株式会社ソフィアホールディングス 内部統制報告書 第48期(2022/04/01-2023/03/31)
提出書類 | 内部統制報告書-第48期(2022/04/01-2023/03/31) |
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提出者 | 株式会社ソフィアホールディングス |
カテゴリ | 内部統制報告書 |
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株式会社ソフィアホールディングス(E01978)
内部統制報告書
【表紙】
【提出書類】 内部統制報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条の4の4第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2023年6月28日
【会社名】 株式会社ソフィアホールディングス
【英訳名】 SOPHIA HOLDINGS CO.,LTD.
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 飯塚 秀毅
【最高財務責任者の役職氏名】 該当事項はありません。
【本店の所在の場所】 神奈川県横浜市港北区新横浜二丁目15番12号
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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内部統制報告書
1 【財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項】
代表取締役社長飯塚秀毅は、当社の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、企業会計審議
会の公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関
する実施基準の改訂について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部
統制を整備及び運用しております。
なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合
理的な範囲で達成しようとするものです。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全
には防止又は発見することができない可能性があります。
2 【評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項】
財務報告に係る内部統制の評価は、当事業年度の末日である 2023年3月31日 を基準日として行われており、評価
に当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠しております。
本評価においては、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を
行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定しております。当該業務プロセスの評価に
おいては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別
し、当該統制上の要点について整備及び運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を行い
ました。
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、会社及び連結子会社について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要
性の観点から必要な範囲を決定いたしました。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的及び質的影響の
重要性を考慮して決定しており、会社及び連結子会社18社を対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏ま
え、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定いたしました。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、各事業拠点の当連結会計年度の予算売上高(連結会社間取
引消去後)の金額が高い拠点から合算していき、当連結会計年度の予算連結売上高の概ね2/3に達している事業
拠点を「重要な事業拠点」として暫定的に選定し、期末日の確定数値を基に評価範囲が適切であるか再確認して決
定いたしました。選定した重要な事業拠点においては、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目として売上高、売
掛金、売上原価及び棚卸資産に至る業務プロセスを評価の対象といたしました。さらに、選定した重要な事業拠点
にかかわらず、それ以外の事業拠点をも含めた範囲について、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積りや予測
を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセスやリスクが大きい取引を行っている事業又は業務に係る業務プロセスを
財務報告への影響を勘案して重要性の大きい業務プロセスとして評価対象に追加しております。
3 【評価結果に関する事項】
上記の評価の結果、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効であると判断いたしま
した。
4 【付記事項】
該当事項はありません。
5 【特記事項】
開示すべき重要な不備の是正
当社は、2022年6月8日に発生いたしました当社連結子会社であるソフィアデジタル株式会社(以下「SDI」とい
う)の役員が組織犯罪処罰法(組織的詐欺)被疑事件(以下「本件被疑事件」という)で逮捕されたことを契機と
して、本件被疑の実態及びSDIの役員による関与、類似取引の有無の事実関係を把握し、当社の連結財務諸表への影
響等を確認するため当社及び連結子会社と利害関係を有しない外部の専門家により構成される独立調査委員会(以
下「当委員会」という)を2022年6月17日に設置いたしました。
2022年8月12日に当委員会より答申書を受領し、SDIの着信課金サービス事業において、電気通信事業法第4条第
1項における「通信の秘密」を保護する規定や、逮捕されたSDIの役員への接見禁止命令により十分なヒアリングを
実施できなかったこと等による本調査固有の限界により「機械呼」であると断定はできないものの、正常な企業活
動における稼得収益という範疇には含まれない可能性のあるデータが一定程度検出されている事実が認められまし
た。
当社は当委員会の答申書の内容を検討した結果、当グループにおいて信頼性のある財務報告を実現することがで
きなかった原因として、SDIにおける属人的事業遂行体制、牽制・チェック体制の不備、取締役会等の形骸化、社外
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取締役の不活用、社内ルールの不備、サプライチェーンマネジメントにおけるリスク感度の低さを認識し、これら
に起因する子会社管理に関連する全社的な内部統制及びSDI着信課金サービス事業における代理店選定プロセスの不
備 については、財務報告に重要な影響を及ぼすことから、開示すべき重要な不備に該当すると判断し、 その旨を記
載した第43期(2018年3月期)、第44期(2019年3月期)、第45期(2020年3月期)、第46期(2021年3月期)の
内部統制報告書の訂正報告書及び第47期(2022年3月期)の内部統制報告書を2022年8月15日に提出いたしまし
た。
なお、当社は財務報告に係る内部統制の重要性を十分認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために当
委員会の提言を踏まえて、以下の再発防止策を実行し、内部統制の改善状況を継続して確認しております。
1.再発防止策の策定方針
当社は、当委員会の答申書において、今回の事件を契機に顕在化した問題点として、
①「SDIにおける属人的事業遂行体制」
②「牽制・チェック体制の不備」
③「取締役会等の形骸化」
④「社外取締役の不活用」
⑤「社内ルールの不備」
⑥「サプライチェーンマネジメントにおけるリスク感度の低さ」
があったとの指摘を受けております。
当社は、当該答申書を踏まえて、以下の再発防止策を講じております。
2.再発防止策の概要
(1)属人的事業遂行体制の是正(2022年10月26日規程改定、同11月運用開始)
① SDIの各役員がほぼ完全に分業し、事業遂行が属人化していたため、グループ子会社の業務分掌規程を見
直し、業務執行が相互に牽制されるように、業務分掌ごとに主担当者、副担当者を置き、業務の標準化
に努め、担当者の責任を明確化することといたしました。
② SDIの役員間において、他の役員が担当する事業について十分に議論されていなかったため、当社の関係
会社管理規程を見直し、当社主催の経営会議をグループ子会社各社における役員相互間の認識共有とと
もに、当社及び他のグループ子会社への認識共有を図る場としての役割と位置づけを明らかにする一方
で、当社主催のグループ役員会をグループ子会社からの承認伺い及び報告のターミナルとしての役割と
位置づけを明らかにするなど、会議体ごとの役割や位置付け、相互の関係等を明確化することで、事業
遂行上の重要事項や課題等の情報を複層的に共有し、各層で議論が重畳的になされるように体制を整備
することといたしました。
(2)当社取締役会における子会社管理に関するリスク評価及び監督機能の強化(2022年10月26日規程改定、同
11月運用開始)
① 当社はグループ子会社のリスク情報を正確に把握しておらず、適正な経営判断に至らなかったため、経
営管理部をグループ子会社の窓口となる部署と定め、当社に対するグループ子会社からの承認伺い及び
報告に係るフローを集約し、グループ子会社におけるリスク対応がなされずに滞留することのないよ
う、管理体制を強化することといたしました。なお、グループ子会社の窓口が機能し、グループ役員会
や経営会議がいずれも形骸化することなく適切に開催されていることを確認するために、当社内部監査
室が監査することといたしました。
② 取締役会を設置しているグループ子会社では、取締役会規程に則り取締役会を開催していたものの、取
締役会で審議された内容は、専ら四半期決算の概要報告とその決算承認、その他取締役会決議を要する
事項のみで、各種リスクについての評価・見直し等が検討されておらず、取締役会としての役割を果た
せずに形骸化していたため、取締役の職務の執行を監督し、業務執行上の重要な事項を議論できるよ
う、当社の内部統制システム基本方針における『損失の危険の管理に関する規程その他の体制』を改定
してリスク管理に関する規定を追加するとともに、取締役会に関する規定を改定し、経営会議等で審議
された重要事項が当社取締役会及びグループ子会社取締役会で確実かつ適切に諮られるようにいたしま
した。なお、グループ子会社の取締役会が形骸化することなく適切に開催されていることを確認するた
めに、当社内部監査室が四半期ごとに監査することといたしました。
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③ これまでグループ子会社では、リスク管理することを目的とした管理資料を用意してこなかったため、
新たな管理資料としてリスク管理表を作成し、グループ役員会や経営会議の中でレビューすることとい
た しました。加えて、当社の経営管理部が、グループ子会社から提出された資料やレビュー結果に基づ
いてリスク分析を行い、グループ役員会に報告することで、当社のグループ子会社に対するリスクマネ
ジメントがより効果的に行えるようになりました。また、関係会社管理規程を見直し、どの会議体にど
の管理資料を提出するかを明確にいたしました。
④ 社外取締役はこれまで、経営会議やグループ子会社の取締役会に付議された内容を閲覧しにくい環境に
置かれており、子会社の事業活動に関するリスク等の情報が十分に共有されていなかったため、社外取
締役が経営会議やグループ子会社の取締役会議事録等の情報を適宜閲覧できるよう、経営リソースに直
接アクセスできる環境を整えるとともに、経営管理部によって行われたグループ子会社のリスク分析結
果について、グループ役員会開催前に事前にレビューできるよう、社外取締役への支援体制を強化いた
しました。また、グループ役員会において、リスク等の問題点が見過ごされることのないよう、経営会
議における付議事項について討議する時間を設けることといたしました。
⑤ 取締役会規程に則り取締役会を毎月開催し、規定された付議事項を議決・承認し、また、規定に基づい
て状況報告がなされていたものの、社外取締役が子会社の事業活動の実態を理解・把握する上で十分な
情報・知識が共有されていなかったため、取締役会の運用方法を見直し、社外取締役の専門的な知見と
豊富な経験がグループ経営管理に活用できる体制を整備することといたしました。(当該体制整備のた
めの取締役会規程の改定内容については上記②と共通です。)
⑥ 当社及びグループ子会社の与信管理規程を見直し、漏れなく与信限度額の見直しがなされ、取引先の信
用状態の確認が継続的に行われるようにいたしました。また、反社チェック・与信調査の結果及び与信
限度額台帳については、当社及びグループ子会社の取締役が常時確認できるようにいたしました。
⑦ グループ子会社を管理・監督する立場の当社が、グループ子会社からの情報のみに依拠せず、独自の事
実確認を多面的に行い、サプライチェーンに潜むリスクを見逃すことのないように、当社の関係会社管
理規程を改訂し、当社主催の経営会議の構成員に当社の各部門の責任者を追加するとともに、経営会議
で検討する内容に「財務リスク」、「コンプライアンスに関するリスク」を追加いたしました。加え
て、グループ子会社と取引先とで取り交わされた契約書の内容について、当社取締役への情報の共有が
十分になされていなかったため、当社法務室での確認がなされた後に、取締役並びに関係部署に共有さ
れるよう業務フローを改めました。
(3)コンプライアンス意識の向上(2022年11月研修会開催)
当社では、当社及びグループ子会社の役員を対象に、コンプライアンス意識の向上や、実効性のある経営管
理の実施を目的とした研修を毎年開催しておりましたが、今回、グループのリスク管理体制が脆弱であったこ
とを踏まえ、当社及びグループ子会社役員のリスク認識を改めることを目的に、以下のとおり、研修会を開催
いたしました。
開催日時:2022年11月28日(月)
内容:「アカウンタビリティー」「プリンシプル」「インテグリティ」の3つの観点から、コンプライアン
スや現場のリスクマネジメントについて本当に分かっているか、表面的な理解になっていないかを役
員自身が自問自答しながら考える。
(4)SDIの着信課金サービスの事業からの完全撤退による確実なる再発防止(2022年9月28日決定、同9月30日
事業撤退)
2022年9月28日付け「連結子会社の一部事業からの撤退及び通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」に
おきまして公表したとおり、SDIは2022年9月末をもって着信課金サービスの事業から撤退いたしました。
当委員会の答申書において、SDIが、多数の代理店を選定して、およそ7000もの膨大なIP電話番号を卸販売し
て着信課金サービスを大規模に展開するサプライチェーンを構築していることを踏まえて、かかるサプライ
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チェーンに潜むリスクについて再検証して対処すべきことが提言されたことから、当社は、かかる提言に従
い、日本取引所自主規制法人が策定した「上場会社における不祥事予防のプリンシプル」の[原則6]に沿っ
て 求められる「サプライチェーンを展望した責任感」を再確認して、着信課金サービスを展開する当事者とし
ての役割を意識し、それに見合った責務を果たすことができるか否かについて真摯に検討いたしました。その
検討の結果、当社は、現時点ではSDIとして、電気事業者として、電気通信事業法に基づき通信の秘密を保証し
つつ、正常でない取引に係る通信を排除することが技術的に極めて困難であることから、その困難の打開を模
索するよりも、むしろ、早期に二度と同じような問題を再発させないことを確実にすることにより、皆様から
の信頼を取り戻すことを優先し、着信課金サービスの事業から完全に撤退することといたしました。
上記の再発防止策を実行し、内部統制の改善状況を継続して確認した結果、当事業年度末日時点において、すべ
ての再発防止策の実行が完了し、開示すべき重要な不備は是正されており、当社の財務報告に係る内部統制は有効
であると判断いたしました。
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