東京地下鉄株式会社 有価証券報告書 第19期(2022/04/01-2023/03/31)
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東京地下鉄株式会社(E04153)
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【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2023年6月29日
【事業年度】 第19期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
【会社名】 東京地下鉄株式会社
【英訳名】 Tokyo Metro Co., Ltd.
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 山 村 明 義
【本店の所在の場所】 東京都台東区東上野三丁目19番6号
【電話番号】 03 (3837)7059
【事務連絡者氏名】 財務部長 坂 田 香 奈
【最寄りの連絡場所】 東京都台東区東上野三丁目19番6号
【電話番号】 03 (3837)7059
【事務連絡者氏名】 財務部長 坂 田 香 奈
【縦覧に供する場所】 該当事項はありません。
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第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
回次 第15期 第16期 第17期 第18期 第19期
決算年月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月 2023年3月
営業収益 (百万円) 434,894 433,147 295,729 306,904 345,370
経常利益又は経常損失(△) (百万円) 89,191 74,910 △ 47,689 △ 20,497 19,694
親会社株主に帰属する当期
純利益又は親会社株主に帰 (百万円) 60,709 51,391 △ 52,927 △ 13,397 27,771
属する当期純損失(△)
包括利益 (百万円) 59,154 46,233 △ 50,617 △ 15,447 24,279
純資産額 (百万円) 678,978 710,106 644,412 618,360 633,344
総資産額 (百万円) 1,676,081 1,734,788 1,762,461 1,812,967 2,002,821
1株当たり純資産額 (円) 1,168.64 1,222.21 1,109.14 1,064.30 1,090.09
1株当たり当期純利益金額
又は1株当たり当期純損失 (円) 104.49 88.45 △ 91.10 △ 23.06 47.80
金額(△)
潜在株式調整後
(円) - - - - -
1株当たり当期純利益金額
自己資本比率 (%) 40.5 40.9 36.6 34.1 31.6
自己資本利益率 (%) 9.2 7.4 △ 7.8 △ 2.1 4.4
株価収益率 (倍) - - - - -
営業活動による
(百万円) 140,104 136,626 11,622 83,295 88,177
キャッシュ・フロー
投資活動による
(百万円) △ 159,914 △ 165,822 △ 137,831 △ 99,500 △ 269,674
キャッシュ・フロー
財務活動による
(百万円) 49,889 25,326 131,486 57,049 158,814
キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物
(百万円) 69,412 65,542 70,820 111,664 88,982
の期末残高
従業員数
11,584 11,742 11,818 11,794 11,571
(名)
(外、平均臨時雇用者数) ( 2,763 ) ( 2,672 ) ( 2,347 ) ( 1,941 ) ( 1,908 )
(注) 1 キャッシュ・フローに関する数値の△は、現金及び現金同等物の流出を示しています。
2 第15期、第16期及び第19期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式がないため、
記載していません。第17期及び第18期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、1株当たり
当期純損失金額であり、また、潜在株式がないため、記載していません。
3 株価収益率については、当社株式が非上場であるため、記載していません。
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(2)提出会社の経営指標等
回次 第15期 第16期 第17期 第18期 第19期
決算年月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月 2023年3月
営業収益 (百万円) 399,429 397,430 269,670 289,953 327,042
経常利益又は経常損失(△) (百万円) 83,723 69,354 △ 49,161 △ 24,042 16,431
当期純利益又は
(百万円) 58,222 49,093 △ 51,595 △ 15,029 26,614
当期純損失(△)
資本金 (百万円) 58,100 58,100 58,100 58,100 58,100
発行済株式総数 (株) 581,000,000 581,000,000 581,000,000 581,000,000 581,000,000
純資産額 (百万円) 639,730 673,543 606,944 581,226 598,631
総資産額 (百万円) 1,653,406 1,712,725 1,738,989 1,792,110 1,984,503
1株当たり純資産額 (円) 1,101.08 1,159.28 1,044.65 1,000.39 1,030.35
1株当たり配当額
26 26 16 16 20
(円)
( -) ( -) ( -) ( -) ( -)
(1株当たり中間配当額)
1株当たり当期純利益金額
又は1株当たり当期純損失 (円) 100.21 84.50 △ 88.81 △ 25.87 45.81
金額(△)
潜在株式調整後
(円) - - - - -
1株当たり当期純利益金額
自己資本比率 (%) 38.7 39.3 34.9 32.4 30.2
自己資本利益率 (%) 9.4 7.5 △ 8.1 △ 2.5 4.5
株価収益率 (倍) - - - - -
配当性向 (%) 25.9 30.8 - - 43.7
従業員数 (名) 9,741 9,865 9,881 9,880 9,721
(注) 1 第15期、第16期及び第19期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式がないため、
記載していません。第17期及び第18期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、1株当たり
当期純損失金額であり、また、潜在株式がないため、記載していません。
2 株価収益率については、当社株式が非上場であるため、記載していません。
3 第17期及び第18期の配当性向については、当期純損失のため、記載していません。
(最近5年間の株主総利回りの推移)
当社は非上場であるため、該当事項はありません。
(最近5年間の事業年度別最高・最低株価)
当社は非上場であるため、該当事項はありません。
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2 【沿革】
(1) 提出会社の沿革
当社は、東京地下鉄株式会社法(平成14年法律第188号)に基づき、帝都高速度交通営団(以下「営団」といいま
す。)の財産の全部を現物出資により引継ぎ、営団の一切の権利及び義務を承継して2004年4月1日に設立されま
した。なお、参考として、営団の「沿革」を以下にあわせて記載します。
年月 摘要
2004年4月 東京地下鉄株式会社法により、東京地下鉄㈱設立
10月 ㈱メトロフルール設立
2006年4月 ㈱メトロプロパティーズ設立
10月 ㈱地下鉄ビルデイング(東京メトロ都市開発㈱)、㈱メトロセルビス、㈱メトロコマース及びメ
トロ開発㈱の4社について、それぞれの事業を会社分割により同名の新会社に継承させ、当社
を存続会社として分割会社を吸収合併
2007年2月 ㈱メトロアドエージェンシー設立
㈱メトロレールファシリティーズ設立
3月 ICカード乗車券「PASMO」のサービス開始
2008年6月 副都心線運輸営業開始・全線開通
2011年11月 日本コンサルタンツ㈱設立
2013年4月 ㈱地下鉄ビルデイング(東京メトロ都市開発㈱)及び㈱メトロスポーツの2社について、㈱地
下鉄ビルデイング(東京メトロ都市開発㈱)を存続会社として㈱メトロスポーツを吸収合併
2017年3月 ベトナム国にベトナム東京メトロ(VIETNAM TOKYO METRO ONE MEMBER LIMITED LIABILITY
COMPANY)設立
4月 ㈱メトロステーションファシリティーズ設立
㈱メトロビジネスアソシエ設立
(2) 営団の沿革
年月 摘要
1941年3月 帝都高速度交通営団法公布
7月 帝都高速度交通営団法に基づき、特殊法人として、帝都高速度交通営団設立(設立時の営業キ
ロは現銀座線14.3キロ)
8月 東京地下鉄道㈱及び東京高速鉄道㈱から営業線(現銀座線)、東京市等から地下鉄道の免許線
を譲受
9月 帝都高速度交通営団として営業開始
1946年12月 日観興業㈱(㈱メトロセルビス)設立
1948年8月 新日本観光㈱(㈱はとバス)設立
1954年1月 丸ノ内線運輸営業開始
1956年6月 財団法人地下鉄互助会(公益財団法人メトロ文化財団)設立
1957年12月 銀座地下鉄興業㈱(㈱メトロコマース)設立
1961年3月 日比谷線運輸営業開始
1962年3月 丸ノ内線全線開通
1963年2月 ㈱地下鉄ビルデイング(東京メトロ都市開発㈱)設立
1964年8月 日比谷線全線開通
12月 東西線運輸営業開始
1968年3月 メトロ高架㈱(メトロ開発㈱)設立
9月 ㈱メトロ給食センター(㈱メトロライフサポート)設立
1969年3月 東西線全線開通
12月 千代田線運輸営業開始
1974年10月 有楽町線運輸営業開始
1978年8月 半蔵門線運輸営業開始
1979年12月 千代田線全線開通
1981年4月 ㈱地下鉄メインテナンス設立
1984年4月 メトロ車両㈱設立
1988年4月 メトロカードを新発売
6月 有楽町線全線開通
1991年11月 南北線運輸営業開始
NSメトロカードを新発売
1995年3月 ㈱メトロスポーツ設立
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年月 摘要
1996年3月 SFメトロカードを新発売(都営地下鉄と共通化)
1997年1月 渋谷熱供給㈱設立
1999年3月 ㈱渋谷マークシティ設立
2000年9月 南北線全線開通
10月 共通乗車カードシステム(パスネット)を導入
2002年1月 鉄道事業法に基づく認定鉄道事業者制度の一般認定(鉄道土木/鉄道電気/車両)を取得
12月 東京地下鉄株式会社法公布
2003年3月 半蔵門線全線開通
2004年4月 帝都高速度交通営団法廃止 営団解散
(3) 当社の完全民営化について
東京における地下鉄は、1927年12月、民間会社である東京地下鉄道株式会社により浅草~上野間が開業されたこ
とに始まりますが、民間会社では、巨額の資金を必要とする新線建設を進めることは困難でありました。このよう
な情勢の中で、当社の前身である営団は、東京都の区の存する区域及びその付近における交通機関の整備拡充を図
るため、地下鉄を建設運営することを目的として、1941年7月4日に設立されました。以来、設立から62年余り、
営団は設立目的に従い、地下鉄の建設及び運営を行ってきました。
政府の行政改革の一環として、営団の完全民営化の方針が初めて示されたのは、臨時行政改革推進審議会が1986
年6月10日に答申した「今後における行財政改革の基本方向」においてでした。当時は地下鉄ネットワークが整備
途上であったこともあり、具体的措置は実施されませんでしたが、南北線、半蔵門線の全区間が着工され、地下鉄
ネットワークがほぼ概成される見込みとなったことを受け、1995年2月24日に閣議決定された「特殊法人の整理合
理化について」において、営団は完全民営化の第一段階として当時建設中の南北線及び半蔵門線が完成した時点を
目途に特殊会社化することとされました。
その後、南北線が全線開業し、半蔵門線についても2003年春に開業が見込まれるという状況の中、特殊法人等改
革基本法(平成13年法律第58号)に基づき、2001年12月19日に閣議決定された「特殊法人等整理合理化計画」にお
いて、営団について以下のとおり明記されました。
特殊法人等整理合理化計画(平成13年12月19日閣議決定)(抄)
帝都高速度交通営団
完全民営化に向けた第一段階として、現在建設中の11号線が開業した時点から概ね1年後 (平成16年春
の予定)に特殊会社化する。
この計画の決定を受け、東京地下鉄株式会社法案が第155回国会に提出され、2002年12月11日に成立し、同18日に
公布、施行されました。これにより、2004年4月1日、東京地下鉄株式会社が設立されることとなりました。
さらに、上記の「特殊法人等整理合理化計画」を受け、東京地下鉄株式会社法附則第2条においても、「国及び
東京都は、特殊法人等整理合理化計画の趣旨を踏まえ、この法律の施行の状況を勘案し、できる限り速やかにこの
法律の廃止、その保有する株式の売却その他の必要な措置を講ずるものとする」旨規定されています。当社は、こ
の趣旨に沿って、できる限り早期の完全民営化が可能となるよう、経営基盤の確立に努めていきます。
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3 【事業の内容】
当社グループは、当社、子会社14社(連結子会社13社、非連結子会社1社)及び関連会社3社で構成され、その営
んでいる事業内容は、次のとおりです。
なお、各区分は、セグメント情報の報告セグメントと同一です。
(1) 運輸業
東京都区部を中心に、9路線からなる地下鉄ネットワークを保有し、鉄道の運行及び運営並びに鉄道施設等の保
守管理を行っています。
事業の内容 主な会社名
鉄道事業 当社
鉄道駅の清掃及び運営管理 ㈱メトロセルビス(鉄道駅の清掃等)、㈱メトロコマース(鉄道駅の運営管理)
㈱メトロステーションファシリティーズ(駅設備関係)、メトロ車両㈱(車両関
鉄道施設等の整備及び保守
係)、㈱メトロレールファシリティーズ(土木構築物・建築物関係)、メトロ開発
管理
㈱(土木構築物関係)、㈱地下鉄メインテナンス(電気設備関係)
ベトナム東京メトロ(VIETNAM TOKYO METRO ONE MEMBER LIMITED LIABILITY
海外都市鉄道運営・維持の
支援
COMPANY)
(2) 不動産事業
鉄道事業とのシナジー効果が発揮できる事業展開を基本とし、当社路線の沿線において、渋谷マークシティな
ど、オフィスビルやホテルを中心とした不動産の賃貸を行っています。
事業の内容 主な会社名
不動産の開発 当社
不動産の賃貸 当社、東京メトロ都市開発㈱
不動産の管理 東京メトロ都市開発㈱
(3) 流通・広告事業
当社資産などを活用し、当社路線の駅においてEchikaなどの商業施設の運営、主として駅構内や電車内の
広告を取り扱う広告事業、光ファイバーの賃貸などを行う情報通信事業などを行っています。
事業の内容 主な会社名
商業施設の開発 当社
㈱メトロコマース(駅構内売店等の運営)、メトロ開発㈱(高架下商業施設の運
商業施設の運営 営)、㈱メトロプロパティーズ(Echika等駅構内及び駅周辺における商業施
設及び飲食店舗の運営)
広告事業 ㈱メトロアドエージェンシー
情報通信事業 当社
(4) その他
事業の内容 主な会社名
福利厚生施設の運営 ㈱メトロライフサポート
人事・経理・システムサー
㈱メトロビジネスアソシエ
ビスに関する事務
施設の清掃 ㈱メトロフルール
(注) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、当社施設の管理運営事業等を含ん
でいます。
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以上の企業集団の状況について、事業系統図を示すと次のとおりです。
(注) 1 上図は、当社及び子会社14社の概要図です。
2 ※は非連結子会社です。
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4 【関係会社の状況】
(1) 連結子会社
議決権の所有割合
資本金 主要な事業
名称 住所 関係内容
直接所有 間接所有 合計
(百万円) の内容
(%) (%) (%)
当社は施設の清掃業務等を委託して
います。
㈱メトロセルビス 東京都台東区 10 運輸業 100.0 - 100.0
(当社社員の役員兼任3名)
当社は駅運営管理業務を委託し、ま
運輸業
た、施設を賃貸しています。
㈱メトロコマース 東京都台東区 12 100.0 - 100.0
流通・広告事業
(当社社員の役員兼任6名)
当社は駅設備の整備及び保守管理を
㈱メトロステーショ
委託しています。
東京都台東区 10 運輸業 100.0 - 100.0
ンファシリティーズ
(当社社員の役員兼任4名)
当社は車両の整備及び保守管理を委
託しています。
メトロ車両㈱ 東京都台東区 20 運輸業 100.0 - 100.0
(当社社員の役員兼任2名)
当社は施設の整備及び保守管理を委
㈱メトロレールファ
託しています。
東京都台東区 20 運輸業 100.0 - 100.0
シリティーズ
(当社社員の役員兼任4名)
当社は高架下等を賃貸し、また、施
運輸業
設の整備を委託しています。
メトロ開発㈱ 東京都中央区 30 100.0 - 100.0
流通・広告事業
(当社社員の役員兼任5名)
当社は設備の整備及び保守管理を委
㈱地下鉄メインテナ
託しています。
東京都台東区 20 運輸業 100.0 - 100.0
ンス
(当社社員の役員兼任4名)
当社は土地・建物を賃貸し、また、
東京メトロ都市開発
施設の管理を委託しています。
東京都新宿区 106 不動産事業 100.0 - 100.0
㈱
(当社社員の役員兼任2名)
㈱メトロプロパティ 当社は施設を賃貸しています。
東京都台東区 10 流通・広告事業 100.0 - 100.0
ーズ (当社社員の役員兼任4名)
当社は広告販売の委託等を行ってい
㈱メトロアドエージ
ます。
東京都港区 50 流通・広告事業 100.0 - 100.0
ェンシー
(当社社員の役員兼任3名)
当社は福利厚生施設運営業務を委託
㈱メトロライフサポ
しています。
東京都台東区 20 その他 100.0 - 100.0
ート
(当社社員の役員兼任4名)
当社は人事・経理・システムサービ
㈱メトロビジネスア スに関する事務業務を委託していま
東京都台東区 10 その他 100.0 - 100.0
す。
ソシエ
(当社社員の役員兼任6名)
当社は施設の清掃業務等を委託して
います。
㈱メトロフルール 東京都江東区 10 その他 100.0 - 100.0
(当社社員の役員兼任4名)
(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメント情報の名称を記載しています。
2 上記子会社のうち特定子会社に該当するものはありません。
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(2) 持分法適用関連会社
議決権の所有割合
資本金 主要な事業
名称 住所 関係内容
直接所有 間接所有 合計
(百万円) の内容
(%) (%) (%)
-
渋谷熱供給㈱ 東京都渋谷区 400 熱供給事業 39.0 - 39.0
(当社社員の役員兼任2名)
- 10.0
-
㈱はとバス 東京都千代田区 100 観光バス事業等 10.0
(12.5) (12.5)
(当社社員の役員兼任1名)
日本コンサルタンツ 鉄道コンサルティ
-
東京都千代田区 100 24.4 - 24.4
㈱ ング事業 (当社社員の役員兼任1名)
(注) 議決権の所有割合欄の中で(外書)は緊密な者(公益財団法人メトロ文化財団)の所有割合です。なお、当財
団は、1956年に当社の前身である営団が出捐し、設立された財団法人(設立当初の名称は財団法人地下鉄互助
会)であり、主に交通文化活動等の社会貢献活動を担っています。また、当社は当財団に地下鉄博物館の運営
に供する土地を無償で貸し出しているほか、当連結会計年度において5億1千1百万円の寄付を行いました。
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5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2023年3月31日 現在
セグメントの名称 従業員数(名)
運輸業 10,621 (1,085)
不動産事業 142 (25)
流通・広告事業 508 (498)
その他 300 (300)
合計 11,571 (1,908)
(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しています。
2 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントです。
(2) 提出会社の状況
2023年3月31日 現在
従業員数(名) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
9,721 38.6 17.3 7,286,480
セグメントの名称 従業員数(名)
運輸業 9,598
不動産事業 58
流通・広告事業 62
その他 3
合計 9,721
(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しています。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
3 平均勤続年数は、営団における勤続年数を含んでいます。なお、当社設立後の平均勤続年数は13.1年です。
4 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントです。
(3) 労働組合の状況
提出会社の従業員により、東京地下鉄労働組合(組合員数9,510人)が組織されており、日本私鉄労働組合総連合
会に加盟しています。
また、提出会社の労使間及び連結子会社の労使間において、特記すべき事項はありません。
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(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度
男性労働者の
管理職に占める
労働者の男女の賃金の差異(注1、注3)
育児休業等
女性労働者の
名称
うち正規雇用 うちパート・
割合
取得率
全労働者
労働者 有期労働者
(注1)
(注2)
東京地下鉄株式会社 2.3% 77.0% 60.7% 66.7% 113.2%
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)(以下、「女性活躍推進法」
といいます。)の規定に基づき算出し、記載しています。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規
定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3
年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出し、記載しています。
3 「正規雇用労働者」及び「パート・有期労働者」ともに同一労働の賃金に差はなく、「正規雇用労働者」間
での賃金の差異は勤続年数、平均年齢の違いなどにより、「パート・有期労働者」間での賃金の差異は労働時
間の違いにより生じています。
②連結子会社
当事業年度
男性労働者の
管理職に占める
労働者の男女の賃金の差異(注1、注3)
育児休業等
女性労働者の
名称
うち正規雇用 うちパート・
割合
取得率
全労働者
労働者 有期労働者
(注1)
(注2)
株式会社メトロセルビス - - 80.8% 56.9% 105.1%
株式会社メトロコマース 21.4% 100.0% 73.8% 82.8% 145.6%
メトロ開発株式会社 2.1% - - - -
株式会社地下鉄メインテナンス - 50.0% - - -
株式会社メトロアドエージェン
- - 114.8% 83.3% 99.1%
シー
(注)1 女性活躍推進法の規定に基づき算出し、記載しています。
2 連結子会社は女性活躍推進法上の公表項目としていませんが、参考情報として「育児休業、介護休業等育児
又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護
休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4
第1号における育児休業等の取得割合を算出し、記載しています。
3 「正規雇用労働者」及び「パート・有期労働者」ともに同一労働の賃金に差はなく、「正規雇用労働者」間
での賃金の差異は勤続年数、平均年齢の違いなどにより、「パート・有期労働者」間での賃金の差異は労働時
間の違いにより生じています。
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第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、グループ理念「東京を走らせる力」の実現を目指して、中期経営計画及び事業計画に基づき、
東京を中心とした首都圏の鉄道ネットワークの中核を担う交通事業者として、様々な取組を進めることで、持続的
な企業価値の向上を目指しています。
<東京メトログループ理念>
東京を走らせる力
私たち東京メトログループは、
鉄道事業を中心とした事業展開を図ることで、首都東京の都市機能を支え、
都市としての魅力と活力を引き出すとともに、
優れた技術力と創造力により、安全・安心で快適なより良いサービスを提供し、
東京に集う人々の活き活きとした毎日に貢献します。
(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等
コロナ禍で加速したテレワークやWeb会議等業務のオンライン化の定着により、人々の意識・行動や消費活
動・企業活動及び社会構造等が大きく変化し、当社の経営環境は厳しい状況が続いています。また、台風・豪雨災
害等の自然災害の頻発・激甚化や、サプライチェーン途絶等様々な要因による部品の供給不足、資源・エネルギー
価格の高騰、世界的な金融引き締めによる調達金利の上昇等のリスクも顕在化しており、当社を取り巻く外部環境
は引き続き不透明な状況です。
一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大は落ち着きの兆しが見えてきており、行動制限緩和等による人々の外
出機会の増加に伴い、当社の旅客運輸収入は回復に向かいつつあるなど、中期経営計画策定時の前提が大きく変化
してきていることから、2023年3月には、「東京メトロプラン2024」の各種施策に取り組みつつも、設備投資計画
や経営目標値等の見直しを図ることとしました。
2023年度においても、安全の確保を前提としたコスト構造改革や、新たなお出かけ機会の創出、CBM(状態基
準保全)の導入、自動運転(GoA2.5)の実現に向けた検討等、新技術やDXの活用等により鉄道事業の進化に努
めていきます。都市・生活創造事業における不動産事業の拡大やお客様の「新たな日常」を支える各種事業の展
開、また、海外鉄道ビジネスの拡大、新規ビジネスの開発を通じて成長を目指していきます。さらに、社員の「自
律」・「挑戦」・「協働」を促し、働きがいを高め、多様な人財が活躍できる職場づくりを推進するとともに、人
権の尊重、組織体制・ガバナンスの強化により、経営基盤の強化を図っていきます。
また、全てのお客様が安全・安心で快適にご利用できる環境を整えるため、2023年3月より鉄道駅バリアフリー
料金の収受を開始し、2025年度までのホームドア全線整備をはじめ、各種バリアフリー設備整備を着実に推進して
いきます。
なお、2023年3月に工事施行認可を申請した新線建設については、十分な公的支援を前提に、2030年代半ばの開
業に向けて取り組んでいきます。
(「東京メトロプラン2024」に基づく取組について)
(1)コスト構造改革による持続可能な事業運営の実現
ポストコロナにおける行動変容を見据え、安全の確保を前提に、施工の優先順位や時期、仕様等、計画内容を見
直すとともに、足元の設備投資・経費の緊急抑制から設備・業務のスリム化等の抜本的なコスト構造改革による固
定費の削減にグループ一体となって取り組むことにより、持続可能な事業運営を実現します。また、設備の状態監
視の充実やAI・ビッグデータ分析技術の活用等により、コスト削減や保全業務の生産性向上を目指します。
(2)さらなる安全・安心の提供と鉄道事業の進化による東京の多様な魅力と価値の向上
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① 安全性・利便性の向上(セキュリティ強化等)
激甚化する自然災害への対策、社会情勢の変化に応じたセキュリティ強化及び列車運行の安定性向上に向け
た取組により、安全で安心な鉄道サービスを提供していきます。
② 安全性・利便性の向上(バリアフリー化促進)
2022年4月25日付けで国土交通省関東運輸局に対して届出を行い、2023年3月より収受を開始している「鉄
道駅バリアフリー料金制度」も活用しつつ、ホームドアやエレベーター整備等のバリアフリー化を促進し、お
客様の円滑な移動を実現していきます。
③ 有楽町線延伸・南北線延伸等によるネットワーク発展・充実
経営に悪影響を及ぼさないよう、補助金等の十分な公的支援をもとに、鉄道ネットワークの強化を通じて、
臨海部・都心部へのアクセス利便性の向上や沿線のまちづくりへの寄与、東京圏の国際競争力の強化に貢献し
ていきます。また、虎ノ門ヒルズ駅整備による交通結節機能の強化、駅・まち一体となったゆとりある空間の
構築を図るほか、相互直通先の拡大を契機として地域間の連携とより一層の活性化を図り、各地域のさらなる
発展に貢献していきます。
④ 地域との連携・メトポの活用等による新たなお出かけ機会の創出
都内の観光地や商業施設等と連携し、City Tourism(東京の都市内観光)の促進や、ポイント
サービスの魅力向上に向けた取組を進め、新型コロナウイルス感染症の影響により減少したお出かけ機会を創
出することによりお客様のwell-beingを実現し、地域の皆様とともに東京の魅力と価値を共創して
いきます。また、「my!東京MaaS」を推進し、様々なサービスを提供する事業者と連携したお出かけを
提案するとともに、多様な移動手段を一元的に提供し、お客様の利便性を高め、新たな需要を喚起していきま
す。
⑤ 新技術の導入とDXによる鉄道オペレーションの進化
企業や研究機関等と連携した新技術の導入、開発やDXの推進を図るとともに、「将来にわたる安心の提
供」の実現と「社員の新たな働き方」の確立に向けた「次世代型業務変革プロジェクト」を推進し、ポストコ
ロナにおけるお客様の生活様式の変化や生産年齢人口の減少といった経営環境の変化に適応することで、事業
運営の持続性を向上させ、企業価値の向上を図っていきます。
(3)都市・生活創造事業の成長等により東京に集う一人ひとりの活き活きとした毎日に貢献
① 不動産事業の拡大とまちづくりとの連携
東京という「都市」を創造する不動産開発を強化していくとともに、駅周辺の都市開発と一体となって魅力
的な空間の構築を図ることで、人やまちの進化に貢献していきます。
② お客様の「新たな日常」を支える各種事業の展開
流通事業、広告事業及び情報通信事業の展開や成長を通じて、お客様の新たな日常を支え、ニーズに迅速に
対応することにより、より豊かな生活の実現に貢献していきます。
③ 海外鉄道ビジネスの拡大・新規ビジネスの開発推進
今後の当社の成長を支える源泉のひとつとすべく、海外鉄道ビジネスへの参画やその拡大を図り、海外各都
市の持続的な社会の発展に向けた取組を進めるとともに、当社にないノウハウを持つ様々な分野の方々とス
ピード感をもって連携し、社会の新しいニーズに合わせた事業の開発により、多様なライフ・ワークスタイル
の実現に貢献していきます。
(4)ESGの取組による持続可能な社会の実現への貢献
① 脱炭素・循環型社会への貢献
脱炭素社会への取組として、気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、「TCFD」といいます。)提
言への賛同及び情報開示や、省エネルギー・再生可能エネルギー施策等を推進するとともに、循環型社会への
取組として、資源の分別、リサイクルや廃棄物の削減等をより一層推進することで、持続可能な社会の実現を
目指していきます。
② 安全文化の醸成、人財育成を通じた経営基盤の強化
各種訓練や研修を通じて、お客様の安全を第一に、安全・安定輸送の確保に対する社員の使命感・技術力を
高めるとともに、時代のニーズに即した知識・技能を備えた人財を育成していきます。また、社員の働きがい
の創出や社員とその家族のこころとからだの健康づくりに取り組むことで、首都東京の都市機能を支える企業
グループとして成長していきます。さらに、デジタル技術の活用やデータ分析のさらなる推進のため、社内を
牽引するデジタル人財の育成を強化し、業務変革や新しい領域でのビジネス展開につなげていきます。
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③ 人権の尊重やダイバーシティの推進、ガバナンス強化等を通じた経営基盤の強化
社員の「自律」・「挑戦」・「協働」を促し、働きがいを高め、多様な人財が活躍できる職場づくりを推進
するとともに、サステナビリティ経営の推進を図るべく、ステークホルダーとの対話を通じて、各種取組を確
実に実行していきます。
当社グループは、中長期的視点で期待される様々な施策を実現していくとともに、新たな価値の創造により、持
続的な企業価値の向上を図り、全てのステークホルダーから信頼され、選択され、支持される企業グループを目指
していきます。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、2023年3月24日に中期経営計画「東京メトロプラン2024」における経営目標値を変更しまし
た。引き続き、キャッシュ創出力を持続的に向上させていくという観点から3か年連結EBITDA総額、本業か
ら得られるキャッシュと負債のバランスを踏まえて一定の財務健全性を確保するという観点から連結純有利子負
債/EBITDA倍率、これまでの積極的な設備投資に伴う総資産・営業費の増加を踏まえた上でも一定の資産効
率性を確保するという観点から連結ROAの3つを定め、目標値を上方修正しています。
経営指標 2025年3月期末目標
3,600億円
3か年連結EBITDA総額(注1)
(2023年3月期から2025年3月期までの3か年総額)
7.7倍
連結純有利子負債/EBITDA倍率(注2、3)
(新線除く 6.3倍)
3.2%
連結ROA(注3、4)
(新線除く 3.5%)
(注)1 営業利益に減価償却費を加え、簡易的に計算したものとします。
2 (債務残高-現金同等物)/(営業利益+減価償却費)で計算したものとします。
3 新線建設推進長期借入金(1,921億円)および新線建設費を含めた数値とします。
4 営業利益/((期首総資産+期末総資産)/2)で計算したものとします。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティ全般
①ガバナンス
従前、サステナビリティに関する議論は社長を議長とするサステナビリティ推進会議で議論を行い、重要案件
については、取締役会に付議をしてきたところですが、2023年4月からは、改めて社内規程化を行い、サステナ
ビリティ推進会議をサステナビリティ推進委員会と名称を改め、全業務執行取締役が参加する会議体とした上
で、必要に応じて外部有識者を交えて議論を進める形とすることで体制を強化し、引き続き重要案件については
取締役会に付議することで、より一層サステナビリティ経営の推進を図っていきます。
②戦略
当社グループは、「安心で、持続可能な社会」の実現を目指し、2022年に策定したサステナビリティ経営ビ
ジョン及び10個のサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)に基づき、環境・社会・経済の持続可能性に配
慮し、事業を通じた社会課題の解決を図るべく、サステナビリティを経営の中心に据え、対応方針や具体的な目
標を設定し、サステナビリティ経営を推進しています。
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③リスク管理
サステナビリティ推進委員会において、サステナビリティ戦略に関するフォローアップを実施し、全社的なリ
スクマネジメントとの連携を含め、サステナビリティに関するリスクの管理を進めています。具体的には水害な
どを含む自然災害リスクやハラスメントリスクを全社リスクとして位置付けているとともに、2023年度より環
境・人権に関するリスクも個別リスクとして、管理していく予定です。
(リスクマネジメント体制等の詳細については、当社のサステナビリティレポート2022
(https://www.tokyometro.jp/corporate/csr/report/pdf/sr2022.pdf)をご覧ください。)
④指標及び目標
社会課題の解決を着実に行うため、マテリアリティごとに2030年を目標とするKPI((1)サステナビリティ
全般 ②戦略をご覧ください。)を設定しています。これらの進捗を報告することで、社会課題の解決に向けた
取組を推進していきます。
(2) 人的資本・多様性
①ガバナンス
2 「サステナビリティに関する考え方及び取組」 (1)サステナビリティ全般 ①ガバナンスに記載していま
す。
②戦略
1.人財戦略の全体像
[『構造変革・新たな飛躍』の実現に向けた“あるべき組織の姿”]
経営環境の変化や将来的な生産年齢人口の減少が見込まれる中、社員の働き方や業務の在り方についても転
換期を迎えています。このような状況のもと、DX等により既存の勤務形態(時間・場所)に捉われない、柔
軟かつ自律性の高い働き方を実現し、人手に頼っていた業務を変革することで、社員一人ひとりがより創造
的・思考的な業務に従事することを目指しています。
また、経験等の延長線上で「答え」を出すことが難しくなっている背景を踏まえ、多様な社員がお互いに認
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め合い、アイデアを出し合い、切磋琢磨することで、さらなる価値を創出し続ける組織となることを目指して
いきます。
目指す組織の実現に向けて、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(以下、「DE&I」といい
ます。)をさらに推進し、多様化するお客様のニーズに応えることはもちろん、人財確保の観点からも、社員
一人ひとりの多様性を受け入れ、それぞれの状況や特性に配慮し、誰もが等しく活躍できる働きやすい環境を
整え、エンゲージメントを高めて最大活躍を促し、イノベーションにより新たな価値を生み出していきます。
[求める人財像]
『構造変革・新たな飛躍』の実現のために、求められる基本的な3つの人財像を新たに策定しました。
(1)「自律」できる人財
高い規範意識のもと、自ら学び、自分の考えを大切にして発信できる
(2)「挑戦」できる人財
変化の兆しを感じ取り、変化を恐れず行動できる
(3)「協働」できる人財
異なる価値観を受容・尊重し、周囲と連携することができる
求める人財像に合致するよう、人財戦略を組み立て、人的資本経営の実現を図ります。
[人財戦略の実効性を検証し、高めていくための取組]
当社では、エンゲージメント調査等を通じて、会社・仕事内容・職場・上司等に対する社員の満足度・期待
度を継続的に調査し、人財戦略の実効性を検証していきます。また、抽出された課題に対して迅速に対応して
いくことにより、社員のエンゲージメントを向上させていきます。
2023年度については、エンゲージメント調査の結果に基づき、職場ごとにアクションプランを策定し、実行
していきます。
2.人財の多様性の確保を含む人財育成に関する方針(注1)
[組織のリーダーの行動変革]
社員一人ひとりが、「自律」「挑戦」を実現し、社員同士の「協働」により組織としてのアウトプットの価
値を最大化できるよう、まず組織のリーダー自身の行動を変革していきます。具体的には、リーダーが、最前
線で業務に従事している組織のメンバーの声に耳を傾けるとともに、安心感を高め挑戦の意欲を引き出すリー
ダーシップを発揮できるようにすることを目指します。
組織のリーダーの行動が変革することで、組織の風土が変わり、全社員が公平に「自律」「挑戦」「協働」
を実現する機会を得ることができます。これらを実現するため、引き続き、各マネジメント職への階層別研修
や心理的安全性研修等を実施していくとともに、1on1ミーティング等によりリーダーとメンバーの関わり
の質・量の水準を高めていきます。
[知識・技能の向上と行動変革]
日常の業務遂行において、従前通り確実に業務を遂行することに加え、「自律」「挑戦」「協働」といった
新たに策定した人財像に合致する主体的な行動を評価することにより、全社員の行動変革を促していきます。
また、社員一人ひとりの考えや主体性を重視し、幅広い選択肢のもとキャリアを形成できるようにしていき
ます。自部門に閉じた業務遂行だけでなく、社内外の様々な価値観に触れる機会を創出することで、社員のさ
らなる成長を促していきます。
これまで通り、各種訓練や研修を通じて、お客様の安全を第一に、安全・安定輸送の確保に対する社員の使
命感・技術力を高めるとともに、時代のニーズに即した知識・技能を備えた人財を育成していきます。デジタ
ル技術の活用やデータ分析のさらなる推進のため、社内を牽引するデジタル人財の育成を強化し、業務変革や
新しい領域でのビジネス展開につなげていきます。
<DE&I推進の取組>
DE&Iを実現していけるよう、体制整備を図るとともに、各種施策を加速度的に推進していきます。
■ダイバシティー&インクルージョン(D&I)研修(注2)
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全社員を対象として、D&Iの必要性を理解し、多様な価値観を持つ社員が活き活きと働くことができる企
業となることを目的に研修を実施しています。
■ダイバーシティ&マネジメント研修
新たにマネジメント層になった社員を対象として、誰もが活き活きと活躍し続けることができる職場風土を
構築・維持することを目的に、DE&Iの観点から、ダイバーシティ経営や職場の心理的安全性の確保等、マ
ネジメントに欠かせない要素の研修を実施しています。
<評価・報酬等各種人事制度の見直し>
人財育成・処遇面から社員のモチベーションを維持・向上させることを目的とし、一人ひとりの活躍に応じ
た適切な評価、役職・評価結果に応じたメリハリのある報酬、適切な評価による登用・配置等が実現できるよ
う各種人事制度の見直しを行います。
<1on1ミーティング>
上司・部下間のコミュニケーションの絶対量を増やし、部下の自律的な業務遂行やキャリア形成を支援する
ことを目的として、2020年度より順次、本社の全社員及び現業の監督職を対象として導入しました。今後は現
業の係員級にも同様の取組を拡大することで、全社員が自律的に業務を遂行し、挑戦できる環境を構築してい
きます。
<社内複業制度>
社員が新たな視点やスキルを獲得すること及び新たな価値の創出を目的として、本社各部が募集する業務に
ついて、職種、部門を越えて一時的に従事する社内複業制度を2022年度より導入しました。今後はより多くの
社員が通常とは異なる業務に従事できる機会を獲得し、価値創出やスキル習得を実現できるよう、制度をさら
に活性化させていきます。
<Tokyo Metro ACCELERATOR>
新規事業創出及び鉄道事業の進化等を目的に実施しているTokyo Metro ACCELERATO
Rは、社員が手挙げ制によりコーディネーター業務に応募し、外部企業との共創の実現に向けて検討を進める
ことから「挑戦する風土」の醸成にも繋がっており、2016年度の導入以降、2021年度までに計19件、外部企業
との新たな価値の共創に成功しています。
<フレキシブルラーニング休職制度>
業務との両立が難しい自己研鑽(修学、資格取得等)を支援し、社員の学びなおしを促進することを目的と
して、最大2年間取得可能な本制度を2021年度より導入しました。取得に際し、社員が取得目的や会社への還
元方等を説明する制度とし、社員が自律的にキャリア形成について考える機会としています。
3.社内環境整備に関する方針(注1)
[働きやすさ向上施策の推進]
交替勤務という特殊な勤務形態であることを踏まえ、「WORK×LIFE SMILE ACTION ~
社員一人ひとりの最大活躍のために~」をテーマに掲げ、ライフステージに合わせた働きやすさ向上を進めて
います。
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<育児休職制度>
育児休職制度については、子が3歳となる年の年度末まで取得可能であり、2022年10月より、男性の育児休
職制度を一部有給化することで従来よりも取得しやすい制度としました。
<短時間勤務制度>
1日の労働時間または労働日数を減らす勤務制度であり、子が小学校3年生となる年の年度末まで取得可能
です。今後、より多くの社員が柔軟な働き方を実現できるよう、制度の拡充について検討していきます。
<不妊治療支援>
不妊治療を理由に最大1年取得可能な休職等の制度を設けており、アプリを活用して妊活の疑問等について
専門家のアドバイスを受けられるサービスを社員に提供しています。
<勤務間インターバル制度>
勤務終了後、一定時間の休息時間(インターバル)を確保することで、社員の心身の健康保持やワークライ
フバランス・生産性向上を実現します。
<職場環境整備>
長期的な計画に基づき、職場の宿泊施設等の整備等を推進することにより、誰もが長く活躍できる職場を実
現していきます。
[健康経営の推進]
2019年に「東京メトログループ健康宣言」を制定するとともに、「健康経営推進委員会」を設置しました。
当委員会では、健康課題を確実に解決していくために重点取組項目(喫煙対策・運動・睡眠等)に目標値を定
め、組織的かつ計画的に健康づくり活動を推進しています。
また、2021年には全職場に「健康経営推進担当者」を設置し、社員とその家族の健康保持・増進を積極的に
支援しています。
社員が心身ともに健康で働ける職場づくりに向けた取組を実施した結果、優良な健康経営を実践している企
業として、2023年3月に健康経営優良法人2023(大規模法人部門)に認定されました。
<健康宣言>
東京メトログループは、首都東京の都市機能を支え、安全・安心で快適なより良いサービスを提供し、東京
に集う人々の活き活きとした毎日に貢献することを使命としています。
その使命を果たすためには、社員とその家族が健康意識を高く持ち、心身の健康を増進し、社員一人ひとり
が活き活きと働いていることが大切だと考えます。
東京メトログループは、社員・会社・健康保険組合が一体となって、お客様に安心を提供し続け、社員とそ
の家族が幸せで豊かな人生を送れるよう、こころとからだの健康づくりに積極的に取り組むことを宣言しま
す。
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[労働安全衛生の推進]
お客様に安心して東京メトログループをご利用いただくためには、社員が万全な状態で業務を遂行できる安
全な職場環境づくりが必要です。社員の安全確保と健康保持、職場環境の維持向上を図るため、職場ごとに安
全衛生委員会等を設置し、労働災害の防止、疾病の予防等について調査・審議しています。また、基本動作の
励行等の取組を確実に積み重ねることが重要という考えのもと、安全衛生教育に取り組んでいます。
技術部門では、危険予知トレーニング活動やゼロ災運動、リスクアセスメント等の取組を通じて、社員の安
全意識の高揚や職場における安全水準の向上に努めています。一方で、駅係員や乗務員への暴力行為による労
働災害が多発していることから、駅に暴力行為の防止を呼びかけるポスターを掲出する等、鉄道業界全体で暴
力行為の撲滅に向けた啓発活動に取り組んでいます。
(注1)施策については、特に記載がない限り、当社における施策を記載しています。
(注2)2023年度より、DE&I研修に名称変更予定です。
③リスク管理
2 「サステナビリティに関する考え方及び取組」 (1)サステナビリティ全般 ③リスク管理に記載していま
す。
④指標及び目標
項目 実績 目標
指標
(注1) (注1、2) (注1、3)
部長研修受講率 96% 100%
組織のリーダーの行動変革
人財育成
新任マネジメント層への研修受講率 80% 100%
方針
72.1時間/人
知識・技能の向上と行動変革 従業員あたり研修受講時間 前年度実績並み
(注4)
2030年度
働きやすさ向上施策の推進 女性社員比率 6.8%
10%以上
社内環境
健康経営の推進 健康経営優良法人認定 2023認定取得 毎年度認定取得
整備方針
労働災害件数(鉄道重大災害
労働安全衛生の推進 0件 0件
件数)
(注1) 全ての項目において、当社における指標、実績及び目標を記載しています。
(注2) 実績の対象期間は、女性社員比率(2022年4月1日時点)を除き、2023年3月期となります。
(注3) 目標の対象期間は特に記載がない限り、2024年3月期となります。
(注4) 各部門において主体的に実施する研修の平均受講時間(58.2時間/人、2022年3月期実績)を含んでいま
す。
(3)気候変動
①ガバナンス
(1)と同様の体制にて議論を行っています。当社は、TCFD提言への賛同を表明しており、それに向けた
同フレームワークに準じた情報開示に加え、環境方針や長期環境目標、気候関連の非財務指標の設定等を行うと
ともに、社長を議長とするサステナビリティ推進委員会のもと、気候関連のリスク/機会の検討・承認・フォ
ローアップを実施し、重要案件は取締役会に付議します。
②戦略
他の交通手段と比べてCO₂排出量が少ないという鉄道事業の特性を活かし、運輸部門の脱炭素化に貢献しま
す。また、長期環境目標「メトロCO₂ゼロ チャレンジ 2050」に基づき、当社グループのCO₂排出量の削減
に積極的に取り組んでいきます。さらに、気候変動による水害の激甚化を想定し、駅出入口の改良やトンネル坑
口の防水ゲート新設などのハード面の対策と、BCP(事業継続計画)の策定や関係自治体等との連携といった
ソフト面の対策を進めていますが、これをさらに推進し、物理的リスクの低減に努めます。
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③リスク管理
水害などを含む自然災害リスクを全社リスクの1つとして位置づけており、コンプライアンス・リスクマネジ
メント委員会及び経営会議にて審議のうえ毎年計画を策定し、それぞれのリスクに対する取組を実施していま
す。
今後は、サステナビリティ推進委員会においてTCFD提言に基づく気候関連リスクのフォローアップを実施
するとともに、全社的なリスクマネジメントとの連携も含めた気候関連リスクの管理体制構築の検討を進めま
す。
④指標及び目標
2021年3月に長期環境目標「メトロCO₂ゼロ チャレンジ 2050」を設定し、当社グループ全事業が排出す
るCO₂排出量について「2030年度に△50%(2013年度比)」「2050年度実質ゼロ」を目指しています。(2023年
3月に2030年度目標を引き上げ)
また、サステナビリティレポート2022において、CO₂排出量、エネルギー消費量等の実績値を公表していま
す。
(リスクマネジメント体制等の詳細については、当社のサステナビリティレポート2022
(https://www.tokyometro.jp/corporate/csr/report/pdf/sr2022.pdf)をご覧ください)
3 【事業等のリスク】
当社グループの事業等において、経営者が当社グループの財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に
重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクについては、次のようなものがあります。
なお、当社グループでは、事業等のリスクを、将来の経営成績等に与える影響の程度や蓋然性、リスクの性質等
に応じて、分類しています。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。また、以下のリスク
は当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、予想される主なリスクを例示したものです。
(1) 当社グループの経営環境に関連するリスク
① 人口動向等について
当社グループは、東京都区部及びその周辺地域で鉄道事業を中心に事業を展開しています。わが国における経済
的中心地である東京都区部に強固な基盤を有することは、高い営業収益力を保つ上で当社グループの強みの一つで
あり、この営業基盤の特性を最大限活用していきます。
しかしながら、首都圏の人口動向については、中長期的には減少傾向となることが予想されています。また、首
都圏における就業・就学人口の減少、高齢化の進展等による人口構造の変化や、テレワークの進展・定着とこれに
伴う通勤需要の減少等の社会構造の変化が進んだ場合、さらには今後、首都圏における経済情勢の大きな変化、大
企業の本社機能又は政府機関の東京都区部からの移転等が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす
可能性があります。
② 電力料金、原材料価格及び労務費の高騰について
当社グループは、今後も効率的な事業運営に努めていきますが、列車の運行等に際し多大な電力を消費するほ
か、継続的な設備投資やトンネルをはじめとした鉄道設備の維持補修等を行っていることから、電力料金、原材料
価格及び労務費の動向が、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。とりわけ、2022年度において
は電力料金の大幅な高騰が生じており、これにより当社グループの業績は一定の影響を受けております。かかる状
況に鑑み、当社は、2023年度より調達先を変更し従前より燃料価格や市場価格の影響を受けにくい新たな電気料金
制度を採用しておりますが、電力料金の高騰が長期にわたって継続する場合には、当社グループの業績等に更なる
影響を及ぼす可能性があります。
なお、これらのコストが上昇する要因としては、円安の進行や燃料価格等の高騰、再生可能エネルギー発電促進
賦課金の増額、労働需給のひっ迫等が想定されます。
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(2) 自然災害、感染症、気候変動等に関連するリスク
① 自然災害・事故等について
当社グループは、安全の確保を常に念頭に置き、技術面からの更なる安全性向上に向けた取組を実施するととも
に、安全管理規程に基づく安全マネジメント体制の運用等制度面からの取組も推進し、安全の確保を目指していま
す。さらに、首都直下地震や大規模浸水等に備えた鉄道事業における自然災害対策として、施設の耐震性の強化、
帰宅困難者対策、洪水等による浸水対策等の諸課題への取組を強化するとともに、危機管理機能の強化を推進して
います。
しかしながら、地震・洪水・台風等の自然災害、大規模停電又は電力の使用制限や、これらに伴う保守部品等の
リソース供給不足、重大な犯罪行為やテロリストによる攻撃等により当社の路線の運行に支障を来す事態となった
場合や、当社の路線において重大な事故等が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があ
ります。
特に当社の路線、コンピューターシステム及び本社施設等は、そのほとんどが東京都区部に位置していることか
ら、当該地域に大地震をはじめとする重大な自然災害・事故等が発生した場合には、当社グループの多くの施設等
に被害が及ぶ可能性があります。また、当社の路線、施設の大半は地下にあるため、火災、浸水等の災害が発生し
た場合には、その被害が大きくなる可能性があり、これにより、事業が復旧するまでに相応の時間を要する等、当
社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 感染症について
新型インフルエンザ等の感染症が当社沿線地域において大規模に流行し、外出自粛等により通勤・業務・私事利
用を問わず鉄道利用者が大幅に減少した場合、世界的な流行に伴い訪日外国人が大幅に減少した場合や、列車運行
等の事業運営に支障を来す場合等には、当社グループの業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症に関しては、各国における水際対策の緩和や行動制限の解除を受け、当社グ
ループの事業の根幹をなす旅客運輸収入は足元では相応の回復が見られます。しかしながら、新たな変異株の出現
等により同感染症の流行が再拡大した場合には、鉄道利用者が減少する可能性があるほか、外出自粛、休業要請や
休校等により利用者がさらに減少した場合、当社グループの業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
2022年度における旅客運輸収入は、新型コロナウイルス感染症の影響から相応に回復しているものの、同感染症
による影響を受ける前であった2019年度比18.8%減となっており、同感染症の収束後においても、今後のテレワー
クやウェブ会議の定着等により、当社グループの業績等が感染拡大前の水準に戻らない可能性があります。
③ 気候変動について
近年、気候変動は大きな社会経済リスク及び機会をもたらす要因の一つであり、世界中の政府や企業において脱
炭素化の動きが広がっています。東京都区部及びその周辺地域で鉄道事業を中心に事業を展開する当社グループ
は、自然災害による事業リスクに加え、主要事業である鉄道事業が電力を消費するという特性を有することから、
当社グループのサステナビリティ戦略を推進していくことを目的に、2019年4月からサステナビリティ推進体制を
新たに整備し、社長を議長とする「サステナビリティ推進会議」を設置し、サステナビリティ重要課題(マテリア
リティ)テーマに「地下鉄を安全に、そしてつよく」及び「地球にやさしいメトロに」を掲げ、気候変動問題に関
する取組を強化してきました。なお、サステナビリティ推進会議については、2023年4月からサステナビリティ推
進委員会と名称を改め、体制を強化しました。
当社グループは、このような取組を引き続き推進していく予定ですが、今後、政策・法規制の見直しやエネル
ギーミックスの変化による電力料金の上昇等のほか豪雨の激甚化による鉄道施設の損傷・沿線地域の被災、平均気
温の上昇による感染症の発生・拡大等が生じた場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは2022年3月にTCFD提言への賛同を表明するとともに、主要事業である鉄道事業への気
候関連リスク/機会を開示しました。当社グループは、開示情報を活用してステークホルダーの皆様との対話を活
性化させ、気候変動問題に関する取組を今後も推進していく予定です。しかしながら、このような取組にも関わら
ず、ステークホルダーの皆様から気候変動に関する情報開示に十分に対応していないと判断される場合には、当社
グループの社会的信用の低下等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
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④ 人権について
日本国内における労働力人口減少や働き方改革等といった雇用環境等の変化が生じる中で、当社グループの事業
に関わる人的資本は多様化しており、社会的、国際的に人権意識が一層高まっていることも踏まえ、人権問題に対
しては、より多面的に対処する必要性が高まっていると考えています。そのため、サステナビリティ重要課題(マ
テリアリティ)に「人権の尊重」を掲げ、人権尊重に向けた取組を強化し、2023年3月に「東京メトログループ人
権方針」を制定・公表しました。
しかしながら、こういった取組にも関わらず、当社グループ内のみならず、取引先、事業パートナー等を含む当
社グループを取り巻く国内外のステークホルダーに関し、当社グループの事業活動を通じ人権を侵害する行為が発
生した場合、当社グループが社会的非難を受け、当社グループの社会的信用の低下が生じた場合には、当社グルー
プの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 当社グループの経営に関連するリスク
① 法的規制等について
鉄道事業においては、鉄道事業法(昭和61年法律第92号)の定めにより、経営しようとする路線及び鉄道事
業の種別について許可を受ける必要があります(同法第3条)。
収益の中心となる運賃面においては、上限運賃を設定するときは国土交通大臣の認可を受けなければならず、上
限運賃の範囲内で運賃を改定する場合にも、事前に国土交通大臣に届け出ることとされています(同法第16条)。
当社が現在取得しているこれらの国土交通大臣の許可及び認可には期間の定めは無く、当社の現在の運賃は、
2019年9月5日に変更の認可を受けたものです(2019年10月1日より改定後の運賃を適用)。
なお、運賃の改定を施行するに当たっては、所定の手続を経る必要があることから、機動的な運賃の改定を行う
ことができない場合等には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、2021年12月に軌道法施行規則(大正12年内務省・鉄道省令)及び鉄道事業法施行規則(昭和62年運輸省令
第6号)の改正により創設された「鉄道駅バリアフリー料金制度」に基づき、バリアフリー設備の整備費等に充当す
るための料金を定める場合には、バリアフリー整備・徴収計画を作成の上、事前に国土交通大臣に届け出ることと
されています(鉄道事業法第16条第4項)。鉄道駅バリアフリー料金は、第二次交通政策基本計画(2021年5月8
日閣議決定)に基づき、利用者に過度の負担感を与えないものとする必要があるとされており、また、その総徴収
額はバリアフリー整備・徴収計画における総整備費を超えない額とすることとされています。
当社は2023年3月18日から、運賃に加算して鉄道駅バリアフリー料金の収受を開始しておりますが、法令又は運
用の変更等により、バリアフリー整備・徴収計画に定めたとおりに料金の徴収ができない場合には、当社グループ
の業績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、鉄道運賃・料金制度のあり方に関して、「交通政策審議会陸上
交通分科会鉄道部会鉄道運賃・料金制度のあり方に関する小委員会」において、安全・安心や環境といった今日的
な課題に対応する投資やコストを適切に総括原価に反映する手法等の検討について議論されているところであり
(2022年7月に中間取りまとめ公表)、将来的な制度変更の結果、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性が
あります。
鉄道事業を休廃止する場合には、事前に(廃止の場合は廃止日の1年前までに)国土交通大臣に届出を行うこと
とされています(同法第28条、第28条の2)。また、鉄道事業法、同法に基づく命令、これらに基づく処分、許
可・認可に付した条件に違反した場合、正当な理由がないのに許可又は認可を受けた事項を実施しない場合、同法
第6条に定める事業許可の欠格事由に該当することとなった場合などの際には、国土交通大臣は事業の停止を命じ
又は許可を取り消すことができるとされています(同法第30条)。仮に、国土交通大臣より事業の停止や許可の取
消しを受けた場合には、事業活動の継続に支障を来すこととなりますが、現在、同法に抵触する事実等は存在せ
ず、事業活動の継続に支障を来す要因は発生していません。
当社は鉄道事業法に加えて、東京地下鉄株式会社法(平成14年法律第188号)や安全、環境、バリアフリー等の規
制に関する様々な法令の適用を受けており、これらの法令が改正され又はその運用が変更された場合、その内容に
よっては当社の事業活動における柔軟性の減少、費用の増加等を招き、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能
性があります。
なお、東京地下鉄株式会社法の概要は以下のとおりですが、この法律においては、国及び同法附則第11条の規定
により営団から株式の譲渡を受けた地方公共団体は、特殊法人等改革基本法に基づく特殊法人等整理合理化計画の
趣旨を踏まえ、この法律の施行の状況を勘案し、できる限り速やかにこの法律の廃止、その保有する株式の売却そ
の他の必要な措置を講ずるものとする旨規定されています(東京地下鉄株式会社法附則第2条)。
(ⅰ) 制定趣旨・目的等
東京地下鉄株式会社法は、当社の設立について定めるとともに、その目的、事業に関する事項について規定し
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ています。同法は、鉄道事業法に加えて当社を規制するとともに、商号の使用制限等の特例措置を定めていま
す。
なお、東京地下鉄株式会社法に基づく政府の規制は、当社の経営の自主性の確保を前提とするものであり、毎
事業年度の開始前に事業計画を国土交通大臣に提出することは求められているものの、事業計画の認可、関連事
業の実施についての認可等は不要とされています。
(ⅱ) 概要
ア 国土交通大臣による認可を必要とする事項
(ア) 発行する株式又は新株予約権を引き受ける者の募集等の認可(東京地下鉄株式会社法第4条第1項)
会社法(平成17年法律第86号)第199条第1項に規定するその発行する株式若しくは会社法第238条第1項
に規定する募集新株予約権を引き受ける者の募集をし、又は株式交換若しくは株式交付に際して株式、新株
予約権若しくは新株予約権付社債を発行しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければなりませ
ん。
(イ) 代表取締役等の選定等の決議の認可(同法第5条)
代表取締役又は代表執行役の選定及び解職並びに監査等委員である取締役若しくは監査役の選任及び解任
又は監査委員の選定及び解職の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じません。
(ウ) 定款の変更等の認可(同法第7条)
定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分(損失の処理を除く)、合併、分割及び解散の決議は、
国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じません。
イ その他の規制事項
国土交通大臣への事業計画及び財務諸表の提出義務(同法第6条、第8条)、国土交通大臣の監督・命令権限
並びに報告指示及び検査権限(同法第9条、第10条)が規定されています。
ウ 特例措置
(ア) 商号の使用制限(同法第2条)
当社でない者は、その商号中に東京地下鉄株式会社という文字を使用してはなりません。
(イ) 一般担保(同法第3条)
社債権者は、当社の財産について、民法の規定による一般の先取特権に次いで優先弁済を受けることがで
きます。
② 鉄道事業に関する道路占用料について
当社の路線は、主として道路の地下を運行しているため、道路法(昭和27年法律第180号)第39条第1項の規定に
より、道路占用料徴収の対象となっていますが、有価証券報告書提出日現在、指定国道及び指定国道以外の道路の
いずれについても、出入口等の地上施設を除く地下施設については、各種法令・条例等の減免措置の適用により、
道路占用料の全額を免除されています。このうち、指定国道の地下施設の道路占用料については、2022年12月に、
国土交通省より、当社株式の上場後は、他の第三セクターの地下鉄事業者と並びを取り、道路法施行令(昭和27年
政令第479号)で定める金額の10%として取り扱うこととし、当社の完全民営化後の指定国道の道路占用料の取扱い
については、現時点では取扱いを決めず、完全民営化の時期が具体化した段階で改めて協議するとの方針が示され
ております。かかる方針に変更があった場合や、将来において当社の完全民営化の時期が具体化した際の指定国道
の道路占用料の取扱いの具体的な内容によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、指定国道以外の道路については、当社の株式上場後も継続して減免措置が適用される予定ではあります
が、今後、現行の各種法令等の改正により、これらの指定国道以外の道路においてもこの減免措置が受けられなく
なった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 中期経営計画について
当社グループは、2022年4月に、持続可能な鉄道事業の運営と成長戦略による収益拡大を実現すべく、「構造変
革」・「新たな飛躍」を基本方針に掲げ、4つの重点戦略を設定した、2022年度から2024年度までの中期経営計画
「東京メトロプラン2024」を公表しました。また、2023年3月には、コロナ禍における行動制限の緩和等による旅
客運輸収入の回復や電力料金の高騰等、同計画策定時の前提が大きく変化したことを踏まえ、設備投資計画の見直
しやポストコロナを見据えた経営目標値の上方修正等を内容とする「東京メトロプラン2024」の変更を行いまし
た。
中期経営計画においては、鉄道事業の持続可能性の向上を図るべく、安全の確保を前提に、次世代に向けたコス
ト構造や業務の抜本的な見直し等、「構造変革」に取り組むとともに、新線建設、お出かけ機会の創出、都市・生
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活創造事業の強化等、「新たな飛躍」を目指した取組を推進することを基本方針としています。
しかしながら、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載された事項を含む様々なリスク要因により中期
経営計画に掲げる取組が計画どおりに進捗しない可能性や、中期経営計画を策定するための各種の前提が変化する
可能性があります。このような場合には、当社グループは、かかる状況や変化に対応した成長戦略又は事業運営を
立案又は実行するよう努めますが、適時に成長戦略や事業運営を変更し、又は改善することができないなど様々な
要因により、中期経営計画で掲げた経営目標について、当初計画した期間内に又は当該期間経過後においても達成
できない可能性があります。
④ 他事業者との競合等について
当社グループは、運輸業において一部の鉄道事業者及びタクシー、バス等の交通機関と競合関係にあるほか、自
家用車等の他の交通手段の利用の多寡にも影響を受けます。したがって、他事業者による新線開業や、他事業者同
士による相互乗り入れ等の新しいサービスの提供は、当社の路線の輸送人員を減少させ、当社グループの業績等に
影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は他事業者との相互乗り入れ等により、当社の利用者の利便性向上及び輸送人員の拡大を図っていま
すが、自然災害や事故、停電又は電力の使用制限その他の理由により相互乗り入れ等のサービスを提供できなく
なった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 長期債務について
当社は、前身の営団時代から地下鉄ネットワークの整備拡充に努め、その建設資金の多くを財政融資資金法(昭
和26年法律第100号)に基づく財政投融資による政府からの借入金及び交通債券等の長期資金にて調達してきまし
た。また、当社は、これら債務の償還や鉄道事業を中心とした継続的な設備投資のために、社債の発行や借入金に
より長期資金を調達しています。さらに、有楽町線延伸(豊洲・住吉間)、南北線延伸(品川・白金高輪間)及び
豊洲駅の改良事業(以下、「有楽町線、南北線延伸事業等」といいます。)に充当するため、2023年3月30日に独
立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下、「鉄道・運輸機構」といいます。)から、1,921億円の長期資
金(新線建設推進長期借入金)を調達しており、2023年3月31日現在の社債及び借入金残高は1兆1,399億8千8百
万円となっています。
なお、新線建設推進長期借入金による資金は、分別管理を目的として信託を設定しており、2023年3月31日現在
の当該長期借入金残高は1,921億円となっています。
当社グループは、債務残高を収益力との関係性において一定の水準に抑制するなど財務規律を堅持し、財務健全
性の維持・向上を図っていますが、金利が大幅に上昇した場合や当社の信用格付が引き下げられた場合には、当社
グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 不動産事業及び流通・広告事業等について
今後の人口動向やそれに伴う競争激化等の経営環境の変化を踏まえると、運輸業の拡大には一定の限度があるた
め、当社グループの今後の成長及び収益基盤の強化という観点から、不動産事業及び流通・広告事業等、運輸業以
外の事業分野である事業領域・規模の拡大を追求することが将来的な課題となっています。そのため、今後さらに
これら事業の積極的な展開を促進していきますが、当社グループの経営資源の制約や経済環境の悪化等で、期待さ
れる収益が獲得できず、又は、新たな事業分野におけるリスクが顕在化した場合等には、当社グループの業績等に
影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 都営地下鉄との一元化について
特殊会社である当社の使命は、東京地下鉄株式会社法の趣旨を踏まえて、できる限り速やかに完全民営化を目指
すことであると認識しており、そのため、財務基盤の充実・強化を図るなどにより、交通政策審議会答申第371号及
び国と東京都との合意に基づき、将来の完全民営化を見据えつつ、当社株式の上場に向けて取り組んでいます。
当社は、当社と同じく東京都区部及びその周辺地域における地下鉄道事業を営む都営地下鉄とのサービスの一体
化は、当社の利用者の利便性向上につながるものと考えており、地下鉄利用者の利便性向上への取組の検討を進め
ていきます。
また、当社は国及び東京都との間で、当社の完全民営化並びに当社と都営地下鉄とのサービスの一体化及び経営
の一元化に関して従来から意見交換を行っています。これらの課題について具体的な解決策やサービス向上策の実
現に向けて実務的な検討を行うことを目的として、「東京の地下鉄の一元化等に関する協議会」が2010年8月に設
置されました。また、2013年7月には都営地下鉄と当社とのサービスの改善・一体化を推進することを目的として
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「東京の地下鉄の運営改革会議」が設置されました。当社・都営地下鉄間の運賃の乗換負担軽減策を含むサービス
の一体化に関するこれらの協議の結果によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
他方、都営地下鉄については、公営企業という組織形態や累積欠損を抱えていること等を考慮すると、当社との
経営の一元化を図るために解決されなければならない多くの問題が残されており、仮に経営の一元化を実施する場
合においても、相当程度の時間を要することが想定されます。また、経営の一元化を実施する場合には、都営地下
鉄の経営状況の改善や当社の企業価値向上が図られることが基本と考えますが、経営の一元化の具体的な内容に
よっては、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 新線建設について
当社は、有楽町線延伸(豊洲・住吉間)及び南北線延伸(品川・白金高輪間)(以下「両路線」といいます。)
については、沿線の開発状況等を勘案した輸送需要予測の動向を踏まえ、交通政策審議会答申第371号及び国と東京
都の合意に基づく十分な公的支援及び当社株式の売却が確実に実施されることを前提に、当社ネットワークに関連
する両路線の整備主体となることがさらなる企業価値向上に資するものと判断し、2022年1月に国土交通大臣に対
し第一種鉄道事業許可の申請を行い、同年3月に許可を受け、2023年3月に工事施行認可の申請を行いました。
しかしながら、両路線の新線建設を進めるにあたり、輸送需要を含めた事業環境の変化、想定外の建設スケ
ジュールの長期化や追加コストの発生、公的支援の実施状況等によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす
可能性があります。
今後も当社は、両路線を除き新線建設を行わず、また、新線建設に対する協力を求められる場合には、都市鉄道
ネットワークの一部を構成する事業者としての立場から、「当社の経営に悪影響を及ぼさない範囲内において行
う」という方針で対応していきたいと考えています。
なお、1982年1月に免許申請を行った8号線(豊洲・亀有間14.7km)については、半蔵門線(水天宮前・押上
間)の開業や輸送需要予測の減少等、免許申請時とは事業環境が異なってきたことから、当社としては、整備主体
となることは極めて困難と認識しています。
⑨ コンプライアンスについて
当社グループは、「コンプライアンスに関する規定」、「東京メトログループコンプライアンス行動基準」など
の周知、徹底に加え、コンプライアンス教育を定期的に実施するなどの啓発活動を行うとともに、コンプライアン
スに反する行為等を通報できる「企業倫理向上窓口」を設置するなど、コンプライアンス体制の整備・拡充に努め
ています。
しかしながら、当社グループの役職員によるコンプライアンスに反する行為が発生した場合には、法令等に基づ
く罰則や規制当局による処分、コンプライアンス違反に起因する損害賠償請求等を受けること等により、当社グ
ループの社会的信用が低下するとともに、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) システム関連のリスク
① 情報システムについて
当社グループの事業は、コンピューターシステムや通信ネットワークといった情報システムに大きく依存してい
ます。当社グループでは、サイバーセキュリティ推進体制の整備や専門機関による定期的なシステム監査の実施等
の施策に取り組んでいます。しかしながら、上記(2)①に記載した自然災害・事故等のほか、人為的ミス及びコン
ピューターウィルス等並びに第三者による妨害行為等により、列車運行や電力供給に関するシステム等に障害が発
生した場合には、正常な列車運行その他の事業運営に支障を来す可能性や、これに伴う当社グループの社会的信用
の低下等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 個人情報保護について
当社グループでは、各事業において顧客情報等の個人情報を保有しています。個人情報については当社グループ
の「個人情報保護方針」や「情報管理規程」に基づき厳正な管理を行っていますが、何らかの原因により情報が流
出した場合には、損害賠償等による費用を負担する必要が生じるほか、当社グループに対する信用が損なわれる等
により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッ
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シュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直しています。なお、世界
的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。
このような状況下で、当社グループは、2022年4月に公表した中期経営計画「東京メトロプラン2024」(2022年
度~2024年度)に基づき、各種施策を積極的に推進しました。本計画期間において、お客様の安全を第一に、3つの
キーワード「安心な空間」「パーソナライズド」「デジタル」をベースとして、鉄道事業の持続可能性の向上を図
るべく、安全の確保を前提に、次世代に向けたコスト構造や業務の抜本的な見直し等、『構造変革』に取り組むと
ともに、新線建設、お出かけ機会の創出、都市・生活創造事業の強化等、『新たな飛躍』を目指した取組を推進し
ました。
当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルス感染症の影響から一部回復したことに伴い、旅客運輸収入等が増
加し、営業収益が 3,453億7千万円 (前期比 12.5%増 )となり、営業利益が 277億7千7百万円 (前期は営業損失 121
億1千7百万円 )、経常利益が 196億9千4百万円 (前期は経常損失 204億9千7百万円 )、親会社株主に帰属する
当期純利益が 277億7千1百万円 (前期は親会社株主に帰属する当期純損失 133億9千7百万円 )となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
[運輸業]
新型コロナウイルス感染症への取組としては、窓開けによる車内換気、駅設備の消毒及び駅構内への消毒液の設
置を引き続き実施しました。
2021年6月に日比谷線八丁堀駅で発生した多機能トイレの機能不備によるお客様発見の遅れについては、これを
厳粛に受け止め、2022年6月に「八丁堀駅お客様発見遅れに関する再発防止対策報告書」を公表しました。報告書
に基づく再発防止対策を確実に推進し、今後も外部有識者を交えたフォローアップ会議の開催による対策の進捗状
況確認等により、お客様の安全を最優先とする企業文化の醸成に努め、当社施設内の各種設備について確実な施
工、保守・点検を徹底していきます。
① 安全性・利便性の向上
(セキュリティ強化)
テロ行為や犯罪に備え、車内セキュリティカメラの導入を進めています。また、「車内非常用設備等の表示に関
するガイドライン」を踏まえ、2022年8月から当社全路線の車内ディスプレイで、車内緊急時における非常用設備
の使用方法等に関するご案内映像を放映したほか、ホームドアや車両にステッカーの貼り付けを行うなど、ピクト
グラムを活用した分かりやすい表示の共通化にも取り組んでいます。
(自然災害対策)
震災対策として、震災時の早期運行再開を目的に、トンネル中柱等の耐震補強工事を進めています。
大規模浸水対策として、駅出入口において想定される浸水深に応じた改良や防水扉・止水板等の設置、トンネル
坑口への防水ゲートの設置を進めています。また、大規模停電対策として、停電等により駅間に停止した列車を最
寄駅まで走行可能とするため、丸ノ内線車両への非常用バッテリーの搭載を進めています。
(お客様の円滑な移動の実現)
安全性及び車内での快適性を向上させ、環境にも配慮した新型車両として、半蔵門線に18000系車両の導入を進め
ています。
また、お身体の不自由なお客様をはじめとした全てのお客様に安心してご利用いただけるよう、ホームと車両床
面の段差・隙間縮小のため、日比谷線でホームの嵩上げ、くし状ゴムの設置を進めています。
※銀座線・丸ノ内線・千代田線は設置完了
ホームドアの整備として、2025年度までの全路線全駅への設置完了を目指しており、3路線において設置工事を
進めています。現在の全線及び設置工事中3路線の整備率は、以下のとおりです。
全線 日比谷線 東西線 半蔵門線
整備率 88% 64% 52% 79%
※他路線は設置完了
さらに、お客様からのお問合せに対してよりスピーディに対応するため、2022年9月にデジタル技術を活用した
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AIチャットボットサービス「東京メトロチャットボット」を当社ホームページ上で開始したほか、東京メトロm
y!アプリによる号車ごとのリアルタイム混雑状況の配信を全路線に拡大しました。
そのほか、2021年12月に創設された「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用し、2023年3月18日から料金収受を
開始しました。
(その他)
日本の地下鉄では初めてとなる無線式列車制御システム(CBTCシステム)の導入に向けて、2022年11月から
丸ノ内線の一部区間において同システムの走行試験を開始しました。
② 有楽町線延伸・南北線延伸等によるネットワーク発展・充実
(有楽町線・南北線の延伸)
工事着手に向けた各種手続き等について関係各所と協議・調整を行っています。
(サービス一体化・鉄道ネットワークの拡大)
2023年3月18日から、南北線・副都心線と相鉄新横浜線・東急新横浜線の直通運転を開始しました。
③ 地域との連携・メトポの活用等による新たなお出かけ機会の創出
(City Tourismによる需要創出)
メトロポイントクラブにおいて、毎月のご利用状況に応じてポイントを進呈する新サービス「ランク制度」を導
入しました。また、City Tourismの促進施策として、Tokyo Subway Ticketと沿
線の観光施設入場券のセット券について、連携する観光施設を拡大したほか、企業や自治体とタイアップしたスタ
ンプラリーや、旅行会社と共同で沿線の魅力を伝えるツアーを実施しました。
(my! 東京MaaSの推進)
地下鉄から一歩先に踏み出した東京観光を提供するために、東京都交通局と共同で、両社局の公式アプリ(「東
京メトロmy!アプリ」及び「都営交通アプリ」)を介して2022年10月から人力車・水上タクシー、2023年2月から
はとバスの利用予約を可能としました。また、東京メトロmy!アプリ内で提供する「駅構内ナビゲーション機
能」の対応駅を80駅に拡大しました。
④ 新技術の導入とDXによる鉄道オペレーションの進化
(技術開発ビジョン)
企業や研究機関等と連携した新技術の導入・開発やDXの推進等により、持続的な企業価値向上を図り、将来に
わたる安心の提供を実現するため、故障予知技術・劣化予測技術の促進(CBM)の検討を進めています。
⑤ 不動産事業の拡大とまちづくりとの連携
(まちづくりとの連携)
駅周辺開発を計画・検討する都市開発事業者等と連携した「えき・まち連携プロジェクト」として、11駅におい
て開発提案を募集しています。また、東西線茅場町駅においては、2022年12月に地上部の大規模複合用途ビルへの
地下接続通路を供用開始しました。
⑥ 海外鉄道ビジネスの拡大・新規ビジネスの開発推進
(海外鉄道ビジネス)
海外鉄道ビジネスについては、ベトナム、フィリピン、インドネシア等において鉄道整備、技術支援に係る各プ
ロジェクトを推進しています。また、世界の鉄道関係者向けオンライン講座「Tokyo Metro Acad
emy」を8講座開講しました。
(新規ビジネスの開発)
2023年1月に新たな技術を活用した需要創出を目的に「Tokyo Metro ACCELERATOR
2020」採択企業である株式会社GATARIと、MR(複合現実)技術を活用したバーチャルライブ・ラリー「ク
ロケスタ駅ナカLIVE!!」を実施しました。
⑦ 脱炭素・循環型社会への貢献
(脱炭素社会への取組)
脱炭素社会の実現に向けた取組として、TCFDの提言に賛同し、当社の気候関連リスク、機会等を開示してい
ます。また、長期環境目標「メトロCO₂ゼロ チャレンジ 2050」のCO₂排出量の2030年度目標を2013年度比
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「△30%」から「△50%」に見直すとともに、目標達成に向け再生可能エネルギーの活用や、車両の省エネルギー
化、照明のLED化等に取り組んでいます。さらに、2022年12月に銀座線1編成の運行に使用する電力を非化石証
書 により実質再エネ化し、CO₂排出量を実質ゼロとした「ちかエコトレイン サステナ号」を運行しました。
(循環型社会の実現に向けた取組)
循環型社会の実現に向けた取組として、使用済乗車券をトイレットペーパーにリサイクルするなど、環境負荷の
低減を推進しています。2022年11月には東西線妙典駅高架下のフィットネスクラブ「greener」のマルシェ
にて、フードドライブを実施しました。
⑧ 経営基盤の強化
(安全文化の醸成)
お客様の安全を第一とし、事故の未然防止、再発防止に取り組むため、安全研修等を実施しました。社員一人ひ
とりが自ら考え行動を起こすことができる安全文化の醸成に努めています。
(豊かな社会のためのパートナーシップ)
女子駅伝部の活動支援や東京マラソンへの参画を通じて、スポーツ選手が活躍できる環境づくりに貢献するとと
もに地域・社会の活性化に取り組んでおり、2022年12月に沿線地域住民を対象としたスポーツ体験会を他企業と共
催しました。
また、次世代育成の取組として、総合研修訓練センターにおいて近隣の中学校の生徒を対象に鉄道業務体験学習
会、沿線の特別支援学校の生徒を対象に鉄道施設体験会を実施しました。さらに、銀座駅にて地方自治体が開催す
る「ふるさとPRイベント」をサポートしたほか、公益財団法人メトロ文化財団の地下鉄博物館特別展「地下鉄開
通95周年 ちかてつふしぎ展~銀座線・地下鉄の原点からたどる謎・不思議~」等を支援しました。
運輸業の当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルス感染症の影響から一部回復したことに伴い、旅客運輸収
入が増加し、営業収益が 3,122億6千万円 (前期比 13.0%増 )、営業利益が 146億4百万円 (前期は営業損失 236億5
千6百万円 )となりました。
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(運輸成績表)
第18期連結会計年度
第19期連結会計年度
(自 2021年4月1日
種別 単位 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 )
至 2023年3月31日 )
営業日数 日 365 365
旅客営業キロ キロ 195.0 195.0
客車走行キロ 千キロ 295,873 290,315
定期 千人 1,077,227 1,166,475
輸送人員
定期外 〃 826,555 1,005,435
計 〃 1,903,782 2,171,910
定期 百万円 105,483 111,990
旅客運輸収入
定期外 〃 139,609 169,374
計 〃 245,092 281,364
乗車効率 % 37 42
(注)1 記載数値は、千キロ未満、千人未満、百万円未満を切り捨てて表示しています。
2 乗車効率の算出方法:人キロ÷(客車走行キロ×客車平均定員)×100
[不動産事業]
不動産事業においては、収益力向上を図るべく、駅周辺の都市開発と一体となった建物の整備や、新宿駅西口地
区開発計画を推進しました。
不動産事業の当連結会計年度の業績は、営業収益が 137億4千万円 (前期比 0.8%増 )、営業利益が 53億4千7百
万円 (前期比 16.0%増 )となりました。
[流通・広告事業]
流通・広告事業においては、収益確保を図るとともに、お客様の「新たな日常」を支え、ニーズに迅速に対応す
るため、各種施策を推進しました。
流通事業については、「メトロ・エム後楽園」をはじめとした商業ビルや、「Echika表参道」等の駅構内
店舗において、空き区画の解消や店舗入替を行うとともに、駅構内の空きスペースを有効活用するなど、収益確保
に努めました。
広告事業については、半蔵門線渋谷駅に新設した駅構内デジタルサイネージ等により、収益確保に努めました。
流通・広告事業の当連結会計年度の業績は、営業収益が 236億5千6百万円 (前期比 8.8%増 )、営業利益が 76億
8千7百万円 (前期比 13.2%増 )となりました。
当社グループの財政状態については、当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末に比べ 1,898億5千
3百万円増 の 2兆28億2千1百万円 、負債合計は 1,748億6千9百万円増 の 1兆3,694億7千6百万円 、純資産合計
は 149億8千3百万円増 の 6,333億4千4百万円 となりました。
資産の部の増加については、主に新線建設推進資金信託の計上によるものです。
負債の部の増加については、新線建設推進に係る借入れ等によるものです。
純資産の部の増加については、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものです。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、 31.6% となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ 226億8
千2百万円減少 し、当連結会計年度末には 889億8千2百万円 となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、 881億7千7百万円 (前期比 48億8千2百万円収入増 )と
なりました。これは、税金等調整前当期純利益と非資金科目である減価償却費703億7千7百万円を計上したこと等
によるものです。
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(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、 2,696億7千4百万円 (前期比 1,701億7千4百万円支出
増 )となりました。これは主に、設備投資の実施、新線建設推進資金信託の設定等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、 1,588億1千4百万円 (前期比 1,017億6千4百万円収入
増 )となりました。これは、社債の償還及び長期借入金の返済があったものの、新線建設推進に係る長期借入れ等
による収入があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの業種構成はサービス業が中心であり、受注生産形態をとらない会社が多いため、「① 財政状態及
び経営成績の状況」においてセグメントの業績を記載することとしています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の分析は次のとおりです。
当連結会計年度の財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「① 財政状態及び経営成績の状況」
に記載しています。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日 増減額 増減率
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
%
営業収益 306,904 345,370 38,465 12.5
営業費 319,021 317,592 △1,429 △0.4
営業利益又は営業損失(△) △12,117 27,777 39,895 -
営業外収益 2,372 2,480 107 4.5
営業外費用 10,752 10,563 △189 △1.8
経常利益又は経常損失(△) △20,497 19,694 40,192 -
特別利益 7,729 5,236 △2,493 △32.3
特別損失 10,209 4,968 △5,241 △51.3
税金等調整前当期純利益又は
△22,977 19,962 42,940 -
税金等調整前当期純損失(△)
親会社株主に帰属する当期純利益
又は親会社株主に帰属する当期 △13,397 27,771 41,169 -
純損失(△)
[営業収益及び営業損失]
当連結会計年度の営業収益は、前連結会計年度に比べ 384億6千5百万円増 の 3,453億7千万円 となりました。
これは、新型コロナウイルス感染症の影響から一部回復したことに伴い、旅客運輸収入等が増加したことによる
ものです。
営業費は、前連結会計年度に比べ 14億2千9百万円減 の 3,175億9千2百万円 となりました。これは、電気料の増
加があったものの、有形固定資産の減価償却方法の変更に伴う減価償却費の減少及び鉄道経費の削減等によるもの
です。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ 398億9千5百万円改善 の 277億7千7百万円
となりました。なお、各セグメントの営業利益の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「① 財政状
態及び経営成績の状況」に記載しています。
[営業外損益及び経常損失]
当連結会計年度の営業外収益は、物品売却益等の計上により、前連結会計年度に比べ 1億7百万円増 の 24億8千
万円 となりました。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ 1億8千9百万円減 の 105億6千3百万円 となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ 401億9千2百万円改善 の 196億9千4百万円
となりました。
[特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損失]
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当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益の減少等により、前連結会計年度に比べ 24億9千3百万円減 の 52
億3千6百万円 となりました。
特別損失は、撤去損失引当金繰入額の減少等により、前連結会計年度に比べ 52億4千1百万円減 の 49億6千8百
万円 となりました。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は 199億6千2百万円 となり、法人税等を加減した親会社
株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ 411億6千9百万円改善 の 277億7千1百万円 となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「②キャッシュ・
フローの状況」に記載のとおりであり、営業活動により得られた資金並びに社債及び借入金を設備投資等に充当し
ています。
当社グループの主な資金需要は、営業活動に係る資金支出では、鉄道事業に係る修繕費や管理委託費等の経費、
人件費などがあります。また、投資活動に係る資金支出では、車両更新やホームドア整備などの安全対策、バリア
フリー整備などの旅客サービス等の運輸業への投資、持続的な成長を実現する不動産事業及び流通・広告事業への
投資のほか、有楽町線、南北線延伸事業等に係る投資があります。
資金調達の方法は、償却前営業利益を基本に、不足する資金を金融市場動向等に鑑み、社債の募集及び金融機関
からの借入により長期資金を調達しています。ただし、有楽町線、南北線延伸事業等に係る資金については、2023
年3月に 鉄道・運輸機構 より長期借入金を調達しました。また、運転資金として短期的に資金を必要とする場合
は、国内金融機関との当座貸越契約により短期資金を調達することで、緊急時の流動性を確保しています。これら
により、当社グループの事業運営に必要な運転資金、設 備投資資金の調達は問題なく対応可能と認識しています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成され、連結財務諸表
の作成にあたっては連結決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える
事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続
して評価を行っています。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があり
ます。なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結
財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
ⅰ固定資産の減損
当社グループは多くの固定資産を保有しており、回収可能価額を将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却
価額など多くの前提条件に基づいて算出しています。そのため、当初見込んだ収益が得られなかった場合、又は
算出の前提条件に変更があった場合には、損失が発生する可能性があります。
ⅱ繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際して、将来の課税所得を合理的に見積っています。繰
延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少し繰延税金資産の一部
又は全部を将来実現できないと判断した場合、その判断を行った期間に繰延税金資産が減額され税金費用が計上
される可能性があります。
ⅲ退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される割引率、退職率、死亡率及び長期期待運用収益率
等の前提条件に基づいて算出しています。
実際の結果が、前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響を及ぼ
す可能性があります。
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5 【経営上の重要な契約等】
有楽町線、南北線延伸事業等の資金として、2023年3月17日に総額1,921億円の金銭消費貸借契約を鉄道・運輸機
構と結んでいます。
借入目的 借入金額 返済期限 返済方法 その他
① 有楽町線延伸(豊洲・住吉間) 95,150百万円 40年 元金均等返済 13年据置
② 南北線延伸(品川・白金高輪間) 67,370百万円 40年 元金均等返済 13年据置
③ 豊洲駅の改良事業資金 29,600百万円 40年 元金均等返済 11年据置
6 【研究開発活動】
特記すべき事項はありません。
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第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度の総投資額は、799億2千2百万円となりました。なお、設備投資の金額には、無形固定資産への投資
額を含めて記載しています。
運輸業については、車両更新などの安全対策、駅空間整備などの旅客サービス等を実施し、設備投資額は745億2千5
百万円となりました。
不動産事業については、新宿駅西口地区開発計画における設計等に伴い、設備投資額は30億5千6百万円、流通・広
告事業については、既存商業施設の改良等に伴い、設備投資額は21億6千1百万円となりました。
その他の設備投資額は、2億9千2百万円となりました。
2 【主要な設備の状況】
当社グループの2023年3月31日現在におけるセグメントごとの設備の概要は次のとおりです。
(1) セグメント総括表
帳簿価額(百万円)
土地面積 従業員数
セグメントの名称
建物及び 機械装置
(㎡) (人)
土地 建設仮勘定 その他 合計
構築物 及び運搬具
1,323,899 10,621
運輸業 893,923 201,765 163,118 159,464 8,520 1,426,792
[59,189] [1,085]
61,286 142
不動産事業 36,103 167 11,607 6,020 49 53,948
[-] [25]
24,333 508
流通・広告事業 10,797 993 1,892 224 282 14,190
[654]
[498]
- 300
その他(注4) 78 4 12 1 9 107
[-] [300]
- -
セグメント間消去額 △530 - - - - △530
[-] [-]
1,409,518 11,571
合計 940,372 202,930 176,630 165,712 8,862 1,494,509
[59,843] [1,908]
(注) 1 帳簿価額「その他」は工具器具備品等です。
2 土地面積[ ]内は連結会社以外から賃借中の面積(外書)です。
3 従業員数[ ]内は臨時従業員の平均人員(外書)です。
4 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントです。
※以下にセグメント別の主要な設備の内訳を記載します。
(2) 運輸業
(提出会社)
線路及び電路設備
営業キロ 駅数 軌間 電圧
区間 集電方式
(km) (ヶ所) (m) (V)
銀座線 浅草~渋谷 14.2 19
池袋~荻窪 24.2 25 1.435 直流600 サードレール
丸ノ内線
中野坂上~方南町 3.2 3
日比谷線 北千住~中目黒 20.3 22
東西線 中野~西船橋 30.8 23
千代田線 北綾瀬~代々木上原 24.0 20
有楽町線 和光市~新木場 28.3 24 1.067 直流1,500 架空線
半蔵門線 渋谷~押上 16.8 14
南北線 目黒~赤羽岩淵 21.3 19
副都心線 小竹向原~渋谷 11.9 11
合計 195.0 180 - - -
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車両数
電動客車 付随客車 計
(両) (両) (両)
銀座線 240 - 240
丸ノ内線 235 83 318
日比谷線 308 - 308
東西線 234 286 520
千代田線 166 232 398
有楽町線・副都心線 269 281 550
半蔵門線 114 136 250
南北線 82 56 138
合計 1,648 1,074 2,722
車両基地
帳簿価額(百万円)
車庫・工場名 所在地
土地
建物及び構築物
(面積㎡)
1,587
銀座線 上野車両基地 東京都台東区 1,801
(9,810)
240
小石川車両基地 東京都文京区 1,577
(27,260)
丸ノ内線
118
中野車両基地 東京都中野区 2,101
(59,100)
495
千住車両基地 東京都荒川区 1,082
(40,957)
日比谷線
932
竹ノ塚車両基地 東京都足立区 706
(38,631)
2,060
深川車両基地 東京都江東区 4,929
(86,860)
東西線
485
行徳車両基地 千葉県市川市 1,005
(56,270)
1,712
千代田線 綾瀬車両基地 東京都足立区 2,890
(147,477)
2,168
新木場車両基地 東京都江東区 2,592
(144,557)
有楽町線・副都心線
4,082
和光車両基地 埼玉県和光市 1,943
(119,281)
7,673
半蔵門線 鷺沼車両基地 神奈川県川崎市 1,826
(67,132)
-
南北線 王子車両基地 東京都北区 970
(-)
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(3) 不動産事業
(提出会社)
建物及び構築物 土地
賃貸面積
名称 所在地
帳簿価額 面積 帳簿価額
(㎡)
(百万円) (㎡) (百万円)
メトロシティ南池袋 東京都豊島区 229 219 104 1,384
メトロシティ西池袋 東京都豊島区 289 620 319 3,338
千住MKビル※1 東京都足立区 237 275 86 1,229
アクロポリス東京※1 東京都新宿区 236 286 67 2,075
ベルビー赤坂ビル 東京都港区 1,389 - - 11,191
茗荷谷駅MFビル※1 東京都文京区 363 - - 2,444
渋谷マークシティ※1 東京都渋谷区 6,999 50 222 27,741
東京メトロ清澄白河ビル 東京都江東区 401 999 70 4,174
東京メトロ東陽町ビル 東京都江東区 256 - - 3,407
AOYAMA M's TOWER※2
東京都港区 1,114 878 760 9,753
渋谷ヒカリエ※1 東京都渋谷区 3,115 15 30 7,582
メトロシティ神谷町※1 東京都港区 1,009 - - 6,789
メトロステージ上野 東京都台東区 718 556 358 5,206
早稲田駅前ビル 東京都新宿区 861 - - 2,920
築地第一長岡ビル 東京都中央区 1,844 - - 6,342
東京都千代田
PMO半蔵門 2,837 - - 8,105
区
西陣上野ビル 東京都台東区 153 321 877 1,704
PMO新宿御苑前 東京都新宿区 2,169 - - 4,238
渋谷スクランブルスクエア※1 東京都渋谷区 1,933 - - 4,177
東京都千代田
新半蔵門ビル 1,564 - - 3,931
区
(注) ※1 千住MKビル、アクロポリス東京、茗荷谷駅MFビル、渋谷マークシティ、渋谷ヒカリエ、メトロシティ
神谷町及び渋谷スクランブルスクエアは共同所有物件であり、記載の数値は当社の持分相当です。
※2 AOYAMA M's TOWERは当社子会社との共同所有物件であり、記載の数値は当社の持分相当
です。
(子会社)
建物及び構築物 土地
賃貸面積
名称 所在地
帳簿価額 面積 帳簿価額
(㎡)
(百万円) (㎡) (百万円)
東京メトロ都市開発㈱ 東京都新宿区 3,200 3,050 5,465 23,697
メトロ開発㈱ 東京都中央区 47 233 113 1,138
(注) 賃貸面積は、連結会社以外への賃貸面積です。
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(4) 流通・広告事業
(提出会社)
建物及び構築物 土地
賃貸面積
名称 所在地
帳簿価額 面積 帳簿価額
(㎡)
(百万円) (㎡) (百万円)
アコルデ代々木上原(注) 東京都渋谷区 375 - - 3,690
メトロ・エム後楽園 東京都文京区 446 - - 4,018
メトロ・エム高島平 東京都板橋区 601 18,182 33 12,161
M’avみょうでん 千葉県市川市 473 - - 3,655
南砂一丁目店舗 東京都江東区 199 2,538 473 3,563
Esola池袋 東京都豊島区 2,045 - - 4,894
(注) アコルデ代々木上原は共同所有物件であり、記載の数値は当社の持分相当です。
(子会社)
建物及び構築物 土地
賃貸面積
名称 所在地
帳簿価額 面積 帳簿価額
(㎡)
(百万円) (㎡) (百万円)
メトロ開発㈱ 東京都中央区 2,322 - - 35,315
(注) 賃貸面積は、連結会社以外への賃貸面積です。
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3 【設備の新設、除却等の計画】
投資予定金額 着手及び完了予定年月
セグメントの
工事件名
総額 既支払額
名称
着手 完了
(百万円) (百万円)
運輸業 浅草駅折返し線整備 15,000 11,632 2016年2月 2024年度
(注)3
運輸業 74,000 49,001 2008年11月 2030年度
銀座線渋谷駅移設
運輸業 飯田橋駅~九段下駅間折返し設備整備 27,000 12,260 2015年4月 2028年度
運輸業 茅場町駅改良 18,000 9,299 2011年2月 2024年度
運輸業 南砂町駅改良 77,000 46,946 2012年3月 2031年度
運輸業 銀座駅改装 22,000 16,734 2017年3月 2024年度
運輸業 日本橋駅改装 21,000 17,657 2013年9月 2023年度
運輸業 日比谷線ホームドア整備 13,000 9,213 2017年3月 2023年度
(注)4
運輸業 27,000 10,528 2016年6月 2025年度
東西線ホームドア整備
運輸業 半蔵門線ホームドア整備 11,000 6,620 2016年6月 2025年度
運輸業 セキュリティカメラ整備 16,000 7,809 2016年7月 2025年度
運輸業 南北線8両化対応 26,000 7,928 2018年6月 2030年度
運輸業 車両更新 15,000 ― 2023年4月 2023年度
運輸業 豊洲駅改良 30,000 59 2022年4月 2035年度
運輸業 南北線延伸 131,000 403 2022年3月 2030年代半ば
運輸業 有楽町線延伸 269,000 627 2022年3月 2030年代半ば
(注) 1 経常的な設備投資に伴うものを除き、重要な設備の除却及び売却の計画はありません。
2 設備の新設に対する所要資金は、自己資金、社債、借入金及び工事負担金等で充当する予定です。
3 当該工事については、関係先と調整中のため総額は総事業費、既支払額は当社の支払総額を記載していま
す。
4 東西線ホームドア整備については、一部の大規模改良工事実施中の駅を除いた完成予定年度を記載してい
ます。
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第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
種類 発行可能株式総数(株)
普通株式 2,324,000,000
計 2,324,000,000
② 【発行済株式】
事業年度末現在 提出日現在 上場金融商品取引所
種類 発行数(株) 発行数(株) 名又は登録認可金融 内容(注)
( 2023年3月31日 ) (2023年6月29日) 商品取引業協会名
単元株式数 100株
完全議決権株式であり、権利内
普通株式 581,000,000 581,000,000 非上場
容に何ら限定のない当社におけ
る標準となる株式です。
計 581,000,000 581,000,000 - -
(注)2023年6月27日開催の第19期定時株主総会において単元株式数の減少に伴う定款の変更が決議され、国土交通大
臣の認可を受けたため、同日付で当社の単元株式数を1,000株から100株に変更しています。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
発行済株式 発行済株式 資本金増減額 資本金残高 資本準備金 資本準備金
年月日 総数増減数 総数残高 増減額 残高
(株) (株) (百万円) (百万円) (百万円) (百万円)
2004年4月1日 581,000,000 581,000,000 58,100 58,100 62,167 62,167
(注) 発行済株式総数、資本金及び資本準備金の増加は会社設立によるものです。
なお、営団は、東京地下鉄株式会社法附則第6条、第7条及び第11条の規定に基づき、2004年4月1日付けで
当社にその財産の全部を出資しており、それにより取得した株式を営団への出資の割合に応じて政府及び東京
都に無償譲渡しています。1株当たりの発行価格は207円(内資本組入額100円)です。
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(5) 【所有者別状況】
2023年3月31日 現在
株式の状況(1単元の株式数1,000株)
単元未満
外国法人等
政府及び
区分 株式の状況
金融商品 その他の 個人
地方公共 金融機関 計
(株)
取引業者 法人 その他
団体
個人以外 個人
株主数
2 - - - - - - 2 -
(人)
所有株式数
580,999 - - - - - - 580,999 1,000
(単元)
所有株式数
100.00 - - - - - - 100.00 -
の割合(%)
(6) 【大株主の状況】
2023年3月31日 現在
発行済株式
(自己株式を
所有株式数 除く。)の
氏名又は名称 住所
(株) 総数に対する
所有株式数
の割合(%)
財務大臣 東京都千代田区霞が関三丁目1番1号 310,343,185 53.42
東京都 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 270,656,815 46.58
計 - 581,000,000 100.00
(7) 【議決権の状況】
①【発行済株式】
2023年3月31日 現在
区分 株式数(株) 議決権の数(個) 内容
無議決権株式 - - -
議決権制限株式(自己株式等) - - -
議決権制限株式(その他) - - -
完全議決権株式(自己株式等) - - -
単元株式数 1,000株
普通株式
完全議決権株式(その他) 権利内容に何ら限定のない当社
580,999
580,999,000
における標準となる株式です。
普通株式
単元未満株式 - 1単元(1,000株)未満の株式
1,000
発行済株式総数 581,000,000 - -
総株主の議決権 - 580,999 -
②【自己株式等】
2023年3月31日 現在
発行済株式
自己名義 他人名義 所有株式数
所有者の氏名
総数に対する
所有者の住所 所有株式数 所有株式数 の合計
所有株式数
又は名称
(株) (株) (株)
の割合(%)
- - - - - -
計 - - - - -
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2 【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】
該当事項はありません。
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
該当事項はありません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
該当事項はありません。
3 【配当政策】
当社は、東京都区部及びその周辺において、公共性の高い地下鉄事業を中心に事業展開を行っており、長期にわ
たる安定的な経営基盤の確保・強化に努めるとともに、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針とします。
また、当社は会社法第454条第5項に規定する剰余金の配当(以下「中間配当」といいます。)を行うことができ
る旨を定款に定めており、配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会です。
ただし、当面は、各事業年度につき1回、期末配当のみを実施することを基本的な方針とします。
当事業年度の剰余金の配当については、行動制限の解除や感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する
法律(平成10年法律第114号)上の分類変更などにより、旅客運輸収入が新型コロナウイルス感染症の拡大前の水準
へ回復しつつあることや、今後の経営の見通し等を踏まえ、1株当たり20円としました。この結果、当事業年度
は、自己資本当期純利益率4.5%、純資産配当率2.0%となりました。
内部留保金については、企業価値向上の観点から、ホームドア整備等の安全対策やバリアフリー設備整備等の旅
客サービス向上に向けた投資等へ活用していく方針としています。
なお、東京地下鉄株式会社法に基づき、剰余金の配当その他剰余金の処分の決議は、国土交通大臣の認可を受け
なければその効力を生じません。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりです。
配当金の総額 1株当たり配当額
決議年月日
(百万円) (円)
2023年6月27日
11,620 20
定時株主総会決議
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4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、全てのステークホルダーへの提供価値を高め、より信頼される企業となるため、コーポレート・ガバ
ナンスの充実を図ることで経営の透明性・公正性を確保するとともに、迅速な業務遂行に努め、より効率的な企
業経営による経営基盤の強化を目指しています。
②会社の機関の内容及び内部統制システムの整備の状況(有価証券報告書提出日現在)
ⅰ会社の機関の基本説明
当社の取締役会は、社外取締役4名を含む11名で構成され、原則月1回の開催により、法令又は定款に規定す
るもののほか、経営に関する重要な事項についての決定及び業務執行の監督を行っています。
また、社長の諮問機関である経営会議は、代表取締役、執行役員及び必要に応じて社長の指名する者が出席す
ることとしており、経営に関する重要な事項について審議し、迅速かつ適切な業務執行を行っています。
当社は監査役制度を採用しており、3名の社外監査役を含む監査役4名で構成され、監査役会の開催のほか、
取締役会その他重要な会議への出席、重要な決裁書類の閲覧など、取締役の職務執行について厳正な監査を行っ
ています。
コーポレート・ガバナンス体制に関する模式図
ⅱ内部統制システムの整備状況
コンプライアンスの推進、財務報告の信頼性の確保、業務の有効性・効率性の向上及び資産の保全の4つの目
的を達成するため、当社における内部統制システムの基本方針を次のとおり決議しています。
ア 当社の取締役・使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・ コンプライアンスに関する規程及び行動基準に基づき、取締役社長を最高推進責任者とする体制のもと、
コンプライアンスを重視した職務の執行を推進します。
・ 総括推進責任者(最高推進責任者の指名した取締役)を委員長とするコンプライアンスに関する委員会を
設置し、必要な案件を協議します。
・ 監査室は、各部門の業務全般について内部監査に関する規程に基づき監査を実施します。
・ コンプライアンスの一層の浸透を図るため、すべての役職員を対象とする研修を継続的に実施します。
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・ 内部通報制度を設け、コンプライアンスに反する行為又は疑問のある行為に対して適切に対処します。
内部通報をした者に対しては、内部通報制度を活用したことを理由として、不利益な取扱いは行いませ
ん。
・ 財務報告の信頼性を確保するための内部統制を整備及び運用します。
・ 秩序や安全を脅かす反社会的勢力とは決して関係を持たず、反社会的勢力の活動を助長するような行為は
行いません。
イ 当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
・ 取締役の職務執行に係る文書に関し、文書管理に関する規程に基づき適切に保存及び管理します。
ウ 当社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・ リスクマネジメントに関する規程及び基本方針に基づき、取締役社長を最高推進責任者とする体制のも
と、リスク管理体制を構築し、具体的リスクへの対応を適切に実施します。
・ 総括推進責任者(最高推進責任者の指名した取締役)を委員長とするリスクマネジメントに関する委員会
を設置し、必要な案件を協議します。
・ 鉄道輸送の安全確保のため、事故、災害及び不測の異常事態に関しては、事故、災害等の対策に関する規
程に基づき適切に対応するほか、鉄道輸送について更なる安全管理体制の充実を図ります。
エ 当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・ 社長を議長とする取締役会を開催し、経営に関する最重要事項の審議、取締役の職務執行状況の監督等を
行うほか、経営の機動的かつ円滑な遂行のために、社長を議長とする経営会議を開催し、経営に関する重要
事項を審議します。
・ 取締役会において中期経営計画に基づく経営目標値及び業績評価指標を踏まえた年度計画を策定し、業績
の管理を行います。
・ 業務組織、業務分掌、職制及び職務権限に関する規程に基づき、組織的かつ効率的な職務執行を図りま
す。
オ 当社及び当社子会社(以下「グループ会社」といいます。)から成る企業集団における業務の適正を確保す
るための体制
・ コンプライアンス及びリスクマネジメントに関する規程に基づき、コンプライアンス及びリスクマネジメ
ントへの取組を、グループ全体として推進します。さらに、内部通報制度の相談・通報範囲をグループ全体
とします。内部通報をした者に対しては、内部通報制度を活用したことを理由として、不利益な取扱いは行
いません。
・ グループ会社管理に関する規程に基づき、グループ全体の適正かつ効率的な業務執行を図ります。
・ 財務報告の信頼性を確保するための内部統制を、グループ全体の取組として推進します。
・ グループ会社は、グループ会社管理に関する規程の定めるところに従い、当社に報告し、決定に際して
は、当社の承認を経るものとします。
・ 監査室は、グループ会社の業務全般について内部監査に関する規程に基づき監査を実施します。
カ 当社の監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項
・ 監査役室は業務執行部門から独立した組織とし、監査役室長は監査役の命を受け、監査役の監査に関する
補助業務を行います。
・ 監査役室に室長を含む使用人数名を置き、監査業務を補助すべき専属の使用人とします。
・ 監査役室の使用人の人事については、監査役と事前協議します。
キ 当社の監査役への報告に関する体制
・ 監査室は、内部監査結果について社長に報告後、監査役に報告します。
・ 取締役及び使用人は、監査役に対し、計算書類及びその附属明細書、株主総会に提出する議案及び書類並
びに会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実及び後発事象に関する文書を提出するとともに、業務執行
に関する重要な決裁文書等の文書類を回付し、説明を行います。
・ 取締役及び使用人は、監査役会規程の定めるところに従い、監査役会において報告を行います。
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・ 取締役及び使用人は、グループ会社管理に関する規程の定めるところに従い、グループ会社の取締役及び
使用人から報告を受け、監査役に報告します。
・ 上記の報告をした者に対しては、当該報告を行ったことを理由として、不利益な取扱いは行いません。
ク その他当社の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・ 代表取締役は、監査役と定期的に意見交換を行います。
・ 取締役は、監査役が重要な会議に出席し、必要に応じて意見を述べることができるよう措置します。
・ 監査室及び会計監査人は、監査役又は監査役会に、監査に関する報告をするほか、相互の監査計画につい
ての意見の交換を図り、連絡を密にします。
・ 監査役又は監査役会は、その職務の執行上必要がある場合は、社長の承認を得て監査役室以外の使用人に
臨時に監査に関する業務を行わせることができます。
・ 監査役は、職務の執行上必要と認める費用について、監査役監査規程の定めに従い、会社に請求すること
ができます。
③リスク管理体制の整備状況
当社は、鉄道運行に関する事故等への対応強化を図るとともに、グループ全体のリスクマネジメント体制の強
化を図るため、コンプライアンス・リスクマネジメント基本規程に基づき、リスクに対する施策を実行し、リス
クの低減と防止に努めています。
また、企業不祥事や法令違反などを惹起するリスクに対しては、東京メトログループコンプライアンス行動基
準を基に、コンプライアンスマニュアルの活用や社員に対する教育を行うなど、コンプライアンス経営の推進を
図っています。
④取締役会等の状況
ⅰ 取締役会
当事業年度において当社は取締役会を年19回開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりで
す。
役職 氏名 出席状況
代表取締役会長 本田 勝 19回/19回
代表取締役副会長 川澄 俊文 19回/19回
代表取締役社長 山村 明義 19回/19回
専務取締役 古屋 俊秀 19回/19回
専務取締役 野焼 計史 19回/19回
専務取締役 黒須 良行 19回/19回
常務取締役 西倉 鉄也 19回/19回
常務取締役 渡邊 良 19回/19回
常務取締役 小坂 彰洋 19回/19回
常務取締役 小川 孝行 19回/19回
取締役 中澤 英樹 19回/19回
取締役 是澤 正人 19回/19回
取締役 德永 幸久 19回/19回
取締役 杉山 武彦 19回/19回
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取締役会における主な検討内容としては、法令又は定款に規定するもののほか、経営に関する重要な事項につ
いての決定及び業務執行の監督を行っています。
ⅱ 指名・報酬委員会
当事業年度において当社は指名・報酬委員会を年3回開催しており、個々の出席状況については次のとおりで
す。
氏名 出席状況
杉山 武彦 3回/3回
齋藤 宏 3回/3回
山村 明義 3回/3回
古屋 俊秀 3回/3回
指名・報酬委員会における主な検討内容としては、取締役等の指名・報酬等について審議の上、その結果を取
締役会に報告しております。具体的には、取締役会の構成(多様性、規模)に関する方針、取締役に期待される
スキル、取締役及び監査役の選解任並びに代表取締役社長の選定・解職に関する方針と手続、後継者計画、報酬
制度等に関する審議を行っています。
⑤責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項に基づき、社外取締役及び監査役との間において、会社法第423条第1項の損害
賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任限度額は、法令が定める額としてい
ます。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役及び監査役が責任の原因となった職務の遂行につ
いて善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
⑥役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当
該保険により被保険者が法律上負担することになる、第三者訴訟において発生する争訟費用及び損害賠償金を塡
補することとしています。
当該保険契約の被保険者は取締役及び監査役です。
⑦役員報酬の内容
当事業年度において、当社の取締役及び監査役に支払った報酬等は以下のとおりです。
報酬等の総額 対象となる
役員区分 摘要
(基本報酬) 役員の員数
268百万円
取締役 14名 うち、社外取締役7百万円
53百万円
監査役 5名 うち、社外監査役33百万円
(注)1 上記には、2022年6月29日をもって退任した監査役1名を含めています。
2 上記支給額には、当期中に役員退職慰労引当金として費用計上した、取締役分29百万円(うち社外取
締役分0百万円)、監査役分4百万円(うち社外監査役分1百万円)を含んでいます。
3 2023年3月24日開催の取締役会において、6月27日をもって役員退職慰労金制度を廃止することについ
て決議し、2023年6月27日開催の第19期定時株主総会において、役員退職慰労金制度の廃止に伴う打
切り支給について決議されています。
なお、役員退職慰労金制度の廃止に伴う打切り支給は、当該制度廃止時までの在任期間に応じた慰労
金を退任時に支給するものです。
4 取締役の報酬限度額は、年額300百万円です。
(2004年3月24日開催の創立総会決議)
5 監査役の報酬限度額は、年額70百万円です。
(2004年3月24日開催の創立総会決議)
⑧取締役の定数
当社の取締役は15名以内とする旨を定款に定めています。
⑨取締役の選解任の決議要件
当社は、取締役の選任決議については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する
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株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めています。
また、累積投票による取締役の選任については、累積投票によらない旨を定款に定めています。
⑩株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議に
ついては、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3
分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。
⑪株主総会決議事項を取締役会で決議することができることとした事項
当社は、株主への利益還元を機動的に行えるよう、取締役会の決議によって、毎年9月30日の最終の株主名簿
に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対して会社法第454条第5項による中間配当をすることができる
旨を定款に定めています。
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(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性12名 女性3名 (役員のうち女性の比率 20.0%)
所有株式
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
数(株)
1980年6月 東京都入都
2010年7月 同 病院経営本部長
2012年7月 同 福祉保健局長
2014年7月 同 政策企画局長
代表取締役
(注)
川 澄 俊 文 1955年7月18日 -
1
会長
2016年6月 同 副知事
2018年8月 (公財)東京都環境公社理事長
2019年6月 当社代表取締役副会長
2023年6月 同 代表取締役会長(現在)
1980年4月 帝都高速度交通営団入団
2007年6月 当社鉄道本部鉄道統括部長
2011年6月 同 取締役 鉄道本部安全・技術
部及び運転部担当
2013年6月 同 取締役 鉄道本部鉄道統括部
及び営業部担当
代表取締役社長
(注)
2014年6月 同 常務取締役 鉄道本部鉄道統
山 村 明 義 1958年3月3日 -
1
社長執行役員
括部及び営業部担当
2015年6月 同 専務取締役 鉄道本部長 社
長特命事項担当
2017年6月 同 代表取締役社長
2023年6月 同 代表取締役社長 社長執行役
員(現在)
帝都高速度交通営団入団
1986年4月
当社経営企画本部投資計画部長及
2013年4月
び渋谷駅基盤整備担当部長
同 経営企画本部投資計画部長及
2015年4月
びまちづくり連携担当部長
同 経営企画本部企業価値創造部
2016年4月
長及びまちづくり連携担当部長
同 経営企画本部経営管理部長、
2017年4月
株式上場準備室長、企業価値創造
部長及びまちづくり連携担当部長
同 取締役 経営企画本部経営管
2017年6月
理部長、株式上場準備室長及び企
業価値創造部長
同 取締役 経営企画本部経営管
2018年4月
理部長及び株式上場準備室長、経
営企画本部企業価値創造部担当
同 取締役 経営企画本部経営管
2019年4月
代表取締役
(注)
理部、株式上場準備室及び企
小 坂 彰 洋 1962年6月11日 -
1
専務執行役員
業価値創造部担当
同 取締役 経営企画本部副本
2019年6月
部長 経営企画本部経営管理
部、株式上場準備室及び企業価
値創造部担当
同 取締役 経営企画本部副本
2020年11月
部長 経営企画本部経営管理
部、株式上場準備室及び企業価
値創造部並びに管財部及びまち
づくり連携プロジェクトチーム
担当
同 常務取締役 経営企画本部
2021年6月
副本部長 経営企画本部経営
管理部及び株式上場準備室並び
に人事部担当
同 代表取締役専務執行役員
2023年6月
経営企画本部長(現在)
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所有株式
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
数(株)
帝都高速度交通営団入団
1986年4月
2013年4月 当社鉄道本部営業部長
2017年4月 同 鉄道本部鉄道統括部長
同 取締役 鉄道本部鉄道統括部
2017年6月
長 鉄道本部需要創出・マーケ
ティング部及び営業部担当
同 取締役 鉄道本部鉄道統括
2018年4月
部、需要創出・マーケティング
部、営業部及びオリンピック・パ
ラリンピック推進室担当
同 取締役 鉄道本部副本部長
2019年6月
鉄道本部鉄道統括部、需要創出・
代表取締役
(注)
マーケティング部、営業部及びオ
小 川 孝 行 1963年10月23日 -
1
専務執行役員
リンピック・パラリンピック推進
室担当
同 常務取締役 鉄道本部副本部
2021年6月
長 鉄道本部鉄道統括部、需要創
出・マーケティング部、営業部及
びオリンピック・パラリンピック
推進室担当
同 常務取締役 鉄道本部副本部
2022年4月
長 鉄道本部鉄道統括部、需要創
出・マーケティング部及び営業部
担当
同 代表取締役専務執行役員 鉄
2023年6月
道本部長(現在)
帝都高速度交通営団入団
1986年4月
当社鉄道本部運転部長
2014年4月
同 取締役 鉄道本部車両部及び
2019年6月
電気部担当
取締役
(注)
同 取締役 鉄道本部副本部長
2021年6月
中 澤 英 樹 1962年5月22日 -
1
常務執行役員
鉄道本部車両部及び電気部担当
同 取締役常務執行役員 鉄道本
2023年6月
部副本部長 鉄道本部安全・技術
部、車両部及び電気部担当(現
在)
帝都高速度交通営団入団
1990年4月
2016年4月 当社広報部長兼秘書室長
取締役 (注)
堂 免 敬 一 1967年3月16日 -
同 人事部長
2019年4月
執行役員 1
同 取締役執行役員 人事部長
2023年6月
(現在)
帝都高速度交通営団入団
1990年4月
2016年4月 当社財務部長
取締役
(注)
鈴 木 信 行 1966年4月8日 -
1
執行役員
同 取締役執行役員 財務部担当
2023年6月
(現在)
一橋大学学長
2004年12月
成城大学社会イノベーション学部
2010年12月
政策イノベーション学科教授
一般財団法人運輸政策研究機構副
(注)
2011年4月
社外取締役 杉 山 武 彦 1944年11月26日 -
1
会長・運輸政策研究所所長
空港施設株式会社社外取締役
2015年6月
(現在)
当社取締役(現在)
2017年6月
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所有株式
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
数(株)
日本銀行入行
1972年6月
同 人事局長
1999年5月
同 考査局長
2000年5月
同 理事
2002年6月
アフラック(アメリカンファミ
2006年5月
リー生命保険会社)シニア・アド
バイザー
同 副会長
2007年7月
(注)
社外取締役 小 林 英 三 1948年9月8日 日本証券金融株式会社顧問 -
2010年5月
1
同 専務取締役
2010年6月
同 代表取締役社長
2012年6月
同 執行役会長(現在)
2019年6月
日本電子計算株式会社取締役
2019年6月
(現在)
日本ビルディング株式会社取締役
2019年6月
(現在)
当社取締役(現在)
2023年6月
ソニー株式会社入社
1983年4月
同 戦略プラットフォームグロー
2001年4月
バル・アライアンス部統括部長
同 法務・コンプライアンス部門
2005年7月
法務部統括部長
同 法務・コンプライアンス部門
2009年7月
副部門長
同 法務・コンプライアンス部門
2010年7月
部門長
同 業務執行役員SVP法務部門
2013年6月
長
同 法務・コンプライアンス部シ
2014年4月
(注)
武 井 奈 津 子
社外取締役 1961年2月10日 -
1
ニアゼネラルマネージャー
同 執行役員コーポレートエグゼ
2016年4月
クティブ
同 執行役員
2018年6月
同 執行役員法務・コンプライア
2019年4月
ンス・プライバシー部シニアゼネ
ラルマネージャー
同 執行役員法務部シニアゼネラ
2020年4月
ルマネージャー
ソニーグループ株式会社常務法務
2021年6月
部シニアゼネラルマネージャー
当社取締役(現在)
2023年6月
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所有株式
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
数(株)
宇宙開発事業団(現 宇宙航空研
1983年4月
究開発機構)入社
朝日新和会計社(現 有限責任あ
1990年10月
ずさ監査法人)入社
太田昭和監査法人(現 EY新日
1993年5月
本有限責任監査法人)入社
新日本監査法人(現 EY新日本
2005年5月
有限責任監査法人)パートナー
新日本有限責任監査法人(現 E
2011年6月
Y新日本有限責任監査法人)シニ
(注)
アパートナー
社外取締役 井 村 順 子 1960年5月7日 -
1
多摩大学大学院MBAコース客員
2015年9月
教授(現在)
井村公認会計士事務所開設
2018年7月
(現在)
株式会社商船三井社外監査役
2019年6月
長谷川香料株式会社社外監査役
2019年12月
(現在)
三菱UFJ信託銀行株式会社
2020年6月
社外取締役監査等委員(現在)
2023年6月 当社取締役(現在)
帝都高速度交通営団入団
1990年4月
当社鉄道本部需要創出・マーケ
2016年4月
(注)
ティング部長
常勤監査役 上 田 正 人 1966年6月7日 -
2
同 総務部長及び秘書室長
2019年4月
同 常勤監査役(現在)
2021年6月
大蔵省入省
1990年4月
東京税関総務部長
2018年6月
大臣官房付兼内閣官房内閣
2019年7月
参事官(内閣官房副長官補付)
兼内閣官房特定複合観光施設区域
整備推進室参事官
(注)
常勤監査役 徳 田 郁 生 1967年2月26日 -
兼特定複合観光施設区域整備推進
2
本部事務局参事官
兼内閣府大臣官房カジノ管理委員
会設立準備室参事官
カジノ管理委員会事務局総務企
2020年1月
画部長
2021年6月 当社常勤監査役(現在)
株式会社日本興業銀行入行
1966年4月
同 常務取締役
1997年2月
株式会社みずほホールディングス
2000年9月
常務執行役員
同 取締役兼常務執行役員
2002年1月
株式会社みずほコーポレート銀行
2002年4月
取締役頭取
(注)
監査役 齋 藤 宏 1944年3月29日 株式会社みずほフィナンシャルグ -
2003年1月
2
ループ取締役
当社監査役(現在)
2007年6月
株式会社みずほコーポレート銀行
2009年4月
取締役会長
株式会社みずほフィナンシャルグ
2010年6月
ループ特別顧問
同 名誉顧問(現在)
2011年7月
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所有株式
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
数(株)
東京都入都
1984年4月
同 オリンピック・パラリンピ ッ
2021年10月
(注)
監査役 延 與 桂 1961年8月9日 -
2
ク準備局長
当社監査役(現在)
2022年6月
計 -
(注) 1 取締役の任期は、2023年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期係る定時株主総会終結の時ま
でです。
2 監査役の任期は、2021年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時
までです。
② 社外役員の状況
当社の社外取締役は杉山武彦、小林英三、武井奈津子、井村順子の4名です。また、社外監査役は徳田郁生、
齋藤宏及び 延與桂 の3名です。
社外取締役及び各社外監査役と当社との間に開示すべき特別な利害関係はありません。
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(3) 【監査の状況】
①監査役監査の状況
当社の監査役会は、常勤監査役2名(社外監査役1名)及び非常勤監査役2名(社外監査役2名)で構成され
ています。当事業年度において監査役会は13回開催しており、個々の監査役の出席状況は次のとおりです。
役職 氏名 出席状況
常勤監査役 上田 正人 13回/13回
常勤監査役(社外) 徳田 郁生 13回/13回
監査役(社外) 齋藤 宏 13回/13回
監査役(社外) 白石 弥生子 3回/3回
監査役(社外) 延與 桂 10回/10回
(注)1 白石弥生子については、2022年6月29日に退任しています。
2 延與桂については、当事業年度中に開催された監査役会のうち、2022年6月29日の就任後に開催され
たもののみを対象としています。
監査役会における具体的な検討内容
a 監査報告
・監査報告書の作成
b 会計監査人の監査の相当性
・会計監査人の再任の適否確認
・会計監査人の報酬の適切性
・監査の方法及び監査結果の相当性
c 監査計画
・監査役監査の方針及び監査計画
・重点監査項目
d 監査活動報告
・各監査役の活動報告
各監査役は、監査役会が定めた監査役監査の規程等に準拠し、監査計画に従い、取締役会に出席し、取締役の
職務の執行状況の監査を実施しています。また、常勤監査役は、取締役、内部監査部門その他の使用人等と意思
疎通を図るため、取締役会以外の重要な会議に出席し、取締役及び使用人等からその職務の執行状況について報
告を受け、必要に応じて説明を求め、重要な決裁書類等を閲覧し、本社及び主要な事業所において業務及び財産
の状況を調査しました。
②内部監査の状況
内部監査については、社長直轄の組織である監査室に25名を配置し、うち室長以下9名が社内規程に基づく適
正な業務の執行状況について内部監査を行うとともに、グループ会社の監査も行っています。また、監査結果に
ついて社長及び監査役に対して、デュアルレポーティングラインでの報告を行っています。
③監査役、会計監査人及び内部監査部門の連携
監査役は、会計監査人から監査計画や、会計監査人の職務の遂行が適正に行われることを確保するための体
制、監査結果、会計監査人が把握した内部統制の状況について報告を受けるとともに、意見交換を行う等、緊密
に連携しています。また、監査室から、内部監査及び財務報告に係る内部統制評価の計画及び結果の報告を受け
ています。
監査室は、内部監査及び財務報告に係る内部統制評価の計画の策定及びその実施にあたっては、会計監査人の
行う監査との調整を図るとともに、会計監査人の求めに応じて内部監査及び財務報告に係る内部統制評価の計
画、進捗状況及び結果を報告する等、緊密に連携しています。
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④会計監査の状況
a. 監査法人の名称
有限責任監査法人トーマツ
b. 提出会社の財務書類について連続して監査関連業務を行っている場合におけるその期間
22年間(有価証券届出書提出前の監査期間を含む)
c. 業務を執行した公認会計士
坂本一朗(継続監査年数 3年)
小口誠司(継続監査年数 1年)
d. 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士8名、公認会計士試験合格者2名、その他26名です。
e. 監査法人の選定方針と理由
監査役会は、監査役会で定めている基準により、監査法人の品質管理体制、独立性、専門性及び監査実績を総
合的に勘案し、有限責任監査法人トーマツを会計監査人として選定しています。
なお、監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に該当する場合は、監査役の全員の同意により会計
監査人を解任します。この場合、監査役会が選定した監査役は、会計監査人を解任した旨及び解任の理由を解任
後最初に招集される株主総会に報告します。
また、監査役会は、会計監査人の職務執行に支障がある場合等解任又は不再任の必要があると判断した場合
は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定します。
f. 監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社監査役会は、会計監査人に対する評価を行っています。この評価にあたっては、監査役会で定めている基
準により、会計監査人の職務執行状況等を確認しています。
⑤監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円)
提出会社 83 4 84 5
連結子会社 - - - -
計 83 4 84 5
(注)前連結会計年度の提出会社に対する監査証明業務に基づく報酬について会計監査人と協議した結果、78百万
円から83百万円に変更しています。
b. 監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
前連結会計年度
当社は、監査公認会計士等に対して、公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務である、社債発行に係る
コンフォートレター作成業務等についての対価を支払っています。
当連結会計年度
当社は、監査公認会計士等に対して、公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務である、社債発行に係る
コンフォートレター作成業務等についての対価を支払っています。
c. 監査公認会計士等と同一のネットワークに属するDeloitte Touche Tohmatsu Limitedのメンバーファームに対
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する報酬(a.を除く)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円)
提出会社 - - - -
連結子会社 - 1 - 5
計 - 1 - 5
d. 監査公認会計士等と同一のネットワークに属するDeloitte Touche Tohmatsu Limitedのメンバーファームの連
結子会社に対する非監査業務の内容
前連結会計年度
連結子会社における非監査業務の内容は、会計税務に関するアドバイザリー業務です。
当連結会計年度
連結子会社における非監査業務の内容は、会計税務に関するアドバイザリー業務です。
e. その他重要な報酬の内容
該当事項はありません。
f. 監査報酬の決定方針
監査公認会計士等に対する監査報酬は、当社グループの資産額、取引額、監査時間等を勘案し、監査計画の妥
当性を判断したうえで決定し、代表取締役が監査役会の同意を得ることとしています。
g. 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人から説明を受けた当事業年度の会計監査計画の監査日数や人員配置などの内容、前年
度の監査実績の検証と評価、会計監査人の監査の遂行状況の相当性、報酬の前提となる見積金額の算出根拠を精
査した結果、会計監査人の報酬等の額について同意しました。
(4) 【役員の報酬等】
①取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に関する事項
当社は、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を取締役会の決議により決定しており、その報酬は、
月例による固定報酬とし、株主総会で決議された取締役の報酬総額の範囲内で、取締役の役位、職責に応じて他
社水準、当社の業績、従業員給与の水準も考慮しながら総合的に勘案し、取締役会の決議により決定することと
しています。
②取締役の個人別の報酬等の内容の決定に係る委任に関する事項
当社においては、取締役会の委任決議に基づき取締役社長山村明義が取締役の個人別の報酬額の具体的内容を
決定しています。
これらの権限を委任した理由は、当社全体の業績を俯瞰し、各取締役の職責を勘案して報酬内容を決定するに
は、業務執行を統括する取締役社長が適しているためです。
③役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(1)「コーポレート・ガバナンスの概要」の「⑦役員報酬の内容」に記載しています。
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(5) 【株式の保有状況】
当社は非上場であるため、記載していません。
なお、当事業年度末に当社が保有する有価証券については第5「経理の状況」2「財務諸表等」(1)「財務諸表」の
④「附属明細表」「有価証券明細表」に記載しています。
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第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)
に基づいて作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下
「財務諸表等規則」という。)第2条の規定に基づき、「財務諸表等規則」及び「鉄道事業会計規則」(昭和62年
運輸省令第7号)により作成しています。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日ま
で)の連結財務諸表及び事業年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任監査法
人トーマツにより監査を受けています。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っています。具体的には、会計基準等の内容を
適切に把握し、連結財務諸表を適正に作成できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入すると
ともに、監査法人等が主催するセミナー等に参加しています。
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1 【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結貸借対照表】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
資産の部
流動資産
現金及び預金 76,664 38,982
※1 192,120
新線建設推進資金信託 -
※2 2,688 ※2 3,198
受取手形、売掛金及び契約資産
未収運賃 21,832 26,193
未収金 7,728 8,405
有価証券 35,000 50,000
商品 48 45
貯蔵品 6,359 7,854
その他 6,939 7,359
△ 6 △ 20
貸倒引当金
流動資産合計 157,253 334,139
固定資産
有形固定資産
建物及び構築物(純額) 952,804 940,372
機械装置及び運搬具(純額) 198,377 202,930
土地 175,995 176,630
建設仮勘定 151,600 165,712
9,369 8,862
その他(純額)
※3 ,※4 1,488,146 ※3 ,※4 1,494,509
有形固定資産合計
※4 102,923 ※4 99,549
無形固定資産
投資その他の資産
※5 2,200 ※5 2,370
投資有価証券
退職給付に係る資産 24,617 20,928
繰延税金資産 35,527 49,033
その他 2,366 2,414
△ 68 △ 123
貸倒引当金
投資その他の資産合計 64,644 74,622
固定資産合計 1,655,714 1,668,681
※6 1,812,967 ※6 2,002,821
資産合計
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(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
負債の部
流動負債
支払手形及び買掛金 958 1,211
※6 55,000 ※6 30,000
1年内償還予定の社債
1年内返済予定の長期借入金 13,426 11,087
未払金 60,252 57,121
未払消費税等 6,025 8,128
未払法人税等 1,864 4,386
前受運賃 15,469 16,349
賞与引当金 10,450 11,802
撤去損失引当金 187 156
29,087 31,000
その他
流動負債合計 192,721 171,242
固定負債
※6 577,000 ※6 577,000
社債
長期借入金 325,868 329,781
※1 192,120
新線建設推進長期借入金 -
役員退職慰労引当金 262 299
環境安全対策引当金 356 294
撤去損失引当金 3,478 3,218
退職給付に係る負債 71,485 72,781
資産除去債務 3,051 2,648
20,382 20,090
その他
固定負債合計 1,001,885 1,198,234
負債合計 1,194,607 1,369,476
純資産の部
株主資本
資本金 58,100 58,100
資本剰余金 62,167 62,167
491,502 509,978
利益剰余金
株主資本合計 611,769 630,245
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差額金 △ 88 △ 0
為替換算調整勘定 △ 1 27
6,681 3,071
退職給付に係る調整累計額
その他の包括利益累計額合計 6,591 3,099
純資産合計 618,360 633,344
負債純資産合計 1,812,967 2,002,821
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②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
※1 306,904 ※1 345,370
営業収益
営業費
※3 271,705 ※3 269,072
運輸業等営業費及び売上原価
※2 ,※3 47,316 ※2 ,※3 48,520
販売費及び一般管理費
営業費合計 319,021 317,592
営業利益又は営業損失(△) △ 12,117 27,777
営業外収益
受取受託工事事務費 231 284
物品売却益 622 552
持分法による投資利益 51 498
助成金収入 893 199
固定資産維持管理協力金 - 280
573 665
その他
営業外収益合計 2,372 2,480
営業外費用
支払利息 10,051 10,222
701 340
その他
営業外費用合計 10,752 10,563
経常利益又は経常損失(△) △ 20,497 19,694
特別利益
※4 3,184 ※4 100
固定資産売却益
※5 293 ※5 2,436
補助金
※6 2,008 ※6 1,335
鉄道施設受贈財産評価額
※7 1,784 ※7 1,145
工事負担金等受入額
458 218
その他
特別利益合計 7,729 5,236
特別損失
※8 3,849 ※8 4,479
固定資産圧縮損
※9 2,582
減損損失 -
撤去損失引当金繰入額 3,666 -
111 488
その他
特別損失合計 10,209 4,968
税金等調整前当期純利益又は税金等調整前当期純損
△ 22,977 19,962
失(△)
法人税、住民税及び事業税
1,565 4,117
△ 11,145 △ 11,927
法人税等調整額
法人税等合計 △ 9,579 △ 7,809
当期純利益又は当期純損失(△) △ 13,397 27,771
非支配株主に帰属する当期純利益 - -
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に
△ 13,397 27,771
帰属する当期純損失(△)
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【連結包括利益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
当期純利益又は当期純損失(△) △ 13,397 27,771
その他の包括利益
その他有価証券評価差額金 △ 84 88
為替換算調整勘定 33 28
退職給付に係る調整額 △ 1,977 △ 3,669
△ 21 59
持分法適用会社に対する持分相当額
※ △ 2,049 ※ △ 3,492
その他の包括利益合計
包括利益 △ 15,447 24,279
(内訳)
親会社株主に係る包括利益 △ 15,447 24,279
非支配株主に係る包括利益 - -
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③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本 その他の包括利益累計額
その他 退職給付に その他の
純資産合計
株主資本 為替換算
資本金 資本剰余金 利益剰余金 有価証券 係る調整 包括利益
合計 調整勘定
評価差額金 累計額 累計額合計
当期首残高 58,100 62,167 515,504 635,771 △ 5 △ 34 8,680 8,641 644,412
会計方針の変更によ
△ 1,308 △ 1,308 △ 1,308
る累積的影響額
会計方針の変更を反映
58,100 62,167 514,196 634,463 △ 5 △ 34 8,680 8,641 643,104
した当期首残高
当期変動額
剰余金の配当 △ 9,296 △ 9,296 △ 9,296
親会社株主に帰属す
△ 13,397 △ 13,397 △ 13,397
る当期純損失(△)
株主資本以外の項目
の当期変動額(純 △ 83 33 △ 1,999 △ 2,049 △ 2,049
額)
当期変動額合計 - - △ 22,693 △ 22,693 △ 83 33 △ 1,999 △ 2,049 △ 24,743
当期末残高 58,100 62,167 491,502 611,769 △ 88 △ 1 6,681 6,591 618,360
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本 その他の包括利益累計額
その他 退職給付に その他の
純資産合計
株主資本 為替換算
資本金 資本剰余金 利益剰余金 有価証券 係る調整 包括利益
合計 調整勘定
評価差額金 累計額 累計額合計
当期首残高 58,100 62,167 491,502 611,769 △ 88 △ 1 6,681 6,591 618,360
当期変動額
剰余金の配当 △ 9,296 △ 9,296 △ 9,296
親会社株主に帰属す
27,771 27,771 27,771
る当期純利益
株主資本以外の項目
の当期変動額(純 88 28 △ 3,609 △ 3,492 △ 3,492
額)
当期変動額合計 - - 18,475 18,475 88 28 △ 3,609 △ 3,492 14,983
当期末残高 58,100 62,167 509,978 630,245 △ 0 27 3,071 3,099 633,344
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④【連結キャッシュ・フロー計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益又は税金等調整前当期
△ 22,977 19,962
純損失(△)
減価償却費 88,218 70,377
減損損失 2,582 -
貸倒引当金の増減額(△は減少) 66 69
賞与引当金の増減額(△は減少) 304 1,352
退職給付に係る資産の増減額(△は増加) △ 1,635 △ 1,410
退職給付に係る負債の増減額(△は減少) 2,588 1,109
役員退職慰労引当金の増減額(△は減少) △ 36 37
環境安全対策引当金の増減額(△は減少) △ 723 △ 61
撤去損失引当金の増減額(△は減少) 3,666 △ 291
受取利息及び受取配当金 △ 9 △ 12
助成金収入 △ 893 △ 199
支払利息 10,051 10,222
固定資産売却損益(△は益) △ 3,184 △ 100
固定資産除却損 3,315 3,473
持分法による投資損益(△は益) △ 51 △ 498
営業債権及び契約資産の増減額(△は増加) △ 491 △ 5,572
棚卸資産の増減額(△は増加) 1,071 △ 1,492
営業債務の増減額(△は減少) △ 3,497 △ 37
未収消費税等の増減額(△は増加) 5,464 △ 103
未払消費税等の増減額(△は減少) 5,538 2,102
3,680 1,065
その他
小計 93,048 99,990
利息及び配当金の受取額
8 12
利息の支払額 △ 9,964 △ 10,362
法人税等の支払額又は還付額(△は支払) △ 675 △ 1,656
877 193
助成金の受取額
営業活動によるキャッシュ・フロー 83,295 88,177
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形及び無形固定資産の取得による支出 △ 104,033 △ 81,714
補助金受入れによる収入 225 3,217
有形及び無形固定資産の売却による収入 2,800 162
新線建設推進資金信託の設定による支出 - △ 192,120
1,507 780
その他
投資活動によるキャッシュ・フロー △ 99,500 △ 269,674
財務活動によるキャッシュ・フロー
長期借入れによる収入 43,000 15,000
長期借入金の返済による支出 △ 35,576 △ 13,427
新線建設推進長期借入金による収入 - 192,120
社債の発行による収入 69,477 29,792
社債の償還による支出 △ 10,000 △ 55,000
配当金の支払額 △ 9,296 △ 9,296
△ 554 △ 374
その他
財務活動によるキャッシュ・フロー 57,049 158,814
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 40,844 △ 22,682
現金及び現金同等物の期首残高 70,820 111,664
※ 111,664 ※ 88,982
現金及び現金同等物の期末残高
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【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1 連結の範囲に関する事項
連結子会社数 13 社
連結子会社は、東京メトロ都市開発㈱、㈱メトロセルビス、㈱メトロコマース、メトロ開発㈱、㈱メトロライフサ
ポート、㈱地下鉄メインテナンス、メトロ車両㈱、㈱メトロフルール、㈱メトロプロパティーズ、㈱メトロアドエー
ジェンシー、㈱メトロレールファシリティーズ、㈱メトロステーションファシリティーズ及び㈱メトロビジネスアソ
シエです。
2 持分法の適用に関する事項
(1) 非連結子会社
非連結子会社は、ベトナム東京メトロ(VIETNAM TOKYO METRO ONE MEMBER LIMITED LIABILITY COMPANY)の 1 社であ
り、会社に対する投資について持分法を適用しています。
(連結の範囲から除いた理由)
非連結子会社は小規模であり、総資産、売上高、当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う
額)等は、いずれも連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないためです。
(2) 関連会社
関連会社は、渋谷熱供給㈱、㈱はとバス及び日本コンサルタンツ㈱の 3 社であり、これらすべての会社に対する投資
について持分法を適用しています。
3 連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社の決算日はすべて3月31日であり、連結決算日と同一です。
4 会計方針に関する事項
(1) 重要な資産の評価基準及び評価方法
① 有価証券
その他有価証券
ア 市場価格のない株式等以外のもの
連結決算日の市場価格等による時価法によっています。
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は総平均法により算定しています)
イ 市場価格のない株式等
総平均法による原価法によっています。
② 棚卸資産
ア 商品
主として売価還元法による原価法によっています。
イ 貯蔵品
主として移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法)によってい
ます。
(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
① 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっています。
ただし、取替資産については取替法によっています。
なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
建物及び構築物 12年~75年
機械装置及び運搬具 5年~17年
② 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっています。
なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
施設利用権 5年~42年
ソフトウェア(自社利用) 5年
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③ リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっています。
(3) 繰延資産の処理方法
社債発行費
支出時に全額費用処理しています。
(4) 重要な引当金の計上基準
① 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権に
ついては個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
② 賞与引当金
従業員に支給する賞与に充てるため、支給見込額に基づき計上しています。
③ 役員退職慰労引当金
役員の退職慰労金の支出に備えるため、内規に基づく連結会計年度末要支給額を計上しています。
④ 環境安全対策引当金
保管するポリ塩化ビフェニル(PCB)の処理費用の支出に備えるため、今後発生すると見込まれる金額を計上
しています。
⑤ 撤去損失引当金
契約に基づき将来発生が見込まれる固定資産等に関する当社が負担すべき撤去費用に備えるため、当連結会計
年度末における撤去費用見込額を計上しています。
(5) 退職給付に係る会計処理の方法
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定に当たり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、
給付算定式基準によっています。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
数理計算上の差異は、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主とし
て15年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理しています。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主として15年)による定額法に
より費用処理しています。
(6) 重要な収益及び費用の計上基準
当社グループは顧客との契約について、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29
号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しており、約束した財又はサービスの支配が顧
客に移転し履行義務を充足した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識して
います。
① 定期運輸収入
運送約款等に基づき、定期乗車券の有効期間にわたり同一の区間及び経路について列車による運送サービスを
提供することを履行義務としており、有効期間の開始日の属する月から有効期間の経過に応じて収益を認識して
います。取引の対価は、履行義務の充足前の一定時点に前もって受領しています。
② 定期外運輸収入
運送約款等に基づき、列車による運送サービスを提供することを履行義務としており、当該履行義務は顧客へ
の乗車券類等の発売日とサービス提供日は概ね一致していることから、顧客に発売した時点で収益を認識してい
ます。取引の対価は通常、履行義務の充足前の一定時点に前もって受領しています。
③ 流通事業収入
主に駅構内や周辺の商業施設等における商品の販売及びサービスの提供から得られる収入であり、当社グルー
プの履行義務が代理人に該当する取引について、受け取る対価の総額から第三者への支払額を差し引いた純額で
収益を認識しています。取引の対価は主に月次で請求しており、請求日から概ね翌月末までに受領しています。
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④ 広告事業収入
主に駅構内や電車内における広告媒体の販売から得られる収入であり、顧客の広告を契約期間にわたり掲出し
経過期間に応じて履行義務が充足されるため、サービスの提供期間にわたって収益を認識しています。取引の対
価は主に月次で請求しており、請求日から概ね翌月末までに受領しています。
⑤ 情報通信事業収入
主に当社鉄道施設における携帯電話に係る諸設備の営業許諾を行っており、サービスの提供に伴い一定期間に
わたり収益を認識しています。取引の対価は主に、履行義務の充足前の一定時点に前もって受領しています。
(7) 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
連結キャッシュ・フロー計算書における資金(現金及び現金同等物)は、手許現金、随時引き出し可能な預金及
び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限
の到来する短期投資からなっています。
(8) その他連結財務諸表作成のための重要な事項
工事負担金等の処理
地方公共団体等による工事負担金等(補助金、鉄道施設受贈財産評価額を含む)は、工事完成時に当該工事負
担金等相当額を取得した固定資産の取得原価から直接減額して計上しています。
なお、連結損益計算書においては、工事負担金等相当額を特別利益に計上するとともに、固定資産の取得原価
から直接減額した額を固定資産圧縮損として特別損失に計上しています。
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(重要な会計上の見積り)
当社グループは、連結財務諸表の作成にあたって様々な会計上の見積りを行っています。 当社グループの業績は、
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け鉄道等のご利用が大幅に減少しており、見積りの前提となる業績の見通しに
ついても大きな影響を受けています。この影響を会計上の見積りに反映するにあたり、主として次のような仮定を置
いています。
当社グループは、主な収益である旅客運輸収入についての見積りを基礎として、運輸業をはじめ、各セグメントの
将来にわたる経営状況を予測しています。なお、新型コロナウイルス感染症の影響は、感染症法上の「5類」への引
き下げを契機に社会経済活動が活発化し、行動制限等を要しないポストコロナへ向かうものと仮定しています。一方
で、人々の意識や行動、社会構造の大きな変化はポストコロナにおいても継続するものと認識しており、旅客運輸収
入は新型コロナウイルス感染症の影響拡大前の水準には戻らないものと仮定しています。
また、燃料費の高騰に伴う電気料金の大幅な増等、社会経済環境の変化等を踏まえ、2023年度以降の当社グループ
に係る様々な制度や事象を考慮し、2023年度以降の旅客運輸収入をはじめとした将来収支を見積っています。
この見積りをもとに策定した合理的な計画に基づき、固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性について見積
りを行っています。
なお、 現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っていますが、今後の感
染症の再拡大や収束時期を正確に予測することは困難であります。したがって、見積りには不確実性を伴い、実際の
結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
1 固定資産の減損
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
減損損失 2,582 ―
(2) 会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
① 金額の算出方法
当社グループでは、減損の認識の判定及び回収可能額の算定に際し、合理的な計画に基づきそれらを見積っ
ています。
なお、資産のグルーピングについては、独立したキャッシュ・フローを生み出す単位を構成する物件を1つ
のグルーピングとしています。ただし、鉄道事業における固定資産についてはネットワーク性に鑑み、単一の
グルーピングとして整理しています。
また、減損損失の測定にあたって割引率を用いる際、加重平均資本コストを採用することとしています。
② 主要な仮定
上述の計画を主な仮定としています。
③ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響等
現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っていますが、将来の不
確実な状況変化等によって影響を受ける可能性があり、見込んだ収益が得られなかった場合、又は算出の前提
条件に変更があった場合には、減損損失の発生に重要な影響を与える可能性があります。
2 繰延税金資産の回収可能性
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
繰延税金資産 35,527 49,033
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(2) 会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
① 金額の算出方法
当社グループでは、合理的な計画に基づき、将来の課税所得の発生時期や主要な一時差異等の項目にかかる
解消年度のスケジューリングを行い、企業分類を判定し、回収可能と見込まれる金額について繰延税金資産を
計上しています。
② 主要な仮定
上述の計画を主な仮定としています。
③ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響等
現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っていますが、将来の不
確実な状況変化等によって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異
なった場合には、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(会計方針の変更)
(会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更及び会計上の見積りの変更)
(有形固定資産の減価償却方法及び耐用年数の変更)
当社及び連結子会社は従来、有形固定資産の減価償却方法について、主として定率法(1998年4月1日以降に取得し
た建物(建物付属設備は除く)並びに2016年4月1日以降取得した建物付属設備及び構築物については定額法)を採用
していましたが、当連結会計年度より、主として定額法に変更しています。
当社はこれまで、東京2020大会の開催に照準を合わせ、バリアフリー設備やホームドアの設置、新型車両の導入な
ど、鉄道施設の整備拡充を集中的に推進してきました。
本年度を開始年度とする中期経営計画においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う生活様式や社会経済環境
の変化を受けた事業の見直しを踏まえ、設備投資額はキャッシュフローの範囲内とすること、維持更新など事業運営の
維持継続に不可欠な基礎的投資については減価償却費の範囲内とすることを基本方針として掲げました。したがって、
今後は、鉄道施設の更なる充実を図りながらも、これまで築いてきた鉄道施設の機能維持に軸足を移し、平準化した設
備投資計画のもとで安定的に実施していくこととなります。
こうした状況を踏まえ、鉄道事業をはじめとする有形固定資産全体の将来の経済的便益の費消パターンを再検討した
ところ、設備の安定的な稼働が見込まれることから、有形固定資産の減価償却方法を主として定額法に変更すること
が、経済実態をより適切に反映すると判断しました。
また、従来、当社グループの有形固定資産の耐用年数は、法人税法に規定する方法と同一の基準によっていました
が、減価償却方法の変更を契機に、当連結会計年度より耐用年数を経済的な使用可能予測期間に見直しています。この
見直しは、有形固定資産の物理的耐用年数及びその使用実績等を総合的に勘案して決定しました。
この結果、従来の方法と比べ、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ15,104
百万円増加しています。
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(表示方法の変更)
(連結貸借対照表関係)
前連結会計年度において、独立掲記していた「流動資産」の「未収消費税等」及び「未収法人税等」は、金額的重要
性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるた
め、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動資産」に表示していた「未収消費税等」1百万円、
「未収法人税等」277百万円、「その他」6,660百万円は、「その他」6,939百万円として組み替えています。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
前連結会計年度において、独立掲記していた「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「投資有価証券の取得による
支出」は金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しています。この表示方法の
変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」に表
示していた「投資有価証券の取得による支出」△6百万円、「その他」1,514百万円は、「その他」1,507百万円として
組み替えています。
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(連結貸借対照表関係)
※1 新線建設推進長期借入金及び新線建設推進資金信託
有楽町線、南北線延伸事業等のため、鉄道・運輸機構より資金を借り入れ、分別管理を目的として信託を
設定しています。
※2 受取手形、売掛金及び契約資産のうち、顧客との契約から生じた債権及び契約資産の金額は、それぞれ以
下のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
受取手形 20 百万円 22 百万円
売掛金 2,356 百万円 2,811 百万円
契約資産 311 百万円 365 百万円
※3 有形固定資産減価償却累計額
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
1,867,740 百万円 1,896,718 百万円
※4 固定資産の取得価額から控除した国庫補助金等などの圧縮記帳累計額及び内訳は、次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
地方公共団体等による工事負担金等(補助金、鉄
道施設受贈財産評価額を含む)に伴う圧縮記帳累 452,205 百万円 456,625 百万円
計額
収用等に伴う圧縮記帳累計額 16,653 百万円 16,635 百万円
計 468,859 百万円 473,260 百万円
※5 非連結子会社及び関連会社に対するものは、次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
投資有価証券(株式) 1,260 百万円 1,847 百万円
※6 担保に供している資産及び担保付債務
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
東京地下鉄株式会社法第3条及び附則第14条第1項の規定により、当社の総財産を社債 632,000百万円 の
一般担保に供しています。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
東京地下鉄株式会社法第3条及び附則第14条第1項の規定により、当社の総財産を社債 607,000百万円 の
一般担保に供しています。
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(連結損益計算書関係)
※1 営業収益については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載しておりません。
顧客との契約から生じる収益の金額は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係) 1 顧客との契約から生
じる収益を分解した情報」に記載しています。
※2 販売費及び一般管理費の内訳は、次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
人件費 16,313 百万円 16,951 百万円
経費 11,495 百万円 11,738 百万円
諸税 13,417 百万円 14,283 百万円
減価償却費 6,090 百万円 5,546 百万円
計 47,316 百万円 48,520 百万円
※3 引当金繰入額の内訳及び退職給付費用は、次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
賞与引当金繰入額 10,195 百万円 11,509 百万円
退職給付費用 4,835 百万円 5,211 百万円
役員退職慰労引当金繰入額 65 百万円 64 百万円
※4 固定資産売却益の内容は、次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
赤坂MKビル売却 3,184 百万円 ―
三越前駅用地売却 ― 98 百万円
その他 ― 1 百万円
計 3,184 百万円 100 百万円
※5 補助金の内訳は、次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
バリアフリー施設整備 198 百万円 2,277 百万円
輸送改善 ― 117 百万円
その他 95 百万円 40 百万円
計 293 百万円 2,436 百万円
※6 鉄道施設受贈財産評価額の内訳は、次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
茅場町駅連絡通路 ― 357 百万円
東池袋駅出入口 41 百万円 297 百万円
赤坂駅整備 ― 228 百万円
銀座線渋谷駅整備 1,318 百万円 81 百万円
その他 647 百万円 370 百万円
計 2,008 百万円 1,335 百万円
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※7 工事負担金等受入額の内訳は、次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
渋谷駅移設工事 1,720 百万円 1,032 百万円
その他 64 百万円 112 百万円
計 1,784 百万円 1,145 百万円
※8 固定資産圧縮損は、法人税法第42条ほかの規定に基づく国庫補助金等などによる圧縮額です。
※9 減損損失
当社グループは、以下の資産グループについて減損損失を計上しました。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
(1) 減損損失を認識した資産及び減損損失の金額
種類及び金額
場所 用途
建物 その他
66百万円
東京都台東区他 賃貸物件(18件) 1,093百万円
東京都港区他 遊休資産(2件) ― 1,422百万円
合計 計20件 1,093百万円 1,488百万円
(2) 減損損失の認識に至った経緯
賃貸物件については、収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなったこと、遊休資産について
は、除却の決定をしたことにより投資額の回収が見込めなくなったことから、減損損失を認識しています。
(3) 資産グルーピングの方法
管理会計上の物件ごとに資産のグルーピングを行っています。また、鉄道事業資産については、全路線が
ネットワークとしてキャッシュ・フローを生成していることから、一つの資産グループとしています。な
お、遊休資産等については、それぞれ個別に資産グループとしています。
(4) 回収可能価額の算定方法
当該資産グループの回収可能価額は、正味売却価額及び使用価値により測定しています。賃貸物件につい
て、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値がマイナスとなる資産は、回収可能価額を零として評価して
います。遊休資産については、備忘価額まで減損損失を計上しています。なお、使用価値については、将来
キャッシュ・フローを4.2%で割り引いて算定しています。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
該当事項はありません。
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(連結包括利益計算書関係)
※ その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
その他有価証券評価差額金
当期発生額
△121 百万円 △97 百万円
- 224 百万円
組替調整額
税効果調整前
△121 百万円 126 百万円
税効果額 37 百万円 △38 百万円
その他有価証券評価差額金
△84 百万円 88 百万円
為替換算調整勘定
33 百万円 28 百万円
当期発生額
退職給付に係る調整額
当期発生額 △2,263 百万円 △4,851 百万円
△585 百万円 △434 百万円
組替調整額
税効果調整前
△2,849 百万円 △5,286 百万円
871 百万円 1,617 百万円
税効果額
退職給付に係る調整額 △1,977 百万円 △3,669 百万円
持分法適用会社に対する
持分相当額
当期発生額
0 百万円 63 百万円
組替調整額 △21 百万円 △3 百万円
持分法適用会社に対する
△21 百万円 59 百万円
持分相当額
その他の包括利益合計
△2,049 百万円 △3,492 百万円
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(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
1 発行済株式の種類及び総数に関する事項
当連結会計年度期首 当連結会計年度 当連結会計年度 当連結会計年度末
株式数(千株) 増加株式数(千株) 減少株式数(千株) 株式数(千株)
発行済株式
普通株式 581,000 - - 581,000
2 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2021年6月29日
普通株式 9,296 16 2021年3月31日 2021年6月30日
定時株主総会
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
配当金の総額 1株当たり
決議 株式の種類 配当の原資 基準日 効力発生日
(百万円) 配当額(円)
2022年6月29日
普通株式 利益剰余金 9,296 16 2022年3月31日 2022年6月30日
定時株主総会
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
1 発行済株式の種類及び総数に関する事項
当連結会計年度期首 当連結会計年度 当連結会計年度 当連結会計年度末
株式数(千株) 増加株式数(千株) 減少株式数(千株) 株式数(千株)
発行済株式
普通株式 581,000 - - 581,000
2 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2022年6月29日
普通株式 9,296 16 2022年3月31日 2022年6月30日
定時株主総会
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
配当金の総額 1株当たり
決議 株式の種類 配当の原資 基準日 効力発生日
(百万円) 配当額(円)
2023年6月27日
普通株式 利益剰余金 11,620 20 2023年3月31日 2023年6月28日
定時株主総会
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(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※ 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係は、次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
現金及び預金勘定 76,664 百万円 38,982 百万円
有価証券勘定に含まれる譲渡性預金 35,000 百万円 50,000 百万円
現金及び現金同等物 111,664 百万円 88,982 百万円
(リース取引関係)
(借主側)
1 ファイナンス・リース取引
リース物件の所有権が借主に移転すると認められるもの以外のファイナンス・リース取引については、金額的重要
性が乏しいため、記載を省略しています。
2 オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
1年内 200 百万円 179 百万円
1年超 240 百万円 63 百万円
合計 441 百万円 242 百万円
3 転リース取引に該当し、かつ、利息相当額控除前の金額で連結貸借対照表に計上している額
金額的重要性が乏しいため、記載を省略しています。
(貸主側)
オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
1年内 3,009 百万円 4,034 百万円
1年超 9,155 百万円 43,831 百万円
合計 12,165 百万円 47,866 百万円
(金融商品関係)
1 金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社グループの所要資金は、設備投資資金、社債償還及び借入金返済のための借換資金並びに運転資金に大別さ
れます。このうち、設備投資資金及び借換資金については、社債発行や銀行等からの長期借入により調達し、運転
資金の一時的な不足については、銀行からの短期借入により調達する方針です。
また、一時的な余資については、年度ごとの資金運用方針に基づき、安全性の高い金融資産で運用しています。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク並びにリスク管理体制
新線建設推進資金信託は、有楽町線、南北線延伸事業等のため、鉄道・運輸機構より借入れた資金の分別管理を
目的として設定しており、信託財産は預金で す。
営業債権である受取手形及び売掛金、未収運賃並びに未収金は、顧客の信用リスクに晒されています。 当該リス
クに関しては、取引相手ごとに期日及び残高を把握することにより管理しています。
投資有価証券は、業務上の関係を有する企業の株式等であり、市場価格の変動リスク等に晒されておりますが、
定期的に時価や発行体の財務状況等 を把握しています。
営業債務である支払手形及び買掛金、未払金、未払消費税等並びに未払法人税等は、そのすべてが1年以内の支
払期日です。
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社債及び長期借入金は、主として設備投資及び前身の営団時代の地下鉄ネットワークの整備拡充に必要な資金の
調達を目的としたものです。 また、新線建設推進長期借入金は、有楽町線、南北線延伸事業等のため、地域公共交
通 の活性化及び再生に関する法律に基づき、総額192,120百万円を鉄道・運輸機構より借り入れたものです。 これら
はすべて固定金利であり、また、返済・償還期限が長期間となっており、将来の想定外の事由によるフリー・
キャッシュ・フローの減少に伴い、支払期日に支払いを実行できなくなるリスクに晒されています。
2 金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりです。 なお、市場価格のない株式等(当 連
結会計年度連結貸借対照表計上額2,031百万円)は、「(1) 投資有価証券」には含まれていません。また、現金及び預
金、受取手形及び売掛金、未収運賃、未収金、有価証券、支払手形及び買掛金、未払金、未払消費税等並びに未払法
人税等は短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似することから、記載を省略しています。
新線建設推進資金信託は、信託財産構成物がすべて預金であるため、時価が帳簿価額に近似することから、記載を
省略しています。
前連結会計年度( 2022年3月31日 )
連結貸借対照表計上額 時価 差額
(百万円) (百万円) (百万円)
(1) 投資有価証券
756 756 -
資産計 756 756 -
(2) 社債
632,000 631,822 △177
(3) 長期借入金
339,295 344,202 4,906
負債計 971,295 976,025 4,729
(注)時価を把握することが極めて困難と認められる金融商品
(単位:百万円)
区分 2022年3月31日
非上場株式 1,444
上記については、市場価格がなく、かつ将来キャッシュ・フローを見積ることなどができず、時価を把握すること
が極めて困難と認められるため、「(1)投資有価証券」には含めていません。
当連結会計年度( 2023年3月31日 )
連結貸借対照表計上額 時価 差額
(百万円) (百万円) (百万円)
(1) 投資有価証券
338 338 -
資産計 338 338 -
(2) 社債
607,000 557,814 △49,186
(3) 長期借入金
340,868 334,694 △6,174
(4) 新線建設推進長期借入金
192,120 186,528 △5,591
負債計 1,139,988 1,079,036 △60,952
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3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類
しています。
レベル1の時価:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により算定した時価
レベル2の時価:レベル1のインプット以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:重要な観察できないインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属する
レベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しています。
(1) 時価をもって 連結貸借対照表計上額とする金融資産及び金融負債
前連結会計年度( 2022年3月31日 )
時価(百万円)
区分
レベル1 レベル2 レベル3 合計
投資有価証券 756 - - 756
当連結会計年度( 2023年3月31日 )
時価(百万円)
区分
レベル1 レベル2 レベル3 合計
投資有価証券 338 - - 338
(2) 時価をもって 連結貸借対照表計上額としない金融資産及び金融負債
前連結会計年度( 2022年3月31日 )
時価(百万円)
区分
レベル1 レベル2 レベル3 合計
社債 - 631,822 - 631,822
長期借入金 - 344,202 - 344,202
当連結会計年度( 2023年3月31日 )
時価(百万円)
区分
レベル1 レベル2 レベル3 合計
社債 - 557,814 - 557,814
長期借入金 - 334,694 - 334,694
新線建設推進長期借入金 - 186,528 - 186,528
(注)1 時価の算定に用いた評価技法及びインプットの説明
投資有価証券
上場株式は相場価格を用いて評価しています。上場株式は活発な市場で取引されているため、その時価を
レベル1の時価に分類しています。
社債
当社の発行する社債の時価は、市場価格(売買参考統計値)に基づき評価しており、レベル2の時価に分
類しています。
長期借入金及び新線建設推進長期借入金
これらの時価は、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する
方法等によっており、レベル2の時価に分類しています。
なお、長期借入金のうち、財政投融資資金と新線建設推進長期借入金については、法令等に基づく特殊な
金銭債務であり、同様の手段での再調達が困難なため、新規に同様の社債を発行した場合に想定される利率
で、元利金の合計額を割り引いた現在価値により算定しています。
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2 社債及び長期借入金の連結貸借対照表計上額及び時価については、それぞれ1年内償還予定の社債及び
1年内返済予定の長期借入金を含めています。
3 社債、長期借入金及びリース債務の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度( 2022年3月31日 )
1年超 2年超 3年超 4年超
1年以内 5年超
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
(百万円) (百万円)
(百万円) (百万円) (百万円) (百万円)
社債 55,000 30,000 10,000 - 20,000 517,000
長期借入金 13,426 11,087 32,086 40,312 23,666 218,715
リース債務 369 274 144 84 41 -
合計 68,796 41,361 42,231 40,397 43,708 735,715
当連結会計年度( 2023年3月31日 )
1年超 2年超 3年超 4年超
1年以内 5年超
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
(百万円) (百万円)
(百万円) (百万円) (百万円) (百万円)
社債 30,000 10,000 - 20,000 40,000 507,000
長期借入金 11,087 32,086 40,312 23,666 32,920 200,794
新線建設推進長期借入金 - - - - - 192,120
リース債務 354 225 164 121 60 -
合計 41,442 42,312 40,477 43,788 72,980 899,914
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(有価証券関係)
1 その他有価証券
前連結会計年度( 2022年3月31日 )
連結貸借対照表計上額 取得原価 差額
区分
(百万円) (百万円) (百万円)
連結貸借対照表計上額が
取得原価を超えるもの
株式 307 172 135
小計 307 172 135
連結貸借対照表計上額が
取得原価を超えないもの
株式 448 2,354 △1,905
その他 35,000 35,000 -
小計 35,448 37,354 △1,905
合計 35,756 37,526 △1,770
(注)非上場株式(連結貸借対照表計上額184百万円)については、市場価格がないことから、上表の「その他有価証
券」には含めていません。
当連結会計年度( 2023年3月31日 )
連結貸借対照表計上額 取得原価 差額
区分
(百万円) (百万円) (百万円)
連結貸借対照表計上額が
取得原価を超えるもの
株式 - - -
小計 - - -
連結貸借対照表計上額が
取得原価を超えないもの
株式 338 2,334 △1,995
その他 50,000 50,000 -
小計 50,338 52,334 △1,995
合計 50,338 52,334 △1,995
(注)非上場株式(連結貸借対照表計上額184百万円)については、市場価格がないことから、上表の「その他有価証
券」には含めていません。
2 連結会計年度中に売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
金額的重要性が乏しいため、記載を省略しています。
3 減損処理を行った有価証券
当連結会計年度において、有価証券について352百万円(その他有価証券の株式352百万円)減損処理を行っていま
す。
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(退職給付関係)
1 採用している退職給付制度の概要
当社は確定給付型の制度として確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を設けています。なお、当社は2009年1
月に適格退職年金制度の廃止及び退職一時金の制度変更を行い、また、2018年4月に導入した60歳から65歳への定年
延長に伴う確定給付型年金及び退職一時金の制度変更を行っています。また、一部の連結子会社は確定給付型の制度
として退職一時金制度を設けています。
なお、一部の連結子会社が有する退職一時金制度は、簡便法により退職給付に係る負債及び退職給付費用を計算し
ています。
2 確定給付制度
(1)退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
退職給付債務の期首残高 172,335 172,562
勤務費用
6,913 7,081
利息費用
1,212 1,207
数理計算上の差異の発生額
△492 △425
退職給付の支払額
△7,407 △9,882
過去勤務費用の発生額 15 -
その他 △13 -
退職給付債務の期末残高 172,562 170,542
(注)簡便法を適用している制度を含めています。
(2)年金資産の期首残高と期末残高の調整表
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
年金資産の期首残高 129,271 125,695
期待運用収益 2,585 2,513
数理計算上の差異の発生額 △2,741 △5,277
事業主からの拠出額
2,549 2,555
退職給付の支払額
△5,969 △6,796
年金資産の期末残高 125,695 118,690
(3)退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資
産の調整表
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
積立型制度の退職給付債務 101,077 97,761
年金資産 △125,695 △118,690
△24,617 △20,928
非積立型制度の退職給付債務 71,485 72,781
連結貸借対照表に計上された負債と資産の純額 46,867 51,852
退職給付に係る負債 71,485 72,781
退職給付に係る資産 △24,617 △20,928
連結貸借対照表に計上された負債と資産の純額 46,867 51,852
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(4)退職給付費用及びその内訳項目の金額
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
勤務費用 6,913 7,081
利息費用 1,212 1,207
期待運用収益 △2,585 △2,513
数理計算上の差異の費用処理額 △203 △52
過去勤務費用の費用処理額 △382 △382
確定給付制度に係る退職給付費用 4,954 5,339
(注)簡便法を適用している連結子会社の退職給付費用は、勤務費用に含めています。
(5)退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
△2,452 △4,904
数理計算上の差異
△397 △382
過去勤務費用
△2,849 △5,286
合計
(6)退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
未認識数理計算上の差異 5,056 151
未認識過去勤務費用 4,616 4,233
合計 9,672 4,385
(7)年金資産に関する事項
① 年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は、次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
債券 33 % 33 %
株式 13 % 13 %
一般勘定 32 % 34 %
その他 22 % 20 %
合計 100 % 100 %
② 長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多
様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しています。
(8)数理計算上の計算基礎に関する事項
主要な数理計算上の計算基礎(加重平均で表しています。)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
割引率 主として 0.7 % 主として 0.7 %
長期期待運用収益率 2.0 % 2.0 %
予想昇給率 主として 5.2 % 主として 5.2 %
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(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は、次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
(繰延税金資産)
税務上の繰越欠損金(注)2 25,418 百万円 23,155 百万円
退職給付に係る負債 21,873 百万円 22,271 百万円
未収連絡運賃 114 百万円 158 百万円
賞与引当金 3,208 百万円 3,571 百万円
期渡撤去工事 2,436 百万円 2,187 百万円
投資有価証券等評価損 2,691 百万円 2,687 百万円
未払社会保険料 484 百万円 582 百万円
環境安全対策引当金 108 百万円 89 百万円
資産除去債務 933 百万円 810 百万円
減損損失 1,399 百万円 900 百万円
撤去損失引当金 1,121 百万円 1,032 百万円
未払事業税等 378 百万円 581 百万円
1,871 百万円 2,270 百万円
その他
繰延税金資産小計 62,041 百万円 60,299 百万円
税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額
△12,257 百万円 -
(注)2
将来減算一時差異等の合計に係る評価性
△6,667 百万円 △4,837 百万円
引当額
評価性引当額小計(注)1 △18,924 百万円 △4,837 百万円
繰延税金資産合計
43,116 百万円 55,462 百万円
(繰延税金負債)
退職給付に係る資産 7,533 百万円 6,404 百万円
56 百万円 24 百万円
その他
繰延税金負債合計 7,589 百万円 6,429 百万円
繰延税金資産の純額 35,527 百万円 49,033 百万円
(注)1 評価性引当額が14,087百万円減少しています。この主な内容は、当社において将来の課税所得の見込みの増
加等に伴い、税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額が減少したことによるものです。
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2 税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額
前連結会計年度( 2022年3月31日 )
1年超 2年超 3年超 4年超
1年以内 5年超 合計
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
税務上の繰越
- - - - - 25,418 25,418 百万円
欠損金(a)
評価性引当額 - - - - - △12,257 △12,257 百万円
繰延税金資産 - - - - - 13,160 (b)13,160 百万円
(a) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額です。
(b) 税務上の繰越欠損金25,418百万円(法定実効税率を乗じた額)について、繰延税金資産13,160百万円を計
上しています。当該税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産については、将来の課税所得の見込みにより
回収可能と判断しています。
当連結会計年度( 2023年3月31日 )
1年超 2年超 3年超 4年超
1年以内 5年超 合計
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
税務上の繰越
- - - - - 23,155 23,155 百万円
欠損金(c)
評価性引当額 - - - - - - -
繰延税金資産 - - - - - 23,155 (d)23,155 百万円
(c) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額です。
(d) 税務上の繰越欠損金23,155百万円(法定実効税率を乗じた額)について、繰延税金資産23,155百万円を計
上しています。当該繰延税金資産を計上した繰越欠損金は、将来課税所得の見込みにより、回収可能と判
断し、評価性引当額を認識していません。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった
主要な項目別の内訳
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
法定実効税率 - 30.6 %
(調整)
交際費等永久に損金に算入されない項目 - 0.3 %
法人住民税均等割 - 0.5 %
事業税率差異 - 0.7 %
評価性引当額の増減 - △70.6 %
その他 - △0.6 %
税効果会計適用後の法人税等の負担率 - △39.1 %
(注)前連結会計年度は、税金等調整前当期純損失であるため注記を省略しています。
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(資産除去債務関係)
1 資産除去債務のうち連結貸借対照表に計上しているもの
(1) 資産除去債務の概要
保有する車両等についてアスベストを含むものがあり、その車両等を除去する際に石綿障害予防規則等が規定す
る特別な方法による必要があるという法令上の義務です。
(2) 当該資産除去債務の金額の算定方法
当該資産除去債務については、除去費用の見積り等をもとに算出しています。なお、対象資産は取得時より相当
年数を経過しているため、割引計算を行っていません。
(3) 当該資産除去債務の総額の増減
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
期首残高 3,247 百万円 3,051 百万円
資産除去債務の履行による減少額 △125 百万円 △403 百万円
その他の増減(△は減少) △70 百万円 -
期末残高 3,051 百万円 2,648 百万円
2 資産除去債務のうち連結貸借対照表に計上していないもの
当社の鉄道路線は、主として道路の地下を運行しているため、道路法(昭和27年法律第180号)第40条の規定によ
り、道路占用を廃止した場合には、これらの施設を撤去し、原状回復する義務を有していますが、道路占用を廃止す
る蓋然性は極めて低いことから、当該資産除去債務を計上していません。
(賃貸等不動産関係)
当社グループでは、東京都その他の地域において、賃貸用のオフィスビル及び商業施設等を有しています。
2022年3月期における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益は5,439百万円(賃貸収益は営業収益に、賃貸費用は営
業費に計上)及び減損損失は204百万円(特別損失に計上)です。
2023年3月期における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益は6,447百万円(賃貸収益は営業収益に、賃貸費用は営
業費に計上)です。
また、当該賃貸等不動産の連結貸借対照表計上額、期中増減額及び時価は次のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
連結貸借対照表計上額
期首残高 59,649 58,533
期中増減額 △1,115 1,466
期末残高 58,533 59,999
期末時価 105,787 110,168
(注)1 連結貸借対照表計上額は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額です。
2 期中増減額のうち、前連結会計年度の主な増加額は不動産取得(2,026百万円)、主な減少額は減価償却
(2,891百万円)、当連結会計年度の主な増加額は不動産取得(3,045百万円)、主な減少額は減価償却
(2,776百万円)です。
3 連結決算日における時価は、主要な物件については不動産鑑定評価基準に基づく価額、その他の物件につ
いては一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標に基づく価額等です。
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(収益認識関係)
1 顧客との契約から生じる収益を分解した情報
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
当社グループの報告セグメントを、財又はサービスの種類別に分解した場合の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
報告セグメント
その他 合計
運輸 不動産 流通・広告
定期運輸収入 105,483 - - - 105,483
定期外運輸収入 139,609 - - - 139,609
その他運輸業収入 28,352 - - - 28,352
不動産事業収入 - 2,145 - - 2,145
流通事業収入 - - 7,216 - 7,216
広告事業収入 - - 3,160 - 3,160
情報通信事業収入 - - 4,364 - 4,364
その他 - - - 408 408
顧客との契約から生じる収益 273,444 2,145 14,742 408 290,741
その他の収益 335 11,397 4,429 - 16,163
合計 273,780 13,543 19,171 408 306,904
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
当社グループの報告セグメントを、財又はサービスの種類別に分解した場合の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
報告セグメント
その他 合計
運輸 不動産 流通・広告
定期運輸収入 111,990 - - - 111,990
定期外運輸収入 169,374 - - - 169,374
その他運輸業収入 28,381 - - - 28,381
不動産事業収入 - 2,309 - - 2,309
流通事業収入 - - 7,693 - 7,693
広告事業収入 - - 3,875 - 3,875
情報通信事業収入 - - 4,385 - 4,385
その他 - - - 493 493
顧客との契約から生じる収益 309,746 2,309 15,953 493 328,503
その他の収益 339 11,348 5,178 - 16,866
合計 310,085 13,658 21,132 493 345,370
2 収益を理解するための基礎となる情報
「4 会計方針に関する事項 (6) 重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおりです。
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3 当期及び翌期以降の収益の金額を理解するための情報
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
(1) 契約残高
契約資産は、主として一定の期間にわたり履行義務が充足される契約において、収益を認識したが、未請求の作
業に係る対価に関連するものです。契約資産は権利が無条件になった時点で債権に振り替えられます。これは通
常、請求書を顧客に発行した時点です。
契約負債は、主として運輸業における定期乗車券について、顧客から受け取った前受対価に関連するものであ
り、有効期間が6か月以内であるため、1年以内に収益を認識しています。
顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の残高は以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度
期首残高 期末残高
顧客との契約から生じた債権 29,933 30,819
契約資産 401 311
契約負債 17,242 19,531
連結貸借対照表において、顧客との契約から生じた債権及び契約資産は、「受取手形、売掛金及び契約資
産」、「未収運賃」及び「未収金」に含まれており、契約負債は、「前受運賃」及び流動負債の「その他」に含
まれています。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を適用し、
残存履行義務に関する情報の記載を省略しています。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含ま
れていない重要な金額はありません。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
(1) 契約残高
契約資産は、主として一定の期間にわたり履行義務が充足される契約において、収益を認識したが、未請求の作
業に係る対価に関連するものです。契約資産は権利が無条件になった時点で債権に振り替えられます。これは通
常、請求書を顧客に発行した時点です。
契約負債は、主として運輸業における定期乗車券について、顧客から受け取った前受対価に関連するものであ
り、有効期間が6か月以内であるため、1年以内に収益を認識しています。
顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の残高は以下のとおりです。
(単位:百万円)
当連結会計年度
期首残高 期末残高
顧客との契約から生じた債権 30,819 35,525
契約資産 311 365
契約負債 19,531 20,669
連結貸借対照表において、顧客との契約から生じた債権及び契約資産は、「受取手形、売掛金及び契約資
産」、「未収運賃」及び「未収金」に含まれており、契約負債は、「前受運賃」、 流動負債の「その他」及び固
定負債の「その他」に含まれています。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を適用し、
残存履行義務に関する情報の記載を省略しています。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含ま
れていない重要な金額はありません。
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(セグメント情報)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締
役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、当社の鉄道事業を中心とした運輸業に加え、鉄道事業とのシナジー効果が発揮できる不動産事
業、並びに当社資産等を活用した流通・広告事業を展開しています。
したがって、当社グループは、上記の事業別セグメントから構成されており、これらを「運輸業」、「不動産事
業」及び「流通・広告事業」の3つの報告セグメントに区分しています。
「運輸業」は、東京都区部を中心に、9路線からなる地下鉄ネットワークを保有し、鉄道の運行及び運営並びに
鉄道施設等の保守管理を行っています。
「不動産事業」は、鉄道事業とのシナジー効果が発揮できる事業展開を基本とし、当社の沿線において、渋谷
マークシティなど、オフィスビルやホテルを中心とした不動産の賃貸を行っています。
「流通・広告事業」は、当社資産などを活用し、当社沿線の駅においてEchikaなどの商業施設の運営、主
として駅構内や電車内の広告を取り扱う広告事業、光ファイバーの賃貸などを行う情報通信事業などを行っていま
す。
2 報告セグメントごとの営業収益、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」にお
ける記載と概ね同一です。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であり、セグメント間の内部営業収益
又は振替高は市場価格等に基づいています。
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3 報告セグメントごとの営業収益、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
(単位:百万円)
連結
報告セグメント
調整額
財務諸表
その他 合計 (注)
計上額
運輸 不動産 流通・広告 計
1,2
(注)3
営業収益
外部顧客への営業収益 273,780 13,543 19,171 306,495 408 306,904 - 306,904
セグメント間の内部
2,474 86 2,574 5,135 2,899 8,035 △ 8,035 -
営業収益又は振替高
計 276,255 13,630 21,746 311,631 3,308 314,940 △ 8,035 306,904
セグメント利益
△ 23,656 4,609 6,793 △ 12,253 40 △ 12,213 96 △ 12,117
又は損失(△)
セグメント資産 1,617,594 53,631 20,675 1,691,902 751 1,692,654 120,313 1,812,967
その他の項目
減価償却費 84,245 2,337 1,667 88,250 21 88,271 △ 53 88,218
有形固定資産及び
99,562 1,658 1,269 102,490 163 102,654 △ 76 102,577
無形固定資産の増加額
(注) 1 セグメント利益又は損失(△)の調整額 96百万円 、その他の項目における減価償却費の調整額 △53百万円 及
び有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額 △76百万円 は、セグメント間取引消去です。
2 セグメント資産の調整額 120,313百万円 は、各報告セグメントに配分していない全社資産 121,906百万円 及び
セグメント間取引消去 △1,592百万円 です。また、全社資産の主なものは、当社での運用資金(現金及び預
金)、有価証券及び投資有価証券等です。
3 セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業損失と調整を行っています。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
(単位:百万円)
連結
報告セグメント
調整額
財務諸表
その他 合計 (注)
計上額
運輸 不動産 流通・広告 計
1,2
(注)3
営業収益
外部顧客への営業収益 310,085 13,658 21,132 344,877 493 345,370 - 345,370
セグメント間の内部
2,174 81 2,523 4,779 3,214 7,994 △ 7,994 -
営業収益又は振替高
計 312,260 13,740 23,656 349,657 3,707 353,364 △ 7,994 345,370
セグメント利益 14,604 5,347 7,687 27,639 35 27,674 103 27,777
セグメント資産 1,831,280 55,314 20,860 1,907,456 911 1,908,368 94,453 2,002,821
その他の項目
減価償却費 66,963 2,188 1,255 70,407 12 70,420 △ 42 70,377
有形固定資産及び
74,525 3,056 2,161 79,743 292 80,035 △ 112 79,922
無形固定資産の増加額
(注) 1 セグメント利益の調整額 103百万円 、その他の項目における減価償却費の調整額 △42百万円 及び有形固定資
産及び無形固定資産の増加額の調整額 △112百万円 は、セグメント間取引消去です。
2 セグメント資産の調整額 94,453百万円 は、各報告セグメントに配分していない全社資産 96,029百万円 及びセ
グメント間取引消去 △1,576百万円 です。また、全社資産の主なものは、当社での運用資金(現金及び預
金)、有価証券及び投資有価証券等です。
3 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
4 「会計方針の変更」に記載のとおり、当連結会計年度から有形固定資産の減価償却方法を主として定額法に
するとともに、耐用年数を変更しています。
この変更に伴い、従来の方法と比べ、当連結会計年度のセグメント利益が、「運輸業」で15,050百万円、
「不動産事業」で0百万円、「流通・広告事業」で52百万円、「その他」で0百万円増加しています。
【関連情報】
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1 製品及びサービスごとの情報
「セグメント情報」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
2 地域ごとの情報
海外の外部顧客への営業収益が存在しないため、該当事項はありません。
海外に所在している有形固定資産が存在しないため、該当事項はありません。
3 主要な顧客ごとの情報
連結損益計算書の営業収益の10%以上を占める顧客が存在しないため、記載を省略しています。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
(単位:百万円)
報告セグメント
その他 全社・消去 合計
運輸 不動産 流通・広告
減損損失 1,319 206 901 153 ― 2,582
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。
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【関連当事者情報】
1 関連当事者との取引
(1) 連結財務諸表提出会社と関連当事者との取引
連結財務諸表提出会社の親会社及び主要株主(会社等の場合に限る)等
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
議決権等
資本金又
会社等 の所有 関連当事者 取引金額 期末残高
種類 所在地 は出資金 事業の内容 取引の内容 科目
の名称 (被所有)割合 との関係 (百万円) (百万円)
(百万円)
(%)
1年内返済
予定の長期 6,624
借入金の返済 8,174
(被所有) 借入金
主要株主 財務省 東京都 資金の
― 財務行政 直接
(会社等) (財務大臣) 千代田区 借入等
長期借入金 30,262
53.42
利息の支払 1,033 未払費用 102
(注)取引条件及び取引条件の決定方針等
財務省からの借入金の利率は1.2%~5.05%、最終償還日は2033年3月20日です。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
議決権等
資本金又
会社等 の所有 関連当事者 取引金額 期末残高
種類 所在地 は出資金 事業の内容 取引の内容 科目
の名称 (被所有)割合 との関係 (百万円) (百万円)
(百万円)
(%)
1年内返済
予定の長期 6,086
借入金の返済 6,624
(被所有) 借入金
主要株主 財務省 東京都 資金の
― 財務行政 直接
(会社等) (財務大臣) 千代田区 借入等
長期借入金 24,176
53.42
利息の支払 772 未払費用 63
(注)取引条件及び取引条件の決定方針等
財務省からの借入金の利率は1.2%~4.90%、最終償還日は2033年3月20日です。
(2) 連結財務諸表提出会社の連結子会社と関連当事者との取引
該当事項はありません。
2 親会社又は重要な関連会社に関する注記
該当事項はありません。
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(1株当たり情報)
前連結会計年度 当連結会計年度
項目 (自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
1株当たり純資産額 1,064円30銭 1,090円09銭
1株当たり当期純利益金額又は
△23円06銭 47円80銭
1株当たり当期純損失金額(△)
(注)1 前連結会計年度の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失金額であり、ま
た、潜在株式が存在しないため記載しておりません。当連結会計年度の潜在株式調整後1株当たり当期純利
益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
2 1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失の算定上の基礎は、以下のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
項目 (自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
親会社株主に帰属する当期純利益又は
(百万円) △13,397 27,771
親会社株主に帰属する当期純損失(△)
普通株主に帰属しない金額 (百万円) - -
普通株式に係る親会社株主に帰属する
当期純利益又は親会社株主に帰属する (百万円) △13,397 27,771
当期純損失(△)
普通株式の期中平均株式数 (千株) 581,000 581,000
3 1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
項目
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
純資産の部の合計額 (百万円) 618,360 633,344
純資産の部の合計額から控除する金額 (百万円) - -
普通株式に係る期末の純資産額 (百万円) 618,360 633,344
1株当たり純資産額の算定に用いられた
(千株) 581,000 581,000
期末の普通株式の数
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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⑤ 【連結附属明細表】
【社債明細表】
当期首残高 当期末残高
会社名 銘柄 発行年月日 利率(%) 担保 償還期限
(百万円) (百万円)
第342回東京交通債券 2002年6月21日 10,000 - 2.4 あり 2022年6月21日
第343回東京交通債券 2002年11月28日 20,000 - 2.0 〃 2022年11月28日
第344回東京交通債券 2003年2月18日 25,000 - 1.67 〃 2023年2月17日
15,000
第346回東京交通債券 2003年6月20日 15,000 1.13 〃 2023年6月20日
(15,000)
15,000
第347回東京交通債券 2004年3月10日 15,000 2.05 〃 2024年3月8日
(15,000)
東京地下鉄株式会社
2004年9月24日 10,000 10,000 2.36 〃 2024年6月20日
第2回社債
東京地下鉄株式会社
2006年9月29日 10,000 10,000 2.38 〃 2026年6月19日
第4回社債
東京地下鉄株式会社
2007年10月31日 10,000 10,000 2.43 〃 2027年9月17日
第6回社債
東京地下鉄株式会社
2008年2月22日 10,000 10,000 2.31 〃 2027年12月20日
第8回社債
東京地下鉄株式会社
2010年4月28日 20,000 20,000 2.230 〃 2030年3月19日
第10回社債
東京地下鉄株式会社
2011年12月9日 20,000 20,000 1.905 〃 2031年12月9日
第12回社債
東京地下鉄株式会社
2012年5月25日 10,000 10,000 1.702 〃 2032年5月25日
第13回社債
東京地下鉄株式会社
2013年6月14日 10,000 10,000 1.760 〃 2033年6月14日
第14回社債
東京地下鉄株式会社
2015年6月19日 15,000 15,000 1.329 〃 2035年6月19日
第15回社債
東京地下鉄株式会社
2016年3月11日 10,000 10,000 0.778 〃 2036年3月11日
第16回社債
東京地下鉄株式会社
2016年3月11日 12,000 12,000 1.317 〃 2046年3月9日
第17回社債
東京地下鉄株式会社
2016年6月21日 10,000 10,000 0.343 〃 2036年6月20日
第18回社債
東京地下鉄株式会社
2016年6月21日 10,000 10,000 0.608 〃 2046年6月21日
第19回社債
東京地下鉄株式会社
2017年1月31日 10,000 10,000 0.220 〃 2027年1月29日
東京
第20回社債
地下鉄
東京地下鉄株式会社
2017年1月31日 10,000 10,000 0.975 〃 2047年1月31日
(株)
第21回社債
東京地下鉄株式会社
2017年6月21日 10,000 10,000 0.215 〃 2027年6月21日
第22回社債
東京地下鉄株式会社
2017年6月21日 10,000 10,000 0.661 〃 2037年6月19日
第23回社債
東京地下鉄株式会社
2017年6月21日 10,000 10,000 1.035 〃 2047年6月21日
第24回社債
東京地下鉄株式会社
2017年12月15日 10,000 10,000 0.240 〃 2027年12月15日
第25回社債
東京地下鉄株式会社
2017年12月15日 10,000 10,000 0.665 〃 2037年12月15日
第26回社債
東京地下鉄株式会社
2017年12月15日 10,000 10,000 1.065 〃 2047年12月13日
第27回社債
東京地下鉄株式会社
2018年5月24日 10,000 10,000 0.250 〃 2028年5月24日
第28回社債
東京地下鉄株式会社
2018年5月24日 10,000 10,000 0.638 〃 2038年5月24日
第29回社債
東京地下鉄株式会社
2018年5月24日 10,000 10,000 0.968 〃 2048年5月22日
第30回社債
東京地下鉄株式会社
2018年5月24日 10,000 10,000 1.220 〃 2058年5月24日
第31回社債
東京地下鉄株式会社
2019年1月31日 10,000 10,000 0.220 〃 2029年1月31日
第32回社債
東京地下鉄株式会社
2019年1月31日 10,000 10,000 0.884 〃 2049年1月29日
第33回社債
東京地下鉄株式会社
2019年1月31日 10,000 10,000 1.104 〃 2059年1月31日
第34回社債
東京地下鉄株式会社
2019年6月27日 10,000 10,000 0.114 〃 2029年6月27日
第35回社債
東京地下鉄株式会社
2019年6月27日 10,000 10,000 0.604 〃 2049年6月25日
第36回社債
東京地下鉄株式会社
2019年6月27日 10,000 10,000 0.772 〃 2059年6月27日
第37回社債
東京地下鉄株式会社
2020年1月31日 10,000 10,000 0.445 〃 2040年1月31日
第38回社債
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当期首残高 当期末残高
会社名 銘柄 発行年月日 利率(%) 担保 償還期限
(百万円) (百万円)
東京地下鉄株式会社
2020年1月31日 10,000 10,000 0.601 〃 2050年1月31日
第39回社債
東京地下鉄株式会社
2020年1月31日 10,000 10,000 0.937 〃 2070年1月31日
第40回社債
東京地下鉄株式会社
2020年6月12日 10,000 10,000 0.275 〃 2030年6月12日
第41回社債
東京地下鉄株式会社
2020年6月12日 10,000 10,000 0.761 〃 2050年6月10日
第42回社債
東京地下鉄株式会社
2020年6月12日 10,000 10,000 0.919 〃 2060年6月11日
第43回社債
東京地下鉄株式会社
2020年6月12日 10,000 10,000 1.087 〃 2070年6月12日
第44回社債
東京地下鉄株式会社
2020年9月18日 10,000 10,000 0.215 〃 2030年9月18日
第45回社債
東京地下鉄株式会社
2020年9月18日 10,000 10,000 0.795 〃 2050年9月16日
第46回社債
東京地下鉄株式会社
2020年9月18日 10,000 10,000 0.909 〃 2060年9月17日
第47回社債
東京地下鉄株式会社
東京
2020年9月18日 10,000 10,000 1.072 〃 2070年9月18日
第48回社債
地下鉄
東京地下鉄株式会社
2021年1月22日 10,000 10,000 0.574 〃 2041年1月22日
(株)
第49回社債
東京地下鉄株式会社
2021年1月22日 10,000 10,000 0.839 〃 2051年1月20日
第50回社債
東京地下鉄株式会社
2021年1月22日 10,000 10,000 1.130 〃 2071年1月22日
第51回社債
東京地下鉄株式会社
2021年10月14日 10,000 10,000 0.205 〃 2031年10月14日
第52回社債
東京地下鉄株式会社
2021年10月14日 10,000 10,000 0.835 〃 2051年10月13日
第53回社債
東京地下鉄株式会社
2021年10月14日 10,000 10,000 1.055 〃 2061年10月14日
第54回社債
東京地下鉄株式会社
2021年10月14日 10,000 10,000 1.287 〃 2071年10月14日
第55回社債
東京地下鉄株式会社
2022年2月28日 10,000 10,000 1.066 〃 2052年2月28日
第56回社債
東京地下鉄株式会社
2022年2月28日 10,000 10,000 1.244 〃 2062年2月28日
第57回社債
東京地下鉄株式会社
2022年2月28日 10,000 10,000 1.416 〃 2072年2月26日
第58回社債
東京地下鉄株式会社
2022年7月21日 - 10,000 1.105 〃 2042年7月18日
第59回社債
東京地下鉄株式会社
2022年7月21日 - 10,000 1.500 〃 2052年7月19日
第60回社債
東京地下鉄株式会社
2022年7月21日 - 10,000 1.675 〃 2062年7月21日
第61回社債
607,000
合計 - - 632,000 - - -
(30,000)
(注) 1 ( )内は、1年以内の償還予定額です。
2 東京交通債券は、営団が発行した公募交通債券であり、東京地下鉄株式会社法附則第14条の規定に基づき、
社債とみなされています。
3 連結決算日後5年以内における償還予定額は次のとおりです。
1年以内 1年超2年以内 2年超3年以内 3年超4年以内 4年超5年以内
(百万円) (百万円) (百万円) (百万円) (百万円)
30,000 10,000 - 20,000 40,000
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【借入金等明細表】
当期首残高 当期末残高 平均利率
区分 返済期限
(百万円) (百万円) (%)
短期借入金 - - - -
1年以内に返済予定の長期借入金 13,426 11,087 2.4 -
1年以内に返済予定のリース債務 369 354 - -
2025年3月31日~
長期借入金(1年以内に返済予定
325,868 329,781 0.9
のものを除く) 2044年10月31日
2063年3月20日
新線建設推進長期借入金 - 192,120 1.5
2024年4月30日~
リース債務(1年以内に返済予定
545 572 -
のものを除く) 2027年12月31日
その他有利子負債 - - - -
合計 340,210 533,915 - -
(注) 1 「平均利率」については、借入金の当連結会計年度末残高に対する加重平均利率を記載しています。
2 リース債務の平均利率については、リース料総額に含まれる利息相当額を控除する前の金額でリース債務を
連結貸借対照表に計上しているため、記載していません。
3 長期借入金、新線建設推進長期借入金及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く)の連結決算日後5
年以内における返済予定額は次のとおりです。
1年超2年以内 2年超3年以内 3年超4年以内 4年超5年以内
区分
(百万円) (百万円) (百万円) (百万円)
長期借入金 32,086 40,312 23,666 32,920
新線建設推進長期借入金 - - - -
リース債務 225 164 121 60
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における資産除去債務の金額が、当連結会計年度期首及び当連結会
計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、記載を省略しています。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
(累計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 当連結会計年度
営業収益 (百万円) 84,669 168,202 256,423 345,370
税金等調整前
(百万円) 10,846 9,599 17,841 19,962
四半期(当期)純利益金額
親会社株主に帰属する
(百万円) 8,115 8,804 16,703 27,771
四半期(当期)純利益金額
1株当たり
(円) 13.97 15.15 28.75 47.80
四半期(当期)純利益金額
(会計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
1株当たり
(円) 13.97 1.19 13.60 19.05
四半期純利益金額
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2 【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
資産の部
流動資産
現金及び預金 75,526 37,965
※1 192,120
新線建設推進資金信託 -
未収運賃 21,832 26,193
未収金 8,535 9,623
未収法人税等 218 -
有価証券 35,000 50,000
貯蔵品 5,995 7,485
前払金 2,126 2,063
前払費用 867 1,032
受託工事支出金 373 959
2,677 2,825
その他
流動資産合計 153,153 330,268
固定資産
鉄道事業固定資産
有形固定資産 3,008,797 3,027,028
△ 1,768,363 △ 1,792,186
減価償却累計額
有形固定資産(純額) 1,240,434 1,234,842
無形固定資産 100,014 97,084
※2 1,340,448 ※2 1,331,926
鉄道事業固定資産合計
関連事業固定資産
有形固定資産 97,468 106,502
△ 47,660 △ 57,670
減価償却累計額
有形固定資産(純額) 49,807 48,831
無形固定資産 33 29
※2 49,841 ※2 48,861
関連事業固定資産合計
各事業関連固定資産
有形固定資産 65,405 64,676
△ 30,627 △ 31,799
減価償却累計額
有形固定資産(純額) 34,777 32,876
無形固定資産 2,315 1,954
※2 37,093 ※2 34,830
各事業関連固定資産合計
建設仮勘定
鉄道事業 146,754 158,599
関連事業 4,027 6,092
38 35
各事業関連
建設仮勘定合計 150,819 164,726
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(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
投資その他の資産
投資有価証券 926 507
関係会社株式 10,053 10,012
長期貸付金 24 19
従業員に対する長期貸付金 6 5
長期前払費用 17 30
前払年金費用 12,482 13,893
繰延税金資産 36,397 48,605
844 815
その他
投資その他の資産合計 60,754 73,889
固定資産合計 1,638,957 1,654,235
※3 1,792,110 ※3 1,984,503
資産合計
負債の部
流動負債
短期借入金 - 10,200
※3 55,000 ※3 30,000
1年内償還予定の社債
1年内返済予定の長期借入金 13,426 11,087
リース債務 365 418
未払金 61,322 58,460
未払費用 5,670 5,755
未払消費税等 5,496 7,756
未払法人税等 1,001 3,347
預り連絡運賃 208 336
預り金 46,822 38,271
前受運賃 15,469 16,349
前受金 2,118 2,292
前受収益 3,519 3,026
賞与引当金 8,746 10,095
撤去損失引当金 187 156
656 841
その他
流動負債合計 220,012 198,395
固定負債
※3 577,000 ※3 577,000
社債
長期借入金 325,868 329,781
※1 192,120
新線建設推進長期借入金 -
リース債務 639 451
退職給付引当金 65,105 65,935
役員退職慰労引当金 153 181
環境安全対策引当金 356 294
撤去損失引当金 3,478 3,218
資産除去債務 2,952 2,548
15,317 15,946
その他
固定負債合計 990,872 1,187,477
負債合計 1,210,884 1,385,872
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(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
純資産の部
株主資本
資本金 58,100 58,100
資本剰余金
62,167 62,167
資本準備金
資本剰余金合計 62,167 62,167
利益剰余金
その他利益剰余金
別途積立金 434,000 434,000
27,046 44,364
繰越利益剰余金
利益剰余金合計 461,046 478,364
株主資本合計 581,313 598,631
評価・換算差額等
△ 87 -
その他有価証券評価差額金
評価・換算差額等合計 △ 87 -
純資産合計 581,226 598,631
負債純資産合計 1,792,110 1,984,503
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②【損益計算書】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
鉄道事業営業利益
営業収益
旅客運輸収入 245,092 281,364
鉄道線路使用料収入 937 975
26,721 26,437
運輸雑収
鉄道事業営業収益合計 272,751 308,778
営業費
運送営業費 188,763 202,287
一般管理費 13,096 13,284
諸税 12,032 12,988
84,086 66,831
減価償却費
鉄道事業営業費合計 297,979 295,393
鉄道事業営業利益又は鉄道事業営業損失(△) △ 25,227 13,385
関連事業営業利益
営業収益
不動産賃貸収入 12,180 13,127
5,021 5,136
その他の営業収入
関連事業営業収益合計 17,201 18,263
営業費
販売費及び一般管理費 4,182 4,403
諸税 1,255 1,177
2,718 2,645
減価償却費
関連事業営業費合計 8,156 8,225
関連事業営業利益 9,045 10,038
全事業営業利益又は全事業営業損失(△) △ 16,181 23,423
営業外収益
※1 1,070 ※1 1,784
受取配当金
受取受託工事事務費 235 284
物品売却益 643 561
※1 873 ※1 936
雑収入
営業外収益合計 2,823 3,567
営業外費用
支払利息 3,377 3,194
社債利息 6,695 7,063
611 301
雑支出
営業外費用合計 10,683 10,558
経常利益又は経常損失(△) △ 24,042 16,431
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(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
特別利益
※2 3,184 ※2 98
固定資産売却益
※3 293 ※3 2,436
補助金
※4 2,008 ※4 1,335
鉄道施設受贈財産評価額
※5 1,784 ※5 1,145
工事負担金等受入額
459 224
その他
特別利益合計 7,730 5,241
特別損失
※6 3,849 ※6 4,479
固定資産圧縮損
減損損失 2,345 -
撤去損失引当金繰入額 3,666 -
- 395
その他
特別損失合計 9,861 4,875
税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) △ 26,173 16,797
法人税、住民税及び事業税
70 2,430
△ 11,214 △ 12,246
法人税等調整額
法人税等合計 △ 11,144 △ 9,816
当期純利益又は当期純損失(△) △ 15,029 26,614
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【営業費明細表】
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
注記
区分 金額(百万円) 金額(百万円)
番号
Ⅰ 鉄道事業営業費
1 運送営業費 ※1
(1) 人件費
85,064 86,796
(2) 経費 103,699 115,490
188,763 202,287
2 一般管理費
(1) 人件費
6,017 6,451
(2) 経費
7,078 6,833
13,096 13,284
3 諸税 12,032 12,988
84,086 66,831
4 減価償却費
鉄道事業営業費合計 297,979 295,393
Ⅱ 関連事業営業費
1 販売費及び一般管理費 ※2
(1) 人件費
717 762
(2) 経費 3,465 3,640
4,182 4,403
2 諸税 ※2 1,255 1,177
2,718 2,645
3 減価償却費
8,156 8,225
関連事業営業費合計
全事業営業費合計 ※3 306,135 303,618
(注) 事業別営業費合計の100分の5を超える主な費用並びに営業費(全事業)に含まれている引当金繰入額は次のと
おりです。
(前事業年度) (当事業年度)
※1 鉄道事業営業費 運送営業費
給料 37,084百万円 37,038百万円
手当 17,283百万円 16,741百万円
賞与 15,181百万円 16,663百万円
修繕費 31,666百万円 29,243百万円
電車動力費 7,422百万円 18,535百万円
※2 関連事業営業費 販売費及び一般管理費
修繕費 1,015百万円 955百万円
管理委託費 1,143百万円 1,162百万円
賃借料 435百万円 480百万円
諸税
固定資産税 971百万円 932百万円
※3 営業費(全事業)に含まれている引当金繰入額
賞与引当金繰入額 8,491百万円 9,802百万円
役員退職慰労引当金繰入額 33百万円 33百万円
なお、退職給付費用は次のとおりです。
4,517百万円 4,826百万円
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③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
評価・換算
株主資本
差額等
資本剰余金 利益剰余金
純資産合計
その他
株主資本
その他利益剰余金
資本金 有価証券
利益剰余金合
合計
資本準備金
繰越利益 評価差額金
計
別途積立金
剰余金
当期首残高 58,100 62,167 474,000 12,679 486,679 606,946 △ 2 606,944
会計方針の変更によ
△ 1,308 △ 1,308 △ 1,308 △ 1,308
る累積的影響額
会計方針の変更を反映
58,100 62,167 474,000 11,371 485,371 605,638 △ 2 605,635
した当期首残高
当期変動額
別途積立金の積立 - - -
別途積立金の取崩 △ 40,000 40,000 - - -
剰余金の配当 △ 9,296 △ 9,296 △ 9,296 △ 9,296
当期純利益又は当期
△ 15,029 △ 15,029 △ 15,029 △ 15,029
純損失(△)
株主資本以外の項目
の当期変動額(純 △ 84 △ 84
額)
当期変動額合計 - - △ 40,000 15,674 △ 24,325 △ 24,325 △ 84 △ 24,409
当期末残高 58,100 62,167 434,000 27,046 461,046 581,313 △ 87 581,226
当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
評価・換算
株主資本
差額等
資本剰余金 利益剰余金
純資産合計
その他
株主資本
その他利益剰余金
資本金 有価証券
利益剰余金合
合計
資本準備金
繰越利益 評価差額金
計
別途積立金
剰余金
当期首残高 58,100 62,167 434,000 27,046 461,046 581,313 △ 87 581,226
当期変動額
別途積立金の積立 - - -
別途積立金の取崩 - - -
剰余金の配当 △ 9,296 △ 9,296 △ 9,296 △ 9,296
当期純利益又は当期
26,614 26,614 26,614 26,614
純損失(△)
株主資本以外の項目
の当期変動額(純 87 87
額)
当期変動額合計 - - - 17,318 17,318 17,318 87 17,405
当期末残高 58,100 62,167 434,000 44,364 478,364 598,631 - 598,631
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【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社株式及び関連会社株式
総平均法による原価法によっています。
(2) その他有価証券
① 市場価格のない株式等以外のもの
決算日の市場価格等による時価法によっています。
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は総平均法により算定しています)
② 市場価格のない株式等
総平均法による原価法によっています。
2 棚卸資産の評価基準及び評価方法
貯蔵品
移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法)によっています。
3 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっています。
ただし、取替資産については取替法によっています。
なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
建物 12年~50年
構築物 12年~75年
車両 13年
機械装置 5年~17年
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっています。
なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
施設利用権 5年~42年
ソフトウェア(自社利用) 5年
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっています。
4 繰延資産の処理方法
社債発行費
支出時に全額費用処理しています。
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5 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権につ
いては個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
(2) 賞与引当金
従業員に支給する賞与に充てるため、支給見込額に基づき計上しています。
(3) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上してい
ます。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定に当たり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付
算定式基準によっています。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(15年)による
定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しています。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(15年)による定額法により費用処
理しています。
(4) 役員退職慰労引当金
役員の退職慰労金の支出に備えるため、内規に基づく事業年度末要支給額を計上しています。
(5) 環境安全対策引当金
保管するポリ塩化ビフェニル(PCB)の処理費用の支出に備えるため、今後発生すると見込まれる金額を計上
しています。
(6) 撤去損失引当金
契約に基づき将来発生が見込まれる固定資産等に関する当社が負担すべき撤去費用に備えるため、当事業年度末
における撤去費用見込額を計上しています。
6 重要な収益及び費用の計上基準
当社は顧客との契約について、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年
3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しており、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転
し履行義務を充足した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しています。
(1) 定期運輸収入
運送約款等に基づき、定期乗車券の有効期間にわたり同一の区間及び経路について列車による運送サービスを提
供することを履行義務としており、有効期間の開始日の属する月から有効期間の経過に応じて収益を認識していま
す。取引の対価は、履行義務の充足前の一定時点に前もって受領しています。
(2) 定期外運輸収入
運送約款等に基づき、列車による運送サービスを提供することを履行義務としており、当該履行義務は顧客への
乗車券類等の発売日とサービス提供日は概ね一致していることから、顧客に発売した時点で収益を認識していま
す。取引の対価は通常、履行義務の充足前の一定時点に前もって受領しています。
7 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこ
れらの会計処理の方法と異なっています。
(2) 工事負担金等の処理
地方公共団体等による工事負担金等(補助金、鉄道施設受贈財産評価額を含む)は、工事完成時に当該工事負担
金等相当額を取得した固定資産の取得原価から直接減額して計上しています。
なお、損益計算書においては、工事負担金等相当額を特別利益に計上するとともに、固定資産の取得原価から直
接減額した額を固定資産圧縮損として特別損失に計上しています。
(重要な会計上の見積り)
当社は、財務諸表の作成にあたって様々な会計上の見積りを行っています。 この見積りの前提となる当社の業績
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は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け鉄道等のご利用が大幅に減少しており、見積りの前提となる業績の見通
しについても大きな影響を受けています。この影響を会計上の見積りに反映するにあたり、主として次のような仮定
を 置いています。
当社は、主な収益である旅客運輸収入についての見積りを基礎として、鉄道事業等の将来にわたる経営状況を予測
しています。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は、感染症法上の「5類」への引き下げを契機に社
会経済活動が活発化し、行動制限等を要しないポストコロナへ向かうものと仮定しています。一方で、人々の意識や
行動、社会構造の大きな変化はポストコロナにおいても継続するものと認識しており、旅客運輸収入は新型コロナウ
イルス感染症の影響拡大前の水準には戻らないものと仮定しています。
また、燃料費の高騰に伴う電気料金の大幅な増等、社会経済環境の変化等を踏まえ、2023年度以降の当社に係る
様々な制度や事象を考慮し、2023年度以降の旅客運輸収入をはじめとした将来収支を見積りました。
この見積りをもとに策定した合理的な計画に基づき、固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性について見積
りを行っています。
なお、現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っていますが、今後の感
染症の再拡大や収束時期を正確に予測することは困難であります。したがって、見積りには不確実性を伴い、実際の
結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
1 固定資産の減損
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(百万円)
前事業年度 当事業年度
減損損失 2,345 -
(2) 会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
① 金額の算出方法
当社では、減損の認識の判定及び回収可能額の算定に際し、合理的な計画に基づきそれらを見積もっていま
す。
なお、資産のグルーピングについては、独立したキャッシュ・フローを生み出す単位を構成する物件を1つの
グルーピングとしています。ただし、鉄道事業における固定資産についてはネットワーク性に鑑み、単一のグ
ルーピングとして整理しています。
また、減損損失の測定にあたって割引率を用いる際、加重平均資本コストを採用することとしています。
② 主要な仮定
上述の計画を主な仮定としています。
③ 翌事業年度の財務諸表に与える影響等
現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っていますが、将来の不確
実な状況変化等によって影響を受ける可能性があり、見込んだ収益が得られなかった場合、又は算出の前提条件
に変更があった場合には、減損損失の発生に重要な影響を与える可能性があります。
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2 繰延税金資産の回収可能性
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(百万円)
前事業年度 当事業年度
繰延税金資産 36,397 48,605
(2) 会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
① 金額の算出方法
当社では、合理的な計画に基づき、将来の課税所得の発生時期や主要な一時差異等の項目にかかる解消年度の
スケジューリングを行い、企業分類を判定し、回収可能と見込まれる金額について繰延税金資産を計上していま
す。
② 主要な仮定
上述の計画を主な仮定としています。
③ 翌事業年度の財務諸表に与える影響等
現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っていますが、将来の不確
実な状況変化等によって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なっ
た場合には、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(会計方針の変更)
(会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更及び会計上の見積りの変更)
(有形固定資産の減価償却方法及び耐用年数の変更)
従来、有形固定資産の減価償却方法について、主として定率法(1998年4月1日以降に取得した建物(建物付属設備
は除く)並びに2016年4月1日以降取得した建物付属設備及び構築物については定額法)を採用していましたが、当事
業年度より、主として定額法に変更しています。
当社はこれまで、東京2020大会の開催に照準を合わせ、バリアフリー設備やホームドアの設置、新型車両の導入な
ど、鉄道施設の整備拡充を集中的に推進してきました。
本年度を開始年度とする中期経営計画においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う生活様式や社会経済環境
の変化を受けた事業の見直しを踏まえ、設備投資額はキャッシュフローの範囲内とすること、維持更新など事業運営の
維持継続に不可欠な基礎的投資については減価償却費の範囲内とすることを基本方針として掲げました。したがって、
今後は、鉄道施設の更なる充実を図りながらも、これまで築いてきた鉄道施設の機能維持に軸足を移し、平準化した設
備投資計画のもとで安定的に実施していくこととなります。
こうした状況を踏まえ、鉄道事業をはじめとする有形固定資産全体の将来の経済的便益の費消パターンを再検討した
ところ、設備の安定的な稼働が見込まれることから、有形固定資産の減価償却方法を主として定額法に変更すること
が、経済実態をより適切に反映すると判断しました。
また、従来、有形固定資産の耐用年数は、法人税法に規定する方法と同一の基準によっていましたが、減価償却方法
の変更を契機に、当事業年度より耐用年数を経済的な使用可能予測期間に見直しています。この見直しは、有形固定資
産の物理的耐用年数及びその使用実績等を総合的に勘案して決定しました。
この結果、従来の方法と比べ、当事業年度の営業利益、経常利益及び税引前当期純利益はそれぞれ15,037百万円増加
しています。
(表示方法の変更)
(損益計算書関係)
前事業年度において、独立掲記しておりました「営業外収益」の「助成金収入」は重要性が乏しくなったため、当事
業年度より「雑収入」に含めて表示しています。 この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替
えを行っています。
この結果、前事業年度の損益計算書において、「営業外収益」に表示していた「助成金収入」241百万円、「雑収入」
632百万円は、「雑収入」873百万円として組み替えています。
(貸借対照表関係)
※1 新線建設推進長期借入金及び新線建設推進資金信託
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有楽町線、南北線延伸事業等のため、鉄道・運輸機構より資金を借り入れ、分別管理を目的として信託を設定
しています。
※2 固定資産の取得価額から控除した国庫補助金等などの圧縮記帳累計額及び内訳は、以下のとおりです。
前事業年度 当事業年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
地方公共団体等による工事負担金等(補助金、鉄
道施設受贈財産評価額を含む)に伴う圧縮記帳累 452,205 百万円 456,625 百万円
計額
収用等に伴う圧縮記帳累計額 16,653 百万円 16,635 百万円
計 468,859 百万円 473,260 百万円
※3 担保に供している資産及び担保付債務
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
東京地下鉄株式会社法第3条及び附則第14条第1項の規定により、当社の総財産を社債 632,000百万円 の一般
担保に供しています。
当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
東京地下鉄株式会社法第3条及び附則第14条第1項の規定により、当社の総財産を社債 607,000百万円 の一般
担保に供しています。
(損益計算書関係)
※1 営業外収益のうち関係会社に係る取引は、次のとおりです。
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
受取配当金 1,062 百万円 1,774 百万円
その他 326 百万円 322 百万円
計 1,388 百万円 2,096 百万円
※2 固定資産売却益の内訳は、次のとおりです。
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
赤坂MKビル売却 3,184 百万円 -
三越前駅用地売却 - 98 百万円
計 3,184 百万円 98 百万円
※3 補助金の内訳は、次のとおりです。
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
バリアフリー施設整備 198 百万円 2,277 百万円
輸送改善 - 117 百万円
その他 95 百万円 40 百万円
計 293 百万円 2,436 百万円
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※4 鉄道施設受贈財産評価額の内訳は、次のとおりです。
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
茅場町駅連絡通路 - 357 百万円
東池袋駅出入口 41 百万円 297 百万円
赤坂駅整備 - 228 百万円
銀座線渋谷駅整備 1,318 百万円 81 百万円
その他 647 百万円 370 百万円
計 2,008 百万円 1,335 百万円
※5 工事負担金等受入額の内訳は、次のとおりです。
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
渋谷駅移設工事 1,720 百万円 1,032 百万円
その他 64 百万円 112 百万円
計 1,784 百万円 1,145 百万円
※6 固定資産圧縮損は、法人税法第42条ほかの規定に基づく国庫補助金等などによる圧縮額です。
(有価証券関係)
(子会社株式及び関連会社株式)
子会社株式及び関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載しており
ません。
なお、市場価格のない株式等の子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上の額は次の通りです。
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
区分
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
子会社株式 9,550 9,508
関連会社株式 503 503
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(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は、次のとおりです。
前事業年度 当事業年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
(繰延税金資産)
税務上の繰越欠損金 25,340 百万円 23,155 百万円
退職給付引当金 19,922 百万円 20,176 百万円
未収連絡運賃 114 百万円 158 百万円
賞与引当金 2,676 百万円 3,037 百万円
期渡撤去工事 2,436 百万円 2,187 百万円
関係会社株式
882 百万円 882 百万円
(事業再編に伴う税効果額)
投資有価証券等評価損 2,687 百万円 2,684 百万円
環境安全対策引当金 108 百万円 89 百万円
資産除去債務 903 百万円 779 百万円
減損損失 805 百万円 762 百万円
撤去損失引当金 1,121 百万円 1,032 百万円
未払事業税等 282 百万円 466 百万円
1,960 百万円 2,357 百万円
その他
繰延税金資産小計
59,242 百万円 57,771 百万円
税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額 △12,257 百万円 -
将来減算一時差異等の合計に係る
△6,714 百万円 △4,889 百万円
評価性引当額
評価性引当額小計 △18,972 百万円 △4,889 百万円
繰延税金資産合計
40,270 百万円 52,881 百万円
(繰延税金負債)
前払年金費用 3,819 百万円 4,251 百万円
53 百万円 24 百万円
その他
繰延税金負債合計 3,873 百万円 4,276 百万円
繰延税金資産の純額 36,397 百万円 48,605 百万円
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
前事業年度 当事業年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
法定実効税率 - 30.6 %
(調整)
交際費等永久に損金に算入されない項目 - 0.1 %
受取配当金等永久に益金に算入されない項目 - △6.0 %
評価性引当額の増減 - △83.8 %
法人住民税均等割 - 0.4 %
その他 - 0.2 %
税効果会計適用後の法人税等の負担率 - △58.4 %
(注)前事業年度は、税引前当期純損失であるため注記を省略しています。
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(収益認識関係)
収益を理解するための基礎となる情報については、重要な会計方針の6 重要な収益及び費用の計上基準に記載の
とおりです。
(1株当たり情報)
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
1株当たり純資産額 1,000円39銭 1,030円35銭
1株当たり当期純利益金額又は
△25円87銭 45円81銭
1株当たり当期純損失金額(△)
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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④ 【附属明細表】
【有価証券明細表】
【株式】
銘柄 株式数(株) 貸借対照表計上額(百万円)
㈱ぐるなび 973,600 324
㈱海外交通・都市開発事業支援機構 2,000 100
投資 その他
渋谷スクランブルスクエア㈱ 3,473 34
有価証券 有価証券
㈱パスモ 480 24
その他8銘柄 15,985,061 24
計 16,964,614 507
【その他】
銘柄 投資口数等(口) 貸借対照表計上額(百万円)
その他
有価証券 譲渡性預金(1銘柄) - 50,000
有価証券
計 - 50,000
【有形固定資産等明細表】
当期末減価
償却累計額 差引当期末
当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高 当期償却額
又は償却
資産の種類 残高
(百万円) (百万円) (百万円) (百万円) (百万円)
累計額
(百万円)
(百万円)
有形固定資産
土地 171,380 399 458 171,321 - - 171,321
建物 401,203 14,049 1,774 413,478 218,738 11,698 194,739
構築物 1,846,971 18,105 8,150 1,856,925 1,116,750 21,519 740,175
車両 422,088 26,049 25,979 422,157 289,503 17,005 132,654
その他 330,028 9,423 5,128 334,323 256,664 12,963 77,659
建設仮勘定 150,819 74,413 60,505 164,726 - - 164,726
有形固定資産計 3,322,491 142,440 101,997 3,362,933 1,881,656 63,187 1,481,277
無形固定資産
地上権 37,095 12 - 37,107 - - 37,107
借地権 20,426 128 - 20,554 - - 20,554
電話加入権 44 0 0 44 - - 44
商標権 23 - - 23 10 2 12
施設利用権 67,889 428 0 68,318 35,444 2,149 32,873
ソフトウェア 16,171 2,445 75 18,541 10,398 4,137 8,142
ソフトウェア仮勘定 270 2,113 2,051 332 - - 332
無形固定資産計 141,922 5,127 2,127 144,922 45,853 6,289 99,068
長期前払費用 17 24 12 30 - - 30
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(注)1 当期増加額の主なものは、次のとおりです。
(単位:百万円)
(1) 新造車両取得による増
22,204
・車両 22,204
(2) 安全対策設備工事による増
13,948
・建物
496
・構築物
5,266
・車両
2,896
・その他
2,529
・施設利用権
203
・ソフトウェア
372
・建設仮勘定
2,184
(3) 輸送力増強設備工事による増
8,216
・建物
1
・構築物
8,202
・車両
12
(4) 旅客サービス工事による増
3,681
・建物
1,173
・構築物
215
・車両
386
・その他(機械装置)
1,494
・施設利用権
84
・ソフトウェア
326
(5) 可動式ホーム柵工事による増
3,625
・建物
2,632
・構築物
890
・その他(機械装置)
84
・施設利用権
17
なお、建設仮勘定の当期増加額の主なものは、固定資産に振り替えている金額を差し引いた純額のみ記載し
ています。
2 当期減少額の主なものは、次のとおりです。
(単位:百万円)
(1) 車両廃車に伴う除却による減
24,314
・車両
24,314
(2) 補助金対象資産に係る圧縮記帳による減
2,315
・建物
1,297
・構築物
1,018
3 「商標権」、「施設利用権」及び「ソフトウェア」については、期末残高には当期末償却済の残高を含
んでいます。
【引当金明細表】
当期減少額 当期減少額
当期首残高 当期増加額 当期末残高
区分 (目的使用) (その他)
(百万円) (百万円) (百万円)
(百万円) (百万円)
賞与引当金 8,746 10,095 8,746 - 10,095
役員退職慰労引当金 153 33 6 - 181
環境安全対策引当金 356 182 242 1 294
撤去損失引当金 3,666 - 291 - 3,374
(注)環境安全対策引当金の「当期減少額(その他)」は見積りの変更に伴うものであります。
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
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第6 【提出会社の株式事務の概要】
事業年度 4月1日から3月31日まで
定時株主総会 6月中
基準日 3月31日
株券の種類 ─
9月30日
剰余金の配当の基準日
3月31日
1単元の株式数 1,000株
株式の名義書換え
東京都千代田区丸の内一丁目3番3号 みずほ信託銀行株式会社 本店証券代行部
取扱場所
東京都千代田区丸の内一丁目3番3号 みずほ信託銀行株式会社
株主名簿管理人
みずほ信託銀行株式会社 全国各支店
取次所
みずほ証券株式会社 本店及び全国各支店
無料
名義書換手数料
単元未満株式の買取り
東京都千代田区丸の内一丁目3番3号 みずほ信託銀行株式会社 本店証券代行部
取扱場所
東京都千代田区丸の内一丁目3番3号 みずほ信託銀行株式会社
株主名簿管理人
みずほ信託銀行株式会社 全国各支店
取次所
みずほ証券株式会社 本店及び全国各支店
無料
買取手数料
日本経済新聞
公告掲載方法
該当事項なし
株主に対する特典
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第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類
事業年度 第18期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 ) 2022年6月30日
関東財務局長に提出
(2) 四半期報告書
第19期 第1四半期(自 2022年4月1日 至 2022年6月30日 ) 2022年8月8日
関東財務局長に提出
第19期 第2四半期(自 2022年7月1日 至 2022年9月30日 ) 2022年11月14日
関東財務局長に提出
第19期 第3四半期(自 2022年10月1日 至 2022年12月31日 ) 2023年2月13日
関東財務局長に提出
(3)発行登録追補書類及びその添付書類
2022年7月13日
関東財務局長に提出
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第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
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独立監査人の監査報告書
2023年6月27日
東京地下鉄株式会社
取締役会 御中
有限責任監査法人 トーマツ
東 京 事 務 所
指定有限責任社員
公認会計士 坂 本 一 朗
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士 小 口 誠 司
業務執行社員
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられてい
る東京地下鉄株式会社の2022年4月1日から2023年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照
表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸
表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、東
京地下鉄株式会社及び連結子会社の2023年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績
及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準におけ
る当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国におけ
る職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責
任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要
であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形
成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
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旅客運輸収入に係る収益認識
監査上の主要な検討事項の
監査上の対応
内容及び決定理由
連結財務諸表の注記(セグメント情報) に記載のとお 当監査法人は、ITシステムに係る内部統制の整備及び
り、 当連結会計年度における運輸業の外部顧客への営業 運用状況を確かめるにあたり、当監査法人内のIT専門家
収益は310,085百万円である。 と連携して、以下の監査手続を実施した。
運輸業の主たる事業である東京地下鉄株式会社(以
●IT専門家により、アクセス権の登録、変更、削除につ
下、「会社」という。)の鉄道事業は、東京都区部を中
いての責任者承認証跡の閲覧、アクセス権の棚卸証跡の
心に9路線からなる地下鉄ネットワークを保有し、鉄道
閲覧、システム上の職務分掌の確認、セキュリティ設定
の運行及び運営並びに鉄道施設等の保守管理を行ってい
値の確認、システム変更の責任者承認証跡の閲覧、シス
る。会社における旅客運輸収入281,364百万円は、当連
テム運用管理の責任者承認証跡の閲覧等を実施し、旅客
結会計年度の営業収益345,370百万円の大部分
運輸収入に関連する運輸収入管理システム及び会計シス
(81.5%)を占めており、グループ全体の経営成績に与
テムにおける全般統制の整備及び運用状況に係る有効性
える影響が大きい。
を確かめた。
会社における主要な乗車券は交通系ICカード乗車券で
●IT専門家により、委託先の業務に係る内部統制の保証
あり、鉄道利用者が自動券売機や定期券印刷発行機の駅
報告書の査閲及び会社を通じた当該保証報告書の内容に
務機器を通じて、交通系ICカードの購入、チャージ及び
ついての委託先への質問を実施し、委託先のITシステム
運賃の精算を行うことにより、交通系ICカードの利用
における全般統制の整備及び運用状況に係る有効性を確
データが生成される。当該利用データは、各駅に設置し
かめた。
ている駅務機器から交通系ICカードを発行している収入
●委託先におけるITシステムと会社の運輸収入管理シス
清算業務委託先(以下、「委託先」という。)のITシス
テム及び会計システム間との売上情報の自動連携につい
テムに送信され、管理されている。
て、運輸収入管理システム及び会計システムの処理に関
また、委託先のITシステムから会社の運輸収入管理シ
する基本設計書を閲覧し処理概要を理解した。委託先に
ステムに連携された利用データを日々の売上データとし
おけるITシステムと会社の運輸収入管理システム間で処
て蓄積し、月次集計されたデータが会社の会計システム
理された金額、及び運輸収入管理システムと会計システ
へ連携されることにより、会計数値として反映される。
ム間で処理された金額について、サンプルを抽出して正
これらのとおり、取引の発生から会計への計上に至る
確性を確かめることにより、IT業務処理統制である自動
までの主要なプロセスはシステム間の情報連携等により
連携の整備及び運用状況に係る有効性を確かめた。
自動処理が行われており、広範囲に渡ってITシステムが
利用されている。
また、上記を踏まえて、以下の旅客運輸収入計上額の
正確性を確かめるため、主として以下の監査手続を実施
会社における旅客運輸収入の金額的な重要性は大き
した。
く、その金額の正確性及び網羅性は自動化されたITシス
●委託先から送付される清算金額と会計数値との照合、
テム自体が安定的かつ適切に運用されていることが前提
清算金額の入金証憑の閲覧及び債権債務の残高確認を実
となる。そのため、当監査法人は、ITシステムに関する
施することにより、委託先のITシステムと会社の会計シ
相応の専門的な知識を用いて、日次多数の利用データか
ステムの旅客運輸収入に関して網羅的に金額の整合性を
ら正確かつ網羅的に旅客運輸収入を計上するための委託
確かめた。
先の管理を含めたIT全般統制の有効性評価を行うととも
に、会計システムへのデータ連携を確かめることとなる
旅客運輸収入の収益認識が極めて重要であると判断し
た。
したがって、当該事項が監査上の主要な検討事項に該
当すると判断した。
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有形固定資産の減価償却方法の変更及び耐用年数の変更
監査上の主要な検討事項の 監査上の対応
内容及び決定理由
当監査法人は、有形固定資産の減価償却方法及び耐用
連結財務諸表の注記(会計上の見積りの変更と区別
年数の変更に至る判断の妥当性を評価し、注記の適切性
することが困難な会計方針の変更及び会計上の見積りの
を確かめるにあたり、以下の監査手続を実施した。
変更) に記載のとおり、会社及び連結子会社は、従来、
(減価償却方法及び耐用年数の変更に至る判断の妥当
有形固定資産の減価償却方法について、主として定率法
性の評価)
を採用していたが、当連結会計年度より主として定額法
●鉄道事業に関するバリアフリー設備やホームドアの設
に変更した。また、従来、有形固定資産の耐用年数は、
置、新型車両の導入状況等の過去の投資推移、経営環境
法人税法に規定する方法と同一の基準によっていたが、
の変化を裏付ける資料を閲覧するとともに、今後の設備
減価償却方法の変更を契機に、当連結会計年度より耐用
の投資方針につき中期経営計画を閲覧し、経営者に質問
年数を経済的な使用可能予測期間とすることに変更し
を実施した。これにより、減価償却方法の変更が経営環
た。
境の変化に基づく変更であるかどうか、適時な変更であ
会社を取り巻く経営環境の変化を踏まえて策定した中
るかどうか、さらには経営者の恣意的な判断が含まれて
期経営計画において、会社は東京2020大会の開催に照準
いないかを確かめた。
を合わせたバリアフリー設備やホームドアの設置、新型
●主な鉄道事業固定資産の稼働状況や保守点検方針等に
車両の導入など鉄道施設の整備拡充の推進から、鉄道設
関する資料の閲覧及び経営者に質問を実施し、従来の定
備の機能維持に軸足を移し、設備投資を平準化していく
率法と比較して定額法が設備の将来の経済的便益の費消
ことを基本方針とした。当該投資方針の変更を受けて、
パターンに合致しているかどうかを確かめた。
鉄道事業を始めとする有形固定資産全体の将来の経済的
●主な鉄道事業固定資産の使用年数等に関する資料の閲
便益の費消パターンを再検討した結果、設備の安定的な
覧、経営者への質問により、耐用年数の見直しに用いた
稼働が見込まれることから、会社は2022年4月1日より有
使用可能予測期間の見積りの合理性を確かめた。
形固定資産の減価償却方法を主として定額法に変更する
ことが経済実態をより適切に反映すると判断した。ま
(注記の適切性の評価)
た、減価償却方法の変更を契機として、耐用年数につい
●経営者が算出した当連結会計年度の連結損益計算書の
ても物理的耐用年数並びにその使用実績等を総合的に考
各段階損益に与える影響額につき、基礎データの正確
慮し、耐用年数を経済的な使用可能予測期間とすること
性、並びに影響額算定の正確性及び網羅性を再計算によ
に変更することが適切であると判断した。
り確かめた。
有形固定資産の減価償却方法の変更及び耐用年数の変
●連結財務諸表の注記(会計上の見積りの変更と区別す
更の結果、従来の方法と比べて、当連結会計年度の営業
ることが困難な会計方針の変更及び会計上の見積りの変
利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ
更)に変更の旨、その理由及び影響額が適切に開示され
15,104百万円増加しており、連結財務諸表に重要な影響
ていることを確かめた。
を及ぼしている。
有形固定資産に係る減価償却方法の変更の理由が合理
的かどうかの判断及び耐用年数の見直しに用いた使用可
能予測期間の見積りの合理性の判断は、経営者の主観的
な判断を伴うものである。また、必要十分な注記開示が
適切に行われているか否かという判断は、重要であると
判断した。
したがって、当該事項が監査上の主要な検討事項に該
当すると判断した。
強調事項
会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更及び会計上の見積りの変更に記載されているとおり、
会社及び連結子会社は、有形固定資産の減価償却方法について、従来、主として定率法を採用していたが、当連結会計
年度より主として定額法に変更するとともに、減価償却方法の変更を契機に当連結会計年度より有形固定資産の耐用年
数を見直している。
当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書
以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責
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任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記
載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容
と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのよ
うな重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告す
ることが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正
に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するた
めに経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかど
うかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する
必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表
示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明
することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利
用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家と
しての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手
続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ
適切な監査証拠を入手する。
・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク
評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性
及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に
基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかど
うか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表
の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連
結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手
した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性があ
る。
・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠してい
るかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎
となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠
を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で
監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制
の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、
並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガー
ドを講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判
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断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表
が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利
益 を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はな
い。
以 上
※1 上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会
社)が別途保管しています。
2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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独立監査人の監査報告書
2023年6月27日
東京地下鉄株式会社
取締役会 御中
有限責任監査法人 トーマツ
東 京 事 務 所
指定有限責任社員
公認会計士 坂 本 一 朗
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士 小 口 誠 司
業務執行社員
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられてい
る東京地下鉄株式会社の2022年4月1日から2023年3月31日までの第19期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損
益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、東京地
下鉄株式会社の2023年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点におい
て適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準におけ
る当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職
業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要である
と判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成におい
て対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
旅客運輸収入に係る収益認識
東京地下鉄株式会社(以下、「会社」という。)の鉄道事業は、東京都区部を中心に9路線からなる地下鉄ネット
ワークを保有し、鉄道の運行及び運営並びに鉄道施設等の保守管理を行っている。損益計算書に記載のとおり、会社
における鉄道事業の旅客運輸収入281,364百万円は、当事業年度の鉄道事業営業収益308,778百万円及び関連事業営業
収益18,263百万円の合計327,042百万円の大部分(86.0%)を占めている。
監査上の主要な検討事項の内容、決定理由及び監査上の対応については、連結財務諸表の監査報告書に記載されて
いる監査上の主要な検討事項(旅客運輸収入に係る収益認識)と同一内容であるため、記載を省略している。
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有形固定資産の減価償却方法の変更及び耐用年数の変更
財務諸表の注記(会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更及び会計上の見積りの変更) に記
載のとおり、会社は、従来、有形固定資産の減価償却方法について、主として定率法を採用していたが、当事業年度
より主として定額法に変更した。また、従来、有形固定資産の耐用年数は、法人税法に規定する方法と同一の基準に
よっていたが、減価償却方法の変更を契機に、当事業年度より耐用年数を経済的な使用可能予測期間とすることに変
更した。
有形固定資産の減価償却方法の変更及び耐用年数の変更の結果、従来の方法と比べて、当事業年度の営業利益、経
常利益及び税引前当期純利益はそれぞれ15,037百万円増加しており、財務諸表に重要な影響を及ぼしている。
監査上の主要な検討事項の内容、決定理由及び監査上の対応については、連結財務諸表の監査報告書に記載されて
いる監査上の主要な検討事項(有形固定資産の減価償却方法の変更及び耐用年数の変更)と同一内容であるため、記
載を省略している。
強調事項
会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更及び会計上の見積りの変更に記載されているとおり、
会社は、有形固定資産の減価償却方法について、従来、主として定率法を採用していたが、当事業年度より主として定
額法に変更するとともに、減価償却方法の変更を契機に当事業年度より有形固定資産の耐用年数を見直している。
当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書
以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責
任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載
内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と
財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような
重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告
することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表
示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営
者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを
評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要
がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにあ
る。
財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示が
ないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明すること
にある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決
定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家と
しての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手
続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ
適切な監査証拠を入手する。
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・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価
の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性
及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づ
き、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか
結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事
項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対し
て除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基
づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているか
どうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や
会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制
の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、
並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガー
ドを講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事
項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止さ
れている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回
ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
利害関係
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
※1 上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会
社)が別途保管しています。
2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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