ファースト・アブダビ・バンク・ピー・ジェー・エス・シー(First Abu Dhabi Bank P.J.S.C.) 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出日 | |
提出者 | ファースト・アブダビ・バンク・ピー・ジェー・エス・シー(First Abu Dhabi Bank P.J.S.C.) |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
EDINET提出書類
ファースト・アブダビ・バンク・ピー・ジェー・エス・シー(First Abu Dhabi Bank P.J.S.C.)(E25742)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第 24 条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和5年6月 30 日
【事業年度】 自 令和4年1月1日 至 令和4年 12 月 31 日
【会社名】 ファースト・アブダビ・バンク・ピー・ジェー・エス・シー
( First Abu Dhabi Bank P.J.S.C. )
【代表者の役職氏名】 ラーズ・クレイマー
最高財務責任者
【本店の所在の場所】 アラブ首長国連邦、アブダビ、私書箱 6316 、ハリーファ・ビジネス・パー
ク-アル・クルム地区、 FAB ビルディング
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 芦 澤 千 尋
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区丸の内1丁目1番1号 パレスビル3階
クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03 - 6632 - 6600
【事務連絡者氏名】 弁護士 芦 澤 千 尋
【連絡場所】 東京都千代田区丸の内1丁目1番1号 パレスビル3階
クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03 - 6632 - 6600
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
(注)
1.本書において、別段の記載がある場合を除き、下記の用語は下記の意味を有するものとする。
ファースト・アブダビ・バンク・ピー・ジェー・エス・シーを
「当行」とは、
いう。ただし、本書中の記載は、別段の記載がある場合を除
き、連結ベースでなされているため、「当グループ」(以下に
定義される。)を指すことがある。
ファースト・アブダビ・バンク・ピー・ジェー・エス・シーお
「当グループ」とは、
よびその子会社をいう。
「 UAE 」とは、 アラブ首長国連邦をいう。
「政府」とは、 文脈上別段に解釈すべき場合を除き、アラブ首長国連邦の政府
をいう。
2.別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「ディルハム」はアラブ首長国連邦の法定通貨をいい、
「円」は日本円をいう。 2023 年6月1日現在の株式会社三菱 UFJ 銀行公表の対顧客外国為替相場の仲値
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は、1ディルハム= 37.96 円であった。本書において記載されているディルハムの日本円への換算はかか
る換算率によって便宜上なされているもので、将来の換算率を表するものではない。
3.本書において表中の数字が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
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第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
① 概説
本書提出日現在、当行の会社制度に関する法的事項を規制する主たる法律は、商事会社に関する
2021 年連邦法令第 32 号(その後の改正を含み、以下「 2021 年会社法」という。)である。当行は、
2021 年会社法に基づき 2023 年1月2日までに体制を調整することを義務付けられてい た。 また、当行
は、中央銀行、金融制度および銀行組織に関する 1980 年 UAE 連邦法第 10 号に基づき商業銀行の免許を取
得している。 1980 年 UAE 連邦法第 10 号は、中央銀行および金融機関および金融組織に関する 2018 年 UAE
連邦法第 14 号( 2020 年連邦法第 25 号および 2021 年連邦法令第9号による その後の改正を含み、以下
「銀行法」という。)に取って代わる。当行は、 2021 年会社法に加え、銀行法のうち商業銀行に関す
る規定の適用を受ける。
2021 年会社法上、商事会社は、無限責任組合( General Partnership )、有限責任組合( Limited
Partnership )、公開株式会社( Public Joint Stock Company )、非公開株式会社( Private Joint
Stock Company )または有限会社( Limited Liability Company )のいずれかの形態をとることができ
る。さらに、 2021 年会社法の規定上、銀行業および保険業を行うことができるのは公開株式会社
( Public Joint Stock Company )だけである。銀行法上、銀行(外国銀行の支店を除く。)は、公開
株式会社でなければならない。首長令により 1968 年2月 13 日に設立された当行は、公開株式会社とし
て登録されている。 2021 年会社法上、公開株式会社の株式資本は、均等な価値を有する譲渡可能な株
式に細分化されていなければならない。公開株式会社の発行済株式は、 30,000,000 ディルハム以上で
なければならない。
以下は、本書提出日現在の、当行を含む公開株式会社に適用される 2021 年会社法の一定の規定およ
び当行を含む銀行に適用される銀行法の一定の規定を要約したものである。
② 設立
当行は、 1968 年2月 13 日、当時のアブダビ首長国の首長たるシェイク・ザイード・ビン・スルタ
ン・アル・ナヒヤン殿下( Sheikh Zayed Bin Sultan Al Nahyan )の発令する命令を通してアブダビ首
長国において設立された。以下の要約は、 2021 年会社法における公開株式会社の設立手続を記載した
ものであるが、当該会社法の規定は 1968 年に当行が設立された時点では施行されていなかった。
2021 年会社法上、一部の例外を除き、公開株式会社の設立には、5人以上の発起人が存在しなけれ
ばならない。発起人は、基本定款および定款を作成しなければならないが、かかる作成は 2021 年会社
法ならびに基本定款および定款の施行にあたりなされた決議に従わなければならない。 UAE 証券・商品
委員会(以下「 SCA 」という。)は、公開株式会社の基本定款および定款の標準様式を公表しており、
公開株式会社は通常、かかる標準様式に準拠しなければならないが、かかる標準様式は、所轄の規制
当局の承認により具体的に改訂されることがある。なお、基本定款および定款には、特に、以下の内
容が含まれていなければならない。
(ⅰ)会社の商号および本店
(ⅱ) 会社設立の目的
(ⅲ) 発起人の 姓名 、住所および居住地、生年月日ならびに国籍
(ⅳ)発起人による設立手続完了の誓約
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(ⅴ)会社が設立により支払うことを誓約する、設立手続に要すると予想される経費、手数料および
費用の額を記載した見積書
(ⅵ) 株式資本の額、株式の数ならびに各株式の1株あたり額面金額および払込金額
(ⅶ) 現物出資による株式の記載、現物出資をした者の氏名、現物出資の当初価値、現物出資の条件
ならびに株式に付帯する担保権および優先権
公開株式会社の設立には、各首長国内の監督官庁(以下「監督官庁」という。)の認可を必要とす
る。かかる認可の申請は、監督官庁に対して設立申請書を基本定款および定款、会社が行おうとして
いる事業の経済的実現可能性についての検討資料、当該事業を行うための日程案ならびに監督官庁が
要求する他の書類とともに提出することによって行われる。かかる認可の申請の当該監督官庁による
当初承認後、発起人は、前述の書類を目論見書および所轄当局による承認書とともに SCA に提出しなけ
ればならない。 SCA は申請書を審査し、不足がない旨または設立申請を完了するために SCA が必要とみ
なす不備もしくは修正を発起人に対して伝える。発起人が当該不備の是正を怠った場合、当該設立申
請は放棄されたものとみなされることがある。所轄当局が設立書類(ならびに関連情報および承認
書)の要件遵守を認めてから、発起人は、基本定款および定款の認証済みの写しを監督官庁に提出す
ることになる。
2021 年会社法上、この点に関する SCA の要件を条件として、発起人は、目論見書に定める割合の範囲
で公開株式会社の株式を引き受けてから、その残余株式の公募引受の募集を行わなければならない。
公開株式会社の株式の公募引受の募集は、現地日刊新聞2紙(うち1紙はアラビア語による)に掲載
される目論見書に基づき行われなければならない。首長国投資庁( Emirates Investment Authority )
は、公募引受の募集がなされた株式のうち5%を上限として引き受ける権利を有する。公募引受の募
集は、目論見書に定める期間で行われる(ただし、 30 営業日以内とする。また、引受人不在の場合
は、 SCA の同意のもと発起人はかかる期間を目論見書に定める期間を上限としてさらに延長することが
できる。)。
③ 株主および株主総会
銀行法に基づき、銀行の総発行済株式の 60 %以上については、 UAE 国籍の者( UAE 法人を含む。)が
保有しなければならない。会社は、自社の設立書類において、より高い割合の UAE 国籍の者による保有
要件を規定することができる。
SCA による同意後、株主総会が予定される日の 21 日前までに、株主総会の招集通知を全株主宛に書留
郵便、定款に定める現代技術的手段または SCA が決定する方法により通知しなければならない。なお、
招集通知には議題を記載しなければならない。
各株主は株主総会に出席する権利を有し、保有する株式の数と等しい数の議決権を有する。なお、
株主は、委任状を作成することにより、会社の取締役以外の者を代理人として選任し、かかる代理人
を株主総会に出席させることができる。株主代理人は、その資格において、株式資本の5%超を保有
することはできない。
株主総会決議のための投票方法は定款に規定される。取締役の選任、解任または説明責任に関する
決議は秘密投票によらなければならない。
株主総会決議は、普通決議(該当する株主総会に出席した株主の単純過半数または定款に定めるそ
れ以上の承認を必要とする。)または特別決議(該当する株主総会に出席した株主の 75 %の承認を要
する。)のいずれかとする。
2021 年会社法および会社の定款に従って株主総会で可決された決議(普通決議または特別決議の別
を問わない。)は、全ての株主に対して拘束力を有する。合計して会社の株式の5%以上を保有する
株主による請求がある場合、 SCA は、総会で可決された決議について、株主の不利益となる場合、特定
の種類株式の株主が有利となる場合または取締役その他の者に特別な利益をもたらすための決議であ
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る場合、当該決議の執行の停止命令を発令することがある。ただし、この場合、請求根拠に重大性が
なければならない。
2021 年会社法上、株主総会は、最低でも1年に1回、事業年度の終了後4か月以内に、招集通知に
定められた日および場所において開催されなければならない。かかる年次株主総会における主たる議
題は、特に、以下のとおりである。
( A ) (i) 会社の前事業年度における事業活動および財務状態に関する取締役会作成の報告書ならびに
(ii) 監査報告書についての審議および承認
( B )会社の貸借対照表および損益計算書についての審議および承認
( C )必要に応じて、取締役および監査人の選任および任命
( D )配当の分配に関する取締役会による提案についての審議
( E )取締役もしくは監査人の責任の免除またはこれらの者に対する訴訟手続開始の決定
取締役会は、必要であるとみなす場合に、随時株主総会を招集することができる。取締役会は、会
社の監査人が招集を要請した場合、株主総会を招集しなければならず、要請から5日以内に取締役会
が招集しなかった場合には、監査人が株主総会を招集することができる。さらに、取締役会は、総計
で会社の資本の 10 %以上にあたる株式を保有する1名以上の株主が株主総会の招集を要請した場合、
取締役会は、株主総会を招集しなければならない。
SCA は、年次株主総会が上記の4か月の期間から 30 日以内に開催されなかった場合、取締役会のメン
バーの数が取締役会決議の定足数に不足する場合、 2021 年会社法違反もしくは定款違反または会社の
経営における不備が発生したと SCA がみなす場合、または株式資本の 10 %以上を保有する1名以上の株
主による請求があった場合において、取締役会が株主総会招集を怠った場合、株主総会招集を会社の
会長に要求することができる。会社の会長が SCA による当該要求に従うことを怠った場合、 SCA は、当
該会社の費用負担において、株主総会の招集通知を行う。
SCA および監督官庁は、代理人をオブザーバーとして株主総会に出席させることができる。かかる代
理人には議決権は与えられない。
株主総会の定足数は、定款により高い割合の規定がない限り、会社の株式資本の 50 %以上を保有 す
る株主が出席(委任状による代理出席を含む。)した場合に、定足数は満たされる。 定足数に満たな
かった場合には当該株主総会は延会され、1回目の総会後5日以上 15 日以内に2回目の株主総会が開
催される。2回目の株主総会においては、出席した株主数にかかわらず定足数は満たされているもの
とする。
公開株式会社( Public Joint Stock Company )の場合、株主総会における特別決議については、 総
会に出席している株主が保有する株式の 75 %の承認により可決されなければならず、増資(ただし、
SCA がこの点について交付した命令に記載の条件および規制を条件とする。)、減資(ただし、 SCA の
同意を要する。)または他社との合併(当該会社が公開株式会社( Public Joint Stock Company )の
場合、 SCA の命令の内容を条件とする。)(これらに限られない。)の場合に必要とされる。また、 公
開株式会社の定款変更についても、( SCA の同意とともに)特別決議が必要とされる。なお、商業銀行
が定款変更するためには、 UAE 中央銀行(以下「 UAE 中央銀行」という。)の事前承認が必要であり、
商業銀行の定款変更は、 UAE 中央銀行の管理する銀行登録簿に記録されることにより効力が生じる。
④ 取締役会および取締役会議長
(ⅰ)取締役の選任
公開株式会社の取締役会の構成、取締役の人数および任期は定款において定められる。取締役
は、株主総会における秘密投票によって選任され、選任は、累積投票により行われる。取締役の
過半数および取締役会議長は UAE の国籍を持つ者でなければならない。
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(ⅱ)取締役会の権限
公開株式会社の経営は、選任された取締役会により遂行される。取締役会は、 2021 年会社法ま
たは定款により株主総会の権限とされた事項を除き、会社の定款に定められた全ての権限を有す
る。ただし、3年を超える借入期間の金銭消費貸借契約の締結、会社の保有する資産についての
売却もしくは担保設定、会社の債務者に対する債務免除、和解もしくは仲裁の合意については、
定款において認められているかもしくはその性質上会社の目的の範囲内である場合を除き、取締
役会が行うことはできない。これらの2つの例外が該当しない場合、当該取引では会社の株主総
会の特別決議を要する。
(ⅲ)取締役会議長および 執行役員
取締役会は、取締役の中から、無記名投票により議長、議長不在時に議長を代理する副議長お
よび 執行役員 を選任する。取締役会は、 SCA に議長、副議長および 執行役員 の選任に係る決議を通
知する。さらに、会社が UAE 中央銀行の認可を受けている場合、 UAE 中央銀行の承認も必要とな
る。
取締役会議長は、裁判上および第三者との関係において会社を代表するが、会社の定款上、会
社の常務取締役が当該権限を有するものと規定している場合はこの限りではない。取締役会議長
は、その権限のいずれかを他の取締役に委任することができる。
(ⅳ)競業行為および利益相反行為
公開株式会社の取締役は、( A) 5社を超える UAE で設立された株式会社の取締役、( B) 2社を超
える UAE で設立された会社の会長もしくは副会長、または( C ) UAE で設立された他の会社の執行役
員を兼務してはならない。
取締役は、株主総会による1年ごとの事前承認がない限り、自己または他人の計算で、会社の
事業と競合する事業に参加してはならず、また会社の事業に属する取引を行ってはならない。
取締役は、取締役会における審議と承認の対象となった取引について、自己と会社との間に共
通の利益または利益相反がある場合、取締役会にその旨を申告しなければならない。当該取締役
はかかる取引に関する取締役会決議に参加することはできない。
(ⅴ)報酬
定款には取締役の報酬を定める方法を明記しなければならない。ただし、取締役の報酬は、関
連する事業年度の減価償却費および準備金を控除後の純利益の 10 %を超えてはならない。
ただし、 2021 年会社法上、上記にかかわらず、 SCA がこの点について定めた要件に従い、各取締
役に対しては、事業年度末に 200,000 ディルハムを上限として報酬を一括で支払うことができる。
ただし、これは、( i )会社が該当する事業年度に利益を上げられなかった場合、または( ii )会
社が該当する事業年度において利益を上げられたが、当該利益のうち各取締役への支払分が
200,000 ディルハム未満であり、各取締役に報酬を支払うことができないことを条件とする。
(ⅵ)取締役の解任
2021 年会社法の条項に従うことを条件として、株主総会においては、全てまたはいずれかの取
締役を解任することができる。この場合、解任した取締役の代わりに新たな取締役を株主総会で
選任しなければならない。
⑤ 監査人
公開株式会社には、1名以上の監査人を設置しなければならない。監査人は、取締役により指名さ
れ、株主総会で承認される。監査人の任期は1年で、株主総会決議により再任可能であるが、その任
期は連続した6年を超えることはできない。監査人の報酬は、株主総会決議により定められる。
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公開株式会社の監査人は、以下の要件 (これらに限られない。)の全て を満たさなければならな
い。
(ⅰ) UAE において専門職務を遂行する認可を受けていること、および公開株式会社の監査について5
年以上の経験を有していること。
(ⅱ)当該監査人が、 SCA に認定および登録されていること。
(ⅲ)監査人は、当該会社の監査人である期間中、当該会社の株主ではないこと、または当該会社の
取締役もしくは技術職、管理職もしくは執行職に従事しないこと。
(ⅳ)監査人は、当該会社の発起人または取締役の共同事業者、代理人または2親等以内の親族では
ないこと。
(ⅴ)会社が UAE 中央銀行の認可を受けている場合、当該監査人は、 UAE 中央銀行に登録されている公
認監査人であること。
監査人は、会社の会計を監査し、会社の貸借対照表および損益計算書を検査し、関係者との公開株
式会社の取引を検証し、 2021 年会社法および当該会社の定款の規定が適用されていることを確保す
る。監査人は、監査業務についての結果報告書を株主総会に提出し、かつ、 SCA および監督官庁にその
写しを提出しなければならない。
報告書作成時に監査人は、( i )会社の会計記録の正確性および( ii )会社の記録とその会計記録と
の整合性の程度を検証しなければならない。
監査人は、全ての会社の帳簿、記録その他の文書を調査することができ、職務の遂行に必要な場合
には釈明を求め、また、会社の資産、権利および負債を確認することができる。
⑥ 株式
(ⅰ)株式の形式
公開株式会社の会社資本は、均一の額面金額に細分化された株式により構成される。
2021 年会社法上、1株あたり額面金額は、会社の定款に定めるとおりとする。
株式は、登録式でなければならず、無記名式とすることはできず、譲渡可能でなければなら
ず、分割することができない。
公開株式会社は現在、他の種類株式を発行することができない。ただし、 UAE 議会は、 SCA 委員
長の提案により、会社の他の種類株式を発行する能力を判断する決定を発令することができる。
株主はいずれも、自己の出資分の償還を請求することはできない。
(ⅱ)資本の維持
公開株式会社は、株主の株式の払込債務を免除してはならず、当該債務と株主が会社に対して
有する債権とを相殺させてはならない。会社またはその子会社のいずれも、何人に対しても、会
社が発行する株式、債券またはスクーク (イスラム債) の保有のために財政的な支援を提供する
ことはできない。財政的な支援には、とりわけ、ローン、贈与もしくは寄付、担保として会社の
資産、他人の債務の担保または保証を提供すること、または当該他人の債務返済のために会社の
準備金、資金または利益を使用することが含まれる( ただし、これらに限られない。) 。
(ⅲ)株式の譲渡
UAE 内の認可金融市場のいずれかに上場されている会社の株式の所有権は、 SCA および当該株式
が上場されている金融市場の適用ある手続に従い譲渡することができる。
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市場に上場されていない株式の所有権は、会社が保有する株式名簿にかかる譲渡を記入するこ
とにより譲渡される。当該記入は、株券に記載されるものとし、当該譲渡は当該記入日付で当該
会社または第三者に対して発効する。
⑦ 計算
公開株式会社の事業年度は定款に定められる。ただし、銀行法上、商業銀行の事業年度は、1月1
日から 12 月 31 日までとされる。
公開株式会社の取締役会は、貸借対照表(事業年度末現在)および損益計算書を含む各事業年度の
決算書を作成しなければならない。会社の決算書については、国際会計基準に従い作成し、事業年度
における会社の利益または損失および事業年度末現在の業務について真実かつ公正な見解を示さなけ
ればならない。会社の事業年度の決算書は、監査人の監査を受け、当該監査人は監査報告書を作成す
る。当該決算書は、取締役会により承認され、監査報告書とともに会社の事業年度終了後4か月以内
に開催される株主総会に提示される。
公開株式会社の純利益の 10 %(定款でより高い割合を定めた場合にはこれに従う。)は、毎年、法
定準備金として留保される。公開株式会社の定款でより高い割合を定めた場合を除き、法定準備金の
金額が会社の払込済資本の 50 %に達した場合、かかる純利益の留保を株主総会の決議により停止する
ことができる。法定準備金を株主に対して配当することは認められない。ただし、株式資本の 50 %を
超える法定準備金については、会社が株主に対する分配に十分な純利益に達しなかった事業年度にお
いて、公開株式会社の定款に定める割合に従い、株主に対する配当に利用することができる。公開株
式会社の定款は、定款の定める目的における任意積立金を設定するために、純利益のうち一定の割合
を配分することを定めることができる。任意積立金は、株主総会による決議がある場合を除き、かか
る目的以外に利用することはできない。
公開株式会社の株主は、会社が分配可能利益を有している場合で、かつ、株主総会がかかる利益配
当を承認する決議をした場合、保有する株式の数に応じて配当を受領することができる。株主総会で
は、法定準備金および任意準備金控除後に株主に分配される純利益の割合を決定しなければならな
い。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
当行は、定款において、法律で認められる範囲で、会社の組織に関する事項について規定している。
以下は、本書提出日現在の当行の定款の重要な規定を要約したものである。
① 目的
当行の設立の目的は、以下の通りである。
自己の勘定および第三者の勘定において、いかなる制約もしくは制限なしに、現行法および適宜施
行される法律において認められるあらゆる銀行取引および金融取引を行うこと、または、国内におい
ておよび国際的に認められた原則、慣習および規則に従い、商業銀行の通常の業務活動範囲内と考え
られる、上記に関連付随するあらゆる事項を行い、または取り扱うこと。当行は、上記の目的の実現
に必要な一切の行為および取引を何ら限定されることなく実行することができ、特に以下を行うこと
ができる。
(ⅰ) 直接か間接かを問わず銀行法の条項に従うことを条件として、当行の目的の達成に関連するま
たは必要なあらゆる行為、取引、契約および合意を行い、直接または間接の別を問わず、当行
の目的の実現を支援し、当行の資産、財産もしくは権利の価値を高め、または当行の利益を増
加させるその他の行為、取引、契約および合意を実行しもしくは締結すること。
(ⅱ) 請求払いまたは通知払いの別を問わず、預金として資金を受領し、受け入れること。
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(ⅲ) 顧客に貸付金および前渡金の提供を行うために、その全部または一部として用いるため債券ま
たは預金証書を利用すること。
(ⅳ) 現行法または慣習に従って、担保付または無担保の貸付け、借入その他の様々な銀行業務の提
供を行うこと、および、抵当権、質権、先取特権、その他の担保権を設定しまたは受け入れる
こと。
(ⅴ) あらゆる種類および様式の信用状を開設、変更、期間延長、撤回または確認すること。
(ⅵ) あらゆる種類および様式の保証状を発行、更新、期間延長もしくは撤回し、またあらゆる種類
および様式の担保を提供すること。
(ⅶ) あらゆる種類の小切手を発行し、その対価を受け取ること。現行法に従い、トラベラーズ・
チェックを販売し、クレジットカードを発行すること。
(ⅷ) 公募債または特別債を発行し、株式の引受けを組成すること。
(ⅸ) 首長国証券・商品委員会および市場に関する 2000 年 UAE 連邦法第4号および銀行法ならびにこ
れらの施行により公布された全ての規制に従うことを条件として、自己または他人の名義およ
び勘定であらゆる種類のデリバティブ、買戻し取引(レポ取引)、ストラクチャード・ファイ
ナンス商品、為替および貴金属の取引を行うこと。
(ⅹ) 関連法に従い、ブローカーもしくは代理人を介し、自己または他人の名義および勘定で、国内
外を問わず様々な金融商品を売買すること。
( xi ) あらゆる動産および/または不動産ならびに現行法(銀行法を含む。)が適宜認める範囲にお
けるあらゆる種類の権利について、所有、売却、賃貸借または抵当権設定を行うこと。
( x ⅱ)あらゆる種類の債券、手形、約束手形、小切手、為替手形、船荷証券その他のあらゆる商業・
金融証券について、割引、購入、売却および取扱いを行うこと。
( x ⅲ)貸金庫を賃貸し、あらゆる種類の様々な保管物およびその預託物を受領すること。
( x ⅳ)国内外のあらゆる官庁、準公的機関、裁判所、仲裁委員会、公共機関、会社、個人その他団体
または関係者に対し、当行を代理して当行の名において行為し、当行の目的を実行し実現する
ために必要な一切の行為および事項を行い、実行する弁護士、代理人その他の者を指名および
任命すること。
( xv ) 当行の事業活動の範囲内と考えられ、または、当行の目的の全部または一部を実現するために
必要とみなされる一切の行為および事項を実行、遂行および執行すること。
( x ⅵ)当行の事業および業務の管理に必要な社内規程を適宜策定し、必要に応じこれを改訂するこ
と。
( x ⅶ)当行の事業と類似した業務を行う他の団体、会社、銀行または金融機関が UAE 内外において当
行の目的実現に寄与する場合に、これに出資し、または何らかの形でこれに参加すること。当
行は当該団体、会社、銀行または金融機関を取得もしくは買収し、またはこれと提携すること
ができる。
( x ⅷ) 直接またはブローカーもしくは代理人を介するかを問わず、自らまたは第三者の勘定におい
て、 資金またはポートフォリオを運用すること。また、国で施行される法律、規則および決議
に従い、カストディアン、マーケットメーカーおよび会社登記業務を行うこと。
( x ⅸ)銀行法および現行法ならびに慣習に従うことを条件として、自らの勘定または第三者の勘定の
別を問わず、銀行業務または金融業務を行うこと。
( xx ) UAE 内外において事業を行うこと。
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② 株式
当行の株式は全て記名式であり、当行の株式の UAE 国籍の者による保有比率は常時、資本の 60 %以上
とする。
③ 増資または減資
2021 年会社法および銀行法の規定に従い、当行は、( i ) 発行済株式と同額の額面価額での株式の新
規発行(当行は、株式の額面価額に株式プレミアムを上乗せすることを決定し、その金額を定めるこ
とができる。)により、( ii )当行準備金の資本組入れにより、または( iii )転換社債もしくはス
クーク(イスラム債)の転換により増資を行うことができる。 2021 年 会社法の規定に従い、当行の減
資も可能である。
新規発行株式は、額面価額を下回る価額で発行してはならないが、新規発行株式が額面価額を上回
る価額で発行された場合、法定準備金が資本の半分を超えることになったとしても、その差額は法定
準備金に加えられるものとする。
増資または減資は、当行の取締役会(以下「取締役会」という。)の提案に基づく株主の特別決議
に基づき、監査人による報告を検討した上で、 UAE 中央銀行および SCA の承認を得た場合に限り行われ
る。減資の場合には、決議の中で、減資額および減資の方法を定める。増資の場合には、提案の中
で、増資額、各株式の額面価額および既存株主のうち増資を引受ける権利を有する者を定める。
新規発行株式は、株式の引受申込書を提出した株主に対して、それぞれの株式保有比率に応じて分
配されるが、株主は、自身で依頼した株式数より多くの株式を割当てられることはない。分配後の残
りの株式は、自ら保有する株式数より多くの株式の引受申込みを行った株主に対して分配されるが、
株主は、自身で依頼した株式数より多くの株式を割当てられることはない。さらに残った株式につい
ては、 SCA が定める規制に従って公募を行うものとする。
株主の優先買取権にかかわらず、 2021 年会社法の規定およびこの点に関して SCA が公布した規制に
従って、または当行の従業員株式オプション制度の設置および運営のために、 もしくは 当行の債務、
社債および証書を当行株式に転換するために、 該当する総会で議決権を行使できる当行持分の3/4
以上を有する共同事業者の承認をもって増資することができ、かかる増資の割合は、各共同事業者が
有する当行持分の割合に応じたものとする。
④ 株主の有限責任
株主は、自己の保有する株式の出資額を超えて、当行の行為につき責任を負わないものとする。
⑤ 株式の譲渡
当行は、当行株式の発行、登録、取引、譲渡および担保設定に関し、上場されている金融市場で施
行されている法律、規則および決議に従って、その結果生じる権利を実現するための手配を行う。当
行の株式についての権利放棄、処分または担保設定が当行の定款の規定に違反する場合には、当行は
かかる権利放棄、処分または担保設定は行わない。
⑥ 配当
株式に係る配当は、これに関して SCA が公布した規則、決議および通達に従って株主に支払われる。
⑦ 取締役会
(i)取締役の選任および取締役会の構成
当行の経営陣は取締役会に帰属するものとし、取締役会は、 2021 年会社法第 143 条 2項 の規定に
基づき、累積無記名投票により選任される取締役 11 名で構成される。全ての場合において、議長
を含む取締役の過半数は、 UAE 国籍の者とする。
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取締役会は、取締役会決議で定める基準に従い選任される社外取締役の議席数を割り当てるこ
とができる。かかる社外取締役は、累積無記名投票によって選任される。
取締役の任期は、3年間とする。この任期の終了時に、取締役会は再構成される。任期の終了
した取締役については、これを再任することができる。
取締役会は、取締役会における欠員を補うために取締役を任命することができる。ただし、こ
の任命は、普通決議により、当該任命を承認しまたは他の取締役を任命するために開催される直
後の株主総会(以下に定義する。)に上程されなければならない。
欠員数が当初の取締役の員数の4分の1に達した場合、欠員を補う者を選任するために、最後
に欠員が生じた日から 30 日以内に株主総会(以下に定義する。)を招集するものとする。
あらゆる場合において、新任の取締役は前任の取締役の任期を引き継ぐ。
取締役会は、取締役の中から議長および副議長を無記名投票により選任するものとする。
議長は、裁判を含めて、あらゆる者に対して当行を代表し、取締役会の決定を執行するものと
する。
議長が不在その他の理由により職務を遂行できないときは、副議長がその職務を代行する。
議長は自らの権限の一部を他の取締役に委譲することができる。
取締役会は、当行の経営のため、取締役の中から1名以上の執行役員を選任し、その権限およ
び報酬を決定することができる。
取締役会は、取締役の中から監査委員会、指名・報酬委員会を組織するものとし、また、その
他の委員会を組織することもでき、その職務については設置時に決定するものとする。
取締役会議長、副議長、執行役員その他取締役会により授権された取締役は、各自当行を代表
して署名する権限を有する。
(ⅱ)取締役会の権限
取締役会は、当行の経営を行い、その目的を実現するために必要なあらゆる行為を行う一切の
権限を有するものとし、かかる権限は、 2021 年会社法、定款または株主総会(以下に定義す
る。)決議によってのみ制限される。
取締役会は、3年を超える期間での金銭消費貸借契約の締結、当行の財産の売却、当行の動産
または不動産への担保設定、当行債務者の債務の全部または一部の免除、調停の実施、和解およ
び仲裁への付託の同意をすることができる。
取締役会は、事務、人事および金融取引に関する規程を定めるものとする。また、取締役会の
職務、議事ならびに権限および責任の分配に関する特別規程も定めるものとする。
(ⅲ)取締役会の審議
取締役会は、議長からの招集または取締役2名の要請により、必要に応じて当行の本店または
国内外の支店において開催される。取締役会による取締役会開催数は、 2021 年会社法ならびに UAE
中央銀行による銀行向けコーポレート・ガバナンス規則およびコーポレート・ガバナンス基準の
規定に従うものとする。
取締役会は、取締役の過半数が出席しない限り効力を有しないものとする。取締役は、他の取
締役を指名し自らの代理として議決権を行使させることができる。ただし、取締役は、いかなる
会議においても複数の代理権を有してはならないものとする。出席は、本人自ら現地に赴くか、
または SCA が認める電話等の音声もしくはテレビ会議等の映像による手段によるものとする。
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取締役会決議は、出席しまたは代理される取締役の過半数の賛成により採択される。可否同数
の場合、取締役会議長が決定票を投ずる。また、書面決議は認められない。
取締役会の議事録は、特別な記録簿に編綴され保管されるものとし、出席取締役および取締役
会秘書役により署名されるものとする。
決議に反対の取締役は、議事録に自らの意見を記録させることができる。
(ⅳ)取締役の責任
取締役は、その職務の過程においてまた権限の範囲内で関与した当行の行為につき、個人的に
責任を負わないものとする。
取締役会議長およびその他の取締役は、善良なる管理者の注意をもって当行の権利を保全し、
当行の利益のために働き、詐欺、職権濫用、 2021 年会社法、その他の法律および定款への違反、
ならびに経営上の過誤について、当行、株主および第三者に対して責任を負う。かかる責任は、
当該過誤が取締役の総意により採択された決議から生じた場合には、取締役全員について生じる
ものとする。ただし、対象となる決議が多数決により決せられた場合であって、異議を唱えた取
締役が反対意見を取締役会議事録に記載した場合には、当該取締役はその責任を負わない。ま
た、決定が行われた取締役会を欠席した取締役は、当該決定を知らないことについて、または知
りながら、これに異議を唱えることができないことについて特に証明しない限り、その責任を放
棄することはできない。
(ⅴ)取締役の報酬
株主総会(以下に定義する。)は、 2021 年会社法および定款第 33 条 および 55 条4項 の規定に
従って、毎年、取締役会の報酬を決定する。
⑧ 株主総会
(ⅰ)株主総会への出席および議決権
適法に招集された株主総会(以下「株主総会」という。)は全株主を代表するものとし、株主
総会は、アブダビにおいてのみ開催することができる。
株主総会の日の前営業日に当行の株式名簿に登録されている株主は、株主総会に出席する権利
を有し、その保有する株式の数と等しい数の議決権を有する。株主は、株主総会に出席する自ら
の代理人(ただし、取締役であってはならない。)を別途書面による委任状により指名すること
ができる。いずれの場合においても、代理人は、その資格において、当行の株式資本の5%超を
保有することはできない。未成年者および制限行為能力者については、その法定後見人を代理人
とする。
株主総会の前営業日に当行の株式名簿に登録されている株主のみが、かかる株主総会における
議決権を有するものとする。
(ⅱ)定足数および可決の要件
株主総会の適法な招集には、当行の株式資本の 50 %以上にあたる株式を保有する株主の出席を
要するものとする。最初の総会においてこの定足数に満たなかった場合には、最初の総会から5
日以上 15 日以内に再度株主総会が招集され、2回目の総会は出席株主の数に関係なく有効とされ
る。株主総会決議は、 2021 年会社法により株主総会の特別決議による採択が義務付けられていな
い場合には、当該総会の出席株主の保有する株式の 過半数 の賛成により可決される。
(ⅲ)株主総会決議事項
株主総会は、取締役会からの通知により、1年に1回以上、事業年度の終了後4か月以内に、
通知に記載された時および場所において開催される。
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株主総会は、特に、年間の当行の事業活動および財務状況に関する取締役会の報告ならびに監
査人の報告についての審議および承認、貸借対照表および損益計算書についての審議および承
認、 利益の分配基準の承認、(必要な場合には)取締役の選任およびその報酬の決定、監査人の
任命およびその報酬の決定、取締役および監査人の責任の免除、または場合により取締役および
監査人に対する損害賠償請求に係る決議を行うために開催されるものとする。
全株主の全員一致の承認を要する事項である株主の責任の増大または当行の基本目的の変更お
よびアブダビ外への本店の移転を除いて、株主総会は、資本の増減、当行の存続期間の延長また
は短縮、当行の他行との合併、当行の解散、当行の行う事業の売却または当行の行う事業のその
他の方法による処分等、定款の規定を変更するための特別決議を可決することができる。ただ
し、 2021 年会社法および銀行法の規定を斟酌し、変更の対象となる事項については、招集通知に
その詳細説明を記載する。
⑨ 計算
(ⅰ)事業年度
当行の事業年度は、毎年1月1日から 12 月 31 日までとする。
(ⅱ)財務書類
取締役会は、年次株主総会の少なくとも1か月前には、各事業年度に係る貸借対照表および損
益計算書を作成するものとする。取締役会は、事業年度における当行の事業活動、当該年度末に
おける財務状況、純利益の分配方法の提案に関する報告書も作成するものとする。
貸借対照表、損益計算書および取締役会の報告書の写しは株主に送付され、年次株主総会の議
題に添付される。
(ⅲ)配当支払の方法
当行の年間純利益は、費用その他の経費を控除した後、以下のとおり分配される。
(a) 10 %を控除して法定準備金に割り当てる。準備金の額が当行の払込済資本の少なくとも
50 %に達した場合には、かかる控除を停止するものとする。準備金の額が当該水準を下
回った場合には、控除を再開するものとする。
(b)銀行法に規定される準備金に係る要件に従い、さらに 10 %を控除して特別準備金に割り当
てる。かかる控除は、当該準備金が当行の払込済資本の 50 %以上に達するまで行われる。
株主は、当該特別準備金を使用することはできない。
(c)払込済株式価額の5%が、利益の一部として株主に分配するため控除される。ただし、一
年間の純利益が本部分の分配に足りない場合でも、翌年の利益からこれを分配することは
できない。
(d)上記を控除後、残額の 10 %を上限として、取締役会への報酬の支払に割り当てるものとす
る。
(e)純利益の残額は、利益の追加部分として株主に分配されるか、取締役会の提案に従ってそ
の翌年に繰り越されるか、または取締役会による決議に従い臨時準備金の設定に割り当て
られるものとする。
2【外国為替管理制度】
2022 年 12 月 31 日現在、当行が 2011 年に発行した社債(以下「本社債」という。)の購入もしくは取得ま
たは当行による本社債の利息および償還金の送金について UAE の外国為替管理上の制限は存在しない。
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3【課税上の取扱い】
以下の記述は UAE における法律および慣行の 一般的な概略に過ぎず、 法律または税務に関する助言ではな
く、当該助言ともならない。 本社債に投資しようとする投資家は、 自己の居住国の税法に基づく税務上の
影響、または本社債もしくは当行持分の購入、保有、処分もしくはそれに関わる利息による税務上の影響
について各自の税務顧問に相談すべきである。
会社が得た課税所得の全てに適用される法人税は現在、一部の首長国(アブダビを含む。)において独
自の法令を通じて施行されているものの、実際には、石油産業の川上で事業を営む外資系企業および外資
系銀行の支店にのみ適用されている。 2022 年1月 31 日付で UAE 財務省は、 営業収益に課す 法人所得税を導入
すると発表 しており、 2022 年 12 月9日には、 2022 年連邦法令第 47 号(以下「法人所得税法」という。)が
公布された。法人所得税法は、 2023 年6月1日以降に開始される会計年度より発効し、政府機関および政
府系企業等を除き、全首長国(即ち、 UAE 連邦全域)であらゆる事業活動および商業活動に適用されること
となる。 現行法上、 UAE またはアブダビ首長国の税制を理由に、負債証券(本社債を含む。)の元利金の支
払につき源泉徴収または控除を要求されることはない。
UAE 憲法は、 UAE 連邦政府の予算を調達するために、連邦ベースで税金を引き上げる権利を UAE 連邦政府に
明確に留保している。当該権利が将来において行使されるか否かは不明である。
UAE は他の一部の国と二重課税防止協定を締結している。 2013 年5月2日、日本との間で「所得に対する
租税に関する二重課税の回避および脱税の防止のための日本国とアラブ首長国連邦との間の条約」に署名
し、同条約は、 2014 年 12 月 24 日に施行された。
4【法律意見】
本書の提出に関連して、アブダビ法(以下に定義される。)に関し、当行の法律顧問であるクリフォー
ドチャンス・エルエルピーにより次の趣旨の法律意見書が提出されている。
(1)当行は、アブダビ法に基づき、公開株式会社として適法に設立され、存続している。
(2)本書の 「第一部 企業情報-第1 本国における法制等の概要」における 記述は、 当該記述が アブ
ダビ法 に関する記載である限り、 全ての重要な点において真実かつ正確である。
本目的において、「アブダビ法」とは、アブダビの法律および(アブダビにおいて適用される範囲にお
ける) UAE の法律(ただし、法律意見書の日付現在において ADGM のウェブサイトに公表され、施行されてい
る ADGM の法令に基づき ADGM で適用される法律を除く。)をいい、「 ADGM 」とは、アブダビ・グローバル・
マーケットに係る 2013 年第4号アブダビ法に基づき設立されたアブダビ・グローバル・マーケットをい
う。
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第2【企業の概況】
1
1【主要な経営指標等の推移】
連結
2022 年 2021 年 2020 年 2019 年 2018 年
12 月 31 日に終了した事業年度
営業収益(千ディルハム) 20,840,216 21,681,255 18,573,911 20,249,057 19,445,742
当期利益(千ディルハム) 13,422,111 12,542,272 10,552,508 12,592,623 12,066,389
12 月 31 日現在
1
資本合計(千ディルハム)
115,050,243 112,647,431 109,038,992 108,037,036 101,973,000
1
資産合計(千ディルハム)
1,110,056,095 1,001,096,103 919,060,532 821,968,015 743,886,387
12 月 31 日に終了した事業年度
基本1株当たり利益
1
(ディルハム) 1.18 1.10 0.93 1.10 1.06
希薄化後1株当たり利益
1
(ディルハム) 1.18 1.10 0.93 1.10 1.06
自己資本比率 15.6% 15.4% 16.5% 16.9% 15.7%
営業活動による/(に使用さ
れた)正味現金
1 1
(千ディルハム) 26,070,267 26,442,884 98,919,441 (5,866,468) 60,122,427
投資活動に使用された正味現
1
金(千ディルハム) (31,054,673) (4,593,158) (17,373,088) (23,778,674) (6,516,675)
財務活動(に使用された)/
による正味現金
1
(千ディルハム) (16,442,705) 11,775,157 6,297,950 5,312,700 (12,534,293)
12 月 31 日現在現金および現金
同等物(千ディルハム) 251,387,009 272,814,120 239,189,237 151,344,934 175,677,376
1.修正再表示済み。
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2【沿革】
当行は、公開株式会社であり、 2017 年3月 30 日(以下「合併効力発生日」という。)に発効したナショ
ナル・バンク・オブ・アブダビ(以下「 NBAD 」という。)とファースト・ガルフ・バンク(以下「 FGB 」
という。)との合併(以下「 FGB との合併」という。)により創設された。 FGB との合併は、商事会社に関
する 2015 年アラブ首長国連邦法第2号(以下「 UAE 会社法」という。)第 291 条の規定に従い発効し、当該
規定に従い、 FGB は解散し、かつ、合併効力発生日付でアブダビ証券取引所(以下「 ADX 」という。)から
FGB の株式が上場廃止された。存続会社かつ FGB の法定承継会社である NBAD は、合併効力発生日付で FGB の
全資産および全負債を自動的に引き継いだ。
2017 年4月 24 日、 NBAD 株主は、「ファースト・アブダビ・バンク・ピー・ジェー・エス・シー」に登記
上の名称を変更する旨承認するために必要となる決議を株主総会において可決した。 2017 年4月 25 日、
NBAD は、 SCA から、名称変更を行うために必要な規制上の承認を受けた。これに従い、「ファースト・ア
ブダビ・バンク・ピー・ジェー・エス・シー」への名称変更は 2017 年4月 25 日に有効となった。
3【事業の内容】
一般
当グループは、総合的なサービスを提供する銀行であり、その主要事業には一般消費者向け銀行業務、
法人向け銀行業務、トレジャリー業務およびイスラム金融業務の提供が含まれる。当グループは、主に重
点地域型の金融グループであり、 UAE 国内のみならず、中東・北アフリカ(以下「 MENA 」という。)地域
内においても、一般消費者向け銀行業務、法人向け銀行業務、トレジャリー業務およびイスラム金融業務
に係る商品ならびにサービスを提供している。さらに、本書提出日現在、当グループは、子会社または関
連会社ならびに支店および駐在員事務所を通じ、5大陸にわたって世界的にも存在感を示している。
2022 年 12 月 31 日現在、 2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度に係る当グループの財務書類ならびに 当グ
ループ の国内および地域における主要競合企業が公表している入手可能な財務書類によると、 当グループ
は総資産で UAE において最大手の銀行であり、湾岸協力理事会(以下「 GCC 」という。)加盟国において第
2位の銀行である。
事業
UAE 最大手の総合サービス銀行として、 当グループ は、ホールセール・バンキングおよびリテール・
バンキングの顧客のバンキング・ニーズに応えるため、幅広い商品およびサービスならびにそれぞれの
顧客の要望に沿った形のソリューションを提供している。
2021 年4月 11 日より、当グループは、差別化された特徴のある顧客体験を創造すべく、事業構造を再
編した。当グループの4つの事業部門は、以下のとおりである。
・ インベストメント・バンキング( IB )事業部門 : IB 事業部門は、法人顧客に焦点を当て、法人金融
業務、イスラム金融業務、キャピタル・マーケット業務、取引銀行業務、貿易サービス、流動性
サービスおよびキャッシュ・マネジメント・サービス等のバンキング・ソリューションおよび金融
ソリューションの他、与信、金利、外国為替およびマネー・マーケットの商品全体で幅広いリスク
管理ソリューションを提供している。
・ コーポレート・アンド・コマーシャル・バンキング( CCB )事業部門 : CCB 事業部門は、大手企業お
よび中小企業に焦点を当て、コーポレート・バンキング部門、請負部門、商業銀行部門および優遇
顧客部門等のサブ部門にわたって多様な商品を提供している。
・ コンシューマー・バンキング( CB )事業部門 : CB 事業部門は主に、従来型の銀行セクターならびに
イスラム銀行セクターの消費者およびエリート層にサービスを提供している。 提供する商品には、
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当座預金口座、預金、クレジットカード、ローンおよびウェルス商品等の日常的に銀行が取り扱う
商品が含まれる。
・ グローバル・プライベート・バンキング( GPB )事業部門 : GPB 事業部門は、 従来型の銀行セクター
および イスラム銀行セクターの富裕層顧客にサービスを提供している。提供するサービスには、日
常的に銀行が取り扱う商品に加え、洗練された投資ソリューション、仲介サービスおよび証券サー
ビスが含まれる。
イスラム金融
本書提出日現在、当グループのイスラム金融業務は、主に「 FAB イスラミック」 ブランド の当グループ
のイスラム金融窓口で提供されている。当グループは、イスラム金融子会社であるファースト・アブダ
ビ・イスラミック・ファイナンス・ピー・ジェー・エス・シーを通じて、イスラム金融の商品および
サービスを提供している。
当グループは引き続き、「 FAB イスラミック」を運営し、当行の事業部門全体でイスラム金融の商品お
よびサービスを提供していく。 2022 年 12 月 31 日現在、 FAB イスラミックは、資産規模において UAE 内最大
のイスラム金融窓口の1つであった。
当グループは、 FAB イスラミックの立ち位置は良好と考えており、そのおかげで当グループが国内およ
び地域のイスラム金融セクターの成長から得られる機会を活用できるようになると考えている。
子会社
当行の主要な子会社は、不動産管理、仲介および資金管理を運営しており、 FAB プロパティーズ、
Mismak 、 FAB セキュリティーズおよび FGLB をはじめとする以下の子会社である。
・ FAB プロパティーズ
当グループの不動産事業は、主に、当グループの完全所有子会社である FAB プロパティーズ・エ
ルエルシー(以下「 FAB プロパティーズ」という。)により運営されている。 FAB プロパティーズ
は、旧 FGB 事業のもと、 2011 年に営業を開始し(ファースト・ガルフ・プロパティーズ・エルエル
シー)、 2017 年に FAB プロパティーズに統合された旧 NBAD のプロマティ・マネジメント子会社であ
るアブダビ・ナショナル・プロパティーズ・ピー・ジェー・エス・シーも含まれている。 2018 年3
月、ファースト・ガルフ・プロパティーズ・エルエルシーは、その法的名称を FAB プロパティー
ズ・ソール・プロプリエイターシップ・エルエルシーに変更した。 FAB プロパティーズを通じて、
当グループはプロパティ・マネジメントおよび与信管理サービスを提供している。 FAB プロパ
ティーズは、 UAE において混合型の多岐にわたる不動産ポートフォリオを運用しており、 2022 年 12
月 31 日に終了した事業年度の総賃料収入は約 1.8 十億ディルハムであった。 FAB プロパティーズのプ
ロパティ・マネジメント事業は、機会を捉えて継続的に成長すると当グループが予想しているコン
シューマー・バンキング事業部門の個人富裕層の特定の顧客に対し提供される付随的なサービスで
ある。
・ Mismak
当グループの不動産投資・開発事業は、 Mismak プロパティーズ・カンパニー・エルエルシー
(以下「 Mismak 」という。)により運営されている。 Mismak およびファースト・マーチャント・イ
ンターナショナル・エルエルシーは、従来からの FGB 子会社であり、当行の完全子会社である。
Mismak は、不動産開発案件に係る顧客の与信申請の審査を行う際に当グループの内部与信部署
を補佐するためのエンジニアリング・アドバイザリー・サービスも提供している。さらに、 Mismak
は、顧客が債務不履行に陥り、当グループの不動産子会社( Mismak を含む。)が担保として差し入
れられた不動産資産の管理を引き継ぐ状況となった際に、資産管理およびアドバイザリー・サービ
スを提供する。
・ FAB セキュリティーズ
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FAB セキュリティーズ・エルエルシー(以下「 FAB セキュリティーズ」という。)は、 SCA の認可
を受けた、当グループの証券仲介業を行う会社である。 FAB セキュリティーズは、自社専用の電子
取 引用プラットフォームに加え、 UAE において営業中の2つの支店を通じて運営されている、 UAE 最
大手仲介業社の1つである。 FAB セキュリティーズは、アブダビ証券取引所( ADX )、ドバイ金融市
場、 GCC における選り抜きの市場、およびその他の国際市場において取引を行っている。 FAB セキュ
リティーズは、株式および債券を含む様々な資産クラスへのアクセスを顧客に提供している。証券
取引執行サービスのほか、 FAB セキュリティーズは、市場調査、機関投資家顧客および適格個人顧
客向けのカバー取引も行っている。
・ FGLB
ファースト・ガルフ・リビアン・バンク(以下「 FGLB 」という。)はリビアのトリポリに所在
する本格的な商業銀行であり、 2007 年9月4日に当行とリビアのエコノミック・アンド・ソーシャ
ル・ディベロップメント・ファンドが覚書に署名し設立された。 FGLB の株式については、当行とリ
ビアのアレンマー・フォー・ファイナンシャル・インベストメント・ホールディング・カンパニー
(以下「 AFIHC 」という。)がそれぞれ 50 %の割合で対等に保有している。 FGLB の払込済資本は 260
百万リビア・ディナールである。 FGLB の取締役会は、7名で構成されており、そのうち過半数(4
名)が当行の者が占める。当行と AFIHC との契約に従い、 FGLB は当行の完全管理下にある。そのた
め、 FGLB は当行子会社として分類している。
当行は、 UAE 会社法に従い登記され、 UAE の商業銀行として営業許可を付与されており、 UAE 中央銀行
による規制に服している。
当グループは、 UAE に支店および支払事務所ならびに現金自動支払機を運営しており、その 大多数 がア
ブダビおよびドバイに所在する。さらに、 2022 年 12 月 31 日現在、 当グループは、子会社または関連会社
ならびに支店および駐在員事務所を通じ、5大陸にわたって世界的に高い存在感を示している。 また、
当グループ は、多岐にわたる代替販売チャンネル(インターネット・バンキング、テレフォン・バンキ
ングおよび SMS (ショート・メッセージ・サービス)バンキングのシステムを含む。)および当グループ
のモバイル・アプリを通じて個人および法人の顧客向けにサービスを提供している。
近年の動向
国際的な事業展開
2022 年3月に当グループは、 UAE および MENA 地域と中国本土との間の貿易および投資の流れの架け橋と
なることに焦点を当て、上海に支店を新設した。同月にはまた、当グループは、 UAE の最重要貿易国の一
つとして当グループの地理的拠点を戦略的に強化する役割を果たす駐在員事務所をイラクに設置すると
発表した。
2021 年 11 月には当行が、スーダンでの業務(2支店で構成される。)を売却した。
2021 年5月、当行は、バンク・アウディ・エスエーエル ( レバノン)からのバンク・アウディ・エス
エーイー ( エジプト)(以下「バンク・アウディ」という。)の買収を完了した。同買収は、潜在力の高
い市場における当グループの拡大を加速させるために実行された。これは、エジプトにおける当グルー
プの規模、スケールおよび実績を大幅に拡大させ、現地はもとより世界的にも顧客に対する充実度およ
び到達度がさらに高まることとなる。法律的な合併は 2022 年6月に完了し、当グループは新たに導入し
たブランド「 FABMisr 」の名称で営業を開始した。 2022 年 11 月までにバンク・アウディおよび当行のエジ
プトにおける既存業務は完全に統合され、「 FABMisr 」ブランドのみで運営されている。
マグナティ
2021 年4月、当行は、完全子会社であるマグナティ・ソール・プロプライエターシップ・エルエル
シー(以下「マグナティ」という。)に対する既存の決済業務の分割を完了した。マグナティのプラッ
トフォームにより、顧客は、顧客体験および効率性の向上のためにデータを収益化し、アプリケーショ
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ン・プログラミング・インターフェイス、人工知能、機械学習能力等の次世代技術を活用することで、
主力事業を成長させることが可能となる。 2022 年2月に当行は、マグナティの時価総額全額の上限を
1.15 十億米ドルとする前提で、マグナティの株式の 60 %をブルックフィールド・ビジネス・パートナー
ズ(ビーシーピー・ブイ・グロース・アグリゲーター・エルピー)に売却する契約に署名した。残りの
40 %の株式については、当行が戦略的出資として保有し、現在は「関連会社への出資」として計上され
ている。当行は、上記売却により、マグナティが市場機会を捉える上で機動的になるとともに、マグナ
ティの事業を加速させる上でブルックフィールド・ビジネス・パートナーズの国際的かつ世界的なつな
がりを活用できるようになると考えている。
ウィオ・バンク
2020 年 10 月に当行は、アブダビ・デベロプメンタル・ホールディング・カンパニー・ピー・ジェー・
エス・シー(以下「 ADQ 」という。)が新設するデジタル銀行の株式 10 %に加え、同行が新規株式公開し
た場合には追加的な同行株式の 10 %の優先買取権と交換に、これまで保有してきた FGB の銀行免許を ADQ
に譲渡すると発表した。 アブダビに本店を置くデジタル銀行であるウィオ・バンクは、 2022 年9月に営
業を開始した。ウィオ・バンクは、 2023 年に業務を個人顧客向けに拡大することを目指し、営業初年度
には中小企業の起業家に焦点を当てる計画である。
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4【関係会社の状況】
子会社および重要な出資
2022 年 12 月 31 日現在
設立国 保有議決権 事業内容 資本金 会計 処理
子会社:
ファースト・アブダビ・バン キュラソー 100 % 銀行業 233 百万米ドル 100 %連結
ク・ユーエスエー・エヌブイ
FAB セキュリティーズ・エルエ アブダビ( UAE ) 100 % 仲介業 250 百万ディルハム 100 %連結
ルシー
アブダビ・ナショナル・リーシ アブダビ( UAE ) 100 % リース 10 百万ディルハム 100 %連結
ング・エルエルシー
アブダビ・ナショナル・プロパ アブダビ( UAE ) 100 % プロパティ・ 10 百万ディルハム 100 %連結
ティーズ・プライベート・
マネジメント
ジェーエスシー
FAB プライベート・バンク(ス ジュネーブ(スイ 100 % 銀行業 100 百万スイス・フラ 100 %連結
イス)エスエー ス) ン
ファースト・アブダビ・イスラ アブダビ( UAE ) 100 % イスラム金融 500 百万ディルハム 100 %連結
ミック・ファイナンス・ピー・
ジェー・エス・シー
2
アブダビ・セキュリティーズ・ エジプト 仲介業 10 百万エジプト・ 100 %連結
96 %
1
ポンド
ブローカレッジ・エジプト
NBAD エンプロイー・シェア・オ ドバイ( UAE ) 100 % 株式・有価証券 100 ディルハム 100 %連結
プション・リミテッド
ナショナル・バンク・オブ・ア ブラジル 100 % 駐在員事務所 50 千レアル 100 %連結
ブダビ・レプレゼンタソンイ
ス・エルティーディーエー
FAB グローバル・マーケッツ ケイマン諸島 100 % 金融機関 1米ドル 100 %連結
(ケイマン)リミテッド
ナワット・マネジメント・サー UAE 100 % 債権回収業 150,000 ディルハム 100 %連結
ビシーズ - ワン・マン・カ
ンパニー・エルエルシー
ミスマック・プロパティーズ・ UAE 100 % 不動産投資 1十億ディルハム 100 %連結
カンパニー・エルエルシー
( Mismak )
ムーラ・プロパティーズ・エル UAE 67% 不動産投資 150 千ディルハム 100% 連結
エルシー( Mismak 子会社)
ファースト・マーチャント・イ UAE 100 % 不動産投資 150 千ディルハム 100 %連結
ンターナショナル・エルエル
シー( FMI )
FAB エンプロイメント・サービ UAE 100% 人材サービス 150 千ディルハム 100% 連結
シズ・エルエルシー( FMI 子会
社)
FAB リソーシング・サービシ UAE 100% 人材サービス 300 千ディルハム 100% 連結
ズ・エルエルシー( FMI 子会
社)
ホライゾン・ガルフ・エレクト UAE 100% 不動産投資 22.3 百万ディルハム 100% 連結
ロメカニカル・サービシズ・エ
ルエルシー( FMI 子会社)
FAB スクーク・カンパニー・リ ケイマン諸島 100 % 特別目的ビークル 該当なし 100 %連結
ミテッド
ファースト・ガルフ・リビア リビア 50 % 銀行業 260 百万リビア・ディ 100 %連結
3
ナール
ン・バンク
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FAB プロパティーズ・エルエル UAE 100 % 不動産管理および 150 千ディルハム 100 %連結
シー
仲介業
ファースト・ガルフ・インフォ UAE 100 % IT サービス 10,150 千ディルハム 100 %連結
メーション・テクノロジー・エ
ルエルシー( FGIT )
FAB インベストメント・ケーエ サウジアラビア 100 % 金融機関 67.5 百万サウジアラ 100% 連結
スエー(単一株主会社) ビア・リヤル
王国
FAB グローバル・ビジネス・ インド 100 % IT サービス 135,800 千インドル 100% 連結
サービシズ・リミテッド( FGIT ピー
子会社)
ファースト・アブダビ・バン エジプト 100 % 銀行業 15.6 十億エジプト・ 100% 連結
ク・ミスル・エスエーイー
ポンド
( FAB Misr )
1. 清算手続中
2. 株式資本全体は、当行によって保有されている。
95.995 %は当グループ内部で保有されており、残りの 4.005 %はその他の少数株主(グループ外部)により保有されている。
3. 当行は、ファースト・ガルフ・リビアン・バンクの発行済株式を 50 %保有しているが、当行が取締役会の過半数の議決権を保有
して投資先を支配しているため、当該投資は子会社として分類されている。
関連当事者間取引
一定の関係者(主に当グループの主要株主、関連会社、取締役および執行経営陣ならびにこれらが主要
な所有者である会社)は、当グループの通常の営業過程における顧客である。これらの当事者との取引
は、非関連当事者との同等の取引時点において一般的であった条件と実質的に同一の条件(利率および手
数料率ならびに担保要件を含む。)で行われ、かつ、当該同等の取引に係るリスク量を超えるリスク量を
伴うことはなかった。関連当事者に対する貸付金およびイスラム金融は、全て正常債権であり、いかなる
貸付金およびイスラム金融に係る貸倒引当金も発生していない。
下記「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記」注記 42 「関連当事者」を参照のこと。
5【従業員の状況】
2022 年 12 月 31 日現在、当グループは 6,765 名の従業員を擁している。かかる従業員には、当グループの
外注先の勤務員 3,538 名は含まれていない(外注先の勤務員は主に、営業、回収、コールセンターのオペ
レーションおよびクレジットカード処理といった一般消費者業務分野内で勤務している。)。
当グループ の人事政策は、戦略ビジョンおよび積極的な成長計画に沿ったものであり、かつ、力量、技
量および知識の高い従業員を惹きつけ、雇用し、かつ、意欲を引き出すことを目的としている。 当グルー
プ は、透明性の高い労働環境を培うことに尽力し、競争力のある給与および報酬の提供を行うとともに、
従業員研修および能力開発スキームの提供にかなりの資源を投じている。
次の表は、 2022 年 12 月 31 日現在における従業員の勤務地別の分布を示したものである。
地域 従業員数
UAE 3,688
欧州、南北アメリカ、中東およびアフリカ 2,800
アジア太平洋 277
労働力の自国民化
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2022 年以降、 UAE の銀行は、重要な役割および経営幹部レベルの従業員について重点的に、組織内での
UAE 国民の占める割合を増やすよう、 UAE 中央銀行より指示を受けている。中央銀行はまた、大学卒業生の
就職を支援するために、毎年 UAE 国民の新卒を雇用することを銀行に義務付けている。 UAE 中央銀行は、複
数 の要因に基づき、組織における労働力の自国民化と新卒採用の目標を設定している。
UAE の銀行が、自らの組織を通じて UAE 国籍の国民を雇い昇進させるための目標人数を達成 できなかった
場合、罰金対象となる。
2022 年 12 月 31 日現在、当行の労働力の自国民化の比率は、 UAE における労働力の 43.8 %であり、当行全
体の異なるレベルのポジションで雇用される UAE 国籍の者 1,616 名に相当する。
労働力の自国民化通達に則り、当行は、 UAE 国籍の者の雇用および研修を義務付けられている。当行の
自国民化戦略は、当行の UAE における自国民化推進の主導者としての立場を支えている。当行の自国民化
戦略は、雇用、従業員の選定および研修プログラムを通じて実施され、当行のあらゆる事業分野の代表お
よび管理職による支援および確約を受けている。
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第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
本項に含まれている将来に関する記載は、本書提出日現在の当行の考え、見通し、目的、予想および見
積りに基づいている。
( 1 ) 戦略
UAE 最大の総合サービス提供銀行として、当グループは、ホールセールおよびリテール・バンキング
の顧客の銀行サービスに対するニーズに応えるため、幅広い商品およびサービスとともに、カスタマイ
ズ型のソリューションを提供している。
(2) アラブ首長国連邦の銀行セクターおよび規制
( ⅰ ) 概要
UAE 中央銀行が公表したデータによれば、 2022 年 12 月 31 日現在、 UAE 国内での営業認可を受けた商
業銀行は合計で 50 行(国内商業銀行 22 行および外資系商業銀行 28 行。)ある。結果として UAE は、地
域の標準に照らしても、また、歴史的にも、統合の契機はほとんどなかったものの、銀行過多な市
場であると見られる可能性があり、また、歴史的にそうである。しかしながら、 FGB との合併の完了
は、 UAE の銀行同士の更なる統合に向けた動きに刺激を与えた(下記「( iii )金融システムの特徴
- 経営統合の歴史的な不在 」を参照のこと。
UAE は世界貿易協定(以下「 WTO 」という。)加盟国であるため、更なる経済の自由化が求められ
る可能性があるが、その結果外資系銀行がどの程度まで市場での存在感を一層高めることになるの
かは不明である。しかし、長期的には、競争が激化し、 UAE 国内および地域全域の双方において統合
へ向けた動きが強まっていく可能性が高い。
アブダビ統計局(以下「統計局」という。)が発表した試算(出典: 2020 年度アブダビ統計年
鑑)によると、アブダビの金融部門が 2019 年のアブダビの名目 GDP に占めた金額は約 70.5 十億ディル
ハム( 7.7 %)であった。 UAE 全体では、金融部門は 2020 年の実質 GDP の約 8.2 %を占めると推定され
た(出典:連邦競争力統計庁( FCSA )国民経済計算情報( 2010 年~ 2020 年))。
1980 年に設立された銀行規制当局である UAE 中央銀行は、多年にわたりその地位を拡大しており、
UAE 国内で営業する全ての銀行の規制および監督を行う監督機関である。 UAE 中央銀行は、銀行業務
監督検査部を介して銀行を監視する。各銀行のリスク・プロファイルに基づき定期的に銀行の精査
を行い、また、銀行が UAE 中央銀行に提出する報告書を全て精査する。
従来 UAE 中央銀行は、「最後の貸し手」としての役割を担うものではなく、その役割は各首長国の
それぞれの首長が果たす場合が多かった。しかしながら、証拠金貸出ファシリティ(以下「証拠金
貸出ファシリティ」という。)の導入により、イスラム銀行以外の UAE の銀行は、流動性を管理でき
るよう、一定の格付の付された、または UAE 政府機関が発行した証券を担保として使用し、 UAE 中央
銀行の有担保コール翌日物を利用することができるようになった(下記「(ⅳ)近年の銀行業務の
動向- 流動性 」を参照のこと。)。
(ⅱ ) 新型コロナウイルス
新型コロナウイルスの大流行を受け、 2020 年3月 15 日を効力発生日として、 UAE 中央銀行は、 2020
年3月 15 日を効力発生日として UAE 中央銀行の対象を絞った経済支援スキーム ( Targeted Economic
Support Scheme 、その後随時なされた変更を含め、以下「 TESS 」という。)を実施した。これに
は、新型コロナウイルスが UAE 経済に及ぼす経済的影響を緩和することを目的とした一連の措置が含
まれる(下記「第3-2 事業等のリスク- 厳しいマクロ経済状況および金融市場状況は、 当グ
ループ の事業、経営成績、財政状態および見通しに影響を及ぼしており、今後も重大な悪影響を及
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ぼすおそれがある。 」を参照のこと。)。 TESS により導入された措置は、 2022 年6月 30 日付で期限
切れとなった。 TESS は、利下げおよび以下の措置を含め、その他の刺激策とともに実施された。
・ 全ての当座預金、通知預金および普通預金口座に係る UAE 中央銀行の最低預金準備率を 14 %か
ら7%に引き下げる。
・ 2021 年6月 30 日から 2022 年6月 30 日まで、段階的に一定のバーゼル Ⅲ の資本要件の実施予定
を延期する。
・ 銀行が IFRS 第9号の予想損失引当金に調整項目を適用することを認める。調整項目により、
2019 年 12 月 31 日と比べて IFRS 第9号の引当金増額分について、部分的に規制上の自己資本に
繰り戻すことができる。これにより、 IFRS 第9号の引当金は、 2024 年 12 月 31 日までの5年間
にわたり段階的に施行されることになる。
(ⅲ) 金融システムの特徴
経営統合の歴史的な不在
UAE では過去から現在に至るまで銀行過多と見られてきており、 2022 年 12 月 31 日現在では、 UAE 国
内での営業認可を受けた商業銀行が 50 行(国内銀行 22 行および外資系銀行 28 行。)存在し(出典:
2022 年 12 月付 UAE 中央銀行統計報告書)、 2021 年末現在において域内で推定約 9.6 百万人にサービス
を提供していた(出典: 2022 年度 OPEC 年次統計報告書)。
この地域では、これまで合併に向けた動きはほとんど存在しなかった。銀行セクターにおける銀
行の林立状態は、一定程度、 UAE の連邦構造により後押しされている側面もある。なぜなら、それぞ
れの首長国が自らの国立銀行を保持したいとの意向を有しているからである。また、現地の大手同
族会社間の競争および株式の持分の希薄化を嫌う意向も、合併促進を旧来は阻止してきた。この結
果、エミレーツ NBD の創設に至った 2007 年 10 月のエミレーツ・バンク・インターナショナル・ピー・
ジェー・エス・シーとナショナル・バンク・オブ・ドバイ・ピー・ジェー・エス・シーとの合併か
ら 2017 年までの間、銀行業界における国内での合併は極めて限定的なものであった。しかしなが
ら、 2020 年1月のドバイ・イスラミック・バンク・ピー・ジェー・エス・シーによるヌール・バン
ク・ピー・ジェー・エス・シーの吸収合併後、評論家は、収益性の向上および非効率性の削減のた
め、 UAE では銀行業界の統合がさらに増加する可能性があると示唆している。
こうした予想される統合の試みにより、国内の銀行セクターにおける多行林立状態はさらに緩和
する一方、少数の UAE 設立大手銀行が、情報技術システム開発等の資本コストを吸収できる大規模な
インフラと資源を有し、かつ比較的広範な営業網を有する外資系銀行と、 UAE における大口金融取引
を奪い合うという競争環境に大きく転換する可能性がある。
これ以降、 WTO による自由化の到来により、以前と比べ 外資系 銀行(市場への新規参入者および業
務を拡大する既存プレーヤーの双方)との競争が可能となり、その結果、合併が増加し、汎湾岸レ
ベルの営業網を有する銀行が誕生するとみられる。
国内重視主義
UAE の国内銀行は主に国内市場に重点を置いているが、これらの銀行の多くは、国外に小規模なが
らも営業所を構えており、クロスボーダー事業に対する関心(銀行セクターにおける更なる合併の
場合に今後も続くと予想される傾向である。)を高めている。
数少ないホールセール融資の機会を数多くの銀行が競い合うという状況から、歴史的に見て、大
部分の銀行は、それまで未開拓の市場であった、リテール・バンキングに目を向けている。しかし
ながら、この業務分野における競争の激化が、徐々に利益率を損ない、貸付基準の緩和を促してい
る。逆境の中、市場はまだ限られた範囲でしか検証が行われていないため、資産の質について将来
どのような問題が生じるか、その予測は難しい。
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リテール業務の拡大により、販売経路、特に、現金自動預払機( ATM )網、販売店および電話・イ
ンターネットによるバンキング・サービスに対する多額の投資が必要となった。その結果、多くの
UAE の銀行では、人件費に加え、情報技術に関する費用が支出における顕著な特徴となっている。
外国資本の制限
1987 年、 UAE 連邦政府は、外資系銀行が UAE 国内に新規に業務を開設することを禁止した。同時
に、既存の外資系銀行については支店数を8支店以下とし、リテール業務における潜在性を展開す
る能力を制限した。しかし、地域統合に向けた継続的な努力に伴い、 GCC 加盟国の銀行に対する市場
アクセスを認める合意がなされたことを受けて、 GCC 加盟国の3行、すなわち、ナショナル・バン
ク・オブ・クウェート、 SAMBA バンクおよびドーハ・バンクは、 UAE 中央銀行から認可を受けた。
2002 年にドバイ政府は、 DIFC を設立する法令を公布した。ドバイ首長国所在のドバイ国際金融セ
ンター(以下「 DIFC 」という。)は、自由貿易地域であり、プライベート・バンキング、アセッ
ト・マネジメント、投資銀行業務、再保険業務、イスラム金融、証券取引およびバックオフィス業
務を中心とした金融サービス・センターである。 DIFC は、独自の民法および商法を有し、民事およ
び商事分野について自ら法律を制定する権限を付与されている。 DIFC の開設により、外資系銀行は
存在感の確立およびホールセール・バンキング市場における競争が可能となり、新たな銀行が市場
参入を果たしている。
2013 年、アブダビ政府は、法的な枠組み(英国のコモン・ローに深く基づいている。)をもって
国際的な金融自由圏(フリーゾーン)としてアブダビ・グローバル・マーケット( ADGM )を確立す
る意向について公表し、 DIFC での成功を再現しようと努めた。 ADGM は、 2015 年半ばに運用が開始さ
れ、本書提出日現在、 ADGM が国内の銀行セクターにおける市場勢力図および規制状況に将来的にど
の程度の影響を及ぼすかは未だ不透明である。
2018 年連邦法第 14 号(以下「 2018 年連邦法」という。)( 2018 年9月 23 日付で発効。)により、
UAE の銀行における UAE 国籍の者による最低保有比率は 60 %に修正された。さらに、当行は、 MSCI エ
マージング・マーケッツ・インデックスおよび FTSE エマージング・マーケッツ等の主要株価指数に
組み入れられていることから、株式の流動性が更にもたらされるように、外国人保有比率を 25 %か
ら 40 %に引き上げることを決定した。かかる外国人保有比率の引上げのための定款の変更について
は、 2019 年2月 25 日に開催された株主総会において株主の承認を得た。また、必要とされる規制当
局の承認を得て、この外国人保有比率制限の引上げは 2019 年4月 14 日に有効となった。
石油セクターに対するエクスポージャー
経済の大部分が直接間接を問わず石油セクターに依存しているため、原油価格の低迷が長く続け
ば、 UAE の銀行は潜在的に事業崩壊に陥る可能性がある(下記「第3-2 事業等のリスク- UAE お
よび中東に関連するリスク - UAE 経済は、原油収入に大きく依存している 」を参照のこと。)。特
に、流動性の水準および政府によるインフラ投資は原油収入による後押しを受ける傾向にある。し
かし、徐々に、石油セクター以外の民間部門が力をつけ、 UAE 経済は原油価格の変動に左右されなく
なってきている。例えば、試算によると、 2019 年のアブダビの名目 GDP において炭化水素セクター
(原油および天然ガスを含む採鉱および採石)の占める割合は 40.8 %となったが、 2010 年には
49.3 %であった(出典: 2020 年度アブダビ統計局統計年鑑)。
イスラム金融
シャリーア(イスラム)法は、金融取引において金利を課すことを禁じている。この原則の遵守
を望む顧客のニーズに応えるために、多くの銀行がイスラム世界において、その事業を発展させて
きた。これらの金融機関では、従来型の銀行取引にほぼ対応させながらも、金利の適用がないよう
に開発された様々な商品を提供している。 UAE には、イスラム金融および商品を提供する多くの金融
機関が存在する。このような金融機関には、ドバイ・イスラミック・バンク・ピー・ジェー・エ
ス・シー、アブダビ・イスラミック・バンク・ピー・ジェー・エス・シー、エミレーツ・イスラ
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有価証券報告書
ミック・バンク・ピー・ジェー・エス・シー、アジュマーン・バンク、シャルジャ・イスラミッ
ク・バンク・ピー・ジェー・エス・シー、ドバイ・イスラミック・インシュアランス・アンド・リ
イ ンシュアランス・カンパニー( AMAN )、イスラミック・アラブ・インシュアランス・カンパニー
( PSC )( Salama )、タムウィールおよびアムラック・ファイナンスが含まれる。これに加え、従来
型の金融機関は、シャリーア(イスラム法)に準拠した商品を提供することも多々ある。さらに、
UAE 国内で業務を展開している従来的な国内および国際的金融機関の大半は、それぞれのイスラム金
融の窓口を通じてシャリーア法に則った商品を提供している。イスラム銀行の数は引き続き増加し
ており、市場への新規参入銀行と従来型の銀行の双方がイスラム銀行として営業するようになって
いる。
法的環境
UAE には、 (i) 連邦法令、 (ii) 地方法、および (iii) シャリーア(イスラム)法の3種類の法律があ
る。さらに、各首長国の首長が命令を公布することができ、公布されると、当該首長国で完全な法
的効力を有する。補助的な法律として貿易慣行がある。連邦当局の管轄分野において連邦法がない
場合には、首長国または地方政府の首長が自らの規則、規定および慣行を適用する。
銀行の監督
銀行システムに適用される主な法律は、 UAE 中央銀行の地位に関する 1980 年連邦法第 10 号に代わる
2018 年連邦法である。 UAE 中央銀行の主な役割は、銀行、与信、金融および財政に関する政策を策定
および実行し、外貨への自由な交換可能性を備えた、安定した価格と通貨を確保する責務を負うこ
とである。 UAE 中央銀行は、 UAE 国内における「銀行のための銀行」でもあるが、「最後の貸し手」
ではない。銀行が経営難または返済能力の危機に陥った場合の救済資金(流動性または資本につい
ての長期的な支援)は、これまで、当該銀行の本店所在地である首長国が拠出してきた。しかし、
通貨売りや大手銀行の危機の場合、通貨の事実上の擁護者および最後の貸し手として最終的に機能
するのは、 UAE 連邦政府となる可能性が高い。
2018 年連邦法により、 UAE 中央銀行は以下の権限を有する。
・ 金融政策を策定し、実行すること。
・ 通貨を発行すること
・ 認可金融業務をとりまとめ、かかる業務存続のための基金を設立し、 2018 年連邦法および国際
基準の規定に従って健全な慣行を発展させ推進するために必要な基準を決定すること
・ 認可金融機関の顧客保護のために適正な規則および基準を設定すること
・ バランスの取れた国家経済発展の達成に貢献するように、 UAE 国内の与信状況を監視すること
・ 2018 年連邦法の条項のとおり、マネタリー・ベースを補填するに足る外貨資産を常に維持する
ために、外貨準備を管理すること
・ UAE の金融市場インフラのシステムの健全性を規制し、発展させ、監督し、かつ維持すること
これまで財政赤字の補填に海外投資による収益が用いられていたため、 UAE 中央銀行による UAE 政
府国債の発行は不要であった。しかし、 UAE 中央銀行は、特定の資金調達需要を満たすためではな
く、過剰な流動性を吸収するために、オークションを通じて UAE ディルハム建ての為替手形(以下
「 M-Bills 」という。)を UAE の銀行に発行している。 M-Bills 制度は、 UAE 中央銀行預金証書に代わ
り 2021 年1月に開始された。現在のところ M-Bills の流通市場は発展途上中であるものの、何時でも
UAE 中央銀行からのディルハム建て融資の担保として使用することができる。
UAE ディルハムは、国際通貨基金(以下「 IMF 」という。)の特別引出権と連動している。しか
し、米ドルが介入通貨であることから、実際には、 UAE ディルハムは米ドルに連動(ペッグ)してい
る。このペッグ制は 1980 年代から採用されており、地域内の政治的緊張のみでなく原油価格の変動
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に対しても抵抗力があることが証明されている。ただし、下記「第3-2 事業等のリスク- UAE お
よび中東に関連するリスク - UAE ディルハムまたはその他の地域通貨の対米ドル為替レートを固定す
る 「ペッグ制」が変更または廃止された場合、当行は、 UAE ディルハムまたはその他の地域通貨の対
米ドル為替変動にさらされるおそれがある。 」を参照のこと。
UAE 中央銀行は、マネーロンダリングの防止に関する金融機関の規制、ならびにマネーロンダリン
グ対策ならびにテロリストおよび不法組織への資金供与撲滅のための手続に関する 2018 年連邦法第
20 号の実施についても責任を負う。これに基づき、 UAE は、マネーロンダリングおよびテロリズム・
不法組織資金源対策国家委員会を設置した。同委員会は、マネーロンダリング対策およびテロリズ
ムへの資金供与を断つための政策および制度の調整、かかる政策および制度の効果の査定、ならび
に当該案件に関する国際会議への UAE 代表としての出席について責任を有する。また、 2018 年連邦法
第 20 号は、不法疑惑のある金融活動に関し金融機関および企業体が提出する報告書を受け取り、精
査するために、 UAE 中央銀行内に独立した「金融情報ユニット」を設置するよう勧告している。
UAE 中央銀行は UAE 国内の全ての銀行、両替店、投資会社その他の金融機関の規制に責任を負う
が、 DIFC 内の銀行・金融サービスについては全てドバイ金融監督庁が規制する一方で、 ADGM におけ
る金融サービス部門における業務活動については ADGM 金融サービス規制機構が規制している。 UAE 中
央銀行は銀行監督機関として日々成長している。しかし、 UAE 中央銀行がその役割を果たすに際し、
個々の首長国に与えられた法的な自治権が障害となり、銀行セクター全体に一様に指令を実施する
のが困難となる場合もある。
成熟した資本市場の不在
UAE には成熟した債券市場や株式市場が存在しないため、多くの場合、長期融資は銀行が担ってい
る。もっとも、銀行の負債のほとんどは短期の顧客預金であるため、貸借対照表上、資産と負債と
で満期のミスマッチが生じる傾向がある。2つの証券取引所、すなわち、ドバイ金融市場および ADX
(いずれも 2000 年に設立)は近年、急速な発展を続けており、 2014 年以降に UAE が MSCI エマージン
グ・マーケッツ・インデックスに組み入れられたことから恩恵を受けてきたが、依然として不安定
な状態である。
ナスダック・ドバイ(旧ドバイ国際金融取引所)は、 2005 年9月 26 日に業務を開始した DIFC 所在
の証券取引所である。 2009 年 12 月ドバイ金融市場はナスダック・ドバイを取得する意図を発表し、
2010 年7月に取得が完了した。ドバイ金融市場および ADX は 2014 年6月1日に MSCI エマージング・
マーケッツ・インデックスに格上げされており、これにより国際機関投資家の UAE に対する関心と投
資が増加する可能性がある。
政府介入
UAE の銀行セクターには、国家が高度に介入している。大手銀行の大半は、政府が持分の一定割合
を所有している。理念として民営化が謳われているが、その実現には時間がかかっている。政府お
よびその関係事業体はともに、預金およびプロジェクト・ファイナンスの両方において、銀行セク
ターの最大の顧客でもある。
外国人労働者
UAE 経済の特異な特徴は、外国人労働者への依存であり、外国人は労働人口の約 83.3 %を占めてい
る(出典: 2019 年 FCSA 労働力調査)。銀行セクターも例外ではなく、大手銀行の大半が外国人を上
級経営陣として採用している。これにより、成熟した市場からの専門知識が銀行セクターにもたら
された。しかしながら、 UAE において外国人労働者の割合が高いことで、 UAE 連邦政府の懸念は高
まっており、「自国民化 ( Emiratisation ) 」政策の一環として、 1999 年に銀行は、従業員に占める
UAE 国民の割合を年間で少なくとも4%引き上げるよう指示を受けた。この政策は現在、自国民化通
達に差し替えられ、組織内における自国従業員の雇用および昇進を考慮に入れる 採点システムが導
入された 。各機関の自国民従業員の最低人数は多くの要因に依拠している。 労働力の 自国民化通達
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では当該政策が適用外となる上限が設けられていない。 UAE の銀行が、自らの組織を通じて UAE 国籍
の国民を雇い昇進させるための目標人数を達成できなかった場合、労働力の自国民化通達に定めら
れ る特定の方式に従い算出される罰金対象となる。
会計基準
UAE の銀行は全て、 1999 年1月1日以降、 IFRS (旧国際会計基準( IAS ))に従い財務書類を作成
することが義務付けられている。これにより開示の水準は大幅に向上したが、銀行業界全体で開示
の質および深さである程度のばらつきがある。
銀行システムの構造
UAE の銀行は、いくつかの区分に分類される。「国営( National )」銀行としても知られる国内商
業銀行( 2022 年 12 月 31 日現在は 22 行)(出典: 2022 年 12 月付 UAE 中央銀行統計報告書)は、 40 百万
ディルハム以上の株式資本を有する公開株式会社でなければならず、株式の過半数が UAE 国民により
所有されていなければならない。認可を受けた外資系銀行( 2022 年 12 月 31 日現在は 28 行)(出典:
2022 年 12 月付 UAE 中央銀行統計報告書)は、 UAE における事業の資本金として、少なくとも 40 百万
ディルハムが割り当てられていることを証明する必要がある。「金融機関」(信用供与、金融取引
の実施、動産投資その他の活動を主な機能とするが、預金による資金の受領を認められていない機
関)および金融仲介機関(金融ブローカーおよび株式ブローカー)についても、 UAE 国内での営業に
ついて認可を受ける必要がある。
(ⅳ)近年の銀行業務の動向
収益性
UAE の景気動向は、原油価格に影響される。これは、財政収支に直接影響を及ぼすことから、同国
の政府事業に対する投資の水準の決定要因となる。 2004 年から 2008 年にかけての UAE における原油価
格高や好調な経況により、 UAE の銀行は大幅に規模を拡大した。
しかし、 2008 年の世界金融危機の状況下において、不動産部門およびエクイティ・ファイナンス
の発展に重点を置いたことで、 UAE の銀行システムの重大なリスクが明らかになった。 2008 年の世界
金融危機を受けて、 2008 年から 2011 年の間、 UAE の株価は全般的に下落したが、 2012 年から 2020 年に
かけて反発し、 ADX の標準指数は 2012 年 12 月 31 日現在の 2,630.9 から 2021 年 12 月 31 日現在の 8,488.4 へ
と上昇した。また、ドバイ金融市場の指数も、 2012 年 12 月 31 日現在の 1,662.5 から 2021 年 12 月 31 日現
在の 3,195.9 へと上昇した(出典:ブルームバーグ)。
流動性
UAE 中央銀行は、銀行システムの流動性水準を注意深く監視する。また、銀行に対し、流動性ポジ
ションを管理するための適切なシステムおよび統制、ならびに流動性ストレス期に対処するための
コンティンジェンシー資金調達プランの導入を義務付けている。
銀行はまた、 UAE 中央銀行が設定した 100 %を上限とする預貸率を遵守している。この預貸率を計
算する際の貸付は、顧客に対する貸付金およびイスラム金融ならびに返済期限が3か月以上先の銀
行間資産から構成される。
UAE の銀行のほとんどが、個人または民間部門の会社からの要求払顧客預金または定期顧客預金に
より資金を調達している。 2022 年 12 月 31 日現在、 UAE 中央銀行により提供されたデータによれば、以
下のとおりである。
・ 要求払預金および定期預金は併せて、国立銀行の居住者預金および非居住者預金の全体(政府
預金、商業用貸付の期限前返済および買戻契約に基づく借入を除く。)の約 85.7 %を占めてい
た。
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・ 居住法人の預金および居住個人の預金は、国立銀行の全預金(銀行間預金および銀行手形を除
くが、商業用貸付の期限前返済および買戻契約に基づく借入を含む。)の約 55.6 %を占めてい
た。
・ 居住者政府預金(政府系企業( GRE )預金を含む。)ならびに銀行以外の金融機関は、国立銀行
の全預金(銀行間預金および銀行手形は除くが、 商業用貸付の期限前返済および買戻契約に基
づく借入は含む。 )の約 34.4 %を占めていた。
・ 非居住者の預金は、国立銀行の全預金の約 10.0 %(うち、非居住法人からの預金に占める割合
は約 52.2 %)(いずれの場合も、銀行間預金および銀行手形は除くが、商業用貸付の期限前返
済および買戻契約に基づく借入は含む。)を占めていた。
(出典: 2022 年 12 月付 UAE 中央銀行統計報告書)
2008 年の世界金融危機を受けて、 UAE 中央銀行は、 UAE 国内で営業する銀行が適切な流動性を得ら
れるようにするために、いくつかの措置を発表した。 2008 年9月、 UAE 中央銀行は、 50 十億ディルハ
ムの流動性ファシリティを設定し、適格負債証券を担保に供することを条件に、銀行がこのファシ
リティを引き出せるようにした。流動性ファシリティは、既存のコミットメントについての資金調
達を目的とする場合にのみ利用できる。新規融資は、顧客預金ベースの拡大に基づくものでなけれ
ばならない。 UAE 中央銀行は、銀行が M-Bill を担保に UAE 中央銀行から UAE ディルハムの資金調達を受
けることのできる M-Bills レポ・ファシリティも設定した。
こうした措置に加え、 UAE 連邦政府は、また、( 70 十億ディルハムの救済策の一環として) UAE の
銀行に 50 十億ディルハムの預金を行った。この預金は、自己資本比率を高めるために、銀行の選択
により、ティア2資本に転換することが可能であった。 UAE 国内の多数の銀行がこの選択権を行使
し、自行に預けられた UAE 連邦政府預金をティア2資本に転換した。
2008 年に、複数の国有機関が強制転換社債を引き受けることで、アブダビの一部の銀行の資本基
盤強化を支援した。また、 2009 年2月には、アブダビ政府(財務省を介して)は、アブダビの最大
手5行( NBAD 、アブダビ・コマーシャル・バンク・ピー・ジェー・エス・シー、 FGB 、ユニオン・ナ
ショナル・バンク・ピー・ジェー・エス・シーおよびアブダビ・イスラミック・バンク・ピー・
ジェー・エス・シー)の発行した劣後ティア1資本証券につき、合計 16 十億ディルハム分を引き受
けた。
バーゼル Ⅲ 要件に対応して、 UAE 中央銀行は、 2015 年5月 27 日付で流動性要件に係る中央銀行通達
2015 年第 33 号( 2015 年7月1日付で施行。)(以下「流動性通達」という。)を発布した。これに
は、 UAE の銀行に対する定性的および定量的な流動性要件が含まれる。流動性通達で定められた定性
的要件は、 UAE の銀行の取締役会および経営幹部の責任を詳細に定めており、また全般的な流動性リ
スク枠組みを定めている。新規制は流動性リスクが UAE 国内で営業する銀行によって良好に管理され
ており、かつ、バーゼル委員会の勧告および国際的な最善の慣行に沿っていることを確保すること
を企図している。これには以下の要件が含まれる。
取締役会の責任
・ 該当する UAE の銀行内において流動性リスク管理の最終的な責任を負うこと
・ 流動性リスク管理を理解し、少なくとも1名の取締役が流動性リスク管理に精通していること
・ 該当する UAE の銀行の目的、戦略およびリスク選好に合わせて流動性リスクの許容範囲を明確に
説明できること
経営幹部の責任
・ 取締役会が定めた流動性リスクの許容範囲に合わせて流動性リスクを管理する戦略、方針および
慣行を策定すること
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・ 定期的に UAE の銀行の戦略を見直し、規制の準拠に関して取締役会に報告すること
・ 利用可能な全ての流動性リスク管理手法を利用して慎重に流動性リスクを管理すること
流動性リスク枠組み
流動性通達は UAE の各銀行に対して、以下の要素からなる強固な流動性リスク枠組みを有すること
を義務付けている。
・ 流動性リスクを適時かつ適切に特定、測定、監視および管理する健全な手続およびシステム
・ 制限、警告指標、連絡・上申手続を有する強固な流動性リスク枠組み( UAE 中央銀行の要請に応
じて共有する。)
・ 様々なシナリオ(機関特定のものおよび市場全体のもの)に基づくポートフォリオの定期的な内
部ストレステスト。結果は取締役会および要請に応じて UAE 中央銀行に連絡する。
・ 商品価格に流動性費用、利益およびリスクを組み込むことおよびその承認手続
・ 効果的に多様化した資金調達限を有する将来の資金調達戦略の策定
・ 緊急時における流動性の不足に対応する戦略を明確に定めた正式な資金調達計画の設定( UAE 中
央銀行の要請に応じて共有する。)
・ 様々な流動性ストレス・シナリオに対する保険として、処分制約がなく流動性の高い資産の十分
な量の準備
・ 実際の資金調達コストを反映する資金移動枠組み(銀行の流動性リスクの許容範囲および複雑さ
に比例する。)
流動性通達で定められた量的要件は、以下のとおり、 UAE の各銀行が短期の流動性ストレス(当該
銀行特定の状況および市場全体の状況)に対応できるように最低限の流動性資産を保有させるもの
である。
比率 適用期間
バーゼル Ⅲ 比率: 2019 年1月1日以降
LCR(LCR > = 100%)
2018 年1月1日以降
NSFR (NSFR > = 100%)
流動性カバレッジ比率(以下「 LCR 」という。)は、当該銀行特定の状況および市場全体の状況の
両方をカバーする 30 日間のストレス・シナリオを表わす。銀行が 30 日間のストレス下において資金
流出した場合に主な流動性リスク要因となる契約上のデータに適用される。 LCR は、 UAE の銀行が正
味資金流出額を適格流動資産(以下「 HQLA 」という。)で UAE 中央銀行が定めた最低 LCR で常にカ
バーできるようにすることを義務付けている。バーゼル Ⅲ では最低水準を 100 %としている。流動性
通達では、この目的で HQLA に関する詳細な規定が定められている。 詳細については、下記 「第3-
2 事業等のリスク- 流動性リスク - 当グループ の営業キャッシュ・フローは、契約上の支払義務
および偶発的な支払義務を履行する上で常に十分とはいえない可能性がある。 」および「(3)
リスク管理」を参照のこと。
安定調達比率(以下「 NSFR 」という。)は銀行が貸借対照表上の資産に対して、安定的な資金調
達を十分に確保することを目的とした構造的な比率である。該当する UAE の銀行の偶発債務の一部を
カバーする安定的な資金調達も義務付けている。 UAE における NSFR はバーゼル Ⅲ の基準を反映してい
る。 NSFR は、主な資金の使用および UAE の銀行が使用した異なる種類の資金調達源を特定している。
利用可能な安定調達額(以下「 ASF 」という。)を資金調達源とし、所要安定調達額(以下「 RSF 」
という。)を資産クラスおよびオフバランスの偶発エクスポージャーとしている。 RSF は資金調達条
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件および資金調達源の安定性に応じて異なる。 ASF は市場全体のストレス下で資金調達を行う資産の
流動性に応じて異なる。どちらもバーゼルⅢの基準に従っている。 NSFR の最低水準は 100 %である。
証拠金貸出ファシリティ( MLF )
2014 年4月 15 日、 UAE 中央銀行は、イスラム銀行以外の UAE の銀行が市場ストレス発生時に流動性
を管理できるよう、一定の資産を担保として使用し、 UAE 中央銀行の有担保コール翌日物を利用でき
る暫定証拠金貸出ファシリティを導入した。
2022 年3月1日付でこれは、同様の機能を果たす証拠金貸出ファシリティに取って代わった。
UAE 中央銀行は、証拠金貸出ファシリティを利用するための適格担保として、( UAE 国内外の)政
府発行の証券および企業、金融機関、超国家機関、地方政府または公共部門が発行した証券を含
め、幅広い取引可能な証券および外国為替を受け入れている。適格担保になるためには、証拠金貸
出ファシリティの要項に定められた最低信用格付要件を充足する必要がある。証拠金貸出ファシリ
ティを利用する銀行は、最低でも 10 百万ディルハムを借り入れなければならない。
預金者の地位
UAE には正式な預金保護制度が存在しない。これまでのところ、銀行の破綻が認められたことはな
いが、 1980 年代および 1990 年代初頭において、関係政府当局は数行を事業再編した。世界金融危機
を受け、 UAE 連邦政府は、 2008 年 10 月に、全ての UAE の銀行および UAE 国内で主力事業を展開する外資
系銀行の預金について、これを保証する意向であると発表した。その後、 2009 年5月には、 UAE 連邦
評議会が連邦預金を保証する法案を承認した。しかし、法案が可決されるまでは、政府による支援
の保証はない。
健全性規制
UAE 中央銀行は、 UAE 国内の銀行に対し監督責任を負う。立入検査および銀行から定期的に提出さ
れる報告書を精査する方法により監督を行う。調査の頻度は、銀行が把握したリスクに左右される
が、全ての銀行を対象に少なくとも 18 か月に1回は調査が行われる。健全性に関する申告は、同申
告に含まれる情報の内容に応じ、1か月、3か月、6か月、または1年に一度行われる。銀行セク
ター内における信用リスク、市場リスクおよびオペレーショナル・リスクに関するより最新の情報
を UAE 中央銀行に提供するために、リスク管理の枠組みの改善が行われた。
自己資本比率
全ての銀行が、自己資本比率の算出に際しバーゼル合意の原則に従わなければならない。バーゼ
ル Ⅱ は 2009 年 11 月 17 日に UAE 中央銀行 2009 年第 27 号通達をもって導入された。 1993 年以降、 UAE 中央
銀行は UAE の全ての銀行に 10 %の最低自己資本比率を課している。 2009 年8月 30 日付の通達を受け
て、 UAE 中央銀行は、自己資本要件を変更すると発表した。その内容は、 UAE の銀行に対して、 2009
年9月 30 日までに 11 %以上の最低自己資本比率および7%以上のティア1自己資本比率を達成する
よう勧告するというものである。さらに、 UAE 中央銀行は、 UAE 国内で営業する銀行に 2010 年6月 30
日までにティア1自己資本比率を8%以上に、最低自己資本比率を 12 %以上に引き上げるよう求め
た。その後 2009 年 11 月 17 日付の通達を通じてバーゼル Ⅱ を導入して、 UAE 中央銀行は、 UAE の主要銀
行は近いうちにバーゼル Ⅱ の基礎的内部格付手法へと移行することが期待されると述べた。同通達
を通じて、 UAE 中央銀行は、 UAE 国内で営業する全ての銀行は、常に自己資本比率を 11 %以上に保
ち、 2010 年6月 30 日までにはこれを 12 %まで増加させることが求められていると繰り返し述べた。
また、 UAE 中央銀行は、同通達を通じて、バーゼル Ⅱ の枠組みの第2および第3の柱に関する同銀行
の予想を明らかにした。当期利益、のれん、その他の無形資産、投資の未実現利益および貸倒引当
金の不足は規制上の自己資本から控除された。
本書提出日現在、 UAE 中央銀行は、バーゼルⅢを段階的に導入する方針を採用している。 UAE にお
けるバーゼル Ⅲ の段階的な導入の一環として、 2017 年2月規制および資本基準に基づき、当行は、
UAE 中央銀行より 2019 年1月1日から 14.5 %の最低自己資本比率を維持することを義務付けられてい
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る。この UAE 中央銀行が定める最低自己資本比率の範囲内において、国内のシステム上重要な銀行
(以下「 D-SIB 」という。)である当行は、 2019 年1月1日から 1.50 %の普通株式等ティア1資本
バッ ファーを維持することも義務付けられている。
UAE 国内における自己資本比率の算出は、国際決済銀行の指針に従って行われるが、 GCC 加盟国の
中央政府および中央銀行に対する各加盟国の自国通貨建て債権または GCC 加盟国の中央政府および中
央銀行が保証する各加盟国の自国通貨建て債権のリスク加重は0%になる。 2018 年連邦法に基づ
き、 UAE 中央銀行は、 UAE の銀行に対し、預金準備率を決定することができる。 UAE の銀行が支払う配
当は全て、 UAE 中央銀行による事前の承認を受けなければならない。
バーゼル委員会は、国際的に活動する銀行の規制資本の枠組みについて数々の抜本的な改革を実
施した。 2010 年 12 月 16 日および 2011 年1月 13 日、バーゼル委員会は、バーゼル Ⅲ を公表した。これ
は、資本水準を強化し、信用機関の最低流動性基準を確立するための新たな資本および流動性要件
の一部として、ティア1およびティア2資本商品の適格条件に関するガイダンスからなる。バーゼ
ル Ⅲ 改革の実施は 2013 年1月1日に始まった。しかし、要件は一連の移行措置に従っており、一定
の期間中に段階的に導入される。「実質的な破綻状態において損失吸収力を確保するための最低要
件」と題したバーゼル委員会の 2011 年1月 13 日付プレスリリース(以下「 2011 年1月プレスリリー
ス」という。)には、以下のとおり追加のバーゼル Ⅲ 要件(以下「破綻状態要件」という。)が定
められている。
「国際的に活動する銀行により発行されるその他ティア1とティア2資本商品についてはいずれ
も、トリガー事由が発生した場合、関係当局の選択により、元本削減または普通株転換を義務付け
る条件が規定されなければならない。ただし、以下の条件の全てが充足されている場合を除く。
( a )当該銀行の所管国において、次の点を求める法令が施行されていること。
(ⅰ) トリガー事由発生時において、そうしたティア1やティア2資本商品の元本が削減される
こと。
( ⅱ ) そうでなければ、納税者が損失にさらされる前に、そのような資本商品が完全に損失を吸
収すること。
( b )ピアグループのレビューによって、当該国が( a )の規定を満たしていることが確認される
こと。
( c )そのような資本商品が、( a )項の規定の下で損失を被りうることが、規制当局および発行
銀行自身により今後の発行書類で開示されていること。
トリガー事由は次のうち早く発生したものとする:(1)元本削減がなければ銀行が存続不可能
になるとして、元本削減が必要である、と関係当局によって決定された場合。(2)公的セクター
による資本注入もしくは同等の支援がなければ銀行が存続不可能になるとして、当該支援が関係当
局によって決定された場合。」
2011 年1月プレスリリースでは、 2013 年1月1日以降に発行される資本商品は、ティア1および
ティア2資本商品として規制資本に算入されるためには破綻状態要件を満たさなければならないと
定めている。 2013 年1月1日より前に発行された資本商品で、上記の要件は満たさないものは、
2013 年1月1日からフェーズアウトされる。
バーゼルⅢ規則および付随基準(以下に定義する。)では、破綻状態要件は、 UAE の銀行が発行す
る資本証書が、 UAE 中央銀行が定める規制資本(以下に定義する。)の分類に該当するための前提条
件であることが確認されている。本書提出日現在、 UAE に法定の損失吸収制度がないため、破綻状態
要件は契約により規定されなければならない。
2016 年5月、 UAE 中央銀行は、「自己資本規制」と題する諮問文書の草案(以下「自己資本規制諮
問文書」という。)を発表した。これには、適用のある法律が UAE で施行された後、 UAE 国内で営業
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する銀行が従うべきバーゼルⅢの要件が詳しく記載されている。特に、自己資本規制諮問文書に
は、普通株式等ティア1資本、その他ティア1資本、ティア2資本(以下総称して「規制資本」と
い う。)に関して、 UAE の銀行が従うべき量的要件の概要が示されている。また、その他にも、 UAE
の銀行が従い遵守すべき規制資本比率、 UAE の銀行の資本保全の最低水準および規制上の自己資本に
関して UAE の銀行に求められる開示基準の概要も示されている。
2017 年2月 23 日、 UAE 中央銀行は、 官報第 612 号において「自己資本に関する規制」( 2017 年2月
1日付発効)「(以下「バーゼルⅢ規制」という。) を公表した。 2017 年2月規制は 、 自己資本規
制 諮問文書に定める措置を講じつつ、 UAE において事業を展開する全銀行の自己資本につき、バーゼ
ル Ⅲ の要件を遵守させることを意図している。 バーゼルⅢ 規制は、 通達第 CBUAE/BSD/N/2020/4980 号
により 2020 年 11 月 12 日付で UAE 中央銀行が公表した「 UAE の銀行の自己資本に関する基準」と題する
付随基準(以下「付随基準」という。)によって補足されている。付随基準には、関連するバーゼ
ルⅢの自己資本要件に関して UAE 中央銀行が監督上、期待していることが詳述されている。 UAE 中央
銀行により D-SIB に分類される銀行は、 UAE 中央銀行から通知される追加的資本バッファーを保有す
る義務が課されることとなる。さらに銀行は、 UAE 中央銀行の監督上の精査・評価プロセス後、追加
的な資本アドオン要件に服する可能性もある。 (下記 「第3-2 事業等のリスク- 規制リスク -
当グループ は、厳格な規制の対象となっており、適用法令の改正、その解釈もしくは執行、または
その不遵守は、当グループの事業に悪影響を及ぼすおそれがある。 」も参照のこと。)。
準備預金制度
UAE 中央銀行は、健全性を監督する手段として、また信用拡大を抑制するために、準備預金制度を
用いる。預金準備制度は、 定期預金については1%、その他全ての顧客預金については 14 %であ
る。
信用管理
銀行は、その規模や業務に応じた与信方針および手続を定めることが UAE 中央銀行により義務付け
られている。また、信用集中、とりわけ個人の借り手、経済部門および外国に対する集中を監視す
るために、適切な信用評価、承認プロセスおよび十分な制御手段を整えなければならない。
UAE 中央銀行のリテール・バンキングに関する 2011 年2月 23 日付通達、ならびに( 2013 年 11 月 28 日
付官報で公布され、 2013 年 12 月 28 日付で施行された) 2013 年 10 月 28 日付通達 2013 年第 31 号および
2020 年4月8日付通達第 1799 /2020 号 の改正(以下「モーゲージ規制」という。)は、個人顧客に対
して提供されている銀行貸付およびその他のサービスに関する規制を導入した。これらの規制は、
とりわけ、貸付/所得比率や個人向け商品についてのローン・トゥ・バリュー比率の上限について
定めている。例えば、これらの規制は、個人顧客に対する融資額は借り手の給料または総収入の 20
倍を超えてはならないと定めるほか、返済期限も 48 か月を超えてはならないと定めている。さら
に、モーゲージ規制には、外国人向け住宅ローンの額は、(5百万ディルハム以下のものに関し
て)初回の住宅購入時には不動産価値の 80 %を超えてはならないこと、(5百万ディルハムを上回
るものに関して)初回の住宅購入時には不動産価値の 70 %を超えてはならないことおよび2回目以
降の購入時には(当該不動産価値にかかわらず)不動産価値の 60 %を超えてはならないことが定め
られている。 UAE 国籍保有者向け住宅ローンの上限は、5百万ディルハム以下の初回の住宅購入時に
は 85 %、5百万ディルハムを上回る初回の住宅購入時には 75 %および2回目以降の購入時には(不
動産価値にかかわらず) 65 %と定められている。
大口エクスポージャー
UAE 中央銀行は、大口エクスポージャーの定義を、単一の借り手または関連する借り手グループに
対する融資エクスポージャーまたは資金未調達エクスポージャー(引当金、現金担保および抵当権
付預金を除く。)のうち所定の上限を超えるものとしている。
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2013 年 11 月 11 日、 UAE 中央銀行は、大口エクスポージャーに関する中央銀行通達 2013 年第 32 号(以
下「大口エクスポージャー通達」という。)を公表した。大口エクスポージャー通達は、 UAE の地方
政府および地方政府が保有する非営利事業体に対する全ての貸出の限度枠を銀行の自己資本の 100 %
と し、同時に単一の非営利事業体に対する貸出の限度を自己資本の 25 %とする規制が導入された。
これらの限度を超えるエクスポージャーは UAE 中央銀行の承認が条件となる。下表は、大口エクス
ポージャー通達により導入された上限の要約(バーゼル Ⅱ に基づいて計算された銀行自己資本の割
合として定義されている)を示している。
自己資本割合の上限
合計割合 個別割合
UAE 連邦政府
適用なし 適用な し
UAE の地方政府およびその非営利事業体 100% UAE の地方政府には上限な
し、各非営利事業体には
25 %の上限
UAE 連邦政府および UAE 地方政府の営利事業体 100% 25%
単一借主または関係する借主のグループ会社 なし 25%
銀行の自己資本および関係事業体の5%以上を所有す
る株主 50% 20%
国内の銀行の銀行間エクスポージャー(1年超) なし 30%
海外の銀行間エクスポージャー なし 30%
銀行の子会社および関連会社 25% 10%
取締役会 構成員 25% 5%
銀行の従業員 3% 最大 20 か月分の給与額
銀行の社外監査役、相談役および顧問弁護士 利用不可 利用不可
貸倒引当金
UAE の銀行に対しては、 IFRS 第9号が IAS 第 39 号に代わり 2018 年1月1日に開始する財務報告期間
について導入され、金融資産の減損の算定について予想信用損失 (以下「 ECL 」という。) モデルが
導入された。このため、信用損失を認識する前にクレジット・イベントが発生している必要はなく
なった。 ECL モデルの指針は、金融商品の信用状況の悪化もしくは改善の一般的なパターンの反映を
原則としている。 IFRS 第9号の規定は、3段階のアプローチ(すなわち、第1段階では短期与信、
第2段階では信用リスクの著しい増加、および第3段階では不良債権)を利用して、各段階におい
て増加する信用リスクを認識する。
新型コロナウイルスに対応した UAE 中央銀行の景気刺激策の一環として、銀行は、 IFRS 第9号の予
想損失引当金に調整項目を適用することができる。調整項目により、 2019 年 12 月 31 日と比べて IFRS
第9号の引当金が増額した分について、部分的に規制上の自己資本に繰り戻すことができる。これ
により、 IFRS 第9号の引当金は、 2024 年 12 月 31 日までの5年間にわたり段階的に施行されることに
なる。
UAE の信用局の設立
アル・エティハド信用局(以下「 AECB 」という。)は、 UAE 連邦政府が完全保有する公開株式会社
である。信用情報に関する 2010 年 UAE 連邦法第6号およびその改正版に基づき、 AECB は、 UAE におい
て金融機関および非金融機関の信用情報を定期的に収集する義務を負っている。アル・エティハド
信用局は、信用スコアの計算および信用報告書の作成のために、このデータを集計および分析して
いる。当行は、アル・エティハド信用局とデータおよび信用情報提供契約を締結している。信用報
告書が利用できることで、顧客貸付および銀行業全般の開始に関連するリスクは軽減される。
シャリーア法のコンプライアンス
UAE 法により、 UAE 中央銀行からイスラム金融の営業を認可されている金融機関は、シャリーア高
等当局が設定した規則、基準および一般原則に準拠して営業活動を行うことが求められている。ま
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た、一定の状況下では、かかる金融機関は一定の認可済金融活動を行う前にシャリーア高等当局の
同意を得なければならない。
競争
2022 年 12 月 31 日現在の UAE の銀行 セクター は、イスラム銀行8行および外資系商業銀行 28 行の支店
または子会社を含め、 50 行の商業銀行で構成されている(出典: 2022 年 12 月付 UAE 中央銀行統計報告
書)。営業認可を受けた外資系銀行の支店および子会社は、主に一般消費者向け銀行業務、貿易金
融、外貨オペレーションおよび政府関連取引に焦点を当てている。外資系銀行による公共部門ファイ
ナンスへの参加は、この分野における利鞘を著しく押し下げてきた。 UAE の金融市場は、更なる競争
激化と困難に直面しており、 NBAD と FGB の合併の完了が UAE の銀行間の更なる大規模統合への動きに刺
激を与えている。
2018 年1月1日より、一定の GCC 加盟国は VAT 制度を実施している(なお、 UAE は5%の税率にて実
施。)。 2020 年5月 11 日付で UAE 財務省は、 UAE において VAT の税率を直ちに引き上げる計画はないと
発表した。
会社が得た課税所得の全てに適用される法人税は現在、一部の首長国(アブダビを含む。)におい
て独自の法令を通じて施行されているものの、実際には、石油産業の川上で事業を営む外資系企業お
よび外資系銀行の支店にのみ適用されている。 2022 年1月 31 日付で UAE 財務省は、営業収益に課す法
人所得税を導入すると発表しており、 2022 年 12 月9日には、法人所得税法が公布された。 法人所得税
法は、 2023 年6月1日以降に開始される会計年度より発効し、政府機関および政府系企業等を除き、
全首長国(即ち、 UAE 連邦全域)であらゆる事業活動および商業活動に適用されることとなる。
(3)リスク管理
下記「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-注記 46 「財務リスク管理」を参照のこ
と。
(4) 強み
UAE 最大の銀行であり、市場での支配的な地位を有する GCC 最大級の銀行の1つである。
2022 年 12 月 31 日現在において当グループは、総資産 1,110.1 十億ディルハム、貸付金およびイスラ
ム金融の純額合計 459.6 十億ディルハム、顧客勘定および その他 預金合計 700.6 十億ディルハムを有し
ており、 UAE において最大手、 GCC において第2位の金融機関である。
UAE に おいて 、当グループは、従来のおよびイスラム金融のコンシューマー商品およびホールセー
ル商品の広範なポートフォリオ、広範な販売ネットワークならびに多岐にわたる顧客基盤と安定した
顧客関係を有している。当グループは、 UAE 最大級の顧客基盤を有し、また、 最大級 の国内販売ネッ
トワークを維持している。こうした販売ネットワークは、更なる顧客を呼び込む多くの機会を提供し
ており、当グループの既存の顧客向けの商品およびサービスの範囲を更に拡大している。
当グループが UAE から GCC 域内に至るまでに占めている市場における支配的な地位は、当グループが
コンシューマー・バンキング事業およびホールセール・バンキング事業の両分野において有する、
サービス提供における強みならびに確固たる実績のほか、顧客 サービス の品質の高さ、革新的な商品
およびサービスの創出への注力の表れである。
広範な地域および国際ネットワーク
当グループは、 子会社または関連企業ならびに支店および駐在員事務所を通じ、5大陸にわたって
世界的に事業を展開している 。かかる広範な地理的拠点により、当行にとっては、既存の顧客基盤を
拡大する機会および当グループの確立された国内運営を活用する機会に加え、自行の商品およびサー
ビス提供を拡大させる機会が提供されている。
強固な資本基盤および流動性
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2022 年 12 月 31 日現在、当グループの総自己資本比率は 15.6 %であり、ティア1資本比率は 14.5 %お
よびティア2自己資本比率は 1.1 %であった(いずれも UAE 中央 銀行 ガイドラインに従い算出されてい
る。)。
UAE におけるバーゼルⅢの段階的な導入の一環として、官報第 612 号において 2017 年2月1日付で施
行された、自己資本比率に関する規制(以下「 2017 年2月規制」という。)および通達第
CBUAE/BSD/N/2020/4980 号により 2020 年 11 月 12 日付で UAE 中央銀行が公表した「 UAE の銀行の自己資本
に関する基準」と題する付随基準に基づき、当行は、 UAE 中央銀行により、 2019 年1月 1日 から
14.5 %の最低自己資本比率を維持することが要求されている。この UAE 中央銀行が定める最低自己資
本比率の一部として、 D-SIB としての当行は、 2019 年1月1日から普通株式等ティア1資本バッ
ファー 1.50 %とする D-SIB バッファーを維持することが要求されている。 普通株式等ティア1資本
2.5 %の資本保全バッファーも、 14.5 %の最低自己資本比率に含まれる。その最低自己資本比率に加
え、当行には、資産の地理的分布および当該法域で適用されるカウンター・シクリカル・バッファー
基準に基づいて決定されるカウンター・シクリカル・バッファーが適用される。
さらに、 UAE 中央銀行 2020 年4月 22 日付通達第 CBUAE/BSD/N/2020/2016 号により、銀行は、 IFRS 第9
号の予想損失引当金に調整項目を適用できるようになる予定である。調整項目により、 2019 年 12 月 31
日と比較して IFRS 第9号(ステージ1およびステージ2限定)の引当金増額分について、部分的に規
制上の自己資本に繰り戻すことができることとなる。これにより、 IFRS 第9号の規定は、 2024 年 12 月
31 日までの5年間にわたり段階的に施行されることになる。さらに、計画されていた一部のバーゼル
Ⅲの自己資本要件の実施が 2021 年3月 31 日から 2022 年6月 30 日までの間に段階的に実施される。詳細
については、 上記「 ( 2 ) アラブ首長国連邦の銀行セクターおよび規制-(ⅱ)新型コロナウイルス」
を参照のこと。
当グループ の自己資本比率は、 2009 年2月に行われた NBAD および FGB 各行による 4.0 十億ディルハム
のティア1キャピタル・ノートの発行および 2020 年 10 月に行われた当行の 750 百万米ドルの永久ティ
ア1資本証券の追加発行( IAS 第 32 号:「金融商品-表示」に従い資本として会計処理される。)に
より下支えされている。当グループはさらに、盤石な流動性ポジションを維持しており、 2022 年 12 月
31 日現在の LCR および預貸率はそれぞれ 154 %および 65 %であった。 2022 年 12 月 31 日現在、当グループ
は 228.4 十億ディルハムの現金および中央銀行預け金を有する。
LCR により、 30 日のストレス期間における予想現金流出額と予想現金流入額の上限との差異を補填
するため、銀行は、流動性バッファーにおいて十分な HQLA を有することが要求される。 バーゼルⅢで
は、この比率の最低水準を 100 %とすることが要求されている一方(すなわち、機関による HQLA のス
トックは、 正味 現金流出合計以上となるべきである。)、 UAE 中央銀行は、関連する UAE の銀行に LCR
を段階的に導入し、 LCR の遵守の開始時には 60 %の当初ベンチマークを設定して、 2019 年1月1日付
で 100 %に引き上げた。 2022 年 12 月 31 日現在、当グループの正味 HQLA のポートフォリオおよび LCR は、
それぞれ 355.5 十億ディルハムおよび 154 %であった。当行は、 LCR 基準を遵守することが、 UAE もしく
は MENA の経済または銀行セクターへの不測のシステム上のショックを十分に吸収できることを確実に
すると考えている。下記「第3-2 事業等のリスク -流動性リスク-当グループの営業キャッ
シュ・フローは、契約上の支払義務および偶発的な支払義務を履行する上で常に十分とはいえない可
能性がある。 」および上記「(2)アラブ首長国連邦の銀行セクターおよび規制-( ⅱ )新型コロナ
ウイルス」を参照のこと。
当行は、その強固な資本および流動性プロファイルにより、主に以下の二重の利益がもたらされる
と考えている。すなわち、健全な資本基盤、十分に分散化された事業構成および資金調達プロファイ
ルにより、当グループは高まる規制上の要求を満 たす上でより有利な立場となる 一方で、当グループ
の増強された資本基盤および強化された引受能力により、当行は、国際的な展開を視野に入れる UAE
企業により良いサービスを提供し、 UAE で事業を展開する外資系企業に更なる支援を提供することが
できる。
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協力的な筆頭株主
本書提出日現在、当行の筆頭株主はアブダビ政府であり、ムバダラ・インベストメント・カンパ
ニー(以下「 MIC 」という。)を通じて当行の発行済株式の 37.9 %を間接的に保有していた。
アブダビ政府は、 NBAD の設立ならびに FGB との合併の支援に関与しており、 NBAD および FGB はいずれ
もアブダビ政府と強固な協働関係を維持しており、この関係は FGB との合併後も維持されてきた。当
グループ(過去には NBAD および FGB) に対するアブダビ政府の支援は、アブダビ政府が新たなビジネ
ス・チャンスで当グループ(過去には NBAD および FGB) と提携し、 NBAD および FGB の長年にわたる顧客
であり続けている組織を支配している等、様々な形で表れている。さらに、他地域政府と同様、アブ
ダビ政府は 2008 年の世界金融危機の際には NBAD および FGB 両行を含めた国内銀行に金融支援を行った
ことで、国内銀行が UAE 中央銀行の指針を大幅に上回るほどの流動性を維持し、高い自己資本比率を
達成することができた。過去の金融支援および継続的なアブダビ政府との強固なビジネス関係があっ
たことで、経済混迷の時期にも NBAD および FGB は業績を安定させることができ、顧客および市場から
の信頼を拡大することができた。
アブダビ政府が、( FGB との合併前の NBAD および FGB それぞれを含め)これまでと同様の形で当グ
ループへの支援を継続するという保証はないが、当グループの経営陣は、当グループのアブダビ政府
との強固な 関係性 は今後も継続され、予見可能な将来においても変わる可能性は低いと考えている。
従来型商品およびイスラム金融商品の提供に係る総合サービスの提供
当グループは、その顧客基盤に対し、従来型およびイスラム銀行双方の総合的な商品およびサービ
スを提供していることから、収益源が多様化するとともに、バランスシートを成長させ、中核的な国
内市場における地位を強化する機会が当グループに与えられている。総合的なサービスを提供する銀
行として、当グループは、従来型商品、または場合によってはイスラム金融商品のいずれかのみを提
供する国内の競合他社である銀行と比べ、より多様な顧客基盤に幅広くアクセスすることが可能であ
る。かかる商品に対する柔軟性は、国内の多くの競合他社と比べ、拡充した商品およびサービスを提
供する当グループの能力を高め、当グループが継続的に収益を増加させ、収益性を強化することので
きる強固なプラットフォームをもたらす。
銀行業界において確固たる実績を有する経験豊富な取締役会および執行経営陣チーム
当行は、 UAE 国内外の銀行セクターにおいて確固たる実績を有する、強力で経験豊富な取締役会
(下記「第5-3 コーポレート・ガバナンスの状況等 」において定義する。)および在任年数の長
い執行経営陣を擁していると考えて いる 。
当グループの戦略は、執行経営陣チームが有する、地域での幅広い専門性、業界をリードするイニ
シアチブの実施に係る確固たる実績ならびに最善の慣行および顧客サービスを重視する姿勢により支
えられている。上記「(1)戦略」を参照のこと。旧 NBAD および旧 FGB の執行経営陣により構成さ
れ、 UAE 、 MENA 地域および海外の金融サービス部門において幅広い経験を積んだ経験豊富な経営陣
チームを擁することで、当グループは、執行経営陣チームにおける人材の定着から得られる恩益を受
けている。さらに、取締役会は、主に銀行業界において同様の確固たる実績を有する旧 NBAD および旧
FGB の取締役により構成されている。取締役会および執行経営陣の詳細については、下記「第5-
3 コーポレート・ガバナンスの状況等 」を参照のこと。
慎重なリスク管理文化
当グループは、十分に分散化されたローン・ポートフォリオを有しており、為替リスクも限定的で
ある。当グループは、リスク管理手続を大幅に改善するための投資を行っており、今後も継続して行
う予定である。当グループの経営陣は、 FGB との 合併後、当グループの規模および 財務的 な強みの機
能として、内部リスク統制、コンプライアンスおよび管理機能により多くのリソースをつぎ込み、投
資を行うことを計画している。 2022 年 12 月 31 日現在、当グループは 18.5 十億ディルハムの不良債権
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(以下「 NPL 」という。)を有しており、 2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度の貸倒引当金は、 18.2
十億ディルハムであった。 2022 年 12 月 31 日現在における当グループ の不良債権比率は 3.9 %であっ
た。
当行グループの 経営陣 は、 2022 年 12 月 31 日現在の減損貸付金に係る貸倒引当金の水準は、同日現在
の当グループの潜在的な信用損失を十分に引き当てられると確信している。 2022 年 12 月 31 日現在にお
ける当グループの 引当比率 は、 98 %であった。
2【事業等のリスク】
本項に含まれている将来に関する記載は、本書提出日現在の当行の考え、見通し、目的、予想および見
積りに基づいている。
当行が義務を履行する上で影響を及ぼし得る要因
厳しいマクロ経済状況および金融市場状況は、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しに
影響を及ぼしており、今後も重大な悪影響を及ぼすおそれがある。
当グループは、他の金融機関と同様、マクロ経済環境の変化および金融市場全般のパフォーマンスの影
響を受け易い。本書提出日現在、世界の債券、株式および商品市場のパフォーマンスは、マクロ経済状況
の継続的な変動により変化してきた。これは、世界経済( UAE およびその他の GCC 加盟国の経済を含む。)
にも重大な悪影響を及ぼしており、こうした重大な悪影響は現在も続いている。
新型コロナウイルス
2020 年および 2021 年におけるマクロ経済環境( UAE 国内外)は、 COVID-19 として知られる新型コロナウイ
ルスの影響を大きく受けた。 2020 年3月 11 日、世界保健機関は新型コロナウイルスを世界的なパンデミッ
クとして正式に宣言した。著しい影響を受けた国のほぼ全てがウイルスの蔓延を封じ込めようと、国境封
鎖および市民の移動制限等の対策を講じた。こうした対策の結果、これらの国では多数の企業(特に、旅
行業界および接客業界に関連する企業)が閉鎖され、失業が拡大した。新型コロナウイルスのパンデミッ
クは、世界経済に悪影響を及ぼし、世界のサプライ・チェーンを混乱させ、株価は下落し、金融市場でも
著しい乱高下および混乱が発生しており、 GCC 地域をはじめとする世界で経済成長を鈍化させる可能性があ
る。新型コロナウイルスが世界および地域の経済(原油価格を含む。)に及ぼす最終的な影響については
不明である。今後、現在既知のものよりも重篤な疾患を引き起こすおそれのある変異株が特定される可能
性もあることから、新型コロナウイルスのパンデミックの継続期間、影響および深刻さについては、予測
不能である。
新型コロナウイルス が国内経済に及ぼした影響を受け、各国政府は財政刺激策を発表し(上記「第3-
1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等-(2)アラブ首長国連邦の銀行セクターおよび規制-
(ⅱ)新型コロナウイルス」を参照のこと。)、多くの中央銀行が利下げを行っている。具体的には、米
国連邦準備制度理事会は、 2020 年3月3日、フェデラル・ファンド金利の誘導目標レンジを 1.50 % ~
1.75 %から 1.00 %~ 1.25 % に引き下げた。さらに、 2020 年3月 15 日には、 0 %~ 0.25 % に引き下げられた。
2020 年 3 月 16 日、 UAE 中央銀行は、 1 週間の譲渡性預金に適用される金利を 75 ベーシス・ポイント引き下
げ、 1.00 % から 0.25 %とした 。また、 MLF および CMF (これらの用語はいずれも、上記「第3-1 経営方
針、経営環境及び対処すべき課題等-(2)アラブ首長国連邦の銀行セクターおよび規制-(ⅱ)新型コ
ロナウイルス」において定義される。)に適用される金利を 50 ベーシス・ポイント引き下げ、 UAE の公式基
準 貸出 金利 を上回る 50 ベーシス・ポイントとした。一方、米国連邦準備金制度理事会および UAE 中央銀行
は、 2022 年中にインフレ上昇に対処するためこれとは対照的な対応をとった(下記「 金融市場 」を参照の
こと。)。世界中の中央銀行からの更なる発表が予定されており、かかる措置が最終的に各国経済に及ぼ
す影響は不明である。
原油価格の変動
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さらに、 OPEC 参照バスケット価格 は、新型コロナウイルスが大流行して以来変動している。 2020 年3月
初旬、 OPEC 当局者 は、 OPEC 加盟国およびロシアをはじめとする OPEC 以外の 石油輸出国に対し、世界の産油
を 1.5 %削減 する計画を提案した。合意には至らず、 OPEC および 主要な OPEC 以外の 石油輸出国との3年間の
パートナーシップは終了した。また、これにより、 OPEC プラスは、 2020 年3月末を期限とする、日量 2.1 百
万バレル減産の合意の延長には至らなかった。 2020 年3月、サウジアラビアは、 2020 年4月に石油産出量
を引き上げ、原油の値下げを行うと発表した。その結果、 新型コロナウイルス の大流行による需要減がサ
ウジアラビアの措置と相まって、貯蔵能力に対する懸念が生じ、買い手に原油引取料を払ったため、 2020
年4月中、特定の原油価格はマイナスに転じた(ウエスト・テキサス・インターミディエート・ベンチ
マークは、 1 バレル当たりマイナス 37.63 米ドルまで下落)。それ以来 2020 年末まで、 OPEC 参照バスケット
価格は下落の一途を辿り、 2020 年 12 月 31 日に終了した事業年度における平均価格は 41.47 米ドルであった。
世界的な新型コロナウイルス・ワクチン接種制度が功を奏したことにより経済活動が活発化し、経済成長
への期待が全般的に広まったことから、原油価格は 2021 年において上昇した。 2021 年 12 月 31 日現在、 OPEC
参照バスケット価格は 77.97 米ドルにまで上昇した。しかしながら、 2022 年初頭にウクライナをめぐりロシ
アおよび北太平洋条約機構(以下「 NATO 」という。)間で緊張が高まったことで、 2022 年2月に勃発し、
現在も続いているロシアおよびウクライナ間の危機(これに加え、一部の NATO 加盟国および欧州諸国がロ
シアのエネルギー業界および銀行業界に課した制裁ならびにロシアの原油およびガスに課した禁輸の発
動)に発展し、こうした事態が依然として続いていることから、原油価格は、 2013 年以来初の1バレル当
たり 100.00 米ドル超えとなった。 2022 年 12 月には OPEC 参照バスケット 価格 は 月平均で 79.68 米ドルとなった
(出典: 2023 年1月 13 日にアクセスした OPEC のウェブサイト)。
2020 年3月以降にみられた原油価格の変動前の原油価格は、 2014 年に始まった原油価格の下落を受けて
回復局面にあった。 2014 年7月から 2016 年1月にかけて国際原油価格は大幅な下落し、1バレル当たりの
OPEC 参照バスケット価格は月平均で、 2014 年7月現在の 107.89 米ドルから 2016 年1月現在の 26.50 米ドルへ
と約 75 %も下落した。このため、 2017 年から 2020 年初めにかけて世界の原油価格が一部是正された( 2020
年1月の OPEC 参照バスケット価格は月平均で1バレル当たり約 66.11 米ドルであった。)。
石油、ガス、鉱業および採石の各セクター に対する当グループの直接的なエクスポージャーは多額では
ないものの( 2022 年 12 月 31 日現在、貸付金およびイスラム金融の 7.0 %は、エネルギー産業の顧客向けで
あった。)、原油価格の低迷および原油の需要低下は、 UAE 経済に重大な悪影響を及ぼし、政府支出の減少
を招くおそれがある。これにより、 UAE 経済全体への影響が拡大し、他の産業の不振につながる可能性もあ
る。よって、これは、当グループの 事業、経営成績、財政状態 および見通しに悪影響を及ぼすおそれがあ
ることから、当行 の義務を 履行する能力にも影響しかねない。
財政改革
さらに、 UAE においては、原油価格が低迷した環境に対応するために、連邦政府が 2015 年から実施してい
る大幅な財政改革は、 UAE 経済に大きな効果をもたらしておりその効果は続くとみられる。 UAE 連邦政府
は、政府系企業への資本投資の縮小、政府出資の削減、電気料金および水道料金の値上、ならびに燃料助
成金の廃止を実施してきた。最近では、原油価格の下落および新型コロナウイルスのパンデミックの結
果、 UAE においては 2021 年度連邦支出が、 2020 年度に比べ約 5.3 %減少した。また、広範な GCC 全域における
合意の一環として、 2018 年1月1日より UAE 連邦政府は、税率5%の付加価値税(以下「 VAT 」という。)
制度を導入した。 2019 年1月1日にバーレーンが GCC における VAT 制度に参加し、オマーンは 2021 年4月 16
日に VAT を実施した。カタールでは 2023 年中、クエートでは近年中に VAT の導入が見込まれている。 2018 年
1月1日に税率5%の VAT を導入したサウジアラビアは、 2020 年7月1日より税率を 15 %に引き上げた。そ
の結果、当グループの主幹業務の一つである UAE のリテール市場に対する負荷は、当グループの事業、経営
成績および財政状態に悪影響を及ぼすおそれがある ことから、当行の義務を履行する能力にも影響しかね
ない。
2022 年1月 31 日付で UAE 財務省は、営業収益に課す法人所得税を導入すると発表し ており、 2022 年 12 月9
日には、法人所得税法が公布された。法人所得税法は、 2023 年6月1日以降に開始される会計年度より発
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効し、政府機関および政府系企業等を除き、全首長国(即ち、 UAE 連邦全域)であらゆる事業活動および商
業活動に適用されることとなる。
法人所得税法に基づき適用される税率については、 375,000 ディルハム未満の課税所得に対しては0%、
375,000 ディルハムを超過する課税所得に対しては9%である。
法人所得税法による変更が当グループの事業に及ぼす影響については現在、当グループの税務顧問と評
価中である。それまで当グループは、法人所得税が当グループの経営成績および財政状態に及ぼし得る影
響または当グループの法人顧客に及ぼす影響の程度を正確に評価することはできない。
UAE においてこれらの措置は、財政支出全般の合理化および炭化水素関連収入に対する財政依存を減らす
ことを目的とした、連邦政府の広範な戦略の重要な一部となっている。現在も続いている原油価格の変
動、 2015 年からサウジアラビア主導のイエメンに対する軍事介入につぎ込まれてきた多額の財政収入、な
らびに新型コロナウイルスのパンデミックに伴う UAE (特にアブダビ。)の民間部門および公共部門の双方
で発生している全国的な失業問題を総合的に捉えると、近年 UAE 経済が受けてきた影響は大きい。
さらに、アブダビに拠点を置く当グループの政府系顧客に関連して、 2015 年アブダビ評議会通達第 11 号
および 2017 年アブダビ評議会通達第1号(以下総称して「アブダビ公的債務法」という。)等の法令上、
当該通達の写しを受領したアブダビ政府所有の会社は、当該会社またはその子会社が借入または債券発行
に関する取引を締結する場合にアブダビ評議会の承認を得ることを義務付けられている(かかる借入がア
ブダビ政府保証を受ける場合には、アブダビ公的債務局と調整する追加要件もある。)。実務上、アブダ
ビ公的債務法の適用がアブダビに拠点を置く当グループの政府系顧客に及ぼす影響の程度は不確定であ
る。アブダビ公的債務法の条項がより厳密に適用され始め、アブダビに拠点を置く当グループの政府系顧
客が当グループと契約を行うたびにアブダビ評議会の承認を得なければならなくなった場合、公共部門の
顧客に対する当グループの貸付活動が減少する(および/またはその実行が遅延する)可能性がある。
原油価格の変動の影響に対応するために 2015 年以降 UAE 連邦政府が行った措置は、当グループの主幹業務
の1つである UAE リテール市場に大きな負荷を課すこととなった。 UAE におけるマクロ経済状況が改善せ
ず、リテール部門が直面する課題が当グループの法人顧客に拡大した場合、当グループの事業、経営成績
および財政状態が重大な悪影響を受けるおそれがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響しか
ねない。
金融市場
2014 年以降に金融市場で激しい変動がみられた間、流動性の低下、信用スプレッドの拡大、ならびに与
信市場および資本市場における価格透明性の欠如が発生した期間があった。市況の悪化は、資産価格、コ
モディティ価格、金利および為替の大きな変動を通じて世界および UAE 双方の投資市場にも影響を及ぼして
きた。
さらに、世界の経済国の多くが、高水準のインフレに見舞われている。 2022 年のインフレは、先進経済
国で 5.7 %、新興市場および発展途上経済国で 8.7 %と予測されている(出典:国際通貨基金( IMF ) 2022 年
度世界経済見通し)。しかしながら、こうしたインフレ予測にはかなりの不確実性がある。インフレの予
測には、(上述のとおり)ロシアとウクライナの紛争による原油価格の高騰および(小麦、トウモロコシ
および肥料をはじめとするコモディティ供給の混乱による)食料価格の高騰等、様々な要因が関連してい
る。加えて、 2021 年には需要が急増した一方で、新型コロナウイルスの大流行による工場閉鎖、港の制
限、輸送路の混雑、コンテナ不足および検疫による労働者不足等、様々な障害により供給が滞った。生産
が価格高騰に対応するにつれ、供給障害は徐々に緩和するとみられているものの、ゼロコロナ政策による
中国でのロックダウンの再開、ロシアとウクライナの紛争ならびにロシア人、ロシア企業およびロシアの
機関に対する制裁の拡大は、 2023 年にかけても一部の産業における混乱を長引かせる可能性がある。イン
フレの長期化も、(例えば、株式市場および不動産市場に悪影響を及ぼし得る、長期固定金利債券の広範
囲にわたる即時売りを引き起こすことで)より広く世界経済のみならず、当グループの顧客およびカウン
ターパーティに影響を及ぼす(さらにこれにより回復力が低下する)可能性がある。これは、ひいては当
行の義務を履行する能力にも影響を及ぼしかねない。
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本書提出日現在の市況により、当行が直接与信を行ったまたは今後も行う企業が、収益減少、財務損
失、支払不能、融資困難および資金調達コスト増加に見舞われており、今後も見舞われる可能性があり、
こ れら企業の一部は、当行に対する支払を含め、期限の到来した債務返済義務またはその他費用支払の履
行が不能となっている。
こうした乱高下の激しい市況の結果、信用市場および資本市場においては、流動性の減少、信用スプ
レッドの拡大および価格透明性の欠如が発生してきた。不利な市況は、世界および UAE の双方で投資市場に
影響を及ぼしており、金利および為替レートの変動が激しくなっている。
2015 年 12 月から 2018 年 12 月までの間、米国連邦準備制度理事会は、 25 ベーシス・ポイントずつの9度の
利上げにより、米国翌日物金利を合計で 225 ベーシス・ポイント引き上げた。しかし、 2019 年に米国連邦準
備制度理事会は、 25 ベーシス・ポイントずつの3度の利下げにより、米国翌日物金利を合計で 75 ベーシ
ス・ポイント引き下げた。新型コロナウイルスの悪影響に対する経済の安定化を図るため、 2020 年3月に
も米国連邦準備制度理事会 はさらに 2度 の利下げを通じて米国金利を0%近くに 引き下げた。 2020 年3月
に金利を 0.1 %に引き下げたイングランド銀行をはじめ、 2020 年3月に同様の措置を講じて基準貸出金利の
引下げを行ったサウジアラビアおよびバーレーン等の中央銀行を含め、多くの中央銀行も同様の利下げを
発表した。
UAE ディルハムが対米ドル・ペッグ制を採用していることから、 UAE も同様の措置を講じて、基準貸出金
利を 2020 年3月初めに 50 ベーシス・ポイント、 2020 年3月 16 日にさらに 75 ベーシス・ポイント引き下げ
た。 2020 年7月6日付で UAE 中央銀行は、 UAE で営業する従来型の銀行が UAE 中央銀行に余剰流動性を翌日物
として預金できるよう翌日物預金ファシリティを導入した。これにより UAE 中央銀行の金融政策の一般的姿
勢は、 UAE 中央銀行の主要な政策金利(以下「 UAE 基準金利」という。)となった翌日物預金ファシリティ
の金利を通じて発信されることとなった。 UAE 中央銀行は、翌日物金融市場金利が通常の市況では UAE 基準
金利付近で推移するとみている。 UAE 基準金利は、米国連邦準備制度理事会の超過準備金にかかる金利と連
動している。
UAE 中央銀行は、 2020 年以降数度にわたり UAE 基準金利を引き上げており、米国連邦準備制度理事会によ
る準備金残高の利上げに関する発表を反映して、 2021 年6月には5ベーシス・ポイント( 0.15 %まで)、
2022 年3月には 25 ベーシス・ポイント( 0.4 %まで)、 2022 年5月には 50 ベーシス・ポイント( 0.09 %ま
で)、 2022 年6月には 75 ベーシス・ポイント( 1.65 %まで)、 2022 年7月には 75 ベーシス・ポイント
( 2.4 %まで)、 2022 年9月には 75 ベーシス・ポイント( 3.15 %まで)、 2022 年 11 月には 75 ベーシス・ポイ
ント( 3.9 %まで)、 2022 年 12 月には 50 ベーシス・ポイント( 4.4 %まで)引き上げた。
これとは別に UAE 中央銀行は、 2022 年9月 21 日および 11 月2日にも、全ての有効な信用枠を通じて UAE 中
央銀行からの短期流動性借入に適用される金利を UAE 基準金利よりも 50 ベーシス・ポイント上回る水準に維
持する決定を発表した。
変動の激しい金利環境に当グループが対応できない場合、今後の金利の変動は、当グループ の純利息
マージン、借入費用および資本にも悪影響を及ぼす可能性がある。当行の事業、経営成績、財政状態およ
び見通しは、こうした動向により重大な悪影響を受けており、今後他の GCC 加盟国および新興市場全体にお
いて好ましくない経況が続く間のみならず、米国および欧州をはじめとする国際取引市場の市況および/
または関連する要因により、更なる重大な悪影響を受ける可能性がある。
信用リスク
信用リスクとは、当グループのカウンターパーティが弁済期限到来時に適時の債務弁済を怠り、当グ
ループが財務上の損失を被るリスクをいう。信用リスクは、当グループの事業、経営成績、財政状態およ
び見通しに重大な悪影響を及ぼす可能性がある。当グループが現在直面している信用リスクは、以下のと
おりである。
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当グループが、財政難に陥っている債務者に対する不良債権( NPL )につき、その水準を効果的に監視およ
び管理ができず、必要に応じて首尾良く再編できなかった場合、または当グループの減損引当金が信用損
失の引当に十分でない場合、当グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼすおそれがある。
GCC 加盟国に所在の他行と同様、近年の好ましくない経済および政治の動向の結果(新型コロナウイルス
の大流行を含む。)、消費者マインドの水準、消費支出、流動性の水準、倒産率ならびに商業用および住
宅用の不動産価格等の要因の好ましくない変化は、歴史的にも当グループの信用ポートフォリオに影響を
及ぼしてきた。上記「 厳しいマクロ経済状況および金融市場状況は、当グループの事業、経営成績、財政
状態および見通しに影響を及ぼしており、今後も重大な悪影響を及ぼすおそれがある。 」を参照のこと。
こうした変化の激しい経済環境ならびにアブダビおよび UAE における経済活動水準に生じ得る影響は、当
グループの信用リスク・プロファイルに悪影響を及ぼし続けると見込まれる。当グループは定期的に信用
エクスポージャーを検証しており、信用ポートフォリオの一部の金利更改および信用が減損した貸付金お
よびイスラム金融の一部の再編を実施してきたが、顧客の債務不履行は今後も発生する可能性がある。か
かる事態の発生は、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しに重大な悪影響を及ぼしてお
り、こうした悪影響は今後も続くとみられることから、当行の義務を履行する能力にも影響を及ぼしかね
ない。
2022 年 12 月 31 日現在、当グループの不良債権( NPL )は 18.5 十億ディルハムであり、 2022 年 12 月 31 日に終
了した事業年度において、 18.2 十億ディルハムの減損引当金を計上している。国際財務報告基準( IFRS )
に従い、当グループは、損益計算書において、算定された減損(回収に対する最も的確な見積りおよび予
想損失額を算出する判断に基づき設定される。)を事前に費用として計上することを求められている。債
権の利息または元本(場合に応じて。)が支払われた場合、損益計算書にその旨計上し直される。当グ
ループの経営陣は、 2022 年 12 月 31 日現在の減損した貸付金およびイスラム金融に対する減損引当金の水準
は、同日現在における当グループの潜在的な信用損失の引当に十分であると信じている。しかし、当グ
ループが計上した減損費用が実際の信用損失の引当に十分である保証はない。 2022 年 12 月 31 日現在、当グ
ループの引当率は 98 %であった。
当グループ は、個々の金融機関に対する貸出限度額および国別与信限度額の遵守を定期的に検証および
監視している。上記「第3-1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等-(3)リスク管理」を参照
のこと。さらに、当グループの信用グループは、成長、リスク管理および戦略的目標に沿った信用に係る
方針および手続の策定に責任を負っており、当行の経営陣は、当グループの貸付金およびイスラム金融の
再編を実施するための現行システムおよび減損引当金は、各報告日現在で適切であると信じている。これ
は、当行の義務を履行する能力に影響を及ぼす可能性がある。
当グループ が、減損貸付金およびストレス下にある貸付金につき、適切にリストラクチャリングできな
かった場合、またはそれらの水準を監視および管理できず、適切に引当できなかった場合、当グループは
減損費用を更に支出することとなり、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しが重大な悪影
響を受けるおそれがある。
当グループ の貸付・投資ポートフォリオおよび預金基盤は地理、セクターまたは顧客ごとに集中してい
る。
当グループの貸付・投資ポートフォリオは、地理的に UAE に集中している。その結果、 UAE の経況全般が
悪化した場合、または当グループが地理的リスク、セクター・リスクおよび顧客リスクの集中を効果的に
管理できなかった場合、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しが重大な悪影響を受けるお
それがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。
また、 2022 年 12 月 31 日現在、当グループの貸付金ポートフォリオ、イスラム金融ポートフォリオおよび
投資有価証券ポートフォリオ(引当金控除後)は併せて、当グループの総資産の 59.7 %に相当する 664 十億
ディルハムであった。 2022 年 12 月 31 日現在の当グループの顧客に対する貸付金およびイスラム金融の総額
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のうち、不動産は 18.7 %、個人ローンおよびクレジットカードは 10.4 %、エネルギーは 6.7 %を占めてい
た。
2022 年 12 月 31 日現在、当グループの投資有価証券ポートフォリオは、非トレーディング債券投資 171.3 十
億ディルハム( 83.9 %)で構成されている。当グループの非トレーディング債券投資ポートフォリオは、
MENA 地域の発行会社(主に政府および公営企業)に対して著しく大きなエクスポージャーを有している。
2022 年 12 月 31 日現在、当グループの非トレーディング投資有価証券ポートフォリオ 38.2 十億ディルハム
( 18.6 %)は、 UAE に対するエクスポージャーを有しており、 UAE を除く GCC 加盟国に対するエクスポー
ジャーは 30.8 十億ディルハム( 15.0 %)であった。
さらに、 UAE の人口の大部分は、 UAE における就業および居住のために雇用主が身元保証となる更新可能
な就業許可を要する外国人である。このため、当グループの顧客基盤およびリテール・ポートフォリオの
相当部分は、 UAE に滞在する海外からの駐在者で構成されている。当行は、かかる顧客がローンを返済しな
いまま UAE を出国する「高飛びリスク」にさらされている。当グループは、一部の国において「高飛び」し
た借り手に対する国外執行措置を講じつつ、信用エクスポージャーを定期的に検討しながら、借り手の財
政状態および信用力を評価する体制を整備しているが、当グループこうした措置を適確または効果的に講
じなかった場合、当グループの信用ポートフォリオのデフォルト率が上昇し、当グループの事業、経営成
績、財政状態および見通しが悪影響を受けるおそれがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響
しかねない。
信用損失について、新たに減損引当金を著しく増加した場合または過去に計上した減損引当金の水準を上
回る信用損失が発生した場合、当行の経営成績および財政状態が悪影響を受けるおそれがある。
貸付業務に関連して、当行は、信用損失に対する減損引当金を定期的に設定し、損益計算書に計上して
いる。当行の減損引当金の全般的水準は、過去の損失実績および予想信用損失(実行した融資の金額およ
び種類、保有担保、業界水準、延滞融資、経況ならびに各種金融資産の回収可能性に関連するその他の要
因を考慮したもの)に関する当行の評価に基づいている。当グループは、発生した信用損失額の最も的確
な見積り値に基づき、適切な水準の減損引当金を設定するよう努めているが、例えば経済的ストレス状態
または規制環境の変化等の理由により、当グループが信用損失に対する減損引当金を大幅に増加せざるを
得ない可能性もある。減損引当金を大幅に増加した場合または信用ポートフォリオに固有の信用損失リス
クに係る当グループの見積りに大幅な変更があった場合において、信用損失がその減損引当金を超過して
発生した場合、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しが悪影響を受けるおそれがあること
から、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。
IFRS 第9号は IAS 第 39 号に代えて 2018 年1月1日に開始する財務報告期間について導入され、金融資産の
減損の算定について「予想信用損失」モデルが導入され、信用損失を認識する前にクレジット・イベント
が発生していることは必要とされなくなった。上記「第3-1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題
等-(2)アラブ首長国連邦の銀行セクターおよび規制-(ⅱ)新型コロナウイルス」および「(ⅳ)近
年の銀行業務の動向- 貸倒引当金 」を参照のこと。
更なる会計基準または規制上の変更による当グループの減損算定モデルに対する義務的な変更は、当グ
ループが設定した減損引当金に悪影響を及ぼし、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しに
も悪影響を及ぼす可能性があることから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。
当グループの正味営業収益の相当部分を占める重要な顧客との取引を喪失した場合、当グループは、重大
な悪影響を受けるおそれがある。
当グループの正味営業収益の相当部分は、アブダビ政府が支配する企業、アブダビ政府関連企業、アブ
ダビの支配一族のメンバーおよびその他個人富裕層(かかる個人富裕層の支配企業および関連企業を含
む。)等、一部の重要な顧客から発生している。かかる一以上の顧客の取引の全部または相当部分を喪失
した場合、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しが重大な悪影響を受けるおそれがあるこ
とから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。
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加えて、アブダビ政府が支配する企業またはアブダビ政府と関連する企業の財政状態および継続的な収
益性は、アブダビ政府の支出および政策に大きく依存している。このため、当グループは、アブダビ政府
の 支出および政策の変更のほか、かかる変更がアブダビおよび UAE における経済活動の水準に及ぼす影響に
よるリスクにさらされている。当グループはこうしたリスクをコントロールすることはできず、かかる変
更が当グループに与える影響を予想することは困難なこともある。 2014 年中頃から続いている大きく変化
する経況の結果、年度予算および公共支出の削減と相まって、 GCC 経済においては財政赤字が拡大してい
る。上記「 厳しいマクロ経済状況および金融市場状況は、当グループの事業、経営成績、財政状態および
見通しに影響を及ぼしており、今後も重大な悪影響を及ぼすおそれがある。 」を参照のこと。
当グループがかかる変更を適切に予測および評価できなかった場合、当グループの事業、経営成績、財
政状態および見通しが悪影響を受けるおそれがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響しかね
ない。
流動性リスク
流動性リスクは、当グループが自らの金融債務と関連する支払義務を支払期限到来時に履行できないリ
スク、および/または資金の引出しがなされた時に当グループが新たな資金を用意できないリスクをい
う。流動性リスクは、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しに重大な悪影響を及ぼすおそ
れがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。当グループが現在直面している流動
性リスクは、以下のとおりである。
当グループの営業キャッシュ・フローは、契約上の支払義務および偶発的な支払義務を履行する上で常に
十分とはいえない可能性がある。
当グループの営業キャッシュ・フローが、短期および中期の契約上の支払義務および偶発的な支払義務
を支払期限到来時に履行する上で十分でない場合、当グループは流動性の問題に直面する可能性がある。
かかる流動性の問題は、当グループが顧客からの新規預金、新たな資金調達による手取金または将来の収
入源を継続して確保していたとしても、当グループの利用可能な流動性が、債務返済、ローン・コミット
メントの実行、または特定の日付におけるその他の貸借対照表に計上されたもしくは計上されない支払義
務の履行に十分でない場合に発生することがある。こうした流動性の問題は、顧客口座およびその他の預
金が予想外に引き出された場合、当グループの流動性ある証券ポートフォリオの価値が著しく低下した場
合、または当グループがかかる資金不足を穴埋めするための短期資金を商業的に受入可能なレートで調達
できなかった場合も発生する可能性がある。
当グループの資産負債管理委員会は、流動性比率の設定および監視ならびに当グループの流動性管理方
針の定期的な更新を行い、当グループが期限到来時に義務を履行できるように努めている(上記「第3-
1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等-(3)リスク管理」を参照のこと。)。さらに当グルー
プは、継続的な資金調達ニーズを特定する目的および一定の期間にわたり適切な流動性を維持する目的
で、資産および負債の満期分析を定期的に実施している。当グループのリスク委員会は、通常およびスト
レス下での市場状況における当グループの流動性に関する定期報告を受けているほか、流動性がストレ
ス・シナリオにおいて一定の期間にわたり確実に利用可能となるための戦略を策定している。 2022 年 12 月
31 日現在、当グループの現金および中央銀行預け金は 228.4 十億ディルハムであった。
UAE 中央銀行は、 2008 年の世界金融危機に対応してバーゼル銀行監督委員会(以下「バーゼル委員会」と
いう。)により承認された信用機関の資本および流動性基準の順次の段階的な導入方針(以下「バーゼル
Ⅲ 」という。)を適用した。 UAE におけるバーゼル Ⅲ の段階的導入の一環として、 UAE 中央銀行は、 UAE の一
定の銀行に対し、それらがバーゼルⅢの LCR および NSFR を UAE 中央銀行に報告する義務があることを通知し
た。
LCR は、 30 日間にわたる極端なストレス下における顧客資金の持続的な流出に対処する銀行の能力を測定
するためのバーゼル Ⅲ の一環として、バーゼル委員会が導入した指標である。 LCR は、金融機関が有する処
分制約のない HQLA (かかるストレス・シナリオにおいて重要な流動性の源泉を提供する、低リスクで市場
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性の高い資産クラスを含む。)を、直後の 30 日間にわたる予想正味現金流出額で除して計算される。 LCR に
より、銀行は、 30 日間のストレス期間における予想現金流出額と予想現金流入額の上限との差額を補填す
る 目的で、流動性バッファーにおいて十分な HQLA を保有することが義務付けられている。バーゼル Ⅲ に基
づき、 LCR の最低値は 100 %でなければならないが(即ち、ある金融機関が保有する HQLA は、少なくとも正
味現金流出額合計と同額でなければならない。)、 UAE 中央銀行は、関連する UAE の銀行に対し LCR を段階的
に導入し、 LCR の遵守の開始時に 60 %の当初ベンチマークを設定の上、 2019 年1月1日現在これを 100 %に
引き上げている 。 2022 年 12 月 31 日現在、 当グループは 355.5 十億ディルハムの HQLA ポートフォリオを有して
おり、当グループの LCR は 154 %であった。
LCR の遵守および十分な HQLA のポートフォリオの維持に関連する固有の費用により、当行は、 LCR を通じ
た流動性の監視を求められない UAE に本店を置く他の競合金融機関と比較して、競争上不利な立場に置かれ
る可能性があり、当行の事業、経営成績、財政状態および見通しに重大な悪影響を及ぼすおそれがあるこ
とから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。
当グループ は、中長期の資産のための資金調達源として短期要求払預金および定期預金を維持している
が、資産および負債の契約上の満期が一致しない可能性がある。
UAE 所在の他行と同様、当グループの負債には短期要求払預金および定期預金が含まれる。当グループの
短期の要求払預金および定期預金の一部は、中長期の資産(ローンおよび住宅ローン等。)に資金を供給
している。当グループの資産および負債の満期の不一致は、当グループが既存の預金をロールオーバーで
きず、新たな預金を得ることができず、または既存もしくは将来の信用ポートフォリオの代替の資金源を
得ることができない場合またはそれらの取得費用が市場価格と異なる場合に流動性リスクにつながる可能
性がある。
当グループは、資金調達源の分散化および満期の長期化を目的として、(バイラテラル借入またはシン
ジケート借入および国際債券市場を通じて)ホールセール資金調達市場にアクセスしているが、こうした
借入によっても、資産および負債の契約上の満期のミスマッチを是正することはできていない。
当グループの預金者の相当数が要求払預金の引出しを行った場合もしくは満期時に定期預金を預替えし
なかった場合、または当グループが巨額の短期もしくは中期の借入金の一部につき、借換えができなかっ
た場合、当グループは、自らの資金調達ニーズを満たすために、より費用のかかる資金調達源にアクセス
しなければならない可能性がある。当グループが必要な時に商業上合理的な条件で追加的な資金を調達で
きる保証、またはそもそも追加的な資金調達を行うこと自体ができる保証はない。当グループが借換えで
きなかった場合またはかかる預金に代わる新たな資金を用意できなかった場合、当グループの流動性、事
業、経営成績、財政状態および見通しが重大な悪影響を受けるおそれがあることから、当行の義務を履行
する能力にも影響しかねない。
当グループ は、貸借対照表に計上されない巨額の与信関連コミットメントを引き受けていることから、損
失を被るおそれがある。
通常の銀行業務の一環として、当グループは、与信、保証、信用状およびその他の金融ファシリティに
係る取消可能および取消不能なコミットメントを引き受けるとともに、かかるコミットメントが全額実行
される前に証券投資するためのコミットメントも提供している。かかるコミットメントはいずれも、実際
に実行されるまで、または取り消されるまで、貸借対照表には計上されない。かかるコミットメント実行
は偶発的であるため、貸借対照表に計上されないものの、その結果、当グループは関連する信用リスク、
流動性リスクおよび市場リスクにさらされることとなる。与信関連コミットメントは、顧客に対する貸付
金およびイスラム金融と同様の信用承認条件およびコンプライアンス手続に服し、信用コミットメント
は、顧客が要求される信用基準を維持することを条件としている。当グループは、かかるコミットメント
に関連する義務の全てが発生すると見込んでいないが、かかるコミットメントの相当部分につき資金提供
義務が発生する可能性はあり、この場合、当グループの財政状態、特に流動性ポジションが重大な悪影響
を受けるおそれがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。 2022 年 12 月 31 日現在、
当グループの偶発債務は、 234.6 十億ディルハムであった。
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市場リスク
当グループの事業は、金利、株価、物価、外国為替レートおよび信用スプレッド等の市場価格の変動
が、当グループの収益または保有金融商品の公正価値に影響を及ぼす市場リスクにさらされている。市場
リスクは、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しに悪影響を及ぼすおそれがあることか
ら、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。当グループが現在直面している市場リスクは、以下
のとおりである。
金利水準の変動は、 当グループ の純利息マージンおよび借入費用に影響を及ぼし、金利およびスプレッド
の変動に対して感応度の高い資産の価値が悪影響を受けるおそれがある。
当グループの業務は、その他の要因の中でも、金利の変動による影響を受ける。特に、当グループの活
動は、当グループの金利リスク管理、および市場レートと利息マージンの間の関連性に依拠する。当行の
正味受取利息は、当行の利息を生じる資産および負債の水準、ならびに利息を生じる資産および負債の平
均金利に大きく依拠する。
当グループの資金調達源である市場の流動性の欠如により、当グループの借入限界費用が増加する可能
性がある。同様に、ベンチマーク参照金利の引上げまたは変更も、適用金利の変動の影響を受け易い特定
の資産の価値に影響を及ぼす可能性がある。
主要な金利指標の抜本的改革が世界中で進行中であり、銀行間取引金利(以下「 IBOR 」という。)の一
部は・代替的リスクフリー・ベンチマーク参照レートに取って代わった。当グループは、こうした市場全
体の取組みの一環として改革が進行中の金融商品にかかる一定の IBOR に対して著しいエクスポージャーを
有している。 2022 年 12 月 31 日現在、当グループがエクスポージャーを有している通貨の IBOR 改革は、概ね
完了した。規制当局の指針に従い、当グループは引き続き、ロンドン銀行間取引金利(以下「 LIBOR 」とい
う。)を参照する商品を可能な場合は適切な代替商品に積極的に移行させる予定である。しかしながら、
これが不可能な場合、適用可能な場合は移行がなされるまでかかる商品にはシンセティック LIBOR を用いる
こととなる。
金利は、 UAE 中央銀行および米国連邦準備制度理事会等の中央銀行の政策、政治的要因ならびに国内およ
び国際的な経済状態を含む、当グループの支配を超える多くの要因の影響を受ける( 上記「 厳しいマクロ
経済状況および金融市場状況は、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しに影響を及ぼして
おり、今後も重大な悪影響を及ぼすおそれがある。 」も参照のこと。)。例えば、 2015 年 12 月、米国連邦
準備制度理事会は、 2006 年以降初となる利上げを行った。 2015 年 12 月から 2018 年 12 月までの間、米国連邦
準備制度理事会は、 25 ベーシス・ポイントずつの9度の利上げにより、米国翌日物金利を合計で 225 ベーシ
ス・ポイント引き上げた。 2019 年中、米国連邦準備制度理事会は、 25 ベーシス・ポイントずつの3度の利
下げにより、米国翌日物金利を合計で 75 ベーシス・ポイント引き下げ、上記に述べたとおり、コロナウイ
ルスの大流行を受けて 2020 年にはさらに引き下げた。 2022 年に米国連邦準備金制度理事会は、インフレ上
昇に対応するため、6度の利上げを通じて米国翌日物金利を 375 ベーシス・ポイント引き上げた。米国翌日
物金利の今後の変更は、当グループの業績に悪影響を及ぼす可能性がある。
ベンチマーク参照金利が引き上げられた場合、当グループの変動金利借入に係る利払いは増加すること
となる。また、金利上昇環境においては、当グループの既存の定期預金について支払われる金利の上昇を
受けて、当グループの利息費用が大きく増加する可能性がある。 当グループの資金調達限界費用は、金融
市場の市況悪化または金融機関によるおよび金融機関間の信頼の喪失を含む様々な要因の結果として増加
する可能性がある。ベンチマーク参照金利が引き下げられた場合、当グループがベンチマーク参照金利よ
りも低い利率で当座預金、普通預金および定期預金の利率を設定する能力に影響を及ぼす可能性がある。
その結果、ベンチマーク参照金利と比較して、当グループの資金調達限界費用が高くなるおそれもある。
当グループが顧客に対してかかる資金調達コストの変更を適時に転嫁できなかった場合、または市場もし
くは競争等の状況により全く転嫁できなかった場合、当該資金調達コストの変更により、当グループの事
業、経営成績、財政状態および見通しが重大な悪影響を受けるおそれがあることから、当行の義務を履行
する能力にも影響しかねない。
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株式および負債証券の価格は、 当グループ の投資ポートフォリオの価値に影響を及ぼす可能性がある。
当グループは、投資有価証券を保有している。国際的な債券および株式の資本市場における不安定な状
態は、当グループの投資ポートフォリオに重大な悪影響を及ぼす可能性がある。各会計報告期間におい
て、当グループは、 (a) 投資有価証券の売却による実現利益または実現損失、 (b) 時価評価ベースの当該期
間の末日現在の投資有価証券に係る公正価値評価された未実現利益または未実現損失、および (c) 信用が失
墜し、確率加重推定値に基づき測定される場合の減損を計上する。
かかる利益および損失の額は、期間毎に大幅に変動する可能性がある。変動の規模は部分的には、同様
に大幅に変動する可能性のある有価証券の市場価値のほか、当グループの投資方針に左右される。当行
は、いかなる将来の期間における実現または未実現の利益または損失の額も予測することはできず、期間
毎の変動は、将来のパフォーマンスを示すものでもない。当グループの投資ポートフォリオに係る利益
は、今後も最近の数期間と同様の水準で純利益に寄与するとは限らず、または全く寄与しない可能性があ
る。
当グループの投資ポートフォリオの価値における、実現もしくは未実現の投資利益の減少または実現も
しくは未実現の投資損失の増加は、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しに重大な悪影響
を及ぼすおそれがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。
オペレーショナル・リスク
当グループは、オペレーショナル・リスクを、内部手続、人材、システムまたは外部事象の不適正性ま
たは欠陥に起因して発生する損失リスクと定義している。オペレーショナル・リスクおよび損失は、従業
員による不正もしくは過誤が発生した場合、適切な取引の書面化もしくは適切な社内承認の取得ができな
かった場合、規制上の要件および業務遂行規則を遵守しなかった場合、社内システム、設備および外部シ
ステムが機能停止した場合、ならびに自然災害が発生した場合等、様々な事由によりに発生する可能性が
ある。当グループは、包括的なリスク管理および損失軽減戦略を実施し、莫大な資源を効率的な手続の策
定に充ててきたが、オペレーショナル・リスクを完全に排除することは不可能であり、これにより当グ
ループの財政状態および経営成績が重大な悪影響を受けるおそれがあることから、当行の義務を履行する
能力にも影響しかねない。当グループが現在直面しているオペレーショナル・リスクは、以下のとおりで
ある。
当グループ のリスク管理方針および内部統制は、全ての状況において効果的ではない可能性があり、依然
当グループを特定または予測をしていないリスクにさらす可能性があり、結果として重大な損失が発生す
るおそれがある。
当グループは、事業活動の過程で様々なリスクにさらされており、その中でも最も顕著なリスクは、信
用リスク、市場リスク、流動性リスクおよびオペレーショナル・リスクである。上記「第3-1 経営方
針、経営環境及び対処すべき課題等-(3)リスク管理」を参照のこと。これらのリスクを適切に管理で
きなかった場合、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しに加えて、市場における一般的評
判が重大な悪影響を受けるおそれがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねないことに
投資家は留意すべきである。
当グループのリスク管理の手法は、完全に効果的であるとはいえず、全ての市場環境におけるエクス
ポージャー、または特定もしくは予測をしていないリスクを含め、あらゆる種類のリスクに対するエクス
ポージャーを軽減するために一貫して実施されているともいえない。 当グループのリスク管理の方法の一
部は、当グループのこれまでの市場行動に基づいており、これは、近時の世界的金融危機および世界的な
マクロ経済のボラティリティにより生じた事由に証明されるとおり、将来のリスクに対するエクスポー
ジャーを常に正確に予測することはできない可能性があり、従来の測定が示すよりも著しく高い可能性が
ある。「顧客確認」(以下「 KYC 」という。)等のリスクを管理するためのその他の慣行も、当グループが
業務を展開する市場、当グループの顧客もしくはその他の事項に関する公的に利用可能な情報またはその
他当グループが利用可能な情報の評価に左右される。
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GCC においては、債務者の信用履歴および返済履歴に関する公的に利用可能な情報および金融データが欠
如している(これは主に、借り手の信用履歴が限定的であること、貸し手が求める質および量の情報が提
供 できないこと(一部の場合、提供することに消極的であること)、ならびに UAE の信用情報機関が未成熟
であることに起因する。)。アル・エティハド信用調査機関の設立により、 UAE の銀行に利用可能な信用情
報の質は改善されているものの、同機関は依然として発展途上段階にある。上記「第3-1 経営方針、
経営環境及び対処すべき課題等-(2)アラブ首長国連邦の銀行セクターおよび規制-(ⅳ)近年の銀行
業務の動向- UAE の与信事務所の設立 」を参照のこと。このように、他の先進国市場の貸し手が入手できる
質および量の情報がない中で、当グループは、 UAE 所在の他行と同様に、リスク管理の評価を頻繁に行わな
ければならない。
GCC では、「顧客確認」等の慣行は他の市場と比較して未成熟であり、これまで継続的かつ全面的に実施
されなかったことから、かかる情報が正確、完全もしくは最新ではない可能性、またはあらゆる場合にお
いて適切に評価されていない可能性がある。
当グループのリスク管理および内部統制の方針および手続により、信用リスク、流動性リスク、市場リ
スクおよびその他のリスクの全てが完全に管理されている、または 当グループ当行がこれらのリスクから
保護されている保証はない。加えて、一部のリスクは、当グループの経験データが示すよりも高い可能性
もある。当グループは、全行員が当グループのリスクに関する方針および手続をこれまで遵守してきた、
または今後も遵守すると保証することもできない。当グループのリスク管理またはその他の内部統制に関
する方針または手続の重大な欠陥により、当グループは、著しい信用リスク、流動性リスク、市場リスク
またはオペレーショナル・リスクにさらされる可能性があり、これにより当グループの事業、経営成績、
財政状態および見通しが重大な悪影響を受けるおそれがあることから、当行の義務を履行する能力にも影
響しかねない。
当グループ が重要な上級経営陣の重要な構成員を維持できない場合、業績不振な従業員を解雇できない場
合、および/または有能な従業員を適時に新規雇用できない場合、 当グループ の事業が悪影響を受けるお
それがある。
当グループが事業を維持および成長させるか否かは部分的には、当グループが有能で経験豊かな金融
サービス専門の従業員および指導的立場の従業員を採用および維持し、かかる従業員が能力を発揮し貢献
できるようにすることに懸かっている。 UAE 所在の他行と同様、当グループは、 UAE に居住する有能な従業
員が不足し、 UAE 国外から従業員を採用しなければならない可能性がある。加えて、従業員を雇用後も、競
合他社の継続的な人材募集活動により、当グループは、従業員の維持という課題に直面する可能性もあ
る。
さらに、当グループは、 FGB との合併後も高成長を続けていることから、従業員を増員する必要に迫られ
る可能性もある。当グループの人事に関する決定は、 UAE 連邦政府が推奨する、 UAE において事業を展開し
ている企業は毎年、 UAE 中央銀行が定める達成目標に従って UAE 国民を採用しなければならないという政策
に基づいている。 UAE 国民の採用を支持する UAE 連邦政府の政策は、その終了時期が定められていない。 当
グループが 2015 年 10 月 25 日付 UAE 政令 2015 年第 3/10/267 号(以下「労働力の自国民化通達」という。)にお
いて公布された UAE 連邦の方針に規定される UAE 国籍の従業員の最低採用人数基準を充足または超過できな
い場合、当グループは、労働力の自国民化通達に従い計算された金額の法的制裁金を科される可能性があ
る。上記「第2-5 従業員の状況- 労働力の自国民化 」を参照のこと。
当グループは、従業員の採用、維持、能力開発および報奨につき、効果的な制度を整備していると信じ
ているが、 当グループが必要な人材を採用、訓練および/もしくは維持できない場合、または有能な UAE 国
民もしくは UAE に移住する用意のある他国民が不足した場合、当グループの事業、経営成績、財政状態およ
び見通しが重大な悪影響を受けるおそれがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねな
い。
当グループ の事業は、情報システムおよび技術システムに依存しているが、当該システムはサイバー攻撃
を受けるおそれがある。
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GCC をはじめ世界中の他の金融機関と同様、サイバー・セキュリティは、金融機関にとってますます重要
な検討事項となっている。その情報量から、世界の金融機関が保有する機密の金融情報および個人特定可
能 な情報は、サイバー攻撃の潜在的対象となっている。他の金融機関と同様、当グループは、当グループ
が保有する情報および顧客データのセキュリティの脅威となるサイバー攻撃から身を守ることの必要性を
認識している。技術システムおよび情報システムに対するリスクは急激に変化しており、継続的な監視と
投資を要する。当グループはこうした状況に対応し、サイバー・セキュリティ管理を導入することで、か
かる脅威に対抗し、かつ、かかるリスクを軽減するための適切な措置を継続的に講じている。しかしなが
ら、潜在的サイバー攻撃はますます巧妙化しその規模も拡大していることから、将来の攻撃によりセキュ
リティが著しく破壊されるおそれがある。積極的にこうした事態を未然に防ぐため、当グループは、予防
技術および探知技術による各種セキュリティ管理体制を導入し、かかる管理体制を社内および社外で定期
的に検証および評価している。しかしながら、サイバー・セキュリティ・リスクを適切に管理することが
できず、かつ、新たな脅威に対応するために現行の手続を継続的に検証および更新できなかった場合、当
グループの評判、事業、経営成績、財政状態および見通しが悪影響を受けるおそれがあることから、当行
の義務を履行する能力にも影響しかねない。
規制リスク
規制リスクは、当グループが事業を展開する法域において設定された健全性規制統制の遵守を維持でき
ないことから生じる、損失またはレピュテーション上の損害のリスクである。規制リスクは、当グループ
の事業、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあることから、当行の義務を履行する能力に
も影響しかねない。当グループが現在直面している規制リスクは、以下のとおりである。
当グループ は、厳格な規制の対象となっており、適用法令の改正、その解釈もしくは執行、またはその不
遵守は、 当グループ の事業に悪影響を及ぼすおそれがある。
当グループは、銀行の安全性および健全性の維持、銀行の経済的および社会的な目的等の遵守、ならび
に銀行のリスクに対するエクスポージャーの制限のために設定された数多くの健全性規制統制の対象と
なっている。上記「第3-1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等-(2)アラブ首長国連邦の銀
行セクターおよび規制」を参照のこと。かかる規制には、 UAE 連邦法令(特に UAE 連邦政府および UAE 中央銀
行の法令)のみならず、当グループが事業を展開している他国の法令が含まれる。特に、当グループは、
(当グループの顧客預金ならびに/または UAE 中央銀行が定める資本および準備金に基づき不動産・建設
ファイナンス、主要株主または一顧客に係る一定の信用限度額に関する規制に服している(ただし、これ
らに限定されない。)。
こうした規則により、当グループの信用ポートフォリオもしくは資本を調達する能力が制限される可能
性、または当グループの事業運営費用が増加する可能性がある。法令が更に改正された場合、中央銀行の
規則もしくは方針が変更された場合および/またはそれらの解釈もしくは執行の方法が変更された場合、
当グループの準備金、収益および業績が影響を受け、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通
し(当グループが事業を展開している地理的地域における競争力を含む。)に重大な悪影響を及ぼすおそ
れがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。さらに、規制上の指針を遵守しな
かった場合、当グループには、法的責任および制裁金が課されるおそれもある。当グループは、規制当局
と密接に協働しており、中央銀行(特に UAE 中央銀行。)の規則および方針の遵守を継続的に監視している
が、規制上、会計上またはその他の方針の更なる変更は予想不能であり、 当グループの支配を超えてい
る。
当グループは、適用あるマネーロンダリング防止、テロ資金供与防止、制裁およびその他の関連規則を遵
守することができない場合、執行措置および / または制裁金に直面し、評判を損なう可能性がある。
当グループが事業を営み、拡大するためには、様々な規制、法務、行政、税務およびその他の政府当局
ならびに機関からの様々な免許、許可、承認および承諾を要する。当該免許、許可、承認および承諾の取
得は、長期、煩雑、予測困難および高コストであることが多い。当グループが、該当する免許、許可、承
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認および承諾を維持または取得できなかった場合、当グループが戦略的目標を達成する能力が損なわれる
可能性がある。
当グループは、事業を展開する法域において適用あるマネーロンダリング防止(以下「 AML 」という。)
およびテロ資金供与防止(以下「 CTF 」という。)法、経済制裁、貿易制裁、贈収賄・腐敗行為防止(以下
「 ABC 」という。)および 当グループが事業を展開する法域のその他の現地規制(米国財務省外国資産管理
室、国際連合安全保障理事会、欧州連合および英国財務省により執行、施行または実施されるものを含
む。)、適用のある現地制裁および当グループが事業を展開する法域の腐敗行為防止法の遵守も義務付け
られる。
当該法令は、とりわけ、当グループに「顧客確認」( KYC )に関する方針および手続を採用し、実施する
こと、疑わしい活動および取引について該当する規制当局に報告すること、ならびに国際連合安全保障理
事会および/または該当する場合はその他の現地規制当局により指定されている者の資産を凍結すること
を義務付けている。
当グループ、金融犯罪コンプライアンス・プログラム( AML および CTF 、制裁ならびに ABC に係る方針およ
び手続を含むが、これらに限定されない。)を制定しており、関連する規制および市場の進展に鑑み、こ
れらを定期的に見直している。
当グループが適用法令を完全に遵守できていない、または遵守できていないと考えられる場合におい
て、所轄政府機関は、当グループに対して強制執行措置を開始する権限、および/または罰金その他の制
裁金を課す権限を有している。
さらに、 UAE は、 AML 体制および CTF 体制の戦略的問題の是正に努めており、かかる問題を迅速に特定およ
び解決するために、 AML および CTF を遵守するための国際基準を定める政府間機関である金融活動作業部会
(以下「 FATF 」という。)と協働している。当グループは、 AML および CTF に関する規制上の基準および市
場基準の遵守を引き続き監視しているが、 UAE の AML および CTF に関する法律および政策が国際基準を満たし
ていないとみなされた場合、当グループの事業および評判が損なわれる可能性がある。
加えて、顧客がマネーロンダリング、制裁回避またはその他の違法目的で当グループの商品およびサー
ビスを利用した場合、当グループの事業および評判が損なわれる可能性がある。その結果、 AML,CTF,ABC お
よび制裁等に関連する適用法令の不遵守は、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しに重大
な悪影響を及ぼすおそれがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。
UAE および中東に関連するリスク
UAE 経済は、原油収入に大きく依存している。
UAE 経済、特にアブダビ経済は、原油収入に大きく依存している。アブダビは、積極的に観光業および不
動産業を振興するとともに、数件の大型開発プロジェクトも実施しているものの、炭化水素部門(鉱業お
よび採石業(原油および天然ガスを含む。))はアブダビ経済にとって最も重要であり、アブダビの名目
国民総生産(以下「 GDP 」という。)に占める割合は、 2017 年には約 34.1 %、 2018 年には約 41.7 %および
2019 年には(概算見積りによると) 40.8 %であった( 出典:統計局 2020 年統計年鑑)。
当グループは歴史的に、アブダビ政府および UAE 連邦政府から巨額の財政的支援およびその他の支援を受
けてきた。アブダビ政府の場合、かかる財政的支援およびその他の支援は、主にアブダビ政府の莫大な原
油収入を原資としてきた。
石油輸出国機構( OPEC )のデータによると、 2021 年 12 月 31 日現在、 UAE は、世界の実証済原油埋蔵量の約
7.2 %を有しており(世界第5位の最大石油埋蔵量)(出典: 2022 年度 OPEC 年次統計報告書)、連邦競争力
統計庁(以下「 FCSA 」という。)が作成した概算データによると、炭化水素部門(鉱業および採石業(原
油および天然ガスを含む。))は 2020 年において UAE の名目 GDP の 17.2 %を占め、原油収入は、 2020 年にお
いて歳入の 41.4 %を占めた。 OPEC のウェブサイトによると、近年の OPEC 参照バスケット価格は大幅に変動
している。上記「 厳しいマクロ経済状況および金融市場状況は、当グループの事業、経営成績、財政状態
および見通しに影響を及ぼしており、今後も重大な悪影響を及ぼすおそれがある。 」も参照のこと。
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新型コロナウイルスの拡大による原油需要の低下に加え、 OPEC およびその同盟国との間で産油量の水準
につき効率的に合意に至ることができなかったこと等の要因は、 2020 年の原油価格に重大な影響を及ぼし
た。 2020 年4月初めに「 OPEC プラス」は、1日当たり 9.7 百万バレルの減産に合意したとを発表した。にも
かかわらず、同発表は、原油市場を十分に支えることができず、発表後の数日間で原油価格は下落した。
同合意は 2020 年7月まで延長され、その後は減産の段階的緩和が予定されていた。 2021 年1月に OPEC およ
びロシアは、1日当たりの減産量を 500,000 バレルに若干緩和することで合意し、 2021 年9月には、 OPEC 参
照バスケット価格が月間平均で 73.88 米ドルに達した。 2022 年6月に OPEC プラスは、 2022 年7月分および8
月分として計画していた供給量を引き上げることに合意し、その結果、産油量は理論上、新型コロナウイ
ルスのパンデミック前の水準に戻った。 2023 年5月の OPEC 参照バスケット価格は、月平均で 75.82 米ドルに
なった。しかしながら、全ての関係諸国が同合意を維持すること、同合意がその目標を達成すること、ま
たは同合意が短中期的に原油価格に及ぼす影響を保証することはできない。
このような背景により原油価格は今後も当グループが制御できない多くの要因の変化に応じて変動する
とみられる。原油価格に影響を及ぼし得る要因は以下のとおりであるが、これらに限定されない。
・(短中期的には)新型コロナウイルスならびに新型コロナウイルス・ワクチンの効果および入手可能
性が世界経済活動ならびに原油およびガスの需要に及ぼす影響
・産油地域、特に中東における経済・政治的な展開
・石油製品の世界・地域の需給および将来の需給見込み
・ OPEC 加盟国およびその他の産油国が特定の産油水準および価格について合意し、維持できること
・二酸化炭素排出量の削減のための国際的な環境規制の影響
・主要な産油国または消費国によるその他の行為
・代替燃料の価格および利用可能性、世界的な景況・政況、代替燃料を使用した新技術の価格および利
用可能性
・世界の気候および環境の状態
炭化水素製品の国際価格が現在の水準よりも大幅に下落し、その状態が今後も長く続けば、 UAE の経済に
重大な悪影響を及ぼす可能性があり、ひいては当グループの事業、財政状態および経営成績が重大な悪影
響を受けるおそれがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。
当グループ は、アブダビ、 UAE および中東の政況および経況に左右される。
当グループ現在の業務および利害基盤の大部分は UAE に所在している。当グループの経営成績は概して、
アブダビ、 UAE および中東におけるまたはそれらに影響を及ぼす金融、経済および政治の動向に左右されて
おり、こうした事態は今後も続くとみられるが、特に影響を与えるのは、世界の原油価格の一般的水準に
影響されるアブダビ、 UAE および中東における経済活動の水準である。戦争もしくは敵対行為等の事象もし
くは事態の発生、またはその発生による影響を予測することは不可能であり、悪影響を及ぼす政治的な事
象または事態が発生した場合、当行が事業を継続できるという保証はない。 UAE または地域経済の特定のセ
クターが全般的に低迷している場合または不安定である場合、当グループの事業、経営成績、財政状態お
よび見通しが悪影響を受けるおそれがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。
投資家は、世界の金融市場が相互に関係していることから、当グループの事業および業績が、中東の域
内および域外の双方における政治および経済等の動向により悪影響を受けるおそれがあることにも留意す
べきである。加えて、金利の変更、既存の規制の新たな解釈、広範な税金制度の導入( 2018 年1月1日よ
り UAE で導入された VAT および 2023 年6月1日に発効する法人所得税を超えるもの。)、または為替規制
等、アブダビ政府または UAE 連邦政府が事業遂行の制限となるような財政上または金融上の政策または規制
を導入した場合、当グループの事業、財政状態、経営成績が重大な悪影響を受けるおそれがあることか
ら、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。
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UAE は、比較的安定した政治環境であると認識されているものの、中東のその他の地域の一部はそうでは
なく、当該地域における地政学的不安定が UAE に影響を及ぼすリスクもある。中東が不安定である要因とし
て は、政府または軍部の政変、内戦またはテロ等、様々な要因が挙げられる。特に 2011 年初頭以降、リビ
ア、レバノン、イエメン共和国、イラク共和国(クルド地域)、シリアおよびパレスチナ等の MENA 諸国の
多くでは、政情不安が続いている。
こうした政情不安は、大衆のデモ行為から、極端な場合は武力衝突((ダーイシュ( Daesh )、 ISIS また
は ISIL として知られる)イスラム国と多国籍軍との武力衝突を含む。)および現行政権の転覆に至るまで
様々であり、これにより同地域の政治的不透明感が高まっている。さらに、イエメン政府からムハンマ
ド・アリ・アル・フーシの武装組織打倒のための支援要請を受けて、 UAE は現在、他のアラブ諸国ととも
に、 2015 年に開始されたサウジアラビア主導のイエメン侵攻に参加中である。 UAE はまた、イスラム過激派
組織、特にイスラム国を掃討する目的で 2015 年 12 月に結成された別のサウジアラビア主導の連合軍にも参
加している。加えて、 2017 年6月には、 UAE 、サウジアラビア、バーレーンおよびエジプト等の MENA 諸国の
多くは、カタールがテロを支援して地域を不安定にしているとして、カタールとの国交を断絶した。かか
る国交断絶には、大使の引上げのほか、貿易および渡航の禁止が含まれていた。しかしながら、 2021 年1
月にサウジアラビア、バーレーン、エジプトおよび UAE は、カタールとの国交を回復し、陸海国境を再開す
ると発表した。 また、 2020 年1月には米国が、イランの上級軍司令官を死亡させた軍事攻撃を行った。こ
の軍事攻撃の結果、イランは、イラクの米軍基地にミサイルを発射した。 2020 年8月に UAE およびバーレー
ンがイスラエルとの国交正常化を発表したが、 2021 年4月以降のイスラエルとパレスチナとの関係の緊張
および暴力の高まりから全面戦争の懸念が広がり、中東地域が一層不安定化し、緊迫状態にある。
当行は、 2021 年 11 月にスーダンにおける営業権を売却し、カタール支店の閉鎖手続も進めている。リビ
アにおいて当行は、ファースト・ガルフ・リビア・バンクに対して、リビア経済社会開発基金とともにそ
れぞれ 50 %ずつ出資している。
こうした情勢により、被害を受けた国々の経済は著しく混乱し、世界的な原油価格およびガス価格の乱
高下をもたらしている。不確実性による影響は様々であるものの、戦争もしくは敵対行為等の事象もしく
は事態の発生、またはその発生による影響を予測することは不可能であり、悪影響を及ぼす政治的な事象
または事態が発生した場合、 UAE が現在の経済成長率を維持できるという保証もない。 MENA 諸国に影響を及
ぼす不安が継続した場合、 UAE が悪影響を受ける可能性があるものの、これまでのところ、 UAE に対する著
しい影響はない。
上記の事態のいずれも、中東の政治的および経済的な安定に重大な悪影響を及ぼし、特に UAE への訪問を
選択した多数の旅行客および UAE における事業展開に関心のある多数の企業に影響を与える可能性があり、
この結果、 当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しが悪影響を受けるおそれがあることか
ら、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。
アブダビ政府および UAE 連邦政府はいずれも、今後も当行に出資する義務または当行と取引する義務を負っ
ておらず、アブダビ政府および UAE 連邦政府の一方または双方は、理由の如何を問わずいつでも当行との関
係を変更する可能性がある。
本書提出日現在、当行の筆頭株主はアブダビ政府であり、完全所有会社であるムバダラ・インベストメ
ント・カンパニー( MIC )を通じて当行の発行済株式の約 37.9 %を直接的に保有している。
アブダビ政府は、 NBAD の設立ならびにその合併の支援に関与しており、 NBAD および FGB はいずれも、アブ
ダビ政府およびその関連企業と極めて強固な取引関係を維持してきた。例えば、 2008 年から 2009 年の間
に、アブダビ政府は、( NBAD および FGB それぞれが発行したティア1資本証券の取得を通じて) NBAD および
FGB のそれぞれに対して総額 4.0 十億ディルハムのティア1資本を提供した。アブダビ政府および UAE 連邦政
府によるこれまでの当グループおよびその前身となる銀行に対する出資、預金および資金援助にもかかわ
らず、アブダビ政府および UAE 連邦政府はいずれも、当グループに出資もしくは預金する義務、 当グループ
と取引する義務、または当グループを支援する義務を負っていない。アブダビ政府および UAE 連邦政府は、
当グループに投資しているにもかかわらず、直接またはアブダビ政府所有の企業を通じて、理由の如何を
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問わずいつでも、当グループに対する持分の処分、当グループからの預金の引出し、当グループとの取引
中止または当グループに対する支援中止を行うことができる。政府からの支援が減額または中止された場
合、 当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しが重大な悪影響を受けるおそれがあることか
ら、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。
当行の筆頭株主の利益が、当行の商業的利益と相反するおそれがある。
当行の株式資本におけるアブダビ政府の持分比率により、アブダビ政府は、当行の年次および臨時株主
総会において提案行為または決議を阻止することができる。よって、アブダビ政府は、当行が取引を続行
すること、株主に配当金もしくは分配金等を支払うこと、またはその他の行為を行うことを阻止する可能
性があり、これは当行の商業的利益と反するものである。当該行為は、当グループの事業、経営成績、財
政状態および見通しに重大な悪影響を及ぼすおそれがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響
しかねない。
UAE の銀行業界において激化している競争環境は、当行の事業および経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあ
る。
当グループ は、 UAE において自ら取り扱う商品およびサービスの全てについて競争に直面している。当グ
ループは主に UAE 国内の多くの銀行と競合しており、一部の他の銀行も直接的または間接的に首長国、政府
関連組織、首長国の支配一族により所有されている。 2022 年 12 月 31 日現在、 UAE 国内での営業認可を受けた
商業銀行は 50 行であった(出典: 2022 年8月付 UAE 中央銀行月次統計報告書)。銀行フランチャイズの規模
ならびに商品および顧客の区分に関して当グループの主な国内競合行は、アブダビ・コマーシャル・バン
ク・ピー・ジェー・エス・シー、アブダビ・イスラミック・バンク・ピー・ジェー・エス・シー、ドバ
イ・イスラミック・バンク・ピー・ジェー・エス・シー、エミレーツ NBD バンク・ピー・ジェー・エス・
シー、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー、マシュレクバンク・ピーエスシーおよびスタンダー
ド・チャータード・バンクである。 UAE 市場においては、当グループの主要国内競合他社の公開されている
財務書類( 2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度に係るもの。)によれば、 2022 年 12 月 31 日現在、総資産
ベースで当グループは UAE 最大の銀行である。しかし、当行が今後も現在の市場シェアを維持できる保証は
ない。
UAE の現地商業銀行に加えて、当グループは、投資アドバイザリー、投資銀行、コーポレート・アドバイ
ザリー、ファイナンスその他サービスにおいて多くの国際的銀行と競合している。大企業および政府顧客
の区分において、当グループは国際的な銀行との競争に直面しており、今後も UAE 国内での競争は激化する
見込みである。当グループは特に有価証券の引受および販売の分野において、一部の最上層国際銀行と提
携することを目指しているが、その他の分野(特にこれらの銀行がその他の地域において長年にわたり成
果を収めてきたコーポレート・アドバイザリーおよび財務運用の分野において)では競合することにな
る。
さらに、 2022 年 12 月 31 日現在、 UAE 国内において営業許可を受けた商業銀行(ドバイ国際金融センター
( DIFC )を除く。) 50 行(うち、 22 行は UAE で設立された商業銀行、 28 行は外資系商業銀行)(出典: 2022
年8月付 UAE 中央銀行月次統計報告書)が 2021 年末日現在の同地域の推定総人口約 9.6 百万人(出典: 2022
年度 OPEC 年次統計報告書)にサービスを提供していることから、 UAE は、地域の標準に照らしても銀行過多
な市場と見ることができる。歴史的に統合の契機はほとんどなかったが、 NBAD と FGB との合併は、 UAE 銀行
間のより大規模な統合の動きに拍車をかけている。こうした動きは、 2019 年5月1日に合併が完了したア
ブダビ・コマーシャル・バンク・ピー・ジェー・エス・シー、アル・ヒラル・バンク・ピー・ジェー・エ
ス・シーおよびユニオン・ナショナル・バンク・ピー・ジェー・エス・シーの3行間での合併にもみられ
る。 2020 年1月には、ドバイ・イスラミック・バンク・ピー・ジェー・エス・シーがヌール・バンク・
ピー・ジェー・エス・シーを取得した。こうした更なる統合の継続的な試みにより、国内の銀行セクター
における多行林立状態は増す一方、少数の UAE 設立大手銀行が、情報技術( IT )システム開発等の資本コス
トを吸収できる大規模なインフラと資源を有し、かつ比較的広範な営業網を有する外資系銀行と、 UAE にお
ける大口金融取引を奪い合うという競争環境に大きく転換する可能性がある。上記「第3-1 経営方
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針、経営環境及び対処すべき課題等-(2)アラブ首長国連邦の銀行セクターおよび規制-(ⅲ)金融シ
ステムの特徴 - 経営統合の歴史的な不在 」を参照のこと。
当グループが首尾良く競争できなかった場合、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しが
悪影響を受けるおそれがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。
当行の信用格付が引き下げられた場合、当行の資金調達能力が制限され、借入費用が増加する可能性があ
る。
当行は、フィッチから AA- (安定的見通し)の長期外国通貨発行会社不履行格付、ムーディーズから Aa3
(安定的見通し)の長期銀行預金格付、および S&P から AA- (安定的見通し)の発行会社信用格付を有す
る。これらの格付は、当行が弁済期限の到来時に債務を弁済する能力を測るものであり、当グループの借
入費用を決定する当たり重要な要素となる。
特定の期間にわたり現在の格付を維持できるという保証はなく、将来の事情が許す限り信用格付が引き
下げされないまたは完全に撤回されないという保証もない。当行の信用格付の引下げまたはその見通しの
下方修正により、以下の事由が発生するおそれがある。
・当グループの資金調達能力の制限
・当グループの借入費用の増加
・当グループの資本調達能力の制限
上記の事由はいずれも、当行の事業、財政状態および経営成績に悪影響を及ぼすおそれがある。さら
に、当行の信用格付の実際の変更または変更予定により、当行が発行する社債や債券の市場価値に影響が
及ぶ可能性がある。
格付は、有価証券の購入、売却または保有の奨励ではなく、いつでも格付を付与した格付機関により変
更、停止または撤回される可能性がある。格付は、構造、市場、本項に記載されるリスク要因および当行
が発行する社債や債券の価値に影響を与えるその他の要因に関する全てのリスクに関する潜在的な影響を
反映していない可能性がある。
UAE ディルハムまたはその他の地域通貨の対米ドル為替レートを固定する「ペッグ制」が変更または廃止さ
れた場合、当行は、 UAE ディルハムまたはその他の地域通貨の対米ドル為替変動にさらされるおそれがあ
る。
当グループは、 UAE ディルハム建てで会計勘定を維持し、決算を報告している。 UAE ディルハムは、 1980
年 11 月 22 日以降、米ドルに連動(ペッグ)しており、本書提出日現在も、その状態は続いている。加え
て、 GCC 加盟国の産油国であるサウジアラビア、オマーン、バーレーンおよびカタールの通貨も、本書提出
日現在、米ドルと連動している。 2015 年中の世界的な原油価格の変動に対応するため、伝統的に自国通貨
が米ドルと連動してきた産油国は、ペッグ制廃止の圧力にさらされ、かかる産油国の一部は、実際に自国
通貨を変動相場制に移行した。例えば、カザフスタンが 2015 年8月 20 日にカザフスタン・テンゲの対米ド
ル・ペッグ制を廃止したのを皮切りに、 2015 年 12 月 21 日にはアゼルバイジャン・マナトの対米ドル・ペッ
グ制も廃止されている。
GCC 域内のみならず、より広範な地域の国々が、現行の対米ドル・ペッグ制の廃止を選択する可能性があ
る。こうしたペッグ制廃止の長期的影響については明かではないものの、変動相場制に移行した通貨が、
ペッグ制廃止直後から対米ドル安になる可能性も高い。地域の金融機関がさらされ得るその他の連動通貨
に対するエクスポージャーの水準を考慮すれば、かかる通貨切下げは、 UAE およびより広範な GCC 加盟国の
地域銀行システムに対するシステミック・リスクとなり、当行を含む同地域の銀行が保有する複数通貨間
のオープン・ポジションに影響を及ぼす可能性もある。
UAE 中央銀行は、 UAE ディルハムの対米ドル・ペッグ制を維持する意向を表明してきたが、 UAE ディルハム
が将来的にも変動相場制に移行しないと保証することはできず、現行のペッグ制が当グループの経営成績
および財政状態に悪影響を及ぼすような形で調整されることはないと保証することもできない。加えて、
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UAE またはより広範な地域における変動相場制への移行は、予想される通貨の対米ドル安を伴った場合(上
記を参照のこと。)にはとくに、当グループの事業、経営成績、財政状態および見通しに悪影響を及ぼす
お それがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。
GCC 加盟国における税制変更は、 当グループ に悪影響を及ぼす可能性がある。
会社が得た課税所得の全てに適用される法人税は現在、一部の首長国(アブダビを含む。)において独
自の法令を通じて施行されているものの、実際には、石油産業の川上で事業を営む外資系企業および外資
系銀行の支店にのみ適用されている。 2022 年1月 31 日付で UAE 財務省は、営業収益に課す法人所得税を導入
すると発表しており、 2022 年 12 月9日には、法人所得税法が公布された。 法人所得税法は、 2023 年6月1
日以降に開始される会計年度より発効し、政府機関および政府系企業等を除き、全首長国(即ち、 UAE 連邦
全域)であらゆる事業活動および商業活動に適用されることとなる。
なお、投資家は、 2018 年1月1日より一部の GCC 加盟国( UAE およびサウジアラビア王国を含む。)にお
いて税率5%の VAT 制度が導入されていることに留意されたい。なお、サウジアラビア王国は、 2020 年7月
1付で税率を 15 %に引き上げた。バーレーンは 2019 年1月1日付で GCC の VAT 制度を導入し、オマーンも
2021 年4月 16 日付で VAT 制度を導入した。カタールおよびクエートは、間もなく VAT 制度を導入する見通し
である。
この枠組み合意を施行する UAE の国内法は、 2017 年8月 23 日に公布され( 2017 年 UAE 連邦大統領令法令第
8号)、 2017 年 11 月 28 日には UAE 財務省が関連する VAT 施行規則を公布した。
2020 年5月 11 日、 UAE 財務省は、さしあたり UAE において VAT を引き上げる計画はないと述べた。
GCC 域内における税制の施行および改正は、 当グループの事業、経営成績および財政状態に重大な悪影響
を及ぼすおそれがあることから、当行の義務を履行する能力にも影響しかねない。
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
本項に含まれている将来に関する記載は、本書提出日現在の当行の考え、見通し、目的、予想および見積
りに基づいている。
経営成績
2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度(以下「 2022 年度」という。)通年の営業収益は 20.8 十億ディルハ
ムであり、前年度比で4%減少した。これは主に、 2021 年度に限り計上された例外的なトレーディング益
によるものであったが、正味受取利益の二桁増により一部相殺された。 2022 年度第4四半期の営業収益
は、不動産ポートフォリオの評価が保守的であったにもかかわらず、前四半期比で8%、前年度比で4%
増加した。
2022 年度の正味受取利息(イスラム金融からの正味受取利息を含む。)( NII )は 14.4 十億ディルハムで
あり、前年度比で 23 %増加した。これは、好調な取引高、利上げおよびバンク・アウディ・エジプト
( BAE )の合併によるプラスの効果を反映したものであった。 2022 年度第4四半期の正味受取利息は、中央
銀行預け金の減少と相まって、前四半期比で 15 %増加したことで、純利息マージン( NIM )は 13 ベーシス・
ポイント上昇し 1.63 %となった。 2022 年度の NIM は、 1.56 %( 2021 年度: 1.51 %)であった。これは、金利
による追い風が、短期の中央銀行預け金の増加による希薄化効果および競争によるマージン圧縮により一
部相殺されたことによるものであった。
2022 年度の主要な正味受取手数料は 2.8 十億ディルハムであり、前年度比で8%減少したが、 2022 年にお
けるマグナティの非連結化の影響を除外すると、実質2%増加した。正味受取手数料の前年度比2%の増
加は、主にコーポレート・アンド・コマーシャル・バンキング( CCB )事業部門における好調な取引高およ
び営業活動の実施によるローン関連の手数料の増加によるものであり、クレジットカードおよび貿易金融
活動からの受取手数料の減少の相殺に寄与した。 2022 年度第4四半期の受取手数料は、ローン関連の手数
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料の増加、 インベストメント・バンキング ( IB )事業部門におけるデット・キャピタル・マーケッツ
( DCM )手数料およびストラクチャード・ファイナンス手数料の増加により、前四半期比で9%増加した。
2022 年度第4四半期の外国為替・投資収益は、相当額の外国為替益、健全な顧客の流れおよびグローバ
ル・マーケッツ業務におけるクロス販売活動の他、株式ポートフォリオの堅調なトレーディング実績によ
り、前四半期比で 21 %増加した。 2022 年度の外国為替・投資収益は、 2021 年に限り計上された例外的なト
レーディング益により、 45 %減少した。
2022 年度第4四半期のその他受取利息以外の収入には、保守的な評価を反映した不動産ポートフォリオ
の負の再評価額 327 百万ディルハムが含まれていた。 2022 年度におけるその他受取利息以外の収益の減少
は、主に前年度において1度限り計上された固定資産売却益によるものであった。
営業費用は、前年度比で 15 %増加し、 6.7 十億ディルハムであった。これは主に、 2022 年におけるエジプ
トでの業務統合( FABMisr )、現在進行中のテクノロジー・トランスフォーメーション戦略の一環としての
2022 年第4四半期における従来型のシステムの償却および事業への継続投資によるものであった。費用削
減および効率化は、当グループが成長基調を促進し、将来性のある銀行を構築するための戦略的なデジタ
ル化の取組みに対する投資を継続したとしても、インフレ圧力の軽減に寄与するとみられる。マグナティ
関連の収益を除外した 2022 年度の当グループの費用対収益比率は 31.6 %( 2022 年度9月現在: 30.9 %、
2021 年度: 26.4 %)であった。
資産の質
NPL は、 2022 年 12 月 31 日現在 18.5 十億ディルハムであり、 2022 年9月 30 日現在の 16.3 十億ディルハムに比
べ増加したが、これは不動産セクターおよび請負セクターにおける少数の法人口座によるものであった。
これは、貸付金残高の増加により、 NPL 比率が 2021 年 12 月 31 日現在の 4.0 %から 3.9 %に改善したことを示唆
するものである。
2022 年度の正味減損費用は 2.8 十億ディルハムであり、前年度比で7%増加した。 2022 年第4四半期の正
味減損費用は、さらに厳さを増すマクロ経済見通しに対する慎重な引当を反映して、前四半期比および前
年度比で増加し 1.1 十億ディルハムであった。予想信用損失( ECL )引当金合計(貸出金およびイスラム金
融に対する ECL + 未実行エクスポージャーに対する ECL + IFRS 第9号上の減損準備金で定義される。)は
18.2 十億ディルハムであり、引当率は 98 %であった。 2022 年度の貸付金リスク費用は 62 ベーシス・ポイン
トであり、 2021 年度の 65 ベーシス・ポイントに比べ改善した。
バランスシートの動向
資産合計は、原油高を背景とした事業の成長および多額の預金流入により、前年度比で 11 %増加し、 1.1
兆ディルハムを超過した。
貸付金およびイスラム金融(純額)は 460 十億ディルハムであり、前年度比で 12 %( 50 十億ディルハム)
増加した。これは、中核的な顧客により牽引された健全な営業活動および消費者需要の回復を反映したも
のであった。 2022 年度第4四半期の短期貿易金融資産の返済および流出により、正味貸付金は前四半期比
で1%減少した。
2022 年度の顧客預金は、 2022 年第4四半期における資金流出にもかかわらず、 86 十億ディルハム(前年
度比で 14 %)増加して、 701 十億ディルハムであった。これは、 FAB が流動性を集める機関として、アブダ
ビ政府およびその関連機関のメインバンクを務めたことを反映したものであった。普通預金口座( CASA )
残高も 2022 年度に引き続き増加し、3%増の 297 十億ディルハムとなり、預金総額の 42 %を占めた。金利上
昇環境における高利回りの定期預金への自然な移行にもかかわらず、 CASA が増加したのは、新たな資金管
理の義務化、個人向け普通預金口座の成長重視およびその他の戦略的取組みによるものであった。
当グループの流動性ポジションは依然として堅固であり、 2022 年 12 月 31 日現在の流動性カバレッジ比率
( LCR )は 154 %と、バーゼルⅢの最低規制要件である 100 %を十分に上回った。
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2022 年度中に当行は、複数の様式および5通貨で競争的な金利を設定することによりシニア・ホール
セール債で 2.9 十億米ドル(相当額)の資金を調達し、より厳格なスプレッドで満期を入れ替えた。厳しい
市況にもかかわらず、当グループは、 MENA 地域の銀行が公式に達成した中で最も厳格な金利設定で発行さ
れ た 500 百万米ドル相当の5年物イスラム債(スクーク)、スイス・フラン建てグリーン債を発行する MENA
地域唯一の銀行として FAB が発行した 200 百万スイス・フラン相当の4年物グリーン債、 MENA 地域で発行さ
れた初のユーロ建てグリーン債、および FAB が従来の公開米ドル市場に復帰することとなった MENA 地域の銀
行が発行したものとしては史上最高額( 700 百万米ドル相当)となる5年物グリーン債を含め、複数の画期
的な取引を完了するための適切な発行窓口を確保することが可能となった。
2022 年に当グループは、 2022 年に調達したホールセール資金の半分超を占める 1.5 十億米ドル相当のグ
リーン債を公募および私募で発行することにより、環境保護および持続可能性と連動した資金調達活動に
引き続き焦点を当てた。 13 回にわたり5通貨で 2.25 十億米ドルを上回るグリーン債を発行することで、当
行は、グリーン債市場におけるトップの地位をさらに確固たるものとした。
株主持分資本、資本およびリターン
株主資本合計(ティア1資本証券を含む。)は 115 十億ディルハムであり、前四半期比および前年度比で
2%増加した。バーゼルⅢの普通株式等ティア1( CET 1)比率(配当案分を除く。)は 12.6 %( 2021 年 12
月 31 日現在: 12.4 %)であり、好調な利益創造と複数の RWA (リスク加重資産)最適化の取組みを背景に 19
ベーシス・ポイント改善し、市場および規制による逆風の一部相殺に寄与した。当グループの普通株式等
ティア1は、最低規制要件の 11 %を十分に上回っている。 2022 年 12 月 31 日現在の自己資本比率およびティ
ア1自己資本比率は、それぞれ 15.6 %および 14.5 %であった( 2021 年 12 月 31 日現在:それぞれ 15.4 %およ
び 14.3 %)。
有形自己資本利益率( RoTE )は前年度比で 45 ベーシス・ポイント改善し、 15.7 %であった。一方、リス
ク加重資産利益率( RoRWA )は、 2.3 %であった。マグナティ関連のキャピタル・ゲインおよび不動産売却
損益を除外した 2022 年度の実質 RoTE は、 12.5 %であった。
業績
2021 年第2四半期において当グループは、ビジネスモデルを再編した。コーポレート・アンド・インベ
ストメント・バンキング・グループおよびパーソナル・バンキング・グループは、インベストメント・バ
ンキング( IB )事業部門、コーポレート・アンド・コマーシャル・バンキング( CCB )事業部門、コン
シューマー・バンキング( CB )事業部門およびグローバル・プライベート・バンキング( GPB )事業部門と
いう4つの事業部門に新たに細分化された。なお、比較のため過年度の数値は、現行の事業セグメントに
基づき修正再表示されている。
インベストメント・バンキング( IB )事業部門
・ IB 事業部門は第4四半期に好調な業績を維持し、収益は前四半期比で 26 %増の 2.8 十億ディルハムであ
り、 2022 年で最高額を記録して3四半期連続の収益増加となった。これにより IB 事業部門の 2022 年度
収益は 8.8 十億ディルハムとなり、当グループの収益の 42 %を占めたが、 2021 年に計上した例外的なト
レーディング益により前年度比では減少した。 2021 年に計上されたかかるトレーディング益を除外す
ると、実質的な顧客収益は二桁増となった。これは、金利上昇とともに、市場のボラティリティの高
まりおよび世界的な景気後退リスクを背景としたグローバル・マーケッツ業務の売上 36 %に伴う、大
手多国籍企業、現地法人、金融機関および政府系企業の顧客を中心とした商品全体の健全な需要およ
び好調な営業活動によるものであった。
・ 貸付金およびイスラム金融は、第4四半期における返済および非戦略的資産の戦術的償却により、新
規引受が一部しか相殺されなかったことから、前年度比で2%増加した。一方、顧客預金は、政府お
よび政府関連企業からの相当額の資金流入に加え、 FAB が金利上昇環境においても 普通預金口座
( CASA )残高を獲得および維持する能力 により、前年度比で 23 %増加した。事実、 CASA 残高は、前年
度比で 30 十億ディルハム( 31 %)増加し、 133 十億ディルハムとなった。
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・ 2022 年におけるその他重要な点は、以下のとおりである。
・ 2022 年中に FAB は、当グループの ESG 目標および顧客のエネルギー転換を支援するという戦略的焦
点に沿って、グリーン・ローン、持続可能性連動ローンおよびグリーン債全体で 9.1 十億米ド
*
ル 相当のサステナブル・ファイナンスを推進した。
・ FAB は、過去6年間に取引高および取引数でローン・エージェントとして MENA 地域トップを維持す
る等、 MENA 全域の大手地域銀行の中での地位を維持した。
・ FAB はまた、 MENA 地域 デット・キャピタル・マーケッツ( DCM )三大通貨( G3 )およびエクイ
ティ・キャピタル・マーケッツで UAE 1位の銀行であり、 アメリカーナ・レストランツによる初の
アブダビ証券取引所( UAE )およびサウジ証券取引所(サウジアラビア王国)同時二重上場を含
め、同地域の顧客が世界および地域の投資家から資金を調達できるよう支援した。
・ アドバイザー、調整ブックランナー、主幹事およびヘッジ銀行として FAB は、世界最大手の統合サ
プライ・チェーン企業の一つによる 2.9 十億米ドルの買収資金調達シンジケート・ファシリティの
クロージングに成功した。
・ グローバル・マーケッツ業務では、温室効果ガス( GHG )削減戦略で顧客を支援するため、 FAB の
ESG に関する抱負に沿って炭素取引活動を開始した。
・ 証券業務では、保管資産が 2021 年度の 100 十億ディルハムから史上最高額の 520 十億ディルハムに
増加した。
・ FAB は、 UAE 初の特定通貨建て連邦債発行で、主要ディーラーの一つであった。
・ 2022 年に受賞した賞のうち、注目すべき賞としては、ユーロマネーより受賞した「 Best Bank for
Financing in the Middle East 」、グローバル・ファイナンスより受賞した「 Best Investment
Bank in the UAE 」および「 Best Bank for Sustainable Finance 」ならびにボンズ・ローンズ・
アンド・スクークより受賞した「 Middle East Investment Bank of the Year 」が挙げられる。
* 当グループ全体の数値。大部分は IB 事業部門を通じて/により実行された。
・ 2023 年には主要経済国での急激な減速が予想されるため、当グループは、慎重なリスク管理に引き続
き焦点を当てつつ、世界のグループ会社の顧客が比較的有利な地域環境で逆風に立ち向かい機会を捉
えることができるよう効果的に支援するとともに、当グループの市場をリードする能力、戦略的な地
理的展開および独自の競争力のある差別化要因を活用していく。
コーポレート・アンド・コマーシャル・バンキング( CCB )事業部門
・ CCB 事業部門は、 2022 年に輝かしい業績を挙げ、収益は前年度比でほぼ 50 %増の 5.0 十億ディルハムで
あり、当グループの収益の 24 %を占めた。これは主に、金利上昇、その結果としての低コストの普通
預金口座( CASA )の預金で得られたマージンならびにグローバル・マーケッツ業務における外国為替
およびデリバティブ全体の好調な取引高の恩恵を受けたグローバル・ザクション・バンキングの記録
的な業績によるものであった。
・ ビジネス活動は 2022 年を通じて活発であり、比較的好調な地域環境および富裕層顧客の需要の高まり
を反映して、貸付金は 44 %増加した。
・ 顧客預金は、顧客が高い定期預金金利の恩恵を受けようとしたことから、前四半期比で8%増加した
が、 2021 年 12 月 31 日現在に比べ5%減少した。 2022 年中には新たに追加された 383 件を超えるキャッ
シュ・マネジメント業務により、 CASA の平均預金額は前年度比で9%増加した。
・ 2022 年におけるその他重要な点は、以下のとおりである。
・ 革新的なデジタル・ファースト商品をはじめ、伝統的な持続可能性連動サプライ・チェーン・
ファイナンス、サービスとしての銀行業務、流動性管理および洗練されたトレジャリー管理ソ
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リューション等の複数の分野における主要な戦略的提携を活用したソリューションを通じて、顧
客体験の向上で大きな進展を遂げた。
・ ウィオ・バンクと戦略的提携し、 FAB が設置した自動現金預払機( ATM )および現金自動預入機
( CDM )のネットワークを通じて法人顧客が現金および小切手を利用できる設備を提供した。
・ 顧客のために運転資金および定期ローン貸付に関するカスタマイズされたソリューションを提供
するために、大手電子商取引プラットフォームと提携して電子商取引融資( ECF )プログラムを開
始した。
・ VISA と提携した「 She’s Next (次は彼女)」キャンペーンを通じて現地の女性起業家および中小
企業経営者を経済的に支援した。
・ 2022 年に受賞した様々な賞としては、インターナショナル・ファイナンスより受賞した「 Best
SME Bank 」、インターナショナル・データ・コーポレーション( IDC )デジタル・トランスフォー
メーション・フォーラムで受賞した「 Best in Future of Customer Experience 」、グローバル・
ファイナンスより受賞した「 Best Supply Chain Provider in the Middle East 」およびザ・アジ
アン・バンカーより受賞した「 Best Transaction Bank in the Middle East 」が挙げられる。
・ 金利上昇および堅固な取引パイプラインの他、当グループの知的資本および市場をリードする地位を
活用して、サプライ・チェーン・ファイナンス、流動性・トレジャリー管理ソリューション等の革新
的な高付加価値商品を売り込むための焦点を当てたアプローチにより、今後、顧客の資金調達サービ
スおよび付加価値サービスに対する需要の高まりを活用する上で、当グループは有利な立場にいる。
同時に、 CCB 事業部門は、経済減速および金利上昇によるマクロ環境悪化の兆候または顧客の信用力に
対する悪影響に引き続き警戒していく。
コンシューマー・バンキング( CB )事業部門
・ CB 事業部門は、主要な経済セクター全体で持続的な回復が続く中、 UAE における消費者需要の高まりに
支えられ、市場をリードする提案および強化されたデジタル体験による好調な売上を背景に、 2022 年
中もプラスの勢いをもたらした。
・ マグナティの非連結化の影響を除外すると、 CB 事業部門の収益性は、厳格な費用削減、効率化および
慎重なポートフォリオ管理を背景に、前年度に比べ安定しており、健全なリスク費用水準を維持し、
主に規制の逆風による収益減少の相殺に役立った。 CB 事業部門は、当グループの収益の 20 %を占めて
おり、堅実なリスク調整後収益を挙げた。
・ 顧客預金は、主要な関係を強化するための戦略的な焦点および意図的な措置の結果、前年度比で記録
的な 14 %(8十億ディルハム)増を達成した。当グループの戦略的取組みにより、新規に獲得した顧
客は前年度比で 88 %増加し、 CASA 口座の開設件数も 85 %増加した。
・ 貸付については、 2022 年の消費者ローンが前年度比で4%増加した。これは、好調なイスラム・ポー
トフォリオ(前年度比で 19 %増)および不動産を含む住宅ローン(前年度比で 11 %増)によるもので
あった。銀行にとって全く新しいクレジットカードの売上も、前年度比で 32 %増加した。
・ 運用資産は、 IPO 投資および顧客ポートフォリオの積極的な見直しにより、前年度比で 20 %増加した。
・ 2022 年におけるその他重要な点は、以下のとおりである。
・ 従来型の個人向けローンやイスラム口座に新たなデジタル化を導入し、営業スタッフへのタブ
レット端末の導入を通じてさらに補完することで、顧客体験およびデジタル販売を強化した。投
資家が地域上場のための強力なパイプラインに参加できるよう、 IPO 申込機能を含め FAB Mobile の
機能を強化した。
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・ マジド・アル・フッタイム、デューおよびアル・フッタイムとの新たなデジタル・クレジット
カード提携を開始した。これには、組み込まれた指紋センサーを活用して決済を承認する UAE 初の
生体認証決済方式となる、 2022 年 10 月に発売された FAB Share カードが含まれる。
・ 2022 年度グローバル・ファイナンス・アワードにおける「 Best Consumer Digital Bank in the
UAE 」を含め、複数の賞および評価を獲得した。
・ 今後、当グループは、強いビジネスの勢いを引き続き維持し、商品およびサービス全体の戦略的トラ
ンスフォーメーションを加速させ、 FAB のイスラム金融における提案をさらに強化していく。
グローバル・プライベート・バンキング( GPB )事業部門
・ GPB 事業部門は、 2022 年に堅調な業績を挙げ、収益は前年度比で9%増加し、初めて 1.0 十億ディルハ
ムを上回り、当グループの収益の5%を占めた。受取手数料および受取利息双方も、金利上昇、商品
提案の強化および新規買収により、前年度比で増加した。これは、クロス販売の向上および活発な地
域資本市場の活用のための当グループ全体での効果的な連携を反映したものでもあった。 2022 年の運
用資産( AUM )はプラスの純流入を記録したものの、 2022 年第4四半期の不利な市場動向により、前年
度比で5%減少した。
・ FAB の優良な信用力および顧客からのグループ会社に対する信頼を反映し、顧客預金は 14 %増加した。
一方で、貸付金は、主に英国ポンド安、金利上昇および市場のボラティリティにより、 2021 年 12 月水
準に比べ6%減少し、一部の顧客はポートフォリオのレバレッジを解除することとなった。
・ 優れたサービス、商品のイノベーションおよび最高級のウェルス・マネジメント・ソリューションの
提供は、今後も引き続き当グループにとっての主要な優先事項となっている。
・ 2022 年におけるその他重要な点は、以下のとおりである。
・ MENA 地域の銀行の中で上位四分の一に入っている「 FAB MENA Diversified Leader Fund 」を含
め、主力のミューチュアル・ファンドは標準を上回る成績であった。
・ 「 FAB Thematic Rotation Fund 」等の革新的な新商品の発売により、未来を創造する主要なテー
マおよび「メガ・トレンド」全体で世界的な機会を投資家に提供した。
・ 「 Global Credit Opportunities Fund 」を発売するためにブラックロックと戦略的提携した。
・ サウジアラビアを含む主要な戦略的市場でチームを拡大したことで、 MENA 地域における能力が強
化された。
・ 受賞した複数の名誉ある賞としては、エムイーエー・ファイナンスが主催した 2022 年度ウェル
ス・アンド・インベストメント・アワードにおいて受賞した「 Best Family Office Service 」お
よび「 Best Discretionary Portfolio Management 」が挙げられる。
国際業務
・ 2022 年度の営業収益、前年度比で 32 %増加し、初めて 5.0 十億ディルハムを上回った。これは、バン
ク・アウディ・エジプトとの合併によるものであり、オマーン、バーレーンおよびサウジアラビアを
はじめとする GCC 市場とともに、シンガポールおよびスイスのグループ会社における収益増加により補
完された。 2022 年第4四半期の営業収益は、前四半期比で 62 %増加し、 1.8 十億ディルハムであった。
これは主に、当グループのブランド「 FABMisr 」における相当規模の外国為替益およびサウジアラビア
における活発な企業活動によるものであった。
・ 国際業務からの収益は現在、 2022 年度の当グループの収益の 24 %( 2021 年度: 18 %)を占めており、
MENA 地域( UAE を除く。)でも 2021 年度の 52 %から 2022 年度には 64 %に増加し、地理的に収益を分散す
る当グループの取組みが強化され、優先市場での成長が実証されている。
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・ 2022 年度の正味減損費用は、 1.2 十億ディルハム( 2021 年度: 392 百万ディルハム)であった。これ
は、既存の NPL に対する引当金の増加および非戦略的資産ポートフォリオのリスク軽減を反映したもの
であった。
・ 貸付金およびイスラム金融は 101 十億ディルハムであり、前四半期比で3%、前年度比で4%減少し
た。これは一部には、非戦略的資産の意図的な削減とともに、特に英国ポンドおよびエジプト・ポン
ドの不利な為替変動によるものであった。特に英国ポンドおよびエジプト・ポンドの通貨安も、顧客
預金に影響を及ぼし、顧客預金は前四半期比および前年度比で 10 %減少し 154 十億ディルハムであっ
た。
・ 当グループの国際業務は引き続き当グループの流動性に大きく貢献しており、国際的な貸付金および
預金の双方が当グループの貸付金および預金の 22 %を占めている。
・ エジプトでは、 2022 年第4四半期における当グループの統合活動が完了したことで、当グループは、
主要市場の一つで拡大する顧客基盤に統一した顧客体験を提供することができるようになる。当グ
ループの新ブランドである「 FABMisr 」は、 FAB のエジプト市場に対する強いコミットメントを反映し
たものであり、より大きな規模と市場をリードする能力を活用して、顧客のために大きな機会を創造
している。
UAE の貿易相手国間で急増する貿易と投資の流れを仲介する当グループの戦略に沿って、 FAB は 2022 年第
1四半期に上海(中国)に初の支店を開設するとともに、 2023 年におけるイラクでの営業開始に向けて準
備を進めている。
4【経営上の重要な契約等】
2022 年2月 25 日、当グループは、ビー・シー・ピー・ブイ・グロウス・アグリゲーター・エル・ピー
(以下「買収者」という。)との間で、当行の完全所有子会社であるマグナティ・ソール・プロプリエ
ターシップ・エル・エル・シー「 Magnati 」の支配持分 60% を買収者に売却する売買契約を締結した。 当行
は、当該売却に基づき、 2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度の経営成績において、 3.1 十億ディルハムの利
益を計上した。
5【研究開発活動】
当行は、銀行業務および関連金融サービスを幅広く提供している。当行は、サービス提供を向上させる
べく商品開発活動に投資を続けている。また、商品およびサービスをサポートおよび向上させ、監視およ
び報告システムを強化するためのソフトウェア、システムおよびプロセスの継続的な開発ならびに新興市
場における機会への投資を行っている。
当グループのテクノロジー
当グループのテクノロジー部門は、効果的かつ効率的で持続可能な情報資産管理および技術サービスを
提供しており、当グループの顧客にサービスを提供し、全てのシステムが厳格なサービス水準に関する合
意の範囲内で作動し、顧客データの保護および安全が十分に確保されるよう、現代的な IT システムおよび
プロセスの活用に焦点を当てている。
当グループのテクノロジー部門のビジネス・システムにより、当グループは、事業を展開する全ての地
域で顧客に革新的なデジタル・サービスを提供することが可能となっている。当グループの技術システム
への投資の一環として、当グループは、公共クラウド、ビッグデータ、一連の近代的な中核的銀行業務プ
ラットフォームおよびデータ・センターに投資している。当グループは、技術戦略を継続的に見直し、事
業戦略と整合させ、デジタル・イノベーションおよび投資が体制の青写真およびセキュリティー標準に適
合するようにしている。
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第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
2022 年 12 月 31 日現在の当行の動産および不動産の連結財政状態計算書上の価額については、下記「第6
-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-注記 11 有形固定資産」を参照のこと。
2【主要な設備の状況】
当グループの主要な固定資産には、アブダビに所在する本店の建物ならびにその他の支店の建物および
事務所が含まれる。当該有形固定資産は、 2022 年 12 月 31 日現在、 5.8 十億ディルハムの正味簿価を有する。
2022 年 12 月 31 日現在、公正価値で計上され、かつ、 市場 参加者間の秩序ある取引において、測定日時点
で資産を売却する場合に受領する価格または負債を移転時に支払われる価格により表示される、当グルー
プの投資不動産の価値は、 7.2 十億ディルハムであった。
当グループの投資不動産の公正価値は、第三者の評価業者により行われる評価に基づくものである。評
価業者は、認定された専門的関連資格を有しており、評価対象となっている投資不動産の所在地および種
類に係る最近の実績のある評価業者と認められている。公正価値は、勅認調査協会の鑑定評価基準に従っ
た投資不動産の使用目的によって異なる様々な評価モデルに基づいて決定されている。オペレーティン
グ・リースに基づきリースされる投資不動産から当グループが得る賃貸料収入は、 2022 年 12 月 31 日に終了
した事業年度において、 156.3 百万 ディルハムとなった。
3【設備の新設、除却等の計画】
重要なものはない。
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第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
当行の普通株式はアブダビ証券取引所( ADX )に 2000 年から上場されている。
2022 年 12 月 31 日現在の当行の全額払込済株式資本は、額面金額1ディルハムの普通株式 11,047,612 千株
により構成されていた。一方、 2021 年 12 月 31 日現在の当行の全額払込済株式資本は、額面金額1ディルハ
ムの普通株式 10,920,000 千株により構成されていた。当行の株式資本の 40 %までは、非 UAE 国民によって保
有されることができる。
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
( 2022 年 12 月 31 日現在)
授権株数(千株) 発行済株式総数(千株) 未発行株式数(千株)
11,047,612 11,047,612 -
自己株式として保有するものを含む。
②【発行済株式】
( 2022 年 12 月 31 日現在)
記名・無記名の別及び 上場金融商品取引所名又は
種類 発行数(千株)
額面・無額面の別 登録金認可金融商品取引業協会名
記名式額面株式
1株当たりの額面金額 普通株式 11,047,612 ADX (アブダビ証券取引所)
1ディルハム
自己株式として保有するものを含む。
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当なし。
(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
普通株式数 払込済資本金額
資本金増減額 資本金残高
発行済株式総数 発行済株式総数
増減数(千株) 残高(千株)
(千ディルハム) (千ディルハム)
2018 年 12 月 31 日に終了した
0 10,897,545 0 10,897,545
事業年度
2019 年 12 月 31 日に終了した
22,455 10,920,000 22,455 10,920,000
事業年度
2020 年 12 月 31 日に終了した
0 10,920,000 0 10,920,000
事業年度
2021 年 12 月 31 日に終了した
0 10,920,000 0 10,920,000
事業年度
2022 年 12 月 31 日に終了した
127,612 11,047,612 127,612 11,047,612
事業年度
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2019 年に、ストックオプション制度に関連して当行子会社( NBAD エンプロイー・シェア・オプショ
ン・リミテッド)に対して新株が発行された。
2022 年の株式資本の増加は、同年に発行された株式配当によるものであった。
(4)【所有者別状況】
( 2022 年 12 月 31 日現在)
政府・地方
会社 個人 合計
公共団体
株主数 5 874 3,848 4,727
*
239,556,675 8,693,181,179 1,980,755,729 10,913,493,583
所有株式数(株)
発行済株式総数に
対する所有株式数 2.20% 79.66% 18.15% 100.00%
の割合(%)
注:上記の情報は ADX で入手可能な情報に基づくものである。
*
発行済株式数: 6,505,000 株の自己株式を除く。
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(5)【大株主の状況】
(2022 年 12 月 31 日現在 )
発行済株式総数に
所有株式数
対する所有株式数
氏名又は名称 住所
(千株)
*
の割合 (%)
ワンハンドレッド・ マムーラ・ビルディング-ム 4,182,671
37.9%
アンド・フィフ ルール(4番)ロードおよびモ
ティーンス・インベ ハメッド、ビン・ハリーファ
ストメント・カンパ ( 15 番)付近
ニー・ソール・プロ
プリエイターシッ
プ・エル・エル・
シー
* 発行済株式総数:自己株式を除く。
2【配当政策】
当行では、定時株主総会において株式に対する配当は支払われるかどうかが決定される。当行の年間純
利益は、費用その他の経費を控除した後、以下のとおり分配される。
(1) 10 %を控除して法定準備金に割り当てる。準備金の額が当行の払込済資本の 50 %以上に達した場合
には、かかる控除を停止するものとする。準備金の額が、当該水準を下回った場合には、控除を再
開するものとする。
(2)銀行法の定める要件に従い、更に 10 %を控除して特別準備金に割り当てる。かかる控除は、当該準
備金が当行の払込済資本の 50 %以上に達するまで行われる。株主は、当該特別準備金から配当を受
けることはできない。
(3)払込済株式価額の5%が、利益の一部として株主に分配するため控除される。ただし、ある年度の
純利益が本部分の分配に足りない場合、翌年の利益から不足分を請求することはできない。
(4)上記を控除後、残額の 10 %を上限として、取締役会への報酬の支払に割り当てるものとする。
(5)純利益の残額は、利益の追加部分として株主に分配されるか、取締役会の提案に従ってその翌年に
繰り越されるか、または取締役会による決議に従い臨時準備金の設定に割り当てられるものとす
る。
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3【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
2019 年9月に UAE 中央銀行は、新たなコーポレート・ガバナンスに係る規制および基準(以下
「コーポレート・ガバナンス規制」という。)を発表した。当行は、コーポレート・ガバナンス
規制を遵守するためにギャップ分析を実施しており、コーポレート・ガバナンス規制を全面的に
遵守している。コーポレート・ガバナンス規制は、取締役会がその職責を全うできるよう、取締
役会がコーポレート・ガバナンスの方針および慣行の策定および監視し、既存の方針の遵守を評
価する上で役立つ。詳細については、下記「取締役会委員会」を参照のこと。
取締役会
当グループは、取締役会(以下「取締役会」という。)の指示のもとに事業を展開しており、取
締役会は、当グループの戦略および当グループの事業および事業経営管理の遂行を監視するにあ
たり全般的な責任を負う主要な意思決定機関である。本書提出日現在、取締役会は 11 名の非執行
委員で構成されている。取締役会の各取締役は、株主総会において3年間を任期として選任され
る。追加任期を望む全ての選任取締役は、3年ごとに株主による再選を要する。
当取締役会の主要な任務は、当グループの戦略的目標、リスク選好度およびコーポレート・ガバ
ナンスの全体的な枠組みを当グループの最善の利益と一致させ、それにより株主の価値の最大化
を図ることである。当該任務は、当グループの財政上および経済上の安定性の監視および維持な
らびに当グループの全ての利害関係者の権利および利益の保護責任と結びついている。取締役会
の決定は、限られた例外を除き、(本人または代理人により)会議の出席者による多数決制によ
り行われる。取締役会および当グループの執行経営陣は、以下に述べるように、一定の権限を委
員会に委任している。
取締役会会長およびグループ最高経営責任者(以下「 GCEO 」という。)の役割は、別個かつ独立
したものであり、それぞれの責務と責任を明確に分離している。取締役会会長の主な責任は、取
締役会がその法律上および規制上の責任を完全に果たすことができるように取締役会を主導し、
全ての取締役による効果的な関与および貢献を確保することである。
取締役会は GCEO を任命し、その権能および権限を定める。当グループの事業の日常的な経営は、
取締役会から GCEO に委任されており、 GCEO は 他の執行経営陣の補佐を受ける。 GCEO は、他の経営
幹部の補佐を受けながら、当グループの事業を日常的に管理および監視し、取締役会に戦略を提
言し、執行経営陣を主導し、取締役会の戦略上および業務上の意思決定を行う責任を負う。
取締役候補は、取締役会報酬・指名委員会、 UAE 中央銀行および当グループの株主総会時に株主
により、検討および承認されなければならない。
当取締役会の詳細は、下記「( 2 )役員の状況」に記載される。
取締役会委員会
取締役会では、下記の取締役会レベルの委員会を4つ設置している。各取締役会委員会の役割お
よび権限は、取締役会によって定められ、委任されており、また、各委員会の憲章に記載されて
いる。取締役会各委員会は、憲章を定期的に見直し、承認を得るため改訂または更新に係る提言
を取締役会に提出する。取締役会委員会は、各々の職務について、四半期ごとに取締役会会長へ
の報告も行う。
取締役会報酬・指名委員会(以下「 REMCO 」という。)
REMCO は、3名の取締役で構成される。 REMCO は、取締役会および執行経営陣の構成員の任命を提
言および監督し、当該構成員が株主および当グループ全体の利益のためにその責任を果たすよう
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確保する全般的な責務を負う。 REMCO はまた、報酬パッケージ(固定および変動給、長期インセ
ンティブおよび他の給付を含むが、これらに限定されない。)の監督も行い(承認に係る最終責
任 を負い)、当該報酬パッケージが適切であり、当グループの企業文化、事業およびリスク戦
略、業績および統制環境ならびに法律上または規制上の要件に合致するようにする。
取締役会経営委員会 (以下「 BMC 」という。)
BMC は、3名の取締役で構成される。 BMC は、取締役会を代理して、取締役会が承認した戦略に
沿って当グループの事業計画の実施を承認し、その執行を監督する責任を負う。 BMC は、当グ
ループの全体的な経営を監督し、当グループの事業方針および事業慣行が当グループの事業利益
に沿ったものであり、 UAE 中央銀行による規定を含む健全なコーポレート・ガバナンスおよびコ
ンプライアンス基準と合致するようにする。
取締役会リスク・ ESG 委員会 (以下「 BRESGC 」という。)
BRESGC は、5名の取締役で構成される。 BRESGC は、取締役会から委任された権限のもと、企業全
体のリスク管理のための戦略の策定、当グループが直面する全体的なリスクの評価、リスク方針
と事業戦略との整合性およびリスク・ベースの資本計画を通じた当グループの最善の利益に適う
リスク・レベルの最終決定において取締役会を補佐することにより、コーポレート・ガバナンス
基準および全体的なリスク管理の遂行において重要な役割を果たしている。また、 BRESGC は 、取
締役会から委任された権限により、必要に応じてまたは必要な場合に、リスク管理方針の変更を
承認するとともに、主要な ESG 関連事項を監視し、それに関する指針を取締役会に提供してい
る。
取締役会監査委員会 (以下「 BAC 」という。)
BAC は、5名の取締役で構成される。本委員会は、主に内部監査プログラムのレビューを行い、
各内部監査レビューの主要所見を検討し、適切な調査および対応を行い、内部統制システムの有
効性を検討しつつ内部と外部監査役との調整を図り、特に、外部監査人のマネジメント・レター
および当該レターに対する経営陣の対応をレビューする責任を負う。
執行経営陣
当グループでは、特にコンプライアンスおよびリスク管理の機能、職責の独立性および職務分離
の確保に関し、当グループの事業を日常的に監督および管理する責任を負う、経験豊富な 経営幹
部 チームを擁している。事業方針、会計方針および業務手続ならびに管理については、当グルー
プの全ての営業領域および活動を網羅している方針および業務手順基本マニュアルを通じて文書
化および伝達される。重要方針は、全て取締役会によるレビューおよび承認を受ける。
執行経営委員会
当グループの執行経営委員会の概要は以下のとおりである。
グループ執行委員会(以下「 EXCO 」という。)
EXCO は、当グループの最上位にある経営幹部レベルの委員会であり、取締役会から委任された権
限のもと運営されている。 EXCO は、取締役会の承認を受けた当グループの戦略についてグループ
最高経営責任者( GCEO )が判断を下し、実施することを支援する。
グループ・リスク委員会
グループ・リスク委員会は、グループ執行委員会( EXCO )から委任された権限のもと運営されて
おり、取締役会リスク・ ESG コンプライアンス委員会( BRESGC )の補佐も行う。グループ・リス
ク委員会の主な目的は、当グループの戦略および事業計画を勘案しながら、リスク選好度に関連
する手法、パラメーター、目標および許容度とともに当グループのリスク選好度を定め、策定
し、定期的に監視することである。さらに、同委員会は、国内外における、当グループが展開す
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る全ての事業に適用される重要な規制を取り上げ、審議し、監視する責任を負う。同委員会は、
EXCO (および場合に応じて BRESGC )に関連事項を報告し、当グループのリスク選好度および枠組
み ならびに重要なコンプライアンスおよび他の規制上のリスクに関する事項について、必要に応
じて助言および通知する。
グループ・コンプライアンス委員会
グループ・コンプライアンス委員会は、グループ執行委員会( EXCO )から委任された権限のもと
運営されている。同委員会は、当グループ の規制上の責任を監督し、様々な規制当局が公布する
適用法令を当グループが遵守するという取締役会監査委員会( BAC )の目的の遂行 にあたり BAC の
補佐もする。
グループ与信委員会
グループ与信委員会は、グループ執行委員会( EXCO )から委任された権限のもと運営され、取締
役会経営委員会( BMC )(および取締役会リスク・ ESG コンプライアンス委員会( BRESGC ))の業
務を支援し、当グループの与信戦略ならびに関連する方針および手続の策定および実施を補佐す
る。
グループ資産負債委員会
グループ資産負債委員会は、グループ執行委員会( EXCO )から委任された権限のもと運営されて
おり、 バランスシートの構成および質に係る推進機関および重要な意思決定機関である。 同委員
会は、 当グループの資産負債ポジションに内在するリスクが、当グループの厳格な方針および手
続ならびに適切なリスクの枠組みによって慎重に管理されるようにするため、 取締役会リスク・
ESG コンプライアンス委員会( BRESGC ) に対し直接説明する責任を負う。
人事運営委員
人事運営委員会の主な役割は、グループ執行委員会( EXCO )および取締役会報酬・指名委員会
( REMCO ) が戦略上および業務上の人事イニシアチブの実施に関して各々の職務を遂行するにあ
たり、これらを補佐することである。また、従業員視点での当グループの要件が検討され、必要
に応じて、これに係る変更が、関連する政府機関により承認または承認を受けるために提出され
ていることを確保する人事イニシアチブおよび方針を承認する役割も担う。当委員会は、当グ
ループの従業員の価値提案に沿った当グループにおける全ての重要な人事イニシアチブに関し、
公式な推進役となっている。
グループ・テクノロジー運営委員会
グループ・テクノロジー運営委員会は、グループ執行委員会( EXCO )から委任された権限のもと
運営されている。同委員会は、 EXCO によるガバナンスの遂行を補佐し、当グループにおける全て
の技術および情報システムに係る責任を監督し、 取締役会リスク・ ESG コンプライアンス委員会
( BRESGC ) による当グループの IT ガバナンスの枠組みの監督を支援している。同委員会はまた、
当グループの戦略を支える重要な技術投資に関して EXCO に提言を行う。グループ・テクノロジー
運営委員会は、事業戦略と技術に係る優先順位との整合性を確保し、株主による技術投資を保護
および強化するために行為する。
グループ・オペレーショナル・リスク / 詐欺リスク委員会
グループ・オペレーショナル・リスク / 詐欺リスク委員会は、グループ執行委員会( EXCO )から
委任された権限のもと運営され、当グループのオペレーショナル・リスクの管理、事業の継続性
および情報セキュリティに対する責任を監督するという目的を遂行するにあたり EXCO を補佐す
る。同委員会は、当グループのオペレーショナル・リスク・プロファイルの管理および報告、当
グループの手続の承認ならびに当グループの事業継続性の管理指針および事業復旧戦略の統合に
責任を負っている。
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グループ・テクノロジー・リスク / 情報セキュリティ委員会
グループ・テクノロジー・リスク / 情報セキュリティ委員会は、グループ執行委員会( EXCO )か
ら委任された権限のもと運営されており、取締役会リスク・ ESG コンプライアンス委員会
( BRESGC )およびグループ・リスク委員会を補佐する。同委員会の主な目的は、当グループの情
報資産が適切に保護されるようにしつつ、企業リスク管理方針の原則に沿って当グループの情報
セキュリティ能力(情報セキュリティ・リスク管理、セキュリティ・ガバナンス、方針管理、セ
キュリティ・プログラム管理、セキュリティ体系、セキュリティに対する認識、セキュリティの
監視、サイバーセキュリティ、国際的なセキュリティ・コンプライアンスおよび ID アクセス管理
を含む。)を強化するために、当グループの IT セキュリティ管理の実施を監督、検証および決定
することである。
グループ ESG 委員会
グループ ESG 委員会は、当グループのあらゆる ESG 関連事項の意思決定を行うための経営
陣レベルの上級機関である。同委員会の主な目的は、当グループの ESG 戦略および ESG 文
化の監督および意識の向上である。
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(2)【役員の状況】
①取締役およびシニア・エグゼクティブの主要略歴ならびにその各々による当行株式の保有数
取締役
(男性 10 名、女性1名、女性の割合:約9%)
保有株式数
氏名 役職名 生年月日 略歴
(2022 年 12 月
31 日現在 )
H.H. シャイフ・ 当グループ会長および FGB 元会長であり、 UAE
タハヌーン・ビ 国家安全保障省評議会顧問、アブダビ投資庁
ン・ザイード・ ( ADIA )会長、ロイヤル・グループ (Royal
1968 年
アル・ナヒヤン
Group) 会長、アブダビ開発持株会社( ADQ )
会長 非公開*
( H.H. Sheikh
会長およびグループ 42 ( G42 )会長も務め
4月 12 日
Tahnoon Bin る。
Zayed Al
Nahyan )
H.E. シャイフ・ 取締役会非執行取締役であり、 NBAD 元取締役
モハメッド・ビ である。 17 年以上の経験を有するビジネスの
ン・サイーフ・ 専門家として、現在、地域大手の著名な保険
ビン・モハメッ 会社アブダビ・ナショナル・インシュアラン
1978 年
ド・アル・ナヒ ス・カンパニー( Abu Dhabi National
副会長 非公開*
ヤン( H.E.
Insurance Company )会長および同社のリス
10 月 19 日
Sheikh Mohamed
ク管理委員会委員長を務める。
Bin Saif Bin
フランス、パリのアメリカン大学で国際経済
Mohamad Al
学士号および歴史学士号を取得。
Nahyan )
取締役会非執行取締役である。
2019 年4月よりアブダビ財務省長官を務める。
国家電子安全保障局( NESA )局長、アブダビ
開発持株会社( Abu Dhabi Development
Holding Company )副社長、 UAE 中央銀行
( Central Bank of the UAE )副総裁、財務経
済最高評議会( Supreme Council for
Financial and Economic Affairs 、 SCFEA )事
務総長、アブダビ執行評議会( Executive
Council of Abu Dhabi )評議員、アブダビ年
H.E. ジャシム・
金基金( Abu Dhabi Pension Fund )理事長、
モハメッド ・ブ
サウジ工業都市技術地区局( MONDON )局長、
アタブ・アル・
エティサラット( Etisalat )会長、アブダビ
ザービ
1974 年
取締役 非公開*
開発持株会社( ADQ )副会長、アブダビ国営石
( H.E. Jassim
1月 28 日
油会社( ADNOC )取締役、 アブダビ投資庁
Mohammed
( ADIA )理事、教育人事委員会( Committee
Buatabh Al
of the Education and Human Resources
Zaabi )
Council ) 委員でもある。 首長国の著名な指導
者の一人として、これまでアブダビの地方執
行局であるアブダビ執行事務局( Abu Dhabi
Executive Office )局長およびアブダビ執行
評議会執行委員会( Executive Committee of
the Executive Council of Abu Dhabi )議長
等、重要な役職を歴任。
アジュマーン理工大学で経営学士号およびロ
ンドン・ビジネス・スクールで経営学修士号
を取得。
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取締役会非執行取締役である。 UAE 産業・先
端技術大臣でもある。アブダビ国営石油会社
( Abu Dhabi National Oil Company )グルー
プ最高経営責任者、マスダール( Masdar )会
長、モハメド・ビン・ザイード人工知能大学
( Mohamed bin Zayed University of
Artificial Intelligence )評議会議長、エ
ミレーツ投資庁( EIA )理事およびエミレー
ツ・グローバル・アルミニウム( Emirates
Global Aluminium )取締役も務める。
官民双方のセクターで豊富な経験を有し、複
H.E スルター
数国との戦略的な地政学的、社会的および経
ン・アハメド・
済的なパートナーシップを監督、発展および
アル・ジャーベ
強化する責任を負っている。また、エネル
1973 年
ル博士
取締役 非公開*
ギー、経済、戦略的コミュニケーションおよ
8月 31 日
( H.E. Dr.
び持続可能な開発に関連する問題でも複数の
Sultan Ahmed
主導的地位および顧問も務める。
Al Jaber )
過去には、ムバダラ・インベストメント・カ
ンパニー( Mubadala Investment Company
( MIC ))の「エネルギー」プラットフォー
ムの最高経営責任者も務めた。 MIC 在籍中に
は、アブダビの再生可能エネルギー の取組み
の先駆けである マスダールを設立した。ま
た、 2009 年から 2019 年にかけてアブダビ・
ポーツ・カンパニー ( Abu Dhabi Ports
Company )会長を務めた。 以前は、国連事務
総長の「万人のための持続可能なエネルギー
に関するハイレベル・グループ」のメンバー
でもあった。
取締役会非執行取締役であり、以前は NBAD の
取締役会非執行取締役を務めた。現在、ビン
スロー・エンジニアリング( Bin Srour
Engineering )会長、エミレーツ・コミュニ
H.E. シャイフ・
ケーション ( Emirates Communication
アハメド・モハ
( Etisalat )) 取締役、アブダビ・ナショナ
メッド・スル
ル・ホテルズ・カンパニー( Abu Dhabi
ターン・アル・
National Hotels Company )副会長、アブダ
1971 年
ダヘリー
取締役 非公開*
ビ・アビエーション( Abu Dhabi Aviation )
5月3日
( H.E. Sheikh
副会長、アル・ダフラ・インシュアランス
Ahmed Mohammed
( Al Dhafra Insurance )取締役およびア
Sultan Al
ル・ダヘリー・グループ( Al Dhaheri
Dhahiri )
Group ) 取締役を務める。 1996 年から 2009 年
までは、社会事業・商業建設庁事務次官で
あった。土木科学学士号を取得。
取締役会非執行取締役であり、以前は FGB の
H.E. モハメッ
取締役会非執行取締役を務めた。 現在、 ナ
ド・ターニー・
ショナル・マリーナ・ドレッジング・カンパ
ムルシド・ガネ
ニー( National Marina Dredging Co. )会
ム・アル・
1966 年
長、タニ・ムルシド・ユニリーバ( Thani
ルーマティ
取締役 非公開*
4月2日
Murshed Unilever )会長 およびアルファ・ダ
( H.E.
ビ・ホールディング( Alfa Dhabi Holding )
Mohammed Thani
会長を務める。
Murshid Ghanem
Al Rumaithi )
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取締役会非執行取締役であり、以前は FGB の
取締役会非執行取締役を務めた。現在、アブ
ダビ開発基金(総裁、 アラブ投資貿易銀行
( Arab Bank for Investment and Foreign
Trade ( Al Masraf) )副総裁、アジア・イン
フ ラ 投 資 銀 行 (Asian Infrastructure
Investment Bank ( AIIB ) ) 理事会副理事長、
エミレーツ・スチール・カンパニー
H.E. モハメド・
( Emirates Steel Company )副会長、エミ
サイフ・アル・
レーツ開発銀行( Emirates Development
1968 年
スワイディ
Bank (EDB) )取締役、ディーピー・ワールド
取締役 非公開*
( H.E.
10 月1日
( DP World )取締役、 アル・ジャジーラ・ス
Mohammed Saif
ポーツ・アンド・カルチャー・クラブ( Al
Al Suwaidi )
Jazira Sports and Cultural Club )取締
役、 アブダビ観光投資会社( Abu Dhabi
Tourism Investments Company (ADTIC) )取
締役会議長およびアブダビ・ウズベキスタ
ン・インベストメント (ADUI) 代表を務める。
米国カリフォルニア・バプティスト大学で経
営学士号を取得。
取締役会非執行取締役である。ムバダラ・イ
ンベストメント・カンパニー( Mubadala
Investment Company ) グループ副最高経営責
任者であり、同社の広範な投資ポートフォリ
オおよびグループ・レベルでの特別プロジェ
クトを戦略面から監督するとともに、同社の
4つのプラットフォームが効率的に調整され
ているようにしている。また、同社の「オル
タナティブ投資&インフラストラクチャー」
プラットフォームの最高経営責任者も務め、
同社のヘルスケア、不動産およびインフラな
らびに資本投資のポートフォリオを主導して
いる。同社の投資委員会委員でもある。アブ
ダビ 2030 年度経済ビジョンの主要な立案者の
一人でもあった。同社入社前は、 UAE オフ
セット・プログラム事務局( Offsets
Program Bureau )にシニア・プロジェクト・
マネージャーとして勤務していた。また、
H.E. ワリード・
マッキンゼー・アンド・カンパニー
アル・
( McKinsey & Company )にも商業・政府コン
ムバラク・ア
1974 年
サルタントとして勤務していた。現在、ク
ル・ムハイリ
取締役 非公開*
12 月9日
リーブランド・クリニック・アブダビ
( H.E. Waleed
( Cleveland Clinic Abu Dhabi )会長、ワ
Al Mokarrab Al
ハ・キャピタル( Waha Capital )会長、グ
Muhairi )
ローバル疾病撲滅研究所( Global Institute
for Disease Elimination )理事長、米国-
UAE 間ビジネス評議会( US-UAE Business
Council )議長、ムバダラ・ヘルス
( Mubadala Health )会長、 米国のクリーブ
ランド・クリニック( Cleveland Clinic )理
事会理事、アルダー・プロパティーズ
( Aldar Properties )取締役、アブダビ・グ
ローバル・マーケット ( Abu Dhabi Global
Market ) 取締役、 バーレーンのインベスト
コープ・ホールディングス( Investcorp
Holdings )取締役、 ヌーン・ドットコム
( Noon.com )取締役、およびハブ 71
( Hub71 )取締役 を務める。 米国ハーバード
大学で公共政策修士号、米国ジョージタウン
大学で理学士号(外交政策専攻)を取得。
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2015 年9月より気候変動・環境大臣を務め
る。その資格で、 UAE が効果的な対策、政策
および取組みの策定および実施を通じて気候
変動の影響の軽減および適応、国の生態系の
保護ならびに食料および水の安全保障強化で
先導的な役割を果たすという同省のミッショ
ンを率いている。
現職に就く前は、食料・水の安全保障担当大
臣であった。その職責には、国の食料在庫お
よび水供給の監視、食料および水の技術革新
H.E. マリアム・
への投資、ならびにこの分野における国際的
ビント・モハメ
パートナーシップの構築が含まれていた。
ド・サイード・
それ以前は、食料安全保障担当大臣を務め、
ハレブ・アルム
1979 年
2071 年のアラブ首長国連邦建国 100 周年に合
ヘイリ( H.E
取締役 非公開*
4月 18 日
わせ国の食料安全保障目標を達成するために
Mariam Bint
必要なインフラ整備を監督。
Mohammed Saeed
現在は、障害飛越競技・馬術競技委員会
Hareb
( Committee of Show Jumping and Dressage
Almheiri )
Competitions )委員長、エミレーツ馬術連盟
( Emirates Equestrian Federation )理事会
理事およびザイード国際環境財団( Zayed
International Foundation for the
Environment )理事会理事を務める。
ドイツ・アーヘン所在のレーニッシュ・ウェ
ストファリア工科大学( RWTH )で機械工学学
士号および修士号を取得。
現在、ムバダラ投資会社( Mubadala
Investment Company )グループ最高経営責任
者代行 兼 最高企業・人事責任者を務める。
同社では、ビジネス・サービス、エンタープ
ライズ・テクノロジー・サービス、政府関連
業務、建設管理サービス、従業員キャリア
アップ、人材獲得、学習・育成、パフォーマ
ンス管理および労働力自国民化政策を統括。
ムバダラ開発会社( Mubadala Development
Company )および国際石油投資会社
( International Petroleum Investment
Company 、 IPIC )との合併前は、ムバダラの
航空宇宙・エンジニアリング・サービス担当
の最高経営責任者であり、主にアブダビおよ
H.E. メイド・ア
び UAE で技術的に高度な産業を発展させるた
ブドゥラ・ア
めの戦略的ビジョンおよび計画を推進すると
1967 年
ル・シンマリ
取締役 非公開*
ともに、ムバダラが航空宇宙、情報通信技術
( H.E. Homaid
8月7日
( ICT )および防衛の分野で世界大手企業に
Abdulla Al
なるための体制整備を行っていた。
Shimmari )
現在は、マキシマス・エア・カーゴ
( Maximus Air Cargo )会長およびアブダ
ビ・アビエーション( Abu Dhabi Aviation )
取締役の他、 UAE 大学( UAE University )お
よびカリファ科学技術研究大学( Khalifa
University of Science, Technology and
Research )評議会評議員を務める。
米国所在のエンブリー・リドル航空大学で航
空工学理学士号を取得。ゼネラル・エレクト
リック( General Electric )よりシックス・
シグマ(非常に規律あるリーダーシップ・プ
ログラム)でブラック・ベルトも取得。
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現在、アブダビ投資庁( ADIA )内部公正性部の
常勤欧州担当を務める。 2008 年に同庁入庁以
来、内部公正性部および内部監査部で上級職に
就いている。
H.E. ハリファ・
アブダビ・キャピタル・グループ( Abu Dhabi
アテック・ア
1987 年
ル・マズルーエ Capital Group 、 ADCG )取締役でもある。
取締役 非公開*
イ( H.E Khalifa
4月 22 日
UAE 所在のアブダビ高等技術大学( Higher
Ateeq Al
Colleges of Technology Abu Dhabi )で理学士
Mazrouei )
号を取得。公認内部監査人および公認金融アナ
リストでもある。
*
本書提出日現在において、取締役のいずれも、当行の株式の3%超を所有していない。
全取締役の任期は3年間である。
取締役会の特定の構成員、その家族ならびに当該構成員および家族が主要株主または従業員である会
社は、当グループの通常業務過程における顧客である。当該当事者との取引は、アームズ・レング
ス・ルールに基づいて行われ、一般的に同時に行われている非関連当事者との取引と、実質的に同様
の条件(金利を含む。)にて行われる。
次項で開示されている場合を除き、上記表に記載される取締役会の構成員には、当グループに対する
職務ならびにその私的利益および/またはその他の職務との間に、実際的または潜在的な利益相反は
ない。
上記表の当グループの各取締役は、(各々の略歴に記載されているとおり)第三者における雇用およ
び/または重役を含む、当グループ以外の事業体その他に対する外部利害を有している。当グループ
の業務範囲が多岐にわたることから、かかる事業体は、銀行業上および/またはその他の商業的な関
係を当グループと有している。銀行業務において当グループと個人的な関係を有する取締役構成員も
いる。取締役は、当グループの意思決定の過程に関与し、商業的な条件を含む当グループの商品およ
びサービスに関する知見を有しているため、潜在的な利益相反が生じる可能性がある。しかしなが
ら、当グループは、かかる潜在的な相反に対処するために、確固たる内部手続(該当する取締役およ
び/またはその他の関連事業体が当グループとの取引に関わっている問題に関しては、かかる者を取
締役会会議での議決権行使時において除外することを含む。)を確立している。
当グループは、関連当事者間取引および利益相反を特定、監視および管理するためにあらゆる合理的
な措置を講じることを視野に入れながら、生じ得る全ての関連当事者間取引および潜在的な相反を管
理し、効果的な組織および管理体制を維持および運営する当グループの義務を果たしている。
当グループの行動規範は、取締役会の構成員による行為をカバーしている。当該規範により、署名者
は、職務の遂行において最高水準のプロ意識および相当の注意を払う義務を負う。また、当該行動規
範では、利益相反、開示およびインサイダー情報の秘密保持等もカバーされている。取締役会の構成
員は、インサイダー取引に関する特定の規制による拘束を受け、当グループの株式保有に係る詳細の
開示が義務づけられている。
当グループは、すべての利益相反の事案について登記簿への記載を維持している。
執行経営陣
(男性9名、女性4名 女性の割合 : 約 31 % )
保有株式数
氏名 役職名 生年月日 略歴
(2022 年 12 月
31 日現在 )
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GCEO である。以前は当行のグループ副最高経
営責任者兼パーソナル・バンキング代表を務
め、当行の一般消費者向け銀行業務の変革を
主導した。エミレーツ・インテグレーティッ
ド・テレコミュニケーション・カンパニー
( Emirates Integrated Telecommunication
Company (d u) )独立取締役およびエミレー
ツ・インスティテュート・フォー・バンキン
グ・アンド・ファイナンシャル・サービシズ
ハナ・アル・
( Emirates Institute for Banking and
1972 年
ロスタマニ
Financial Services )副会長でもあった。現
GCEO 非公開*
4月 19 日
( Hana Al
在はマスターカード・アドバイザリー
Rostamani )
( MasterCard Advisory )委員も務める。 UAE
に本店を構える大手銀行および UAE 内の上場会
社において唯一の女性グループ最高経営責任
者である。直近では、フォーブス・ミドル・
イーストにノミネートされる栄誉を受け、
「中東において影響力のある女性( 2021
年)」第3位にランクインした。
米国ジョージワシントン大学卒業。
グループ最高業務責任者である。経験豊富
で、地域的および国際的な業務および技術の
変革推進の取組みを主導している。当行入行
前は、エミレーツ・イスラミック・バンク
( Emirates Islamic Bank )グループ最高業務
スハイル・ビ
責任者の他、エミレーツ・エヌビーディー・
ン・タラフ 1978 年
グループ最高業
グループ( Emirates NBD Group )の共有サー 非公開*
( Suhail Bin
務責任者
12 月 15 日
ビス子会社であるタンフィース( Tanfeeth )
Tarraf )
の最高業務責任者を務めた。 ドバイのアメリ
カン大学で経営学学士号を取得。 世界の数々
の主要ビジネススクールで専門大学院資格も
取得。
グループ 最高リスク責任者 であり、当行のリ
スク枠組みおよびコーポレート・ガバナンス
の世界的実施に責任を負う。国内外において
リーダーシップを発揮する役職において 20 年
以上の経験を有する国際バンカーである。当
行入行前は、デンマークのダンスケ銀行
( Danske Bank )に勤務し、グループ・コーポ
レート・クレジット・リスク管理責任者およ
びホールセール・バンキング部門の最高リス
ク担当役員を務めた。 エービーエム・アムロ
( ABN AMRO )およびスタンダード・チャー
プラディープ・
タード・バンク( Standard Chartered Bank )
ラナ
1969 年
グループ最高リ
においては、 インド、香港、韓国、シンガ
非公開*
スク責任者
1月 20 日
( Pradeep
ポール、オランダおよび英国に海外赴任し 、
Rana )
債券シンジケーション、法人向け与信業務、
戦略リスク、レピュテーショナル・リスクお
よびトレーディング・リスクの管理の他、市
場リスク、流動性リスク、オペレーショナ
ル・リスク、リテール与信リスク、コンプラ
イアンス・リスクおよび企業リスクの管理で
様々な主導的役割を果たした。英国サリー大
学で機械工学士号(優等)およびオランダの
エラスムス大学経営大学院で経営学修士号を
取得。
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グループ合併買収責任者 兼 暫定グループ最
高財務責任者であり、当グループの財務機能
部門およびトレジャリー機能部門を主導する
責任を負う。
地域的および国際的な銀行業務で 29 年以上の
経験を有し、当行の財務、戦略、合併買収、
IR 、マーケティングおよびコミュニケーショ
ンの分野を率いてきた。現在の役職である グ
ループ合併買収責任者に加え、 グループ最高
財務責任者およびグループ子会社・戦略・変
革責任者をはじめとする多数の要職を歴任し
カリム・
てきた。当行入行前は、シティバンク
1964 年
カロワイ
グループ合併買
( Citibank )チュニジア支店で国内経理部長
非公開*
収責任者
1月 16 日
( Karim
として勤務。チュニジアの先端ビジネス研究
Karoui )
所 ( Institut des Hautes Études
Commerciales ( IHEC ) ) で会計学修士号を取
得。現在、当行が所有する FABMisr の取締役会
議長、 FAB イスラミック( FAB Islamic )およ
びファースト・ガルフ・リビアン・バンク
( First Gulf Libyan Bank )の取締役も務め
る。
グループ最高財務責任者であったジェーム
ズ・バーデットの退任後、正式な後任者が任
命されるまで暫定グループ最高財務責任者を
務める予定。
UAE 所在の当行最高財務責任者( CFO )であ
り、グループ全体の財務、経理、投資家向け
広報および戦略を含め、当行の財務活動を監
督する責任を負う。当行入所前は、オランダ
に本店を置くエービーエヌ・アムロ・バンク
( ABN AMRO Bank )に勤務し、 2021 年6月より
最高財務責任者を務めていた。ヘレニック・
バンク( Hellenic Bank )でグループ最高財務
責任者に就任する等、複数の上級幹部職を歴
任し、銀行業界で豊富な経験を有する。 20 年
近くアイエヌジー・グループ( ING Group )に
も勤務し、アイエヌジー・ダイレクト( ING
Direct )、アイエヌジー・リテール・バンキ
ラーズ ・ クレイ
1967 年
ング・ダイレクト・アンド・インターナショ
グループ最高財
マー( Lars
非公開*
ナル( ING Retail Banking Direct and
務責任者
9月 12 日
Kramer )
International )およびアイエヌジー・コマー
シャル・バンク( ING Commercial Bank )の最
高財務責任者を務めた。豊富な業界知識で、
キャピタル・マーケット、ポートフォリオ・
マネジメント、信用リスク、金融リスクおよ
び資産負債管理に関する洞察および解説を提
供することができ、税金や銀行戦略に関連す
る問題についても信頼できる意見を述べてい
る。勅許会計士であり、南アフリカ大学
( University of South Africa )で会計学学
士号、ケープタウン大学( University of
Cape Town )で金融、市場および戦略を専門と
する経営学修士号( MBA )を取得。
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グループ・コーポレート・コマーシャル責任
者 兼 インターナショナル・バンキング責任
者代行である。
金融業、投資業および銀行業において 24 年以
上の経験を有する。コーポレート部門、コ
マーシャル部門およびインターナショナル・
バンキング部門を主導および成長させ、当グ
ループの全体像、戦略および方向性に沿うよ
うにする責任を負っている。当行が短期的、
中期的および長期的な収益性、また株主への
リターンを最大化することを確保するため
に、企業経営および意思決定の全体的なプロ
セスに貢献する重要な役割を担っている。
グループ・コー
以前は、ビジネス・バンキング責任者とし
ポレート・コ
て、当行の中小企業事業を推進する責任を
サラ・アル・ビ マーシャル責任
1977 年
*
負っていた。また、当行および FGB との合併前
ナリ( Sara Al- 者 兼 インター
非公開
5月 31 日
は FGB の戦略的計画策定責任者も務めた。それ
Binali ) ナショナル・バ
以前は FGB のインターナショナル・ビジネス・
ンキング責任者
グループの副責任者も務めた。
代行
アブダビ投資庁( ADIA )にてキャリアを開始
し、極東資本に特化した数々の主要な投資運
用の役職を担当した。 FAB セキュリティーズ
( First Abu Dhabi Bank Securities )、 FAB
キャピタル・ケー・エス・エー( FAB Capital
KSA )およびリーム・ファイナンス( Reem
Finance )等の企業の取締役会に所属してい
る。
米国ノースウェスタン大学で経済学士号を取
得し、卒業。欧州経営大学院( INSEAD )のシ
ンガポール校で優秀賞を受賞。
グループ最高監査責任者である。当行のシス
テム、プロセス、リスク管理およびガバナン
スの枠組み全体の当グループの内部統制環境
の質および有効性に関して当行の取締役会お
よび上級経営陣に独立の立場で保証する責任
を負っている。銀行業界で 30 年以上の経験を
有し、 UAE の大手銀行および国際銀行において
ガバナンス、リスク管理、コンプライアンス
ニュレンンド
および内部監査を担当する上級管理職を歴任
ラ・ペレイラ
グループ最高 1966 年 した。レスター大学で経営学修士号(金融専
*
非公開
攻)を取得。国際的な認定資格である米国内
( Nurendra
監査責任者 6月4日
部監査人協会の公認内部監査人( CIA )、公認
Perera )
金融監査人( CFSA )および公認リスク管理監
査人( CRMA )資格、米国情報システム監査統
制協会( ISACA )の公認情報システム監査人
( CISA )および公認リスク情報システム管理
者( CRISC )資格ならびに英国勅許銀行協会の
CIB 資格の有資格者。欧州経営大学院
( INSEAD )修了。
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当行の投資銀行業務の指揮および成長、グ
ローバル・カバレッジ業務、グロバル・コー
ポレート・ファイナンス業務、グローバル・
マーケッツ業務をはじめとするインベストメ
ント・バンキング・グループの監督、当行の
商品提案強化の重視、および投資銀行業界に
おける地域リーダーとしての当行の地位を支
えるための顧客カバレッジ・モデルの拡大に
つき責任を負う。
当行入行前は、エイチエスビーシ・ミドル・
イースト・リミテッド( HSBC Middle East
グループ・イン
マーティン・ト Ltd. )に勤務し、中東・北アフリカ・トルコ
1962 年
ベストメント・
*
リコー( Martin 地域最高経営責任者、副総裁およびグルー
非公開
バンキング責任
11 月4日
プ・ジェネラル・マネジャーを務めた。それ
Tricaud )
者
以前は、エイチエスビーシ・オーストラリア
( HSBC Australia )およびエイチエスビー
シ・コリア( HSBC Korea )の最高経営責任者
の他、中東、英国および欧州において HSBC グ
ローバル・バンキング・アンド・マーケッツ
部門で上級管理職を 20 年以上にわたり歴任し
た。
パリ政治学院卒業。ラ・ソルボンヌ大学で法
学修士号、パリ・ナンテール大学(パリ第 10
大学)歴史学士号を取得。
当行の グループ・コンシューマー・バンキン
グ 責任者 UAE 担当である。
15 年以上にわたりリテール・バンキングの幹
部として勤務し、商品、営業、流通および顧
客体験をはじめとする一般消費者向け銀行業
フトゥーン ・ア
グループ・コン
務のあらゆる面で豊富な経験を有する。 グ
1982 年
ル・マズロウエ
シューマー・バ
*
ループ・コンシューマー・バンキング 責任者
非公開
イ( Futoon Al
ンキング 責任者
7月 15 日
UAE 担当に任命される前は、エリート層向け銀
- UAE 担当
Mazrouei )
行業務責任者 UAE 担当を務めた。 アル・アイン
大学で科学数学士号を取得。シンガポールの
スタンフォード大学教育学大学院で国際経営
学エグゼクティブ・プログラムを修了。
グループ最高人事責任者代行である。 当グ
ループの人事戦略の実行を主導する責任を負
う。欧州、アジア太平洋および中東の地域統
括で豊富な経験を有する上級人事専門家とし
て、 2021 年2月に現職に就くまでは、 FAB の
パーソナル・バンキング・グループの人事事
グループ・最高
業提携責任者を務めていた。それ以前は、 FAB
メルヴィン ・ フ
人事責任者代行
の学習・人材・報酬・組織設計責任者であっ
1963 年
レイザー
( UAE 中央銀行 非公開*
た。 10 年以上エイチエスビーシー・バンク・
( Melvin
6月 25 日
の承認を条件と
ピーエルシー( HSBC Bank plc )に勤務し、同
Fraser )
する。)
行香港支店の組織開発・労使関係責任者(ア
ジア太平洋担当)およびエイチエスビー
シー・バンク・ミドル・イースト( HSBC Bank
Middle East )ドバイ支店の地域マネージャー
(報酬およびプロジェクト担当)を務めた。
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現地および世界の双方における当行のイメー
ジ、ブランドおよび評判を強化するための戦
略を指揮および推進する責任を負う。 30 年以
上にわたり、6大陸で多業種の様々な職務経
験を有する。
当行入行前は、マジド・アル・フッタイム
( Majid Al Futtaim )で最高コミュニケー
ション・広報責任者、シェル( Shell )で副社
長(グローバル・コミュニケーション担
当)、米国連邦政府テネシーバレー当局でバ
イス・プレジデント(法人コミュニケーショ
ン担当)およびフィアット・グループ( Fiat
トレイシー ・ S ・
Group )の農業建設機械メーカーであるシーエ
最高コミュニ
1966 年
フォークナー
ヌエイチ・グローバル( CNH Global )で取締
ケーション・広 非公開*
( Tracy S.
5月7日
役(コミュニケーションおよびコーポレー
報責任者
Faulkner )
ト・フィランソロピー /CSR 担当)を務めた。
最初に就いた職は、ゼネラル・モーターズ
( General Motors )の経営開発プログラムで
あった。
ジョージア州アトランタのクラーク・アトラ
ンタ大学でコミュニケーション・マネジメン
ト学士号を取得。ハーバード・ビジネス・ス
クールのエグゼクティブ教育プログラムを修
了。アーサー W. ペイジ協会( Arthur W. Page
Society )および広報研究所( Institute for
Public Relations )の理事でもある。
銀行業界で 23 年以上の実績を有する経験豊富
なバンカーであり、現在は、当行のグループ
最高与信責任者代行を務める。リレーション
シップ・マネジメント、商品(特に、プロ
ジェクト・ファイナンス、ストラクチャー
ド・ファイナンス、レバレッジ・ファイナン
ス、プライベート・エクイティ。)を中心に
幅広い経験を有する。中東に焦点を当てて、
プロジェクト・ファイナンスおよびレバレッ
グループ最高与
ジ・ファイナンスに関連する 複数の画期的な
ラジェッシュ・
信責任者代行
取引において、ストラクチャリング・チーム
1966 年
デシュパンデ
( UAE 中央銀行 非公開*
を率いて成功に導いた。当行入行前は、国営
( Rajesh
8月 31 日
の承認を条件と
商業銀行( National Commercial Bank )、ガ
Deshpande )
する。)
ルフ・インターナショナル・バンク( Gulf
International Bank )およびアブダビ・コ
マーシャル・バンク( Abu Dhabi Commercial
Bank )に勤務していた。インド勅許会計士協
会( Institute of Chartered Accountants of
India )で勅許会計学士号、マンチェスター・
ビジネス・スクール( Manchester Business
School )(英国)で経営学修士号を取得。
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30 年以上にわたりプライベート・バンキング業
界で上級職に就いている。 1988 年に初任とな
るパリバ・バンク・プリヴェ( Paribas
Banque Privee )に入行後、イタリアにわたり
プライベート・バンキング会社を起業および
設立。その後ビーエヌピー・パリバ・ウェル
ス・マネジメント( BNP Paribas Wealth
Management )の投資責任者に就任し、商品お
よびサービス全般ならびに組織を構築した。
シンガポールでは、アジア・ウェルス・マネ
ジメント責任者に就任し、同地域における
ビーエヌピー・パリバ・ウェルス・マネジメ
ントの拠点を大幅に拡大した。 2008 年には、
ビーエヌピー・パリバ・ウェルス・マネジメ
ント・インターナショナルの最高経営責任者
グループ ・グ
に就任。
ミシェル ・ ロン
1966 年
ローバル・プラ
2010 年に、最高経営責任者プライベート・バン
ギーニ( Michel
非公開*
イベート・バン
3月5日
キング担当としてジュネーブ所在のユニオ
Longhini )
キング責任者
ン・バンケール・プリヴェ( Union Bancaire
Privee )に入行。複数の買収を経て、アドバ
イザリー市場およびプライベート市場での
サービス提供に再び重点を置いたことで、就
任中の9年間で同行の運用資産および収益は
大幅に拡大した。
当行入行前は、 2019 年よりエドモンド・ドゥ・
ロスチャイルドの最高経営責任者プライベー
ト・バンキング担当を務めていた。
イーエム・リヨン・ビジネススクール( EM
Lyon Business school )で経営学修士号を取
得。 2019 にはウェルスブリーフィング
( WealthBriefing ) よ り 「 Leading
Individual (Banker) 」を受賞。
*
本書提出日現在、当行の執行経営陣の構成員 のいずれ も、当行株式の3%超を所有していない。
当グループの執行経営陣の構成員のいずれも、当グループにおける義務と個人的な利益および/もし
くはその他の義務との間において実際的または潜在的な利益相反はない。
②取締役の報酬
2021 年連邦政令法第 32 号第 171 条に基づき、当行基本定款に従い、取締役は、減価償却費および準備金控
除後の純利益の 10% を超えない報酬を受け取ることができる。
2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度において、当行は 45,000 千ディルハムを取締役の報酬として支払っ
た。
(3)【監査の状況】
①監査役監査の状況
上記「第5-3 (1 )コーポレート・ガバナンスの概要 」を参照のこと。
②内部監査の状況
上記「第5-3 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 」を参照のこと。
③会計監査の状況
(ⅰ ) 監査人に係る事項
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2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度における当行の監査人は、私書箱 7613 、アラブ首長国連邦、
アブダビ、アル・ナスル通り、ファルコン・タワー 15 階に所在するケー・ピー・エム・ジー・ロ
ウ ワー・ガルフ・リミテッド( 1995 年 UAE 連邦法第 22 号により要求される UAE 経済企画省実務会計
士登録に基づき承認および規制を受ける。)であり、当行の 2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度
の連結財務 書類 を監査した。
監査人の名称
ケー・ピー・エム・ジー・ ロウワー ・ガルフ・リミテッド
継続監査期間
2014 年以降
2023 年 12 月 31 日に終了する事業年度については、プライスウォーターハウスクーパースが当行の
連結財務書類を監査する。
業務を執行した公認会計士の氏名
リチャード・オークランド
監査業務に係る補助者の構成
監査チームは、3名のパートナーおよび取締役、2名のシニア・マネジャー、マネジャーおよび
アシスタント・マネジャー、 15 名の監査スタッフならびに 11 名のその他の専門家および IT チーム
等で構成される。
(ⅱ)監査人の選定理由
監査人は、 UAE 商法の要件に従い選定され、年次株主総会において株主による承認を受けてい
る。
(ⅲ)監査人の選定方針
当行の監査報酬の決定方針は、アブダビ説明責任局( Abu Dhabi Accountability Authority )の
ガイドラインに基づいて いる 。
(ⅳ)監査報酬の内容等
当連結会計年度
(ディルハム)
監査証明業務に基づく又は 非監査業務に
監査証明業務に関する報酬 基づく報酬 合計
UAE /本店
7,243,779 420,167 203,550
シンガポール
357,385 - 110,190
香港
203,550 - -
インド
110,190 - 1,294,107
ヨルダン
- - 254,816
エジプト
1,294,107 - 137,800
オマーン
254,816 - 203,271
AIB*
137,800 - -
ロンドン
203,271 - 380,756
スイス *
- - 156,896
パリ
380,756 - 105,735
バーレーン
124,743 32,154 284,646
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ADNL*
105,735 - 86,258
クウェート
284,646 - 75,128
ADNP*
86,258 - 225,523
ADNIF*
75,128 - -
FAB セキュリティーズ *
225,523 - 20,417
マレーシア *
- - -
上海
20,417 - -
DIFC*
- - -
米国
- - -
アンプル・チャイナ
- - -
アシール
- - -
ドバイ・ファースト
- - -
FG リビア
- - 50,085
FGP
- - -
ファースト・マーチャン
ト・インターナショナル
50,085 - -
Midmak
- - -
Mismak
- - -
Sas
- - -
カタール
- - 33,380
ナワット・マネジメント・
サービシーズ
- - 33,390
ラブアン
33,380 - 460,928
FGIT 33,390 - 111,300
KSA 460,928 - 203,550
マグナティ 111,300 - 110,190
合計
11,797,184 452,321 12,249,506
* 連結子会社による支出
前連結会計年度
(ディルハム)
監査証明業務に基づく又は 非監査業務に
監査証明業務に関する報酬 基づく報酬 合計
UAE /本店
6,392,506 314,414 6,706,919
シンガポール
728,712 - 728,712
香港
644,007 - 644,007
インド
120,062 - 120,062
ヨルダン
- - -
エジプト
470,419 - 470,419
オマーン
145,621 - 145,621
AIB*
199,467 - 199,467
ロンドン
216,338 - 216,338
スイス *
650,207 75,620 725,827
パリ
239,371 - 239,371
バーレーン
98,711 38,871 137,582
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ADNL*
- - -
クウェート
197,904 12,141 210,045
ADNP*
166,950 - 166,950
ADNIF*
141,908 - 141,908
FAB セキュリティーズ *
212,444 - 212,444
マレーシア *
- - -
上海
25,888 - 25,888
DIFC*
- - -
米国
- - -
アンプル・チャイナ
- - -
アシール
16,695 - 16,695
ドバイ・ファースト
- - -
FG リビア
70,725 - 70,725
FGP
- - -
ファースト・マーチャン
ト・インターナショナル
50,085 - 50,085
Midmak
83,475 - 83,475
Mismak
139,125 - 139,125
Sas
- - -
カタール
- - -
ナワット・マネジメント・
サービシーズ
33,390 - 33,390
ラブアン
38,517 - 38,517
合計
11,082,526 441,045 11,523,571
* 連結子会社による支出
(4)【役員の報酬等】
該当なし。
(5)【株式の保有状況】
該当なし。
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第6【経理の状況】
a. 本書記載の当グループの邦文の財務書類(以下「邦文の財務書類」という。)は、国際会計基準審
議会により発行されアラブ首長国連邦において採用された IFRS に準拠して作成された本書記載の 2022
年 12 月 31 日に終了した事業年度の原文の財務書類(以下、本項において「原文の財務書類」とい
う。)の翻訳である。 当グループの財務書類の日本における開示については、「財務諸表等の用語、
様式及び作成方法に関する規則」(昭和 38 年大蔵省令第 59 号。以下「財務諸表等規則」という。)第
131 条第1項の規定が適用されている。
邦文の財務書類には、財務諸表等規則に基づき、原文の財務書類中のディルハム( AED )表示の金額
のうち主要なものについては、 2023 年6月1日現在の株式会社三菱 UFJ 銀行の対顧客外国為替相場の公
表仲値、1ディルハム= 37.96 円の為替レートに基づき円換算額が併記されている。 金額は千円単位
(四捨五入)で表示されている。 円換算額は単に読者の便宜のためのものであり、ディルハム表示の
金額が上記のレートで円に換算されることを意味するものではない。円換算額は、四捨五入のため合
計欄の数値が総数と一致しない場合がある。
なお、財務諸表等規則に基づき、日本と当グループが採用する IFRS との会計処理の原則および手続
ならびに表示方法の主要な相違点については、第6の「4 日本の会計原則と IFRS との会計原則の主
要な相違」に記載されている。
円換算額および第6の「2 主な資産・負債及び収支の内容」から「4 日本の会計原則と IFRS と
の会計原則の主要な 相違 」までの事項は原文の財務書類には記載されておらず、下記 b. の監査証明に
相当すると認められる証明の対象になっていない。
b. 原文の財務 書類 は、外国監査法人等(「公認会計士法」(昭和 23 年法律第 103 号)第1条の3第7項
に規定されている外国監査法人等をいう。)であるケーピーエムジー・ロウワ-ガルフ・リミテッド
( UAE における独立監査人)から、金融商品取引法(昭和 23 年法律第 25 号)第 193 条の2第1項第1号
に規定されている監査証明に相当すると認められる証明を受けている。本書には、その監査報告書の
写しおよび訳文が記載されている。
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1【財務書類】
連結財政状態計算書
12 月 31 日現在
2022 年 2021 年
注記 千ディルハム 千円 千ディルハム 千円
資産
現金および中央銀行預け金 4 228,368,829 8,668,880,749 258,732,776 9,821,496,177
純損益を通じて公正価値評価される投資 5 31,816,797 1,207,765,614 45,572,252 1,729,922,686
銀行および金融機関預け金 6 24,886,956 944,708,850 19,318,847 733,343,432
売戻契約 7 69,106,092 2,623,267,252 46,260,645 1,756,054,084
デリバティブ金融商品 39 58,873,843 2,234,851,080 24,273,766 921,432,157
貸出金およびイスラム金融 8 459,593,327 17,446,162,693 409,589,936 15,548,033,971
非トレーディング投資 9 173,909,121 6,601,590,233 145,487,491 5,522,705,158
投資不動産 10 7,168,089 272,100,658 6,962,576 264,299,385
有形固定資産 11 5,795,207 219,986,058 5,965,261 226,441,308
無形資産 12 20,332,179 771,809,515 20,535,134 779,513,687
30,205,655 1,146,606,664 18,397,419 698,366,025
その他資産 13
1,110,056,095 42,137,729,366 1,001,096,103 38,001,608,070
資産合計
負債
銀行および金融機関預り金 14 61,560,340 2,336,830,506 56,985,180 2,163,157,433
買戻契約 15 39,004,515 1,480,611,389 55,074,494 2,090,627,792
コマーシャルペーパー 16 31,738,356 1,204,787,994 39,664,252 1,505,655,006
デリバティブ金融商品 39 62,024,540 2,354,451,538 28,395,085 1,077,877,427
顧客勘定およびその他預金 17 700,573,371 26,593,765,163 614,669,890 23,332,869,024
期間借入 18 62,635,133 2,377,629,649 71,643,816 2,719,599,255
劣後社債 19 420,620 15,966,735 448,908 17,040,548
37,048,977 1,406,379,167 21,567,047 818,685,104
その他負債 20
995,005,852 37,770,422,142 888,448,672 33,725,511,589
負債合計
資本
株式資本 21 11,047,612 419,367,352 10,920,000 414,523,200
資本剰余金 53,557,581 2,033,045,775 53,557,581 2,033,045,775
自己株式 (6,505) (246,930) (6,430) (244,083)
法定準備金および特別準備金 13,084,313 496,680,521 10,920,000 414,523,200
その他準備金 21 (835,463) (31,714,175) 3,569,185 135,486,263
ティア1キャピタルノート 22 10,754,750 408,250,310 10,754,750 408,250,310
株式報酬制度 23 249,816 9,483,015 249,816 9,483,015
27,185,679 1,031,968,375 22,667,101 860,443,154
利益剰余金
当行の株主に帰属する持分合計 115,037,783 4,366,834,243 112,632,003 4,275,510,834
12,460 472,982 15,428 585,647
非支配持分
115,050,243 4,367,307,224 112,647,431 4,276,096,481
資本合計
1,110,056,095 42,137,729,366 1,001,096,103 38,001,608,070
負債および資本合計
私どもの知る限りにおいて、本財務書類は、表示時点および表示期間における当グループの財政状
態、財務成績およびキャッシュフローをすべての重要な点において適正に表示している。
本連結財務書類は、取締役会により 2023 年1月 25 日に承認および公表が認められ、代表して以下の
者が署名した。
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[ 署 名 ] [ 署 名 ] [ 署 名 ]
H.H. シャイフ・タハヌーン・ビン・ザーイド・ アンドレ・サイフ ジェームズ・バーデッド
アル・ナヒヤン
会長 グループ最高経営責任者 グループ最高財務責任者
注記1から 49 は、本連結財務書類の不可分の一部である。
連結財務書類の監査に関する独立監査人の監査報告書は、2から6ページ(訳注:原文のページ数であ
る。)に記載されている。
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連結損益計算書
12 月 31 日終了年度
2022 年 2021 年
注記 千ディルハム 千円 千ディルハム 千円
受取利息 24 28,247,921 1,072,291,081 16,240,568 616,491,961
(14,788,139) (561,357,756) (5,561,216) (211,103,759)
支払利息 25
13,459,782 510,933,325 10,679,352 405,388,202
正味受取利息
イスラム金融および投資商品による収益 26 2,024,989 76,868,582 1,843,179 69,967,075
(1,098,868) (41,713,029) (864,399) (32,812,586)
イスラム預金に係る分配 27
926,121 35,155,553 978,780 37,154,489
イスラム金融および投資商品からの純利益
正味受取利息ならびにイスラム金融および
投資商品からの純利益 14,385,903 546,088,878 11,658,132 442,542,691
受取手数料 28 3,975,869 150,923,987 4,894,369 185,790,247
(1,195,322) (45,374,423) (1,859,821) (70,598,805)
支払手数料 28
2,780,547 105,549,564 3,034,548 115,191,442
正味受取手数料
純為替差益 29 1,776,676 67,442,621 692,339 26,281,188
投資およびデリバティブに係る純利益 30 2,149,179 81,582,835 6,484,786 246,162,477
(188,550)
(252,089) (9,569,298) (7,157,358)
その他営業収益 /(損失) 31
20,840,216 791,094,599 21,681,255 823,020,440
営業収益
子会社 持分の処分に係る利益および留保持
分の公正価値利益 32 3,093,703 117,436,966 - -
子会社 持分の処分に係る利益および留保持
分の公正価値利益を含む収益合計 23,933,919 908,531,565 21,681,255 823,020,440
(6,704,829) (254,515,309) (5,836,474) (221,552,553)
一般管理費およびその他営業費用 33
正味減損費用控除前利益(税引前) 17,229,090 654,016,256 15,844,781 601,467,887
(2,839,358) (107,782,030) (2,658,237) (100,906,677)
正味減損損失 34
税引前利益 14,389,732 546,234,227 13,186,544 500,561,210
(967,621) (36,730,893) (644,272) (24,456,565)
法人税費用 35
13,422,111 509,503,334 12,542,272 476,104,645
当期利益
以下に帰属する利益:
当行の株主 13,411,198 509,089,076 12,531,111 475,680,974
11,161
10,913 414,257 423,672
非支配持分
13,422,111 509,503,334 12,542,272 476,104,645
1.18 44.79 1.10 41.76
基本1株当たり利益(ディルハム /円 ) 41
1.18 44.79 1.10 41.76
希薄化後1株当たり利益(ディルハム /円 ) 41
注記1から 49 は、本連結財務書類の不可分の一部である。
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る。)に記載されている。
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連結包括利益計算書
12 月 31 日終了年度
2022 年 2021 年
千ディルハム 千円 千ディルハム 千円
13,422,111 509,503,334 12,542,272 476,104,645
当期利益
その他包括利益
その後損益に組み替えられる、または組み替え
られる可能性のある項目
(1,647,757) (62,548,856) (503,745) (19,122,160)
在外営業活動体に係る外貨換算差額
当期中の公正価値準備金の純変動額 (予想信
(3,625,620) (137,628,535) 85,685 3,252,603
用損失を含む )
損益に組み替えられない項目
その他包括利益を通じた公正価値評価に指
定されている持分投資-公正価値の純変動
(7,500) (284,700) 118,863 4,512,039
額
34,737 1,318,617 17,229 654,013
確定給付債務の再測定
(48,000) (1,822,080) (48,000) (1,822,080)
取締役の報酬
5,750 218,270 -
その他の調整
(5,288,390) (200,747,284) (329,968) (12,525,585)
当期その他包括損失
8,133,721 308,756,049 12,212,304 463,579,060
当期包括利益合計
以下に帰属する包括利益:
8,129,893 308,610,738 12,547,716 476,311,299
当行の株主
3,828 145,311 (335,412) (12,732,240)
非支配持分
8,133,721 308,756,049 12,212,304 463,579,060
当期包括利益合計
注記1から 49 は、本連結財務書類の不可分の一部である。
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連結株主資本変動表
12 月 31 日終了年度
法定準備金 ティア1 当グループの
および キャピタル 株式 株主に帰属
株式資本 資本剰余金 自己株式 特別準備金 その他 準備金 ノート 報酬 制度 利益剰余金 する資本 非支配持分 合計
千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千デ ィル
ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム
2022 年1月1日
現在残高 10,920,000 53,557,581 (6,430) 10,920,000 3,569,185 10,754,750 249,816 22,667,101 112,632,003 15,428 112,647,431
当期利益
- - - - - - - 13,411,198 13,411,198 10,913 13,422,111
当期 その他 包括
損失 - - - - (5,264,612) - - (16,693) (5,281,305) (7,085) (5,288,390)
当グループの株
主との取引
当期 配当金( 自
己株式控除後 ) - - - - - - - (5,347,648) (5,347,648) (6,796) (5,354,444)
当期スクリップ
配当(注記 21 ) 127,612 - (75) 2,164,313 - - - (2,291,850) - - -
ティア1キャピ
タルノート に係
る支払額
(注記2 2) - - - - - - - (376,465) (376,465) - (376,465)
IFRS 第9号によ
る準備金の変動 - - - - 872,498 - - (872,498) - - -
FVOCI 投資の実
- - - - (12,534) - - 12,534 - - -
現益
20 22 年12月31日
11,047,612 53,557,581 (6,505) 13,084,313 (835,463) 10,754,750 249,816 27,185,679 115,037,783 12,460 115,050,243
現在残高
2021 年1月1日
現在残高 10,920,000 53,538,584 (8,980) 10,920,000 2,882,421 10,754,750 249,816 19,235,934 108,492,525 364,325 108,856,850
当期利益
- - - - - - - 12,531,111 12,531,111 11,161 12,542,272
当期 その他 包括
利益/ (損失) - - - - 47,376 - - (30,771) 16,605 (346,573) (329,968)
当グループの株
主との取引
ザカート
- - - - - - - 1,013 1,013 - 1,013
自己株式の変動
(注記 23 ) - 18,997 2,550 - - - - - 21,547 - 21,547
当期 配当金( 自
己株式控除後 ) - - - - - - - (8,074,594) (8,074,594) (13,485) (8,088,079)
ティア1キャピ
タルノート に係
る支払額
(注記2 2) - - - - - - - (356,204) (356,204) - (356,204)
IFRS 第9号によ
る準備金の変動 - - - - 646,110 - - (646,110) - - -
FVOCI 投資の実
- - - - (6,722) - - 6,722 - - -
現益
2021年12月31日
10,920,000 53,557,581 (6,430) 10,920,000 3,569,185 10,754,750 249,816 22,667,101 112,632,003 15,428 112,647,431
現在残高
注記1から 49 は、本連結財務諸表の不可分の一部である。
連結財務書類の監査に関する独立監査人の監査報告書は、2から6ページ(訳注:原文のページ数であ
る。)に記載されている。
法定準備金 ティア1 当グループの
および キャピタル 株式 株主に帰属
株式資本 資本剰余金 自己株式 特別準備金 その他 準備金 ノート 報酬 制度 利益剰余金 する資本 非支配持分 合計
千円 千円 千円 千円 千円 千円 千円 千円 千円 千円 千円
2022 年1
月1日現 414,523,200 2,033,045,775 (244,083) 414,523,200 135,486,263 408,250,310 9,483,015 860,443,154 4,275,510,834 585,647 4,276,096,481
在残高
当期利益
- - - - - - - 509,089,076 509,089,076 414,257 509,503,334
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当期 その
他 包括 損 - - - - (199,844,672) - - (633,666) (200,478,338) (268,947) (200,747,284)
失
当グルー
プの株主
との取引
当期 配当
金( 自己
- - - - - - - (202,996,718) (202,996,718) (257,976) (203,254,694)
株式控除
後 )
当期スク
リップ配
4,844,152 - (2,847) 82,157,321 - - - (86,998,626) - - -
当(注記
21 )
ティア1
キャピタ
ルノート
- - - - - - - (14,290,611) (14,290,611) - (14,290,611)
に係る支
払額
(注記2 2)
IFRS 第9
号による
- - - - 33,120,024 - - (33,120,024) - - -
準備金の
変動
FVOCI 投
- - - - (475,791) - - 475,791 - - -
資の実現
益
20 22 年12
419,367,352 2,033,045,775 (246,930) 496,680,521 (31,714,175) 408,250,310 9,483,015 1,031,968,375 4,366,834,243 472,982 4,367,307,224
月31日現
在残高
2021 年1
月1日現
414,523,200 2,032,324,649 (340,881) 414,523,200 109,416,701 408,250,310 9,483,015 730,196,055 4,118,376,249 13,829,777 4,132,206,026
在残高
当期利益
- - - - - - - 475,680,974 475,680,974 423,672 476,104,645
当期 その
他 包括利
- - - - 1,798,393 - - (1,168,067) 630,326 (13,155,911) (12,525,585)
益/ (損
失)
当グルー
プの株主
との取引
ザカート
- - - - - - - 38,453 38,453 - 38,453
自己株式
の変動
- 721,126 96,798 - - - - - 817,924 - 817,924
(注記
23 )
当期 配当
金( 自己
- - - - - - - (306,511,588) (306,511,588) (511,891) (307,023,479)
株式控除
後 )
ティア1
キャピタ
ルノート
- - - - - - - (13,521,504) (13,521,504) - (13,521,504)
に係る支
払額
(注記2 2)
IFRS 第9
号による
- - - - 24,526,336 - - (24,526,336) - - -
準備金の
変動
FVOCI 投
- - - - (255,167) - - 255,167 - - -
資の実現
益
2021年12
414,523,200 2,033,045,775 (244,083) 414,523,200 135,486,263 408,250,310 9,483,015 860,443,154 4,275,510,834 585,647 4,276,096,481
月31日現
在残高
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連結 キャッシュフロー計算書
12 月 31 日終了年度
2022 年 2021 年
注記 千ディルハム 千円 千ディルハム 千円
営業活動によるキャッシュフロー
税引前利益
14,389,732 546,234,227 13,186,544 500,561,210
調整:
減価償却費 33
1,062,293 40,324,642 934,564 35,476,049
投資不動産の再評価による損失 10
327,314 12,424,839 750,000 28,470,000
投資不動産の売却益
- - (6,130) (232,695)
固定資産の売却益
(4,335) (164,557) (501,268) (19,028,133)
子会社の売却益 32
(3,093,703) (117,436,966) - -
正味減損損失 34
3,118,645 118,383,764 2,938,953 111,562,656
利息の増加
547,915 20,798,853 120,683 4,581,127
外貨換算調整
(3,444,371) (130,748,323) (887,910) (33,705,064)
12,903,490 489,816,480 16,535,436 627,685,151
以下の変動額:
純損益を通じて公正価値評価される投資
13,809,297 524,200,914 (24,355,369) (924,529,807)
中央銀行、銀行および金融機関預け金
3,387,152 128,576,290 14,202,827 539,139,313
売戻契約
(22,840,045) (867,008,108) (1,708,406) (64,851,092)
貸出金およびイスラム金融
(52,568,833) (1,995,512,901) (19,026,222) (722,235,387)
その他資産
(9,994,816) (379,403,215) (2,143,872) (81,381,381)
銀行および金融機関預り金
4,575,160 173,673,074 (799,643) (30,354,448)
買戻契約
(16,069,979) (610,016,403) (934,175) (35,461,283)
顧客勘定およびその他預金
86,197,999 3,272,076,042 52,246,001 1,983,258,198
デリバティブ金融商品
(6,901,390) (261,976,764) (3,984,476) (151,250,709)
その他負債
14,486,647 549,913,120 (2,951,411) (112,035,562)
26,984,682 1,024,338,529 27,080,690 1,027,982,992
法人税等の支払額(回収額控除後) 20
(869,415) (33,002,993) (589,806) (22,389,036)
取締役報酬支払額
(45,000) (1,708,200) (48,000) (1,822,080)
営業活動による正味現金
26,070,267 989,627,335 26,442,884 1,003,771,877
投資活動によるキャッシュフロー
非トレーディング投資の正味購入
(29,962,853) (1,137,389,900) (7,095,553) (269,347,192)
取得子会社の現金および現金同等物
- - 5,550,877 210,711,291
子会社の取得のために支払った現金
- - (2,203,800) (83,656,248)
投資不動産の純変動
(532,827) (20,226,113) (103,216) (3,918,079)
有形固定資産の購入(処分控除後)
(558,993) (21,219,374) (741,466) (28,146,049)
投資活動に使用された正味現金
(31,054,673) (1,178,835,387) (4,593,158) (174,356,278)
財務活動によるキャッシュフロー
株式報酬制度における 株式発行による収入
- - 21,547 817,924
23
当行株主に対する配当金支払額 21
(5,327,691) (202,239,150) (7,687,738) (291,826,534)
少数株主に対する配当金支払額
(6,796) (257,976) (13,845) (525,556)
コマーシャルペーパーの純変動額
(7,925,896) (300,867,012) 8,490,124 322,285,107
期間借入の実行 18
10,625,674 403,350,585 17,148,833 650,969,701
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期間借入の返済 18
(13,431,531) (509,860,917) (5,827,560) (221,214,178)
ティア1キャピタルノートに係る支払額 22
(376,465) (14,290,611) (356,204) (13,521,504)
財務活動(に使用された) /による 正味現金
(16,442,705) (624,165,082) 11,775,157 446,984,960
現金および現金同等物の純(減少) /増加
(21,427,111) (813,373,134) 33,624,883 1,276,400,559
1月1日現在現金および現金同等物
272,814,120 10,356,023,995 239,189,237 9,079,623,437
12 月 31 日現在現金および現金同等物 36
251,387,009 9,542,650,862 272,814,120 10,356,023,995
注記1から 49 は、本連結財務書類の不可分の一部である。
連結財務書類の監査に関する独立監査人の監査報告書は、2から6ページ(訳注:原文のページ数であ
る。)に記載されている。
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連結財務書類に対する注記
1 法人格および主たる業務
ファースト・アブダビ・バンク・ピー・ジェー・エス・シー(以下「当行」という。)は、商事会
社に関する法令( 1984 年連邦法第8号(改訂))に基づいて、アラブ首長国連邦(以下「 UAE 」と
いう。)のアブダビに有限責任公開株式会社として設立されている。登記上の住所は、アラブ首長
国連邦、アブダビ、私書箱 6316 、ハリーファ・ビジネス・パーク-アル・クルム地区、 FAB ビル
ディングである。
2022 年 12 月 31 日現在および同日終了年度に係る連結財務書類は、当行およびその子会社(以下「当
グループ」と総称する。)より構成される。当グループは、主に、企業、消費者、個人および投資
銀行業務、決済サービス、マネジメント・サービス、イスラム銀行業務ならびに不動産取引に従事
し、アラブ首長国連邦、バーレーン、ブラジル、ケイマン諸島、中国、エジプト、フランス、香
1 1
港、インド、インドネシア、イラク、ヨルダン 、サウジアラビア王国、クウェート、レバノン 、
2
リビア、マレーシア、オマーン、カタール 、シンガポール、韓国、スイス、英国およびアメリカ
合衆国に所在する国内外の支店、子会社および駐在員事務所を通じて事業を行っている。
当グループのイスラム銀行業務は、内部シャリア監督委員会( Internal Shariah Supervison
Committe:ISSC )が公表したイスラム法であるシャリアに従い行われる。
当グループはアブダビ証券取引所に上場している(ティッカー: FAB )。
当グループの 2022 年 12 月 31 日現在および同日終了年度の連結財務書類は、当グループの登記上の事
務所において、申込みにより、またはウェブサイト http://www.bankfab.com において入手可能であ
る。
1
閉鎖中。
2
当行はカタール金融センター規制庁(以下、「 QFCRA 」という。)に、カタール金融センター(以下、「 QFC 」
という。)支店の免許を放棄し、 QFC 支店を恒久的に閉鎖することを通知した。
2 作成の基礎
(a) 法令遵守の表明
本連結財務書類は、当グループが予見可能な将来に継続企業として存続するための十分な資源を有
していることを経営陣が確信しているため、国際会計基準審議会( 以下「 IASB 」という。) が公表
した国際財務報告基準に従った継続企業の前提で作成されており、 UAE において適用される法律の
要件を遵守している。 IFRS は、 IASB が発行する会計基準ならびに国際財務報告解釈指針委員会(以
下「 IFRIC 」という。)が発行する解釈で構成される。
2015 年 UAE 連邦法第2号(改訂)を置き換える 2021 年 UAE 連邦法令第 32 号が 2021 年9月 20 日に公布さ
れ、 2022 年1月2日に施行された。当行は、本連結財務書類日現在において、適用される 2021 年
UAE 連邦法令第 32 号の規定およびアブダビ政府の金融システムに関する 2017 年第1号(改訂)法の
該当する規定および財務省が公表した命令に準拠している。
本連結財務書類は、 2023 年1月 25 日に、取締役会により公表が承認された。
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(b) 機能通貨および表示通貨
本連結財務書類は、当行の機能通貨であるアラブ首長国連邦ディルハム(以下「ディルハム」とい
う。)で表示される。すべての数値は、別途指定のない限り千単位で四捨五入されている。当行の
各国外子会社および支店の財務書類に含まれる項目は、当該国外子会社および支店が事業を行って
いる主要な経済環境における通貨を用いて測定される。
(c) 測定の基礎
本連結財務書類は、取得原価主義に基づき作成されている。ただし、以下の基準で測定される以下
の重要な項目を除く。
項目 測定基準
純損益を通じて公正価値評価される投資 公正価値
デリバティブ金融商品 公正価値
その他包括利益を通じた公正価値評価に指定されて 公正価値
いる負債性金融商品および資本性金融商品
投資不動産 公正価値
適格なヘッジ関係におけるヘッジ対象項目として指 ヘッジ対象リスクに起因する公正価値の
定された認識済資産および負債 変動により調整
貸出金およびイスラム金融の決済により取得した非 当該資産の売却費用控除後の公正価値ま
金融資産 たは貸出金およびイスラム金融の帳簿価
額のうちいずれか低い方
(d) 見積りおよび判断の使用
連結財務書類の作成にあたり、経営陣は、会計方針の適用ならびに資産および負債、収益および費
用の報告額に影響を与える判断、見積りおよび仮定を行うことを要求されている。実際の結果は、
これらの見積りと異なる場合がある。
見積りおよび基礎となる仮定は、継続的に見直され、過去の実績およびその他の要因(当グループ
に財務上の影響を及ぼす可能性があり、その状況下において合理的と考えられる将来の事象につい
ての予想を含む)に基づいている。会計上の見積りの変更は、将来に向かって認識される。
見積りが不確実である重要な領域および会計方針の適用にあたり行った重要な判断のうち、本連結
財務書類中の認識額に最も重要な影響を及ぼすものに関する情報は、注記 45 に記載される。
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3 重要な会計方針
(a) 適用された新規および改訂基準ならびに解釈指針
以下の既存の基準およびフレームワークの改訂は、本連結財務書類の作成にあたり当グループに
よって適用されている。以下の改訂された基準の適用による、過年度に報告された当グループの純
利益または資本の変動はなかった。
内容 適用日
概念フレームワークへの参照( IFRS 第3号の改訂) 2022 年1月1日
有形固定資産:意図した使用の前の収入( IAS 第 16 号の改訂) 2022 年1月1日
不利な契約-契約履行前のコスト( IAS 第 37 号の改訂) 2022 年1月1日
国際財務報告基準の初度適用:初度適用企業としての子会社( IFRS 第 2022 年1月1日
1号の年次改善)
金融商品:金融負債の認識の中止に関する「 10 パーセント」テストに 2022 年1月1日
含めるべき手数料( IFRS 第9号の年次改善)
2021 年6月 30 日より後の COVID-19 に関連した賃料減免( IFRS 第 16 号の 2022 年1月1日
改訂)
(b) 連結の基礎
( ⅰ ) 企業結合
当グループは、取得した活動と資産の組合せが事業の定義を満たし、当グループに支配が移転した
際には取得法を用いて企業結合を会計処理する。
特定の活動と資産の組み合わせが事業か否かを決定する際に、当グループは、取得した資産と活動
の組合せに、最低限、インプットと実質的なプロセスが含まれているか否か、また、取得した組合
せは、アウトプットを創出する能力を有しているか否かを評価する。当グループは、取得した活動
と資産の組合せが事業か否かを単純化して評価できる「集中度テスト」を任意で適用できる。取得
した総資産の公正価値のほとんどすべてが、単一の識別可能な資産または類似した識別可能な資産
グループに集中している場合には、任意の集中テストを満たすことになる。
取得原価は、取得日の公正価値で測定される移転対価および被取得企業における非支配持分の金額
の総額で測定される。移転対価には、以前から存在している関係の解消に関連する金額を含めず、
通常、当該金額は損益で認識される。取得関連費用は、発生時に費用として計上され、一般管理費
およびその他営業費用に含まれる(負債証券または持分証券の発行に関連するものを除く)。
当グループが事業を取得する場合、金融資産および引受けた負債は、取得日現在における契約条
項、経済状況および関連条件に従って適切に分類および指定するための評価が行われる。これに
は、被取得企業による主契約における組込デリバティブの分離が含まれている。
企業結合が段階的に実現する場合、従来保有していた資本持分は取得日の公正価値で再測定され、
それにより発生した損益は、損益に認識される。その後、のれんの算定が検討される。
条件付対価がある場合は、取得日の公正価値で測定される。条件付対価の支払義務が金融商品の条
件を満たす場合は、資本に分類され、その後再測定をせずに決済が資本の部の中で会計処理され
る。そうでない場合の条件付対価は、報告日毎に公正価値で再測定され、条件付対価の公正価値の
事後変動は損益に認識される。
のれんは、移転対価および認識された非支配持分の金額ならびに従来保有していた持分の総額が識
別可能な取得資産および引受負債の純額を超過した部分である当初取得原価で測定される。取得し
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た純資産の公正価値が、移転対価の総額を超える場合、あるいは取得した純資産の公正価値の移転
対価の総額を超える超過分に関しては、利益が損益に認識される。
当初認識後、のれんは減損損失累計額控除後の取得原価で測定される。減損テストの目的上、企業
結合において取得されたのれんは、取得日から企業結合による便益が期待される当グループの各資
金生成単位(以下「 CGU 」という。)に配分される(被取得企業のその他資産または負債が当該単
位に割り当てられるかどうかは関係ない)。
のれんが、資金生成単位に配分され、その単位内の一部事業が処分される場合、処分事業に関連す
るのれんは処分に係る損益を決定する際に、その事業の帳簿価額に含まれる。これらの状況で処分
されたのれんは、処分事業および留保された資金生成単位分の相対的な価値に基づき測定される。
( ⅱ ) 子会社
IFRS 第 10 号「連結財務諸表」は、特別目的事業体または組成された企業を含むすべての事
業体に適用する単一の支配モデルを策定することによって、連結の基準を規定している。
支配の定義は、投資者が、その投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクス
ポージャーまたは権利を有し、かつ投資先に対するパワーにより当該変動リターンに影響
を及ぼす能力を有している場合、投資先を支配しているというものである。 IFRS 第 10 号に
おける支配の定義を満たすには、以下の3つの基準のすべてを満たさなければならない。
(a) 投資者は、投資先に対するパワーを有していること
(b) 投資者は、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは
権利を有していること
(c) 投資者は、投資先に対するパワーを通じて投資者のリターンに影響を及ぼす能力を有し
ていること
一般的に、議決権の過半数は支配になると推定される。しかし、個々の状況によっては、
当グループは 50 %以下の所有でも支配を行使することもあれば、事業体の株式の 50 %超を
所有していても支配を行使できないこともある。投資先に対するパワーを有しているかど
うか、したがって投資先のリターンの変動性を支配しているかどうかを判断する場合に、
当グループは以下の関連する事実および状況のすべてを考慮する。
(a) 投資先の目的および設計
(b) 他の保有者による保有規模および分散と比較した当グループの保有議決権の規模
(c) 当グループが保有する潜在的な議決権
(d) 意思決定が必要な時に当グループが関連活動を指揮する能力を現在有しているか、また
は有していないのか(過去の株主総会における投票傾向を含む)、また当グループがそ
うした活動を指揮することができるか否かを示唆する関連する事実および状況
(e) コールやプットの権利、清算の権利など契約上の取り決め
(f) 当グループが、投資先への関与により変動リターンにさらされているか、またはその権
利を有しているか、および、そのリターンの変動性に影響するパワーを有しているか否
か
子会社とは当グループが支配する企業である。上記に記載されている支配の要件を満たし
ている場合、当グループはその投資先を支配している。当グループは、支配の要件のうち
の1つまたは複数に変更がある場合には、支配権を有しているか否かを見直している。支
配権を有するか否かを見直す状況として、防御的な権利が実質的なものとなることで当グ
ループが投資先に対するパワーを得るような状況等が含まれる。子会社の財務書類は、当
該支配が開始した日から当該支配が終了する日まで、連結財務書類に含まれる。
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損益およびその他包括利益( OCI )の各要素は、結果的に非支配持分( NCI )の残高がマイ
ナスになるとしても、当行の株主および NCI に帰属する。
連結財務書類は、当グループおよび以下に示されている主要子会社の財務書類からなる。
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2022 年に
おける
保有割合
正式名称 設立国 主たる活動 (%)
ファースト・アブダビ・バンク・ユーエスエー・エ キュラソー 銀行業 100 %
ヌ・ブイ
FAB セキュリティーズ・エルエルシー アラブ首長国連邦 仲介業 100 %
アブダビ・ナショナル・リーシング・エルエルシー アラブ首長国連邦 リース 100 %
アブダビ・ナショナル・プロパティーズ・ピーブイ アラブ首長国連邦 プロパティ・ 100 %
ティー・ジェー・エスシー
マネジメント
FAB プライベート・バンク(スイス)エスエー スイス 銀行業 100 %
ファースト・アブダビ・イスラミック・ファイナン アラブ首長国連邦 イスラム金融業 100 %
ス・ピージェーエス・シー
アブダビ・セキュリティーズ・ブローカレッジ・エ エジプト 仲介業 96 %
1
ジプト
NBAD エンプロイー・シェア・オプション・ アラブ首長国連邦 株式・有価証券 100 %
リミテッド
ナショナル・バンク・オブ・アブダビ・レプレゼン ブラジル 駐在員事務所 100 %
タソンイス・エルティーディーエー
FAB グローバル・マーケッツ(ケイマン) ケイマン諸島 金融機関 100 %
リミテッド
ナワット・マネジメント・サービシーズ・ワンマ アラブ首長国連邦 債権回収業 100 %
ン・カンパニー・エルエルシー
ミスマック・プロパティーズ・コ・エルエルシー アラブ首長国連邦 不動産投資 100 %
(ミスマック)
ムーラ・プロパティーズ・コ・エルエルシー アラブ首長国連邦 不動産投資 67 %
(ミスマック子会社)
ファースト・マーチャント・インターナショナル・ アラブ首長国連邦 不動産投資 100 %
エルエルシー( FMI )
FAB エンプロイメント・サービシズ・エルエルシー アラブ首長国連邦 人材サービス 100 %
( FMI 子会社)
FAB リソーシング・サービシズ・エルエルシー( FMI アラブ首長国連邦 人材サービス 100 %
子会社)
ホライズン・ガルフ・エレクトロメカニカル・サー アラブ首長国連邦 不動産投資 100 %
ビシズ・エルエルシー( FMI 子会社)
FAB スクーク・カンパニー・リミテッド ケイマン諸島 特別目的ビークル 100 %
2
リビア 銀行業 50 %
ファースト・ガルフ・リビアン・バンク
FAB プロパティーズ・エルエルシー アラブ首長国連邦 不動産管理および仲介 100 %
業
ファースト・ガルフ・インフォメーション・ アラブ首長国連邦 IT サービス 100 %
テクノロジー・エルエルシー( FGIT )
FAB インベストメント・ケーエスエー(シングル・ サウジアラビア王国 金融機関 100 %
シェアホルダー・エルエルシー)
FAB グローバル・ビジネス・サービシズ・リミテッド インド IT サービス 100 %
( FGIT 子会社)
ファースト・アブダビ・バンク・ミスラ・エスエー エジプト 銀行業 100 %
イー( FAB ミスラ)
1
清算中。
2
当行は、ファースト・ガルフ・リビアン・バンクの発行済株式を 50 %保有しているが、当行が取締役会の過半
数の議決権を保有して投資先を支配しているため、当該投資は子会社として分類されている。
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( ⅲ ) 組成された企業
組成された企業は、当グループにより特定のタスクを実行するために設立されている。組
成された企業は、その活動が議決権で左右されないように設計されている。当グループが
本人として行動しているか、または当グループが持分を有する投資先に対してパワーを有
しているかの評価において、当グループは投資先の目的および設計、投資先の関連活動を
指示する実際の能力、投資先との関係の性質、および投資先の変動リターンに対するエク
スポージャーの規模といった要素を考慮する。
当グループは多くの投資ファンドのファンドマネージャーとして活動している。当グルー
プがそういった投資ファンドを支配しているか否かの決定には、通常当該ファンドにおけ
る当グループの経済的持分全体(ファンドマネージャーを解任する投資者の権利を含む)
の評価に着目する。当グループは、支配に関する評価を行う際に、すべての事実および状
況を吟味して、ファンドマネージャーである当グループが代理人として行動しているか本
人として行動しているかを判断している。本人であるとみなされる場合、当グループは当
該ファンドを支配しており、当該ファンドを連結する。代理人であるとみなされる場合、
当グループは当該ファンドを投資として会計処理する。
当グループが代理人として行動している投資ファンドにおける持分は以下のとおりであ
り、これらのファンドは投資の一部分として含まれている。
組成された事業体の種類 内容および目的 当グループが保有する持分
資産を管理する投資ファンド 第三者の投資家を代理する資産 ファンドが発行したユニットへの
管理からの手数料の稼得 投資額 3,259 千ディルハム( 2021
年度: 4,642 千ディルハム)
( ⅳ ) 共同支配の取決めおよび関連会社への投資
関連会社とは、当グループが重要な影響力を有している投資先をいう。重要な影響力と
は、投資先の財務および営業の方針決定に参加するパワーであるが、当該方針に対する支
配または共同支配ではないものをいう。関連会社に対する投資は、持分法に基づき会計処
理される。
共同支配の取決めとは、当グループとその他の当事者との間の取決めのうち、当グループ
ならびに1つまたは複数の当事者が契約上の取決めに基づき共同支配を有するものをい
う。共同支配の取決めは、共同支配事業であることもあれば、共同支配企業であることも
ある。
共同支配事業とは、取決めの下で共同支配を有する当事者に、当該取決めに係る資産の保
有割合に応じた権利および負債の義務があり、それらを認識する共同支配の取決めをい
う。
共同支配企業とは、取決めの下で共同支配を有する当事者が当該取決めの純資産に対する
権利を有している場合の共同支配の取決めであり、持分法に基づく会計処理が行われてい
るものをいう。
持分法において、関連会社への投資は、取引費用を含む取得原価で当初認識される。当初
認識後、重要な影響または共同支配が終了する日まで持分法投資先の損益および OCI におけ
る当グループの持分が連結財務書類に含められる。関連会社に関するのれんは、投資の帳
簿価額に含まれ、償却も個別の減損テストも行われない。連結損益計算書は、関連会社の
経営成績の当グループの持分を反映する。これらの投資先におけるその他包括利益の変動
は、当グループのその他包括利益の一部として表示される。さらに、関連会社の資本に直
接認識された変動がある場合、その変動の当グループ持分を、適用される場合には連結株
主資本変動表に認識する。
関連会社の財務書類は、当グループと同じ報告期間で作成されている。必要に応じて、当
グループの会計方針に従った調整が行われる。
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持分法適用後、当グループは、関連会社への投資に減損損失を認識する必要があるかどう
かを判断する。各報告日に、当グループは関連会社への投資が減損しているという客観的
証 拠があるかどうかを判断する。そのような証拠がある場合、当グループは関連会社の回
収可能価額と帳簿価額との差異を減損金額として計算し、連結損益計算書に損失を認識す
る。
関連会社のリストは以下のとおりである。
2022 年に
おける
保有割合
正式名称 設立国 主たる活動 (%)
マグナティ・ソール・プロプリエターシップ・ アラブ首長国連邦 金融サービス 40 %
エルエルシー
ミッドマック・プロパティーズ・エルエルシー アラブ首長国連邦 不動産投資 16 %
エミレーツ・デジタル・ウォレット・エルエル アラブ首長国連邦 金融サービス 23 %
シー
( ⅴ ) 非支配持分
非支配持分は、取得日現在における 被取得企業の識別可能純資産の比例持分で当初測定さ
れる。支配の喪失を伴わない子会社に対する当グループの持分の変動は、資本取引として
会計処理される。
( ⅵ ) 支配の喪失
当グループが子会社に対する支配を喪失する際には、その子会社の資産および負債、その
子会社に関する関連非支配持分およびその他の資本項目の認識の中止が行われる。支配の
喪失に伴い発生する利益または損失は、連結損益計算書に計上される。
( ⅶ ) 連結時に相殺消去される取引
各子会社に対する当グループの投資の帳簿価額および各子会社の資本は連結時に相殺消去
される。重要なグループ間残高、ならびにグループ間取引から生じる未実現利益および費
用(外貨建て取引の損益を除く)はすべて、連結時に相殺消去される。未実現損失は、減
損が生じている証拠が存在しない範囲においてのみ、未実現利益と同様に相殺消去され
る。
( ⅷ ) 信託資産
信託または信託業務において保有する資産は、当グループの資産として扱われない。した
がって、これらの資産は本連結財務書類には含まれない。
(c) 金融資産および金融負債
( ⅰ ) 認識および当初測定
当グループは、貸出金およびイスラム金融、預金、発行済負債証券および劣後債務につい
て、それらを組成した日に当初認識する。
その他すべての金融商品(通常の方法による金融資産の購入および売却を含む)は、当グ
ループがその商品の契約条項の当事者となった日である約定日に認識される。通常の方法
による金融資産の購入および売却はすべて、決済日、すなわち取引相手方に当該資産を引
き渡すか、または取引相手方から当該資産を受領する日に認識される。通常の方法による
金融資産の購入または売却とは、市場における規制または慣例で一般的に設定されている
期限までに、資産の受渡しが要求されるものである。
( ⅱ ) 分類
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当初認識時において、金融資産は、償却原価、その他包括利益を通じて公正価値測定(以
下「 FVOCI 」という。 )または損益を通じて公正価値測定(以下「 FVTPL 」という。)に分
類 される。
金融資産は以下の両方の条件を満たし、 FVTPL に指定されない場合は償却原価で測定され
る。
・ 当該資産は、契約上のキャッシュフローを回収するために資産を保有することが目的
である事業モデル内で保有されている。
・ 金融資産の契約条件により、元本および元本に対する利息の支払のみ( SPPI )からの
キャッシュフローが特定の日に生じる。
負債性金融商品は、以下の両方の条件を満たし、 FVTPL に指定されない場合のみ FVOCI で測
定される。
・ 当該資産は、契約上のキャッシュフローの回収と金融資産の売却を目的とする事業モ
デル内で保有されている
・ 金融資産の契約条件により、 SPPI からのキャッシュフローが特定の日に生じる
トレーディング目的で保有されていない持分投資の当初認識時において、当グループは、
その後の公正価値変動を OCI に表示する取消不能の選択ができる。この選択は投資ごとに行
われる。
その他のすべての金融資産は、 FVTPL で測定されるものとして分類される。
さらに、当初認識時に、当グループは、償却原価または FVOCI の測定要件を満たす金融資産
を、そうしなければ発生するであろう会計上の不一致を解消または大幅に減少させる場合
に FVTPL として取消不能の指定をすることができる。
事業モデルの評価
当グループは、ポートフォリオ・レベルで、保有されている資産の事業モデルの目的を評
価している。これは、事業の管理方法および経営者への情報提供方法を最もよく反映して
いるためである。検討する情報には以下が含まれる。
・ ポートフォリオに関する方針と目的の記載、およびそれらの方針の実際の運用。特
に、経営陣の戦略が、契約上の利息の稼得、特定の金利プロファイルの維持、金融資産
のデュレーションとそれら資産への資金提供を行っている負債のデュレーションとの一
致、または資産の売却によるキャッシュフローの実現に重点をおいているかどうか
・ ポートフォリオのパフォーマンスがどのように評価され、当グループの経営陣に報告
されるか
・ 事業モデル(およびその事業モデル内で保有されている金融資産)のパフォーマンス
に影響を及ぼすリスク、およびそれらのリスクを管理するための戦略
・ 事業の管理者に対する報酬の方法(例えば、報酬が管理資産の公正価値に基づいてい
るのか、または回収された契約上のキャッシュフローに基づいているのか)
・ 過去の期間における売却の頻度、量および時期、当該売却の理由、および将来の売却
活動に関する予想。ただし、売却活動に関する情報は単独では考慮されないが、金融資
産の管理について当グループが掲げた目的がどのように達成され、キャッシュフローが
どの程度実現されたかに関する全体的な評価の一環として行われる。
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売買目的で保有または公正価値評価ベースで評価、管理される金融資産は、契約上の
キャッシュフローの回収目的でも、契約上のキャッシュフローの回収と金融資産の売却目
的でも保有されていないため、 FVTPL で測定される。
当グループのコンシューマー・アンド・コーポレート・バンキング業務は、主として、契
約上のキャッシュフローの回収のために保有する顧客に対する貸出金より構成される。コ
ンシューマー業務においては、貸出金は、住宅ローン、当座貸越、無担保個人向け貸付お
よびクレジットカード融資枠より構成される。これらのポートフォリオからの貸出金の売
却は非常に稀である。
当グループは、特定の負債証券を長期利回りのために個別ポートフォリオで保有してい
る。これらの証券は、売却される可能性があるが、そうした売却は頻繁に行われないと見
込まれている。当グループは、これらの証券は、契約上のキャッシュフローを回収するた
めに資産を保有することを目的とした事業モデルにおいて保有されていると考えている。
当グループは、日々の流動性ニーズを満たすための特定のその他の負債証券を個別ポート
フォリオで保有している。当グループは、これらの流動性ニーズの管理費用を最低限に抑
えることで当該ポートフォリオのリターンを管理している。そのリターンは、契約上の
キャッシュフローの回収ならびに金融資産の売却による利益および損失より構成される。
投資戦略は、しばしば、重要な価値のある売却活動につながる。当グループは、これらの
金融資産は、契約上のキャッシュフローの回収および金融資産の売却の両方によって目的
が達成される事業モデルにおいて保有されると考える。
契約上のキャッシュフローが元本と元本の利息のみ( SPPI )であるかどうかの評価
この評価の目的上、「元本」は、当初認識時の金融資産の公正価値として定義される。
「利子」とは、貨幣の時間的価値および特定の期間中の未払元本残高に関連する信用リス
ク、ならびにその他の基本的な融資リスクおよびコスト(流動性リスクおよび管理コスト
など)の対価、さらには利益マージンと定義される。
契約上のキャッシュフローが SPPI であるかどうかを評価する際に、当グループはその商品
の契約条件を考慮している。これには、要件を満たさなくなるような契約上のキャッシュ
フローの時期または金額を変更するような契約条件が金融資産に含まれているか否かの評
価が含まれる。この評価を行うにあたり、当グループは以下を考慮する。
・ キャッシュフローの金額および時期を変更させるような偶発的事象
・ レバレッジの要素
・ 期限前償還および延長条項
・ 所定の資産からのキャッシュフローに対する当グループの請求を制限する条項(例:
ノンリコース資産契約)
・ 貨幣の時間的価値の対価を変更するような要素(例:定期的な金利の再設定)
当グループは、定期的な金利更改日に当グループが金利改定の提案オプションを有する長
期固定ローンのポートフォリオを保有している。これらの再設定権は改定時の市場金利に
限定されている。借手は、改定された金利を受け入れるか、ペナルティを支払うことなく
額面でローンを償還することができる。オプションは未払元本残高に関連する貨幣の時間
的価値、信用リスク、その他の基本的な貸付リスク、およびコストを考慮して金利を変動
させるため、当グループはこれらローンの契約上のキャッシュフローは SPPI であると判断
した。
再分類
金融資産は、当初認識後は再分類されない(当グループが金融資産を管理する事業モデル
を変更した後の期間を除く)。
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金融負債は、再分類されない。
( ⅲ ) 認識の中止
金融資産
当グループは、金融資産からのキャッシュフローに対する契約上の権利が消滅した場合
(注記3 (c) ( iv )参照)、または金融資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべ
てを移転する取引において、契約上のキャッシュフローを受け取る権利を移転する場合、
もしくは当グループが所有に伴うリスクおよび経済価値のほとんどすべてを移転または留
保せず金融資産の支配を保持しない場合、金融資産の認識を中止する。
金融資産の認識中止時に、資産の帳簿価額(または認識を中止した資産の一部に割当てら
れた帳簿価額)と (i) 受け取った対価(新規で取得した資産から新規で引き受けた負債を控
除したものを含む)および( ⅱ ) OCI で認識されていた累積損益の合計の差額は純損益で認
識される。
FVOCI に指定された持分投資有価証券に関して OCI に認識された累積損益は、当該証券の認
識中止時に純損益に認識されない。当グループにより組成または保持され、認識の中止に
適格な譲渡金融資産における当グループの持分は、別個の資産または負債として認識され
る。
当グループは、連結財政状態計算書に認識された資産を譲渡するが、譲渡対象資産または
その一部のリスクおよび経済価値のすべて、またはほとんどすべてを保持する取引を行っ
ている。そのような場合、譲渡資産の認識は中止されない。そのような譲渡の例として、
証券貸付および売却/買戻し取引がある。
資産が第三者に売却され、同時に譲渡資産についてトータル・リターン・スワップが計上
される場合、その取引は売却及び買戻し取引に類似した有担保金融取引として会計処理さ
れる。これは、当グループが当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべ
てを保持しているためである。
当行グループが金融資産の所有に係るリスクおよび経済価値をほとんどすべてを保持また
は移転しておらず、資産に対する支配を維持している取引では、当行グループは、譲渡資
産が価値変動にさらされる範囲により決定した、継続的関与の範囲内で引き続き資産を認
識する。
特定の取引において、当グループは手数料を対価として譲渡金融資産に対するサービス提
供の義務を負っている。認識の中止要件を満たす場合、譲渡資産の認識は中止される。
サービス手数料がサービスを実行するための十分な額を超える(資産)、または十分な額
を下回る(負債)場合、サービス契約に関する資産または負債が認識される。
金融負債
当グループは、契約上の義務が免責、取消、または失効する際に金融負債の認識を中止す
る。
( ⅳ ) 金融資産および金融負債の変更
金融資産
金融資産の条件が変更された場合、当グループは条件変更された資産のキャッシュフロー
が大幅に異なるかどうかを評価する。
キャッシュフローが大幅に異なる場合、当初の金融資産からのキャッシュフローに対する
契約上の権利は失効したとみなされる。この場合、当初の金融資産の認識は中止され、新
しい金融資産は公正価値に適格な取引費用を加えた金額で認識される。当該条件変更の一
環として受け取った手数料は、以下のように会計処理される。
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・ 新規資産の公正価値を決定する際に考慮される手数料および適格な取引費用の払い戻
しを表す手数料は、資産の当初の測定に含まれる。
・ その他の手数料は認識の中止における損益の一部として損益に含まれる。
借手の財政困難によりキャッシュフローが修正される場合、通常、修正の目的は大幅に異
なる条件で新規資産を組成するのではなく、当初の契約条件による回収を最大化すること
である。当グループがキャッシュフローを免除するような方法で金融資産を修正すること
を計画している場合、まず修正が行われる前に資産の一部を償却すべきかどうかを検討す
る。このアプローチは定量的評価の結果に影響を及ぼし、そのような場合は認識の中止要
件が通常満たされないことを意味する。
償却原価または FVOCI で測定された金融資産の修正によって金融資産の認識が中止されない
場合、当グループはまず資産の当初の実効金利を使用して金融資産の総額での帳簿価額を
再計算し、その結果による調整を条件変更による損益として損益に認識する。変動金利の
金融資産について、条件変更により損益計算に使用される当初の実効金利は、条件変更時
の市場条件を反映するように調整される。条件変更の一環として発生した費用または手数
料および受取手数料は、条件変更金融資産の総額での帳簿価額を調整し、条件変更資産の
残りの期間にわたって償却される。
金融負債
当グループは、負債の条件が変更され、変更後にそのキャッシュフローが大幅に異なる場
合、金融負債の認識を中止する。この場合、変更後の条件に基づく新しい金融負債が公正
価値で認識される。認識を中止した金融負債の帳簿価額と支払対価の差額は、損益に認識
される。支払対価には、譲渡された非金融資産(ある場合)、および新たな修正金融負債
を含む負債の引き受けが含まれる。
金融負債の変更が認識中止として会計処理されない場合は、変更されたキャッシュフロー
を当初の実効金利で割り引くことにより、負債の償却原価が再計算され、その結果生じる
損益が損益に認識される。変動金利の金融負債について、条件変更による損益計算に使用
される当初の実効金利は、変更時現在の市場条件を反映するように調整される。発生した
費用および手数料は、負債の帳簿価額に対する調整として認識され、その商品の実効金利
を再計算することにより、条件変更された金融負債の残存期間にわたって償却される。
金利指標改革
IBOR 改革に関連した金融資産または負債の変更が実質的か否かについての当グループの評
価は、 IBOR 改革フェーズ2により導入された実務的な便法の適用後に実施される。これに
より、注記3 (s) で説明された通り、 IBOR から RFR への移行を変動金利の変更として処理す
ることが要求される。 IFRS 第9号を改訂する金利指標改革フェーズ2に基づき、金利指標
改革の直接的な結果としての契約上のキャッシュフローの決定基礎の変更は、当該改革の
直接的な結果としての必然的変更であり、 IBOR 指標金利から代替 RFR への移行が経済的に同
等の基礎で行われることを前提として、当該商品に対する変動金利の変更として取り扱わ
れる。
商品が償却原価で測定される場合、当該商品の実効金利の変更という結果となり、商品の
償却原価には変更がない。その商品への変更がこれらの要件を満たさない場合、当グルー
プは変更が実質的なものか否かを評価するための判断を行う。この変更が実質的なもので
ある場合は、当該金融商品の認識は中止され、新しい金融商品が認識される。この変更が
実質的なものでない場合、当グループは、当該金融商品を、引き続き現在の帳簿価額で計
上し、差額は実効金利を改訂して将来に向かって調整し、当該金融商品の簿価総額は、実
務上の便法でカバーされていない差額を改訂後の実効金利を用いて割引いた現在価値で調
整される。
( ⅴ ) 相殺
金融資産および負債は、 IFRS のネッティング基準が満たされる場合を除き、通常、連結財
政状態計算書に総額で計上される。金融資産および負債は相殺され、連結財政状態計算書
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に純額で表示されるが、これは当グループがその金額を相殺する法的権利を有し、かつ純
額ベースで決済するか、資産の実現と同時に負債を決済する意図がある場合に限られる。
収益および費用は、 IFRS で認められた場合、または当グループのトレーディング活動のよ
うな類似した取引グループから生じる損益に限り純額で表示される。
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( ⅵ ) 公正価値の測定
公正価値は、測定日時点で、主要な市場における市場参加者間の秩序ある取引において、
資産を売却することで受け取るであろう価格または負債を移転するために支払うであろう
価格である。主要な市場が存在しない場合には当グループが同日にアクセス可能で最も有
利な市場における価格である。
負債の公正価値は不履行リスクを反映している。入手可能な場合、当グループは金融商品
の公正価値をその商品について活発な市場における相場価格を用いて測定する。その資産
または負債の価格情報を提供するための十分な頻度および取引量で取引が継続的に行われ
る市場は活発であるとみなされる。活発な市場における相場価格がない場合、当グループ
は関連する観察可能なインプットを最大限使用し、観察不能なインプットの利用を最小限
に抑えた評価技法を用いる。選択された評価技法は市場参加者が取引の価格づけをする際
に考慮する要素をすべて組み入れている。当初認識における金融商品の公正価値の最善の
証拠は通常、取引価格である。すなわち、支払ったまたは受領した対価の公正価値であ
る。当グループが当初認識時に決定した公正価値が取引価格と異なり、公正価値が活発な
市場における同一の資産または負債の相場価格、または観察可能な市場からのデータのみ
を使用した評価技法に基づいているという証拠がない場合には、金融商品は公正価値で当
初測定され、当初認識時の公正価値と取引価格との差異を繰り延べることで調整される。
その後、差異は適切な基準で金融商品の期間にわたり(ただし、観察可能な市場データで
評価が全面的に裏付けられるようになるまで、または取引が終了するまで)連結損益計算
書に認識される。
資産または負債が買呼値および売呼値で公正価値測定される場合、当グループは資産およ
びロング・ポジションを買呼値で測定し、負債およびショート・ポジションを売呼値で測
定する。
市場リスクまたは信用リスクの正味エクスポージャーを基に当グループが管理している、
市場リスクおよび信用リスクにさらされる金融資産および金融負債のポートフォリオは、
特定のリスクエクスポージャーの正味ロング・ポジションの売却で受領するであろう価格
または正味ショート・ポジションの移転で支払うであろう価格を基に測定される。ポート
フォリオ・レベルの調整(例: 正味エクスポージャーに基づく測定を反映したビッド・ア
スク調整、または信用リスク調整 )は、ポートフォリオ内の各商品に相応するリスク調整
に基づいて個別の資産および負債に配分される。
ミューチュアル・ファンド、プライベート・エクイティ・ファンドまたは類似の投資ビー
クルへの投資の公正価値は、ファンドマネージャーにより公表された最新の純資産価値に
基づいている。その他の投資について、公正価値の合理的見積りは、類似した投資に関す
る直近の市場取引の価格を参照し、割引後の期待キャッシュフローに基づいて決定され
る。
要求払の特徴のある金融負債(要求払預金)の公正価値は、支払いが要求される最初の日
から割り引かれた支払要求額を下回ることはない。
当グループは公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を、変更が発生した報告期間の末日
で認識する。
( ⅶ ) 減損
当グループは、 FVTPL で測定されていない以下の金融商品の予想信用損失( ECL )に対する
損失引当金を認識する。
・ 中央銀行預け金
・ 銀行および金融機関預け金
・ 売戻契約
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・ その他包括利益を通じて公正価値で評価される非トレーディング投資
・ 貸出金およびイスラム金融
・ その他金融資産
・ 未実行の与信供与コミットメント
・ 金融保証
持分投資について減損損失は認識されていない。
当グループは、 12 か月 ECL で測定される以下の項目を除き、全期間の ECL と同額で損失引当
金を測定している。
・ 報告日現在において信用リスクが低いと判断された負債性投資有価証券
・ 信用リスクが当初認識以降著しく増大していないその他の金融商品(注記 46 ( a )参
照)。
当グループは、上記の金融商品について、信用リスク 格付が世界的に「投資適格」と理解
される定義と同等である場合に、信用リスクが低いとみなす。
信用損失引当金は、当初認識以降の信用悪化の程度に基づいて 3 つのステージによるアプ
ローチを使用して測定される。
・ ステージ 1 - 金融商品の当初認識以降、信用リスクが著しく増大(以下「 SICR 」とい
う。)していない場合は、 12 か月の予想信用損失に相当する金額が計上される。予想信
用損失は、今後 12 か月間に発生するデフォルト確率を使用して計算される。満期までの
残存期間が 12 か月未満の金融商品について、満期までの残存期間に対応するデフォルト
確率が用いられる。
・ ステージ2-当初認識以降、金融資産に SICR が生じているが減損していないとみなさ
れる場合は、ステージ2に含まれる。ここでは、金融商品の予想残存期間にわたるデ
フォルト確率に基づいた予想信用損失の計算が要求される。
・ ステージ3-減損しているとみなされる金融商品は、このステージに含まれる。ス
テージ2同様、信用損失に対する引当金は、全期間の予想信用損失を把握する。
ECL の測定
ECL の測定への主なインプットは以下のとおり。
・ デフォルト確率(以下「 PD 」という。)
・ デフォルト時エクスポージャー(以下「 EAD 」という。)および
・ デフォルト時損失率(以下「 LGD 」という。)
これらのパラメータは一般に統計モデルや他の実績データから導き出される。これらは将
来の予測情報を反映するために調整される。さらに、当グループはモデルに取り入れてい
ない要因について ECL を調整するための入念なレビュープロセスを有している。
これらの統計パラメータ/インプットの詳細は、以下のとおり。
・ PD -デフォルト確率は、所定の期間にわたるデフォルトの可能性の見積りである。
・ EAD - デフォルト時のエクスポージャーは、報告日後に予想されるエクスポージャーの
変動を考慮した、将来のデフォルト日におけるエクスポージャーの見積りである。
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・ LGD -デフォルト時損失率は、所定の日にデフォルトが発生した場合に生じる損失の見
積りである。これは、支払われるべき契約上のキャッシュフローと、担保の実現による
も のも含めて貸し手が受け取りを予想するものとの差に基づいている。これは通常 EAD
のパーセンテージで示される。
ECL は確率加重された信用損失の見積りである。これらは、以下のように測定される。
・ 報告日現在において信用減損していない金融資産:すべての現金不足額の現在価値
(すなわち、契約により事業体が負うキャッシュフローと当グループが受け取りを予想
するキャッシュフローとの差額)。
・ 報告日現在で信用減損している金融資産:総額での帳簿価額と見積将来キャッシュフ
ローの現在価値との差額。
・ 未実行のローン・コミットメント:契約が実行された場合に当グループが負う契約上
のキャッシュフローと、当グループが受け取りを予想するキャッシュフローとの差額の
現在価値。
・ 金融保証契約:保有者への払い戻しが予想される金額から、当グループが回収を予想
する金額を差し引いたもの。
条件緩和金融資産
金融資産の条件が借手の財政困難のために再交渉または変更されるか、または既存の金融
資産が新しいものと交換される場合、金融資産の認識が中止されるべきかどうかの評価が
行われ、 ECL は以下のように測定される。
・ 予想される条件緩和によって既存資産の認識が中止されない場合、修正後の金融資産か
ら生じる予想キャッシュフローは、既存資産の現金不足を計算する際に含められる。
・ 予想される条件緩和により既存資産の認識が中止される場合、新しい資産の予想公正価
値は、認識中止時における既存金融資産からの最終的なキャッシュフローとされる。こ
の金額は、既存の金融資産の当初の実効金利を使用して、認識の中止予定日から報告日
までの期間を割引くことで既存の金融資産からの現金不足を計算する際に含められる。
信用減損金融資産
各報告日において、当グループは、償却原価で計上されている金融資産および FVOCI で計上
されている負債性金融資産、ならびにファイナンス・リース債権に信用減損がある(以下
「ステージ3金融資産」と呼ぶ)かどうかを評価している。金融資産の将来の見積キャッ
シュフローに悪影響を及ぼす 1 つ以上の事象が発生した場合、その金融資産は「信用減損」
している。金融資産の信用減損に関する証拠には、以下の観察可能なデータが含まれる。
・ 借手または発行者の重大な財政困難
・ デフォルトや期日経過などの契約違反
・ 当グループが他では検討しないような条件による貸付金およびイスラム金融の条件緩和
・ 借手が破産または別の金融再編に入る可能性の高まったこと
・ 財政的な困難による、有価証券の活発な市場の消失
購入時または当初信用減損(以下「 POCI 」という。)金融資産
POCI 金融資産は、当初認識時に信用減損している資産である。 POCI 資産については、当初
認識時に全期間 ECL が取り込まれる。当初認識後に損失引当金として認識された金額は、当
該資産の当初認識以降の全期間 ECL の変動に等しい。
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連結財政状態計算書における ECL 引当金の表示
ECL の損失引当金は、以下のように連結財政状態計算書に表示される。
・ 償却原価で測定される金融資産:資産の総額での帳簿価額から控除
・ 貸出コミットメントおよび金融保証契約:一般的にその他の負債で報告される引当金
・ FVOCI で測定される負債性金融商品:これらの資産の帳簿価額は公正価値であるため、
連結財政状態計算書に損失引当金は認識されない。ただし、損失引当金は開示され、公
正価値準備金が認識される。
償却
金融資産の全部または一部を回収する合理的な見込みがない場合、金融資産は(一部また
は全額)償却される。これは通常、借手が償却対象となる金額を返済するための十分な
キャッシュフローを生み出す可能性のある資産または収入源を持っていないと当グループ
が判断した場合が該当する。この評価は個別の資産レベルで行われる。
以前償却された金額の回収は、損益計算書の正味減損費用に含められる。償却された金融
資産は、債権回収に係る当グループの手続きを遵守するために引き続き回収活動の対象と
なる可能性がある。
UAE 中央銀行(以下「 CBUAE 」という。)による引当規定
2018 年 4 月 30 日 付けの CBUAE 通知番号 CBUAE / BSD / 2018/458 、 6.4 節に従って 、特定の引
当金および一般引当金/集合的引当金の累計額が、 IFRS 第 9 号に基づいて計算された減損引
当金を上回っている場合、その差額は利益剰余金からの充当として「減損引当金」に振替
えられる。この減損引当金は、個別引当金の差異に関連するものと一般引当金/集合的引
当金の差異に関連するものに分割しなければならない。減損引当金は配当金の支払には利
用されない。
(d) 現金および現金同等物
連結キャッシュフロー計算書の目的上、現金および現金同等物は、手許紙幣および硬貨、制限のな
い中央銀行預け金および取得日から3か月未満で満期が到来する流動性の高い金融資産からなる。
現金および現金同等物は、連結財政状態計算書において償却原価で計上される非デリバティブ金融
資産である。
(e) 銀行および金融機関預け金
銀行および金融機関預け金は、償却原価から減損引当金を控除した後の金額で計上される非デリバ
ティブ金融資産である。
(f) 純損益を通じて公正価値評価される投資
これらは、当グループが主に短期間での売却目的あるいは短期利益またはポジションテイクのため
に一緒に管理されるポートフォリオの一部として保有することを目的として取得する証券である。
これらの資産は、連結財政状態計算書に公正価値で当初認識され、その後も公正価値で測定され
る。公正価値の変動は、すべて損益の一部として認識される。
(g) 売戻契約
購入と同時に将来の特定日に固定価格で売り戻すことを約定する資産の認識は行わない。これらの
契約に基づき取引相手方に支払われた金額は、連結財政状態計算書に売戻契約として計上される。
購入価格と売戻価格との差額は受取利息として取り扱われ、売戻契約の期間にわたって発生し、実
効金利法により連結損益計算書に計上される。
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(h) 貸出金およびイスラム金融
連結財政状態計算書の「貸出金およびイスラム金融」には、以下のものが含まれる。
・ 償却原価で測定される貸出金。これらは当初、公正価値に直接取引費用の増額分を加えて測定
され、その後は実効金利法を用いた償却原価で測定される。
・ リース債権
・ FVTPL で測定される、または FVTPL 区分に指定された貸出金。これらは公正価値で測定され、公
正価値の変動は損益に認識される。
・ イスラム金融および投資契約
貸出金およびイスラム金融は、固定または確定可能な支払があり、活発な市場における市場価格が
無く、当グループが直ちにもしくは近い将来に売却する意思のない非デリバティブ金融資産であ
る。
当グループが、資産の所有に伴う実質的にすべてのリスクおよび経済価値を借手に移転するリース
契約の貸手である場合、当該契約はファイナンス・リースに分類され、リースの純投資額と同額の
債権が貸出金に認識および表示される。
契約がリースであるかどうかの判断において、当グループは当該契約の内容を確認し、当該契約の
履行が特定の資産の使用に基づいているか否か、また当該契約が資産を使用する権利を移転してい
るか否かについての評価を行う。
貸出金の認識の中止は、借手が債務を返済するか、あるいは貸出金が売却または償却される時に行
われる。
イスラム金融および投資契約
当グループは、シャリアに準拠したイジャラ、ムラバハ、ムダラバおよびワカラ等の種々のイスラ
ム金融商品を取り扱うイスラム銀行業に従事している。
定義
イジャラ
イジャラはイジャラ・ムンタヒア・ビッタムリークからなる。
イジャラ金融は顧客との合意であって、当グループ(貸手)が、顧客(借手)の求めに応じて資産
をリースまたは建設し、当該資産を割賦払いで特定の期間リースすることを約束するものである。
イジャラは、リース期間終了時に該当資産の所有を借手に移転することができる。また、当グルー
プは、リース資産の所有に伴う実質的にすべてのリスクおよび経済的便益を借手に移転する。
ムラバハ
当グループが購入原価に利益を上乗せした合意済みの価格で顧客に商品および他の資産を販売する
販売契約である。当グループは、所定の条件に従って商品を購入する顧客の約束に基づき該当商品
を購入する。ムラバハによる収益は、取引開始時に定量化される。
ムダラバ
当グループと顧客との間の契約であり、一方の当事者( Rab Al Mal )が資金を提供し、他方の当事
者( Mudarib )が同資金をプロジェクトまたは特定の事業に投資する。投資によって生じた収益に
ついては、契約で事前に合意された収益分配率に従い、当事者間で分配される。債務不履行、過失
またはムダラバ条項違反により生じた損失については事業家( Mudarib )の負担となり、他の損失
については出資者 (Rab Al Mal) が負担する。
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有価証券報告書
ワカラ
当グループと顧客との間の合意であって、一方の当事者(出資者 , Rab Al Mal )は一定の金額を
エージェント(代理人 ,Wakil )に提供し、代理人は、同金額を、一定の手数料(一時金または投資
金額の一定割合)と引き換えに特定の条件に従って投資する。代理人は、債務不履行、過失または
ワカラ条項違反が生じた場合に投資金額を保証する義務を負う。当グループは、取引の内容によ
り、代理人または出資者となる場合がある。
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有価証券報告書
(i) 非トレーディング投資
連結財政状態計算書の「非トレーディング投資」には、以下のものが含まれる。
・ 償却原価で測定される負債性投資有価証券。 これらは当初、公正価値に直接取引費用の増額
分を加えて測定され、その後実効金利法を用いた償却原価で測定される。
・ FVOCI で測定される負債証券
・ FVOCI に指定された持分投資有価証券
・ 関連会社および共同支配企業への投資
FVOCI で測定される負債証券については、以下の償却原価で測定される金融資産と同じ方法で純損
益に認識されるものを除いて、損益は OCI で認識される。
・ 実効金利法を用いる利息収益
・ ECL お よび戻入
・ 外国為替損益
FVOCI で測定された負債証券の認識が中止された場合、以前 OCI で認識された累積損益は資本から損
益に振り替えられる。
当グループは、トレーディング目的保有以外の持分金融商品の一部投資における公正価値変動を
OCI に表示することを選択した。この選択は、当初認識時に商品ごとに行われ、取消不能である。
そのような持分金融商品の公正価値の変動による損益は、その後損益に振り替えられることはな
く、損益に減損が認識されることはない。配当金は、投資原価の回収の一部であることが明らかで
ある場合に限り OCI に認識され、そうでなければ損益に認識される。 OCI で認識された累積損益は、
投資の処分時に利益剰余金に振り替えられる。
(j) 投資不動産
投資不動産は、取引費用を含む取得原価で当初測定される。当初認識後、投資不動産は貸借対照表
日の市況を反映する公正価値で表示される。投資不動産の公正価値の変動から生じる損益は、発生
した年度の連結損益計算書上の「その他営業収益/(損失)」に含まれる。
投資不動産が処分された場合または投資不動産の使用が永久的に中止され、その処分による経済的
便益が期待されない場合、その認識が中止される。投資不動産の除却または処分に係る損益は、除
却または処分が発生した年度の連結損益計算書に認識される。
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有価証券報告書
(k) 有形固定資産
( ⅰ ) 認識および測定
有形固定資産の項目は、累積償却額および累積減損損失額(もしあれば)を控除後の取得
原価で測定される。建設仮勘定は、取得原価で当初計上され、定期的に減損テストを行
い、完成と同時に有形固定資産の適切な区分に振り替えられ、その後は減価償却される。
取得原価には、資産の取得に直接起因する支出が含まれる。購入したソフトウェアが関係
する設備の機能に不可欠である場合、当該設備の一部として資産計上される。
有形固定資産の処分に係る損益は、処分による収入と有形固定資産の帳簿価額とを比較す
ることにより算定され、連結損益計算書の「その他営業収益/(損失)」に純額で認識さ
れる。
( ⅱ ) その後のコスト
その後の支出は、その経済的便益が当グループに将来流入する可能性が高い場合に限り資
産計上される。継続的な費用は発生の都度、連結損益計算書に計上される。
有形固定資産 の項目の重要な部分の耐用年数が異なる場合、有形固定資産の別個の項目
(主要要素)として会計処理される。
( ⅲ ) 減価償却
減価償却は、有形固定資産の見積残存価値控除後の有形固定資産項目の原価を減少するよ
うに見積耐用年数にわたり定額法を用いて計算され、通常は損益計算書に認識される。自
己所有の土地および建設仮勘定は減価償却されない。
当期および比較期間における資産の見積耐用年数は以下のとおりである。
建物および住宅 20 ~ 50 年
事務所什器および備品 5~ 10 年
リース建物付属設備 3~ 10 年
金庫 10 年
コンピューターシステムおよび設備 3~7年
車両 3年
減価償却方法、耐用年数および残存価値は、毎報告日付で見直され適宜調整される。
( ⅳ ) 建設仮勘定
建設仮勘定とは、生産、提供、または管理目的で建設中の資産であり、認識済みの減損損失
を控除した取得原価で計上される。取得原価には、当グループの会計方針に従って資産計上
される有形固定資産の設計および建設に係るすべての直接費用が含まれる。当該資産の意図
した使用が可能となった場合、建設仮勘定は有形固定資産の適切な勘定へ振り替えられ、当
グループの方針に従って減価償却される。
( ⅴ ) 非金融資産の減損
各報告日に、当グループは、減損の兆候があるか否かを決定するために非金融資産(投資
不動産および繰延税金資産を除く)の帳簿価額の見直しを行う。減損の兆候が存在する場
合には、資産の回収可能価額が見積られる。のれんに対する減損テストは毎年実施され
る。
減損テストについて、資産は、その他資産または CGU のキャッシュ・インフローから概ね独
立したキャッシュ・インフローを継続使用から生み出す最小の資産グループにまとめられ
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る。企業結合から生じるのれんは、企業結合による相乗効果からの便益が期待される CGU ま
たは CGU のグループに配分される。
資産または CGU の「回収可能価額」は、使用価値または売却費用控除後の公正価値のいずれ
か高い方の金額である。「使用価値」は、貨幣の時間的価値および資産または CGU に特有の
リスクに関する現在の市場評価を反映した税引前割引率を用いて割り引いた見積将来
キャッシュフローの現在価値に基づいている。
資産または CGU の帳簿価額が回収可能価額を上回る場合、減損損失が認識される。
当グループの全社資産は、個別のキャッシュ・インフローを生み出さず、複数の CGU に使用
されている。全社資産は、合理的および一貫した基準で CGU に配分され、全社資産が配分さ
れた CGU の減損テストの一部としてテストされる。
減損損失は、損益に認識される。減損損失は、最初に CGU に配分されたのれんの帳簿価額を
減額するように配分され、その後その CGU 内のその他資産の帳簿価額を減額するように比例
配分される。
のれんに関する減損損失の戻し入れは行われない。その他資産については、資産の帳簿価
額が、減損損失が認識されなかった場合(減価償却控除後)の帳簿価額を超えない範囲に
限り減損損失は戻し入れられる。
( l ) 無形資産
取得により生じるのれんは、移転対価、被取得企業の非支配持分の金額および従来保有していた被
取得企業の資本持分の取得日の公正価値が取得した識別可能な純資産の公正価値を超える超過分で
ある。移転対価、認識された非支配持分および公正価値で測定される従来保有していた持分の合計
が、取得した子会社の純資産の公正価値より低い場合(バーゲン・パーチェス)、その差額は直接
損益計算書に認識される。
減損テスト上、企業結合で取得したのれんおよびライセンスは、企業結合による相乗効果からの便
益が期待される各 CGU または CGU のグループに配分される。のれんが配分される各単位または単位グ
ループは、のれんが内部管理目的でモニタリングされる企業内の最小の単位を示している。のれん
は、事業セグメント・レベルでモニタリングされる。
のれんおよびライセンスの減損の見直しは、毎年または潜在的な減損の兆候を示す事象あるいは環
境の変化がある場合はより高い頻度で行われる。のれんが含まれる CGU の帳簿価額は、使用価値お
よび処分費用控除後の公正価値のいずれか高い方の金額である回収可能価額と比較される。減損は
直ちに費用として認識され、その後戻し入れは行われない。
当グループののれん以外の無形資産には、企業結合から発生した無形資産が含まれている。企業結
合により取得された無形資産の取得原価は、取得日の公正価値である。個別に取得した無形資産
は、当初認識時に取得原価で測定される。当初認識後、無形資産は、取得原価から減価償却累計額
および減損累計額を控除した金額で計上される。
無形資産の耐用年数は、有限または無限のいずれかで評価される。有限耐用年数の無形資産は、経
済的耐用年数にわたり償却され、無形資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合に減損
を評価する。有限耐用年数の無形資産に対する償却期間および償却方法は、少なくとも各報告期間
末に見直される。見積耐用年数またはその資産の具体的な将来の経済的便益を消費すると見込まれ
るパターンの変更は償却期間または償却方法いずれか適切な方の変更とみなされ、会計上の見積り
の変更として処理される。有限耐用年数の無形資産に係る減価償却費は、連結損益計算書に認識さ
れる。
減損損失は、損益に認識される。減損損失は、最初に CGU に配分されたのれんの帳簿価額を減額す
るように配分され、その後その CGU 内のその他資産の帳簿価額を減額するように比例配分される。
のれんに関する減損損失の戻し入れは行われない。その他無形資産については、資産の帳簿価額
が、減損損失が認識されなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額を超えない範囲を限度として減
損損失を戻し入れる。
減価償却の計算に用いられる無形資産の見積耐用年数は、以下のとおりである。
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顧客関係 7.5 ~ 15 年
コア預金 2.5 ~ 15 年
ブランド 20 年
(m) 売却前担保
不動産およびその他の担保は、特定の貸出金およびイスラム金融の決済の結果取得される場合があ
り、売却目的保有資産として「その他資産」に計上される。取得した資産は、売却費用控除後の公
正価値または交換日における貸出金およびイスラム金融の帳簿価額(減損引当金控除後)のうちい
ずれか低い方の金額で計上される。売却目的保有資産については、減価償却は計上されない。取得
した資産がその後に売却費用控除後の公正価値へと評価減された場合、かかる評価損は減損損失と
して計上され、連結損益計算書に計上される。売却費用控除後の公正価値がその後増加した場合、
この増加分は減損損失累計額を上限として、連結損益計算書に認識される。当グループの担保処分
に関する方針は、当グループが事業を行っているそれぞれの地域の法令上の要件に従っている。
(n) 銀行および金融機関預り金、顧客勘定およびその他預金ならびにコマーシャルペーパー
銀行および金融機関預り金、顧客勘定およびその他預金ならびにコマーシャルペーパーは、金融負
債であり、公正価値から取引費用を控除した金額で当初認識され、その後は実効金利法を用いて償
却原価で測定される。
(o) 買戻契約
特定の将来の日に固定価格で買戻すことを条件として売却した資産については、認識は中止されな
い。これらの契約に基づき受領した金額に関する取引相手方に対する負債は、買戻契約として連結
財政状態計算書に計上される。売却価格と買戻価格との差額は、支払利息として取り扱われ、買戻
契約の期間にわたって発生し、実効金利法により連結損益計算書に計上される。
(p) 期間借入および劣後社債
期間借入および劣後社債には、保有者の選択により株式資本に転換することのできる転換社債が含
まれ、発行済株式数が公正価値の変動に伴い変化しない場合には、複合金融商品として会計処理さ
れる。転換社債の資本構成部分は、発行手取金が、転換オプションを有しない類似の債務に適用さ
れる市場金利で割り引かれる将来の元利支払額の現在価値を上回る部分として計算される。
FVTPL に指定された期間借入の信用リスク変動に起因する負債の公正価値変動額は、 OCI に負債信用
準備金として表示されている。金融負債の当初認識時に、当グループは、信用リスクに起因する負
債の公正価値の変動額を OCI に表示することにより、損益における会計上のミスマッチが生じるか
または拡大するか否かを評価する。この評価は、以下を比較するために回帰分析を使用する。
・ 信用リスクの変動に関連する負債の公正価値の予想変動。
・ 関連金融商品の公正価値の予想変動の損益への影響。
負債信用準備金に表示されている金額は、その後は損益に振り替えられることはない。これらの金
融商品の認識が中止されると、負債信用準備金における関連した累積金額は利益剰余金に振り替え
られる。
転換オプションがなく損益を通じて公正価値評価されない期間借入および劣後社債は、公正価値か
ら取引費用を控除した金額で当初認識される金融負債である。その後、実効金利法を用いた償却原
価で測定され、ヘッジ対象リスクの公正価値変動の範囲で調整される。
(q) 自己株式
取得した自己の資本性金融商品(自己株式)は、資本から控除され、加重平均コストで会計処理さ
れる。当行の自己の資本性金融商品の購入、売却、発行または消却に関しては、連結損益計算書上
に損益が認識されない。再発行される場合、帳簿価額と対価との差異は資本剰余金に認識される。
自己株式が、無償株式の発行の一部として分配される場合、当該株式の費用は利益剰余金に対して
認識される。自己株式に関する議決権は、当グループに対して無効であり、自己株式に対する配当
金の割当はない。
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(r) 株式報酬制度
従業員に付与されたオプションは、付与日に公正価値が見積られ、従業員が無条件にオプションの
権利を得るために必要な期間にわたり人件費として費用が認識され、同額が資本の増加として計上
される。費用として認識された金額は、該当する勤務条件を満たすと予想されるストックオプショ
ンの数を反映するために調整されており、最終的に費用として認識される金額は、権利確定日にお
いて該当する勤務条件および市場以外の業績条件を満たしているストックオプションの数に基づい
ている。ストックオプションに基づく株式は、潜在的普通株式とみなされる場合には、希薄化後1
株当たり利益の計算に算入されることもある。
(s) 受取利息および支払利息
実効金利
受取利息および支払利息は、実効金利法を用いて損益に認識される。「実効金利」とは、金融商品
の予想残存期間を通じて、以下の金額まで、将来の現金支払額または受取額を正確に割り引くレー
トである。
・ 金融資産の総額での帳簿価額
・ 金融負債の償却原価
購入または組成された信用減損資産以外の金融商品の実効金利を計算する際に、当グループは、そ
の金融商品のすべての契約条件を考慮して将来キャッシュフローを見積もるが、 ECL は考慮しな
い。
実効金利の計算には、実効金利の不可欠な部分である取引費用、手数料、および支払ったまたは受
領したポイントが含まれる。取引費用には、金融資産もしくは金融負債の取得または発行に直接起
因する費用の増加分が含まれる。
IBOR 改革フェーズ2においては、実務的な便法として、特定の条件を満たすことを条件として、契
約上のキャッシュフローの決定基礎の変更を変動金利の変更として取り扱うことができる。この条
件には、変更が IBOR 改革の直接的な結果として必要であり、移行が経済的に同等の基礎で実施され
ることが含まれる。
償却原価および総額での帳簿価額
金融資産または金融負債の「償却原価」は、金融資産または金融負債が当初認識時に測定された金
額から元本返済額を控除し、当初の金額と満期の金額に差額がある場合は、実効金利法を用いた累
積償却額を加減した金額である。また、金融資産については、予想信用損失引当金について調整さ
れる。
「金融資産の総額での帳簿価額」は、予想信用損失引当金を調整する前の金融資産の償却原価であ
る。
受取利息および支払利息の計算
金融資産または金融負債の実効金利は、金融資産または金融負債の当初認識時に計算される。受取
利息および支払利息の計算において、実効金利が資産の総額での帳簿価額(資産が信用減損してい
ない場合)または負債の償却原価に適用される。実効金利は、市場金利の変動を反映するため変動
金利商品のキャッシュフローに係る見積りの定期的な再実施の結果により修正される。ヘッジ調整
の償却開始日に、実効金利は公正価値ヘッジ調整についても修正される。
金融資産がいつ信用減損したかの情報については、注記3( c ) ( ⅶ )。
表示
損益計算書および OCI 計算書に表示される実効金利法を使用して計算された受取利息には、以下が
含まれる。
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・ 償却原価で測定される金融資産および金融負債に対する利息
・ FVOCI で測定される負債性金融商品に対する利息
・ 受取利息および支払利息に影響を及ぼすヘッジ対象のキャッシュフローと同期間の、金利の
キャッシュフローにおける変動性をヘッジするキャッシュフロー・ヘッジに指定された適格
ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値変動の有効部分
・ 金利リスクの公正価値ヘッジに指定された適格ヘッジ手段であるデリバティブにおける公正価
値の変動の有効部分
・ 償却原価 で測定される金融負債に対するマイナス金利
損益計算書および OCI 計算書に表示される支払利息には、以下が含まれる。
・ 償却原価で測定される金融負債
・ 受取利息および支払利息に影響を及ぼすヘッジ対象のキャッシュフローと同期間の、金利の
キャッシュフローにおける変動性をヘッジするキャッシュフロー・ヘッジに指定された適格
ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値変動の有効部分
・ 金利リスクの公正価値ヘッジに指定された適格ヘッジ手段であるデリバティブにおける公正価
値の変動の有効部分
・ 償却原価 で測定される金融資産に対するマイナス金利
・ リース負債 に対する利息費用
FVTPL で評価される金融資産および金融負債の受取利息および支払利息は、 FVTPL で評価される金融
商品からの受取利息または支払利息として表示される。
(t) イスラム金融業務による収益
イジャラによる収益は、回収可能性に関して合理的な疑義が生じる時まで、定率ベースで認識され
る。
ムラバハによる収益は、回収可能性に関して合理的な疑義が生じる時まで、定率ベースで認識され
る。
ムダバラの収益は、信頼性のある見積りが可能な場合、発生主義で認識される。それ以外の場合に
は、収益は事業家( Mudarib )による分配時に認識され、損失は事業家により損失が明らかになっ
た時点で連結損益計算書に費用計上される。当グループが出資者( Rab Al Mal )の場合、損失は、
発生時に当グループの連結損益計算書に費用計上される。
ワカラによる収益は、取引の期間にわたり実効利益率法で認識され、受領時に実際の収益に調整さ
れる。損失は発生時に計上される。
(u) 預金者の利益持分
預金者の利益持分は、ワカラおよびムダラバ預金の形式で受け入れた銀行または顧客のファンドに
おいて費用として計上された金額で、連結損益計算書に費用として認識される。この金額はワカラ
預金で合意された条件ならびにシャリアの原則に従って算出される。
(v) 受取手数料および支払手数料
当グループは、顧客に提供する様々な役務から手数料を稼得している。手数料の会計処理基準は、
手数料の回収目的、すなわち、連結損益計算書上の収益の認識目的により異なっている。受取手数
料は、以下のとおり計上される。
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・ 役務の提供から稼得した収益は、役務の提供時に収益として認識される。
・ 重大な行為の実行により稼得した収益は、当該行為の完了時に収益として認識される。
・ 金融商品の実効金利に不可欠な一部を構成する収益は、実効金利に対する調整として認識され
「受取利息」に計上される。
当グループの連結財務書類において金融商品として認識することになる顧客との契約は、部分的に
IFRS 第 9 号の範囲に含まれ、部分的に IFRS 第 15 号の範囲に含まれる可能性がある。この場合、当グ
ループは最初に IFRS 第 9 号を適用して IFRS 第 9 号の範囲内にある契約部分を分離して測定し、次に残
余部分に IFRS 第 15 号を適用する。
支払手数料は、主に、役務の受領時に支出される取引手数料および役務手数料に関するものであ
る。
カスタマー・ロイヤルティ・プログラム
当グループはロイヤルティ・プログラムを運営している。このプログラムでは、顧客は 、当行の商
品およびサービスを利用する際にポイントを貯めることができ、一定の条件に基づき、後に無料ま
たは割引価格で商品またはサービスと交換できる。当該ロイヤルティ・プログラムでは、別個の制
度に基づき別個の履行義務が発生する。発行されたポイントの公正価値は、通常、予想される特典
の組み合わせに対して、同等の独立販売価格に基づいて見積もられ、ポイントが交換または失効す
るまでその他負債に認識される。当グループの過去の実績に基づき、交換されるポイントの見積り
に使用される交換率を決定する際には経営陣の判断を伴う。
(w) ザカート
ザカートは、管轄地の規制によりザカートの支払いが義務付けられている場合にのみ、その管轄地
において株主を代理して 支払われる。このような支払いは、当該管轄地の規制に従って行われる。
(x) 投資およびデリバティブに係る純利益 / 損失
投資およびデリバティブに係る純利益 / (損失)は、純損益を通じて公正価値評価される投資およ
びデリバティブの実現および未実現損益、非トレーディング投資の実現損益ならびに受取配当金で
構成される。純損益を通じて公正価値評価される投資に係る純利益 / (損失)には、公正価値評価
の指定を受けている金融資産および金融負債の公正価値の変動が含まれる。
FVOCI 資産の公正価値変動により発生する利益および損失は、連結損益計算書に直接認識される
ECL 、実効金利法を用いて計算される利息および貨幣性資産に係る為替差損益を除き、その他包括
利益計算書に認識され、公正価値準備金に計上される。負債性金融商品の場合、投資が売却される
か、または実現した場合は、過去に公正価値準備金として資本に認識されていた累積損益が連結損
益計算書に振り替えられる。
非トレーディング投資には、 FVOCI および償却原価商品が含まれる。
当グループはまた、マイナス金利が適用される国々で発行された投資資産を保有している。当グ
ループは、取引の経済実体が反映されるように、これらの資産に支払われた利息を開示している
(注記 29 )。
通常は、満期が迫っていない償却原価投資を売却することはない。ただし、償却原価投資を売却ま
たは実現した場合には、それによる利益または損失が連結損益計算書に認識される。
受取配当金は、支払を受領する権利の確定時に認識される。
(y) 外貨
( ⅰ ) 外貨建て取引
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外貨建て取引は、取引日現在の直物為替レートで、当グループの事業体のそれぞれの機能
通貨に換算される。報告日における外貨建ての貨幣性資産および負債は、同日の直物為替
レートで機能通貨に再換算される。貨幣性項目の為替差損益は、期首における機能通貨の
償 却原価(実効金利および期中の支払額調整後)と期末の為替レートで換算された外貨建
ての償却原価の差額である。
外貨建ての公正価値で測定される非貨幣性資産および負債は、公正価値が決定された日の
直物為替レートで機能通貨に換算される。外貨建ての取得原価で測定される非貨幣性資産
および負債は、取引日の為替レートで換算される。
取引から生じる外貨換算差額は、通常損益に認識される。ただし、以下の項目の換算から
生じる外貨換算差額は、 OCI に認識される。
- 公正価値のその後の変動を OCI に表示することを選択した持分投資
- 在外営業活動体に対する純投資ヘッジとして指定された金融負債のうちヘッジの有効な
範囲、および
- 適格キャッシュフロー・ヘッジのうちヘッジの有効な範囲
( ⅱ ) 在外営業活動体
UAE 国外に拠点を置く子会社および支店の業務は、本店事業と一体とはみなされない。在外
営業活動体の資産および負債は、報告日の為替レートでディルハムに換算される。在外営
業活動体の収益および費用項目は、適切な平均為替レートで換算される。期首の純資産の
再換算から生じる外貨換算差額(当該投資をヘッジする取引に係るものを含む。)は、そ
の他包括利益の外貨換算調整勘定に計上され、 NCI に配分される外貨換算差額部分を除いて
その他包括利益の外貨換算準備金に累積される。
在外営業活動体が処分されて支配を失う場合、在外営業活動体に関連する換算準備金にお
ける累計額は、処分時の損益の一部として損益に再分類される。当グループが在外営業活
動体を含む持分の一部のみを処分するが、支配を継続する場合、累計額の関連部分は、 NCI
に再配分される。
在外営業活動体からの債権債務の決済が予定されていないまたは予見可能な将来に起こる
見込みのない場合には、その項目から生じる外貨換算差額は、在外営業活動体における純
投資の一部として OCI に認識され、資本の換算準備金に累積される。
(z) 法人税費用
法人税費用は、当期税金および繰延税金で構成され、資本または OCI に直接認識される項目を除い
て損益に認識される。
当期税金は、当グループが事業を行っている各国の財務規制に従い計上され、連結損益計算書に認
識される。当期税金は、報告日において有効または実質的に有効な税率を用いて算定した、当期の
課税所得に対する未払法人税の見積額に、過年度の未払法人税に関する調整を加えたものである。
繰延税金は、財務報告目的の資産および負債の帳簿価額と、税務目的に用いられる金額との一時差
異について計上される。
以下に関しては、繰延税金は認識されない。
・一時差異:企業結合以外かつ会計上および税務上の損益に影響を与えない取引における資産また
は負債の当初認識
・予見可能な将来において解消しそうにない場合の子会社への投資に関する一時差異
・のれんの当初認識時に生じる将来加算一時差異
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繰延税金は、報告日において有効または実質的に有効な税率を用いて、戻入時に一時差異に適用さ
れると予想される税率で測定される。
繰延税金資産は、同資産に関して、将来その使用対象となる課税所得が稼得される可能性が高い範
囲に限り認識される。繰延税金資産の帳簿価額は、各報告日に見直され、繰延税金資産の全部また
は一部に関して、その使用対象となる課税所得が十分に稼得される可能性がなくなった場合、その
分だけ減額される。
繰延税金の測定は、当グループが報告日において予想する当該資産および負債の帳簿価額の回収ま
たは決済方法による税効果を反映する。
当期および繰延税金を決定する際、当グループは支払うことになる加算税および利息を含めたタッ
クス・エクスポージャーの影響を考慮する。この評価は、見積りおよび仮定に依拠しており、将来
の事象についての一連の判断を伴うことがある。当グループが既存の税金負債の妥当性に関する判
断を変更させるような新情報が入手可能になる場合があり、その際の税金負債の変更は、その決定
が行われた期間の税金費用に影響を及ぼす。
(aa) デリバティブ金融商品およびヘッジ
デリバティブは、公正価値で当初認識され、その後は公正価値で測定され、取引費用は連結損益計
算書に直接計上される。デリバティブの公正価値は、デリバティブの時価評価または評価手法(主
に割引キャッシュフロー法)の利用による未実現損益相当額である。
公正価値の変動による損益の認識方法は、デリバティブが売買目的で保有されているか、または
ヘッジ手段に指定されているか、もしそうであればヘッジされるリスクの性質により異なる。売買
目的保有のデリバティブについては、公正価値の変動による損益はすべて、連結損益計算書に認識
される。デリバティブがヘッジ指定されている場合、当グループはそれらを、 ( ⅰ ) 認識済みの資
産もしくは負債の公正価値変動に対するエクスポージャーをヘッジする公正価値ヘッジ、 ( ⅱ ) 認
識済みの資産もしくは負債あるいは発生する可能性の高い予定取引に関連した特定のリスクに起因
するキャッシュフローの変動に対するエクスポージャーをヘッジするキャッシュフロー・ヘッジ、
( ⅲ ) キャッシュフロー・ヘッジに類似して会計処理される純投資のヘッジ、のいずれかに分類す
る。ヘッジ会計は、一定の基準を満たしていることを条件に、公正価値またはキャッシュフローの
ヘッジ手段として指定されたデリバティブに適用される。
組込デリバティブ
デリバティブは、別の契約(主契約)に組み込まれる場合がある。以下の場合、当グループは、組
込デリバティブを主契約とは別に会計処理する。
・ 主契約は IFRS 第 9 号の範囲内にある資産ではない。
・ 主契約自体は FVTPL で計上されない。
・ 組込デリバティブの条件が、分離された契約であった場合はデリバティブの定義を満たす。
・ 組込デリバティブの経済的特徴およびリスクは、主契約の経済的特徴およびリスクと密接に関
連していない。
区分処理される組込デリバティブは、公正価値で測定され、適格なキャッシュフローまたは純投資
ヘッジ関係の一部を構成しない限り、公正価値の変動はすべて損益に認識される。区分処理される
組込デリバティブは主契約とともに連結財政状態計算書に表示される。
ヘッジ会計
当グループの方針として、ヘッジの開始時点で、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係ならびにリスク管
理の目的および戦略を文書化している。この方針により、ヘッジ開始時点およびその後継続的に、
ヘッジの有効性評価について文書化が要求される。
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当グループは、ヘッジ手段がヘッジ指定期間において各ヘッジ対象の公正価値もしくはキャッシュ
フローの変動を相殺する高い有効性が予想されるかどうかについて、ヘッジ関係の開始時およびそ
の後も継続的に評価を行う。当グループは、予定取引のキャッシュフロー・ヘッジについて、予定
取 引が発生する可能性が高く、最終的に損益に影響を及ぼす可能性のあるキャッシュフローの変動
に対するエクスポージャーを生じさせるかどうかに関する評価を行う。
当グループは、通常、金融商品のキャッシュフローの一部を指標金利リスクに起因するキャッシュ
フローまたは公正価値の変動に指定するが、それはキャッシュフローの一部が別個に識別可能かつ
信頼性を持って測定可能な場合である。
当グループは、 IBOR 改革によって生じる以下の不確実性にさらされる場合、ヘッジ関係が IBOR 改革
によって直接影響を受けているとみなしている。
・契約で金利が明示されているか否かに関わらず、 IBOR 改革の対象となる金利指標がヘッジ対象リ
スクとして指定されている。
・ヘッジ対象またはヘッジ手段の金利指標に基づくキャッシュフローの時期または金額が不確定で
ある。
IBOR 改革によって影響を受けるヘッジ関係の将来のヘッジ有効性評価に関して、 IBOR 改革フェーズ
1は、当グループが IBOR 改革によって金利が修正されることはないと仮定することを要求してい
る。また当グループは、ヘッジ対象とヘッジ手段の間に経済的関係が存在しなくなる場合、ヘッジ
関係の認識を中止しない。ただし、通常通り、ヘッジの非有効性を損益に認識する。
ヘッジ対象またはヘッジ手段の金利指標に基づくキャッシュフローの時期および金額に関して IBOR
改革から生じる不確実性が消滅した場合、またはヘッジ関係が中止される場合、当グループは
フェーズ1改訂の適用をそれぞれ中止する。
IBOR 改革フェーズ2は、現行の金利指標を RFR に置き換える際に、当グループのヘッジ関係を継続
できるように暫定的な救済措置を提供している。この救済措置のもとで、当グループは、そのヘッ
ジ関係のヘッジ指定およびヘッジ文書を IBOR 改革で要求された変更を反映するために改訂する。正
式なヘッジ文書におけるこれらの改訂は、ヘッジ関係の中止または新しいヘッジ関係の指定となる
ものではない。
上述の IBOR 改革によって要求された経済的に同等な変更に加えて変更が行われる場合、当グループ
は、それらの追加的な変更がヘッジ会計関係の中止につながるかどうか検討する。追加的な変更が
ヘッジ会計関係の中止につながらない場合、当グループは、上述のとおり、 IBOR 改革で要求された
変更について正式なヘッジ文書を改訂する。
公正価値ヘッジ
デリバティブが、ヘッジ関係におけるヘッジ手段として指定された場合、デリバティブの公正価値
における変動は、直ちに損益に認識される。ヘッジ対象リスクに起因するヘッジ対象の公正価値の
変動は損益に認識される。その他において、ヘッジ対象が取得原価または償却原価で測定される場
合、帳簿価額はこれに応じて調整される。
ヘッジ手段のデリバティブが失効、売却 、終了または行使されるか、あるいは公正価値ヘッジ会計
として適格でなくなった、またはヘッジの指定が取り消された場合に、ヘッジ会計は 将来に向かっ
て 中止される。ただし、法令や規制の結果、両当事者が、更改に必要な変更以外の条件変更なしに
カウンターパーティを決済機関 (以下「 CCP 」という。) に更改した場合、デリバティブは失効ま
たは終了したとみなされない。
実効金利法が使用されているヘッジ対象に対するヘッジ会計の中止時点までの調整は、ヘッジ対象
の実効金利の再計算に対する調整としてヘッジ対象の残存期間にわたって損益に償却計上される。
ヘッジ会計の中止において、実効金利法が使用されるヘッジ対象の金融商品に対してそれ以前に行
われたヘッジの調整は、償却が開始される日から、ヘッジ対象の実効金利 を調整することで損益に
償却計上される。ヘッジ対象の認識が中止される場合、この調整は、ヘッジ対象の認識が中止され
た時点で直ちに損益に認識される。
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キャッシュフロー・ヘッジ
デリバティブが、ヘッジ関係におけるヘッジ手段として指定された場合、デリバティブの公正価値
における変動の有効部分は OCI に認識され、資本のヘッジ準備金に表示される。デリバティブの公
正価値における変動の非有効部分は、直ちに損益に認識される。 OCI に認識された金額は、ヘッジ
対象となるキャッシュフローが損益に影響を及ぼす期間に、損益計算書および OCI 計算書の同一項
目における再分類調整として損益に再分類される。
ヘッジ手段であるデリバティブが売却、終了または行使により失効した場合、もしくはキャッシュ
フロー・ヘッジの基準を満たさなくなった場合、ヘッジ会計は将来に向かって中止される。ただ
し、法令や規制による結果、両当事者が、更改に必要な変更以外の条件を変更せずにカウンター
パーティを中央決済機関に更改した場合、デリバティブは失効または終了したとみなされない。
ヘッジ対象のキャッシュフローの発生が見込まれなくなった場合、当グループは、ヘッジ準備金の
金額を直ちに OCI から損益に再分類する。終了したヘッジ関係については、ヘッジ対象のキャッ
シュフローが依然として発生すると予想される場合、ヘッジ準備金に累積した金額は、ヘッジ対象
のキャッシュフローが損益に影響を与えるまで再分類されない。ヘッジ対象のキャッシュフローが
複数の報告期間において損益に影響を与えると予想される場合、当グループは、ヘッジ準備金の金
額を定額法で OCI から損益に再分類する。
IBOR 改革の範囲とみなされる金利指標については、当グループは、ヘッジ対象のキャッシュフロー
の時期および金額に関してこれらの改革により生じる不確実性があるとしても、指定されたキャッ
シュフロー・ヘッジに関する損益累計額をキャッシュフロー・ヘッジ準備金に計上している。ヘッ
ジ対象の将来キャッシュフローが、 IBOR 改革以外の理由により発生する見込みがなくなったと当グ
ループが判断した場合、損益累計額は直ちに純損益に振り替えられる。
純投資ヘッジ
デリバティブ商品または非デリバティブ金融負債が在外営業活動体に対する純投資ヘッジにおける
ヘッジ手段に指定された場合、ヘッジ手段の公正価値変動の有効部分はその他包括利益の外貨換算
準備金に認識される。ヘッジ手段の公正価値の変動の有効部分は、ヘッジ対象のリスクが測定され
る機能通貨に対して、親会社の機能通貨を参照して算定される。デリバティブの公正価値変動の非
有効部分、もしくは非デリバティブの為替差損益は、連結損益計算書に直ちに認識される。その他
包括利益に認識された金額は、在外営業活動体の処分時または在外営業活動体の一部処分時に、全
部または一部が損益計算書にそれぞれ組み替えられる。
その他のデリバティブ
その他の非トレーディング・デリバティブは、公正価値で貸借対照表上に認識される。デリバティ
ブがトレーディング目的で保有されておらず、適格なヘッジ関係において指定されていない場合 、
その公正価値の変動はすべて、投資およびデリバティブに係る純利益または純為替差益の構成要素
として直ちに損益に認識される。
(ab) 引当金
当グループが過去の事象の結果、信頼性のある見積りが可能な現在の法的債務または推定的債務を
有しており、当該債務を決済するために経済的便益の流出を要する可能性がある場合、引当金が認
識される。貨幣の時間的価値の影響が重要である場合、引当金は、貨幣の時間的価値に対する現在
の市場評価および必要に応じて当該負債に特有のリスクを反映するような税引前利率を用いて見積
将来キャッシュフローを割り引くことにより決定される。
(ac) 従業員退職給付
当グループは、従業員に対して退職給付を支給している。これらの給付に対する権利は、従業員の
勤務期間および最低勤続期間の満了に基づいている。これらの給付の見積費用は、雇用期間にわた
り発生する。 UAE 国民の従業員について、当グループは関連する政府の年金制度に対して従業員の
給与の割合で計算した拠出を行っている。当グループの債務は、期日が到来した際の拠出額に限定
される。
確定拠出制度
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確定拠出制度とは、退職後従業員給付制度のうち、企業が一定の掛金を別個の事業体あるいは政府
機関に支払い、企業がさらに支払を行う法的債務または推定的債務を有しないものをいう。確定拠
出 年金制度への掛金に関する債務は、従業員が役務提供を行った期間の連結損益計算書に、従業員
給付費用として認識される。
適格従業員に対する年金および国民保険の拠出については、当該拠出の行われている国で適用され
る法令に準拠して、当グループが年金および給付ファンドに対して行っている。
確定給付制度
確定給付制度とは、確定拠出制度以外の退職後従業員給付制度である。連結財政状態計算書に認識
されている確定給付制度に関する負債は、報告期間の末日現在の確定給付債務の現在価値(未認識
過去勤務費用に関する調整を含む)である。確定給付債務は、年に一度独立の年金数理人により予
測単位積増方式を用いて計算される。確定給付債務の現在価値は、見積将来キャッシュ・アウトフ
ローを、給付が支払われる通貨建で、かつ関連する年金債務の期間と残存期間が近似する優良社債
の金利で割り引くことによって算定される。
正味確定給付負債の再測定(数理計算上の差異、制度資産の運用収益(利息を除く)およびアセッ
ト・シーリングの影響(該当する場合、利息を除く)から構成される)は、直ちにその他包括利益
に認識される。確定給付制度に関する正味支払利息およびその他の費用は、連結損益計算書に人件
費として認識される。制度の給付額が変更された場合、または制度が縮小した場合には、それによ
る給付の変更額で過去勤務費用に関するものまたは縮小に伴う損益は、直ちに損益に認識される。
当グループは、確定給付制度の清算が行われる際に、確定給付制度の清算に伴う損益を認識してい
る。
(ad) 取締役の報酬
2021 年連邦法令第 32 号第 171 条および当行の定款に従い、取締役は、減価償却および準備金控除後
純利益の 10 %を上限とした報酬を得る資格を与えられる。
(ae) 1株当たり利益
当グループは、普通株式の基本的および希薄化後1株当たり利益( EPS )のデータを表示してい
る。基本的1株当たり利益は、当グループの普通株主に帰属する損益を期中の普通株式の加重平均
発行済株式数で除することにより計算される。希薄化後1株当たり利益は、普通株主に帰属する損
益および普通株式の加重平均発行済株式数に、転換社債および従業員に付与されたストックオプ
ションからなるすべての潜在的希薄化普通株式の影響に関する調整を行うことにより決定される。
(af) セグメント別報告
事業セグメントは、収益を稼得し費用が発生する(当グループの他の構成要素との取引に関連した
収益および費用を含む。)事業活動を行う当グループの構成要素である。事業セグメントの経営成
績はすべて、事業における最高意思決定者である当グループの最高経営責任者により定期的にレ
ビューされる。当該レビューは、最高経営責任者がセグメントに配分する資源に関する意思決定を
行い、個別の財務情報が入手可能なセグメントの業績を評価するためになされる。最高経営責任者
に報告されるセグメントの経営成績には、セグメントに直接帰属する項目および合理的に配分可能
な項目が含まれる。
(ag) リース
当グループは、契約開始時に契約がリースであるか、またはリースを含んでいるかを評価する。契
約が、対価と引き換えに、識別された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたって移転する場
合、当該契約はリース契約、またはリースを含んでいる契約である。契約が識別された資産の使用
を支配する権利を移転するかどうかを評価するために、当グループは IFRS 第 16 号のリースの定義を
使用する。
( ⅰ ) 当グループが借手である場合
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当グループは、リース要素を含む契約の開始時または条件変更時に、それぞれの独立価格に基づい
て、契約上の対価を各リース要素に配分する。ただし、支店および事務所のリースについては、当
グループは非リース要素を分離せず、リース要素と非リース要素を単一のリース要素として会計処
理 することを選択している。
当グループは、リース開始日現在で使用権資産およびリース負債を認識する。使用権資産は取得原
価で当初測定される。取得原価は、開始日以前に支払われたリース料を調整した当初のリース負債
額に、発生した当初直接コストおよび支店または事務所に対して行われた建物付属設備の撤去およ
び取り外しコストの見積額を加算した金額より構成される。
使用権資産はその後、開始日からリース期間の終了日まで、定額法を用いて減価償却される。ま
た、使用権資産は定期的に、減損損失(もしあれば)が減額され、リース負債の特定の再測定につ
いて調整される。
リース負債は、開始日現在で支払われていないリース料を、リースに内在する利子率、または当該
利子率が容易に決定できない場合には、当グループの追加借入利子率を用いて割り引かれた金額で
当初測定される。通常、当グループは追加借入利子率を割引率として使用する。
当グループは、様々な外部ソースからの借入れを分析することにより追加借入利子率を決定し、
リースの条件とリース資産の種類を反映するよう特定の調整を行う。
リース負債の測定に含まれるリース料は、以下より構成される。
・固定リース料(実質的な固定支払いを含む)。
・変動リース料(指数またはレートに応じて決定される)。変動リース料は、開始日現在の指数ま
たはレートを用いて当初測定される。
・残存価値保証に基づき支払われると予測される金額。
・当グループが行使することが合理的に確実である購入オプションに基づく行使価格、当グループ
が延長オプションを行使することが合理的に確実である場合の任意更新期間のリース料、および
リースの早期解約に対する違約金(ただし、当グループが早期解約しないことが合理的に確実であ
る場合を除く)。
リース負債は実効金利法を用いて償却原価で測定される。指数またはレートの変動によって将来
リース料に変動がある場合、当グループの残存価値保証に基づく予想支払額の見積りに変更がある
場合、当グループの購入、延長あるいは解約オプションを行使するか否かの評価を変更する場合、
または改定された実質的な固定リース料がある場合に、リース負債は再測定される。
リース負債がこのように再測定される場合、使用権資産の帳簿価額に対してこれに対応する調整が
行われるか、あるいは使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額された場合には損益に計上される。
将来リース料の決定基礎が金利指標改革により変更される場合、当グループは、代替指標金利への
変更を反映した改訂割引率を用いて改訂リース料を割り引いてリース負債を再測定する。
当グループは、連結財政状態計算書において、使用権資産を「有形固定資産」に、リース負債を
「その他負債」に表示している。
短期リースおよび少額資産のリース
当グループは、 IT 機器のリース等、少額資産のリースおよび短期リースの使用権資産およびリース
負債を認識しないことを選択している。当グループは、これらのリースに関連したリース料をリー
ス期間にわたって定額法により費用として認識する。
( ⅱ ) 当グループが貸手である場合
当グループは、リース要素を含む契約の開始時または条件変更時に、それぞれの独立販売価格に基
づいて、契約上の対価を各リース要素に配分する。
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当グループが貸手である場合、リース開始時に、当該リースがファイナンス・リースであるか、オ
ペレーティング・リースであるかを判断する。
当グループは、各リースを分類する際、原資産の所有に伴う実質的にすべてのリスクおよび経済価
値を移転するか否かについての全体的な評価を行う。移転する場合、そのリースはファイナンス・
リースであり、移転しない場合はオペレーティング・リースである。当グループは、この評価の一
環として、リースが当該資産の経済的耐用年数の大部分にあたるか否かといった特定の指標を考慮
する。
ファイナンス・リース開始日において、当グループは貸手として、ファイナンス・リースに基づい
て保有する資産を連結財政状態計算書に認識し、それらをリースに対する純投資と同等の金額で債
権として表示する。
オペレーティング・リース開始により、当グループは貸手として、オペレーティング・リースによ
るリース支払額を定額法または別の規則的な方法のいずれかで収益として認識する。当グループ
は、その方法が、原資産の使用によって生じる便益の費消パターンをより表している場合、別の規
則的な方法を適用する。
当グループは、 IFRS 第9号の認識中止および減損規定をリースにおける純投資に適用する。当グ
ループはさらに、リースにおける投資総額の算定に用いる無保証残存価値の見積りを定期的に見直
す。
(ah) 決済日基準会計
金融資産の購入および売却は、決済日、すなわち当グループが資産の購入および売却を決済した日
に認識する。
(ai) 税金
当期の当期税金資産および負債は、税務当局から還付されるまたは支払われる見積金額で測定され
る。その金額を計算するために用いられる税率および税法は、当グループが事業を行い課税所得が
発生する国で報告日において制定または実質的に制定されているものである。課税所得は、連結損
益計算書上に報告されている利益と異なるが、これは、課税所得には他の年度で課税または控除さ
れる所得あるいは費用項目が除かれ、さらに将来課税または控除されない項目も除かれているため
である。
繰延税金は、報告日の資産および負債の税務基準額と財務報告目的の帳簿価額との一時差異につき
負債法を用いて計上される。繰延税金資産は、すべての将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除
および繰越欠損金について、これらに充当する課税所得が稼得される可能性が高い範囲に限り認識
される。
(aj) 金融保証
金融保証とは、特定の当事者が契約条件に従い支払期日の到来した債務を履行しない場合に、当グ
ループが保有者の被る損失を弁済するために特定の支払を行わねばならない契約である。
本質的にクレジット・デフォルト保証である特定の金融保証契約は、自己勘定取引の目的で保有さ
れることはなく保険契約として扱われ、 IFRS 第4号に基づき会計処理される。
その他金融保証契約は、公正価値(発行に係るプレミアム受領額である。)で当初認識される。プ
レミアム受領額は金融保証期間にわたり償却される。保証債務はその後、当該償却原価または予想
支払額の現在価値(保証に基づく支払が生じる可能性がある場合)のいずれか高い方で計上され
る。これらの金融保証に係るプレミアム受領額は、その他負債に含まれる。
金融保証は、さらされている信用リスクの決定また、該当する場合は引当金が必要か否かを考慮す
るために定期的に見直される。信用リスクは貸出金およびイスラム金融に係る減損損失を定量化す
るための基準と類似した基準を適用して決定される。金融保証に個別引当金が必要な場合、連結貸
借対照表のその他負債に認識された関連する前受手数料は、適切な引当金に組み替えられる。
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(ak) 今後適用される新基準および解釈指針
多くの新基準および基準の改訂が 2022 年1月1日より後に開始する事業年度から有効となり、早期
適用が認められているが、当グループは、本連結財務書類の作成に際してこれらの基準を早期適用
していない。
以下の改定基準は、当グループの連結財務書類に重要な影響を及ぼすことはないと予想されてい
る。
・ 負債の流動または非流動の分類 ( IAS 第1号の改訂)
・ IFRS 第 17 号保険契約および IFRS 第 17 号保険契約の改訂
・ 会計方針の開示( IAS 第1号および IFRS 実務記述書 第2号の改訂)
・ 会計上の見積りの定義( IAS 第8号の改訂)
・ 単一の取引から生じた資産および負債に関連する繰延税金 ( IAS 第 12 号の改訂)
・ セール・アンド・リーズバックにおけるリース負債 ( IFRS 第 16 号の改訂)
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4 現金および中央銀行預け金
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
手許現金
1,816,546 1,903,157
UAE 中央銀行
現金準備預金
8,413,183 19,278,099
その他残高
20,000,000 21,000,000
その他中央銀行預け金残高
198,319,480 216,753,723
228,549,209 258,934,979
控除:予想信用損失
(180,380) (202,203)
228,368,829 258,732,776
CBUAE の規則に従い、当行が UAE 準備預金残高を引き出す場合は、 14 日間の準備要件を満たさなけれ
ばならない。その他中央銀行預け金残高には、特定の条件下においてのみ日常業務に利用可能な法
定準備金が含まれる。
5 純 損益を通じて公正価値評価される投資
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
運用ファンドへの投資 8,734 12,480
プライベート・エクイティへの投資 2,240,442 2,165,377
持分証券への投資 1,613,279 6,744,044
27,954,342 36,650,351
負債証券
31,816,797 45,572,252
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6 銀行および金融機関預け金
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
普通預金、要求払い預金および通知預金
3,596,825 9,082,272
委託証拠金
12,858,042 5,595,337
定期預金
8,499,946 4,705,697
24,954,813 19,383,306
控除:予想信用損失
(67,857) (64,459)
24,886,956 19,318,847
7 売戻契約
当グループは、通常の業務過程において、短期資金調達を目的として第三者が金融資産を当グルー
プに移転する売戻契約を締結している。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
銀行およびその他との売戻契約
66,001,324 42,609,120
中央銀行との売戻契約
3,126,726 3,678,885
69,128,050 46,288,005
控除:予想信用損失
(21,958) (27,360)
69,106,092 46,260,645
2022 年 12 月 31 日現在、デフォルトでなくても当グループが売却または再担保することを認められて
いる、担保として受け入れた金融資産の公正価値は、 73,791 百万ディルハム( 2021 年 12 月 31 日:
47,413 百万ディルハム)であった。
2022 年 12 月 31 日現在、担保として受け入れた金融資産で売却または再担保されたものの公正価値
は、 11,320 百万ディルハム( 2021 年 12 月 31 日: 24,907 百万ディルハム)であった。当グループは、
同等の有価証券を返却する義務がある。
これらの取引は、標準貸付、ならびに有価証券借入および貸付取引の通常の条件に基づき実施され
る。
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8 貸出金およびイスラム金融
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
貸出金およびイスラム金融総額
479,724,466 428,840,162
控除:利息の未計上分
(6,251,152) (5,400,613)
控除:予想信用損失
(13,879,987) (13,849,613)
貸出金およびイスラム金融純額
459,593,327 409,589,936
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
取引相手別
政府部門
55,910,901 41,254,574
公共部門
90,035,562 96,109,500
銀行部門
7,920,375 11,700,842
企業 /民間部門
249,032,048 201,771,579
パーソナル /リテール部門
76,825,580 78,003,667
貸出金およびイスラム金融総額
479,724,466 428,840,162
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
商品別
当座貸越
21,322,013 27,806,101
タームローン
390,621,312 332,883,970
貿易関連ローン
31,456,653 29,252,435
パーソナルローン
28,750,920 31,127,570
クレジットカード
4,960,609 5,458,971
車両金融ローン
2,612,959 2,311,115
貸出金およびイスラム金融総額
479,724,466 428,840,162
当グループは、持分証券およびファンドへの投資に対して貸出金を提供している。当グループは、
これらが合意された一定の基準値を下回った場合には、これらの金融商品を処分する権限を有して
いる。当該貸出金の帳簿価額は 55,460 百万ディルハム( 2021 年 12 月 31 日: 20,802 百万ディルハム)
であり、当該貸出金の担保として保有している商品の公正価値は 178,348 百万ディルハム( 2021 年
12 月 31 日: 43,460 百万ディルハム)である。当期において、当グループは、担保比率の下落によ
り、軽微な金額の担保を処分している。
イスラム金融
上記の貸出金には、以下のイスラム金融債権が含まれる。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
イジャラ
12,276,718 11,553,264
ムラバハ
25,637,275 24,864,303
その他
676,607 485,158
イスラム金融契約合計
38,590,600 36,902,725
控除:予想信用損失
(1,135,335) (1,053,769)
控除:未計上利益
(175,050) (154,038)
37,280,215 35,694,918
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9 非トレーディング投資
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
その他包括利益を通じて公正価値評価されるもの:
- 損益へのリサイクルあり(債券投資)
166,591,291 139,980,556
- 損益へのリサイクルなし(持分投資)
1,070,888 927,584
償却原価
4,688,298 4,504,205
1
1,559,303 75,745
関連会社および共同支配企業への投資
173,909,780 145,488,090
控除:予想信用損失
(659) (599)
173,909,121 145,487,491
1
マグナティ・ソール・プロプリエーターシップ・エルエルシーの残余持分 40 %を含む。
報告日における種類別の非トレーディング投資の分析は、以下に示すとおりである 。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
市場価格あり 市場価格なし 合計 市場価格あり 市場価格なし 合計
持分投資 866,742 1,763,449 2,630,191 722,426 280,903 1,003,329
167,117,450 4,162,139 171,279,589 143,500,790 983,971 144,484,761
債券投資
167,984,192 5,925,588 173,909,780 144,223,216 1,264,874 145,488,090
控除:予想信用損失
(659) - (659) (597) (2) (599)
167,983,533 5,925,588 173,909,121 144,222,619 1,264,872 145,487,491
2022 年 12 月 31 日現在、非トレーディング投資に含まれる買戻契約の対象となる負債性金融商品は、
26,896 百万ディルハム( 2021 年 12 月 31 日: 30,956 百万ディルハム)であった。
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10 投資不動産
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
期首現在
6,962,576 7,603,230
増加
532,827 134,081
処分
- (24,735)
公正価値調整
(327,314) (750,000)
期末現在
7,168,089 6,962,576
連結損益計算書に認識された投資不動産の賃料収入(正味)の金額は、以下のとおりである。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
投資不動産から生じた賃料収入
156,785 131,888
管理費用
(58,515) (79,195)
投資不動産による賃料収入(正味)
98,270 52,693
投資不動産は、測定日時点の実際の市場の状況下における市場参加者間の秩序ある取引において、
資産を売却することで受け取るであろう価格または負債を移転するために支払うであろう価格を示
す公正価値で計上される。
当グループの投資不動産は、アブダビおよびドバイで土地、建物および開発中の不動産により構成
されている。経営陣は、これらの投資不動産が、それぞれの不動産の内容、特性およびリスクに基
づいてコマーシャルおよびリテールの2つのクラスからなるということを決定した。
2022 年および 2021 年 12 月 31 日現在、不動産の公正価値は、第三者の鑑定士が実施する評価に基づい
ており、すべて公正価値ヒエラルキーのレベル3である。鑑定士は、関連する専門的認定資格を有
し、評価対象となっている投資不動産の所在地および投資不動産の種類についての最近の実績があ
る。公正価値は、投資不動産の使用目的によって様々な評価モデルに基づき決定されており、英国
王立チャータード・サベイヤーズ協会(以下、「 RICS 」という。)の評価基準に準拠している。
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2022 年および 2021 年 12 月 31 日現在の投資不動産に係る評価に使用された評価手法および評価への主
要なインプットの説明は以下のとおり。
種類 評価手法 重要な観察不能なインプット 重要な観察不能なインプット
間の相互関係
建物 比較法および残余法 類似取引 NA
取引事例比較法 類似資産の現行の市場価格
開発中の不動産 割引キャッシュフロー 割引率 空室期間が短い(長い)
キャッシュインフロー 稼働率が高い(低い)
キャッシュアウトフロー フリーレント期間が短い(長
い)
リスク調整後割引率が低い
(高い)
予想市場賃料成長率が高い
(低い)場合、予想公正価値
が増加(減少)
土地 比較法および残余法 建設費 NA
開発者収益
資金調達コスト
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11 有形固定資産
什器、備品、
コンピューター
土地、建物 システム 金庫および
および改修 および設備 車両 建設仮勘定 合計
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
原価
2021 年1月1日現在 2,304,310 3,267,902 577,233 1,319,974 7,469,419
企業結合による取得 351,637 51,999 84,199 230,865 718,700
増加 120,474 719,579 96,321 1,320,221 2,256,595
1
(661,254)
(307,681) (157,948) (132,790) (1,259,673)
処分、振替および償却
2021 年 12 月 31 日現在
2,468,740 3,881,532 624,963 2,209,806 9,185,041
2022 年 1月1日現在 2,468,740 3,881,532 624,963 2,209,806 9,185,041
増加 104,871 107,870 13,533 1,238,207 1,464,481
建設仮勘定からの配分 18,924 1,113,459 7,710 (1,140,093) -
1
(231,572) (372,492) (83,914) (416,222) (1,104,200)
処分、振替および償却
2022 年 12 月 31 日現在
2,360,963 4,730,369 562,292 1,891,698 9,545,322
減価償却累計額および減損損失
2021 年1月1日現在 691,549 1,518,417 392,327 - 2,602,293
企業結合による取得 35,733 33,490 58,549 - 127,772
当期費用 169,254 515,273 51,178 - 735,705
1
(114,595) (72,238) (59,157) - (245,990)
処分、振替および償却
2021 年 12 月 31 日現在
781,941 1,994,942 442,897 - 3,219,780
2022 年 1月1日現在 781,941 1,994,942 442,897 - 3,219,780
当期費用 167,568 651,160 40,610 - 859,338
1
(143,984) (160,205) (24,814) - (329,003)
処分、振替および償却
2022 年 12 月 31 日現在
805,525 2,485,897 458,693 - 3,750,115
帳簿価額
2021 年 12 月 31 日現在 1,686,799 1,886,590 182,066 2,209,806 5,965,261
2022 年 12 月 31 日現在
1,555,438 2,244,472 103,599 1,891,698 5,795,201
1
為替の影響に関する調整が含まれている。
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12 無形資産
のれん 顧客関係 コア預金 ライセンス ブランド 合計
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
原価
2021 年1月1日現在 17,370,249 1,774,716 593,335 368,700 22,000 20,129,000
企業結合による取得 1,322,789 3,339 111,001 - - 1,437,129
2021 年 12 月 31 日現在
18,693,038 1,778,055 704,336 368,700 22,000 21,566,129
2022 年1月1日現在 18,693,038 1,778,055 704,336 368,700 22,000 21,566,129
増加 - - - - - -
2022 年 12 月 31 日現在
18,693,038 1,778,055 704,336 368,700 22,000 21,566,129
減価償却累計額および減損損失
2021 年1月1日現在 - 634,086 188,960 - 9,090 832,136
当期費用 - 148,806 49,047 - 1,006 198,859
2021 年 12 月 31 日現在
- 782,892 238,007 - 10,096 1,030,995
2022 年1月1日現在 782,892 238,007 - 10,096 1,030,995
当期費用 - 138,981 62,968 - 1,006 202,955
2022 年 12 月 31 日現在
- 921,873 300,975 - 11,102 1,233,950
帳簿価額
2021 年 12 月 31 日現在 18,693,038 995,163 466,329 368,700 11,904 20,535,134
2022 年 12 月 31 日現在
18,693,038 856,182 403,361 368,700 10,898 20,332,179
のれんの減損テストには、重要な判断を伴う。この判断には、独立した CGU の識別や取得によって
利益を得ることが予想される CGU に対するのれんの配分が含まれる。
減損テスト目的で、のれんは当グループの独立した CGU であるコーポレート・アンド・インベスト
メントバンキング、コンシューマー・バンキングおよび FAB エジプト事業( FAB ミスル)に配分され
る。 CGU の 回収可能価額 は、使用価値に基づいて計算されており、 CGU の継続的使用ならびに資産お
よび資産の最終的な処分によって生じると予想される将来キャッシュフローを割り引くことによっ
て決定される。回収可能価額を見積もるために、割引率9%および CGU の収益成長率に基づき5%
から7%の最終成長率が使用される。
2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度において、 CGU の回収可能価額が帳簿価額よりも高いと判断さ
れたため、減損損失は認識されなかった( 2021 年 12 月 31 日:ゼロ)。
上述の主要な仮定は、経済および市況の変動に伴って変更される可能性がある。当グループは、こ
れらの仮定において合理的に起こり得る変動により上記の CGU の回収可能価額が帳簿価額を下回ら
ないと見込んでいる。
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13 その他資産
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
未収利息
18,333,696 7,166,389
支払承諾見返
6,378,274 7,133,061
その他債権およびその他未収金
5,766,200 4,193,429
繰延税金資産
134,767 99,056
30,612,937 18,591,935
控除:予想信用損失
(407,282) (194,516)
30,205,655 18,397,419
当グループは、未収利息および支払承諾見返に係る重要な信用リスクを認識していない。
支払承諾は、当グループが信用状に基づき提示された証書に対して支払義務を負う際に発生する。
当該証書は、承諾後には、当グループの無条件の債務となるため、連結財政状態計算書上金融負債
として認識されている。ただし、あらゆる支払承諾には、その見返りに顧客から補償を受ける契約
上の権利がある。この契約上の権利は、金融資産として認識されている。
14 銀行および金融機関預り金
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
銀行および金融機関
普通預金、要求払い預金および通知預金
928,251 1,097,344
委託証拠金
10,832,470 4,401,542
定期預金
33,414,136 16,136,321
45,174,857 21,635,207
中央銀行
普通預金および要求払い預金
540,087 402,001
委託証拠金
498,391 2,413
定期預金および譲渡性預金
15,347,005 34,945,559
16,385,483 35,349,973
61,560,340 56,985,180
銀行および金融機関預り金は様々な通貨建てであり、 - 1%から 5.23 %( 2021 年 12 月 31 日: - 1%か
ら 1.75 %)の金利が付されている。
15 買戻契約
当グループは、通常の業務過程において、第三者に対し認識済の金融資産を直接譲渡する買戻契約
を締結している。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
銀行/金融機関との買戻契約
39,004,515 55,072,110
中央銀行との買戻契約
- 2,384
39,004,515 55,074,494
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報告日における担保として差し入れられた金融資産の帳簿価額(公正価値と等しい)は、 26,896 百
万ディルハム( 2021 年 12 月 31 日: 31,004 百万ディルハム)であり、関連する金融負債は、 39,005 百
万ディルハム( 2021 年 12 月 31 日: 55,074 百万ディルハム)であった。担保として差し入れられた金
融資産の公正価値と買戻契約の帳簿価額の正味の差額は、 12,109 百万ディルハムの不足( 2021 年 12
月 1 日: 24,070 百万ディルハムの不足)である。その不足額は、売戻契約に対する担保として、ま
たはカストディアンから証券借入契約を通して受け入れた金融資産を再担保することによって補填
されている。
16 コマーシャルペーパー
当行はプログラム限度額を 3.5 十億米ドルとするユーロ建てコマーシャルペーパー・プログラムお
よびプログラム限度額が 10 十億米ドルの米ドル建てコマーシャルペーパー・プログラムを有してい
る。
報告日末現在における発行済のコマーシャルペーパーは、 31,738 百万ディルハム( 2 021 年 12 月 31
日: 39,664 百万ディルハム)であり、満期までの期間は 12 か月未満である。
2022 年 12 月 31 日 および 2021 年 12 月 31 日に 終了した事業年度において、 当グループは、コマーシャル
ペーパー・プログラムに関して元利金の債務不履行もしくはその他の違反を行っていない。
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17 顧客勘定およびその他預金
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
口座別:
当座口座
281,958,476 273,830,659
貯蓄口座
15,110,748 14,026,161
委託証拠金口座
2,418,348 2,926,361
通知預金および定期預金
363,848,794 275,304,837
663,336,366 565,088,018
譲渡性預金
37,237,005 48,581,872
700,573,371 614,669,890
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
取引相手別:
政府部門
224,394,105 171,768,336
公共部門
86,309,756 93,421,723
企業 /民間部門
253,762,539 198,830,708
パーソナル /リテール部門
98,869,966 102,067,251
663,336,366 566,088,018
譲渡性預金
37,237,005 48,581,872
700,573,371 614,669,890
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
所在地別:
UAE
506,874,227 419,243,333
欧州
50,737,901 49,749,480
アラブ諸国
49,187,336 48,190,482
南北アメリカ
38,908,437 29,302,184
アジア
15,010,897 19,355,325
その他
2,617,568 247,214
663,336,366 566,088,018
譲渡性預金
37,237,005 48,581,872
700,573,371 614,669,890
所在地別の集中度は預金者の所在地に基づいている。
イスラム顧客預金
上記の顧客勘定およびその他預金には、以下のイスラム顧客預金が含まれる。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
当座口座預金
2,092,064 2,433,099
委託証拠金
72,445 69,629
ムダラバ貯蓄預金
3,904,046 2,730,993
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ムダラバ定期預金
98,944 160,907
ワカラ預金
6,172,361 2,337,779
12,339,860 7,732,407
18 期間借入
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
償却原価
62,084,301 71,023,959
損益を通じた公正価値
550,832 619,857
62,635,133 71,643,816
当期中に、当グループは様々な固定および変動金利債券を発行した。当期において発行した債券の
価値は以下のとおりである。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
期首現在
71,643,816 62,437,103
新規発行 10,625,674 17,148,833
償還 (13,431,531) (5,827,560)
(6,202,826) (2,114,560)
公正価値、換算およびその他調整
62,635,133 71,643,816
期末現在
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2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
3か月か 3か月か
3か月未 ら 1年から3 3年から5 3か月未 ら 1年から3 3年から5
満 1年 年 年 5年超 合計 満 1年 年 年 5年超 合計
千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル
通
金利
貨
ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム
UAE
デ
年利 4.00 %
ィ
から 4.20 % - - 3,647 93,132 - 96,779 - - 3,798 97,646 - 101,444
ル
の固定金利
ハ
ム
豪 年利 1.87 %
1,403,29
ド から 3.17 % - - 950,672 377,789 74,837 - - - 168,699 - 168,699
8
ル の固定金利
豪 年利3か月
1,415,98 1,562,34
ド 物豪ドル
- - - 145,321 - 145,321 66,561 - - 79,806
ル BBSW+ 最大
1 8
3.25 %
ス 年利 0.07 %
イ から 1.062 %
1,897,59 2,957,01 5,637,88 2,209,20 1,400,62 1,604,44 6,020,64
ス の固定金利
- 783,273 - - 806,370
フ
9 2 4 7 9 2 8
ラ
ン
オ 年利 3%から
フ 4.1 %の固定
シ 金利
4,938,74 6,115,78 1,736,14 4,397,10 6,173,74
ョ
- 185,450 991,592 - 40,493 - -
ア
7 9 9 0 2
人
民
元
ユ 年利 0.125 %
4,392,66 4,995,62 3,469,87 3,800,15
ー から 3.00 % - - 462,422 140,537 - - 102,075 228,214
6 5 0 9
ロ の固定金利
英 年利 0.138 %
1,989,29 1,667,86 4,692,64 2,221,51 3,213,05 5,534,31
ポ から 2.205 %
- 961,069 74,409 - - 99,746
ン の固定金利
3 9 0 9 3 8
ド
英 年利英国ポ
ポ ンド SONIA
- - - - - - 99,854 - - - - 99,854
ン
CMP-
ド
5BD+0.197%
香 年利 0.475 %
1,851,06 2,355,56
港 から 4.18 %
74,577 464,253 903,980 408,258 - 223,593 300,386 697,116 940,310 194,157
ド の固定金利
8 2
ル
日 年利 0.235 %
本 から 2.60 % - - 55,716 277,261 - 332,977 - - 63,798 323,565 - 387,363
円 の固定金利
メ 年利 0.50 %
キ の
シ
固定金利
コ - - - - 8,727 8,727 - - - - 7,434 7,434
・
ペ
ソ
フ 年利 3.80 %
ィ の
リ
固定金利
ピ
- - 139,941 - - 139,941 - - 159,026 - - 159,026
ン
・
ペ
ソ
米 年利 10.25 %
1,803,35 4,830,33 1,247,64 8,248,62 6,993,27 11,964,7 6,507,70 6,280,33 32,244,2
ド までの固定 183,650 183,650 498,150
0 4 8 2 2 49 4 5 10
ル 金利
米 年利3か月
4,922,05 8,925,56 6,508,77 4,935,79 25,859,1 4,109,02 5,860,34 1,983,46 12,632,3
ド 物
566,937 495,855 183,650
ル LIBOR+4.765
1 0 9 0 17 3 1 8 37
%まで
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米 米ドル SOFR
ド
QRT OB
2,923,69 3,107,33
ル - - 183,638 - - - 183,638 213,034 - 396,672
SHIFT-
7 5
5BD+0.049%
から 4.495 %
7,169,57 3,803,26 24,960,1 21,284,2 5,417,95 62,635,1 7,919,62 5,713,92 25,201,4 24,131,0 8,677,78 71,643,8
1 3 25 24 0 33 8 9 16 59 4 16
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当期中に、当グループは様々な固定および変動利付債券を発行した。当グループはこれらの債券に
関して、通貨および金利エクスポージャーをヘッジしている。当期において発行した債券の名目価
値は以下のとおりである。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
固定金利
豪ドル
- 173,018
スイスフラン
763,485 1,849,358
オフショア人民元
475,075 1,186,708
ユーロ
1,773,193 3,104,703
米ドル
4,407,106 4,747,037
英国ポンド
- 3,194,350
香港ドル
136,402 550,525
日本円
- 63,798
フィリピンペソ
- 159,884
変動金利
豪ドル
- 404,597
米ドル
2,710,663 1,718,964
10,265,924 17,152,942
当グループは、期間借入に関する金利および外貨エクスポージャーをヘッジしている。ヘッジ対象
の名目価値は 57 十億ディルハム( 2021 年 12 月 31 日: 57 十億ディルハム)であり、ヘッジされている
リスクは正味の正の公正価値 6,168 百万ディルハム( 2021 年 12 月 31 日:正味の負の公正価値 896 百万
ディルハム)である。当グループは、 2022 年および 2021 年において、期間借入について元利金の債
務不履行もしくはその他の違反を行っていない。
19 劣後社債
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
2012 年 12 月 10 日発行( 4.75 %の固定金利、満期 2027 年 12 月9日) 420,620 448,908
当グループは、当該劣後社債 に関する金利および外貨エクスポージャーをヘッジしている。当グ
ループは、 2022 年 12 月 31 日および 2021 年 12 月 31 日に終了した年度において、劣後社債に関して元利
金の債務不履行もしくはその他の違反を行っていない。
20 その他負債
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
未払利息 15,955,534 5,013,652
支払承諾 -割引控除後(注記 13 )
4,867,808 3,298,916
従業員退職給付引当金 380,489 429,976
未払金、その他債務およびその他負債
15,267,422 12,437,263
法人税 577,724 387,240
37,048,977 21,567,047
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従業員退職給付
確定給付債務
当グループは、適格従業員に対する退職給付引当金を計上している。 2022 年 12 月 31 日現在の確定給
付債務の現在価値を確認するために、数理計算による評価が実施された。当該評価を実施するため
に、 UAE の登録年金数理人を任命している。確定給付債務の現在価値およびそれに関連する当期お
よび過去勤務費用は、予測単位積増方式を使用して測定されている。
当該負債を評価するのに用いている主要な仮定(加重平均率)は、以下のとおりである。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
割引率
年 2.46 % 年 2.30 %
昇給率
年 2.47 % 年 2.37 %
当該制度に基づく負債および給付を評価する際には、死亡率、脱退率および定年退職率に関する人
口統計上の仮定を用いた。当該給付の性質(いかなる事由によっても退職時に一括給付を行う)に
より、結合した単一の漸減率を用いている。
割引率の仮定の +/-50 ベーシスポイントの変動によって、負債にそれぞれ 11,633 千ディルハム
( 2021 年 12 月 31 日: 9,771 千ディルハム)および 3,273 千ディルハム( 2021 年 12 月 31 日: 10,295 千
ディルハム)の影響が及ぶことになる。同様に、昇給率の仮定の +/-50 ベーシスポイントの変動に
よって、負債にそれぞれ 2,842 千ディルハム( 2021 年 12 月 31 日: 10,278 千ディルハム)および
11,254 千ディルハム( 2021 年 12 月 31 日: 9,850 千ディルハム)の影響が及ぶことになる。
従業員確定給付債務の変動額は、以下のとおりであった。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
期首現在残高
429,976 464,604
当期正味費用
58,432 58,425
OCI に計上された再測定による損失
(34,737) (17,229)
当期支払額およびその他調整
(73 ,182) (75 ,824)
期末日現在残高
380,489 429,976
確定拠出制度
当グループは、適格従業員のために、確定拠出制度として取り扱われる拠出金を支払っている。こ
れらの拠出に関する当期費用は、 116,285 千ディルハム( 2021 年 12 月 31 日: 108,715 千ディルハム)
である。報告日現在における未払年金 11,355 千ディルハム( 2021 年 12 月 31 日: 10,515 千ディルハ
ム)は、その他負債に分類されている。
法人税
当グループは、報告日において有効または実質的に有効な税率に基づき、経営陣の見積もった合計
支払額に従って法人税の引当を行っている。必要に応じて、当グループは、これらの負債の見積額
に関して、税金を支払っている。
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当期法人税計上額は、調整済み純利益に基づいて計算される。引当金の変動額は、以下のとおりで
あった。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
期首現在残高
387,240 297,005
当期費用
967,621 644,272
法人税等の支払額(回収額控除後)
(869,415) (589,806)
繰延税金の変動
92,278 35,769
期末日現在
577,724 387,240
2022 年 12 月9日、 UAE 財務省は、 UAE における連邦法人税制を制定させるために、法人および事業の
課税に関する 2022 年連邦法令法第 47 号(以下、「同法」)を発表した。法人税制は 2023 年6月1日
以降に開始する会計期間から実施される。
9%の税率が、内閣府決定の形で規定される所定の基準(財務省が発表した情報に基づき 375,000
ディルハムと想定される)を超過した課税所得に適用される。この基準を超過しない課税所得には
税率0%が適用される。加えて、企業が課税上の地位および課税所得を決定するために重要となる
その他の決定があるが、それらは内閣府決定としてはまだ最終決定されていない。当グループは、
このような重要な決定が未定なため、現状では、 IAS 第 12 号「所得税」 の観点から 2022 年 12 月 31 日
現在において実質的に施行されていないとみなしている。当グループは、その課税上の地位および
IAS 第 12 号「所得税」の適用を判断するために、引き続きこれらの重要な内閣府決定の発効時期を
注視する。
当グループは現在、同法が実質的に実施された場合の、当期および繰延税金の両方の観点から、連
結財務諸表への影響の可能性を評価中である。
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21 資本および準備金
株式資本
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
授権資本 11,047,612 10,920,000
1株1ディルハムの普通株式
11,047,612 10,920,000
1株1ディルハムの自己株式 6,505 6,430
2022 年2月 28 日に開催された年次総会(以下、「 AGM 」という。)において、当行の株主は、普通
株式1株当たり 0.49 ディルハムの現金配当 5,351 百万ディルハムおよび普通株式1株当り 0.21 ディ
ルハムの株式配当 2,293 百万ディルハム( 2021 年 12 月 31 日:普通株式1株当たり 0.74 ディルハムの
現金配当 8,080 百万ディルハム)を承認した。
法定準備金および特別準備金
1980 年連邦法第 10 号および当行の定款に従って、年間純利益の最低 10 %を法定および特別準備金の
両方に、それぞれが払込済株式資本の 50 %に達するまで振り替えなければならない。法定および特
別準備金は株主への分配に利用することはできない。法定および特別準備金は払込済株式資本の
50 %に等しいため、当年中に振替はなかった。
配当
12 月 31 日に終了した年度において、以下の配当が当グループにより支払われた。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
当期中に支払われた普通株式の配当
5,327,691 7,687,738
その他準備金
その他準備金には以下が含まれる。
IFRS 第9号 IFRS 第9号
公正価値 外貨換算 準備金- 準備金-
準備金 一般準備金 準備金 個別 集合的 合計
千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル
ハム ハム ハム ハム ハム ハム
2022 年1月 1日現在 1,366,215 228,265 (535,023) 1,221,969 1,287,759 3,569,185
当期その他包括利益/(損失) (3,623,940) - (1,640,672) - - (5,264,612)
IFRS 第9号の準備金の変動 - - - - 872,498 872,498
FVOCI 投資の売却時の実現利益/
(12,534) - - - - (12,534)
(損失)
(2,270,259) 228,265 (2,175,695) 1,221,969 2,160,257 (835,463)
2022 年 12 月 31 日現在
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IFRS 第9号 IFRS 第9号
公正価値 外貨換算 準備金- 準備金-
準備金 一般準備金 準備金 個別 集合的 合計
千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル
ハム ハム ハム ハム ハム ハム
2021 年1月 1日現在 1,168,389 228,265 (377,851) 1,220,996 642,622 2,882,421
当期その他包括利益/(損失) 204,548 - (157,172) - - 47,376
IFRS 第9号の準備金の変動 - - - 973 645,137 646,110
(6,722) - - - - (6,722)
FVOCI 投資の売却時の実現損失
1,366,215 228,265 (535,023) 1,221,969 1,287,759 3,569,185
2021 年 12 月 31 日現在
( ⅰ ) 公正価値準備金
公正価値準備金は、以下で構成される。
・ FVOCI で測定される持分証券の公正価値の正味累積変動額
・ FVOCI で測定される負債証券の資産の認識が中止されるか再分類されるまでの公正価値の正味累
積変動額。この金額は損失引当金により増加する。
・キャッシュフロー・ヘッジ準備金
再評価準備金- ヘッジ準備金-
FVOCI で キャッシュ
測定される フロー・
金融商品 ヘッジ 合計
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
2022 年1月1日現在 (108,345)
1,474,560 1,366,215
公正価値の未実現変動額(正味) (650,341)
(2,927,853)
(3,578,194)
損益を通じてリサイクルされる FVOCI 商品の売却時の実現利益/
(43,280) (43,280)
(損失) -
資本を通じてリサイクルされる FVOCI 商品の売却時の実現利益/
(12,534)
(損失) - (12,534)
ECL の影響
(2,466)
- (2,466)
2022 年 12 月 31 日現在
(758,686)
(1,511,573)
(2,270,259)
2021 年1月1日現在 65
1,168,324 1,168,389
公正価値の未実現変動額(正味) (108,410)
1,152,419 1,044,009
損益を通じてリサイクルされる FVOCI 商品の売却時の実現利益/
(815,332) (815,332)
(損失) -
資本を通じてリサイクルされる FVOCI 商品の売却時の実現利益/
(6,722) (6,722)
(損失) -
ECL の影響
(24,129) (24,129)
-
2021 年 12 月 31 日現在
(108,345)
1,474,560 1,366,215
ヘッジ準備金は、ヘッジ取引に関連するキャッシュフロー・ヘッジ商品の公正価値の累積純変動の
有効部分より構成されている。当期中に、キャッシュフロー・ヘッジ準備金から純損益への重要な
振替はなかった。
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( ⅱ ) 一般準備金
一般準備金は、取締役会の提案により、株主への分配に利用することができる。
( ⅲ ) 外貨換算準備金
外貨換算準備金は、在外営業活動体への純投資の換算によって生じる為替差額である。当期中に、
外貨換算準備金から純損益への重要な振替はなかった。
( ⅳ ) IFRS 第9号準備金
CBUAE 通達 CBUAE28/2010 に従って、 CBUAE のガイダンスに基づく引当金が、 IFRS 第9号に基づき計算
される引当金を上回る場合、その超過額を利益剰余金から IFRS 第9号準備金に充当しなければなら
ない。また、この準備金は将来の超過引当金について調整されない。詳細は以下のとおりである。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
期末日現在の減損引当金 - 個別
CBUAE 通達 28/2010 における個別引当金
9,683,615 9,372,000
控除: IFRS 第9号に基づくステージ3の引当金 (10,299,264) (8,620,212)
(超過)/不足
751,788
(615,649)
過年度からの繰越残高
1,221,969 1,220,996
減損準備金に振り替えられる個別 引当金
- 973
期末残高
1,221,969 1,221,969
期末日現在の減損引当金 - 集合的
CBUAE 通達 28/2010 における集合的引当金
7,440,529 7,159,746
控除: IFRS 第9号に基づくステージ1およびステージ2の引当金 (5,322,815) (5,871,987)
不足
2,117,714 1,287,759
減損準備金に振り替えられる集合的引当金 872,498 645,137
過年度からの繰越残高 1,287,759 642,622
期末残高
2,160,257 1,287,759
22 ティア1キャピタルノート
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
通貨 千ディルハム 千ディルハム
アブダビ政府債券 ディルハム
8,000,000 8,000,000
(年利6か月物 EIBOR プラス 2.3 %)
750 百万米ドル債券 米ドル
2,754,750 2,754,750
( 4.50 %の固定金利、その後は初日および6年次応当日ごとに更改
[その後の関連米国証券の6年次更改決定日のレートおよびマージ
ンとの合計に基づく ])
10,754,750 10,754,750
ティア1キャピタルノート は、永久、劣後および無担保であり半期毎に後払いされるクーポンが付
されている。当行は自己の裁量によりクーポンを支払わないことを選択できる。本債券保有者は
クーポンを請求する権利を有さず、また、クーポンを支払わないという当行の選択は債務不履行と
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みなされない。また、当行が該当するクーポン利払日にクーポン利払いを行うことが禁止されるよ
うな特定の状況もある。
当行がクーポンを支払わないという選択を行うか、またはクーポンを支払ってはならないという事
象が発生する場合、当行は( a )いかなる分配や配当の宣言または支払いも行わず、( b )優先順位
が本債券と同等または下位である当グループのいかなる株式資本またはその他の証券(ただし、強
制償還または資本への転換が条件として規定されている証券は除く)の償還、購入、消却、減債ま
たは別の方法での取得も行わない。いずれの場合も、クーポンが2回連続して全額支払われている
場合には、適用されない。
当年度において、当行は、ティア1ノート 376,465 千ディルハム( 2021 年 12 月 31 日: 356,204 千ディ
ルハム)のクーポンの支払を選択した。
23 株式報酬制度
2008 年に当グループは、選ばれた従業員向けに株式報酬制度(以下「本制度」という。)を導入し
た。本制度の権利確定期間は3年で、権利確定期間後3年以内に権利行使できる。重要な権利確定
条件は、オプション保有者が権利確定期間終了まで当グループに継続雇用されていることである。
オプションは、行使の有無にかかわらず、その付与日から6年後に失効する。
当グループは、従業員が権利確定したオプションを行使する際に株式を発行するための子会社を設
立した。これらの株式は、オプション保有者により行使されるまで自己株式として取り扱われる。
当期中に付与された株式はないため( 2021 年 12 月 31 日: 2,550 千株)、保有する自己株式から株式
資本へ振り替えられた株式もない( 2021 年 12 月 31 日: 2,550 千ディルハム)。したがって、これに
関連して調整された資本剰余金もない( 2021 年 12 月 31 日: 18,997 千ディルハム ) 。
24 受取利息
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
下記からの受取利息
中央銀行
4,673,109 512,261
銀行および金融機関
1,501,489 1,472,703
売戻契約
1,203,085 354,637
純損益を通じて公正価値評価される投資
161,463 274,954
非トレーディング投資
4,660,793 3,156,647
貸出金(イスラム金融を除く)
16,047,982 10,469,366
28,247,921 16,240,568
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25 支払利息
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
下記に対する支払利息
銀行および金融機関
2,097,112 1,442,790
買戻契約
850,870 225,801
コマーシャルペーパー
436,672 70,294
顧客勘定およびその他預金(イスラム顧客預金を除く)
10,376,617 2,312,073
期間借入
1,007,163 1,489,083
劣後社債
19,705 21,175
14,788,139 5,561,216
26 イスラム金融および投資商品による利益
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
ムラバハ
993,785 667,873
イジャラ
517,629 420,157
スクーク投資
500,785 711,741
その他
12,790 43,408
2,024,989 1,843,179
27 イスラム顧客預金に係る分配
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
ワカラ預金
518,515 397,557
ムダラバ貯蓄預金および定期預金
98,718 49,900
イスラム・スクーク・ノート
464,298 409,979
その他
17,337 6,963
1,098,868 864,399
当グループは、預金者利益分を表す準備金として区分された投資リスク準備金 12,205 千ディルハム
( 2021 年 : 5,124 千ディルハム) を維持している。
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28 正味受取手数料
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
受取手数料
貿易金融
836,909 879,286
回収サービス
26,315 19,885
受取仲介料
119,399 132,978
資産運用および投資サービス
79,282 75,063
消費者および法人貸付
1,847,026 1,704,228
カードおよび電子サービス
671,052 1,731,185
口座関連サービス
69,354 46,285
振込手数料
124,848 107,810
その他
201,684 197,649
受取手数料合計
3,975,869 4,894,369
支払手数料
貿易金融
22,774 7,023
仲介手数料
64,134 51,310
クレジットカード手数料
665,710 1,451,005
消費者および法人貸付
301,360 320,176
その他手数料
139,862 28,366
その他
1,482 1,941
支払手数料合計
1,195,322 1,859,821
正味受取手数料
2,780,547 3,034,548
29 純為替差益
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
1,2
703,922 (72,144)
為替および関連デリバティブに係るトレーディングおよび再換算利益/(損失)
顧客との取引
1,072,754 764,483
1,776,676 692,339
1
有効なヘッジ戦略によって相殺されているヘッジ手段の影響は、非トレーディング投資の正味売却益(注記 30 )に反映
されている。
2
ECB への預け金から生じた 90 百万ディルハム (2021 年 12 月 31 日: 479 百万ディルハム ) の負の受取利息を含む。
30 投資およびデリバティブに係る純 利 益
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
損益を通じて公正価値評価される投資およびデリバティブに係る実現および未実現
2,019,432 5,653,584
利益(正味)
非トレーディング投資の正味売却益
43,280 815,332
受取配当金およびその他投資利益
86,467 15,870
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2,149,179 6,484,786
31 その他営業収益/(損失)
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
投資不動産に係る(損失)/収益
(326,852) (743,360)
リース関連収益
156,250 111,773
有形固定資産売却益
4,335 501,268
その他損失/収益
(85,822) (58,231)
(252,089) (188,550)
32 子会社持分処分益および残余持分の公正価値利益
2022 年2月 25 日、当グループは BCP V グロース・アグリゲーター・エルピー(以下、「買収者」と
いう。)と売買契約( SPA )を締結し、それにより当行は、 100 %保有子会社であるマグナティ・
ソール・プロプリエターシップ・エルエルシー(以下、「マグナティ」という。)の支配持分 60 %
を買収者へ売却することに合意した。当行は当該売却に基づき、 2022 年 12 月 31 日に終了した年度の
経営成績において 3.1 十億ディルハムの利益を計上した。
33 一般管理費およびその他営業費用
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
人件費
3,173,075 3,004,906
その他一般管理費
2,423,159 1,836,611
減価償却費(注記 11 )
859,338 735,705
無形資産の償却費(注記 12 )
202,955 198,859
スポンサーシップおよび寄付
46,302 60,393
6,704,829 5,836,474
3 4 正味減損費用
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
以下に対する減損費用
貸出金およびイスラム金融
2,734,892 2,595,358
その他金融資産
32,733 4,852
未実行のエクスポージャー
129,918 94,172
その他非金融商品
6,891 -
回収額
(279,287) (280,716)
減損金融資産の償却
214,211 244,571
2,839,358 2,658,237
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35 法人税費用
繰延税金に関する調整額に加え、当期費用は、調整済みの当期純利益に基づき、各国地域において
適用される税率で計算される。
連結損益計算書に計上された当期費用は、以下のとおりであった。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
当期費用
967,621 644,272
当グループの会計上と税法上の利益に対する税金の調整は、以下 のとおりであった。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
税引前利益
14,389,732 13,186,544
海外管轄区の高い税率の影響
521,529 520,220
税効果:
-税務上減算不能費用
20,481 (1,738)
-過年度の未認識繰延税金の利用
12,945 9,079
-過年度調整-法人税
5,488 3,815
-過年度調整-繰延税金
3,869 4,889
-源泉徴収税
391,309 84,007
-強制送金税
12,000 24,000
967,621 644,272
36 現金および現金同等物
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
現金および中央銀行預け金
228,549,209 258,934,979
銀行および金融機関預け金
24,954,813 19,383,306
253,504,022 278,318,285
控除 :預金から3か月以後に満期となる中央銀行預け金
(1,721,036) (5,384,239)
控除 :預金から3か月以後に満期となる銀行および金融機関預け金
(395,977) (119,926)
251,387,009 272,814,120
37 リース
当グループは、多くの支店および事務所を賃借している。通常、リースは 10 年にわたり、リース期
間終了後にリースを更新するオプションが付されている。一部のリースについては、賃貸市場の相
場を反映するために5年毎にリース料が再交渉される。また、リースによっては、現地の物価指数
の変動に基づく追加のリース料を設けている。
当グループはまた、1年から3年の契約期間で IT 機器を賃借している。これらのリースは、短期お
よび/または少額資産のリースである。当グループは、これらのリースに関して、使用権資産およ
びリース負債を認識しないことを選択している。
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当グループが借手となっているリースについての情報は、以下に表示されている。
借手としてのリース
使用権資産
使用権の当期中の変動は、以下のとおりである。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
期首現在残高
240,571
229,685
当期中の増加
59,117
11,432
減価償却費およびその他調整
(70,003)
(43,943)
期末日現在残高
229,685
197,174
リース負債
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
満期分析-契約上の割引前キャッシュフロー
1年未満
140,591
137,443
1年から5年
337,843
231,645
5年超
13,828
9,012
期末現在割引前リース負債合計
492,262
378,100
損益に認識された金額
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
リース負債に係る利息
17,057
19,709
当期減価償却費
86,566
81,925
短期リースおよび少額資産に関する費用
58,441
50,989
162,064
152,623
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38 契約債務および偶発債務
当グループは、通常の業務過程において、信用状、保証および未実行のローンコミットメント等の
一定のコミットメントの引受けを伴う様々な種類の取引を行っている。
当期中において、通常の業務で生じたものを除いて偶発債務およびコミットメントに関するその他
の重大な変更は生じていない。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
信用状
54,459,311 63,589,462
保証状
99,310,954 101,353,201
金融保証
824,739 293,459
取引による偶発債務
154,595,004 165,236,122
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
未実行の信用供与コミットメント
77,335,909 51,407,472
将来の資本的支出コミットメント
1,095,254 946,604
将来のプライベート・エクイティへの投資コミットメント
1,567,471 1,291,544
79,998,634 53,645,620
契約債務および偶発債務合計
234,593,638 218,881,742
これらの未実行の信用供与枠の信用リスク特性は、注記 46( a ) に記載されている実行済の信用供与
枠と非常に類似している。
信用状および保証状(以下「取引に伴う偶発債務」という。)の発行をもって、当グループは、書
類の作成または顧客による契約条項の不履行を条件として、顧客を代理して支払を行うことを約束
している。
信用供与コミットメントとは、貸出金およびイスラム金融ならびにリボルビング・クレジットを供
与するための契約上のコミットメントである。コミットメントには一般に固定満期日またはその他
の解約条項が設定されており、手数料の支払を要求することができる。コミットメントは実行され
ずに満了する場合があるため、約定額の合計は、必ずしも将来の必要資金を示すものではない。
金融保証契約は主に銀行および金融機関に関連する。
所在地別集中度
未実行の貸出コミットメント 取引に伴う偶発債務
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日 2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
UAE
48,941,650 32,127,167 106,056,582 107,329,071
欧州
11,244,710 6,701,190 16,157,918 17,579,937
アラブ諸国
9,269,282 8,580,025 12,949,928 11,103,438
南北アメリカ
4,013,400 2,354,620 9,266,851 10,405,696
アジア
3,866,867 1,277,170 10,030,910 17,102,422
その他
- 367,300 132,815 1,715,558
77,335,909 51,407,472 154,595,004 165,236,122
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所在地別集中度は、顧客の所在地に基づく。
39 デリバティブ金融商品
当グループは、通常の業務過程において、デリバティブ金融商品を伴う様々な種類の取引を行って
いる。デリバティブとは、株式、債券、金利、為替、信用スプレッド、コモディティおよび株価そ
の他の指数等の原資産の価格からその価値が算出される金融商品である。デリバティブの利用者
は、信用リスクまたは市場リスクに対するエクスポージャーを増大または軽減させることもできれ
ば、転換することもできる。デリバティブ金融商品には、先渡、先物、スワップおよびオプション
が含まれる。これらの取引は、主に銀行および金融機関と締結されている。
先渡および先物取引
通貨先渡取引とは、外貨および/または自国通貨を購入するコミットメントである。これには、現
物受渡しを伴わない直物取引(すなわち、純額決済される取引)も含まれる。金利先物契約とは、
将来の日に、約定金利と現在の市場金利の差異を、名目元本の金額に基づき、現金で決済すること
を要求する個別に譲渡可能な金利先物である。為替および金利先物とは、為替または金利の変動に
基づき、純額の受取りまたは支払いを行う契約上の義務、あるいは将来の日に、組織的な金融市場
で成立した特定の価格で、外貨または金融商品の売買を行う契約上の義務である。先物契約に関す
る信用リスクは、現金または市場性のある有価証券で担保されており、先物契約の価値の変動が取
引所で日々決済されているため、無視することができる。
スワップ
通貨および金利スワップとは、一連のキャッシュフローを別のキャッシュフローと交換するコミッ
トメントである。スワップによって、通貨または金利(例えば、固定金利と変動金利)あるいはこ
れらすべての組合せ(すなわち、クロスカレンシー金利スワップ)から生じるキャッシュフローの
経済的交換が行われることになる。特定のクロスカレンシー・スワップを除き、元本の交換が行わ
れることはない。当グループの信用リスクは、取引相手方が債務を履行しなかった場合の潜在的な
損失を表している。このリスクは、現在の公正価値、スワップ契約の想定元本および市場の流動性
を参照することによって継続的にモニタリングされている。負担する信用リスクの水準を管理する
ために、当グループは、貸付に関する活動と同様の手法を用いて取引相手方を評価している。
オプション
オプションとは、一定の期日または一定の期間内に、一定額の金融商品を一定の価格で購入(コー
ル・オプション)または売却(プット・オプション)を行う権利(義務ではない)を売手(発行
者)が買手(保有者)に付与する契約上の合意である。売手は、リスクを引き受けることの見返り
に、買手からプレミアムを受け取る。オプションは、取引所取引が行われている場合もあれば、当
グループと店頭取引( OTC )の顧客との間で取引される場合もある。
デリバティブは、活発な市場における公表価格を参照することによって、公正価値で測定される。
金融商品について活発な市場がない場合、公正価値は、取引相手価格または割引キャッシュフ
ロー、市場価格、イールドカーブおよびその他の参照市場データといった適切な価格または評価モ
デルを使用してデリバティブの構成要素の価格から算出する。
下表は、デリバティブ金融商品のプラスおよびマイナスの公正価値ならびに満期までの期間別に分
析された想定元本を示すものである。想定元本とは、デリバティブの原資産、参照レートまたは指
数であり、デリバティブの価値の変動額を測定する際の基礎となる。想定元本は、期末現在の取引
残高を示しており、市場リスクおよび信用リスクを示すものではない。
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-------------------------------- 満期までの期間別想定
元本 -----------
プラスの マイナスの 3か月から 1年から 3年から
2022 年 12 月 31 日 市場価値 市場価値 想定元本 3か月未満 1年 3年 5年 5年超
千ディルハ 千ディルハ
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
ム ム
売買目的保有:
金利デリバティブ
スワップ 44,416,976 45,049,825 1,391,430,712 133,460,604 194,365,404 416,059,274 229,649,117 417,896,313
先渡および先
物 契 44,216 12,248 49,064,627 23,330,850 20,445,828 5,287,949 - -
約
オプションおよ
びスワ
462,099 638,125 78,377,825 925,943 4,410,941 39,318,072 15,256,243 18,466,626
プショ
ン
為替デリバティブ
先渡契約 3,926,153 4,467,739 327,260,288 217,773,233 85,244,571 19,145,328 5,097,156 -
オプション 220,467 189,446 39,507,992 20,554,782 16,942,221 2,010,989 - -
その他デリバティ
2,092,531 1,206,982 68,259,953 5,465,276 12,730,541 25,869,223 22,446,673 1,748,240
ブ契約
51,162,442 51,564,365 1,953,901,397 401,510,688 334,139,506 507,690,835 272,449,189 438,111,179
公正価値ヘッジと
して保有:
金利デリバティブ
7,649,543 9,745,587 460,856,499 155,433,259 136,163,364 55,594,766 64,201,509 49,463,601
スワップ
7,649,543 9,745,587 460,856,499 155,433,259 136,163,364 55,594,766 64,201,509 49,463,601
キャッシュフ
ロー・ヘッジと
して保有:
金利デリバティブ
スワップ 19,002 705,997 8,323,490 - - 3,856,650 550,950 3,915,890
為替デリバティブ
42,856 8,591 3,290,258 3,290,258 - - - -
先渡契約
61,858 714,588 11,613,748 3,290,258 - 3,856,650 550,950 3,915,890
58,873,843 62,024,540 2,426,371,644 560,234,205 470,302,870 567,142,251 337,201,648 491,490,670
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-------------------------------- 満期までの期間別想定
元本 -----------
プラスの マイナスの 3か月から 1年から 3年から
2021 年 12 月 31 日 市場価値 市場価値 想定元本 3か月未満 1年 3年 5年 5年超
千ディルハ 千ディルハ
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
ム ム
売買目的保有:
金利デリバティ
ブ
スワップ 17,145,820 18,081,118 1,487,616,721 149,683,975 218,911,217 414,748,177 265,151,917 439,121,435
先渡および先
物契 10,797 7,259 53,971,707 18,414,126 26,487,199 8,996,922 73,460 -
約
オプションお
よび
スワ
61,219 122,336 1,381,555,808 344,265,157 894,234,822 129,852,936 5,645,190 7,557,703
プ
ショ
ン
為替デリバティ
ブ
先渡契約 3,277,262 1,848,698 337,153,079 202,324,818 102,866,699 28,956,060 2,962,293 43,209
オプション 337,157 244,222 56,380,928 35,859,138 14,291,461 6,230,329 - -
その他デリバ
1,473,721 1,412,905 52,509,341 2,163,817 7,451,597 12,600,024 28,608,514 1,685,389
ティブ契約
22,305,976 21,716,538 3,369,187,584 752,711,031 1,264,242,995 601,384,448 302,441,374 448,407,736
公正価値ヘッジ
として保有:
金利デリバティ
ブ
1,955,276 6,588,341 158,522,703 9,121,007 10,263,304 39,197,714 42,100,283 57,840,395
スワップ
1,955,276 6,588,341 158,522,703 9,121,007 10,263,304 39,197,714 42,100,283 57,840,395
キャッシュフロー・ヘッジと
して保有:
金利デリバティ
ブ
スワップ 12,514 90,109 5,466,840 - 1,000,000 - - 4,466,840
為替デリバティ
ブ
- 97 91,735 91,735 - - - -
先渡契約
12,514 90,206 5,558,575 91,735 1,000,000 - - 4,466,840
24,273,766 28,395,085 3,533,268,862 761,923,773 1,275,506,299 640,582,162 344,541,657 510,714,971
合計
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デリバティブのプラス/マイナスの公正価値は、それぞれ売買目的およびヘッジ手段の公正な評価
により生じる利益/損失を表す。これらの金額は、現在または将来の損失を示すものではないが、
これは同様のプラス/マイナスの金額がヘッジ対象である貸出金およびイスラム金融、非トレー
ディング投資、期間借入および劣後社債の帳簿価額に調整されているためである。
2022 年 12 月 31 日現在、当グループは、特定の取引相手先から、デリバティブ資産の正の公正価値に
対する現金担保 18,368 百万ディルハム (2021 年 12 月 31 日: 6,482 百万ディルハム ) を受け入れてい
る。これに対して、当グループは、デリバティブ負債の負の公正価値に対する現金担保 16,289 百万
ディルハム (2021 年 12 月 31 日: 13,802 百万ディルハム ) を差し入れている。
デリバティブ関連の信用リスク:
デリバティブ関連の信用リスクは、当グループにとって有利な商品の正の公正価値に限定されてい
る。これらの取引は、主に銀行および金融機関と締結されている。
売買目的保有デリバティブ
当グループは、外貨、金利および信用リスクに対するエクスポージャーを管理するため、または価
格、金利または指数の有利な変動から利益を得ることを期待するポジションを設定するために、適
格ヘッジに指定されていないデリバティブを利用する。利用される商品には、主に金利および通貨
スワップならびに先渡契約が含まれる。これらのデリバティブの公正価値は、上表に示されてい
る。
公正価値ヘッジとして保有するデリバティブ
当グループは、自らの資産負債管理戦略の一環として、為替レートおよび金利の変動に対する自ら
のエクスポージャーを軽減するために、ヘッジ目的で、相殺するポジションを保有する形でデリバ
ティブ金融商品を利用している。当グループは、貸出金およびイスラム金融、非トレーディング投
資、期間借入および劣後債等、具体的に特定された利付資産から生じる公正価値の変動をヘッジす
るために、金利スワップを利用する。当グループは、具体的に特定された通貨リスクをヘッジする
ために、為替先渡契約および通貨スワップを利用する。
キャッシュフロー・ヘッジとして保有するデリバティブ
当グループは、金融商品によって生じる外貨リスクをヘッジするために、先渡契約を利用する。当
グループは、有効なヘッジ関係を保持するために、デリバティブの重要な条件を実質的に一致させ
ている。
40 セグメント別情報
事業構造は、当グループの財務パフォーマンスの支援に加え、事業戦略、顧客価値の提案、商品お
よび流通経路の開発あるいは顧客関係を、地域セグメント間にわたり推進する4つの主要な事業セ
グメントで構成されている。
昨年度中に当グループは事業モデルを再編し、コーポレート&インベストメント・バンキングおよ
び パーソナル・バンキング・グループは、 インベストメント・バンキング、コーポレート&コマー
シャル・バンキング、コンシューマー・バンキングおよびプライベート・バンキングといった 4つ
に区分した事業ライン に再分割された。これにより当グループは、より顧客を中心として事業を再
度位置づけすることで、それぞれの顧客基盤に合わせた専門商品およびサービス提案を可能にする
ことにより、競争優位性を高め収益創出能力を強化する。
事業セグメント
インベストメント・バンキング(以下、「 IB 」という。)
IB は、 コーポレート&イスラム金融、資本市場、取引銀行業務、貿易、流動性および現金管理サー
ビスなどの銀行金融ソリューションを、信用、金利、外貨およびマネーマーケット商品といった幅
広いリスク管理ソリューションと共に提供する。機関投資家顧客を中心とする IB チームは、政府、
ソブリン&公共部門、ソブリン・ウェルス・ファンド&ファイナンシャル・スポンサー、天然資
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源、グローバルに分散した企業、金融機関グループ&グローバル子会社など様々な顧客セクターに
わたり商品提供と専門性を高めている。
コーポレート&コマーシャル(以下、「 CCB 」という。)
CCB は、大企業および中小企業を中心に、コーポレート・バンキング、請負、コマーシャル・バン
キングおよび特別顧客グループを含むサブセグメントに対して様々な商品を提供する。
コンシューマー・バンキング(以下、「 CB 」という。)
この事業は従来型部門とイスラム部門における消費者および上流セグメントをターゲットとしてい
る。提供される商品の範囲には、当座口座、預金、クレジットカード、ローン、富裕層向け商品と
いった日常の銀行商品が含まれる。当該事業は、モバイルおよびインターネット・バンキング、支
店、顧客担当者ならびに銀行子会社、すなわちファースト・アブダビ・イスラミック・ファイナン
スを通じた様々な提供および販売経路を整備している。
グローバル・プライベート・バンキング(以下、「 GPB 」という。)
この事業は従来型部門とイスラム部門にわたる富裕層および超富裕層顧客をターゲットとしてい
る。提供される商品の範囲は、日常の銀行商品に加えて先端的な投資ソリューション、仲介および
有価証券サービスが含まれる。当該事業は、モバイルおよびインターネット・バンキング、支店、
リレーションシップ・マネージャーならびに主に FAB セキュリティーズを含む銀行子会社を通じた
販売を含む様々な販売網および販売経路を提供している。
本店
当グループは、その事業ユニットのすべてに対し、本店で一元的に管理している人事、情報技術、
オペレーション、財務、戦略、 IR 、リスク管理、与信管理、広報、法務およびコンプライアンス、
内部監査、調達、財務業務およびすべての事業ユニットに対して管理に関する支援を提供する。
当グループの多角化した事業モデルの一環として、本店にはまた、銀行サービス、および不動産資
産管理サービスにおいて補完的なサポートを提供する子会社(当グループが一部または完全所有し
ている)が含まれる。これには、 FAB プロパティーズ、アブダビ・ナショナル・プロパティーズ、
ミスマックおよびファースト・ガルフ・リビアが含まれる。 FAB ミスルについては、商品および事
業のセグメント分類は当グループの基準に沿うが、暫定的に本店に含まれている。
地域セグメント
当グループは、 UAE およびインターナショナルの2つに定義された地域別セグメント内の支店、子
会社および駐在員事務所のネットワークを通じて様々な事業セグメントを管理している。
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事業セグメント 地域セグメント
コーポレー
ト&
コマーシャ グローバル・
ル・ コンシュー プライベー
インベストメ
バンキング・ マー・ ト・ インター
ント・バンキ
ング グループ バンキング バンキング 本店 合計 UAE ナショナル 合計
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
2022 年 12 月
31 日終了年
度
正味受取利
息ならびに
イスラム金
融および投
資商品から
4,926,581 3,617,718 3,523,841 779,897 1,537,866 14,385,903 11,313,547 3,072,356 14,385,903
の純利益
受取利息以
外の正味収
3,921,412 1,373,843 603,990 225,044 300,024 6,454,313 4,504,238 1,950,075 6,454,313
益
8,847,993 4,991,561 4,127,831 1,034,941 1,837,890 15,817,785 5,022,431
20,840,216 20,840,216
営業収益
子会社持分
処分益およ
び残余持分
の公正価値
- - 3,093,703 - - 3,093,703 -
3,093,703 3,093,703
評価益
子会社持分
処分益およ
び残余持分
の公正価値
評価益を含
8,847,993 4,991,561 7,221,534 1,034,941 1,837,890 18,911,488 5,022,431
23,933,919 23,933,919
む収益合計
一般管理費
およびその
1,606,489 1,065,077 2,146,157 395,595 1,491,511 6,704,829 4,989,442 1,715,387 6,704,829
他営業費用
正味減損費
429,776 1,814,653 294,022 (291) 301,198 1,669,547 1,169,811
2,839,358 2,839,358
用
6,811,728 2,111,831 4,781,355 639,637 45,181 12,252,499 2,137,233
14,389,732 14,389,732
税引前利益
345,527 49,152 (687) 46,402 527,227 192,266 775,355
967,621 967,621
法人税費用
6,466,201 2,062,679 4,782,042 593,235 (482,046) 12,060,233 1,361,878
13,422,111 13,422,111
当期 純利益
2022 年 12 月
31 日現在
セグメント
774,393,713 158,420,836 68,877,986 29,586,897 119,233,615 912,859,441 368,517,284
1,150,513,047 1,281,376,725
別資産合計
セグメント
(40,456,952) (171,320,630)
間残高
1,110,056,095 1,110,056,095
資産合計
セグメント
664,339,672 155,379,818 75,962,631 30,148,114 109,632,569 820,187,779 346,138,703
1,035,462,804 1,166,326,482
別負債合計
セグメント
(40,456,952) (171,320,630)
間残高
995,005,852 995,005,852
負債合計
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事業セグメント 地域セグメント
コーポレー
ト&
コマーシャ
グローバル・
ル・
インベストメ コンシュー プライベー
バンキング・ インター
ント・バンキ マー・バンキ ト・バンキン
ング グループ ング グ 本店 合計 UAE ナショナル 合計
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
2021 年 12 月
31 日終年度
正味受取利
息ならびに
イスラム金
融および投
資商品から
4,175,220 2,189,595 3,950,443 727,418 615,456 11,658,132 8,672,753 2,985,379 11,658,132
の純利益
受取利息以
外の正味収
7,860,505 1,202,636 847,567 223,332 (110,917) 10,023,123 9,205,521 817,602 10,023,123
益
12,035,725 3,392,231 4,798,010 950,750 504,539 17,878,274 3,802,981
21,681,255 21,681,255
営業収益
一般管理費
およびその
1,421,012 953,732 2,165,854 340,320 955,556 5,836,474 4,369,988 1,466,486 5,836,474
他営業費用
正味減損費
179,233 1,463,407 822,664 47,277 145,656 2,266,466 391,771
2,658,237 2,658,237
用
10,435,480 975,092 1,809,492 563,153 (596,673) 11,241,820 1,944,724
13,186,544 13,186,544
税引前利益
299,163 46,416 3,092 42,884 252,717 97,663 546,609
644,272 644,272
法人税等
10,136,317 928,676 1,806,400 520,269 (849,390) 11,144,157 1,398,115
12,542,272 12,542,272
当期 純利益
2021 年 12 月
31 日現在
セグメント
676,669,939 109,881,860 75,737,783 31,986,009 126,085,379 769,959,027 377,131,450
1,020,360,970 1,147,090,477
別資産合計
セグメント
(19,264,867) (145,994,374)
間残高
1,001,096,103 1,001,096,103
資産合計
セグメント
579,702,541 136,067,738 60,945,124 24,933,050 106,065,086 678,525,762 355,917,284
907,713,539 1,034,443,046
別負債合計
セグメント
(19,264,867) (145,994,374)
間残高
888,448,672 888,448,672
負債合計
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41 1株当たり利益
1株当たり利益は、以下に記載されているとおり、ティア1キャピタルノートに係る支払額控除後
の当期純利益を期中の加重平均発行済普通株式数で除することにより算出される。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
基本的1株当たり利益:
当期純利益(千ディルハム)
13,411,198 12,531,111
控除:ティア1キャピタルノートに係る支払額(千ディルハム)
(376,465) (356,204)
ティア1キャピタルノートに係る支払額控除後の純利益(千ディルハム)
13,034,733 12,174,907
加重平均普通株式数:
期首より発行済とみなされる株式数(千株)
10,913,570 10,911,020
当期中に発行された株式配当の影響(千株)
127,537 127,537
ストックオプション制度に基づき行使された加重平均株式数(千株)
- 1,256
加重平均普通株式数 (千株 )
11,041,107 11,039,813
基本1株当たり利益(ディルハム)
1.18 1.10
希薄化後1株当たり利益:
希薄化後1株当たり利益算出のための当期純利益(千ディルハム)
13,034,733 12,174,907
加重平均普通株式数(千株)
11,041,107 11,039,813
ストックオプション制度における加重平均希薄化株式数 (千株 )
- 650
希薄化後1株当たり利益に関する加重平均発行済普通株式数(千株)
11,041,107 11,040,463
希薄化後1株当たり利益(ディルハム)
1.18 1.10
42 関連当事者
財務上または経営上の決定に関して、ある当事者が他の当事者を支配する、あるいは他の当事者に
重要な影響力を行使する能力を有している場合に関連当事者とみなされる。関連当事者は、当グ
ループの主要株主、取締役および主要経営陣からなる。主要経営陣は、当グループの戦略立案およ
び意思決定に関与する当グループの執行役員会のメンバー( EXCO )からなる。取引の条件は、当グ
ループの経営陣により承認され、関連当事者取引は、取締役会または経営陣が同意した条件により
作成される。
当グループは、アブダビ政府がその政府当局、機関、関連およびその他組織(以下総称して、「政
府関連機関」という。)を通じて直接または間接的に支配する事業体が中心である市場で事業を
行っている。当グループはその他の政府関連機関と取引を行い、これらの取引は取締役会で合意さ
れた条件で、当グループの通常の業務過程において実施される。
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2021 年
2022 年 12 月 31 日 12 月 31 日
上級経営陣 関連会社
取締役会 主要株主 合計 合計
千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル
ハム ハム ハム ハム ハム ハム
報告日における関連当事者との取引残高は、以下に示すとおりである。
金融資産
11,552,967 36,004,061 62,536 970,387 48,589,951 34,282,642
金融負債
13,927,523 36,481,734 25,285 417,982 50,852,524 57,779,565
偶発債務
328,725 8,698,101 - 184 9,027,010 21,702,546
当年度において行われた関連当事者との取引は、以下に示すとおりである。
受取利息およびその他利益
387,169 876,773 1,638 80,237 1,345,817 793,581
支払利息およびその他費用
199,718 330,321 412 100,577 631,028 315,934
取締役 報酬の詳細は以下のとおりである 。
2022 年 2021 年
12 月 31 日 12 月 31 日
千ディル 千ディル
ハム ハム
当期中に支払われた取締役報酬
45,000 48,000
上級経営陣の個人報酬の詳細は以下のとおりである 。
2022 年 2021 年
12 月 31 日 12 月 31 日
千ディル 千ディル
ハム ハム
長期給付
46,624 51,051
短期給付
2,752 2,538
関連当事者に関する残高は、 ECL モデルのステージ1に配分されている。 2022 年 12 月 31 日現在、関
連当事者残高に対する ECL 引当金は 3,911 千ディルハムである。
43 信託業務
当グループは、 2022 年 12 月 31 日現在、顧客に対する信託業務のもとで 12,413 百万ディルハム( 2021
年 12 月 31 日: 8,453 百万ディルハム)の管理資産を保有していた。さらに、当グループは、一部の
顧客に対して保護預かりサービスを提供している。
保護預かりまたは信託業務において保有される原資産は、当グループの連結財務書類から除外され
る。
44 特別目的事業体
当グループは、顧客を代理してファンドの運用および投資活動を行うために、特定の目的を有する
特別目的事業体(以下「 SPE 」という。)を設立している。 SPE が運用する株式および投資は当グ
ループが支配するものではなく、また、当グループは手数料収入を除き SPE の業務から便益を得て
いない。さらに、当グループは、いかなる保証も付与しておらず、これらの事業体の負債も引き受
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けていない。したがって、 SPE の資産、負債および経営成績については、当グループの連結財務書
類に含まれていない。 SPE は以下のとおりである。
2022 年
正式名称 業務 設立国 持分
ワン・シェア・ピーエルシー 投資会社 アイルランド共和国 100 %
45 見積りおよび判断の使用
当グループの会計方針を適用する過程において、 IFRS は、経営陣が適切な会計方針を選択し、選択
した会計方針を継続して適用し、情報が適切で信頼性のあるものとなるよう合理的かつ慎重な判断
および見積りを行うよう求めている。経営陣は、 IFRS のガイダンスおよび IASB の「財務諸表の作成
および表示に関するフレームワーク」に基づき、このような見積りおよび判断を行っている。以下
の事項は、連結財務書類上の認識額に最も重要な影響を及ぼした可能性のある見積りおよび判断で
ある。
(a) 継続企業
当グループの経営陣は、当グループの継続企業としての存続能力の評価を行い、当グループが予見
しうる将来において事業を継続できるリソースがあると評価している。この評価に当たり、経営陣
は、収益性予測、当局の資本規制、資金調達ニーズなど、多岐にわたる情報を検討している。評価
にはまた、合理的に起こりうる経済悪化シナリオおよびそれが当グループの収益性、資本、流動性
に及ぼす影響の考慮も含まれる。評価に当たって、当グループは、継続企業評価に関する気候関連
問題の影響も考慮している。
さらに、経営陣は、当グループの継続企業としての存続能力を疑わせる重要な不確実性を認識して
いない。したがって、連結財務書類は、引き続き継続企業を前提として作成されている。
(b) 金融資産の減損費用
減損損失は、会計方針3 ( k )( ⅴ ) に記載されているとおり評価される。
IFRS 第9号に基づく金融資産カテゴリー全般にわたり減損損失の測定は判断が要求されるが、特に
減損損失を評価する際の将来キャッシュフローの金額および時期ならびに担保価値の見積りおよび
信用リスクの著しい増大の評価において要求される。こうした見積りは多くの要因に影響され、こ
れらの要因の変化により異なる引当金水準となることがある。
当行の ECL の計算は、様々なインプットの選択およびその相互依存に関する多くの基礎的仮定を前
提とした複雑なモデルで算定したものである。会計上の判断および見積りとみなされる ECL モデル
の要素には以下が含まれる。
・ 当グループの内部の信用グレードモデル(個々のグレードに PD を割り当てる)
・ 信用リスクの著しい増大の有無(したがって、金融資産の引当金が残存期間 ECL で測定される
か否か)に関する当グループの評価基準および定性的評価
・ 集合的に ECL が評価される金融資産の区分
・ ECL モデルの開発(様々な算定式およびインプットの選択を含む)
・ 経済的インプット(原油価格、国内総生産、担保価値など)間の PD 、 EAD 、 LGD への影響の決定
・ ECL モデルに対する経済的インプットを導き出すための、将来を考慮したマクロ経済シナリオ
の選択およびその確率の加重。当グループは現在、当グループのリスクモデルにおける気候変
動リスクの影響を評価中である。
実際の損失に基づきモデルを定期的にレビューし、必要な場合は調整することが当グループの方針
である。
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(c) 有形固定資産の減損費用
減損損失は会計方針注記3 (c)( ⅶ ) に記載されているとおり評価される。
正味実現可能価額を決定するにあたり、当グループは認定された適切な専門的資格を有しており、
評価対象となっている不動産の所在地および不動産の種類についての最近の実績のある外部の独立
した評価会社が決定した売却価格を使用している。売却価格は市場価格に基づいており、評価日に
おいて、自発的な買手と自発的な売手との間の独立第三者間取引において交換されるであろう不動
産の見積額となっている。
(d) 訴訟による偶発債務
当グループは、その性質上、業務への訴訟リスクの要素が高い規制および法令の環境下で事業を
行っている。その結果、当グループの通常の業務過程において、様々な訴訟、裁定、当局の調査、
裁判に関与している。
当グループが、特定の事例に関する経済的資源の流出を信頼性をもって測定することが可能であ
り、その流出の発生可能性が高いとみなされる場合、当グループは当該事例に対して引当金を計上
する。流出の可能性がほとんどない、または可能性が高い、あるいは信頼できる見積りを実施でき
ないとみなされた場合、引当金は計上されない。発生可能性および損失金額の判断が主観的であり
不確実であることを考慮して、当グループは、法的助言、事案の段階、類似の事例の過去の証拠な
どの多数の要素を考慮する。重要な判断がこうした見積りに係る結論に要求される。
(e) ストックオプション制度
ストックオプション制度の公正価値は、ブラック・ショールズ・モデルを用いて決定される。モデ
ルへのインプットは、株価、行使価格、株価ボラティリティ、オプション契約期間、配当利回りお
よび無リスク金利からなる。
(f) 金融商品の評価
金融商品の評価技法によっては、経営陣が見積もる特定の観察不能なインプットが必要となる場合
がある。このような評価技法については、注記3 c(vi) および 47 で詳細が説明されている。
さらに IBOR 改革の結果、金融商品を RFR に移行する際の参照金利の変更は、当該金融商品のキャッ
シュフロー、ひいては公正価値にも影響を及ぼす。また移行によりキャッシュフローを割引くため
に使用される金利が変更され、金融商品の公正価値にも影響を及ぼす。 IBOR 改革は選択可能な異な
る金利指標に影響しており、そのため、当グループは正味現在価値および割引キャッシュフロー・
モデルを用いて金融商品の公正価値を測定する際には判断を用いてその金融商品に最も適切な割引
率を選択する。
(g) 確定給付制度
確定給付債務の現在価値は、複数の仮定を用いて年金数理に基づき決定される複数の要素に応じて
算定される。正味給付費用(収益)を算定する際に使用する仮定には、割引率が含まれる。このよ
うな仮定に変化が生じた場合には、確定給付債務の帳簿価額に影響が及ぶことになる。
当グループは、毎年度末に適切な割引率を算定している。これは、将来の債務を決済するために必
要と見込まれる見積将来キャッシュフローの現在価値を算定するために用いるべき金利である。適
切な割引率を算定する際に、当グループは、給付が支払われる通貨で表示され、かつ関連する給付
債務の期間と残存期間が近似する優良社債の金利を考慮している。
確定給付債務に関するその他の主要な仮定の一部は、現在の市況に基づくものである。このような
仮定に関する追加的な情報は、注記 20 で開示されている。
当グループの会計方針を適用する際の重要な会計上の判断には、以下が含まれる。
(h) 金融資産および負債の分類
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当グループの会計方針は、開始時に異なる会計区分に指定される金融資産および負債に関する事業
モデルの分類および評価の範囲を定めている。分類基準は方針注記3 (c)( ⅱ ) に記載されている。
(i) 組成された事業体
当グループの会計方針は、方針 注記3 (b)( ⅲ ) で組成された事業体の分類および連結に関する範囲
を定めている。
当グループにより運営されるすべてのファンドについて、投資家は、過半数の投票で当グループを
ファンドマネージャーから解任可能であり、各ファンドにおける当グループの経済的持分合計は重
要ではない。結果として、当グループは、当該ファンドにおいて投資家のための代理人として活動
していると結論付けられ、当該ファンドを連結していない。
(j) 事業セグメント
セグメント情報の開示の作成において、経営陣はセグメント別報告のための一定の仮定を設定して
いる。当該仮定は、定期的に経営陣により再評価される。事業セグメントの詳細は、注記 40 に記載
されている。
(k) 実効金利(以下「 EIR 」という。)法
当グループの EIR 法では、注記 3 (s) に記載の通り、金融商品の予想残存期間を通じて、将来の現金
支払額または受取額を、金融資産の総額での帳簿価額または金融負債の償却原価まで正確に割り引
くレートを用いて受取利息を認識するとともに、実効金利の不可欠な部分である取引費用、手数
料、ならびに支払または受取ポイントの影響も認識する。この見積りはその性質上、金融商品の予
想動向およびライフサイクル、ならびに金融商品の不可欠な部分である基準金利およびその他の手
数料収入/費用の予想変動に関して判断の要素を必要とする。
IBOR 改革フェーズ 2 は、 IBOR から RFR への移行が経済的に同等の基礎で実施されることを前提とし、
実務的な便法として、 IBOR 改革の直接的な結果として必要となる契約上のキャッシュフローの決定
基礎の変更を変動金利の変更として取り扱うことを要求している。 IBOR 改革で要求されない変更に
ついて、当グループは、下記の注記 44(l) に記載の通り、変更により金融商品の認識を中止する
か、帳簿価額を調整するかどうかを決定するために判断を適用する。
したがって、金融商品の IBOR から RFR への移行に伴い、当グループは移行が経済的に同等の基礎で
実施されるか否かを評価するための判断を行う。この評価において、当グループは、当該移行によ
る契約上のキャッシュフローの変化の程度、および変更を引き起こす要因について、定量的および
定性的要因の両方を勘案しながら考慮する。
(l) 金融商品の認識の中止
注記3 (c)( ⅲおよびⅳ ) に記載の通り、金融資産および金融負債の契約条件が実質的に変更された
場合、当グループはこれらの金融資産および金融負債の認識を中止する。 IBOR 改革により IBOR から
RFR へ移行したため、多くの金融商品はすでに 2021 年中に変更されている。金融商品の金利の変更
に加え、移行時点で金融商品の条件のその他の変更も実施されている。償却原価および FVOCI で測
定する金融商品については、当グループはまず上記の注記 45( k ) に記載された実務的な便法を適用
して、 IBOR から FRF への参照金利の変更を反映する。次に、実務的な便法で対応できない変更につ
いて、当グループは変更が実質的なものか否かを評価するための判断を行う。この変更が実質的な
ものである場合は、当該金融商品の認識は中止され、新しい金融商品が認識される。この変更が実
質的なものでない場合、当グループは当該金融商品の帳簿価額総額を、実務上の便法でカバーされ
ていない差額を改訂後の EIR を用いて割り引いた現在価値で調整する。
(m) ヘッジ会計
当グループは、公正価値およびキャッシュフロー・ヘッジの両方をヘッジ関係として指定してい
る。当グループのヘッジ会計方針には、注記3 (aa) の判断および見積りの要素が含まれる。
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当グループの未移行のヘッジ対象およびヘッジ手段は引き続き IBOR 指標金利(米ドル LIBOR )を参
照する。この IBOR 指標金利は毎日レートが提示され、 IBOR キャッシュフローは通常通り取引相手方
と交換される。当グループの米ドル LIBOR リスクのキャッシュフロー・ヘッジ関係は、 LIBOR の予定
停 止日以降も継続する。当グループは、米ドル LIBOR が SOFR に置き換えられると見込んでいるが、
当グループのヘッジ対象およびヘッジ手段の移行および移行のタイミング、ならびに置換金利の
キャッシュフローの金額に不確実性がある。こうした不確実性がヘッジ関係(有効性評価および可
能性が非常に高いという評価)に影響する可能性がある。
当グループは IBOR 改革フェーズ1改訂で規定された暫定的な救済措置を適用しているため、現行の
金利指標が代替の類似リスクフリー金利に置き換わる前の不確実な期間中もヘッジ会計を継続でき
る。予定取引の可能性が非常に高いかどうかを判断するために、救済措置では、ヘッジされた
キャッシュフローが参照する IBOR が IBOR 改革により変わらないと仮定することを要求している。当
グループが IBOR を参照するヘッジ関係について、 IBOR 改革により生じる不確実性がもはや存在しな
いと判断したとき、この救済措置は終了する。これは、ヘッジ対象がすでに IBOR から RFR に移行し
た場合に適用され、また 2022 年1月1日に特定の LIBOR が終了した時点で、フォールバック条項を
通じて RFR に移行されたエクスポージャーに適用される。
IBOR 改革フェーズ 2 改訂は、 IBOR を RFR に置き換える際に、当グループのヘッジ会計の継続を可能に
する暫定的な救済措置を提供している。救済措置の一つにより、当グループは、ヘッジ対象が独立
して識別可能であるという IFRS 第 9 号の要件を満たしているとみなすため個別の RFR を選択すること
ができる。救済措置が適用される各 RFR について、当グループは、 RFR を参照し RFR を用いて価格が
決定される金融商品の取引量および市場流動性の両方がすでに十分で今後 24 か月間に増加し、その
結果、ヘッジ対象の公正価値またはキャッシュフローの変動において、ヘッジされる RFR リスク要
素を独立して識別可能であると判断する。
(n) のれんの減損
当グループは、減損に関して使用される仮定の合理的に起こりうる変動により、 CGU の回収可能価
額が帳簿価額を下回ることはないと見積もっている。
(o) 会計上の判断および見積りに対する気候変動リスクの影響
当グループは、合理的かつ裏付け可能な情報を利用して、会計上の判断および見積りを実施してい
る。これには気候変動による物理的リスクおよび移行リスクの観察可能な影響についての情報も含
まれる。気候変動により生じる影響の多くはその性質上、固有なレベルの不確実性を伴う長期的な
ものであり、会計上の判断および見積りに関する影響は限定的である。
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46 財務リスク管理
リスク管理フレームワーク
序論および概要
当グループの主要な目標は、容認されたリスク特性の範囲内でリスクを管理し株主にリスク調整後
利益を提供することである。通常の事業活動の過程で、当グループは様々なリスクにさらされてい
るが、特に信用リスク、市場リスク、流動性および資金調達リスク、金利リスク、オペレーショナ
ルリスクにさらされており、またコンプライアンス・リスク、戦略的リスク、風評リスク、環境・
社会・ガバナンス(以下「 ESG 」という。)リスク、情報セキュリティ・リスクならびに事業継続
に関するリスク等のその他リスクにさらされている。安定したリスク・ガバナンスおよび所有構造
がグループレベルにおいて効果的な監督およびリスク管理の説明責任を確実なものにしている。リ
スク管理の姿勢は、トップである取締役会(以下「 BOD 」という。)により確立され、明確に定義
されたリスク管理構造およびフレームワークを通じて実施される。
取締役会の構成
取締役会(以下「 BOD 」という。)は、当グループの全般的な運営、監督および管理する責任があ
る。 BOD は、取締役会の責務の執行を支援する専門家委員会に権限を委任している。当グループの
日常的な経営は、取締役会の委任を受けて、当グループ最高経営責任者(以下「 GCEO 」という。)
および当グループ執行委員会が遂行する。 BOD は、関連する法令制度に従った合意済フレームワー
クの範囲内で戦略目標、リスク戦略、コーポレート・ガバナンスおよび企業価値の導入の承認およ
び監督を含め、当グループ全体の責任を負っている。当グループの定款に従って、 BOD は 11 名のメ
ンバーで構成される。各取締役の任期は、3年間であり翌3年間について更新される可能性があ
る。当グループ取締役の当グループに対する責任同様、当行の子会社の取締役会は、それぞれの企
業に対して同様の受託責任を負っている。
コーポレート・ガバナンス・フレームワーク
当グループは、 BOD および上級経営陣が当グループを管理する規定、プロセスおよび方針を整備す
る包括的なコーポレート・ガバナンス・フレームワークを有している。 BOD は、コーポレート・ガ
バナンス基準の導入を推進しており、その規程に従い、当グループのコーポレート・ガバナンス・
フレームワークを監督する責任を負っている。当グループのコーポレート・ガバナンス基準は、最
高水準の専門性を設定している。当グループのコーポレート・ガバナンスに沿って、子会社および
海外拠点は、管理のために独自のガバナンス・フレームワークを個別に設定することが要求されて
いる。コーポレート・ガバナンスの責任者は、コーポレート・ガバナンス・フレームワーク文書の
管理者である。
リスク管理構造
BOD は当行、当行の子会社、当行の関連会社および駐在員事務所ならびに海外支店を含む海外事務
所に関するリスク管理計画を承認する。 BOD から委任された権限の下で、取締役会リスクおよび ESG
委員会(以下「 BRESGC 」という。)は、別途招集されるリスク管理会議を通じて、ハイレベルな全
社リスク管理方針を策定し、委任されたリスク権限を行使し、リスク管理フレームワークおよび統
制の遂行を監督する。 GCRO は構造上、当委員会に報告する。
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当グループ内の取締役会レベルの委員会
経営委員会(以下「 BMC 」という。)
BMC は、取締役会により承認された戦略に従った当グループの事業プランの実行を承認および監督
し、当グループの重要事業の状況の監督およびレビューを行う。本委員会は、四半期毎に(必要で
ある場合はより頻繁に)開催される。構成、指針および詳細な担当ならびに責任は、 BMC の規程に
おいてカバーされている。
取締役会リスクおよび ESG 委員会 (以下「 BRESG 」という。)
BRESGC は、当グループの現在および潜在的な将来のリスクならびにコンプライアンスのエクスポー
ジャーに関して、当グループ取締役会に監視とアドバイスを行う。本委員会は、リスク嗜好および
許容度の決定を含めた将来のリスク戦略を検討してその指揮を助け、また当グループ内のリスクお
よびコンプライアンスに対する文化の意識向上を促進する。本委員会はまた、主要な ESG 事項につ
いて監視し、取締役会にガイダンスを提供する。 本委員会は、 四半期毎に(必要である場合はより
頻繁に)開催される。当グループのリスク管理機能は、当グループの最高リスク管理責任者を通じ
て BRESGC への直接報告ラインを有している。コンプライアンスは BRESGC に出席するコンプライアン
ス責任者に対してコンプライアンス関連事項に関する直接の報告ラインを有している。構成、指針
および詳細な担当ならびに責任は、 BRESGC の規程においてカバーされている。
監査委員会(以下「 BAC 」という。)
BAC は、内部統制システムの有効性および財務書類ならびに財務報告の品質および完全性の監視を
確認する。加えて本委員会は、内部監査および外部監査プログラムをレビュー、承認、監視し、内
部監査人と外部監査人との調整を確認する。本委員会はまた、適用される法令 に対する当グループ
の遵守状況 を監督する。グループ最高監査担当責任者(以下「 GCAO 」という。)は、内部統制につ
いて本委員会に報告を行い、コンプライアンスの代表は、コンプライアンス関連事項を BAC に直接
報告する。 本委員会は、 四半期毎に(必要である場合はより頻繁に)開催される。構成、指針およ
び詳細な担当ならびに責任は、 BAC の規程においてカバーされている。
報酬および指名委員会(以下「 REMCO 」という。)
REMCO は、グループ取締役の任命および解任、ならびに当グループの執行委員会メンバーの後継者
育成計画の推薦および監督を行う。これには彼らが株主および当グループの利益となるべくその地
位において責任を果たすために必要なスキル、知識、専門能力を評価することが含まれる。本委員
会はまた、当グループの報酬方針フレームワークをレビューの上、取締役会に推奨する。また、報
酬案を承認および監督し、それが適切であり当グループの文化、価値、業績およびリスク戦略と一
致するということを確認する。本委員会は、少なくとも1年に2回(必要である場合はより頻繁
に)開催される。構成、指針および詳細な担当ならびに責任は、 REMCO の規程においてカバーされ
ている。
当グループ内の経営陣レベルの委員会
10 の経営陣レベルの委員会がある。 10 の経営委員会の主な役割は、以下のとおりである。
グループの執行委員会(以下「 EXCO 」という。)
当グループの執行委員会(以下「グループ EXCO 」という。)は、当グループの最も上級レベルの経
営委員会で、取締役会からの委任の下で運営されている。 EXCO は、当グループの取締役会または取
締役会委員会への上申を要するものか、上申が妥当である事項を特定する責任がある。当グループ
の EXCO はまた、当グループの戦略が取締役会に承認された通りに決定され、また履行されるようグ
ループ CEO を支援する。
本委員会の主たる責務には、当グループの戦略、年間予算、資本運営、リスク管理、当グループの
より重要な方針および手続きに関する決定が含まれる。グループ EXCO は特定の権限を経営委員会お
よび個人に委譲することがあるが、グループ EXCO は戦略、年間予算および構造、財務報告および管
理、資本管理、リスクおよび内部統制、契約、コーポレート・ガバナンスに関する事項、役員報酬
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および人事方針、グループ方針全般および指揮権のあるその他の事項(取締役会に維持されている
事項を除く)を取り扱う権限を維持する。 EXCO は経営執行チームにより構成されており、 GCEO が議
長 を務める。 EXCO の構成、指針および詳細な担当ならびに責任は、 EXCO の規程においてカバーされ
ている。
グループの信用委員会(以下「 GCC 」という。)
GCC は、当グループの信用、投資戦略および関連方針ならびに手続きの策定および導入を補佐す
る。 GCC の目的は、当グループの全般的な信用を監督し、信用方針およびガバナンス関連事項を決
定することである。 GCC の 構成、指針および詳細な担当ならびに責任は、 GCC の規程においてカバー
されている。
グループのリスク委員会(以下「 GRC 」という。)
GRC は、当グループ全体のリスク戦略およびエクスポージャーの監視において BRESGC および EXCO を
補佐し、効果的方法で統合リスク管理を可能にする。 GRC の主な目的は、当グループの戦略および
事業計画を考慮して、当グループのリスク選好および関連する手法、パラメータ、目標、許容度を
定義、策定して定期的にモニタリングすることである。 GRC は、関連事項を EXCO および必要に応じ
て BRESGC に報告し、当グループのリスク選好およびフレームワークに関してアドバイスおよび通知
を行う。 GRC の 構成、指針および詳細な担当ならびに責任は、 GRC の規程においてカバーされてい
る。
グループのコンプライアンス委員会(以下「コンプライアンス委員会」という。)
グループのコンプライアンス委員会は、当グループの法令上の責任を監督するという目的の遂行ま
た当グループ全般にわたり様々な規制当局により発行された法令に対する当グループの遵守状況の
確認において BAC を補佐する。本委員会はまた、当グループの倫理基準を含む(ただしこれに限定
されない)関連方針および手続きが当グループ全般にわたり遵守されていることを監督する。グ
ループのコンプライアンス委員会の 構成、指針および詳細な担当ならびに責任は、グループのコン
プライアンス委員会の規程においてカバーされている。
グループの資産および負債委員会(以下「 GALCO 」という。)
G-ALCO は、貸借対照表の構成および質を支える推進役であり主要な意思決定を行う。 G-ALCO は、当
グループの資産および負債構成に内在するリスクが慎重に管理されていることにつき、 BRESGC に直
接報告を行う義務を有している。 G-ALCO の構成、指針および詳細な担当ならびに責任は、 G-ALCO の
規程においてカバーされている。
人事運営委員会(以下「 HRSC 」という。)
HRSC は、当グループの長期的な株主価値を提供するための戦略上および経営上の人事イニシアチブ
の実施に関してグループ EXCO および REMCO を補佐する。本委員会は、当グループの従業員価値提案
(以下「 EVP 」という。)に沿った、すべての重要な人事イニシアチブの正式なスポンサーとな
る。 HRSC の 構成、指針および詳細な担当ならびに責任は、 HRSC の規程においてカバーされている。
グループのオペレーショナル&不正リスク委員会(以下「 GO&FRC 」という。)
GO&FRC は、当グループのオペレーショナルおよび不正リスク管理関連事項の実施において、グルー
プ EXCO ならびに取締役会リスクおよび ESG 委員会(以下「 BRESGC 」という。)を補佐する。本委員
会の主要な責任には、すべての新商品、プロセスおよび活動におけるオペレーショナルおよび不正
リスクを識別および管理するためのガイドラインを定義すること、ならびに当グループのオペレー
ショナル&不正リスク管理方針の範囲、方針、目的、前提および役割/責任を定義することであ
る。 GO&FRC の 構成、指針および詳細な担当ならびに責任は、 GO&FRC の規程においてカバーされてい
る。
グループのテクノロジー・リスクおよび情報セキュリティ委員会(以下「 GTRISC 」という。)
GTRISC は、当グループのリスク選好への調整も含め、テクノロジー、情報セキュリティ、データプ
ライバシーおよび事業継続管理に関するリスク管理の状況および健全性の監視、レビュー、意思決
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定においてグループ EXCO および BRESGC の目的達成を補佐する。 GTRISC の 構成、指針および詳細な担
当ならびに責任は、 GTRISC の規程においてカバーされている。
グループの ESG 委員会(以下「 G-ESGC 」という。)
G-ESGC は、当グループのすべての ESG 関連事項においてグループ EXCO および BRESGC を補佐する。 G-
ESGC の主たる目的は、当グループ全体での ESG 戦略、文化、意識改革の促進および監視である。 G-
ESGC の構成、指針および詳細な担当ならびに責任は、 G-ESGC の規程においてカバーされている。
グループのテクノロジー運営委員会(以下「 GTSC 」という。)
GTSC は、当グループのすべてのテクノロジーおよび情報システムに対する EXCO のガバナンスおよび
の監視責任の遂行を補佐し、グループの IT ガバナンス・フレームワークの監視における経営委員会
(以下「 BMC 」という。)の業務をサポートする。 GTSC の構成、指針および詳細な担当ならびに責
任は、 GTSC の規程においてカバーされている。
グループのリスク管理
当グループは、 GCRO が主導する中央集約型のリスク管理機能を有する。リスク管理機能は、全社的
リスク、 ESG リスク、信用リスク、オペレーショナルリスク、不正リスクおよび調査、市場・流動
性リスク管理ユニット、情報セキュリティおよび事業継続性管理ユニット、およびコーポレート・
ガバナンス機能からなる。
全社的リスク管理方針のフレームワーク
当グループの全社的リスク管理方針(以下「 ERMP 」という。)のフレームワークは、コアバリュー
の達成および国内外支店、子会社、関連会社、外国の駐在員事務所を含む当グループ全体に対して
全社的リスク管理のフレームワークを確立することにより、すべての利害関係者に対してリスク調
整後利益を最大化する世界的な組織になることを目標にしている。 ERMP のコア目標は、当グループ
のコア目的の達成を脅かすリスクを有効な統合リスク管理システムを通して識別、測定、モニタリ
ングおよび管理しているという合理的な水準の保証を BOD に提供することである。 ERMP のフレーム
ワークは、当グループ全体のすべての重要なリスクをカバーする特定の方針文書からなる。それに
は、 ERM 方針、リスク選好方針、コーポレート・アンド・インベストメント・バンキング・グルー
プ信用方針、パーソナル・バンキング・グループ信用方針、コンシューマー・バンキング住宅ロー
ン信用方針、プライベート・バンキング信用方針、 IFRS 第9号 減損方針、 ESG リスク方針およびフ
レームワーク、市場および流動性リスク関連方針、オペレーショナルリスク・マネジメント方針、
不正リスクおよび調査方針、コンプライアンス・リスク関連方針、情報セキュリティ・リスク関連
方針、 BCM 方針、内部自己資本充実度評価プロセス(以下「 ICAAP 」という。)方針、新プロダクト
承認方針、外部委託方針、シャリア・ガバナンス・フレームワーク、モデルリスク管理方針、戦略
的リスク管理方針、風評リスク管理方針、コーポレート・ガバナンス・フレームワークならびに方
針等が含まれる。当グループは、必要な場合にはこれらのリスク管理方針に加えて詳細なオペレー
ショナル方針、手続きおよびプログラムを導入している。
当グループは、 事業ユニットおよびイネーブリング機能、管理ユニットならびに内部監査からなる
3つの防衛ラインを用いてリスクを管理している。1番目のリスク防衛ラインである事業ユニット
およびイネーブリング機能は、取引がグループのリスク選好の範囲内にあり関連する内部規定やプ
ロセスのすべてに準拠していることを確認することで日常的な取引におけるリスクの識別と管理を
行っている。2番目の防衛ラインである当グループのグループ・クレジット、グループ・リスク、
法務ならびにグループ・コンプライアンスは、規定およびプロセスからなるリスクコントロールを
確立する一方で、1つ目の防衛ラインに対する監督および独立した立場から検査を行っている。当
グループの最高リスク管理責任者(以下「 GCRO 」という。)は、当グループのリスク管理部の事業
部門からの独立性を確保するために、 BRESGC への直接の報告ラインを有している。3番目の防衛ラ
インである内部監査は経営陣および取締役会に対して1番目および2番目の防衛ラインで採用され
たリスク管理実務の有効性に対する保証を提供する。当グループの最高監査責任者は、取締役会に
よる監査委員会への直接の報告ラインを有している。
(a) 信用リスク
信用リスクは、顧客や金融資産の取引相手が契約上の義務を履行せず、これにより当グループが財
務上の損失を被るリスクである。信用リスクは主に貸出金およびイスラム金融、銀行および金融機
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関預け金、売戻契約および非トレーディング債券投資、デリバティブ金融商品ならびに特定のその
他資産などの金融資産から生じる。
信用リスクの管理
当グループにおける信用リスクの識別および評価は、3つの防衛レベルからなる包括的な方法で行
われる。1番目の防衛レベルは、事業ユニットにあり、承認された事業戦略および信用リスク選好
にしたがって資産の信用力を健全に維持する責任を負う。2番目の防衛レベルは、顧客・信用供与
枠レベルでリスクを評価するグループの信用ユニットにあり、ポートフォリオ・ベースの信用リス
クを評価し、最新の信用リスク方針ならびに信用リスクの格付モデルを維持する当グループのリス
ク管理ユニットとともに顧客、信用供与枠および保証文書の適切な文書化を確認する。3番目の防
衛レベルである内部監査は、当グループの方針および手続きへの準拠性をチェックするために信用
分析およびリスク機能の定期的なレビューを行う。当該ユニットはまた、定期的に方針文書を見直
す。
信用リスクのモニタリングおよびコントロール・フレームワークの一部として、顧客ならびにポー
トフォリオの双方のレベルでの定期的なリスク・モニタリングが、信用度、プロビジョニング・レ
ベル、複数の範囲にわたるエクスポージャー・リミット、財務上および運用上の業績、アカウント
管理、ファンドの最終用途、信用リスク軽減の妥当性、財務および非財務制限条項の順守、回収能
力、格付システムにおける実績等を含む複数のパラメータに従って行われる。
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信用の質の分析
以下の表は、償却原価で評価される金融資産および FVOCI 債券投資の信用の質に関する情報(担保
またはその他の信用補完は考慮しない)を示している。金融資産に関して、特に記載のない限り、
表の金額は総額の帳簿価額を表示している。ローン・コミットメントおよび金融保証契約につい
て、表の金額はコミットまたは保証している金額をそれぞれ示している。
減損した信用の購入ま
たは当初から減損して
4
ステージ1 ステージ2 ステージ3 いた信用 合計
千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル
ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム
2022 年 12 月
エクスポー エクスポー エクスポー エクスポー エクスポー
31 日現在
ジャー 引当金 ジャー 引当金 ジャー 引当金 ジャー 引当金 ジャー 引当金
中央銀行預
け金 225,702,432 62,314
1,030,231 118,066 - - - - 226,732,663 180,380
銀行および
金融機関預
け金 23,985,995 26,607
968,818 41,250 - - - - 24,954,813 67,857
売戻契約 69,128,050 21,958
- - - - - - 69,128,050 21,958
貸出金およ
びイスラム
1
金融 441,557,544 1,467,682
13,261,515 2,577,553 20,898,190 9,088,489 4,007,217 746,263 479,724,466 13,879,987
非トレー
ディング投
資
償却原価 4,688,298 659
- - - - - - 4,688,298 659
FVOCI 債
2
券 166,550,713 102,509
40,578 3,936 - - - - 166,591,291 106,445
その他資産
3
15,899,857 406,525
5,338 330 668 427 - - 15,905,863 407,282
未実行のエ
クスポー
ジャー 225,880,558 206,377 4,698,776 246,468 1,340,630 495,462 10,949 9,205 231,930,913 957,512
1,173,393,447 2,294,631
20,005,256 2,987,603 22,239,488 9,584,378 4,018,166 755,468 1,219,656,357 15,622,080
1
エクスポージャーは貸出金およびイスラム金融総額を表している。
2
FVOCI として分類された金融商品に対する引当金は公正価値準備金と相殺されている。
3
その他の資産に含まれている特定の資産については、 ECL は簡易アプローチに基づいて計算され、ステージ1の一部として報告されて
いる。
4
信用の質に関する内部の見解により、当グループは、 3,870 百万ディルハムを不良貸出金およびイスラム金融とみなしている。
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減損した信用の購入また
は当初から減損していた
4
ステージ1 ステージ2 ステージ3 信用 合計
千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル
ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム
2021 年 12 月
エクスポー エクスポー エクスポー エクスポー エクスポー
31 日現在
ジャー 引当金 ジャー 引当金 ジャー 引当金 ジャー 引当金 ジャー 引当金
中央銀行預
け金 255,536,059 84,139
1,495,763 118,064 - - - - 257,031,822 202,203
銀行および
金融機関預
け金 18,508,590 23,822
874,716 40,637 - - - - 19,383,306 64,459
売戻契約 46,288,005 27,360
- - - - - - 46,288,005 27,360
貸出金およ
びイスラム
1
金融 388,015,124 1,800,998
18,324,871 3,488,808 16,807,188 7,531,428 5,692,979 1,028,379 428,840,162 13,849,613
非トレー
ディング投
資
償却原価 4,504,205 599
- - - - - - 4,504,205 599
FVOCI 債
2
券 139,907,615 101,389
72,941 7,522 - - - - 139,980,556 108,911
その他資産
3
13,205,066 192,895
344,746 1,222 667 399 - - 13,550,479 194,516
未実行のエ
クスポー
ジャー 210,751,733 156,080 4,687,188 255,848 1,188,949 421,352 15,724 10,512 216,643,594 843,792
1,076,716,397 2,387,282
25,800,225 3,912,101 17,996,804 7,953,179 5,708,703 1,038,891 1,126,222,129 15,291,453
1
エクスポージャーは貸出金およびイスラム金融総額を表している。
2
FVOCI として分類された金融商品に対する引当金は公正価値準備金と相殺されている。
3
その他の資産に含まれている特定の資産については、 ECL は簡易アプローチに基づいて計算され、ステージ1の一部として報告されて
いる。
4
信用の質に関する内部の見解により、当グループは、 5,563 百万ディルハムを不良貸出金およびイスラム金融とみなしている。
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エクスポージャー総額の変動は以下の通りであった。
ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
貸出金およびイスラム金融
2022 年1月 1日現在残高 388,015,124 18,324,871 16,807,188 5,692,979 428,840,162
振替:
ステージ1からステージ2への振替 (3,464,539) 3,464,539 - - -
ステージ1からステージ3への振替 (1,354,932) - 1,354,932 - -
ステージ2からステージ1への振替 2,075,805 (2,075,805) - - -
ステージ2からステージ3への振替 - (5,213,887) 5,213,887 - -
ステージ3からステージ2への振替 - 611,917 (611,917) - -
282,362 - (282,362) - -
ステージ3からステージ1への振替
(2,461,304) (3,213,236) 5,674,540 - -
ステージ移動以外の純変動 56,038,576 (1,823,426) 822,758 (1,509,131) 53,528,777
(34,852) (26,694) (2,406,296) (176,631) (2,644,473)
純償却額
441,557,544 13,261,515 20,898,190 4,007,217 479,724,466
2022 年 12 月 31 日現在残高
未実行のエクスポージャー
2022 年1月 1日現在残高 210,751,733 4,687,188 1,188,949 15,724 216,643,594
振替:
ステージ1からステージ2への振替 (1,285,235) 1,285,235 - - -
ステージ1からステージ3への振替 (89,763) - 89,763 - -
ステージ2からステージ1への振替 189,652 (189,652) - - -
ステージ2からステージ3への振替 - (302,849) 302,849 - -
- 3,291 (3,291) - -
ステージ3からステージ2への振替
(1,185,346) 796,025 389,321 - -
16,314,171 (784,437) (237,640) (4,775) 15,287,319
ステージ移動以外の純変動
225,880,558 4,698,776 1,340,630 10,949 231,930,913
2022 年 12 月 31 日現在残高
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エクスポージャー総額の変動は以下の通りである。
減損した信用
ステージ1 ステージ2 ステージ3 の購入 合計
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
貸出金およびイスラム金融
2021 年1月 1日現在残高 362,778,965 20,275,910 15,166,539 5,067,332 403,288,746
企業取得による増加 5,831,168 1,221,716 - 432,786 7,485,670
振替:
ステージ1からステージ2への振替 (3,994,898) 3,994,898 - - -
ステージ1からステージ3への振替 (1,852,162) - 1,852,162 - -
ステージ2からステージ1への振替 4,829,791 (4,829,791) - - -
ステージ2からステージ3への振替 - (3,031,690) 3,031,690 - -
ステージ3からステージ2への振替 - 872,279 (872,279) - -
75,247 - (75,247) - -
ステージ3からステージ1への振替
(942,022) (2,994,304) 3,936,326 - -
ステージ移動以外の純変動 20,368,101 (139,181) 8,409 340,121 20,577,450
(21,088) (39,270) (2,304,086) (147,260) (2,511,704)
純償却額
388,015,124 18,324,871 16,807,188 5,692,979 428,840,162
2021 年 12 月 31 日現在残高
未実行のエクスポージャー
2021 年1月 1日現在残高 234,823,309 5,379,356 1,132,552 - 241,335,217
企業取得による増加 842,918 105,823 - 15,724 964,465
振替:
ステージ1からステージ2への振替 (2,082,209) 2,082,209 - - -
ステージ1からステージ3への振替 (17,761) - 17,761 - -
ステージ2からステージ1への振替 630,618 (630,618) - - -
ステージ2からステージ3への振替 - (266,546) 266,546 - -
ステージ3からステージ2への振替 - 56,791 (56,791) - -
12 - (12) - -
ステージ3からステージ1への振替
(1,469,340) 1,241,836 227,504 - -
(23,445,154) (2,039,827) (171,107) - (25,656,088)
ステージ移動以外の純変動額
210,751,733 4,687,188 1,188,949 15,724 216,643,594
2021 年 12 月 31 日現在残高
トレーディング証券および非トレーディング投資の外部格付は以下の通り開示される。
非トレーディング投資 純損益を通じて公正価値評価される投資
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日 2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
AAA 48,671,797 30,281,925 367 722,673
AA から A 85,179,548 79,096,748 15,221,548 17,189,979
BBB から B 34,775,195 32,414,292 12,648,673 17,725,908
CCC 以下 145,062 142,508 39 82,479
未格付 5,138,178 3,552,617 3,946,170 9,851,213
173,909,780 145,488,090 31,816,797 45,572,252
控除:予想信用損失 (659) (599) - -
173,909,121 145,487,491 31,816,797 45,572,252
未格付投資は、主にプライベートエクイティへの投資および信用リスクの対象外である持分投資で
構成されている。純損益を通じて公正価値評価される投資は、延滞も減損もしていないものであ
る。
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保有担保およびその他の信用補完
当グループは、信用供与枠レベルでエクスポージャーの信用リスクを軽減するために、承認された
第三者の保証/保険を含む有形および実現可能保証という安全策による信用リスク軽減フレーム
ワークを設定している。信用リスクの軽減(以下「 CRM 」という。)の種類には、ネッティング契
約、担保、保証、信用デリバティブおよびスタンドバイ信用状(以下「 SBLC 」という。)が含まれ
る。当グループは、担保付取引の際に使用されたすべての文書、ならびにオンおよびオフバランス
シートのネッティング、保証、信用デリバティブならびに担保文書は、すべての当事者に対して拘
束力があり、関連するすべての管轄において法的に強制可能であることを確認する。当グループは
また、すべての文書が適切な機関にレビューされ、法的強制力を立証および保証するための適切な
法律意見を得ていることを確かめる。
当グループは、特定の信用エクスポージャーに対して担保およびその他の信用補完を保有してい
る。信用減損した正味貸出金およびイスラム金融に対する担保の範囲(ヘアカット適用後)の見積
額は以下に示すとおりである。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
担保価値比率
0-50 % 12,372,115 11,205,953
51-100 % 4,457,912 3,999,618
1,686,910 1,763,711
100 %以上
信用減損した正味貸出金およびイスラム金融
18,516,937 16,969,282
当グループの方針は、秩序だった方法で適時に担保を処分することである。当グループは通常、自
社の業務に関して現金以外の担保を利用しない。
当グループは、 2022 年および 2021 年において担保のうちの相当額を回収しなかったとしても、権利
の維持は、当グループの信用減損貸出金およびイスラム金融の条件緩和および清算の一助となって
いる。
デリバティブ、買戻契約・売戻契約および証券借入
当グループは、マスター・ネッティング契約を締結し、現金および市場性のある有価証券の形式で
担保を取ることにより、デリバティブ、買戻契約・売戻契約、証券貸付の信用リスクを軽減してい
る。
デリバティブ取引は、決済機関(以下「 CCP 」という。)を通じて取引所で取引されるか、国際ス
ワップデリバティブ協会(以下「 ISDA 」という。)のマスター契約を締結して取引される。通常、
これらの契約に基づき、特定の状況下において(債務不履行などの信用事象が生じた場合など)、
取引相手との本契約に基づく取引残高は全額清算され、清算価値は取引相手の管轄地域における相
殺規則に従った決済金額(未払額または支払額)で評価される。当グループは通常、 ISDA 契約と一
緒に信用補完契約を締結し、この契約により当グループおよび取引相手は、取引相手の信用リスク
を軽減するために担保の受渡しが要求される。また担保は、取引所で取引されるデリバティブに関
して、 CCP との間で日々受渡しされる。
当グループの買戻および売戻取引ならびに証券貸付および借入は、 ISDA のマスター・ネッティング
契約と類似した相殺条件のマスター契約でカバーされている。
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顧客に対する貸出金およびイスラム金融
法人顧客の一般的な信用状況は、当該顧客に供した貸出金およびイスラム金融の信用の質に関連し
て最も適合性のある指標となる傾向がある。しかしながら、担保は追加的な保証を提供することか
ら、当グループは通常法人顧客に担保の提供を要請する。当グループは、不動産に対する第一抵
当、法人の資産全部に対する浮動担保およびその他の担保権(リーエン)、保証の形式で担保を受
け取ることがある。
法人顧客について当グループは信用状況を重視しているため、不動産担保の評価は2年に1回、ま
た信用減損資産についてはより頻繁に実施される。
オフバランスシート
当グループは、オンバランスシート・リスクに対するものと同じリスク管理方針をオフバランス
シート・リスクに適用している。貸付コミットメントの場合、顧客および取引相手は貸出金および
イスラム金融と同じ信用管理方針の対象となる。取引相手の信用力および取引の性質により、担保
を徴求することがある。
ECL から生じる金額
減損を見積もるために用いられるインプット、仮定および手法
会計方針注記3(c)(ⅶ)を参照。
信用リスクの著しい増大
金融商品の債務不履行リスクが、当初認識以降著しく増大しているかどうかを判断する場合、当グ
ループは、目的適合性があり、過度なコストや労力を掛けずに利用可能で合理的かつ裏付け可能な
情報を考慮する。これには、当グループの過去の実績および専門的な信用評価に基づく定量的およ
び定性的な情報の両方ならびに分析が含まれ、また将来予測的な情報も含まれる。
コンシューマー以外のエクスポージャーに関するこの評価の目的は、以下を比較することで、エク
スポージャーについて信用リスクが著しく増大しているか否かを特定することである。
・ 貸付金の満期 を調整した組成時のデフォルト確率、および
・ 貸付金の残存期間を調整した当報告日現在のデフォルト確率
コンシューマー・ポートフォリオに関しても同様に、信用リスクが著しく増大しているか否かの見
積りには、顧客の現在および過去の返済実績が使用される。
信用リスクはまた、当グループの信用リスク管理におけるプロセスとリンクする定性的要因に基づ
いて、当初認識後に増大したとみなされることがあるが、これは、そうしなければ定量的分析では
適時にリスクを完全に反映することができないものである。こうした評価は通常、エクスポー
ジャーを例えばウォッチリストなどの特定のカテゴリーに分類することで反映される。この場合、
PD は全期間を基準として算出される。
当初認識と比較して信用リスクはもはや著しく増大していないという証拠がある場合、商品に関す
る損失引当金は 12 か月 PD に基づく測定に戻される。延滞または猶予などの信用リスクの増加に関す
る定性的指標は、兆候そのものが存在しなくなった後も継続する債務不履行リスクの増大を示すこ
とがある。こうした場合、当グループは、適切な行動が金融資産に対する信用リスクの十分な低下
の証拠となることの証明に要する猶予期間を決定する。また、当グループは各国の中央銀行が規定
した関連する管轄区での猶予期間の条件すべてを遵守する。
PD の変動に基づく定量的分析に加えて、当グループは、専門家の信用判断を適用して、モデルによ
る ECL の算定では把握できない要素から予想される影響を織り込んでいる。
信用リスク格付け
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当グループは、債務不履行リスクを示すと判断される様々なデータに基づき、経験に基づく与信判
断を適用して各コンシューマー以外のエクスポージャーに信用リスク格付けを割り当てる。信用リ
ス ク格付けは、債務不履行リスクを示す定性的、定量的な要素を用いて定義されている。これらの
要素は、エクスポージャーの内容および借手の種類により異なる。
信用リスク格付けは、信用リスクの悪化につれて債務不履行リスクが指数関数的に増加するように
定義および調整されている。
各エクスポージャーは、借手について入手可能な情報に基づき当初認識時点の信用リスク格付けが
割り当てられる。 エクスポージャー は継続モニタリングの対象となっており、別の信用リスク格付
けに移動することがある。
デフォルトの定義
当グループは、以下の場合に金融資産がデフォルトしているとみなす。
・ コンシューマー以外 のセグメントに関しては、 担保処分(担保を保有している場合)などの当
グループによるリコース請求に依らず、当グループに対する債務を借手が全額支払う可能性は
低いと当グループ が判断した 場合に、債務不履行とみなされる。
銀行保証、信用状などの一部のオフバランス・シート・エクスポージャーについては、それら
が請求された場合に、顧客がそのコミットメントを履行できない可能性が高いと当グループが
考える場合は、減損しているものとして処理される。オフバランス・シート・エクスポー
ジャーが、グローバル・マーケット契約の形式であり、取引相手から契約上の将来キャッシュ
フローの全額を受領することが疑われる場合、当グループは設定されている強制力のある相殺
契約を考慮した取引相手に対する純時価エクスポージャーを評価する。算定された純ポジショ
ン(債権となる場合)が減損とみなされる。
・ コンシューマー に関しては、信用枠または当グループに対する重要な債務は 90 日超延滞してい
る。
金融商品がデフォルトとなっているか否かを評価するためのインプットおよびその重要性は、状況
の変化を反映して時間と共に変化する。デフォルトの定義は、規制資本の目的で当グループが適用
するものとほぼ一致する(注記 46 (e)を参照)。
将来予測的な情報の取り込み
当グループは、商品の信用リスクが当初認識以降著しく増大したかどうかの評価および ECL の測定
の両方について、将来予測的な情報を取り込んでいる。
当グループは、3つの経済シナリオを策定している。基本シナリオは発生確率 40 %を想定した中心
的なシナリオ、また、これより発生可能性の低い2つのシナリオがあり、ひとつは上方シナリオで
もうひとつは下方シナリオでそれぞれ発生確率 30 %が想定されている。考慮される外部情報には、
当グループが事業を行う国々の政府機関および金融当局、 OECD および国際通貨基金などの国際機
関、ならびに民間セクターおよび学術機関から選んだ専門家が発表する経済データおよび予測が含
まれる。
当グループは金融商品の各ポートフォリオに関する信用リスクおよび信用損失の重要要素を特定し
て文書化しており、過去データの分析により、マクロ経済変数と信用リスクおよび信用損失の関係
を見積もっている。
2022 年 12 月 31 日現在で用いられた経済シナリオには、 2023 年から 2027 年 12 月 31 日に終了する年に関
する以下の主要な指標が含まれる。
1,2
地域
マクロ変数 シナリオ 2023 年 2024 年 2025 年 2026 年 2027 年
MENA 石油価格 基本 -17.94% -20.03% 1.26% 2.29% 1.39%
上方 -11.69% -18.47% 1.09% 2.07% 1.39%
下方 -53.38% 31.64% 4.93% 2.29% 2.11%
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UAE GDP
基本 3.27% 2.10% 2.52% 2.39% 2.39%
上方 5.56% 2.58% 2.52% 2.39% 2.39%
下方 -2.32% 0.22% 4.20% 3.55% 2.50%
UAE 住宅価格指数 基本 2.15% 1.56% 1.43% 2.22% 2.92%
上方 4.48% 2.25% 1.08% 2.06% 2.87%
下方 -3.34% -0.95% 3.94% 4.08% 3.20%
エジプト GDP 基本 6.35% 4.60% 4.21% 4.02% 4.22%
上方 8.83% 4.66% 4.21% 4.02% 4.22%
下方 -0.07% 4.66% 5.12% 4.93% 4.71%
エジプト株価指数 基本 8.13% 5.61% 5.53% 2.87% 3.05%
上方 21.17% -0.62% 4.05% 2.87% 3.05%
下方 -30.41% 35.77% 17.68% 3.88% 3.05%
英国 英国 GDP 基本 0.03% 1.41% 1.46% 1.11% 1.25%
上方 2.77% 1.40% 1.18% 1.11% 1.46%
下方 -6.09% 1.58% 2.55% 1.11% 1.16%
英国株価指数 基本 4.01% 2.54% 4.38% 4.69% 4.55%
上方 14.56% -0.12% 1.64% 2.88% 4.85%
下方 -16.20% 11.47% 10.68% 6.60% 3.81%
(1)期間中の平均年換算の増減を表している。
(2)その他の地域では、各市場に適切な追加のマクロ変数要素が用いられている。
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条件変更された金融資産
貸出金の契約条件は多くの理由で変更されることがあるが、それには市況の変化、顧客の維持、顧
客の現在の信用の悪化またはその可能性とは関係のないその他の要因が含まれる。注記3(c)
( iv )に記載された会計方針に準拠して、契約条件が変更された既存の貸出金は認識を中止され、
再交渉後の貸出金が新規貸出金として公正価値で認識されることがある。
金融資産の契約条件が変更されたが、変更により認識が中止されない場合は、当該資産の信用リス
クが著しく増大したかどうかの判断は、以下を比較することで行われる。
・ 変更後の契約条件に基づく、報告日現在の残存する全期間の PD
・ 当初認識時のデータおよび当初の契約条件に基づき見積もられた残存する全期間 PD
当グループは、財政難にある顧客に対する貸出金を再交渉すること(「猶予活動」と言及される)
により、回収の機会を最大化して債務不履行リスクを最低限に抑える。当グループの猶予の方針に
より、貸出金の猶予は、債務者が現在その債務不履行であるか、または、高い債務不履行リスクが
あり、債務者が当初の契約条件による支払をするための合理的な努力をすべて行った証拠があり、
債務者が変更後の契約条件を満たすことが予想できる場合において、選択的に認められる。
通常、変更後の契約条件には、満期の延長、利払いの時期の変更、貸出金の遵守条項の改訂が含ま
れる。コンシューマーおよびコンシューマー以外の貸出金の両方が猶予方針の対象となる。当グ
ループのクレジット委員会は、猶予活動に関する報告書を定期的にレビューしている。
当グループの猶予方針の一環として条件変更された金融資産に関する PD の見積りには、変更により
当グループの元利金の回収可能性が改善または回復したかどうかについて、また類似の猶予活動に
関する当グループの過去の経験を反映している。このプロセスの一部として、当グループは、変更
後の契約条件に対する借手の返済実績を評価し、また様々な行動指標を考慮する。
一般的に、猶予は信用リスクの著しい増大の定性的な兆候であり、猶予の予想はエクスポージャー
に信用減損があることの証拠となる(注記3(c)(ⅶ)を参照)。顧客は、エクスポージャーに
信用減損/債務不履行はないとみなされるまで、良好な返済行動を一貫して証明する必要がある。
条件が再交渉された貸付金
条件が再交渉された貸付金は、借手の財務状態が悪化し当グループが当該財務状況の悪化がなけれ
ば検討することのない重要な譲歩をしていることによりリストラクチャリングされた貸付金であ
る。貸付金がリストラクチャリングされた場合、リストラクチャリング契約に基づいた履行につい
て十分な記録を得るために最低 12 か月間はこの区分として扱われる。当グループは、この 12 か月の
期間は、リストラクチャリングの合意締結日より開始するとしている。報告日において、当グルー
プは以下の再交渉されたエクスポージャーを有している。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
条件が再交渉された貸付金
10,644,491 11,221,153
帳簿価額総額
減損金額
5,818,785 3,277,389
減損引当金
3,007,972 2,612,235
ECL の測定
ECL 測定のための主なインプットは以下の通りである。
・ デフォルト確率(以下「 PD 」という。)
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・ デフォルト時損失率(以下「 LGD 」という。)
・ デフォルト時エクスポージャー(以下「 EAD 」という。)
全期間における PD は、満期プロファイルに基づき決定される。満期プロファイルでは、デフォルト
が、貸出金の残存期間全体を通じて、どのようにポートフォリオで進行するかが検討される。
PD は、所定の期間にわたるデフォルトの可能性の見積りであり、ある一時点で見積もられる。この
計算は、様々な取引相手およびエクスポージャーのカテゴリーに合わせた統計モデルに基づいてい
る。この統計モデルは定量的および定性的要因の両方で構成される内部データおよび市場データ
(入手できる場合)に基づいている。 PD はエクスポージャーの契約上の満期を考慮して見積もら
れ、見積りは現状に基づき、 PD に影響を及ぼす将来の状況の見積りを考慮して調整される。
LGD は、デフォルトが発生した場合に可能性のある損失の大きさである。当グループは、現在の担
保、取引先の業界、カントリーリスク、金融資産にとって不可欠な回収費用に基づき、 LGD の期間
構造を見積もる。 LGD の見積りは、石油価格、住宅価格およびその他のパラメータの変動による影
響を織り込んだ異なる経済シナリオに合わせて再調整される。
EAD は、デフォルト時の予想エクスポージャーを表す。当グループは、取引相手に対する現在のエ
クスポージャーおよび契約上の義務の下で認められる現在の残高の変動可能性から EAD を導き出
す。信用状および保証状などの未実行コミットメントおよび未引出の信用枠に関して、 EAD は、信
用枠が引出し可能となった際のエクスポージャー金額で、資金提供の掛目はバーゼル規定に基づい
たものである。
ただし、貸出金と未実行のコミットメントの両方で構成されるクレジットカード信用枠に関して
は、当グループは契約期間で ECL を測定し、 EAD は内部モデルを用いて計算される。当グループは直
ちに限度を解約することができるが、この契約上の権利は日常の管理では行使せず、当グループが
信用供与枠レベルで信用リスクの増加を認識した場合に限り行使する。
パラメータのモデル化が集合的に実施される場合、金融商品は、以下を含む、共有リスク特性に基
づきグループ化される。
・ 商品の種類
・ 返済実績
・ 業種
・ 借手の地域
グルーピングは、特定グループ内のエクスポージャーが均質であることを確認するための定期レ
ビューの対象となっている。
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損失引当金
以下の表は、損失引当金について金融商品のクラスごとに期首残高から期末残高までの調整を表示
している。信用リスクの変化による振替の判断基準は、当グループの会計方針(注記3 (c)( ⅶ ) を
参照)に規定されている。
1
ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
2022 年1月1日現在残高 2,387,282 3,912,101 7,953,179 1,038,891 15,291,453
振替:
ステージ1からステージ2への振替 (55,302) 55,302 - - -
ステージ1からステージ3への振替 (65,455) - 65,455 - -
ステージ2からステージ1への振替 151,013 (151,013) - - -
ステージ2からステージ3への振替 - (1,508,638) 1,508,638 - -
ステージ3からステージ2への振替 - 106,377 (106,377) - -
61,618 - (61,618) - -
ステージ3からステージ1への振替
91,874 (1,497,972) 1,406,098 - -
引当金の変動による影響 (244,121) 664,764 2,498,585 (21,685) 2,897,543
59,596 (91,290) (2,273,484) (261,738) (2,566,916)
償却およびその他の調整
2,294,631 2,987,603 9,584,378 755,648 15,622,080
2022 年 12 月 31 日現在残高
1
その他の資産に含まれている特定の資産については、 ECL は簡易アプローチに基づいて計算され、ステージ1の一部として報告されて
いる。
1
ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
2021 年1月1日現在残高 3,150,926 3,446,374 6,308,890 695,474 13,601,664
企業取得による増加 387,162 230,433 176,789 472,095 1,266,479
振替:
ステージ1からステージ2への振替 (109,271) 109,271 - - -
ステージ1からステージ3への振替 (71,619) - 71,619 - -
ステージ2からステージ1への振替 141,390 (141,390) - - -
ステージ2からステージ3への振替 - (445,836) 445,836 - -
ステージ3からステージ2への振替 - 185,139 (185,139) - -
13,647 - (13,647) - -
ステージ3からステージ1への振替
(25,853) (292,816) 318,669 - -
引当金の変動による影響 (1,123,060) 553,062 3,246,413 17,967 2,694,382
(1,893) (24,952) (2,097,582) (146,645) (2,271,072)
償却およびその他の調整
2,387,282 3,912,101 7,953,179 1,038,891 15,291,453
2021 年 12 月 31 日現在残高
1
その他の資産に含まれている特定の資産については、 ECL は簡易アプローチに基づいて計算され、ステージ1の一部として報告されて
いる。
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担保およびその他の信用補完を考慮しない信用リスクに対する最大エクスポージャー
以下の表は、デリバティブを含む貸借対照表の構成要素の信用リスクに対する最大エクスポー
ジャーを表示している。最大エクスポージャーは、マスター・ネッティング契約および担保契約の
使用による軽減効果前の総額で表示されている。
最大エクスポージャー 最大エクスポージャー
総額 総額
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
注記 千ディルハム 千ディルハム
中央銀行預け金 4 226,732,663 257,031,822
純損益を通じて公正価値評価される投資 5 27,954,342 36,650,351
銀行および金融機関預け金 6 24,954,813 19,383,306
売戻契約 7 69,128,050 46,288,005
貸出金およびイスラム金融 8 479,724,466 428,840,162
非トレーディング投資 9 171,279,589 144,484,761
30,216,153 18,277,278
その他資産(前払金を除く)
1,029,990,076 950,955,685
合計
売買目的保有デリバティブ 39 51,162,442 22,305,976
39 7,711,401 1,967,790
ヘッジ目的保有デリバティブ
58,873,843 24,273,766
合計
偶発債務 38 154,595,004 165,236,122
38 77,335,909 51,407,472
コミットメント
231,930,913 216,643,594
合計
1,320,794,832 1,191,873,045
信用リスクのエクスポージャー合計
金融商品が公正価値で計上されている場合、上記金額は、価値の変動の結果により将来発生する最
大リスク・エクスポージャーではなく現在の信用リスクのエクスポージャーを表示している。
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当グループは、産業セクター、取引相手および所在地毎に信用リスクの集中度をモニタリングして
いる。報告日における信用リスクの集中に関する分析は以下に示すとおりである。
産業セクター別集中度
貸出金およびイスラム金融 投資 売戻契約 未実行の貸出コミットメント
2022 年 2021 年 2022 年 2021 年 2022 年 2021 年 2022 年 2021 年
12 月 31 日 12 月 31 日 12 月 31 日 12 月 31 日 12 月 31 日 12 月 31 日 12 月 31 日 12 月 31 日
千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル
ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム
農業 2,679,359 1,533,714
- - - - 153,426 63
エネルギー 32,056,358 37,916,788
5,903,063 7,696,822 - - 17,986,173 17,905,281
製造 22,808,173 23,584,325
899,410 1,066,722 - - 3,961,004 3,216,565
建設 11,332,923 11,992,473
995,513 376,120 - - 838,086 1,415,292
不動産 89,696,672 93,387,686
1,360,627 1,576,742 - - 7,211,121 7,224,316
貿易 25,606,349 25,374,643
117,764 120,681 - - 4,677,329 1,229,184
運輸および通信 42,895,098 37,330,136
4,518,113 4,514,107 - - 17,876,434 4,706,375
銀行 7,920,375 11,700,842
28,947,199 32,524,247 55,656,317 37,678,291 - -
その他金融機関 77,283,322 40,076,241
14,405,411 11,418,091 10,345,007 2,970,536 15,756,617 8,396,129
サービス 34,709,356 26,685,073
1,629,837 6,276,410 - - 4,873,501 2,856,405
政府 55,910,901 41,254,574
146,949,640 125,490,400 3,126,726 5,639,178 3,976,650 4,391,362
個人ローンおよび
クレジットカー
ド
49,891,748 52,740,445 - - - - 25,568 66,500
個人 -リテール住
宅ローン 26,933,832 25,263,222 - - - - - -
479,724,466 428,840,162
205,726,577 191,060,342 69,128,050 46,288,005 77,335,909 51,407,472
上記の数値は総額ベースで表示されており、引当金または利息の未計上分(該当する場合)に関す
る調整は行われていない。
投資に含まれる持分金融商品は信用リスクが適用されない。
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所在地別集中度
UAE 欧州 アラブ諸国 南北アメリカ アジア その他 合計
千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル
ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム
2022 年 12 月 31 日現在
現金および中央銀行預け金
30,079,524 1,378,373 14,482,802 182,469,183 139,327 - 228,549,209
純損益を通じて公正価値評価され
る投資
13,216,587 1,806,724 12,865,134 1,629,911 2,282,333 16,108 31,816,797
銀行および金融機関預け金
1,054,462 12,870,427 6,475,368 650,202 3,743,931 160,423 24,954,813
売戻契約
5,555,751 25,845,595 29,534,900 23,244 5,582,610 2,585,950 69,128,050
デリバティブ金融商品
3,310,700 52,620,274 1,477,805 76,299 1,286,409 102,356 58,873,843
貸出金およびイスラム金融
351,085,949 36,274,357 45,418,453 25,819,384 16,593,039 4,533,284 479,724,466
非トレーディング投資 38,197,730 25,361,564 30,823,478 33,911,226 43,877,003 1,738,779 173,909,780
442,500,703 156,157,314 141,077,940 244,579,449 73,504,652 9,136,900 1,066,956,958
2021 年 12 月 31 日現在
現金および中央銀行預け金
41,960,159 76,500,164 23,080,192 117,307,999 86,465 - 258,934,979
純損益を通じて公正価値評価され
る投資
16,989,613 3,061,200 16,220,924 2,467,166 6,120,215 713,134 45,572,252
銀行および金融機関預り金
360,164 15,595,686 1,973,668 550,678 724,995 178,115 19,383,306
売戻契約
2,571,436 11,772,481 21,792,403 48,350 6,906,115 3,197,220 46,288,005
デリバティブ金融商品
3,439,468 17,806,558 1,764,170 159,507 932,912 171,151 24,273,766
貸出金およびイスラム金融
298,881,132 40,962,981 47,158,094 20,208,219 18,238,829 3,390,907 428,840,162
非トレーディング投資 42,706,022 24,043,688 30,602,192 18,045,215 28,060,049 2,030,924 145,488,090
406,907,994 189,742,758 142,591,643 158,787,134 61,069,580 9,681,451 968,780,560
投資に関する所在地別集中度は、有価証券の発行体の所在地に基づき測定されている。その他すべ
てに関する所在地別集中度は、借手の居住状況に基づき測定されている。上記の数値は総額ベース
で表示されており、引当金または利息の未計上分(該当する場合)に関する調整は行われていな
い。未実行のコミットメントの所在地別集中度は、本連結財務書類の注記 38 に記載されている。
取引相手別の投資の分類
非トレーディング投資 純損益を通じて公正価値評価される投資
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日 2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
政府部門
119,907,304 93,954,390 25,726,513 28,835,932
国際機関
536,497 634,136 779,326 2,065,942
公共部門
15,529,732 15,337,453 786,919 737,753
銀行部門
27,916,727 28,062,492 1,030,472 4,461,755
企業部門 / 民間部門
10,019,520 7,499,619 3,493,567 9,470,870
173,909,780 145,488,090 31,816,797 45,572,252
控除:償却原価の有価証券
に関する減損引当金(予
(659) (599) - -
想信用損失)
173,909,121 145,487,491 31,816,797 45,572,252
決済リスク
当グループの業務によっては取引の決済時にリスクが生じる場合がある。決済リスクは、取引相手
が現金、有価証券またはその他資産の引渡義務を約定どおりに履行しないことによる損失のリスク
である。決済遅延は稀であり、モニタリングされている。
デリバティブ関連の信用リスク
デリバティブ金融商品に関する信用リスクは、取引相手が契約に基づく義務を履行しない可能性か
ら生じるリスクで、信用リスクにさらされている金額は当グループにとって有利な状況にある金融
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商品のプラスの市場価格に限定される。また、プラスの市場価格が「リプレースメントコスト」と
称される場合があるが、これはリプレースメントコストが、取引相手に不履行があった場合に市場
実 勢金利により取引を置換えるための費用の見積りであるためである。当グループのデリバティブ
契約の大半は、他の銀行および金融機関と締結されたものである。
(b) 流動性リスク
流動性リスクは支払義務が到来した際に当グループがその義務を充足できない、または必要以上の
コストをもってのみ義務の履行が可能となるリスクと定義される。
流動性リスクは、資産および負債(デリバティブおよびその他のオフバランスシート契約を含む)
からのキャッシュフローが、通貨、数量および期間につきマッチングしないことから生じる。当グ
ループは、通常通りの業務およびストレス状況下の双方において、すべての負債が支払期限到来時
に不当なコストを要せずに充足可能であることを確認する。
流動性リスクの管理
当グループは、流動性リスク選好を、すべての予見可能な状況においてまた大幅な追加コストを生
ずることなく、充分な現金または現金同等物をもって連続する3か月間の支払義務の履行を可能に
する流動性リスクポジションを当グループが維持できる水準と定義した。このリスク選好は、包括
的なリスク管理フレームワーク(当グループの ALCO が、主要な資金調達および流動性指標の限度、
ストレス・テストならびに緊急資金調達計画を承認することを含む)により裏付けられている。
また、流動性リスク選好は、国内外の規制監督当局による現行のおよび提案中の流動性規制への継
続的な準拠を確実にする水準で定められ、当グループの外部信用格付の目標を支援するように整合
している。
現在の世界的な規制において流動性の適切性を測定する重要な手段のひとつとして流動性カバレッ
ジ比率(以下「 LCR 」という。)がある。当グループでは、 バーゼル Ⅲ の LCR に関する UAE の規則を
遵守し、同値を相当期間にわたって報告している。したがって、当グループはバーゼル Ⅲ の定性的
および定量的要件のすべてに準拠するためのシステムおよび統制の枠組の整備を確認するための投
資を重点的に実施している。 当グループはまた銀行収益率に係る CBUAE の規定に沿って、適格流動
資産比率(以下「 ELAR 」という。)を引き続き測定および報告する。
流動性の限度はグループレベルで定義されるが、当グループが定義されたグループ流動性リスク選
好に確実に準拠するよう、各組織にわたり配分される。同様に国際的な限度は、流動性管理に関す
る現地の追加的規制に従ったものとなるように配分される。
すべての流動性に関する方針および手続は、 G-ALCO のレビューと承認の対象である。
流動性リスクに対するエクスポージャー
当グループの保有実績を考慮しない資産および負債の契約上の満期のミスマッチレポートの詳細
は、以下のとおりである。
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2022 年 12 月 31 日現在の資産および負債の満期プロファイル
3か月から 1年から 3年から
合計 3か月未満 1年 3年 5年 5年超 不特定満期
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
資産
現金および中央銀行預け金
228,368,829 228,368,829 - - - - -
純損益を通じて公正価値評価
される投資
31,816,797 16,644,294 9,405,184 829,273 680,340 395,251 3,862,455
銀行および金融機関預け金
24,886,956 24,886,956 - - - - -
売戻契約
69,106,092 28,904,283 25,635,985 9,056,324 5,509,500 - -
1
デリバティブ金融商品
58,873,843 3,057,711 4,368,204 12,222,893 12,039,210 27,185,825 -
貸出金およびイスラム金融
459,593,327 67,208,857 57,307,559 116,723,716 91,926,009 126,427,186 -
非トレーディング投資
173,909,121 36,480,423 21,502,193 35,702,399 36,448,860 41,145,055 2,630,191
投資不動産
7,168,089 - - - - - 7,168,089
有形固定資産
5,795,207 - - - - - 5,795,207
無形資産
20,332,179 - - - - - 20,332,179
その他資産 30,205,655 22,654,241 7,551,414 - - - -
1,110,056,095 428,205,594 125,770,539 174,534,605 146,603,919 195,153,317 39,788,121
負債および資本
銀行および金融機関預り金
61,560,340 54,854,969 3,032,371 3,673,000 - - -
買戻契約
39,004,515 14,164,027 8,516,896 16,323,592 - - -
コマーシャルペーパー
31,738,356 30,961,721 776,635 - - - -
1
デリバティブ金融商品
62,024,540 3,940,128 4,687,064 11,824,864 11,681,781 29,890,703 -
顧客勘定およびその他預金
700,573,371 531,533,489 157,829,862 5,118,485 710,687 5,380,848 -
期間借入
62,635,133 7,588,148 3,486,363 23,812,000 20,435,359 7,313,263 -
劣後社債
420,620 - - - 420,620 - -
その他負債
37,048,977 27,786,733 9,262,244 - - - -
資本 115,050,243 - - - - - 115,050,243
1,110,056,095 670,829,215 187,591,435 60,751,941 33,248,447 42,584,814 115,050,243
未実行の信用供与コミットメ
ント
77,335,909 39,560,238 36,581,724 871,410 407 322,130 -
154,595,004 80,159,980 20,528,575 16,879,437 23,064,804 13,962,208 -
取引に伴う偶発債務
1
当グループはデリバティブを随時処分するオプションを有する。
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2021 年 12 月 31 日現在の資産および負債の満期プロファイル:
3か月から 1年から 3年から
合計 3か月未満 1年 3年 5年 5年超 不特定満期
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
資産
現金および中央銀行預け金
258,732,776 255,510,344 3,222,432 - - - -
純損益を通じて
公正価値評価される投資
45,572,252 17,872,472 16,644,493 708,418 569,670 855,298 8,921,901
銀行および金融機関預け金
19,318,847 19,318,847 - - - - -
売戻契約
46,260,645 26,767,419 12,391,846 7,101,380 - - -
1
デリバティブ金融商品
24,273,766 2,771,235 2,189,976 4,636,977 4,311,473 10,364,105 -
貸出金およびイスラム金融
409,589,936 81,954,575 68,757,723 98,885,465 69,208,966 90,783,207 -
非トレーディング投資
145,487,491 25,159,316 14,398,777 32,004,532 27,405,793 45,515,744 1,003,329
投資不動産
6,962,576 - - - - - 6,962,576
有形固定資産
5,965,261 - - - - - 5,965,261
無形資産
20,535,134 - - - - - 20,535,134
その他資産 18,397,419 13,798,068 4,599,351 - - - -
1,001,096,103 443,152,276 122,204,598 143,336,772 101,495,902 147,518,354 43,388,201
負債および資本
銀行および金融機関預り金
56,985,180 52,205,866 4,772,923 6,391 - - -
買戻契約
55,074,494 46,317,898 284,728 8,471,868 - - -
コマーシャルペーパー
39,664,252 21,479,026 18,185,226 - - - -
1
デリバティブ金融商品
28,395,085 1,691,560 1,710,320 4,696,275 5,171,017 15,125,913 -
顧客勘定およびその他預金
614,669,890 531,721,221 73,129,309 8,472,464 909,736 437,160 -
期間借入
71,643,816 7,919,628 5,713,929 25,201,416 24,131,059 8,677,784 -
劣後社債
448,908 - - - - 448,908 -
その他負債
21,567,047 16,175,285 5,391,762 - - - -
資本 112,647,431 - - - - - 112,647,431
1,001,096,103 677,510,484 109,188,197 46,848,414 30,211,812 24,689,765 112,647,431
未実行の信用供与
コミットメント
51,407,472 10,937,310 38,176,095 2,101,434 59,415 133,218 -
165,236,122 81,281,035 33,185,536 17,935,163 16,586,906 16,247,482 -
取引に伴う偶発債務
1
当グループはデリバティブを随時処分するオプションを有している。
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以下の表は、割引前の契約上の返済義務による当グループの金融負債の満期プロファイルの要約で
ある。
名目上の
キャッシュフ 3か月から 1年から 3年から
合計 ロー総額 3か月未満 1年 3年 5年 5年超
千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル
ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム
負債
2022 年 12 月 31 日現在
銀行および金融機関預り金
61,560,340 62,348,623 55,146,704 3,267,480 3,934,439 - -
買戻契約
39,004,515 41,084,160 14,230,036 8,824,918 18,029,206 - -
コマーシャルペーパー
31,738,356 31,867,385 31,075,899 791,486 - - -
顧客勘定およびその他預金
700,573,371 711,563,649 536,176,208 163,390,447 5,805,192 766,679 5,425,123
1
62,635,133 87,013,220 8,495,932 5,328,795 29,373,376 23,470,465 20,344,652
期間借入
劣後社債
420,620 515,821 - 19,749 39,607 456,465 -
895,932,335 934,392,858 645,124,779 181,622,875 57,181,820 24,693,609 25,769,775
未実行の信用供与
2
77,335,909 77,335,909 39,560,238 36,581,724 871,410 407 322,130
コミットメント
取引に伴う偶発債務
154,595,004 154,595,004 80,159,980 20,528,575 16,879,437 23,064,804 13,962,208
2021 年 12 月 31 日現在
銀行および金融機関預り金
56,985,180 57,002,596 52,214,756 4,781,266 6,574 - -
買戻契約
55,074,494 55,214,952 46,349,403 287,733 8,577,816 - -
コマーシャルペーパー
39,664,252 39,818,327 21,682,683 18,135,644 - - -
顧客勘定およびその他預金
614,669,890 618,540,280 539,867,723 71,718,355 5,474,224 964,402 515,576
1
71,643,816 90,841,451 9,007,797 6,403,681 27,685,532 25,862,568 21,881,873
期間借入
劣後社債
448,908 566,468 - 21,054 41,822 41,879 461,713
838,486,540 861,984,074 669,122,362 101,347,733 41,785,968 26,868,849 22,859,162
未実行の信用供与
2
51,407,472 51,407,472 10,937,310 38,176,095 2,101,434 59,415 133,218
コミットメント
取引に伴う偶発債務
165,236,122 165,236,122 81,281,035 33,185,536 17,935,163 16,586,906 16,247,482
1
コール条項のある借入金が含まれ、当該借入金はコール・オプションを考慮せずに契約上の最終満期に基づく割引前の契約上のキャッ
シュフローで上記に表示されている。
2
契約上の満期プロファイルに基づき算出されている。
(c) 市場リスク
市場リスクは、金利、信用スプレッド、為替レートならびに株価およびコモディティ価格等の市場
要素の変化により金融商品の価値の変動し、当グループの収益または資本が変動するリスクであ
る。
市場リスク管理
当グループは、市場リスクに対するエクスポージャーを、トレーディング、インベストメントおよ
び非トレーディング・ポートフォリオに区分している。トレーディング・ポートフォリオとインベ
ストメント・ポートフォリオは、公正価値基準で管理される。
投資管理委員会(以下「 IMCO 」という。)は、グローバル・マーケッツのトレーディングと投資活
動の監督および指導責任があり、市場リスク管理方針で定められている原則に従って市場リスクが
有効に管理されていることを確認する。 IMCO は、市場リスクに関して全般的な権限および管理責任
のあるグループ資産負債委員会( G-ALCO )の小委員会である。
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市場リスクグループは、市場リスク選好の詳細、コントロール・フレームワーク( IMCO によるレ
ビューおよび G-ALCO と BRCC の承認が必要)を含むリスク管理方法・方針を策定および導入する責任
が ある。
市場リスクに対するエクスポージャー - トレーディング・ポートフォリオ
純損益を通じて公正価値評価される投資およびトレーディング・デリバティブからなる当グループ
のトレーディング・ポートフォリオ内における市場リスク・エクスポージャーの測定と管理に用い
られる主な分析ツールは、バリュー・アット・リスク(以下「 VaR 」という。)である。トレー
ディング・ポートフォリオの VaR は、一定の確率(信頼度)の市場のマイナス変動により、ある特
定の期間(保有期間)にわたりポートフォリオに発生する損失の見積りである。 VaR モデルは、
99 %の信頼度に基づいたヒストリカル・シミュレーションを用いており、保有期間は1日を前提と
する。直近 12 ヶ月の市場データならびに異なる市場および価格間で観察された相関を使用して、当
該モデルは市場価格の動きについて広範囲の起こりうる将来のシナリオを作成する。過去の市場金
利および価格は、為替、金利、信用、コモディティおよび上場株式の資産区分に関連するリスク要
因をカバーする。
当グループは、すべてのトレーディングデスクをカバーした VaR の限度を設定している。トレー
ディング VaR 限度の全体的な構成は、 IMCO のレビューおよび承認の対象であり、その後 G-ALCO によ
り追認される。 VaR 限度は、トレーディングデスクに配分される。
VaR は、過去に観察された実績から算定されている。したがって、 VaR は、当グループが極端な市況
下で被り得る最大損失の推定値ではない。このような限界があるため、 VaR はその他の感応度の限
度の構成およびリスク測定(ストレス下の VaR (以下「 sVaR 」という。)および期待ショート
フォール(以下「 ES 」という。)を含む)で補足され、各トレーディング・ポートフォリオにおけ
る潜在的な集中リスクに対応する。さらには、グループおよびデスクレベルのトレーディング活動
は、経営陣による措置が発動される損失の最高限度額であるマネジメント・アクション・トリガー
(以下「 MAT 」という。)の対象となっている。 VaR は下記のとおりである。
2022 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
VaR - トレーディング勘定
現在 平均 最大 最小
全部 49,405 44,646 62,720 22,194
金利 48,667 24,674 49,953 8,746
信用 13,471 19,908 42,549 8,248
為替
6,704 17,996 47,008 4,735
持分
3,297 2,445 5,834 242
コモディティ
793 1,168 8,202 19
分散化の便益
(23,527) (21,545) (90,826)
204
2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
VaR - トレーディング勘定
現在 平均 最大 最小
全部 71,793 67,540 102,425 50,797
金利 66,738 60,682 93,610 39,666
信用 49,273 37,759 100,567 21,455
為替
25,429 19,517 27,530 11,357
持分
558 1,589 5,699 268
コモディティ
13 1,010 7,405 13
分散化の便益
(70,218) (53,017) (132,386) (21,962)
市場リスクに対するエクスポージャー - バンキング・ポートフォリオ
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有価証券報告書
非トレーディング投資、売戻契約、およびヘッジ手段として指定された特定のデリバティブ商品で
構成されたバンキング ・ ポートフォリオの市場リスクに対するエクスポージャーは、主に投資ポー
トフォリオ、バンキング勘定の金利ギャップおよび当グループの全体的な為替ポジションから発生
す る。
当グループの投資リスクに対するエクスポージャーの測定と管理に用いられる主な分析ツールは、
バリュー・アット・リスク(以下「 VaR 」という。)である。 VaR モデルは、トレーディング・ポー
トフォリオで用いられるものと同じである。当グループは VaR 限度を為替レート、金利、持分およ
び信用スプレッドを含めた全体的な投資リスクを管理する目的で使用する。バンキング VaR 限度の
全体的な構成は IMCO のレビューおよび承認の対象で、その後 G-ALCO により追認される。 VaR 限度は
異なるインベストメントデスクに配分される。投資リスクの VaR は、下記のとおりである。
2022 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
VaR - バンキング勘定
現在 平均 最大 最小
全部 316,418 228,550 317,105 156,074
金利 156,276 142,034 237,113 103,304
信用 299,477 243,445 302,574 135,816
為替
15,404
10,243 27,641 4,108
持分
17,940
17,164 22,566 8,794
分散化の便益
(172,679) (184,336) (272,789) (95,948)
2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
VaR - バンキング勘定
現在 平均 最大 最小
全部 521,783 517,181 607,180 430,650
金利 123,169 74,282 130,899 26,325
信用 543,064 485,521 549,289 429,835
為替
7,944
8,921 16,675 7,326
持分
20,331
17,923 20,704 15,472
分散化の便益
(172,725) (69,466) (110,387) (48,308)
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為替 リスク
為替リスクは為替レートの変動により金融商品の価値が変動するリスクで、外貨建て金融商品から
生じる。当グループの機能通貨はディルハムである。取締役会は、通貨毎にポジションに限度額を
設定している。ポジションは慎重にモニタリングされ、ポジションが設定された限度内に維持され
るようにヘッジ戦略が用いられる。当グループが有していた外貨建ての重要な正味エクスポー
ジャーは以下のとおりである。
正味直物
ポジション 先物ポジション 合計
( ショート )/ ロング ( ショート )/ ロング ( ショート )/ ロング
2022 年 12 月 31 日現在 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
通貨
米ドル
36,418,533 14,166,986 50,585,519
英ポンド
(6,087,696) 5,987,604 (100,092)
ユーロ
6,494,186 (5,268,504) 1,225,682
クウェート・ディナール
(261,244) 338,652 77,408
サウジ・リアル
1,497,762 (44,272) 1,453,490
日本円
4,659,046 (4,671,459) (12,413)
スイス・フラン
(5,286,379) 5,245,329 (41,050)
バーレーン・ディナール
9,071,533 (3,972,014) 5,099,519
エジプト・ポンド
9,419,923 (9,720,529) (300,606)
インド・ルピー
1,166,757 (108,076) 1,058,681
リビア・ディナール
157,243 - 157,243
その他
3,873,670 (5,168,276) (1,294,606)
正味直物
ポジション 先物ポジション 合計
( ショート )/ ロング ( ショート )/ ロング ( ショート )/ ロング
2021 年 12 月 31 日現在 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
通貨
米ドル
(8,096,034) 44,131,826 36,035,792
英ポンド
(2,936,366) 2,763,058 (173,308)
ユーロ
29,681,838 (28,504,576) 1,177,262
クウェート・ディナール
(922,720) 738,262 (184,458)
サウジ・リアル
7,821,997 (6,216,212) 1,605,785
日本円
5,156,323 (4,979,452) 176,871
スイス・フラン
(5,778,987) 5,755,665 (23,322)
バーレーン・ディナール
5,659,444 (2,709,651) 2,949,793
エジプト・ポンド
11,263,576 (11,534,347) (270,771)
インド・ルピー
2,105,547 (340,838) 1,764,709
リビア・ディナール
146,099 - 146,099
その他
(721,458) 1,157,682 436,224
ディルハム、サウジ・リアル、およびバーレーン・ディナールの対米ドル換算レートは固定されて
いるため、当グループのこれらの通貨に対するリスク・エクスポージャーはその範囲に限定され
る。その他の外貨に対するエクスポージャーは僅少である。
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以下の表は、当グループが 2022 年および 2021 年 12 月 31 日現在において、貨幣性資産および負債なら
びにデリバティブ正味先物ポジションの重要なエクスポージャーを有している通貨を表示してい
る。 当該分析は、 AED のその他通貨に対して合理的に起こり得る変動による影響(連結損益計算書
のその他の変数を一定とする)を見積っている。
エジプト・ インド・
通貨 ポンド ユーロ 英ポンド 日本円 ルピー
仮定する為替レートの変動
1% 1% 1% 1% 1%
為替レートによる純利益の影響
2022 年 12 月 31 日(千ディルハム)
± 3,006 ± 12,257 ± 1,001 ± 124 ± 10,587
2021 年 12 月 31 日(千ディルハム)
± 2,708 ± 11,773 ± 1,733 ± 1,769 ± 17,649
2022 年および 2021 年 12 月 31 日現在、仮定した為替レートの変動による資本への影響は 僅少である。
株価リスク
当グループは、他の企業の株式の保有または先物契約、オプションまたはスワップ等の株式デリバ
ティブを通して株式投資に係る株価リスクにさらされている。これらの商品の公正価値は、基礎と
なる資本性金融商品の市場価格の変動によって変動する。当グループは、株式デルタ、ベガおよび
ガンマに限度を設定することでこのリスクを管理している。当グループはまた、地域分散と産業集
中度の観点から分散投資を行っている。
下表は、株式市場において起こりうる変動による当グループの損益計算書への感応度を見積ってい
る。損益計算書の感応度とは、損益計算書を通じて公正価値評価される投資の公正価値において参
照される株式ベンチマークにおいて仮定した変動からの影響である。
仮定した変動レベル 純利益への影響 純利益への影響
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
% 千ディルハム 千ディルハム
損益を通じて公正価値評価される投資
参照される株式ベンチマーク
アブダビ証券取引所インデックス
5 % 60,228 340,222
ドバイ金融市場インデックス
5 % 1,575 2,053
管理ファンドおよびプライベートエクイティの
5 % 112,459 108,893
純資産価値
その他の株式取引所
18,860 1,219
5 %
193,122 452,387
株式インデックスの合理的に起こりうる変動により、 2022 年および 2021 年 12 月 31 日現在の売却可能
として保有している資本性金融商品の公正価値における変動の結果生じる資本への影響は、以下の
とおりである(その他すべての変数を一定とする)。
仮定した変動レベル 純利益への影響 純利益への影響
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
% 千ディルハム 千ディルハム
非トレーディング投資
(関連会社および共同支配企業への投資を除く)
参照される株式ベンチマーク
アブダビ証券取引所インデックス
5 % 16,456 14,787
その他の株式取引所
5 % 26,881 21,335
市場価格なし
10,207 10,258
5 %
53,544 46,380
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金利リスク
金利リスクは、利付金融商品から生じるリスクで、金利の変動により金融商品の価値および関連収
益に不利な影響を及ぼす可能性を反映する。当グループは金利リスクを、主に金利ギャップのモニ
タリングを通じて、また資産および負債の金利更改範囲を一致させることによって管理している。
全体的な金利リスクポジションは、当グループの利付金融商品から生じるポジション全体を管理す
るためにデリバティブ商品を用いて管理されている。金利リスク管理を目的としたデリバティブの
使用については、注記 39 に説明されている。
金利リスクはまた、合理的に生じる可能性のある金利変動の影響を測定することによって評価され
る。当グループは、 50 ベーシスポイント( 2021 年 12 月 31 日: 50 ベーシスポイント)の金利変動を仮
定し、内部モデル/経営陣の見解を用いて当期純利益および当該日の資本について以下の影響額を
見積っている。
当期純利益 資本
2022 年 2021 年 2022 年 2021 年
12 月 31 日 12 月 31 日 12 月 31 日 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
50 ベーシスポイント上方 685,219 582,784 659,590 1,091,348
50 ベーシスポイント下方 (724,449) (469,517) (603,224) -868,039
上記の金利感応度は、純利益への影響を評価するため、金利更改が1年未満の利付資産 730,469 百
万ディルハム( 2021 年 12 月 31 日: 694,852 百万ディルハム)および利付負債 639,419 百万ディルハム
( 2021 年 12 月 31 日: 530,220 百万ディルハム)に基づいている。上表に記載された資本への影響は
バンキング勘定上の利付資産および負債の感応度に基づく。なお、感応度は金利変動の影響を軽減
するために経営陣が講じる可能性のある措置を加味していない。
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契約上のキャッシュフローに係る取り決めに基づく 2022 年 12 月 31 日現在の当グループの金利ギャッ
プおよび感応度ポジションは、以下のとおりであった。
3か月から
1年から 3年から
合計 3か月未満 1年 3年 5年 5年超 非利付
千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル
ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム
資産
現金および中央銀行
228,368,829 204,494,879 138,020 - - 239 23,735,691
預け金
純損益を通じて公正価値評価さ
31,816,797 18,311,815 9,393,433 822,248 680,340 395,251 2,213,710
れる投資
銀行および金融機関
24,886,956 21,456,922 37,545 - 113,719 - 3,278,770
預け金
売戻契約
69,106,092 28,926,241 25,635,985 9,056,324 5,487,542 - -
デリバティブ金融商品
58,873,843 - - - - - 58,873,843
貸出金および
459,593,327 314,333,511 72,446,033 35,604,724 31,176,979 6,032,080 -
イスラム金融
非トレーディング投資
173,909,121 41,313,933 21,686,320 32,437,867 35,473,128 40,269,817 2,728,056
投資不動産
7,168,089 - - - - - 7,168,089
有形固定資産
5,795,207 - - - - - 5,795,207
無形資産
20,332,179 - - - - - 20,332,179
その他資産
30,205,655 - - - - - 30,205,655
1,110,056,095 628,837,301 129,337,336 77,921,163 72,931,708 46,697,387 154,331,200
負債および資本
銀行および金融機関
61,560,340 48,279,949 3,110,268 - 3,911,329 - 6,258,794
預り金
買戻契約
39,004,515 13,768,730 8,516,896 16,718,889 - - -
コマーシャルペーパー
31,738,356 30,962,208 776,148 - - - -
デリバティブ金融商品
62,024,540 - - - - - 62,024,540
顧客勘定および
700,573,371 360,350,394 157,465,046 7,279,965 175,439,565 38,401 -
その他預金
期間借入
62,635,133 13,969,224 2,219,929 20,484,853 18,096,432 7,864,695 -
劣後社債
420,620 - - - 420,620 - -
その他負債
37,048,977 - - - - - 37,048,977
資本
115,050,243 - - - - - 115,050,243
1,110,056,095 467,330,505 172,088,287 44,483,707 197,867,946 7,903,096 220,382,554
財政状態計算書上の
161,506,796 (42,750,951) 33,437,456 (124,936,238) 38,794,291 (66,051,354)
ギャップ
財政状態計算書外の
6,800,753 40,111,769 (17,696,737) (19,383,796) (9,831,989) -
ギャップ
金利感応度ギャップ合計
168,307,549 (2,639,182) 15,740,719 (144,320,034) 28,962,302 (66,051,354)
累積金利感応度
168,307,549 165,668,367 181,409,086 37,089,052 66,051,354 -
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契約上のキャッシュフローに係る取り決めに基づく 2021 年 12 月 31 日現在の当グループの金利ギャッ
プおよび感応度ポジションは、以下のとおりであった。
3か月から
1年から 3年から
合計 3か月未満 1年 3年 5年 5年超 非利付
千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル 千ディル
ハム ハム ハム ハム ハム ハム ハム
資産
現金および中央銀行
258,732,776 232,205,744 51,935 - - - 26,475,097
預け金
純損益を通じて公正価値評価され
45,572,252 25,467,500 15,872,160 637,619 569,670 855,298 2,170,005
る投資
銀行および金融機関
19,318,847 15,700,209 - - - - 3,618,638
預け金
売戻契約
46,260,645 26,771,159 12,388,106 7,101,380 - - -
デリバティブ金融商品
24,273,766 - - - - - 24,273,766
貸出金および
409,589,936 304,851,616 59,568,350 23,587,659 16,642,502 4,939,809 -
イスラム金融
非トレーディング投資
145,487,491 29,120,470 14,194,777 30,531,426 27,227,146 44,022,340 391,332
投資不動産
6,962,576 - - - - - 6,962,576
無形資産
20,535,134 - - - - - 20,535,134
有形固定資産
5,965,261 - - - - - 5,965,261
その他資産
18,397,419 - - - - - 18,397,419
1,001,096,103 634,116,698 102,075,328 61,858,084 44,439,318 49,817,447 108,789,228
負債および資本
銀行および金融機関
56,985,180 47,991,035 4,772,924 6,391 - - 4,214,830
預り金
買戻契約
55,074,494 46,317,898 284,728 8,471,868 - - -
コマーシャルペーパー
39,664,252 21,479,026 18,185,226 - - - -
デリバティブ金融商品
28,395,085 - - - - - 28,395,085
顧客勘定および
614,669,890 297,455,801 71,320,668 7,472,014 238,102,643 318,764 -
その他預金
期間借入
71,643,816 20,811,593 1,600,825 18,980,943 20,916,204 9,334,251 -
劣後社債
448,908 - - - - 448,908 -
その他負債
21,567,047 - - - - - 21,567,047
資本
112,647,431 - - - - - 112,647,431
1,001,096,103 434,055,353 96,164,371 34,931,216 259,018,847 10,101,923 166,824,393
財政状態計算書上の
200,061,345 5,910,957 26,926,868 (214,579,529) 39,715,524 (58,035,165)
ギャップ
財政状態計算書外の
31,844,732 (2,603,095) (1,205,064) (14,763,453) (13,273,120) -
ギャップ
金利感応度ギャップ合計
231,906,077 3,307,862 25,721,804 (229,342,982) 26,442,404 (58,035,165)
累積金利感応度
231,906,077 235,213,939 260,935,743 31,592,761 58,035,165 -
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金利指標改革
主要金利指標の抜本的な改革が、いくつかの銀行間取引金利(以下「 IBORs 」という。)を代替リ
スクフリー金利(以下「 ARRS 」という。)に置き換えることで世界的に進められている。当グルー
プは、市場全体のイニシアチブの一環として改革されている金融商品の特定の IBOR に対して重大な
エクスポージャーを有している。 ロンドン銀行間取引金利( 以下「 LIBOR 」という。) などの IBORs
は、デリバティブ、貸出金およびイスラム金融の参照金利として、また金融商品の評価のパラメー
タとして、世界の金融市場で重要な役割を果たしている。
IBOR からの移行プロセスにより( IBOR を参照する既存契約の移行を含め)、当グループは重大な執
行リスクにさらされることになり、金融リスクおよび非金融リスクもある程度増加するが、プロ
ジェクトチームではそれを緊密に管理して監視している。こうしたリスクとして以下のものが挙げ
られるが、これらに限らない。
・ IBOR 改革の影響を反映するために必要な現行契約の改訂により、顧客および市場取引相手との
協議から生じるコンダクトリスク。
・ IBOR 改革による市場の混乱から金融損失が生じることによる当グループおよびその顧客に対す
る金融リスク。さらに、 IBOR の中断および RFR における市場流動性の進展により生じる金融リ
スクも移行期間を通じて当グループに影響する。 IBOR と RFR の金利差によりベーシスリスクが
生じるが、それは適切な金融ヘッジにより積極的に管理される。資産と負債、通貨および商品
間での RFR の非対称的な適用により、トレーディング勘定とバンキング勘定にベーシスリスク
が生じる。加えて、これによりヘッジの有効性が限定されるおそれがある。
・ IBOR の流動性が低下し、 RFR が非流動的で観察不能な場合に、市場情報が不足することで生じ
る価格リスク。
・ 当グループの IT システムおよびプロセスの変更により生じるオペレーショナルリスク。また、
IBOR が入手不能となった場合に決済が中断するリスク。
・ 金融商品が RFR へ移行することで、当グループのヘッジ関係が破綻し、特異なボラティリティ
が損益計算書に生じることによる会計リスク。
IBOR 移行に向けた当グループの取り組み
当グループは 2019 年に IBOR 移行プロジェクトを始動させた。このプロジェクトは 当グループの CFO
がスポンサーとなり、顧客対応チーム、法務、財務、オペレーションおよびテクノロジー部門を含
む当グループ全体の機能部門の幹部代表者により主導されている。 当グループは、 IBOR に対するエ
クスポージャーの追跡、今後のリスクフリー金利に適応するための IT システムの準備、契約書の様
式改訂または作成という活動を継続し、進捗について規制当局および顧客の両方に伝達している。
2021 年に当グループは IBOR エクスポージャーの大部分について、ポンド翌日物平均金利(以下
「 SONIA 」という。)、担保付翌日物調達金利(以下「 SOFR 」という。)およびユーロ短期金利
(以下「€ STR 」という。)を参照する RFR への移行を完了した。 2022 年 12 月 31 日現在、当グループ
は、 2023 年6月 30 日まで米ドル LIBOR (翌日物、1か月物、3か月物、6か月物、 12 か月物)を参
照する 残りの IBOR エクスポージャーの移行を支援するための詳細計画、プロセスおよび手続きを設
定した。英国金融行為規制機構(以下「 FCA 」という。)により公表されているとおり、 2023 年6
月 30 日以降これらの指標の提供が廃止されるか代表的なものではなくなり、米ドル LIBOR の代替参
照金利は SOFR となる。
2022 年 12 月 31 日現在、当グループがエクスポージャーを有する通貨に関する IBOR 改革は概ね完了し
た。下表は当グループがエクスポージャーを有していた IBOR 金利、これらのエクスポージャーが移
行したか、移行する新しい指標金利および移行状況を示している。
通貨 改革前の指標 改革後の指標 2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
米ドル 米ドル LIBOR SOFR 進行中 進行中
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英ポンド 英ポンド LIBOR SONIA 完了 完了
ユーロ EONIA € STR 完了 完了
ユーロ EURIBOR 改革後 EURIBOR 完了 完了
日本円 日本円 LIBOR TONAR/TORF 完了 完了
スイス・フラン スイス・フラン LIBOR SARON 完了 完了
規制ガイダンスに従い、当グループは引き続き積極的に LIBOR 商品を該当する適切な代替商品に移
行する。ただし、それができない場合は、そうした商品は移行されるまで、適用可能な合成 LIBOR
を使用する。
IBOR 金利の停止予定日後に満期を迎える IBOR を参照する契約について、当グループは契約条件を改
訂するという方針を打ち立てた。この改訂には、フォールバック条項の追加、または IBOR 金利から
代替指標金利への置き換えが含まれる。
当グループは、代替指標金利に移行されていない契約の総額および適切なフォールバック条項を含
む当該契約の金額をレビューし、 IBOR から新しい指標金利への移行の進捗を監視している。当グ
ループは、既存 IBOR の停止を規定するフォールバック条項が含まれる契約であっても、契約金利が
いまだに IBOR 改革の対象となっている指標金利を参照している場合、当該契約は代替指標金利には
移行していないと考える(以下「未改訂契約」という。)。
非デリバティブ金融資産
2021 年 12 月 31 日現在、主に英ポンド LIBOR 、 EURIBOR および一部の米ドル LIBOR を参照する非デリバ
ティブ金融資産および貸出コミットメントは新しい指標金利を取り入れるために修正された。米ド
ル LIBOR を参照していた残りの契約について当グループはフォールバック条項を加えた。
下表は、 2022 年 12 月 31 日現在の金利指標改革未移行のエクスポージャーを貸借対照表勘定別に示し
ている。開示されたエクスポージャーは 2023 年6月 30 日以後移行する米ドル LIBOR (米ドル1週間
物および2か月物 LIBOR 以外)の契約上の満期のポジションに関するものである。
償却原価で報告される残高は、帳簿価額の総額で開示されており、これらに対する予想信用損失を
含まない。公正価値で報告される残高は、貸借対照表日の公正価値で開示されている。
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2022 年 2021 年
千ディルハム 千ディルハム
非デリバティブ金融資産
現金および中央銀行預け金
322,714 117,059
純損益を通じて公正価値評価される投資
389,095 3,230,307
銀行および金融機関預け金
4,726,354 2,010,402
売戻契約
29,901,779 26,119,831
貸出金およびイスラム金融
91,894,639 141,475,944
非トレーディング投資
8,380,834 4,189,569
非デリバティブ金融資産
135,615,415 177,143,112
非デリバティブ金融負債
銀行および金融機関預り金
27,218,069 33,140,344
買戻契約
32,857,465 52,805,507
コマーシャルペーパー
30,930,714 17,645,838
顧客勘定およびその他預金
258,404,465 249,823,025
期間借入
16,647,997 19,830,020
非デリバティブ金融負債
366,058,710 373,244,734
デリバティブおよびヘッジ会計
当グループは、トレーディングおよびリスク管理目的でデリバティブを保有している。リスク管理
目的で保有するデリバティブは、ヘッジ関係が指定されている。金利およびクロスカレンシース
ワップは、様々な IBOR を指数とする変動レッグを持つ。
デリバティブのエクスポージャーについては、デリバティブ市場の無秩序な移行リスクを低減する
ために、グループは 2021 年 1 月に国際スワップデリバィブ協会(以下「 ISDA 」という。)が発効し
たフォールバック条項としてのプロトコルの適用、およびユーロ短期金利(以下「€ STR 」とい
う。)および SOFR を使用してデリバティブを割り引くために決済機関が行った変更を遵守してい
る。
下表は、 2022 年 12 月 31 日現在の金利指標改革未移行のデリバティブのエクスポージャーを示してい
る。開示されたエクスポージャーは、契約上の満期がそれぞれの LIBOR 停止日後であるポジション
のものである。デリバティブは想定契約金額で計上され、クロスカレンシースワップなどのよう
に、支払レッグおよび受取レッグの両方で指標改革のエクスポージャーを有するデリバティブの場
合、想定契約金額は両方のレッグについて開示される。 開示されたエクスポージャーは 2023 年6月
30 日以後移行する米ドル LIBOR (米ドル1週間物および2か月物 LIBOR 以外)の契約上の満期のポジ
ションに関するものである。
2022 年 2021 年
千ディルハム 千ディルハム
取引所で取引される金利オプションおよびスワップション
2,471,929 835,618,519
OTC 金利スワップ
748,469,269 1,102,682,144
OTC 金利オプションおよびスワップション
1,443,489 2,846,575
OTC その他デリバティブ契約
158,509,522 13,315,853
デリバティブ契約上の想定金額
910,894,209 1,954,463,091
さらに、当グループは、当報告日現在、 IBOR 改革から生じる公正価値およびキャッシュフロー・
ヘッジ関係の不確実性の程度を評価した。 2022 年 12 月 31 日現在、当グループのヘッジ対象および
ヘッジ手段は引き続き IBOR 指標金利(主に米ドル LIBOR )を参照する。こうした IBOR 指標金利は毎
日レートが示され、 IBOR キャッシュフローは通常通り取引相手方と交換される。
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下表は、ヘッジ会計関係に指定された金利デリバティブの想定元本で、市場全体の IBOR 改革により
直接影響を受けることが予想される当グループが運用するリスク・エクスポージャーを表す。
米ドル
IBOR 改革の影響を受けるヘッジ手段 LIBOR
千ディルハム
公正価値ヘッジ
91,823,852
キャッシュフロー・ヘッジ
3,599,540
2022 年 12 月 31 日現在
95,423,392
公正価値ヘッジ
122,004,778
キャッシュフロー・ヘッジ
3,599,540
2021 年 12 月 31 日現在
125,604,318
(d) オペレーショナルリスク
オペレーショナルリスクとは、不適切なまたは機能不全のプロセス、従業員およびシステム、ある
いは外部の事象によって損失が生じるリスクと定義される。
オペレーショナルリスクは当グループのあらゆる業務から生じる。オペレーショナルリスクの管理
およびモニタリングの確認は、主に当グループ内の事業部署が責任を負う。当グループの事業部署
は、健全なリスク管理を確認するための「2番目の防衛ライン」である内部のリスクリソースおよ
び当グループのオペレーショナルリスク管理部門の支援を受ける。
グループ・オペレーショナルリスク・マネジメント(以下「 GORM 」という。)は CRO に報告し、 CRO
は取締役リスク委員会に対する独立した報告ラインを持ち、リスク委員会は定期報告を通じてオペ
レーショナルリスクの管理について報告を受ける。 GORM はオペレーショナルリスクを効果的に識
別、評価、管理、監視および制御するためのツール、トレーニングおよびテンプレートをすべての
ビジネス機能部門に提供する。
さらに、「3番目の防衛ライン」である当グループの内部監査部門が実施するレビューがある。内
部監査レビューの結果はそれぞれの部署の経営陣と協議され、その要約は取締役会の監査委員会に
提出される。
当グループは、リスクの識別、評価、モニタリング、統制、および報告ならびに管理を行い、イン
シデントの通知、識別および解決を行う方針および手続からなるオペレーショナルリスク管理フ
レームワークを構築している。オペレーショナルリスク管理フレームワークは、他のリスク分類と
の相互関係も規定している。適切な場合には、リスクは保険という形で移転される。
当グループはオペレーショナルリスク事象の分類のために、下記のバーゼルの事象区分を適用し
た。
・ 内部の不正:従業員が権限のない活動および不正を犯すリスク
・ 外部からの不正:外部の当事者による不正およびシステム・セキュリティ違反のリスク
・ 労務慣行および職場の安全:当グループ全体の労使関係、多様性および差別、ならびに健康
および安全において失敗するリスク
・ 有形資産に対する損傷:自然災害による当グループへの影響のリスク
・ 顧客、商品および取引慣行:顧客適合性、受託者責任、不適切な取引慣行、欠陥のある商品
およびアドバイザリー活動の評価において過失が認められるリスク
・ 事業活動の中断およびシステム障害:事業の継続性およびシステム障害の復旧に関する立案
および検証が行われていないリスク
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・ 執行、引渡およびプロセスの管理:取引執行、顧客の取込みおよび書類作成、業者の管理お
よびモニタリングならびに報告を失敗するリスク
取締役会は、当グループ全体のオペレーショナルリスク管理について監督責任を有している。これ
らの責任は、オペレーショナルリスクの監督および管理責任を有する上級経営陣の評議会であるグ
ループ・オペレーショナルリスク委員会に委任され実行されている。
グループ・オペレーショナルリスク委員会のオペレーショナルリスクに関する主な責任には、以下
を含む。
・ 当グループのオペレーショナルリスク管理フレームワークの 承認および適用状況の監督
・ 当グループ全体のオペレーショナルリスクに関する戦略および指令の承認
・ 当グループ全体の効果的なガバナンス構造の構築
(e) 自己資本管理
当グループの規制上の所要自己資本には CBUAE の規則が適用されるが、海外の支店および子会社に
ついては、その所在国の規制当局によって直接監督される場合もある。当グループの自己資本管理
プロセスは、全体的な事業戦略と連動しており、自己資本が事業に内在するリスク水準に対して適
切であり、かつ、各社の資本リスク選好の範囲内に確実に収まるようにしている。当グループは、
財政予算編成とともに資本計画を実施している。
取締役会および経営幹部は、当グループの長期戦略の方向性を定めている。これは、個別の事業部
門からの予測に基づくボトムアップ・プランを策定するための枠組みを提供している。ボトムアッ
プ・プランは、年次予算編成プロセスの基礎となる事項であり、事業単位レベルおよび国別レベル
で実施される。ボトムアップ・プランは事業部署毎に集約され、最終的にグループ全体に対して集
約される。各部署内の事業単位では、以下の重要なパラメータを検討し、次年度の予測貸借対照表
および損益計算書を策定している。
・短期(1年以内)目標
・リスク選好および戦略
・成長率目標
・収益目標
当グループの自己資本管理方針は、当グループの活動に関連したリスクをカバーするために十分な
自己資本の確保および当グループ全体での自己資本の割り当てを目的としている。当グループ全体
での様々なリスク評価およびそれらのリスクによって起こり得る影響の評価は、毎年 ICAAP プロセ
スと同時に行われる。グループのリスク機能は、 ICAAP プロセスの一環として、日々の業務の中で
当グループがさらされる様々なリスクを特定する。次に、当グループは、それらのリスクへの対
応、管理およびリスクの影響を軽減するために設けている既存の方針および手順、枠組みおよび方
法、危機管理計画ならびに他の手順に沿ってそれらのリスクを評価する。最後に、当グループは重
要なリスク・エクスポージャーに対する資本要件を決定する。
当グループの自己資本管理プロセスの主要な目的は以下のとおりである。
・ CBUAE によって設定された最低所要自己資本を満たすための十分な自己資本の維持
・長期的戦略計画に従って、当グループのリスク選好および戦略目的をサポートするための十分な
自己資本の確保
・ ICAAP を通じて決定された所要自己資本の増額を含むストレス・シナリオに耐えるための十分な
自己資本の確保
・当グループの信用格付を裏付けるため
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当グループは、定期的にストレス・テストを実施し、ストレス・シナリオ下における市場の不利な
展開に対する当グループの耐性を評価する。リスク要因は、それぞれのシナリオで用いる仮定の影
響 を受け、それに応じた自己資本比率への影響が決定される。当グループは、様々なストレス・シ
ナリオにおける所要自己資本および自己資本水準を予測するために、様々なマクロ経済ストレスお
よび異常ストレス・テストを使用する。このストレス・テストは、社内の自己資本計画における重
要なツールとみなされている。 2022 年のストレス・テストの結果は、不利なシナリオの下でも当グ
ループが十分な自己資本を有していることを示している。
当年度において、通知番号 CBUAE/BSD/N/2020/4980 で発行された CBUAE の自己資本基準に従って、
2022 年6月に CVA 基準が導入された際に、当行はバーゼル Ⅲ の 導入を完了した。バーゼル Ⅲ 基準
は、 CBUAE の規定どおり、 2021 年6月から 2022 年6月にかけて段階的に導入される。 2021 年 12 月 31
日まで CBUAE が提供していた自己資本バッファーに対する TESS 救済措置もまた今年度で解除された
が、当行は資本の救済措置を利用せず、 TESS 救済措置期間中に十分なバッファーの要件を超える資
本レベルを維持した。
資本の定義に関する CBUAE 基準によると、予想配当/予定配当は CET 1から控除される。その結果、
以下で計算されている自己資本比率は予定配当の影響を考慮している。
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2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
ティア1資本
普通株式資本
11,047,612 10,920,000
1
- 2,293,200
予定株式配当
資本剰余金
53,557,581 53,557,581
利益剰余金
27,078,852 22,638,219
法定準備金および特別準備金
13,084,313 10,920,000
一般準備金およびストックオプション制度
478,081 478,081
公正価値準備金
(2,270,259) 614,796
非支配持分
12,460 15,428
外貨換算準備金
(2,175,695) (535,023)
IFRS 移行調整: ECL 一部戻入
- 163,320
1
(5,744,758) (7,644,000)
控除:予定配当
適格ティア1資本 (a)
95,068,187 93,421,602
控除:
自己株式
(6,505) (6,430)
繰延税金資産
(134,767) (99,056)
のれんおよび無形資産
(22,543,127) (21,120,888)
その他控除
(281,789) (199,911)
控除合計
(22,966,188) (21,426,285)
72,101,999 71,995,317
その他ティア1
ティア1キャピタルノート
10,754,750 10,754,750
82,856,749 82,750,067
ティア2資本
適格劣後負債
210,310 269,345
集合的減損引当金
6,200,441 5,963,217
6,410,751 6,232,562
資本基盤合計
89,267,500 88,982,629
リスク加重資産:
信用リスク
496,035,297 477,057,405
市場リスク
42,880,507 69,423,094
オペレーショナルリスク
32,974,585 32,514,765
リスク加重資産
571,890,389 578,995,264
移行時の影響を含む比率
CET 1比率
12.6 % 12.4 %
ティア1資本比率
14.5 % 14.3 %
自己資本比率
15.6 % 15.4 %
当グループならびにその国外支店および子会社は、表示されている全期間について外部から課され
ているすべての自己資本要件を遵守している。
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1 上記の自己資本比率はバーゼル指針に従い算出され、予定配当は年次総会において株主の承認を
必要とする。
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(f) カントリーリスク
カントリーリスクは、当該国の国有および/または民間顧客が予定どおりに債務を返済する意欲ま
たは能力に悪影響を及ぼす外国の経済的、社会的および政治的な事象が起こる可能性である。
当グループは、事業決定プロセスの一環として、カントリーリスクに関する詳細な定性的分析を
行っている。これらの要因には、各国の経済、社会および政治の安定、金融政策、外国為替管理手
法、情報の透明性、金融および市場構造、銀行規制ならびに監督、法律制度および会計基準が含ま
れる。カントリーリスクは当グループにより設定されたカントリーリミットを用いてモニタリング
および管理される。これらのリミットは、全体的な事業戦略、潜在的リスクに対する自己資本比率
および準備金、各国のリスク格付、リスクの許容レベルおよび各国における事業の機会に従ってい
る。
(g) 戦略リスク
戦略リスクは、当グループが事業を行う環境の変化、または不利な戦略決定、決定の不適切な遂
行、または業界、経済またはテクノロジーの変化への反応の欠如から生じ、当グループの現在また
は将来の利益、資本、評判または地位に影響するリスクである。これは、当グループの戦略目標、
その戦略目標を達成するために策定された戦略、その目標を実現するために配置されたリソースお
よび遂行の質に対する適合性の相関である。
当グループは、戦略リスクの数値影響を識別および評価するための要素をいくつか使用している。
要素には、戦略計画プロセスにおけるリスク管理方針および実務の統合レベル、戦略目標の積極
性、策定された事業戦略との適合性、戦略的構想に対する利益のボラティリティを管理するための
資本支援、戦略目標の適用におけるコミュニケーションの効果および一貫性、目的、企業文化およ
びグループ全体の行動が含まれる。
戦略リスクは、戦略的事業計画プロセスの一環として、モニタリングおよび管理され、そこで当グ
ループは戦略的イニシアチブの計画に対する進捗をレビューし、進捗が計画および外部の事業環境
にしたがっているかを検討する。戦略計画は、戦略計画プロセスの一部である承認の過程で定期的
にレビューおよび更新される。
(h) コンプライアンス・リスク
コンプライアンス・リスクは、法律、規定、規制、実務規定、倫理規範の違反または不履行から生
じる利益、資本、風評、事業の継続に対するリスクである。
当グループは、すべての新規および既存の“重要な”商品、活動、プロセスおよびシステムにおけ
る固有のリスクを継続的に識別および評価する。これには、法律、規定、規制、実務規定または倫
理規範の準拠違反に係るリスク評価が含まれる。当グループのコンプライアンス機能には、このよ
うなリスクを管理するための内部方針を構築するグループ全体のコンプライアンス・ユニットがあ
り、リスク管理、内部監査および法的機能がサポートしている。
コンプライアンスおよび金融犯罪リスクを監視するために、当グループはデューデリジェンス・プ
ロセスの構築および導入、グループ全体の方針および手続きの見直し、氏名確認、取引モニタリン
グ、決済モニタリング活動、コンプライアンス・チェックリストによる評価などを管理する統合コ
ンプライアンスおよび金融犯罪防止システムを導入している。
コンプライアンス・リスクは、重点的な方針および手続き、詳細なチェックリストおよび立ち入り
調査、年次リスク評価、モニタリングおよび保証、コミュニケーションならびに定期的なトレーニ
ング・セッションにより大幅に軽減される。
(i) 風評リスク
風評リスクは、否定的な世論から生じる利益または資本に対するリスクである。これは、外部的ま
たは内部的な事象に起因する。
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当グループは、捕捉すべきリスクの種類の明確な定義、広まる可能性のある風評リスクの主な発生
源の特定(個々の状況に基づく)、識別されたリスクをリスクの性質の観点から詳述、およびその
リスクが評判にもたらし得る結果によりリスクを識別および評価する。当グループはまた、リスク
の 識別を目的としてその他の関連する情報を参照する。そのような情報は、マスコミ報道、株主へ
の分析報告書、内部監査およびコンプライアンス報告書、マネジメント例外報告書またはその他の
早期警戒指標から入手される可能性がある。
風評リスクについては、風評リスクを生じさせる外部および内部事象の通常のモニタリングとは別
に、当グループは風評に影響を及ぼす可能性のあるリスクを追跡するプロセスがある。これらのプ
ロセスは、予測される風評に関する事象について事前に対処するために、 BOD および上級経営陣が
迅速に是正措置を講じることを許可している。
風評リスクを管理するために、当グループは風評リスク事象を識別し、その後の進展のモニタリン
グを容易にするためのアクションプランを作成するメカニズムを整備している。メカニズムは、完
全に排除することが非常に困難、またはコストがかかりすぎるリスクへの対応措置として危機管理
計画の策定を要求している。
(j) 環境・社会・ガバナンス(以下「 ESG 」という。)リスク
当グループおよびその顧客は、将来著しい気候関連リスクに直面する可能性がある。これらのリス
クには、気候変動に対する政治的、経済的ならびに環境的対応を含む財務上の損失および非財務上
の悪影響の脅威が含まれる。気候リスクの主因は、物理的リスクおよび移行リスクとして特定され
ている。物理的リスクは、ハリケーン、洪水および山火事などの重大な気象現象ならびに気温の上
昇、熱波、干ばつ、海面上昇およびリスクなどの気候パターンの長期的な変化により生じる。移行
リスクは、ネットゼロ経済への調整(法律および規制の変更、軽減または採用しなかったことによ
る訴訟ならびに消費者行動や投資家の需要の変化による一部コモディティ、製品およびサービスに
対する需要と供給の変化など)により生じる。これらのリスクは、国内外を問わず、規制、政治お
よび社会的な監視が強まっている。物理的リスクの一部は、予測可能であるが、それらの顕在化の
程度および時期に関しては著しい不確実性がある。移行リスクについて、近い将来の規制および方
針の変更、消費者需要ならびに供給網の変更の影響について依然として不確実である。
当グループの ESG リスク選好は、全社的リスク選好フレームワークと一致している。 ESG の主要なリ
スク指標は、当行のリスク選好フレームワーク(例: ESG リスクの高いセクターの取引相手に対す
る信用の集中)に組み入れられており、四半期毎に監視されている。
当グループは、以下に対する ESG リスク・フレームワークを確立している。
・リスク要因の特定および当グループの財務諸表への潜在的な影響の評価
・特定された各リスク要因を管理する責任の配分
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47 金融資産および負債
(a) 評価フレームワーク
当グループは、公正価値の測定に関して確立した管理フレームワークを有している。フロントオ
フィスから独立しているいくつかの管理機能はこのフレームワーク(ファイナンス内の評価管理お
よびリスク機能内の市場リスク分析)を支援する。重要な評価の論点は、取締役会リスクおよび
ESG 委員会の下で管理されているグループの評価委員会に報告される。
管理機能には具体的に以下が含まれる。
・重要な乖離が観察された際の評価プロセスで使用された市場データおよび評価調整の独立した検
証
・レベル3商品の公正価値測定に対する重要な変動ならびに観察不能および古いインプット、重要
な変更のレビュー
・新規モデルに関する検証および承認プロセスならびに既存モデルの定期レビューまたは変更時の
レビュー
・公正価値の変動に対する損益分散分析プロセス
ブローカー価格または価格サービスといった第三者情報が公正価値の測定に利用される場合、評価
管理は IFRS 基準の要件を満たしているという結論を裏付ける、以下を含む第三者から入手した証跡
を評価および文書化する。
・関連する種類の金融資産の値付けに当該ブローカーまたは価格サービスを利用することがグルー
プにより承認されていることを検証する。
・公正価値がどのように算定されたか、実際の市場取引を示す程度およびその公正価値は同一商品
の活発な市場における相場価格を示しているか否かを理解する。
・公正価値を測定するために類似商品の価格が使用される場合、測定対象である当該商品の特徴を
反映するためにどのように価格が調整されたかを理解する。
・同一金融商品の価格が複数入手された場合、これらの価格を利用してどのように公正価値が決定
されたかを理解する。
重要な評価の論点はグループの評価および監査委員会に報告される。
(b) 公正価値調整
出口リスク調整
これらは、残存する実質的にすべての正味ポートフォリオの市場リスクが、利用可能なヘッジ手段
を用いて、またはポジションを処分あるいは解消することにより回避された場合に発生するビッド
オファーの費用を反映している。ビッドオファーの水準は、通常、ブローカー・データのような市
場価格から算出される。流動性の低い金融商品は、直接的に観察可能なビッドオファーの水準がな
い可能性がある。その場合、出口価格調整は、比較可能な流動性のある金融商品の観察可能なビッ
ドオファーの水準から算出されるか、またはデリバティブ価格を調整、あるいはシナリオ分析また
は実績分析により決定されることがある。
信用リスク調整
信用評価調整(以下「 CVA 」という。)は、取引相手が債務不履行になる当グループが取引の市場
評価額を全額受け取れない可能性を反映するために店頭取引(以下「 OTC 」という。)デリバティ
ブ契約の評価を調整するものである。負債評価調整(以下「 DVA 」という。)は、当グループが債
務不履行になり取引の市場評価額を全額支払わない可能性を反映するために OTC デリバティブ契約
の評価を調整するものである。
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これらの調整はすべての資産クラスにおける無担保および有担保デリバティブの両方について計算
されている。 CVA および DVA は、取引相手別にそれぞれ正および負の期待エクスポージャーの見積
り、 デフォルト確率および回収率を用いて計算される。取引相手には、金融機関、法人、国および
政府機関ならびに国際機関が含まれる(それらに限らない)。期待エクスポージャーは、通常モン
テカルロ・シミュレーション法により潜在的なリスク要因をシミュレーションすることで見積もら
れる。
デフォルト確率および回収率の情報は通常 CDS 市場から入手される。この情報が入手できない場
合、または信頼できないとみなされる場合には、格付、地域および産業セクターに基づいて取引相
手をセクター曲線にマッピングするという代替的方法が取られる。年度末の CVA および DVA 調整は総
計で6百万ディルハム( 2021 年 12 月 31 日: 84 百万ディルハム)である。
モデル関連調整
これらは、モデルへのインプットが過度に単純化されている場合、ポジションの公正価値の計算に
あたりモデルに限界がある場合、またはモデルの選択について市場全体のコンセンサスがない場合
に適用される。これらの調整は、モデルの検証過程において明らかになった既存モデルの弱点また
は不備の是正に必要となる。
(c) 評価モデル
当グループは、測定の際に使用されるインプットの重要性を反映した、以下の公正価値ヒエラル
キーを用いて公正価値の測定を行う。
・ レベル1:同一の商品の活発な市場における相場価格(未調整)のインプット。
・ レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外のインプットで、直接観察可能(価格)また
は、間接的に観察可能(価格から算出される値)なインプット。この区分には、活発な市場
での類似商品の相場価格、活発な市場よりは劣るとされる市場における同一または類似商品
の相場価格、または、すべての重要なインプットが市場データから直接的もしくは間接的に
観察可能であるその他の評価手法を利用して評価された商品が含まれる。
・ レベル3:観察不能なインプット。この区分には、評価手法に観察不能なインプットが含ま
れ、観察不能なインプットが当該商品の評価に重要な影響を及ぼすすべての商品が含まれ
る。この区分には、類似の金融商品の相場価格を基礎として、商品間の差異を反映するため
に重要な観察不能調整または仮定が要求される商品が含まれる。
モデルのインプットおよびパラメータは、入手可能な場合にはブローカーの相場価格、現在または
直近の取引価格、市場コンセンサスなどの市場で観察可能な価格に基づいて調整される。市場で観
察可能な価格がない場合、モデルの調整プロセスに経験的データおよび/または判断が必要となる
が、これは本質的に主観的なものとなるため、利用可能なインプットおよび見積りに幅が生じる。
経営陣は、幅の中で最も適切なポイントを選択するために慎重に判断する。
(d) 評価手法
評価手法には、正味現在価値および割引キャッシュフロー・モデル、観察可能な市場価格が存在す
る場合には類似商品比較法、ブラックショールズおよび多項オプション価格モデルならびにその他
の評価モデルが含まれる。評価手法で使用された仮定およびインプットには、割引率の見積りに用
いられるリスクフリーおよびベンチマーク金利、信用スプレッドおよびその他のプレミアム、社債
および株式価格、外国為替レート、株式および株式インデックス価格および予想される価格のボラ
ティリティおよび相関が含まれる。
評価手法の目的は、測定日において市場参加者間の秩序ある取引において資産の売却により受領す
る金額、負債を移転するために支払う金額を反映した公正価値を測定することである。
当グループは、金利および通貨スワップのような一般的で単純な金融商品の公正価値の算定に、観
察可能な市場データのみを利用し、また経営陣の判断および見積りが求められることが少ない広く
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認められた評価モデルを利用する。観察可能価格またはモデルへのインプットは、上場負債証券お
よび持分証券、上場デリバティブあるいは金利スワップのような単純な OTC デリバティブの市場に
お いては通常入手可能である。観察可能な市場価格およびモデルへのインプットが入手可能である
ことにより、経営陣の判断および見積りの必要性は軽減され、公正価値の決定に関連する不確実性
は軽減する。観察可能な市場価格およびインプットの入手可能性は、商品および市場によって様々
であり、金融市場における特定の事象および全般的な状況により変化する傾向にある。
より複雑な商品について、当グループは、一般に認められた評価モデルから開発された独自の評価
モデルを利用する。これらのモデルへの重要なインプットの一部またはすべては、市場で観察でき
ない場合があり、市場価格またはレートから導出されるか、または仮定に基づいて推定される場合
がある。重要な観察不能インプットを伴う商品の例は、特定の OTC 仕組デリバティブ、特定のロー
ン、活発な市場がない証券が含まれる。重要な観察不能インプットを採用する評価モデルは、公正
価値の決定において、より高度な経営陣の判断と見積りを必要とする。使用する適切な評価モデル
の選択、評価対象の金融商品の予想将来キャッシュ・フローの算定、取引相手のデフォルトおよび
前払の確率の決定、予想されるボラティリティと相関の決定ならびに適切な割引率の選択には、通
常経営陣の判断と見積りを要する。インプットが観察不能とみなされる場合、評価のより大きな不
透明性に対応するために追加の引当金が必要な場合がある。
公正価値は商品の信用リスクを反映し、また適切な場合は、当グループ企業と取引相手の信用リス
クを考慮するための調整が含まれる。金利スワップなど、資産から負債またはその逆に分類が変更
されるデリバティブの測定について、市場参加者がデリバティブの価格決定に信用評価調整
( CVA )および負債評価調整( DVA )を考慮する場合には、公正価値に両方を考慮する。
デリバティブ
OTC デリバティブ評価モデルは、「無裁定取引」の原則に基づき予想将来キャッシュ・フローの現
在価値を算出する。多くの基本的なデリバティブ商品について、使用されるモデリング・アプロー
チは、産業全体で標準的なものである。より複雑なデリバティブ商品については、市場慣行に多少
の相違がある。評価モデルへのインプットは、可能な限り観察可能な市場データ(取引所、ディー
ラー、ブローカーまたはコンセンサス価格の提供者から入手できる価格を含む)から決定される。
一部のインプットは、市場において直接観察できない可能性があるが、モデルの調整プロセスでの
観察可能な価格により決定、または実績データやその他の情報源から見積もられる。
プライベート・エクイティ
プライベート・エクイティ・ファンドへの投資は、外部のファンドマネージャーが受け取った純資
産価値(以下「 NAV 」という。)を用いて評価される。観察可能な流通市場での出口費用を考慮し
た評価を行い、保有する投資の性質に固有の不確実性を反映するためにファンドの NAV に対して調
整が必要となる場合がある。
有価証券
公正価値は、入手可能な場合、活発な市場における相場価格を用いて決定される。入手できない場
合は、あまり活発ではない市場における相場価格が用いられる。ポジションに特定の相場価格がな
い場合は、比較可能な商品のベンチマークにより公正価値が決定される。
仕組債
これらは主に当行により発行されたクレジット・リンク債により構成されており、特定の原資産の
信用度に連動する利益を取引相手に提供する。観察不能なパラメータの例は、原資産間の相関関係
を含む。
(e) 金融商品の公正価値
下表は、当グループの分類による各クラスの金融資産および負債ならびに 2022 年 12 月 31 日現在の帳
簿価額を示している。
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純損益を通じた
公正価値評価に 純損益を
FVOCI - FVOCI -
指定されて 通じた公正
損益へのリサイ 損益へのリサイ
いるもの 価値評価 クルあり クルなし 償却原価 帳簿価額
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
金融資産
現金および中央銀行預け金 - - - - 228,368,829 228,368,829
純損益を通じて公正価値評価
- 31,816,797 - - - 31,816,797
される投資
銀行および金融機関預け金 - - - - 24,886,956 24,886,956
売戻契約 - - - - 69,106,092 69,106,092
デリバティブ金融商品 7,711,401 51,162,442 - - - 58,873,843
貸出金およびイスラム金融 - - - - 459,593,327 459,593,327
非トレーディング投資 - - 166,590,632 1,070,888 4,688,298 172,349,818
- - - - 29,808,871 29,808,871
その他資産
7,711,401 82,979,239 166,590,632 1,070,888 816,452,373 1,074,804,533
金融負債
銀行および金融機関預り金 - - - - 61,560,340 61,560,340
買戻契約 - - - - 39,004,515 39,004,515
コマーシャルペーパー - - - - 31,738,356 31,738,356
デリバティブ金融商品 10,460,175 51,564,365 - - - 62,024,540
顧客勘定およびその他預金 - - - - 700,573,371 700,573,371
期間借入 550,832 - - - 62,084,301 62,635,133
1
- 377,344 - - 34,985,589 35,362,933
その他負債
- - - - 420,620 420,620
劣後社債
11,011,007 51,941,709 - - 930,367,092 993,319,808
1
売買目的で保有するその他負債は、公正価値ヒエラルキーのレベル1に分類される。
経営陣は、期末日現在の当グループの金融資産および負債の帳簿価額は公正価値から大きく乖離してないと考えている。
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下表は、当グループの分類による各クラスの金融資産および負債ならびに 2021 年 12 月 31 日現在の帳
簿価額を示している。
純損益を通じた
公正価値評価に 純損益を
FVOCI - FVOCI -
指定されて 通じた公正
損益へのリサイク 損益へのリサイク
いるもの 価値評価 ルあり ルなし 償却原価 帳簿価額
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
金融資産
現金および中央銀行預け金 - - - - 258,732,776 258,732,776
純損益を通じて公正価値評価
- 45,572,252 - - - 45,572,252
される投資
銀行および金融機関預け金 - - - - 19,318,847 19,318,847
売戻契約 - - - - 46,260,645 46,260,645
デリバティブ金融商品 1,967,790 22,305,976 - - - 24,273,766
貸出金およびイスラム金融 - - - - 409,589,936 409,589,936
非トレーディング投資 - - 139,979,957 927,584 4,504,205 145,411,746
- - - - 18,082,762 18,082,762
その他資産
1,967,790 67,878,228 139,979,957 927,584 756,489,171 967,242,730
金融負債
銀行および金融機関預り金 - - - - 56,985,180 56,985,180
買戻契約 - - - - 55,074,494 55,074,494
コマーシャルペーパー - - - - 39,664,252 39,664,252
デリバティブ金融商品 6,678,547 21,716,538 - - - 28,395,085
顧客勘定およびその他預金 - - - - 614,669,890 614,669,890
期間借入 619,857 - - - 71,023,959 71,643,816
1
- 412,618 - - 19,580,787 19,993,405
その他負債
- - - - 448,908 448,908
劣後社債
7,298,404 22,129,156 - - 857,447,470 886,875,030
1
売買目的で保有するその他負債は、公正価値ヒエラルキーのレベル1に分類される。
経営陣は、期末日現在の当グループの金融資産および負債の帳簿価額は公正価値から大きく乖離しないと考えている。
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公正価値で測定される金融商品-ヒエラルキー
下表は、報告期間末において公正価値で測定された金融商品について、公正価値の測定を分類する
公正価値ヒエラルキーのレベル別に分析している。
レベル1 レベル2 レベル3 合計
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
2022 年 12 月 31 日現在
純損益を通じて公正価値評価される投資 3,544,623 23,020,053 5,252,121 31,816,797
FVOCI -損益へのリサイクルあり 123,004,285 38,978,992 4,608,014 166,591,291
FVOCI -損益へのリサイクルなし 792,992 73,750 204,146 1,070,888
デリバティブ金融商品(資産) 273,080 58,600,024 739 58,873,843
127,614,980 120,672,819 10,065,020 258,352,819
期間借入
- 550,832 - 550,832
デリバティブ金融商品(負債) 643,082 61,381,458 - 62,024,540
643,082 61,932,290 - 62,575,372
2021 年 12 月 31 日現在
純損益を通じて公正価値評価される投資 9,022,529 27,921,612 8,628,111 45,572,252
FVOCI -損益へのリサイクルあり 107,011,926 30,680,916 2,287,714 139,980,556
FVOCI -損益へのリサイクルなし 722,426 - 205,158 927,584
デリバティブ金融商品(資産) 73,286 24,200,104 376 24,273,766
116,830,167 82,802,632 11,121,359 210,754,158
期間借入
- 619,857 - 619,857
デリバティブ金融商品(負債) 103,193 28,267,427 24,465 28,395,085
103,193 28,887,284 24,465 29,014,942
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下表は、ヒエラルキー間の振り替えを示している。
レベル1 レベル2 レベル3 合計
千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム 千ディルハム
2022 年 12 月 31 日現在
純損益を通じて公正価値評価される投資
1から2への振替 - 56,023 - 56,023
1から3への振替 - - 571 571
2から1への振替 6,302 - - 6,302
非トレーディング投資
1から2への振替 - 8,010,451 - 8,010,451
2から1への振替 2,568,018 - - 2,568,018
2から3への振替 - - 228,529 228,529
3から2への振替 - 486,375 - 486,375
2,574,320 8,552,849 229,100 11,356,269
2021 年 12 月 31 日現在
純損益を通じて公正価値評価される投資
1から2への振替 - 90,262 - 90,262
2から1への振替 17,795 - - 17,795
3から1への振替 4,736 - - 4,736
3から2への振替 - 534 - 534
非トレーディング投資
1から2への振替 - 4,907,176 - 4,907,176
2から1への振替 774,414 - - 774,414
3から1への振替 37,820 - - 37,820
3から2への振替 - 707,758 - 707,758
834,765 5,705,730 - 6,540,495
下表は、レベル3に分類された公正価値で測定される金融商品(資産)の調整を示すものである。
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
千ディルハム 千ディルハム
期首現在残高 11,121,359 9,218,666
増加/振替 3,967,096 4,315,518
決済およびその他の調整
(5,023,435) (2,412,825)
期末現在残高
10,065,020 11,121,359
レベル3の金融商品にはプライベート・エクイティへの投資が含まれ、その評価は運用会社が公表
する最終純資産に基づいている。その評価における変動の影響は注記 46 (c)に含まれる株価リス
クの一環として取り扱われている。残りは主に、入手可能な最終価格で価格が決定された負債性金
融商品で構成される。
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48 企業結合
2021 年4月 28 日、当行はバンク・アウディのエジプト子会社であるバンク・アウディ・エスエー
イー(エジプト)の株式資本 100 %を取得した。取得は取得企業から被取得企業への現金の譲渡に
より実施された。取得により、将来性の高い市場における当グループの拡大が加速することになっ
た。これにより、当グループのエジプト事業の規模、スケール、実績が大幅に拡大し、現地顧客お
よびグローバル顧客の両方により深くかつつながることになる。
a. 購入対価
100 %の株式取得のために支払われた購入対価は、 600 百万米ドル( 2,203 百万ディルハム相当)で
ある。
b. 統合関連費用
当グループは、コンサルタントおよび外部の法律専門家報酬ならびにデューデリジェンス費用を含
む 2022 年 12 月 31 日までの統合関連費用 119 百万ディルハム( 2021 年 12 月 31 日: 117 百万ディルハム)
を計上した。この費用は連結損益計算書の「一般管理費およびその他営業費用」に含まれている。
c. 評価アプローチおよび手法
顧客関係
インカム・アプローチは、バンク・アウディ・エスエーイー(エジプト)の顧客関係を無形資産と
して、取引日現在の公正価値で見積もるために使用されている。インカム・アプローチは、顧客関
係を残存する経済的耐用年数にわたり発生が見込まれる将来の損益の現在価値として評価する。イ
ンカム・アプローチでは、顧客関係の評価において一般に認められた方法である期間超過収益法
(以下「 MEEM 」という。)が使用されている。
コア預金
有利な資金調達法によるインカム・アプローチがコア預金の評価に使用されている。これは、既存
のコア預金費用と最も有利な市場での代替資金を取得するための費用との差額の現在価値に基づい
て算出される。最も有利な市場での代替資金は、当行のコア預金ベースの決定された利用可能期間
にわたる限界資金調達を表している。
ローン・ポートフォリオ
貸出金の評価を決定するにあたり、予想キャッシュ・フロー法、現在価値法および回収率法が使用
されている。
不動産
不動産は、マーケット・アプローチおよびインカム・アプローチを用いて評価されている。評価分
析は、 RICS 評価(英国王立勅許鑑定士協会が公表した専門家基準(以下「レッドブック」とい
う。))に準拠して実施され、国際評価基準(以下「 IVS 」という。)を遵守している。
顧客預金
顧客預金は、加重平均金利に基づいた預金に関連する将来キャッシュ・フローを、預金開始時の金
利を使用して割り引くインカム・アプローチを用いて評価されている。
d. 取得した識別可能資産および引受負債
下表は取得日現在における取得資産および引受負債の公正価値の要約である。
2021 年4月 28 日
千ディルハム
資産
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現金および中央銀行預け金
5,550,876
銀行および金融機関預け金
3,244,467
純損益を通じて公正価値評価される投資
7,398
売戻契約
490,843
デリバティブ金融商品
30
貸出金およびイスラム金融
6,435,801
非トレーディング投資
6,718,486
その他資産
364,712
無形資産
114,340
有形固定資産 590,928
資産合計 23,517,881
負債
銀行および金融機関預り金
79,567
デリバティブ金融商品
3
買戻契約
3,355
顧客勘定およびその他預金
21,375,961
その他負債 1,177,984
22,636,870
普通株式保有者に帰属する取得日現在の純資産
881,011
購入対価の配分(以下「 PPA 」という。)を実施した結果、推定帳簿金額への調整を反映するため
に、上記のとおり、 2021 年の比較情報は修正再表示されている。
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e. のれんおよび無形資産
当期中に購入対価の配分が完了したため、取得日現在の取得した資産および引き受けた負債の帳簿
価額は、暫定的な金額から公正価値に調整された。その結果、のれんは暫定金額から 980 百万ディ
ルハム増加している。 PPA の実施による影響は、のれん金額に対して以下のとおり調整された。
千ディルハム
対価合計
2,203,800
バンク・アウディ・エスエーイー(エジプト)の純資産価値 (881,011)
のれん 1,322,789
当グループは、取得日から 12 か月以内に以下の項目を対象とした購入対価の包括的な配分作業を完
了した。
- 無形資産の評価
- 有形固定資産の評価
- 認識済のその他の金融・非金融資産および負債の評価調整
- 貸出金およびイスラム金融の公正価値に対して実施される当初の調整(遅滞なく完了予定)
のれんは、主に当該取得により高成長市場において達成が見込まれるシナジーに起因する。
f. グループ業績への影響
取得日から 2021 年 12 月 31 日まで、バンク・アウディ・エスエーイー(エジプト)は、当グループ業
績に、総収益および営業利益で 597 百万ディルハム、利益で 189 百万ディルハム寄与している。取得
が 2021 年1月1日に実施された場合、経営陣は、当年度の連結営業利益は 910 百万ディルハム、当
年度利益は 244 百万ディルハムであったと見積もっている。当グループは、これらの金額を決定す
るにあたり、取得日に発生した公正価値調整(暫定的算定)は、取得が、 2021 年1月1日に実施さ
れた場合と同額であったと想定している。
49 比較数値
一部の比較数値は、これらの連結財務書類に適用されている表示と一致させるために必要に応じて
組み替えまたは調整されている。
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2【主な資産・負債及び収支の内容】
上記1の財務書類に対する注記を参照のこと。
3【その他】
(1)後発事象
本書に記載のあるものを除き該当なし。
(2)訴訟
2018 年3月、カタール金融センター規制庁(以下「 QFCRA 」という。)は、当行によるカタール・
リヤル、カタール政府担保証券および関連デリバティブの操作疑惑について調査を開始した(以
下「 QFCRA 調査」という。)。 2019 年4月、カタール国は、同様の主張に基づき、現在ニューヨー
ク州裁判所において訴訟を開始した(以下「 NY 訴訟」という。)。 NY 訴訟 におけるカタール国の
当行に対する請求 は 2022 年3月に再訴不可で棄却された。
当行は、 QFCRA による調査を根拠に乏しいものと考えており、信義誠実に則り QFCRA と問題解決に
尽力している。しかし、 2019 年8月、 QFCRA は、 QFCRA 調査を妨げたとして当行に 200 百万カター
ル・リヤル(約 55 百万米ドル)の罰金を科したと公表し、 2020 年2月、カタール金融センター裁
判所は、判決債務として当該罰金の支払を当行に命じた。 2020 年 11 月、 QFCRA は、当該罰金の支払
命令を執行するためにニューヨークでの法的手続を開始し、ニューヨーク州裁判所において係属
中である。当行は、罰金を課されることに対して精力的に抗弁している。上記「第3-2 事業
等のリスク- UAE および中東に関連するリスク - 当グループは、アブダビ、 UAE および中東の政治
状況および経済状況に左右される。 」を参照のこと。
4【日本の会計原則とIFRSとの会計原則の主要な相違】
UAE で適用されている国際財務報告基準( IFRS )と、日本において一般に公正妥当と認められる会計原則
(日本の会計原則)とは、 2022 年 12 月 31 日現在、以下重要な点で相違している。
(1) 連結財務諸表
IFRS では、パワー、リターンの変動性およびパワーとリターンの関連性の概念に基づき、全ての事業
体に関する連結の要否を判断するための単一のアプローチがある。投資者は事業体への関与により生じ
る変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ事業体に対するパワーにより当該リ
ターンに影響を及ぼす能力を有している場合、当該事業体を支配しているため連結する。
連結財務諸表は、類似の状況における同様の取引およびその他の事象について統一された会計方針を
用いて、連結財務諸表を作成しなければならない。 (IFRS 第 10 号「連結財務諸表」 )
日本の会計原則では、実質支配力基準により連結範囲が決定され、被支配会社の財務諸表は連結され
る。公正価値で譲渡された資産からの利益を享受するために 特別目的事業体(以下「 SPE 」という。)
が発行した持分商品の保有者のために SPE が設立され業務が行われている場合には、当該 SPE は子会社と
はみなされない。
親会社および子会社が連結財務諸表を作成するために採用する会計原則は、原則として統一されなけ
ればならない。ただし、子会社の財務諸表が IFRS または米国会計基準に準拠して作成されている場合
は、一定の項目の修正を除き、これを連結決算手続上利用できることと規定されている。 ( 企業会計基
準第 22 号「連結財務諸表に関する会計基準」 )
(2) 企業結合
IFRS では、企業結合は取得法で会計処理されている。 企業結合で取得したのれんは償却せず、最低
年1回同時期に減損テストを実施する。( IFRS 第3号および IAS 第 38 号)
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日本の会計原則では、企業結合は通常パーチェス法により会計処理される。また、のれんは 20 年以
内の期間にわたり定額法その他の合理的方法により規則的に償却され、減損の兆候が認められた場合
に 減損テストの対象となる。(企業会計基準第 21 号「企業結合による会計基準」及び 「固定資産の減
損に係る会計基準」 )
(3) 非金融資産の減損
IFRS では、各事業年度末において報告企業は、資産の減損の兆候について評価している。そのような
兆候が存在する場合、企業は当該資産の回収可能価額さらには減損損失を見積もっている。減損損失
は、一定の場合には戻入れることができるが、戻入により増加する資産額は、減損処理前の価額を超え
てはならない。なお、のれんに係る減損損失の戻入は行われない。 (IAS 第 36 号「資産の減損」 )
日本の会計原則では、減損の兆候が認められ、かつ割引前の見積将来キャッシュ・フロー (20 年以内
の合理的な期間に基づく ) が帳簿価額を下回ると見積られる場合において、回収可能価額と帳簿価額の
差額につき減損損失を計上する。減損損失の戻入は認められない。(「固定資産の減損に係る会計基
準」)
(4) 金融資産・負債の分類と測定
IFRS 第9号では、金融資産を「償却原価で測定される金融資産」、「その他包括利益を通じて公正価
値測定( FVOCI )される金融資産」、「損益を通じて公正価値測定( FVTPL )される金融資産」の3つの
主要区分に分類する。
売買目的保有以外の資本性金融商品は、当初認識時に、事後の公正価値の変動をその他包括利益に表
示する取消不能の選択 (FVOCI オプション ) をすることができる。
さらに、当初認識時に償却原価または FVOCI の測定要件を満たす金融資産を FVTPL で測定される金融資
産に取消不能の指定ができるが、これはそうすることにより生じるであろう会計上のミスマッチを解消
または大幅に低減する場合に限られる( FV オプション)。
金融負債の分類は、以下を除き、全て償却原価で測定される区分に分類される。
・ FVTPL で測定される金融負債(負債であるデリバティブ及び FV オプションに指定された金融負債を
含む)
・金融資産の譲渡が認識の中止要件を満たさない場合に生じる金融負債
・金融保証契約
・所定の要件を満たすローン・コミットメント
・企業結合において取得企業が認識した条件付き対価
FV オプションに指定された金融負債の公正価値変動のうち、自己の信用リスクの変動に起因する部分
は、その他包括利益に計上される。なお、損益へのリサイクリングは禁止される。
日本では、トレーディング目的の金融資産は公正価値で測定され、公正価値の変動は損益計算書に認
識される。
売却可能有価証券(日本基準では「その他有価証券」)は公正価値で測定され、公正価値の変動額は
以下のいずれかの方法で処理される。
1) 公正価値の変動額を純資産に計上し、売却、減損あるいは回収時に損益計算書へ再計上する。
2) 銘柄ごとに、公正価値が原価を上回る場合には純資産に計上し、下回る場合には損益計算書に計
上する。
市場価格のない株式は原価で評価する。
金融負債はヘッジ会計によるものを除き、公正価値での測定は認められていない。
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また、 FV オプションや FVOCI オプションのような規定はない。
(5) 金融資産の減損
IFRS では、償却原価または FVOCI 区分に分類される金融資産、リース債権、契約資産、または IFRS 第
9号の減損規定が適用される FVTPL 以外のローン・コミットメント及び金融保証契約について予想信用
損失に対する損失評価引当金が認識される。
減損は、当初認識以降の信用悪化の程度に基づき3つのステージを用いたアプローチにより信用損失
引当金として認識される。
日本では、回収不能と判断された金額に対して一般貸倒引当金、または個別貸倒引当金が計上され
る。一般貸倒引当金は、個別に回収不能と認められた貸付金に対して、過去の貸倒実績等に基づいて計
上される。個別貸倒引当金は、個別に回収不能と認められた貸付金に適用され、各債務者の支払能力調
査に基づいて計上される。貸倒引当金は資産の控除項目として計上される。
時価のある有価証券 ( 売買目的有価証券を除く ) の市場価格が著しく下落した場合、公正価値の回復
が見込まれる場合を除き、減損損失を計上しなければならない。
(6) 金融資産の認識の中止
IFRS では、金融資産のキャッシュ・フローを受け取る約定権利が消滅した場合、あるいは会社が金融
資産を譲渡し、その譲渡が金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんど全てを移転しているとい
う認識の中止要件を満たす場合に認識が中止される。
日本では、金融資産は金融資産の契約上の権利を行使したとき、権利を喪失したとき、または権利に
対する支配が他に移転したときに認識が中止される。
(7) 債務保証
IFRS 第9号が適用される金融保証契約は、当初公正価値で測定され、当初認識後は、以下のいずれか高
い方で測定される。
-IFRS 第9号に基づく損失評価引当額
- 当初認識額から、該当があれば、 IFRS 第 15 号に基づく収益累計額を控除した金額
日本では、債務保証は、金融資産または金融負債の消滅の認識の結果生じるものを除いて時価では計
上されず、銀行等の金融機関を除き財務諸表において引当金として計上、または注記等として開示され
る。
(8) 複合金融商品-転換社債
IFRS では、金融商品の発行体は、金融商品が負債部分と資本部分の両方を含んでいるかどうかを判定
するために、金融商品の契約条件を検討した上で、金融負債または資本性金融商品として別々に分類し
なければならない。
日本では、新株予約権付社債の発行は、発行に伴う払込金額を社債の対価部分と新株予約権の対価部
分とに区分せずに普通社債の発行に準じて処理する方法、または社債の対価部分と新株予約権の対価部
分を区分する方法のいずれかにより会計処理される。新株予約権の対価部分は、純資産の部に計上し、
権利が行使され、新株を発行したときは資本金または資本金および資本準備金に振り替え、権利が行使
されずに権利行使期間が到来した場合には、利益として戻入れる。
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(9) ヘッジ会計
IFRS では、一定の条件が満たされた場合は、下記の種類のヘッジ関係に係るヘッジ会計が認められて
いる。
・ 公正価値ヘッジ ( すなわち、特定のリスクに起因し、損益に影響を与える可能性がある、公正
価値の変動に対するエクスポージャーのヘッジ )
- ヘッジ会計上、ヘッジ手段の損益は損益計算書に認識されている。また、ヘッジされたリ
スクに起因するヘッジ対象の損益はヘッジ対象の帳簿価額により調整され、損益計算書に
認識されている。
・ キャッシュ・フロー・ヘッジ ( すなわち、特定のリスクまたは発生の可能性の高い予定取引に
起因し、損益に影響を与える可能性がある、キャッシュ・フローの変動可能性に対するエクス
ポージャーのヘッジ )
- ヘッジ会計上、ヘッジ手段の損益のうち有効なヘッジと判断される部分はその他包括利益
に認識され、非有効部分は損益計算書に認識されている。
・ 国外事業への純投資のヘッジ
- ヘッジ会計上、ヘッジ手段の損益のうち有効なヘッジと判断される部分はその他包括利益
に認識され、非有効部分は損益計算書に認識されている。 (IAS 第 39 号「金融商品:認識及
び測定」 )
日本の会計原則では、デリバティブ金融商品について、会計基準により定められたヘッジ会計の要件
を満たす場合には、原則として、「繰延ヘッジ会計」 ( ヘッジ手段の損益を財政状態計算書の「純資産
の部」に計上し、ヘッジ対象が損益認識されるのと同一の会計期間に損益計算書に認識する。 ) を適用
する。ヘッジ対象である資産または負債に係る相場変動等を会計基準に基づき損益に反映させることが
できる場合には、「時価ヘッジ会計」 ( ヘッジ手段の損益を発生時に認識するとともに、同一の会計期
間にヘッジ対象の損益も認識する。 ) を適用できる。(企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計基
準」)
(10) 退職後給付
IFRS では、確定給付型制度においては、 数理計算上の技法である予測単位積増方式を用いて、当期お
よび過去の期間の勤務の対価として従業員が稼得した給付について、企業にとって最終的なコストとな
る信頼性のある見積額を求める。当該給付は、確定給付制度債務の現在価値および当期勤務費用を算定
するために、割り引かれる。制度資産があれば、その公正価値を、確定給付制度債務の現在価値から控
除する。 当該制度の資産が負債を超える場合は資産 ( 超過額、ただし退職給付制度からの返還、また
は、将来掛け金の減額の形で利用可能な経済的便益がある場合に限られる。 ) として、不足する場合は
負債 ( 不足額 ) として、それぞれ財政状態計算書に計上されている。当期勤務費用、正味確定給付負債
(資産)に係る正味利息(財務費用)ならびに過去勤務費用および 清算損益 は、損益に認識されてい
る。数理計算上の差異、 制度資産に係る収益(確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額に含まれる
金額を除く)、および資産上限額の影響の変動(確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額に含まれ
る金額を除く)は、 その他包括利益に表示される。 (IAS 第 19 号「従業員給付」 )
日本の会計原則では、確定給付型退職給付制度について、制度資産控除後の確定給付債務の全額が貸
借対照表に計上される。過去勤務費用および数理計算上の差異の発生額のうちその期に費用処理されな
い部分は、貸借対照表のその他包括利益累計額に計上される。これらはその後の期間にわたって費用処
理され、当期純利益を構成する。(企業会計基準第 26 号「退職給付に関する会計基準」)
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(11) ストック・オプション
IFRS 第2号「株式報酬」では 、企業は、株式に基づく報酬取引で受け取るかまたは取得した財または
サービスを、当該財を獲得した時またはサービスを受け取った時に認識しなければならない。企業は、
これに対応する資本の増加(財またはサービスを持分決済型の株式に基づく報酬取引で受け取った場
合)、または負債の増加(現金決済型の株式に基づく報酬取引で受け取った場合)を認識しなければな
らない。
持分決済型の株式に基づく報酬取引については、原則として、企業は、受け取った財またはサービス
を、受け取った財またはサービスの公正価値で直接測定しなければならない。受け取った財またはサー
ビスの公正価値を企業が信頼性をもって見積れない場合には、企業は、受け取った財またはサービス
を、付与した資本性金融商品の公正価値を参照して測定しなければならない。 従業員 との取引は、付与
した資本性金融商品の公正価値を参照して測定しなければならない。従業員および他の類似サービス提
供者に付与した資本性金融商品は、勤務に関する条件を伴う場合、付与した資本性金融商品の公正価値
を参照して付与日において測定した上で、権利確定期間にわたり認識しなければならない。
現金決済型の株式に基づく報酬取引は、負債の公正価値で測定しなければならない。負債が決済され
るまで、企業は当該負債の公正価値を各報告期間の末日および決済日に再測定し、公正価値の変動を当
期の純損益に認識しなければならない。
日本では、企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」が適用され、従業員に
付与されたストック・オプションは付与日における公正な評価額で測定される。各会計期間における費
用計上額は、ストック・オプションの公正な評価額のうち、対象勤務期間を基礎とする方法その他の合
理的な方法にもとづき当期に発生したと認められる額で認識され、対応する金額は純資産の部に新株予
約権として計上される。権利が行使されずに失効した場合は、新株予約権として計上した額のうち当該
失効部分に対応する部分を失効が確定した期の利益として計上する。
現金決済型の株式に基づく報酬に関する基準はない。
(12) リース
IFRS では、 IFRS 第 16 号に基づいて、借手は、リース取引を分類せず、リース取引に関する使用権資産
とリース負債の認識が要求される。使用権資産は、通常リース期間にわたって減価償却される。リース
負債については、リース負債の残高に対して、残りの期間を通じて利回りが一定になるような利率を乗
じて利息費用を計上してリース料と利息費用の差額をリース負債の返済として会計処理する。
貸手は、原資産の所有に伴うリスクと経済価値が実質的に全て借手に移転しているか否かに基づいて
リースをファイナンス・リース、それ以外をオペレーティング・リースに分類する。ファイナンス・
リース取引については、原資産の認識を中止し、代わりに債権を認識し、その後は一定率の期間収益が
発生するように金融収益を計上する。オペレーティング・リースについてはリース料総額をリース期間
にわたり規則的な方法により収益として認識する。
日本の会計原則では、リース取引をファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に分
類し、基本的に、資産の所有に伴うリスクと経済的便益のほとんど全てが実質的に借手に移転している
場合には、ファイナンス・リース取引、それ以外をオペレーティング・リース取引とする。また、ファ
イナンス・リース取引については売買と同様の会計処理を行い、オペレーティング・リース取引につい
ては賃貸借と同様の会計処理を行う。なお、貸手の会計処理は IFRS と類似している。
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第7【外国為替相場の推移】
1【最近5年間の事業年度別為替相場の推移】
決算年月 2018 年 12 月 31 日 2019 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日 2022 年 12 月 31 日
に終了した に終了した に終了した に終了した に終了した
事業年度 事業年度 事業年度 事業年度 事業年度
最高(円) 31.08 30.55 30.52 31.42 40.89
最低(円) 28.54 28.67 27.87 27.97 30.95
平均(円) 30.08 29.69 29.07 29.91 35.80
期末(円) 29.88 29.57 28.13 31.34 35.70
ディルハムの対円相場(ニューヨーク・コンポジット・レート)である。
出典:ブルームバーグ・データ・ベース
2【最近6月間の月別最高・最低為替相場】
月別 2022 年 12 月 2023 年1月 2023 年2月 2023 年3月 2023 年4月 2023 年5月
最高(円) 37.51 36.33 37.16 37.33 37.13 38.29
最低(円) 35.70 34.81 35.04 35.59 35.76 36.57
平均(円) 36.72 35.50 36.25 36.38 36.35 37.36
ディルハムの対円相場(ニューヨーク・コンポジット・レート)である。
出典:ブルームバーグ・データ・ベース
3【最近日の為替相場】
38.28 円( 2023 年6月 16 日)
出典:株式会社三菱UFJ銀行の対顧客外国為替相場の公表仲値
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第8【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
該当なし。
第9【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
該当なし。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から本書提出日までの期間において提出された書類および提出日は以下のとおりで
ある。
提出書類 提出年月日
1 有価証券報告書(自 令和 3 年 1月1日 至 令和 3 年 12 月 31 日) 令和4年6月 30 日
2 半期報告書(自 令和 4 年1月1日 至 令和 4 年6月 30 日) 令和4年9月 30 日
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第1【保証会社情報】
該当なし。
第2【保証会社以外の会社の情報】
該当なし。
第3【指数等の情報】
該当なし。
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(訳文)
独立監査人の監査報告書
ファースト・アブダビ・バンク・ピー・ジェー・エス・シー株主各位
連結財務書類監査に関する報告
監査意見
私どもは、ファースト・アブダビ・バンク・ピー・ジェー・エス・シー(以下「銀行」とい
う。)およびその子会社(以下、合わせて「グループ」という。)の連結財務書類の監査を行っ
た。当該財務書類は、 2022 年 12 月 31 日現在の連結財政状態計算書、同日に終了した事業年度におけ
る連結損益計算書、包括利益計算書、株主資本変動計算書およびキャッシュフロー計算書ならびに
重要な会計方針およびその他の情報を含む注記より構成されている。
私どもの意見では、添付の連結財務書類は、国際会計基準審議会が公表した IFRS 基準(以下
「 IFRS 基準」という。)に準拠して 2022 年 12 月 31 日現在のグループの連結財政状態、ならびに同日
に終了した事業年度における連結経営成績および連結キャッシュフローをすべての重要な点におい
て適正に表示している。
意見の基礎
私どもは、国際監査基準(以下「 ISA 」という。)およびアラブ首長国連邦における 2021 年の
ADAA 会長決議第 88 号で公表された対象企業の財務書類監査基準の適用要件(以下「 ADAA 監査基準」
という。)に準拠して監査を行った。本基準のもとでの私どもの責任は、本報告書の「連結財務書
類の監査に対する監査人の責任」のセクションに詳述されている。私どもは、国際会計士倫理基準
審議会の職業会計士のための国際倫理規程(国際独立性基準を含む)(以下「 IESBA 規程」とい
う。)およびアラブ首長国連邦における連結財務書類の監査に関連のある ADAA /アラブ首長国連邦
の職業倫理および独立性に関する規定に準拠し、グループから独立している。また、私どもは、当
規定および IESBA 規程に準拠してその他の倫理上の責任を果たした。私どもは、意見表明の基礎と
なる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、私どもの職業的専門家としての判断において、当事業年度の連結
財務書類の監査で最も重要な事項である。これらの事項は連結財務書類全体に対する監査の観点か
ら、さらに当該監査に基づく意見の形成において対応されるものであり、各事項に個別の意見を表
明しない。
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貸出金の減損およびイスラム金融
連結財務書類の注記8および 34 を参照のこと。
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な 検討 事項に対する監査上の対応
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グループは、予想信用損失(以下「 ECL 」とい 私どもの監査手続きには、特に以下が含まれてい
う。)モデルを使用して信用損失引当金を連結財務 た。
諸表に認識した。グループは、 ECL モデルの策定に
・ IFRS 第9号の規定、および私どもの業務の理解
あたり重要な判断を行い、また多くの仮定を設定し
に基づいて採用された会計方針の適切性を評価
た。 ECL モデルは、将来予測的な情報に関して調整
する。
されたデフォルト確率(以下「 PD 」という。)、デ
フォルト時損失率(以下「 LGD 」という。)、およ
・ ECL の会計上の見積りを理解する。これには、
び ECL の対象となる原エクスポージャーに関するデ 当該見積りに関連したグループの統制環境につ
いての情報の入手、当該見積りが策定されるプ
フォルト時エクスポージャー(以下「 EAD 」とい
ロセスの把握、会計上の見積りを策定するため
う。)の相関関係を評価して算定する。
に用いられた手法、仮定およびデータの理解が
また、インプット、仮定および/またはモデル技
含まれるが、これらに限定されない。選定され
た関連統制のデザイン、適用を評価し、運用状
法がモデルによって捉えられるすべての関連リスク
況の有効性をテストする。
要素を捉えていない場合、信用判断にて定性的な調
整またはオーバーレイがグループによって計上され
・ ECL モデルの様々な部分で用いた手法および仮
る。
定の合理性および適切性ならびに ECL を決定す
るための専門家による信用判断の適用を評価す
これは、 ECL の決定に経営陣の重要な判断、見積
るために、モデルの選定に関して、私どもの金
り、複雑なモデルの使用を伴い、グループの連結財
融リスクマネジメント(以下「 FRM 」とい
務書類に重要な影響を及ぼすことから、監査上の主
う。)専門家を関与させる。これには、適切な
要な事項とみなされている。
場合、信用リスクの著しい増大(以下「 SICR 」
という。)、デフォルトの定義、デフォルト確
率、マクロ経済変数の使用ならびに確率加重の
結果に関連した主要な仮定/判断に対する批判
的な検証が含まれ、計上された ECL の金額が、
裏付けとなる信用の質およびマクロ経済の傾向
を反映したものであることを確認するために行
う。
・ ECL の算定に使用されたデータの完全性および
正確性をテストする。
・ ECL プロセスに使用された主要システムの IT 全
般およびアプリケーション統制をテストするた
め、私どもの情報処理(以下「 IT 」という。)
専門家を関与させる。
・ 貸出金およびイスラム金融の選定されたサンプ
ルに関して、グループの SICR 判定における重要
部分を再実施し、 SICR 事象が適切に識別されて
いるかを判定する。
・ マネジメント・オーバーレイの合理性の評価お
よびサンプルのテストを行う。
・ ECL の決定に関連して、グループが保有する不
動産担保の評価の合理性を評価するため、サン
プルベースで私どもの評価専門家を関与させ
る。
・ 信用格付けの妥当性をテストするため、ステー
ジ3の顧客を含めて抽出した顧客サンプルの信
用評価を実施する。ここには、ステージ分類、
借り手の財務成績、返済の原資および借り手の
将来キャッシュフローの評価が含まれ、必要に
応じて借り手サンプルの ECL 計算の適切性につ
いて批判的に検討する。
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・ 関連する会計基準の規定を参照することでグ
ループの開示の妥当性を評価する。
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その他の情報
経営陣は、その他の情報について責任を有している。その他の情報は、銀行の年次報告書に含ま
れる情報から成るが、銀行の連結財務書類およびそれに対する私どもの監査報告書は含まれない
(以下、「年次報告書」という。)。年次報告書は、本監査報告書の日付より後に入手可能とな
る。
連結財務書類に関する私どもの意見は、その他の情報を対象としていないため、私どもは、当該
その他の情報に対していかなる形式による保証の結論も表明しない。
連結財務書類の監査に関する私どもの責任は、上記に示したその他の情報を入手時に通読し、そ
の過程で、その他の情報が連結財務書類または私どもが監査上入手した知識と著しく矛盾している
ため重要な虚偽記載であると疑われるものがないかを検討することである。
私どもの年次報告書の通読時に、重要な虚偽の記載があるとの結論に至った場合、私どもは、そ
の事項の統治責任者への報告、および ISA に準拠した適切な対応が求められる。
連結財務書類における経営陣および統治責任者の責任
経営陣の責任は、 IFRS 基準に準拠した連結財務書類の作成および適正な表示、適用される 2021 年
UAE 連邦法第 32 号の規定ならびに適用される法令の規定に準拠した連結財務書類の作成、ならびに
不正か誤謬かを問わず、重要な虚偽表示のない連結財務書類を作成するために経営陣が必要と判断
する内部統制にある。
連結財務書類の作成において、経営陣は、継続企業としてのグループの存続能力の評価、継続企
業に関連する事項の開示(該当する場合)および継続企業を前提とした会計処理を実施する責任が
ある。ただし、経営陣がグループを清算または業務を停止する意思がある場合、あるいはそうする
より他に現実的な代替方法がない場合はこの限りでない。
統治責任者の責任は、グループの財務報告プロセスを監視することにある。
連結財務書類の監査に対する監査人の責任
私どもの目的は、全体として連結財務書類に不正または誤謬による重要な虚偽表示がないかどう
かに関する合理的な保証を得て、意見を含めた監査報告書を発行することにある。
合理的な保証は、高い水準の保証であるが、 ISA および ADAA 監査基準に準拠して実施された監査
が、存在するすべての重要な虚偽表示を常に発見することを確約するものではない。
虚偽表示は、不正または誤謬から発生する可能性があり、個別にまたは集計すると、当該連結財
務書類の利用者の経済的意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判
断される。
ISA および ADAA 監査基準に準拠した監査の一環として、私どもは、監査を通じて職業的専門家と
しての判断を行使し、職業的専門家としての懐疑心を保持する他、以下を行う。
・ 不正または誤謬による連結財務書類の重要な虚偽表示リスクを識別、評価し、当該リスク
に対応した監査手続を立案および実施し、監査意見の基礎を提供する十分かつ適切な監査
証拠を入手する。不正による重要な虚偽の表示を発見できないリスクは、誤謬による当該
リスクよりも高くなる。これは、不正は、共謀、文書を偽造すること、意図的な除外、虚
偽の言明、および内部統制の無効化を伴うためである。
・ 状況に応じて適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を理解する。た
だし、これは、グループの内部統制の有効性に対する意見を表明するためではない。
・ 使用されている会計方針の適切性、経営陣によって行われた会計上の見積りおよび関連す
る開示の妥当性を評価する。
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・ 経営陣が継続企業の前提により会計処理を実施したことの適切性について結論を下し、ま
た、入手した監査証拠に基づき、グループの継続企業としての存続能力に重要な疑義を生
じ させるような事象または状況に関して、重要な不確実性が存在するか否かを判断する。
重要な不確実性が存在するとの結論に至った場合、本監査報告書において、連結財務書類
の関連する開示を参照するよう促すか、または当該開示が不十分な場合は、私どもの意見
を修正する必要がある。私どもの結論は、本監査報告書の日付までに入手した監査証拠に
基づいている。ただし、将来の事象または状況により、グループが継続企業として存続し
なくなる可能性がある。
・ 連結財務書類の全体的な表示、構成および内容(開示を含む。)ならびに、連結財務書類
が基礎となる取引や事象を適正に表しているかを評価する。
・ 連結財務書類に対する意見を表明するため、グループ内の企業および事業活動の財務情報
に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。私どもは、グループ監査の指示、監督およ
び実施について責任があり、私どもの監査意見に単独で責任を負う。
私どもは、統治責任者と、特に、計画した監査の範囲とその実施時期、および監査上の重要な発
見事項(監査の過程で識別した内部統制の重要な不備を含む。)に関して、協議する。
また、私どもは、独立性についての職業倫理に関する規定を遵守している旨を統治責任者に書面
で伝達し、独立性に影響を与えると合理的に考えられる全ての関係やその他の事項、また該当する
場合には脅威を排除するための措置または適用されたセーフガードについて統治責任者と協議す
る。
統治責任者との協議事項から、私どもは、当事業年度の連結財務書類の監査において最も重要性
のある事項、すなわち監査上の主要な検討事項を決定し、それらの事項を監査報告書に記載する。
ただし、法令により当該事項の公開が禁止されている場合、あるいは極めてまれな状況ではある
が、報告書において言及することで公共の利益よりも悪影響が大きいと合理的に予想されるため、
報告書で当該事項について言及すべきではないと私どもが判断した場合は、この限りでない。
その他法令上の要件に関する報告
2021 年 UAE 連邦法第 32 号の規定に従い、私どもは 2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度について、
以下のとおり報告する。
ⅰ)私どもが、監査に必要と考える情報および説明をすべて入手していること
ⅱ)本連結財務書類はすべての重要な点において、 2021 年 UAE 連邦法第 32 号の規定に準拠して作成
されていること
ⅲ)グループが、適切な会計帳簿を維持していること
ⅳ)会長の報告に含まれる財務情報(経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュフローの
状況の分析に含まれているとおり)が、グループの会計帳簿と整合していること
ⅴ)連結財務書類注記5および9に開示されるとおり、 2022 年 12 月 31 日終了年度において、グルー
プが株式の購入を行ったこと
ⅵ)連結財務書類注記 42 において、重要な関連当事者取引および実行した際の条件が開示されてい
ること
ⅶ)私どもが入手することができた情報に基づき、 2022 年 12 月 31 日現在のグループの事業または連
結財政状態に重大な影響を及ぼす可能性のある 2021 年 UAE 連邦法第 32 号および、銀行に関して
は定款への違反を信じさせる事項が認められなかったこと
ⅷ)連結財務書類注記 33 において、 2022 年 12 月 31 日終了年度中に行われた社会貢献について開示さ
れていること
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2018 年連邦法第 14 号(改訂)第 114 条の規定に従い、私どもは監査に必要な情報および説明をす
べて入手していることを報告する。
さらに、対象企業の財務書類監査基準に関する 2021 年のアブダビ会計責任委員会会長決議第 88 号
で要求されているとおり、私どもは、実施した手続きならびに経営陣および統治担当者によって私
どもに提供された情報に基づいて、 2022 年 12 月 31 日現在、連結財務書類に重要な影響を及ぼす銀行
の活動に適用される以下の法令、規制および通達のいかなる条項に対しても、すべての重要な点に
おいて、銀行が遵守していないと私どもが判断する事項がないことを報告する。
ⅰ) 2022 年 12 月 31 日現在の銀行の活動または財政状態に重要な影響を及ぼす銀行の定款
ⅱ)銀行の連結財務書類に影響を及ぼす、適用法、決議および通達の関連条項
ケーピーエムジー・ロウワー・ガルフ・リミテッド
[ 署名 ] リチャード・アクランド
リチャード・アクランド
監査人登録番号: 1015
アブダビ、アラブ首長国連邦
2023 年1月 25 日
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Independent Auditors’ Report
To the Shareholders of First Abu Dhabi Bank P.J.S.C.
Report on the Audit of the Consolidated Financial Statements
Opinion
We have audited the consolidated financial statements of First Abu Dhabi Bank P.J.S.C. (“the
Bank”) and its subsidiaries (together “the Group”), which comprise the consolidated statement of
financial position as at 31 December 2022, the consolidated statements of profit or loss, other
comprehensive income, changes in equity and cash flows for the year then ended, and notes,
comprising significant accounting policies and other explanatory information.
In our opinion, the accompanying consolidated financial statements present fairly, in all material
respects, the consolidated financial position of the Group as at 31 December 2022, and its
consolidated financial performance and its consolidated cash flows for the year then ended in
accordance with IFRS Standards as issued by the International Accounting Standards Board (IFRS
Standards).
Basis for Opinion
We conducted our audit in accordance with International Standards on Auditing (‘ISAs’) and
applicable requirements of Financial Statements Auditing Standards for the Subject Entities issued
vide ADAA Chairman’s Resolution No. (88) of 2021 in the United Arab Emirates (ADAA
Auditing Standards). Our responsibilities under those standards are further described in the
Auditors’ Responsibilities for the Audit of the Consolidated Financial Statements section of our
report. We are independent of the Group in accordance with International Ethics Standards Board
for Accountants International Code of Ethics for Professional Accountants (including International
Independence Standards) (‘IESBA Code’) together with the ethical and independence
requirements of ADAA / United Arab Emirates that are relevant to our audit of the consolidated
financial statements in the United Arab Emirates, and we have fulfilled our other ethical
responsibilities in accordance with these requirements and the IESBA Code. We believe that the
audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to provide a basis for our opinion.
Key audit matters
Key audit matters are those matters that, in our professional judgment, were of most significance
in our audit of the consolidated financial statements of the current period. These matters were
addressed in the context of our audit of the consolidated financial statements as a whole, and in
forming our opinion thereon, and we do not provide a separate opinion on these matters.
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Impairment of loans, advances and Islamic financing
See Note 8 and 34 to the consolidated financial statements
The key audit matter How the matter was addressed in our
audit
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Our audit procedures in this area include
The Group recognized allowances for
the following, among others:
credit losses in its consolidated financial
statements using expected credit loss
・ Evaluating the appropriateness of the
(“ECL”) models. The Group exercises
accounting policies adopted based on
significant judgments and makes a
the requirements of IFRS 9, and our
number of assumptions in developing its
business understanding.
ECL models which is determined as a
・ Obtaining an understanding of the
function of the assessment of the
ECL accounting estimate including,
probability of default (“PD”), loss given
but not limited to, obtaining
default (“LGD”), adjusted for the
information about the Group’s control
forward looking information, and
environment in relation to the
exposure at default (“EAD”) associated
estimate, obtaining an understanding
with the underlying exposures subject to
of the process by which the estimate is
ECL.
developed, understanding the
methods, assumptions and data used
Qualitative adjustments or overlays may
to develop the accounting estimate.
also be recorded by the Group using
Assessing the design, implementation,
credit judgement where the inputs,
and testing the operating effectiveness
assumptions and / or modelling
of selected relevant controls.
techniques do not capture all relevant
・ Involving our Financial Risk
risk factors captured by the models.
Management (“FRM”) specialists, for
This is considered a key audit matter, as
a selection of models, to assess the
the determination of ECL involves
reasonableness and appropriateness of
significant management judgement,
the methodology and assumptions
estimates, use of complex models and
used in various components of ECL
this has a material impact on the
modelling and the application of
consolidated financial statements of the
expert credit judgment to determine
Group.
the ECL. This included, where
applicable, challenging key
assumptions / judgments relating to
significant increase in credit risk
(“SICR”), definition of default,
probability of default, use of macro-
economic variables and probability
weighted outcomes to check that the
ECL amounts recorded are reflective
of underlying credit quality and
macroeconomic trends.
・ Testing the completeness and
accuracy of the data used within the
ECL calculation.
・ Involving our Information
Technology (“IT”) specialists to test
the relevant general IT and
application controls over key systems
used in the ECL process.
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・ Re-performing key aspects of the
Group’s SICR determinations for
selected samples of loans, advances
and Islamic financing to determine
whether a SICR event was
appropriately identified..
・ Evaluating the reasonableness of and
testing a sample of management
overlays.
・ Involving our valuation specialists on
a sample basis to assess the
reasonableness of the valuation of real
estate collaterals held by the Group,
relating to the determination of ECL.
・ Performing credit assessments for a
sample of selected customers,
including Stage 3 customers, to test
the appropriateness of the credit
grades, including staging, assessing
the financial performance of the
borrower, source of repayment and
future cash flows of the borrower, and
as necessary, challenging the
appropriateness of the ECL
calculation for a sample of borrowers.
・ Assessing the adequacy of the Group’
s disclosures by reference to the
requirements of the relevant
accounting standards.
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Other information
Management is responsible for the other information. The other information comprises the
information included in the Bank’s Annual Report, but does not include the Bank’s
consolidated financial statements and our auditors’ report thereon (‘the Annual report’). The
Annual report is expected to be made available to us after the date of this auditors’ report.
Our opinion on the consolidated financial statements does not cover the other information and we
will not express any form of assurance conclusion thereon.
In connection with our audit of the consolidated financial statements, our responsibility is to
read the other information identified above when it becomes available and, in doing so, consider
whether the other information is materially inconsistent with the consolidated financial
statements or our knowledge obtained in the audit, or otherwise appears to be materially
misstated.
When we read the Annual report, if we conclude that there is a material misstatement therein, we
are required to communicate the matter to those charged with governance and take appropriate
actions in accordance with ISAs.
Responsibilities of Management and Those Charged with Governance for the
Consolidated Financial Statements
Management is responsible for the preparation and fair presentation of the consolidated financial
statements in accordance with IFRS Standards and their preparation in compliance with the
applicable provisions of the UAE Federal Decree Law No. 32 of 2021 and applicable provisions of
the laws and regulations and for such internal control as management determines is necessary to
enable the preparation of consolidated financial statements that are free from material misstatement,
whether due to fraud or error.
In preparing the consolidated financial statements, management is responsible for assessing the
Group’s ability to continue as a going concern, disclosing, as applicable, matters related to going
concern and using the going concern basis of accounting unless management either intends to
liquidate the Group or to cease operations, or has no realistic alternative but to do so.
Those charged with Governance are responsible for overseeing the Group’s financial reporting
process.
Auditors’ Responsibilities for the Audit of the Consolidated Financial Statements
Our objectives are to obtain reasonable assurance about whether the consolidated financial
statements as a whole are free from material misstatement, whether due to fraud or error, and to
issue an auditors’ report that includes our opinion.
Reasonable assurance is a high level of assurance, but is not a guarantee that an audit conducted in
accordance with ISAs and ADAA Auditing Standards will always detect a material misstatement
when it exists.
Misstatements can arise from fraud or error and are considered material if, individually or in the
aggregate, they could reasonably be expected to influence the economic decisions of users taken on
the basis of these consolidated financial statements.
As part of an audit in accordance with ISAs and ADAA Auditing Standards, we exercise
professional judgment and maintain professional skepticism throughout the audit. We also:
- Identify and assess the risks of material misstatement of the consolidated financial
statements, whether due to fraud or error, design and perform audit procedures responsive to
those risks, and obtain audit evidence that is sufficient and appropriate to provide a basis for
our opinion. The risk of not detecting a material misstatement resulting from fraud is higher
than for one resulting from error, as fraud may involve collusion, forgery, intentional
omissions, misrepresentations, or the override of internal control.
- Obtain an understanding of internal control relevant to the audit in order to design audit
procedures that are appropriate in the circumstances, but not for the purpose of expressing an
opinion on the effectiveness of the Group’s internal control.
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- Evaluate the appropriateness of accounting policies used and the reasonableness of
accounting estimates and related disclosures made by management.
- Conclude on the appropriateness of management’s use of the going concern basis of
accounting and, based on the audit evidence obtained, whether a material uncertainty exists
related to events or conditions that may cast significant doubt on the Group’s ability to
continue as a going concern. If we conclude that a material uncertainty exists, we are
required to draw attention in our auditors’ report to the related disclosures in the consolidated
financial statements or, if such disclosures are inadequate, to modify our opinion. Our
conclusions are based on the audit evidence obtained up to the date of our auditors’ report.
However, future events or conditions may cause the Group to cease to continue as a going
concern.
- Evaluate the overall presentation, structure and content of the consolidated financial
statements, including the disclosures, and whether the consolidated financial statements
represent the underlying transactions and events in a manner that achieves fair presentation.
- Obtain sufficient appropriate audit evidence regarding the financial information of the
entities or business activities within the Group to express an opinion on the consolidated
financial statements. We are responsible for the direction, supervision and performance of
the group audit. We remain solely responsible for our audit opinion.
We communicate with those charged with governance regarding, among other matters, the planned
scope and timing of the audit and significant audit findings, including any significant deficiencies
in internal control that we identify during our audit.
We also provide those charged with governance with a statement that we have complied with
relevant ethical requirements regarding independence, and communicate with them all relationships
and other matters that may reasonably be thought to bear on our independence, and where
applicable, actions taken to eliminate threats or safeguards applied.
From the matters communicated with those charged with governance, we determine those matters
that were of most significance in the audit of the consolidated financial statements of the current
period and are therefore the key audit matters. We describe these matters in our auditors’ report
unless law or regulation precludes public disclosure about the matter or when, in extremely rare
circumstances, we determine that a matter should not be communicated in our report because the
adverse consequences of doing so would reasonably be expected to outweigh the public interest
benefits of such communication.
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Report on Other Legal and Regulatory Requirements
Further, as required by the UAE Federal Law No. 32 of 2021, we report that for the year ended 31
December 2022:
i)
we have obtained all the information and explanations we considered necessary for
the purposes of our audit;
ii)
the consolidated financial statements have been prepared and comply, in all material
respects, with the applicable provisions of the UAE Federal Law No. (32) of 2021;
iii)
the Group has maintained proper books of account;
iv)
the financial information included in the Chairman’s statement (as included in
Management Discussions & Analysis Report) is consistent with the books of account
of the Group;
v)
as disclosed in notes 5 and 9 to the consolidated financial statements, the Group has
purchased shares during the year ended 31 December 2022;
vi)
note 42 to the consolidated financial statements discloses material related party
transactions and the terms under which they were conducted;
vii)
based on the information that has been made available to us, nothing has come to our
attention which causes us to believe that the Group has contravened during the
financial year ended 31 December 2022 any of applicable provisions of the UAE
Federal Decree Law No. 32 of 2021 or in respect of the Bank, its Articles of
Association, which would materially affect its activities or its consolidated financial
position as at 31 December 2022; and
viii)
note 33 to the consolidated financial statements discloses the social contributions
made during the year ended 31 December 2022.
Further, as required by Article (114) of the Decretal Federal Law No. (14) of 2018 (as amended), we
report that we have obtained all the information and explanations we considered necessary for the
purpose of our audit.
Further, as required by the Abu Dhabi Accountability Authority’s Chairman Resolution No.(88) of
2021 pertaining to Financial Statements Auditing Standards for the Subject Entities, we report that
based on the procedures performed and information provided to us by management and those
charged with governance, nothing has come to our attention that causes us to believe that the Bank
has not complied, in all material aspects, with any of the provisions of the following laws,
regulations and circulars as applicable to its activities, which would have a material impact on the
consolidated financial statements as at 31 December 2022:
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有価証券報告書
i)
its Articles of Association which would materially affect its activities or its financial
position as at 31 December 2022; and
ii)
relevant provisions of the applicable laws, resolutions and circulars that have an
impact on the Bank’s consolidated financial statements.
KPMG Lower Gulf Limited
/s/Richard Ackland
Richard Ackland
Registration No.: 1015
Abu Dhabi, United Arab Emirates
25 January 2023
( ※ )上記は、独立監査人の監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものです。その原本は本有価証券
報告書提出会社が別途保管しております。
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