アルテリア・ネットワークス株式会社 意見表明報告書

提出書類 意見表明報告書
提出日
提出者 アルテリア・ネットワークス株式会社
カテゴリ 意見表明報告書

                                                          EDINET提出書類
                                              アルテリア・ネットワークス株式会社(E34545)
                                                           意見表明報告書
    【表紙】
     【提出書類】                   意見表明報告書

     【提出先】                   関東財務局長
     【提出日】                   2023年7月5日
     【報告者の名称】                   アルテリア・ネットワークス株式会社
     【報告者の所在地】                   東京都港区新橋六丁目9番8号
     【最寄りの連絡場所】                   東京都港区新橋六丁目9番8号
     【電話番号】                   03-6823-0349
     【事務連絡者氏名】                   常務執行役員CFO  建石 成一
     【縦覧に供する場所】                   アルテリア・ネットワークス株式会社
                         (東京都港区新橋六丁目9番8号)
                         株式会社東京証券取引所
                         (東京都中央区日本橋兜町2番1号)
     (注1) 本書中の「当社」とは、アルテリア・ネットワークス株式会社をいいます。
     (注2) 本書中の「公開買付者ら」とは、丸紅株式会社(以下「丸紅」といいます。)及びセコム株式会社(以下
           「セコム」といいます。)をいいます。
     (注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和
           と必ずしも一致しません。
     (注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
     (注5) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。
     (注6) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又
           は日時を指すものとします。
     (注7) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みま
           す。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
     (注8) 本書の提出に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、法で定められた手続及び情報開示
           基準に従い実施されるものです。
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     1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】
        名称  丸紅株式会社
        所在地 東京都千代田区大手町一丁目4番2号
        名称  セコム株式会社

        所在地 東京都渋谷区神宮前一丁目5番1号
     2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

        普通株式
     3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

      (1)意見の内容
         当社は、2023年5月11日開催の当社取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由
        に基づき、当該時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見
        を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。
         当社は、上記の決議に際して、下記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至っ
        た意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本公開買付けが開始される際に、当社が設置した特別委員会(以下
        「本特別委員会」といいます。)に対して、本特別委員会が2023年5月11日付で当社取締役会に対して提出した答
        申書(以下「2023年5月11日付答申書」といいます。その概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等について
        は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付
        けの公正性を担保するための措置」の「ⅱ.当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書
        の取得」をご参照ください。)の意見に変更がないか検討し、当社取締役会に対し、従前の意見に変更がない場合
        にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえて、本公開買
        付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。
         当社は、2023年6月1日、公開買付者らより、中国の競争法上のクリアランスの取得は2023年6月下旬に、国内

        の競争法上のクリアランスの取得は2023年7月上旬にそれぞれ見込んでいることから、本公開買付けを2023年7月
        5日より開始することを予定している旨の連絡を受け、本公開買付けに関する諸条件について改めて検討を行う準
        備を開始いたしました。また、当社は、2023年6月2日、本特別委員会に対して、2023年5月11日付答申書の意見
        に変更がないか検討し、当社取締役会に対し、従前の意見に変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更
        後の意見を述べるよう諮問いたしました。その後、当社は、公開買付者らから、日本および中国の競争法に基づく
        必要な手続及び対応が完了したことから、本前提条件(下記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの
        概要」にて定義されます。)が充足されることを前提に、本公開買付けを2023年7月5日より開始することを予定
        している旨の連絡を2023年6月29日に受けました。本特別委員会は、2023年6月2日に上記諮問がなされたことを
        受け、改めて、当社に対して、2023年5月11日以後、本取引(下記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買
        付けの概要」にて定義されます。)に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の
        確認等を行い、上記諮問事項について検討を行った結果、2023年5月11日以後、2023年7月3日までの事情を勘案
        しても2023年5月11日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2023年7月3日に、当社取
        締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の答申書(以下「2023年7月3日付答申書」といいます。その概要及
        び本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び
        利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「ⅱ.当社における独立した
        特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を提出いたしました。
         その上で、当社は、本特別委員会から提出された2023年7月3日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、当社
        の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、
        2023年7月4日現在においても、2023年5月11日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと
        判断いたしました。
         以上より、当社は、2023年7月4日開催の当社取締役会において、当社の取締役(取締役合計5名のうち、大久
        保修氏を除く4名)の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に
        対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。
         2023年5月11日付及び2023年7月4日付の上記各取締役会決議は、公開買付者らが本公開買付け及びその後の一

        連の手続により当社の株主を公開買付者らのみとすることを企図していること、並びに当社の普通株式(以下「当
        社株式」といいます。)が上場廃止となる予定であることを前提として行われたものです。
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         また、2023年5月11日付及び2023年7月4日付の上記各取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を
        担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の
        「ⅵ.当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意
        見」に記載の方法により決議されております。
      (2)意見の根拠及び理由

         本項の記載のうち、公開買付者らに関する記載については、公開買付者らから受けた説明に基づいております。
        ① 本公開買付けの概要

          丸紅は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に
         上場している当社株式25,000,100株(所有割合(注1):50.06%)を所有しており、当社を連結子会社として
         おります。セコムは、本書提出日現在、当社株式を所有しておりません。
         (注1) 「所有割合」とは、当社が2023年6月29日に公表した第8期有価証券報告書(以下「当社有価証券報
              告書」といいます。)に記載された2023年3月31日現在の当社の発行済株式総数(50,000,000株)か
              ら、当社有価証券報告書に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(59,542株)を控除した
              株式数(49,940,458株)に対する所有株式数の割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)
              をいいます。以下同じです。
          この度、公開買付者らは、2023年5月11日付で共同公開買付契約(以下「本共同公開買付契約」といいま

         す。)を締結し、本共同公開買付契約に定める以下の①から⑧の前提条件(以下「本前提条件」といいます。)
         が充足されていること(又は公開買付者らにより放棄されていること)を条件に、当社の株主を公開買付者らの
         みとし、非公開化後の当社に対する丸紅及びセコムの議決権保有比率をそれぞれ66.66%及び33.34%とするため
         の一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、公開買付者らが共同して当社株式の全て(但し、
         丸紅が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を対象とした本公開買付けを実施すること
         をそれぞれ決定していたとのことです。
         ① 当社の取締役会が、利害関係を有しない取締役の全員一致をもって、本公開買付けに賛同し、当社の株主に
          対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見(以下「本賛同意見」といいます。)を表明することを決議
          し、これが公表され、かつ変更又は撤回されていないこと
         ② 本公開買付けに関連して設置された当社の特別委員会が、当社の取締役会に対して、本賛同意見を表明する
          ことは相当である旨の答申を行い、これが公表され、かつ変更又は撤回されていないこと
         ③ 本共同公開買付契約に定める公開買付者らの表明及び保証(注2)が、それぞれ重要な点において真実かつ
          正確であること
         ④ 本共同公開買付契約及び公開買付者らが2023年5月11日付で締結した株主間契約(以下「本株主間契約」と
          いいます。)が有効かつ適法に締結され、有効に存続しており、本共同公開買付契約及び本株主間契約に基づ
          き、公開買付者らが本公開買付けの開始までに履行又は遵守すべき義務(その具体的内容については、下記
          「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本共同公開買付契約」をご参照ください。)
          が、全て重要な点において履行又は遵守されていること
         ⑤ 本取引に関し、日本及び中国の競争法に基づき必要な手続及び対応が履践され、(待機期間がある場合に
          は)待機期間が経過していること
         ⑥ 本取引を制限又は禁止するいかなる政府機関等の判断等も存在していないこと
         ⑦ 当社に係る業務等に関する重要事実(法第166条第2項に定めるものをいいます。)で当社が公表(法第166
          条第4項に定める意味を有します。)していないものが存在せず、また、当社株式に関する公開買付け等の実
          施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実(法第167条第2項に定めるものをいいます。)であっ
          て公表(法第167条第4項に定める意味を有します。)されていないものが存在しないこと
         ⑧ 本共同公開買付契約の締結日以降、当社並びにその子会社及び関連会社からなる企業集団の事業、財政状
          態、経営成績若しくはキャッシュ・フロー又はこれらの見通しに重大な悪影響を与える可能性のある事由が生
          じておらず、かつ、国内外の株式市況その他の市場環境、金融環境又は経済環境に重大な変化が生じていない
          こと
         (注2) 本共同公開買付契約において、丸紅は、(a)適法かつ有効な設立及び存続、事業に必要な権限及び権
              能、(b)本共同公開買付契約及び本株主間契約の有効な締結及び手続の履践、(c)強制執行可能性、
              (d)法令等との抵触の不存在、(e)反社会的勢力との取引の不存在、(f)倒産手続の不存在、(g)当社株
              式の保有等に関する事項の表明及び保証をしているとのことです。また、セコムは、(a)適法かつ有
              効な設立及び存続、事業に必要な権限及び権能、(b)本共同公開買付契約及び本株主間契約の有効な
              締結及び手続の履践、(c)強制執行可能性、(d)法令等との抵触の不存在、(e)反社会的勢力との取引
              の不存在、(f)倒産手続の不存在に関する事項の表明及び保証をしているとのことです。
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          その後、公開買付者らは、中国の競争法上のクリアランスの取得について、中華人民共和国国家市場監督管理
         総局から2023年6月2日(現地時間)付で本公開買付けによる当社株式の取得(以下「本株式取得」といいま
         す。)を承認する旨を決定する文書が発出され、2023年6月2日に当該文書を受領し、同日付で本株式取得の承
         認 がなされたことを確認したとのことです。また、公開買付者らは、日本の競争法上のクリアランスの取得につ
         いて、公正取引委員会から2023年6月29日付で「禁止期間の短縮の通知書」を受領し、同日の経過をもって取得
         禁止期間(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。その後の改正を含む。以下
         「独占禁止法」といいます。)第10条第2項及び同条第8項に基づき、本株式取得が禁止される期間を指しま
         す。)が終了し、また、2023年6月29日付で「排除措置命令を行わない旨の通知書」を受領し、同日をもって措
         置期間(独占禁止法第10条第9項に規定される通知期間を指します。)が終了したことをもって、本取引の実行
         に必要な全ての競争法上のクリアランスの取得が完了し、本株式取得を実行することが可能となったことを確認
         したとのことです。さらに、公開買付者らは、その他の本前提条件についても2023年7月4日時点でいずれも充
         足されていることを確認したことから、2023年7月4日、本公開買付けを2023年7月5日より開始することとし
         たとのことです。
          本公開買付けにおいて、公開買付者らは、買付予定数の下限を8,293,500株(所有割合16.61%)と設定してお
         り、本公開買付けに応じて売付け等の申込みがなされた株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買
         付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとお
         り、公開買付者らは、当社株式の全て(但し、丸紅が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きま
         す。)を取得することを企図しておりますので、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の総数が買付
         予定数の下限以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。
          なお、買付予定数の下限(8,293,500株)は、本公開買付けが成立した場合に、公開買付者らが本書提出日現
         在所有している当社株式25,000,100株(所有割合:50.06%)と合わせて、公開買付者らが所有する当社の議決
         権数の合計が、当社有価証券報告書に記載された2023年3月31日現在の当社の発行済株式総数(50,000,000株)
         から、当社有価証券報告書に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(59,542株)を控除した株式数
         (49,940,458株)に係る議決権数の数(499,404個)の3分の2以上となるよう設定したとのことです。このよ
         うな買付予定数の下限を設定したのは、本公開買付けにおいては、当社の株主を公開買付者らのみとすることを
         目的としているところ、本株式併合(下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関
         する事項)」に定義します。)を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含む。以下同
         じです。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされていることから、当該手続が確実
         に実行可能となるよう、本公開買付け後に公開買付者らが当社の総株主の議決権の数の3分の2以上を所有する
         こととなるようにするためとのことです。
          公開買付者らそれぞれによる応募株券等の買付方法については、応募株券等の総数のうち、買付予定数の下限
         と同数である8,293,500株までの応募株券等について丸紅が買付け等を行い、その残りの応募株券等についてセ
         コムが買付け等を行うことを予定しているとのことです。
          また、上記のとおり公開買付者らは、当社の株主を公開買付者らのみとすることを目的としているため、本公
         開買付けが成立したものの、本公開買付けにおいて当社株式の全て(但し、丸紅が所有する当社株式及び当社が
         所有する自己株式を除きます。)を取得することができなかった場合には、下記「(5)本公開買付け後の組織再
         編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者らのみとするため
         の一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することにより、当社株式の全て(但
         し、丸紅が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを予定しているとのこ
         とです。
          さらに、公開買付者らは、丸紅及びセコムの議決権保有比率をそれぞれ66.66%及び33.34%とすることを目的
         としているため、本スクイーズアウト手続後、当社株式について株式分割を行った上で、セコムが丸紅から当社
         株式の一部を譲り受ける方法により、公開買付者らの議決権保有比率を調整する手続を行う予定とのことです
         (かかる調整手続の実施時期及びそれらの詳細については本書提出日現在未定とのことです。)。
          なお、当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しておりますが、下記「(4)上場廃
         止となる見込み及びその事由」に記載のとおり、本公開買付けの結果次第では、所定の手続を経て上場廃止とな
         る可能性があり、また、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二
         段階買収に関する事項)」に記載の各手続を実施することとなった場合には、所定の手続を経て上場廃止となり
         ます。
        ② 公開買付者らが本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

          丸紅は、1949年12月1日に設立され、1950年7月には東京証券取引所及び旧株式会社大阪証券取引所(以下
         「旧大阪証券取引所」といいます。)に株式を上場したとのことです。丸紅は、丸紅並びに丸紅の連結子会社
         317社、関連会社等163社(2023年3月31日現在)からなる企業グループ(以下「丸紅グループ」といいます。)
         により構成され、国内外のネットワークを通じて、広範な分野において、輸出入(外国間取引を含む)及び国内
         取引の他、各種サービス業務、内外事業投資や資源開発等の事業活動を多角的に展開しているとのことです。
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          丸紅グループは、社是「正・新・和」の精神に則り、公正明朗な企業活動を通じ、経済・社会の発展、地球環
         境の保全に貢献する、誇りある企業グループを目指しているとのことです。また、丸紅グループの在り姿として
         Global    crossvalue      platformを定め、丸紅グループを一つのプラットフォームとして捉え、グループの強み、社
         内 外の知、ひとり一人の夢と夢、志と志、さまざまなものを縦横無尽にクロスさせて新たな価値を創造すること
         を目指しているとのことです。丸紅グループはこれら価値創造を、生活産業、素材産業、エナジー・インフラソ
         リューション、社会産業・金融の4グループとCDIO(注1)含め、その傘下に位置する16営業本部を中心に推進
         しているとのことです。
         (注1) 「CDIO」とは、「Chief                Digital    Innovation      Officer」の略であり、次世代事業開発本部及び次世代
              コーポレートディベロップメント本部からなる次世代の技術基盤等への投資等を行う営業グループを
              統括する役職とのことです。
          その中でネットワーク分野は、生活産業グループ傘下の情報ソリューション本部にて取り組んでいるとのこと

         です。情報ソリューション本部のネットワーク分野への参画にあたっては、1990年代のインターネット黎明期に
         グローバルアクセス株式会社(以下「グローバルアクセス」といいます。)を設立し専用線サービス(注2)を
         開始、そして2000年にはグローバルソリューション株式会社(以下「グローバルソリューション」といいま
         す。)を設立しインターネット・VPNサービス(注3)を開始したとのことです。グローバルアクセスとグロー
         バルソリューションが合併し当社の母体となり、さらに2014年に光ファイバーを用いたインターネット接続サー
         ビスを行う株式会社UCOMが、2017年にはマンションISPサービス(注4)を提供する株式会社つなぐネットコ
         ミュニケーションズが加わり、当社の現在の姿となっております。今後、社会・産業のデジタル化が促進し、あ
         らゆる場所でデータが収集され、データの循環が進むため、デジタルインフラの強化が必須であり、その中でも
         大容量で安定的かつ安全なネットワークは社会インフラの基盤となることが期待されているとのことです。丸紅
         では、当社が保有・提供するインフラ、サービスが社会において重要な役割を果たすと考え、当社としての競争
         力強化に加え、成長市場への取組みを情報ソリューション本部の戦略と定め、実行手段を模索してきたとのこと
         です。
         (注2) 「専用線サービス」とは、拠点間を物理的に接続し、独占的に使用することができる専用ネットワー
              ク回線を提供するサービスをいいます。
         (注3) 「インターネット・VPNサービス」とは、拠点間を結ぶVPN(Virtual                                     Private    Network)サービスの
              一種で、インターネット上に構築された「仮想的な」専用線を提供するサービスをいいます。
         (注4) 「マンションISPサービス」とは、マンション等の集合住宅向けの「全戸一括型」インターネット接
              続サービスをいいます。
          セコムは、1962年7月、日本警備保障株式会社(以下「日本警備保障」といいます。)として発足し、1972年

         12月、株式の額面金額変更のため、株式会社エスピーアラームシステムズとの間で、同社を形式的な存続会社と
         する吸収合併を行い(注5)、その後、1974年6月に東京証券取引所市場第二部に上場し、1978年5月に東京証
         券取引所市場第一部に指定され、1983年12月に現在の商号に変更し、1986年6月には旧大阪証券取引所市場第一
         部に上場したとのことです。また、2013年7月に旧大阪証券取引所における現物市場が東京証券取引所に統合さ
         れたことにより、セコムは、東京証券取引所市場第一部にのみ上場することとなったとのことです。その後、
         2022年4月4日の東京証券取引所における新市場区分への移行に伴い、現在は東京証券取引所プライム市場に上
         場したとのことです。
         (注5) 当該吸収合併は、日本警備保障の額面金額変更のために行われたものであり、実質的な存続会社は日
              本警備保障であるとのことです。
          セコムは、セコム、その連結子会社158社、持分法適用関連会社16社(2023年3月31日現在)からなる企業グ

         ループ(以下「セコムグループ」といいます。)により構成され、創業以来、「社業を通じて社会に貢献する」
         という企業理念の下に、社会と暮らしを「安全・安心・快適・便利」にする革新的なサービスやシステムを創出
         し、その普及に取り組んでいるとのことです。
          セコムグループは、現在、警備請負サービスを中心としたセキュリティサービス事業、総合防災サービスを中
         心とした防災事業、在宅医療及びシニアレジデンス(注6)の運営を柱にしたメディカルサービス事業、損害保
         険業を中心とした保険事業、測量・計測事業を中心とした地理空間情報サービス事業、情報セキュリティや大規
         模災害対策、データセンター、BPO業務を中心としたBPO・ICT事業(注7)等の事業活動を展開しているとのこ
         とです。
         (注6) 「シニアレジデンス」とは、セコムグループが運営する有料老人ホームを総称していいます。
         (注7) 「BPO・ICT事業」とは、情報セキュリティサービス、大規模災害対策サービス、クラウドサービス、
              データセンター事業、コンタクトセンター業務及びバックオフィス全般のBPO(Business                                           Process
              Outsourcing)事業等を総称していいます。
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          このうちBPO・ICT事業は、情報通信・情報セキュリティサービスを中心として事業を行うセコムトラストシス
         テムズ株式会社(以下「セコムトラストシステムズ」といいます。)、データセンター事業を行う株式会社アッ
         ト 東京(以下「アット東京」といいます。)、及びBPOサービスを提供する株式会社TMJが営む事業により構成さ
         れており、セコムが2017年5月に2030年に向けた長期ビジョンとして策定した「セコムグループ2030年ビジョ
         ン」において、暮らしや社会に安心を提供する社会インフラとして掲げている「あんしんプラットフォーム」の
         構築の要となる事業とのことです。セコムは、昨今の社会情勢の変化を受け、より多様なニーズにお応えする柔
         軟なサービス実現のため、安全・安心なサービスを提供する基盤としてセキュアなデジタルインフラの構築が強
         く求められると予見しており、BPO・ICT事業の重要性は増していると考えているとのことです。
          一方、当社は、当社及び当社の連結子会社4社からなる企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)

         で構成され、電気通信事業法に基づく電気通信事業を行っております。当社グループは、「つながる地球に、新
         しい鼓動を。」を掲げ「創業以来のフロンティア精神を研ぎ澄まし、変化し続ける顧客ビジネスの課題解決に取
         り組む」、「独自のネットワークアセットと顧客志向性で差別化し、野心的で柔軟に発想、迅速で緻密に行動す
         る」、「情報通信プラットフォームの創造を通じ顧客の成長と世の中の進歩に貢献し、社員ひとりひとりの夢を
         実現する」という経営理念の下、企業価値の向上を目指して、最新の光接続技術によって構築された、安全性が
         高く高品質な光ファイバーを日本国内に自社で敷設しサービスを提供しております。当社の光ファイバーネット
         ワークは、日本国内の広範囲をカバーしながらも、通信回線を利用するデータ量が多く収益性の高い都市部を中
         心に集中的に投資敷設しており、効率的なサービス展開を図っております。また、当社グループは、主なサービ
         スとして、インターネットサービス(光インターネット接続サービス、IP電話サービス等)、ネットワークサー
         ビス(専用線サービス、VPN接続サービス等)、マンションインターネットサービス(全戸一括型光インター
         ネット接続サービス)、DX(注8)サービス(インターネットオプションサービス等)を提供しております。
          また、当社は、2021年5月14日に、「2022年3月期-2026年3月期 中期経営計画」(以下「中期経営計画」
         といいます。)を公表いたしました。当社は、中期経営計画において掲げた経営戦略を遂行することにより、当
         社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいりました。中期経営計画における経営戦
         略の骨子は以下の通りです。
         (ⅰ)基盤事業の成長

          (ア)保有ネットワークの最適・最新化、サービスラインアップ拡充による更なる需要の獲得
          (イ)カスタマイズ対応力の強化を図り付加価値を増大、OTT(注9)からのネットワークインフラ需要の取
            込み
          (ウ)マンションインターネットは分譲市場に加え、賃貸市場での成長を加速し、盤石なリーディングポジ
            ションを実現
         (ⅱ)新たな成長ポートフォリオの取込み

          (ア)マンション居住者向けD2C(注10)サービスプラットフォームを構築、旺盛なテレワーク需要に対応
          (イ)サービスプラットフォームを活用し、SOHO・法人企業向けにも事業を拡大
          (ウ)M&A・資本提携による成長領域の取込み、非通信サービス事業の拡充・加速
         (ⅲ)働き方改革・SDGs(注11)対応を通じて地球に貢献する経営を推進

          (ア)再生エネルギーを活用したマンションへの電力供給事業、テレワーク関連サービスの提供などを通じ脱
            炭素社会へ貢献
          (イ)エネルギー効率の高い社内システムへの刷新、セキュリティの強化を企図したゼロトラスト(注12)の
            導入
          (ウ)人財育成の強化やダイバーシティの推進、オフィス分散などによるワークスタイルの変革
         (注8) 「DX」とは、「Digital                Transformation」の略であり、データやデジタル技術を活用し、新たなビジ

              ネスモデルの創出や既存ビジネスの変革を行うことをいいます。
         (注9) 「OTT」とは、「Over                The  TOP」の略であり、インターネット上でコンテンツサービスを提供する事
              業者をいいます。
         (注10) 「D2C」とは、「Direct                 to  Consumer」の略であり、EC(電子商取引)サイトなどを通じ、サービス
              を利用者へ直接販売・提供することをいいます。
         (注11) 「SDGs」とは、「Sustainable                    Development      Goals(持続可能な開発目標)」の略であり、2015年9
              月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記
              載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標をいいます。
         (注12) 「ゼロトラスト」とは、全てのネットワークトラヒックを信頼しないことを前提とし、利用者やデバ
              イスを常に監視・確認するネットワークセキュリティ環境をいいます。
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          1997年11月に、当社の前身であるグローバルアクセスが設立されました(丸紅グループによる所有株式数:

         1,000株、当該時点の発行済株式総数(自己株式数を除きます。)に占める所有株式数の割合(小数点以下第3
         位を四捨五入。以下「持株比率」といいます。以下同じです。):100.00%)。また、2000年3月には、同じく
         当社の前身であるグローバルソリューションが設立されました(所有株式数:2,000株、持株比率:
         100.00%)。その後、グローバルアクセスは、2010年12月に、株式会社ヴェクタント(グローバルソリューショ
         ンが2007年4月に商号変更)を吸収合併し、商号を丸紅アクセスソリューションズ株式会社(以下「丸紅アクセ
         スソリューションズ」といいます。)に変更いたしました。さらに、丸紅アクセスソリューションズは、2014年
         2月に、株式会社UCOMを吸収合併し、商号をアルテリア・ネットワークス株式会社(以下「旧・アルテリア・
         ネットワークス」といいます。)に変更いたしました。形式上の存続会社である当社は、アルテリア・ネット
         ワークス・ホールディングス株式会社(以下「アルテリア・ネットワークス・ホールディングス」といいま
         す。)として2016年2月に設立され、2016年7月にアルテリア・ネットワークス・ホールディングスを存続会
         社、旧・アルテリア・ネットワークスを消滅会社とする合併を行い、商号をアルテリア・ネットワークス株式会
         社に変更いたしました。一連の合併に伴い、丸紅が所有する当社株式数は5,000,000株(持株比率:50.00%)と
         なりました。その後、2018年9月、当社が1:5の割合で株式分割を行い(所有株式数:25,000,000株、持株比
         率:50.00%)、2018年12月の当社の東京証券取引所市場第一部への上場に際し一単元株を取得した結果、本書
         提出日現在、丸紅は、当社株式25,000,100株(所有割合:50.06%)を所有するに至っているとのことです。
          また、セコムは、本書提出日現在、当社との間で資本関係を有しておりませんが、セコムグループの事業運営

         や提供サービスにおいて、当社のインターネットサービス及びネットワークサービスを利用する等、現在に至る
         まで事業上の取引を通じて関係を築いてきたとのことです。
          丸紅は、今後、社会・産業のデジタル化が促進し、あらゆる場所でデータが収集され、データの循環が進むた

         め、デジタルインフラの強化が必須であり、その中でも大容量で安定的かつ安全なネットワークは社会インフラ
         の基盤となることが期待されると考えているとのことです。また、丸紅は、当社においても、中期経営計画にお
         いて経営戦略の骨子として、基盤事業の成長、新たな成長ポートフォリオの取込み、働き方改革・SDGs対応を通
         じて地球に貢献する経営の推進等を掲げている中、新たな成長ポートフォリオの取込みについては、DXを活用し
         たD2Cサービス事業の立ち上げ、マンションIoT・セキュリティ等の成長領域の取込み、非通信サービス事業の拡
         充を目指し、マンション向け優先通信サービスであるConnectixの立ち上げ、eスポーツ市場向けのGameWith
         ARTERIA株式会社設立、株式会社GameWithとの資本業務提携といった方策を実施してきたと理解しているとのこ
         とです。
          このような状況の中、丸紅は、上記当社の中期経営計画における経営戦略の骨子のうち、基盤となるインター
         ネットサービス事業及びネットワークサービス事業の成長については、当社の本業として着実に取り組まれてい
         るものの、成長ポートフォリオの取込みに関しては、当社内のみでは、クラウド、情報セキュリティ等の成長分
         野でスピード感をもった取組みを行うために必要な人材を含むリソースが不足しており、当社の更なる企業価値
         向上のためには、1980年代からサイバーセキュリティ事業を手掛け、2000年にデータセンター事業に参入して以
         降はデータセンターを介した企業向けクラウド接続等の高成長分野において広く強みを有し、当社の既存取引先
         として当社グループとの関係性を有するセコムの協力を得ることが不可欠である状況との判断に至ったとのこと
         です。
          そのような判断の下、丸紅は、2022年1月中旬、セコムに対して、当社の成長分野での取組みの強化のために
         外部パートナーとの資本業務提携を目指していること、セコムとの資本業務提携は当社並びに丸紅・セコム両グ
         ループの企業価値向上に資する様々なシナジー創出が期待できると考えていることを説明し、当社への資本参加
         を含む資本業務提携の可能性につき共同検討したい旨を打診したとのことです。これを受けて、セコムは、社内
         検討を実施した結果、2022年3月下旬までに、お客様の事業運営を安全・安心・快適・便利に支えるビジネスイ
         ンフラ基盤の構築を目指しており、セコムの有するサイバーセキュリティ事業やデータセンター事業に加え、イ
         ンターネットサービス事業やネットワークサービス事業に強みを有する当社に資本参加を行い、当社及び丸紅と
         ビジネス面でのパートナーシップを強化することで、事業展開の更なる加速を目指すことが3社の企業価値向上
         に資すると考えるに至り、当社との間での資本業務提携の可能性の検討等、当社グループの企業価値向上に向け
         た具体的な方策についての協議・検討を開始することとし、その旨を丸紅に伝達したとのことです。
          以上の経緯を経て、公開買付者らの間で当社との提携の在り方について検討を進める中で、2022年4月上旬、
         公開買付者らは、上記のような当社の企業価値向上の取組みは、上記で述べた公開買付者らの取組みと方向性を
         一にするものであり、クラウド、情報セキュリティといった成長分野への取組みに関して、当社単独ではなく、
         公開買付者ら及び当社での経営資源の最適配分と相互協力を行うことで、より一層、公開買付者ら及び当社の取
         組みが加速するものと考えるに至ったとのことです。特にこれまでも当社と丸紅は、資本関係の下、経営情報の
         交換や人事面の交流を通して競争力の強化を図っておりましたが、市場環境が急速に変化する中、多様化する顧
         客ニーズに迅速に対応するためには、上記成長分野との相関性の強いBPO・ICT事業を営むセコムも交えてこれま
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         で以上に一体経営を行うことにより、シナジーを追求していくことが必要であると公開買付者らは考えたとのこ
         とです。
          公開買付者らは、具体的には、本取引により、下記(ⅰ)乃至(ⅳ)を含むシナジーを発現させ、当社の成長戦略
         の実現に向けた取組みを加速することができれば、公開買付者ら及び当社の企業価値の最大化に資するものと考
         えたとのことです。
         (ⅰ)成長ポートフォリオの取込み加速
            丸紅グループ及びセコムグループのリソースを活用し、今後成長が見込まれるクラウド分野、情報セキュ
            リティ分野、BtoC(注13)分野(マンション市場・高齢者市場等)における新規サービスの開発・展開
         (ⅱ)基盤事業の土台の更なる強化

            当社とセコムグループとの間の両社サービスのクロスセル(注14)の強化、営業・技術協力関係の強化
         (ⅲ)中長期的な成長戦略の実行

            非公開化に伴い、短期的な利益の追求だけではなく、中長期的な観点での当社の成長に資する投資の検
            討・実行
         (ⅳ)上場維持コストの削減

            非公開化に伴う上場維持コストの削減
         (注13) 「BtoC」とは、Business                 to  Consumerの略称で、企業(Business)がモノやサービスを直接一般消費

              者(Consumer)に提供するビジネスモデルをいいます。
         (注14) 「クロスセル」とは、関連サービスをセットで提供することによって顧客単価向上を図る手法をいい
              ます。
          上記背景、目的、期待するシナジーを念頭に、公開買付者らは、公開買付者ら及び当社のより一層の企業価値

         向上を実現するためには、当社の株主を公開買付者らのみとすることで、公開買付者ら及び当社の連携をさらに
         深め、経営資源の最適配分と相互協力を行うことが必要であると判断したとのことです。
          そこで、2022年9月上旬、公開買付者らは、公開買付者ら及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイ
         ザーとして野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、丸紅は、公開買付者ら及び当社から独立し
         た法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を、公開買付者ら及び当社から独立した第三者算定機関として
         デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下「DTFA」といいます。)を、セコムは、
         公開買付者ら及び当社から独立した法務アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を、公開買付者ら及び
         当社から独立した第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス」といいま
         す。)をそれぞれ選任の上、本取引に関する具体的な検討を開始するとともに、2022年10月11日、当社に対して
         本取引に関する共同提案書を提出し、当社に対して当社の株主を公開買付者らのみとしたい旨の提案をしたとの
         ことです。
          これに対して、当社は、2022年10月下旬に、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以
         下「本公開買付価格」といいます。)の公正性その他の本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、公開
         買付者ら及び当社から独立した法務アドバイザーとして和田倉門法律事務所を、2022年10月下旬に公開買付者ら
         及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大
         和証券」といいます。)及び株式会社産業創成アドバイザリー(以下「産業創成アドバイザリー」といいま
         す。)をそれぞれ選任するとともに、大和証券及び産業創成アドバイザリーのそれぞれに対して当社株式の株式
         価値の算定を依頼いたしました。また、当社が丸紅の連結子会社であり、丸紅と丸紅以外の当社の株主との間で
         構造的な利益相反の問題が存在すること等に鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、
         2022年10月下旬に、本取引の提案を検討するための本特別委員会を設置いたしました。なお、本特別委員会設置
         の詳細については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措
         置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「ⅱ.当社における独立した特別委員会の設置及び特別
         委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
          その上で、公開買付者らと当社は、本取引に向けた具体的な協議・検討を開始いたしました。
          公開買付者らは、当社及び本特別委員会との間で、本取引の意義・目的や、本取引によって発現が見込まれる
         シナジー等について協議を継続してきたとのことです。また、公開買付者らは、本公開買付けの実現可能性の精
         査のために2023年1月上旬から2023年5月上旬までの期間において、当社に対してデュー・ディリジェンスを実
         施したとのことです。また、公開買付者らは、2023年4月6日以降、当社との間で、本公開買付価格に関して複
         数回に亘る協議及び交渉を重ねてきたとのことです。具体的には、公開買付者らは、2023年4月6日、本公開買
         付価格を記載した提案書(以下「第1回目提案書」といいます。)を提出したとのことです。公開買付者らは、
         当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの当該時点までの進捗状況、DTFA及びプルータスによる当社株式
         に関する試算内容及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案の上、本公開買付価格を1株当たり
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         1,650円とする提案をしたとのことです。公開買付者らとしては、かかる価格であれば、当社株式の市場株価に
         対するプレミアムは、東京証券取引所プライム市場における2023年4月5日時点の当社株式の終値1,255円に対
         し て31.47%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの数値において同じです。)、同
         日から直近1ヶ月間の終値単純平均値1,291円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において
         同じです。)に対し27.81%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値1,271円に対して29.82%、同直近6ヶ月間の終
         値単純平均値1,249円に対して32.11%となり、一定のプレミアムが付されていることから、当社株主の皆様に不
         利益が生じない価格と評価できると考えたとのことです。これに対して、2023年4月7日、当社は、本特別委員
         会にも確認の上で、第1回目提案書における本公開買付価格は、当社の本源的な価値を反映した価格水準を下回
         るものであり、当社として本公開買付けに対して賛同表明を決議できる水準には達しないと判断し再検討を要請
         いたしました。公開買付者らは、当社からのかかる要請について慎重に検討の上、2023年4月13日、本公開買付
         価格を1株当たり1,850円(2023年4月12日時点での本公開買付価格の当社株式の市場株価に対するプレミアム
         は、同日の終値1,265円に対して46.25%、同日から直近1ヶ月間の終値単純平均値1,276円に対し44.98%、同直
         近3ヶ月間の終値単純平均値1,272円に対して45.44%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値1,250円に対して
         48.00%となります。)とする旨の再提案を記載した提案書(以下「第2回目提案書」といいます。)を提出し
         たとのことです。これに対して、2023年4月14日、当社は、本特別委員会にも確認の上で、第2回目提案書にお
         ける本公開買付価格は、当社の本源的な価値を反映した価格水準としては不十分であり、かつ、本取引における
         シナジー効果が適切に反映されておらず、当社として本公開買付けに対して賛同表明及び少数株主に対する応募
         推奨を決議できる水準には達しないと判断し再検討を要請いたしました。公開買付者らは、当社からのかかる要
         請について改めて慎重に検討の上、2023年4月20日、本公開買付価格を1株当たり1,930円(2023年4月19日時
         点での本公開買付価格の当社株式の市場株価に対するプレミアムは、同日の終値1,285円に対して50.19%、同日
         から直近1ヶ月間の終値単純平均値1,276円に対し51.25%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値1,276円に対して
         51.25%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値1,254円に対して53.91%となります。)とする旨の再提案を記載し
         た提案書(以下「第3回目提案書」といいます。)を提出したとのことです。これに対して、2023年4月21日、
         当社は、本特別委員会にも確認の上で、第3回目提案書における本公開買付価格は、当社の本源的な価値を反映
         した価格水準としては不十分であり、かつ、本取引におけるシナジー効果が十分に少数株主に配分されていると
         判断できる水準には達しないと判断し再検討を要請いたしました。公開買付者らは、当社からのかかる要請につ
         いて再度慎重に検討の上、2023年4月28日、本公開買付価格を1株当たり1,980円(2023年4月27日時点での本
         公開買付価格の当社株式の市場株価に対するプレミアムは、同日の終値1,286円に対して53.97%、同日から直近
         1ヶ月間の終値単純平均値1,276円に対し55.17%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値1,280円に対して54.69%、
         同直近6ヶ月間の終値単純平均値1,259円に対して57.27%となります。)とする旨の再提案を記載した提案書
         (以下「第4回目提案書」といいます。)を提出したとのことです。これに対して、2023年5月1日、当社は、
         本特別委員会にも確認の上で、第4回目提案書における本公開買付価格は、当社の本源的な価値を反映した価格
         水準としては不十分であり、かつ、当社が本取引におけるシナジー効果の発現度に着目をしている点は公開買付
         者らに十分理解されていると認識しているものの、当該シナジー効果が十分に少数株主に配分されていると判断
         できる水準ではないと判断し再検討を要請いたしました。公開買付者らは、当社からのかかる要請について再度
         検討の上、2023年5月8日、本公開買付価格を1株当たり1,980円(2023年5月2日時点での本公開買付価格の
         当社株式の市場株価に対するプレミアムは、同日の終値1,269円に対して56.03%、同日から直近1ヶ月間の終値
         単純平均値1,277円に対し55.05%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値1,282円に対して54.45%、同直近6ヶ月間
         の終値単純平均値1,262円に対して56.89%となります。)とすることについて、当社において改めて検討を要請
         する旨を記載した提案書(以下「最終提案書」といいます。)を提出したとのことです。これに対して、2023年
         5月9日、当社は、本特別委員会にも確認の上で、最終提案書における本公開買付価格の提案について応諾する
         旨の回答を提出いたしました。
          これらの協議・交渉の結果、公開買付者らと当社は、2023年5月9日、当社の株主を公開買付者らのみとする
         ことが、公開買付者ら及び当社を取り巻く事業環境の変化に対応し、公開買付者ら及び当社の企業価値の向上に
         資する最善の方策であるとの考えで一致し、本公開買付価格を1,980円とすることで合意に至りました。
          そこで、公開買付者らは、2023年5月11日付で、本共同公開買付契約を締結し、日本及び中国の競争法に基づ
         き必要な手続及び対応に一定期間を要することが見込まれることから、本前提条件が充足された場合(又は公開
         買付者らにより放棄された場合)、本取引の一環として、本公開買付けを実施することを決定したとのことで
         す。
          その後、公開買付者らは、2023年6月1日、当社に対して、中国の競争法上のクリアランスの取得は2023年6
         月下旬に、国内の競争法上のクリアランスの取得は2023年7月上旬にそれぞれ見込んでいることから、本公開買
         付けを2023年7月5日より開始することを予定している旨の連絡を行ったとのことです。そして、公開買付者ら
         は、2023年6月29日、当社に対して、日本及び中国の競争法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、
         本前提条件が充足されることを前提に、本公開買付けを2023年7月5日より開始することを予定している旨の連
         絡を行ったとのことです。
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          今般、公開買付者らは、上記「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本前提条件がいずれも充足された
         ことを確認したことから、2023年7月4日、本公開買付けを2023年7月5日より開始することとしたとのことで
         す。
        ③ 本公開買付け後の経営方針

          公開買付者ら及び当社は、上記「② 公開買付者らが本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び
         意思決定の過程」に記載のシナジーを着実に発現させるべく、丸紅グループ、セコムグループ及び当社グループ
         の連携を加速させるとともに、意思決定を迅速化させ、総力を結集して取り組んでまいります。
          また、公開買付者らは、本株主間契約において、本取引完了後、(ⅰ)当社の取締役の員数を7名以下とし、丸
         紅が4名、セコムが2名、それぞれ指名することができること、及び(ⅱ)丸紅が代表取締役社長1名を指名する
         ことができるとともにセコムが代表権のない取締役副社長を指名することができることを合意しておりますが、
         その具体的な候補者については、本書提出日現在においては未定とのことです。また、公開買付者らは、本株主
         間契約において、本取引完了後、(ⅲ)当社の監査役会を廃止して監査役の員数を3名とし、丸紅が2名、セコム
         が1名、それぞれ指名することができることを合意しているとのことです。その他、今後の当社の経営体制につ
         いては、現時点で決定している事項はなく、今後、公開買付者らと当社との間で協議していくとのことです。
          本株主間契約の概要については、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本株主間
         契約」をご参照ください。
        ④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由

         (ⅰ)検討体制の構築の経緯
            上記「② 公開買付者らが本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記
           載のとおり、当社は、2022年10月11日に、公開買付者らから、本取引について初期的な提案を受けました。
           これを受け当社は、2022年10月下旬に、本公開買付価格の公正性その他の本公開買付けを含む本取引の公正
           性を担保すべく、公開買付者ら及び当社から独立した法務アドバイザーとして和田倉門法律事務所を、2022
           年10月下旬に公開買付者ら及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関とし
           て大和証券及び産業創成アドバイザリーをそれぞれ選任するとともに、大和証券及び産業創成アドバイザ
           リーのそれぞれに対して当社株式の株式価値の算定を依頼いたしました。
            また、当社は、当社が丸紅の連結子会社であり、丸紅と丸紅以外の当社の株主との間で構造的な利益相反
           の問題が存在すること等に鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、下記「(6)本公
           開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を
           担保するための措置」に記載のとおり、2022年10月下旬に、本取引の提案を検討するための本特別委員会を
           設置しました。なお、本特別委員会の委員の構成その他具体的な諮問事項等については、下記「(6)本公開
           買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担
           保するための措置」の「ⅱ.当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」
           をご参照ください。
         (ⅱ)検討・交渉の経緯

            上記「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載の検討体制を構築した上で、当社は、本取引の目的を含む本
           公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容や足元の株価動向等を踏まえ、
           和田倉門法律事務所、大和証券及び産業創成アドバイザリーの助言を受けながら、公開買付者らとの間で複
           数回に亘る協議・検討を重ねた上で、本取引の妥当性について検討してまいりました。なお、以下の協議・
           検討過程においては、当社は、随時、本特別委員会に対して報告を行い、本特別委員会により事前に確認さ
           れた対応方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づき、対応を行っております。
            具体的には、当社は、2022年10月11日に公開買付者らより初期的な提案を受領した後、公開買付者らから
           の提案の内容等について確認・検討を行うとともに、2022年10月下旬以降、公開買付者らに対する質問状を
           複数回送付し当該質問状への回答内容を確認すること等を通じて、公開買付者らとの間で本取引の目的やシ
           ナジーの実現可能性等について協議を行いました。その後、当社は、2023年1月上旬から2023年5月上旬の
           期間にかけて公開買付者らによるデュー・ディリジェンスを受け入れた上で、さらに公開買付者らとの協
           議・交渉を継続いたしました。具体的には、当社は、2023年4月6日に、公開買付者らから、本公開買付価
           格を1株当たり1,650円とする第1回目提案書を受領しました。これに対して、当社は、本特別委員会にも
           確認の上で、第1回目提案書における本公開買付価格は、当社の本源的な価値を反映した価格水準を下回る
           ものであり、当社として本公開買付けに対して賛同表明を決議できる水準には達しないと判断し、2023年4
           月7日に、公開買付者らに対して本公開買付価格の再検討を要請いたしました。その後、当社は、2023年4
           月13日に、公開買付者らから、本公開買付価格を1株当たり1,850円とする第2回目提案書を受領しまし
           た。これに対して、当社は、本特別委員会にも確認の上で、第2回目提案書における本公開買付価格は、当
           社の本源的な価値を反映した価格水準としては不十分であり、かつ、本取引におけるシナジー効果が適切に
           反映されておらず、当社として本公開買付けに対して賛同表明及び少数株主に対する応募推奨を決議できる
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           水準には達しないと判断し、2023年4月14日に、公開買付者らに対して本公開買付価格の再検討を要請いた
           しました。その後、当社は、2023年4月20日に、公開買付者らから、本公開買付価格を1株当たり1,930円
           と する第3回目提案書を受領しました。これに対して、当社は、本特別委員会にも確認の上で、第3回目提
           案書における本公開買付価格は、当社の本源的な価値を反映した価格水準としては不十分であり、かつ、本
           取引におけるシナジー効果が十分に少数株主に配分されていると判断できる水準には達しないと判断し、
           2023年4月21日に、公開買付者らに対して本公開買付価格の再検討を要請いたしました。その後、当社は、
           2023年4月28日に、公開買付者らから、本公開買付価格を1株当たり1,980円とする第4回目提案書を受領
           しました。これに対して、当社は、本特別委員会にも確認の上で、第4回目提案書における本公開買付価格
           は、当社の本源的な価値を反映した価格水準としては不十分であり、かつ、当社が本取引におけるシナジー
           効果の発現度に着目をしている点は公開買付者らに十分理解されていると認識しているものの、当該シナ
           ジー効果が十分に少数株主に配分されていると判断できる水準ではないと判断し、2023年5月1日に、公開
           買付者らに対して本公開買付価格の再検討を要請いたしました(かかる再検討の要請を、以下「本再検討要
           請」といいます。)。その後、当社は、2023年5月8日に、公開買付者らから、本公開買付価格を1株当た
           り1,980円とすることについて、当社において改めて検討を要請する旨を記載した最終提案書を受領しまし
           た。これに対して、当社は、本特別委員会にも確認の上で、2023年5月9日に、最終提案書における本公開
           買付価格の提案について応諾する旨の回答を公開買付者らに対して提出いたしました。なお、当社は、本特
           別委員会にも確認の上で、本再検討要請について、第4回目提案書における本公開買付価格は、本取引にお
           けるシナジー効果が考慮された上で当社の本源的な価値を相当程度反映したものであると判断していたた
           め、かかる提案を応諾することも検討していたものの、少数株主の利益の最大化を追求する観点から、少数
           株主に対してより多くの配分を実現することを意図して行ったものであり、そのため、最終提案書における
           本公開買付価格(1株当たり1,980円)の提案についても、これまでの公開買付者らとの協議・交渉経過等
           に鑑み、公開買付者らが本公開買付価格をさらに増額する旨の提案を行う可能性が低いと考えたことから、
           これを応諾いたしました。
            これらの協議・交渉の結果、公開買付者らと当社は、2023年5月9日に、当社の株主を公開買付者らのみ
           とすることが、公開買付者ら及び当社を取り巻く事業環境の変化に対応し、公開買付者ら及び当社の企業価
           値の向上に資する最善の方策であるとの考えで一致し、本公開買付価格を1,980円とすることで合意に至り
           ました。
            さらに、当社は、和田倉門法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法
           及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2023年5月11日付
           答申書の提出を受けました(その概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(6)本公
           開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を
           担保するための措置」の「ⅱ.当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取
           得」をご参照ください。)。その上で、当社は、和田倉門法律事務所から受けた法的助言並びに大和証券及
           び産業創成アドバイザリーのそれぞれから2023年5月10日付で取得した株式価値算定書の内容を踏まえつ
           つ、本特別委員会から提出された2023年5月11日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引を通じて
           当社の企業価値を向上させることができるか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより少数株主の
           享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
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         (ⅲ)判断の内容
            当社は、上記「② 公開買付者らが本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過
           程」に記載の中期経営計画で掲げた経営戦略に基づき、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値
           の向上を目指してまいりました。具体的には、基盤事業の成長に向けて、需要の高い東名阪エリアにおける
           リング等の基幹網の増築とFTTx設備の最新化及びエリア拡充を実行すること、仮想化技術を用いた新たなク
           ラウド型通信(NFV)サービスとなる「VANILA(バニラ)」の提供開始、及び北極海を経由して日本と欧州
           を結ぶ光ファイバー海底ケーブル敷設プロジェクトの実現に向けた合弁会社を設立すること等に取り組んで
           まいりました。また、新たな成長ポートフォリオの取込みに向けて、D2Cサービス提供のプラットフォーム
           となる「Portas」の提供を開始すること、日本最大級のゲーム攻略サイトを運営する株式会社GameWithとの
           資本業務提携を締結し同社との合弁会社を通じたeスポーツ市場への参入を図ること、及びマンション向け
           ISPサービスにおける優先通信サービスである「Connectix」のサービスを開始すること等を推進してまいり
           ました。このような取組みの結果、中期経営計画の初年度である2022年3月期においては、連結売上高は
           55,402百万円、連結営業利益は9,541百万円、連結EBITDAマージンは33.4%となり、中期経営計画の2022年
           3月期の目標値(連結売上高545億円、連結営業利益93億円、連結EBITDAマージン30%台)を達成するに至
           りました。しかしながら、2023年3月期においては、主力サービスを中心に売上は概ね順調に推移し、連結
           売上高は59,452百万円(前年同期比増減率7.3%)を達成する一方で、連結営業利益は当社が2022年6月13
           日付にてお知らせした特別調査委員会設置に伴い発生した調査諸費用3億円等の営業損失を挽回するに至ら
           ず9,470百万円(同▲0.7%)、連結当期利益は6,271百万円(同▲2.1%)となり、連結営業利益、連結当期
           利益において従来の業績予想数字(連結営業利益9,650百万円、連結当期利益6,436百万円)を下回る結果と
           なりました。
            足元の当社グループの事業環境を俯瞰すると、法人のクラウド利用の拡大やテレワークの普及による新た
           な高速大容量通信やセキュリティの高いネットワークサービス等への需要の急速な高まりが見られます。ま
           た、近年では動画ストリーミングサービス、ゲーム、クラウドサービス、IoTサービス及び5Gテクノロ
           ジー、さらにはAIやスーパーコンピュータの利活用機会が増えることで、これらを通じたデータトラヒック
           量の大きな伸びが予測されており、これは当社グループの事業にとっての成長機会であると考えられる一方
           で、高度化する顧客のニーズに対応していくためには、当社グループにおいて想定を上回る設備投資を継続
           して行う必要があると考えております。
            また、上記のとおり、当社の足元の連結業績は、主に既存の主力サービス(インターネットサービス、
           ネットワークサービス等)の好調により、上記の特別調査委員会設置に伴い発生しました調査諸費用等の一
           過性の営業損失を除けば堅調に推移しております。その一方で、中期経営計画において拡大を見込んでい
           た、マンションインターネットサービス領域における賃貸市場での成長加速や、DXサービスを中心とする新
           たな成長領域の取込みに関しては、中期経営計画の公表以降足元までの期間において、その進捗が中期経営
           計画策定当時の想定から遅れていると当社として判断しております。そのため、2024年3月期以降において
           も、更なる成長を実現していくためには、マンションインターネットサービス領域全般における営業展開
           や、DXサービスを含む新たな成長領域の取込みを強化及び加速させていくことに加え、上記の北極海等の海
           底ケーブルプロジェクトへの参画等、国内外間の通信需要の取込みが必要と考えております。
            かかる状況下、既存の主力サービスの競争力を維持及び強化しつつ、新たな成長領域の取組みを加速して
           いくためには、当社単独の経営資源に限られず、公開買付者らの経営資源を活用し、両社との連携を強化及
           び推進していくことが重要であるとの考えに至りました。具体的には、以下のシナジーの実現が期待される
           と考えております。
           (ア)当社グループの既存主力サービスの販売機会の拡大

              まず、セコムは、主にセキュリティサービス事業において、幅広い顧客基盤と営業基盤を構築してい
             ます。このセコムの顧客基盤及び営業基盤を活用し、両社サービスのクロスセルを推進することで、当
             社グループの既存顧客に対する付加価値サービスの提供機会を拡大させることができると考えました。
              また、セコムは、セキュリティサービス事業におけるオンラインセキュリティサービスや、BPO・ICT
             事業におけるデータセンター及びクラウドサービス等、サービス提供においてネットワークを利用する
             事業を複数かつ大規模に展開しているところ、これらのネットワーク需要に対して当社グループのネッ
             トワークサービスを提供していくことにより、当社のネットワークサービスの成長機会が拡大すると考
             えました。
           (イ)新たな成長領域における新規サービスの開発

              セコムは、子会社であるアット東京を通じてデータセンター及びクラウド接続サービスを展開してお
             り、また、子会社のセコムトラストシステムズが情報セキュリティサービスを提供しており、現在の当
             社グループにない事業ポートフォリオを保有しているところ、これらのセコムグループの事業ポート
             フォリオにおけるサービス基盤、顧客基盤及び人材・ノウハウを活用することで、法人向けのクラウド
             接続サービスや情報セキュリティサービスといった、今後成長が見込まれる領域において新規サービス
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             の共同開発を行うことが可能となり、ひいては当社グループの成長機会の拡大につながるものと考えま
             した。
           (ウ)中長期的な視点にたった戦略的投資の実行

              上記のとおり、当社グループが、高度化する顧客ニーズに対応し競争が激化する市場において競争力
             を維持・強化するには、ネットワーク設備の増強などの十分な設備投資を行うことが重要であると考え
             ております。また、株式会社GameWithへの資本参加や、光ファイバー海底ケーブル敷設検討プロジェク
             トへの参画等について公表しておりますが、今後も基盤事業の強化や新たな成長ポートフォリオの取組
             みに向けた戦略的投資を行っていくことが、当社の中長期的な企業価値の向上において重要であると考
             えております。そのため、本取引を実施し当社株式を非公開化することが、短期的な資金流出又は利益
             低下により少数株主の利益を損なうことなく、より中長期的な観点での戦略的な投資の実行が可能とな
             ると考えました。また、当社が戦略的な投資機会を発掘し実行していく上では、公開買付者らの国内外
             におけるネットワークや財務基盤が活用可能であると考えました。
            また、公開買付者らとの業務提携又は当社を上場会社としたまま出資を受けることについては、公開買付

           者らとのシナジーの発現による企業価値向上の利益の一部が当社の少数株主へ流出してしまうことから、公
           開買付者らとしての経済合理性の観点から十分な連携が困難となることが予想されるため、公開買付者らと
           の連携による効果を最大化するためには、当社株式の非公開化が最善の策と考えました。
            また、当社は、当社株式の非公開化により、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を
           行うことができなくなり、また、上場会社であることによる社会的信用の向上や従業員のモチベーション向
           上といったメリットが享受できなくなる影響についても検討いたしました。その結果、当社においては市場
           からのエクイティ・ファイナンスの活用による資金調達に替わる機動性のある丸紅のグループファイナンス
           の活用が期待でき、また、公開買付者らはいずれも上場会社であり高い社会的信用及び認知度を有している
           と考えられることから、公開買付者らのグループ会社になったとしても、上場会社である現状と比して当社
           の社会的信用や従業員のモチベーションに悪影響を与えるとは考えにくいことから、今後も継続して当社株
           式の上場を維持する必要性は高くないと判断いたしました。
            以上の理由から、当社としては、本公開買付けを含む本取引により、当社株式を非公開化し、公開買付者
           らとの連携強化を図ることが、当社の企業価値向上にとって最適な選択であるとの結論に至りました。
            また、本公開買付価格(1,980円)が、(ⅰ)下記「(3)算定に関する事項」に記載されている大和証券に

           よる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定レンジの上限を上回っており、ディス
           カウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定レンジの範囲内の水準
           となっていること、(ⅱ)下記「(3)算定に関する事項」に記載されている産業創成アドバイザリーによる当
           社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定レンジの上限を上回っており、DCF法に基づ
           く算定レンジの範囲内の水準となっていること、(ⅲ)本公開買付けの開始予定についての公表日の前営業日
           である2023年5月10日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,283円に対して54.33%(小
           数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの数値(%)において同じです。)、2023年5
           月10日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,282円に対して54.45%、過去3ヶ月間の終値単純平均値
           1,285円に対して54.09%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,264円に対して56.65%のプレミアムをそれぞれ
           加えた価格であり、当該プレミアム水準が経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向
           上と株主利益の確保にむけて-」を公表した2019年6月28日以降2023年4月21日までに公表された支配株主
           による上場子会社の完全子会社化を目的とした公開買付けの事例47件(支配株主でない複数の買付者が共同
           して公開買付けを実施し、当該複数の買付者の対象会社に対する議決権所有割合の合計が50%超であった事
           例1件を含む。以下「類似過去事例」といいます。)のプレミアム水準の中央値は、公表日直前営業日が
           41.2%、直近1ヶ月間が43.0%、直近3ヶ月間が42.3%、直近6ヶ月間が42.9%と近時の本取引と類似の事
           例におけるプレミアム水準を上回るプレミアムが付されているということができること、(ⅳ)下記「(6)本
           公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性
           を担保するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置が採られていること等、少数株主の利益へ
           の配慮がなされていると認められること、(ⅴ)上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、当社と
           公開買付者らの間で協議・交渉が複数回行われ、真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた上で決定された価
           格であること、(ⅵ)本特別委員会の要請により、本公開買付けに関する価格提案の有意な引き上げ(公開買
           付者らからの最初の提案価格である1,650円から最終的に当社と公開買付者らとの間で合意に至った本公開
           買付価格1,980円まで330円の引き上げ)が実現されていること等を踏まえ、当社取締役会は、本取引につい
           て、本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、本公開買付価格及
           び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株
           主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
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            以上より、当社は、2023年5月11日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役
           (取締役合計5名のうち、大久保修氏を除く4名)の全員一致で、当該時点における当社の意見として、本
           公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対
           し て、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。なお、上記取締役会には、当社の監査役
           4名のうち、柴崎秀紀氏を除く3名全員が出席し、出席した監査役はいずれも上記決議を行うことについて
           異議がない旨の意見を述べております。
            上記の当社取締役会においては、当社の取締役5名のうち、大久保修氏は丸紅の社員であり、丸紅のグ
           ループ会社の社員を兼務していることから、利益相反の疑いを回避するため、上記取締役会における審議及
           び決議に一切参加しておらず、また、当社の立場において、本取引に関して、公開買付者らとの協議及び交
           渉に一切参加しておりません。また、当社の監査役4名のうち、柴崎秀紀氏は丸紅の社員であり、丸紅のグ
           ループ会社の代表取締役社長を兼務していることから、利益相反の疑いを回避するため、上記取締役会にお
           ける審議に一切参加しておりません。その他、当社の取締役2名(株本幸二氏及び有田大助氏)及び監査役
           1名(目代晃一氏)が丸紅の出身者ですが、丸紅の社員であった時から相当長期間(株本幸二氏については
           4年、有田大助氏については4年及び目代晃一氏については9年)が経過しており、公開買付者らにおける
           本取引の検討状況その他検討にあたって公開買付者らが保有又は活用している情報の共有を公開買付者らか
           ら受けておらず、また、当社における本取引の検討状況その他検討にあたって当社が保有又は活用している
           情報の共有を公開買付者らに対して行っていないことから審議・決議等に参加しても問題がないと理解して
           おります。
            当社は、上記取締役会においては、本公開買付けが開始される際に、当社が設置した本特別委員会に対し
           て、本特別委員会が2023年5月11日付で当社取締役会に対して提出した2023年5月11日付答申書の意見に変
           更がないか検討し、当社取締役会に対し、従前の意見に変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変
           更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえて、本公開買付けが開始される時点で、改
           めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しております。
            当社は、2023年6月1日、公開買付者らより、中国の競争法上のクリアランスの取得は2023年6月下旬

           に、国内の競争法上のクリアランスの取得は2023年7月上旬にそれぞれ見込んでいることから、本公開買付
           けを2023年7月5日より開始することを予定している旨の連絡を受け、本公開買付けに関する諸条件につい
           て改めて検討を行う準備を開始いたしました。また、当社は、2023年6月2日、本特別委員会に対して、
           2023年5月11日付答申書の意見に変更がないか検討し、当社取締役会に対し、従前の意見に変更がない場合
           にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。その後、当社は、公開買付
           者らから、日本および中国の競争法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本前提条件が充足さ
           れることを前提に、本公開買付けを2023年7月5日より開始することを予定している旨の連絡を2023年6月
           29日に受けました。本特別委員会は、2023年6月2日に上記諮問がなされたことを受け、改めて、当社に対
           して、2023年5月11日以後、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実
           関係の確認等を行い、上記諮問事項について検討を行った結果、2023年5月11日以後、2023年7月3日まで
           の事情を勘案しても2023年5月11日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2023年
           7月3日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の2023年7月3日付答申書を提出いたしま
           した。
            その上で、当社は、本特別委員会から提出された2023年7月3日付答申書の内容を最大限に尊重しなが
           ら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討
           を行った結果、2023年7月4日現在においても、2023年5月11日時点における本公開買付けに関する意見を
           変更する要因はないと判断いたしました。
            以上より、当社は、2023年7月4日開催の当社取締役会において、当社の取締役(取締役合計5名のう
           ち、大久保修氏を除く4名)の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社
           の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。なお、上記取締役会に
           は、当社の監査役4名のうち、井原孝一氏および柴崎秀紀氏を除く2名全員が出席し、出席した監査役はい
           ずれも上記決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。
            上記の当社取締役会においては、当社の取締役5名のうち、大久保修氏は取締役会における審議及び決議
           に一切参加しておらず、また、当社の立場において、本取引に関して、公開買付者らとの協議及び交渉に一
           切参加しておりません。また、当社の監査役4名(注1)のうち、井原孝一氏および柴崎秀紀氏は丸紅の社
           員であり、利益相反の疑いを回避するため、上記取締役会における審議に一切参加しておりません。その
           他、当社の取締役2名(株本幸二氏及び有田大助氏)が丸紅の出身者ですが、丸紅の社員であった時から相
           当長期間が経過しており、公開買付者らにおける本取引の検討状況その他検討にあたって公開買付者らが保
           有又は活用している情報の共有を公開買付者らから受けておらず、また、当社における本取引の検討状況そ
           の他検討にあたって当社が保有又は活用している情報の共有を公開買付者らに対して行っていないことは
           2023年5月11日時点と同様であることから審議・決議等に参加しても問題がないと理解しております。
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           (注1) 2023年5月11日時点の当社の監査役4名(目代晃一氏、柴崎秀紀氏、本村健氏及び猪熊浩子氏)
                のうち目代晃一氏は、2023年6月28日開催の当社第8回定時株主総会の終結の時をもって任期満
                了となり、同定時株主総会において、同氏の後任の監査役として新たに井原孝一氏が選任されて
                お ります。このような監査役の交代により、上記のとおり、2023年7月4日開催の当社取締役会
                においては、出席すべき監査役が2023年5月11日時点の取締役会から一部変動しております。
            2023年5月11日付及び2023年7月4日付の上記各取締役会の決議の詳細については、下記「(6)本公開買

           付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保
           するための措置」の「ⅵ.当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査
           役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
      (3)算定に関する事項

        ① 算定機関の名称並びに当社及び公開買付者らとの関係
          当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、当社及び公開買付者らから独立したファイナンシャ
         ル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券及び産業創成アドバイザリーのそれぞれに対して、当社株
         式の株式価値の算定を依頼し、2023年5月10日付で、大和証券及び産業創成アドバイザリーのそれぞれから株式
         価値算定書(以下、大和証券から取得した株式価値算定書を「大和証券株式価値算定書」といい、産業創成アド
         バイザリーから取得した株式価値算定書を「産業創成株式価値算定書」といいます。)を取得しました。なお、
         当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公
         開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、当社及び公開買付者らにおいて本公開買付価格の公
         正性及び本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置等を実施していることを踏まえ、本公開買付
         価格を含む本取引の公正性が担保されていると考えた結果、大和証券及び産業創成アドバイザリーから本公開買
         付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。なお、本取引に係る大和証
         券及び産業創成アドバイザリーに対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれており
         ます。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負
         担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることを
         もって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により大和証券及び産業創成アドバイザ
         リーを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。
          本特別委員会は、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関につき、独立性及び専
         門性に問題がないことから、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認し、本特別
         委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを、第1回の本特別委員会において確認して
         おります。
        ② 算定の概要

          大和証券は、複数の株式価値算定手法の中から、当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討
         の上、当社が継続企業であるとの前提のもと、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切である
         との考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場
         株価法を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を用いて、当社株式の1株当たりの株式価
         値の算定を行いました。当該各手法を用いて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、以下のとお
         りです。
         市場株価法        1,264円~1,285円

         DCF法        1,601円~2,748円

          市場株価法においては、2023年5月10日を基準日として、当社株式の東京証券取引所プライム市場における基

         準日終値1,283円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,282円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,285円及び直
         近6ヶ月間の終値の単純平均値1,264円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、1,264円から1,285
         円と算定しております。
          DCF法では、当社が作成した2024年3月期から2026年3月期までの事業計画及び一般に公開された情報等の諸
         要素を前提として、当社が2024年3月期第1四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを
         一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定しております。その際、5.41%~6.40%
         の割引率を採用しております。また、継続価値の算定については永久成長率法を採用し、0.00%~1.00%の永久
         成長率を採用しております。その結果、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,601円~2,748円と算定して
         おります。
          大和証券がDCF法で算定の前提とした当社財務予測の具体的な数値は以下のとおりです。なお、当該財務予測
         においては、対前年度比較において大幅なフリー・キャッシュ・フローの増減を見込んでいる事業年度が含まれ
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         ております。具体的には、2026年3月期において、設備投資に伴う支出が前年度比で減少することと、提供サー
         ビスの売上増によるEBITDAの伸長が相まって、フリー・キャッシュ・フローがその前年度である2025年3月期と
         比 べて大幅に増加することを見込んでおります。また、本公開買付けを含む本取引の実行により実現することが
         期待できるシナジーについては、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、
         当該財務予測には加味されておりません。
                                                   (単位:百万円)
                            2024年3月期           2025年3月期           2026年3月期

         売上高                        62,536           67,070           71,448

         営業利益                         9,937           10,560           12,255

         EBITDA                        20,534           22,349           24,805

         フリー・キャッシュ・フロー                         5,202           6,109           10,283

         (注1) 大和証券は、株式価値の算定に際して、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原
              則として採用し、採用したそれらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提と
              しており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証は行っていないとのことです。また、当社の資産
              又は負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含む。)については、独自に評価、鑑定又は査定を
              行っておらず、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。加えて、当
              社から提出された財務予測(利益計画及びその他の情報を含む。)については当社の経営陣により、
              当該情報提供時点で得られる最善の予測と判断に基づき、合理的に作成されたことを前提としている
              とのことです。
          産業創成アドバイザリーは、複数の算定手法の中から本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が

         継続企業であるとの前提のもと、当社株式について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社
         株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており市場株価が存在することから市場株価法を、当社の将来の事
         業活動の状況を算定に反映させるためにDCF法をそれぞれ算定方法として採用し、当社株式の株式価値の算定を
         行いました。上記の各手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下の通りです。
         市場株価法        1,264円~1,285円

         DCF法        1,640円~2,494円

          市場株価法では、2023年5月10日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終

         値1,283円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,282円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,285円及び直近6ヶ月間
         の終値単純平均値1,264円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,264円から1,285円と算定しており
         ます。
          DCF法では、当社が作成した2024年3月期から2026年3月期までの3期分の事業計画における財務予測、一般
         に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2024年3月期第1四半期以降に生み出すと見込まれるフ
         リー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株
         式の1株当たりの株式価値の範囲を1,640円から2,494円と算定しております。割引率は加重平均資本コストと
         し、5.62%~6.47%を採用しております。また、継続価値の算定にあたっては、永久成長法及びマルチプル法を
         採用し、永久成長法では永久成長率を-0.25%~0.25%、マルチプル法では企業価値に対するEBITDAの倍率を
         6.4倍~7.8倍としております。
          産業創成アドバイザリーがDCF法の算定の前提とした当社作成の事業計画に基づく財務予測は以下の通りで
         す。なお、当該財務予測においては、対前年度比較において大幅なフリー・キャッシュ・フローの増減を見込ん
         でいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年度3月期及び2026年度3月期において、フリー・
         キャッシュ・フローがそれぞれ前年度対比で大幅に増加することを見込んでおります。2025年3月期において
         は、2024年3月期に計画している光通信網やシステム設備投資等から生じる減価償却費の増加を主因として
         EBITDAが伸長することに伴い、フリー・キャッシュ・フローがその前年度である2024年3月期と比べて大幅に増
         加することを見込んでおります。2026年3月期においては、設備投資に伴う支出が前年度比で減少することと、
         提供サービスの売上増によるEBITDAの伸長が相まって、フリー・キャッシュ・フローがその前年度である2025年
         3月期と比べて大幅に増加することを見込んでおります。また、本公開買付けを含む本取引の実行により実現す
         ることが期待されるシナジーについては、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であ
         るため、以下の財務予測に加味されておらず、これを算定の基礎とした産業創成アドバイザリーによる算定にも
         盛り込んでおりません。
                                                   (単位:百万円)
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                            2024年3月期           2025年3月期           2026年3月期
         売上高                        62,536           67,070           71,448

         営業利益                         9,937           10,560           12,255

         EBITDA                        20,534           22,349           24,805

         フリー・キャッシュ・フロー                         3,737           5,807           10,212

         (注2) 産業創成アドバイザリーは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般
              に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの情報等は全て正確かつ完全であることを
              前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っていないとのことです。加えて当社
              及びその関係会社の財務予測その他の将来に関する情報(将来の収益及び費用に関する予想、費用節
              減の見通し並びに事業計画を含む。)については、当社の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠
              実な予測及び判断に基づき合理的に準備又は作成されたことを前提としており、独自にそれらの実現
              可能性の検証を行っていないとのことです。また、当社及びその関係会社の資産・負債(金融派生商
              品、簿外資産及び負債その他の偶発債務を含む。)又は引当について、個別の資産及び負債の分析及
              び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依
              頼も行っていないとのことです。産業創成アドバイザリーの算定は、2023年5月10日までに産業創成
              アドバイザリーが入手した情報及び経済条件(ただし、財務情報については2023年3月期第4四半期
              まで)を反映したとのことです。なお、産業創成アドバイザリーの算定は、当社取締役会が本公開買
              付価格を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。
          なお、大和証券及び産業創成アドバイザリーがDCF法による当社株式価値の算定に使用した連結財務予測は、

         当社が2021年5月14日付で公表した中期経営計画「2022年3月期-2026年3月期 中期経営計画」に記載された
         当社の連結売上高、連結営業利益及び連結EBITDAマージンの数値と異なりますが、これは、以下の理由によるも
         のです。
          上記「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の通り、当社の足元の連
         結業績は、主に既存の主力サービス(インターネットサービス、ネットワークサービス等)の好調の一方で、中
         期経営計画において拡大を見込んでいた、マンションインターネットサービス領域における賃貸市場での成長加
         速や、DXサービスを中心とする新たな成長領域の取込みに関しては、中期経営計画の公表以降足元までの期間に
         おいて、その進捗が中期経営計画策定当時の想定から遅れていると当社として判断しております。また、今後の
         旺盛な通信需要に応え、かつ競争力を維持するための設備投資が中期経営計画で想定していたものより必要な状
         況になっていると当社として考えております。このため、当初の目標数値であった中期経営計画よりも、より現
         状に即した予測に基づき、当社の客観的かつ合理的な企業価値を算定し、本公開買付価格の妥当性を検討するこ
         とがより適切であると当社として判断いたしました。なお、かかる連結財務予測の作成については、本特別委員
         会において、当社の経営層に対して直接ヒアリングがなされ、その作成過程について客観性又は合理性を疑わせ
         る事情は認められず、適切に作成されたものであることが確認されております。
          当社の取締役会は、2023年5月11日開催の取締役会から2023年7月4日時点までの状況を考慮しても、大和証

         券株式価値算定書及び産業創成株式価値算定書に影響を与える前提事実に大きな変更はないと考えており、大和
         証券、産業創成アドバイザリー及び和田倉門法律事務所から受けた助言も踏まえ、大和証券株式価値算定書及び
         産業創成株式価値算定書は引き続き有効であると考えております。
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      (4)上場廃止となる見込み及びその事由
         当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場されておりますが、公開買付者らは、本公開
        買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める
        上場廃止基準に従って、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの
        成立時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者らは、本公開買付け後に、上記「(5)本公開買付け後の
        組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者らのみとする
        ための一連の手続を実施することを予定しておりますので、その場合、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準
        に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社株式が上場廃止となった後は、当社株式を東京証券取
        引所プライム市場において取引することはできません。
      (5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

         公開買付者らは、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付
        けにおいて公開買付者らが当社株式の全て(但し、丸紅が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きま
        す。)を取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、以下の方法により、当社の株主を公開買付者らのみと
        するための一連の手続を実施することを予定しているとのことです。
         公開買付者らは、本公開買付けの決済の完了後速やかに、当社に対し、会社法第180条に基づき当社株式の併合
        (以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止
        する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開
        催することを2023年9月頃を目途に要請する予定とのことです。なお、公開買付者らは、当社の企業価値向上の観
        点から、本臨時株主総会を可能な限り早期に開催することが望ましいと考えており、本公開買付けの決済の開始後
        の近接する日が本臨時株主総会の基準日となるように、当社に対して本公開買付けの買付等の期間(以下「公開買
        付期間」といいます。)中に基準日設定公告を行うことを要請する予定とのことです。本書提出日現在、当社は公
        開買付者らの要請に応じ本臨時株主総会を開催する予定です。なお、公開買付者らは、本臨時株主総会において上
        記各議案に賛成する予定とのことです。
         本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認いただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる
        日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認いただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を
        所有することとなります。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生
        じた当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数
        に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当
        社又は公開買付者らの双方若しくはいずれかに売却することによって得られる金銭が交付されることになります。
        当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当
        社の各株主に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同
        一となるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことで
        す。また、当社株式の併合比率は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者らは、当社に対して、当社有
        価証券報告書に記載された2023年3月31日現在の当社の発行済株式総数(50,000,000株)から、当社有価証券報告
        書に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(59,542株)を控除した株式数(49,940,458株)に係る議決
        権数の数(499,404個)の3分の1に相当する株式数である16,646,800株につき1株の割合とするよう要請する予
        定とのことです。かかる併合比率は、丸紅を除く本公開買付けに応募しなかった全ての当社の株主の所有する当社
        株式の数が本株式併合により1株に満たない端数となること、丸紅に生じる1株に満たない端数を最小化するこ
        と、及び、本株式併合により生じた端数の合計数はセコムに売却することを前提に、当該売却の結果、丸紅及びセ
        コムの議決権保有比率を公開買付者らが企図している比率(66.66%及び33.34%)に近接させるべく、丸紅の所有
        する当社株式の数が2株になり、セコムの所有する当社株式の数が1株となることを意図したものとのことです
        (但し、実際の併合比率は、本株式併合の具体的な条件を決定する時点における事実関係を踏まえた当社との協議
        を経て決定されるため、上記のとおり、本書提出日現在未定とのことです。本書提出日以降の変動等により、本公
        開買付けにおける実際の買付予定数の数字が異なった場合等、上記と異なる併合比率が決定される可能性があると
        のことです。)。
         本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の手続として、本株式併合がなされた場合で
        あって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第
        182条の5その他の関係法令の定めに従い、当社の株主の皆様は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に
        満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができ、かつ裁判所に対して当社株式
        の価格決定の申立てを行うことができます。なお、当該申立てがなされた場合における、当社株式の買取価格は、
        最終的には裁判所が判断することになります。
         また、公開買付者らは、丸紅及びセコムの議決権保有比率をそれぞれ66.66%及び33.34%とすることを目的とし
        て、本スクイーズアウト手続後、当社株式について株式分割を行った上で、セコムが丸紅から当社株式の一部を譲
        り受ける方法により、公開買付者らの議決権保有比率を調整する手続を行う予定とのことです(かかる調整手続の
        実施時期及びそれらの詳細については本書提出日現在未定とのことです。)。
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         なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。
        また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責
        任にて税務専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
      (6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を

        担保するための措置
         当社及び公開買付者らは、当社が、公開買付者らが本公開買付けの実施を決定した2023年5月11日現在及び本書
        提出日現在において丸紅の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が当社における支配株主との重要な取引
        等に該当し、また、丸紅と丸紅以外の当社の株主との間に構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類
        型的に存する取引に該当することに鑑み、本公開買付価格の公正性の担保、並びに本公開買付けを含む本取引に関
        する意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担
        保するため、以下のⅰからⅷの措置をそれぞれ講じております。
         なお、丸紅は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現
        在、当社株式25,000,100株(所有割合:50.06%)を所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マ
        ジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority                      of  Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの
        成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の皆様の利益に資さな
        い可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority
        of  Minority)に相当する買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、公開買付者ら及び当社に
        おいて、以下の措置を実施していることから、公開買付者ら及び当社としては、当社の少数株主の皆様の利益には
        十分な配慮がなされていると考えております。なお、以下の記載のうち、公開買付者らにおいて実施した措置等に
        ついては、公開買付者らから受けた説明に基づくものです。
        ⅰ.公開買付者らにおける独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

          丸紅は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者ら及び当
         社から独立した第三者算定機関であるDTFAに当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、DTFAは
         公開買付者ら及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとの
         ことです。
          DTFAは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場して
         いることから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社株式の株式価値
         の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて
         当社株式の株式価値の算定を行い、丸紅は2023年5月10日付でDTFAから株式価値算定書を取得したとのことで
         す。なお、丸紅は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者らが本公開買付けの実施を決定するに
         至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、諸要素を総合的に考慮し、かつ当社との協議及び交渉
         を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、DTFAから、本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェア
         ネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
          DTFAによる当社株式の1株当たりの株式価値の算定結果は以下のとおりです。
          市場株価法  :1,264円~1,285円
          類似会社比較法:1,094円~2,225円
          DCF法           :1,304円~2,348円
          市場株価法では、2023年5月10日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の算定

         基準日終値1,283円、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値1,282円、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平
         均値1,285円、同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値1,264円を基に、当社株式の1株当たり株式価値の範囲
         を1,264円から1,285円までと算定しているとのことです。
          類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比
         較を通じて、当社株式の株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,094円から2,225円まで
         と算定しております。
          DCF法では、当社の2024年3月期から2026年3月期までの3期分の事業計画における収益や投資計画、直近ま
         での業績の動向、公開買付者らが2023年1月上旬から2023年5月上旬までの期間において当社に対して実施した
         デュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、2024年3月期以降に当社が将
         来創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割引くことにより当社株式
         の株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,304円から2,348円までと算定しているとのこ
         とです。なお、DCF法の前提とした事業計画においては、大幅な増減益は見込んでいないとのことです。また、
         本取引の実行により実現されることが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を
         具体的に見積もることが困難であるため、反映していないとのことです。
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          セコムは、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者ら及び
         当社から独立した第三者算定機関であるプルータスに当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。な
         お、  プルータスは公開買付者ら及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を
         有していないとのことです。
          プルータスは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上
         場していることから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が存在し、類似会社比較による当社株式の株式価
         値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用い
         て当社株式の株式価値の算定を行い、セコムは2023年5月10日付でプルータスから株式価値算定書を取得したと
         のことです。なお、セコムは、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者らが本公開買付けの実施を
         決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、諸要素を総合的に考慮し、かつ当社との協
         議及び交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、プルータスから、本公開買付価格の公正性に関す
         る意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
          プルータスによる当社株式の1株当たりの株式価値の算定結果は以下のとおりです。
          市場株価法  :1,264円~1,285円
          類似会社比較法:837円~1,497円
          DCF法           :1,269円~2,315円
          市場株価法では、2023年5月10日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の算定

         基準日終値1,283円、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値1,282円、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平
         均値1,285円、同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値1,264円を基に、当社株式の1株当たり株式価値の範囲
         を1,264円から1,285円までと算定しているとのことです。
          類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比
         較を通じて、当社株式の株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を837円から1,497円までと
         算定しているとのことです。
          DCF法では、当社の2024年3月期から2026年3月期までの3期分の事業計画における収益や投資計画、直近ま
         での業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、2024年3月期以降に当社が将来創出すると見
         込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割引くことにより当社株式の株式価値を算
         定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,269円から2,315円までと算定しているとのことです。なお、
         DCF法の前提とした事業計画においては、大幅な増減益は見込んでいないとのことです。また、本取引の実行に
         より実現されることが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積も
         ることが困難であるため、反映していないとのことです。
          なお、本公開買付価格である1,980円は、本公開買付けの開始予定についての公表日の前営業日である2023年

         5月10日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,283円に対して54.33%、同日までの直近1ヶ
         月間の終値単純平均値1,282円に対して54.45%、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値1,285円に対して
         54.09%、同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値1,264円に対して56.65%のプレミアムをそれぞれ加えた価
         格となるとのことです。
          また、本公開買付価格である1,980円は、本書提出日の前営業日である2023年7月4日の東京証券取引所プラ
         イム市場における当社株式の終値1,964円に対して0.81%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。
        ⅱ.当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

          当社は、2022年10月下旬、当社が丸紅の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な
         取引等に該当することを踏まえ、当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣
         意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保する観点から、当社及び公開買付者からの独立性が高い
         外部の有識者を含む委員によって構成される本特別委員会(本特別委員会の委員としては、当社の独立社外監査
         役の本村健氏、当社の独立社外取締役の三宅伊智朗氏、及び社外有識者の安田昌彦氏(ベネディ・コンサルティ
         ング株式会社代表取締役)を選定しております。)を設置しております。そして、当社は、本特別委員会に対し
         て、①本公開買付けを含む本取引の目的の正当性・合理性(本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上
         に資するかを含む)、②本公開買付けを含む本取引に係る取引条件の公正性・妥当性、③本公開買付けを含む本
         取引に係る手続の公正性、④本公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社株主に対し
         て本公開買付けへの応募を推奨するべきか否か、⑤本公開買付けを含む本取引を行うこと(本公開買付けに対し
         て当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む)
         が当社の少数株主にとって不利益なものでないか(総称して、以下「本諮問事項」といいます。)について諮問
         しました。本特別委員会は、2022年10月21日より2023年5月9日まで合計19回開催され、本諮問事項について、
         慎重に検討及び協議を行っております。具体的には、本特別委員会は、まず、2022年10月21日に、その独立性及
         び専門性等を検討の上、公開買付者ら及び当社から独立した独自の法務アドバイザーとして岩田合同法律事務所
         を選任する旨の決定をいたしました。なお、本特別委員会の委員である本村健氏は、岩田合同法律事務所に所属
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         する弁護士であるものの、本村健氏は当社の独立社外監査役であって当社から独立していると考えられることか
         ら、その所属先である岩田合同法律事務所についても当社の関連当事者には該当せず、本取引に関して重要な利
         害 関係も有しないと本特別委員会として判断しております。また、同日、本特別委員会は、当社のファイナン
         シャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券及び産業創成アドバイザリー並びに当社の法務アドバ
         イザーである和田倉門法律事務所について、その独立性及び専門性等に問題がないことを確認の上、その選任を
         承認しております。その上で、本特別委員会は、本諮問事項の検討にあたり、当社から、当社の事業環境、公開
         買付者らが提案する本取引の目的、本取引が当社事業に与える影響等について説明を受け、これらの点に関する
         質疑応答を行いました。また、本特別委員会から公開買付者らに対して、公開買付者らの事業環境、本取引の目
         的及び背景、本取引実行後の経営方針等につき質問し、公開買付者らより、書面による回答を受領しました。本
         特別委員会は、当社から直近の業績及び事業計画の内容等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を
         行いました。さらに、第三者算定機関である大和証券及び産業創成アドバイザリーから、当社株式の株式価値の
         算定結果に関する説明を受け、質疑応答を行いました。加えて、本特別委員会は、当社より、当社と公開買付者
         らとの間の公開買付価格に係る交渉状況の説明を適時に受け、質疑応答を行いました。また、本特別委員会は、
         当社の法務アドバイザーである和田倉門法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定
         の方法及び過程等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を行いました。
          本特別委員会は、上記の各調査、協議及び検討の内容を踏まえ、本特別委員会の法務アドバイザーである岩田
         合同法律事務所からの法的助言の内容も踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を行った結果、
         2023年5月11日に、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、以下の内容の答申書を提出しております。
         (ⅰ)本公開買付けを含む本取引の目的の正当性・合理性(本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上

           に資するかを含む。)
          (a)(本取引の目的)公開買付者らは、セコムがセコムの有するサイバーセキュリティ事業やデータセンター
           事業に加え、インターネットサービス事業やネットワークサービス事業に強みを有する当社に資本参加を行
           い、当社及び丸紅とビジネス面でのパートナーシップを強化することで、当社及び公開買付者らにおける事
           業展開の更なる加速を目指すとともに当社及び公開買付者らの企業価値向上を図るとのことである。他方、
           当社は、既存の主力サービスの競争力を維持及び強化しつつ、新たな成長領域の取組みを加速していくため
           には、当社単独の経営資源に限られず、公開買付者らの経営資源を活用し、公開買付者らとの連携を強化及
           び推進していくことが重要であると考えている。
          (b)(本取引による当社のメリット)当社とセコムとの間の協力関係をより一層強化することで、当社グルー
           プにおいて、セコムの顧客基盤及び営業基盤の活用や、セコムが展開するセキュリティ関連サービスに対す
           る当社が手掛けるネットワークサービスの提供機会の拡大等が期待でき、本取引を実行することで相応のシ
           ナジー効果が期待できるものと評価できる。
            また、公開買付者らによれば、丸紅グループ及びセコムグループのリソースを活用し、クラウド分野、情
           報セキュリティ分野、BtoC分野における新規サービスを開発・展開することで、当社の企業価値向上を図る
           とのことである。この点、当社においても、持続的な成長を実現していくためには、DXサービスを含む新た
           な成長領域の取込みを強化及び加速させていくことが必要であると考えているところ、セコムは当社グルー
           プにはない成長領域でのサービスを展開しており、セコムと当社との関係をより深化させていくことは、当
           社グループの現況を踏まえた経営戦略にも合致するため、本取引を実行することで相応のシナジー効果が期
           待できるものと評価できる。
            そして、当社の企業価値向上を図る観点での中長期的な観点での投資の重要性については、公開買付者ら
           及び当社との間で認識が一致しており、本取引の実行に伴う非公開化により公開買付者らの強固な財務基盤
           を活用した中長期的視点にたった戦略的投資が実現できることから、本取引を実行することで当社の中長期
           的な企業価値の向上を図ることができると評価できる。
            以上のこと等から、本取引により当社が公開買付者らのグループ会社となり当社と公開買付者らとの間で
           安定的かつ強固な関係が構築されることで、当社において更なる事業の拡大の実現等が可能となり、これに
           より当社の事業基盤が強化され、当社の中長期的な企業価値の向上が図られると考えられる。
          (c)(本取引による当社のデメリット)その一方で、本取引によるデメリットとして、当社株式の上場廃止に
           伴う当社の社会的信用力、従業員のモチベーション又は資金若しくは資本調達への影響が想定されるもの
           の、公開買付者らの有する社会的信用及び認知度並びに当社の現状の資本構成に鑑みると、本取引の実行に
           当たり特段の支障にはならないと評価できる。
          (d)(その他)これらに加えて、公開買付者らにおいては、当社グループの従業員は当社が持続的成長を果た
           すための原動力であり、当社の目指すべき目標・事業計画の達成に必要な人的資本であるとの認識を前提に
           最適な処遇方針を検討しているとのことであり、本取引の実行後においてかかる方針が実行される限り、当
           社の企業価値の維持・向上に資するものであると評価できる。また、本取引と同様の効果を生じさせること
           が期待できる本取引以外の代替手段も想定されない。
          (e)(結論)以上より、本公開買付けを含む本取引は、当社の企業価値の向上に資するものであり、その目的
           は正当性・合理性を有すると認められる。
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         (ⅱ)本公開買付けを含む本取引に係る取引条件の公正性・妥当性

          (a)(第三者算定機関からの株式価値算定書の取得)当社は、公開買付者らから提示された本公開買付価格に
           対する意思決定の過程における公正性を担保するために、当社及び公開買付者らから独立したファイナン
           シャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、大和証券及び産業創成アドバイザリーのそれぞれに当社
           株式の株式価値の算定を依頼し、大和証券及び産業創成のそれぞれから2023年5月10日付で株式価値算定書
           を取得した。
          (b)(大和証券株式価値算定書及び産業創成株式価値算定書の信頼性)大和証券及び産業創成アドバイザリー
           による当社株式の1株当たりの株式価値の各算定方法は、いずれも一般的な算定方法と認められる。また、
           大和証券及び産業創成アドバイザリーがそれぞれの算定方法を採用した理由についても、不合理な点は認め
           られない。当該各算定手法に基づく算定結果は、経験豊富な第三者算定機関である大和証券及び産業創成ア
           ドバイザリーにより算定されたものであり、当社株式の1株当たりの株式価値の算定結果にも不合理な点は
           認められない。さらに、上記算定手法及びその結果の前提となる財務予測や前提条件等についても、いずれ
           も不合理な点は認められない。
            上記算定の基礎となる事業計画について、大和証券及び産業創成アドバイザリーがDCF法による当社株式
           価値の算定に使用した連結財務予測は当社が2021年5月14日付で公表した中期経営計画に記載された当社の
           連結売上高、連結営業利益及び連結EBITDAマージンの数値と異なるとのことであるが、本特別委員会は、か
           かる連結財務予測の作成過程について客観性又は合理性を疑わせる事情は認められず、適切に作成されたも
           のであることを確認した。
            以上より、大和証券株式価値算定書及び産業創成株式価値算定書には信頼性が認められると評価できる。
          (c)(本公開買付価格の公正性・妥当性)本公開買付価格である1,980円は、大和証券株式価値算定書におけ
           る市場株価法及び産業創成株式価値算定書における市場株価法による算定結果のレンジの上限を上回ってお
           り、また、大和証券株式価値算定書におけるDCF法及び産業創成株式価値算定書におけるDCF法による算定結
           果のレンジの範囲内であることから、本公開買付価格は大和証券株式価値算定書及び産業創成株式価値算定
           書における株式価値算定の結果との関係で妥当な範囲内にあると評価できる。
          (d)(プレミアムの確保)本公開買付価格は、本公開買付けの開始予定についての公表日の前営業日である
           2023年5月10日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,283円に対して54.33%、過去1か
           月間の終値単純平均値1,282円に対して54.45%、過去3か月間の終値単純平均値1,285円に対して54.09%、
           過去6か月間の終値単純平均値1,264円に対して56.65%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であり、類似過
           去事例におけるプレミアム水準(類似過去事例におけるプレミアム水準の詳細については上記「(2)意見の
           根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)判断
           の内容」をご参照ください。)を上回るプレミアムが確保されていることからすれば、本公開買付価格は、
           本取引のシナジーによって当社に実現される株式価値が相当程度反映されたものであると評価できる。
          (e)(公開買付者らとの交渉)本取引に係る交渉経過等において、透明性や公正性を疑わせるような事情は認
           められず、本公開買付価格は、本特別委員会が実質的に関与した上で実施された当社と公開買付者らとの間
           の再三に亘る協議・交渉の結果として提案された価格であるとともに、公開買付者らの当初提案額(当社株
           式1株につき、1,650円)から1,980円と大幅に増額されたものであって、真摯な交渉によって決定された価
           格であると評価できる。
          (f)(本取引に係る本公開買付価格以外の取引条件)本取引のスキームは、本取引と同様の効果を生じさせる
           ことが期待できる本取引以外の代替手段は想定されないことに鑑みても、また、当社の少数株主にとって適
           切な投資回収の機会を与えるという意味からも、合理的なものであると評価できる。
            公開買付者らは公開買付期間について法令に定められた最短期間である20営業日とする予定であるが、公
           開買付者らによれば、本公開買付けの開始までの期間が長期に亘るため、当社の少数株主の本公開買付けに
           対する応募についての適切な判断機会及び公開買付者ら以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は
           確保されているものと考えているとのことであるが、かかる公開買付者らの判断に不合理な点は認められな
           い。また、公開買付者ら及び当社は、当社が公開買付者ら以外の者(以下「対抗的買収提案者」といいま
           す。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触
           することを制限するような内容の合意は一切行っていないとのことである。以上を踏まえると、本公開買付
           けの開始までの期間と併せ、対抗的な買付け等の機会が確保されているといえ、本取引における間接的な
           マーケット・チェックは相応に機能するものと評価できる。
            公開買付者らによれば、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」
           (Majority      of  Minority)(以下、本「ⅱ.当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの
           答申書の取得」において、「MoM」という。)に相当する買付予定数の下限は設定していないとのことであ
           るが、公開買付者ら及び当社において下記「(ⅲ)本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性」に記載
           のとおりの各公正性担保措置を講じていることからすれば、本取引に係る取引条件の公正性及び妥当性を損
           なうものではないと認められる。
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            本取引では、公開買付者らが当社株式の全てを取得することを前提に、本公開買付け後における本株式併
           合に際して反対する株主に対する株式買取請求権又は価格決定請求権が確保できないスキームが採用されて
           おらず、本公開買付けの実施後速やかに本公開買付価格を基準とする本株式併合を行う予定であることが開
           示 される予定であること等からすれば、本取引において強圧性は排除されていると認められる。
          (g)(結論)以上より、本公開買付けを含む本取引に係る取引条件の公正性及び妥当性は確保されているもの
           と考えられる。
         (ⅲ)本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性

          (a)(本特別委員会の設置及び審議等)本特別委員会の委員はいずれも当社及び公開買付者らから独立してい
           る。また、本特別委員会の委員に対して本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬の付与は予定されてお
           らず、本特別委員会の委員は本取引の成否について重要な利害関係を有していない。当社は、本特別委員会
           の設置を決議した取締役会において、当社取締役会における本取引に関する意思決定は、本公開買付けへの
           賛否を含め、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、特に本特別委員会が本公開買付けの実施
           又は取引条件が妥当でないと判断した場合には本公開買付けに賛同しないことを決議した。
            本特別委員会は、当社から、当社の事業環境、公開買付者らが提案する本取引の目的、本取引が当社事業
           に与える影響等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を行い、また、公開買付者らに対して
           も、公開買付者らの事業環境、本取引の目的及び背景、本取引実行後の経営方針等につき質問し、公開買付
           者らより、書面による回答を受領した。さらに、第三者算定機関である大和証券及び産業創成アドバイザ
           リーから、当社株式の株式価値の算定結果に関する説明を受け、質疑応答を行うとともに、当社より、当社
           と公開買付者らとの間の本公開買付価格に係る交渉状況の説明を適時に受け、本特別委員会としての意見を
           表明する等、本特別委員会として本公開買付価格に係る交渉過程に実質的に関与した。
            以上のとおり、本特別委員会の設置及び審議等については、本取引に係る手続の公正性を確保するもので
           あり、公正性担保措置として有効に機能していると評価できる。
          (b)(当社における審議)当社における本取引に係る検討体制(本取引に関する当社の意思決定プロセスに関
           与する取締役及び監査役)については、当社は、当社各取締役及び監査役のうち、丸紅の役職員を兼務して
           いる者については当該意思決定プロセスに関与させないこととし、他方で、過去に丸紅の役職員であった者
           については当該意思決定プロセスに関与させる方針とのことである。まず、前者については、実際にも、当
           社の取締役5名のうち、大久保修氏は丸紅の社員であり、丸紅のグループ会社の社員を兼務していることか
           ら、利益相反の疑いを回避するため、当社取締役会における本取引に係る審議及び決議に一切参加しておら
           ず、また、当社の立場において、本取引に関して、公開買付者らとの協議及び交渉に一切参加していないと
           のことであり、また、当社の監査役4名のうち、柴崎秀紀氏も丸紅の社員であり、丸紅のグループ会社の代
           表取締役社長を兼務していることから、利益相反の疑いを回避するため、当社取締役会における本取引に係
           る審議に一切参加していないとのことであり、公開買付者らから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉
           及び判断を行う体制が確保されているものと認められる。また、後者についても、過去に丸紅の役職員で
           あった者は現時点で丸紅に対して善管注意義務等を負っているものではなく、同社との間に利益相反関係が
           存在するものではないこと、経済産業省が公表した2019年6月28日付「公正なM&Aの在り方に関する指針-
           企業価値の向上と株主利益の確保にむけて-」においても、過去に公開買付者の役職員であった者はその一
           事をもって全て除外されるべきとまで考える必要はないとされていること、当社代表取締役社長CEOである
           株本幸二氏、当社取締役専務執行役員CCOである有田大助氏及び当社監査役である目代晃一氏は、過去に丸
           紅の役職員であったが、同氏らは本取引の検討のためには必要不可欠であり、同氏らは丸紅の役職員であっ
           た時から相当長期間(株本幸二氏については4年、有田大助氏については4年及び目代晃一氏については9
           年)が経過しており、同氏らから公開買付者らに対し当社における本取引の検討状況その他検討にあたって
           当社が保有又は活用している情報が伝達されることや、同氏らが公開買付者らから公開買付者らにおける本
           取引の検討状況その他検討に当たって公開買付者らが保有又は活用している情報の共有を受けることはな
           く、また、特に株本幸二氏を本取引の検討体制から除くことは、かえって少数株主の利益を毀損するおそれ
           がある旨当社から説明を受けており、その説明に不合理な点は認められないこと等を考慮すれば、本特別委
           員会として当社の検討体制は妥当と考えられる旨を確認した。
            以上より、当社は、公開買付者らから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を構
           築しているものといえ、かかる体制は、本取引に係る手続の公正性を確保するものであり、公正性担保措置
           として有効に機能していると評価できる。
          (c)(独立した外部の専門家アドバイザーによる助言)当社は、本取引に関して、ファイナンシャル・アドバ
           イザーとして大和証券及び産業創成アドバイザリーを選任し、本取引の諸手続や本公開買付価格を含む本取
           引の条件等の公正性・妥当性を確保するため、財務的見地から必要かつ十分な助言を得ている。また、第三
           者算定機関としても大和証券及び産業創成アドバイザリーを選任した上で大和証券及び産業創成アドバイザ
           リーのそれぞれから2023年5月10日付で株式価値算定書を取得している。
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            また、当社は、本取引に関して、法務アドバイザーとして和田倉門法律事務所を選任し、本取引に係る手
           続の公正性を確保するために講じるべき措置や、本取引に係る当社の意思決定の方法を含む本取引に係る諸
           手続等について、法務的見地から必要かつ十分な助言を得ている。
            さらに、本特別委員会は、当社の法務アドバイザーとは別に、本取引に関して、本特別委員会独自の法務
           アドバイザーとして岩田合同法律事務所を選任し、本取引に係る手続の公正性を確保するために講じるべき
           措置や、本取引に係る諸手続等について、法務的見地から必要かつ十分な助言を得ている。
            以上の手続はいずれも本取引に係る手続の公正性を確保するものであり、公正性担保措置として有効に機
           能していると評価できる。
          (d)(他の買収者による買収提案の機会の確保(マーケット・チェック))上記「(ⅱ)本公開買付けを含む
           本取引に係る取引条件の公正性・妥当性の(f)(本取引に係る本公開買付価格以外の取引条件)」に記載の
           とおり、本公開買付けの開始までの期間と併せ、対抗的な買付け等の機会が確保されているといえ、本取引
           における間接的なマーケット・チェックは相応に機能するものと評価でき、本取引の公正性が阻害されるこ
           とはない。
          (e)(当社の少数株主に対する適切な情報提供)本取引における当社の開示資料では、当社の少数株主が本取
           引について評価・判断するに当たり、適切な情報が提供される予定であると認められるところ、かかる情報
           提供は、本取引に係る手続の公正性を確保するものであり、公正性担保措置として有効に機能していると評
           価できる。
          (f)(いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority                               of  Minority)条件を設定していないこと
           の妥当性)上記「(ⅱ)本公開買付けを含む本取引に係る取引条件の公正性・妥当性」の(f)(本取引に係
           る本公開買付価格以外の取引条件)」に記載のとおり、公開買付者ら及び当社において本「(ⅲ)本公開買
           付けを含む本取引に係る手続の公正性」に記載のとおりの各公正性担保措置を講じていることも踏まえる
           と、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority                                         of  Minority)に相
           当する買付予定数の下限が設定されないとしても、本取引においていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノ
           リティ」(Majority          of  Minority)条件を設定していないことが本取引に係る手続の公正性を損なうもので
           はないと評価できる。
          (g)(強圧性の排除)上記「(ⅱ)本公開買付けを含む本取引に係る取引条件の公正性・妥当性の(f)(本取
           引に係る本公開買付価格以外の取引条件)」のとおり、本取引では、公開買付者らが当社株式の全てを取得
           することを前提に、本公開買付け後における本株式併合に際して、反対する株主に対する株式買取請求権又
           は価格決定請求権が確保できないスキームが採用されておらず、本公開買付けの実施後速やかに本公開買付
           価格を基準とする本株式併合を行う予定であることが開示される予定であること等からすれば、本取引にお
           いて強圧性は排除されていると認められる。
          (h)(結論)本取引においては、以上の各公正性担保措置が講じられており、本公開買付けを含む本取引に係
           る手続の公正性は確保されているものと認められる。
         (ⅳ)本公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社株主に対して本公開買付けへの応

           募を推奨するべきか否か
            上記(ⅰ)乃至(ⅲ)のとおり、(a)本公開買付けを含む本取引は、当社の企業価値の向上に資するものであ
           り、その目的は正当性・合理性を有すると認められること、(b)本公開買付けを含む本取引に係る取引条件
           の公正性及び妥当性は確保されているものと考えられること、(c)本公開買付けを含む本取引に係る手続の
           公正性は確保されているものと考えられることからすると、本公開買付けについて当社の取締役会が賛同の
           意見を表明すること、及び、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは、妥当であると考
           えられる。
         (ⅴ)本公開買付けを含む本取引を行うこと(本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及

           び当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む。)が当社の少数株主にとって不利益なも
           のでないか
            上記(ⅰ)乃至(ⅲ)のとおり、(a)本公開買付けを含む本取引は、当社の企業価値の向上に資するものであ
           り、その目的は正当性・合理性を有すると認められること、(b)本公開買付けを含む本取引に係る取引条件
           の公正性及び妥当性は確保されているものと考えられること、(c)本公開買付けを含む本取引に係る手続の
           公正性は確保されているものと考えられることからすると、本公開買付けを含む本取引を行うこと(本公開
           買付けに対して当社の取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を
           推奨することを含む。)は、当社の少数株主にとって不利益なものでないと考えられる。
          当社は、2023年6月1日、公開買付者らより、中国の競争法上のクリアランスの取得は2023年6月下旬に、国

         内の競争法上のクリアランスの取得は2023年7月上旬にそれぞれ見込んでいることから、本公開買付けを2023年
         7月5日より開始することを予定している旨の連絡を受け、本公開買付けに関する諸条件について改めて検討を
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         行う準備を開始いたしました。また、当社は、2023年6月2日、本特別委員会に対して、2023年5月11日付答申
         書の意見に変更がないか検討し、当社取締役会に対し、従前の意見に変更がない場合にはその旨、変更がある場
         合 には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。その後、当社は、公開買付者らから、日本および中国の競
         争法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本前提条件が充足されることを前提に、本公開買付けを
         2023年7月5日より開始することを予定している旨の連絡を2023年6月29日に受けました。
          本特別委員会は、2023年6月2日に上記諮問がなされたことを受け、改めて、当社に対して、2023年5月11日
         以後、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記
         諮問事項について検討を行った結果、2023年5月11日以後、2023年7月3日までの事情を勘案しても2023年5月
         11日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2023年7月3日に、当社取締役会に対し
         て、従前の意見に変更がない旨の2023年7月3日付答申書を提出いたしました。
        ⅲ.特別委員会における独立した法律事務所からの助言

          本特別委員会は、当社及び公開買付者らから独立した法務アドバイザーとして岩田合同法律事務所を選任し、
         同事務所から、本取引に係る本特別委員会の審議の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けてお
         ります。なお、岩田合同法律事務所は、当社及び公開買付者らの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む
         本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。その他、岩田合同法律事務所の独立性については、上記
         「ii.当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
        ⅳ.当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

          当社は、公開買付者らから提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するため
         に、当社及び公開買付者らから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、大和証券
         及び産業創成アドバイザリーのそれぞれに当社株式の株式価値の算定を依頼し、大和証券及び産業創成アドバイ
         ザリーのそれぞれから2023年5月10日付で株式価値算定書を取得しました。なお、大和証券及び産業創成アドバ
         イザリーは、当社及び公開買付者らの関連当事者には該当せず、本取引に関して、記載すべき重要な利害関係を
         有しておりません。なお、本取引に係る大和証券及び産業創成アドバイザリーに対する報酬には、本取引の成立
         等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引
         が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の成立等を条
         件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬
         体系により大和証券及び産業創成アドバイザリーを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関
         として選任しております。また、本特別委員会において、大和証券及び産業創成アドバイザリーの独立性に問題
         がないことが確認されております。
          本株式価値算定書の概要は、上記「(3)算定に関する事項」をご参照ください。
        ⅴ.当社における独立した法律事務所からの助言

          当社は、本公開買付けに係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性及び適正性を確保するために、当
         社及び公開買付者らから独立した法務アドバイザーとして和田倉門法律事務所を選任し、同事務所から、本取引
         に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受け
         ております。なお、和田倉門法律事務所は、当社及び公開買付者らの関連当事者には該当せず、本取引に関し
         て、記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会において、和田倉門法律事務所の独立
         性に問題がないことが確認されております。
        ⅵ.当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

          当社は、和田倉門法律事務所から受けた法的助言及び大和証券及び産業創成アドバイザリーのそれぞれから
         2023年5月10日付で取得した株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された2023年5月11日
         付答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引を通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本取引
         は公正な手続を通じて行われることにより少数株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点
         から慎重に協議を行いました。
          その結果、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程
         及び理由」に記載のとおり、当社取締役会は、2023年5月11日開催の取締役会において、審議及び決議に参加し
         た当社の取締役(取締役合計5名のうち、大久保修氏を除く4名)の全員一致で、当該時点における当社の意見
         として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆
         様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。なお、上記取締役会には、当社の監査
         役4名のうち、柴崎秀紀氏を除く3名全員が出席し、出席した監査役はいずれも上記決議を行うことについて異
         議がない旨の意見を述べております。
          上記の当社取締役会においては、当社の取締役5名のうち、大久保修氏は丸紅の社員であり、丸紅のグループ
         会社の社員を兼務していることから、利益相反の疑いを回避するため、上記取締役会における審議及び決議に一
         切参加しておらず、また、当社の立場において、本取引に関して、公開買付者らとの協議及び交渉に一切参加し
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         ておりません。また、当社の監査役4名のうち、柴崎秀紀氏は丸紅の社員であり、丸紅のグループ会社の代表取
         締役社長を兼務していることから、利益相反の疑いを回避するため、上記取締役会における審議に一切参加して
         お りません。その他、当社の取締役2名(株本幸二氏及び有田大助氏)及び監査役1名(目代晃一氏)が丸紅の
         出身者ですが、丸紅の社員であった時から相当長期間(株本幸二氏については4年、有田大助氏については4年
         及び目代晃一氏については9年)が経過しており、公開買付者らにおける本取引の検討状況その他検討にあたっ
         て公開買付者らが保有又は活用している情報の共有を公開買付者らから受けておらず、また、当社における本取
         引の検討状況その他検討にあたって当社が保有又は活用している情報の共有を公開買付者らに対して行っていな
         いことから審議・決議等に参加しても問題がないと理解しております。
          また、当社は、2023年6月1日、公開買付者らより、中国の競争法上のクリアランスの取得は2023年6月下旬
         に、国内の競争法上のクリアランスの取得は2023年7月上旬にそれぞれ見込んでいることから、本公開買付けを
         2023年7月5日より開始することを予定している旨の連絡を受けたことから、本公開買付けに関する諸条件につ
         いて改めて検討を行う準備を開始いたしました。また、当社は、2023年6月2日、本特別委員会に対して、2023
         年5月11日付答申書の意見に変更がないか検討し、当社取締役会に対し、従前の意見に変更がない場合にはその
         旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。その後、当社は、公開買付者らから、日
         本および中国の競争法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本前提条件が充足されることを前提
         に、本公開買付けを2023年7月5日より開始することを予定している旨の連絡を2023年6月29日に受けました。
         本特別委員会は、2023年6月2日に上記諮問がなされたことを受け、改めて、当社に対して、2023年5月11日以
         後、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮
         問事項について検討を行った結果、2023年5月11日以後、2023年7月3日までの事情を勘案しても2023年5月11
         日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2023年7月3日に、当社取締役会に対して、
         従前の意見に変更がない旨の2023年7月3日付答申書を提出いたしました。
          その上で、当社は、本特別委員会から提出された2023年7月3日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、当
         社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結
         果、2023年7月4日現在においても、2023年5月11日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因は
         ないと判断いたしました。
          以上より、当社は、2023年7月4日開催の取締役会において、当社の取締役(取締役合計5名のうち、大久保
         修氏を除く4名)の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に
         対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。なお、上記取締役会には、当社の監査役4
         名のうち、井原孝一氏および柴崎秀紀氏を除く2名全員が出席し、出席した監査役はいずれも上記決議を行うこ
         とについて異議がない旨の意見を述べております。
          上記の当社取締役会においては、当社の取締役5名のうち、大久保修氏は取締役会における審議及び決議に一
         切参加しておらず、また、当社の立場において、本取引に関して、公開買付者らとの協議及び交渉に一切参加し
         ておりません。また、当社の監査役4名のうち、井原孝一氏および柴崎秀紀氏は丸紅の社員であり、利益相反の
         疑いを回避するため、上記取締役会における審議に一切参加しておりません(なお、上記「(2)意見の根拠及び
         理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2023年6月
         28日開催の当社第8回定時株主総会において、監査役の交代が生じたため、2023年7月4日開催の当社取締役会
         においては、出席すべき監査役が2023年5月11日時点の取締役会から一部変動しております。)。その他、当社
         の取締役2名(株本幸二氏及び有田大助氏)が丸紅の出身者ですが、丸紅の社員であった時から相当長期間が経
         過しており、公開買付者らにおける本取引の検討状況その他検討にあたって公開買付者らが保有又は活用してい
         る情報の共有を公開買付者らから受けておらず、また、当社における本取引の検討状況その他検討にあたって当
         社が保有又は活用している情報の共有を公開買付者らに対して行っていないことは2023年5月11日時点と同様で
         あることから審議・決議等に参加しても問題がないと理解しております。
        ⅶ.他の買付者からの買付機会を確保するための措置

          公開買付者らは、公開買付者らが2023年5月11日付で公表した「アルテリア・ネットワークス株式会社株式
         (証券コード4423)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」(以下「公開買付者ら2023年5月11日付
         プレスリリース」といいます。)の公表日から本公開買付けの開始までの期間が2ヵ月弱と長期に亘るため、当
         社の株主の皆様の本公開買付けに対する応募についての適切な判断機会及び公開買付者ら以外の者による当社株
         式に対する買付け等の機会は確保されているものと考えているとのことです。また、公開買付者らと当社は、当
         社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社と
         の間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておりません。このように、上記本公開買付けの開
         始までの期間と併せ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮し
         ているとのことです。
          上記のとおり、公開買付者らは、公開買付者ら2023年5月11日付プレスリリースの公表日から本公開買付けの
         開始までの期間が2ヵ月弱と長期に亘るため、当社の株主の皆様の本公開買付けに対する応募についての適切な
         判断機会及び公開買付者ら以外の者による対象者株式に対する買付け等の機会は確保されているものと考えてい
         ることから、公開買付期間は、法令に定められた最短期間である20営業日としているとのことです。
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        ⅷ.当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

          公開買付者らは、上記の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に
         記載のとおり、(ア)本公開買付けの決済の完了後速やかに、本株式併合及び本株式併合の効力発生を条件として
         単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要
         請することを予定しており、当社の株主の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法
         は採用しないこと、(イ)本株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価
         格に当該各株主の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかにしているこ
         とから、当社の株主の皆様に対して本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、こ
         れをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。
      (7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項

        ① 本共同公開買付契約
          公開買付者らは、上記「(2)意見の根拠及び理由)」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、2023年
         5月11日付で、本取引に関して、以下の内容を含む本共同公開買付契約を締結したとのことです。
         (ⅰ)公開買付者らが共同して本公開買付けを実施すること
         (ⅱ)本公開買付けの開始は、本前提条件が充足されていること(又は公開買付者らにより放棄されているこ
           と)を条件とすること
         (ⅲ)本公開買付けが成立し、本公開買付けにおいて当社株式の全てが取得されなかった場合、本スクイーズア
           ウト手続を実施(本臨時株主総会において本株式併合に係る議案に賛成の議決権を行使することを含む。)
           すること
         (ⅳ)丸紅及びセコムの議決権保有比率をそれぞれ66.66%及び33.34%とすることを目的として、本スクイーズ
           アウト手続後、当社株式について株式分割を行った上で、セコムが丸紅から当社株式の一部を譲り受ける方
           法により、公開買付者らの議決権保有比率を調整する手続を行うこと
         (ⅴ)競争法令等上の届出その他政府機関等に対する一切の手続について、実務上可能な限り速やかに完了(法
           令等上必要な許認可等の取得及び待機期間の経過を含む。)するために、合理的に可能かつ必要な範囲で相
           互に努力すること
         (ⅵ)(ⅳ)の手続の完了まで、相手方の承諾なく自らが保有する当社株式の譲渡等を行わないこと
         (ⅶ)(ⅳ)の手続の完了まで、本共同公開買付契約及び本株主間契約の趣旨乃至本取引の目的に反する行為を行
           わないこと
        ② 本株主間契約

          公開買付者らは、上記「(2)意見の根拠及び理由)」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、2023年
         5月11日付で、当社グループの共同運営等に関して、以下の内容を含む本株主間契約を締結しているとのことで
         す。なお、本株主間契約は、一般条項等、一部の条項を除き、本共同公開買付契約の規定に従い丸紅及びセコム
         の当社に対する議決権保有比率がそれぞれ66.66%及び33.34%となった時点で、効力が生じることとされている
         とのことです。
         (ⅰ)機関設計
            当社は、取締役会、監査役、及び会計監査人設置会社とする。
         (ⅱ)取締役
            (ⅰ)当社の取締役の員数を7名以下とし、丸紅が4名、セコムが2名、それぞれ指名することができる。
           また、(ⅱ)丸紅が代表取締役社長1名を指名することができるとともにセコムが代表権のない取締役副社長
           を指名することができる。
         (ⅲ)監査役
            監査役の員数を3名とし、丸紅が2名、セコムが1名、それぞれ指名することができる。
         (ⅳ)公開買付者らの同意が必要な事項
            当社が一定の事項(重要な社内規程の変更、株式等の発行等、M&A取引、事業計画、重要な事業の撤退若
           しくは重要な変更又は重要な新規事業の開始等)を決定し、又は行おうとする場合、公開買付者らの事前の
           同意取得を要する。
         (ⅴ)当社株式の取扱い
            公開買付者らは、原則として、その所有する当社株式の譲渡が禁止されるが、一定期間経過後は、相手方
           の先買権に服することを条件に譲渡可能となる。
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     4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
          氏名               役職名             所有株式数(株)            議決権の数(個)
      株本 幸二            代表取締役社長CEO                        34,403              344

      有田 大助            取締役                         8,884              88

      大久保 修            取締役                           0            0

      江﨑 浩            取締役                         3,096              30

      三宅 伊智朗            取締役                         8,305              83

      井原 孝一            常勤監査役                           0            0

      柴崎 秀紀            監査役                           0            0

      本村 健            監査役                         6,000              60

      猪熊 浩子            監査役                         2,895              28

                   計                       63,583              633

     (注1) 役名、職名、所有株式数及び議決権の数は本書提出日現在のものです。
     (注2) 取締役江﨑浩及び取締役三宅伊智朗は、社外取締役であります。
     (注3) 監査役本村健及び監査役猪熊浩子は、社外監査役であります。
     (注4) 所有株式数及び議決権数は、それぞれ当社の役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそれ
           らに係る議決権の数を含めております。
     5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

       該当事項はありません。
     6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

       該当事項はありません。
     7【公開買付者に対する質問】

       該当事項はありません。
                                28/29










                                                          EDINET提出書類
                                              アルテリア・ネットワークス株式会社(E34545)
                                                           意見表明報告書
     8【公開買付期間の延長請求】
       該当事項はありません。
                                29/29




















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お知らせ

2024年4月16日

2024年4月よりデータの更新が停止しております。
他のより便利なサービスが多々出てきた現在、弊サイトは役割を終えたと考えております。改修はせずこのままサービス終了する予定です。2008年よりの長きにわたりご利用いただきましてありがとうございました。登録いただいたメールアドレスなどの情報はサービス終了時点で全て破棄させていただきます。

2023年2月15日

2023年1月より一部報告書の通知、表示が旧社名で通知、表示される現象が発生しておりました。対応を行い現在は解消しております。

2023年2月15日

メール通知設定可能件数を15件から25件に変更しました。

2023年1月7日

2023年分の情報が更新されない問題、解消しました。

2023年1月6日

2023年分より情報が更新されない状態となっております。原因調査中です。

2022年4月25日

社名の変更履歴が表示されるようになりました

2020年12月21日

新規上場の通知機能を追加しました。Myページにて通知の設定が行えます。

2020年9月22日

企業・投資家の個別ページに掲載情報を追加しました。また、併せて細かい改修を行いました。

2019年3月22日

2019年4月より、5年より前の報告書については登録会員さまのみへのご提供と変更させていただきます。

2017年10月31日

キーワードに関する報告書の検出処理を改善いたしました。これまで表示されていなかった一部の報告書にも「増加」「減少」が表示されるようになっりました。

2017年2月12日

キーワードに関する報告書のRSS配信を開始いたしました。

2017年1月23日

キーワードに関する報告書が一覧で閲覧できるようになりました。