富士通株式会社 有価証券報告書 第123期(2022/04/01-2023/03/31)
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富士通株式会社(E01766)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2023年6月26日
【事業年度】 第123期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
【会社名】 富士通株式会社
【英訳名】 Fujitsu Limited
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 時田 隆仁
【本店の所在の場所】 神奈川県川崎市中原区上小田中四丁目1番1号
(上記は登記上の本店所在地であり、本社業務は下記「最寄りの連絡場所」
において行っております。)
【電話番号】 044(777)1111(代表)
【事務連絡者氏名】 ガバナンス・コンプライアンス法務本部
本部長 丹羽 正典
【最寄りの連絡場所】 東京都港区東新橋一丁目5番2号(汐留シティセンター)
【電話番号】 03(6252)2220(代表)
【事務連絡者氏名】 ガバナンス・コンプライアンス法務本部
本部長 丹羽 正典
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
株式会社名古屋証券取引所
(名古屋市中区栄三丁目8番20号)
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第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
連結会計年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
3,952,437 3,857,797 3,589,702 3,586,839 3,713,767
売上収益 (百万円)
130,227 211,483 266,324 219,201 335,614
営業利益 (百万円)
161,785 228,564 291,855 239,986 371,876
税引前利益 (百万円)
110,718 160,326 213,523 213,141 244,865
当期利益 (百万円)
親会社の所有者に帰属する
104,562 160,042 202,700 182,691 215,182
(百万円)
当期利益
95,511 170,306 277,091 263,094 219,344
当期包括利益 (百万円)
親会社の所有者に帰属する
89,311 171,361 264,945 231,311 188,329
(百万円)
当期包括利益
1,253,630 1,348,435 1,546,905 1,715,749 1,736,823
資本合計 (百万円)
3,104,842 3,187,445 3,190,206 3,331,809 3,265,579
資産合計 (百万円)
1株当たり親会社所有者帰
5,585.35 6,197.11 7,287.15 8,094.70 8,425.37
(円)
属持分
親会社の所有者に帰属する
512.50 791.20 1,013.78 924.21 1,107.63
(円)
基本的1株当たり当期利益
親会社の所有者に帰属する
512.33 790.76 1,012.63 922.97 1,105.41
希薄化後1株当たり当期利 (円)
益
親会社の所有者に帰属する
1,132,055 1,240,956 1,450,139 1,590,713 1,586,835
(百万円)
持分合計
36.5 38.9 45.5 47.7 48.6
親会社所有者帰属持分比率 (%)
親会社所有者帰属持分当期
9.4 13.5 15.1 12.0 13.5
(%)
利益率
15.58 12.33 15.78 19.93 16.10
株価収益率 (倍)
営業活動によるキャッ
99,416 347,263 307,947 248,347 220,329
(百万円)
シュ・フロー
投資活動によるキャッ
4,142
(百万円) △ 114,206 △ 71,561 △ 59,267 △ 42,809
シュ・フロー
財務活動によるキャッ
(百万円) △ 136,622 △ 193,164 △ 219,626 △ 193,685 △ 313,585
シュ・フロー
現金及び現金同等物の期末
416,742 453,036 481,833 484,020 355,901
(百万円)
残高
132,138 129,071 126,371 124,216 124,055
従業員数 (人)
〔外、平均臨時雇用人員〕 〔 13,707 〕 〔 12,876 〕 〔 12,327 〕 〔 12,674 〕 〔 11,738 〕
(注)1.当社は、国際会計基準(以下、IFRS)に準拠して連結財務諸表を作成しております。
2.平均臨時雇用人員は、嘱託社員、契約社員、パートタイマー、アルバイト等の従業員を含み、派遣社員は含め
ておりません。
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(2)提出会社の経営指標等
回次 第119期 第120期 第121期 第122期 第123期
決算年月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月 2023年3月
1,931,892 2,092,098 1,970,684 1,742,360 1,804,001
売上高 (百万円)
6,102 181,342 143,367 163,066 143,566
経常損益 (百万円)
46,371 182,198 158,121 201,143 179,277
当期純損益 (百万円)
324,625 324,625 324,625 324,625 324,625
資本金 (百万円)
207,001,821 207,001,821 207,001,821 207,001,821 207,001,821
発行済株式総数 (株)
795,373 903,662 1,030,919 1,112,726 1,116,916
純資産額 (百万円)
1,966,461 1,941,581 1,950,670 1,904,118 1,892,051
総資産額 (百万円)
3,924.22 4,512.72 5,180.51 5,662.36 5,930.31
1株当たり純資産額 (円)
87.00 180.00 200.00 220.00 240.00
1株当たり配当額 (円)
(1株当たり中間配当額) (円) ( 7.00 ) ( 80.00 ) ( 100.00 ) ( 110.00 ) ( 120.00 )
1株当たり当期純損益金
227.28 900.73 790.82 1,017.56 922.80
(円)
額
潜在株式調整後1株当た
227.24 900.42 790.28 1,016.84 921.57
(円)
り当期純利益金額
40.4 46.5 52.8 58.4 59.0
自己資本比率 (%)
5.8 21.4 16.3 18.8 16.1
自己資本利益率 (%)
35.14 10.83 20.23 18.10 19.33
株価収益率 (倍)
66.0 20.0 25.3 21.6 26.0
配当性向 (%)
31,827 32,568 32,026 34,430 35,092
従業員数 (人)
124.3 154.0 252.4 292.7 287.5
株主総利回り (%)
(比較指標:TOPIX(配
(%) ( 95.0 ) ( 85.9 ) ( 122.2 ) ( 124.6 ) ( 131.8 )
当込み))
8,260 12,950 17,250 22,095 20,670
最高株価 (円)
(826.5)
6,370 7,101 9,195 14,615 15,320
最低株価 (円)
(633.0)
(注)1.第119期の1株当たり配当額87.00円は、中間配当額7.00円と期末配当額80.00円の合計となっております。
当社は、2018年10月1日を効力発生日として、普通株式10株につき1株の割合で株式併合を実施したため、中間
配当額7.00円は株式併合前の配当額、期末配当額80.00円は株式併合後の配当額となっております 。
2.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日付けの東京証券取引所(プライム市場)におけるものであり、それ以
前は東京証券取引所(市場第一部)におけるものであります。なお、当社は、2018年10月1日を効力発生日と
して、普通株式10株につき1株の割合で株式併合を実施したため、第119期の株価については、株式併合後の最
高株価及び最低株価を記載し、( )に株式併合前の最高株価及び最低株価を記載しております。
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第122期の期首から適用して
おり、第122期以降の主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっておりま
す。
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2【沿革】
年月 摘要
1935年 6月 富士電機製造㈱(現 富士電機㈱)より電話交換装置・電話機・装荷線輪の製造及び販売権を承継
し、富士通信機製造株式会社として設立
1938年11月 本店を神奈川県川崎市(中原区)上小田中に移転
1944年11月 ㈱金岩工作所(現 富士通フロンテック㈱)をグループ会社化(1988年2月東京証券取引所に上
場、2020年12月当社の完全子会社化により上場廃止)
1949年 5月 東京証券取引所再開と同時に上場
1951年 5月 電子計算機の製造を開始
1953年 8月 無線通信機器の製造を開始
1954年 4月 電子デバイスの製造を開始
1957年 6月 新光電気工業㈱をグループ会社化(1984年12月東京証券取引所に上場)
1960年12月 大阪証券取引所に上場(現在、東京証券取引所に統合)
1961年10月 名古屋証券取引所に上場
1962年 5月 富士通研究所を設置(1968年11月に㈱富士通研究所として独立、2021年4月に当社に統合)
1967年 6月 富士通株式会社に商号変更
1972年 4月 富士電気化学㈱(現 FDK㈱)をグループ会社化(1969年10月東京証券取引所に上場)
1976年 4月 フランクフルト証券取引所に上場(2009年12月上場廃止)
1981年10月 ロンドン証券取引所に上場(2014年1月上場廃止)
チューリッヒ、バーゼル、ジュネーブの各証券取引所(現在、各証券取引所はスイス証券取引所に
1983年 9月
統合)に上場(2009年12月上場廃止)
日商岩井㈱との合弁により㈱エヌ・アイ・エフ(ニフティ㈱に商号変更。現 富士通クラウドテク
1986年 2月
ノロジーズ ㈱)を設立(2006年12月東京証券取引所に上場、2016年7月当社の完全子会社化により
上場廃止)
保守部門の一部を分離独立し、富士通カストマエンジニアリング㈱(現 ㈱富士通エフサス)を設
1989年 3月
立(2004年10月株式交換により完全子会社化)
1990年11月 英国ICL PLC(現 Fujitsu Services Holdings PLC)をグループ会社化
1991年 4月 携帯電話の販売を開始
10月 米国にFujitsu Network Transmission Systems, Inc.(現 Fujitsu Network Communications,
Inc.)を設立
1995年12月
富士通館林システムセンター(現 館林データセンター)開設
1997年11月
富士通明石システムセンター(現 明石データセンター)開設
1999年10月 ドイツSiemens AGとの合弁によりFujitsu Siemens Computers(Holding)B.V.(現 Fujitsu
Technology Solutions (Holding) B.V.)を設立(2009年4月株式取得により完全子会社化)
2001年 9月 ㈱高見澤電機製作所と富士通高見澤コンポーネント㈱が株式移転により富士通コンポーネント㈱を
設立、東京証券取引所に上場 (2018年11月株式併合により上場廃止)
2002年 4月 サーバ事業及びストレージシステム事業を㈱PFUと共同で会社分割し、㈱富士通ITプロダクツを設
立
2005年 3月 プラズマディスプレイモジュール事業を㈱日立製作所に譲渡
4月 液晶デバイス事業をシャープ㈱に譲渡する契約を締結
2008年 3月 LSI事業を会社分割し、富士通マイクロエレクトロニクス㈱を設立(2010年4月に富士通セミコンダ
クター㈱に商号変更。事業構造改革完了に伴い、2023年4月に当社に統合。)
2009年 5月 第三者割当増資の引受によりFDK㈱を連結子会社化
ハードディスク記憶媒体事業を昭和電工㈱へ譲渡
7月
ハードディスクドライブ事業を㈱東芝へ譲渡
10月
2017年 4月 個人向けプロバイダ事業を㈱ノジマへ譲渡
カーエレクトロニクス事業を㈱デンソーへ譲渡
11月
携帯端末事業をポラリス・キャピタル・グループ㈱へ譲渡
2018年 3月
個人向けパソコン事業を中国Lenovo Group Limitedへ譲渡
5月
富士通コンポーネント㈱を独立系投資会社ロングリーチグループへ譲渡
2019年 1月
Ridgelinez㈱を設立
2020年 1月
富士通Japan㈱を設立
10月
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3【事業の内容】
当社及び子会社297社(うち連結子会社291社)は、ICT(Information and Communication Technology)分野にお
いて、各種サービスを提供するとともに、これらを支える最先端、高性能、かつ高品質のプロダクト及び電子デバイ
スの開発、製造、販売から保守運用までを総合的に提供する、トータルソリューションビジネスを行っております。
主要なビジネスである「テクノロジーソリューション」については、当社が中心となって、「デバイスソリューショ
ン」については、当社の連結子会社である新光電気工業㈱が中心となって、グループ各社とともに最先端のテクノロ
ジーを駆使した製品の開発、製造及び販売並びにサービスの提供を行っております。また、「ユビキタスソリュー
ション」については、当社や当社の連結子会社である㈱富士通パーソナルズにおいて、製品の販売を行っておりま
す。
各セグメントの主要な製品及びサービスの内容並びに関連会社(52社)を含めた当社及び関係会社各社の位置付け
(2023年3月31日現在)は以下のとおりです。
〔テクノロジーソリューション〕
主要製品・サービスの内容: ・システムインテグレーション(システム構築、業務アプリケーション等)
・コンサルティング
・アウトソーシングサービス
(データセンター、ICT運用管理、アプリケーション運用・管理、
ビジネスプロセスアウトソーシング等)
・クラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaS等)
・ネットワークサービス(ビジネスネットワーク等)
・システムサポートサービス
(情報システム及びネットワークの保守・監視サービス等)
・セキュリティソリューション
・各種ソフトウェア(ミドルウェア、OS)
・各種サーバ(メインフレーム、UNIXサーバ、基幹IAサーバ、PCサーバ等)
・ストレージシステム
・フロントテクノロジー(ATM、POSシステム等)
・車載制御ユニット及び車載情報システム
・ネットワーク管理システム
・光伝送システム
・携帯電話基地局
取り扱う主な会社 :当社
(子会社)
富士通フロンテック㈱、㈱トランストロン、富士通テレコムネットワークス㈱、富士
通アイソテック㈱、Ridgelinez㈱、富士通Japan㈱、㈱富士通エフサス、富士通ネッ
トワークソリューションズ㈱、
Fujitsu Network Communications, Inc.、Fujitsu Services Holdings PLC、
Fujitsu North America, Inc.、Fujitsu Australia Limited、
Fujitsu Asia Pte. Ltd.
Fujitsu Technology Solutions (Holding) B.V. 等
〔ユビキタスソリューション〕
主要製品・サービスの内容: ・パソコン
取り扱う主な会社 :当社
(子会社)
㈱富士通パーソナルズ
Fujitsu Technology Solutions (Holding) B.V. 等
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〔デバイスソリューション〕
主要製品・サービスの内容: ・電子部品(半導体パッケージ、電池等)
取り扱う主な会社 :(子会社)
新光電気工業㈱、FDK㈱ 等
また、関連会社の事業の内容については以下のとおりです。
名称 事業の内容
空調機、情報通信機器及び電子デバイス製品の開発、製造及び販売並び
㈱富士通ゼネラル
にサービスの提供
富士通クライアントコンピューティング㈱ ノートパソコン、デスクトップパソコン等の開発、設計、製造及び販売
FLCS㈱ 情報処理機器、通信機器等の賃貸及び販売
情報システム及びICT関連機器の開発、製造及び販売並びにサービスの提
㈱PFU
供
なお、富士通リース㈱は、2022年4月1日付で、FLCS㈱に商号を変更しております。
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当社及び関係会社の状況を事業系統図で示すとおおむね以下のとおりです(2023年3月31日現在)。
(持分法適用関連会社)
㈱富士通ゼネラル、富士通クライアントコンピューティング㈱、FLCS㈱、㈱PFU等
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4【関係会社の状況】
(1)連結子会社
2023年3月31日現在
関係内容
議決権に対
資本金
する所有割
名称 住所 事業の内容
役員の
(百万円)
営業上の取引等
合(%)
兼任等
フロントテクノロジー製品及び関連 製品の一部を当社へ納
富士通フロンテック㈱ 東京都稲城市 8,457 100 なし
ソリューション・サービスの提供 入
自動車関連エレクトロニクス製品及
製品の一部を当社へ納
㈱トランストロン 横浜市港北区 1,000 び車載用情報機器の開発、製造及び 51.00 あり
入
販売並びにサービスの提供
富士通テレコムネットワー
ネットワーク機器及びネットワーク
栃木県小山市 100 100 あり 当社製品の製造
クス㈱ システム等の製造
PCサーバの製造並びにプリンタの開
富士通アイソテック㈱ 福島県伊達市 100 100 あり 当社製品の製造
発、製造及び販売
デジタルトランスフォーメーション 当社顧客に対するコン
東京都千代田
Ridgelinez㈱ 100 に関するコンサルティング及び調査 100 あり サルティングサービス
区
研究活動 の提供
自治体、医療・教育機関、及び民需
当社顧客に対するアウ
分野のソリューション・SI、パッ
トソーシングサービス
富士通Japan㈱ ケージの開発から運用までの一貫し
東京都港区 12,220 100 あり 等の提供、当社製品の
たサービス提供。AIやクラウドサー
※1、※4
販売及び保守並びに当
ビス、ローカル5Gなどを活用したDX
社パートナーの支援
ビジネスの推進
情報システムの構築並びに保守及び
当社製品の販売及び保
運用サービスの提供並びに情報シス
㈱富士通エフサス 川崎市中原区 9,401 100 あり
テム向け機器及びソフトウェアの販
守
売
ネットワークシステムの企画、コン
富士通ネットワークソ
当社製品の販売及び保
サルティング、設計及び施工管理並
川崎市幸区 あり
3,942 100
びに運用及び保守並びにサービスの
リューションズ㈱ 守
提供
パソコン等の販売及びサービスの提
㈱富士通パーソナルズ 川崎市中原区 100 100 あり 当社製品の販売
供
新光電気工業㈱ 半導体パッケージの開発、製造及び 製品の一部を当社へ納
長野県長野市 なし
24,223 50.04
※2 販売 入
FDK㈱ 各種電池及び電子部品の開発、製造 製品の一部を当社へ納
東京都港区 31,709 58.90 なし
及び販売 入
※2
ネットワーク機器・システムの開 当社製品の北米におけ
千米国ドル
Fujitsu Network
米国 発、製造、販売及び工事並びに関連 100 あり る開発、製造、販売、
Communications, Inc. 240,815
するサービスの提供 工事及び保守
コンサルティング並びにシステム構
千スターリン
Fujitsu Services
当社海外顧客に対する
築、保守及び運用に関する各種サー
グ・ポンド
英国 あり 情報システムサービス
Holdings PLC 100
ビスの提供並びに情報システム向け
の提供
1,598,001
※1
機器及びソフトウェアの販売
コンサルティング並びにシステム構
当社海外顧客に対する
千米国ドル
Fujitsu North America,
築、保守及び運用に関する各種サー
米国 100 あり 情報システムサービス
20,439 ビスの提供並びに情報システム向け
Inc.
の提供
機器及びソフトウェアの販売
コンサルティング並びにシステム構
千オーストラ
当社海外顧客に対する
Fujitsu Australia
オーストラリ 築、保守及び運用に関する各種サー
リア・ドル
100 なし 情報システムサービス
ア ビスの提供並びに情報システム向け
Limited
265,299 の提供
機器及びソフトウェアの販売
コンサルティング、システム構築、
千シンガポー
当社海外顧客に対する
保守及び運用に関する各種サービス
ルドル
Fujitsu Asia Pte. Ltd.
シンガポール あり 情報システムサービス
100
の提供並びに情報システム向け機器
の提供
30,445
及びソフトウェアの販売
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関係内容
議決権に対
資本金
する所有割
名称 住所 事業の内容
役員の
(百万円)
営業上の取引等
合(%)
兼任等
コンサルティング並びにシステムの
Fujitsu Technology
当社海外顧客に対する
千ユーロ
構築、保守及び運用に関する各種
Solutions (Holding) B.V. オランダ 100 あり 情報システムサービス
272,752 サービスの提供並びに情報システム
の提供
※1、※3、※4
向け機器及びソフトウェアの販売
(2)持分法適用関連会社
2023年3月31日現在
関係内容
議決権に対
資本金
する所有割
名称 住所 事業の内容
役員の
(百万円)
営業上の取引等
合(%)
兼任等
空調機、情報通信機器及び電子デバ
㈱富士通ゼネラル 当社製品の受託製造及
川崎市高津区 イス製品の開発、製造及び販売並び あり
18,172 44.07
※2 び販売
にサービスの提供
富士通クライアントコン ノートパソコン、デスクトップパソ 製品の一部を当社へ納
川崎市幸区 400 44.00 あり
ピューティング㈱ コン等の開発、設計、製造及び販売 入
東京都千代田 情報処理機器、通信機器等の賃貸及 当社製品の賃貸及び販
FLCS㈱ 1,000 20.00 あり
区 び販売 売
当社顧客に対する情報
情報システム及びICT関連機器の開
石川県かほく システムサービスの提
㈱PFU 15,000 発、製造及び販売並びにサービスの 20.00 あり
市 供並びに当社製品の販
提供
売及び保守
(注)1.上記以外の連結子会社数は274社です。
2.上記以外の持分法適用関連会社数は15社です。
3.※1の会社は特定子会社に該当します。
4.※2の会社は有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社です。
5.※3の会社は債務超過会社で、債務超過の金額は、2023年3月末時点で以下のとおりです。
Fujitsu Technology Solutions (Holding) B.V.(その連結子会社を含む) 59,429百万円
6.※4の会社は売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えており
ます。主要な損益情報等は以下の通りです。
富士通Japan㈱(その連結子会社を含む)
(1)売上高 556,090百万円
(2)経常利益 41,718百万円
(3)当期純利益 28,810百万円
(4)純資産 90,330百万円
(5)総資産 266,328百万円
Fujitsu Technology Solutions (Holding) B.V.(その連結子会社を含む)
(1)売上高 422,917百万円
(2)経常利益 △13,929百万円
(3)当期純利益 △15,799百万円
(4)純資産 △59,429百万円
(5)総資産 229,523百万円
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5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2023年3月31日現在
セグメントの名称 従業員数(人)
115,290
テクノロジーソリューション
367
ユビキタスソリューション
8,398
デバイスソリューション
124,055
合計
(注)1.従業員数は就業人員(当社グループ(当社及び連結子会社)からグループ外への出向者を除き、グループ外
から当社グループへの出向者を含む。)です。
2.上表のほか、当連結会計年度(以下、当年度)における平均臨時雇用人員は11,738人です。
(2)提出会社の状況
2023年3月31日現在
従業員数(人) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
35,092 43.7 19.1 8,789,575
セグメントの名称 従業員数(人)
34,977
テクノロジーソリューション
115
ユビキタスソリューション
35,092
合計
(注)1.従業員数は就業人員数(当社から当社外への出向者を除き、当社外から当社への出向者を含む。)です。
2.平均年間給与は、税込額で時間外勤務手当等及び賞与その他の臨時給与を含んでおります。なお、就業人員
数から、当社外から当社への出向者を除いて算出しております。
3.平均年齢及び平均勤続年数は、就業人員の平均です。
(3)労働組合の状況
当社グループには、全富士通労働組合連合会等が組織されており、同組合員数は約56,000名です。なお、春季
交渉など同組合との主要な交渉事項については、いずれも解決しており、労使関係は引き続き安定しておりま
す。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
当事業年度
労働者の男女の賃金の差異(%)
管理職に占める女性 男性労働者の育児休業
(注)1.3.4.
労働者の割合(%) 取得率(%)
(注)1. (注)2.
全労働者 うち正規雇用労働者 うちパート・有期労働者
9.1 85.1 76.9 76.5 84.5
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもの
です。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規
定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成
3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したもので
す。
3.男性労働者の賃金に対する女性労働者の賃金の割合を示しております。
なお、同一労働の賃金に差はなく、ジョブ(職責)レベル毎の人数構成の差によるものです。
4.賃金は、基本給、賞与、各種手当等の労働の対償として期間中に労働者に支払ったものとしています(ただ
し、通勤手当及び退職手当は除いています。)。
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② 連結子会社
当事業年度
労働者の男女の賃金の差異(%)
管理職に占める 男性労働者の
(注)1.3.4.
女性労働者の割 育児休業
名称
合(%) 取得率(%)
うち正規雇用労 うちパート・有
全労働者
(注)1. (注)2.
働者 期労働者
富士通フロンテック㈱ 2.9 81.3 71.9 69.5 67.2
㈱トランストロン 0.0 100.0 58.0 62.2 48.8
富士通テレコムネットワークス㈱ 0.0 100.0 66.0 67.0 85.1
富士通アイソテック㈱ 6.3 83.3 80.7 82.7 80.6
Ridgelinez㈱ 8.9 66.7 62.1 62.0 61.4
富士通Japan㈱ 8.5 73.2 74.3 73.9 83.3
㈱富士通エフサス 3.1 79.5 74.2 73.2 74.5
富士通ネットワークソリューションズ㈱ 1.3 80.0 71.2 69.9 89.1
100.0 79.3 71.1 154.9
㈱富士通パーソナルズ 0.0
新光電気工業㈱ 5.9 121.5 79.3 79.2 81.1
100.0 72.9 73.7 79.2
FDK㈱ 1.8
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもの
です。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規
定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成
3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したもので
す。
なお、該当事業年度以前に配偶者が出産した男性労働者で該当事業年度中に休職または育児目的休暇を取得
した人も含むため、取得割合は100%を超過する場合があります。
3.男性労働者の賃金に対する女性労働者の賃金の割合を示しております。
なお、同一労働の賃金に差はなく、ジョブ(職責)レベル毎の人数構成の差によるものです。
4.賃金は、基本給、賞与、各種手当等の労働の対償として期間中に労働者に支払ったものとしています(ただ
し、通勤手当及び退職手当は除いています。)。
ただし、FDK(株)については、通勤手当を含めたものとなっております。
5.連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参
考情報 (2)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差
異」に記載しております。
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第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、社会における存在意義、パーパスを「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより
持続可能にしていくこと」と定めております。すべての事業活動をこのパーパス実現のための活動として取り組んでお
り、そのためには、健全な利益と成長を実現し、企業価値を持続的に向上させることが重要と考えております。
<市場環境>
当社グループをとりまく市場環境については、従来型の基幹システムなどの既存IT市場は、緩やかに縮小していくと
予測されています。一方で、レガシーシステムのリプレイスメントやモダナイゼーションへの投資は今後も堅調に増え
ると予測されています。さらに、AI(人工知能)やデータ活用などデジタル化に向けた投資は、社会や企業の成長・発
展へのニーズに加え社会システムや生活様式の変化に向けたニーズもあり、今後も拡大すると想定されています。
このような状況のもと、当社グループは、2022年度を最終年度とする経営方針に則り、ますます需要が高まる企業の
DX(デジタルトランスフォーメーション)を牽引し社会課題の解決に貢献する企業への変革を目指して活動してまいり
ました。また、2030年及びそれ以降の目指す姿の実現に向けて、2023年度から2025年度までの3年間を持続的な成長と
収益力向上のモデルを構築する期間と位置付け、新たな中期経営計画を策定し達成に向けた取り組みを開始しておりま
す。
<2022年度までの経営方針振り返り>
2022年度を最終年度とする経営方針では、当社グループは、「お客様への価値創造」と「自らの変革」に向けて、そ
れぞれ施策を設定し取り組んでまいりました。
「お客様への価値創造」においては、次の施策に取り組んでまいりました。
グローバルビジネス戦略の再構築として、サービスビジネスへのシフトとそのための体質強化を目指し、グローバル
共通のポートフォリオに沿った重点アカウントの選定やオファリングの拡充及び体制の見直しを図ってまいりました。
グローバル共通となるFujitsu Uvanceの提供をスタートし、2022年度で2,000億円の売上を達成しました。2022年4月
に、欧州の2リージョンを統合したEuropeリージョン、アジアとオセアニアを一体化したAsia Pacificリージョン、そ
してAmericasリージョン、Japanリージョンの合計4リージョン体制に再編しました。事業責任者のグローバルワイドで
の最適配置にも着手しており、欧州にソリューションビジネス、北米にネットワークビジネスの責任者を配置しまし
た。
日本国内での課題解決力の強化として、日本の社会課題解決やデジタル化に貢献するための体制強化を継続して進め
てまいりました。デザイン思考でお客様の潜在ニーズを掘り起こし、お客様との共感を通じてDXをリードするビジネス
プロデューサー8,000人の研修を完了しており、このビジネスプロデューサーを中心に、商談スタイルの変革を進めて
まいりました。
お客様事業の一層の安定化として、グローバルで統一された手法での開発を促進するため、サービスデリバリーの標
準化及び最適化を行うとともに、こうした手法で開発・デリバリーを行うグローバルデリバリーセンター(GDC)と、
日本固有の商習慣やニーズを踏まえてデリバリーを標準化するJapan Global Gatewayの人員数を、合わせて3万人規模
に増強しました。また、生産性の向上によるコスト競争力の強化を図ってまいりました
お客様のDXのベストパートナーとなるべく、お客様の事業や変革の達成をカスタマサクセスと定義し、その実現に向
けたサポートの強化に取り組んでまいりました。開発や営業機能を一体化した組織において、お客様サポートを一元的
に担い中長期の視点でお客様とともに動くAccount General Managerを育成していまいりました。また、DXコンサル
ティング会社Ridgelinez株式会社を起点に、全社でのコンサルティング力強化を図りました。
一方、「自らの変革」としては、当社グループ自身のDXのため、社内システムや人員、体制の強化も含めた社内変革
を進めてまいりました。
データドリブン経営の強化策として、データを活用してグループ全体の経営を高度化するOneFujitsuプログラムを全
リージョン横断で推進しており、2022年4月にはOneCRMを始動させ、パイプラインマネジメントの統合とグローバルで
統一した管理手法の導入を行いました。グループ全体でERPを統合するOneERP+も、グローバルでの稼働に向けて準備を
進めております。また、全社DXプロジェクト「フジトラ」を中心に、全社員参加型の社内変革を進めてまいりました。
グローバルで人材の流動性を高めるため、ポスティング制度の適用範囲拡大や、パーパス実現への貢献を評価するグ
ローバル共通の評価制度「Connect」及びジョブ型人事制度の適用拡大などを進めてまいりました。これらの施策の結
果、生産性が向上し、2022年度の社員一人当たりの営業利益は、2019年度と比較して60%増加しました。
施策の実行にあたり、サービス・オファリングの開発やM&Aをはじめとする外部への投資、将来を見据えたDXビジネ
ス拡大のための戦略的な投資に加え、高度人材の獲得や社内の人材・システムの強化のための投資を行ってまいりまし
た。
財務面に加えて、非財務面での取り組みも強化してまいりました。当社グループの掲げるパーパスの実現には、あら
ゆるステークホルダーとの信頼関係を築くことが必要と考え、お客様からの信頼を示す「お客様ネット・プロモー
ター・スコア(NPS)」、社員との結びつきを示す「従業員エンゲージメント」、そして、組織、カルチャーの変革の
進捗を経済産業省が推進する「DX推進指標」を非財務分野における評価指標と定め、改善に取り組んだ結果、お客様
NPS及びDX推進指標で目標値を達成しました。
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<新たな中期経営計画について>
当社グループは、5月24日に新たな中期経営計画を発表しました。
まず、パーパス実現に向けて必要不可欠な貢献分野であるマテリアリティを、地球環境問題の解決、デジタル社会の
発展、人々のウェルビーイングの向上の3分野に定め、この3つの分野で、気候変動、情報セキュリティの確保、生活の
質の向上に向けた医療ヘルスケアの推進など、重点的に取り組むべき11の課題を設定しました。全社でマテリアリティ
への取り組みを推進し、富士通グループの企業価値向上と持続可能な世界の実現を目指してまいります。
今回の中期経営計画では、2030年及びそれ以降のあるべき姿を見据えて、2025年における当社のあるべき姿と、ス
テークホルダーへの提供価値の最大化を実現するための4つの重点戦略を定めました。一つ目、事業モデル・ポート
フォリオ戦略、二つ目、カスタマサクセス/地域戦略、三つ目、テクノロジー戦略、そして四つ目、リソース戦略で
す。
一つ目、事業モデル・ポートフォリオ戦略では、成長領域への投資や効果をより明確にし、事業ポートフォリオのマ
ネジメントを強化するため、事業セグメントの変更を行います。従来のテクノロジーソリューションを、サービスソ
リューションとハードウェアソリューションの2つに分類します。サービスソリューションは、Fujitsu Uvanceを中心
とするグローバル横断なOn Cloudのデジタルサービスと、各リージョンが提供するサービスビジネスや従来型のOn
Premiseのサービスなどで構成されています。サービスソリューションは、当社の今後の成長を牽引する領域として、
コンサルティング力の強化やパートナーとの戦略的アライアンスの強化、当社の先端テクノロジーの強化及びビジネス
への実装、そして、デジタルサービスを提供するための人材育成などに取り組み、成長を目指してまいります。一方
ハードウェアソリューションは、ハードウェアの販売及びハードウェアの保守ビジネスで構成されます。
二つ目、カスタマサクセス/地域戦略では、引き続き、コンサルティングを強化してまいります。Fujitsu Uvanceの
Horizontal領域をはじめとするテクノロジー軸のコンサルティングと、Fujitsu UvanceのVertical領域をはじめとす
る、事業、経営に関わるビジネス軸でのコンサルティングの両軸であるべき姿の実現に向けてお客様をご支援してまい
ります。リスキリングなどを実施し、2025年度までにコンサルティングスキルを持つ人員を、テクノロジーとビジネス
で合わせて1万人に増強してまいります。
また、モダナイゼーションビジネスを強化します。お客様の既存資産をしっかりと受け継ぎながら、テクノロジーと
ビジネス両面でのコンサルティング力や長年培ってきたエンジニアリング力、モダナイゼーション専任の組織やグロー
バルでのデリバリー体制といった独自の強みを活かして、最適なソリューションをご提案してまいります。
地域戦略としては、日本においては、全業種のお客様のモダナイゼーションをサポートし、また、日本を起点にグ
ローバルで事業を展開するお客様に、グローバル標準のサービスやサポートを提供する体制を強化してまいります。そ
の他のリージョンでは、Fujitsu Uvanceを中心としたグローバルなソリューションやサービスの提供を拡大してまいり
ます。また、お客様への提供価値をグローバルで高めるため、戦略パートナーとのアライアンスも強化してまいりま
す。
お客様事業の一層の安定化に向けては、全社のガバナンス強化、情報セキュリティ強化、そしてシステム品質改善の
3点を柱に取り組んでまいります。スピード感をもって各施策を確実に実行し、効果を測定して改善するというマネジ
メントを恒久的に実行してまいります。
三つ目、テクノロジー戦略では、Fujitsu Uvanceを支える5つのキーテクノロジーであるコンピューティング、ネッ
トワーク、AI、データ&セキュリティ、そしてコンバージングテクノロジーに引き続きリソースを集中させ重点的に研
究開発を行ってまいります。今後は、AIを核にキーテクノロジーを強化し、付加価値としてビジネスに実装してまいり
ます。
四つ目、リソース戦略では、グローバル統一のJob Roleを定義し、人材ポートフォリオの見える化や事業と連動した
人材の育成計画をグローバルで進めてまいります。リスキリングやアップスキリングを行い、成長領域のリソースを拡
充するとともに、人的資本経営の強化として、より個人にフォーカスしたキャリア形成や、自律性、自主性を重視した
施策を展開してまいります。
また、OneFujitsuプログラムを中心に、データドリブン経営の強化を進め、社内実践で得られた経験やノウハウを、
価値としてお客様に提供してまいります。
以上4つの戦略の実行においては、成長に寄与する投資を継続して、最適なアロケーションを実施いたします。
財務面での経営目標として、2025年度は、連結で売上収益4兆2,000億円、調整後営業利益5,000億円、同利益率12%の
達成を目指してまいります。
非財務の領域においても、環境、お客様、生産性、そして人材の4つの項目において2025年度のKPIを定め、達成に向
けて取り組んでまいります。
環境でのKPIとしては、温室効果ガス削減量について、いずれも2020年度と比較しScope1・2では富士通グループで
50%削減、Scope3ではサプライチェーンで12.5%の削減を目指してまいります。
お客様については、従来のKPIであるお客様NPSを継続し、2022年度比で20ポイント上昇を目指してまいります。
生産性については、従業員一人当たりの営業利益において、2022年度比40%の上昇を目指してまいります。
人材については、従来のKPIである従業員エンゲージメントを継続し、グローバルでのスコア75の達成を目指してま
いります。また、ダイバーシティリーダーシップの指標として、まずグローバルでの女性幹部社員比率をKPIとし、
2022年度の15%から2025年度で20%に拡大することを目標としました。これは、2030年度で30%の達成を目指し、そこ
からバックキャストして定めております。また、引き続き非財務面での取り組みが財務面に対しどのように寄与するか
について、定量的な分析を進めてまいります。
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今回新たに、2030年に向けて、クロスインダストリーでサステナビリティに貢献するデジタルサービスを提供して、
社会・お客様・株主・社員などのステークホルダーにとってネットポジティブを実現するテクノロジーカンパニーにな
る、 という当社のビジョンを定めました。このネットポジティブとは、社会に存在する富士通が、財務的なリターンの
最大化に加え、地球環境問題の解決、デジタル社会の発展、そして人々のウェルビーイングの向上というマテリアリ
ティに取り組み、テクノロジーとイノベーションによって、社会全体へのインパクトをプラスにすること、と定義して
おります。
パーパスとビジョンを達成していくための活動によって創出されるアウトプット及びアウトカムとして、財務指標と
3つのマテリアリティの項目ごとに2030年の指標を設定しました。財務資本、人的資本といった資本を投入し、4つの重
点戦略に沿ってマテリアリティに取り組み、財務・非財務の両面でアウトプットやアウトカムを生み出し、それをまた
インプットとして投じる、これを継続することでステークホルダーへの提供価値の向上を図ってまいります。
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2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティへの対応
富士通グループでは、サステナビリティに関する国際開示基準や、SDGs、パリ協定などのグローバルな動向を踏ま
え、責任ある企業として取り組むべきサステナビリティの7つの重要課題(マテリアリティ)を設定し、重要課題に
ついては個々の目標の達成に向け、グローバルレスポンシブルビジネス(Global Responsible Business:GRB)とい
う枠組みの中で、グローバルに活動を推進してまいりました。GRBの制定経緯及び取り組みについての詳細は下記②
戦略をご参照ください。
なお、当社グループは、2023年5月の中期経営計画の策定に伴い、マテリアリティの改定を行いました。中長期的
な視点で2030年を見据え、「自社」及び「ステークホルダー」の観点から評価を行い、持続的な成長に向けた解決す
べき重要課題を新たに設定しました。お客様・社会に貢献する分野として、「地球環境課題の解決」、「デジタル社
会の発展」、「人々のウェルビーイングの向上」を掲げ、これらを実現する土台として、「テクノロジー」、「経営
基盤」、「人材」を強化していきます。 詳細については、以下のウェブサイトをご参照ください。
https://www.fujitsu.com/jp/about/csr/materiality/
①ガバナンス
<取締役会による監督体制>
富士通グループはサステナビリティ経営委員会において、サステナビリティに係るリスクと機会の共有、中長期
的な課題の検討及び方針の策定を行っています。これらの結果は、経営会議を通じて取締役会に報告されます。
また、富士通グループは、全社レベルのリスクマネジメント体制において、取締役会の監督の下、代表取締役社
長を委員長としたリスク・コンプライアンス委員会が、サステナビリティ課題を含むグループ全体のリスク分析と
対応を行っています。同委員会は、グループ全体のリスクマネジメント及びコンプライアンスに関わる意思決定機
関であり、抽出・分析・評価された重要リスクについて、定期的に取締役会に報告しています。詳細については、
「 第2 事業の状況 3 事業等のリスク 」をご参照ください。
<リスクと機会の評価・管理における経営者の役割>
代表取締役社長は、サステナビリティ経営委員会及びリスク・コンプライアンス委員会の委員長を務め、最高位
の意思決定の責任と業務執行の責任を担っています。取締役会は、経営会議及びリスク・コンプライアンス委員会
を通じた報告をもとに監督する責任を有します。また、CSuO(Chief Sustainability Officer)はサステナビリ
ティの最高責任者として、取締役会、経営幹部への変革提案とサステナビリティ関連業務の執行を推進していま
す。加えて、業務執行取締役の賞与に、ESGに関する第三者評価を評価指標として追加しています。
②戦略
富士通グループは、2010年にグローバルなCSR規範や社会課題を認識したうえで当社への期待と要請について外
部有識者よりヒアリングを行い、CSR基本方針を制定し活動を推進してきました。
持続可能な開発目標(SDGs)の採択やパリ協定の発効など、地球規模の課題解決に向けた取り組みがより一層強
く求められるようになったことを踏まえグループ横断でのマテリアリティ分析を実施し、その結果を元に「グロー
バルレスポンシブルビジネス(Global Responsible Business : GRB)」という名称で、グローバル共通のサステ
ナビリティの重要課題を2019年度に以下の表のとおり設定しました。2020年度には、2022年度を目標年度とする目
標・KPIを重要課題毎に定め、当事業年度においても継続的に活動を行ってきました。
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重要課題 概要
全企業活動で人間の尊厳に配慮し、人を中心として価値創造を行
人権・多様性 う。多様性を尊重し、誰もが自分らしく活躍できる企業文化を醸
成する。
すべての社員がいきいきと働くことができる環境をつくり、社員
ウェルビーイング が自己の成果を実現させて、力を最大限に発揮できる機会を提供
する。
気候変動対策としてパリ協定の1.5℃目標の達成と、革新的なソ
環境
リューション提供による環境課題解決に貢献する。
Fujitsu Wayの「行動規範」を組織全体に周知徹底し、社会的な
コンプライアンス
規範を含むより高いレベルの企業倫理を意識し、誠実に行動す
る。
自社サプライチェーンにおいて、人権や環境、安全衛生に配慮し
サプライチェーン
た責任ある、かつ多様性に富む調達を実現する。
心とからだの健康と安全を守ることを最優先し、各国各地域の事
安全衛生
情に合わせた、安全で健康的な職場環境を提供する。
社会課題への共感を高めて活動し、社会経済に良いインパクトを
コミュニティ
もたらす。創出したインパクトをさらなる価値につなげる。
③リスク管理
富士通グループでは、サステナビリティ経営委員会において、サステナビリティに係るリスクと機会の共有、中
長期的な課題の検討及び方針や目標を策定するとともに、進捗を確認しています。
また、リスク・コンプライアンス委員会は、国内外の各部門及び各グループ会社の事業活動と、それに伴う重要
リスクの抽出・分析・評価(当社グループにおいて重要と考えられる33項目のリスクを中心に実施)を行い、これ
らに対する回避・軽減・移転・保有などの対策状況を確認したうえで、対策の策定や見直しを図っています。ま
た、様々な対策の実行にもかかわらずリスクが顕在化した場合に備え、対応プロセスを整備しています。詳細につ
いては、「 第2 事業の状況 3 事業等のリスク 」の項をご参照ください。
④指標及び目標
<GRB2022年度目標と2021年度の主な実績>
富士通グループは、重要課題ごとにありたい姿、目標、2022年度末を達成期限とするKPIを定めておりました。
この達成に向けて実効力のあるマネジメント体制を構築し、また各国の国内法や労働市場など国・地域ごとの違い
を踏まえつつ、グローバルでより高いレベルの活動が実施できるよう、具体的なアクションを定め、目標達成に向
けた取り組みを推進してまいりました。なお、2022年度の主な実績については、本有価証券報告書提出日現在にお
いてデータ収集及び一部のデータにおいては、第三者審査機関による審査の過程にあるため、以下では2021年度の
主な実績を記載しております。
GRBの目標と2021年度の主な実績
2022年度に向けた目標(KPI)
項目 2021年度の主な実績
人権/
・グループ全社員を対象とした「ビジネスと
◆人権
多様性
「人権尊重」の社内浸透
人権」に関するeラーニングを16か国語でグ
・グローバルな人権に関する全従業員向け教育
ローバルに実施
の受講率:80%
実施率:92%
◆ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョ
・社員意識調査でのDE&I関連設問の肯定回答
ン(DE&I)
率
インクルーシブな企業文化の醸成
連結:69% / 単体:65%
・社員意識調査でのDE&I関連設問の肯定回答率
・リーダーシップレベルにおける女性比率
向上:
連結:10.3% / 単体:8.0%
連結66%(2019年度)→69%
単体59%(2019年度)→63%
・リーダーシップレベルにおける女性比率増:
連結8%(2019年度)→10%
単体6%(2019年度)→9%
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いきいきと働くことができる職場環境の提供 ・社員意識調査「ワークライフバランス」
ウ ェ ル
「Well-being」に対するグローバル共通平均
・社員意識調査「ワークライフバランス」
ビーイン
スコア:64
「Well-being」に対するグローバル共通平均
グ
・社員意識調査「成長の機会」に対するグロー
スコア:71
バル共通平均スコア:68
成長の実現と力を発揮できる機会の提供
・社員意識調査「成長の機会」に対するグロー
バル共通平均スコア:70
社会的責任の遂行と環境課題解決への貢献 ・GHG排出量の削減
環境
・目標:33.6%以上削減
・事業拠点の温室効果ガス(GHG)排出量を基準
(2013年度比 毎年4.2%削減)
年比 37.8%以上削減する
実績:36.7%削減
(2013年度実績の毎年4.2%削減)
・再生可能エネルギー導入率:20.7%
・事業活動に伴うリスクの回避と環境負荷の最
・事業活動に伴うリスクの回避と環境負荷の最
小化
小化
・ビジネスを通じたお客様・社会の環境課題解
<事業所>
決への貢献
・データセンターのPUE(注1)改善:目標
1.57に対し実績1.56を達成
・水の使用量:前年度から5.7万m3削減
・製品の省資源化・資源循環性向上:新製品
の資源効率を10.1%向上(2019年度比)
<サプライチェーン>
・製品の使用時消費電力によるCO 排出量を
2
51%削減(2013年度比)
・サプライチェーン上流におけるCO 排出量
2
削減及び水資源保全:主要取引先への取組
依頼を100%完了
・ビジネスを通じたお客様・社会の環境課題解
決への貢献
・カーボンニュートラルに関する知見のビジ
ネス部門、事業部門へのスキルトランス
ファー
・環境勉強会やOJTを通じた社内教育の実施
による社員の専門スキル向上
・社内レファレンスに基づくソリューション
創出
・環境課題解決に繋がるお客様提案に向けた
支援
・CO 排出量削減貢献量の評価ツール
2
“EcoCALC”のグローバル対応の再整備と
情報共有社内サイト立上げによる社員の環
境課題の自分事化
コンプライアンスに係るFujitsu Way「行動規
コンプラ ・国際腐敗防止デーに合わせたFujitsu
範」の組織全体への周知徹底をさらに図るため
イアンス
Compliance Weekにおいて、社長・各リー
に、グループ全体にグローバルコンプライアン
ジョン長・各国グループ会社社長等の経営
スプログラムを展開することで、高いコンプラ
層から従業員に対し、コンプライアンス遵
イアンス意識を組織に根付かせるとともに、経
営陣が先頭に立って、従業員一人ひとりがいか
守徹底のメッセージを発信
なる不正も許容しない企業風土(ゼロ・トレラ
ンス)を醸成する。
・社長、部門長またはリージョン長からコンプ
ライアンス遵守の重要性をメッセージとして
発信:1回以上/年
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・自社サプライチェーンにおける責任ある調達 ・下記文書いずれかの入手率:100%
サプライ
の実現 -RBA工場監査プラチナまたはゴールド判定
チェーン
当社主要取引先による責任ある調達の国際基 書
準への準拠へ向け、当社主力製品の主要な製 -当社CSR調達指針への誓約書
造委託先・部品取引先より、下記文書のいず ・UK・Americas・オセアニアにおいて、中小
れかを入手する。 企業(SME)・女性経営・少数民族企業等、
(目標KPI=100%) 多様な属性を持つ企業からの調達KPIを達成
・RBA (注2) 工場監査プラチナまたはゴー
・293社あてに目標設定のための説明会への参
ルド判定書
加を要請
・当社CSR調達指針(=RBA行動指針)への誓
約書
・サプライチェーン多様性の推進
従来の取り組みと並行して、サプライチェー
ンの多様性確保をResponsible Businessの目
標に位置づけ、グローバルに推進。
・サプライチェーンにおけるGHG 排出削減
GHG 排出削減を取引先とともに推進するた
め、主要物品取引先に対して、国際基準に
沿った数値の目標設定を依頼する。
グループ会社を含むすべての職場において、安 ・重大な災害発生件数:ゼロ
安全衛生
全で働きやすい環境を実現し、心とからだの健 ・グローバル安全衛生管理リーダーが富士通
康づくりを推進する。 グループのCOVID-19対応についてレビュー
・重大な災害発生件数:ゼロ を実施
・安全衛生に関するグローバルレベルでのマネ
ジメントレビュー実施:1回/年
企業文化及び社員のマインドセット変革への貢 ・2021年度より集計開始:2019年度比-2.9%
コミュニ
献 (注3)
ティ
・社会課題に関連した社会貢献活動に参加した
従業員数の増加率 ニューノーマル下におい
て、2019年度比 +10%
(注)1.PUE:Power Usage Effectiveness
データセンターの電力使用効率を示す指標。データセンター全体の消費電力を、サーバなどのICT機器
の消費電力で割った数値。1.0に近いほど効率的とされる。
2.RBA:Responsible Business Alliance
電子機器メーカーや大手サプライヤーなど、約140社が加盟する国際イニシアチブ。行動規範を定め、
サプライチェーン上の環境や労働者の人権及び労働条件や、倫理・安全衛生などの改善を進めている。
3.コロナ禍の影響により対面での活動に制約。オンラインイベントの開催など、種々の施策展開により、
2021年下期以降参加従業員数増加も、2019年度比減少の状況。
(2)気候変動への対応
気候変動は国・地域を超えて世界に影響を与える問題であり、グローバルに活動する当社にとっても重要な課題で
あると認識しています。例えば、気候変動によりもたらされる災害は調達・物流・エネルギー供給網を寸断し、各事
業所への部品調達やエネルギー調達を困難にします。また、GHG排出量に関する法規制は、製品・サービスの製造、
開発等に影響を与え、対応への遅れはビジネスチャンスの損失を招く恐れもあります。
① ガバナンス
富士通グループでは、サステナビリティ経営委員会やリスク・コンプライアンス委員会において、気候変動に関
するリスクと機会の共有、方針策定、重要リスクに関する特定等を行い、取締役会へ報告しております。詳細につ
いては、上記の「 (1)サステナビリティへの対応 ①ガバナンス 」の項をご参照ください。
② 戦略
<中長期環境ビジョン>
富士通グループでは、気候変動対策において果たすべき役割や実現すべき未来の姿として、中長期環境ビジョン
「Fujitsu Climate and Energy Vision」を策定しております。このビジョンは、(ⅰ)自らのCO ゼロエミッショ
2
ンの実現、(ⅱ)カーボンニュートラル社会への貢献及び(ⅲ)気候変動による社会の適応策への貢献の3つの柱
で構成されています。先進のICTを効果的に活用して富士通グループ自らのカーボンニュートラル化にいち早く取
り組むとともに、そこで得られたノウハウを、富士通グループのソリューションとしてお客様・社会に提供しま
す。それにより、ビジネスを通して気候変動の緩和と適応に貢献することを目指しています。
本中長期環境ビジョンの詳細については、「富士通グループ サステナビリティデータブック2022 P.5-3-2-1~5-
3-2-3」をご参照ください。
https://www.fujitsu.com/jp/documents/about/resources/reports/sustainabilityreport/2022-
report/fujitsudatabook2022.pdf
<TCFDに基づいたシナリオ分析>
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また、富士通グループでは、気候変動戦略のレジリエンス性を確保するため、2018年度に「2℃」シナリオ、
2021年度に「1.5℃」及び「4℃」の外部シナリオを用いて、気候変動による事業インパクトを分析し、富士通グ
ルー プの気候関連リスク・機会を特定するとともに対応策を検討しました。自社オペレーション、サプライチェー
ンにネガティブな影響を及ぼす移行・物理リスクに対応するとともに、お客様の気候関連リスクを理解することで
価値創造の提案につなげ、ビジネス機会の獲得を目指します。
・シナリオ分析
当社は、ビジネスを加速し、社会課題に挑むソリューションとして「Fujitsu Uvance」を策定し、クロスインダ
ストリーな重点分野を定めています。これらのうち、特に気候変動の影響が大きいと考えられるSustainable
Manufacturing(検討領域:石油化学、自動車、食品、電子機器関連ビジネス)、Trusted Society(検討領域:公
共、交通、エネルギー関連ビジネス)、Hybrid IT(検討領域:データセンター関連ビジネス)に対し、1.5℃及び
4℃シナリオを用いて2050年までを考慮したシナリオ分析を実施しました。分析は「リスク重要度の評価」、「シ
ナリオ群の定義」、「事業へのインパクト評価」、「対応策の検討」という4つのステップにて行いました。
Sustainable Manufacturing、Trusted Societyはお客様の気候関連リスクへの対応を支援するなど、当社におけ
るビジネスの「機会」を中心とした分析を行い、Hybrid ITは、自社事業及びお客様の気候関連リスクへの対応な
ど、「リスク」と「機会」の両面で分析しました。分析結果シナリオで分析した機会についてオファリングの検
討・開発方向と一致していること、また、リスクについても対応策を整備できていることを確認し、中長期的な観
点から当社の事業は戦略のレジリエンスがあると評価しました。また、シナリオ分析の結果も事業検討の1つのイ
ンプットとして活用し、事業の注力領域の価値提供テーマとして、Sustainable Manufacturingにおける「Carbon
Neutrality(CO 排出量の可視化・削減推進)」、「Resilient Supply Chain(不確実性に対する対応力向
2
上)」、Trusted Societyにおける「Sustainable Energy & Environment(グリーンエネルギーによるカーボン
ニュートラル社会)」等を策定・発表しました。現在、シナリオ分析で導出した機会の対応策を踏まえ、オファリ
ングの具体化等の検討を推進しています。 詳細については、以下の当社ウェブサイトに掲載している「富士通統合
レポート2022」の67ページを参照ください。
https://pr.fujitsu.com/jp/ir/integratedrep/2022/pdf/all.pdf
機会
対象
機会分類 内容 主要な対応策
期間
製品・サービス 短 ~ ・高エネルギー効率製品・サー ・高性能・低消費電力の5G仮想化基地局、高性
長期 ビスの開発・提供による売上 能・省電力のスーパーコンピュータ等の開
増加 発・提供
市場 短 ~ ・ICT活用により創出される気候 ・サプライチェーンのCO₂排出量算定・可視
長期 変動対策に向けた新規市場機 化、ゼロエミッションに向けた新材料探索の
会の獲得 効率化等の開発・提供
レジリエンス 短 ~ ・レジリエンス強化に関する新 ・防災情報システム、洪水時の河川水位を予測
長期 製品及びサービスを通じての するAI水管理予測システム等の開発・提供
売上の増加
リスク
対象
リスク分類 内容 主要な対応策
期間
移行 政策/ 短~ ・温室効果ガス排出やエネルギー使用 ・温室効果ガス排出量の継続的な削減
規制 長期 に関する法規制強化(炭素税、省エ (再生エネルギーの積極的な利用拡
ネ政策等)に伴い、対応コストが増 大、省エネルギーの徹底)
加 ・EMSを通じた法規制遵守の徹底
・上記法規制を違反した場合の企業価
値低下のリスク
市場 中~ ・カーボンニュートラル社会の推進 ・社内基準の策定、革新的な技術開発
長期 (電動化などの普及)に伴った電力 などによる電力消費量の削減
価格が高騰
技術 中~ ・熾烈な技術開発競争(省エネ性能、 ・お客様の気候変動課題解決に対応す
長期 低炭素サービス等)で劣勢になり、 る製品・サービス開発、イノベー
市場ニーズを満たせなかった場合、 ション推進
ビジネス機会を逸失するリスク
評判 短~ ・投資家・お客様等のステークホル ・中長期環境ビジョン、環境行動計画
長期 ダーからの要請への対応による対応 の策定・推進
コストが増加 ・気候変動戦略の透明性確保に向けた
・外部要請への対応遅れによる評価・ 積極的な情報開示
売上に対するネガティブ影響が発生
物理 慢性、 短~ ・降水・気象パターンの変化、平均気 ・BCP対策強化、お取引先の事業継続体
(自然災 急性 長期 温の上昇、海面上昇、渇水などによ 制の調査やマルチソース化などの対
害等) る対応コストが増加 策実施
・異常気象の激甚化によるサプライ ・潜在的水リスクの評価とモニタリン
チェーンを含む操業停止、復旧コス グの実施
トが増加
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③ リスク管理
気候変動を含むリスク管理プロセスは、リスクマネジメント・コンプライアンス体制によるプロセスに組み込ま
れています。詳細については、「 第2 事業の状況 3 事業等のリスク 」を参照ください。
また、気候変動を含む環境課題に関するマネジメントについては、前述の仕組みに加え、ISO14001に基づく環境
マネジメントシステムを構築しています。気候変動対策の方針策定及び進捗管理は、サステナビリティ経営委員会
が担当しています。
④ 指標及び目標
GHG排出量に関しては基準年に対する排出削減比率
して管理しています。なお、2022年度の主な実績については、本有価証券報告書提出日現在においてデータ収集及
び一部のデータにおいては、第三者審査機関による審査の過程にあるため、以下では2021年度の主な実績を記載し
ております。
GHG排出量実績(2021年度)
項目
Scope 1
68千トン-CO₂
Scope 2(Location-based)
524千トン-CO₂
Scope 2(Market-based)
422千トン-CO₂
Scope 3(Category 1)
1,207千トン-CO₂
Scope 3(Category 11)
3,142千トン-CO₂
<目標と実績(2021年度)>
実績
項目 目標
(2021年度)
自らのGHG排出量削減 短期 2021年までに33.6%削減 環境行動計画 37.2%削減
(注1) (注2)
中期 2030年までに71.4%削減 SBT1.5°認定
(注2)
長期 2050年までに80%削減 SBT認定
(注2)(注3)
バリューチェーンのGHG 中期 2030年までに30%削減 SBT認定 46.9%削減
排出量削減(注1) (注4)
再生可能エネルギー導 中期 2030年までに40%導入 RE100加盟 20%導入
入比率
長期 2050年までに100%導入 RE100加盟
(注)1.2013年比
2.Scope1+Scope2
3.クレジット含まず
4.Scope3 Category1+Category11
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(3)人的資本及び多様性
サステナブルな企業として、社会に価値を提供していくための最大の経営資源、そして顧客価値の源泉は「人」
です。多才な人材が、エンゲージメント高く、一人ひとりのウェルビーイングを実現しながら、社会やお客様の課
題を解決するためにパーパスを共有して俊敏に集い、社会のいたるところでイノベーションを創出する、そのよう
な組織風土づくりを推進しています。
①ガバナンス
富士通グループは、事業戦略の実行に連動した最適な人材ポートフォリオを実現するため、当社代表取締役社長
及び代表取締役副社長等の経営トップが参加する「人材戦略討議」を年2回開催し、人事・人材育成に関する具体
的な課題や施策に関する検討、決定を行っています。また、人的資本や多様性を含めた人事・人材育成に関わる事
項のうち重要なものについては経営会議及び取締役会に報告されます。
加えて、トップタレントレビューを年3回開催し、グローバルレベルで重要なポジションにおけるサクセッショ
ンプランニングの検討状況の共有や個別アポイントメントの検討、また経営者育成に向けた施策に関する議論を実
施しています。
これらの活動は、CHROを責任者として、国内外の人事・人材開発育成責任者と連携して進めています。具体的に
は、Japanリージョン、Europeリージョン、Americasリージョン、APACリージョンにそれぞれ執行責任者を配置し
ています。
加えて、グローバルHRカンファレンスを年2回開催し、グローバルレベルでの人事戦略、人事施策の検討、各
リージョンにおける人事施策の進捗状況や課題の共有等を実施しています。
②戦略
「多才な人材が、エンゲージメント高く、一人ひとりのウェルビーイングを実現しながら、社会やお客様の課題
を解決するためにパーパスを共有して俊敏に集い、社会のいたるところでイノベーションを創出する企業」を実現
するため、以下3つの状態を目指しています。
“Empowerment”
多様性を享受しオープンかつエンゲージメントの高い、信頼を基にした強固な文化を醸成します。
“Growth”
常にすべての従業員が魅力ある仕事に挑戦し、学び、成長する機会を提供します。
“Impact”
国境や組織の枠組みを越えてコラボレーションし、ビジネスと社会に強いインパクトをもたらす多様性あふれる集
団を形成します。
上記を実現するために、2022年度は主に以下の取り組みを進めました。
(ⅰ)ジョブ型人材マネジメントの拡大と事業戦略にアラインした人材ポートフォリオの策定
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当社グループ(日本)においては2020年4月に幹部社員、また2022年4月に全社員にジョブベースの人材マネジメ
ントの考え方を導入し、グローバル統一の人材マネジメントをジョブベースに移行しました。
すべての事業部において策定された中長期ビジョンに合わせた人材ポートフォリオと人材要件が定義され、戦略
実現に向けた人材獲得を進めています。従来の高度専門人材制度の改定を実施したことで、重点領域である3S領域
(SAP, Salesforce, ServiceNow)の高度専門認定人材の認定数についても、前年度比倍増の57名を輩出し、より
直接的なビジネス貢献につながっています。
また、新卒採用においてもジョブベースの採用を加速しており、面接時より配属先を約束する採用形態や、イン
ターンシップの活用により入社後のミスマッチを防ぐ取り組みを展開しています。(2022年度新卒採用実績765名
が入社)
加えて中途採用も積極的に実施しており、2022年度は中途入社者が新卒入社者よりも多くなり、ビジネス戦略実
現に向けたタイムリーな人材獲得も進めています。(2022年度中途採用実績818名が入社)
さらに、中長期的なグローバルでの企業競争力のさらなる向上を目指して、2023年度より新卒入社者から幹部社
員にわたる国内社員の月額賃金を平均で10%、最大で28%引き上げを実施しました。年収ベースでは平均で7%、最大
で24%の引き上げとなり、リーダークラスの人材においては年収約1千万円以上、事業部長クラスの人材においては
年収約2千万円から3千万円程度となります。
新卒者においても月額賃金を10%引き上げます。これにより、今後の企業価値向上の中核を担う人材の定着・獲
得を図るとともに、即戦力人材やデジタルネイティブとして高いポテンシャルを持つ人材の獲得を一層推進しま
す。
(ⅱ)ジョブポスティングの拡大とキャリアオーナーシップの実現
当社グループの人事戦略において、極めて重要な施策に、現有の社内人材の流動化があります。自律的な手上げ
方式による社内ジョブポスティング制度を最大限活用し、年間3,419名が自らのキャリアオーナーシップのもと、
キャリアチェンジを実現しています。
この取り組みは、2022年よりグローバルポジションにも拡大し、グローバルレベルでの人材流動も活発となり、
適所適材が実現されています。
また、自らオーナーシップを持ち、主体的に行動を起こしていくための各種プログラムを多数提供しています。
多様な人とキャリアを語る場の「キャリアCafé」は日本の社員の4人に1人が参加しています。また、個人の「今」
のキャリアオーナーシップの状況を診断することができるキャリアオーナーシップ診断は2022年度に導入し、既に
日本の社員の5人に1人が活用しています。学びの機会としてのUdemy Businessは日本の社員の2人に1人が活用して
おり、自律的な学びの文化が醸成されつつあります。
加えて、プログラムの提供だけでなく、職場・社員のキャリア形成を支援する専門家を社内に設置することで一
人ひとりのチャレンジを後押しする取り組みも進めています。(2022年度相談実績1,128名)
(ⅲ)グローバル共通の評価制度「Connect」の導入
2021年4月より、当社グループ13万人が自律的に考え、行動を起こしていくためにグローバル共通の評価制度
「Connect」を導入しました。
「Connect」は従来の単なる目標管理にとどまることなく、当社のパーパス/組織ビジョン実現に向け、Impact
(インパクト)、Behaviours(行動)、Learning & Growth(成長)を三つの新たな評価軸として導入すること
で、行動規範とも一貫した形での体系的な評価の実施を可能としました。
さらに「Connect」は、「パーパスドリブン経営の実現」と「一人ひとりのチャレンジを促すこと」を志向して
います。社員一人ひとりを中心に据え、パーパスやFujitsu Way、組織ビジョン、個人の成長ビジョン、そしてす
べての人事施策をつなぎ合わせることによって組織や個人の成長/パフォーマンスの最大化を実現するコミュニ
ケーションツールとして活用されています。
(ⅳ) エンゲージメント向上の取り組み
当社グループの持続的な成長を測る1つの指標として、2020年度より社員エンゲージメントを非財務指標に設定
し、グローバル企業と同等の数値(75)に引き上げることを目標に掲げ、様々な取り組みを推進しています。
取り組みの一つとして、「Purpose Carving」が挙げられます。「Purpose Carving」は社員一人ひとりが歩んで
きた道のりや大切にしている価値観を振り返り、未来に向けて想いを馳せながら、個人のパーパスを彫り出してい
くプログラムです。2022年9月時点で、約7万人の社員が個人のパーパスを言葉にし、当社のパーパスとの重なり合
いを変革の原動力としています。
また、社員の主体的なチャレンジや成長支援を促す対話の場として幹部社員と社員による1on1を推進しており、
2022年度は社員一人当たりにつき、年間平均9.4回1on1を実施している状況です。
(ⅴ) DE&Iの実現に向けた取り組み
5つの重点領域(注1)の1つであるジェンダーはあらゆる企業にとって経営戦略上必須の課題となっており、当社
グループにおいても各リージョンで施策を推進してきた結果、リーダーシップレベルにおける女性比率は2022年度
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末時点で15.0%を達成、さらなる向上を目指し、2025年20%のKPIを策定し、2023年度から当社グループの非財務
指標としての設定も行いました。
新たに設定した上記KPIの達成に加え、多様な人材一人ひとりが異なる価値観や能力を活かし合える環境・カル
チャーを実現するため、「マインド改革(注2)」、「ポジティブアクション(注3)」、「Work Life Shiftの推進を
通じた働く環境の整備」等、多様な取り組みを推進しています。
(注)1.2022年に「Global DE&I Vision & Inclusion Wheel」を刷新し、その中でジェンダー、世代間、
LGBTI+、文化・民族、健康・障がい・アクセシビリティの5つを当社の重点領域として設定
2.マインド改革とは、能力のある人が、適切な場所で自然に活躍できる状態を実現するための各種制度運
用、データ活用を意味します(例:アンコンシャスバイアス研修、インクルーシブリーダー研修、エン
ゲージメントサーベイの活用)。
3.ポジティブアクションとは、ありたい姿に向けた意図的な採用・育成・登用施策を意味します(例:コ
ミュニティの充実、メンター制度、キャリア支援)。
(ⅵ) Well-beingの実現に向けた取り組み
当社グループでは、パーパスの実現に向けて、グローバルで社会的責任を果たしていくため、「グローバル レ
スポンシブルビジネス(GRB)」という枠組みを確立し、その中でも事業活動の源泉である人に焦点を当て
た"Well-being"は最重要課題の1つと位置づけています。(GRBの制定経緯及び取り組みについての詳細は上記 (1)
サステナビリティへの対応 ②戦略 をご参照ください。)
当社では“Well-being”の定義を「仕事もプライベートも、自分自身が大切にしている価値観に向き合い、自身
の未来の幸せに日々向かっている状態」と定めました。一人ひとりのWell-being向上に向けて以下4つのカテゴリ
にまとめ、各カテゴリごとに方針を定めてグローバルで活動を実践しています。
Career & Growth Well-being:社員がキャリア実現のために自ら学び、成長し続けること
Financial Well-being:役割や貢献に応じた、適正で公正な報酬(心理的報酬を含む)が得られること
Social Well-being:職場の仲間、取引先やお客様との信頼関係や、良好な人間関係を構築、維持すること
Health Well-being:社員が自身や家族の心身の健康を維持・増進すること
Well-beingの2025年度目標として、「社員一人ひとりが自分のWell-beingを理解し、語ることができること」を
目指しており、その実現に向けて「Well-beingの理解・浸透施策の展開」と「データドリブンな可視化と分析」に
ついての取り組みを重点的に推進しています。
③ リスク管理
人的資本を含むリスク管理プロセスは、リスクマネジメント・コンプライアンス体制によるプロセスに組み込ま
れています。詳細については、「 第2 事業の状況 3 事業等のリスク 」を参照ください。
また、CHROを人事部門の最高責任者として、全社経営・事業戦略とアラインした人材戦略を策定して事業への貢
献を確実なものとするため、”経営トップが参画する『人材戦略討議』”、”中核人材の育成を目指す『トップタ
レントレビュー』”、”グローバルで一気通貫の人事戦略・施策を促進する『グローバルHR カンファレンス』”
において人的資本に関する議論のサイクルを定期的に回すことで、優秀人材の離職や人材獲得競争が激化するリス
クにスピーディに対応できる体制を構築しております。
④指標及び目標
組織・人材の流動化、活性化の観点において重要とされる、新卒/中途採用、従業員エンゲージメントスコア、
女性管理職比率について、それぞれ中長期的に目標を定めマネジメントしております。
指標 目標 2022年度実績
750名程度 (注1) 765名 (注1)
23年度新卒採用数
300名以上 (注1) 818名 (注1)
22年度中途採用計画数
25年度12月までに75 (注2) 22年度12月時点で69 (注2)
従業員エンゲージメントスコア
25年度までに20.0% (注3) 15.0% (注3)(注4)
管理職に占める女性労働者の割合
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(参考)人事戦略に関する指標
人事戦略の重要なテーマに関する参考指標は、以下のとおりです。
指標 2022年度実績
高度専門人材認定者数 全体78名(2021年度比32名増)(注1)
3S領域 57名(2021年度比32名増)(注1)
3,419名 (注2)
社内ポスティング異動人数
8,296名 (注2)
キャリアCafé参加者数
Udemy Business利用者数 36,764名 (注2)
15,187名 (注2)
キャリアオーナーシップ診断
富士通全社員がConnect評価の運用を開始 (注3)
Connect評価
「Purpose Carving」実施者(22年度9月時点) 約7万人 (注3)
一人当たり年間平均9.4回実施 (注2)
1on1平均実施回数
24.8% (注3)
全従業員に占める女性社員比率
(注)1.提出会社のみ
2.日本の連結対象会社のみ
3.富士通グループ全体の数値
4.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)又は「育児休業、介護休
業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)におけ
る算定方法による算出
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3【事業等のリスク】
[方針・推進体制]
当社グループは、事業継続性、企業価値の向上、企業活動の持続的発展を実現することを目標とし、その実現に影
響を及ぼす不確実性をリスクと捉え、これらのリスクに対処するために、取締役会が決定した「内部統制体制の整備
に関する基本方針」に基づき、取締役会に直属し、グループ全体のリスクマネジメント及びコンプライアンスを統括
する「リスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。リスク・コンプライアンス委員会は、代表取締役社長
(CEO)を委員長として業務執行取締役等で構成しており、当社グループに損失を与えるリスクを常に評価、検証
し、認識された事業遂行上のリスクについて、未然防止策の策定等リスクコントロールを行うとともに、リスクの顕
在化により発生する損失を最小限に留めるため、顕在化したリスクを定期的に分析し、取締役会等へ報告を行い、再
発防止に努めております。
内部統制体制におけるリスク・コンプライアンス委員会の位置づけ
また、リスク・コンプライアンス委員会は、グローバルな地域に基づく業務執行体制の区分であるリージョンごと
に、下部委員会としてリージョンリスク・コンプライアンス委員会を設置し、国内外の部門やグループ会社、リー
ジョンにリスク・コンプライアンス責任者を配置するとともに、これらの組織が相互に連携を図りながら、グループ
全体でリスクマネジメント及びコンプライアンスを推進する体制を構築しております。
リスクマネジメント・コンプライアンス体制図
さらに、グループ全体のリスク管理機能強化のため、事業部門から独立した代表取締役社長直下の組織である全社
リスクマネジメント室にリスク・コンプライアンス委員会事務局機能を設置し、CRMO(Chief Risk Management
Officer)の下、リスク情報全般の把握と迅速かつ適切な対応を行っております。
これまでの取り組みを踏まえ、さらなる施策強化と実効性の担保を図るためには、これまで以上に経営者主導によ
る全社的、組織横断的な対応が必須であると考え、当社グループ全体の品質責任者として最高品質責任者(Chief
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Quality Officer:CQO)を新たに任命することといたしました。さらに、CEOが委員長を務める当社リスク・コンプ
ライアンス委員会の体制・機能を拡充し、恒常的・全社的な対応を実現する体制に強化いたします。
具体的には、これまで当社グループに関する重要なリスク・コンプライアンスについての審議の場であった同委員
会のメンバーに新たに任命したCQOを加えるとともに、情報セキュリティ、システム品質に関する全社的な施策およ
び個別事象への対応も含め、具体策まで踏み込んで決定し、迅速に実行する体制といたします。こうした体制を構築
することで、CISO・CQOに対してこれまで以上に強化した権限を付与し、人事制度や投資リソース等その他の各CxOの
領域を含む全体を統括する、CEO主導によるリスクマネジメント経営を徹底してまいります。また、施策実行の迅速
性と実効性を担保するため、同委員会を毎月開催することといたします。
[潜在リスクマネジメントプロセス]
当社グループを取り巻くさまざまなリスクから、事業活動に伴う重要リスクの抽出・見直しをしたうえで、毎年、
重要リスクの発生可能性・影響度・対策状況等について調査・分析・評価し、可視化を行っております。
評価結果を基に、リスク・コンプライアンス委員会において重要リスクを確認し、更なる対策等を指示するととも
に、取締役会に報告しております。リスク・コンプライアンス委員会が決定した方針、対策等をグループ全体に
フィードバックし、重要リスクごとに定めたリスク管理部門がグループにおける対策等を適切に管理することでリス
クの低減を図っております。
なお、潜在リスクマネジメントプロセスにおいて得られた情報は、ステークホルダーに開示する有価証券報告書や
サステナビリティデータブック等に反映しております。
このようなプロセスを実施することにより、グループ全体のリスクの低減と顕在化した際の影響の極小化を図って
おります。
リスクマネジメントプロセス
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日(2023年6月26
日)現在において当社グループが判断したものです。なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅する
ものではありません。また、各リスクにおける対策の実施にもかかわらず、全てのリスクの発生を未然に防止できな
い可能性があります。
Ⅰ.経営方針・経営戦略等との関連性
当社グループは経営目標の達成に向けて 「 第2 事業の状況 1.経営方針 、 経営環境及び対処すべき課題等 」 に記載
された様 々 な施策を進めてまいりますが 、 これらの施策に直接影響を与える可能性のある主なリスクとその対策は 、 以
下の(1)~(6) 、 (8) 、 (11) 、 (13)において 、 経営方針・経営戦略との関連性も考慮して記述しております 。
Ⅱ.当社グループの事業活動におけるリスク
(1)経済や金融市場の動向に関するリスク
①主要市場における景気動向
[リスクの概要と影響]
当社グループは、日本国内及び世界各国で、政府等の公共機関や企業等に、ICT分野において各種サービスを提供し
ております。また、事業ブランドであるUvanceビジネスは、グローバル共通の戦略として展開しております。これら
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の事業の売上及び損益は、景気動向及び各市場における急激な需給バランスの変化に大きく左右されます。特に、主
要市場である、日本、欧州、北米、オセアニア、中国を含むアジアにおける景気動向及び急激な需給バランスの変化
は、 当社グループの事業に影響を与えます。
[対策]
急激な市場の変化に対応するため、グループ全体の戦略や事業ポートフォリオの方針を明確化するとともに継続的
な構造改革を行うことで、リスクの低減を図っております。
②為替動向と金利変動及び資本市場の動向
[リスクの概要と影響]
当社グループは、海外での事業拡大を進めております。そのため、急激な為替変動は、海外に輸出提供する製品・
サービスの価格競争力の低下や、海外からの部材等の輸入に影響を及ぼす可能性があり、海外ビジネスの売上及び損
益に大きく影響します。海外に保有する資産・負債等についても、資産等が目減り、または負債等が増大する可能性
があります。
さらに、有利子負債の中には金利変動の影響を受けるものが含まれているため、金利上昇により支払利息や調達コ
ストが増加する可能性があります。
また、国内外の株式市場の動向は、保有する他社株式の評価額及び年金資産の運用状況に大きく影響を及ぼし、株
式市場が低迷した場合、保有株式の評価減や、年金資産の目減りによる会社負担増大のおそれがあります。
[対策]
為替変動等の金融市場環境に関する情報収集や動向注視、金融機関動向の分析等を行いながら必要に応じて為替予
約等のヘッジを実施しております。また、グループ全体に情報共有を行うとともに、影響の最小化を図っておりま
す。
(2)お客様に関するリスク
[リスクの概要と影響]
当社グループのビジネスは、日本政府、自治体、各国政府等の公共機関、情報通信事業、金融業、製造業、流通
業、ヘルスケア産業等のお客様との取引割合が高く、また、海外ビジネスにおいては、各国における政府系のプロ
ジェクトが重要な事業となっております。お客様の政策・方針や、業界の経営環境、市況変化、業界再編の動き等
は、お客様のICT投資動向の変化につながり、お客様のICT投資計画やその見直し及びお客様の製品・サービスの売れ
行き等は、当社グループの製品・サービスの需要や価格に大きな影響があります。また、お客様との信頼関係や、取
引または契約関係が継続できない場合、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。
また、新型コロナウイルス感染症は、世界中の様々な業種のお客様に大きな影響を及ぼしており、これによりお客
様の投資が抑制される一方で、テレワークやオンライン教育等の新たなICT関連需要が生じております。このような環
境変化は、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼす可能性があります。
[対策]
当社グループでは、社会的な課題解決を念頭に置いた事業活動を行うとともに、市場動向、技術動向、お客様の状
況の変化を注視しており、お客様のかけがえのないパートナーとなり、ICTのライフサイクルにわたるソリューション
を提供し、長期的な信頼関係を築くことを目指しております。当社グループは、お客様を取り巻く環境変化に対して
多様な業種への実績、理解とデジタルテクノロジーを活用し、人とデータを中心とした新たな生活様式を築いていく
役割を果たしております。
(3)競合・業界に関するリスク
[リスクの概要と影響]
市況の変化や競争激化、技術革新等は、製品・サービスの価格下落につながる可能性があります。そのため、想定
を上回る価格下落が生じた場合や、調達価格が大幅に変動した場合等には、十分なコストダウンや販売拡大を実現で
きず、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。
また、ICT業界では、既存の競合他社に加え、異業種を含めた新規参入者との競争も激しくなっています。現在、競
争優位性を持っている分野においても、新規参入業者を含めた競合他社との競争に晒され、将来の事業において優位
性を確保できない可能性があります。ICT業界では技術の進歩が大変速く、新製品や新技術であっても急速に陳腐化し
ます。これらの技術開発競争で他社に優位性を奪われた場合、シェアや利益率が低下し、当社グループの売上及び損
益に影響を及ぼす可能性があります。
[対策]
当社グループでは、技術の進歩や競争激化等による製品・サービスの低価格化を想定し、社会動向に基づいた課題
を洞察するとともにお客様のニーズや他社状況を把握し、競争力のある製品・サービスのラインナップを拡充するこ
とで販売拡大に努めるとともに、コストダウンに取り組んでおります。
また、競争力維持のためには、先端技術の研究開発を続けることが必要です。当社グループは適切な研究開発への
投資を実行することで、当社グループ事業の強み、競合他社等との差異を明確にし、技術やサービスの優位性を確保
するよう、努めております。
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(4)投資判断・事業再編に関するリスク
[リスクの概要と影響]
ICT業界においては、競争力維持のために多額の研究開発投資、設備投資及び事業買収・売却、事業再編等が必要な
場合があります。
当社グループが有望と考えた市場や技術、買収先が想定ほど成長しない場合や、需給悪化や価格下落が予想以上に
早く発生した場合には、投資から十分なリターンを得られず、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性
があります。
[対策]
当社グループでは、投資や事業再編にあたり、市場動向やお客様のニーズ、当社グループの技術の優位性、買収先
の業績、当社グループの事業ポートフォリオ等を勘案するとともに、投資効率を検証し、評価指標とプロセスを定
め、所要変動に応じて投資を複数段階に分けることやお客様等と提携することで、リスクの低減を図っております。
(5)調達先・提携等に関するリスク
①調達に関するリスク
[リスクの概要と影響]
当社グループが提供する製品・サービスは最先端の技術を使用しており、汎用的ではない部品や希少性の高い原材
料等を使用することがあります。そのため、一部の部品・原材料等については、安定的な調達が困難な場合や、代替
の調達先を確保できない場合、大量に調達が必要な部品・原材料等について、必要な量を調達できない可能性があり
ます。また、お取引先において、自然災害、感染症の流行、事故、経営状況の悪化等が発生した場合は、当社グルー
プに対する部品・原材料等の安定的な提供が困難になります。さらに、世界中で発生する異常気象やそれに伴う災
害、国際情勢の不安定化等、部品・原材料等の安定的な調達に影響を及ぼす事象は増加傾向にあるため、部品・原材
料等を十分に確保できない場合、製品・サービスの提供が遅れ、お客様への納期遅延や機会損失等が発生する可能性
があります。
当社グループの調達部品等については、為替動向や需給逼迫等により調達価格が当初の見込みを上回り、製品・
サービスの利益率の悪化や、値上げによる売上の減少が起きる可能性があります。
また、できる限り品質確保に努めておりますが、購入品の不良を完全に防げない場合には、納期遅延や製品不良が
発生し、機会損失、修理回収費用、不良品廃却費用、お客様への賠償責任等が発生する可能性があります。
[対策]
当社グループでは、部品単位での製造拠点・調達先対策状況調査や、調達のマルチソース化、お取引先への事業継
続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)の働きかけ、支援の強化、及び適正な在庫の確保等をする
ことで、サプライチェーンの維持に努め、リスクの低減を図っております。
②提携・アライアンス・技術供与に関するリスク
[リスクの概要と影響]
当社グループは、グローバルなICTビジネス環境における競争力強化のため、業務提携、技術提携、合弁等の形で、
多くの会社と共同で活動を行っておりますが、経営、財務、その他の要因により、協力関係を成立、または、継続で
きない場合や、これらの協力関係から十分な成果を得られない場合があります。当社グループの製品・サービスは、
他社の許諾を受けて使用している多くの特許や技術、ソフトウェア、商標等を前提としておりますが、これらの技術
等について、今後、当社グループが許容できる条件で、他社からの供与や使用許諾を受けられない場合には、当社グ
ループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
[対策]
当社グループでは、業務提携、技術提携、合弁等で他社との関係を構築する際、リスクを的確に認識・評価した上
で契約条件等への反映を行うとともに、継続的なモニタリングを行うことで、当社グループへの影響を最小限に抑え
るよう努めております。
(6)公的規制・政策・税務に関するリスク
[リスクの概要と影響]
当社グループは、グローバルにビジネスを展開しているため、各国・各地域の数々の公的規制、政策動向、税務法
制、運用等の影響を受けます。事業展開する各国・各地域において、政府の政策、事業及び投資の許可、輸出入に関
する制限等のさまざまな規制並びに、独占禁止、知的財産権、消費者、環境・リサイクル、労働条件、派遣・下請、
租税等に関する法令の適用を受けております。
さらに、昨今の国際情勢は、各国・各地域の政策に影響を及ぼしており、特に、経済安全保障に基づく企業活動へ
の規制が強化される傾向にあります。このような政策の変更や規制の強化は、当社グループが対象としている市場や
サプライチェーン等に影響を及ぼし、対応コストの増加や仮に強化された規制等の違反が認定された場合の制裁金等
の負担が発生する可能性があります。
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また、当社グループがソリューションを提供する分野には、通信、医療、工事、個人情報の取扱い等、公的規制を
受ける領域があるため、これらの市場における規制の動向が当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。
[対策]
当社グループでは、各省庁や業界団体等から情報収集し分析を行うことで、各国・各地域における規制や政策の動
向を注視しております。また、経済安全保障分野においては、規制が厳しくなる方向であると捉えており、国内外の
規制動向、さらには政府・企業の動向も注視し対策を実施しております。
(7)自然災害や突発的事象発生のリスク
①自然災害・感染症・火災等に関するリスク
[リスクの概要と影響]
近年、世界的な気候変動により、台風・水害・大雪等の自然災害の発生頻度や影響度は高まっております。また、
首都直下・南海トラフ等における巨大地震、感染症のパンデミック、火山噴火等の不測の事態は、被害想定を超えた
規模で発生する可能性があります。このような事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガ
ス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、部材メーカーからの部品供給の不足や遅れ、サプライチェーンへ
の被害等により、お客様へのサービス提供や製品出荷の停止等、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能
性があります。
[対策]
当社グループでは、防災に関する強固な連携体制の構築と事業継続対応能力強化を図るため、全社防災組織を編成
し、様々な訓練を実施しております。また、過去の地震における対応を教訓として、事業所における耐震・浸水対策
や定期点検の取り組みについても強化しております。さらに、地震や大規模な水害、火山の噴火等の自然災害、新型
インフルエンザ等の感染症の流行、火災・爆発等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂
行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質な製品・サービスを安定的に供給するために、事業継続マネジ
メント(BCM:Business Continuity Management)を構築するとともに、事業継続計画(BCP:Business Continuity
Plan)の策定や継続的な見直し及び改善を行っております。
また、新型コロナウイルス感染症の経験をふまえて、お客様、お取引先、従業員とその家族の安全確保を最優先と
し、お客様への製品・サービスを継続して提供する体制を構築することにより重要な事業を維持し、社会的責任を遂
行できるよう努めております。
②紛争・テロ・政情不安等に関するリスク
[リスクの概要と影響]
当社グループは、グローバルにビジネスを展開しているため、各国・各地域において、紛争・テロ・デモ・ストラ
イキ・政情不安等が発生した場合、当社グループの事業に大きな影響を与える可能性があります。また、従業員等が
巻き込まれ、安全が脅かされる可能性があります。
[対策]
各国・各地域におけるリスク情報の収集を行い、関係者間で共有するとともに、従業員の緊急連絡体制を構築し従
業員の安全管理を行う等、情勢を見極めながら、ビジネスを継続するよう努めております。
(8)財務に関するリスク
[リスクの概要と影響]
当社グループに対して外部の格付け機関が発行する格付け(CSR・サステナビリティ関連の格付けを含む)は、資金
調達や企業レピュテーションに大きな影響を及ぼすとともに、お客様やお取引先と取引する際の信用情報として使わ
れることがあります。収益計画の未達や財務状況の悪化等の理由によりこれらの格付けが引き下げられた場合、当社
グループの資金調達に影響を及ぼすほか、入札等、取引参加において不利になる可能性があります。また、お取引先
の経営悪化や経済情勢の悪化等の信用不安等は売掛債権の回収に影響を及ぼす可能性があります。
[対策]
当社グループでは、資金調達に関する対策として、流動性の確保、資金調達計画の策定、金融市場動向の分析等を
行っております。また、与信管理に関する対策として、与信管理関連部門による意見交換、及び外部機関の企業信用
調査情報等の関連部門との共有と動向監視、債権保全に関するアドバイス・指示及び注意喚起の実施等を行い、リス
クの低減を図っております。
(9)製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク
[リスクの概要と影響]
当社グループでは、品質を事業活動の根幹に関わる事項として捉え、快適で安心できるネットワーク社会を支える
ために、その維持・向上に日々たゆまず取り組んでおります。
システムの受託開発や製品・サービスの運用・保守業務、製品の設計・開発・製造において、お客様要求の高度
化、システムの複雑化が進み、開発難度が高まり、製品の欠陥や瑕疵等が発生する可能性があります。また、競争の
激化による価格低下により、納期遅延や不採算プロジェクトが発生する可能性があります。このような製品・サービ
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スの欠陥、瑕疵等が発生した場合、製品回収や補修、システムリカバリー作業や、お客様への補償、機会損失等が当
社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。
また、万一、欠陥や瑕疵等への対応における判断誤りや組織的な不正があった場合、企業レピュテーションは低下
し、当社グループの損益への影響を拡大させる可能性があります。
[対策]
システムの受託開発では、品質管理の全社ルールを定め、ソフトウェアのモジュール化、開発の標準化、セキュリ
ティ監査等による品質向上に努めております。また、お客様との契約のあり方を見直すとともに、ビジネスプロ
デューサー・SEのビジネスプロセスの標準化を進め、商談発生時からプロジェクトの進行を通じてリスク管理を行
い、納期遅延や不採算プロジェクトの発生を抑制しております。併せて損失の引当ても適時に実施しております。
製品・サービスの運用・保守業務では、安定稼動のため、お客様と協働での点検や品質、契約、ルール等を改善す
る活動を継続的に行っております。
製品の設計・開発・製造では、品質管理の全社ルールを定め、関連法規の遵守・最新基準への適合、品質の向上及
び外部購入品の品質管理を進めております。
また、重大障害の抑止に向けて、全社的な品質保証体制強化のため、事業部門ごとの品質保証プロセスに加え、社
長直轄組織による各プロセスの有効性の監視や、部門間での知見・ノウハウを共有する横断的な仕組みの導入・改善
を進めております。
(10)コンプライアンスに関するリスク
[リスクの概要と影響]
当社グループは、グローバルにビジネスを展開しており、国内外の関連法令・規制等を遵守する必要があります
が、これらの関連法令・規制等に抵触する事態が発生した場合、多額の課徴金や損害賠償を請求される可能性があり
ます。昨今、欧州において人権に関するデューデリジェンスが義務化される等、人権尊重への取り組みが一層強く求
められるように変化しており、当社グループはもとより、サプライチェーン上での労働環境や紛争鉱物等の人権に関
するリスクを防止・低減できない場合、ビジネス機会の損失や、行政罰等により当社グループの社会的信用の失墜に
繋がり、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、普及が進んでいるAI技術を利用したビジネス
において人権を侵害する事象が発生した場合、損害賠償等や当社グループの社会的な信用が低下する可能性がありま
す。
[対策]
当社グループは、Fujitsu Wayにおいて、当社グループの従業員として厳守すべきことを行動規範(人権の尊重、法
令遵守、公正な商取引等)として定めるとともに、これを詳細化して個々の従業員が行動する際のガイドライン
(GBS:Global Business Standards)をグループで統一的に運用し、社内ルールの浸透と徹底、規範遵守の企業風土の
醸成を図っております。また、そのための社内体制や仕組みの構築を推進するため、経営層からのトップメッセージ
の発信や定期的なe-Learningの実施等を行っております。「人権の尊重」においては、2021年度以降、グループの全
従業員向けに「ビジネスと人権」に関するe-Learningを実施し、2022年度においては、人権デューデリジェンスのプ
ロセスである人権影響評価を実施いたしました。最新の国際動向をふまえて、人権に関するリスクを整理し、重要
性・事業関連性から優先課題を特定し、この評価を基に、当社グループの人権方針を改定し、当社グループやサプラ
イヤーへの周知を行っております。
また、AIビジネスにおいては、AIへの「信頼」の維持・確保のために、当社グループのAI倫理指針である「富士通
グループAIコミットメント」に基づき実践的なAI倫理ガバナンス体制を構築しております。
(11)知的財産に関するリスク
[リスクの概要と影響]
当社グループでは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積しておりますが、当社グループ独自の技術とノ
ウハウの一部は、特定の地域では法的な制約のために知的財産としての十分な保護が受けられない場合があります。
そのため、他社が当社グループの知的財産を使って類似製品等を製造、販売することを効果的に防止できない可能性
があります。他社が類似、またはより優れた技術を開発した場合、当社グループの知的財産の価値が低下することが
あります。また、当社グループの製品・サービスや技術について、他社の知的財産を侵害している、あるいはオープ
ンソースソフトウェアを含む第三者のソフトウェアの利用形態が許諾条件に沿わないとされ、使用料支払いや設計変
更費用等が発生した場合、当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。
従業員の発明に対する職務発明補償・報奨については、発明者から訴訟を提起される可能性があります。
[対策]
当社グループでは、他社の知的財産を侵害することのないよう、社内規程の整備や製品出荷前の他社知的財産調査
の徹底等を行うとともに、他社による当社グループ知的財産の不正利用の調査と是正対応を行っております。
従業員の発明に対しては、法令等に基づいた職務発明補償・報奨を積極的に実施しております。
(12)セキュリティに関するリスク
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①情報セキュリティに関するリスク
[リスクの概要と影響]
当社グループは、コンピューターウイルスの侵入や不正アクセス等のサイバー攻撃による社内ネットワーク・シス
テムの運用停止や情報漏洩、不正利用等を完全に防げるとは限りません。万一、情報漏洩により個人の権利・利益を
侵害した場合やお客様の情報を漏洩した場合には、当社グループの信用は低下するとともに、個人情報保護法やGDPR
等の法令違反による罰金や制裁金が科されるおそれがあります。
また、これらのリスクは当社グループのサプライチェーン上でも発生する可能性があります。委託先におけるセ
キュリティリスクが顕在化した場合、お客様や当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
[対策]
お客様、お取引先、または当社グループの機密情報や個人情報の保護については、情報保護マネジメントシステム
運用の強化を図り、社内規程の制定、従業員への教育、現場点検、監査、業務委託先も含めた指導等を実施しており
ます。
また、当社グループの重要な事業活動基盤の一つである社内ネットワークにつきましては、ゼロトラストを実現す
るべく、IT基盤の特性に合わせて対策を講じています。標的型攻撃対策として不正アクセス対策やマルウェア対策に
加え、デバイス管理、ID管理、データ漏洩対策を組み合わせた認証・認可基盤を構築し、巧妙化・多様化・複雑化す
るサイバー攻撃への対策を実施しております。
さらに、委託先におけるセキュリティリスクへの対処として、制度・セキュリティ強化の両面からサプライチェー
ンのセキュリティ強化施策を進めております。
②物理セキュリティに関するリスク
[リスクの概要と影響]
当社グループは、敷地・建物・フロアの3層において物理セキュリティ環境を構築していますが、物理的な破壊によ
る業務停止や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。このようなリスクが顕在化した場合、機密情報の漏洩や企
業ブランド価値の毀損、ビジネス機会の喪失等、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
[対策]
当社グループは、敷地・建物・フロアの3層において「人的警備」と「機械警備」を組み合わせた物理セキュリティ
環境を構築しています。さらにより高度な物理セキュリティ環境を構築するために、なりすましを防ぐことが可能な
静脈認証装置を組み合わせたセキュリティゲートを社内展開しています。
(13)人材に関するリスク
[リスクの概要と影響]
当社グループの成長と利益は、人材に大きく依存するため、経営者、優秀な高度専門技術者等、必要とする人材を
採用及び育成するとともに、人材が継続して働くことができる環境を整備することが重要です。人材を採用または育
成することができない場合、流出を防止できない場合や重大な労務問題が発生した場合は、当社グループの成長や利
益に影響を及ぼす可能性があります。
[対策]
当社グループでは、高度専門技術者に対する個別処遇やジョブ型人事制度等、多様性やチャレンジを尊重する組織
風土を醸成するための人材制度改革を行うとともに、適切な労務管理を徹底することにより、優秀な人材を確保し活
躍し続けられる環境を整備しております。
(14)当社グループの施設・システムに関するリスク
[リスクの概要と影響]
当社グループでは、国内外に事業所・工場・データセンター等の様々な施設を保有・賃借するとともに、他社ベン
ダーのクラウドサービスを活用しております。地震、大規模な水害、火災、放射能汚染等の災害や感染症、テロ、デ
モ、ストライキ、施工品質の不足、運用ミス等が発生した場合、生産ラインの停止や、施設、社内基幹情報システム
等の運用停止により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
[対策]
当社グループでは、社内基幹情報システム等においては、24時間365日体制によるシステム監視と運用体制を構築し
ています。また、いずれの施設・サービスについても、各国の建築基準その他の規制に準拠した独自の安全基準を設
け、リスクの低減を図っております。
(15)環境・気候変動に関するリスク
[リスクの概要と影響]
当社グループでは、パーパスとして、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にして
いくことを掲げており、環境を含むサステナビリティ課題への対応を経営の最重要事項の一つと位置付けています。
しかし、事業活動を通じて環境汚染等が発生した場合、当社グループの社会的な信用低下や、浄化処理等の対策費用
発生等により損益に影響を及ぼす可能性があります。
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また、近年、気候変動等により発生頻度・影響度が増大した自然災害は、調達・物流・エネルギー供給網を寸断
し、気温の長期的な変化は空調エネルギー使用量の増加を招き、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性がありま
す。 現在、世界各国が2050年までにカーボンニュートラルを目標に掲げていく中で、機関投資家も気候変動への取り
組みを投資基準とする等、社会・経済のカーボンニュートラルへの流れが加速しています。温室効果ガスの排出量の
規制強化や炭素税の導入に加え、顧客や社会のカーボンニュートラルへの貢献が求められていますが、これらの規制
等に適合できない場合、企業レピュテーションの低下によるビジネス機会の損失や、規制への適合を条件とする入札
に参加できなくなる可能性、規制適合のためのコストが増加する可能性があります。さらに、カーボンニュートラル
に向けた技術開発競争が激化し、対応が遅れた場合、投資未回収や市場シェア及び利益率の低下に繋がり、当社グ
ループの売上及び損益に影響を及ぼす可能性があります。
[対策]
当社グループでは、法律・条令等に基づき社内規程を整備し環境負荷の低減や環境汚染の発生防止等に努めていま
す。エネルギー使用量においては、環境パフォーマンス管理システムによる事業所のエネルギー使用量の把握を行う
とともに、電力においては、社内の調達電力システムを活用し、各社の電力料金の比較・分析を行い、契約電力のコ
ストやCO 排出量等の最適化を図っています。排水・排ガスにおいては、関連法律・条例等の排出基準よりも厳しい自
2
主管理値を設定し、定期的な測定により数値の監視を行っています。また、当社グループ工場跡地では、土壌や地下
水の調査及び浄化活動を行っています。
さらに、主要な外部評価の評価基準を分析し、環境経営の評価軸に組み込んだ情報開示、環境パフォーマンス向上
を狙いとした改善を図るとともに、グローバルな環境リーディング企業として社会的責任を果たすために、気候変動
対策としてパリ協定の1.5℃水準に沿った温室効果ガス排出量削減と顧客や社会のカーボンニュートラルを戦略的に推
進しています。また、顧客や社会のカーボンニュートラルに貢献するため、効率的な環境価値取引のエコシステムの
構築を目指す新たなプロジェクトを開始し、企業や国を超えたCO 削減量等の環境価値取引市場に対して、ブロック
2
チェーン技術やカーボンニュートラル関連技術に基づく環境価値流通プラットフォームの市場適用と活性化に向けた
取り組み等を行っております。
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4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要、経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における当社及び連結子会社並びに持分法適用会社(以下、当社グループ)の経営成績、財政状態
及びキャッシュ・フローの状況の概要、経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分
析・検討内容は次の通りです。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在におい
て判断したものです。
文中において、当連結会計年度は当年度、前連結会計年度は前年度と、省略して記載しています。
① 前中期経営計画の振り返り
前中期経営計画では、お客様の価値創造と自らの変革の2つを軸に、7つの課題を定めて取り組んで参りました。
グローバルビジネスの再構築では、グローバル共通となるFujitsu Uvanceの提供をスタートし、2022年度で2,000
億円の売上を達成しました。
グローバルで1万1,000人の営業担当のうち8,000人のリスキリングを行いました。グローバルデリバリーセンター
(GDC)とジャパン・グローバルゲートウェイ(JGG)のリソースを3万人に増強し、グローバルビジネスを拡大するため
の基盤を強化しました。
また、Ridgelinezを設立し、ここを起点に全社でのコンサルティング力強化を図りました。
さらに、自らの変革では、全方位でのデジタルトランスフォーメーションに取り組んでまいりました。その成果は
DX推進指標に表れており、グローバル企業の水準に届いたと考えております。また、データドリブン経営の中核とな
るOneFujitsuの取り組みや、Work Life Shiftといった働き方や人材マネジメント変革も進めております。
これらの施策の結果、一人当たりの営業利益は2019年度と比較して60%増加しており、生産性の向上につながりま
した。
② 持続的な成長と収益力向上のモデル構築への取り組み
昨今の事業の状況に合わせて、2023年度より事業セグメントを変更します。従来のテクノロジーソリューションを、
サービスソリューションと、ハードウェアソリューションの2つに分類します。サービスソリューションは、Fujitsu
Uvanceを中心とするグローバル横断なソリューションや、各リージョンが提供するサービスビジネスなどで構成され、
ハードウェアソリューションは、ハードウェアおよびハードウェアの保守ビジネスで構成されます。
このように、事業構造をシンプルに分けることで、成長領域への投資や効果をより明確にし、事業ポートフォリオの
マネジメントを強化してまいります。
サービスソリューションは、Fujitsu Uvanceを中心としたOn Cloud型のデジタルサービスと、従来型のOn Premiseの
サービスで構成されます。2025年度までの3年間で、サービスソリューション全体として売上は現在の2兆円から約20%
伸長、調整後営業利益率(*1)は現在の8%から15%をターゲットとしております。
On Cloudのデジタルサービスは、利益性の高い事業の売上規模を拡大することで、売上と利益の双方を伸ばしてまい
ります。そのための注力施策として、さらなるコンサルティング力の強化やパートナーとの戦略的アライアンスの強
化、当社の先端テクノロジーの強化やビジネスへの実装、そして、デジタルサービスを提供するための人材育成などを
掲げております。
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On Premiseのサービスでは、デリバリーの標準化による生産性向上や、クラウドシフトにつながるモダナイゼーショ
ンの拡大に取り組み、利益を拡大してまいります。
*1 営業利益から事業再編、事業構造改革、M&A等に伴う損益ならびに制度変更等による一過性の損益を控除した、
本業での実質的な利益を示す指標(従来、本業利益として表記していたものと同一)
(ⅰ)財務目標
2025年度の財務目標として、売上収益4兆2,000億円、調整後営業利益は5,000億円、調整後営業利益率12%という目
標を定めております。
Fujitsu Uvanceを成長のドライバーとして、サービスソリューションを中心に全社の収益性拡大を目指します。
キャッシュの創出力として、コアフリーキャッシュフローは3,000億円、全社の資本効率性については、EPSのCAGRを
14%から16%という目標にしました。
(ⅱ)非財務目標
2025年度の非財務目標は、環境、お客様、生産性、そして人材の4つの項目においてKPIを定め、目標達成に向けて取
り組んでまいります。
環境でのKPIとしては、GHG(Green House Gas:温室効果ガス)を、いずれも2020年度と比較し、Scope1、2の富士通
グループで50%削減、Scope3のサプライチェーンで12.5%の削減を目指してまいります。
お客様では、従来のKPIであるお客様NPS(*2)を継続してKPIとし、2022年度比で20ポイント上昇を目指してまいりま
す。
生産性については、従業員一人当たりの営業利益を2022年度比で40%上昇を目指してまいります。
人材面は、従来のKPIである従業員エンゲージメントを継続してKPIとし、前回達成できなかったグローバルでのスコ
ア75の達成を目指してまいります。また、ダイバーシティリーダーシップの指標として、まずグローバルでの女性幹部
社員比率をKPIとして設定し、2022年度の14%から2025年度で20%に拡大することを目標としました。これは、2030年度
で30%の達成を目指し、そこからバックキャストして定めております。
財務、非財務両面での目標達成を目指してまいります。
*2 お客様NPSとは、お客様との信頼関係=顧客ロイヤリティの客観的な評価を可能とする指標です。購入した商品
やサービスに対する満足あるいは不満の度合いを示す顧客満足度と異なり、顧客ロイヤリティは、お客様の愛着
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度合いやリピート購入の見込みを判断できるという特徴があります。
(ⅲ)財務戦略・キャピタルアロケーション
財務戦略、キャピタルアロケーションの計画は、キャッシュ創出力を強化、それを最適にアロケートする事で企業価
値向上に繫げてまいります。
アロケーションのもととなるベース・キャッシュ・フロー(事業成長投資前フリー・キャッシュ・フローにリース料
支払を加えたもの)を大きく拡大させます。従来のキャピタルアロケーションポリシーでは、2020年から24年度までの5
年間で 1兆円超のキャッシュ・フロー創出を計画しておりましたが、今回の計画では、2023年度から3年間において、
1兆3,000億円のベース・キャッシュ・フロー創出を計画、従来計画から大幅に拡大させます。事業の成長によるキャッ
シュ・フロー拡大に加え、運転資本効率の改善や、ノンコアアセットの売却による収入も見込んでおります。
アロケート先は、事業成長投資に約7,000億円、株主還元に6,000億円です。事業成長投資を力強く進める事で、更な
るビジネスの持続的成長に繋げ、インオーガニックな成長の為の投資や、今後のトランスフォーメーションなど事業変
革も含めたリスク対応資金も含めて考えております。
一方、株主還元も、企業価値向上に繋がる重要なアロケート先であり、財務基盤や資本効率性も見極めながら大きく
拡大させます。配当は、利益成長に対応しながら安定的かつ着実な増配を図ります。また、自己株式の取得は、財務基
盤や資本効率を見極めつつ機動的に実施してまいります。既に、将来のキャッシュ・フロー拡大の蓋然性を踏まえ、先
行して2022年度に1,500億円の自己株式取得を実施しました。2023年度以降、中期計画期間においても、キャッシュ・
フローの拡大を確実に実現する事で、同規模の自己株式取得を計画しています。
これにより、総還元額は2020年から22年度の3年間の 約3,500億円 から、2023年度から始まる3年間総額で 約6,000
億円規模に大幅に増加させる計画です。持続的な事業成長による利益とキャッシュ・フロー創出力の拡大を背景に、強
固な財務基盤の確保と資本効率向上の両立をはかってまいります。
[2022年度決算ハイライト]
売上収益は3兆7,137億円、営業利益は3,356億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,151億円となりました。
テクノロジーソリューションでは、デジタル化やモダナイゼーションなどDX関連需要が拡大しました。部材供給遅
延については、上半期までは影響が継続しておりましたが、第3四半期には底を打ち回復も進み、時間を追って売上
収益・採算性共に改善しました。
事業構造改革や事業譲渡に関わる一過性の利益147億円を除く本業ベースの営業利益は3,208億円、本業ベースの営
業利益率8.6%、と前年度比0.9ポイントの改善となりました。特殊事項として、当年度は事業譲渡益が含まれてお
り、前年度にはDX企業への変革を加速するための施策を実施した費用を含んでおります。
(ⅰ)コストや費用の効率化の進捗状況
売上総利益は254億円増加し前年度比2.3%の改善です。その結果、売上総利益は1兆1,440億円、売上総利益率は
30.8%となりました。
事業再編影響を除く売上総利益はソリューション・サービスが大きく改善する一方で、海外リージョンとデバイス
ソリューションが悪化しました。GDCを活用したグローバルでの開発・運用の標準化を継続し、生産性の改善を進め
ております。
営業費用は1億円増加しました。事業再編影響や事業成長投資を除いた営業費用・その他損益では306億円改善して
おります。働き方改革の効果の表れや遊休資産の売却などを実施したことによります。
(ⅱ)事業成長投資
事業成長投資は、1,310億円と前年度から460億円増加しました。価値創造に向けた投資が565億円、自らの成長に
向けた投資が745億円です。
価値創造に向けた投資としては、Fujitsu Uvanceなどグローバルオファリングの開発、サービスデリバリーモデル
の確立に向けたJGGの強化を推進しています。開発・保守業務の標準化と内製化を進め、GDCの強化など、サービスデ
リバリ変革への投資が中心です。
自らの変革に向けた投資としては、データドリブン経営の基盤としてOneFujitsuなどの社内DXを進めたほか、従業
員のウェルビーイングを実現するWork Life Shiftと人材育成に継続的な投資を実施しています。データドリブン経
営の高度化が進めば、より早く・詳細に財務情報を把握でき、さらに効率的・効果的な経営判断が可能になります。
③ 経営成績
<要約連結損益計算書>
(億円)
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前年度 当年度
前年度比 増減率
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
(%)
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
売上収益 35,868 37,137 1,269 3.5
売上原価 △24,681 △25,696 △1,014 4.1
売上総利益 11,186 11,440 254 2.3
販売費及び一般管理費 △8,527 △8,529 △1 0.0
その他の損益 △466 445 911 -
営業利益 2,192 3,356 1,164 53.1
<本業ベース営業利益>(注1) <2,756> <3,208> <452> <16.4>
金融損益 69 82 12 18.7
持分法による投資利益 138 280 141 102.4
税引前利益 2,399 3,718 1,318 55.0
法人所得税費用 △268 △1,270 △1,001 373.1
非支配持分に帰属する当期利益 304 296 △7 △2.5
親会社の所有者に帰属する当期利益 1,826 2,151 324 17.8
(注1)事業構造改善費用や事業譲渡に関する損益等一過性の利益または損失、M&Aに関するPPAを除いた営業利益
(ご参考)財務指標
前年度 当年度 前年度比
売上総利益率 31.2% 30.8% △0.4%
営業利益率 6.1% 9.0% 2.9%
ROE(注2) 12.0% 13.5% 1.5%
EPS(注3) 924.21円 1,107.63円 19.8%
(注2)親会社の所有者に帰属する当期利益÷{(期首の親会社の所有者に帰属する持分合計(自己資本)
+期末の親会社の所有者に帰属する持分合計(自己資本))÷2}
(注3)基本的1株当たり当期利益
(ⅰ)売上収益
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当年度の売上収益は3兆7,137億円と、前年度比で1,269億円の増収です。事業構造改革等の再編を除く本業ベースでは
前年度比1,921億円の増収です。システムプラットフォームは10%伸長し、サーバ・ストレージを中心とするシステム
プロダクトでは、前半は部材供給遅延の影響を大きく受けましたが、第3四半期以降はリカバリに転じ、前年度を大き
く上回りました。ネットワークビジネスは5G基地局や北米フォトニクスの所要増に伴い、15%伸長しております。デ
バイスは2%伸長に留まりました。デマンドは上期までは力強く拡大、下期に入り急激に低下しました。
(ⅱ)売上原価、販売費及び一般管理費、その他の損益並びに営業利益
当年度の売上原価は2兆5,696億円で、売上総利益は1兆1,440億円、前年度比で254億円増加しました。販売費及び一般
管理費は8,529億円と、前年度比で1億円増加しました。また、その他の損益は445億円の利益と、前年度比で911億円好
転しました。
営業利益は、前年度が2,192億円、当年度が3,356億円となりました。特殊事項および事業再編の影響によるもので653
億円の好転です。前年度はDX人材施策を実施した費用を含んでおり、当年度は事業再編影響による好転要因がありまし
た。
前年度からの本業の変動要因は3点です。第1に増収効果で396億円の増益となりました。テクノロジーソリューショ
ンは各サブセグメントとも前年度から伸長しました。第2にコストと費用の効率化により375億円の増益となりました。
GDCの活用に加え、インフラサービスでも保守、運用サポートの効率化を着実に進め、採算性が改善しました。第3に事
業成長投資の増加により260億の減益となりました。Fujitsu Uvanceのオファリング開発など価値創造に向けた投資、
および自らの変革に向けた社内DX投資を引き続きき進めました。
(ⅲ)金融損益、持分法による投資利益及び税引前利益
金融収益と金融費用を合わせた金融損益は82億円の利益と、前年度比で12億円の増益となりました。持分法による投
資利益は280億円と、前年度比で141億円の増益となりました。
税引前利益は3,718億円と、1,318億円の増益となりました。
(ⅳ)法人所得税費用、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益
当期利益は2,448億円と、前年度比で317億円の増益となりました。当期利益のうち、親会社の所有者に帰属する当期
利益は2,151億円の利益で前年度から324億円の増益となりました。非支配持分に帰属する金額は296億円の利益で前年
度から7億円の減少となりました。法人所得税費用は1,270億円と前年度比で1,001億円増加しました。税引前利益に対
する税負担率は、前年度の11.2%から当年度は34.2%となりました。前年度に北米子会社の再編に伴い一部子会社を清
算したことによる税効果影響280億円などを含んでおります。
親会社の所有者に帰属する当期利益を親会社の所有者に帰属する持分(自己資本)で除して算定したROEは前年度12.0%
から当年度は13.5%となりました。EPSは前年度924.21円から当年度は1,107.63円と増加し2019年度から2022年度末まで
の平均成長率は12%と計画に沿った達成状況です。
株主還元を安定的に拡大させる方針のもと、当年度の1株あたり年間配当は240円と、前年度から年間で20円増額、7期
連続増配しました。また、当年度は自己株式約1,500億円を取得し、2022年4月に設定した1,500億円の自己株式取得枠
の全額の取得を完了しました。
(ⅴ)税引後その他の包括利益及び当期包括利益
税引後その他の包括利益は255億円のマイナスとなりました。確定給付制度の再測定の影響が417億円のマイナス、そ
の他包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産のプラスの影響が177億円ありました。当期利益と税引後その他の
包括利益を合わせた当期包括利益は2,193億円となりました。当期包括利益のうち、親会社の所有者に帰属する当期包
括利益は1,883億円、非支配持分に帰属する当期包括利益は310億円となりました。
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(ⅵ)セグメント情報
当社グループは、経営組織の形態、製品・サービスの特性に基づき、複数の事業セグメントを集約した上で、「テク
ノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の3つを報告セグメント
としています。「テクノロジーソリューション」については、情報通信システムの構築などを行うソリューション/
SI、クラウドサービスやアウトソーシング、保守サービスを中心とする「ソリューション・サービス」、ICTの基盤と
なる、サーバやストレージシステムなどのシステムプロダクトと携帯電話基地局や光伝送システムなどの通信インフラ
を提供するネットワークプロダクトにより構成される「システムプラットフォーム」、海外においてソリューション・
サービスを提供する「海外リージョン」、テクノロジーソリューション全体に関する投資等を含む「共通」により構成
されています。「ユビキタスソリューション」は、パソコンなどの「クライアントコンピューティングデバイス」によ
り構成されています。「デバイスソリューション」は、半導体パッケージ、電池をはじめとする「電子部品」により構
成されています。
当年度のセグメント別の売上収益(セグメント間の内部売上収益を含む)及び営業利益は以下のとおりです。
(億円)
前年度 当年度
前年度比 増減率
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
(%)
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
テクノロジーソリューション
売上収益 30,563 31,765 1,201 3.9
営業利益 1,350 2,631 1,281 94.9
(営業利益率) (4.4%) (8.3%) (3.9%)
ソリューション・サービス
売上収益 18,405 18,193 △211 △1.1
営業利益 1,887 2,337 449 23.8
(営業利益率) (10.3%) (12.8%) (2.5%)
システムプラットフォーム
売上収益 6,175 6,781 606 9.8
営業利益 566 689 122 21.7
(営業利益率) (9.2%) (10.2%) (1.0%)
海外リージョン
売上収益 7,293 8,124 830 11.4
営業利益 239 59 △180 △75.1
(営業利益率) (3.3%) (0.7%) (△2.6%)
共通
売上収益 △1,310 △1,334 △23 -
営業利益 △1,344 △454 889 -
ユビキタスソリューション
売上収益 2,371 2,329 △41 △1.7
営業利益 58 △65 △124 -
(営業利益率) (2.5%) (△2.8%) (△5.3%)
デバイスソリューション
売上収益 3,759 3,826 66 1.8
営業利益 783 790 7 0.9
(営業利益率) (20.8%) (20.7%) (△0.1%)
全社消去
売上収益 △826 △784 41 -
連結
売上収益 35,868 37,137 1,269 3.5
営業利益 2,192 3,356 1,164 53.1
(営業利益率) (6.1%) (9.0%) (2.9%)
a テクノロジーソリューション
テクノロジーソリューションの売上収益は3兆1,765億円と、前年度比で1,201億円増、3.9%の増収です。営業利益は
2,631億円と、前年度に人材施策に関する費用が含まれていたことと、また採算性が改善し前年度比で1,281億円の増益
です。
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ソリューション・サービスの売上収益は1兆8,193億円と、前年度比で211億円減、1.1%の減収となりました。営業利
益は2,337億円と、前年度比で449億円の増益です。国内のSI/サービスの増収効果による利益改善に加え開発標準化
や費用効率化など、今まで取り組んできた施策が確実に成果をあげております。
システムプラットフォームの売上収益は6,781億円と、前年度比で606億円増、9.8%の増収となりました。営業利益は
689億円と、前年度比で122億円の増益です。部材供給遅延からのリカバリおよび、5G基地局の所要増や北米向けの
フォトニクスの増収効果が寄与し、増益となりました。
海外リージョンの売上収益は8,124億円と、M&Aによるデジタル関連のケイパビリティ強化に伴いサービスビジネスが
拡大したことに加え、為替影響もあり前年度比で830億円増、11.4%の増収となりました。営業利益は59億円と、前年度
比で180億円の減益です。M&Aに関連した一過性のコストの発生や為替の影響を受けました。
テクノロジーソリューション共通の売上収益は1,334億円のマイナスと、前年度比で23億円の悪化です。
テクノロジーソリューションを価値創造のための2つの事業領域、「For Growth」と「For Stability」に分けて見
た売上収益の状況です。
「For Growth」は1兆1,221億円と前年度比で713億円増、7%増収です。ソリューション・サービスは5%増収です。コ
ンサルやモダナイゼーション、DX案件、アプリケーション、クラウドなどが拡大しました。システムプラットフォーム
も5G基地局や北米ネットワークビジネスがけん引し7%増収です。海外リージョンは39%増収です。ハイブリッドITや
セキュリティ関連サービスが成長し、オセアニアで実施したM&Aによるケイパビリティ向上も成長に寄与しました。
「For Stability」は2兆544億円と2%増収と前年度並みになりました。
b ユビキタスソリューション
ユビキタスソリューションの売上収益は2,329億円と、前年度比で1.7%の減収となりました。営業利益は65億円の損
失と、前年度比で124億円の減益です。為替変動によるコスト増に対し、追加のコストダウンや価格転嫁を進めてきま
したが、全体をカバーするにはいたりませんでした。
c デバイスソリューション
デバイスソリューションの売上収益は3,826億円と、前年度比で1.8%の増収となりました。上半期までは強いデマン
ドが続いたものの、下半期に入り急速な市況の変化によるブレーキがかかり、物量が大幅に減少しました。それに伴う
操業の低下もあり、年間を通すと前年度並みの水準です。
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(ⅶ)事業別セグメント情報(国内海外売上高)
(億円)
前年度 当年度
前年度比 増減率
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
(%)
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
売上収益 30,563 31,765 1,201 3.9
テクノロジー
国内 21,312 21,307 △4 0.0
ソリューション
海外 9,251 10,458 1,206 13.0
売上収益 18,405 18,193 △211 △1.1
ソリューション
国内 17,951 18,001 50 0.3
サービス
海外 453 191 △262 △57.8
売上収益 6,175 6,781 606 9.8
システム
国内 4,165 3,961 △204 △4.9
プラットフォーム
海外 2,009 2,819 810 40.3
売上収益 7,293 8,124 830 11.4
海外リージョン 国内 6 5 0 △13.5
海外 7,287 8,119 831 11.4
共通 売上収益 △1,310 △1,334 △23 -
売上収益 2,371 2,329 △41 △1.7
ユビキタス
国内 1,296 1,434 137 10.6
ソリューション
海外 1,074 895 △178 △16.6
売上収益 3,759 3,826 66 1.8
デバイス
国内 870 896 26 3.0
ソリューション
海外 2,889 2,930 40 1.4
全社消去 売上収益 △826 △784 41 -
売上収益 35,868 37,137 1,269 3.5
連結計 国内 22,698 22,902 203 0.9
海外 13,169 14,234 1,065 8.1
海外売上比率 36.7% 38.3% 1.6%
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(ⅷ)海外リージョンの損益情報
当社グループは、グローバルでの売上収益の拡大と収益力向上を経営上の重要な課題の1つであると考えており、
テクノロジーソリューションに含まれる海外リージョンの損益情報は当社グループの事業管理において重要な項目で
あるとともに、株主、投資家の皆様に当社グループの損益概況をご理解頂くための有益な情報であると考えていま
す。
(億円)
前年度 当年度
前年度比 増減率
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
(%)
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
Europe
売上収益 5,422 5,781 358 6.6
営業利益 144 41 △102 △70.8
(営業利益率) (2.7%) (0.7%) (△2.0%)
Americas
売上収益 415 526 111 26.7
営業利益 14 26 11 78.6
(営業利益率) (3.4%) (4.9%) (1.5%)
Asia Pacific
売上収益 1,289 1,618 328 25.4
営業利益 45 △24 △70 -
(営業利益率) (3.5%) (△1.5%) (△5.0%)
East Asia
売上収益 342 448 105 30.7
営業利益 4 15 11 275.0
(営業利益率) (1.2%) (3.3%) (2.1%)
その他・消去
売上収益 △176 △250 △74 -
営業利益 30 0 △30 -
海外リージョン
売上収益 7,293 8,124 830 11.4
営業利益 239 59 △180 △75.1
(営業利益率) (3.3%) (0.7%) (△2.6%)
売上収益は8,124億円と、M&Aによるデジタル関連のケイパビリティ強化に伴いサービスビジネスが拡大した
ことに加え、為替影響もあり、前年度比で830億円増と11.4%の増収となりました。営業利益は59億円とM&Aに
関連した一過性のコストの発生や為替の影響を受け前年度から180億円の減益となりました。
なお、当年度に地域別の区分の見直しを行っております。詳細は1「経営方針、経営環境及び対処すべき課
題等」をご参照ください。
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④ 財政状態
<要約連結財政状態計算書>
(億円)
前年度末 当年度末 前年度末比
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
資産
流動資産 19,418 19,178 △240
非流動資産 13,899 13,477 △422
資産合計 33,318 32,655 △662
負債
流動負債 13,207 12,764 △442
非流動負債 2,953 2,523 △430
負債合計 16,160 15,287 △873
資本
自己資本 15,907 15,868 △38
非支配持分 1,250 1,499 249
資本合計 17,157 17,368 210
負債及び資本合計 33,318 32,655 △662
現金及び現金同等物 4,840 3,559 △1,281
有利子負債 2,853 2,111 △741
ネットキャッシュ 1,987 1,447 △539
(注)自己資本 :親会社の所有者に帰属する持分合計
有利子負債 :社債、借入金及びリース負債
ネットキャッシュ :現金及び現金同等物-有利子負債
(ご参考)財務指標
前年度末 当年度末 前年度末比
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
自己資本比率 47.7% 48.6% 0.9%
D/Eレシオ 0.18倍 0.13倍 △0.05倍
(注)自己資本比率 :親会社の所有者に帰属する持分合計(自己資本)÷資産合計
D/Eレシオ :有利子負債÷親会社の所有者に帰属する持分合計(自己資本)
当年度末の資産合計は3兆2,655億円と、前年度末から662億円減少しました。流動資産は1兆9,178億円と、前年度
末比で240億円減少しました。売上債権、棚卸資産が増加した一方で、現金及び現金同等物は3,559億円と、前年度末
比で1,281億円減少しました。非流動資産は1兆3,477億円と、前年度末比で422億円減少しました。退職給付に係る資
産などが減少しました。
負債合計は1兆5,287億円と、前年度末比で873億円減少しました。流動負債及び非流動負債の社債、借入金及び
リース負債を合わせた有利子負債は2,111億円と、前年度末比で741億円減少しました。この結果、D/Eレシオは0.13
倍と、前年度末比で0.05ポイント低下しました。現金及び現金同等物から有利子負債を控除したネットキャッシュ残
高は1,447億円と、前年度末比で539億円減少しました。
資本合計は1兆7,368億円と、前年度末比で210億円増加しました。利益剰余金は1兆2,265億円と、親会社の所有者
に帰属する当期利益を計上したことなどにより前年度末比で1,381億円増加しました。その他の資本の構成要素は708
億円と、前年度末比で72億円増加しました。また、自己株式は2,777億円のマイナスです。株主還元施策として当年
度は自己株式約1,500億円を取得しました。これらの結果、自己資本は1兆5,868億円となり、自己資本比率は48.6%
と、前年度末比で0.9ポイント上昇しました。
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確定給付型退職給付制度の状況
(億円)
前年度末 当年度末
前年度末比
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
a.確定給付制度債務 15,776 13,202 △2,574
b.年金資産 16,012 13,067 △2,944
c.積立状況 (b)-(a)
235 △135 △370
国内外の従業員向け確定給付型退職給付制度の退職給付債務は1兆3,202億円と、前年度末比で2,574億円減少し、
年金資産は1兆3,067億円と、前年度末比で2,944億円減少しました。この結果、積立状況(退職給付債務から年金資
産を控除した金額)は135億円の不足と、前年度末比で370億円悪化しました。割引率の上昇により年金債務が減少し
たことおよび、金利変動による確定給付制度債務の現在価値の変動に制度資産を連動させる年金資産が減少したこと
などによります。
⑤ キャッシュ・フロー
<要約連結キャッシュ・フロー計算書>
(億円)
前年度 当年度
前年度比
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
Ⅰ営業活動によるキャッシュ・フロー 2,483 2,203 △280
Ⅱ投資活動によるキャッシュ・フロー △592 △428 164
Ⅰ+Ⅱフリー・キャッシュ・フロー 1,890 1,775 △115
Ⅲ財務活動によるキャッシュ・フロー △1,936 △3,135 △1,199
Ⅳ現金及び現金同等物の期末残高 4,840 3,559 △1,281
(ご参考)
ベース・キャッシュ・フロー 2,118 2,500 382
当年度の営業活動によるキャッシュ・フローは2,203億円と、前年度に実施したDX人材施策に関するキャッシュアウ
トおよび事業成長投資の拡大などにより前年度比で280億円の収入減となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは428億円のマイナスと、前年度比で164億円の支出減となりました。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは1,775億円のプラスと、
前年度から115億円の収入減となりました。
成長投資実行前のフリー・キャッシュ・フローにリース料支払額を加えたベース・キャッシュ・フローは2,500億円
プラスと前年度から382億円の収入増となりました。ベース・キャッシュ・フローは、事業ならびに保有資産最適化か
ら生み出されたキャッシュ・フローで成長投資と株主還元への配分原資となるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは3,135億円のマイナスと、前年度比で1,199億円の支出増となりました。配当金
の支払いで452億円、自己株式の取得で1,501億円支出しました。自己株式の取得は前年度から999億円増加しました。
当年度末の現金及び現金同等物は3,559億円です。当社グループは、緊急の資金需要に対応するため、月商の数カ月
分を目安に十分な手元流動性を確保しています。また、当社は、グローバルに資本市場から資金調達するため、ムー
ディーズ・インベスターズ・サービス(以下、ムーディーズ)、スタンダード&プアーズ(以下、S&P)及び株式会社
格付投資情報センター(以下、R&I)から債券格付けを取得しています。本有価証券報告書提出日現在における格付け
は、ムーディーズ:A3(長期)、S&P:A-(長期)、R&I :A+(長期)/a-1(短期)です。
当社グループは、事業や国・地域毎の特性やリスクを加味し、株主資本コストと借入コストの加重平均として資金調
達コストを算定し、これに基づいて各事業における投資意思決定や回収可能性の判断を行っています。当社グループ
は、今後ますます需要が高まるDXビジネスに経営資源を集中し、中長期的に安定して高い収益性を獲得していくことに
よって、資金調達コストより高いリターンをあげることができると考えています。
⑥ 生産、受注及び販売の実績
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富士通単独および富士通Japanの国内受注については、基幹システム刷新やモダナイゼーションへのデマンドが強い
ことに加え、お客様のDX変革に向けた価値提案が着実に商談獲得に繋がっており、前年度から3%増加しました。
ソリューション・サービスの事業別には以下の通りです。まず、エンタープライズ(産業・流通)では前年度比8%増
加と年間を通して強いデマンドが続きました。特に第4四半期では、製造系や流通系のお客様の基幹システム刷新やモ
ダナイゼーション商談を複数獲得しました。また、DX案件も増加しており好調な受注を維持しています。ファイナンス
(金融・小売)でも前年度比3%増加し同じく第4四半期でネット銀行や保険のお客様向けの基幹システム更新などを含
む大型商談を獲得しました。JAPANリージョン(官公庁・社会基盤他)でも第4四半期に官公庁向けの大型商談を複数受
注したことにより、前年度比8%増加しました。富士通Japan(自治体・ヘルスケア・文教・民需(中堅他))では前年度比
3%増加しました。
一方、ネットワークでは、前年度獲得した北米向けの大型受注の反動で18%減少です。
海外の受注状況です。Europeでは2%減少しましたが、サービスでは7%増加です。上期に大型の更新案件を獲得しま
した。Americasは前年度、カナダの公共向けで複数年の大型商談を獲得した反動をうけ10%の減少です。Asia Pacific
でも2%の減少ですが、サービスは20%増加です。下半期に公共の大型案件を複数獲得したことで前年度を上回りまし
た。また、M&Aによるデジタル関連のケイパビリティが増えたことも受注増に寄与しています。
⑦ 重要な会計方針及び見積り
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営陣は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用に影響を
与える判断、見積り及び仮定を必要としておりますが、実際の結果と異なる場合があります。また、見積り及びその基
礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した連結会計期間及
び影響を受ける将来の連結会計期間において認識されます。連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積り及び判断
については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」をご参照くだ
さい。
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5【経営上の重要な契約等】
(1) 技術提携契約
相手方 国名 契約製品 契約内容 契約期間
1998年6月5日から
Intel Corporation
米国 半導体装置 特許実施権交換
関係特許の有効期間中
2008年6月5日から
Intel Corporation
米国 半導体装置 特許実施権交換
関係特許の有効期間中
International Business Machines
2015年12月18日から
米国 情報処理組織 特許実施権交換
関係特許の有効期間中
Corporation
1997年9月16日から
Microsoft Corporation
米国 ソフトウェア 特許実施権交換
関係特許の有効期間中
(注)上記の契約は、全て当社を契約会社としたものです。
(2) 合弁契約及びその他の契約
契約会社名 相手方 国名 契約内容
2017年11月2日、グローバル市場に向けたPC及び
PC関連製品の研究開発、設計、製造及び販売に
Lenovo Group Limited、
富士通株式会社 中国、 関する戦略的な提携について、富士通クライア
Lenovo International
合弁契約
(当社) オランダ ントコンピューティング株式会社を合弁会社と
Co peratief U.A.
する合弁契約及び株式譲渡契約を締結しまし
た。
2004年5月31日、Sun Microsystems, Inc.(現
Oracle America, Inc.)との間で、
その他の 富士通株式会社
Oracle America, Inc.
米国
SPARC/Solarisサーバ製品の開発、製造及び販売
契約 (当社)
に関する協力関係を規定する諸契約を締結しま
した。
(3)重要な契約
当社は 、 2022年4月28日開催の取締役会において 、 株式会社PFU(以下 、 PFU)の発行済株式のうち80%を 、 株式会社リ
コーに譲渡することを決議し 、 同日 、 株式譲渡契約を締結いたしました 。 2022年9月1日に本株式譲渡を実行し 、 PFUは当
社の連結子会社から持分法適用関連会社となりました 。
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6【研究開発活動】
当社グループでは、デジタルテクノロジーにより、「人」「企業」「システム」「プロセス」「データ」などが複
雑かつ無限につながる社会において、あらゆる局面で求められる信頼「Trust」を確保することを重要な技術戦略に
位置付けております。そして、このデジタル時代のTrustの実現と共に、デジタル技術とデータを駆使して革新的な
サービスやビジネスプロセスの変革をもたらす、DX(デジタルトランスフォーメーション)企業を目指し、イノベー
ションが絶えず生まれるために必要な先端テクノロジー開発に取り組んでおります。
当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソ
リューション」の各セグメントにより構成されており、上記の研究開発方針のもと、それぞれの分野ごとに研究開発
活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関す
る研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種
デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。
当社グループの当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費
の総額は、 1,095 億円となりました。このうち、テクノロジーソリューションに係る研究開発費は 1,017 億円、デバイ
スソリューションに係る研究開発費は 77 億円です。
・一般的なミリ波センサーを用いることで、プライバシーに配慮し、人の姿勢を高精度に推定できる技術を開発し
ました。本技術では、対象者の動作から得られる粒度の粗い点群の時系列データから、粒度の細かい点群データ
へと拡張する技術と、拡張したデータから姿勢を高精度に推定するAIモデルを実現し、様々な姿勢をリアルタイ
ムに検出可能としました。今後、病院などプライバシー性の高い施設でも、安心安全な環境づくりに貢献しま
す。
・人の歩く映像から、顔などの情報を使用せずに歩き方で人物を照合できる歩容照合技術を開発しました。本技術
では、従来では精度が低下していた人の映り込む位置の違う映像でも、人の関節点情報に対して独自開発の汎用
的に照合可能な空間への変換技術により、複数のカメラ映像から作成した約1,700人の評価データセットにおい
て約90%の照合精度を実現しました。今後、迷子や高齢者の捜索での活用など、安心安全な街づくりに貢献して
いきます。
・専門的な知識なしで次世代コンピュータを容易に利用できる、新たなソフトウェア構想「Computing Workload
Broker」の実現を目指し、その先駆けとなる量子・HPCハイブリッド計算技術を開発しました。利用者が解きた
い量子化学計算(分子の性質や構造を電子や原子の相互作用をシミュレートして解析する技術分野)の問題に応
じて最適な計算手法をAIが自動で組み合わせて選択するため、量子・HPCといった計算資源を意識せずに、自身
の要望に最も沿う形で、量子化学計算の問題を解くことが可能になります。
・冷凍マグロの鮮度評価を、超音波AI技術により非破壊で評価することに世界で初めて成功しました。マグロ産業
は世界で急速に発展しています。冷凍マグロの品質は尾を切断し、その断面を熟練者が目で見る破壊的検査が主
流でした。また、破壊をしない超音波での検査では冷凍マグロの肉質による超音波の減衰の影響が大きいことが
課題でした。冷凍マグロの超音波検査が可能な超音波の周波数帯を発見し、鮮度不良の場合は中骨からの反射波
が特徴的であることから、機械学習を用いて非破壊で鮮度の判定を行うことに成功しました。
・アンモニアは燃焼してもCO を排出しない次世代クリーンエネルギーとして注目を集めています。アンモニアを
2
クリーンに合成するための触媒探索の期間を大幅に削減する、量子化学シミュレーション高速化技術を開発しま
した。更に富士通独自のAIである因果発見技術を適用し、アンモニア合成に適した化合物の性質推定が可能で
す。HPCとAIを活用した技術開発により、触媒候補探索期間を半分以下に削減することに成功しました。
・第6世代移動通信システム(6G)に向けて、現行の5Gを大きく超えた高速無線通信を省電力で実現することが求
められています。高速無線通信の候補であるサブテラヘルツ領域で、基地局の消費電力を低減可能な、世界最高
の電力変換効率を有する送信用パワーアンプを開発しました。電子が高速に移動できるInP(リン化インジウ
ム)材料系を用いたHEMT(高電子移動度トランジスタ)で、絶縁ゲート構造を有するMOS構造を実現し、高出力
と省電力の両立を可能にしました。
・老朽化した広域ネットワーク設備を最新の光ネットワーク設備へ移行する、ネットワークのモダナイゼーション
で、「デジタルアニーラ(Fujitsu Quantum-inspired Computing Digital Annealer)」を活用し移行プランの
最適化に成功しました。実在する複数の広域ネットワーク構造に基づき、膨大な回線が複雑に絡み合うネット
ワークから「デジタルアニーラ」に適した組合せ最適化問題を導出する技術を開発し、移行プランを探索しまし
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た。その結果、一般的な商用最適化ソフトウェアを用いた場合に比べ、移行期間中の旧設備の運用コストを最大
30%削減し、技術者の移動コストを最大80%削減できることを確認しました。
・計算速度が飛躍的に向上すると見込まれている量子コンピュータは、様々な課題解決に向けて早期実用化が期待
されています。量子コンピュータでの高精度計算に不可欠な量子エラー訂正には大量の量子ビット(量子情報の
最小単位)が必要です。これに対し、基本量子ゲートセットを新たに定義し、必要な量子ビット数を約1/10に低
減する量子計算アーキテクチャを確立しました。これにより、現行コンピュータの性能を超える実用的な量子コ
ンピュータの実現を早めることが可能となります。
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第3【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
当社グループでは、当年度において 1,210 億円(前年度比36.1%増)の設備投資を行いました。
テクノロジーソリューションでは、サービス事業の関連設備や、当社が進めているBorderless Office(オフィス
のあり方の見直し)に伴う事業所の新設、改装等を中心に 486 億円を投資しました。
デバイスソリューションでは、新光電気工業㈱の電子部品の製造設備を中心に 723 億円を投資しました。
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2【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりです。
(1)提出会社
2023年3月31日現在
帳簿価額(百万円)
従業
事業所名 セグメント
建物 機械 工具、
設備の内容 員数
土地
(所在地) の名称
及び 及び 器具及び 合計
(人)
(面積千㎡)
構築物 装置 備品
テクノロジー
1,913
館林データセンター アウトソー
ソリューショ 21,255 7 9,254 32,430 52
(群馬県館林市) シング設備
(126)
ン
Fujitsu Uvance Kawasaki
テクノロジー
システム開
ソリューショ 22,381 92 1,542 - 24,016 11,403
Tower
発設備
ン
(川崎市幸区)
富士通ソリューション テクノロジー
11,971
システム開
スクエア ソリューショ 9,565 5 1,091 22,633 244
発設備
(24)
(東京都大田区) ン
ネットワー
ク 及 び プ
富士通新川崎テクノロジー テクノロジー
ラ ッ ト
スクエア ソリューショ 13,403 17 4,262 - 17,683 21
フォームの
(川崎市幸区) ン
開発・検証
設備等
テクノロジー
2
明石データセンター アウトソー
ソリューショ 11,203 7 3,378 14,591 41
(兵庫県明石市) シング設備
(82)
ン
ソフトウェ
ア、情報シ
テクノロジー ステム及び
1,477
川崎工場
ソリューショ 通信システ 8,383 62 3,463 13,387 6,404
(川崎市中原区) (142)
ン ムに関する
研究開発設
備
テクノロジー
横浜データセンター アウトソー
ソリューショ 11,088 26 1,659 - 12,773 72
(横浜市) シング設備
ン
ソフトウェア
テクノロジー 開発設備並び
3,395
沼津工場
ソリューショ にシステム構 4,979 19 1,598 9,992 870
(静岡県沼津市)
(536)
ン 築及び評価用
設備
テクノロジー
本社事務所(汐留)
ソリューショ 本社機能 8,161 56 1,153 - 9,371 10,273
(東京都港区)
ン
テクノロジー 光伝送シス
220
小山工場
ソリューショ テム製造設 4,784 205 1,626 6,836 203
(栃木県小山市)
(160)
ン 備
ソフトウェ
ア、情報シス
テクノロジー テム、通信シ
厚木研究所
ソリューショ ステム及び電 2,655 187 176 - 3,019 69
(神奈川県厚木市)
ン 子デバイス等
に関する研究
開発設備
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(2)国内子会社
2023年3月31日現在
帳簿価額(百万円)
従業
会社名及び事業所名 セグメント
建物 機械 工具、
設備の内容 員数
土地
(所在地) の名称
及び 及び 器具及び 合計
(人)
(面積千㎡)
構築物 装置 備品
富士通フロンテック株式会 テ ク ノ ロ 金融・自動
2,495
社 ジ ー ソ 機関連機器
3,156 440 7,815 13,906 4,828
(本社:東京都稲城市) リューショ 等開発・製
(146)
※1 ン 造設備等
富士通テレコムネットワー テ ク ノ ロ
光伝送シス
クス株式会社 ジ ー ソ
テム開発・ 424 1,205 1,355 - 2,984 1,038
(本社:栃木県小山市) リューショ
製造設備等
※1、※3 ン
富士通アイソテック株式会 テ ク ノ ロ
594
社 ジ ー ソ PCサーバ等
988 169 65 1,816 129
(本社:福島県伊達市) リューショ 製造設備
(74)
ン
半導体パッ
新光電気工業株式会社
デバイスソ
ケージ等開 8,346
(本社:長野県長野市) リューショ 37,227 45,165 3,075 93,813 6,159
発・製造設 (456)
ン
※1、※2、※3
備等
FDK株式会社 デバイスソ
電池等開発・ 2,185
(本社:東京都港区) リューショ 6,167 5,461 1,049 14,862 2,450
製造設備等 (156)
※1 ン
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(3)在外子会社
2023年3月31日現在
帳簿価額(百万円)
従業
会社名 セグメント
建物 機械 工具、
設備の内容 員数
土地
(所在地) の名称
及び 及び 器具及び 合計
(人)
(面積千㎡)
構築物 装置 備品
Fujitsu Technology
テ ク ノ ロ
アウトソー
188
Solutions (Holding) B.V.
ジ ー ソ
シング設備 17,998 5,904 5,574 29,664 13,357
リューショ
(ドイツ ミュンヘン市)
(15)
等
ン
※1
システム開
Fujitsu Services
テ ク ノ ロ
発設備及び
Holdings PLC
ジ ー ソ
アウトソー 19,826 1,853 4,117 - 25,796 9,065
リューショ
(英国 ロンドン市)
シング設備
ン
※1
等
Fujitsu Australia
テ ク ノ ロ
アウトソー
Limited(オーストラリア ジ ー ソ
シング設備 12,904 5,402 880 - 19,186 3,596
リューショ
シドニー市)
等
ン
※1、※2、※3
システム開
テ ク ノ ロ
発設備及び
Fujitsu Asia Pte. Ltd.
ジ ー ソ
アウトソー 2,517 5 1,578 - 4,100 5,440
リューショ
(シンガポール)
シング設備
ン
等
Fujitsu Network
テ ク ノ ロ
光伝送シス
Communications, Inc.
ジ ー ソ
テム製造設 532 529 2,189 - 3,250 1,394
リューショ
(米国 テキサス州)
備等
ン
※1、※2
Fujitsu North America,
システム開
テ ク ノ ロ
Inc 発設備及び
ジ ー ソ
(米国 カリフォルニア アウトソー 859 - 317 - 1,176 1,462
リューショ
シング設備
州)
ン
等
※2
(注)1.帳簿価額の「機械及び装置」には、車両及び運搬具を含みます。
2.帳簿価額の「合計」には、建設仮勘定は含んでおりません。
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3.帳簿価額には、リース資産の期末帳簿価額を含みます。
なお、上記の主要な設備のうちに含まれる主要なリース資産は以下のとおりです。
帳簿価額
会社名及び事業所名(所在地) 設備の内容
(百万円)
Fujitsu Uvance Kawasaki Tower
システム開発設備 19,932
(川崎市幸区)
富士通新川崎テクノロジー ネットワーク及びプ
提出会社 スクエア ラットフォームの開 9,471
(川崎市幸区) 発・検証設備等
本社事務所(汐留)
本社機能 7,234
(東京都港区)
富士通フロンテック株式会社 金融・自動機関連機器
国内子会社 6,232
(本社:東京都稲城市) 等開発・製造設備
システム開発設備及び
Fujitsu Services Holdings PLC
アウトソーシング設備 18,937
(英国 ロンドン市)
等
Fujitsu Technology Solutions
アウトソーシング設備
在外子会社
(Holding) B.V.
18,649
等
(ドイツ ミュンヘン市)
Fujitsu Australia Limited
アウトソーシング設備
6,921
(オーストラリア シドニー市) 等
4.※1の会社の数値はその連結子会社を含む数値です。
5.上記のほか、※2の会社は建物の一部を賃借しております。
6.上記のほか、※3の会社は土地の一部を賃借しております。
7.小山工場、川崎工場、沼津工場、明石データセンター及び厚木研究所は土地及び建物の一部を、富士通ソ
リューションスクエアは建物の一部をそれぞれ当社グループ外へ賃貸しております。
3【設備の新設、除却等の計画】
当社グループの当年度後1年間の設備投資計画(新設・拡充)は1,200億円であり、セグメント毎の内訳は次のとお
りです。
設備投資計画額
セグメントの名称 設備等の主な内容・目的
(億円)
テクノロジーソリューション 450 サービス事業の関連設備等
ユビキタスソリューション ‐ ‐
デバイスソリューション 750 電子部品事業の製造設備等
計 1,200
(注)1.所要資金1,200億円は、主として自己資金により充当する予定です。
2.設備投資計画額は、消費税抜きで表示しております。
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第4【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
種類 発行可能株式総数(株)
普通株式 500,000,000
計 500,000,000
②【発行済株式】
事業年度末現在 提出日現在
上場金融商品取引所名又は
種類 発行数(株) 発行数(株) 内容
登録認可金融商品取引業協会名
(2023年3月31日) (2023年6月26日)
東京証券取引所 プライム市場 単元株式数
207,001,821 207,001,821
普通株式
名古屋証券取引所 プレミア市場 100株
207,001,821 207,001,821
計 - -
(2)【新株予約権等の状況】
①【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
発行済株式総 発行済株式総 資本準備金増
資本金増減額 資本金残高 資本準備金残
年月日 数増減数 数残高 減額
(百万円) (百万円) 高(百万円)
(千株) (千株) (百万円)
2018年10月1日 △1,863,016 207,001 - 324,625 - -
(注)2018年6月25日開催の第118回定時株主総会決議により、2018年10月1日付で当社普通株式10株につき1株の割合
で株式併合を行っております。これにより発行済株式総数は1,863,016千株減少し、207,001千株となっており
ます。
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(5)【所有者別状況】
2023年3月31日現在
株式の状況(1単元の株式数 100 株)
単元未満株式
区分 の状況
外国法人等
政府及び地 金融商品取 その他の法
(株)
金融機関 個人その他 計
方公共団体 引業者 人
個人以外 個人
株主数(人) -
1 91 49 762 960 53 73,312 75,228
所有株式数
1 532,200 30,343 45,345 1,038,322 114 415,201 2,061,526 849,221
(単元)
所有株式数の割合
-
0.00 25.82 1.47 2.20 50.36 0.01 20.14
100
(%)
(注)1.自己株式18,661,763株は「個人その他」及び「単元未満株式の状況」に、それぞれ186,617単元及び63株を
含めて記載しております。なお、自己株式18,661,763株は株主名簿記載上の株式数であり、2023年3月31日
現在の実質的な所有株式数は18,661,673株です。
2.「その他法人」及び「単元未満株式の状況」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が、それぞれ35単元及
び22株含まれております。
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(6)【大株主の状況】
2023年3月31日現在
発行済株式(自己
株式を除く。)の
所有株式数
氏名又は名称 住所 総数に対する所有
(千株)
株式数の割合
(%)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社
33,388 17.73
東京都港区浜松町2丁目11番3号
(信託口)
1 NORTH BRIDGE ROAD, 06-08 HIGH
いちごトラスト・ピーティーイー・リミ
テッド (常任代理人 香港上海銀行東京支
STREET CENTRE, SINGAPORE 179094(東 14,899 7.91
店)
京都中央区日本橋3丁目11-1)
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 東京都中央区晴海1丁目8-12 11,832 6.28
168 ROBINSON ROAD #37-01 CAPITAL
GIC PRIVATE LIMITED - C(常任代理人 株
TOWER SINGAPORE 068912(東京都千代田 6,538 3.47
式会社三菱UFJ銀行)
区丸の内2丁目7-1 決済事業部)
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY
P.O. BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS
505223(常任代理人 株式会社みずほ銀行 02101 U.S.A.(東京都港区港南2丁目15 4,534 2.41
-1 品川インターシティA棟)
決済営業部)
ONE LINCOLN STREET, BOSTON MA USA
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT(常任代理
3,825 2.03
02111(東京都中央区日本橋3丁目11-
人 香港上海銀行東京支店)
1)
川崎市中原区上小田中4丁目1-1 3,590 1.91
富士通株式会社従業員持株会
STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 1776 HERITAGE DRIVE,NORTH QUINCY, MA
505234(常任代理人 株式会社みずほ銀行 02171 U.S.A.(東京都港区港南2丁目15 3,518 1.87
決済営業部) -1 品川インターシティA棟)
3,518 1.87
朝日生命保険相互会社 東京都新宿区四谷1丁目6番1号
25 BANK STREET, CANARY WHARF,
JP MORGAN CHASE BANK 385632(常任代理 LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM(東
3,432 1.82
人 株式会社みずほ銀行決済営業部) 京都港区港南2丁目15-1 品川インター
シティA棟)
89,078 47.30
計 -
(注)1.日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)及び株式会社日本カストディ銀行(信託口)の持株数
は、各行の信託業務に係るものです。
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2.2022年5月19日付で、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において 、 ブラックロック・
ジャパン株式会社及びその共同保有者8者が2022年5月13日現在で以下の株式を所有している旨が記載されて
いるものの 、 当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので 、 上記大株主 の
状況には含めておりません 。 なお 、 大量保有報告書の内容は次のとおりです 。
保有株券等の数 株券等保有割合
氏名又は名称
(株) (%)
ブラックロック・ジャパン株式会社 3,114,900 1.50
アペリオ・グループ・エルエルシー
287,800 0.14
(Aperio Group, LLC)
ブラックロック(ネザーランド)
481,579 0.23
BV(BlackRock (Netherlands) BV)
ブラックロック・ファンド・マネジャーズ・リミテッド
736,622 0.36
(BlackRock Fund Managers Limited)
ブラックロック・アセット・マネジメント・カナダ・リミテッド
230,000 0.11
(BlackRock Asset Management Canada Limited)
ブラックロック・アセット・マネジメント・アイルランド・リミ
テッド
1,824,846 0.88
(BlackRock Asset Management Ireland Limited)
ブラックロック・ファンド・アドバイザーズ
3,358,300 1.62
(BlackRock Fund Advisors)
ブラックロック・インスティテューショナル・トラスト・カンパ
ニー、エヌ.エイ.
2,776,345 1.34
(BlackRock Institutional Trust Company, N.A.)
ブラックロック・インベストメント・マネジメント(ユーケー)
リミテッド
444,146 0.21
(BlackRock Investment Management (UK) Limited)
合計 13,254,538 6.40
3.2020年6月4日付で、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において 、 三井住友トラスト・
アセットマネジメント株式会社及びその共同保有者1者が2020年5月29日現在で以下の株式を所有している旨
が記載されているものの 、 当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので 、
上記大株主の状況には含めておりません 。 なお 、 大量保有報告書の内容は次のとおりです 。
保有株券等の数 株券等保有割合
氏名又は名称
(株) (%)
三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 6,236,699 3.01
日興アセットマネジメント株式会社 4,200,400 2.03
合計 10,437,099 5.04
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(7)【議決権の状況】
①【発行済株式】
2023年3月31日現在
区分 株式数(株) 議決権の数(個) 内容
無議決権株式 - - -
議決権制限株式(自己株式等) - - -
議決権制限株式(その他) - - -
(自己保有株式)
-
18,661,700
普通株式
完全議決権株式(自己株式等) -
(相互保有株式)
-
27,000
普通株式
187,463,900 1,874,639
完全議決権株式(その他) 普通株式 -
849,221
単元未満株式 普通株式 - -
207,001,821
発行済株式総数 - -
1,874,639
総株主の議決権 - -
(注)1.「完全議決権株式(自己株式等)」には、株主名簿上は当社名義となっておりますが、実質的に保有してい
ない株式が90株含まれております。
2.「完全議決権株式(その他)」には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が3,500株(議決権の数35個)
含まれております。
②【自己株式等】
2023年3月31日現在
発行済株式総数に
自己名義所有 他人名義所有 所有株式数の
所有者の氏名又は名称 所有者の住所 対する所有株式数
株式数(株) 株式数(株) 合計(株)
の割合(%)
川崎市中原区上小田
18,661,700 18,661,700 9.02
富士通株式会社 -
中四丁目1番1号
北陸コンピュータ・サー 石川県金沢市駅西本
12,300 2,200 14,500 0.01
ビス株式会社 町二丁目7番21号
札幌市中央区南一条
株式会社HDC 5,000 0 5,000 0.00
西十丁目2
中央コンピューター株式 大阪市北区中之島六
0 3,400 3,400 0.00
会社 丁目2番27号
東京都千代田区神田
0 3,200 3,200 0.00
株式会社東和システム
小川町三丁目10番地
株式会社テクノプロジェ 島根県松江市学園南
900 0 900 0.00
クト 二丁目10番14号
18,679,900 8,800 18,688,700 9.03
計 -
(注)1.株主名簿上は当社名義となっておりますが、実質的に所有していない株式が90株含まれております。
2.北陸コンピュータ・サービス株式会社、中央コンピューター株式会社及び株式会社東和システムの他人名義
所有株式は、FSA富士通持株会名義の株式のうち、各社が議決権行使の指図権を有する持分です。
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2【自己株式の取得等の状況】
株式の種類等 会社法第155条第3号に該当する普通株式の取得及び会社法第155条第7号に該当する普通株式の取得
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
会社法第155条第3号に該当する取得
区分 株式数(株) 価額の総額(円)
取締役会(2022年4月28日)での決議状況
12,000,000(上限) 150,000,000,000(上限)
(取得期間 2022年5月2日~2023年3月31日)
当事業年度前における取得自己株式 ― ―
当事業年度における取得自己株式 8,272,500 149,999,478,000
残存決議株式の総数及び価額の総額 3,727,500 522,000
当事業年度の末日現在の未行使割合(%) 31.06 0.00
当期間における取得自己株式 ― ―
提出日現在の未行使割合(%) 31.06 0.00
区分 株式数(株) 価額の総額(円)
取締役会(2023年4月27日)での決議状況
12,000,000(上限) 150,000,000,000(上限)
(取得期間 2023年5月1日~2024年3月29日)
当事業年度前における取得自己株式 ― ―
当事業年度における取得自己株式 ― ―
残存決議株式の総数及び価額の総額 12,000,000 150,000,000,000
当事業年度の末日現在の未行使割合(%) 100.00 100.00
当期間における取得自己株式 ― ―
提出日現在の未行使割合(%) 100.00 100.00
(注)1.上記「当期間」とは、いずれも2023年4月1日から本有価証券報告書提出日までの間を指しております。
2.取締役会(2023年4月27日)での決議に基づく当期間における取得自己株式には、2023年6月1日から本有価
証券報告書提出日までの間に取得した自己株式の数は含まれておりません。
3.上記取締役会において、自己株式の取得方法はいずれも東京証券取引所における市場買付によることを決議
しております。
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号に該当する取得
区分 株式数(株) 価額の総額(円)
当事業年度における取得自己株式 5,789 103,850,060
当期間における取得自己株式 805 14,668,470
(注)1.上記「当期間」とは、2023年4月1日から本有価証券報告書提出日までの間を指しております。
2.「当期間における取得自己株式」には、2023年6月1日から本有価証券報告書提出日までの間に単元未満株式
の買取請求により取得した株式の数は含まれておりません。
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(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
当事業年度 当期間
区分
処分価額の総額 処分価額の総額
株式数(株) 株式数(株)
(円) (円)
引き受ける者の募集を行った取得自己株式 105,410 1,996,465,400 - -
消却の処分を行った取得自己株式 - - - -
合併、株式交換、株式交付、会社分割に係
- - - -
る移転を行った取得自己株式
その他
196 3,462,080 49 894,250
(単元未満株式の売渡請求による売渡)
保有自己株式数 18,661,673 - 18,662,429 -
(注)1.当期間における「その他(単元未満株式の売渡請求による売渡)」には、2023年6月1日から本有価証券報告
書提出日までの間に処分した株式の数は含まれておりません。
2.当期間における「保有自己株式数」には、2023年6月1日から本有価証券報告書提出日までの間に単元未満株
式の買取請求により取得した株式の数及び単元未満株式の売渡請求により処分した株式の数は含まれており
ません。
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3【配当政策】
当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等をすることができる旨を定款
第40条に定めております。
当社定款の定めにより取締役会に与えられた権限の行使に関する基本的な方針は、当社のキャピタルアロケーション
ポリシーのもと、持続的な事業の成長に基づき、株主の皆様に安定的な剰余金の配当の実施を継続することにありま
す。また、資金需要バランスも見ながら、長期間留保している余剰資金を原資に機動的な自己株式の取得も行ってまい
ります。
配当金の総額 1株当たり配当金
決議年月日
(百万円) (円)
2022年10月27日
23,594 120
取締役会決議
2023年5月25日
22,600 120
取締役会決議
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4【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社のコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方は、2015年12月の取締役会決議によって制定した基本方針
(「コーポレートガバナンス基本方針」)において整理しています。当基本方針では、当社のコーポレートガバナンス体
制の枠組みについて以下のとおり定めております。
<体制の枠組み>
監査役会設置会社制度の長所を生かしつつ、取締役会における非執行取締役(独立社外取締役及び社内出身の業務を執
行しない取締役をいう。以下、同じ)による業務執行取締役の業務執行に対する監督の実効性と多様な視点からの助言の
確保を以下の方法により実現する。
a 非執行取締役の主要な構成員を独立社外取締役とし、社内出身者である非執行取締役を1名以上確保する。
b 非執行取締役候補者の選定にあたり、取締役会として備えるべきスキルと多様性を考慮する。
c 取締役会の員数の過半数を独立社外取締役とする。
d 独立社外取締役は、当社が定める独立性基準(以下、「独立性基準」という)を満たす社外取締役とする。
e 監査役による取締役会の外からの監査、監督と、非執行役員(非執行取締役及び監査役をいう。以下、同じ)で構
成する任意の指名委員会及び報酬委員会並びに独立役員(独立社外取締役及び独立社外監査役をいう。以下、同
じ)で構成する独立役員会議により取締役会を補完する。
f 独立社外監査役は、独立性基準を満たす社外監査役とする。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
(1)企業統治の体制の概要
<取締役会>
当社は、経営の重要な事項の決定と監督を行う機関として取締役会を設置しております。取締役会は、法令及び定款に
反せず、妥当と考える最大限の範囲で、業務執行に関する意思決定権限を代表取締役及びその配下の執行役員以下に委譲
し、取締役会はその監督及び助言を中心に活動を行います。また、取締役会は、独立性が高く、多様な視点を有する社外
取締役を積極的に任用することにより、監督機能及び助言機能を強化しております。なお、取締役の経営責任をより明確
化するため、2006年6月23日開催の株主総会決議により、取締役の任期を2年から1年に短縮いたしました。
取締役会は、本有価証券報告書提出日現在において、業務執行取締役3名、非執行取締役6名(内、社外取締役5名)の
合計9名で構成されております。
業務執行取締役 :時田隆仁氏、古田英範氏、磯部武司氏
非執行取締役 :山本正已氏、向井千秋氏、阿部敦氏、古城佳子氏、佐々江賢一郎氏、バイロン ギル氏
<監査役(会)>
当社は、監査機能及び監督機能として監査役(会)を設置しております。監査役は、取締役会等の重要な会議に出席
し、取締役会及び業務執行機能の監査及び監督を行います。
監査役会は、本有価証券報告書提出日現在において、以下の監査役5名(内、常勤監査役2名、社外監査役3名)で構成
されております。
常勤監査役 :広瀬陽一氏、山室惠氏
社外監査役 :初川浩司氏、幕田英雄氏、キャサリン オコーネル氏
<指名委員会・報酬委員会>
当社は、役員の選任プロセス及び役員報酬決定プロセスの透明性及び客観性を確保し、効率的かつ実質的な議論を行う
こと並びに役員報酬の体系及び水準の妥当性の確保などを目的として、取締役会の諮問機関である指名委員会及び報酬委
員会を設置しております。
指名委員会は、当社の「コーポレートガバナンス基本方針」に定めた「コーポレートガバナンス体制の枠組み」と「役
員の選解任手続きと方針」に基づき、役員候補者について審議し、取締役会に答申又は提案しております。また、報酬委
員会は、当社の「コーポレートガバナンス基本方針」に定めた「役員報酬の決定手続きと方針」に基づき、基本報酬の水
準と、業績連動報酬の算定方法を取締役会に答申又は提案することとしております。
指名委員会及び報酬委員会は、「コーポレートガバナンス基本方針」において、非執行役員で構成し、そのうち過半数
を独立社外取締役とすることとしており、また、両委員会の委員長は独立社外取締役が務めるものとしております。2022
年6月に選任された両委員会の委員は以下のとおりです。
指名委員会 委員長 :阿部敦氏(社外取締役)
委員 :古城佳子氏、スコット キャロン氏、山本正已氏
報酬委員会 委員長 :向井千秋氏(社外取締役)
委員 :古城佳子氏、スコット キャロン氏、佐々江賢一郎氏
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(注)上記の委員は、2023年6月26日開催の定時株主総会終了時をもちまして、任期満了のため退任しております。
2023年度の委員につきましては、同株主総会終了後に開催される取締役会において、選任予定です。
<独立役員会議>
当社は、独立役員の活用を促すコーポレートガバナンス・コードの要請に応えつつ、取締役会において中長期の会社の
方向性に関する議論を活発化するためには、業務の執行と一定の距離を置く独立役員が恒常的に当社事業への理解を深め
ることのできる仕組みが不可欠と考え、独立役員会議を設置しております。独立役員会議は、全ての独立役員(独立社外
取締役5名、独立社外監査役3名)で構成され、中長期の当社の方向性の議論を行うとともに、独立役員の情報共有と意見
交換を踏まえた各独立役員の意見形成を図ります。本有価証券報告書提出日現在、当社の独立役員は以下のとおりです。
独立社外取締役 :向井千秋氏、阿部敦氏、古城佳子氏、佐々江賢一郎氏、バイロン ギル氏
独立社外監査役 :初川浩司氏、幕田英雄氏、キャサリン オコーネル氏
(2)当該企業統治の体制を採用する理由
当社は、非執行取締役による業務執行に対する直接的な監督と、業務の決定に関与しない監査役による、より独立した
立場からの監督の両方が機能することで、より充実した監督機能が確保されるものと考えております。このような考え方
から、独任制の監査役で構成される監査役会を設置する「監査役会設置会社」を採用しております。
また、業務執行の誤り、不足、暴走等の是正、修正を可能とするよう、取締役会は、非執行取締役を中心に構成するも
のとし、独立社外取締役の員数を取締役会の員数の過半数としております。非執行取締役の中心は独立性が高く、多様な
視点を有する社外取締役とし、さらに当社の事業分野、企業文化等に関する知見不足を補完するために社内出身の非執行
取締役を1名以上置くことで、非執行取締役による監督、助言の実効性を高めております。
当社のコーポレートガバナンス体制の模式図は次のとおりです。(本有価証券報告書提出日現在)
(3)責任限定契約の概要
当社と非執行取締役及び監査役は、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。
当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令に定める最低責任限度額としております。なお、当該責任限定が認め
られるのは、当該非執行取締役又は監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意で、かつ重大な過失がないとき
に限られます。
(注)非執行取締役は、社外取締役及び取締役シニアアドバイザー 山本 正已氏です。
(4)役員等賠償責任保険契約の概要
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当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。その契約
の内容の概要等は以下のとおりです。
(ⅰ)被保険者の範囲
当社及び当社の連結子会社(上場子会社除く。)の取締役、監査役、執行役員等
(ⅱ)保険契約の内容の概要
被保険者がその地位に基づいて行った行為(不作為を含む。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保
険者が被る損害賠償金及び争訟費用等を当該保険契約により補填することとしております。ただし、被保険者の職務の
執行の適正性が損なわれないようにするため、利益もしくは便宜を違法に得たこと又は不正な行為等に起因する賠償請
求等の場合には補填の対象としないこととしております。なお、保険料は全額を当社が負担しており、被保険者は保険
料を負担しておりません。
③企業統治に関するその他の事項
(Ⅰ)取締役の定数
当社の取締役は15名以内とする旨を定款に定めております。
(Ⅱ)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席
し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
(Ⅲ)剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等、会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、取締
役会の決議によって定めることができる旨定款に定めております。これは、配当金支払いの早期化や配当政策の機動性を
確保することを目的とするものです。
(Ⅳ)取締役及び監査役の責任免除
当社は、取締役会の決議によって、取締役(取締役であったものを含む。)及び監査役(監査役であったものを含
む。)の会社法第423条第1項の損害賠償責任について、法令の定める要件に該当する場合には、法令の限度においてこれ
を免除することができる旨定款に定めております。これは、取締役及び監査役が期待される職務を適切に行えるようにす
ることを目的とするものです。
(Ⅴ)株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3
分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会に
おける特別決議の定足数を緩和することにより、当該定足数を満たすことをより確実にすることを目的とするものです。
(Ⅵ)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、企業価値を向上させることが、結果として買収防衛にもつながるという基本的な考え方のもと、企業価値向上
に注力しているところであり、現時点で特別な防衛策は導入しておりません。
当社に対して買収提案があった場合は、取締役会は、当社の支配権の所在を決定するのは株主であるとの認識のもと、
適切な対応を行います。
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(Ⅶ)取締役会の活動状況
当事業年度において当社は取締役会を合計13回(内 臨時取締役会1回)開催しており、各取締役の出席状況は以下のと
おりです。
氏名 取締役会出席状況
業務執行取締役 時田 隆仁 全13回中13回
業務執行取締役 古田 英範 全13回中13回
業務執行取締役 磯部 武司 全13回中13回
非執行取締役 山本 正已 全13回中13回
非執行取締役 向井 千秋 全13回中13回
非執行取締役 阿部 敦 全13回中13回
非執行取締役 古城 佳子 全13回中13回
スコット キャロン
非執行取締役 全13回中13回
非執行取締役 佐々江 賢一郎 全13回中12回
取締役会においては、主に、経営方針、予算、投資、事業再編及び組織人事に関する事項の決議、決算及び経営会議
事案に関する報告を行うとともに、その他会社法及び当社取締役会規則に定める事項につき、決議、報告しました。
(Ⅷ)指名委員会の活動状況
当事業年度において当社は指名委員会を合計8回開催しており、各指名委員の出席状況は以下のとおりです。
氏名 指名委員会出席状況
委員長 阿部 敦 全8回中8回
委員 古城 佳子 全8回中8回
スコット キャロン
委員 全8回中8回
委員 山本 正已 全8回中8回
指名委員会においては、 CEO を含む代表取締役の選定案、取締役及び監査役候補者の選任案等について検討を行い、取
締役会に答申しました。また、 CEO サクセッションや非執行取締役の相互評価の導入についても検討を行いました。
(Ⅸ)報酬委員会の活動状況
当事業年度において当社は報酬委員会を合計6回開催しており、各報酬委員の出席状況は以下のとおりです。
氏名 報酬委員会出席状況
委員長 向井 千秋 全6回中6回
委員 古城 佳子 全6回中6回
スコット キャロン
委員 全6回中6回
委員 佐々江 賢一郎 全6回中6回
報酬委員会においては、役員報酬の内容改定等について検討を行い、取締役会に答申しました。また、社外取締役に対
する株式報酬制度の導入についても検討を行いました。
(Ⅹ)内部統制体制の整備に関する基本方針
当社は、取締役会において、会社法第362条第5項の規定に基づき、同条第4項第6号並びに会社法施行規則第100条第1項
各号及び第3項各号に定める体制(内部統制体制)の整備に関する基本方針を以下のとおり決議いたしました(2006年5月
25日決議、2008年4月28日改定、2012年7月27日改定、2014年3月27日改定、2015年2月26日改定)。
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「内部統制体制の整備に関する基本方針」
1.目的
富士通グループの企業価値の持続的向上を図るためには、経営の効率性を追求するとともに、事業活動により生じるリ
スクをコントロールすることが必要である。かかる基本認識のもと、株主から当社の経営の委託を受けた取締役が、富士
通グループの行動の原理原則である「Fujitsu Way」の実践・浸透とともに、どのような体制・規律をもって経営の効率
性の追求と事業活動により生じるリスクのコントロールをし、経営に臨むかについて、その基本方針を委託者である株主
に示すものである。
2.取締役の職務執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1)業務執行の決定と執行体制
①当社は、代表取締役社長の業務執行権限を分担する執行役員(以下、代表取締役及び執行役員を総称して「経営者」
という。)を置き、執行役員は、職務分掌に従い、意思決定と業務執行を行う。
②当社は、最高財務責任者(CFO)を置き、富士通グループの財務・会計を統括させる。
③当社は、代表取締役社長の意思決定を補佐するため、代表取締役及び執行役員で構成する経営会議を設置する。
④代表取締役社長は、経営者又は経営者から権限委譲を受けた従業員が意思決定をするために必要な制度、規程(経営
会議規程、各種決裁制度等)を整備する。
⑤代表取締役社長は、決算報告・業務報告を毎回の定例取締役会において行うとともに、「内部統制体制の整備に関す
る基本方針」の運用状況について、定期的に取締役会に報告し、適正に運用されていることの確認を受ける。
(2)業務効率化の推進体制
①当社は、富士通グループのビジネスプロセス改革による生産性向上、原価低減及び費用圧縮を推進するための組織を
設置し、経営の効率性を追求する。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1)全般的な損失リスク管理体制
①当社は、富士通グループの事業継続性、企業価値の向上、企業活動の持続的発展を実現することを目標とし、これを
阻害するおそれのあるリスクに対処するため、富士通グループ全体のリスクマネジメントを統括するリスク・コンプ
ライアンス委員会を設置するとともに、リスク毎に所管部署を定め、適切なリスクマネジメントを実施する体制を整
備する。
②リスク・コンプライアンス委員会は、富士通グループに損失を与えるリスクを常に評価、検証し、認識された事業遂
行上のリスクについて、未然防止策の策定等リスクコントロールを行い、損失の最小化に向けた活動を行う。
③リスク・コンプライアンス委員会は、リスクの顕在化により発生する損失を最小限に留めるため、上記①の体制を通
じて、顕在化したリスクを定期的に分析し、取締役会等へ報告を行い、同様のリスクの再発防止に向けた活動を行
う。
(2)個別の損失リスク管理体制
当社は、当社が認識する事業遂行上の個別の損失リスクに対処するため、リスク・コンプライアンス委員会に加え、下
記の体制をはじめとするリスク管理体制を整備する。
①製品・サービスの欠陥や瑕疵に関するリスク管理体制
・富士通グループにおける製品・サービスの欠陥や瑕疵の検証、再発防止のための品質保証体制を構築する。特に社会
システムの安定稼働のため、品質、契約、ルール等を改善する活動を継続的に行う組織を設置する。
②受託開発プロジェクトの管理体制
・システムインテグレーション等の受託開発プロジェクトにおける不採算案件等の発生防止のため、商談推進及びプロ
ジェクトの遂行に伴う各種リスクを監査する専門組織を設置する。
・当該専門組織は、契約金額、契約条件、品質、費用、納期等についての監査プロセスを定め、一定条件のプロジェク
トの監査を行う。
・当該専門組織は、当該監査の結果にもとづき、各プロジェクトに対し是正勧告を行う。
③セキュリティ体制
・当社が提供するサービスに対するサイバーテロ、不正利用、情報漏洩等に対処するための組織を設置する。
(3)経営リスクへの対応
①財務上のリスク管理体制
・財務上のリスクは、最高財務責任者が統括する。
②その他の経営リスクの管理体制
・市場動向、価格競争その他の経営リスクは、代表取締役社長が定める職務分掌に従い、各部門で対応する。
4.取締役及び従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
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(1)コンプライアンス体制
①経営者は、法令・定款遵守を含むコンプライアンスの基本理念として「Fujitsu Way」に掲げられた行動規範を遵守
するとともに、経営者としての倫理に基づいてグループ全体のコンプライアンスの推進に積極的に取り組む。
②リスク・コンプライアンス委員会は、富士通グループのコンプライアンスを統括し、以下の職務を行う。
・継続的な教育の実施等により、富士通グループの従業員に対し「Fujitsu Way」に掲げられた行動規範の遵守を徹底
させる。
・富士通グループの事業活動に係る法規制等を明確化するとともに、それらの遵守のために必要な社内ルール、教育、
監視体制の整備を行い、グループ全体のコンプライアンスを推進する。
・経営者及び従業員に対し、職務の遂行に関連して、重大なコンプライアンス違反又はそのおそれのある事実を認識し
た場合は、直ちに通常の業務ラインを通じてその事実をリスク・コンプライアンス委員会に通知させる。
・通常の業務ラインとは独立した情報伝達ルートによりコンプライアンス問題の早期発見と適切な対応を実施可能とす
るため、通報者の保護体制等を確保した内部通報制度を設置・運営する。
・リスク・コンプライアンス委員会は、重大なコンプライアンス違反又はそのおそれのある事実が発覚した場合、直ち
に取締役会等へ報告する。
(2)財務報告の適正性を確保するための体制
①当社は、最高財務責任者のもと、財務報告を作成する組織のほか、財務報告の有効性及び信頼性を確保するため、富
士通グループの財務報告に係る内部統制の整備、運用及び評価を統括する組織を設置する。
②当該各組織において、富士通グループ共通の統一経理方針並びに財務報告に係る内部統制の整備、運用及び評価に関
する規程を整備する。
③富士通グループの財務報告に係る内部統制の整備、運用及び評価を統括する組織は、内部統制の有効性に関する評価
結果を定期的に取締役会等に報告する。
(3)情報開示体制
当社は、社外に対し適時かつ適切な会社情報の開示を継続的に実施する体制を整備する。
(4)内部監査体制
①当社は、業務執行について内部監査を行う組織(以下、「内部監査組織」という。)を設置し、その独立性を確保す
る。
②内部監査組織は、内部監査規程を定め、当該規程にもとづき監査を行う。
③内部監査組織は、グループ各社の内部監査組織と連携して、富士通グループ全体の内部監査を行う。
④内部監査の結果は、定期的に当社及び当該グループ会社の取締役会、監査役等に報告する。
5.取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
①経営者は、その職務の執行に係る以下の文書(電磁的記録を含む。以下同じ。)その他の重要な情報につき、社内規
程に基づき、保管責任者を定めたうえで適切に保存・管理を行う。
・株主総会議事録及びその関連資料
・取締役会議事録及びその関連資料
・その他の重要な意思決定会議の議事録及びその関連資料
・経営者を決裁者とする決裁書類及びその関連資料
・その他経営者の職務の執行に関する重要な文書
②取締役及び監査役は、職務の執行状況を確認するため、上記①に定める文書を常時閲覧することができるものとし、
各文書の保管責任者は、取締役及び監査役からの要請に応じて、いつでも閲覧可能な体制を整備する。
6.富士通グループにおける業務の適正を確保するための体制
①当社は、前記各体制及び規程を、富士通グループを対象として構築、制定するとともに、グループ会社の経営者から
職務の執行に係る事項の報告を受ける体制を整備する。また、グループ会社の効率的かつ適法・適正な業務執行体制
の整備を指導、支援、監督する。
②当社は、グループ会社の重要事項の決定権限や決定プロセス等、代表取締役社長からのグループ会社に対する権限委
任に関する共通ルールを制定する。
③代表取締役社長は、グループ各社の管轄部門を定め、当該管轄部門の業務執行を分掌する執行役員は、グループ各社
の社長、CEO等を通じて上記①及び②の実施及び遵守を確認する。
④当社及びグループ各社の経営者は、定期的な連絡会等を通じて富士通グループの経営方針、経営目標達成に向けた課
題を共有し、協働する。
7.監査役の監査の適正性を確保するための体制
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(1)独立性の確保に関する事項
①当社は監査役の職務を補助すべき従業員の組織として監査役室を置き、その従業員は監査役の要求する能力及び知見
を有する適切な人材を配置する。
②経営者は、監査役室の従業員の独立性及び監査役による当該従業員に対する指示の実効性を確保するため、その従業
員の任命、異動、報酬等人事に関する事項については監査役の同意を得るものとする。
③経営者は、監査役室の従業員を原則その他の組織と兼務させないものとする。
ただし、監査役の要請により特別の専門知識を有する従業員を兼務させる必要が生じた場合は、上記②の独立性の確
保に配慮する。
(2)報告体制に関する事項
①当社及びグループ各社の経営者は、監査役に重要な会議への出席の機会を提供する。
②当社及びグループ各社の経営者は、経営もしくは業績に影響を及ぼすリスクが発生した場合又は職務の遂行に関連し
て重大なコンプライアンス違反もしくはそのおそれのある事実を認識した場合、直ちに監査役に報告する。
③当社及びグループ各社の経営者は、定期的に監査役に対して職務の執行状況を報告する。
④当社及びグループ各社の経営者は、上記②又は③の報告をしたことを理由として経営者又は従業員を不利益に取り
扱ってはならない。
(3)実効性の確保に関する事項
①当社及びグループ各社の経営者は、定期的に監査役と情報交換を行う。
②監査役の職務の執行について生じる費用については、会社法第388条に基づくこととし、経営者は、同条の請求に係
る手続きを定める。
③内部監査組織は、定期的に監査役に対して監査結果を報告する。
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(Ⅺ)内部統制体制の運用状況
当社が上記(Ⅹ)の基本方針に基づき整備した内部統制体制の運用状況の概要は以下のとおりです。
<業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要>
1.取締役の職務執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社では、代表取締役社長の業務執行権限を分担する執行役員を置き、執行役員は、職務分掌に従い意思決定及び業
務執行を行っています。
また、経営会議を原則として月に2回開催し、代表取締役社長の意思決定を補佐しています。この経営会議は、社長
を含む最小限のメンバーで構成し、業務執行に関するあらゆる事項を適時に議論できる会議体として運営することで、
代表取締役の意思決定を助け、経営の効率化及び迅速化を実現しています。このほか、代表取締役から他の役職員への
大幅な権限委譲を伴う決裁基準や社長が重要な業務執行を担う最高責任者をCxOとして任命できる体制を整備し、経営
のさらなる迅速化を図っています。
2.リスクマネジメント体制及びコンプライアンス体制
当社では、リスクマネジメント体制とコンプライアンス体制を「内部統制体制の整備に関する基本方針」の中心に位
置づけており、この基本方針に基づくリスク・コンプライアンス委員会(以下「委員会」といいます。)は、取締役会
に直属させ、代表取締役社長を委員長として、業務執行取締役と4名の執行役員で構成しています。
委員会は、コンプライアンス違反、情報セキュリティ問題、製品・サービスの欠陥や瑕疵を含む事業遂行上のリスク
に関し、リスクが顕在化した場合には、適時に委員会に報告される体制を、当社内だけでなく、富士通グループを対象
に整備・運用しており、この報告に基づき、把握した事業遂行上のリスクについて顕在化の未然防止や顕在化したリス
クにより生じる損失の対策についての方針を決定します。
委員会は、以上のような体制を運用する過程で、リスクが顕在化した場合はもちろんのこと、定期的に取締役会に委
員会の活動の経過及び結果を報告し、監督を受けています。
なお 、 富士通グループから委員会に適時に報告がなされるための体制として 、 富士通グループの海外における事業 上
の地域区分であるリージョン毎に 、 リージョンリスク・コンプライアンス委員会を設置しており 、 委員会の下部組 織と
位置づけ 、 機能させることで富士通グループ全体を網羅できるようにしています 。
また、情報セキュリティの分野では、富士通グループ情報セキュリティ基本方針(グローバルセキュリティーポリ
シー)に基づく専任の最高情報セキュリティ責任者(CISO)を置き、さらに、CISOの下に、富士通グループの海外にお
ける事業上の地域区分であるリージョン毎にリージョンCISOを設置し、情報セキュリティ施策の策定と実行を行ってい
ます。
コンプライアンスの分野では、Fujitsu Wayの行動規範(・人権を尊重します。・知的財産を守り尊重します。・法
令を遵守します。・機密を保持します。・公正な商取引を行います。・業務上の立場を私的に利用しません。)を役職
員の業務に即して解説したGlobal Business Standardsを20ヵ国語で展開し、富士通グループのコンプライアンスの指
針にしています。Global Business Standardsのもとで「グローバルコンプライアンスプログラム」を策定し、トップ
メッセージの発信、規程の整備、教育、周知活動を継続的に実施し、富士通グループ全体のコンプライアンス体制の維
持・向上に取り組んでいます。
内部通報制度については、富士通グループ全役職員からの通報・相談窓口(「コンプライアンスライン/Fujitsu
Alert」)を社内外に設置するとともに、グループ会社でも個別に通報・相談窓口を整備し、運用しています。これに
より、不正行為等を早期に発見し、是正することで、違法行為・不正行為に対し、自浄作用を働かせ、行動規範の実現
を目指しています。
3.財務報告の適正性を確保するための体制
当社では、内部統制及び内部監査を担当する組織が体制を構築し、企業会計審議会の「財務報告に係る内部統制体制
の評価及び監査に関する実施基準」の原則に基づいて、富士通グループ全体の財務報告に係る内部統制の評価を実施し
ており、活動状況及び評価結果等については、代表取締役社長、最高財務責任者及び取締役会に報告しています。
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4.富士通グループにおける業務の適正を確保するための体制
前述の体制等は、富士通グループを対象として整備しています。
特に、リスクマネジメント体制及びコンプライアンス体制に関しては 、 上記2に記載のとおりであるほか 、 当社グルー
プにおける業務の適正を確保するための体制として 、 富士通グループ会社(一部の子会社を除く)の重要事項の決定権
限や決定プロセス 、 報告義務を定めた権限委譲に関する規程を制定し 、 グループ会社に遵守させ 、 グループにおける重要
事項の決定や報告に関する体制を整備しています 。
以上を中心とする内部統制体制の運用状況については、定期的に取締役会及び監査役への報告を行っています。
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(2)【役員の状況】
① 役員一覧
男性 11 名 女性 3 名 (役員のうち女性の比率 21.4 %)
所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1988年 4月 当社入社
2014年 6月 金融システム事業本部長
2015年 4月 執行役員
2019年 1月 執行役員常務(注9)
グローバルデリバリーグループ長
2019年 3月 執行役員副社長
代表取締役
2019年 6月 代表取締役社長(現在に至る)
社長 時田 隆仁 1962年9月2日 (注1) 5,923
リスク・コンプライアンス委員会委員長
CEO
(現在に至る)
2019年10月 CDXO(注10)(Chief DX Officer)
(2023年3月まで)
2021年 4月 CEO(注11)(Chief Executive Officer)
(現在に至る)
1982年 4月 当社入社
2009年 5月 産業システム事業本部長
2012年 4月 執行役員
2014年 4月 執行役員常務(注9)
グローバルデリバリー部門長
2018年 4月 執行役員専務(注9)
デジタルサービス部門長
2019年 1月 テクノロジーソリューション部門長
代表取締役
(2020年3月まで)
副社長
古田 英範 1958年12月13日 (注1) 5,933
CTO(注12)(Chief Technology Officer)
COO
(2021年6月まで)
2019年 6月 代表取締役副社長(現在に至る)
2020年 4月 グローバルソリューション部門長
2021年 4月 COO(注13)(Chief Operating Officer)
(現在に至る)
2021年10月 CDPO(注14)(Chief Data & Process
Officer)(2023年3月まで)
1985年 4月 当社入社
2014年 6月 財務経理本部経理部長
2018年 4月 執行役員
財務経理本部長(2021年3月まで)
2019年 6月 執行役員常務(注9)
取締役
CFO(注15)(Chief Financial Officer)
執行役員SEVP(注16) 磯部 武司 1962年7月29日 (注1) 2,441
(現在に至る)
CFO
2020年 4月 執行役員専務(注9)
2020年 6月 取締役執行役員専務(注9)
2022年 4月 取締役執行役員SEVP(注16)
(現在に至る)
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所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1976年 4月 当社入社
2004年 6月 パーソナルビジネス本部副本部長
2005年 6月 経営執行役(注17)
2007年 6月 経営執行役(注17)常務
2010年 1月 執行役員副社長
2010年 4月 執行役員社長
2010年 6月 代表取締役社長
2015年 6月 代表取締役会長(2017年6月まで)
取締役会議長(2019年6月まで)
2015年 7月 当社 指名委員会委員、報酬委員会委員
(2019年6月まで)
取締役
2017年 6月 取締役会長(2019年6月まで)
山本 正已 1954年1月11日
(注1) 10,182
シニアアドバイザー
JFEホールディングス㈱ 社外取締役
(現在に至る)
2018年10月(内閣府)規制改革推進会議 委員
(2019年7月まで)
2019年 3月(内閣府)知的財産戦略本部 本部員
(2021年3月まで)
2019年 6月 当社 取締役シニアアドバイザー
(現在に至る)
㈱みずほフィナンシャルグループ
社外取締役(現在に至る)
2021年 7月 当社 指名委員会委員(注6)
1977年 4月 慶應義塾大学 医学部 外科学教室
医局員(1985年11月まで)
1985年 8月 宇宙開発事業団(注18) 搭乗科学技術者
(宇宙飛行士)(2015年3月まで)
1987年 6月 アメリカ航空宇宙局 ジョンソン宇宙
センター 宇宙生物医学研究室 心臓血管
生理学研究員(1988年12月まで)
2014年10月 日本学術会議 副会長(2017年9月まで)
2015年 4月 東京理科大学 副学長(2016年3月まで)
2015年 6月 当社 取締役(現在に至る)
2016年 4月 東京理科大学 特任副学長(現在に至る)
取締役 向井 千秋 1952年5月6日
(注1) 3,526
2016年 7月 当社 指名委員会委員、報酬委員会委員
(2018年6月まで)
2017年 1月 国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)
科学技術小委員会 議長
(2018年1月まで)
2018年 4月 宇宙航空研究開発機構 特別参与
(2021年3月まで)
2018年 7月 当社 指名委員会委員、報酬委員会委員長
(2021年6月まで)
2019年 3月 花王㈱ 社外取締役(現在に至る)
2021年 7月 当社 報酬委員会委員長(注6)
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所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1977年 4月 三井物産㈱入社
1990年 6月 同社 電子工業室課長
1993年 1月 アレックス・ブラウン・アンド・サンズ
(注19) マネージング・ディレクター
2001年 8月 ドイツ証券会社(注20)
執行役員 兼 投資銀行本部長
2004年 8月 J.P.モルガン・パートナーズ・アジア
(注21) パートナー 兼 日本代表
(2009年3月まで)
2007年 5月 エドワーズ・グループ・リミテッド
(注22) 取締役(2009年10月まで)
取締役
2009年12月 ㈱産業創成アドバイザリー
阿部 敦 1953年10月19日
(注1) 3,134
取締役会議長
代表取締役(2022年6月まで)
2011年 2月 オン・セミコンダクター・
コーポレーション 取締役(現在に至る)
2015年 6月 当社 取締役(現在に至る)
2019年 6月 当社 取締役会議長(現在に至る)
2019年12月 ㈱産業創成アドバイザリー
シニア・アドバイザー(2022年6月まで)
2021年 7月 当社 指名委員会委員長(注6)
2022年 7月 ㈱アドバンスト・ソリューションズ
マネージング・パートナー
(現在に至る)
1988年 4月 國學院大學 法学部 専任講師
1991年 4月 同学部 助教授
1996年 4月 東京大学大学院 総合文化研究科 助教授
1999年 6月 同研究科 教授(2020年3月まで)
2010年10月 財団法人 日本国際政治学会(注23)
理事長
2012年10月 一般財団法人 日本国際政治学会 評議員
古城 佳子
取締役 1956年6月19日
(注1) 1,081
(現在に至る)
(久具 佳子)
2014年10月 日本学術会議 会員(2020年9月まで)
2018年 6月 当社 取締役(現在に至る)
2019年 7月 当社 指名委員会委員、報酬委員会委員
(注6)
2020年 4月 青山学院大学 国際政治経済学部
国際政治学科 教授(現在に至る)
1974年 4月 外務省入省
2002年 3月 経済局長
2005年 1月 アジア大洋州局長
2008年 1月 外務審議官
2010年 8月 外務事務次官
2012年 9月 特命全権大使 アメリカ合衆国駐箚
2018年 6月 公益財団法人 日本国際問題研究所
理事長 兼 所長
2019年 6月 セーレン㈱ 社外取締役(現在に至る)
取締役 佐々江 賢一郎 1951年9月25日 (注1) 139
三菱自動車工業㈱ 社外取締役
(現在に至る)
2020年12月 公益財団法人 日本国際問題研究所
理事長(現在に至る)
2021年 6月 当社 取締役(現在に至る)
2021年 7月 当社 報酬委員会委員(注6)
2022年 3月 アサヒグループホールディングス㈱
社外取締役(現在に至る)
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所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1991年 9月 セゾンコーポレーション入社
1997年 7月 日興ソロモン・スミス・バーニー証券
会社(注24) ヴァイス・プレジデント
1999年 8月 ソロス・グローバル・アドバイザーズ・
エルエルシー 日本支社 代表
2000年 8月 インダス・キャピタル・パートナーズ・
バイロン ギル
エルエルシー
(ギル バイロン
取締役 1968年12月29日 (注1) 0
ファウンディング・パートナー
エドワード)
インダス・キャピタル・アドバイザー
ズ・インク 日本支社 代表
2016年 7月 インダス・キャピタル・パートナーズ・
エルエルシー
マネージング・パートナー(現在に至る)
2023年 6月 当社 取締役(現在に至る)
1981年 4月 当社入社
2009年 6月 財務経理本部経理部長(2014年6月まで)
2012年 4月 常務理事
財務経理本部副本部長(2014年3月まで)
2013年 5月 執行役員(2017年3月まで)
常勤監査役 広瀬 陽一 1958年3月5日 (注2) 3,209
2014年 4月 財務経理本部長
2017年 4月 常任顧問
2017年 6月 当社 常勤監査役(現在に至る)
2018年 6月 ㈱富士通ゼネラル 社外監査役
(現在に至る)
1974年 4月 東京地方裁判所 判事補
1984年 4月 東京地方裁判所 判事
1988年 4月 司法研修所 教官
1997年 4月 東京高等裁判所 判事
2004年 7月 弁護士登録
弁護士法人キャスト(注25)参画
(現在に至る)
2004年10月 東京大学大学院 法学政治学研究科 教授
常勤監査役 山室 惠 1948年3月8日 (注3) 0
(2010年9月まで)
2005年 6月 当社 監査役(2020年6月まで)
2013年 6月 八千代工業㈱ 社外監査役
(2020年6月まで)
2013年 7月 当社 指名委員会委員、報酬委員会委員
(2016年7月まで)
2020年 6月 当社 常勤監査役(現在に至る)
1974年 3月 プライスウォーターハウス会計事務所
入所
1991年 7月 青山監査法人 代表社員
2000年 4月 中央青山監査法人 代表社員
2005年10月 同監査法人 理事 国際業務管理部長
2009年 5月 あらた監査法人(注26)
監査役 初川 浩司 1951年9月25日 (注4) 1,954
代表執行役CEO(2012年5月まで)
2012年 6月 農林中央金庫 監事(2021年6月まで)
2013年 6月 当社 監査役(現在に至る)
2016年 6月 武田薬品工業㈱ 社外取締役
(監査等委員である取締役)
(現在に至る)
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所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1978年 4月 東京地方検察庁 検事
2006年12月 新潟地方検察庁 検事正
2010年 4月 千葉地方検察庁 検事正
2011年 8月 最高検察庁 刑事部長
2012年 7月 公正取引委員会 委員(2017年6月まで)
2017年 9月 弁護士登録
監査役 幕田 英雄 1953年2月6日 (注3) 0
長島・大野・常松法律事務所 顧問
(2023年2月まで)
2019年 4月 日本原子力研究開発機構契約監視委員会
委員(現在に至る)
2020年 6月 当社 監査役(現在に至る)
㈱ダイセル 社外監査役(現在に至る)
1994年11月 アンダーソンロイド法律事務所
2012年 3月 日本モレックス合同会社 法務部長
2017年 6月 オコーネルコンサルタンツ 代表取締役
キャサリン
(2017年12月まで)
オコーネル
監査役 1967年2月10日 2018年 1月 オコーネル外国法事務弁護士事務所 (注5) 0
(オコーネル キャ
プリンシパル(現在に至る)
サリン マリー)
2022年 6月 当社 監査役(現在に至る)
2023年 6月 トヨタ自動車㈱ 社外監査役
(現在に至る)
計 37,523
(注) 1.取締役の任期は、2023年6月26日開催の定時株主総会から1年です。
2.監査役 広瀬陽一氏の任期は、2021年6月28日開催の定時株主総会から4年です。
3.監査役 山室惠、幕田英雄の各氏の任期は、2020年6月22日開催の定時株主総会から4年です。
4.監査役 初川浩司氏の任期は、2023年6月26日開催の定時株主総会から4年です。
5.監査役 キャサリン オコーネル氏の任期は、2022年6月27日開催の定時株主総会から4年です。
6.指名委員会及び報酬委員会の委員の任期は、選任後に開催される最初の定時株主総会終了時までです。
選任後、複数年が経過している委員は、再任によるものです。
7.取締役 向井千秋、阿部敦、古城佳子、佐々江賢一郎及びバイロン ギルの各氏は、会社法施行規則第2条第3項第5号が規定する社
外役員に該当する社外取締役です。
8.監査役 初川浩司、幕田英雄及びキャサリン オコーネルの各氏は、会社法施行規則第2条第3項第5号が規定する社外役員に該当す
る社外監査役です。
なお、監査役 山室恵氏は、2005年6月から2020年6月まで社外監査役を務めておりました。
9.執行役員につきましては、2022年4月付けで役位(専務/常務)を廃止し、職責の大きさを示すFUJITSU Level(SEVP、EVP、SVP
等)に呼称を変更しております。
10.最高DX責任者を指します。
11.最高経営責任者を指します。
12.最高技術責任者を指します。
13.最高執行責任者を指します。
14.最高データ&プロセス責任者を指します。
15.最高財務責任者を指します。
16.SEVPは、当社グループの役員及び従業員の職責の大きさを示すグローバル共通の基準であるFUJITSU Level(他にはEVP、SVPな
ど)の一つです。
17.経営執行役につきましては、2009年6月付で執行役員に呼称を変更しております。
18.現 宇宙航空研究開発機構
19.現 Raymond James & Associates, Inc.
20.現 ドイツ証券㈱
21.現 ユニタス・キャピタル
22.現 アトラスコプコ
23.現 一般財団法人日本国際政治学会
24.現 シティグループ証券株式会社
25.現 弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所
26.現 PwCあらた有限責任監査法人
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② 社外役員の状況
(1)社外取締役及び社外監査役との利害関係
当社の社外取締役及び社外監査役は次のとおりです。なお、当社と社外取締役及び社外監査役それぞれとの利
害関係は、「(3)社外取締役及び社外監査役の役割、機能及び独立性に関する基準又は方針の内容」に併せて記
載しております。
社外取締役(5名):向井千秋氏、阿部敦氏、古城佳子氏、佐々江賢一郎氏、バイロン ギル氏
社外監査役(3名):初川浩司氏、幕田英雄氏、キャサリン オコーネル氏
(2)社外取締役及び社外監査役が取締役又は監査役に就任する会社との利害関係
該当事項はありません。
(3)社外取締役及び社外監査役の役割、機能及び独立性に関する基準又は方針の内容
当社では、経営の透明性、効率性を一層向上させるため、社外役員を積極的に任用しております。
当社は、「コーポレートガバナンス基本方針」において、当社における社外取締役及び社外監査役の独立性に
関する基準(独立性基準)を策定し、同基準に基づき独立性を判断しております。
社外役員の独立性基準
1.現在又は過去において以下のいずれかにも該当しない者
(1)当社グループ(注1)の独立社外取締役でない取締役又は使用人
(2)当社の大株主(注2)の取締役、執行役、監査役又は重要な使用人(注3)
(3)当社の主要な借入先(注4)の取締役、執行役、監査役又は重要な使用人(注3)
(4)当社の会計監査人の社員又は使用人
(5)当社と他社の間で相互に派遣された取締役、執行役、監査役又は執行役員
(6)当社から役員報酬以外に、個人として又は個人と同視しうる小規模な法人等の取締役、執行役、監査
役、もしくは重要な使用人(注3)として多額の金銭(注5)、その他の財産を得ている者
(7)当社の主要な取引先(注6)の取締役、執行役、監査役又は重要な使用人(注3)
2.現在又は過去3年間において以下のいずれかに該当する者の近親者(注7)でない者
(1)当社グループの業務執行取締役、業務執行取締役でない取締役(注8)又は重要な使用人
(2)当社の大株主の取締役、執行役、監査役又は重要な使用人(注3)
(3)当社の主要な借入先の取締役、執行役、監査役又は重要な使用人(注3)
(4)当社の会計監査人の社員又は使用人
(5)当社と他社の間で相互に派遣された取締役、執行役、監査役又は執行役員
(6)当社から役員報酬以外に、個人として又は個人と同視しうる小規模な法人等の取締役、執行役、監査
役、もしくは重要な使用人(注3)として多額の金銭、その他の財産を得ている者
(7)当社の主要な取引先の取締役、執行役、監査役又は重要な使用人(注3)
(注1)「当社グループ」とは、当社と当社の子会社をいう。
(注2)「大株主」とは、当社の議決権の10%以上を名義上又は実質的に保有する大株主をいう。
(注3) 当該大株主、借入先、取引先の独立社外取締役又は独立社外監査役である場合を除く。
(注4)「主要な借入先」とは、当社の直近の事業報告に記載された当社グループの主要な借入先をいう。
(注5)「多額の金銭」とは、年間の合計が1,000万円以上の専門的サービス等に関する報酬、寄付等をいう。
(注6)「主要な取引先」とは、過去3事業年度のいずれかの事業年度において、当社グループとの取引の対価
の支払額又は受取額が、取引先又は当社の連結売上高の1%を超える企業等をいう。
(注7)「近親者」とは、2親等以内の親族、配偶者又は同居人をいう。
(注8) 当社の社外監査役又は社外監査役候補者である者の独立性を判断する場合に限る。
(注9) 独立性基準に列挙する役職についてはそれらに準ずる役職を含む。
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当社は、独立性基準を満たす社外取締役及び社外監査役の全員を当社が国内に株式を上場している金融商品取
引所に独立役員として届け出、受理されております。
なお、各社外取締役及び社外監査役の役割、機能及び具体的な選任理由に対する考え方は以下のとおりです。
<社外取締役>
・向井千秋氏
向井千秋氏は、過去に社外役員となること以外の方法で会社経営に関与されたことはありませんが、医師から
アジア女性初の宇宙飛行士となった経歴をお持ちです。同氏は、当社の標榜するチャレンジ精神を最先端の科学
分野で体現されており、多様な観点から業務執行に対する監督、助言を行うとともに、報酬委員会の委員長とし
て役員報酬のあり方について議論をリードしてきました。今後も、広範な科学技術の知見とグローバルな観点に
基づく公正かつ客観的な立場からの監督と助言が期待できるため、社外取締役としての監督機能及び役割を果た
していただけると考えております。
なお、同氏が特任副学長を務めている東京理科大学を運営する学校法人東京理科大学と当社の間には、営業取
引関係がありますが、その取引金額は当事業年度において約2百万円であり、当社の売上規模に鑑みると、特別の
利害関係を生じさせる重要性はありません。このため、同氏は当社の定める独立性基準を満たし、一般株主との
利益相反の生じるおそれがないと判断しております。
・阿部敦氏
阿部敦氏は、長年にわたる投資銀行業務やプライベート・エクイティ業務の経験を通じて、ICT業界やM&Aにつ
いての深い見識をお持ちであり、取締役会議長として、これまでの経験や機関投資家との対話を通じて得られた
投資家の視点から客観的な議事進行を行っております。それに加え、2021年7月からは指名委員会の委員長とし
て、当社の取締役会の構成をより良いものにすべく、役員候補者に求められる資質や経営陣の後継者計画等につ
いての議論をリードしております。今後も株主・投資家目線での監督や助言に加え、経営陣の迅速・果断な意思
決定への貢献が期待できるため、社外取締役としての監督機能及び役割を果たしていただけると考えておりま
す。
なお、同氏が代表取締役を務める株式会社アドバンスト・ソリューションズと当社との間には取引関係はあり
ません。同氏が取締役を務めるオン・セミコンダクター・コーポレーションと当社の間には営業取引関係があり
ますが、その取引金額は当事業年度において約16万円であり、当社の売上規模に鑑みると、特別の利害関係を生
じさせる重要性はありません。同氏は当社の主要株主や主要取引先の業務執行者等であった経歴がなく、また当
社の取締役としての報酬以外の金銭を受領しておらず、このため、同氏は当社の定める独立性基準を満たすと判
断しております。
・古城佳子氏
古城佳子氏は、過去に社外役員となること以外の方法で会社経営に関与されたことはありませんが、日本国際
政治学会理事長などの要職を歴任され、長年、民間企業を含む経済主体が国際政治に及ぼす影響などについての
研究を重ねておられます。同氏の深い学識に基づき、国際政治の激動期における外部環境の変化への対応やESG経
営への取り組みなどについて幅広い監督と助言が期待できるため、社外取締役としての監督機能及び役割を果た
していただけると考えております。
また、同氏は当社の主要株主や主要取引先の業務執行者であった経歴がなく、当社の定める独立性基準を満た
すと判断しております。
・佐々江賢一郎氏
佐々江賢一郎氏は、過去に社外役員となること以外の方法で会社経営に関与されたことはありませんが、外務
事務次官、駐アメリカ合衆国特命全権大使などの要職を歴任され、現在は公益財団法人日本国際問題研究所の理
事長を務められており、国際政治・経済に関する豊富な知識と実務経験をお持ちです。昨今、国際情勢が複雑化
する中で、同氏からは、知識と経験に基づき、グローバルな観点から公正かつ客観的な監督と助言が期待できる
ため、社外取締役としての監督機能及び役割を果たしていただけると考えております。
なお、同氏が理事長を務める公益財団法人日本国際問題研究所と当社との間には取引関係はありません。ま
た、同氏は当社の主要株主や主要取引先の業務執行者等であった経歴がないため、当社の定める独立性基準を満
たすと判断しております。
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・バイロン ギル氏
バイロン ギル氏は、外資系証券会社勤務を経て、現在、アジア市場に特化した機関投資家であるインダス・
キャピタル・パートナーズ・エルエルシーでマネージング・パートナーを務めており、財務及び投資に関する知
識に加え、機関投資家として投資先企業との対話を行ってきた豊富な経験をお持ちです。このような経験から、
公正かつ客観的な立場からの監督と助言に加え、株主及び投資家の意見を当社経営にフィードバックする役割が
期待できるため、社外取締役としての監督機能及び役割を果たしていただけると考えております。
なお、同氏がマネージング・パートナーを務めるインダス・キャピタル・パートナーズ・エルエルシーと当社
との間に取引関係はありません。インダス・キャピタル・パートナーズ・エルエルシーは、当社の定める独立性
基準における大株主には該当せず、また、同氏は当社の主要取引先の業務執行者等であった経歴がないため、当
社の定める独立性基準を満たすと判断しております。
<社外監査役>
・初川浩司氏
初川浩司氏は、公認会計士としてグローバル企業に対する豊富な監査経験があり、企業会計に関する広い知見
をお持ちです。監査役としての在任期間は第123回定時株主総会(2023年6月26日開催)終結の時をもって10年と
なりますが、同氏は独立社外監査役としての当社の定める独立性基準を満たしており、社外監査役としての監督
機能及び役割を果たしていただけると考えております。
同氏が代表執行役を務めていたあらた監査法人(現 PwCあらた有限責任監査法人)は、当社の会計監査を担当
したことはありません。また、PwCあらた有限責任監査法人と当社の間には、営業取引関係がありますが、その取
引金額は当事業年度において約34万円であり、当社の売上規模に鑑みると、特別の利害関係を生じさせる重要性
はありません。このため、同氏は当社の定める独立性基準を満たし、一般株主との利益相反の生じるおそれがな
いと判断しております。
・幕田英雄氏
幕田英雄氏は、過去に社外役員となること以外の方法で会社経営に直接関与されたことはありませんが、検
事、公正取引委員会の委員及び弁護士等の実務経験に基づく、法務・コンプライアンスに関する専門的見地及び
経済・社会等の企業経営を取り巻く事象に深い見識をお持ちであるため、社外監査役としての監督機能及び役割
を果たしていただけると考えております。
また、同氏は当社の主要株主や主要取引先の業務執行者等であった経歴がなく、当社の定める独立性基準を満
たすと判断しております。
・キャサリン オコーネル氏
キャサリン オコーネル氏はニュージーランド法弁護士であり、国内外の法律事務所及び日系企業の法務部門で
の豊富な実務経験を有しており、当社が監査役に求める法務及びコンプライアンスに関する知見をお持ちです。
また、同氏は国際性やジェンダーに関する問題についても深い見識をお持ちであり、多様な価値観を尊重する当
社において、同氏からは様々な観点からの業務執行の監査が期待できるため、社外監査役としての監督機能及び
役割を果たしていただけると考えております。
また、同氏は当社の主要株主や主要取引先の業務執行者等であった経歴がなく、当社の定める独立性基準を満
たすと判断しております。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内
部統制部門との関係
当社の内部監査組織である内部統制・監査室は、監査計画は、常勤監査役、監査役会、会計監査人に報告し、
監査結果は、常勤監査役にはすべて、取締役会、監査役会及び会計監査人に対しては重要なものを報告しており
ます。
また、当社の会計監査人であるEY新日本有限責任監査法人は、監査役会に対し、監査計画及び監査結果を報告
しております。必要に応じて意見交換等も行っており、連携して監査を行っております。
当社の内部統制については、「内部統制体制の整備に関する基本方針」にもとづき、リスク・コンプライアン
ス委員会が、リスク管理体制、コンプライアンス体制を、内部統制担当部門が財務報告に関する内部統制体制を
整備・運用し、必要に応じて監査役に報告を行っております。
さらに、当社では、全ての独立役員(独立社外取締役、独立社外監査役)から構成される独立役員会議を設置
しております。独立役員会議では、独立役員の情報共有と意見交換を踏まえた各役員の意見形成を図るほか、必
要に応じて常勤監査役も出席し、社外取締役との連携を確保します 。
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(3)【監査の状況】
①監査役監査の状況
a.監査役監査の組織、人員
当社は、監査役制度を採用しております。監査役(5名)は、取締役会等の重要な会議に出席し、取締役会及び業務
執行機能の監査・監督を行います。本有価証券報告書提出日現在、当社の監査役は以下のとおりです。
常勤監査役 :広瀬陽一氏、山室惠氏
社外監査役 :初川浩司氏、幕田英雄氏、キャサリン オコーネル氏
なお、当社監査役のうち、常勤監査役 広瀬陽一氏は、当社の財務経理本部長を務めるなど財務・経理部門における
長年の経験があり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。また、常勤監査役 山室恵氏は、裁判官
として経済事案を多く取り扱った経験があり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。また、監査役
初川浩司氏は、公認会計士としてグローバル企業の豊富な監査経験があり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有
しております。さらに、監査役 幕田英雄氏は、検事、公正取引委員会の委員等を歴任し、経済事案を多く取り扱った
経験があり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。
b.監査役及び監査役会の活動状況
当事業年度において当社は監査役会を合計10回(内 臨時監査役会1回)開催しており、各監査役の出席状況は以下
のとおりです。
氏名 監査役会出席状況
常勤監査役 広瀬 陽一 全10回中10回
常勤監査役 山室 惠 全10回中10回
社外監査役 初川 浩司 全10回中10回
社外監査役 幕田 英雄 全10回中10回
社外監査役 キャサリン オコーネル 全7回中7回
(注)監査役 キャサリン オコーネル氏の監査役会出席状況は、2022年6月の社外監査役就任後に行われた監査役会
への出席状況を記載しております。
監査役会においては、主に、監査の方針及び監査計画、会計監査人の監査の方法、結果の相当性及び監査上の主要な
検討事項等の検討を行うとともに、内部監査部門からの報告聴取、常勤監査役から社外監査役への重要な事項の報告及
び検討等を行いました。
また、監査役の活動として、取締役会、独立役員会議その他重要な会議への出席と意見表明、重要な決裁書類の閲
覧、代表取締役との意見交換、本社・子会社における業務等の監査、子会社監査役との情報交換、会計監査人からの報
告聴取、内部監査部門からの監査状況及び結果の聴取、コンプライアンス部門からの内部通報状況の聴取等を行いまし
た。
なお、監査上の主要な検討事項に関しては、連結財務諸表における潜在的な重要な虚偽表示のリスク並びに当連結会
計年度に発生した重要な事象等の影響及び変化等について、会計監査人と十分な議論、検討を行いました。
②内部監査の状況
当社は、内部監査組織として内部統制・監査室(室員119名、うち監査従事者数:51名)を設置しております。内部統
制・監査室は、業務執行部門から独立したゼネラルカウンセル配下の組織として位置付けられています。
内部統制・監査室は、公認内部監査人(CIA)、公認情報システム監査人(CISA)等の資格を有する者等、内部監査に関す
る専門的な知見を有する従業員を24名配置しております。
内部監査の監査計画及び監査結果については、グループ会社に関する事項を含め、代表取締役社長を委員長とするリス
クコンプライアンス委員会において定期的に報告を行うことで、同委員会を通して取締役会に報告しております。
また、常勤監査役、監査役会及び会計監査人に対して定期的に報告を行っております。
③会計監査の状況
a.監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
b.監査継続期間
52年
上記はEY新日本有限責任監査法人の前身である昭和監査法人が監査法人組織として関与を始めて以降の期間について
記載したものです。
c.業務を執行した公認会計士
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中谷喜彦氏、花藤則保氏、田邉朋子氏、山口学氏
d.監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者として、EY新日本有限責任監査法人所属の公認会計士26名、会計士試験合格者等13
名、その他52名が監査業務に従事しております。
e.監査法人の選定方針と理由
会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当すると認められる場合、監査役全員の同意に基づき会計監査
人を解任します。また、上記の場合のほか、会計監査人の適格性、独立性及び専門性を害する事由の発生により、適正
な監査の遂行が困難であると認められる場合その他監査役会が解任又は不再任が相当と認める事由が発生した場合、監
査役会は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任の議案内容を決定します。
上記の方針を踏まえ、監査役会で決議した「会計監査人の選定および評価基準」に基づき、現任の会計監査人の評価
を実施し、慎重に審議した結果、会計監査人としてEY新日本有限責任監査法人を再任することとしました。
f.監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社の監査役会は、同会で決議した「会計監査人の選定および評価基準」に基づき、前期の会計監査人の監査実績及
びその評価を行いました。
④監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
基づく報酬 基づく報酬 基づく報酬 基づく報酬
485 28 472 43
提出会社
325 3 266 2
連結子会社
810 31 738 45
計
(注)1.当社は会社法に基づく監査の報酬の額と金融商品取引法に基づく監査の報酬の額を区分しておりませんの
で、上記の報酬額には、会社法に基づく監査の報酬の額を含みます。
2.当社の一部の連結子会社は、当社の監査公認会計士等以外の監査法人の監査を受けております。
b.監査公認会計士等の非監査業務の内容
当社及び当社の連結子会社は、会計監査人に対して、公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務(非監査業務)とし
て、クラウドサービスに係る内部統制の保証報告書に関する業務や各種アドバイザリー業務を委託し、対価を支払って
おります。
c.監査公認会計士等と同一のネットワーク(Ernst & Young)に対する報酬(a.を除く)
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
基づく報酬 基づく報酬 基づく報酬 基づく報酬
提出会社 - - - -
738 397 1,085 654
連結子会社
738 397 1,085 654
計
d.監査公認会計士等と同一のネットワーク(Ernst & Young)の非監査業務の内容
当社の連結子会社は、監査公認会計士等と同一のネットワーク(Ernst & Young)に対して、データセンター等に係
る内部統制の保証報告書に関する業務や各種アドバイザリー業務を委託し、対価を支払っております。
e.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
上記a.及びc.で記載する報酬のほかに、重要なものはありません。
f.監査報酬の決定方針
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監査報酬につきましては、監査内容、日数等により適切な報酬額を検討し、会社法の定めに従い監査役会の同意を得
たうえで取締役が決定しております。
g.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社の監査役会は、同会で決議した「会計監査人の選定および評価基準」に基づき、前期の会計監査人の監査実績及
びその評価を踏まえた当期の監査計画における監査時間・配員計画等の内容、会計監査の職務執行状況及び報酬額の見
積もりの相当性を確認し、検討した結果、会計監査人の報酬等につき、会社法第399条第1項の同意を行っております。
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(4)【役員の報酬等】
(1)役員報酬額等の決定方針
①役員報酬額等の決定方針の決定方法等
当社は、より透明性の高い役員報酬制度とするべく、2009年10月の取締役会決議により報酬委員会を設置しており、取
締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針(以下「本決定方針」といいます)は、報酬委員会の答申を受
けて取締役会にて決定しております。
また、下記②に記載の役員報酬の見直しに伴い、2023年度以降における取締役及び監査役の報酬等は、株主総会の決議
によって定められた報酬等総額の範囲内において、当該見直しに伴う改定後の本決定方針(以下、「改定後の本決定方
針」といいます。下記③参照。)の枠組みに基づき、各取締役の報酬等については、報酬委員会の審議を経て取締役会で
の決議により決定し、各監査役の報酬等については、監査役の協議に基づき決定する運用としております。
なお、当期における取締役及び監査役の報酬等につきましては、株主総会の決議によって定められた報酬等総額の範囲
内において、下記②に記載の役員報酬の見直しに伴う改定前の本決定方針(以下、「当期における本決定方針」といいま
す。下記(3)参照。)の枠組みに基づき、各取締役の報酬等については、報酬委員会の審議を経て取締役会での決議によ
り決定し、各監査役の報酬等については、監査役の協議に基づき決定するとの運用としております。
また、下記(5)①「当社の役員に対する報酬等の総額及び種類別の額」に集計された当期における取締役の個人別の報
酬等の決定に当たっては、取締役会で決定された当期における本決定方針に基づき、独立社外取締役で構成される報酬委
員会が多様な視点からの検討を行っており、また、報酬委員会の答申を受けた取締役会は、当該報酬等の内容の決定が上
記の当期の運用に則していることを確認しているため、当期における本決定方針に沿うものであると判断しております。
②2023年度以降にかかる役員報酬の見直し
当社は、2023年度以降にかかる役員報酬の見直しのため、2023年5月11日開催の取締役会にて報酬委員会の答申を受け
て本決定方針の改定を決議し、またその改定のうち、株主総会の承認を条件としていた社外取締役に対する譲渡制限付株
式ユニットの導入についても2023年6月26日開催の第123回定時株主総会で決議いただきました。2023年度以降にかかる役
員報酬の見直しの内容は以下のとおりです。
次項③改定後の本
項目 目的・内容 決定方針における
参照箇所
1.社外取締役に対する株式報酬制度 社外取締役における株主の皆様との一層の価値共有を進 2.(3)②、
「譲渡制限付株式ユニット」の導入 め、当社の長期かつ持続的な企業価値の向上に資するこ 末尾のなお書き
とを目的としております。なお、本制度の対象とする社
外取締役については、客観的な立場から経営の監督及び
助言の役割を適正に果たすことを確保する観点から、本
制度は業績に連動しない株式報酬制度としております。
2.株式保有ガイドラインの制定 株式報酬制度の対象となる業務執行取締役及び社外取締 2.(5)
役に一定水準以上の当社株式の保有を推奨することによ
り、株主との長期的な価値共有を促進し、株主の皆様の
視点での経営を一層促すことを目的としております。
3.報酬の返還等に関する制度 業務執行取締役に対する業績連動報酬について、不適切 2.(6)
(クローバック・マルスに関する な会計又は重大な不正が生じた場合に、報酬を減額し、
ポリシー)の導入 返還を求めることができるようにすることを目的として
おります。
③改定後の本決定方針
改定後の本決定方針の内容は、以下のとおりです。
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役員報酬基本方針
当社は「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパス実現の
ために必要な富士通グループの経営を担う優秀な人材を確保するため、また、業績や株主価値との連動性をさらに高
め、透明性の高い報酬制度とするため、以下のとおり役員報酬基本方針を定める。
1.報酬体系及び報酬水準の考え方
・役員報酬は職務及び職責に応じ月額で定額を支給する「基本報酬」と、短期業績に連動する報酬としての「賞
与」、株主価値との連動を重視した中長期インセンティブとしての「株式報酬」から構成する体系とする。
・報酬水準及び種類別構成割合は、優秀な人材の確保・維持に資する競争力のある報酬とすることを目標として、事
業内容、事業規模等の類似する他企業の報酬構成割合及び職務・職責毎の報酬水準をベンチマークとして比較し、
当社の財務状況を踏まえて設定する。
・業務執行取締役の総報酬における業績連動報酬(賞与及び業績連動型株式報酬)の割合は、職責の重い取締役ほど
高くなるように決定し、業績及び株主価値との連動性を高めるものとする。
・取締役の個人別報酬は、報酬委員会の審議を経て、取締役会にて決定することで、客観性、透明性、公正性を確保
する。
役員報酬項目と支給対象のマトリクス図
基本報酬 株式報酬
対象 賞与
業績連動型 譲渡制限付き
経営監督分 業務執行分
株式報酬 株式ユニット
業務執行取締役 〇 〇 〇 〇 ―
社外取締役 〇 ― ― ― 〇
上記以外の取締役 〇 ― ― ― ―
監査役 〇 ― ― ―
2.各役員報酬項目の考え方
(1) 基本報酬
すべての役員(取締役及び監査役)を支給対象とし、それぞれの役員の職務及び職責に応じて月額の定額を支給す
る。
(2) 賞与
・業務執行取締役を支給対象とし、1事業年度の業績を反映した賞与を支給する。
・具体的な評価指標及び算出方法は、あらかじめ職務及び職責に応じた基準額を設定し、それに対して経営目標財務
指標である連結売上収益及び連結営業利益の当期の業績目標の達成度合い、並びに経営目標非財務指標である従業
員エンゲージメント*1、顧客NPS®*2、DX推進指標*3の前期からの伸長度合い及びESGに関する第三者評価の銘柄入
り、最高評価獲得に応じた係数を乗じて支給額を決定する『オンターゲット型』とする。
*1 会社の向かっている方向性・パーパスに共感し、自発的、主体的に働き貢献したいと思う意欲や愛着を表す指標
*2 顧客Net Promoter Scoreの略。顧客体験=カスタマー・エクスペリエンス(CX)の改善度や深化の把握のために、企業、商品やサー
ビスへのお客様の信頼度や愛着度を示す「顧客ロイヤリティ」を測る指標
*3 経済産業省が定める、企業のデジタル経営改革を推進するために、経営幹部や事業部門、DX部門、IT部門などの関係者の間で現状や
課題に対する認識を共有し、次のアクションにつなげる気付きの機会を提供することを目的とした指標
(3) 株式報酬
①業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア)
・業務執行取締役を支給対象とし、株主と利益を共有し、中長期的な業績向上に資する、業績連動型の株式報酬を支
給する。
・具体的な評価指標及び算出方法は、あらかじめ職務及び職責に応じた基準株式数を設定し、それに対して経営目標
財務指標である連結売上収益、連結営業利益及びEPS(一株当たり当期利益)の業績判定期間(3年間)中の業績目
標の達成度合いに応じた係数を乗じて年度毎の株式数を計算の上、業績判定期間の終了をもって、その合計株式数
の一部を時価相当額の金銭で支給し、残りの株式を割当てる。
②譲渡制限付株式ユニット(リストリクテッド・ストック・ユニット)
・社外取締役を支給対象とし、株主と利益を共有し、持続的な企業価値向上に資する、譲渡制限付株式ユニット(一
定の継続勤務期間の在任を条件として権利確定後に株式を報酬として付与する事後交付型インセンティブ制度)を
支給する。
・あらかじめ年度毎に職務に応じた株式ユニット数を設定し、継続勤務期間(3年間)を経て、その株式ユニット数
の一部を時価相当額の金銭で支給し、残りは株式を割当てる。
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(4) 報酬の構成割合の目安
業務執行取締役の「基本報酬(経営監督分を除く業務執行分のみ)」、「賞与」、「業績連動型株式報酬」の比率
は、代表取締役社長において1:1:3を目安とし、他の業務執行取締役よりも業績連動報酬の割合を高めに設定す
る。また、社外取締役の「基本報酬(手当除く)」、「譲渡制限付株式ユニット」の比率は7:3を目安とする。
(5) 株式保有ガイドライン
当社は、株主との長期的な価値共有の促進を目的とした株式保有ガイドラインを定める。株式報酬の支給対象であ
る取締役は、職務毎に定められた一定数以上の当社株式を在任期間中保有するよう努める。代表取締役社長は、就
任後4年経過時までに基本報酬年額の2倍に相当する当社株式を保有し、在任期間中その保有を継続するよう努め
る。
(6) 報酬の返還等(クローバック・マルスに関するポリシー)
退任2年以内の者を含む業務執行取締役に対して、過年度決算の重大な事後修正を含む不適切な会計または在任期
間中に重大な不正・コンプライアンス違反が生じた場合に、報酬委員会の審議を経て取締役会の決定により、当社
は業績連動報酬(賞与及び業績連動型株式報酬)を減額しまたはその返還を求めることができる。
なお、株主総会の決議により、取締役の「基本報酬」と「賞与」の合計額は年額12億円以内(うち社外取締役分
は年額1億5千万円以内)とする。業務執行取締役の「業績連動型株式報酬」は年額12億円以内、割り当てる株式総
数を年7万5千株以内とし 、 社外取締役の 「 譲渡制限付株式ユニット 」 は 、 第123回定時株主総会で決議したとおり 、 年
額1億円以内 、 割り当てる株式総数を年6千株以内とする 。
監査役の「基本報酬」は年額1億5千万円以内とする。
(2) 上記役員報酬の見直し後の業績連動報酬等にかかる事項
①算定の基礎とした業績指標の内容及び当該業績指標を選定した理由
a.賞与
当社は、業務執行取締役に1事業年度の業績目標達成に対するインセンティブとなるように当社の経営目標財務指標
として掲げる連結決算における売上収益と営業利益を評価指標として選定するとともに、業務執行取締役の経営目標達
成へのコミットメントを高めるため、当社の経営目標非財務指標である従業員エンゲージメント、顧客NPS®及びDX推進
指標と第三者評価として「ESGに関する第三者評価(DJSI(注1)、CDP気候変動(注2))」を評価指標として選定して
おります。
(注)1.DJSI:Dow Jones Sustainability Indexの略。世界的なESG投資指標。
2.CDP気候変動:国際的な非営利組織であるCDPが投資家等の要請に基づき、「気候変動」への取組みを調査、
評価を行い、結果を公表するもの。
b.業績連動型株式報酬
当社は、業務執行取締役に中長期的な企業価値向上のインセンティブを与えるとともに、株主の皆様の視点での経営
を一層促すために、当社の経営目標財務指標として掲げる連結決算における売上収益、営業利益及びEPSを評価指標と
して選定しております。
②算定方法
a.賞与
当社は、1事業年度の開始時に、業務執行取締役に対して、業績目標並びに職務及び職責に応じた基準賞与額を提示
します。そして、当該事業年度の終了をもって、基準賞与額に、当社の連結決算における売上収益及び営業利益の当期
の業績目標の達成度合い、並びに経営目標非財務指標である従業員エンゲージメント、顧客NPS®、DX推進指標の前期か
らの伸長度合い及びESGに関する第三者評価の銘柄入り、最高評価獲得に応じた係数を乗じて、支給賞与額を算出しま
す。なお、業績目標の達成度合いがあらかじめ設定した下限未満となる場合には賞与は支給されません。また、業績目
標の達成度合いがあらかじめ設定した上限以上となる場合には、基準賞与額にあらかじめ設定した係数の上限を乗じた
額を支給します。
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b.業績連動型株式報酬
当社は、業務執行取締役に対して、あらかじめ職務及び職責に応じた基準株式数、業績判定期間(3事業年度)及び
業績目標を提示します。そして、基準株式数に当社の連結決算における売上収益、営業利益及びEPSの業績判定期間(3
事業年度)中の業績目標の達成度合いに応じた係数を乗じて算出した数の株式を事業年度毎及び業績判定期間終了時に
計算し、業績判定期間中に継続して本制度の対象者の地位にあったことを条件として、業績判定期間の終了をもって、
対象者毎に、①その合計株式数の一部は本業績連動型株式報酬制度に係る報酬の支給に伴い対象者に生じる納税資金負
担相当の金銭で支給し、②残りは当社株式を割当てます。このとき、業務執行取締役には上記合計株式の時価相当額
を、金銭報酬債権及び金銭で支給し、業務執行取締役は、前者の金銭報酬債権を、割当てられた株式に対し出資して、
当社株式を取得します。なお、合計株式数に占める金銭で支給する部分の割合は、対象者の納税資金負担を考慮して、
取締役会で定めるものとします。
(3)当期における本決定方針
下記(5)①「当社の役員に対する報酬等の総額及び種類別の額」に集計された当期における取締役及び監査役の報酬等
については、当期における本決定方針に基づき決定しており、その内容は次のとおりです。
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役員報酬基本方針
当社は「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパス実現の
ために必要な富士通グループの経営を担う優秀な人材を確保するため、また、業績や株主価値との連動性をさらに高
め、透明性の高い報酬制度とするため、以下のとおり役員報酬基本方針を定める。
a.報酬体系及び報酬水準の考え方
・役員報酬は職務及び職責に応じ月額で定額を支給する「基本報酬」と、短期業績に連動する報酬としての「賞
与」、株主価値との連動を重視した中長期インセンティブとしての「業績連動型株式報酬」から構成する体系とす
る。
・報酬水準及び種類別構成割合は、優秀な人材の確保・維持に資する競争力のある報酬とすることを目標として、事
業内容、事業規模等の類似する他企業の報酬構成割合及び職務・職責毎の報酬水準をベンチマークとして比較し、
当社の財務状況を踏まえて設定する。
・業務執行を担う取締役の総報酬における業績連動報酬の割合は、職責の重い取締役ほど高くなるように決定し、業
績及び株主価値との連動性を高めるものとする。
・取締役の個人別報酬は、報酬委員会の審議を経て、取締役会にて決定することで、客観性、透明性、公正性を確保
する。
b.基本報酬
すべての取締役及び監査役を支給対象とし、その支給額はそれぞれの役員の職務及び職責に応じて月額の定額を決
定する。
c.賞与
・業務執行を担う取締役を支給対象とし、1事業年度の業績を反映した賞与を支給する。
・具体的な評価指標及び算出方法は、あらかじめ職務及び職責に応じた基準額を設定し、それに対して経営目標財務
指標である連結売上収益及び連結営業利益の当期の業績目標の達成度合い、並びに経営目標非財務指標である従業
員エンゲージメント*1、顧客NPS®*2、DX推進指標*3の前期からの伸長度合い及びESGに関する第三者評価の銘柄入
り、最高評価獲得に応じた係数を乗じて支給額を決定する『オンターゲット型』とする。
d.業績連動型株式報酬
・業務執行を担う取締役を支給対象とし、株主と利益を共有し、中長期的な業績向上に資する、業績連動型の株式報
酬を支給する。
・具体的な評価指標及び算出方法は、あらかじめ職務及び職責に応じた基準株式数を設定し、それに対して経営目標
財務指標である連結売上収益、連結営業利益及びEPS(一株当たり当期利益)の業績判定期間(3年間)中の業績目
標の達成度合いに応じた係数を乗じて年度毎の株式数を計算の上、業績判定期間の終了をもって、その合計株式数
の一部を時価相当額の金銭で支給し、残りの株式を割当てる。
なお、株主総会の決議により、取締役の「基本報酬」と「賞与」の合計額を年額12億円以内とし、「業績連動型
株式報酬」を年額12億円以内、割り当てる株式総数を年7万5千株以内とする。また、監査役の「基本報酬」を年額
1億5千万円以内とする。
(ご参考)役員報酬項目と支給対象について
基本報酬
業績連動型
対象 賞与
株式報酬
経営監督分 業務執行分
取締役 〇 ― ― ―
業務執行取締役 〇 〇 〇 〇
監査役 〇 ― ―
*1 会社の向かっている方向性・パーパスに共感し、自発的、主体的に働き貢献したいと思う意欲や愛着を表す指標
*2 顧客Net Promoter Scoreの略。顧客体験=カスタマー・エクスペリエンス(CX)の改善度や深化の把握のために、企業、商品やサービス
へのお客様の信頼度や愛着度を示す「顧客ロイヤリティ」を測る指標
*3 経済産業省が定める、企業のデジタル経営改革を推進するために、経営幹部や事業部門、DX部門、IT部門などの関係者の間で現状や課題
に対する認識を共有し、次のアクションにつなげる気付きの機会を提供することを目的とした指標
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(4)当期における業績連動報酬等にかかる事項
①算定の基礎とした業績指標の内容及び当該業績指標を選定した理由
a.賞与
当社は、業務執行取締役に1事業年度の業績目標達成に対するインセンティブとなるように当社の経営目標財務指標
として掲げる連結決算における売上収益と営業利益を評価指標として選定するとともに、業務執行取締役の経営目標達
成へのコミットメントを高めるため、当社の経営目標非財務指標である従業員エンゲージメント、顧客NPS®及びDX推進
指標と第三者評価として「ESGに関する第三者評価(DJSI、CDP気候変動)」を評価指標として選定しております。
b.業績連動型株式報酬
当社は、業務執行取締役に中長期的な企業価値向上のインセンティブを与えるとともに、株主の皆様の視点での経営
を一層促すために、当社の経営目標財務指標として掲げる連結決算における売上収益、営業利益及びEPSを評価指標と
して選定しております。
②算定方法
a.賞与
当社は、1事業年度の開始時に、業務執行取締役に対して、業績目標並びに職務及び職責に応じた基準賞与額を提示
します。そして、当該事業年度の終了をもって、基準賞与額に、当社の連結決算における売上収益及び営業利益の当期
の業績目標の達成度合い、並びに経営目標非財務指標である従業員エンゲージメント、顧客NPS®、DX推進指標の前期か
らの伸長度合い及びESGに関する第三者評価の銘柄入り、最高評価獲得に応じた係数を乗じて、支給賞与額を算出しま
す。なお、業績目標の達成度合いがあらかじめ設定した下限未満となる場合には賞与は支給されません。また、業績目
標の達成度合いがあらかじめ設定した上限以上となる場合には、基準賞与額にあらかじめ設定した係数の上限を乗じた
額を支給します。
b.業績連動型株式報酬
当社は、業務執行取締役に対して、あらかじめ職務及び職責に応じた基準株式数、業績判定期間(3事業年度)及び
業績目標を提示します。そして、基準株式数に当社の連結決算における売上収益、営業利益及びEPSの業績判定期間(3
事業年度)中の業績目標の達成度合いに応じた係数を乗じて算出した数の株式を事業年度毎及び業績判定期間終了時に
計算し、業績判定期間中に継続して本制度の対象者の地位にあったことを条件として、業績判定期間の終了をもって、
対象者毎に、①その合計株式数の一部は本業績連動型株式報酬制度に係る報酬の支給に伴い対象者に生じる納税資金負
担相当の金銭で支給し、②残りは当社株式を割当てます。このとき、業務執行取締役には上記合計株式の時価相当額
を、金銭報酬債権及び金銭で支給し、業務執行取締役は、前者の金銭報酬債権を、割当てられた株式に対し出資して、
当社株式を取得します。なお、合計株式数に占める金銭で支給する部分の割合は、対象者の納税資金負担を考慮して、
取締役会で定めるものとします。
③当期における業績連動報酬に係る指標の目標及び実績
(単位:億円)
目標 実績
連結売上収益 37,200 37,137
連結営業利益 4,000 3,356
(5)役員報酬の内容
①当社の役員に対する報酬等の総額及び種類別の額
(単位:百万円)
報酬等の種類
人数 報酬等の
役員区分
(人) 総額
業績連動型
基本報酬 賞与
株式報酬
取締役
4 246 124 277 647
(社外取締役を除く)
監査役
2 72 72
- -
(社外監査役を除く)
8 120 120
社外役員 - -
5 79 79
社外取締役 - -
3 41 41
社外監査役 - -
(注)1.取締役の報酬額は、2021年6月28日開催の第121回定時株主総会において、金銭報酬を年額12億円以内(うち
社外取締役分は年額1億5千万円以内)とすることを決議いただいております。また、同第121回定時株主総
会において、業務執行取締役に対する業績連動型株式報酬として当社普通株式を年額12億円以内、割り当て
る株式総数を年7.5万株以内とすることを決議いただいております。同第121回定時株主総会終結の時点の取
締役の員数は、9名(うち、社外取締役は5名)です。当社は、これらの報酬額の中で、上記の表の報酬を支
給しております。また、2023年度以降にかかる取締役の報酬額に関して、2023年6月26日開催の第123回定時
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株主総会において、社外取締役に対する譲渡制限付株式ユニットにかかる報酬として当社普通株式を年額1
億円以内、割り当てる株式総数を年6千株以内とすることを決議いただいております。同第123回定時株主総
会 終結の時点の取締役の員数は、9名(うち、社外取締役は5名)です。
2.監査役の報酬額は、2011年6月23日開催の第111回定時株主総会において、基本報酬を年額1億5千万円以内と
することを決議いただいております。同第111回定時株主総会終結の時点の監査役の員数は、5名(うち、社
外監査役は3名)です。当社は、これらの報酬額の中で、上記の表の報酬を支給しております。
3.業績連動型株式報酬は、当事業年度に費用計上した金額を記載しております。
②連結報酬等の総額及び種類別の額
(単位:百万円)
報酬等の種類別の額
報酬等の
役員区分 会社区分
総額
業績連動型
基本報酬 賞与
株式報酬
300
時田 隆仁 取締役 提出会社 82 57 159
162
古田 英範 取締役 提出会社 57 37 68
126
磯部 武司 取締役 提出会社 48 29 48
(注)業績連動型株式報酬は、当事業年度に費用計上した金額を記載しております。
③使用人兼務役員の重要な使用人給与
該当事項はありません。
(6)役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の決定権限を有する者の氏名又は名称等
当社は、役員報酬決定プロセスの透明性及び客観性を確保し、効率的かつ実質的な議論を行うこと並びに役員報酬の体
系及び水準の妥当性の確保などを目的として、取締役会の諮問機関である報酬委員会を設置しております。
報酬委員会は、当社の「コーポレートガバナンス基本方針」に定めた「役員報酬の決定手続きと方針」に基づき、基本
報酬の水準と、業績連動報酬の算定方法を取締役会に答申又は提案することとしております。
当社は、取締役会の諮問機関である報酬委員会の答申を踏まえ、取締役会において本決定方針を制定し、その枠組みの
範囲内で取締役の個人別の報酬等の水準を決定しております。また、取締役の個人別の報酬等については、その決定プロ
セスの客観性・透明性・公正性を確保するため、報酬委員会の審議を経て取締役会での決議により決定しております。
報酬委員会は、「コーポレートガバナンス基本方針」において、非執行役員で構成し、そのうち過半数を独立社外取締
役とすることとしており、また、本委員会の委員長は独立社外取締役が務めるものとしております。2022年6月に選任さ
れた本委員会の委員は以下のとおりであり、非執行役員4名で構成されておりました。
委員長 :向井千秋氏
委員 :古城佳子氏、スコット キャロン氏、佐々江賢一郎氏
なお、2022年6月の上記委員の選任後から当期末までに、報酬委員会を6回開催し、役員報酬の見直し等について検討
し、取締役会に答申するとともに、社外取締役に対する株式報酬制度の導入についても検討を行いました。
(注)上記の委員は、2023年6月26日開催の定時株主総会終了時をもちまして、任期満了のため退任しております。
2023年度の委員につきましては、同株主総会終了後に開催される取締役会において、選任予定です。
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(5)【株式の保有状況】
①投資株式の区分の基準及び考え方
純投資目的株式には、専ら株式価値の変動又は配当金を目的として保有する株式を、純投資目的以外の株式には、
それらの目的に加え中長期的な企業価値の向上に資すると判断し保有する株式を区分しています。
②投資目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、保有目的が明確であり、積極的な保有意義がある場合のみ政策保有株式を保有します。取締役会におい
て、当社の加重平均資本コストを基準として、それに対するリターン(配当や取引状況等の定量要素)やリスクが見
合っているかを定量的に評価し、定量的な保有意義がない場合には、なお保有することに合理性があることを根拠づ
ける定性的な理由がないかを評価し、保有の継続を議論しています。当事業年度においては、7銘柄を全部売却し、
当事業年度末時点で保有する政策保有株式について、2023年6月22日の取締役会で議論いたしました。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
銘柄数 貸借対照表計上額の
(銘柄) 合計額(百万円)
71 22,766
非上場株式
58 98,961
非上場株式以外の株式
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
銘柄数 株式数の増加に係る取得
株式数の増加の理由
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
0 0 ―
非上場株式
0 0 ―
非上場株式以外の株式
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
銘柄数 株式数の減少に係る売却
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
3 9
非上場株式
8 44,140
非上場株式以外の株式
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c.当社が保有する保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式(金融商品取引所に上場されている株式に限
る。以下、特定投資株式)及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
定量的な保有効果については取引先との関係性を考慮し、記載しませんが、取締役会において、当社の加重平均
資本コストを基準として、それに対するリターン(配当や取引状況等の定量要素)やリスクが見合っているかを定
量的に評価し、定量的な保有意義がない場合には、なお保有することに合理性があることを根拠づける定性的な理
由がないかを評価し、保有の継続を議論しています。
特定投資株式
当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
当社グループのシステムLSI事業を分割
して事業開始された会社であり、設立以
5,049,900 57,600,000
降保有を継続しています。当事業年度に
㈱ソシオネクスト おいて、同社が実施した株式併合に伴っ 無
て保有株数が43,200,000株減少し、また
同社が上場した際に9,350,100株を売却
49,135 23,796
いたしました。
日本市場におけるデジタルトランス
10,752,688 10,752,688
Palantir
フォーメーション(DX)分野の強化に向
無
Technologies Inc. けた協業関係の構築を目的として取得
12,132 18,068
し、保有を継続しています。
同社の通信機部門を分離して当社が設立
1,826,612 1,826,612
富士電機㈱
された経緯より、協力関係の維持を目的 有
9,498 11,251
として政策的に保有しています。
ソフトウェア開発の分野における当社の
協力企業であり、関係強化を目的として
1,536,000 768,000
取得し、保有を継続しています。当事業
ベース㈱
無
年度において、同社が株式分割を実施し
たため、保有株数が768,000株増加して
8,862 4,853
います。
当社製品を中心としたソリューションビ
2,402,235 2,402,235
ジネスの展開における当社の協力企業で
都築電気㈱
有
あり、関係強化を目的として取得し、保
3,754 3,555
有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
338,169 338,169
おける当社の営業取引先であり、同取引
豊田通商㈱
無
上の関係性維持・強化を目的として取得
1,900 1,711
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
651,800 651,800
おける当社の営業取引先であり、同取引
イオン㈱
無
上の関係性維持・強化を目的として取得
1,672 1,700
し、保有を継続しています。
ソフトウェア開発の分野における当社の
協力企業であり、関係強化を目的として
1,240,000 1,860,000
取得し、保有を継続しています。当事業
㈱シーイーシー 有
年度において、保有する株式の一部を売
却したため、保有株数が620,000株減少
1,584 2,388
しています。
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
古河グループである同社との協力関係の
508,647 508,647
横浜ゴム㈱
維持を目的として取得し、保有を継続し 有
1,422 860
ています。
古河グループである同社との協力関係の
711,200 711,200
日本ゼオン㈱
維持を目的として取得し、保有を継続し 有
994 970
ています。
当社製品を中心としたソリューションビ
1,866,827 1,866,827
ジネスの展開における当社の協力企業で
大興電子通信㈱
有
あり、関係強化を目的として取得し、保
912 752
有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
383,460 383,460
ヤマトホールディン
おける当社の営業取引先であり、同取引
無
グス㈱
上の関係性維持・強化を目的として取得
870 879
し、保有を継続しています。
古河グループである同社との協力関係の
300,000 300,000
㈱ADEKA
維持を目的として取得し、保有を継続し 有
677 811
ています。
主としてテクノロジーソリューションに
537,246 537,246
イオンフィナンシャ
おける当社の営業取引先であり、同取引
無
ルサービス㈱
上の関係性維持・強化を目的として取得
662 653
し、保有を継続しています。
古河グループである同社との協力関係の
171,988 171,988
富士古河E&C㈱
維持を目的として取得し、保有を継続し 無
659 451
ています。
ソリューションビジネスの展開における
416,400 416,400
㈱高見沢サイバネ
当社の協力企業であり、関係強化を目的 無
ティックス
646 299
として取得し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
25,000 25,000
おける当社の営業取引先であり、同取引
東海旅客鉄道㈱
無
上の関係性維持・強化を目的として取得
395 399
し、保有を継続しています。
当社製品を中心としたソリューションビ
75,000 75,000
ジネスの展開における当社の協力企業で
㈱内田洋行 有
あり、関係強化を目的として取得し、保
368 364
有を継続しています。
古河グループである同社との協力関係の
300,000 300,000
関東電化工業㈱
維持を目的として取得し、保有を継続し 無
309 324
ています。
366,191 366,191
ベンチャー企業への投資の一環として取
モビルス㈱
無
得し、保有を継続しています。
276 331
主としてテクノロジーソリューションに
177,520 177,520
おける当社の営業取引先であり、同取引
東洋テック㈱
有
上の関係性維持・強化を目的として取得
169 173
し、保有を継続しています。
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
主としてテクノロジーソリューションに
50,020 50,020
おける当社の営業取引先であり、同取引
大和ハウス工業㈱
無
上の関係性維持・強化を目的として取得
155 160
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
25,000 25,000
おける当社の営業取引先であり、同取引
㈱サンリオ 無
上の関係性維持・強化を目的として取得
148 62
し、保有を継続しています。
ソリューションビジネスの展開における
80,000 80,000
㈱セゾン情報システ
当社の協力企業であり、関係強化を目的 無
ムズ
146 152
として取得し、保有を継続しています。
古河グループである同社との協力関係の
50,000 50,000
古河電気工業㈱
維持を目的として取得し、保有を継続し 有
123 108
ています。
当社製品を中心としたソリューションビ
23,558 23,558
ジネスの展開における当社の協力企業で
ソレキア㈱
有
あり、関係強化を目的として取得し、保
122 108
有を継続しています。
215,199 215,199
ベンチャー企業への投資の一環として取
Transphorm, Inc.
無
得し、保有を継続しています。
114 186
主としてテクノロジーソリューションに
おける当社の営業取引先であり、同取引
100,000 150,000
上の関係性維持・強化を目的として取得
㈱松屋 し、保有を継続しています。当事業年度 無
において、保有する株式の一部を売却し
たため、保有株数が50,000株減少してい
110 115
ます。
主としてテクノロジーソリューションに
おける当社の営業取引先であり、同取引
100,000 1,000,000
上の関係性維持・強化を目的として取得
㈱オリエントコーポ
し、保有を継続しています。当事業年度 無
レーション
において、同社が株式併合を実施したた
め、保有株数が900,000株減少していま
110 124
す。
当社プロダクトの重要な販売チャネルで
50,000 50,000
ダイワボウホール
有
あり、関係強化を目的として取得し、保
ディングス㈱
(注1)
109 82
有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
78,407 78,407
おける当社の営業取引先であり、同取引
アキレス㈱
無
上の関係性維持・強化を目的として取得
106 99
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
50,000 50,000
おける当社の営業取引先であり、同取引
㈱クレディセゾン 無
上の関係性維持・強化を目的として取得
84 65
し、保有を継続しています。
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
主としてテクノロジーソリューションに
33,000 33,000
㈱テレビ東京ホール おける当社の営業取引先であり、同取引
無
ディングス 上の関係性維持・強化を目的として取得
81 65
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
おける当社の営業取引先であり、同取引
61,140 58,910
㈱山善 上の関係性維持・強化を目的として、同 無
社持株会を通じて取得し、保有を継続し
62 55
ています。
主としてテクノロジーソリューションに
おける当社の営業取引先であり、同取引
120,000 140,000
上の関係性維持・強化を目的として取得
㈱ほくほくフィナン
し、保有を継続しています。当事業年度 無
シャルグループ
において、同社が種類株式の償還を実施
60 70
したため、保有株数が20,000株減少して
います。
主としてテクノロジーソリューションに
100,000 100,000
おける当社の営業取引先であり、同取引
㈱富山第一銀行 有
上の関係性維持・強化を目的として取得
58 31
し、保有を継続しています。
当社製品を中心としたソリューションビ
50,688 50,688
ジネスの展開における当社の協力企業で
扶桑電通㈱
有
あり、関係強化を目的として取得し、保
53 65
有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
7,568 7,568
おける当社の営業取引先であり、同取引
日本電産㈱
無
上の関係性維持・強化を目的として取得
51 73
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
57,353 57,353
おける当社の営業取引先であり、同取引
九州電力㈱
無
上の関係性維持・強化を目的として取得
43 46
し、保有を継続しています。
当社プロダクトおよびソフトウェアの販
110,000 110,000
サイオス㈱
売に関する協業関係の構築を目的として 無
41 46
取得し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
24,500 24,500
おける当社の営業取引先であり、同取引
㈱佐賀銀行 無
上の関係性維持・強化を目的として取得
39 35
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
12,000 12,000
おける当社の営業取引先であり、同取引
電源開発㈱
無
上の関係性維持・強化を目的として取得
25 20
し、保有を継続しています。
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
主としてテクノロジーソリューションに
25,000 25,000
おける当社の営業取引先であり、同取引
㈱宮崎太陽銀行 有
上の関係性維持・強化を目的として取得
25 23
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
40,000 40,000
日本トランスシティ
おける当社の営業取引先であり、同取引
無
㈱
上の関係性維持・強化を目的として取得
24 24
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
57,714 55,467
おける当社の営業取引先であり、同取引
㈱オンワードホール
上の関係性維持・強化を目的として、同 無
ディングス
社持株会を通じて取得し、保有を継続し
22 14
ています。
主としてテクノロジーソリューションに
14,880 14,880
おける当社の営業取引先であり、同取引
㈱清水銀行 有
上の関係性維持・強化を目的として取得
21 23
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
20,003 20,003
おける当社の営業取引先であり、同取引
㈱愛媛銀行 無
上の関係性維持・強化を目的として取得
16 18
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
29,700 29,700
㈱スカパーJSATホー おける当社の営業取引先であり、同取引
無
ルディングス 上の関係性維持・強化を目的として取得
15 12
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
13,946 13,946
おける当社の営業取引先であり、同取引
㈱中央倉庫 無
上の関係性維持・強化を目的として取得
15 13
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
26,900 26,900
おける当社の営業取引先であり、同取引
㈱豊和銀行 無
上の関係性維持・強化を目的として取得
15 15
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
11,000 11,000
おける当社の営業取引先であり、同取引
㈱ノダ 無
上の関係性維持・強化を目的として取得
13 12
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
17,000 17,000
おける当社の営業取引先であり、同取引
北陸電力㈱
無
上の関係性維持・強化を目的として取得
10 9
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
3,000 3,000
おける当社の営業取引先であり、同取引
三菱食品㈱
無
上の関係性維持・強化を目的として取得
9 9
し、保有を継続しています。
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
主としてテクノロジーソリューションに
4,013 3,919
おける当社の営業取引先であり、同取引
ヤマエグループホー
上の関係性維持・強化を目的として、同 無
ルディングス㈱
社持株会を通じて取得し、保有を継続し
7 4
ています。
主としてテクノロジーソリューションに
3,864 3,864
おける当社の営業取引先であり、同取引
㈱オークワ 無
上の関係性維持・強化を目的として取得
3 3
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
1,000 1,000
OUGホールディング
おける当社の営業取引先であり、同取引
無
ス㈱
上の関係性維持・強化を目的として取得
2 2
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
11,000 11,000
おける当社の営業取引先であり、同取引
㈱コックス 無
上の関係性維持・強化を目的として取得
1 1
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
1,000 1,000
パナソニックホール
おける当社の営業取引先であり、同取引
無
ディングス㈱
上の関係性維持・強化を目的として取得
1 1
し、保有を継続しています。
主としてテクノロジーソリューションに
7,060,655
-
おける当社の営業取引先であり、同取引
トヨタ自動車㈱
上の関係性維持・強化を目的として取得 無
しました。当事業年度において全株を売
15,692
-
却しました。
主としてテクノロジーソリューションに
94,000
-
おける当社の営業取引先であり、同取引
東京瓦斯㈱
上の関係性維持・強化を目的として取得 無
しました。当事業年度において全株を売
209
-
却しました。
投資先からの現物配当により取得しまし
3,106
-
DocuSign,Inc
た。当事業年度において全株を売却しま 無
40
-
した。
投資先からの現物配当により取得しまし
1,591
-
Box,Inc.
た。当事業年度において全株を売却しま 無
5
-
した。
(注)1.当該会社は、子会社を通じた間接保有があります。
みなし保有株式
みなし保有株式として保有する株式はありません。
③保有目的が純投資目的である投資株式
純投資目的で保有する株式はありません。
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第5【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28
号。以下「連結財務諸表規則」という。)第1条の2第1号及び第2号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の
要件を満たすことから、連結財務諸表規則第93条の規定により、国際会計基準(以下、IFRS)に準拠して作成して
おります。
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下
「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
なお、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しており
ます。
(注)当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)を「当年度」、前連結会計年度を「前年度」と記
載しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
の連結財務諸表及び事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の財務諸表について、EY新日本有限責任監査
法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適
正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成
することができる体制の整備を行っております。その内容は以下の通りです。
(1)当社は、会計基準等の内容を適切に把握し、連結財務諸表等を適正に作成できる体制を整備するため、連結財
務諸表等の開示業務を担当する専任組織を経理部内に設置し、IFRSに関する十分な知識を有した従業員を配置する
とともに、会計基準の変更等についての正確な情報を入手するために、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、
同機構や他の外部団体が主催する研修会等に参加しております。
(2)IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の
把握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するため、IFRSに準拠したグループ会計
方針等を作成し、それらに基づいて会計処理を行っております。
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1【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結財政状態計算書】
(単位:百万円)
前年度末 当年度末
注記番号
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
資産
流動資産
484,020 355,901
現金及び現金同等物 16
878,473 927,849
売上債権 15
62,327 84,766
その他の債権 15
116,357 125,442
契約資産 25
309,829 337,008
棚卸資産 14
90,823 86,858
その他の流動資産
流動資産合計 1,941,829 1,917,824
非流動資産
571,168 572,172
有形固定資産 8,27
47,487 55,132
のれん 9,27
133,856 146,264
無形資産 9,27
166,126 155,594
持分法で会計処理されている投資 11
170,105 195,463
その他の投資 12
139,543 81,883
退職給付に係る資産 21
99,838 73,310
繰延税金資産 13
61,857 67,937
その他の非流動資産
1,389,980 1,347,755
非流動資産合計
3,331,809 3,265,579
資産合計
負債及び資本
負債
流動負債
470,237 463,730
仕入債務 24
403,873 367,399
その他の債務 24
166,926 194,455
契約負債 25
168,766 103,577
社債、借入金及びリース負債 20,22
34,610 85,079
未払法人所得税
42,851 35,015
引当金 23
33,472 27,201
その他の流動負債
流動負債合計 1,320,735 1,276,456
非流動負債
116,553 107,598
借入金及びリース負債 20,22
115,972 95,388
退職給付に係る負債 21
21,416 20,654
引当金 23
15,305 5,612
繰延税金負債 13
26,079 23,048
その他の非流動負債
295,325 252,300
非流動負債合計
1,616,060 1,528,756
負債合計
資本
324,625 324,625
資本金 18
243,048 242,512
資本剰余金 18
自己株式 18 △ 128,897 △ 277,702
1,088,429 1,226,595
利益剰余金 18
63,508 70,805
その他の資本の構成要素 18
親会社の所有者に帰属する持分合計 1,590,713 1,586,835
125,036 149,988
非支配持分 10
1,715,749 1,736,823
資本合計
3,331,809 3,265,579
負債及び資本合計
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②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
注記番号
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
3,586,839 3,713,767
売上収益 6,25
△ 2,468,188 △ 2,569,685
売上原価 14
売上総利益 1,118,651 1,144,082
販売費及び一般管理費 △ 852,775 △ 852,974
39,807 85,411
その他の収益 7,26,27
△ 86,482 △ 40,905
その他の費用 26,27
営業利益 6 219,201 335,614
11,475 15,087
金融収益 29
金融費用 29 △ 4,543 △ 6,862
13,853 28,037
持分法による投資利益 7,11,26
税引前利益 239,986 371,876
△ 26,845 △ 127,011
法人所得税費用 13
213,141 244,865
当期利益
当期利益の帰属:
182,691 215,182
親会社の所有者
30,450 29,683
非支配持分
213,141 244,865
合計
1株当たり当期利益
924.21 1,107.63
基本的1株当たり当期利益(円) 31
922.97 1,105.41
希薄化後1株当たり当期利益(円) 31
【連結包括利益計算書】
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
注記番号
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
213,141 244,865
当期利益
その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で測
17,770
18 △ 294
定する金融資産
33,001
確定給付制度の再測定 18,21 △ 41,784
122
△ 51
持分法適用会社のその他の包括利益持分 18
32,656
△ 23,892
純損益にその後に振り替えられる可能性の
ある項目
14,721
在外営業活動体の換算差額 18 △ 2,771
412
キャッシュ・フロー・ヘッジ 18 △ 173
2,749 730
持分法適用会社のその他の包括利益持分 18
17,297
△ 1,629
49,953
税引後その他の包括利益 △ 25,521
263,094 219,344
当期包括利益
当期包括利益の帰属:
231,311 188,329
親会社の所有者
31,783 31,015
非支配持分
263,094 219,344
合計
97/186
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③【連結持分変動計算書】
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
注記
その他の
非支配持分 資本合計
番号
資本金 資本剰余金 自己株式 利益剰余金 資本の 合計
構成要素
前年度期首(2021年4月1日)
324,625 241,254 △ 79,495 909,139 54,616 1,450,139 96,766 1,546,905
当期利益 - - - 182,691 - 182,691 30,450 213,141
- - - - 48,620 48,620 1,333 49,953
その他の包括利益 18
当期包括利益
- - - 182,691 48,620 231,311 31,783 263,094
自己株式の取得 18 - - △ 50,164 - - △ 50,164 - △ 50,164
自己株式の処分 18 - 0 0 - - 0 - 0
株式報酬取引
18,33 - 683 762 - - 1,445 - 1,445
剰余金の配当 19 - - - △ 41,680 - △ 41,680 △ 3,303 △ 44,983
利益剰余金への振替 - - - 39,724 △ 39,724 - - -
- 1,111 - △ 1,445 △ 4 △ 338 △ 210 △ 548
その他
前年度末(2022年3月31日)
324,625 243,048 △ 128,897 1,088,429 63,508 1,590,713 125,036 1,715,749
当期利益 - - - 215,182 - 215,182 29,683 244,865
- - - - △ 26,853 △ 26,853 1,332 △ 25,521
その他の包括利益 18
当期包括利益
- - - 215,182 △ 26,853 188,329 31,015 219,344
自己株式の取得 18 - - △ 150,103 - - △ 150,103 - △ 150,103
自己株式の処分 18 - 1 2 - - 3 - 3
株式報酬取引
18,33 - 1,858 1,296 - - 3,154 - 3,154
剰余金の配当 19 - - - △ 45,210 - △ 45,210 △ 4,571 △ 49,781
利益剰余金への振替 - - - △ 34,077 34,077 - - -
- △ 2,395 - 2,271 73 △ 51 △ 1,492 △ 1,543
その他
324,625 242,512 △ 277,702 1,226,595 70,805 1,586,835 149,988 1,736,823
当年度末(2023年3月31日)
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④【連結キャッシュ・フロー計算書】
(単位:百万円)
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
注記番号
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前利益 239,986 371,876
減価償却費、償却費及び減損損失
186,376 179,228
引当金の増減額(△は減少) △ 21,207 △ 8,852
退職給付に係る資産及び負債の増減額 △ 26,156 △ 19,034
受取利息及び受取配当金 △ 3,580 △ 6,037
支払利息
2,955 3,958
持分法による投資損益(△は益) △ 13,853 △ 28,037
子会社株式売却益 △ 9,747 △ 39,158
売上債権の増減額(△は増加) △ 8,694 △ 65,320
契約資産の増減額(△は増加) △ 12,621 △ 8,690
棚卸資産の増減額(△は増加) △ 69,201 △ 51,939
仕入債務の増減額(△は減少) △ 7,261 5,659
契約負債の増減額(△は減少) 831 32,798
その他 41,245 △ 92,972
22
小計
299,073 273,480
利息の受取額 1,049 2,658
配当金の受取額 7,402 7,081
利息の支払額
△ 2,994 △ 3,984
△ 56,183 △ 58,906
法人所得税の支払額
営業活動によるキャッシュ・フロー
248,347 220,329
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産及び無形資産の取得による支出
△ 143,251 △ 168,098
有形固定資産の売却による収入
11,661 15,580
投資有価証券の売却及び償還による収入 21,343 46,244
投資有価証券の取得による支出 △ 10,102 △ 27,624
子会社及び持分法適用会社並びに事業の売却による収支
22 16,322 88,049
(△は支出)
短期投資の純増減額(△は増加) 42,826 8,804
連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出 △ 5,858 △ 9,824
7,792 4,060
その他
投資活動によるキャッシュ・フロー
△ 59,267 △ 42,809
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金等の純増減額(△は減少) 22 15,668 △ 25,502
長期借入金及び社債の発行による収入 22 135 2,268
長期借入金の返済及び社債の償還による支出 22 △ 53,423 △ 35,298
リース負債の支払額
22 △ 62,328 △ 58,566
自己株式の取得による支出 18 △ 50,164 △ 150,103
親会社の所有者への配当金の支払額 △ 41,680 △ 45,210
△ 1,893 △ 1,174
その他
財務活動によるキャッシュ・フロー
△ 193,685 △ 313,585
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)
△ 4,605 △ 136,065
現金及び現金同等物の期首残高 481,833 484,020
6,792 7,946
現金及び現金同等物の為替変動による影響
484,020 355,901
現金及び現金同等物の期末残高
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【連結財務諸表注記】
1.報告企業
富士通株式会社(以下、当社)は、日本に所在する企業であります。当社の連結財務諸表は、当社及び連結子会社
(以下、当社グループ)、並びに当社グループの関連会社に対する持分により構成されております。当社グループ
は、ICT分野において、各種サービスを提供するとともに、これらを支える最先端、高性能、かつ高品質のプロダ
クト及び電子デバイスの開発、製造、販売から保守運用までを総合的に提供する、トータルソリューションビジネス
を行っております。
2.作成の基礎
(1)国際会計基準に準拠している旨
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。
以下「連結財務諸表規則」という。)第1条の2第1号及び第2号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満
たすことから、連結財務諸表規則第93条の規定により、国際会計基準(以下、IFRS)に準拠して作成しておりま
す。
当連結財務諸表は2023年6月26日に当社代表取締役社長 時田隆仁及び最高財務責任者(CFO) 磯部武司によっ
て承認されております。
(2)測定の基礎
連結財務諸表は、連結財政状態計算書における以下の重要な項目を除き、取得原価を基礎として作成されておりま
す。
・公正価値で測定する金融商品
・確定給付負債または資産(確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して測定)
(3)機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示しております。日本円で表示している財務情報は、原則として
百万円未満を四捨五入して表示しております。
3.重要な会計方針
連結財務諸表において適用している会計方針は以下のとおりであります。
(1)連結の基礎
① 企業結合
企業結合は、支配が当社グループに移転した日である取得日において、取得法を用いて会計処理しております。当
社グループは、被取得企業に対するパワー及び被取得企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポー
ジャー又は権利を有し、かつ、被取得企業のリターンに影響を及ぼすようにパワーを用いる能力を有している場合
に、被取得企業を支配していると判断しております。支配の評価において、当社グループは現在行使可能な潜在的議
決権を考慮しております。
当社グループは取得日時点においてのれんを以下の合計により測定しております。
・移転された対価
・被取得企業の非支配持分
・企業結合が段階的に達成される場合、取得企業において従前に保有していた被取得企業の持分の取得日における
公正価値
・取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日における正味の金額(控除)
この合計額が負の金額である場合には、割安購入益を純損益で即時に認識しております。
取得関連費用(例:買収先を見つけるための報酬、法務、会計、評価その他の専門的報酬、コンサルティングに関
する報酬)は、そのサービスが提供された期間の費用として純損益で認識し、移転された対価には含めておりませ
ん。
② 非支配持分
非支配持分の追加取得は、資本取引として会計処理しており、のれんは認識しておりません。子会社に対する当社
グループの保有持分の変動で支配の喪失にならないものは、資本取引として会計処理しており、利得又は損失を認識
しておりません。
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③ 子会社
当社グループにより支配されている企業を子会社として分類しております。子会社の財務諸表は、支配開始日から
支配終了日までの間、連結財務諸表に含まれております。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属
させております。
④ 支配の喪失
支配を喪失した場合には、当社グループは、子会社の資産及び負債並びに子会社に関連する非支配持分及びその他
の資本の構成要素の認識を中止しております。支配の喪失から生じた利得又は損失は、純損益で認識しております。
当社グループが従前の子会社に対する持分を保持する場合には、当該持分は支配喪失日の公正価値で測定します。そ
の後、保持する影響力の水準に応じて、関連会社に対する投資又は公正価値で測定する金融資産として会計処理して
おります。
⑤ 関連会社及び共同支配企業に対する投資(持分法適用会社)
当社グループがその財務及び経営方針に対して、重要な影響力を有しているものの支配はしていない企業を関連会
社として分類しております。当社グループが他の企業の議決権の20%以上を保有する場合、重要な影響力がないこと
が明確に証明できない限り、当社グループはその企業に対して重要な影響力を有していると考えております。また議
決権以外の手段で、企業の取締役会を通じ、財務及び経営方針の決定に関与する権利を有している場合も、重要な影
響力を有していると考えております。当社グループが共同支配を行い、契約上の合意によって設立され、その活動に
関連する重要な財務及び経営方針の決定に際して支配を共有する当事者(共同支配投資企業)の合意を必要とする企業
について、当社グループを含む当事者が共同支配の取決めの純資産に対する権利を有している場合、共同支配企業と
して分類しております。
関連会社及び共同支配企業に対する投資は、取得時に取得原価で認識し、持分法を用いて会計処理しております。
投資の取得原価には取引費用が含まれております。
連結財務諸表には、当社グループが持分法適用会社の純損益及びその他の包括利益の変動に対して重要な影響力を
有することとなった日又は共同支配を開始した日以降の持分が含まれております。
損失に対する当社グループの持分が持分法適用会社に対する投資を上回った場合には、長期持分を含めたその投資
の帳簿価額をゼロまで減額し、当社グループが当該持分法適用会社に代わって債務を負担又は支払いを行う場合を除
き、それ以上の損失は認識しておりません。
⑥ 連結上消去される取引
グループ内の債権債務残高及び取引、並びにグループ内取引によって発生した未実現利益及び損失は、連結財務諸
表の作成に際して消去しております。持分法適用会社との取引から発生した未実現利益は、当該持分法適用会社に対
する当社グループの持分を上限として投資の帳簿価額から控除しております。未実現損失は、減損が生じている証拠
がない場合に限り、未実現利益と同様の方法で控除しております。
(2)外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における為替レートでグループ企業の各機能通貨に換算しております。連結会計期間末にお
ける外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しております。取得原価に基づいて測定
される外貨建非貨幣性項目は、取引日の為替レートで換算しております。
再換算により発生した為替換算差額は純損益で認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で
測定する金融資産に分類された持分証券及びヘッジが有効な範囲内におけるキャッシュ・フロー・ヘッジの再換算に
より発生した為替換算差額はその他の包括利益で認識しております。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債は、取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含め、期末日の為替レートで
日本円に換算しております。在外営業活動体の収益及び費用は、期中平均為替レートで日本円に換算しております。
表示通貨への換算から生じる為替換算差額はその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素に含まれる在外
営業活動体の換算差額として表示しております。在外営業活動体を処分し、支配、重要な影響力又は共同支配を喪失
する場合には、この在外営業活動体に関連する為替換算差額の累積金額を、処分に係る利得又は損失の一部として純
損益に振り替えております。
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(3)金融商品
① 非デリバティブ金融資産
当社グループは、売上債権及びその他の債権をそれらの発生日に当初認識しております。その他のすべての金融資
産は、当社グループがそれらの購入又は売却を約定した日に認識しております。
金融資産は、償却原価で測定する金融資産、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に
分類しております。なお、この分類は、当初認識時に決定しております。
すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類される場合を除き、公正価値に取引費用
を加算した金額で測定しております。
当社グループは、以下の内容に従い、金融資産の分類及び事後測定をしております。
償却原価で測定する金融資産
金融資産は、以下の2要件を満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・金融資産から生じる契約上のキャッシュ・フローを回収するために当該金融資産を保有していること。
・金融資産から生じるキャッシュ・フローが、契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみで
あること。
当初認識後は、実効金利法による償却原価(減損損失控除後)で測定し、償却額は金融収益として純損益で認識
しております。
公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しております。公正価値で
測定する資本性金融商品については、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有されるも
のを除き、個々の資本性金融商品ごとに、純損益を通じて公正価値で測定するか、その他の包括利益を通じて公正
価値で測定するかを指定し、当該指定を継続的に適用しております。また、償却原価で測定する金融資産の要件を
満たさない負債性金融商品については、純損益を通じて公正価値で測定しております。
当初認識後は、期末日における公正価値で測定し、その変動額は金融資産の分類に応じて純損益又はその他の包
括利益で認識しております。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の認識を中止した場合には、
過去に認識したその他の包括利益の累計額を利益剰余金に振り替えております。なお、資本性金融商品からの配当
金については、金融収益の一部として当期の純損益として認識しております。
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する又は当社グループが金融資
産の所有のリスク及び経済価値のほとんどすべてを移転する場合、当該金融資産の認識を中止しております。なお、
金融資産の移転に際し、当社グループが新たに創出した権利及び義務については別個の資産及び負債として認識し、
当社グループが引き続き保有する持分については、当該資産の認識を継続しております。
② 償却原価で測定する金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産については、期末日時点における予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しておりま
す。
当社グループは、期末日ごとに各金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増大しているかどうかを評
価しており、当初認識時点から信用リスクが著しく増大していない場合には、過去の実績や信用格付けを基礎とし
て、12ヶ月の予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。一方で、当初認識時点から信用リスクが著しく増
大している場合には、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しております。
ただし、重大な金融要素を含んでいない売上債権及び契約資産については、信用リスクが当初認識時点から著しく
増大しているかどうかにかかわらず、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しております。
予想信用損失は、契約に従って支払われるべきすべての契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取る
と見込んでいるすべてのキャッシュ・フローとの差額の現在価値として測定しております。
当社グループは、金融資産の予想信用損失を、以下のものを反映する方法により見積もっております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けずに
利用可能な合理的で裏付け可能な情報
また、債務者の重大な財政状態の悪化、債務不履行による契約違反等、見積将来キャッシュ・フローに不利な影響
を与える事象が発生した場合には、信用減損が生じているものと判断しております。
金融資産の全体又は一部について回収ができず、又は回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行と
みなしております。また、回収の合理的な見込みがないものと判断される場合には、当該金融資産の全体又は一部の
帳簿価額を直接償却しております。
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しております。貸倒引当金を減額する事象が生じた場合は、
貸倒引当金戻入額を純損益で認識しております。
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③ 非デリバティブ金融負債
当社グループが発行した負債証券はその発行日に当初認識しております。負債証券以外の活発な市場での公表価格
がない借入金、仕入債務及びその他の債務は当該金融商品の契約条項の当事者となった日に当初認識しております。
これらの金融負債は、償却原価で測定する金融負債に分類され、当初認識時において公正価値から直接取引費用を
控除して測定しております。当初認識後は、実効金利法による償却原価で測定し、償却額は金融費用として純損益で
認識しております。
当社グループは、契約上の義務が免責、取消又は失効となった時点で金融負債の認識を中止しております。
④ 金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループが残高を相殺する法的権利を有しており、かつ純額で決済するか、又は資
産の回収と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しており
ます。
⑤ デリバティブ金融商品
当社グループは、為替及び支払金利の変動リスクに対するヘッジを目的としたデリバティブ取引を行っておりま
す。 デリバティブは当初認識時に公正価値で測定し、その後も公正価値で再測定しております。
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
デリバティブをヘッジ会計の要件を満たすものとして指定していない場合には、当該デリバティブの公正価値の
変動は、純損益で認識しております。
ヘッジ会計を適用するデリバティブ
当社グループは、ヘッジの開始時点において、ヘッジ関係並びにヘッジの実施についてのリスク管理目的及び戦
略を文書化しております。また、ヘッジの有効性は継続的に評価しており、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済
的関係があること、信用リスクの影響がヘッジの効果を超過するものではないこと、並びにヘッジ比率が実際に
ヘッジに用いているヘッジ対象とヘッジ手段の量から計算した比率と同じであることのすべてを満たす場合に有効
と判定しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、その他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素
であるキャッシュ・フロー・ヘッジとして表示しております。デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ非有効
部分は、純損益で認識しております。
ヘッジ対象が非金融資産である場合、その他の資本の構成要素に累積されていた金額は、当該資産が認識された
時点で当該資産の帳簿価額に含めております。ヘッジ対象が非金融資産でない場合、その他の資本の構成要素に累
積されていた金額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与えた期間に純損益に振り替えております。デリバティブが
ヘッジ会計の要件を満たさなくなった場合、又は消滅、売却、終了もしくは行使された場合には、ヘッジ会計の適
用を将来に向けて中止しております。
(4)有形固定資産(使用権資産を除く)
① 認識及び測定
有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。
取得原価には資産の取得に関連する以下の費用が含まれております。
・資産の製造により直接生じる従業員給付及び据付、組立等の費用
・資産の撤去及び除去の義務を負う場合、その解体及び除去費用の見積り
・資産計上された借入費用
有形固定資産の構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個(主要構成要素)の有形固定資
産項目として会計処理をしております。
有形固定資産の処分損益(処分により受け取る金額の純額と有形固定資産の帳簿価額との差額として算定)は純損
益で認識しております。
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② 取得後の支出
取得後の支出は、その支出に関連する将来の経済的便益が当社グループにもたらされることが予想される場合にの
み資産計上しております。修繕又は維持費は、発生時に純損益で認識しております。
③ 減価償却
有形固定資産項目は、償却可能額(取得原価から残存価額を控除した金額)を規則的にその耐用年数にわたって減
価償却しております。当社グループは、資産から得ることができる将来の経済的便益の消費パターン(収益と費用の
より適切な対応)を反映した方法として主として定額法を適用しております。
有形固定資産項目の減価償却は、資産の稼動が可能になった時より開始し、資産が消滅(滅却もしくは売却)又は
売却目的で保有する資産に分類された日のいずれか早い日に終了します。
重要な有形固定資産項目の見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・建物及び構築物 7年~50年
・機械及び装置 3年~7年
・工具、器具及び備品 2年~10年
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、必要に応じて見直しております。
(5)のれん
当初認識時における測定については、(1)①「企業結合」に記載しております。
当初認識後の測定
当初認識の後、企業結合で取得したのれんは取得原価から減損損失累計額を控除した金額で測定しております。
持分法適用会社に関しては、のれんが投資の帳簿価額に含まれるため、投資全体の帳簿価額と回収可能価額を比
較することにより単一の資産として減損テストを行っております。減損損失は持分法適用会社の資産(のれんを含
む)には配分しておりません。
(6)無形資産(使用権資産を除く)
① 研究開発費
研究とは、新規の科学的又は技術的な知識及び理解を得る目的で実施される基礎的及び計画的調査をいいます。研
究から生じた支出は無形資産に認識せず、発生時に費用として純損益で認識しております。
開発とは、事業上の生産又は使用の開始される前に研究成果又は他の知識を新規又は大幅に改良された原材料、装
置、生産物、工程、システムなどを作り出すための計画又は設計に応用することであります。
開発活動には、新規もしくは大幅に改良された製品又は工程を生み出すための計画もしくは設計が含まれておりま
す。開発費用は、主として発生時に費用として計上しておりますが、信頼性をもって測定可能であり、製品又は工程
が技術的及び商業的に実現可能であり、将来の経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成さ
せ、その資産を使用又は販売する意図並びにそのための資源及び能力を有している場合には資産化しております。資
産化される費用には、材料費、従業員給付費用等、その資産の生成、製造及び準備に直接起因する費用が含まれてお
ります。
資産計上した開発費用は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額により測定しております。
② ソフトウェア及びその他の無形資産
当社グループは、市場販売目的のソフトウェア及び自社利用のソフトウェアを開発しております。当該開発費用
は、①の資産化の要件を満たした場合は無形資産に計上しております。ソフトウェアの取得原価には、創出から生じ
る従業員給付費用並びに創出する上で使用又は消費した材料及びサービスに関する費用が含まれております。また、
個別に取得されたその他の無形資産の対価は、通常将来経済的便益を得られる可能性が高いため、無形資産に計上し
ております。その他の無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しておりま
す。
③ 償却
市場販売目的のソフトウェアについては、見込有効期間における見込販売数量に基づいて償却しております。自社
利用のソフトウェアやその他の無形資産のうち、耐用年数を確定できるものは、資産の将来の経済的便益が消費され
ると予測されるパターンを耐用年数に反映し、その耐用年数にわたって原則として定額法にて償却しております。企
業結合で取得したのれんは償却しておりません。
見積耐用年数は以下のとおりであります。
・市場販売目的のソフトウェア 3年
・自社利用のソフトウェア 5年以内
償却方法、耐用年数及び残存価額は、必要に応じて見直しております。
(7)リース
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① 認識及び測定
当社グループは、契約時に、当該契約がリース又はリースを含んだものであるのかどうかを判定しております。当
社グループが、使用期間全体を通じて、特定された資産の使用からの経済的便益のほとんどすべてを得る権利と特定
された資産の使用を指図する権利の両方を有している場合、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判
断しております。
リース期間は、解約不能なリース期間に、リース契約を延長又は解約するオプションの対象期間を加えた期間とし
ております。当該オプションの対象期間は、当社グループが延長オプションを行使すること又は解約オプションを行
使しないことが合理的に確実である場合にのみ、解約不能期間に加えております。
当社グループは、リース開始日において、リース契約に係る使用権資産及びリース負債を認識しております。使用
権資産は、当社グループがリースの対象となる資産をリース期間にわたり使用する権利を表す資産であります。使用
権資産は、リース負債の当初測定金額に、リース開始日以前に支払ったリース料を加え、受け取ったリース・インセ
ンティブを控除し、発生した当初直接コスト及びリースの契約条件で要求されている資産の解体及び除去、資産の敷
地の原状回復又は資産の原状回復の際に生じるコストの見積りを加算して算定しております。リース負債は、リース
開始日における未払リース料の現在価値で測定しております。現在価値の測定にあたっては、通常、当社グループの
追加借入利子率を使用しております。
② 減価償却
使用権資産は、主にリース期間にわたって定額法で減価償却しております。資産の所有権がリース期間の終了時ま
でに当社グループに移転する場合、又は使用権資産の取得原価が購入オプションを当社グループが行使するであろう
ことを反映している場合には、耐用年数にわたって定額法で減価償却しております。
③ リース負債の見直し
リース契約の更新などリース期間に変更があった場合、変更後のリース期間に基づいてリース負債を再測定し、当
該再測定による変動額を使用権資産の修正として認識しております。
(8)棚卸資産
棚卸資産は取得原価で測定しておりますが、正味実現可能価額が取得原価より下落している場合には、正味実現可
能価額で測定し、取得原価との差額を原則として売上原価に認識しております。
棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費のほか当該棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生した原価
を含めており、代替性がある場合は移動平均法又は総平均法によって測定し、代替性がない場合は個別法により測定
しております。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における予想売価から完成までに要する見積追加製造原価及び見積販売直
接経費を控除して算定しております。長期に滞留する棚卸資産及び役務の提供が長期にわたる有償保守サービス用棚
卸資産については、将来の需要や市場動向を反映した正味実現可能価額としております。
(9)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、現金、随時引出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、公正価値の変動について
僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。なお、連
結キャッシュ・フロー計算書上の現金及び現金同等物の期末残高は、上記から流動負債の「社債、借入金及びリース
負債」に含まれる当座借越を控除しております。
(10)非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産については、減損の兆候が存在する場合に、その資産の回収可能価額
を見積もり、減損テストを行っております。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産は、減損の兆候が存在する
場合のほか、年次で減損テストを行っております。減損損失は、資産又は資金生成単位(CGU)の回収可能価額が帳
簿価額を下回った場合に認識しております。
資産又はCGUの回収可能価額は、使用価値と売却費用控除後の公正価値のうちいずれか大きいほうの金額としてお
ります。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及びその資産又はCGUが属す
る事業固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。減損テストにおいて、資産
は、継続的な使用により他の資産又はCGUのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを
生み出す最小の資産又はCGUに統合しております。のれんは、内部報告目的で管理される最小の単位を反映して減損
がテストされるようにCGUに統合しております。企業結合により取得したのれんは、結合のシナジーが得られると期
待されるCGUに配分しております。
減損損失は純損益で認識しております。CGUに関連して認識した減損損失は、まずそのCGU(又はCGUグループ)に
配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に回収可能価額が帳簿価額を下回るCGU(又はCGUグルー
プ)内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額しております。
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のれんに関連する減損損失は戻し入れておりません。その他の資産に関連する減損損失は、減損損失を認識しな
かった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を越えない金額を上限として戻し入
れております。
(11)売却目的で保有する資産
非流動資産(又は処分グループ)の帳簿価額が継続的使用ではなく主に売却取引により回収される場合、当該非流
動資産(又は処分グループ)を売却目的保有に分類しております。具体的には、非流動資産(又は処分グループ)
が、通常又は慣例的な条件のみに従って現状で直ちに売却することが可能であり、その売却の可能性が非常に高く、
経営者が当該資産の売却計画の実行をコミットしており、1年内に売却が完了する見込である場合に、売却目的保有
に分類しております。売却目的保有に分類された非流動資産(又は処分グループ)は、帳簿価額と売却費用控除後の
公正価値のいずれか低い金額で測定され、売却目的保有へ分類した後は、減価償却を行っておりません。非流動資産
(又は処分グループ)の当初又はその後に行う売却費用控除後の公正価値までの評価減について減損損失を純損益で
認識しております。売却費用控除後の公正価値がその後において増加した場合は評価益を純損益で認識しておりま
す。ただし、過去に認識した減損損失累計額を超えない金額を上限としております。
(12)従業員給付
① 退職給付制度
確定給付型退職給付制度
確定給付型退職給付制度に関連する当社グループの確定給付負債(資産)の純額は、確定給付制度債務の現在価
値から制度資産の公正価値を控除した金額で測定しております。確定給付制度債務は、制度ごとに区別して、従業
員が過年度及び当連結会計期間において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積もり、その金額
を現在価値に割り引くことによって算定しております。この計算は、連結会計期間ごとに、保険数理人が予測単位
積増方式を用いて行っております。割引率は、当社グループの従業員に対する退職給付の支払見込期間と概ね同じ
満期日を有するもので、かつ支払見込給付と同じ通貨建の、優良社債の連結会計期間末における市場利回りにより
決定しております。
当社グループは、予測単位積増方式を用いて、保険数理計算上の評価により勤務費用を決定し、純損益で認識し
ております。確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は、確定給付負債(資産)の純額に割引率を乗じた金額で
測定し、同様に純損益で認識しております。確定給付型退職給付制度の変更があった場合、退職給付制度の縮小及
び清算に伴い生じた利得又は損失は、原則として縮小又は清算した時点で、過去勤務費用及び清算損益として純損
益で認識しております。
当社グループは、確定給付負債(資産)の純額(数理計算上の差異等)は、再測定した時点で、税効果を調整し
た上でその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から直ちに利益剰余金に振り替えております。
確定拠出型退職給付制度
確定拠出型退職給付制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払いにつ
いて法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度であります。確定拠出型退職給付制度の拠出額は、従業員が
サービスを提供した期間に、人件費として純損益で認識しております。なお、当社グループのリスク分担型企業年
金は、追加掛金の拠出義務を実質的に負っていないため、確定拠出制度に分類しております。
② 解雇給付
解雇給付は、当社グループが、早期退職優遇制度等の実施に伴い、通常の退職日前に雇用を終了させることで退職
手当を支給することを詳細な公式計画として公表し、現実的にそれを撤回する可能性がなくなった時点で人件費とし
て純損益で認識しております。
③ 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、サービスが提供された時点で人件費として純損益で認識しており
ます。賞与については、従業員による勤務の提供に応じて、当社グループの制度に基づいて支払われると見積もられ
る額を負債に計上しております。
(13)引当金
引当金は、過去の事象の結果として当社グループが法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために
経済的資源の流出が生じる可能性が高く、かつその債務の金額を合理的に見積もることができる場合に認識しており
ます。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該債務に特有のリスクを反映した税引前の
利率を用いて現在価値に割り引いております。
① 事業構造改善引当金
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事業構造改善のための人員の適正化及び事業整理等に伴う損失見込額を、当社グループが詳細な公式計画を有して
おり、かつ、当該計画の実施を開始した時点、又は影響を受ける関係者に対し当該計画の主要な特徴を公表した時点
で計上しております。
② 製品保証引当金
当社グループが販売する製品には、契約に基づき一定期間無償での修理又は交換の義務を負うものがあり、過去の
実績を基礎として算出した修理又は交換費用の見積額を製品を販売した時点で計上しております。
③ 受注損失引当金
前年度において記載しておりました「工事契約等損失引当金」は、より適切な表示とするため、当年度より「受注
損失引当金」に名称を変更しております。
一括請負などの成果物の引渡し義務を負うサービス契約のうち、見積総原価が見積総収益を超過する可能性が高い
ものについて、損失見込額を計上しております。
④ 資産除去債務
法令又は契約に基づき、主に賃借建物の原状回復義務に係る費用の見積額を賃貸借契約を締結した時点で計上して
おります。
(14)資本
普通株式
普通株式は資本として分類しております。普通株式の発行に直接関連する費用は、税効果考慮後の金額を資本剰
余金の控除項目として認識しております。
自己株式
自己株式を取得した場合は、直接取引費用を含む税効果考慮後の支払対価を、資本の控除項目として認識してお
ります。自己株式を後に売却又は再発行した場合、受取対価を資本の増加として認識しております。この取引によ
り生じた剰余金又は欠損金は、資本剰余金として表示しております。
(15)株式報酬
持分決済型の株式報酬制度において受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値を参照して測
定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。
(16)売上収益
① サービスに関する売上収益
サービスの提供は、通常、(a)当社グループの履行によって提供される便益をその履行につれて顧客が同時に受け
取って消費する、(b)当社グループの履行が資産を創出するか又は増価させその創出又は増価につれて顧客が当該資
産を支配する、又は、(c)当社グループの履行が他に転用できる資産を創出せず、当社グループが現在までに完了し
た履行に対する支払を受ける強制可能な権利を有している場合のいずれかに該当するため、一定の期間にわたり充足
される履行義務であります。サービスの売上収益は、履行義務の完全な充足に向けた進捗度を合理的に測定できる場
合は進捗度の測定に基づいて、進捗度を合理的に測定できない場合は履行義務の結果を合理的に測定できるようにな
るまで発生したコストの範囲で、認識しております。
一括請負などの成果物の引渡し義務を負うサービス契約(システムインテグレーション等)では、契約の履行にお
いて、当社グループでコストが発生し、作業が進捗していくことに伴い、当該顧客のためのオーダーメイドなサービ
スが完成に近づき、顧客が使用できる状態に近づいていくため、原則としてプロジェクト見積総原価に対する連結会
計期間末までの発生原価の割合で進捗度を測定する方法に基づいて売上収益を認識しております。ただし、契約開始
時に当社が履行する義務に関してマイルストーンが定められている場合は、当該マイルストーンの達成に基づいて売
上収益を認識しております。
継続して役務の提供を行うサービス契約(アウトソーシングサービス、保守サービス等)は、顧客の要求に応じた
サービスを契約期間にわたって提供しております。顧客の要求に迅速に対応するため常に役務が提供できる状態で待
機しておく必要があることから役務の提供は待機状態も含めた一定の期間にわたって行われているため、サービスが
提供される期間に対する提供済期間の割合で進捗度を測定する方法に基づいて売上収益を認識しております。また、
アウトソーシングサービス、保守サービス等のうち単位あたりで課金するサービス契約では、サービスの提供が完了
し、請求可能となった時点で、売上収益を認識しております。
なお、契約当初に見積もった売上収益、進捗度又は発生原価に変更が生じた場合は、見積りの変更による累積影響
額を、当該変更が明らかとなり見積り可能となった連結会計期間に純損益で認識しております。
② ハードウェア・プロダクトに関する売上収益
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ハードウェア・プロダクトを単体で提供する場合は、通常、履行義務が一定の期間にわたり充足されるものでない
ため、一時点で充足される履行義務であり、その支配を顧客に移転した時点で、取引価格のうち履行義務に配分した
額 を売上収益として認識しております。支配が顧客へ移転した時点を決定するにあたり、(a)資産に対する支払を
受ける権利を有している、(b)顧客が資産に対する法的所有権を有している、(c)資産の物理的占有を移転した、
(d)顧客が資産の所有に伴う重大なリスクと経済価値を有している、(e)顧客が資産を検収しているか否かを考慮
しております。
サーバ、ネットワークプロダクトなど、据付等の重要なサービスを要するハードウェアの販売による売上収益は、
原則として、顧客の検収時に認識しております。
パソコン、電子デバイス製品などの標準的なハードウェアの販売による売上収益は、原則として、当該ハードウェ
アに対する支配が顧客に移転する引渡時に認識しております。
一方、ハードの受託製造・製造請負において、当社グループの履行が他に転用できる資産を創出せず、当社グルー
プが現在までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利を有している場合には、履行義務の充足を忠実に
描写するような方法を用いて進捗度の測定に応じて売上収益を認識しております。
当社グループは、様々なチャネルの顧客に対して、ボリュームディスカウントや販売インセンティブ(販売奨励
金)を含む様々なマーケティングプログラムを提供しております。これら顧客に支払われる対価が事後的に変動する
可能性がある場合には、変動する対価を見積もり、その不確実性が解消される際に重大な売上収益の戻入れが起こら
ない可能性が非常に高い範囲で、売上収益に含めて処理しております。変動対価の見積りにあたっては、期待値法か
最頻値法のいずれかのうち、権利を得ることとなる対価の金額をより適切に予測できる方法を用いております。
③ ライセンスに関する売上収益
ライセンスの提供は、(a)顧客が権利を有する知的財産に著しく影響を与える活動を行うことを契約が要求して
いるか又は顧客が合理的に期待している、(b)ライセンスによって供与される権利により、当社グループの活動の
正又は負の影響に顧客が直接的に晒される、(c)そうした活動の結果、当該活動が生じるにつれて顧客に財又は
サービスが移転することがない、という要件をすべて満たす場合には、知的財産にアクセスする権利(アクセス権)
として一定期間にわたり売上収益を認識し、いずれかを満たさない場合には、知的財産を使用する権利(使用権)と
して一時点で売上収益を認識しております。
当社グループにおける主なライセンスであるソフトウェアについては、通常、供与後に当社が知的財産の形態又は
機能性を変化させる活動又はライセンス期間にわたって知的財産の価値を維持するための活動を実施する義務を負わ
ず、上記のいずれの要件も満たさないため、使用権として一時点で売上収益を認識しております。
ソフトウェアがクラウド・サービス上で提供される場合には、通常、それらを単一の履行義務として、クラウ
ド・サービスの売上収益と同じ時期で売上収益を認識しております。
ソフトウェアをソフトウェア・サポートと合わせて販売している場合には、通常、それぞれ別個の履行義務とし
て、ソフトウェアにかかる売上収益とソフトウェア・サポートにかかる売上収益は別個に認識しております。ただ
し、ソフトウェア・サポートが提供されない限り当該ソフトウェアの便益を顧客が享受することができない場合に
は、例外的に単一の履行義務として、ソフトウェア・サポートの売上収益と同じ時期で売上収益を認識しておりま
す。
単品で販売しているソフトウェアのアップグレード権については、通常、ソフトウェアと当該アップグレード権を
別個の履行義務として、当該アップグレード権を提供した時点で売上収益を認識しております。一方、ソフトウェア
のアップグレード権がソフトウェア・サポートと統合された形で提供されている場合には、それらを単一の履行義務
として、サービスの収益認識と同じ時期で売上収益を認識しております。
④ 複合取引
複合取引とは、ハードウェア販売とその付帯サービス、あるいはソフトウェア販売とその後のサポートサービスな
どのように複数の財又はサービスが一つの契約に含まれるものであります。
顧客に約束している財又はサービスは、顧客がその財又はサービスからの便益をそれ単独で又は顧客にとって容易
に利用可能な他の資源と組み合わせて得ることができる(すなわち、当該財又はサービスが別個のものとなり得る)
場合、かつ、財又はサービスを顧客に移転するという企業の約束が契約の中の他の約束と区分して識別可能である
(すなわち、当該財又はサービスが契約の観点において別個のものである)場合には、別個の履行義務として識別し
ております。
取引価格を複合取引におけるそれぞれの履行義務に独立販売価格の比率で配分するため、契約におけるそれぞれの
履行義務の基礎となる別個の財又はサービスの契約開始時に独立販売価格を算定し、取引価格を当該独立販売価格に
比例して配分しております。独立販売価格が直接的に観察可能ではない場合には、複合取引におけるそれぞれの履行
義務について予想コストとマージンの積算等に基づき独立販売価格を見積もり、取引価格を配分しております。
⑤ 代理人取引
当社グループが財又はサービスの仕入及び販売に関して、それらを顧客に移転する前に支配していない場合、すな
わち、顧客に代わって調達の手配を代理人として行う取引については、手数料を売上収益として認識しております。
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当社グループが当該財又はサービスを顧客に提供する前に支配しているか否かの判断にあたっては、(a)当該財又は
サービスを提供するという約束の履行に対する主たる責任を有している、(b)当該財又はサービスが顧客に移転され
る 前、又は支配が顧客へ移転した後に在庫リスクを有している、(c)当該財又はサービスの価格の設定において裁
量権があるか否かを考慮しております。
⑥ 契約コスト
契約獲得の増分コストのうち、回収可能であると見込まれる部分について資産として認識しております。契約獲得
の増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生し、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうもの
です。
契約を履行するためのコストが、他の会計方針の範囲に含まれず、契約又は具体的に特定できる予想される契約に
直接関連しており、当該コストが将来において履行義務の充足(又は継続的な充足)に使用される資源を創出するか
又は増価し、かつ、当該コストの回収が見込まれている場合、当該コストを資産として認識しております。
契約獲得の増分コスト又は契約を履行するためのコストから認識した資産については契約期間にわたって均等に償
却しております。
⑦ 契約資産及び契約負債
契約資産は顧客に移転した財又はサービスと交換に受け取る対価に対する権利のうち、時の経過以外の条件付きの
権利であります。契約負債は財又はサービスを顧客に移転する前に、顧客から対価を受け取っている又は対価の支払
期限が到来しているものであります。
⑧ 契約における重大な金融要素
長期の前払い、後払い等、ある取引が実質的に重大な金融要素(資金提供の重大な便益が提供されている)を含む
場合、売上収益は実効金利を用いて現在価値で測定しております。ただし、契約開始時点で財又はサービスを顧客に
移転する時点と、顧客が支払いを行う時点との間が1年以内であると見込まれる場合、重大な金融要素の影響につい
て対価の調整は実施しておりません。
⑨ オペレーティング・リース
オペレーティング・リース契約により、顧客が製品を使用することにより生じる売上収益は、リース期間にわたっ
て均等に認識しております。
(17)金融収益及び金融費用
金融収益は、配当収入、利息収入、為替差益、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動、
ヘッジ金融商品にかかる純損益で認識された利得並びにその他の包括利益で従前に認識した金額の振替から構成され
ております。利息収入は、実効金利法により発生時に認識しております。配当収入は、通常当社グループの受領権が
確定した日に認識しております。
金融費用は、社債、借入金及びリース負債に係る利息費用、為替差損、純損益を通じて公正価値で測定する金融資
産の公正価値の変動、ヘッジ金融商品にかかる純損益で認識された損失並びにその他の包括利益で従前に認識された
金額の振替から構成されております。適格資産の取得、建設又は生産に直接起因しない借入費用は、実効金利法によ
り発生時に認識しております。リースにおける最低リース料総額は、金融費用と負債残高の未返済部分に配分してお
り、金融費用は、未返済債務残高に対して一定の利子率となるようにリース期間にわたって配分しております。
(18)法人所得税
法人所得税費用は、当期税金費用と繰延税金費用から構成されております。これらは、企業結合から生ずるもの及
び直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益で認識しております。
当期税金費用は、連結会計期間末において施行されている又は実質的に施行されている税率及び税法を使用して算
定した連結会計期間の課税所得に係る納税見込み額に、過年度の納税調整額を加えたものであります。
繰延税金資産及び負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異及び未使用の税務上の繰
越欠損金、税額控除について認識しております。企業結合以外の取引で、かつ、会計上又は税務上のいずれの純損益
にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識に係る一時差異、親会社が解消する時期をコントロール
することができ、かつ、予測可能な期間内に解消されない可能性が高い子会社及び関連会社に対する投資に関連する
一時差異並びにのれんの当初認識において生じる加算一時差異については繰延税金資産及び負債を認識しておりませ
ん。
繰延税金資産及び負債は、連結会計期間末までに施行又は実質的に施行される法律に基づいて、当該資産が実現さ
れる又は負債が決済される期間に適用されると予測される税率を用いて測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当社グループが当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有してお
り、かつ、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しております。
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繰延税金資産は、未使用の税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利
用できる可能性が高いものに限り認識しております。一部又は全部の繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な
課税所得を稼得する可能性が高くない場合は、繰延税金資産の計上額を減額しております。繰延税金負債は、原則と
し てすべての将来加算一時差異に対して認識しております。
(19)非継続事業
当社グループは、独立した事業が既に処分されたか又は売却目的保有に分類される要件を満たした時点で、当該事
業を非継続事業に分類しております。事業を非継続事業に分類した場合は、当該事業が比較対象期間の開始日から非
継続事業に分類されていたものとして連結損益計算書を再表示しております。
4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営陣は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用に影響を
与える判断、見積り及び仮定を必要としておりますが、実際の結果と異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直
した連結会計期間及び影響を受ける将来の連結会計期間において認識されます。
のれん及び有形固定資産、無形資産の減損や繰延税金資産の回収可能性の判断などを行うにあたっては、売上収益等
の将来の不確実性を反映した事業計画を策定しています。
当連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積り及び判断は以下のとおりであります。
(1)収益認識
一括請負などの成果物の引渡し義務を負うサービス契約の売上収益及び売上原価は、その取引の成果について信頼
性をもった見積りを行った上で、その進捗度に応じて認識しております。契約資産は、主に当該売上収益にかかる未
請求売掛金であり、顧客の検収時に売上債権へ振替えられます。
当社グループは、原則としてプロジェクト見積総原価に対する連結会計期間末までの発生原価の割合で進捗度を測
定する方法を適用しております。見積総原価は、プロジェクトごとの仕様や作業期間、契約に係るリスク等に基づき
見積もっております。収益及び費用は、プロジェクト総収益及び総原価の見積り並びに進捗度の測定結果に依存して
いるため、追加コストの発生等により、計上額が変動する可能性があります。
契約資産の帳簿価額については「連結財政状態計算書」をご参照ください。
(2)有形固定資産
有形固定資産の減価償却費は、事業ごとの実態に応じた回収期間を反映した見積耐用年数に基づき、主として定額
法で算定しております。事業環境の急激な変化に伴う生産設備の遊休化や稼働率低下のほか、事業再編等により、保
有資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、減損損失が発生する可能性があります。
有形固定資産の帳簿価額については「連結財務諸表注記 8. 有形固定資産」を、減損損失に関連する内容につい
ては「連結財務諸表注記 27. 非金融資産の減損」をご参照ください。
(3)のれん
のれんは、年次で、また、減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを行っております。のれんが配分された
資金生成単位(CGU)の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、減損損失を認識しております。
回収可能価額は主に使用価値により算定しております。使用価値の見積りにおける重要な仮定は、経営者によって
承認された中期経営計画(主に3ヶ年)における将来キャッシュ・フローの見積り、その後の期間の将来の不確実性
を考慮した長期平均成長率及び割引率であり、割引率は加重平均資本コストを基礎として算定しております。これら
の仮定は経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業環境の変化等の影響により見直しが必
要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。
のれんの帳簿価額については「連結財務諸表注記 9. のれん及び無形資産」を、減損テストに関連する内容につ
いては「連結財務諸表注記 27. 非金融資産の減損」をご参照ください。
(4)無形資産
市場販売目的のソフトウェアについては、見込有効期間における見込販売数量に基づいて償却しております。自社
利用のソフトウェアは、資産の将来の経済的便益が消費されると予測されるパターンを耐用年数に反映した定額法に
て償却しております。事業環境の変化により、販売数量が当初販売計画を下回る等、保有資産から得られる将来
キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、減損損失が発生する可能性があり、利用可能期間の見直しの結果、
耐用年数を短縮させる場合には、連結会計期間あたりの償却負担が増加する可能性があります。
無形資産の帳簿価額については「連結財務諸表注記 9. のれん及び無形資産」を、減損損失に関連する内容につ
いては「連結財務諸表注記 27. 非金融資産の減損」をご参照ください。
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(5)繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性の判断は将来の事業計画等から算出した課税所得に基づいており、未使用の税務上の繰
越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、利用できる可能性が高いものを繰延税金資産として計上しており
ます。事業環境の変化等により、一部又は全部の繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得でき
ないと見込まれる場合には、繰延税金資産の計上額が減額され、追加の費用が発生する可能性があります。
繰延税金資産の帳簿価額については「連結財務諸表注記 13. 法人所得税」をご参照ください。
(6)引当金
事業構造改善引当金
事業構造改善のための人員の適正化及び事業譲渡に関連した契約等に伴う損失見込額を計上しております。当該見
積額は公表された構造改革計画に基づいておりますが、事業環境の急激な変化に伴う構造改革計画の見直し等により
追加の費用もしくは費用の戻しが発生する可能性があります。
受注損失引当金
前年度において記載しておりました「工事契約等損失引当金」は、当年度より「受注損失引当金」に名称を変更し
ております。「3.重要な会計方針 (13)引当金 ③受注損失引当金」をご参照ください。
一括請負などの成果物の引渡し義務を負うサービス契約のうち、見積原価総額が収益総額を超過する可能性が高
く、かつその金額を合理的に見積もることができる場合、損失見込額を引当金として計上しております。プロジェク
ト総原価は、プロジェクトごとの仕様や作業期間、契約に係るリスク等に基づき見積もっておりますが、追加コスト
の発生等により当初見積り時のプロジェクト総原価の見直しが発生し、追加の費用もしくは費用の戻しが発生する可
能性があります。
引当金の帳簿価額については「連結財務諸表注記 23. 引当金」をご参照ください。
(7)確定給付制度
当社グループは、確定給付型もしくは確定拠出型の退職給付制度を設けています。運用収益の悪化により制度資産
の公正価値が減少した場合や、確定給付制度債務算出にあたっての種々の前提条件(割引率、退職率、死亡率等)が
変更され制度債務が増加した場合には、積立状況が悪化し、資本が減少する可能性があります。また、退職給付制度
を変更する場合には、純損益に重要な影響を与える可能性があります。
退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債の帳簿価額、前提条件及び感応度については「連結財務諸表注記
21. 退職後給付」をご参照ください。
5.未適用の会計基準
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が公表された基準書及び解釈指針のうち、当社グループに重要な影響があ
るものはありません。
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6.セグメント情報
(1)報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、最高経営意思決定
機関が、経営資源の配分の決定及び業績評価のために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、経営組織の形態、製品・サービスの特性に基づき、複数の事業セグメントを集約した上で「テクノロジ
ーソリューション」、「ユビキタスソリューション」、「デバイスソリューション」の3つを報告セグメントとして
おります。各報告セグメントに含まれる主な製品及びサービスの種類は以下のとおりであります。
① テクノロジーソリューション
情報通信システムの構築などを行うソリューション/SI、クラウドサービスやアウトソーシング、保守サービス
を中心とする「ソリューション・サービス」、ICTの基盤となる、サーバやストレージシステムなどのシステムプ
ロダクトと携帯電話基地局や光伝送システムなどの通信インフラを提供するネットワークプロダクトにより構成さ
れる「システムプラットフォーム」、海外においてソリューション・サービスを提供する「海外リージョン」によ
り構成されています。
② ユビキタスソリューション
パソコンなどの「クライアントコンピューティングデバイス」により構成されています。
③ デバイスソリューション
半導体パッケージ、電池をはじめとする「電子部品」により構成されています。
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「3.重要な会計方針」における記載と概ね同一であります。
当社グループの資金調達(金融収益及び金融費用を含む)及び持分法による投資利益については当社グループ全体
で管理しているため、事業セグメントに配分しておりません。
セグメント間の取引は独立企業間価格で行っております。
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(2)報告セグメントの売上収益、営業利益及びその他の項目の金額に関する情報
前年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
報告セグメント
テクノロジー ユビキタス デバイス
計 全社消去 連結計
ソリューション ソリューション ソリューション
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
売上収益
外部収益
3,035,438 186,950 364,451 3,586,839 - 3,586,839
20,940 50,165 11,532 82,637 △ 82,637 -
セグメント間収益
収益合計
3,056,378 237,115 375,983 3,669,476 △ 82,637 3,586,839
営業利益 135,001 5,881 78,319 219,201 - 219,201
金融収益
11,475
金融費用 △ 4,543
持分法による投資利益 13,853
239,986
税引前利益
(その他の項目)
減価償却費及び償却費 △ 147,186 △ 486 △ 34,799 △ 182,471 - △ 182,471
減損損失 △ 2,889 - △ 1,465 △ 4,354 - △ 4,354
減損損失の戻入れ
429 - - 429 - 429
資本的支出
159,996 413 44,001 204,410 - 204,410
当年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
報告セグメント
テクノロジー ユビキタス デバイス
計 全社消去 連結計
ソリューション ソリューション ソリューション
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
売上収益
外部収益 3,156,810 188,612 368,345 3,713,767 - 3,713,767
19,735 44,386 14,336 78,457 △ 78,457 -
セグメント間収益
収益合計
3,176,545 232,998 382,681 3,792,224 △ 78,457 3,713,767
営業利益 263,164 △ 6,585 79,035 335,614 - 335,614
金融収益 15,087
金融費用
△ 6,862
持分法による投資利益
28,037
371,876
税引前利益
(その他の項目)
減価償却費及び償却費 △ 139,451 △ 241 △ 39,020 △ 178,712 - △ 178,712
減損損失 △ 767 - △ 146 △ 913 - △ 913
減損損失の戻入れ 397 - - 397 - 397
資本的支出
150,546 - 73,501 224,047 - 224,047
(注)1.売上収益における「全社消去」はセグメント間取引の消去であります。
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(3)製品及びサービスごとの情報
外部収益
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
テクノロジーソリューション
サービス 2,569,893 2,631,814
システムプラットフォーム (注)1
432,751 489,521
その他 32,794 35,475
ユビキタスソリューション
クライアントコンピューティングデバイス 186,950 188,612
デバイスソリューション
364,451 368,345
電子部品
3,586,839 3,713,767
合計
(注)1.各種サーバ、光伝送システム、携帯電話基地局など
(4)地域ごとの情報
① 外部収益
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
国内(日本) 2,269,892 2,290,285
海外
欧州 661,673 666,464
アメリカ 238,903 296,217
アジアパシフィック 246,502 282,730
東アジア 163,663 170,629
6,206 7,442
その他
3,586,839 3,713,767
合計
(注)1.外部収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(注)2.個別に区分して開示すべき重要な国はありません。
(注)3. 当年度に地域別の区分の見直しを行っております。NWE(北欧・西欧)、CEE(中欧・東欧)、その他に
含まれていたNWE・CEE以外の欧州を合計し「欧州」、アジアに含まれていた中国、台湾、韓国を
合計して「東アジア」、アジアに含まれていた中国、台湾、韓国以外の国とオセアニアを合計して
「アジアパシフィック」として表示しています。当該区分変更により、前年度を変更後の区分にて
表示しております。なお、アメリカに属する主な国は従前の通り米国、カナダであります。
(注)4. その他には中近東、アフリカが含まれております。
② 非流動資産(有形固定資産、のれん及び無形資産)
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前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
国内(日本) 572,400 593,298
海外
欧州 100,816 99,805
アメリカ 19,127 14,896
アジアパシフィック 48,299 54,542
11,869 11,027
東アジア
752,511 773,568
合計
(注)1.非流動資産は当社グループ拠点の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(注)2.個別に区分して開示すべき重要な国はありません。
(注)3. 当年度に地域別の区分の見直しを行っております。NWE(北欧・西欧)、CEE(中欧・東欧)、その他に
含まれていたNWE・CEE以外の欧州を合計し「欧州」、アジアに含まれていた中国、台湾、韓国を
合計して「東アジア」、アジアに含まれていた中国、台湾、韓国以外の国とオセアニアを合計して
「アジアパシフィック」として表示しています。当該区分変更により、前年度を変更後の区分にて
表示しております。なお、アメリカに属する主な国は従前の通り米国、カナダであります。
(5)主要な顧客に関する情報
特定の顧客への売上収益が連結損益計算書の売上収益の10%に満たないため、主要な顧客に関する情報の記載を省略
しております。
7.企業結合等
1.事業分離
当社は、2022年4月28日開催の取締役会の決議に基づき、2022年9月1日に、株式会社PFU(以下、PFU)の株式の80%
を、株式会社リコーに譲渡しました。これに伴い、PFUは当社の連結子会社から持分法適用関連会社となりました。
(1)株式譲渡の理由
PFUは高シェアを有するイメージスキャナー等、ハードウェアの製造・販売・保守等を中心とした事業を営んでおり
ます。一方当社は社会課題の解決に貢献する「DX企業」への変革を目指し、 AI 、データ活用などのテクノロジーを
ベースとしたDXビジネスと、DXに必要なクラウド移行などのモダナイゼーションとを合わせた「デジタル領域」に注
力しています。
今般、当社は、PFU の成長と企業価値向上のため、多くのシナジーが見込まれるリコーへ PFU の株式を譲渡すると
いう経営判断を行いました。これにより、 PFU が培ってきた fi シリーズや ScanSnap のブランド、イメージスキャ
ナーやセルフサービス端末の販売、保守網、これらを支える技術を最大限に活用した事業展開が可能になると考えて
います。
また、当社はリコーとの間で、本株式譲渡に留まらず、双方の強みを相互に提供し合い両社の事業を継続的に補
完・強化していくアライアンスを引き続き検討して参ります。
(2)株式譲渡する相手会社の名称
株式会社リコー
(3)株式譲渡の時期
2022年9月1日
(4)当該子会社の名称及び事業内容
①子会社の名称
株式会社PFU
②事業内容
ドキュメントスキャナー、インダストリーコンピューティング製品などのハードウェアおよび、セキュリティ・文
書管理などのソフトウェアやサービス、ITインフラ構築や他企業と提携したマルチベンダーサービス等
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(5)法的形式を含む取引の概要
現金を対価とする株式譲渡
(6)実施した会計処理の概要
①移転損益の金額
譲渡したことに伴う収益30,821百万円
PFUが持分法適用関連会社となったことに伴う公正価値評価7,705百万円
②移転した事業に係る資産及び負債の適正な帳簿価額並びにその主な内訳
流動資産 89,906 百万円
24,603 百万円
非流動資産
資産合計 114,509 百万円
流動負債
34,667 百万円
5,063 百万円
非流動負債
負債合計 39,730 百万円
③会計処理
当該譲渡株式の連結上の帳簿価額と売却額との差額を「その他の収益」に計上しております。また、売却に伴うPFU
株式の残存株式に対する再評価益を「持分法による投資利益」に計上しております。
(7)セグメント情報の開示における区分
テクノロジーソリューション
(8)当年度の連結損益計算書及び連結包括利益計算書に計上されている分離した企業に係る損益の概算額
累計期間
売上収益
47,291 百万円
営業利益 1,121 百万円
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8.有形固定資産
機械及び
建物及び
土地 装置・工具、 建設仮勘定 合計
帳簿価額
構築物
器具及び備品
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
前年度期首(2021年4月1日) 60,414 303,465 156,765 48,949 569,593
取得 338 76,364 89,938 △17,980 148,660
減価償却費 △102 △70,374 △73,516 - △143,992
減損損失 △268 △691 △695 △73 △1,727
減損損失戻入れ - 427 2 - 429
売却目的で保有する資産への振替又は
△1,394 △7,084 △2,225 △1,277 △11,980
処分
為替換算差額 217 5,215 2,667 100 8,199
△2 813 2,051 △876 1,986
その他
59,203 308,135 174,987 28,843 571,168
前年度末(2022年3月31日)
取得
503 50,349 59,130 48,905 158,887
減価償却費 △100 △59,696 △75,188 - △134,984
減損損失 △28 △31 △113 △30 △202
減損損失戻入れ 340 57 - - 397
売却目的で保有する資産への振替又は
△5,638 △17,139 △5,484 △449 △28,710
処分
為替換算差額 203 3,025 1,368 82 4,678
△209 △591 2,102 △363 939
その他
54,274 284,109 156,801 76,988 572,172
当年度末(2023年3月31日)
機械及び
建物及び
土地 装置・工具、 建設仮勘定 合計
取得原価
構築物
器具及び備品
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
前年度期首(2021年4月1日) 79,384 864,635 925,485 49,047 1,918,551
78,452 886,379 917,106 29,106 1,911,043
前年度末 (2022年3月31日)
72,748 832,809 897,644 77,297 1,880,498
当年度末 (2023年3月31日)
機械及び
建物及び
減価償却累計額及び
土地 装置・工具、 建設仮勘定 合計
構築物
減損損失累計額
器具及び備品
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
前年度期首(2021年4月1日) 18,970 561,170 768,720 98 1,348,958
19,249 578,244 742,119 263 1,339,875
前年度末 (2022年3月31日)
18,474 548,700 740,843 309 1,308,326
当年度末 (2023年3月31日)
(注)1.建設仮勘定の取得には、新規取得による増加額のほか、各有形固定資産科目への振替額(△)を含めた純
額で表示しております。
(注)2.前年度及び当年度に計上した減損損失1,727百万円及び202百万円は、連結損益計算書の「その他の費用」
に含めております。
(注)3.建設中の有形固定資産項目の帳簿価額に含めて認識した支出額は建設仮勘定に含めて表示しており、前年
度末及び当年度末の金額は22,580百万円及び63,346百万円であります。
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(IFRS第16号に基づく注記)
使用権資産の減価償却費
有形固定資産に含まれる使用権資産の減価償却費は以下のとおりであります。
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
土地 102 100
建物及び構築物 47,227 39,405
13,397 11,780
機械及び装置・工具、器具及び備品
60,726 51,285
合計
使用権資産の帳簿価額
有形固定資産に含まれる使用権資産の帳簿価額は以下のとおりであります。
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
土地 1,074 1,083
建物及び構築物 124,756 112,271
26,672 23,770
機械及び装置・工具、器具及び備品
152,502 137,124
合計
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9.のれん及び無形資産
無形資産
のれん
帳簿価額
ソフトウェア その他 合計
百万円 百万円 百万円 百万円
前年度期首(2021年4月1日) 41,239 109,451 11,008 120,459
取得 - 54,695 1,055 55,750
企業結合による取得 5,408 - 1,048 1,048
償却費 - △36,399 △2,080 △38,479
減損損失 △425 △1,970 △232 △2,202
売却目的で保有する資産への振替又
- △3,356 △182 △3,538
は処分
為替換算差額 2,434 1,222 375 1,597
△1,169 △848 69 △779
その他
47,487 122,795 11,061 133,856
前年度末(2022年3月31日)
取得
- 59,107 6,053 65,160
企業結合による取得 8,331 10 4,498 4,508
償却費 - △41,068 △2,660 △43,728
減損損失 △393 △22 △296 △318
売却目的で保有する資産への振替又
- △13,864 △54 △13,918
は処分
為替換算差額 1,511 728 76 804
△1,804 △100 - △100
その他
55,132 127,586 18,678 146,264
当年度末(2023年3月31日)
無形資産
のれん
取得価額
ソフトウェア その他 合計
百万円 百万円 百万円 百万円
前年度期首(2021年4月1日) 43,424 221,070 35,003 256,073
49,426 236,052 31,576 267,628
前年度末 (2022年3月31日)
55,538 244,640 48,258 292,898
当年度末 (2023年3月31日)
無形資産
償却累計額及び
のれん
減損損失累計額
ソフトウェア その他 合計
百万円 百万円 百万円 百万円
前年度期首(2021年4月1日) 2,185 111,619 23,995 135,614
1,939 113,257 20,515 133,772
前年度末 (2022年3月31日)
406 117,054 29,580 146,634
当年度末 (2023年3月31日)
(注)1.無形資産のうち、自己創設に該当するものは主にソフトウェアであります。前年度末及び当年度末のソフ
トウェアの帳簿価額のうち自己創設に該当する金額は112,059百万円及び117,117百万円、前年度及び当年
度のソフトウェアの取得価額のうち内部開発による増加額は50,326百万円及び53,838百万円であります。
(注)2.償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
(注)3.前年度ののれん及び無形資産の減損損失425百万円及び2,202百万円、当年度ののれん及び無形資産
の減損損失393百万円及び318百万円は、連結損益計算書の主に「その他の費用」に含めておりま
す。
前年度及び当年度の研究開発費は以下のとおりであります。
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
研究開発費 105,354 109,571
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10.連結子会社
(1)主な連結子会社
当社の連結財務諸表は、子会社291社を連結したものであります。当年度の連結子会社の異動は以下のとおりであり
ます。
(当年度取得・設立等により、連結子会社とした会社)……………………11社
(清算・売却等により減少した会社)…………………………………………26社(注)1
(合併により減少した会社)……………………………………………………11社
なお、当年度末における主な連結子会社は以下のとおりであります。
議決権に対
セグメント 名称 国名 する所有割
合(%)
テクノロジーソリューション 富士通フロンテック㈱ 日本 100.00
富士通Japan㈱ 日本 100.00
富士通アイソテック㈱ 日本 100.00
富士通ネットワークソリューションズ㈱ 日本 100.00
㈱富士通エフサス 日本 100.00
㈱トランストロン 日本 51.00
富士通テレコムネットワークス㈱ 日本 100.00
Ridgelinez㈱ 日本 100.00
Fujitsu Services Holdings PLC
英国 100.00
Fujitsu Technology Solutions (Holding) B.V.
オランダ 100.00
(注)2
Fujitsu North America, Inc.
米国 100.00
Fujitsu Network Communications, Inc.
米国 100.00
Fujitsu Australia Limited
オーストラリア 100.00
Fujitsu Asia Pte. Ltd.
シンガポール 100.00
ユビキタスソリューション ㈱富士通パーソナルズ 日本 100.00
デバイスソリューション 新光電気工業㈱ 日本 50.04
FDK㈱ 日本 58.90
(注)1.清算・売却等により減少した会社には、2022年9月において、㈱リコーに譲渡を完了した㈱PFU、ティー
キャピタルパートナーズ㈱が新たに設立した会社に譲渡を完了した富士通セミコンダクターメモリソ
リューション㈱が含まれております。
(注)2.FTSのパソコン事業の帰属セグメントは、ユビキタスソリューションであります。
(2)連結子会社の支配喪失を伴わない当社所有持分の変動
連結子会社の支配喪失を伴わない当社所有持分の変動による資本剰余金の影響額は以下のとおりであります。
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
非支配持分との資本取引による影響額 △339 △32
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(3)重要な非支配持分がある連結子会社
当社が重要な非支配持分を認識している連結子会社の要約財務情報等は以下のとおりであります。なお、要約財務情
報はグループ内取引を消去する前の金額であります。
新光電気工業株式会社
① 報告期間中に連結子会社の非支配持分に配分された純損益
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
非支配持分に配分された純損益 26,353 27,258
② 非支配持分の保有する持分割合及び非支配持分の累積額
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
非支配持分が保有する持分割合(%) 49.95% 49.97%
非支配持分の累積額 101,115 125,624
③ 非支配持分への配当金の支払額
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
非支配持分への配当金の支払額 △2,362 △3,544
④ 要約財務情報
(ⅰ)要約連結財政状態計算書
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
流動資産 192,828 226,076
125,776 160,295
非流動資産
318,604 386,371
資産合計
流動負債
115,042 133,809
1,558 1,534
非流動負債
負債合計 116,600 135,343
資本合計 202,004 251,028
318,604 386,371
負債及び資本合計
(ⅱ)要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
売上収益 271,950 286,358
当期利益 52,735 54,559
967 1,799
その他の包括利益
53,702 56,358
当期包括利益
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(ⅲ)要約連結キャッシュ・フロー計算書
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
営業活動によるキャッシュ・フロー 67,802 117,918
投資活動によるキャッシュ・フロー △41,731 △63,954
178 △7,130
財務活動によるキャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 26,249 46,834
68,758 115,592
現金及び現金同等物の期末残高
(注)上記要約財務情報は、新光電気工業株式会社が我が国において一般に公正妥当と認められる企業会
計の基準に従って作成した連結財務諸表に、IFRSで要求される調整を加えたものであります。
11.関連会社
(1)主な関連会社
当年度末における主な関連会社は以下のとおりであります。
議決権に対
する所有割
名称 国名 事業の内容
合(%)
空調機、情報通信機器及び電子デバイス製品の開
㈱富士通ゼネラル 日本 44.07
発、製造及び販売並びにサービスの提供
FLCS㈱ 日本 20.00 情報処理機器、通信機器等の賃貸及び販売
富士通クライアントコ ノートパソコン、デスクトップパソコン等の開
日本 44.00
ンピューティング㈱ 発、設計、製造及び販売
情報システム及びICT関連機器の開発、製造及び
㈱PFU 日本 20.00
販売並びにサービスの提供
(注)1.関連会社に対する投資につきましては、持分法を適用しており、適用会社数は19社であります。なお、
当年度の持分法適用会社の異動は、増加2社、減少2社であります。減少2社には、東京証券取引所プラ
イム市場への新規上場に伴い、2022年11月において譲渡を完了した株式会社ソシオネクストが含まれて
おります。
(注)2.FLCS株式会社は、2022年4月に富士通リース株式会社から社名変更しております。
(注)3.株式会社JECCの発行済株式の20%以上を所有しておりますが、同社は情報処理産業振興のため、国産電
算機製造会社等6社の共同出資により運営されている特殊な会社でありますので、関連会社としており
ません。
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(2)重要性のある関連会社
重要性のある関連会社の要約財務情報等は以下のとおりであります。
株式会社富士通ゼネラル
① 当社グループが受け取った配当金
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
1,430 1,522
② 要約財務情報
(ⅰ)要約連結財政状態計算書
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
流動資産 185,929 215,981
92,076 92,441
非流動資産
278,005 308,422
資産合計
流動負債
117,294 140,707
27,189 27,962
非流動負債
負債合計 144,483 168,669
親会社の所有者に帰属する持分
128,980 134,194
4,542 5,559
非支配持分
資本合計 133,522 139,753
278,005 308,422
負債及び資本合計
(ⅱ)要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
売上収益 284,128 371,019
当期利益 6,720 6,797
4,896 1,799
その他の包括利益
11,616 8,596
当期包括利益
(注)上記要約財務情報は、株式会社富士通ゼネラルが我が国において一般に公正妥当と認められる
企業会計の基準に従って作成した連結財務諸表に、IFRSで要求される調整を加えたものであり
ます。
③ 要約財務情報と関連会社に対する持分の帳簿価額との調整表
表示した要約財務情報と、関連会社に対する持分の帳簿価額との調整表は以下のとおりであります。
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
親会社の所有者に帰属する持分 128,980 134,194
44.06% 44.05%
所有持分割合(%)
56,829 59,109
当社グループに帰属する持分
△455 △455
未実現損益
56,374 58,654
関連会社株式の帳簿価額
110,229 172,262
関連会社投資の公正価値
12.その他の投資
その他の投資は、主にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産で構成されております。
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取引関係の維持・強化等を目的として保有する政策保有株式については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定
する金融資産に指定しております。
主な銘柄及び公正価値は以下のとおりであります。
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
㈱ソシオネクスト - 49,135
㈱JECC 37,827 38,367
Palantir Technologies Inc.
18,068 12,132
富士電機㈱ 11,251 9,498
㈱デンソーテン 8,273 9,384
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、売却により認識を中止しております。認識を中止し
た場合、その他の包括利益として認識されていた累積利得又は損失を利益剰余金に振り替えております。
政策保有株式の保有方針に従い、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却を進めておりま
す。売却時の公正価値、その他の包括利益として認識されていた累積利得又は損失及び受取配当金は以下のとおり
であります。
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
公正価値 18,023 16,057
累積利得又は損失(△) 8,915 11,265
受取配当金 127 217
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13.法人所得税
(1)繰延税金資産及び繰延税金負債
① 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
繰延税金資産
未払賞与 34,723 35,570
リース負債 35,185 30,740
関係会社等に対する投資 30,891 28,884
減価償却超過額及び減損損失等 30,608 19,198
棚卸資産 12,077 12,498
繰越欠損金 12,686 5,204
17,960 23,087
その他
繰延税金資産計 174,130 155,181
繰延税金負債
その他の包括利益を通じて
△29,450 △37,830
公正価値で測定する金融資産
使用権資産 △39,382 △33,345
在外子会社等に対する未分配利益 △4,827 △6,776
退職給付に係る資産 △12,622 △6,678
△3,316 △2,854
その他
繰延税金負債計 △89,597 △87,483
84,533 67,698
繰延税金資産の純額
繰延税金資産の純額は、連結財政状態計算書の以下の項目に含めております。
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
繰延税金資産 99,838 73,310
△15,305 △5,612
繰延税金負債
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② 繰延税金資産の純額の増減内容
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
期首 68,210 84,533
純損益を通じて認識した額 19,624 △20,570
その他の包括利益において認識した額
在外営業活動体の換算差額 △947 758
キャッシュ・フロー・ヘッジ 74 △187
その他の包括利益を通じて
5,326 △7,788
公正価値で測定する金融資産
△8,561 15,931
確定給付制度の再測定
計
△4,108 8,714
807 △4,979
為替換算差額等
84,533 67,698
期末
③ 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の金額に適用税率を乗じた金額
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
将来減算一時差異 43,538 59,698
136,971 115,736
繰越欠損金
180,509 175,434
合計
(注)子会社等に対する投資に係る将来減算一時差異は、当該子会社等の継続保有を前提としているため、含めて
おりません。繰延税金資産を認識していない子会社等に対する投資に係る将来減算一時差異の金額(所得ベー
ス)は、前年度末及び当年度末においてそれぞれ538,333百万円及び663,119百万円であります。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の繰越期限は以下のとおりであります。
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
1年目 4,245 579
2年目 3,754 1,372
3年目 1,477 2,011
4年目 1,614 2,189
125,881 109,585
5年目以降
136,971 115,736
合計
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(2)純損益を通じて認識される法人所得税
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
当期税金費用 46,469 106,441
繰延税金費用
一時差異の発生及び解消 13,884 8,388
その他 (注) △33,508 12,182
繰延税金費用計 △19,624 20,570
法人所得税費用合計 26,845 127,011
(注)前年度には、北米子会社の清算決定に伴い、過去に認識していなかった将来減算一時差異の認識による税金
費用の減少額29,110百万円が含まれております。当社は、2021年12月に北米子会社の再編及び再編に伴う一部
の北米子会社の清算を決定しました。北米において複数の子会社に分散している経営資源を統合し、シナジー
を追求することを目的としております。Fujitsu America,Inc.(以下FAI)が、Fujitsu North America,Inc.
(2022年4月1日に名称変更、以下FNAI)に対し、米国内のサービスビジネス事業及びFAI傘下の事業会社の株
式を譲渡することにより、北米のサービスビジネスを統合しました。事業統合完了後、FNAIを北米向けのサー
ビスビジネス専業会社として再スタートさせました。なお、役割を終えたFAI及び配下の子会社は清算しま
す。
また、当年度の内容は、主に繰延税金資産の評価減によるものです。
(3)その他の包括利益において認識される法人所得税
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
在外営業活動体の換算差額 947 △758
キャッシュ・フロー・ヘッジ △74 187
その他の包括利益を通じて公正価値で測
△854 11,388
定する金融資産 (注)
8,561 △15,931
確定給付制度の再測定
8,580 △5,114
法人所得税費用合計
(注)当期税金費用が含まれております。
(4)適用税率と平均実際負担税率との差異の内訳
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
% %
適用税率 30.6 30.6
税率の増加及び減少
未認識の繰延税金資産の増減 △15.5 4.7
税額控除 △2.2 △1.6
持分法による投資損益 △1.8 △2.3
0.1 2.8
その他
11.2 34.2
平均実際負担税率
当社及び国内連結子会社は、主に法人税、住民税及び事業税を課されております。これらを基礎として計算する
適用税率は30.6%となっております。
なお、海外連結子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。
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14.棚卸資産
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
117,518 127,714
商品及び製品
83,959 84,989
仕掛品
108,352 124,305
原材料及び貯蔵品
309,829 337,008
合計
前年度及び当年度に収益性の低下に伴い費用として認識した棚卸資産の評価減の金額はそれぞ
れ、14,907百万円、21,200百万円であります。
15.売上債権及びその他の債権
(1)売上債権
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
売掛金 874,923 924,872
その他 7,048 6,102
貸倒引当金 (注) △3,498 △3,125
878,473 927,849
合計
(注)貸倒引当金の期中増減については、「34.金融商品」の貸倒引当金の増減(流動資産)
に記載しております。
(2)その他の債権
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
未収入金 60,216 82,468
2,111 2,298
その他
62,327 84,766
合計
16.現金及び現金同等物
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
現金及び預金 341,020 325,901
143,000 30,000
短期投資
連結財政状態計算書における現金及
484,020 355,901
び現金同等物
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17.売却目的で保有する資産
該当事項はありません。
18.資本及びその他の資本項目
(1)資本金
① 授権株式数
普通株式(無額面)
株式数
千株
前年度末(2022年3月31日) 500,000
当年度末(2023年3月31日) 500,000
② 全額払込済みの発行済株式
普通株式
株式数 資本金
千株 百万円
前年度末(2022年3月31日) 207,001 324,625
- -
期中の変動
207,001 324,625
当年度末(2023年3月31日)
③ 自己株式
普通株式
株式数 金額
千株 百万円
前年度末(2022年3月31日) 10,488 128,897
取得 (注)
8,278 150,103
処分 △0 △2
△105 △1,296
株式報酬取引
18,661 277,702
当年度末(2023年3月31日)
(注)主に、2022年4月28日開催の取締役会決議に基づくものであります。
(2)資本剰余金及び利益剰余金
我が国の会社法においては、株式払込金の全額が資本金として計上されますが、払込金額の2分の1を超えない金額を
資本準備金とすることが容認されております。会社法では、利益準備金(利益剰余金に含まれる)及び資本準備金(資
本剰余金に含まれる)の合計額が資本金の4分の1に達するまで、配当金の支払時に配当額の10分の1を利益準備金また
は資本準備金として積み立てなければならないことが規定されています。また、資本準備金、利益準備金、その他資本
剰余金及びその他利益剰余金は、株主総会決議により一定の条件のもとで、科目間での振り替えが容認されています。
連結財務諸表における資本剰余金には当社の個別財務諸表における資本準備金とその他資本剰余金が含まれており、
また、利益剰余金には利益準備金とその他利益剰余金が含まれております。分配可能額は会社法及び我が国において一
般に公正妥当と認められる企業会計の基準により作成された当社の個別財務諸表に基づいて計算されます。
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(3)その他の資本の構成要素及びその他の包括利益の各項目の増減
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
在外営業活動体の換算差額
期首残高 △6,193 10,196
その他の包括利益 16,389 △2,925
- -
その他
10,196 7,271
期末残高
キャッシュ・フロー・ヘッジ
期首残高 △125 △210
その他の包括利益 △85 206
- -
その他
△210 △4
期末残高
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
する金融資産
期首残高 60,934 53,522
その他の包括利益 △512 17,767
△6,900 △7,751
その他
53,522 63,538
期末残高
確定給付制度の再測定
期首残高 - -
その他の包括利益 32,828 △41,901
その他 (注)
△32,828 41,901
- -
期末残高
その他の資本の構成要素合計
期首残高 54,616 63,508
その他の包括利益 48,620 △26,853
△39,728 34,150
その他
63,508 70,805
期末残高
(注)確定給付負債(資産)の純額(数理計算上の差異等)は、再測定した時点で、税効果を調整した上でその
他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から直ちに利益剰余金に振り替えております。
(4)非支配持分に含まれるその他の包括利益の各項目の内訳
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
在外営業活動体の換算差額 1,079 875
キャッシュ・フロー・ヘッジ △86 215
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
1 △3
する金融資産
339 245
確定給付制度の再測定
1,333 1,332
その他の包括利益
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(5)その他の包括利益の各項目に関連する法人所得税費用
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
在外営業活動体の換算差額
当期発生額 15,862 2,659
△194 △6,188
当期利益への組替調整額
税引前
15,668 △3,529
△947 758
法人所得税費用
14,721 △2,771
税引後
キャッシュ・フロー・ヘッジ
当期発生額 △2,160 △1,999
1,913 2,598
当期利益への組替調整額
税引前
△247 599
74 △187
法人所得税費用
△173 412
税引後
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
する金融資産
△1,148 29,158
当期発生額
税引前
△1,148 29,158
854 △11,388
法人所得税費用
△294 17,770
税引後
確定給付制度の再測定
41,562 △57,715
当期発生額
税引前
41,562 △57,715
△8,561 15,931
法人所得税費用
33,001 △41,784
税引後
持分法適用会社のその他の包括利益持分
当期発生額 2,685 619
13 233
当期利益への組替調整額
2,698 852
税引後
その他の包括利益合計
49,953 △25,521
税引後
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19.配当金
前年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(1)配当金の支払額
配当金の総額 1株当たり
(決議) 株式の種類 配当の原資 基準日 効力発生日
(百万円) 配当額
2021年5月27日
普通株式 19,899 利益剰余金 100 円 2021年3月31日 2021年6月7日
取締役会
2021年10月27日
普通株式 21,781 利益剰余金 110 円 2021年9月30日 2021年11月30日
取締役会
(2)基準日が当年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌年度となるもの
配当金の総額 1株当たり
(決議) 株式の種類 配当の原資 基準日 効力発生日
(百万円) 配当額
2022年5月26日
普通株式 21,616 利益剰余金 110 円 2022年3月31日 2022年6月6日
取締役会
当年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(1)配当金の支払額
配当金の総額 1株当たり
(決議) 株式の種類 配当の原資 基準日 効力発生日
(百万円) 配当額
2022年5月26日
普通株式 21,616 利益剰余金 110 円 2022年3月31日 2022年6月6日
取締役会
2022年10月27日
普通株式 23,594 利益剰余金 120 円 2022年9月30日 2022年11月30日
取締役会
(2)基準日が当年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌年度となるもの
配当金の総額 1株当たり
(決議) 株式の種類 配当の原資 基準日 効力発生日
(百万円) 配当額
2023年5月25日
普通株式 22,600 利益剰余金 120 円 2023年3月31日 2023年6月5日
取締役会
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20.社債、借入金及びリース負債
有利子負債の内訳
前年度末 当年度末
前年度末 当年度末
平均利率 平均利率
返済期限
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
(注)1 (注)1
百万円 百万円 % %
1年以内に償還予定の
9,998 - - - -
社債 (注)2
短期借入金 84,925 58,461 0.70 2.86 -
1年以内に返済予定の
25,004 4 0.36 0.06 -
長期借入金
2024年4月1日~
長期借入金 83 2,080 2.49 5.65
2027年2月1日
リース負債(流動) 48,839 45,112 0.93 1.16 -
2024年4月4日~
116,470 105,518
リース負債(非流動) 1.43 1.66
2081年8月28日
285,319 211,175
合計 - -
社債、借入金及び
168,766 103,577
リース負債(流動)
借入金及び
116,553 107,598
リース負債(非流動)
(注)1.平均利率については、前年度末及び当年度末残高に対する加重平均利率を記載しております。
(注)2.社債の内訳は以下のとおりであります。なお、合計に記載しております利率は、当年度末における社
債の発行総額に対する加重平均利率を記載しております。
前年度末 当年度末
会社名 銘柄 発行年月日 利率 担保 償還期限
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円 %
9,998 - 0.533
当社 第38回無担保社債 2015年7月22日 なし 2022年7月22日
9,998 - -
合計
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21.退職後給付
(1)採用している退職給付制度の概要
当社グループは従業員の退職給付制度として国内及び英国、ドイツ等において確定給付制度を設けており、国内にお
いてはその一部がリスク分担型企業年金となっております。また、英国及び国内、ドイツ等において確定拠出制度を設
けております。なお、当社及び一部の国内子会社において退職給付信託を設定しております。
退職給付制度の国内における主要な制度は当社及び一部の国内子会社が加入する富士通企業年金基金が運営する外部
積立型の年金制度及び退職金制度であります。富士通企業年金基金は厚生労働大臣の認可により設立された特別法人
で、確定給付企業年金法に基づき運営されております。議決機関として代議員会が、執行機関として理事会が設置され
ており、代議員及び理事の人数は会社側で選定する者と従業員側で互選する者がそれぞれ同数となっております。
富士通企業年金基金の年金制度として、会社が掛金を拠出する制度及び従業員が掛金を拠出する制度を設けておりま
す。給付額は制度加入期間における給与累計額及び制度加入期間、その他の要素に基づき決定され、給付期間は主に60
歳から80歳までの20年間ですが、一部の受給者については生涯に亘る年金給付を保証しております。また、退職金制度
として、1999年3月以前に入社した従業員が加入する制度及び1999年4月以降に入社した従業員が加入する制度を設けて
おり、そのうち1999年4月以降に入社した従業員が加入する制度はキャッシュバランス・プラン及び確定拠出制度から
構成されております。給付額は勤続年数を含めた会社への貢献度を反映した退職時までのポイント累計、その他の要素
に基づき決定されますが、加えてキャッシュバランス・プランの給付額は制度加入期間の市場金利にも基づいて決定さ
れます。
会社が掛金を拠出する年金制度及び1999年3月以前に入社した従業員が加入する退職金制度については、現役従業員
を対象として2018年6月21日に、リスク分担型企業年金(我が国における確定給付企業年金法(平成13年法律第50号)
に基づいて実施される企業年金のうち、確定給付企業年金法施行規則(平成14年厚生労働省令第22号)第1条第3号にて
規定)へ移行し、あわせて、より持続可能な制度を目指すべく、運用リスクを軽減させた年金資産ポートフォリオへの
見直しを行いました。また、従業員が掛金を拠出する年金制度及び受給者については従来型の確定給付制度(リスク分
担型企業年金でない確定給付企業年金)を設けております。
なお、当社が導入したリスク分担型企業年金は労使でリスクを分担するしくみであり、事業主は当該制度への移行時
点の積立不足分(特別掛金)及び労使合意により定められたリスクへの対応分(リスク対応掛金)を含む固定の掛金を
拠出することにより一定のリスクを負い、加入者も財政バランスが崩れた場合には給付調整が行われることで一定のリ
スクを負います。従来型の確定給付制度は、積立不足が生じた時に事業主に追加の掛金負担が生じますが、リスク分担
型企業年金は、あらかじめ将来発生するリスクを測定し労使合意によりその範囲内でリスク対応掛金を拠出し平準的な
拠出とするものです。基金規約に定められた特別掛金相当額の総額を制度改訂日以降3年定額で、また、移行時に算定
された財政悪化リスク相当額の水準を踏まえ定めたリスク対応掛金相当額を制度改訂日以降4年定率で拠出し、これら
拠出の完了後、追加的な掛金は発生しません。退職給付に係る会計処理において、リスク分担型企業年金のうち、企業
が追加掛金の拠出義務を実質的に負っていないものは確定拠出制度に分類され、そのため、当社グループが導入したリ
スク分担型企業年金は確定拠出制度に分類されます。
このほかに、一部の国内子会社は従業員と合意した年金規約に基づき会社が主体となり運営する規約型の確定給付企
業年金を設けているほか、内部積立型の退職一時金制度を設けている子会社も一部あります。
海外における主要な退職給付制度は英国のFujitsu Services Holdings PLC(その連結子会社を含む、以下、FS)及
びドイツのFujitsu Technology Solutions(Holding)B.V.(その連結子会社を含む、以下、FTS)の確定給付プランで
あります。FSの確定給付プランは英国年金監督機構のガイドラインに従い、会社及び従業員の代表者、独立した外部専
門家により構成されるトラスティボードにより運営されております。FSの確定給付プランの給付額は退職時の給与の額
及び制度加入期間のほか物価指数に基づいており、また、制度加入者の生涯に亘る年金給付を保証しております。FSは
2000年に外部積立型の確定給付プランの新規加入を停止し、それ以降に加入する従業員に対しては確定拠出プランを設
けております。2010年には確定給付プランに加入する従業員を対象に将来勤務に対して発生する給付について確定拠出
プランへの移行を開始し、2011年に完了いたしました。また、確定給付プランの積立不足(確定給付制度債務から制度
資産を控除した額)に充当するため、2013年3月に1,143億円の特別掛金を拠出いたしました。あわせて、確定給付制度
債務とマッチングした制度資産の運用を行うため債券を中心としたポートフォリオへの見直しを行いました。FTSは主
として内部積立型の確定給付制度を設けておりましたが、1999年に新規加入を停止し、それ以降に加入する従業員に対
しては確定拠出制度を設けております。
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(2)確定給付制度
① 確定給付制度の関連するリスク
当社グループの確定給付制度は、以下のようなリスクに晒されております。
(ⅰ)投資リスク
確定給付制度債務の現在価値は、期末日の優良社債の市場利回りに基づき決定される割引率により算定されま
す。制度資産の運用利回りが割引率を下回る場合、積立状況が悪化することにより資本が減少するリスクがありま
す。制度資産は、短期的には運用収益の変動の影響を受ける可能性があります。なお、制度資産の構成については
年金及び退職金の給付を将来に亘り確実に行うために、必要な収益を長期的に確保することを目的として定期的に
見直しております。
(ⅱ)金利リスク
優良社債の市場利回りの下落に伴い割引率が引下げられる場合、確定給付制度債務の現在価値が増加し積立状況
が悪化することにより資本が減少するリスクがあります。
(ⅲ)長寿リスク
制度加入者の平均余命が伸びた場合、確定給付制度債務の現在価値が増加し積立状況が悪化することにより資本
が減少するリスクがあります。
(ⅳ)インフレリスク
英国及びドイツの制度は給付額の一部が物価指数に連動して決定されるため、インフレーションが進行する場
合、確定給付制度債務の現在価値が増加し積立状況が悪化することにより資本が減少するリスクがあります。
② 財務諸表上の金額
(ⅰ)確定給付制度債務及び制度資産の期末残高と連結財政状態計算書に認識された確定給付負債(資産)の純額の調
整表
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
確定給付制度債務の現在価値 △1,577,660 △1,320,257
制度資産の公正価値 1,601,231 1,307,010
- △258
アセット・シーリングによる調整額
連結財政状態計算書に認識された
23,571 △13,505
確定給付負債(資産)の純額
退職給付に係る資産 139,543 81,883
△115,972 △95,388
退職給付に係る負債
連結財政状態計算書に認識された
23,571 △13,505
確定給付負債(資産)の純額
前年度末:確定給付制度債務の現在価値のうち、国内制度は△663,838百万円、海外制度は△913,822百万円であり
ます。また、制度資産の公正価値のうち、国内制度は663,486百万円、海外制度は937,745百万円であり
ます。
当年度末:確定給付制度債務の現在価値のうち、国内制度は△610,010百万円、海外制度は△710,247百万円であり
ます。また、制度資産の公正価値のうち、国内制度は643,576百万円、海外制度は663,434百万円であり
ます。
アセット・シーリングによる調整額は、「従業員給付」(IAS第19号)において制度資産が確定給付制度債務の現
在価値を上回る積立超過の場合に当該超過額を退職給付に係る資産として資産計上しますが、その資産計上額が一
部制限されることによる調整額であります。
(ⅱ)確定給付費用の内訳
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
当期勤務費用
12,254 11,663
(制度加入者掛金控除後)
利息純額 211 △368
△2,355 △106
過去勤務費用及び清算損益
10,110 11,189
合計
当期勤務費用には複数事業主制度に係る確定給付費用を含めております。
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(ⅲ)期首残高から期末残高への調整表
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
確定給付制度債務の現在価値
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
期首残高 △1,604,732 △1,577,660
当期勤務費用 △18,844 △17,829
利息費用 △22,439 △29,460
確定給付制度の再測定
財務上の仮定の変更により生じた
58,965 265,680
数理計算上の差異
人口統計上の仮定の変更により生じ
△37,930 △29,305
た数理計算上の差異
過去勤務費用及び清算損益 2,355 106
制度からの支払
事業主からの支払 7,068 8,372
制度資産からの支払 74,584 77,007
清算に関する支払 14,161 -
企業結合及び処分の影響額 270 14,445
△51,118 △31,613
外国為替レートの変動の影響
△1,577,660 △1,320,257
期末残高
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
制度資産の公正価値
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
期首残高 1,565,535 1,601,231
利息収益 22,228 29,828
確定給付制度の再測定
制度資産に係る収益
21,737 △294,839
(利息収益に含まれる金額を除く)
制度への拠出
事業主による拠出 22,199 21,984
制度加入者による拠出 6,590 6,166
制度からの支払
制度資産からの支払 △74,584 △77,007
清算に関する支払 △14,161 -
企業結合及び処分の影響額 △33 △9,499
51,720 29,146
外国為替レートの変動の影響
1,601,231 1,307,010
期末残高
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(ⅳ)制度資産の公正価値の内訳
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
活発な市場における公表市場価格 活発な市場における公表市場価格
有 無 有 無
百万円 百万円 百万円 百万円
現金及び現金同等物 46,080 - 38,844 -
資本性金融商品
日本 46,738 11,270 49,945 11,747
海外 17,867 94,849 21,797 81,814
負債性金融商品
日本 4,055 138,093 4,714 136,837
海外 567,977 140,530 295,922 186,058
生命保険一般勘定 - 263,328 - 265,372
Liability Driven Investment(LDI)
2,445 207,035 - 152,265
3,964 57,000 1,861 59,834
その他
689,126 912,105 413,083 893,927
合計
Liability Driven Investment(LDI)は、金利変動やインフレ等による確定給付制度債務の現在価値の変動に制度資産
を連動させるため、主として債券やスワップ商品等で運用しております。
(ⅴ)確定給付制度債務の現在価値の算定に用いた重要な数理計算上の仮定
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
海外制度 (注)1 海外制度 (注)1
国内制度 国内制度
割引率
0.66% 2.75% 1.07% 4.90%
平均余命 (注)2
23.6年 23.0年 23.6年 22.9年
- 3.70% - 3.30%
インフレーション率
(注)1.海外制度は英国子会社が採用する確定給付制度の数値を記載しております。
(注)2.国内制度は現在60歳の男性、海外制度は現在65歳の男性の平均余命であります。
③ 将来キャッシュ・フローの金額、時期及び不確実性
(ⅰ)重要な数理計算上の仮定についての感応度分析
重要な数理計算上の仮定についての感応度分析は下記のとおりであります。下記の分析は重要な数理計算上の仮
定の1つが合理的な範囲で変動した場合における確定給付制度債務への影響を示しており、その他の全ての仮定が
一定であることを前提に行っておりますが、実際には仮定の1つが独立して変動するとは限りません。また、英国
子会社の確定給付プランにおいては、確定給付制度債務とマッチングした制度資産運用を行っているため、割引率
の変動による積立状況への影響は限定的であります。なお、マイナスは確定給付制度債務の減少を、プラスは確定
給付制度債務の増加を表しております。
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
割引率 0.1%上昇した場合 △20,423 △14,598
20,703 14,850
0.1%下落した場合
平均余命 1年増加した場合 44,044 38,893
インフレーション率 0.1%上昇した場合
7,796 5,277
△7,474 △5,352
0.1%下落した場合
(ⅱ)制度資産の積立及び運用方針
当社グループにおける確定給付制度への拠出は、会社の財政状況、制度資産の積立状態、数理計算等の様々な要
因を考慮の上行われます。富士通企業年金基金においては、確定給付企業年金法に基づき5年に1度財政再計算を実
施するなど定期的に拠出額の見直しを行っております。
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当社グループにおける制度資産の運用は、受給者(将来の受給者を含む)に対する給付を確保するために、許容
されるリスクの範囲内で制度資産の価値の増大を図ることを目的として行っております。
富士通企業年金基金における制度資産の運用にあたっては、基金の理事及び代議員から選定した委員のほか、当
社の財務、人事の責任者が参加する資産運用委員会を定期的に開催しております。投資対象資産の期待収益率及び
リスクを考慮した上で基本資産配分や資産種類毎のリバランスルール(変化幅)を設定しその範囲内で運用するこ
とによりリスクを抑制しております。基本資産配分及びリバランスルールについては、最善の状態を確実に維持す
ることを目的に市場環境や積立状況の変化に対応して定期的に見直しを行っております。
英国子会社のFSにおいては、金利変動やインフレ等による確定給付制度債務の現在価値の変動に制度資産を連動
させるため、主として債券やスワップ商品等で運用しております。これにより市況変動リスクを抑制しておりま
す。
(ⅲ)確定給付制度への予想拠出額
当社グループでは、翌年度の確定給付制度への事業主による拠出額は21,651百万円と見込んでおります。
(ⅳ)確定給付制度債務の満期分析
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
確定給付制度債務の加重平均デュレーション 14.0年 13.5年
(3)確定拠出制度及び公的制度
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
確定拠出制度における費用 20,980 21,020
リスク分担型企業年金における費用 27,413 20,173
公的制度における費用 75,733 75,689
リスク分担型企業年金における費用には、標準掛金のほかリスク対応掛金が前年度4,955百万円、当年度417百万
円含まれております。
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22.キャッシュ・フロー情報
(1)財務活動から生じた負債の変動
社債及び
短期借入金 リース負債 合計
長期借入金
百万円 百万円 百万円 百万円
前年度期首(2021年4月1日) 88,060 68,248 160,017 316,325
キャッシュ・フローを
△53,288 15,668 △62,328 △99,948
伴う変動
キャッシュ・フローを
伴わない変動
支配の獲得又は喪失 299 - △1,207 △908
使用権資産の取得 - - 70,070 70,070
解約等に伴う減少 - - △7,208 △7,208
為替換算差額 5 3,119 5,097 8,221
9 △2,110 868 △1,233
その他
前年度末(2022年3月31日) 35,085 84,925 165,309 285,319
キャッシュ・フローを
△33,030 △25,502 △58,566 △117,098
伴う変動
キャッシュ・フローを
伴わない変動
支配の獲得又は喪失 - - △2,663 △2,663
使用権資産の取得 - - 46,380 46,380
解約等に伴う減少 - - △3,211 △3,211
為替換算差額 27 890 2,159 3,076
2 △1,852 1,222 △628
その他
2,084 58,461 150,630 211,175
当年度末(2023年3月31日)
(2)その他
前年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」には、セルフ・プロデュース支援制度を拡充したことに伴う割増
退職金等に係る未払金の増加額64,382百万円が含まれております。
当年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」には、前年度に計上したセルフ・プロデュース支援制度を拡充し
たことに伴う割増退職金等に係る未払金の減少額64,335百万円が含まれております。
投資活動によるキャッシュ・フローの「子会社及び持分法適用会社並びに事業の売却による収支」には、2022年9
月1日に当社連結子会社である株式会社PFU(以下、PFU)の株式80%を株式会社リコー(以下、リコー)に譲渡した
対価90,584百万円からPFUが保有していた現金及び現金同等物の移管額42,060百万円を控除した額を含めておりま
す。
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23.引当金
事業構造改善 製品保証 受注損失
資産除去債務 その他 合計
引当金 引当金 引当金
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
6,880 8,455 18,736 19,233 10,963 64,267
前年度末(2022年3月31日)
期中増加額
1,279 2,585 5,760 1,671 1,157 12,452
期中減少額(目的使用) △3,076 △3,241 △12,073 △1,800 △2,422 △22,612
-
連結範囲の変更による増減 - - △213 △3 △216
344 214 305 225 690 1,778
為替換算差額等
5,427 8,013 12,728 19,116 10,385 55,669
当年度末(2023年3月31日)
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
流動負債 42,851 35,015
21,416 20,654
非流動負債
64,267 55,669
合計
事業構造改善引当金
事業構造改善のための人員の適正化及び事業整理等に伴う損失見込額を、当社グループが詳細な公式計画を有し
ており、かつ、当該計画の実施を開始した時点、又は、影響を受ける関係者に対し当該計画の主要な特徴を公表し
た時点で計上しております。支出の時期は主に1~2年内と見込んでおります。
製品保証引当金
当社グループが販売する製品には、契約に基づき一定期間無償での修理又は交換の義務を負うものがあり、過去
の実績を基礎として算出した修理又は交換費用の見積額を製品を販売した時点で計上しております。支出の時期は
主に1~5年内と見込んでおります。
受注損失引当金
前年度において記載しておりました「工事契約等損失引当金」は、当年度より「受注損失引当金」に名称を変更
しております。「3.重要な会計方針 (13)引当金 ③受注損失引当金」をご参照ください。
一括請負などの成果物の引渡し義務を負うサービス契約のうち、見積総原価が見積総収益を超過する可能性が高
いものについて、損失見込額を計上しております。支出の時期は将来のプロジェクトの進捗等により影響を受けま
す。
資産除去債務
法令又は契約に基づき、主に賃借建物の原状回復義務に係る費用の見積額を賃貸借契約を締結した時点で計上し
ております。支出の時期は将来の事業計画等により影響を受けます。
なお、「その他」には環境対策等の引当金が含まれております。
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24.仕入債務及びその他の債務
(1)仕入債務
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
買掛金 464,795 458,280
5,442 5,450
その他
470,237 463,730
合計
(2)その他の債務
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
未払費用 269,261 286,295
134,612 81,104
未払金
403,873 367,399
合計
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25.売上収益
(1)売上収益の分解
当社グループは売上収益を顧客の所在地を基礎とした地域別に分解しております。
分解した地域別の売上収益と報告セグメントとの関係は以下のとおりです。
なお、当年度に地域別の区分の見直しを行っております。NWE(北欧・西欧)、CEE(中欧・東欧)、その他に含まれてい
たNWE・CEE以外の欧州を合計し「欧州」、アジアに含まれていた中国、台湾、韓国を合計して「東アジア」、アジアに
含まれていた中国、台湾、韓国以外の国とオセアニアを合計して「アジアパシフィック」として表示しています。当該
変更に伴い、前年度を変更後の区分にて表示しております。
なお、アメリカに属する主な国は従前の通り米国、カナダであります。
前年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
テクノロジー ユビキタス デバイス
外部収益 合計
ソリューション ソリューション ソリューション
百万円 百万円 百万円 百万円
日本 2,110,392 83,502 75,998 2,269,892
欧州 546,132 102,400 13,141 661,673
アメリカ 188,380 - 50,523 238,903
アジアパシフィック 141,546 40 104,916 246,502
東アジア 42,839 1,008 119,816 163,663
6,149 - 57 6,206
その他
3,035,438 186,950 364,451 3,586,839
連結計
当年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
テクノロジー ユビキタス デバイス
外部収益 合計
ソリューション ソリューション ソリューション
百万円 百万円 百万円 百万円
日本 2,111,048 102,533 76,704 2,290,285
欧州 570,325 83,952 12,187 666,464
アメリカ 239,441 173 56,603 296,217
アジアパシフィック 179,918 204 102,608 282,730
東アジア 48,697 1,750 120,182 170,629
7,381 - 61 7,442
その他
3,156,810 188,612 368,345 3,713,767
連結計
(注)1.前年度及び当年度におけるリース取引から生じる収益は、重要性がないため、売上収益に含めて表示して
おります。
(注)2.その他には中近東、アフリカが含まれております。
(2)契約資産及び契約負債
契約資産は、主に、一括請負などの成果物の引渡し義務を負うサービス契約において進捗度の測定に基づいて認識し
た売上収益にかかる未請求売掛金であり、顧客の検収時に売上債権へ振替えられます。
契約負債は、主に、継続して役務の提供を行う契約における顧客からの前受金であります。期首現在の契約負債残高
のうち前年度及び当年度に売上収益として認識した金額はそれぞれ、107,445百万円、114,423百万円であります。
(3)履行義務
各報告セグメントの製品及びサービスにおける履行義務と収益の測定方法については、「3.重要な会計方針」をご
参照下さい。
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なお、それぞれの履行義務における支払条件は主として1年以内であり、長期の前払いや後払いの支払条件が設定さ
れている取引に重要なものはありません。
前年度末で未充足(又は部分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格の総額は1,827,263百万円であり、このう
ち1,223,019百万円は1年以内に売上収益として認識することを見込んでおりました。また、当年度末で未充足(又は部
分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格の総額は1,769,824百万円であり、このうち1,126,491百万円は1年以内
に売上収益として認識することを見込んでおります。
なお、当社グループはIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」第121項の実務上の便法は適用せず、予想期間が1
年以内の契約に係る履行義務も上記に含めています。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれて
いない重要な金額はありません。
26.その他の収益及びその他の費用並びに持分法による投資利益
前年度:その他の収益には、事業譲渡に係る収益12,451百万円、政府補助金による収益12,210百
万円、固定資産売却益5,749百万円などが含まれております。
その他の費用の主なものは、セルフ・プロデュース支援制度を拡充したことに伴う
割増退職金等64,382百万円であります。セルフ・プロデュース支援制度は、当社グルー
プ外において新たなキャリアにチャレンジ・活躍を希望する従業員に対し、一定の支援
を実施する制度であり、当年度においてDX企業への変革を加速するための施策の一つと
して、期間を限定し拡充しております。当該費用はセグメント上、テクノロジーソ
リューションに含まれております。
上記のほか、減損損失4,354百万円、固定資産廃棄損2,480百万円、移設撤去費2,453
百万円などが含まれております。
当年度:その他の収益の主なものは以下の通りです。
2022年9月1日に当社連結子会社である株式会社PFU(以下、PFU)の株式80%を株式
会社リコーに譲渡したことに伴う収益30,821百万円を計上しております。当該収益はセ
グメント上、テクノロジーソリューションに含まれております。
収益に関する補助金として、ポスト5G/Beyond 5G研究開発などに対する政府補助金
による収益21,441百万円を計上しております。当該収益はセグメント上、テクノロジー
ソリューションに含まれております。
上記のほか、固定資産売却益15,903百万円 などが含まれております。
その他の費用には、固定資産廃棄損7,113百万円、事業構造改善費用3,785百万円、
移設撤去費2,597百万円などが含まれております。
持分法による投資利益は、主に、PFUが持分法適用関連会社となったことに伴う公正
価値評価益7,705百万円を計上しております。
なお、PFUの株式譲渡については「7.企業結合等 1.事業分離」に詳細を記載し
ております。
27.非金融資産の減損
(1)資金生成単位(CGU)
当社グループは、原則として、事業用資産については経営管理上の事業区分を基準としてCGUを識別しております。
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(2)減損損失
減損損失を認識した資産の種類別内訳は以下のとおりです。
当該減損損失は主に連結損益計算書の「その他の費用」に含めて表示しております。
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
有形固定資産
土地 268 28
建物及び構築物 691 31
機械及び装置・工具、器具及び備品 695 113
73 30
建設仮勘定
有形固定資産計
1,727 202
のれん 425 393
無形資産
ソフトウェア 1,970 22
232 296
その他
無形資産計 2,202 318
4,354 913
減損損失合計
前年度:収益性低下等に伴いソフトウェア等について、当該CGUの帳簿価額を回収可能価額まで減額したものであり
ます。
減損損失のセグメント別の内訳は、テクノロジーソリューションセグメント2,889百万円、デバイスソ
リューションセグメント1,465百万円であります。
当年度:事業の縮小・撤退等に伴いのれん等について当該CGUの帳簿価額を回収可能価額まで減額したものでありま
す。
減損損失のセグメント別の内訳は、テクノロジーソリューションセグメント767百万円、デバイスソ
リューションセグメント146百万円であります。
(3)減損損失の戻入れ
当年度において、過年度に減損損失を認識した事業用資産を売却に伴い資産の帳簿価額を回収可能価額まで戻入れて
おり、建物及び構築物で57百万円、土地で340百万円の減損損失の戻入れを計上しております。当該減損損失の戻入れ
は連結損益計算書の「その他の収益」に含めて表示しており、セグメント情報上、テクノロジーソリューションに含ま
れております。
(4)のれんの減損テスト
海外連結子会社Fujitsu Technology Solutions(Holding) B.V.(以下、FTS)は、Siemens Business Service GmbHか
ら2006年4月に取得したプロダクトサポート事業に係るのれんを計上しております。
FTSは、欧州を事業領域としており、国・地域を基軸とした事業管理体制としていることから、のれんを配分するCGU
を6つの国・地域としております。
6つのCGUには、ドイツ、スイス、オーストリアで構成されるCentral Europeと、オランダ、ベルギー及びルクセンブ
ルク、フランス、スペイン及びポルトガル、ポーランドの5つの国・地域の単位(以下、その他の国・地域)が含まれ
ます。
減損テストのために各CGUに配分された重要なのれんは、Central Europeであります。
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
FTS
Central Europe
12,468 13,554
その他の国・地域 3,454 3,522
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のれんの減損損失は、CGUの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識しております。回収可能価額は使用価値
により測定しております。
当年度末において重要なのれんであるCentral Europeの使用価値は、3ヶ年の中期経営計画とその後の期間の将来の
不確実性を考慮した成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割引いて算定しております。当年度
末においては、回収可能価額がCGUの帳簿価額を十分に上回っております。
中期経営計画は当該事業の将来の予測に関する経営陣の評価と過去実績に基づき、外部情報及び内部情報を使用して
作成しております。
成長率はCGUが属する地域の市場の長期平均成長率を勘案して決定しております。前年度及び当年度の成長率は0.5%
であります。割引率はCGUの税引前の加重平均資本コストを基礎として算定しております。前年度及び当年度のCentral
Europeの減損テストに使用した税引前の割引率はそれぞれ、8.0%、11.0%であります。
回収可能価額の算定に用いた成長率及び割引率について合理的な範囲で変動があった場合でも、回収可能価額がCGU
の帳簿価額を十分に上回っていることから、重要な減損損失が発生する可能性は低いと判断しております。
28.人件費
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
給与賞与 967,955 980,129
退職給付費用 58,505 52,382
242,460 185,524
法定福利費他
1,268,920 1,218,035
合計
(注)前年度の法定福利費他には、国内における期間を限定したセルフ・プロデュース支援制度の拡充関連費用
64,382百万円のうち、人件費に係る部分を含めております。
29.金融収益及び金融費用
金融収益
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
1,029 2,703
受取利息
2,551 3,334
受取配当金
3,022 3,154
為替差益
4,873 5,896
その他
11,475 15,087
合計
金融費用
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
2,955 3,958
支払利息
1,588 2,904
その他
4,543 6,862
合計
受取利息は、主に償却原価で測定する金融資産から発生したものであり、受取配当金は、主にその他の包括利益
を通じて公正価値で測定する金融資産から発生したものであります。支払利息は主に償却原価で測定する金融負債
から発生したもの、及びリース負債に係る利息費用であります。なお、前年度及び当年度のリース負債に係る利息
費用はそれぞれ、1,761百万円、1,837百万円であります。
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30.非継続事業
該当事項はありません。
31.1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
(1)基本的1株当たり当期利益
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
親会社の普通株主に帰属する当期利益
182,691 215,182
(百万円)
基本的加重平均普通株式数(千株) 197,672 194,273
基本的1株当たり当期利益(円) 924.21 1,107.63
(2)希薄化後1株当たり当期利益
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
親会社の普通株主に帰属する当期利益
182,691 215,182
(百万円)
希薄化後1株当たり当期利益の計算に使
182,691 215,182
用する当期利益(百万円)
基本的加重平均普通株式数(千株) 197,672 194,273
条件付発行可能株式による調整
265 389
(千株)
希薄化後1株当たり当期利益の計算に使
197,937 194,662
用する加重平均普通株式数(千株)
希薄化後1株当たり当期利益(円) 922.97 1,105.41
32.非資金取引
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
リース取引に係る使用権資産の取
62,182 42,667
得額
33.株式報酬
当社は、当社及び当社の一部子会社の業務執行取締役、執行役員及び一定の職責以上の従業員等(以下、役員等)に
対し、中長期的な企業価値向上のインセンティブを与えるとともに、株主視点での経営を一層促すため、業績連動型株
式報酬制度(以下、本制度)を導入しております。
当社は、役員等に対して、あらかじめ役位に応じた基準株式数、業績判定期間(3年間)及び業績目標(売上収益及
び営業利益)を提示します。そして、業績達成水準に応じて基準株式数に一定係数をかけて算出した数の当社株式を年
度毎に計算し、業績判定期間の終了をもって、対象者毎にその合計株式を割り当てます。
本制度は持分決済型の株式報酬として会計処理しております。期中付与株式数、付与日における公正価値の加重平均
値(加重平均公正価値)及び連結損益計算書に含まれる株式報酬費用は以下のとおりであります。
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
期中付与株式数(千株) (注)1
199 268
加重平均公正価値(円) 16,422 18,207
株式報酬費用(百万円) (注)2
1,445 3,154
(注)1.基準株式数を記載しております。
(注)2.株式報酬費用は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上しております。
34.金融商品
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(1)資本管理
当社グループの自己資本管理に関する基本的な方針は、親会社の所有者に対し安定的な剰余金の配当を実施するとと
もに、財務体質の強化及び業績の中長期的な向上を踏まえた積極的な事業展開に備えるため、適正な水準まで内部留保
を充実することにあります。
当社グループは、収益性や事業における投下資本の運用効率を向上させるため、営業利益率やEPS(1株当たり利益)
を経営上の指標として重視しております。
(2)リスク管理に関する事項
当社グループは、『富士通グループ・トレジャリー・ポリシー』に基づいて財務活動を行い、事業活動における資金
需要に基づき、主に銀行借入や社債発行により資金を調達しております。一時的な余剰資金は、事業活動に必要な流動
性を確保した上で安全性の高い金融資産にて運用しております。デリバティブ取引については、ヘッジ目的のみに利用
し、投機目的及びトレーディング目的では行っておりません。
売上債権及び契約資産は、顧客の信用リスクに晒されております。また、製品の輸出に伴い一部の売上債権は外貨建
てであり、為替の変動リスクに晒されております。その他の金融資産は、主に資金運用を目的とした譲渡性預金や取引
先企業との取引関係の維持・強化を目的として政策的に保有する株式等であり、株式については市場価格の変動リスク
や出資先の財政状態の悪化リスクに晒されております。また、取引先企業等に対し貸付を行っております。
仕入債務及びその他の債務は、概ね1年以内の支払期日であります。また、部材の輸入に伴い一部の仕入債務は外貨
建てであり、為替の変動リスクに晒されております。社債及び借入金は、運転資金及び設備投資等の資金の調達を目的
としたものであります。このうち一部は変動金利であるため、金利の変動リスクに晒されております。
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① 信用リスク
当社グループは、製品の販売、サービスの提供にあたり、与信管理の基準及び手続きに従い、回収リスクの軽減を
図っております。売上債権及び契約資産については、営業部門から独立した部門が取引先の信用状況を審査し、売上
債権については取引先別に回収期日及び残高を管理し、円滑かつ確実な回収を図っております。また、貸付金につい
ては、定期的に貸付先の財政状況を把握し、必要に応じて貸付条件を見直す場合があります。
デリバティブ取引は、取引先の選定にあたり、信用リスクを考慮しております。
当年度の末日現在における最大信用リスク額は、信用リスクに晒される金融資産の帳簿価額により表わされており
ます。
主な売上債権である売掛金に係る信用リスク・エクスポージャーは、以下のとおりであります。
期日経過後
合計 期日経過前
30日超 60日超 90日超
合計 30日以内 180日超
60日以内 90日以内 180日以内
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
前年度末
(2022年3月31日)
売掛金 874,923 850,884 24,039 14,325 3,980 1,264 1,542 2,928
当年度末
(2023年3月31日)
売掛金 924,872 890,693 34,179 21,285 5,665 1,761 2,094 3,374
前年度末及び当年度末における売掛金に対応する貸倒引当金の金額はそれぞれ3,498百万円、3,125百万円でありま
す。
当社グループは信用損失により金融資産が減損した場合、金融資産の帳簿価額を減額せず、貸倒引当金勘定を使用
しております。
貸倒引当金の増減は以下のとおりであります。
貸倒引当金の増減
流動資産 非流動資産 合計
百万円 百万円 百万円
前年度期首(2021年4月1日) 3,781 1,136 4,917
期中増加額 1,822 640 2,462
期中減少額(目的使用) △661 △10 △671
期中減少額(戻入れ) △796 △650 △1,446
△648 △8 △656
為替換算差額等
前年度末(2022年3月31日) 3,498 1,108 4,606
期中増加額
1,326 559 1,885
期中減少額(目的使用) △559 △219 △778
期中減少額(戻入れ) △1,000 △654 △1,655
△140 △16 △156
為替換算差額等
3,125 778 3,903
当年度末(2023年3月31日)
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② 流動性リスク
当社グループは、資金収支予測を作成し、資金需要を把握しております。また、資金調達方法の多様化を進めるこ
とにより流動性リスクを軽減しております。
金融負債の期日別残高は以下のとおりであります。
前年度末(2022年3月31日)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
帳簿価額 キャッシュ・ 1年以内 5年超
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
フロー
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
非デリバティブ負債
社債 9,998 10,000 10,000 - - - - -
借入金 110,012 110,012 109,929 67 9 4 3 -
リース負債 165,309 184,867 50,276 38,368 21,044 14,902 9,907 50,369
デリバティブ負債
2,831 2,831 2,831 - - - - -
当年度末(2023年3月31日)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
帳簿価額 キャッシュ・ 1年以内 5年超
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
フロー
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
非デリバティブ負債
借入金 60,546 60,546 58,465 1,865 212 3 - -
リース負債
150,630 171,527 46,303 33,976 20,458 13,466 10,341 46,983
デリバティブ負債 1,409 1,409 1,409 - - - - -
なお、流動負債に区分する金融負債の返済期日は1年以内であります。
③ 市場リスク
当社グループは、外貨建ての売上債権及び仕入債務について、通貨別に把握された為替の変動リスクに対して、先
物為替予約等の取引を利用しており、外貨建てのキャッシュ・フローに係る為替の変動リスクを抑制するために、通
貨スワップ等の取引を利用しております。また、社債及び借入金に係る支払金利の変動リスクを抑制するために、金
利スワップ取引を利用しております。
株式については、定期的に公正価値や出資先の財務状況を把握するとともに、出資先との関係を勘案して保有状況
を継続的に見直しております。
デリバティブ取引については、デリバティブ取引に関する管理規定に基づき、最高財務責任者(CFO)が承認した
方針に従い財務部門が個別の取引を実施し、管理台帳への記録及び契約先との取引残高の照合を行っております。ま
た、財務部門は、実施した取引の内容・取引残高の推移を、CFO及び経理部門責任者に報告しております。
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(ⅰ)為替感応度分析
期末日現在の為替相場において、円が米国ドルに対して1%高くなった場合の連結損益計算書の税引前利益に与え
る影響であります。この分析は、前年度末及び当年度末における外貨建資産・負債に対する影響額を算定しており、
残高や金利等の変数は一定であると仮定しております。
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
税引前利益への影響額 △402 △314
(ⅱ)金利感応度分析
期末日現在で金利が0.1%上昇した場合に与える税引前利益の影響額については以下のとおりであります。この分
析は、他のすべての変数(特に為替レート)が一定であると仮定しております。
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
税引前利益への影響額 43 40
(3)ヘッジ会計
① デリバティブ取引の目的
当社グループは、主に外貨建ての売上債権及び仕入債務に係る為替の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした
先物為替予約取引、外貨建てのキャッシュ・フローに係る為替の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした通貨ス
ワップ取引、社債及び借入金に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした金利スワップ取引を利用
しております。
② デリバティブ取引の基本ポリシー
原則的に実需に基づく債権・債務を対象としてデリバティブ取引を行っており、投機及びトレーディング目的では
デリバティブ取引は行っておりません。また、市場リスクを増大させるようなデリバティブ取引は原則的に行ってお
りません。さらに、契約先の選定にあたっては信用リスクを充分に考慮しております。従いまして、当社グループの
利用しているデリバティブ取引に係る市場リスク及び信用リスクは僅少であると認識しております。
③ デリバティブ取引に係るリスク管理体制
デリバティブ取引に関する管理規定に基づき、最高財務責任者(CFO)が承認した方針に従い財務部門が個別の取
引を実施し、管理台帳への記録及び契約先との取引残高の照合を行っております。また、財務部門は、実施した取引
の内容・取引残高の推移を、CFO及び経理部門責任者に報告しております。
④ デリバティブ取引の会計処理
デリバティブ取引は公正価値で評価し、公正価値の変動は純損益で認識しております。但し、キャッシュフロー・
ヘッジについて、ヘッジ会計の要件を満たす場合には、ヘッジ手段の公正価値評価に伴う損益はヘッジ対象に係る損
益が認識されるまで繰り延べております。
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⑤ ヘッジ会計が適用されているデリバティブの公正価値
キャッシュ・フロー・ヘッジ
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
通貨:為替予約取引
△2,158 △1,999
売建(米ドル)
△2,158 △1,999
合計
(4)公正価値に関する事項
公正価値のヒエラルキー
レベル1:同一の資産又は負債に関する活発な市場での公表価格により測定された公正価値(無調整)
レベル2:レベル1以外の、観察可能なインプットを直接又は間接的に使用して測定された公正価値
レベル3:重要な観察不能なインプットを含む評価方法により測定された公正価値
① 公正価値で測定する金融資産及び金融負債
(ⅰ)金融資産及び金融負債の種類ごとの公正価値の算定方法
・デリバティブ
契約を締結している金融機関から提示された価格や利用可能な情報に基づく適切な評価方法により見積もってお
ります。
・株式
活発な市場での公表価格が入手できる場合は、公表価格を用いております。活発な市場での公表価格が入手でき
ない場合は、将来キャッシュ・フローを割り引く方法、又はその他の適切な評価方法により見積もっております。
・債券
活発な市場での公表価格が入手できる場合は、公表価格を用いております。活発な市場での公表価格が入手でき
ない場合は、取引先金融機関から提示された価格に基づく適切な評価方法により見積もっております。
(ⅱ)帳簿価額と公正価値の比較及び公正価値ヒエラルキー
前年度末(2022年3月31日)
公正価値
帳簿価額
合計 レベル1 レベル2 レベル3
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
資産
純損益を通じて公正価値で
測定する金融資産
デリバティブ 412 412 - 412 -
債券 16,001 16,001 - - 16,001
株式等 13,324 13,324 2,548 - 10,776
その他の包括利益を通じて公
正価値で測定する金融資産
134,915 134,915 74,352 16 60,547
株式等
164,651 164,651 76,900 428 87,324
合計
負債
純損益を通じて公正価値で
測定する金融負債
2,831 2,831 - 2,831 -
デリバティブ
2,831 2,831 - 2,831 -
合計
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当年度末(2023年3月31日)
公正価値
帳簿価額
合計 レベル1 レベル2 レベル3
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
資産
純損益を通じて公正価値で
測定する金融資産
デリバティブ 654 654 - 654 -
債券 13,203 13,203 - - 13,203
株式等 12,141 12,141 2,141 - 10,001
その他の包括利益を通じて公
正価値で測定する金融資産
167,573 167,573 103,893 - 63,680
株式等
193,571 193,571 106,033 654 86,884
合計
負債
純損益を通じて公正価値で
測定する金融負債
1,409 1,409 - 1,409 -
デリバティブ
1,409 1,409 - 1,409 -
合計
(ⅲ)レベル3で公正価値測定を行っている金融資産の調整表
帳簿価額
百万円
前年度期首(2021年4月1日) 88,348
利得及び損失合計
損益 3,564
その他の包括利益 1,482
購入 5,601
売却 △3,023
決済 △8,508
レベル3からの振替 △517
376
その他
前年度末(2022年3月31日) 87,324
利得及び損失合計
損益 △348
その他の包括利益 2,289
購入 27,487
売却 △5,622
決済 △23,155
△1,091
その他
86,884
当年度末(2023年3月31日)
損益に認識された利得及び損失は、連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。その他
の包括利益に認識された利得又は損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金
融資産」に含まれております。
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② 償却原価で測定する金融資産及び金融負債
(ⅰ)金融資産及び金融負債の種類ごとの公正価値の算定方法
・債券
活発な市場での公表価格が入手できる場合は、公表価格を用いております。活発な市場での公表価格が入手でき
ない場合は、取引先金融機関から提示された価格に基づく適切な評価方法により見積もっております。
・社債
市場価格のあるものは市場価格に基づき、市場価格のないものは元利金の合計額を当該社債の残存期間及び信用
リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しております。
・長期借入金(非流動負債)
元利金の合計額を新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しておりま
す。
(ⅱ)帳簿価額と公正価値の比較及び公正価値ヒエラルキー
前年度末(2022年3月31日)
公正価値
帳簿価額
合計 レベル1 レベル2 レベル3
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
資産
償却原価で測定する金融資産
5,217 5,222 - - 5,222
債券
5,217 5,222 - - 5,222
合計
負債
償却原価で測定する金融負債
83 83 - 83 -
長期借入金(非流動)
83 83 - 83 -
合計
当年度末(2023年3月31日)
公正価値
帳簿価額
合計 レベル1 レベル2 レベル3
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
資産
償却原価で測定する金融資産
2,000 1,992 - - 1,992
債券
2,000 1,992 - - 1,992
合計
負債
償却原価で測定する金融負債
2,080 2,081 - 2,081 -
長期借入金(非流動)
2,080 2,081 - 2,081 -
合計
償却原価で測定する金融資産及び金融負債のうち、流動資産又は流動負債に分類されるものについては、帳簿価額
が公正価値の合理的な近似値となっております。
流動資産に分類される償却原価で測定する金融資産には、「現金及び現金同等物」、「売上債権」及び「その他の
債権」が含まれており、流動負債に分類される償却原価で測定する金融負債には、「仕入債務」及び「その他の債
務」が含まれております。
公正価値で測定する金融資産、償却原価で測定する金融資産は、主に「その他の投資」から構成されております。
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35.リース
当社グループのリース取引は、主に、事業所の賃借契約から構成されております。
(1)有形固定資産に含まれる使用権資産の帳簿価額の内訳
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
土地 1,074 1,083
建物及び構築物 124,756 112,271
26,672 23,770
機械及び装置・工具、器具及び備品
152,502 137,124
合計
前年度及び当年度のリース取引に係る使用権資産の取得額はそれぞれ、62,182百万円、42,667百万円であります。
(2)リース負債の満期分析
前年度末(2022年3月31日)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
帳簿価額 キャッシュ・ 1年以内 5年超
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
フロー
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
165,309 184,867 50,276 38,368 21,044 14,902 9,907 50,369
リース負債
当年度末(2023年3月31日)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
帳簿価額 キャッシュ・ 1年以内 5年超
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
フロー
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
150,630 171,527 46,303 33,976 20,458 13,466 10,341 46,983
リース負債
(3)リースに係る費用の内訳
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
有形固定資産に含まれる使用権資産の
減価償却費
土地 102 100
建物及び構築物 47,227 39,405
13,397 11,780
機械及び装置・工具、器具及び備品
60,726 51,285
合計
リース負債に係る利息費用 1,761 1,837
(4)キャッシュ・アウトフロー
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
リース取引におけるキャッシュ・アウ
62,328 58,566
トフローの合計額
(5)契約を締結しているものの使用を開始していないリース取引
前年度末及び当年度末における契約を締結しているものの使用を開始していないリース取引としてリース負債の測
定に含まれていない金額はそれぞれ、736百万円、1,052百万円であります。
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36.関連当事者
(1)関連当事者との取引
前年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
取引金額 未決済残高
種類 会社等の名称 関連当事者との関係 取引の内容
(百万円) (百万円)
当社グループが販売す
富士通クライアントコ るシステム商談等に含 仕入高、パソコンの製
関連会社 196,095 37,119
ンピューティング㈱ まれるパソコンの製造 造委託
委託
当年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
取引金額 未決済残高
種類 会社等の名称 関連当事者との関係 取引の内容
(百万円) (百万円)
当社グループが販売す
富士通クライアントコ るシステム商談等に含 仕入高、パソコンの製
関連会社 207,499 40,381
ンピューティング㈱ まれるパソコンの製造 造委託
委託
(注)記載した取引は基本的に公正な価格をベースにした取引条件となっております。
(2)主要な経営幹部に対する報酬
前年度 当年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
百万円 百万円
基本報酬 426 439
賞与 100 124
104 277
業績連動型株式報酬
630 840
合計
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37.担保資産及び担保付債務
(1) 担保資産
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
現金及び現金同等物 72 -
592 545
無形資産
664 545
合計
(2) 担保付債務
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
その他の債務 17 -
1,825 1,758
引当金
1,842 1,758
合計
38.コミットメント
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
有形固定資産及び
58,856 121,056
無形資産の取得契約
39.偶発事象
前年度末 当年度末
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
百万円 百万円
保証債務残高 23 8
(被保証先)
・従業員の住宅ローン 23 8
40.後発事象
1.GK Software SEの取得
当社は、2023年2月28日開催の取締役会で、当社の連結子会社であるFujitsu ND Solutions AG(以下、ND
Solutions)によるGK Software SE(以下、GK Software)に対する公開買付け(以下、本公開買付け)を決議し、
本決議に基づき、ND Solutionsが本公開買付けを実施した結果、2023年5月16日にGK Softwareの発行済普通株式の
68.03%を取得しました。
(1) 本公開買付けの概要
① 被取得企業の名称およびその事業の内容
被取得企業の名称 GK Software SE
被取得企業の所在地 ドイツ国
事業の内容 リテール業界向けクラウドソリューションの開発、製造および販売
② 買付期間
2023年3月23日から2023年5月10日まで
(ドイツ現地時間:2023年3月23日から2023年5月9日まで)
③ 取得日
2023年5月16日(ドイツ現地時間:2023年5月16日)
④ 取得の主な理由
当社は、本件GK Software買収により、日本を中心とした自社製品・サービスと補完関係のあるグローバル
なリテール業界を強みとするGK Softwareのクラウドソリューションを獲得して製品ポートフォリオを拡充
し、高成長市場向けに、さらに強力で網羅的なソリューションを提供することを目指しております。
⑤ 被取得企業の支配を獲得した方法
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本件GK Software買収は、ドイツ連邦金融監督庁による承認を受けた公開買付け公示文書に明記された条件
に基づいて実施しました。
(2) 取得対価およびその内訳
(単位:百万円)
項目 金額
現金及び現金同等物 44,082(294百万ユーロ)
合計 44,082(294百万ユーロ)
なお、本件に係る取得関連費用は、288百万円であり、全額を「販売費及び一般管理費」に計上しております。
また、当社は、2023年5月12日付で、GK Softwareの株式を取得するため、ND Solutionsに対して50,005百万円
(340百万ユーロ)の増資をしております。
(3) 取得資産および引受負債の公正価値ならびにのれん
取得資産及び引受負債の取得日の公正価値を算定中のため、現時点では確定していません。
2.自己株式の取得
当社は、2023年4月27日開催の取締役会において、会社法第459条第1項及び当社定款の規定に基づく自己株式取得
に係る事項について、下記の通り決議しました。
(1) 自己株式取得を行う理由
2022年度及び2023年度の利益並びにキャッシュ・フローの拡大など財務状況の改善を踏まえ、事業環境なども総合
的に勘案し、株主還元の充実と資本効率の向上を図るため実施するものです。
(2) 自己株式取得に係る事項の内容
・取得対象株式の種類 :普通株式
・取得し得る株式の総数 :12,000,000株(上限)(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 6.37%)
・株式の取得価額の総額 :1,500億円(上限)
・取得期間 :2023年5月1日~2024年3月29日
・取得方法 :東京証券取引所における市場買付(証券会社による投資一任方式、自己株式立会外買付取引
(ToSTNeT-3)による買付を含む)
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(2)【その他】
当年度における四半期情報等
第1四半期 第2四半期 第3四半期 当年度
(累計期間)
売上収益(百万円)
818,862 1,705,311 2,636,735 3,713,767
税引前四半期(当期)利益(百万円) 38,339 130,650 204,633 371,876
親会社の所有者に帰属する四半期(当期)利益
17,283 71,981 112,749 215,182
(百万円)
親会社の所有者に帰属する基本的1株当たり四
87.95 366.23 575.46 1,107.63
半期(当期)利益(円)
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
(会計期間)
親会社の所有者に帰属する基本的1株当たり四
87.95 278.25 209.39 541.10
半期利益(円)
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2【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
資産の部
流動資産
33,524 7,741
現金及び預金
※1 145,014 ※1 46,811
預け金
530 854
受取手形
※1 447,066 ※1 500,131
売掛金
※1 83,732 ※1 86,788
契約資産
55,206 68,229
商品及び製品
8,576 6,493
仕掛品
62,240 84,156
原材料及び貯蔵品
4,644 3,865
前渡金
※2 11,735
関係会社短期貸付金 -
※1 136,603 ※1 126,705
未収入金
※1 25,297 ※1 28,961
その他
※2 △ 10,309
△ 189
貸倒引当金
1,002,246 962,166
流動資産合計
固定資産
有形固定資産
98,639 96,821
建物(純額)
2,883 2,549
構築物(純額)
1,102 1,087
機械及び装置(純額)
13 8
車両運搬具(純額)
42,239 41,995
工具、器具及び備品(純額)
40,294 39,546
土地
7,496 9,000
建設仮勘定
192,668 191,010
有形固定資産合計
無形固定資産
60,546 69,735
ソフトウエア
5,722 10,274
その他
66,268 80,010
無形固定資産合計
投資その他の資産
※3 95,887 ※3 126,530
投資有価証券
428,175 425,340
関係会社株式
666 444
関係会社長期貸付金
10 9
破産更生債権等
27,495 29,783
前払年金費用
60,447 44,696
繰延税金資産
※1 ,※4 30,820 ※1 ,※4 32,544
その他
△ 569 △ 484
貸倒引当金
642,934 658,864
投資その他の資産合計
901,871 929,885
固定資産合計
1,904,118 1,892,051
資産合計
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(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
負債の部
流動負債
※1 379,942 ※1 385,589
買掛金
10,000
1年内償還予定の社債 -
※1 25,030
1年内返済予定の長期借入金 -
※1 1,973 ※1 1,748
リース債務
※1 76,220 ※1 42,776
未払金
※1 100,325 ※1 123,915
未払費用
1,862 43,379
未払法人税等
※1 72,030 ※1 68,581
契約負債
※1 17,978 ※1 16,116
預り金
9,595 5,869
受注損失引当金
4,295 4,270
製品保証引当金
※2 69,767 ※2 60,000
関係会社事業損失引当金
100 124
役員賞与引当金
0
事業構造改善引当金 -
1,025 1,869
株式報酬引当金
3 23
環境対策引当金
※1 2,326 ※1 1,972
その他
772,477 756,235
流動負債合計
固定負債
※1 3,685 ※1 2,699
リース債務
1,311 2,216
退職給付引当金
2,272 2,432
株式報酬引当金
619 508
環境対策引当金
11,020 11,032
資産除去債務
5 10
その他
18,914 18,899
固定負債合計
791,391 775,134
負債合計
純資産の部
株主資本
324,625 324,625
資本金
資本剰余金
153,804 154,506
その他資本剰余金
153,804 154,506
資本剰余金合計
利益剰余金
31,233 35,754
利益準備金
その他利益剰余金
696,037 825,583
繰越利益剰余金
727,270 861,337
利益剰余金合計
自己株式 △ 128,897 △ 277,702
1,076,802 1,062,766
株主資本合計
評価・換算差額等
35,923 54,150
その他有価証券評価差額金
35,923 54,150
評価・換算差額等合計
1,112,726 1,116,916
純資産合計
1,904,118 1,892,051
負債純資産合計
160/186
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②【損益計算書】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
※1 1,742,360 ※1 1,804,001
売上高
※1 1,219,094 ※1 1,252,918
売上原価
523,265 551,082
売上総利益
※2 434,130 ※2 447,345
販売費及び一般管理費
89,135 103,737
営業利益
営業外収益
※1 117 ※1 151
受取利息
※1 40,579 ※1 40,010
受取配当金
1,415
為替差益 -
41,981 1,386
その他の金融収益
82,678 42,964
営業外収益合計
営業外費用
195 122
支払利息
86 16
社債利息
1,308
為替差損 -
1
貸倒引当金繰入額 -
5,550 2,541
関係会社事業損失引当金繰入額
1,604 454
その他の金融費用
8,747 3,134
営業外費用合計
163,066 143,566
経常利益
特別利益
※3 39,771
1,194
抱合せ株式消滅差益
※6 79,883
5,350
関係会社株式売却益
※4 10,734 ※4 11,491
投資有価証券売却益
2,457 4,408
固定資産売却益
58,314 96,978
特別利益合計
特別損失
※5 40,483
事業構造改善費用 -
5,101
固定資産廃却損 -
558 10
減損損失
41,041 5,112
特別損失合計
180,339 235,433
税引前当期純利益
法人税、住民税及び事業税 6,270 48,231
7,925
△ 27,075
法人税等調整額
56,156
法人税等合計 △ 20,804
201,143 179,277
当期純利益
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③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益
資本金 剰余金 自己株式
その他資本 資本剰余金 利益剰余金
利益準備金
剰余金 合計 合計
繰越利益剰
余金
当期首残高 324,625 167,822 167,822 27,065 541,723 568,789 △ 79,495
会計方針の変更による累積的影響額 - - - - △ 980 △ 980 -
会計方針の変更を反映した当期首残高
324,625 167,822 167,822 27,065 540,742 567,808 △ 79,495
当期変動額
剰余金の配当 - - - 4,168 △ 45,849 △ 41,680 -
当期純利益 - - - - 201,143 201,143 -
自己株式の取得
- - - - - - △ 50,164
自己株式の処分 - 636 636 - - - 763
分割型の会社分割による減少 - △ 14,655 △ 14,655 - - - -
株主資本以外の項目の当期変動額(純
- - - - - - -
額)
当期変動額合計 - △ 14,018 △ 14,018 4,168 155,294 159,462 △ 49,401
当期末残高 324,625 153,804 153,804 31,233 696,037 727,270 △ 128,897
株主資本 評価・換算差額等
その他有価 純資産合計
株主資本合 評価・換算
証券評価差
計 差額等合計
額金
当期首残高 981,741 49,178 49,178 1,030,919
会計方針の変更による累積的影響額
△ 980 - - △ 980
会計方針の変更を反映した当期首残高 980,760 49,178 49,178 1,029,938
当期変動額
剰余金の配当 △ 41,680 - - △ 41,680
当期純利益
201,143 - - 201,143
自己株式の取得 △ 50,164 - - △ 50,164
自己株式の処分 1,399 - - 1,399
分割型の会社分割による減少 △ 14,655 - - △ 14,655
株主資本以外の項目の当期変動額(純
- △ 13,254 △ 13,254 △ 13,254
額)
当期変動額合計 96,042 △ 13,254 △ 13,254 82,787
当期末残高 1,076,802 35,923 35,923 1,112,726
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当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益
資本金 剰余金 自己株式
その他資本 資本剰余金 利益剰余金
利益準備金
剰余金 合計 合計
繰越利益剰
余金
当期首残高 324,625 153,804 153,804 31,233 696,037 727,270 △ 128,897
当期変動額
剰余金の配当 - - - 4,521 △ 49,731 △ 45,210 -
当期純利益
- - - - 179,277 179,277 -
自己株式の取得 - - - - - - △ 150,103
自己株式の処分 - 701 701 - - - 1,298
株主資本以外の項目の当期変動額(純
- - - - - - -
額)
当期変動額合計
- 701 701 4,521 129,545 134,066 △ 148,805
当期末残高 324,625 154,506 154,506 35,754 825,583 861,337 △ 277,702
株主資本 評価・換算差額等
その他有価 純資産合計
株主資本合 評価・換算
証券評価差
計 差額等合計
額金
当期首残高 1,076,802 35,923 35,923 1,112,726
当期変動額
剰余金の配当
△ 45,210 - - △ 45,210
当期純利益 179,277 - - 179,277
自己株式の取得 △ 150,103 - - △ 150,103
自己株式の処分 1,999 - - 1,999
株主資本以外の項目の当期変動額(純
- 18,226 18,226 18,226
額)
当期変動額合計 △ 14,036 18,226 18,226 4,190
当期末残高 1,062,766 54,150 54,150 1,116,916
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【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1)有価証券の評価基準及び評価方法
① 子会社株式及び関連会社株式…移動平均法による原価法
② その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの…決算日の市場価格等に基づく時価法
取得原価と時価との差額の処理方法………全部純資産直入法
売却時の売却原価の算定方法………………移動平均法による原価法
市場価格のない株式等…移動平均法による原価法
(2)デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法
(3)棚卸資産の評価基準及び評価方法
通常の販売目的で保有する棚卸資産
商品及び製品………移動平均法による原価法
仕掛品………………個別法又は総平均法による原価法
原材料及び貯蔵品…移動平均法による原価法
なお、収益性の低下した棚卸資産については、帳簿価額を切下げております。
2.固定資産の減価償却の方法
(1)有形固定資産(リース資産を除く)
定額法
耐用年数についてはビジネスごとに実態に応じた回収期間を反映し、次のとおり見積もって
おります。
建物、構築物…………7年~50年
機械及び装置…………3年~ 7年
工具、器具及び備品…2年~10年
(2)無形固定資産(リース資産を除く)
① ソフトウェア
市場販売目的のソフトウェアについては、見込有効期間(3年)における見込販売数量に基づ
く方法、また、自社利用のソフトウェアについては、社内における利用可能期間(5年以内)
に基づく定額法を採用しております。
② ソフトウェアを除く無形固定資産
定額法
(3)リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、定額法で計算しております。
3.引当金の計上基準
(1)貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒
懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しており
ます。
(2)受注損失引当金
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受注制作のソフトウェア等のうち、当事業年度末時点で採算性の悪化が顕在化しているもの
について損失見込額を計上しております。
(3)製品保証引当金
契約に基づき保証期間内の製品を無償で修理・交換する費用の支出に備えるため、過去の実
績を基礎として算出した修理・交換費用の見積額を製品の販売時に計上しております。
(4)関係会社事業損失引当金
関係会社の事業に係る損失等に備えるため、関係会社の財政状態等を個別に勘案し、損失見
込額を計上しております。
(5)役員賞与引当金
役員に対する賞与の支出に備えるため、支給見込額を計上しております。
(6)事業構造改善引当金
事業構造改善のための事業整理等に伴う損失見込額を計上しております。
(7)退職給付引当金又は前払年金費用
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額
に基づき、必要額を計上しております。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法
については、給付算定式基準によっております。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用の処理方法…定額法(10年)により費用処理
数理計算上の差異の処理方法…定額法(従業員の平均残存勤務期間)で按分した額をそれぞ
れ発生の翌事業年度より費用処理
(8)株式報酬引当金
役員等に対する株式報酬の支給に備えるため、支給見込額を計上しております。
(9)環境対策引当金
PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物処理や土壌改良工事等の環境対策に係る支出に備えるた
め、当該発生見込額を計上しております。
4.収益及び費用の計上基準
(1)サービスに関する収益
サービスの提供は、通常、(a)当社が顧客との契約における義務を履行するにつれて、顧客が
便益を享受する、(b)当社が顧客との契約における義務を履行することにより、資産が生じる又
は資産の価値が増加し、それにつれて、顧客が当該資産を支配する、又は、(c)当社が顧客との
契約における義務を履行することにより、別の用途に転用することができない資産が生じ、当
社が履行を完了した部分について、対価を収受する強制力のある権利を有している場合のいず
れかに該当するため、一定の期間にわたり充足される履行義務であります。サービスの収益
は、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる場合は当該進捗度に基づい
て、進捗度を合理的に見積ることができないが、当該履行義務を充足する際に発生する費用を
回収することが見込まれる場合は、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができ
る時まで原価回収基準により、認識しております。
一括請負などの成果物の引渡し義務を負うサービス契約(システムインテグレーション等)
では、契約の履行において、当社でコストが発生し、作業が進捗していくことに伴い、当該顧
客のためのオーダーメイドなサービスが完成に近づき、顧客が使用できる状態に近づいていく
ため、原則としてプロジェクト見積総原価に対する当事業年度末までの発生原価の割合で進捗
度を見積る方法に基づいて収益を認識しております。ただし、契約開始時に当社が履行する義
務に関してマイルストーンが定められている場合は、当該マイルストーンの達成に基づいて収
益を認識しております。
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継続して役務の提供を行うサービス契約(アウトソーシングサービス、保守サービス等)
は、顧客の要求に応じたサービスを契約期間にわたって提供しております。顧客の要求に迅速
に対応するため常に役務が提供できる状態で待機しておく必要があることから役務の提供は待
機 状態も含めた一定の期間にわたって行われているため、サービスが提供される期間に対する
提供済期間の割合で進捗度を見積る方法に基づいて収益を認識しております。また、アウト
ソーシングサービス、保守サービス等のうち単位あたりで課金するサービス契約では、サービ
スの提供が完了し、請求可能となった時点で、収益を認識しております。
なお、契約当初に見積もった収益、進捗度又は発生原価に変更が生じた場合は、見積りの変
更による累積影響額を、当該変更が明らかとなり見積り可能となった事業年度に純損益で認識
しております。
(2)ハードウェア・プロダクトに関する収益
ハードウェア・プロダクトを単体で提供する場合は、通常、履行義務が一定の期間にわたり
充足されるものでないため、一時点で充足される履行義務であり、その支配を顧客に移転した
時点で、取引価格のうち履行義務に配分した額を収益として認識しております。支配が顧客へ
移転した時点を決定するにあたり、(a)資産に関する対価を収受する現在の権利を有している、
(b)顧客が資産に対する法的所有権を有している、(c)資産の物理的占有を移転した、(d)顧客が
資産の所有に伴う重大なリスクを負い経済価値を享受している、(e)顧客が資産を検収している
か否かを考慮しております。
サーバ、ネットワークプロダクトなど、据付等の重要なサービスを要するハードウェアの販
売による収益は、原則として、顧客の検収時に認識しております。
パソコンなどの標準的なハードウェアの販売による収益は、原則として、当該ハードウェア
に対する支配が顧客に移転する引渡時に認識しております。
一方、ハードの受託製造・製造請負において、当社の履行により、別の用途に転用すること
ができない資産が生じ、当社が履行を完了した部分について対価を収受する強制力のある権利
を有している場合には、履行義務の充足を忠実に描写するような方法を用いて進捗度の見積り
に応じて収益を認識しております。
当社は、様々なチャネルの顧客に対して、ボリュームディスカウントや販売インセンティブ
(販売奨励金)を含む様々なマーケティングプログラムを提供しております。これら顧客に支
払われる対価が事後的に変動する可能性がある場合には、変動する対価を見積もり、その不確
実性が解消される際に、解消される時点までに計上された収益の著しい減額が発生しない可能
性が高い部分に限り、収益に含めて処理しております。変動対価の見積りにあたっては、期待
値法か最頻値法のいずれかのうち、権利を得ることとなる対価の金額をより適切に予測できる
方法を用いております。
(3)ライセンスに関する収益
ライセンスの提供は、(a)顧客が権利を有している知的財産に著しく影響を与える活動を行う
ことを契約により定められている又は顧客により合理的に期待されている、(b)上記活動によ
り、顧客が直接的に影響を受ける、(c)上記活動の結果として、当社の活動が生じたとしても、
財又はサービスが顧客に移転しない、という要件をすべて満たす場合には、知的財産にアクセ
スする権利(アクセス権)として一定期間にわたり収益を認識し、いずれかを満たさない場合
には、知的財産を使用する権利(使用権)として一時点で収益を認識しております。
当社における主なライセンスであるソフトウェアについては、通常、供与後に当社が知的財
産の形態又は機能性を著しく変化させる活動又はライセンス期間にわたって知的財産の価値を
維持するための活動を実施する義務を負わず、上記のいずれの要件も満たさないため、使用権
として一時点で収益を認識しております。
ソフトウェアがクラウド・サービス上で提供される場合には、通常、それらを単一の履行義
務として、クラウド・サービスの収益と同じ時期で収益を認識しております。
ソフトウェアをソフトウェア・サポートと合わせて販売している場合には、通常、それぞれ
別個の履行義務として、ソフトウェアにかかる収益とソフトウェア・サポートにかかる収益は
別個に認識しております。ただし、ソフトウェア・サポートが提供されない限り当該ソフト
ウェアの便益を顧客が享受することができない場合には、例外的に単一の履行義務として、ソ
フトウェア・サポートの収益と同じ時期で収益を認識しております。
単品で販売しているソフトウェアのアップグレード権については、通常、ソフトウェアと当
該アップグレード権を別個の履行義務として、当該アップグレード権を提供した時点で収益を
認識しております。一方、ソフトウェアのアップグレード権がソフトウェア・サポートと統合
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された形で提供されている場合には、それらを単一の履行義務として、サービスの収益認識と
同じ時期で収益を認識しております。
(4)複合取引
複合取引とは、ハードウェア販売とその付帯サービス、あるいはソフトウェア販売とその後
のサポートサービスなどのように複数の財又はサービスが一つの契約に含まれるものでありま
す。
顧客に約束している財又はサービスは、当該財又はサービスから単独で顧客が便益を享受す
ることができる、あるいは、当該財又はサービスと顧客が容易に利用できる他の資源を組み合
わせて顧客が便益を享受することができる(すなわち、当該財又はサービスが別個のものとな
る可能性がある)場合、かつ、当該財又はサービスを顧客に移転する約束が、契約に含まれる
他の約束と区分して識別できる(すなわち、当該財又はサービスを顧客に移転する約束が契約
の観点において別個のものとなる)場合には、別個の履行義務として識別しております。
取引価格を複合取引における財又はサービスの独立販売価格の比率に基づき配分する際に
は、契約におけるそれぞれの履行義務の基礎となる別個の財又はサービスについて、契約にお
ける取引開始日の独立販売価格を算定し、取引価格を当該独立販売価格の比率に基づき配分し
ております。独立販売価格を直接観察できない場合には、複合取引におけるそれぞれの履行義
務について予想コストとマージンの積算等に基づき独立販売価格を見積もり、取引価格を配分
しております。
(5)代理人取引
当社が財又はサービスの仕入及び販売に関して、それらを顧客に提供される前に支配してい
ない場合、すなわち、顧客に代わって調達の手配を代理人として行う取引については、手数料
を収益として認識しております。当社が当該財又はサービスを顧客に提供する前に支配してい
るか否かの判断にあたっては、(a)当該財又はサービスを提供するという約束の履行に対して主
たる責任を有している、(b)当該財又はサービスが顧客に提供される前、又は支配が顧客に移転
した後に在庫リスクを有している、(c)当該財又はサービスの価格の設定において裁量権がある
か否かを考慮しております。
5.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1)ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用しております。
(2)退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務費用の未処理額の会計処理の方法
は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。
(3)グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しております。
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(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りにより当事業年度に係る財務諸表にその額を計上した項目であって、翌事業年度に係る財務諸
表に重要な影響を及ぼす可能性があるものは、以下のとおりであります。
1.収益認識
貸借対照表において契約資産として前事業年度に83,732百万円、当事業年度に86,788百万円計上しており
ます。
会計上の見積りの内容については、「連結財務諸表注記 4. 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
(1)収益認識」をご参照ください。
2.有形固定資産
貸借対照表において有形固定資産として前事業年度に192,668百万円、当事業年度に191,010百万円計上し
ております。
会計上の見積りの内容については、「連結財務諸表注記 4. 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
(2)有形固定資産」をご参照ください。
3.無形固定資産
貸借対照表において無形固定資産として前事業年度に66,268百万円、当事業年度に80,010百万円計上して
おります。
会計上の見積りの内容については、「連結財務諸表注記 4. 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
(4)無形資産」をご参照ください。
4.繰延税金資産
貸借対照表において繰延税金資産として前事業年度に60,447百万円、当事業年度に44,696百万円計上して
おります(繰延税金資産の内容については 注記事項(税効果会計関係)をご参照ください。)。
会計上の見積りの内容については、「連結財務諸表注記 4. 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
(5)繰延税金資産」をご参照ください。
5.引当金
貸借対照表において受注損失引当金として前事業年度に9,595百万円、当事業年度に5,869百万円計上して
おります。
会計上の見積りの内容については、「連結財務諸表注記 4. 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
(6)引当金」をご参照ください。
貸借対照表において関係会社事業損失引当金として前事業年度に69,767百万円、当事業年度に60,000百万
円計上しております。
関係会社の財政状態等を個別に勘案し、損失見込額を引当金として計上しております。損失見込額は関係
会社の財政状態の変化、将来の事業計画の見直し等により変動する可能性があります。
6.確定給付制度
貸借対照表において前払年金費用として前事業年度に27,495百万円、当事業年度に29,783百万円及び退職
給付引当金として前事業年度に1,311百万円、当事業年度に2,216百万円計上しております。
当社は、確定給付型もしくは確定拠出型の退職給付制度を設けています。運用収益の悪化により年金資産
の公正価値が減少した場合や、退職給付債務算出にあたっての種々の前提条件(割引率、退職率、死亡率
等)が変更され退職給付債務が増加した場合には、積立状況が悪化し、追加の費用が発生する可能性があり
ます。
(表示方法の変更)
前事業年度において、流動負債の区分に表示しておりました「工事契約等損失引当金」は、より適切な表示とす
るため、当事業年度より「受注損失引当金」に科目名称を変更しております。
前事業年度において、独立掲記しておりました営業外収益の「関係会社事業損失引当金戻入額」は、金額的重
要性が乏しくなったため、当事業年度より営業外収益の「その他の金融収益」に含めて表示しております。
この結果、前事業年度の損益計算書において、営業外収益の「関係会社事業損失引当金戻入額」38,498百万円、
「その他の金融収益」3,483百万円は、営業外収益の「その他の金融収益」41,981百万円として組替えておりま
す。
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(貸借対照表関係)
※1.関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分表示したものを除く)
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
短期金銭債権 387,238 百万円 272,147 百万円
長期金銭債権 498 342
短期金銭債務 204,884 212,995
長期金銭債務 1,932 1,486
※2.関係会社短期貸付金
当社子会社Fujitsu America, Inc.(以下、FAI)に対する貸付金であります。
前事業年度において当社子会社の北米再編を決定しました。再編計画において、当社よりFAIに対する再編資金
の融資及びその一部に対する債権放棄を予定していたことから、前事業年度末に債権放棄予定額に対して関係
会社事業損失引当金を計上しました。当事業年度において再編計画に基づく融資を実行し、貸付金を計上する
とともに、債権放棄予定額を関係会社事業損失引当金より貸倒引当金に振り替えております。
※3.投資有価証券
株式会社JECCの発行済株式の20%以上を所有しておりますが、同社は、情報処理産業振興のため、国産電算機
製造会社等6社の共同出資により運営されている特殊な会社でありますので、関係会社としておりません。
※4.従業員に対する長期貸付金
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
46 百万円 149 百万円
※5.保証債務
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
保証債務残高 39 百万円 8 百万円
(主な被保証先)
・従業員の住宅ローン 23 8
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(損益計算書関係)
※1.関係会社との取引高
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
営業取引による取引高
売上高 594,583 百万円 588,278 百万円
仕入高 764,779 784,252
営業取引以外の取引による取引高 38,786 38,358
※2.販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月 1日 (自 2022年4月 1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
127,744 130,751
従業員給料手当 百万円 百万円
9,303 7,863
減価償却費
72,128 71,323
研究開発費
販売費及び一般管理費のうち販売費に属する費用の割合は前事業年度 約50%、当事業年度 約46%でありま
す。
※3.抱合せ株式消滅差益
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
富士通研究所、国内SI系子会社11社及びその他国内子会社を当社に吸収合併したことに伴い、消滅会社となっ
た子会社から受け入れた資産及び負債と当社が保有していた国内子会社株式の帳簿価額との差額を「抱合せ株
式消滅差益」として計上しました。
※4.投資有価証券売却益
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
主に、富士電機株式会社の株式売却に係るものであります。
当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
主に、トヨタ自動車株式会社の株式売却に係るものであります。
※5.事業構造改善費用
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
セルフ・プロデュース支援制度を拡充したことに伴う割増退職金等であります。セルフ・プロデュース支援制
度は、当社グループ外において新たなキャリアにチャレンジ・活躍を希望する従業員に対し、一定の支援を実
施する制度であり、当事業年度においてDX企業への変革を加速するための施策の一つとして、期間を限定し拡
充しております。
※6.関係会社株式売却益
当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
主に、株式会社PFUの株式を株式会社リコーに譲渡したこと及び株式会社ソシオネクストの東京証券取引所プ
ライム市場への新規上場に伴い同社株式の売り出しを行ったことによるものです。
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(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2022年3月31日)
貸借対照表計上額 時価 差額
区分
(百万円) (百万円) (百万円)
子会社株式 28,893 412,980 384,086
関連会社株式 9,178 110,229 101,051
合計 38,071 523,209 485,137
当事業年度(2023年3月31日)
貸借対照表計上額 時価 差額
区分
(百万円) (百万円) (百万円)
子会社株式 28,893 293,513 264,619
関連会社株式 9,178 172,261 163,083
合計 38,071 465,775 427,703
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
前事業年度 当事業年度
区分
(百万円) (百万円)
子会社株式 353,838 367,412
関連会社株式 36,265 19.856
合計 390,103 387,268
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(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
(繰延税金資産)
関係会社株式等評価損 184,875 百万円 183,308 百万円
未払賞与 17,328 19,288
関係会社事業損失引当金 21,348 18,360
減価償却超過額及び減損損失等 (注)
15,093 15,635
棚卸資産 13,335 14,991
投資簿価修正 13,963 4,643
資産除去債務・費用 3,611 3,716
貸倒引当金 232 3,302
16,521 14,267
その他
繰延税金資産小計
286,309 277,514
△200,784 △199,401
評価性引当額
繰延税金資産合計
85,524 78,113
(繰延税金負債)
その他有価証券評価差額金 △15,899 △23,950
△9,176 △9,464
その他
繰延税金負債合計 △25,077 △33,417
繰延税金資産の純額 60,447 44,696
(注)「減価償却超過額及び減損損失等」には遊休土地に係る評価損を含めております。
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2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
法定実効税率
30.6 % 30.6 %
(調整)
受取配当等の税務上益金不算入の収益 △6.7 △5.0
試験研究費税額控除 △1.9 △2.1
評価性引当金の増減 △21.2 △0.6
抱合せ株式消滅差益 △6.6 △0.2
投資簿価修正 △7.2 0.0
1.6 1.1
その他
税効果会計適用後の法人税等の負担率 △11.5 23.9
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、当事業年度から、グループ通算制度を適用しています。また、「グループ通算制度を適用する場合
の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人
税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っています。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
「(重要な会計方針)4.収益及び費用の計上基準」に記載の通りであります。
(重要な後発事象)
1.Fujitsu ND Solutions AGの増資
「連結財務諸表注記 40.後発事象 1.GK Software SEの取得」に同一の内容の記載をしておりますの
で、記載を省略しております。
2.自己株式の取得
「連結財務諸表注記 40.後発事象 2.自己株式の取得」に同一の内容の記載をしておりますので、記
載を省略しております。
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④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
資産の 期首 当 期 当 期 当 期 期末 減価償却
区分
種類 帳簿価額 増加額 減少額 償却額 帳簿価額 累計額
有形固
建物 98,639 10,105 950 10,972 96,821 245,289
定資産
構築物 2,883 130 45 418 2,549 15,052
機械及び装置 1,102 340 8 345 1,087 22,678
車両運搬具 13 0 0 5 8 54
工具、器具及び備品 42,239 16,048 495 15,796 41,995 173,510
土地 40,294 - 747 - 39,546 -
建設仮勘定 7,496 24,867 23,363 - 9,000 -
計 192,668 51,492 25,612 27,538 191,010 456,586
無形固 8,107
ソフトウェア 60,546 39,996 22,699 69,735 -
定資産 (10)
その他 5,722 5,434 3 878 10,274 -
8,110
計 66,268 45,430 23,578 80,010 -
(10)
(注)「当期減少額」欄の( )内は内書きで、減損損失の計上額であります。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
区分 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高
貸倒引当金 759 10,794 759 10,794
受注損失引当金 9,595 3,084 6,810 5,869
製品保証引当金 4,295 798 823 4,270
関係会社事業損失引当金 69,767 2,541 12,308 60,000
役員賞与引当金 100 124 100 124
事業構造改善引当金 0 - 0 -
株式報酬引当金 3,298 2,276 1,273 4,301
環境対策引当金 622 - 91 531
(注)前事業年度末の関係会社事業損失引当金に含めていた北米子会社に対する債権放棄予定額を、当事業年度末に
おいて貸倒引当金へ振り替えております。「注記事項 (貸借対照表関係) 2.関係会社短期貸付金」をご参照くだ
さい。
(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3)【その他】
該当事項はありません。
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第6【提出会社の株式事務の概要】
事業年度 4月1日から3月31日まで
定時株主総会 毎事業年度の終了後一定の時期
基準日 3月31日
9月30日
剰余金の配当の基準日
3月31日
1単元の株式数 100株
単元未満株式の
買取り・売渡し
(特別口座)
取扱場所 東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
(特別口座)
株主名簿管理人 東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
三菱UFJ信託銀行株式会社
取次所 -
買取・売渡手数料 無料
電子公告とする。ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告
による公告をすることができない場合は、日本経済新聞に掲載する。
公告掲載方法
公告掲載ホームページアドレス
https://pr.fujitsu.com/jp/ir/kk/
株主に対する特典 なし
(注)当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない旨を定
款で定めております。
(1)会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2)株主の有する株式数に応じて募集株式又は募集新株予約権の割当てを受ける権利
(3)単元未満株式の売渡しを請求する権利(株主の有する当社の単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数
の当社の株式を売渡すよう当社に請求する権利)
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第7【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はありません。
2【その他の参考情報】
(1)当事業年度の開始日から本有価証券報告書提出日までの間に提出した書類
当事業年度の開始日から本有価証券報告書提出日までの間に、以下に掲げる書類を提出しております。
①有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度(第122期)(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)2022年6月27日 関東財務局長に提出
②内部統制報告書
2022年6月27日 関東財務局長に提出
③四半期報告書及び確認書
第123期第1四半期(自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) 2022年8月2日 関東財務局長に提出
第123期第2四半期(自 2022年7月1日 至 2022年9月30日) 2022年11月2日 関東財務局長に提出
第123期第3四半期(自 2022年10月1日 至 2022年12月31日) 2023年2月3日 関東財務局長に提出
④臨時報告書
2022年6月29日 関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づく臨時報告書です。
⑤自己株券買付状況報告書
報告期間 (自 2022年6月1日 至 2022年6月30日) 2022年7月13日 関東財務局長に提出
報告期間 (自 2022年7月1日 至 2022年7月31日) 2022年8月8日 関東財務局長に提出
報告期間 (自 2022年8月1日 至 2022年8月31日) 2022年9月16日 関東財務局長に提出
報告期間 (自 2022年9月1日 至 2022年9月30日) 2022年10月14日 関東財務局長に提出
報告期間 (自 2022年10月1日 至 2022年10月31日) 2022年11月15日 関東財務局長に提出
報告期間 (自 2022年11月1日 至 2022年11月30日) 2022年12月6日 関東財務局長に提出
報告期間 (自 2022年12月1日 至 2022年12月31日) 2023年1月16日 関東財務局長に提出
報告期間 (自 2023年1月1日 至 2023年1月31日) 2023年2月15日 関東財務局長に提出
報告期間 (自 2023年2月1日 至 2023年2月28日) 2023年3月15日 関東財務局長に提出
報告期間 (自 2023年3月1日 至 2023年3月31日) 2023年4月14日 関東財務局長に提出
報告期間 (自 2023年5月1日 至 2023年5月31日) 2023年6月19日 関東財務局長に提出
⑥有価証券届出書及びその添付書類
2022年7月29日 関東財務局長に提出
⑦有価証券届出書の訂正届出書
2022年8月2日 関東財務局長に提出
2022年7月29日提出の有価証券届出書に係る訂正届出書です。
(2)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
連結子会社のうち、主要な連結子会社以外のものに係る管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業
取得率及び労働者の男女の賃金の差異は、次のとおりです。
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当事業年度
労働者の男女の賃金の差異(%)
管理職に占
(注)1.4.5.6.
男性労働者の
める女性労
育児休業
うち
会社名 働者の割合
取得率(%)
うち正規 パート
(%)
(注)2.3. 全労働者
(注)1.
雇用労働者 ・有期
労働者
富士通コミュニケーションサービス㈱ 20.6 60.0 65.8 79.1 81.3
富士通ホーム&オフィスサービス㈱ 2.8 100.0 29.0 76.9 49.7
富士通ISサービス㈱ 50.0 50.0 78.5 72.0 99.4
デジタルプロセス㈱ 9.3 100.0 76.2 80.1 37.4
富士通エフサス東日本カスタマサービス㈱ 0.0 66.7 70.7 73.1 74.4
富士通オプティカルコンポーネンツ㈱ 4.3 100.0 65.2 64.1 61.3
㈱富士通ラーニングメディア 26.0 100.0 76.7 80.4 85.8
㈱ケアネット 50.0 - 123.5 90.5 144.2
富士通ITマネジメントパートナー㈱ 4.6 60.0 74.5 73.7 61.8
富士通データセンターサービス㈱ 2.9 42.9 43.7 83.4 35.4
トータリゼータエンジニアリング㈱ 0.0 50.0 24.6 65.6 38.9
東海エンジニア㈱ 0.0 50.0 25.7 74.7 50.0
富士通Japanソリューションズ東京㈱ 13.6 116.7 84.4 84.0 30.5
富士通エフサス西日本カスタマサービス㈱ 0.0 80.0 68.5 73.0 43.7
富士通ネットワークサービスエンジニアリング㈱ 3.8 100.0 86.5 87.3 90.3
㈱富士通四国インフォテック 8.2 150.0 75.7 74.8 185.5
富士通特機システム㈱ 0.0 75.0 66.8 58.3 114.9
㈱富士通ディフェンスシステムエンジニアリング 7.4 100.0 75.0 73.2 146.7
FITEC㈱ 3.7 28.6 69.8 69.6 63.4
富士通エンジニアリングテクノロジーズ㈱ 2.5 - 71.6 70.7 45.0
富士通クラウドテクノロジーズ㈱ 10.6 100.0 78.2 79.2 38.0
富士通ハーモニー㈱ 40.0 - 99.6 109.1 67.9
㈱モバイルテクノ 0.0 100.0 66.0 69.0 119.2
富士通コワーコ㈱ 4.1 100.0 58.9 66.4 46.3
㈱富士通鹿児島インフォネット 0.0 80.0 66.6 64.2 140.9
iCAD㈱ 0.0 100.0 62.8 64.1 -
㈱川崎フロンターレ 0.0 0.0 25.9 65.1 14.3
㈱富士通テレコムネットワークス光和 0.0 0.0 74.7 70.9 98.2
富士通アドバンス・アカウンティングサービス㈱ 4.2 100.0 69.0 69.8 52.3
富士通Japanソリューションズ九州㈱ 6.3 100.0 68.6 66.8 178.1
㈱YJK Solutions 14.3 - 157.5 149.8 -
富士通東邦ネットワークテクノロジー㈱ 0.0 50.0 76.5 76.2 -
㈱ジー・サーチ 4.3 200.0 78.7 77.0 136.1
富士通プロキュアメントサービス㈱ 40.0 - 86.0 83.6 112.8
富士通エフネッツサポート㈱ 0.0 100.0 65.8 62.6 76.0
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したも
のです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の
規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」
(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出した
ものです。
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なお、該当事業年度以前に配偶者が出産した男性労働者で該当事業年度中に休職または育児目的休暇を取
得した人も含むため、取得割合は100%を超過する場合があります。
3.男性労働者の育児休業等取得率の「-」は、育児休業等取得事由に該当する労働者がいないことを示して
おります。
4.男性労働者の賃金に対する女性労働者の賃金の割合を示しております。
なお、同一労働の賃金に差はなく、ジョブ(職責)レベル毎の人数構成の差によるものです。
5.労働者の男女の賃金の差異の「-」は、男性労働者又は女性労働者のいずれかがいないことを示しており
ます。
6.賃金は、基本給、賞与、各種手当等の労働の対償として期間中に労働者に支払ったものとしています(た
だし、通勤手当及び退職手当は除いています。)。
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
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独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書
2023年6月26日
富士通株式会社
取締役会 御中
EY新日本有限責任監査法人
東 京 事 務 所
指定有限責任社員
公認会計士
中 谷 喜 彦
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
花 藤 則 保
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
田 邉 朋 子
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
山 口 学
業務執行社員
<財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられ
ている富士通株式会社の2022年4月1日から2023年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、
連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び
連結財務諸表注記について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定
された国際会計基準に準拠して、富士通株式会社及び連結子会社の2023年3月31日現在の財政状態並びに同日を
もって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示している
ものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職
業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果
たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要
であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形
成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、前連結会計年度の監査上の主要な検討事項に記載した事項を含め、連結財務諸表における特別な検討を
必要とするリスクとして識別した事項又は重要な虚偽表示のリスクが高いと評価した事項等について、連結財務諸表に与
える影響度合及びリスクの変化等について、監査計画の策定時から監査の過程を通じて監査役会と十分な協議を行った。
この結果、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、以下の事項を監査上の主要な検討事項とした。
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成果物の引き渡し義務を負うサービス契約に関する進捗度に基づく売上収益及び受注損失引当金(総原価の見積り)
監査上の主要な検討事項の
監査上の対応
内容及び決定理由
連結財務諸表注記4及び25(2) に記載されていると 当監査法人は、成果物の引き渡し義務を負うサービス契
おり、会社はシステムインテグレーション等の成果物の引 約に関する進捗度に基づく売上収益及び受注損失引当金を
き渡し義務を負うサービス契約に関する売上収益をプロ 検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。
ジェクトの進捗度に基づいて認識している。売上収益は、 ・ プロジェクト総原価(見積額)及び進捗度に関して、内
プロジェクト総収益及びプロジェクトの進捗度に基づき測 部統制が有効に整備・運用されていることを確かめるた
定され、進捗度はプロジェクト総原価に対する連結会計年 め、内部統制の評価手続を実施した。
度末までの発生原価の割合に基づき算定される。また、 連 ・ プロジェクト総原価(見積額)及び進捗度の計算の妥当
結財務諸表注記23 に記載されているとおり、プロジェク 性を確かめるため、プロジェクト総収益の金額的な重要性
ト総原価がプロジェクト総収益を超過する可能性が高い場 に基づき抽出したサンプルについて、契約内容のレ
合には受注損失引当金が計上される。2023年3月31 ビュー、プロジェクト総原価と実施計画との整合性の検
日現在、12,728百万円(総資産の0.3%)の受注損 討、及び進捗度の再計算を実施した。
失引当金を計上している。 ・ プロジェクト総原価(見積額)の不確実性が経営者によ
プロジェクト総原価の見積りはプロジェクトの進行に応 り検討され、反映されていることを確かめるため、過年度
じて見直しが行われ、その結果、プロジェクトの進捗度が のプロジェクト実施計画の達成状況を考慮するとともに、
変動する可能性がある。 進行中のプロジェクトに係る直近の状況について経営者と
プロジェクトの進捗度の計算にあたり、上記サービス契 議論し、プロジェクト実施計画の達成可能性を評価した。
約は、案件ごとに仕様や作業期間等が異なる個別的なもの ・ プロジェクト総原価(見積額)の網羅性を確かめるた
であることから、プロジェクト総原価の見積りは不確実性 め、また、プロジェクト総原価がプロジェクト総収益を超
を伴い、かつ経営者の判断が必要であるため当監査法人は 過する見込みの場合に受注損失引当金が計上されているこ
当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。 とを確かめるため、プロジェクトのモニタリング部門と議
論した。
・ 当監査法人のデータ分析の専門家を関与させ、進捗度の
趨勢分析や相関分析を実施した。また、進行中のプロジェ
クトの進捗度に異常が認められないか確かめるため、過去
のプロジェクトの進捗度合の傾向を分析し、作業経過期間
をモニタリングした。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以
外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任
は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記
載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容
と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのよ
うな重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告す
ることが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬
による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運
用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかど
うかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任が
ある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示
がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明する
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ことにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の
意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を
立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監
査証拠を入手する。
・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価
の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び
関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づ
き、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論
付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に
注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対し
て除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づい
ているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連
結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを
評価する。
・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入
手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見
に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の
重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並
びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを
講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断
した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁
止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上
回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、富士通株式会社の2023
年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、富士通株式会社が2023年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の
内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務
報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制
監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責
任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立し
ており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適
切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に
係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があ
る。
内部統制監査における監査人の責任
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監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについ
て合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにあ
る。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を
通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施す
る。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適
用される。
・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部
統制報告書の表示を検討する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人
は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任
を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識
別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項につ
いて報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並
びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを
講じている場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はな
い。
以 上
(注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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独立監査人の監査報告書
2023年6月26日
富士通株式会社
取締役会 御中
EY新日本有限責任監査法人
東 京 事 務 所
指定有限責任社員
公認会計士
中 谷 喜 彦
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
花 藤 則 保
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
田 邉 朋 子
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
山 口 学
業務執行社員
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられ
ている富士通株式会社の2022年4月1日から2023年3月31日までの第123期事業年度の財務諸表、すなわ
ち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を
行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、富士通株
式会社の2023年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点におい
て適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫
理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査
法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると
判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対
応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
成果物の引き渡し義務を負うサービス契約に関する進捗度に基づく売上高及び受注損失引当金(総原価の見積り)
連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(成果物の引き渡し義務を負うサービス契約に関
する進捗度に基づく売上収益及び受注損失引当金(総原価の見積り))と同一内容であるため、記載を省略している。
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その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以
外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任
は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内
容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財
務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要
な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告す
ることが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示
することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が
必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評
価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要があ
る場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がな
いかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにあ
る。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影
響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を
立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監
査証拠を入手する。
・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実
施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び
関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、
継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付け
る。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚
起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見
を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の
事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどう
かとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象
を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の
重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並
びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを
講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項
を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されて
いる場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合
理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
利害関係
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富士通株式会社(E01766)
有価証券報告書
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
(注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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