エン・ジャパン株式会社 内部統制報告書 第23期(2022/04/01-2023/03/31)
提出書類 | 内部統制報告書-第23期(2022/04/01-2023/03/31) |
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提出者 | エン・ジャパン株式会社 |
カテゴリ | 内部統制報告書 |
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エン・ジャパン株式会社(E05192)
内部統制報告書
【表紙】
【提出書類】 内部統制報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条の4の4第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2023年7月31日
【会社名】 エン・ジャパン株式会社
【英訳名】 en Japan Inc.
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 鈴木 孝二
【最高財務責任者の役職氏名】 該当事項はありません。
【本店の所在の場所】 東京都新宿区西新宿六丁目5番1号
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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内部統制報告書
1 【財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項】
代表取締役社長 鈴木孝二は、当社の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、企業会計審議会
の公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する
実施基準の設定について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を
整備及び運用しております。
なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合理
的な範囲で達成しようとするものです。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には
防止又は発見することができない可能性があります
2 【評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項】
財務報告に係る内部統制の評価は、当事業年度の末日である2023年3月31日を基準日として行われており、評価に
当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠しております。
本評価においては、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を
行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定しております。当該業務プロセスの評価にお
いては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、
当該統制上の要点について整備及び運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を行いまし
た。
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、会社及び連結子会社について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性
の観点から必要な範囲を決定しております。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的及び質的影響の重要
性を考慮して決定しており、会社及び連結子会社5社を対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業
務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定いたしました。なお、連結子会社9社については、金額的及び
質的重要性の観点から僅少であると判断し、全社的な内部統制の評価範囲に含めておりません。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、各事業拠点の前連結会計年度の売上高(連結会社間取引消去
前)を基準として、前連結会計年度の売上高の概ね2/3に達している事業拠点を「重要な事業拠点」として選定いたし
ました。選定した重要な事業拠点においては、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目として売上高及び売掛金に至
る業務プロセスを評価の対象といたしました。さらに、選定した重要な事業拠点にかかわらず、それ以外の事業拠点
をも含めた範囲について、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積りや予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロ
セスやリスクが大きい取引を行っている事業、又は業務に係る業務プロセスを財務報告への影響を勘案して、重要性
の大きい業務プロセスとして評価対象に追加しております。
3 【評価結果に関する事項】
以下に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な
不備に該当するため、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断いたしまし
た。
記
当社は、2023年3月期の期末監査の期間中に当社の中国における連結子会社(英才網聯(北京)科技有限公司(以下
「英才JV」といいます。)へ英才JVの監査報告書及び銀行預金残高証明書の提出を求めたところ、英才JVはこれを拒否
しました。こうした事態を受けて、当社が改めて強く銀行預金残高証明書の提出を求めるとともに、英才JVの総経理に
ヒアリングを行ったところ、英才JVの総経理が英才JVの銀行預金を私的に用いたことを認め、不適切な会計処理が行わ
れていた疑いが判明しました。これを受けて、2023年5月23日より外部の有識者2名及び独立役員である社外取締役監査
等委員長からなる特別調査委員会を設置し調査(以下、「本件調査①」といいます。)を開始、2023年7月24日に調査
報告書を受領しております。
本件調査①において、英才JVの総経理による関与が認められた不適切な会計処理として、2010年から2016年にわた
り、英才JVの預金を私的に流用していたこと(以下、本件不正出金(A))が確認されました。
次に、本件調査①の過程で、英才JVにおける社会保険料等が一部未納となっている可能性が発覚したため、当社が調
査主体となり、特別調査委員会及び外部の専門家の協力を得て、事実関係等の調査(以下、「本件調査②」といいま
す。)を行った結果、当社が英才JVへ出資した2006年より、社会保険料等が一部未納となっている事実(以下、社保未
納問題(B))が確認されました。
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なお、本件調査の結果、識別された事項(A, B)を以下、「本件事案」といいます。
本件事案はいずれも、下記の点に原因があるもの認識しています。
(1) 英才JVの総経理にコンプライアンス意識が欠如していたこと。
(2) グローバルホットラインの仕組みを英才JVの従業員へ周知徹底が出来ていなかったことにより、英才JVの総経理
による不正に対処する内部統制が存在しなかったこと。
(3) 英才JVへの出資構造、当社の英才JVへの経営関与の状況及び当社と英才JVのコミュニケーションの困難さ等を考
慮したリスク評価が、英才JVの合弁開始後間もない時期から長期に渡り十分に出来ていかなったこと。
(4) 当社が英才JVに対して経営に十分関与出来ておらず、英才JVの董事会が形骸化してこと、英才JVの総経理とのコ
ミュニケーションが困難であり、当社の経営面での牽制が有効に機能していない状況が長期に渡り続いていたこ
と。
(5) 当社管理部門が英才JVに対して定期的に十分なモニタリングを出来ていなかったこと。加えて、現地会計事務所
の会計監査の状況も当社管理部において適切にモニタリング出来ていなかったこと。また、監査の内容も英才JV
の会計監査人より直接把握出来ていなかったこと。
(6) 英才JVに対して当社内部監査室による内部監査が過去において実施されていなかったこと。
(7) 当社の連結財務報告プロセスにおいて、英才JVから十分な証憑を入手・確認ができていなかったという連結子会
社データの妥当性の検証に不備があったこと。
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以上の本件事案より確認された不備が財務報告に重要な影響を及ぼしており、全社的な内部統制及び決算財務報告プ
ロセスに係る内部統制について、開示すべき重要な不備に該当するものと判断いたしました。
また、上記事実の判明は当事業年度末日以降となったため、当該開示すべき重要な不備を当事業年度末日までに是正
することができませんでした。なお、本件事案に係る内部統制の不備が、当社の財務報告に重要な影響を及ぼす可能性
が高い点を踏まえ、2018年3月期から2022年3月期までの各期の内部統制報告書の訂正報告書において、財務報告に係
る内部統制に開示すべき重要な不備が存在する旨の報告をいたしました。一方で、当社は、調査結果を確認・精査した
結果、本件事案の各期間損益に与える影響は限定的であると判断し、2019年3月期から2022年3月期の有価証券報告書、
2020年3月期から2023年3月期の第1四半期から第3半期までの四半期報告書について、訂正報告書を提出しておらず、
上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、全て2023年3月期の連結財務諸表に反映いたしました。
加えて、当社は2023年7月24日開催の取締役会において、当社の連結子会社である英才JVの全持分49%を譲渡すること
を決議いたしました。
当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を強く認識しており、調査報告書の提言及び上記持分譲渡の決議を踏ま
え、以下の通り再発防止策を設定・実行し、適切な内部統制の整備・運用を図ってまいります。
① 全ての連結子会社のコンプライアンス意識をさらに高められるような施策を検討し継続的に実施する。
② グローバルホットラインの仕組みを連結グループの全従業員に周知徹底する。
③ 内部監査室の内部監査の対象から長期間外れている連結子会社がないような内部監査計画を立案し実行する。
④ 連結決算財務報告プロセスの決算財務チェックリストを改善し、各勘定科目について入手すべき証憑及び当社の
チェック内容を具体的に記述し、全ての連結子会社からチェックリストに沿って十分な証憑を入手し確認するよ
う当社管理部門の体制を整備し運用する。
4 【付記事項】
該当事項はありません。
5 【特記事項】
該当事項はありません。
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