オーストリア輸出銀行 有価証券報告書
| 提出書類 | 有価証券報告書 |
|---|---|
| 提出日 | |
| 提出者 | オーストリア輸出銀行 |
| カテゴリ | 有価証券報告書 |
EDINET提出書類
オーストリア輸出銀行(E06016)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第１項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2023年６月30日
【会計年度（又は事業年度）】 自 2022年１月１日 至 2022年12月31日
【発行者の名称】 オーストリア輸出銀行
（Oesterreichische Kontrollbank Aktiengesellschaft）
【代表者の役職氏名】 執行取締役（Member of the Board of Executive Directors）
Angelika Sommer-Hemetsberger
執行取締役（Member of the Board of Executive Directors）
Helmut Bernkopf
【事務連絡者氏名】 弁護士 松添 聖史
弁護士 渡邊 大貴
【住所】 東京都港区六本木一丁目９番10号
アークヒルズ仙石山森タワー
ベーカー＆マッケンジー法律事務所（外国法共同事業）
【電話番号】 （03）6271-9900
【縦覧に供する場所】 該当なし
注(1）本有価証券報告書中、別段の記載がない限り、「ユーロ」と表示されるすべての金額は欧州通貨統合参加国の単一
通貨を意味する。2023年６月21日現在、東京の主要銀行により公表された対顧客電信直物売買相場の仲値は、１
ユーロにつき154.65円であった。
(2）オーストリア輸出銀行（OESTERREICHISCHE KONTROLLBANK AKTIENGESELLSCHAFT）及びオーストリア共和国の会計年
度は暦年である。
(3）本有価証券報告書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがある。
(4）オーストリア統計局（STATISTIK AUSTRIA）、WDS-WIFO（オーストリア経済調査研究所）データシステム及び連邦
大蔵省は定期的にデータの修正・改訂を行っており、しばしば過去のデータにまで遡って小さな修正・改訂がなさ
れることがある。ある程度の期間をおかないと正確なデータを入手できない情報もある。従って、本有価証券報告
書中の数値が、昨年ないしそれ以前の報告書に記載された数値と異なることもありうる。
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オーストリア輸出銀行(E06016)
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第１【募集（売出）債券の状況】
該当事項なし
第２【外国為替相場の推移】
（１）【最近５年間の会計年度（又は事業年度）別為替相場の推移】
該当なし
（２）【当会計年度（又は事業年度）中最近６月間の月別為替相場の推移】
該当なし
（３）【最近日の為替相場】
該当なし
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第３【発行者の概況】
１【発行者が国である場合】
該当事項なし。
２【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし。
３【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
（１）【設立】
① 設立の背景、設立年月日
オーストリア輸出銀行（Oesterreichische Kontrollbank Aktiengesellschaft）（以下「当銀行」、「OeKB」、
「輸出銀行」又は「オーストリア輸出銀行」という。）は、1946年に設立されたオーストリアの銀行法人である。
当銀行は、オーストリア経済において、通常の商業銀行業務に属さない一定の専門業務を提供することを目的とし
て設立された。当銀行の発行済株式は、オーストリアの主力銀行によって保有されている。当銀行の主たる事務所
の所在地は、オーストリア、ウィーン市Ａ－1010、アム・ホフ４である。
② 目的、沿革、法律上の地位
当銀行は、1950年にオーストリア共和国（以下「オーストリア」又は「共和国」という。）の輸出金融と輸出振
興に関する業務を開始した。1964年に輸出振興法（同法は、1981年６月１日に1981年輸出保証法（以下「輸出保証
法」という。）に置き換えられ、その後も改正が行われている。）が制定されて以来、当銀行は、オーストリアの
輸出取引にかかる商業上、政治上及び外国為替上のリスクを補償するために、同法に基づいて共和国が発行する保
証（輸出保証）の運用にあたる共和国の総代理人を務めている。当銀行はまた、オーストリアの銀行及び輸出保証
法に基づいて共和国が返済を保証した輸出取引を行う外国の輸入業者向けの中長期金融も営んでいる。輸出貸付業
務にかかる当銀行の外貨建借入金は、元利金もしくは外国為替リスク又はその双方に関して、1981年輸出金融保証
法（以下「輸出金融保証法」という。）に基づいて共和国が実質的に全額保証している。本書において、輸出金融
スキームの文脈での「借入金」とは、当銀行が輸出金融保証法第１条第１項に従い行う信用（債券発行、借入れ、
信用及びその他の債務）を意味する。当銀行のその他金融業務としては、国内債券発行（特に共和国による債券募
集）の引受及び管理業務などがある。当銀行とウィーン証券取引所との合弁企業であるセントラル・カウンター
パーティ・オーストリア（CCP.A.）が、ウィーン証券取引所の清算システムを運営する。2015年９月12日以降、当
銀行の子会社であるOeKB CSD GmbH（OeKB CSD）は、以前は当銀行が50年間にわたり運営してきたオーストリアの
中央証券保管振替機関（Wertpapiersammelbank）の業務を行っている。規制上の要件により当銀行からOeKB CSDに
当該業務が移管された。OeKB CSDは有限責任会社であり、オーストリア証券保管法に基づき、中央証券保管振替機
関として行為する。当銀行は、一般公衆からの預金受入業務や、一般向け貸付、その他の商業銀行業務を営んでい
ない。2008年、当銀行は共和国を代理し、開発途上国の民間産業を確立する手助けのために、オーストリア・エン
トヴィックルングスバンクAGを設立した。2019年、当銀行は、観光分野への融資と投資促進のための特別目的銀行
であるÖsterreichische Hotel- und Tourismusbank Gesellschaft m.b.H. （ÖHT）の株式の68.75％を取得した。
③ 特権
１．1993年オーストリア銀行法（改正済）による免除特権
第３条１－(７)により、当銀行は輸出金融に関連する事業活動に関して、EUの自己資本比率規制（CRR）
2013/575/EU及び第39条３及び４から免除されている。
２．免税措置
オーストリア国税局の通達により、当銀行は輸出金融によって得た利益の一部を一定の条件の下に金利平準化
のための特別準備金として積立てることができるが、この特別準備金への毎年の利益の割当には、その大半は法
人税及び貿易税が課せられない。この特別準備金自体が総資産課税額と相続税相当額を減らすことになる。（訳
者注－法人の財産に対しては、それが将来も相続税の課税を受けることがないという理由から、毎年税金が徴収
されている。）
④ 日本との関係
なし。
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（２）【資本構成】
① 資本勘定表
2022年12月31日現在の資本の状況は以下のとおりである。
(1)
（単位：1,000ユーロ）
(2)
長期債務
銀行からの預金 96,090
顧客からの預金 -
1,704,424
発行済債券
長期債務合計
1,800,514
900,620
株主資本
長期資本合計
2,701,134
短期債務
銀行からの預金 966,974
顧客からの預金 1,129,898
25,389,454
発行済債券
短期資本合計 27,486,326
資本勘定計
30,187,460
注(1）この表に挙げられた項目はOeKBグループの連結財務書類から抜粋されている。OeKBの連結財務書類は、EU
が採択した国際財務報告基準（IFRS）並びにUGB（オーストリア商法）第245a条及びBWG(オーストリア銀
行法)第59a条に基づく追加要件に従って作成されている。
(2）貸借対照表日から満期まで５年以上の残存期間を持つ債務を指す。当銀行は2023年１月１日から2023年６
月22日までに以下の公募を完了した。
2026年３月17日満期4.25％利付保証付債券450百万英ポンド
2026年１月20日満期4.125％利付保証付債券10億米ドル
2025年12月15日満期0.500％利付保証付債券40百万英ポンド（追加発行）
2028年３月１日満期4.250％利付保証付債券10億米ドル
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② 株主
2022年12月31日現在、当銀行の株主資本は、総額１億3,000万ユーロの無額面普通株式880,000株からなる。当銀
行株主の持株比率は次のとおりである。
株主の名称 持株比率
CABETホールディングGmbH、ウィーン
（ユニクレディット・バンク・オーストリア・グループ） 24.750％
ユニクレディット・バンク・オーストリアAG、ウィーン 16.140％
エアステ・バンク・デア・ウステルライヒシェン・シュパーカッセンAG、
ウィーン 12.890％
シェーラーバンク・アクティエンゲゼルシャフト、ウィーン 8.260％
AVZ・GmbH、ウィーン 8.250％
ライファイゼン・バンク・インターナショナル・アクティエンゲゼルシャフト、
ウィーン 8.120％
P.S.K. ベタイリグングスフェアバルトゥングGmbH、ウィーン
5.090％
ライファイゼンOeKBベタイリグングスゲゼルシャフトmbH(ライファイゼン・
グループ)、ウィーン 5.000％
オーバーバンクAG、リンツ 3.889％
ベタイリグングスホールディング5000GmbH、インスブルック 3.055％
BKSバンクAG、クラーゲンフルト 3.055％
1.500％
フォルクスバンク・ウィーンAG、ウィーン
100.000％
当銀行の取引の大部分が、当銀行の株主及びその関連会社、並びに当銀行の監事会又は執行取締役会の構成員が
取締役あるいは役員などを務める様々な機関との間で行われている。当銀行は自行がその株主、また他のオースト
リアの銀行や信用機関に対し、競合関係にあるとは考えておらず、さらに基本的に、株主との協議なしで新たな取
引を始めることはない。ただし、株主に対し特別な優遇を与えることはしない。（下記「(4）業務の概況」を参照
のこと。）
（３）【組織】
① 執行取締役会
当銀行の業務の運営に当たるのは執行取締役会で、執行取締役会の構成員は、５年を超えない任期で監事会が任
命する。2022年12月31日現在、執行取締役会構成員の氏名と役職名は次のとおりであった。
氏名 主たる役職
アンゲリカ・ゾマー‐ヘメツベルガー 執行取締役
ヘルムート・ベルンコプフ 執行取締役
② オーストリア政府の代表
1993年オーストリア銀行法 (改正済) (Bankwesengesetz) によれば、共和国の大蔵大臣は、当銀行を含むほとん
どの銀行について、政府査察官１名及び政府副査察官１名を任命しなければならない。政府正副査察官は、当銀行
の株主総会及び監事会に参加する資格を有し、共和国の法令に違反する決議があったと認めるときは、異議を申し
立てなければならない。そのような異議申し立てがあったときは、その決議の合法性について金融市場当局の決定
があるまで、その決議は効力を停止される。また、輸出金融保証法によれば、大蔵大臣は、同法に基づいて共和国
が負う保証に関して共和国の利益を擁護する責任を負う代表１名と副代表１名を任命する権限がある。これらの代
表に与えられた権限は、当銀行の一切の帳簿・記録を検査すること、及び輸出金融保証法に基づく共和国の保証の
対象となる当銀行の借入金に関して当銀行の行う一切の審議に議決権なしで参加することである。
上記の法に基づく2022年12月31日現在の政府正副査察官／代表の氏名と地位は次のとおりである。
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ハラルド・ヴァイグライン
政府査察官／代表 …………………… オーストリア連邦大蔵省第Ⅲ（経済政策及び金融市場）局長
ヨハン・キナスト
政府副査察官／副代表………………… オーストリア連邦大蔵省第Ⅲ/８（輸出保証及び債務繰延）部長
③ 監事会
当銀行の監事会は、2022年12月31日現在、当銀行の株主が選任した次の構成員からなる。
氏名 主たる役職
ロバート・ザドラジール ユニクレディット・バンク・オーストリアAG、ウィーン
議長 ジェネラル・ディレクター兼執行取締役会会長
ペーター・レンク ライファイゼン・バンク・インターナショナル・アクティエン
第一副議長 ゲゼルシャフト、ウィーン
取締役兼執行取締役会メンバー
アレクサンドラ・ハベラ－ドラベク エアステ・グループ・バンクAG、ウィーン
第二副議長 チーフリスクオフィサー兼執行取締役会メンバー
ヴェロニカ・ベルンクラウ ユニクレディット・バンク・オーストリアAG、ウィーン
オーストリア金融機関グループ長
シングリッド・ブルコウスキー ライファイゼン・ランデスバンク・オーバーウステルライヒ・
アクティエンゲゼルシャフト、リンツ
コーポレートガバナンス、法務＆コンプライアンス部門長
マリー-アン・ヘイ ユニクレディット・バンク・オーストリアAG、ウィーン
ストラクチャード取引＆輸出金融部門長
ディーター・ヘングル シューラーバンク・アクティエンゲゼルシャフト、ウィーン
執行取締役会会長
ヘルベルト・ピッチラー Privatstiftung zur Verwaltung von Anteilsrechten、ウィー
ン
執行取締役会メンバー
フリードリッヒ・シュパンドル BAWAG P.S.K. バンク・フュア・アルバイト・ウント・ヴィルツ
シャフト・ウント・オーストリア・ポストシュパーカッセAG、
ウィーン
法人組織、参加及び税務部門長
ヘルタ・シュトックバウアー BKSバンクAG、クラーゲンフルト
執行取締役会メンバー
ヘルベルト・テンプシュ ユニクレディット・バンク・オーストリアAG、ウィーン
ハンス・ウンテルドーファー エアステ・バンク、ウィーン
チーフコーポレートオフィサー
ジャニン・ヴコビッツ ユニクレディット・バンク・オーストリアAG、ウィーン
法務ガバナンス及びデジタリゼーション部門長
ロバート・ヴィーゼルマイヤー カード・コンプリート・サービス・バンクAG、ウィーン
執行取締役会メンバー
また、オーストリアの法律によれば、監事会には、当銀行の従業員総会が選任した従業員代表を任期４年で参加
させる必要がある。従業員代表は、監事会の会合で事実上すべての協議事項について議決権を有する。2022年12月
31日現在の監事会従業員代表の氏名は次のとおりである。マルティン・クルール、エルナ・シュリアウ、エリザベ
ス・ハリー、メラニー・クセラ、クリストフ・セパー、マルクス・ティチィ及びイブリン・ウルリッヒ‐ヘル。
当銀行の経営状態・財務状態については、監事会が株主に報告し意見を述べる。執行取締役会による一定の取引
（当銀行による一定額を超える借入及び貸付を含む。)の授権については、監事会の承認を得る必要がある。な
お、当銀行の借入業務と貸付業務に関しては、監事会は現在以下の３人で構成される執行委員会に対して権限を委
譲している。
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ロバート・ザドラジール 監事会議長
ペーター・レンク 監事会第一副議長
マルティン・クルール 監事会従業員代表
（４）【業務の概況】
① 輸出業務
共和国の輸出保証制度の運用
輸出保証法に従い、当銀行は輸出保証の運用について共和国の総代理人を務めている。当銀行自身が輸出保証の
受益者である場合を除き、当銀行が輸出保証の発行申請の信用分析を処理し、実行する。輸出保証はすべて共和国
の認可を受ける必要があり、当銀行は共和国に代わってその発行と管理を行っている。2022年中、当銀行は共和国
の代理人として総額40億ユーロの輸出取引を対象とした1,012件の輸出保証を発行し、2022年12月31日現在、輸出
保証の対象であるすべての輸出取引の総額は295億ユーロであった。2022年12月に、輸出保証法の効力が2027年12
月31日まで延長された。その時点で輸出保証法に基づき既に発行された保証は、期限満了により将来影響を受けな
い。
輸出保証法に基づき、オーストリア政府は、欧州経済地域内で適切な銀行免許を有する他の金融機関が、共和国
の輸出保証管理の総代理人になるために当銀行と競う資格の取得手続きを開始できる。かかる場合、
・規定された調達手続きに従い代理契約を与えられた他の機関がない場合は、当銀行は共和国の総代理人であり続
ける。
・オーストリア政府は、新しい代理契約を入札金融機関（当銀行を含む。）の１つに与えるために調達手続きを開
始する少なくとも２年前には当銀行にその旨通知することを求められている。
・新代理人が任命される場合、その時に未決定の輸出保証及び輸出金融取引は当銀行が引続き管理し、必要な資金
を調達する信用業務は引続き共和国により保証される。
2022年12月31日現在、輸出保証法の規定によると、発行済み輸出保証に基づく共和国の債務限度額は400億ユー
ロであり、共和国の債務総額は295億ユーロ、すなわち73.8％であった。使用状況を算定するにあたっては、保証
に基づく発行済基本額（保証限度額マイナス最低保有率）及び為替手形保証による要求払い保証の場合において届
出られる必要融資総額を算入しなければならない。
2008年、輸出保証法の改正に基づき、オーストリア開発銀行（以下「開発銀行」という。）が設立された。開発
銀行は、発展途上国に対する民間産業の創設を目的とした資本参加、ローンその他財務手段の付与及び支援の供与
（連邦大蔵省に従い計画される。）をその任務とする。開発銀行は当銀行の完全子会社であり、その取締役会は当
銀行の経験豊富な２名の職員により構成される。
なお、当銀行は、66ヵ国の輸出信用・投資保険業者83社で構成するベルン・ユニオン（国際輸出信用投資保険連
合）に加盟している。
輸出保証の対象になるリスク
共和国が輸出保証法に基づき引受ける債務は、外国の契約相手方による正当な契約履行のための保証、又はその
割引手取金が輸出保証取引に適用される為替手形保証による保証の形をとる。輸出保証スキームは12種類の保証か
ら構成される。最も重要なものは、タイド（ひもつき）財政信用を対象とした保証であり、これは2022年12月31日
現在発行済保証総額の15.6％、46億ユーロを占めた。
その他の重要な輸出保証は、投資保証（2022年12月31日現在の発行済保証総額の4.8％、14億ユーロ）及び直接
供与及びサービスを対象とした保証（2022年12月31日現在の発行済保証総額の8.7％、26億ユーロ）である。
輸出保証による支払い
輸出保証法に基づく1981年大蔵大臣規則(以下「大蔵大臣規則」という。)によれば、輸出保証に基づいて共和国
に生じた請求権は、その債務の認識時に（期限到来済みの請求権及びオーストリアが債務を認識した後に満期が到
来する請求権共に）根拠となる契約に定める支払日程に従い、オーストリアが支払うことになっている。また、大
蔵大臣規則はまた、輸出保証に基づくオーストリアに対する支払日程の短縮を規定する。大蔵大臣規則は、主にか
かる保証の発行に関連する詐欺若しくは虚偽表示又は保証条件の不履行に相当する事由など一定の条件下におい
て、オーストリアに輸出保証に基づく債務を拒絶することを認める。
2022年中、オーストリアは保証人として、6,500万ユーロ（2021年：3,200万ユーロ）の請求総額を支払い、他方
回収額は合計3,200万ユーロ（2021年：3,300万ユーロ）であった。
当銀行の輸出貸付金融業務
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当銀行は、共和国の総代理人として輸出保証法に基づく輸出保証プログラムの運用に当たる一方で、当銀行の株
主各行を含む銀行に対し、これらの銀行が自ら輸出貸付を行えるよう、貸付（以下「リファイナンス・ローン」と
いう。）を行っている。
輸出貸付額と貸付約定額
次表は、タイド・ローンの借換え及び外国投資の元本金額について、過去３年間の各年の12月31日現在の残高を
示したものである。
（単位：10億ユーロ）
2020年 2021年 2022年
タイド・ローン
3.35 3.16 2.91
売掛債権の取得 0.07 0.07 0.06
19.66 18.56 20.44
その他リファイナンス契約
ローン合計 23.08 21.79 23.60
2022年12月31日現在のリファイナンス・ローン残高のうち82億8,000万ユーロは、当銀行の直接又は間接株主で
あるオーストリアの主要銀行に対するものである。
このほか、当銀行が輸出貸付として将来貸し出す契約を結んでいる貸付約定分がある。2022年12月31日現在、当
銀行が約定した輸出貸付の未支出残高は36億ユーロで、次表のように引出されていく予定である。
（単位：百万ユーロ）
12月31日まで
2023年
1,104
2024年 2,394
2025年 48
76
2026年
3,623
この未支出額は、借手の都合で全額又は一部が取り消されることがあるが、現在までのところそのような取消額
はごく僅かである。納期や建設の遅れその他の理由で、この未支出額の引出時期の見通しは随時変更されることが
ある。
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当銀行の輸出、輸出保証及び輸出金融スキーム
地域及び国グループ別
（単位：百万ユーロ）
2022年12月31日現在の
輸出貸付残高
2022年の保証 2022年12月31日
地域／
発行高（契約） 現在の保証残高
2022年輸出
約定額 実行額
国グループ別
（％） （％） （％） （％） （％）
ヨーロッパ
（トルコ及び
408 6.6 3,115 10.6 1,864 7.3 1,773 8.0
旧ソ連を含む）
50 0.2 327 1.1 41 0.2 41 0.2
北アメリカ
661 10.6 1,208 4.1 499 2.0 456 2.1
ラテンアメリカ
531 8.5 3,393 11.5 2,032 8.0 1,860 8.4
アジア
オーストラリア、
76 1.2 105 0.4 - - - -
オセアニア
322 5.2 1,382 4.7 876 3.4 820 3.7
アフリカ
0 0.0 0 0.0 51 0.2 51 0.2
包括保証（CP）
2,012 32.3 9,530 32.4 5,363 21.0 5,001 22.6
保証合計
3,885 62.4 18,381 62.4 20,136 79.0 17,129 77.4
要求払い保証（GA）
328 5.3 1,541 5.2 － － － －
OeEB
194,126 100.0 6,225 100.0 29,452 100.0 25,499 100.0 22,130 100.0
計
その内（CPとGAを除
884 14.2 2,110 7.2 1,224 4.8 1,160 5.2
く）：
50 0.8 498 1.7 868 3.4 837 3.8
OECD(1)
EU
発展途上国
1,747 28.1 6,402 21.7 3,246 12.7 2,985 13.5
（ヨーロッパ以外）
86 1.4 557 1.9 374 1.5 311 1.4
OPEC
注(1）経済協力開発機構。
輸出貸付の融資条件
当銀行の輸出貸付はユーロ建てによるものがほとんどである。当銀行は、貸付のうち、輸出金融保証法に従い、
輸出保証で全額担保されている、保険が付されている、又はその他担保されている金額まで融資を行う。リファイ
ナンス・ローンについては、(1)それぞれ、銀行のその借手に対する権利及び銀行の当該リファイナンス・ローン
を担保する輸出保証又は信用保険に基づく共和国又は信用保証者に対する権利又は銀行のその他適格な保証人に対
する権利、並びに(2)オーストリアの輸出業者の外国の輸入業者に対する権利、が当銀行に譲渡される。外国の政
府、政府機関又は金融機関に対してローンが直接行われない場合はほとんど、当該貸付については、輸出保証によ
る直接の担保のほか、外国の政府、政府機関又は金融機関による保証がつく。
オーストリア輸出金融スキームは、Euriborに基づく変動金利貸付と固定金利貸付を提供する。利率は国際金融
市場でのOeKBの資金調達コストに基づき毎日定められる。利率はまた、支払い、並びに各貸付の償還期間による。
2023年６月２日現在、１か月以内払いのユーロ建て５年満期一括償還貸付は、年率3.751％の固定金利率又は３か
月物Euriborプラス81bpのマージンである。
一般に、消費財輸出に関するリファイナンスの償還期限は１年未満であり、重資本財又は大型プロジェクトの輸
出に関するリファイナンスの償還期限は５年ないし10年である。特定の場合には発展途上国向け輸出に関係する緩
やかな条件の貸付では、償還期限がこれより長期になることもある。
当銀行の輸出金融プログラムは、OECDの枠組の中で協議された「公的に支援される輸出信用についての取決め」
に沿ったものである。
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輸出貸付の資金源
当銀行の輸出貸付業務にかかわる主たる資金源は、共和国内外における借入金である。
輸出金融保証法では、輸出貸付を含めた輸出取引に融資するため当銀行が行った借入もしくはその借換えの元利
金の支払について共和国の無条件の保証を付する権限が大蔵大臣に与えられている。また、外国通貨借入分につい
ては、当銀行は借入時点の為替相場で換算したユーロ建て元利金を超えて支払を行う必要がない旨を保証する権限
が共和国に与えられている。輸出金融保証法によれば、共和国の保証が発行されるのは、その発行が効力を生じた
後、輸出金融保証法に基づいてその時点で有効なすべての保証に基づく元本支払額に係る債務総額が400億ユーロ
を超えない場合に限る。この債務総額を算定するに当たっては、為替レート・リスクの観点から保証の対象になる
元本残高のユーロ相当額の10％に相当する額が加算される。2022年12月31日現在輸出金融保証法に基づく共和国の
債務残高の合計額は、277億ユーロであった。
当銀行の大部分の外貨建借入金に関する元利金の支払いは、輸出金融保証法に基づきオーストリアが保証してい
る。オーストリアは当銀行による実質的にすべての外貨建借入に関連する外国為替リスクについて、当銀行を補償
している。2022年12月31日現在、当銀行によるユーロ以外の通貨建借入金残高の合計額は217億ユーロであった。
2022年12月31日現在、当銀行によるユーロ建借入金残高の合計額は、60億ユーロであった。
2022年12月、輸出金融保証法の有効期間が2027年12月31日まで延長された。同日以前に発行されたオーストリア
の保証は、同法の失効により影響を受けない。
② 証券業務
国内資本市場業務
従来、当銀行は、オーストリア国債の入札代理人として行為してきた。入札手続き全体が、発行者と入札参加者
との間の中立的仲介者である当銀行により管理されている。入札は当銀行が開発し維持する入札ソフトウェアを用
いて電子的に遂行される。
さらに、当銀行はオーストリア国債の決済兼支払代理人として行為する。
資本市場法に基づく届出事務所
2019年資本市場法第23条に従い、当銀行は届出事務所の機能を委任されている。この職務において、当銀行は
オーストリアで募集されるすべての証券及び投資の新発行の日程を運営する。さらに、証券、投資及びファンドの
目論見書及び補足書類並びにファンドについての主要な投資家情報書類が、保護預かり及びそれらの詳細情報の提
供の責任を有する届出事務所に提出及び保管されなければならない。加えて、当銀行はファンドの税務データを集
め、資本利益税を計算し公表する。
当銀行はまた、公開取引される政府債の流通市場において安定化取引を行い、多数のこれら政府債につき主支払
代理人を務める。
決済機関及び保管振替機能
2005年１月31日まで、当銀行はウィーン証券取引所のすべての取引につき決済機関の機能も果たしていた。2005
年２月１日、OeKBはこれら業務を、当銀行とウィーン証券取引所との合弁会社であるセントラル・カウンターパー
ティ・オーストリアGmbHに譲渡した。当銀行は、オーストリアの銀行、国内ブローカー及び外国保管振替機関が保
有するオーストリア有価証券の保管振替機関としての業務を行っている。2015年９月12日、証券保管振替にかかる
EU規則に従うために、当銀行は保管振替業務を完全所有子会社にスピンオフした。
エネルギー部門の中核センター
2001年に、OeKBはオーストリアのエネルギー市場の規制撤廃を利用して、新しい事業セグメントを発展させた。
当銀行はエネルギー（電力）・バランス（市場参加者が予測に基づき締結した契約と、エネルギーの実際の消費/
生産の差であり、市場参加者が生産又は消費しなければならない。）の分野で金融決済及びリスク管理の機能を果
たす。2003年、当銀行はガス市場につき同様の機能を引受けた。これに基づき、OeKBはエネルギー部門全体の中核
センターとして位置付けられるよう努力している。
③ その他業務
輸出関係以外の貸付業務
輸出関係以外の貸付高は、2022年12月31日現在約120万ユーロであった。これらの貸付のすべては、当銀行の従
業員に対して行われた。
金融市場の操作
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当銀行は、オーストリア金融市場におけるディラーであり、当銀行が保有する利付要求払預金及び短期定期預金
（当銀行の株主である銀行からの預金を含む。）を運用する。2022年中、当銀行のかかる口座の毎日決算残高の平
均 はおよそ５億3,000万ユーロであった。
仲介業務
当銀行は、場合によっては手数料制でオーストリアの他の銀行の仲介役を務めることがある（信託貸付金）。こ
れは、当該銀行から貸付資金を受け取って、当該銀行の指定する借手に貸付を行うもので、この仲介業務は当該銀
行と当銀行が与信リスクを分担する仕組みになっている。
情報サービス
さらに、「その他業務」セグメントには、主に事業会社、国内外の金融機関並びに科学研究機関を対象とした、
世界の金融及び経済発展に関する調査研究、分析、又は要約を提供する当銀行の情報サービスを含む。
④ 日本との関係
輸出保証法に基づく輸出保証及び輸出保証法に基づきオーストリアがその返済を保証する輸出取引金融は、日本
向け輸出にも適用され得るが、これまでの実績は多くない。
当銀行は日本の銀行数行とコルレス契約を締結している。
1981年10月以来、当銀行は元本額の総計が2,050億円にのぼるサムライ債を発行し、また売出し市場に関与して
いる。
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（５）【経理の状況】
① 財務諸表
以下の財務諸表は、もとはドイツ語で作成されたオーストリア輸出銀行グループの連結財務書類の日本語訳であ
る。オーストリア輸出銀行グループの連結財務書類は国際会計基準委員会（IASB）が採用及び公表した国際財務報
告基準（IFRS）に従い作成されている。2005年に当銀行は初めてIFRSに従い連結財務書類を作成した。
オーストリア国内で公表される当銀行の財務書類は、独立したオーストリアの公認会計士であるDeloitte Audit
Wirtschaftsprüfungs GmbH（「デロイト」）により、オーストリアの一般会計基準に基づき監査を受けている。監
査結果は公表されている当銀行の年次財務報告書に含まれる監査報告書において報告される。デロイトは、彼らの
監査は何らの異議も引起こさなかったという意味の無限定適正意見を表明している。デロイトの監査結果に基づい
た意見によれば、連結財務書類は、EUが採用した国際財務報告基準（IFRS）並びにUGB（オーストリア商法）第
245a条及びBWG（オーストリア銀行法）第59a条に基づく追加要件に従い、法的要件を遵守しており、2022年12月31
日現在の当グループの財政状態、並びに2022年１月１日から12月31日の１年間の財務実績及びキャッシュフローに
ついて、真正かつ適切な見解を与えている。当銀行の財務書類及び連結財務書類は、ウィーン市1030、マルクサー
ガッセ１a所在のウィーン商事裁判所における商業登記に登記番号「FN 85749b」で提出され、また2023年４月に
「ウィーン新聞」に公告された。
当銀行の連結財務書類に適用される会計・報告原則は「連結財務書類注記」に記載されている。
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オーストリア輸出銀行グループ2022年連結財務書類
付随の注記は、本年度の包括利益計算書、貸借対照表、連結株主資本変動表及びキャッシュフロー計算書の不可欠な一部で
ある。
損益計算書
（単位：1,000ユーロ） 注記 2022年 2021年
利息収入、実効金利法を用いて計算 282,645 186,294
マイナス金利の予算アンダーラン、実効金利法を
11,901 17,316
用いて計算
その他利息収入 31,850 9,197
その他マイナス金利の予算アンダーラン 59,067 117,552
利息収入 385,463 330,359
利息支払、実効金利法を用いて計算 (122,414) (77,673)
マイナス金利損失、実効金利法を用いて計算 (14,457) (29,205)
その他利息支払 (129,990) (97,237)
その他マイナス金利損失 (8,796) (15,761)
利息支払 (275,657) (219,875)
純利息収入 6 109,806 110,483
手数料収入 65,327 63,308
手数料支払 (21,587) (20,463)
手数料収支 7 43,740 42,845
信用リスク引当金純額 8 3,620 5,351
金融商品の純損益、損益を通じて公正価値で測定 9 (9,565) 1,233
金融商品の認識中止による純損益、損益を通じて公正
10 (34) 107
価値で測定されないもの
その他非連結会社への投資からの当期収入 11 2,614 2,805
持分法投資損益の持分割合（税引後） 20 5,062 7,915
一般管理費 12 (91,775) (87,855)
その他営業収入 9,697 8,861
その他営業費用 (2,380) (2,581)
その他営業収支 13 7,317 6,280
税引前利益 70,786 89,163
所得税 14 (12,558) (23,672)
当期純利益 58,229 65,491
親会社の株主に帰属 56,046 62,142
被支配持分に帰属 2,183 3,349
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その他包括利益
（単位：1,000ユーロ） 注記 2022年 2021年
損益計算書に将来再分類されない項目
確定給付制度の保険数理利益/損失 24 18,318 11,758
持分法投資－その他包括利益（純額）の持分割合 20 412 269
その他非連結会社への投資の公正価値(FVOCI)測定による純損益 (5,800) 5,220
税効果 14 (2,625) (4,244)
税引後その他包括利益 10,305 13,002
包括利益合計 68,534 78,493
親会社の株主に帰属 66,282 75,142
非支配持分に帰属 2,252 3,351
１株当り利益
2022年 2021年
親会社の株主に帰属する当期純利益（単位：1,000ユーロ） 56,046 62,142
平均発行済み株式数 880,000 880,000
１株当り利益（単位：ユーロ） 63.69 70.62
2022年12月31日現在、前年と同様に、行使可能な転換権又はオプションの権利は発行されていない。希薄化１株当り利益
は希薄化前１株当り利益に対応する（注記２を参照のこと。）。
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OeKBグループ連結貸借対照表
資産
（単位：1,000ユーロ） 注記 2022年12月31日 2021年12月31日
現金及び現金同等物 16 319,542 1,245,090
銀行貸付 17 21,752,034 21,285,804
顧客貸付 17 1,889,368 1,706,431
その他金融資産 18 2,532,053 2,922,732
デリバティブ金融商品 19 772,045 595,160
AFFG第1(2b)条に基づく保証 19 6,198,441 5,362,547
持分法投資 20 68,070 73,096
固定資産及び無形資産 21 25,709 25,908
当期税金資産 885 1,417
繰延税金資産 25 40,175 44,468
その他資産 14,956 8,034
貸借対照表合計 33,613,278 33,270,686
負債及び資本
（単位：1,000ユーロ） 注記 2022年12月31日 2021年12月31日
銀行からの預金 22 1,063,065 1,091,550
顧客からの預金 22 1,129,898 941,966
発行済み債務証券 23 27,093,878 28,046,750
デリバティブ金融商品 19 1,768,151 889,979
引当金 24 119,246 142,777
当期税金債務 5,678 7,864
その他債務 26 46,338 43,067
EFS金利安定化引当金 27 1,486,405 1,241,148
株主資本 28 900,620 865,585
内、非支配持分に帰属 17,415 15,944
貸借対照表合計 33,613,278 33,270,686
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OeKBグループ連結株主資本変動表
下表の払込済資本及び資本準備金の金額は、オーストリア輸出銀行の財務書類に報告された金額と同額である。
株主資本に関する詳細な情報は、注記28に記載する。
2022年連結株主資本変動表
親会社株主
払込済 資本 IAS19 FVOCI に帰属する 非支配 株主資本
（単位：
注 資本 準備金 留保利益 準備金 準備金 株主資本 持分 合計
1,000ユーロ）
2022年１月１日
現在 28 130,000 3,347 723,138 (30,111) 23,268 849,643 15,944 865,585
当期純利益 - - 56,046 - - 56,046 2,183 58,229
その他包括利益/（損失） - - - 14,079 (3,843) 10,236 69 10,305
包括利益合計 - - 56,046 14,079 (3,843) 66,282 2,252 68,534
配当支払い 28 - - (32,718) - - (32,718) (781) (33,499)
2022年12月31日
現在 130,000 3,347 746,466 (16,032) 19,425 883,207 17,415 900,620
2021年連結株主資本変動表
親会社株主
払込済 資本 IAS19 FVOCI に帰属する 非支配 株主資本
（単位：
注 資本 準備金 留保利益 準備金 準備金 株主資本 持分 合計
1,000ユーロ）
2021年１月１日
現在 28 130,000 3,347 693,715 (39,195) 19,352 807,219 13,374 820,592
当期純利益 - - 62,142 - - 62,142 3,349 65,491
その他包括利益/（損失） - - - 9,085 3,916 13,001 2 13,002
包括利益合計 - - 62,142 9,085 3,916 75,142 3,351 78,493
配当支払い 28 - - (32,718) - - (32,718) (781) (33,500)
2021年12月31日
現在 130,000 3,347 723,138 (30,111) 23,268 849,643 15,944 865,585
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OeKBグループ連結キャッシュフロー表
（単位：1,000ユーロ） 注 2022年 2021年
税引前利益 70,786 89,163
利益に含まれる非現金項目及び利益を営業活動からのキャッシュフローと一致させる調整
固定資産の減価償却 21 3,128 2,934
無形資産の償却 21 1,692 1,565
引当金の増減 24 (29,498) (16,352)
貸倒引当金（ECL）の増減 8 (1,525) (4,111)
EFS金利安定化引当金の増減 27 245,256 (9,652)
AFFG第1(2b)条に基づく保証の増減 19 (835,894) (567,729)
EFSに割当てられない、損益を通じて公正価値で測定され
る、その他金融資産の測定による未実現利益/損失 9 9,469 (1,413)
償却原価で測定された貸付の認識中止による純損益 10 34 -
持分法投資の損益の持分（税引後） 20 (5,062) (7,915)
EFS(輸出金融スキーム)に割当てた金融商品にかかる外貨
変動による未実現利益/損失 9 96 180
その他非現金項目 457,322 478,750
非現金調整小計 (84,196) (34,580)
非現金項目を調整後の営業活動の資産及び負債の変動
償還による手取金：
銀行貸付 17 14,446,165 14,602,953
顧客貸付 17 2,210,716 1,760,862
購入のための支払：
銀行貸付 17 (15,132,153) (12,334,317)
顧客貸付 17 (2,386,984) (1,883,950)
手取金：
銀行からの預金 22 12,621,111 4,645,927
顧客からの預金 22 2,427,574 1,793,811
発行済み債務証券 23 41,847,089 22,980,122
償還による払戻し：
銀行からの預金 22 (12,651,313) (4,909,273)
顧客からの預金 22 (2,239,653) (1,622,577)
発行済み債務証券 23 (42,234,754) (25,337,045)
リース債務 21 (2,099) (1,668)
営業活動からのその他資産 (2,097) 9,437
営業活動からのその他負債 1,085 3,770
受取利息 277,529 253,805
支払利息 (296,623) (230,125)
その他非連結会社への投資からの受取配当 10,500 2,805
持分法投資からの受取配当 20 2,614 2,880
所得税 (12,444) (12,318)
営業活動からの純キャッシュ (1,197,933) (309,481)
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オーストリア輸出銀行(E06016)
有価証券報告書
注 2022年 2021年
（単位：1,000ユーロ）
償還及び処分による手取金：
その他金融資産 18 1,724,844 1,322,640
購入のための支払：
その他金融資産-その他非連結会社 18 - (41)
その他金融資産 18 (1,413,683) (1,336,766)
固定資産及び無形資産 21 (5,276) (3,341)
投資活動からの純キャッシュ 305,885 (17,508)
支払配当 28 (33,500) (33,500)
財務活動からの純キャッシュ (33,500) (33,500)
OeKBグループ連結キャッシュフロー表
（単位：1,000ユーロ） 2022年12月31日 2021年12月31日
期首現在 現金及び現金同等物 1,245,090 1,605,579
営業活動からの純キャッシュ (1,197,933) (309,481)
投資活動からの純キャッシュ 305,885 (17,508)
財務活動からの純キャッシュ (33,500) (33,500)
期末現在 現金及び現金同等物 319,542 1,245,090
現金及び現金同等物に関する詳細並びにキャッシュフローの表示変更に関する追加情報は注記30及び注記１において説明す
る。
次へ
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有価証券報告書
OeKBグループ連結財務書類注記
注記１ 一般事項
オーストリア輸出銀行（以下「OeKB」という。）は、オーストリア、ウィーン1010、アムホフ４（1010 Vienna,
Am Hof 4, Austria）に登録事務所を置く特殊目的の銀行であり、1946年に設立された。OeKBは、統一オーストリア
商法（Uniform Commercial Code、以下「UGB」という。）第189a条第１項に基づく公益事業体である。
OeKBグループは、オーストリア輸出銀行、オーストリア・エントヴィックルングスバンクAG（OeEB）、OeKB CSD
GmBH（OeKB CSD）、オーストリア・ホテル・ウント・ツーリスムバンク・ゲゼルシャフトm.b.H.
（Österreichische Hotel- und Tourismusbank Gesellschaft m.b.H. 、以下「ÖHT」という。）、CCPオーストリ
ア・アプヴィクルングステル・フュア・ブーゼンゲシェフテGmbH（CCP.A）及びOeKB EHベタイリグングス・ウン
ト・マネージメントAG（アクレディア・フェアジヒャルングAG）で構成される。注記39「連結の範囲」も参照のこ
と。
OeKBグループのビジネスモデルは独特の性質を持つため、本連結財務書類のより良い理解に資する目的で、営業
原則及び関連する法律上の規制を本項において説明する。
OeKBグループは、輸出産業、資本市場（エネルギー市場を含む。）及び観光産業向けのサービスを提供する、特
別目的銀行のグループである。
OeKBグループのビジネスモデルは4つの中核セグメントから成る：
・輸出保証及び手形による保証
・輸出金融及びオーストリア共和国の開発銀行としての融資
・資本市場業務
・観光振興及び金融。
輸出保証/手形による保証
このセグメントでは、OeKBはオーストリア共和国の名において及びその勘定で代理人として行為する。OekBは、
保証申請の銀行固有の取扱い、保証契約の事務的及び技術的処理、並びに保証の請求から共和国の権利を実行化す
ることに責任がある。OeKBは代理人契約に基づき、このオフバランスシートの事業セグメントについて処理手数料
を受領する。
法的根拠：輸出保証法（以下「AusfFG」という。）による責任
AusfFGに従い、連邦大蔵大臣は、2027年12月31日まで、外国取引相手による取引の適切な実行及びオーストリア
の経常収支を直接もしくは間接的に改善する輸出企業の権利の実行のために、オーストリア共和国の名において保
証を引き受ける権限を与えられている。これらの取引及び権利は海外のプロジェクト（特に環境保護、廃棄物処理
及びインフラストラクチャーの諸分野）に関連し、国内外の会社によるその実現はオーストリアの利益である。
AusfFG第7条に従い、保証手数料及びすべての支払債権は、連邦政府の代理人（OeKB）により徴収され、連邦政府の
認可代理人に開設された連邦政府の定期的に入金される。AusfFG第8a条に従い、OeKBは新代理契約が終了するまで
これらの輸出保証/包括保証の処理に引続き責任を持つ。
OeKBは、これらの輸出保証の運営につき適切な手数料を得る資格がある（保証業務からの手数料収入として表
示、注記７）。
オーストリア開発銀行の任務はAusfFG第9条に明記される。オーストリア・エントヴィックルングスバンクAGがこ
れらの責務を果たすことを委任されており、「開発協力法（以下「EZA-G」という。）」に記載のオーストリアの開
発政策の目的及び原則に従う義務がある。OeEBの事業活動はまた、EZA-Gの規定を目的として、方向づけられる。
大企業向けのつなぎ保証（ABBAG-G第6a[2]条に関連する第2[2]7条）
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オーストリア輸出銀行(E06016)
有価証券報告書
OeKBは、COVID-19-Finanzierungsagentur des Bundes GmbH (COFAG)の代理人として、政府の190億ユーロのコロ
ナ支援基金に基づき、大企業向けつなぎ保証の処理を扱っている。コロナ支援基金は、オーストリア企業の存続を
確保するために連邦政府が制定したコロナ支援策の一部である。コロナによる危機により深刻な流動性のボトル
ネッ クに陥っているオーストリア企業に迅速に資金を提供することがその目標である。COFAGつなぎ保証は、コロナ
支援基金から資金が供与される施策のひとつである。流動性ギャップを埋めるために、諸銀行が会社に供与した一
括返済融資ために発行される。オーストリア共和国からの保証が、融資額の90％を賄う。これらのつなぎ保証の運
営のために適切な手数料が支払われる（注記７の保証業務からの手数料収入に記載されている）。2023年には新た
なつなぎ保証を申請することができなくなり、従ってこの商品は徐々に消えていく。
輸出金融スキーム（以下「EFS」という。）
OeKBグループは重要な事業セグメントにおいてオーストリア共和国の受託業者として行為する。オーストリア共
和国はまたOeKB及びその債権者の保護のために幅広い保証も発行する。OeKBグループは、リテール以外の業務への
従事又は預金の受け入れをしない。オーストリア共和国の代理人として、OeKBは銀行及び金融機関へ魅力的な条件
でリファイナンス(貸付)を提供し、これらの金融機関はその後この資金を彼らの顧客に輸出ローンとして供与する
（交付、買取り、投資金融及び輸出信用状の引受け、輸出向け国内投資への資金供与並びに国内の輸出業者のリー
ス契約への資金供与）。
EFSの銀行貸付及び顧客貸付の大部分は、AusfFGに基づくオーストリア共和国の保証を特色とする。このために、
OeKBグループは巨額の信用リスクにさらされず、EFSに関連してわずかな貸倒引当金しか設定する必要がない。これ
らの保証のために、請求はリファイナンス契約が締結された時点に依存する統一条件に従う。これらの統一的なリ
ファイナンス金利はOeKBのウェブサイトにおいて公表され、OeKBのクレジットスプレッドから導かれる。さらに
OeKBのクレジットスプレッドは、AEFG第1(2a)条に基づく債権者の保証により、オーストリア共和国のクレジットス
プレッドに依存する。輸出金融保証法はまた、その他の保証及び保険契約に基づく輸出金融も許可する。
COVID-19による危機をオーストリア企業が克服するのを助けるために、オペレーティング融資が輸出銀行特別リ
ファイナンス枠の形で、BMFと協調して輸出業者に拡大された。20億ユーロが割り当てられた当初予算は、需要が大
きいため30億ユーロに増額された。この支援プログラムは現在期限切れとなった。これにより生み出された利益
は、「純利息収入」（注記６）に認識されている。
ウクライナ戦争は、オーストリア企業にとり厳しい状況を生み出している。この武力紛争の影響を受けている
オーストリアの輸出企業を支援するため、OeKBはBMFの要請により、輸出銀行リファイナンシング枠（短期運転資金
貸付）の補足する形で追加の信用ファシリティ（10億ユーロの融資枠）を提供している。これらの融資枠は現在、
期間２年以内に限定されている。
このスキーム以外、OeKBグループは、観光金融に関連する及び開発銀行としての重要な貸付業務のみに従事し、
従ってこれらの事業セグメントにおいてのみ、多額の利息収入を生み出す。すなわち、自己勘定投資によりもたら
される利息以外のOeKBグループの収入は、主に顧客に提供される業務の手数料によるものである。
輸出金融スキームに必要なリファイナンスの大半は、国際金融・資本市場において調達される。ここにおいて
は、OeKBは連邦政府が供与する保証のために、評判の高い認められた発行体である。為替レートリスクの大半は、
これらの長期及び短期の債務証券に関連してのみ存在する。このリスクは、個別の取引ベースで、AFFG第1(2b)条に
基づくオーストリア共和国の為替レート保証によりその大部分が担保されている。すなわち、OeKBグループはEFSか
らは重要な為替レートリスクを負わない。これらの為替レートのポジションの計算及び決済は、各個別の取引につ
いて連邦大蔵省（BMF）と合意して行われる。外貨の戦略は、継続的なポートフォリオ戦略の一部としてBMFと調整
が行われる。場合により、取引は同じ通貨でリファイナンスが行われ、満期を迎える債務に適用される為替レート
は直ちに新たに発行される債務に適用される。すべての関係者に対してこの受取勘定（債権）が重要性及び関連性
を持つため、独立した項目として報告されている（AEFG第1[2b]条に基づく保証）。
法的根拠：取引の資金調達及び権利に関する連邦法（輸出金融保証法-以下「AFFG」という。）
AFFG第１条に従い、連邦大蔵大臣は2028年12月31日までオーストリア共和国の名において、AusfFG第5(1)条に基
づく連邦政府の認可代理人（OeKB）により実行される貸付業務（債券、ローン、信用枠及びその他の債務）につい
て保証を発行する権限を与えられている。
保証は、以下のために発行される。
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・貸付業務に基づく債務を履行するための、連邦政府の認可代理人（OeKB）の債権者の利益（AFFG第1[2a]
条）、
・貸付業務からの手取金がユーロでの資金調達に使用されている期間について、かかる貸付業務に基づく債務を
履行するためのユーロと他通貨の特定の為替レートを保証する（為替リスク）ための、連邦政府の認可代理人
（OeKB）の債権者の利益（AFFG第1[2b]条）。
AFFGに基づくオーストリア共和国による保証発行の手数料の条項は、輸出金融スキームにおいて未償還借入額に
依拠する（最低）保証手数料を規定する。
EFS金利安定化引当金は、輸出金融スキームの固有の目的及び関連するリスクに基づいており、AFFG（AusfFG第5
[1]条に関連するAFFG第1[1]条を参照のこと）に基づく連邦政府の代理人としての認可の下で独立会計主体として維
持されている。これは、計上利息（利息収入）からの剰余金及び公正価値でEFSの金融商品を測定したことによる純
損益（金融商品の純損益、損益を通じて公正価値で測定）を含む。OeKBは1968年に連邦大蔵省によりEFSに基づき生
み出される収益を別勘定で徴収し、かつ必要な場合EFSのファイナンスのためのみにこれを使用することを委任され
た。これはEFS金利安定化引当金の設定を通じて、かつOeKBの監事会の毎年の決議を通じて、実施された。EFSに基
づき生み出される収益は、現在及び将来においても株主には利用できず、経営陣がEFSの目的のみに使用することが
できる。この引当金は、EFSからの収益はOeKBには発生しないが、その代わり、リスク（AusfFGの第8a条に基づく代
理契約が解除される場合の運営継続義務に関するものを含む。）をカバーするためにEFSに維持されるという事実を
反映する。法人向け連邦税務当局（ウィーン）は、EFS金利安定化引当金がEFSのリファイナンス実効金利の引下げ
に使用される限りにおいて、これまでこれを控除可能な債務項目として、認識してきた。
連邦大蔵省と連携して、OeKBはEFS金利安定化引当金をその特異な性質のために独立した項目として報告すること
を決定した（注記27を参照のこと。）。
資本市場及びエネルギー市場向けサービス
OeKBグループはオーストリアの資本市場向けの幅広いサービスを提供する。これには、入札を通じたオーストリ
ア共和国の国債の発行事務所、オーストリア共和国の国債の支払及び計算事務所、KMGに従った届出事務所、OAM発
行体情報（証券取引所情報のための保管媒体）、ISINコード割当、並びに金融データサービス - 金融商品の原本、
日程及び価格データの収集及び販売、ファンド・サービス（データ交換のプラットフォーム）及びLEIサービス・
パートナーシップを含む。OeKB CSDの事業活動の一環として、集中決済サービスがEU CSD規則（規則[EU]第
909/2014号）に従い提供される。これらのサービスには、発行者からの証券の保護預かり及び運用のための引受業
務、証券取引決済のための帳簿記録の実行並びに証券が証拠となる請求を満たすための発行体からの支払処理を含
む。
資本市場の中心能力に関連して、オーストリアのエネルギー市場向けのサービスも提供される。このセグメント
には、オーストリアのガス及び電力市場の決済代理人向けの金融決済及びリスク管理サービスが含まれる。OeKBは
また、欧州コモディティ・クリアリングAG(ECC)の一般クリアリング・メンバー（GCM）として行為し、この資格に
おいて、クリアリング・メンバー以外のために担保の管理及び財務処理を担当する。
開発銀行としてのサービス
OeKBは、開発途上国及新興国の人々の生活環境を改善するために、連邦財務省を代理して活動している。これら
の活動の法的根拠は、主に輸出保証法に定義されている（「法的根拠」も参照のこと。輸出保証法[AusfFG]に従っ
た責任）。OeEBは公的な代理人として、市場に近い条件で融資を行うが、オーストリア共和国からの包括的な保証
のおかげで、商業銀行よりも高い程度の経済的リスクを引き受けることができる。OeEBは、連邦資金を活用して、
開発途上国及び新興国の会社の株式を受託者ベースで取得し、その結果、開発政策の効果を側面の施策とともに補
強している。ビジネス・アドバイザリー業務の分野では、OeEBは開発政策効果を強化するために、特に連邦資金及
び開発銀行からの投資金融によるエクイティ投資の基礎を作り、伴うために、特別融資を提供する。
観光金融・振興業務向けサービス
ÖHTは、オーストリアの資金提供事業体かつ銀行である、観光・レジャー産業仲介機関として行為する。ÖHTが提
供する資金は、公的機関により提供される。ÖHTの中心的業務は、オーストリアの観光及びレジャー産業に属する中
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小企業による投資プロジェクトへの融資である。ÖHTを通じた金融の特徴は、すべての提供される資金調達商品の一
部である連邦政府の振興策である。これは、連邦労働・経済省に代わり、連邦政府の観光振興業務を取り扱う。こ
れ らの振興施策は、保証、現金拠出、又は金利補助の形をとることができる。ÖHTは、ルクセンブルクに本社を置く
欧州投資銀行（EIB）のパートナー機関である。ÖHTは、ERDF（欧州地域開発基金）の一環として、観光振興プロ
ジェクトに対する補助金付ローンの付与に関連して、いくつかの州の仲介機関を務めている。2020年のCOVID-19に
よる危機が始まって以来、ÖHTはオーストリアの観光、レストラン及びレジャー企業向け振興プログラムの運営管理
も行っている。これらの振興プロジェクトの運営管理について適切な手数料が支払われる（注記７の保証業務から
の手数料収入又は注記13「その他営業収支」に記載されている）。
会計原則
OeKBグループの連結財務書類は、IAS規則（EC）第1606/2002号に基づき、欧州連合により採択された国際財務報
告基準（以下「IFRS」という。）に準拠して作成された。オーストリア銀行法（以下「BWG」という。）第59a条及
びUGB第245a条の要件が満たされた。
OeKBの執行取締役会は連結財務書類及びグループ経営報告書を作成する責任があり、これらは2023年３月10日に
執行取締役会により署名された。これらは、監査委員会の勧告に基づき、OeKBの監事会により承認された。
OeKBグループの認識及び測定の原則（「輸出金融スキーム」の章の説明以外）についての詳細は、当年度中にな
された変更も含めて、注記２に説明される。
本連結財務書類及びOeKBグループの報告通貨及び機能通貨はユーロである。別途記載しない限り、すべての金額
は1,000ユーロ単位で表示されている。表の数字は四捨五入により合計が一致しない場合がある。
OeKBの連結財務書類を作成するにあたり、OeKBグループは、ビジネスモデルの最も重要な特色並びに同業他社の
表示及びIFRSに従った銀行の連結財務書類の作成について大手の国際的に活躍する財務監査人の提案を重視する。
これにより、連結財務書類は、投資家が比較しやすいものとなっている。
判断及び仮定の不確実性
IFRSに従った連結財務書類の作成は、将来の動向について執行取締役会が判断及び仮定を行うことを求める。こ
れは、資産及び負債の報告価値、貸借対照表日現在のその他負債の開示並びに会計年度中の収益及び費用の報告に
影響を与える可能性がある。
これが必要となる分野は以下のとおりである。
・資産が保有されるビジネスモデルの評価、及び金融資産の契約条項が資本の支払と発行済元金の利息のみを表
示するかの評価。注記２。
・公正価値測定に使用される変数は、変動の可能性のある将来に関する仮定に一部基づいている。注記３。
・リース期間の特定、解約オプションを行使する能力が十分に保証されているか否かの決定。注記21。
・金融資産の信用リスクが最初の認識以降大幅に増加したかの評価、及び金融資産の減損を特定するために使用
される予想信用損失の決定のため将来に関する情報を含めること。減損の計算におけるLGD（損失所与デフォル
ト）及びPD（デフォルトの可能性）の決定。注記38。
・現在の年金及び退職給付債務の測定のために、割引率、退職年齢、平均寿命、従業員の離職率及び将来の収入
の伸びについて仮定が行われる。注記24。
・繰延税金資産の認識金額は、将来十分な課税収益が生み出されるとの仮定に基づいている。注記25。
・保証及びその他約定から発生する貸借対照表に報告されない債務が貸借対照表上に報告される必要があるか否
かについて、定期的に査定が行われる。注記34。
これらが基づく推計及び仮定は、定期的に査定され、それぞれの基準に合致する。推計は過去の経験及びその他
の要因（例えば計画、報告日現在の予想及び将来の事象の予測など）に基づく。実際の結果は、実際の状況が報告
日時点で予想した状況より異なって発展した場合に、仮定及び推計から外れる可能性がある。変更は発生した時に
考慮する。
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注記２ 会計及び測定の原則
2022年度に初度適用される新基準及び改定
新規又は改定された基準及び解釈に関して、OeKBグループの事業活動に関連するもののみを以下、説明と共に列
挙する。
2022年度に初度適用される基準及び改定 初度適用
IFRS第３号の改定 概念フレームワークの参照 2022年１月１日
IAS第16号の改定 営業状態に入る前の収益 2022年１月１日
IAS第37号の改定 有償契約における履行費用の範囲 2022年１月１日
年次改定 年次改善（2018年-2020年）－IFRS第１号、IFRS第 2022年１月１日
９号、IFRS第16号及びIAS第41号
IFRS第３号の改定―概念フレームワークの参照
この改定により、IFRS第３号は、財務報告に関する現行の概念フレームワークを参照するのみとなった。また、
IAS第37号の適用範囲内の義務について、取得者はIAS第37号を適用し、取得時の過去の事象の結果として現在の義
務があるかを決定するという要件も含まれている。IFRIC第21号の適用範囲に属する賦課金については、取得者は
IFRIC第21号を適用し、支払義務を誘発する義務的事象が取得時に発生したかどうかを決定する。この改定には、取
得者が企業結合で取得した偶発債務を認識できない明示的な明確化が含まれている。
この改定が連結財務書類に与える重要な影響はない。
IAS第16号の改定―意図された使用前の収益
IAS第16号の改定により、有形固定資産の取得価額から純収益を控除することが明示的に禁止された。資産を経営
者が意図した方法で操業できるようにするために必要な場所と状態に持っていく間に商品を生産する場合、会社は
関連する基準に従って、その商品の販売による収益及びその商品の生産コストを損益として認識しなければならな
い。製造原価の測定には、IAS第２号の規定を適用しなければならない。
資産が正しく機能しているかどうかを判断するために実施される試運転の費用は、依然として直接帰属原価の例
である。この改定により、試運転は、資産の技術的又は物理的性能が、財又はサービスの生産・提供、第三者への
貸与又は管理目的に使用できるものであるかを判断するために行われることが明確となった。
また、通常の事業活動に該当しない試運転で製造された商品の販売から損益として認識される収益及び費用に関
する注記において、追加の開示が必要である。それぞれの金額は、それらが含まれる項目とともに表示されなけれ
ばならない。ただし、連結包括利益計算書において個別に報告される場合はこの限りではない。
なお、当グループには試運転中に商品を生産する有形固定資産がないため、この改定は連結財務書類に影響を与
えない。
IAS第37号の改定―有償契約における履行費用の範囲
IAS第37号の改定は、有償契約の履行費用の範囲をより具体的に定義する。履行コストは、直接起因する全てのコ
スト、すなわち、契約の履行に必要な増分費用（例えば、直接起因する人件費及び材料費）並びに契約の履行に直
接的に起因するその他の費用（例えば、複数契約の履行に使用される固定資産の減価償却の比例的割合）を考慮し
なければならない。
この改定は、改定が発効した時点で全ての義務が履行されていない全ての契約に対して適用されなければならな
い。比較情報は修正されず、初度適用による累積的影響額は、期首貸借対照表の留保利益（又は他の適切な資本項
目）に認識されるものとする。
この改正は連結財務書類に影響を与えない。
IFRSに対する年次改善（2018年-2020年）
IFRS第１号「初度適用」―初度適用会社である子会社
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初度適用会社である子会社は、累積換算差額を、親会社のIFRS移行日に基づく親会社の連結財務書類に含まれ
るであろう金額で認識することが認められている。
IFRS第9号「金融商品」―金融負債の認識の中止のための10％テストにおける手数料について
借入人は、金融負債の認識中止のための現在価値テスト（10％テスト）において、借入人又は貸付人が他の当
事者の名義で支払い又は受取った手数料を含む、借入人と貸付人の間で支払い又は受取った手数料のみを明示的
に含めることができる。借入人以外の当事者に支払われた又は貸付人以外の当事者から受取ったキャッシュフ
ローは含めることはできない。
IFRS第16号「リース」―リースインセンティブの例示の変更
例13はリース・インセンティブの定義に適合しないことが明示的に明らかでないため、賃借人のリースホール
ド改良の賃貸人による償還の記載が例13から削除された。
IAS第41号「農業」―公正価値測定における課税
生物資産の公正価値を決定する際に、割引キャッシュフロー・モデルから課税キャッシュフローを除外すると
いう要件が削除された。実際の事実と状況に応じて、企業はIFRS第13号の要件に従って、税引後のキャッシュフ
ロー（税引後の割引率を使用）又は税引前のキャッシュフロー（税引前の割引率を使用）の割引を通じて公正価
値を決定することができる。
この改定の連結財務書類への影響はない。
まだ適用されていない新基準及び解釈
EUで採用されていた多数の新基準及び基準の改定は、早期適用が可能であるが、2022年12月31日より後に開始す
る最初の会計年度に適用される予定である。この連結財務書類を作成するにあたり、当グループは以下の新基準又
は改定基準を要求より早期には適用しなかった。
IFRS第17号「保険契約」
新基準は、保険契約の認識、測定、表示及び開示の原則を定めており、2022年12月31日まで有効なIFRS第４号
「保険契約」の基準に替わるものである。
新基準は、直接参加型の保険契約について修正された一般的なモデル（以下「変動報酬アプローチ」という。）
を記述する。一定の基準を満たした場合、「保険料配分アプローチ」に従い残存する保険契約に対する負債を測定
することにより、一般モデルを簡素化する。
一般モデルは、将来のキャッシュ・フローの金額、時期及び不確実性を見積もるために現在の仮定を用い、この
不確実性のコストを明示的に測定する。この際、市場金利、保険契約者のオプションや保証の効果を考慮する。
2020年６月、IASBは、IFRS第17号の公表後に判明した疑問点及び実施上の問題に対処するため、IFRS第17号の改
定を公表した。この改定は、またIFRS第17号の初度適用（改定を考慮したもの）を2023年１月１日以降に開始する
会計年度に移行する。同時に、IASBは、IFRS第９号（IFRS第４号の改定）の適用からの一時的な免除を2023年１月
１日より前に開始する会計年度に延長することを公表した。
2021年12月、IASBは、IFRS第17号の更なる改定（IFRS第17号及びIFRS第9号の当初適用の比較情報）を公表した。
これはIFRS第17号及びIFRS第9号の当初適用時に提示される比較情報の有用性を向上させることを目的とする。
IFRS第17号は、実行不可能な場合を除き、遡及的に適用しなければならない。その場合、修正遡及アプローチ又
は公正価値アプローチのいずれかを使用しなければならない。
新基準の適用により、影響を受ける企業のプロセスやシステムが変更され、企業の多くの機能（財務、保険数
理、ITなど）間の調整の改善が必要となる可能性がある。対応する保険契約を持たないため、今後の新基準の適用
が連結財務書類に与える重要な影響はない。
持分法適用会社１社（OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAG、ウィーン）は、有効な基準であ
るIFRS第４号（IFRS第９号とIFRS第17号を併用するオプションを含む。）を現在適用しているが、来年度に新基準
に移行する予定である。移行プロジェクトはまだ完了していないが、3.0百万ユーロから4.5百万ユーロ（OeKBグ
ループの持分）の移行効果（会社の持分比率を増加させることになる）が予想されている。
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以下の新たなもしくは改定された会計基準は、連結財務書類に重大な影響を与えるとは予想されない。
改定済基準及び解釈 EU採択 発効日
IAS第１号及びIFRS実 会計及び測定原則の説明 2023年１月１日
務記述書第２号の改定
IAS第８号の改定 会計上の見積もりの定義 2023年１月１日
IAS第12号の改定 単一取引から生ずる資産・負債に関する繰延 2023年１月１日
税金
＊
IFRS第10号及びIAS第 投資家と関係会社又は合弁会社との間の資産
2024年１月１日
28号の改定 の売却又は処分
＊
IAS第１号の改定 制約付債務の流動又は長期の分類
2024年１月１日
＊
IFRS第16号の改定 セール・アンド・リースバック取引における
2024年１月１日
リース負債
＊EUからはまだ採択されていない。
重要な認識及び測定の原則
OeKBグループは別途表示しない限り、本連結財務書類に示される全ての期間について以下の会計方法を一貫して
適用した。
A - 連結原則
・事業結合
IFRS第３号で規定されている企業結合の場合、子会社の識別可能なすべての有形及び無形資産、負債及び偶発
債務は、資本連結のために取得時に再測定される。取得原価は支配権譲渡時の純資産の比例持分で清算される。
非支配持分は、公正価値で測定される資産及び負債に基づいて算定されている。
・子会社
子会社はOeKBが支配する会社である。OeKBグループは、ある会社からの変動するリターンの影響をOeKBが受
け、当該会社からのリターンの権利を持つ場合、及び当該会社に対する支配の行使によりこれらのリターンに影
響を与える能力をOeKBが持つ場合、ある会社を支配する。子会社の資産、負債及び株式資本、並びに利益は、支
配が開始した時点から支配が終了する時点まで連結財務書類に含まれる。
・非支配持分
非支配持分は、取得時点の被取得会社の識別可能な純資産の比例価値で測定される。
支配の喪失をもたらさない当グループが子会社に保有する株式の変動は、エクイティ取引として認識され
る。
・支配の喪失
OeKBグループが子会社の支配を失う場合、子会社の資産及び負債、並びに全ての関連する非支配持分及びエ
クイティからのその他要素を移動する。損益計算書に損益が認識される。以前の子会社にある全ての留保株
式は、支配が失われた時点の公正価値で測定される。
・持分法適用投資
持分法適用投資は、合弁企業の株式から成る。
合弁企業は、OeKBが契約を通じて共同支配を行使する会社である。これらは、持分法に従い認識され、取得原
価（取引費用を含む。）で当初測定される。当初認識の後、重要な影響又は共同支配が終了する時点まで連結財
務書類は持分法投資の全体的な純損益の持分を含む。包括利益合計の関連する持分は、「持分法投資損益の持分
割合」の項目で損益計算書に認識される。受取配当は持分法により測定する正味帳簿価額の控除（資産スワッ
プ）として認識されている。内部及び外部の調査結果にもとづき、減損費用の必要性を毎年評価する。減損費用
の必要があると判断された場合、その資産は減損額まで評価減される。使用価値は、認識された方法に従い計画
的な予測に基づき決定される。
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・連結中に除去される取引
内部の貸付及び負債並びに全ての当グループ内の内部取引からの認識済利益及び費用は、連結財務書類の作成
の間除去される。OeKBグループ内の会社間利益を除去する根拠はない。持分法投資取引による未実現利益は、問
題の会社の当グループ持分と相殺される。未実現損失は未実現利益と同様の方法で除去されるが、減損の証拠が
ない場合に限られる。
B - 外貨換算
外貨の取引は、取引日の直物相場で機能通貨に換算される。
報告日現在の外貨建ての貨幣資産及び負債は、報告日現在の欧州中央銀行が公表する参照為替レートで機能通貨
に換算されている。
2022年12月31日現在参照為替レート
中間レート 通貨 中間レート 通貨 中間レート 通貨
1.5693 豪ドル 8.3163 香港ドル 4.6808 ポーランド・ズロチ
1.4440 カナダ・ドル 7.5365 クロアチア・クーナ 4.9495 ルーマニア・レイ
0.9847 スイス・フラン 400.8700 ハンガリー・フォリント 11.1218 スウェーデン・クローネ
7.3582 中国人民元 140.6600 日本円 19.9649 トルコ・リラ
24.1160 チェコ・コルナ 10.5138 ノルウェー・クローネ 1.0666 米ドル
0.8869 英ポンド 1.6798 ニュージーランド・ドル 18.0986 南アフリカ・ランド
2021年12月31日現在参照為替レート
中間レート 通貨 中間レート 通貨 中間レート 通貨
1.5615 豪ドル 7.5156 クロアチア・クーナ 85.3004 ロシア・ルーブル
1.4393 カナダ・ドル 369.1900 ハンガリー・フォリント 10.2503 スウェーデン・クローネ
1.0331 スイス・フラン 130.3800 日本円 15.2335 トルコ・リラ
7.1947 中国人民元 9.9888 ノルウェー・クローネ 1.1326 米ドル
24.8580 チェコ・コルナ 1.6579 ニュージーランド・ドル 18.0625 南アフリカ・ランド
0.8403 英ポンド 4.5969 ポーランド・ズロチ
8.8333 香港ドル 4.9490 ルーマニア・レイ
外貨により公正価値で測定される非貨幣資産及び負債は、公正価値が決定された日に有効なレートで換算されて
いる。外貨で取得価格又は製造価格で測定される非貨幣項目は、取引日現在の為替レートで換算されている。
換算差異は当期の利益又は損失として認識される。
C - 純利息収入
・実効金利法
償却原価法で測定される金融商品の利息収入及び利息支払は、実効金利法を用いて損益により認識される。実
効金利は、金融資産及び金融負債の予想期間にわたる予測将来キャッシュフロー（取引コストを含む。）をベー
スに計算される。取得時点で減損していなかった金融資産の実効金利を算定する場合、OeKBグループは、金融商
品の全ての契約条項（ただし、予想信用損失（信用リスク）は除く。）を考慮して、将来キャッシュフローを見
積もる。取得時点で減損していた金融資産については、信用調整後実効金利が、予想信用損失（信用リスク）を
含む将来キャッシュフローの見積もりを使用して計算される。
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実効金利の計算には、実効金利の不可欠な一部である、取引コスト並びに支払手数料、受取手数料を含む。取
引コストには、金融資産又は金融負債の購入又は発行に直接関連する追加コストを含む。
・償却原価
金融資産又は金融負債の償却原価は、金融資産又は金融負債が当初の認識時に測定された金額から、償還額及
び実効金利法を用いて償却累計額を加算又は控除し、信用リスク当金を調整した金額である。
金融資産の帳簿価格の総額は、信用リスク引当金を調整する前の金融資産の償却原価である。
・「実効金利法を用いて計算した利息収入及び利息支払」の計算
この場合、実効金利が資産の帳簿価格総額に（資産が減損していない場合）又は債務の償却原価に適用され
る。
信用格付が当初認識時に減損してなかったが、報告日現在で減損している金融資産（レベル３）については、
利息収入は償却原価（純額ベース）に基づく実効金利を用いて計算される。資産の信用格付が減損しなくなった
場合、利息収入は再び総額ベースを用いて計算される。
取得時に既に減損していた金融資産については、利息収入は、資産の償却原価に、信用調整後実効金利を適用
して計算される。資産の信用リスクが改善した場合でも、利息収入の計算は総額ベースに戻らない。
資産の信用格付が減損する場合についての情報は、注記38を参照のこと。
・損益計算書の表示
実効金利法を用いて計算された、金融資産及び金融負債の利息収入及び利息支払は、損益計算書の「利息収
入、利息支払、実効金利法を用いて計算」に表示される。
損益計算書に示されるその他の利息収入及び支払は、公正価値に指定された（FVオプション）金融資産及び金
融負債からの利息、並びに損益を通じて公正価値で測定される（FVTPL）必要のある金融資産及び金融負債を含
む。その他の利息収入はまた、その他マイナス金利からの予算アンダーランを、その他利息支払は、その他マイ
ナス金利からの損失も含む。
・計上利息及び輸出金融スキーム金利安定化引当金
EFSに基づき計上された利息が余剰をもたらす場合、これらはOeKBの運営組織の決議に従い「EFS金利安定化引
当金」に振替えられる（EFS金利安定化引当金への割当）。スキームの実効リファイナンス金利を低減するために
取られる方法は、EFS金利安定化引当金に対して計上される（金利安定化引当金の使用）。EFSの収入に対応し、
EFS金利安定化引当金を通じた利息の割当及び使用は、「利息収入、実効金利法を用いて計算された」及び「その
他利息収入」の項目に認識される（注記６及び注記27を参照のこと。）。
・AFFG第１条(2)に基づく保証
AFFG第１条(2)に基づく保証は、OeKBが発行する債券に直接関連する。費用は各保証及び期間について計算さ
れ、「利息支払、実効金利法を用いて計算」の項目に認識される。FVオプションが保証付きの金融負債に適用さ
れる場合、保証手数料は当該期間について計算され、「その他利息支払」の項目に報告される。
D - 手数料収支
手数料収入及び手数料支払は、金融資産及び金融負債の実効金利の不可欠な一部であり、実効金利に含まれ、し
たがって利息収入に表示されている。ローン・コミットメントが、ローンの支払をもたらさない場合、関連する
ローン手数料は損益を通じて認識される。
手数料収入は、関連するサービスが提供された期間において認識される。手数料支払いはサービスを受領した時
に費用として認識される。
AusfFG第9条に基づき開発銀行から共和国に支払う保証手数料は、個別の金融資産に関連し、「手数料支払」の項
目に報告される（注記７を参照のこと。）。
E - その他非連結会社への投資からの当期収入
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配当収入は配当を支払うと決定されたときに認識される（注記11を参照のこと。）。
F - 損益計算書において公正価値で測定される（FVオプション）金融商品の純損益（FVTPL）
金融商品にかかる純損益は、以下に関係する：
・ヘッジ目的で保有されるデリバティブ商品及びAFFG第1(2b)条に基づく保証
・FVTPLで測定されなければならない金融資産
・FVオプションが適用されている金融資産及び金融負債。
この項目は公正価値の増減及び全ての外貨換算差異を含む（注記９を参照のこと。）。
G - 法人税
税金費用は実際の税金及び繰延税金から成る。実際の税金及び繰延税金は、事業結合又はエクイティ若しくはそ
の他包括利益に直接認識される項目に関連しない限り、損益計算書に認識される。
法人税の利息及びペナルティは、未確定税務ポジションを含めて、IAS第37号に従い認識されている。
-- 実際の税金 は、いずれも報告日現在で適用ある、若しくは間もなく適用される予定の税率に基づき、当期の課
税所得にかかる予想税金債務若しくは税金債権又は税務損失に関連し、過年度の税金債務の全ての増減を加算す
る。予想税金債務又は税務債権の金額は、不確定な税金（適用ある場合）を考慮した最良の見積もりである。実際
の税金債務はまた、配当支払いの決議から生ずる全ての税金債務を含む。
実際の税金資産及び負債は、IAS第12.71条ffの条項に従う場合のみ相殺される。
-- 繰延税金 は、グループ会計目的での資産及び負債の帳簿価格と税務目的で使用される金額との一時的差異につ
いて認識されている。繰延税金は以下については認識されない。
・当初の認識において事業結合を含まない取引からの資産又は負債から生ずる一時的差異で、税引き前利益若
しくは課税所得に影響を与えないもの。
・子会社、関連会社及び合弁会社の株式に関連する一時的差異。ただし、OeKBグループが一時的差異の除去の
時期を制御する立場にあり、近い将来においてこれらが除去される可能性があること。
・のれんの当初認識中に生ずる課税可能な一時的差異。
その時点でまだ利用していない税損失について繰延税金資産は無い。
未認識の繰延税金資産は、各報告日において再評価され、将来の課税所得がこれらの繰延税金資産の実現を認
める可能性がある限り認識される。
繰延税金は、戻される場合、報告日現在で適用若しくは発表される税率を使用して、一時的差異に適用される
予定の税率をベースに測定される。
繰延税金の測定は、報告日現在の資産の正味帳簿価格の実現及び債務償還の方法に基づき、OeKBグループによ
り予想される税務結果を反映する。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、IAS第12.74条ffに従い相殺の要件が満たされる場合、相殺される。
H - 金融資産及び金融負債
H1 - 当初認識
OeKBグループは、現金及び現金同等物、銀行及び顧客への貸付、銀行及び顧客からの預金、並びに発行済み債務
証券をオリジネーション時に最初に認識する。その他の金融商品は全て（金融資産の買取を含む。）は、取引日す
なわちOeKBグループがその商品の契約当事者になった日に最初に認識される。金融資産及び金融負債は当初公正価
値で認識される。商品が償却原価で測定される必要がある場合、公正価値に取引コストを加算して当初認識され
る。
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償却原価で測定される金融資産からの当期収入は、「利息収入、実効金利法を用いて計算」に認識される。その
他の当期収入は全て（その他非連結会社への投資からの当期収入を除く。）は、「その他利息収入」に認識され
る。 マイナス金利からの損失が発生する場合、これらは「マイナス金利からの損失、実効金利法を用いて計算」及
び「その他マイナス金利損失」の項目に利息支払として認識される。前年同様、OeKBグループは売買目的の金融資
産を保有しない。
償却原価で測定された金融負債からの当期支払は、「利息支払、実効金利法を用いて計算」の項目に認識され
る。その他の当期支払は全て、「その他利息支払」に認識される。予算アンダーランがマイナス金利から発生する
場合、これらは「マイナス金利からの予算アンダーラン、実効金利法を用いて計算」及び「その他マイナス金利の
予算アンダーラン」に利息収入として認識される。
H2 - 金融資産の分類
当初の認識時点で、金融資産は償却原価で測定するもの（AC）、その他包括利益を通じて公正価値で測定するも
の（FVOCI）、又は損益を通じて公正価値で測定するもの（FVTPL）として認識される。この区分は以下に基づき行
われる：
・OeKBグループの金融資産を管理するビジネスモデル
・金融資産の契約によるキャッシュフローの性質。
以下の条件を満たす場合、金融資産は償却原価で測定されなければならない。
・契約上のキャッシュフローを受領する目的で金融資産を保有する目的のビジネスモデルに基づき、金融資産が
保有される場合
・所定の時間にキャッシュフローをもたらす資産の契約条項で、未償還元本の償還及びかかる利息支払のみを示
すもの。
以下の条件を満たす場合、金融資産はFVOCIで測定されなければならない。
・契約上のキャッシュフローを受領する目的及び資産を売却する目的のビジネスモデルに基づき、金融資産が保
有される場合
・所定の時間にキャッシュフローをもたらす資産の契約条項で、未償還元本の償還及びかかる利息支払のみを示
すもの。
AC及びFVOCIの金融資産は、取引コストを考慮して、当初公正価値で認識される。
ACでもFVOCIでも測定されない金融資産は、損益を通じた公正価値（FVTPL）で測定されなければならない。
エクイティ商品は、通常、損益を通じた公正価値で測定されなければならない。トレーディング目的で保有して
いないエクイティ商品については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定することもできる。OeKBグループ
は、保有するすべてのエクイティ商品が、他の非連結会社に対する戦略的な長期投資であることから、このオプ
ションを行使することを選択した。これらのエクイティ商品の公正価値の変動はすべてその他の包括利益に認識さ
れ、これらの認識された累積的価値の変動は損益計算書に還元することはできない。これらのエクイティ商品から
の配当収入のみが「その他非連結会社への投資からの当期収入」という項目で損益計算書において認識される。
金融資産について、当初の認識時に、損益を通じた公正価値（FVオプション）での測定を取消不能で指定するこ
とが、会計上の不一致を除去又は著しく低減する場合は、そのようにすることができる。影響を受ける貸借対照表
項目は注記３に記載する。
ビジネスモデル
OeKBグループは、資産がポートフォリオレベルで保有されるビジネスモデルの目的を、商品が管理される方法
及び情報が経営陣に報告される方法に基づき、評価する。考慮される情報は以下のとおりである。
・ポートフォリオの特定戦略及び目標。特に戦略が、利息収入の創出、一定の金利プロファイルの維持、金融資
産のデュレーションの関連する金融負債の条項への調整、又は資産の売却を通じてキャッシュフローの実現を
目指すか否か。
・ポートフォリオのパフォーマンスがどのように評価され、経営陣に報告されるか。
・ビジネスモデルの純損益に影響するリスク、及びどのようにこれらのリスクが管理されているか。
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・経営陣の報酬が運用資産の公正価値又はキャッシュフローの受領の変動に基づいているか。
・過年度のセールスの頻度、量及び時期並びにかかる販売の理由及び将来の販売活動の予想。販売活動の情報
は、分離して検討されないが、OeKBグループの目標が達成される方法及びキャッシュフローが実現する方法の
全体的な査定の一部として検討される。
契約上のキャッシュフローが元本及び利息支払のみから成るか否かの評価
この評価の目的で、元本は当初認識時の金融資産の公正価値と定義される。利息は、金銭の公正価値に対する
対価、及び一定の期間について未償還の元本合計に関連する信用リスクに対する対価、及びその他基本的な信用
リスク及びコスト（流動性リスク及び一般管理費等）に利鞘を加えた対価、と定義される。
契約上のキャッシュフローが、償還及び利息のみで構成されるか否かの評価において、OeKBグループは全ての
商品の契約上の条項を考慮に入れる。これには、金融資産が合意済みキャッシュフローの時期若しくは金額をこ
の要件をもはや満たさない方法で変更することのできる契約条項を含むか否かの評価を含む。
分類替え
金融資産は、当初の認識後、分類替えはなされない。ただし、OeKBグループが金融資産の管理のためにビジネ
スモデルを変更した後の期間を除く。当年度及び前年度において分類替えは行われなかった。
金融負債の分類
当初の認識時、金融負債は一般に償却原価として分類される。ただし、金融保証及びローン・コミットメント
を除く。
金融負債は、これが会計上の不一致を除去若しくは著しく低減する場合、当初の認識時に損益を通じた公正価
値（FVオプション）での測定に取消不能で指定することができる。公正価値で測定される負債について、IFRS第
９号は、自己の信用リスクに関係する測定の一部は、その他包括利益において認識されなければならないと規定
する。輸出金融スキームの範疇にある金融商品の公正価値測定による全ての結果は、「EFS金利安定化引当金」の
下で調整されるため、このアプローチは会計上の不一致をもたらすかもしれない。この理由のため、IFRS9.5.7.7
条及びIFRS9.5.7条に基づき認められた例外が使用され、公正価値測定からの全体の結果が依然として損益計算書
において損益として認識されている。
金融資産の認識中止
OeKBグループは、金融資産からのキャッシュフローに対するその契約上の権利が満了する場合、又は契約上の
キャッシュフローを受領する権利を金融資産の所有に関連する全てのリスク及び機会が実質的に譲渡される契取
引に譲渡する場合、金融資産の認識を中止する。
金融資産の認識中止の際、資産の帳簿価格と受領対価の金額（新負債を差引いた新たに取得した資産を含
む。）の差異に、累積損益（OCIに認識される場合）を加えたものが、損益計算書において認識される。
FVOCIに指定されたエクイティ商品（その他非連結会社への投資）についてOCIに認識されている累積損益は、
当該商品の認識を中止したときに、損益計算書に認識されない。
認識中止に適格な譲渡された金融資産の各持分から生ずる又は維持される権利及び義務は全て、この譲渡時に
分離資産又は負債として認識される。
OeKBグループは、資産が譲渡されるが、譲渡資産の全ての重要なリスク及び機会がOeKBグループにそのまま維
持される取引（買戻し取引等）を実行する。この場合、譲渡される資産の認識は中止しない。
金融負債の認識中止
OeKBグループは、契約上の義務が達成された、免除された、又は失効した場合、金融負債の認識を中止する。
金融資産の変更
変更は当初合意された契約状況への適合である。これらの適合の効果は、OeKBグループにより量的及び質的レ
ベルで評価される。金融資産の条項が変更された場合、OeKBグループは変更された資産のキャッシュフローが量
的に異なるか否かを評価する。相違が大きい場合、元の金融資産の認識を中止し、新金融資産が公正価値で認識
される。OeKBグループは量的重要性を査定するために、主に、実効金利を基準に、当初及び変更されたキャッ
シュフローの現在価値比較を用いる。金融負債の変更と同様に、この比較の10％を超える相違は、重要な変更に
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該当する。質的基準もまた変更の重要性を評価するために考慮される。重要性は変更の目的を基準に評価が行わ
れる。これには通貨の変更、債務者の変更、及びSPPI基準の変更につながる契約変更が含まれる。
償却原価で測定された変更された資産のキャッシュフローが大きく相違しない場合、変更は金融資産の認識中
止をもたらなさない。この場合、OeKBグループは金融資産の帳簿価格の総額を再計算し、変更から生ずる金額を
損益計算書の総帳簿価格に損益の修正として認識する。OeKBグループの変更は主に、市場に誘発された変更であ
るため、これらは受取利息に認識される。償還可能金額と比較した差額は、金融資産の残りの期間にわたり、実
効金利を通じて分配される。他方、かかる変更が借主の財政上の困難によりなされた場合、損益は信用リスク引
当金純額の減損と共に報告される。
金融負債の変更
変更は当初合意された契約状況への適合である。これらの適合の効果は、OeKBグループにより量的及び質的レ
ベルで評価される。金融資産の変更について上述の通り、量的及び質的評価もまたここで行われる。重要な変更
が特定される場合、OeKBグループは金融負債を記載する。この場合、新たな金融負債が変更された条項に基づき
公正価値で認識される。認識を中止した金融負債の帳簿価格純額及び修正条項による新金融負債の差異は、損益
計算書において認識される。重要でない変更は、対応する負債の認識の中止をもたらさないが、変更による利益
又は損失は、利息収入に認識される。
金融資産及び金融負債の相殺
金融資産及び金融負債は、OeKBグループが金額を相殺する強制的権利を持ち、ネットベースでこれを実行する
意思がある、若しくは資産を実現すると同時に債務を支払う意思がある場合のみ、これを相殺し、その結果の正
味金額は貸借対照表日付で報告される。
収入及び費用は、総裁がIFRSにより認められる場合、又はこれらの損益が一連の類似取引に起因する（信用リ
スク引当金の純額など）場合のみ、ネットベースで報告される。
H3 - 公正価値の測定
公正価値（FV）は、報告日に市場参加者の間で独立当事者間の条件で金融資産がその価格で売ることができる、
又は金融負債がその価格で譲渡されうる価格である。
多数の会計方法及び開示が金融資産及び金融負債（債務）の公正価値の決定を必要とする。会計及び財務管理、
リスク管理及びトレジャリー部門のメンバーから成る評価チームが公正価値測定の方法及びパラメーターを定義す
る。公正価値測定の監視は、集中化している。重要な評価結果は監査員会に報告が行われる。
OeKBグループは、可能な場合、金融資産及び金融負債の公正価値を決定するために、活発な市場で観察される市
場データを使用する。市場は、金融資産又は金融負債の取引が価格情報を継続的に提供する十分な頻度及び出来高
で行われている場合、活発であるとみなされる。
活発な市場において上場価格が無い場合、OeKBグループは、関連する観察可能なインプットの使用を最大とし、
観察出来ないインプットの使用を最小にする評価方法を使用する。評価技法の選択は、市場参加者が取引の価格を
決定する際に考慮するであろう全ての要因を考慮する。
公正価値で測定される金融資産又は金負債にビッドレート及びアスクレートがある場合、金融資産はビッドレー
トで、金融負債はアスクレートで測定される。
OeKBグループは、公正価値階層のレベル間の分類替えを、変更が行われた報告期間び末日に認識する。当年度
中は（前年度同様に）分類替えは行われなかった。
H4 - 減損
OeKBグループは、FVTPLで測定されていない以下の金融商品の予想信用損失（ECL）について減損費用を認識す
る。
・債務商品である金融資産
・発行済みの保証コミットメント
・ローン・コミットメント
その他非連結会社に対する投資として分類された金融商品については、減損費用は認識されない。
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OeKBグループは金融商品の存続期間について計算されたECLの金額の減損を測定する。ただし、12ヶ月のECLが
計算される以下の金融商品を除く。
・報告日現在、信用リスクのレベルが低い債務商品
・当初認識時以後、信用リスクが実質的に上昇していない金融商品。
OeKBグループは、債券の信用リスクが一般的に認められた投資等級の定義に相当する場合、債券の信用リスク
は低いと考える。
12ヶ月のECLは、報告日後12ヶ月以内に可能性のある金融商品のデフォルト事象から生ずるECLの一部である
（予想信用損失モデルのステージ１に相当する）。ECLの存続期間は金融商品の全存続期間のデフォルト予想に対
応する（予想信用損失モデルのステージ２及び３に相当する）。
予想信用損失（ECL）の決定
ECLは信用損失の可能性で加重した見積もりである。以下のように計算される。
・報告日現在で減損していない金融資産：すべての予想デフォルトの現在価値（すなわち、契約上支払義務の
あるキャッシュフローとOeKBグループが金融商品から受領する予定のキャッシュフローの差異）
・報告日付で減損している、又は当初認識時に投資等級以下の格付であった金融資産：正味帳簿価格及び予想
将来キャッシュフローの現在価値の差異
・未使用のローン・コミットメント/信用ファシリティ：債権額の支払が要求される場合にOeKBグループへ支払
うべき契約上のキャッシュフローとOeKBグループが金融商品から予想するキャッシュフローの差額の現在価
値
・金融保証：予想支払からOeKBグループが保持する予定の金額を控除
条件緩和金融資産
金融資産の条件が再交渉若しくは修正される場合、又は金融資産が借主の財政難のために新資産で代替される
場合、金融資産の認識を中止するか否かを決定するために評価が行われる。その場合ECLは以下のように計算され
る。
・予定される条件緩和が既存資産の認識中止をもたらさない場合、変更後金融資産からの予想キャッシュフ
ローは、既存資産からのデフォルトの計算に含まれる。
・予定される条件緩和が既存資産の認識中止をもたらす場合、新資産の予想公正価値が除却の時点での既存金
融資産の認識中止の価値として使用される。既存金融資産からの名目上失われる支払は、この金額の計算に
含まれ、認識中止予想時期から開始し、報告日現在の元々の実効金利で割り引かれる。
減損金融資産
OeKBグループは、減損を確認するために、報告日現在に償却原価で認識されたそれぞれの金融資産を評価す
る。金融資産の予想将来キャッシュフローにマイナスの影響を与える１乃至複数の事象が発生する場合、当該金
融資産は減損しているとみなされる。
OeKBグループは信用リスク管理を目的として、格付評価制度及び内部借主評価プロセスを使用する。取引相手
は国際的に信用のある格付会社（スタンダード＆プアーズ、フィッチ）の外部格付及び社内信用評価の両方を利
用する、社内の格付及びマッピング・システムに基づき、22の内部格付分類にグループ分けされる。信用格付は
継続ベースで監視される。
銀行貸付及び顧客貸付の大半が注記１に記載されるEFSに割当てられる。このビジネスモデルにおいて、開始以
来損失を被ったことはない。
金融資産が減損している基準は以下の観察可能なデータから成る：
・ 借主又は発行者の実質的な財政難
・ デフォルト等の契約違反または過去の事象
・ OeKBグループによる貸付の条件緩和
・ 借主が破産を申し立てる、又は別の形態の金融再編（すなわち事業再構築）を行う可能性
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・ 財政難による担保についての活発な市場の喪失
借主の状態悪化による再交渉された貸付は、通常、信用減損債権として分類される。ただし、契約上のキャッ
シュフローを受領しないリスクが著しく減少した証拠があり、減損の更なる兆候が無い場合を除く。30日以上延滞
した貸付の格付はまた、減損の兆候である。
政府債券への投資が信用力があるか否かを評価する際に、OeKBグループはこの慣行を離れ、以下の外部要因を観
察する：
・ 市場の格付評価が債券のイールドに反映されている。
・ 格付会社の格付評価
・ 新債務商品を発行するために資本市場にアクセスする当該国の能力
・ 債務が条件変更されることが、自発的又は強制的なヘアカット、したがって債権者の損失につながる可能性
・ この国に最後の手段として必要な援助を与える国際的な支援メカニズム、及びこれらのメカニズムを公的宣
言で述べるとおり使用する政府及び機関の意図。これにはこれらのメカニズムの効果の評価、この国が要求
される基準を満たす能力と政治的意図を有するかの評価を含む。
貸借対照表上の予想信用損失の減損の表示
・ 償却原価で測定する金融資産：資産の帳簿価格総額からの控除として
・ ローン・コミットメント及びオープンな信用ファシリティ、金融保証：一般的に引当金として
・ 金融商品が引出し及び未引出し両方の部分を含み、OeKBグループがローン・コミットメント部分を引出し部
分から分離して計算できない場合：両方の部分について合わせた減損費用を報告する。総額は引出し部分の
帳簿価格総額からの控除として報告される。減損の合計が金融商品の帳簿価格総額を超える場合、減損の超
過部分は、引当金に報告される。
帳簿からの消去
貸付及び債券は、回収の現実的な見込みがない場合、（一部分又は全額の）認識を中止する。これは一般的
に、OeKBグループが、借主は未償還額を返済するのに十分なキャッシュフローを生み出す資産又は収入源を持た
ないと決定する場合である。消去した金融資産は、依然としてOeKBグループへの返済を生み出す強制手段の対象
とすることができる。かかる返済は受領日現在で損益計算書において認識される。
H5 - 損益計算書上の公正価値（FVTPL）の指定－公正価値オプション
金融資産
OeKBグループは、一部の金融資産につき当初認識時にFVTPLでの認識を指定した。なぜなら、これらの金融資産
は、デリバティブ商品との契約を原資産とする取引であるからである。このため、会計上の不一致を回避するた
め、これらは損益計算書において損益を通じた公正価値（FVTPL）で測定される。
金融負債
金融負債が取得時に金利リスク又は通貨リスクに対してヘッジされている場合、金融負債は会計上の不一致を
回避するために公正価値に指定されている。公正価値測定からの純損益は損益計算書においてヘッジ商品と同様
の方法で認識される。
I - 現金及び現金同等物
この項目は、ユーロによる手持ち現金及び要求払いである中央銀行に対する債権（預金）で構成される。つま
り、事前通知無しに無制限に利用可能、又は1営業日もしくは24時間を超えない通知期間利用可能であることを意味
する。要求される最低準備金もまた、この項目に報告される。この項目は償却原価で認識される。
J - 銀行貸付及び顧客貸付
貸借対照表の「銀行貸付」及び「顧客貸付」の項目は、以下から成る：
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・償却原価による貸付：これらは、当初の認識時に公正価値に直接取引費用の増分を加えて報告され、その後、
金融商品の期間中、実効金利法を適用し償却原価で測定される。
・FVTPLで測定されなければならない、又は（会計上の不一致を回避するため）FVTPLに指定された貸付。増減は
損益計算書上の損益を通じて直ちに認識される。
EFS及び開発銀行に割当てられた「銀行貸付」の大半及び「顧客貸付」の一部は、AusfFGに基づくオーストリア共
和国からの保証の対象である（注記１を参照のこと。）。これは、信用契約の不可欠な構成要素である。OeEBの契
約に関する一体的な関係は、AusfFG第９条に規定されている。対応する保証無しに、いかなる信用契約も締結され
ない。
観光金融・振興に関連する「顧客貸付」の大半は、オーストリアの商業銀行からの保証でカバーされる。これら
の顧客貸付の残りは、担保又はオーストリア共和国により、保証されている。
K - その他金融資産
貸借対照表の項目である「その他金融資産」は以下から成る：
・償却原価で測定される債務商品：これらは当初の認識時に公正価値に直接取引費用の増分を加えて報告され、
その後、金融商品の期間中、実効金利法を適用し償却原価で測定される。
・FVTLで測定されなければならない、又は（会計上の不一致を回避するために）FVTPLに指定された、債務及びエ
クイティ商品。増減は損益計算書上の損益を通じて直ちに認識される。
・FVOCIで測定されるエクイティ商品（非連結会社への投資及びその他非連結会社への投資）。増減はその他包括
利益において認識され（損益計算書を通じてのリサイクルは無い）、当期利益（支払配当）は損益計算書上の
「その他非連結会社への投資からの当期収入」に認識される。
L - ヘッジング商品
全般
デリバティブ金融商品及びAFFG第１(2b)条に基づく保証（注記１を参照のこと。）が、市場リスクをヘッジする
ために使用される。これらのヘッジ商品は、主に金利及び為替レートの変動に対する将来のキャッシュフローを保
護する。関連するデリバティブは主にOTC金利スワップ及びOTC通貨金利スワップであり、これは銀行貸付、顧客貸
付、その他金融資産及び発行済み債務証券に対するヘッジ商品として利用される。
ヘッジされた金融資産及び金融負債は、会計上の不一致を回避するため損益を通じた公正価値で測定される。つ
まり、ヘッジ商品並びにヘッジされた金融資産及び金融負債の価値変動は、損益計算書において「金融商品の純損
益、損益を通じて公正価値で測定」の項目に直接認識される。デリバティブ金融商品は売買目的で使用されない。
ヘッジ会計の規定は、当年度及び前年度にOeKBグループに適用されなかった。
デリバティブ金融商品
デリバティブ金融商品の公正価値は、一般に認められた方法を用いて算定される。デリバティブは取引日付で認
識される。デリバティブ金融商品は独立した資産及び負債項目において現在価値で認識される。
価値の変動により発生する信用エクスポージャーは担保により保証される。EMIR（規則[EU]第648/2012号）が要
求するとおり、金利スワップの清算は、2016年第４四半期から中央清算機関（LCH-ロンドン・クリアリングハウ
ス）に移管され、このことにより担保要件が着実に減少する。
AFFG第1(2b)条に基づく保証
EFS（注記１も参照のこと）において為替リスクに対するヘッジとして機能するAFFG（連邦法公報第216/1981、修
正済み）第1(2b)条に基づくオーストリア共和国の保証は、その固有の性質のため（法的規制に基づく。）、公正価
値で測定され、独立した資産項目として報告されている。
M - 固定資産及び無形資産
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固定資産
固定資産は、当グループ使用の土地及び建物並びに備品、付属品及び機器から成る。当グループ使用の土地及び
建物は主に当グループ自身の業務活動に利用される土地・建物である。事業運営に最適な利用ができない不動産に
ついては、第三者に賃貸されている。関連システムの欠くことのできない機能の一部である購入ソフトウェアは、
このシステムの一部として資産計上される。
固定資産及び無形資産は、取得原価から計画的な定額法の減価償却及び減損の累計額を差引いて認識される。固
定資産の除却からの損益は、損益計算書の「その他営業収入」に認識される。
その後の費用は、費用の将来の経済的利益をOeKBグループが得られる可能性がある場合、資産計上される。継続
的修繕及び維持は費用とみなされる。
設備の減価償却率は、取得原価又は製品原価から見積もり残余価値を差し引いた額が定額法で見積もり耐用年数
について償却されるよう計算される。減価償却は資産上には認識されない。
償却法、耐用年数及び残存価値は、報告日毎に見直しがなされ、必要に応じて調整される。
当年度及び比較前年度の主要な設備項目の見積もり耐用年数は、以下のとおりである。
建物 40年
備品、付属品及び機器 ３年から10年
ITハードウェア ３年から５年
無形資産
OeKBグループが購入する、予測可能な耐用年数を持つソフトウェア及びその他無形資産は、原価から定額法で予
定償却及び累積減損費用を控除して認識されている。IAS第38号の資産計上の要件が満たされないため、社内で作成
したソフトウェアの費用は資産計上されない。
ソフトウェアに対するその後の支出は、当該ソフトウェアが問題の資産の将来の経済的利益を増加させる場合の
み資産計上される。その他全ての支出は費用として認識される。
償却方法、耐用年数及び残存価値は、報告日毎に見直しがなされ、必要に応じて調整される。
ソフトウェアはその使用が開始すると、見積もり耐用年数について定額法で償却される。当年度及び比較前年度
のソフトウェアの見積もり耐用年数は、３年から５年である。2019年度にÖHTのために特別に開発されたローン管理
システムは、６年の耐用年数に基づき測定されている。
2019年度にÖHTの買収を通じて取得した顧客関係は、６年の耐用年数に割り当てられた。
N - 銀行からの預金及び顧客からの預金
「銀行からの預金」及び「顧客からの預金」の項目は、以下を含む：
・現金及び預金勘定の負債
・金融市場業務
・条件付売買
・借入
金融負債は償却原価で測定される。金融負債は、当初認識時に、公正価値に直接取引コストの増分を加えて報告
され、その後、金融商品の期間中、実効金利法を適用し償却原価で測定される。
OeKBグループは、伝統的な預金受入れ業務に従事していないため、預金勘定を提供しない。つまり、OeKBグルー
プが保有するすべての勘定は、注記１に記載の基本取引の決済又は担保の保有に関するものである。
O - 発行済み債務証券
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発行済み債務証券は一般的に、償却原価で測定される。発行済み債務証券は、当初認識時に、公正価値に直接取
引コストの増分を加えて報告され、その後、金融商品の期間中、実効金利法を適用し償却原価で測定される。
発行済み債務証券は多くの場合、組成時に金利リスク及び通貨リスクに対してヘッジされる。会計上の不一致を
回避するために、これらのヘッジされた発行済み債務証券はFVTPLに指定されており、測定による純損益はヘッジ商
品と同じ方法で損益計算書に認識される。
報告日付の発行済み債務証券の大半は、AFFG第１(2a)条及び(2b)条に基づくオーストリア共和国の保証が特徴で
ある（前年度と同じ）。
P - 引当金
長期従業員給付引当金
年金及び類似の債務（退職給付）引当金は、IAS第19号の範囲に該当する退職後給付を表す。長期従業員給付引当
金には銀行業界の団体協約に基づく死亡クオーターに関する規定が含まれている。
確定給付制度に基づく債務は、予想単位クレジット法（Projected Unit Credit Method）を用いて測定される。
この方法に基づき、支払うべき事態が生じた後の予想される給付支払を計算するために動的変数が考慮される。こ
れらの支払は、受益者である従業員の残りの平均勤務期間全体にわたり分散している。この方法は、金利コスト
（これは、給付が支払に近づいていくため債務が所定の年に増加する金額である。）と勤務コスト（雇用の年度中
に従業員により新たに発生する給付）を区別する。勤務コスト及び金利コストは人件費に、従って営業利益に認識
される。これに反して、保険数理損益は、損益計算書に組替えられない項目で、その他包括利益に認識される。
確定給付債務の計算には、割引率、給与の増加率及び年金傾向並びに従業員の回転率に関する保険数理上の仮定
を含む。これらは経済状況に従って決定される。それぞれの割引率は、適切な満期及び通貨の質の高い社債のイー
ルドに基づき選定される。確定給付債務（以下「DBO」という。）の現在価値は、貸借対照表日の価値で認識され
る。制度資産（すなわち、それに対して、DBOを相殺するために基金が保有する資産）はない。
年金負債は確定給付及び確定拠出制度の両方に関連する。確定給付制度は、現在及び将来の年金債務から成る。
少数の上級管理職に対して、当グループは一般に勤続年数及び給与水準に基づく確定給付制度を依然として維持
する。これらの確定給付退職年金制度は全額引当金により賄われる。
退職給付引当金は、一定の条件を満たす場合、退職時に特定の金額を従業員に払う法律上及び契約上の義務に関
係する。
計算のための寿命根拠として、AVÖ 2018-Pの従業員向け計算表の最新版が利用される。
主要な仮定は、団体協約の変更及び定期的・臨時的増加を考慮した給与の増加率、並びに2003年予算実施法に基
づくASVG（オーストリア国民年金制度）の移行規定による退職年齢である。
主要な仮定
2022年 2021年
割引率 3.75％ 1.00％
将来の給与増加率（退職給付及び年金） 3.70％ 2.50％
将来の年金増加率（年金） 3.20％ 2.00％
退職年齢
65歳 65歳
女性
（2033年まで段階的に） （2033年まで段階的に）
男性 65歳 65歳
適格従業員の大半に対して、OeKBグループは確定拠出制度へ参加する機会を提供する。OeKBグループは、年間給
与の決められた割合を年金機関（年金基金）へ移転する義務がある。確定拠出制度は、専用年金機関への拠出の支
払いを超えた債務を含まない。拠出は当年度の人件費に認識される。
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その他引当金
その他引当金は以下の場合に設定される：
・過去の事象の結果、OeKBグループが第三者に対する法的又は現実の債務を有し、
・その債務が資源の流出をもたらす可能性があり、
・債務の金額が確実に見積もることができる。
引当金は、債務の清算に必要な支出の最善の見積りである金額で設定される。市場金利を基準に決定した債務の
現在価値がその額面価額と大きく異なる場合、債務の現在価値が使用される。
EFS金利安定化引当金
オーストリアの輸出促進及び融資制度は、輸出保証法（AusfFG）及び輸出金融保証法（AFFG）という２つの特別
法に基づいている。これらの法律に基づき、オーストリア共和国はOeKBに連邦の輸出振興及び融資活動の技術的な
銀行業務の取り扱いを委託した。OeKBは、自己の名において、また自らの勘定でEFSを運営している。これは、AFFG
に基づく資金調達の受入れ及び顧客銀行（EFSに参加している輸出業者の銀行）に対する関係資金の提供にも適用さ
れる。
このため、EFSは固有の法的規制の対象となっており、IFRSいずれかの会計基準により直接カバーされない特定の
特徴を有している。
輸出金融スキームに対するEFS金利安定化の条項は、EFSの特定の目的及びこのプログラムに伴うリスクに基づい
ている。OeKBは、1968年に連邦大蔵省から委託され、EFSの下で生み出された収益を別個の勘定で回収し、必要に応
じてEFSの目的のためにのみ使用することとされた。この義務は、毎年12月のOeKBの監事会の年次の提案を通じて常
に満たされており、EFS金利安定化引当金の変更がそれに応じて記載される。したがって、EFSの下で生み出された
収益は、他の目的のためにOeKBが使用する、又は現在若しくは将来において所有者が利用することはできず、EFSの
目的のためにのみ使用することができる。このように、金利安定化引当金の認識は、EFSの下で蓄積された剰余金が
OeKBの自由な処分を受けるのではなく、EFSから生じるリスクの相殺のためにのみ利用可能であるという事実を反映
している。
国際的にも独特の輸出金融スキームが開始されて以来、EFS金利安定化引当金は、持続する黒字から積み上げられ
てきた。OeKBは、連邦大蔵省と調整し、その特別な性質から、この項目を独立して報告することとした。
この項目をこのような特殊な方法で報告する決定は、OeKBによる以下の検討事項に基づいて行われた。IFRSが、
EFS金利安定化引当金に配分されるEFSからの剰余金の認識に関する具体的な規則を含んでいないという事実が、こ
の中で考慮された。またこれらの基金は、EFSに直接割り当てられ、EFSの将来発生しうる損失を補填する引当金と
して役立つという性格を有しているため、認識の評価がより困難である。同時に、ある程度の強制的配分を指摘す
る要素もある。OeKBはまた、そのスポンサー（オーストリア共和国／連邦大蔵省）の視点を考慮に入れ、EFSに対す
る代理人の義務を明確に認識した。従ってOeKBは、AFFGの下で資金を受け入れ、この資金を顧客である銀行に支出
するにあたり、自己の名で自己の勘定において行為する。IAS第37号の10条以下により、引当金は、不確実な時期又
は金額の負債である。負債とは、過去の事象から生じ、かつ、その決済のために、経済的価値を有する資源の流出
が生じると見込まれる会社の現在の義務である。義務事由とは、会社が義務を履行するための現実的な代替手段を
持たない、法律上又は事実上の義務を生み出す事由をいう。
しかしながら、持分が、その債務の全額を控除した後の企業の資産の残余持分を立証する契約であると規定する
IAS第32号11条の定義がこの項目に適用される場合、EFS金利安定化条項に割り当てられる資金は、これらの要件を
満たさない。これらの資金は、EFS内での使用のみを目的としている。
経営陣は、IFRSの規定を考慮に入れ、スポンサー（連邦大蔵省）と協調して、注記の記述と共に、EFS金利安定化
引当金を負債商品と資本性商品との間に貸借対照表上の特別項目として直接認識することを決定した。従って、経
営陣は、IAS第１号に従い、その特殊な性質により、貸借対照表においてこの項目を直接認識している。このような
方法で報告することにより、OeKBは、EFS金利安定化引当金がOeKBにとって将来の義務であり、株主はEFSからこれ
らの資金を入手することができないことを明確に示すことができる。この説明はまた、EFS金利安定化引当金の中の
資金は、明らかにEFSの資産としてOeKBが見なしており、EFS内でのみ使用することができるという見解を支持する
ものである。
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ウィーンの企業向担当連邦税務署は、EFSの実効借換金利を引き下げるために使用される限り、EFS金利安定化引
当金を控除債務項目として認めてきた。従って、この項目は暫定的に非課税である。
Q - １株当り利益
希薄化前１株当り利益は、普通株式の株主に帰属する当期利益及び発行済株式の加重平均数に基づき、計算され
る。
希薄化後１株当り利益は、潜在的普通株式による全ての潜在的希薄化効果を調整した後の、普通株式の株主に帰
属する当期利益及び発行済み株式の加重平均数に基づき、計算される。
注記３ 公正価値の決定
OeKBグループの多数の会計方法及び開示は、金融資産及び負債の公正価値の決定を必要とする。経理及び財務管
理部、リスク・コントロール部及びトレジャリー部のメンバーで構成される査定チームが公正価値を測定する。公
正価値測定の監視は、集中され、執行取締役会に報告される。
OeKBグループは公正価値決定について確立された管理の枠組みを維持する。金融商品を公正価値で測定する責任
は、トレーディング・ユニットからは独立している。具体的な管理は以下を対象とする：
・ 観察可能な価格の検証
・ 評価モデルの認証及びキャリブレーション
・ 新モデルの見直しと承認プロセス及び既存モデルの変更
査定チームは定期的に、重要な観察できない投入要因並びに再測定の損益を検討する。第三者からの情報（例え
ばブローカー又は価格決定サービスからの相場）が公正価値の決定に利用される場合、査定チームは、かかる測定
が、第三者から入手した入力データを検討する。この検討は以下を含む：
・ ブローカー又は価格情報サービスから入手した価格が一般的にOeKBにより認識されているか
・ 公正価値決定の理解：どの程度までこれは実際の市場取引を示しているか、公正価値は活発な市場における
同様の商品の上場価格を示しているか
・ 類似商品の価格が公正価値の測定に使用される方法及びこれらの価格が測定されている商品の性質を説明す
るために調整される方法の理解
・ 同じ金融商品について多数の値付けされた価格を受領した場合、公正価値がこれらの見積もりをベースに決
定されたこと。
これは、これらの測定が割当てられるべき公正価値の階層のレベルを含み、IFRSの要件を満たすという結論を裏
付ける。
重要な評価結果は監査委員会に報告される。
OeKBグループは、可能な場合、資産及び負債の公正価値を決定するために入手可能な市場データを使用する。評
価技法で使用される投入要因に基づき、公正価値は公正価値階層の異なるレベルに割当てられる。
・レベル１：同一の資産又は負債の活発な市場における（調整なしの）相場価格。
・レベル２：資産又は負債に関して、直接的（すなわち価格として）もしくは間接的（すなわち価格から算出さ
れる金額として）に観察できる、レベル１において検討した相場価格以外の評価のパラメーター。
・レベル３：観察可能な市場データに基づかない、資産又は負債の評価パラメーター。
要求払いの項目については、公正価値は正味帳簿価格に等しい。これは現金及び現金同等物に特に適用される。
貸借対照表日付で観察され、定評ある外部情報源より得られる適切な市場価格及び金利が、銀行貸付、顧客貸
付、銀行からの預金、顧客からの預金並びに発行済み債務証券の公正価値を決定する当初の変数として、可能な限
りにおいて使用される。契約上のキャッシュフローの割引現在価値がこのデータを用いて計算される。この方法に
より測定される金融商品は、IFRS第13号の公正価値階層のレベル２に割当てられる。
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・「銀行貸付」及び「顧客貸付」の項目中のEFS貸付の大半は、オーストリア共和国からのAusfFG保証の対象であ
る（注記１も参照のこと。）。保証のために、債権は締結された時点により均一の条件に従う。OeKBの信用ス
プレッドは、AFFG第1(2a)条に基づく債権者保証により、オーストリア共和国の信用スプレッドに依存する。し
た がって、これら資産の評価にあたり、合意された契約上のキャッシュフローは、市場で観察可能かつオース
トリア共和国の信用スプレッドで調整されたイールド・カーブを用いて割引かれる。
・観光金融に関連する「顧客貸付」の大半は、オーストリアの銀行による保証又はオーストリア共和国の保証の
対象である。特に低水準のデフォルトリスクを持つ貸付の一部について、担保が用意されている。
受領した保証は、ローンの信用格付に重大な影響を与え、このために、保証人の信用スプレッドに基づく、市
場で観察可能なイールド・カーブは、これらの債権の公正価値を測定する際に契約上合意されたキャッシュフ
ローを割り引くために使用される。不動産担保付きローンの公正価値測定には、オーストリア共和国の信用ス
プレッドに基づく、市場で観測可能なイールド・カーブを用いて、契約上合意されたキャッシュフローを割引
く。このアプローチは、不動産担保の受入れに厳格な要件を適用し、顧客のデフォルトリスクが低いことに反
映されている、貸付実行の商慣行に沿ったものである。この極めて低い信用リスクのために、概算はオースト
リア共和国の信用スプレッドに基づいている。
これらの貸付に適用されるイールド・カーブに67bp（2021年度：64bp）のマージンが加わり、観光金融の管理
費から引き出される。
・市場で観察可能なイールド・カーブが、EFSに関連する、銀行及び顧客からの預金並びに発行済み債務証券の公
正価値を決定する際、合意された契約上のキャッシュフローを割引くために使用される。このために、評価日
時点の市場でOeKBについて観察可能な信用スプレッドが考慮される。EFSの下で発行された債券は、オーストリ
ア共和国からの不可分の債務保証でカバーされている。これらは公正価値の算出に考慮されないが、OeKBの信
用格付はオーストリア共和国の信用格付と密接にリンクしている。市場で観測可能なイールド・カーブは、観
光金融に関連する銀行や顧客からの預金の公正価値を決定する際に、契約上合意されたキャッシュフローを割
り引くために利用される。このために、ÖHTから算出され、評価日の市場で観測可能な信用スプレッドが考慮さ
れる。
従って、回収のための保有ビジネスモデルに該当せず、SPPI基準に満たないその他金融資産は、値付けされた市
場価格に基づき決定される公正価値で認識される。これらの金融商品は、IFRS第13号の公正価値階層のレベル１に
割当てられる。
OeKBグループはまた、開発援助のためにマイクロファイナンス基金を保有している。これらの基金については、
上場価格はない。このような場合、公正価値は、ファンドマネージャーが入手した情報と純資産価値（NAV）を用い
て四半期ごとに決定され、レベル1に割り当てられている。このNAVは、ファンドのユニットが償還される価格であ
る。
開発途上及び新興諸国へのエクイティ投資に焦点を合わせた、プライベート・エクイティ・ファンドへの投資も
また行われる。これらのファンドの公正価値は、IPEV評価基準に基づき決定されており、主に市場価格に基づく評
価方法に由来するものであり、レベル3に指定されている。評価は主に、上場企業及び類似企業のグループから導き
出されたEBITDA及びP/E乗数に基づいている。使用される測定方法は、企業固有の情報や条件、並びに市場性や支配
力が損なわれた場合に適用される割引額を考慮に入れる。したがって、公正価値は、主として投入要素、乗数及び
対応する損益計算書の数値に依存する。
専らヘッジ目的で保有されるデリバティブ金融商品は、標準モデルを用いて測定される。このモデルは割引
キャッシュフロー法に基づく。このモデルに基づき、公正価値は現在のスワップカーブ（信用価値の調整（CVA及び
DVA）を含む。）により合意された契約上のキャッシュフローを割引くことで決定される。信用価値調整（CVA）は
金融取引における取引相手のデフォルトリスクの価格見積もりである。負債評価調整（DVA）はある企業の自身のデ
フォルトリスクを見積もる。
CVA/DVAを決定するにあたり、OeKBグループは、信用損失によるバーゼル規制資本の方法を使用する。これは以下
の変数の経路依存の乗数及びその合計に基づく。
・デフォルト時のエクスポージャー。特定の将来の時点での公正価値、モンテカルロ・シミュレーションを利用
して計算される。
・デフォルトの可能性。これらの時点でのデフォルト可能性は、取引相手のCDSスプレッド又は会社自身のCDSス
プレッドから計算される。
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・デフォルトが与える損失：取引相手のデフォルト又は自身のデフォルトの場合、予想回収額の見積もり。
報告日現在のCVAの価値調整は1.5百万ユーロ（2021年度：0.6百万ユーロ）、DVA価値調整は0.8百万ユーロ（2021
年度：0.2百万ユーロ）であった。
AFFG第1(2b)条に基づく保証の公正価値は（注記１も参照のこと。）、レート保証付発行済み債券の全ての将来の
利息及び元本のキャッシュフロー（最終的な債務＝デリバティブ金融商品後）に基づいており、これは資金調達通
貨で発行され、AFFGが保証するレート（AFFGのレート保証は考慮しない。）で、並びに先物外国為替レート（AFFG
のレート保証は考慮しない。）でユーロに換算される。AFFGレート保証を考慮したユーロ金額とAFFG保証を考慮に
入れないユーロ金額の差異は、各最終債務について毎日計算され、オーストリア共和国の保証がカバーする潜在的
なレートの差異を表す（現在の為替レートを新債務に適用する将来の決定は新たな契約として処理される。）。保
証の公正価値は、マイナスのレート差異及びプラスのレート差異についてOeKBのリファイナンシングカーブのため
に、オーストリア共和国のリファイナンシングスプレッドを考慮する以前に計算した一連の潜在的なレート差異を
割引いて計算され、「AFFG第1(2b)条に基づく保証」の項目に認識される。AFFG第1(2b)条に基づく保証のためのCVA
の価値調整は、報告日現在、42.5百万ユーロ（2021年度：0.1百万ユーロ）であり、DVAの価値調整は65.9百万ユー
ロ（2021年度：43.2百万ユーロ）であった。
レベル１又はレベル２のいずれにも該当しない金融商品は、独立した分類（レベル３）に割り当てなければなら
ない。レベル３の中で、公正価値は、特別な量的及び質的情報を用いて決定される。OeKBグループは、その他非連
結会社への投資を公正価値で認識する。ウィーン証券取引所（Wiener Börse AG）の公正価値は配当割引モデルに
従った評価に基づき決定される。公正価値及び感応度を決定するのに使用するパラメーターは、注記18に説明す
る。
下記の表は、レベル３の公正価値で測定した金融商品の認識を示す。
レベル３の帳簿価格の一致
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
1月１日現在 44,472 37,671
追加 － 40
処分 － －
利益・損失の合計
その他包括利益計算書中（その他非連結会社
への投資の公正価値[FVOCI]測定による純損 (5,796) 5,220
益）
損益計算書中（損益を通じて公正価値で測定
2,818 1,541
する金融商品に係る損益）
12月31日現在 41,495 44,472
下記の表は、公正価値の階層による報告日現在の公正価値で測定される金融商品、及び公正価値で測定されない
金融商品の公正価値を示す。この金額は、貸借対照表に報告される数字に基づく。
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2022年公正価値階層
（単位：1,000ユーロ） 注記 帳簿価格 公正価値 レベル１ レベル２ レベル３
公正価値で測定する金融資産
銀行貸付 17 2,077,262 2,077,262 - 2,077,262 -
債券及びその他固定金利債券 1,547,076 1,547,076 1,547,076 - -
株式持分及びその他変動利付
債券 374,291 374,291 367,774 - 6,517
その他非連結会社への投資 34,977 34,977 - - 34,977
その他金融資産 18 1,956,344 1,956,344 1,914,850 - 41,495
デリバティブ金融商品 19 772,045 772,045 - 772,045 -
AFFG第1(2b)条に基づく保証 19 6,198,441 6,198,441 - 6,198,441 -
公正価値で測定しない金融資産
現金及び現金同等物 16、30 319,542 319,542 - 319,542 -
銀行貸付 17 19,674,772 19,401,522 - 19,401,522 -
顧客貸付 17 1,889,368 1,840,896 - 1,840,896 -
その他金融資産 18 575,708 541,455 541,455 - -
公正価値で測定する金融負債
発行済み債務証券 23 20,427,583 20,427,583 - 20,427,583 -
デリバティブ金融商品 19 1,768,151 1,768,151 - 1,768,151 -
公正価値で測定しない金融負債
銀行からの預金 22 1,063,065 1,040,804 - 1,040,804 -
顧客からの預金 22 1,129,898 1,129,913 - 1,129,913 -
発行済み債務証券 23 6,666,295 6,776,672 - 6,776,672 -
2021年公正価値階層
（単位：1,000ユーロ） 注記 帳簿価格 公正価値 レベル１ レベル２ レベル３
公正価値で測定する金融資産
銀行貸付 17 2,711,945 2,711,945 - 2,711,945 -
債券及びその他固定金利債券 1,996,562 1,996,562 1,996,562 - -
株式持分及びその他変動利付
債券 584,422 584,422 580,723 - 3,699
その他非連結会社への投資 40,773 40,773 - - 40,773
その他金融資産 18 2,621,757 2,621,757 2,577,285 - 44,472
デリバティブ金融商品 19 595,160 595,160 - 595,160 -
AFFG第1(2b)条に基づく保証 19 5,362,547 5,362,547 - 5,362,547 -
公正価値で測定しない金融資産
現金及び現金同等物 16、30 1,245,090 1,245,090 - 1,245,090 -
銀行貸付 17 18,573,859 18,873,599 - 18,873,599 -
顧客貸付 17 1,706,431 1,785,497 - 1,785,497 -
その他金融資産 18 300,975 306,152 306,152 - -
公正価値で測定する金融負債
発行済み債務証券 23 23,355,088 23,355,088 - 23,355,088 -
デリバティブ金融商品 19 889,979 889,979 - 889,979 -
公正価値で測定しない金融負債
銀行からの預金 22 1,091,550 1,084,637 - 1,084,637 -
顧客からの預金 22 941,966 942,053 - 942,053 -
発行済み債務証券 23 4,691,662 5,093,199 - 5,093,199 -
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OeKBグループは、公正価値階層のレベル間の組替えを、変更が発生した報告期間末時点で認識する。当会計年度
において、組み替えは行われなかった。
注記４ セグメント情報
OeKBグループの業務は以下の事業セグメントごとに表示される。これら４つのセグメント（「輸出業務」、「資
本市場業務」、「観光業務」及び「その他業務」）の概要は、ビジネスモデル、社内の組織構造及び最高経営意思
決定機関である執行取締役会への追加の社内財務報告を基準とする。これらのセグメントの定義は、セグメントへ
の資源の配分及び業績の判断のために定期的に見直しをされる。主要な数字は、（すべてのセグメントにおける）
当期純利益、輸出業務及び観光業務の純利息収入及び資本市場業務の手数料収支である。
「輸出業務」セグメントは、OeKBの輸出金融スキーム、オーストリア・エントヴィックルングスバンクAGの事業
活動及び輸出保証法に基づく公認代理人としてのOeKBによるオーストリア共和国の保証の管理を対象とする。EFSの
法的根拠のために、OeKBの事業活動の地域的な中心は、オーストリアである。仮に外国銀行がEFSの基準を満たす場
合、当該外国銀行はEFSに参加する資格がある。ファイナンシングに適格であるためには、当該物品供与又はサービ
スは、直接又は間接にオーストリアの経常収支の改善をもたらさなければならない。
「資本市場業務」セグメントは、資本市場（証券データ、ファンドのキャピタルゲインの税務報告業務の契約の
核心、KMGに基づく通知事務所、政府債券の発行事務所）及びエネルギー市場の決済サービス並びにOeKB CSD GmbH
及びCCP.A GmbHの持分の運営のためのオーストリア輸出銀行の全てのサービスを対象とする。「その他非連結会社
への投資からの当期収入」は、当該会社の活動もこのセグメントに該当する場合、本セグメントに割当てられる。
「観光業務」セグメントは、オーストリア・ホテル・ウント・ツーリスムバンク・ゲゼルシャフトm.b.Hの事業活
動（観光及びレジャー産業の振興及び金融）を含む。これらの事業活動はオーストリアの会社に限定される。
「その他業務」セグメントは、自己勘定売買ポートフォリオ、賃貸収入及び他のセグメントに割当てられないそ
の他非連結会社への投資からの収入で構成される。同セグメントはまた、OeKBグループの民間信用保険業務及び
OeKBによるCOFAG COVID-19つなぎ保証の運営管理（注記１も参照のこと）並びにOeKB ESG Data Hubに関連する業務
を含む。
セグメント実績
セグメント間業務に計上される金額は、原価で提供されるサービスを表す。報告セグメントの金額と連結貸借対
照表及び連結包括利益計算書に記録された金額とは一致する必要はない。なぜなら連結項目は直接セグメントに割
当てられるからである。
2022年度事業セグメント別業績
（単位：1,000ユーロ） 輸出業務 資本市場業務 観光業務 その他業務 合計
-
利息収入 356,121 22,351 6,991 385,463
(95)
利息支払 (262,753) (9,576) (3,233) (275,657)
(95)
純利息収入 93,368 12,775 3,758 109,806
38,070
手数料収入 18,472 7,711 1,074 65,327
(1,289)
手数料支払 (18,406) (1,686) (206) (21,587)
36,781
手数料収支 66 6,025 868 43,740
-
信用リスク引当金（純額） 3,125 446 49 3,620
金融商品の純損益、損益を通
-
じて公正価値で測定 209 - (9,774) (9,565)
金融商品の認識中止による純
損益、損益を通じて公正価値
-
で測定されないもの (31) - (3) (34)
その他非連結会社への投資か
2,414
らの当期収入 - - 200 2,614
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持分法投資損益の持分割合
591
（税引後） - - 4,471 5,062
(21,922)
一般管理費 (56,214) (7,706) (5,932) (91,774)
404
その他営業収支 (651) 2,423 5,141 7,317
18,173
税引前利益 39,872 13,963 (1,222) 70,786
(3,467)
所得税 (8,546) (2,441) 1,897 (12,557)
14,706
報告セグメントの当期利益 31,326 11,522 675 58,229
14,706
親会社株主に帰属 31,326 9,339 675 56,046
-
非支配株主に帰属 - 2,183 - 21,183
67,977
セグメント資産 31,627,081 1,282,470 635,750 33,613,278
40,020
セグメント負債 31,463,251 651,228 558,159 32,712,658
報告セグメント の利益は損益計算書において報告される利益と同額である。
2021年度事業セグメント別業績
（単位：1,000ユーロ） 輸出業務 資本市場業務 観光業務 その他業務 合計
(164)
利息収入 306,685 20,624 3,214 330,359
(146)
利息支払 (210,953) (8,137) (639) (219,875)
(309)
純利息収入 95,732 12,486 2,575 110,483
35,947
手数料収入 18,699 7,254 1,408 63,308
(1,437)
手数料支払 (17,215) (1,687) (124) (20,463)
34,510
手数料収支 1,484 5.567 1,284 42,845
-
信用リスク引当金（純額） (6) 1,788 3,568 5,351
金融商品の純損益、損益を通
1
じて公正価値で測定 (316) - 1,547 1,233
金融商品の認識中止による純
損益、損益を通じて公正価値
-
で測定されないもの (3) - 110 107
その他非連結会社への投資か
2,605
らの当期収入 - - 200 2,805
持分法投資損益の持分割合
456
（税引後） - - 7,458 7,915
(21,418)
一般管理費 (54,641) (7,255) (4,542) (87,855)
511
その他営業収支 (1,256) 2,668 4,357 6,280
16,357
税引前利益 40,994 15,255 16,557 89,163
(3,741)
所得税 (13,381) (3,272) (3,277) (23,672)
12,615
報告セグメントの当期利益 27,613 11,983 13,280 65,491
12,615
親会社株主に帰属 27,613 8,634 13,280 62,142
-
非支配株主に帰属 - 3,349 - 3,349
36,701
セグメント資産 31,327,555 1,230,304 676,126 33,270,686
27,607
セグメント負債 31,119,140 773,591 484,763 32,405,101
報告セグメント の利益は損益計算書において報告される利益と同額である。
OeKBグループ連結包括利益計算書に対する注記
注記５ 連結包括利益計算書
収益及び費用は基本的に発生したときに認識される。
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利益及び純損失は、損益計算書上に認識される公正価値の変動、評価損、損益計算書上の評価損の戻入れ、為替
レートの変動並びに認識からの除去により影響を受ける。
注記６ 純利息収入
2022年 2022年 2021年 2021年
2022年 2022年 2021年 2021年
（単位：1,000ユーロ） FVTPL FVTPL FVTPL FVTPL
償却原価 合計 償却原価 合計
(指定) (義務) (指定) (義務)
金融市場商品 19,060 - - 19,060 3,104 - - 3,104
貸付業務 184,648 15,052 - 199,700 107,793 3,105 - 110,899
証券 4,400 5,479 11,319 21,198 2,424 - 6,092 8,515
発行済み債務証券 7,084 59,067 - 66,151 14,742 117,552 - 132,294
計上利息に関するEFS
金利安定化引当金の
割当又は使用 20,806 59,188 (639) 79,354 83,210 (7,659) (4) 75,547
利息収入 235,998 138,786 10,679 385,463 211,273 112,998 6,088 330,359
金融市場商品 (11,940) - - (11,940) (7,494) - - (7,494)
貸付業務 (22,112) (3,890) - (26,002) (32,204) (6,203) - (38,407)
証券 - (4,907) - (4,907) - (9,558) - (9,558)
発行済み債務証券 (81,037) (64,928) - (145,965) (49,097) (29,648) - (78,745)
AFFG第1(2)条に基づ
く保証のために発行
される債務証券に関
する保証手数料（注
記１を参照のこと） (21,782) (65,062) - (86,844) (18,083) (67,589) (85,672)
-
利息支払 (136,871) (138,786) - (275,657) (106,877) (112,998) (219,875)
-
純利息収入 99,127 - 10,679 109,806 104,396 - 6,088 110,483
利息収入には、COVID-19による危機に対応して開始された輸出銀行特別リファイナンス枠から生ずる2.0百万ユー
ロ（2021年度：3.0百万ユーロ）の収入を含む。
注記７ 手数料収支
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
貸付業務収入 4,348 4,859
貸付業務費用 (18,513) (17,443)
貸付業務 (14,164) (12,584)
証券業務収入 35,348 33,213
証券業務費用 (1,677) (1,843)
証券業務 33,671 31,370
保証収入 20,884 20,106
保証費用 (1,266) (1,090)
保証 19,619 19,016
エネルギー交換決済収入 2,675 2,626
エネルギー交換決済費用 - -
エネルギー交換決済 2,675 2,626
その他サービス収入 2,071 2,504
その他サービス費用 (132) (87)
その他サービス 1,939 2,417
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手数料収支 43,740 42,845
うち、収入 65,327 63,308
うち、費用 (21,587) (20,463)
貸付業務からの手数料収入は、主に開発銀行の業務、オーストリア共和国の開発援助ローンのサービシング及び
ÖHT（観光融資）を通じたERPローンのサービシングによるものであった。貸付業務からの手数料支払は、主に開発
銀行の業務及び観光融資に関連してAusfFGに従いオーストリア共和国に支払う保証料によるものであった。オース
トリア共和国はこれらの保証に基づくこれらの取引のデフォルトリスクを仮定した。収支は全て、償却原価で測定
される金融商品から派生した。
証券業務による手数料収支はオーストリアの資本市場のためにOeKBグループにより提供されるサービスによるも
のであった。これらのサービスは主に、証券口座管理及び証券取引の取得並びに政府債券の入札業務、証券に関す
る法律上要求される報告の技術的基盤の管理、オーストリア証券へのISINコードの割当て及びマスター・データ及
び満期データのための証券データサービスに関するものであった。
保証業務は、主にオーストリア共和国を代理してOeKBが提供する輸出保証業務のサービスである（注記１も参照
のこと）。OeKBが請求する処理手数料はオーストリア共和国のために徴収する保証料に基づく。処理手数料は発生
主義で認識される。OeKBグループの保証業務は、また観光融資契約に関連する連邦政府保証の運用に関するサービ
スを含む。
COVID-19による危機の開始時に、担当省庁は、OeKGグループを危機を克服する施策の実施に従事させた（注記１
も参照のこと）。0.4百万ユーロ（2021年度：0.6百万ユーロ）の手数料収入がこれらの業務に認識され、輸出銀行
特別リファイナンス枠の保証処理に関連する。0.6百万ユーロ（2021年度：0.7百万ユーロ）の手数料収入がCOFAGつ
なぎ保証の処理を通じて生み出された。観光業、レストラン及びレジャー企業に対するCOVID-19支援処理に関する
ÖHT業務の手数料収入は、2.4百万ユーロ（2021年度：1.9百万ユーロ）であった。
中心的かつ独立したプロバイダーとして、OeKBは格付業務、金融決済及びリスク管理に関連してエネルギーの決
済サービスを提供する。
その他サービスからの手数料収支は、主に徴収した口座管理・取引手数料及びオーストリア共和国の開発援助対
策に関する信託業務からの収入であった（注記36を参照のこと。）。
注記８ 信用リスク引当金
この項目は、IFRS第９号の予想信用損失の減損モデルの対象である、金融商品に係る減損費用及び減損費用の戻
し入れを含む。POCI資産の変動もまたこの項目において表示される。貸倒引当金に関する詳細な情報は、注記38に
おいて説明する。
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
信用リスク引当金（純額）の割当/戻し入れ
銀行貸付 2 (1)
顧客貸付 3 (5)
その他金融資産 1 (7)
信用リスク引当金(純額)の割当/取崩し 6 (13)
ステージ移管による変動
銀行貸付 (81) -
顧客貸付 (422) (358)
ステージ移管による変動 (503) (358)
現在価値効果、リスクパラメータ及びモデル変更に
よる変更
銀行貸付 (39) 96
顧客貸付 869 2,149
その他金融資産 45 223
現在価値効果、リスクパラメータ及びモデル変更に 876 2,467
よる変更
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POCI資産の変動
顧客貸付 3,124 3,350
POCI資産の変動 3,124 3,350
EFS金利安定化引当金に割当てられた金融商品の純
118 (95)
損益の振替
信用リスク引当金純額 3,620 5,351
注記９ 損益を通じて公正価値で測定される金融商品の純損益
2022年度の金融商品の公正価値測定による純損益
EFSに割当てられていな
EFSに割当てられた金融商品
い金融商品
公正価値 ヘッジング
2022年合計
（単位：1,000ユーロ） FVTPL 合計 FVTPL 合計
オプション 取引
以下の公正価値の変動：
銀行貸付
(244,315) - - (244,315) - - (244,315)
その他金融資産
(183,915) - - (183,915) (9,469) (9,469) (193,385)
デリバティブ金融商品
- - (676,722) (676,722) - - (676,722)
AFFG第1(2b)条に基づく
保証
- - 253,694 253,694 - - 253,694
発行済み債務証券
1,140,540 - - 1,140,540 - - 1,140,540
公正価値の変動
712,309 - (423,028) 289,281 (9,469) (9,469) 279,812
EFSに割当てられた金融
商品の純損益のEFS金利
安定化引当金への振替
(712,309) - (423,028) (289,281) - - (289,281)
公正価値測定による純損益
- - - - (9,469) (9,469) (9,469)
外国為替差異による純損益
- - - (0) - (96) (96)
公正価値測定による純損益
- - - - - (9,469) (9,469)
金融商品に係る純損益
- - - (0) - (9,565) (9,565)
信用スプレッドの変動から生じる銀行貸付の公正価値の変動の持分は、当年度中、マイナス8.3百万ユーロ（2021
年度：マイナス3.3百万ユーロ）となり、合計では3.3百万ユーロ（2021年度：11.5百万ユーロ）となった。オース
トリア共和国が提供する包括保証のために、これらの債権についてのデフォルトリスクは、ほぼ存在しなかった
（注記１を参照のこと。）
信用スプレッドの変動から生じる発行済み債務証券の公正価値の変動の持分は、当年度中マイナス37.4百万ユー
ロ（2021年度：プラス7.3百万ユーロ）となり、合計でマイナス102.0百万ユーロ（2021年度：マイナス64.6百万
ユーロ）であった。
2022年度の金融商品の外国為替差異による純損益
EFSに割当てられた EFSに割当てられてい
（単位：1,000ユーロ） 2022年合計
金融商品 ない金融商品
外国為替差異による利益 125,366 225,341 350,707
外国為替差異による損失 (668,577) (225,437) (894,014)
小計 (543,211) (96) (543,307)
AFFG第1(2b)条に基づく保証に
543,375 - 543,375
よる外国為替差異
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EFSに割当てられた金融商品の
純損益のEFS金利安定化引当金 (165) - (165)
への振替
外国為替差異に係る純損益 0 (96) (96)
外国為替差異の損益は、主に米ドル為替レートの変動により、及びそれより程度は低いがスイス・フランの為替
レートの変動によりもたらされた。為替レートはAFFG第1(2b)条に基づく保証によりヘッジされているため、外国為
替差異を通じて大半が相殺された。
2021年度の金融商品の公正価値測定による純損益
EFSに割当てられてい
EFSに割当てられた金融商品
ない金融商品
公正価値 ヘッジング
2021年合計
（単位：1,000ユーロ） FVTPL 合計 FVTPL 合計
オプション 取引
以下の公正価値の変動：
銀行貸付 (35,126) - - (35,126) - - (35,126)
その他金融資産 (54,315) - - (54,315) 1,413 1,413 (52,902)
デリバティブ金融商品 - - 556,053 556,053 - - 556,053
AFFG第1(2b)条に基づ
く保証 - - (883,758) (883,758) - - (883,758)
発行済み債務証券 482,989 - - 482,989 - - 482,989
公正価値の変動 393,548 - (327,705) 65,843 1,413 1,413 67,255
EFSに割当てられた金
融商品の純損益のEFS
金利安定化引当金への
振替 (393,548) - 327,705 (65,843) - - (65,843)
公正価値測定による純損
益 - - - - 1,413 1,413 1,413
外国為替差異による純損
益 - - - 0 - (180) (180)
公正価値測定による純損
益 - - - - - 1,413 1,413
金融商品に係る純損益 - - - 0 - 1,233 1,233
2021年度の金融商品の外国為替差異による純損益
EFSに割当てられた EFSに割当てられてい
（単位：1,000ユーロ） 2021年合計
金融商品 ない金融商品
外国為替差異による利益 86,183 139,708 255,891
外国為替差異による損失 (1,537,713) (139,888) (1,677,601)
小計 (1,451,530) (180) (1,451,710)
AFFG第1(2b)条に基づく保証に
1,451,487 - 1,451,487
よる外国為替差異
EFSに割当てられた金融商品の
純損益のEFS金利安定化引当金 43 - 43
への振替
外国為替差異に係る純損益 0 (180) (180)
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注記10 損益を通じて公正価値で測定しない金融商品の認識中止にかかる純損益
報告期間中、償却原価で測定された資産は売却されなかった（2021年：マイナス0.1百万ユーロ）。
注記11 その他の非連結会社への投資による当期利益
その他の非連結会社への投資による当期利益2.6百万ユーロ（2021年：2.8百万ユーロ）には、売買目的で保有し
ているのではないエクイティ商品からの配当金収入が含まれており、これはその他の包括利益を通じて公正価値で
測定されている。これらは、その他の非連結会社に対する戦略的な長期投資である。報告期間中の配当収入は、売
却された、若しくはその他の認識が中止された持分保有には関連しなかった。
OeKBは、報告期間中にその他の包括利益からの累積損益を株主資本に分類替えをしなかった。報告期間中に、重
要な持分保有は、売却又は認識中止されなかった。
純帳簿価額及びそれに対応する公正価値の詳細は、注記39「連結の範囲」に記載されている。公正価値の変動
は、その他の包括利益に表示される。
注記12 一般管理費
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
給与 (45,676) (45,507)
社会保険費用 (11,036) (10,087)
退職給付費用及び社会保障費 (5,259) (4,348)
人件費 (61,970) (59,942)
その他管理費用 (24,985) (23,415)
固定資産及び無形資産の減価償却及び償却 (4,820) (4,498)
一般管理費 (91,775 ) (87,855)
人件費の増加は、前年度におけるタイムクレジットからの引当金の取崩し額の増加、退職給付費用及び社会保障
費の増加（主に、退職給付引当金の支払利息の増加によるもの）による。
その他管理費用の増加は、デジタル化プロジェクトに関連する費用（デジタルワークプレイス及びサイバーセ
キュリティ）の増加、COVID-19制限解除後の出張費の増加及び保守費用（未来のオフィス）並びにエネルギー費用
の増加による。
有形固定資産及び無形資産の評価損及び減損の増加は、事務所及び業務用機器の継続的な交換（未来のオフィ
ス）による評価損の増加並びにデジタル化プロジェクト（T2/T2S統合への移行に伴う決済システムの交換、発行体
プラットフォーム - 3i、顧客ポータル - my.oekb）の完了による評価損の増加によりもたらされた。
監査人及び関連会社費用
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
連結及び個別年次財務書類の監査 (400) (388)
監査関連業務 (60) (307)
監査人費用 (460) (695)
税務コンサルティング - (99)
その他コンサルティング - (46)
監査人関連会社の費用 - (145)
Deloitte Audit Wirtschaftsprüfungs GmbH（以下「デロイト」という。）は、2022年会計年度の連結及び個別年
次財務書類の監査人として、定例のローテーションにより任命された。デロイトは、この委任に基づくサービスの
みを提供し、その他のコンサルティングサービスは提供しない。前年度は、KPMG Austria GmbH
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Wirtschaftsprüfungs- und Steuerberatungsgesellschaft（以下「KPMG」という。）が連結及び個別の年次財務書
類の監査人に任命され、そのネットワークを通じてその他のコンサルティングサービス（例：税務コンサルティン
グ 及びその他コンサルティング）も提供した。監査関連費用には、ITシステム及びサイバーセキュリティに関連す
る施策の実施に対する品質保証支援が含まれていた。前年度には、これらの費用は、EFSのためのOeKBによる発行業
務に関連していた。
注記13 その他営業収支
「その他営業収支」の項目は主に、OeKBが外注業務（例えば、経理及び財務管理、ITサービス、人事及びその他
サービス）の提供により受取るサービス手数料並びに事業スペースの賃貸収入に関連した。ÖHTはまた、観光促進プ
ログラム並びに外食産業及びイベント会社に対するCOVID-19支援プログラムの運営を通じて収益を生み出した。そ
の他営業費用は、主にオーストリア共和国に支払う銀行安定税に関連した。
注記14 所得税
所得税は、IAS第12号に従い認識及び算定される。当年度の所得税の権利及び義務は、現地の適用税率（2022年度
は22％、2023会計年度は24％、2024会計年度以降は23％（2021年度：25％））を用いて測定される。繰延税金は、
負債コンセプトを使用して算定される。この方法の下では、IFRS貸借対照表上の資産及び負債の帳簿価格は、それ
ぞれのグループ会社の課税に関係するそれぞれの価値と比較される。これらの価値の差異は、繰延税金資産又は税
金負債として認識される一時的差異をもたらす（注記25も参照のこと）。
損益計算書に認識される税金
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
当期 (14,558) (14,295)
過年度の調整 126 (3,036)
当期税金費用合計 (14,432) (17,331)
認識済控除可能一時的差異の増減 1,874 (6,341)
繰延税金純額/税金収益 1,874 (6,341)
所得税 (12,558) (23,672)
その他税金 - -
合計 (12,558) (23,672)
その他包括利益に認識される税金
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
確定給付制度に係る保険数理利益/損失 (4,075) (2,939)
その他非連結会社への投資（FVOCI）の公正価値測定に
1,450 (1,305)
よる純損益
合計 (2,625) (4,244)
繰延税金の増減
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
損益計算書上の繰延税金の増減 1,874 (6,341)
その他包括利益計算書上の繰延税金の増減 (2,625) (4,244)
合計 (751) (10,585)
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実際の課税は、それぞれのグループ会社に適用される現地の税率を使用して、年度の課税標準額に対して計算さ
れる。
標準的な現地の所得税率による課税は表の報告済みの実際の所得税額と一致する。OeKBグループは、税法の解釈
及び以前の経験を含めた多数の要因の査定に基づき、すべてのオープンな課税年度（税務調査が今後入りうる年
度）について納税引当金は十分であると考える。
実効税率の一致
2022年 2021年
（単位：1,000ユーロ）
税引前利益
70,786 100.0％ 89,164 100.0％
会社の国内税率による税額 (17,697) (25.0)％ (22,291) (25.0)％
非控除支出 (481) (0.7)％ (927) (1.0)％
非課税所得 1,919 2.7％ 2,680 3.0％
認識済控除可能一時的差異の増減 3,267 4.6％ - -
投入税 308 0.4％ (98) (0.1)％
過年度の所得税支払 126 0.2％ (3,036) (3.4)％
合計 (12,558) (17.7)％ (23,672) (26.5)％
上記の税率変更は、OeKBグループにとって重要な結果をもたらすものではない。認識された控除可能な一時差異
の増減は、主に特別投資ファンドSirius 40の売却の結果である。
OeKBグループ連結貸借対照表に対する注記
注記15 金融商品
金融商品及び金融負債の区分
下記の表は、IFRS第９号に従った区分による、金融資産及び金融負債の内訳を示す。ECL計算の方法及び結果は注
記38において説明される。
IFRS第9号の分類による金融商品（2022年12月31日現在）
FVOCI FVTPL FVTPL
(単位：1,000ユーロ) 注記 償却原価 合計
（指定） （義務） （指定）
資産
現金及び現金同等物 16 319,542 - - - 319,542
銀行貸付 17 19,674,772 - - 2,077,262 21,752,034
顧客貸付 17 1,889,368 - - - 1,889,368
その他金融資産 18 575,708 34,977 374,291 1,547,076 2,532,053
デリバティブ金融商品 19 - - 772,045 - 772,045
AFFG第1(2b)条に基づく保証 19 - - 6,198,441 - 6,198,441
合計 22,459,391 34,977 7,344,777 3,624,337 33,463,483
負債及び株主資本
銀行からの預金 22 1,063,065 - - - 1,063,065
顧客からの預金 22 1,129,898 - - - 1,129,898
発行済み債務証券 23 6,666,295 - - 20,427,583 27,093,878
デリバティブ金融商品 19 - - 1,768,151 - 1,768,151
合計 8,859,258 - 1,768,151 20,427,583 31,054,991
IFRS第9号の分類による金融商品（2021年12月31日現在）
FVOCI FVTPL FVTPL
(単位：1,000ユーロ) 注記 償却原価 合計
（指定） （義務） （指定）
資産
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現金及び現金同等物 16 1,245,090 - - - 1,245,090
銀行貸付 17 18,573,859 - - 2,711,945 21,285,804
顧客貸付 17 1,706,431 - - - 1,706,431
その他金融資産 18 300,975 40,773 584,422 1,996,562 2,922,732
デリバティブ金融商品 19 - - 595,160 - 595,160
AFFG第1(2b)条に基づく保証 19 - - 5,362,547 - 5,362,547
合計 21,826,355 40,773 6,542,128 4,708,507 33,117,764
負債及び株主資本
銀行からの預金 22 1,091,550 - - - 1,091,550
顧客からの預金 22 941,966 - - - 941,966
発行済み債務証券 23 4,691,662 - - 23,355,088 28,046,750
デリバティブ金融商品 19 - - 889,979 - 889,979
合計 6,725,178 - 889,979 23,355,088 30,970,244
注記16 現金及び現金同等物
認識及び測定の原則は注記２に記載する。
（単位：1,000ユーロ） 2022年12月31日 2021年12月31日
中央銀行への預け金残高 319,540 1,245,088
現金 2 2
現金及び現金同等物 319,542 1,245,090
最低準備金は2022年12月31日現在、57.2百万ユーロ（2021年12月31日現在：35.8百万ユーロ）に達し、中央銀行
への預け金残高に含まれていた。
現金及び現金同等物はOeKBグループが十分な流動性を確保するのに役立つ。
注記17 銀行及び顧客への貸付
認識及び測定の原則は注記２に記載する。IFRS第９号に従う分類は注記15に述べる。格付区分による内訳は、注
記38に表示する。
銀行貸付
（単位：1,000ユーロ） 要求払 その他満期 合 計
2022年 2021年 2022年 2021年 2022年 2021年
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
国内銀行
24,532 14,759 18,600,309 18,783,220 18,624,841 18,797,979
外国銀行 1,226,800 549,526 1,900,392 1,938,298 3,127,192 2,487,824
銀行貸付合計 1,251,332 564,285 20,500,701 20,721,518 21,752,033 21,285,803
銀行貸付の項目は正味簿価20.1十億ユーロ（2021年度：20.3十億ユーロ）の輸出金融スキームの貸付に関連す
る。
報告日現在、0.6十億ユーロ（2021年度：0.9十億ユーロ）がCOVID-19による危機を克服する努力の一環として開
始された輸出銀行特別リファイナンス枠に基づき貸付けられた（注記１も参照のこと）。当年度の平均利用金額は
0.7十億ユーロ（2021年度：1.1十億ユーロ）であった。
顧客貸付
（単位：1,000ユーロ） 国内顧客 海外顧客 合計
2022年 2021年 2022年 2021年 2022年 2021年
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
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国又は政府関連機関
2,726 835 82,505 93,952 85,231 94,787
その他 1,255,431 1,217,068 548,706 394,576 1,804,137 1,611,644
顧客貸付合計 1,258,157 1,217,903 631,211 488,528 1,889,368 1,706,431
注記18 その他金融資産
認識及び測定の原則は注記２に記載する。IFRS第９号に基づく分類は注記15に述べる。
その他金融資産
（単位：1,000ユーロ） 2022年12月31日 2021年12月31日
短期国債及び類似証券 1,406,840 1,632,490
公的部門発行者による固定金利債券 0 1,536
債券 715,945 663,511
債券及びその他固定金利債券 2,122,785 2,297,537
うち、上場債券 2,122,785 2,297,537
投資証券 374,291 584,422
株式及びその他変動利付債券 374,291 584,422
うち、上場株式及びその他変動利付債券 130 129
非連結子会社への投資 5,584 5,697
その他非連結会社への投資 29,393 35,076
投資 34,977 40,773
その他金融資産 2,532,053 2,922,732
債券及びその他固定金利債券のうち、318.8百万ユーロ（2021年度：2022年度満期は304.5百万ユーロ）が翌年度
満期を迎える。
2022年度の投資証書の減少は、主に249.7百万ユーロ（2021年度：259.4百万ユーロ）の価値を持つ特別投資ファ
ンドSirius 40の清算によるものである。
その他金融資産（投資証券）には、金額6.5百万ユーロ（2021年度：3.7百万ユーロ）のプライベート・エクイ
ティ・ファンドのユニットを含んでいた。公正価値は観察できないパラメーターに特に依拠するため、これらのパ
ラメーターの変動は異なる評価結果をもたらす可能性がある。報告日現在の実際の市場環境を反映するパラメー
ターが認識のために使用された。適用されたEBITDA及びP/E乗数の変動は、主に影響の可能性を決定するために評価
された。これらの市場乗数の増（減）は、公正価値の（増）減の原因となる可能性がある。これらのプライベー
ト・エクイティ・ファンドはオーストリア共和国により保証されており、すなわち価値の損失可能性は基本的にカ
バーされる。また、利益は遅滞なく配分され、損失はヘッジされているため、これらの資産については、重要性が
乏しく、感応度を示さない。
その他非連結会社への投資には、ウィーン証券取引所（Wiener Börse AG、WBAG）への投資26.7百万ユーロ（2021
年度：32.0百万ユーロ）を含む。ウィーン所在の ウィーン証券取引所はプラハのBurza cenných papírů Praha,
a.s.（プラハ証券取引所）の株式の99.54％を所有する。ウィーン証券取引所の認識価値は、配当割引モデルを用い
て2022年12月31日に行われた評価に基づく。評価の最も重要な仮定は以下である。
2022年 2021年
ウィーン プラハ ウィーン プラハ
証券取引所 証券取引所 証券取引所 証券取引所
フリーキャッシュフロー ４年 ４年 ４年 ４年
WACC 8.76％ 9.86％ 7.78％ 8.55％
感応度分析
2022年 2021年
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ウィーン プラハ ウィーン プラハ
（単位：1,000ユーロ）
証券取引所 証券取引所 証券取引所 証券取引所
WACCの変動（WACCの増加） 1.00％ 1.00％ 1.00％ 1.00％
WBAGの価値（公正価値）合計の
(40,677) (70,300)
変動
WBAGにおけるOeKBグループの
(2,687) (4,643)
公正価値の影響
子会社以外への投資の個別持分についての詳細は、注記39に説明する。
BWG第64条(1)No11に基づく追加の必須開示事項
債券及びその他固定金利債券の項目には、OeKBグループの固定金利債券ポートフォリオが含まれ、固定資産に分
類される。
株式及びその他変動利付債券の項目には、変動金利の証券が含まれており、そのうち374.2百万ユーロ（2021年
度：584.3百万ユーロ）が固定資産に分類されている。
債券及びその他の固定金利債券のうち、2,123百万ユーロが上場されている（2021年度：2,298百万ユーロ）。株
式及びその他の変動利付債券のうち、0.1百万ユーロ（2021年度：0.1百万ユーロ）が上場されている。
注記19 ヘッジ商品
認識及び測定の原則は注記２に記載する。IFRS第９号に基づく分類は注記15に述べる。
デリバティブ金融商品
2022年 2021年
（単位：1,000
公正価値 公正価値 公正価値 公正価値
ユーロ）
額面価額 ポジティブ ネガティブ 額面価額 ポジティブ ネガティブ
金利デリバティ
ブ
金利スワッ
24,578,118 566,865 833,636 23,579,089 323,050 262,180
プ
通貨デリバティ
ブ
通貨スワッ
18,984,565 205,180 934,515 22,019,731 272,110 627,798
プ
合計 43,562,683 772,045 1,768,151 45,598,820 595,160 889,979
金利関連取引及び通貨関連取引の公正価値の推移は、主に変動金利の上昇の結果である。
グローバル・ネッティングの取決めに関する情報
国際スワップ・デリバティブ協会（以下「ISDA」という。）のグローバル・ネッティング取決め（フレームワー
ク契約）に従い、デリバティブ金融商品は合意される。かかる合意に基づき支払うべき金額は一般的に個別取引
ベースで決済され支払いが行われる。特定の場合、例えば信用事由が生じた場合、契約に基づくすべての未決済の
取引は解除され、解除価格が決定され、すべての取引を決済するために１つのネット金額が支払われる。
さらに、このネット金額は、ISDA契約に従い毎日計算され、担保として所定のビジネスパートナーに提供され、
またはビジネスパートナーから受領する。したがって、デフォルトリスクは１日から２日間の実績に限定される
（前日の価値計算及び差額の以前の担保への振替）。
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ISDA契約は貸借対照表におけるネッティング基準を満たさない。これは、ネッティングの権利は信用事由のよう
な一定の将来の事由の場合のみ強制できるため、対象金額のネッティングについて法律上の請求権がないという事
実を理由とする。
以下の表は、報告される契約の対象デリバティブ金融商品の帳簿価格を示す。
グローバル・ネッティング契約
2022年 2021年
相殺されない 相殺されない
貸借対照表に 貸借対照表
（単位：
デリバティブ デリバティブ
おけるデリバ におけるデ
金融商品のグ 金融商品のグ
1,000
ティブ リバティブ
ロス及びネッ ネットの ロス及びネッ ネットの
ユーロ）
金融商品 トの金額 金額 金融商品 トの金額 金額
プラスの公
正価値を持
つデリバ
ティブ金融
商品
金利デリバ
ティブ-金利 566,865 (558,847) 8,018 323,050 (202,749) 120,300
スワップ
通貨デリバ
205,180 (196,600) 8,580 272,110 (242,255) 29,855
ティブ-通貨
スワップ
合計
772,045 (755,447) 16,598 595,160 (445,004) 150,155
マイナスの
公正価値を
持つデリバ
ティブ金融
商品
金利デリバ
ティブ-金利 833,636 (448,141) 385,495 262,180 (182,487) 79,694
スワップ
通貨デリバ
934,515 (307,307) 627,208 627,798 (262,517) 365,281
ティブ-通貨
スワップ
合計
1,768,151 (755,447) 1,012,704 889,979 (445,004) 444,974
AFFG第1(2b)条に基づく保証
（単位：1,000ユーロ） 2022年12月31日 2021年12月31日
期首の公正価値 5,362,547 4,794,818
外国為替差異から生ずる変動 543,375 1,451,487
公正価値測定から生ずる変動 292,519 (883,758)
当期純利益 835,894 567,729
期末の公正価値 6,198,441 5,362,547
外国為替差異の変動は、主としてユーロとスイス・フランの為替レート（報告日付の参考為替レートの表示につ
いては、注記２を参照のこと）、並びにスイス・フランのポジションの減少によるものであった。
注記20 持分法投資の純損益の構成
持分法投資
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAG、ウィーン
61,470 66,587
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CCPオーストリア・アプヴィクルングステル・フュア・ブーゼンゲシェ
6,599 6,508
フテGmbH、ウィーン
持分法投資 68,070 73,096
持分法投資の純損益
損益計算書
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAG、ウィーン
4,471 7,458
CCPオーストリア・アプヴィクルングステル・フュア・ブーゼンゲシェ
591 456
フテGmbH、ウィーン
持分法投資の損益の割合、税引後 5,062 7,914
その他包括利益/（損失）
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAG、ウィーン
412 269
CCPオーストリア・アプヴィクルングステル・フュア・ブーゼンゲシェ
- -
フテGmbH、ウィーン
持分法投資－その他包括利益の割合 412 269
包括利益合計
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAG、ウィーン
4,883 7,727
CCPオーストリア・アプヴィクルングステル・フュア・ブーゼンゲシェ
591 456
フテGmbH、ウィーン
当期純利益 5,474 8,183
持分法適用投資について偶発債務はなかった。
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAG、ウィーン、オーストリア
その他サービス業務セグメント 2022年 2021年
株式保有 51％ 51％
議決権の割合 51％ 51％
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAGは、非上場持株会社である。同社は、アクレディア・
フェアジヒャルングAGの単独所有者である。アクレディアは、オーストリアの企業に全種類の信用保険を提供す
る。
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAGは、ハンブルグのEuler Hermesアクティエンゲゼルシャ
フトとの合弁会社として運営され、持分法に従い連結財務書類に含まれている。OeKB AGは、議決権又はその他の権
利を通じて関係会社からの利益に影響を及ぼすことができる決定権限を持たない。
保険契約は、保険監督法（以下「VAG」という。）の規定を考慮し、IFRS第４号に従い計上された。IFRS第４号に
従い、VAGに基づく請求平準化準備金（繰延税金を控除後）はIFRSの株主資本において報告された。会社はIFRS第17
号と共にIFRS第９号を適用するためにオプションを行使した。
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
経過保険料 28,194 23,525
保険数理的業績 16,527 17,846
税引前当期利益 10,582 18,457
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うち、減価償却及び償却 (8,536) (1,646)
うち、利息収入 615 642
うち、利息支払 (61) (90)
当期純利益 8,766 14,624
その他包括利益/(費用) 808 527
当期包括利益合計 9,574 15,151
流動資産 48,684 47,979
うち、現金及び現金同等物 30,890 37,318
非流動資産 116,247 131,748
流動負債 18,969 20,761
非流動負債 25,430 28,401
株主資本 120,532 130,565
期首株主資本の比例按分割合 66,587 61,490
当期包括利益合計の比例按分割合 4,883 7,727
受取配当 (10,000) (2,630)
期末株主資本の比例按分割合 61,470 66,587
CCPオーストリア・アプヴィクルングステル・フュア・ブーゼンゲシェフテGmbH、ウィーン、オーストリア
資本市場業務セグメント 2022年 2021年
株式保有 50％ 50％
議決権の割合 50％ 50％
CCP.Aは、ウィーンのウィーン証券取引所との合弁会社として運営され、持分法に従い連結財務書類に認識されて
いる。
CCP.Aは、上場会社ではない。同社はウィーン証券取引所及びEXAA電子取引所の清算代理機関として行為する。中
央清算機関として、ウィーン証券取引所及びEXAA電子取引所で行われるすべての取引に関与している。CCPオースト
リアは、2014年、規則（EU）第648/2012（欧州市場インフラ規則、以下「EMIR」という。）の第14(1)条に従い免許
を与えられた。
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
収入 4,983 4,755
営業利益 1,284 1,234
税引前利益 1,580 1,217
うち、減価償却及び償却 - -
うち、利息収入 583 202
うち、利息支払 287 (219)
当期純利益/損失 1,182 912
その他包括利益/(費用) - -
当期包括利益合計 1,182 912
流動資産 178,081 114,976
うち、現金及び現金同等物 175,907 105,081
非流動資産 - -
流動負債 164,883 101,960
非流動負債 - -
株主資本 13,198 13,016
期首株主資本の比例按分割合 6,508 6,302
当期包括利益合計の比例按分割合 591 456
受取配当 (500) (250)
期末株主資本の比例按分割合 6,599 6,508
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注記21 固定資産及び無形資産
2022年度固定資産・無形資産の正味帳簿価格の変動
2021年 2022年
12月31日現在 12月31日現在
正味簿価 追加 譲渡 処分 正味簿価
（単位：1,000ユーロ）
土地・建物 11,435 - - (157) 11,278
建物使用権 4,931 - - (1,533) 3,398
備品、付属品、機器 4,487 2,923 - (2,087) 5,323
車両使用権 7 - - (7) -
固定資産 20,860 2,923 - (3,784) 19,999
ソフトウェア 4,147 404 1,234 (1,606) 4,180
ソフトウェアの前払
642 1,950 (1,234) - 1,358
い
顧客関係 259 - - (86) 173
無形資産 5,048 2,354 - (1,692) 5,710
合計 25,908 5,276 - (5,476) 25,709
2021年度固定資産・無形資産の正味帳簿価格の変動
2020年 2021年
12月31日在 12月31日現在
正味簿価 追加 譲渡 処分 正味簿価
（単位：1,000ユーロ）
土地・建物 11,625 - - (190) 11,435
建物使用権 6,584 - - (1,653) 4,931
備品、付属品、機器 4,424 1,877 - (1,814) 4,487
車両使用権 24 5 - (22) 7
固定資産 22,657 1,882 - (3,679) 20,860
ソフトウェア 4,260 726 640 (1,479) 4,147
ソフトウェアの前払い 544 738 (640) - 642
顧客関係 345 - - (86) 259
無形資産 5,149 1,464 - (1,565) 5,048
合計 27,805 3,346 - (5,244) 25,908
土地自体の価値は6.4百万ユーロ（2021年度：6.4百万ユーロ）であった。
当年度及び前年度において、資産計上された利息の追加はなかった。当年度及び前年度において、減価償却及び
消却累計の評価増又は譲渡は無かった。
金額3.4百万ユーロのリース負債（2021年度：5.0百万ユーロ、「その他負債」に認識）は、上記のIFRS第16号に
従い、使用権に関連する。これらの認識されたリース債務のうち、891千ユーロは2023年度に期限が到来し、残りは
後続年度に期限が到来する。リース債務の利息支払は、当年度中合計6.2千ユーロ（2021年度：8.8千ユーロ）で
あった。現在のリース債務費用（会計オプションは行使されていない。）は、当年度中31.6千ユーロ（2021年度：
18.9千ユーロ）であった。処分には使用権の再評価として558千ユーロ（2021年度：673千ユーロの追加）を含む。
注記22 銀行からの預金及び顧客からの預金
認識及び測定の原則は注記２に記載する。IFRS第９号に基づく分類は注記15に述べる。
銀行からの預金
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要求払 その他満期 合計
2022年 2021年 2022年 2021年 2022年 2021年
（単位：1,000ユーロ）
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
国内銀行 152,029 174,627 453,093 544,846 605,122 719,473
外国銀行 66,970 245,123 390,972 126,954 457,942 372,077
合計 218,999 419,750 844,065 671,800 1,063,064 1,091,550
銀行からの預金の減少は、担保及びローンの減少によるものである。
顧客からの預金
国内顧客 外国顧客 合計
2022年 2021年 2022年 2021年 2022年 2021年
（単位：1,000ユーロ）
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
国又は政府関連機関 582,959 708,801 181 195 583,140 708,996
その他 485,382 192,745 61,376 40,225 546,758 232,970
合計 1,068,341 901,546 61,557 40,420 1,129,898 941,966
注記23 発行済み債務証券
認識及び測定の原則は注記２に記載する。IFRS第９号に基づく分類は注記15に述べる。
正味帳簿価額 うち、上場されているもの
（単位：1,000ユーロ）
2022年12月31日 2021年12月31日 2022年12月31日 2021年12月31日
発行債券 20,381,101 21,997,961 20,381,101 21,997,961
その他の発行済み債務証券 6,712,777 6,048,789 - -
合計 27,093,878 28,046,750 20,381,101 21,997,961
公正価値オプションで測定される発行済み債務証券の満期時の償還額は、21,324.8百万ユーロ（2021年度：
23,166.5百万ユーロ）であった。これはマイナス897.3百万ユーロ（2021年：プラス188.6百万ユーロ）の公正価値
の差額に相当する。
発行済み債務証券のうち、12,440.5百万ユーロが翌年度に満期を迎える予定である（2021年度：2022年度満期
は、10,265.1百万ユーロ）。
その他の発行済み債務証券には2.0百万ユーロ（2021年度：2.1百万ユーロ）の劣後債務を含んでいたが、このた
めに支払利息0.1百万ユーロ（2021年度：0.1百万ユーロ）が支払われた。
注記24 引当金
引当金の推移
（単位：1,000ユーロ） 2021年12月31日 使用 取崩し 追加 2022年12月31日
長期従業員給付引当金 135,763 (7,380) (18,319) 2,193 112,257
その他当期引当金 7,014 (4,971) (66) 5,012 6,989
2022年度引当金合計 142,777 (12,351) (18,385) 7,205 119,246
2021年度引当金合計 160,065 (12,545) (11,885) 7,291 142,777
長期従業員給付引当金の推移
（単位：1,000ユーロ） 年金 退職報酬 2022年合計 2021年合計
確定給付債務（DBO)の現在価値＝１月１日現在の
109,211 26,552 135,763 152,902
従業員給付引当金
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勤務費用 265 593 858 998
利息費用 1,065 270 1,335 768
支払 (5,271) (2,109) (7,380) (7,148)
保険数理利益/損失 (15,604) (2,715) (18,319) (11,757)
うち、変数の変動に起因する保険数理利益/損失 (18,308) (3,150) (21,458) (6,432)
うち、経験調整に起因する保険数理利益/損失 2,704 435 3,139 (5,325)
12月31日現在従業員給付引当金（DBO） 89,667 22,590 112,257 135,763
保険数理的結果は、1.00％から3.75％への割引率の変更（2021年度：0.50％から1.00％）、将来の賃金増加率の
傾向の変更（3.70％（2021年度：2.50％））、及び将来の年金増加率の傾向の3.20％（2021年度：2.00％）から生
じた。2021年度の結果は、主として割引率の変更に帰することができた。
確定給付債務に関する過去の情報
（単位：1,000ユーロ） 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
年金引当金 105,306 107,495 124,247 123,279 109,211
退職給付引当金 23,168 26,894 30,378 29,623 26,552
長期従業員給付引当金 128,474 134,389 154,625 152,902 135,763
従業員の大部分の年金債務は確定拠出制度に基づく年金基金に譲渡された。本制度の関係で、2022年に1.2百万
ユーロ（2021年度：1.2百万ユーロ）の拠出が年金基金に支払われた。
人件費はまた、退職給付基金への0.4百万ユーロ（2021年度：0.4百万ユーロ）の拠出を含んでいた。
以下の表は、主要な保険数理仮定に対する債務の感応度を表示する。これは、１つの仮定がある時点で変化した
場合の、2022年12月31日現在認識済みの引当金のそれぞれの絶対変化額を示した。いずれの場合もその他の仮定は
変更されない。
感応度分析―費用（-）/収益（+）の増減
（単位：1,000ユーロ） 年金 退職給付 2022年度合計 2021年度合計
割引率が0.50％上昇 4,394 870 5,264 7,836
割引率が0.50％下降 (5,149) (930) (6,079) (8,661)
予想給与増加率が0.50％上昇 (200) (922) (1,122) (1,542)
予想給与増加率が0.50％下降 192 871 1,063 1,454
年金の傾向が0.50％増加 (4,805) - (4,805) (7,001)
年金の傾向が0.50％減少 4,441 - 4,441 5,954
平均余命の10％の増加（１年間に対応） (4,891) - (4,891) (6,608)
感応度分析は独立保険数理士により、予測ユニット・クレジット法を使用して実行された。
長期従業員給付引当金の満期構成
年金 退職給付
2022年12月 2021年12月 2022年12月 2021年12月
（単位：1,000ユーロ）
31日現在DBO 31日現在DBO 31日現在DBO 31日現在DBO
１年 5,529 5,386 2,873 2,291
２年から３年 10,963 10,591 2,827 3,622
４年から５年 10,662 10,066 2,598 2,539
５年超 62,513 83,168 14,292 18,100
合計 89,667 109,211 22,590 26,552
デュレーション 11.4年 13.1年 8.6年 9.2年
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その他引当金
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
従業員関連引当金 6,844 6,858
その他引当金 145 156
合計 6,989 7,014
注記25 税金資産及び税金負債
税金資産及び税金負債は、それぞれ、当グループ会社に関する有効な税率（2022年度まで：25.0％、2023年度：
24.0％、2024年度以降：23.0％）を考慮した、IFRSの帳簿価格と対応する課税標準額との間の一時的差異から生ず
る繰延税金資産及び債務を含む（注記14も参照のこと）。
繰延税金資産の認識額は、将来十分な課税収入が生み出されるであろうという仮定に基づいている。OeKBグルー
プは、報告日付現在、（未使用の）損失繰越金を持たなかった。
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繰延税金
繰延税金資産 繰延税金負債
（単位：1,000ユーロ）
2022年12月31日 2021年12月31日 2022年12月31日 2021年12月31日
銀行貸付 44,320 - - 16,028
顧客貸付 - - 1,919 2,145
その他金融商品 - - 2,501 50,864
デリバティブ金融商品 406,675 222,495 177,570 148,790
AFFG第1(2b)条に基づく保
- - 1,425,641 1,340,637
証
固定資産 - - 1,421 1,589
その他資産 138 256 - -
銀行からの預金 1,676 2,415 - -
発行済み債務証券 1,005,918 1,243,288 - -
引当金 12,311 19,016 - -
その他債務 - - 332 179
EFS金利安定化引当金 178,521 117,230 - -
合計 1,649,559 1,604,700 1,609,384 1,560,232
税金決済 (1,609,384) (1,560,232)
税金（債務）、純額 40,175 44,468
2022年 2021年
増減 (4,293) (4,296)
うち、損益計算書 1,874 (4,761)
うち、EFS金利安定化引当金へ
3,543 -
の振り替え
うち、その他包括利益純額 (2,624) 465
税率の変更により、輸出金融スキームから3.5百万ユーロの再測定効果が発生した。EFSは帰属する税金費用を直
接負担しているため、再測定効果はEFSに割り当てられた。
未認識の支払繰延税金
前年度同様、2022年12月31日現在、子会社及び合弁会社の株式に関する一時的差異について支払うべき繰延税金
は無かった。
注記26 その他債務
46.3百万ユーロ（2021年度：43.1百万ユーロ）のその他債務の項目は、24.9百万ユーロ（2021年度：20.8百万
ユーロ）のその他の債務及び21.4百万ユーロ（2021年度：22.2百万ユーロ）の発生及び繰延収益から成る。
その他の債務の項目は、主に、7.0百万ユーロ（2021年度：5.3百万ユーロ）のオープンの相殺項目、3.2百万ユー
ロ（2021年度：3.4百万ユーロ）のスタッフ関連費用に対する債務、3.4百万ユーロ（2021年度：5.0百万ユーロ）の
リース費用から成る。
発生及び繰延収益は、主に輸出及び観光保証業務にかかる未受領の手数料18.7百万ユーロ（2021年度：19.4百万
ユーロ）で構成されている。また、発生及び繰延収益には、まだ支払われていない融資に関連する2.4百万ユーロ
（2021年度：2.6百万ユーロ）の一般手数料及び貸出コミットメントからの手数料が含まれている。これらは、元と
なるローンが払い出された時点で実効金利に考慮され、その後、この金利で継続的に比例して受領する。
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注記27 EFS金利安定化引当金
EFS金利安定化引当金は、輸出金融スキームのために設定されている。この引当金は、輸出金融スキームの剰余金
の利用についての現実の債務を基準とする。この債務はEFSの金利を固定させる規則から（OeKBの固定マージンを特
定する。）、及びスキームの剰余金利用についてのオーストリア大蔵省による指示から生じる（注記１も参照のこ
と）。
EFS金利安定化引当金への加算及び使用は、EFSの純利息収入からスキームの運用のOeKBの固定マージン及びス
キームのリファイナンシングに直接関連するコストを控除した結果である。デリバティブ金融商品、AFFG第1(2b)条
に基づく保証、及びEFSの受取債権及び支払債務の測定の正味の効果も、この項目に含まれる。関連する決定に従
い、引当金は輸出金融ローンの条件を安定させるために利用される。
EFS金利安定化引当金の増減
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
期首現在 1,241,148 1,250,800
純利息収入からの取崩し/割当て (79,354) (75,547)
信用リスク引当金純額からの取崩し/割当て (118) 95
損益を通じて公正価値で測定した金融商品に係る純損益からの
324,728 65,800
取崩し/割当て
EFS金利安定化引当金の増減 245,256 (9,652)
期末現在 1,486,404 1,241,148
注記28 資本管理
株式の開示
１億3,000万ユーロ（2021年度：１億3,000万ユーロ）の発行済み株式資本は、880,000株の無額面株式から成る。
これらの譲渡制限付き記名式普通株式は、各個人株主の名義で登録される包括券として証される。各株式は株式資
本の等しい割合を表す。全額払込み済みではない発行済み株式はない。各株式は147.73ユーロの株式資本のおおよ
その割合を表章する。
資本準備金は、330万ユーロと変わらず、UGB第229(4)条により制限を受ける。
親会社株主に帰属する留保利益は、23.4百万ユーロ増加して746.5百万ユーロ（2021年度：723.1百万ユーロ）で
あった。留保利益は、UGB第229(4)条に基づく法定準備金としての金額10.6百万ユーロ（2021年度：10.6百万ユー
ロ）を含んでいた。
IAS第19号の準備金は確定給付制度の保険数理損益の結果であり、マイナス30.1百万ユーロからマイナス16.0百万
ユーロへと対前年比で14.1百万ユーロの変動となった。FVOCI準備金はその他非連結会社への投資の公正価値測定に
よるもので、19.4百万ユーロ（2021年度：23.3百万ユーロ）であった。
親会社の株主に帰属する資本は、従って883.2百万ユーロ（2021年度：849.6百万ユーロ）になった。
執行取締役会は2023年５月24日開催の第77回年次株主総会において、2022年度のオーストリア輸出銀行の財務書
類に報告された配当可能利益32.9百万ユーロを、１株当り22.75ユーロの配当に加えて１株当り14.43ユーロの特別
配当を支払うために使用する提案を行う予定である。提案済みの配当は、総額で32.7百万ユーロである。これは
2022年度の配当可能株式資本の約25％である。監事会メンバーへの報酬支払いの後、残額が繰越される。
2021年度の配当支払は、2022年５月に行われたが、１株当り22.75ユーロに加えて１株当たり14.43ユーロ、すな
わち総額32.7百万ユーロの特別配当であった。BWG第64(1)19条に基づく親会社株主に帰属する総資産利益率は2022
年度に0.2％（2021年度：0.1％）であった。
資本管理
BWG第3(1)７条に従い、輸出保証法（連邦官報第215/1981）及び輸出金融保証法（連邦法官報第196/1967）に基づ
きOeKB及びOeEBが行う取引は、規則（EU）第575/2013又はBWG第69(3)条、第39(3)及び(4)条、第70(4a)1、8、9及び
11条並びに第70b条から第70d条に関連する第22条から24d条、第39(2d)条の適用を受けず、BWG第5(4)条による制限
にこれらの取引を含めることはない。BWG第69(2)条に従った監督法の監視の面では、規則（EU）第575/2013の要件
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は適用されない。BWG第３(1)11条に基づき、BWG及び規則（EU）第575/2013の規定はÖHTの事業活動に適用されない
（しかし、BWG第5[1]1条から第4a条、第６条から第14条、第38条から第39b条（第69[3]条に関連する第39[2d]条を
除 く。）、第41条から第42条、第65条、第69条から第70a条、第71条から第73a条及び第98条から第99e条は適用され
る。但し、BWG第69[2]条に従う監督監視は規則（EU）第575/2013の要件を考慮しない。）。
BWG第30条に基づく銀行グループは、オーストリア輸出銀行、OeKB CSD GmnH、オーストリア・エントヴィックル
ングスバンクAG及びオーストリア・ホテル・ウント・ツーリスムバンク・ゲゼルシャフトm.b.Hで構成される。OeKB
グループの戦略は、長期的に安定した資本基盤を維持することを目指す。自己資本管理には重要な変更はなかっ
た。当グループは本報告期間を通じて、国の監督機関による自己資本要件を満たしている。
信用リスクに関する最低自己資本要件は、規則（EU）第575/2013の規定に従い決定された。オペレーショナル・
リスクのために保有が必要な資本は、基本指標アプローチに従い決定された。信用リスクは、上記の監督規則から
の免除のために著しく低かった。銀行グループは常にトレーディング勘定を維持しなかった。当グループのレベル
において、リスクは経済的な資本概念に沿って合算された。リスク負担能力の分析を通じて、必要な経済資本は利
用可能な経済資本と比較され、この両方の基準が監視された。
OeKBは、BWG第30条の目的で、OeKB銀行グループの親金融機関である。規則（EU）第575/2013に従い決定される
OeKBグループの規制資本は、以下の構成及び推移を示す。
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
リスク加重資産（信用リスク標準アプローチ） 383,460 532,263
リスク・エクスポージャー合計（＝自己資本要件合計/８％） 701,594 839,525
規制上の最低自己資本要件：
信用リスク 30,677 42,581
外為リスク - -
オペレーショナル・リスク（基本指標アプローチ） 25,451 24,581
規制上の自己資本要件合計 56,128 67,162
CRR第２部に基づく連結自己資本要件
払込済資本 130,000 130,000
準備金＊ 711,056 668,552
控除
無形資産 (5,676) (5,047)
普通株式Tier 1 資本
835,380 793,505
Tier 1資本
835,380 793,505
CRR第２部に基づく利用可能自己資本 835,380 793,505
剰余自己資本 779,252 726,343
連結自己資本比率（リスク加重資産合計に対する規制自己資本の割合） 119.1％ 94.5％
連結Tier 1比率
119.1％ 94.5％
カバーレシオ（資本要件に対する規制自己資本の割合） 1,488.4％ 1,181.5％
＊ CRR第26(2)条に基づき、最終の年次財務業績の正式な採択の後でのみ、当期の収益は普通株式Tier 1 に含まれる。技
術援助専用準備金は準備金から控除される。
この結果、報告日付現在の規則（EU）第575/2013の第92(1)条のa項からc項に基づく以下の比率が得られ、これは
当グループの最低比率と比較される。
規則（EU）第575/2013の第92条に基づく最低比率
2022年 2021年
（単位：％）
最低比率 実際の比率 最低比率 実際の比率
コアTier１比率 7.092 119.069 7.038 94.518
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Tier1比率 8.592 119.069 8.538 94.518
10.592 119.069 10.538 94.518
資本比率合計
実際の比率の計算方法
CRR第２章に基づく普通株式Tier 1資本 × 100
中核Tier１比率 ＝
CRR第92条に基づく最低規制自己資本
CRR第２章に基づくTier 1資本 × 100
Tier１比率 ＝
CRR第92条に基づく最低規制自己資本
CRR第２章に基づく利用可能な規制自己資本 × 100
資本比率合計 ＝
CRR第92条に基づく最低規制自己資本
OeKBグループの最低比率
（単位：％） 2022年 2021年
規則（EU）第575/2013の第92(1)条a項に基づく中核Tier１比率 4.500 4.500
BWG第103q条ライン11に関連するBWG第22条に基づく資本保全バッファー 2.500 2.500
BWG第103q条ライン11に関連するBWG第23a条に基づく景気対策
0.092 0.038
資本バッファー
バッファー要件を含む、規則（EU）第575/2013の第92(1)条a項に
7.092 7.038
基づく中核Tier１比率
バッファー要件を含む、規則（EU）第575/2013の第92(1)条b項に
8.592 8.538
基づくTier１比率
バッファー要件を含む、規則（EU）第575/2013の第92(1)条c項に
10.592 10.538
基づく資本比率合計
求められる比率は、規則（EU）第575/2013の第92(1)条、BWGの追加資本保全要件及びFMAの資本バッファー規則に
由来した。
その他の開示及びリスク報告
注記29 顧客との契約から生じる収益
OeKBグループは、主として顧客との契約から生じる収益を銀行業務の販売から生み出した（手数料収入）。その
他収入源（その他収益）は指定職員及びサービス契約からの収益であった。以下の表は、最も重要なサービス種類
別の顧客との契約から生じる収益の内訳、及び実現時点ごとのその他収益内訳を示す。下表はまた、OeKBグループ
の報告セグメントに分解した収益の割当てを示す。
2022年収益フロー
（単位：1,000ユーロ） 輸出業務 資本市場業務 観光業務 その他業務 2022年
貸付業務収入 1,998 - 2,350 - 4,348
証券業務収入 - 35,348 - - 35,348
保証収入 14,909 - 5,361 614 20,884
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エネルギー交換決済収
123 2,553 - - 2,675
入
その他サービス収入 1,443 169 - 459 2,071
顧客との契約から生じる
18,472 38,070 7,711 1,074 65,327
収益
指定職員 - - - 539 539
請求業務 279 656 1,899 1,552 4,386
その他収益 279 656 1,899 2,091 4,925
収益合計 18,752 38,726 9,610 3,164 70,252
特定の時点で提供された
6,203 18,684 - 51 24,937
業務
ある期間を通じて提供さ
12,549 20,042 9,610 3,114 45,315
れた業務
「その他負債」は、18.7百万ユーロ（2021年度：19.4百万ユーロ）の顧客とのサービス契約から生じる収益に関
する繰延負債を含んだ。これらの負債は、大部分が輸出保証及び観光保証に関連して既に受領した手数料に関係し
た。これらの手数料は、OeKBグループが運営するオーストリア共和国からの保証条件が１年を超えた場合、特定の
期間を通じて記録された。
過年度に受領した手数料からの2022年度に記録された収益は、4.2百万ユーロ（2021年度：4.1百万ユーロ）で
あった。
IFRS第15号で認められるとおり、2022年12月31日現在で予想残存期間が１年以下であるサービス債務について
は、開示が行われなかった。
2021年収益フロー
（単位：1,000ユーロ） 輸出業務 資本市場業務 観光業務 その他業務 2021年
貸付業務収入 2,303 - 2,556 - 4,859
証券業務収入 - 33,213 - - 33,213
保証収入 14,684 - 4,698 724 20,106
エネルギー交換決済収
63 2,563 - - 2,626
入
その他サービス収入 1,650 171 - 684 2,505
顧客との契約から生じる
18,699 35,947 7,254 1,408 63,308
収益
指定職員 - - - 273 273
請求業務 76 717 2,572 1,148 4,514
その他収益 76 717 2,572 1,421 4,786
収益合計 18,775 36,664 9,826 2,829 68,094
特定の時点で提供された
6,381 17,889 - 231 24,501
業務
ある期間を通じて提供さ
12,394 18,775 9,826 2,598 43,593
れた業務
注記30 連結キャッシュフロー表に関する情報
連結キャッシュフロー表は、OeKBグループの現金及び現金同等物の状態及び推移を示す。報告されるキャッシュ
ポジションは、現金及び中央銀行への預け金残高で主に構成され、貸借対照表上の現金及び現金同等物の項目に対
応した。当グループには追加的な流動性準備金（注記38を参照）があったが、これらは現金及び現金同等物の定義
に含まれなかった。この追加的な流動性バッファーはEFSにおいて形成され、ストレス・シナリオの状況においての
み使用された。報告される現金及び現金同等物は、すべてユーロ建てであった。
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営業活動からのキャッシュフローには、銀行貸付・顧客貸付の増減、銀行からの預金・顧客からの預金の増減、
発行済み債務証券の増減が含まれた。リース債務の変動も、重要な財務要素ではないため、営業活動からのキャッ
シュフローにおいて報告された。営業活動からの純キャッシュの中に、すべての収入及び費用の要素は非現金項
目、 特に減価償却及び減損、引当金及び貸倒引当金の増減、繰延税金及び未実現通貨換算損益並びにその現金の効
果が投資活動又は財務活動からのキャッシュフローであるその他すべての項目について調整された。外貨換算損益
は主にEFSのために発行された長期及び短期の債務証券の発行に関連して発生した。為替レートリスクは、その大半
がAFFG第１(2b)条に基づく保証によりカバーされた。従って、OeKBグループは輸出金融スキームから為替レートリ
スクを負わなかった。為替レートの変動は外貨での保有又は支払うべき現金及び現金同等物にほとんど影響を与え
なかった。その他の調整合計は主に非現金外貨損益並びに発行済債務証券及びデリバティブ金融商品の公正価値測
定による現金効果を含み、これはAFFG補償の変更に関連する。
投資活動からのキャッシュフローは、投資ポートフォリオ中のその他金融資産、有形固定資産及び無形資産の増
減を反映した。
財務活動からのキャッシュフローは、親会社との株式取引の増減を反映した。
株主資本の変動と財務活動からのキャッシュフローの調整
2022年
2022年 2022年
（単位：1,000ユーロ） 注記 財務活動からの
留保利益 非支配株主持分
純キャッシュ
１月１日現在貸借対照表 723,138 -
支払配当 28 (32,718) (781) (33,500)
財務活動からのキャッシュフローの増減の
(32,718) (781) (33,500)
合計
当期純利益 56,046 2,183
12月31日現在貸借対照表 746,465
2021年
2021年 2021年
（単位：1,000ユーロ） 注記 財務活動からの
留保利益 非支配株主持分
純キャッシュ
１月１日現在貸借対照表 693,715 -
支払配当 28 (32,718) (781) (33,500)
財務活動からのキャッシュフローの増減の
(32,718) (781) (33,500)
合計
当期純利益 62,142 3,349
12月31日現在貸借対照表 723,138
当年度中の重要な進展
営業活動からのキャッシュフロー（マイナス1,197.9百万ユーロ（2021年度：マイナス309.5百万ユーロ）は対前
年比でマイナス888.5百万ユーロ変動した。この変動は、主に銀行貸付・顧客貸付の増減、銀行からの預金の増減、
及び発行済み債務証券の増減によるものであった。銀行貸付・顧客貸付の償還による支払は、購入の支払をマイナ
ス862.3百万ユーロ（2021年度：プラス2,145.5百万ユーロ）上回った。銀行向け債務、顧客向け債務及び発行済み
債務証券の償還による返済額は、受取額を229.9百万ユーロ（2021年度：2,449.0百万ユーロ）上回った。
投資活動からのキャッシュフロー（305.9百万ユーロ）は、対前年比（2021年度：マイナス17.5百万ユーロ））で
323.4百万ユーロ増加した。当事業年度中、受取額は以前の投資の再投資によりなされた支払額を上回った。
注記31 満期構造の分析
満期までの残存期間は貸借対照表日から資産又は負債の契約満期日までの期間である。分割償還の場合、満期ま
での残存期間は各分割償還で決定される。
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2022年12月31日現在のBWG第64(1)条に基づく満期までの残存期間
３ヶ月 ３ヶ月から １年から
（単位：1,000ユーロ） 要求払 ５年超 合計
以内 １年 ５年
銀行貸付 1,251,333 506,364 7,739,100 9,377,369 2,877,868 21,752,034
顧客貸付 19,543 61,473 225,764 832,645 749,943 1,889,368
その他金融資産 16,753 325,261 1,576,930 507,500 105,609 2,532,053
デリバティブ金融商品 - 38,196 43,809 408,883 281,158 772,046
AFFG第1(2b)条に基づく保
- 1,166,453 578,432 3,899,779 553,777 6,198,441
証
当期税金資産 - - 885 - - 885
合計 1,287,629 2,097,747 10,164,920 15,026,176 4,568,355 33,144,827
銀行からの預金 218,999 307,090 145,206 295,679 96,090 1,063,064
顧客からの預金 1,026,020 2,667 95,000 6,211 - 1,129,898
発行済み債務証券 - 8,515,502 3,815,359 13,058,593 1,704,424 27,093,878
デリバティブ金融商品 147,977 221,465 1,354,404 44,305 1,768,151
-
合計 1,245,019 8,973,236 4,277,030 14,714,887 1,844,819 31,054,991
2021年12月31日現在のBWG第64(1)条に基づく満期までの残存期間
３ヶ月 ３ヶ月から １年から
（単位：1,000ユーロ） 要求払 ５年超 合計
以内 １年 ５年
銀行貸付 564,286 905,193 6,930,342 9,522,924 3,363,059 21,285,804
顧客貸付 9,124 56,965 188,833 798,606 652,903 1,706,431
その他金融資産 276,308 308,284 1,680,572 558,530 99,038 2,922,732
デリバティブ金融商品 - 91,158 95,776 233,698 174,527 595,160
AFFG第1(2b)条に基づく
- 817,079 605,766 3,452,685 487,017 5,362,547
保証
当期税金資産 - - 1,417 - - 1,417
合計 849,718 2,178,679 9,502,706 14,566,443 4,776,544 31,874,091
銀行からの預金 421,414 38,349 103,466 380,535 147,785 1,091,549
顧客からの預金 826,863 2,603 105,975 6,526 - 941,967
発行済み債務証券 - 7,245,958 3,131,301 15,821,882 1,847,609 28,046,750
デリバティブ金融商品 - 136,385 129,571 589,101 34,922 889,979
合計 1,248,277 7,423,295 3,470,313 16,798,044 2,030,316 30,970,245
注記32 劣後資産
OeEBの開発援助活動に関連して、貸借対照表の以下の項目に劣後資産がある：74.5百万ユーロ（2021年：35.2百
万ユーロ）の銀行貸付、8.1百万ユーロ（2021年：2.2百万ユーロ）の顧客貸付、及びオーストリア共和国からの保
証が付保されているその他の金融資産5.0百万ユーロ（2021年：13.4百万ユーロ）。
注記33 担保に付される資産
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
デリバティブ金融商品の信用リスクの担保
担保差入れ 1,202,581 540,330
担保受入れ 130,251 175,709
担保に付される資産及び負債の増減は、デリバティブの相手方とのISDA契約に基づき提供及び受領した担保の増
減によるものであった（注記19を参照のこと）。
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注記34 偶発債務及びその他オフバランスシート・コミットメント
貸借対照表に報告されていない偶発債務1,245.1百万ユーロ（2021年度：1,373.3百万ユーロ）は、AusfFGに基づ
くオーストリア共和国の保証が裏付けとなっている、43.2百万ユーロ（2021年度：56.3百万ユーロ）のOeEBより発
行された保証、及びオーストリア共和国からの補償が裏付けとなっているÖHTにより発行された保証1,201.9百万
ユーロ（2021年度：1,317.0百万ユーロ）に関連していた。3,693.3百万ユーロ（2021年度：3,726.2百万ユーロ）の
貸付用の未引出しの信用ファシリティ及びコミットメントの詳細は、注記38に説明される。また、OeEBの業務に関
係する証券購入債務7.3百万ユーロ（2021年：31.3百万ユーロ）もある。これらの購入債務はAusfFGに基づくオース
トリア共和国の保証により担保が付されている。
注記35 その他オフバランスシート・コミットメント
ESAEG第2(3)条に従い、OeKBグループの完全連結会社は、ウィーンに本拠地を置くアインラーゲンジヒャルング・
オーストリアGes.m.b.H.が運用する預金保険制度に基づき、預金の比例的割合を保証することを求められている。
OeKB、OeEB、OeKB CSD及びÖHTはこの機関のメンバーである。
注記36 信託資産及び負債
輸出金融セグメントからのオフバランスシートの信託取引は、170.4百万ユーロ（2021年度：154.8百万ユーロ）
に達した。オーストリア共和国のための信託取引は、アドバイザリー・プログラム及びAusfFG第9(1)条に基づく契
約の第3条に従う「連邦基金により資金供与される持株会社」に基づき締結された開発銀行の業務、並びに連邦政府
の信託会計に主に関連する。
観光金融からのオフバランスシートの信託取引は、474.9百万ユーロ（2021年度：496.3百万ユーロ）であった。
ERP基金の下での信託取引は、その大部分が、aws erp ツーリズム・プログラム(法的根拠: ERP基金法、aws erpプ
ログラムの一般規定、規則[EU]第651/2014第14条及び第17条、並びに規則[EU]第1407/2013)に基づいて開始された
ÖHTの事業活動に関連している。
注記37 BWGに基づく資産・負債に関する補足開示
BWG第43条及び第64条に基づく補足開示である。
2022年12月31日 2021年12月31日
（単位：1,000ユーロ）
資産 負債 資産 負債
外貨建て 2,813,889 20,728,921 2,423,028 22,619,930
オーストリア国外で発行又は組成 4,744,717 28,501,377 3,529,074 28,355,778
注記38 金融リスク管理及び貸倒引当金
OeKBグループの概要及び特別な機能
重要な事業セグメントにおいて、OeKBグループはオーストリア共和国の請負として活動している。当グループ
は、リテール又は預金受入業務には従事しない。親会社としてのOeKBは、資本市場及びエネルギー市場業務並びに
オーストリアの輸出産業のための特別目的銀行である。銀行子会社であるオーストリア・エントヴィックルングス
バンクAGは輸出業務を補完し、銀行子会社であるOeKB CSD GmbHは資本市場業務を補完する。オーストリア・ホテ
ル・ウント・ツーリスムバンク・ゲゼルシャフトm.b.H.（Österreichische Hotelund Tourismusbank Gesellschaft
m.b. H）は、オーストリアの観光・レジャー産業の投資プロジェクトに融資し、独立した観光業務セグメントとし
て経営されている。
リスク管理及びリスク制御は、事業戦略に欠くことのできない重要なプロセスであり、会社及びOeKBグループ全
体の持続的な安定性及び利益性を確保するように設計されている。各リスク・エクスポージャーは、慎重な検討の
後引受けられ、執行取締役会が決定したリスク方針及びリスク戦略に合致しなければならない。この方針及び戦略
は、ビジネス・リスク及びオペレーショナル・リスクへの慎重なアプローチを基礎に、安定した株主資本利益率の
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確保を目指す。リスク方針及び戦略は、リスク管理原則、リスク選好、リスク管理組織の主要な特徴並びに定義さ
れるリスク分類の測定、制御及び限界の原則を詳述する。
輸出金融スキームはビジネスモデルの大部分を占め、従って貸借対照表上の資産の大部分を占める－注記１も参
照のこと。
オーストリア共和国のために運営されている輸出金融スキームのリスクは、全般的な担保及び特にオーストリア
共和国の保証により軽減された。輸出金融保証法は、輸出貸付保証の要件、従ってスキームに基づく信用を顧客が
利用する条件、さらにリファイナンシング業務において債権者を保護するオーストリア政府の保証（債権者保証）
及び為替レートのリスクのための政府の保証（為替レート保証）の規則を詳述する。
規制上の要件からの免除は、ビジネスモデルの非常に重要な点である。OeKBグループは流動性規則（LCR、NSFR）
又は欧州及び国内の銀行業ユニオンの規定（銀行再建・破たん処理指令、BRRDなど）の対象ではない。輸出金融
（すなわち、EFS）に関してはさらに免除があり、特にCRR（規則[EU]第575/2013）から免除される。これらの免除
は、OeKBグループの親銀行であるOeKB及び完全連結銀行子会社であるオーストリア・エントヴィックルングスバン
クAG（BWG第3[1]7条を参照のこと。）にも適用される。同様の例外がOeKBグループのメンバーであるOeKB CSD GmbH
（同行はCSD規則（BWG第3[1]12条を参照のこと。）に基づき集中決済機関として認可されている。）及びオースト
リア・ホテル・ウント・ツーリスムバンクGmbH（BWG第3[1]11条を参照のこと。）に適用される。
OekBは親銀行として、グループICAAPとして連結ベースでBWG第39a(1)条及び(3)条に基づく「自己資本充実度に関
する評価プロセス（ICAAP）」を実行する。個別の会社レベルでのリスクは、リスク予算を設定し、四半期ごとに予
算の順守を監視することにより一部管理されている。
輸出金融スキームの特別な重要性のために、かつOeKBグループの経営原則に基づき、EFSは当グループのICAAPの
中で独立した投資リスク事業体（信用リスクの一部）として処理される。この目的で、EFSのために独立したリス
ク・カバレッジ計算が実施される。EFSが自己のリスクを負うことができる限りは、EFSはOeKBグループにリスクを
課さない。輸出金融スキームのリスク・カバレッジ資本を超えるリスクは、当グループのICAAPの信用リスクとして
の一部となる。詳細については、「ICAAP EFS及びその当グループICAAPへの統合」を参照のこと。
以下の本注記の内容は、市場、信用、ビジネス及び流動性リスク、オペレーショナル・リスク及びその他非金融
リスク、並びに特にリスク類型に係る気候関連要因の影響に関するOeKBグループのリスク管理の目的、方針及びプ
ロセスを詳述する。
EFSのサブICAAP（上記を参照）及び銀行子会社のリスク予算の割当てとは別に、その他のリスク資本はOeKBグ
ループの個別セグメントに割り当てられない。広範囲に及ぶ例外（上記を参照）のために、リスク管理は大部分は
CRR規則に従い実施されず、ICAAP及びILAAPの第２の柱の概念に従い実施される。
リスク管理の枠組み
執行取締役会は、OeKBグループの全ての重要なオペレーショナル及びビジネス・リスクを対象とする、十分で機
能的かつ包括的なリスク管理制度の構築について全般的な責任を負う。執行取締役会は、適切な組織的な手段を制
定し、適切なガイドライン構造を提供することにより、この義務を果たす。
ガイドライン構造
リスク管理の枠組みの１つの中心的ガイドラインは、OeKBグループのリスク方針及び戦略である。これは執行取
締役会がチーフ・リスク・オフィサー(以下「CRO」という。)と協力し、事業戦略に従い監事会のリスク管理委員会
と毎年協議の上、策定し、採用する。
リスク方針及び戦略は、リスク管理の原則、リスク管理組織の主要な特徴、リスク選好並びに定義されるリスク
区分の測定、制御及び限界の原則並びにサステナビリティ要素の統合を詳述する。このようにして、執行取締役会
はOeKBグループ全体での統一されたリスク管理を確保する。
受け容れられた各リスク・エクスポージャーは、OeKBグループのリスク方針及び戦略に一致しなければならな
い。倫理的な事業活動の原則と基準は、行動規範に定められており、全従業員を拘束する。特に、データ、苦情、
利益相反の取扱い、コンプライアンス、内部告発、汚職やマネーロンダリングの防止、主要人物の適性方針につい
て規定されている。報酬方針は、BWGに従った報酬の原則を含み、関連するリスクを考慮している。適切なプロセス
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及び正しい財務報告を保証するために、効果的な内部統制システムが導入されている。内部監査及びグループ内部
監査は、第三の防衛ラインとして機能する。
組織
OeKBグループの重要な事業活動及びその具体的な事業及びリスク構造を前提として、当銀行は適切に定義された
任務を持つリスク管理プロセスのための明確な機能的組織編成を採用している。比例規則に従い、執行取締役会に
おいてリスクの発生とリスクの監督の間に区別はない。チーフ・リスク・オフィサー等のリスク統制ユニットは執
行取締役会に報告する。
リスク管理委員会（RMC）は、リスク管理の中心的役割を果たし、委員会メンバーの過半数がリスク制御ユニット
により指名されている。リスク管理委員会の任務は、有効なリスク方針及びリスク戦略に沿った戦略的リスク管理
及びリスク制御から成る。委員会はリスク報告の受取人であり、個別のリスク類型のリスク・プロファイルを監視
及び制御し、必要な手段を採用又は執行取締役会に提案し、銀行全体のリスク管理の一部として、リスク・カバ
レッジの計算に基づき執行取締役会へ限度、リスク予算及びリスク監視方法を提案する。リスク管理委員会は、非
金融リスク、特にオペレーショナル・リスク及びICT（情報及び通信技術）リスクを制御する能力を向上させるた
め、非金融リスク委員会（NFRC）を小委員会として設定した。
リスク管理委員会により決定される対策の実施は、フィナンシャル・リスク・マネジャー及びオペレーショナ
ル・リスク・マネジャーと共に、チーフ・リスク・オフィサー（CRO）が監督する。CROは執行取締役会全体に直接
報告し、また年１回、監事会のリスク委員会に報告を行う。CROは、リスク制御部門に指示し、リスク制御部門は、
財務リスクの測定・査定、オペレーティング・レベルの財務リスク制御（内部の限度額の監視を含む。）及び内部
自己資本比率査定プロセスの現実的な実施に責任を持つ。
運用面では、事業継続管理を含む運用リスク管理は組織開発及び施設管理（ODFM、Organisational Development
and Facility Management）部門に統合されており、プロセス管理及びICSとの密接な連携を確保している。
情報及びサイバーセキュリティが特に重要であることから、執行取締役会は2022年に情報・サイバーセキュリ
ティ執行委員会（CSEC）を設置した。チーフ情報セキュリティ・オフィサー（CISO）が委員長を務め、執行取締役
会との定期的な情報交換、ガバナンスの確保、リスク評価、情報・サイバーセキュリティ領域でのアドバイスや対
策の委託などを行う。CISOと執行取締役会に加え、CRO及びIT部門の責任者も委員会のメンバーである。CISOは、
OeKBグループの情報及びサイバーセキュリティに責任を持ち、定期的に直接執行取締役会全体に報告を行う。
ガバナンス構造のその他の重要な機能は、マネーロンダリングの防止、コンプライアンス（WAG及びBWG第39[6]
条）及びアウトソーシング（これらは全て直接執行取締役会に帰属する。）を担当する役員である。
全ての重要なリスクが特定され、それらが測定されて制御されていることを確実にするために、毎年包括的なリ
スク評価が行われる。新商品及びサービスは、リスク評価を含む商品導入プロセスの対象となる。
リスク管理は、ガイドライン及びリスク低減方法の遵守を確保する、内部統制システム（以下「ICS」という。）
により補足される。内部統制システム・オフィサーが、ICSの法的要件への遵守を確実にし、かつ執行取締役会が制
定したICSガイドラインの実施及び継続的改善のために指名された。ほぼ自動化されたIT一般制御及び社内監査部に
より行われる監査がその実効性を確保する。
内部監査及びグループ内部監査は、防御の第３ラインを果たし、オペレーショナル管理（防御の第１ライン）、
リスク管理プロセスに関与する組織部門（防御の第２ライン）及び採用される手続きについての定期監査を実行す
る。
監事会はリスク管理の取決めを監視し、また四半期毎にOeKBグループのリスク状況に関する報告を受ける。これ
らのリスク報告は、OeKBグループのリスク状態についての詳細な見解を提示する。監事会はまた、BWG第39d条に基
づくリスク委員会を維持する。リスク委員会は2022年に会合を１回開いた。監事会の監査委員会はまた、内部制御
システムの有効性についても監視する。監事会はまた推薦委員会及び報酬委員会も設定する。
財務リスク及びオペレーショナル・リスクを管理及び監視する責任のある上級経営陣が十分かつ適時に情報が確
実に与えられるようにするため、OeKBグループは包括的及びリスクに基づく報告及び制限システムを実施してい
る。この報告には執行取締役による監事会向けの四半期リスク報告並びにBWG第39d条に基づく監事会のリスク委員
会の中での毎年の調整及び話し合いを含む。
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オペレーショナル・リスク管理戦略の一部として、組織構造が様々な緊急及び危機シナリオのために定義されて
いる。特にCOVID-19のパンデミックは、近年の危機管理システムの有効性を印象的に証明した。OeKBグループは、
常に効果的に行動することができただけでなく、政府の事業援助プログラムに関連する追加的な業務を処理するこ
と もできた。
内部自己資本比率査定プロセス（ICAAP）
リスク選好及びリスク管理の方法
ICAAPは、BWG第39a(3)条に従い、グループのレベルで実行され、定義された銀行固有の自己資本比率水準の維持
を確実にし、かつ制御及び測定手段として、管理プロセスの重要な一部をなす。リスク選好は、監事会のリスク委
員会と協力の上、執行取締役会により毎年定められる。
プロセスは、ゴーイング・コンサーン・アプローチ及びゴーン・コンサーン・アプローチから成る。２つの方法
の主要な相違は、リスクをカバーするのに利用可能な経済資本の定義、及びリスクの信頼水準（ゴーイング・コン
サーン・アプローチは99.9％、ゴーン・コンサーン・アプローチは99.98％）の選択にある。
リスク・カバレッジの計算及び限度
リスク・カバレッジの計算は四半期毎にリスク制御部門（リスク監視職務として、リスクのオリジネーションか
ら独立している。）により行われ、リスク管理員会及び監事会の両方に報告される。リスク・カバレッジの計算に
おいて、必要経済資本はリスク・カバレッジ資本（内部又は事業資本）と比較される。これは、異なるカバレッジ
の目標及びアプローチ（ゴーイング・コンサーン及びゴーン・コンサーン）を考慮して行われる。
リスクを測定及び管理する主要な変数は、経済資本である。リスクはOeKBにより「現実の結果が予想された結果
より好ましいものでないであろう危険性（予想外の損失）」と定義される。経済資本は、運営原則で定義される信
頼水準で１年間の対象期間を基準に算定される。
リスク・カバレッジの計算は、特にすべての定義された重要なリスク分野、すなわち信用リスク、市場リスク、
オペレーショナル・リスク及びビジネス・リスクを考慮する。信用リスクは、クレジット・バリュー・アット・リ
スク（CVaR）アプローチ及びVaRアプローチを用いる市場リスクを用いて測定される。ビジネス・リスクは営業利益
中の経験による目標からのズレの統計的分析を基準に決定される。
リスク・カバレッジの計算結果及びリスク管理委員会の勧告に基づき、執行取締役会はOeKBグループ全体として
の市場リスク及び信用リスクの限度並びにOeKBグループの個別銀行向けのリスク予算を決める。これらの限度及び
リスク予算の遵守は、リスク制御部門により監視され、四半期毎にリスク管理委員会及び執行取締役会に報告され
る。限られた関連性であるために、OeKBグループ内の経済資本の個別事業部門又はセグメントの運営はなく、EFSに
ついては独立したICAAPが実行される。過年度において、EFSのリスク負担能力は2022年12月31日現在で確実に保証
され、すなわちEFSからグループICAAPへあふれるリスクはない。「EFS ICAAP及びその当グループICAAPへの統合」
も参照のこと。
運用上の追加制限もまた、主要分野において準備されている。これらはリスクの集中の監視も対象とする。
リスク・カバレッジの計算において、リスク類型間のリスクの集中は、個別の類型特有のリスク資本金額を合計
し、従って完全なプラスの相関関係を想定することにより、合計リスクを決定することで考慮される。
オペレーショナル・リスクの測定は、個別アプローチのそれぞれの信頼性水準で計測する分布により拡散する、
基本指標アプローチに基づく。
以下の表は、ゴーイング・コンサーン及びゴーン・コンサーン・アプローチにおけるOeKBグループの高いリスク
負担能力を示す。
OeKBグループのリスクカバレッジの計算
2022年12月31日 2021年12月31日
利用可能なリスク・ 利用可能なリスク・
（単位：1,000ユーロ） 経済資本 カバレッジ資本 経済資本 カバレッジ資本
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ゴーイング・コンサーン 186,718 745,955 122,187 745,387
ゴーン・コンサーン 244,542 906,538 174,615 905,970
経済資本の増加は、純粋な債券ポートフォリオへの再配分及び金利のボラティリティの大幅な上昇に伴う市場リ
スクの上昇の結果である。
経済資本の計算はストレス・テストにより補完される。これには主要なリスク要因の一変数のテスト及び多変数
の市場特有のテストを含む。良くない市場状況の下でのリスク負担能力の持続可能性を査定するために（このテス
トは2022年のウクライナ危機により洗練された。）、ボラティリティ、相関関係及びデフォルト率などの投入変数
がマクロ経済のシナリオに基づくストレスを条件とし、その後リスク負担能力に基づき査定される。
ICAAPに基づくリスクと規則（EU）第575/2013の第92条に基づく最低自己資本要件との比較
ICAAPに基づくバリュー・アット・ 規則（EU）第575/2013に基づく
リスク（99.98％の信頼水準） 自己資本要件（注記28を参照）
（単位：1,000ユーロ）
2022年12月31日 2021年12月31日 2022年12月31日 2021年12月31日
信用リスク 81,881 96,245 30,677 42,581
商品及び為替リスク 3,391 16,430 - -
銀行勘定のその他市場リスク 115,241 22,347 - -
その他リスク 11,645 8,315 - -
オペレーショナル・リスク 32,384 31,278 25,451 24,581
合計 244,542 174,615 56,128 67,162
ICAAPにおけるリスクは、CRRに基づく規制資本要件を超過した。これは、ÖHTはCRRの対象ではなく、銀行勘定の
市場リスクがCRRでカバーされないことが主たる要因である。信用リスクの減少は、ÖHTのポートフォリオ及び投資
ポートフォリオのリスクの減少が要因であった。以前の混合投資ファンドは2022年に清算され、資本は内部運用の
自己勘定ポートフォリオに割当てられた。これは純粋に、格付が良好から非常に良好な銘柄のユーロ債ポートフォ
リオである。このポートフォリオの再構築及び金利ボラティリティの大幅な上昇により、商品ポジションと外国為
替リスクが減少し、銀行帳簿における市場リスクが増加した。
市場リスク - 銀行勘定
市場リスクは、マーケットの変数が変動することによる損失リスクである。OeKBグループは、個別的及び一般的
な金利リスク、為替リスク及び株価リスクを区別する。トレーディング勘定は維持されていないため、市場リスク
は銀行勘定のポジションのみに関係している。
単年度（保有期間）での最大損失の可能性を推計するために、バリュー・アット・リスク（VaR）概念を使用し
て、市場リスクのリスク金額は当グループICAAP（上記の表を参照）において査定される。運営原則に従い、計算は
モンテカルロ・シミュレーションを用いて、99.9％及び99.98％の２つの信頼水準で実施される。
市場リスクの限度は、リスク管理委員会の提案に基づき執行取締役会により設定される。これはトレジャリー部
門により、これらの要件にもとづき、かつポートフォリオグループと調整して、運用条件の中で管理され、トレ
ジャリー部門は最も重要なVaRの貢献を行う自己ポートフォリオを管理する。OeKBは2022年に投資戦略を根本的に変
更し、それまで保有していた混合型特別目的ファンドへの投資をすべて清算し、この資本を直接保有型ポートフォ
リオに割り当てた。直接保有投資は、証券口座に直接保有される債券で構成され、バイ・アンド・ホールド戦略に
基づいて管理されている。また、この投資は、裁量的な低価法又は市場原理に従い測定されるよう再分類され、こ
れにより金利上昇によるマイナスの評価効果を回避できるはずである。
極端な市場変動の効果も、ストレス・テストを用いて決定され、これはまたVaR価値の妥当性の評価にも役立つ。
これらのテストは、ストレス状況（例えば、信用移動及び相互関係）でのバリュー・アット・リスクの決定及び具
体的な過去のシナリオ（例えば、ブラック・マンデー、9.11テロ、2007/08年の金融危機）に基づく多変数ストレ
ス・テストの両方から成る。銀行勘定の金利リスクについてEBAガイドラインに定義される金利シフト及びツイスト
の影響も現在価値で計算され、四半期ベースで列挙されたEBAガイドラインに従い異常値テストが実行される。
銀行勘定の一般金利リスク
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リスクカバレッジの計算における確率論的は金利リスク計算に加えて、金利リスクはまた通常金利シナリオを用
いて計算される。これは、従業員給付引当金も含む。以下の表は、「非取引勘定業務から生ずる金利リスク管理に
関 するEBAガイドライン（EBA/GL/2018/02）」に基づき、定義された金利ショックに依存する、OeKBグループの正味
現在価値（PV）（現在価値ベース）及び純利息収入（NII）（収入ベース）の感応度を示す。
銀行勘定（IRRBB）の一般金利リスク - 2022年12月31日現在
平行シフト 短期/長期ツイスト 主要通貨の平行シフト
スイス スイス
ユーロ ユーロ フラン フラン
（単位：1,000
PV/NII +50BP -50BP -/+25BP +/-25BP +25BP -25BP +25BP -25BP
ユーロ）
現在価値ベースでの金利感応度(無利息資産を除く)
OeKBグループ 1,473,488 (52,407) 54,126 (10,075) 10,477 (43,413) 44,180 16,820 (17,140)
内、EFS 436,213 (42,603) 44,233 (5,782) 6,177 (38,942) 39,689 16,823 (17,144)
利益ベースでの金利感応度(１年間、保証手数料前)
OeKBグループ 264,608 (17,163) 17,096 12,948 (12,966) 16,647 (16,663) (23,377) 23,416
内、EFS 145,096 (19,186) 19,120 13,850 (13,868) 15,596 (15,612) (23,389) 23,429
銀行勘定（IRRBB）の一般金利リスク - 2021年12月31日現在
平行シフト 短期/長期ツイスト 主要通貨の平行シフト
スイス スイス
ユーロ ユーロ フラン フラン
（単位：1,000
PV/NII +50BP -50BP -/+25BP +/-25BP +25BP -25BP +25BP -25BP
ユーロ）
現在価値ベースでの金利感応度(無利息資産を除く)
OeKBグループ 1,699,587 (51,213) 56,258 (13,511) 15,792 (52,005) 53,681 25,387 (25,868)
内、EFS 619,652 (43,276) 45,275 (11,163) 11,484 (49,057) 50,088 25,388 (25,869)
利益ベースでの金利感応度(１年間、保証手数料前)
OeKBグループ 92,447 (10,231) 10,283 4,773 (4,772) 14,631 (14,634) (18,431) 18,463
内、EFS 2,584 (11,173) 11,066 5,206 (5,225) 14,131 (14,149) (18,435) 18,467
以下の表でわかる通り、EBAガイドライン2018/02により要求される必須異常値テストは年間を通じて３％を下回
り、従ってCOREPに従い定められた規制資本の15％の早期警告基準値より十分低い。
以下の表は、四半期ごとのCET 1資本に対する最大現在価値変化と、その基礎となる金利ショックの種類を示した
ものである。
2022年度異常値テスト
発効日 最大現在価値変化（％） シフトタイプ
2022年３月31日 (1.0)％ フラットナ－
2022年６月30日 (1.1)％ フラットナ－
2022年９月30日 (1.3)％ ショートアップ
2022年12月31日 (2.4)％ パラレルアップ
2021年度異常値テスト
発効日 最大現在価値変化（％） シフトタイプ
2021年３月31日 (1.3)％ フラットナ－
2021年６月30日 (1.4)％ フラットナ－
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2021年９月30日 (1.3)％ フラットナ－
2021年12月31日 (1.2)％ フラットナ－
信用リスク
OeKBグループは、以下の種類の信用リスクを区別する：相手方リスク/デフォルト・リスク、投資リスク及び集中
リスク。
EFSの範囲外で、重要な貸付業務に従事するOeKBグループ内の唯一の法人は、観光業セグメント（観光金融）であ
る。したがって、OeKBグループのリスクカバレッジ資本と比較した全体的に低い信用リスクは、主に自己ポート
フォリオ（債券）、非連結持分、及びÖHTが供与する観光金融から生ずる。後者は高い担保水準を条件とする。ロー
ンの大部分は銀行により、しかし公的部門の団体にも保証されており、及び限られた程度ではあるが担保により保
証されている。
信用リスクは、クレジット・バリュー・アット・リスク（CVaR）を用いて評価される。これは、所与の信頼水準
（例えば、ゴーン・コンサーン・アプローチの99.98％）の最大損失とそれぞれのデフォルトに関連する予想損失と
の間の差異である。１年の保有期間を仮定したバシチェック分散により、CVaRが計算される。CVaRは、2022年12月
31日現在、81.9百万ユーロ（2021年12月31日現在：96.2百万ユーロ）であった。
OeKBは自己ポートフォリオの運用において、幅広い分散投資という戦略に従う。最も高い信用格付を持つ発行体
に対するエクスポージャーの個別的集中がある。主要なローン限度額もまた、これに従わなければならず、RMC及び
執行取締役会に対して定期的に報告が提出される。オーストリアにおける観光及びレジャー産業への観光セグメン
ト業務の集中は、会社のビジネスモデルに備わったものであり、貸付は厳しい担保要件の下でのみ提供される。
信用リスクの限度額は、RMCの提案に従い、執行取締役会により設定される。RMCの提案は、リスクカバレッジ計
算に基づく。コンプライアンスがRCOにより監視される。信用デリバティブは使用されない。
取引相手方の信用度は、明確な格付け及びマッピング・システムを用いて査定される。この格付けは、デフォル
ト可能性の査定において非常に良い格付セグメントにあるソブリンとその他取引相手方を区別する、詳細な22の部
分に分かれた内部マスター基準に基づく。PDはミグレーション・リスクを考慮して導かれる。この格付及びマッピ
ング・システムはRMCにより採用され、毎年RCOにより見直しが行われる。
EFS ICAAP及びその当グループICAAPへの統合
OeKBがオーストリア共和国の代理人として管理するEFSは、総資産の大部分を占め、その他の事業活動から独立し
た会計主体として運営されている。運営原則に合わせて、OeKBはEFSのために独立したリスク・カバレッジの計算を
実行する。オーストリア共和国の保証（保証及びAusfFG及びAFFGによるaval）によりカバーされないEFS内のリスク
は、UGBに基づくEFS金利安定化引当金（EFSのためのリスク・カバレッジ資本として利用される。）と査定、比較さ
れる。
このEFS金利安定化引当金は、EFSから生み出される余剰金から生じ、1968年以降大蔵省命令に従いEFSに留保され
ることになっている（無利息の負債）。これらの資金が実効リファイナンシング金利の低減に使用される場合の
み、税務当局が「控除可能な負債項目」としてFES金利安定化引当金を取扱うので、リスク負担能力の計算の際、税
金引当金が信用リスクの経済資本に加算される。
OeKBグループの内部自己資本比率査定プロセス（ICAAP）において、EFSは投資リスクとして考慮される。従っ
て、EFSのリスク・カバレッジ資本を超えるリスクはいずれも、OeKBグループの信用リスクの一部となり、OeKBグ
ループのリスク・カバレッジの計算に含まれる。
EFSは今日まで常に、毀損しないリスク負担能力を持ち、リスクが過剰となることはなかった。下記のEFSにおけ
るリスク合計は、2022年においても再びEFSのリスクカバレッジ資本より少ない。すなわち、EFSによるリスクはグ
ループICAAPを構成しない。
最も本質的なリスク類型は、信用及び金利リスクである。その他の関連するリスクのポジションは、スワップ取
引及びリファイナンス・リスクに関連するCVAリスクである。
輸出金融スキームにおける信用リスク
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OeKBの信用エクスポージャーは主に輸出金融スキームの金融商品（銀行貸付及び顧客貸付）で構成される。これ
らの貸付は厳格な原則及び高い担保要件（主にオーストリア共和国の保証による）に従い供与されている。デリバ
ティ ブ金融商品に関連する信用リスクを保証するため、全ての取引相手と担保契約が締結されている。クレジッ
ト・デリバティブは使用されていない。
オーストリア共和国が供与する包括的な担保及び保証の結果、オーストリア共和国に対する高水準のリスク集中
がある。これは担保の質が高いため、測定されない。
これを超える信用リスクは、クレジット・バリュー・アット・リスク（以下「CVaR」という。）法を用いて評価
される。これは、所与の信頼水準（例えば、ゴーイング・コンサーン・アプローチの99.9％及びゴーン・コンサー
ン・アプローチの99.98％）の完全VaRとそれぞれのデフォルトに関連する予想損失との間の差異である。１年間の
保有期間を仮定したモンテカルロ・シミュレーション法により、CVaRは計算される。
オーストリア共和国に対するリスク集中に加えて、銀行及びその他保証人に対する著しい集中もある。これらの
集中はビジネスモデルに固有のものであり、この点の多様化の範囲は限定される。モンテカルロ・シミュレーショ
ン法の使用により、計算されたCVaRは、信用格付及び借主の相互関係に基づく、保証人に関する集中及び減損の可
能性に加えて、ビジネス・パートナーの集中リスクを含む。
信用リスクはリスク・バレッジの計算及びこれに基づき定義される限度をベースに、毎日の業務運営において
は、ビジネス・パートナーと保証人並びにそれらの組み合わせが限度額を割り当てられるビジネス・パートナーの
制限システムを通じて、管理される。具体的な限度額は信用委員会の勧告に基づき、執行取締役会により割当てら
れる。コンプライアンスはリスク制御部門により監視される。
EFSにおける市場リスク
主たる運営原則に従い、市場リスクはアーニングス・アット・リスク（EaR）を利用して測定され、金利リスク及
びオーストリア共和国が保証する限度での限定的な水準の為替レートリスクを含む。信用リスクの測定の場合と同
様に、市場リスクは上記の信頼水準及び１年間の計画期間を持つ、モンテカルロ・シミュレーション法を用いて測
定される。
トレジャリー部門は、EFS ICAAPの要件に基づき、かつとりわけ、トレジャリー部門が定期的報告を提出する、資
産負債管理委員会（以下「ALCO」という。）と協力調整して市場リスクのオペレーショナル管理に責任を持つ。
ALCOには執行取締役会が含まれ、またEFS資産率の決定及びEFS商品の設計を担当する。
銀行勘定における金利リスクに対するEBZガイドラインにより定義される金利シフト及びツイストの効果もまた、
四半期毎に現在価値及び純額ベースで計算され、リスク管理委員会及び執行取締役会に報告される（上記を参照の
こと。）。
ビジネス・リスク
OeKBグループは、ビジネス・リスクを、事業規模若しくはマージンの予想しない変化又は予想しない営業費用に
より引き起こされる利益の低下を意味するものと第一に理解している。予想しないとは、当グループの計画からの
逸脱を指す。過去にこれらが現実化した程度において、これらのリスクはまた、事業方針の決定及び経済状態もし
くは法的状態の変化から生ずるビジネスモデル・リスク及び戦略リスク並びに利害関係者の否定的な感じ方の結果
としてのレピュテーション・リスクを含む。
ビジネス・リスクは、最初に計量的基準で決定し、具体的な限度をリスク管理委員会が毎年設定するためにその
後専門家の検討を受ける。このリスクの種類は利益リスクであるため、リスク・カバレッジ資本から控除されるこ
とにより、リスク・カバレッジ計算を構成する。
ICAAPにおいて量が含まれることを除き、当グループは輸出金融スキームの重要性が高いため、かつ関連する法的
な例外の観点から、特に特別目的銀行グループとしての役割においてこれらのリスクの関連性を承知している。法
的変更の活発な監視、利害関係者との対話、保守的なリスク方針の固持、及び先を見越したレピュテーション方針
（行動規範を含む。）は、これらのリスクを軽減する中心的な要因である。
ICAAPにおけるその他リスク
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モデル・リスク及び独立して測定されないリスク類型のリスクは、確定した経済資本に対する割合（パーセン
テージ）による上乗せを適用することにより、リスク・カバレッジの計算において考慮される。
OeKBグループは様々なリスクの集中に直面している。最も重要な集中のうち２つは、特別目的銀行グループとし
ての事業分野の集中及びEFSに関連するオーストリア共和国により供与される保証への依存である。これらの集中は
ビジネスモデルに固有のものであり、この点から多様化の範囲は限られている。
異なるリスク類型間の相互依存から起きる、集中相互のリスクは、各リスク類型（信用リスク、市場リスクな
ど）の経済資本価値を合計することにより、当グループのICAAP並びにEFS ICAAPに組み込まれる。多変数ストレス
テストもまた、これらのリスクを査定するために実施される。
超過レバレッジのリスク、従ってレバレッジ比率は、OeKBグループの資産の大部分が輸出金融スキームから生ず
るため、OeKBグループにとりあまり重要ではない。EFSのエクスポージャーは、大部分オーストリア共和国の保証に
より担保され、債務による資金調達はビジネスモデルの一部である。
非金融リスク及びオペレーショナル・リスク
市場リスク及び信用リスクと異なり、例えば非金融リスクは限られた程度で主要な数字を通じてのみ測定及び管
理することができる。したがって、リスク選好の定義及びこれらのリスクの管理は主に質的ベースで発生する。
OeKBグループはこの区分に以下のリスクを含む：システミック・リスク、ビジネスモデル・リスク、戦略リス
ク、レピュテーション及び行動リスク、コンプライアンス・リスク並びにオペレーショナル・リスク（ITリスクを
含む。）である。
RMCは、これらのリスクの多様性と高い関連性に対応するために、独立した小委員会を設置した。非財務リスクの
全体的な評価には、2020年から５段階交通信号システムも利用されている。様々なリスクカテゴリーのワークフ
ローに基づく分権化された評価は、全ての部局、銀行子会社、リスク・コンプライアンス・オフィサーによって、
特別なソフトウェア・システム（ARIS）を用いて四半期ごとに実施される。ダッシュボードシステムは概要を提供
し、全体的な状況を統合的に評価することを可能にする。目標は、予想される年間損害額が50万ユーロ（ICSに明記
された許容エラーの半分）を下回るように、すべてのプロセス、予防措置及び手段を備えて、実行することであ
る。
オペレーショナル・リスクは、不十分又は機能不全の社内プロセス、人員又はシステム若しくは外部の事象から
生ずる損失リスク（法的リスクを含む。）である。グループICAAPに対する経済資本要件は、それぞれの信頼水準に
対する基本指標アプローチに基づく自己資本要件の計測により決定される。
基準、規則及びプロセスはリスク方針から導かれ、マニュアルの形で書類にまとめられる。マニュアルにはま
た、緊急事態マニュアル、緊急事態計画及び危機シナリオを含み、これらは全て毎年見直しを受ける。計画及び概
念の有効性がテスト及び訓練を用いてチェックされる。集中的な損失事象のデータベースの持続的な維持管理及び
評価（この中で損失になりそうなものも書面化される。）により、オペレーショナル・リスクの継続的な最適化が
確保される。
上記に概説した任務を完了するために、執行取締役会は、RMCに報告を行い、グループ全体の実施を調整する、オ
ペレーショナル・リスク・マネジャーを指名している。
情報及びサーバー・セキュリティの重要性を前提として、当グループは独立した情報セキュリティ・オフィサー
を有する。チーフ情報セキュリティ・オフィサー（CISO）は、執行取締役会に直接報告し、2022年に設置された情
報・サイバーセキュリティ執行委員会の委員長を務める。また、ISO27001による情報セキュリティ認証の取得、
「ネットワーク及び情報システム・セキュリティ法（NISG）」及び「デジタル・オペレーショナル・レジリエンス
法（DORA）」の要件の実施準備などを目的として、サイバーセキュリティ＆ディフェンス・プログラムという包括
的プロジェクトが開始された。
法的リスクは、それぞれの事業セグメント及びリーガル・コンプライアンス部門による継続的監視を通じて、ま
らWAG及びBWG第39(6)条に基づくリーガル・コンプライアンス・オフィサーの指名により、最小化される。
オペレーショナル・リスクは、市場リスク及び信用リスクより強力に会社の文化及び各個人の行動に影響され
る。これを念頭において、執行取締役会は汚職防止、内部告発制度及び苦情処理制度等の規則を備えた行動規範を
設定している。
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内部監査及びグループ内部監査により行われる定期的なチェック及び効果的な内部統制システムがオペレーショ
ナル・リスクの一層の軽減に寄与する。
検討：ベンチマーク金利改革－IBOR改革
世界中で最も重要な銀行間金利のベンチマークは、現在改革が進められつつあり、これにはいくつかの銀行間オ
ファード・レート（IBOR）の代替的なリスク・フリー・レート（RFR）への置き換えを含む。この切り替えは「IBOR
改革」とも呼ばれている。2022年１月１日（又は、米ドルLIBORレートの一部については2023年７月１日）から、
LIBORのベンチマーク金利が上場又は公表されることはない。
OeKBグループには、この改革の影響を受ける金融商品が多数ある。
OeKBグループは、主に他の信用機関との取引関係を維持しているため、信用リスク、市場リスクは極めて低い。
OeKBグループにとって、IBOR改革に関連する最も重要なリスクは、業務上のリスクである。
従って、グループ全体のプロジェクト・グループは、影響を受ける事業セグメントを評価し、リスク・フリー・
レート（RFR）に切り替えるために必要な技術的及び法的根拠を確保することを任務としてきた。
このプロジェクト・グループは執行取締役会の直属であり、リスクフリー・レートに切り替えるためのグループ
全体の概念を策定し、法的意味合いを評価し、それに応じてITシステムを適応させて、必要とされる新しい計算方
法や掲示を問題なく表現できるようにした。過年度のSARON及びSOFRの金利に基づいて、一連の契約が既に締結さ
れ、全てのスイス・フランのLibor取引は、SARON金利に転換された。
以下の表は、IBORの金利から2023年度の代替的な金利条件に切り替えなければならない貸付金及びび負債の帳簿
価額を示したものである。
2022年12月31日
そのうち、既に そのうち、まだ契
現在切替えされ
（単位：1,000ユーロ） 割引率 契約で規制され 約で規制されてい
ていない契約の
ているもの ないもの
帳簿価格
資産
USD LIBOR
銀行貸付 1,111,590 119,819 991,772
USD LIBOR
顧客貸付 114,429 61,574 52,855
負債及び資本
USD LIBOR
顧客からの預金 28,647 - 28,647
発行済み債務証券には、切替えが必要なIBORレートの契約は含まれていない。
以下の表は、切り替えしなければならないデリバティブ金融商品の名目額を示したものである。
2022年12月31日現在切替
そのうちISDAフォール
（単位：1,000ユーロ） 割引率 えられていない契約の名
バック条項に従うもの
目金額
USD LIBOR
デリバティブ金融商品（受取側） 7,313,158 7,313,158
USD LIBOR
デリバティブ金融商品（支払側） 7,502,547 7,502,547
デリバティブ金融商品は、ISDA契約（注記19を参照のこと）に基づいて締結されており、従ってベンチマーク金
利が公表されなくなった場合の手続きを規定する具体的なフォールバック条項が含まれている。OeKBグループは、
すべてのデリバティブ金融商品についてこの条項を使用するため、別途契約を締結することはない。
銀行貸付及び顧客貸付は、とりわけEFSに基づく貸付金（858.5百万ユーロ）及び開発援助貸付（367.5百万ユー
ロ）に関連している。これは、異なる相手との個別の契約であるため、対応する契約の締結に向けた作業が急速に
進んでいる。
OeKBグループは、IBOR改革が貸借対照表又は連結包括利益計算書に与える重大な影響はないと予想する。
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流動性リスク（ILAAP）
OeKBグループは、以下の流動性リスクの種類を区別する：
・期限を迎えたときに、現在又は将来の支払い義務を完全に満たすことができないリスク、
・リファイナンシング・リスク、資金が好ましくない市場条件でしか得られないリスク、及び
・市場流動性リスク、資産を割引いてしか売却できないリスク。
流動性リスク管理は、輸出金融スキームを含めて、OekBグループを１つの単位として実行される。
執行取締役会は、毎年監事会のリスク委員会と調整を行う「リスク方針及び戦略」の中で、流動性リスク管理の
原則及びリスク選好を定義する。これは、支払不能リスクとしての流動性リスクを指す。これは、現在及び将来の
支払義務を期限到来時に十分に満たすことができない短期リスクである。最低１ヶ月の最短サバイバル期間及び最
低２ヶ月の目標サバイバル期間がOeKBグループについて設定されている。
流動性戦略の目標は、困難な市場状況であっても受入可能な条件で必要な流動性の十分な入手を確実にすること
である。発行体としての数十年にわたる、OeKBの国際金融市場における優れた名声は、金融商品、市場及び満期の
多様化と相まって、またとりわけ重要なことはオーストリア政府保証がAFFG第1(2a)条に基づき貸し主を保護してい
るので、市場が特別なストレス下にある場合でも市場アクセスに役立つ。流動性リスクの測定及び管理に使用され
るプロセスは、RMCが採用する流動性リスク管理マニュアルにおいて書面化されている。
流動性の圧倒的な必要は輸出金融スキームに起因するため、借換えリスクはEFSのリスク・カバレッジの計算に組
み込まれている。
より狭い意味での流動性リスクの測定の中心的手段は、毎月の流動性ギャップ分析である。これは今後12ヶ月間
の毎日の数字を用いて行われ、流動性バッファー（主にECBによる再割引に適格な証券で構成される。）に対して設
定されているキャッシュフロー及び資金調達計画（特異かつ組織的ストレス仮定に基づく。）に基づいている。市
場流動性リスクが流動資産に対する対応するヘアカットを通じて考慮される。
この方法により決定された平均サバイバル期間は、2022年に概ね７ヶ月間であった。OeKBグループはサバイバル
期間を、同時に起こる特異かつ組織的ストレスの想定される組合わせのもとで、金融市場で追加の資金調達を行う
必要なしにすべての支払義務を満たすために（オーストリア共和国の十分な信頼と信用がOeKBによるかかる借入を
支援するのであるが）、現在の流動性バッファーが十分な期間と定義する。ストレス期間において、サバイバル期
間は、このようになんらかの必要な戦略的是正措置を取るのに利用できる時間である。流動性危機管理計画が危機
的状況のために用意されている。
OeKBグループのサバイバル期間
（単位：日） 2022年 2021年
年平均 207 333
年間最大 321 365
年間最小 71 275
OeKBグループの拘束されていない流動性バッファーの構成は以下のとおりである。
OeKBグループの流動性バッファー
（単位：1,000ユーロ） 2022年公正価値 2021年公正価値
現金及び現金同等物 319,542 1,245,090
差引：最低準備金 (57,163) (35,774)
現金及び中央銀行による現金同等物 262,380 1,209,316
中央銀行による預託証券 7,421,619 8,513,166
大蔵省証券及び再割引できる類似証券 1,214,890 1,272,685
再割引できる他発行体による債券 429,268 58,881
合計 9,328,157 11,054,049
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中央銀行に預けられている有価証券の大部分は、OeKBが発行し、すぐに買い戻されるカバードボンドであり、そ
のため貸借対照表には計上されていない。これらは流動性を確保するためにのみ使用される。
毎日の流動性はニーズとカバレッジ計算に基づき確認され、長期流動性はギャップ分析を元に評価される。オペ
レーションナル流動性管理はトレジャリー部門が処理し、トレジャリー部門はALCOに報告する。サバイバル期間の
要件の遵守はリスク制御部門により監視され、RMCに報告される。
OeKBはその流動性を流動性カバレッジレシオ（LCR）又は安定調達比率（NSFR）に従って管理しない。BWG第3(2)
１条に従い、以下の法律規定も適用されない：規則（EU）第575/2013の第６部並びにBWG第27a条、第39(4)条に関連
する第39(2b)7条、第39(3)条及び第74(1)条に関連する第74(6)3a条。
下表は、金融債務の満期構造を示す。元本のフローは契約満期に基づき、個別の満期幅に割り当てられる。要求
払いのポジションは２年未満の満期幅に割り当てられている。
満期構造 - 2022年12月31日
アウトフロー/
（単位：1,000ユーロ） ２年未満 ２年から５年 ５年から10年 10年超
インフロー合計
金融負債
銀行からの預金 (1,077,922) (759,090) (210,820) (82,678) (25,333)
顧客からの預金 (1,213,844) (553,767) (627,087) (29,756) (3,235)
発行済み債務証券 (29,451,027) (17,265,778) (10,185,956) (1,741,513) (257,780)
合計 (31,742,794) (18,578,635) (11,023,863) (1,853,947) (286,349)
デリバティブ金融商品
アウトフロー 30,180,843 13,304,564 13,865,624 3,010,655 -
インフロー (31,458,079) (14,053,541) (14,339,311) (3,065,227) -
合計 (1,277,236) (748,977) (473,687) (54,572) -
満期構造 - 2021年12月31日
アウトフロー/
（単位：1,000ユーロ） ２年未満 ２年から５年 ５年から10年 10年超
インフロー合計
金融負債
銀行からの預金 (1,108,926) (696,045) (250,549) (129,578) (32,754)
顧客からの預金 (927,305) (283,146) (614,980) (26,173) (3,007)
発行済み債務証券 (29,092,659) (17,511,954) (9,602,059) (1,745,123) (233,522)
合計 (31,128,890) (18,491,144) (10,467,588) (1,900,874) (269,283)
デリバティブ金融商品
アウトフロー (22,496,076) (9,919,767) (12,063,205) (513,104) -
インフロー 21,976,059 9,822,403 11,647,386 506,270 -
合計 (520,017) (97,363) (415,819) (6,834) -
下表は満期幅ごとの流動性ギャップを示す。ここでは負債の契約資本フローは対応する受取債権と比較されてい
る。リボルビング・クレジット・ファシリティは、経験上利用度が一般的に安定していることを示しているので、
定期的な利用度に含まれる。
2022年12月31日現在のギャップ分析によるギャップ
２年未満 ２年から５年 ５年から10年 10年超
保証を含む (2,760,348) 746,555 2,890,937 798,319
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2021年12月31日現在のギャップ分析によるギャップ
２年未満 ２年から５年 ５年から10年 10年超
保証を含む (2,687,277) 731,651 3,183,939 766,468
ポートフォリオの大半は、輸出金融スキームに帰することができ、既存の流動性ギャップは、いつでも終了する
ことができる。資金調達業務は、主にコマーシャルペーパー・プログラム及び債券発行を通じて、国際金融市場で
行われている。
信用リスク及び貸倒引当金の詳細
最大の信用リスクは、本質的に全てのOeKBグループの資産（有形固定資産及び無形資産を例外とする。）を網羅
する。最大の信用リスクは、主にオーストリア共和国による幅広い保証及び担保により著しく低減されている。
信用格付及び国別内訳
OeKBグループの償却原価で測定された金融商品の格付区分（６つの格付レベルによるマスター格付の概要）によ
る内訳を以下の表に示す。保証が付された資産は、保証の金額で、保証人の格付区分に割当てられる。
償却原価による金融資産の信用度
ステージ１ ステージ２ ステージ３
正味帳簿 正味帳簿 正味帳簿 POCI 2022年 2021年
(単位：1,000ユーロ) 価格 価格 価格 正味帳簿価格 帳簿価格 帳簿価格
銀行貸付
格付区分１（AAA/AA） 17,996,799 338,900 - 18,335,700 17,775,798
格付区分２（A） 986,277 - - - 986,277 542,036
格付区分３（BBB） 291,642 43,947 - - 335,589 256,025
格付区分４（BB） 11,752 - - - 11,752 -
格付区分５（B） - - - - - -
格付区分６（CCC以下） 5,454 - - - 5,454 -
合計 19,291,924 382,848 - - 19,674,772 18,573,859
顧客貸付
格付区分１（AAA/AA） 575,232 109,155 20,123 78,781 783,292 638,972
格付区分２（A） 566,365 90,603 - - 656,968 474,772
格付区分３（BBB） 378,397 64,853 - - 443,250 578,431
格付区分４（BB） 707 1,269 - 568 2,544 11,975
格付区分５（B） 573 - - 24 597 393
格付区分６（CCC以下） 53 - - 2,665 2,719 1,887
合計 1,521,326 265,880 20,123 82,038 1,889,368 1,706,431
その他金融資産（償却原価）
格付区分１（AAA/AA） 398,424 - - - 398,424 128,150
格付区分２（A） 127,675 - - - 127,675 125,709
格付区分３（BBB） 49,512 - - - 49,512 47,021
格付区分４（BB） - - - - - -
格付区分５（B） - - - - - -
格付区分６（CCC以下） 96 - - - 96 95
合計 575,708 - - - 575,708 300,975
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ステージ１ ステージ２ ステージ３ POCI
正味帳簿価格 正味帳簿価格 正味帳簿価格 正味帳簿価格 2022年価値 2021年価値
信用ファシリティ及び貸付コ
ミットメント
格付区分１（AAA/AA） 3,627,447 7,754 - - 3,635,201 3,613,971
格付区分２（A） 35,241 4,900 - - 40,141 55,347
格付区分３（BBB） 15,590 2,393 - - 17,983 56,916
格付区分４（BB） - - - - - -
格付区分５（B） - - - - - -
格付区分６（CCC以下） - - - - - -
3,678,278 15,047 - - 3,693,325 3,726,234
合計
信用リスクの集中
以下の表は、銀行貸付及び顧客貸付の地域的な内訳である。
担保の認識後の国別ポートフォリオ内訳
銀行貸付 顧客貸付 国別帳簿価格
（単位：1,000ユーロ）
2022年 2021年 2022年 2021年 2022年 2021年
オーストリア 19,928,692 19,903,675 1,882,230 1,700,249 21,810,922 21,603,924
フランス 673,516 414,001 26 - 673,541 414,001
ドイツ 405,208 294,354 3,605 3,923 408,814 298,277
イタリア 192,948 235,233 - - 192,948 235,233
カナダ 152,431 36,509 - - 152,431 36,509
その他諸国 399,238 402,031 3,507 2,260 402,745 404,291
合計 21,752,034 21,285,804 1,889,368 1,706,431 23,641,402 22,992,235
予想信用損失（ECL）の決定
以下は、OeKBグループがIFRS第９号（予想損失モデル）に基づく減損費用を計算するために用いる、重要な投入
要因、仮定及び技術を示す。OeKBグループのビジネスモデル及びその特別な信用リスク状況のために、IFRS第９号
に基づき計算されるECL価値は、限定的な情報価値しか持たしない。
低い信用リスクの免除
IFRS第９号に従い、金融商品の格付が投資適格等級と同等である場合、信用リスクは低いとみなすことができ
る。OeKBグループは、この低い信用リスクの免除を適用する。問題の金融商品が報告日現在（担保考慮前に）低い
デフォルトリスクを持つ場合、重大な増加は通常想定されない。
OeKBグループは、合計22の格付区分のうちの１から10の区分を、社内のマスター格付基準に基づき、低いデフォ
ルトリスクに定義する。レベル10はS&PのBBB-に相当する。すなわち、１から10の区分は、市場の典型的な投資適格
の定義に相当することを意味する。
低い信用リスク免除の使用の理由
OeKBグループは、資本市場業務及び輸出業務向けの、かつ観光業務セグメントにおいて、特別な、法律により権
限委託された任務を有する、純粋な特別目的銀行のグループである（注記１を参照のこと。）。資産合計の大半
は、輸出金融スキームによるものであり、特別法の適用を受ける（AFFG及びAusfFG）。CRR及びCRDからの免除は、
輸出（金融）振興に関連する全ての業務（及び欧州レベルではOeKBグループ全体に無制限に）について適用されて
おり、子会社はCRRの目的で銀行ではない。EFSは自己持続的プロモーション制度である。信用損失はエクイティを
減少させないが、EFS金利安定化引当金に対して支払われる、又はオーストリア共和国からの保証により直接保証さ
れる（注記１を参照のこと。）。数十年間の事業の歴史は、今日までポートフォリオの損失は無かった又は非常に
わずかであったことを示している。
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EBAのガイドラインと一致して、OeKBグループは定期的に信用格付の動きを監視し、評価に基づき低い信用リスクの
免除から個別の金融商品を取り出す権利を留保する（30日延滞又は異なる性質の発動）。これは、低い信用リスクの
免 除は、投資等級であり、かつステージ２又はステージ３の質的指標を持たない金融商品にのみ適用されることを意
味する。
信用リスクの重大な増加の定義
信用リスクの重大な増加の評価は、ECLモデルの中心的側面である。信用リスクの重大な増加の場合、減損価値は
12ヶ月ECLであってはならず、存続期間ECLでなければならない（低い信用リスクの免除が適用される商品を除
く。）。
OeKBグループが低い信用リスクの免除を使用するので、12ヶ月ECL(ステージ１)が一般に使用される。格付が投資
適格の範囲ではない、若しくはそうなった金融商品について、同時に信用リスクが大きく増加する（定量的及び定
性的な性質に基づく。）場合、存続期間予想損失の金額の減損（ステージ２）が適用される。
重要な基準
デフォルトの可能性（PD）が著しく増加する場合、信用リスクの増加は大きい。
商品の（予想）期間のデフォルト可能性の合計に基づき、定量的な評価が行われる。OeKBグループは、ステージ
２への割当の相対的移行基準として、デフォルトリスクの変化が比較期間中に緩和される、将来の存続期間PDの変
化を選択している。増加が定義された基準を超える場合、商品はステージ２に割り当てられる（低い信用リスクの
免除を基準に商品が依然としてステージ１である場合を除く）。
デフォルトリスクの重大な変化を評価する基準は、当初認識時のデフォルトリスクと比較して定義され、将来の
存続期間PDの250％を超える増加は、重要とみなされる。
定量的な定義に加えて、OeKBグループはまた、デフォルトリスクの重大な変化を評価するために、定性的な情報
も利用する。これには特に、外部市場の指標（例：信用スプレッド）の重大な変更並びに金融商品若しくは借主の
外部信用格付の実際又は予想される重要な変更を含む。このような際だった進展が発生する場合、重要性はケース
バイケースで評価される。90日を超えて延滞している借主は、一般的に移行基準に該当し、30日を超えて延滞して
いる借主は、個別ケースにおいて異議を唱えることができる指標である。
デフォルトリスクを評価する場合、担保は考慮されない（セキュリティ格付に含まれる担保を除く。）。
集合的なステージ移行
COVID-19及びそれに関連する旅行規制やロックダウンの影響を大きく受けたが、政府からの多額の支援も受けた
観光業務セグメントに対する経営上のオーバーレイとして、前年度には集合的なステージ移行の手段を用いたもの
の、当年度は集合的なステージ移行を適用しなかった。COVID-19によるパンデミックと異なり、ウクライナ危機
は、モデル化された経済生産と信用格付の間に構造的な断絶を表していないため、集合的なステージの形での経営
上のオーバーレイは必要ない。
修正条件付き契約
ビジネス・パートナーの信用格付が悪化していない場合でも、例えば市場環境の変化又は早期償還などの事実の
後に顧客との契約条件が変更される多数の異なる理由がある。
OeKBグループにおける１つの理由は、発展途上及び新興諸国のファイナンス・プロジェクトに使用される開発
ローンである。プロジェクトは異なる経過を取るため、支払及び償還の時期への変更を行うことが通常ある。
注記２で説明のとおり、契約の大幅な修正が行われたときに、前の契約が終了し、新金融資産が公正価値で認識
される。わずかな変更の場合、修正の前後での契約の公正価値の差異は、損益計算書に認識される。
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大幅な変更がなされる場合、新金融資産の最初の認識日はまた、信用リスクの変更の将来の計算のためにもとも
との信用リスクとして使用され、他方もともとの契約の完了時点でのもともとの信用リスクは、わずかな変更の場
合依然として使用される。
仮に借入人が財政難を経験しているために、かつこのビジネス・パートナーからの将来の元利金支払いを最大化
する意図で契約が修正される場合（条件緩和）、これはいずれにせよ借入人のデフォルトの質的指標（下記「デ
フォルトの定義」も参照のこと。）となる。パートナーは、長期にわたり持続的な契約達成があり、及び財政難が
克服できた追加指標がある場合、12ヶ月ECLに戻ることができる。
予想信用損失の計算
ECLを計算する３つの主要なパラメータは以下のとおりである。
・デフォルトの可能性（PD）
・損失所与デフォルト（LGD）
・デフォルト時にエクスポージャー（EAD）
これら３パラメーターの由来は以下のとおりである。
デフォルトの可能性（PD）
信用格付の分類
OeKBグループは、適格な格付会社からの外部格付及び社内の評価に基づき、社内のマスター格付基準の信用格付
区分に全ての信用エクスポージャーを分類し、全ての借主及び全ての金融機関を割当てる。デフォルトの可能性
は、全ての格付レベルに割当てられ、レベルからレベルへ急激に飛躍する。これらの１年間のデフォルト可能性は
バーゼル要件の意味でリスク管理のため使用され、したがって、ECL計算における使用のためそれに従い調整される
必要がある。
PIT及びFLIの調整
最初に、毎月のデフォルト可能性の合計が、リスク管理に使用されるPDサイクル中の１年間に一致する条件付き
確率（ベイズの定理）を用いてポートフォリオの最大満期から決定される。ベイズのスカラー・アプローチに使用
は、PDの価値が０と１の間であることを確実にする。
IFRS第９号に従い、PDはポイント・イン・タイム（PIT）についてのみ推計されてはならず、将来を見越した情報
（FLI）も考慮しなければならない。すなわち、OeKBグループはPITのデフォルト可能性を次の段階での将来の進展
予想を説明するために調整する。
マクロ経済の関係する指標（下記も参照のこと。）の目的で、複数年（３年間以内）のポートフォリオPDの予想
を認めるポートフォリオ特有のモデルが、これらのFLI調整として開発される。これらの調整はPIT PDに適用され、
FLI PDを計算するために予測期間末の後、徐々に減少するベースで継続する。FLIモデルは典型的に10年以上続く期
間の四半期データについての多重線形の回帰から成る。依拠する変数はポートフォリオのデフォルト可能性の平均
で、通常、株式加重価値として計算される。一連の独立した変数が、経済の専門家と共同で各ポートフォリオにつ
いて選択され、回帰に加えられる。相対的及び絶対的変化並びに遅延効果を考慮する確率変数と共に、回帰の組み
合わせから異なる組成がその後テストされる。モデルは、計算された決定係数及び説明できない数の分布特徴を考
慮して、選択される。最も重要な要因は、長期金利と短期金利、インフレと賃金のトレンド、GDP及び財政収支など
である。観光モデルの決定的な要因は、宿泊の動き、オーストリアの失業率及びドイツのGDP成長である。分析はま
た、特に旅行業セグメントに大きな影響を与えた政府の支援策も考慮する。最終段階で、FLI調整は、回帰係数を用
いてマクロ経済パラメーターの予測から推計される。
この計量モデルは、デフォルト確率の変化に関する基本シナリオを形成する。この基本シナリオは、50％の加重
でECLの計算に含まれる。他の２つのシナリオは、ウクライナ危機の更なる進展の可能性及びそのエネルギー供給、
インフレ、金利への影響から導き出される。カムバックシナリオ（加重30％）は、金利が上昇し、家庭や企業に十
分なエネルギーが供給され、政府の支援がほとんどないことを想定する。ストレスシナリオ（加重20％）は、景気
後退とその後の低金利、大幅な観光制限及び政府の支援措置が主な内容である。それぞれのセクターの影響力に応
じて、これら２つのシナリオにおけるデフォルトの将来確率は、乗法因子を用いて増減される。ECLに最も寄与する
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観光部門の場合、今後３年間のデフォルト確率は、カムバックシナリオでは基本シナリオより20％低く、ストレス
シナリオでは今後１年から２年で150％から200％上昇し、その後は基本シナリオの水準に戻ることを意味する。
PIT調整もFLI調整もEAD又はLGD価値に適用されない。
デフォルトの定義
OeKBグループは、CRR第178条に向けられたデフォルト指標の定義を使用する。これらは特に90日を超えて延滞す
る債務者、債務者に対する破産/事業再編手続きの開始、及び債務者への譲歩につながるその他危機に関連する再編
の開始を含む。個別のケースにおいてデフォルトの可能性（例えば、他の債権者に対する債務者のデフォルトにつ
いての情報）を示すその他の指標もあるかもしれない。これらはケースごとに評価されなければならず、また会計
年度末から貸借対照表日の作成日までの期間も考慮にいれる。
損失所与デフォルト（LGD）及び担保の適用
損失所与デフォルトはECLを計算するもう１つの中心的パラメーターである。これは、借主又は金融機関のデフォ
ルトの場合に損失の金額を示す。この場合、代替可能担保を考慮しなければならない。
ビジネスモデルのために、OeKBグループは統計的に重要なLGDモデルを導くための十分なデータを、12ヶ月LGDに
ついても存続期間LGDについても持たない。
したがって、一般的に以下のアプローチがICAAP及びCRRに特定される価値に基づき選択された。
・オーストリア共和国が経済的に保証する資産のLGD：０％（不変）
・リバース買戻し契約についての3.25％（不変）及びモーゲージ担保付きローン（ÖHT）について不変の６％の
LGD
・その他金融取引のLGD：65％（不変）（CRRの第161条を参照のこと：シニア・エクスポージャー45％及び劣後エ
クスポージャー75％）
注記：現時点で劣後エクスポージャーは存在しない。ビジネスモデル及び重要なポートフォリオ（EFS、債券
ポートフォリオ）のために、LGDの経験的推定の幅広い変動及び文字通り債券に見られる比較的高いLGDに基づ
き、CRRに具体化されるより高い価値を適用するのが適切であるように思われる。
LGDの目的では、上記に列挙した場合を別として担保は考慮しない。その他担保は損失所与デフォルトにおいて考
慮されないが、PD（複数デフォルト）において考慮される。
これらの複数デフォルトPDの計算は、多数の担保項目を考慮する。すなわち、これは借主が債務不履行になる可
能性のみでなく、借主と保証人との相互関係も考慮して、保証人も同時に債務不履行になる可能性を表している。
すなわち、共同のデフォルト可能性は、１項目の担保又は２項目の担保があるかどうかに異存する、累積的な２変
数又は３変数の分配関数である。
担保は、段階的プロセスの一部であるPDにおいて考慮されないが、ECL（１年間のECL及び存続ECL）を計算するた
めにのみ使用される。
デフォルト時の予想エクスポージャー（EAD）
EADはデフォルト時の予想されるグロスの銀行勘定を表す。EADは、契約キャッシュフローから計算される毎月の
観測をベースに実効金利法に従った未払い利息を加えてモデル化される。
商品に特有な信用転換要因は、利用程度との経験に基づき、未引出しのファシリティ及びローン・コミットメン
トについて推計される。
ECLの計算に従う減損の要件
減損費用は、以下の加重要因（基本シナリオ：50％、カムバックシナリオ：30％、ストレスシナリオ：20％）を
用いて、複数のシナリオに基づき計算されるECLの加重により決定される。以下の表は、ECL計算に基づく減損の必
要性を示しており、POCI資産の事後測定は含まれない。これらは注記４に記載されている。
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2022年度の貸倒引当金の変動
その他
（単位：1,000ユーロ） 銀行貸付 顧客貸付 合計
金融資産
2021年12月31日現在貸倒引当金 48 1,738 211 1,997
追加 1 75 22 98
処分 (3) (77) (23) (103)
ステージ移行
ステージ１からステージ２へ 81 484 - 564
ステージ２からステージ１へ - (61) - (61)
現在価値効果及びリスク投入変数の変更 39 (869) (45) (876)
外国為替の効果及びその他変動 - (19) - (19)
2022年12月31日現在貸倒引当金 166 1,270 164 1,600
うち、１年のECL 31 219 164 414
うち、存続ECL 135 1,052 - 1,186
2021年度の貸倒引当金の変動
その他
（単位：1,000ユーロ） 銀行貸付 顧客貸付 合計
金融資産
2020年12月31日現在貸倒引当金 148 3,542 425 4,115
追加 2 218 49 269
処分 (1) (213) (42) (256)
ステージ移行
ステージ１からステージ２へ - 668 - 668
ステージ２からステージ１へ - (310) - (310)
現在価値効果及びリスク投入変数の変更 (97) (2,149) (222) (2,469)
外国為替の効果及びその他変動 (4) (18) - (22)
2021年12月31日現在貸倒引当金 48 1,738 211 1,997
うち、１年のECL 48 730 211 988
うち、存続ECL - 1,009 - 1,009
オーストリア共和国からの広範な保証があるため、OeKBグループは貸倒引当金の必要性が限られている。従っ
て、更なる内訳は示さない。これら引当金の最も大きな割合を占めているのは、観光業務セグメントである。
オーストリアの観光・レジャー会社に対するこれらのÖHT融資は、担保の質の高さ（オーストリア共和国及び銀行
からの保証並びに担保の水準が限定的であること）も特徴として挙げられる。
特に、OeKBグループ全体を対象とした因果連鎖分析において、地球温暖化の様々なリスクタイプへの影響（リス
ク及び機会）が評価された。とりわけ、ESG要因が信用リスクに重大な影響を及ぼしていないこと、すなわち、信用
力の評価において既に考慮されているESGリスクを超えて気候が誘発する貸倒引当金の追加的な調整が行われていな
いことが明らかになった。
上記の表に見られるように、貸倒引当金はわずかに減少している。これは特に、ECLに最も寄与しているÖHTの信
用ポートフォリオに当てはまる。計量経済学モデルに基づいて予測された旅行会社及び銀行（ÖHTのポートフォリオ
の大部分は銀行により担保されている。）のデフォルト確率は、年次比較で大幅に改善された。この将来の見通し
に関する情報の詳細については、上記「PIT及びFLIの調整」を参照のこと。
2022年12月31日現在の減損金融資産に対応する帳簿価格総額は、銀行貸付が18,471.7百万ユーロ(2021年度:
18,033.8百万ユーロ)、顧客貸付が1,890.6百万ユーロ(2021年度:1,708.2百万ユーロ)、その他の金融資産が575.9百
万ユーロ(2021年度:301.2百万ユーロ)であった。帳簿価額総額には、1,203.2百万ユーロ(2021年度:540.2百万ユー
ロ)の減損していない担保は含まれていない。
経済シナリオ（シナリオの説明については、「PIT及びFLIの調整」を参照のこと。）に依存する減損費用の必要
性の感応度(公表数値からの乖離パーセンテージ):
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2022年12月31日 カムバックシナリオ 基本シナリオ ストレスシナリオ
減損の必要性 (14)％ (15)％ +57％
2021年12月31日 楽観的なシナリオ 予想シナリオ ネガティブ・シナリオ
減損の必要性 (16)％ (5)％ +32％
サステナビリティ・リスク
OeKBグループは、サステナビリティ（持続可能性）リスクを、銀行の資産、財務、収益状況又は評判に重大なマ
イナスの影響を及ぼしうる環境、社会又はガバナンス上の事象又は状態（ESGリスク）を意味するものと理解してい
る。これには特に、物理的リスク及び移行リスクという形の気候関連リスクが含まれる。サステナビリティ・リス
クは新たな類型のリスクではないが、様々な金融リスク及び非金融リスクの評価及び管理において考慮される面が
ある。
OeKBグループの経営陣及び従業員は、持続可能な方法で事業を遂行する責任を認識している。これは、OeKBグ
ループの事業活動が環境や社会の問題に与える影響という側面の持続可能性方針だけでなく、気候変動のような環
境条件の変化からビジネスモデルに生じる可能性のあるリスクや機会についても当てはまる。
特に、気候変動の問題並びに潜在的な社会的・政治的反応は、とりわけ評判やビジネスモデルに関するリスクの
高まりの原因となっている。OeKBグループにとって、直接的な物理的リスクは、移行リスクよりも関連性が低い。
同時に、この出発点には将来の成長の機会がある。このため、OeKBはリスク管理及び事業戦略において気候リスク
への考慮を増やすことに、引き続き明確に重点を置いている。
2020年、OeKBグループのリスク政策と戦略に、気候変動に起因するリスクと機会というテーマが明確に追加され
た。これには、異なるリスク類型に関連する地球温暖化の包括的な因果関係分析が含まれる。それ以降、これらの
リスク類型は毎年見直しが行われる。サステナビリティ・リスクは、四半期ごとのリスク状況評価並びにRMC、理事
会、監査役会への報告の中核的な側面でもある。
OeKB及び銀行子会社の全ての部署は、因果連鎖分析プロセスに含まれる。ここでは、特に地球温暖化に関する物
理的・移行リスクとそのリスク要因への影響が特定され、定性的な観点からそのタイミングについて５段階で評価
する。
分析の顕著な結論は、その影響は非常に低く、短期的（1年から3年）にはリスク・モデリングやリスク・カバ
レッジの計算の調整は必要ないということである。融資約定の評価においては、ESG要因がすでに考慮されている。
プロジェクト・レベルでは、OeKBグループは、デューデリジェンス・アセスメントに始まり、OeKB及びOeEBにおけ
る環境監査及び社会監査を含む気候関連リスクの特定、評価及び管理を行う。
中長期的（５年から15年）には、少なくともビジネスモデル、レピュテーション、（程度は限られるが）信用リ
スクに影響を与える可能性があるのは移行リスクである。これは、とりわけ、OeKBグループの特定の事業セグメン
トによるものである。これは、輸出産業と観光産業の振興のために、また開発政策融資を目的として、オーストリ
ア共和国の要請により、法的規制に基づいて運営されている。対策は、スポンサーとしてだけでなく、特にオース
トリア共和国の信用リスクに関わる広範な保証を通じて、持続可能性戦略（サステナビリティ債の発行など）に合
わせて、オーストリア共和国と緊密に協力して実施されている。
2022年には、様々なツールや手法も集中的に研究・評価された。これには、リスク管理におけるESG要因のさらな
る統合への重点及び気候リスクのヒートマッピングの手法の導入を含んだ。
OeKBグループはまた、2020年以降、TCFD（気候関連の財務開示に関するタスクフォース）の推奨事項の実施に向
けて主要なステップを踏んでおり、サステナビリティ報告書においてこれらのステップを説明する。これは、当社
の事業戦略のレジリエンスを高める目的である。全体として、OeKBは、オーストリア経済、よって経済の移行期に
あるOeKBグループの事業セグメントについて、高い潜在力があると見ている。
従って、ESG要因、とりわけ地球温暖化は、OeKBグループの継続事業に今のところ重大な影響を及ぼしておらず、
リスク引当金の決定を含め、財務書類の公正価値又は評価を修正する理由はない。
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注記39 連結の範囲
以下の表は、OeKBグループの連結財務書類に含まれる全ての会社を示す。親会社であるオーストリア輸出銀行に
加えて、以下の会社が完全に連結されている：オーストリア・エントヴィックルングスバンクAG、ウィーン、OeKB
CSD GmbH、ウィーン、及びオーストリア・ホテル・ウント・ツーリスムバンク・ゲゼルシャフトm.b.H.、ウィー
ン。
当グループの資産、財務又は収益状態に重要な影響を与えないため、４つの会社が連結されなかった（2021年
度：４社）。これら４つの会社を合わせた総資産は当グループの連結総資産の0.02％であり、当年度の利益総額は
当グループの当期連結利益の0.16％未満であった。OeKBが20％の株式を保有するAGCSガス・クリアリング・アン
ド・セトルメントAGは株式の帳簿価格では認識されなかった。なぜなら、その業績は「持分法投資損益の持分割合
（税引後）」の項目及び「持分法投資」の項目に大きな影響を与えないからである。この所有は、他のエネルギー
決済会社の株式持分と同じく、公正価値（比例的株式）でその他非連結会社への投資に含まれている。
連結又は原価で保有される会社の数
2022年12月31日 2021年12月31日
完全連結会社 3 3
持分法投資 2 2
非連結子会社への投資（公正価値で認識） 4 4
その他非連結会社への投資（公正価値で認識） 10 10
合計 19 19
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OeKBが完全所有又は一部所有する会社
銀行法分類 投資の種類 持分割合
金融機関／ セグメント 直接 間接
（％）
会社名及び登録事務所 その他 組織(1) 保有 保有
完全連結会社
オーストリア・エントヴィックルングスバンクAG、ウィーン 金融機関 E × 100.00
OeKB CSD GmbH、ウィーン
金融機関 C × 100.00
オーストリア・ホテル・ウント・ツーリスムバンク・ゲゼルシャフト
金融機関 T × 68.75
ｍ.b.H、ウィーン
持分法投資
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAG、ウィーン
その他 O × 51.00
アクレディア・フェアジヒャルングAG、ウィーン その他 O × 51.00
アクレディア・サービスGmbH、ウィーン その他 O × 51.00
CCPオーストリア・アプヴィクルングステル・フュア・ブーゼンゲシェフ
その他 C × 50.00
テGmbH、ウィーン
非連結子会社（その他包括利益において公正価値測定-OCI）
OeKBビジネス・サービスGmbH、ウィーン その他 O × 100.00
OeKBツェントラロイローパ・ホールディングGmbH、ウィーン その他 O × 100.00
インターナショナル・ツーリスム・インベストメント・サービスGmbH、
その他 T × 68.75
ウィーン
OeEBインパクトGmbH、ウィーン その他 E × 100.00
その他非連結会社への投資（その他包括利益において公正価値測定-OCI）
AGCSガス・クリアリング・アンド・セトルメントAG、ウィーン その他 C × 20.00
APCSパワー・クリアリング・アンド・セトルメントAG、ウィーン その他 C × 17.00
CISMOクリアリング・インテグレーテッド・サービス・アンド・マーケッ
その他 C × 18.50
ト・オペレーションズGmbH、ウィーン
OeMAGアプヴィクルングステル・フュア・エコシュトロムAG、ウィーン その他 C × 12.60
EXAAアプヴィクルングステル・フュア・エナジープロダクテAG、
その他 C × 8.06
ウィーン
ウィーン証券取引所、ウィーン その他 C × 6.60
アインラーゲンジヒャルンク・オーストリアGes.m.b.H.、ウィーン その他 O × 0.78
EDFIマネジメント・カンパニーS.A.、ベルギー その他 E × 10.00
ヨーロピアン・フィナンシング・パートナーズS.A.、ルクセンブルク その他 E × 7.63
インターアクト・クライメット・チェンジ・ファシリティS.A.、
その他 E × 7.69
ルクセンブルク
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会社名及び登録事務所 財務情報
公正価値による
直近の UGBに定義される UGB第224(3)条に 当期の OeKBグループの
財務書類の 貸借対照表合計 定義される株式 純利益 持分
報告日 （1,000ユーロ） （1,000ユーロ） （1,000ユーロ） （1,000ユーロ）
完全連結会社
オーストリア・エントヴィックルングスバンクAG、
2022.12.31 1,348,656 58,914 3,648
ウィーン
OeKB CSD GmbH、ウィーン
2022.12.31 43,569 34,760 7,680
オーストリア・ホテル・ウント・ツーリスムバンク・
2022.12.31 1,271,923 49,237 6,306
ゲゼルシャフトｍ.b.H、ウィーン
持分法投資
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメント
2022.12.31 94,259 92,690 9,066 61,471
AG、ウィーン
アクレディア・フェアジヒャルングAG、ウィーン 2022.12.31 154,696 93,860 13,613 47,869
アクレディア・サービスGmbH、ウィーン 2022.12.31 14,282 12,466 2,602 6,358
CCPオーストリア・アプヴィクルングステル・フュア・
2022.12.31 178,081 131,198 1,182 6,599
ブーゼンゲシェフテGmbH、ウィーン
非連結子会社（その他包括利益において公正価値測定-
OCI）
OeKBビジネス・サービスGmbH、ウィーン 2022.12.31 562 546 45 546
OeKBツェントラロイローパ・ホールディングGmbH、
2022.12.31 4,552 4,551 11 4,551
ウィーン
インターナショナル・ツーリスム・インベストメント・
2022.12.31 126 122 - 84
サービスGmbH、ウィーン
OeEBインパクトGmbH、ウィーン 2022.12.31 392 365 38 365
その他非連結会社への投資（その他包括利益において公正
価値測定-OCI）
AGCSガス・クリアリング・アンド・セトルメントAG、
2021.12.31 87,649 3,964 330 741
ウィーン
APCSパワー・クリアリング・アンド・セトルメントAG、
2021.12.31 95,466 3,557 488 575
ウィーン
CISMOクリアリング・インテグレーテッド・サービス・
アンド・マーケット・オペレーションズGmbH、
2021.12.31 4,906 3,292 2,492 557
ウィーン
OeMAGアプヴィクルングステル・フュア・エコシュトロ
2021.12.31 1,110,319 5,513 468 636
ムAG、ウィーン
EXAAアプヴィクルングステル・フュア・エナジープロダ
2021.12.31 4,205 2,168 (128) 132
クテAG、ウィーン
ウィーン証券取引所、ウィーン 2021.12.31 186,324 170,454 35,226 26,676
アインラーゲンジヒャルンク・オーストリア
2021.12.31 1,014 515 - 4
Ges.m.b.H.、ウィーン
EDFIマネジメント・カンパニーS.A.、ベルギー 2021.9.30 5,174 440 (29) 44
ヨーロピアン・フィナンシング・パートナーズS.A.、
2021.12.31 189,810 186 5 14
ルクセンブルク
インターアクト・クライメット・チェンジ・ファシリ
2021.12.31 208,609 195 8 15
ティS.A.、ルクセンブルク
注：(1)E=輸出業務、C=資本市場業務、O＝その他業務、T＝観光業務
子会社以外の投資の持分及び子会社の持分は取引所に上場されていない。
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注記40 非支配持分の子会社
以下の表は、オーストリア・ホテル・ウント・ツーリスムスバンク・ゲゼルシャフトm.b.H.についての重要な開
示を示す。同社はOeKBグループ内で、非支配持分により保有される株式（31.25％）を有する唯一の会社である。
観光業セグメント（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
純利息収入 7,921 10,834
税引前利益 9,279 14,193
当期純利益 6,986 10,718
税引後その他包括利益合計 222 6
当期包括利益合計 7,208 10,724
非支配持分に帰属する包括利益合計 2,253 3,351
流動資産 15,106 11,252
固定資産 1,271,379 1,223,539
流動負債 7,721 14,923
非流動負債 1,223,035 1,168,848
純資産 55,729 51,020
非支配持分に帰属する純資産 17,415 15,944
営業活動からの純キャッシュ 3,005 2,875
投資活動からの純キャッシュ (505) (378)
財務活動からの純キャッシュ (2,500) (2,500)
純キャッシュ 1 (3)
非支配持分への支払配当 (781) (781)
注記41 従業員に関する開示
当年度中、当グループには、フルタイム換算で平均471人（2021年度：478人）の従業員が雇用されていた。
注記42 役員の報酬及び貸付
以下の表は、執行取締役会及び監事会メンバーの総報酬に関する情報である。執行取締役会の報酬には、給与、
会社の成功に基づく変動部分、現物給付及び雇用関係終了後の確定拠出給付の支払を含んでいた。
執行取締役の報酬
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
当期の給付 (863) (766)
雇用関係の終了後に支払われる給付の費用
(131) (196)
（退職給付及び年金）
その他長期給付 (782) (755)
合計 (1,776) (1,717)
執行取締役会及び監事会の前メンバーの報酬
（単位：1,000ユーロ） 2022年 2021年
前執行取締役会メンバー (1,471) (1,493)
監事会メンバー (145) (156)
執行取締役会の現職メンバーは確定給付制度に基づく資格を有さなかった。
OeKBは株式ベース報酬を提供しなかった。
執行取締役会及び監事会のメンバーは、前年度と同じく、当年度中にOeKBグループから貸付も保証も受けていな
い。
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注記43 その他関係者取引
輸出業務及び資本市場業務の特別目的の金融機関として、EFSに基づく「ハウスバンク」として、及び証券の発行
者として行為するなど、OeKBはその株主との多数の取引に従事する。株主に加えて、OeKBグループはまた、当グ
ループが支配するが連結されていない会社及び持分法会計により連結財務書類に認識されている会社を関係者とし
て定義する（下表を参照のこと）。関係者とみなされる個人には、オーストリア輸出銀行の執行取締役会及び監事
会のメンバー（注記44を参照のこと）を含む。以下のすべての取引は、「独立企業」の条件で行われた。
銀行貸付の大半は、輸出金融スキーム（EFS）に関連するOeKBの株主との取引から生じる。注記１で説明した通
り、OeKBのウェブサイトに公表されている統一条件がEFSの全ての顧客に提供されている。EFSに基づく受取債権の
大半は、オーストリア共和国からの保証を特徴とし、残りは別の国又は保険会社からの保証を特徴とする。2022年
度の株主との信用取引により生み出された利息収入の割合は、22.7百万ユーロ、すなわち11.4％（2021年度：30.0
百万ユーロ、すなわち27.0％）であった。
その他金融資産はOeKBの株主が公募発行した債券である。その他非連結会社への投資による手数料収入は主にエ
ネルギー決済に関連する業務からもたらされた。
銀行からの預金は、観光業融資手段を借換えるためにOeKBの株主からÖHTに供与された貸付から成る。
オーストリア輸出銀行と完全連結子会社との間の取引は、連結の過程において除去されるため、連結財務書類に
開示されなかった。
以下の貸借対照表項目はOeKBグループの関係者との取引である。
関係者取引
2022年度 2021年度
2022年度 非連結子会社 2021年度 非連結子会社
OeKBグループ 及びその他持 2022年度 OeKBグループ 及びその他持 2021年度
株主 分への投資 持分法投資 株主 分への投資 持分法投資
銀行貸付 8,279,805 - - 8,592,315 - -
顧客貸付 7,949 - - 8,954 - -
資産 7,949 - - 8,954 - -
銀行からの預金 436,266 - - 485,684 - -
顧客からの預金 - - 118,500 - - 90,200
発行済み債務証券 1,790 - - 1,918 - -
負債及び資本 438,056 - 118,500 487,602 - 90,200
ローン約定、金融保証及びその
1,577,742 - - 1,764,090 - -
他約定の名目金額
損益計算書
利息収入 23,081 - 228 30,511 - 161
利息支払 11,711 - 373 18,937 - -
手数料収入 4,796 - 472 1,388 - 500
手数料支払 15 - 0 13 - -
その他非連結会社への投資
- - 5,062 781 - 7,915
からの当期収入
一般管理費 - - 72 - - 67
その他営業収支 1,367 - 2,007 1,373 - 1,704
プロセス評価の一環として、OeKBグループの関連会社及び関係者との関係を当会計年度中に詳細に分析し、表示
の実質的な関連性を高めるために、定義にさらなる詳細を追加した。比較可能性を確保するため、前年度の数値は
適宜調整された。
前年同様、執行取締役会又は監事会メンバーとの取引はなかった。
以下の表はOeKBの株主の構成を示す。
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2022年12月31日現在のオーストリア輸出銀行の所有構成
株主の名称 所有株式数 持株比率
CABETホールディングGmbH、ウィーン
（ユニクレディット・バンク・オーストリア・グループ） 217,800 24.750％
ユニクレディット・バンク・オーストリアAG、ウィーン 142,032 16.140％
エアステ・バンク・デア・ウステルライヒシェン・シュパーカッセン
AG、ウィーン 113,432 12.890％
シェーラーバンク・アクティエンゲゼルシャフト、ウィーン 72,688 8.260％
AVZ GmbH、ウィーン
72,600 8.250％
ライファイゼン・バンク・インターナショナルAG、ウィーン 71,456 8.120％
P.S.K. ベタイリグングスフェアバルトゥングGmbH、ウィーン
44,792 5.090％
ライファイゼンOeKBベタイリグングスゲゼルシャフトmbH、ウィーン 44,000 5.000％
オーバーバンクAG、リンツ 34,224 3.889％
ベタイリグングスホールディング5000GmbH、インスブルック 26,888 3.055％
BKSバンクAG、クラーゲンフルト 26,888 3.055％
フォルクスバンク・ウィーンAG、ウィーン 13,200 1.500％
株式合計 880,000 100.000％
注記44 執行取締役会、監事会メンバー及び当局担当官
執行取締役会メンバー
任期
氏名 開始 満了
2016年８月１日 2028年７月31日
Helmut Bernkopf
2014年１月１日 2023年12月31日
Angelika Sommer-Hemetsberger
監事会メンバー
任期
職位 氏名
開始 満了
Robert Zadrazil
監事会議長 2009年５月19日 2026年AGM
Peter Lennkh
監事会第一副議長 2027年AGM
2017年５月18日
Alexandra Habeler-Drabek
監事会第二副議長 2022年９月28日 2027年AGM
Sabine Abfalter
メンバー 2022年５月25日 2027年AGM
Veronika Bernklau
メンバー 2021年５月20日 2024年AGM
Sigrid Burkowski
メンバー 2022年５月25日 2023年AGM
Mary-Ann Hayes
メンバー 2019年５月29日 2024年AGM
Dieter Hengl
メンバー 2011年５月25日 2026年AGM
Herbert Pichler
メンバー 2020年５月27日 2025年AGM
Friedrich Spandl
メンバー 2021年５月20日 2026年AGM
Herta Stockbauer
メンバー 2014年５月21日 2024年AGM
Herbert Tempsch
メンバー 2013年５月29日 2023年AGM
Hans Unterdorfer
メンバー 2022年９月28日 2025年AGM
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オーストリア輸出銀行(E06016)
有価証券報告書
Robert Wieselmayer
メンバー 2016年５月19日 2026年AGM
Janine Wukovits
メンバー 2022年５月25日 2027年AGM
Johann Strobl
監事会第一副議長 2020年５月27日 2022年５月25日
Willibald Cernko
監事会第二副議長 2019年５月29日 2022年７月31日
Ingo Bleier
メンバー 2019年５月29日 2022年９月28日
Gerda Holzinger-Burgstaller
メンバー 2021年５月20日 2022年５月25日
Susanne Wendler
メンバー 2017年５月18日 2022年５月25日
AGM = 年次株主総会
従業員代表
任期
職位 氏名
開始 満了
Martin Krull
従業員協議会会長 2002年３月14日 2023年３月13日
Erna Scheriau
副会長 2001年４月１日 2023年３月13日
Elisabeth Halys
メンバー 2013年７月１日 2023年３月13日
Melanie Kucera
メンバー 2023年１月１日 2023年３月13日
Christoph Seper
メンバー 2014年３月14日 2023年３月13日
Markus Tichy
メンバー 2011年７月１日 2023年３月13日
Evelyn Ulrich-Hell
メンバー 2021年２月８日 2023年３月13日
Ulrike Ritthaler
メンバー 2014年３月14日 2022年12月31日
監査委員会
職位 氏名
Sabine Abfalter
委員長(2022年５月25日から)
Robert Wieselmayer
メンバー
Martin Krull
メンバー
Johann Strobl
委員長(2022年５月25日まで)
ワーキング委員会
職位 氏名
Robert Zadrazil
委員長
Peter Lennkh
メンバー(2022年５月25日から)
Martin Krull
メンバー
Johann Strobl
メンバー(2022年５月25日まで)
報酬委員会
職位 氏名
Robert Zadrazil
委員長
Alexandra Habeler-Drabek
メンバー(2022年９月28日から)
Peter Lennkh
メンバー(2022年５月25日から)
Martin Krull
メンバー
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Erna Scheriau
メンバー
Willibald Cernko
メンバー(2022年７月31日まで)
Johann Strobl
メンバー(2022年５月25日まで)
リスク委員会
職位 氏名
Herta Stockbauer
委員長
Robert Zadrazil
メンバー
Erna Scheriau
メンバー
指名委員会
職位 氏名
Robert Zadrazil
委員長
Peter Lennkh
メンバー(2022年５月25日から)
Martin Krull
メンバー
Johann Strobl
メンバー(2022年５月25日まで)
政府査察官
役職 氏名 就任日
Harald Waiglein
政府査察官 2012年７月１日
Johann Kinast
政府副査察官 2006年３月１日
オーストリア銀行法第76条に基づく政府査察官はまた、輸出金融保証法第６条に基づいて指名される連邦大蔵
大臣の代理でもある。
政府査察官
役職 氏名 就任日
Beate Schaffer
査察官 2013年11月１日
Karl Flatz
副査察官 2017年12月１日
定款第27条（見返資金の管理）に基づく政府査察官。
注記45 法的リスク
報告書日付現在、OeKBグループの資産、財政状態及び利益状態に悪影響を与えるような法的リスクは存在しな
かった。
注記46 貸借対照表日後の事象
貸借対照表日後に報告が必要な事象はなかった。
注記47 公表の承認日
本財務書類は2023年３月27日付で、承認のために監事会に提出される。規則（EU）第575/2013の第８部に従った
追加の開示（Disclosure Report、ドイツ語のみ）は、OeKBのウェブサイト（www.oekb.at）において提供される。
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(1)
② 長期債務の明細
2022年12月31日現在の残高
（償還プレミアムを含む） 最終償還年
（単位：1,000ユーロ）
(ⅰ）自己発行債券及び輸出金融関連のその他負債（利息を除く）
自己発行債券
1.75％－3.25％ スイス・フラン建債券 2,178,328 2036
0.247％－4.625％ 米ドル建債券 11,939,809 2027
0.50％－5.75％ 英ポンド建債券 2,091,484 2028
0.00％－2.316％ ユーロ建債券 12,500,000 2028
3.20％－3.50％ 豪ドル建債券 573,504 2032
1.58％ 香港ドル建債券 48,098 2027
3.08％ 中国人民元建債券 40,770 2024
1.337％－1.824％ ノルウェー・クローネ建債券 332,896 2026
1.60％ ハンガリー・フォリント建債券 39,913 2024
89,914
1.37％ スウェーデン・クローネ建債券 2028
小計
29,834,716
その他負債
国内借入 27,976 2024
0
海外借入 －
自己発行債券及びその他負債小計
27,976
0
(ⅱ）その他負債（信託代理業務を含む） －
当銀行の長期債務合計
29,862,692
注(1）長期債務とは調達時からの期限が１年以上のものである。
(1)
③ 輸出金融関連長期債務の今後５年間の支払予定額
次の表は、当銀行の輸出金融関連の長期債務に対する2023年から2028年及びそれ以降の元本支払予定額を示し
たものである。
（単位：百万ユーロ）
2028年及び
2023年 2024年 2025年 2026年 2027年
それ以降
元本支払額 8,666 6,019 8,057 2,751 2,123 2,219
注(1）共和国は、当銀行の外国通貨借入について、調達時の為替レートで換算した元本及び利息のユーロ表示額
を上回る額の支払いをする必要がない旨保証する権限を有する。従って上記支払予定額は外国通貨建借入
の各通貨別表示を行わない。
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（６）【その他】
① 債務不履行の有無
当銀行は、1946年に設立されて以来、当銀行のすべての国内及び外国債務について元本及び利息を支払期日に支
払ってきた。
② 訴訟
当銀行にとって重要とは考えられない金額にかかわる通常の訴訟（及びその他の争訟）以外には、当銀行が当事
者となっている係争中の訴訟はない。
（７）【オーストリア共和国の概況】
① 概要
オーストリア共和国は、ヨーロッパ中部に位置し、西はスイス及びリヒテンシュタイン、北はドイツ連邦共和
国、チェコ共和国及びスロバキア共和国、東はハンガリー、南はスロベニア及びイタリアに接している。
オーストリアの国土の面積は83,859平方キロメートルで、北海道よりやや大きい。オーストリアの西部及び南部
地域はオーストリア・アルプスが連なる山岳地帯で、森林に深くおおわれている。共和国の東部及びオーストリア
を350キロメートルにわたって流れるドナウ河流域には肥沃な平野部がある。オーストリアの最高峰はグロースグ
ロックナー山で、海抜3,797メートルである。
2023年１月１日現在のオーストリアの人口は、オーストリア統計局によると、約910万4,772人であった。2013年
から2023年にかけて、オーストリアの人口は7.7％の増加をみた。2023年の首都ウィーンの人口は約198万人であっ
た。
オーストリアの現在の国境は、1919年のサンジェルマン条約によって決められた。第二次世界大戦後のオースト
リアの占領は、1955年の独立、民主オーストリア再建のための国家条約によって終結した。この条約は核兵器を含
む特定の軍用兵器の共和国による製造及び保有を制限している。その後オーストリア議会は、オーストリアの永世
中立を宣言するとともにいかなる軍事同盟をも結ばず、自国領土にいかなる国の軍事基地も認めないとする連邦憲
法（下記「④ 外交関係」の項参照）を採択した。
② 政治体制
1920年に制定され、1929年に改正されたオーストリア連邦憲法のもとで、オーストリアは民主的な連邦共和国で
あり、立法権及び行政権は、連邦政府と連邦を構成する９つの州に分与されている。
連邦政府の立法権は、下院（Nationalrat、国民議会）と上院（Bundesrat、連邦議会）からなる両院制議会に付
与されている。下院議員は、比例代表制に基づく直接、秘密、普通選挙により５年の任期で選出される。かかる５
年間の任期満了前においても、下院は、院自体の決議により解散し、又は連邦大統領により解散させられることが
ある。現在の下院議員は2019年９月29日に選出された。
上院議員は、各州の人口に比例して、州議会議員又は州議会議員の被選挙資格を有する他の市民の中から州議会
により定期的に選出される。
連邦政府の行政権は、連邦大統領、首相及び内閣に付与されている。連邦大統領の任期は６年で、直接、秘密、
普通選挙により選出される。アレクサンダー・ファン・デア・ベレン氏が2016年12月４日付で連邦大統領に選出さ
れ、2017年１月26日付で大統領に就任した。連邦大統領の主な憲法上の権限は、首相及び閣僚の任命並びに下院の
解散である。現在の内閣は、オーストリア国民党とオーストリア緑の党の連立で2020年１月７日に成立し、オース
トリア国民党のカール・ネーハマー氏が首相、オーストリア緑党のヴェルナー・コグラー氏が副首相として率いて
いる。
次の表は、直近の選挙後の下院議員及び現在の上院議員の政党別内訳である。
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下院 下院 下院 下院 上院
2023年５月以
2008年選挙 2013年選挙 2017年選挙 2019年選挙 降の構成
オーストリア国民党
51 47 62 71 25
オーストリア社会民主党 57 52 52 40 18
オーストリア自由党 34 40 51 30 11
オーストリア緑の党 20 24 - 26 6
新しいオーストリア及びリベラ
ル・フォーラム（NEOS） - 9 10 15 1
ペーター・ピルツ・リスト - - 8 - -
チーム・フランク・シュトロナ
ハ - 11 - - -
オーストリア未来同盟 21 - - - -
- - - 1 -
無所属
合計
183 183 183 183 61
資料出所：オーストリア議会発表のデータ
③ 司法制度
司法権は連邦裁判所に属している。普通裁判所は、民事及び刑事事件の双方を審理するが、民事事件については
控訴裁判所、さらには最高裁判所に上訴することができ、また刑事事件については、減刑の申立ては控訴裁判所
に、法令の適用の誤謬に対する申立ては最高裁判所に、それぞれ上訴することができる。
共和国及び州の行政行為にかかわる最終審としての裁判権は上記とは別に設けられた最高裁判所に属しており、
違法な行政行為により影響を被った者による申立てにつき、同裁判所は独立の裁判官により上訴を審理する。
下院が制定した法律及び国際条約の合憲性、選挙の合憲性、連邦及び州政府の一般的に適用がある法令の適法
性、並びに共和国もしくは州の行政行為による憲法上の基本的市民権の侵害の申立てを審理するために、さらに第
３の最高裁判所が設けられている。この裁判所は、また、連邦憲法に定める共和国又は州の公務員に対する弾劾事
件の裁判を行う。
④ 外交関係
オーストリアの外交政策の主たる目的は、自国の独立を堅持し、強化することにある。オーストリアは、ヨー
ロッパの緊張緩和をはかり、かつ地理的、歴史的、政治的環境を考慮した積極的外交政策こそがこれを達成する最
善の方策と考えている。かかる外交政策の基盤は、1955年10月26日ウィーンの議会で可決されたオーストリアの中
立に関する連邦憲法によって確立されている。
オーストリア政府は、中立政策をオーストリアの独立を維持する手段と考えており、同時に国際社会における平
和維持の安定要素とも考えている。オーストリアの政策は、個人のよりよき幸福を追求するものであり、その最も
重要な目的の中に人道主義が含まれている。
ウィーンは、国際会議の開催地として認められており、数多くの国連会議、SALT（戦略兵器制限交渉）会議など
の開催地として利用されてきた。特に、国際原子力機関（IAEA）、国連工業開発機構（UNIDO）、石油輸出国機構
（OPEC）の本部はウィーンに所在する。
オーストリアは国連加盟国であり、すべての国連関連機関に加盟している。オーストリアは、国際通貨基金
（IMF）、国際復興開発銀行（IBRD）、国際金融公社（IFC）、国際開発協会、アジア開発銀行、アジア開発基金、
米州開発銀行、特別運営基金、経済協力開発機構（OECD）、国連貿易開発会議（UNCTAD）、シェンゲン協定、欧州
評議会、国際エネルギー協会、国際農業開発基金、アフリカ開発基金、アフリカ開発銀行及び欧州復興開発銀行
（EBRD）の加盟国である。オーストリアは、関税及び貿易に関する一般協定（GATT）の締結国である。オーストリ
アは1993年12月に終了したウルグアイ・ラウンドにも積極的に参加した。オーストリアは世界貿易機関（WTO）の
設立国の１つである。
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1994年６月12日、オーストリアの有権者は３分の２以上の賛成をもって欧州連合（EU）への加盟を承認した。
オーストリアは、1995年１月１日付でEUに加盟したが、引続き他のEU加盟国と同じく欧州経済地域（EEA）に加盟
している。EFTAへの加盟は両立しなくなった。
国際連合
平和維持活動への参加によって、オーストリアは国際平和及び安全保障を維持する国連の努力に大きく貢献して
いる。オーストリアは1960年に初めて国連コンゴ活動（ONUC）のために医療部隊を派遣して国連主導の活動に参加
した。その時以来、オーストリアは10万人を超える兵士、軍事監視要員、文民警察及び軍隊並びに民間専門家を世
界各地の100以上の平和維持活動及び人道的活動に派遣した。
2023年４月には、オーストリア兵士771名が、国連安全保障理事会で認められた平和維持活動に従事していた。
これには、キプロス（UNFICYP）、レバノン（UNIFIL）、西部サハラ（MINURSO）、マリ（MINUSMA）及び中東
（UNTSO）における国連主導活動、コソボ（KFOR）におけるNATO軍主導活動、ボスニア（EUFOR-Althea）、ジョー
ジア（EUMM）、マリ（EUTM）及び地中海（EUNAVFOR Med）におけるEU主導活動並びにOSCE（欧州安全保障協力機
構）主導のモルドバ派遣が含まれる。
平和維持及び紛争予防に加えて、国連の枠内でのオーストリアの協力は第一に人権、武力紛争における市民（特
に女性及び子供）の保護、法の支配並びに国際法のさらなる発展、軍備縮小、不拡散及び環境問題に焦点を合わせ
る。
次の表は、表示日現在のオーストリアが加盟している主要な国際金融機関の情報を示す。
下記日付
機関名 加盟年月日 出資割当額 割当比率 払込出資額
現在の情報
（％）
国際復興開発銀行
1948年８月27日 2,188,700,000米ドル 0.71 157,400,000米ドル 2022年６月30日
（ＩＢＲＤ）
国際通貨基金
(1) (1)
1948年８月27日 0.83 2022年７月31日
3,932,000,000SDR 3,932,000,000SDR
（ＩＭＦ）
国際金融公社
1956年９月28日 171,867,000米ドル 0.79 171,867,000米ドル 2022年６月30日
（ＩＦＣ）
国際開発協会
1961年６月28日 4,076,830,000米ドル 1.41 4,076,830,000米ドル 2022年６月30日
（ＩＤＡ）
アジア開発銀行
1966年９月29日 480,700,000米ドル 0.34 24,000,000米ドル 2022年12月31日
（ＡＤＢ）
米州開発銀行
1977年10月１日 284,200,000米ドル 0.16 20,800,000米ドル 2022年12月31日
（ＩＡＤＢ）
米州投資公社
1986年５月９日 13,033,000米ドル 0.54 13,033,000米ドル 2022年12月31日
（ＩＩＣ）
国際農業開発銀行
1977年12月12日 126,972,000米ドル 1.40 126,972,000米ドル 2021年12月31日
（ＩＦＡＤ）
アフリカ開発基金
(1) (1)
1981年12月30日 1.98 2022年12月31日
673,349,000SDR 673,349,000SDR
（ＡｆＤＦ）
アフリカ開発銀行
(1) (1)
1983年３月30日 0.44 2022年12月31日
637,146,000SDR 29,486,000SDR
（ＡＦＤＢ）
欧州復興開発銀行
1991年３月28日 684,320,000ユーロ 2.30 142,730,000ユーロ 2022年12月31日
（ＥＢＲＤ）
欧州投資銀行
1995年１月１日 6,428,994,000ユーロ 2.58 573,418,000ユーロ 2021年12月31日
（ＥＩＢ）
多国間投資保証機構
1997年12月16日 14,780,000米ドル 0.77 2,806,000米ドル 2022年６月30日
（ＭＩＧＡ）
地球環境ファシリティー
(1) (1)
1991年８月２日 1.59 2022年６月30日
320,100,000SDR 320,100,000SDR
（ＧＥＦ）
アジアインフラ投資銀行
2015年12月25日
500,800,000米ドル 0.52 100,200,000米ドル 2022年12月31日
（AIIB）
注(1）SDR計算単位。2022年12月31日現在１SDR＝1.25291ユーロ。2022年６月30日現在１SDR＝1.27831ユーロ。2022年７
月31日現在１SDR＝1.29790ユーロ。
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⑤ 経済
ａ）概要
オーストリア経済は高度に発達し、多様化している。製造業、鉱業、建設業、エネルギー産業及び水道事業を
含む工業は、2022年の粗付加価値（時価表示）の29.2％を占めていた。サービス部門が2022年のGDPの69.3％を
占めたが、農林業は粗付加価値の1.5％の生産であった。
ｂ）経済における政府の役割
1946年に制定された第１次国有化法の下で、共和国経済における（当時の）３大商業銀行と主要企業の所有権
は共和国管轄になった。石炭、鉄鉱石、鉄鋼産業のすべて、並びに非鉄金属及び原油・天然ガス産業の大部分、
さらに多数の機械・運輸・電気機器・化学・化学製品製造会社が、国有化された。国有産業における共和国の所
有権管理は、オーストリア産業持株会社（「ÖIAG」）に帰属し、ÖIAGの株式は共和国により保有されていた。
1993年、ÖIAGはその所有する企業又は企業グループの民営化を開始した。その後ÖIAGは、証券取引所への株式
上場の成功を含め、多数の民営化取引を遂行した。2015年３月、ÖIAGは、有限責任会社に転換され、オーストリ
ア・ブンデス・ウント・インダストリベタイリグンゲンGmbH（Österreichische Bundes- und
Industriebeteiligungen GmbH、「ÖBIB」)と改称された。2019年２月20日より、ÖBIBは合資会社に転換され、社
名をオーストリア・ベタイリグングスAG（「ÖBAG」）に変更した。ÖBAGはオーストリア共和国により全額出資さ
れている。
ÖBAGは上場会社３社の持分を保有する：OMV AG（31.50％）、テレコム・オーストリアAG（28.42％）及びオー
ストリア・ポストAG（52.85％）。これらの保有について、
・OMV AGは石油及びガスの探査、開発及び精錬並びに肥料産業で使用する化学製品の生産に従事する。
・テレコム・オーストリアAGはオーストリア最大の電気通信グループであり、固定ネットワーク、携帯通信、
データ通信及びインターネット・サービスを提供する。
・オーストリア・ポストAGは主要な郵便配達サービス業者である。
さらに、ÖBAGはカジノ・オーストリアAG（33.24％）及びAPKペンシオンカッセAG（32.97％）の株式を所有
し、ブンデスイモビリエンゲゼルシャフトm.b.H（BIG）、GKBベルクバウGmbH、IMIBイモビリエン・ウント・イ
ンダストリベタイリグンゲンGmbH及びシューラー・ベレックマンGmbHの単独所有者である。ÖBAGはまた、オース
トリア最大の電力会社であり、オーストリア共和国が所有する、フェアブントAGの51.00％の株式も管理する。
1947年に制定された第２次国有化法により、電力事業が公的機関の支配下に入り、公益電力事業の調整・拡張
を計画する国有のオーストリア電力統合会社（フェアブントゲゼルシャフト、「フェアブント」）が設立され
た。1988年には、政府はオーストリア電力統合会社の株式資本の49％を民有化した。
フェアブントはヨーロッパ有数の水力発電会社である。2022年、フェアブントの発電量の92％超が気候に優し
い、再生可能な水力から得られていた。発電に関連して、水力は多くの長所を持つ：再生可能、クリーン、信頼
に足り、かつ柔軟である。水力はまた再生可能エネルギーの中で最も費用効率の良い形態の発電の１つであり、
フェアブントの強固な水力発電基盤は同業他社と比較して競争上絶対的な強みである。
2022年、フェアブントの水力による電力は、93の流れ込み式水力発電所及び23の揚水発電所からのものであっ
た。フェアブントはまた、Ennskraftwerke AG が所有する14の流れ込み式水力発電所の購入権も保有していた。
2022年12月31日現在、水力発電の最大発電能力（持続運転による最大能力）は8,417MWであった。エネルギー能
力の中央値（これまでの水量に基づき計算された水力発電所の平均潜在発電量）は、29,334GWhであった。
さらに、フェアブントはまた、その発電ポートフォリオを多様化するために新たに風力及び太陽光発電プロ
ジェクトを推し進めている。オーストリアの長期目標は、2030年までにオーストリアの全発電量の約20％から
25％を占める予定の欧州における陸上の風力及び太陽光ポートフォリオの構築である。2022年、フェアブントの
発電量の３％超が風力及び太陽光発電から得られていた。
フェアブントは、その電力をオーストリア国内及び国外の消費者、卸売業者及びトレーダーに販売する。2022
年、フェアブントが販売した電力の約48％はオーストリア市場向けであった。ドイツ市場が国際的な取引及び販
売活動の中心であり、海外で販売される量全体の84％を占めた。
フェアブントは、子会社であるオーストリア電力送電網AG(「APG」)とともに、3,433キロメートルの長さの
オーストリアの高圧送電網を運営する。オーストリアの高圧送電網は欧州において重要な役割を果たす。オース
トリアの高圧送電網はヨーロッパの最も重要な電力ハブの１つであり、西欧市場と東欧市場及び北欧市場と南欧
市場を接続する。APGは、EUが要求する、送電からの発電、取引及び販売の分離を完了して、2012年３月に独立
送電システム運営業者としてE-コントロール・オーストリアにより認められた。
2021年５月31日付で、フェアブントは独立系送電網運営会社であるガス・コネクト・オーストリア（Gas
Connect Austria（GCA））の51％の株式を取得した。GCAは、オーストリアのガス送配パイプラインの運営会社
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であり、これによりオーストリアや中央ヨーロッパのエネルギー供給の中核的役割を担っている。GCAは、バウ
ムガルテン・ハブを起点に、ドイツ、スロバキア、スロベニア、ハンガリー並びに国内の貯蔵及び生産施設との
接 続による最新鋭で強力な高圧ネットワークを運営している。約900キロメートルの長さのパイプラインに沿
い、５つのコンプレッサーステーション、56の計測及び転送ステーションがある。中核となる業務は、国内供給
及び国境地点での輸送能力のマーケティングである。GCAは、Trans Austria Gasleitung (TAG) GmbHと共に、バ
ウムガルテン・アン・デア・マルヒにある輸入及び流通ステーションを運営しており、ここを通じて年間約400
億立方メートルのガスが流通する。
2022年、フェアブントの収益は103億4,610万ユーロ、営業利益は26億2,620万ユーロ、グループ純利益は17億
1,700万ユーロであり、3,516人を雇用していた。
オーストリア連邦鉄道（Österreichische Bundesbahnen）は、国有企業であり、実質的にはオーストリアのす
べての鉄道、並びにバス、船舶及びケーブルカーを運営している。国有のオーストリア・ラジオ放送
（Österreichische Rundfunk）は、同国のラジオ及びテレビ放送網を運営しており、独立した監督機関により管
理されている。
国有企業はすべて、独立した商業ベースの企業として運営されており、税の軽減による優遇は受けていない。
国有企業の業績は、共和国に配当が支払われる場合に限り、共和国の歳入・歳出に反映される。
ｃ）海外直接投資
海外直接対内投資額は、2021年の12.1％増加の後、2022年は1.7％の増加であった。海外直接対内投資はその
大部分がEU加盟国27か国（50％）からであったが、この割合は過去10年間（2010年：62.7％）で低下してきてい
る。2022年のEU最大の投資国は、ドイツ（29.6％）及びイタリア（5.6％）であった。すべての欧州諸国を合計
すると、海外直接対内投資の76.8％を占めた。EU以外の欧州諸国でオーストリアへの最も重要な投資国はロシア
（12.9％）及びスイス（7.8％）であった。海外では、米国（6.8％）及びカナダ（2.2％）がオーストリアに対
する最も重要な投資国であり、またアラブ首長国連邦、日本及び香港はそれぞれ4.6％、2.0％及び0.8％のシェ
アを占めた。
部門ごとを見ると、サービス部門への投資は、2022年の海外直接対内投資の89.7％を占め、製造業部門への海
外直接対内投資よりはるかに大きかった。外国投資家は、主に専門的・科学的及び技術的サービス（52.3％）、
金融仲介業（14％）並びに貿易（10.7％）に投資を行ってきた。外国企業が大きな持分を取得した重要な製造業
は、化学工業（2022年の海外直接投資総額の2.9％を占めた。）、コンピュータ、電子的及び光学製品製造
（1.3％）及び機械設備製造（2022年の海外直接投資総額の1.7％）であった。対内海外直接投資の成長は、管理
及び支援サービス（プラス72.9％）、輸送機器製造（プラス31.2％）並びに機械設備（プラス25.2％）の分野で
最も勢いがあった。管理及び支援サービス（プラス72.9％）並びに専門的・科学的及び技術的サービス（プラス
4.4％）が全体としてプラス1.7％となった2022年の海外直接投資の増加の最大の要因であった。
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ｄ）国内総生産
次の表は、2018年から2022年までのオーストリアの主要部門別国内総生産（「GDP」）を示す。2022年のGDP
（時価表示）は合計4,477億ユーロであり、2021年比10.2％の増加となっている。2022年に実質GDP（基準年：
2015年）は合計3,834億ユーロで、2021年比５％の増加であった。2022年のGDPの増加は、国内需要及び輸出の双
方の回復がその要因であった。
(1)
国内総生産
2022年の
粗付加価
値合計に
占める割
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 合（％）
（単位：10億ユーロ、時価表示）
農林漁業 4.4 4.2 4.1 4.9 5.9 1.5
工業：
鉱業及び採石業、製造業 66.0 66.9 63.4 68.3 71.3 17.8
電気、ガス及び水道、廃棄物処
9.4 9.8 10.6 10.3 14.5 3.6
理
22.3 23.3 24.2 26.3 31.4 7.8
建設業
工業合計
97.7 100.0 98.2 104.9 117.2 29.2
サービス業：
卸売及び小売 41.1 41.4 38.9 43.8 49.2 12.3
運輸及び倉庫 19.0 19.4 17.7 18.2 21.1 5.3
ホテル及びレストラン 18.1 18.7 13.0 12.5 18.8 4.7
情報及び通信 12.7 13.5 13.3 13.9 14.7 3.7
金融及び保険業 14.2 15.0 14.5 15.6 16.5 4.1
不動産業 34.1 35.0 36.2 36.7 38.1 9.5
その他ビジネス・サービス 33.8 35.7 34.0 36.5 40.2 10.0
(2)
59.7 62.0 63.4 67.3 69.5 17.3
行政
9.6 10.1 8.6 8.9 10.0 2.5
その他サービス業
サービス業合計
242.2 250.7 239.6 253.5 278.0 69.3
344.3 354.9 340.0 363.3 401.1 100.0
粗付加価値合計
税（製品補助金控除） 41.0 42.2 39.0 42.8 46.6
国内総生産金額 385.4 397.2 381.0 406.1 447.7
(3)
367.8 373.3 349.2 365.2 383.4
量
対前年度比国内総生産変動率
金額 +4.3％ +3.1％ -4.1％ +6.6％ +10.2％
(3)
+2.5％ +1.5％ -6.5％ +4.6％ +5.0％
量
資料出所：オーストリア統計局、WDS-WIFO（オーストリア経済調査研究所）データシステム、Macrobond
注(1）欧州国民経済計算体系（ESA）2010年基準。四捨五入のため合計は必ずしも一致しない。
(2）防衛、社会保障、教育、健康及び社会福祉事業を含む。
(3）2015年を基準年とする。
これらのGDPの結果は、2014年9月に法的拘束力を持つようになった、2010年版欧州国民経済計算体系
（「ESA2010」）に基づいている。ESA2010は、欧州連合の全ての加盟国（「EU加盟国」）について、データを国
際水準で比較可能とするために、国民経済計算の編集にどの概念、定義及び計算規則を適用されなければならな
いかを定める。
国内支出
次の表は、2018年から2022年までの各年につき、国内支出向け財貨及びサービスの合計並びにそれらに対する
支出合計を時価表示で示したものである。
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(1)
国内支出
2022年国内
総生産に占
める割合
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 （％）
（単位：10億ユーロ、時価表示）
国内総生産 385.3 397.2 381.0 406.1 447.7 100.0
202.1 207.0 185.2 224.7 265.6 59.3
加算：輸入
総需要
587.4 604.2 566.3 630.8 713.3 159.3
213.7 221.5 196.7 227.0 272.1 60.8
控除：輸出
国内需要合計 373.7 382.8 369.6 403.8 441.2 98.6
国内支出：
消費支出：
(2)
200.1 204.7 191.2 202.5 226.9 50.7
家計
74.5 77.3 80.3 88.1 91.8 20.5
一般政府
最終消費支出
274.6 282.0 271.4 290.6 318.7 71.2
投資：
(3)
30.4 31.3 28.5 33.5 33.9 7.6
機械、設備
建設 42.5 45.3 44.9 50.6 56.0 12.5
(4)
19.9 22.3 21.9 23.5 25.2 5.6
その他投資
総固定資本形成
92.8 98.9 95.3 107.5 115.2 25.7
(5)
6.3 1.7 2.4 5.3 7.5 1.7
在庫変動
総資本形成 99.1 100.7 97.7 112.8 122.6 27.4
総計誤差
0.0 0.0 0.4 0.3 -0.1 0.0
373.7 382.8 369.6 403.8 441.2 98.6
国内総最終支出
注(1）ESA2010年基準。四捨五入のため合計は必ずしも一致しない。
(2）家計に関する非営利団体を含む。
(3）武器を含む。
(4）知的財産製品及び培養生物製剤資源を含む。
(5）処分価値を差引いた取得分を含む。
ｅ）産業構造及び主要産業の状況
2022年に、オーストリア経済において工業部門は時価による粗付加価値の29.2％、サービス業部門は69.3％を
占めた。同年、農林業部門は1.5％を占めた。
農林業
オーストリアの国土の約半分は、農業と牧畜に使用されている。国内農産物は、国内で消費される全食糧のお
よそ90％を賄っている。2022年、家畜生産量（例えば、牧畜及び酪農）は、農業総生産の約40.9％を占めた。
オーストリアは、ヨーロッパにおける大森林地帯の１つを有する。その国土の約44％、すなわち約14,200平方
マイルが森林である。紙、板紙、パルプを含む木材及び林産物の輸出は、2022年のオーストリアの輸出額の
6.4％を占めた。
2022年には、平均15万7,000人（推計）が農林業に従事していたが、これはオーストリア全労働力人口の3.8％
に当たる(フルタイム換算で測定)。
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工業
製造業は2022年の時価で粗付加価値の17.4％を占めた。これは前年の割合より1.1パーセンテージポイント低
下した。この減少の主な理由は、ウクライナにおける戦争とそれに続くエネルギー危機の影響であり、オースト
リア内でのエネルギー多消費型の商品生産に特に負担がかかっている。オーストリアの粗付加価値に占める製造
業の割合はEU加盟国の平均（16.6％）より高い。EU（27か国）の製造業生産高に占めるオーストリアの割合は、
2022年に３％であり、2012年から2021年で、3.1％と安定していた。雇用者１人当たりの粗付加価値はここ数年
間、EU27か国内で７番目に高かった。
GDPへの貢献の面からは、2021年の製造業の中では依然として機械及び設備が最大の部門であり、金属及び金
属製品がそれに続いた。オーストリアの輸出産業に貢献した主要な部門は、自動車産業、機械産業及び化学産業
である。オーストリアの製造業における輸出の強さは際だっている。2022年、輸出の約19.8％がヨーロッパ以外
（主としてアメリカ及びアジア）の諸国向けであったが、EU27か国が依然としてオーストリアの主たる輸出先で
あり、およそ68.6％を占めた。2022年のGDPの3.21％に達する研究開発支出は、EUの平均レベル以上であった。
2022年には、平均636,980人の現役の雇用者が製造業の一部であり、他方289,259人が建設業に従事していて、
それぞれオーストリアの賃金・給与所得者の16.6％及び7.5％を占めた。建設業は、2022年の粗付加価値の7.8％
を占めた。
観光業
オーストリアの観光業は、夏冬シーズン共に観光客のピークを持つ数多くの通年の目的地から利益を享受して
いる。多数の海外からの観光客に加えて国内観光客も多数、オーストリアの多面的な自然及び景観の美しさ並び
に文化的魅力の豊かな伝統に魅了されている。
オーストリアでは、COVID-19のパンデミックの影響を受け、2021年の宿泊数が2019年対比で合計47.9％縮小し
た後、2022年には観光需要が回復し（対前年比プラス72.1％）、2019年のピーク（１億5,270万泊）にはまだ
10.3％及ばないが、既に１億3,690万泊に達した。旅行制限及びその他パンデミック対策が徐々に解除された結
果、国内観光（プラス31.4％の3,890万泊、2019年比では2022年はマイナス2.7％）のみならず、2022年の海外宿
泊（プラス96.2％の9,800万泊、2019年比ではマイナス13.1％）においても明確な増加傾向が見られ、それによ
り総需要に占める海外市場の割合はほぼパンデミック前のレベル（71.6％、2019年は73.8％）に戻った。
オーストリアの外国人旅行者のうち、わずか６か国から成る中核市場が、2022年の宿泊需要全体の４分の３
（74.5％）を占め、その全てがヨーロッパの国であり、最も重要なのはドイツ（54.5％）、次いでオランダ
（10.2％）、スイス（3.8％）、チェコ（3.1％）並びにベルギーとルクセンブルク（2.9％）の順となってい
る。2019年と比較して、ポーランド（マイナス1.8％）、ベルギーとルクセンブルク（マイナス2,1％）、オラン
ダ（マイナス3.6％）及びドイツ（マイナス5.8％）からの需要は国際平均（2022年に少なくとも100万泊する出
発国市場）よりもプラスに発展し、従って海外需要合計における市場シェアを、0.2パーセンテージポイント
（ポーランド）から4.2パーセンテージポイント（ドイツ）増加させた。アジアにおいては厳しいパンデミック
対策が続いているため、2022年はオーストリアを訪れる長距離旅行者はまだほとんどいなかった（2019年比の
2022年の宿泊数：中国：マイナス92.9％、台湾：マイナス89.7％、ロシア：マイナス87.9％、日本：マイナス
85.5％、韓国：マイナス76,0％）。
次の表は、オーストリアに宿泊した外国人観光客の宿泊延べ日数及びそこから得られた国際観光収益を示した
ものである。
外国人宿泊延べ日数及び外貨獲得高
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
外国人宿泊延べ日数（単位：千日）
110,430 112,765 66,280 49,964 98,031
(1)
21,407 23,129 13,435 9,715 20,453
国際観光収益 （単位：百万ユーロ）
資料出所：オーストリア統計局、OeNB、WDS-WIFO（オーストリア経済調査研究所）データシステム、Macrobond
注(1）国際輸送を含む。
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銀行、保険、不動産及びビジネス・サービス
欧州連合の単一市場制度はオーストリア国内の金融業の競争を助長し、一連の吸収合併をもたらした。金融市
場危機、自動化及びインターネット・バンキングの幅広い利用は、調整のペースを加速した。さらに、COVID-19
による危機はオーストリアにキャッシュレスによる支払いを発展させた。その結果、銀行の数は、2000年の923
行から2022年末までには493行となり、支店数は1,259店舗減少した。2022年第３四半期に、オーストリアの銀行
の中央、東部及び南東部ヨーロッパ（「CESEE」）に対するエクスポージャー（与信）総額は、国際決済銀行に
よれば、2,970億ユーロへと増加し、オーストリアのGDPの66％に達した。2022年の数字は、純利息収入の増加、
出資による収入の増加及び人件費の削減を基盤として営業利益の大幅な増加（プラス40.1％）を示した。不良債
権引当金繰入額及び資産の予想損失額の増加により、当期純利益は22.7％減少した。2022年度第３四半期、資産
収益率の面でオーストリアの銀行（連結ベース）の収益性（0.5％）は欧州連合の平均（0.3％）を上回った。
従って、オーストリアの銀行は統合Tier 1レシオ(T1)を、2021年度第４四半期の16.8％に対して、2022年度第４
四半期は17％へと増加させた。
金融市場庁（FMA）が発表した速報値によると、保険業界は2022年にプラス5.4％の成長を遂げると予測されて
いる。FMAの報告書によると、2022年の保険料は損害保険（プラス8.6％）及び医療保険（プラス3.4％）の双方
で堅調な伸びを示している。生命保険は低金利環境の影響を受け、保険料獲得額が減少（マイナス1％）し、前
年度からの転換点を戻した。投資利益の減少により、保険引受成績は４分の１減少し、その結果、営業利益は急
落した（マイナス50％）。
統計局の速報値によると、金融・保険業の2022年の生産活動は実質ベースでプラス1.9％、名目ベースでプラ
ス5.8％成長し、この部門のデフレーターの伸びが前年比で鈍化したことを示す。オーストリアの粗付加価値に
占める金融サービスの割合は、2022年には4.1％へとわずかに低下した。
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ｆ）エネルギー
次の表は、2018年から2021年までの各年度のオーストリアの主要エネルギーの国内生産及び消費並びに国内生
産の消費に対する割合を示すものである。
主要エネルギーの国内生産及び消費
2018年 2019年 2020年 2021年
（単位：テラジュール）
国内第一次生産：
電力 0 0 0 0
石油及び石油製品 29,249 27,643 23,894 23,879
天然ガス 35,968 32,237 26,487 23,731
石炭、コークス及び亜炭 0 0 0 0
(1)
437,669 460,116 469,263 478,431
再生可能エネルギー
(2)
502,886 519,996 519,643 526,041
合計
(3)
国内総消費 ：
電力（水力、風力、太陽光発電） 194,653 191,184 190,902 200,942
石油及び石油製品 521,732 538,561 464,451 494,282
天然ガス 308,256 321,403 306,427 323,717
石炭、コークス及び亜炭 116,226 122,201 104,515 107,764
(1)
283,280 282,815 284,253 302,597
再生可能エネルギー 及び廃物
(2)
1,424,147 1,456,165 1,350,548 1,429,302
合計
国内消費総量に対する本来の第一次生産の
35.3％ 35.7％ 38.5％ 36.8％
比率（％）
資料出所：WDS-WIFO（オーストリア経済調査研究所）データシステム、Macrobond
注(1）薪、バイオ燃料、周囲熱。
(2）四捨五入のため合計は計数の和と必ずしも一致しない。
(3）生産業者、仲介業者、輸入業者の在庫品の変動及び諸外国との輸出入が反映されている。ただし最終消費者の在庫
品の変動は除外してある。
国内エネルギー総消費の石油、石油製品及び水力発電への依存度が安定している一方で、天然ガス及び再生可
能エネルギー（バイオマスを含む。）の利用が伸びている。あまり遠くない将来、オーストリアはその需要を満
たすためにかなりの量の電力及び再生可能以外のエネルギーの継続的輸入を必要とするであろう。
2021年、オーストリアは57万1,000トンの原油（液化天然ガスを含む。）を生産し、これは実際の製油所摂取
量の6.9％に達した。2022年の天然ガスの国内産出量は、天然ガス国内総消費量の7.8％であった。地質学調査に
よると、2020年末現在のオーストリアの天然ガス（不活性ガスを除く。）の（利用可能性のある）埋蔵量は64億
立方メートルであり、原油の埋蔵量は480万トンであった。OMV AG（「OMV」、元オーストリア石油管理株式会
社）は、オーストリア国内の探査・採掘活動の大部分を担う一貫生産能力をもつ石油化学会社であり、ウィーン
に近いシュヴェハト地域にオーストリア唯一の製油所を有し、その運営にあたっている。OMVは国が一部を（間
接的に）所有する。外資系企業が、オーストリアにおける石油製品市場において大半のシェアを占めている。
2022年、オーストリアは2021年より水力発電量が8.2％減少し、風力ベースの発電は8.2％増加した（国内発電
量の合計は2021年対比3.2％減少）。オーストリアは依然として電力の純輸入国であり、2010年から2018年の間
に総電力の純輸入量は３倍以上となり、2019年及び2020年においては急激に減少したが、2021年以降、純輸入量
は2018年までの水準に戻り、2022年には11.5％に達した（揚水水力発電に使用される消費量を含む。）。国民投
票により1978年以来、オーストリアの法律は原子力をエネルギー源として使用することを禁じた。
2022年における輸入エネルギーに対する支出は、オーストリアの国内総生産の5.8％を占めた。2022年、カザ
フスタン、リビア、イラク、アルジェリア、ガイアナ及び英国が、オーストリアに対する主な原油の供給国で
あった。全天然ガス輸入の78.7％はロシアから、18.6％はドイツからであった。他方、「トロール・ガス販売契
約」によるノルウェーからのガス輸入のシェアは0.0％であった。石炭及びコークスは、主にポーランドから輸
入されていた。
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過去数十年間、オーストリアは地理的に近く、海港にアクセスできないこともあり、常にロシアからのパイプ
ラインガスに大きく依存してきた。しかし、この天然ガス供給の５分の４以上のロシアへの依存は、オーストリ
アを供給の途絶やガス価格の上昇のリスクにさらす。2022年２月24日のロシアのウクライナ侵攻以来、この依存
の 悪影響が明確に感じられるようになった。ロシアはヨーロッパとオーストリアに供給するガスの量を大幅に減
らしている。その結果、エネルギー及び商品価格の高騰が消費者物価のインフレを押し上げている。ロシアから
のガス輸入へのオーストリアの依存度を下げることは、オーストリア政府が宣言した目標である。多角化のため
の集中的な取り組みが行われ、戦略的な備蓄が構築されている。
ｇ）生産性、賃金、卸売物価、生活コスト
以下の表は、2018年から2022年までのオーストリアの労働者・従業員一人当たりの生産性及び賃金・給与総
額、卸売物価及び消費者物価（HICP-indexに基づく）の指数、並びにそれぞれの対前年比増加率を示している。
生産性・賃金・物価指数
生産性
非雇用者一人当たり 従業員一人当たり
(1) (1)
実質GDP 賃金・給与 卸売物価 消費者物価
指数 対前年比増 指数 対前年比増 対前年比増加 指数 対前年比増
(2015年＝ 加率 (2015年＝ 加率 指数 率 (2015年＝ 加率
100) （％） 100) （％） (2015年＝100) （％） 100) （％）
2018年
101.7 +0.6 106.7 +2.7 106.5 +4.2 105.4 +2.1
2019年 101.9 +0.2 109.7 +2.9 106.4 －0.0 107.0 +1.5
2020年 97.2 －4.6 112.1 +2.2 102.0 －4.1 108.5 +1.4
2021年 99.3 +2.1 115.0 +2.5 112.6 +10.4 111.5 +2.8
2022年 101.0 +1.8 120.0 +4.4 136.2 +21.0 121.1 +8.6
資料出所：オーストリア統計局、WDS-WIFO（オーストリア経済調査研究所）データシステム、マクロボンド
注(1）表示期間の平均月次データに基づく指数。
ｈ）労働情勢
2022年、オーストリアには約590万人の生産年齢（15歳から64歳）の人々が住んでおり、そのうち約470万人
（78.7％）が労働力（従業員、自営業及び失業者）であった。
現役の雇用者数は3,844,570人であった。このうち、915,984人が外国人労働者で、労働力の23.8％を占めてい
る。そのうちの約60％がEU市民である。
自営業者及び失業者総を含む、従業員総数に占める割合としての失業率（EU統計局（ユーロスタット）労働力
調査による）は2022年に4.8％であった。
以下の表は、2018年から2022年までの各年の失業率と賃金の増加に関する情報を示したものである。
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
失業率（労働力調査に
5.2％ 4.8％ 6.0％ 6.2％ 4.8％
よる）
協定賃金の上昇率
+2.8％ +3.0％ +2.3％ +1.7％ +3.0％
資料出所：ユーロスタット、オーストリア統計局。
2021年の社会統計に関する新しい枠組み規則（IESS）の発効により、LFS（労働力調査）主要指標に変更が生
じた。この表には、ブレーク補正で作成された2009年Q1-2020年Q4のデータが含まれている。
2022年、労働市場は引き続き好調に推移している。雇用の拡大は全ての部門で広範囲に及んでいる。特に、
COVID-19のパンデミック時に大きく制限された宿泊及び飲食サービス部門は力強い伸びを示している。雇用の力
強い伸びに加え、2022年には短時間労働がさらに削減され、労働量の著しい増加をもたらしている。
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2022年、被雇用者人口総数の大半（74.3％）が、第三次産業の職に就いている。その他の21.7％が第二次産業
で、4.0％が第一次産業に従事していた。
以下の表は2018年から2022年の雇用に関する一定の情報を示す。
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
（雇用総数に占める割合（％））
第一次産業 4.4 4.2 4.3 4.2 4.0
第二次産業 21.7 21.8 22.1 21.9 21.7
第三次産業
74.0 74.0 73.6 73.9 74.3
資料出所：WDS-WIFO（オーストリア経済調査研究所）データシステム、Macrobond－国民計算の定義（jobs）による雇用
ある年齢層でどれだけの人が働いているかを示す就業率は、2022年に15歳から64歳では74.0％、男女差（労働
時間調整なし）は８パーセンテージポイントと前年までよりやや低かった（2021年は8.6パーセンテージポイン
ト。2022年の男性就業率78.0％、2022年の女性就業率70.0％）。若年層の就業率（2022年：51.9％）は、国際比
較で特に男性の就業率が高く、これはオーストリアにおける見習い訓練制度の重要性が高いことに起因してい
る。15歳から24歳のグループでは、2022年に男性の55.6％、女性の48.2％が雇用されており、男女差は7.4パー
センテージポイントである。働き盛りの年齢では、男女差は5.5パーセンテージポイントに縮小する（男性
88.5％、女性83.0％）。現役世代からの移行期では、15ポイント近く（55歳から64歳：男性63.9％、女性
49.0％）と男女差が最も顕著になる。
労働生活への移行期と社会人生活からの移行期には性差がある。一方、若い女性と男性の教育選択には違いが
あり、男性は会社と学校の両方で行われることが特徴である見習い訓練制度を選ぶ傾向があり、女性は全日制の
学校での中・高等教育を選んでいる。このような就業形態の違いは、高等教育においても続いている。労働力調
査によると、2021年には25歳から34歳の女性のほぼ２人に１人（46.8％）が高等教育資格を取得していたが、こ
の割合は男性（38.2％）ではかなり低い。他方、定年退職年齢には性差による違いがあり、女性の場合、2024年
から2033年にかけて徐々にしか男性と同じにならない。
以下の表は、2018年から2022年までの年齢及び性別による就業率（％）を示す。
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
性別 年齢
合計 15歳から24歳 51.3 51.6 49.8 50.2 51.9
合計 15歳から64歳 73.0 73.6 71.7 72.4 74.0
合計 25歳から54歳 84.6 85.3 83.1 83.8 85.7
合計 55歳から64歳 54.0 54.5 54.2 55.4 56.4
男性 15歳から24歳 53.9 54.8 52.4 54.6 55.6
男性 15歳から64歳 77.4 78.0 76.0 76.7 78.0
男性 25歳から54歳 87.8 88.5 86.5 86.9 88.5
男性 55歳から64歳 63.5 63.1 62.3 62.7 63.9
女性 15歳から24歳 48.7 48.4 47.1 45.7 48.2
女性 15歳から64歳 68.6 69.2 67.4 68.1 70.0
女性 25歳から54歳 81.3 81.2 79.7 80.7 83.0
女性 55歳から64歳 44.8 46.0 46.4 48.3 49.0
資料出所：ユーロスタット、WIFO（オーストリア経済調査研究所）－労働力調査（個人）に基づくデータ、2021年は調査
の切り替えにより時系列が分断されている。
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ｉ）社会保障制度
オーストリアの社会保障制度は、保健、出産、身体障害及び老齢手当、労働災害補償、家族手当、補足退職・
福利厚生制度、失業手当、その他多くの社会サービス及び給付からなっている。2021年、オーストリア人口の
99.9％は社会保障制度の主要部分である医療保険（社会保障機構連合会、2022年）に加入していた。社会保障給
付は被雇用者及び雇用者からの現在の拠出金と、連邦政府予算からの現在の割当から支払われている。
ESSPROS（欧州統合社会的保護統計体系）によると、2021年のGDPに占める社会保障支出総額の比率は32.9％で
あった。前年と比較して、これは1.1パーセンテージポイントの減少に相当する。社会支出はプラス3.4％と、名
目GDPのプラス6.6％増よりも伸びが緩やかであった。
2021年の社会保障支出は、以下の構成要素に分けられる：老齢年金42.8％、遺族年金5.0％、医療及び疾病
27.2％、家族手当8.5％、障害者年金5.4％、失業対策9,1％（2019年は5.4％）、1.9％が住宅及び社会包摂に使
用された。
オーストリアにおける、雇用者、自営業者及び有給農業従事者向け法定年金制度は、老齢年金、遺族年金及び
障害者年金から成る。第１の柱は収入に関連する賦課方式の制度である。職業及び民間の第２及び第３の柱は全
体的な給付の中では限定的な役割をもつ。2021年において高齢者収入の約89.0％が第１の柱からであり、3.8％
が第２の柱、7.2％が第３の柱からもたらされた。現在の法定の退職年齢は男性については65歳、女性について
は60歳であり、2024年から2033年の間に0.5歳ずつ段階的に引き上げられる。長期被保険者（40年間の有給雇
用）の早期退職は62歳である。女性については、この種類の年金は2028年から適用される。
この10年間で、保険計算を強化し、特定の種類の早期退職制度の廃止を通じて早期退職を削減し、退職年齢を
引き上げ、さらに早期退職の毎年の控除を増加させるという目的で、大規模な年金制度改革がオーストリア議会
において成立した。早期退職の控除の範囲は、重労働者については１年につき1.8％及び長期保険加入者につい
ては5.1％である。有給雇用の各年が年金給付に対する1.78％と計算され、つまり45年間の保険期間の後、グロ
スの交換率は、平均生涯賃金総額の80.1％であることを意味する。過去の改革の結果、80.1％の交換率は、40年
間から上昇し、現在45年の保険期間が必要とされる。年金は全て、所得税及び健康保険拠出の対象である。
労働市場から障害者年金への早期移行による代替を避けるために、障害者年金制度にも改革が行われた。1964
年より後に出生した者は、2014年１月から、期限付き障害者年金の利用ができない。この改革は、リハビリテー
ション・プログラム、スキルの向上など、この種類の労働者を労働力に再統合するための一連の方策を伴ってい
る。
全体として、この改革はプラスの効果があった。平均退職年齢は現在（2022年）、女性は60.7歳及び男性は
63.2歳（老齢年金）、障害者年金を開始する平均年齢は女性51.8歳及び男性は56.1歳（社会保障機構連合会、
2023年）であった。オーストリアの「年金委員会」による、最も直近の2022年から2027年の年金予測（2022年11
月）によれば、年金支出は2022年のGDPの11.64％から2027年にはGDPの12.79％へと増加すると予想される。2022
年、GDPに対する年金支出（年金受給者への貧困抑制給付を含む。）の2.85％が連邦予算により賄われたが、
2027年までにこれはGDPの3.76％に上昇するであろう。最近の年金改革は、年金支出の増加を鈍化させた。。し
かし、毎年の年金調整の基礎となる物価上昇率が高いため、将来の支出の動きを前回の予測で計算されたよりも
はるかに増加させる。
ｊ）最近の進展
オーストリアの経済と予算状況
2022年にCOVID－19のパンデミックが徐々に背景として後退する一方で、オーストリアの経済発展と経済政策
は、エネルギー危機と高いインフレに支配されていた。2022年前半、経済は依然としてCOVID-19危機からの力強
い回復が顕著であった。パンデミック封じ込めのために設定された制限の大半が撤廃された後、特にサービス消
費が回復した。さらに、耐久消費財に対する高い需要が、世界的な商品貿易と産業活動の好調をもたらし、オー
ストリアもその恩恵に浴した。しかし、エネルギー価格は2021年後半からすでに上昇しており、2022年２月のロ
シアのウクライナ侵攻後、特に天然ガスの価格はさらに上昇した。このため、進行中の景気回復に突然の終止符
が打たれ、2022年夏以降の欧州経済の減速につながった。この景気後退は、2022年第３四半期にオーストリアに
も影響を及ぼしました。輸出と国内産業の付加価値が収縮し、総生産は停滞した。2022/23年冬半期には、GDPが
顕著に減少すると予想される。持続的なエネルギー価格の高騰、強い物価の動き、将来の展開に対する不確実性
が感情を落ち込ませている。現在のWIFOの推計によると、2023年第１四半期のオーストリアの経済生産は、前四
半期に比べ0.3％減少した。消費関連や経済サービス部門の減少に加え、国内産業の発展が停滞した。需要面で
は、外国貿易が景気の重荷となった。
国際的な景気後退は、2023年上半期のGDP成長率を引き続き低下させるであろう。しかし、2023年の半ば頃に
は、主にエネルギー市場の状況が徐々に緩和され、民間消費と投資が安定することを背景に、オーストリア経済
は勢いを取り戻すと予想される。WIFOは、2023年全体として、実質GDP成長率はわずか0.3％という低成長を予想
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する。2024年には1.8％に加速すると予測されている。しかし、家庭用エネルギーにかかる国内料金及びインフ
レ率はやや遅れて低下し、後者は2023年には高止まり（7.1％）するが、2027年には徐々にECB目標の２％に近づ
い ていくであろう。
ウクライナ戦争がオーストリアに与える経済的影響（主にエネルギーコストとインフレ調整の分野）を緩和す
るため、政府は2022年から2026年の間に約330億ユーロに及ぶ３つの支援パッケージを設定した。財政諮問委員
会は、この予算負担の一部は、誘発されるマクロ経済刺激策（特に名目消費分野）によって相殺できると予想し
ており、従ってこのパッケージの自己財源は80億ユーロに達すると想定する。現在及び今後数年間の予想される
高インフレにより、2022年から2026年にかけて、更にインフレに関連した34億ユーロの累積財政黒字が発生する
ことになる。合計で支援パッケージ及び2026年までのインフレ傾向により、累積で150億ユーロの追加予算負担
が発生することになる。
2023年には、COVID関連の補助金がさらに25億ユーロ減少する。同時に、新たなインフレ対策（特にエネル
ギーコスト補助金と電気料金ブレーキ）により政府支出が30億ユーロ増加し、同時に気候ボーナスの増額、エネ
ルギーコスト補償、弱者や年金受給者への一時金も失効する。COVID関連の補助金がさらに廃止され、98億ユー
ロにのぼるインフレ対策が大部分を占めるため、2024年の財政収支は大幅に改善される。財政諮問委員会は、
2023年と2024年の一般政府予算の赤字を、それぞれGDPの2.3％と1.1％と予想する。財政収支のさらに強力な改
善は、2023年に危機管理のための追加の臨時支出により、2024年になる。債務比率は、高い名目GDP成長率によ
り、2024年までにGDP比72.8％まで低下する。
ロシアによるウクライナ侵攻
2022年2月23日以降、EUは、ロシアによるウクライナ侵攻に対処するための一連の制限措置に合意した。これ
らの措置には、ロシア下院議員に対する制裁、並びにその他の個人及び事業体に対する制裁と資産凍結、ドネツ
ク州及びルハンスク州の非政府支配地域との経済関係の制限、ロシア国家及び政府がEUの資本市場と金融市場及
びサービスにアクセスする能力に対する制限、ロシアの銀行７行に対するSWIFTの禁止、ロシアの軍事侵進攻へ
の関与に対するベラルーシに対する制裁、特定の国有企業との全ての取引の禁止、広範囲にわたる貿易制限並び
に輸出入の禁止（鉄鋼、原油及び石油精製品並びに高級品など）などが含まれる。
EUは、臨時保護指令に基づき、2022年２月24日以降に戦争から逃げるため国を離れたウクライナの元居住者に
対して、どのEU加盟国においても一時的な保護を付与することを決定した。一時的な保護は少なくとも１年間は
続くが、ウクライナの状況によっては延長される可能性がある。一時保護指令に基づく権利には、居住許可、労
働市場と住宅へのアクセス、医療援助、子供のための教育へのアクセスが含まれる。2022年11月30日現在、オー
ストリアでは、約90,000人のウクライナからの避難者が登録されている。
⑥ 貿易及び国際収支
ａ）貿易の概要
1995年１月１日付でオーストリアはEUに加盟し、それ以来、EU統合深化の全ての段階に参加しており、かつEU
拡大プロセスに参加した。過去28年間にわたり、外国貿易はオーストリア経済の中での重要性を増してきた。
2022年、時価による財貨輸出（1,941億ユーロ）はGDPの43.4％に相当したが、これに対して1995年は23.9％で
あった。オーストリアの財貨輸出は、COVID-19のパンデミック後の回復により2021年は16.1％と大幅に増加した
後、2022年もまた17.2％と大きく成長した。2022年の力強い成長のはずみは、ウクライナ戦争にもかかわらず観
察され、これはオーストリアの輸出に大きく影響は与えなかった。2022年に財貨輸入は2021年に比較して19.8％
と依然として力強く増加し、時価で2,137億ユーロであった。GDPに占める輸入の割合は27.5％（1995年）から
47.7％（2022年）に上昇した。2022年の輸入はエネルギー及び原材料市場の価格高騰による輸入価格の急激な上
昇により押し上げられた。その結果、オーストリアの貿易収支は（外国貿易統計による。サービスを除く）196
億ユーロの赤字となり、これは2021年と比較して依然として高い67億ユーロの悪化を反映した。
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次の表は、2018年から2022年までの各年のオーストリアの財貨の輸出入を示すものである。これは、下記の価
格指数と合わせて考慮されるべきである。
外国貿易(財貨)
輸出 輸入 輸入に対する
年 貿易収支
（F.O.B.） （C.I.F.） 輸出の割合
（単位：百万ユーロ） （％）
2018 150,071 156,056 -5,985 96.2
2019 153,502 157,817 -4,316 97.3
2020 142,566 144,421 －1,855 98.7
2021 165,586 178,446 -12,860 92.8
2022
194,126 213,717 －19,591 90.8
資料出所：オーストリア統計局、WDS-WIFO（オーストリア経済調査研究所）データシステム、Macrobond
2022年中、オーストリアの外国貿易の約69％がEU加盟国との間で行われていた。オーストリアのEU27か国への
輸出は、2021年（プラス17.0％）を少し上回り2022年は18.1％増加した。輸出の29.9％及び輸入の32.2％を占め
るドイツが、オーストリアの最重要貿易相手国である。2022年に、2021年と比較してドイツへの輸出は16.1％増
加し、ドイツからの輸入は16.5％増加した。一般的に、オーストリアの国際貿易関係は依然として、欧州共同市
場の中に著しく集中している。特にEU13か国（2004年以降の新加盟国）とのオーストリアの貿易関係は、輸出合
計の19.9％及び輸入合計の16.0％を占める。2022年に、EU14か国（2004年12月31日時点でのEU加盟国、EU15から
連合王国を除く。）への輸出が16.4％増加し、他方EU13か国への輸出は非常に大きく（プラス22.6％）増加し
た。さらに、EU（欧州連合）以外の諸国への輸出は、全体で15.3％（米国は約プラス16.3％）の増加であった。
米国への輸出の割合は輸出総額の6.7％であり、米国はオーストリアの３番目に重要な貿易相手国である。輸出
総額の2.7％を占めて、中国は、オーストリアの輸出相手国の第９位であったが、2022年はオーストリアの中国
への輸出は7.2％の増加であった。製品グループの面からは、機械及び輸送機器の輸出がオーストリアの輸出の
中で群を抜いて最も重要な製品グループであるが、2022年には12.6％増加した。
以下の表は、輸出入の量、輸出入価格並びにオーストリアの交易条件（すなわち輸出財貨の価格の輸入財貨の
価格に対する関係）を示すものである。
貿易指数（財貨）
（2015年＝100）
輸出（F.O.B.） 輸入（C.I.F.）
(1)
年
価格指数 量指数 価格指数 量指数
交易条件
2018 102.2 111.7 103.5 112.9 98.7
2019 101.1 115.4 103.4 114.3 97.7
2020 99.9 108.5 101.4 106.7 98.5
2021 106.1 118.6 109.4 122.2 97.0
2022 115.9
127.4 125.1 127.9 92.6
資料出所：オーストリア統計局、WDS-WIFO（オーストリア経済調査研究所）データシステム、Macrobond
注(1）輸出価格指数を輸入価格指数で除し、パーセントで示す。
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次の表は、2018年から2022年までの各年におけるオーストリアの輸出入の品目別構成を要約したものである。
(1)
品目別輸出入
（単位：百万ユーロ）
2022年割合
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
（％）
輸出（F.O.B.）
食品・家畜 8,109 8,565 8,836 9,565 11,149 5.7
飲料・タバコ製品 2,559 2,819 2,897 3,119 3,590 1.8
原材料（食品・燃料を除く） 4,879 4,746 4,276 5,850 6,534 3.4
鉱物燃料・潤滑油及び
関連材料 3,274 3,570 2,810 4,154 7,136 3.7
動植物油脂 240 258 272 353 456 0.2
化学及び関連製品 19,897 21,571 22,182 25,288 29,076 15.0
(2)
製造品
32,919 31,870 28,731 35,343 42,902 22.1
機械・輸送機器 60,239 61,763 54,398 61,308 69,031 35.6
17,956 18,339 18,164 20,607 24,252 12.5
その他の加工品
(3)
輸出合計
150,071 153,502 142,566 165,586 194,126 100.0
輸入（C.I.F.）
食品・家畜 9,792 10,213 10,161 10,716 12,607 5.9
飲料・タバコ製品 960 1,039 1,010 1,182 1,270 0.6
原材料（食品・燃料を除く） 6,397 6,095 5,818 8,235 9,009 4.2
鉱物燃料・潤滑油及び
関連材料 12,755 12,283 8,258 13,912 25,881 12.1
動植物油脂 407 434 472 683 948 0.4
化学及び関連製品 21,193 21,843 20,951 26,235 29,583 13.8
(2)
製造品
24,998 24,439 22,943 29,114 34,817 16.3
機械・輸送機器 54,827 56,832 50,450 59,089 65,721 30.8
24,726 24,639 24,359 29,280 33,882 15.9
その他の加工品
(3)
輸入合計
156,056 157,817 144,421 178,446 213,717 100.0
資料出所：オーストリア統計局、WDS-WIFO（オーストリア経済調査研究所）データシステム、Macrobond
注(1）財貨の移動に基づくものである。
(2）中間製品、最終品。
(3）四捨五入のため合計は計数の和と必ずしも一致しない。
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次の表は、2018年から2022年までの各年のオーストリアの輸出入の地域別構成を示したものである。
(1)
地域別輸出入
（単位：百万ユーロ）
2022年割合
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
（％）
輸出（F.O.B.）
(2)
EU諸国
ドイツ 45,235 45,033 43,431 49,925 57,986 29.9
イタリア 9,762 9,754 8,823 11,211 13,157 6.8
チェコ共和国 5,666 5,405 5,083 6,030 7,109 3.7
ハンガリー 5,114 5,588 4,948 6,134 7,729 4.0
34,967 36,661 34,104 39,466 47,233 24.3
その他のEU諸国
EU27か国合計
100,745 102,441 96,389 112,766 133,214 68.6
その他諸国
英国 4,198 4,496 4,080 4,440 5,103 2.6
スイス 7,013 7,263 7,479 8,172 9,991 5.1
ロシア連邦 2,105 2,362 2,118 1,998 1,838 0.9
その他東ヨーロッパ
(3)
諸国
2,050 2,306 2,050 2,479 2,671 1.4
アメリカ合衆国 10,601 10,242 9,297 11,100 12,915 6.7
日本 1,529 1,613 1,522 1,704 1,787 0.9
中国 4,055 4,459 3,915 4,821 5,169 2.7
17,774 18,319 15,715 18,106 21,438 11.0
その他のすべての国
(4)
輸出合計
150,071 153,502 142,566 165,586 194,126 100.0
輸入（C.I.F.）
(2)
EU諸国
ドイツ 55,850 55,226 50,515 59,150 68,894 32.2
イタリア 9,955 10,368 9,119 11,571 13,058 6.1
チェコ共和国 6,789 6,628 6,014 7,762 9,759 4.6
ハンガリー 4,192 4,296 3,872 4,684 5,340 2.5
30,665 31,308 29,246 35,770 41,918 19.6
その他のEU諸国
EU27か国合計
107,451 107,827 98,766 118,937 138,969 65.0
その他諸国
英国 2,869 2,831 2,144 2,779 3,495 1.6
スイス 6,802 6,068 7,617 9,726 10,018 4.7
ロシア連邦 3,291 2,762 2,171 4,670 8,237 3.9
その他東ヨーロッパ
(3)
諸国
2,016 2,317 2,211 2,745 3,348 1.6
アメリカ合衆国 5,984 7,093 5,259 5,700 7,168 3.4
日本 2,240 2,245 2,050 2,243 2,521 1.2
中国 9,110 9,828 10,187 13,106 17,213 8.1
16,292 16,846 14,016 18,541 22,748 10.6
その他のすべての国
(4)
輸入合計
156,056 157,817 144,421 178,446 213,717 100.0
資料出所：オーストリア統計局、WDS-WIFO（オーストリア経済調査研究所）データシステム、Macrobond
注(1）財貨の移動に基づく。
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(2）EU諸国は、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニ
ア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニ
ア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア共和国、スロベニ
ア、 スペイン及びスウェーデンから構成されている。
(3）アルバニア、ベラルーシ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、マケドニア、モルドバ、モンテネグロ、セルビア
及びウクライナ。
(4）四捨五入のため合計は計数の和と必ずしも一致しない。
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ｂ）国際収支
以下の表は、2018年から2022年のオーストリアの諸外国との国際収支及びオーストリア共和国の中央銀行であ
るオーストリア国立銀行（OeNB）の公的外貨準備高を示す。
(1)
国際収支
（単位：百万ユーロ）
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
経常収支 3,485 9,471 11,345 1,439 3,075
貿易収支 1,118 4,369 3,394 －337 －645
輸出 149,248 152,776 139,930 167,969 199,394
輸入 148,130 148,407 136,535 168,306 200,039
サービス収支 9,904 9,655 8,048 2,449 7,057
輸出 64,238 68,460 56,744 59,080 77,158
輸入 54,334 58,806 48,696 56,631 70,100
第一次所得収支 －3,773 －1,137 3,379 1,826 －1,092
第二次所得収支 －3,765 －3,415 －3,476 －2,499 －2,245
資本収支 －2,322 －67 －410 106 636
金融収支 4,555 14,691 4,494 －4,048 －8,539
直接投資 1,526 4,650 10,729 7,302 －1,000
証券投資 3,476 －3,414 －13,258 9,878 －2,793
(2)
その他投資 －1,812 12,247 4,433 －25,964 －6,411
金融派生商品 －761 1,398 1,105 583 1,093
外貨準備 2,125 －190 1,484 4,153 572
誤差・脱漏
3,392 5,287 －6,441 －5,593 －12,249
資料出所：オーストリア国立銀行
注(1）新表示制度BPM6（国際収支マニュアル第６版）。四捨五入のため、合計は計数の和と必ずしも一致しない。
(2）通貨及び預金、融資、貿易借款、SDR割当てなど。
COVID-19に関連した対外貿易規制の強いマイナスの影響を受けた後、経常収支は2022年に回復し、31億ユー
ロ、国内総生産の0.7％であった。ウクライナ戦争開始後、エネルギー代金が引き続き増加したため、貿易収支
は６億ユーロのマイナスへとわずかに悪化した。サービス取引の黒字は観光事業の力強い回復の恩恵を受け、第
二次所得収支の赤字は減少した。暫定データでは、2022年のサービス収支黒字と名目国内総生産の比率は３倍近
い1.6％となることが示されている。金融収支は、主に現金及び預金の純流入（マイナス101億ユーロ）により、
2022年に純資本流入を示した。証券投資の残高は2022年にマイナスに転じた。オーストリアから外国の株式及び
投資ファンドへの純流出を、オーストリアの固定金利資産への外国からの投資が上回った。2022年の最初の数字
では、誤差・脱漏要素の中で、オーストリアにかなり大きな資金が流入しているが、これはまだ帰属させること
ができない。
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ｃ）外国為替レート
1999年１月１日、オーストリアを含む欧州連合の参加加盟国の法定通貨としてユーロが発足した。以下の表
は、表示期間のユーロと米ドルの為替レートの平均を示す。
ユーロの為替レート
年平均値
2018年 1.1810
2019年 1.1195
2020年 1.1422
2021年 1.1827
2022年 1.0530
月平均値
2022年11月 1.0201
2022年12月 1.0589
2023年１月 1.0769
2023年２月 1.0715
2023年３月 1.0706
資料出所：ブルームバーグ
ユーロの為替レートは、１ユーロ＝1.1355米ドルで2022年が始まり、１ユーロ＝1.0666米ドルで2022年を終了
した。2022年中、ユーロは９月28日に１ユーロ＝0.9565米ドルの最安値を、２月４日に１ユーロ＝1.1464米ドル
の最高値をつけた。
⑦ 通貨・金融制度
ａ）オーストリア国立銀行（オーストリア中央銀行）
以下の記述は、欧州連合設立条約（マーストリヒト条約）により修正された欧州共同体を設立する条約（以
後、「EC条約」という。）及び欧州中央銀行制度法、欧州中央銀行法により定義された欧州中央銀行制度の一部
としてのオーストリアの銀行制度の概要である。この制度の中でのオーストリアの中央銀行の役割は、オースト
リア国立銀行法においても定められている。
オーストリア国立銀行は、1922年連邦法により設立されたオーストリアの中央銀行である。同行は株式会社で
あり、法により、オーストリア国立銀行の株式の100％がオーストリア共和国により所有されている。
オーストリア国立銀行は、14名のメンバーで構成される理事会により監督される。オーストリア国立銀行の理
事長、副理事長、連邦政府が任命する６名及び株主総会で選任される６名のメンバーである。国立銀行法に従
い、理事会のメンバーは銀行、工業、商業、中小企業及び農業並びに給与雇用者及び賃金労働者の代表を含む。
オーストリア国立銀行の日々の業務は総裁、副総裁及びその他２名のメンバーで構成される運営委員会により運
営される。
オーストリア共和国が資本の少なくとも50％の持分を保有する他の会社と同様、オーストリア国立銀行は会計
検査院の監督を受ける。
欧州中央銀行制度：1999年１月１日にオーストリアが欧州通貨連合の最終段階に参加したことで、オーストリ
ア国立銀行は欧州中央銀行制度（ESCB）の統合された一部になった。ESCBは、欧州中央銀行（ECB）と通貨統合
に参加しているEU加盟国の各国中央銀行（NCBs）から構成され、単一の欧州金融政策を実施するために設立され
た。ESCBの第一の目標は価格安定の維持である。これに加えて、この目標をそこなうことなく、ESCBは参加各国
の経済政策全般を支援する。基本的機能は、ユーロ圏内の金融政策の明確化及び実施、外国為替オペレーション
実施、参加各国の公的外貨準備の維持及び管理、並びに決済制度の円滑な運用の促進である。ESCB内の意思決定
プロセスは、ECBの意思決定機関、とりわけECBの政策委員会と理事会を通して集中化されている。
ECBの株主は加盟国のNCBsのみで構成される。各NCBsの資本株式はEUに対するそれぞれの加盟国の人口及びGDP
の割合を基準とする。2022年12月31日現在、オーストリア国立銀行は、ECBの払込済資本金の2.3804％の割当て
を負担する。
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ECBを設立することにより、参加各国は金融政策に対する主権の一部を放棄した。しかし、NCBsはECBに移転さ
れなかった機能を全て留保している。
ECBは、OeKBを含む参加している加盟国に設立された金融機関に、自国の中央銀行（すなわち、OeKBの場合は
オーストリア国立銀行）の口座に最低責任準備金を維持するよう求めている。OeKBは当該ECB規則に従い、最低
支払準備基準を計算する。ECBは準備率を随時変更できる。ECBの最低準備制度に従ったその他機関への負債並び
にECB及び中央銀行への負債は、準備率の基準に含まれていない。
単一監督メカニズム（SSM）：ECBは新たな銀行監督任務を単一監督メカニズムの一部として引き受けた。SSM
は、ECB及び参加するEU諸国の各国の所轄官庁から成る新金融監督制度を創設した。これらのEU諸国の中には、
ユーロを通貨とする国及び通貨がユーロではないがSSMと密接な協力関係にある国を含む。金融機関の健全性監
督に関連する特定任務は、欧州連合の機能に関する条約の第127(6)条に基づきECBに与えられた。SSMの主たる目
的はヨーロッパの銀行制度の安全性及び健全性を確保し、ヨーロッパ内の金融統合及び安定性を強化することで
ある。ECBは単一監督メカニズムの効果的及び持続的な機能に責任があり、参加するEU諸国の各国の所轄官庁と
協力する。ECBは2014年11月（監督者創設の規則発効から12か月後）にその新銀行監督責任を継承した。
ｂ）銀行制度
2022年12月31日現在、オーストリアには493の独立銀行（いわゆる金融機関）があり、これらの銀行は法的な
位置付けにより、以下の７部門に分類できる。
・ 株式会社組織の銀行及びプライベートバンク35行、
・ 貯蓄銀行49行、
・ 地域抵当銀行６行、
・ 地方信用組合315行、
・ 商業協同組合銀行９行、
・ 住宅建築融資組合４行、
・ 特殊銀行55行、
・ 外国銀行の20支店。
2022年中、オーストリアの金融機関の数は520行から493行へと27行減少した。この動きは、より大きくより競
争力のある単位を作るために、小銀行、主に信用組合（ライファイゼンバンケン）の合併により推進された。こ
の合併の過程は継続しており、2023年中の銀行数の更なる減少につながるであろう。
別途記載しない限り、本項のデータは、外国資本下にあるものを含めて、オーストリアを本拠地とする全ての
金融機関について言及する。
営業活動及び収益状況 ：オーストリアを本拠地とする金融機関のレバレッジ比率は2022年に7.7％から7.4％の
水準へとわずかに低下した。オーストリアの銀行による非銀行部門への全体的な貸付けは、国内非金融会社への
貸付け及び家計への貸付けの増加（それぞれ、8.9％及び4.3％）により、同期間中に4.5％増加した。一般政府
貸付けは2021年と比較して2022年は7.6％減少した。
2022年、オーストリアを本拠地とする全金融機関の営業利益総額は、2021年と比較して40.1％増加した。金融
取引収支（プラス22.6％）及び利息収入（プラス17.9％）は増加したが、手数料収入（マイナス7.9％）は減少
した。さらに2022年には証券及び出資持分による収入（プラス20.5％）の増加があり、営業費用は1.8％減少し
たのに対して営業収益は11.9％の増加であった。この結果、費用/収入比率は59.0％へと低下した。オーストリ
アの６つの銀行（アディコ・バンク、エアステ・グループ、BAWAG P.S.K.、フォルクスバンク・ウィーンAG、ラ
イファイゼン・バンク・インターナショナル並びにライファイゼン・ランデスバンク１行）は単一監督メカニズ
ム（SSM）のもとで監督されている。
欧州周辺諸国並びに東欧地域・諸国に対する融資残高
2022年12月31日現在、オーストリアが過半数を所有する銀行の中欧、東欧及び南東ヨーロッパ（CESEE）地域
に対するエクスポージャー総額は2,930億ユーロで、2021年12月31日現在と比較して130億ユーロの増加であっ
た。CESEEはオーストリアの銀行にとって依然として非常に重要な市場であり、2022年の総資産の合計は約2,790
億ユーロ、純利益（税引後）総額は52億ユーロを計上した。
対前年比では、オーストリアの銀行の子会社のCESEEにおける純利益は74％増加し、主にチェコ共和国とロシ
アでの事業が牽引して過去最高水準に達したが、他方、信用リスク費用は低い水準からスタートしたこともあり
2022年に倍増した。CESEEのEU諸国へのエクスポージャーは、オーストリアの銀行のCESEE地域のエクスポー
ジャーの中で著しく最も重要な部分を占めている。例えば、チェコ共和国、スロバキア、ルーマニア、ハンガ
リー、スロベニア、クロアチアなどのCESEEのEU諸国におけるオーストリアの銀行の子会社の総資産は、オース
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トリアの銀行のCESEEにおける子会社の総資産の約80％を占めている。さらに、CESEEの税引後純利益総額の52％
は、これら６か国に関連している。中欧、東欧及び南東ヨーロッパ（CESEE）
ｃ）金融政策
価格安定の維持という使命を達成するために、EC条約はユーロ制度（ECB及びユーロを採用した加盟国のNCBs
を指す。）に機関の独立性をかなりの程度認めており、透明性及び責任に関する広範な義務により補足されてい
る。
1998年10月に発表され、ユーロが導入されてから４年半の2003年５月に徹底的に評価が行われたユーロ制度の
安定志向の通貨政策は、３つの主要な要素により成り立つ。すなわち、価格安定の量的定義、価格の動きの見通
しの幅広い評価、及び価格安定リスク評価における貨幣の顕著な役割である。後の２つの要素はまた、通貨政策
の決定が基準とすべき包括的な分析を構成する「２つの柱」と呼ばれる。経済分析は価格安定に対する中短期リ
スクを特定するが、貨幣分析はインフレにおける中長期傾向を評価するのに役立つはずである。
ユーロ制度は流動性を管理するため自由に使える多様な金融政策手段を持つ。ユーロ制度の不可分の一部とし
てオーストリア国立銀行の主要任務の１つはオーストリア国内で金融政策を遂行することである。
ユーロマネー市場は、TARGET（Trans-European Automated Real-time Gross settlement Express Transfer）
システム決済制度が重要な役割を果たしているが、ますます効率的な営業を継続して行っている。境界を越える
取引数がユーロ圏発足前よりかなり増加しており、入札オペの最低貸付レートと少なくとも同程度の条件で無担
保セグメントにおいて流動性を確保するために努力を要する銀行もあった。
直近の2022年のメンテナンス期間（2022年11月２日から2022年12月20日まで）時点で、ユーロ圏の支払準備全
体に占めるオーストリアの割合は、およそ2.9％であった。銀行の負債ベースに適用される最低準備率は、2022
年に変わらずに１％であった。2022年中、支払準備は2022年の直近のメンテナンス期間に約45億ユーロから48億
ユーロへとわずかに増加した。最低準備高はユーロ制度が主要リファイナンシング・オペレーションに課する限
界率を基準に利息が発生する。ECBはこの比率を2022年の直近のメンテナンス期間に適用される2.00％へと上昇
させた。
⑧ 財政
ａ）連邦予算
2009年以来、連邦レベルでの年間予算編成プロセスは２つの部分に分かれる。春の中期歳出枠組み
（「MTEF」）の作成及びMTFEに基づく秋の予算である。
MTEFは連邦政府のみに関するものであり、予算戦略報告書の提示を伴うが、予算の安定性を向上させるために
2009年１月に導入された。新規則のもとで、議会は、５つの主要予算項目について名目価値での拘束力ある歳出
上限を定める４か年計画を採用する義務がある。毎年春に、議会は４年計画を１年間進める。歳出の上限は固定
されるか、弾力的である。弾力的な歳出上限は景気循環の変動にさらされる分野、例えば社会保障関係費に利用
される。上限はまた、項目の副レベル、すなわち「チャプター」でも定められるが、これらは翌年度のみを拘束
し、その後の３年については指標に過ぎない。MTEFは政府が定める優先事項及び予算目標の立案、実施及び管理
の基礎となることを目的とする。年間予算については、チャプターごとの幅広い歳出分類が各歳出予算勘定に細
分化されなければならない。固定された歳出項目はMTEFに一致することが求められ、変動する歳出項目の予算額
は現在の経済予測に基づき決定される。上限からの逸脱は、既存の準備金及び追加歳入の金額の限度においての
み許される。各省庁にとり、年度末の未使用の歳出予算は準備金として積み立てられ、これにより資源のより効
率的な利用が促される。MTEF及び年次予算の双方が議会の承認を受けなければならない。予算の予想資金又は
MTFEの固定の歳出上限が十分でない場合、それぞれ予算法又はMTFEの改正が議会で承認される必要がある。予算
赤字は国内又は海外からの政府借入でまかなわれる。
連邦憲法に従い、会計検査院（Rechnungshof、オーストリア監査院）は連邦政府及び諸州の財政管理及び年次
財務書類の監査を委任されている。会計検査院は行政機構からは独立しており、下院の直接の監督下にある。会
計検査院は、毎年下院に提出される予算結果報告の編集、借入れ債務の契約締結補助（連邦の債務書類は会計検
査院長官により副署されなければならない。）、歳出管理の統制及び特定の政令の公布補助につき責任がある。
連邦予算の数字は現金ベースで提示され、オーストリアの政府部門の一部のみを対象とする。オーストリアの
財政状態の国際比較及び評価のために、「一般政府部門」の予算の数字は国民所得計算の発生主義に従って、作
成されなければならない。連邦予算に加えて、マーストリヒト条約及び2010年版欧州国民経済計算体系
（ESA2010）において定義される「一般政府部門」は、州政府（Länder）、地方当局（Gemeinden）及び社会保障
部門も含む。
EU安定・成長協定に基づく赤字制限及び過剰赤字手続き
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欧州連合の予算規律を継続的に確保するために、加盟国は、1992年にマーストリヒト条約（「本条約」）並び
に1997年に「安定・成長協定（「本協定」）」の主要項目につき合意した。
本条約に基づき、加盟国のGDPに対する政府債務総額の比率は前会計年度末現在で60％を超えてはならない。
債務比率がGDPの60％を超えるが、債務比率と60％の基準価値の差が平均で毎年20分の１ずつ削減される場合、
財政上の要件は満たされていると考える。20分の１の債務削減規則は、金融危機による債務の影響又は他の加盟
国への危機支援により発生した債務などの偶発的な措置が、20分の１の削減の評価が適用される前に差し引かれ
るように設計されている。
本協定は2013年に最終の改正がなされたが、これに基づき、加盟国は国家財政の長期的安定を確保し、欧州連
合の機能に関する条約（「TFEU」）に基づくGDP比３％の参考価値を超える政府赤字のリスクを最小化するため
に、中期予算目標に向かい、着実に実行しなければならない。TEFU及び本協定に基づき、一般政府赤字が参考価
値であるGDP比３％を超える加盟国、又は一般政府赤字がGDPの60％を超えていて、かつ満足できる速度で十分に
削減しGDPの60％に近づいていない場合、債務要件を遵守していない加盟国は、過剰赤字手続き（「EDP」）に従
わなければならない。EDPにもとづき、経済相・大蔵相理事会（「Ecofin理事会」）が過剰赤字が存在するかに
つき決定する。Ecofin理事会は加盟国の経済及び財務担当大臣で構成される。過剰赤字が存在すると決定された
場合、Ecofin 理事会は、欧州委員会の勧告に基づき、過剰赤字の是正を目的とした是正策を勧告し、加盟国が
行う是正措置を検討する。通貨がユーロである加盟国においては、本協定は一連の財政制裁措置を考慮する。過
剰赤字が存在すると決定された際に、これらの加盟国は前年度の国のGDPの0.2％以下の無利息預金の提供を求め
られる可能性がある。Ecofin 理事会が、加盟国の是正措置を検討した後で、過剰赤字の是正のために有効な措
置が取られていないと決定する場合、預金を前年度の国のGDPの0.2％以下の過料に充当することができる。
Ecofin 理事会はこれらの決定を反対の特定多数決ルールを用いて決定する。すなわち、Ecofin 理事会が特定多
数決をもって委員会の勧告を拒否する決定をしない限り、経済制裁に関する委員会の勧告が採択される。「その
他の関連要因」もまた、過剰赤字（赤字及び/又は債務基準の違反）の存否の決定につながる手順において考慮
される。例えば、激しい経済の低迷又は加盟国の制御できない異常な外部事象の結果の逸脱である場合、逸脱が
中期的な財政状態の持続性を危険に晒さない限り、EDPの発動が回避される可能性がある。EDPの対象ではないこ
れらの加盟国は、本協定のいわゆる予防手段を着実に実行する必要がある。本協定の予防手段は、通常の経済状
態の期間における加盟国の財政計画及び方針（中期予算目標及び歳出ベンチマーク）にパラメーターを設定する
ことにより中期的に健全な予算方針を確保することを目指す。これには、景気循環の上昇及び下降を考慮する。
欧州ソブリン債務危機への対応
財政支援。2010年５月に合意された最初の経済調整プログラムに基づき、ギリシャは総額730億ユーロを受領
し、うち約530億ユーロがユーロ圏加盟国から二国間融資により（「ギリシャ・ローン枠」又は「GLF」）、200
億ユーロがIMFから供与された。オーストリアは約15億6,000万ユーロを拠出した。IMFのローンは既に返済され
たが、GLFの返済は2020年６月に開始された。
2010年、欧州連合（EU）及びユーロ圏加盟国は、ユーロ圏のソブリン債市場が深刻な緊張にある中、金融の安
定を守るために暫定的な安定メカニズムを設立した。例えば、欧州金融安定ファシリティーはもはや新たな金融
支援プログラムには関与しないが、保証は2070年まで実施される。
欧州安定メカニズム（ESM）。2012年10月以降、ユーロ圏加盟国による国際公法に基づき政府間機関として設
立されたESMは、欧州経済・貨幣連合の財政的安定の維持を支援している。ESMはユーロ圏加盟国への援助を提供
するための資金調達のために金融市場で債券又はその他債務証書を発行する。ユーロ圏加盟国による保証に基づ
くEFSFと異なり、ESMはユーロ圏加盟国により提供される総額約7,050億ユーロの発行済資本を持つ。これにより
5,000億ユーロの貸付能力が与えられている。ESMの発行済み資本のうちおよそ810億ユーロは払込済資本であ
り、残りの6,240億ユーロは請求払い資本である。オーストリアの拠出額はESMへの拠出総額のおよそ3.0％であ
る。オーストリアはESMに対して約22億ユーロの払込済資本を拠出した。
ESMからの財政支援の承認手続きは、加盟国からESMの総務会会長への要請により行われ、選択した商品に適切
な条件で提供される。原則として、財政支援を供与する決定は相互契約により行われる。しかし、欧州委員会及
びECBの双方が、ユーロ地域の財政的、経済的安定性が脅かされているため財政援助に関する緊急な決定が必要
であると結論づけた場合、緊急手続きは投票の85％の適格過半数を必要とする。2022年９月現在、ESMはスペイ
ン、キプロス及びギリシャに対して約899億ユーロの発行済みローンを所有していた。2023年５月現在、ESMの融
資枠の５分の１以下しか使用されていない。
2020年11月30日、包括的な構成によるユーログループ（すなわち、全EU加盟国の経済・財務相）は、経済通貨
同盟及び欧州銀行同盟の強化を目的としたESM改革に合意した。この改革の目的は、ESMツールキットをさらに発
展させ、財政支援プログラムの設計、交渉、モニタリングにおけるESMの役割を強化することである。また、単
一破綻処理基金（SRF）に対して、ESMからのクレジットラインの形で共通の緊急対策を構築し、銀行同盟におけ
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る銀行整理のための金融セーフティ・ネットを提供することで、金融安定の保護に役立てる。共通の緊急対策
は、直接増資手段に代わるものとなる。直接増資手段は、現在、最後の手段として、ESMが特定の状況下で、シ
ス テミックで実行可能なユーロ圏の金融機関に資本注入することを可能にするものである。これらの変更は、
ユーロ圏の強靭性及び危機解決能力を強化することを目的とする。
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連邦会計及び予算
下記の連邦会計は、2018年度から2021年度については会計検査院の監査及び下院の承認を受けている。2022年
度及び2023年度の会計は連邦予算案である。
2018年から2023年度の予算に関する詳細は、下記「ｃ）歳入及び歳出」を参照のこと。
要約歳入及び歳出表
(1) (1)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
（単位：百万ユーロ）
Ⅰ．一般会計
連邦政府歳入：
公租公課合計（総額） 88,204 90,893 81,808 95,684 98,100 108,100
控除：州、地方公共団
体及び基金に対
する移転
(31,328) (32,729) (30,045) (33,269) (37,565) (38,580)
(3,636) (3,149) (3,478) (3,561) (3,600) (3,600)
EU予算への移転
公租公課合計
（純額） 53,240 55,015 48,285 58,854 56,935 65,920
その他の源泉 23,639 25,341 29,750 30,336 27,474 32,168
76,879 80,356 77,855 89,190 84,409 98,088
歳入総計
歳出総計 77,983 78,870 100,334 107,139 107,504 115,198
（予算赤字）/予算黒字－
公債償還額控除後 (1,104) 1,486 (22,480) (17,949) (23,095) (17,110)
（予算赤字）/予算黒字－
純額、GDP比率 (0.6％) 0.4％ (6.0％) (4.4％) (2.5％) (1.5％)
国民所得概要説明による
一般政府(赤字)/黒字
（「マーストリヒト」(赤
字)/黒字）
（GDP比率） (0.4％) 0.7％ (8.9％) (5.8％) (2.3％) (2.9％)
国民所得概要説明による
中央政府(赤字)黒字/
（「マーストリヒト」(赤
字)/黒字）
（GDP比率） (0.5％) 0.5％ (7.8％) (5.2％) (2.2％) (3.1％)
Ⅱ．財務会計
歳出 56,150 59,482 131,860 128,194 156,918 150,283
57,254 57,996 154,339 146,143 180,013 167,393
歳入
（赤字）/黒字 1,104 (1,486) 22,480 17,949 23,095 17,110
資料出所：連邦大蔵省
四捨五入のため合計は計数の和と必ずしも一致しない。
注(1）連邦予算案。
2013年１月１日に、2013年連邦予算改革が施行された。この改革の主要な要素は以下のとおりである：業績重
視（投入重視に代わり）の予算編成、省庁及び予算管理主体の説明責任の向上、グローバル予算及び詳細予算の
実施による構造の改善、並びに以前の政府会計制度に代わる資本財政会計、損益計算書及び資本会計を含む新会
計制度。
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ｂ）税制
共和国が課税する主な税としては、個人所得税（給与賃金税を含む。）、法人税及び付加価値税がある。
個人所得税は累進税であり、1,000,000ユーロを超える課税所得に対する最高限界税率は55％である。被雇用
者については、この最高限界税率は年収の６分の１の法定所得控除により軽減される。法人税については一律
25％の税率が適用される。付加価値税は、一般付加価値税率は20％であり、主に食品、家賃、旅客輸送、書籍、
新聞及び一定のサービスに適用される軽減付加価値税率は13％及び10％である。
オーストリア法によれば、連邦政府によって徴収された税金の一定部分は、歳入分配計画に従って、州やその
他の地方公共団体に配分されることになっている。配分額、対象となる税目並びに各州及び他の地方公共団体間
における配分基準については、連邦政府その他の行政機関の間で定期的に交渉がもたれている。直近の2016年の
合意は2017年から2021年までを対象とするが、2023年まで延長された。
オーストリアは米国を含む、世界中の多数の国と租税条約を締結している。
ｃ）歳入及び歳出
以下の表は、表示された各年度の歳入及び歳出を示したものである。
歳入
(1) (1)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
（単位：百万ユーロ）
公租公課合計（総額） 88,204 90,893 81,808 95,684 98,100 108,100
個人所得税 4,280 4,926 2,982 4,473 3,800 3,500
賃金税 27,178 28,481 27,255 30,096 31,600 33,500
利子源泉税 3,072 2,990 2,580 4,217 4,050 5,050
法人所得税 9,163 9,385 6,334 9,821 10,000 13,500
取引高税 29,347 30,046 27,563 30,648 33,800 37,000
原油税 4,488 4,464 3,778 3,968 3,600 4,000
10,676 10,601 11,316 12,461 11,250 11,550
その他の税金
控除：州、地方公共団体及び
基金に対する移転
(31,328) (32,729) (30,045) (33,269) (37,565) (38,580)
(3,636) (3,149) (3,478) (3,561) (3,600) (3,600)
EUへの移転
公租公課合計（純額） 53,240 55,015 48,285 58,854 56,935 65,920
23,639 25,341 29,570 30,336 27,474 32,168
その他源泉
連邦歳入総計 76,879 80,356 77,855 89,190 84,409 98,088
資料出所：連邦大蔵省
四捨五入のため合計は計数の和と必ずしも一致しない。
注(1）連邦予算案。
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歳出
(1) (1)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
Ⅰ．一般会計
（単位：百万ユーロ）
連邦政府：
大統領府 10 10 9 10 12 12
連邦立法府 191 219 252 320 399 321
憲法裁判所 15 16 17 18 17 19
行政裁判所 21 21 22 22 23 24
検察庁 11 12 12 13 13 15
会計監査院 34 35 35 37 37 42
首相府 341 323 434 481 481 555
内務 2,857 2,920 2,956 3,182 3,246 3,651
外交 510 508 521 541 610 636
法務 1,642 1,658 1,773 1,775 1,872 2,087
軍務及び運動競技 2,276 2,483 3,208 3,420 3,289 3,633
財政 1,155 1,139 1,177 1,097 1,519 1,723
保護施設/移民 485 646 381 358 747 1,055
年金 9,234 9,974 10,656 12,185 12,004 11,534
州・地方公共団体に
対する交付金 1,408 1,240 1,396 1,803 1,943 2,003
連邦財産 871 847 9,305 11,686 3,630 5,485
金融市場安定化 175 36 26 27 1,173 146
財務 13 13 56 69 63 0
公債元利金支払
（スワップを含む） 5,446 4,705 3,675 3,221 4,299 8,678
雇用 8,316 8,269 15,831 13,762 9,899 9,271
社会問題・
消費者保護 3,674 3,636 3,940 3,986 4,263 5,038
社会保障 9,396 9,702 10,100 10,346 10,753 13,950
保健 1,083 1,118 1,791 5,045 4,600 2,856
青少年・家族 7,186 7,120 8,068 7,654 8,084 8,121
商業（調査研究） 111 105 110 93 170 282
経済 466 470 1,770 2,179 2,430 3,521
教育、芸術・文化 9,277 9,388 9,891 10,313 10,785 11,876
科学 4,412 4,628 4,875 5,044 5,636 5,939
運輸、革新、技術
（調査研究） 437 438 517 441 582 624
運輸、革新、技術 3,807 4,092 4,292 4,343 5,052 5,493
農林及び水資源 2,325 2,436 2,902 3,214 3,028 2,945
環境 638 663 336 454 6,845 3,663
連邦歳出総計 77,983 78,870 100,334 107,139 107,504 115,198
(1,104) 1,486 (22,480) (17,949) (23,095) (17,110)
(純赤字)/純黒字
Ⅱ．財務会計
歳出 56,150 59,482 131,860 28,149 156,918 150,283
57,254 57,996 154,339 146,143 180,013 167,393
歳入
(赤字)/黒字 1,104 (1,486) 22,480 17,949 23,095 17,110
資料出所：連邦大蔵省
四捨五入のため合計は計数の和と必ずしも一致しない。
注(1）連邦予算案。
歳出額と歳入額の差異（赤字）は、それぞれの会計年度の連邦予算法に承認された権限に基づく借入金及び前
会計年度末の利用可能資金の残高の利用により賄われる。
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⑨ 公債
ａ）国内債務及び外国債務の概要
直接債務
次の表は、2022年12月31日における共和国の直接国内債務及び外国債務（債券及び借款）の債務残高並びに
2022年に共和国が支払った利息を示すものである。
（単位：百万ユーロ）
2022年12月31日現在の
2022年に支払った利息
債務残高
国内：
債券 271,812 3,097
11,317 129
その他の債務
合計
283,129 3,226
(12,239)
自己債券保有
合計
270,890
0 0
外国：
合計
0 0
0
自己債券保有
合計
0
283,129 3,226
直接債務合計
自己債券保有 (12,239)
総計
270,890
資料出所：オーストリア・トレジャリー（オーストリア債務管理機関）
次の表は表示した各年度の12月31日現在における共和国の直接債務の債務残高合計を示したものである。
（単位：百万ユーロ）
12月31日
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2022年
(スワップ (スワップ
後) 前)
国内債務 224,543 219,464 250,289 266,292 283,129 274,051
(1)
0 0 0 0 0 9,136
外国債務
合計 224,543 219,464 250,289 266,292 283,129 283,187
自己債券保有 (12,888) (10,697) (12,317) (12,726) (12,239) (12,239)
総計
211,655 208,768 237,972 253,566 270,890 270,949
資料出所：オーストリア・トレジャリー（オーストリア債務管理機関）
注(1)表示した各年度の12月31日現在の為替レートをもってユーロに換算されている。
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保証債務
共和国は公的機関、共和国が持分を有する企業の債務並びに輸出保証法及び輸出金融保証法に基づく他の債務
に対して、その元利金の支払保証を行っている。次の表は表示した各年度の12月31日現在の共和国の保証債務の
元本残高を示したものである。
（単位：百万ユーロ）
12月31日現在
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
国内債務
70,645 69,591 76,449 73,361 71,248
(1)
24,872 27,482 24,433 26,663 24,548
外国債務
(2)
95,517 97,073 100,882 100,024 95,796
保証債務合計
資料出所：連邦大蔵省
注(1）表示した各年度の12月31日現在の為替レートをもってユーロに換算されている。
(2）さらに、法律により、共和国はオーストリア郵便貯金銀行が2000年12月31日までに引受けたすべての債務につき責
任を有しており、かかる債務は2022年12月31日現在、４億3,000万ユーロであった。
2022年12月31日現在における国内保証債務
（単位：百万ユーロ）
借り手 金額
(1)
輸出保証
(2)
輸出保証法
25,993.97
輸出金融保証法 4,750.00
輸送及びインフラストラクチャー
ASFINAG 7,450.00
オーストリア鉄道（OBB） 9,557.83
鉄道インフラストラクチャー・サービス会社（SCHIG） 1.31
オーストリア金融市場
金融市場安定化法（FinStaG） 0.00
ケルンテン保証法 1,108.32
欧州金融安定ファシリティ（EFSF） 9,260.47
1988年貨幣鋳造法 5,425.85
経済開発促進
オーストリア経済サービスGesmbH (AWS)
1,589.59
オーストリア旅行開発銀行（ÖHT） 354.71
オーストリア調査促進公団（FFG） 83.43
COVID-19他負債
オーストリア経済サービスGesmbH (AWS)
2,921.37
オーストリア旅行開発銀行（ÖHT） 962.25
失業リスク軽減（SURE） 717.22
汎欧州保証基金 645.82
その他負債
連邦美術館への貸付 208.38
1999年原子力賠償責任法 121.80
欧州投資銀行（EIB） 95.65
電力事業－エネルギー債 0.00
(3)
71,248.33
計
注(1）輸出保証法及び輸出金融保証法に基づきオーストリア共和国が発行する保証は、オーストリア輸出銀行（オースト
リアの輸出信用の代理人）の貸借対照表の資産サイド及び負債サイドを対象とする。貸借対照表の両サイドを参照
する保証の支払の可能性は非常に低い。したがって、経済的アプローチに従い、貸借対照表の両サイドに基づき利
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用される金額は一度だけ数に入れる。この経済的アプローチに従い、輸出保証の保証債務は2022年12月31日現在、
56億3,964万ユーロ（外国保証債務）及び264億9,543万ユーロ（国内保証債務）であった。
(2）輸出保証に基づき、確認済であるが未払いの共和国に対する支払い請求分を含む。
(3）さらに、法律により、共和国はオーストリア郵便貯金銀行が2000年12月31日までに引受けたすべての債務につき
責任を有しており、かかる債務は2022年12月31日現在、４億3,000万ユーロであった。
2022年12月31日現在における外国保証債務
（単位：百万ユーロ）
借り手 金額
(1)
輸出保証
(2)
3,457.69
輸出保証法
輸出金融保証法 20,668.22
輸送及びインフラストラクチャー
オーストリア鉄道（OBB） 95.05
その他負債
連邦美術館への貸付 326.92
計 24,547.88
注(1）輸出保証法及び輸出金融保証法に基づきオーストリア共和国が発行する保証は、オーストリア輸出銀行（オースト
リアの輸出信用の代理人）の貸借対照表の資産サイド及び負債サイドを対象とする。貸借対照表の両サイドを参照
する保証の支払の可能性は非常に低い。したがって、経済的アプローチに従い、貸借対照表の両サイドに基づき利
用される金額は一度だけ数に入れる。この経済的アプローチに従い、輸出保証の保証債務は2022年12月31日現在、
56億3,964万ユーロ（外国保証債務）及び264億9,543万ユーロ（国内保証債務）であった。
(2）輸出保証に基づき、確認済であるが未払いの共和国に対する支払い請求分を含む。
ｂ）今後５年間の外国債務の元利金支払予定額
以下は、2022年12月31日現在のオーストリアの国内長期債務に関して、表示の期間に必要な元利金支払額を示
す。
国内債務の元利金支払い
（単位：十億ユーロ）
2023年 2024年 2025年 2026年 2027年
利息
3.7 3.7 3.4 3.3 2.7
48.6 22.2 20.4 25.8 20.5
元金
合計
52.4 25.9 23.8 29.0 23.2
資料出所：オーストリア・トレジャリー（オーストリア債務管理機関）
2022年12月31日現在、通貨スワップの影響を考慮した後、未償還の外国長期債務はなかった。
ｃ）債務不履行の有無
共和国は常に、1945年以降に発行したすべての債務については、その元利金のすべてを、債権国の法定通貨を
もって遅滞なく支払ってきた。また共和国はその戦前の外国債務の弁済については、戦後に締結した契約に基づ
き支払われるべきすべての金員の支払いを履行してきた。1945年以降、共和国が1964年オーストリア輸出振興法
又はそれ以前の法令に基づき発行した輸出信用保証が付されている、オーストリアの輸出業者に対する外国業者
の債務に関する支払いを除いては、共和国が保証したいかなる債務に関する支払いの履行も求められたことはな
い。
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