転換
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(4)【大株主の状況】
(2023年6月30日現在)
発行済株式総数に
氏名又は名称 住 所 所有株式数(株) 対する所有株式数
の割合(%)
フランス政府
パリ市 75012 ベルシー通り139番地
(EPIC(商工業公益企
4,168,784,669株 99.98%
業体)である
(経済・財政・産業省の住所)
Bpifranceを含む。)
2【役員の状況】
以下の事項を除き、2023年6月19日提出の有価証券報告書に記載されている事項に変更はなかった。
クロエ・ファイファー氏は、2023年7月1日から当グループの企画調整担当取締役に就任している。
クロエ・ファイファー氏は、国立理工科大学( Polytechnique )および国立土木学校( Ecole des Ponts Paris Tech )を卒業
した。2004年にRenaultでキャリアを開始した後、Engieのエネルギー部門に異動し、2007年以降は財務部門の執行書記長とし
てGaz de FranceおよびSuezの合併準備に携わった。その後引き続きEngieにて太陽光発電の上級ビジネス・ディヴェロッパー
を務め、太陽光発電戦略およびスマート・ビジネス・オファーの開発に取り組んだ。2014年、同氏はEDFグループに加入し、ス
マート・グリッド・プロジェクトを主導するため、地中海における技術担当取締役代理としてEnedisに入社した。その後デジ
タル・イノベーション担当取締役として、同社のデジタル変革に取り組んだ。2019年に、同氏はEnedis Parisの取締役に任命
された。同氏はまた、2023年3月から、EDFグループの会長職のビジネスプロジェクトを監督している。同氏は2023年7月1日
から、EDFグループの企画調整を担当している。
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第6【経理の状況】
a. 本書記載のフランス電力(以下「EDF」または「当社」という。)および連結子会社(以下合わせて「当グループ」という。)
の邦文の要約中間連結財務書類(以下「邦文の中間連結財務書類」という。)は、欧州連合により採択された国際財務報告基
準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成された原文の要約中間連結財務書類(以下「原文の中間連結財務書類」という。)
の翻訳に、下記の円換算額を併記したものである。当グループの要約中間連結財務書類の日本における開示については、
「中間財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和52年大蔵省令第38号。以下「中間財務諸表等規則」とい
う。)第76条第1項の規定が適用されている。
邦文の中間連結財務書類には、中間財務諸表等規則に基づき、原文の中間連結財務書類中のユーロ表示の金額のうち主要
なものについて円換算額が併記されている。日本円への換算には、2023年8月31日の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信
直物売買相場の仲値、1ユーロ=159.84円の為替レートが使用されている。
なお、中間財務諸表等規則に基づき、日本とIFRSの会計処理の原則および手続ならびに表示方法の主要な相違について
は、第6の「3 日本の会計原則とIFRSとの相違」に記載されている。
円換算額および第6の「2 その他」および「3 日本の会計原則とIFRSとの相違」の事項は原文の中間連結財務書類には
記載されていない。
b. 原文の中間連結財務書類は、外国監査法人等(「公認会計士法」(昭和23年法律第103号)第1条の3第7項に規定されてい
る外国監査法人等をいう。)から、「金融商品取引法」(昭和23年法律第25号)第193条の2第1項第1号に規定されている監
査証明に相当すると認められる証明を受けていない。
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1【中間財務書類】
(1)連結損益計算書
2023 年度上半期 2022 年度上半期
注記 百万ユーロ 億円 百万ユーロ 億円
売上高
5.1 75,499 120,678 66,262 105,913
購入燃料およびエネルギー費用 5.2 (48,899) (78,160) (48,238) (77,104)
その他の対外費用(1) (4,117) (6,581) (3,919) (6,264)
人件費 (8,201) (13,108) (7,286) (11,646)
法人所得税を除く税金 5.3 (2,714) (4,338) (2,383) (3,809)
4,538 7,254 (1,764) (2,820)
その他の営業収益および営業費用 5.4
減価償却費および償却費控除前営業利益 5 16,106 25,744 2,672 4,271
トレーディング業務以外のエネルギーおよび
コモディティ・デリバティブの公正価値の 6
(276) (441) (993) (1,587)
純変動額
減価償却費および償却費(純額) (5,472) (8,746) (5,534) (8,846)
(減損)/戻入 10.4 (48) (77) (253) (404)
(1,696) (2,711) (388) (620)
その他の収益および費用 7
営業利益 8,614 13,769 (4,496) (7,186)
総金融負債に係る費用 8.1
(1,857) (2,968) (728) (1,164)
割引の影響 8.2 (1,977) (3,160) 502 802
2,304 3,683 (2,721) (4,349)
その他の金融収益および費用 8.3
金融損益 8 (1,530) (2,446) (2,947) (4,710)
連結会社の税引前利益 7,084 11,323 (7,443) (11,897)
法人所得税 9
(1,323) (2,115) 1,840 2,941
関連会社および共同支配企業の純利益に対する
11 142 227 444 710
持分
- - 4 6
非継続事業の純利益
連結純利益 5,903 9,435 (5,155) (8,240)
EDF の純利益 5,808 9,284 (5,293) (8,460)
EDFの純利益-継続事業
5,808 9,284 (5,297) (8,467)
- - 4 6
EDFの純利益-非継続事業
非支配持分に帰属する純利益 95 152 138 221
非支配持分に帰属する純利益-継続事業
95 152 138 221
- - - -
非支配持分に帰属する純利益-非継続事業
(1 )その他の対外費用は、資産計上された発電コストを控除後で報告されている。
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(2) 連結包括利益計算書
2023 年度上半期 2022 年度上半期
非支配持 非支配持
分に帰属 分に帰属
EDF の EDF の
する純利 する純利
注記 純利益 益 合計 純利益 益 合計
(単位:百万ユーロ)
連結純利益 5,808 95 5,903 (5,293) 138 (5,155)
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
17.5 6,552 42 6,594 3,589 22 3,611
-変動総額
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
(1,692) (35) (1,727) (919) (5) (924)
-税効果
純投資ヘッジの公正価値
純投資ヘッジの公正価値―変動総額 17.5 (341) - (341) (74) - (74)
純投資ヘッジの公正価値―税効果 147 - 147 58 - 58
負債性金融商品の公正価値の変動
負債性金融商品の公正価値の変動総額 17.1.2 279 - 279 (1,204) - (1,204)
関連する税効果 (72) - (72) 311 - 311
ヘッジコストの公正価値(外貨ベーシ
ス・スプレッド)
ヘッジコストの公正価値(外貨ベーシ
17.5 (17) - (17) - - -
ス・スプレッド)-変動総額
ヘッジコストの公正価値(外貨ベーシ
- - - - - -
ス・スプレッド)-税効果
換算調整-被支配事業体 746 355 1,101 (196) (202) (398)
関連会社および共同支配企業持分-純損
(132) - (132) 614 - 614
益にリサイクリングできる項目
リサイクリングを伴う資本計上損益 5,470 362 5,832 2,179 (185) 1,994
資本性金融商品の公正価値の変動
資本性金融商品の公正価値の変動総額 17.1.2 3 - 3 (4) - (4)
関連する税効果 - - - - - -
雇用後給付に係る数理計算上の損益の変
動
雇用後給付に係る数理計算上の損益の変
15.1.2 499 (64) 435 9,104 38 9,142
動総額(1)
関連する税効果(1) 58 16 74 (208) (10) (218)
関連会社および共同支配企業持分-純損
18 - 18 340 - 340
益にリサイクリングできない項目
リサイクリングを伴わない資本計上損益 578 (48) 530 9,232 28 9,260
資本計上損益合計 6,048 314 6,362 11,411 (157) 11,254
連結包括利益 11,856 409 12,265 6,118 (19) 6,099
継続事業の連結包括利益
11,856 409 12,265 6,114 (19) 6,095
- - - 4 - 4
非継続事業の連結包括利益
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フランス電力(E05969)
半期報告書
(2) 連結包括利益計算書(続き)
2023 年度上半期 2022 年度上半期
非支配持 非支配持
分に帰属 分に帰属
EDF の EDF の
する純利 する純利
注記 純利益 益 合計 純利益 益 合計
(単位:億円)
連結純利益 9,284 152 9,435 (8,460) 221 (8,240)
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
17.5 10,473 67 10,540 5,737 35 5,772
-変動総額
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
(2,704) (56) (2,760) (1,469) (8) (1,477)
-税効果
純投資ヘッジの公正価値
純投資ヘッジの公正価値―変動総額 17.5 (545) - (545) (118) - (118)
純投資ヘッジの公正価値―税効果 235 - 235 93 - 93
負債性金融商品の公正価値の変動
負債性金融商品の公正価値の変動総額 17.1.2 446 - 446 (1,924) - (1,924)
関連する税効果 (115) - (115) 497 - 497
ヘッジコストの公正価値(外貨ベーシ
ス・スプレッド)
ヘッジコストの公正価値(外貨ベーシ
17.5 (27) - (27) - - -
ス・スプレッド)-変動総額
ヘッジコストの公正価値(外貨ベーシ
- - - - - -
ス・スプレッド)-税効果
換算調整-被支配事業体 1,192 567 1,760 (313) (323) (636)
関連会社および共同支配企業持分-純損
(211) - (211) 981 - 981
益にリサイクリングできる項目
リサイクリングを伴う資本計上損益 8,743 579 9,322 3,483 (296) 3,187
資本性金融商品の公正価値の変動
資本性金融商品の公正価値の変動総額 17.1.2 5 - 5 (6) - (6)
関連する税効果 - - - - - -
雇用後給付に係る数理計算上の損益の変
動
雇用後給付に係る数理計算上の損益の変
15.1.2 798 (102) 695 14,552 61 14,613
動総額(1)
関連する税効果(1) 93 26 118 (332) (16) (348)
関連会社および共同支配企業持分-純損
29 - 29 543 - 543
益にリサイクリングできない項目
リサイクリングを伴わない資本計上損益 924 (77) 847 14,756 45 14,801
資本計上損益合計 9,667 502 10,169 18,239 (251) 17,988
連結包括利益 18,951 654 19,604 9,779 (30) 9,749
継続事業の連結包括利益
18,951 654 19,604 9,773 (30) 9,742
- - - 6 - 6
非継続事業の連結包括利益
(1 )資本に含まれる数理計算上の利益は、主にフランスに関連している(注記15.1.1を参照)。その税効果は、認識された数理計算上の利益
の大部分が従業員給付引当金に係る10年超で解消する部分に関連しており、当グループの繰延税金の認識方針に従って、対応する繰延税
金が認識されていないことから、限定的である。
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(3) 連結貸借対照表
2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
百万ユー 百万ユー
注記
億円 億円
ロ ロ
資 産
のれん 10.1 9,717 15,532 9,513 15,206
その他の無形資産 10.1 11,068 17,691 10,619 16,973
グループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産
10.2 106,126 169,632 101,126 161,640
(使用権資産を含む)
フランスの公共配電委譲運営有形固定資産 10 64,900 103,736 63,966 102,243
フランスの公共配電委譲以外の委譲運営有形固定資産 10 6,769 10,820 6,816 10,895
関連会社および共同支配企業に対する投資 11 9,047 14,461 9,421 15,059
非流動金融資産 17.1 44,878 71,733 48,512 77,542
その他の非流動債権 12.3 2,088 3,337 2,165 3,461
8,742 13,973 8,696 13,900
繰延税金資産 9
非流動資産 263,335 420,915 260,834 416,917
棚卸資産
17,621 28,165 17,661 28,229
営業債権 12.2 24,641 39,386 24,844 39,711
流動金融資産 17.1 46,954 75,051 58,033 92,760
当期税金資産 689 1,101 497 794
その他の流動債権 12.3 8,328 13,311 15,165 24,240
8,074 12,905 10,948 17,499
現金および現金同等物
流動資産 106,307 169,921 127,148 203,233
売却目的保有に分類された資産 138 221 150 240
資産合計 369,780 591,056 388,132 620,390
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(3) 連結貸借対照表(続き)
2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
百万ユー 百万ユー
注記
億円 億円
ロ ロ
資本および負債
資本金 13 2,085 3,333 1,944 3,107
45,868 73,315 32,396 51,782
EDFの純利益および連結剰余金
資本(EDF持分) 47,953 76,648 34,340 54,889
資本(非支配持分) 13.5 13,712 21,917 12,272 19,616
資本合計 13 61,665 98,565 46,612 74,505
原子力発電関連引当金―核サイクル終了、発電所廃炉および
14
56,455 90,238 56,021 89,544
炉心核燃料
従業員給付引当金 15 15,507 24,786 16,231 25,944
5,077 8,115 4,671 7,466
その他の引当金 16
非流動引当金 77,039 123,139 76,923 122,954
フランスの公共配電特別委譲負債
49,738 79,501 49,459 79,055
非流動金融負債 17.2 75,504 120,686 71,058 113,579
その他の非流動負債 12.5 5,492 8,778 4,968 7,941
2,810 4,492 1,533 2,450
繰延税金負債
非流動負債 210,583 336,596 203,941 325,979
14、15
流動引当金
および 10,033 16,037 7,943 12,696
16
営業債務 15,901 25,416 23,284 37,217
流動金融負債 17.2 44,060 70,426 71,844 114,835
当期税金負債 1,662 2,657 967 1,546
25,841 41,304 33,504 53,553
その他の流動負債 12.5
流動負債 97,497 155,839 137,542 219,847
売却目的保有に分類された負債 35 56 37 59
資本および負債合計 369,780 591,056 388,132 620,390
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(4) 連結キャッシュ・フロー計算書
2023 年度上半期 2022 年度上半期
百万ユーロ 億円 百万ユーロ
注記 億円
営業活動:
5,903 9,435 (5,155)
連結純利益 (8,240)
非継続事業の純利益 - - 4
6
継続事業の純利益 5,903 9,435 (5,159)
(8,246)
減損/(戻入)
45 72 253
404
減価償却費および償却費、引当金繰入額ならびに公正価値
9,389 15,007 5,713
9,132
の変動
金融収益および費用 1,096 1,752 96
153
関連会社および共同支配企業からの受取配当金 384 614 98
157
資産譲渡損益 157 251 103
165
法人所得税 1,322 2,113 (1,841)
(2,943)
関連会社および共同支配企業の純利益に対する持分 (141) (225) (444)
(710)
(8,020) (12,819) 6,804
運転資本の変動 12.1.2
10,876
営業によるキャッシュ・フロー(純額) 10,135 16,200 5,623
8,988
金融費用支出(純額)
(1,083) (1,731) (424)
(678)
(1,125) (1,798) (202)
法人所得税支払額
(323)
継続事業の営業活動によるキャッシュ・フロー(純額) 7,927 12,671 4,997
7,987
非継続事業に関連する営業活動によるキャッシュ・フロー
- - -
-
(純額)
営業活動によるキャッシュ・フロー(純額) 7,927 12,671 4,997
7,987
投資活動:
持分投資の取得、取得現金控除後 33 53 (70)
(112)
持分投資の処分、譲渡現金控除後 62 99 122
195
無形資産および有形固定資産への投資 10.3 (10,052) (16,067) (8,703)
(13,911)
無形資産および有形固定資産の売却による収入(純額) 79 126 26
42
(1,070) (1,710) (11,553)
金融資産の変動
(18,466)
継続事業の投資活動によるキャッシュ・フロー(純額) (10,948) (17,499) (20,178)
(32,253)
非継続事業に関連する投資活動によるキャッシュ・フロー
- - -
-
(純額)
投資活動によるキャッシュ・フロー(純額) (10,948) (17,499) (20,178)
(32,253)
財務活動:
EDFの増資 13.1 - - 3,148
5,032
非支配株主との取引(1) 862 1,378 581
929
親会社の支払配当金 13.2 - - (72)
(115)
非支配株主に対する支払配当金 (190) (304) (139)
(222)
- - (2)
自己株式の買入/売却
(3)
株主とのキャッシュ・フロー 672 1,074 3,516
5,620
借入債務の発行 17.2.2.1
9,465 15,129 15,370
24,567
借入債務の返済 17.2.2.1 (10,498) (16,780) (5,983)
(9,563)
永久劣後債の発行 13.3 1,377 2,201 -
-
永久劣後債の償還 13.3 (820) (1,311) -
-
永久劣後債の持参人に対する支払額 13.3 (300) (480) (332)
(531)
101 161 169
委譲運営資産に対する受取拠出金および投資補助金
270
財務活動によるその他のキャッシュ・フロー (675) (1,079) 9,224
14,744
継続事業の財務活動によるキャッシュ・フロー(純額) (3) (5) 12,740
20,364
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非継続事業に関連する財務活動によるキャッシュ・フロー
- - -
-
(純額)
財務活動によるキャッシュ・フロー(純額) (3) (5) 12,740
20,364
継続事業によるキャッシュ・フロー(純額)
(3,024) (4,834) (2,441)
(3,902)
- - -
非継続事業によるキャッシュ・フロー(純額)
-
現金および現金同等物の純増加/(減少)額 (3,024) (4,834) (2,441)
(3,902)
現金および現金同等物の期首残高
10,948 17,499 9,919
15,855
現金および現金同等物の純増加(減少)額 (3,024) (4,834) (2,441)
(3,902)
為替変動 36 58 (99)
(158)
現金および現金同等物に係る金融収益 96 153 28
45
18 29 11
その他の非資金変動
18
現金および現金同等物の期末残高 8,074 12,905 7,418
11,857
(1 )2023年度のこれらの取引は、CGNによるNNB Holding Company (HPC) Ltd. への資本注入および英国政府によるSizewell C (Holding) Ltd.へ
の資本注入に相当する金額776百万ユーロを含む。2022年度は、同2社の増資に対するCGNの拠出に関連する金額613百万ユーロを含んでい
た。
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(5) 連結持分変動計算書
2023年1月1日から6月30日までの間の資本の変動の明細は以下の通りである。
金融商品の
その他の
公正価値修正
資本
連結剰余金
(リサイクリ
自己 換算 (非支配
(単位:
および 資本
ングを伴う
資本金 株式 調整 OCI)(1) 純利益(2) (EDF持分) 持分) 資本合計
百万ユーロ)
2022 年12月31日現在
1,944 (7) (175) (7,451) 40,029 34,340 12,272 46,612
資本
資本計上損益
- - 616 4,843 592 6,051 314 6,365
- - - - 5,808 5,808 95 5,903
純利益
連結包括利益 - - 616 4,843 6,400 11,859 409 12,268
永久劣後債に係る
- - - - (300) (300) - (300)
支 払
永久劣後債および
OCEANE債の発行/償 141 - - - 2,258 2,399 - 2,399
還
支払配当金 - - - - - - (209) (209)
- - - (1) (344) (345) 1,240 895
その他の変動(3)
2023 年6月30日現在
2,085 (7) 441 (2,609) 48,043 47,953 13,712 61,665
資本
金融商品の
その他の
公正価値修正
資本
連結剰余金
(リサイクリ
自己 換算 (非支配
および 資本
ングを伴う
資本金 株式 調整 OCI)(1) 純利益(2) (EDF持分) 持分) 資本合計
(単位:億円)
2022 年12月31日現在
3,107 (11) (280) (11,910) 63,982 54,889 19,616 74,505
資本
資本計上損益
- - 985 7,741 946 9,672 502 10,174
- - - - 9,284 9,284 152 9,435
純利益
連結包括利益 - - 985 7,741 10,230 18,955 654 19,609
永久劣後債に係る支
- - - - (480) (480) - (480)
払
永久劣後債および
OCEANE債の発行/償 225 - - - 3,609 3,835 - 3,835
還
支払配当金 - - - - - - (334) (334)
- - - (2) (550) (551) 1,982 1,431
その他の変動(3)
2023 年6月30日現在
3,333 (11) 705 (4,170) 76,792 76,648 21,917 98,565
資本
(1 )リサイクリングを伴うOCI(その他の包括利益)に計上された剰余金の変動は、包括利益計算書に表示されている。これらは、負債証券の
公正価値修正の影響、キャッシュ・フローおよび純外国投資をヘッジする金融商品の公正価値修正の影響、ならびに終了した契約および譲
渡した負債性金融商品に関連して純損益にリサイクリングされた金額に相当する。これらはまた、クロスカレンシー・スワップの外貨ベー
シス・スプレッドに起因するヘッジコストの価値の変動も含む。
(2) リサイクリングを伴わないOCIに計上された公正価値の変動は、この項目に表示されている。
(3) 2023 年度上半期における資本(非支配持分)の「その他の変動」は、CGNの払込みによるNNB Holding (HPC) Ltd.の増資(525百万ユーロ)
および英国政府の払込みによるNNB Holding (SZC) Ltd.の増資(251百万ユーロ)を含む。
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(5) 連結持分変動計算書(続き)
2022年1月1日から6月30日までの間の資本の変動の明細は以下の通りである。
金融商品の
その他の
公正価値修正
資本
連結剰余金
(リサイクリ
自己 換算 (非支配
(単位:
および 資本
ングを伴う
資本金 株式 調整 OCI)(1) 純利益(2) (EDF持分) 持分) 資本合計
百万ユーロ)
2021 年12月31日現在
1,619 (14) 828 (4,474) 52,252 50,211 11,778 61,989
資本
資本計上損益
- - 131 2,048 9,232 11,411 (157) 11,254
- - - - (5,293) (5,293) 138 (5,155)
純利益
連結包括利益 - - 131 2,048 3,939 6,118 (19) 6,099
永久劣後債に係る支
- - - - (332) (332) - (332)
払
支払配当金 - - - - (1,050) (1,050) (159) (1,209)
自己株式の買入/売却 - (2) - - - (2) - (2)
EDFの増資(注記13.1
315 - - - 3,812 4,127 - 4,127
参照)
- - - - 35 35 611 646
その他の変動(3)
2022 年6月30日現在
1,934 (16) 959 (2,426) 58,656 59,107 12,211 71,318
資本
金融商品の
その他の
公正価値修正
資本
連結剰余金
(リサイクリ
自己 換算 (非支配
および 資本
ングを伴う
資本金 株式 調整 OCI)(1) 純利益(2) (EDF持分) 持分) 資本合計
(単位:億円)
2021 年12月31日現在
2,588 (22) 1,323 (7,151) 83,520 80,257 18,826 99,083
資本
資本計上損益
- - 209 3,274 14,756 18,239 (251) 17,988
- - - - (8,460) (8,460) 221 (8,240)
純利益
連結包括利益 - - 209 3,274 6,296 9,779 (30) 9,749
永久劣後債に係る支
- - - - (531) (531) - (531)
払
支払配当金 - - - - (1,678) (1,678) (254) (1,932)
自己株式の買入/売却 - (3) - - - (3) - (3)
EDFの増資(注記13.1
503 - - - 6,093 6,597 - 6,597
参照)
- - - - 56 56 977 1,033
その他の変動(3)
2022 年6月30日現在
3,091 (26) 1,533 (3,878) 93,756 94,477 19,518 113,995
資本
(1 )リサイクリングを伴うOCI(その他の包括利益)に計上された剰余金の変動は、包括利益計算書に表示されている。これらは、負債証券の
公正価値修正の影響、キャッシュ・フローおよび純外国投資をヘッジする金融商品の公正価値修正の影響、ならびに終了した契約および譲
渡した負債性金融商品に関連して純損益にリサイクリングされた金額に相当する。
(2) リサイクリングを伴わないOCIに計上された公正価値の変動は、この項目に表示されている。
(3) 2022 年度上半期における資本(非支配持分)の「その他の変動」は、NNB Holding Ltd.およびSizewell C Holding Co.の増資に対するCGN
の払込みによる影響613百万ユーロを含む。
「その他の変動」はまた、従業員割当(ERO)の費用に対応する差額44百万ユーロを含んでいる(注記7を参照)。
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(6) 連結財務諸表に対する注記
フランス電力(以下「EDF」または「当社」という。)は、フランスの法律に準拠し、フランス(ワグラム通り22-30、パリ
75008)において登記されたフランスの株式会社(société anonyme)である。
本要約連結財務諸表(以下「連結財務諸表」という。)は、2023年6月30日に終了した半期に係る当社およびその子会社
(合わせて「当グループ」を形成する。)ならびに、関連会社、共同支配事業として分類された共同支配の取決めおよび共同
支配企業に対する当グループの持分の会計上の状態を反映している。
当グループは発電(原子力、水力、風力および太陽光、火力等)、輸送、配送、供給、トレーディング、エネルギー・サー
ビス、設備および核燃料集合体の生産、ならびに原子炉サービスというエネルギー事業におけるあらゆる業務を営む総合エネ
ルギー事業者である。
当グループの2023年6月30日現在の連結財務諸表は取締役会の責任において作成され、2023年7月26日開催の取締役会にお
いて取締役によって承認された。
注記1.グループの会計方針
1.1 基準への準拠の宣言およびグループの会計方針
国際的な会計基準の適用に関する2002年7月19日付欧州規則1606/2002に準拠して、EDFグループの2023年6月30日現在の連
結財務諸表は、2023年6月30日現在において国際会計基準審議会(IASB)により公表され、欧州連合により適用の承認がなさ
れている国際的な会計基準において規定された表示、認識および測定の規則に準拠して作成されている。これらの国際的な会
計基準は、IAS(国際会計基準)、IFRS(国際財務報告基準)ならびにSICおよびIFRIC解釈指針である。
本中間連結財務諸表は、IAS第34号「期中財務報告」に従っている。そのためこれらの財務諸表は、完全な年次財務諸表に要
求される情報のすべてを含むものではなく、2022年12月31日現在の連結財務諸表とあわせて読まれるべきものである。
注記1.2に記載された会計基準の変更および注記1.4に記載された中間財務諸表に特有の評価方法を除き、会計処理の原則お
よび評価方法は2022年12月31日現在の連結財務諸表に適用されたもの(当該財務諸表に対する注記1.3および各注記に記載され
ている)と同一である。
1.2 会計基準の変更
1.2.1 IAS第12号「法人所得税」の改訂-単一の取引から生じた資産および負債に係る繰延税金
2023年1月1日以後、企業は、当初認識時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせる取引について、繰延
税金を認識することが要求される。
当該IAS第12号の改訂は、リース契約および設備廃止費用に係る繰延税金の取扱いの明確化を目的としている。これにより、
これらの取引に係るすべての将来減算一時差異と将来加算一時差異について、繰延税金資産および繰延税金負債を認識するこ
とが義務付けられる。
当グループは、リース契約および設備廃止費用に係る将来減算一時差異と将来加算一時差異との差額に相当する 繰延税金資
産(純額)を既に認識していたことから、本改訂の適用は連結財務諸表に重要な影響を与えない。唯一の変更点は、2023年12
月期以後の年次財務諸表に対する注記に記載される繰延税金の性質別内訳に関するものである。
1.2.2 IFRS第17号「保険契約」
IFRS第17号は、当該基準の適用範囲に含まれる保険契約の認識、測定、表示および開示の原則を定めている。
当グループは、キャプティブ会社の保険事業は受益者が子会社のみであるため当グループ内部の取引であり、従って連結上
相殺消去されることを主な理由に、この基準の適用による重要な影響はないと認識している。
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1.2.3 その他の改訂
2023年1月1日から適用されている以下の改訂は、当グループの財務諸表に影響を与えない。
・IAS第1号「財務諸表の表示」-会計方針の開示
・IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更および誤謬」-会計上の見積りの定義
1.2.4 金利指標改革-IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号およびIFRS第16号の改訂
これらの改訂は、金利改革の直接的な結果として契約上の変更が生じた金融資産および負債に対し、2021年1月1日から適
用されている。
この改革は将来に向かって適用され、純損益への影響はなく、関連する商品に係るヘッジ関係は維持される。その影響は主
に業務上のもの(契約の再交渉、フォールバック条項、情報システムのアップグレード)である。
最後の指標金利であったUSD Liborの置換作業は、2023年6月30日付のUSD Liborの廃止に合わせて完了した。
1.3 経営者の判断および見積り
財務諸表の作成に際しては、資産および負債の評価、当期に計上された収益および費用の決定に当たり、判断、最善の見積
りおよび仮定を使用し、期末に存在する有利および不利な偶発事象を考慮することが要求される。当グループの将来の財務諸
表上の数値は、これらの仮定または経済状況の変化により、現在の見積りと大きく異なる可能性がある。
金融およびエネルギー市場のボラティリティを特徴とする状況において、見積りを行うために使用したパラメータは、当グ
ループの資産の超長期サイクルに適合するマクロ経済の前提に基づいている。
当グループの主要な見積りおよび判断は、2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記1.3.4に記載されている。
1.4 中間財務諸表に特有の評価方法
中間財務諸表に特有の以下の評価方法が適用されている。
1.4.1 従業員給付
6月30日現在の雇用後給付およびその他長期給付に相当する債務の金額は、前年度の債務を半年間にわたり予測し、給付支
払額および制度資産の変動を考慮し、関連する場合には制度変更による調整を加味して計算されている。
会計期間中に改訂、縮小または清算が行われた場合には、数理計算上の仮定および債務の金額が当該変更日付で更新され
る。当期勤務費用および確定給付に係る利息費用純額は同日以後、これに従って調整される。
その他のすべての場合において、中間財務諸表のための従業員給付の計算に用いられた数理計算上の仮定は、特定の変数
(例えば割引率)に重要な変動が生じた場合に、前年度の年次財務諸表に用いられたものと異なっている(注記15.2を参
照)。
1.4.2 法人所得税
中間財務諸表において、法人所得税(当期分および繰延分)は、原則として、連結会社の税引前利益にそれぞれの事業体ま
たは連結納税グループの当年度に係る直近の見積実効税率を適用して計算されている。
1.5 事業の季節性
中間期間の売上高ならびに減価償却費および償却費控除前営業利益は、主にフランスにおいて、暦年における重要な季節性
による影響を受ける。観察された季節変動は、主に、各期間特有の原子力発電、気候条件、規制料金体系および市場価格変動
に関連する。
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注記2.重要な事象の要約
2023 年度上半期 の当グループの主たる重要な事象および取引は以下の通りである。
・当グループの資本に係る事項:
・ AMFの承認決定の無効を求めて少数株主が提起した請求を却下するパリ控訴裁判所の判決-EDF株式の簡易公開買付の
再開(当グループの2023年5月2日付プレスリリースを参照)。
・ 再開されたEDF株式簡易公開買付の結果の公表(当グループの2023年5月23日付プレスリリースおよび2023年6月30日
現在の連結財務諸表に対する注記13を参照)。
・ EDF株式のスクイーズアウト手続の実施(当グループの2023年6月8日付プレスリリースおよび2023年6月30日現在の
連結財務諸表に対する注記13を参照)。
・原子力開発:
・ EDFは、応力腐食を統制するための戦略の更新を提案した(当グループの2023年3月16日および4月26日付プレスリ
リースならびに2023年6月30日現在の連結財務諸表に対する注記10.2を参照)。
・ EDFは、現在基本設計フェーズにあるSMRの開発を促進するための子会社NUWARDの設立を発表した(当グループの2023
年3月30日付プレスリリースおよび2023年6月30日現在の連結財務諸表に対する注記10.2を参照)。
・ EDFとTrimetは電力供給の長期契約を締結した(当グループの2023年6月26日付プレスリリースを参照)。
・ EDFグループは、パンリー用地に最初のEPR 2原子炉1対を建設するための認可申請を行った(当グループの2023年6
月29日付プレスリリースおよび2023年6月30日現在の連結財務諸表に対する注記10.2を参照)。
・資金調達取引:
・ EDFは、額面20億ユーロおよび950百万英ポンドの優先マルチ・トランシェ債発行の成功を発表した(当グループの
2023年1月19日付プレスリリースおよび2023年6月30日現在の連結財務諸表に対する注記17.2.2.2を参照)。
・ フランス政府は、EDFのOCEANE債の2024年度までの転換を要請した(当グループの2023年2月28日および2023年5月24
日付プレスリリースおよび2023年6月30日現在の連結財務諸表に対する注記13.4を参照)。
・ EDFは、額面30億米ドルおよび500百万カナダドルの優先マルチ・トランシェ債の発行を発表した(当グループの2023
年5月18日付プレスリリースおよび2023年6月30日現在の連結財務諸表に対する注記17.2.2.1を参照)。
・ EDFは、米ドル建てハイブリッド・ノートの新規発行を意図し、未償還の米ドル建てハイブリッド・ノートの公開買付
を開始する(当グループの2023年6月6日付プレスリリースおよび2023年6月30日現在の連結財務諸表に対する注記
13.3を参照)。
・ EDFは、2023年6月6日に発表した額面15億ドルのハイブリッド・ノートの発行および現金によるノート買入のための
進行中の公開買付の成功を発表する(当グループの2023年6月9日付プレスリリースおよび2023年6月30日現在の連
結財務諸表に対する注記13.3を参照)。
・ EDFは額面330億円の優先マルチ・トランシェ債発行の成功を発表した(当グループの2023年6月22日付プレスリリー
スを参照)。
・ EDFは、未償還の米ドル建てハイブリッド・ノートの公開買付の最終結果を発表した(当グループの2023年7月7日付
プレスリリースおよび2023年6月30日現在の連結財務諸表に対する注記13.3を参照)。
・売却:
・ EDFは、オランダのスローCCGT発電所(870MW)に対する持分の売却を完了した(当グループの2023年1月25日付プレ
スリリースおよび2023年6月30日現在の連結財務諸表に対する注記3.1.1を参照)。
・ 英国のDalkiaグループ会社であるImtechは、子会社のSuir Engineeringの売却についてDuke Streetとの契約を完了し
た(Dalkiaの2023年2月1日付プレスリリースおよび2023年6月30日現在の連結財務諸表に対する注記3.1.1を参
照)。
・再生可能エネルギー:
・ EDFグループとMaple Powerは、ノルマンディー沖の1GWの洋上風力発電プロジェクトを受注した(EDF Renewablesお
よび当グループの2023年3月27日付プレスリリースならびに2023年6月30日現在の連結財務諸表に対する注記11.2を
参照)。
・当グループのその他の重要な事象:
・ 2022年度のARENH量の追加割当20TWhの取消しに関する不服申立てに係る国務院の決定(当グループの2023年2月5日
付プレスリリースおよび2023年6月30日現在の連結財務諸表に対する注記5.1.1を参照)。
2022 年度 の当グループの主たる重要な事象および取引は以下の通りであった。
・当グループの資本に係る事項:
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・ EDF株式の簡易公開買付が開始された(当グループの2022年11月23日付プレスリリースを参照)。
・ EDF株式の簡易公開買付の結果が公表された(当グループの2023年2月8日付プレスリリースならびに2022年12月31日
現在の連結財務諸表に対する注記13.1および3.2を参照)。
・原子力開発:
・ ハンターストンBのゼロ・カーボン発電は終了し燃料除去が開始された(EDF Energyの2022年1月7日および2022年5
月17日付プレスリリースならびに2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記15を参照)。
・ フラマンヴィルEPRに係る更新が発表された(当グループの2022年1月12日および12月16日付プレスリリースならびに
2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記10.2を参照)。
・ EDFは、当グループの2022年1月13日、2月7日、2月11日、9月15日および11月3日付プレスリリースの通り、2022
年度のフランスの原子力発電量予測を更新した。
・ 応力腐食現象に係る更新が発表され2022年度のフランスの原子力発電量予測が修正された(当グループの2022年5月
19日付プレスリリースならびに2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記5および10.6を参照)。
・ ヒンクリー・ポイントCの更新:当該プロジェクトの日程および費用が見直された(当グループの2022年5月19日付プ
レスリリースならびに2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記10.6および10.8を参照)。
・ サイズウェルCの更新の発表:サイズウェルCに英国政府が開発同意令を出したことにより主要なマイルストーンが達
成され(EDF Energyの2022年7月20日付プレスリリースを参照)、EDFは、サイズウェルCプロジェクトの開発に共同
で資金供与する旨の英国政府の決定を歓迎した(当グループの2022年11月29日付プレスリリースおよび2022年12月31
日現在の連結財務諸表に対する注記10.6を参照)。
・ EDFは、GE Steam Powerの原子力事業の一部を取得する独占契約に署名した(当グループの2022年2月10日および2022
年11月4日付プレスリリースならびに2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記3.1.2を参照)。
・売却:
・ Edisonは、North Regganeに対する持分をRepsolおよびWintershall Deaに売却する契約に署名した(Edisonの2022年
5月5日および2022年6月29日付プレスリリースならびに2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記3.1.2を参
照)。
・ EDF Tradingは、北米の小売事業をbpに売却した(EDF Tradingの2022年9月12日および11月30日付プレスリリースな
らびに2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記3.1.2を参照)。
・ EDFは、オランダのスローCCGT発電所(870MW)に対する持分の売却を完了した(当グループの2022年9月27日付プレ
スリリースおよび2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記3.1.2を参照)。
・ 英国のDalkiaグループ会社であるImtechは、子会社のSuir Engineeringの売却についてDuke Streetとの契約に署名し
た(Dalkiaの2022年11月14日付プレスリリースおよび2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記3.1.2を参
照)。
・その他の重要な事象:
・ フランス政府により例外的な措置が発表された(当グループの2022年1月13日付プレスリリースおよび2022年12月31
日現在の連結財務諸表に対する注記5を参照)。
・ EDFは、フランス競争当局の決定に関する声明を公表した(当グループの2022年2月22日付プレスリリースおよび2022
年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記17を参照)。
・ 2022年度のARENH量20TWhの追加割当に関する政令および命令の公布を受けて、2022年度のEBITDA見通しへの影響の修
正が公表された(当グループの2022年3月14日付プレスリリースならびに2022年12月31日現在の連結財務諸表に対す
る注記5および17.2を参照)。
・ 2022年度のARENH電力量の追加割当に関する不服申立てが提起された(当グループの2022年8月9日および2022年10月
27日付プレスリリースならびに2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記5.1.1を参照)。
注記3. 連結範囲
3.1 連結範囲の変更
3.1.1 2023年度上半期中の連結範囲の変更
2023年度上半期中に生じた当グループの連結範囲の主な変更は以下の通りであった。
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・ 2023年1月25日に、チェコの発電および送配電事業会社であるEPHに、オランダのスローCCGT発電所に対する投資を売却
した。EDFはパートナーのPzemと共同でこの発電所の50%を所有し、運営していた。
この取引は、2022年度の当グループの損益計算書に2億ユーロの影響(主に、関連がなくなった不利契約引当金の取
崩 しに起因する)を与えたものの、2023年度の当グループの純負債額に対する影響に重要性はなかった。
・ 2023年2月1日に、Imtechは、未公開株式ファンドであるDuke Streetに、Suir Engineeringに対する全持分を売却し
た。この取引は、2023年度の当グループの純負債額に1億ユーロのプラスの影響を与えたものの、連結純利益に対する
影響に重要性はなかった。
2022年度に拘束力ある契約が署名された以下の取引は、現在も進行中である。
・ Edison による、アルジェリアのNorth Regganeのライセンスに対する持分の売却
2022年5月4日に、Edisonは、アルジェリアのNorth Regganeのガス田ライセンスに対する11.25%の持分の売却に関す
るWintershall Dea Algeria Gmbhとの契約に署名し、すべての探査および産出(E&P)事業の売却を完了したことを発表し
た。
2022年6月29日に、Repsolが先買権を行使した後、この契約は、North Regganeのライセンスに対するEdisonの持分の
Repsol(6.75%)およびWintershall Dea(4.50%)への売却を反映して修正された。
2022年12月31日現在、対応する資産および負債は売却目的保有資産および関連する負債に分類された(2022年12月31日
現在の連結財務諸表に対する注記3.2を参照)。当該売却は、一定の認可を条件として、2023年度下半期に完了する見込み
である。
・ EDFによるGE Steam Powerの原子力事業の取得
2022年11月4日に、GEとEDFは、EDFによるGE Steam Powerの原子力事業の取得に関する最終契約に署名した。これらの
事業には、「アラベル」蒸気タービンを含む新設の原子力発電所向け従来型アイランド設備の製造、ならびに米州以外の
全地域における既存の原子力発電所向け保守およびアップグレード事業が含まれる。また、当該取引には、第1世代およ
び第2世代の欧州加圧水型原子炉(EPRおよびEPR 2)や小型モジュラー炉(SMR)向けの蒸気タービン技術も含まれる。
この取得により、EDFグループは、既存の原子力発電所の耐久性や将来のプロジェクトに不可欠な従来型アイランドに係
る技術および技能を強化することが可能となる。
この取引は、2023年度下半期に完了する見込みであり、規制上の承認を含む慣行上の完了条件に従う。現在までのとこ
ろ、フランス、イギリス、フィンランド、モロッコおよび南アフリカの競争当局から無条件の承認が下りている。また、
スウェーデンとルーマニアからも外国投資認可が下りている。当該取引は英国からの外国投資認可およびロシアからの規
制上の認可を待っている。
3.1.2 2022年度中の連結範囲の変更
2022年度中に生じた当グループの連結範囲の変更は以下の通りであった(2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記
3.1.1を参照)。
・ 2022年12月19日における、Imtech(Dalkiaの子会社)によるSPIE UKの取得。この取得による当グループの財務諸表に対
する重要な影響はなかった。
・ 2022年11月30日に、EDF Trading Limitedは、EDF Training North Americaの小売事業を担う子会社であるEDF Energy
Services LLC(EDFES)を売却した。EDF Tradingの欧州・アジア事業および北米の卸売取引事業はこの取引の影響を受
けず、当グループの純負債額は2022年度において5億ユーロ減少した。
3.2 関連当事者
関連当事者との取引形態には、2022年12月31日以降、重要な変更はない。具体的には、当グループは、公共部門の企業との
間の重要な継続的関係、主にOranoグループとの間の核燃料の供給、輸送および再処理がある。
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注記4.セグメント報告
セグメント報告の表示は、IFRS第8号「事業セグメント」に準拠している。
セグメント報告は、セグメント間消去前で決定されており、適用ある場合には、IFRS第3号に準拠した企業結合による資産
および負債の再評価が純損益に与える影響を含む。
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2023 年6月30日現在
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フランス
-規制 その他 EDF その他
-発電と セグメント
(単位:百万
供給 業務 Framatome 英国 イタリア 国外 Renewables Dalkia 事業(1) 間消去 合計
ユーロ)
損益計算書:
対外売上高 32,104 9,948 955 12,112 9,541 2,856 698 3,023 4,262 - 75,499
セグメント間
2,518 30 1,004 28 2 243 287 388 393 (4,893) -
売上高
34,622 9,978 1,959 12,140 9,543 3,099 985 3,411 4,655 (4,893) 75,499
売上高合計
減価償却費お
よび償却費控
8,641 1,176 307 2,266 828 508 433 220 1,924 (197) 16,106
除前営業利益
5,451 (595) 144 1,893 442 (5) 88 5 1,528 (197) 8,754
営業利益
のれん 132 223 1,450 6,758 155 50 187 620 142 - 9,717
無形資産およ
び有形固定資 62,066 69,818 2,891 30,786 5,906 2,244 12,372 2,316 464 - 188,863
産
無形資産およ
3,180 2,562 122 2,580 158 155 1,173 111 11 - 10,052
び有形固定資
産への投資
-資産の購入 2,700 2,408 141 2,712 157 157 1,051 109 11 - 9,446
-資産の購入
480 154 (19) (132) 1 (2) 122 2 - - 606
に関連する負
債の変動
(1) 「その他事業」セグメントの売上高はEDF Tradingが実現した2,233百万ユーロのトレーディングのマージンを含む。
2022 年6月30日現在
フランス
フランス
-規制 その他 EDF その他
-発電と セグメント
(単位:百万
供給 業務 Framatome 英国 イタリア 国外 Renewables Dalkia 事業(1) 間消去 合計
ユーロ)
損益計算書:
対外売上高 22,804 9,475 989 6,898 12,996 2,473 640 2,726 7,261 - 66,262
セグメント間
958 103 988 6 21 112 411 485 436 (3,520) -
売上高
23,762 9,578 1,977 6,904 13,017 2,585 1,051 3,211 7,697 (3,520) 66,262
売上高合計
減価償却費お
よび償却費控
(4,988) 3,171 321 860 622 291 500 185 1,845 (135) 2,672
除前営業利益
(8,054) 1,364 172 298 345 99 111 (98) 1,402 (135) (4,496)
営業利益
のれん 127 223 1,450 7,928 125 50 187 588 142 - 10,820
無形資産およ
び有形固定資 60,198 67,803 2,821 25,993 5,769 1,980 11,486 2,237 505 - 178,792
産
無形資産およ
2,842 2,385 102 2,010 202 60 1,012 78 12 - 8,703
び有形固定資
産への投資
-資産の購入 2,395 2,234 123 2,126 201 68 853 88 11 - 8,099
-資産の購入
447 151 (21) (116) 1 (8) 159 (10) 1 - 604
に関連する負
債の変動
(1) 「その他事業」セグメントの売上高はEDF Tradingが実現した2,098百万ユーロのトレーディングのマージンを含む。
注記5.減価償却費および償却費控除前営業利益
注記 2023 年6月30日現在 2022 年6月30日現在
(単位:百万ユーロ)
売上高
5.1 75,499 66,262
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購入燃料およびエネルギー費用 5.2 (48,899) (48,238)
対外サービス費用 (7,866) (6,774)
その他の購買費用(対外サービスならびに燃料およびエネル
(2,117) (2,056)
ギーを除く)
棚卸資産および資本財の変動 5,736 4,785
その他の対外費用に係る引当金の(増加)/減少 130 126
その他の対外費用 (4,117) (3,919)
人件費 (8,201) (7,286)
法人所得税以外の税金 5.3 (2,714) (2,383)
4,538 (1,764)
その他の営業収益および営業費用 5.4
減価償却費および償却費控除前営業利益 16,106 2,672
当グループの2023年度上半期の連結ベースの減価償却費および償却費控除前営業利益は16,106百万ユーロであり、2022年度
上半期と比較して13,434百万ユーロ増加した。
外国為替相場の変動および連結範囲の変更による影響を除くと、当グループの減価償却費および償却費控除前営業利益は、
+13,492百万ユーロの自律的増加を示した。この成長は、主に、フランス―発電と供給セグメント(+13,639百万ユーロ)およ
び英国セグメント(+1,440百万ユーロ)の貢献と、反対にフランス―規制業務セグメント((1,995)百万ユーロ)の減少による
ものである。
連結ベースの減価償却費および償却費控除前営業利益の変動は、インフレが著しい環境下で採用された給付措置を反映した
人件費の増加((931)百万ユーロないし12.8%)を含む。
フランス―発電と供給 セグメントの減価償却費および償却費控除前営業利益の+13,639百万ユーロの自律的増加は、主に、
2023年度上半期には2022年度上半期と異なり当グループに不利益をもたらす例外的な規制措置がなかったこと、ならびに料金
を制限するために2022年度に導入された上限およびバッファ(販売収益に不利益をもたらした)が現在はCSPEメカニズムを通
じ国から補償を受けていること(その他の営業収益および営業費用)に起因する、有利な価格効果によるものである。減価償
却費および償却費控除前営業利益はまた、2022年度上半期と比較して原子力(+4.0TWh)および水力(+1.1TWh)発電量が増加
したことによっても押し上げられた。
英国 セグメントの減価償却費および償却費控除前営業利益の+1,440百万ユーロの自律的成長は、2022年8月のヒンクリー・
ポイントB発電所の閉鎖を主因として原子力発電量が5.1TWh低下したものの、基本的に、価格効果(原子力の実現価格が+12英
ポンド/MWh上昇)によるものである。
フランス―規制業務 セグメントの減価償却費および償却費控除前営業利益の(1,995)百万ユーロの自律的減少は、主に、2022
年度に高市場価格の環境下で契約された2023年度の電力網損失を補うための購入に係るEnedisの価格効果によるものであり、
2022年度上半期にはこれに相当するものがなかった。
5.1 売上高
5.1.1 . フランスにおける規制の変更
フランスの規制電力販売料金- 「青色」料金
「青色」規制電力販売料金に関する枠組みについては、2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記5.1.1に記載されて
いる。
料金改定
フランスのエネルギー法第L.337-4条に準拠して、フランスのエネルギー規制委員会「CRE」(Commission de Régulation de
l’Énergie)は、規制電力販売料金に係る理由付き提案書を経済およびエネルギー担当大臣に提出する責任を負っている。3
か月以内に異議がなければ、当該提案は承認されたものと見なされる。
2022年度上半期と2023年度上半期の間の売上高の比較可能性は、以下の料金改定により影響を受けている。
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住宅顧客向け「青色」 非住宅顧客向け「青
料金の引上げ 色」料金の引上げ
CRE 提案日 料金決定日 適用日
(税込み/税抜き) (税込み/税抜き)
2021年7月8日 0.48%/1.08% 0.38%/0.84% 2021年7月29日 2021年8月1日
2022年1月18日 4%/24.3% 4%/23.6% 2022年1月28日 2022年2月1日
2022年7月7日 改定なし 改定なし 2022年7月28日 2022年8月1日
2023年1月19日 15%/ 20% 15%/19.9% 2023年1月31日 2023年2月1日
2023年6月22日 10%/ 10% 10%/10% 2023年8月1日
近日公表予定(1)
(1) 承認を条件とする。
2023年2月1日から、フランス政府は、全カテゴリーの適格消費者を対象として、規制電力販売料金の上昇を2022年2月1
日以後の価格から15%(税込み)に制限する上限料金を延長することを決定した。
2023年7月25日の会議に向けて2023年7月17日にエネルギー高等評議会(Conseil supérieur de l'énergie)に提出された
提案では、上限料金を延長するものの、規制電力販売料金について2023年6月30日現在の価格から更に税込みで10%引き上げ
ることを確認した。
2022年12月30日付で可決された2023年度財政法第181条は、CREが提示した規制販売料金に係る理由付き提案の結果、同法第
R.337-18条に定める料金が2022年12月31日現在の適用料金と比較して15%超の上昇となった場合には、経済・エネルギー・予
算担当大臣は当該CREの提案に異議を唱え、価格安定目的に資するべく、共同決定により顧客の消費に対する適用料金の95%を
占める水準引下げを設定できる旨を規定している。
このような場合、法律では、公共サービス費用補償(CSPE)を通じて、規制料金に適格な住宅および非住宅顧客への規制料
金による製品・サービスの提供に係る収益の喪失をEDFおよび地方配電会社に補償し、市場価格による製品・サービスの提供に
係る収益の喪失をすべての供給業者に補償するメカニズムを定めている。
2023年1月19日付決定において、CREは、2023年2月1日からの住宅顧客向け「青色」料金の税込み99.36%(税抜き
108.91%)および非住宅顧客向け「青色」料金の税込み97.94%(税抜き106.88%)の引上げを提案した。この引上げ案は、主
に以下の理由によるものとされた。
・ 2023年度の引渡しに係る卸売市場において1年超にわたり記録的水準となっている異例の高値。
・ 2022年度に適用された上限料金の今後明らかになる結果。ARENHの追加供給枠20TWhの影響を含む「コスト積上げ」に含
まれるコストの最終的な実態を反映させるため。
上限料金に従い、この提案は経済およびエネルギー担当大臣によって却下され、同大臣は2023年1月30日付料金命令を通じ
て住宅および非住宅顧客向け「青色」料金の引上げを税込み15%(税抜きそれぞれ20.0%および19.9%)に設定し、同命令は
2023年1月31日付官報に公布され2023年2月1日から施行された。
このため、当グループは、2023年6月30日現在の損益計算書において、収益の喪失65億ユーロについて受取補償金を認識し
た(注記5.4を参照)。
2023年6月22日付決定において、CREは、2023年8月1日からの住宅顧客向け「青色」料金の税込み0.88%(税抜き0.84%)
の引上げおよび非住宅顧客向け「青色」料金の税込み0.32%(税抜き0.35%)の引下げを提案した。この提案は、主に公共電
力網への接続に係るTURPE料金の2023年8月1日からの改定により正当化され、2022年度に係るキャッチアップ調整に対する特
に非住宅顧客向けの下方修正により一部相殺された。
こうした動きからCREは、2023年2月1日から施行された凍結料金に対し、理論的な料金は74.5%(税込み)高いものと判断
した。
以上のことを踏まえて、2022年12月30日付で可決されたフランスの2023年度財政法第181条に基づき、政府は2023年7月25日
に、エネルギー高等評議会(Conseil supérieur de l'énergie)に諮問の立場で提案を提出した。この提案は、2023年8月1
日からの住宅および非住宅顧客向け「青色」料金の平均10%(税込み)の引上げを提言している。
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2022年12月30日付で可決されたフランスの2023年度財政法第181条第IX項は、2023年度における契約電力価格の上昇に対応し
て、国の上限料金の対象に適格でない企業や地方自治体を支援するための「電力バッファ」メカニズムを導入した。この支援
は、 契約電力が36kVA超の超小規模企業、中小企業および地方自治体に適用される。
2022年12月31日付政令2022-1774は、電力バッファの適用条件を次の通り定めた。適格な顧客は、所定月の消費量の価格の
50%(過去の消費量に基づき通常水準の最大90%まで)の引下げの恩恵を受けることができ、これは2023年度に係る契約の変
動部分の平均価格(税金およびTURPE料金を除く)と基準価格180ユーロ/MWhとの差として計算される。引下げ額の上限は320
ユーロ/MWhである。
このメカニズムに加え、2022年12月31日付政令2022-1774を改正する2023年2月3日付政令2023-61は、2023年度の電力供給
契約に基づく1MWh当たりの変動価格部分(税金および引渡費用を除く)の平均が年平均280ユーロ/MWhを上回る契約電力36kVA
超の超小規模用地に対するバッファ適用についてパラメータを変更した。この場合、価格引下げは消費量の100%に適用され、
契約の変動部分の平均価格と基準価格230ユーロ/MWhとの差として計算され、上限は(320ユーロ/MWhに代えて)1,500ユー
ロ/MWhとなる。
2023年6月30日現在、「電力バッファ」は642百万ユーロの収益の喪失に相当し、対応する受取補償金が営業補助金に計上さ
れている。
「TURPE」送配電網使用料金
電力網事業者であるEnedisおよびRTEが公共送配電網管理のために負担する費用は、効率的な電力網事業者の費用の範囲内で
ある限り、フランスのエネルギー法第L.341-2条以下に規定する通り、当該電力網の使用に係る「TURPE」料金により賄われ
る。
これらの料金は、当該送配電網に接続している利用者に適用される。
TURPE 6 の送配電料金
CREは、エネルギー高等評議会(Conseil supérieur de l’énergie)による承認後、TURPE 6の送電(高電圧)およびTURPE
6の配電(中電圧-低電圧)に係る2021年1月21日付の2つの決定を公表した(フランスの2021年4月23日付官報0096にて公
布)。これらの料金は2021年8月1日から約4年間適用される。
配電費用については、2021年1月21日付料金決定2021-13において、CREは、資産に係るマージン2.5%および追加の規制資本
利益率2.3%を設定した。2021年8月1日付の平均料金引上げは+0.91%であった。2022年6月9日付決定2022-158において、
CREは、2022年8月1日からの平均TURPE配電料金の引上げを+2.26%に設定した。2023年5月31日付決定2023-137において、
2023年8月1日からの平均TURPE配電料金の引上げは+6.51%に設定された。
送電費用については、2021年1月21日付料金決定2021-12において、CREは、RTEの規制資産基盤に対する利益率について名目
税引前加重平均資本コスト(WACC)を4.6%に設定した。2021年8月1日付の平均料金引上げは+1.09%であった。2022年6月
9日付決定2022-157において、CREは、2022年8月1日からのTURPE送電料金の変更を平均-0.01%に設定した。2023年5月31日
付決定2023-136において、2023年8月1日からの平均TURPE送電料金の引上げは+6.69%に設定された。
2022年12月1日付決定2022-317において、CREは、卸売電力価格がRTEおよびEnedisの事業に与える影響を、TURPE 6(高電
圧)およびTURPE 6(中電圧―低電圧)の料金に織り込むため、特に価格ではなく購入量や損失に対する一定のインセンティブ
に再注目することにより、価格規制の枠組みを調整した。
これとは別に、2022年12月8日付決定(2022-323)において、CREは、公共送電網の利用者に対し、RTEの収益費用調整勘定
(CRCP)の残高の一部について例外的な前払いを導入することを決定した。欧州レベルで卸売電力価格の著しい上昇とボラ
ティリティが見られる中、2022年度に係るCRCPに支払われたこの剰余金は、基本的に、特に高い相互接続収益に起因するもの
であった。この例外的な支払いは、Enedisを含め、RTEが運営するフランスの公共送電網に接続している利用者に対し直接的な
影響を与え、当該利用者は2023年3月15日までにRTEから一時金の支払いを受けた。従って、当グループはRTEに対し2022年12
月31日現在で1,723百万ユーロの売上債権を認識した(2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記13.3.4を参照)。
ARENH
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制度の概要
2011年に創設され2025年12月31日に終了予定である、既存の原子力発電への規制接続のためのARENH(Accès régulé à
l'énergie nucléaire historique)制度は、代替供給業者に対し、基本契約に署名後、フランスのエネルギー法の規定に基づ
いて決定された設定量につき規制価格にてEDFから電力を購入し最終顧客に供給することを認めている。この制度は、電力網事
業者がエネルギー損失を補うためにも利用可能である。
CREの提案を受けてエネルギーおよび経済担当大臣が決定したARENH価格は、2012年1月以後、42ユーロ/MWhに固定されてい
る。これは電力引渡しを含み、2017年度以後は、関連する発電容量保証を織り込んでいる。
最終顧客の需要を賄うためにARENH制度に申請する供給業者に対し当該制度の下で法的に販売可能なARENH限度量の合計は省
令で定められ、法定上限を超えることはできない。2019年12月31日までは、当該上限は年間100TWhであった。これはその後、
2019年11月8日付エネルギーおよび気候法により150TWhに引き上げられた。
購買力保護のための緊急措置を導入した2022年8月16日付「MUPPA」法は、この公式上限を120TWhに引き下げた。MUPPA法は
また、ARENH価格の下限を49.50ユーロ/MWhに設定したが、その適用は欧州委員会の事前承認を条件とする。
2022 年度に係るARENH制度の追加措置
2022年1月13日にフランス政府は、更に、2022年度の消費者向け電力価格の上昇を抑えるための例外的措置を発表した。こ
の措置には、2022年4月1日から12月31日までの期間にわたり、EDFが20TWhのARENH追加量を46.20ユーロ/MWの価格で適格供給
業者に提供することが含まれていた。
この措置の適用条件は、2022年3月11日付政令および4本の省令において定められた。2022年4月1日から12月31日までの
期間中に46.20ユーロ/MWhの価格でこれらの追加量から恩恵を受けることを希望する適格供給業者は、ARENH制度の下でEDFが当
該業者に販売した量と同量を、256.98ユーロ/MWhの価格(2022年度のフランス本土におけるベースロード電力の引渡しに係る
2021年12月2日から23日までの平均卸売市場価格)でEDFに販売することが、当該政令により求められた。当該追加量を供給業
者間に割り当てるために、CREは2022年1月1日開始の引渡期間と同一の方法を適用した。実際には、CREは、19.5TWhのARENH
追加量の割当を通知した。
2022年3月31日付決定2022-98に定める手続を適用して、CREは、適格供給業者が調達コスト減少(46.20ユーロ/MWhの価格に
よる追加ARENH割当量に起因する)の効果を顧客への請求を通じて還元する方法を監視および管理する仕組みを構築した。上記
CREの決定に従って、EDFは、代替供給業者に課される条件を自社の市場価格契約に複製しなければならないとされた。
この措置は、当グループに主に2つの影響を与えた。
・ 当グループは、19.5TWhの追加電力を適格供給業者から256.98ユーロ/MWhの価格(合計50.11億ユーロ)で購入し、同時
に同量の電力を46.20ユーロ/MWhの価格(合計900百万ユーロ)で販売することを義務付けられ、その結果生じた正味コ
スト(発電容量保証コストを含む)は、2022年4月1日から2022年12月31日までの期間について、41億ユーロであっ
た。
・ 規制販売料金および市場価格の付値の算定に使用されるコスト積上方式における市場価格部分との関連でのARENH部分の
増加に起因して、規制販売料金および市場価格契約の両方の顧客に対する販売価格が低下した。2022年度の規制販売料
金契約への増分的な影響は、上述の料金上限が適用され既に規制電力料金の引上げが制限されていたことから限定的で
あったが、この状況はまた、2022年度に上限料金がなかった場合に適用されていた料金と凍結された料金との差額も縮
小した。2022年1月13日付プレスリリースにおいて、EDFは2022年3月11日付政令およびこの措置の残りを構成する4本
の命令を考慮して、自社の利益を守るためのあらゆる適切な手段を講じると発表した。
この全体的な措置が自社に極めて重大な不利益をもたらしたことから、EDFは、2022年5月に、国に対し2022年3月11
日付政令および関連する命令から構成される当該措置の撤回を要請した。国は2か月以内に回答を行わず、暗黙の拒否
を示したため、EDFは2022年8月9日に、国が権限を逸脱しているとし、当該政令および命令を不服として国務院に訴え
を提起した。これと並行してEDFは、この政府措置の導入に起因する83.4億ユーロと見積られる不利益に対する事前の賠
償請求を首相に送付した。国は2か月以内に回答を行わず、暗黙の拒否を示したため、EDFは、2022年10月27日に、当該
措置の結果被った不利益に対する国の全額賠償を求めてパリ行政裁判所に賠償請求を提起した。
パリ行政裁判所に対する当該請求の目的は、当該措置の導入の結果EDFが直接被った不利益について、国から賠償を受
けることである。これらの不利益の総額は83.4億ユーロと見積られ、その主な原因は以下の通りである。
・ EDFが電力量を(256.98ユーロ/MWhの価格で)購入し、それを代替供給業者に(46.2ユーロ/MWhの価格で)販売し
た取引のコスト、および当該措置の適用に伴う発電容量保証のコスト。
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・ フランスのエネルギー法に規定されたこれらの料金の計算方法に起因する、規制電力販売料金の水準に対する当
該措置の直接的かつ確実な影響(EDFはフランスの規制料金電力の主たる供給業者である)。
・ 電力供給契約を通じて当該措置の影響を顧客に転嫁する条件を定めたCREの2022年3月31日付決定の適用による、
当該措置がEDFの市場価格契約の価格に及ぼす直接的かつ確実な影響。
2023年2月3日に、国務院は、2022年8月9日に提起されたEDFの訴えを却下した(注記2を参照)。当該措置の結果EDFが
被った不利益に対する国の全額賠償を求めてパリ行政裁判所に提起されたEDFの請求に関する手続きは係属中である。
2023 年度のARENH制度
2023年度に向けたARENHの配分については、2022年11月10日付決定2022-287において、エネルギー法(2022年10月29日付政令
2022-1380により修正されたエネルギー法第R.336-14条)の求めに従い、CREは2023年度について定められた限度量合計を申請
が超えた場合のARENH取引量の配分方法を設定した。また、現在の電力市場の異例の危機に鑑み、供給業者が申請したARENH取
引量の承認に関し、チェックの強化と特別規則を導入した。
CREは、EDFが支配する子会社(電力網事業者は除く)による申請量合計の限度超過分はすべて削減される旨、ならびにEDFが
支配する子会社は、ARENH制度および代替供給業者に係る削減率を含む供給条件を複製した契約を親会社と締結可能である旨を
明記した。
2022年度中に、CREは、代替供給業者3社に係る裁判所による清算決定または電力供給の政府認可保留を理由として、当該供
給業者へのARENH引渡しが停止されたことをEDFに通知した。2022年5月の期間におけるARENH量21.9MWhは、(i)不履行供給業者
の清算および(ii)ARENH権利の救済供給業者への移行手続の未実施に起因して、EDFによる引渡しが行われておらず、CREは、こ
れらの全量を11月の期間に再配分した。
2023年度の引渡しに係る2022年11月の期間中のARENH申請は、合計148.87TWh(EDF子会社および電力網事業者からの申請を除
く)であった。CREは一部の申請を縮小して(合計-0.56TWh)、CREが有効と認めた申請量を合計148.30TWhとし、各供給業者の
申請をARENH上限である100TWhを遵守して削減した。このほかに、EDFはARENH制度を複製した契約を通じて、電力網の電力損失
を補填するために、子会社に対し販売を行った(26.6TWh)。
発電容量メカニズム
フランスの発電容量メカニズムは、2017年1月1日付で発効した。これは、フランスのエネルギー法により、国の電力の安
定供給を確保する目的で導入されたものであり、詳細は2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記5.1に記載されてい
る。
2022年4月以後、フランスの発電容量メカニズムの構造的変更に関する他の協議フェーズが進行している。将来のメカニズ
ムは2026/2027年度冬季の電力から導入される可能性があり、必要な審査期間を経て欧州委員会の承認を条件とする。
以下の引渡年度に向けて引渡年度前に行われた発電容量入札の結果、平均市場価格は以下の通りであった。
引渡年度 2017 年度 2018 年度 2019 年度 2020 年度 2021 年度 2022 年度 2023 年度
価格(ユーロ/kW) 10 9.3 17.4 19.5 31.2 26.2 45.6
2024引渡年度に向けて7回の入札が開催された。2022年度の4回の結果は、2022年4月および6月の20ユーロ/kW、10月の
34.1ユーロ/kW、12月の23.1ユーロ/kWであり、2023年度の3回の結果は、2023年3月の29.9ユーロ/kW、4月の34.5ユー
ロ/kW、6月の35ユーロ/kWであった。
5.1.2 売上高
売上高の内訳は以下の通りである。
2023 年度上半期 2022 年度上半期
(単位:百万ユーロ)
エネルギーおよびエネルギー関連サービス売上高 70,325 61,194
-エネルギー (1) 59,346 50,582
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-エネルギー関連サービス(引渡しを含む (2) ) 10,979 10,612
その他商品およびサービス売上高 2,941 2,970
2,233 2,098
トレーディング
75,499 66,262
売上高
(1 ) エネルギー売上高は、2023年度上半期のガスおよび電力卸売市場に係る最適化取引に関する売上高3,157百万ユーロ(2022年度上半期
6,251百万ユーロ)を含む。これらの取引は、一部のグループ企業により、需給をバランスさせるために、当グループのリスク管理方針に
準拠して実施されている。2023年度上半期において、当該市場でユーロ建て正味売りポジションにあった主な事業セグメントは、フラン
ス―発電と供給(ガス)、イタリア(電力)およびDalkia(電力)である。2022年度上半期の主な事業セグメントは、フランス―発電と
供給(ガス)およびイタリア(電力)であった。
(2 )この項目に含まれる引渡サービスは、非相互接続地域向け配電網運営者であるEnedis、Electricité de StrasbourgおよびEDF SAに関係し
ている。ただし、EDF EnergyおよびEdisonに関係する引渡サービスは、当該事業体がIFRS第15号に基づいて供給および引渡しの両方につい
て本人であると分類されることから、エネルギー売上高に含まれている。EDF EnergyおよびEdisonによる引渡サービスは、注記5.2の「送
電および引渡費用」に含まれることから、純利益には影響を与えない。
外国為替の変動および連結範囲の変更による影響を除くと、当グループの2023年度上半期の売上高は、14.4%ないし+96億
ユーロ増加した。これは主に、フランス―発電と供給セグメント(+93億ユーロないし+40.7%)および英国セグメント(+55億
ユーロないし+79.5%)における増加を反映し、イタリア・セグメント((35)億ユーロないし-27.2%)およびその他事業セグ
メント((29)億ユーロないし-39.3%)における売上高の減少により一部相殺された。
フランス―発電と供給 セグメントの売上高は、+93億ユーロの自律的成長を示した。この増加は主に、政府措置(上限料金お
よび電力バッファ)による料金の制限にもかかわらず生じた規制料金および市場価格販売に対する有利な価格効果によるもの
である。また、購入義務に対する+28億ユーロの有利なエネルギー市場価格効果にも起因する(減価償却費および償却費控除前
営業利益への影響は、購入義務関連費用を対象とするCSPE補償メカニズムにより相殺された)。
英国 セグメントの売上高は、+55億ユーロの自律的増加を記録した。これは主に、2023年度上半期における原子力発電量の低
下にもかかわらず、エネルギー価格の上昇が顧客販売料金に与えた影響に起因する。
イタリア ・セグメントの売上高は、2023年度上半期において(35)億ユーロの自律的減少であった。この減少は基本的に、全
市場において観察されたガスに係る不利な数量および価格効果((32)億ユーロ)によるものである。
その他事業 セグメントによる売上高の自律的減少(29)億ユーロは、基本的にガス卸売価格の下落によるガス事業の減少
((31)億ユーロ)と、EDF Tradingのトレーディング・マージンの微増(+2億ユーロ)(価格が下落傾向となる中で市場ボラ
ティリティが低下したことによる不利益を、システミック・クレジットリスクの低下が相殺したこと)に起因する。
5.2 燃料およびエネルギー購入費用
燃料およびエネルギー購入費用の内訳は、以下の通りである。
2023 年度上半期 2022 年度上半期
(単位:百万ユーロ)
購入燃料使用分-発電(1)
(11,794) (15,230)
エネルギー購入(1) (32,727) (29,149)
送電および引渡費用 (4,219) (4,087)
ヘッジ会計に係る利益/損失 (218) 6
59 222
核燃料およびエネルギー購入に関連する引当金の(増加)/減少
燃料およびエネルギー購入費用 (48,899) (48,238)
(1 )2023年度上半期において、購入燃料使用分およびエネルギー購入は、ガスおよび電力卸売市場に係る最適化取引に関するそれぞれ1,500百
万ユーロおよび18,507百万ユーロ(2022年度上半期はそれぞれ1,414百万ユーロおよび15,087百万ユーロ)を含む。2023年6月30日現在、
当該市場でユーロ建て正味買いポジションにあった主な事業セグメントは、フランス―発電と供給(電力およびガス)、英国(ガスおよび
電力)、その他国外(Luminus―ガスおよび電力)ならびにDalkia(ガス)である。2022年6月30日現在も、同じセグメントが関連してい
た。
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「購入燃料使用分」は、エネルギー生産のための原材料(ガス、核燃料および核分裂性物質、ならびに重要でない割合の石
炭および石油)、核燃料サイクルに関連するサービスの外注および環境計画(主に温室効果ガス排出権および再生可能エネル
ギー 証書)に関連するコストを含んでいる。
「エネルギー購入」は、フランスの購入義務メカニズムに基づいて行われた購入を含む。
外国為替の変動および連結範囲の変更による影響を除くと、当グループの購入燃料およびエネルギー費用は、主に、フラン
ス―発電と供給セグメント((14)億ユーロ、基本的に電力購入)、フランス―規制業務セグメント((22)億ユーロ、基本的に
電力網損失を補うための購入)および英国セグメント((38)億ユーロ)において、2022年度同期比で(8)億ユーロ増加した。
これらの増加は、イタリア セグメント(38億ユーロ、数量と市場価格の低下に関連)およびその他事業セグメント(30億ユー
ロ、主にガス事業)における減少により相殺された。
5.3 法人所得税以外の税金
2023 年度上半期 2022 年度上半期
(単位:百万ユーロ)
給与税
(187) (171)
エネルギー税 (1,275) (1,344)
(1,252) (868)
その他の法人所得税以外の税金
法人所得税以外の税金 (2,714) (2,383)
外国為替の変動および連結範囲の変更による影響を除くと、法人所得税以外の税金は、2023年度上半期において(332)百万
ユーロないし13.9%の自律的増加を示した。これは、発電に係るインフラマージナル収益上限が導入されたことを反映してお
り、主にその他国外セグメント(154百万ユーロ)において、2023年度上半期に(175)百万ユーロの影響を受けた。2023年度上
半期の発電に係るインフラマージナル収益上限の影響は、2022年度には未適用であったため比較できない。
法人所得税以外の税金の増加はまた、フランス―発電と供給セグメントにも起因している。2023年度とは対照的に、EDFの財
政上の付加価値は2022年度にはマイナスであり、その結果、同社は付加価値に係るフランスの事業税の納税義務を負わず、土
地に係る事業税の上限の恩恵を受けた。
欧州連合の発電に係るインフラマージナル収益上限
2022年10月6日に 欧州連合 は、エネルギー価格危機に対処するための調和的行動に関する規則を採択した。この規則は特
に、2023年冬季中におけるエネルギー消費の削減目標を設定し、化石燃料部門に係る超過利潤税を財源とした企業および家計
向け国家補助金と、発電に係るインフラマージナル収益上限を導入するものである。
このインフラマージナル収益上限は、発電事業者に対し、ユーロ/MWh表示の閾値を超えるすべての収益を国に支払うことを
求める強制的な税制措置である。当該EU規則の下では、この上限は2022年12月1日から2023年6月30日まで閾値180ユーロ/MWh
にて適用されたが、多くのEU加盟国は適用期間の延長を決定し、異なる発電技術につきEU水準を大幅に下回る異なる閾値を設
定した。
EDF グループ では、この規則は、フランス、ベルギー、イタリアおよび英国の事業に関係した。
フランス では、2022年7月-11月、2022年12月-2023年6月および2023年7月-12月の3期間におけるインフラマージナル収益
に対し90%の課税が適用される。ある期間の不足額は、次の期間に繰り越すことができる。
各発電技術(異なる8種類)に対し別個のインフラマージナル収益の閾値(ユーロ/MWh表示)が設定されており、主として
原子力発電90ユーロ/MWh、風力および太陽光発電100ユーロ/MWh、水力発電80-140ユーロ/MWh(発電所の発電容量に応じて異な
る)である。フランスはまた、ガス火力発電所(熱電併給発電所を含む)への課税も選択し、課される閾値は40-110ユー
ロ/MWhに燃料費を加えた額である。
その結果、 フランス のEDFグループにおいて、インフラマージナル収益上限が関係するのは、2023年度上半期の熱電併給およ
び再生可能エネルギー発電のそれぞれについて、EDF SAおよびDalkiaグループのフランス企業(7.9百万ユーロ)、ならびに
EDF Renewables(9.1百万ユーロ)である。
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EDF SAは、2022年度の最初の上限期間および2022年12月の1か月において、当該期間にわたる原子力発電量の極めて大幅な
減少(-81.7TWh)に起因する高値市場での購入を反映して、大幅な赤字を計上した(繰越可能)。繰越のメカニズムにより、
EDFは、フランスのインフラマージナル収益上限の最初の2期間については支払が生じないものと見込んでいる。
ベルギー では、インフラマージナル収益上限は、EDFの原子力および再生可能エネルギー発電に関係し、130ユーロ/MWhの閾
値を超える部分につき同国の100%の課税を適用して2023年度に154百万ユーロの支払義務が生じている。
当グループにおける他の類似のメカニズム
英国 もまた、発電事業者課税(EGL)と称する発電に係る税金を導入している。この税金は、石炭、再生可能および原子力資
源から発電を行う事業者が納税義務者となるが、ガス火力発電所に帰属する収益には適用されない。トレーディング業務は対
象外である。発電事業者の75英ポンド/MWhを上回る収益に対するこの45%の税金は、2023年1月1日から2028年3月30日まで
適用される予定である。これは発電事業者の収益を制限するために設計されたものであり、2023年度上半期においてEDF
Energyに費用は発生していない。この金額は見積りであり、2023年7月末に補完的な法律が成立した後、下半期中に見直され
る予定である。
5.4 その他の営業収益および営業費用
その他の営業収益および営業費用は、主に、CSPE(公共エネルギー・サービス拠出金-Contribution au Service Public de
l’Energie)のメカニズムに基づきEDFによって受取済または受取予定の金額を含んでいる。このメカニズムを規定する法律お
よび規則については、2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記5.5.1に記載されている。
このメカニズムは、2023年度における5,551百万ユーロ(2022年度1,339百万ユーロ)の収益の認識によって反映されてい
る。
2023年6月30日現在の購入義務に関する補償は、2,694百万ユーロの費用として認識されている(2022年6月30日現在は195
百万ユーロの収益)。これは、購入義務に関する補償対象の公共サービス費用が、2022年度末から大幅に減少し、現在は市場
価格が極めて高く国の保証価格を上回ることからマイナスとなっているためである。
逆に、公共エネルギー費用の補償は、最終消費者向け支援制度により生じた収益の喪失をカバーするための7,194百万ユーロ
を含む(2022年度上半期は、28百万ユーロを提供したガス制度を除き、これに相当するものはない)。受取額は、電力上限料
金に関する補償として6,458百万ユーロ、電力バッファに関する補償として642百万ユーロ(注記3.1を参照)であり、ガス上限
料金に関する補償は94百万ユーロであった。
2023年6月30日現在、CSPEメカニズムにより生じた収益は、「その他の負債」の対応する項目に認識されている(注記12.5
を参照)。
その他の営業収益および営業費用はまた、これより程度は少ないが、省エネ証書関連費用(このメカニズムの詳細について
は2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記5.5.1を参照)、回収不能営業債権に係る損失、フランスの水力発電委譲に
関連するロイヤリティ、フランスの再生可能エネルギー生産者に支払われる追加報酬ならびにフェッセンハイムの原子炉2基
の閉鎖に係る収益および費用(2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記5.4.3を参照)を含む。
2022年6月30日現在、その他の営業収益および営業費用は、2022年3月11日付政令およびその施行令により導入されたARENH
制度に係る20TWhの特定追加、2022年度下半期の費用としての2,749百万ユーロの引当金繰入額も含んでいた(注記2を参
照)。関連法令によりEDFは、2022年4月から12月までの期間中に、既定の量および価格で同時に電力を購入および販売する義
務を負った。すなわち、CREの監督の下で、Caisse des Dépôts et ConsignationおよびRTEと連携して、適格供給業者に
19.5TWhのARENH量を46.2ユーロ/MWhの価格で販売し、同一の適格供給業者から19.5TWhを256.98ユーロ/MWhで購入する。このメ
カニズムにより、EDFには、2022年度に4,110百万ユーロの確定した正味コストが生じた。
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注記6.トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額
2023 年度上半期 2022 年度上半期
(単位:百万ユーロ)
トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・
(276) (993)
デリバティブの公正価値の純変動額
トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額は、2022年度上半期の(993)
百万ユーロから減少して、2023年度上半期は(276)百万ユーロであった。これは主に、2022年度上半期と対照的に、2023年度は
コモディティ市場価格が下落した中で価格ボラティリティが低下したことに起因している。
注記7.その他の収益および費用
2023年度上半期におけるその他の収益および費用は(1,696)百万ユーロであった。これらは主に以下からなる。
・ フラマンヴィル3EPRの主要二次回路の接合部の修理作業に関連する例外的な追加費用、合計(226)百万ユーロ(これら
は、IAS第16号第22項に基づいて異常コストと見なされ、建設中の資産のコストに含めることができない)。
・ 進行中の契約の交渉に係るリスクおよび費用引当金への例外的な追加繰入額1,026百万ユーロ(注記14.Aおよび16.2を参
照)。
・ 核廃棄物に関連するすべての義務のベルギー政府への移管に関するEngieとベルギー政府の間の暫定合意(注記14.1を参
照)を受けた引当金の増加354百万ユーロ。この金額は見積りであり、最終合意に達した時点で調整される可能性が高
い。
2022年度上半期におけるその他の収益および費用は(388)百万ユーロであった。これらは主に以下からなる。
・ 当上半期中の従業員割当(ERO)に係る費用(64)百万ユーロ。
・ フラマンヴィル3EPRの主要二次回路の接合部の修理作業に関連する例外的な追加費用、合計(308)百万ユーロ(これら
は、IAS第16号第22項に基づいて異常コストと見なされ、建設中の資産のコストに含めることができない)。
・ Dalkia Russiaの売却損(15)百万ユーロ。
注記8.金融損益
8.1 総金融負債に係る費用
総金融負債に係る費用は、2022年6月30日現在の(728)百万ユーロに対し、2023年6月30日現在は(1,857)百万ユーロであっ
た。この増加の一部は2022年度下半期および2023年度上半期に実行された資金調達の基礎的効果に起因し(2022年6月30日現
在の純負債額428億ユーロに対し2023年6月30日現在は648億ユーロ(注記18.2を参照))、一部は観察された金利の上昇を反
映した金利効果によるものである。
8.2 割引の影響
時の経過による割引の戻入れに係る影響は、主に、核サイクル終了、廃炉および炉心核燃料ならびに長期および雇用後従業
員給付に係る引当金に関係している。
最終的な割引の影響の詳細は、以下の通りである。
(単位:百万ユーロ)
2023 年度上半期 2022 年度上半期
長期および雇用後従業員給付引当金(1)
(664) (335)
核サイクル終了、廃炉および炉心核燃料引当金(2) (1,291) 753
(22) 84
その他の引当金および前払金
割引の影響
(1,977) 502
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(1 )注記15.1.2を参照。
(2 )NLFからの払戻額に対応する債権の割引による影響を含む(注記17.1.3を参照)。
2023年度上半期の長期および雇用後従業員給付引当金に係る割引の影響の増加は、2023年1月1日現在で適用された割引率
の上昇(フランス:2022年1月1日現在の1.3%に対し3.9%)によるものであり、2023年1月1日現在のコミットメント量の
減少により一部相殺された。
2023年度上半期の原子力引当金に係る割引費用の増加は、主に、(1,596)百万ユーロの割引率効果によるもので、フランスの
実質割引率が2022年度上半期には30ベーシス・ポイント上昇した(注記14.1を参照)のに対し、2023年度上半期は期中を通じ
て安定していたことに起因している。2022年度上半期の割引の戻入れによる費用は、この割引率変動の有利な割引率効果に
よって相殺以上の効果があった。
8.3 その他の金融収益および費用
その他の金融収益および費用の内訳は、以下の通りである。
(単位:百万ユーロ)
2023 年度上半期 2022 年度上半期
金融資産に係る利益/(損失)
412 294
純損益を通じて公正価値で計上される金融商品の変動
1,333 (3,252)
その他 559 237
その他の金融収益および費用
2,304 (2,721)
金融資産に係る利益/(損失)は、現金および現金同等物に係る収益、負債証券および持分証券ならびにその他の金融資産に係
る収益および費用からなる。
2023年6月30日現在、金融商品の公正価値の変動には、専用資産に関連する1,392百万ユーロが含まれている(注記14.2.1を
参照)。その他の項目には、リサイクリングを伴うOCIを通じて公正価値で測定する債券の売却損益(136)百万ユーロが含まれ
ている(うち(60)百万ユーロが専用資産に関連している)。
2022年6月30日現在、金融商品の公正価値の変動には、専用資産に関連する(3,196)百万ユーロが含まれている(注記14.2.1
を参照)。その他の項目には、リサイクリングを伴うOCIを通じて公正価値で測定する債券の売却損益(43)百万ユーロが含まれ
ている(うち(115)百万ユーロが専用資産に関連している)。
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注記9.法人所得税
2023年6月30日現在、実効税率18.7%に基づき法人所得税費用は1,323百万ユーロである(これに対し2022年6月30日現在は
実効税率24.7%に基づき1,840百万ユーロの法人所得税収益)。
2023 年度上半期 2022 年度上半期
(単位:百万ユーロ)
連結会社の税引前利益
7,084 (7,443)
親会社に適用される法人所得税率 25.82% 25.82%
理論上の税金費用 (1,829) 1,922
税率差異(1) 21 43
永久差異 (15) (25)
税法基準外税金(2) 112 (49)
未認識の繰延税金資産(3) 389 (51)
(1) -
その他
実際税金費用
(1,323) 1,840
18.68 % 24.70 %
実効税率
2022年度の法人所得税収益と2023年度の法人所得税費用の間の(3,163)百万ユーロの変動は、基本的に当グループの税引前利
益の増加14,527百万ユーロに起因し、これにより(3,751)百万ユーロの追加の法人所得税が生じた。
税金費用はまた、フランスの納税グループ(EDF SA、Enedis、PEIおよびその他の95%超所有のフランス子会社)の2022年度
の報告損失に対する繰延税金資産の認識ならびに、2023年度にはイタリアで導入された発電会社に対する「超過利潤税」およ
び税務訴訟による不利な影響がなかったことの影響も受けている。
2022年度末現在でフランスの納税グループの2022年度に係る損失について認識された繰延税金資産7,872百万ユーロに加え、
2023年度に係る有利な見通しを踏まえ、今期において、2022年12月31日現在では未認識であった繰延税金資産1,060百万ユーロ
のうち385百万ユーロが認識された。
非経常項目(主に金融資産ポートフォリオおよびコモディティに係る未実現損益の変動)による影響を除くと、2023年6月
30日現在の実効税率は、2022年6月30日現在の26.1%に対し、18.9%である。
理論上の税率と実効税率の差異は、主に、以下の要因によるものである。
2023年6月30日現在:
(1)
・ 2023年度に適用される平均標準税率が23.5%である英国における税率差異の有利な影響71百万ユーロの、2023
年度に適用される標準税率が27.9%であるイタリアにおける税率差異の不利な影響(41)百万ユーロによる相殺。
(2)
・ 永久劣後債の持参人に対する支払の損金算入78百万ユーロによる有利な影響。
(3)
・ 10年内に解消される見込みが高まったことを考慮した、EDF SAの納税グループに係る繰延税金資産385百万ユー
ロの認識/回収による有利な影響。
2022年6月30日現在:
(1)
・ 2022年度に適用される標準税率が19%である英国に主に関連する、税率差異の不利な影響43百万ユーロ。
(2)
・ 永久劣後債の持参人に対する支払の損金算入(85百万ユーロ)による有利な影響の、イタリアの発電会社に対
する「超過利潤税」((71)百万ユーロ)および税務訴訟((59)百万ユーロ)の不利な影響による相殺。
(3)
・ 未認識の繰延税金資産の影響(51)百万ユーロ。主に、10年内に解消すると見込まれる一時差異については繰延
税金資産を全額認識し、それ以後に解消すると見込まれる一時差異については同時に認識される繰延税金負債の
範囲内で認識するEDF SAの連結納税に関連する。
第2の柱ルール
欧州連合が2022年12月15日に「第2の柱」指令を採択したことを受け、OECDは12月20日に、2026年12月31日以前に開始する
事業年度(当グループにとっては実務上2024年度から2026年度を意味する)にのみ適用される簡素化された手続を公表した。
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この移行期間中、企業グループは、事業を営む国において一定の要件を満たすことを条件に、第2の柱ルールに基づく上乗せ
税額の計算が免除される。
2023年度上半期中、当グループは第2の柱ルールの実施および評価に向けた作業を継続した。予想される影響は、2022年12
月31日現在の財務諸表に対する注記9に記載されたものと同じである。
注記10.有形固定資産および無形資産
有形固定資産および無形資産の詳細は、以下の通りである。
2023 年 建設中の 2022 年 建設中の
(単位:百万ユーロ)
注記
6月30日現在 資産 12 月31日現在 資産
のれん
10.1 9,717 n.a. 9,513 n.a.
その他の無形資産 10.1 11,068 2,489 10,619 2,110
グループ所有発電用有形固定資産および
10.2 106,126 55,001 101,126 49,700
その他の有形資産(使用権資産を含む)
-使用権資産 4,256 n.a . 4,051 n.a.
フランスの配電委譲を除く委譲運営有形
6,769 695 6,816 668
固定資産
フランスの公共配電委譲運営有形固定資
64,900 2,582 63,966 2,204
産
有形固定資産および無形資産合計
198,580 60,767 192,040 54,682
n.a. =該当なし。
10.1 のれんおよびその他の無形資産
2023年6月30日現在ののれんは主に、EDF Energy(6,758百万ユーロ)およびFramatome(1,451百万ユーロ)に関連してい
た。
2023年度上半期中ののれんの変動は主に、ユーロに対する英ポンドの上昇を主に反映した(220百万ユーロ)の換算調整に関
係していた。
2023年6月30日現在の建設中のその他の無形資産は、EPR 2に関する調査に係る1,256百万ユーロ (2022年12月31日現在1,055
百万ユーロ) および小型モジュラー炉に係る169百万ユーロ (2022年12月31日現在142百万ユーロ)を含む。2022年12月31日現在
の連結財務諸表に対する注記10.6を参照のこと。
10.2 グループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産
2023年6月30日現在、建設中のグループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産は、主に、以下からなる。
・ フラマンヴィル3EPRへの投資15,360百万ユーロ(資産計上された中間利息3,471百万ユーロを含む)(2022年12月31日
現在、資産計上された中間利息3,471百万ユーロを含む15,245百万ユーロ)。2023年6月30日現在の財務諸表におけるフ
ラマンヴィル3プロジェクトの資産計上額は15,581百万ユーロであり、このうち、中間利息23百万ユーロを含む214百万
ユーロは運転開始された資産に関連する。
資産計上された中間利息を含むこの資産計上額15,581百万ユーロには、建設費用の他、以下が含まれる。
・ 予備部品在庫および関連プロジェクト(特に初回総合検査および北部地域開発)の資産計上額、合計671百万ユー
ロ。
・ フラマンヴィル・プロジェクトに関連した開業前費用およびその他の有形固定資産912百万ユーロ。
・ フラマンヴィル3EPRプロジェクトに関連したFramatomeとEDF SAとの間の貸借対照表項目およびマージンの内部残
高の相殺消去(384百万ユーロ、基本的に前受金および未成業務受入金からなる)。
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この結果、2023年6月30日現在の連結財務諸表において取得原価ベースで計上された建設費用は10,504百万ユーロで
あり、完成時の建設費用(中間利息を除く)は132億ユーロ(2015年のユーロ)である(当グループの2022年12月16日付
プレスリリースを参照)。
主要な二次回路の接合部の必要な修理による例外的な追加費用(当グループの2019年10月9日付プレスリリースを参
照)および修理済み接合部に係る応力除去熱処理に伴う費用(2022年12月16日付プレスリリースを参照)は、2022年度
の638百万ユーロに対し、2023年6月30日現在、226百万ユーロでその他の収益および費用に認識されている(注記7を
参照)。
・ ヒンクリー・ポイントCに関連する投資25,021百万ユーロ(資産計上された中間利息1,392百万ユーロを含む)(2022年
12月31日現在、資産計上された中間利息1,110百万ユーロを含む21,647百万ユーロ)。2023年度上半期の当該プロジェク
トへの投資(CGNの持分および外国為替による影響を含む)は3,374百万ユーロであった(2022年度上半期:1,717百万
ユーロ)。
・ サイズウェルCに関係する1,107百万ユーロの調査(2022年度:808百万ユーロ)。
・ EPR2プロジェクトに関係する1,285百万ユーロの調査(2022年度:1,068百万ユーロ)。
建設中の有形固定資産(委譲運営資産を除く)の残高、すなわち13,513百万ユーロは、主にグラン・カレナージュ計画に
沿ったEDF SAの既存の原子力発電所(73%)(主要部品、特に蒸気発生器の取替、定期検査および10年検査に関連する作業)
に関連しており、それよりも少ない割合(約16%)でEDF Renewables(欧州、北米および新興国において開発中の発電所)に
関連している。
建設中の有形固定資産は、2023年度の投資水準が、当年度上半期中に事業供用された資産の額を大幅に上回ったことから、
5,301百万ユーロ増加した。
グループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産に観察された変動は、換算調整912百万ユーロ(ユーロに対する英
ポンドの上昇950百万ユーロが米ドルの下落(50)百万ユーロにより相殺された)ならびに、廃炉引当金の再見積り(経済状況の
調整およびフランスと英国における再見積り)による影響額377百万ユーロに主に関連したその他の変動473百万ユーロを含
む。
グループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産(使用権資産を含む)(純額)の内訳は、以下の通りである。
化石燃料
その他施設、
原子力 および
有形固定資 使用権 建設中の
土地・建物 発電所 水力発電所 産、その他 資産 資産 合 計
(単位:百万ユーロ)
2023 年6月30日現在純額
5,748 23,920 4,541 12,660 4,256 55,001 106,126
5,772 24,178 4,783 12,642 4,051 49,700 101,126
2022 年12月31日現在純額
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当上半期中の主要な進行中のプロジェクトおよび投資
グラン・カレナージュ・プログラム
2014年度以来、EDFは、原子炉の安全性を高め、40年を超えて原子力発電所の稼働年数を大幅に延長することを目的としたフ
ランスの原子力発電所向けグラン・カレナージュ工業改修プログラムを実施している。2014年度から2025年度の期間に係る当
該プログラムの費用の最新の見積りは、2021年度後半のものであり、現在のユーロで502億ユーロである。この費用には、当グ
ループの1,300MW原子炉の第3回10年検査、福島の事故から得た教訓を受けて実施された安全性改善点の重要部分(非常用
ディーゼル発電機56台の建設および稼働、現在稼働中の各原子力発電所における補助給水ポンプの新設を含む)、ならびに当
グループの900MW原子炉の第4回10年検査の実施が織り込まれている。
当グループの原子力発電所を40年を大幅に超える期間にわたり完全に安全に運転するために必要な投資を継続するため、
2022年3月31日に、EDFの取締役会は2022年度から2028年度まで継続するグラン・カレナージュ・プログラムの新計画の妥当性
を確認した。この新期間に係る費用の見積りは現在のユーロで330億ユーロ(2022年度以降の既知のインフレ仮定に基づく)、
または平均年間支出47億ユーロである。当該延長プログラムにより、当グループは、発電所が50年を超えて稼働を継続できる
よう、1,300MWシリーズ発電所の調査および第4回10年検査を実施し、2020年4月にフランスが採択した複数年エネルギー計画
に従った900MW原子炉の50年を超える稼働継続に向けた予備調査を実施し、未だ相当量の主要部品の保守・改修作業を完了する
ことが可能となる。
1,300MW原子炉の第3回10年検査は最終フェーズに入っている(最後の5件は2023年度および2024年度に予定されている)。
900MWシリーズでは、11件の第4回10年検査が問題なく完了し、4件が現在も進行中である。1,450MWシリーズでは、最後の第
2回10年検査が2023年4月に完了した。
1,300MWシリーズの第4回10年検査の一般フェーズに関し2021年度に開始されたASNとの検証は、現在も継続中であり、最初
の原子炉の検査は2026年度と見込まれている。1,450MWシリーズの30年というマイルストーン達成のための手続きに関するASN
との検証も開始され、最初の原子炉の検査は2029年度と見込まれている。
さらに、福島の教訓を受けて大規模な投資も行われている。非常用ディーゼル発電機56台が建設され稼働し、すべての発電
所に常設または仮設の補助給水システムが設置されている。また、多くの発電ユニットで主要部品(蒸気発生器および主要ユ
ニット変圧器を含む)の取替が行われた。
応力腐食
2021年度後半において、シヴォー原子力発電所の原子炉1号機の10年検査の一環として計画された予防保守点検中に、安全
注入系(SIS)回路の配管の接合部近くに欠陥が発見された。その後、同じN4シリーズであるシヴォー2号機、ショー1号機お
よびショー2号機の原子炉について予防点検が実施され、同様の欠陥が識別された。パンリー原子力発電所の原子炉1号機の
10年検査中に実施された予防保守点検でも、SIS回路に同様の欠陥が発見された。
EDFは、2022年度に実施した専門家による評価および分析を通じて、SIS回路の配管が応力腐食の影響を最も受けやすい原子
炉を識別した。それは最新の原子炉16基、すなわちN4原子炉4基およびP'4 1,300MW原子炉12基である。
2022年7月27日付プレスリリースにおいて、ASNは、2022年7月26日に原子炉に影響する応力腐食に係るEDFの検査戦略案に
ついて到達した見解を表明した。ASNは、この現象について得られた知識および関連する安全上の問題を前提として、EDFの戦
略は適切であると判断した。
検査および修理のための停止を考慮して、2022年度にEDFは、原子力発電量予測の修正に関する情報を定期的に発表した(1
月13日、2月7日および5月19日付プレスリリースならびに注記2を参照)。2022年11月3日付プレスリリースに記載された
通り、これらすべての情報の結果、最終的にEDFは2022年度の原子力発電量の見積りを275-285TWhの範囲に下方修正した。最終
的な発電量は279TWhとなり、2021年度から81.7TWhないし23%減少した。
原子炉建設中に2度修理されたパンリー原子炉1号機の接合部に関する2023年度初頭の専門家の評価結果を受け、2023年3
月10日に、EDFは、戦略の更新案をASNに送付した。その目的は建設時修理済み接合部に関する検査のペースを加速することに
あり、検査は2023年度、2024年度および2025年度に実施予定の原子炉の計画保守停止期間中に行われる予定である。
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2023年3月中旬にASNは、更新後の戦略に留意したこと、および計画された予定表が適切なものと確認するためにEDFと技術
1
的な協議を継続することを示唆した 。ASNは2023年4月25日に発表した速報において、EDFの提案した予定表の妥当性を確認し
た。
1 ASNの2023年3月16日付プレスリリースを参照。
EDFは、建設中修理時の状況から優先度が高いと識別された修理済み接合部について、2023年度末までに92%を検査すること
を確約している。残りは2024年度第1四半期に検査する予定である。これらの検査は、既に計画されている保守停止期間中に
実施される予定であり、EDFは追加または臨時の停止は予定していない。
原子炉建設中に修理された接合部の60%は、2023年度の計画に沿って、現在までに検査済みである。
N4シリーズに係る接合部は修理済みであり、N4原子炉は2023年度上半期中に再稼働された。
P'4 1,300MW原子炉パンリー1号機、パンリー2号機、カットノン2号機、カットノン3号機、ゴルフェッシュ1号機、ゴル
フェッシュ2号機およびノジャン2号機においても修理作業が完了している。カットノン1号機およびベルヴィル2号機にお
ける修理は進行中である。ベルヴィル1号機およびノジャン1号機の原子炉については、修理が計画されている。カットノン
4号機については、当該原子炉の10年検査期間中に実施される予定である。
現時点では、EDFの検査戦略案に基づいて、2023年度のフランスの原子力発電量の見積りは300-330TWhの範囲にとどまる。
フラマンヴィル3EPR
2022 年度の進展
2022年度におけるフラマンヴィル3プロジェクトの主な進展は以下の通りであった。
・ 主要二次回路の接合部の修理の継続
・ プール試験の完了
・ 開放型原子炉容器の最後の機能試験の完了
・ 原子炉容器の排水および洗浄後の容器ヘッドの閉鎖、ならびに制御棒駆動部の試験
2022年1月に発表された通り、2回目の運転サイクルで直面した技術上の問題を受けて実施された台山1号機の燃料集合体
の検査の結果、一部の集合体部品に機械的摩耗が認められた。同種の摩耗は、フランスの原子力発電所の複数の原子炉でも既
に観察されている。今後のフラマンヴィル3の運転開始に向けて、ASNとの間で解決策が検討された。フラマンヴィルEPRに関
するEDFの戦略案(約60体の強化燃料集合体の供給)が、2022年6月7日に原子力安全情報・透明性高等委員会(Haut comité
pour la transparence et l'information sur la sécurité nucléaire、HCTISN)に提出された。2023年1月に、IRSNはEDFの
戦略案に対して賛同的な見解を公表し、ASNは2023年度第1四半期末までに検証を完了する予定である。
主要二次回路接合部の修理作業は、当上半期中に良好なペースで継続された。122か所の接合部が関係している(溶け込み接
合部36か所および非溶け込み接合部86か所)。2022年12月31日現在、56%が修理済み、65%が応力除去熱処理の承認済みであ
り、32%が応力除去熱処理後に完了し有効であった。最も複雑なケースであった原子炉格納容器の接合部については、作業が
全面的に完了し、有効であることが宣言された。
SIS(安全注入系)/CHR(格納容器熱除去系)の濾過サンプについて、EDFは新たな濾過システムを提案し、試用により、
IRSNが満足と考える結果が得られた。これらの試用を受けて2022年9月に、EDFは既存の濾過体をより細かな濾過体に取り替え
た。EDFはまた、濾過体を詰まらせることが知られている潜在的なデブリの量を減らすことも決定した。潜在的なデブリを減ら
す作業は実質的に完了し、2023年度第1四半期末までには終了する予定である。
オルキルオトEPR(フィンランド)で加圧弁の腐食が観察された後、EDFおよびFramatomeは機器の点検を実施し、フラマン
ヴィルEPRの弁にも腐食の痕跡を発見した。EDFおよびFramatomeは、パイロット制御弁の一部の部品に使用される材料の変更に
より、この発見に対応することを決定した。最適な材料を選択するために、いくつかの腐食応力試験が実施された。この部品
は製造済みであり、2023年度初めに原子炉建屋に据付られる予定である。この困難とは別に、ASNは加圧弁の動作および信頼性
に関する検証を継続している。
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2022年12月16日に、EDFはフラマンヴィル3プロジェクトの日程を調整した。核燃料装荷は現在、2024年度第1四半期の予定
1 2
となっている 。見積完成費用は127億ユーロから132億ユーロに引き上げられた 。
1 EDFの2022年12月16日付プレスリリースを参照。
2 2015年のユーロで、中間利息を除く。
この日程の更新は、主に原子力発電所の稼働に敏感な機器の近くに位置し直近2年間に改良されたいくつかの接合部につき
3
応力除去熱処理(SRHT) に関する新たな工程を確立するために必要とされた補足調査に起因する。
3 応力除去熱処理(SRHT)とは、接合による残留応力を除去し接合部の適切な機械的特性を達成するために、接合後に
実施される工程である。
核燃料装荷後、特にすべての原子炉安全システムの検査、機器の試験、ならびに原子力蒸気供給システムの温度および圧力
上昇の初めから終わりまでとその後の原子炉の起動中を通じた適格性認定を含む、立ち上げ作業が続く。原子炉は、想定出力
の25%で全国の電力網に接続される。
2023 年度の進展
2023年度上半期におけるフラマンヴィル・プロジェクトの主な進展は以下の通りであった。
・ 主要二次回路の接合部の修理の継続
・ 燃料装荷前の未了作業の継続と運営者への施設の引渡し(現在85%超の施設が引渡済・稼働前状態にある)
・ 9月に開始され2か月続く予定の発電所の総合的な適格性再認定試験(ERE2023)の準備
主要二次回路の接合部の修理作業への注力
この作業は約100か所の接合部に関係し、現在は最終段階にある。接合フェーズはすべての必要な修理について完了し、接合
部の92%が、応力除去熱処理後の点検を分析後に妥当性を確認された。正式な妥当性確認が未了である接合部の10%について
は現在、これらの点検の分析を行っている最中である。
EDFは、7月末までに最後の応力除去熱処理後の点検の分析を完了し、その後、水圧試験を進めるための最終許可を得る目的
で、主要二次回路の組立完了報告書を正式に発行することを目指している。
修理作業プロジェクトの最終段階は、水圧試験後の主要二次回路全体の適格性再認定であり、これは今夏に実施される予定
である。
ASN との関係
2023年5月16日に、ASNは、フラマンヴィルの現在の原子炉容器ヘッドについて「一次回路の最初の網羅的な適格性再認定が
行われる原子炉閉鎖」まで使用を認める旨の決定を下した。
・ この決定は、2022年度後半にFramatomeがASNに対し、原子炉容器ヘッドの取替期日(2024年12月31日)の延長を要請し
たことに対応するものであった。
・ その結果、EDFの参照シナリオでは現在、原子炉の最初の運転サイクルが終了する2025年度半ばに開始される最初の検査
のための計画閉鎖中に、容器ヘッドの取替が行われることを想定している。
・ この決定ではまた、「プロジェクトが再び大幅な遅延に見舞われた場合には、運営者は原子炉の運転開始前に容器ヘッ
ドの取替を行う可能性を再検討しなければならない」とも明記している。
ASNは、5月22日から26日にかけて、発電所の稼働に向けた準備レベルを評価するための立入検査を実施した。その結論は、
今夏に公表予定の書簡に記載される予定である。このとき、発電所の状態および職員の能力と献身に関する主要な肯定的結論
が、検査官と話し合われた。
ヒンクリー・ポイントC
2016年7月28日にEDFの取締役会が下した最終投資決定(FID)を受けて、EDFとChina General Nuclear Power Corporation
(CGN)は、英国サマセットのヒンクリー・ポイント用地におけるEPR原子炉2基の建設・運営に関する英国政府との契約に署
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名した(「ヒンクリー・ポイントC」または「HPC」プロジェクト)。HPCに対するEDFの持分は66.5%、CGNの持分は33.5%であ
る。
このプロジェクトの作業は2023年度上半期中も継続された。特に達成されたのは、原子炉ドームの据付準備が整った1号機
向けコンクリート製内部格納容器建屋と、1号機のタービンと発電機を格納するタービンホールのコンクリート製プラット
フォームの完成であった。これにより今後、300トンのブリッジクレーンの設置に進むことが可能となる。
2022年12月31日現在で発表されたHPCの目標スケジュール、完成費用ないし見積遅延リスクについて、2023年度上半期中の変
更はなかった。
HPC1号機による発電開始は、依然として2027年6月と見込まれている。土木工事および電気機械工事中に直面した困難によ
り、建設スケジュールの遅延リスクの存在が確認された。この遅延は2022年5月に15か月と見積られており、現在のところ変
更はない。
当該プロジェクトの資金調達について、
・ 2016年度にEDF EnergyおよびCGNが署名した契約には、当初予算の超過ないし遅延が生じた場合にEDFが一定の追加費用
を補償するメカニズムが含まれている。このメカニズムは2023年1月に発動された。EDFは、プロジェクト向け資金拠出
の形で補償金を支払ったが、これは発行プレミアムとして認識され、所有割合には影響を与えない。補償メカニズムの
正確な条件は2016年9月のEDF EnergyとCGNの間の契約で合意されており、機密事項である。
・ 当該プロジェクトの所要資金総額が株主の約定コミットメント(確約資本)を上回ることから、株主は、2023年度第4
四半期から、追加資金(任意資本)の拠出を依頼されることとなる。CGNが確約資本の最大額を超えてプロジェクト資金
を提供しない可能性は高い。CGNが任意資本を提供しない場合に備えて、資金調達の解決策が現在検討されている最中で
ある。
サイズウェルC
サイズウェルCは、英国サフォーク州サイズウェルにてEPR原子炉2基を備えた原子力発電所を建設するプロジェクトであ
る。サイズウェルC発電所の総発電容量は3.26GWで、約60年間にわたり6百万世帯に電力供給を行う予定である。当該プロジェ
クトはHPC再現の戦略に基づいており、HPCプロジェクトの設計および物流チェーンを可能な限り模倣している。
2022年11月29日に、英国政府は、サイズウェルCプロジェクトの進行中の開発を支援するため約700百万英ポンドの直接資金
供与を行う旨および、当該プロジェクトに対する保有持分をEDFと等しい50%に引き上げる旨の決定を発表した。2023年6月30
日現在、EDFは当該プロジェクトの53%を所有し、英国政府は残り47%を所有していた。2023年7月24日に、英国政府はさらに
170百万英ポンドの投資を確認した。
プロジェクト開発は2023年度上半期も継続され、2024年度に見込まれる最終投資決定(FID)の到達を目指している。EDFと
英国政府は、残りのステップを完了して当該プロジェクトが更なる投資に応じられるよう協力している。
EDFは、FIDの日において、サイズウェルCに対する持分を最大19.99%まで削減し、当グループの財務諸表上、当該プロジェ
クトを連結から除外する予定である(格付機関の債務計算からの除外を含む)。FIDが実施された場合、EDFは、サイズウェルC
プロジェクトに対し、英国製EPRの設計、Framatome経由で主要部品、(EDFが取得予定のGE Steam Powerを通じて)蒸気タービ
ン、少なくとも最初の数サイクル分の燃料集合体、および付帯サービスを供給する。
EDFがFIDに到達し、建設フェーズの資金調達に貢献できるかどうかは、現時点で保証されていない諸条件の充足にかかって
いる。
フランスの新原子炉:EPR 2プロジェクト
EPR 2プロジェクトは、第3世代原子炉の安全目標を満たす新たな加圧水型原子炉に関連している。その狙いは、EPR原子炉
および現在稼働中の原子炉から得た設計、建設および運転開始の経験を織り込むことにある。
2019年7月16日に、ASNはEPR 2に関するEDFの主要設計オプションの安全水準は満足できるものであったとの見解を公表し
た。ASNは「全般的な安全目標、安全の基本要件および主要設計オプションは全体として満足できるものであった」と表明し
た。
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EPR 2は、出力(現在の原子炉の最大出力である1,450MWに対し1,650MW)、発電量、供給力、操作性に関して優れた運転性能
を提供することが見込まれる。
2021年度にEDFは、フランスの当局と協力して政府監督下の作業プログラムに貢献する取組みを完了した。それは、最初の
EPR建設からのフィードバックの正式な提供、および(フランス内外の先行するEPRプロジェクトからの経験を織り込んだ調整
済EPRモデルを使用して)3対の原子炉を建設する業界プログラムに対するフランスの原子力部門の対応力を明らかにすること
であった。
実施された分析は、必要性の根拠、原子力部門の参加者を動員するための行動計画、予想費用の見積り、当該プログラムの
統率と資金調達に関する可能な選択肢の分析(ならびに規制および法的枠組みの変更に関するその帰結)、一定の候補地の事
前の識別、新原子力発電所が産出する廃棄物の管理に関する問題の検討、ならびに欧州委員会との連携や公開協議等の取るべ
き行動を対象としていた。
DGECは2021年夏に当該プログラムに関連するこの分析の一部について監査を行い、スケジュールおよび費用の見積りに用い
た方法の妥当性を確認した。
フランス大統領は、フランス東部のベルフォールを訪問中であった2022年2月10日に、2035年までにEPR 2原子炉6基を建設
し、2050年までのEPR 2原子炉8基の増設に向けた調査を開始するプログラムへの着手を発表した。大統領はまた、2035年まで
に最初の新原子炉の運転開始を目指す必要があるとの見解を示し、これらの新EPR 2ユニットはEDFが建設・運営することにな
ると述べた。
EDFは2022年3月31日の取締役会により、2023年度末までこのプロジェクトの作業を継続する権限を与えられ、累積で約16億
ユーロの予算が付与された。
2022年夏以降、新原子力(フランス)プログラム部門が、EPR 2プロジェクト実現のための適切な法律上、経済上および財務
上の枠組みならびに適合する諸条件の確立を担当している。同部門はまた、プロジェクト管理においてこれらのプロジェクト
の費用、準備期間および実績目標が遵守されることを確保する。同部門はEPR 2プロジェクトが必要とするすべての認可を管理
および妥当性確認するものであり、その目的で2022年9月にEPR 2の費用計算の詳細なレビューを開始した。これを受けて、
EPR 2プログラムの改定後の費用および関連スケジュールを分析するため、国による財務監査が実施された。
最初の分析作業は7月下旬に終了し、2023年7月26日に開催予定の取締役会における最初の費用見通しの提示に間に合う予
定である。
この監査の最終結論は、2023年度初頭に開始された、より広範なプロジェクト・レビューの後に報告される。政府が任命し
た独立専門家とEDFのメンバー(EPR 2プロジェクトの直接の利害関係者ではない)で構成される審査委員会は、10月に実施予
定の全般的な成熟度レビューの後、2023年度後半に結論を出す予定である。
一方で、EDFは、プロジェクト費用最適化のための競争力計画の立ち上げ段階にある。この計画は、2023年11月に監査の第2
フェーズにおいて検証される予定である。
最終投資決定は、プログラムの資金調達の取決めが確立された時点で可能となる。
2023年6月29日に、EDFは、パンリーにおける最初のEPR 2原子炉1対の着工認可申請を行いその完成と送電網への接続に必
要なその他の行政手続を開始する旨を発表した。EDFの目標は、2024年度半ばに準備作業を開始することである。EDFは、パン
リー(ノルマンディー)、グラヴリーヌ(オー・ド・フランス)およびビュジェ(オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ)におい
て3対のEPR 2原子炉を建設することを提案している(フランス大統領府の2023年7月19日付プレスリリースを参照)。
NUWARD 、フランスの小型モジュラー炉(SMR)プロジェクト
TM
NUWARD 小型モジュラー炉(SMR)の開発は2023年度上半期も継続され、3月下旬に概念設計フェーズが終了し、基本設計
TM
フェーズが開始された。NUWARD SMRは、170MWモジュール2基からなる第3世代のモデル加圧水型発電所であり、大量に建設
して広範囲に輸出可能とする目的で設計されている。その主な目標は、今後数十年間で化石燃料火力発電所から置き換わるこ
とである。販売は、2030年度までに着工予定のフランスのモデル発電所によって支えられる。
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TM
NUWARD SMRの設計は、ASNがチェコおよびフィンランドの安全当局であるSUJBおよびSTUKと協力して行う事前評価を受けて
いる最中である。この評価の目的は、SMRの国際認可の付与を加速させるとともに規制の調和に新たな弾みをつけることにあ
る。
2023年3月に、EDFとAnsaldoは、欧州における新原子力施設、特にSMRの共同開発および特にイタリアにおけるSMRの長期的
な普及促進に向けた趣意書に署名した。
2023年度上半期のもう一つのマイルストーンは、基本設計フェーズにあるSMRの開発強化のための新子会社NUWARDの設立で
あった。この会社がSMRプロジェクト向けの投資を管理することになる。
「フランス2030」計画に基づき供与された補助金50百万ユーロは、欧州委員会からの正式な通知および承認の後、2022年12
月にフランス政府から受領した。2023年5月には、基本設計フェーズの資金調達のために、フランス政府から更に300百万ユー
ロの補助金を受け取った。この国家補助金の欧州委員会への事前通知は現在進めている最中である。これは、フランス大統領
TM
が2022年2月10日のベルフォールでの演説において発表した、NUWARD プロジェクトに対する500百万ユーロの追加国家支援の
うち最初のトランシェである。
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10.3 無形資産および有形固定資産への投資
キャッシュ・フロー計算書に表示された無形資産および有形固定資産への投資の内訳は、以下の通りである。
2023 年6月30日現在 2022 年6月30日現在
(単位:百万ユーロ)
無形資産の取得
(868) (730)
有形固定資産の取得 (8,578) (7,369)
(606) (604)
固定資産未払金の変動
無形 資産 および有形 固定 資産への投資 (10,052) (8,703)
2023年度上半期中の有形固定資産および無形資産に対する投資は、主に、以下に関係している。
・ フランス―発電と供給セグメント:3,180百万ユーロ、基本的にグラン・カレナージュ・プログラムに基づく、主に現在
稼働中の原子力発電所への投資であり、応力腐食現象に対処するための作業、フラマンヴィル3EPRに関する投資、およ
び水力発電に関する投資に係る214百万ユーロを含む。
・ フランス―規制業務セグメント:2,562百万ユーロ、主に顧客および生産者の接続に関連する投資であるが、電力網の更
新と近代化、および品質のための投資も行っている。
・ 英国セグメント:2,580百万ユーロ、主にヒンクリー・ポイントCプロジェクト向け投資に関連する。
・ EDF Renewablesセグメント:1,173百万ユーロ。
10.4 減損/戻入
上半期の財務諸表に係る減損テストは、価値の喪失の兆候がある場合に実施している。
2023年6月30日現在、減損テストは、減損の兆候が識別された様々なCGUの特定の個別資産に対して実施された。これらのテ
ストを受けて、2023年6月30日現在で減損損失(48)百万ユーロが認識された。これは、2021年度に運転開始したEDF
Renewablesの中国における風力発電所2ヶ所に関する(36)百万ユーロを含む。当該発電所では補助金を受領できないリスクが
確認されており、それがプロジェクトの収益性に大きな影響を与える。
また、2023年6月30日現在、EDF Renewablesがメキシコに所有する風力発電所2ヶ所について、関連会社の減損(15)百万
ユーロ(注記11を参照)が認識された。
2022年6月30日現在では、減損テストの結果、特にEDF Renewables(テキサス州の風力発電所1ヶ所およびメキシコの風力
発電所1ヶ所)ならびに英国(非事業用地)に関連する個別資産について(253)百万ユーロが認識された。
イタリア、Framatome、その他国外、Dalkiaおよびその他事業セグメントのCGU(2023年6月30日現在:合計16,238百万ユー
ロの有形および無形資産、注記4を参照)については、2022年12月31日現在で存在していたヘッドルームおよび関連する感応
度分析、ならびに2023年度上半期に当該CGUにおいて営業上、規制上ないし財務上の価値に関わるトリガー事象がなかったこと
を鑑みて、2022年12月31日現在で実施されたテストを更新する必要がないと判断した。
また、当グループの内部手続の一環として、2023度年上半期中にフランスの発電所群および英国の一部のCGUで生じた変化を
反映するために、2022年12月31日現在の減損テストが更新された。これらの更新は、新たな減損の識別に繋がらなかったが、
以下に起因して実施された。
・ フランスの発電所群については、当該CGUの重要性に起因する(2023年6月30日現在の有形および無形資産合計62,198百
万ユーロ、注記4を参照)。
・ 英国(2023年6月30日現在の有形および無形資産合計37,544百万ユーロ、注記4を参照)については、2022年度に計上
したHPC CGUとのれんの減損、および2022年度における原子力資産(発電)CGUの減損の戻入に起因する。
全般的前提
当グループの減損テストの方法については、2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記10.8に記載されている。
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使用価値の算定に用いられる将来キャッシュ・フローについては、半期決算日現在で中期計画の更新がないことから、半期
決算のための特定のアプローチを使用している。キャッシュ・フローは、当年度に係る予算調整を考慮した現時点での最善の
見積りに基づいて見積られている。
電力価格
市場の対象期間(通常3年)にわたり、減損テストで使用された先渡価格は6月30日現在で観察された市場価格である。こ
のように、減損テストの更新に使用される仮定値は、2022年度末から先渡電力価格が下落している現在の市場環境を考慮に入
れている。例えば、2024年の1年物価格(CAL 24指数)は、2022年12月31日現在の240ユーロ/MWhに対し2023年6月30日現在は
174ユーロ/MWhであった。
長期の対象期間にわたり、これらのテストは、特定の内部統制に従って年次で更新される手続における、仮定群と需給バラ
ンスのファンダメンタルズ・モデルにより分析的に構築された価格曲線を使用している。半期決算では、コモディティに関す
る仮定のみが更新された(石炭、石油、ガスおよび二酸化炭素割当量)。
コモディティ価格の長期的な変動に関するファンダメンタルズの仮定を更新した結果、特にインフレ抑制法の可決による米
国内のガス需要の減少を反映して、米州のガス価格が対象期間全体にわたって下方修正された。一方、欧州のガス価格は、ウ
クライナ危機の影響が供給側(ロシアから米国プロジェクトへのフローの減少)および需要側の両方に見られることから、
2022年度末に計算された長期曲線に回帰する前の、対象期間のごく初期において、僅かに上昇している。石炭および二酸化炭
素の長期価格はそれぞれ、生産コストの上昇とEUのFit for 55パッケージの脱炭素化目標の加速に沿って上方修正されてい
る。
これらの動向が電力価格に対し対照的な影響を有すること、および脱炭素化目標の引上げという全般的な傾向から、規制上
の変更を条件として、当グループは、長期電力価格シナリオに基づく資産価値にはリスクがないものと予想している。これら
のシナリオは通常通り当下半期に更新され、2023年12月31日現在で実施される減損テストに使用される予定である。
割引率
減損テストで使用される割引率は、2023年6月30日現在で調整された。これらの割引率は、他の要因の中でも特にリスクフ
リー・レートの変動によって敏感に影響を受けるため、2022年12月31日現在で使用された割引率に対し全般的に僅かに上昇し
ている。
英国―EDF Energy(のれんならびに有形および無形固定資産:2023年6月30日現在37,544百万ユーロ(注記4を参照)、減損
控除後ののれん6,758百万ユーロ(注記10.1を参照)を含む)
EDF Energyの回収可能価額は、当該資産の予想耐用年数にわたる割引将来キャッシュ・フローに基づいて算定されており、
ヒンクリー・ポイント用地の耐用年数60年の現在建設中の2基のEPRを勘案している。これらの発電所による将来キャッシュ・
フローは、当グループと英国政府の間の差額決済契約(CfD)を参照して決定されている。CfDは、当該2基のEPRの初運転開始
日から35年の期間にわたりEDF Energyにとって安定的で予測可能な価格を設定している(2022年12月31日現在の連結財務諸表
に対する注記10.8.2を参照)。
当グループの2022年5月19日付プレスリリースにおいて発表された通り、発電開始は、HPC1号機について2027年6月、2号
機について2028年6月と見込まれている。当グループはまた、当該2基の引渡しが15か月遅延するリスク(減損テストのモデ
ルに織込済み)についても発表した。プロジェクトの完成費用は、2015年の英ポンドで250-260億英ポンドと見積られている。
HPC向けに算定されたWACCは、35年間はCfDによって規制され、その後25年間は市場価格にさらされるというキャッシュ・フ
ローの特異性を反映した混合レートである。当該プロジェクトに適用されるレートは、2022年12月31日現在6.7%であった。
EDF Energyののれんのテストに使用されたWACCは、同社の各CGU(HPC、原子力資産(現在稼働中の発電所)、販売および供
給)に適用されるWACCを考慮に入れている。各CGUからのキャッシュ・フローそれぞれの重要性を考慮して、EDF Energy全体の
WACCは同様に、2022年12月31日現在6.7%であった。
HPCのCGUについては、原子炉の建設が2023年度上半期も継続され(注記10.2を参照)、進捗ないし主要要因(工業上・運営
上の要因または割引率を含むマクロ経済の仮定)の変動に影響を与えて2022年12月31日現在で計上した減損(551百万ユーロ)
に追加の減損のリスクを生じさせるような進展はなかった。HPCプロジェクトの帳簿価額は、現在、仮定の不利な変動によって
敏感に影響を受ける。
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例えば、割引率の±10ベーシス・ポイントの変動(割引率6.7%と比較)は、HPCの減損テスト結果を約700百万英ポンド変動
させる。
原子力資産(現在稼動中の発電所)のCGUについては、2022年12月31日現在の減損テストで大幅なヘッドルームが示された。
これらのテストは、2023年度上半期において、先渡価格の下落と、それが発電事業者課税(EGL)の影響ならびにハートルプー
ルおよびヘイシャム1号機の稼働期間2年延長の影響(EDF Energyの2023年3月9日付プレスリリースを参照)により一部相
殺されたことを考慮して更新された。更新テストの結果、2023年6月30日現在のヘッドルームは減少したが依然として大幅な
ヘッドルームがあることが示された。2022年12月31日現在の財務諸表において報告された感応度は、2023年6月30日現在も引
き続き有効であり、減損のリスクを伴わない。
販売および供給のCGUについては、主に調達コストの低下により、2023年度上半期のダウンストリーム・マージンが予算上の
仮定よりも改善した。従って、2022年度末の減損テストで識別されたヘッドルームが確認された。
2022年12月31日現在、割引率上昇の著しい影響を受けた改定後のHPCプロジェクト費用を考慮して、EDF Energyの原子力資産
(現在稼働中の発電所)ならびに販売および供給のCGUにおいて観察されたヘッドルームの拡大にもかかわらず、EDF Energyの
のれんの一部の減損(1,176)百万ユーロが認識された。同社のCGUに関して提示された情報および当半期中に(マクロ経済の仮
定を含む)大きな進展がなかったことに基づき、2022年度以降、追加ののれん減損のリスクは識別されていない。EDF Energy
ののれんの帳簿価額は、現在、仮定の不利な変動によって敏感に影響を受ける。
フランス―発電と供給
フランスの発電所群に係る減損テストの原則は、2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記10.8.2に詳述されてい
る。
原子力資産については、50年を大きく超えて発電所を稼動させることが当グループの戦略であるが、当グループの減損テス
トの参照モデルでは、現行の減価償却期間に基づいて、900MWおよび1,300MWシリーズ発電所については50年、N4シリーズ発電
所については40年の稼働期間を仮定している。
2023年度から2025年度までの期間について、価格および規制に関する主要な仮定は、ARENH量100TWhおよび価格42ユー
ロ/MWh、ならびに該当ある場合には現行の財政法に準拠したフランス国家予算を財源とする最終消費者向け上限料金(従って
EDFのキャッシュ・フローは損なわれない)を含む。ARENH制度が終了する2026年度以後については、現在のところ既存のフラ
ンスの原子力発電所群に関する規制がなく、より一般的には市場設計に関する措置もないため、参照する減損テストの枠組み
は、料金および価格の構築に当たり、全面的に市場のエクスポージャーにさらされるとの仮定を適用している。
2022年12月31日現在の減損テスト結果は、回収可能価額が正味帳簿価額を大きく上回っていることを示していた。様々な主
要な仮定について行われた個別および複合の感応度分析は、このヘッドルームに疑義を呈するものではなかった。
2022年12月31日現在の減損テストは、2023年6月30日現在で、先渡価格の下落、長期的な終了コスト上昇の見通し、および
これより程度は少ないがWACCの上昇、ならびに2023年度から2025年度に係る原子力発電量の見積りの更新等の仮定の変更を織
り込んで更新された。当該テストにより示されたヘッドルームは減少したが、依然として大幅なプラスであった。
前述の通り、フランスの発電所群に係る減損テストの結果は、主に2025年度以降に使用される価格シナリオおよび原子力発
電所の稼働期間の仮定によって敏感に影響を受ける。
注記11.関連会社および共同支配企業に対する投資
関連会社および共同支配企業に対する投資は、以下の通りである。
2022 年6月
2023 年6月30日現在 30日現在 2022 年12月31日現在
議決権 資本
純利益 純利益 資本 純利益
比率 (純額)
注記 (%) 持分 持分 持分 (純額)持分 持分
(単位:百万ユーロ)
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CTE(1)
50.10 1,580 (60) 246 1,766 250
Taishan(TNPJVC)(2) 11.1 30.00 n.c n.c (18) 1,084 (102)
EDF SA保有のその他の投資
11.2 n.a. 1,929 (1) 45 1,944 79
EDF Renewablesの保有投資
11.2 n.a. 2,617 (22) (121) 2,519 (52)
その他関連会社および共同支配企業に
n.a. n.c n.c 292 2,108 584
11.2
対する投資
合計 9,047 142 444 9,421 759
n.a. :該当なし。
n.c. =報告なし。
(1 )CTEの関連会社、RTE( Réseau de Transport d'Électricité )は、高電圧および超高電圧の公共送電網の管理に責任を有する。Enedisは
RTEの電力網を使用して配電網へ送電している。
(2) CGN (Taishanの親会社)は当グループの後に連結財務諸表を公表するため、2023年6月30日現在のTaishanに係る財務データはこの表に
報告されていない。
11.1 TAISHAN
EDFは、中国広東省の台山におけるEPR原子炉2基の建設および操業のために設立されたTaishan Nuclear Power Joint Venture
Company Limited(TNPJVC)の30%を所有している。1,750MWのEPR原子炉2基から構成される台山原子力発電所は、エネルギー
業界における中国とフランスの最大の協力プロジェクトである。CGNが51%、Guangdong Energy Groupが19%の持分を保有して
いる。
2018年12月13日に1号機が商業運転を開始した後、続いて2号機は2019年9月7日に商業運転を開始した。
2019年3月20日に、NDRC(国家発展改革委員会)は、中国における最初の3件の第3世代原子力プロジェクトに規制料金を
割り当てており、その一つがTaishanである。Taishanに割り当てられた料金は、2021年度末までMWh当たり435中国人民元に設
定され、最初のユニットが運転を開始した日(2018年12月13日)まで遡って効力を有した。2022年度から適用される連動メカ
ニズムは、この決定では設定されず、現在も引き続き発表されていない。NDRCは、第3世代発電所(Taishanを含む)の現行料
金を、追って通知するまで延長することを発表した。
2回目の運転サイクル中である2021年6月14日に、台山発電所の原子炉1号機の一次回路で貴ガスの蓄積が検出された。中
国生態環境部は、これは非密封の燃料棒数本に起因すると言明した。状況の初期分析を受けて、2021年7月30日に台山発電所
の運営者は、より詳細に状況を査定し、進行を防いで是正措置を講じるために、1号機を閉鎖することを決定した。燃料除去
作業は2021年8月22日に完了した。2回目の運転サイクルで直面した技術上の問題を受けて実施された台山1号機の燃料集合
体の検査で、一部の集合体部品に機械的摩耗が認められた。この現象は、フランスの原子力発電所の複数の原子炉で既に発生
している。2022年度上半期中にEDFとFramatomeは、台山1号機を安全に再稼働させるための書類作成に貢献し、中国当局によ
る審査の間、TNPJVCを支援した。台山1号機は、2022年7月末の中国所轄当局による最終検査を経て、2022年8月15日に中国
の電力網に再接続された。
2023年度第1四半期中に、台山1号機は計画上の燃料再装荷のため停止された。CGNが2023年6月9日付プレスリリースにお
いて発表した通り、この停止中にTNPJVCは、当該ユニットの安定的な長期稼働に向けたデータおよび経験収集のためいくつか
の検査および試験を追加した。2023年6月30日現在、1号機は引き続き停止中である。
TNPJVCの株主間協定に基づき、EDFは2021年1月にシンガポール国際商業会議所で、パートナーであるCGNに対して「解釈」
の仲裁手続を開始した。見解の相違は、発電所に関する会計方針、特にその減価償却期間に関係していた。EDFは発電所の操業
可能期間に合わせた60年を要請したが、CGNは事業体TNPJVCと同時期に終了する41年にすべきと考えた。この会計方針は、EDF
グループがこのパートナーシップを通じて受け取る報酬、特にパートナーシップ終了時の残余持分に影響を与える可能性があ
る。2023年6月6日に下された決定は、EDFの立場の妥当性を確認するものであった。
いずれもTaishanへの持分法適用投資の回収可能価額に影響を与える可能性のある要因である料金水準の変動に関する持続的
な不確実性および1号機の停止延長のリスクを考慮して、引当金が計上されている(この引当金は注記16.2の「子会社および
投資関連リスク引当金」に含まれている)。
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11.2 その他の投資
EDF SA保有のその他の投資は、専用資産に含まれている(注記14.2を参照)。
EDF Renewables保有のその他の投資は、主に北米、およびこれより程度は少ないが欧州、中国およびブラジルに所在する。
当上半期におけるこれらの投資の増加は、主にDesert Harvest IおよびIIのプロジェクトに起因する。
その他関連会社および共同支配企業に対する投資は主に、以下に関連している。
・ 特に液化天然ガス(LNG)のトレーディングおよび最適化活動を専門とする会社であるJERA Global Markets(JERA GM)
で、EDF Tradingが33%を所有。
・ 中国におけるJiangxi Datang International Fuzhou Power Generation Company Ltd.が所有する超臨界石炭火力発電所
で、当グループが49%を所有。
・ ブラジルにおけるCompagnie Énergétique de Sinop(CES)が所有するダムで、当グループが51%を所有。
・ カメルーンのNachtigalダムで、当グループが40%を所有。貯水池の湛水は2023年7月18日に開始され、発電所全体は
2024年度下半期に運転開始される予定である。
2023年度上半期に、減損(50)百万ユーロが関連会社および共同支配企業に対する投資について、主に専用資産((30)百万
ユーロ)に関連して計上された。
2022年度上半期に、減損(137)百万ユーロが関連会社および共同支配企業に対する投資について、主にEDF Renewables所有の
米国の風力発電資産に関連して計上された。
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注記12.運転資本
12.1 運転資本:構成および変動
12.1.1 運転資本の構成
2023年度上半期における正味運転資本の変動は、以下の通りである。
2022 年 貨幣性 非貨幣性 2023 年
注記 12 月31日現在 変動 変動 6月30日現在
(単位:百万ユーロ)
棚卸資産および仕掛品
(17,661) (73) 113 (17,621)
営業債権、引当金控除後 12.2 (24,844) 86 117 (24,641)
営業債務 12.4 23,284 (7,347) (36) 15,901
公共電力サービス費用補償債権(CSPE債務) 12.5.4 6,074 (3,502) - 2,572
12.3および
その他の債権および債務(1) 9,007 2,956 1,124 13,086
12.5
(117) (140) (1,459) (1,716)
運転資本のその他の構成要素(2)
正味運転資本 (4,257) (8,020) (141) (12,418)
(1 )資産の取得/処分および投資補助金に係る債権および債務を除く。
(2 )運転資本のその他の構成要素は、貸借対照表の無形資産に表示された二酸化炭素排出権およびグリーン証書ならびに営業
デリバティブを含む。
12.1.2 運転資本の貨幣性変動
2023 年 2022 年
(単位:百万ユーロ)
注記 6月30日現在 12月31日現在
棚卸資産の変動
(73) (1,894)
営業債権の変動 12.2 86 (3,643)
営業債務の変動 12.5 (7,347) 4,524
公共電力サービス費用補償債権(CSPE債務)の変動 12.5.4 (3,502) 5,780
12.3および
2,816 3,534
その他の債権および債務の変動
12.5
運転資本の変動 (8,020) 8,301
その他の債権および債務の変動は、購入義務に関する追加報酬未収金の増加(17億ユーロ)、EnedisがRTEから受領したCRCP
剰余金の支払(12億ユーロ)、税金および社会保障に関する負債(8億ユーロ)、ならびにトレーディング業務における正味
マージンコールの減少((9)億ユーロ)によるものである。
その他の債権および債務の変動は、貸借対照表の無形資産に表示された二酸化炭素排出権およびグリーン証書ならびに営業
デリバティブの貨幣性変動を含む。
12.1.3 運転資本の非貨幣性変動
非貨幣性変動は連結範囲の変更、外国為替の影響、公正価値の変動および組替の影響を含む。2023年度上半期における非貨
幣性変動は、主に棚卸資産および営業デリバティブの公正価値の変動合計(219)百万ユーロ、ならびに主に装荷済燃料の調整に
関連するその他の影響85百万ユーロによるものである。
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12.2 営業債権
営業債権(純額)の内訳は、以下の通りである。
2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
(単位:百万ユーロ)
営業債権-総額(EDF Tradingを除く)
22,181 21,568
-契約資産(1) 538 441
営業債権-総額(EDF Trading)
4,052 4,598
(1,592) (1,322)
減損
24,641 24,844
営業債権-純額
(1 )2023年6月30日現在、契約資産は総額538百万ユーロ (2022年12月31日現在441百万ユーロ) であり、主にFramatome、
Dalkia、EDF Renewablesおよびその他国外の事業セグメントに関係している。
営業債権の大部分は、1年以内に期限が到来する。
2023年6月30日現在、フランスにおいて毎月定額を支払う顧客から受け取った前受金7,951百万ユーロ(2022年12月31日現
在:7,423百万ユーロ)は、営業債権から控除されている。
営業債権は、2022年12月31日現在から2023年6月30日現在にかけて、全体としては安定的であったが、各セグメントの変動
はそれぞれの売上高(フランス―発電と供給30億ユーロ、イタリア(15)億ユーロ、フランス―規制業務(6)億ユーロおよび
Dalkia(5)億ユーロ)に応じて大きく異なっている。
12.2.1 期日到来および期日未到来の営業債権
2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
総額 引当金 純額 総額 引当金 純額
(単位:百万ユーロ)
営業債権
26,233 (1,592) 24,641 26,166 (1,322) 24,844
- 期日経過後6か月以内
2,485 (365) 2,120 2,037 (183) 1,854
- 期日経過後6~12か月
779 (250) 529 678 (242) 436
- 期日経過後12か月超 1,072 (576) 496 1,117 (551) 566
4,336 (1,191) 3,145 3,832 (976) 2,856
期日到来営業債権
21,897 (401) 21,496 22,334 (346) 21,988
期日未到来営業債権
12.2.2 債権の譲渡
2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
(単位:百万ユーロ)
譲渡済で貸借対照表上に全額留保している営業債権
53 324
1,871 2,470
譲渡済で貸借対照表上全額認識中止した営業債権
当グループは2023年6月30日現在、主にEDF SA、Edison、LuminusおよびDalkiaに関連する合計1,871百万ユーロの営業債権
の譲渡を行っていた(2022年12月31日現在:2,470百万ユーロ)。
譲渡のほとんどは反復的に、遡及権なしで行われており、対応する債権は以後、当グループの連結貸借対照表には計上され
ない。
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12.3 その他の債権
2023年6月30日現在、その他の営業債権は、トレーディング業務のマージンコール22億ユーロ(2022年度:52億ユーロ)を
含んでおり、これは基本的に当半期にわたって観察された市場価格の下落およびボラティリティの低下により減少した。資産
に認識されたマージンコールの額は、負債に認識されたマージンコールと相殺できない(注記12.5.4を参照)。
2023年6月30日現在、その他の債権はまた、税金債権1,902百万ユーロ(2022年12月31日現在:2,242百万ユーロ)および前
払費用1,601百万ユーロ(2022年12月31日現在:1,592百万ユーロ)も含んでいる。
12.4 営業債務
2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
(単位:百万ユーロ)
営業債務(EDF Tradingを除く)
12,299 16,001
営業債務(EDF Trading) 3,602 7,283
営業債務
15,901 23,284
2023年上半期におけるEDF Tradingを除く営業債務の減少37億ユーロは、特にEdisonに関する16億ユーロを含む。
当グループは、リバース・ファクタリング・プログラムを有している。これにより供給業者は、自らの意思で、EDFに対する
受取債権をファクタリング会社に譲渡することができる。当グループにとっては、このプログラムは、供給業者がEDFに対して
保有する受取債権の実体および特性に何の変更ももたらさない。特に、一連の営業キャッシュ・フローに影響を与えない。
従って、関連する債務は当グループの財務諸表上「営業債務」に含まれている。
12.5 その他の負債
その他の負債の明細は、以下の通りである。
2023 年6月30日現在 うち契約負債 2022 年12月31日現在 うち契約負債
(単位:百万ユーロ)
前受金および未成業務受入金
3,350 2,087 3,973 2,025
有形固定資産関連負債 4,109 - 4,631 -
税金負債 4,221 - 3,488 -
社会保障費 5,896 - 5,865 -
長期契約に係る繰延収益 3,481 3,481 3,180 3,144
その他の繰延収益(1) 1,254 766 1,172 694
その他 9,022 - 16,163 -
その他の負債
31,333 6,334 38,472 5,863
非流動部分
5,492 3,416 4,968 2,929
流動部分 25,841 2,919 33,504 2,934
(1 )2020年度に受け取ったフェッセンハイム補償協定にもとづく最初の支払額を含む。
12.5.1 前受金および未成業務受入金
2023年6月30日現在、前受金および未成業務受入金は、Framatomeの長期契約の顧客による支払額596百万ユーロからなる
(2022年12月31日現在:630百万ユーロ)。
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12.5.2 税金負債
2023年6月30日現在、税金負債には、主に、供給済であるが未請求のエネルギーについてEDFが集金するCSPE税から、月次定
額分割払を行う顧客からの前受金について集金したCSPE税を控除した95百万ユーロが含まれている(2022年12月31日現在:116
百万ユーロ)。
12.5.3 長期契約に係る繰延収益
2023 年6月30日現在のEDFの長期契約に係る繰延収益には、原子力発電所資金調達計画に基づくEDFに対するパートナー前渡
金2,141百万ユーロが含まれている(2022年12月31日現在:1,777百万ユーロ)。この364百万ユーロの増加は、パートナーが延
長オプションを行使したことによる。
長期契約に係る繰延収益にはまた、Exeltiumコンソーシアムとの契約に基づき2010年度にEDFグループに支払われた前渡金17
億ユーロが含まれている。この前渡金は、契約期間(24年)にわたり段階的に損益計算書に振り替えられている。
12.5.4 その他
2023年6月30日現在、その他の営業負債は、トレーディング業務のマージンコール20億ユーロ(2022年度:59億ユーロ)を
含んでいる。この減少は、2023年度上半期に欧州で観察されたボラティリティの低下およびコモディティ価格の下落に起因す
る。負債に認識されたマージンコールの額は、資産に認識されたマージンコールと相殺できない(注記12.3を参照)。
2023年6月30日現在のその他の負債は、CSPEに関連した国に対する営業負債2,572百万ユーロも含んでいる(2022年12月31日
現在:6,074百万ユーロ)。
その他の負債の表の最終行には、2023年度上半期中に受け取った投資補助金36百万ユーロ(2022年度上半期:108百万ユー
ロ)が含まれている。グループ会社が受け取った投資補助金は、負債の中の「その他の負債」に含まれ、対応する資産の経済
的便益の使用に応じて利益に振替えられる。
EDF の公共サービス費用
EDF SAへの補償対象費用の2023年度上半期の額は5,551百万ユーロである。
・ 購入義務関連の補償対象公共サービス費用は、市場価格が高く、EDFが負担するエネルギー費用を上回っていたことか
ら、2023年度上半期にはマイナスとなり、(2,694)百万ユーロであった。
・ 逆に、2023年度上半期の補償対象公共サービス費用は、最終顧客への販売価格の上限設定によって生じる販売収益の
不足に係る金額7,194百万ユーロを含んでいる(2022年度上半期には、影響額28百万ユーロのガス上限料金メカニズム
を除き、これに相当するものはなかった)。電力上限料金に起因する補償は6,458百万ユーロ、電力バッファに起因す
る補償は642百万ユーロであり、ガス上限料金に関する補償は94百万ユーロであった。
・ 非相互接続地域に係る補償対象公共サービス費用は1,037百万ユーロである。
国の一般予算からの2023年度の受取額は、2022年度に係る受取債権の未収残額に相当する合計2,053百万ユーロであった。
2022年度に係る総額は、2021年7月のCREの決定において6,625百万ユーロに確定していた。
一方で、2023年6月30日現在、EDF SAは国に対する営業負債2,581百万ユーロを有している(2022年12月31日現在:6,074百
万ユーロ)。
フランスにおける公共電力サービス費用補償メカニズムについては、2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記5.5.1
に記載されている。
12.5.5 契約負債
契約負債は、顧客が既に支払済みであるかまたは支払期日が到来している場合に、当該顧客に財およびサービスを供給する
会社の義務を表す。
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契約負債の変動は、以下の通りであった。
当期
取消額
時の経過
2022 年 当期 2023 年
(売上高 による割
12月31日 当期 売上高 6月30日
に影響し 引の戻入 連結範囲 外国為替
現在 計上額 振替額 ない) れの影響 の変更 の影響 現在
(単位:百万ユーロ)
前受金
2,025 1,600 (1,559) (14) 3 - 32 2,087
長期契約に係る繰延収益 3,144 874 (557) - 23 - (4) 3,481
694 577 (547) - - 42 1 766
その他の繰延収益
これらの負債は、大部分の前受金および未成業務受入金2,087百万ユーロ(主にFramatome、英国およびフランス―規制業務
セグメントに関連)ならびに、大部分の繰延収益(長期およびその他の契約に係るもの)4,247百万ユーロ(主にフランス―発
電と供給セグメントに関連)から構成されている。従ってその2023年6月30日現在の合計額は、6,334百万ユーロである(2022
年12月31日現在:5,863百万ユーロ)。
期限1年超の契約で報告日現在その義務が未履行または一部履行済みである契約は、約13,250百万ユーロの売上収益を生み
出すべきものであるが、これらは未認識である。これらの売上収益のうち945百万ユーロは、Exeltium契約に基づいて2034年ま
で段階的に認識され、残額は共同運営発電所に関連する契約についてはその運営期間にわたり、また、その他の確定販売契約
(エネルギー販売を除く)についてはその契約期間にわたり、認識される。
注記13.資本
13.1 資本金
2023年6月30日現在のEDFの資本金は2,084,809,296.50ユーロであり、額面0.50ユーロの全額引受済・払込済株式
4,169,618,593株から成っている。資本金のうち99.98%はフランス政府、0.02%はEDFが自己株式として所有している。
2023年度上半期中に、すべてのOCEANE債218,696,799口が転換され、281,900,173株の新株発行後に連続して、資本金が総額
140,950,086.50ユーロ増加した(注記13.4を参照)。
13.2 配当
2023年6月28日の株主総会において、2023年度は2022年度に係る配当金を支払わないことが決議された。
13.3 永久劣後債
13.3.1 2023年6月30日現在の永久劣後債残高の内訳
2023年6月30日現在、資本に計上されている永久劣後債は、12,009百万ユーロ(税引後の取引費用控除後)であった(2022
年12月31日現在:11,722百万ユーロ)。
2023年6月8日に当グループはハイブリッド債を発行し、1,377百万ユーロの額で資本に認識された(注記13.3.2を参照)。
これと並行してEDFは、2022年12月31日現在において1,093百万ユーロの額で資本に計上されていた2014年1月発行の1,500百万
米ドルの永久劣後債の未償還残高について、契約に基づく現金償還の申出を開始した。2023年6月21日における償還額は合計
901百万米ドル(820百万ユーロ)であった(注記13.3.2を参照)。申出の対象となっている未償還社債(551百万ユーロ)は、
2023年6月30日現在で、対応する外国為替による影響を含む額で金融負債に組み替えられた(2023年7月7日付プレスリリー
スを参照)。EDFは、この償還申出の結果が発表された2023年7月7日に、2023年7月10日を決済日として3百万米ドルの追加
償還を進めていることを確認した。当該申出の終了後、未償還社債の残高の額面は596百万米ドルであった。これは2023年7月
に資本に戻される。
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発行された永久劣後債の持参人に対するEDFの利息支払額は、2022年度上半期332百万ユーロおよび2022年度606百万ユーロに
対し、2023年度上半期300百万ユーロであった。この結果としての現金支払額は、対応する当グループ資本の減額に反映されて
いる。
2023年度下半期にEDFは、永久劣後債の持参人に対して、2022年7月の166百万ユーロに対し2023年7月に85百万ユーロの利
息を支払った。
13.3 .2 2023年度上半期中の永久劣後債の変動
2023年6月8日にEDFは、当初クーポン9.125%で2033年にEDFの裁量で初回の償還可能日を迎える米ドル建永久ハイブリッド
債15億米ドルを発行した。EDFは、10年後(すなわち2033年)に予定されている最初の利息再設定日の前の3か月の間、および
その後5年ごとに、このハイブリッド債を現金で償還できる。
この発行による収入は、一連の米ドル建永久超劣後債の全部または一部の償還、および当グループの一般的な資金需要に充
当される。決済および交付は、ルクセンブルグ証券取引所が運営する多角的取引システム(ユーロMTF)における当該ハイブ
リッド債の売買が認められた日である2023年6月15日に行われた。この発行は、資金受領時に1,377百万ユーロの純額で資本に
計上された。
2023年6月6日にEDFは、ルクセンブルク証券取引所の規制市場で売買が認められている米ドル建永久劣後債15億ユーロの全
部または一部を買い入れる旨の、契約に基づく償還の申出を開始した。2023年6月21日における償還額は合計901百万米ドル
(820百万ユーロ)であり、当該申出が2023年7月6日まで有効であったことから、2023年6月30日現在で551百万ユーロが金
融負債に組み替えられた。
13.4 株式転換権付グリーン・ボンド (OCÉANES)
2020年9月8日に、EDFは、額面2,400百万ユーロ、発行価額2,569百万ユーロで、新株への転換および/または既発行株式と
の交換可能なグリーン・ボンド(OCÉANEs Vertes)を発行した。
2022年度中に、OCEANE債882,340口が新株に転換され1,137,336株が生じ、当グループの資本が、資本金0.57百万ユーロを含
め9.65百万ユーロ増加した。
フランス政府はその公開買付(注記2を参照)を通じてOCEANE債127,147,355口を取得し、その結果、2022年12月31日現在、
OCEANE債214,979,011口ないしOCEANE債ポートフォリオ全体の98.30%を保有していた。
2023年1月26日に、OCEANE債201口の転換により259株の新株が発行された。
2023年2月22日に、フランス政府はOCEANE債87,831,655口の株式への転換を要請した。この転換により、113,215,003株の新
株が発行された。
2023年5月24日に、フランス政府はOCEANE債130,784,645口の株式への転換を要請した。この転換により、168,581,407株の
新株が発行された。
2023年6月8日のスクイーズアウトを受けて、募集に応じなかった残りのOCEANE債80,298口が国に譲渡された結果、これら
の社債がすべて2023年6月13日に転換され、EDFのOCEANE債はユーロネクスト・アクセスへの上場を廃止した。この最後の転換
により、103,504株の新株が発行された。
2023年度上半期におけるこれらの連続的な取引の結果、当グループの資本は、資本金141百万ユーロの増加を含め、2,390百
万ユーロ増加した。
13.5 非支配持分(少数株主持分)
2023 年6月30日現在 2022 年6月30日現在
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非支配持分 非支配持分
資本 資本
所有割合
に帰属する に帰属する
(%)
(非支配持分) (非支配持分)
(単位:百万ユーロ)
純利益 純利益
主要な非支配持分
EDF Energy Nuclear Generation Ltd.
20.00% 2,231 79 2,583 50
NNB Holding Company (HPC) Ltd.
33.50% 7,515 (23) 6,747 (14)
NNB Holding Company (SZC) Ltd.
46.86% 1,206 - 400 -
EDF Investissements Groupe SA
7.54% 519 6 518 5
Luminus SA
31.37% 616 (26) 389 4
Framatome 24.50% 216 (19) 85 1
1,409 81 1,489 92
その他の非支配持分
合計 13,712 98 12,211 138
当グループがEDF Energyを通じて80%を所有するEDF Energy Nuclear Generation Ltd.に対する非支配持分は、Centricaの持
分である。
当グループがEDF Energyを通じて66.50%を所有する、ヒンクリー・ポイントCプロジェクトのための持株会社であるNNB
Holding Company (HPC) Ltd.に対する非支配持分は、CGNの持分である。
当グループがEDF Energyを通じて53.14%を所有する、サイズウェルCプロジェクトのための持株会社であるNNB Holding
Company (SZC) Ltd.に対する非支配持分は、英国政府が2022年11月30日に行った投資および、20%を保有していたCGNの同日付
の当該事業体からの撤退後の2023年6月30日現在における当該プロジェクトに対する英国政府の持分である(注記10.2を参
照)。
EDF Investissements Groupeに対する非支配持分は、Natixis Belgique Investissementsの保有する投資である。
Luminusに対する非支配持分は、ベルギーの地方当局の保有する投資である。
当グループがEDF SAを通じて75.5%を所有するFramatomeに対する非支配持分は、三菱重工業が保有する19.5%持分および
Assystemが保有する5%持分である。
その他の非支配持分は、主に、EdisonおよびEDF Renewables下位企業集団の子会社に対する少数株主持分である。
これらはまた、Dalkiaグループが発行し少数株主が引き受けた転換社債の形態による商品、2023年6月30日現在の合計98百
万ユーロ(2022年度上半期:131百万ユーロ)を含む。
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注記14.原子力発電関連引当金および専用資産
原子力発電関連引当金の流動および非流動の内訳は、以下の通りである。
2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
(単位:百万ユーロ) 流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
核サイクル終了引当金
1,921 25,488 27,409 1,602 24,982 26,584
2,245 30,967 33,212 1,539 31,039 32,578
廃炉および炉心核燃料引当金
原子力発電関連引当金 4,166 56,455 60,621 3,141 56,021 59,162
核サイクル終了引当金、廃炉および炉心核燃料引当金の変動の詳細は以下の通りである。
割引の
2022 年 その他の 2023 年
増加 減少 換算調整
12 月31日現在 変動 6月30日現在
(単位:百万ユーロ) 影響
使用済燃料管理引当金
12,663 213 (436) 330 42 (70) 12,742
廃棄物除去および調整引当金
373 - - 16 12 (15) 386
放射性廃棄物長期管理引当金
13,548 380 (197) 485 36 29 14,281
核サイクル終了引当金
26,584 593 (633) 831 90 (56) 27,409
原子力発電所廃炉引当金
29,015 105 (447) 928 366 (466) 29,501
炉心核燃料引当金
3,563 - - 87 39 22 3,711
廃炉および炉心核燃料引当金 32,578 105 (447) 1,015 405 (444) 33,212
原子力発電関連引当金 59,162 698 (1,080) 1,846 495 (500) 60,621
EDF SA
43,382 337 (660) 1,242 - 189 44,490
―2006 年6月28日付法律の範
42,187 332 (637) 1,212 - 189 43,283
囲内の引当金
英国 15,148 9 (402) 594 495 (676) 15,168
632 352 (18) 10 - (13) 963
ベルギー
原子力発電関連引当金の2023年度上半期における変動は、主に以下によるものである。
・ 英国における実質割引率の上昇(特に核サイクル終了および廃炉引当金に係る+20ベーシス・ポイント):対応する影
響は、資産(特に核サイクル終了および廃炉引当金の場合は原子力負債基金(NLF)および英国政府からの払戻しに相
当する債権、炉心核燃料引当金の場合は関連資産および基礎資産)の裏付けがある引当金の変動として「その他の変
動」((439)百万ユーロ)に表示されている。
・ ベルギーにおける引当金335百万ユーロの増加:主にEDF LuminusおよびEDF Belgiumの核廃棄物に関連するすべての義
務に関してベルギー政府との間で締結したEngieの合意(注記7を参照)ならびにティアンジュ3号機およびドエル4
号機の稼働期間延長による影響を反映している。
EDF Energyの発電所に係るEDFの核サイクル終了および廃炉引当金に関連する規制および契約の枠組みは、2022年12月31日現
在の連結財務諸表に対する注記15.2に記載されている。
14.1 フランスにおける原子力引当金
核サイクル終了、発電所廃炉および炉心核燃料引当金の測定は、業界のシナリオおよび技術的な工程、費用、インフレ率、
長期割引率、現在稼働中の発電所の減価償却期間ならびに支出スケジュールに関する仮定の影響を受ける。フランスにおける
原子力引当金の規制および契約の枠組みならびに引当金の主要な計算方法は、2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注
記15.1.1に記載されている。
使用済燃料管理引当金の対象となる費用は決算日現在の予測物的フローを基礎とし、2008年から2040年の期間についての枠
組み契約に関し条件を定めたOrano Recyclageとの契約を参照して見積られる。これらのうち直近の契約は2016年2月5日に署
名され、2016年から2023年の期間を対象とする。
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2020年9月以降、Orano Recyclageとの間で、2024年から2026年の期間に係る変更に関して交渉が進められている。これらの
交渉に鑑み、2022年12月31日現在、EDFは854百万ユーロのリスクおよび損失引当金を認識した。当該金額は、直近の当事者間
の やりとりに基づく、発生可能性の高い交渉結果に係る同日現在の最善の見積りを表す。2023年度上半期にOrano Recyclageか
らの新たな要請を受けて協議が再開されたが、2023年6月30日現在、合意に至っていない。リスクおよび損失引当金は上半期
中に1,026百万ユーロ増加して、2023年6月30日現在、1,880百万ユーロとなった(注記16.2を参照)。2023年6月30日現在、
使用済燃料管理引当金に含まれる処理および再利用契約に係る引当金83億ユーロと比較される当該金額は、2023年4月に行わ
れたOrano RecyclageへのEDFの直近の反対提案に基づく、交渉結果の引当金への影響に関するEDFの最善の評価を反映してい
る。この反対提案では特に、2016年から2023年の期間に係る所定の契約報酬の平均(2020年のユーロ)に対し平均27%の増額
(2024年のユーロ)が提案された。これは、契約の基礎となる経済状況の変化およびOrano Recyclageが同社工場の性能向上に
必要な運営費用に関して表明した要件を考慮している。
交渉が完了すると、その結果は(現在のようにリスクおよび損失引当金ではなく)使用済燃料管理引当金に影響を与える可
能性がある。
放射性廃棄物長期管理、廃炉および炉心核燃料引当金については、2023年度上半期中に、費用見積りおよび引当金の顕著な
変動につながる可能性のある規制上、工業上、運営上または財務上の事象はなかった。
CIGEO貯蔵センターに関しては、ANDRAによるエネルギー移行省へのセンター設立認可の申請後、2023年6月22日にASNが、当
該申請が認められたことを確認する公告を発表した。これにより申請の技術的審査の開始が可能となった。設立認可の政令は
2027年度と見込まれている。
割引率およびインフレ率
割引率およびインフレ率の計算方法は、2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記15.1.1.5に記載されている。
これらの方法を適用して、2023年6月30日現在の割引率は4.8%(2022年12月31日現在:4.8%)、仮定したインフレ率は
2.3%(2022年12月31日現在:2.3%)、即ち、2023年6月30日現在の実質割引率は2.5%(2022年12月31日現在:2.5%)であ
る。
割引率の安定は、満期10年超のOAT債の金利および社債のスプレッドがいずれも2022年12月31日以降、相対的に安定していた
ことを反映している。
割引率の規制上の制限
割引率は2つの規制上の制限に従わなければならない。原子力費用の資金確保に関する2020年7月1日付政令(当初の2007
年2月23日付政令を環境法の一環として体系化し更新)および原子力費用の資金確保に関する2020年7月1日付省令(当初の
2007年3月21日付省令の改正)に基づいて、割引率は以下より低くなければならない。
・ 実質値、即ちインフレ控除後で表示される規制上限。この値は、欧州保険・企業年金監督機構(EIOPA)が発表する該当
日現在に適用される最終的フォワード・レート(UFR)の算定に使用された実質長期金利に関する予想を表す四捨五入前
の値に150ベーシス・ポイントを加算した値に相当する。この上限は2024年から適用される。2024年までは、当該上限は
2.3%と上記計算値の加重平均である。2.3%の率に適用される加重は、2020年50%、2021年25%、2022年12.5%および
2023年6.25%に設定されている。
・ 負債を填補する資産(専用資産)の予測収益率。
2020年7月1日付で発効した命令を適用し、UFRを参照して計算された上限割引率は、2023年6月30日現在、2.82%(2022年
12月31日現在:2.85%)である。
異なる資産クラスのリスク・リターン特性を組み込んだ研究により示された専用資産に係る20年間の平均予測収益率は、
2004年1月1日から2023年6月30日の間に観察された平均年間収益率5.8%に近く、割引率を上回っている。
コスト、インフレ率、割引率および支出スケジュールに関する仮定に対する感応度は、年度末の経済状況に基づいて見積ら
れた総額とその金額の現在価値との比較により見積ることができる。
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2006 年6月28日付法律の範囲内の原子
2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
力発電関連引当金
年度末の経済状況 引当金の 年度末の経済状況 引当金の
に基づく費用 現在価値 に基づく費用 現在価値
(単位:百万ユーロ)
使用済燃料管理
16,083 10,246 16,194 10,184
- 営業サイクルに関連しない金額 3,448 1,633 3,417 1,607
37,906 12,790 36,996 12,475
放射性廃棄物長期管理
核サイクル終了費用 53,989 23,036 53,190 22,659
現在稼働中の原子力発電所の廃炉
21,936 12,590 21,381 12,125
閉鎖された原子力発電所の廃炉 8,454 5,168 8,219 4,969
4,244 2,489 4,189 2,434
炉心核燃料
廃炉および炉心核燃料費用 34,634 20,247 33,789 19,528
2006 年6月28日付法律の範囲内の原
43,283 42,187
子力発電関連引当金
感応度分析に加えて以下の表は、割引率が±20ベーシス・ポイント変動した場合のEDFの核サイクル終了、廃炉および炉心核
燃料引当金の現在価値に対する影響の見積りを示している。
2023 年6月30日現在
割引率に対する感応度
貸借対照表上の引当金 税引前純利益
引当金の
(単位:百万ユーロ)
現在価値 +0. 20 % -0.20 % +0. 20 % -0.20 %
核サイクル終了費用:
24,243 (890) 976 717 (790)
-使用済燃料管理 11,453 (199) 212 170 (182)
-放射性廃棄物長期管理 12,790 (691) 764 547 (608)
廃炉および炉心核燃料: 20,247 (757) 798 153 (164)
-現在稼働中の原子力発電所の廃炉 12,590 (519) 544 0 (0)
-閉鎖された原子力発電所の廃炉 5,168 (153) 164 153 (164)
2,489 (85) 90 0 0
-炉心核燃料
合計 44,490 (1,647) 1,774 870 (954)
専用資産で填補される金額 32,664 (1,467) 1,585 769 (847)
割引率が±10ベーシス・ポイント変動した場合の核サイクル終了、廃炉および炉心核燃料引当金の現在価値に対する影響の
見積りは、税引前当期純利益に対する446/(470)百万ユーロを含め、(840)/875百万ユーロである。
14.2 EDFの専用資産
フランスの規制の求めるところに従って、EDFは、長期の原子力関連債務(具体的には、原子力発電所の廃炉および放射性廃
棄物の長期管理)の資金確保のための金融資産ポートフォリオを構築した。
このポートフォリオの主な特徴、その管理原則および適用される法規は、2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記
15.1.2に記載されている。
14.2.1 2022年度上半期の専用資産の変動
専用資産による引当金の補填率が2022年12月31日現在100%超であったため(107.1%)、2023年度にはEDFは専用資産ポート
フォリオへの追加義務を課されず、当年度上半期の配分はなかった(2022年度にも当該義務はなく専用資産への配分もなかっ
た)。
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ハイリスク資産は2023年度上半期に回復し、2022年度の損失の多くを取り戻した。
この展開は、マクロ経済への期待が著しく改善し、投資家が2022年度後半の慎重姿勢とは対照的に、世界経済はソフトラン
ディングし厳しい景気後退は回避されるとの見方を強めたことを反映している。インフレの鈍化も顕著で、米国の12か月ロー
リングインフレ率は2022年6月の9.1%から2023年5月には4.0%に戻った。このインフレの鈍化は、中央銀行が間もなく金融
政策を緩和しその後の緩和への流れを作ることが可能となるという考えを後押しした。しかし、特に食料品とエネルギー以外
の品目のインフレが高止まりしているため(米国およびユーロ圏の5月の12か月ローリングインフレ率は5.3%)、中央銀行は
警戒を続けている。
これらの有利なマクロ経済動向はまた、予想を上回る企業業績にも反映され、特にテクノロジー部門の主要銘柄株式が指数
上昇に大きく貢献した。
こうした背景から、年初から6月30日までの間に、MSCIワールド・オール・カントリー・エクイティ・インデックスはユー
ロ建で12.1%上昇し、FTSE EMU GBIボンド・インデックスは2.6%上昇、FTSEユーロBIGコーポレートは2.3%上昇した。
成長資産(+11%、上場資産+11.6%を含む)および固定収益資産(+2.4%、上場債券+2.6%を含む)の運用成績は、年初
来、指数のパフォーマンスにほぼ連動している。
この結果、専用資産ポートフォリオ(投資ファンドおよび株式)の公正価値における+1,392百万ユーロの正の変動(2022年
度上半期は(3,196)百万ユーロ、2022年度は(3,096)百万ユーロの負の変動)が、2023年度上半期の金融損益に認識された(注
記8.3を参照)。同様に、専用資産ポートフォリオ(債券)の公正価値における+141百万ユーロの正の変動(2022年度上半期は
(637)百万ユーロ、2022年度は(875)百万ユーロの負の変動)は、2023年度上半期のOCIに認識された(注記17.1.2を参照)。
2023年度上半期中にEDF Investは、そのマンデートの対象である様々なクラスの非上場資産(インフラ、不動産および投資
ファンド)への分散投資を継続した。
2023年度上半期の専用資産からの引出額は、填補すべき長期原子力債務に関連する2023年度上半期の支払額と同額の合計309
百万ユーロ(2022年度上半期:273百万ユーロ、2022年度:416百万ユーロ)であった。
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14.2.2 EDFの専用資産の評価
EDFの専用資産の詳細は以下の通りである。
2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
実現可能 実現可能
連結貸借対照表表示 帳簿価額 価額 帳簿価額 価額
(単位:百万ユーロ)
利回り資産(EDF Invest) 6,133 8,829 6,477 8,772
CTE 関連会社に対する投資(1)
1,580 4,035 1,766 3,791
その他の関連会社 関連会社に対する投資(2) 2,148 2,364 2,268 2,495
負債証券および持分証券な
その他の非上場資産 2,407 2,432 2,422 2,465
らびにその他の純資産(3)
(2) (2) 21 21
デリバティブ
デリバティブの公正価値
13,133 13,133 12,251 12,251
成長資産
株式(投資ファンド) 負債証券 12,552 12,552 11,625 11,625
非上場株式ファンド(EDF Invest)
563 563 553 553
負債証券
18 18 73 73
デリバティブ
デリバティブの公正価値
13,474 13,474 12,881 12,881
固定収益資産
債券 負債証券
11,444 11,444 11,101 11,101
非上場債券ファンド(EDF Invest)
負債証券 219 219 215 215
現金ポートフォリオ 負債証券 1,488 1,488 1,414 1,414
分散された債券ファンド 負債証券 326 326 163 163
(3) (3) (12) (12)
デリバティブ
デリバティブの公正価値
32,740 35,436 31,609 33,904
専用資産合計
(1) RTE株式100%所有会社であるCTEの50.1%に関する当グループの投資。CTE株式は、その持分の価額が連結財務諸表に計上
されている(上表の帳簿価額)。上表のCTEの実現可能価額は、EDF Investの他の資産と同様の方法により、独立の査定
人により決定されている。
(2) これらの投資を所有する被支配会社の資本持分価額を含む。
(3) 負債証券および持分証券2,284百万ユーロならびにその他の被支配会社の資本持分価額を含む。
14.3 EDFの長期原子力債務の填補率
原子力発電に関する専用資産の規則が関係するフランスにおける当グループの長期原子力債務は、以下の価額でEDFグループ
の連結財務諸表に含まれている。
(単位:百万ユーロ) 2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
使用済燃料管理引当金-規制が定める営業サイクルに関係しない部分
1,633 1,607
放射性廃棄物長期管理引当金 12,790 12,475
原子力発電所廃炉引当金 17,758 17,094
炉心核燃料引当金-放射性廃棄物長期管理の将来費用部分 483 473
長期原子力債務の現在原価
32,664 31,649
専用資産の実現可能価額
35,436 33,904
規制上の填補率
108.5 % 107.1 %
2023年6月30日現在、規制上の計算に基づき、引当金の108.5%が専用資産によって填補されていた。2023年6月30日現在、
環境法に定める一定の投資の実現可能価額に係る規制上の上限は適用がなかった。
2022年12月31日現在、規制上の計算に基づき、引当金の107.1%が専用資産によって填補されていた。同じく、規制上の上限
は適用がなかった。
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注記15.従業員給付引当金
15.1 当グループの従業員給付引当金
2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
(単位:百万ユーロ)
従業員給付引当金-流動部分
740 790
従業員給付引当金-非流動部分 15,507 16,231
従業員給付引当金
16,247 17,021
15 .1.1 引当金の変動の内訳:債務、制度資産、純負債
債務 制度資産 純負債
(単位:百万ユーロ)
33,230 (16,884) 16,346
2022 年12月31日現在従業員給付純負債(1)
2023年度上半期純費用 845 (351) 494
数理計算上の損益 (412) (23) (435)
雇用主による拠出 - (40) (40)
従業員による拠出 2 (1) 1
給付支払額 (765) 175 (590)
換算調整 207 (226) (19)
(1) 5 4
その他の変動
33,106 (17,345) 15,761
2023 年6月30日現在従業員給付純負債
このうち:
従業員給付引当金 16,247
(486)
非流動金融資産
(1)2022年12月31日現在、純負債は従業員給付引当金17,021百万ユーロおよび非流動金融資産(675)百万ユーロから構成されて
おり、その純額は16,346百万ユーロであった。
当該純負債の地域別内訳は、以下の通りである。
債務 制度資産 純負債
(単位:百万ユーロ)
フランス 25,795 (9,920) 15,875
英国 6,523 (6,988) (465)
788 (437) 351
その他の国
33,106 (17,345) 15,761
2023 年6月30日現在従業員給付純負債
このうち:
従業員給付引当金 16,247
(486)
非流動金融資産
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債務 制度資産 純負債
(単位:百万ユーロ)
フランス 26,054 (9,398) 16,656
英国 6,401 (7,039) (638)
775 (447) 328
その他の国
33,230 (16,884) 16,346
2022 年12月31日現在従業員給付純負債
このうち:
従業員給付引当金 17,021
(675)
非流動金融資産
2023年度上半期の債務に係る数理計算上の損益は(412)百万ユーロであり、以下のものを含んでいる。
・ フランスにおける、割引率の変動(+10ベーシス・ポイント)による(419)百万ユーロ
・ 英国における(10)百万ユーロ。基本的に割引率とインフレ率の変動に関連する(注記15.2を参照)。
2023年度上半期の制度資産に係る数理計算上の損益は(23)百万ユーロである。これは主に、期中を通じた株式市場の好成績
によるフランスにおける変動(343)百万ユーロ、および英国ソブリン金利の顕著な上昇による英国における変動323百万ユーロ
によるものである。
15 .1.2 雇用後およびその他の長期従業員給付
2023 年度上半期 2022 年度上半期
(単位:百万ユーロ)
当期勤務費用
(224) (427)
過去勤務費用 91 -
数理計算上の損益-その他の長期給付 (38) 302
(10) -
制度の縮小または清算による影響
営業費用として計上された費用純額 (181) (125)
利息費用(割引の影響)
(664) (335)
351 214
制度資産の運用収益
金融損益に含まれた利息費用純額 (313) (121)
損益計算書に計上された従業員給付費用 (494) (246)
数理計算上の損益-雇用後給付 412 15,620
23 (6,478)
制度資産に係る数理計算上の損益
435 9,142
数理計算上の損益
19 (60)
換算調整
454 9,082
資本に直入された従業員給付に係る損益
15.1.3 フランスにおける年金改革の影響
2023年4月14日に可決された2023年度の社会保障財源を改正するフランスの法律2023-270により、フランスの一般年金制度
の変更が導入された。主な措置は、標準退職年齢の62歳から64歳への段階的引上げ、および満額の年金受給資格を得るために
必要な拠出期間の延長である。
この法律の下で、電力およびガス部門(IEG)向け特別年金制度は、2023年9月1日以後に同部門に参加する従業員に対して
閉鎖される。
IEG特別年金制度に現在加入中の従業員に係る新たな措置の適用時期および詳細は、フランスの前回の年金改革(2010年11月
9日付法律2010-1330)の実施スケジュールを勘案して、政令で定められる。
当該施行令の公布までは、当グループは、2023年6月30日現在の財務諸表にその影響を反映させるのに十分な信頼性をもっ
て、この改革が従業員給付年金に与える影響を見積る立場にない。しかしながら、CNIEGによる一定範囲のシナリオのシミュ
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レーションを含め、決算日現在で収集された情報に基づき、当グループは、正味300百万ユーロ未満の限定的な債務の純増を見
込んでいる。
15 .2 数理計算上の仮定
数理計算上の仮定の決定方法は、2022年12月31日現在から変更されていない。
従業員給付の評価に使用された主要な仮定は以下の通りである。
フランス 英国
2023 年 2022 年 2023 年 2022 年
(%)
6月30日現在 12月31日現在 6月30日現在 12月31日現在
割引率/資産の運用収益率(1)
4.00% 3.90% 5.05% 4.75%
インフレ率 2.30% 2.30% 3.10% 2.90%
3.70% 3.70% 2.85% 2.65%
昇給率(2)
(1) 資産から生じる受取利息は割引率を使用して計算されている。この受取利息と資産の運用収益との間の差額は資本に計
上されている。
(2) インフレおよび全勤務期間にわたる予測を含む平均昇給率。
注記16.その他の引当金および偶発債務
2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
(単位:百万ユーロ) 注記 流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
その他の施設廃止引当金
16.1 175 1,964 2,139 127 2,006 2,133
4,952 3,113 8,065 3,885 2,665 6,550
その他の引当金 16.2
その他の引当金合計 5,127 5,077 10,204 4,012 4,671 8,683
16.1 その他の施設廃止引当金
その他の施設廃止引当金の内訳は、2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記17.1に表示されている。
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16.2 その他の引当金
その他の引当金の変動は、以下の通りである。
2022 年 減 少
2023 年
範囲の その他の
12月31日 増 加
6月30日現
変更 変動
使用 戻入
(単位:百万ユーロ)
在
現在
子会社および投資関連リスク引当金
605 70 (45) - - 7 637
税金負債引当金(法人所得税以外) 49 1 (15) (3) - 3 35
訴訟引当金 321 56 (53) (41) - 1 284
不利契約および完成時損失引当金 638 56 (91) - 2 (4) 601
環境計画関連引当金 1,926 1,323 (1,011) - - 46 2,284
3,011 1,402 (302) (26) 3 136 4,224
その他のリスクおよび損失引当金
合計 6,550 2,908 (1,517) (70) 5 189 8,065
不利契約引当金
不利契約引当金は、主に当グループのLNG業務(Dunkerque LNGとの長期再ガス化契約)に起因している。
環境計画関連引当金
環境計画関連引当金には、該当ある場合に、温室効果ガス排出権、再生可能エネルギー証書および省エネ証書に関する引当
金が含まれている。当上半期における引当金の増加は、主に英国における再生可能エネルギー証書およびイタリアにおける省
エネ証書の割当に対応したもので、フランスにおける引当金の減少により相殺された。再生可能エネルギー証書制度に基づく
義務の多くは、無形資産に計上される購入証書により賄われている。
その他のリスクおよび損失引当金
2022年12月31日現在、2024年から2026年の枠組み契約の変更に係るOrano Recyclageとの継続中の交渉に関して、リスク引当
金が認識された。2023年度上半期中に、例外的な追加計上額1,026百万ユーロが引当金に配分され、2023年6月30日現在の引当
金合計は1,880百万ユーロとなった(注記14.1を参照)。
これらのその他の引当金はまた、事業に関係する多様なリスクおよび損失(事業再編成、約定保守義務等)も対象としてい
る。個別の引当金には重要性はない。
非常に稀な状況では、情報開示によって当グループが著しい損害を受けることとなり得る場合、引当金が対象とする特定の
訴訟について財務諸表注記で言及しないことが認められる。
16.3 偶発債務
以下に記載する手続を除き、2023年度上半期中において、2022年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記17.3に記載され
た当グループの偶発債務について観察された重要な変更はなかった。
16.3.1 EDFの税務調査
2008年度から2019年度の期間について、EDFは、特に特定の長期原子力負債の損金算入可能性に関する修正勧告の通知を受け
た。2017年度に下された2件および2019年度に下された1件の判決において、モントルイユ行政裁判所は、これらの負債の損
金算入可能性を認め、当社の取った見解の正当性を追認した。財務大臣は当該2件の判決に対して控訴した。2020年1月に
ヴェルサイユ行政裁判所は、2008年度についてEDFの見解を支持したが、当該大臣は控訴した。2020年12月11日付決定におい
て、国務院はヴェルサイユ裁判所の決定を覆し、同裁判所に当該訴訟を差し戻した。2021年6月17日、同行政控訴裁判所は当
社に不利な判決を下し、それまで有利であった一審判決を取り消した。当社はさらに国務院に上訴し、当該上訴は2022年度後
半に適格と判断された。2023年3月31日付判決において国務院は当社の主張を退け、これらの原子力負債が税務上損金不算入
であることを最終的に確認した。この決定は2022年度の当社の財務諸表に反映された。
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2012年度から2019年度の期間について、フランスの税務当局は、一部の長期原子力引当金の税務上の損金算入可能性に疑義
を唱えた。2022年8月29日の判決においてモントルイユ行政裁判所は、争点となった引当金のうち1件について当社の見解を
認めたが、その他については当該税務調整を支持した。この判決の履行として当社は297百万ユーロを支払い(2022年12月31日
現 在の連結財務諸表に対する注記9.2を参照)、当該判決の不利な部分に対して上訴した。大臣もまた当該判決の当社に有利な
部分に対して上訴している。
16.3.2 太陽光発電業者との訴訟
2010年度のフランスの太陽光電力買取料金(PV買取料金)引下げの発表が、配電網事業者に提出される接続申請の急増を引
き起こした。フランス政府は、2010年12月9日付政令(「一時停止」政令)によって、3か月間にわたり購入義務付きの新規
契約の締結を一時的に停止し、2010年12月2日までに承認されなかった申請は、新料金に基づいて、再度提出しなければなら
ない旨を明記した。この料金を設定する決定は2011年3月4日に公表され、PV買取料金を大幅に引き下げた。これと並行して
競争入札制度が策定された。
フランスの国務院による2011年11月16日付判決が当該一時停止政令に対する控訴を棄却したことから、2011年度後半に、
EnedisおよびEDFに対して、膨大な数の法的手続が提起され、2015年度まで続いた。2016年3月以後は、太陽光一時停止に関係
する新たな損害賠償訴訟は明らかに抑えられている。
予備判決申請に対応して、2017年3月15日に、欧州連合司法裁判所(CJEU)は、PV買取料金を設定した2006年7月10日およ
び2010年1月12日付決定が、欧州委員会への事前通知なしに実施された国家補助金に該当することから違法であることを確認
した。CJEUは、本件は今後、適切な判決を下すべく国内裁判所に付託するとの結論を下した。
2019年9月18日に破毀院は、当該補助金は通知が行われなかったことから違法であると判断し、結果として、当該補助金の
恩恵を受けられなかった生産者の主張は法的に賠償可能と認められないとして、EnedisおよびEDFの両方に関連した損害賠償請
求を棄却する複数の決定を下した。これ以後の破毀院の判決は、基本的にこの判決を追認し、国家補助金の議論に基づく生産
者の控訴を棄却した。
裁判所の決定は一貫してこの判例に従ったことから、一部の生産者が国の賠償を求めて行政裁判所に訴訟を提起した。行政
裁判所は現在まで生産者の損害賠償請求を退けている。
民事裁判所に提起された賠償請求と並行して、EDFおよびEnedisは、民間の損害賠償責任保険契約の適用を模索したが、保険
業者はその請求を拒否した。フランスの破毀院は、2015年6月9日付判決(グリーン・イエロー訴訟)において、保険金の支
払いは妥当であり配電網運営者に過失があると判断した。この判決を受けてEnedisおよびEDFは、2017年4月に保険業者を相手
取って訴訟を提起し、一連の部分的な訴訟2件の正式認定を裁判所に申請した。裁判所が一連の部分的な訴訟2件を認定した
場合には、単一の免責金額と単一の限度額が、同一の技術的原因を有するすべての訴訟に適用されることになる。2019年10月
23日に、パリ商事裁判所はEDFとEnedisの訴訟を統合するよう命じた。破毀院に提起された訴訟の有利な展開に鑑み、EDFおよ
びEnedisは2021年2月17日に、法廷リストからの本件の削除を申請し、依然として係属中の賠償請求の最終リストを作成する
ために当該手続を2年間中断することを決定した。EDFおよびEnedisは、2023年2月に、本民事訴訟の期限を延期するための更
新申立書を提出した。最初の手続審問は2023年3月15日に行われ、第2回の手続審問は2023年9月6日に予定されている。
16.3.3 ARENH争議―不可抗力事由
Covid-19パンデミックによる危機下において、一部の供給業者は、EDFと締結したARENH基本契約に含まれる不可抗力条項を
理由に、ARENH引渡しの全面的な一時停止または危機期間中の顧客ポートフォリオの電力消費量減少の範囲内での部分的な一時
停止を要求した。
EDFが不可抗力条項の適用を違法に拒否したことで生じたとする不利益についてEDFに損害賠償を求める供給業者により、本
件の内容に関連する7件の訴訟が提起された。関係する供給業者は、Hydroption、Vattenfall、Priméo Energie Grands
ComptesおよびPriméo Energie Solutions、Arcelor Mittal Energy、Plüm Energy et Entreprises et Collectivités、
TotalEnergies、ならびにEkwateurである。
2021年4月13日、パリ商事裁判所は、Hydroptionの訴訟において本案に係る第一審判決を下し、EDFに対し、原告に5.88百万
ユーロの損害賠償を支払うよう命じた。2021年10月15日、パリ控訴裁判所は、不可抗力事由の免責条項は成立せず、EDFには契
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約の一時停止要請を満たす義務はなかったとして、EDFの責任を認めHydroptionへの損害賠償の支払を命じた限りにおいて商事
裁判所の判決を覆した。2021年12月2日、トゥーロン商事裁判所はHydroption SASの清算を決定した。清算人は2022年1月19
日 に破毀院に上訴を提起した。破毀院は2023年3月22日付判決において、専ら手続上の理由のみをもってパリ控訴裁判所の評
決をすべて覆して取消し、本件を控訴裁判所に差し戻した。このためEDFは同裁判所に新たな控訴宣言書を提出し、当該手続は
依然として係属中である。
2021年11月30日にパリ商事裁判所は、TotalEnergiesおよびEkwateurが提起した訴訟の本案について更に2件の判決を下し、
EDFに対しTotalEnergiesに53.93百万ユーロおよびEkwateurに1.77百万ユーロの損害賠償を支払うことを命じた。EDFはこれら
2件の判決に対して上訴しており、当該手続は依然として係属中である。
2022年12月6日にパリ商事裁判所は、Priméo Energie Grands ComptesおよびPriméo Energie Solutionsが提起した訴訟の本
案について更に2件の判決を下し、EDFに対しこれら2社にそれぞれ1.73百万ユーロおよび2.36百万ユーロの損害賠償を支払う
ことを命じた。EDFはこれら2件の判決に対して上訴しており、当該手続は依然として係属中である。
2023年3月27日にパリ商事裁判所は、Pl ü m Energy et Entreprises et Collectivit é sがEDFとの訴訟を取り下げたことに留
意した。
2023年5月24日に同裁判所は、Arcelor Mittalの請求を棄却した。この判決には控訴の余地がある。
パリ商事裁判所におけるVattenfallの訴訟は依然として係属中である。
16.3.4 フランスの競争当局(「ADLC」)による調査
2021年12月31日現在、フランスの競争当局(ADLC)は、4件の個別事項(ENGIEの訴状、温熱ネットワークに関する照会、
Plümの訴状、Xélanの訴状)に関連してEDFグループを調査しており、それは2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記
17.3.6に記載されている。
2019年11月4日のADLCへの職務上の照会を受けた、温熱ネットワーク運営のためのパートナーシップ形成に関する調査にお
いて、EDF、Dalkia、Electricité de Strasbourg、ES Services EnergétiquesおよびEDEVは、2021年5月3日にADLCの最初の
異議通知を、2022年7月8日に追加の異議通知を受けた。これらの通知は、双方が主張を提示する手続の第一段階であった。
当事者が提示した見解に対するADLC報告者の報告書が、2023年2月15日にEDFに送付された。当グループは2023年4月12日に自
らの見解につき回答した。この手続は2023年度においてもADLC理事会のヒアリングとともに継続するが、最終的な結果につい
てはまだ何も示唆されていない。
他のADLC調査には重要な進展はなかった。
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注記17.金融資産および負債
17.1 金融資産
17.1.1 流動および非流動金融資産の内訳
流動および非流動金融資産の内訳は、以下の通りである。
2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
(単位:百万ユーロ)
リサイクリングを伴うOCIを通じて公正価
17,607 5,129 22,736 17,014 4,982 21,996
値で測定する金融商品
リサイクリングを伴わないOCIを通じて公
- 249 249 36 207 243
正価値で測定する金融商品
1,496 24,949 26,445 1,409 23,490 24,899
純損益を通じて公正価値で測定する商品
負債証券または持分証券 19,103 30,327 49,430 18,459 28,679 47,138
トレーディング・デリバティブ-正の公
17,546 - 17,546 30,566 - 30,566
正価値
ヘッジ目的デリバティブ-正の公正価値(1) 4,292 4,212 8,504 6,903 5,376 12,279
6,013 10,339 16,352 2,105 14,457 16,562
貸付金および金融債権(2)
流動および非流動金融資産 46,954 44,878 91,832 58,033 48,512 106,545
(1 )純負債額に含まれる負債をヘッジするデリバティブ 3,632 百万ユーロを含む(注記 18.2 を参照)。
(2) 2023 年6月30日現在、(400)百万ユーロの減損を含む(2022年12月31日現在:(386)百万ユーロ)。
トレーディング・デリバティブの正の公正価値の減少((130)億ユーロ)は、トレーディング業務に使用されるデリバティブ
の価値の減少によるものであり、主に2023年度上半期に観察されたコモディティ市場価格の下落およびボラティリティの低下
に起因している。
17.1.2 負債証券および持分証券
負債証券および持分証券の詳細は以下の表の通りである。
2022 年
2023 年6月30日現在 12月31日現在
リサイク リング を
リサイク リング を
伴うOCIを通じて 純損益を通じて
伴わないOCIを通
公正価値で じて公正価値で 公正価値で
(単位:百万ユーロ)
測定するもの 測定するもの 測定するもの 合計 合計
負債証券および持分証券
EDFの専用資産 4,712 - 24,164 28,876 27,369
流動性の高い資産 17,863 - 1,451 19,314 18,507
161 249 830 1,240 1,262
その他の資産(1)
22,736 249 26,445 49,430 47,138
合計
(1) 非連結会社に対する投資。
EDFの専用資産に関する詳細な情報は、注記14.2に記載されている。専用資産に関する全体的な管理方針は、2022年12月31日
現在の連結財務諸表に対する注記15.1.2に記載されている。
資本に計上された公正価値の変動
期中の負債証券および持分証券の公正価値の変動は、以下のように資本(EDF持分)に計上された。
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2023 年度上半期 2022 年度上半期
リサイク リン
リサイク リン リサイク リン
グ を伴わない
純損益に 純損益に
リサイク リング グ を伴わない グ を伴う
OCIに
を伴う リサイク リ リサイク リ
OCIに計上さ OCIに計上さ
計上された
ング された ング された
OCIに計上され れた公正価値 れた公正価値
公正価値の 公正価値の 公正価値の
た公正価値の変 の変動総額 の変動総額
動総額(1) (1) 変動総額(2) (1) 変動総額(1) 変動総額(2)
(単位:百万ユーロ)
EDFの専用資産
98 - (43) (753) - (116)
- -
流動性の高い資産 138 - (591) (24)
- 3 - - (4) -
その他の資産
236 3 (43) (1,344) (4) (140)
負債証券および持分証券(3)
(1) +/( ) :資本(EDF持分)の増加/(減少)
(2) +/( ) :純利益(EDF持分)の増加/(減少)
(3) 関連会社および共同支配企業を除く。
2023年度上半期におけるリサイクリングを伴うOCIに計上された公正価値の変動総額(純損益への組替前)は、主にEDFに関
係している(専用資産分+141百万ユーロを含む、+279百万ユーロ)。2022年度上半期におけるリサイクリングを伴うOCIに計上
された公正価値の変動総額(純損益への組替前)は、主にEDFに関係している(専用資産分(637)百万ユーロを含む、(1,204)百
万ユーロ)。
2023年度上半期に計上された重要な減損はなかった。
17.1.3 貸付金および金融債権
貸付金および金融債権は以下から構成されている。
2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
(単位:百万ユーロ)
NLF向け債権
13,930 14,000
2,422 2,562
貸付金および金融債権-その他
貸付金および金融債権 16,352 16,562
2023年6月30日現在、貸付金および金融債権には、主に以下が含まれている。
・ 2023年6月30日現在、総額13,930百万ユーロ(2022年12月31日現在:総額14,000百万ユーロ)の原子力長期債務の填
補のための原子力負債基金NLFおよび英国政府からの払戻債権を示す金額(対象となる引当金と同じ割引率による割引
後)(注記14を参照)。
・ 貸付金および金融債権-その他には、特に以下のものが含まれている。
・ 2023年6月30日現在、EDF EnergyのEDFG(ESPSのEDFグループ)年金制度の積立超過額479百万ユーロ(2022年12
月31日現在:658百万ユーロ)。
・ 2023年6月30日現在、長期原子力債務の填補のためにLuminusがSynatomに支払った前払金に相当する金額256百万
ユーロ(2022年12月31日現在:253百万ユーロ)。Luminusの財務諸表上、これらの金額は、積立対象である引当
金と同じ割引率により割り引かれている。この債権は、LuminusのためにSynatomが保有する基金資産の公正価値
に相当する。
・ EDF Renewablesがプロジェクト開発業務の過程で、主にフランスおよび北米の風力発電所に関連しておこなった
貸付金2023年6月30日現在881百万ユーロ(2022年12月31日現在:823百万ユーロ)。
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17.2 金融負債
17.2.1 流動および非流動金融負債の内訳
流動および非流動金融負債の内訳は、以下の通りである。
2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
(単位:百万ユーロ)
非流動 流動 合計 非流動 流動 合計
借入金およびその他の金融負債
72,612 21,105 93,717 67,340 28,713 96,053
トレーディング・デリバティブ
- 16,439 16,439 - 28,884 28,884
-負の公正価値
ヘッジ・デリバティブ-負の公
2,892 6,516 9,408 3,718 14,247 17,965
正価値(1)
金融負債
75,504 44,060 119,564 71,058 71,844 142,902
(1 )純負債額に含まれる負債をヘッジするために使用されたデリバティブ2,187百万ユーロを含む(注記18.2を参照)。
トレーディング・デリバティブの負の公正価値の減少((124)億ユーロ)は、トレーディング業務に使用されるデリバティブ
の価値の減少によるものであり、主に2023年度上半期に観察されたコモディティ市場価格の下落およびボラティリティの低下
に関連している。
17.2 .2 借入金およびその他の金融負債
17.2 .2.1 借入金およびその他の金融負債の変動
金融機関
からの その他の
債券 借入金 金融負債 リース負債 未払利息 合計
(単位:百万ユーロ)
45,150 20,278 25,115 4,269 1,241 96,053
2022 年12月31日現在残高
増加 6,442 1,288 1,734 329 356 10,149
減少 (1,979) (270) (7,872) (377) (76) (10,574)
換算調整 193 (37) (14) 5 (39) 108
連結範囲の変更 - 177 (3) 5 - 179
公正価値の変動 (422) (36) (37) - - (495)
(2,390) (21) 528 160 20 (1,703)
その他の変動
46,994 21,379 19,451 4,391 1,502 93,717
2023 年6月30日現在残高
債券 に関する2023年度上半期の主な取引は以下の通りであった。
・ 当期間中における総額64億ユーロの優先債の発行、1月に30億ユーロ、3月に1億ユーロ、5月に31億ユーロ、6月に
2億ユーロ(注記17.2.2.2を参照)。
・ 2023年3月における20億ユーロの社債償還。
金融機関からの借入金 に関する2023年度上半期の主な取引は、与信枠の引出し総額900百万ユーロ(2023年度に締結された二
者間与信枠3本による750百万ユーロおよび2022年度に締結された与信枠による150百万ユーロ)、ならびに欧州投資銀行与信
枠2本への一部返済40百万ユーロに関係している。
2023年6月30日現在、EDFの その他の金融負債 には、譲渡可能負債証券9,965百万ユーロおよび、買戻契約の下で銀行数行に
譲渡された負債証券に対し受け取った現金に関して認識された4,765百万ユーロが含まれている。これらの取引は、純負債に影
響を与えていない。
キャッシュ・フロー計算書に表示された借入債務の発行および返済の内訳は以下の通りである。
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金融機関
ヘッジ・
2023 年
からの その他の
デリバティブ
債券 借入金 金融負債 リース負債 の終了 6月30日現在
(単位:百万ユーロ)
借入債務の発行 6,442 1,288 1,734 - 1 9,465
(1,979) (270) (7,872) (377) - (10,498)
借入債務の返済
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17.2.2.2 当グループの主要な借入
2023年6月30日現在において、発行時に750百万ユーロまたはそれと同等の価値以上の当グループの主要な借入(グリーン・
ボンドおよびOCEANEsを除く)は、以下の通りである。2023年度上半期に発行された円債は、この閾値を下回っていたため表示
されていない(注記2を参照)。
発行日 満期
借入の種類
企業 発行金額 通貨 利率
(単位:百万通貨単位)
月/年(1) 月/年
ユーロMTN EDF 09/2009 09/2024 2,500 ユーロ 4.63%
ユーロMTN EDF 11/2010 11/2025 750 ユーロ 4.00%
社債 EDF 10/2022 12/2026 750 ユーロ 3.88%
社債 EDF 01/2017 01/2027 107,900 日本円 1.09%
ユーロMTN EDF 03/2012 03/2027 1,000 ユーロ 4.13%
社債 EDF 05/2023 05/2028 1,000 米ドル 5.70%
社債 EDF 09/2018 09/2028 1,800 米ドル 4.50%
社債 EDF 10/2022 12/2026 1,000 ユーロ 4.38%
ユーロMTN EDF 04/2010 04/2030 1,500 ユーロ 4.63%
ユーロMTN EDF 10/2018 10/2030 1,000 ユーロ 2.00%
ユーロMTN EDF 07/2001 07/2031 650 英ポンド 5.88%
ユーロMTN EDF 01/2023 01/2032 1,000 ユーロ 4.25%
ユーロMTN EDF 02/2003 02/2033 850 ユーロ 5.63%
社債 EDF 05/2023 05/2033 1,000 米ドル 6.25%
ユーロMTN EDF 06/2009 06/2034 1,500 英ポンド 6.13%
ユーロMTN EDF 10/2016 10/2036 750 ユーロ 1.88%
社債 EDF 09/2018 09/2038 650 米ドル 4.88%
社債 EDF 01/2009 01/2039 1,750 米ドル 6.95%
社債 EDF 01/2010 01/2040 850 米ドル 5.60%
ユーロMTN EDF 11/2010 11/2040 750 ユーロ 4.50%
ユーロMTN EDF 10/2011 10/2041 1,250 英ポンド 5.50%
ユーロMTN EDF 01/2023 01/2043 1,000 ユーロ 4.63%
社債 EDF 01/2014 01/2044 1,000 米ドル 4.88%
社債 EDF 10/2015 10/2045 1,500 米ドル 4.75%
社債 EDF 10/2015 10/2045 1,150 米ドル 4.95%
社債 EDF 09/2018 09/2048 1,300 米ドル 5.00%
ユーロMTN EDF 12/2019 12/2049 1,250 ユーロ 2.00%
ユーロMTN EDF 09/2010 09/2050 1,000 英ポンド 5.13%
社債 EDF 05/2023 05/2053 1,000 米ドル 6.90%
ユーロMTN EDF 10/2016 10/2056 2,164 米ドル 4.99%
ユーロMTN EDF 11/2019 12/2069 2,000 米ドル 4.50%
社債 EDF 01/2014 01/2114 700 米ドル 6.00%
社債 EDF 01/2014 01/2114 1,350 英ポンド 6.00%
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2023年6月30日現在、当グループの主要なグリーン・ボンドは以下の通りである。
発行日 満期
借入の種類
企業 発行金額 通貨 利率
(単位:百万通貨単位)
月/年 月/年
社債(グリーン・ボンド) EDF 10/2015 10/2025 1,250 米ドル 3.63%
ユーロMTN(グリーン・ボンド) EDF 10/2016 10/2026 1,750 ユーロ 1.00%
ユーロMTN(グリーン・ボンド) EDF 11/2021 11/2033 1,850 ユーロ 1.00%
社債(グリーン・ボンド) EDF 10/2022 10/2034 1,250 ユーロ 4.75%
17.2 .2.3 借入金およびその他の金融負債の期日
金融機関
からの その他の
債券 借入金 金融負債 リース負債 未払利息 合計
(単位:百万ユーロ)
45 532 18,707 694 1,127 21,105
1年未満
10,579 18,869 117 2,188 93 31,846
1年から5年
36,370 1,978 627 1,509 282 40,766
5年超
2023 年6月30日現在の借入
46,994 21,379 19,451 4,391 1,502 93,717
金およびその他の金融負債
17 .3 未使用与信枠
2023年6月30日現在、当グループは様々な銀行との間に、総額14,947百万ユーロ(2022年12月31日現在:14,051百万ユー
ロ)の未使用与信枠を有している。この総額はESG基準に連動する与信枠10,076百万ユーロを含むが、この全額は2023年6月
30日現在未使用である(2022年12月31日現在:10,053百万ユーロ)。
これらの信用枠の増加は特に、複数の銀行がEdisonに提供した信用枠10億ユーロに関連するもので、これはイタリアの輸
出信用機関であるSAECによって70%まで保証されている。
2022 年
2023 年6月30日現在 12月31日現在
期限
合計 合計
(単位:百万ユーロ) 1年未満 1年-5年 5年超
確認与信枠 14,947 1,462 13,462 23 14,051
17 .4 借入金およびその他の金融負債の公正価値
2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
公正価値 貸借対照表価額 公正価値 貸借対照表価額
(単位:百万ユーロ)
89,284 93,717 93,264 96,053
借入金およびその他の金融負債
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17.5 ヘッジ・デリバティブの公正価値
資本(EDF持分)および純損益に計上されたヘッジ・デリバティブの公正価値の変動は、以下の通りである。
2022 年度
2023 年度上半期 2022 年度上半期
純損益に振替 純損益に振 純損益に振替 純損益に振 純損益に振替 純損益に振
資本に計上
資本に計上
られた公正価 替られた公 られた公正価 替られた公 られた公正価 替られた公
された公正 資本に計上
された
値の変動総額 正価値の変 値の変動総額 正価値の変 値の変動総額 正価値の変
価値の変動 された公正
(単位:百万
動総額 -非 動総額 -非 公正価値の 動総額 -非
総額 -リサイクリン 価値の変動 -リサイクリン -リサイクリン
ユーロ)
(1) グ(2) 有効部分 総額(1) グ(2) 有効部分 変動総額(1) グ(2) 有効部分
金利ヘッジ
392 - (1)
(1) - 5 148 (4) (1)
為替ヘッジ
2,653 598 92
(409) (264) 4 2,779 773 (70)
在外純投資
308 - -
(341) - - (74) - -
ヘッジ
コモディティ・
(9,002) (3,131) (2)
5,278 (1,403) (84) (1,396) (2,827) (133)
ヘッジ
ヘッジ・デリバ
(5,649) (2,533) 89
4,527 (1,667) (75) 1,457 (2,058) (204)
ティブ(3)
(1) +/( ):資本(EDF持分)の増加/(減少)。
(2) +/( ):純利益(EDF持分)の増加/(減少)。
(3) 関連会社および共同支配企業を除く。
2023年度上半期における資本(EDF持分)に計上されたヘッジ手段の公正価値の変動総額は、リサイクリングを含めて+6,194
百万ユーロ(2022年度上半期:+3,515百万ユーロ、2022年度:(3,116)百万ユーロ)である。
2023年度のこの変動は、在外純投資ヘッジの公正価値の変動総額(341)百万ユーロ(2022年度上半期:(74)百万ユーロ、2022
年度:308百万ユーロ)および金利、為替およびコモディティ・ヘッジの変動総額+6,401百万ユーロ(2022年度上半期:+3,589
百万ユーロ、2022年度:(3,579)百万ユーロ)による。連結包括利益計算書を参照のこと。
2023年度上半期にコモディティ・ヘッジに関連して減価償却費および償却費控除前営業利益に振り替えられた金額は(1,403)
百万ユーロであり、以下のものから構成される。
・ 主にフランス―発電と供給および英国セグメントに関する電力ヘッジ契約(1,104)百万ユーロ
・ 主にフランス―発電と供給および英国セグメントに関するガス・ヘッジ契約(321)百万ユーロ
・ その他のヘッジ契約+22百万ユーロ
注記18. 財務指標
財務指標は会計基準に定義されておらず、当グループの財務諸表上には直接表示されていない。主な財務指標は以下の通り
である。
18.1 非経常項目を除く純利益
非経常項目を除く純利益は、非経常項目を除く純利益に対する当グループの持分(EDFの純利益)、エネルギーおよびコモ
ディティ・デリバティブの公正価値の純変動(トレーディング業務を除く)、ならびに負債性金融商品および資本性金融商品
の公正価値の純変動(税引後)に対応する。
以下の表は、EDFの純利益から非経常項目を除く純利益への経過を示している。
2023 年6月30日現在
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2023 年度上半期
注記 総額 法人所得税 非支配持分 EDF の純利益
(単位:百万ユーロ)
純利益
5,808
負債性金融商品および資本性金融商品の公正価値の変動
8.3 (1,412) 364 (2) (1,046)
(1)
エネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価
6 276 (63) 3 210
値の純変動(トレーディング業務を除く)
減損 98 (13) 1 83
-固定資産の減損(2) 10.4 48 (13) - 35
-関連会社および共同支配企業に対する投資の減損(3) 11.2 50 - 1 49
その他の項目 1,702 (420) 71 1,211
-その他の収益および費用(4) 7 1,696 (420) 71 1,205
-その他 6 - - 6
純利益-非経常的項目を除く 6,267
(1) 専用資産の公正価値ヘッジを含む。
(2) 2023年6月30日現在、この減損は特に、中国の風力発電所((36)百万ユーロ)に関連する。
(3) 2023 年6月30日現在、この減損は主に、専用資産に含まれる事業体((30)百万ユーロ)およびメキシコの風力発電所((15)
百万ユーロ)に関連する。
(4) 2023年6月30日現在、その他の収益および費用は特に、廃棄物処理に関するOranoとの枠組み契約に関連した追加引当金
(1,026)百万ユーロ、フラマンヴィル3EPRの主要二次回路の接合部の修理に関する例外的な追加費用(226)百万ユーロ、お
よびEngieがベルギー政府との間で署名した合意のLuminusおよびEDF Belgiumへの影響を主に反映するためにベルギーにお
いて行った引当金の再見積りに係る(335)百万ユーロを含む。また、EDF Energyが年金制度の規約に従いインフレ連動年金
の増額の制限を決定したことによる収益+91百万ユーロも含む。
2022 年6月30日現在
2022 年度上半期
注記 総額 法人所得税 非支配持分 EDF の純利益
(単位:百万ユーロ)
純利益
(5,293)
負債性金融商品および資本性金融商品の公正価値の変動 3,289 (850) (10) 2,429
8.3
(1)
エネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価
6 993 (247) - 746
値の純変動(トレーディング業務を除く)
減損 390 (98) (25) 267
-固定資産の減損(2) 10.4 253 (66) (25) 162
-関連会社および共同支配企業に対する投資の減損(3) 11.2 137 (32) - 105
その他の項目 577 (37) (1) 539
-その他の収益および費用(4) 7 388 (109) (1) 278
-例外的利益に係る税金(イタリア) 9 - 71 - 71
純利益-非経常的項目を除く (1,312)
(1) 専用資産の公正価値ヘッジを含む。
(2) 2022年6月30日現在、この減損は特に、米国およびメキシコの風力発電所((100)百万ユーロ)ならびに英国の土地の減
損((121)百万ユーロ)に関連していた。
(3) 2022 年6月30日現在、この減損は主に、米国の風力発電所((134)百万ユーロ)に関連していた。
(4) 2022年6月30日現在、その他の収益および費用は特に、フラマンヴィル3EPRの主要な二次回路の接合部の修理作業に関連
する例外的な追加費用総額(308)百万ユーロ、従業員割当(ERO)に係る費用(64)百万ユーロ、およびDalkia Russiaの売却損
(15)百万ユーロを含んでいた。
2023年6月30日現在の非経常項目を除く純利益は6,267百万ユーロであり、2022年度上半期と比較して7,579百万ユーロ増加
した。
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18.2 純負債額
純負債額は、借入金および金融負債の合計から、現金および現金同等物ならびに流動性の高い資産を控除したものから成
る。流動性の高い資産は、ファンドまたは利付証券からなる、当初の満期3か月超で、容易に換金でき、流動性重視の方針に
従って運用されている金融資産である。
純負債額は以下の通りである。
注記 2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
(単位:百万ユーロ)
借入金およびその他の金融負債
17.2.2 93,717 96,053
17.1.1および
負債のヘッジに使用されたデリバティブ (1,445) (2,024)
17.2.1
現金および現金同等物 (8,074) (10,948)
負債証券および持分証券-流動性の高い資産 17.1.2 (19,314) (18,507)
(88) (74)
デリバティブ・ヘッジ資産
純負債額 64,796 64,500
2023年6月8日に当グループは資本に計上されるハイブリッド債を発行した。これと並行してEDFは、米ドル建の永久劣後債の
未償還残高について、契約に基づく現金償還の申出を開始した(注記13.3を参照)。この申出の対象となっている未償還社債
(551百万ユーロ)は、2023年6月30日現在、金融負債に組み替えられた。
EDFは、この償還申出の結果が発表された2023年7月7日に、2023年7月10日を決済日として3百万米ドルの追加償還を進め
ていることを確認した。当該申出の終了後、未償還社債の残高の額面は596百万米ドルであった。これは2023年7月に資本に戻
される。
注記19.オフバランスシート・コミットメント
本注記は、2023年6月30日現在の当グループのオフバランスシート・コミットメント(付与および受取)を示している。コ
ミットメントの金額は割引前の契約価額に相当する。
19.1 コミットメント(付与)
注記 2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
(単位:百万ユーロ)
業務コミットメント(付与)(1)
19.1.1 18,706 17,456
投資コミットメント(付与) 19.1.2 18,725 16,900
資金供与コミットメント(付与) 6,070 6,345
19.1.3
コミットメント(付与)合計
43,501 40,701
(1 )燃料およびエネルギー購入ならびに借手としてのリースを除く。
ほぼすべての場合、これらは双務契約であり、関連する第三者が、営業、投資、財務活動に関連して当グループに資産また
はサービスの供給を行う契約義務を負っている。
19.1.1 業務コミットメント(付与)
19.1.1.1 燃料およびエネルギー購入コミットメント
2022年12月31日現在におけるコモディティ、エネルギーおよび核燃料購入(ガス購入および関連サービスを除く)コミット
メントは43,863百万ユーロであった。
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これらのコミットメントは、コモディティ価格動向の押上げ効果が、今後10年間の電力価格予測の押下げ効果により相殺さ
れたことから、2023年度上半期において重要な変動はなかった。
19.1.1.2 業務契約履行コミットメント(付与)
2023年6月30日現在、当該コミットメントの期限は以下のように到来する。
2022 年
2023 年6月30日現在 12月31日現在
期限
合計 合計
(単位:百万ユーロ) 1年未満 1年-5年 5年超
業務保証(付与)
10,332 4,020 3,246 3,066 9,648
業務購入コミットメント(1) 8,142 5,164 2,343 635 7,611
232 75 120 37 197
その他の業務コミットメント
業務契約履行コミットメント(付与)(2) 18,706 9,259 5,709 3,738 17,456
(1)エネルギーおよび借手としてのリース・コミットメントは除外されている。
(2)2023年6月30日現在、共同支配企業関連コミットメント1,960百万ユーロ(2022年12月31日現在:1,912百万ユーロ)を
含む。
事業の過程で、当グループは、通常、銀行を仲介として、契約履行保証を行っている。
業務保証は、2023年6月30日現在、主に、EDF Renewablesによりその開発プロジェクトに関連して付与された保証、ならび
にEdison、EDFおよびFramatomeにより付与された保証から成っている。これらの保証の変動は、基本的に、特に米国およびフ
ランスにおいて開発中のEDF Renewablesの新プロジェクト、ならびにDalkiaのSpie UK取得によるものである。
業務購入コミットメント(燃料およびエネルギーを除く)の増加は、主にEDF、特にその発電所の保守のために付与されたコ
ミットメント、Edvance、および基本的にブラジルのプロジェクトに関するEDF Renewablesに関連している。
19.1.1.3 リース・コミットメント(借手)
2022年12月31日現在、貸借対照表に認識されないリース・コミットメント(借手)は総額671百万ユーロであり、当グループが
まだ利用可能でない資産(主に不動産資産および建設中のLNG輸送船)に係る588百万ユーロを含む。
この種の資産に係るリースは、特にEdisonによるLNG輸送船の受取後、2023年上半期中において約140百万ユーロ減少した。
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19.1.2 投資コミットメント(付与)
2023年6月30日現在における投資コミットメントの詳細は、以下の通りである。
2022 年
2023 年6月30日現在 12月31日現在
期限
合計 合計
(単位:百万ユーロ) 1年未満 1年-5年 5年超
有形および無形資産購入関連コミットメント 17,643 12,007 5,187 449 15,867
金融資産購入関連コミットメント 785 7 690 88 864
297 169 126 2 169
投資に関連するその他のコミットメント
18,725 12,183 6,003 539 16,900
投資コミットメント(付与)合計(1)
(1)2023年6月30日現在、被支配事業体から共同支配企業へ付与されたコミットメント180百万ユーロ(2022年12月31日現
在:183百万ユーロ)を含む。
有形および無形資産購入関連コミットメントは、主としてEDF Energy(主にHPC関連コミットメント)、EDF SA(グラン・カ
レナージュ工業改修プログラム、フラマンヴィル3および少額のEPR 2プロジェクトに係るコミットメントを含む)、Enedisお
よびEDF Renewables(特に米国、ブラジルおよび英国のプロジェクトに係るコミットメント)に関連している。EPR 2プロジェ
クトについては、最終投資決定が下されるまで、オフバランスシート・コミットメント計上額は、署名された契約の価値総額
ではなく、EDFにとって不可避なコミットメントに相当する。
19.1.3 資金供与コミットメント(付与)
2023年6月30日現在の当グループによる資金供与コミットメント(付与)は、以下のものから成る。
2022 年
2023 年6月30日現在 12月31日現在
期限
合計 合計
(単位:百万ユーロ) 1年未満 1年-5年 5年超
不動産担保権
3,699 1,301 505 1,893 3,616
借入金関連保証 1,281 39 774 468 1,587
その他資金供与コミットメント 1,090 1,002 30 58 1,142
資金供与コミットメント(付与)合計(1)
6,070 2,342 1,309 2,419 6,345
(1)2023年6月30日現在、共同支配企業関連コミットメント2,296百万ユーロ(2022年12月31日現在:2,609百万ユーロ)を
含む。共同支配企業に対するこれらの資金供与コミットメントは、主に、EDF RenewablesおよびEDF Tradingに関連して
いる。
担保権および保証として提供された資産は、主として、EDF Renewablesの有形資産の担保権または抵当権、および有形固定資
産を所有する連結子会社への投資を表す株式に関係する。
借入金関連保証は、主にプロジェクト資金調達に関してEDF Renewablesが付与した保証に関係する。
資金供与コミットメント(付与)の減少は、主にEDF Renewablesのフランスにおけるサン・ナゼール洋上風力発電所プロ
ジェクト向け財務保証の解除を反映している。
19 .2 コミットメント(受取)
以下の表は評価されている当グループのオフバランスシート・コミットメント(受取)を示している。
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2023 年6月30日現在 2022 年12月31日現在
(単位:百万ユーロ)
業務コミットメント(受取)(1)
9,016 8,407
投資/撤退コミットメント(受取) 230 317
資金供与コミットメント(受取) 20 22
コミットメント(受取)合計(2)
9,266 8,746
(1 )エネルギー供給および関連サービスに関連するコミットメントならびに貸手としてのオペレーティング・リース・コミッ
トメントを除く(2022年12月31日現在:509百万ユーロ)。
(2 )注記17.3に記載された与信枠に関連するコミットメントを除く。
業務販売コミットメント(受取)は、エネルギー引渡しを除き、基本的に、Framatomeで工事進行基準により計上される契約
を通じて行われる確定注文(建設およびエンジニアリング契約)およびEDF Renewables(運営サービス、保守サービス、ならび
に、仕組資産の開発および売却契約)に関連している。
投資/撤退コミットメント(受取)の減少は、2022年度にDalkiaが子会社Suirを売却したことに起因する。
注記20.後発事象
注記2に記載したものを除き、期末日後に発生した事象はない。
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2【その他】
( 1) 後発事象
後発事象の詳細な記述については、本書「 第3 3(3)⑧後発事象 」および 2023 年6月30日 現在の要約中間連結財務書類の
注記20 を参照。
( 2) 訴訟
EDFグループに関する主要な訴訟は、2022年度有価証券報告書の「第一部 第6 3(2)訴訟」に記載されている。以下に記
載される情報は、 2023 年6月30日 現在の要約中間連結財務書類の 注記16.3に記載される進展に加えて、 2023 年3月21日以後に
重要な進展があった訴訟に関するものである。
CRE /REMITによる調査
2017年12月14日、フランスのエネルギー規制委員会のCREは、EDFならびにその子会社であるEDF Trading Limited およびEDFT
Markets Limited が、2017年1月1日から2018年6月30日までの間に、エネルギー卸売市場の統合性および透明性(REMIT)に関
する2011年10月25日付規則(EU)第1227/2011号の規定違反となり得る行為を行っていたか否かを確認するための調査を実施し
た。CREは、EDFに対し、2023年4月14日付の書簡にて、本件を紛争調停および制裁に関する委員会(CoRDis)に付託した旨の
通知を行った。このことは、手続の結果を示すものではない。
発電所の許可に対するNGOおよび団体による訴訟
当グループの発電所のいくつかの許認可(ASNの認可、県による決定、政令、命令等)は、ほとんどの場合、環境団体の提唱
により法廷で争われてきた。
CGN の仲裁
1,750MWの原子炉2基を有する台山原子力発電所の建設、操業、維持管理および運営を行うために設立されたTNPJVC
Guangdong Taishan Nuclear Power Company Limited の株主間協定に基づき、EDFは2021年1月に、シンガポール国際商業会議所
(SIAC)において、パートナーのChina General Nuclear Power Co. Ltd 、Guangdong Nuclear Power Investments Co. Ltd および
Taishan Nuclear Power Industry Investments Co. Ltd. (総称して、CGN)に対して「解釈」の仲裁手続を開始した。この意見
の相違は、発電所の会計方針、特にその減価償却期間に関するものである。EDFは発電所の耐用年数に合わせて60年を希望して
いるが、CGNは減価償却期間がTNPJVCの存続期間に限定されるべきであると考えている。2023年6月6日にSIACの仲裁裁判所
は、EDFを支持する判決を下した。
簡易公開買付けに関する訴訟
EDFの少数株主の利益を擁護する団体は、フランス政府が2022年10月4日にAMFに対して提出した、1株当たり12ユーロおよ
びOCEANE債1口当たり15.52ユーロの価格を定めたEDFの有価証券の簡易公開買付けに関連して、複数の法的な異議申立てを
行った。
2022年11月24日、従業員持株会(FCPE Actions EDF)の監査役会および株主団体であるエネルギー活動協会( Énergie en
Actions )は、フランス政府の提案に対する意見を公表したEDFの取締役会による2022年10月27日付の決議の取消しを求めて、
パリ商事裁判所( Tribunal de Commerce de Paris )に本案に関する迅速な法的手続を開始したが、この請求は2022年12月16日
にパリ商事裁判所によって棄却された。
さらに2022年12月2日には、同じ2つの団体が、少数株主擁護協会( Association pour la Défense des Actionnaires
Minoritaires またはADAM)とともに、フランス政府の簡易公開買付けは適用ある法令および規制を遵守していると宣言した、
フランス金融市場監督局の2022年11月22日付の決定の無効化を求めて、パリ控訴院に訴えを提起した。この訴えは、2023年5
月2日にパリ控訴院によって棄却された。
Framatome
南アフリカのクーバーグ原子力発電所の原子炉の1号機および2号機の蒸気発生器の交換に関する契約に関連して、
Framatome SASとEskom Holding SOC Limited(Eskom)の間で仲裁手続が行われている。この紛争は、当初2018年の原子炉の供
給停止中に実施される予定であった蒸気発生器の交換が、Eskomの責に帰すべき遅延により延期されたことによるFramatomeお
よびその下請業者への影響に関するものである。
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3【日本の会計原則とIFRSとの相違】
当グループの2023年6月30日現在の中間連結財務書類は、国際的な会計基準の適用に関する2002年7月19日付欧州規則
1606/2002に準拠して、2023年6月30日現在において国際会計基準審議会(IASB)により公表され、欧州連合により適用の承
認がなされている国際的な会計基準において規定された表示、認識および測定の規則に準拠して作成されている。これらの国
際的な会計基準は、IAS(国際会計基準)、IFRS(国際財務報告基準)ならびにSICおよびIFRIC解釈指針である(以下、総称し
て「IFRS」という。)。
これらの会計原則は日本において一般に公正妥当と認められる会計原則(以下「日本の会計原則」という。)とは、いくつ
かの点で異なる。本書記載の財務書類に関する主な相違点は以下の通りである。
(1) 連結財務諸表
(a) 連結財務諸表作成における在外子会社および関連会社の会計処理の統一
IFRS では、連結財務諸表は、同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、統一的な会計方針を用いて作成され
る。
日本の会計原則では、連結財務諸表作成上、同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、親会社および子会社
が採用する会計方針は、原則として統一されなければならない。ただし、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成におけ
る在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」により、在外子会社の財務諸表がIFRSまたは米国で一般に公正妥当と
認められる会計原則に準拠して作成されている場合、および国内子会社が指定国際会計基準または日本の修正国際基準に
準拠した連結財務諸表を作成して有価証券報告書により開示している場合には、当面の間、日本の現行の会計基準との 整
合性 を維持するために一定の項目について修正すること(のれんの償却、退職給付会計における数理計算上の差異の費用
処理、研究開発費の支出時費用処理等)を条件として、これらの財務諸表を連結決算手続上利用できるとされている。
また、同一環境下で行われた同一の性質の取引等についての投資会社および持分法適用関連会社が採用する会計方針
は、企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」に従って統一することが要求されているが、その際には実務対応報
告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」に従って、在外関連会社の財務諸表がIFRSまたは米国
会計基準に準拠して作成されている場合、および国内関連会社が指定国際会計基準または修正国際基準に準拠した連結財
務諸表を作成して有価証券報告書により開示している場合については、当面の間、上記の実務対応報告第18号で規定され
る在外子会社等に対する当面の取扱いを適用することができる。
(b) 連結方法
IFRS に基づき、当グループは、子会社、関連会社および共同支配企業に対する投資、ならびに共同支配事業に対する投
資について、以下の会計処理を行っている。
・ 被支配企業
子会社は、当グループが独占的支配を行使する会社であり、完全連結されている。当グループは、以下の3つの条件が
充足された場合に、当該企業を支配している。
- 当該企業に対するパワーを有している。
- 当該企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有している。
- 投資者のリターンの金額に影響するようにパワーを用いる能力を有している。
当グループは、支配の判定に際し、すべての事実および状況を考慮する。他の当事者による行使の場合も含め、すべて
の実質上潜在的に行使可能である議決権も考慮される。
・ 関連会社および共同支配企業に対する投資
関連会社は当グループが財務および営業の方針に重要な影響力を行使するが独占的支配または共同支配のいずれも有し
ていない企業である。当グループの投資が20%以上である場合には、重要な影響力が存在すると推定される。
共同支配企業は、当該企業に対して共同支配を行使する当事者(共同支配投資者)が、当該企業の純資産に対する権利
を有しているパートナーシップである。共同支配とは、少数のパートナーまたは株主によって共同で運営される企業の支
配を共有する契約上の合意であり、そのため、財務および営業の方針は当事者全員の同意による。
関連会社および共同支配企業に対する投資は持分法により会計処理されている。これらは、取得後に生じた純資産持分
に係る調整後、該当する場合には減損控除後の取得原価で貸借対照表に計上される。純利益に対する持分は、損益計算書
の「関連会社および共同支配企業の純利益に対する持分」に計上される。
・ 共同支配事業に対する投資
共同支配事業は、当該事業体に対して共同支配を行使する当事者(共同支配事業者)が、当該事業体の資産に対する直
接的な権利および負債に対する義務を有している共同支配の取り決めである。当グループは、共同支配事業の事業者とし
て、その投資に関連する資産および負債ならびに収益および費用を勘定科目ごとに報告する。
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日本の会計原則では、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、実質支配力基準により連結の
範囲が決定され、被支配会社(子会社)は連結の範囲に含まれる。ただし、子会社のうち支配が一時的であると認められ
る 企業、または連結することにより利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれのある企業については、連結の範囲に含め
ないこととされている。また、非連結子会社および重要な影響力を与えることができる会社(関連会社)については、持
分法の適用範囲に含める。なお、日本においても、IFRSの共同支配企業に該当するものには持分法が適用される。共同支
配事業を定義する会計基準はないが、IFRSの共同支配事業に該当しうる組合等への出資については、投資者の持分に係る
資産および負債ならびに収益および費用を、原則として純額で計上することが定められている。
(c) 非支配持分および非支配持分に帰属する純利益の表示
IFRS では、非支配持分は連結貸借対照表および連結持分変動計算書上、資本の一項目として表示される。連結損益計算
書上の「グループの純利益」ならびに純利益および資本直入損益計算書の「純利益および資本直入損益」には親会社の純
利益および非支配持分に帰属する純利益の両方が含まれる。
日本の会計原則では、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、当期純損益には非支配株主に
帰属する当期純損益が含まれるが、非支配株主持分は子会社の資本のうち親会社に帰属しない部分であり、連結貸借対照
表および連結株主資本等変動計算書上では株主資本とは区別して表示される。
(2) 企業結合
(a) 事業の定義
欧州連合により2020年4月21日に採択された「企業結合-IFRS第3号の改訂:事業の定義」は、2020年1月1日以後に
生じた企業結合に適用され、事業の取得と資産グループの取得との区別を明確化することを意図している。それらは、企
業が事業(または業務)ではなく単一の識別可能な資産または類似する識別可能な資産のグループを取得したのか否かに
ついて、取得した総資産の公正価値のほとんどすべてが単一の資産または類似する資産のグループに集中しているか否か
に基づいて決定する集中度テストの使用を認めている。
日本の会計原則においては、事業は、企業活動を行うために組織化され、有機的一体として機能する経営資源と定義さ
れているが、事業の取得と資産グループの取得との区別を明確化する基準は設定されていない。
(b) 子会社の資産および負債の測定ならびに非支配持分の算定
IFRS では、IFRS第3号「企業結合」により、取得した子会社の資産および負債は結合日時点の公正価値により測定さ
れ、非支配持分は当該子会社の正味公正価値に非支配持分割合を乗じて算出される(全面時価評価法)。非支配持分は、
公正価値(全部のれん方式)または被取得企業の純資産の公正価値の持分割合(部分のれん方式)のいずれかによる評価
が認められる。この選択は取引毎に行われる。
日本の会計原則においても、企業結合においては、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に従って、
全面時価評価法が適用されている。ただし、全部のれん方式を適用することは認められず、部分のれん(購入のれん)方
式により親会社持分に対応するのれんのみが認識される。
(c) 取得に直接起因する関連コスト
取得に直接起因する関連コストは、IAS第32号およびIFRS第9号に準拠した認識が求められる債券または資本性金融商品
の発行費を除き、発生した期間の費用として扱われる。
ただし、非支配持分の取得または処分で企業の支配の喪失とならないものに直接要した取引コストは、当該企業の期中
の活動による損益には含まれず、資本に認識される。
日本の会計原則においても、取得関連費用はIFRSと類似した方法で発生した事業年度の費用として処理するが、社債発
行費または株式交付費((13)を参照)については繰延資産として計上することもできる。
(d) のれんの償却
IFRS では、のれんは償却されず、少なくとも年に1度、減損テストの対象とすることが要求される。
日本の会計原則では、のれんを20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって定額法その他合理的な方法で規則的に償却す
ることが要求されている。のれんの未償却残高は、減損処理の対象となる。
(3) 異常損益項目の分類
IFRS では「異常損益項目」という概念は存在しない。
日本の会計原則では、異常損益項目は、臨時的かつ金額的に重要な損益項目、すなわち、特別損益項目
として定義されている。かかる項目には、固定資産売却損益、売買目的以外に分類される投資有価証券の売却損益、前期
損益修正損益、災害による損失等が含まれるが、これに限らない。
(4) 研究開発費
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IFRS では、研究費は発生した会計期間に費用として認識される。IAS第38号の下で資産計上に適格な開発費は無形資産に計
上され、予測可能な有効期間にわたり定額法で償却される。
日本の会計原則では、「研究開発費等に係る会計基準」により、研究開発費はすべて発生時に費用処理することが求めら
れている。ただし、この会計基準は、企業結合により取得した研究開発に係る資産を含む特定の項目には適用されない。
(5) リース取引
(a) 契約にリースが含まれているか否かの判定
IFRS 第16号に基づいて、契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合に
は、当該契約はリースであるかまたはリースを含んでいるとされる。法形式上はリース契約ではないが、資産または特定
の資産グループの使用を支配する権利を購入者に与える識別された取決めは、当グループによりリースとして取り扱わ
れ、IFRS第16号を参照して分析される。
日本の会計原則では、 法形式上はリース契約ではないがリースとして認識すべき契約 に関する上記のような会計基準は
ない。
(b) 借手としてのリース契約の認識
IFRS 第16号は、短期リースおよび少額資産リースを除くすべてのリースを、当該リース資産が利用可能となった時点
で、使用権資産(「グループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産」に表示)および当該リース・コミットメ
ントに係る対応する金融負債(「流動および非流動金融負債」に表示)として、借手の貸借対照表に認識することを求め
ている。
リースの当初認識において、使用権資産およびリース負債は、関連するオプションが行使されることが合理的に確実で
ある場合にはリースの更新または解約に関する仮定を考慮に入れた上で、リース期間にわたる将来支払リース料を割り引
くことにより評価される。
一般に、リースの計算利子率を算定することは困難であることから、リース負債を割り引くために、借手の追加借入利
子率が使用される。この利子率は、EDFのゼロ・クーポン債金利を基礎とし、これを当該契約の当初認識日現在の通貨リス
ク、カントリー・リスク・プレミアム、リース契約期間および当該子会社の信用リスクについて調整したものである。一
定の場合には、子会社固有の追加借入利子率を基礎とする。
その後、使用権資産は予想リース期間にわたり償却され、リース負債は償却原価、すなわち金融損益に認識された利息
を加算し、支払ったリース料の額を減算した額をもって計上される。
当グループは、IFRS第16号により認められた2つの免除規定の適用を決定したため、期間が12か月以下のリースおよび
新規個別価額が5,000米ドル未満の資産のリースは、貸借対照表に認識しない。従って、これらのリースに係る支払は、
リース期間にわたり定額法により損益計算書に認識される。
日本の会計原則では、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」により、リース取引は、「特定の物件の所
有者たる貸手が、当該物件の借手に対し、合意された期間にわたりこれを使用収益する権利を与え、借手は、合意された
使用料を貸手に支払う取引」と定義されている。借手は、リース取引をファイナンス・リース取引とそれ以外の取引(オ
ペレーティング・リース取引)に区分する。ファイナンス・リース取引とは、解約不能かつフルペイアウトの要件を満た
すものをいい、ファイナンス・リース取引に該当するかどうかについてはその経済的実質に基づいて判断すべきものであ
るとしている。ただし、解約不能のリース期間がリース物件の経済的耐用年数の概ね75%以上、または解約不能のリース
期間中のリース料総額の現在価値がリース物件を借手が現金で購入するものと仮定した場合の合理的見積金額の概ね90%
以上のいずれかに該当する場合は、ファイナンス・リースと判定される。ファイナンス・リース取引については、リース
資産およびリース債務を、原則として、リース契約締結時に合意されたリース料総額からこれに含まれている利息相当額
の合理的な見積額を控除する方法により計上する。当該利息相当額については、原則として、リース期間にわたり利息法
により配分する。オペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行う。な
お、少額(リース契約1件当たりのリース料総額が300万円以下の所有権移転外ファイナンス・リース)または短期(1年
以内)のファイナンス・リースについては、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことができる。
(6) のれんおよび長期性資産の減損
IFRS では、資産に著しい減損が生じたかもしれない兆候がある場合で、かつ、資産の回収可能価額(資産または資金生成
単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のいずれか高い金額と定義されている)が帳簿価額より低い場合に、資
産の減損損失が認識される。
IFRS に基づく資産の使用価値は、日本の会計原則における割引後将来キャッシュ・フローと類似している。また、資産の
公正価値の最善の証拠は、i)拘束力のある販売契約における価格、ii)市場価格、iii)貸借対照表日現在、取引の知識がある
自発的な当事者の間で独立第三者間取引条件による資産の売却から得られる金額について、事業体が入手することのできる
最善の情報とされている。過去の期間に認識された減損損失は、その後当該資産(のれんを除く)の減損損失がもはや存在
しなくなったかまたは減少している場合に、戻し入れられる。
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日本の会計原則では、資産または資産グループの減損の兆候が認められ、かつ帳簿価額が当該資産または資産グループの
継続的使用およびその最終的な処分から生じると見込まれる割引前将来キャッシュ・フローの総額を超過する場合に、回収
可 能価額(正味売却価額と使用価値のいずれか高い方)と帳簿価額の差額につき減損損失が認識される。また、一度認識さ
れた減損損失をその後の期間において戻し入れることは認められない。
(7) サービス委譲契約
IFRS では、IFRIC第12号「サービス委譲契約」の対象となる委譲契約については、適用される報酬の方法に応じて、委譲契
約の運営者はインフラを無形資産または金融資産として計上する。
IFRIC 第12号の適用範囲外にある契約については、契約内容に応じて、IAS第16号、IAS第17号およびIAS第18号を適用する
ことを求めている。
委譲の大部分について、当グループは、実質的に、委譲者はIFRIC第12号に定義されるインフラに対する支配という性質を
持たないと考えている。そのため、IFRIC第12号は、当グループの委譲契約の特性により、連結貸借対照表および損益計算書
に限定的な影響しか与えていない。
日本の会計原則では、企業会計基準委員会の実務対応報告第35号「公共施設等運営事業における運営権者の会計処理等に
関する実務上の取扱い」において、公共施設等運営事業における運営権者の会計処理が定められており、公共施設等運営権
の対価について合理的に見積もられた支出額の総額を無形固定資産として計上し、原則として、運営権設定期間を耐用年数
として定額法、定率法等の減価償却を行うことが求められている。
(8) 補助金
IFRS では、補助金については、補助金を用いて取得した資産の取得原価から減額されるか、または受け取った補助金を負
債に含め、対応する資産の経済的便益の使用に応じて利益に振り替える。
日本の会計原則においては、補助金については、補助金を受け取った期に損益計算書上の利益として認識するとともに、
補助金を用いて取得した資産に係る圧縮損の計上、または剰余金の処分として純資産の部の一項目の積立金により圧縮記帳
を行う。
(9) 金融商品
(a) 分類および測定
IFRS 第9号「金融商品」では、金融資産および金融負債を以下のように分類し、測定することが要求されている。
金融資産については、金融資産の管理に関する企業の事業モデルおよび金融資産の契約上のキャッシュ・フロー上の特
性の両方に基づき、以下のように事後測定するものに分類しなければならない。
・ 償却原価で事後測定するもの: 契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とす
る事業モデルの中で保有され、当該金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであ
るキャッシュ・フローが所定の日に生じる場合。
・ その他の包括利益を通じて公正価値で事後測定するもの: 契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によっ
て目的が達成される事業モデルの中で保有され、当該金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利
息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる場合。
・ 純損益を通じて公正価値で事後測定するもの: 上記以外の場合。
ただし、企業は、当初認識時に、売買目的保有またはIFRS第3号「企業結合」が適用される企業結合における取得企業
によって認識される条件付対価ではない資本性金融商品の公正価値の事後変動を、その他の包括利益に表示するという取
消不能の選択を行うことができる。
金融負債(公正価値オプションおよび負債であるデリバティブ等を除く)については、償却原価で事後測定するものに
分類しなければならない。
またIFRS第9号では、会計上のミスマッチを除去または大幅に低減する等の一定の要件を満たす場合、当初認識時に金
融資産および金融負債を純損益を通じて公正価値で測定するものとして取消不能の指定をすることができる(公正価値オ
プション)。
日本の会計原則では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従い、金融資産および金融負債は以下のよ
うに測定される。
・ 売買目的有価証券は、時価で測定し、時価の変動は純損益に認識される。
・ 満期保有目的の債券は、取得原価または償却原価で測定される。
・ 売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式および関連会社株式以外の有価証券(「その他有価証券」)
は、時価で測定し、時価の変動額は
a) 純資産に計上され、売却、減損あるいは回収時に損益計算書に計上されるか、または
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b) 個々の証券について、時価が取得原価を上回る場合には純資産に計上し、下回る場合には損益計算書に計上す
る。
・ 市場価格のない株式等については、取得原価をもって貸借対照表価額とする。
・ 貸付金および債権は、取得原価または償却原価で測定される。
・ 金融負債のうち支払手形、買掛金、借入金、社債その他の債務は債務額で測定される。但し、社債については、社
債金額よりも低い価格または高い価格で発行した場合等、収入に基づく金額と債務額とが異なる場合には、償却原
価法に基づいて算定された価額で評価しなければならない。
日本の会計原則では、IFRSで認められている公正価値オプションに関する規定はない。
(b) ヘッジ
IFRS第9号「金融商品」が定義する適格要件を採用し、当グループは、ヘッジ会計の対象となる取引を以下の通り識別
している。
・ ヘッジ関係は、適格なヘッジ手段および適格なヘッジ対象のみで構成されていなければならない。
・ ヘッジ関係は、その開始時に、公式に指定され文書化されていなければならない。
・ ヘッジ関係は、特にヘッジ比率に関し、ヘッジ有効性の要件を満たさなければならない。
キャッシュ・フロー・ヘッジの場合、ヘッジ対象である予定取引の発生可能性が非常に高くなければならない。ヘッジ
関係は、上記の適格要件を満たさなくなった場合に終了する。これには、ヘッジ手段が消滅、売却、終了もしくは行使と
なった場合、または当初文書化されたリスク管理目的に該当しなくなった場合が含まれる。当グループの外部デリバティ
ブおよび当グループの同様の外部取引とマッチングされた内部デリバティブのみが、ヘッジ会計に適格となる。
当グループは、ヘッジに以下の分類を使用している。
・ 公正価値ヘッジ
これらの金融商品は、認識されている資産もしくは負債または資産の購入・売却に関する未認識の確定約定の公正価値
の変動に対するエクスポージャーをヘッジする。ヘッジ対象の公正価値変動額のうち当該項目のヘッジ対象要素に起因す
るものは損益計算書に計上され、対応するヘッジ手段の公正価値変動額により相殺される。ヘッジの非有効部分だけが、
利益に影響する。
借入金および金融負債は、公正価値ヘッジの対象である。ヘッジ会計を適用して、その貸借対照表価額は、ヘッジ対象
リスク(外国為替リスクおよび金利リスク)に起因する公正価値変動額について調整される。
・ キャッシュ・フロー・ヘッジ
これらの金融商品は、認識されている資産もしくは負債または発生可能性が非常に高い予定取引に係るキャッシュ・フ
ローの変動に対するエクスポージャーをヘッジする。ヘッジ対象取引により生ずるキャッシュ・フローの変動は、ヘッジ
手段の価額の変動により相殺される。
ヘッジの公正価値変動累計額のうちの有効部分は資本に計上され、非有効部分(すなわち、ヘッジ対象の公正価値変動
額を上回るヘッジ手段の公正価値変動額)は、損益計算書に計上される。
ヘッジ対象のキャッシュ・フローが現実に発生した時、それまで資本に認識されていた金額は、ヘッジ対象と同様に、
純損益にリサイクリングされるか、または取得した資産の価額の修正として処理される。
・ 純投資ヘッジ
これらの金融商品は、当グループと機能通貨が異なる事業体への純投資に関わる外国為替リスクに対するエクスポー
ジャーをヘッジする。ヘッジの公正価値変動累計額のうち有効部分は、当該純投資の売却または清算時まで資本に計上さ
れ、売却または清算時に売却損益に含めて計上される。非有効部分(キャッシュ・フロー・ヘッジに関するものと同様に
定義される。)は、直接、損益計算書に計上される。
日本の会計原則では、原則として、繰延ヘッジ会計が適用され、時価評価されているヘッジ手段に係る損益または評価
差額を繰延ヘッジ損益(その他の包括利益)として計上し、ヘッジ対象(相場変動等による損失の可能性がある資産また
は負債で、予定取引により発生が見込まれる資産または負債も含まれる)に係る損益が認識されるまで純資産の部におい
て繰り延べる。ただし、現時点ではその他有価証券のみを適用対象として、ヘッジ対象に係る相場変動等を損益に反映さ
せることにより、その損益とヘッジ手段に係る損益とを同一の会計期間に認識する方法(時価ヘッジ)の適用も認められ
ている。在外営業活動体に対する純投資のヘッジに関しては、IFRSと概ね同様の会計処理を適用することが認められてい
る。
また、ヘッジ全体が有効と判定され、ヘッジ会計の要件が満たされている場合には、ヘッジ手段に生じた損益のうち結
果的に非有効となった部分についても、ヘッジ会計の対象として繰延処理を行うことができる(なお、合理的に区分でき
る非有効部分については当期の純損益に計上することができる)。
金利スワップや為替予約を使用したヘッジ会計については、一定の合成的な処理が認められている。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値または償却原価で測定する金融資産の減損
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IFRS 第9号「金融商品」は予想信用損失(ECL)に基づく減損モデルを規定している。債券ポートフォリオの有価証券に
ついては、当グループは、信用リスクが低い相手先に対し、格付に基づくアプローチを適用している。リスク管理方針を
適用して、当グループの債券ポートフォリオはほぼ全て、「投資適格」である信用リスクの低い相手先の発行商品から構
成 されている。この状況において、ECLは決算日後12か月の期間にわたり見積られている。信用リスクの著しい増大を示す
閾値に至るのは、相手先が「投資適格」の格付けから外れた時である。その場合は、債務不履行リスクの著しい増大の結
果、当該商品の残存期間にわたりECLが再評価される可能性がある。
貸付金および債権については、当グループは、相手先ごとのデフォルト確率および信用リスクの変動の評価に基づくア
プローチを選択している。
日本の会計原則では、その他有価証券のうち、市場価格のない株式等以外のものについて時価が著しく下落したとき
は、回復する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損失として処理
(減損処理)しなければならない。時価が50%程度以上下落した場合は著しく下落したときに該当する。また、回復する
見込みがあると認められるときとは、株式の場合は期末日後おおむね1年以内に時価が取得原価にほぼ近い水準まで回復
する見込みがあることをいう。債券の場合は市場金利や信用リスク等の要因を考慮して回復する見込みについて判断する
必要がある。減損の戻入れは認められない。
(d) 金融資産および負債の認識中止
IFRS では、以下のいずれかの場合に金融資産の認識を中止する。
・ その資産が生み出すキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する場合
・ 資産の所有に付随する実質的にすべてのリスクと経済価値を移転することにより、その金融資産に関連する契約上
のキャッシュ・フローを受け取る権利を譲渡する場合。
譲渡した金融資産に生じた持分または当グループが留保する持分は、別の資産または負債として計上される。
当グループは、金融負債に係る契約上の義務が消滅、取消または満了したときに、認識を中止する。債務が貸手との間
で実質的に異なる条件で再交渉された場合には、新たな負債が認識される。
日本の会計原則では、譲渡金融資産の財務構成要素ごとに、支配が第三者に移転しているかどうかの判断に基づいて、
当該金融資産の認識の中止がなされる。
(e) 負債と資本の区分(金融商品の発行者における分類)
IFRS では、IAS第32号「金融商品:表示」に基づき、金融商品の発行者は、当初認識時に、契約の実質、並びに金融負
債、金融資産および資本性金融商品の定義に従って、金融負債、金融資産または資本性金融商品に分類する。
日本の会計原則では、会社法上の株式として発行された金融商品は、純資産の部に計上される。
(10) その他の包括利益の項目の表示
IFRS では、包括利益計算書において、以下の項目を区別することが求められている。
・ リサイクリングを伴う資本計上損益の構成項目。
・ リサイクリングを伴わない資本計上損益の構成項目(これは雇用後給付に係る数理計算上の損益の変動についての
み関係する)。
・ これらの資本計上損益の種類毎の関連会社持分。
日本の会計原則では、その他の包括利益の項目について上記の区別を行うことは求められていない。
(11) 借入コスト
IFRS では、改訂後IAS第23号「借入コスト」により、適格資産の取得、建設または生産に直接的に起因する借入コストの即
時費用処理を認める選択肢が廃止され、これらの費用を当該資産の取得原価の一部として資産計上することが求められてい
る。適格資産とは、意図した使用または販売が可能になるまでに相当な期間を要する資産をいう。
日本の会計原則では、支払利息の取得原価算入は限定的な場合のみ認められるが、要求されてはいない。原則として、支
払利息は発生した期の費用として処理される。
(12) 新株発行費
IFRS では、新株発行費は、増資に明示的に関係する対外費用のみを含み、当該費用は、税引後の金額で、発行プレミアム
(資本剰余金)から控除される。その他の費用はすべて、当期の費用となる。
日本の会計原則においては、株式交付費(新株の発行または自己株式の処分に係る費用)は、原則として、支出時に費用
として処理する。ただし、企業規模の拡大のための資金調達等の財務活動に係る株式交付費については、繰延資産に計上す
ることができ、この場合には、3年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法により償却しなければならない。
(13) 引当金
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IFRS では、以下の3つの条件を満たす場合に引当金を計上する。
・ 決算日前までに過去の事象から生じた第三者に対する現在の義務(法的または推定的)がある場合。
・ 当該義務を決済するために、経済的便益を有する資源の流出が必要になる可能性が高い場合。
・ 当該義務の金額について信頼性のある見積りができる場合。
日本の会計原則では、将来の特定の費用または損失について、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高
く、その金額を合理的に見積もることができる場合に、当期の負担に属する金額を当期の費用または損失として引当金に繰
り入れる。また、引当金の現在価値への割引を要求する引当金全般に関する会計基準は存在しない。
(14) 従業員給付
(a) 雇用後給付に係る確定給付費用
IAS 第19号「従業員給付」では、確定給付費用の内訳を次のように認識することが求められている。
・ 勤務費用を純損益に認識する。
・ 確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額を純損益に認識する。
・ 確定給付負債(資産)の純額の再測定をその他の包括利益に認識する。
その他の包括利益に認識した、確定給付負債(資産)の純額の再測定は、その後の期間において純損益に振り替えては
ならない。
同基準に基づき、当グループの従業員給付引当金は以下のように評価および認識されている。
・ 権利未確定の過去勤務費用の即時認識。
・ 従業員給付制度の管理および金融費用の当期勤務費用への算入ならびに当該費用のために過年度に設定された引当金
からの相当額の戻入。
・ 制度資産からの収益控除後の債務にかかる利息費用に相当する「純利息費用」の金融損益への算入。制度資産は、現
在、債務の測定に適用される割引率と同じ率を使用して評価されている。債務の割引率と制度資産の実際運用収益率
との間の差額は資本に直入される。
当グループは、数理計算上の差異を「SoRIE」方式によって全額認識している。
日本の会計原則では、確定給付型年金制度について、過去勤務債務および数理計算上の差異の繰延認識が認められてお
り、原則として各期の発生額について平均残存勤務期間内の一定の年数で按分した額を毎期費用処理する。数理計算上の
差異の当期発生額のうち費用処理されない部分(未認識数理計算上の差異)および過去勤務費用の当期発生額のうち費用
処理されない部分(未認識過去勤務費用)についてはいずれも、その他の包括利益に計上する。また、その他の包括利益
累計額に計上された未認識数理計算上の差異および未認識過去勤務費用のうち、当期に費用処理された部分については、
その他の包括利益の調整(組替調整)を行う。割引率を含めた基礎率等の計算基礎に重要な変動が生じない場合には計算
基礎を変更しない等、計算基礎の決定にあたっては合理的な範囲で重要性による判断を認める方法(重要性基準)が定め
られている。また、日本の会計原則では、期待運用収益は、期首の年金資産の額に合理的に予想される収益率(長期期待
運用収益率)を乗じて算定する。
(b) 有給休暇引当金
IFRS では有給休暇に係る引当金を認識しなければならないが、日本の会計基準ではこうした引当金の認識は要求されて
いない。
(15) 売却目的で保有する資産および負債ならびに非継続事業
IFRS では、売却目的で保有する資産および負債は、貸借対照表上、他の資産および負債とは区別して表示される。非継続
事業からの利益は、損益計算書上、単一の科目として税引後の純額で表示される。キャッシュ・フロー計算書においてもま
た、非継続事業の現金および現金同等物の純変動額は別科目として区分して報告される。
日本の会計原則では、売却目的で保有する資産および負債ならびに非継続事業に関する上記のような会計基準はない。た
だし、売却または廃棄予定の固定資産は「固定資産の減損に係る会計基準」およびその適用指針等に従って会計処理され
る。
(16) 賦課金
IFRS では、IFRIC解釈指針第21号において賦課金(公課および法人所得税以外の税金)に係る負債計上の契機となる事象が
明確にされている。同解釈指針は、税金負債計上の契機となる事象を、関連法規の適用下で賦課金の支払義務を生じさせる
活動と定義している。
この解釈指針は、企業がある特定の日現在で営業を行っているか、またはその活動においてある最低閾値に達した場合に
支払義務が生じる年次税の会計処理について取り扱っている。一定の税金は、通年にわたり配分されることなく契機となる
事象が生じた時点で全額認識され、多くの場合は上半期中に起こる。
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日本の会計原則では、賦課金(公課および法人所得税以外の税金)に係る負債計上の契機となる事象について明確に規定
した会計基準はない。
(17) 財務活動から生じた負債の変動
IAS 第7号「キャッシュ・フロー計算書」では、キャッシュ・フロー計算書の「財務活動によるキャッシュ・フロー」区分
に記載された貸借対照表上の資産および負債の変動の調整表に利用可能な情報を、資金変動と非資金変動に区分して開示す
ることを会社に求めている。
日本の会計原則においては、このような財務活動から生じた負債の変動の開示について定める会計基準はない。
(18) 法人所得税の税務処理に関する不確実性
IFRS では、IFRIC第23号「法人所得税の税務処理に関する不確実性」を適用して、法人所得税の取扱いに不確実性が伴う場
合には、税金資産または負債が認識される。選択した取扱いを税務当局が認容しない可能性が高いと当グループが考える場
合には税金負債を認識し、既に支払済みの税金を税務当局が還付する可能性が高いと考える場合には税金資産を認識する。
これらの不確実性に関連する税金資産および負債は、ケースごとに見積られ、実現可能性が最も高い金額ないし想定される
様々な結果の加重平均により計上される。これらの税金資産および負債は、繰延税金に含まれる。
日本の会計原則では、企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」において、過年度の所得等
に対する法人税、住民税および事業税等の更正等による追徴および還付の場合の当該追徴税額および還付税額、または、更
正等により追徴税額を納付したが当該追徴の内容を不服として法的手段を取る場合の還付税額の認識の閾値が定められてい
る。同基準に基づき、当該追徴税額または当該還付税額を合理的に見積もることができる場合には、誤謬に該当する場合を
除き、追徴される可能性が高い場合および還付されることが確実に見込まれる場合に、それぞれ当該追徴税額および還付税
額を損益に計上することが求められている。そのため、認識の閾値は、追徴の場合と還付の場合とで異なっている。更正等
による追徴税額および還付税額は、法人税、地方法人税、住民税および事業税(所得割)を表示した科目の次に、その内容
を示す科目をもって表示する。
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第7【外国為替相場の推移】
表示に用いられた通貨ユーロと日本円との間の為替相場が、2つ以上の日刊新聞紙に最近5年間において掲載されているた
め、記載を省略する。
第8【提出会社の参考情報】
書類名 提出年月日
( イ) 有価証券報告書
有価証券報告書およびその添付書類 2023 年6月19日関東財務局長に提出
( 自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
( ロ) 臨時報告書
臨時報告書およびその添付書類 2023 年5月8日関東財務局長に提出
( 金融商品取引法第24条の5第4項および企業内容等の開示に関する
内閣府令第19条第2項第9号の規定に基づく臨時報告書)
( ハ) 発行登録追補書類
発行登録追補書類およびその添付書類 2023 年6月22日関東財務局長に提出
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第1【保証会社情報】
該当事項なし。
第2【保証会社以外の会社の情報】
該当事項なし。
第3【指数等の情報】
該当事項なし。
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