BNG銀行N.V. 有価証券報告書
EDINET提出書類
BNG銀行N.V.(E06075)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和5年6月30日
【事業年度】 自 令和4年1月1日 至 令和4年12月31日
【発行者の名称】 BNG銀行N.V.
(BNG Bank N.V.)
【代表者の役職氏名】 最高経営責任者
執行委員会法定構成員 G.J. Salden
【事務連絡者氏名】 弁護士 黒 丸 博 善
弁護士 奥 村 文 彦
【住所】 東京都港区六本木六丁目10番1号
六本木ヒルズ森タワー23階
TMI総合法律事務所
【電話番号】 (03)6438-5511
【縦覧に供する場所】 該当なし
注(1) 本書中、別段の記載がない限り、「ユーロ」または「EUR」と表示される金額は、欧州連合条約により改正された欧州
共同体を設立する条約に従い単一通貨を採択した欧州連合加盟国の法定通貨を意味する。2023年6月23日現在、東京
の主要銀行により公表されたユーロに対する日本円の為替相場の中値は1ユーロにつき156.87円であった。
(2) 以下、BNG銀行N.V.を「BNG銀行」または「発行者」という。
(3) BNG銀行の事業年度およびオランダ王国の予算会計年度は暦年である。
(4) 本書中の表で、計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがある。
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第1 【募集(売出)債券の状況】
該当事項なし
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第2 【外国為替相場の推移】
(1) 【最近5年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
該当事項なし
(2) 【当会計年度(又は事業年度)中最近6月間の月別為替相場の推移】
該当事項なし
(3) 【最近日の為替相場】
該当事項なし
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第3 【発行者の概況】
1 【発行者が国である場合】
該当事項なし
2 【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
3 【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1) 【設立】
① 設立の目的および根拠ならびに沿革
沿 革
20世紀に入り、オランダの地方自治体が責任をもつ業務範囲が急速に拡大した。教育ならびにガス、水道
および電気の供給は、徐々に地方自治体の責任となった。その上、公営住宅およびそれに伴うインフラスト
ラクチャーの拡充が急速に進み、これが地方政府の最も重要な職務分野の一つとなった。これらの活動を維
持、改良および拡充するために資本が必要となった。いくつかの地方自治体、特に大規模な自治体は債券を
発行してこの資本を調達することができたが、地方自治体の大多数は、資本需要が限られていたので、資本
市場にとって魅力のある存在にはほど遠かった。また、当時は、私募債の市場もまだ揺籃期にあり、何ら解
決策を提示できなかった。年金基金、貯蓄銀行および保険会社などの機関投資家は保守的な方針に固執し、
地方自治体の基金への投資は行われなかった。実際には、地方自治体の多くはそのため地方金融機関に頼ら
なければならず、それに伴う限界があった。このような背景の下に、1912年にオランダ地方自治体連合
(Vereniging van Nederlandse Gemeenten)が設立された。この連合が最初に着手したことの一つが、オラ
ンダの地方自治体がその株式を共同保有する有限責任の公開会社形態の自分自身の銀行を設立することで
あった。それにより地方自治体からの資金需要はまとめられ、その銀行は資本市場にとって魅力ある存在と
なることができ、個々の地方自治体の資本市場における地位はその直接の結果として改善されると考えられ
た。1914年にオランダ自治体金融公庫(N.V. Bank Nederlandse Gemeenten)は、自治体信用銀行(NV
Gemeentelijke Credietbank)の名で設立された。
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連合自身が銀行を持つということは魅力的ではあったが、BNG銀行が設立された時にBNG銀行の株式に応募
した地方自治体はごく少数であり、その結果株式資本は小さかった。しかし、より重要なのは、予想された
交渉能力の向上が達成されなかったことである。基本原理は確かに正しいものであったが、健全な銀行にな
るためには基礎が過小であった。オランダ地方自治体連合、財務大臣およびオランダ中央銀行との間で交渉
が続けられ、その結果、BNG銀行の大規模な再編成が行われ、BNG銀行の株式資本がかなり増加した。多くの
地方自治体と共に、オランダ政府が1921年に株主となり、50%を出資し主要な株主の役割を担った。BNG銀
行は、より幅広い基礎とオランダ自治体銀行(nv Bank voor Nederlandsche Gemeenten)の新名称の下に、
事業を継続した。資金の投入に加え、1925年にオランダ政府は、中央政府と地方自治体との間の資金の流れ
を処理する仕事(「政府決済システム」として知られる。)をBNG銀行に割り当てた。これにより、リスク
および金融商品の変換者としてのBNG銀行の役割に支払機能が加わった。株主となった地方自治体の数が急
激に増えたため、資金需要が集中し、かなりのものとなった。BNG銀行に出資していない地方自治体もま
た、BNG銀行のサービスを利用し始めた。BNG銀行が支払サービスを提供するようになったため、顧客もBNG
銀行にある支払口座をますます利用するようになった。これによってBNG銀行の短期信用業務の基礎が築か
れた。
次の発展として、地方政府の関係領域へとBNG銀行の事業が分化した。第二次世界大戦前後の数年間、特
に戦後の数年間、この戦略の正しさが明らかになり、貸借対照表総額、利益および株主持分が非常に順調な
割合で伸びた。BNG銀行は、1940年代および1950年代は、特に、地方政府に信用供与を行う専門機関として
の認識が高まった。地方自治体およびその公共住宅公社は、公営住宅の建設のためかなりの額の資金を必要
とし、BNG銀行がこれらの資金を提供するよう要求されるだろうということは明らかだったため、BNG銀行は
一律の条件でオランダの機関投資家と契約を締結し同時に、いわゆる「国民住宅金融債」を債券市場で発行
した。それから1960年代には、資本需要が非常に高まったので、もはやそれを満たすことができなくなり、
長期信用の供与が不足した。地方自治体が資本市場でお互いに条件を競い、金利を引き上げる事態を避ける
ために、オランダ政府は、資本市場で地方自治体および州のために行為する唯一の金融業者としてBNG銀行
を指名した。地方自治体およびその他の地方官庁が資本市場で自主的に行動することができない「中央金
融」というこの例外的な状態は、1975年半ばに終了した。
中央金融の終焉によって、BNG銀行が提供する業務の再考の時期の幕が開けた。顧客および投資家の利害
が、このアプローチの出発点になった。BNG銀行の販売組織が勘定に基づいて再構築された。顧客の要求お
よび能力に合わせた商品の開発が奨励された。1980年代初頭、BNG銀行が提供する商品の幅はますます調整
されるようになった。支払取引に対する短期および長期信用の供与と顧客が自己の余剰流動資産を投資する
好機の創出を結びつけることによって、総合サービスのパッケージというまったく新しい商品ができあがっ
た。資本市場を中心に事業を行う機関としてのBNG銀行の地位は、規制緩和および金融革新といった市況の
急激な変化への対応能力の面で障害としてますます感じられるようになった。その上、規制が総合パッケー
ジの広範なマーケティングの障害になった。
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1989年1月1日、BNG銀行の地位は資本市場を中心に業務を行う機関から金融機関に変わった。これによ
り、BNG銀行はサービスを最大限に利用し拡充するのに必要な融通性および規制上の資格を得た。
それまで株主となっていない多くの新しい地方自治体および州からの要求に応じて、BNG銀行は1990年に
資本を増額した。この株式発行後、政府は50%株式所有を維持し、オランダの地方自治体および州の90%以
上がBNG銀行に出資した。
1992年1月1日の定款改正によって、BNG銀行は、当局が異なる関与の仕方をしている公共部門に奉仕す
る可能性を維持し、さらに、国際資本市場における資金調達の利用の範囲が拡大した。最後に、改正によっ
て、欧州統合の過程に相応して、(欧州連合内の)外国公共団体に対して銀行業務を行う可能性が開かれ
た。1992年、BNG銀行は、BNG銀行の商品開発の重要性およびポートフォリオ管理(資産・負債管理)に一層
重点を置いて組織変更を行った。1992年初めから、BNG銀行の最高組織は、3名の構成員から成る執行取締
役会に変わった。定款改正の結果、BNG銀行はまず1992年に国際資本市場で2回債券を発行した。1993年お
よび1994年には、外貨建債券を34回発行した。
ヨーロッパで起こった変化に鑑みて、BNG銀行は、フランス地方金融公庫に1%の持分を有していたが、
1994年度末および1995年初めまでにこれを3%に増加させた。1996年に、フランス地方金融公庫とベルギー
地方金融公庫が合併し、デクシア・グループとなった。BNG銀行は、1998年度末現在、デクシア・ベルギー
持株会社に約1%の持分およびデクシア・フランス持株会社に約3%の持分を有していた。1999年12月のデ
クシア・ベルギー持株会社とデクシア・フランス持株会社の合併により、BNG銀行はデクシアに約2.5%の持
分を有していた。2003年4月、BNG銀行はデクシアに有していた持分を売却した。
2001年11月20日、株式資本を変更しかつその通貨をユーロ建とする等のため定款が改正された。BNG銀行
は2001年に、その歴史上初めて、国際資本市場において100億ユーロを超える債券を発行した。
2004年9月1日、BNG銀行の定款改正が効力を生じた。これにより定款は、(下記「(3) 組織-④ 監督取
締役会」に記載された)監督取締役会のプロフィール、および2004年に効力を生じたオランダ法に基づく有
限会社の監督取締役選任の手続きに関する民法典第2編の改正に適合するものとなった。
2005年5月18日、株主総会はBNG銀行の定款の改正案を承認した。かかる改正により、定款は法定の二重
構造の定め(Structuurregime)の変更に適合するものとなった。特に、かかる改正により、監督取締役会
構成員の任命手続きが調整され、二重構造の定めに沿って監督取締役会の構成が変更された。2005年6月21
日、かかる改正は効力を生じた。
2005年、BNG銀行は初めて国際財務報告基準(IFRS)に従い報告を行った。BNG銀行は、2007年の新たな金
融監督法および新たなバーゼル合意(バーゼルⅡ)に基づき変更された規制を取入れる必要がある。現在継
続中の法令遵守は、高額な管理費用をもたらす。2006年、バーゼルⅡに対する準備作業が無事に完了した。
2007年、BNG銀行はかかる新たな基準に従い初めて報告を行った。
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2015年、BNG銀行はその戦略の再調整を行った。これは大きな変化にはつながらなかった。BNG銀行は公共
セクター専門の金融機関である。BNG銀行は、市民の献身的なパートナーであり、市民のための社会サービ
ス費用を持続可能な形で低く抑えるのに寄与している。持続可能性は戦略上重要な部分になっており、貸借
対照表の貸方・借方の両面で、またBNG銀行の業務において、その形式および実質を与えられている。
オランダのコーポレート・ガバナンス・コード(以下「本コード」という。)の改正が2016年12月8日か
ら発効し、その運用方法および規制の意味するところは、BNG銀行にとって2017年度の重要な話題であっ
た。本コードは正式にはBNG銀行に適用されないものの、BNG銀行は、その運用方法、規制などを可能な限り
本コードと合わせることによって、本コードの規定に従っている。本コードの改正をきっかけとして、BNG
銀行が本コードの規定をどの程度まで満たしているかを2017年度に検討することとなった。本コードの遵守
は「遵守するかまたは説明せよ」の原則に基づいており、そこが可能な限り本コードの規定を適用するとい
うBNG銀行の出発点である。
2018年8月27日、BNG銀行は定款を改正し、その際に、定款における名称を「オランダ自治体金融公庫」
から「BNG銀行N.V.(BNG Bank N.V.)」へ変更した。「BNG銀行」は2013年以来商号として使用され
ている。
2021年3月1日、BNG銀行に、5名の構成員から成る執行委員会(ExCo)が新たな最高組織として設置さ
れた。
目 的
1.BNG銀行は、公共体のために銀行業を営むことを目的とする。
2.上記1.の目的に関し、BNG銀行は、就中、金銭の受入れおよび貸付け、その他の方法による信用の
供与、保証の供与、支払いの流れの手配、為替取引の実行、証券の発行および取引の相談および仲介、なら
びに第三者のための証券およびその他の資産の保管および管理を行い、上記のいずれかに関連するまたは寄
与することを目的とする他の企業および/または法人の設立および持分保有を行うものとする。BNG銀行
は、その目的に直接または間接に資する一切の行為をなす権限を有するものとする。
3.上記1.の公共体という語は、以下のものを指す。
ア 民法典第2編第1条第1項および第2項に規定されるオランダ国内の地方自治体およびその他の公法上
の法人。
イ 欧州共同体、およびその他欧州共同体設立条約に従い同共同体の権能の一部の授権をうけた法人格を有
する団体。
ウ 欧州共同体加盟国、およびその他当該加盟国の法律に従い同加盟国の行政権能の一部の授権をうけた法
人格を有する団体。
エ 私法上の法人で、
- その業務執行取締役の半数以上がア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により直接または間接
に選任されるもの、および/または
- その株式資本の半数以上がア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により直接または間接に提供
されるもの、および/または
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- その営業予算の収入面の半額以上がア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により、当該団体に
より採択された計画、条例または法律に基づき、直接または間接に提供または担保されるもの、およ
び/または
- その営業予算がア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により、当該団体により採択された計
画、条例または法律に基づき、直接または間接に採択または承認されるもの、および/または
- そのBNG銀行に対する債務がア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により、当該団体により採
択された計画、条例または法律に従って、直接または間接に保証されるか、または将来保証されるも
の。かかる目的上、債務には、事前融資またはその他の融資から生じる無保証債務で、債務の更改によ
り、将来、当該団体により採択された計画、条例または法律に従って当該団体により保証される債務と
なるものが含まれる。および/または
- ア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により採択された計画、条例または法律に従って、政府
の職務の一部を実行するもの。
② 法的地位および特別権限
BNG銀行は、オランダ民法(設立時には関係規定が商法にあった。)に基づき株式会社として設立され
た。BNG銀行の存続期間は無期限である。その定款によれば、オランダ王国、州、地方自治体、治水公社お
よびその他の公共団体のみがBNG銀行の株主となることができる。BNG銀行の株式資本の50%はオランダ王国
政府が所有している。BNG銀行は、地方、地域および職能団体ならびに公共事業、公営住宅、公衆衛生、福
祉、文化、教育および保養に関する政府の関連団体または関係組織のための専門銀行である。
1925年政令第125号に従って、政府から地方自治体への支払いおよび地方自治体から政府への支払いは、
オランダ王国財務大臣によりそのようなものとして確認された範囲まで、債権・債務を相互に相殺すること
によって行われる。その目的のため、財務大臣が定める規則に従って、政府と各地方自治体との間または
BNG銀行と各地方自治体との間で口座が開設されるものとし、その場合BNG銀行と政府との間でもまた、口座
が開設されるものとする。BNG銀行は、当該政令に基づき財務大臣によりその法令でそのような役割をもつ
銀行として指定されており、中央政府と地方政府との間の支払処理の仲介機能を果たす、オランダで唯一の
銀行である。
2005年1月1日付で、BNG銀行は法人税の支払義務を負うこととなった。期首貸借対照表における金融商
品の初回の財務評価に関する税務当局との協議は、2006年に終了した。これにより、2005年にBNG銀行が適
用した会計方法またはかかる方法による結果が調整されることはなかった。2005年、この過程により税の有
利な取扱いが生じた(一部は一時的なものである。)。
③ 日本との関係
BNG銀行の設立に際して、日本との関係はない。
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(2) 【資本構成】
① 資本構成
2022年12月31日現在のBNG銀行の資本構成は以下のとおりである。
2022年12月31日現在
(単位:百万ユーロ)
授権株式資本:2億5,000万ユーロ
資本金(発行済全額払込済) 139
資本準備金 6
利益剰余金 3,824
再評価剰余金 4
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 14
自己信用調整 2
ヘッジコスト準備金 17
当期純利益 300
その他Tier1資本 309
負債証券 90,774
受託資金 4,785
38
劣後債務
100,212
資本合計
② 持分保有者(株主)
2022年12月31日現在、発行済株式資本の半分はオランダ王国政府が所有し、残りの半分はオランダの12州
のうち11州、全地方自治体の95%超および1の治水公社が所有していた。
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(3) 【組織】
① 経営体制
BNG銀行の経営体制は、監督取締役会(SB)および執行委員会(ExCo)で構成されている。執行委員会は
5名の取締役から成り、そのうち3名の法定取締役は共同で法定取締役会を構成している。法定取締役会の
構成員は、監督取締役会により選任および解任される。執行委員会は、資本要求指令(2013/36/EU)で言及
された経営機関の執行機能を行使している。執行委員会は、BNG銀行の日々の経営、その一般的な業務およ
びその事業の継続に責任を負う。執行委員会は、執行委員会に助言を与えるか、特定の意思決定に関する任
務を委任された委員会および諮問機関を多数設置した。これらには、資産・負債委員会、与信方針委員会、
与信委員会、非財務リスク委員会、資本委員会、金融取引先委員会、投資委員会、包括ポートフォリオ諮問
機関およびサステナブル・バンキング委員会が含まれる。これらの委員会の任務および委員に関する説明
は、ウェブサイトに掲載されている。
監督取締役会は、資本要求指令で言及された経営機関の監督機能を行使している。監督取締役会の任務
は、執行委員会の方針ならびにBNG銀行およびその関連企業の一般的な業務を監督することである。監督取
締役会の構成員は、株主総会により選任および解任される。監督取締役会には、監査委員会、リスク委員
会、人事委員会および報酬委員会の4つの委員会がある。これらの委員会は、監督取締役会による意思決定
の準備作業を行う。委員会の責任および活動の詳細は、下記「④ 監督取締役会」に記載されている。
② 法定取締役会
BNG銀行の経営は、監督取締役会の監督の下、会長1名を含む2名以上の者で構成する法定取締役会に授
権するものとする。この法定取締役会は、数名の上級執行役員と共に、執行委員会(下記「③ 執行委員
会」を参照のこと。)を構成している。
法定取締役会の会長およびその他の構成員は、監督取締役会により選任および解任されるものとし、監督
取締役会は、いつでも、個別にまたは全員を停職させることができる。停職の場合は、その時期および条件
もまた定めるものとする。法定取締役会の会議は、法定取締役会会長が議長を務めるものとする。法定取締
役会構成員は、監督取締役会との協議の後、合議により、その職務につき定めるものとする。
法定取締役会は、BNG銀行を代表する権限を有するものとする。かかる代表権限は、共同で行為する法定
取締役会構成員2名、または委任状の保有者と共同で行為する法定取締役会構成員1名にも、付与されるも
のとする。法定取締役会は、監督取締役会の承認を得た上、その責任に基づき、かつ必要と考える範囲を正
当に遵守し、BNG銀行の代表権をBNG銀行の法定取締役会構成員および従業員に付与することができ、またそ
の者が有すべき役職を定めるものとする。
とりわけ下記に関する法定取締役会の決議には、あらかじめ監督取締役会の承認を必要とする。
ア BNG銀行の株式および債券またはBNG銀行を無限責任社員とする合資会社または合名会社の社債の発行お
よび取得。
イ 証券取引所の公式相場への上記ア記載証券の上場または上場廃止の申請。
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ウ 監督取締役会が定める金額を超える場合における、署名による債務の承認に基づく満期20年超の借入お
よびその借入の条件。
エ BNG銀行または従属会社を一方当事者とし他の会社または法人を他方当事者とする、または合資会社も
しくは合名会社の無限責任社員としての、継続的提携の締結またはその解消。ただし、その提携または解
消がBNG銀行にきわめて重要な場合に限る。
オ BNG銀行の注記付貸借対照表を基準として、発行済資本および準備金の4分の1以上に相当する他の会
社の持分のBNG銀行または従属会社による取得およびその持分の著しい増加または減少。
カ BNG銀行の注記付貸借対照表を基準として、BNG銀行の発行済資本および準備金の4分の1以上に相当す
る金額を要する投資。
キ 定款改正決議。
ク BNG銀行の解散決議。
ケ 清算および支払停止の申立。
コ 同時または短期間内における、BNG銀行または従属会社の相当数の従業員の解雇。
サ BNG銀行または従属会社の相当数の従業員の労働条件の重要な変更。
シ 発行済資本減少決議。
ス BNG銀行を代表しての、またはBNG銀行の費用による不動産およびその他の登記が必要とされる財産の取
得、担保設定および譲渡。
さらに、BNG銀行の同一性もしくは性質またはその業務における重要な変更に関する法定取締役会の決議
には、株主総会の承認が必要とされる。それは、最小限の事項として下記のものが含まれる。
ア 事業またはほぼすべての事業の第三者への譲渡。
イ BNG銀行または子会社と、他の法人または会社との間の、または合資会社または合名会社の完全に責任
を負う社員としての、長期的協力の締結または解消。ただし、その提携または解消がBNG銀行にきわめて
重要な場合に限る。
ウ BNG銀行の注記付貸借対照表を基準として、またはBNG銀行が連結貸借対照表を作成している場合は最新
の年次財務書類が含まれている連結貸借対照表を基準として、発行済資本および準備金の3分の1以上の
価値に相当する会社資本持分のBNG銀行または子会社による取得または処分、およびかかる会社投資の著
しい増加または減少。
エ 上記ウに示されている金額以上の投資または投資の回収。
2022年度末の法定取締役会の構成員は以下のとおりであった。
ギータ・サルデン、最高経営責任者(CEO)、会長
オリビエ・ラーベ、最高財務責任者(CFO)
シンディ・ファン・アッテフェルト-マキールセン、最高リスク責任者(CRO)
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③ 執行委員会
BNG銀行は5名の執行委員会によって経営されている。執行委員会の構成員のポートフォリオは、3つの
ディフェンスライン・モデルを完全に実施できるような形で配分された。
2022年度末の執行委員会の構成員は以下のとおりであった。
ギータ・サルデン、最高経営責任者(CEO)、会長
オリビエ・ラーベ、最高財務責任者(CFO)
シンディ・ファン・アッテフェルト-マキールセン、最高リスク責任者(CRO)
トーマス・エテルマン、最高商務責任者(CCO)
ヤーコ・ファン・ハウトスヴァールト、最高執行責任者(COO)
④ 監督取締役会
BNG銀行の定款の他の規定に従ってかつ他の規定を損なうことなく、監督取締役会は法定取締役会の方針
およびBNG銀行における通常の業務ならびにBNG銀行が関係する事業を監督すべき責任を負う。監督取締役会
は、法定取締役会に対し助言を与えることにより、これに協力するものとする。監督取締役会構成員は、そ
の任務を遂行するに当たっては、BNG銀行の利益およびBNG銀行が関係する事業に従うものとする。
現行の定款は2022年6月28日付である。2019年5月15日に改正された旧定款では、監督取締役会は5名以
上の構成員により構成されるものとすること、監督取締役会はその構成員の数を決定するものとすることが
規定されていた。
監督取締役会は、その責務を果たすのに必要な資質を確実に保持することを目的として、プロフィールを
規定した。2019年4月18日に、監督取締役会は、一般に監督取締役会構成員に必要な資質に関するバンキン
グ・コードおよびオランダのコーポレート・ガバナンス・コードの規定に対応するため、このプロフィール
を改定した。現在、監督取締役会のプロフィールは以下のとおりである。
監督取締役会は、経歴および年齢の点から構成の多様性を目指している。
監督取締役会の構成員3名以上は、以下に関する十分な知識および経験を有している。
ア 財務および監査:財務情報および外部報告、会計方針、内部リスク管理および統制体制ならびに内部お
よび外部監査。
イ リスク管理およびコンプライアンス:リスク管理およびコンプライアンスの機能、様々なリスクおよび
相互に関連するリスク領域の管理ならびに会社がそのリスク管理およびコンプライアンスの機能を設定し
た方法。
監督取締役会の構成員2名以上は、以下に関する十分な知識および経験を有している。
- 人事および組織:報酬方針、文化、可動性、業績管理、異動管理、労使関係ならびに会社がその人事方
針および組織を整理した方法。
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監督取締役会の各構成員は、以下の2つの分野のいずれかにおける経験を有している。
- 金融サービス、特に銀行業務の経験。
- 政府:中央政府、州、地方自治体などの(半)政府組織および/または住宅、ケアおよび/または教育
分野の部門における経験。
監督取締役会は、ダイバーシティ方針に沿って、構成員の33%以上が女性および構成員の33%以上が男性
であるよう構成されている。
監督取締役会は、監督取締役会全体としてのインテグリティおよび各構成員のインテグリティを監視して
いる。監督取締役会では、各構成員がその監督任務を十分実行できることを保証し、その委員会、すなわち
報酬委員会、人事委員会、監査委員会およびリスク委員会に適切な人材が配置されているかを監視する。
監督取締役会は、互選により、会長1名を選任し、また、互選またはその他の方法により、秘書役1名を
選任するものとする。監督取締役会の各構成員は、いつでも、BNG銀行の事務所に立入り、BNG銀行の帳簿、
記録および資金を検査する権利を有するものとする。執行委員会の構成員は、自己の知る範囲で、監督取締
役会の構成員が請求する一切の情報を提供する義務がある。執行委員会の構成員は、出席を求められたとき
は、監督取締役会に出席し、その場合、自己の知る範囲で、BNG銀行の事項に関し要求された一切の情報を
提供する義務を負う。
2022年度末の監督取締役会の構成員は以下のとおりであった。
フーブ・アレンセ、会長
ヤン・ファン・ルッテ、副会長
カーリン・ベルグステイン
ヨハン・コナイン
マルリース・ファン・エルスト
レオナルト・ヘリュック
フェンケ・デ・フリース
監督取締役会の活動
監督取締役会は、執行委員会(ExCo)の方針、執行委員会がBNG銀行において戦略を実施し、一般的な業
務を監督する方法を監視している。その際、監督取締役会は、BNG銀行の顧客および社会にとって長期的に
持続可能な価値を創造することに重点を置いている。また、内部リスク管理および統制体制の有効性ならび
に財務報告のインテグリティおよび質も監視している。監督取締役会の構成員は独立している。監督取締役
会は、議題に応じて、監督者、使用者または執行委員会の助言者の役割を果たす。
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会議および議題
監督取締役会は、2022年度に8回開催された。監督取締役会の定例会議には、執行委員会構成員および要
請された場合は外部監査人が出席する。監督取締役会の会議の前に、監督取締役会構成員のみが出席できる
非公開セッションが開催される。委員会の会議は定例会議の1週間前に開催される。監督取締役会の会議で
は、これらの委員会の会議について書面および口頭による報告が行われる。監督取締役会の承認が必要とさ
れる場合は、関係する委員会が監督取締役会に助言を与える。監督取締役会の各会議の開始時に、利益相反
の不存在が確認される。
監督取締役会の委員会の活動
監督取締役会の4つの委員会は、執行委員会の活動の監視にあたり監督取締役会を支援している。
委員会は、監督取締役会の意思決定方針を作成し、様々な議題について監督取締役会に助言を与える。各
委員会はそれぞれ一連の規程および規則を有している。原則として、委員会は、監督取締役会の定例会議の
1週間前に開催される。
監査委員会
監査委員会は、カーリン・ベルグステイン(委員長)、ヤン・ファン・ルッテ、ヨハン・コナインおよび
レオナルト・ヘリュックで構成されている。監査委員会は、財務報告、内部統制体制ならびに内部監査およ
び外部監査人からの報告に関する監督取締役会による意思決定の準備を行う。監査委員会の会議には、監査
委員会の委員に加え、CEOおよびCFO、IAD長、財政・統制部長ならびに外部監査人が出席する。リスク委員
会委員長も監査委員会の委員である。監督取締役会会長は、常任のオブザーバーとして監査委員会の会議に
出席する。監査委員会は、一部の会議の前に、外部監査人およびIAD長と非公開セッションを開催する。監
査委員会委員長は、監査委員会の会議の前後に別途、IAD長および外部監査人と年5回会議を行う。
監査委員会は、2022年度に5回開催された。
リスク委員会
リスク委員会は、リスク管理ならびに様々なリスクおよび対応するリスク分野の管理に関する執行委員会
の活動の監督にあたり、監督取締役会を支援している。リスク委員会は、ヨハン・コナイン(委員長)、マ
ルリース・ファン・エルスト、カーリン・ベルグステインおよびフェンケ・デ・フリースで構成されてい
る。リスク委員会の会議には、リスク委員会の委員に加え、CEOおよびCRO、IAD長、リスク管理部長および
コンプライアンス部長が出席する。監督取締役会会長は、常任のオブザーバーとしてリスク委員会の会議に
出席する。リスク委員会委員長は、リスク管理部長と少なくとも年1回、コンプライアンス部長と少なくと
も年1回会議を行う。また、リスク委員会の会議の前後に協議も行われる。
リスク委員会は、2022年度に5回開催された。
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人事委員会
人事委員会は、フーブ・アレンセ(委員長)、フェンケ・デ・フリースおよびレオナルト・ヘリュックで
構成されている。人事委員会の責任には、監督取締役会の構成員および執行委員会の法定構成員の採用およ
び選定、監督取締役会および執行委員会の全体としての実績の定期的な評価ならびに監督取締役会および執
行委員会の法定構成員の個々の実績の評価が含まれる。人事委員会は、BNG銀行の広範な人事方針も監督し
ている。人事委員会は、この点に関する監督取締役会による意思決定の準備を行い、ひいては使用者として
の役割で監督取締役会を支援している。人事委員会の会議には、人事委員会の委員に加え、CEOおよび人事
部長が出席する。
人事委員会は、2022年度に5回開催された。
報酬委員会
報酬委員会は、フェンケ・デ・フリース(委員長)、フーブ・アレンセおよびレオナルト・ヘリュックで
構成されている。報酬委員会は、BNG銀行内のリスク管理に影響を与える決定を含む、監督取締役会、執行
委員会および上級経営陣の報酬に関する監督取締役会による意思決定の準備に責任を有する。人事委員会の
活動と同様、この責任は主に監督取締役会の「使用者」としての役割を中心とする。報酬委員会の会議に
は、報酬委員会の委員に加え、CEOおよび人事部長が出席する。
報酬委員会は、2022年度に1回開催された。
⑤ 株主総会
上記のとおり、BNG銀行の定款では、オランダ王国、州、地方自治体、治水公社およびその他の公共団体
に限りBNG銀行の株主となることができる。
株主総会は、ハーグ、アムステルダム、ロッテルダムまたはユトレヒトにおいて開催するものとし、法定
取締役会または監督取締役会もしくはその代表者が株主および議決権ある用益権者に宛てた回状により、14
日以上前(通知日および総会開催日の両日を含む。)に通知を発して、これを招集する。上記のほか、株主
総会は、監督取締役会、法定取締役会、監督取締役会の構成員3名以上、法定取締役会の構成員1名または
株主10名以上が必要であると判断し、かつ、法定取締役会および監督取締役会が議案を付して書面で請求し
たときは、随時、開催されるものとする。かかる請求に応じて、1か月以内に総会が開催されない場合、請
求者自ら総会を招集することができるものとする。かかる総会においては、議決権の絶対多数により、総会
自ら議長および秘書役を選任するものとする。年次計算書類、年次報告書および民法典第2編第392条第1
項により付加すべき情報ならびにその他の議事を審議すべき年次株主総会は、毎年、7月1日前までに開催
する。
監督取締役会および法定取締役会の構成員は、すべての株主総会に出席し、かつ、総会において意見を述
べ、勧告的意見を述べる権利を有するものとする。
各株式は1議決権を有する。株主総会における議題は、すべて議決権の絶対多数により定めることができ
る。ただし、定款においてこれより多い数が定められている場合はこの限りでない。
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⑥ 従業員
2022年度に、BNG銀行と契約している従業員数は増加し、外部職員数も増加した。BNG銀行およびその子会
社の従業員数は35名増加し397名(395.3 FTE)となった。2022年度に、28名の従業員が職を変更し、81名の
新人がBNG銀行に入行し、46名の従業員が退職した。
BNG銀行は390名の従業員を雇用している。子会社のBNG Gebiedsontwikkelingには7名の従業員がいる。
子会社のHypotheekfonds voor Overheidspersoneelには従業員がいない。
2022年12月31日現在、有期契約の従業員は63名(14.6%)である。パートタイムで働く男性は18名
(4.5%)および女性は33名(8.3%)である。当年度の従業員の平均年齢は46歳で、昨年度と同程度(2021
年度は45.8歳)であった。従業員の平均勤続年数は11.34年(2021年度は11.44年)と若干減少した。BNG銀
行には正式な職員の立場にある外部職員が123名おり、BNG Gebiedsontwikkelingには正式な職員の立場にあ
る外部職員が2名(0.8 FTE)いる。ほとんどの外部職員は契約に基づき勤務している。BNG銀行では、ゼロ
時間契約に基づく職員を雇用していない。
⑦ 機 構
BNG銀行は、オランダのハーグ Koninginnegracht 2に登記上の事務所を有しており、支店はない。2021年
12月31日現在、子会社は2社あり、関連会社はない。
以下の組織機構図は、組織の構成を表している。
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⑧ 抑制的な報酬方針
BNG銀行は、その独自性および戦略と一致する抑制的な報酬方針を目指している。報酬方針では、報酬と
BNG銀行の社会的機能との関係について論じられている。報酬方針は、従業員が許容範囲を超えるリスクを
冒すことを回避し、不誠実な行動の動機づけを抑制するものである。したがって、執行委員会および監督取
締役会の構成員は変動報酬を受領しない。また、従業員も労働に対する変動報酬を受領しない。従業員が優
れた業績をあげた場合、一時金を受領することができる。
監督取締役会はBNG銀行の報酬方針を監視する。執行委員会の構成員および従業員の報酬方針の一般原則
は、監督取締役会により承認されている。報酬方針の実施に関する報告は毎年監督取締役会に提出される。
この報告のために、リスク管理部は報酬方針の様々な構成要素についてリスク分析を実施する。コンプライ
アンス部は、コンプライアンスまたはインテグリティのリスクについて協議を行う。毎年、監督取締役会
は、報酬方針が抑制的な報酬方針の原則を遵守しているか確認する。また、監督取締役会と労働評議会との
間で、BNG銀行の報酬比率について毎年協議が行われている。
年次株主総会では、執行委員会の法定構成員の報酬方針および監督取締役会の構成員の報酬制度が採択さ
れる。2022年度に、最高収入を得た執行委員会構成員の給与は、BNG銀行の従業員の給与の中央値の4.15倍
(2021年度は4.0倍)であった。平均給与(賃金総額)は、2021年度と比べ2.35%減少した。
報酬方針および報酬報告書は、ウェブサイトに掲載されている。2022年度の執行委員会および監督取締役
会の構成員の報酬は、下記「(5) 経理の状況」で報告されている。
⑨ コンプライアンス
倫理的な商慣習は、BNG銀行の重要な基盤である。BNG銀行は、関連規則を遵守し、社会的責任を果たす必
要性は自明であり、社会的野心と密接に結び付いていると考えている。
リスク選好
BNG銀行は、リスク選好の一環として、インテグリティおよびコンプライアンスのリスク選好を定義して
いる。BNG銀行は、優れたインテグリティ・プロファイルを追求し、従業員、顧客、取引先およびBNG銀行に
関連する第三者がインテグリティ要件を満たすことを期待している。規則および規制について、BNG銀行
は、健全な行動、倫理的な商慣習ならびに関連法規および規制機関の関連基準を確実に遵守することを目指
している。
ガバナンス
コンプライアンス・リスクの管理については、BNG銀行の全部門が責任を負っている。独立したコンプラ
イアンス機能は、体系的インテグリティ・リスク分析(SIRA)の実施、コンプライアンス方針の策定および
助言、規制動向の特定および影響評価のプロセスの組織化、インテグリティおよび規制のコンプライアン
ス・リスクに関する助言、監視および報告を支援している。
BNG銀行は、そのコンプライアンス憲章で、第2ラインのコンプライアンス機能の目的および範囲ならび
にコンプライアンス部のすべての活動の基礎となるコンプライアンス・サイクルを定義した。コンプライア
ンス憲章は、ウェブサイトに掲載されている。
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BNG銀行がインテグリティ・リスク選好の範囲外で業務を行う際に、重大な事例を検出するための主な手
段は以下のとおりである。
- 毎年のSIRAに関するワークショップおよびリスク統制自己評価におけるリスクの識別および統制ならび
に識別された主要なリスクの軽減に対応する統制。
- 統制の有効性を監視するための第1ラインおよび第2ラインの両方の部門によるリスクに基づく監視プ
ログラムの実施。
- インシデントを管理するための手順。
当行のコンプライアンス・リスク管理には、内部および外部監査ならびに監督官庁との頻繁な連絡によ
り、さらなる保証が付されている。
統合リスク報告書は、四半期毎に、これらのリスクの現状に関する情報を執行取締役会および監督取締役
会の両方に提供している。四半期毎のコンプライアンス報告書では、コンプライアンス・リスクの詳細が記
載されており、非財務リスク委員会、執行委員会およびリスク委員会で四半期毎に議論される。
⑩ リスク管理
リスク管理は安全なリスク・プロファイルの維持に重点を置いており、それがBNG銀行の高い外部信用格
付に反映されている。厳格な資本方針、定款における業務および取引先の制限ならびにトレーディング勘定
の不存在により、BNG銀行のリスク選好は制約を受けている。
リスクを許容し、統制するプロセスは、どの銀行にとっても日常活動に内在するものである。BNG銀行
は、活動を行うために、一定の水準の信用、市場、流動性、オペレーショナル、コンプライアンス、セキュ
リティおよび戦略的リスクを許容しなければならない。BNG銀行の低いリスク選好は、リスク方針、資本方
針ならびに定款における業務および顧客の制限に反映されている。また、BNG銀行はトレーディング勘定を
有していない。
内部ガバナンス・フレームワーク
内部ガバナンス・フレームワーク(IGF)は、BNG銀行内の内部組織の設計を形にし、すべての意思決定の
基盤を提供する。内部ガバナンス・フレームワークは様々な要素で構成されており、3つのディフェンスラ
イン・モデル、リスク管理フレームワークおよびコンプライアンス・サイクルが含まれている。3つのディ
フェンスライン・モデルは、BNG銀行の内部統制およびリスク管理体制に関する3つのラインの役割を説明
するものである。リスク管理フレームワークには、リスク・ガバナンスおよびリスク選好フレームワークな
ど、一般的および特定のリスクに関連する対象に関する包括的な方針が含まれている。リスク管理フレーム
ワークは、BNG銀行に特有の企業プロファイルに合わせて策定されている。リスク管理活動は、重大なリス
クが発生する可能性のある組織のあらゆる部分に組み込まれている。進行中のリスク管理プロセスは、様々
な種類のリスクの特定、評価、測定、監視、報告および制御で構成されている。コンプライアンス・サイク
ルは、コンプライアンス機能のすべての活動の基礎となるもので、BNG銀行がインテグリティ・リスク選好
の範囲外で業務を行う事例または関連法令を遵守していない事例の検出に重点を置いている。
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リスク・ガバナンスおよびリスク管理フレームワーク
監督取締役会は、BNG銀行のリスク選好ステートメントを承認し、リスク選好に関する実際のリスク・プ
ロファイルの進展を監督する。執行委員会は、リスク選好ステートメントの起案に責任を負い、BNG銀行の
営業活動を様々なリスクに対するリスク選好のパラメータ内で確実に実行させている。執行委員会は、様々
なリスク志向の委員会、すなわち資産・負債委員会(ALCO)、与信方針委員会、与信委員会、資本委員会、
金融取引先委員会、投資委員会および非財務リスク委員会を通じて、この任務を遂行している。これらの委
員会の任務および委員の説明は、BNG銀行のウェブサイトに掲載されている。
「第1ライン」(業務)は、リスクの所有者であり、主にリスクの識別、業務過程に伴うリスクを管理す
るための内部統制の設計および実行に責任を負う。
以下の「第2ライン」の部署は、最高リスク責任者の直下にあり、BNG銀行の内部統制およびリスク管理
システムの実施および実行にあたり執行委員会をさらに支援している。
- リスク管理 :リスク管理部は、リスクの識別、定性化、定量化および軽減にあたり業務を支援してい
る。また、特定のリスク管理手段を用いてリスクを監視し、これらの活動について独立して報告する。こ
れらのリスクは、財務リスク(信用リスク、市場リスクおよび流動性リスク)ならびに非財務リスク(オ
ペレーショナル・リスクおよび戦略的リスク)で構成される。リスク管理部はまた、リスク管理フレーム
ワークおよび様々なリスク方針を維持しているる。経済的および規範的な観点の両方から、シナリオ分析
の調整もリスク管理部に委ねられている(特に、悪天候シナリオが計算されている。)。リスク管理部門
は、その責任の一環として、BNG銀行が確実にリスク選好の範囲内で業務を行うことを目的としている。
機能の目的、地位および権限は、リスク管理憲章に規定されている。リスク管理部は、執行委員会のすべ
ての委員会に代表として参加し、監督取締役会のリスク委員会が開催する会議に出席している。リスク管
理部長は執行委員会に直属し、また監督取締役会にも直属している。
- 信用リスク評価 :信用リスク評価部は、不良債権の貸付金および信用リスクの大幅な増加が認められる
貸付金を含む、顧客および金融取引先に対する個別の与信提案および審査に関連するリスクについて、独
立した評価および助言を提供する。同部はまた、信用リスクに関する方針の策定にも関与している。業務
上の貸付過程の一環として、同部はすべての信用リスク志向の執行委員会の委員会に代表として参加して
いる。
- コンプライアンス :コンプライアンス機能は、組織、顧客、従業員およびBNG銀行が業務を行う市場の
インテグリティを促進し、規則、規制および内部基準の遵守を監視している。コンプライアンス部長は執
行委員会に直属し、また監督取締役会にも直属している。これは、コンプライアンス憲章に規定されてい
る。詳細については、上記「⑨ コンプライアンス」を参照のこと。
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- セキュリティ :セキュリティ機能は、情報、ITインフラおよび極めて重要な業務過程の信頼性(機密
性、完全性および可用性)を(サイバー)脅威から保護するために、業務を監視、促進、支援および挑戦
している。セキュリティ部は、情報セキュリティ方針の策定および維持、危機管理方針の維持ならびにセ
キュリティ啓発プログラムの実行に責任を負う。さらに、セキュリティ部は、セキュリティ・リスクの監
視および報告に責任を負う。この責任の一端として、セキュリティ部は、BNG銀行が確実にセキュリティ
に関するリスク選好の範囲内で業務を行うことを目的としている。セキュリティ部の目的、地位および権
限は、セキュリティ憲章に規定されている。
最後に、「第3ライン」は、業務からの独立性を反映するために、最高経営責任者(CEO)の下に置かれ
た別個の部署で働く内部監査人に代表される。
- 内部監査部(IAD) :IADは、BNG銀行の内部統制およびリスク管理体制の設計および業務上の有効性を
評価し、適用ある法律の遵守を評価するために、定期的に業務監査を行っている。IADの目的、地位およ
び権限は、内部監査憲章に規定されている。IADは、執行委員会に直属し、また監督取締役会にも直属し
ている。
リスク管理フレームワーク
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リスク選好フレームワーク
リスク管理フレームワークの重要な要素がリスク選好フレームワーク(RAF)である。このフレームワー
クは、BNG銀行のリスク選好を確立、伝達および監視するための方針、過程、統制および体制を対象として
いる。さらに、RAFには、リスク選好ステートメント、その後のリスク限度設定ならびにリスク選好ステー
トメントの実施および監視を監督する者の役割および責任の概要が含まれている。このステートメントは、
外部および内部の進展に基づき毎年更新され、様々な種類のリスクについて、限度および目標に落とし込ま
れる。これらは、BNG銀行がそのリスク選好の限度内で業務を行っているかを判断する、四半期毎の監視プ
ログラムの対象となる。結果は様々なリスク委員会に報告され、その後、執行委員会および監督取締役会へ
の報告書に統合される。統合されたリスク報告書は、定期的な限度監視に使用される数値から得られる集約
情報を提供するだけでなく、BNG銀行の現在および将来のリスクに関する全体的な見解を示すことも目的と
している。
2022年度に、BNG銀行は、財務リスクについては、リスク選好の範囲内で業務を行った。信用リスクにつ
いては、BNG銀行は、エネルギー価格の上昇、コストインフレおよび金利の上昇により比較的深刻な影響を
受ける可能性のある部門を、注意深く監視している。BNG銀行は、依然として自己資本が充実しており、望
ましい外部信用格付に沿った健全な流動性ポジションを維持している。
非財務リスクについては、2022年度に、BNG銀行は、完全にリスク選好の範囲内で業務を行ったわけでは
なかった。内部プロセス、人材およびシステムにおける欠点により、潜在的に大きな損害がもたらされる可
能性がある。第1、第2および第3ラインの調査結果は、BNG銀行がこの点を改善すべきであると示してい
る。このため、BNG銀行は、特に非財務リスク委員会の設置により、オペレーショナル・リスク・プロファ
イルの改善を優先してきた。オペレーショナル・リスク・プロファイルの改善は複数年度にわたる計画であ
り、経営委員会にとって2023年度も優先される予定である。
リスク・カルチャー
BNG銀行は、組織内に適切なリスク・カルチャーを確保することの重要性を認識し、それを内部統制およ
びリスク管理体制に組み込むよう努めている。リスク選好は、リスクに対する認識を向上させ、望ましいリ
スク行動を組み込む上で重要な手段である。リスクに対する従業員の認識を高めるために、BNG銀行は、限
度および目標を監視する責任をリスク志向の執行委員会の委員会に拡大してきた。この進展は、業務レベル
でのリスクに対する認識を高めることを目的としている。内部統制およびリスク管理プロセスを支援するガ
バナンス・リスク・コンプライアンス(GRC)ツールの実装により、効率性が向上し、責任分担が促進され
ることが予想される。GRCツールはまた、リスク・カルチャーを一層強化し、非財務リスク管理プロセスの
成熟度を高めるという、BNG銀行の目的にも資するものである。
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⑪ コーポレート・ガバナンス・ステートメント
内部リスク管理および統制体制は、BNG銀行内の重要な留意点である。リスク・ガバナンス・フレーム
ワークは、BNG銀行におけるすべてのリスク管理活動の基盤を形成し、内部統制およびリスク管理体制の背
後の原則を明確にする。リスク選好ステートメントには、BNG銀行がその目的を達成するために許容するこ
とを望むリスクが記載されている。BNG銀行の活動に伴う様々なリスクは、BNG銀行の年次報告書で毎年議論
される。業務執行取締役および部長は、執行委員会に対する「内部統制ステートメント」で、BNG銀行のリ
スク選好に関連するリスク管理に重点を置いて、執行委員会に直接報告している。また、年間計画で、BNG
銀行のリスク選好を満たす責任を果たす方法も説明される。第2ラインは、年間を通じて、リスク選好の遵
守に関して執行委員会に報告している。この全体的なフレームワークは、BNG銀行の資本管理方針と密接に
結びついており、規制当局と定期的に検討および議論されている。
内部監査部(IAD)による監査は、内部リスク管理および統制体制の構造および機能を独立して決定する
ことに重点を置いている。外部監査人は、財務書類を監査し、また財務書類の効率的かつ効果的な監査に関
連する限り、財務報告に関する内部統制を評価する。IADおよび外部監査人の調査結果は、執行委員会およ
び監督取締役会に対して報告される。IAD長および外部監査人は、財務書類に関する議論が行われる監査委
員会および監督取締役会の両方の会議に出席する。
年次報告書では、BNG銀行の内部リスク管理および統制体制の運用における欠点について十分な洞察が行
われる。上記の体制によって、財務報告に重大な誤りが含まれていないという合理的な程度の確実性が提供
される。これらの体制は、当然ながら、BNG銀行の目的の達成ならびにすべての誤りの防止および不正およ
び法令違反の事例について、絶対的な確実性を提供することはできない。詳細な説明は、下記「(5) 経理の
状況」の「リスク」の項目に記載されている。連結財務書類は、継続企業の原則に基づいて作成される。報
告書の作成後12か月間に、継続性を妨げる可能性のある重大なリスクまたは不確実性は確認されていない。
⑫ 政府およびオランダ中央銀行(De Nederlandsche Bank)の規制
オランダ王国政府は、BNG銀行の日々の業務に干渉しない。しかし、株式の50%を有しているため、年次
株主総会で大きな影響力のある議決権を有する。法律またはBNG銀行の定款により、定款の変更を含む多く
の非常に重要な決定は株主総会の承認を必要とする。
BNG銀行は、会計監査、予算編成その他に関して他と異なる取扱いがされることはない。会計監査等に関
してBNG銀行は他の民間会社と同じ法規に従っている。BNG銀行はさらにオランダ中央銀行の定める規則に従
うが、かかる規則は他の(商業)銀行に対するものと同じである。
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BNG銀行に適用ある国の銀行その他の主要な規制
以下は、BNG銀行に適用あるオランダ中央銀行を含む国の法律・規則である。
オランダ民法、特に第2編法人の規定が、株式会社(naamloze vennootschap)としてのBNG銀行に適用さ
れる。
2007年1月1日付で、(特に)オランダの1992年信用システム監督法(Wet toezicht kredietwezen
1992)に代わるものとして、新たな金融監督法(Wet Financieel Toezicht)(Wft)が発効し、Wftにいう
金融機関(credit institution)としてのBNG銀行に適用される。Wftは特に、オランダにおいて設立された
企業はオランダ中央銀行からの承認なくして金融機関の事業を行ってはならないと規定している。BNG銀行
は、この承認を取得している。
2014年度に、BNG銀行が欧州中央銀行(ECB)の直接の監督下に置かれる128の銀行の一つとなることが明
らかになった。ECBによる監督は、2014年11月4日から実施された。BNG銀行は欧州の規制当局が実施したバ
ランスシートの質およびストレス・テストに十分に合格した。基礎シナリオでは、資産査定およびストレ
ス・テストの結果は双方とも、最低必要な8%の2.5倍を超えた額の資本ポジションとなった。最悪シナリ
オでは、リスク加重のソルベンシー比率は17.3%で、最低必要な5.5%の3倍以上である。
BNG銀行は、その行う銀行業務を制限されているオランダで数少ない金融機関の一つである。その制限は
定款に定められている。しかし、オランダで他の銀行が行えない、BNG銀行が専属的に取扱いうる銀行業務
があり、それは、1925年政令(第125号)に基づく、国と地方自治体間の支払いである。
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(4) 【業務の概況】
① インパクトへの道のり
2022年度に、BNG銀行は、更新された戦略である「インパクトへの道のり」の実施に向けてさらに歩みを
進めた。当行は、公共領域の公共領域のための銀行として、当行の顧客がインパクトを与え、その目的を達
成できるよう支援するために存在している。当行は、2022年度に初めて、顧客のインパクトを測定した。当
行の目標は、2023年度における当行の顧客のインパクトを2021年度と比べ10%増加させることである。当行
はこれが野心的な目標であることは認識しているものの、明確な節目を設ける必要があると考えている。顧
客の利益のために、当行は自身の事業および職員への投資を続けている。
目 的
BNG銀行は従来から、オランダの公共領域と公益の、公共領域と公益のための銀行である。BNG銀行の目的
は「社会的インパクトが原動力」となっている。この目的がBNG銀行のすべての活動を牽引している。
この目的は、社会的課題の解決に資金を提供する頼れるパートナーであると顧客がBNG銀行を認識するこ
と、BNG銀行がその達成および実証に成功することである。BNG銀行は、この目的について顧客に関与し、顧
客がその社会的目標を達成できるよう支援している。そうすることで、BNG銀行は可能な限り最も有利な条
件で顧客に資金を提供している。
BNG銀行は、オランダの公共領域へのサービス提供に尽力している。公共領域には以下が含まれる。
- 中央政府、州、地方自治体および治水公社
- 住宅協会、ヘルスケア機関および教育機関など、公共サービスを行う組織
- 株式資本の半分以上を政府から提供されている組織および/または政府により完全に保証されている活
動
BNG銀行は、公共領域の組織に加え、公共領域の一部である場合に限り、エネルギー、環境、モビリティ
およびネットワーク部門のプロジェクトにも資金を提供している。
持続可能性、信頼性および専門性
BNG銀行は以下の3つの基本的価値観を原動力としている。
- 持続可能性は、BNG銀行の行動が、現在も長期的にも、インパクトを与えることに重点を置いていると
示している。BNG銀行は、社会における発展を認識しているため、解決策および顧客との強固な関係作り
に重点を置いている。
- 信頼性は、行動およびコミュニケーションにおける透明性に表されている。BNG銀行は、何ができるか
を明確かつ誠実にし、契約を遵守している。
- 専門性は、専門家の視点から、BNG銀行が他者と関わる際、どのように働き、どのように発展し、どの
ように行動するかを定義している。BNG銀行は、効果的な運営を行い、発展を続けている。BNG銀行は、他
者に敬意を払い、注意深く耳を傾け、課題について発言し、失敗から学んでいる。
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インパクトへの道のり
2021年度に「インパクトへの道のり」という名前で始動した戦略プロジェクトは、2022年度も継続した。
重要な目的は、BNG銀行の社会的インパクトを強化することである。社会的インパクトの測定には、5つの
持続可能な開発目標(SDGs)が基準点として用いられる。BNG銀行は、BNG銀行が資金を提供する活動に密接
に対応する5つのSDGsを選択した。
- SDG 3:すべての人に健康と福祉を
- SDG 4:質の高い教育をみんなに
- SDG 7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- SDG 11:住み続けられるまちづくりを
- SDG 13:気候変動に具体的な対策を
戦略的優先事項
2022年度に、以下の4つの戦略的優先事項がBNG銀行の活動の指針となった。
1.一層の重視
BNG銀行は、公共領域においてマーケットリーダーの地位を維持した。貸付金は、ソルベンシー要件の対
象とならない部門で109億ユーロ、ソルベンシー要件の対象となる部門で14億ユーロにのぼり、目標を達成
した。2022年度のソルベンシー要件の対象とならない取引高の比率は67.5%であった。
用いられた測定方法を含む5つのSDGsのインパクトを測定するための基準値測定は、2022年3月にBNG銀
行のウェブサイトに掲載された。その後、2023年第1四半期に最初の定期的なインパクトの測定がウェブサ
イトに掲載された。BNG銀行は、顧客を通じた社会的インパクトを、2023年度には2021年度と比べ10%増加
させることを目標としている。SDG 7およびSDG 13の目標を達成するためにBNG銀行が提案する対策は、
2022年12月にウェブサイトに掲載された「グリーン化(Going Green)」という気候計画に記載されてい
る。
2.卓越した業務
公共領域に可能な限り最高のサービスを提供するために、BNG銀行は卓越した業務を必要としている。
2022年度に、BNG銀行は、ゲートキーパー機能および審査プロセスの追加開発を含む、顧客および与信プロ
セスの改善に投資した。これらは労働集約的なプロセスであり、BNG銀行は質を損なわずに、所要時間を短
縮することを目指している。
BNG銀行はデータ品質の向上に努めている。データ品質に関する測定がいくつか行われており、BNG銀行は
測定方法をさらに発展させる予定である。この状況における基準点は、法令に定められたガイドラインであ
る。
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3. 顧客とのパートナーシップの強化
BNG銀行の目的は、自身のCO2(二酸化炭素)排出量および貸付ポートフォリオに関連するCO2排出量の両
方を削減することである。持続可能性は、全般的に、BNG銀行の顧客とのパートナーシップにおいて中心的
な役割を担っている。BNG銀行は、不動産の持続可能性の向上など、重要な移行問題に関して顧客を支援す
ることを目指している。これは2022年度に「グリーン化(Going Green)」気候計画において、さらに詳細
に記載された。
4. 組織の強化
献身的で有能な職員および適切なリーダーシップは、当行の戦略を成功裏に実施するために必須である。
2022年度に、当行は採用および選考過程を専門化し、多数の新たな職員を迎えることができた。当行は、人
材の維持および育成のため、無制限の学習管理プラットフォームなど、開発および研修の機会に投資した。
当行の部長は協同で「インパクトのあるリーダーシップ」というリーダーシップに関するプロファイルを作
成した。このプロファイルは「リーダーは戦略を実現し、他者の成功を支援し、業績を促進する」という彼
らの立場を明確にするものである。
インパクトの測定
BNG銀行にとって、社会的インパクトを与えることは、あらゆる行動の原動力である。BNG銀行は、顧客が
社会的課題に対する資金を提供する自然なパートナーとしてBNG銀行を認識すること、BNG銀行がその達成お
よび実証に成功することを目指している。
BNG銀行は、顧客により与えられたインパクトについて毎年報告している。当行はオランダで初めてこれ
を行った金融機関の一つであるが、その理由は、当行が社会的インパクトを原動力としていることにある。
2020年度に、BNG銀行は、顧客を通じて一層の社会的インパクトを与えるという野心を表明した。2021年
度に、BNG銀行はこのインパクトを測定するための方法論の開発に着手した。この方法論は2022年度に検証
された。予備的な測定では、2021年初頭から2022年初頭にかけて、5つのSDGsに対するBNG銀行のインパク
トが増加したことが示されている。方法論の説明および測定の結果は、ウェブサイトに掲載されている。
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貸付ポートフォリオに関連するCO2排出量
BNG銀行がオランダのほぼすべての金融部門と共に署名した気候に関するコミットメントは、CO2e(二酸
化炭素換算)排出量の削減に寄与している。「金融部門のコミットメント」の要素の一つは、貸付けおよび
投資が気候変動に与える影響を測定可能にすることである。このために、BNG銀行は、金融機関の炭素会計
パートナーシップであるPCAFに参加した。PCAFの方法論によれば、顧客の直接的および間接的な排出量は、
一連の包括的な評価規則に基づき、BNG銀行に帰属する。PCAFの方法論は、気候に関するコミットメントの
署名者(52者)の96%で用いられている。
BNG銀行は、2018年度以降、貸付けに関連するCO2e排出量を報告してきた。データ入手の都合上、報告は
常にBNG銀行の報告年度の前の年度について行われている。
2022年11月、BNG銀行は、貸付ポートフォリオに関連するCO2e排出量の削減に向けた行動計画を発表し
た。これは、2019年に署名したコミットメントの重要な部分である。これにより、BNG銀行は、住宅協会、
地方自治体、ヘルスケアおよび教育の4つの主要セグメントに対して、科学的根拠に基づくCO2e削減の道筋
に関する洞察を提供する。これらの行動計画の進捗は、年次報告書の一部となることが想定されている。
BNG銀行はまた、科学的根拠に基づく目標イニシアチブ(SBTi)を通じて削減目標を検証することを目指し
ており、この目的に向けた行動計画を提出する予定である。自身の業務からの排出量も、この提出物の一部
である。行動計画の対象となる排出量は、ポートフォリオの総排出量から逸脱している。これは、4つの主
要セグメントを重視していること、地方自治体のスコープ3の排出量が考慮されていないことが原因であ
る。BNG銀行は、将来これらの排出量も行動計画の一部となるよう、外部アドバイザーであるHet Pon Telos
と共同で、この算定の微調整に取り組んでいる。詳細については、行動計画を参照のこと。
2022年度年次報告書は、2021年12月31日現在の状況に基づき算定された、2021年度の貸付ポートフォリオ
に関連するCO2e排出量について論じている。以前の測定と比べ、GHG(温室効果ガス)排出量の算定に多数
の改良が加えられた。社会住宅については、GHG排出量を算定するために、建物の特徴に基づく推定値では
なく、建物レベルの実際のエネルギー消費量データが用いられた。ヘルスケア部門についても、天然ガスお
よび電力の消費にかかった費用に基づくGHG排出量の算定ではなく、建物レベルの実際のエネルギー消費量
データが用いられた。地方自治体および州については、政府部門によるエネルギー消費量データが用いられ
た。その後、政府部門レベルの従業員数に関連する地方自治体および州レベルの従業員数に基づき、地方自
治体および州の消費量が決定された。治水公社については、下水処理場および接合部分からのGHG排出量が
GHG総排出量に加えられた。これらの調整および影響がそれほど大きくない他の調整については、PCAF報告
書の「方法論の調整」で部門毎に詳細に記載されており、2019年度、2021年度および2022年度の3年度が算
定されている。
この再算定により、2021年度および2019年度のCO2e排出量が下方修正された。当年度のデータ品質は、
PCAFスコアに基づく星ではなく、PCAFスコアで直接表されている。これは、PCAFの方法論におけるデータ品
質の決定方法に、より合致するものである。この詳細は、PCAF報告書(15.2「部門毎のデータ品質」)に記
載されており、昨年度に与えられたデータ品質のスコアにも反映されている。
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BNG銀行の貸付ポートフォリオに関連するCO2e排出量は、2022年度に減少した。絶対的な意味での総排出
量は2021年度より減少したが、測定結果に含まれる量は増加した。貸付ポートフォリオの問題に関する詳細
は、2022年度PCAF報告書を参照のこと。
算定に用いられた方法論および情報源は2022年度年次報告書の「報告原則」の項目に記載され、用語は
2022年度年次報告書の「用語集」の項目で説明されている。この項目には、2019年度、2021年度および2022
年度における様々な顧客部門のCO2排出量の算定に関する総合的な概要が含まれている。貸付ポートフォリ
オに関連するCO2排出量の詳細な報告は、ウェブサイトに掲載されている。
② 圧迫される経済
2022年度は二面性がある年となった。COVID-19のパンデミックに対するロックダウンおよび制限措置が年
明けに全世界で解除されたため、景気が回復した。しかし、年間では景気が後退した。この原因はすべて、
ウクライナ戦争およびインフレのさらなる進行であった。BNG銀行の顧客も影響を受けた。また、2022年度
には、様々な部門で労働力の不足が一層顕著となった。
景気回復
2021年度に始まった景気回復が継続した。オランダ経済は2022年度に4%超の成長を遂げた。COVID-19に
対する制限措置が解除されたため、消費がさらに拡大した。これは特にサービス部門に恩恵をもたらした。
人々は再び食事に出かけ、劇場、美術館または映画館を訪れた。輸出も2022年度に回復を続けた。他のヨー
ロッパ諸国もCOVID-19に対する措置を緩和したため、当行の商品への需要が高まった。また、人々の消費に
余裕ができたため、輸入も増加した。
10年物国債の金利
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インフレの進行および金利の上昇
2月にウクライナ戦争が勃発したことで一転した。経済動向に関する不確実性が高まり、特にエネルギー
および原材料の価格が上昇したため、消費が抑制された。ユーロ圏ではインフレ率が8%超に上昇した。オ
ランダの総合消費者物価指数によるインフレ率はさらに高まり、11.6%に達した。オランダの2021年度のイ
ンフレ率は2.8%であった。欧州中央銀行(ECB)は金融政策を引き締めた。預金金利はマイナス0.5%から
2.0%へ段階的に引き上げられた。また、ECBは証券購入プログラムの終了を決定した。米国でも金利が引き
上げられた。金融市場では、これらの政策変更により、金利が全面的に急上昇した。
この物価上昇を補償するため、政府は全世帯の購買力を支える対策を導入した。これらの対策は、それ自
体は合理的であるが、購買力が向上すれば、経済成長および昇給が促進されるという、経済的な意味で問題
が生じる。これによりインフレ水準が長期間高止まりするため、中央銀行は長期にわたり金利を引き上げな
ければならなくなる。
これらのマクロ経済の動向は、明らかにBNG銀行の顧客に影響を与えている。金利上昇のため、投資は減
少している。これは住宅市場で目立っている。特にエネルギーおよび原材料の価格上昇が、ヘルスケアおよ
び教育などの部門に影響を与えている。
窒素の危機
オランダでは、窒素の問題が続いている。政府は夏に排出量削減の計画を発表した。これが大きな混乱を
招いた。建設費増加および用地不足と相まって、窒素規制に関する不確実性は、今後数年間、住宅協会によ
る投資に悪影響を与えると予想される。
労働市場における人手不足
購買力を支える政府の対策による効果もあり、雇用は2022年度も引き続き増加した。その結果、労働市場
における人手不足は解消することがなかった。これにより、BNG銀行が業務を行っている2つのセクター、
ヘルスケアおよび教育が特に影響を受けている。ヘルスケア部門では2022年第3四半期の欠員数は7万人近
くで、同時期に教育部門では約1万2,000人の欠員が補充されていなかった。
労働市場における人手不足は、官公庁でも問題になっている。労働者不足ならびにエネルギーおよび原材
料の価格上昇のため、政府は計画を完全に実行することができない。オランダ経済政策分析局(CPB)によ
れば、41億ユーロの予算が使われず、その半分が地方自治体であった。当年度中に昇給が増加した。これは
特に公共部門に当てはまり、当年下半期には賃金が5%上昇した。
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財政の健全化
政府が価格規制の対策を導入したにもかかわらず、CPBが発表した数字によれば、政府の赤字は2021年度
のGDP比2.6%から昨年度はGDP比1.1%まで減少した。この減少は、支出が減少しただけでなく、天然ガス収
入が予想を上回った結果である。地方自治体は2022年度に全体で10億ユーロの財政赤字を計上したが、これ
はGDPの0.1%に相当する。これらの自治体は、2021年度にはまだ15億ユーロの黒字を計上していた。負債総
額は昨年度にGDP比50%まで減少した。この数字からすると、政府の負債総額は他の欧米諸国よりも依然か
なり低い。ユーロ圏において、最新の公式推定によれば、各国政府の負債総額はGDPの94%に達した。主要
な格付機関は、オランダについて最高の水準(AAAおよびAaa)を維持した。これも一因となり、BNG銀行の
信用格付も可能な限り最高の水準を維持した。
③ 顧客部門におけるパートナーシップ
BNG銀行は顧客の資金需要に応え、その現在および将来のニーズについて考えを共有することができた。
BNG銀行は、公共領域においてマーケットリーダーの地位を維持した。
地方自治体
2022年度の地方政府への貸付金は前年度より減少したものの、目標を上回った。与信取引申請額は減少し
た。COVID-19のパンデミックの間、オランダ政府は地方政府に流動性を提供した。また、銀行以外の金融機
関の競争も激化した。投資は、一連の新たな不確実性により悪影響を受けた。社会領域における既存の問題
およびCOVID-19のパンデミックの余波に加え、ロシアによる隣国ウクライナへの侵攻があった。この戦争に
より、人材および経済的手段の確保がさらに圧迫された。インフレおよび人手不足から、市民にとっては快
適性の水準が後退した。
この1年は、従来の不確実性と新たな不確実性の両方を伴うものであった。COVID-19のパンデミックの余
波および社会領域における地方自治体の課題(仕事、参加および自立、ヘルスケアならびに青少年)など既
存の問題に、ロシアによる隣国ウクライナへの侵攻が追い打ちをかけた。これがインフレおよび人手不足と
相まって、人材および財源の確保がさらに圧迫された。
金融業者かつ議論相手としてのBNG銀行
BNG銀行は、地方自治体との対話の中で、財政上の課題解決を手助けするために提供できる支援について
議論している。特に、BNG銀行は、現在および将来の投資の可能性のある資金調達の仕組みについて助言を
提供している。BNG銀行は、顧客のメインバンクになることはパートナーシップにとって重要な一部である
と考えている。地方政府補助金法(Financiële-verhoudingswet)および水平・垂直方向からの監督などに
支えられた、強固な政府の枠組みのおかげで、信用力が低下することはなかった。
2022年度に、BNG銀行は、地域暖房ネットワーク、スマート街灯、決済取引、融資および顧客デューデリ
ジェンス(CDD)などの議題について顧客と定期的に接触した。
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地方自治体の動向
当年上半期は、金利の上昇を背景に、新規貸付けの申込みが多数あったことが特徴であった。これは主
に、資金調達が前倒しされ、短期貸付けが長期貸付けに転換されたためであった。この傾向は、当年度下半
期に逆転した。
COVID-19の影響
COVID-19に関連する流動性支援の影響は、2022年度にはまだ顕著であった。これが投資水準の低下と相
まって、一部の地方自治体で財務比率が改善された。
ウクライナ戦争の衝撃
ウクライナからの避難民への支援が地方自治体の課題となっていることは明らかである。BNG銀行は、避
難民への生活費手当の確実な支払いに密接に関与するようになった。今では約200の地方自治体が、当行が
開発を助けた決済カードのシステムを利用している。
エネルギー価格の上昇
ロシアとの紛争により、エネルギー価格が上昇した。このため、政府の建物および補助金を受けている機
関の建物のエネルギーコストが増加した。その結果、これらの建物の運営が悪化した。コスト増の一部は地
方税で転嫁させることができた。また、多くの地方自治体は、ガスプロム社との契約を、より高価な供給業
者との契約に変更せざるを得なかったため、コストが大幅に増加した。
インフレ
インフレの影響の一つとして、多くの地方自治体のプロジェクトが予想以上に高額となった。これは特
に、新規開発および建物維持への投資に当てはまった。また、公的機関または半官半民との協同の投資も、
市場当事者にとってあまり魅力的ではなくなった。住宅不足の解消見込みについても、同じ傾向が見られ
る。新規プロジェクトの開始は、すでにパンデミック中に延期されていたが、今では、高コスト、人手不足
および原材料不足によりさらなる遅延が生じている。
新たな資金提供方法
地方当局および中央当局は、地方自治体がその拡大した業務を行うために十分な資金が配分されるよう、
調整する必要がある。地方自治体への資金提供のより安定した基盤を作るために、連立合意では、2025年度
以降の期間について、今後数年間で新しい資金提供制度を開発すると定められている。この新制度の詳細が
まだ明らかでないため、投資計画が縮小される可能性がある。中央政府は、この減少分をある程度吸収する
ために、例外的に、2026年度について10億ユーロを1回限り利用可能とした。しかし、中央政府は、地方政
府補助金法に基づき、財政面の影響に対する補償を行う義務を負っている。
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2023年度に生じつつある現実的な問題として、この予算は2026年度に含まれているため、複数年度予算を
構造的および物質的に均衡にすることは容易でない。つまり、地方自治体は2023年度から2026年度までの複
数年度予算の策定を自制せざるを得ない。このため、将来の信用需要が悪影響を受けることが予想される。
エネルギーの転換
エネルギーの転換は、オランダが直面している最大の社会的課題の一つである。公共部門が持続可能性の
向上において主導的な役割を果たしたいと願うなら、中央政府からより多くの資金を調達する必要がある。
中央政府は、主に人件費および関連する有形費用のための資金を地方自治体に提供している。ここで、有形
資産への公共投資に十分な資金を充てることができるかという疑問が残る。BNG銀行は、2022年度に、自身
の貸付ポートフォリオの対象地域における気候リスクの特定を開始した。
入 札
2022年度には、決済取引に関する様々な入札に勝利した。当行は、2022年度に、西ブラバント税務協力会
(Belastingsamenwerking West Brabant)、地方自治体フェルトホーフェン、税務と評価に関する不動産情
報パートナーシップ(Samenwerkingsverband Vastgoedinformatie Heffing en Waardebepaling
(SVHW))、トゥウェンテ地方税務署および地方自治体ズーテルメールなどの顧客の支払銀行となった。
住宅協会
BNG銀行の住宅協会に対する貸付金残高は、2022年度にさらに増加した。この増加は、2019年度に始まっ
てから続いており、2020年度および2021年度にも認識された。他方で、これまでの数年間、住宅協会への貸
付けは減少していた。貸付ポートフォリオの増加は、住宅協会による投資の増加と完全に連動している。
金融業者かつ議論相手としてのBNG銀行
BNG銀行が住宅協会に提供する貸付けの大部分は、社会住宅保証基金(WSW)により保証されている。住宅
協会は、WSWの保証を受けて、BNG銀行から有利な条件で可能な限りコストを抑えて資金を調達することがで
きる。
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住宅協会の動向
COVID-19の影響
住宅協会において、COVID-19のパンデミックによる悪影響は、2022年度にはあまり目立たなかった。2020
年にこの危機が始まった頃、住宅協会は、賃借人が失業し、ひいては家賃が滞納されるかもしれないとい
う、パンデミックの経済的影響を懸念していた。後者は稀に起こった。当初は、ソーシャル・ディスタンス
という対策により、保守作業の実施に現実的な課題が残されていた。しかし、これも2022年度にはほとんど
問題とならなかった。
ウクライナ戦争の衝撃
ウクライナ戦争は、住宅協会に強い衝撃を与えた。2022年度に、住宅協会は、戦争から逃れてきた避難民
の収容に携わった。戦争を一因とするエネルギーコストの増加、インフレ、その他のコストの増加は、住宅
協会の財政に2つの影響を与えた。直接的な影響としては、住宅協会の建設費および人件費が増加したこ
と、間接的な影響としては、インフレおよびエネルギーコストの増加により、賃借人の家賃の支払いが困難
になったことである。しかし、現在までのところ、住宅協会で深刻な家賃滞納は発生していない。
全国業績協定
2022年半ばまでに、Aedes、全国賃借人組合(Woonbond)、オランダ自治体協会(VNG)および住宅・国土
計画大臣との間で、全国業績協定として知られるものが締結された。同協定は、2030年度までの公共住宅に
関する課題を取り上げている。同協定は、手頃な住宅の十分な確保、建築環境の持続可能性の向上、地域お
よび近隣の生活の質ならびに住宅の取得能力に関する社会的課題で構成される共同アジェンダとなってい
る。
全国業績協定の野望が本当に実現すれば、今後数年間はBNG銀行への貸付申込みが大幅に増加することと
なる。2023年1月1日以降に住宅協会税が廃止されるため、住宅協会は、確約した投資を実現するための追
加資金を調達する予定である。しかし、他方で、その間に(建設)費用が増加し、金利が高騰した。家賃の
引上げの可否は法律で制限されているため、住宅協会はこれらのコストの増加をそのまま賃借人に転嫁する
ことはできない。また、建設業界全体における建築資材および能力の不足ならびに建設用地の不足により、
これらの野望を達成できない可能性もある。
中規模賃貸住宅への投資
これらの業績協定の重要な要素は、中規模賃貸住宅の実現である。この点は従来、主に市場関係者に任さ
れていたが、政治の流れが変わり、住宅協会による中規模賃貸住宅への投資の増加が期待されるようになっ
た。これらの投資には、WSWの保証が適用されないため、異なる種の資金調達が必要である。2022年度に、
BNG銀行はこの種の貸付けをいくつか行った。さらに、当行には、この種の資金調達に関する情報提供依頼
が増加している。
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BNG銀行は、中規模賃貸分野のプロジェクトも保証の形で対象とするべきであると主張している。BNG銀行
の考えでは、業績協定で言及されているすべてのプロジェクトが、最終的に銀行から資金を提供されるわけ
ではない。WSWは、その保証を付すのに最適な当事者であると思われる。これにより、資金調達の可能性が
高まり、家賃が下がるため、中規模賃貸住宅は将来の賃借人にとっても手頃な価格が維持される。このよう
に賃貸分野が規制されるようになることも、政府の役割の拡大を支持する一つの論拠である。
BNG銀行は、住宅協会が業績協定に記載された野心を実現できるよう支援するために、WSWの保証制度の内
外の両方で、貸付ポートフォリオをさらに拡大しても構わないと考えている。当行は、申込みを積極的かつ
建設的に扱い、常に銀行としての観点から責任ある態度で臨む。また、持続可能性の分野における同部門の
野心は、BNG銀行自身の気候に関する野心と合致している。
住宅協会による投資が社会性および持続可能性の両方を兼ね備えていることも、この種の投資に対する資
本市場のニーズの高まりに違和感なく調和している。したがって、同部門の社会的かつ持続可能な側面を、
資本提供者の目に留まるようにすることは、BNG銀行の目的の一つである。
ヘルスケア
BNG銀行の顧客には、メンタルヘルス、高齢者ケア、青少年ケアおよび障害者ケアの分野など、ヘルスケ
ア部門で業務を行う機関が含まれている。これらの機関にとって、2022年度は楽な年ではなかった。春に
は、ヘルスケア部門がインフレ率の上昇および人手不足の影響を最も強く受けてきたことが明らかになっ
た。これらの要因が他のリスクおよび動向と重なったため、同部門のリスク・プロファイルに圧力がかかっ
た。BNG銀行のヘルスケア機関への長期貸付ポートフォリオは、2022年度に若干減少した。これは、同部門
がケアの提供に関して経験する、新規建設物の小型化の傾向を反映している。
ヘルスケア部門の貸手かつ相談相手としてのBNG銀行
BNG銀行は、比較的健全かつ安定したリスク・プロファイルを有し、市場で確固たる地位を築いてきた。
顧客は、当行に金融に関する相談ができることを知っている。毎年、ヘルスケア機関の信用リスク・プロ
ファイルの変化を監視するために分析を行っている。BNG銀行は、ヘルスケア部門の顧客のパートナーとみ
なされており、その目的は貸付けを行うことである。経済状態の悪化を考えると、適切なリスク評価はかつ
てないほど重要になっている。
ヘルスケア部門の動向
同部門が直面している課題にもかかわらず、2022年度は、BNG銀行にとって貸付業務の点では良い年で
あった。2022年度は、当初はCOVID-19のパンデミックにより期待値が低下したものの、最終的には取引高が
予想を上回った。
夏から、インフレが2022年度の年間業績に与える影響について懸念が生じた。政府は多数の対策を実施し
たが、これらは限定的な救済にとどまった。多くのヘルスケア機関が2022年度に損失を計上する可能性が高
い。これは、同部門における投資能力に影響を与えるであろう。すでにゴーサインを得ている建設工事は、
2023年度に実施される予定である。しかし、新規プロジェクトの承認を得ることがより困難になる場合もあ
る。
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ヘルスケア部門の最大の課題は、人員の確保である。これは、来年度も引き続き課題となる。ヘルスケア
機関は病気による高い欠勤率に対処しているが、その穴を埋める人員が少なすぎる。そのため、外部人員
(契約職員)を高めの料金で大勢雇用することになり、人件費の大幅な増加につながっている。ヘルスケア
人員の不足は、社会問題ではないにしても、構造的な問題になると予想される。
COVID-19の影響
COVID-19のパンデミックは、2022年度も引き続き存在感を示した。待機者が増加しても、人手不足のため
に対応することができなかった。新しい労働協約に向けた交渉への圧力が強まり、昇給が資金調達能力を上
回るリスクが高まった。2020年度および2021年度の補償およびセーフティネット制度の余波により、同制度
の履行困難条項に基づく支援を申請し、決定を待つ病院にとって、不確実な状態が続いた。履行困難条項
は、COVID-19に対する危機管理制度に基づく標準的な補償を受けた後でも赤字が続く病院にとって、さらな
るセーフティネットであった。
ウクライナ戦争の衝撃
ウクライナ戦争により、エネルギー価格に強い上昇圧力がかかった。これがインフレ率の上昇を招いた。
ヘルスケア提供者は当初インフレに対する補償を受けたが、補償を扱うために設けられた手続きは、実際に
は、穏やかなインフレにのみ対応するものであった。2022年度には、ヘルスケア機関が将来の値上げで補う
ことができるよりも、はるかに速い速度でインフレが進行した。その結果、2022年度の利益は消え去ったよ
うである。上記のリスクに加え、金利が上昇した。このため、新規の投資がより難しくなった。
ヘルスケア包括協定
ヘルスケア提供者には、調整のための選択肢が比較的少ない。すでに深刻な人手不足のため、人件費を減
らすことはできない。この点については、ヘルスケア機関の社会的機能が関係している。また、2022年9月
に締結されたヘルスケア包括協定(Integraal Zorgakkoord)における約束のため、生産量を増やすことも
できない。同協定の目的は、支出の増加を抑える努力を監視することである。同協定において、ヘルスケア
提供者とヘルスケア購入者は、増え続ける医療費を抑制するために、異なる働き方および「適切なケア」の
提供方法を実施することを政府に約束した。
持続可能なヘルスケアのためのグリーン・ディール3.0
2022年後半に、多くの利害関係者およびヘルスケア提供者が、持続可能なヘルスケアのためのグリーン・
ディール3.0(Green Deal Duurzame Zorg 3.0)に署名した。グリーン・ディールの目標は、ヘルスケアを
より持続可能なものにすることである。気候協定に基づく約束を遵守するためには、ヘルスケアの建物にお
ける炭素排出量の削減が重要な要素である。
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教 育
BNG銀行は、教育機関向けの手頃で質の高い建物に貢献し、教育用不動産の開発および持続可能性の向上
のための貸手かつ相談相手として活動している。小学校および中学校については、当行は、通常、地方自治
体を通じて投資資金を提供する。職業教育機関および大学による不動産投資については、BNG銀行が直接資
金を提供する。BNG銀行による教育部門に対する貸付金は、2022年度は予想に届かなかった。パンデミッ
ク、インフレ、それらに伴う不確実性により、すでに長期に及んでいた教育部門の建設プロジェクトの準備
段階に遅れが生じた。
金融業者かつ議論相手としてのBNG銀行
BNG銀行は、教育部門に対して資金を提供するだけでなく、知見および専門知識も共有したいと願ってい
る。当行は、地方自治体および教育委員会と連携し、貸手と相談相手の両方の役割を果たすことを目指して
いる。そのため、BNG銀行が教育用不動産の開発のために、新たに後押しできるような方法を考えている。
この点で、校舎の持続可能性および健康的な室内環境に対する投資を、第一に重視している。また、教育・
文化・科学省とは、当行が果たすべき役割および共に開発可能な新しい取組みについて議論してきた。その
中で、貸付けを受けるプロセスの効率化が議論された。これは、顧客の利便性の向上および貸付コストの低
減につながる可能性がある。
2022年第4四半期に、BNG銀行は、地方自治体と共に、教育機関の建物への資金提供におけるBNG銀行の役
割に関する会議を数回開催した。BNG銀行は、新しい学校を建設する際に提供できる支援について説明し
た。
教育部門の動向
COVID-19の影響
2022年度に、同部門における教育の質が圧力を受けた。これは、COVID-19のパンデミックの影響が継続し
ていたためである。当年度中、学生の学習が遅れていること、教師不足のため、その遅れを取り戻すのは容
易でないことが次第に明らかになった。また、COVID-19は病気による欠席率を高め、人手不足を深刻化させ
た。政府は、教育の質を向上させ、学生を支援するために、1回限りで多額の資金を提供した。
多くの教育機関は、建物の質に関連する未解決の問題に対処している。学校の室内環境の改善はすでに課
題となっていたが、パンデミックによりこの課題の緊急性が増した。これは、特に初等および中等教育分野
における教育用建物の持続可能性を向上させるという難題に重なっている。様々な理由から、オランダに特
徴的な小学校の建物は、平均的に、現在の法的要件を満たしていない。したがって、やるべき仕事はまだ山
積している。仕事の量は膨大だが、資金調達はさらに大きな難題となりそうである。2022年度には、政府が
資金提供に踏み切る気配はなかった。また、持続可能性は2022年度も重要な役割を果たしており、今後数年
間それが続くであろう。
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ウクライナ戦争の衝撃
ウクライナ出身の学齢期の子供達がオランダで教育を受けられるようにしなければならない。政府は、こ
の特別な難題に対応するために、追加資金を提供した。それが教育の質の低下につながったという兆候は見
られない。
ウクライナ戦争は、高インフレおよびエネルギー価格の上昇を招いた。高インフレにより全般的にコスト
が押し上げられた。当年上半期はこれが懸念材料であったが、最終的には教育機関に悪影響はなかった。同
部門のリスク・プロファイルは調整の必要がなかった。
金利の上昇により、まだ意思決定段階にあったプロジェクト投資については、再計算を余儀なくされた。
その結果、投資の延期、ひいては中止となる可能性がある。この状況は、来年度も続くかもしれない。しか
し、校舎に対する社会の関心は高く、校舎の提供は地方自治体の法定機能である。
公共企業およびインフラ
昨年度は公有企業およびインフラにとって激動の1年であった。ウクライナ戦争を受けてのエネルギー価
格の大幅な上昇およびインフレは、当行の顧客に様々な影響を与えた。NEEM部門(ネットワーク、エネル
ギー、環境およびモビリティ企業)において、BNG銀行は、取引高の点では予想を上回る良い年を過ごし
た。しかし、この光景は、多数の超大型取引により若干ゆがめられている。この部門のBNG銀行の総資本残
高は、2022年度に42億ユーロから40億ユーロに減少した。この様々な顧客ポートフォリオから予想されるよ
うに、当行チームが供与した貸付けは非常に多様であった。
金融業者かつ議論相手としてのBNG銀行
BNG銀行は、国営鉄道輸送会社に対する貸付金を2億ユーロから4億ユーロに増額するアレンジャーと
なった。また、ロッテルダム港湾公団に対する4億ユーロの貸付けのアレンジも延長された。
地方自治体ウェストラントで、特別な取引が行われた。コンソーシアムの一環として、BNG銀行は9,000万
ユーロの貸付金を供与したが、これは3つの地熱ダブレットおよび大規模な暖房ネットワークへの資金提供
に使われる予定である。これにより、80の温室運営者がガスへの依存度を下げることが期待されている。
BNG銀行の出資割合は3,000万ユーロであった。BNG銀行は、長年にわたり多数の地熱発電プロジェクトに関
与し、この分野で豊富な知識および経験を蓄積してきた。
地方自治体フェーネンダールは長年、暖房ネットワークの重要性を認識してきた。今後数年間、同自治体
の暖房会社は、スマートかつグリーンな暖房ネットワークに接続し、より多くの家庭および企業の持続可能
性を高める予定である。BNG銀行は直近のプロジェクトに資金を提供した。
当行は、廃棄物処理会社Twence BVに対し、年間最大10万トンのCO2を回収できる新しいCO2回収施設の建
設のために、3,100万ユーロの貸付けを行った。回収されたCO2は、温室園芸業界に供給され、作物の栽培に
役立てられる予定である。
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同部門の動向
エネルギー価格
特定の顧客、特に持続可能なエネルギーを生み出している顧客にとって、エネルギー価格の上昇は収入の
増加につながった。対照的に、公共交通機関などのエネルギー消費者は、価格の上昇により悪影響を受け、
コストが大幅に上昇した。常にコストの増加分を顧客に転嫁できるとは限らなかった。
廃棄物処理会社は、消費するエネルギーよりも多くのエネルギーを生産する。彼らにとっては、価格上昇
がプラスの効果となった。廃棄物収集会社は、燃料費の増加に対処しなければならなかった。
エネルギー転換および干ばつの影響により、エネルギーネットワーク会社および飲料水会社は大規模な投
資の必要性に直面している。彼らは、請負業者の不足および原材料価格の上昇に取り組まなければならな
い。
インフレ
インフレにより、投資、ひいては新規貸付けが先延ばしされている顧客がいる。当行の既存ポートフォリ
オの顧客の大部分は、すでに固定金利の貸付けを受けているか、または金利上昇をヘッジする契約上の義務
があったため、金利上昇はそれほど重要ではない。
集団暖房
当行は、暖房ネットワークおよび暖房インフラの分野で、2023年度に大きな進展があると予想している。
気候・エネルギー大臣のロブ・イェッテンは、2022年10月21日付の議会への書簡で、暖房ネットワークに対
する責任を公共部門の手に委ねる意向であると記した。同大臣はまた、同省がBNG銀行などの既存の公的な
貸手と協働し、今後数年以内に集団暖房ネットワークの建設を可能にするために、どのような財務上の解決
策が考えられるかを調査していると記した。同省とBNG銀行との間で、この議題に関する協議が継続してい
る。
④ 金融および資本市場における強固なポジションの維持
BNG銀行は、その優れた信用格付(ムーディーズ:Aaa、フィッチ・レーティングス:AAA、S&Pグローバ
ル:AAA)のおかげで、2022年度に、有利な貸付金利で様々な通貨により短期および長期の資金を調達する
ことができた。
BNG銀行にとって、国際金融および資本市場において様々な通貨により短期および長期の資本を調達する
こと(資金調達)は、顧客に資金を提供するための重要な活動である。BNG銀行は、その資金の大部分を国
際資本市場における債券の公募を通じて調達している。私募を通じて調達された割合はわずかである。詳細
については、BNG銀行のウェブサイトに掲載されている。
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2022年度の動向
2022年度に、BNG銀行は、長期資金を163億ユーロ調達し、その平均満期は7.7年であった。昨年度と同
様、2022年度の当行の顧客における需要は、満期までの期間がより長い貸付けに対するものであった。これ
により、BNG銀行の資金調達期間は、2021年度と同様、比較的長いままであった。長期資金調達の総額は昨
年度を上回ったが、長期平均を下回った。この主な原因は、BNG銀行が過去2年間はECBの貸出条件付長期資
金供給オペ(TLTRO)第三弾に参加したためであった。TLTRO第三弾は、有利な条件で満期3年未満の資金を
BNG銀行に提供するものである。その目的は、住宅協会およびヘルスケア機関など特定の対象集団に流動性
を提供することにより、実体経済を刺激することである。
BNG銀行は、ユーロ建および米ドル建のベンチマーク債券を発行した。これは、両通貨のベンチマーク発
行の流動性カーブを維持するという野心に沿ったものであった。また、BNG銀行は、英ポンド、豪ドルおよ
びカナダドルでの発行に着手した。これにより、BNG銀行は、地理的な場所および種類の両方の点で、より
多様な投資家を大勢引き付けることができた。SOFR(米ドル)およびSONIA(英ポンド)に連動する債券の
発行を含む将来の市場標準に対する準備に加え、BNG銀行は、2022年度に初めて短期固定金利債券をESTR
(ユーロ)に連動させた。ESTRは、無リスクの金利として、またユーロ建の金利デリバティブの将来の市場
標準として、BNG銀行の資金調達戦略において重要な役割を果たすであろう。
1
ESGボンド
BNG銀行は、公募債の特別な区分として、ESGボンドを募集している。これらの債券は、BNG銀行のサステ
ナブル・ファイナンス・フレームワークに沿って発行されている。同フレームワークでは、この方法で調達
した資金は地方自治体および住宅協会に資金を提供するために使用すること、地方自治体の予算および住宅
協会の支出を国連の17の持続可能な開発目標に直接関連付けることが規定されている。同フレームワーク
は、BNG銀行のウェブサイトで閲覧可能である。
BNG銀行は、2022年度に再び、ESGボンドによる長期資本の調達割合を増やした。この割合は、2021年度に
は30%を下回ったが、数件の発行が成功したことを背景に、現在36%に上昇した。BNG銀行は、新規の発行
および既存のボンド・ローン数件の増額の両方を通じて、2022年度には合計で過去最高となる59億ユーロ相
当のESGボンドを発行した。
注1 以前、BNG銀行のESGボンドは、SRIボンドおよびSDGボンドなど、様々な名称で知られていた。
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⑤ 財務成績
損益および利益
BNG銀行は好調な1年を過ごした。BNG銀行は、2022年度に3億ユーロの純利益を記録した。これは、2021
年度より6,400万ユーロ増加している。この業績は、昨年度の株主資本利益率(5.4%)と比べ、6.7%とい
う高い株主資本利益率にも反映された。有利な市場環境がこの成績に寄与した。このように2021年度と比べ
利益率が相対的に高くなった具体的な原因には、利息損益の増加および金融取引損益のプラス分の増加が含
まれる。
利息損益は4億8,100万ユーロであり、2021年度の損益を7,400万ユーロ上回った。2021年度はTLTROによ
る優遇の5,700万ユーロを受けられなかったため利息損益がマイナスの影響を受けたが、2022年度にはTLTRO
による優遇が受けられた。この恩恵は、長期借入れが一般的である顧客の借入金に対する優遇金利という形
で、顧客に還元された。金利の上昇も、利息損益にプラスに働いた。
2022年度の金融取引損益は前年度を上回った。2022年度は1億1,300万ユーロであり、1,300万ユーロの増
加を示した。売却に伴う実現損益は4,700万ユーロであった。その他の未実現損益は6,600万ユーロで、その
うち約3,000万ユーロはヘッジ会計の非有効部分のプラス分から生じた。金融取引損益の増加は、市場にお
ける信用スプレッドの変動および金利の引上げも一因である。
昨年度は、長期貸付ポートフォリオが満足のいく発展を遂げた。BNG銀行は顧客に対して新たに123億ユー
ロの長期貸付けを行った。これは昨年度より5億ユーロ少ないが、予想より16億ユーロ多い。手数料損益
は、昨年度と比べ200万ユーロ増加し1,900万ユーロとなった。これは、ソルベンシー要件の対象となる貸付
取引高が増加したためであった。
2022年度に、連結営業費用は、2021年度の1億700万ユーロから昨年度末の1億1,500万ユーロに増加し
た。コンサルタントに係る支出は減少したものの、BNG銀行は、データおよびITシステムを強化し、新しい
組織構造を導入するために、臨時で多数の外部職員を雇用した。
2022年度の法人所得税の実効税率は26.2%、表面税率は25.8%であった。2021年度には、銀行税が一時的
に50%引き上げられたため、当行の実効税率は32.6%に上昇した。2022年度の銀行税は、2021年度から
2,100万ユーロ減の3,200万ユーロであった。また、レバレッジ比率の水準により、2021年度はすべての費用
が税務上損金算入可能とは限らなかった。
2022年度末現在、BNG銀行の貸付金に係る減損の合計は8,000万ユーロ減少し1億6,000万ユーロとなっ
た。この差額には、以前評価減となった特定の顧客に対する貸付金から管理上の決済により1億3,000万
ユーロ減少したことが含まれる。また、様々な部門の特定の顧客について信用格付が引き下げられたことに
伴う増加もあった。貸借対照表総額との比較では、予想信用損失総額は低く、1,120億ユーロであった。こ
れは、BNG銀行のエクスポージャーの高い信用格付を反映したものである。
2022年度末のBNG銀行の貸借対照表総額は1,121億ユーロで、2021年度末と比べ370億ユーロの減少となっ
た。長期金利の上昇により、ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金の価値が下落し、対応するデリ
バティブおよび関連する現金担保の価値のマイナス分が減少した。
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2022年度末現在、BNG銀行の自己資本は46億ユーロである。これは、2022年5月にその他Tier1資本の一
部を償還したためで、2021年度より4億ユーロ減少している。年度末には、その他Tier1資本が3億ユーロ
残っていた。BNG銀行のソルベンシー比率は依然強固である。普通株式等Tier1比率は35%、Tier1比率は
37%である。普通株式等Tier1比率は、32%であった2021年度より高くなっている。この上昇は、リスク加
重資産が128億ユーロから114億ユーロに減少したことによるものである。
2022年度末のレバレッジ比率は13.0%で、2021年度末の10.6%を大幅に上回った。例外的な市場環境に伴
うECB残高を除外するオプションは、2022年4月1日に失効した。にもかかわらず、2022年度のレバレッジ
比率が2021年度より高くなった原因は、貸借対照表総額が1,491億ユーロから1,121億ユーロに著しく減少し
たためである。
貸付けおよび資金調達
2022年度の長期貸付ポートフォリオは9億ユーロ増加し880億ユーロとなった。住宅部門の長期貸付ポー
トフォリオは、2021年度末から14億ユーロ増の448億ユーロであった。取引高の目標は、すべての部門で問
題なく達成された。
ソルベンシー要件の対象とならない長期貸付ポートフォリオは806億ユーロ相当であった。これは、ポー
トフォリオ総額の91.6%がソルベンシー要件の対象とならないエクスポージャーであることを表している。
したがって、BNG銀行はソルベンシー要件の対象とならないエクスポージャーを90%以上とする目標を達成
した。また、BNG銀行は、地方自治体、住宅協会およびヘルスケア機関の各部門に対するソルベンシー要件
の対象とならない長期貸付金について、成功率を55%以上とする目標を達成した。2022年度に、BNG銀行は
貸付申込みの67.5%を承認した。
2022年度に、BNG銀行は、債券の発行を通じて、合計163億ユーロの長期資金を調達した。これには、オラ
ンダの地方自治体および住宅協会に資金を提供するための59億ユーロのESGボンドが含まれていた。2021年
度には119億ユーロを調達し、そのうち37億ユーロはESGボンドによるものであった。
2022年度半ばに、BNG銀行は、TLTROファシリティの形でECBから185億ユーロの資金調達を継続することを
決定した。この手段は、住宅協会およびヘルスケア機関など特定の対象集団に流動性を提供することによ
り、パンデミック中の実体経済を刺激することを目的としていた。2022年第4四半期に、この手段の条件が
調整され、魅力が低下した。そのため、BNG銀行はこの調達資金のうち150億ユーロを返済した。
配当金
2023年4月20日に開催された年次株主総会において、2022年度について配当金1億3,900万ユーロが提案
された。これは、その他Tier1資本の支払いを調整した後の純利益の50%である。
⑥ 日本との関係
1996年に、BNG銀行は日本の国内公募資本市場における届出を完了し、日本国(当時)大蔵省はBNG銀行の
地位を政府関係機関発行者と認めた。1998年には、初めて日本において発行登録に基づく売出しを行った。
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(5) 【経理の状況】
BNG銀行の財務書類は、欧州連合により採用された国際財務報告基準およびオランダ民法典第2編第9章に
従い作成されている。
BNG銀行の事業年度は、暦年と同一とする。毎年事業年度終了後4か月以内に、この期間が、特別の事情に
より、株主総会により最長6か月延長される場合を除き、法定取締役会は年次計算書類を作成し、監督取締役
会の同意を得て、BNG銀行の株主総会に提出しその承認を受けるものとする。法定取締役会は、年次報告書お
よび法律上の規定に従い付加することを要する情報を年次計算書類と同時に提出するものとする。年次計算書
類は、通常、法定取締役会の構成員全員および監督取締役会の構成員全員がこれに署名するものとする。
BNG銀行は、BNG銀行の任命した登録会計士に対し、法定取締役会が作成した年次計算書類が法律に準拠しか
つこれに則った規則に合致しているか否か、同登録会計士が判断する限り、年次報告書が法律に準拠しかつこ
れに則った規則に従って作成されたもので年次計算書類と整合しうるか否かおよび法律が要求する追加情報が
これに付加されているか否かを検証させるものとする。BNG銀行の株主総会は、登録会計士に対する指示をす
る資格があるものとする。株主総会が登録会計士に指示しない場合、監督取締役会がその資格を有するものと
する。監督取締役会がこれに指示しない場合、法定取締役会がその資格を有するものとする。登録会計士は、
監督取締役会および法定取締役会に対し、その結果を通知し、また、これを監査報告書に組入れるものとす
る。
2022年12月31日現在および2022年12月31日終了事業年度の監査済財務書類が対象とする期間中、プライス
ウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイがBNG銀行の登録会計士であった。プライス
ウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイは、BNG銀行の原文の2022年度財務書類を監査し
た。その日本語訳が本「(5) 経理の状況」に含まれている。本書に含まれる2022年度財務書類の日本語訳は、
プライスウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイによる監査を受けていない。
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Independent auditor’s report
To : the General Meeting and the Supervisory Board of BNG Bank N.V.
Report on the financial statements 2022
Our opinion
In our opinion, the financial statements of BNG Bank N.V. (‘the Company’) give a true and fair view of the financial position
of the Company and the Group (the company together with its subsidiaries) as at 31 December 2022, and of its result and its
cash flows for the year then ended in accordance with International Financial Reporting Standards as adopted by the European
Union (‘EU-IFRS’) and with Part 9 of Book 2 of the Dutch Civil Code.
What we have audited
We have audited the accompanying financial statements 2022 of BNG Bank N.V., Den Haag. The financial statements
comprise the consolidated financial statements of the Group and the company financial statements.
The financial statements comprise:
・ the consolidated and company statement of financial position as at 31 December 2022;
・ the following statements for 2022: the consolidated and company income statement, the consolidated and company
statements of comprehensive income, changes in equity and cash flows; and
・ the notes, comprising a summary of the significant accounting policies and other explanatory information.
The financial reporting framework applied in the preparation of the financial statements is EU-IFRS and the relevant
provisions of Part 9 of Book 2 of the Dutch Civil Code.
The basis for our opinion
We conducted our audit in accordance with Dutch law, including the Dutch Standards on Auditing. We have further described
our responsibilities under those standards in the section ‘Our responsibilities for the audit of the financial statements’ of our
report.
We believe that the audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to provide a basis for our opinion.
Independence
We are independent of BNG Bank N.V. in accordance with the European Union Regulation on specific requirements regarding
statutory audit of public-interest entities, the ‘Wet toezicht accountantsorganisaties’ (Wta, Audit firms supervision act), the ‘
Verordening inzake de onafhankelijkheid van accountants bij assuranceopdrachten’ (ViO, Code of Ethics for Professional
Accountants, a regulation with respect to independence) and other relevant independence regulations in the Netherlands.
Furthermore, we have complied with the ‘Verordening gedrags- en beroepsregels accountants’ (VGBA, Dutch Code of
Ethics).
Our audit approach
We designed our audit procedures with respect to the key audit matters, fraud and going concern, and the matters resulting
from that, in the context of our audit of the financial statements as a whole and in forming our opinion thereon. The
information in support of our opinion, like our findings and observations related to individual key audit matters, the audit
approach fraud risk and the audit approach going concern was addressed in this context, and we do not provide a separate
opinion or conclusion on these matters.
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Overview and context
BNG Bank N.V. is a credit institution licensed in the Netherlands. Its main activity is providing financing to the Dutch public
sector and the semi-public domain. The Group is comprised of several components and therefore we considered our group
audit scope and approach as set out in the section ‘The scope of our group audit’. We paid specific attention to the areas of
focus driven by the operations of the Group, as set out below.
As part of designing our audit, we determined materiality and assessed the risks of material misstatement in the financial
statements. In particular, we considered where the Executive Committee made important judgements, for example, in respect
of significant accounting estimates that involved making assumptions and considering future events that are inherently
uncertain. In paragraph ‘Accounting estimates and judgements’ of the financial statements, the Group describes the areas of
judgement in applying accounting policies and the key sources of estimation uncertainty. Given the significant estimation
uncertainty and the related higher inherent risks of material misstatement in the impairment of loans and receivables and the
valuation of financial instruments, we considered these matters as key audit matters as set out in the section ‘Key audit matters’
of this report.
Other areas of focus, that were not considered to be key audit matters, were revenue recognition, management override of
controls, hedge accounting, investments in associates, effectiveness of IT general controls, and taxation. Though these are
areas of focus in our audit, they were not the matters of most significance in the audit of the financial statements of the current
period.
The engagement team considered the impact of risks resulting from climate change on the audit. These risks impact the
financial statements mostly as one of the potential drivers of credit risk exposures of the Bank. Consequently, we did not
identify climate-related risks as a separate key audit matter but took this into account as part of the key audit matter on
impairment of loans and receivables.
We ensured that the audit team included the appropriate skills and competences which are needed for the audit of a banking
institution. We therefore included specialists in the areas of IT, tax, valuation of financial instruments and real estate valuation
in our team.
The outline of our audit approach was as follows:
Materiality
・ Overall materiality: €20.3 million (2021: €17.5 million).
Audit scope
・ We conducted audit work on the Company and its subsidiaries BNG Gebiedsontwikkeling B.V. and
Hypotheekfonds voor Overheidspersoneel B.V. In our assessment of the IT landscape we made use of the
ISAE 3402 type 2 report of Centric FSS for the IT activities outsourced to that organisation.
Key audit matters
・ Impairment of loans and receivables
・ Valuation of financial instruments
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Materiality
The scope of our audit was influenced by the application of materiality, which is further explained in the section ‘Our
responsibilities for the audit of the financial statements’.
Based on our professional judgement we determined certain quantitative thresholds for materiality, including the overall
materiality for the financial statements as a whole as set out in the table below. These, together with qualitative considerations,
helped us to determine the nature, timing and extent of our audit procedures on the individual financial statement line items and
disclosures and to evaluate the effect of identified misstatements, both individually and in aggregate, on the financial
statements as a whole and on our opinion.
Overall group materiality €20.3 million (2021: €17.5 million).
Basis for determining We used our professional judgement to determine overall materiality. As a basis for our judgement we
materiality
used 5% of profit before tax.
Rationale for benchmark We used profit before tax as the primary benchmark, a generally accepted auditing practice, based on
applied
our analysis of the common information needs of users of the financial statements. On this basis, we
believe that profit before tax is an important metric for the financial performance of the Group.
We also take misstatements and/or possible misstatements into account that, in our judgement, are material for qualitative
reasons.
We agreed with the Supervisory Board that we would report to them any misstatement identified during our audit above €1.0
million (2021: €0.9 million) as well as misstatements below that amount that, in our view, warranted reporting for qualitative
reasons.
The scope of our group audit
BNG Bank N.V. is the parent company of a group with BNG Gebiedsontwikkeling B.V. and Hypotheekfonds voor
Overheidspersoneel B.V. as its 100% subsidiaries. The financial information of these subsidiaries is included in the
consolidated financial statements of BNG Bank N.V. All consolidated positions and transactions in the financial statements
were in scope of our audit.
We tailored the scope of our audit to ensure that we performed sufficient work to be able to give an opinion on the financial
statements as a whole, taking into account the management structure of the Group, the nature of operations of its components,
the accounting processes and controls, and the markets in which the Group operates.
The Company has outsourced the largest part of its IT activities and payment services to Centric FSS. In our assessment of the
IT landscape, we made use of the ISAE 3402 Type 2 report of Centric FSS. We held a planning meeting with the ISAE 3402
service-provider’s auditor of Centric FSS, discussed progress and interim findings of the audit and, finally, evaluated the ISAE
3402 assurance report once it was finalised. Based on these procedures performed, we conclude that in the context of our audit
of the financial statements of BNG Bank N.V., we could rely on the ISAE 3402 Type 2 assurance report of Centric FSS.
By performing the procedures above at components, combined with additional procedures at group level, we have been able to
obtain sufficient and appropriate audit evidence on the Group’s financial information, as a whole, to provide a basis for our
opinion on the group financial statements.
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Audit approach fraud risks
We identified and assessed the risks of material misstatements of the financial statements due to fraud. During our audit we
obtained an understanding of the entity and its environment and the components of the internal control system. This included
Executive Committee’s risk assessment process, Executive Committee’s process for responding to the risks of fraud and
monitoring the internal control system and how the Supervisory Board exercised oversight, as well as the outcomes. We refer
chapter 2 ‘International Business Operations’, section 2.3 ‘Compliance’ for management’s fraud risk assessment and chapter 6
‘Report of the Supervisory Board’ section 6.4 ‘Activities of the Supervisory Board committees’ in which the Supervisory
Board reflects on this fraud risk assessment.
We evaluated the design and relevant aspects of the internal control system and in particular the fraud risk assessment, as well
as the code of conduct, whistle blower procedures and incident registration. We evaluated the design and the implementation
and, where considered appropriate, tested the operating effectiveness of internal controls designed to mitigate fraud risks.
We asked members of the Executive Committee as well as the internal audit department, legal and compliance department, and
the Supervisory Board whether they are aware of any actual or suspected fraud. This did not result in actual or suspected fraud
that may lead to a material misstatement.
As part of our process of identifying fraud risks, we, evaluated fraud risk factors with respect to financial reporting fraud,
misappropriation of assets and bribery and corruption. We evaluated whether these factors indicate that a risk of material
misstatement due to fraud is present.
The audit procedures to respond to the assessed risks include, amongst others, evaluation of the design and the implementation
of internal controls that intend to mitigate fraud risks (such as processing and review of journal entries), back testing of prior
year’s estimates, and procedures on unexpected journal entries with the support of data analytics. Furthermore, we paid
attention to significant transactions outside the normal course of business. With regards to the risk of fraud in revenue
recognition, based on our risk assessment procedures, we concluded that this risk is related to revenue recognition in areas that
are more complex, non-systematic or manual in nature such as Results from associates and joint ventures and Market value
changes of financial instruments. We perform procedures to address this risk, including evaluation of the design and
implementation of relevant internal controls, and procedures over revenue recognition such as testing material investments in
Results from associates and joint ventures to ensure that the income recorded had occurred and is valued correctly, and the
appropriateness of the valuation methodologies, inputs and assumptions applied in the valuation of financial instruments. We
also considered the outcome of our other audit procedures and evaluated whether any findings were indicative of fraud or non-
compliance.
As disclosed in chapter 2 ‘International Business Operations’, section 2.4 ‘Risk Management’ in the annual report the threat of
cyber attacks have been identified as a specific risk for the company. The engagement team has evaluated this risk for BNG,
taking into consideration the IT activities outsourced to a third party. Weaknesses identified in certain IT general controls
elevate the fraud risk related to cyberattacks.
In response we performed procedures with respect to access management, security event monitoring, segregation of duties in
systems relevant to the audit and monitoring procedures and controls over outsourced activities. We performed additional
procedures evaluating financial statement closing procedures, complaints registration and loggings of incidents and complaints.
Our procedures did not identify indications of security breaches or intrusion.
Finally, we incorporated an element of unpredictability in our audit. We also send, obtained and read internal lawyers’ letter
and external firm lawyers’ letters and correspondence with regulators. During the audit we remained alert to indications of
fraud. We also considered the outcome of our other audit procedures and evaluated whether any findings were indicative of
fraud or non-compliance of laws and regulations. Whenever we identify any indications of fraud, we re-evaluate our fraud risk
assessment and its impact on our audit procedures.
This did not lead to indications of fraud potentially resulting in material misstatements.
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Audit approach to non-compliance with Laws and regulations
The objectives of our audit, in respect to non-compliance with laws and regulations are:
・ to identify and assess the risk of material misstatement of the financial statements due to non-compliance with laws and
regulations; and
・ to obtain reasonable assurance that the financial statements, taken as a whole, are free from material misstatement,
whether due to fraud or error when considering the applicable legal and regulatory framework.
In line with Standard 250 in our audit approach we made a distinction between those laws and regulations which:
・ Have a direct effect on the determination of material amounts and disclosures in the financial statements. For this
category we have obtained audit evidence regarding compliance with the provision of those laws and regulations; and
・ Does not have a direct effect on the determination of material amounts and disclosures in the financial statement, but
where compliance may be fundamental to the operating aspects of the business, to the Company’s ability to continue its
business or to avoid material penalties. For this category, we performed audit procedures to identify non-compliance
with those laws and regulations that may have a material effect on the financial statements. We identified that the risk
of non-compliance with laws and regulates relates mainly to the laws and regulations which have an indirect impact on
the financial statements, such as the Anti-Money Laundering and Anti-Terrorist Financing Act (Wwft) (including
regulations on Anti-Money Laundering (AML) Client Due Diligence (CDD)), Markets in Financial Instruments
Directive II (MiFID II), transaction reporting and General Data Protection Regulation (GDPR).
The primary responsibility for the prevention and detection non-compliance with laws and regulations lies with the Executive
Committee with the oversight of the Supervisory Board.
Audit approach going concern
As disclosed in notes ‘Critical accounting principles applied for valuation and the determination of the result’, ‘Liquidity and
funding risk’ and ‘Capital and solvency’ in the financial statements, the Executive Committee performed their assessment of
the Group’s ability to continue as a going concern for the foreseeable future and has not identified events or conditions that
may cast significant doubt on the Group’s ability to continue as a going concern (hereafter: going concern risks). Our
procedures to evaluate Executive Committee’s going concern assessment included, amongst others:
・ Considering whether management’s going concern assessment includes all relevant information of which we are aware
as a result of our audit.
・ Understanding the Bank’s medium-term plan including the group’s funding plan, specifically for the next 12 months.
・ Understanding and evaluating the Group’s stress testing of liquidity and regulatory capital requirements, including
severity of the stress scenarios that were applied.
・ Considering the results of our (other) risk assessment procedures and related activities performed to identify events or
conditions that may cast significant doubt on the Group’s ability to continue as a going concern; and
・ Reading and evaluating the adequacy of the disclosures made in the financial statements in relation to going concern.
・ Performing inquiries of the Executive Committee as to their knowledge of going concern risks beyond the period of
their assessment.
Our procedures did not result in outcomes contrary to Executive Committee’s assumptions and judgements used in the
application of the going concern assumption.
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Key audit matters
Key audit matters are those matters that, in our professional judgement, were of most significance in the audit of the financial
statements. We have communicated the key audit matters to the Supervisory Board. The key audit matters are not a
comprehensive reflection of all matters identified by our audit and that we discussed. In this section, we described the key audit
matters and included a summary of the audit procedures we performed on those matters.
Key audit matter Our audit work and observations
Impairment of loans and receivables Evaluating accounting policy choices: We evaluated how
management applied IFRS 9 to determine whether it has been set up
Refer to the accounting principle ‘Impairment of financial
in accordance with the requirements included in the standard.
assets’, note 31 ‘Net impairment losses on financial assets’
We challenged management on their judgement in key accounting
and note 37 ‘Impairment of financial assets and off-balance
policy choices in the areas of what is considered to be a SICR,
sheet commitments’ in the consolidated financial statements
application of the low credit risk exemption and default definitions.
The lending to clients classified as loans and advances measured at
We considered the policy choices in the application of IFRS 9 to be
amortized cost amounts to €90 billion as at 31 December 2022. Most
reasonable.
of the loan portfolio relates to loans that are guaranteed by a (central)
government body or by Waarborgfonds Sociale Woningbouw
Assessing individual exposures: For a sample of loans including
(WSW) or Waarborgfonds voor de zorgsector (Wfz). The credit risk
loans for which management concluded that no SICR occurred, and
inherent in this category is limited as explained in the risk section in
loans where an SICR is observed we assessed management’s
the financial statements. Therefore, the expected credit loss on these
assessment of the level of credit risk, for example by determining
loans is considered low. However, the Company also has an
that there are no significant arrears in payments, take notice of the
unguaranteed loan portfolio amounting to €8,4 billion that has a
latest internal annual creditworthiness assessment, evaluation of
higher risk of impairments. The impairment provision for loans and
latest financial information of counterparties and analysis of public
advances as per 31 December 2022 is €158 million and the net
available adverse news, if any. Our procedures did not return any
impairment charge for loans and advances recognized in 2022 in the
different outcomes with respect to the staging compared to
income statement amounts to €52 million.
management.
Areas of estimation uncertainty and management judgment: In
For credit-impaired loans, we evaluated the feasibility of the
determining the expected credit losses for loans and advances,
forecasted cash flows for each scenario and assessed management’s
management has to apply judgment in a number of areas. Amongst
analysis of the probability allocation of each individual scenario for
others this applies to the choices and judgement made in the
each credit-impaired loan. In evaluating the forecasted cash flows we
impairment methodology such as determining what is considered a
evaluated the values that management attributed to expected cash
significant increase in credit risk (SICR), what forward looking
flows and available collateral to assess that this represents a best
macro-economic information is relevant to measure expected credit
estimate.
losses for loans and receivables and managements estimates of
probabilities of default and loss given default.
Evaluating internal credit rating models: With respect to the internal
credit rating models used we evaluated the model governance
Models and assumptions: To calculate expected credit losses for
procedures, credit modelling monitoring performed by risk
stage 1 and 2, the Executive Committee estimated the probability of
management, reasonableness of the methodology applied in
default (PD) and the loss given default (LGD) and the exposure at
determining the credit ratings.
default (EAD). The Company’s loan portfolio has a low default
character and as a result, there is limited internal historical data to
In prior years management engaged with external experts to validate
support and back-test the applied PDs and LGDs. Management used
their internal credit rating models. As part of our audit procedures in
its internally developed credit rating models to estimate the PD for
these years, amongst others, we evaluated the competence, capability
exposures for which no external rating is available. Given the low
and objectivity of these external experts. In 2022 we assessed that
default character of the Company’s loan portfolio, the rating models
management did not make any change to the models. We did not
were considered expert models and required a high degree of
identify any indicators of possible management bias in determining
judgement to stratify clients in rating classes.
internal credit ratings and corresponding PD’s.
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Key audit matter Our audit work and observations
Also, with respect to the LGD used in the calculation of expected With respect to the forward looking macro-economic information,
credit losses, the Executive Committee has applied significant we challenged on how the inputs for the various models were
judgement. The Company applies a basic flat LGD percentage based determined and to the extent possible compared this to external
on the limited available historic default information. market data.
In response to the impact of high volatility, low unemployment and
For credit-impaired loans, the impairment allowance is based on the
high inflation BNG Bank introduced a ‘management overlay / top
weighted average of the net present value of expected future cash
level adjustment’ in addition to the forward looking macroeconomic
flows (including forward looking information and the valuation of
information specific to risks identified in the most vulnerable sector
underlying collateral) in three different scenarios.
in the portfolio, the healthcare sector. We evaluated the ‘
management overlay / top level adjustment’ by obtaining supporting
Given the complexity and judgement required to calculate the
evidence that these adjustments were necessary to balance the risks
impairments of loans and advances and the impact it might have on
in the underlying model.
results, this area is subject to a higher risk of material misstatement.
Therefore, we have identified the impairment of loans and advances
Furthermore, management reassessed the weightings given to
as a key audit matter in our audit.
different macroeconomic scenarios. We evaluated the changes and
considerations made by management and reviewed the notes to the
financial statements on sufficiently clear disclosures on the applied
changes.
On the LGD used in the calculation of expected credit losses, we
challenged management’s evaluation of the limited available historic
information and the assumptions applied therein.
In our audit approach we considered the potential impact of physical
and transition climate-related risks on the allowance for expected
credit losses. In this context we assessed stress tests and self-
assessments performed by management including management’s
evaluation of the risk for the short and longer term.
Finally, we assessed whether the disclosures in the consolidated
financial statements on loan allowances and impairments of loans
and receivables are adequate and in accordance with IFRS-EU. We
found the disclosures to be appropriate in this context.
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Key audit matter Our audit work and observations
Valuation of financial instruments Testing observable inputs: For both level 2 and level 3 financial
instruments we compared the observable inputs such as forward
Refer to the accounting policy ‘fair value of financial
curves, discounting curves and volatility cubes to independent
instruments’ and the disclosure note ‘fair value of financial
sources and external market available data and we assessed whether
instruments’ in the consolidated financial statements
these inputs are in line with market and industry practise.
The Company has financial instruments on its balance sheet that are
measured at fair value through the income statement. The portfolio
For the own funding curve used to determine the own credit
consists of €5,054 million of financial assets classified as level 2 and
adjustment for financial liabilities measured at fair value we
€9 million as level 3. Financial liabilities measured at fair value
evaluated the reasonableness of the curve construction by comparing
through the income statement classified as level 2 are in total €6,314
the input to market information available over the full term of the
million as per 31 December 2022. The derivative portfolio with a fair
curve. Our procedures demonstrated that management’s inputs fall
value of €4,144 million recorded as assets and €6,129 million
within our range of reasonable outcomes.
recorded as liabilities contains only level 2 instruments.
Challenging unobservable inputs: For the level 3 instrument, we
Level 3 financial instruments: For level 3 financial instruments,
challenged management on assumptions and methodology applied
management needs to estimate unobservable inputs that are
and validated the internal process performed to determine the inputs.
significant to the measurement of the instrument in the valuation
As part of this, we also evaluated to what extent we identified any
models to determine fair value. The balance for BNG Bank however
indicators of possible management bias in estimating fair value.
relates to only one instrument with a limited value.
Based upon our procedures we consider the unobservable inputs and
judgements made in determining the fair value of level 3 instrument
Level 2 financial instruments : For financial instruments classified as
to be reasonable and in-line with market practices.
level 2 management estimates the fair value by using discounted
cash flow models, option pricing models, modelling of double
Independent revaluation: For level 2 instruments, we performed an
default effects and other valuation techniques. Judgement is required
independent valuation of a sample of positions, taking into
in determining the valuation model and policy. For level 2
consideration different categories of financial instruments divided in,
instruments, management uses observable inputs to determine
amongst others, maturity, currency classes, curves and various
forward curves, discounting curves, volatility cubes, inflation curve
valuation models applied. We performed these procedures to
and spread curves. For derivatives for which the Company has no
determine if management’s valuation outcomes fell within a
strong credit support annex in place, a Credit Valuation Adjustment
reasonable range of possible outcomes and to validate the design and
(CVA) is estimated in the calculation of the fair value.
operating effectiveness of the evaluated models and curves.
Given the complexity in certain valuation models and inputs, the size
and diversity of the portfolio, and the impact that the portfolio has on
the results, this area is subject to higher risk of material misstatement
due to error. Therefore, we consider the fair value measurement of
level 2 and 3 financial instruments a key audit matter.
Report on the other information included in the annual report
The annual report contains other information. This includes all information in the annual report in addition to the financial
statements and our auditor’s report thereon.
Based on the procedures performed as set out below, we conclude that the other information:
・ is consistent with the financial statements and does not contain material misstatements; and
・ contains all the information regarding the directors’ report and the other information that is required by Part 9 of Book 2
of the Dutch Civil Code.
We have read the other information. Based on our knowledge and the understanding obtained in our audit of the financial
statements or otherwise, we have considered whether the other information contains material misstatements.
By performing our procedures, we comply with the requirements of Part 9 of Book 2 of the Dutch Civil Code and the Dutch
Standard 720. The scope of such procedures was substantially less than the scope of those procedures performed in our audit of
the financial statements.
Executive Committee is responsible for the preparation of the other information, including the directors’ report and the other
information in accordance with Part 9 of Book 2 of the Dutch Civil Code.
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Report on other legal and regulatory requirements and ESEF
Our appointment
We were appointed as auditors of BNG Bank N.V. on 28 November 2014 by the Supervisory Board. This followed the passing
of a resolution by the shareholders at the annual general meeting held on 23 April 2015. Our appointment has been renewed
annually by shareholders and now represents a total period of uninterrupted engagement of 7 years.
European Single Electronic Format (ESEF)
BNG Bank N.V. has prepared the annual report in ESEF. The requirements for this are set out in the Delegated Regulation
(EU) 2019/815 with regard to regulatory technical standards on the specification of a single electronic reporting format
(hereinafter: the RTS on ESEF).
In our opinion, the annual report prepared in XHTML format, including the (partially) marked-up consolidated financial
statements, as included in the reporting package by BNG Bank N.V., complies in all material respects with the RTS on ESEF.
The Executive Committee is responsible for preparing the annual report, including the financial statements in accordance with
the RTS on ESEF, whereby the Executive Committee combines the various components into a single reporting package.
Our responsibility is to obtain reasonable assurance for our opinion whether the annual report in this reporting package
complies with the RTS on ESEF.
We performed our examination in accordance with Dutch law, including Dutch Standard 3950N ‘Assuranceopdrachten inzake
het voldoen aan de criteria voor het opstellen van een digitaal verantwoordingsdocument’ (assurance engagements relating to
compliance with criteria for digital reporting).
Our examination included amongst others:
・ Obtaining an understanding of the entity’s financial reporting process, including the preparation of the reporting
package.
・ Identifying and assessing the risks that the annual report does not comply in all material respects with the RTS on ESEF
and designing and performing further assurance procedures responsive to those risks to provide a basis for our opinion,
including:
・ obtaining the reporting package and performing validations to determine whether the reporting package
containing the Inline XBRL instance document and the XBRL extension taxonomy files have been prepared in
accordance with the technical specifications as included in the RTS on ESEF;
・ examining the information related to the consolidated financial statements in the reporting package to determine
whether all required mark-ups have been applied and whether these are in accordance with the RTS on ESEF.
No prohibited non-audit services
To the best of our knowledge and belief, we have not provided prohibited non-audit services as referred to in article 5(1) of the
European Regulation on specific requirements regarding statutory audit of public-interest entities.
Services rendered
The services, in addition to the audit, that we have provided to the Company and its controlled entities, for the period to which
our statutory audit relates, are disclosed in note 32 to the company financial statements.
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Responsibilities for the financial statements and the audit
Responsibilities of Executive Committee and the Supervisory Board for the financial statements
Executive Committee is responsible for:
・ the preparation and fair presentation of the financial statements in accordance with EU-IFRS and Part 9 of Book 2 of
the Dutch Civil Code; and for
・ such internal control as Executive Committee determines is necessary to enable the preparation of the financial
statements that are free from material misstatement, whether due to fraud or error.
As part of the preparation of the financial statements, Executive Committee is responsible for assessing the Company’s ability
to continue as a going-concern. Based on the financial reporting frameworks mentioned, Executive Committee should prepare
the financial statements using the going-concern basis of accounting unless Executive Committee either intends to liquidate the
Company or to cease operations or has no realistic alternative but to do so. Executive Committee should disclose in the
financial statements any event and circumstances that may cast significant doubt on the Company’s ability to continue as a
going concern.
The Supervisory Board is responsible for overseeing the Company’s financial reporting process.
Our responsibilities for the audit of the financial statements
Our responsibility is to plan and perform an audit engagement in a manner that allows us to obtain sufficient and appropriate
audit evidence to provide a basis for our opinion. Our objectives are to obtain reasonable assurance about whether the financial
statements as a whole are free from material misstatement, whether due to fraud or error and to issue an auditor’s report that
includes our opinion. Reasonable assurance is a high but not absolute level of assurance, which makes it possible that we may
not detect all material misstatements. Misstatements may arise due to fraud or error. They are considered material if,
individually or in the aggregate, they could reasonably be expected to influence the economic decisions of users taken on the
basis of the financial statements.
Materiality affects the nature, timing and extent of our audit procedures and the evaluation of the effect of identified
misstatements on our opinion.
A more detailed description of our responsibilities is set out in the appendix to our report.
Amsterdam, 17 March 2023
PricewaterhouseCoopers Accountants N.V.
/PwC_Partner_Signature/
Original has been signed by J.M. de Jonge RA
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Appendix to our auditor’s report on the financial statements 2022 of BNG Bank N.V.
In addition to what is included in our auditor’s report, we have further set out in this appendix our responsibilities for the audit
of the financial statements and explained what an audit involves.
The auditor’s responsibilities for the audit of the financial statements
We have exercised professional judgement and have maintained professional scepticism throughout the audit in accordance
with Dutch Standards on Auditing, ethical requirements and independence requirements. Our audit consisted, among other
things of the following:
・ Identifying and assessing the risks of material misstatement of the financial statements, whether due to fraud or error,
designing and performing audit procedures responsive to those risks, and obtaining audit evidence that is sufficient and
appropriate to provide a basis for our opinion. The risk of not detecting a material misstatement resulting from fraud is
higher than for one resulting from error, as fraud may involve collusion, forgery, intentional omissions,
misrepresentations, or the intentional override of internal control.
・ Obtaining an understanding of internal control relevant to the audit in order to design audit procedures that are
appropriate in the circumstances, but not for the purpose of expressing an opinion on the effectiveness of the Company’
s internal control.
・ Evaluating the appropriateness of accounting policies used and the reasonableness of accounting estimates and related
disclosures made by Executive Committee.
・ Concluding on the appropriateness of Executive Committee’s use of the going-concern basis of accounting, and based
on the audit evidence obtained, concluding whether a material uncertainty exists related to events and/or conditions that
may cast significant doubt on the Company’s ability to continue as a going concern. If we conclude that a material
uncertainty exists, we are required to draw attention in our auditor’s report to the related disclosures in the financial
statements or, if such disclosures are inadequate, to modify our opinion. Our conclusions are based on the audit
evidence obtained up to the date of our auditor’s report and are made in the context of our opinion on the financial
statements as a whole. However, future events or conditions may cause the Company to cease to continue as a going
concern.
・ Evaluating the overall presentation, structure and content of the financial statements, including the disclosures, and
evaluating whether the financial statements represent the underlying transactions and events in a manner that achieves
fair presentation.
Considering our ultimate responsibility for the opinion on the consolidated financial statements, we are responsible for the
direction, supervision and performance of the group audit. In this context, we have determined the nature and extent of the
audit procedures for components of the Group to ensure that we performed enough work to be able to give an opinion on the
financial statements as a whole. Determining factors are the geographic structure of the Group, the significance and/or risk
profile of group entities or activities, the accounting processes and controls, and the industry in which the Group operates. On
this basis, we selected group entities for which an audit or review of financial information or specific balances was considered
necessary.
We communicate with the Supervisory Board regarding, among other matters, the planned scope and timing of the audit and
significant audit findings, including any significant deficiencies in internal control that we identify during our audit. In this
respect, we also issue an additional report to the audit committee in accordance with article 11 of the EU Regulation on specific
requirements regarding statutory audit of public-interest entities. The information included in this additional report is consistent
with our audit opinion in this auditor’s report.
We provide the Supervisory Board with a statement that we have complied with relevant ethical requirements regarding
independence, and to communicate with them all relationships and other matters that may reasonably be thought to bear on our
independence, and where applicable, related actions taken to eliminate threats or safeguards applied.
From the matters communicated with the Supervisory Board, we determine those matters that were of most significance in the
audit of the financial statements of the current period and are therefore the key audit matters. We describe these matters in our
auditor’s report unless law or regulation precludes public disclosure about the matter or when, in extremely rare circumstances,
not communicating the matter is in the public interest.
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( 日本語訳)
独立監査人の監査報告書
BNG 銀行の株主総会および監督取締役会 御中
2022 年度財務書類に対する監査報告書
当監査法人の意見
当監査法人は、BNG銀行の財務書類が、欧州連合が採用している国際財務報告基準(以下「EU-IFRS」という。)
およびオランダ民法典第2編第9章に準拠して、BNG銀行およびグループ(BNG銀行およびその子会社)の2022年12
月31日現在の財政状態および同日をもって終了する事業年度の経営成績ならびにキャッシュフローを真実かつ公正
に表示するものと認める。
監査範囲
当監査法人は、ハーグ所在のBNG銀行の添付の2022年度財務書類の監査を行った。本財務書類には、グループの
連結財務書類および個別財務書類から構成されている。
財務書類は以下から構成されている。
- 2022年12月31日現在の連結および個別財政状態計算書
- 2022年度の以下の財務書類:連結および個別損益計算書、連結および個別包括利益計算書、連結および個別
株主資本変動計算書ならびに連結および個別キャッシュフロー計算書
- 重要な会計方針の要約およびその他の説明的な情報からなる注記
本財務書類の作成において適用されている財務報告の枠組みは、EU-IFRSおよびオランダ民法典第2編第9章の
関連条項である。
当監査法人の意見の基礎
当監査法人は、オランダ監査基準を含むオランダの法律に準拠して監査を実施した。これらの基準に基づく当監
査法人の責任については、当監査報告書の「財務書類監査に関する当監査法人の責任」の区分に詳述している。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
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独立性
当監査法人は、社会的影響度の高い事業体の法定監査に関する特定の規定に係る欧州連合規則、「監査法人監督
法(Wet toezicht accountantsorganisaties)」(Wta)、「専門会計士倫理規則(Verordening inzake de
onafhankelijkheid van accountants bij assuranceopdrachten)」(ViO、独立性に関する規則)、およびオラン
ダにおける関連するその他の独立性の規定に従い、BNG銀行から独立している。さらに、当監査法人は、「オラン
ダ倫理規則(Verordening gedrags- en beroepsregels accountants)」(VGBA)に準拠している。
監査アプローチ
当監査法人は、監査上の主要な検討事項、不正および継続企業の前提、ならびに財務書類全体に対する監査の観
点から、また当監査法人の監査意見を形成するうえで生じた事項に関して、監査手続を立案した。各監査上の主要
な検討事項に関する検出事項および指摘事項、不正リスクに対する監査アプローチ、ならびに継続企業の前提に対
する監査アプローチなど監査意見の基礎となる情報は、この点を踏まえて対応されており、当監査法人は、これら
の項目に対して個別の意見または結論を表明しない。
概観と背景
BNG 銀行は、オランダにおいて銀行業免許を有する金融機関である。BNG銀行は、主にオランダ公的機関および第
三セクターに対する融資業務を行っている。グループは複数の構成単位からなるため、当監査法人はグループ監査
の範囲およびアプローチについて「グループ監査の範囲」の区分に記載のとおりとした。当監査法人は、以下に記
載のとおり、グループの営業活動に起因する重点項目に特に注意を払った。
監査計画の一環として、当監査法人は、重要性の決定および財務書類における重要な虚偽表示のリスクの評価を
行った。当監査法人は特に、仮定の決定や本質的に不確実な将来事象の検討を伴う重要な会計上の見積りに関する
ものなど、執行委員会が重要な判断を行った領域について検討した。財務書類の「会計上の見積りおよび判断」の
段落において、グループは、会計方針の適用において判断を伴う領域および見積りの不確実性の主な発生原因につ
いて説明している。貸付金および前渡金の減損ならびに金融商品の評価においては、見積りの不確実性が重要であ
り、重要な虚偽表示の比較的高いリスクが内在することから、当監査法人はこれらの事項を監査上の主要な検討事
項と判断しており、当監査報告書の「監査上の主要な検討事項」の区分に記載した。
監査上の主要な検討事項とみなされなかったその他の重点項目は、収益認識、経営者による内部統制の無効化、
ヘッジ会計、関連会社に対する投資、IT全般統制の有効性および税金である。これらは監査重点項目ではあるが、
当年度の財務書類監査における最重要項目ではなかった。
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監査チームは、気候変動により生じるリスクが監査に与える影響について検討した。これらのリスクは、主に
BNG銀行の信用リスク・エクスポージャーの潜在的要因の一つとして財務書類に影響を与えるものである。した
がって、当監査法人は、気候関連リスクを個別の監査上の主要な検討事項として識別するのではなく、貸付金およ
び前渡金の減損に関する監査上の主要な検討事項の一部として考慮に入れた。
当監査法人は、金融機関監査に必要とされる適切なスキルと能力が備わるように監査チームを編成した。そのた
め、IT、税務および金融商品の評価、ならびに不動産評価の分野の専門家をチームに含めている。
当監査法人の監査アプローチの概要は、以下のとおりである。
重要性
‐ 全体的な重要性の基準値:20.3百万ユーロ(2021年度:17.5百万ユーロ)
監査範囲
‐ 当監査法人は、BNG銀行ならびにその子会社であるBNG Gebiedsontwikkeling B.V.およびHypotheekfonds
voor Overheidspersoneel B.V.について監査を実施した。当監査法人は、IT環境の評価において、Centric
FSSに外注されたIT業務に関してCentric FSSのISAE 3402 タイプ2保証報告書を利用した。
監査上の主要な検討事項
‐ 貸付金および前渡金の減損
‐ 金融商品の評価
重要性
当監査法人の監査範囲は重要性の適用に影響されているが、これについては「財務書類監査に関する当監査法人
の責任」の区分に詳述されている。
監査人の職業的専門家としての判断によって、当監査法人は、財務書類全体における重要性の基準値など、重要
性に関して特定の定量的な基準値を下表のとおり決定した。これらは定性的な検討と合わせて、個々の財務書類項
目および開示内容に対する監査手続の内容、実施時期および範囲を決定する際、ならびに識別された虚偽表示が、
個別にも集計しても、全体としての財務書類ならびに当監査法人の意見に及ぼす影響を評価する際に役立った。
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グループの全体的な重要性の基準 20.3 百万ユーロ(2021年度:17.5百万ユーロ)
値
重要性の算定根拠 当監査法人は監査人の職業的専門家としての判断によって全体的
な重要性の基準値を決定した。判断の根拠として、当監査法人は
税引前利益の5%を適用した。
適用されたベンチマークの根拠 当監査法人は、財務書類利用者が共通して着目している情報であ
るという監査法人の分析に基づき、一般に公正妥当と認められた
監査実務として、税引前利益を主たるベンチマークとして使用し
た。これに基づいて、当監査法人は、税引前利益がグループの業
績の重要な指標であると判断している。
当監査法人はまた、意見形成において、定性的な理由から重要であると当監査法人が判断する虚偽表示および/
または潜在的虚偽表示も考慮に入れている。
当監査法人は、監査中に識別した1.0百万ユーロ(2021年度:0.9百万ユーロ)を超える虚偽表示のほか、当監査
法人として定性的な理由から報告が必要と考えたそれより少額の虚偽表示についても、監督取締役会に報告するこ
とを同委員会と合意した。
グループ監査の範囲
BNG 銀行は、BNG Gebiedsontwikkeling B.V.およびHypotheekfonds voor Overheidspersoneel B.V.を100%子会
社にもつグループの親会社である。当該子会社の財務情報は、BNG銀行の連結財務書類に含まれている。財務書類
における連結残高および取引はすべて、当監査法人の監査範囲である。
当監査法人は、財務書類全体に対する意見を表明するのに十分な作業を実施できるよう、グループの経営組織構
造、構成単位の事業活動の内容、会計上の手続および統制、ならびにグループが事業活動を行っている市場を考慮
して監査対象範囲を決定した。
BNG 銀行は、IT業務および支払サービスの大部分をCentric FSSに外注している。当監査法人は、IT環境の評価に
おいて、Centric FSSのISAE 3402 タイプ2保証報告書を利用した。Centric FSSのISAE 3402に基づく受託会社監
査人と計画ミーティングを行い、監査の進捗および期中の検出事項について協議し、最後にISAE 3402保証報告書
の最終版を評価した。当監査法人は、これらの実施手続に基づき、BNG銀行の財務書類監査においてCentric FSSの
ISAE 3402 タイプ2保証報告書に依拠できると判断した。
当監査法人は、構成単位レベルで上記手続を実施するとともに、グループレベルで追加手続を実施することによ
り、全体としてグループの財務書類に対する当監査法人の意見の基礎を提供するために十分かつ適切な監査証拠を
入手することができた。
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不正リスクに対する監査アプローチ
当監査法人は、不正により財務書類の重要な虚偽表示が生じるリスクの識別および評価を行った。監査の過程に
おいて、当監査法人は、BNG銀行およびBNG銀行の環境、ならびに内部統制システムの構成要素について理解した。
これには、執行委員会のリスク評価プロセス、執行委員会の不正リスク対応および内部統制システムのモニタリン
グに関するプロセス、監督取締役会の監視手法、ならびにその結果が含まれる。当監査法人は、経営者の不正リス
ク評価に関する第2章「International Business Operations」のセクション2.3「Compliance」および監督取締役
会がこの不正リスク評価について考察している第6章「Report of the Supervisory Board」のセクション6.4
「Activities of the Supervisory Board committees」(訳注:いずれも英文年次報告書のタイトル)を参照して
いる。
当監査法人は、内部統制システムの整備状況および関連事項について、また、特に不正リスク評価、ならびに行
動規範、内部通報手続およびインシデント登録について評価した。当監査法人は、不正リスクを軽減するためにデ
ザインされた内部統制の整備状況および運用状況について評価し、適切と考えられる場合には、その運用状況の有
効性をテストした。
当監査法人は、執行委員会のメンバー、ならびに内部監査部門、法務部門、コンプライアンス部門および監督取
締役会に対し、何らかの不正の事実またはその疑いを認識しているかどうかヒアリングを行った。その結果、重要
な虚偽表示につながる可能性のある不正の事実またはその疑いは認められなかった。
当監査法人は、不正リスクを識別するプロセスの一環として、不正な財務報告、資産の不正流用、贈収賄および
汚職に関する不正リスク要因を評価した。また、これらの要因が不正による財務書類の重要な虚偽表示リスクの存
在を示唆しているかを評価した。
評価されたリスクへ対応するための監査手続には、特に、不正リスクの軽減を目的とした内部統制(仕訳の処理
およびレビュー統制など)の整備状況および運用状況の評価、前年度の見積りのバックテスト、ならびに異常な仕
訳に対するデータ分析を用いた手続が含まれる。また、通常の取引過程から外れた重要な取引についても着目し
た。収益認識における不正リスクについては、当監査法人のリスク評価手続に基づき、関連会社および共同支配企
業による損益や金融商品の時価変動など、性質がより複雑、非体系的、またはマニュアル作業を要する領域の収益
認識に関連するリスクであると結論付けた。当監査法人は、上記リスクへの対応手続として、関連する内部統制の
整備および運用状況の評価、関連会社および共同支配企業による損益への重要性のある投資のテストなど、計上さ
れた収益の実在性および評価の正確性を確認するための収益認識に関する手続、ならびに金融商品の評価に用いら
れた評価技法、インプットおよび仮定の適切性に関する検証を実施した。また、その他の監査手続の結果も考慮
し、検出事項があった場合には、それが不正または法令違反の兆候を示していないかを評価した。
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年次報告書の第2章「International Business Operations」のセクション2.4「Risk Management」(訳注:英
文年次報告書のタイトル)で開示されているように、BNG銀行固有のリスクとしてサイバー攻撃の脅威が識別され
ている。監査チームは、第三者に外注されているIT業務を考慮してBNG銀行の当該リスクを評価した。一部のIT全
般統制について脆弱性が識別されており、これによりサイバー攻撃に関連する不正リスクが高くなっている。
これに対し当監査法人は、アクセス管理、セキュリティ事象の監視、監査および監視手続に関連するシステムの
職務分掌、ならびに外注された業務に対する統制に関する手続を実施した。また、財務書類の決算手続、苦情の登
録、ならびにインシデントや苦情のログを評価する追加手続を実施した。手続の結果、セキュリティ侵害または侵
入の兆候は識別されなかった。
最後に、当監査法人は監査に予測不能性の要素を組み入れた。また、企業内弁護士および外部法律事務所に書面
を送付し、回答を入手のうえ通読し、規制当局とのやり取りを通読した。監査期間中、当監査法人は不正の兆候に
常に注意を支払った。また、その他の監査手続の結果も考慮し、検出事項があった場合には、それが不正または法
規制違反の兆候を示していないかを評価した。不正の兆候を発見した場合は、当監査法人の不正リスク評価および
監査手続への影響を再評価している。
この手続の結果、虚偽表示をもたらす潜在的な不正の兆候はなかった。
法規制違反に対する監査アプローチ
法規制違反に関する当監査法人の監査目的は、以下のとおりである。
- 法規制違反による財務書類の重要な虚偽表示リスクを識別し評価すること。
- 適用される法規制の枠組みの検討において、全体としての財務書類に不正または誤謬による重要な虚偽表示
がないかどうかに関する合理的な保証を得ること。
当監査法人の監査アプローチでは、オランダ監査基準第250号に従い、これらの法規制について以下の通り区分
した。
- 財務書類において重要性のある金額および開示の決定に直接的影響のあるもの。この区分において、当監査
法人はこれらの法規制条項 の 遵守に関する監査証拠を入手した。
- 財務書類において重要性のある金額および開示の決定に直接的影響はないが、事業の運営的側面において、
BNG銀行の継続企業として存続する能力において、または多額の罰金を回避する上で、遵守が必要不可欠であ
る場合。このような場合において、当監査法人は、財務書類に重要な影響を及ぼす可能性のある法規制違反
を識別するための監査手続を実施した。当監査法人は、法規制違反リスクが主に、マネーロンダリング防止
およびテロ資金供与対策(Wwft)(マネーロンダリング防止(AML)やカスタマー・デュー・ディリジェンス
(CDD)の規則を含む)、第2次金融商品市場指令(MiFID II)、取引報告ならびに一般データ保護規制
(GDPR)など、財務書類に間接的影響のある法規則に関するものであると識別した。
法規則違反の防止と発見に関する主たる責任は執行委員会にあり、監督取締役会の監視を受ける。
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継続企業の前提に対する監査アプローチ
財務書類注記「 評価および損益の算定に適用 される重要な会計原則」、「流動性および資金調達リスク」および
「自己資本およびソルベンシー」に開示されているとおり、執行委員会は、予見可能な将来におけるグループの継
続企業としての存続能力を評価した結果、グループの継続企業としての存続能力に重大な疑義を生じさせるような
事象または状況(以下「継続企業の前提に関するリスク」という。)は識別していない。当監査法人は、執行委員
会による継続企業の前提の評価を評価するにあたり、特に以下の手続を実施した。
- 経営者による継続企業の前提の評価において、当監査法人が監査の結果認識しているすべての関連情報が含
まれているかどうかについて検討する。
- 特に今後12ヶ月間を対象とした、グループの資金調達計画を含むBNG銀行の中期計画を理解する。
- グループの流動性および規制上の所要自己資本のストレス・テスト(適用されたストレス・シナリオの深刻
度を含む)について理解し、評価する。
- グループの継続企業としての存続能力に重大な疑義を生じさせるような事象または状況を識別するために実
施した、当監査法人の(その他の)リスク評価手続および関連手続の結果を検討する。
- 継続企業の前提に関する財務書類中の開示を通読し、開示の十分性を評価する。
- 執行委員会に対し、その評価期間以降において把握している継続企業の前提に関するリスクについて質問を
実施する。
当監査法人が実施した手続の結果について、執行委員会が継続企業の前提を適用するにあたり用いた仮定および
判断と相違するものはなかった。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項は、当監査法人による職業的専門家としての判断において、財務書類監査で最も重要な
事項である。当監査法人は、監督取締役会に対して、監査上の主要な検討事項を伝達した。監査上の主要な検討事
項は、監査上識別し討議したすべての事項を包括的に反映するものではない。この区分において、当監査法人は、
監査上の主要な検討事項について詳述し、これらの事項について実施した監査手続の要約を含めた。
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監査上の主要な検討事項 当監査法人の監査手続および指摘事項
貸付金および前渡金の減損 会計方針の選択の評価: IFRS 第9号の要件に準拠して会計
方針が策定されているかどうかを判断するため、経営者が
連結財務書類における会計原則「金融資産の減
どのようにこの基準を適用しているかについて評価した。
損」、注記31「金融資産の減損損失純額」および注
当監査法人は、何がSICRとみなされるか、信用リスクが低
記37「金融資産およびオフバランスシート契約の減
い場合の免除規定の適用およびデフォルトの定義の領域に
損」を参照のこと。
おける主要な会計方針の選択に係る経営者の判断について
2022 年12月31日現在において、貸付金および前渡金 批判的に検証した。当監査法人は、IFRS第9号を適用する
に分類され、償却原価で測定される顧客への貸付 にあたり選択された会計方針は妥当であると考える。
は、90十億ユーロであった。貸付金ポートフォリオ
のほとんどは、(中央)政府機関もしくは社会住宅 個別エクスポージャーの評価: SICR が発生していないと経
保証基金(Waarborgfonds Sociale Woningbouw、 営者が結論付けた貸付金およびSICRが認識された貸付金を
含む貸付金サンプルについては、たとえば重要な返済遅延
WSW)またはヘルスケア保証基金(Waarborgfonds
がないという決定、最新の内部年次信用調査の通知の入
voor de zorgsector、Wfz)が保証する貸付金に関
手、取引相手の最新の財務情報の評価、および公開されて
するものである。この分類の固有の信用リスクは、
いる不利なニュースがある場合はその分析などにより、経
財務書類のリスクの区分に記載されるように、限定
営者による信用リスク水準の評価を評価した。当監査法人
的である。したがって、これらの貸付金の予想信用
の手続により、ステージの決定に関して経営者と異なる結
損失は低いと考えられる。しかしながら、BNG銀行
果は生じなかった。
は、減損リスクが比較的高い、8.4十億ユーロの無
保証の貸付金ポートフォリオを保有している。2022
信用減損している貸付金について、当監査法人は、各シナ
年12月31日現在の貸付金および前渡金の減損引当金
リオの予測キャッシュフローの実行可能性を評価し、信用
は158百万ユーロであり、損益計算書に認識された
減損している貸付金ごとの個別シナリオの確率配分に関す
2022年度の貸付金および前渡金に対する減損費用純
る経営者の分析を評価した。予測キャッシュフローの評価
額は、52百万ユーロである。
にあたり、当監査法人は、これが最善の見積りであるか評
価するため、経営者が期待キャッシュフローおよび入手可
見積りの不確実性および経営者の判断における領
能な担保に割り当てた金額を評価した。
域: 貸付金および前渡金の予想信用損失の計算の決
定において、経営者は多数の領域で判断を適用する
内部信用格付モデルの評価: 使用された内部信用格付モデ
必要がある。これは特に、何が信用リスクの著しい
ルについて、当監査法人は、モデル・ガバナンスの手続、
増大(以下「SICR」という。)とみなされるかや、
リスク管理による信用モデルのモニタリング、信用格付の
貸付金および前渡金の予想信用損失を測定するため
決定に適用された手法の妥当性を評価した。
にどのような将来予測的なマクロ経済情報が関連す
るかの決定、ならびに経営者によるデフォルト確率
およびデフォルト時損失の見積りなど、減損測定の
ために行使された選択および判断に当てはまる。
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監査上の主要な検討事項 当監査法人の監査手続および指摘事項
過年度において、経営者は外部の専門家を利用して、内部
モデルおよび仮定 : ステージ1および2の予想信用
の信用格付モデルの検証を行っていた。近年は、監査手続
損失を計算するために、執行委員会は、デフォルト
の一環として、当監査法人は特に、これらの外部専門家の
確率(以下「PD」という。)およびデフォルト時損
適性、能力および客観性を評価した。2022年度において、
失(以下「LGD」という。)ならびにデフォルト時
当監査法人は、経営者によるモデルの変更はないと評価し
エクスポージャー(以下「EAD」という。)を見積
た。内部信用格付およびこれに対応するPDの決定におい
もった。BNG銀行の貸付金ポートフォリオはデフォ
て、経営者による潜在的な偏向の兆候は識別されなかっ
ルト特性が低く、結果として、適用されるPDおよび
た。
LGDの裏付けとしてバックテストを行うための内部
過去データは限られる。経営者は、外部格付が利用
将来予測的なマクロ経済情報について、当監査法人は、さ
できないエクスポージャーのPDの見積りに、内部で
まざまなモデルのインプットがどのように決定されたかを
開発した信用格付モデルを使用した。BNG銀行の貸
批判的に検証し、可能な限り外部の市場データと比較する
付金ポートフォリオのデフォルト特性が低いことを
手続を行った。高いボラティリティ、低失業率および高イ
考慮すると、当該格付モデルは専門家向けのモデル
ンフレの影響に対応するため、BNG銀行は、ポートフォリオ
とみなされ、格付クラスごとに顧客を階層化するた
の中で最も脆弱なセクターであるヘルスケア・セクターで
めの高度な判断が必要とされる。
識別されたリスクに特有の将来予測的なマクロ経済情報に
加えて、「マネジメント・オーバーレイ/トップレベル調
また、予想信用損失の計算に使用されるLGDに関し
整」を導入した。当監査法人は、「マネジメント・オー
て、執行委員会は重要な判断を適用している。BNG
バーレイ/トップレベル調整」について、基礎となるモデ
銀行は、入手できる限定的な過去デフォルト情報に
ルのリスクのバランスをとる上でこのような調整が必要で
基づき算定した、簡便的かつフラットなLGDを適用
あることの証憑を得ることにより評価した。
している。
さらに経営者は、異なるマクロ経済シナリオに対する加重
信用減損している貸付金について、減損引当金は3
を見直した。当監査法人は、経営者が行った変更および検
つの異なるシナリオにおける期待キャッシュフロー
討事項について評価し、適用された変更について十分かつ
の現在価値純額(将来予測的な情報および基礎とな
明確な開示が行われているか確認するため、財務書類の注
る担保の評価を含む。)の加重平均に基づく。
記をレビューした。
貸付金および前渡金の減損の計算における複雑性お
予想信用損失の計算に使用されるLGDに関して、当監査法人
よび必要とされる判断、ならびにこれが損益に及ぼ
は、入手できる限定的な過去情報および当該情報に適用さ
す可能性がある影響を考慮すると、この領域は重要
れる仮定に対する経営者の評価について批判的に検証し
な虚偽表示のリスクが相対的に高い。したがって、
た。
当監査法人は、貸付金および前渡金の減損を監査上
の主要な検討事項とした。
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監査上の主要な検討事項 当監査法人の監査手続および指摘事項
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当監査法人の監査アプローチでは、物理的リスクおよび気
候関連の移行リスクが予想信用損失引当金に与える潜在的
な影響を検討した。この点に関して、当監査法人は、経営
者が実施した短期的および長期的なリスクの評価を含むス
トレス・テストおよび自己評価を評価した。
最後に、貸付金および前渡金の貸倒引当金および減損に関
する連結財務書類の開示がIFRS-EUに準拠して十分であるか
どうかを評価した。この点に関して、当監査法人は、開示
は適切であると判断した。
観察可能インプットのテスト : レベル2およびレベル3の
金融商品の評価
両方の金融商品について、当監査法人は、フォワード・
連結財務書類における会計方針「金融商品の公正価
カーブ、割引カーブおよびボラティリティ・キューブなど
値」および開示注記「金融商品の公正価値」を参照
の観察可能インプットを独立した情報源および外部の入手
のこと。
可能な市場データと比較し、これらのインプットが市場お
よび業界の慣行と整合しているか評価した。
BNG 銀行は貸借対照表において、純損益を通じて公
正価値で測定される金融商品を計上している。ポー
公正価値で測定される金融負債に関する自己信用調整を決
トフォリオは、レベル2に分類される5,054百万
定するために用いる自己資金調達カーブについて、当監査
ユーロおよびレベル3に分類される9百万ユーロの
法人は、カーブの全期間にわたってインプットを入手可能
金融資産から構成されている。レベル2に分類され
な市場の情報と比較することにより、カーブの構造の妥当
る純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
性について評価した。当監査法人の手続により、経営者の
は、2022年12月31日現在、合計6,314百万ユーロで
インプットが合理的な結果の範囲に収まることが明示され
ある。デリバティブ・ポートフォリオの公正価値
た。
は、資産として計上される4,144百万ユーロおよび
負債として計上される6,129百万ユーロであり、レ
観察可能インプットに関する批判的検証 : レベル3の金融
ベル2の金融商品のみである。
商品について、当監査法人は、仮定および適用された手法
ついて批判的に検証し、インプットを決定するために実施
レベル3の金融商品 : レベル3の金融商品につい
された内部の手続を検証した。この一環として、当監査法
て、経営者は、公正価値を決定するために、評価モ
人は、公正価値の見積りにおける経営者による潜在的な偏
デルにおける金融商品の測定上で経営者が重要と考
向の兆候をどの程度識別したかの評価も実施した。当監査
える観察不能インプットを見積もらなければならな
法人の手続に基づき、当監査法人は、レベル3の金融商品
い。ただしBNG銀行の残高は、金額の僅少な1つの
の公正価値の決定における観察不能インプットおよび判断
金融商品に関するもののみである。
は妥当であり、市場慣行に沿っていると結論付けた。
レベル2の金融商品: レベル2に分類される金融商
品について、経営者は、割引キャッシュフロー・モ
デル、オプション価格モデル、ダブル・デフォルト
効果モデリングおよびその他の評価技法を適用して
公正価値を見積もっている。評価モデルおよび方針
の決定には、判断を要する。レベル2の金融商品に
ついて、経営者は、観察可能なインプットを用いて
フォワード・カーブ、割引カーブ、ボラティリ
ティ・キューブ、インフレ・カーブおよびスプレッ
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ド・カーブを決定している。BNG銀行が強固な信用
裏付となる付属文書を作成していないデリバティブ
については、公正価値の算定において信用評価調整
(CVA)が見積もられる。
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監査上の主要な検討事項 当監査法人の監査手続および指摘事項
特定の評価モデルおよびインプットにおける複雑
独立した再評価 : レベル2の金融商品について、当監査法
性、ポートフォリオの規模および分散性、ならびに
人は、特に満期、通貨クラス、カーブおよび適用された
当該ポートフォリオが損益に及ぼす影響を考慮する
様々な評価モデルに分類された金融商品の異なる区分につ
と、この領域は、誤謬による重要な虚偽表示のリス
いて考慮の上、ポジションのサンプルの独立した評価を実
クが比較的高い。したがって、当監査法人はレベル
施した。当監査法人は、経営者の評価結果が合理的に起こ
2および3の金融資産の公正価値測定を監査上の主
りうる結果の範囲内にあるかを判断するため、また、評価
要な検討事項と判断している。
対象のモデルおよびカーブの整備と運用の有効性について
検証するために上記の監査手続を実施した。
年次報告書に含まれているその他の情報に関する報告
年次報告書にはその他の情報が含まれている。これには、財務書類および財務書類に対する当監査法人の監査報
告書に加え、年次報告書におけるすべての情報が含まれている。
以下に記載のとおり実施された手続に基づき、当監査法人はその他の情報について以下のとおりであると判断し
た。
‐ 財務書類と整合しており、重要な虚偽表示が含まれていない。
‐ 取締役報告書およびその他の情報について、 オランダ民法典第2編第9章により要求されているすべての情
報を含んでいる。
当監査法人はその他の情報を通読した。当監査法人は、財務書類監査またはその他の方法により得た知識および
理解に基づき、その他の情報に重要な虚偽表示が含まれているかどうかについての検討を行った。
当監査法人の手続を実施することにより、当監査法人はオランダ民法典第2編第9章およびオランダの監査基準
720の要件に準拠している。この手続の範囲は、財務書類監査で実施した監査手続の範囲よりも相当程度に限定さ
れたものである。
執行委員会は、取締役報告書およびオランダ民法典第2編第9章により要求されるその他の情報を含む、その他
の情報を作成する責任を有する。
その他の法令および規制上の規定ならびにESEFに関する報告
当監査法人の任命
当監査法人は、監督取締役会により2014年11月28日付でBNG銀行の監査人に任命され、その後、2015年4月23日
付で開催された定時株主総会において可決された。当監査法人の任命は、株主総会において年に1度更新されてお
り、現在、連続して監査人を務めている合計期間は7年である。
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欧州単一電子フォーマット(以下「ESEF」という。)
BNG 銀行は、年次報告書をESEFにより作成している。これに関する要件は、単一電子報告フォーマットの仕様に
係る規制技術基準(以下「ESEFに関するRTS」という。)に関する委任規則(EU)第2019/815号に規定されてい
る。
当監査法人は、BNG銀行の報告パッケージに含まれる、(部分的に)マークアップされた連結財務書類を含む
XHTMLフォーマットで作成された年次報告書が、すべての重要な点においてESEFに関するRTSに準拠しているものと
認める。
執行委員会は、ESEFに関するRTSに準拠して財務書類を含む年次報告書を作成する責任を有しており、執行委員
会は、様々な構成要素を単一の報告パッケージとしてまとめている。
当監査法人の責任は、監査意見を表明するにあたり、当該報告パッケージに含まれる年次報告書がESEFに関する
RTSに準拠しているかどうかについて合理的な保証を得ることにある。
当監査法人は、オランダ基準第3950N号「デジタル報告基準の遵守に関する保証業務(Assuranceopdrachten
inzake het voldoen aan de criteria voor het opstellen van een digitaal verantwoordingsdocument)」を含
むオランダの法律に準拠して検証を行った。
当監査法人の検証には、特に以下のものが含まれる。
‐ 報告パッケージの作成を含む、BNG銀行の財務報告プロセスについて理解する。
‐ 年次報告書がいずれかの重要な点においてESEFに関するRTSに準拠していないリスクを特定して評価し、当
該リスクに対して、監査意見の基礎となる追加保証手続を以下のとおり策定して実施する。
‐ 報告パッケージを入手し、インラインXBRL形式のインスタンス文書およびXBRL形式の拡張タクソノミ・
ファイルを含む報告パッケージが、ESEFに関するRTSに含まれる技術仕様に従って作成されているかど
うかを評価する。
‐ 報告パッケージに含まれる連結財務書類に関連する情報を検証し、要求されるマークアップがすべて適
用されているかどうか、またそれらがESEFに関するRTSに準拠しているかどうかを確認する。
提供禁止非監査業務を提供していないこと
当監査法人が知る限りにおいて、当監査法人は社会的影響度の高い事業体の法定監査に関する特定の規定に係る
欧州規則第5条(1)に記載される提供禁止非監査業務を提供していない。
実施業務
当監査法人が、法定監査に関連する期間において、監査業務の他にBNG銀行およびその被支配事業体に提供した
業務は個別財務書類に対する注記32に開示されている。
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財務書類および監査に関する責任
財務書類に関する執行委員会および監督取締役会の責任
執行委員会の責任は、以下のとおりである。
‐ EU-IFRS およびオランダ民法典第2編第9章に従い、財務書類を作成し公正に表示すること
‐ 不正または誤謬による重要な虚偽表示のない財務書類の作成に執行委員会が必要と考える内部統制
財務書類の作成の一環として、執行委員会はBNG銀行の継続企業として存続する能力を評価することに責任を負
う。執行委員会は、BNG銀行の清算または営業を停止する意図がある場合、もしくはそうする以外に現実的な代替
案がない場合を除いて、上記の財務報告の枠組みに基づき、継続企業を前提として財務書類を作成すべきである。
執行委員会は、財務書類において、BNG銀行の継続企業として存続する能力について重要な疑義を生じさせるよう
な事象または状況を開示しなければならない。
監督取締役会は、BNG銀行の財務報告プロセスを監視する責任を負う。
財務書類監査に関する当監査法人の責任
当監査法人の責任は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手することができるように、監査業務
を計画し実施することである。当監査法人は、全体としての財務書類に不正または誤謬による重要な虚偽表示がな
いかどうかについて合理的な保証を得ること、また当監査法人の監査意見が記載された監査報告書を発行すること
を目的としている。合理的な保証は、高い水準の保証ではあるが、絶対的な水準の保証ではないため、すべての重
要な虚偽表示を検出できるとは限らない可能性がある。虚偽表示は、不正または誤謬から発生する可能性がある。
虚偽表示は、個別にまたは合計して、当該財務書類の利用者の経済的意思決定に影響を及ぼすと合理的に見込まれ
る場合に、重要性があるとみなされる。
重要性は、監査手続の内容、実施時期および範囲、ならびに識別された虚偽表示が当監査法人の意見に与える影
響の評価に影響する。
当監査法人の責任に関する詳しい説明は、当監査報告書の付属書類に記載されている。
アムステルダム市、2023年3月17日
プライスウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイ
J.M. デ・ヨン RA
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BNG銀行N.V.(E06075)
有価証券報告書
BNG 銀行の2022年度財務書類に対する監査報告書の付属書類
監査報告書に含めた内容に加え、当監査法人はこの付属書類においてさらに、財務書類監査に関する当監査法人
の責任について詳しく記載するとともに監査の内容について説明する。
財務書類の監査に関する当監査法人の責任
当監査法人は、オランダの監査基準、倫理要件および独立性の要件に従い、監査を通じて職業的専門家としての
判断を行使し、職業的専門家としての懐疑心を保持した。当監査法人の監査は特に以下の事項から構成された。
‐ 不正または誤謬による財務書類の重要な虚偽表示のリスクを特定し評価すること、それらのリスクに対応する
ための監査手続を立案し実施すること、および意見表明のための合理的な基礎を提供するために十分かつ適切
な監査証拠を入手すること。不正による重要な虚偽表示を発見できないリスクは、誤謬による重要な虚偽表示
を発見できないリスクよりも高くなる。
‐ 状況に応じて適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を理解すること。ただし、これは
BNG銀行の内部統制の有効性に対する意見を表明するためではない。
‐ 使用された会計方針の適切性、ならびに執行委員会によって行われた会計上の見積りおよび関連する開示の妥
当性を評価すること。
‐ 執行委員会が継続企業ベースを使用したことの適切性について、および入手した監査証拠に基づいて、BNG銀
行の継続企業として存続する能力に重要な疑義を生じさせる可能性のある事象および/または状況に関連し
て、重要な不確実性が存在するかどうかについて結論を下すこと。当監査法人は、重要な不確実性が存在する
という結論を下した場合、監査報告書において、財務書類の関連する開示に注意を向けさせること、または当
該開示が不適切である場合は当監査法人の意見を修正することが要求される。当監査法人の結論は、その監査
報告書の日付までに入手した監査証拠に基づいており、財務書類全体に対する当監査法人の意見に照らして出
されたものである。しかしながら、将来の事象または状況が原因で、BNG銀行が継続企業として存続しなくな
る可能性がある。
‐ 開示を含め、財務書類の全体としての表示、構成および内容を評価すること。また財務書類が、基礎となる取
引や会計事象を適切に表示しているかどうかを評価すること。
当監査法人は連結財務書類に対する監査意見に最終責任を負うことから、グループ監査の指示、監督および実施
について責任を有する。この点に関して、当監査法人は、財務書類全体に対する監査意見を提供するための十分な
作業が実施されるように、グループ内の構成単位に対する監査手続の内容および範囲を決定した。決定要因は、グ
ループの地理的構造、グループ内の企業または活動の重要性および/またはリスクプロファイル、会計処理および
統制、ならびにグループが事業を行っている業界である。この基準に基づいて、当監査法人は、財務情報または特
定の残高について監査またはレビューが必要であると考えられるグループ内の企業を選定した。
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有価証券報告書
当監査法人は、監督取締役会に対し、特に、計画した監査の範囲とその実施時期、および監査の過程で特定され
た内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項を伝達する。この点において、当監査法人は、社会的影響
度の高い事業体の法定監査に関する特定の規定に係る欧州規則第11条に準拠して、監査委員会に追加の報告書を発
行した。この追加報告書に含まれる情報は、当監査報告書における当監査法人の監査意見と整合している。
当監査法人は、監督取締役会に対し、当監査法人の独立性についての倫理要件を遵守している旨を書面で伝達
し、また当監査法人の独立性に影響を与えると合理的に考えられうるすべての関係およびその他の事項、ならびに
該当する場合には 阻害要因を除外するために講じた関連措置または適用したセーフガード も伝えている。
監督取締役会との協議事項から、当監査法人は、当期の財務書類監査において最も重要性のある事項、すなわち
監査上の主要な検討事項を決定する。当監査法人は、かかる事項を監査報告書に記載するが、法令もしくは規制に
より当該事項の公開が禁止される場合、あるいはきわめて稀な状況ではあるが、当該事項を伝達しないことが公益
に適う場合はこの限りではない。
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連結貸借対照表
(単位:百万ユーロ)
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
注記
資産
1 6,821 9,264
現金および中央銀行残高
2、34 346 163
銀行預入金
3、34 4,144 12,993
差入現金担保
4 901 1,383
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
5 3,737 5,685
デリバティブ
6、34 7,398 8,572
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
7、34 7,636 7,632
償却原価で測定される利付有価証券
8、34 89,624 89,738
償却原価で測定される貸付金および前渡金
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する
9 (8,679) 13,555
価値調整
10 24 28
関連会社および共同支配企業
11 13 15
有形固定資産
12、34 109 21
その他の資産
- 8
10
売却目的保有資産
資産合計
112,074 149,057
負債
13 4,012 19,525
銀行借入金
14 1,173 984
受入現金担保
15 185 310
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
16 6,129 16,935
デリバティブ
17 90,774 101,355
負債証券
18 4,785 4,525
受託資金
19 38 36
劣後債務
20 11 32
未払税金
20 14 77
繰延税金負債
338 216
21
その他の負債
負債合計
107,459 143,995
株主資本
139 139
資本金
6 6
資本準備金
3,824 3,736
利益剰余金
4 83
再評価剰余金
14 1
キャッシュフロー・ヘッジ準備金
2 3
自己信用調整
17 125
ヘッジコスト準備金
300 236
当期純利益
22
4,306 4,329
株主に帰属する持分
309 733
22
その他Tier1資本
22 4,615 5,062
株主資本合計
112,074 149,057
負債および株主資本合計
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連結損益計算書
(単位:百万ユーロ)
2022年度 2021年度
注記
実効金利法を用いて計算した受取利息
3,759 4,195
403 216
その他の受取利息
受取利息合計
4,162 4,411
実効金利法を用いて計算した支払利息 3,607 3,919
74 85
その他の支払利息
支払利息合計
3,681 4,004
481 407
利息損益 23
受取手数料 23 20
4 3
支払手数料
手数料損益 24 19 17
金融取引損益 25 113 100
関連会社および共同支配企業による損益 26 12 4
1 1
その他の収益 27
収益合計 626 529
人件費 28 75 57
その他の一般管理費 29 38 47
減価償却費 30 2 3
0 0
その他の営業費用
営業費用合計 115 107
金融資産の減損損失純額 31 52 20
関連会社および共同支配企業の減損損失純額 32 0 (2)
破綻処理基金への拠出 33 20 1
32 53
銀行税 33
その他の費用合計 104 72
407 350
税引前当期利益
法人所得税費用 20 107 114
300 236
当期純利益
うちその他Tier1資本所有者に帰属 21 25
うち株主に帰属 279 211
参照番号は連結財務書類に対する注記を示している。連結財務書類に対する注記は、連結財務書類の不可欠な一部である。
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連結包括利益計算書
(単位:百万ユーロ)
以下の計算書の数値はすべて税引後である。
2022年度 2021年度
当期純利益
300 236
株主資本で直接認識される組替調整される損益
キャッシュフロー・ヘッジ準備金の変動:
-未実現価額の変動 13 (10)
0 0
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
13 (10)
ヘッジコスト準備金の変動:
-未実現価額の変動 (109) (62)
1 3
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
(108) (59)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
される金融資産に係る再評価剰余金の変動:
-未実現価額の変動 (36) 45
(43) (48)
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
(79) (3)
組替調整される損益合計 (174) (72)
株主資本で直接認識される組替調整されない
損益:
FVTPLで測定するものとして指定された
(1) (2)
金融負債の信用リスクの変動に起因する
公正価値の変動
(1) (2)
組替調整されない損益合計
株主資本で直接認識される損益 (175) (74)
合計 125 162
-うちその他Tier1資本所有者に帰属 21 25
-うち株主に帰属 104 137
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連結キャッシュフロー計算書
(単位:百万ユーロ)
2022年度 2021年度
営業活動によるキャッシュフロー
税引前当期利益 407 350
調整:
減価償却費 2 3
減損 52 18
純損益を通じて測定される未実現損益 (73) (43)
営業資産および負債の変動:
銀行預入金および借入金(要求払以外)の変動 (830) (194)
差入現金担保および受入現金担保の変動 11,731 6,359
貸付金および前渡金の変動 1,783 1,145
受託資金の変動 264 (1,131)
デリバティブの変動 1,782 574
支払法人税 (127) (81)
(421) (394)
営業活動によるその他の変動
営業活動によるキャッシュフロー純額 14,570 6,606
投資活動によるキャッシュフロー
投資および取得:
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 (108) (9)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 (5,407) (8,322)
償却原価で測定される利付有価証券 (1,544) (850)
有形固定資産 - (1)
処分および償還:
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 195 82
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 5,192 9,215
償却原価で測定される利付有価証券 1,011 1,211
3 -
関連会社および共同支配企業に対する投資
投資活動によるキャッシュフロー純額 (658) 1,326
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2022年度 2021年度
財務活動によるキャッシュフロー
受取額:
中央銀行供給資金(TLTRO) への参加 - 7,500
負債証券 474,163 285,071
支払額:
中央銀行供給資金(TLTRO) の償還 (14,787) -
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 (105) (354)
負債証券 (475,071) (292,980)
劣後債務 - (1)
その他Tier1資本に係る利息支払い (23) (25)
株主に対する配当金 (127) (172)
(424) -
その他Tier1資本 の償還
財務活動によるキャッシュフロー純額
(16,374) (961)
(2,462) 6,971
現金および現金同等物の純変動
1月1日現在の現金および現金同等物 9,286 2,315
6,824 9,286
12月31日現在の現金および現金同等物
12月31日現在の現金および現金同等物:
現金および中央銀行残高 6,821 9,264
銀行預入金項目における現金同等物 4 23
(1) (1)
銀行借入金項目における現金同等物
6,824 9,286
営業活動によるキャッシュフローに対する注記
受取利息額 4,292 4,365
(3,754) (3,991)
支払利息額
538 374
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連結株主資本変動計算書
(単位:百万ユーロ)
以下の計算書の数値はすべて税引後である。
キャッ
株主に
シュフ
自己 帰属
ロー・ ヘッジ その他
資本 信用 利益 する
再評価 ヘッジ コスト 未処分 Tier1
資本金 準備金 剰余金 準備金 調整 準備金 剰余金 利益 持分 資本 合計
2021年1月1日
139 6 86 11 5 184 3,933 0 4,364 733 5,097
現在の残高
包括利益合計 (3) (10) (2) (59) 236 162 162
BNG銀行株主に
(172) (172) (172)
対する配当金
その他Tier1
資本所有者に (25) (25) (25)
対する利息支払い
2021年12月31日
139 6 83 1 3 125 3,736 236 4,329 733 5,062
現在の残高
包括利益合計 (79) 13 (1) (108) 300 125 125
その他Tier1
(424) (424)
資本の償還
BNG銀行株主に
(127) (127) (127)
対する配当金
その他Tier1
資本所有者に (21) (21) (21)
対する利息支払い
前年度利益処分額 236 (236) 0 0
2022年12月31日
139 6 4 14 2 17 3,824 300 4,306 309 4,615
現在の残高
BNG銀行は、連結株主資本のうち少数株主持分により第三者に帰属する損益を認識していない。その他Tier1資本を除く株主
資本全体は、株主に帰属している。
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連結財務書類の会計原則
会社概要
BNG銀行は、 ハーグに本拠を置く、 オランダの法律に基づく法定二段構造企業であり、社会的インパクトを指針としている。
当行の重点はもっぱら公共領域に置かれ、当行の社会的インパクトの拡大が重視されている。BNG銀行の資本金の半分をオラン
ダ王国政府が所有し、残りの半分を州、地方自治体および地域治水委員会が所有している。BNG銀行 N.V. は、 オランダにおける
登録有限会社であり、オランダ2514 AA ハーグKoninginnegracht 2に登記上の事務所を置き(商工会議所番号27008387で登
録)、支店はない。 主たる事業の場所はオランダである。グループの最終的な親会社の名称はBNG銀行N.V.である。
連結 財務書類は、 2023年3月17日 に執行取締役会により公開を目的として作成および発行され、 2023年4月20日 の株主総会
での採択を目的として提出される。
適用法令
連結財務書類は、国際会計基準審議会(IASB)により発行され欧州連合(EU)全域で採用されているIFRSおよびオランダ民
法典第2編第9章に準拠して作成される。
評価および損益の算定に適用される重要な会計原則
継続企業の前提
連結財務書類は、継続企業の前提に基づき作成されている。 執行委員会は、BNG銀行が流動性に優れていること、減損の規模
および数が限定的で質の高い貸付金ポートフォリオを有していること、安定した実績が証明されていることを考慮し、この前
提は適切であると考える。これは、BNG銀行のトリプルAの格付け、高水準の普通株式等Tier1資本および流動性カバレッジ比
率で裏付けられている。BNG銀行の資金調達計画、業績予想および予算策定プロセスの結果に基づき、大幅な変動は見込まれて
いない。
貸借対照表項目の評価
貸借対照表項目のほとんどは償却原価で評価される。貸借対照表項目「純損益を通じて公正価値(FVPL)で測定される金融
資産」、「その他の包括利益を通じて公正価値(FVOCI)で測定される金融資産」、「デリバティブ」および「純損益を通じて
公正価値(FVPL)で測定される金融負債」は公正価値で認識される。貸借対照表項目「関連会社および共同支配企業」は持分
法に準拠し認識される。貸借対照表項目「有形固定資産」は、減価償却累計額控除後の原価で認識される。
収益は、BNG銀行に経済価値が発生する見込みがあり、かつ信頼性を持って収益を決定できる場合に認識される。費用は、可
能な場合、サービスが提供された期間またはこれらの費用を相殺する関連した収益に割り当てられる。詳細については、個々
の貸借対照表項目に係る会計原則を参照のこと。
報告通貨
ユーロは、BNG銀行が使用する機能通貨であり報告通貨である。別段の記載がない限り、連結財務書類において、金額はすべ
て百万ユーロで表記される。
連結の会計原則
毎年BNG銀行は親会社として、当行とその子会社の連結財務書類を作成する。連結財務書類の作成に使用される親会社とその
子会社の財務書類は、同一の報告日時点で作成され、同一の原則に基づく。
収益、費用、配当金等のグループ会社内取引および残高のすべては、連結財務書類で完全に消去されている。連結財務書類
は、BNG銀行が支配するすべての子会社を対象とする。健全性規則(CRR/CRD Ⅳ)の対象となる連結ベースは、国際財務報告基
準(IFRS)に基づく連結ベースと同一である。本書の「その他の情報」項目には、BNG銀行の連結子会社の一覧が記載されてい
る。
支配は、BNG銀行が投資者となっていることにより変動リターンに対するエクスポージャーを有し、当該投資に関係した活動
に対するパワーを行使することで当該リターンに影響を及ぼすことができる場合に存在する。グループ会社は、支配を獲得し
た日から、支配が消滅する時までの期間、完全に連結対象となる。BNG銀行が受益権もしくは持分を保有する投資ファンドの支
配を有するか否かを決定する際には、参加者としてBNG銀行が保有する財務上の利害関係が考慮される。
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有価証券報告書
財務書類に対する諸事象の影響
COVID-19の影響
オランダにおいて、COVID-19関連規制は2022年が始まり数か月で解除された。 COVID-19の BNG銀行の 業績への影響は 極めて 限
定的なものにとどまった。
ウクライナとロシアの戦争の影響
2022年初頭はウクライナとロシアの戦争が特徴的であった。BNG銀行はロシアにおける直接のエクスポージャーを有していな
いため、BNG銀行の継続性、ビジネスモデルおよび業績に直接的な影響はない。間接的には、この戦争はインフレその他のマク
ロ経済要因に著しい影響を与えている。BNG銀行の業務への影響については、以下および執行委員会の報告書に詳述されてい
る。
インフレその他のマクロ経済要因の影響
2022年度中に、インフレはユーロ圏で記録的な水準にまで押し上げられた。BNG銀行は、その優れた自己資本および流動性ポ
ジションのおかげで、公共領域の顧客に競争力のある金利で資金提供を続けることができた。インフレの進行は金融市場に大
きな変動をもたらし、2022年度の業績に影響を与えた。
BNG銀行の顧客もインフレの影響を受けた。特にエネルギー価格が大幅に上昇し、それがBNG銀行の顧客に悪影響を及ぼし
た。BNG銀行は、エネルギー価格、建設コスト、人件費および金利の上昇により、顧客が財務上の困難に陥っているかを監視し
ている。BNG銀行のポートフォリオの信用力は高く、業績への影響は限定的であるが、上記の要因を踏まえ、ヘルスケア部門の
信用力の動向を注視している。BNG銀行の顧客への影響の詳細については、経営報告書で言及されている。
該当する場合、 重要な見積りおよび使用される手法に対する影響の詳細は、関連する注記に記載されている。
非連結ストラクチャード・エンティティへの関与
BNG銀行は、非連結のストラクチャード・エンティティへの関与を、それら エンティティ の性質、目的、規模および活動を十
分考慮し、個別に評価している。参加持分を通じた投資ファンドへの投資、または(「特別目的 エンティティ 」により発行さ
れた)証券化ポジションおよびカバード・ボンド・プログラムへの投資は、BNG銀行の非連結のストラクチャード・エンティ
ティである。これらの エンティティ への関与により、BNG銀行は、当該 エンティティ の業績に一部基づいた変動リターンにさら
されている。 これらのストラクチャード・エンティティは、 誰が企業を 支配 しているかの 決定 に際して 、議決権または類似の
権利が 決定的 な 要因と は ならず 、支配が契約条項によって決定されるように設計されている。その結果、 BNG銀行はこれらの非
連結エンティティに対する支配を有しておらず、 投資者としての役割を果たすのみである。
会計上の見積りおよび判断
本連結財務書類において、最も重要な会計上の見積りおよび判断は、金融商品の公正価値の測定および金融資産の減損に関
連する。最も重要な方法と見積りは、活発な市場のない金融商品の公正価値測定に関連する(詳細は「金融商品の公正価値」
の項目を参照のこと。)。BNG銀行は、これらの金融商品の公正価値を測定するために一般的に認められた評価モデルを使用し
ている。レベル2の金融商品について、BNG銀行はフォワード・カーブ、割引カーブ、ボラティリティ・カーブ、インフレ・
カーブおよびスプレッド・カーブを決定するために観察可能なインプットを使用している。レベル3の金融商品について、主
な観察不能インプットは、信用 スプレッド および流動性スプレッドを伴った債券の回収率および相関係数に関連する。
これらの評価モデルの結果は、割引率や将来予想キャッシュフローを含む、様々な仮定に基づいている。仮定の相違が生じ
た場合、財務報告上の評価額に影響を及ぼす可能性がある。
金融資産の減損を決定するための見積りおよび判断については、BNG銀行は将来予測的な情報、デフォルト確率(PD)、デ
フォルト時損失率(LGD)、デフォルト時エクスポージャー(EAD)および信用リスクの著しい増大(SICR)を決定するために
内部見積技法を使用している。また、不良債権については、BNG銀行は 3 種類の確率加重シナリオについて予想将来キャッシュ
フロー(原担保の評価額を含む)の正味現在価値を評価している。詳細については、「金融資産の減損」を参照のこと。
使用される手法と仮定の詳細については、個別の貸借対照表項目に係る会計原則を参照のこと。BNG銀行は見積りと適用する
仮定を定期的に評価している。変更がある場合は、当該見積りが変更された年度に報告される。
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貸借対照表上のネッティング
金融資産および金融負債は、受取債権および支払債務の相殺および同時決済が通常の状況下ならびにデフォルト、支払不能
および清算時において法的に実行可能であり、そのようなネット金額もしくは両項目を同時に決済する明確な意図があること
が確実である場合にのみ、貸借対照表上でネッティングされる。貸借対照表項目「銀行預入金」にはレポ取引のネッティング
された額が含まれている。これらの項目は、強制力のあるマスター契約が存在する場合にのみ、ネッティングされる。デリバ
ティブおよび税金については、該当する貸借対照表項目の特定の追加ネッティング規定を参照のこと。
外貨
外貨建ての取引は、当初認識時に、取引日現在適用される為替レートで機能通貨に換算される。外貨建ての貨幣性資産およ
び負債は、貸借対照表日に決算日レートで機能通貨に換算される。為替差損益は貸借対照表日に損益計算書項目「金融取引損
益」として認識される。ただし、キャッシュフロー・ヘッジ会計の適用を指定された外貨建ての取引(有効部分)は除く。こ
れらの為替換算差額は、キャッシュフロー・ヘッジ準備金で認識される。
セグメント別情報
BNG銀行は、リソース配分と業績測定を決定する際に、貸付業務と地域開発業務を区別している。BNG銀行は、貸付業務の管
理と設定において、異なるセグメントまたは事業ユニットを区別していない。BNG銀行の地域開発業務はその貸付業務と比較し
て重要ではない。したがって、本年次報告書にセグメント情報は含まれていない。
EUにより採用され2022年1月1日以降に発効した、適用されている会計基準
2022年度 の財務書類において、BNG銀行はIASBにより発行され欧州連合により採用された以下に記載の強制適用のIFRSの基
準、改訂および解釈指針を 2022年 1月1日付で適用した。
・ IFRS第3号「企業結合」、IAS第16号「有形固定資産」、IAS第37号「引当金、偶発負債および偶発資産」の改訂、ならび
に2018年-2020年サイクルの年次改善:IASBにより2020年5月14日に発行され、EUにより2021年6月28日に承認された。
これらの 改訂は2022年1月1日 に 発効 したが、財務書類への 影響は なかった 。
EUにより承認された、2023年1月1日以降に発効する会計基準
BNG銀行は、EUにより承認されていないIASB発行の新規または改訂基準および解釈指針を適用しない。BNG銀行は、EUにより
承認された、 2023年 1月1日以降の事業年度に強制適用される改訂基準および解釈指針の早期適用を行わないことも決定し
た。
以下の新規または改訂後の基準、解釈指針および改善を適用していた場合、評価、損益の算定および当行の開示に関して、
2022 年度の財務書類に限定的な調整が必要となった可能性がある。
・ IFRS第17号「保険契約」の改訂:IFRS第17号およびIFRS第9号の適用 開始 ―比較情報:IASBにより2021年12月9日に発行
され、2022年9月8日に承認された。これらの改訂は2023年1月1日に発効する。BNG銀行は顧客との間で保険契約を締
結していないため、財務書類への影響はない。
・ IFRS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更および誤謬」の改訂:会計上の見積りの定義:IASBにより2021年2月12日
に発行され、EUにより2022年3月2日に承認された。これらの改訂は2023年1月1日に発効する。本改訂は定義の変更の
みを含むため、財務書類への影響は見込まれていない。
・ IAS第1号「財務諸表の表示」およびIFRS実務記述書第2号の改訂:会計方針の開示:IASBにより2021年2月12日に発行
され、EUにより2022年3月2日に承認された。これらの改訂は2023年1月1日に発効する。本改訂は、連結財務書類の作
成に関する内部プロセスに影響を与えるが、財務書類への影響は限定的と見込まれている。
・ IAS第12号「法人所得税」の改訂:単一取引から生じた資産および負債に係る繰延税金:IASBにより2021年5月7日に発
行され、EUにより2022年8月11日に承認された。BNG銀行にはIAS第12号第15項(b)または IAS第12号 第24項に基づくいずれ
の免除も適用されないため、財務書類への影響は見込まれていない。
EUにより採用されていない未適用の会計基準
BNG銀行は、EUにより採用されていないIASB発行の新規または改訂基準および解釈指針を適用しない。BNG銀行は、EUが採用
した 2023年 1月1日以降の事業年度に強制適用される改訂基準および解釈指針の早期適用を行わないことも決定した。
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金利指標改革(「IBOR改革」)
金利指標改革(「IBOR改革」)は2つのフェーズ で構成される 。フェーズ1の実施は2020年に開始され 、2022年に中央清算
されない英ポンドLIBOR金利の貸付金のすべてが英ポンド翌日物平均金利(SONIA)に移行され、2022年にほぼ完了した。最後
の移行は、米ドルLIBORの移行について行われる。この移行は2022年に予定されていたが、規制当局は移行を2023年6月30日ま
で延期することを決定した。
フェーズ2 に ついて、 BNG銀行は、市場、および残りの指標金利の移行に対処している業界の様々なワーキンググループから
のアウトプットを注視している。これには、担保付翌日物調達金利(SOFR)および無担保コール・オーバーナイト物金利
(TONA)に関する「IBOR」規制当局による発表が含まれる。
BNG銀行は、不確実性が存在する期間においてヘッジ会計実務の継続を可能にする一時的な救済措置を適用している。企図し
ている取引が発生する確率が高いかどうかを判断するために、救済措置では、IBOR改革によってヘッジ対象のキャッシュフ
ローの基礎となるIBORが変更されないことを前提とする必要がある。
BNG銀行は金利指標改革から生じる不確実性が解消されるまで、IFRS第9号/IAS第39号の改訂の適用を継続する予定であ
る。当行は、BNG銀行の契約が新たな参照金利に修正されるまで、この不確実性は解消されないと想定している。時間軸は主に
取引先との交渉に左右され、その結果、当行の契約にフォールバック条項が盛り込まれる。
ヘッジ会計を適用していない非デリバティブ金融資産の主なエクスポージャーは、 2022年 12月現在 17百万ユーロ であり、中
央清算されない 米ドル 建て変動利付債に関するものである。ヘッジ会計を適用していない非デリバティブ金融負債のエクス
ポージャーはゼロである。
以下に、金利指標改革によるIFRS第9号/IAS第39号の改訂の適用対象となるヘッジ手段およびヘッジ対象の詳細をヘッジの
種類別に示す。 2022年 度末で、SONIA、SOFR、スイス翌日物平均金利(SARON)、TONAおよびユーロ短期金利( € STR)のすべて
のヘッジ手段の移行が完了した。米ドル(SOFR)については、キャッシュフロー・ヘッジを伴うヘッジ関係の移行は2023年第
1四半期に行われる。なお、IBOR改革が完了していないヘッジ関係については、詳細のみを示している。 記載されているヘッ
ジ対象の条件は、対応するヘッジ手段の条件に一致する。
1年超
ヘッジの種類 金融商品の種類 1年以下 5年以下 5年超 ヘッジ対象
公正価値ヘッジ 変動 ユーロ 支払、 スワップの金利リスク、
固定 豪ドル 5,977 630 2,291 為替リスクおよびオプ
カナダドル 367 - 367 ション・リスクをヘッジ
するための重要な条件が
その他 受取 319 - 29
一致する発行済固定金利
債券
キャッシュフロー・ 変動 ユーロ 支払、 - 990 - スワップの金利リスク、
ヘッジ 変動 米ドル 受取 為替リスクおよびオプ
ション・リスクをヘッジ
するための重要な条件が
一致する発行済米ドル建
て変動金利債券
変動 ユーロ 受取、 - - 17 為替リスクおよびオプ
変動 米ドル 支払 ション・リスクをヘッジ
するための重要な条件が
一致する米ドル建て変動
金利貸付金
固定 ユーロ 支払、 - 165 - スワップの為替リスクお
固定 南アフリカランド 受取 よびオプション・リスク
をヘッジするための重要
な条件が一致する発行済
南アフリカランド建て固
定金利債券
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重要な会計方針の要約
金融商品の分類および測定
BNG銀行は、金融資産を以下の測定カテゴリーに分類している。
・ (その他の包括利益または純損益のいずれかを通じて)公正価値で測定される金融資産。
・ 償却原価で測定される金融資産。この分類は、金融資産を管理するためのBNG銀行のビジネスモデルおよび金融資産の
キャッシュフローの契約条件に基づく。
BNG銀行は、負債を純損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定している、またはデリバティブ負債のように純損益
を通じて公正価値で負債を測定することが義務付けられている場合を除き、金融負債を償却原価で測定されるものに分類して
いる。
償却原価で測定される金融資産
金融商品は、以下の場合に償却原価で測定される。
・ その契約条件が特定の日に元本と元本残高の金利の支払いのみであるキャッシュフローを生じる場合(SPPIテスト)。
・ 契約上のキャッシュフローの回収によって目的が達成されるビジネスモデルにおいて保有されている場合。
これらの金融商品は、公正価値に、直接帰属する取引コストを加えた額で当初認識され、その後は償却原価で測定される。
信用の減損の測定は、後出の金融資産の減損の項目で記述される3つのステージの予想信用損失モデルに基づく。償却原価で
測定される金融資産は、貸借対照表項目の「現金および中央銀行残高」、「銀行預入金」、「差入現金担保」、「償却原価で
測定される利付有価証券」ならびに「償却原価で測定される貸付金および前渡金」に含まれている。これらの金融資産からの
受取利息は、「実効金利法を用いて計算した受取利息」に含まれている。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
負債性金融商品への投資は、以下の場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定される。
・ その契約条件が特定の日に元本と元本残高の金利の支払いのみであるキャッシュフローを生じる場合(SPPIテスト)。
・ 契約上のキャッシュフローの回収および金融資産の売却の両方によって目的が達成されるビジネスモデルにおいて保有さ
れている場合。
これらの負債性金融商品は、公正価値に、直接帰属する取引コストを加えた額で当初認識され、その後は公正価値で測定さ
れる。公正価値の変動から発生する利益および損失は、減損損益、受取利息および為替差損益の認識を除き、株主資本の個別
の構成要素であるその他の包括利益に含まれる。これらの金融資産からの受取利息は、「実効金利法を用いて計算した受取利
息」に含まれている。減損損失または減損戻入、および為替差損益も、損益計算書で認識される。
当初取得からその他の包括利益で認識されていた累積利益または損失は、処分時に株主資本から損益計算書に再分類され
る。信用の減損の測定は、償却原価で測定される金融資産に適用されるのと同様に、3つのステージの予想信用損失モデルに
基づく。予想信用損失モデルは、後出の金融資産の減損の項目で記述されている。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産または負債
純損益を通じて公正価値で測定される項目は以下で構成される。
・ 契約条件が(強制的な)元本と金利の支払いのみでない負債性金融商品
・ 当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定するものとして明確に指定された項目
・ デリバティブ
・ 資本性金融商品
純損益を通じて公正価値で測定される保有金融商品は、公正価値で当初認識され、取引コストは発生時に損益計算書で認識
される。その後それらは公正価値で測定され、損益は発生時に損益計算書の金融取引に係る損益に認識される。これらの金融
資産および負債(ヘッジ会計を適用するデリバティブを除く)からの受取利息または支払利息は、「その他の受取利息」また
は「その他の支払利息」に含まれる。ヘッジ会計を適用するデリバティブからの受取利息または支払利息は、「実効金利法を
用いて計算した受取利息」または「実効金利法を用いて計算した支払利息」に含まれる。
デリバティブは、日次または限定された担保交換のないデリバティブ取引に係る取引先信用リスク(信用評価調整)および
自己の信用リスク(債務評価調整)に起因する市場価値変動を含む公正価値で測定される。
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純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融商品
金融商品は、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定することができる。金融資産は、純損益を
通じて公正価値で測定するものとして指定することにより、金融資産または負債を他の基準で測定することから発生する測定
または認識における不整合を解消または大幅に低減する(すなわち、会計上のミスマッチを解消する)場合にのみ、純損益を
通じて公正価値で測定するものとして指定することができる。
金融負債は、会計上のミスマッチを解消または大幅に低減する場合、または以下の場合に、純損益を通じて公正価値で測定
するものとして指定することができる。
・ 主契約に1つ以上の組込デリバティブが含まれる場合
・ 金融資産グループおよび金融負債グループの両方が運用されており、文書化されたリスク管理または投資戦略に従って、
その運用成績を公正価値に基づいて評価する場合
金融負債が純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定されている場合、BNG銀行 自身 の 信用の質 の変動に起因する公
正価値の変動は、観察可能な市場金利を超過する信用スプレッドの変動を算定することによって計算され、株主資本のその他
の包括利益において個別に認識される。
資本性金融商品
BNG銀行は、資本性金融商品をその他の包括利益を通じて公正価値で測定できる会計基準に基づくオプションを選択していな
い。したがって、資本性金融商品への投資は、純損益を通じて公正価値で測定されている。
金融商品の認識中止
以下の場合、金融資産は認識が中止される。
・ 資産のキャッシュフローを受け取る契約上の権利が失効した場合、または
・ BNG銀行が、資産のキャッシュフローを受け取る権利を保持しているが、別段の取決めに伴い、当該キャッシュフローの
全額を重要な遅滞なく第三者に対して支払う契約上の義務を引き受けている場合、または
・ 資産のキャッシュフローを受け取る契約上の権利およびこの資産の実質的にすべてのリスクと経済価値が移転した、すな
わち、当該資産に対する支配が移転した場合。
償却は、認識中止事象としてみなされ、BNG銀行に金融資産の契約上のキャッシュフローを(一部)回収する合理的な見込み
がない場合に認識される。償却の場合、BNG銀行は当該金融資産の帳簿価額総額を直接減額する。
金融資産の条件が変更された場合、BNG銀行は条件変更後の資産のキャッシュフローが大幅に変動しているかどうか評価す
る。キャッシュフローに大幅な変動があった場合、条件変更前の金融資産のキャッシュフローに対する契約上の権利は失効し
たものとみなされる。この場合、条件変更前の金融資産は認識が中止され、新たな金融資産が公正価値で認識される。
BNG銀行は、金融負債の条件が変更され、条件変更後の金融負債のキャッシュフローに大幅に変動があった場合に、当該金融
負債の認識を中止する。この場合、変更後の条件に基づく新たな金融負債が公正価値で認識される。消滅した金融負債と条件
変更後の新たな金融負債の間の帳簿価額の差異は、純損益に認識される。契約において特定された債務が免責、取消しまたは
失効した場合は、金融負債も認識が中止される。
金融商品の部分的な認識中止の場合、BNG銀行は先入先出(FIFO)原則を適用する。当該資産または負債の決済額と帳簿価額
との差額は、損益計算書に直ちに全額認識される。既存の金融資産または金融負債が契約により、実質的に同一の条件で同一
の契約相手との間で別の契約に交換された場合は、新規の資産または負債は、既存の資産または負債が継続したものとして扱
われる。この場合には、損益は認識されない。
標準的な買戻し契約ならびに有価証券の貸付および借入取引の下でBNG銀行が差し入れた担保(保証)は、BNG銀行があらか
じめ決められた買戻し価格に基づきすべてのリスクおよび経済価値を保持していることから認識中止の基準は満たさないた
め、認識は中止されない。
金融資産の譲渡
BNG銀行は、譲渡された金融資産(の構成要素)に付随するすべてまたは大部分のリスクおよび経済価値を保持している場
合、譲渡された金融資産を貸借対照表で認識する。例えば、BNG銀行は、買戻し条件付取引に関連して、すべてのまたはほぼす
べてのリスクおよび経済価値を保持しながら金融資産を譲渡することがある。
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金融資産の減損
BNG銀行は、マクロ経済要因に関して現在の貸付金ポートフォリオを評価した。これらのマクロ経済要因は、IFRS第9号の基
準で要求されているように、過去のPDを将来予測的なPDに変換するために使用される。これらの要因はポートフォリオベース
で決定される。ヘルスケア部門に属する当行の顧客の経済状況は、状況の新規性、高いボラティリティ、低い失業率、高イン
フレのために、当行にとって懸念事項である。その結果、ヘルスケア・ポートフォリオに対してオーバーレイが適用された。
年初に実施された信用調査に最近の動向が反映されていないこと、早期回復の兆しが見られないことを考慮して、ヘルスケ
ア・ポートフォリオの内部格付けは2ノッチ引き下げられた。2ノッチという選択は、行内で行われた議論に基づいており、
与信委員会(KBC)内で確認されている。
BNG銀行は、個別ベースで、エクスポージャーの信用リスクが著しく増大しているかどうかを評価している。純損益を通じて
公正価値で測定される以外の金融資産の次のカテゴリーについて、予想信用損失(ECL)が算出されている。
・ 償却原価で測定される負債性金融商品
・ その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品
・ ローン・コミットメント
・ 金融保証契約
金融資産は、当初認識時からの信用リスクの変化に基づき、次の3つのステージ間を移動する。金融資産の条件変更の結
果、既存の金融資産の認識が中止され、その後、条件変更後の資産が認識された場合、当該条件変更日が当初認識日とみなさ
れる。
ステージ1:12か月間のECL
BNG銀行は、当初認識以降信用リスクの著しい増大(SICR)がないエクスポージャーについて、当初認識から12か月以内に発
生する可能性があるデフォルト事象を反映したECL引当金を認識する。加えて、BNG銀行は信用リスクが低い場合の例外
(LCRE)を利用している。これにより、信用リスクの低いエクスポージャーはSICRがある場合でも、当該増加があっても信用
リスク全体が依然として低いことを条件に、ステージ2に移動することが回避される。いずれの場合においても、30日超の期
日経過が、ステージ2への移動に関してバックストップ指標としての役割を果たしている。12か月間のECL引当金は、すべての
個別エクスポージャーについて、デフォルト時エクスポージャー(EAD)、デフォルト確率(PD)およびデフォルト時損失率
(LGD)の関数として計算され、将来予測的な情報を織り込んでいる。
ステージ2:全期間のECL-正常債権エクスポージャー
BNG銀行は、当初認識以降に信用リスクの著しい増大があったが、信用減損とはみなされないエクスポージャーについて、金
融資産の残りの全期間に発生する可能性があるデフォルト事象を反映したECL引当金を認識する。これには主に、投資適格とは
みなされない信用格付のエクスポージャー、および当初認識以降、信用格付が少なくとも1ノッチ低下したエクスポージャー
が含まれる。
加えて、支払いの期日経過が30日超から90日のエクスポージャーならびに支払猶予措置の対象となったエクスポージャーが
含まれる。この他に考慮される定性的要因は、借り手が営業活動を行っている事業、財務および/もしくは経済の状況におけ
る著しく不利な変動、または借り手の経営成績において予想される著しく不利な変動である。
ステージ2の全期間のECLは、すべての個別エクスポージャーについて、デフォルト時エクスポージャー(EAD)、デフォル
ト確率(PD)およびデフォルト時損失率(LGD)の関数として計算され、将来予測的な情報を織り込んでいる。
ステージ3:全期間のECL-不良債権エクスポージャー
BNG銀行は、個別エクスポージャーのレベルで、エクスポージャーがデフォルトの定義に完全に一致する不良債権であるかど
うかを評価する。この評価は、当該資産の見積将来キャッシュフローに不利な影響を及ぼす1以上の事象が発生しているかど
うかに基づく。これには、支払いの期日経過が90日を超えるエクスポージャーが含まれるが、これには限定されない。相手先
が債務不履行であるとBNG銀行が判断した場合、すべての関連する金融資産はステージ3とみなされる。不良債権となったエク
スポージャーについて、BNG銀行は、保有エクスポージャーに適用される担保または保証を含む、すべての関連する情報を考慮
に入れて算定された全期間のECLを認識している。金融商品は、デフォルトの判定基準のいずれをも満たさなくなった場合に、
デフォルト状態ではなくなった(すなわち回復した)とみなされる。これは、各金融商品について個別に評価される。
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減損のステージの決定
各報告日現在で、BNG銀行は、報告日現在と当初認識日からの予想残存期間にわたってデフォルトの発生するリスクを比較す
ることによって、当初認識以降のエクスポージャーに信用リスクの著しい増大があるかどうかを評価する。BNG銀行はこの目的
のために、過大なコストや労力もかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮する。これには、定量的および定性的
情報ならびに将来予測的な分析が含まれる。BNG銀行はまた、信用リスクの著しい増大があっても信用リスク全体が低い場合に
は、エクスポージャーがステージ2に移動することを回避するために、信用リスクが低い場合の例外(LCRE)も利用してい
る。資産の質が悪化するにつれて、エクスポージャーは常により高いデフォルト確率に移動する。
資産の質が、当初認識以降のSICRの疑いがなくなるところまで改善した場合、ECL引当金は全期間のECLから12か月間のECLに
戻される。こうした金融資産に対する引当金は、12か月間のECLに基づく。資産が回収不能になった場合、当該資産は償却さ
れ、関連する引当金と相殺される。こうした資産はすべての必要な手続きが完了し、損失の額が決定された後に償却される。
既に償却された金額をその後に回収した場合は、損益計算書上の費用が減額される。
ECLの分類
ECLの分類は、商品の種類に応じて、以下のとおりである。
・ 報告日現在で正常債権である金融資産:金融資産の予想期間にわたる現金の不足額全額を実効金利で割り引いた現在価値
として測定される。現金の不足額は、BNG銀行が契約に従って受け取るべきキャッシュフローと、BNG銀行が受け取ると見
込んでいるキャッシュフローとの差額である。
・ 報告日現在で不良債権である金融資産:帳簿価額総額と、見積将来キャッシュフローを実効金利で割り引いた現在価値と
の差額として測定される。
・ 未使用のローン・コミットメント:コミットメントを実行した場合にBNG銀行が受け取るべき契約上のキャッシュフロー
と、BNG銀行が受け取ると見込んでいるキャッシュフローとの差額の現在価値として測定される。
・ 金融保証契約 :保有者に弁済するための支払見込額からBNG銀行が回収すると見込んでいる金額を差し引いた額として測
定される。
ECLは、金融資産の減損損失純額を使用して、損益計算書で認識される。その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負
債性金融商品の場合、ECLの測定は償却原価で測定される金融資産に適用される3つのステージのアプローチに基づく。BNG銀
行は、減損損失を損益計算書上で認識し、対応する金額をその他の包括利益に認識するが、貸借対照表における資産の帳簿価
額は減額しない。
ヘッジ会計
BNG銀行の金利リスクおよび通貨リスクを管理するために使用されるデリバティブ商品は、約定日に公正価値で、貸借対照表
の資産サイドまたは負債サイドのいずれかにデリバティブとして認識される。 目標は、年間業績、特に利息損益の安定を達成
し、未実現損益を管理することである。 BNG銀行は、IFRS第9号 に 従ったミクロ・ヘッジ会計およびIAS第39号に従ったポート
フォリオ・ヘッジを、当該基準 で定められている条件を満たした場合に適用している。当該ヘッジ会計は、明確に文書化され
たヘッジ対象とヘッジ手段との間の関係に基づく。ヘッジ手段と、ヘッジ対象の価値またはヘッジ対象によって生み出される
キャッシュフローの変動の間に、高い(負の)相関がある場合、ヘッジは有効とみなされる。ヘッジ関係は、ヘッジ取引が締
結された時点で文書化される。ヘッジ関係はその後、ヘッジ会計の要件を満たしているかどうかを評価するために、継続的に
テストされる。
原則として、BNG銀行は、デリバティブをヘッジ手段としてのみ使用している。それらは貸借対照表において強制的に公正価
値で測定される。ヘッジ関係の相手先はヘッジ対象であり、通常は償却原価で認識される。ヘッジ関係が有効な場合、BNG銀行
は、ヘッジ手段とヘッジ対象との間の測定および損益認識の差額を、原則としてヘッジ会計により相殺している。BNG銀行は公
正価値とキャッシュフロー・ヘッジ会計の両方を適用している。
公正価値ヘッジ会計
BNG銀行は、ミクロ・ヘッジ会計およびポートフォリオ・ヘッジ会計という2種類の公正価値ヘッジ会計を適用している。
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ミクロ・ヘッジ会計
デリバティブがヘッジ関係においてヘッジ手段として指定された場合、当該デリバティブの公正価値の変動は、ヘッジ対象
リスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動とともに、損益計算書上で直ちに認識される。デリバティブは、デリバティブ
と主契約の両方を含んだハイブリッド金融商品の構成要素である場合がある。このような組込デリバティブ商品は、対応する
スワップ契約を用いて公正価値の変動をヘッジしている仕組金融取引の一部である。こうした場合、ヘッジ対象取引とヘッジ
手段であるデリバティブの両方が、公正価値で認識され、公正価値の変動が包括利益計算書上で、またはヘッジ対象取引
(ヘッジ対象項目)の価値の調整として認識される。現在、BNG銀行の公正価値ヘッジは主に、固定金利取引から変動金利取引
へのスワップに関連している。貸借対照表項目の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産」、「償却原価
で測定される金融資産」、「受託資金」および「負債証券」がこれに関係している。
ヘッジ手段が消滅、売却、終了または行使された場合、ヘッジがヘッジ会計の基準を満たさなくなった場合、またはBNG銀行
が自発的にヘッジ関係の中止を決定した場合、ヘッジ関係はその時点から将来に向けて中止される。ヘッジ関係がヘッジの有
効性基準を満たさない場合、BNG銀行はヘッジの有効性基準を満たしていることが証明される最終日から、ヘッジ会計を中止す
る。
ポートフォリオ・ヘッジ会計
ポートフォリオ・ヘッジ会計は、ユーロ建て取引の集合体について、デリバティブのポートフォリオを使用して金利リスク
をヘッジするものである。BNG銀行は、ポートフォリオ・ヘッジ会計を大部分の長期固定金利貸付金(「貸付金および前渡金」
項目)および限られた数の固定金利有価証券に適用している。個々のヘッジ対象とヘッジ手段との間に直接的な関係は存在し
ないが、金利変動から生じる関連資産の価値変動を当該デリバティブが相殺することがポートフォリオ・レベルで示されてい
る。
資産とヘッジ手段であるデリバティブとの間に直接的な関係が存在しないため、ヘッジ対象の金利リスクの価値調整は、貸
借対照表項目「ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整」として認識される。
キャッシュフロー・ヘッジ会計
キャッシュフロー・ヘッジ関係においてデリバティブがヘッジ手段として指定された場合、デリバティブの公正価値の変動
の有効部分は、直接的にその他の包括損益で認識され、株主資本のキャッシュフロー・ヘッジ準備金に表示される。デリバ
ティブの公正価値の変動の非有効部分は、直ちに純損益に認識される。
キャッシュフロー・ヘッジ準備金で認識された金額は、ヘッジ対象のキャッシュフローが純損益に影響を与えるのと同一期
間に、再分類調整として純損益に再分類される。BNG銀行は、キャッシュフロー・ヘッジ会計を変動金利の外貨建ての取引およ
び固定金利の外貨建て取引の信用スプレッドに適用している。貸借対照表項目の「受託資金」および「負債証券」がこれに関
係している。ヘッジ会計関係が終了した場合、累積された公正価値ヘッジ調整額は金融商品の残存期間にわたって償却され
る。ヘッジ対象の認識が中止された場合、未償却の公正価値調整は直ちに損益計算書で認識される。
外貨ベーシス・スプレッド
IFRS第9号の適用を受けて、ヘッジ手段の先渡構成要素は、ヘッジ関係の一部ではなくなった。クロスカレンシー金利ス
ワップの外貨ベーシス・スプレッドは、先渡契約の先渡要素と同じ方法で会計処理される。ヘッジ対象に関連するこのデリバ
ティブの外貨ベーシス・スプレッドの変動は、株主資本のヘッジコスト準備金で認識される。ヘッジコスト準備金の累積額
は、ヘッジ対象が純損益に影響を与えるのと同じ時期に純損益に再分類される。
ヘッジ会計の中止
ヘッジ会計の要件を満たさなくなった、またはヘッジ対象もしくはヘッジ手段が売却された、もしくは満期が到来した時点
でヘッジ関係は終了となる。ヘッジ対象に係る前期の貸借対照表価額と償却原価との差異は、それが貸借対照表上に保持され
る限り、ヘッジ対象の残存期間にわたり償却される。全部または一部のヘッジ対象が売却または購入された場合は、売却損益
の算定時に公正価値変動の累計額のうちの関連する部分が純損益上で加味される。
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金融資産および金融負債の認識および会計処理
金融資産および 金融 負債は決済日に認識される。つまり、BNG銀行が金融商品の契約条項から生じる利益を受ける権利、また
はそれによる債務の責任が生じると同時に認識される。これらには従来の金融商品(貸付金、利付有価証券および負債証券)
およびデリバティブの双方が含まれる。金融資産および金融負債は、当初、取引価格、つまり公正価値に金融資産ないし金融
負債の取得または金融負債の発行に直接帰属する取引費用を加えた金額で認識される。ただし、公正価値により認識される取
引は除かれる。後者の貸借対照表項目に含まれた取引は取引費用を加味することなく公正価値で評価される。
公正価値で認識される取引の価値が当初認識の取引価格と異なる場合には、以下のとおり損益が計上される。
・ 公正価値レベル1またはレベル2の取引については、差異は損益計算書項目「金融取引損益」に直接認識される。
・ 公正価値レベル3の取引については、差異は貸借対照表の一時項目に含められ、取引期間にわたり償却される。
当初認識後、金融資産および金融負債は、取引の区分に応じて、償却原価または公正価値のいずれかで評価される。償却原
価は、額面金額に加え、経過利子、決済済み取引費用および/または実効金利法に従い取引の金利期間に割り振られる割増差
額または割引差額から構成される。
デリバティブ金融商品の認識および会計処理
デリバティブ金融商品は、その価値が1つ以上の基礎となる価格、指数またはその他の変数から導き出され、通常、スワッ
プ、先渡金利契約、先物およびオプションといった金融商品で構成される。当初認識時から、原則としてデリバティブは公正
価値で認識され、トレーディング目的保有に分類される。デリバティブの帳簿価額は、契約の全期間にわたって再測定され、
公正価値の変動はすべて損益計算書の「金融取引損益」項目で認識される。デリバティブは、「中央清算機関」で実行される
デリバティブ取引を除き、純額で正の公正価値の場合は資産に含まれ、純額で負の公正価値の場合は負債に含まれる。これら
のデリバティブについては、BNG銀行と「中央清算機関」との仲介者としての役割を果たす取引先金融機関との間ですべてのデ
リバティブの公正価値についてネッティングが行われる。デリバティブ取引が中央清算機関で実行され、セトル・トゥ・マー
ケット(STM)デリバティブ契約の一部でもある場合、当該デリバティブのポジションは、差入れた/受入れた担保ともネッ
ティングされる。
区分処理された金融負債の組込デリバティブ
以下のすべての条件が満たされる場合、金融負債の組込デリバティブは、別個のものとして分類および評価される。
・ 組込デリバティブの経済的特徴およびリスクと、金融商品のそれらとの間に緊密な関係がない。
・ 純損益を通じて公正価値で測定される金融商品ではない。
・ 同一の条件の独立したデリバティブ商品であったとすればデリバティブの定義を満たしている。
これらの条件を満たすデリバティブは貸借対照表項目の「デリバティブ」に公正価値で認識される。予想キャッシュフロー
に重要な影響を与える契約条件の変更がある場合に限って、契約は再評価される。
区分処理されない金融負債の組込デリバティブ
区分処理の条件を満たさないデリバティブは、その金融商品が認識される貸借対照表項目に含まれる。早期償還に関連する
オプションが通常これに該当する。これらのデリバティブの測定はその金融商品の測定に従う。これが償却原価の場合は、当
該オプションは原則としてゼロと測定される。この他の場合は、当該オプションは公正価値で測定される。
金融商品の公正価値
公正価値とは、測定日時点で当該時点の市場状況のもと、会社の意思または能力にかかわらず、市場参加者間での秩序ある
取引により金融資産が売却されたと仮定した場合に受け取るであろう価格(取引費用調整前)、または金融負債が移転された
と仮定した場合に支払うであろう価格(取引費用調整前)である。評価が市場当事者の観点から行われる必要があるというこ
とが出発点であるため、金融商品の固有の特徴および制限のみが考慮される可能性がある。公正価値は、活発な市場における
相場価格、またはそれが利用できない場合は、モデル評価手法を用いて算定される。評価手法は、上場していない資産および
負債ならびに店頭デリバティブの公正価値決定の際に広く使われている。これは一般的に認められた手法や方法、例えば、オ
プション価格モデル、割引キャッシュフロー、先物価格決定ならびに信用および流動性スプレッドに関係する。契約条件が考
慮されるほか、割引の市場ベースのイールド曲線、相関、ボラティリティ、クロスカレンシー・スワップのベーシス・スプ
レッド、信用スプレッド、評価調整ならびに市場当事者が価格決定するために使用するその他の要因、見積りおよび仮定と
いった利用可能で客観的な市場データが利用される。公正価値「レベル3」の評価は市場データで観察できない仮定に一部基
づいている。公正価値測定の決定方法の詳細な記載については、連結財務書類の「金融商品の公正価値」の項目を参照のこ
と。
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ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整
本貸借対照表項目は、ポートフォリオ公正価値ヘッジ会計から生じる価値調整を含む。これは、ポートフォリオ・レベルで
金融資産の金利リスクをヘッジすることで生じる市場価値変動の有効部分を指す。認識された価値調整はヘッジ対象の金融資
産の償還期間にわたり損益計算書で償却される。
銀行借入金、受入現金担保、負債証券、受託資金および劣後債務
借入金(買戻し条件付取引を含む)および負債証券は、当該負債が純損益を通じて公正価値で測定される場合を除き、貸借
対照表に償却原価で計上される。ミクロ公正価値ヘッジ会計を適用する「負債証券」および「受託資金」の取引については、
償却原価は、金利リスクから生じる公正価値変動の有効部分に応じて調整される。買い戻された債務はいずれも貸借対照表か
ら除外され、帳簿価額と取引額との差異は損益計算書において認識される。
TLTRO資金供給オペ第三弾に ついて、2022年度および2021年度 の 両年度のTLTRO取引の利息損益の算定には、予想優遇金利を
含めた非市場金利が使用されている。
関連会社および共同支配企業
関連会社および共同支配企業は持分法により認識される。関連会社とは、BNG銀行がその事業および財務方針に重要な影響力
を持つが、主な支配はしていない会社を指す。通常、BNG銀行が株式または議決権の20%から50%を保有している場合に重要な
影響力を持つと考えられる。共同支配企業は、BNG銀行および契約上の取決めに対して共同支配を有するその他当事者が純資産
に対して契約上の権利を有する共同契約である。これらの契約上の取決めは別個の法人として組成されている。取決めの共同
支配は、契約上合意されており、取決めに基づく関連活動が支配を共有する当事者全員の同意を必要とする場合のみ存在す
る。BNG銀行の関連会社および共同支配企業の記述については、本書の「その他の情報」の項目を参照のこと。
有形固定資産
BNG銀行が所有するすべての不動産および設備は、減価償却累計額控除後の原価で認識されている。不動産は、土地、建物お
よび専用設備に関連する。設備は、事務機器、在庫、家具、ハードウェア、ソフトウェアおよび芸術品に関連する。
減価償却期間は資産の見積耐用年数に基づき決定される(連結財務書類に対する注記11を参照のこと。)。見積耐用年数と
残余価額は毎年見直される。減価償却費は定額法で計算され、損益計算書に計上される。土地は減価償却されない。
非金融資産の減損
BNG銀行の非金融資産(有形固定資産、関連会社および共同支配企業に対する投資)の帳簿価額は、繰延税金資産を除き、減
損の客観的な兆候があった際に評価される。減損を決定するために、実現可能価額の見積りがなされ、個別の資産は将来
キャッシュフローが区別されうる最小レベル(キャッシュフロー生成単位)のグループに分けられる。BNG銀行はいかなるのれ
んも認識していない。資産またはキャッシュフロー生成単位の実現可能価額は、使用価値と売却費用控除後の公正価値のうち
いずれか高い方である。
使用価値を決定する際に、予想将来キャッシュフローの現在価値は、貨幣の時間価値に対する現在の市場評価、および当該
資産に関連する特定リスクの双方を反映した税引前割引率を用いて計算される。キャッシュフロー生成単位に関して認識され
る減損は、まず当該単位に割り当てられたのれんの帳簿価額と相殺し、その後に当該単位(または単位のグループ)のその他
資産の帳簿価額と比例配分で相殺する。減損の対象となる非金融資産は、各貸借対照表日において再評価される。非金融資産
の減損は、非金融資産に含まれるのれんを除き、認識されていた減損の兆候による負の影響が緩和されたと信頼性をもって認
められる場合、純損益(「減損」項目)を通じて戻し入れられる。減損は、資産の帳簿価額が、減損が認識されていなかった
場合決定されていたと考えられる、減価償却費または償却費を差し引いた帳簿価額を超えない範囲でのみ戻し入れられる。
従業員年金
BNG銀行は、その複数事業主年金制度を確定拠出年金制度として分類している。この制度に基づいて、加入者はほとんどすべ
ての数理上および投資上のリスクを負う一方、制度の加入事業主は基金に不足が生じてもいかなる追加の拠出を行う債務も負
わない。債務は年金基金が決定した拠出金の支払いから成る。年金基金は、規制当局が特定した変数および要件を考慮しつ
つ、独自のデータセットに含まれる情報に基づいて毎年拠出額を決定する。拠出金の支払債務は、前年度に加入者となった時
点からではなく、当該年度に年金基金加入者になった時点で発生する。雇用者の年金拠出負担分および追加額は拠出と関連す
る年度の損益に計上される。
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その他の従業員給付
その他の従業員給付は確定給付年金制度として分類され、別途引当金が設けられる。これらのその他の従業員給付は、BNG銀
行の在職従業員および離職した従業員双方のためのモーゲージ・ローンの金利割引の将来の費用を含む。引当金の水準は、予
測単位積増方式(PUCM)を用いた計算に基づき決定される。モーゲージ・ローンの金利割引に関連する引当金は、貸借対照表
項目の「その他の負債」に計上される。従業員給付に関する費用は、損益計算書で人件費として認識される。数理上の損益は
すべて株主資本で直接認識し、その後の期間に損益計算書に組替調整することができない。本項目は、長期有給休暇制度引当
金も含む。本制度では、勤続年数7年以上の従業員は、7年に1度、月給を一部受け取りながら、2か月連続の休暇を取得す
ることができる。長期有給休暇制度は、確定給付制度とみなされ、その費用は損益計算書で人件費として認識される。
税金
表面税額は、法定表面税率および適用課税法規に基づき計算される。損益計算書の実効税額を決定する際に、過年度に関係
する税率調整、参加持分免除および損金不算入費用も適用される。納税グループの一部であるグループ会社は、この適用表面
税率を使用する。
繰延税金資産および繰延税金負債は共に額面で計上される。すべての繰延税金資産および負債は、納税グループの親会社の
財務書類で計上される。繰延税金資産および負債は、資産および負債の会計上の帳簿価額と税務上の課税基準との一時的差異
として認識される。BNG銀行は、従業員給付引当金に係る数理上の損益、再評価剰余金、自己信用調整およびキャッシュフ
ロー・ヘッジ準備金について繰延税金資産および負債を認識している。
これらの繰延税金資産および負債は、実現が見込まれる期間に適用が見込まれる税率に基づいて測定される。税率変更の結
果による繰延税金資産および負債の差異は損益計算書で認識される。繰延税金資産は、これらの一時的差異を近い将来解消す
る課税対象収益が利用できると見込まれる場合にのみ認識される。当期および繰延税金資産および負債は、それぞれ、同一の
税務当局に関連し、税の種類が同一であり、これらの資産および負債のネッティングが法律で認められている場合、ネッティ
ングされる。
株主資本
貸借対照表は利益処分前に作成される。したがって、事業年度の純損益合計は株主資本で表示される。その他の包括利益を
通じて公正価値で測定される金融資産の再評価剰余金およびキャッシュフロー・ヘッジ準備金は、繰延税金負債を認識するこ
とで調整される。
その他Tier1資本
その他Tier1 資本は、元本残高に対する年1回の非累積型の利息を裁量的に支払う永久ローンに関係し、CET1比率が
5.125%を下回った場合に一時的に切下げられる。切下げがあった場合、この金額は「利益剰余金」に振り替えられることにな
る。「利益剰余金」からの切下げは、トリガー比率が5.125%超に回復した時点で一定の条件下で戻入れ(切上げ)ができる。
BNG銀行は、利息の支払いを裁量ベースで、「その他の剰余金」を源泉とする利息支払いの形で分配する権利を有している。利
息支払いは、その時点での元本金額に基づいて決定される。BNG銀行は、発行した その他Tier1 資本を償還する一方的な契約上
のオプションを有している。2015年度に発行したトランシェ(額面金額424百万ユーロ)は、2021年5月から毎年5月に額面で
買い戻すことが 可能であった 。 2022年3月22日、ECBはこれらのトランシェを2022年5月16日に償還することを承認した。
この結果、株主資本は424百万ユーロ減少した。2016年度に発行したトランシェ(額面金額309百万ユーロ)は、2022年5月
から毎年5月に償還することができる。
再評価剰余金
株主資本には、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産」の未実現公正価値変動(税引後)を認識する
再評価剰余金が含まれる。金融商品が売却される場合、累積的な再評価は「金融取引損益」において認識される。ヘッジ会計
を適用する取引の公正価値変動の有効部分は、取引にヘッジ会計を適用する期間にわたり、損益計算書上に貸方計上または借
方計上される。
自己信用調整
「純損益を通じて公正価値で測定される金融負債」は、「自己の信用リスク」のスプレッドを含む関連する資金調達カーブ
で認識されている。BNG銀行は、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債の信用リスクの変動に起因
する公正価値変動に関連する金額を、株主資本における「自己信用調整」(繰延税金資産および負債の純額)として認識して
いる。
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ヘッジコスト準備金
IFRS第9号に基づき、ヘッジ手段の外貨ベーシス・スプレッドは、ヘッジ関係の一部ではなくなった。ヘッジコスト準備金
には、ヘッジ会計を適用するクロスカレンシー(金利)スワップの外貨ベーシス・スプレッドの変動が計上される。ヘッジコ
スト準備金の累積額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与えるのと同じ時期に純損益に再分類される。
キャッシュフロー・ヘッジ準備金
さらに、株主資本は、為替レートおよび信用スプレッド部分の変動に起因するキャッシュフロー・ヘッジ会計におけるデリ
バティブの公正価値の未実現変動(税引後)の有効部分が認識されたキャッシュフロー・ヘッジ準備金も含む。キャッシュフ
ロー・ヘッジ会計におけるヘッジされたリスクの非有効部分は「金融取引損益」として認識される。
受取利息および支払利息
貸借対照表に含まれるすべての利付商品の受取利息および支払利息は、償却原価に基づき計算される。償却原価の決定には
実効金利法が使用される。償却原価で測定される取引が売却された場合において、帳簿価額と純売却価額との差異は、「利息
損益」として認識される。
受取手数料および支払手数料
本項目では、支払および受取手数料は、サービスが提供された期間に認識される。
金融取引損益
本項目は、以下における未実現市場価値差額から構成される。
・ 為替レートの変動に起因するすべての金融商品における差額
・ 日次または限定された担保交換のないデリバティブに係る取引先信用リスク(信用評価調整)および自己の信用リスク
(負債評価調整)に起因する市場価値変動を含む公正価値で測定されるデリバティブにおける差額
・ 純損益を通じて公正価値の変動を認識する、公正価値で測定される金融商品における差額
・ 公正価値ヘッジ会計を適用する金融資産におけるヘッジ対象の金利リスクの有効部分
・ ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金および前渡金に対する価値変動の償却
・ キャッシュフロー・ヘッジ会計に係るヘッジ対象リスクの非有効部分
本項目は、公正価値で測定する金融商品に係る売却および買取りによる損益も含む。これらの実現損益は、株主資本に累積
された価値変動の取崩しを含む、純売却価額と帳簿価額の差異から構成される。公正価値で測定される参加持分(資本性金融
商品)からの利益も当該項目で認識される。最後に、公正価値で測定されるレベル1およびレベル2の金融商品について、当
初認識時の公正価値と取引価格の差額も本項目に含まれる。
関連会社および共同支配企業による損益
本項目は、持分法に従って評価された関連会社および共同支配企業からの損益を含む。配当金は受領時点で損益計算書に認
識される。
その他の収益
その他の収益は、BNG銀行の主たる業務に関連しない損益を含む。 これは主にBNG Gebiedsontwikkelingが提供するコンサル
ティング業務による収益から成る。
減価償却費
「有形固定資産」の項目を参照のこと。
破綻処理基金への拠出
欧州破綻処理制度は、EUの銀行再建・破綻処理指令(BRRD)に基づいている。支払額の全額が、支払月に損益計算書に計上
される。欧州破綻処理基金への年間拠出は、損益計算書の「破綻処理基金への拠出」項目で認識される。
銀行税
銀行税法に従って、銀行は、毎年10月に銀行税を支払う必要がある。支払額の全額が、支払月に損益計算書に計上される。
年額が損益計算書に「銀行税」の項目で認識される。
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連結包括利益計算書
連結包括利益計算書は、報告期間の純損益総額および株主資本の直接の変動(必要な場合、税引前)を表示する。財務書類
では、税引後金額は、株主資本から損益計算書に将来組替えられる項目および組替られない項目のグループで表示される。
連結キャッシュフロー計算書
連結キャッシュフロー計算書は、間接法によって作成されている。キャッシュフローは、営業活動、投資活動および財務活
動によるキャッシュフローとして分類される。現金および現金同等物には、手元現金、銀行および中央銀行の利用可能残高、
ならびに翌日物インターバンク・ローンが含まれる。こうした資金は取得日からの満期到来期間が3か月未満で、容易に換金
可能であり、価値変動のリスクが僅少なものである。貸付金および前渡金、受託資金、デリバティブならびに銀行預入金およ
び銀行借入金の変動は、営業活動によるキャッシュフローに含まれる。投資活動は、関連会社、共同支配企業および有形固定
資産の購入ならびに売却、さらに投資ポートフォリオにおける購入、売却および償還で構成される。劣後債務およびボンド・
ローンの借入と返済ならびに配当金の支払いは財務活動として表示される。
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連結財務書類に対する注記
(単位:百万ユーロ)
注記34には、満期までの残存契約期間別の貸借対照表価額の内訳(要求
払および要求払でないもの)が含まれている。
注記31および37は、2022年度における減損対象の金融資産の減損のス
テージ別内訳の概要および予想信用損失引当金の変動の詳細を表示してい
る。
1 現金および中央銀行残高
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
手許現金
0 0
6,821 9,264
中央銀行当座預金残高(要求払)
合計 6,821 9,264
2 銀行預入金
「銀行預入金」の項目は、償却原価で測定される銀行に対するすべ
ての債権を含む。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
短期貸付金および当座預金残高
4 23
長期貸付 342 140
0 0
レポ取引
合計 346 163
ネッティング条件下のレポ取引の詳細な概要については、「信用リ
スク」の項目を参照のこと。
3 差入現金担保
現金担保は4,144百万ユーロ(2021年度:12,993百万ユーロ)で、
ネッティング契約に基づき第三者に差し入れられており、そのため、
BNG銀行が自由に使用できるものではない。現金担保の大幅な減少は、
主にデリバティブの負の公正価値の減少によるものである。
2020年6月から、金利指標改革の一環として、清算機関でEONIAから
€ STRへ、より低い利率への変更が行われた。現金担保に対する利益の
低下を補償するために現金の支払いを受けた。この金額は「その他の
負債」の一部として計上され、2022年12月31日現在178百万ユーロ
(2021年度:167百万ユーロ)である。この金額は、変更時点における
基礎となるデリバティブの加重平均で償却される。
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4 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
本項目は以下を含む。
-強制的に純損益を通じて公正価値で測定される金融資産。これ
は、SPPIテストを満たさなかった金融資産に関連している。
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資
産。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
強制的にFVTPLで測定
貸付金および前渡金
33 69
FVTPLで測定されるものとして指定
貸付金および前渡金
238 464
利付有価証券
630 850
合計 901 1,383
2022年度末の貸付金および前渡金ならびに利付有価証券の償還価額
合計は877百万ユーロ(2021年度:979百万ユーロ)である。注記25
は、純損益を通じて認識される公正価値の変動を表している。
5 デリバティブ
本貸借対照表項目は、セトル・トゥ・マーケットのデリバティブお
よびセトル・トゥ・マーケットではないデリバティブの正の公正価値
を含む。
注記25は、純損益を通じて認識される公正価値の変動を表してい
る。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
77 267
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
1,763 2,248
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
1,721 3,156
STMデリバティブ契約に関連する債権
176 14
合計 3,737 5,685
ほぼすべてのデリバティブは経済的ヘッジの一部であり、当行は投
機目的によるデリバティブのポジションを有していない。
6 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
本項目は、「回収および売却のために保有」するビジネスモデルに
おいて保有され、BNG銀行が公正価値オプションを使用していない購入
利付有価証券を含む。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
政府 3,852 5,267
国際機関 1,405 1,405
信用機関 2,131 1,900
その他の機関 10 -
7,398 8,572
合計
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認識中止を伴わない譲渡
2022年度末現在、BNG銀行は、レポ取引において、認識中止を伴わず
に、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産332百万
ユーロ(2021年度:218百万ユーロ)を譲渡している。
7 償却原価で測定される利付有価証券
これには、「回収のために保有」するビジネスモデルにおいて保有
され、BNG銀行が公正価値オプションを適用していない購入利付有価証
券が含まれる。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
政府 1,314 1,318
その他の金融機関 5,615 5,295
非金融機関 709 1,021
信用損失引当金 (2) (2)
7,636 7,632
合計
2022年度末現在、BNG銀行は、レポ取引において、認識中止を伴わず
に、償却原価で測定される利付有価証券333百万ユーロ(2021年度:
520百万ユーロ)を譲渡している。
8 償却原価で測定される貸付金および前渡金
貸付金および前渡金の項目には、SPPIテストを満たす顧客に対する
短期および長期の貸付金、ならびに顧客による当座借越が含まれる。
すべてのポジションは、「回収のために保有」するビジネスモデルに
おいて保有される。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
短期貸付金および当座預金残高 1,481 2,594
長期貸付 88,301 87,381
貸付金および前渡金合計
89,782 89,975
信用損失引当金
(158) (237)
89,624 89,738
合計
9 ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整
これは、ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金および前渡
金のヘッジ対象金利リスクの有効部分の価値調整を指す。
2022年度 2021年度
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する
価値調整 の変動
期首残高
13,555 20,816
未実現部分の期中変動
(22,154) (6,021)
期中償却
(61) (1,164)
売却による期中実現
(19) (76)
期末残高
(8,679) 13,555
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10 関連会社および共同支配企業
2022年12月31日 2021年12月31日 2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在 現在 現在
参加持分割合 貸借対照表価額
関連会社
Dataland BV、ロッテルダム
30% 30% 0 0
Data B Mailservice BV、レーク - 3
0% 45%
小計 - 3
共同支配企業
BNG Gebiedsontwikkeling BV、
24 25
重要性の低い各種参加持分
合計 24 28
BNG Gebiedsontwikkeling B.V.は、完全所有子会社であり、連結財務
書類の一部である。上記の共同支配企業は、BNG Gebiedsontwikkeling
B.V.によって所有されている。
2021年度に、「売却目的保有資産」として表示された金額はBNG
gebiedsontwikkelingが保有する参加持分に関連するものであった。こ
の参加持分は2022年度に売却され、4百万ユーロの利益が発生した。
2022年度に、BNG銀行はData B. Mailservice B.V.の株式を売却し
た。これにより、参加持分売却益6百万ユーロが発生した。
関連会社および共同支配企業の要約財務情報については、連結財務書
類の「関連当事者」の項目を参照のこと。
11 有形固定資産
2022年 2021年 2022年 2021年 2022年 2021年 2022年 2021年
度 度 度 度 度 度 度 度
不動産 設備 使用権資産 合計
取得原価
期首残高 49 49 27 26 2 2 78 77
- - 0 1 - - 0 1
投資
12月31日現在の価値
49 49 27 27 2 2 78 78
減価償却費
1月1日現在の
39 38 24 22 0 0 63 60
減価償却累計額
0 1 1 2 1 0 2 3
期中の減価償却費
12月31日現在の
39 39 25 24 1 0 65 63
減価償却累計額
合計 10 10 2 3 1 2 13 15
見積耐用年数
建物
33 1/3年
専用設備
15年
機械および在庫
5年
使用権資産
5年
ハードウェアおよびソフトウェア
3年
負債の担保として差し入れられている有形固定資産はない。
12 その他の資産
2022年度末のその他の資産は109百万ユーロ(2021年度:21百万ユー
ロ)で、主に顧客への貸付による債権で構成されている。
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13 銀行借入金
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
当座預金残高
1 1
中央銀行供給資金(TLTRO)
3,471 18,350
預金
140 666
民間借入
400 508
合計
4,012 19,525
3,471百万ユーロはECBの貸出条件付長期資金供給オペ(TLTRO)第三
弾に関連している。2022年12月21日に、合計5件の取引のうち3件に
ついて早期償還が行われた。2022年度末現在、TLTROの総額は2件の取
引で構成されている。これらの変動利付債は、トランシェに参加した
日から3年で満期となり、1年後毎の早期償還オプションが付されて
いる。
14 受入現金担保
2022年度末の現金担保は338百万ユーロ(2021年度:216百万ユー
ロ)で、ネッティング契約に基づき第三者から受け入れたものであ
り、そのため、BNG銀行が自由に使用できるものではない。
15 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
本項目は、純損益を通じて公正価値の変動を認識する、公正価値で
測定するものとして指定された負債証券を含む。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
公募負債証券 169 292
16 18
私募負債証券
合計 185 310
2022年度末の負債証券の償還価額合計は168百万ユーロ(2021年
度:265百万ユーロ)である。2022年度末の金融負債の帳簿価額と償
還価額の間の差異は17百万ユーロ(2021年度:44百万ユーロ)であ
る。「自己の信用リスク」のマークアップを含む関連する資金調達
カーブについて、金融負債は純損益を通じて公正価値で測定されて
いる。価値変動の合計(税引前)は3百万ユーロのプラス(2021年
度:4百万ユーロのプラス)であった。自己の信用リスクによる公
正価値の変動は、その他の包括利益を通じて認識されている。これ
らの変動は、「自己の信用リスク」のマークアップを含む関連する
資金調達カーブを使用した評価額と、このマークアップを含まない
関連する資金調達カーブを使用した評価額を比較することによって
算定される。注記25は、純損益を通じて認識される価値の変動を表
している。
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16 デリバティブ
本貸借対照表項目は、セトル・トゥ・マーケットではないデリバ
ティブの負の公正価値およびセトル・トゥ・マーケットのデリバ
ティブに関連した債務の公正価値を含む。注記25は、純損益を通じ
て認識される公正価値の変動を表している。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
390 724
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 3,341 14,878
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 2,398 1,332
- 1
STMデリバティブ契約に関連する債務
合計 6,129 16,935
17 負債証券
本項目は、固定または変動金利の債券およびその他の発行済負債証
券を含む。発行に際しては、売却済債券は関連する債券から控除され
る。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
ボンド・ローン
81,970 90,482
コマーシャル・ペーパー 3,729 3,475
5,075 7,398
私募負債証券
合計 90,774 101,355
18 受託資金
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
当座預金残高
3,472 2,799
短期預金 51 321
1,262 1,405
長期預金
合計 4,785 4,525
19 劣後債務
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
劣後債務 38 36
合計 38 36
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20 税金
BNG銀行は、従業員給付引当金に係る数理上の損益、再評価剰余金、
自己信用調整、その他Tier1資本に係る利息支払いおよびキャッシュ
フロー・ヘッジ準備金について繰延税金負債を認識しており、これら
はすべて株主資本において直接変動する。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
未収還付税金
- -
未払税金 (11) (32)
(14) (77)
繰延税金負債
合計 (25) (109)
BNG銀行およびオランダ税務当局は、IFRS第9号に従って、2021
年 度 か ら 2023 年 度 ま で の 期 間 の 相 対 契 約
(「vaststellingsovereenkomst」)を2021年11月11日に締結した。
この相対契約は、BNG銀行の納税グループ全体に適用される。この契
約により、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融
資産」に分類される取引を除く全金融商品は、会計上も税務上も
IFRSの評価原則により計上される。税務上、このカテゴリーにおけ
るすべての取引は、原価または市場価値のいずれか低い方で評価さ
れる。貸借対照表上で未実現利益が発生した場合、税務上の損益は
会計上の損益と異なる。
実効税率と表面税率の調整は以下のとおりである。
2022年度 2021年度
表面税率および実効税率
税引前当期利益 407 350
表面税率で課された税金
(105) (88)
過年度税金調整 0 -
参加持分免除 2 -
その他Tier1資本に係る損金算入利息 4 6
損金不算入費用(銀行税および過小資本) (8) (32)
実効税金
(107) (114)
表面税率
25.8% 25.0%
実効税率 26.3% 32.5%
2022年度には最高税率が25.8%に引き上げられた。
繰延税金は、資産が実現するまたは負債が決済される期間に適用が
見込まれる税率で測定される。
2022年度
株主資本を 純損益を
期首残高 期末残高
通じた変動 通じた変動
繰延税金の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で
(28) 27 - (1)
測定される金融資産
キャッシュフロー・ヘッジ準備金
(45) 33 - (12)
自己信用調整
(1) 1 - 0
その他Tier1資本
(4) 2 - (2)
従業員給付引当金
1 0 - 1
合計 (77) 63 - (14)
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2021年度
株主資本を 純損益を
期首残高 期末残高
通じた変動 通じた変動
繰延税金の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で
(29) 1 - (28)
測定される金融資産
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 (65) 20 - (45)
自己信用調整 (1) - - (1)
その他Tier1資本 (4) 0 - (4)
1 - - 1
従業員給付引当金
合計 (98) 21 - (77)
21 その他の負債
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
従業員給付引当金
2 2
その他の引当金 21 -
315 214
その他の負債
合計 338 216
従業員給付引当金は、在職中および退職済の従業員の両方に付与さ
れるモーゲージ・ローンの金利割引に関する引当金1百万ユーロ
(2021年度:1百万ユーロ)および長期有給休暇引当金1百万ユーロ
(2021年度:1百万ユーロ)の2つの部分で構成される。引当金はい
ずれも長期的なものである。
その他の引当金は、BNG銀行が受け入れた担保に係る請求権によるも
のである。
モーゲージ・ローンの金利割引に関する確定給付および長期有給休
暇引当金に関係する負債純額の現在価値の変動は以下のとおりであ
る。
2022年度 2021年度
従業員給付引当金
1月1日現在の負債純額 2 2
0 0
引当金の変動
12月31日現在の負債純額 2 2
その他の負債は、主にデリバティブおよび翌期に決済されるその他
の金融取引に関連する債務で構成される。
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22 グループ株主資本
連結後、BNG銀行は少数株主持分を有していないため、その他Tier1
資本を除く、連結株主資本全体が株主に帰属する。株主資本に含まれ
る項目は、個別財務書類に対する注記22で説明されている。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
資本金
139 139
資本準備金 6 6
再評価剰余金 4 83
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 14 1
自己信用調整 2 3
ヘッジコスト 17 125
利益剰余金 3,824 3,736
300 236
未処分利益
株主に帰属する持分
4,306 4,329
309 733
その他Tier1資本
合計 4,615 5,062
2022年度 2021年度
発行済払込済株式数
55,690,720株 55,690,720株
2.50 2.28
1株当たり提案配当金(単位:ユーロ)
提案配当金
-定款所定の基本配当金 7 7
132 120
-基本配当金を上回る提案配当金
合計 139 127
2022年度の提案配当金は1株当たり2.50ユーロ(2021年度:1株当
たり2.28ユーロ)である。2022年度については、2022年度にその他
Tier1資本についてすでに支払済みの23百万ユーロ(税引前)の利息
支払いを加味している。当該支払は「利益剰余金」に計上された。
資本金
授権資本は、各額面金額2.50ユーロの株式1億株から構成され、そ
のうち55,690,720株が発行済かつ全額払込済である。流通している株
式数には当該年度において変動はなかった。BNG銀行およびその子会社
は当行株式を保有していない。株式には優先権はなく、制限を受ける
こともない。株式発行を受ける権利を得るために行使されうるオプ
ションはない。
資本準備金
2022年度および2021年度において、変動はなかった。
再評価剰余金
2022年度末現在、再評価剰余金は、未実現価額の変動883百万ユーロ
を含む。ただし、ヘッジ会計を適用する利付有価証券の金利リスクの
ヘッジされた部分の価値は除かれ、これは「その他の包括利益を通じ
て公正価値で測定される金融資産」項目の一部である。再評価剰余金
は税額調整されている。当該資産が売却される場合、株主資本で認識
される関連累積損益は損益計算書に振り替えられる。
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キャッシュフロー・ヘッジ準備金
為替レートの変動に伴う、キャッシュフロー・ヘッジ関係に含まれ
るデリバティブの未実現の価値変動の有効部分は、キャッシュフ
ロー・ヘッジ準備金で認識される。キャッシュフロー・ヘッジ準備金
は税額調整される。
自己信用調整
自己信用調整は、税引後で2百万ユーロ(2021年度:3百万ユー
ロ)であった。当該調整は純損益を通じて公正価値で測定される金融
負債の信用リスクの変動に関連する。
ヘッジコスト準備金
ヘッジコスト準備金には、ヘッジ会計を適用するクロスカレン
シー・スワップの外貨ベーシス・スプレッドの変動が計上され、当該
準備金はヘッジ期間にわたって償却される。累積変動額は、ヘッジ手
段の満期までにはゼロまで減少する。
利益剰余金
定款所定の分配可能利益の処分につき決定した後、株主総会におい
て利益剰余金に充当される残りの利益の部分を定める。2022年度に
は、当行株主に対する2021年度の配当金127百万ユーロの支払いが予定
されていた。支払いは2022年4月に行われた。2022年度にはまた、23
百万ユーロ(2021年度:25百万ユーロ)(税引前)がその他Tier1資
本所有者に分配され、「利益剰余金」に計上された。
未処分利益
貸借対照表は利益処分前に作成される。本項目は、法人税控除後の
損益合計を示す。
その他Tier1資本
2015年度に発行したトランシェ(額面金額424百万ユーロ)は、2022
年5月16日に額面で償還された。2022年12月31日現在、当行のその他
Tier1資本は309百万ユーロである。本商品は、CRR要件およびEBA指針
に沿って組成されており、その他Tier1資本として認められている。
その他Tier1資本は、元本残高に対する年1回の非累積型の利息を裁
量的に支払う永久ローンに関係し、CET1比率が5.125%を下回った場
合に一時的に切下げられる。切下げがあった場合、この金額は「利益
剰余金」に振り替えられることになる。「利益剰余金」からの切下げ
は、トリガー比率が5.125%超に回復した時点で一定の条件下で戻入れ
(切上げ)ができる。BNG銀行は、利息の支払いを裁量ベースで、「そ
の他の剰余金」を源泉とする利息支払いの形で分配する権利を有して
いる。利息支払いは、その時点での元本金額に基づいて決定される。
分配された利息支払いは法人所得税上の損金算入が可能である。BNG銀
行は、発行したその他Tier1資本を償還する一方的な契約上のオプ
ションを有している。2016年度に発行したトランシェ(額面金額309百
万ユーロ)は、2022年5月から毎年償還することができる。当行は、
このトランシェを2022年度に償還しないことを選択した。
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23 利息損益
実効金利法を用いて計算した受取利息は、金融負債に係るマイナス
の支払利息を含め、金融商品およびヘッジ会計を適用するデリバティ
ブから生じるすべてのプラスの利息損益を含む。また、その他の信用
関連受取収益も本項目に含まれる。減損対象の資産に係る受取利息
は、予定される金利キャッシュフローが受領される限り、当初の実効
金利で認識される。
実効金利法を用いて計算した支払利息は、金融資産に係るマイナス
の受取利息を含め、通常の金融商品およびヘッジ会計を適用するデリ
バティブから生じるすべてのマイナスの利息損益を含む。借入費用お
よびその他の利息関連費用も認識される。
その他の受取利息および支払利息は、主にヘッジ会計を適用しない
デリバティブの利息損益、ならびに公正価値で測定される金融資産お
よび金融負債の利息損益で構成される。
2022年度 2021年度
受取利息
実効金利法を用いて計算した受取利息:
-償却原価で測定される金融資産 1,943 1,861
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 64 70
-ヘッジ会計を適用するデリバティブ 1,611 2,102
141 162
-金融負債に係るマイナスの支払利息
3,759 4,195
その他の受取利息:
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産
61 54
-強制的に純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
1 2
-ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
327 160
-その他
14 -
403 216
受取利息合計 4,162 4,411
支払利息
実効金利法を用いて計算した支払利息:
-償却原価で測定される金融負債 1,628 1,285
-ヘッジ会計を適用するデリバティブ 1,832 2,352
147 282
-金融資産に係る支払利息
3,607 3,919
その他の支払利息
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債 8 25
-ヘッジ会計を適用しないデリバティブ 59 57
7 3
-その他
74 85
支払利息合計 3,681 4,004
481 407
利息損益合計
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2022年度の受取利息には、「償却原価で測定される金融資産」(注
記7および8)および「その他の包括利益を通じて公正価値で測定さ
れる金融資産」(注記6)に関連する金融資産に係る受取利息22百万
ユーロ(2021年度:11百万ユーロ)が含まれており、これらは減損の
対象である。
TLTRO第三弾の取引に係る受取利息は91百万ユーロ(2021年度:101
百万ユーロ)である。2022年度の3件の取引の早期償還により、2022
年度にはすでに77百万ユーロを受領している。利息の残額14百万ユー
ロは満期日に受領することになる。2022年度のTLTRO取引の利息損益
の算定には、条件付優遇金利を含めた正味金利が使用されている。当
年度については、優遇金利のための条件はすべて充足されており、利
息損益が戻し入れられることはない。
24 手数料損益
受取手数料
本項目は、第三者に提供したサービスによる収入を含む。
2022年度 2021年度
貸付および信用供与による収入
13 11
10 9
決済サービスによる収入
合計 23 20
支払手数料
本項目は、貸付金、信用供与および決済サービスに関連して第三者
の行ったサービスに関連する合計4百万ユーロ(2021年度:3百万
ユーロ)の費用から成る。
25 金融取引損益
本項目は、実現および未実現の市場価値調整に分類した金融取引に
係る損益を含む。
2022年度 2021年度
信用スプレッドおよび流動性スプレッドの変動に起因する純損益を
通じて公正価値で測定する以下の金融資産の市場価値変動:
-利付有価証券 (25) (13)
(5) 4
-ストラクチャード・ローン
(30) (9)
ヘッジ会計による損益
-ポートフォリオ公正価値ヘッジ会計 (32) 65
-ミクロ公正価値ヘッジ会計 62 (9)
0 0
-ミクロ・キャッシュフロー・ヘッジ会計
30 56
デリバティブに係る取引先信用リスクの変動(CVA/DVA)
16 16
売却および買取りによる実現損益 47 59
50 (22)
その他の市場価値変動
合計 113 100
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2022年度において、金融取引損益は、その他の市場価値変動の増加
からプラスの影響を受けた。実現損益47百万ユーロ(2021年度:59百
万ユーロ)は、主に当行の流動性ポートフォリオからの利付有価証券
のオンバランスの売却益による。
未実現損益は、主として長期金利の上昇により、66百万ユーロの利
益(2021年度:41百万ユーロの利益)となった。一方で、報告期間中
の金利の上昇は、ポートフォリオ・ヘッジからの損益に悪影響を及ぼ
した。ポートフォリオ・ヘッジは、固定金利を支払う金利スワップを
使用してヘッジされる資産で構成される。ポートフォリオ・ヘッジは
報告期間中ほぼ100%有効であるが、金利の上昇の結果、損失が発生
した。この損失は、ミクロ・ヘッジからの損益により軽減されてい
る。これは主に、金利スワップおよびクロスカレンシー金利スワップ
を使用した負債のヘッジである。したがって、損益への影響はポート
フォリオ・ヘッジからの損益とは逆である。
他方で、「純損益を通じて公正価値で測定される金融資産」に計上
された大部分の利付有価証券の信用リスクスプレッドおよび流動性リ
スクスプレッドが拡大したため、2021年度に比べ市場価値変動による
損失が増加した。2022年度の損益は25百万ユーロの損失(2021年度:
13百万ユーロの損失)となった。
26 関連会社および共同支配企業による損益
2022年度 2021年度
6 1
関連会社
6 3
共同支配企業
12 4
合計
BNG銀行の関連会社および共同支配企業の記載については、連結財
務書類の「関連当事者」の項目を参照のこと。
27 その他の収益
その他の収益は、主にBNG Gebiedsontwikkelingが提供するコンサ
ルティング業務による収益から成る。
28 人件費
2022年度 2021年度
給与
35 32
年金費用 6 6
社会保障費 3 3
従業員給付引当金への繰入 0 0
外部従業員 27 11
4 5
その他の人件費
合計 75 57
人件費の増加は、主に外部従業員の増加によるものである。
FTEで表すと、有期契約または無期契約の従業員数は392.0 FTE
(2021年度:353.3 FTE)であった。
2022年度および2021年度に、個々の従業員の変動報酬はなかった。
執行取締役会の報酬については、「関連当事者」の項目を参照のこ
と。
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29 その他の一般管理費
これらの費用は、特に、外部委託費、有形固定資産の維持費、コン
サルタント料、研修費およびIT費を含む。2022年度のその他の一般管
理費合計は38百万ユーロ(2021年度:47百万ユーロ)であった。
独立監査人に支払われた報酬も「その他の一般管理費」に含まれ
る。オランダ民法典第2編第9章第382a条に準拠して、監査ならびに
監査関連および非監査関連業務に関して独立監査人へ支払われた報酬
の内訳は、個別財務書類に対する注記32に示されている。
30 減価償却費
本項目の内訳は、「有形固定資産」に関する注記(注記11)に含ま
れる。合計で、2022年度の減価償却費は2百万ユーロ(2021年度:3
百万ユーロ)であった。
31 金融資産の減損損失純額
2022年度に損益計算書に計上された減損は、52百万ユーロの損失
(2021年度:20百万ユーロの損失)であった。減損の増加は、個別評
価の結果として一定の項目がステージ3に振り替えられたことと、経
済見通しの悪化を受けて一定の項目がステージ1からステージ2に振
り替えられたことによるものである。また、本報告書の「信用リス
ク」の項に詳述されているように、経営陣によるオーバーレイの影響
も受けている。
2022年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
引当金の変動による減損損益:
-組成および取得による引当金の増加 2 2 3 7
-認識中止による引当金の減少 (2) (3) 0 (5)
3 13 35 51
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
3 12 38 53
引当金の変動によらない減損損益:
-過去の償却から受け取ったキャッシュフローに
- - (1) (1)
よる減損の戻入れ
- - 0 0
-償却による減損
- - (1) (1)
金融資産の減損損益純額 3 12 37 52
2021年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
引当金の変動による減損損益:
-組成および取得による引当金の増加 3 1 12 16
-認識中止による引当金の減少 (4) (1) (12) (17)
(5) (23) 49 21
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
(6) (23) 49 20
引当金の変動によらない減損損益:
-償却による引当金の減少 - - (1) (1)
-過去の償却から受け取ったキャッシュフローに
- - 1 1
よる減損の戻入れ
- - - -
-償却による減損
0 0 0 0
金融資産の減損損益純額 (6) (23) 49 20
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予想信用損失引当金の変動
2022年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
純損益を通じて計上される引当金の変動:
-組成および取得による引当金の増加 2 2 3 7
-認識中止による引当金の減少 (2) (3) 0 (5)
3 13 35 51
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
3 12 38 53
純損益を通じて計上されない引当金の変動:
- - (131) (131)
-償却による引当金の減少
- - (131) (131)
引当金の変動合計 3 12 (93) (78)
2021年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
純損益を通じて計上される引当金の変動:
-組成および取得による引当金の増加 3 1 12 16
-認識中止による引当金の減少 (4) (1) (12) (17)
(5) (23) 49 21
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
(6) (23) 49 20
純損益を通じて計上されない引当金の変動:
- - - -
-償却による引当金の減少
- - - -
引当金の変動合計 (6) (23) 49 20
注記37は、減損対象の金融資産の減損のステージ別内訳の概要を表
示している。
32 関連会社および共同支配企業の減損損失純額
2022年度 2021年度
関連会社および共同支配企業の減損
0 0
0 (2)
関連会社および共同支配企業の減損の戻入れ
合計 0 (2)
2022年度に、BNG Gebiedsontwikkelingの参加持分に係る減損は発
生しなかった。また、参加持分に係る減損の戻入れも発生しなかった
(2021年度:2百万ユーロ)。すべての参加持分は、継続企業の前提
に基づき評価されている。
33 破綻処理基金への拠出および銀行税
破綻処理基金への拠出
銀行再建・破綻処理指令による欧州破綻処理制度が2015年1月1日
付で発効した。破綻処理基金の費用は、法人税上、損金算入可能であ
る。2022年度に支払うべき20百万ユーロ(2021年度:1百万ユーロ)
は、2022年6月に支払われ、損益計算書に計上された。2021年度にお
ける費用は、過年度に係る再計算による還付が含まれていたため、非
常に低水準であった。
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銀行税
銀行税に関する費用は、法人税上は損金算入できない。この結果、
2022年度および2021年度の実効税率による税額は、表面税率による税
額を上回った。BNG銀行は、毎年10月に銀行税の支払期限を迎え、
2022年度の金額は32百万ユーロ(2021年度:53百万ユーロ)であっ
た。この大幅な減少は、2021年度に銀行税率が一時的に50%引き上げ
られたことが原因である。銀行税の計算は、個別財務書類に対する注
記31に記載されている。
34 金融商品の満期までの残存契約期間別の貸借対照表価額の内訳
2022年12月31日現在
3か月超 1年超
要求払 3か月以下 12か月以下 5年以下 5年超 合計
現金および中央銀行残高
420 6,401 - - - 6,821
銀行預入金 4 1 23 125 193 346
差入現金担保 - 4,144 - - - 4,144
純損益を通じて公正価値で
- - - 148 753 901
測定される金融資産
デリバティブ - 473 250 855 2,159 3,737
その他の包括利益を通じて
- 71 164 2,594 4,569 7,398
公正価値で測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 - - 54 469 7,113 7,636
貸付金および前渡金 589 1,932 6,005 23,749 57,349 89,624
ポートフォリオ・ヘッジ会計を
- (2) (39) (755) (7,883) (8,679)
適用する貸付金に対する価値調整
未収還付税金 - - - - - 0
- 109 - - - 109
その他の資産
資産合計 1,013 13,129 6,457 27,185 64,253 112,037
銀行借入金 1 81 59 3,471 400 4,012
受入現金担保 - 1,173 - - - 1,173
純損益を通じて公正価値で
- - - 20 165 185
測定される金融負債
デリバティブ - 91 68 994 4,976 6,129
負債証券 - 4,618 12,917 36,572 36,667 90,774
受託資金 3,483 78 137 857 230 4,785
劣後債務 - 11 8 19 - 38
未払税金 - - 11 - - 11
繰延税金負債 - - 1 3 10 14
- 168 10 35 125 338
その他の負債
負債合計 3,484 6,220 13,211 41,971 42,573 107,459
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2021年12月31日現在
3か月超 1年超
要求払 3か月以下 12か月以下 5年以下 5年超 合計
現金および中央銀行残高
9,264 9,264
銀行預入金 23 2 13 54 71 163
差入現金担保 12,993 12,993
純損益を通じて公正価値で
40 104 501 738 1,383
測定される金融資産
デリバティブ 186 251 1,589 3,659 5,685
その他の包括利益を通じて
85 150 2,260 6,077 8,572
公正価値で測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 149 654 4,765 2,064 7,632
貸付金および前渡金 929 3,412 7,993 28,211 49,193 89,738
ポートフォリオ・ヘッジ会計を
9 82 1,209 12,255 13,555
適用する貸付金に対する価値調整
未収還付税金 -
21 21
その他の資産
資産合計 10,216 16,897 9,247 38,589 74,057 149,006
銀行借入金 1 682 8 18,472 362 19,525
受入現金担保 984 984
純損益を通じて公正価値で
59 64 24 163 310
測定される金融負債
デリバティブ 101 426 1,094 15,314 16,935
負債証券 7,697 10,579 43,163 39,916 101,355
受託資金 2,800 343 291 439 652 4,525
劣後債務 1 - 27 8 36
未払税金 32 32
繰延税金負債 4 15 58 77
61 8 31 116 216
その他の負債
負債合計 2,801 9,928 11,412 63,265 56,589 143,995
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35 分類別の金融商品の内訳
2022年12月31日現在
その他の
包括利益を
通じて
純損益を通じて
償却原価で測定 公正価値で測定 公正価値で測定 合計
現金および中央銀行残高
6,821 6,821
銀行預入金 346 346
差入現金担保 4,144 4,144
純損益を通じて公正価値で測定される
901 901
金融資産
デリバティブ 3,737 3,737
その他の包括利益を通じて公正価値で
7,398 7,398
測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,636 7,636
貸付金および前渡金 89,624 89,624
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
(8,679) (8,679)
貸付金に対する価値調整
資産合計 99,892 4,638 7,398 111,928
銀行借入金 4,012 4,012
受入現金担保 1,173 1,173
純損益を通じて公正価値で測定される
185 185
金融負債
デリバティブ 6,129 6,129
負債証券 90,774 90,774
受託資金 4,785 4,785
38 38
劣後債務
負債合計 100,782 6,314 - 107,096
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2021年12月31日現在
その他の
包括利益を
通じて
純損益を通じて
償却原価で測定 公正価値で測定 公正価値で測定 合計
現金および中央銀行残高
9,264 - - 9,264
銀行預入金 163 - - 163
差入現金担保 12,993 - - 12,993
純損益を通じて公正価値で測定される
- 1,383 - 1,383
金融資産
デリバティブ - 5,685 - 5,685
その他の包括利益を通じて公正価値で
- - 8,572 8,572
測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,632 - - 7,632
貸付金および前渡金 89,738 - - 89,738
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
13,555 - - 13,555
貸付金に対する価値調整
資産合計 133,345 7,068 8,572 148,985
銀行借入金 19,525 - - 19,525
受入現金担保 984 - - 984
純損益を通じて公正価値で測定される
- 310 - 310
金融負債
デリバティブ - 16,935 - 16,935
負債証券 101,355 - - 101,355
受託資金 4,525 - - 4,525
36 - - 36
劣後債務
負債合計 126,425 17,245 - 143,670
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36 財務活動から生じるキャッシュフローに対する負債の変動の調整
2022年度
純損益を
通じて
公正価値で
測定される その他
金融負債 負債証券 劣後債務 Tier1資本 合計
2022年1月1日現在の残高
310 101,355 36 733 102,434
財務活動によるキャッシュフロー
-財務活動からの調達額 - 474,082 - - 474,082
-財務活動に係る返済額 (100) (473,084) - (424) (473,608)
-利息およびその他のキャッシュフロー (5) (1,906) 0 - (1,911)
- - - (23) (23)
-その他Tier1資本に係る利息支払い
(105) (908) 0 (447) (1,460)
非現金変動
未実現損益:
-為替変動 (4) 1,924 - 1,920
-公正価値変動 (24) (13,061) - (13,085)
実現損益 8 1,521 2 1,531
「その他の負債」への振替
(57) (57)
(認識は中止されたが未返済)
(20) (9,673) 2 - (9,691)
「利益剰余金」から分配された
23 23
利息支払い
2022年12月31日現在の残高 185 90,774 38 309 91,306
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2021年度
純損益を
通じて
公正価値で
測定される その他
金融負債 負債証券 劣後債務 Tier1資本 合計
2021年1月1日現在の残高
656 108,615 35 733 110,039
財務活動によるキャッシュフロー
-財務活動からの調達額 - 284,877 - - 284,877
-財務活動に係る返済額 (347) (291,401) - - (291,748)
-利息およびその他のキャッシュフロー (7) (1,225) (1) - (1,233)
- - - (25) (25)
-その他Tier1資本に係る利息支払い
(354) (7,749) (1) (25) (8,129)
非現金変動
未実現損益:
-為替変動 26 2,986 - - 3,012
-公正価値変動 (38) (3,744) - - (3,782)
20 1,247 2 - 1,269
実現損益
8 489 2 - 499
「利益剰余金」から分配された
- - - 25 25
利息支払い
2021年12月31日現在の残高 310 101,355 36 733 102,434
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37 金融資産およびオフバランスシート契約の減損
金融資産およびオフバランスシート契約の減損のステージ別内訳
以下の表は、減損の対象となる金融資産およびオフバランスシート
契約の3つの減損のステージ別内訳を示している。
ステージ1:当初認識以降、信用リスクの著しい増大(SICR)がない
正常債権エクスポージャー
ステージ2:当初認識以降、信用リスクの著しい増大がある正常債権
エクスポージャー
ステージ3:不良債権エクスポージャー
2022年12月31日現在
帳簿価額総額 信用損失引当金(評価性)
帳簿価額 正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
減損対象の金融資産
現金および中央銀行残高 6,821 6,821 - - - - -
銀行預入金 346 346 0 0 0 0 0
差入現金担保 4,144 4,144 - - - - -
OCIを通じて公正価値で
7,398 7,398 0 - 0 0 0
1
測定される金融資産
償却原価で測定される
7,636 7,552 86 - 0 (2) 0
利付有価証券
89,624 86,885 2,049 848 (8) (21) (129)
貸付金および前渡金
合計 115,969 113,146 2,135 848 (8) (23) (129)
2021年12月31日現在
帳簿価額総額 信用損失引当金(評価性)
帳簿価額 正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
減損対象の金融資産
現金および中央銀行残高 9,264 9,264 - - - - -
銀行預入金 163 163 - - 0 - -
差入現金担保 12,993 12,993 - - - - -
OCIを通じて公正価値で
8,572 8,572 - - 0 - -
1
測定される金融資産
償却原価で測定される
7,632 7,566 68 - 0 (2) -
利付有価証券
89,738 89,014 412 549 (6) (8) (223)
貸付金および前渡金
合計 128,362 127,572 480 549 (6) (10) (223)
注1 FVOCIで測定される金融資産に対する信用損失引当金はOCIに含まれており、(正味)帳簿価額には含まれてい
ない。
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2022年12月31日現在
額面金額 引当金(負債性)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
オフバランスシート契約
偶発債務 485 3 1 0 0 (1)
取消可能信用供与契約 5,781 228 239 - - -
4,341 43 42 0 (1) (1)
取消不能信用供与契約
合計 10,607 274 282 0 (1) (2)
2021年12月31日現在
額面金額 引当金(負債性)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
オフバランスシート契約
偶発債務 499 1 1 0 0 (1)
取消可能信用供与契約 5,736 69 66 - - -
4,486 1 0 0 0 -
取消不能信用供与契約
合計 10,721 71 67 0 0 (1)
予想信用損失引当金の変動
以下の表は、金融資産に係る予想信用損失引当金およびオフバラン
スシート契約に係る予想信用損失引当金の変動を示している。
2022年度
認識中止、
組成および 返済および 信用リスクの
取得による 処分による 変動による 償却による
期首残高 増加 減少 変動(純額) 引当金の減少 期末残高
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - - - - -
銀行預入金 0 - - 0 - 0
OCIを通じて公正価値で
0 0 0 0 - 0
測定される金融資産
償却原価で測定される
2 0 0 0 - 2
利付有価証券
237 7 (4) 50 (132) 158
貸付金および前渡金
239 7 (4) 50 (132) 160
引当金(負債性)
1 0 0 2 - 3
オフバランスシート契約
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2021年度
認識中止、
組成および 返済および 信用リスクの
取得による 処分による 変動による 償却による
期首残高 増加 減少 変動(純額) 引当金の減少 期末残高
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - - - - -
銀行預入金 0 0 0 0 - 0
OCIを通じて公正価値で
1 0 0 (1) - 0
測定される金融資産
償却原価で測定される
5 0 0 (3) - 2
利付有価証券
210 15 (16) 28 - 237
貸付金および前渡金
216 15 (16) 24 - 239
引当金(負債性)
4 0 (1) (2) - 1
オフバランスシート契約
契約上のキャッシュフローの変更
全期間の予想信用損失に相当する金額で測定された損失引当金が設定され
ている(すなわちステージ2または3)金融資産で、2022年度中に契約上の
キャッシュフローが変更されたものは なかった 。全期間の予想信用損失に相
当する金額で測定された損失引当金が設定され(ステージ2または3)、過
年度に条件変更が行われた金融資産のうち、2022年度中にステージ1に戻さ
れたものはない。
主要なインプットおよび仮定
金融資産の予想信用損失(ECL)は、信用リスクの大幅な増加が発生した
かどうかによって12か月間または全期間に基づいて測定される。予想信用損
失合計は、デフォルト確率(PD)、デフォルト時損失率(LGD)およびデ
フォルト時エクスポージャー(EAD)の結果を割り引いたものである。
デフォルト確率
PDは、ECLおよびSICRの決定における主要な構成要素として使用される。
BNG銀行は、外部格付が入手できないエクスポージャーについて、主に専門
家の判断に基づくPDモデルを開発した。IFRS第9号の遵守およびいわゆる
「ポイント・イン・タイム」のPDを確保するため、BNG銀行は将来に関する
情報(FLI)を含んだオーバーレイ・モデルを開発した。ステージの決定に
おいては、将来に関する情報を調整済みの信用格付が使用されている。BNG
銀行は、財務書類内の他の関連する見積りに対するインプットと整合するよ
うな、経済予測に基づく 3つ の内部開発シナリオを適用している。提案され
たマクロ経済予測は、外部のマクロ経済予測と比較され、シナリオの外部検
証性を確保している。シナリオは、資産・負債委員会(ALCO)で承認されて
いる。これによって、BNG銀行はPDが合理的かつ裏付可能であることを確保
している。
デフォルト時損失率
信用ポートフォリオのデフォルト率が低く、過去の内部のLGDデータが不
足しているため、BNG銀行はLGDモデルを確立することができない。したがっ
て、BNG銀行はエクスポージャー全体に対して、4つの異なるLGD率を伴う基
本的な一律LGDアプローチを適用している。
・(オランダ)中央政府または地方政府が交付または保証するエクス
ポージャーについて0%
・EU内の中央政府または地方政府が発行する政府債について10%
・中央政府や地方政府の保証がないエクスポージャーおよび優先無担保
債エクスポージャーについて35%
・劣後ローンについて75%
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デフォルト時エクスポージャー
貸付金および利付有価証券(証券化を除く)に係るEADは、債務者が12か
月間または全期間にわたって義務を負う契約上の返済額に基づく。任意返済
または早期償還は、過去の実績から頻度が高くないため、考慮に入れていな
い。証券化に関する将来の契約上の返済額は、外部情報源から得られる見積
定率期限前返済率に基づく。コミットメント(オフバランスシート)ファシ
リティの場合、最大エクスポージャーは、12か月間または全期間(減損のス
テージによる)において予想される融資枠の使用を反映するよう調整され
る。
信用リスクの著しい増大
BNG銀行は、認識以降の信用リスクの著しい変動を評価するためのイン
プット・パラメータとして、将来に関する情報について調整されたポイン
ト・イン・タイムPDを適用している。さらにBNG銀行は、信用リスクの著し
い増大を判定するための補完基準として、支払猶予措置ならびに30日超の期
日経過を使用している。一方、BNG銀行は認識以降の信用リスクの著しい変
動のモニタリングについて、低信用リスクである場合の除外を適用してい
る。この場合、信用リスクの著しい増大が生じているかを判定せずに、12か
月間のECLを使用して減損が測定される。BNG銀行は、投資適格の格付を有す
る金融資産については「低信用リスク」であるとみなす。債券については、
BNG銀行はBBB-以上を投資適格とみなしている。貸付金に関しては、内部相
手先信用格付を使用して投資適格であるかを決定している。内部相手先信用
格付は、多数の市場セクター固有の内部格付モデルから導き出され、これら
のモデルは外部的に検証されている。
BNG銀行は、ステージ3の減損金額を決定する際に、専門家を利用して判
断を行っている。このアプローチは、財務再編・回収部門により金融商品レ
ベルごとに実行される。
将来に関するマクロ経済情報
主要なマクロ経済変数を識別するために、過去のデータの分析が実施さ
れ、これらの変数はBNG銀行のアナリストによって四半期毎に提供される。
専門家による判断が適用される。2022年度においては、証券化以外に係るデ
フォルト確率の決定に適用されるマクロ経済要素は、名目GDP、失業率およ
び雇用率である。証券化について適用されるマクロ経済要素は、住宅価格指
数、長期金利および債務である。
シナリオの加重は、インフレ率の急激な上昇、気候関連事項および(程度
は低いものの)ロシアとウクライナの戦争に よる好ましくない 経済見通し を
受けて 調整されている。
インフレの影響
高インフレおよび経済の不確実性の増大の影響は、国内 消費 および消費財
の使用の減少に表れている。2022年度には、BNG銀行が 事業活動 を行ってい
る部門におけるインフレまたはBNG銀行の顧客ポートフォリオに関連する
個々の顧客に関連する重要な事象はなかった。しかし、当行はインフレの影
響を注意深く監視しており、特にヘルスケアおよびエネルギーの両部門 に注
意を払って いる。
気候関連事項の影響
BNG銀行は、内部統制およびリスク管理の枠組みへのESG信用リスクの組込
を開始した。モニタリングのための重要な部門を特定するために、当行が事
業 活動 を行っている部門ごとに分析を行い、重要なESG関連の信用リスクを
定義している。これまでの分析では、ESG関連の信用リスクのほとんどは排
出量およびエネルギーに関連していることが示されている。BNG銀行は、ESG
リスクに関して重大な減損の兆候を 識別 していない。しかし、当行は2023年
度も分析を継続し、次の段階の一つとしてモニタリング指標を導入する計画
である。さらに、気候関連の事項を含めるために、特に会計上のECL算出の
ためのモデリングの改善に取り組んでいる。
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有価証券報告書
証券化以外
2021年12月31日
2022年12月31日現
マクロ経済変数
在の期間
現在の期間
オランダの国内総生産(GDP)
3年 3年
オランダの失業率 3年 3年
雇用率 3年 3年
2022年12月31日現 2021年12月31日
シナリオ
在の加重
現在の加重
基本シナリオ
50% 60%
上昇シナリオ 10% 15%
下降シナリオ 40% 25%
証券化
2021年12月31日
2022年12月31日現
マクロ経済変数
在の期間
現在の期間
ユーロ圏(17か国)の住宅価格指数
3年 3年
ユーロ圏(19か国)の長期金利 3年 3年
1
3年 3年
ユーロ圏の債務(家計およびNPISH への貸付)
2021年12月31日
2022年12月31日現
シナリオ
在の加重
現在の加重
基本シナリオ
50% 60%
上昇シナリオ 10% 15%
下降シナリオ 40% 25%
注1 対家計民間非営利団体
不良債権エクスポージャー
BNG銀行は、エクスポージャーを不良債権として指定するため、以下の基
準を適用している。
・BNG銀行が、債務者によるBNG銀行に対する信用債務の弁済可能性が低
いとみなしている。
・債務者によるBNG銀行に対する重要な債務の支払いが90日以上遅延し
ている。
BNG銀行は、「弁済可能性が低い」について以下の指標を採用している。
・債務者の収入源が、支払債務を履行するには不十分とみなされる。
・将来キャッシュフローに対する疑義の兆候が見られる。
・債務者の負債比率が著しく上昇した。
・1件以上の約款違反が発生した。
・BNG銀行が保証の実行を求めたまたは担保権を実行した。
・他の債権者に対する著しい支払遅延(登録簿に記録された)。
・債務者の市場セクターに経済的危機があり、同セクター内の債務者が
信用弱者とみなされている。
・財務的困難により、債務者は市場セクターにおいて活発に活動してい
るとはみなされなくなった。
・BNG銀行以外の債権者が当該債務者の破産を申し立てた。
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信用損失引当金の感応度分析
信用損失引当金の金額の(再)計算において、インプットの変動に対する
信用損失引当金の感応度を測定するために、異なるシナリオが設定されてい
る。
シナリオA
シナリオAでは、減損の対象となるすべての個別エクスポージャーの信用
格付が1ノッチ引き下げられる(例えば、AAAからAA+)。これらの(引き下
げられた)信用格付およびそれに伴うPDがステージ分類評価および信用損失
引当金の計算に適用される。その結果、一部のエクスポージャーがステージ
1からステージ2に振り替えられる。EADおよびLGDについては、ベース水準
からの変更はない。
シナリオB
シナリオBでは、通常はLGDが0%のエクスポージャーのLGDを10%とす
る。通常はLGDが10%、35%または75%のエクスポージャーのLGDは変更され
ない。EAD、信用格付およびPDについても、ベース水準からの変更はない。
シナリオC
シナリオCでは、信用損失引当金の計算がポイント・イン・タイムPDでは
なく、「スルー・ザ・サイクル」PDを使用して実施される。すなわち、将来
に関するマクロ経済情報を組み込まないPDが計算に使用される。EAD、信用
格付、ステージレベルおよびLGDについては、ベース水準からの変更はな
い。
2022年12月31日現在、信用損失引当金合計の感応度(単位:百万ユーロ)
を計算するために 3つ の 異なるシナリオが使用されて おり、以下に記載され
ている。
2022年12月31日現在
シナリオA
シナリオC
シナリオB
(1ノッチ
(LGDを0%か (スルー・ザ・
実際の計上額 引き下げ) ら10%に) サイクルPD)
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - - -
銀行預入金 0 0 0 0
OCIを通じて公正価値で測定される金融資産 0 0 0 0
償却原価で測定される利付有価証券 2 3 2 1
158 165 182 159
貸付金および前渡金
160 168 184 160
引当金(負債性)
3 3 3 3
オフバランスシート契約
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2021年12月31日現在
シナリオB
シナリオC
(LGDを
シナリオA (スルー・
実際の
(1ノッチ 0%から ザ・サイク シナリオD シナリオE
計上額 引き下げ) 10%に) ルPD) (EWMA70%) (EWMA0%)
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - 0 - - -
銀行預入金 0 0 0 0 0 0
OCIを通じて公正価値で
0 0 0 0 0 0
測定される金融資産
償却原価で測定される
2 4 3 2 3 3
利付有価証券
237 248 256 240 238 242
貸付金および前渡金
239 252 259 242 241 245
引当金(負債性)
1 1 2 1 1 1
オフバランスシート契約
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デリバティブによるリスクヘッジ
BNG銀行は、為替リスクを低減し、金利リスクを望ましい水準に保つ目的で、経済的ヘッジを適用している。この目的で、
BNG銀行は、日次で厳密に遵守し監視を行う限度額管理システムおよび手続きを導入した。為替および金利のリスクは、デリ
バティブでヘッジされている。貸借対照表と損益計算書におけるデリバティブとヘッジ対象の処理は、実際の経済上のヘッ
ジとできる限り一致するように行われる。会計上、BNG銀行は、IFRSに基づき、当該ヘッジ関係を、ミクロおよびポートフォ
リオの公正価値ヘッジ、ならびにキャッシュフロー・ヘッジを適用することで処理する。連結財務書類の会計原則の項目に
は、この種類のヘッジ会計が適用可能となる前に満たすべき条件について記載されている。
ミクロ公正価値ヘッジ会計(MH)は、該当する場合に、金利リスクおよび為替リスクを相殺するための経済的ヘッジ関係
に関わる個々の取引に適用される。この種類のヘッジは、ほとんどすべての発行済負債証券に適用される。為替リスクおよ
び金利リスクは、(クロスカレンシー)金利スワップを使用してヘッジされる。発行は、発行の固定利息額がネットでユー
ロ建ての変動利息額に換算されるようにデリバティブで完全に相殺される。発行とそれに付随するデリバティブは共に、こ
れも完全に相殺されるオプションのような仕組みを包含させることができる。公正価値ヘッジに係るヘッジされたMH取引の
再評価効果は、ヘッジされた項目と同じ貸借対照表項目に計上される。
BNG銀行は、為替レート変動による将来のキャッシュフローにおける変動の可能性からBNG銀行の収益を保護するために、
外貨建ての変動利付の長期資金調達取引の事実上すべてに(ミクロ)キャッシュフロー・ヘッジ会計を適用している。
BNG銀行はまた、固定金利の外貨建て取引の信用スプレッドの為替リスクをヘッジするため、キャッシュフロー・ヘッジ会
計を適用している。外貨建ての調達資金の自発的な早期償還または銀行事業からの即時完全撤退を除き、これらの再評価が
実現損益につながる状況はない。
クロスカレンシー・ベーシス・スワップのスプレッドは、クロスカレンシー・(金利)スワップの価値の重要な要素であ
る。このベーシス・スプレッドの変動は、ヘッジ関係の一部に含まれない。ミクロ・ヘッジが適用される場合、このベーシ
ス・スプレッドの変動は、株主資本の部の「ヘッジコスト準備金」として別個に処理される。
ポートフォリオ公正価値ヘッジ会計(PH)では、ユーロ建て取引のグループの金利リスクがデリバティブのグループを利
用してヘッジされる。ヘッジ関係は、総体レベルで構成され管理されるため、個々の取引との関係が排除される。BNG銀行に
おいて、ポートフォリオ・ヘッジは、ミクロ・ヘッジと同様に、有効性が高い。発生した非有効部分はすべて損益計算書に
認識される。
PHの有効部分は貸借対照表項目「ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整」に計上される。
BNG銀行は、経済的ヘッジの目的でデリバティブを使用しているが、IFRSで認められているように、すべての場合にこれら
をヘッジ会計に含めることは可能ではない。ヘッジ会計に含まれない実質上すべてのデリバティブは、同じく純損益を通じ
て公正価値で認識される金融商品で経済的にヘッジされる。結果として、全体では金利リスクおよび為替リスクによる損益
の変動性は限定される。
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以下の表は、2022年12月31日現在のすべてのデリバティブの満期プロファイルを想定元本に基づいて示している。
2022年12月31日現在
1年以下 1年超5年以下 5年超 合計
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
デリバティブ
金利スワップ 7,734 28,137 98,530 134,401
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
金利スワップ 6,654 23,341 44,533 74,528
クロスカレンシー・スワップ 6,378 17,721 6,063 30,162
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
金利スワップ 6,369 251 388 7,008
クロスカレンシー・スワップ 0 100 428 528
FXスワップ 3,829 0 0 3,829
10 (2,629) (200) (2,819)
その他のデリバティブ
合計 30,974 66,921 149,742 247,637
2021年12月31日現在
1年以下 1年超5年以下 5年超 合計
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
デリバティブ
金利スワップ 7,508 27,304 90,203 125,015
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
金利スワップ 3,378 23,127 37,528 64,033
クロスカレンシー・スワップ 9,770 18,111 6,568 34,449
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
金利スワップ 533 154 540 1,227
クロスカレンシー・スワップ 147 140 427 714
FXスワップ 4,337 - - 4,337
(18) (571) 147 (442)
その他のデリバティブ
合計 25,655 68,265 135,413 229,333
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以下の表は、デリバティブの想定元本合計を公正価値と比較して示している。
2022年12月31日現在 2021年12月31日現在
想定元本 公正価値 想定元本 公正価値
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
デリバティブ
金利スワップ 110,204 (2,308) 52,281 2,260
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
金利スワップ 72,137 4,377 38,984 1,099
クロスカレンシー・スワップ 13,460 1,589 22,134 2,060
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
金利スワップ 6,441 13 380 23
クロスカレンシー・スワップ 298 64 368 85
FXスワップ 34 1 4,024 158
63 1 65 -
その他のデリバティブ
資産として計上されたデリバティブ合計 202,637 3,737 118,236 5,685
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
デリバティブ
金利スワップ 24,197 3,341 72,734 15,393
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
金利スワップ 2,391 707 25,049 123
クロスカレンシー・スワップ 16,702 1,690 12,315 1,168
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
金利スワップ 567 194 847 (150)
クロスカレンシー・スワップ 230 106 346 249
FXスワップ 3,795 54 313 4
(2,882) 37 (507) 148
その他のデリバティブ
負債として計上されたデリバティブ合計 45,000 6,129 111,097 16,935
デリバティブに対する信用リスクに関し、BNG銀行は相手側より担保を受ける。2022年12月31日現在、この担保の金額は
1,173百万ユーロ(2021年度:1,054百万ユーロ)であり、すべてが現金担保であった。
デリバティブに関し、BNG銀行は、2022年度に4,950百万ユーロ(2021年度:16,583百万ユーロ)の担保を提供した。その
うち、2,008百万ユーロ(2021年度:13,598百万ユーロ)が現金であり、2,942百万ユーロ(2021年度:2,985百万ユーロ)が
利付有価証券であった。
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公正価値ヘッジ会計
以下の表は、非有効性の認識の基礎として使用された、報告期間における公正価値ヘッジ会計によるヘッジ対象およびヘッ
ジ手段の公正価値の変動を示している。
2022年12月31日現在
ヘッジ対象に
係るまたは
OCIを通じた
ヘッジ対象に ヘッジ手段に
公正価値の 帰属する 帰属する ヘッジの
ヘッジ対象の
帳簿価額総額 累積調整額 利益/損失 利益/損失 非有効性
公正価値ヘッジ
ミクロ公正価値ヘッジ
(ヘッジ対象が資産として計上)
FVOCIで測定される金融資産に
7,089 (874) (1,328) 1,320 (8)
計上されている固定利付債券
償却原価で測定される利付有価証券に
880 (331) (592) 588 (4)
計上されている固定利付債券
7,969 (1,205) (1,920) 1,908 (12)
ミクロ公正価値ヘッジ
(ヘッジ対象が負債として計上)
銀行借入金に計上されている
(399) 61 89 0 89
固定金利貸付金
負債証券に計上されている
(83,193) 10,998 12,029 (11,955) 74
固定利付債券
受託資金に計上されている
(38) (2) 4 (93) (89)
固定金利貸付金
(83,630) 11,057 12,122 (12,048) 74
(75,661) 9,852 10,202 (10,140) 62
ミクロ公正価値ヘッジ合計
ポートフォリオ公正価値ヘッジ
(ヘッジ対象が資産として計上)
銀行借入金に計上されている
50 (4) (10) 10 0
固定金利貸付金
FVOCIで測定される金融資産に
309 (13) (52) 34 (18)
計上されている固定利付債券
償却原価で測定される利付有価証券に
1,349 (141) (361) 365 4
計上されている固定利付債券
貸付金および前渡金に計上されている
82,924 (8,535) (21,844) 21,826 (18)
固定金利貸付金
84,632 (8,693) (22,267) 22,235 (32)
ポートフォリオ公正価値ヘッジ合計
8,971 1,159 (12,065) 12,095 30
公正価値ヘッジ合計
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2021年12月31日現在
ヘッジ対象に
係るまたは
OCIを通じた
ヘッジ対象に ヘッジ手段に
公正価値の 帰属する 帰属する ヘッジの
ヘッジ対象の
帳簿価額総額 累積調整額 利益/損失 利益/損失 非有効性
公正価値ヘッジ
ミクロ公正価値ヘッジ
(ヘッジ対象が資産として計上)
FVOCIで測定される金融資産に
7,754 105 (332) 331 (1)
計上されている固定利付債券
償却原価で測定される利付有価証券に
1,214 211 66 (77) (11)
計上されている固定利付債券
8,968 316 (266) 254 (12)
ミクロ公正価値ヘッジ
(ヘッジ対象が負債として計上)
銀行借入金に計上されている
(508) (28) 26 (27) (1)
固定金利貸付金
負債証券に計上されている
(90,555) (2,005) 1,990 (1,987) 3
固定利付債券
受託資金に計上されている
(42) (4) (25) 26 1
固定金利貸付金
(91,105) (2,037) 1,991 (1,988) 3
(82,137) (1,721) 1,725 (1,734) (9)
ミクロ公正価値ヘッジ合計
ポートフォリオ公正価値ヘッジ
(ヘッジ対象が資産として計上)
銀行借入金に計上されている
56 0 0 0 0
固定金利貸付金
FVOCIで測定される金融資産に
802 122 (42) 66 24
計上されている固定利付債券
ACで測定される利付有価証券に
1,344 53 (28) 29 1
計上されている固定利付債券
貸付金および前渡金に計上されている
81,245 13,502 (7,129) 7,169 40
固定金利貸付金
83,447 13,677 (7,199) 7,264 65
ポートフォリオ公正価値ヘッジ合計
1,310 11,956 (5,474) 5,530 56
公正価値ヘッジ合計
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キャッシュフロー・ヘッジ会計
以下の表は、非有効性の認識の基礎として使用された、報告期間におけるヘッジ手段の想定元本および公正価値の変動、な
らびにミクロ・キャッシュフロー・ヘッジ会計を適用するヘッジ対象の帳簿価額総額を示している。
2022年12月31日現在
ヘッジ手段の
ヘッジ対象の
帳簿価額総額 公正価値の 変動
実効金利法を
純損益で
用いて
OCIで 認識された
計算された
認識された ヘッジの
ヘッジ手段の 利息損益への
想定元本 資産 負債 有効部分 非有効性 再分類
キャッシュフロー・ヘッジ
ミクロ・キャッシュフロー・
ヘッジ
(931) 19 (1,127) (20) 0 (2)
クロスカレンシー・スワップ
キャッシュフロー・ヘッジ合計 (931) 19 (1,127) (20) 0 (2)
2021年12月31日現在
ヘッジ手段の
ヘッジ対象の
帳簿価額総額 公正価値の 変動
実効金利法を
純損益で
用いて
OCIで 認識された
計算された
認識された ヘッジの
ヘッジ手段の 利息損益への
想定元本 資産 負債 有効部分 非有効性 再分類
キャッシュフロー・ヘッジ
ミクロ・キャッシュフロー・
ヘッジ
2,317 20 (2,472) 8 0 9
クロスカレンシー・スワップ
キャッシュフロー・ヘッジ合計 2,317 20 (2,472) 8 0 9
為替レート
以下の表は、2022年12月31日現在ミクロ・キャッシュフロー・ヘッジ会計が適用される最終のクロスカレンシー・スワップ
の主要通貨の加重平均FXレートを示している。
2022年12月31日現在
FXレート
1年以下 1年超5年以下 5年超 合計
米ドルからユーロ 1.10025 1.05856 1.08086 1.07434
英ポンドからユーロ 0.00000 1.02672 1.02462 1.02701
豪ドルからユーロ 0.93821 0.94792 1.00198 0.97377
0.80122 0.69487 0.69128 0.70243
スイスフランからユーロ
2021年12月31日現在
FXレート
1年以下 1年超5年以下 5年超 合計
米ドルからユーロ 0.88050 0.85705 0.86837 0.86872
英ポンドからユーロ 1.13969 1.13023 1.29100 1.11276
豪ドルからユーロ 0.66310 0.63360 0.77610 0.66131
0.70338 0.69974 0.82218 0.72007
スイスフランからユーロ
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金融商品の公正価値
公正価値とは、現在の市場状況の下、測定日時点で、意思または能力にかかわらず、市場参加者間での秩序ある取引により
資産が売却される場合に受け取るであろう移転価格(取引費用調整前)または負債が移転される場合に支払うであろう価格で
ある。評価が市場参加者の観点から行われることを想定しており、これにより、金融商品の固有の特徴および制限のみが考慮
される。
3つのレベルの公正価値の間で区別がなされ、インプットの性質およびその全体の評価にとっての重要性がヒエラルキーの
正しい分類にとって決定的である。
公正価値ヒエラルキー
・レベル1:活発な市場における、当該商品の、または入手できない場合同一商品の(未調整の)相場価格に基づく評
価。金融商品は、相場価格が定期的に入手可能である、ならびにこれらの価格が現在のおよび定期的に発生する独立当
事者間の市場取引を反映している場合、活発な市場での相場価格があるとみなされる。金融資産および負債の相場価格
は、中間市場価格に基づいている。
・レベル2:レベル1で使用された相場価格を除く、直接的または間接的に観察可能な市場データを用いた評価技法に基
づく評価。このカテゴリーは、類似した商品の活発な市場での相場価格、同一もしくは類似した商品の活発とはみなさ
れない市場での相場価格、またはすべて市場データから直接的もしくは間接的に観察可能な重要なインプットによるそ
の他の評価技法を用いて評価される商品を含む。
・レベル3:市場で公表されない観察不能なインプットを大幅に用いた評価技法に基づく評価。このカテゴリーは、観察
可能な市場データに基づかないインプットを用いた評価技法による商品を含み、そのため、観察不能な市場データが商
品の価値に重要な影響を与える。このカテゴリーはまた、類似した商品の相場価格に従って評価された商品も含み、こ
れにより重要で公には観察不能な変更または前提が、商品間の差異を示すために必要となる。
可能な場合、BNG銀行は相場価格(レベル1)を使用する。相場価格は、ビッド価格(金融資産の場合)およびアスク価格
(金融負債の場合)に基づいている。中間市場価格の使用は、金融資産および金融負債の市場リスクが相殺される場合、認
められている。BNG銀行は、評価目的で報告日の中間市場価格を使用する。
多くの場合、BNG銀行は理論的な評価(レベル2)に依拠している。かかる場合は、一般的に金融業界で使用される評価モ
デルおよび評価技法に基づき公正価値が決定される。これらの大部分は正味現在価値計算に基づくモデルおよびオプション
価格モデルである。上記のモデルのための変数は、市場価格、フォワード価格設定、割引の市場条件に沿ったイールド曲
線、相関、ボラティリティ、クロスカレンシー・スワップのベーシス・スプレッド、取引先の信用力ならびに市場当事者が
価格決定に使用するその他要因、見積り、仮定等の直接的または間接的に客観的に観察可能なインプットに基づく。BNG銀行
は、いわゆるスプレッド曲線を、理論的な評価が必要な信用および流動性リスクを伴う金融商品の公正価値を決定するため
に使用する。これらのスプレッド曲線は、関連する金利曲線ならびに信用および流動性リスクのスプレッドに基づき作成さ
れる。信用リスクスプレッドはまた、受け取った担保、保証および満期を考慮に入れ、債務者の信用力によって左右され
る。流動性リスクスプレッドは、商品の市場性の度合いに左右される。個々の顧客および金融商品のリスク・プロファイル
は、少なくとも四半期毎に1回評価される。必要な場合、信用リスクのスプレッドは調整される。
1件においては、BNG銀行の金融商品の評価は、かなりの程度まで、市場で公表されない観察不能なインプットおよび経営
陣の見積り(レベル3)に基づいている。
デリバティブ取引の公正価値決定の際に、信用評価調整(CVA)および債務評価調整(DVA)が、BNG銀行が日次の担保交換
に関する契約を締結していないすべての顧客および金融取引先とのデリバティブ取引すべてに適用される。CVAおよびDVAは
また、BNG銀行が日次の担保交換に関する契約を締結したが、担保額の算定において重要な閾値が適用される顧客または取引
先とのデリバティブ取引すべてに適用される。
BNG銀行は自己の信用リスクの決定において、関連するスワップ・カーブに対するスプレッド、すなわち「自己信用調整
(OCA)」を適用している。OCAは、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債に含まれる商品のみに関連する。
金融商品がフォワード契約の性格を持つ限り、フォワード・イールド曲線およびフォワード為替相場などの公表されてい
るフォワード価格が使用される。複雑な商品の場合、金融商品の構成要素は、上記の評価技法およびモデルに基づき個別に
評価される。金融商品全体の公正価値は構成要素の公正価値の合計として決定される。BNG銀行は、継続する公正価値のみを
適用する。これらは、各報告期間末の財務ポジション処理のために継続的に測定される公正価値である。
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有価証券報告書
2022年12月31日現在 2021年12月31日現在
貸借対照表 貸借対照表
公正価値 公正価値
価額 価額
現金および中央銀行残高
6,821 6,821 9,264 9,264
銀行預入金 346 346 163 165
差入現金担保 4,144 4,144 12,993 12,993
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 901 901 1,383 1,383
デリバティブ 3,737 3,737 5,685 5,685
その他の包括利益を通じて公正価値で
7,398 7,398 8,572 8,572
測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,636 7,462 7,632 7,665
89,624 81,162 89,738 104,146
貸付金および前渡金
金融資産合計 120,607 111,971 135,430 149,873
銀行借入金 4,012 4,004 19,525 19,488
受入現金担保 1,173 1,173 984 984
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 185 185 310 310
デリバティブ 6,129 6,129 16,935 16,935
負債証券 90,774 90,662 101,355 102,301
受託資金 4,785 4,826 4,525 4,651
38 40 36 44
劣後債務
金融負債合計 107,096 107,019 143,670 144,713
取引を行う際、公正価値ヒエラルキーは、分類を決定付けるインプットの性質およびその評価全体への重要性を踏まえ
た、評価に関連する特徴に基づいて決定されている。分類する際には、取引全体として公正価値に重要性のあるインプット
のレベルのうち最も低いものに基づいて行われる。
重要性は、全体の評価の結果に対する観察不能なインプットの影響を、これらの観察不能なインプットに関する代替的な
仮定の可能性の範囲を考慮に入れて決定することにより評価される。四半期毎に、各取引の分類は評価され、必要な場合、
調整がなされる。
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以下の表は、公正価値で認識される取引の公正価値ヒエラルキーの概要を示している。
2022年12月31日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
純損益を通じて公正価値で測定される金融資
58 834 9 901
産
デリバティブ - 3,737 - 3,737
その他の包括利益を通じて公正価値で
7,322 76 - 7,398
測定される金融資産
金融資産合計 7,380 4,647 9 12,036
純損益を通じて公正価値で測定される金融負
- 185 - 185
債
- 6,129 - 6,129
デリバティブ
金融負債合計 - 6,314 - 6,314
2021年12月31日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
純損益を通じて公正価値で測定される金融資
106 1,267 10 1,383
産
デリバティブ - 5,685 - 5,685
その他の包括利益を通じて公正価値で
8,482 90 - 8,572
測定される金融資産
金融資産合計 8,588 7,042 10 15,640
純損益を通じて公正価値で測定される金融負
123 187 - 310
債
- 16,935 - 16,935
デリバティブ
金融負債合計 123 17,122 0 17,245
2022年12月31日現在、1件の資産がレベル3に表示されており、これは金利リスクがスワップでヘッジされている劣後
ローンである。これは市場ではほとんど取引されない仕組利付有価証券である。したがって、類似の証券について入手でき
る観察可能な市場データは現在の公正価値を完全に反映するものではない。この取引の公正価値は公表された市場データに
基づいて決定され、重要な、市場で公表されない観察不能なインプットを用いて調整される。
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償却原価で測定される取引の公正価値ヒエラルキー
以下の表は、上記のヒエラルキーの分類に基づいて、貸借対照表上、償却原価で測定される取引の公正価値決定方法の概要
を示す。
2022年12月31日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
現金および中央銀行残高
6,821 - - 6,821
銀行預入金 4 339 3 346
差入現金担保 - 4,144 - 4,144
償却原価で測定される利付有価証券 439 6,760 263 7,462
590 74,086 6,486 81,162
貸付金および前渡金
金融資産合計 7,854 85,329 6,752 99,935
銀行借入金 1 4,003 - 4,004
受入現金担保 - 1,173 - 1,173
負債証券 79,599 11,063 - 90,662
受託資金 3,484 792 550 4,826
- 40 - 40
劣後債務
金融負債合計 83,084 17,071 550 100,705
2021年12月31日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
現金および中央銀行残高
9,264 - - 9,264
銀行預入金 23 138 4 165
差入現金担保 - 12,993 - 12,993
償却原価で測定される利付有価証券 206 6,994 465 7,665
861 95,255 8,030 104,146
貸付金および前渡金
金融資産合計 10,354 115,380 8,499 134,233
銀行借入金 1 19,487 - 19,488
受入現金担保 - 984 - 984
負債証券 87,599 14,703 - 102,302
受託資金 2,800 1,079 772 4,651
- 44 - 44
劣後債務
金融負債合計 90,400 36,297 772 127,469
レベル3の償却原価による金融資産は、主にBNG銀行の法定市場当事者に対するソルベンシー要件が課される貸付金および
前渡金に関連する。政府保証に基づく法定取引先に対する「貸付金および前渡金」は、オランダ政府発行の債券との強い相関
により、レベル2に含まれている。レベル1に含まれる償却原価による金融負債は主に、BNG銀行が発行した売買可能なベン
チマーク債券(「負債証券」項目)で構成される。
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リスク項目
組織的リスク管理アプローチ
リスクを受け入れ、またリスクを管理するプロセスは、いずれの銀行の日常業務にも内在している。銀行は、その業務を
行うために、一定の量の信用、市場、流動性およびオペレーショナル・リスクを受け入れなければならない。本項目では、
BNG銀行のリスク・プロファイルの主要な特性の概要を提供し、財務書類に直接影響するリスク管理実務のみを取り上げてい
る。
BNG銀行は非常に複雑な環境で業務を行っており、国内外の規則および規制の適用を受けている。BNG銀行はすべての関連す
る規則および規制を確実に遵守するために多大な労力を費やしているが、実行過程で発生しやすい人的ミスを完全に防ぐこと
はできない。
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信用リスク
信用リスク
信用リスクは、借り手または取引先が合意した条件に従った債務の履行を怠る潜在的リスクから発生する、利益または資本
の損失リスクと定義される。信用リスクには、取引先リスク、決済リスクおよび集中リスクが含まれる。当行は、信用リスク
の枠組みへの気候関連リスクの組込に取り組んでいる。これはまだ進行中であるため、これ以上の検討は行われていない。
信用リスク・エクスポージャーの合計
信用リスクの総エクスポージャー価額合計は、デリバティブ、デリバティブ取引または担保付金融取引のいずれかに係る差
入現金担保、および「銀行預入金」項目のうちセトル・トゥ・マーケット(STM)デリバティブ契約に関連する債権の貸借対
照表価額調整後の資産の貸借対照表合計額で構成される。オフバランスシート契約の総エクスポージャー価額に加えて、取引
先信用リスク・エクスポージャー価額(デリバティブと担保付金融取引に分けられる)が含まれる。以下の表は、総信用リス
ク・エクスポージャー価額合計に関する洞察を提供している。
2022年12月31日現在 2021年12月31日現在
貸借対照表価額合計
112,074 149,363
-/-デリバティブ (3,737) (5,685)
(4,144) (12,993)
-/-差入現金担保
オンバランスシートのエクスポージャー合計 104,193 130,685
11,164 10,859
オフバランスシートのエクスポージャー合計
デリバティブのエクスポージャー価額 3,090 3,199
87 61
担保付金融取引のエクスポージャー価額
取引先信用リスク・エクスポージャー合計 3,177 3,260
118,534 144,804
総エクスポージャー合計
2022年12月31日現在、貸借対照表項目「貸付金および前渡金」において、公共部門、WSW住宅保証基金およびWfZヘルスケア
保証基金に提供された、もしくはこれらによって保証された貸付金の貸借対照表価額は、合計81.2十億ユーロ(2021年度:
80.5十億ユーロ)であった。偶発債務および取消不能信用供与契約は、「オフバランスシート契約」の項目で説明されてい
る。「処分に制約がある金融資産および負債」の項目は、自由に処分できない金融資産の部分も示している。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産および金融負債の市場価値の計算は、信用リスクおよび流動性リスクのスプ
レッドを含む。信用リスクおよび流動性リスクの変動による価値の変動は、かかるスプレッドの変動に起因する。個別の顧客
および金融商品のリスク・プロファイルについては、定期的に評価を行っている。必要な場合、評価を目的として信用リスク
のスプレッドは調整される。
信用リスクおよび流動性リスクのスプレッド調整に起因する、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産の市場価値に
おける累積変動は、合計マイナス164百万ユーロ(2021年度:マイナス131百万ユーロ)であり、2022年度はマイナス33百万
ユーロ(2021年度:マイナス29百万ユーロ)であった。信用リスクおよび流動性リスクのスプレッド調整に起因する、純損益
を通じて公正価値で測定される金融負債の市場価値における累積変動は、合計プラス11百万ユーロ(2021年度:プラス4百万
ユーロ)であり、2022年度はプラス7百万ユーロ(2021年度:マイナス10百万ユーロ)であった。純損益を通じて公正価値で
測定される金融負債は、勘定における「自己の信用リスク」に対するマークアップなど、関連する資金調達カーブについて認
識されている。
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取引先リスク
BNG銀行は、公共部門事業体(貸付金および前渡金)、金融取引先(デリバティブ)、BNG銀行が投資している利付有価証
券(IBS)の発行体に関連する取引先リスクにさらされている。BNG銀行は、以下の信用リスク軽減手段を適用している。
・ 保証は、中央当局もしくは地方自治体により、または保証基金であるWSW(公共住宅)およびWfZ(ヘルスケア)により提
供される。ソルベンシー要件の対象となる貸付金は、全額の保証または保証証書のうち一部に基づいて供与されることが
多いため、結局のところ貸付金は、BNG銀行にとって一部または全額がリスク加重ゼロのままである(「法定市場当事
者」の項目を参照のこと。)。
・ 抵当やモーゲージなどのその他の形式の保証は、信用リスクによる潜在的損失を最小化するため用いられる。しかしなが
ら、潜在的リスク減少効果は規制上の資本要件の計算には反映されていない。
・ 金融取引先との日次の担保交換に関する相対ネッティングおよび担保契約。「金融取引先」の項目も参照のこと。
法定市場当事者
BNG銀行の定款により、貸付の相手先は何らかの形で政府関与先となる当事者に限定されている。その結果、信用ポート
フォリオの大部分が、リスク加重ゼロの貸付金および前渡金(オランダ政府に対して提供、またはオランダ政府によって保
証される貸付金および前渡金)から構成される。
貸付は、当初および定期的な信用評価の対象である。これには、BNG銀行の内部格付モデルに一部基づいた、当該顧客の信
用力の詳細な評価が含まれる。加えて、BNG銀行は、オペレーショナル・リスク要素を含む定形外の取引について、内部評価
プロセスを備えている。また、BNG銀行は詳細な定性的商品説明を使用し、これにより顧客に対する様々な種類の商品の適切
性を明示的にしている。
信用リスクモデル
BNG銀行の顧客のほとんどは、ムーディーズ、フィッチまたはS&Pのような外部格付機関による格付を有していない。BNG
銀行は、顧客の信用力を評価するために内部で開発された格付モデルを適用している。これらのモデルはセクターごとの専
用モデルであり、BNG銀行のモデル・ガバナンス方針に従って定期的に見直しおよび検証を受ける。これらのモデルは第1の
柱に基づく資本の計算には適用されておらず、資本の計算には標準的手法が用いられている。
内部格付の意味は以下のとおりである。
内部格付 説明
0 リスク加重ゼロの貸付。
1~11 信用リスクは受け入れ可能とみなされる。定期的な見直しが毎年行われる。
12~13 監視リスト:信用リスクが高まっている。少なくとも年2回見直しが行われる。
14~16 財務再編・回収部門:信用リスクが高まっている。少なくとも年3回、これらの債務者に係る報告
書が執行取締役会に提出される。
17~19 財務再編・回収部門:信用リスクが高まっている、および/または債務者が返済義務を繰り返し果
たしていない、および/または継続性の見込みがない。少なくとも年3回、これらの債務者に係る
報告書が執行取締役会に提出される。
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支払猶予されたエクスポージャー
支払猶予は、債務者の不安定な財務ポジションの結果、債務者が債務を果たすことができるよう債務者のために信用条件
が変更された信用契約に関連する。
2022年12月31日現在
うち支払猶予
エクスポージャー
合計に占める割合
合計
減損控除前 減損控除後
金融資産(デリバティブを除く)
現金および中央銀行残高 6,821 - - 0.0%
銀行預入金 346 - - 0.0%
差入現金担保 4,144 - - 0.0%
純損益を通じて公正価値で測定される
901 - - 0.0%
金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で
7,398 - - 0.0%
測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,636 - - 0.0%
89,624 353 302 0.4%
貸付金および前渡金
116,870 353 302 0.3%
オフバランスシート契約
偶発債務 489 2 2 0.4%
取消可能信用供与契約 6,248 35 35 0.6%
4,427 - - 0.0%
取消不能信用供与契約
11,164 37 37 0.3%
2021年12月31日現在
うち支払猶予
エクスポージャー
合計に占める割合
合計
減損控除前 減損控除後
金融資産(デリバティブを除く)
現金および中央銀行残高 9,264 - - 0.0%
銀行預入金 163 - - 0.0%
差入現金担保 12,993 - - 0.0%
純損益を通じて公正価値で測定される金
1,383 - - 0.0%
融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測
5,685 - - 0.0%
定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 8,572 - - 0.0%
89,738 365 313 0.4%
貸付金および前渡金
127,798 365 313 0.3%
オフバランスシート契約
偶発債務 501 - - 0.0%
取消可能信用供与契約 5,871 - - 0.0%
4,487 - - 0.0%
取消不能信用供与契約
10,859 - - 0.0%
債務者の不利な財務ポジションの結果として契約条項が変更された金融資産は、2022年12月31日現在、353百万ユーロ
(2021年度末:365百万ユーロ)であった。支払猶予されたエクスポージャーは、ポートフォリオ合計の0.3%(2021年度末:
0.3%)を占め、14件の債務者(2021年度末:23件の債務者)に関係する。支払猶予は、減損のステージ決定評価における防
護指標として用いられ、その結果、すべての支払猶予エクスポージャーは減損のステージ2に分類されている。
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不良債権エクスポージャー
BNG銀行の不良債権エクスポージャーの定義の開示については、注記37(金融資産の減損およびオフバランスシート契約)
を参照のこと。不良債権に分類されるエクスポージャーは、以下のすべての条件を満たす場合、再び正常債権とみなされる。
・ 債務者が再び、すべての契約条件を満たしている(債務不履行は生じていない)。
・ 既存もしくは変更後の支払条件に従って、債務者の状況が、債務者が債務を返済することができるまで改善している
(「支払可能性がある」)。
・ 債務者に90日を超える支払の遅延がない。
以下の表は、どの部分が不良債権として分類されているかを示す、金融資産(デリバティブを除く)およびオフバランス
シート契約におけるエクスポージャー合計の洞察を提供している。
2022年12月31日現在
うち不良債権
エクスポージャー
合計に占める割合
合計
減損控除前 減損控除後
金融資産(デリバティブを除く)
現金および中央銀行残高 6,821 - - 0.0%
銀行預入金 346 - - 0.0%
差入現金担保 4,144 - - 0.0%
純損益を通じて公正価値で
901 - - 0.0%
測定される金融資産
その他の包括利益を通じて
7,398 - - 0.0%
公正価値で測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,636 - - 0.0%
89,624 848 719 0.9%
貸付金および前渡金
116,870 848 719 0.7%
オフバランスシート契約
偶発債務 489 1 0 0.2%
取消可能信用供与契約 6,248 239 239 3.8%
4,427 42 41 0.9%
取消不能信用供与契約
11,164 282 280 2.5%
2021年12月31日現在
うち不良債権
エクスポージャー
合計に占める割合
合計
減損控除前 減損控除後
金融資産(デリバティブを除く)
現金および中央銀行残高 9,264 - - 0.0%
銀行預入金 163 - - 0.0%
差入現金担保 12,993 - - 0.0%
純損益を通じて公正価値で
1,383 - - 0.0%
測定される金融資産
その他の包括利益を通じて
8,572 - - 0.0%
公正価値で測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,632 - - 0.0%
89,738 549 324 0.6%
貸付金および前渡金
129,745 549 324 0.4%
オフバランスシート契約
偶発債務 501 1 0 0.2%
取消可能信用供与契約 5,871 66 66 1.1%
4,487 0 0 0.0%
取消不能信用供与契約
10,859 67 66 0.6%
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2022年12月31日現在、オンバランスの不良債権エクスポージャーは合計848百万ユーロ(2021年度末:549百万ユーロ)で
あった。このエクスポージャーの2022年度における増加は、個別評価の結果、4件の債務者がステージ3に振り替えられた
ことによる。不良債権エクスポージャー合計がBNG銀行のポートフォリオ全体のエクスポージャー合計額に占める割合は、依
然として低い。2022年度末現在、不良債権エクスポージャーは、ポートフォリオ合計の0.8%(2021年度末:0.4%)を占
め、28件の債務者(2021年度末:14件の債務者)に関係する。BNG銀行は、不良債権エクスポージャーに関連して391百万
ユーロ(2021年度:160百万ユーロ)の政府保証を受けた。
以下の表は、不良債権エクスポージャーの推移を示している。
2022年度 2021年度
1月1日現在の不良債権エクスポージャー合計 549 397
既存の不良債権エクスポージャーの変動
10 (5)
正常債権から不良債権エクスポージャーへの移動 510 213
不良債権から正常債権エクスポージャーへの移動 - (34)
(221) (22)
不良債権エクスポージャーの返済および決済
12月31日現在の不良債権エクスポージャー合計 848 549
正常債権の支払遅延エクスポージャーの満期分析
以下の表は、IFRS第9号に基づく減損ステージ3に含まれない支払遅延エクスポージャーで構成されている。
2022年12月31日現在 2021年12月31日現在
31日未満 2 1
31日以上60日以下 0 -
61日以上90日以下 - -
- -
90日超
期末残高 2 1
減損
金融資産の減損は注記31で説明されている。
外部格付
BNG銀行は、特にS&P、ムーディーズ、フィッチおよびDBRSなどの格付機関によって付与された外部格付を使用している。
資本要件を決定する際、BNG銀行はこれらの4機関による格付を、入手可能な場合は使用する。格付は、取引先または特に購
入証券のいずれかに関連する。
金融取引先
これらの顧客に対する貸付金と関係する市場リスクは、主に金融取引先とのデリバティブ取引を通じて低減されている。
BNG銀行は外部機関により格付されている金融取引先とのみ取引を行う。金融取引先は、定期的に信用力を評価される。必要
に応じて、このような取引先に対するエクスポージャー限度額は、これに従って再調整される。
2022年12月31日現在 2021年12月31日現在
リスク加重 リスク加重
エクスポージャー・クラス(SA)別の
エクスポージャー エクスポージャー エクスポージャー エクスポージャー
デリバティブ のエクスポージャー価額
価額 金額 価額 金額
地方政府または地方自治体
143 - 521 -
公共部門事業体 4 1 25 5
機関 1,912 494 1,130 444
1,031 600 1,523 1,025
法人
合計 3,090 1,095 3,199 1,474
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有価証券報告書
信用リスクを低減するため、BNG銀行が積極的にデリバティブ取引または(リバース)レポ取引を締結する金融取引先と
はネッティング契約が締結されている。さらに、担保契約が締結されている。これらにより、市場価額の動向を担保によっ
て日次で緩和できるようにしている。契約は、市場状況の変化、市場慣行および規制の変更に応じて必要があれば更新され
る。以下の表は、貸借対照表上のネッティング前の総額のポジション、および担保契約を考慮に入れた場合のポジションを
示している。
2022年12月31日現在
デリバティブ デリバティブ
(資産として計上) (負債として計上) 純額
金融資産および金融負債(デリバティブ)の
ネッティング
貸借対照表上のネッティング前の金融資産
17,203 (19,595) (2,392)
および負債の総価額
ネッティングされる金融資産および負債の
(13,466) 13,466 0
総価額
金融資産および負債の貸借対照表価額
3,737 (6,129) (2,392)
(ネッティング後)
ネッティング目的でIAS第32号(同一相手先との
デリバティブのネッティング)に適合しない (2,134) 2,134 0
金融ネッティング商品の価額
担保考慮前のエクスポージャー 1,603 (3,995) (2,392)
ネッティング目的でIAS第32号に適合しない
(1,173) 4,144 2,971
金融担保の価額
430 149 579
正味エクスポージャー
2021年12月31日現在
デリバティブ デリバティブ
(資産として計上) (負債として計上) 純額
金融資産および金融負債(デリバティブ)の
ネッティング
貸借対照表上のネッティング前の金融資産
10,685 (21,936) (11,251)
および負債の総価額
ネッティングされる金融資産および負債の
(5,000) 5,000 0
総価額
金融資産および負債の貸借対照表価額
5,685 (16,936) (11,251)
(ネッティング後)
ネッティング目的でIAS第32号(同一相手先との
デリバティブのネッティング)に適合しない (3,799) 3,799 0
金融ネッティング商品の価額
担保考慮前のエクスポージャー 1,886 (13,137) (11,251)
ネッティング目的でIAS第32号に適合しない
(1,054) 13,229 12,175
金融担保の価額
832 92 924
正味エクスポージャー
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2022年度末現在、デリバティブ取引に係る差入担保額は、4.5十億ユーロ(2021年度:14.6十億ユーロ)であった。BNG銀
行の格付が3ノッチ引き下げられても、当該金額は増加しない(2021年度:増加なし)。BNG銀行の流動性ポジションの強さ
は、担保債務を満たし、担保債務の変動を吸収するのに十分である。
2022年12月31日現在 2021年12月31日現在
リバースレポ レポ取引 リバースレポ レポ取引
取引(資産) (負債) 取引(資産) (負債)
強制力のあるマスター・ネッティング契約の
対象となるリバースレポ契約およびレポ契約の
ネッティング
貸借対照表上のネッティング前の
857 (857) 998 (998)
貸借対照表価額総額
リバースレポ契約およびレポ契約の
(857) 857 (998) 998
貸借対照表上のネッティング
金融資産および負債の貸借対照表価額純額 0 0 0 0
利付有価証券(IBS)投資
BNG銀行のIBSポートフォリオは、大部分が流動性管理目的で保有されている。ポートフォリオは、質の高い債券で構成さ
れ、その大部分はECBが担保として受け入れる。BNG銀行のIBSポートフォリオ全体は流動性ポートフォリオと資産および負債
管理(ALM)ポートフォリオに分けられる。流動性ポートフォリオは、譲渡性の高い有価証券のみで構成され、様々なLCRレ
ベルに従って細分化されている。ALMポートフォリオは有価証券の種類によって細分化されている。毎月、投資委員会にポー
トフォリオの動向が報告され、評価される。外部格付に加え、一部は内部格付等の要因を用いて、BNG銀行はその動向を個別
に監視している。これらのポートフォリオ内のすべての資産は、年2回減損分析を受ける。資産担保証券(RMBSを含む)
は、デューデリジェンスのレビュー・プロセスの対象となる。
各格付カテゴリーについて以下に表示された金額は、残存貸付元本額で、百万ユーロ単位である。貸借対照表価額合計は
最右列に示されている。
2022年12月31日現在
額面価額
貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額合計
流動性ポートフォリオ
レベルⅠ-政府/国際機関 3,844 2,739 1,083 46 - 7,712 7,018
レベルⅠB-カバード・ボンド 1,517 - - - - 1,517 1,422
レベルⅡA-政府/国際機関 - 56 - - - 56 58
レベルⅡA-カバード・ボンド 275 - - - - 275 266
レベルⅡB-法人 - - - - - - -
1,492 - - - - 1,492 1,509
レベルⅡB-RMBS
7,128 2,795 1,083 46 - 11,052 10,273
ALMポートフォリオ
当初証拠金 - - - - - - -
RMBS 11 168 42 16 - 237 238
ABS 40 - 16 23 48 127 125
RMBS-NHG 3,375 48 101 - - 3,524 3,536
25 507 521 423 - 1,476 1,493
その他
3,451 723 680 462 48 5,364 5,392
合計 10,579 3,518 1,763 508 48 16,416 15,665
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2021年12月31日現在
額面価額
貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額合計
流動性ポートフォリオ
レベルⅠ-政府/国際機関 4,839 1,370 - - 46 6,255 6,540
レベルⅠB-カバード・ボンド 913 - - - - 913 927
レベルⅡA-政府/国際機関 - 59 - - - 59 106
レベルⅡA-カバード・ボンド 330 - - - - 330 338
レベルⅡB-法人 - - 25 - - 25 25
971 - - - - 971 983
レベルⅡB-RMBS
7,053 1,429 25 0 46 8,553 8,919
ALMポートフォリオ
当初証拠金 389 1,227 220 - - 1,836 2,100
RMBS 93 229 55 - 18 395 396
ABS 47 - 63 22 50 182 180
RMBS-NHG 3,277 62 120 - - 3,459 3,465
99 422 139 447 65 1,172 1,992
その他
3,905 1,940 597 469 133 7,044 8,133
合計 10,958 3,369 622 469 179 15,597 17,052
主に高格付の政府債券への投資によって、流動性ポートフォリオは質が改善した(AAAおよびAA)。ALMポートフォリオ
も、高格付のNHG証券の購入により改善した。
認識中止を伴わない金融資産の譲渡
2022年度末現在、BNG銀行は、レポ取引において、認識中止を伴わずに利付有価証券665百万ユーロ(2021年度:738百万
ユーロ)を譲渡している。2022年度末現在、BNG銀行は、継続して関与する譲渡され認識中止されたポートフォリオに金融資
産を有していない。BNG銀行が基礎的キャッシュフローへの信用リスクおよび権利を保持している場合、金融資産は貸借対照
表から消去されていない。
集中リスク
集中リスクに関して、BNG銀行では以下のとおり区別している。
・ 国内と国外のリスクを区別したカントリー・リスク
・ セクター・リスク
・ 顧客と金融取引先を区別した個別当事者に対するリスク
セクターおよび個別の取引先に対する集中リスクを管理するため、セクター固有の方針、年間の内部目標および個別の取
引先に対する最大エクスポージャー金額が適用されている。残高合計のうち相当な割合が、公共部門の不動産に間接的に関
連する。しかしながら、これらのリスクは通常、貸付に係る政府保証ならびにWSWおよびWfZ保証基金を通じて軽減される。
これらの保証は、公共体および保証基金に関する集中リスクにつながる。保証基金は、バックストップ構造を通じて中央政
府によって保証されているため、最終的にはオランダ政府に対するエクスポージャーを生み出す。このリスクの集中度は高
いが、BNG銀行のビジネスモデルに固有のものである。
BNG銀行は、貸付業務および資金調達業務から生じる市場リスクをヘッジするための金融取引先との取引の結果として、
流動性ポートフォリオの結果として、また限られた範囲だが、国外の公共部門における貸付および投資との関連で、国外の
カントリー・リスクにさらされている。
貸付金ポートフォリオの大部分はすでにオランダに関連しているため、BNG銀行は、流動性ポートフォリオ向けに外国有
価証券に投資している。外国への貸付も、ほとんどの場合、直接的または間接的に関係政府により保証される。
すべての外国エクスポージャーは、各国ごとに定められた限度内に収まっている。これらの限度は主に、問題になってい
る国の認識されている信用の質に左右される。さらに、貸借対照表上の合計金額の15%という一般的な限度が、デリバティブ
を除く外国エクスポージャー、担保および短期貸付金、ならびに銀行への当座預金残高に適用されている。一部のユーロ圏内
諸国の信用力が悪化したため、BNG銀行はこれらの国のポジションを徐々に減らしている。これは主に、エクスポージャーの
期日到来により実現したことである。
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長期外国エクスポージャー
以下の表は、長期外国エクスポージャーの概要を示す。デリバティブ取引および短期取引(特に銀行との特定の現金担保
によるものを含む)は含まれていない。表示された金額は、貸付元本額で、百万ユーロ単位である。
2022年12月31日現在
額面価額
貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額合計
国際機関
1,554 - - - - 1,554 1,405
国際開発金融機関 - - - - - - -
オーストリア - 896 - - - 896 754
ベルギー - 387 - 122 - 509 492
デンマーク 36 - - - - 36 34
フィンランド - 260 - - - 260 210
フランス 418 1,210 - 5 - 1,633 1,573
ドイツ 581 130 16 - - 727 641
イタリア - 1 16 - 48 65 63
ルクセンブルク 499 - - - - 499 420
ポルトガル - 18 19 - 30 67 66
スペイン 11 150 101 66 - 328 349
英国 275 457 130 458 51 1,371 1,397
73 - - - - 73 61
米国
合計 3,447 3,509 282 651 129 8,018 7,465
2021年12月31日現在
額面価額
貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額合計
国際機関
1,395 - - - - 1,395 1,405
国際開発金融機関 203 - - - - 203 195
オーストリア - 700 - - - 700 713
ベルギー - 355 68 127 - 550 700
デンマーク 42 - - - - 42 41
フィンランド - 260 - - - 260 260
フランス 150 1,286 85 19 - 1,540 1,775
ドイツ 1,028 55 16 - - 1,099 1,147
イタリア - 8 17 - 50 75 73
ルクセンブルク 386 - - - - 386 384
ポルトガル - 16 26 50 30 122 121
スペイン 14 206 244 42 64 570 655
英国 330 422 63 444 117 1,376 2,186
22 - - - - 22 23
米国
合計 3,570 3,308 519 682 261 8,340 9,678
投資不適格項目(すなわち、格付BBB-未満の項目)は、大部分が英国、イタリアおよびポルトガルにおけるエクスポー
ジャーで構成される。これはカバード・ボンドおよび住宅ローン担保証券(RMBS)取引を含む利付有価証券に関係する。英国
の投資不適格のエクスポージャーは、インフラ、教育、エネルギーおよびヘルスケアの分野での少数の民間プロジェクト・
ファイナンスのスキームに関係する。2022年12月31日現在の外国投資不適格エクスポージャーの公正価値合計は、116百万
ユーロ(2021年度末:288百万ユーロ)であった。
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内部/外部格付別エクスポージャー
以下の表は、内部および外部格付別のすべてのエクスポージャーの概要を示している。
2022年12月31日現在 2021年12月31日現在
オンバランス・エクスポージャー オンバランス・エクスポージャー
ソルベンシー・フリーの
(帳簿価額総額) (帳簿価額総額)
貸付金および前渡金
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
合計 合計
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
-低リスク
79,969 1,099 1 81,069 80,700 23 - 80,723
-中リスク 71 169 - 240 127 24 - 151
-高リスク 8 123 116 247 - 42 113 155
-不良債権 - - 276 276 - - 10 10
- - - - -
-未格付
合計 80,048 1,391 393 81,832 80,827 89 123 81,039
2022年12月31日現在 2021年12月31日現在
オンバランス・エクスポージャー オンバランス・エクスポージャー
資本要件の対象となる
(帳簿価額総額) (帳簿価額総額)
貸付金および前渡金
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
合計 合計
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
-低リスク
6,706 303 - 7,009 7,715 8 - 7,723
-中リスク 17 175 - 192 265 207 - 472
-高リスク 30 156 - 186 18 95 5 118
-不良債権 - - 326 326 - - 197 197
76 3 - 79 184 5 - 189
-未格付
合計 6,829 637 326 7,792 8,182 315 202 8,699
2022年12月31日現在 2021年12月31日現在
オンバランス・エクスポージャー オンバランス・エクスポージャー
(帳簿価額総額) (帳簿価額総額)
利付有価証券
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
合計 合計
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
-低リスク
14,950 85 - 15,034 16,137 66 - 16,203
-中リスク - - - - - - - -
-高リスク - - - - - - - -
-不良債権 - - - - - - - -
- - - - -
-未格付
合計 14,950 85 - 15,034 16,137 66 - 16,203
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格付の種類
リスク・クラス
内部格付 外部格付
-低リスク
1~11 AAAからBBB
-中リスク 12~13 BB
-高リスク 14~17 B以下
18~19
-不良債権
個別の法定市場当事者
リスク加重がゼロでない当事者に対するエクスポージャーについては、CRRに基づく大規模エクスポージャー規制を遵守し
なければならない。BNG銀行は、個別エクスポージャーの最大規模に関して、これよりも著しく保守的なアプローチをとって
いる。この制限は、公共部門においてセクターがどの程度固定されているかを考慮に入れている。当事者の個別の格付を基準
として、更なる制限が設けられている。
個別の金融取引先
金融取引先との取引は、主に市場リスクを抑えるために行われている金利スワップおよび通貨スワップで構成されてい
る。BNG銀行は、取引を行う意向のある金融取引先に対する要件として、当該取引先との事業の性質を考慮に入れて、最低格
付を設定している。これによって、利用可能な当事者数を制限している。したがって、承認されている当事者との取引件数は
多い。日々の担保交換は、デリバティブに関する信用リスクを低減するのに役立っている。市場は変動しやすいため、取引先
の破産は市場リスクを引き起こす一方で、デリバティブは他の当事者と再度取り決められる必要がある。金融取引先委員会
が、金融取引先とのポジションを制限および監視している。BNG銀行は、デリバティブの一部について、清算会員を通じて清
算機関経由で中央清算を行っている。この結果、個別の金融取引先に対する集中リスクから清算会員および清算機関に対する
集中リスクへの移行が不可避的に生じている。
ブレグジットにより、BNG銀行は、すべての清算済デリバティブを、英国に本拠を置く清算会員からEUに本拠を置く清算会
員に移管した。ロンドン・クリアリング・ハウス(LCH)はブレグジットに伴う規制変更が一時的に免除されている。このた
め、清算済デリバティブはLCHに残すことができ、LCHにおけるスワップ清算が引き続き可能である。ただし、いずれも関与す
る清算会員がEU企業であることを条件としている。にもかかわらずBNG銀行は、EUに本拠を置く清算機関ユーレックスでの取
引を開始した。これにより、中央清算に関する継続性および柔軟性は達成されている。英国に本拠を置く個別の金融取引先と
の相対限度額は取り消され、EUに本拠を置く個別の金融取引先との限度額に置き換えられた。これらの英国に本拠を置く個別
の金融取引先との相対スワップについては、清算義務が発生するため、まだ完全には移管されていない。英国の清算機関は、
ブレグジットにもかかわらず、2025年6月30日までEU加盟国の顧客にサービスを提供することが認められている。
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市場リスク
定義
市場リスクは、機関の資本および利益に対する既存のまたは将来的な脅威と定義され、市場価格変動の結果として生じ
る。市場リスクには、金利リスク、為替リスク、ボラティリティリスク、スプレッドリスクおよび指数リスクが含まれる。
金利リスク
BNG銀行の最も重要な金利リスクは、金利スワップ・カーブに対する「アウトライト・リスク」であり、これはスプレッド
の影響を除外して算定される。これは、信用スプレッド、CVA/DVAおよびクロスカレンシー・ベーシス・スプレッドなどのス
プレッドの変動は、金利リスク・ポジションおよびヘッジに影響を及ぼさないことを意味する。BNG銀行の通常ローン・ポー
トフォリオには、重要な早期償還オプションは存在しない。同様に、モーゲージに対する重要なエクスポージャーはなく、
BNG銀行は個人からの貯蓄を勧誘していない。その結果、BNG銀行の金利リスクモデルにおいて顧客行動はモデル化されていな
い。
2022年度に金利リスクに関する限度額の違反はなかった。BNG銀行の意見では、BNG銀行の金利リスク管理は適切であり、
規制基準を遵守しており、BNG銀行のリスク選好およびリスク方針で定義されている限度額を遵守している。以下の表は、1
年および2年の期間でプラス100ベーシス・ポイントの瞬時の金利ショックが生じた場合の2022年度末現在のアーニング・
アット・リスクの概要を示している。通常、マイナス影響が最大またはプラス影響が最小となるのは、マイナス100ベーシ
ス・ポイントの瞬時の金利ショックを伴うシナリオにおいてである。この変更の主な理由は、銀行勘定におけるEuriborの固
定と組み合わせた年度末の貸借対照表管理である。
2022年度 2021年度
アーニング・アット・リスク
(単位:百万ユーロ)
期間
1年 (22) 9
(45) 67
2年
為替リスク
BNG銀行は資金の大部分を外貨建てで保有しているため、為替変動にさらされている。しかし、BNG銀行の方針に従い、為
替リスクは額面金額でヘッジされている。ただし、リスクヘッジの費用対効果が合わない場合は、為替ポジションが発生する
可能性がある。このような少額ポジションの為替リスクは日次で監視され、限度額の適用を受ける。2022年度および2021年度
において、限度額違反は生じていない。
ボラティリティリスク
BNG銀行は、金利リスク・エクスポージャーを柔軟かつコスト効率の高い方法で管理できるように、トレジャリー勘定上の
金利ポジションを支えるための限定的な範囲のボラティリティリスクをとることを認めている。この範囲は限定的で、リスク
管理部門により監視されている。
2022年度中は、積極的な金利ポジションを支えるための追加的なボラティリティリスクをとらなかった。他の業務につい
ては、BNG銀行の方針では、新規金融商品のボラティリティリスクは、1対1でヘッジされるべきであると規定している。そ
の結果としてのボラティリティリスクは比較的小さくなり、リスク管理による監視対象となる。
スプレッドリスク
BNG銀行の株主資本の経済的価値は、資産および負債のポートフォリオの総額について決定される。資産および負債は双方
とも、市場ベースのスワップレートに信用リスクスプレッドを加えて作成された金利曲線を基に評価される。金利スワップの
場合、CVAリスク(取引先リスク)およびDVAリスク(BNG銀行自身のデフォルト・リスク)が含まれる。BNG銀行はスプレッド
リスクをヘッジしていない。こうしたスプレッドの変動の影響は日次で測定および監視される。損益または規制資本に影響を
与える公正価値商品については、信用スプレッドのストレス・テストの結果に対して警告レベルが設定されている。
指数リスク
BNG銀行は、物価連動金融商品をポートフォリオに組み込んでいる。BNG銀行は、インフレリスクの変動に対するエクス
ポージャーは、全額ヘッジすることを方針としており、この方針を実行している。インフレーションのデルタは、日次で監視
されている。
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流動性および資金調達リスク
流動性リスクとは、BNG銀行が許容できない費用または損失を被ることなく任意の時期に支払義務を履行できない可能性に
よる、当該機関の自己資本および利益に対する既存または将来の脅威と定義される。公共部門は主に想定投資期間が長期の機
関により構成される。つまり、資産の償還期間は長期であり、中には25年を超えるものもある。BNG銀行はこうした満期に対
して多額の資金を集めることができないため、限定的な資金調達上のミスマッチは許容されている。ストレス時においても許
容可能なコストで借換えを行うために、BNG銀行は十分な流動性バッファーを保有している。
流動性リスク
BNG銀行は、資本市場において安定した存在であることを望んでおり、これは困難な時期でも信用需要に引き続き応える
ことを望んでいることによる。BNG銀行はまた、いつでも確実に義務を履行できる健全な流動性方針を追求している。これに
関連して、短期金融市場および資本市場への継続的なアクセスが重要となり、かつ投資家向けに魅力的で多様かつ十分な額
の発行プログラムを継続して維持することが重要である。さらに、ストレス時においても流動性にアクセスするためには、
バッファーが必要となる。かかるバッファーは、流動性目的を明示して保有する資産(いわゆる流動性ポートフォリオ)に
よって1つ備え付けられている。このポートフォリオの規模および構成の管理は、最低100%のLCRを保持するというCRRの要
件を遵守する流動性測定基準の1つである。またBNG銀行は、ECBに十分な額の担保を保有しており、これにより即時に短期
資金調達が可能になっている。BNG銀行のほとんどの資産はECBへの担保として機能しうるため、この担保は、ストレスが長
期化する場合には積み増される可能性がある。双方のバッファーの規模は流動性ストレス・テストの中でテストされ、月次
ベースで監視されている。さらに、資金調達計画および対応する計画上の流動性ギャップは、LCR比率およびNSFR比率につい
て不利なストレス・シナリオの中でテストされる。BNG銀行は、2022年度における流動性管理は適切であり、BNG銀行の流動
性ポジションの強度は十分であり、規制基準およびALCOが設定した限度を満たしているとみなしている。2022年度末におけ
るLCR比率は189%(2021年度:174%)であり、NSFR比率は125%(2021年度:126%)であった。
資金調達リスク
BNG銀行は、短期と長期の資金調達を区別する。資金調達の大部分は、国際資本市場を通じたものである。BNG銀行は、あ
らゆる場合において競争的な水準で資金を入手できるよう多数のプログラムを維持している。BNG銀行は、こうした努力を支
えることができるよう主体的な投資家との関係を追求している。BNG銀行は、望ましい資金調達構成がより詳細に記載されて
いる資金調達計画を有している。資金調達計画の一部として、「BNGカーブ」を市場で維持するために、ベンチマーク規模の
年間発行額が定められている。これらの大規模な発行により、BNG銀行は機関投資家の間で注目を集めており、市場ストレス
時においても投資家を確保することができる。この資金調達構成の実現はALCOによって監視および評価されている。
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残存契約期間に基づく金融資産および負債の満期分析
下表の表示価額は、金融資産および負債のすべての割引前将来キャッシュフローを示す。これらの金額は割引前であるた
め、貸借対照表上の金額とは異なる。発行済みの保証および取消不能の契約債務に関する満期分析は「オフバランスシート契
約」の項目を参照のこと。
2022年12月31日現在
3か月超 1年超
3か月以下 12か月以下 5年以下 5年超 合計
現金および中央銀行残高
6,896 - - - 6,896
銀行預入金 4 27 155 239 425
差入現金担保 4,144 - - - 4,144
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 96 21 304 1,195 1,616
その他の包括利益を通じて公正価値で
(647) 235 3,299 6,581 9,468
測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 (833) 1,478 4,521 5,246 10,412
貸付金および前渡金 2,799 7,346 29,179 70,524 109,848
未収還付税金 - - - - -
109 - - - 109
その他の資産
金融資産合計(デリバティブを除く) 12,568 9,107 37,458 83,785 142,918
銀行借入金 (100) (70) (3,742) (373) (4,285)
受入現金担保 (1,173) - - - (1,173)
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 0 0 (23) (200) (223)
負債証券 286 (15,517) (43,556) (54,174) (112,961)
受託資金 (10,695) (184) (4,751) (624) (16,254)
劣後債務 (12) (9) (22) - (43)
その他の負債 (87) (8) (41) (115) (251)
- (11) - - (11)
未払税金
金融負債合計(デリバティブを除く) (11,781) (15,799) (52,135) (55,486) (135,201)
総デリバティブ残高
資産未収額 2,152 10,815 16,538 22,036 51,541
(1,788) (10,659) (16,025) (18,813) (47,285)
資産未払額
資産として計上されたデリバティブ 364 156 513 3,223 4,256
負債未収額 703 3,708 15,329 14,284 34,024
(916) (4,774) (16,906) (18,910) (41,506)
負債未払額
負債として計上されたデリバティブ (213) (1,066) (1,577) (4,626) (7,482)
938 (7,602) (15,741) 26,896 4,491
総計
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2021年12月31日現在
3か月超 1年超
3か月以下 12か月以下 5年以下 5年超 合計
現金および中央銀行残高
9,264 - - - 9,264
銀行預入金 23 19 59 74 175
差入現金担保 12,993 - - - 12,993
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 37 41 341 1,238 1,657
その他の包括利益を通じて公正価値で
301 138 2,008 6,135 8,582
測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 40 603 4,689 3,257 8,589
貸付金および前渡金 2,588 8,251 30,624 66,021 107,484
未収還付税金 - - - - 0
20 - - - 20
その他の資産
金融資産合計(デリバティブを除く) 25,266 9,052 37,721 76,725 148,764
銀行借入金 (17) (13,384) (8) (396) (13,805)
受入現金担保 (984) - - - (984)
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 (40) (65) (22) (200) (327)
負債証券 1,404 (14,151) (46,652) (50,237) (109,636)
受託資金 (3,017) (928) (18,952) (1,205) (24,102)
劣後債務 (1) - (32) (11) (44)
その他の負債 (59) (8) (38) (107) (212)
- (29) - - (29)
未払税金
金融負債合計(デリバティブを除く) (2,714) (28,565) (65,704) (52,156) (149,139)
総デリバティブ残高
資産未収額 4,338 4,236 17,829 16,424 42,827
(3,869) (3,420) (15,243) (11,013) (33,546)
資産未払額
資産として計上されたデリバティブ 469 816 2,586 5,410 9,281
負債未収額 2,358 4,019 6,756 10,344 23,476
(2,841) (5,323) (10,479) (20,625) (39,268)
負債未払額
負債として計上されたデリバティブ (483) (1,304) (3,722) (10,282) (15,791)
22,538 (20,001) (29,120) 19,698 (6,885)
総計
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処分に制約がある金融資産および制約がない金融資産
処分に制約がある金融資産は、短期的な流動性需要を満たすために自由に処分することはできない。以下の表は、処分に
制約がある(自由に使用できない)資産と処分に制約がない(自由に使用できる)資産に分類した、金融資産の貸借対照表価
額を示す。
2022年12月31日現在
処分に制約あり 処分に制約なし 合計
現金および中央銀行残高
- 6,821 6,821
銀行預入金 - 346 346
差入現金担保 4,144 - 4,144
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 - 901 901
デリバティブ - 3,737 3,737
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
3,277 4,121 7,398
金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 392 7,244 7,636
貸付金および前渡金 8,552 81,072 89,624
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
- (8,679) (8,679)
貸付金に対する価値調整
- 146 146
非金融資産
合計 16,365 95,709 112,074
33,681 107,690 141,371
2022年度平均(合計)
2021年12月31日現在
処分に制約あり 処分に制約なし 合計
現金および中央銀行残高
- 9,264 9,264
銀行預入金 - 163 163
差入現金担保 12,993 - 12,993
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 - 1,383 1,383
デリバティブ - 5,685 5,685
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
4,594 3,978 8,572
金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 1,443 6,189 7,632
貸付金および前渡金 26,817 62,921 89,738
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
- 13,555 13,555
貸付金に対する価値調整
非金融資産 - 64 64
- 8 8
売却目的保有資産
合計 45,847 103,210 149,057
47,272 116,051 163,323
2021年度平均(合計)
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自己資本およびソルベンシー
定義
規制資本は資本要件規則および資本要件指令Ⅳにおける最低資本要件に関係する。規制目的上、資本要件は、3つの主要な
リスクのタイプ(信用、オペレーショナルおよび市場リスク)に対するリスク加重資産(RWA)総額に係る第1の柱の要件に基
づく。この要件は、いわゆる統合バッファー要件(CBR)および第2の柱要件(P2R)によって補完される。CBRは資本維持バッ
ファー、システミック・リスク・バッファー、カウンターシクリカル・バッファーおよびシステム関連性バッファーで構成さ
れる。P2Rは、監督者が実施する監督上の検証・評価プロセス(SREP)から生じる機関固有の要件である。P2Rは、過小見積り
されたリスクまたは第1の柱で扱われなかったリスクを対象としている。BNG銀行はRWAの計算には「標準的手法」を採用して
いる。
規制上求められる資本に加えて、BNG銀行では第2の柱の目的で経済的資本(EC)の計算を行っている。経済的資本はBNG銀
行のリスク分類におけるすべてのリスクをカバーしているため、資本は予期せぬ損失をカバーする軽減手段と見なされてい
る。経済的資本は、内部リスクの測定基準および管理に用いられている。経済的資本は、極端な市場環境または出来事の結果
から生じる可能性がある大規模な予測しない損失に対して充分な水準の保護を達成する戦略を追求するために、BNG銀行が適切
とみなす資本額である。
ガバナンス
執行取締役会は、資本に関しての方針の決定の責任を負う。これは自己資本ステートメントおよび経営計画において策定さ
れる。執行取締役会は資本配分の責任も負う。意思決定は、資本委員会が行う。この委員会は、すべての関連する利害関係
者、すなわち、執行取締役会、公共ファイナンス部門、トレジャリー部門、資本管理部門、リスク管理部門および財務・管理
部門の代表者により構成される。
動向
2022年12月現在、完全実施されたCRR/CRD Ⅳの普通株式等Tier1(CET1)比率、Tier1比率および総自己資本比率は、それ
ぞれ35%、37%および37%であった。すべての資本比率は規制上の最低要件を大幅に上回るものである。
2023年度にBNG銀行が求められているCET1比率は10.25%で、内訳は、SREP要件9.75%(第1の柱要件4.50%、第1の柱その
他Tier1要件1.50%、第1の柱Tier2要件2%および第2の柱要件1.75%)、その他のシステム上重要な金融機関バッファー
(OSII)1.00%および資本保全バッファー(CCB)2.50%である。BNG銀行はこれらの要件を十分満たしている。BNG銀行の全体
の資本要件水準は13.25%である。
2011年度に、BNG銀行はバーゼルⅢにより導入された追加的資本要件を満たすため配当分配方針を25%に引き下げた。2019年
度以降、BNG銀行の配当分配方針は50%である。2022年度において、BNG銀行の当該方針に変更はなかった。
資本管理
資本管理戦略の主な目的は、内部および外部の自己資本要件が常に満たされており、十分な資本がBNG銀行の戦略を支えるた
めに利用可能であるよう確実にすることである。
資本管理戦略は、BNG銀行のリスク選好およびその事業計画の上に成り立っている。その上、外部の利害関係者(例えば、規
制当局、投資家、格付機関、株主)の期待および要件、他の金融機関と比較したBNG銀行の資本、市場の動向および資本管理行
動の実現性が考慮される。資本化政策は、いわゆる内部自己資本充実度評価プロセス(ICAAP)に含まれている。
本政策の要所は自己資本管理計画であり、これはその自己資本が保証するリスクに基づいて自己資本の水準および構成を決
定する。ICAAPにおいては、規制資本および経済的資本が考慮される。ICAAPの一環として、資本が適切かつ強固なものである
かについて判断するため数多くのストレス・シナリオが実行される。資本の水準の次に、ICAAPは関連するリスクの種類ごとの
配分を決定する。
継続的に、自己資本は目標資本比率に対して測定および監視されている。これらの目標水準はBNG銀行のリスク選好および戦
略から算出され、ICAAPにより数量化されたものである。配分はICAAPから算出される。このプロセスによりBNG銀行は確実にそ
のリスク選好に沿った形で事業を行っている。
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資本構成
BNG銀行の資本は、資本要件規則および資本要件指令Ⅳ(CRD Ⅳ)に定められた資本要件を大幅に上回っている。資本構成
は主に普通株式から成っている。その他の部分はその他Tier1資本商品から成っている。
以下の2つの表は、規制資本の構成を示す。以下の表は、自己資本を示している。
2022年12月31日現在
資本 IFRS株主資本
払込済資本
139 139
資本準備金 6 6
前年度留保利益 3,824 3,824
未処分利益 300
その他の包括利益累計額
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金 14 14
-ヘッジコスト 17 17
-自己信用調整 2 2
4 4
-再評価剰余金
規制上の調整前の普通株式等Tier1(CET1)資本 4,006 4,306
健全性フィルターによるCET1資本の調整:
-分配可能配当金(前年度)
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金 (14)
-デリバティブ負債に関連するBNG銀行の自己の信用リスクから生じる
(2)
累積損益
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債の自己の信用リスク (1)
-健全性評価要件による価値調整 (9)
-無形資産
-OCIを通じて公正価値で測定される金融資産の予想信用損失引当金
-不良債権エクスポージャーに対する引当不足 (15)
リスク加重1250%の代替として適格な証券化ポジションの資本控除
CET1資本 3,965
309 309
その他Tier1資本
Tier1資本 4,274
4,274 4,615
株主資本合計
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2021年12月31日現在
資本 IFRS株主資本
払込済資本
139 139
資本準備金 6 6
前年度留保利益 3,736 3,736
未処分利益 236
その他の包括利益累計額
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金 1 1
-ヘッジコスト 125 125
-自己信用調整 3 3
83 83
-再評価剰余金
規制上の調整前の普通株式等Tier1(CET1)資本 4,093 4,329
健全性フィルターによるCET1資本の調整:
-分配可能配当金(前年度)
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金 (1)
-デリバティブ負債に関連するBNG銀行の自己の信用リスクから生じる
(3)
累積損益
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債の自己の信用リスク -
-健全性評価要件による価値調整 (9)
-無形資産 -
-OCIを通じて公正価値で測定される金融資産の予想信用損失引当金 -
-
-不良債権エクスポージャーに対する引当不足
CET1資本 4,080
733 733
その他Tier1資本
Tier1資本 4,813
4,813 5,062
株主資本合計
健全性フィルター
BNG銀行は、以下の健全性フィルターをCET1資本に適用している。
・キャッシュフロー・ヘッジ準備金は消去されている。
・デリバティブ取引における自己の信用リスクから生じる利益(DVA)は、消去されている。
・純損益を通じて公正価値で測定される金融負債として分類される債務に関連する「自己の信用リスク」から生じる利益
は、消去されている。
・健全性評価に関する規制のため、公正価値で計上される資産および負債の貸借対照表評価に関連して調整が計算されて
いる。
・ソフトウェアの開発投資が実施されており、3年間にわたって償却されている。「繰延税金」調整後、これらの無形資
産の合計が控除されている。
・OCIを通じて公正価値で測定される金融資産の予想信用損失引当金。
控除可能項目
2018年度に、BNG銀行は、CET1資本を、1,250%のソルベンシー加重に適格な証券化ポジション分だけ減少させることを選
択した。2022年度において、ソルベンシー比率が1,250%の証券化ポジションはなかった。
CRD Ⅳ/CRR移行段階における調整
2022年度および2021年度において、OCIを通じて公正価値で測定される金融資産に関連する再評価剰余金部分は、全額が
CET1資本に含まれている。
その他Tier1資本
説明については、連結財務書類項目に対する注記の注記22を参照のこと。
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その他の注記
関連当事者
関連当事者との取引
関連当事者との取引は、独立当事者間の取引と同等の条件で行われた。
2022年12月31日現在 2021年12月31日現在
オランダ政府
購入政府証券の形での直接的なエクスポージャー 860 1,061
政府からの直接的な保証付の貸付金 632 678
48,184 46,818
政府からの間接的な保証付の貸付金(WSW/WFZ)
子会社
子会社への貸付金 3 76
子会社が保有する貸方残高 12 16
- -
子会社に対するオフバランスシート契約
関連会社、共同支配企業および共同事業
関連会社、共同支配企業および共同事業への貸付金 30 49
関連会社、共同支配企業および共同事業が保有する貸方残高 11 10
関連会社、共同支配企業および共同事業に対する
12 30
オフバランスシート契約
BNG銀行に対する支配、共同支配または重要な影響力を有する法人
オランダ政府は、BNG銀行の発行済株式および議決権の50%を所有している。残り50%の株式は多数の株主に分けられてい
るため、事実上オランダ政府がBNG銀行を支配している。その他Tier1資本の保有者は、BNG銀行に対する(共同)支配または
重要な影響力を有していないため、関連当事者の定義に該当しない。BNG銀行は、購入した公開市場で売買可能な政府証券の
形でオランダ政府に対する直接的なエクスポージャーを保有している。またBNG銀行は、政府からの直接的な保証、またはオ
ランダ政府がバックネットとなるWSW(公共住宅)およびWFZ(ヘルスケア)の保証基金からの保証のある、貸付金および前渡
金の大規模なポートフォリオを有している。
子会社
これは、BNG銀行の子会社で連結対象であるHypotheekfonds voor OverheidspersoneelおよびBNG Gebiedsontwikkelingに
関連する。BNG銀行は、これらの当事者との間に会社間取引があり、これらは民間の貸付金および前渡金、当座勘定で保有す
る貸方残高、オフバランスシート契約で構成される。これらの会社間取引はすべて、連結財務書類の数値および注記から消去
されている。
2022年12月、Hypotheekfonds voor Overheidspersoneelはモーゲージ・ポートフォリオ全体を第三者に売却し、その結果
6.7百万ユーロの損失が発生した。
関連会社、共同支配企業および共同事業
これは、関連会社、ならびにBNG Gebiedsontwikkelingが契約を締結した共同支配企業および共同事業に関連する。これら
の当事者のリストは、財務書類の別の注記に記載されている。これらの相手先との取引は、貸付金および前渡金、当座勘定で
保有する貸方残高、オフバランスシート契約(信用供与枠の未使用部分)で構成される。
BNG銀行の執行委員会メンバー
BNG銀行は、BNG銀行の執行委員会または監督取締役会のメンバーに、貸付金、前渡金または保証のいずれも供与していな
い。
BNG銀行の主要な意思決定機関
経営の最も重要な決定および行為は、執行取締役会により行われる。遂行される政策は、監督取締役会による評価と監督
が行われる。
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報酬
2020年度以降、BNG銀行の報酬方針は、固定報酬部分のみで構成されている。2022年度に「特定スタッフ」、すなわちBNG
銀行の方針およびリスクに直接影響を及ぼす個人に与えられた固定報酬合計額は6.8百万ユーロ(2021年度:6.0百万ユーロ)
であった。特定スタッフは2022年度には46名(2021年度:38名)であった。
特定スタッフの報酬は、執行委員会、執行取締役会メンバー直属の上級経営陣およびその他の特定スタッフという3つの
グループに区分できる。
2022年度 2021年度
(単位:千ユーロ)
固定報酬 一時金 固定報酬 一時金
執行委員会
1,454 - 1,359 419
上級経営陣 3,339 625 2,790 417
2,000 - 1,877 -
その他の特定スタッフ
合計 6,793 625 6,026 836
さらにBNG銀行は、事業主年金拠出を毎月支払っている。2015年1月1日以降、100,000ユーロを超える給与について、現
行のオランダ公務員年金基金(ABP)制度下では年金が発生しない。税務上のこの上限および年金発生分減少の結果として、
BNG銀行は、2015年1月1日付でBNG銀行に雇用されていた関係従業員に対し、年金発生分減少の補償を行うことを決定した。
報酬は2015年1月1日現在で固定されており、今後数年間は変更されることはない。2022年度の一時金は、特定スタッフに対
する退職手当のみで構成されていた。
執行委員会の報酬
執行委員会の報酬は、報酬方針に規定される方針に基づいているが、主要点は監督取締役会報告書に記載されている。網
羅的な報酬方針は、bngbank.nl上で公表されている。2002年度以降、固定報酬部分は、銀行業界のための一般的な団体労働協
約に規定される率の分だけ変更されている。2021年度において、繰延変動報酬は発生していない。経営陣および従業員は、
BNG銀行の株式またはオプションを保有しておらず、またBNG銀行の子会社を通じていかなる追加報酬も受領していない。
執行委員会メンバーに与えられた報酬
2022年度 2021年度 2022年度 2021年度 2022年度 2021年度 2022年度 2021年度
(単位:千ユーロ)
100千ユーロ超の
固定報酬 一時金 年金拠出
年金補償
G.J. Salden、CEO
332 318 - - 30 29 - -
O.J. Labe、CFO
353 344 - - 30 30 29 29
J.C. Reichardt、CRO
- 112 - 419 - 9 - 10
(2021年4月14日まで)
C.A.M. van Atteveldt、CRO
303 258 - - 28 24 - -
(2021年2月15日から)
T.M.P. Eterman、CCO
233 138 - - 26 15 - -
(2021年6月1日から)
J. van Goudswaard、COO
233 189 - - 26 22 - -
(2021年3月1日から)
合計 1,454 1,359 - 419 140 129 29 39
最高経営責任者(CEO)、最高財務責任者(CFO)および最高リスク責任者(CRO)は執行取締役会のメンバーでもある。
最高商務責任者(CCO)および最高執行責任者(COO)はメンバーではない。
報告期間中に与えられた報酬は、損益計算書で全額費用として認識されている報酬である。2022年度の損益計算書は、報
酬、一時金および年金費用1.6百万ユーロ(2021年度:2百万ユーロ)を含む。短期報酬合計は、固定報酬および100,000
ユーロを超える給与に係る年金発生分の補償から成る。
2022年度に、執行委員会会長は5,100ユーロ(2021年度:5,100ユーロ)の事業経費手当を受領した。2022年度における執
行委員会の他の法定メンバーに対する手当の上限は3,900ユーロ(2021年度:3,900ユーロ)である。
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監督取締役会の報酬
2017年1月1日から、監督取締役会の報酬は、銀行業界の団体労働協約に基づく増加と同じ割合で増加させることができ
る。監督取締役会の報酬方針は、BNG銀行の業績とは関係なく、市場に整合的な報酬を目指している。監督取締役会の報酬合
計は2022年度に2%減少(2021年度:11%増加)した。この減少は、監督取締役会メンバーの数が2021年度に一時的に増加し
たためである。監督取締役会メンバーの報酬には、BNG銀行の性質、監督取締役会メンバーに求められる資質、自らの任務を
果たすために必要な稼働率、ならびに必要な時間、職責および法的責任の側面が反映される。監督取締役会メンバーは、BNG
銀行の株式またはオプションを保有しておらず、またBNG銀行の子会社を通じていかなる追加報酬も受領していない。
当年度中に任命され、または退任した監督取締役会メンバーは、比例按分ベースで報酬を受領した。監査委員会およびリ
スク委員会、選定・任命委員会、報酬委員会ならびに市場戦略委員会のメンバーは、その職務について追加手当を受領した。
さらに、監督取締役会会長は、基本報酬に加えて追加の手当を受領した。これらの手当は、「監督取締役会メンバーの報酬」
の表に示されている。監督取締役会メンバーは、1,128ユーロ(2021年度:1,100ユーロ)の経費手当を受領した。
1以上の委員会に所属するメンバーは、1委員会当たり各々513ユーロ(監査委員会およびリスク委員会)ならびに308
ユーロ(報酬委員会および人事委員会)の追加経費手当を受領した。
以下に示す額は千ユーロ単位である。これらの数値は追加支払いおよび経費手当を含み、VATを除く。
2022年度 2021年度
(単位:千ユーロ)
H. Arendse、会長
48 48
J.C.M. van Rutte、副会長
35 34
K.T. Bergstein(2021年4月22日から)
39 26
C.J. Beuving(2022年4月22日まで)
13 38
J.B.S. Conijn
39 34
M.E.R. van Elst
35 34
L.K. Geluk(2021年4月22日から)
36 23
J. Kriens(2021年4月22日まで)
- 10
M. Sint(2021年4月22日まで)
- 16
F. de Vries(2021年4月22日から) 38 26
合計 283 289
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オフバランスシート・ポジション
偶発資産
オランダ中央銀行(DNB)は、内部手続上の誤りにより、2020年6月24日
から2021年6月23日までの期間に関連する税引前で57百万ユーロのTLTRO第
三弾の優遇金利を、是正措置にもかかわらず、BNG銀行に付与しなかった。
BNG銀行は、法的助言を受けて、このDNBの決定に対して訴訟を起こしてい
る。
偶発債務
本項目は、BNG銀行が第三者に保証した取引から生じる一切の契約債務を
含む。この保証は限られた範囲内で、公共体の副保証によりカバーされる。
これらは主に、残存契約期間が5年を超える信用状である。BNG銀行は、借
主債務不履行の場合に支払う必要のある原貸付元本額で(偶発)債務を計上
している。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
偶発債務 489 501
取消可能信用供与契約
本項目は、取消可能当座勘定信用供与契約に帰属するすべての契約を含
む。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
取消可能信用供与契約 6,248 5,871
取消不能信用供与契約
本項目は、貸付金および前渡金を供与することになりうる一切の取消不能
の契約債務を含み、以下のとおり区分される。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
与信枠の未使用部分に関する基本契約
2,031 1,990
2,396 2,497
将来実行予定の契約済み貸付金および前渡金
合計 4,427 4,487
かかる契約済みの貸付金および前渡金は、契約に従い以下のとおり区分さ
れる。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
3か月以下
561 847
3か月超12か月以下 807 671
1年超5年以下 958 939
70 40
5年超
合計 2,396 2,497
かかる貸付金および前渡金のほぼすべてが満期5年超の契約期間を有す
る。平均金利は1.87%(2021年度:0.62%)である。BNG銀行は、これらの
債務を未計上の原貸付元本額で表示している。
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処分に制約がある金融資産および負債
金融資産および負債の一部は、これらの資産が短期金融市場取引および融
資取引を保証するために用いられ、担保として差し入れられているため、処
分に制約がある。以下の表は、額面価額および担保価額を示す。
2022年12月31日現在 2021年12月31日現在
額面価額 担保価額 額面価額 担保価額
担保の種類
1
50,399 35,403 47,921 35,209
中央銀行に供与された担保
デリバティブ取引で提供された証券 2,994 2,942 2,368 3,930
デリバティブ取引に関連して
3,263 3,270 14,321 14,314
預けられた現金
担保として差し入れたもの 56,656 41,615 64,610 53,453
デリバティブ取引で受け入れた証券 - - - -
デリバティブ取引に関連して
1,172 1,172 1,054 1,054
受領した現金
担保として受け入れたもの 1,172 1,172 1,054 1,054
55,484 40,443 63,556 52,399
合計
注1 中央銀行に担保として差し入れられた貸付金の価額合計のうち、一部のみが実際に担保として使用されている。2022年
度末現在、顧客の回収ファイルの保証に基づく使用担保の価額は5,856百万ユーロ(2021年度末:20,825百万ユーロ)で
あった。
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取締役会メンバーの負債
BNG銀行の執行取締役会メンバーおよび監督取締役会メンバーは、故意の行為または重過失の場合を除き、BNG銀
行より個人的負債に関し補償される。また、BNG銀行の執行取締役会メンバーおよび監督取締役会メンバーならびに
BNG銀行の1つ以上の関連会社の執行取締役会メンバーまたは監督取締役会メンバーとしてBNG銀行のために行為す
る従業員に対し、BNG銀行は取締役負債保険に加入している。
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貸借対照表日以降の後発事象
貸借対照表日以降、財務書類の数値または開示に調整が必要な報告すべき事象はない。
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利益処分案
(単位:百万ユーロ)
2022年度 2021年度
当期純利益 300 236
(21) (25)
その他Tier1資本に係る利息支払い
株主に帰属する当期利益 279 211
BNG銀行株主に帰属する利益の処分は以下のとおりである
BNG銀行定款第23条(3)所定の「利益剰余金」積立額 28 21
7 7
BNG銀行定款第23条(3)所定の配当金
35 28
BNG銀行定款第23条(4)所定の「利益剰余金」積立額 112 84
132 99
BNG銀行定款第23条(4)所定の配当金
244 183
利益処分は、2022年度の当期純利益合計に基づく。提案された利息支払いに関して税務上の影響はない。配当金は、
2022年5月にその他Tier1資本についてすでに支払済みであり「利益剰余金」に計上されている21百万ユーロを考慮に
入れている。
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関連会社および共同支配企業
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
関連会社
Dataland BV、ロッテルダム
30% 30%
地方自治による、非営利のイニシアティブで、地方自治体および/また
はその他公共事業体所有の登記不動産に関する情報を広く一般に提供する
ことを目的とする。
Data B Mailservice Holding BV、レーク
- 45%
印刷およびメール・サービスから支払関連、直販およびメッセージン
グ・サービスなど、特に、公共部門機関へのサービスを提供している。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
BNG Gebiedsontwikkeling BVにより設立された共同支配企業
自らの費用およびリスクで公共体との合弁開発および土地分譲を行う。
共同支配企業に携わる当事者は同等の議決権を有し、どの当事者も支配権
はない。
CV Ontwikkelingsmaatschappij Zenkeldamshoek、ゴール
80% 80%
Zenkeldamshoek Beheer BV、ゴール
50% 50%
工業団地用地の開発および分譲
De Bulders Woningbouw CV 50%
0%
De Bulders Woningbouw BV 50%
0%
工業団地用地の開発および分譲
Ontwikkelingsmaatschappij Westergo BV、ハルリンゲン
50% 50%
工業団地用地の開発および分譲
Ontwikkelingsmaatschappij 'Het Nieuwe Westland' CV、ハーグ
50% 50%
Ontwikkelingsmaatschappij 'Het Nieuwe Westland' BV、ハーグ
50% 50%
住宅建設用地の開発および分譲
Ontwikkelingsmaatschappij ROM-S CV (Schelluinen)、ハーグ
50% 50%
ROM-S Beheer BV (Schelluinen)、ハーグ
50% 50%
工業団地用地および駐車施設用地の開発および分譲
Project Suijssenwaerde CV、ハーグ
80% 80%
Project Suijssenwaerde Beheer BV、ハーグ
50% 50%
住宅建設用地および娯楽施設用地の開発および分譲
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2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
CV Bedrijvenpark Oostflakkee、ハーグ
80% 80%
Bedrijvenpark Oostflakkee Beheer BV、ハーグ
50% 50%
工業団地用地の開発および分譲
SGN Bestaand Rijsenhout CV、ハーグ
50% 50%
SGN Nieuw Rijsenhout CV、ハーグ 50% 50%
SGN Advies CV、ハーグ
43% 43%
SGN Bestaand Rijsenhout Beheer BV、ハーグ
50% 50%
SGN Nieuw Rijsenhout Beheer BV、ハーグ
50% 50%
SGN Advies BV Beheer、ハーグ
50% 50%
Stallingsbedrijf Glastuinbouw Nederland Groep BV、ハーグ
50% 50%
温室園芸用地の開発および分譲
Ontwikkelmaatschappij Meerburg CV、ズーターワウデ
50% 50%
Ontwikkelmaatschappij Meerburg Beheer BV、ズーターワウデ
50% 50%
住宅建設用地、スポーツ競技用地およびオフィスビル用地の開発および
分譲
Ontwikkelcombinatie De Bongerd CV、アムステルダム
14% 14%
Ontwikkelcombinatie De Bongerd BV、アムステルダム
14% 14%
住宅建設および駐車施設用の不動産開発
Regionaal bedrijvenpark Laarakker CV、クアイク
0% 50%
Regionaal bedrijvenpark Laarakker BV、クアイク
0% 50%
工業団地用地の開発および分譲
Wonen Werken Waterman BV、レイスベルゲン
50% 50%
Wonen Werken Waterman CV、レイスベルゲン
50% 50%
住宅建設用地および工業団地用地の開発および分譲
De Jonge Voorn BV、ガイスフェルト(ザーンダム)
80% 80%
De Jonge Voorn CV、ガイスフェルト(ザーンダム)
80% 80%
住宅建設用地の開発および分譲
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要約財務情報
2022年度 2021年度
関連会社
0 3
投資の貸借対照表価額(注記10)
以下の持分の価額:
資産合計 0 5
負債合計 0 1
収益 0 5
継続事業からの損益 0 1
株主資本 0 3
0 2
包括利益
2022年度 2021年度
BNG Gebiedsontwikkeling BVにより設立された共同支配企業
24 25
投資の貸借対照表価額(注記10)
以下の持分の価額:
資産合計 63 66
負債合計 33 36
収益 40 13
継続事業からの損益 10 6
株主資本 31 30
31 30
包括利益
BNG Gebiedsontwikkeling(BNG銀行の完全所有子会社)は、地方自治体と連携で自己の勘定によって土地への投資およびそ
の開発を行っている。この連携は、リミテッド・パートナーシップを利用した共同支配企業の形式をとる。BNG銀行が負うリ
スクは、参加持分に投資された資本合計額であり、さらなる将来の支払債務および留保利益で増大する。2022年度末現在、こ
のリスクは共同支配企業で24百万ユーロ(2021年度:共同支配企業で25百万ユーロ、売却目的保有の共同支配企業で8百万
ユーロ)であり、いずれも将来の支払債務には関連していない(2021年度:0百万ユーロ)。
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非連結ストラクチャード・エンティティへの関与
2022年度 2021年度
証券化
範囲
22,065 31,983
エンティティへの関与(貸借対照表価額/規模(%))
25% 22%
持分/投資の貸借対照表価額:
償却原価で測定される利付有価証券(注記7)
5,409 4,833
貸借対照表価額合計
5,409 4,833
最大エクスポージャー
5,409 4,833
貸借対照表価額の最大エクスポージャーに対する比率
1 1
種類別の収益金額:
ファンドのリターン
該当なし 該当なし
管理報酬
該当なし 該当なし
受取利息
24 (3)
売却損益
0 0
収益合計
24 (3)
ストラクチャード・エンティティを通じた非連結の証券化およびカバード・ボンド・プログラムへの関与
BNG銀行は、非連結ストラクチャード・エンティティを通じた追加保証でカバーされた証券化利付有価証券に対する投資を
有している。モーゲージ・ポートフォリオが証券化およびカバード・ボンドの担保となる。BNG銀行を含む投資家が拠出した
ファンドは、原資産であるモーゲージの資金調達源となる。ストラクチャード・エンティティは、投資管理および関連した資
金移動以外の活動を行わない独立の事業体である。利付有価証券の投資家としてのその持分以外に、BNG銀行は、これらのスト
ラクチャード・エンティティへの融資もしくはいかなる他の方法での支援も行っておらず、近い将来その意図もない。BNG銀行
は、いかなる資産もこれらのストラクチャード・エンティティに譲渡していない。
ハーグ、2023年3月17日
執行取締役会
Gita Salden(CEO)、法定取締役
Olivier Labe(CFO)、法定取締役
Cindy van Atteveldt - Machielsen(CRO)、法定取締役
監督取締役会
Huub Arendse、会長
Jan van Rutte、副会長
Karin Bergstein
Johan Conijn
Marlies van Elst
Leonard Geluk
Femke de Vries
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利益処分前の個別貸借対照表
(単位:百万ユーロ)
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
注記
資産
現金および中央銀行残高 1 6,821 9,264
銀行預入金 2 346 163
差入現金担保 3 4,144 12,993
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 4 901 1,383
デリバティブ 5 3,737 5,685
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 6 7,398 8,572
償却原価で測定される利付有価証券 7 7,636 7,632
貸付金および前渡金 8 89,626 89,710
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する
9 (8,679) 13,555
価値調整
参加持分 10 34 58
有形固定資産 11 13 15
109 20
その他の資産 12
資産合計 112,086 149,050
負債
銀行借入金 13 4,012 19,525
受入現金担保 14 1,173 984
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 15 185 310
デリバティブ 16 6,129 16,935
負債証券 18 90,774 101,355
受託資金 19 4,797 4,521
劣後債務 20 38 36
未払税金 17 11 30
繰延税金負債 17 14 77
338 215
その他の負債 21
負債合計 107,471 143,988
株主資本
資本金 139 139
資本準備金 6 6
法定準備金
-再評価剰余金 4 83
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金 14 1
-公正価値変動準備金 150 173
利益剰余金 3,674 3,563
自己信用調整 2 3
ヘッジコスト準備金 17 125
300 236
当期純利益
株主に帰属する持分 22
4,306 4,329
309 733
その他Tier1資本 22
株主資本合計 22 4,615 5,062
負債および株主資本合計 112,086 149,050
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個別損益計算書
(単位:百万ユーロ)
2022年度 2021年度
注記
-実効金利法を用いて計算した受取利息
3,767 4,195
403 216
-その他の受取利息
受取利息合計
4,170 4,411
-実効金利法を用いて計算した支払利息 3,607 3,919
74 85
-その他の支払利息
支払利息合計
3,681 4,004
489 407
利息損益 23
-受取手数料 23 20
4 3
-支払手数料
手数料損益 24 19 17
金融取引損益 25 113 100
参加持分による損益 26 3 5
0 0
その他の収益
収益合計 624 529
人件費 27 73 56
その他の一般管理費 28 38 47
減価償却費 29 2 3
0 0
その他の営業費用
営業費用合計 113 106
金融資産の減損損失純額 30 51 20
参加持分の減損損失純額 0 -
破綻処理基金への拠出 31 20 2
32 53
銀行税 31
その他の費用合計 103 75
税引前当期利益 408 348
法人所得税費用 108 112
当期純利益 300 236
-うちその他Tier1資本所有者に帰属 21 25
-うち株主に帰属 279 211
参照番号は個別財務書類に対する注記を示している。個別財務書類に対する注記は、個別財務書類の不可欠な一部である。
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有価証券報告書
個別包括利益計算書
(単位:百万ユーロ)
以下の計算書の数値はすべて税引後である。
2022年度 2021年度
当期純利益
300 236
株主資本で直接認識される組替調整される損益
キャッシュフロー・ヘッジ準備金の変動:
-未実現価額の変動 13 (10)
0 -
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
13 (10)
ヘッジコスト準備金の変動:
-未実現価額の変動 (109) (62)
1 3
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
(108) (59)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
される金融資産に係る再評価剰余金の変動:
-未実現価額の変動 (36) 45
(43) (48)
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
(79) (3)
組替調整される損益合計 (174) (72)
株主資本で直接認識される組替調整されない
損益:
-FVTPLで測定するものとして指定された
金融負債の信用リスクの変動に起因する (1) (2)
公正価値の変動
-数理上の損益の変動
(1) (2)
組替調整されない損益合計
株主資本で直接認識される損益 (175) (74)
125 162
合計
-うちその他Tier1資本所有者に帰属 21 25
-うち株主に帰属 104 137
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有価証券報告書
個別キャッシュフロー計算書
(単位:百万ユーロ)
2022年度 2021年度
営業活動によるキャッシュフロー
税引前当期利益
408 348
調整:
-減価償却費
2 3
-減損
51 20
-純損益を通じて測定される未実現損益
(62) (43)
営業資産および負債の変動:
-銀行預入金および借入金(要求払以外)の変動
(830) (194)
-差入現金担保および受入現金担保の変動
11,731 6,359
-貸付金および前渡金の変動
1,754 1,151
-受託資金の変動
279 (1,138)
-デリバティブの変動
1,782 574
-支払法人税
(127) (81)
-営業活動によるその他の変動
(441) (393)
営業活動によるキャッシュフロー純額
14,547 6,606
投資活動によるキャッシュフロー
投資および取得:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
(108) (9)
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
(5,407) (8,322)
-償却原価で測定される利付有価証券
(1,544) (850)
-有形固定資産
- (1)
処分および償還:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
195 82
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
5,192 9,215
-償却原価で測定される利付有価証券
1,011 1,211
-子会社、関連会社および共同支配企業に対する投資
26 -
投資活動によるキャッシュフロー純額
(635) 1,326
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有価証券報告書
2022年度 2021年度
財務活動によるキャッシュフロー
受取額:
-中央銀行供給資金(TLTRO)への参加
- 7,500
-負債証券
474,163 285,071
支払額:
-中央銀行供給資金(TLTRO)の償還
(14,787) -
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
(105) (354)
-負債証券
(475,071) (292,980)
-劣後債務
- (1)
-その他Tier1資本に係る利息支払い
(23) (25)
-株主に対する配当金
(127) (172)
-その他Tier1資本の償還
(424)
財務活動によるキャッシュフロー純額
(16,374) (961)
現金および現金同等物の純変動
(2,462) 6,971
1月1日現在の現金および現金同等物
9,286 2,315
12月31日現在の現金および現金同等物
6,824 9,286
12月31日現在の現金および現金同等物:
-現金および中央銀行残高
6,821 9,264
-銀行預入金項目における現金同等物
4 23
-銀行借入金項目における現金同等物
(1) (1)
6,824 9,286
営業活動によるキャッシュフローに対する注記
受取利息額
4,291 4,363
支払利息額
(3,745) (3,990)
546 373
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BNG銀行N.V.(E06075)
有価証券報告書
個別株主資本変動計算書
(単位:百万ユーロ)
以下の計算書の数値はすべて税引後である。
キャッ
公正
株主に
シュフ
価値 自己 帰属
ロー・ ヘッジ その他
資本 変動 信用 利益 する
再評価 ヘッジ コスト 未処分 Tier1
資本金 準備金 剰余金 準備金 準備金 調整 準備金 剰余金 利益 持分 資本 合計
2021年1月1日
139 6 86 11 186 5 184 3,747 0 4,364 733 5,097
現在の残高
包括利益合計 (3) (10) (2) (59) 236 162 162
公正価値変動
(13) 13 0 0
準備金 への振替
BNG銀行株主に
(172) (172) (172)
対する配当金
その他Tier1
資本所有者に (25) (25) (25)
対する利息支払い
2021年12月31日
139 6 83 1 173 3 125 3,563 236 4,329 733 5,062
現在の残高
包括利益合計 (79) 13 (1) (108) 300 125 125
その他Tier1
(424) (424)
資本の償還
公正価値変動
(23) 23
準備金 への振替
BNG銀行株主に
(127) (127) (127)
対する配当金
その他Tier1
資本所有者に (21) (21) (21)
対する利息支払い
前年度利益処分額 236 (236)
2022年12月31日
139 6 4 14 150 2 17 3,674 300 4,306 309 4,615
現在の残高
BNG銀行は、個別株主資本のうち少数株主持分により第三者に帰属する損益を認識していない。その他Tier1資本を除く株主
資本全体は、株主に帰属している。
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BNG銀行N.V.(E06075)
有価証券報告書
個別財務書類の会計原則
個別財務書類は、国際会計基準審議会(IASB)により発行され欧州連合(EU)全域で採用されている国際財務報告基準
(IFRS)およびオランダ民法典第2編第9章に準拠して作成される。個別財務書類は、別段の記載がない限り、ユーロ(単
位:百万ユーロ)で作成される。ユーロは、BNG銀行の機能通貨および報告通貨として使用される。財務会計原則に関しては、
以下に記載の会計原則を除き、連結財務書類の会計原則に対する注記を参照している。
参加持分
貸借対照表項目の参加持分は、持分法で計上される。
公正価値変動法定準備金
オランダ民法典第2編第390条第1項に準拠して、自己資本保護の目的で、通常の市場での取引価格が存在しない貸借対照表
の資産として計上される金融商品の公正価値増加に関して、自由に分配可能な剰余金(その他の剰余金)または自由に分配可
能な利益(未処分利益)の負担によって、法定準備金を維持することが要求される。
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BNG銀行N.V.(E06075)
有価証券報告書
個別財務書類に対する注記
(単位:百万ユーロ)
注記30および33は、2022年度における減損対象の金融資産の減損のス
テージ別内訳の概要および予想信用損失引当金の変動の詳細を表示してい
る。
連結財務書類に対する注記34には、満期までの残存契約期間別の貸借対
照表価額の内訳(要求払および要求払でないもの)が含まれている。
関連当事者に関する開示については、連結財務書類を参照のこと。
1 現金および中央銀行残高
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
手許現金
0 0
6,821 9,264
中央銀行当座預金残高(要求払)
合計 6,821 9,264
2 銀行預入金
「銀行預入金」の項目は、償却原価で測定される銀行に対するすべ
ての債権を含む。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
短期貸付金および当座預金残高
4 23
342 140
長期貸付
合計 346 163
3 差入現金担保
現金担保は、ネッティング契約に基づき第三者に差し入れられてお
り、そのため、BNG銀行が自由に使用できるものではない。
4 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
本項目は以下を含む。
-強制的に純損益を通じて公正価値で測定される金融資産。これは、
SPPIテストを満たさなかった金融資産に関連している。
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資
産。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
強制的にFVTPLで測定
貸付金および前渡金 33 69
FVTPLで測定されるものとして指定
貸付金および前渡金 238 464
630 850
利付有価証券
合計 901 1,383
2022年度末の貸付金および前渡金ならびに利付有価証券の償還価額
合計は877百万ユーロ(2021年度:979百万ユーロ)である。注記25
は、純損益を通じて認識される公正価値の変動を表している。
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5 デリバティブ
本貸借対照表項目は、セトル・トゥ・マーケットではないデリバ
ティブの正の公正価値を含む。注記25は、純損益を通じて認識される公
正価値の変動を表している。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
77 267
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 1,763 2,248
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 1,721 3,156
176 14
STMデリバティブ契約に関連する債権
合計 3,737 5,685
6 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
本項目は、「回収および売却のために保有」するビジネスモデルに
おいて保有され、BNG銀行が公正価値オプションを使用していない購入
利付有価証券を含む。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
政府
3,852 5,267
国際機関
1,405 1,405
信用機関
2,131 1,900
その他の機関
10 -
合計 7,398 8,572
認識中止を伴わない譲渡
2022年度末現在、BNG銀行は、レポ取引において、認識中止を伴わず
に、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産332百万
ユーロ(2021年度:218百万ユーロ)を譲渡している。
7 償却原価で測定される利付有価証券
これには、「回収のために保有」するビジネスモデルにおいて保有
され、BNG銀行が公正価値オプションを適用していない購入利付有価証
券が含まれる。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
1,314 1,318
政府
5,615 5,295
その他の金融機関
709 1,021
非金融機関
(2) (2)
信用損失引当金
7,636 7,632
合計
2022年度末現在、BNG銀行は、レポ取引において、認識中止を伴わず
に、償却原価で測定される利付有価証券333百万ユーロ(2021年度:
520百万ユーロ)を譲渡している。
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8 貸付金および前渡金
貸付金および前渡金の項目には、SPPIテストを満たす顧客に対する
短期および長期の貸付金、ならびに顧客による当座借越が含まれる。す
べてのポジションは、「回収のために保有」するビジネスモデルにおい
て保有される。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
1,481 2,603
短期貸付金および当座預金残高
88,293 87,335
長期貸付
89,774 89,938
(148) (228)
信用損失引当金
89,626 89,710
合計
9 ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整
これは、ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金および前渡
金のヘッジ対象金利リスクの有効部分の価値調整を指す。
2022年度 2021年度
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する
価値調整 の変動
期首残高 13,555 20,816
未実現部分の期中変動 (22,154) (6,021)
期中償却 (61) (1,164)
(19) (76)
売却による期中実現
期末残高 (8,679) 13,555
10 参加持分
2022年12月31日 2021年12月31日 2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在 現在 現在
参加持分割合 貸借対照表価額
子会社
BNG Gebiedsontwikkeling BV、ハーグ
100% 100% 35 49
Hypotheekfonds voor
(1) 6
100% 100%
Overheidspersoneel BV、ハーグ
小計 34 55
関連会社
Dataland BV、ロッテルダム
30% 30% 0 0
Data B Mailservice BV、レーク - 3
0% 45%
小計 0 3
合計 34 58
BNG銀行の子会社および関連会社の記載については、それぞれ本書の
「その他の情報」の項目および連結財務書類の「関連会社および共同支配
企業」の項目を参照のこと。関連会社の要約財務情報については、「要約
財務情報」の項目を参照のこと。
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11 有形固定資産
2022年 2021年 2022年 2021年 2022年 2021年 2022年 2021年
度 度 度 度 度 度 度 度
不動産 設備 使用権資産 合計
取得原価
期首残高 49 49 27 26 2 2 78 77
投資 0 - 0 1 0 0 0 1
- - 0 - 0 -
処分
12月31日現在の価値 49 49 27 27 2 2 78 78
減価償却費
1月1日現在の
39 38 24 22 0 0 63 60
減価償却累計額
0 1 2 2 0 0 2 3
期中の減価償却費
12月31日現在の
39 39 26 24 0 0 65 63
減価償却累計額
合計 10 10 1 3 2 2 13 15
見積耐用年数
33 1/3年
建物
専用設備 15年
機械および在庫 5年
使用権資産 5年
ハードウェアおよびソフトウェア 3年
負債の担保として差し入れられている有形固定資産はない。
12 その他の資産
2022年度末のその他の資産は109百万ユーロ(2021年度:20百万ユー
ロ)で、主に顧客への貸付による債権で構成されている。
13 銀行借入金
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
当座預金残高
1 1
中央銀行供給資金(TLTRO) 3,471 18,350
預金 140 666
400 508
民間借入
合計 4,012 19,525
14 受入現金担保
2022年度末の現金担保は338百万ユーロ(2021年度:216百万ユーロ)
で、ネッティング契約に基づき第三者から受け入れたものであり、そのた
め、BNG銀行が自由に使用できるものではない。
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15 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
本項目は、純損益を通じて公正価値の変動を認識する、公正価値で測定
するものとして指定された負債証券を含む。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
公募負債証券
169 292
16 18
私募負債証券
合計 185 310
2022年度末の負債証券の償還価額合計は168百万ユーロ(2021年度:265
百万ユーロ)である。2022年度末の金融負債の帳簿価額と償還価額の間の
差異は17百万ユーロ(2021年度:44百万ユーロ)である。「自己の信用リ
スク」のマークアップを含む関連する資金調達カーブについて、金融負債
は純損益を通じて公正価値で測定されている。価値変動の合計(税引前)
は3百万ユーロのプラス(2021年度:4百万ユーロのプラス)であった。
自己の信用リスクによる公正価値の変動は、その他の包括利益を通じて認
識されている。これらの変動は、「自己の信用リスク」のマークアップを
含む関連する資金調達カーブを使用した評価額と、このマークアップを含
まない関連する資金調達カーブを使用した評価額を比較することによって
算定される。注記25は、純損益を通じて認識される価値の変動を表してい
る。
16 デリバティブ
本貸借対照表項目は、セトル・トゥ・マーケットではないデリバティブ
の負の公正価値を含む。注記25は、純損益を通じて認識される公正価値の
変動を表している。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
390 724
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 3,341 14,879
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 2,398 1,332
- 1
STMデリバティブ契約に関連する債務
合計 6,129 16,936
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17 税金
BNG銀行は、従業員給付引当金に係る数理上の損益、再評価剰余金、
自己信用調整、その他Tier1資本に係る利息支払いおよびキャッシュフ
ロー・ヘッジ準備金について繰延税金負債を認識しており、これらはす
べて株主資本において直接変動する。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
未収還付税金
0 0
未払税金 (11) (30)
(14) (77)
繰延税金負債
合計 (25) (107)
BNG銀行およびオランダ税務当局は、IFRS第9号に従って、2021年度
か ら 2023 年 度 ま で の 期 間 の 相 対 契 約
(「vaststellingsovereenkomst」)を2021年度に締結した。この相対
契約は、BNG銀行の納税グループ全体に適用される。この契約により、
「純損益を通じて公正価値で測定される金融資産」に分類される取引を
除く全金融商品は、会計上も税務上もIFRSの評価原則により計上され
る。税務上、このカテゴリーにおけるすべての取引は、原価または市場
価値のいずれか低い方で評価される。貸借対照表上で未実現損失が発生
した場合、税務上の損益は会計上の損益と異なる。再評価剰余金が増加
すると、原価の水準を超えない範囲で当該増加額が税務上の年間利益に
追加される。
実効税率と表面税率の調整は以下のとおりである。
2022年度 2021年度
税引前当期利益 408 348
表面税率で課された税金
(105) (87)
過年度税金調整 0 0
参加持分免除 1 1
その他Tier1資本に係る損金算入利息 4 6
(8) (32)
損金不算入費用(銀行税および過小資本)
実効税金 (108) (112)
表面税率
25.8% 25.0%
26.5% 32.2%
実効税率
2022年度
株主資本を 純損益を
期首残高 期末残高
通じた変動 通じた変動
繰延税金の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で
(28) 27 - (1)
測定される金融資産
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 (45) 33 - (12)
自己信用調整 (1) 1 - 0
その他Tier1資本 (4) 2 - (2)
1 0 - 1
従業員給付引当金
合計 (77) 63 - (14)
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2021年度
株主資本を 純損益を
期首残高 期末残高
通じた変動 通じた変動
繰延税金の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定さ
(29) 1 - (28)
れる金融資産
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 (65) 20 - (45)
自己信用調整 (1) - - (1)
その他Tier1資本 (4) 0 - (4)
1 - - 1
従業員給付引当金
合計 (98) 21 - (77)
18 負債証券
本項目は、固定または変動金利の債券およびその他の発行済負債証券
を含む。発行に際しては、売却済債券は関連する債券から控除される。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
ボンド・ローン
81,970 90,482
コマーシャル・ペーパー 3,729 7,398
5,075 3,475
私募負債証券
合計 90,774 101,355
19 受託資金
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
当座預金残高
3,484 2,800
短期預金 51 320
1,262 1,401
長期預金
合計 4,797 4,521
20 劣後債務
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
劣後債務 38 36
合計 38 36
21 その他の負債
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
従業員給付引当金
2 2
その他の引当金 21 -
315 213
その他の負債
合計 338 215
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従業員給付引当金は、在職中および退職済の従業員の両方に付与さ
れるモーゲージ・ローンの金利割引に関する引当金1百万ユーロ
(2021年度:1百万ユーロ)および長期有給休暇引当金1百万ユーロ
(2021年度:1百万ユーロ)の2つの部分で構成される。引当金はい
ずれも長期的なものである。
その他の引当金は、BNG銀行が受け入れた担保に係る請求権によるも
のである。
モーゲージ・ローンの金利割引に関する確定給付および長期有給休
暇引当金に関係する負債純額の現在価値の変動は以下のとおりであ
る。
2022年度 2021年度
従業員給付引当金
1月1日現在の負債純額 2 2
0 0
引当金の変動
12月31日現在の負債純額 2 2
その他の負債は、主にデリバティブおよび顧客への貸付に関連する
債務で構成される。
22 株主資本
連結後、BNG銀行は少数株主持分を有していないため、その他Tier1
資本を除く、連結株主資本全体が株主に帰属する。以下に、株主資本
の各項目に関する説明を記載する。
2022年12月31日 2021年12月31日
現在 現在
資本金
139 139
資本準備金 6 6
再評価剰余金 4 83
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 14 1
自己信用調整 2 3
ヘッジコスト 17 125
公正価値変動準備金 150 173
利益剰余金 3,674 3,563
300 236
未処分利益
株主に帰属する持分
4,306 4,329
309 733
その他Tier1資本
合計 4,615 5,062
2022年度 2021年度
発行済払込済株式数
55,690,720株 55,690,720株
2.50 1.93
1株当たり提案配当金(単位:ユーロ)
提案配当金
-定款所定の基本配当金 7 7
132 100
-基本配当金を上回る提案配当金
合計 139 107
2022年度の提案配当金は、2022年度にその他Tier1資本についてす
でに支払済みの23百万ユーロ(税引前)の利息支払いを加味してい
る。当該支払は「利益剰余金」に計上された。
2021年度については、127百万ユーロの配当金が2022年度上半期に開
催された株主総会に提案され、2022年4月に当行株主に分配された。
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資本金
授権資本は、各額面金額2.50ユーロの株式1億株から構成され、そ
のうち55,690,720株が発行済かつ全額払込済である。流通している株
式数には当該年度において変動はなかった。BNG銀行およびその子会社
は当行株式を保有していない。
株式には優先権はなく、制限を受けることもない。株式発行を受け
る権利を得るために行使されうるオプションはない。
資本準備金
2022年度および2021年度において、変動はなかった。
再評価剰余金
2022年度末現在、再評価剰余金4百万ユーロは、未実現価額の変動
883百万ユーロ(2021年度:338百万ユーロ)を含む。ただし、ヘッジ
会計を適用する利付有価証券の金利リスクのヘッジされた部分の価値
は除かれ、これは「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
金融資産」で認識される。再評価剰余金は税額調整されている。当該
資産が売却される場合、株主資本で認識される関連累積損益は損益計
算書に振り替えられる。
キャッシュフロー・ヘッジ準備金
為替レートの変動に伴う、キャッシュフロー・ヘッジ関係に含まれ
るデリバティブの未実現の価値変動の有効部分は、キャッシュフ
ロー・ヘッジ準備金で認識される。キャッシュフロー・ヘッジ準備金
は税額調整される。
自己信用調整
自己信用調整は、税引後で2百万ユーロ(2021年度:3百万ユー
ロ)であった。当該調整は純損益を通じて公正価値で測定される金融
負債の信用リスクの変動に関連する。
ヘッジコスト準備金
ヘッジコスト準備金には、ヘッジ会計を適用するクロスカレン
シー・スワップの外貨ベーシス・スプレッドの変動が計上され、当該
準備金はヘッジ期間にわたって償却される。累積変動額は、ヘッジ手
段の満期までにはゼロまで減少する。
利益剰余金
定款所定の分配可能利益の処分につき決定した後、株主総会におい
て利益剰余金に充当される残りの利益の部分を定める。2022年度に
は、配当金127百万ユーロ(2021年度:101百万ユーロ)の支払いが予
定されていた。2022年度には、23百万ユーロ(2021年度:25百万ユー
ロ)(税引前)がその他Tier1資本所有者に分配され、「利益剰余
金」に計上された。
未処分利益
貸借対照表は利益処分前に作成される。本項目は、法人税控除後の
損益合計を示す。
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その他Tier1資本
2015年度に発行したトランシェ(額面金額424百万ユーロ)は、2022
年5月16日に額面で償還されている。2022年12月31日現在、当行のそ
の他Tier1資本は309百万ユーロである。本商品は、CRR要件およびEBA
指針に沿って組成されており、その他Tier1資本として認められてい
る。その他Tier1資本は、元本残高に対する年1回の非累積型の利息
を裁量的に支払う永久ローンに関係し、CET1比率が5.125%を下回っ
た場合に一時的に切下げられる。切下げがあった場合、この金額は
「利益剰余金」に振り替えられることになる。「利益剰余金」からの
切下げは、トリガー比率が5.125%超に回復した時点で一定の条件下で
戻入れ(切上げ)ができる。BNG銀行は、利息の支払いを裁量ベース
で、「その他の剰余金」を源泉とする利息支払いの形で分配する権利
を有している。利息支払いは、その時点での元本金額に基づいて決定
される。分配された利息支払いは法人所得税上の損金算入が可能であ
る。BNG銀行は、発行したその他Tier1資本を償還する一方的な契約上
のオプションを有している。2016年度に発行したトランシェ(額面金
額309百万ユーロ)は、2022年5月から毎年償還することができる。当
行は、このトランシェを償還しないことを選択したが、毎年5月に償
還することができる。
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23 利息損益
実効金利法を用いて計算した受取利息は、金融負債に係るマイナス
の支払利息を含め、従来の金融商品およびヘッジ会計を適用するデリ
バティブから生じるすべてのプラスの利息損益を含む。また、その他
の信用関連受取収益も本項目に含まれる。減損対象の資産に係る受取
利息は、予定される金利キャッシュフローが受領される限り、当初の
実効金利で認識される。
実効金利法を用いて計算した支払利息は、金融資産に係るマイナス
の受取利息を含め、通常の金融商品およびヘッジ会計を適用するデリ
バティブから生じるすべてのマイナスの利息損益を含む。借入費用お
よびその他の利息関連費用も認識される。
その他の受取利息および支払利息は、主にヘッジ会計を適用しない
デリバティブの利息損益、ならびに公正価値で測定される金融資産お
よび金融負債の利息損益で構成される。
2022年度 2021年度
受取利息
実効金利法を用いて計算した受取利息:
-償却原価で測定される金融資産 1,950 1,861
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 65 70
-ヘッジ会計を適用するデリバティブ 1,611 2,102
141 162
-金融負債に係るマイナスの支払利息
3,767 4,195
その他の受取利息:
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産 61 54
-強制的に純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 2 2
-ヘッジ会計を適用しないデリバティブ 327 160
13 -
-その他
403 216
受取利息合計 4,170 4,411
支払利息
実効金利法を用いて計算した支払利息:
-償却原価で測定される金融負債 1,628 1,285
-ヘッジ会計を適用するデリバティブ 1,832 2,352
147 282
-金融資産に係るマイナスの支払利息
3,607 3,919
その他の支払利息
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債 8 25
-ヘッジ会計を適用しないデリバティブ 59 57
7 3
-その他
74 85
支払利息合計 3,681 4,004
489 407
利息損益合計
2022年度の受取利息には、「償却原価で測定される金融資産」(注
記7および8)および「その他の包括利益を通じて公正価値で測定さ
れる金融資産」(注記6)に関連する金融資産に係る受取利息22百万
ユーロ(2021年度:11百万ユーロ)が含まれており、これらは減損の
対象である。
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24 手数料損益
受取手数料
本項目は、第三者に提供したサービスによる収入を含む。
2022年度 2021年度
貸付および信用供与による収入
13 11
10 9
決済サービスによる収入
合計 23 20
支払手数料
本項目は、貸付金、信用供与および決済サービスに関連して第三者
の行ったサービスに関連する合計4百万ユーロ(2021年度:3百万
ユーロ)の費用から成る。
25 金融取引損益
本項目は、実現および未実現の市場価値調整に分類した金融取引に
係る損益を含む。
2022年度 2021年度
信用スプレッドおよび流動性スプレッドの変動に起因する純損益を通
じて公正価値で測定する以下の金融資産の市場価値変動:
-利付有価証券 (25) (13)
(5) 4
-ストラクチャード・ローン
(30) (9)
ヘッジ会計による損益
-ポートフォリオ公正価値ヘッジ会計 (32) 65
-ミクロ公正価値ヘッジ会計 62 (9)
0 0
-ミクロ・キャッシュフロー・ヘッジ会計
30 56
デリバティブに係る取引先信用リスクの変動(CVA/DVA)
16 16
売却および買取りによる実現損益 47 59
50 (22)
その他の市場価値変動
合計 113 100
2022年度において、金融取引損益は、その他の市場価値変動の増加
からプラスの影響を受けた。実現損益47百万ユーロ(2021年度:59百
万ユーロ)は、主に当行の流動性ポートフォリオからの利付有価証券
のオンバランスの売却益による。
未実現損益は、主として長期金利の上昇により、66百万ユーロの利
益(2021年度:41百万ユーロの利益)となった。他方で、「純損益を
通じて公正価値で測定される金融資産」に計上された大部分の利付有
価証券の信用リスクスプレッドおよび流動性リスクスプレッドが拡大
したため、2021年度に比べ市場価値変動による損失が増加した。2022
年度の損益は25百万ユーロの損失(2021年度:13百万ユーロの損失)
となった。
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26 参加持分による損益
2022年度 2021年度
関連会社
6 5
(3) 0
子会社
合計 3 5
BNG銀行の関連会社および共同支配企業の記載については、連結財務
書類の「関連会社および共同支配企業」の項目を参照のこと。
27 人件費
2022年度 2021年度
給与
34 32
年金費用 6 5
社会保障費 3 3
従業員給付引当金への繰入 0 0
外部従業員 27 11
3 5
その他の人件費
合計 73 56
2022年度および2021年度に、個々の従業員の変動報酬はなかった。
人件費の増加は、主に外部従業員費用の増加によるものである。
28 その他の一般管理費
これらの費用は、特に、外部委託費、有形固定資産の維持費、コン
サルタント料、研修費およびIT費を含む。2022年度のその他の一般管
理費合計は38百万ユーロ(2021年度:47百万ユーロ)であった。
29 減価償却費
本項目の内訳は、「有形固定資産」に関する注記(注記11)に含ま
れる。合計で、2022年度の減価償却費は2百万ユーロ(2021年度:3
百万ユーロ)であった。
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30 減損
2022年度に損益計算書に計上された減損は、51百万ユーロの損失
(2021年度:20百万ユーロの損失)であった。
2022年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
引当金の変動による減損損益:
-組成および取得による引当金の増加 2 2 3 7
-認識中止による引当金の減少 (2) (3) 0 (5)
3 13 34 50
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
3 12 37 52
引当金の変動によらない減損損益:
-過去の償却から受け取ったキャッシュフローによる
- - (1) (1)
減損の戻入れ
- - - -
-償却による減損
- - (1) (1)
金融資産の減損損益純額 3 12 36 51
2021年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
引当金の変動による減損損益:
-組成および取得による引当金の増加 3 1 5 9
-認識中止による引当金の減少 (4) (1) (12) (17)
(5) (23) 49 21
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
(6) (23) 42 13
引当金の変動によらない減損損益:
-償却による引当金の減少 - - 8 8
-過去の償却から受け取ったキャッシュフローによる
- - (1) (1)
減損の戻入れ
- - - 0
-償却による減損
0 0 7 7
金融資産の減損損益純額 (6) (23) 49 20
予想信用損失引当金の変動
2022年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
純損益を通じて計上される引当金の変動:
-組成および取得による引当金の増加 2 2 3 7
-認識中止による引当金の減少 (2) (3) 0 (5)
3 13 34 50
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
3 12 37 52
純損益を通じて計上されない引当金の変動:
- - (131) (131)
-償却による引当金の減少
- - (131) (131)
引当金の変動合計 3 12 (94) (79)
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2021年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
純損益を通じて計上される引当金の変動:
-組成および取得による引当金の増加 3 1 5 9
-認識中止による引当金の減少 (4) (1) (12) (17)
(5) (23) 49 21
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
(6) (23) 42 13
純損益を通じて計上されない引当金の変動:
- - - -
-償却による引当金の減少
- - - -
引当金の変動合計 (6) (23) 42 13
注記33は、2022年度における減損対象の金融資産の減
損のステージ別内訳の概要および予想信用損失引当金の
変動の詳細を表示している。
損失引当金の変動は、「貸付金および前渡金」項目
(注記8)に含まれている。
31 破綻処理基金への拠出および銀行税
銀行再建・破綻処理指令による欧州破綻処理制度が2015年1月1日
付で発効した。破綻処理基金の費用は、法人税上、損金算入可能であ
る。2022年度に支払うべき20百万ユーロ(2021年度:2百万ユーロ)
は、2022年6月に支払われ、損益計算書に計上された。
銀行税に関する費用は、法人税上は損金算入できない。この結果、
実効税率による税額は、表面税率による税額を上回った。BNG銀行は、
毎年10月に銀行税の支払期限を迎え、2022年度の金額は32百万ユーロ
(2021年度:53百万ユーロ)であった。
2022年度 2021年度
銀行税は以下のとおり計算された。
2021年度基準 2020年度基準
貸借対照表価額合計 149,057 160,361
控除:Tier1資本 4,922 4,904
36 46
控除:預金保証制度対象の預金
課税基準 144,099 155,411
20,900 20,900
控除:実効免除額
課税基準 123,199 134,511
満期1年未満の債務の合計額 24,139 29,738
貸借対照表による全債務の合計額 143,994 155,262
短期債務に係る銀行税 9 17
23 36
長期債務に係る銀行税
計算/支払額合計 32 53
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32 独立監査人の報酬
以下の監査報酬が損益計算書において報告された。
2022年度 2021年度
財務書類の監査
486 391
その他の監査業務 165 298
税務業務 - -
107 10
その他の非監査業務
合計 758 699
上記の報酬は、監査法人監督法(「Wet toezicht
accountantsorganisaties - Wta」)第1条第1項に規定されている、
会計事務所および独立外部監査人がBNG銀行およびその連結グループ事
業体に対して適用する手続きに関係する。BNG銀行の場合、外国を拠点
とする会計事務所を利用していないため、これはオランダを拠点とす
る会計事務所(その税務業務およびアドバイザリーグループを含むPwC
オランダ会計事務所(「PwC NL」))にのみ適用される。監査報酬
は、作業が当該事業年度中に行われたか否かにかかわらず、2022年度
の財務書類監査に関係する。
独立監査人が財務書類監査の他に提供した業務の要約
BNG銀行の独立監査人であるPwC NLは、BNG銀行の法定監査に係る期
間において、法定財務書類監査の他に、BNG銀行およびその被支配企業
に対して以下の業務を提供した。
法律または規制上の要件により求められるその他の監査業務
-被支配企業の法定監査
-中間財務書類のレビュー
-オランダ中央銀行に対する規制上の申告書の監査
-オランダ中央銀行に対する信用債権の保証業務
その他の監査業務
-持続可能性報告書の保証業務
-債券発行目論見書の年次更新および債券発行プログラムに基づく発
行に関するコンフォートレター
-TLTRO報告書の保証業務
-預金保証制度要件の保証業務
その他の非監査業務
-単一破綻処理委員会向けの財務情報に対する合意された手続き
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33 金融資産およびオフバランスシート契約の減損
金融資産およびオフバランスシート契約の減損のステージ別内訳
以下の表は、減損の対象となる金融資産およびオフバランスシート
契約の3つの減損のステージ別内訳を示している。
ステージ1:当初認識以降、信用リスクの著しい増大(SICR)がない
正常債権エクスポージャー
ステージ2:当初認識以降、信用リスクの著しい増大がある正常債権
エクスポージャー
ステージ3:不良債権エクスポージャー
2022年12月31日現在
帳簿価額総額 信用損失引当金(評価性)
帳簿価額 正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
現金および中央銀行残高
6,821 6,821 - - - - -
銀行預入金 346 346 - - 0 - -
差入現金担保 4,144 4,144 - - - - -
OCIを通じて公正価値で
7,398 7,398 - - 0 - 0
1
測定される金融資産
償却原価で測定される
7,636 7,552 86 - 0 (2) 0
利付有価証券
89,626 86,887 2,049 838 (8) (21) (119)
貸付金および前渡金
合計 115,971 113,148 2,135 838 (8) (23) (119)
注1 FVOCIで測定される金融資産に対する信用損失引当金はOCIに含まれており、(正味)帳簿価額には含まれてい
ない。
2021年12月31日現在
帳簿価額総額 信用損失引当金(評価性)
帳簿価額 正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
現金および中央銀行残高
9,264 9,264 - - - - -
銀行預入金 163 163 0 - 0 - -
差入現金担保 12,993 12,993 - - - - -
OCIを通じて公正価値で
8,572 8,572 0 0 0 - -
1
測定される金融資産
償却原価で測定される
7,632 7,566 68 0 0 (2) -
利付有価証券
89,710 88,987 412 539 (6) (8) (214)
貸付金および前渡金
合計 128,334 127,545 480 539 (6) (10) (214)
注1 FVOCIで測定される金融資産に対する信用損失引当金はOCIに含まれており、(正味)帳簿価額には含まれてい
ない。
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2022年12月31日現在
額面金額 引当金(負債性)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
オフバランスシート契約
偶発債務 485 3 1 0 0 (1)
取消可能信用供与契約 5,781 228 239 0 0 0
4,341 43 42 0 (1) (1)
取消不能信用供与契約
合計 10,607 274 282 0 (1) (2)
2021年12月31日現在
額面金額 引当金(負債性)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
オフバランスシート契約
偶発債務 499 1 1 0 0 (1)
取消可能信用供与契約 5,736 69 66 - - -
4,486 1 0 0 0 -
取消不能信用供与契約
合計 10,721 71 67 0 0 (1)
予想信用損失引当金の変動
以下の表は、金融資産に係る予想信用損失引当金およびオフバラン
スシート契約に係る予想信用損失引当金の変動を示している。
2022年度
認識中止、
組成および 返済および 信用リスクの
取得による 処分による 変動 による 償却による
期首残高 増加 減少 変動 (純額) 引当金の減少 期末残高
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - - - - -
銀行預入金 0 - - 0 - 0
OCIを通じて公正価値で
0 0 0 0 - 0
測定される金融資産
償却原価で測定される
2 0 0 0 - 2
利付有価証券
228 7 (4) 49 (132) 148
貸付金および前渡金
230 7 (4) 49 (132) 150
引当金(負債性)
1 0 0 2 - 3
オフバランスシート契約
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2021年度
認識中止、
組成および 返済および 信用リスクの
取得による 処分による 変動 による 償却による
期首残高 増加 減少 変動 (純額) 引当金の減少 期末残高
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - - - - -
銀行預入金 0 0 0 0 - 0
OCIを通じて公正価値で
1 0 0 (1) - 0
測定される金融資産
償却原価で測定される
5 0 0 (3) - 2
利付有価証券
208 8 (16) 28 - 228
貸付金および前渡金
214 8 (16) 24 0 230
引当金(負債性)
4 0 (1) (2) - 1
オフバランスシート契約
その他の注記
その他の項目の詳細については、連結財務書類に対する注記を参照
のこと。
ハーグ、2023年3月17日
執行取締役会
Gita Salden(CEO)、法定取締役
Olivier Labe(CFO)、法定取締役
Cindy van Atteveldt - Machielsen(CRO)、法定取締役
監督取締役会
Huub Arendse、会長
Jan van Rutte、副会長
Karin Bergstein
Johan Conijn
Marlies van Elst
Leonard Geluk
Femke de Vries
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(6) 【その他】
2022年度末以降、本書の数値または開示に調整が必要な報告すべき重要な事象はない。
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(7) 【発行者の属する国等の概況】
〔1〕概 要
(1) 位置、面積、地形および人口
オランダは、オランダ王国に属する国で、公的な国家統計局である中央統計局( Centraal Bureau voor
de Statistiek) によると、面積は4万1,543平方キロメートルで、そのうち3万3,671平方キロメートルは
陸地である。陸地の66%は農業に利用されており、19%には建物が建ち(交通区域を含む。)、15%は森林
を形成している。2023年5月末現在の推定人口は約1,790万人で、そのうち約60%は都市部に居住してい
る。最大の都市は、アムステルダム(首都)、ロッテルダム、ハーグ(政府所在地)およびユトレヒトであ
る。
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(2) 政治および外交
国家機構
オランダは、地方分権化された連合国家で、12の州と355の地方自治体から成立っている。州は、フロー
ニンゲン、フリースラント、ドレンテ、オーフェルエイセル、ヘルデルラント、ユトレヒト、フレーフォラ
ント、ノールト・ホラント、ザイト・ホラント、ゼーラント、ノールト・ブラーバントおよびリンブルフで
ある。三段階の統治レベル(国家、州および地方自治体)間の役割分担は補完性の原理に基づいており、職
務は可能な限り下位レベルに分権されている。この点において最も重要なのは地方自治体であり、地域の問
題のほとんどを考慮し、また国家政府や議会の法律を執行する。オランダは立憲世襲君主制で、また議会制
民主主義をとっている。
行政府
国家元首:ウィレム=アレクサンダー国王(2013年4月30日即位)
政府の長:首相
選挙制度:君主制は世襲である。首相は、第二院の選挙に続き、通常多数党党首または多数派連合の指導者
が国王により任命される。
注:国王、王位継承者および顧問官により構成され、内閣に対し立法および施政方針について助言を行う枢密院も存在
する。
立法府
議会( Staten Generaal )は、第一院である上院および第二院である下院の両院から成立っている。上院
の構成員は75名で、4年毎に州議会( Provinciale Staten )により選出される。上院の選挙は、州議会議員
の選挙後3か月以内に行われる。下院の構成員は150名で、任期を4年(内閣が不信任決議を受けた場合は
それ未満)として選出される。下院の選挙は通常、州議会の選挙の日から2年後に行われる。
内閣と下院は法律を制定する権限を有する。下院は法律の改正権限も有する。上院は法律を承認または否
決する権限のみを有する。
1917年以降、普通選挙制度をとっており、議員および有権者は18歳以上のオランダ国民でなくてはならな
い。
下院の総選挙で最多議席を獲得した政党の党首は、通常、国家元首により、組閣を要請される。内閣の任
期は下院の任期に合わせて4年間である。
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下院の直近の総選挙は2021年3月15日から17日まで行われた。2023年3月末時点で下院に議席を有する政
党は以下のとおりであった。
自由民主国民党( Volkspartij voor Vrijheid en Democratie )(VVD)34議席
民主66( Democraten 66 )(D66)24議席
自由党( Partij Voor de Vrijheid )(PVV)17議席
キリスト教民主アピール( Christen-Democratisch Appèl )(CDA)14議席
社会党( Socialistische Partij )(SP)9議席
労働党( Partij van de Arbeid )(PvdA)9議席
緑の党( GroenLinks) (GL)8議席
動物党( Partij voor de Dieren )(PvdD)6議席
キリスト教連合( ChristenUnie )(CU)5議席
民主主義フォーラム( Forum voor Democratie )(FvD)5議席
その他19議席
2022年1月10日、第4次ルッテ内閣がノールドアインデ宮殿で宣誓就任した。新内閣は、自由民主国民党
(VVD)、キリスト教民主アピール(CDA)、民主66(D66)およびキリスト教連合(CU)の連立政権で、20
名の大臣および9名の副大臣で構成されている。
外交関係
オランダは27の欧州連合(EU)加盟国の一つである。オランダ政府も調印しているマーストリヒト条約
(1991年)において、加盟国は経済通貨同盟(EMU)を形成することに合意している。EMUは1999年1月1日
に発足した。その日以降、参加諸国の為替相場は取消不能の形で固定され、金融政策は、単一の金融機関で
ある欧州中央銀行制度により実施される。2002年2月末をもって、各国通貨はすべて新しい欧州通貨「ユー
ロ」に切換えられた。オランダはまた、北大西洋条約機構(NATO)および国際連合(UN)の加盟国でもあ
る。
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〔2〕経 済
(1) 経済動向の概要
オランダ経済は、外国貿易に大きく依存した、繁栄した開放的な経済である。オランダはEUにおいて2番
目に大きな輸出国である。オランダ経済は安定的な労使関係、穏やかな失業率およびインフレ率、相当程度
の経常収支黒字ならびにヨーロッパにおける交通の 要衝 としての重要な役割を有することで知られる。主な
産業活動は食品加工、化学、石油精製および電気機器である。高度に機械化された農業部門の雇用は全労働
人口の3%以下であるが、同部門は食品加工産業および輸出に大きな黒字をもたらしている。オランダは
2002年1月1日に、他のEUパートナー11か国とともにユーロ通貨の流通を開始した。オランダは、ヨーロッ
パにおける外国直接投資の主要誘致先の一つであり、米国に対する四大投資国のうちの一つである。
2022 年に、オランダ経済は4.5%成長した。経済成長の主因は、民間消費(6.5%)および財貨・サービス
輸出(4.7%)であった。政府部門の赤字はGDPの0%であった。2021年の財政赤字はGDPの2.4%であった。
総公的債務の対GDP比は、2021年の52.5%から2022年は51.0%に低下した。欧州委員会の最新の予測による
と、財政の見通しはほぼ安定している。2023年に、財政赤字はGDPの2.1%に増加するであろう。総公的債務
の対GDP比は、2023年には49.3%に低下すると予想される。
(2) 最近5年間の経済の動向
(a) 国内総生産(GDP)
(10億ユーロ)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
民間消費支出 328.0 330.9 309.8 320.9 341.7
政府消費支出 179.3 184.3 187.1 196.8 200.0
総固定資本形成 152.8 162.2 157.9 163.0 167.1
在庫品変動 4.1 6.4 -0.1 -0.7 -0.8
財貨・サービス輸出 644.3 656.4 627.8 660.7 692.0
財貨・サービス輸入(-) 565.6 583.2 555.3 577.5 601.9
国内総生産 742.9 757.1 727.6 762.9 797.4
前年比変動率(%) +2.3 +1.9 -3.9 +4.9 +4.5
国内総生産(名目) 774.3 812.9 796.2 854.9 941.0
前年比変動率(%) +4.8 +5.0 -2.1 +7.4 +10.1
資料出所:マクロボンド(マクロ経済データ、時系列の金融・財務データおよび資産配分に関するシステムおよび
データを提供する企業)
注:数値は新しいESA(欧州国民経済計算体系)2015に従って修正されている。金額はすべて季節調整済の実質値
(不変価格)である。ただし、国内総生産(名目)は季節調整済の名目値である。
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(b) 総付加価値(付加価値税を除く。)
(10億ユーロ、名目値)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
農業・漁業 12.8 13.3 12.7 13.2 15.7
鉱業・採石業 7.2 5.5 2.8 5.0 12.6
製造業 85.6 87.6 86.2 92.7 103.2
建設業 32.5 36.0 38.2 40.1 40.0
卸売業・小売業 95.2 101.8 103.0 110.1 110.6
運輸業・倉庫業 33.0 34.7 30.5 35.2 43.9
金融業・不動産業 97.2 100.3 101.9 103.4 112.7
その他営利サービス業 167.7 175.8 165.9 179.8 209.5
非営利サービス業 161.5 169.9 168.6 180.4 193.4
合 計 692.6 725.0 709.6 760.0 841.7
資料出所:マクロボンド
工業生産
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
指数(生産高、2015年=100) 103.2 102.4 99.0 103.6 105.8
前年比変動率 (%) +0.7 -0.8 -3.3 4.7 2.1
資料出所:マクロボンド
注:季節調整前の数値を使用。
(c) 主要物価指数
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
消費者物価指数(2015年=100) 103.4 106.2 107.5 110.4 121.4
前年比変動率(%) +1.7 +2.6 +1.3 +2.7 +10.0
生産者物価指数(2015年=100) 105.0 106.2 102.2 114.6 140.1
前年比変動率(%) +2.8 +1.1 -3.7 +12.1 +22.3
資料出所:マクロボンド
(d) 労働市場
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
労働力(百万人) 8.939 9.117 9.116 9.254 9.547
失業率(対労働力比率(%)) 4.9 4.4 4.9 4.2 3.5
資料出所:マクロボンド
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(e) 社会保障制度
支払給付
(10億ユーロ、名目値)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
医 療 77.1 82.0 82.9 90.3 未公表
公的年金 38.5 39.8 41.6 43.3 未公表
失 業 4.3 3.8 4.2 3.7 未公表
障 害 14.1 14.7 15.4 15.6 未公表
福 祉 6.1 5.9 6.1 6.1 未公表
その他給付 18.3 19.2 19.8 22.4 未公表
合 計 158.3 165.4 170.0 181.3 未公表
公的給付の対国内総生産(名目)
20.5 20.3 21.3 21.2 未公表
比率(%)
資料出所:中央統計局(CBS)
注:民間年金給付を除く。
社会保障給付対象者
(千人)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
公的年金 3,138 3,150 3,207 3,260 3,275
失 業 246 205 224 199 135
障 害 768 780 779 783 790
その他の給付(疾病、福祉) 811 807 838 859 885
合 計 4,963 4,940 5,047 5,100 5,090
資料出所:中央企画局(CPB)
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〔3〕貿易および国際収支
(1) 貿易および国際収支の概要
2022年に、財貨の輸出は29.4%増加した一方、財貨の輸入は33.0%増加した。財貨の輸出全体に占めるEU
加盟国の割合は、2021年の69.6%から2022年は71.3%に若干上昇した。財貨の輸入全体のうち、2022年は
38.7%がこれらの国からであった。2021年の輸入全体に占めるEUの割合は41.6%であった。
(2) 最近5年間の貿易の動向
(a) 輸出先地域別内訳
(10億ユーロ、名目値)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
ヨーロッパ 485.6 496.3 463.8 569.7 742.1
うち:EU 457.1 465.1 391.7 495.0 655.6
アフリカ 16.7 17.4 15.6 17.4 22.7
アメリカ 42.5 47.2 40.3 44.6 59.8
うち:米国 26.5 29.5 26.2 29.5 37.4
アジア 59.5 61.1 60.5 66.8 80.9
うち:日本 4.6 4.7 5.0 4.4 5.4
オセアニア 4.0 4.2 4.1 4.2 5.3
未 詳 7.5 7.0 5.3 8.0 9.2
合 計 615.8 633.2 589.6 710.7 920.0
資料出所:中央統計局(CBS)
輸入元地域別内訳
(10億ユーロ、名目値)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
ヨーロッパ 306.1 311.7 281.0 366.1 463.0
うち:EU 249.6 256.8 219.3 268.0 331.2
アフリカ 15.5 16.0 13.0 16.9 31.3
アメリカ 62.0 67.5 61.9 73.5 110.4
うち:米国 40.6 44.7 40.4 47.2 71.4
アジア 158.1 164.5 157.8 179.3 241.3
うち:日本 10.5 10.5 9.3 10.8 12.0
オセアニア 3.4 3.2 2.9 3.7 7.1
未 詳 3.2 3.6 2.4 4.2 2.7
合 計 548.3 566.5 519.0 643.7 855.8
資料出所:中央統計局(CBS)
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(b) 輸出品目別内訳(SITCコード)
(10億ユーロ、名目値)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
食料品 67.1 70.2 69.6 74.9 88.8
飲料・煙草 6.9 7.0 6.9 7.9 8.8
原材料 26.5 26.8 26.2 34.5 35.8
エネルギー製品 82.7 81.2 51.9 85.9 180.3
石 油 3.8 3.9 4.3 5.7 7.7
化学工業品 105.7 110 107.7 127.4 156.4
工業製品 55.8 53.0 48.4 63.3 79.3
機械・輸送車両 199.0 207.0 203.5 229.6 265.4
その他の製品 68.3 74.1 71.1 81.5 97.5
合 計 615.8 633.2 589.6 710.7 920.0
資料出所:中央統計局(CBS)
輸入品目別内訳(SITCコード)
(10億ユーロ、名目値)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
食料品 45.8 47.7 46.8 50.2 61.2
飲料・煙草 4.4 4.6 4.6 5.0 5.7
原材料 19.8 20.4 19.3 25.2 27.0
エネルギー製品 93.5 88.8 55.5 99.2 192.1
石 油 4.8 4.0 4.9 5.8 8.8
化学工業品 71.2 76.8 76.5 90.1 118.1
工業製品 55.7 53.5 50.0 64.4 82.4
機械・輸送車両 187.7 199.6 193.1 223.8 260.3
その他の製品 65.4 71.4 68.3 80.0 100.2
合 計 548.3 566.5 519.0 643.7 855.8
資料出所:中央統計局(CBS)
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(c) 国際収支
(現金主義、10億ユーロ)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
貿易収支 71.6 60.1 61.7 62.6 58.0
サービスの収支 10.0 19.6 18.5 25.3 30.8
その他の項目の収支 -9.5 -23.5 -39.2 -25.7 -47.9
経常収支 72.1 56.3 41.0 62.2 41.0
金融収支* 75.6 57.8 36.1 59.8 142.0
公式外貨準備高の変動 0.5 0.5 -0.2 10.5 0.4
(「-」は増加を示す。)
* 資本移転を含む。
資料出所:マクロボンド
(d) 公式外貨準備高
(現金主義、年度末、10億ユーロ)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
外貨・外国証券 4.2 4.0 5.4 5.6 5.8
国際通貨基金(IMF)外貨準備持高 1.7 2.0 2.4 2.8 3.1
特別引出権(SDR) 5.7 6.1 5.8 16.9 17.1
金 22.0 26.7 30.1 31.6 33.6
金融デリバティブ -0.1 -0.1 0.1 0.0 0.0
合 計 33.6 38.7 43.8 57.0 59.6
資料出所:マクロボンド
外国為替相場
(1ユーロ当たりの外国通貨、平均相場)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
米ドル 1.18 1.12 1.14 1.18 1.05
英ポンド 0.885 0.876 0.889 0.860 0.853
日本円 130.4 122.1 121.8 129.9 138.0
資料出所:マクロボンド
(3) 外国為替管理制度の概要
オランダの金融市場は完全に自由化されている。現在効力を有する外国為替相場規制は存在しない。
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〔4〕財 政
公共部門は3大部門、すなわち国家、社会保障基金およびその他の公共体(地方自治体、州およびその他)
から構成される。
国家はその活動資金を主に租税および社会保障拠出金により調達している。国家予算の大半は、他の公共体
に向けられている。他の公共体の予算の一部は地方税により調達されている。他の公共体は資本市場において
借入れも行っているが、これはもっぱら投資支出の資金調達である。これら公共体の経常収支は、均衡が保た
れていなければならない。社会保障基金はほとんどすべてが社会保障拠出金により賄われている。
(a) 国家歳入源泉別内訳
(10億ユーロ)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
所得税 102.9 105.7 107.5 111.2 114.8
従業員保険料 65.8 69.9 70.9 73.6 79.1
法人税 23.2 25.2 21.5 30.8 38.6
生産税・輸入税 93.7 100.8 102.0 109.5 112.0
その他の租税 14.7 17.1 15.1 16.3 23.5
合 計 300.3 318.7 317.8 339.6 368.0
資料出所:中央企画局
(b) 国家歳出摘用別内訳
(10億ユーロ)
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
行政・治安 81.3 85.4 90.0 89.2 82.0
国 防 7.7 8.9 9.6 9.6 9.6
インフラストラクチャー 9.3 9.8 9.6 9.6 8.8
教 育 38.7 39.8 42.4 41.4 41.4
保 健 72.8 77.2 82.0 82.8 76.5
社会保障 87.5 90.2 96.4 94.0 91.6
企業への移転 11.6 13.0 32.7 28.7 25.5
国際協力 13.9 14.6 15.9 15.1 15.1
利息・その他 8.5 6.5 5.6 31.7 68.4
歳出総額合計 331.3 345.5 383.9 402.1 418.8
税外歳入 42.6 41.4 37.4 41.1 44.2
歳出純額 288.7 304.1 346.5 361.0 374.6
資料出所:中央企画局
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(c) 国家長期負債
2023年4月30日現在、国家のユーロ建ての長期負債総額は3,676億2,400万ユーロで、そのうち3,676億
600万ユーロがオランダ国債(DSL)であった。ユーロ建てのオランダ国債の平均残存期間は9.3年で、平
均金利は1.4%であった。
ユーロ建ての国家長期負債
(百万ユーロ)
平均期間 合 計 オランダ国債 民間融資
0年以上1年未満 32,886 32,886 0
1年以上3年未満 49,653 49,653 0
3年以上5年未満 65,463 65,460 2
5年以上7年未満 47,141 47,141 0
7年以上10年未満 58,243 58,227 16
10年以上15年未満 34,449 34,449 0
15年以上 79,789 79,789 0
合 計 367,624 367,606 18
資料出所:財務省
(d) 2023 年4月末における主要数値
残高額(ユーロ)
現 金 477,535,080
オランダ国債残高 367,605,802,851
オランダ財務省証券残高 20,700,000,000
ユーロ・コマーシャル・ペーパー残高 6,800,000,000
民間融資残高* 184,116,704
合計残高 395,767,454,635
* 外貨による民間融資のユーロ換算額を含む。
資料出所:財務省
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