THECOO株式会社 訂正内部統制報告書 第9期(2022/01/01-2022/12/31)
提出書類 | 訂正内部統制報告書-第9期(2022/01/01-2022/12/31) |
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提出者 | THECOO株式会社 |
カテゴリ | 訂正内部統制報告書 |
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THECOO株式会社(E37105)
訂正内部統制報告書
【表紙】
【提出書類】 内部統制報告書の訂正報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条の4の5第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2023年6月30日
【会社名】 THECOO株式会社
THECOO Inc.
【英訳名】
【代表者の役職氏名】 代表取締役CEO 平良 真人
【最高財務責任者の役職氏名】 該当事項はありません。
【本店の所在の場所】 東京都渋谷区神宮前二丁目34番17号 住友不動産原宿ビル
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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訂正内部統制報告書
1【内部統制報告書の訂正報告書の提出理由】
1.財務報告に係る内部統制の評価結果を訂正した経緯
当社は、当社従業員複数名が自身らと関連を有する会社等に対して架空発注や水増発注による不適切な発注を行っ
ていたこと(以下「本件不正発注」といいます。)が発覚したことを受け、専門性公正性中立性をもった調査を行う
ため、2023年5月8日、特別調査委員会を設置し、同日より調査を進めてまいりました。さらにその後、特別調査委
員会による調査の過程で新たに収益又は費用の計上時期に関する不適切な会計処理の疑義(以下「追加疑義」)が判
明するに至り、当社は追加疑義に関して特別調査委員会から、当社から独立した外部有識者委員のみで構成される独
立調査委員会へ移行させ、追加疑義の点も独立委員会の委嘱事項に追加し、調査を進めてまいりました。
2023年6月26日に独立調査委員会より調査報告書を受領した結果、本件不正発注に関しては、過年度より当社のイ
ンフルエンサー事業部の従業員が、自ら手配した親密な取引先に対して架空または水増しした不正な発注を行い、当
社から資金を流出させるとともに、架空もしくは原価性のない外注費の原価計上が行われていたことが判明いたしま
した。また、追加疑義に関しては収益の計上時期の軽微な誤謬や、その他の会計処理の軽微な誤謬が判明いたしまし
たが、いずれも当社経営陣による不適切な意図、内部統制の無視や無効化は認められておりません。
当社は、これら不適切な会計処理による当社の過年度財務諸表への影響は限定的であるため、過年度の決算の訂正
は行わず、2023年12月期の第1四半期にて処理することとしております。
しかしながら、当社ではこれら不適切な会計処理の判明を踏まえ、改めて全社的な内部統制と業務プロセスの再評
価を行った結果、次項のとおり、内部統制の不備があったことを識別いたしました。当社は、これらの不備は財務報
告に重要な影響を及ぼす可能性が高いため、開示すべき重要な不備に該当すると判断し、財務報告に係る内部統制の
評価結果を訂正することといたしました。
2.開示すべき重要な不備の内容
(1)購買プロセスにおける不備
・売上原価の承認に関する内部統制の不備
インフルエンサー事業部においては、案件担当者1名が、クライアントの意向を踏まえて仕入先を選定の上、発
注し、仕入先から納入された成果物をクライアントに納品する、といったように、一連の過程を個人商店的に単独
で担当しておりました。そのため、特に納品物(コンテンツなど)が存在しないクリエイターのサポート業務等の
場合には、上長による承認も形式的なものとなり、担当者以外の第三者による牽制により、不正発注を予防・発見
する機能が不十分なものとなっておりました。
当該購買業務プロセスに係る内部統制上の不備について、訂正の対象となる内部統制報告書(以下、「当初の内
部統制報告書」といいます。)の評価において、重要な不備として評価できておりませんでした。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲は、当初の内部統制報告書における「2 評価の範囲、基準日及び評価
手続に関する事項」に記載の通り、財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価結果
を踏まえて選定し、本件不正発注が検出されたインフルエンサー事業部を含む法人セールス事業の購買業務プロセ
スも評価対象としておりました。したがって業務プロセスの評価範囲については現時点においても特に変わらず適
切であったものと判断しております。
しかしながら、購買業務プロセスの評価が形式的な評価にとどまり、売上原価の実在性に対応する内部統制につ
いて不正リスクを十分に考慮した評価ができておらず、また、本件不正発注に関連する売上原価が検証対象サンプ
ル取引として抽出されていなかった結果、これらの業務プロセスに係る内部統制の運用上の不備について検出でき
なかったものと考えております。
(2)全社的な内部統制上の不備
・リスクの評価と対応:不十分なリスクへの対応
インフルエンサー事業部における個人商店的な業務遂行について、当社経営陣においても本件不正発注が発覚す
る以前から、担当者が取引先と通謀して不適切な発注を行う可能性も認識しておりましたが、十分な対応を行う必
要がある不正リスクとまでは認識できず、本件不正発注のような不適切な発注を予防・発見するための具体的な対
策を講じることができておりませんでした。
本来このようなリスクが比較的高い領域においては、現業部門(第1ライン)内での日常的モニタリングを通じ
たリスク管理、取引実施時及び取引実施後に間接管理部門(第2ライン)及び内部監査部門(第3ライン)におい
て、より慎重かつ批判的な運用を行っておくべきであったところ、そのような対応に至っておりませんでした。
当該全社的な内部統制上の不備について、当初の内部統制報告書の評価においては、開示すべき重要な不備とし
て評価できておりませんでした。
当該不備は当初の内部統制報告書における全社的な内部統制の評価範囲内での不備であり、当初の内部統制報告
書における評価範囲については、現時点においても特に変わらず適切であったものと判断しております。しかしな
がら、当時の全社的な内部統制の評価が規程類の確認等の形式的なものに留まり、実質的な観点からの評価ができ
ていなかったためであったと考えております。
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訂正内部統制報告書
(3)開示すべき重要な不備を是正するために実施された措置と是正の状況
当社ではこれら開示すべき重要な不備も含め、今回の一連の不適切な会計処理の原因分析に対し、特にインフル
エンサー事業における個人商店的な業務のようなリスクの高い取引や領域についての議論を進めており、今後、
「3 訂正箇所及び訂正の内容」に記載した再発防止策を設定・実行し、適切な内部統制の整備・運用を図ってい
く予定でありますが、本報告時点ではこれら開示すべき重要な不備の是正には至っておりません。
2【訂正事項】
3 評価結果に関する事項
4 付記事項
3【訂正箇所】
訂正箇所は___を付して表示しております。
3【評価結果に関する事項】
(訂正前)
上記の評価の結果、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効であると判断いたしまし
た。
(訂正後)
下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要
な不備に該当するため、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断いたし
ました。
記
当社は、当社従業員複数名が自身らと関連を有する会社等に対して架空発注や水増発注による不適切な発注を行っ
ていたこと(以下「本件不正発注」といいます。)が発覚したことを受け、専門性公正性中立性をもった調査を行う
ため、2023年5月8日、特別調査委員会を設置し、同日より調査を進めてまいりました。さらにその後、特別調査委
員会による調査の過程で新たに収益及び費用の計上時期に関する不適切な会計処理の疑義(以下「追加疑義」)が判
明するに至り、当社は追加疑義に関して特別調査委員会から、当社から独立した外部有識者委員のみで構成される独
立調査委員会へ移行させ、追加疑義の点も独立委員会の委嘱事項に追加し、調査を進めてまいりました。
2023年6月26日に独立調査委員会より調査報告書を受領した結果、本件不正発注に関しては、過年度より当社のイ
ンフルエンサー事業部の従業員が、自ら手配した親密な取引先に対して架空または水増しした不正な発注を行い、当
社から資金を流出させるとともに、架空もしくは原価性のない外注費の原価計上が行われていたことが判明いたしま
した。また、追加疑義に関して収益の計上時期の軽微な誤謬や、その他の会計処理の誤謬が判明いたしましたが、い
ずれも当社経営陣による不適切な意図、内部統制の無視や無効化は認められておりません。
当社は、これら不適切な会計処理による当社の過年度財務諸表への影響は限定的であるため、過年度の決算の訂正
は行わず、2023年12月期の第1四半期にて処理することとしております。
本件不正発注の直接的な原因は、当社のインフルエンサー事業では個人商店的に案件担当者1名が、仕入先の選定
から、発注、納品に至るまでの一連の過程を単独で担当していたことから、特に納品物(コンテンツなど)が存在し
ないクリエイターのサポート業務等の場合には、上長による承認も形式的なものとなり、担当者以外の第三者による
牽制が有効に機能しなかったこと(購買プロセスにおける売上原価の実在性に関する内部統制の不備)にあると考え
ております。
またその背景には、当社の全社的な内部統制において、このようなインフルエンサー事業部における個人商店的な
業務遂行について、担当者が取引先と通謀して不適切な発注を行う可能性も認識しておりましたが、十分な対応を行
う必要がある不正リスクとまでは認識できず、本件不正発注のような不適切な発注を予防・発見するための具体的な
対策を講じることができておりませんでした(全社的な内部統制:リスクの評価と対応の不備)。
これらの購買業務プロセス及び全社的な内部統制における不備は財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべ
き重要な不備に該当すると判断いたしました。
なお、上記の開示すべき重要な不備については当事業年度の末日後に認識したため、当事業年度の末日においては
是正が完了しておりません。
当社は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の重要性を認識しており、内部統制の向上を図ってまいります。
また、独立調査委員会の再発防止策に関する提言を踏まえ、前述の開示すべき重要な不備への対応も含め、以下の内
容について再発防止策を具体化し、実施いたします。
1 不正発注に対する3ラインモデルを踏まえた統制強化と全社的な内部統制の改善
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訂正内部統制報告書
(1)第1ライン(現業部門)での対策:
発注前の承認手続きの実施:上長が各発注行為の適切性を吟味し、承認する手続きを確実に履行する。
成果物の実在性確認の徹底:成果物の実在性を徹底的に確認し、具体的な成果物を伴わない発注については発
注先等から証憑の入手を必須とする。
事後的な発注行為の妥当性審査の追加:月次での取引確定作業時に発注内容の妥当性を確認し、案件担当者以
外による審査体制を構築する。
案件担当者間の定期的な交替の実施:特定の担当者があまり長期にわたり同種の案件を継続することがないよ
うに担当者の見直しを適宜実施する。
発注先ごとの定期的な検証:定期的に発注先ごとの利用者の偏りや急激な発注の金額増加を確認し、不正発注
の兆候を早期に発見する。
(2)第2ライン(間接管理部門)での対策:
取引先の実態調査の実施:新規取引先の登録に際しては、発注先の反社会的勢力該当性だけでなく、案件担当
者からも情報を集め、新規取引先の業務実態の調査も行う。
(3)第3ライン(内部監査部門)での対策:
内部監査の強化:内部監査計画の策定と監査手続の実施において、不正発注のリスクを念頭に置き、発注先の
適切性や成果物の納品状況をサンプリング調査する。
(4)不正発注の防止に向けた体制強化:
意識改革推進:当社経営陣において不正リスクへの意識強化を行う。定期的な研修やセミナーの受講を通じ
て、リスク意識の醸成とリスクマネジメント手法の習得を進める。
職務内容の明確化と人員配置:不正防止のためのキャプテンの役割を明確に定義し、各職位の責任と権限を明
文化。その上で、人員配置を適切に行い、不正発注を防ぐための仕組みを強化する。
(5)内部監査体制の再検証と強化:
内部監査体制の検証:内部監査体制を再検討し、必要な体制増強を行う。また内部監査の重要性について、社
内への浸透を図る。
2 会計上の誤謬を防止し、適切な財務報告のための体制強化と意識改革
(1)会計上の誤謬を防止するための決算体制の改善:
業務システムの見える化:当社の売上高や売上原価の会計処理のための基礎データの集計・算定を行う業務シ
ステムの計算過程と集計ロジックを経理・会計処理目線で改めて解析し、算定プロセスの透明性を図ったうえ
で、決算業務における数値検証の精度の向上を図る。
Fanicon事業の会計処理の再整理と統制強化:Fanicon事業に関する会計処理を再整理し、取引区分ごとの整理
と理解深化を進める。また、業務システム外での集計となる取引については、事業部から経理部への情報伝達
と、経理部による該当取引のチェック体制を強化する。
経理部の人員拡充:経理部の人員補充を行い、前述のシステム内の集計ロジックや会計処理の整理の過程で、
改めて経理業務に資する手順書の整備も進める。
各部間の連携強化:開発部と経理部、事業部と経理部、事業部と開発部の間でのコミュニケーションを強化す
る。具体的には、各部間での定期的なミーティングを設け、新たなビジネスや取引の事前検討、システム改修の
要望などを共有する体制を確立する。
発注管理に関連する内部統制の構築:費用の計上漏れが発生しないように、発注管理の仕組みを再検討し、統
制を強化する。
経理部におけるチェック体制の強化:会計処理の検証体制を強化する。証憑管理体制を整備し、証憑の存在や
整合性を確認するチェックリストを作成し、会計上の誤謬を防ぐ仕組みを構築する。
(2)適切な財務報告体制の強化と意識改革:
財務報告体制の強化:経理部や各事業部における管理機能、会計処理を支える業務システムに配分するリソー
スを全社で最適化し、財務情報の適時かつ正確な開示のための体制を確保する。
意識改革と教育:上場企業としてのインテグリティを経営陣から全従業員まで理解させるため、経営陣は今回
の事案をもとに再認識し、全社に対して強いメッセージを発信する。特に、経理部員と各事業部のキャプテン・
リーダーに対しては、適切な財務報告のための役割や責任についての研修を実施する。これにより、コンプライ
アンスを重視した経営体制を確立し、全社的な意識改革を推進する。
4【付記事項】
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訂正内部統制報告書
(訂正前)
該当事項はありません。
(訂正後)
2023年6月30日に提出いたしました第8期(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)内部統制報告書の訂正報
告書では、2021年12月31日時点において、開示すべき重要な不備を識別し、当社の財務報告に係る内部統制は有効で
はないと判断しましたが、当該開示すべき重要な不備の識別が当事業年度末日以降となったため、当事業年度末日ま
でに是正することができておりません。
以 上
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