株式会社旅工房 内部統制報告書 第29期(2022/04/01-2023/03/31)
EDINET提出書類
株式会社旅工房(E33110)
内部統制報告書
【表紙】
【提出書類】 内部統制報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条の4の4第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2023年6月30日
【会社名】 株式会社旅工房
【英訳名】 TABIKOBO Co. Ltd.
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 岩 田 静 絵
【最高財務責任者の役職氏名】 該当事項はありません。
【本店の所在の場所】 東京都豊島区東池袋三丁目1番1号
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
株式会社旅工房大阪支店
(大阪府大阪市中央区難波五丁目1番60号)
株式会社旅工房名古屋支店
(愛知県名古屋市中村区名駅二丁目38番2号)
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内部統制報告書
1 【財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項】
代表取締役社長岩田静絵は、当社の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、企業会計審議会の
公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施
基準の設定について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を整備及び
運用しております。
なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合理的
な範囲で達成しようとするものであります。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全に
は防止又は発見することができない可能性があります。
2 【評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項】
財務報告に係る内部統制の評価は、当事業年度の末日である2023年3月31日を基準日として行われており、評価に当
たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠しております。
本評価においては、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を行った
上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定しております。当該業務プロセスの評価においては、
選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、当該統制上の
要点について整備及び運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を行いました。
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、当社グループについて、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点か
ら必要な範囲を決定しております。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的及び質的影響の重要性を考慮し
て決定しており、会社及び連結子会社1社を対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに
係る内部統制の評価範囲を合理的に決定しました。なお、連結子会社3社については、金額的及び質的重要性の観点か
ら僅少であると判断し、全社的な内部統制の評価範囲に含めておりません。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、当社の売上高だけで連結売上高(連結会社間取引消去後)の3
分の2以上となることから、当社を「重要な事業拠点」としました。選定した重要な事業拠点においては、企業の事業
目的に大きく関わる勘定科目として売上高、仕入高、売掛金、買掛金、旅行前受金、旅行前払金、人件費及び経費に至
る業務プロセスを評価の対象としました。さらに、選定した重要な事業拠点にかかわらず、それ以外の事業拠点をも含
めた範囲について、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積りや予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセスやリ
スクが大きい取引を行っている事業又は業務に係る業務プロセスを財務報告への影響を勘案して重要性の大きい業務プ
ロセスとして評価対象に追加しております。
3 【評価結果に関する事項】
下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不
備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効
ではないと判断いたしました。
記
2022年2月4日に当社取締役会に対し、当社リスクコンプライアンス委員会より、Go Toトラベル事業給付金の受給を
申請していた取引の一部に、宿泊等の実態がないために給付金の受給対象とならない可能性を否定できない取引が存在
し、当該取引がなされるに至った経緯、当該取引への当社の関与の実態その他の事実関係について精査が必要となると
の報告を受け、調査委員会(以下「本件調査委員会」といいます。)を設置して事実関係の解明に向けた調査(以下
「本件調査」といいます。)を進めてまいりました。
本件調査委員会の調査報告書(以下「本件調査報告書」といいます。)では、当社においては、利得目的のために利
用されたという可能性はあっても、少なくとも、自ら旅行商品の「不適切」な催行実態に加功し又は積極的に関与した
とまでは認められておりませんでした。しかしながら、本件調査報告書では、本件旅行商品は、当該取引に関与した実
質的に同一又は一体とみられる3社がGo Toトラベル事業給付金によって利得を得ようとした可能性が高い「不適切」な
ものであると評価されました。
これらの調査結果を踏まえ、当社は、売上高、売上原価及び受取補償金の訂正、貸倒引当金の計上等を行い、2021年
3月期第3四半期以降の決算を訂正し、2021年3月期有価証券報告書及び2021年3月期第3四半期から2022年3月期第
2四半期までの四半期報告書について訂正報告書を提出いたしました。
本件調査委員会の指摘に係る事実は、当社における法人向けの新規大口取引に対するリスク識別に関する全社的な内
部統制の不備及び、給付金に関する業務プロセスの一部における各種申請、届出等の要件の確認手続きの不十分性と
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いった不備に起因するものであると認識しております。これらの不備は当事業年度末までに、再発防止策を実行するこ
とで是正いたしました。
しかしながら、その後外部機関より、本件調査の対象となった取引のうち売上計上に関する事実関係(資金循環の有
無やその内容、当社の役員の関与又は認識等)について、より深度のある調査をすべきとの指摘がなされました。これ
を受けて、当社は当該事項についての事実関係の再検証が必要と判断し、検証委員会(以下「本件検証委員会」といい
ます。)を設置して事実関係の解明に向けた検証(以下「本件検証」といいます。)を進めてまいりました。
本件検証委員会の検証報告書(以下「本件検証報告書」といいます。)では、調査の対象となった旅行商品の販売取
引が、役務提供の相手方ではないGo Toトラベル事業給付金事務局からGo Toトラベル事業給付金の支給を受けることの
みを目的とした資金循環取引であり、かつ、当該旅行商品の売上が計上された2021年3月期の第3四半期報告書及び有
価証券報告書が提出された時点において、高山泰仁元代表取締役会長兼社長(以下「高山元社長」といいます。)及び
CFOを含む2名の元取締役は、当社を起点とする資金循環を認識し、又はこれに関与していたと評価され、当社は、少な
くとも資金循環取引による売上の過大計上という側面では、スキームのなかで唯一資金負担リスクを負って資金循環取
引を行っている以上、スキーム全体でまさに中心的な役割を担って資金循環取引に加担したとの評価は免れないと評価
されました。
これらの検証結果を踏まえ、当社は、2021年3月期有価証券報告書及び2021年3月期第3四半期から2022年3月期第
2四半期までの四半期報告書の訂正報告書について訂正報告書を提出いたしました。
Go Toトラベル事業給付金の給付を目的とした資金循環取引による売上の過大計上が発生した事実や早期に是正されな
かった事実は、業務執行取締役における上場会社の役員として最低限備えておくべき基礎的な会計知識や感度の不足、
CFO及び管理部門の業務分掌及びその運用に関する不備、事後対応における経営陣の不誠実な開示姿勢に起因するものと
認識しております。
上記の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備が、当事業年度の末日までに是正されなかった理由は、検証
委員会から検証報告書を受理した2023年2月10日から事業年度の末日までに、再発防止策を整備し運用する期間を十分
確保できなかったためです。
なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、全て財務諸表及び連結財務諸表に反映しております。
当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、本件調査委員会及び本件検証委員会の指摘・提言を踏ま
え、以下の再発防止策を講じております。
(1)経営責任の明確化
本件資金循環取引に関与した取締役3名のうち、CFOを含む2名の取締役は前期(2022年3月期)に既に退任して
おり、高山元社長についても、検証委員会の報告を受け、取締役を辞任したい旨の申し出があり、当社はこれを受理
しております。新しい代表取締役社長には、コーポレート部門出身であり、本件資金循環取引の懸念点を当時のCFO
に相談するなどしていた、岩田静絵が就任いたしました。
(2)指名・報酬委員会設置
取締役の指名・報酬等に関する手続きの客観性・透明性を確保するために、任意の指名・報酬委員会を2023年3月
15日の取締役会にて設置いたしました。2023年6月開催の定時株主総会では、この指名・報酬委員会の答申を得た取
締役候補を提案いたしました。また、その報酬額においても、同委員会の答申を得たものとすることを念頭において
おります。
(3)経営幹部の会計リテラシーと会計不正リスク感度の向上
当社の会計監査人、他の監査法人、アドバイザリー会社が開催しているセミナー等の知見を獲得する機会につい
て、コーポレート部門にて広く情報収集し、執行役員以上の経営幹部は、少なくとも半期に一度を目安にセミナー等
を受講し、また、そのようなセミナー等を受講した役職員が、受講しなかった役職員に対して情報共有するための機
会を設定するようにいたします。
(4)CFO(コーポレート管掌取締役)の職責の限定
当社のコーポレート管掌取締役が所管する範囲が広範囲に及ぶため、2023年6月開催の定時株主総会において新た
に選任された取締役に、コーポレート企画、IR、人事を委譲し、2023年9月までに法務・コンプライアンスを所管す
るスキルとリテラシーのある執行役員クラスの人材を採用する予定です。営業サポートに関しては、営業部門に移設
することで、コーポレート管掌取締役の直接的な所管範囲を財務、営業経理、経理に限定します。
(5)監査法人との連携の強化
現在の会計監査人とのコミュニケーションは、半期に1回の経営者ディスカッション(代表取締役、財務管掌取締
役)及び営業部門取締役ヒアリング、四半期毎のCFOヒアリング(財務管掌取締役)、その他経理財務の実務担当者
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内部統制報告書
との会計監査の中で、主に前四半期会計監査の中で課題認識されたことや不正に対する意識などにフォーカスした議
論を行っておりましたが、これらに加えて、取締役会で決議される金額の重要性が高い与信設定の取引や、過去の取
引 とは異質の新規の取引などの当四半期で新たに発生した議題にフォーカスしたディスカッションを四半期毎に行う
ようにいたします。
(6)営業部門とコーポレート部門の職務分掌の運用徹底
コーポレート部門の従業員に対して営業部門の業務を行っていないかに関するヒアリングを内部監査部門が四半期
毎に行うと共に、コーポレート部門及び営業部門の従業員に対する啓蒙を行ってまいります。
4 【付記事項】
該当事項はありません。
5 【特記事項】
該当事項はありません。
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