バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド 有価証券報告書
| 提出書類 | 有価証券報告書 |
|---|---|
| 提出日 | |
| 提出者 | バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド |
| カテゴリ | 有価証券報告書 |
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バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド(E05924)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第 24 条第 1 項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2023 年 6 月 23 日
【事業年度】 2022 年度（自 2022 年 1 月 1 日 至 2022 年 12 月 31 日）
【会社名】 バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド
(BOC Hong Kong (Holdings) Limited)
【代表者の役職氏名】 副会長、執行取締役兼社長 孫煜
(SUN Yu, Vice Chairman, Executive Director and Chief Executive)
【本店の所在の場所】 香港 ガーデンロード 1 バンク・オブ・チャイナ・タワー 53 階
(53rd Floor, Bank of China Tower, 1 Garden Road, Hong Kong)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 松 添 聖 史
【代理人の住所又は所在地】 東京都港区六本木一丁目 9 番 10 号
アークヒルズ仙石山森タワー
ベーカー＆マッケンジー法律事務所（外国法共同事業）
【電話番号】 (03)6271-9900
【事務連絡者氏名】 弁護士 松 添 聖 史
【連絡場所】 東京都港区六本木一丁目 9 番 10 号
アークヒルズ仙石山森タワー
ベーカー＆マッケンジー法律事務所（外国法共同事業）
【電話番号】 (03)6271-9900
【縦覧に供する場所】 該当なし
( 注 ) １．別段の記載がある場合を除き、「香港ドル」は香港の法定通貨を指す。
２ ． 本書において記載されている香港ドルから日本円への換算は、１香港ドル＝ 17.11 円（株式会社三菱 UFJ 銀行が
発表した 2023 年 4 月 25 日の香港ドルの対顧客電信直物売買相場の仲値）の換算率により行われている。
３ ． 当社の事業年度は暦年である。
４ ． 本書の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和又は他の欄に記載されている数値と必ずしも一
致しない。
５．本書において、別段の記載がある場合を除き、下記の用語は下記の意味を有する。
「 ADR 」 ……………………………………… 米国預託証券（ American Depositary Receipt ）のことをいう。
「 ADS 」……………………………………… 米国預託株式（ American Depositary Share ）のことをいう。
「 ALCO 」又は「 ALM 委員会」 ……………… 資産負債管理委員会（ Asset and Liability Management
Committee ）のことをいう。
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「 AT １」……………………………………… その他 Tier １（ Additional Tier 1 ）のことをいう。
「 ASEAN 」…………………………………… 東南アジア諸国連合を意味する。
「 ATM 」……………………………………… 現金自動預払機（ Automatic Teller Machine ）を意味する。
「関連会社」 ……………………………… 上場規則に規定される「関連会社（ associates ）」を意味する。
「取締役会」 ……………………………… 当社の取締役会のことをいう。
「中国銀行」又は「 BOC 」……………… 中国の法律に基づき設立された有限責任株式会社の商業銀行で、
H 株式及び A 株式がそれぞれ香港証券取引所及び上海証券取引所に
上場している中国銀行（ Bank of China Limited ）のことをい
う。
「バンク・オブ・チャイナ香港（ BVI ） 英領ヴァーージン諸島の法律に基づき設立された会社で、 BOC 香
港（グループ）の完全子会社であるバンク・オブ・チャイナ香港
株式会社」又は「 BOC (BVI) 」 ……………
（ BVI ）リミテッド（ BOC Hong Kong (BVI) Limited ）のことをい
う。
「 BOC クレジット・カード」……………… 香港の法律に基づき設立された会社で、バンク・オブ・チャイナ
香港の完全子会社である BOC クレジット・カード ( インターナショ
ナル ) リミテッド（ BOC Credit Card (International) Limited ）
のことをいう。
「 BOC グループ保険会社」又は 香港の法律に基づき設立された会社で、中国銀行の完全子会社で
「 BOCG インシュアランス」……………… あるバンク・オブ・チャイナ・グループ・インシュアランス・カ
ンパニー・リミテッド（ Bank of China Group Insurance
Company Limited ）のことをいう。
「 BOCHK 慈善基金」………………………… 1994 年７月に設立された慈善団体であるバンク・オブ・チャイナ
（香港）リミテッド・チャリタブル・ファンデーション（ Bank
of China (Hong Kong) Limited Charitable Foundation ）（旧
「バンク・オブ・チャイナ・グループ・チャリタブル・ファン
デーション」 (Bank of China Group Charitable Foundation) ）
のことをいう。
「 BOC 香港（グループ ) 」又は「 BOCHKG 」… 香港の法律に基づき設立された会社で、中国銀行の完全子会社で
ある BOC 香港（グループ）リミテッド（ BOC Hong Kong (Group)
Limited ）のことをいう。
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「バンク・オブ・チャイナ香港」、 香港の法律に基づき設立された会社で、当社の完全子会社である
「 BOCHK 」、「 BOC 香港」、「当行」又は 中国銀行（香港）株式会社（ Bank of China (Hong Kong)
「当社」………………………………………
Limited ）のことをいう。
「バンク・オブ・チャイナ・ 香港の法律に基づき設立された会社で、中国銀行の完全子会社で
インターナショナル」又は「 BOCI 」……… ある BOC インターナショナル・ホールディングス・リミテッド
（ BOC International Holdings Limited ）のことをいう。
「 BOCI －プルデンシャル・アセット・ 香港の法律に基づき設立された会社で、バンク・オブ・チャイ
マネジメント」 …………………………… ナ・インターナショナル・ホールディングス・リミテッドの完全
子会社である BOCI アセット・マネジメント・リミテッド及びプル
デンシャル・コーポレーション・ホールディングス・リミテッド
が各々 64 ％及び 36 ％の持分を保有する BOCI －プルデンシャル・ア
セット・マネジメント・リミテッド（ BOCI-Prudential Asset
Management Limited ）のことをいう。
「 BOCI －プルデンシャル・ 香港の法律に基づき設立された会社で、 BOC グループ・トラス
トラスティ」………………………………… ティ・カンパニー・リミテッド及びプルデンシャル・コーポレー
ション・ホールディングス・リミテッドが各々 64 ％及び 36 ％の持
分を保有する BOCI －プルデンシャル・トラスティ・リミテッド
（ BOCI-Prudential Trustee Limited ）のことをいう。
「 BOC グループ生命保険会社」 香港の法律に基づき設立された会社で、当グループ及び BOC グ
ループ保険会社が各々 51 ％及び 49 ％の持分を保有する BOC グルー
又は「 BOC ライフ」…………………………
プ・ライフ・アシュアランス・カンパニー・リミテッド（ BOC
Group Life Assurance Company Limited ）のことをいう。
「 BOC マレーシア」………………………… バンク・オブ・チャイナ香港の完全子会社であるバンク・オブ・
チャイナ ( マレーシア ) ベルハッド （ Bank of China (Malaysia)
Berhad ）のことをいう。
「 BOC タイ」………………………………… バンク・オブ・チャイナ香港の完全子会社であるバンク・オブ・
チャイナ ( タイ ) パブリック・カンパニー・リミテッド（ Bank of
China (Thai) Public Company Limited ）のことをいう。
「 CAS 」 ……………………………………… 中国企業会計準則 (Chinese Accounting Standard for Business
Enterprises) のことをいう。
「 CE 」 ……………………………………… 社長（ Chief Executive ）のことをいう。
「 CET １ 」 …………………………………… 普通株等 Tier １（ Common Equity Tier 1 ）のことをいう。
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「 CFO 」……………………………………… 最高財務責任者（ Chief Financial Officer ）のことをいう。
「チャイナ・インベストメント・ チャイナ・インベストメント・コーポレーション（ China
コーポレーション」 ……………………… Investment Corporation ）のことをいう。
「 CRO 」……………………………………… 最高リスク管理責任者 (Chief Risk Officer) のことをいう。
「 CVA 」 ……………………………………… 信用評価調整（ Credit Valuation Adjustment ）のことをいう。
「セントラル・フイジン」 ……………… セントラル・フイジン・インベストメント・リミテッド
（ Central Huijin Investment Limited ）のことをいう。
「 DCE 」 ……………………………………… 副社長（ Deputy Chief Executive ）のことをいう。
「 DVA 」 ……………………………………… 債務評価調整（ Debit Valuation Adjustment ）のことをいう。
「 ECL 」 ……………………………………… 予定信用損失をいう。
「 EVE 」 ……………………………… ……… 経済価値感応度（ Economic Value Sensitivity Ratio ）のことを
いう。
「 FCC 」 ……………………………………… 金融犯罪コンプライアンス部をいう。
「 FIRB 」 …………………………………… … 基礎的内部格付ベース (Foundation Internal Ratings-Based) の
ことをいう。
「フィッチ」 ……………………………… フィッチ・レーティングス (Fitch Ratings) のことをいう。
「 FVOCI 」 ……………………………… … その他の包括利益を通じた公正価値をいう。
「 FVPL 」 …………………………………… 損益を通じた公正価値をいう。
「 GDP 」……………………………………… 国内総生産（ Gross Domestic Product ）のことをいう。
「 HIBOR 」…………………………………… 香港銀行間取引金利（ Hong Kong Interbank Offered Rate ）のこ
とをいう。
「香港会計基準」又は「 HKAS 」 … … …… 香港会計基準（ Hong Kong Accounting Standard ）のことをい
う。
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「香港財務報告基準」又は 香港財務報告基準（ Hong Kong Financial Reporting Standard ）
「 HKFRS 」 ……………………………… ……
のことをいう。
「香港会計士協会」又は「 HKICPA 」 …… 香港会計士協会（ Hong Kong Institute of Certified Public
Accountants ）のことをいう。
「香港金融管理局」又は「 HKMA 」 ……… 香港金融管理局（ Hong Kong Monetary Authority ）のことをい
う。
「香港」、「香港特別行政区」又は 中華人民共和国香港特別行政区（ Hong Kong Special
「 HKSAR 」……………………………………
Administrative Region of the PRC ）のことをいう。
「 IBOR 改革」………………………………… 金利ベンチマーク改革のことをいう。
「 ICAAP 」…………………………………… 内部自己資本充実度評価プロセス（ Internal Capital Adequacy
Assessment Process ）のことをいう。
「 IFRS 」 ………………………………… … 国際財務報告基準 (International Financial Reporting
Standard) のことをいう。
「 IMM 」 ……………………………………… 内部モデル方式（ Internal Models Method ）のことをいう。
「 IT 」 ……………………………………… 情報技術のことをいう。
「 LCO 」……………………………………… 法務・コンプライアンス及びオペレーショナル・リスク管理部
（ Legal & Compliance and Operational Risk Management
Department ）のことをいう。
「 LCR 」……………………………………… 流動性カバレッジ比率（ Liquidity Coverage Ratio ）のことをい
う。
「 LIBOR 」 … ………………………………… ロンドン銀行間取引金利（ London Interbank Offered Rate ）の
ことをいう。
「上場規則」 … …………………………… 香港証券取引所における有価証券の上場を規定する規則のことを
いう。
「 MC 」 ……………………………………… 経営会議（ Management Committee ）のことをいう。
「 MCO 」 ……………………………………… 最大累積キャッシュ・アウトフローをいう。
「 MPF 」 ……………………………………… 強制積立基金（ Mandatory Provident Fund ）のことをいう。
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「 MPF 条例 」 ………………………………… 香港法第 485 章（改正済）の強制積立基金制度に関する条例のこ
という。
「ムーディーズ」 ………………………… ムーディーズ・インベスターズ・サービス（ Moody’s Investors
Service ）のことをいう。
「 N/A 」「該当なし」……………………… 該当なしのことをいう。
「 NII 」……………………………………… 純受取利息鋭敏比をいう。
「 NSFR 」…………………………………… 安定調達比率をいう。
「職業退職制度」 ………………………… 香港法第 426 章の職業退職制度条例に基づく職業退職制度のこと
をいう。
「 OTC 」…………………………………… … 店頭取引（ Over-the-counter ）のことをいう。
「 PD 」 ……………………………………… … 債務不履行の確率のことをいう。
「中国」 …………………………………… 中華人民共和国のことをいう。
「 PVBP 」 …………………………………… ベーシス・ポイントの価格値（ Price Value of a Basis Point ）
のことをいう。
「 RFR 」 …………………………………… … リスクフリー金利のことをいう。
「人民元」 ………………………………… 中国の法定通貨である人民元（ Renminbi （ RMB ））のことをい
う。
「 RMC 」 ……………………………………… リスク委員会（ Risk Committee ）のことをいう。
「 RMD 」 ……………………………………… リスク管理部（ Risk Management Department ）のことをいう。
「 RWA 」 …………………………………… … リスク加重資産（ Risk-weighted Assets ）のことをいう。
「証券先物条例」 ………………………… 香港法第 571 章証券先物条例（ Securities and Futures
Ordinance ）のことをいう。
「 SME 」……………………………………… 小・中規模企業のことをいう。
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「 STC 」……………………………………… 標準的（信用リスク）（ Standardised (Credit Risk) ）のことを
いう。
「 STM 」……………………………………… 標準的（市場リスク）（ Standardised (Market Risk) ）のことを
いう。
「 STO 」……………………………………… 標準的（オペレーショナル・リスク）（ Standardised
(Operational Risk) ）のことをいう。
「スタンダード＆プアーズ」 …………… スタンダード＆プアーズ・レーティングス・サービシズ
(Standard & Poor’s Ratings Services) のことをいう。
「証券取引所」又は 香港証券取引所（ The Stock Exchange of Hong Kong Limited ）
「香港証券取引所」 ……………………… のことをいう。
「当社」 …………………………………… 香港の法律に基づき設立された会社であるバンク・オブ・チャイ
ナ香港（ホールディングス）リミテッド（ BOC Hong Kong
(Holdings) Limited ）のことをいう。
「当グループ」 …………………………… 総じて当社及びその子会社のことをいう。
「米国」 …………………………………… アメリカ合衆国のことをいう。
「 VaR 」 ……………………………………… バリュー・アット・リスク（ Value at Risk ）のことをいう。
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第一部【企 業 情 報】
第１【本国における法制等の概要】
１【会社制度等の概要】
(1) 【提出会社の属する国・州等における会社制度】
1.1.1 会社条例
香港で設立される会社を管理する法体制は、香港法第 622 章会社条例（以下「会社条例」という。）並びに香港法
第 32 章会社（清算及び細則規定）条例（随時改正される。）において記載されている。以下の要約は当社に適用され
る会社条例の主要な条項の要点をまとめたものである。
設 立
会社条例に基づき、会社の設立には、かかる会社の創設者が通常定款（以下「通常定款」という。）に署名をす
ることが要求される。通常定款は、会社の登記に関しては会社条例に従うことを明言した法令遵守宣言書とともに
香港企業登記局で登記されなければならない。登記官は、設立予定会社の登記に関する会社条例の要件が全て満た
されていると納得した場合に、会社設立証書を発行する。会社はかかる証書に記載の設立日をもって法的主体とな
る。
基本定款
（ 2014 年 3 月 3 日に発効した）会社条例の施行により、基本定款は会社の構成文書の 1 つではなくなった。会社条
例の施行前に設立された会社に関しては、関連する規定が特別決議を可決することでその構成員によって削除され
た場合を除き、基本定款における現行の規定が通常定款の一部とみなされる。
通常定款
会社条例に基づき、通常定款が会社の唯一の構成文書となる。通常定款には会社内部の運営及び管理体制の規則
が含まれている。会社の通常定款は、会社業務が運営される方法、会社業務並びに会社権限の管理及び会社の構成
員、取締役並びにその他役員及び従業員の権限に関するいかなる規定をも含むことができる。会社は、独自の定款
を制定又は香港法第 622H 条会社（模範定款）公告に規定される模範定款を採用することができる。通常定款は特別
決議又は書面による決議の可決によってのみ変更可能である。
記録保持及び年次報告書
会社条例は、以下に関する適切な会計帳簿を保持することを会社に義務づけている。
( ⅰ ) 収入金及び支出金の全金額、並びに収入及び支出の発生に関する事項
( ⅱ ) 物品の全売買
( ⅲ ) 資産及び負債
会計帳簿は会社の登記上の事務所又は香港内のその他の規定された場所において保持される。ただし、これらの
会計帳簿は最終的になされた記載又は記録事項に関する会計年度末から 7 年間保存されなければならない。
会社の年次株主総会毎に、取締役は会社の損益計算書、貸借対照表、また適切な場合には、グループ財務諸表を
株主総会の構成員に提出しなければならない。かかる損益計算書及び貸借対照表は会計士の専門団体が規定した手
順及び基準に従い、独立公認会計士（以下「監査役」という。）による監査を受けなければならない。
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監査役は会社の貸借対照表及び損益計算書が会社条例に従って適切に作成されているか、並びに貸借対照表及び
損益計算書が会計年度末現在の会社の業務及び会計年度に関する会社の損益の真実かつ公正な見解を示しているか
どうかを記載した監査報告書を作成することが求められている。
貸借対照表、損益計算書及び取締役報告書並びに監査報告書とともに年次株主総会で会社に提出される予定の報
告書の全ての写しは、かかる年次株主総会の日付より 21 日以前に全構成員に送付されなければならない。取締役報
告書は、会社が会社条例に規定される免除要件に該当する場合を除き、会社の事業の公正な考察並びに会社が直面
する主要リスク及び不確実性に関する記載を含む事業の概況を含む、会社条例に基づき規定される一定事項を記述
しなければならない。
非公開企業を除き、年次報告書を香港企業登記局へ提出することが義務づけられている。
株 式
会社は普通株式及び／又は優先株式を発行することができる。株式は全て又は一部払込済株式として発行され
る。異なる種類又は異なる議決権及び配当請求権を有する株式とすることができる。
株式に付与される議決権及び配当権については、下記「提出会社の定款等に規定する制度」を参照のこと。
重要な管理者名簿
2018 年会社（改正）条例（以下「改正条例」という。）により、会社ごとに重要な管理者名簿の保管に関する
新たな要件が導入されている。改正条例は 2018 年 3 月 1 日に施行された。
香港の国際上の義務を果たすべく企業の受益権の透明性を高めるため、会社条例（第 622 章）が重要な管理者名
簿を保管することにより、香港で設立された企業に最新の受益権の情報を取得し、維持することを求めるために改正
されている。名簿は、求めに応じて法律施行担当官による閲覧のために開かれるべきものである。
構成員／株主
会社の株主名簿に登録された者のみが株主として同会社に承認される。株主名簿に関するいかなる委託の通知
も、明示、暗示又は推定を問わず、提出されてはならない。
株主名簿は会社の登記上の本社に保持されなければならない。ただし、株主名簿の作成業務が別の事務所におい
てなされた場合には、かかる事務所に保持することができる。名簿が閉鎖された場合を除き、かかる名簿は会社の
登録株主に対し無料で営業時間中に閲覧に供されるものとする。株主名簿は、会社が（上場会社である場合には）
上場規則に従う、又は香港で一般に販売されている新聞に公告することにより、毎年 30 日間を超えない期間で何度
でも閉鎖することができる。かかる閉鎖期間は株主総会で可決される普通決議により 60 日間に延長することが可能
である。
香港設立の会社の株主になるには、国籍又は居住地要件は存在しない。株主は、通常定款が譲渡に関する制約を
課している場合を除き、自己保有株式を自由に譲渡することができる。
株主総会
会社条例に基づき、構成員が 1 名の会社は年次株主総会の開催を要求されない。その他の会社は、全会一致の決
議により年次株主総会の開催を省略することができる。ただし、かかる決議が取消され又は構成員により年次株主
総会の開催が要求され、かつ、書面による決議により置換えられた場合を除くが、この場合は必要な提出書類が書
面による決議以前に構成員に対して提供されなければならない。年次株主総会の招集通知期間は通常定款の定める
ところに従うが、いかなる場合も、 21 日以前の書面による通知によるものとする。通常又は特別決議のいずれかを
可決するために開催されるその他の株主総会は、 14 日以前に通知するものとする。ただし、「特別通知」を必要と
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する決議が提案される場合を除く（「特別通知」決議は、取締役又は監査役の解任を含む。）。かかる通知には総
会の開催場所、日時及び取り上げられる議事の概要を明記する。
通常定款に別途規定されている場合を除き、本人又は代理により出席し議決権を有する 2 名の株主が実際に定足
数を構成するものとする。株主総会が議事を審議する場合、定足数が出席し、株主総会の閉会まで在席していなけ
れば、いかなる株主総会においても議事は処理されない。
株主救済手段
株主救済手段に関連する条項は会社条例第 14 節に含まれている。主な条項は、不当損害救済手段、会社条例違反
行為を抑制する法定差止命令、法定株主代表訴訟及び会社記録調査のための裁判所命令請求権を含む。会社条例は
また、裁判所が適切と考える命令を下す権限を裁判所に付与しており、会社の構成員の利益が不当に損なわれたと
みとめられる場合、当該構成員の損害賠償を認める権限を含む。
管理及び運営
会社条例では香港設立の会社は、非公開会社を除き、最低 2 名の取締役を置くものとすると規定している。かか
る要件を前提に、会社はその通常定款により取締役の最低人数及び最高人数を決定することができる。上場会社で
ある当社の場合は、取締役は自然人でなければならない。また、全ての会社は秘書役を持たねばならない。取締役
を任命する一般的な権限は、通常、通常定款により株主総会において行為する株主に付与される。
会社の経営を行う一般的な権限は、通常定款又は会社条例に別段の規定がない場合は、通常取締役に付与されて
いる。取締役は、会議で、又は書面による決議をもって、決議を可決する取締役会として行為する。通常定款にお
いて明記されていない限り、取締役会を香港内で開催しなければならないとの規制はない。
取締役会は、普通は通常定款により一定の特別な役割を遂行又は会社の運営上の特定分野を処理する委員会を選
任し、また一定の権限を委任される常務理事を選任する権限を与えられている。さらに、通常定款は、会社の代理
として行為するためにいかなる者（会社の従業員を含む。）に一般的又は特定の権限を委任する権利を取締役会に
付与している。
先買権及び株式の発行
会社条例に基づき、会社の取締役会は、株主の事前承認を得ることなく、既存株主に対しその現行の持分に按分
比例した新株発行の申出をすることができる。しかし取締役会は、株主の事前承認なしには他のいかなる方法に
よっても新株を発行することはできない。さらに取締役は、ワラント、株式オプション又は転換社債等の株式の引
受け又は有価証券の株式への転換に株主の承認を必要とし、かかる権利の転換又は行使による株式の割当に関して
さらなる承認を求めることはできない。
1.1.2 香港上場規則
香港証券取引所に上場する会社は上場規則に従う。
(2) 【提出会社の定款等に規定する制度】
現行の通常定款は、 2021 年 5 月 17 日開催の当社年次株主総会において当社によって採択された。以下は通常定款の
一部の規定の要約である。
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1.2.1 資本の変更
当社は、当社の株式（償還株式を含む。）をいかなる価格によっても買取りもしくはその他の方法により取得す
るため、又は、直接であると間接であるとを問わず、貸付、保証、担保の提供等の方法により、いずれかの者が
行っ たもしくは行う当社の株式の買取りもしくはその他の方法による取得のため、もしくはこれに関連して、財政
的支援を行うため、会社条例もしくはそのときにおけるその他の条例により付与もしくは許容されている、又は禁
止されていないもしくは矛盾しない権限を行使することができる。当社が当社の自己株式を買取りもしくはその他
の方法により取得する場合、当社及び取締役会のいずれも、同一の種類の株式の所持人間、もしくはかかる所持人
とその他の種類の株式の所持人間で按分比例もしくはその他の特別な方法により、又はいずれかの種類の株式によ
り付与される配当金もしくは資本に関する権利に基づき、当該株式を買取りもしくはその他の方法により取得する
選択をすることを要しないものとする。ただし、償還株式の買取りの場合は、 (a) 市場経由もしくは入札によらず
になされる買取りは最高価格に制限が課されるものとし、 (b) 買取りが入札によりなされる場合は、入札は全ての
構成員に対して差別なく利用できるものとし、さらに、かかる買取りもしくはその他の取得又は財政的支援は、香
港証券取引所もしくは香港証券先物管理委員会が発するそのときに効力を有する会社条例及び関連規則もしくは規
定に従ってのみ行われ、もしくは提供されるものとする。
当社は、随時、普通決議により、当社が発行することができる最大株式数をその決議が定める数に増やすことが
できる。
当社は、随時、普通決議により、
ⅰ 会社条例に従い、新株の割当及び発行によって当社の株式資本を増加することができる。
ⅱ 当社の株式資本の増加に関する資金又はその他の資産が当社の構成員によって提供された場合、新株の割
当及び発行を行わずに当社の株式資本を増加することができる。
ⅲ 新株の割当及び発行の有無にかかわらず、当社の利益を資本化することができる。
ⅳ 当社の資本金の増加の有無にかかわらず、無償株を割当及び発行することができる。
ⅴ 当社の株式の全て又は一部を、より多い又はより少ない株式数に変更することができる。
ⅵ 当該決議の採択日においていかなる者にも引受けられていない又はこれを引受ける同意の得られていない
もしくは失権している株式を消却し、当社の株式資本の価額を当該消却株式の価額分、減少することができ
る。
ⅶ 当社の株式を複数の種類に分割し、それぞれこれに優先、劣後、制限もしくは特別の権利、特権もしくは
条件を付することができる。
ⅷ いかなる議決権も伴わない株式の発行及び割当に関する規定を定めることができる。
契約、会社条例もしくは通常定款に異なる定めがある場合を除き、未発行株式は、全て取締役会の処分に委ねら
れるものとし、取締役会はその完全な自由裁量により適切と判断する者に対して、その適切と判断する時期及び対
価にて、かつ、一般的にその適切と判断する条項及び条件によりこれを募集し、割り当て、オプションを付与し、
その他これを処理もしくは処分することができる。
当社は、特別決議により、当社の株式資本及び資本償還準備金、資本剰余金又はその他の分配不能準備金を会社
条例又は法律の許容する方法により減少することができる。
1.2.2 権利の修正
そのときにおいて発行されているいずれかの種類の株式に付されている特別の権利（当該種類の株式の発行条件
により別途規定されている場合はこの限りでない。）の全部もしくはそのいずれかは、会社条例の規定に従い、清
算前及び清算中のいかなるときにおいても、当該種類の発行済株式の 4 分の 3 以上の所持人の書面による承諾、又は
当該種類の株主の個別の総会において採択された特別決議による承認を得て、変更もしくは排除することができ、
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株主総会に関する通常定款の規定は全てかかる各総会に準用されるものとするが、その定足数は当該種類の発行済
株式の 3 分の 1 を保有もしくは代理人により代表される 2 名以上の者とし、また、自らもしくは代理人により出席す
る 当該種類の株式の所持人は投票を請求することができる。
1.2.3 株式の譲渡
いかなる株式の譲渡証書も、通常の一般的な様式又は取締役会が認めるその他の様式の書面によらなければなら
ず、手書きのみによるか、又は譲渡人もしくは譲受人が清算機関（通常定款において定義される。）（もしくはそ
のノミニー）である場合は、手書きもしくは機械印刷署名によるか、又は取締役会が随時認めるその他の作成方法
によることができ、譲渡人もしくはその代理人及び譲受人もしくはその代理人により作成されるものとする。譲渡
人は、譲受人の氏名が当該株式につき当社の株主名簿に記載されるまではなおその所持人にとどまるものとする。
各譲渡証書は、登録のため、当社の登記上の事務所（又は取締役会がこのために指定することのあるその他の場
所）に、譲渡される株式に関する証明書及び当該証明書に関して取締役が要求する可能性があるその他の証拠を添
付して提出されなければならない。登録されるべき各譲渡証書は当社により保有されるものとする。
取締役は、会社条例の規定に従い、その完全な自由裁量によりいつでも、かつ、一切その理由を述べることな
く、いかなる株式（全額払込済株式は除く。）の名義書換も拒むこと 、又は、名義書換が下記の基準を満たさない
場合はかかる名義書換を拒絶することができる。
ⅰ 譲渡証書が一つの種類の株式のみに関するものであり、
ⅱ 共有者に対する譲渡の場合は、譲受人の人数が４名を超えることがなく、
ⅲ 当該株式が当社のためのいかなる担保にも服していることがなく、
ⅳ 譲渡証書に適法に印紙が貼付され、
ⅴ 取締役が偽造より生ずる損害を防ぐため、随時課すことのあるその他の条件が満たされ、
ⅵ 香港証券取引所が随時定めるもしくは認める最高金額を超えない手数料が名義書換につき、当社に支払わ
れ、かつ、
ⅶ 譲渡証書にこれに関する株券及び取締役会が合理的に要求する譲渡人が譲渡を行うことができる権利を証
明するその他の証拠が付されている場合。
取締役は、名義書換を拒絶した場合、譲渡証書が当社に提出された日から 10 営業日以内に、譲渡人及び譲受人に
対してその拒絶通知を送付するものとする。
いかなる譲渡も幼児もしくは精神異常者もしくは法的無能力者に対しては行うことができない。
1.2.4 株主総会における議決権の行使
以下の段落で定められている規定及びそのときにおいていずれかの種類の株式に付されている議決権の行使に関
する特別の権利、特権もしくは制限を前提として、株主総会においては、自ら（又は、構成員が法人の場合は、そ
の適法な権限を有する代表者が）出席するか又は代理人を出席させている各構成員は、挙手の場合は、１票のみ
を、投票の場合には、全額払込済又は全額払込済のものとして貸記される（ただし、株式につき払込又は割賦金の
請求前に払込済の又は払込済のものとして貸記された金額は、当該株式につき払込済のものとして扱われないもの
とする。）自己を所有者とする各株式につき１票の権利を有するものとする。議決権の行使 ( 挙手によるか投票に
よるかを問わない ) は、取締役又は総会の議長が決定する電子的手段又はその他の手段により行うことができる。
議決権は自らもしくは代理人により行使することができる。投票の場合において２票以上の権利を有する構成員
は、その票全部を使用することも、使用する票を全て同一の方法で投ずることも要しない。構成員が複数の代理人
を任命する場合、任命された代理人は決議案に挙手による投票を行う権利を有さない。挙手であると投票であると
を問わず、総会における議決が可否同数の場合、当該総会の議長が追加もしくは決定票の権利を有するものとす
る。
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上記段落に定められた規定の一般性を損なうことなく、決済機関（又はそのノミニー）が構成員である場合、決
済機関（又は、場合によってはそのノミニー）は、自己が適切であると判断する者に対して、当社の集会もしくは
い かなる構成員の種類の集会において自己の代理人もしくは代表者として行為することを授権することができる。
ただし、２名以上の者がかかる授権を受けた場合は、委任状もしくは授権書は当該各代理人が授権を受けた株式の
数及び種類を特定するものとする。通常定款の規定に基づき、かかる授権を受けた者はその代表する決済機関（又
はそのノミニー）に代わり、当該決済機関（又はそのノミニー）が個人構成員であったならば行使することができ
る権利及び権限と同一の権利及び権限を行使することができ、挙手の場合、かかる者はそれぞれ個別の票の権利を
有するものとする。
1.2.5 取締役の資格
取締役はいかなる資格付与株式を保有することを要しない。いかなる者も、一定の年齢に達したことのみを理由
として、取締役を辞任することを要せず、取締役としての再選もしくは再任不適格となることもなく、また、いか
なる者も取締役としての選任不適格となることもない。
1.2.6 借入権限
取締役は、金銭を借入れ、当社の（現在及び将来の）事業、財産及び資産並びに未償還資本の全部もしくは一部
を抵当もしくは担保に供する当社の全ての権限を行使することができ、無条件であると、当社又は第三者の借入
金、負債もしくは債務の担保証券としてであるとを問わず、社債、ディベンチャー・ストック、ボンド及びその他
の有価証券を発行することができる。
1.2.7 取締役の報酬及び年金
取締役はその業務に対する報酬として、当社が随時、普通決議により定める総額を受けることができるものとす
る。かかる総額は、（当該決議により別途指定される場合を除き）取締役会が合意する割合及び方法により取締役
間で分配される。ただし、在職期間が当該報酬の支給対象期間の全期間に満たない取締役は、その在職期間に応じ
てのみ当該分配にあずかるものとする。上記の規定は、総額が取締役の報酬につき支給される場合を除き、当社と
有給の雇用関係もしくは役職を有する取締役には適用されないものとする。
取締役は、また、取締役会、委員会もしくは株主総会への旅費又は、その他、当社の事業に従事している間もし
くは取締役としての任務を履行するにあたり負担した費用を含む、取締役としての職務を遂行するにあたりもしく
は遂行するについて負担した合理的範囲の旅費、宿泊費その他の費用の返済を受けることができるものとする。
取締役会は、取締役としての通常の任務の範囲を超えるものと取締役会が判断する業務を行った取締役に対し
て、特別の報酬を当社の資金より（取締役会が定める俸給、手数料等により）与えることができる。
取締役会は、当社に雇用されもしくは勤務しているもしくはしていた、又は当社の子会社もしくは関連もしくは
関係会社である会社に雇用されもしくは勤務しているもしくはしていた者、又は、当社又は上記のその他の会社の
取締役もしくは役員であるもしくはあった者で、当社もしくは当該その他の会社と有給の雇用関係もしくは役職を
有するもしくは有していた者及びその妻、未亡人、家族及び被扶養者のために、拠出型、もしくは非拠出型年金又
は退職金積立基金を設立・維持し、又はその設立・維持を確保し、かかる者に対して贈与、慰労金、年金、手当も
しくは俸給を与え、もしくはかかる給付を確保することができる。取締役会は、また、当社のもしくは前述のその
他のいかなる会社もしくは前述のいかなる者の便益になるもしくは利益及び福利を促進すると考えられる機関、協
会、同好会もしくは基金を設立及び助成する、又はそれらに出資することができ、前述のようにかかる者の保険の
ための支払を行うことができ、慈善もしくは善意の目的もしくはいかなる奨学金又はいかなる公共、一般もしくは
有益な目的に対して出資又は資金を保証することができる。かかる雇用関係もしくは役職を有する取締役はかかる
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贈与、慰労金、年金、手当もしくは俸給に参加し、自己の利益のために、これを保有することができるものとす
る。
1.2.8 取締役の利害関係
取締役もしくは取締役となろうとする者は、かかる地位により、当社と契約を締結する資格を失うことはないも
のとし、また、当社によりもしくは当社のために取締役又は取締役がなんらかの利害関係を有する企業もしくは会
社と締結される取引、取決めもしくは契約は回避されるべきものではないものとし、また、かかる契約を締結する
又はかかる利害関係を有する取締役は単にかかる地位を有していること又はかかる地位により設定された委託信任
関係を理由として、かかる取引、取決めもしくは契約により実現された利益、報酬もしくはその他の利得につき当
社に報告すべき義務を負わないものとする。ただし、かかる取締役は利害関係を有する取引、取決めもしくは契約
に対する利害関係の性質及び範囲につき、当該取引、取決めもしくは契約の締結問題が最初に審議される取締役会
において、その時点において利害関係につき認識している場合は開示し、その他の場合は、利害関係があるもしく
は利害関係を有するようになったことを知った後の最初の取締役会においてこれを開示するものとする。
取締役は、自己の知る限りでは自らもしくはその関係者が重大な利害関係を有する取引、取決め又は契約に関す
る取締役会決議につき、議決権を行使すること（もしくは定足数に算入されること）もできないものとし、議決権
を行使した場合、当該取締役の議決権は算定されない（もしくは定足数に算入されない）ものとするが、かかる制
限は以下の事項については適用されない。すなわち、
ⅰ 当社又はその子会社の要請でもしくは当社の利益のために、取締役もしくはその関係者が借入れた金銭、
又は負担したもしくは引受けた債務につき、当該取締役もしくはその関係者に対し担保もしくは補償を与え
るための取引、取決めもしくは契約、
ⅱ 取締役もしくはその関係者が保証もしくは補償により、又は担保の提供により、全部もしくは一部、か
つ、単独であると共同であるとを問わず、責任を引受けた当社又はその子会社の借入れもしくは債務につ
き、第三者に対し担保もしくは補償を与えるための取引、取決めもしくは契約、
ⅲ 当社、又は当社が発起することのあるもしくは利害関係を有するその他の会社の、又は当社又はかかる他
の会社による株式、社債もしくはその他の有価証券の引受けもしくは買取り募集の引受けもしくは再引受け
の参加者として、取締役もしくはその関係者が利害関係を有する、もしくは有することになる場合のかかる
募集に関する取引、取決めもしくは契約、
ⅳ 取締役もしくはその関係者が当社の株式、社債もしくはその他の有価証券に対する持分のみのため、当社
の株式、社債もしくはその他の有価証券の他の所持人と同様の方法で利害関係を有する取引、取決めもしく
は契約、
ⅴ 当社の従業員もしくはその子会社の従業員の利益（当社又はそのいずれかの子会社の取締役、その関係者
及び従業員双方に関係する年金基金又は退職、死亡もしくは障害給付制度でかかる基金もしくは制度の関係
者の集団に対して一般的に付与されない特権もしくは利益等を当該取締役もしくはその関係者に関して提供
しないものの採用、変更もしくは運用を含む。）に関する取引、取決めもしくは契約、及び
ⅵ 取締役もしくはその関係者が利益を受けうる当社もしくはそのいずれかの従業員のための従業員持株制度
又は株式報奨もしくは株式オプション制度の採用、変更もしくは運用に関する取引、取決めもしくは契約。
取締役は、当社が利害関係を有する他のいかなる会社の取締役、管理取締役、共同管理取締役、副管理取締役、
業務執行取締役、最高業務執行役員もしくは支配人又はその他の役員もしくは構成員に在職することも就任するこ
ともでき、（別途合意する場合を除き）当該会社の取締役、管理取締役、共同管理取締役、副管理取締役、業務執
行取締役、最高業務執行役員もしくは支配人又はその他の役員もしくは構成員として受取る報酬もしくはその他の
利益につき当社に報告すべき責任を負わないものとする。取締役会は、全ての点でその適切であると判断する方法
で、当社が保有もしくは所有する他の会社の株式により付与された、又は当社がその会社の取締役として行使する
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ことができる議決権を行使することができる（かかる取締役もしくはそのいずれかの当該会社の取締役、管理取締
役、共同管理取締役、副管理取締役、業務執行取締役、最高業務執行役員もしくは支配人又はその他の役員として
選 任する決議に賛成する議決権の行使を含む。）。取締役は、自己が当該会社の取締役、管理取締役、共同管理取
締役、副管理取締役、業務執行取締役、最高業務執行役員もしくは支配人又はその他の役員に選任されるかもしれ
ない、もしくは選任されようとしている場合、また、そのようなものとして当該取締役が上記の方法によるかかる
議決権の行使に利害関係を有している、もしくは有することになりうる場合、上記の方法による議決権の行使に関
して票を投じてはならない。取締役は、当社が発起したいかなる会社もしくは当社が取引先、株主等として利害関
係を有するいかなる会社の取締役にも在職することも就任することもでき、かかる取締役は当該会社の取締役もし
くは構成員として受取るいかなる利益についても当社に報告すべき責任を負わないものとする。取締役もしくはそ
の企業は当社の監査役として行為することはできない。
1.2.9 配当金
当社は、普通決議により、配当を宣言することができるが、かかる配当金は取締役が勧告する金額を超えないも
のとする。当社の利益もしくはその他の分配可能準備金以外からはいかなる配当金も支払われないものとし、当社
との関係では、配当金には利息は付されないものとする。
株式に付されている権利又は株式の発行条件が別途規定していない限り、かつ、別途規定している限度で、配当
金は（当該配当金支払期間中に全額払込済となっていない株式については）、全て当該配当金支払期間の一部の期
間中に当該株式につき支払われた金額に按分比例して配分され、支払われるものとする。本段落の目的上、株式に
つき払込請求前に支払われた金額は当該株式につき支払われたものとして扱われないものとする。
取締役は、当社が担保権を有する株式に対して、もしくはこれに関して支払われる配当金もしくはその他の金銭
を留保することができ、これを当該担保権にかかる債務及び負債の弁済に充当することができる。取締役会は、構
成員に対して支払われる配当金もしくは特別配当金から、当該構成員が当社に対して払込金額、割賦金等として現
在支払うべき金銭（もしあれば）全額を控除することができる。
取締役会が支払を決議した配当金、又は取締役会もしくは当社が総会において宣言もしくは承認した、又は宣言
もしくは承認の提案をした配当金については、取締役会は当該配当金の発表、宣言もしくは承認に先立ち、又はこ
れと同時に、 ( ⅰ ) 当該配当金を受けることができる構成員は当該配当金（又は取締役会が適切と判断するその一
部）に代え、全額払込済と貸記される株式の割当を受取るが、当該構成員は、同時に、かかる割当に代え、現金で
当該配当金（又は、場合により、その一部）を受取ることができる選択権を付与されること、又は ( ⅱ ) 当該配当金
を受けることができる構成員は当該配当金全額又は取締役会が適切と判断するその一部に代え、全額払込済と貸記
される株式の割当を受取ることを選択する権利を付与されることを決定し、発表することができる。当社は、取締
役会の勧告に基づき、普通決議により、当社の特定の 1 回の配当につき、株式の割当に代わり現金による配当を受
取ることを選択することができる権利を構成員に提供することなく、配当は全額払込済のものとして貸記される株
式の割当の形で全部履行することができる旨、決議することができる。
取締役会は、同種のもの又は現物で、配当金の全部もしくは一部の弁済として、当社の資産、特に、当社が権利
を有する他の会社の株式もしくは有価証券を構成員間に分配することができる。
配当金の宣言日から 1 年が経過した後においても請求がない配当金は、その請求があるまで、全て当社の利益の
ため、取締役が投資し、又はその他の方法で利用することができ、配当金の宣言日から 6 年が経過した後において
も請求がない配当金は全て取締役により没収することができ、当社に帰属するものとする。
２【外国為替管理制度】
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現在、香港には ( ⅰ ) 日本人居住者による株式の引受け、 ( ⅱ ) 香港設立の会社の配当金の日本への送金及び ( ⅲ ) かか
る株式の売却益の日本への送金に関する外国為替管理制度は存在しない。
３【課税上の取扱い】
3.1 香港における課税上の取扱い
普通株式の保有者の所得及びキャピタルゲインにかかる租税は香港及び株主が居住するか又は租税を賦課されてい
る法域の法律及び慣習に服する。以下に記載の香港の租税に関する見解の概要は、現行の法律及び慣習に基づいてお
り、かかる法律及び慣習の変更に服し、法的及び租税上の助言を構成するものではない。本概要は、本書の日付現在
効力を有する法律及びその関連する解釈に基づいており、その全ては変更されることがある。本概要は、普通株式へ
の投資に関連して生じる可能性のある租税の全てを取り上げているわけではない。従って、各潜在的投資家、特に銀
行、証券ディーラー、保険会社及び租税免除対象法人等特別租税規則に服する投資家は、普通株式に対する投資の結
果生じる租税につき、自己の税務アドバイザーと相談する必要がある。
3.1.1 租税条約
2010 年 11 月 9 日、香港は所得税の二重課税回避及び脱税防止に関する協定を日本と締結した。
2014 年 12 月 10 日付で、情報交換協定に基づき対象となる租税の種類の拡大に関して日本と香港間で書簡の交換
があった。香港及び日本間で行われた、当該２法域間の包括二重課税回避協定の情報交換条項に関する書簡の交
換による合意は、 2015 年 7 月 6 日付で効力が発生し、香港課税に関しては 2016 年 4 月 1 日以降に開始される各賦課年
度分について効力を生じることとなる。香港は、 2018 年に日本及び英国と税務問題に関する金融口座の自動的情
報交換 (AEOI) を開始する目的で、日本及び英国と契約を締結した。香港税務局は、年次ベースでこれらの AEOI
パートナーの法域の税務当局と情報を交換する予定である。
3.1.2 配当金に対する租税
現行の慣習の下では、源泉徴収によるかその他によるかにかかわらず、香港において配当金に関しいかなる租
税も支払う必要はない。
3.1.3 売却益に対する租税
香港においては、キャピタルゲインに関しいかなる租税も課せられない。しかしながら、香港において取引、
専門的職業又は事業を営み、香港においてかかる取引、専門的職業又は事業により利益を得ている者が資産の売却
により得た取引利益には、香港所得税が課せられる。（ 2008 年／ 2009 年以降の課税年度について）香港の個人所得
の標準税率は 15 ％、及び法人所得税率は 16.5 ％である。特定の範疇の納税者（株式ディーラー等）は、普通株式の
取引による利益に関して、自動的にキャピタルゲインではなく取引発生利益とみなされる可能性が高い。
香港証券取引所において実行された普通株式売却による取引利益は、香港において生じたものとみなされる。
3.1.4 印紙税
現在、普通株式の対価もしくは評価額のいずれか高い方の 1,000 香港ドル当たり又はその一部につき 1.30 香港ド
ルの割合で徴収されている香港の印紙税は、購入者は普通株式の購入のたびに、また売却者は売却のたびに納税
（普通株式が関わる典型的な売買行為に対して、現在、 1,000 香港ドル又はその一部につき総額 2.60 香港ドルとな
る。）することとなる。さらに、普通株式の譲渡証書につき定額租税５香港ドルを支払わなければならない。
3.1.5 遺産税
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普通株式は、香港における登録機関に登録されているので、香港法の下で香港の財産である。従って、普通株
式は過去にその実質的所有者の死に際して（所有者が居住、市民権を有する又は本拠となす場所にかかわらず）遺
産 税の対象であった。しかし、 2006 年 2 月 11 日の 2005 年歳入（遺産税廃止）条例の施行後、香港における遺産税は
廃止された。
3.2 日本における課税上の取扱い
適用ある租税条約、所得税法、法人税法、相続税法及びその他の日本の現行の関連法令に従い、またこれら法令上
の制限を受けるが、日本の個人又は日本法人の所得（及び、個人に関しては相続財産）が上記「 3.1 香港における
課税上の取扱い」記載の香港の租税の対象となる場合、かかる香港の租税は、当該個人又は法人が日本において支払
うこととなる租税の計算上税額控除の対象となる場合がある。
「第二部－第８－ 2.4 本邦における配当等に関する課税上の取扱い」も参照のこと。
４【法律意見】
そこに記載の仮定及び限定の下に、それぞれ、バンク・オブ・チャイナ香港のリーガル＆コンプライアンス及びオ
ペレーショナル・リスク管理部門の副ジェネラル・マネジャー及びチーフ・リーガル・カウンセルであるロー・パ
ク・ケイ及びマク・ユエン・ライにより、また委任を受けて、香港法の実務を行う資格を有する弁護士としてマク・
ユエン・ライが確認する大要下記の趣旨の確認書が関東財務局長宛に提出されている。
(a) 本会社は香港の法律に基づき適法に設立され、有限責任の公開株式会社として存続していること、及び
(b) 本書に記載されている香港の法令に関する記述は真実かつ正確であること。
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第２【企業の概況】
１【主要な経営指標等の推移】
(4)(5)
連結財務情報
（単位：１株当たり金額（単位：香港ドル）を除き百万香港ドル )
（下段の括弧内の数値は１株当たり金額（単位：円）を除き百万円 )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
39,501 40,523 34,738 31,941 38,814
(1)
正味受取利息
(675,862) (693,349) (594,367) (546,511) (664,108)
11,312 10,919 10,842 11,872 9,512
(1)
正味受取手数料
(193,548) (186,824) (185,507) (203,130) (162,750)
14,123 18,412 18,460 15,704 16,155
(1)
正味保険料収入
(241,645) (315,029) (315,851) (268,695) (276,412)
67,744 79,736 76,641 65,575 71,544
営業収益合計
(1,159,100) (1,364,283) (1,311,328) (1,121,988) (1,224,118)
53,293 56,422 51,767 46,837 54,587
(1)
正味営業収益
(911,843) (965,380) (885,733) (801,381) (933,984)
38,087 39,755 35,420 30,430 36,743
(1)
営業利益
(651,669) (680,208) (606,036) (520,657) (628,673)
39,081 40,088 33,583 29,968 34,988
(1)
税引前利益
(668,676) (685,906) (574,605) (512,752) (598,645)
32,654 34,074 28,468 24,999 29,038
(1)
当期純利益
(558,710) (583,006) (487,087) (427,733) (496,840)
32,070 32,184 26,487 22,970 27,054
(1)
当社株主帰属利益
(548,718) (550,668) (453,193) (393,017) (462,894)
15,521 16,250 13,131 11,947 14,347
(6)
配当金
(265,564) (278,038) (224,671) (204,413) (245,477)
31,516 39,961 28,951 22,517 17,893
当期の包括利益合計
(539,239) (683,733) (495,352) (385,266) (306,149)
2,956,004 3,026,056 3,320,981 3,639,430 3,685,057
資産合計
(50,577,228) (51,775,818) (56,821,985) (62,270,647) (63,051,325)
2,670,631 2,718,564 3,001,326 3,311,969 3,353,211
負債合計
(45,694,496) (46,514,630) (51,352,688) (56,667,790) (57,373,440)
257,536 278,783 290,302 297,999 303,045
当社株主に帰属する
(4,406,441) (4,769,977) (4,967,067) (5,098,763) (5,185,100)
資本及び準備金
24.36 26.37 27.46 28.18 28.66
当社株主に帰属する１株当た
り資本及び準備金（単位：
(416.80) (451.19) (469.84) (482.16) (490.37)
香港ドル）
3.0333 3.0440 2.5052 2.1726 2.5588
当社株主に帰属する１株当た
り利益（基本的及び希薄
(1)
(51.90) (52.08) (42.86) (37.17) (43.78)
化）
（単位：香港ドル）
23.10 ％ 22.89 ％ 22.10 ％ 21.44 ％ 21.56 ％
(7)
総自己資本比率
19.76 ％ 19.90 ％ 19.67 ％ 19.11 ％ 19.34 ％
(7)
Tier1 資本比率
12.26 ％ 11.51 ％ 9.05 ％ 7.67 ％ 8.78 ％
(2)(8)
株主資本利益率
48.4 ％ 50.5 ％ 49.6 ％ 52.0 ％ 53.0 ％
(9)
配当性向
266,347 (268,703) 142,620 88,000 (25,820)
営業活動による正味キャッ
シュ・インフロー／（アウ
(4,557,197) ((4,597,508)) (2,440,228) (1,505,680) ((441,780))
トフロー）
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(3,346) (3,309) (1,324) (1,329) (1,223)
投資活動による正味キャッ
((57,250)) ((56,617)) ((22,654)) ((22,739)) ((20,926))
シュ・アウトフロー
1,189 (18,465) (30,474) (15,427) 60,309
財務活動による正味キャッ
シュ・インフロー／ ( アウト
(20,344) ((315,936)) ((521,410)) ((263,956)) (1,031,887)
フロー )
626,126 331,652 456,058 531,915 540,925
12 月 31 日現在、現金及び
(10,713,016) (5,674,566) (7,803,152) (9,101,066) (9,255,227)
現金同等物残高
14,084 14,668 14,915 14,553 14,832
フルタイム当量従業員数
（単位：人）
注：
(1) 財務情報は、継続事業についての情報である。
(2) 財務情報は、継続事業及び非継続事業についての情報である。
(3) 当グループは、 2019 年度の共通支配下にある企業との結合に関する財務諸表の作成に企業結合の会計処理方法を適用している。
2018 年度の比較情報は、これに伴い修正再表示されている。しかし、 2018 年度より前の財務情報は、修正再表示前後の差異が微細
であるため修正再表示されていない。
(4) 上記に掲げる主要な経営指標等は、香港において一般に公正妥当と認められた会計基準に準拠している。
(5) 数値は、上場規則及び／又は香港で適応ある法定要件により要求されているとおり、報告会計士による検証手続を受けている。
(6) (a) 取締役会は 2022 年 8月 30 日の会合において、 2022 年上半期について普通株式 1株当たり 0.447 香港ドル、総額約 4,726 百万香港ド
ルの中間配当を宣言した。
(b) 取締役会は 2023 年 3月 30 日の会合において、 2022 年 12 月 31 日終了年度について普通株式 1株当たり 0.910 香港ドル、総額約 9,621
百万香港ドルの最終配当を 2023 年 6月 29 日開催の株主総会で提案することを決定した。かかる提案された最終配当はこれらの財
務諸表に未払配当金として反映されていないが、 2023 年 12 月 31 日終了年度の利益剰余金処分として反映される。
(7) 資本比率は、規制目的でバンク・オブ・チャイナ香港及び HKMA により定められている特定の子会社の資本状況で構成される連結
ベースで、銀行業（資本）規則に従って算出されている。
(8) 株主資本利益率は、当社株主及びその他の持分証書保有者帰属利益を当社株主及びその他の持分証書保有者に帰属する資本及び準
備金の期首及び期末残高の平均で除することによって算出されている。
(9) 配当性向は、配当金を当社株主帰属利益で除することによって算出されている。
２【沿 革】
当社は、当社の主要な事業子会社となったバンク・オブ・チャイナ香港の全持分を保有する目的で 2001 年 9 月 12 日に
香港で設立された。 2001 年 10 月 1 日、従前に香港で事業を行っていた BOC グループ（以下「 BOC 香港（グループ）」とい
う。）内に属していた企業 9 社の実質上全ての商業銀行事業と関連資産及び負債が宝生銀行に譲渡され、その結果、宝
生銀行は中国銀行（香港）株式会社（バンク・オブ・チャイナ香港）に名称変更された。上記企業には、中国銀行の
香港支店、一部の中国において設立された銀行の香港及び中国本土の支店並びに中国銀行の香港設立子会社銀行 1 行が
含まれた。同日において、さらに香港設立子会社銀行 2 行と中国銀行のクレジット・カード子会社 1 社がバンク・オ
ブ・チャイナ香港の子会社となった。当社はまた、合併の利益全てを実現するために、上記の合併した事業の統合を
図り、これらを主要な市場慣行に適合しつつ強化させることを目的として大幅な再編を行った。
自社の統合プログラムの一環として、当社は、従前には分断されていた香港における当社の商業銀行事業の所有構
造を統合し、単一のビジョンと戦略を有する共通ブランド名の下に当該事業の大半を一体化させた。 NCB 及び集友銀行
は当時、一定の点において個別に事業運営を継続した。
合併の結果、バンク・オブ・チャイナ香港は当社の香港における商業銀行業務の主要銀行及び当社の主要事業子会
社となった。当該合併は 2001 年 10 月 1 日に効力が発生し、民間契約での取決めと合併条例の双方により完了に至った。
上記の合併条例の議員立案法案は、 2001 年 7 月 12 日に立法会により可決され、 2001 年 7 月 20 日に法律として制定された
ものである。合併条例に基づき、香港法に準拠してその譲渡が行われる全ての資産及び負債がバンク・オブ・チャイ
ナ香港に譲渡された。さらに、 2001 年法定通貨発行条例（附則の改正）通達により、バンク・オブ・チャイナ香港が
中国銀行に代わって香港における銀行券発行銀行となった。
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保険業、有価証券仲介業及び投資銀行業等の商業銀行業務に従事していない香港にある BOC 香港（グループ ) の一部
の事業は、中国銀行の他の子会社を通じて引き続き運営されることとなり、その時点では当社の業務の一部にならな
かっ た。
2002 年 7 月 25 日、当社の株式は香港証券取引所に上場された。
2.1 中国銀行の香港における商業銀行業務の経緯
中国銀行は、中国における傑出した外国為替銀行であり、同地域最大の株式会社の商業銀行の一つである。中国銀
行は 1912 年に設立され、中国国内及び海外の双方にてあらゆる分野の商業銀行サービス及びその他の金融サービスを
提供している。
中国銀行は、 1917 年 9 月にその香港支店を通じて同地域における業務を開始した。 1980 年代からは、中国銀行は香港
における最大の商業銀行グループの一つとなった BOC 香港（グループ ) を通じて同地域において商業銀行業務を行って
いる。 BOC 香港（グループ ) は、中国銀行の香港支店の業務と中国銀行により支配されていたその他の銀行の香港にお
ける業務を包含していた。 BOC 香港（グループ ) の創立以来、そのメンバーは、種々の預金口座におけるグループ内銀
行間コンピューター・ネットワーク、 ATM ネットワークの設置と運営及び共通の情報技術基盤の共有等様々な分野にお
いて協力してきた。このような協力分野の存在にもかかわらず、 BOC 香港（グループ ) の各メンバーは比較的独立性を
もって運営され、時には事業のために互いに競合し合うこともあった。
1994 年 5 月、中国銀行は香港政府により銀行券の発行を認可された銀行 3 行のうちの 1 行となった。再編及び合併の効
力発生日である 2001 年 10 月 1 日に、バンク・オブ・チャイナ香港が中国銀行に代わって銀行券発行銀行となった。
３【事業の内容】
3.1 概 要
BOCHK は、持続可能で質の高い発展を促進することに尽力している。香港の大手商業銀行グループとしての優位性を十
分に生かし、当社は、引き続き現地市場への浸透を深め、広域湾岸地域において事業機会を捉え、東南アジアにおいて積
極的にその事業展開を拡大している。顧客中心の理念のもと、当社は顧客のニーズに応えるべく、あらゆる可能性を探求
している。当社は、新しい技術で顧客体験を高め、グリーン化及び持続可能な発展を現実のものとするべく努める。当社
は、顧客により達成の機会を結び付け、顧客に包括的、専門的かつ質の高いサービスを提供している。
BOCHK は、香港における紙幣発行銀行 3 行のうちの 1 つであり、人民元 ( 以下「人民元」という。 ) の唯一の決済銀行とし
て、あらゆる主要業務において強力な市場ポジションを有している。当社の強力な人民元のフランチャイズ権により、当
社は人民元建てのビジネスでは、顧客にとって第一の選択となった。香港で最も広範な現地支店ネットワーク及び多様な
サービス・プラットフォーム並びにインターネット及びモバイル・バンキング・サービスといった効率的な e- チャンネル
を生かし、当社は個人、法人及び機関投資家向けに、包括的な領域の金融、投資及びウェルス・マネジメント・サービス
を提供している。
当社は、積極的にその地域開発を推し進め、また東南アジア地域において当社の事業を拡大している。当社のタイ、
マレーシア、ベトナム、フィリピン、インドネシア、カンボジア、ラオス、ブルネイ及びミャンマーにおける支店及び子
会社により、当社は、専門的かつ質の高い金融サービスでかかる地域の顧客を支援している。当社は、当社の親会社銀行
である BOC との緊密な協力を通じて、多国籍企業、クロスボーダーの顧客、中国大陸の企業、海外進出企業、中央銀行及
び国を超えたソブリン組織に対して、幅広い範囲の質の高い国境を越えたサービスを提供している。
100 年以上にわたり香港に深く根付いた大手商業地域銀行として、 BOCHK は、「当社のルーツのある所でサービスを提
供する」ことに尽力しており、その企業の社会的責任を果たし、利害関係者及び地域社会に一層の価値を提供していく。
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2022 年 12 月 31 日終了年度の当グループのローンの減損引当金繰入前正味営業利益及び当社株主帰属利益はそれぞれ
56,392 百万香港ドル及び 27,054 百万香港ドルであった。 2022 年 12 月 31 日現在の総資産は 3,685,057 百万香港ドルで、当社
株主に帰属する資本及び準備金は 303,045 百万香港ドルであった。
2022 年 12 月 31 日現在、バンク・オブ・チャイナ香港の信用格付は以下のとおりであった。
2022 年 12 月 31 日現在 長期格付 短期格付
スタンダード＆プアーズ A+ A-1
ムーディーズ Aa3 P-1
フィッチ A F1+
これらの格付機関は、バンク・オブ・チャイナ香港に付与した格付を定期的に再検討し、再検討結果に基づいて、随
時これらの格付を確認又は変更する可能性がある。
3.2 当社の企業構造及び経営組織
2006 年 6 月 1 日、当社は、 BOCG インシュアランスから BOC ライフの発行済株式資本 51 ％を取得した。 BOC ライフの主要事
業は、香港の顧客に対する生命保険証券、生命保険証券と連動する投資商品及び退職年金制度管理の提供である。 BOCG イ
ンシュアランスは、支配株主であり当社の実質株主である中国銀行に完全所有されているため、当社と BOC ライフ間及び
BOC ライフと BOCG インシュアランス間の全ての取引は関連会社間取引にあたる。 2010 年 10 月に当グループは、顧客への投
資ソリューションを用意し、当グループの個人向け販売能力を向上させるために、完全所有子会社の BOCHK アセット・マ
ネジメント・リミテッドを設立した。
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下記の表は、 2023 年６月 23 日現在の当社の会社組織、主要な事業子会社及び株式所有構造を示したものである。
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(注 ) １ A株式及び H株式から成る中国銀行の発行済株式総数の割合である。
２ 証券先物条例に従い当社が保持する登録簿に記録された株式保有情報に基づく。
香港証券取引所は、当社の時価総額が上場の時点で 4,000 百万香港ドルを超えることに基づき、一般株主に保有されて
いなければならない株式の最低比率を 15 ％とし、当該株式数が当社の株式の公開市場を確保するのに十分であることに同
意している。
下記の表は 2022 年 12 月 31 日現在のバンク・オブ・チャイナ香港の経営組織の主要構成を示したものである。
3.3 当社の主な事業活動
当社は投資持株会社であり、当社の子会社は主に香港において銀行業務及び関連する金融サービスの提供を行ってい
る。
当グループは、主に事業セグメント単位で事業を管理しており、 90 ％を超える当グループの収益、税引前利益及び資
産が香港から生じている。現存する４つのオペレーティング・セグメントは、個人向け銀行業務、法人向け銀行業務、資
金為替業務及び保険である。当グループの事業セグメントの分類は顧客セグメント及び商品の種類に基づいており、これ
は当グループの RPC( 関係、商品及びチャンネル ) 管理モデルに沿ったものである。
個人向け銀行業務及び法人向け銀行業務は、各種預金商品、当座貸越／借越、ローン、クレジット・カード、貿易関
連商品及び他の信用枠、投資及び保険商品並びに外貨及びデリバティブ商品を含む一般的な銀行業務を提供する。個人向
け銀行業務は主にリテール顧客及び小規模企業向けの業務を行うが、法人向け銀行業務は主に法人顧客との取引を行う。
資金為替業務は、自己勘定取引に加え、資金調達及び流動性、並びに当グループの金利及び外国為替ポジションを管理す
る。保険セグメントは、主に個人生命保険及び団体生命保険商品を含む生命保険商品に関連した業務を示す。「その他」
には、主に当グループが所有する不動産、投資不動産、株式投資並びに関連会社及び合弁事業に対する持分が含まれる。
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3.3.1 個人向け銀行業務・商品管理
概要
BOCHK は香港の個人向け銀行業務部門において、主要銀行の一つである。当社の個人向け銀行業務は、主にバンク・オ
ブ・チャイナ香港の個人向け銀行業務・資産運用部門を通して行っている。個人向け商品とサービスは、香港の支店網と
リモート自動銀行サイトの他に、モバイル・バンキング、インターネット・バンキング及びテレフォン・バンキング等の
他の販売チャンネルを組み合わせて営業展開している。 BOC クレジット・カード ( インターナショナル ) リミテッドは、ク
レジット・カード事業を担当している。香港以外での個人向け銀行業務においては、海外顧客に預金、貸付金、送金及び
両替、銀行カード、給与及び支払サービスを提供している。現在、個人顧客及び小企業の顧客とのすべての預金貸付業務
並びに全てのクレジット・カード事業に関連する業務を個人向け銀行業務として分類している。
預金商品
当社は、３つの主要預金商品を個人顧客に提供している。
・ 小切手を振出すことができる要求払預金である当座預金
・ 当社が設定した利子が付く要求払預金である普通預金
・ 予め定められた期間にわたり、固定金利が付く定期預金
さらに、以下を含む、いくつかの特殊な預金商品を提供している。
毎月利息が支払われる定期預金 ：この商品では、顧客は満期日まで毎月、定期預金に対して金利収入を得られる。
外貨建預金 ：複数通貨による普通預金には、様々な通貨が組み込まれている。金利や為替レートの変動を活かすため
に、顧客はこれらの通貨を切り替えられる。外貨建預金では、顧客の流動性の要請を満たすために、各種の満期に関する
条件を顧客に提供している。
人民元預金： 当社は、香港において人民元業務を提供した最初の銀行の一つであった。商品及びサービスは、普通預
金、当座預金及び定期預金を含む。顧客は、当社の支店、自動バンキング及び電子バンキングのチャンネルを通じてサー
ビスを享受することが可能である。
月次預金積立プラン - クラブ預金 ：この商品では顧客が定期預金口座に定期積金により預金を行い既定の期間にわ
たって固定金利の利息を得るとことを可能にする便利な預金方法を提供している。
個人向けローン商品とサービス
当社はモーゲージ・ローン、個人ローン、税金ローン、その他の個人向けローンを含む各種の個人向け貸付商品を顧
客に提供している。当社は幅広い支店網を有しており、顧客のニーズに合わせた、総合的な 24/7 オンライン・サービス・
サポートを提供している。当グループは 2019 年より 4 年連続で地元のモーゲージ・ローン市場の占有においてその主導的
地位を維持している。
モーゲージ・ローン ： 当社は、顧客の資金需要や目標に最も適合する融資策を提案するモーゲージ・ローン・プラ
ンを幅広く提供している。当社のモーゲージ・プランは、地域の住居用不動産、政府助成の住宅及び非居住用不動産、並
びに広域湾岸地域の指定居住用不動産にも適している。モーゲージ金利は、一般的に HKD プライム又は香港銀行間出手金
利 (HIBOR) のベースとなる。当社はまた、顧客がモーゲージ金利と同じ優遇預金金利を享受できる「スマート」モーゲー
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ジ・スキームを提供しており、顧客は夢のマイホームを入手するのに加えて、より高い預金金利のリターンを得ることが
できる。
さらに、当社はまた、高齢の不動産保有者向けにリバース・モーゲージ・プログラムを有しており、これにより香港
のその自身が住む住宅を担保として利用することができ、 10 年、 15 年又は 20 年の固定期間又は生涯を通じて毎月支払いを
受け取ることができる。
個人ローン ：顧客のニーズに応えるための割賦払融資及び当座貸越の形態による担保付及び無担保の個人ローンを提
供している。担保付ローンの条件は、一部担保の形態（定期預金、有価証券、ファンド、債券及び保険等）による。当社
の個人ローン事業は、我々のローン・ポートフォリオを多様化させかつ金利収入を増加させることを助けると考えてい
る。
その他の個人向けローン ：当社では、有担保又は無担保の形態の貸付金をリテール（小口）の中小企業にも提供して
いる。その他の一連の銀行商品に加えて、顧客に付加価値と利便性を提供できるよう、当社は商品設計を行っている。
クレジット・カード事業
当社は、バンク・オブ・チャイナ香港の完全子会社である BOC クレジット・カードを通じて、クレジット・カード事業
を行っている。当社はクレジット・カード事業を 1980 年に開始した。現在、当社のクレジット・カードは、ビザ、マス
ターカード及びユニオンペイの国際組織との業務提携を通じて、世界の 45 百万か所以上で使用できる。当社は、ほとんど
のクレジット・カード口座に対して年間手数料を課し、顧客から利息を取得している。当社は、国際組織を通じて加盟店
からのインターチェンジ・フィー（売上交換手数料）を創出している。当社はまた、様々な組織（場合により、ビザ、マ
スターカード、ユニオンペイ、 JCB 、ウィーチャット及びアリペイの組織を含むが、これらに限らない。）との業務提携
を通じて香港、マカオと中国本土の加盟店獲得事業から手数料を得ている。
非金利収入サービス
投資サービス
当社は直接又は子会社経由で、証券仲介業務、ファンド、外国為替、債券、預金証書、貴金属、外国為替信用取引及
び原資産が株式に連動、通貨に連動又はコモディティに連動するような、異なる種類の仕組商品を含む、各種投資サービ
スを顧客に提供している。当社は、これらの投資活動によって手数料及びその他の収入を受領している。
証券仲介サービスは、受取手数料の力強い伸びとともに励みとなる業績を記録した。当社は、顧客に総合的かつ優遇
的な有価証券取引業務を提供するために当社特有のインターネット・バンキング、モバイル・バンキング、株式自動取引
及び有人の投資取引ホットラインなど信頼できる金融取引基盤を活用している。 2014 年 11 月に上海・香港株相互取引、
2016 年 12 月に深圳・香港株相互取引が正式に開始したことにより、当社は A 株関連サービスを提供する第一陣の銀行と
なった。顧客は、 A 株取引と人民元為替取引を安心して行うことができる。さらに、当グループは、 A 株の信用取引業務を
市場に先駆けて開始した。
2018 年、当社は複数の取引チャンネル及び米国株式情報を有する包括的な米国証券サービスを開始した。顧客は、 24
時間インターネット・バンキング / モバイル・バンキングで香港株式、中国 A 株式、米国株式を 1 つの証券口座で簡単に投
資することができる。
2020 年 12 月、当社はそのモバイル・バンキングにおいて香港初のワンストップ・ウェルス・プランニング・サービス
「 PlanAhead 」を開始した。当社は、顧客の個人財務情報及びターゲットギャップを分析することを通じて、顧客のあら
ゆるライフステージにおける財務目標の立案を支援するために、プロフェッショナルな資産配分に関する情報を、様々な
プロダクト・ソリューションと共に提供している。
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2022 年、当社は HKSAR 政府がリテール顧客向けにグリーン・ボンド及びシルバー・ボンドを立ち上げるのを支援する共
同アレンジャーとして行為した。顧客は当社のモバイル・バンキング、インターネット・バンキング、カスタマー・コン
タクト・センター及び 190 を超える支店を通じて申込みを行うことができる。
当社は、株式、債券及び様々な通貨及び配当クラスによる多様な資産ファンドを含むいくつかのオープン・エンド型
ファンドを販売している。当社は、支店網及びオンライン・バンキングにより、ファンド販売、スイッチング（償還乗
換）及び償還関連サービスを提供している。当社は、ファンド販売者として手数料又はリベートを受け取っている。
保険サービス
当社は保険会社の代理店として、生命保険、医療保険、旅行保険及び家財保険を含むが、これらに限定されない、 BOC
グループ・ライフ・アシュランス・カンパニー・リミテッド、バンク・オブ・チャイナ・グループ・インシュアランス・
カンパニー・リミテッド、 HKMC アニュイティ・リミテッド、チャイナ・ライフ・インシュランス（オーバーシーズ）カン
パニー・リミテッド及びチャイナ・タイピン・インシュランス（ホンコン）カンパニー・リミテッドが引き受ける幅広い
生命保険・総合保険商品を当社の顧客に提供している。
個人資産管理サービス
当社は、当社の富裕層の顧客に、数多くの専門的金融ソリューション及び包括的な銀行サービスを提供している。当
社の献身的なリレーションシップ・マネジャーと共に、ウェルス・マネジメント・センター、 24 時間有人ホットライン、
デジタル・インターネット及びモバイル・バンキング・プラットフォーム並びにオンライン・チャット、包括的ウェル
ス・マネジメント商品、クロスボーダー金融サービス及び一連の優先的オファーを含む異なるサービス・チャネルを、当
社はその顧客のニーズに合う優れた顧客経験を提供する。「資産管理」ブランドに基いて平均合計口座残高 1,000,000 香
港ドル超を維持する顧客に対して、顧客のニーズに応じた個人資産管理サービスを提供している。当社は、個人向けの資
産管理サービスを通してワンストップ・バンキング・ソリューションを高所得層の顧客に提供することができる。資産管
理サービスには、資産管理センター、専用ホットライン、専任のカスタマー・リレーションシップ・マネジャー、総合資
産管理商品及び特典、クロスボーダー金融サービス並びに一連の付加価値顧客行事や活動等の多岐にわたるサービス・
チャンネルを通した優遇銀行サービスが含まれる。これを踏まえ、当社は、 8 百万香港ドル以上の総合預金残高を有する
富裕層の顧客向けにカスタマイズされたプライベート・ウェルス・サービスを開始した。プライベート・ウェルスは、プ
ライベート・バンク・レベルの投資商品、専門家からなる専門チーム、専属的コンシェルジュ・サービス及び顧客の高度
な投資とライフスタイル・ニーズに対応する多くのより専門的な特典を備えている。
その他の個人向け銀行商品及びサービス
その他に当社では、顧客の多様なニーズを満たすため、一連の個人向け銀行商品とサービスも提供している。これら
の商品とサービスには、自動支払、貸金庫、送金、直接デビット・サービス、信託サービス、両替及びギフトチェックが
含まれる。香港で株式を公開する企業には、受領銀行サービスも提供している。
3.3.2 法人向け銀行業務
概要
当社の法人向け銀行業務は、主にバンク・オブ・チャイナ香港の法人向け銀行業務部門を通じて行っている。当社の
法人向け銀行業務商品は、 資金管理、資金為替サービス並びに保管及び受託サービス等の 貸付商品及び 非金利収入サービ
スの双方を含む。 当社はコーポレート・バンキング・リレーションシップ・マネージャー、コマーシャル・センター、支
店網、コルレス銀行及び電子バンキングを含む複数の販売チャンネルにより、法人向けの銀行商品とサービスを提供して
いる。
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法人向け貸付商品
当社の主な法人向け貸付商品は、運転資金の融資、シンジケート・ローン、プロジェクト・ファイナンス、資産ファ
イナンス、商業用モーゲージ・ローン並びにリース・ファイナンス及び購入選択権付ローンを含む。また、中小企業
（ small and medium enterprise( 以下「 SME 」という。 ) ）の顧客のニーズに合わせ、金融商品やサービスを提供してい
る。法人向け貸付のうち、かなりの割合の貸付を変動金利で提供している。
運転資金の資金調達
運転資金を融資する商品は、主に分割払ローン、当座貸越、貿易融資で構成される。
リボルビングローン ：一般的に当社はリボルビングローンを大手の法人向けに提供し、特別な運転資金やキャッ
シュ・フローのニーズを満たしている。貸出先はリボルビングローンを部分的又は全面的に活用し、余剰資金があると
き、又は返済満期時にローンを返済する。貸出先は満期の返済ローン以外のローン返済金額を活用してもよい。
当座貸越 ：当座貸越は貸出先に提供され、一時的な不足資金を調達できるようにしている。これは香港の運転資金
ファイナンスで最も普及しているファイナンス形態の一つである。貸出先の不足資金を予想して、予め設定した与信枠の
金額まで提供する。当座貸越は通常、１年未満の期間で見直される金利で貸出先に提供される。日次の貸越残高に基づき
借入利息が発生し、要求に応じて返済を求める銀行の権利により月次に決済される。
貿易融資 ：輸入業務に従事する当社の法人顧客は、そのキャッシュフローをサポートするために、信用状に基づく 担
保荷物保管証 、輸入ローン及び請求書ファイナンスを要請することができる。輸出業務に従事する顧客には、このよう
な顧客が流動性を管理できるように、当社は信用状の交渉、手形の買取り、請求書の割引き、輸出ファクタリング、供給
チェーン・ファイナンス、輸出前貸ローン及び船積前融資を提供する。当社は、包括的な運転資金ファイナンスを提供す
ることが多い。これは、法人顧客のニーズを満たすために、各種の貿易融資の商品とサービスで構成されている。
シンジケート・ローン ： 当社は、委任主幹事会社、主幹事会社、引受会社又は参加会社としての役割と共にアジア太
平洋地域のシンジケート・ローン市場に積極的に参加している。当社の業務範囲には、輸出信用、航空機リース、船舶
ファイナンス、インフラ及び建設ローン、エネルギー・プロジェクト、プラント及び機械の設置等に関連するストラク
チャード・ファイナンス及びシンジケート・ファイナンスが含まれる。
プロジェクト・ファイナンス ：当社は、設備基盤の開発や建設及びエネルギー・プロジェクト等、幅広い各種の事業
目的のために、プロジェクト・ファイナンスを提供している。通常、当社のプロジェクト・ローンは、プロジェクトの資
産を担保としている。さらに、通常プロジェクトのスポンサーから保証を得ている。
資産ファイナンス ：産業及び商業用不動産、機械並びに輸送設備を取得する資本ニーズを満たすために、法人向けに
各種の資産ファイナンスを提供している。主な資産ファイナンスは、商業用モーゲージ・ローン、リース・ファイナンス
及び購入選択権付ローンである。
商業用モーゲージ・ローン ：当社の法人顧客が不動産を購入する際に、モーゲージ・ローンを提供している。当社の
法人顧客に提供される住宅ローンは、 BOCHK の内部引受要件及び香港金融管理局の最新のガイドラインに従い、ローン資
産価値比率、ローン満期及び債務返済比率の上限が定められている。
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リース・ファイナンス及び購入選択権付分割払いローン ：機械、輸送設備の購入のような設備投資の際に資金調達で
きるように、当社は顧客にリース・ファイナンスと購入選択権付ローンを提供している。通常はリース・ファイナンス及
び選択権付ローンに担保を要求する。
非金利収入商品及びサービス
非金利収入サービスには、貿易決済サービス、信用枠契約サービス、資金管理サービス、保険代理店サービス並びに
保管及び受託サービス等がある。
貿易決済契約サービス ：当社は、手数料を元に取引決済を目的として信用状及び保証書又は債券の発行並びに船舶保
証、対内 / 対外手形回収、輸入ファクタリング及びサプライチェーン管理を法人顧客に提供している。
信用枠契約サービス ：通常は、信用枠の手配と更新の際に手数料を得る。当社が顧客と安定的な貸付関係がある場合
等状況によっては、これらの手数料を放棄することも、減額することもある。当社には多額の法人ローン残高があり、利
息以外の収入を得るサービスにおいて、これらの手数料は重要な収入源となっている。
資金管理事業 ：当社は、そのオンライン・サービス及び銀行のその他のチャンネルを通じて、その法人顧客に資金管
理商品及びサービスを提供している。当社の資金管理商品及びサービス・ポートフォリオには、口座管理商品、流動性管
理商品、支払商品及び回収サービスが含まれ、これらは自動及び有人バンキング・チャンネルの両方を通じて提供され
る。当社は、現金管理商品及びサービスの提供から生じる手数料を当社の非金利収入の重要な源泉と考えており、当社の
法人顧客の多くは、資金管理サービスを必要としているものと考えている。
保険サービス ：当社は、海運荷物、火災、社員への補償、旅行、生命保険や団体医療保険等、幅広い保険商品を法人
向けに提供する。当社が保険商品を販売又は紹介した場合、その保険商品に支払われた保険料に対して当社が手数料又は
紹介料を受領する。
保管＆受託サービス ：当社は、機関投資家の顧客に、世界中の 29 の市場を網羅するグローバルな保管及び副保管サー
ビスを含む保管銀行サービスを提供している。さらに、当社は、債券商品発行者に法人信託及び代理サービス並びに顧客
のためにスタンダードなエスクロー口座サービスを提供している。
その他の非金利収入サービス ：当社は、支払や送金サービス、総合請求サービス及び証券売買サービスを含む、その
他の利息以外で収入ベースのサービスを支店網や電子バンキング経由で法人向けに提供している。当社はまた、債務引受
サービス及びコーポレート・ファイナンス・アドバイザリー・サービスも提供している。
法人預金商品
当社は、個人向けに提供している当座、貯蓄及び定期預金と同様の種類の商品を、法人向けにも提供している。当
座、貯蓄及び定期預金の商品の概要については、「 3.3.1 個人向け銀行業務・商品管理－預金商品」を参照のこと。
法人向け貸付実務
当社は、該当する場合、借手企業の信用リスクを、当該企業の事業運営、業界の見通し、経営の質、財務の健全性、
キャッシュフロー、担保の質及び市場性を含む異なる側面から評価している。信用与信枠が保証及び担保により支えられ
ている場合、法的強制力があることを確実にするために適切な文書化及び手続きが行われることになる。担保の種類は、
不動産、現金預金、金融資産等多岐にわたる。
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法人向けローンの価格設定
当社は法人向けローンの利率について、以下の要因に基づき、主に銀行間市場レートを上回る利率もしくは最優遇貸
出金利を割増した又は割引いた率のいずれかで設定している。
・ その収益率、流動性、キャッシュ・フロー及び純資産を含む債務者の財務状態
・ ローンの目的
・ 設定できる担保
・ 産業／市場の状況
・ ローン条件
顧客基盤
香港の大部分の事業セクター、特に卸売、小売、不動産開発、不動産投資及び製造業のセクターにおいて、当社には
強力な顧客基盤がある。
当社は、当社が大幅に成長する可能性があると考え、当社のリスク管理方針とも合致する業界により焦点を当ててい
く予定である。
顧客の対象範囲と営業展開
当行の法人向け銀行業務は、法人顧客により良いサービスを提供するために、以下の 5 つの事業セグメントを設立して
いる。
・ 法人事業：法人向け事業Ⅰ、法人向け事業Ⅱ、法人向け事業Ⅲ及び法人向け事業Ⅳで構成され、香港の一流多国籍企
業、優良企業及び中国企業を含む中国本土、香港及び東南アジア地域の大手企業との事業開発を担当する。
・ 商業事業：商業事業Ⅰ、商業事業Ⅱ及び商業事業Ⅲで構成され、事業開発を担当し、国内の上場及び中規模企業に対
する商品及びサービスを提供する。
・ SME 事業： SME 並びに SME のオーナーや上級経営者に対する商品及びサービスの提供を担当している、香港の異なる地
区における 5 つの商業センターを含む。
・ 金融機関事業：銀行、保険会社、株式仲介業者、資産運用会社、ファンド並びに公的及び専門機関への商品とサービ
スの提供に特化。
各セグメントでは、専任のリレーションシップ・マネージャーがおり、担当顧客の活動を監視しながら、顧客に商品
及びサービスの営業展開を行っている。当社のリレーションシップ・マネージャーは、定期的に他の部署のスタッフと協
力しながら、クロス・セリングの機会を強化して顧客との取引関係を拡大する。これらには、為替取引、資金管理、その
他の金利以外の収入が得られるサービス等を扱う部署のスタッフもいる。バンク・オブ・チャイナ香港の法人向け銀行業
務は、バンク・オブ・チャイナ香港のグローバル・マーケット部と協力し、為替取引と派生商品を法人向けに提供及び販
売している。さらに、法人顧客のオーナーや上級経営者を対象とし、個人向け銀行業務の個人資産管理サービスにおける
強さと幅広い対象範囲を活用する。
3.3.3 資金為替業務
概要
当社は、香港の銀行間短期金融市場に参加している主要機関の一つである。また当社は、リテール、コーポレート及
び機関の顧客に資金為替業務を提供している。投資管理及びグローバル・マーケットの双方が資金為替業務を担当してい
る。
投資管理：
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・ 当行の流動性管理を補佐
・ 銀行間短期金融市場における業務を実施、及び
・ 当社の有価証券投資の資本市場での取引に参加
グローバル・マーケット：
グローバル・マーケットは、当行の取引勘定（顧客に代わり、及び自己売買取引のために）の運用を行っている。主な
業務は下記を含む。
・ リアルタイムで価格を伝え、為替取引、通貨オプション連動型プレミアム預金、エクイティリンク投資及び様々な仕
組預金等を含む顧客の注文の約定サービスを行う
・ 当社の顧客に提供するすべての資金為替商品に関する商品管理者として行為する、及び
・ 投資及びリスク回避に関する顧客のニーズを満たす新しい金融商品及びサービスの開発
流動性の管理と銀行間の短期金融市場
バンク・オブ・チャイナ香港は、香港の銀行間短期金融市場に参加している主要機関の一つである。通常、当行は銀
行間資金で貸し越しているため、当社は香港や海外の数多くの銀行と短期金融市場で取引を行っている。 2022 年 12 月 31 日
現在、当社の銀行間負債総額は、負債総額の約 9.44 ％である 316,626 百万香港ドルで、当社の銀行間借入金及び預入金
は、総資産の約 14.24 ％である 524,801 百万香港ドルであった。
バンク・オブ・チャイナ香港の投資管理は、流動性の日々の管理を担当している。流動性を管理する目的は、流動資
産から合理的な収益を回収しながら、銀行業条例、香港金融管理局が規定したガイドライン及び当行の資産負債管理委員
会（ ALM 委員会）が設定した流動性の管理ガイドラインの要件を遵守することである。当社は、特に現金とその他の流動
資産を十分保有し、偶発事象に対処しようとしている。
通常当社は、規制上及び社内双方の流動性要求が満たされていることを確実にするため余剰資金フローを保有し、流
動性を有する証券ポートフォリオを維持している。事業計画の枠組及び当行により承認された関連するリスク制限の範囲
で、投資管理は、余剰資産を適切な償還期限の銀行間市場で運用し、かつ短期証券に対して投資を行うことで収益の向上
を図っている。
流動性カバレッジ比率の平均値は、 2022 年の 4 つの四半期にわたって安定的で、規制上の要件を十分に上回っており、
それぞれ（第 1 四半期） 159.16 ％、（第 2 四半期） 149.49 ％、（第 3 四半期） 149.00 ％及び（第 4 四半期） 178.49 ％であっ
た。 流動性カバレッジ比率の平均値は、四半期の各営業日終了時現在の流動性カバレッジ比率の算術平均値をベースに計
算されており、計算方法及び指示は、 HKMA の流動性状況に関する定期申告書に記載されている。流動性カバレッジ比率
は、連結ベースで算出され、これはバンク・オブ・チャイナ香港のポジション及び銀行（流動性）規則に従って HKMA によ
り指定される特定の子会社のポジションから構成される。
資本市場への投資
バンク・オブ・チャイナ香港の投資管理では、 ALM 委員会の指導のもとで、当社の投資ポートフォリオを管理してい
る。当社の投資ポートフォリオのガイドライン及び戦略は、 ALM 委員会が承認している。リスク委員会が付与した市場リ
スクと損切制限に従って、グローバル・マーケットがトレーディング・ポートフォリオを運用している。
外国為替取引
当社の外国為替利益の大半は、個人向け及び法人向けの外国為替サービスから得ており、これらの利益は取引利益と
して計上される。当社は、顧客に対し、主に満期 1 年以内直物と先物の外国為替契約及び外国為替証拠金取引サービスを
行っている。当社は香港市場において、最も積極的な市場参加銀行の一つである。
直物外国為替取引サービス
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当社は、個人向け及び法人向けの直物外国為替サービスを提供している。顧客は、当社の支店網、テレフォン・バン
キング・サービス、電子バンキング及び携帯電話プラットフォーム並びに当社のグローバル・マーケットの資金為替マー
ケ ティング部門等の異なるチャンネルを通じて、外国為替サービスにアクセスすることができる。
当社は銀行間の直物外国為替取引にも従事している。中国銀行の支店やその他の金融機関に対して、 24 時間取引と注
文の約定サービスを行っている。中国本土の多くの金融機関と良好な取引関係を築いており、かかる金融機関の香港にお
ける決済銀行の１行として業務を行っている。
先物外国為替サービス
当社の先物外国為替業務は、将来の外貨建ての収益と費用における外国為替リスクをヘッジする必要がある貿易融資
の顧客を対象としている。かかる取引は主として G7 諸国の通貨及び人民元にて行われる。グローバル・マーケットは、法
人向けに先物外国為替サービスを提供することにより当社の貿易融資事業を発展させるために、法人向け銀行業務・金融
機関と密接に協力している。
以下はトレーディング、非トレーディング及び構造的ポジションから生じる当グループの主要外国通貨エクスポー
ジャーの要約であり、 HKMA の保有外貨状況に関する定期申告書についての記入要領を参照して作成している。ネット・オ
プション残高は、すべての外国為替オプション契約のデルタ加重平均残高ベースで計算される。
2022 年
(単位：百万香港ドル相当額）
その他の外 外国通貨
米ドル 英ポンド 日本円 ユーロ 人民元 豪ドル 国通貨 合計
現物資産 1,056,988 25,556 107,461 64,552 536,460 33,695 67,515 1,892,227
現物負債 (1,002,142) (33,659) (19,120) (32,649) (510,300) (37,840) (61,225) (1,696,935)
先物買い 917,681 29,024 47,522 84,569 419,521 27,865 59,524 1,585,706
先物売り (963,555) (21,039) (135,669) (115,911) (443,379) (23,811) (66,850) (1,770,214)
ネット・オプション残
1,208 (11) 11 (42) (563) 85 (11) 677
高
ネット・ロング／
(ショート )・ポジショ
10,180 (129) 205 519 1,739 (6) (1,047) 11,461
ン
2021 年
(単位：百万香港ドル相当額 )
その他の外 外国通貨
米ドル 英ポンド 日本円 ユーロ 人民元 豪ドル 国通貨 合計
現物資産 1,080,487 37,456 183,101 48,897 515,964 38,125 65,868 1,969,898
現物負債 (977,297) (44,696) (6,489) (37,534) (586,921) (32,656) (64,951) (1,750,544)
先物買い 899,315 26,016 13,259 32,049 558,540 15,695 53,741 1,598,615
先物売り (990,699) (18,696) (186,845) (43,463) (486,202) (21,120) (55,066) (1,802,091)
ネット・オプション残
1,357 19 (5) (1) (1,331) 12 (11) 40
高
ネット・ロング／
(ショート )・ポジショ
13,163 99 3,021 (52) 50 56 (419) 15,918
ン
2022 年
(単位：百万香港ドル相当額 )
マレーシアリ フィリピン その他の外 その他の外国
米ドル バーツ ンギット ペソ 国通貨 通貨合計
正味仕組ポジション 31,172 2,285 2,905 1,717 4,371 42,450
2021 年
(単位：百万香港ドル相当額 )
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マレーシア フィリピン その他の外 その他の外
米ドル バーツ リンギット ペソ 国通貨 国通貨合計
正味仕組ポジション
30,911 2,225 2,789 1,854 4,054 41,833
その他の資金為替業務
当社は、当社の資金為替業務を通じて仕組商品を顧客に提供する。当社は、自己勘定のための金融デリバティブ取引
も行っている。当社のデリバティブ業務は、主に、金利スワップ、通貨金利スワップ、金利先物及びオプション取引のた
めの取引実行を含む。当社顧客のリスクヘッジ及び利益改善の要求を満たすため、当社は通貨連動仕組預金、株式及び金
利デリバティブを含む異なる種類の商品を提供している。当社は、このような仕組の種類は、顧客が自己の投資戦略を実
行するために柔軟な条件と機会を提供するものと考えている。当社は、個人向けに仕組商品を当社の支店網及びインター
ネット・バンキングを通して販売している。
その他
当社はまた地金取引も行っている。当社の地金取引業務は、 COMEX/SGE/LBMA における自己勘定売買、地金の販売と購
入、地金の委託販売、並びにゴールド・ローン・ファイナンスを含む。さらに、銀行間通貨市場で両替のホールセールも
実施している。
当社は、国内の人民元市場において業界大手のうちの一社である。当社は、人民元仕組預金、直物及びノン・デリバ
リー・フォワード取引及び人民元債券取引業務を含む一連の人民元業務を提供している。この数年に亘り、当社は、地元
の人民元建債券発行市場において確固たる市場地位を確立している。当社は、香港為替資金手形及び紙幣プログラムにお
ける 12 の適格値付業者のうちの 1 社である。
3.4 リスク管理
3.4.1 銀行業グループ
3.4.1.1 概観
当グループは、組織の成功には健全なリスク管理が不可欠であると考える。日常の業務において、当グループはリス
ク管理に高い重要性をおき、リスク管理と事業の発展との間の均衡の実現に重点を置いている。当グループの業務に内在
する主要なリスクは、信用リスク、市場リスク、金利リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスク、評判リスク、
法的及びコンプライアンス・リスク並びに戦略リスクである。当グループのリスク管理目標は、リスク・エクスポー
ジャーを許容範囲内に維持することにより株主の価値を高めることである。当グループは取締役会によって承認されてい
る明確なリスク選好説明書を有しており、これは当グループが事業目標を達成し、利害関係者の期待に応えるために当グ
ループが管理可能な方法で負うことができるリスクの種類及び水準を示したものである。当グループのリスク管理統治体
制については、「第６－１ 財務諸表」の注記 4 を参照のこと。
3.4.1.2 信用リスク管理
信用リスクは、顧客又はカウンターパーティーが契約上の債務の履行が不可能もしくは履行に応じない損失リスクの
ことである。信用リスクは、銀行の取引勘定及び銀行勘定に存在し、また当グループのオン及びオフ・バランス・シート
取引によるものがある。これは主に貸付、貿易金融、資金為替業務より生じる。当グループの信用リスク管理の詳細につ
いては、「第６－１ 財務諸表」の注記 4.1 を参照のこと。
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3.4.1.3 市場リスク管理
市場リスクとは、金融市場の価格（外国為替、金利、信用スプレッド、株価、コモディティ価格）の変動により、当グ
ループが保有する外国為替、金利、株式及びコモディティのポジションが変動する際に損失が発生するリスクを指す。当
グループはリスクと収益のバランスを取るため適度なリスク選好度を採用している。当グループの市場リスク管理の詳細
については、「第６－１ 財務諸表」の注記 4.2 を参照のこと。
当グループは、市場リスクの測定並びにリスク委員会及び上級経営者に対する定期的な報告のため、 VaR を用いてい
る。当グループは統一的な VaR 計算モデルを採用しており、ヒストリカル・シミュレーション・アプローチと過去２年間
の市場データを用いて、信頼レベルが 99 ％で保有期間が一日にかかる当グループ及びその子会社の VaR を算定しており、
当グループ及びその子会社の VaR 制限を確立している。
当グループは、 VaR モデル結果の精度を測定するためにバックテストを採用している。バックテストは、各営業日の市
場リスク・ポジションに関して算出された VaR 数値を、翌営業日の当該ポジションから発生する実際の利益又は損失や仮
定にもとづいた利益又は損失と比較するものである。一般的に連続した 12 ヶ月間におけるバックテストの例外の回数は、
信頼度が 99 ％であることから 4 回を超えない。
3.4.1.4 金利リスク管理
金利リスクは、金利の変動及び銀行の資産及び負債の期間構造により発生する銀行の収益及び経済的価値に対するリ
スクを意味する。当グループの金利リスク・エクスポージャーは、主に仕組ポジションによるものである。構造ポジショ
ンから生じる主な金利リスクの種類は、ギャップリスク、価格基準リスク及びオプション・リスクである。当グループの
金利リスク管理の詳細については、「第６－１ 財務諸表」の注記 4.2 を参照のこと。
3.4.1.5 流動性リスク管理
流動性リスクとは、銀行が満期となったその義務を充足するために合理的な費用で十分かつ時機を得た資金調達を得
ることができないリスクである。当グループは、健全な流動性リスク選好度を維持しており、正常又はストレスの多いシ
ナリオにおいては、流動性の需要を満たすための安定し信頼できる適切な財源の提供を維持している。当グループの流動
性リスク管理の詳細については、「第６－１ 財務諸表」の注記 4.3 を参照のこと。
3.4.1.6 オペレーショナル・リスク管理
オペレーショナル・リスクとは、不十分もしくは誤った内部処理、従業員及びシステム又は外部事象によって生じる
損失リスクである。当該リスクは、すべての銀行商品、活動、プロセス及びシステムに内在しており、当グループはその
日常の事業活動において直面している。
当グループは、オペレーショナル・リスク管理に「 3 つの防衛線」モデルを実施した。 1 つ目の防衛線である全ての部
門又は機能ユニットは、オペレーショナル・リスク管理に責任を有する第一義的な当事者であり、自己査定及び自己高揚
を通して事業運営過程において自己リスク管理の任務及び機能を遂行する義務を負う。法務・コンプライアンス及びオペ
レーショナル・リスク管理部（以下「 LCO 」という。）と当グループのオペレーショナル・リスク管理に関連する専門的
機能ユニット（人事部、法人向けサービス部、金融犯罪コンプライアンス部、財務管理部、財務及び一般会計・会計方針
部を含む。）（以下「専門機能ユニット」と総称する。）は、 2 つ目の防衛線であり、 1 つ目の防衛線のオペレーショナ
ル・リスク状況を査定及び監視し、指導する義務を負う。事業ユニットから独立している LCO は、オペレーショナル・リ
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スク管理方針及び枠組の確立及び見直し、オペレーション・リスク管理ツール及び報告の仕組みの設計、並びにオペレー
ショナル・リスクの全体的な状況の経営陣及びリスク委員会に対する報告を含む、当グループのオペレーショナル・リス
ク 管理における経営陣支援につき責任を有する。専門機能ユニットは、オペレーショナル・リスク及び関連課題の特定の
側面に関して 2 つ目の防衛線の経営的職務を遂行する必要がある。自己のユニットのオペレーショナル・リスク管理の責
任を負うこととは別に、これらのユニットはまた一定のオペレーショナル・リスク分野に関する専門的な助言／研修を他
ユニットに提供し、グループ全体のオペレーショナル・リスクを指導する義務がある。グループ監査は３つ目の防衛線で
あり、オペレーショナル・リスク管理枠組の 有効性 及び妥当性に関して独立した査定を提供し、当グループ内の様々な部
門又は機能ユニットのオペレーショナル・リスク管理活動の遵守及び有効性に関してリスクベースのレビューを実施し、
是正処置のための提案を行う義務がある。
当グループは全ての主要な活動に方針及び管理手順の確立を義務付ける有効な内部統制プロセスを導入している。当
グループは職務と承認の適切な分離の基本原則を遵守している。当グループは、主要なリスク指標等の様々なオペレー
ション・リスク管理ツール及び手法、自己査定、オペレーショナル・リスク事象の報告を導入し、事業活動及び商品に内
在するリスクを特定、査定、監視及び管理するための再検討を実施し、また、予測不能なオペレーショナル・リスクを軽
減するため保険に加入している。事業継続計画は緊急時又は災害時における事業運営を支援するために確立されている。
適切なバックアップ設備が維持され、定期的な訓練が実施されている。
3.4.1.7 評判リスク管理
評判リスクとは、当グループの事業活動に関する否定的な評判が、真実か否かにかかわらず、顧客基盤の縮小の可能性
や費用の嵩む訴訟又は収益減少に繋がるリスクのことである。評判リスクは他のリスクの種類及び事業運営の全局面に内
在し、広範囲な問題に及ぶ。
評判リスクを軽減するために、当グループは評判リスク管理方針を策定し、真摯に実行している。当該方針は事例が発
生した場合、初期段階で評判リスクを積極的に特定・回避することを目的とする。評判リスクは当グループの信用及び認
識にマイナスの影響を及ぼす種々の事業及び戦略上の問題に起因することが多いため、特定されたすべての事業及び主要
リスクは、評判に対する損害を含む当グループに対する影響の程度を評価するために、構築された主要管理自己査定枠組
（リスク査定手段を含む。）を通して査定される。
さらに、金融業界における評判リスクの事例を継続的に監視するために当グループは包括的な枠組を整えた。この継続
的な監視により当グループは、事例に基づく一切の潜在的な悪影響を効果的に管理、統制、軽減することが可能になる。
当グループはまた、健全な開示実務を採用し、利害関係者に常に情報を提供しており、これが当グループへの信頼の構築
や強固な対外的イメージの確立に寄与している。
3.4.1.8 法的リスク及びコンプライアンス・リスク管理
法的リスクとは、強制不能契約、訴訟又は不利な判決が当グループの運営及び財政状態に混乱を生じさせる又は悪影響
を及ぼすリスクである。コンプライアンス・リスクとは、適用ある法令の不遵守により当グループが被りうる法的又は規
制的制裁、財務上の損失又は評判における損失を受けるリスクである。法的リスク及びコンプライアンス・リスクは、
LCO により管理され、一方、マネー・ロンダリング、テロリスト資金調達、詐欺、収賄及び汚職を含む金融犯罪に関する
リスクは、金融犯罪コンプライアンス部（「 FCC 」）により管理され、監視される。 LCO 及び FCC は CRO に直接報告する。当
グループのコーポレート・ガバナンス枠組の一部として、法的リスク及びコンプライアンス・リスク、並びにマネー・ロ
ンダリング、テロリスト資金調達及び金融犯罪コンプライアンス・リスクの管理に関する方針は取締役会から委任を受
け、リスク委員会によって承認されている。
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3.4.1.9 戦略リスク管理
戦略リスクとは通常、不適切な事業決定、戦略の不適切な実施及び変動する市況への対応の不備により当グループの
収益、資本、評判又は市場での地位に現在及び将来悪影響を及ぼす可能性のあるリスクのことである。取締役会は、戦略
リスク管理方針を審議及び承認する。主な戦略課題は、上級経営者及び取締役会により完全に評価され、適切に承認され
なければならない。
当グループは、最新の市況と展開に対処するために事業戦略を定期的に検討している。
3.4.1.10 資本管理
当グループの資本管理の主な目標は、株主の利益全体を最大化させる一方、当グループの全体的なリスク・プロファ
イルに関連する自己資本ポジションを保つことである。 ALM 委員会は当グループの資本構造を定期的に査定し、リスク、
利益及び自己資本充実度の間の最適なバランスを維持すべく適切な場合に資本構成を調整する。
監督方針マニュアル「監督評価プロセス」に記載される HKMA の要件を遵守するため、当グループは内部自己資本充実
度評価プロセス（ internal capital adequacy assessment process( 以下「 ICAAP 」という。 ) ）を定め、それを毎年再検
討している。 HKMA の第 2 の柱についてのガイドラインに基づき、第 1 の柱において把握されなかった又は適切に把握されな
かった重大なリスクの対応に必要な追加的資本を査定するため ICAAP が開始された。それによって最低普通株等 Tier 1 自
己資本比率、最低 Tier 1 自己資本比率及び最低合計自己資本比率が決定された。一方、上記の資本比率に関する運営上の
範囲も設定され、これにより将来の事業成長がより柔軟となり、また資本の効率的な利用が可能となった。
2022 年に、 2023 年 1 月 1 日より遵守期間が開始する「金融機関 ( 決議 )( 損失吸収能力要件 - 銀行セクター ) 規則 ( 「 LAC 規
則」 ) に基づき適用される内部損失吸収能力要件を遵守するため、 BOC は、総額 470 億人民元及び 30 億米ドルの非資本資本
損失吸収能力債務証書を BOCHK に交付し、当グループの損失吸収能力及び資本増強能力を強化した。
3.4.1.11 ストレス・テスト
当グループは、種々のリスクの分析を補完するためにストレス・テストを用いている。ストレス・テストとは、極度
であるが起こり得る市場又はマクロ経済の変動から生じるストレス状態におけるリスク・エクスポージャーを予想するリ
スク管理手段である。これらのテストは当グループの様々なリスク管理ユニットにより香港金融管理局発行の監督方針マ
ニュアル「ストレス・テスト」に従って定期的に実施され、 ALM 委員会はその結果をリスク委員会に承認された主要なリ
スク制限に対して監視する。当グループのストレス・テストの結果は財務管理部により定期的に取締役会及びリスク委員
会に報告される。
3.4.2 BOC ライフ
BOC ライフの主な事業は、香港の保険条例で定義される生命保険及び年金（クラス A ）、変額長期業務（クラス C ）、終
身健康保険（クラス D ）、退職年金制度管理第Ⅰ種（クラス G ）及び退職年金制度管理第Ⅲ種（クラス I ）の長期保険事業
を引受けることである。 BOC ライフの保険事業より生じるリスクは保険リスク、金利リスク、流動性リスク、信用リス
ク、株価及びファンド価格リスク、通貨リスク及びコンプライアンス・リスクである。 BOC ライフはこれらのリスクを厳
密に監視し、定期的にリスク管理委員会に報告している。さらに、 BOC ライフは、当グループのリスク管理戦略に合致さ
せることを確実にするために当グループと定期的にコミュニケーションを取っている。保険事業の主要なリスク及び関連
するリスク制御プロセスは以下のとおりである。
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3.4.2.1 保険リスク管理
BOC ライフは、死亡、疾病、障害、重病、事故、関連リスクのリスクを補償する事業を行っている。これらのリスクは
引受戦略、再保険契約及び定期経験モニタリングの適用によって管理されている。
引受戦略は、引受けたリスクの基礎的なエクスポージャーに相当する適切な水準で保険料の価格を設定することを目的
としており、また BOC ライフの引受手続きには、引受戦略に沿うことを確実にするために、健康状態や家族の病歴を調査
するといったスクリーニング・プロセスも含まれる。
長期の保険契約の将来の給付支払額及び保険料受取額の見積りの不確実性は、死亡率、疾病率及び持続性の全体的な水
準の長期的な変化の予測不能性から生じる。この点において、 BOC ライフは、定期的に関連する経験調査や研究を実施
し、新たな傾向を明らかにしてきた。価格設定と引受の管理においては、結果が考慮されることになる。
当グループの保険リスク管理の詳細については、「第６－１ 財務諸表」の注記 4.4 を参照のこと。
3.4.2.2 金利リスク管理
金利の上昇は、 BOC ライフの投資資産の価値の低下を引き起こすことがある。金利の低下は、責任準備金の増加及びリ
ターンの減少により顧客の不満を招く恐れがある。 BOC ライフは、保険契約に基づく債務に見合う投資収益を達成するた
めに作成した資産負債管理の枠組内でポートフォリオの資産及び負債のマッチングを管理し、金利変動による悪影響を管
理する。
3.4.2.3 流動性リスク管理
BOC ライフの流動性リスクとは、期限の到来した支払債務を履行することができないリスクのことである。 BOC ライフの
資産及び負債の管理枠組は、随時保険契約の支払義務を履行する流動性を保護するためのストレス・テスト及びキャッ
シュ・フロー管理を含む。
3.4.2.4 信用リスク管理
BOC ライフは顧客、債務者又はカウンターパーティーが締結した契約に基づく債務の履行が不可能もしくは履行に応じ
ないという信用リスクに対してエクスポージャーを有する。 BOC ライフの保険事業がさらされている主要範囲は以下を含
む。
－ 社債、債券及びカウンターパーティーに関連する債務不履行リスク
－ 信用リスクの遷移（下方修正）によるクレジット・スプレッドの拡大
－ 未払い保険契約負債の再保険者の分担金
－ 支払い済み請求に関する再保険者の未払い総額
－ 保険契約者の未払い総額
－ 保険機関の未払い総額
BOC ライフは信用リスクを、投資カウンターパーティー又は発行体の各々に対するエクスポージャーに上限を設けるこ
とによって管理している。かかる上限は、少なくとも年一回の経営陣によるレビューの対象となる。
再保険契約は、保険契約に関連する保険リスクを第三者に移転するものである。しかし、これにより一次保険者として
の BOC ライフの責任が免れるわけではない。再保険会社が何らかの理由で保険金を支払うことができない場合、 BOC ライフ
は引き続き保険契約者に対し、支払いの責任を負う。再保険会社の信用力は、いかなる再保険契約の確定前に再保険会社
の財務力を見直すことによって考慮される。 BOC ライフの経営陣は、再保険の募集方針を指示するとともに、格付機関が
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提供する信用格付やその他の公に入手可能な財務情報を見直すことにより、すべての再保険業者及び仲介業者の信用力を
評価する。 BOC ライフはまた、再保険の相手方のリスク・エクスポージャーを継続的にモニタリングしている。
3.4.2.5 株価及びファンド価格リスク管理
BOC ライフの株価及びファンド価格リスクとは、株式、株式ファンド及び未公開株式における市場価格の変動による損
失リスクのことをいう。 BOC ライフの資産・負債管理フレームワークには、ストレス・テスト及びエクスポージャー上限
によって株価変動の悪影響を管理することが含まれている。
3.4.2.6 通貨リスク管理
BOC ライフの通貨リスクとは、為替レートの変動による損失リスクのことをいう。 BOC ライフの資産・負債管理フレーム
ワークには、ストレス・テスト、エクスポージャー上限及びリスク上限によって為替変動の悪影響を管理することが含ま
れている。
3.5 テクノロジー
当社の情報技術部門は、当社の事業運営のための主要な IT ソリューション及び技術サポートを提供する責任を負って
いる。情報技術は、当社がその対象顧客に効果的に当社商品をプロモーションし、サービスを提供することを可能にする
と同時に、リスクを監視し、制御し、また市場機会を模索し、活用することも可能にする。
3.5.1 電子チャンネル
当社の主要な中核となる銀行システムは、拡張性が高く、当社の全電子供給チャンネルと密に機能する。
当社の ATM は、他の供給チャンネルと同様、当社の主要な中核となる銀行システムに統合されている。また、顧客に統
合された金融サービスを提供するため、当社の ATM は当社の自動銀行サービス処理システムにも接続されている。
当社のインターネット及びモバイル・バンキング・システムは、当社顧客に、口座残高照会、資金の振替、請求書の
支払い、外国為替並びに証券取引、ユニット・トラスト取引、債券取引、証拠金取引等を含む各種投資サービスといっ
た、幅広い便利な銀行サービスへの安全なアクセスを提供する。顧客はいつでも、どこでもその指先で銀行取引を行うこ
とができる。
当社のテレフォン・バンキング・システムは、対話式で効率的なテレバンキング・サービスを顧客に提供する。
当社のバーチャル ATM の「 i サービス」は、 7x24 時間、休みなくセルフ・サービスを提供し、また顧客がその銀行ニー
ズを満たす手助けをするライブの取次支援を備えている。
3.6 中国銀行及び中国銀行の当社との関係
3.6.1 概説
当社は独立当事者間取引基準で中国銀行との協力関係を継続するつもりである。特に、中国銀行との協調及び協力が
当社の最善の商業的利益となる場合には、戦略及び事業活動双方のレベルで、中国銀行と協調及び協力していく予定であ
る。このような協調及び協力は、とりわけ、中国本土における中国銀行の顧客関係及び販売ネットワークを活用して、当
社の商機拡大と共に、当社の顧客へのより包括的なサービスの提供を目指すことがあげられる。
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当社は中国銀行に対してサービスを提供し、中国銀行からサービスを受け、さらに中国銀行との取引を行う。このよう
な関係及び取引は全て、現在もそして今後も、独立当事者間取引基準で、また通常の取引条件もしくは当社の株主に関す
る限り、公正かつ合理的な条件で関連する規制上の諸義務の枠内で設定及び遂行される。
当社は、戦略及び事業活動の両方のレベルで中国銀行との協調及び協力を継続する意向であるが、その一方で、財務上
は中国銀行から独立しており、別個の法人として営業を行っているものと確信している。
3.6.2 株式保有
2004 年 8 月 26 日、中国銀行は中国の有限責任株式会社へと組織再編がなされ（以下「組織再編」という。）、名称も
「中国銀行股 份 有限公司」（以下「中国銀行」という。）に変更された。組織再編に従って、セントラル・フイジンが中
国銀行の株主資本における支配持分を保有する。セントラル・フイジンは中国国務院の承認を得た完全国有の投資持株会
社であり、国に代わって株主の権利と義務を有する。中国銀行は子会社とともに当社の発行済株式資本の約 66.06 ％を実
質的に所有している。したがって、国に代わって機能するセントラル・フイジンは、組織再編の直後に中国銀行の株式を
所有したことにより当社の絶対的支配株主となった。
中国銀行は当社株式資本の 66.06 ％の支配持分を保有していたが、当社取締役会の過半数は、中国銀行の取締役会構成
員又は中国銀行の経営陣の構成員ではないため、かかる取締役会は中国銀行から独立している。従って、当社の経営は独
立している。また、各取締役は、当社の支配株主であり当社の他の株主と利益が合致しない場合もあり得る中国銀行に
よって任命されることがあるが、香港の法律及び上場規則に基づき、各取締役は当社の最良の利益のために正直かつ誠実
に行為する義務を含む当社に対する信認義務を負う。
中国銀行との利益の不一致を伴う事象が生じた場合、中国銀行と関係している当社の取締役は、当社取締役会にその利
益を開示し、当該事象に関し重要な利益がない非執行独立取締役が出席する取締役会会議を開催し、かかる利益について
審議しなければならない。
さらに、上場規則の定めるところにより、当社の通常定款は、取締役又はその関係者がある事象に重大な利害がある場
合、当該取締役又はその関係者は投票を棄権し、かかる会議の定足数に算入しないものと定めている。
加えて、上場規則に従い、当社の支配株主である中国銀行は、当社の関連当事者である。当社及び中国銀行の間のいか
なる取引は、上場規則の規則 14A に基づき、当社側の発表、報告、及び／又は独立株主承認の要件の対象である。ただ
し、上場規則に準拠して免除される取引の場合、かかる取引は例外となる。また、非執行独立取締役だけで構成された特
別委員会が、中国銀行及び／又はその関連会社との関連会社間取引を審議、承認及び監視するために、適切な場合、取締
役会によって授権されなければならない。
3.6.3 資本
バンク・オブ・チャイナ香港の銀行業務免許に関連して香港金融管理局宛の 2002 年 1 月 18 日付の書簡において、中国銀
行は、バンク・オブ・チャイナ香港がその事業分野に対して一般に承認されている堅実さの基準に従い自己の義務を果た
す上で、十分なレベルの資本及び流動性を維持することを確保するために必要となる支援及び援助をバンク・オブ・チャ
イナ香港に提供するのが中国銀行の方針であると表明している。
3.6.4 重複及び補完事業
当社及び中国銀行はそれぞれ、広範囲の金融商品及びサービスを提供している。香港において、中国銀行の子会社
（当グループ以外）は、保険、証券仲介業務及び投資銀行業等の非商業銀行業務に従事している。さらに、中国銀行は、
香港金融管理局により香港の銀行として免許を与えられた支店を保持している。中国銀行は主として資金為替取引を行う
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ために当該支店を使用している。中国銀行は、当社と直接競合となり得る商業銀行業務に従事する意向がないことを香港
金融管理局に報告している。
当社は、積極的に香港におけるシンジケート・ローン市場に、アレンジャー、引受人、幹事会社、又は貸出人として参
加している。中国銀行の間接完全子会社で、当社から独立した上級経営者を有する BOCI キャピタルも同じ市場に参加して
いる。当社は、この市場において、当社の商業銀行業務を通じて幅広い顧客基盤を構築したが、他方 BOCI キャピタルは投
資銀行業務を通じて、法人向けに焦点を合わせていると確信している。シンジケート・ローンは、しばしば、いくつかの
当事者が、同じ及び異なる規模で参加するため、当社の関与は、 BOCI キャピタルの事業に対して補完的なものとなる可能
性がある。当社及び BOCI が同じ顧客を有しているという点で、当社は BOCI キャピタルとアレンジャー又は幹事の役割とな
るために、同社と競合する可能性もある。当社は、通常の営業過程において当社が関与している及び将来に渡り継続的に
関与するであろうこれらの取引について、 BOCI キャピタルを含むその他のシンジケート・ローン・メンバー又は契約の相
手方と通常の商業取引条件及び独立当事者としての立場で関与する。
当社により提供される様々な投資サービスの一部として、当社は、顧客に対して証券仲介サービスを提供する。当社
は、売買の執行及び決済機能を第三者仲介人に外注したうえで、当社の顧客から注文を受ける。中国銀行の間接完全子会
社で、当社から独立した上級経営者を有する BOCI 証券は、様々な証券仲介サービスを提供しており、当社は、他の証券会
社の中でも BOCI 証券を、当社の顧客に関する売買の執行のために利用している。当社は、当社の幅広い顧客基盤及び広汎
な支店網を活用して、取引量の面で個人向け証券売買事業において香港で主導的な地位を築いている。当社は、 BOCI 証券
と、個人顧客の注文を受ける点に関して競合する。
当社と中国銀行との関係は、保険商品の販売、クレジット・カード事業及びある範囲までの資本市場及びシンジケー
ト・ローン取引等、主要な事業領域の多くにおいては、引き続き補完的なものになると当社は確信している。 2002 年に当
社と中国銀行が署名したサービス及び関係契約に基づき、中国銀行は、当社との将来の契約をすべて、独立当事者間取引
基準で、通常の商取引条件で、独立した第三者に提供されるものと少なくとも同等のレートで締結することに同意し、又
はその関連会社が同様に締結するようにすることに同意した。下記の「第６－３ その他－未監査の補足財務情報－２ .
関連会社間取引」を参照のこと。
当社が中国銀行又はその関連会社と競合する限りにおいて、望ましいコーポレート・ガバナンス及び独立した非執行
独立取締役の関与を忠実に実行することで、当社の利益は十分に保護されるものと考える。
４【関係会社の状況】
4.1 親 会 社
2022 年 12 月 31 日現在、親会社の詳細は以下のとおりである。
(2022 年 12 月 31 日現在 )
議決権の
名称 所在地 資本金 業種 備考
所有割合
セントラル・フイジン 中華人民共和国 100010 828,209 百万 主要な国有 66.06 ％ チャイナ・インベ
人民元 金融企業へ ストメント・コー
北京市東城区朝陽門北大街 1号、
の投資 ポレーションによ
ニュー・ポリー・プラザ
り完全所有されて
いる。
中国銀行 中華人民共和国 100818 294,388 百万 銀行業 66.06 ％ セントラル・
人民元 フイジンにより
北京市復興門内大街１号
支配されている。
BOC 香港（グループ） 香港ガーデンロード１ 34,805,603,955 持株会社 66.06 ％ 中国銀行により完
バンク・オブ・チャイナ・ 香港ドル 全所有されてい
タワー 53 階 る。
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バンク・オブ・ 英領ヴァージン諸島 4,462,256,913 持株会社 66.06 ％ BOC 香港
チャイナ香港 VG1110 トルトラ、ロードタウン、 米ドル （グループ）によ
（ BVI ）株式会社 り完全所有されて
ウィッカムズ・ケイ II 、ヴィスト
いる。
ラ・コーポレート・サービシズ・セ
ンター
注：
(1) 2004 年 8月の中国銀行の組織再編後、セントラル・フイジンは国に代わり中国銀行の株式資本における支配持分を保有している。
したがって、証券先物条例の目的上、セントラル・フイジンは当社に対して中国銀行と同一の持分を所有しているとみなされ
る。
(2) 中国銀行は、 BOC 香港 (グループ )の全発行済株式を所有しており、すなわちバンク・オブ・チャイナ香港 (BVI) 株式会社の全発行済
株式を所有している。したがって、中国銀行及び BOC 香港 (グループ )は、証券先物条例の目的上、当社に対してバンク・オブ・
チャイナ香港 (BVI) 株式会社と同一の持分を所有しているとみなされる。バンク・オブ・チャイナ香港 (BVI) 株式会社は、実質的
に当社の 6,984,175,056 株の持分を所有していた。
(3) 中国銀行は、バンク・オブ・チャイナ・インターナショナルの全発行済株式を所有しており、すなわち BOCI （アジア）リミテッド
及び BOCI フィナンシャル・プロダクト・リミテッドの全発行済株式を所有している。したがって中国銀行は、証券先物条例の目
的上、当社に対して BOCI （アジア）リミテッド及び BOCI フィナンシャル・プロダクト・リミテッドと同一の持分を所有している
とみなされる。 BOCI （アジア）リミテッドは当社の 24,479 株の持分及び現物決済済みの株式派生商品により 72,000 株の持分を所
有しており、 BOCI フィナンシャル・プロダクツ・リミテッドは当社の 2,678 株の持分を所有していた。
上記の持分はすべてロング・ポジションを表している。上記開示内容以外に、当社が証券先物条例第 336 条に基づ
き管理している登録簿では、 BOCI フィナンシャル・プロダクツ・リミテッドは、ショート・ポジションを表す
143,522 株の持分を所有していた。中国銀行とセントラル・フイジンは、証券先物条例の目的上、当該株式数の持分
を所有しているとみなされる。 2022 年 12 月 31 日現在、当社が証券先物条例第 336 条に基づき管理している登録簿で
は、開示内容以外に、他の持分又はショート・ポジションは一切記録されていない。
4.2 子 会 社
当社の子会社の詳細は下記のとおりである。
設立・営業・登録場所 /設 発行済払込済株式資本
名称 所有比率 主な事業活動
立・営業開始年月日
直接所有 : 香港 100.00 ％ 銀行業
中国銀行（香港）株式会社 1964 年 10 月 16 日 43,042,840,858 香港ドル
BOC グループ・ライフ・アシュアランス・カンパ 香港 51.00 ％ 生命保険業
ニー・リミテッド 1997 年３月 12 日 3,538,000,000 香港ドル
ケイマン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
BOCHK アセット・マネジメント（ケイマン）
2010 年 10 月７日 283,000,000 香港ドル
リミテッド
BOC インシュランス（インターナショナル）ホール 香港 100.00 ％ 投資持株会社
ディングス・カンパニー・リミテッド 2017 年６月６日 100 香港ドル
間接所有 :
BOC クレジット・カード（インターナショナル）リ 香港 100.00 ％ クレジット・カー
ミテッド 1980 年９月９日 565,000,000 香港ドル ド・サービス
BOC グループ・トラスティ・カンパニー・リミテッ 香港 66.00 ％ 投資持株会社
ド 1997 年 12 月１日 200,000,000 香港ドル
BOCI- プルデンシャル・トラスティ・リミテッド 香港 42.24 ％※ 信託サービス業
1999 年 10 月 11 日 300,000,000 香港ドル
バンク・オブ・チャイナ（マレーシア）ベルハッ マレーシア 760,518,480 マレーシアリン 100.00 ％ 銀行業
ド 2000 年４月 14 日 ギット
チャイナ・ブリッジ（マレーシア）スンディリア マレーシア 100.00 ％ 中国ビザ申請業
ン・ベルハッド 2009 年４月 24 日 1,000,000 マレーシアリン
ギット
バンク・オブ・チャイナ（タイ）パブリック・カ タイ 100.00 ％ 銀行業
ンパニー・リミテッド 2014 年４月１日 10,000,000,000 バーツ
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設立・営業・登録場所 /設 発行済払込済株式資本
名称 所有比率 主な事業活動
立・営業開始年月日
バンク・オブ・チャイナ（香港）ノミニーズ・リ 香港 100.00 ％ ノミニー・サービス
ミテッド 1985 年 10 月１日 ２香港ドル 業
バンク・オブ・チャイナ（香港）トラスティー 香港 100.00 ％ 信託及び代行サービ
ズ・リミテッド 1987 年 11 月６日 3,000,000 香港ドル ス業
BOC フィナンシャル・サービシズ（南寧）カンパ 中国 登録資本 100.00 ％ 金融オペレーショ
ニー・リミテッド ** 2019 年２月 19 日 60,000,000 香港ドル ン・サービス業
BOCHK インフォメーション・テクノロジー（深 圳 ） 中国 登録資本 100.00 ％ 不動産保有業
カンパニー・リミテッド ** 1990 年４月 16 日 70,000,000 香港ドル
BOCHK インフォメーション・テクノロジー・サービ 中国 登録資本 100.00 ％ 情報技術サービス業
シズ（深 圳 ）カンパニー・リミテッド ** 1993 年５月 26 日 40,000,000 香港ドル
ポ・サン・フィナンシャル・インベストメント・ 香港 100.00 ％ 金取引及び投資持株
サービシズ・カンパニー・リミテッド 1980 年９月 23 日 335,000,000 香港ドル 会社
ポ・サン・セキュリティーズ・リミテッド 香港 100.00 ％ 証券仲介業
1993 年 10 月 19 日 335,000,000 香港ドル
シン・ホア・トラスティ・リミテッド 香港 100.00 ％ 信託サービス業
1978 年 10 月 27 日 3,000,000 香港ドル
ビリオン・エクスプレス・ディベロップメント・ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
インク 2014 年２月７日 １米ドル
ビリオン・オリエント・ホールディングス・リミ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
テッド 2014 年２月３日 １米ドル
エリート・ボンド・インベストメンツ・リミテッ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
ド 2014 年２月７日 １米ドル
エクスプレス・キャピタル・エンタープライズ・ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
インク 2014 年２月３日 １米ドル
エクスプレス・チャーム・ホールディングス・ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
コープ 2014 年２月７日 １米ドル
エクスプレス・シャイン・アセッツ・ホールディ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
ングス・コープ 2014 年１月３日 １米ドル
エクスプレス・タレント・インベストメント・リ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
ミテッド 2014 年２月 13 日 １米ドル
ゴールド・メダル・キャピタル・インク 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
2014 年１月３日 １米ドル
ゴールド・タップ・エンタープライズ・インク 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
2014 年２月 13 日 １米ドル
マキシ・サクセス・ホールディングス・リミテッ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
ド 2014 年２月７日 １米ドル
スマート・リンケージ・ホールディングス・イン 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
ク 2014 年２月 13 日 １米ドル
スマート・ユニオン・キャピタル・インベストメ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
ンツ・リミテッド 2014 年１月３日 １米ドル
サクセス・トレンド・ディベロップメント・リミ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
テッド 2014 年２月 18 日 １米ドル
ワイズ・キー・エンタープライズ・コープ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
2014 年２月 18 日 １米ドル
BOCHK アセット・マネジメント・リミテッド 香港 100.00 ％ 資産運用業
2010 年 10 月 28 日 272,500,000 香港ドル
BOC エクイティ・インベストメント・マネジメント 100.00 ％ 資産運用業
中国 登録資本
（深圳）リミテッド **
2019 年４月２日 5,000,000 米ドル
グレーター・ベイ・エリア・インベストメント １香港ドル 100.00 ％ 投資持株会社
香港
(GP) リミテッド 2021 年２月４日
* BOCI －プルーデンシャル・トラスティ・リミテッドは、当社の非完全所有子会社の子会社であり、従って、当社が同社への支配権を有する
ことから子会社として報告されている。
** 中国において有限責任会社として登録されている。
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５【従業員の状況】
当社はストライキその他の重大な労使紛争は経験しておらず、当社従業員との関係を良好であると当社は考えてい
る。ほとんどの当社従業員が香港在住である。
フルタイム当量で算出された人員数は、 2021 年末の 14,553 名から 279 名増加し、 2022 年末現在で 14,832 名であった。
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第３【事業の状況】
１【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
1.1 見通し
2023 年の見通し及び事業の焦点
2023 年に目を向けると、主要な中央銀行による金利引上げが相次いで、経済活動を様々な新たな形でさらに阻害するこ
とが予想される。特に、欧米の経済見通しは厳しさを増す一方、国際環境は複雑かつ厳しさを増す可能性がある。
しかしながら、中国の経済的見通しは、様々な刺激策の有効性がより明確に感じられるようになるにつれて、より強じ
ん性を帯びることになる。東南アジアでは、パンデミック対策が緩和され、 COVID-19 ワクチン接種率が上昇すれば、経済
活動の再開が可能となる一方、観光産業は継続的に改善することが予想されている。共に、これは、地域の経済回復を支
援するものである。香港経済は、世界的な景気減速や地政学的な不安定性から生じる課題に直面することになる。しかし
ながら、香港の検疫不要の中国本土や他の国及び地域への、また中国本土や他の国及び地域からの旅行が完全に再開さ
れ、労働市場が継続的に改善されれば、香港経済の見通しは強く支持されることになる。マクロ環境は、依然として不確
実性が高い。これに留意し、当グループは、潜在的な影響を軽減するため、市場環境の変化を注意深く監視し、柔軟かつ
効果的な事業展開戦略を採用する。当グループは、その中長期計画に基づき、その策定した方針を実行する。第一級の地
域銀行グループを構築するという戦略的目標の下、当グループは、引き続き、香港、広域湾岸地域及び東南アジアのその
戦略的市場からの事業機会を獲得していく。当グループは、香港の現地市場を深く開拓し、その対象となる顧客の潜在的
な力を最大限に引き出す。当グループは、広域湾岸地域におけるコア市場の強みに注力し、クロスボーダー事業を精力的
に展開する。当グループは、東南アジアでの事業展開を強化し、その地域の顧客基盤を引き続き拡大し、その地域におけ
る商品ラインナップを充実させる。同時に、当グループは、その持続可能な開発計画を着実に推し進め、質の高い開発の
サービスにおいて、その環境、社会及びガバナンス慣行の変革を実施する。当グループは、その統合されたサービス能力
を向上させ、社内外の協力を強化し、 BOC グループの統合されたサービスの核となるよう努める。当グループは、デジタ
ル・トランスフォーメーションを促進し、デジタル・サービスの普及率を高める。さらに、当グループは、その戦略計画
の実行を強力にサポートするため、そのリスク管理におけるボトムラインの考え方を引き続き堅持し、その人材、文化及
び業務手順を集約する。
２【事業等のリスク】
「第２－３ 事業の内容－ 3.4 リスク管理」及び「第５－３ コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照のこと。
３【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
3.1 連結財務状況の概要
財務ハイライト
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2022 年 2021 年 変動（％）
継続事業
減損引当金繰入前正味営業収益 56 ,932 48,982 16.2
( 17,844) (16,407) 8.8
営業費用
減損引当金繰入前営業利益
39,088 32,575 20.0
減損引当金繰入後営業利益 36,743 30,430 20.7
税引前利益 34,988 29,968 16.8
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当期利益 29,038 24,999 16.2
当社株主帰属利益 27,054 22,970 17.8
2022 年、不確実なパンデミックの状況及び金融市場のボラティリティにより特徴付けられ、銀行部門は複雑で厳しい経
営環境に直面した。そのリスク管理における「ボトムライン」の考え方を支持し、当グループは、収益及び利益が共に成
長の軌道に戻るように、積極的に市場の不安定性に対応し、事業機会を獲得した。 2022 年、当グループの正味減損引当金
繰入前正味営業収益は 56,932 百万香港ドルで、前年度比 7,950 百万香港ドル、すなわち 16.2 ％の増加となった。資金調達
収益又は外国通貨スワップ契約の費用を含めると、正味受取利息は、当グループが市場金利の上昇からの機会を捉え、ま
たその資産及び負債の積極的な管理に努めたことより、前年度比で増加したことになる。
正味トレーディング収益は、金融市場が変動する中、顧客取引収益が増加したことに加え、一部の金利商品の時価評価
額の変動により、前年度比で増加した。一方、正味受取手数料は、主に香港における不安定なパンデミックの状況、投資
家の市場心理が引き続き鈍化したこと、事業活動の遅れ及び消費者需要の低迷により、前年度比で減少した。営業費用
は、当グループが、その基本的な営業ニーズを満たし、戦略的な実行を確実なものとするため、効率的な資源配分を追求
し、費用と収益のバランスのとれた成長を達成するため、その既存のコスト基盤を最適化させた一方、増加した。同時
に、当グループは、低炭素の営業イニシアチブを積極的に実施し、コスト効率を高めるための追加的な要件を満たすため
の内部資源の活用を検討した。一方、減損引当金繰入前正味繰入額は増加し、投資不動産公正価値調整純損失は純損失が
増加 した 。当期純利益は 29,038 百万香港ドルとなり、前年度比 4,039 百万香港ドル、すなわち 16.2 ％の増加となった。株
主に帰属する利益は 27,054 百万香港ドルとなり、前年度比 4,084 百万香港ドル、すなわち 17.8 ％増加した。
下半期実績
2022 年下半期において、当グループの減損引当金繰入前正味営業収益は、 2022 年上半期に比べて 2,468 百万香港ドル、
すなわち 9.1 ％減少した。これは主に、資金調達収益又は外国通貨スワップ契約の費用を含む正味手数料収益が増加した
ことによるものである。一方、減損引当金正味繰入額は上半期より減少した。この結果、当グループの税引後利益は半期
ベースで 204 百万香港ドル、すなわち 1.4 ％増加した。
損益計算書の分析
3.1.1 正味受取利息及び純金利マージン
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2022 年 2021 年 変動（％）
受取利息 63,834 40,298 58.4
(25,020) (8,357) 199.4
支払利息
正味受取利息
38,814 31,941 21.5
利付資産平均残高 3,106,367 3,015,219 3.0
純金利スプレッド 1.08 ％ 1.00 ％
純金利マージン 1.25 ％ 1.06 ％
＊
1.36 ％ 1.09 ％
純金利マージン（調整後）
＊
外国通貨スワップ契約の調達収益又は調達コストを含む。
#
2022 年の正味受取利息は 38,814 百万香港ドルであった。資金調達収益又は外国通貨スワップ契約 の費用が含まれた場
合には、正味受取利息は前年度比 28.6 ％増加して 42,367 百万香港ドルとなって いたであろう。これは、主に利付資産平均
残高の増加及び純金利マージンの拡大によるものである。
利付資産平均残高は、前年度比 91,148 百万香港ドル、すなわち 3.0 ％増加した。
資金調達収益又は外国通貨スワップ契約のコストが含まれていた場合、純金利マージンは前年度比 27 ベーシス・ポイ
ント増加し、 1.36 ％であったであろう。これは、その資産及び負債を積極的に管理する一方、当グループが上昇する市場
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金利からの機会を捉えることに努めたことによるもので、貸付金及び預金のスプレッドの拡大及び債務証券投資の利回り
の増加につながった。
下半期実績
2022 年上半期と比べた場合、調達収益又は外国通貨スワップ契約の費用を含めた場合、当グループの正味受取利息
は 7,041 百万香港ドル、すなわち 39.9 ％増加したであろう。これは主に、純金利マージンが改善したことによる。純金利
マージンは、当年度の下半期に市場金利が急速に上昇したことにより、 46 ベーシス・ポイント拡大して 1.59 ％となり、顧
客への貸付金及び債務証券投資の資産利回りの増加につながった。
#
外国為替スワップ契約は、通常当グループの流動性管理及び資金調達業務に利用される。外国為替スワップ契約では、当グループ
は、直物為替レート (直物取引 )である通貨（原通貨）をその他の通貨（スワップ通貨）と交換し、来たる満期日の予定率 (先物取引 )
において同じ組み合わせの通貨で交換することにより、反対方向の直物取引を行う。この方法により、原通貨の余剰資金は、最小限
の為替リスクにより流動性及び資金調達の目的において他の通貨に交換される。直物契約と先物契約間の換算差額（調達収益又は費
用）は、外国為替損益（「正味トレーディング収益」に含まれる。）として認識され、一方、対応する原通貨の余剰資金とスワップ
された通貨の余剰資金との間の金利差額は正味受取利息に反映される。
下記の表は、資産及び負債の平均残高と平均利回りを区分別に要約している。
2022 年 2021 年
平均残高 平均利回り 平均残高 平均利回り
資 産 ( 百万香港ドル ) ( ％ ) ( 百万香港ドル ) ( ％ )
銀行及びその他金融機関への預け金及び
債権 403,002 1.07 383,631 0.82
債務証券投資及びその他の負債性金融商
品 1.75 1,015,239 1.26
1,043,987
顧客及びその他の口座への貸付金 2.48 1,600,436 1.52
1,649,018
3.77 15,913 0.75
その他の利付資産
10,360
利付資産合計 2.05 3,015,219 1.34
3,106,367
- 574,040 -
非利付資産
531,548
資産合計 3,637,915 1.75 3,589,259 1.12
平均残高 平均利回り 平均残高 平均利回り
負 債 ( 百万香港ドル ) ( ％ ) ( 百万香港ドル ) ( ％ )
預金並びに銀行及びその他金融機関から
0.84
の預り金 284,175 250,428 0.65
当座、貯蓄及び定期預金 2,234,610 0.95 2,188,701 0.30
劣後債務 9,607 3.45 - -
54,444 1.83 19,820 0.60
その他の利付負債
利付負債合計 2,582,836 0.97 2,458,949 0.34
*
株主資本 及びその他非利付預金及び負
1,055,079 - 1,130,310 -
債
負債合計 3,637,915 0.69 3,589,259 0.23
* 株主資本は、当社株主に帰属する資本及び準備金を意味する。
3.1.2 正味受取手数料
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2022 年 2021 年 変動（％）
貸付金手数料 2,547 2,746 (7.2)
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証券仲介業務 2,491 3,743 (33.4)
クレジット・カード事業 1,991 2,141 (7.0)
保険 1,257 1,529 (17.8)
支払サービス 724 751 (3.6)
信託及びカストディ業務 723 764 (5.4)
ファンド販売 541 724 (25.3)
手形手数料 514 623 (17.5)
貸金庫 299 306 (2.3)
為替 210 119 76.5
ファンド管理 49 161 (69.6)
1,359 1,196 13.6
その他
受取手数料
12,705 14,803 (14.2)
(3,193) (2,931) 8.9
支払手数料
正味受取手数料
9,512 11,872 (19.9)
2022 年、正味受取手数料は、 9,512 百万香港ドルとなり、前年度比 2,360 百万香港ドル、すなわち 19.9 ％減少した。か
かる減少は主に、市場の投資者心理の弱まりによるもので、証券仲介、保険、ファンド販売及びファンド運用からの受取
手数料が、前年度比でそれぞれ、 33.4 ％、 17.8 ％、 25.3 ％及び 69.6 ％減少することとなった。貸付金、クレジットカード
事業、信託及びカストディ業務並びに決済サービスからの受取手数料もまた、事業活動の遅れ及び弱まる消費者需要によ
り減少した。しかしながら、為替による受取手数料は前年度比 76.5 ％増加したが、これは主に、ほとんどの国で旅行制限
の緩やかな解除後外国通貨紙幣の需要が増加したことによる。手数料費用は、 BOC ライフの仲介業者及び条件付代理店
チャンネルの販売量の顕著な伸びにより増加した。
下半期実績
2022 年上半期に比べ、正味受取手数料は、 776 百万香港ドル、すなわち 15.1 ％減少した。これは主に、証券仲介、ファ
ンド販売、手形及びファンド管理からの受取手数料が減少したことによる。しかしながら、クレジットカード事業、保
険、受託及びカスタディ・サービス、為替及び決済サービスからの受取手数料は、増加し、受取手数料の全体的な落ち込
みにより一部相殺された。手数料費用は、 BOC ライフの仲介業者及び条件付代理店チャンネルの販売量の減少により、減
少した。
3.1.3 正味トレーディング収益
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2022 年 2021 年 変動（％）
外国為替及び外国為替関連商品 8,084 4,725 71.1
金利商品及び公正価値ヘッジ項目 4,951 (60) 該当なし
コモディティ 173 175 (1.1)
74 251 (70.5)
資本性及び信用デリバティブ金融商品
正味 トレーディング収益合計
13,282 5,091 160.9
正味トレーディング収益は、前年度比 8,191 百万香港ドル、すなわち 160.9 ％増加し、 13,282 百万香港ドルとなった。
外国通貨スワップ契約の調達収益又は費用を除いた場合、正味トレーディング収益は前年度比 138.0 ％増加し、 9,729 百万
香港ドルとなっていたであろう。これは主に、 2021 年の正味トレーディング損失に比べ、 2022 年の金利商品及び公正価値
ヘッジ項目からの正味トレーディング収益の計上によるものであり、市場金利の変動による特定の金利商品の時価の変動
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に起因するものである。外国為替及び外国為替商品からの正味トレーディング収益は、顧客取引からの為替差益の前年度
比の伸びにより一部牽引され、前年度に比べ、増加した。株式及びクレジット・デリバティブ商品からの正味トレーディ
ン グ収益は、 177 百万香港ドル減少し、 2022 年の市場の弱まる投資者心理の中、株式連動商品から実現した収益が減少し
た。コモディティからの正味トレーティング収益は、主に地金取引からの収益が減少したことにより、減少した。
下半期実績
2022 年上半期に比べ、正味トレーディング収益は、 4,634 百万香港ドル、すなわち 51.7 ％減少した。外国為替スワップ
契約の調達収益又は費用を除いた場合、正味トレーディング収益は上半期より 54.3 ％減少し、 3,053 百万香港ドルとなっ
ていたであろう。これは主に、当グループがその銀行勘定ポートフォリオの投資構成をさらに最適化させたことによるも
ので、市場金利の変動に起因する特定の金利商品の時価評価におけるボラティリティの低下につながった。
3.1.4 純損益を通じて公正価値で測定するその他の金融商品に係る純損失
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2022 年 2021 年 変動（％）
純損益を通じて公正価値で測定するその他の金融商
品に係る純損失 ( 3,243 ) (1,136) 185.5
当グループは、純損益を通じて公正価値で測定するその他の金融商品に係る純損失につき、前年度比 2,107 百万香港ド
ル、すなわち 185.5 ％増加し、 2022 年に 3,243 百万香港ドルの純損失を計上した。かかる変動は主に、それぞれ、弱まる現
地証券市場及び市場金利の変動に起因する、 BOC ライフの株式及び債務証券投資の時価評価額の減少によるものである。
上述の BOC ライフの債務証券投資の時価変動は、その保険責任準備金の変動、また市場金利の変動により相殺され、正味
保険給付金及び請求額及び負債の変動に反映されている。
下半期実績
2022 年上半期に比べ、純損益を通じて公正価値で測定するその他の金融商品に係る純損失は 301 百万香港ドル、すなわ
ち 20.5 ％増加し、 1,772 百万香港ドルとなった。これは主に証券投資の時価評価額の変動による純損失によるものであ
る。
3.1.5 営業費用
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2022 年 2021 年 変動（％）
人件費 9,946 9,542 4.2
物件及び設備費（減価償却費及び償却費を除く） 1,273 1,232 3.3
減価償却費及び償却費 3,001 3,039 (1.3)
3,624 2,594 39.7
その他の営業費用
営業費用
17,844 16,407 8.8
2022 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日 変動（％）
現在 現在
従業員数（フルタイム同等）
14,832 14,553 1.9
営業費用は、 17,844 百万香港ドルとなり、前年度比 1,437 百万香港ドル、すなわち 8.8 ％増加した。当グループは、そ
の基本的な事業ニーズを満たし、戦略的な実行を確実なものとするため、効率的な資源配分を追求すると共に、費用と収
益のバランスのとれた成長を達成するため、その既存のコスト基盤を最適化した。同時に、当グループは、低炭素型の事
業イニシアチブを積極的に実施した。当グループはまた、コスト効率を高めるため、追加的な要件を満たすための内部資
源の活用についても検討した。収益に対するコスト比率は 31.34 ％で、同業他社と比較して十分なレベルを維持してい
る。
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人件費は、前年度比 4.2 ％増加した。これは主に、年間給与の増加及び人員数の増加によるものである。かかる増加は
主に比較のため、 2021 年の業績連動報酬のより低いベースにもよっている。
物件及び設備費は、 3.3 ％増加したが、これは主に情報技術への投資が増加したことによる。
減価償却費及び償却費は、 1.3 ％減少したが、これは主に使用権資産及び情報技術に係る減価償却費が減少したことに
よるもので、無形資産の償却の増加及び物件に係る減価償却費用の増加の影響によりそれ以上に相殺された。
その他の営業費用は 39.7 ％増加した。これは主に、抗パンデミック、広告、専門コンサルタント料、清掃及びその他
の 1 度限りの費用が増加したことによる。
下半期実績
2022 年上半期と比較すると、営業費用は 2,192 百万香港ドル、すなわち 28.0 ％増加した。かかる増加は、主に人件費の
増加、情報技術への投資の増加、並びに広告費用、専門コンサルタント料、通信費及びその他 1 回限りの費用の増加によ
るものである。
3.1.6 貸付金及びその他の勘定の正味減損引当金繰入額
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2022 年 2021 年 変動（％）
貸付金及びその他の勘定の正味減損引当金の戻入 /
( 繰入額）
ステージ 1 816 465 75.5
ステージ 2 (1,340) (1,182) 13.4
(2,021) (1,249) 61.8
ステージ 3
貸付金及びその他の勘定の正味減損引当金繰入額
(2,545) (1,966) 29.5
3.1.7 ローンの減損引当金合計が顧客への貸付金に占める割合
2022 年 12 月 31 日現在 2021 年 12 月 31 日現在
0.70 ％ 0.62 ％
ローンの減損引当金額合計が顧客への貸付金に占める割合
2022 年、当グループの貸付金及びその他の勘定の正味減損引当金繰入額は、前年度比 579 百万香港ドル、すなわち
29.5 ％増の 2,545 百万香港ドルとなった。ステージ 1 の減損引当金は、当グループが 2022 年下半期にその予想信用損失モデ
ルを改訂したことにより、減損引当金の正味戻入となる結果となり、 2021 年の正味戻入から 351 百万香港ドル増加し、 816
百万香港ドルの正味戻入を計上した。ステージ 2 の減損引当金は、前年度比 158 百万香港ドル増加し、 1,340 百万香港ドル
の正味繰入を計上した。かかる変動は主に、 2022 年下半期に実勢のパンデミック救済措置に基づき当グループがその予想
信用損失モデルを改訂し、特定の中国本土の不動産ディベロッパー及びクライアントに対するエクスポージャーから生じ
る潜在的なリスクを考慮に入れた際に、減損引当金が多く引き当てられたことによるものである。ステージ 3 の減損引当
金は、 2022 年において、特定の法人向け貸付金の格下げに対応してなされた新たな減損引当金により、前年度比 772 百万
香港ドル増加し、 2,021 百万香港ドルの正味繰入となった。顧客及びその他の勘定に対する貸付金の信用コストは前年度
比で 3 ベーシスポイント増の 0.15 ％であった。 2022 年 12 月 31 日現在、当グループの顧客への貸付金に占める割合としての
ローン減損引当金合計の割合は 0.70 ％であった。
下半期実績
当グループの貸付金及びその他の勘定に係る正味減損引当金繰入額は、 2022 年上半期に比べ、 907 百万香港ドル減少し
た。かかる減少は主に、特定の法人顧客の格下げ及び当グループのローンの伸びに関連して 2022 年上半期になされた減損
引当金により比較対象が拡大したことに起因するものである。
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資産及び負債の分析
下表は当グループの資産の構成をまとめたものである。当グループのデリバティブ金融商品の契約 / 名目額及び公正価
値については、「第６ 経理の状況、１ 財務諸表」の注記 24 を参照のこと。各重要な偶発債務及びコミットメントの
契 約金額並びに信用リスク加重総額については、「第６－１ 財務諸表」の注記 42 を参照のこと。
3.1.8 資産の構成
（単位：百万香港ドル、％を除 2022 年 12 月 31 日現在 2021 年 12 月 31 日現在 変動（％）
く。） 残高 ％ 残高 ％
現金並びに銀行及びその他金融機関 535,194 14.5 465,535 12.8 15.0
への預け金
香港特別行政区政府債務証書 208,770 5.7 203,810 5.6 2.4
1
1,079,982 29.3 1,167,770 32.1 (7.5)
投資有価証券及びその他商品
貸付金その他 1,645,354 44.7 1,597,194 43.9 3.0
固定資産及び投資不動産 60,330 1.6 64,163 1.8 (6.0)
2
155,427 4.2 140,958 3.8 10.3
その他の資産
資産合計
3,685,057 100.0 3,639,430 100.0 1.3
1. 投資有価証券及びその他の負債性金融商品は、純損益を通じて公正価値で評価される有価証券及び金融資産への投資から構成されて
いる。
2. その他の資産は、デリバティブ金融商品、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する持分、当期税金資産及び繰延税金資産から
構成されている。
2022 年 12 月 31 日現在、当グループの総資産は、 2021 年末に比べ、 45,627 百万香港ドル、すなわち 1.3 ％増加し、
3,685,057 百万香港ドルとなった。現金並びに銀行及びその他金融機関への預け金は、主に中央銀行及び銀行への預け金
が増加したことにより、 69,659 百万香港ドル、すなわち 15.0 ％増加した。当グループは、その銀行勘定投資を慎重に管理
しており、証券投資及びその他の負債性金融商品が 87,788 百万香港ドル、すなわち 7.5 ％減少する結果となった。貸付金
及びその他の勘定は、顧客への貸付金が 50,426 百万香港ドル、すなわち 3.2 ％増加し、貿易手形が 935 百万香港ドル、すな
わち 12.9 ％減少したことにより、 48,160 百万香港ドル、すなわち 3.0 ％増加した。
3.1.9 顧客 への貸付金
（単位：百万香港ドル、％を除 2022 年 12 月 31 日現在 2021 年 12 月 31 日現在 変動（％）
く。） 残高 ％ 残高 ％
香港で使用されたローン 1,173,707 71.2 1,083,205 67.7 8.4
産業界、商業界及び金融業界 641,206 38.9 581,799 36.4 10.2
個人 532,501 32.3 501,406 31.3 6.2
貿易金融 51,879 3.1 73,611 4.6 (29.5)
423,924 25.7 442,268 27.7 (4.1)
香港外で使用されたローン
顧客への貸付金総額
1,649,510 100.0 1,599,084 100.0 3.2
当グループは、積極的に市場の変化に対応し、香港、広域湾岸地域、東南アジア及び海外市場からの機会を捉えた。
その顧客本位の理念に基づき、当グループは、顧客のローン資金調達ニーズに対応するため、その事業を拡大した。当グ
ループは、総合的なサービスと独占的なサービス・ソリューションの提供を通じて、その事業上の要求事項を満たすこと
により、香港の地元の商業及び中小企業の顧客に対するサポートを強化した。当グループはまた、中小企業が市場の変化
に対応できるよう、金融救済イニシアチブを開始した。当グループは、香港の住宅ローン市場におけるその主導的な市場
地位を強化するため、不動産会社及び住宅ローン仲介業者との協力を強化するとともに、オンライン承認プロセスを含む
そのモバイルアプリ「ホーム・エキスパート」を最適化することにより、その住宅ローン事業の展開に向けて、グループ
一丸となって取り組んだ。当グループはまた、主要な産業及びターゲット顧客のローン資金調達ニーズをより深く理解す
るために、その東南アジア事業体並びに広域湾岸地域及びアジア太平洋地域の BOC の事業体を協力することにより、地域
シナジーからの開発の機会を捉えた。
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の事業体当年度中、当グループは引き続き香港 - マカオのシンジケートローン市場において上位の法定アレンジャー業務
を指揮し、香港における新規住宅ローンの合計件数においてトップの市場ポジションを有した。 2022 年、顧客への貸付金
は 50,426 百万香港ドル、すなわち 3.2 ％増加し、 1,649,510 百万香港ドルとなった。
香港で使用された貸付金は 90,502 百万香港ドル、すなわち 8.4 ％増加した。
・ 工業、商業及び金融業界への貸付は、不動産投資及び開発、卸及び小売取引、製造及び情報技術のローンの増加
を反映して、 59,407 百万香港ドル、すなわち 10.2 ％増加した。
・ 個人への貸付は、主に住宅用モーゲージ・ローン及びその他の個人ローンの伸びに牽引され、 31,095 百万香港ド
ル、すなわち 6.2 ％増加した。
貿易金融は 21,732 百万香港ドル、すなわち 29.5 ％減少した。香港以外で使用される貸付金は 18,344 百万香港ドル、す
なわち 4.1 ％減少したが、これは主に中国本土で使用されるローンが減少したことによるものである。
3.1.10 貸付金の質
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2022 年 12 月 31 日現在 2021 年 12 月 31 日現在
1,649,510 1,599,084
顧客への貸付金
0.53 ％ 0.27 ％
分類又は減損された貸付金比率
11,575 9,877
減損引当金総額
0.70 ％ 0.62 ％
顧客への貸付金に対する減損引当金総額比率
1
0.02 ％ 0.01 ％
住宅用モーゲージ・ローン - 不履行率及び
2
リスケジュールされた貸付金の比率
2
0.28 ％ 0.23 ％
カード・キャッシング - 不履行率
2022 年 2021 年
3
1.38 ％ 1.49 ％
カード・キャッシング - 貸倒償却比率
1. 住宅用モーゲージ・ローンには、持ち家制度及び他の政府支援による住宅購入制度に基づくものを含まない。
2. 不履行率は、貸付金残高合計に対する延滞貸付金（３ヶ月以上）総額の比率である。
3. 貸倒比率は、当年度中のカード債権平均残高に対する当年度中に行われた損金処理合計の割合である。
2022 年、不安定なパンデミックの状況、継続する地政学的リスク及び世界的なインフレの高まりを踏まえ、複数のの
産業が厳しい課題に直面した。当グループは積極的にあらゆる種類のリスクのそのリスク管理システムを強化し、引き続
き堅実な資産の質を維持するためにそのリスク管理を高めた。 2022 年 12 月 31 日現在、当グループの分類又は減損された
ローンは、主に特定の法人の貸付金の格下げにより、 8,724 百万香港ドルとなり、 2021 年末から 4,403 百万香港ドル増加し
た。分類又は減損されたローン比率は 0.53 ％で、 2021 年末から 0.26 ％上昇した。住宅モーゲージ・ローンの滞納及び条件
緩和されたローンの割合は 0.02 ％であった。カード貸付金の貸倒償却率は 1.38 ％で、前年度比 0.11 ％減少した。
3.1.11 顧客預金
（単位：百万香港ドル、％を除 2022 年 12 月 31 日現在 2021 年 12 月 31 日現在 変動（％）
く。） 残高 ％ 残高 ％
要求払預金及び当座預金 236,115 9.9 327,234 14.1 (27.8)
貯蓄預金 993,689 41.8 1,194,094 51.2 (16.8)
1,147,403 48.3 809,827 34.7 41.7
定期預金及び通知預金
顧客預金合計
2,377,207 100.0 2,331,155 100.0 2.0
2022 年、金利上昇を背景に、当グループは、 CASA 預金から定期預金への顧客の移行の動向に対応するため、数々の戦
略的な施策を実施した。当グループは、中・高所得層の顧客基盤の拡大と強化、クロスバウンダリーの資産管理コネク
ト・スキームによる市場機会の獲得、デジタル申請と商品イノベーションの促進、並びに政府当局、大企業及び主要中央
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銀行との協力を強化した。同時に、当グループは、その e- 決済、 e- 回収、給与、現金管理及び現金プール事業を積極的に
拡大した。 2022 年末現在、顧客からの預金合計額は 2,377,207 百万香港ドルとなり、 2021 年末から 46,052 百万香港ドル、
す なわち 2.0 ％ 増加した。定期預金、コール預金及び通知預金は 41.7 ％増加した。預金は 16.8 ％減少した。要求払預金と
当座預金は 27.8 ％減少した。 CASA 比率は 51.7 ％で、 2021 年末から 13.6 パーセンテージ・ポイント低下した。
3.1.12 当社株主に帰属する資本及び準備金
（単位：百万香港ドル 、％を除く。 ） 2022 年 12 月 31 日現在 2021 年 12 月 31 日現在 変動（％）
株主資本 52,864 52,864
-
37,683 38,590 (2.4)
不動産再評価準備金
その他の包括利益を通じた公正価値による金融資産 (8,748) (413) (2,018.2)
準備金
6,655 6,073 9.6
法定準備金
(1,683) (1,000) (68.3)
為替換算調整勘定
216,274 201,885 7.1
利益剰余金
250,181 245,135 2.1
準備金
303,045 297,999 1.7
当社株主に帰属する資本及び準備金
当社の株主に帰属する資本及び準備金は、 2022 年 12 月 31 日現在、 303,045 百万香港ドルとなり、 2021 年末から 5,046 百
万香港ドル、すなわち 1.7 ％増加した。不動産再評価準備金は、 2.4 ％減少した。 その他の包括利益を通じた公正価値によ
る金融資産準備金の不足は、主に市場金利動向の影響により、増加した。法定準備金は、主に顧客への貸付金の増加及び
減損引当金の正味繰入額の変動に牽引され、 9.6 ％増加した。為替換算調整勘定の不足は、主に米ドル高により、当グ
ループの東南アジア事業体の現地通貨の純資産の簿価が評価損になったことにより、増加した。利益剰余金は 2021 年末よ
り 7.1 ％増加した。
3.1.13 自己資本比率
2022 年 12 月 31 日現在 2021 年 12 月 31 日現在
（単位：百万香港ドル、％を除く。）
控除後の連結資本ベース
普通株等 Tier １資本 229,798 224,189
その他 Tier １資本 23,476 23,476
Tier １資本 253,274 247,665
29,036 30,174
Tier ２資本
自己資本合計 282,310 277,839
リスク加重資産合計 1,309,536 1,296,153
普通株等 Tier １資本比率 17.55 ％ 17.30 ％
Tier １自己資本比率 19.34 ％ 19.11 ％
自己資本比率 21.56 ％ 21.44 ％
2022 年 12 月 31 日現在、当社の普通株式 Tier1 資本（「 CET1 」）及び Tier1 資本は、 2021 年末よりそれぞれ 2.5 ％及び 2.3 ％
増加したが、これは主に 2022 年に計上した利益によるものである。自己資本合計は、 1.6 ％増加した。リスク加重資産
（「リスク加重資産」）合計は 1.0 ％増加した。 CET1 資本比率は 17.55 ％及び Tier1 自己資本比率は 19.34 ％で、 2021 年末よ
りそれぞれ 0.25 及び 0.23 パーセンテージ・ポイント増加し、一方、自己資本比率は 21.56 ％で、 2021 年末より 0.12 パーセ
ンテージ・ポイント増加した。当グループは、株主に対するリターンの均衡を取りながら、規制要件を満たし、持続可能
な事業開発を支援する適切な資本水準を維持するために、継続的にその資本計画を適切に管理した。
3.1.14 流動性カバレッジ比率及び安定調達比率
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2022 年 2021 年
流動性カバレッジ比率の平均値
第１四半期 159.16 ％ 130.80 ％
第２四半期 149.49 ％ 130.81 ％
第３四半期 149.00 ％ 131.01 ％
第４四半期 178.49 ％ 142.96 ％
2022 年 2021 年
安定調達比率の四半期末の価値
第１四半期 123.86 ％ 123.61 ％
第２四半期 126.87 ％ 117.22 ％
第３四半期 127.98 ％ 124.63 ％
第４四半期 131.56 ％ 125.48 ％
当グループの流動性ポジションは依然として健全であり、流動性カバレッジ比率の平均値及び安定調達比率の四半期末
の価値は、 2022 年の全四半期の規制要件を満たしている。
3.2 事業の概況
2022 年、当グループは、「 2021 年 -2025 年 BOCHK グループ戦略的開発計画」の実施を徹底した。当グループは引き続き、
その香港の中核市場を深く開拓し、その事業基盤を強化し、顧客の成長の可能性を実現させた。中国本土の国家戦略政策
の機会を活用し、当グループはそのクロスボーダー事業を積極的に展開し、広東 - 香港 - 澳門広域湾岸地域の革新的な政策
に参加した。その地域のサービス能力の一層の強化と商品及びサービスの提供の迅速化を目的として、当グループは、人
民元の国際化のペースに追いつき、東南アジアにわたる地域連携を強化し、また RCEP の正式発足から生じる大きな開発機
会を捉えた。一方、当グループは、持続可能な開発のコンセプトをその事業及び業務に積極的に取り入れ、その自社の事
業において低炭素・資源効率のイニシアティブを継続的に実践すると共に、カーボン・ニュートラルの目標がもたらすグ
リーン・ファイナンス事業の機会を生かし、炭素市場の確立を積極的に支援している。当グループは、総合的なデジタ
ル・バンキング・サービスを提供するため、その技術基盤の中核的な能力を集約し、その統合された事業プラットフォー
ムの開発と、その統合されたサービス能力を向上させるための協働メカニズムを強化した。また、当グループは、リスク
管理における「ボトムライン」の考え方を徹底すると共に、その戦略的計画の実行を強力に支援するため、その人事、文
化及び業務手続に磨きをかけるたゆまぬ努力を尽くした。
事業セグメント業績
事業セグメント毎の税引前利益 /( 損失 )
変動 ( ％ )
合計に対す 合計に対す
る割合 る割合
％を除き百万香港ドル 2022 年 （％） 2021 年 （％）
25.4
7,940 22.7 6,331 21.1
個人向け銀行業務
(11.7)
11,407 32.6 12,924 43.1
法人向け銀行業務
45.9
14,933 42.7 10,238 34.2
資金為替業務
(10.9)
911 2.6 1,023 3.4
保険
63.0
(203) (0.6) (548) (1.8)
その他
16.8
税引前利益合計
34,988 100.0 29,968 100.0
注 : さらなるセグメント情報については、「第６ 経理の状況、１ 財務諸表」の注記 46 を参照のこと。
3.2.1 個人向け銀行業務
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財務実績
個人向け銀行業務は、 2022 年の税引前利益は 7,940 百万香港ドルとなり、前年度比 1,609 百万香港ドル、すなわち
25.4 ％増加した。これは主に正味受取利息の増加に牽引され、正味受取手数料の減少及び減損引当金の正味繰入の増加に
より、一部相殺された。
正味受取利息は 54.2 ％増加した。これは主に預金スプレッドが改善したことによる。正味受取手数料は、 19.7 ％減少
した。これは主に、市場の投資家心理が弱まったことによるもので、株式市場の取引量の減少につながり、これにより証
券仲介及びファンド販売からの受取手数料が減少することとなった。クレジットカード事業からの受取手数料は、弱まる
顧客需要により減少した。当グループは、 2021 年に 128 百万香港ドルの正味戻入を計上したのに比べ、 2022 年に 344 百万香
港ドルの正味減損引当金繰入額を計上した。
事業運営
グリーン・ファイナンス・セクターの醸成と持続可能な開発の追求
低炭素への移行に向けた市場の動向に合わせて、当グループは、持続可能な開発及びスマートな暮らしを促進するた
め、グリーン・ファイナンスの開発からの機会を捉え、そのグリーン・ファイナンス製品及びサービスを充実させた。市
場の拡大及び顧客のグリーン投資及び ESG 商品への関心に応えて、当グループは、 HKSAR 政府によるリテール・グリーン債
券の発行を全面的に支援し、モバイル・バンキングを通じて香港初のリテール・グリーン債券取引プラットフォームを導
入した。これは、加入数及び顧客数共に市場第 1 位にランク付けされている。当グループは、環境の持続可能性を支援す
るため、持続可能なインフラ・ファンドを導入し、リテール投資家が市場の動向から機会を捉えることができるよう、人
民元建ての非炭素化をテーマとしたファンドの募集のために優先的に立ち上げた。当グループはまた、香港初のグリーン
個人向けローンの先駆けとして、グリーン輸送の採用を推進するために、電気自動車の購入意欲のある顧客に対して、初
期段階から優遇ローンを提供している。当グループはまた、その初のエコ・フレンドリーなクレジットカード「 BOC チ
ル・カード」を発売し、顧客のグリーン消費への参加を惹きつけることを目指している。当グループは、低炭素生活を積
極的に推進した。当グループは、オンライン・プラットフォームを通じたペーパーレスのローンの申込みを推進し、 2022
年の電子チャンネルを通じて処理が行われた個人向けローンの金額は前年より倍増となったほか、そのペーパーレス支払
受領スキームを推進し、 15,000 の加盟店及び 20,000 以上の POS ターミナルに範囲を拡大させた。当グループはまた、グ
リーン・モーゲージ・プランを拡大し、民間開発業者及び政府補助の住宅プロジェクトからの BEAM プラス・プラチナ又は
ゴールド認証で認定されたすべてのグリーン建物の一次及び二次購入を対象とした。さらに、当グループは、香港グリー
ン・ビルディング協議会の最初のプラチナ・パトロンのメンバーとなり、またグリーン・ビルディング、低炭素生活及び
よりグリーンな未来をさらに推進するためのその取組みを強化した。
デジタル銀行への展開とコア商品の競争力強化
当グループは、革新的な技術を駆使してそのオンライン・サービス機能を強化し、継続的かつ効果的な事業運営を確保
している。当グループは、そのコア商品の市場優位性を結集し、顧客預金の安定的な成長を実現し、また住宅ローンの新
規合計貸付件数ではトップシェアを維持した。 2022 年末時点のデジタル・プラットフォームを利用する顧客数は、 2021 年
末と比べて着実に増加し、当グループはまた、そのモバイル・バンキング・プラットフォームを通じて行われた取引、特
に保険、定期預金及び外国為替取引に関連した取引の件数が前年比で増加し、それぞれ満足のいく伸びを記録した。当グ
ループは、オンライン投資における顧客体験を向上させるためにそのデジタルの強みを強化することを目的として、顧客
が独自にその富を管理し、様々なライフステージにわたりその財務目標を達成できるようにする「 PickAStock （ピック・
ア・ストック）」株式分析ツールを開始した。現在、合計累積 150,000 以上がダウンロードされており、そのホーム・エ
キスパート・モバイル・アプリケーションは、不動産評価におけるブロックチェーン技術の活用により最適化され、当年
度中に評価報告書の 99 ％で使用された。 2022 年の 1 ヶ月当りのオンライン住宅ローンの申込平均件数は、 2021 年の約 9 倍と
なっており、合計申込件数に占めるオンライン住宅ローン申込件数の割合は、 40 ％以上増加している。当年度中、 BOCHK
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は、メトロ・ファイナンスが主催する「 2022 年香港リーダーズ・チョイス」において「証券及び投資銀行サービスの優秀
ブランド賞」及び「不動産購入計画及び抵当サービスの優秀ブランド－銀行ソリューション」を受賞した。また、当グ
ルー プは、 アジアン・バンキング＆ファイナンス が主催する「 2022 年度アジアン・バンキング＆ファイナンス・リテー
ル・バンキング・アワード」において、「デジタル・トランスフォーメーション・オブ・ザ・イヤー－香港及びモバイ
ル・バンキング＆ペイメント・イニシアティブ・オブ・ザ・イヤー－香港賞」並びにインターナショナル・データ・コー
ポレーションが主催する「 2022 年度未来の企業アワード」において、「顧客体験の未来最優秀賞 － 香港及びアジア太平
洋」を 2 年連続で受賞した。
その包括的なニーズに応えるため、ターゲット顧客層に対する独占的サービス体験を強化する
当グループは、引き続きそのプレミアム・ブランドを推進し、その富裕層の顧客に提供する独占的製品及びサービスの
範囲を強化した。当グループは、ビッグデータ及び人工知能を活用し、顧客の日々の金融行動や習慣を分析し、それに対
応する独占的な個人通知に変換する「セグメント－オブ－ワン」顧客体験を導入した。富裕層の顧客のオンラインによる
資産管理ニーズに対応するため、当グループは、当行独自のプラットフォームを介して提供される市場初の「ビデオ・
サービスによる RM チャット・インベストメント」を導入することにより、そのプライベート・ウェルスの顧客のみが専ら
利用可能な遠隔金融管理ツールであるモバイル・バンキングの RM チャット・サービスをアップグレードした。これによ
り、プライベート・ウェルスの顧客は、その専任のリレーションシップ・マネージャーとのテレビ会議をアレンジするこ
とができ、また遠隔でファンド投資を行うことができる。当グループはまた、 e- チャンネルを通じて、富裕層の顧客に米
ドルの個人グリーン預金を紹介した。当グループは、すべてその投資、財務及び資産管理のニーズをより良く満たすこと
を目的として、プライベート・ウェルスの顧客向けに新しく独占的な「 BOC プライベート・カード」並びに独占的な 1 対 1
のモーゲージ・コンサルティング・サービスを開始した。その結果、 2022 年末のプライベート・ウェルスの顧客数は、
2021 年末と比べて 2 桁の割合の成長を記録し、その顧客基盤をさらに拡大した。一方、当グループは、ウェルス・マネジ
メントの顧客へのより良いサービスの提供を目的とした、新しい「未来銀行」をテーマとしたキャンペーンを展開した。
「未来銀行」は、顧客が資産管理の機会を獲得できるようにすることを目的として、「デジタルを超えて」、「グリーン
を超えて」及び「ボーダーを超えて」の 3 つの重要な「未来銀行」の要素を取り込んだ多様なラインアップの商品及び
サービスを提供している。当グループはまた、若年層の顧客向けの新ブランド「バンキング・トレンディトゥー (Banking
TrendyToo) 」を導入し、「チル・バンキング＋（ Chill Banking+ ）」、「ハッピー・スペンディング＋ (Happy
Spending+) 」、「スマート・インベスティング＋ (Smart Investing+) 」及び「クール・リビング＋ (Cool Living+) 」の 4
つの側面で、若年層の顧客のその財務目標達成を支援するため、「トレンディ・バンキング (Trendy Banking) 」の手軽な
アドバイスに加え、 24/7 の多様なサービスを提供している。その結果、若年層の顧客の取引全体の 90 ％以上がデジタル・
チャンネルを通じて行われた。当年度中、 BOCHK は、 ザ・アジアン・バンカー により、「香港で最も選ばれた主要なリ
テール銀行」及び「香港における最高の資産管理銀行」に選ばれた。
当グループのプライベート・バンキング事業は、堅固な成長を維持した。当グループ内の他の事業部門、その東南アジ
ア事業体及び BOC グループとの連携を強化することにより、当グループは、多様なニーズを持つ富裕層の顧客やファミ
リー・オフィスに専門的なプライベート・バンキング・サービスを提供することで、そのサービス・チェーンを最適化す
ることができた。当グループは、 ESG 基準を商品及びサービス設計に統合し、そのプライベート・バンキング事業におい
て高品質かつ持続可能な開発を推進した。商品シリーズを充実させ、さらに、当グループは、そのプライベート・バンキ
ング・サービス及びトレーディング・プラットフォームを強化するため、デジタル・トランスフォーメーションを推進
し、事業処理の自動化及びデジタル化を加速させた。同時に、当グループは、顧客体験を高めるため、オーダーメイドの
専門ウェルス計画サービスを顧客に提供することにより、新たな事業パートナーを導入し、そのサービス・モデルを革新
し、またその製品ラインを拡充した。 2022 年末現在、当グループのプライベート・バンキングの運用資産残高は、 2021 年
末から 12.7 ％増加した。
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国境を越えたシームレスな金融シナリオの構築と人民元事業の開発の推進
クロスボーダーの顧客体験を改善するために、当グループは引き続きその銀行口座管理サービスを最適化し、顧客が中
国本土の銀行口座に関する問題を遠隔で解決できるようにした。これには、中国本土の旅行許可の期限が切れた顧客の猶
予期間の延長及びその認証サービスの対象範囲の拡大が含まれる。合わせて、これにより、顧客は利便性の高いクロス
ボーダー決済や資産管理サービスを享受することができた。 2022 年末現在、 GBA 口座累積開設件数は 200,000 を超え、 2021
年末から順調な成長を示している。当グループは、認証サービスによる国境を越えた口座開設のための電子申請の開始を
含め、製品提供及びオンライン・ワークフローを継続的に最適化することにより、中国銀行クロスバウンダリー資産管理
コネクト・サービスの口座開設効率及び顧客経験を向上させた。 2022 年末現在、当グループの開設口座数と、サウスバウ
ンド及びノースバウンド両方のサービスのために移転された資金の総額は、香港の上位層にランクされており、サウスバ
ウンドのサービスの下で移転された新たな資金の額は、 2022 年に広域湾岸地域市場で 1 位となっている。人民元商品に対
する需要の高まりや、顧客の投資及び資産運用ニーズに応えるため、人民元事業における際立った位置を活かし、有価証
券、ファンド、生命保険、定期預金及び為替等、幅広い人民元商品及びサービスを提供する一連の「人民元 One 」パッ
ケージを導入した。当年度中、 BOCHK は再度、 アジアマネー により、「広域湾岸地域における最高の中国銀行」に選ば
れ、 GBA における資産管理コネクトの最高の中国の銀行に認定され、またメトロ・ファイナンスが主催する「 2022 年度香
港リーダーズ・チョイス」において、「資産管理コネクト・スキーム優秀ブランド賞」を受賞した。当グループはまた、
ブルームバーグ・ビジネスウィーク ( 中国版 ) が主催する「 2022 年度金融機関アワード」において、「銀行セクター・クロ
スボーダー資産管理 ( 個人 ) －優秀賞」も受賞した。
地域の資産管理事業の推進及びその東南アジア事業体のサービス能力の強化
その東南アジア事業において、当グループは、地域ブランドの展開と顧客紹介サービスを推進した。 BOC タイ、 BOC マ
レーシア及びプノンペン支店との当グループの資産管理サービスの相互ブランド認知はすでに成功裏に実施されており、
資産管理ブランドの経験は、さらにジャカルタ支店と BOC シンガポール支店の資産管理のクライアントにも拡大された。
BOCHK の個人の口座のクロスボーダーの開設は、東南アジアの 7 つの事業体と BOC の 2 つの支店で開始された。一方、プライ
ベート・バンキングの紹介サービスは現在、 8 つの東南アジア事業体に拡大されている。当グループはまた、 BOC タイ、
BOC マレーシア及びマニラ支店が各々、オンライン人民元給与直接送金サービスを開始するなど、その東南アジア事業体
のデジタル化及び効率化の向上を加速させた。当グループはまた、マニラ支店がリアルタイムの銀行振込を支援するフィ
リピン初の中国の銀行となり、プノンペン支店がクロスボーダーのユニオンペイの QR 決済、少額のリアルタイム決済及び
電子ウォレットを支援するカンボジア初の中国の銀行となり、 5 つの東南アジア事業体がその各地方市場の全国レベルの
決済プロジェクトに積極的に参加するなど、地元顧客のオンライン決済体験の最適化に引き続き取り組んだ。これには、
BOC タイの「プロンプトペイ 24/7 」のリアルタイム資金振替と QR コード送金サービスの展開、また BOC マレーシアの「リア
ルタイム・リテール決済プラットフォーム (RPP) 」の第 2 段階と「リアルタイム・フィナンシャル・プロセス・エクス
チェンジ (FPX) 」の決済サービスの導入が含まれる。
3.2.2 法人向け銀行業務
財務実績
法人向け銀行業務の税引前利益は、前年度比 1,517 百万香港ドル、すなわち 11.7 ％減少し、 11,407 百万香港ドルとなっ
た。これは主に正味減損引当金繰入額の増加によるものである。
減損引当金繰入前正味営業利益は、前年度比 2.1 ％増加した。正味受取利息は、主に預金スプレッドが改善したことに
牽引され、前年度より 3.5 ％増加したが、これは貸付金スプレッドが減少したことにより一部相殺された。正味受取手数
料は前年度比 4.6 ％減少したが、これは主に、貸付金、手形並びに受託及び保管サービスからの受取手数料が減少したこ
とによるものである。正味トレーディング収益は 10.4 ％増加したが、これは主に顧客取引からの受取為替差益が増加した
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ことによる。正味減損引当金繰入額は、前年度比 1,713 百万香港ドル増の 2,008 百万香港ドルとなった。これは主に、一部
の法人の貸付金のダウングレードに関連する正味減損引当金繰入額が増加したことを反映したものである。
事業運営
総合的なサービス能力を強化し、事業の優位性を強化する
その顧客中心の理念に基づき、地元の優良企業や業界トップ企業などの主要顧客の総合的な資金需要に応えることを目
的として、当グループは引き続き、事業変革の深化を推進し、また専門サービスを提供した。その結果、当グループは、
香港 - 澳門のシンジケート・ローン市場において、 18 年連続で引き続き首位のマンデート・アレンジャー銀行となった。
当グループはまた、メインボードへの上場件数及び総資金調達額の点において、 IPO メイン受入バンクとして市場のリー
ダーシップを維持した。当グループは、貿易金融、支払及び決済並びにトレジャリー・センター・サービスを含むその主
要事業の推進に重点を置いており、引き続きキャッシュ・プーリング事業においてその主導的な地位を維持している。当
グループは、引き続きオンラインによるサービス機能を向上させたことで、法人顧客からのオンライン取引件数は前年同
期比 16.5 ％増となった。その卓越した、高度に専門的なサービスが評価され、専門的なメディア・グループから数多くの
顧客とのコラボレーションが表彰された。これには、 トレジャリー・トゥデイ から「 2022 年度アジア・ハイリー・リコメ
ンデッド・ウィナーズ、アダム・スミス賞 － 最高トレジャリー・トランスフォーメーション・プロジェクト賞」、 民報 よ
り地元小売チェーン企業と協力した国内現金プーリング・プロジェクトにおいて受賞した「現金管理ソリューションにお
ける優秀賞」、並びに トレジャリー・チャイナ からそれぞれ、「優秀トレジャリー賞」、「スマート・ファイナンス
賞」、「最高共有サービス・プラットフォーム賞」及び「最高外国為替管理賞」を受賞した 4 つの協力現金管理プロジェ
クトが含まれる。
シナジーの利点を十分に発揮し、地域の事業展開を円滑に行う
当グループは、クロスボーダーの金融サービスにおけるその競争優位性の強化を目的として、主要産業やターゲット顧
客の金融ニーズをより深く理解するため、 BOC の広域湾岸地域の機関との連携を深めた。当グループは、新たな事業の成
長ドライバーを育成することを目的として、 HKSAR 政府の北部首都圏開発戦略から生まれる機会を積極的に捉え、関連す
る総合金融サービス・ソリューションを策定した。当グループはまた、その事業協力の深化及び拡充を着実に進めること
を目的として、深圳南山区政府と締結した戦略的パートナーシップ協定に裏打ちされた業務計画を策定した。当グループ
は、技術金融における強固なフランチャイズを活用し、革新的な技術企業の開発を支援し、香港サイエンス・パークの中
国本土との事業協力とコミュニケーションを促進した。当グループは、そのトレーディング事業の顧客基盤を拡大するた
め、サプライチェーン全体にわたるそのデジタル・ファイナンス・サービスを幅広く網羅することで、顧客のクロスボー
ダーの資金調達ニーズを満たした。一方、当グループは、人民元の国際化を整然と推し進め、ボンド・コネクトといった
相互市場アクセス・スキームの下で、主導的地位を維持した。当グループはまた、オフショア人民元市場におけるその競
争上の優位性を強化することを目的として、重要な国有企業や機関顧客との人民元の事業協力を強化し、引き続き人民元
商品と総合的な金融サービスを革新した。
東南アジア事業については、当グループは事業統合のコンセプトを堅持し、 RCEP の制定から生じる機会を捉えた。その
東南アジア事業体の共同開発を推進するため、当グループは、同地域の大手法人顧客だけでなく、一帯一路及び「海外進
出」プロジェクトの開発に重点を置いた。当グループはまた、市場への影響力を高めることを目的として、アジア太平洋
地域における BOC の事業体との連携を強化し、東南アジアにおけるシンジケート・プロジェクトを積極的に主導又は参加
した。「持続可能な開発」のコンセプトの実現に向けて、当グループは、東南アジア地域において、グリーン・ファイナ
ンスの開発を推し進めた。ビエンチャン支店は、ラオスで初めて認証されたグリーン預金を立ち上げることに成功した。
プノンペン支店は、初めて認証された ESG 社会責任預金を開始した。マニラ支店は、共同主幹事兼ブックランナーとし
て、フィリピン政府の 22 億 5,000 万米ドルのソブリン債の価格設定と発行を支援した。これには、その最初のグローバル
ESG 債が含まれ、価格は 10 億米ドルであった。同行内送金、国内銀行間送金、国際送金サービスを含む一連のオンライン
取引をサポートするため、当グループは、地域商品の提供を常に最適化し、インテリジェント・グローバル・トランザク
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ション・バンキング (iGTB) の機能性を改良した。当グループはまた、東南アジア地域において、複数通貨間の給与支払
サービスを含む様々な異なる支払サービス・ゲートウェイを提供した。これらはすべて、当グループの地域管理能力とそ
の 法人向け銀行事業の競争力の大幅な向上に貢献した。
商業及び中小企業の顧客向け経済的支援の強化と包摂ファイナンスの推進
当グループは、セクター別及びデジタル・サービス能力の強化を通じて顧客ニーズを特定するカスタマイズされた金融
ソリューションを提供することにより、地域の商業及び中小企業の顧客との業務協力を強化した。当グループは引き続
き、香港におけるパンデミックの状況に対応するため、その企業の社会的責任を果たし、経済的支援をさらに強化するこ
とに全力を傾けた。それには、事業環境の変化に対応するため、中小企業を支援する 6 つの金融支援イニシアティブの立
ち上げが含まれる。当グループはまた、 HKMA の商業データ交換プロジェクトにも積極的に取り組み、参加銀行の中で商業
信用調査機関への接続に成功した最初の一群となった。当グループはまた、中小企業の資金調達の解決の難しい問題に対
応するため、中小企業の与信承認プロセスにおいて、 BoC Bill 取引データを活用した BOCHK Bill 商業ローン・プログラム
を開始し、これにより、ローン申込みプロセスを簡素化し、承認効率を向上させた。当グループは、その法人顧客のため
のオンライン・エコシステムを構築するため、情報共有、双方向コミュニケーション及びオンライン・バンキング・サー
ビスを提供するオールインワン・デジタル・プラットフォームである「 BOC コネクト」モバイル・アプリケーションを開
始した。当グループの中小企業に高品質なデジタル・サービスを提供する継続的な取り組みにより、幅広い賞賛及び認識
を得て、 15 年連続で香港中小企業一般商工会議所より「最高中小企業パートナー賞」、 etnet 主催の「 2021 年度フィン
テック・アワード」で「コーポレート・バンキング － 優れたイノベーティブ中小企業バンキング・サービス賞」、及び 4
年連続で ホンコン・エコノミック・ジャーナル 主催の「金融サービス・アワード・オブ・エクセレンス」において、「中
小企業バンキング・サービス賞」を受賞した。
持続可能な開発のコンセプトの醸成とグリーン・ファイナンスの積極的な推進
顧客のグリーン移行を支援するため、当グループは、グリーン・ボンドの引受及び投資、グリーン・ローン契約、グ
リーン預金、グリーン・コンサルティング、及びグリーン現金管理サービスを含むグリーン・ファイナンス商品及びサー
ビスを常に改善し、また継続的に推進した。 2022 年末現在、そのグリーン及びサステナビリティ関連ローンの残高は、
2021 年末に比べ 143 ％増加し、一方 2022 年のグリーン預金及び新規引受 ESG 関連社債の発行金額は、それぞれ、前年度比
17 ％増及び 3 ％増となった。当年度中、当グループは、 2 年連続で「持続可能でスマートな暮らし」をテーマとしたグリー
ン・ボンドを発行し、 S&P ダウ・ジョーンズ指数と協力して、広東 - 香港 - 澳門広域湾岸地域の上場企業を対象とした初の
気候変動指数である「 S&P BOCHK 中国香港広域湾岸地域ネット・ゼロ 2050 気候変動指数」を立ち上げ、市場の好評を得
た。
当グループはまた、オフショアでの人民元建債券商品の提供を絶えず多様化させ、海南省人民政府と深圳市人民政府が香
港でのオフショア人民元地方政府グリーン・ボンドとブルー・ボンドの発行を支援し、香港のオフショア人民元事業のグ
ローバル・ハブとしての地位とアジア太平洋地域のグリーン・ファイナンス・センターとしての地位をさらに強化した。
持続可能な開発の推進に向けたその取組みが評価され、当グループは、香港品質保証庁が主催する「 2022 年度香港グリー
ン・サステイナブル・ファイナンス・アワード」において複数の賞を受賞した。当グループはまた、 アジアン・バンキン
グ＆ファイナンス より、「香港国内 ESG 流動性管理イニシアティブ・オブ・ザ・イヤー」、 ザ・アジアン・バンカー より
「最も持続可能な貿易金融イニシアティブ」、並びに トレジャリー・チャイナ より初めて「最高産業ソリューション賞」
を受賞した。
総合的なサービス能力の強化に向けたカストディ及び受託事業の着実な進展
そのカストディ事業を拡大するため、当グループは、各国の相互市場アクセス方針からの機会を捉え、金融機関といっ
たその顧客基盤を拡大するべく中国本土及び海外の BOC の支店との協働によるマーケティング活動を継続的に強化した。
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当グループは、中国の投資会社との間で、企業の信託・代理店業務に関する業務提携を深め、債券市場からの資金調達に
向けて、顧客の役に立つよう努めた。 2022 年末現在、カストディアンの顧客数は 2021 年末と比較して 11 ％増加し、法人及
び 機関投資家からの預かり資産総額は 6,400 億香港ドルを超えた。当グループは、ボンド・コネクト・カンパニー・リミ
テッドより 5 年連続で「ボンド・コネクト・トップ・カストディアン賞」を受賞した。
BOCI- プルデンシャル・トラスティ・リミテッド（「 BOCPT 」 ) は、その MPF 事業を順調に拡大した。 2022 年末現在、 MPF
のその信託財産は 755 億香港ドルとなり、 BOCPT は引き続き香港でトップクラスの地位を占めている。 2022 年、 BOCPT は、
多くの大企業によって複数の ORSO スキームの管理事務代行会社に成功裏に任命され、また代替的な上場ニーズを持つ企業
にサポートを提供するため、新たな特別目的取得会社 ( 「 SPAC 」 ) エスクロー・アカウント・サービスを開始した。当グ
ループは、そのリタイアメント・スキーム及び資産サービスのデジタル・プラットフォームを引き続き最適化し、アップ
グレードされた BOC- プルデンシャル・イージー・チョイス e- 様式並びにマイ・チョイス MPF スキーム e- オンボーディン
グ・モバイル・アプリケーションを展開した。一方、当グループは、大規模な定量的ファンドの立上げ、オープンエンド
型ファンド会社の設立、及び日々の配当の分配や再投資を特徴とするその最初の非マネー・マーケット・ファンドの導入
において、当グループの主要な機関顧客の 1 つを積極的に支援した。 2022 年、 BOCPT は、 MPF レーティングス・リミテッド
が主催する「 2022 年度 MPF アワード」において 7 つの賞、 Refinitiv が主催する「 2022 年度香港リッパー・ファンド・ア
ワード」において複数の賞、 ザ・アセット が主催する「 2022 年度機関投資家、 ETF 及び資産サービス提供会社のためのト
リプル A 持続可能な投資アワード」において、「最高ファンド管理事務代行会社、非常にお勧めのリテール・ファンド
賞」を含む多くの称賛を受けた。
3.2.3 資金為替業務
財務実績
資金為替業務の税引前利益は 14,933 百万香港ドルとなり、前年度比 4,695 百万香港ドル、すなわち 45.9 ％の増加となっ
た。これは主に、正味トレーディング収益が増加したことによるもので、市場金利の変動によりもたらされた特定の金利
商品の値洗いの変動並びに金利が上昇する中、正味受取利息が増加したことに加え、外国通貨スワップ契約からの正味利
益が増加したことによるものであり、その他の金融商品の純損失及び営業費用の増加により一部相殺された。
事業運営
引き続き取引能力を強化し、着実にグローバル市場事業を推進する
当グループは、市場動向を注意深く監視することにより、積極的に事業展開の機会を捉え、そのトレーディング事業に
おいて安定した成長を達成した。当グループはさらに、そのオンライン・トレーディング・サービスや取引処理能力の向
上、並びにその商品力及びサービス力の多様化など、その資金為替事業のデジタル・トランスフォーメーション及び技術
進歩を推し進め、これによりクライアントの事業で満足のいく成果を上げた。当グループは人民元商品のイノベーション
とプロモーションを促進し、またオフショアの人民元市場の開拓に重点を置いた。当グループは、その相互に関連する事
業を拡大し、人民元事業におけるその競争優位性を強化し、これにより関連する事業規模の良好な成長モメンタムに貢献
した。市場機会を捉え、当グループは、上海証券取引所及び深圳証券取引所への直接債券投資を完了させる適格海外機関
投資家 ( 「 QFII 」 ) の最初のグループの 1 つとなった。グリーン開発と ESG の最良の慣行の促進に注力し、当グループは、
HKEX が立ち上げた国際炭素市場である「コア気候」の市場参加者の最初のグループの 1 つであり、地域及び世界の貿易を
支援する国際的な炭素取引ハブとして香港を促進する目的で、価格付けされ、人民元及び香港ドルで決済される国際炭素
クレジット取引を成功裏に実行した。一方、当グループは、 IBOR 改革関連の資金為替商品の実施において、その東南アジ
ア事業体を支援し、 BOC タイ及び BOC マレーシアは、多くの関連する外国為替スワップ及び金利スワップ取引を完了し、ま
たプノンペン支店は、その顧客に代わり、その最初の外国為替先渡取引を開始した。また、プノンペン支店、ビエンチャ
ン支店及びブルネイ支店は、それぞれ、その人民元建の貿易金融事業が躍進を遂げた。同時に、当グループは、アジア太
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平洋地域の BOC の事業体と引き続き協力した。当グループは、 BOC 東京支店が、新東京翌日物平均金利 (TONA) ベンチマーク
を参照した世界初の日本円の変動利付債を成功裏に発売するのを支援し、 BOC シンガポール支店のグリーン固定利付債の
価 格設定プロジェクトを支援し、 BOC 東京支店と BOC シドニー支店との外国為替スワップ事業取引を実施した。当グループ
はその専門性が評価され、数々の賞を受賞した。当グループは、中国外国為替取引システムより、「 2021 年度最も影響力
のある市場参加者賞」及び「 2021 年度人民元 FX 市場優秀海外会員賞」、上海金取引所より「 2021 年度優れた国際会員
賞」、並びにボンド・コネクト・カンパニー・リミテッドより、「ノースバウンド・トップ FX 決済銀行及びプライマ
リー・マーケット・パイオニア賞」を受賞した。
人民元決済サービスのその強固なフランチャイズを強化するため、そのクロスボーダー事業の深みと広がりを拡大する
中国人民銀行から香港における人民元決済銀行として役務を提供する権限を付与され、 BOCHK は、香港及び海外の参加
銀行に効率的かつ専門的な人民元決済サービスを提供することに全力を傾けている。 2022 年の香港人民元決済銀行の決済
総額は 384 兆人民元に達し、前年比 7 ％の増加となり、その成長モメンタムを維持した。その東南アジア事業については、
当グループは、クロスボーダー銀行間決済システム (CIPS) への間接参加資格の申請について東南アジアの 6 つの業界の銀
行を支援した。 BOC タイは、著名な現地証券会社との金融市場の相互接続における協力を成功裏に強化し、その適格海外
機関投資家 (QFII) 資産のためのタイの現地の仲介業者の保管銀行事業を成功裏に取得した。人民元決済銀行として、 BOC
マレーシア及びマニラ支店は、決済量の継続的な増加を達成し、 2021 年からそれぞれ 42.1 ％及び 15.4 ％の増加となった。
BOCHK は、 CIPS カンパニー・リミテッドにより、複数の事業分野における「優秀な参加者」として名を挙げられた。
堅固でリスクを意識した投資戦略を守り、グリーン・ファイナンスを促進する
当グループは、金利上昇局面では、市場のボラティリティに積極的に対応し、リターンを高めるために債券投資の機会
を求めつつ、リスク管理に先制的なアプローチを取った。 2022 年、当グループは、グリーン・ファイナンスにおけるイノ
ベーションの促進に向けたその取組みを強化し、持続可能な建築プロジェクトを支援するために調達した資金でその初め
てのグリーン・レポ取引を実施し、グリーン・ファイナンス市場における当グループの地位をさらに高めた。
その資産管理事業の商品の提供を充実させる
不安定な世界の資本市場にも関わらず、 BOCHK アセット・マネジメント・リミテッド ( 「 BOCHK AM 」 ) は、そのクライア
ントの投資機会を積極的に追求し、これを獲得し、またさらに、 BOCHK オール・オール・ウェザー・チャイナ・ニュー・
ダイナミック・エクイティ・ファンドや、個人投資家や機関投資家からの資産配分要求に対応するための一連の中国を
テーマとしたオルタナティブ投資ファンドの立ち上げを含め、その商品提供をさらに多様化させた。 BOCHK AM は、持続可
能な開発を支援する ESG のコンセプトを育成し、関連するリスク管理を強化するために、気候関連リスクをそのリスク管
理の枠組みに組み込んだ。当グループはまた、より良い顧客体験を提供するため、そのミドル及びバックオフィスのサー
ビス・システムの改善を目的として、引き続きそのオペレーティング・システムのデジタル・アップグレードとその顧客
サービス手続の最適化を推し進めた。その専門知識を評価され、 BOCHK AM は、 アジア・アセット・マネジメント より、
「 2022 年度ベスト・オブ・ザ・ベスト・アワード」において、「最高中国ファンド・ハウス賞」及び「最高人民元マネー
ジャー賞」を受賞した。
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3.2.4 保険
財務実績
2022 年、当グループの保険セグメントは、より付加価値の高い新商品を積極的に推進し、新規事業の価値は前年度比
32.0 ％増の 1,374 百万香港ドルに達した。しかしながら、パンデミックの影響により標準的な新保険料は 2021 年度比
15.3 ％減の 8,713 百万香港ドルとなった。税引前利益は、主に金融市場の変動による投資収益の減少により、前年度比
10.9 ％減の 911 百万香港ドルとなった。 2023 年の保険事業に関する作成の基礎として、当グループは香港財務報告基準第
17 号を採用する予定である。当該基準の採用により、当グループの事業展開、財務体質又は保険金支払能力等に重大な影
響を与えたり、又は変更が生じることは予想されていない。
事業運営
商品トランスフォーメーションの推進及びマルチ - チャンネル開発戦略の強化
当年度中、 BOC ライフは貯蓄保障プランの販売拡大により新規事業の価値向上を図り、新規事業の総売上高に占める高
付加価値の新規事業の割合が大幅に増加することとなった。 BOC ライフは、富裕層の顧客を管理する中国の銀行仲介人や
多国籍保険仲介人と提携することによりその仲介チャンネルを引続き拡大し、独立系ファイナンシャル・アドバイザーと
の連携を強化し、中高所得層の顧客基盤を増やすために様々な付加価値サービスを推進した。当グループは、人材の採用
及び確保に向けた施策を強化することによる専属エージェント人材の拡大を含め、マルチ - チャンネル開発戦略の強化に
向けて、いくつかの措置を実行し、バンカシュアランスにおける主導的地位を維持した。 BOC ライフは、そのデジタル・
チャンネルのカバー範囲の拡大や商品競争力の強化など、さまざまな販売・マーケティング戦略を積極的に推進した。当
グループはまた、「リブ・ヤング（ Live Young ）」報奨プログラムの下で、 60,000 人を超えるユーザーと 50 の第三者パー
トナーを擁するヘルス・エコシステムの拡大も継続した。 2022 年、 BOC ライフは、 Livi 銀行が保険代理店ライセンスを取
得することを支援し、 livi モバイル・アプリケーションを通じて「 3 年間貯蓄保険プラン」を開始した。 BOCHK モバイルバ
ンキング・プラットフォームを通じて、当グループは、独立した第三者機関の認定を受けた香港初のグリーン保険プラン
である「 BOC ライフ iGreen 貯蓄保険プラン」を発売し、顧客からのグリーン商品に対する需要の機会を捉えることに成功
した。
持続可能な開発イニシアティブの推進及び多様な社会的価値を創造する新 ESG 商品の開始
BOC ライフは引き続き ESG イニシアティブの支援に注力し、グリーン保険商品を発売する市場機会を捉えた。地域のニー
ズに応え、その社会的責任を果たすという考えのもと、当グループは、数々の企業チャリティ・プロジェクトを積極的に
開催し、「 2022 年度 BOC ライフ・ロゲイン・チャリティ・レース」及び「 2022 年 BOC ライフ・ホンコン・ハーバー・マラソ
ン」の単独スポンサーを務め、若者の育成を全面的にサポートした。当グループは、 HKU ビジネス・スクールと提携し、
将来のリーダー育成を目的とした「 BOC ライフ未来リーダー奨学金」を創設し、「新世代金融及びテクノロジー・デザイ
ナーズ・プログラム」の下、恵まれない学生を対象に STEAM 教育を提供した。また、当グループは、世界緑色組織（ WGO)
と協力して ESG アクセラレーター・プログラムを導入し、スタートアップ企業にグリーン・ビジネスを展開するためのマ
ルチ - チャンネル・プラットフォームを提供することで、香港における革新的なテクノロジー企業の開発並びに ESG 及び持
続可能な開発を促進した。 BOC ライフは、香港経営協会と「 2022 年度 HKMA/BOC ライフ・サステナビリティ・サミット」を
共催し、 WGO 及び国連アジア・太平洋経済社会委員会が共催する「持続可能な投資及び ESG 会議」を後援することで、優れ
た企業市民及び ESG 擁護者としてのブランド評価をさらに高めた。また、 BOC ライフは、 WGO の「グリーン・オフィス賞」
及び「エコ - ヘルシー職場認定」を受賞し、将来の持続可能な開発のための継続的改善のベンチマークを設定した。
優れた業績への賛辞及びコミュニティ・サービスの評価の獲得
BOC ライフは、香港の生命保険市場で主導的な地位を維持し、 e- チャンネルを通じた販売で同業他社を上回り、人民元
保険のマーケット・リーダーであり続けた。その商品及びサービスの卓越性が評価され、 BOC ライフは、メトロ・ファイ
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ナンス及びホンコン・タ・クン・ウェン・ウェイ・メディア・グループが主催する「人民元事業アウトスタンディング・
アワード」において、「優秀保険事業－年金賞」及び「優秀保険事業－貯蓄保険賞」を 2 年連続で受賞し、香港保険業連
合 会から「年間優秀代理店賞」を受賞するなど、多くの賞を受賞した。一方、 BOC ライフは、そのコミュニティ・ケア・
イニシアティブ並びに ESG 及び持続可能な開発の促進について広く認められ、 2 年連続でメトロ・ファイナンスによる
「 GBA コーポレート・サステナビリティ・アワード」において「社会的持続可能性優秀賞（健康及び幸福）」を受賞し、
民報 が主催する「金融優秀アワード」において「ブランド価値－地域社会貢献優秀賞」を受賞した。
3.2.5 東南アジア事業
当グループは、第一級の地域銀行グループの構築という戦略目標に引き続き注力し、その東南アジア事業体を現地市場
で主流の外資系銀行に育てることを目的として、地域統合開発の遂行を継続した。 2022 年度は、中国と ASEAN の包括的な
戦略的パートナーシップの初年度であり、 RCEP が制定された年でもあった。これらの節目は、 ASEAN 首脳会議、 G20 サミッ
ト及びアジア太平洋経済協力 (APEC) 首脳会議など東南アジアで開催された複数の大規模な地域・国際会議と共に、世界各
国が東南アジアやアジア太平洋地域の影響に注目していることを明確に示している。 COVID-19 ワクチンの接種率の高さや
パンデミック防止措置の緩和など、プラスの要因が組み合わさり、ほとんどの東南アジア経済は、経済回復の勢いを継続
していくことになる。今後、東南アジア地域は無限の事業機会と見通しで開花するであろう。経済及び貿易協力を深める
ことにより、中国と ASEAN は、 RCEP の実施の質の高さ、「一帯一路」の構築の継続、インフラ相互接続の継続的な推進並
びにデジタル経済の発展を通じて、より画期的な協力を創出することになる。
地域事業ネットワークの配置の強化とその東南アジア事業体の管理の最適化
当グループは、その地域事業ネットワークの最適化及び統合を積極的に推進し、そのネットワーク効率性を引き続き向
上させた。当グループは、ジャカルタ支店のセントラルパーク出張所及びプノンペン支店のテュック・ターラ出張所 ( そ
れぞれ、旧メラワイ出張所及び旧オリンピック出張所 ) の移転及び営業開始を完了し、その他の支店の移転を予定通り進
めた。当グループは、景気後退や不安定なパンデミック情勢などの不利な要因を乗り越え、東南アジア地域において様々
な機会を捉え、東南アジア事業体を横断する事業単位でのその経営アプローチを深化させ、その統合された業務の強靭性
を示し、事業開発を着実に進展させた。当グループは、質の高い開発に向けた新たな競争上の優位性を創造することを目
標に、デジタル・トランスフォーメーションを活用してその事業及び管理にテクノロジーの要素を統合し、手続の最適化
とサービスレベルの向上を図った。その地域的経営をさらに強化するため、当グループは、その東南アジア業務の集中化
を着実に進め、 2022 年度末現在、ローン関連業務、顧客のデューデリジェンス、統合銀行サービス、カスタマー・サービ
ス、国際決済、情報処理、決済及び貿易サービスを含むその業務プロセスの約 60 ％を中央化業務に移行し、 40 ％近くを広
西省南寧の地域業務センターに移転させた。当グループは、引き続き効果的に事業展開を推進し、地域本部としてのその
マネジメント能力を高め、統合的地域開発を強化し、市場ごとの戦略の有機的統合を地域的事業体を横断する差別化され
たマネジメント・アプローチのための指針として採用した。
*
当グループの東南アジア事業体 の事業は順調に成長を遂げた。 2022 年度末現在、顧客からの預金及び顧客への貸付金
は、それぞれ 69,863 百万香港ドル及び 52,387 百万香港ドルとなり、為替レートの影響を除き、前年度末と比較してそれぞ
れ 13.8 ％及び 0.4 ％増加した。純金利マージンの改善と外国為替事業による利益の増加により、減損引当金繰入前正味営
業利益は 3,225 百万香港ドルとなり、為替レートの影響を除き、前年度比で 27.6 ％の増加となった。 2022 年度末現在の不
良債権比率は 2.49 ％となり、 2021 年度末から 0.10 パーセント・ポイント上昇した。
*
これは BOC タイ、 BOC マレーシア、ホーチミン支店、マニラ支店、ジャカルタ支店、プノンペン支店、ビエンチャン支店、ブルネイ支
店及びヤンゴン支店の 9つの東南アジア事業体を指す。なお、減損引当金繰入前正味営業利益並びに顧客からの預金及び顧客への貸付金
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の残高は、香港財務報告基準に準拠して作成された連結のデータを示している。不良債権比率は、現地の規制要件に基づいて算出され
ている。
地域的能力の継続的強化に向けた厳格なリスク管理の徹底
当グループは引き続き、その地域全体のリスク管理を強化し、その「ボトムライン」の考え方を堅持した。当グループ
は、その東南アジア事業体に対し専門的な指針を提供し、また東南アジア事業体の差別化された経営を採用した。当グ
ループは、その地域の信用リスク管理において着実かつ安定的なアプローチを追求し、その業界、顧客及び商品の基盤を
強化し、東南アジア地域における与信ポートフォリオ構造を最適化した。当グループはまた、質の高い発展を実現するた
め、新規の不良債権を厳格に管理する柔軟なリスク・コントロールを実施した。さらに、当グループは、市場リスク、金
利リスク及び流動性リスクに関する東南アジア事業体のリスク管理能力を強化するため、将来を見通す経営及びリスク指
標のモニタリングを強化した。当グループはまた、東南アジア事業体のコンプライアンス、マネーロンダリング防止及び
不正防止におけるリスク管理及び制御能力をさらに強化し、コンプライアンスの標準化や主要なリスク指標の域内適用を
促進するため、システムや技術面での優位性を活用した。
3.2.6 デジタル・トランスフォーメーションの進展
2022 年、当グループは「 BOCHK 2021-2025 年デジタル・トランスフォーメーション戦略」に基づき、その技術的基盤の
中核となるサポート能力の向上やデジタル・トランスフォーメーションの推進に真摯に取り組み、一方で持続可能な開発
の概念を徹底的に追求した。当グループは、その顧客中心の理念を支持しつつ、データ、ビジネス・インテリジェンス及
びエコロジカルなアプローチによって、そのデジタル・トランスフォーメーションを深化させた。これにより、エコロジ
カルでオープンかつシナリオベースの銀行サービスの進展が促進され、統合された地域的な商品及びサービスが促進さ
れ、シームレスなプロセス経験が提供された。同時に、当グループは 3 つの主要市場に注力し、技術力の向上、その企業
文化の強化及びデジタル人材を育成し、その顧客やスタッフに質の高いサービスや経験を提供すると共に、その長期的な
発展のための強固な基盤を築いた。
エコロジカルでオープンなシナリオベースの銀行サービスの開発
当グループは、提携を通じた相互成長を実現するため、オープン・バンキング・サービスを積極的に推進し、異なる顧
客グループやエコロジーを活用して革新的な事業モデルを構築し、そのオープン・バンキング・エコシステムを統合し、
データ相互接続を加速させた。当グループは、法人顧客及び個人顧客に関連するオープン・アプリケーション・プログラ
ム・インターフェース ( 「 API 」 ) アプリケーションの第 3 フェーズを開始し、異なる顧客のニーズに対応するために 100 を
超えるオープン API を導入し、１日使用量のピークは前年比で 17.9 ％増加した。登録パートナーの総数は 378 社に達し、決
済、サプライ・チェーン、問合せ、支払金回収、資金為替及びファクタリングを含む、様々なサービス及び事業をカバー
している。その結果、当グループは、オープン API の規模としては市場を牽引する地位を獲得した。当グループは、その
主要な住宅購入、教育及びウェルネスのシナリオベースのエコシステムを含む、シナリオベースのアプリケーションにお
ける革新的なフィンテックの活用を通じて、現地市場におけるその金融サービスのリーチを強化した。消費者支出と事業
モデルにおける最新のデジタル化の動向に合わせて、当グループは引き続き、デジタル強化を推進し、顧客や事業者にデ
ジタル決済を行う及び受入れる際の簡易性と利便性を提供するための革新的な技術を活用し、現地市場におけるモバイル
決済の発展に貢献した。当グループは、デジタル決済の適用を深めるため、 HKSAR 政府の「消費バウチャー制度」を十分
に活用し、 BoC Pay の顧客に様々なリベートやプロモーションを提供すると共に、 BoC Bill の利用事業者に対し統合され
た支払回収サービスを提供した。 2022 年度末現在、 BoC Pay のユーザー数は 2021 年度末と比較して 20.2 ％増加し、 2022 年
度の総取引高は前年度比で 21 ％増加した。一方で、 BoC Bill の取引総額は前年度比 6.1 ％増となった。
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統合された商品及びサービスの推進
当グループは、顧客に対しワンストップで商品及びサービス・ソリューションを提供することを目指し、バリュー・
チェーンに沿った商品とサービスの統合を推進した。当グループは、法人顧客向けのオンライン・ローン申込サービス
「 iGTB 」を開始し、オンライン・プラットフォームを通じて情報入力や書類のアップロードを行うことで、ローン申込書
の提出が可能となった。当グループは、その iGTB プラットフォームの地域的開発を積極的に拡大し、香港並びにタイ、マ
レーシア、ベトナム、フィリピン、カンボジア、ラオス、ブルネイ及びミャンマーを含む東南アジア 8 カ国で使用される 9
つの主要な方言に対象範囲を拡大することに成功した。これにより、当グループの地域全体でのサービスレベルと顧客経
験が向上し、その地域的発展に独自の優位性がもたらされた。また、当グループは、東南アジア全域で事業展開している
現地企業や法人顧客に対し、あらゆる種類のデジタル法人金融サービスを提供するため、数多くのオンライン商品及び機
能を開始し、パンデミック時のこれらの企業の業務効率を大幅に改善した。
シームレスなプロセス体験の提供
顧客のサービス体験をさらに向上させるため、当グループは、その顧客にオムニ - チャンネルとシームレスなサービス
を提供するべく、そのエンドツーエンドのプロセスを見直した。当年度中、当グループはモバイル・バンキングについて
約 200 の機能強化を実施したが、その中にはトレーディング、登録サービス及びユーザー・インターフェース設計の新機
能が含まれている。当グループはまた、債務不履行前の適格基準の最適化において関連する承認手続きの自動化を促進す
ることにより、住宅ローンの承認効率を高めた。当グループは、 iAM スマートを利用したモバイル・バンキングを通じた
香港初のリモート口座開設サービスを開始し、 HKSAR 政府の政府最高情報責任者事務局が主催する「 2022 年度香港 ICT ア
ワード」において、「フィンテック（規制技術及びリスク管理賞）表彰状」を受賞した。当グループは、多数の政府部門
への支払いをサポートするコンビニエンスストア・ベースの支払回収サービスの開始において、 HKSAR 政府の財務部門を
支援した。当グループの事業者エントラスト FPS の APP-to-APP サービスの標準的な商品サービス機能は、香港住宅委員会
の住宅供給サービスのオンライン申請及び香港病院管理局のモバイル・アプリケーションをサポートするために拡張され
た。一方で、当グループは、その従来のクロスボーダー・サービスの完全なデジタル・トランスフォーメーションを推進
した。その東南アジア事業体それぞれのニーズに合わせて、当グループは、 BOC タイ、 BOC マレーシア及びマニラ支店の人
民元給与直接送金サービスのための e- チャンネルを開設し、他の東南アジア事業体に拡大する再現可能なサービス体験を
形成した。
技術力の強化とインテリジェント・オペレーションの加速による業務効率化の推進
当グループは、ビッグデータと人工知能を活用して、高度に個別化された顧客体験を作り上げた。当グループは、その
フロント・オフィスの生産性向上を可能にするため、リアルタイムのデジタル・フットプリント、インテリジェントな意
思決定及びミドルオフィス・レベルでのチャンネル横断的なコラボレーションを活用した。当グループはまた、その精密
なマーケティング・プラットフォームに連携し、クロスユニット・アプリケーションを可能にする顧客タグやインテリ
ジェント・モデルを確立するためにビッグデータを活用し、香港通信業協会が主催する「 2022 年度 CAHK STAR アワード」
において、「革新的 ICT ソリューション / インテリジェント・アプリケーション 銅賞」を受賞した。当グループは、安全
で信頼できるワンストップのクラウドベースの財務会計ソフトサービスへの無料アクセスを中小企業に提供する「 ERP ク
ラウド・サービス － 会計クラウド」サービスを開始し、継続的な顧客基盤の拡大を実現している。このプロジェクトは、
HKSAR 政府の政府最高情報責任者事務局が主催する「 2022 年度香港 ICT アワード」において「スマート・ビジネス (SME 向
けソリューション ) 金賞」を、及び香港通信業協会が主催する「 2022 年度 CAHK STAR アワード」において「最高フィン
テック賞」を受賞するなど、業界及び市場から広く認知された。当グループは、データの入力及び処理の効率化を向上さ
せるため、インテリジェント技術の応用拡大を加速させ、その光学文字認識（ OCR) 技術をさらに強化した。当グループ
は、業務のデジタル化を推進する取組みを強化し、ペーパーレス・グリーン業務の強化を含む ESG 要素をその事業プロセ
スに組み込んだ。同時に、当グループは、より費用効率の高い業務モデルを実現するため、広西省南寧にある地域業務セ
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ンターの拡大を進めた。当グループは、スタッフの経験と業務効率を改善させるために、機動的なプロジェクト管理と連
携を推進し、そのリスク管理とビジネス開発ニーズを両立させるために、インテリジェント・リスク管理アプリケーショ
ン を導入した。当グループは、詐欺行為の発見にレグテックを活用するその詐欺防止インテリジェント・プラットフォー
ムを積極的に推進し、インテリジェント詐欺防止モデルの開発と応用に成功した。当初の段階では、当グループは異常な
クレジットカード取引のリアルタイムのリスク・コントロールを行うことができた。当年度中、 BOCHK は、犯罪の発見と
防止にレグテックを活用することで詐欺事件に対抗するための多面的なアプローチを積極的に採用する取組みが認めら
れ、香港警務署が主催する「銀行職員表彰式」において、「レグテック効率的応用賞」を受賞した。
企業文化の強化と優秀なチームの育成
BOCHK が主催し、 HKMA と香港科技園公司が共催した「 2021-22 年度 BOCHK チャレンジ」イノベーション・コンペティショ
ンは、成功裏に開催され、金融業界内でフィンテックを応用し、伝統的な業界の枠組みを破壊する画期的な事業モデルを
探求し、顧客のデジタル体験を向上させ、銀行セクターの業務効率を高める新しい方法を発見した。人材育成について
は、当グループは全社員の研修、専門家の面談、社内コンペ、動画及びアニメーション、賞金獲得ゲーム並びにインスタ
ントメッセージ・ソフトの絵文字及びポスターなど、複数のチャンネルを通じてその企業文化を推進し、イノベーション
文化、 ESG 及び企業価値に対するスタッフの理解を深めることを目指した。当グループのデジタル・トランスフォーメー
ションを支える適切な人材開発を確実なものとするため、当グループは外部専門家による研修コースを企画し、デジタル
人材に対する専門資格基準や専門職の順位付けに関する様々な選択肢を特定し、専門資格や認定の追求を促しつつ、全職
員を対象とした段階化された研修を導入した。当グループはまた、フィンテック人材の育成のために、 AI 、クラウド技
術、ビッグデータ及びデータベース開発の動向などを題材とする社内フィンテック研修を実施した。当グループは、その
戦略的目標に合わせ、デジタル知識と IT 関連人材を積極的に獲得するために、市場や大学キャンパスでの採用を活用し、
専門的なインターンシップ又はコンペを実施した。当グループは、地方公共団体や慈善団体と協力し、貧困削減、青少年
育成、環境保護及び炭素削減、芸術及びスポーツ並びに革新的テクノロジーなどのテーマで幅広いプロジェクトを立ち上
げた。 HKMA が立ち上げた「フィンテックに関する強化されたコンピテンシー・フレームワーク」を支援するため、当グ
ループは、適格スタッフの単発的な免除及び認定を申請し、フィンテックの人材となりうるスタッフの専門的基準を高め
るための制度への加入を手配した。
４【経営上の重要な契約等】
該当なし。「第２－３ 事業の内容－ 3.6 中国銀行及び中国銀行の当社との関係」、「第３－３ 経営者による財政状
態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析－ 3.2 事業の概況」及び「第６－３、 3.3 その他－未監査の補足財
務情報－２ . 関連会社間取引」を参照のこと。
５【研究開発活動】
該当なし。
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第４【設備の状況】
１【設備投資等の概要】
「第２－３ 事業の内容－ 3.1 概要」及び「第３－３ 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの
状況の分析－ 3.2 事業の概況」を参照のこと。
また、「第６－１ 財務諸表」の注記 28. 投資不動産及び注記 29. 有形固定資産も参照のこと。
２【主要な設備の状況】
当社の登記事務所及び本社の所在地は、香港ガーデンロード１バンク・オブ・チャイナ・タワー 53 階である。
BOCHK は、香港における紙幣発行銀行 3 行の 1 つであり、人民元事業の唯一の決済銀行として、すべての主要な事業に
おいて強力な市場ポジションを有している。人民元の営業許可の強さにより、人民元事業では顧客に最初に選ばれて
いる。香港の最も広範な支店ネットワーク及び多様なサービス・プラットフォーム、並びにインターネット及びモバ
イル・バンキング・サービスといった効率的な e- チャンネルを活用し、当社は、個人、法人及び機関投資家の顧客を
対象に、金融、投資及びウェルス・マネジメントのサービスを包括的に提供している。
2022 年 12 月 31 日現在、投資不動産は、 2021 年 12 月 31 日現在の 17,722 百万香港ドルに対して 16,069 百万香港ドルで
あった。
2022 年 12 月 31 日現在、有形固定資産は、 2021 年 12 月 31 日現在の 46,441 百万香港ドルに対して 44,261 百万香港ドルで
あった。
2022 年 12 月 31 日現在、投資不動産は、独立した不動産鑑定士である萊坊測計師行有限公司により 2022 年 12 月 31 日に
鑑定された、公正価値に基づく評価額で連結貸借対照表に含まれている。公正価値は、各投資不動産を測定日に市場
参加者間で秩序ある取引によって売却することで受領するであろう価額を表している。
当グループの投資不動産及び有形固定資産の推移に関する詳細は、「第６－１ 財務諸表」の注記 28. 投資不動産及
び注記 29. 有形固定資産に記載されている。
３【設備の新設、除却等の計画】
重大な変更を伴う計画はない。
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第５【提出会社の状況】
１【株式等の状況】
（１）【株式の総数等】
①【株式の総数】
（ 2022 年 12 月 31 日現在）
発行可能株式総数（株） 発行済株式総数（株） 未発行株式数（株）
20,000,000,000 株 10,572,780,266 株 9,427,219,734 株
②【発行済株式】
（ 2022 年 12 月 31 日現在）
記名・無記名の別及び 上場金融商品取引所名
種 類 発 行 数（株） 内容
額面・無額面の別 又は 登録認可金融商品取引業協会名
記名式無額面株式 普通株式 10,572,780,266 株 香港証券取引所 －
（２）【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当なし。
（３）【発行済株式総数及び資本金の推移】
発行済株式総数 資 本 金
備 考
年 月 日
増 減 数（株） 残 高（株） 増 減 額 残 高
( 香港ドル（円） ) ( 香港ドル（円） )
2001 年 9 月 12 日 2 2 2 2 応募株式
(34) (34)
バンク・オブ・チャイ
2001 年 9 月 30 日 10,221,060,465 10,221,060,467 10,221,060,465 10,221,060,467
ナ香港の全発行済株式
(174,882,344,556) (174,882,344,590)
資本の中国銀行から当
社への移転に基づき、
バンク・オブ・チャイ
ナ香港 (BVI) 株式会社に
対して額面で割当及び
発行され、完全支払済
の株式
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合併銀行の資産及び負
2001 年 10 月 1 日 35,744,965,551 45,966,026,018 35,744,965,551 45,966,026,018
債並びに中国銀行もし
(611,596,360,577) (786,478,705,167)
くはそのノミニーによ
り保有される NCB 、集友
銀行及び BOC クレジッ
ト・カードの株式のバ
ンク・オブ・チャイナ
香港への移転に関し
て、バンク・オブ・
チャイナ香港 (BVI) 株式
会社に対して額面で割
当及び発行され、完全
支払済の株式
華僑商業銀行の資産及
6,897,875,307 52,863,901,325 6,897,875,307 52,863,901,325
び負債のバンク・オ
(118,022,646,502) (904,501,351,670)
ブ・チャイナ香港への
移転に関して、華僑商
業銀行に対して額面で
割当及び発行され、完
全支払済の株式
バンク・オブ・チャイ
2002 年 6 月 17 日 5 52,863,901,330 5 52,863,901,330
ナ香港 (BVI) 株式会社及
(86) (904,501,351,756)
び華僑商業銀行に対し
て割当及び発行された
株式
当社の授権株式資本及
2002 年 7 月 10 日 ▲ 42,291,121,064 10,572,780,266 - 52,863,901,330
び発行済株式資本は、 1
(904,501,351,756)
株当たり額面金額５香
(1)
港 ド ル で
20,000,000,000 株及び
10,572,780,266 株にそ
れぞれ併合及び分割さ
れた。
注記：
(1) 新会社条例（香港法第 622 章）に従い、新会社条例の施行日（すなわち 2014 年 3月 3日）の前、当日及び後に香港において設立
した会社によって発行された全ての株式は、額面金額を定めないものとし、関連する授権資本の概念は廃止された。
（４）【所有者別状況】
2022 年 12 月 31 日現在、当社の発行済株式は 10,572,780,266 株で、そのうち約 34 ％は一般株主によって所有され、
0.18 ％は ADS の形で所有されている。当社の 66,222 名の登録株主はアジア、欧州、北米及びオーストラリアを含み世界中
の様々な地域に分布している。中国銀行を除き、当社は証券先物条例に基づき報告しなければならない 5 ％を超える株式
を有する主要な株主について認識していない。
当年度中、当社の株主構造は安定していた。下表は、 2022 年 12 月 31 日現在の登録株主及び中央清算決済システムで作
成された参加株主報告書に記録された株主を含む株主名簿に従った所有権の分布を示している。
登録 株主の
発行済株式資本に
所有割合 登録株主に所有されて 対する 概算の 割合
区分 登録株主数 （％） いる株式数 （％）
個人 66,101 99.82 210,560,111 1.99
注
120 0.18 3,421,142,399 32.36
機関、法人及び代理人
注
1 0.00 6,941,077,756 65.65
中国銀行グループ
合計 66,222 100.00 10,572,780,266 100.00
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注：
証券先物条例 第 336 条に従い当社が管理している名簿に記録されている通り、 2022 年 12 月 31 日現在、中国銀行グループが所有する株式数
の合計は 6,984,274,213 株であり、当社の発行済株式総数の約 66.06 ％を占めている。当該数値は、中央清算決済システムの参加者であ
る BOCI セキュリティーズ・リミテッドで開設している証券口座に中国銀行グループのために所有している一定数の株式を含んでいる。
したがって、これらの株式は「機関、法人及び代理人」の区分に含まれている。
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（５）【大株主の状況】
（ 2022 年 12 月 31 日現在）
発行済株式総数に
氏名又は名称 住 所 所有株式数（株） 対する所有株式数
の割合（概数）
セントラル・フイジン 中華人民共和国 100010 6,984,274,213 66.06 ％
北京市東城区朝陽門北大街 1 号、
ニュー・ポリー・プラザ
中国銀行 中華人民共和国 100818 6,984,274,213 66.06 ％
北京市復興門内大街 1 号
BOC 香港 ( グループ ) 香港ガーデンロード１ 6,984,175,056 66.06 ％
バンク・オブ・チャイナ・タワー 53F
バンク・オブ・チャイナ 英領ヴァージン諸島 VG1110 トルトラ島ロー 6,984,175,056 66.06 ％
(BVI) 株式会社
ド・タウン、ウィッカムズ・ケイ II 、ヴィス
トラ・コーポレート・サービシズ・センター
注記：
1. 2004 年 8月の中国銀行の組織再編後、セントラル・フイジンは国に代わり中国銀行の株式資本における支配持分を所有している。し
たがって、証券先物条例の目的上、セントラル・フイジンは当社に対して中国銀行と同一の持分を所有しているとみなされる。
2. 中国銀行は、 BOC 香港 (グループ )の発行済株式の全てを所有しており、すなわちバンク・オブ・チャイナ香港 (BVI) 株式会社の発行済
株式の全てを所有している。したがって、中国銀行及び BOC 香港 (グループ )は、証券先物条例の目的上、当社に対してバンク・オ
ブ・チャイナ香港 (BVI) 株式会社と同一の持分を所有しているとみなされる。バンク・オブ・チャイナ香港 (BVI) 株式会社は実質的
に当社の式 6,984,175,056 株を所有している。
3. 中国銀行は、バンク・オブ・チャイナ・インターナショナルの発行済株式の全てを所有しており、すなわち BOCI アジア・リミテッド
及び BOCI フィナンシャル・プロダクツ・リミテッドの発行済株式の全てを所有している。したがって中国銀行は、当社に対して、
証券先物条例の目的上、 BOCI アジア・リミテッド及び BOCI フィナンシャル・プロダクツ・リミテッドと同一の持分を所有している
とみなされる。 BOCI アジア・リミテッドは当社の 24,479 株の持分を所有し、 72,000 株は現物決済済みの株式派生商品により持分を
所有しており、 BOCI フィナンシャル・プロダクツ・リミテッドは当社の株式 2,678 株の持分を所有していた。
上記の持分は全てロング・ポジションを表している。上記開示内容とは別に、証券先物条例第 336 条に基づき当社に
よって管理されている登録簿では、 BOCI フィナンシャル・プロダクツ・リミテッドは、ショート・ポジションを表す
143,522 株の持分を所有していた。中国銀行とセントラル・フイジンは、証券先物条例の目的上、当該株式数の持分を所
有していると見なされる。 2022 年 12 月 31 日現在、証券先物条例第 336 条に基づき当社によって管理されている登録簿で
は、開示内容以外に、他の持分又はショート・ポジションは一切記録されていない。
２【配当政策】
当社は一般的に香港法及び通常定款に従って、当社の可処分利益から配当を支払うことができる。さらに詳細について
は「第１－１ 会社制度等の概要 － (2) 提出会社の定款等に規定する制度 － 1.2.9 配当金」に記述されている。
当社の配当政策の主たる目的は、規制上の要件を遵守し、株主の長期的利益及び短期的利益のバランスを取りつつ、適
切な資本を提供することによって、その継続的な事業発展をサポートすることである。取締役会は、特別な状況がない限
り、配当性向を 40 ％から 60 ％の範囲内で維持している。当社は、配当政策について、中でも規制要件、経済及び事業環境
の変動といった複数の要因を勘案し、定期的に見直しを行っている。
配当は、香港ドルで宣言される。米国預託株式（以下「 ADS 」という。）の所持人は、 ADS の原株式となる当社の株式に
関して支払われる配当を受ける権利を有する。受託者は、香港ドルにより支払われる配当を米ドルによる配当支払額に換
算のうえ、受託者の換算費用を控除した額を、 ADS の所持人に配分する。
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取締役会は 2022 年 8 月 30 日に開催された会議において、 2022 年上半期について普通株式１株当たり 0.447 香港ドル、総額
約 4,726 百万香港ドルの中間配当を宣言した。
取締役会は 2023 年 3 月 30 日に開催された会議において、 2022 年 12 月 31 日終了年度について普通株式１株当たり 0.910 香港
ドル、総額約 9,621 百万香港ドルの最終配当を 2023 年 6 月 29 日開催の株主総会で提案することを決定した。かかる提案され
た最終配当はこれらの財務諸表に未払配当金として反映されていないが、 2023 年 12 月 31 日終了年度の利益剰余金処分とし
て反映される。
当社は、中国銀行又はバンク・オブ・チャイナ香港（ BVI ）株式会社と、当社の株式配当の支払に関して一切の協定を
結んでいない。
当社は、当社の配当政策が当社に十分な自己資本規制比率を維持させ、当社の戦略目的を達成させるものと信じてい
る。
現行の香港法によれば、配当の支払に関していかなる税金の源泉徴収も要しない。
2.1 分配可能準備金
香港会社条例第 6 節に基づき算出された 2022 年 12 月 31 日現在の当社の分配可能準備金は約 18,307 百万香港ドルに達し
た。
３【コーポレート・ガバナンスの状況等】
（１）【コーポレート・ガバナンスの概要】
原則及び慣行
当社は、株主、顧客及び従業員の利益を保護するため、高水準のコーポレート・ガバナンスを維持し、遵守するよう
努めている。当社は、香港及び当グループが営業を行っているその他の法的管轄における関連の法律及び規制を厳格に遵
守し、 HKMA 、香港証券先物管理委員会及び香港証券取引所等の規制当局が発行する規則及びガイドラインを遵守してい
る。当社は採用されているコーポレート・ガバナンスの実施方法の見直しを随時行い、世界及び国内におけるコーポレー
ト・ガバナンスの最善慣行の関連する要件に従うよう、努力を行っている。
当社は、上場規則付属書類 14 に含まれるコーポレート・ガバナンス規範に定められる全ての規定を遵守し続けてい
る。当社はまた、同規範において推奨される最善慣行のほぼ全てを遵守している。特に、株主及び投資家が当社の業績、
財務状況及び見通しに関する最新の情報を適時に得られるよう、財務及び事業の概況を四半期毎に該当四半期末から１ヶ
月以内に発表している。当社はまた、取締役会に関する年次評価を行い、また評価フィードバックに基づき、取締役会の
効率性及び有効性を高めている。
当社の完全子会社であり主要な事業会社である BOCHK は、 HKMA の監督方針マニュアル・モジュール CG-1 「当地設立認可
機関のコーポレート・ガバナンス」に定められた指針に従っている。 コーポレート・ガバナンス水準のさらなる向上を確
実に行うため、当社は、コーポレート・ガバナンス体制を改善し、市場慣行のトレンド並びに規制当局によって発表され
た指針及び要件を参照した関連措置を強化していく。 開示情報の完全性、透明性及び質を確保するため、当社は継続して
健全なコーポレート・ガバナンス基準及び手続を維持していく所存である。
コーポレート・ガバナンスの方針
方針表明
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当社は高水準のコーポレート・ガバナンスの重要性を認識しており、当グループの長期的成功をもたらすコーポ
レート・ガバナンスの効果的な枠組を保持している。当社はまた健全なコーポレート・ガバナンスの原則及び慣行
を導入し強化していくことに深く関与している。確立されよく構築されたこのコーポレート・ガバナンスの枠組
は、 当社のビジネスにおける倫理的行為を指導し規制するものであり、それにより株主及び利害関係者全体の利害
を維持可能な方法で保護するものである。
基本原則
(1) 重要な取締役会
権限 取締役会は、当グループの株主価値の最大化及びコーポレート・ガバナンスの水準強化を勘案しつつ、当グ
ループの事業経営及び業務管理の監督に責任を負う。取締役会は、当グループ及びその株主全体の最善の利
益のため、正直かつ誠実に行為し、かつ客観的な意思決定を行う義務がある。
組織 当社は独立非執行取締役が強い代表権を持つ優秀な取締役会によって率いられている。取締役会は、執
行取締役、非執行取締役及び独立非執行取締役から成るバランスの取れた構成となっている。
独立非執行取締役の人数及び割合は、関連する規則及び規制に定められる要件を大きく上回っている。
全ての取締役は、多様な分野の幅広い専門的経験有する優秀な個々人であり、客観的判断を下すことが
できる。
会長及び社長の役割 権力の均衡を促進するため、会長及び社長の役割は分離されている。会長は取締役
会の統率並びにコーポレート・ガバナンス及び株主問題の監視に集中することがで
き、一方、社長は経営陣が当社の日々の業務及び案件を遂行することができるように
統率するため、当社はこの職権分離により恩恵を得る。
取締役会委員会 取締役会は、その業務の遂行に当り取締役会を補佐するため、監査委員会、指名・報
酬委員会、リスク委員会、戦略・予算委員会並びに持続可能性委員会という異なる責
任を委任された 5 つの常任取締役会委員会を設立している。ほとんどの委員会におい
て、独立非執行取締役が過半数を占めている。
各取締役会委員会には、その役割及び責任を示した明確な命令が下されている。これ
ら常任取締役会委員会の実績及び有効性は、更なる強化の観点から毎年評価が行われ
る。
独立取締役委員会及び調査委員会といったその他の取締役会委員会は、その設置が適
切な状況において必要な場合に設置される。
(2) 慎重なリスク管理
取締役会はリスクの制御及び管理の必要性が当グループの事業において重要な位置を占めることを認識してい
る。取締役会は、リスク委員会及びその他の該当する委員会の補佐を受け、リスク管理戦略並びに関連する枠組及
び方針の策定及び監督を行っている。経営陣はリスク委員会の指揮のもと、当グループにおける日々のリスク管理
の責務を遂行している。
(3) 公平な報酬制度
当社は取締役報酬水準が適切であり、株主の期待に応え規制上の要件を満たすという取締役の職務と責任を反映
したものであることを保証している。取締役の報酬は株主の承認を受ける。取締役会は、人事及び報酬戦略全般の
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公正性と合理性の確保に主たる責任を持つ指名・報酬委員会の提案に基づき、当グループの報酬に関する方針を承
認する。取締役は自身の報酬の決定には関与しないものとする。
(4) 効果的な情報開示メカニズム
取締役会は、報告、公表、内部情報のための当グループの情報開示プロセスの有効性について、随時審議と監視
を行う。当社は、適時に情報を開示し、当グループに関する情報が明瞭かつ客観的な方法で表明伝達されることに
より、株主及び公衆が当社の状況を評価し情報に基づく投資決定を行うことが可能になることを奨励しており、そ
れに対し必要な手段を講じている。
(5) 株主の権利保護
取締役会は、当社の定款（以下「定款」という。）及び関連法令の要件に義務付けられている通り、株主の権利
を尊重する。取締役会は株主と効果的なコミュニケーションを保つことが最も重要であると考えており、様々なコ
ミュニケーション手段を維持し株主と直接対話を持つことにより、株主に当社の事業及び業務の内容を伝えるため
の最大限の努力も行っている。
さらに株主は、当社に関して公に入手可能な全ての情報を得る権利、年次株主総会で決議を提案する権利、取締
役の選出に候補を指名する権利及び当社に関して照会を行う権利も有している。
(6) 株主の利益保護
取締役には全ての当社利害関係者（従業員、顧客、取引先、納入業者、監督当局及びコミュニティを含むがこれ
らに限定されない。）の利益を、善良な注意と配慮を持って保護しそれに貢献するという受託者責任がある。全て
の当社利害関係者の利益は、ガバナンスに関する諸方針のみならず該当法令も厳格に遵守することによってさらに
保護される。
(7) 持続可能性の促進
当社は持続可能性を非常に重要なものと考えている。取締役会は、その利害関係者との関係の強化を通じて、企
業の社会的責任を遂行し、また経済、社会及び環境の持続可能な発展を促進するよう努めている。当社は、現在及
び将来の世代のためになるという観点から、持続可能性に資する様々な活動に対するサポートと参加を一貫して
行っている。
(8) 「良好から偉大へ」（ Good to Great ）の追求
取締役会は「良好から偉大へ」を追及するよう奨励している。指名・報酬委員会の補佐を受け、取締役会は各委
員会が自身の有効性に関する定期的な自己評価を確実に行うようにし、その評価結果に基づき、取締役会はそれぞ
れの効率性と有効性を高めるために必要なフィードバック、指示及び指導を行う。
方針の目標
当社の取締役会及び上級管理職には、コーポレート・ガバナンスの原則を守り当方針を遂行する責任がある。当
社は、優れた実績と維持可能な成長のための確固としたガバナンスを提供する明確なコーポレート・ガバナンスの
原則を遵守した事業経営を追求する。
企業文化
取締役会は、当グループに戦略的助言を提供し、当グループの企業文化に合致した目標、価値観及び戦略を検討
し、承認し、監視する。取締役会により承認された 2021-2025 年戦略的開発計画において、当グループは、そのミッ
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ション、ビジョン、価値観、方法論及び戦略目標を定め、 4 つの開発支援のうちの 1 つとして企業文化の深化を掲げ
た。
取締役会は、企業文化の構築の継続的な深化と価値観の承継の強化に非常に重点を置いている。例えば、上級管
理職は、適切な銀行文化と価値観を推進するというそのコミットメントと決意を示している。取締役会下の持続可
能性委員会は、企業文化構築の専門委員会であり、その責任の１つは当グループの良好かつ持続可能な企業文化の
発展を監督し、企業文化の実施を継続的に監視することである。持続可能性委員会は、倫理的で責任あるプロ意識
の高い行動を促進するため、当グループの職業基準を、慎重なリスク・テイキング及び顧客の公正な処遇を推進す
る文化及び行動基準を確立するために、その事業活動において採用される当グループの商業原則及び基準を、当グ
ループの従業員が確実に良好な個人的誠実性と振舞いを維持し、当グループの文化及び行動基準を遵守できるよう
にするために、当グループの従業員行為規範及び適切な研修を含む、当グループの企業文化に関連する該当方針に
関し、取締役会の承認を承認又は勧告を行う責任を負う。当社は、ガバナンス、インセンティブ制度、評価及び
フィードバックの仕組みを取り巻く企業文化構築を実施するための行動計画を策定し、かかる計画の有効性につい
て毎年レビューを行い、持続可能性委員会に報告している。当社は、企業文化及び価値観の推進を強化し、従業員
の理解を深め、当グループの横断的なコンセンサスを形成するために、多階層及び多角的な企業文化研修及びプロ
モーション活動を開始している。当社は、年次パフォーマンス評価における「企業価値」の遵守に関して、個別格
付のウェイトを導入又は引き上げることで、インセンティブと抑制のメカニズムを改善し、パフォーマンスに対す
る公正な見解の確立を導き、また短期的な行動及び隠れたリスクを回避した。当社は顧客からのフィードバック・
メカニズムを確立し、従業員アンケート、集中的なグループ・ディスカッション、個別面談などからフィードバッ
クを受け、企業文化に関する継続的な展開について顧客や従業員から意見を得ている。
汚職防止及び内部告発
当社は、誠実性並びに法令遵守の原則を支持する企業文化を促進し、従業員の倫理的行動や誠実性に非常に重き
を置いている。あらゆるレベルの従業員の贈収賄と汚職に対して、ゼロ容認のアプローチが取られている。当社
は、「贈収賄及び汚職防止方針」を定め、香港及び事業展開を行っているすべての法的管轄のあらゆる関連する贈
収賄及び汚職防止に関する法律を遵守するべく奮闘するとともに、その従業員の行動基準を指導及び強化するため
に、強固な贈収賄及び汚職防止管理の枠組みを実施している。贈収賄及び汚職防止の全体的な枠組みは、取締役
会、その指定委員会及び上級管理職が共同で監督する。当社は、贈収賄及び汚職防止に関する制度的リスク評価を
定期的に実施し、確実に枠組みが適切かつ十分に管理及び実施されるために枠組みの有効性を評価している。
当社はまた、当グループの事業又はその他の面に関連して、不祥事の疑いのある事項が発生した場合、又はその
可能性がある場合には、従業員及び当グループと取引を行う外部関係者（例：顧客及び供給業者）が適切なルート
で内部通報を行い、当該報告が適切に取り扱われ、フォローアップを受けることができるよう、「 BOCHK 内部通報方
針」及び「 BOCHK 内部通報管理措置」を確立している。当社は、内部通報の仕組みや関連する方針及び管理施策を定
期的に見直し、その有効性を確保している。
コーポレート・ガバナンスの枠組
取締役会及び経営陣の責任
取締役会は、当社のコーポレート・ガバナンスの枠組の中核であり、取締役会と経営陣の間の責任には明確な区分があ
る。取締役会は、高度な指導の提供及び経営陣の有効な監督を行う責任を有している。取締役会は、その審議のために特
に留保されている事項を定める、明確に定義された取締役会のマンデートの下で運営が行われている。
一般的に、取締役会は下記のことに対して責任を有する。
・ 当グループの中長期戦略の策定及びその実施の監視
・ 年間事業計画及び財務予算の審議及び承認
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・ 年次の業績、半期の業績及び四半期財務及び事業レビューの承認
・ 当グループのリスク管理及び内部統制の審議及び監視
・ 当グループの優れたコーポレート・ガバナンス及び有効的な遵守の確保
・ 経営陣の業績の監視
当年度中、 5 回の物理的な取締役会会議が開催された。審議及び承認される主要な議題には、当グループの戦略、事業
計画、財務予算、決算の開示、持続可能性報告、リスク管理及び内部統制、継続的関連取引並びに該当方針の年次レ
ビューといった重要事項が含まれる。取締役会はまた、 COVID-19 のパンデミックに対し当社によりなされた予防措置、業
務及び事業への影響、企業が経済的困難を乗り越えるために開始された財政支援イニシアティブ及び実施された慈善事業
について議論した。物理的な会議の他、取締役会はまた、上級管理職及び取締役会委員会に秘書役の変更を含む、特定の
事項について書面による決議を承認した。書面による決議に添付される裏付けとなる説明資料が、取締役のかかる事項に
対する理解を促進し、かつ十分な情報に基づく意思決定を支援するために取締役に送付された。
当年度中、取締役会は、規制要件の最新の変更に合わせるため、特定のコーポレート・ガバナンスに関連する方針及び
手続に対しなされる変更を検討し、承認した。取締役会はまた、当社のコーポレート・ガバナンス規約への遵守及び 2021
年度の年次報告書に含まれるコーポレート・ガバナンス報告書における開示についても検討した。
当社は、独立した視点を確保し、取締役会が情報を利用することができる関連メカニズムを構築し、毎年かかるメカニ
ズムの見直しを行っている。当社は、取締役が、取締役としてのその職務を遂行するために合理的に必要な独立した専門
家による助言を、当グループの費用負担で求める権利を有する旨を定める「取締役会の就業規則」を採用している。取締
役が、かかる独立した専門的助言を求めることを希望する場合、会社秘書役は、必要な手配を行う。
取締役会は、自ら承認した戦略を実施する権限を経営陣に与える。経営陣は当グループの日常的な事業運営について責
任を有し、取締役会に報告を行う。この目的のため、取締役会は、経営陣が判断を下す前又は当グループを代表して契約
を締結する前に取締役会に報告し、事前承認を得るべき状況を定めた、書面による明確なガイドラインを作成した。取締
役会は、定期的にかかる権限付与及びガイドラインに関する見直しを行う。
会長及び社長の役割
一個人に権力が集中することを避けるため、当社の会長と社長の役職は２名の異なる個人が就任する。それらの役割は
明確であり、明瞭に確立しており、取締役会の命令において規定されている。
前会長であるリウ・リエング氏は、取締役会がその責任を適正に果たし優れたコーポレート・ガバナンス慣行及び手続
きに従うことを保証する責任を有する。さらに、取締役会の会長として、取締役会で現在審議中の全ての課題の概要を全
ての取締役が適切に把握していること、並びに全ての取締役が適切、正確、かつ信頼できる情報を適時に受け取ることを
保証する責任がある。
社長であるスン・ユ氏は、経営陣全体のためにリーダーシップを示し、取締役会で採択された重要な方針及び開発戦略
を履行する責任を有する。社長の指揮の下、経営会議は当グループの日常業務の管理、事業開発戦略の実施並びに当グ
ループの長期目標及び戦略の実現を含む責務を遂行する。
取締役会委員会
最新の規制要件、指針並びに市場慣行及び国際的な最良の慣行を考慮し、その責務の遂行を補佐させるため、取締役会
は 5 つの常任取締役会委員会、すなわち監査委員会、指名・報酬委員会、リスク委員会、戦略・予算委員会並びに持続可
能性委員会を設置した。さらに取締役会は、関連法令に準拠して関連会社間取引（継続関連会社間取引を含む。）を審査
し、提言を行う必要が生じた場合に、全独立非執行取締役により構成された独立取締役委員会に委任する。
各取締役会委員会には明確な授権権限があり、かかる委員会の責任の範囲内で関連する事柄について取締役会に提案を
行い、又は適切な状況の下で取締役会によって委任された権限に従い判断を下す。取締役会委員会がその責務を有効かつ
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適正に実行するための適切な支援を確保できるよう、全取締役会委員会に専門職の秘書部門が任命される。全ての取締役
会委員会は、できる限り取締役会と同じガバナンス・プロセスを採用し、その決定及び推薦事項に関し、取締役会に定期
的 に報告する。取締役会及び取締役委員会は、提供サービスの確保及び強化並びに取締役会及び取締役会委員会に対する
十分かつ効率的なサービスの提供を保証するため、当該専門職秘書部門を対象とする年次業績評価に参加する。さらに、
それぞれの授権権限に従い、取締役会及び各取締役会委員会は、改善の余地がある部分を特定するため、その業務過程及
び有効性を毎年審査及び評価する。
以下は当社のコーポレート・ガバナンスの枠組みを定めたものである。
取締役会によって採択された当社のコーポレート・ガバナンスの原則及び枠組、取締役会及び各取締役会委員会の構
成並びにそれぞれの委任事項、コーポレート・ガバナンス方針、株主とのコミュニケーション方針、及び情報開示方針等
の詳細情報は、当社ウェブサイト (www.bochk.com) 上の「 About Us 」の「 Corporate Governance 」のページで閲覧可能で
ある。
取締役会
取締役会の構成及び任期
本報告書の日付現在、取締役会は、 11 名の取締役、うち 1 名が執行取締役、 3 名が非執行取締役及び 7 名が独立非執行取
締役から構成される。取締役会は、取締役会の決定の独立性及び客観性、並びに経営陣の監督の公平性を確実にするため
に、適切な水準の抑制と均衡を確保する。取締役会は誠実かつ善意をもって行動しており、長期的な株主価値の最大化を
もたらし、当グループのその他の利害関係者に対する企業責任を果たすという観点から、客観的に、また当グループの最
善の利益となるような意思決定が行われている。
リウ・リエング氏は、 2023 年 3 月 18 日付で会長兼非執行取締役及び戦略・予算委員会の議長を辞任した。フン・ユエ
ン・メイ・アニータ氏及びリー・サニー・ワイ・クウォン氏は、それぞれ、 2022 年 3 月 3 日及び 2022 年 9 月 14 日付で独立非
執行取締役並びに各監査委員会、リスク委員会、戦略・予算委員会並びに持続可能性委員会の委員に任命された。上記に
開示された以外、本書日付現在までに取締役会及び取締役会委員会の構成に変更はない。
当社のすべての取締役は、定款及びコーポレート・ガバナンス規範の関連条項に基づいて、少なくとも 3 年に 1 回退任
する。定款第 98 条及びコーポレート・ガバナンス規範の規範規定 B.2.2 条に従い、スン・ユ氏、チョン・エヴァ氏、
コー・ボン・ソン氏及びトゥン・サヴィオ・ワイ - ホク氏の任期は 2023 年の年次株主総会で終了する。コー・ボン・ソン
氏及びトゥン・サヴィオ・ワイ - ホク氏は、来る年次株主総会で再選を申し出ないことを決めた旨当社に通知している。
その他の 2 名の辞任する取締役、スン・ユ氏及びチョン・エヴァ氏は、再選を申し出る資格を有し、その予定である。さ
らに、定款第 102 条に従い、取締役会により任命された取締役は、次回の株主総会又は次回の当社の年次株主総会までに
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限り任命され、その後当該総会で再選される資格を有する。従って、 2022 年 9 月 14 日に任命されたリー・サニー・ワイ・
クウォン氏の任期は、 2023 年の年次株主総会で終了し、再選を申し出る資格を有する。
さらに、当社はまた、独立非執行取締役の選任手続きが標準化され、徹底され、かつ透明性が確保されるように、書
面による及び正式なプロセスを確立している。
取締役の選任及び任命
当社は、取締役の任命に関する関連方針を策定している。指名・報酬委員会は、その構造、規模、構成及び取締役の
資格を再検討する責任を有し、また取締役会の既存の構成及び当グループの業務要件を考慮し、取締役会の多様性、取締
役の独立性及びその他の関連する監督及び方針の要件に従い、取締役の特定、選任及び任命に責任を負う。
執行取締役の潜在的候補者は、上級管理職の中から選任することができる。独立非執行取締役の潜在的候補者は、世
界的な選任を通じて、また独立非執行取締役による推薦により採用することができる。定款及び関連する規則の規定に従
い、株主はまた、株主総会で取締役（非執行取締役を含む。）として選任される退任取締役以外の者の任命を行うことが
できる。必要な場合には、指名・報酬委員会は、適切な個人を採用する際に支援を行う外部のアドバイザーを任命するこ
とができる。指名・報酬委員会は、提案された取締役候補者の妥当性を評価するに当り、以下を含む様々な要素を考慮す
るものとする。
・取締役会の多様性
・候補者の評判及び過去の業績
・候補者の専門知識、業界経験及びスキル
・取締役としての職務を遂行するのに十分な時間を割き、潜在的な利益相反を効率的に管理する候補者の誓約
・独立非執行取締役候補者の場合、上場規則の独立性要件及び当社の「取締役の独立性に関する方針」を満たしてい
ること
指名・報酬委員会は、選任基準に基づいて候補者を評価し、必要に応じて会議を開催して候補者との面談を協議及び
調整し、取締役会に提言するものとする。取締役の任命は、最終的に、取締役会により、及び／又は株主総会で株主によ
り、承認されることができる。
2022 年に新たに任命された当社の取締役並びに当社の次回の年次株主総会において再任に立候補した退任取締役につ
いて、指名・報酬委員会は、上場規則に基づく関連要件及び当社の取締役の指名方針を定めた選任基準に照らしてその経
歴を審査し、その役割を果たし、当社及び取締役会の多様性に貢献し続けるために必要な人格、誠実さ並びに専門的知識
及び経験を有しているか検討した。
現行の取締役会の構成においては、全ての取締役が銀行業及び / 又は経営において豊富な経験を有する。加えて、３分
の１以上の取締役が独立非執行取締役であり、銀行及び金融業界において経験を有し、並びに戦略的開発、コーポレー
ト・ガバナンス、投資管理、リスク管理及び持続可能な開発の専門家である。当社はその「取締役の独立性に関する方
針」に基づき、各独立非執行取締役からその独立性について毎年確認書を得ている。当社は、入手可能な情報を踏まえ、
また関連する要因を考慮し、独立非執行取締役の全員が独立していると考えている。現在、コー・ボン・ソン氏及びトゥ
ン・サヴィオ・ワイ - ホク氏は、 9 年以上取締役を務めており、そのすべてが当グループの事業に関わる、事業戦略、銀行
業務、リスク管理、ガバナンス並びに会計及び財務におけるその専門知識の分野及び幅広い経験からの貴重な指導の提供
により、引き続き当社に大きく貢献している。コー氏及びトゥン氏の在任期間は、両氏とも一貫して判断に高い独立性を
示しており、またその在任期間中に経営陣を有効に監督していることから、その独立性に影響はないものと考えられる。
取締役が 9 年を超えて任命される場合には、当社は、関連規定に基づき、関連する要因を協議及び検討し、適切な開示を
行う。 さらに、全ての取締役は、当社に対してその重大な誓約を開示し、かつ当社の業務に十分な時間を割くことができ
ることを約し、確認した。コー氏及びトゥン氏は、来る年次株主総会で再選を申し出ないことを決めた旨当社に通知して
いる。 取締役の専門職経験、技能及び知識の経歴の詳細は、下記「 (2) 役員の状況」に掲載されており、また当社ウェブ
サイト（ www.bochk.com ）の「 About Us 」の「 Organization 」のページで閲覧可能である。
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取締役会の多様性
当社は取締役会の多様性の重要性及び利点を認識している。取締役会の有効性及びコーポレート・ガバナンス基準を高
めるために、当社は取締役会構成員として適性ある適格な候補者を特定する際に、また取締役会構成員の再任が提案され
る時にはいつでも参照される「取締役会多様性方針」を採用している。同方針は、取締役会の構成の策定において、技
能、経歴及び視点の適切な多様性を確保するために、性別、年齢、文化的・教育的背景、民族性、地理的所在地、専門的
経験、技能、知識及び遺跡記録等を含む（ただしこれらに限定されない。）様々な面において幅広い多様性を考慮すべき
である旨を規定している。同時に、全ての取締役会の指名及び任命は、取締役会が全体として求めるコンピテンシー、技
能及び経験に照らして実績に基づき行われている。取締役会は、毎年「取締役会多様性方針」を再検討し、最新の状況に
継続的に基づき関連する実務を向上させている。「取締役会多様性方針」の詳細については、当社のウェブサイト
www.bochk.com に掲載されている。
現在、取締役会には 2 名の女性構成員がおり、取締役会の約 20 ％を占め、上場規則に基づく性別の多様性に関する要件
を満たしている。同時に、当社は、取締役の承継計画策定時に取締役会がより包括的な検討及び判断を行うことを念頭に
置き、取締役会構成員の性別の多様性を含めたダイバーシティ推進に取り組む「取締役の承継方針」を採択している。現
在、上級管理職 5 名のうち 1 名が女性で、上級管理職の約 20 ％を占めている。当社では、チームのダイバーシティ＆インク
ルージョンの推進に奮闘し、関連法令ならびに「職員の差別排除のための指針」を厳格に遵守している。当社は、あらゆ
る人々の雇用機会を確保するため、ダイバーシティ＆インクルージョン研修を実施し、人事、報酬及び福利厚生に関する
あらゆる方針に機会均等の原則を適用している。その婚姻関係、妊娠、障害、家柄、人種又は性別による従業員に対する
差別又は嫌がらせは禁止されている。当年度中、当社の女性従業員は、全従業員の約 57 ％を占めていた。
当年度中、リウ・リエング氏、リウ・ジン氏及びリン・ジンジョン氏 は、中国銀行の執行取締役である。 リウ・リエ
ング氏 は 2023 年 3 月 18 日付で中国銀行の執行取締役 を辞任した。上記に開示されている以外、取締役会構成員の間には、
財務関係、取引関係、親族関係又はその他の重要な関係を含む関係性は存在しない。
さらに、「取締役の利害相反管理方針」には、適用法令により別途認められない限り、取締役が、取締役会で検討さ
れるべき事項について利益相反がある場合には、取締役会会議を招集し、重大な利害関係のない独立非執行取締役が出席
し、さらに検討及び承認を行うために、専門的な助言を行わなければならない旨明確に規定されている。
取締役の責任保険契約
当年度中、当社は、企業活動により発生した取締役の賠償責任を補償するため、取締役の責任保険契約において適切
な補償範囲を設定した。当該契約に基づく補償範囲及び保険金額は、当社により毎年見直される。
取締役会の自己評価
当年度中、取締役会は、「取締役会の自己評価及び取締役の個人評価に関する規程」に基づき、年次自己評価を実施
した。指名・報酬委員会の承認を得て、記入のために年次の自己評価質問票を取締役に配布した。当社は記入された質問
票を基に、当社は結果を分析し、その結果及び提言を記載した報告書が、審議及び検討のために取締役会に提出された。
個々の取締役の実効性のレビュー
当年度中、当社はまた、外部の専門コンサルタントを雇用し、個々の取締役の有効性の独立したレビューを行った。
全ての取締役に記入のために質問票が配布され、これには取締役の時間の関与及び参加、上級管理職との対話及びコミュ
ニケーション、並びに取締役会及び取締役会委員会の他のメンバーの評価、及び取締役の有効性に影響を与えるその他の
要因といった分野の取締役の自己評価が含まれていた。外部コンサルタントは、記入された質問票及びその他入手可能な
情報に基づき、個々の取締役の有効性を評価し、その所見及び提言を記載した報告書を作成し、これは審議及びフォロー
アップのために取締役会に提出された。
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取締役の研修及び職能開発
新しく任命された取締役が当社の業務について適切な理解を有することを保証するため、また全取締役が情報に裏付
けられた推奨と助言を行い当社に貢献できるよう、知識を定期的にアップデートすることを可能にするため、取締役会は
任命に当たっての取締役の初就任及び継続研修に関する指針を示した方針を書面で作成している。
当社は、導入ハンドブック、対面式の面談及びその他の手段の活用を通じて、及び個々の取締役のニーズに応じて、
適切な取締役の招聘を行っている。主題には以下のものが含まれるが、これらに限定されない。
- 統治構造
- 取締役会及び取締役会委員会の権限
- 理事会の常任議題
- コーポレート・ガバナンスに関する規制要件
- 規制当局の懸念事項の焦点
- 業務運営、戦略計画及び内部統制の焦点
当社はまた、取締役会構成員に対し、取締役及び当グループに適用される規制要件に対する重要な変更に関する情報
の定期的な更新を適時に行っている。また、当社はその最新の事業展開に対する理解促進のため、経営陣の定期会合を設
定している。さらに、取締役会構成員は継続的な研修プログラムに積極的に参加することを奨励されている。さらに当社
が費用を負担して、取締役会構成員向けの適切な専門的研修プログラムを設けている。
当年度中、全取締役は上場規則第 付属書類 14 に含まれるコーポレート・ガバナンス規範の規範第 C . 1. 4 条に従い継続的
専門能力開発研修に参加し、知識・技能の向上と再確認を行った。 2022 年において、当社は、専門家を招いてフィン
テック及び ESG に関連するセミナーを取締役及び上級管理職に対し開催し、グローバル・フィンテック及びバーチャル・
バンク開発及び動向並びに ESG 国際開発及び主要なリスクを含む分野について議論した。
さらに、各取締役は、それぞれの適切性の判断に基づき、一連の研修を受講した。当年度中、各取締役は、当社、規
制当局及び専門企業によるセミナー及びワークショップに参加し、研修資料を受領した。これには幅広い議題が含まれ
る。
・ マクロ経済的分析
・ ESG 及び持続可能な開発
・ 気候リスク管理
・ デジタル・トランスフォーメーション及びサイバーセキュリティ
・ フィンテック及びバーチャル・バンキング
・ 反マネー・ロンダリング
・ リスク管理及び内部統制
・ コーポレート・ガバナンス、及び
・ 銀行業界の発展動向等
年間の研修情報の取締役の記録は、当社において記録され適宜更新される取締役研修記録に記録された。当年度末現
在、継続職能開発に関する全取締役の参加の要約は、以下の通りである。
コーポレート・
リスク管理及び内
銀行業界開発動向
(注記 )
部統制
ガバナンス /ESG 開
取締役
発 / 規制上の更新
非執行取締役
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LIU Liange 氏 (2023 年 3 月 18 日付で辞任 ) ○ ○ ○
LIU Jin 氏 ○ ○ ○
LIN Jingzhen 氏 ○ ○ ○
独立非執行取締役
CHENG Eva 氏 ○ ○ ○
CHOI Koon Shum 氏 ○ ○ ○
FUNG Yuen Mei Anita 氏 (2022 年 3 月 3 日付で任命 ) ○ ○ ○
KOH Beng Seng 氏 ○ ○ ○
LAW Yee Kwan Quinn 氏 ○ ○ ○
LEE Sunny Wai Kwong 氏 (2022 年 9 月 14 日付で任命 ) ○ ○ ○
TUNG Savio Wai-Hok 氏 ○ ○ ○
執行取締役
SUN Yu 氏 ○ ○ ○
取締役会会議、取締役会委員会会議及び株主総会への取締役の出席
2022 年度中に取締役会会議は 5 回開催され、平均出席率は 96 ％であった。本年度の定例会議スケジュールは、取締役会
により前年度に作成され承認された。定例取締役会の正式通知は少なくとも会議予定日の 14 日前に全ての取締役に送付さ
れ、十分な質の取締役会の議題及び会議資料は、少なくとも会議予定日の 7 日前に検討のために取締役会構成員に配布さ
れた。各取締役会会議の議題は、その他の取締役会構成員及び上級管理職による協議後、会長によって承認された。上級
管理職の構成員は、プレゼンを行い、取締役が有する質問に答えるため、定期的に取締役会議への出席が要請された。取
締役会及び取締役委員会の議事録のドラフト及び最終版は、すべての取締役に送付され、取締役会開催後、合理的な期間
内に、それぞれコメントと記録がなされた。
取締役会はまた、当グループの最新の財務及び業績に関する情報を含む月次報告書を受領した。これにより、取締役
は、年間を通して当グループの業績、状況及び見通しについてバランスのとれた評価を得ることができる。
さらに、独立非執行取締役全員との開かれた議論を促進させるため、会長は他の取締役及び上級管理職が不在の状態
で、全ての独立非執行取締役と会合した。これらの慣行は、取締役会の業務規定に組込まれた。
2022 年度の各取締役の取締役会会議、取締役会委員会会議及び 2022 年の年次株主総会への出席状況の詳細は下記の通
りである。
会議への出席回数／取締役の任期中に招集された会議の回数
取締役会委員会 株主総会
監査 指名・報酬 リスク 戦略・予算 持続可能性 年次
注記
取締役
取締役会 委員会 委員会 委員会 委員会 委員会 株主総会
当年度中に開催された
5 5 2 5 4 2 1
会合の回数
非執行取締役
LIU Liange 氏（ 会長 ）
3/5 - - - 3/4 - 1/1
(2023 年 3月 18 日付で辞任 )
LIU Jin 氏 (副会長 )
5/5 - 0/2 - 4/4 - 1/1
LIN Jingzhen 氏
5/5 - - - 4/4 - 1/1
独立非執行取締役
CHENG Eva 氏
5/5 5/5 - - 4/4 2/2 1/1
CHOI Koon Shum 氏
5/5 - 2/2 - 4/4 2/2 1/1
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FUNG Yuen Mei Anita 氏
5/5 5/5 - 5/5 4/4 2/2 1/1
(2022 年 3月 3日付で任命 )
KOH Beng Seng 氏
5/5 5/5 2/2 5/5 - 2/2 1/1
LAW Yee Kwan Quinn 氏
5/5 5/5 - 5/5 - 2/2 1/1
LEE Sunny Wai Kwong 氏
2/2 2/2 - 2/2 2/2 1/1 -
(2022 年 9月 14 日付で任命 )
TUNG Savio Wai-Hok 氏
5/5 5/5 2/2 5/5 4/4 2/2 1/1
執行取締役
SUN Yu 氏 （副会長兼社長）
5/5 - - - 4/4 1/2 1/1
平均出席率 96 ％ 100 ％ 75 ％ 100 ％ 97 ％ 94 ％ 100 ％
公式な取締役会会議及び総会以外に、当社は、独立非執行取締役のコミュニケーション前の会議の制度を設けてお
り、各取締役会会議の前に主要な議題項目が独立非執行取締役に提示され、その意見は対応策のために経営陣に適時に伝
えられ、これにより取締役会会議の審議の効率性が高まった。
パンデミックの発生前、当社は他にも取締役会構成員及び上級管理職を対象とした非公式な行事を行っており、コ
ミュニケーション及び交流を促進していた。例えば、当社は時折仕事を兼ねた会食を開催し、取締役及び上級管理職はこ
れに参加し当社の事業及び戦略的な問題についての見識を共有する機会を与えられる。取締役会構成員の中には、各々の
経歴及び専門に関連した多様なテーマについて、当社の中間管理職から上級管理職を対象とした講演を行うために招かれ
た者もいる。当社の地域事業及び運営を理解し、上級管理職とののコミュニケーションを向上させるため、取締役（特に
独立非執行取締役）向けに取締役会リトリートも行われる。当年度中、パンデミックに関する最新の展開と相まって、当
社は、取締役会構成員と上級管理職に物理的出席及び電子的手段を通じた通信会議への参加を要請し、当社の最新の事業
や戦略的開発及びその他の側面について議論し、意思疎通を図った。パンデミックの最新の動向によっては、 2023 年にほ
とんどのの活動が物理的に再開されることが予想される。
取締役会委員会
監査委員会
監査委員会は現在、全員が独立非執行取締役で、 6 名で構成されている。当年度中のその構成、主な任務及び実施した
主要業務は以下の通りである。
構成 主な任務
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TUNG Savio Wai-Hok 氏 ( 議長 ) ・ 財務 諸表 及び財務報告プロセスの整合性 の監督
CHENG Eva 氏
・ リスク管理・ 内部統制 システムの監督
1
FUNG Yuen Mei Anita 氏
・ 社内監査機能及びグループ監査 ジェネラル・マネジャーの成果の審査
KOH Beng Seng 氏
・ 社外監査人の任命 の審査 及びその適格性、独立性及び業務内容の査定、並
LAW Yee Kwan Quinn 氏
びに取締役会 及び株主総会における株主 の承認を得た上での社外監査人の
報酬 の決定
2
LEE Sunny Wai Kwong 氏
・ 当社及び当グループの財務 諸表 、及び財務・事業概況の定期審査及び年次
監査 の審査
・ 適用すべき会計基準並びに財務情報開示に関する法規制要件の遵守 の監督
・ 当グループのコーポレート・ガバナンスの枠組 の監督 及びその実施
当年度中に実施した主な業務
（以下についての審議、及び権限がある場合は承認を含む）
・ 承認のために取締役会に上申された 2021 年 12 月 31 日終了の事業年度の 当社
の 財務 諸表 及び 通期業績発表
・ 承認のために取締役会に上申された 2022 年６月 30 日終了の６ヶ月間の 当社
の 半期財務 諸表 及び半期業績の発表
・ 承認のために取締役会に上申された 2022 年３月 31 日終了及び 2022 年９月 30
日終了の四半期における 当社の 四半期財務・事業概況の発表
・ 社外監査人が提出した監査報告書及び内部統制勧告書に関する報告書、 内
部監査人により提出された監査報告書、 並びに規制当局により発行された
実地検査報告書
・ 社外監査人の任命 案 、 並びに 年次監査、半期審査及びその他の非監査業務
に関して社外監査人に支払う監査費用
・ 2021 年に実行された関連取引
・ 当グループのリスク管理及び内部投資システムの有効性の年次審査
・ 当グループの 2023 年度の 内部 監査計画
・ グループ 監査の 組織構造、 人員配置 並びにその 2023 年度予算
・ 内部監査機能の有効性の年次審査
・ グループ監査 のジェネラル・マネジャー 及びグループ監査の 2021 年度成果
評価及び 2023 年度 の 重要な成果指標
・ 「 BOCHK 内部通報方針」、 BOCHK グループの「贈収賄及び汚職防止方針」及
び BOCHK の「内部監査規程」の年次審査
注記：
1 ：独立非執行取締役及び 2022 年 3 月 3 日付で監査委員会の委員に任命
2 ：独立非執行取締役及び 2022 年 9 月 14 日付で監査委員会の委員に任命
指名・報酬委員会
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指名・報酬委員会は現在、 1 名の非執行取締役及び 3 名の独立非執行取締役を含む 4 名で構成されている。当年度中のそ
の構成、主な任務及び実施した主要業務は以下のとおりである。
構成 主な任務
1
・ 当グループの人 事 戦略 全般の審議
CHOI Koon Shum 氏 ( 議長 )
・ 取締役、取締役会委員会の委員、及び上級管理職の選定及び任命
2
LIU Jin 氏
・ 取締役会及び取締役会委員会の組織、規模及び構成（性別、年齢、文化
1
KOH Beng Seng 氏
的・教育的背景、民族性、地理的拠点、専門職経験、技能、知識 及び追
1
TUNG Savio Wai-Hok 氏
跡記録 等を含むが、これらに限定されない） の定期モニタリング及び審
議
・ 取締役会による取締役の独立の基準の設定、承認及び見直し、並びに独
立非執行取締役の独立及び任期の審査の支援
・ 取締役会及び取締役会委員会の有効性 の審議
・ 取締役及び上級管理職の研修及び継続的職能開発 の参加の確保
・ 当グループの報酬戦略及びインセンティブ 枠組 の 審議及び 提言
・ 取締役、取締役会委員会 の委員 、上級管理職 及び 主要 な従業員 の報酬の
審査
当年度中に実施した主な業務（承認、審査及び取締役会に対する提案を含
む。）
・ 取締役及び取締役会委員会委員の任命及び変更に関する事項の検討
・ 上級管理職の選任、解任及び報酬に関する事項の検討
・ 2021 年度の上級管理職の業績評価結果
・ 2021 年度の上級管理職を含む当グループの従業員賞与に関する提議
・ 2023 年度の当グループ及び上級管理職の主要業績指標
・ 2023 年度の当グループの人事予算案
・ 取締役会、取締役会委員会及び個々の取締役の年次の成果評価の調整及
び監督
・ 主要な人事及び報酬方針の年次審査及び改訂
・ 「取締役の独立性に関する指針」及び「取締役の報酬に関する指針」の
年次審査
注記：
1 ：独立非執行取締役
2 ：非執行取締役
リスク委員会
リスク委員会は現在、 5 名で構成され、全員が独立非執行取締役である。当年度中のその構成、主な任務及び主要な成
果は以下のとおりである。
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構成 主な任務
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KOH Beng Seng 氏 ( 議長 ) ・ 当グループのリスク選好及びリスク管理戦略の策定、並びに当グループ
のリスク・プロファイルの決定
1
FUNG Yuen Mei Anita 氏
・ 当グループの様々な事業部門が直面する重大なリスクの特定、査定及び
LAW Yee Kwan Quinn 氏
管理
2
LEE Sunny Wai Kwong 氏
・ 当グループのリスク管理方針、システム及び内部統制の適切性及び有効
TUNG Savio Wai-Hok 氏
性の審査及び査定
・ 当グループの資本管理の見直し及び監視
・ 当グループの貸借対照表項目の目標値見直し及び承認
・ 当グループの事業を管理する健全性規制要件及び法規制要件の遵守を含
む、当グループのリスク管理方針、システム及び内部統制の遵守の審査
及び監視
・ 当グループの高リスク関連方針の見直し及び承認
・ 重大もしくは高リスクのエクスポージャー又は取引の審査及び承認
・ リスク・エクスポージャー報告書、モデル開発・検証報告書並びに信用
リスク・モデルの成果報告書を含むリスク管理報告書の審査
当年度中に 実施した主要な業務
・ 当グループのリスク選好、 リスク管理方針ステートメント、資本管理方
針、ストレス・テスト方針、データ管理方針、リスク・データ集約＆リ
スク報告管理方針、並びに信用リスク、市場リスク、流動性リスク、金
利リスク、オペレーショナル・リスク、法的リスク、コンプライアン
ス・リスク、技術リスク、戦略リスク、評判リスク、反マネー・ロンダ
リング及び反テロ資金調達等を対象とする方針を含む当グループの主要
なリスク管理方針の見直し及び承認
・ 当 グループの回復計画の年次レビュー 案 、 グループ賞与給付メカニズム
に関するリスク調整方法、当グループのリスク調整結果、信用資産 ECL 法
の改訂の提案及び改訂住宅ローンデフォルト時損失率（ LGD ）モデル
・ 当グループの目標貸借対照表、内部自己資本規制評価プロセス (ICAAP)
の結果、投資計画及びポートフォリオの主要リスク指標、並びにリスク
管理限度を含めた、当グループの運営計画の検討及び承認
・ 当グループのリスク管理報告書、 機関的 マネーロンダリングリスク評価
報告書 、不動産セクターに対する信用品質に関する報告書、東南アジア
事業体におけるローン・ポートフォリオの資産の質に関する報告書、ロ
シア及びウクライナに対する当行の信用エクスポージャー及びエクス
ポージャーに関する制裁措置の影響に関する報告書、欧州に対するエク
スポージャーに関する報告書、 BOC ライフのリスク管理報告書、外貨借入
エクスポージャー及び / 又は高ギアリングの上位 50 名の顧客に対する信用
エクスポージャーに関する報告書、当行に関する香港ドルの流動性逼迫
の影響に関する報告書、銀行勘定投資ポートフォリオの概要及びリスク
軽減実施の進捗に関する報告書、サイバーセキュリティ態勢、 BOCHK の
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CSW AML 取引スクリーニング機械学習プロジェクトに関する報告書、アウ
トソーシング管理に関する報告書、信用リスク、市場リスク及び銀行勘
定金利リスク・モデル検証報告書等 、リスク管理報告書のレビュー
注記：
1 ：独立非執行取締役及び 2022 年 3 月 3 日付でリスク委員会の委員に任命
2 ：独立非執行取締役及び 2022 年 9 月 14 日付でリスク委員会の委員に任命
戦略・予算委員会
戦略・予算委員会は現在、 2 名の非執行取締役及び 5 名の独立非執行取締役、並びに当社の執行取締役兼社長の 8 名で構
成されている。当年度中のその構成、主な任務及び実施した主要な業務は以下のとおりである。
1
主な任務
構成
・ 取締役会の承認に向けた当グループの中長期戦略計画の 審議
2
・ 当グループの中長期戦略の実施の監視、及び経営陣に対する 戦略の方向
LIU Jin 氏
性に関する 指針の提示
3
SUN Yu 氏
・ 当グループの主要な投資、資本出資及び戦略的コミットメント の審議及
2
LIN Jingzhen 氏
び 取締役会への上申
4
CHENG Eva 氏
・ 当グループの通常／定期（年次も含む）事業計画の審議 及び監視
4
CHOI Koon Shum 氏
・ 取締役会の承認に備えた予算の審議、及び予算目標に対する実績の監視
5
当年度中に 実施した主要な業務
FUNG Yuen Mei Anita 氏
6
・ 取締役会の承認 に向けた当グ ループ の資本注入及び子会社の持分再構築
LEE Sunny Wai Kwong 氏
の審議
4
TUNG Savio Wai-Hok 氏
・ 取締役会の承認 に向けた当グループのデジタル・インフラ・プロジェク
トの審議
・ BOCHK のデジタル・トランスフォーメーション戦略の進捗の受領及びこ
れに関する審議
・ 当グループの 2022 年財務予算及び事業計画の審議及び監視、並びに 2023
年に向けて経営陣により提出された当グループの財務予算及び事業計画
の審議及び是認並びに取締役会への勧告
注記
1 ： LIU Liange 氏は、 2023 年 3 月 18 日付で、会長、非執行取締役戦略・予算委員会の議長を辞任した。
2 ：非執行取締役
3 ：執行取締役
4 ：独立非執行取締役
5 ：独立非執行取締役及び 2022 年 3 月 3 日付で戦略・予算委員会の委員に任命
6 ：独立非執行取締役及び 2022 年 9 月 14 日付で戦略・予算委員会の委員に任命
持続可能性委員会
持続可能性委員会は現在、 7 名の独立非執行取締役並びに当社の執行取締役兼社長を含む 8 名で構成されている。当年
度中の同委員会の構成及び主な任務は以下のとおりである。
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構成 主な任務
1
・ 当 グループの持続可能性 の 戦略、目標及び優先事項並びに重要な持続可
CHENG Eva 氏 （議長）
能性に 関連 する方針の 審査
2
SUN Yu 氏
・ 当 グループ にとって 重要な環境、社会 及び ガバナンスの課題 及び その 関
1
CHOI Koon Shum 氏
連する 対策の 審査
3
FUNG Yuen Mei Anita 氏
・ 当 グループの 持続可能性のパフォーマンス の 監督
1
・ 当 グループ の 企業文化の監督 及び関連方針の審査
KOH Beng Seng 氏
1
・ 適切な報告原則及び限度の決定並びに 2021 年持続可能性報告書の審査
LAW Yee Kwan Quinn 氏
当年度中に実施した主要な業務
4
LEE Sunny Wai Kwong 氏
・ 当グループの持続可能性戦略の実施の監督
1
TUNG Savio Wai-Hok 氏
・ 取締役会の承認に向けた 2021 年持続可能性報告書及び重要な問題の審査
・ 「銀行文化構築に関する報告書」を含む持続可能性関連報告書の審査
・ 「カーボン・ニュートラル」目標及び BOCHK 事業運営の実施ロードマッ
プの審査
・ 当グループによりなされる各種持続可能性の措置の監督及び審査
・ 当グループの財務活動における炭素排出の計算、リテール・バンキング
の顧客及び支店の低炭素の移行、並びに気候関連及び ESG リスク管理に関す
る進捗報告書の受領及びこれに関する討議
注記
1 ：独立非執行取締役
2 ：執行取締役
3 ：独立非執行取締役及び 2022 年 3 月 3 日付で持続可能性委員会の委員に任命
4 ：独立非執行取締役及び 2022 年 9 月 14 日付で持続可能性委員会の委員に任命
臨時委員会
取締役会は、当年度中、以下のような詳細で臨時独立取締役会委員会を設置した :
独立取締役会委員会
2025 年 12 月 31 日に終了するまでの 3 年間の、一方で当グループ、他方で BOC 及びその関連会社との間の継続的関連取引及
び新たな上限を再検討するために、当年度中、独立取締役会委員会が設置された。同委員会は、すべての独立非執行取締
役より構成され、トゥン・サヴィオ・ワイ - ホク氏が議長を務めた。同委員会は独立した財務アドバイザーとしてグラ
ム・キャピタル・リミテッドを採用している。グラム・キャピタル・リミテッドの助言及び勧告に基づき、同委員会は、
継続的関連取引が通常の取引条件で当グループの一般及び通常の事業の過程において締結され、 2025 年 12 月 31 日までに終
了する 3 年間の継続的関連取引及び当該取引に課される年間上限額は当社及びその株主全体の利益となるものであり、独
立株主に関する限り、公正かつ合理的であることを確認した。同委員会はまた、取締役会と独立株主に対し、継続的関連
取引の予定年間上限額を勧告する。一定のカテゴリーの継続的関連取引の年間上限額は、上場規則に定義されている適用
比率の 5% 以上を占めるため、当該取引は、当社の独立株主の承認を必要とする。株主は、 2023 年 1 月 26 日付で当社が発行
する通知及び 2023 年 4 月に当社が発行する年次株主総会の通知を、それぞれ、継続的関連取引及び年次株主総会に関する
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詳細について参照することができる。株主はまた、当社のウェブサイト www.bochk.com から上記の文書を閲覧及びダウン
ロードすることができる。
取締役の証券取引
当社は、当社の証券取引における取締役の取引を管理するため「取締役による証券取引に関するコード」（以下「当
社コード」という。）を制定し実施している。当社コードの条件は上場規則付属書類 10 に記載の「上場 発行体 の取締役に
よる証券取引に関するモデル・コード」に規定される強制基準よりさらに厳格である。当社の取締役の証券取引とは別
に、当社コードは、それぞれ 2006 年 6 月及び 2016 年 6 月より香港証券取引所に株式を上場後、中国銀行及び BOC アビエー
ション・リミテッド (BOC の子会社 ) 並びに 2020 年 2 月に上海証券取引所にその株式を上場後、 BOC インターナショナル
（チャイナ）カンパニー・リミテッド（ BOC の関連会社）の取締役による証券取引に対しても適用されている。
当社の具体的な調査を行い、取締役全員が 2022 年度を通して当社コード及び当該モデル・コードの両方に規定される
規定を厳格に遵守していたことを確認した。
取締役の報酬
取締役の報酬の提言がなされる際には、当社が採用する「取締役の報酬に関する方針」に従い、取締役に対して公平な
対価を支払うために、指名・報酬委員会は業種又は規模、その果たす役割（委員長の任務又は委員の任務）並びに取締役
会及び取締役会委員会双方のレベルでの業務の性質及び量（会議の頻度及び議題項目の性質を含む。）が類似する会社を
参考にする。取締役の報酬は、市場慣行、規制上の要件及びインフレ等を基に定期的に見直されることになっている。各
取締役は、それら個々の報酬パッケージを決定する手続に参加することはできない。独立非執行取締役の報酬は、当社の
業績に連動していない。 2022 年度の各取締役の報酬に関する情報は、本書「第６－１ 財務諸表」の注記 21 に記載されて
いる。取締役会委員会の委員にかかる追加報酬を含め、現行の取締役の報酬基準は下記のとおりである。
取締役会：
全ての取締役 年間 400,000 香港ドル
取締役会委員会：
議長 年間 100,000 香港ドル
その他の委員 年間 50,000 香港ドル
注記： 2022 年 12 月 31 日終了年度について、全ての非執行取締役（独立非執行取締役を除く。）及び執行取締役は上記
の取締役報酬を受領しなかった。
指名・報酬委員会はまた、執行取締役及び上級管理職の現物給付、年金受給権及び報酬支払（解任又は任期終了の場
合の支払報酬、繰延報酬の早期支払を含む。）並びに業績ベース報酬を含む報酬パッケージを決定する権限を取締役会か
ら委任されている。さらに、同委員会は取締役会に対し、その契約時報酬パッケージ、契約金、契約上保証された賞与等
について提案を行う。
報酬及びインセンティブのメカニズム
当グループの報酬及びインセンティブのメカニズムは、「効果的な動機」と「健全な報酬管理」の諸原則に基づいて
いる。これは、報酬を業績及びリスク要因と密接に結びつけるものである。同メカニズムは、健全な報酬管理を達成する
ために、スタッフが業績を高めることを奨励し、同時に、リスク意識を強化するべく、機能する。
当グループの「報酬及びインセンティブ方針」は、通常、 HKMA の「健全な報酬システムに関する指針」に定める幅広
い原則に従っており、当社及びその全子会社（香港内外の支店及び事業体を含む。）に適用される。
・ 上級管理職及び主要人員
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当グループの「報酬及びインセンティブ方針」は、以下の通り、「上級管理職」及び「主要人員」を定義してい
る。：
・ 「上級管理職職」 : 取締役会によって指名された上級管理者で、企業全体の戦略もしくは活動又は重要な事業分野
の監督に責任を持つ者。社長、副社長、最高財務責任者、最高リスク管理責任者、最高業務責任者、取締役会秘
書役及び当グループ監査ジェネラル・マネジャーが含まれる。
・ 「主要人員」 : その職務又は活動が重大なリスク想定を伴う従業員、又は当グループに代わり重大なエクスポー
ジャーを引き受ける者、又はその個人の責任がリスク管理に直接的に及び大きく連動する従業員、又は収益に直
接影響を及ぼす者を指す。重要な事業分野の責任者、主要子会社及び東南アジア事業体の長、トレーディング責
任者、リスク管理機能責任者、社長に直接報告を行うジェネラル・マネジャー並びに銀行条例に従い当グループ
により任命される「マネジャー」が含まれる。
・ 報酬方針の決定
上記の諸原則を満たし、当グループの報酬方針の枠組における効果的なリスク管理を容易にするために、当グルー
プの報酬方針は、スタッフの動機、健全な報酬及び慎重なリスク管理の必要性のバランスを取るため、リスク管理、
財務管理及びコンプライアンスを含むリスク管理ユニットと相談の上、人事部が提案する。提案された報酬方針が経
営会議を通過した後、審議のために指名・報酬委員会に提出され、次に、承認を得るために取締役会へ提出される。
指名・報酬委員会及び取締役会は、状況下で必要なことを考える他の取締役会委員会（たとえば、リスク委員会、監
査委員会等）の意見を求める。
・ 報酬及びインセンティブのメカニズムの主な特色
１ . 業績管理のメカニズム
当グループは、当グループ、ユニット及び個人のレベルでの業績管理を正式なものとする業績管理メカニズムを発
表した。当グループの年間目標は、上級管理職や様々なユニット（ビジネスユニット、リスク・コントロール・ユ
ニット、その他のユニットを含む。）が、財務、戦略実行、構成要素、人的資源、リスク管理及びコンプライアンス
の視点から査定される際に用いられるバランスの取れたスコアボードの枠組の中で、次へと引き継がれる。異なった
レベルの個人スタッフに関しては、当グループの年間目標は業績管理メカニズムを通じてポストの仕事の要件に結び
付けられる。個人の業績は、作業目標の達成、コンプライアンスの度合い、リスク管理義務に関するその履行及び企
業文化の価値等の順守に関して評価される。このメカニズムの下では、目標の達成が考慮されるのみならず、当グ
ループの慎重な運営及び持続可能な開発を確実にする、業務の過程における価値観に基づく行動及び十分なリスク管
理もまた考慮される。
２ . 報酬のリスク調整
「リスク変更因子の評価に関する管理措置」に基づき、業績及び報酬をリスクと調整する原則を実行するため、
BOCHK の主要なリスク変更因子が当グループの業績管理メカニズムに組み込まれている。信用リスク、市場リスク、
銀行勘定の金利リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスク、法的リスク、コンプライアンス・リスク（反マ
ネーロンダリングを含む。）及び評判リスクが「リスク変更因子の評価に関する管理措置」の枠組を形成する。当グ
ループのボーナス・プールの大きさは、取締役会が承認したリスク調整後の業績結果に基づいて算出され、取締役会
の裁量下に置かれる。この調整法により、当グループは、リスクへのエクスポージャーと変化を考慮した後、当グ
ループのボーナス・プールを用意することができ、また報酬メカニズムを通じて効果的なリスク管理を保持すること
ができる。
３ . 業績ベース・リスク調整後の報酬管理
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スタッフの報酬は、「固定報酬」と「変動報酬」から構成され、スタッフの個人別の割合は、固定部分と変動部分
の間でバランスが取られることを必要条件として、仕事の等級、役割及びスタッフの責任と機能によって決まる。一
般的に、仕事の等級が高ければ高いほど及び / 又は、責任が重ければ重いほど、スタッフが慎重なリスク管理と健全
な 長期的財務の安定性という指針に従うようになるために、変動報酬の割合が高くなる。
毎年、当グループは、報酬戦略、市場の支払の傾向及びスタッフのサラリーのレベルのような多様な要因を参照し
て、スタッフの固定報酬に関する定期的な吟味を行っており、当グループにとって健全であることや、当グループ、
部署及び個人の業績に基づいて報酬が決定される。上述したように、業績査定の基準として、量的要因と質的要因
や、財務及び非財務の指標がある。
「 BOCHK グループ賞与給付方針」によれば、当グループの賞与プールの大きさは、当グループの財務実績及び当グ
ループの長期開発下の非財務の戦略的ビジネスの目標により決まる。決定の過程において、リスク要因も、徹底的に
考慮される。賞与プールの大きさは、所定の公式によって算出されるが、支配的な環境下で適切だと思えるならば、
取締役委員会は、自由裁量による調整を行うことができる。当グループの業績が不調（業績水準が閾値に満たない
等）の場合、当年度の賞与は原則的に支払われないが、取締役会にはその裁量を行使する権利が留保される。
個別の部署や個人に関する限りは、変動報酬の配分は、部署の業績、各スタッフ個人の業績、また、スタッフ個人
が所属している部署の業績と緊密につながっており、これら業績の査定にはリスク変更因子が含まれなければならな
い。リスク管理人員の業績と報酬規定は主要な職責の達成度によって決定され、彼らの管轄の事業とは無関係であ
る。最前線のリスク管理者に対しては、業績ベースの報酬の適合性を確保するため、部門横断的なレポーティング及
び業績管理システムが適用される。当グループの需要可能なリスクのレベル内であれば、部署やスタッフ個人の業績
が良ければ良いほど、スタッフ個人の変動報酬は、高くなる。社員への変動報酬の配分についても、個人の行動を包
括的に考慮すべきである。当グループの企業文化に積極的で、遵守する行動に対しては、変動報酬を前向きに傾斜さ
せ、企業文化に否定的で、遵守しない行為及び行動については、変動報酬を没収又は減額すべきであり、調整される
報酬金額は、不正行為の結果に比例すべきであり、影響の深刻度のすべての関連する指標を考慮に入れるべきであ
る。
４ . 変動報酬の支払をリスクの発生期間と結び付け、当グループの長期的価値の創造に反映する
報酬をリスクの発生期間と調整する原則を考案し、実際の支払の前に、関連のリスクとその影響を確かめる十分な
時間が取れるようにするために、スタッフの変動報酬の現金での支払額がある規定された閾値に達するときは、その
現金支払を繰延べる必要がある。当グループは繰延べについて、漸進的なアプローチを取っている。スタッフが行う
業務におけるリスクの発生期間が長ければ長いほど、また、変動報酬の額が高ければ高いほど、繰延比率が大きくな
る。延期期間は 3 年にわたる。
繰延変動報酬の権利確定は、当グループの長期的価値の創造と連動する。権利確定条件は、翌３年間の年次業績及
び当該スタッフの個々の行状と密接に連動する。当グループの業績が閾値要件を満たしている場合、繰延変動報酬は
相応のスケジュールに従い権利確定される。ただし、スタッフが詐欺、金融商品の不正販売、市場操作（又は操作の
試み）等を含むがそれらに限定されない、重大な不正行為を働いていたことが判明した場合、又は業績測定もしくは
変動報酬の算定に用いられた何らかの財務的もしくは非財務的な要素がある特定年度において当初把握されていたよ
り明らかに悪いこと、もしくは個々の行状／経営手法が事業部門ひいては当グループに悪影響を及ぼしたこと（企業
文化を順守しない否定的なもしくは不適切な振舞、不当もしくは不適切なリスク管理、不適切な管理により生じた重
大な出来事及び経済的損失等を含むがこれに限られない）が事後的に判明した場合は、当該スタッフの繰延変動報酬
の権利未確定部分は失権する。
・ リテール銀行のフロント・オフィスのインセンティブ制度に関する重点的見直し
健全な銀行文化をさらに促進し、顧客の成果に対する適切な理解を深め、不正販売や不正行為のリスクを低減するため
に、関連するインセンティブ・メカニズム及びその管理体制が、 HKMA の「リテール銀行のフロント・オフィスのインセン
ティブ制度に関する重点的見直し」を参照することにより、見直され、最適化された。当グループは、期待される成果が
確実に達成されるよう、関連する最適化措置の実施を引き続き監視する。
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・ 報酬方針の年次レビュー
当グループの報酬方針は、外部の規制上の要件、市況及びリスク管理要件等の変更を参照して、年次レビューの対象
となる。 2022 年、当グループは、「 BOCHK グループ報酬及びインセンティブ方針」、「 BOCHK グループ変動支払繰延方針」
及び「 BOCHK グループ・ボーナス・資金調達方針」を含む報酬及びインセンティブ関連方針のレビューを行い、「上級管
理職」と「主要人員」の役職一覧、可変的賃金の据置率と据置基準、並びに可変的賃金の回収管理メカニズムを確立させ
た。上記の改訂は 2023 年 1 月 1 日付で実施された。
・ 社外報酬コンサルタント
報酬及びインセンティブのメカニズムの適合性及び競争性を確保するため、当グループはウィルズ・タワーズ・ワト
ソン、マーサー及びマクレーガンを、上級管理職及び主要な役職者等の給与管理及び市場報酬データの分野における社外
コンサルタントに任命した。
・ 報酬の開示
当グループは、報酬及びインセンティブのメカニズムに関する情報を開示するために HKMA が発行する「健全な報酬シ
ステムに関する指針」第３章の指針を完全に遵守している。
社外監査人
取締役会が導入した「社外監査人の管理に関する方針」に従い、国際的に最良の慣行と合致する同方針に定める原則
及び基準に基づき、監査委員会は、当グループの外部監査人であるプライスウォーターハウス・クーパースの独立性及び
客観性に関して審議し、モニタリングを行い、その客観性並びにその監査手続きの有効性に満足した。監査委員会の推薦
によって、取締役会は 当社の 2023 年度の年次株主総会時にプライスウォーターハウス・クーパースを当グループの監査人
として再任する予定である。
2022 年について、当グループがプライスウォーターハウス・クーパースに対して支払った又は支払うべき報酬は 44 百
万香港ドル (2021 年度： 36 百万香港ドル ) であり、そのうち 25 百万香港ドル (2021 年度： 25 百万香港ドル ) は監査業務に関連
するものであり、 19 百万香港ドル (2021 年度： 11 百万香港ドル ) はその他の業務 ( 主に税務関連及び顧問業務を含む。 ) に関
連するものである。
監査委員会は、 2022 年度の監査以外の業務が プライスウォーターハウス・クーパースの独立性に影響を及ぼさなかっ
たと確信している。
リスク管理及び内部統制
取締役会は、当グループの戦略的目標を達成するために進んで負担すべきリスクの性質及び程度を評価及び判断する
こと、並びに当グループが健全で有効なリスク管理・内部統制システムを確実に設定及び維持することについて責任を負
う。取締役会は、リスク管理・内部統制システムの設計、実施及び監視につき経営陣を監督する。
取締役会の委任の範囲に従い、経営陣は日常的な経営及びリスク管理に関する責任を負い、経営陣はこれらのシステ
ムの有効性について取締役に確証を提供する必要がある。
リスク管理・内部統制システムの目的は、事業目標の未達リスクを除去するためというよりむしろ管理する点（同シ
ステムは、重要な虚偽表示又は損失が生じないよう合理的な保証はできても絶対的な保証はできない。）、システム障害
のリスクを管理する点及び当グループの目的を達成する支援を行う点にある。当グループの資産の保護に加え、適切な会
計記録及び関連法令の遵守の維持を保証する。
当グループはその財務、経営及び遵守統制並びにリスク管理を含む全ての重要な統制を対象とするリスク管理・内部
統制システムの有効性について、年一度見直しを行う。かかる見直しは、５つの異なる内部統制要素（統制環境、リスク
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評価、統制活動、情報及びコミュニケーション並びに監視）を評価する目的のため、規制及び専門機関による指針及び記
述を参考にして実施される。かかる評価は、財務、経営及びコンプライアンス統制並びにリスク管理機能を含む全ての主
な 内部統制及び施策を対象とする。かかる見直しはまた、資本、従業員の適格性及び経験並びに当グループの会計、財務
報告、及び内部監査機能、並びに ESG の成果及び報告に関連する事項の妥当性も検討する。この見直しは、経営陣及び
様々な事業部門が自己査定をして経営陣が当該システムの有効性を確認した後に当グループの内部監査部が調整を行い、
検討過程及び結果について独自の調査及びその他の査定後の業務が実施される。 2022 年度の検討結果は監査委員会及び取
締役会に報告済みであり、当グループのリスク管理・内部統制システムが有効かつ適切であった旨が明示された。
また、内部統制を提供するために当グループが原則的に設置及び実施した主要手続を以下にまとめる。
・ 適切な人員が配置された合理的な組織構造が発達し、人員の責任、権限及び説明責任が明確に区別されている。
当グループは全ての作業部門における適正な確認及び均衡、当グループの資産に対する適切な保護、並びに経営
上の関連法令及びリスク管理の遵守を保証するため明文化された方針及び手続きを策定した。
・ 経営陣は当グループの戦略、事業計画及び財務予算を作成し、継続的にその実施を監視する。実施中の会計及び
経営システムは、財務及び経営業績を評価する基準を提供する。
・ 当グループには、様々なリスク管理及び人事方針がある。評判、戦略、法務、コンプライアンス、信用、市場、
業務、流動性及び金利のリスクの取扱いにつき責任を負う特定の部署及び人員が存在する。また、内部情報の取
扱い及び流布に関する手続及び内部統制も存在する。当グループは、全ての主要リスクを特定、評価及び管理す
るためのメカニズムを構築し、これに対応した内部統制手続や内部統制の瑕疵を解消するための手順を設定して
いる。（当グループのリスク管理は本書の「第２ － 第３ 事業の状況 － 3.2. リスク管理」に記載されてい
る。）
・ 当グループは、様々な事業部門、財務情報及び経営業績の監視に関する情報を含む情報システム及び経営につい
ての様々な報告書を作成する情報技術の統治体制を設立した。かかる情報は、経営陣、事業部門及び規制機関に
よる当グループの業務及び業績の評価及び監視を手助けする。様々な事業分野及びレベルでの正確な伝達経路及
び報告手段は情報交換を促進するために整備されている。
・ リスクに基づく手法及び監査委員会により承認された内部監査計画に従い、当グループの内部監査部は財務活
動、様々な事業分野、各種のリスク、経営及び活動等の側面に対し個別の審査を実施する。報告書は監査委員会
に直接提出される。当グループの内部監査は、注意が必要な事項を系統的な方法で厳密に検証し、経営陣及び監
査委員会に直ちに報告する。
・ 監査委員会は、年次監査に関して社外監査人が当グループの経営陣に提出した報告書並びにリスク管理及び内部
統制について規制機関が行った提案を審議する。当グループの内部監査は、提案の適時な実施を保証するため、
上記を継続的に検証し、また、経営陣及び監査委員会に対し実施状況を定期的に報告する。
当グループは、良好なコーポレート・ガバナンス慣行を守ることに最大の努力を払い、全ての子会社の内部統制シス
テムは定期的に審査されている。 2022 年度中、組織構造及び職務の分離、リスク管理方針及び手続き、並びに開示の透明
性の是正に関して継続的な改善が当グループにより行われた。グローバルな経済状況、事業環境、規制要件及びビジネス
展開における内部的及び外部的変動性に対応するため、当グループは、内部統制構造の有効性に関する一連の措置を講じ
不断の見直しを行った。 2022 年度中に、改善が必要な部分が認識され、適切な対策が実施された。
株主とのコミュニケーション
当社は、有効性を確保するため、取締役会により毎年見直しが行われる「株主通信方針」を採択している。当該方針
は、株主との継続的かつ効果的なコミュニケーションを維持することを当社のコミットメントと定め、発表、回覧、年次
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報告書及び中間報告書といった当社の企業通信へのアクセス並びに当社のウェブサイトを通じたその他の情報、又は株主
の要請があれば関連資料のハードコピーの送付を含む様々なコミュニケーション手段を提供するものである。
取締役会は、株主との継続的なコミュニケーション、特に当社の年次総会での直接対話を通したコミュニケーション
に高い重要性を置いている。パンデミック中、当社は会社法及びその他の適用される疾病予防規則並びに定款の要件を遵
守しつつ、株主との効果的なコミュニケーションを図るため、年次株主総会の開催方法を柔軟に調整した。
株主とのコミュニケーションを密にするほか、当社は投資コミュニティと会合、会議及び説明会の形態により積極的
にコミュニケーションを図っていく。
2022 年 6 月 29 日に香港、セントラル、ファイナンス・ストリート 8 、フォーシーズンズ・ホテル香港、 2 階のフォーシー
ズンズ・グランド・ボールルームにおいて開催された当社の 2022 年度の年次株主総会に、リウ・リエング氏（ 2023 年 3 月
18 日付で辞任した当社の前会長及び戦略・予算委員会の議長）、トゥン・サヴィオ・ワイ - ホク氏 ( 監査委員会の議長）、
チョイ・クーン・シュム氏（指名・報酬委員会）、コー・ボン・ソン氏 ( リスク委員会の議長）及びチョン・エヴァ氏 ( 持
続可能性委員会の議長 ) が出席した。 2021 年 12 月 31 日に終了した年度の当社の監査人であるプライスウォーターハウス
クーパースの代表もまた、当社の 2022 年度年次株主総会に出席し、株主からの問い合わせに対応した。上記を除き、リ
ウ・ジン氏 ( 当社の副会長 ) 、スン・ユ氏 ( 当社の副会長兼社長 ) 、リン・ジンジョン氏、フン・ユエン・メイ・アニータ氏
及びロー・イー・クワン・クイン氏を含むその他の取締役もまた総会に出席した。
パンデミックの中株主総会に出席する株主の健康と安全のため、また HKSAR 政府により強く勧告されている様々なソー
シャル・ディスタンス措置を考慮し、当社はホテルの会場面積を見直し、事前登録により総会への物理的な出席を 100 人
の株主に制限するよう手配した。さらに、年次株主総会は、株主が総会に直接出席するのではなく、株主がどこでもイン
ターネット接続のある場所から指定されたウェブサイトを閲覧することにより、簡便かつ効率的な方法で、総会の議事を
閲覧し、議決権行使に参加し、質問を提出できるハイブリッド総会として行われた。株主はまた、その議決権行使のた
め、総会の議長を代理人に選任することを強く勧められた。さらに、当社は、援助を必要としている人々を支援するため
に、 2022 年に開催された株主総会において、株主への企業贈答品の配布に代わるものとして、ザ・コミュニティ・チェス
ト・アンチ -NCP レインボー・ファンドへの慈善寄付を行うことにより、企業の社会的責任を果たすべく尽力し、またその
調整を増やしている。
2022 年度の当社の年次株主総会で可決された決議案の要旨並びに賛成票の割合は、以下のとおりである。
通常決議 投票率
監査済財務諸表及び取締役及び監査人の報告書の承認 99.86 ％
最終配当の宣言 99.99 ％
取締役の再任 95.31 ％～ 99.98 ％
監査人の再任 99.30 ％
株式発行の一般的委任の付与 99.57 ％
自己株式の取得に係る一般的委任の付与 99.91 ％
議決権行使結果の詳細は、当社のウェブサイト (www.bochk.com) の「インベスター・リレーションズ」と題する項目名
「証券取引所の公表」の下部に掲載されている。
当社の 2021 年年次報告書で開示されるように、取締役会に対する株式を発行するための一般信任の付与にしたがった権限
の行使により、株主価値の希釈化の可能性に関する投資家の懸念を考慮し、投資者や議決権行使助言会社からのフィード
バックを十分に検討し、一般的な株式発行権限に関する業界の慣行を参考にし、また戦略的事業開発計画を審議した上
で、取締役会は、株式を発行する一般的な義務を上場規則で認められる発行済株式総数の 20 ％に比べ、 10 ％までの発行に
引き下げること、及び当社の基準価格の 10 ％を超えない発行価格の割引率の制限を導入することを勧告した。取締役会は
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また、 2022 年の年次株主総会において、株主による承認のため、株式の発行が現金のみの目的であり、かつ資産の取得と
は関係のない場合の発行済株式総数の 5 ％を上限とする基準値を引き続き勧告した。取締役会は、引き続き (i) 発行済株
式 総数の 10 ％ ( 又は株式発行が単に現金のためであり、かつ資産の取得に関連しない場合には 5 ％ ) を上限とする株式を発
行する一般委任の付与の基準値 ( 関連する決議の可決後株式の分割及び併合があった場合には、調整することを条件とす
る ) 、及び (ii) 来る年次株主総会で株主の承認を得るため、当社のベンチマーク価格の 10 ％を超えない発行価格の割引率
の制限、を勧告する予定である。
さらに、高い基準のコーポレート・ガバナンスに対する責任から、取締役会は現金目的のみによる株式の発行及び株
式買戻のための一般信任に基づき取締役会に付与される権限の行使に関する一定の社内方針を導入した。関連の方針の要
約は以下のとおりである。
・ 現金を目的とする株式発行権限の行使において、当グループの合計自己資本比率、とくに当グループの Tier1 資
本、 Tier2 資本を引上げるための費用及び便益、当グループの事業発展のための現金の必要性、株主が公平に扱わ
れなければならないという原則及び株主割引発行の実施の選択肢等の要因を考慮しなければならない。
・ 取締役会は、株式買戻権限の行使の原因となる事象を設定している。その事象には、当社株式の市場価格が公正
価額よりも低くなること、当グループが短期から中期の発展要件を上回る余剰資金を有していること、及び取締
役会が当社の株主資本利益率、正味資産又は一株当り利益の拡大のために関連の授権権限を行使することが適切
かつ妥当であるとみなしていることが含まれる。一般にかかる買戻しは香港証券取引所で行われる。ただし、買
戻しの規模が当社株式の市場の混乱を招く可能性があると予想される場合は、取締役会は一般の申込み、すなわ
ち既存株主各々の所有株式の割合に応じて既存株主に申込みを行うことで買戻しを実行することを検討する。株
式の買戻価格は当社株式の公正価額よりも高くなってはならない。
当社の 2023 年度年次株主総会で提案された全ての決議は、投票によって行われる。よって、当社はかかる目的のた
めに、当社株式の登記機関であるコンピューターシェア・ホンコン・インベスター・サービス・リミテッドを開票検
査官に起用する。投票による議決権行使の結果は、株主の情報の開票終了後可及的速やかに証券取引所のウェブサイ
ト及び当社のウェブサイトに掲載される。
さらに、 2023 年度年次株主総会で検討される議題項目について株主がより良い理解を得ることができるよう、また
株主の積極的な参加を奨励し意見交換及びコミュニケーションのさらなる向上を可能にするため、当社は 2023 年度年
次株主総会の詳細情報を株主に対する招集通知に記載する。そこには、年次株主総会での承認に向けて提案される議
案の紹介、再選の資格を有する退任取締役に関する情報、並びに議決権の投票に関する情報及びその他 2023 年度年次
株主総会に関する案件が「よくある質問」という形で含まれる。
株主の権利
株主は、臨時株主総会を招集する権利、年次株主総会で決議を提案する権利及び取締役選出のために候補を指名する
権利を持つ。詳細な手続きについては以下を参照されたい。
・ 株主が臨時株主総会を招集する方法
該当する議決権を有する全ての株主の全議決権の 5 ％以上を保有する株主は、取締役会に対し臨時株主総会の招集を
要請することができる。要請状は、当該株主が正式に署名し、当該会合で扱われる事項の一般的な性質を明確に表明しな
ければならず、提案される決議の文面を記載してもよい。当該要請状は当社の登記上の所在地事務所である香港、ガーデ
ンロード 1 、バンク・オブ・チャイナ・タワー 53 階に届けられなければならない。有効な要請状が受理され次第、当社は
香港会社条例 566 条から 568 条の要件に従い適切に対処し、必要な手配を行う。
・ 年次株主総会への決議提案手続き
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以下に該当する株主は、当社年次株主総会で適切に諮ることのできる決議の通知を当社に要請する権利を有する。
(a) 該当する議決権を有する全ての株主の全議決権の少なくとも 2.5 ％を保有する株主、又は
(b) 該当する議決権を有する少なくとも 50 人の株主
提案された決議を特定し、当該株主が正式に署名した要請状は、当社の登記上の所在地事務所（香港、ガーデンロー
ド 1 、バンク・オブ・チャイナ・タワー 53 階）に年次株主総会の 6 週間以上前に、又はそれより遅い場合には、当該総会に
ついて通知が与えられた時点で届けられなければならない。有効な要請状が受理され次第、香港会社条例 615 条及び 616 条
の要件に従い、当社は適切に対処し必要な手配を行う。
・ 株主による取締役の指名及び選出
株主が総会における取締役選出に対して退任取締役以外に候補を指名する場合、当該株主は当社の登記上の所在地事
務所（香港、ガーデンロード 1 、バンク・オブ・チャイナ・タワー 53 階）に以下の通知の提出を行うものとする： (a) 総
会に出席しかかる候補者の指名という自身の意思を投票する正式の資格を持つ当該株主（指名された候補者本人を除
く。）の署名のある書面による通知、 (b) 被選出の意思を示す、候補者の署名のある通知状、及び (c) その実施における当
社の経費を賄うために合理的に十分な金額。
上記の通知状の提出期間は最短で 7 日間となる。当該期間の開始日は、かかる通知状提出の対象となる株主総会召集通
知の発信日より後の日付となり、総会開催日の 7 日前までに終了する。有効な要請状及び上記の金額が受理され次第、定
款 99 条の要件に従い、当社は適切に対処し必要な手配を行う。
株主は、当社の登記上の所在地事務所 （ 香港、ガーデンロード 1 、バンク・オブ・チャイナ・タワー 53 階）に 郵便に
て、又は investor_relations@bochk.com に電子メールにて、会社秘書役宛に取締役会に対する質問状を送ることができ
る。会社秘書役は受領した質問状を、そこで言及される該当分野を担当する適切な取締役会構成員又は取締役会委員会委
員長にさらなる対応を指示する。会社秘書役の補佐の下、取締役会はかかる質問状全てが適時に対応されることを保証す
るため、最大限の努力を行う。
情報開示
当社は適時かつ効果的な情報開示の重要性を認識しており、証券先物条例、上場規則及び香港金融管理局の 監督方針
マニュアルを含む適用ある法規制及び規制要件の要求に沿った情報開示（内部情報を含む。）の方針、手続及び管理手段
を策定している。
当グループは、全ての部門 / ユニットが内部情報を迅速に把握及び上申できるよう、当グループの業務の監督及び企業
発展のための管理措置を定めている。経営委員会は、提出された関連情報を検討し、その影響の可能性を評価し、その結
果を取締役会に報告する。取締役会は、内部情報であるか否か、及び関連する状況及び規制上の要件を考慮後、内部情報
を開示することが適切か否かを評価及び決定する。
情報開示方針は、関係部署 / ユニットの長に対し、上申の過程で知る必要のある限られた人数の従業員に内部情報への
アクセスを制限すると共に、随時上級管理職による閲覧のために内部情報を知る従業員のリストを維持することを求めて
いる。当グループでは、確実にこれらの従業員が同方針に基づくその義務に十分に精通できるよう、情報開示方針に関す
る定期的なリフレッシュ研修を実施している。
情報開示方針の詳細は当社ウェブサイト（ www.bochk.com ）に掲載されている。
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財務諸表に関する取締役の責任表明
以下の表明は監査報告書（本書に写しが添付される）に記載されている監査人の責任表明と併せて読むべきものであ
る。本表明の目的は、財務諸表に関連する取締役と監査人の責任を区別することである。
香港会社条例により取締役は当社の状況を真実に基づき公平に表すように財務諸表を作成することが求められてい
る。財務諸表は、当社が不適切と見なされる場合を除き継続事業体として作成しなければならない。取締役は、いつでも
当社が保管する会計記録が如何なる時も合理的かつ正確に当社の財務状況を反映すること、及び財務諸表が香港会社条例
の規定を遵守することを保証する責任を負う。取締役はまた、当グループの資産を保護し詐欺的行為やその他の不正行為
を回避、検出するために合理的かつ実践的な手順をとる義務を負っている。
取締役は、財務諸表を作成するにあたり、当社は合理的な判断と見積りによりサポートされ、常に適用されている適
切な会計方針を採用しており、また適用すべき全ての会計基準が満たされていると考えている。
（２）【役員の状況】
取締役会及び上級管理職
当年度中及び本書提出日現在の当社取締役及び上級管理職に関する情報は以下に記載の通りである。
男性 12 名 女性 3 名（役員の女性比率： 20 ％）
氏 名 年齢 役 職 名
取締役
GE Haijiao （グ・ハイジャオ） 氏 51 会長兼非執行取締役
LIU Jin （リウ・ジン）氏 56 副会長兼非執行取締役
SUN Yu （スン・ユ）氏 50 副会長兼社長
LIN Jingzhen （リン・ジンジェン）氏 58 非執行取締役
CHENG Eva （チョン・エヴァ）氏 63 独立非執行取締役
CHOI Koon Shum （チョイ・クーン・シュム）氏 65 独立非執行取締役
FUNG Yuen Mei Anita （フン・ユエン・メイ・アニータ）氏 62 独立非執行取締役
KOH Beng Seng （コー・ボン・ソン）氏 72 独立非執行取締役
LAW Yee Kwan Quinn （ロー・イー・クワン・クイン）氏 70 独立非執行取締役
(注 2)
63 独立非執行取締役
LEE Sunny Wai Kwong （リー・サニー・ワイ・クウォン）氏
TUNG Savio Wai-Hok （トゥン・サヴィオ・ワイ - ホク）氏 72 独立非執行取締役
上級管理職
JIANG Xin( ジャン・シン ) 氏 52 最高リスク責任者
(注 3)
51 副社長
XU Haifeng （シー・ハイフォン）氏
(注 4)
54 副社長
CHAN Man （チャン・マン）氏
LIU Chenggang （リウ・チョンガン）氏 50 最高財務責任者
注記 1： LIU Liange 氏は、 2023 年 3月 18 日付で会長兼非執行取締役を辞任した。
注記 2： LEE Sunny Wai Kwong 氏は、 2022 年 9月 14 日付で独立非執行取締役に任命された。
注記 3： XU Haifeng 氏は、 2022 年 12 月 15 日付で副社長に任命された。
注記 4： CHAN Man 氏は、 2022 年 8月 1日付で副社長に任命された。
これらの取締役及び上級管理職の構成員は、下記の通り、その様々な委員会における地位を含め、バンク・オブ・チャ
イナ香港において同様の地位に就いている。
当社取締役会は、監査委員会、指名・報酬委員会、リスク委員会、戦略・予算委員会及び持続可能性委員会から成るそ
の委員会を通じて、当社の業務に関する指針及び戦略的方針を与え、また当社の業務を監督している。
通常業務は上級管理職により指揮される。上級管理職は、社長、最高リスク責任者、副社長、最高業務責任者及び最
高財務責任者から構成されている。上級管理職は香港及び／又は中国本土の銀行業界において相当の経験を有している。
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上級管理職はバンク・オブ・チャイナ香港から報酬を受けており、当グループの最善の利益のため行動するよう奨励され
ている。当社の上級管理職の上記の構成員の全員が、通常は香港に居住している。
各非執行取締役の任期は、約 3 年間である。取締役会の任期の詳細については、上記「３ コーポレート・ガバナンス
の状況等 －（１）－ 取締役会－取締役会の構成及び任期」を参照のこと。
取 締 役
役職及び氏名 略歴及び年齢
会長 (51 歳 )
GE Haijiao 氏 取締役会への任命： 2023 年 4 月より当社及び BOCHK の取締役会会長、非執行取締役兼
戦略・予算委員会の議長。
役職及び経験 : 同氏は現在、中国銀行 ( 「 BOC 」 ) の会長兼執行取締役である。
同氏はまた、 BOC ホンコン (BVI) リミテッド及び BOC ホンコン ( グループ ) リミテッドの
取締役でもある。 2023 年に BOC に加わる前は、同氏は 2021 年 11 月から 2023 年 3 月にかけて
中国共産党の河北省常任委員会の委員及び河北省副省長、 2019 年 9 月から 2021 年 11 月に
かけて河北省副省長、 2018 年 11 月から 2019 年 9 月にかけてチャイナ・エバーブライト・
グループ・リミテッドの執行取締役、及び 2019 年 1 月から 2019 年 9 月にかけてチャイナ・
エバーブライト・バンク・カンパニー・リミテッド ( 上海証券取引所及び香港証券取引
所の上場企業 ) の執行取締役兼社長を歴任した。 2016 年 10 月から 2018 年 11 月まで、同氏
はチャイナ・エバーブライト・グループ・リミテッドの副ジェネラル・マネージャーを
務めた。それ以前は、同氏は、中国農業銀行 ( 上海証券取引所及び香港証券取引所の上
場企業 ) に長年勤務し、大連支店副ジェネラル・マネージャー、シンガポール支店ジェ
ネラル・マネージャー、本社国際銀行部副ジェネラル・マネージャー ( 部長級 ) 及び黒龍
江支店ジェネラル・マネージャーを務めていた。
資格 : 同氏は 1993 年に遼寧大学を卒業し、 2008 年に南京農業大学より経営学博士号を
取得した。同氏は上級エコノミストの称号を有している。
スキル及び専門知識： 同氏は、銀行、金融サービス及び政策に豊富な経験、事業管
理、戦略及びコーポレート・ガバナンスに幅広い知識を有しており、マクロ経済及び規
制環境について深く理解している。
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役職及び氏名 略歴及び年齢
副会長 (56 歳 )
LIU Jin 氏 取締役会への任命： 2021 年 8 月より当社及び BOCHK の副会長兼非執行取締役。同氏
は、指名・報酬委員会並びに戦略・予算委員会の各委員である。
役職及び経験 : 同氏は 2021 年 6 月から BOC の副会長兼執行取締役、また 2021 年 4 月から
BOC の社長を務めている。同氏は現在、 BOC (BVI) 及び BOCHKG の取締役を務めている。
2021 年に BOC に入る前は、同氏は 2019 年 12 月から 2021 年 3 月までチャイナ・エバーブラ
イト・グループ・リミテッドの執行取締役、 2020 年 1 月から 2021 年 3 月までチャイナ・エ
バーブライト・バンク・カンパニー・リミテッド ( 「チャイナ・エバー・ブライト・バ
ンク」 ) の社長、また 2020 年 3 月から 2021 年 3 月までチャイナ・エバー・ブライト・バン
クの執行取締役を務めた。同氏は、 2018 年 9 月から 2019 年 11 月まで中国開発銀行の執行
副社長を務めた。同氏は長年中国工業商業銀行 ( 「 ICBC 」 ) に務め、続けて山東副支店
長、中国工業商業銀行 ( 欧州 ) S.A. の副会長、執行取締役、支店長、 ICBC フランクフル
ト支店長、 ICBC 本店投資銀行部長、及び ICBC 江蘇支店長を務めた。
資格 : 同氏は 1993 年に山東大学を卒業し、文学修士号を取得した。同氏はシニア・エ
コノミストの称号を有している。
スキル及び専門知識： 同氏は事業管理・戦略、コーポレート・ガバナンス及び投資
管理に関する専門知識を持ち、銀行及び金融サービス業界において豊富な経験を有して
いる。
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役職及び氏名 略歴及び年齢
副会長兼社長 (50 歳 )
SUN Yu 氏 取締役会への任命： 2020 年 12 月より当社及び BOCHK の副会長兼社長に再指名。同氏
は、各戦略・予算委員会及び持続可能性委員会の委員である。再指名前は、同氏は 2020
年 3 月から 2020 年 12 月まで当社及び BOCHK の非執行取締役及びリスク委員会の委員であっ
た。
役職及び経験 : 同氏は 1998 年に BOC に入社した。同氏は、 2019 年 2 月から 2020 年 12 月ま
で BOC の執行副社長を務め、また 2018 年 9 月から 2019 年 2 月まで BOC の海外事業統括責任者
を務めた。同氏は、 2015 年 3 月から 2018 年 11 月まで BOC のロンドン支店の支店長、バン
ク・オブ・チャイナ (UK) リミテッドの最高経営責任者を務め、また 2015 年 12 月から 2018
年 11 月まで BOC のロンドン・トレーディング・センターのセンター長を務めた。同氏
は、以前は、国際金融市場部のディレクター、金融市場ユニット ( 顧客事業 ) のディレク
ター、金融市場ユニット ( 証券投資 ) のディレクター及び BOC の上海支店の副支店長を務
めていた。同氏は、 2012 年 7 月から 2014 年 12 月まで BOCHK のグローバル・マーケッツ部長
を務めた。同氏はまた、 2015 年 3 月から 2021 年 9 月までバンク・オブ・チャイナ (UK) リミ
テッドの取締役、 2018 年 12 月から 2021 年 9 月までバンク・オブ・チャイナ (UK) リミテッ
ドの取締役会会長、 2019 年 2 月から 2020 年 12 月まで BOC アビエーション・リミテッド ( 香
港に上場 ) 取締役会会長、 2019 年 11 月から 2020 年 12 月まで BOC の上海人民元トレーディン
グ・ユニットの社長及び 2019 年 12 月から 2020 年 12 月まで BOC の北京支店の支店長を兼務
している。
同氏は、 2020 年 12 月より BOC インシュランス（インターナショナル）ホールディング
ス・カンパニー・リミテッドの会長及び BOCHK 慈善団体の会長及び 2021 年 2 月より BOC ラ
イフの会長を含む当グループのその他の役職を務めている。
同氏は香港において多くの公職に就いている。同氏は、アジア金融協力協会のチーフ・
スーパーバイザー、香港銀行協会の会長、香港中国企業協会の名誉総裁、香港中国銀行
協会の会長、並びに為替資金諮問委員会及び通貨理事会小員会、銀行諮問委員会並びに
トレジャリー・マーケット組合協議会に属している。同氏は、北部首都圏諮問委員会及
び HKSAR 政府の戦略企業誘致諮問委員会に属している。同氏は、広東 - 香港 - 澳門広域湾
岸地域起業家組合の共同会長、香港技術革新同盟の顧問であり、香港一般商工会議所委
員会、香港貿易開発協議会のカウンシル、香港貿易開発協議会の一帯一路及び広域湾岸
地域委員会、並びにホンコン・エクスチェンジ・アンド・クリアリング・リミテッドの
リスク管理委員会、香港経営協会のカウンシル、また香港銀行家協会の副会長でもあ
る。
資格 : 同氏は 1998 年に南開大学を卒業し、経済学の修士号を取得した。
スキル及び専門知識： 同氏は事業管理・戦略、コーポレート・ガバナンス、リスク
管理及び持続可能な開発に豊富な知識を持ち、銀行及び金融サービス業界において幅広
い経験を有している。
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役職及び氏名 略歴及び年齢
非執行取締役 (58 歳 )
LIN Jingzhen 氏 取締役会への任命 : 2018 年 8 月に当社及び BOCHK の非執行取締役に就任。同氏は戦略・
予算委員会の委員である。
役職及び経験 : 同氏は 2018 年 3 月より BOC の執行副社長、 2019 年 2 月より BOC の執行取締
役を務めている。同氏は 1987 年に BOC に入社した。同氏は 2015 年 5 月から 2018 年 1 月まで
当社及び BOCHK の副社長を務めた。同氏は、 2014 年 3 月から 2015 年 5 月まで企業向け銀行
部門のジェネラル・マネージャーを務め、 2010 年 10 月から 2014 年 3 月まで BOC の企業向け
銀行業務ユニットのジェネラル・マネージャー（企業向け銀行業務）を歴任した。同氏
は、以前は BCO の企業向け法人業務部門のジェネラル・マネージャー及び BOC の企業向け
銀行ユニットの副ジェネラル・マネージャーを務めていた。同氏は、 2018 年 4 月から
2020 年 12 月まで BOCI の取締役会会長を、また 2018 年 5 月から 2022 年 4 月まで BOC インター
ナショナル ( チャイナ ) カンパニー・リミテッド（上海に上場）の会長を務めていた。
資格 : 同氏は、 1987 年に厦門大学を卒業し、 2000 年に厦門大学の経営学修士号を取得
した。
スキル及び専門知識： 同氏は事業管理・戦略、コーポレート・ガバナンス、リスク
管理及び投資管理に関する幅広い専門知識を持ち、銀行業界において豊富な経験を有し
ている。
独立非執行取締役 (63 歳 )
CHENG Eva 氏 取締役会への任命： 2014 年 10 月に当社及びバンク・オブ・チャイナ香港の独立非執
行取締役に就任。同氏は、持続可能性委員会の議長並びに監査委員会及び戦略・予算委
員会の各委員会の委員である。
役職及び経験： 同氏は香港特別行政区（「 HKSAR 」）の政府運輸及房屋局の前局長。
1983 年 8 月より香港政府の政務職に就き、種々の部局において、経済発展及労工局常任
秘書長をはじめとした様々な役職を歴任した。同氏は 2012 年 6 月 30 日に HKSAR を退職し
た。
資格： 同氏は、香港大学より社会科学の学士号を取得している。
スキル及び専門知識： 同氏は事業戦略、コーポレート・ガバナンス、持続可能な開
発並びに環境、社会及びガバナンスに幅広い知識を有している。
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役職及び氏名 略歴及び年齢
独立非執行取締役 (65 歳 )
CHOI Koon Shum 氏 取締役会への任命： 2016 年 6 月に当社及びバンク・オブ・チャイナ香港の独立非執行
取締役に就任。同氏は、指名・報酬委員会の議長並びに戦略・予算委員会及び持続可能
性委員会の各委員会の委員である。
役職及び経験： サンワー・グループ、サンワ－・インターナショナル・リミテッド
（ 2021 年 6 月 14 日にトロントで上場廃止となり、民営化された。）、サンワー・キング
スウェイ・キャピタル・ホールディングス・リミテッド（香港で上場）及びベトナムの
ビナ・キャピタルの会長。フイシェン・アセット・マネジメント・リミテッドの独立非
執行取締役でもあり、フイシェン・リアル・エステート・インベストメント・トラスト
（香港で上場）のマネジャーである。食品産業、不動産開発、国際貿易、並びにテクノ
ロジー及び金融関連ビジネスにおいて幅広い経験を持つ。
同氏は中華人民共和国政治協商会議の常務委員である。同氏は香港政府の栄典制度に
おける最高栄誉である大紫荊勲章を受賞している。同氏は、以下を含む数々の公の役職
を兼任している。香港中華総商会の会長、広東 - 香港 - マカオ湾岸地域企業家連合の会
長、中国科学院の院長付経済顧問、香港科院の創設後援者兼院長付上級顧問、中国海外
友好協会のエグゼクティブ・ディレクター、香港貿易発展局の評議員、香港ベトナム商
会の創設会長、香港・韓国商会の創設会長、中国香港・イスラエル技術協力促進セン
ター会長、ミシガン州立大学米国・中国教育卓越性研究センター所長など。同氏は、復
旦大学、南京大学及び香港理工大学を含む、数々の大学の役員又は理事を務めている。
資格 : 同氏は、 2005 年に米国のミシガン州立大学から人文学名誉博士を授与された。
同氏は、 2007 年に香港工科大学のフェローに就任した。また、同氏は 2009 年に英国のグ
ラモルガン大学より名誉教授、 2011 年に香港の嶺南大学より社会科学名誉博士、 2013 年
にハノイのベトナム国立大学より名誉博士、 2014 年に英国のデ・モントフォート大学よ
り名誉経営学博士及び 2015 年にカナダのアルバータ大学より名誉法学博士を授与され、
2020 年に香港都会大学 ( 旧香港公開大学 ) より名誉経営学博士号を授与された。
スキル及び専門知識： 同氏は事業管理・戦略、コーポレート・ガバナンス、人事管
理及び持続可能な開発に豊富なエクスポージャーを有している。
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役職及び氏名 略歴及び年齢
独立非執行取締役 (62 歳 )
FUNG Yuen Mei 取締役会への任命 : 2022 年 3 月に当社及び BOCHK の独立非執行取締役に就任。同氏は、
Anita 氏 監査委員会、リスク委員会、戦略・予算委員会並びに持続可能性委員会の各委員を務め
ている。
役職及び経験 : 同氏は、 2008 年 5 月から 2015 年 2 月まで HSBC ホールディングス・ピー
エルシーのグループ本部長、 2011 年 9 月から 2015 年 2 月まで香港上海銀行 ( 「 HSBC 」 ) の香
港地域の最高経営責任者を務めた。
同氏は、 HSBC の財務部長兼アジア太平洋グローバル・マーケット部長、アジア太平洋グ
ローバル・バンキング及びマーケット部長を歴任した。
同氏は現在、ハン・ルン・プロパティーズ・リミテッド ( 香港に上場 ) の独立非執行取締
役、司法人員推薦委員会の委員、博物館諮問委員会の委員、香港科技大学の法廷委員、
M プラス・ミュージアム・リミテッドの取締役、香港乗馬クラブの世話役及び医院管理
局の委員である。同氏は以前、中国建設銀行並びにホンコン・エクスチェンジ・アン
ド・クリアリング・リミテッドの独立非執行取締役、交通銀行及び恒生銀行 ( すべての
企業が香港で上場 ) の非執行取締役を含む、複数の上場企業において取締役を務めた。
同氏はまた、香港空港局理事会の独立非執行理事、香港住宅委員会の非公式理事、西九
龍文化区管理局の理事及びザ・ホンコン・モーゲージ・コーポレーション・リミテッド
の非執行取締役を含む、多くの公的な役職を歴任した。
資格 : 同氏は、 1983 年に香港大学より社会科学の学士号を取得し、 1995 年にオースト
ラリアのマッコーリー大学より応用ファイナンスの修士号を取得した。
スキル及び専門知識： 同氏は事業管理・戦略、資本市場、コーポレート・ガバナン
ス、リスク管理及び持続可能な開発に豊富な知識を持ち、銀行及び金融サービス業界に
おいて幅広い経験を有している。
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役職及び氏名 略歴及び年齢
独立非執行取締役 (72 歳 )
KOH Beng Seng 氏 取締役会への任命： 2006 年 3 月に当社及びバンク・オブ・チャイナ香港の独立非執行
取締役に就任。同氏は、リスク委員会の議長並びに各監査委員会、指名・報酬委員会及
び持続可能性委員会の委員である。
役職及び経験： 現在、シンガポールを拠点とする事業及び経営コンサルタント会社で
あるオクタゴン・アドバイザーズ・プライベート・リミテッドの最高経営責任者。同氏
はまた、グレート・イースタン・ホールディングス・リミテッド ( シンガポール上場企
業 ) の非執行会長である。以前は、同氏はシン・ハン・インターナショナル・フィナン
シャル・サービシズ・リミテッド及びホン・スイ・セン・エンドーメント CLG リミテッ
ドの取締役でもあった。同氏はまた、シンガポール上場企業であるシンガポール・テク
ノロジーズ・エンジニアリング・リミテッド、ユナイテッド・エンジニアーズ・リミ
テッドの独立非執行取締役及びオーバーシー - チャイニーズ・バンキング・コーポレー
ション・リミテッドの非執行独立取締役でもあった。 2000 年から 2004 年までは大華銀行
（ United Overseas Bank( 以下「 UOB 」という。 ) ）の副社長を務め、また同社の執行委
員会の委員であった。当該期間中、 UOB の業務運営、販売チャンネル、情報技術、法人
向けサービス、リスク管理及びコンプライアンス業務を担当した。その前は、シンガ
ポール金融管理局に 24 年以上務め、銀行業務及び金融機関グループの長官代理の立場か
ら、シンガポールの金融業の発展及び監督に大きく貢献した。また、チャータード・セ
ミコンダクター・マニュファクチュアリングの取締役及び国際通貨基金の非常勤顧問を
務めている。
資格 : 同氏はシンガポールの南洋大学商学士及び米国コロンビア大学の経営学修士号
を取得している。
スキル及び専門知識： 同氏は事業管理・戦略、コーポレート・ガバナンス、リスク管
理及び持続可能な開発を網羅する銀行業界において豊富な経験を有している。
独立非執行取締役 (70 歳 )
LAW Yee Kwan Quinn 取締役会への任命 : 2019 年 3 月に当社及び BOCHK の独立非執行取締役に就任。同氏は、
各監査委員会、リスク委員会及び持続可能性委員会の委員である。
氏
役職及び経験 : 同氏は、現在、香港科技大学 (HKUST) の理事会メンバー、 HKUST( 広州 )
の所管理事会メンバー、及び香港会計士協会のアドバイザーを務めている。同氏は、以
前は香港科技大学の評議員兼監査委員会議長兼常任委員を務め、企業統治委員会、経済
委員会の専門会計士、専門的行動委員会、倫理委員会を含む、香港公認会計士協会（以
下「香港公認会計士協会」という）の多くの委員会の委員を務めた。同氏は、過去に香
港及び海外の複数の上場企業で取締役を務めた経験がある。同氏は、都市再生機構の元
副会長兼マネージング・ディレクター、ザ・ウォーフ（ホールディングス）リミテッド
の取締役及び天津銀行の独立非執行取締役であった。同氏は現在、 ENN エナジー・ホー
ルディングス・リミテッド及び HKBN リミテッドの独立非執行取締役であり、天津銀行の
スーパーバイザー理事会の指名委員会の外部スーパーバイザー兼議長を務めた（すべて
の会社が香港証券取引所に上場している）。
資格 : 同氏は公認会計士であり、また HKICPA のフェロー会員、公認会計士協会のフェ
ロー会員、公認秘書役及び公認ガバナンス協会の準会員でもある。同氏は HKUST の名誉
会員である。
スキル及び専門知識： 同氏は会計・ファイナンス、銀行、事業戦略、コーポレート・
ガバナンス、リスク管理及び持続可能な開発に豊富な経験を有している。
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役職及び氏名 略歴及び年齢
独立非執行取締役 （ 63 歳 )
LEE Sunny Wai 取締役会への任命 : 2022 年 9 月に当社及び BOCHK の独立非執行取締役に就任。同氏は、
Kwong 氏 監査委員会、リスク委員会、戦略・予算委員会並びに持続可能性委員会の各委員を務め
ている。
役職及び経験 : 同氏は、香港城市大学の副学長 ( アドミニストレーション ) である。
同氏 氏は、香港及び海外で培った 30 年以上の事業及び技術管理の経験を有している。
同氏は、香港のバンク・オブ・アメリカのシステム担当取締役であった。同氏は、米国
の財務、経営コンサルティング及び製造業界において、主要な情報技術 ( 「 IT 」 ) の役職
を務めてきた。同氏は香港ジョッキー・クラブ ( 「 HKJC 」 ) の IT の執行取締役であり、理
事会の委員を務め、 HKJC の IT 戦略及び革新に全般的な責任を負っていた。 HKJC に入社す
る前は、同氏は、香港・中国ガス・カンパニー・リミテッドに勤務し、執行委員を務
め、当グループの最高情報責任者及び 2 つの戦略的多角化事業 iCare.com リミテッド及び
タウンガス・テレコミュニケーションズ・カンパニー・リミテッドの最高経営責任者を
含む多くの主要な役職を務めた。
同氏は現在、 MTR コーポレーション・リミテッド及びサンイービジョン・ホールディ
ングス・リミテッド ( 両社は香港に上場している ) の独立非執行取締役である。同氏はま
た、学術、専門及び地域社会の多くの統治委員会や諮問委員会にも参画している。同氏
は、香港応用科学技術研究所の理事長、公立図書館諮問委員会の委員長、香港特別行政
区革新、技術及び産業発展委員会の職権上の会員、並びに各香港経営協会、香港品質保
証庁並びに香港専門家及び上級役員協会の諮問委員である。同氏は、香港コンピュータ
協会の著名なフェロー、英国コンピュータ協会の公認 IT 専門家、香港技術者協会のフェ
ロー及び英国技術評議会の公認技術者である。
資格 : 同氏は 1982 年に学士号を、また 1983 年にオペレーション・リサーチ＆インダス
トリアル・エンジニアリングの修士号を、いずれも米国のコーネル大学から取得した。
スキル及び専門知識： 同氏は、経営管理及び戦略、コーポレート・ガバナンス、情報
技術管理及び持続可能な開発において豊富な経験を有している。
独立非執行取締役 (72 歳 )
TUNG Savio Wai-Hok 取締役会への任命： 2005 年 12 月に当社及びバンク・オブ・チャイナ香港の独立非執行
取締役に就任。同氏は、監査委員会の議長並びに指名・報酬委員会、リスク委員会、戦
氏
略・予算委員会及び持続可能性委員会の各委員会の委員を務めている。
役職及び経験： 同氏は現在、インベストコープ・テクノロジー・パートナーズの会長
及びインベストコープの上級顧問である。同氏は以前、インベストコープの最高投資責
任者を務めており、インベストコープの設立パートナーの 1 人である。同氏は、 2020 年 6
月に辞任するまで、 NASDAQ に以前上場していた企業であるテック・データ・コーポレー
ションの取締役及び報酬委員会の委員を務めていた。 1984 年にインベストコープに入社
する前、チェース・マンハッタン銀行で約 11 年間勤め、そのフロント、ミドル及びバッ
クオフィスにて種々な役職に就き、同銀行のニューヨーク、バーレーン、アブダビ及び
ロンドン事務所で勤務した。多数のインベストコープのポートフォリオ会社（クラブ・
カー、サークル K 、サックス・フィフス・アベニュー、シモンズ・マットレス、ス
ター・マーケット及びストラタス・コンピューターを含む。）の取締役を務めた。ま
た、コロンビア大学が提携するアーロン・ダイアモンド・エイズ研究センターの取締役
及び財務担当である。同氏は、コロンビア大学医療センター訪問者理事会の名誉理事兼
委員を務めている。
資格 : 同氏はニューヨークのコロンビア大学で化学工学の理学士を保有している。
スキル及び専門知識： 同氏はコーポレート・ガバナンス、財務管理、リスク管理及び
持続可能な開発を含む銀行及び金融サービス業界において幅広い経験を有している。
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上級管理職
役職及び氏名 略歴及び年齢
(52 歳 )
最高リスク責任者
JIANG 氏は 2021 年に当グループに加わった。同氏は、当グループの最高リスク責任者で
JIANG Xin 氏
あり、当グループ全体のリスク統制及び管理に責任を有し、 BOCHK のリスク管理部門、
法務＆コンプライアンス及びオペレーショナル・リスク管理部門、並びに金融犯罪コン
プライアンス部門を監督している。同氏は BOC ライフの取締役でもある。当グループに
加わる前は、同氏は BOC の法人銀行業務部長を務めていた。同氏は 1993 年に BOC に入社
し、 e- バンキング部長、チャンネル管理部長、及び青島支店長を含む各種役職を歴任し
て来た。同氏は、確固たる専門知識と国際的なビジョンを備え、金融業界において豊富
な経験を有している。同氏は中山大学を卒業し、国際貿易の学士号を取得した。同氏は
また、英国ケンブリッジ大学で経営学修士号を取得している。
(50 歳 )
最高財務責任者
LIU 氏は 2022 年に当グループに加わった。同氏は、当グループの最高財務責任者であ
LIU Chenggang 氏
り、財務管理部、一般会計・会計方針部、資金並びに経済＆戦略企画部を監督してい
る。同氏はまた、 Livi バンク・リミテッドの会長でもある。当グループに加わる前は、
同氏は BOC の株式投資及び子会社管理部の部長を務めていた。同氏は 1994 年に BOC に入社
した。同氏は、財務管理部長、並びに資金部長を務め、本店、澳門支店及び深圳支店の
各部署に勤務していた。同氏は、 BOC の本支店、国内及び海外子会社の事業について理
解が深く、財務管理、資金及び世界市場機能において確かな経験を有している。同氏
は、清華大学五道口金融学院より国際金融の修士号及びオーストラリアのマッコーリー
大学より応用ファイナンスの修士号を取得している。同氏はまた、中国の上級会計士及
び認定金融アナリスト (CFA) の資格を取得している。
副社長 (51 歳 )
XU 氏は 2022 年に当グループに加わった。同氏は、当グループの副社長であり、グロー
XU Haifeng 氏
バル・コーポレート・バンキング部門、商業銀行部門、法人営業部門、取引銀行部門、
保管及び信託サービス、並びに東南アジア事業を監督している。同氏はまた、 BOC グ
ループ・トラスティ・カンパニー・リミテッドの会長でもある。当グループに加わる前
は、同氏は BOC( ヨーロッパ ) エス・エイの会長及び BOC ルクセンブルグ支店のジェネラ
ル・マネージャーを務めていた。同氏は、 1993 年に BOC に入社して以来、副ジェネラ
ル・マネージャーとして、本社、遼寧支店、ニューヨーク支店、ジェネラル・マネー
ジャーとしてハンガリー支店等を含む様々な機関で管理職を務めた。同氏は、東北財経
大学より国際金融学士号を、香港中文大学より経営学修士号を取得した。
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役職及び氏名 略歴及び年齢
(54 歳 )
副社長
CHAN 氏は 1990 年に当グループに加わった。同氏は、当グループの副社長であり、個人
CHAN Man 氏
向け銀行業務及び資産管理部、個人向けデジタル銀行商品部、個人銀行業務リスク及び
総合管理部、プライベート・バンキング、 BOC クレジット・カード、並びに BOC ライフを
監督している。同氏はまた、 BOC クレジット・カードの会長、 BOC インシュランス（イン
ターナショナル）ホールディングス・カンパニー・リミテッド及び BOC ライフの取締役
も務めている。同氏は、 1990 年 7 月から 2001 年 9 月まで、香港の中国銀行グループの元加
盟銀行であった華僑商業銀行において様々な役職を務めていた。香港における中国銀行
グループの加盟銀行の事業再編後、同氏は、 2001 年 10 月以降、経済及び戦略企画部の商
品開発部長、法人向け銀行業務及び金融機関部の副ジェネラル・マネージャー、事業最
適化センターのジェネラル・マネージャー、機関事業部のジェネラル・マネージャー、
個人向け銀行業務及び資産管理部のジェネラル・マネージャーを含む、当グループ内の
様々な役職を歴任し、 2022 年 8 月に現在の役職に昇格した。同氏は、香港理工大学 ( 旧香
港理工学院 ) の学士号の資格のビジネス学 ( 銀行業務 ) プログラムを卒業した。
取締役の役務提供契約
2023 年度の年次株主総会において再選候補となっている取締役はいずれも、当社 又はそのいずれかの子会社との間に、
取締役を 1 年以内に解任する場合は雇用企業が賠償金（通常の法定賠償金を除く。）を支払う必要がある旨を定めた役務
提供契約を結んでいない。
取引、取決め又は契約における取締役の利害関係
当該年度末 又は当該年度中のいずれかの時点において、当社、その持ち株会社、又はその子会社もしくは兄弟会社が当
事者となっており、かつ取締役又はその関係主体が直接的又は間接的に重大な利害関係を有する、当グループの事業に関
する取引、取決め又は契約は存在しなかった。
競合事業における取締役の利害関係
当社の年次報告書の日付現在、リウ・ジン氏及びリン・ジンジョン氏は、中国銀行の執行取締役である。当年度中、リ
ウ・リエング氏は中国銀行の執行取締役であった。
中国銀行は、中華人民共和国の法律に基づき設立された有限責任制の株式制商業銀行であり、世界各地におけるその関
連会社を通じて幅広い商業銀行業とその他金融サービスを提供している。当グループの事業活動の一部は、中国銀行及び
その関連会社の事業活動と重複及び / 又はこれを補完するものである。中国銀行又はその関連会社が当グループと競合す
る場合、当グループの利益は、優れた企業統治実務と独立非執行取締役の関与によって十分に保護されるものと取締役ら
は確信している。
さらに、取締役会は、適用法令によって許容される場合を除き、実質株主若しくは取締役が取締役会での付議事項に利
益相反を有する場合、当該付議事項は書面決議をもって取り扱われることはなく、当該付議事項に重大な利害関係を有さ
ない独立非執行取締役が出席する取締役会を開催し当該事項について審議する旨を明白に定めている。
上記開示事項を除き、いずれの取締役も、当グループの事業と直接 又は間接的に競合する又は競合する可能性のある、
当グループの関与のない別事業について、利害関係を有さない。
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取締役の株式取得権
当年度のいずれの時点においても、当社、その持株会社、 又はその子会社もしくは兄弟会社は、取締役が当社又はその
他企業の株式又は債券を取得することで当該取締役に利益が生じることになる契約の当事者となっていない。
株式、原株式及び社債に対する取締役及び社長の持分
2022 年 12 月 31 日現在、取締役、社長及びそれらの各関係者の、証券先物条例第 352 条に従い当社によって記録すること
が義務付けられている登録簿に記録されている通りの、 又は、上場規則付表 10 に記載のある 上場発行体の取締役による証
券取引に関するモデル・コード （以下「 モデル・コード 」という。） に従い当社及び香港証券取引所に別途通知されてい
る通りの、 当社もしくは（証券先物条例第 15 部の意味の範囲内での）その関連会社の株式、原株式もしくは社債に対する
持分 及びショート・ポジションは以下に記載される。
当社：
株式数 / 保有原株式
発行済株式総数に占める
取締役の名前 個人の持分 家族の持分 法人の持分 合計 おおよその割合（％）
TUNG Savio Wai-
(1)
(2)
- - 40,000
40,000
0.00 ％
Hok 氏
注：
(1) TUNG Savio Wai-Hok 氏は、 2,000 の当社の米国預託株式を保有しており、各米国預託株式は当社の普通株式 20 株を表章する。
(2) 当該株式は、当社の発行済株式総数の約 0.0004 ％を表章する。
当社の関連会社：
中国銀行（ H 株式）
発行済 H 株式合計に占め
株式数 / 保有原株式
る
取締役の名前 個人の持分 家族の持分 法人の持分 合計 おおよその割合（％）
(1)
10,000 - - 10,000
SUN Yu 氏
0.00 ％
(2) (3)
4,000,000 5,160,000
CHOI Koon Shum 氏 40,000 1,120,000
0.01 ％
(4)
FUNG Yuen Mei 550,000 - - 550,000
0.00 ％
Anita 氏
注：
(1) SUN Yu 氏により保有される当該株式は、 BOC の H株式の発行済株式総数の約 0.00001 ％を表章する。
(2) 当該株式は、 CHOI Koon Shum 氏の配偶者により保有されている。
(3) CHOI Koon Shum 氏は、証券先物条例により、 Choi Koon Shum チャリタブル・ファンデーション・リミテッドを通じて保有される
1,120,000 株における持分を有するとみなされる。
(4) FUNG Yuen Mei Anita 氏により保有される当該株式は、 BOC の H株式の発行済株式総数の約 0.0007 ％を表章する。
上記記載の持分は全てロング・ポジションであった。上記に開示されたもの以外は、 2022 年 12 月 31 日現在、いかなる取
締役、社長及びそれらの各関係者も、証券先物条例第 352 条に従い当社によって記録することが義務付けられている登録
簿に記録されている通り、当社もしくは（証券先物条例第 15 部の意味の範囲内での）その関連会社の株式、原株式もしく
は社債に対する持分 又はショート・ポジションを有していない。
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取締役及び役員の報酬については、「 第６－１ 財務諸表」に対する注記 21 「取締役、上級管理職及び主要な従業員の
報酬」を参照のこと。また、前述の「第１ 本国における法制等の概要、１ 会社制度等の概要、（１）提出会社の属する
国・州等における会社制度－ 1.1.1 会社条例」も参照のこと。
（３）【監査の状況】
監査委員会の活動及び内部監査については、上記「３ . コーポレート・ガバナンスの状況等、 (1) コーポレート・ガバナ
ンスの概要」を参照のこと。
当社の財務諸表は監査法人によって監査されている。当該監査法人の詳細は以下のとおりである。
i) 監査法人の名称
プライスウォーターハウス・クーパース
ii) 当社の財務諸表について連続して監査関連業務を行っている期間
2021 年 12 月 31 日に終了した年度より 2 年間
iii) 業務を執行した公認会計士の氏名
ラム・ハン氏
iv) 監査業務に係る補助者の構成
プライスウォーターハウス・クーパースの監査チームは、公認会計士 46 名及びその他の個人 32 名の 78 名の人員を有して
いる。監査チームは、慣習上適切な補助者の構成を有している。
当社が当該監査法人を選定した理由については、上記「３ . コーポレート・ガバナンスの状況等、 (1) コーポレート・ガ
バナンスの概要－社外監査人」を参照のこと。
監査報酬の内容等
外国監査公認会計士等に対する報酬の内容
（百万香港ドル（百万円））
2021 年 2022 年
監査証明業務 非監査業務 監査証明業務 非監査業務
に基づく報酬 に基づく報酬 に基づく報酬 に基づく報酬
25 11 25 19
当グループ
(428) (188) (428) (325)
- - - -
当 社
(-) (-) (-) (-)
25 11 25 19
計
(428) (188) (428) (325)
上記「３ . コーポレート・ガバナンスの状況等、 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」も参照のこと。
その他重要な報酬の内容
該当なし。
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外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
上記「３ . コーポレート・ガバナンスの状況等、 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」を参照のこと。
監査報酬の決定方針
上記「３ . コーポレート・ガバナンスの状況等、 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」を参照のこと。
（４）【役員の報酬等】
該当なし。
（５）【株式の保有状況】
該当なし。
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第６【経理の状況】
a. バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド（以下「当社」という。）は、年次報告書において
連結財務書類の開示を行っている。本書記載の当社の連結財務書類の原文（英文）は、当社が香港において公表し
た、香港において一般に公正妥当と認められている会計原則及び法規に準拠して作成されたものである。なお、日本
文の連結財務書類はこれを日本語に翻訳したものであり、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」
（昭和 38 年大蔵省令第 59 号、以下「財務諸表等規則」という。）第 131 条第 1 項の規定の適用を受けている。
b. 本書記載の当社の 2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度の連結財務書類は、当社の本国における独立監査人であり、
外国監査法人等（公認会計士法（昭和 23 年法律第 103 号）第 1 条の 3 第 7 項に規定される外国監査法人等をいう。）であ
るプライスウォーターハウスクーパースの監査を受けている。本書に金融商品取引法第 193 条の 2 第 1 項第 1 号に規定さ
れる監査証明に相当すると認められる証明に係るその独立監査人の監査報告書の写しを添付している。日本文は、こ
れらの原文の監査報告書を日本語に翻訳したものである。
c. 本書記載の当社の連結財務書類（原文）は、香港ドルで表示されている。「円」で表示されている金額は、財務諸
表等規則第 134 条の規定に基づき、 2023 年 4 月 25 日現在の株式会社三菱 UFJ 銀行公表の対顧客電信直物売買相場の仲値で
ある１香港ドル＝ 17.11 円で換算された金額である。金額は百万円単位（四捨五入）で表示されている。日本円に換算
された金額は、四捨五入のため合計欄の数値が総数と一致しない場合がある。なお、当該円換算額は、単に便宜上の
表示を目的としており、香港ドルで表示された金額が上記レートで円に換算されることを意味するものではない。
d. 当社の採用した企業会計基準、会計処理及び表示方法と日本において一般に公正妥当と認められている企業会計基
準、会計処理及び表示方法との間の主な相違点に関しては、「４．香港と日本における会計原則及び会計慣行の主要
な相違」に説明されている。
e. 連結財務書類中の円換算額及び「２．主な資産・負債及び収支の内容」から「４．香港と日本における会計原則及
び会計慣行の主要な相違」までに記載されている事項は、原文の連結財務書類には含まれておらず、当該事項におけ
る財務書類への参照事項を除き、上記 b. の会計監査の対象にもなっていない。
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１ 【財務書類】
(1) 連結損益計算書
12 月 31 日に終了した事業年度
注記
2022 年 2021 年
百万 百万
百万円 百万円
香港ドル 香港ドル
63,834 1,092,200 40,298 689,499
受取利息
実効金利法で算出した受取利息
62,583 1,070,795 39,482 675,537
1,251 21,405 816 13,962
その他
支払利息 (25,020) (428,092) (8,357) (142,988)
正味受取利息
6 38,814 664,108 31,941 546,511
受取手数料 12,705 217,383 14,803 253,279
(3,193) (54,632) (2,931) (50,149)
支払手数料
正味受取手数料
7 9,512 162,750 11,872 203,130
既経過保険料総額 24,112 412,556 26,531 453,945
再保険業者に出再された既経過保険料
(7,957) (136,144) (10,827) (185,250)
総額
正味保険料収入
16,155 276,412 15,704 268,695
正味トレーディング収益 8 13,282 227,255 5,091 87,107
純損益を通じて公正価値で測定するそ
の他の金融商品に係る純損失 9 (3,243) (55,488) (1,136) (19,437)
その他の金融商品に係る純（損失）／
利得 10 (3,887) (66,507) 1,120 19,163
911 15,587 983 16,819
その他営業収益
11
営業収益合計
71,544 1,224,118 65,575 1,121,988
保険金の総額及び負債の変動 (23,004) (393,598) (28,642) (490,065)
保険金及び負債の変動の再保険業者負
8,392 143,587 12,049 206,158
担分
正味保険金及び負債の変動 (14,612) (250,011) (16,593) (283,906)
12
減損引当金繰入前正味営業収益
56,932 974,107 48,982 838,082
(2,345) (40,123) (2,145) (36,701)
正味減損引当金繰入額
13
正味営業収益
54,587 933,984 46,837 801,381
(17,844) (305,311) (16,407) (280,724)
営業費用
14
営業利益
36,743 628,673 30,430 520,657
投資不動産処分／公正価値調整純損失 15 (1,305) (22,329) (229) (3,918)
有形固定資産処分／再評価純損失 16 (111) (1,899) (20) (342)
関連会社及びジョイント・ベンチャー
(339) (5,800) (213) (3,644)
持分損益（税引後） 27
税引前利益
34,988 598,645 29,968 512,752
(5,950) (101,805) (4,969) (85,020)
税金
17
29,038 496,840 24,999 427,733
当期純利益
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(1) 連結損益計算書（続き）
12 月 31 日 に終了した事業年度
注記
2022 年 2021 年
百万 百万
百万円 百万円
香港ドル 香港ドル
純利益の内訳：
当社株主及びその他の資本性金融商
28,444 486,677 24,348 416,594
品保有者帰属利益
当社株主
27,054 462,894 22,970 393,017
その他の資本性金融商品保有者 1,390 23,783 1,378 23,578
594 10,163 651 11,139
非支配持分帰属利益
29,038 496,840 24,999 427,733
配当金 14,347 245,477 11,947 204,413
18
香港ドル 円 香港ドル 円
１株当たり利益
2.5588 43.7811 2.1726 37.1732
基本的及び希薄化後 19
133 ページから 295 ページ（訳者注：原文のページ）の注記は当財務諸表と一体をなしている。
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(2) 連結包括利益計算書
12 月 31 日 に終了した事業年度
注記
2022 年 2021 年
百万 百万
百万円 百万円
香港ドル 香港ドル
29,038 496,840 24,999 427,733
当期純利益
損益計算書に振り替えられることのな
い項目 ：
不動産：
不動産再評価 29 (1,104) (18,889) 651 11,139
200 3,422 (109) (1,865)
繰延税金 36
(904) (15,467) 542 9,274
その他の包括利益を通じて公正価値
で
測定する資本性金融商品：
公正価値の変動 (758) (12,969) (714) (12,217)
71 1,215 22 376
繰延税金
(687) (11,755) (692) (11,840)
(4) (68) - -
退職給付制度に係る数理計算上の損失
(1,595) (27,290) (150) (2,567)
損益計算書にその後振り替えられる可
能性のある項目：
その他の包括利益を通じて公正価値
で
測定する貸付金その他：
損益計算書に計上された減損引当
金の変動 13 77 1,317
- -
その他の包括利益を通じて公正価値
で測定する負債性金融商品：
公正価値の変動 (13,953) (238,736)
(991) (16,956)
損益計算書に（貸方計上）／計上
された減損引当金の変動 13 (118) (2,019)
26 445
損益計算書に振り替えられた処
分／償還に係る取崩し 10 3,858 66,010
(1,171) (20,036)
損益計算書に振り替えられた公正
価値ヘッジ調整累計額の償却費 (36) (616)
8 137
1,514 25,905
繰延税金
379 6,485
(8,735) (149,456) (1,749) (29,925)
(892) (15,262) (583) (9,975)
外貨換算差額
(9,550) (163,401) (2,332) (39,901)
当期のその他の包括利益（税引後） (11,145) (190,691) (2,482) (42,467)
17,893 306,149 22,517 385,266
当期の包括利益合計
包括利益合計の内訳：
当社株主及びその他の資本性金融商
18,383 314,533 22,206 379,945
品保有者帰属利益
当社株主
16,993 290,750 20,828 356,367
その他の資本性金融商品保有者 1,390 23,783 1,378 23,578
(490) (8,384) 311 5,321
非支配持分帰属利益
17,893 306,149 22,517 385,266
133 ページから 295 ページ（訳者注：原文のページ）の注記は当財務諸表と一体をなしている。
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(3) 連結貸借対照表
12 月 31 日現在
注記
2022 年 2021 年
百万 百万
百万円 百万円
香港ドル 香港ドル
資産
現金並びに銀行及びその他金融機関へ
の預け金 22 535,194 9,157,169 465,535 7,965,304
純損益を通じて公正価値で測定する金
融資産 23 85,154 1,456,985 73,537 1,258,218
デリバティブ 24 61,832 1,057,946 33,186 567,812
香港特別行政区政府債務証書 208,770 3,572,055 203,810 3,487,189
貸付金その他 25 1,645,354 28,152,007 1,597,194 27,327,989
投資有価証券 26 994,828 17,021,507 1,094,233 18,722,327
関連会社及びジョイント・ベンチャー
に対する持分 27 843 14,424 1,215 20,789
投資不動産 28 16,069 274,941 17,722 303,223
有形固定資産 29 44,261 757,306 46,441 794,606
当期税金資産 115 1,968 93 1,591
繰延税金資産 36 564 9,650 192 3,285
92,073 1,575,369 106,272 1,818,314
その他の資産
30
3,685,057 63,051,325 3,639,430 62,270,647
資産合計
負債
香港特別行政区流通通貨 31 208,770 3,572,055 203,810 3,487,189
預金並びに銀行及びその他金融機関か
らの預り金 316,626 5,417,471 486,062 8,316,521
純損益を通じて公正価値で測定する金
融負債 32 59,453 1,017,241 12,520 214,217
デリバティブ 24 50,266 860,051 29,757 509,142
顧客預金 33 2,377,207 40,674,012 2,331,155 39,886,062
発行済債務証券及び譲渡性預金証書 34 3,636 62,212 2,423 41,458
その他の負債及び引当金 35 99,370 1,700,221 83,041 1,420,832
当期税金負債 5,039 86,217 3,491 59,731
繰延税金負債 36 4,346 74,360 5,799 99,221
保険契約負債 37 152,105 2,602,517 153,911 2,633,417
76,393 1,307,084 - -
劣後債務
38
負債合計 3,353,211 57,373,440 3,311,969 56,667,790
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(3) 連結貸借対照表（続き）
12 月 31 日現在
注記 2022 年 2021 年
百万 百万
百万円 百万円
香港ドル 香港ドル
資本
株主資本 39 52,864 904,503 52,864 904,503
250,181 4,280,597 245,135 4,194,260
準備金
当社株主に帰属する資本及び準備金
303,045 5,185,100 297,999 5,098,763
その他の資本性金融商品 40 23,476 401,674 23,476 401,674
5,325 91,111 5,986 102,420
非支配持分
資本合計 331,846 5,677,885 327,461 5,602,858
3,685,057 63,051,325 3,639,430 62,270,647
負債及び資本合計
133 ページから 295 ページ（訳者注：原文のページ）の注記は当財務諸表と一体をなしている。
2023 年３月 30 日付で取締役会により承認され、取締役会を代表して署名された。
リウ・ジン スン・ユ
取締役 取締役
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(4) 連結株主持分等変動計算書
（単位：百万香港ドル）
当社株主帰属
準備金
FVOCI で
その他
為替換
測定す
不動産
法定
の
算
非支配
株主資 利益
る金融
合計 資本性 資本合計
再評価
準備
本
資産に 持分
剰余金
調整勘
金融商
金 *
準備金
係る準
定
品
備金
2021 年１
月１日
現在 52,864 38,048 1,726 4,780 (503) 193,387 290,302 23,476 5,877 319,655
当期純利
益 - - - - - 24,348 24,348 - 651 24,999
その他の
資本性
金融商
品保有
者に対
する配
当宣言
- - - - - (1,378) (1,378) 1,378 - -
後
- - - - - 22,970 22,970 1,378 651 24,999
その他の
包括利
益：
不動産 - 542 - - - - 542 - - 542
その他
の 包
括 利
益 を
通 じ
て 公
正 価
値 で
測 定
す る
資 本
性 金
融 商
品 - - (641) - - - (641) - (51) (692)
退職給
付 制
度 に
係 る
数 理
計 算
上 の
差異 - - - - - - - - - -
その他
の 包
括 利
益 を
通 じ
て 公
正 価
値 で
測 定
す る
貸 付
金 そ
の他 - - - - - - - - - -
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その他
の 包
括 利
益 を
通 じ
て 公
正 価
値 で
測 定
す る
負 債
性 金
融 商
品 - - (1,460) - - - (1,460) - (289) (1,749)
外貨換
算 差
- - (86) - (497) - (583) - - (583)
額
包括利益
合計 - 542 (2,187) - (497) 22,970 20,828 1,378 311 22,517
その他の
包括利
益を通
じて公
正価値
で測定
する資
本性金
融商品
の処分
に係る
取 崩
し：
振替 - - 58 - - (58) - - - -
繰延税
金 - - (10) - - - (10) - (9) (19)
当期税
金 - - - - - 10 10 - 9 19
不動産の
処分に
係る取
崩し - - - - - - - - - -
利益剰余
金から
の振替 - - - 1,293 - (1,293) - - - -
- - - - - (13,131) (13,131) (1,378) (202) (14,711)
配当金
2021 年 12
月 31 日
52,864 38,590 (413) 6,073 (1,000) 201,885 297,999 23,476 5,986 327,461
現在
116/470
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(4) 連結株主持分等変動計算書（続き）
（単位：百万香港ドル）
当社株主帰属
準備金
FVOCI で
その他
為替換
測定す
不動産
法定
の
算
非支配
株主資 利益
る金融
合計 資本性 資本合計
再評価
準備
本
資産に 持分
剰余金
調整勘
金融商
金 *
準備金
係る準
定
品
備金
2022 年１
月１日
現在 52,864 38,590 (413) 6,073 (1,000) 201,885 297,999 23,476 5,986 327,461
当期純利
益 - - - - - 28,444 28,444 - 594 29,038
その他の
資本性
金融商
品保有
者に対
する配
当宣言
- - - - - (1,390) (1,390) 1,390 - -
後
- - - - - 27,054 27,054 1,390 594 29,038
その他の
包括利
益：
不動産 - (904) - - - - (904) - - (904)
その他
の 包
括 利
益 を
通 じ
て 公
正 価
値 で
測 定
す る
資 本
性 金
融 商
品 - - (569) - - - (569) - (118) (687)
退職給
付 制
度 に
係 る
数 理
計 算
上 の
差異 - - - - - (4) (4) - - (4)
その他
の 包
括 利
益 を
通 じ
て 公
正 価
値 で
測 定
す る
貸 付
金 そ
の他 - - 77 - - - 77 - - 77
117/470
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有価証券報告書
その他
の 包
括 利
益 を
通 じ
て 公
正 価
値 で
測 定
す る
負 債
性 金
融 商
品 - - (7,769) - - - (7,769) - (966) (8,735)
外貨換
算 差
- - (209) - (683) - (892) - - (892)
額
包括利益
合計 - (904) (8,470) - (683) 27,050 16,993 1,390 (490) 17,893
その他の
包括利
益を通
じて公
正価値
で測定
する資
本性金
融商品
の処分
に係る
取 崩
し：
振替 - - 162 - - (162) - - - -
繰延税
金 - - (27) - - - (27) - (18) (45)
当期税
金 - - - - - 27 27 - 18 45
不動産の
処分に
係る取
崩し - (3) - - - 3 - - - -
利益剰余
金から
の振替 - - - 582 - (582) - - - -
- - - - - (11,947) (11,947) (1,390) (171) (13,508)
配当金
2022 年 12
月 31 日
52,864 37,683 (8,748) 6,655 (1,683) 216,274 303,045 23,476 5,325 331,846
現在
* 香港金融管理局（ 以下「 HKMA 」という。）の要件に従い、香港財務報告基準（以下「 HKFRS 」という。）第９号の下で認識される
ローンに係る減損引当金の他に、将来の損失やその他予測不能なリスクを含む銀行業における全般的なリスクに関する金額が計上
されている。
133 ページから 295 ページ （訳者注：原文のページ）の注記は当財務諸表と一体をなしている。
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有価証券報告書
(4) 連結株主持分等変動計算書（続き）
（単位：百万円）
当社株主帰属
準備金
FVOCI で
その他
為替換
測定す
不動産
の
法定 算
非支配
株主資 利益
る金融
合計 資本性 資本合計
再評価
本
資産に 持分
剰余金
準備金 * 調整勘
金融商
準備金
係る準
定
品
備金
2021
年
１
月
１
日
現 904,50 651,00 3,308,85 4,967,06 401,67 100,55 5,469,29
在 3 1 29,532 81,786 (8,606) 2 7 4 5 7
当 期
純
利
益 - - - - - 416,594 416,594 - 11,139 427,733
そ の
他
の
資
本
性
金
融
商
品
保
有
者
に
対
す
る
配
当
宣
言
- - - - - (23,578) (23,578) 23,578 - -
後
- - - - - 393,017 393,017 23,578 11,139 427,733
そ の
他
の
包
括
利
益
：
不
動
産 - 9,274 - - - - 9,274 - - 9,274
119/470
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そ
の
他
の
包
括
利
益
を
通
じ
て
公
正
価
値
で
測
定
す
る
資
本
性
金
融
商 (10,968
品 - - ) - - - (10,968) - (873) (11,840)
退
職
給
付
制
度
に
係
る
数
理
計
算
上
の
差
異 - - - - - - - - - -
120/470
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そ
の
他
の
包
括
利
益
を
通
じ
て
公
正
価
値
で
測
定
す
る
貸
付
金
そ
の
他 - - - - - - - - - -
そ
の
他
の
包
括
利
益
を
通
じ
て
公
正
価
値
で
測
定
す
る
負
債
性
金
融
商 (24,981
品 - - ) - - - (24,981) - (4,945) (29,925)
外
貨
換
算
差
- - (1,471) - (8,504) - (9,975) - - (9,975)
額
121/470
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包 括
利
益
合 (37,420
計 - 9,274 ) - (8,504) 393,017 356,367 23,578 5,321 385,266
そ の
他
の
包
括
利
益
を
通
じ
て
公
正
価
値
で
測
定
す
る
資
本
性
金
融
商
品
の
処
分
に
係
る
取
崩
し
：
振
替 - - 992 - - (992) - - - -
繰
延
税
金 - - (171) - - - (171) - (154) (325)
当
期
税
金 - - - - - 171 171 - 154 325
不 動
産
の
処
分
に
係
る
取
崩
し - - - - - - - - - -
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利 益
剰
余
金
か
ら
の
振
替 - - - 22,123 - (22,123) - - - -
(23,578
配 当
- - - - - (224,671) (224,671) ) (3,456) (251,705)
金
2021
年
12
月
31
日
904,50 660,27 103,90 (17,110 3,454,25 5,098,76 401,67 102,42 5,602,85
現
3 5 (7,066) 9 ) 2 3 4 0 8
在
123/470
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(4) 連結株主持分等変動計算書（続き）
（単位：百万円）
当社株主帰属
準備金
その他
FVOCI で
為替換
不動産
の
測定する
法定 算
非支配
株主資 利益
合計 資本性 資本合計
再評価 金融資産
本
持分
剰余金
準備金 * 調整勘
に係る準
金融商
準備金
定
備金
品
2022
年
１
月
１
日
現 904,50 660,27 103,90 (17,110 3,454,25 5,098,76 401,67 102,42 5,602,85
在 3 5 (7,066) 9 ) 2 3 4 0 8
当 期
純
利
益 - - - - - 486,677 486,677 - 10,163 496,840
そ の
他
の
資
本
性
金
融
商
品
保
有
者
に
対
す
る
配
当
宣
言
- - - - - (23,783) (23,783) 23,783 - -
後
- - - - - 462,894 462,894 23,783 10,163 496,840
そ の
他
の
包
括
利
益
：
不
動 (15,467
産 - ) - - - - (15,467) - - (15,467)
124/470
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そ
の
他
の
包
括
利
益
を
通
じ
て
公
正
価
値
で
測
定
す
る
資
本
性
金
融
商
品 - - (9,736) - - - (9,736) - (2,019) (11,755)
退
職
給
付
制
度
に
係
る
数
理
計
算
上
の
差
異 - - - - - (68) (68) - - (68)
125/470
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そ
の
他
の
包
括
利
益
を
通
じ
て
公
正
価
値
で
測
定
す
る
貸
付
金
そ
の
他 - - 1,317 - - - 1,317 - - 1,317
そ
の
他
の
包
括
利
益
を
通
じ
て
公
正
価
値
で
測
定
す
る
負
債
性
金
融
商 (132,928 (16,528
品 - - ) - - - (132,928) - ) (149,456)
外
貨
換
算
(11,686
差
- - (3,576) - ) - (15,262) - - (15,262)
額
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包 括
利
益
合 (15,467 (144,922 (11,686
計 - ) ) - ) 462,826 290,750 23,783 (8,384) 306,149
そ の
他
の
包
括
利
益
を
通
じ
て
公
正
価
値
で
測
定
す
る
資
本
性
金
融
商
品
の
処
分
に
係
る
取
崩
し
：
振
替 - - 2,772 - - (2,772) - - - -
繰
延
税
金 - - (462) - - - (462) - (308) (770)
当
期
税
金 - - - - - 462 462 - 308 770
不 動
産
の
処
分
に
係
る
取
崩
し - (51) - - - 51 - - - -
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利 益
剰
余
金
か
ら
の
振
替 - - - 9,958 - (9,958) - - - -
(23,783
配 当
- - - - - (204,413) (204,413) ) (2,926) (231,122)
金
2022
年
12
月
31
日
904,50 644,75 (149,678 113,86 (28,796 3,700,44 5,185,10 401,67 5,677,88
現
3 6 ) 7 ) 8 0 4 91,111 5
在
* HKMA の要件に従い、 HKFRS 第９号の下で認識されるローンに係る減損引当金の他に、将来の損失やその他予測不能なリスクを含む銀
行業における全般的なリスクに関する金額が計上されている。
133 ページから 295 ページ（訳者注：原文のページ）の注記は当財務諸表と一体をなしている。
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(5) 連結キャッシュ・フロー計算書
12 月 31 日に終了した事業年度
2022 年 2021 年
百万 百万
注記
百万円 百万円
香港ドル 香港ドル
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前営業キャッシュ・（アウトフ
ロー）／インフロー 41(a) (21,348) (365,264) 93,382 1,597,766
香港所得税支払額
(3,743) (64,043) (5,082) (86,953)
香港以外の所得税支払額
(729) (12,473) (300) (5,133)
営業活動による正味キャッシュ・（ア
(25,820) (441,780) 88,000 1,505,680
ウトフロー）／インフロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得
(388) (6,639) (384) (6,570)
有形固定資産の処分による収入
8 137 12 205
投資不動産の取得
28 (13) (222) (233) (3,987)
無形資産の取得
30 (866) (14,817) (781) (13,363)
関連会社及びジョイント・ベン
チャーの処分による収入 9 154 - -
関連会社及びジョイント・ベン
27 462 57 975
チャーからの配当金受取額 27
投資活動による正味キャッシュ・アウ
(1,223) (20,926) (1,329) (22,739)
トフロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
当社株主への配当金支払額
(11,947) (204,413) (13,131) (224,671)
その他の資本性金融商品所有者への
配当金支払額 (1,390) (23,783) (1,378) (23,578)
非支配持分への配当金支払額
(171) (2,926) (202) (3,456)
劣後債務発行による収入
41(b) 74,516 1,274,969 - -
リース負債の支払
(699) (11,960) (716) (12,251)
41(b)
財務活動による正味キャッシュ・イン
60,309 1,031,887 (15,427) (263,956)
フロー／（アウトフロー）
現金及び現金同等物の増加
33,266 569,181 71,244 1,218,985
１月１日現在、現金及び現金同等物残
高 531,915 9,101,066 456,058 7,803,152
現金及び現金同等物への為替レート変
(24,256) (415,020) 4,613 78,928
動の影響額
12 月 31 日現在の現金及び現金同等物残
540,925 9,255,227 531,915 9,101,066
高 41(c)
133 ページから 295 ページ (訳者注：原文のページ )の注記は当財務諸表と一体をなしている 。
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(6) 財務諸表に対する注記
1. 主要な活動
当社は、投資持株会社である。当社の子会社は主に、銀行業とそれに関連する金融サービスの提供
に従事している。
当社は、香港において設立され、上場している有限責任会社である。登記事務所の所在地は、香
港、ガーデンロード１、バンク・オブ・チャイナ・タワー 53 階である。
2. 重要な会計方針
当連結財務諸表を作成するにあたり適用された重要な会計方針が、以下に記載されている。
これらの方針は、別途記載のない限り、表示されている全ての事業年度に一貫して適用されてい
る。
2.1 作成基準
当グループの連結財務諸表は、香港会計士協会（以下「 HKICPA 」という。）が公表した HKFRS
（ HKFRS は、全ての適用される個々の香港財務報告基準、香港会計基準（以下「 HKAS 」という。）及
び解釈指針を含む総称である。）及び香港会社条例に準拠して作成されている。
当連結財務諸表は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、純損益を通じて公
正価値で測定する金融資産及び金融負債（デリバティブを含む）、公正価値で測定する貴金属、公
正価値で計上する投資不動産並びに公正価値又は、減価償却累計額及び減損損失累計額控除後の再
評価額で計上される不動産の再評価によって調整された取得原価主義に基づいて作成されている。
処分グループ及び売却目的で保有する抵当権実行資産は、それぞれ注記 2.2 及び 2.26 でさらに説明し
ている通り、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い方の金額で表示されている。
HKFRS に準拠した財務諸表を作成するにあたり、特定の重要な会計上の見積りを用いる必要があ
る。また、経営者は、当グループの会計方針の適用過程において判断を行使しなければならない。
高度な判断又は複雑性を伴う領域、又は仮定及び見積りが連結財務諸表にとって重要である領域に
ついては、注記３において開示されている。
(a) 2022 年１月１日に開始する事業年度から初度適用されている基準の改訂
以下の日付以降に 当期において
基準の改訂 内容 開始する 当グループに
事業年度に適用 関係
「改訂会計ガイドライン第５号の共
会計ガイドライン第
通支配下の企業結合に関する合併 2022 年１月１日 する
５号（改訂）
会計」
「有形固定資産：意図した使用の前
HKAS 第 16 号（改訂） 2022 年１月１日 する
の収入」
HKAS 第 37 号（改訂） 「不利な契約－契約履行のコスト」 2022 年１月１日 する
HKFRS 第３号（改
「概念フレームワークへの参照」 2022 年１月１日 する
訂）
・会計ガイドライン第５号（改訂）「改訂会計ガイドライン第５号の共通支配下の企業結合に関
する合併会計」（以下「 AG 第５号」という。）
本改訂は、 AG 第５号第５項に記載されている取引が企業結合に該当しない理由と、実務で
は、これらの取引が、逆取得に類似の原則を適用する方法で会計処理される理由をより明確化
するためのものである。 AG 第５号第 19 項には、共通支配下の企業結合に関する新たな開示要件
が追加されている。共通支配下にある企業結合から生じる非支配持分の変動に関する会計処理
は、 AG 第５号の中の設例で明確化されている。 AG 第５号の中の用語と参照先は、現行の HKFRS
に沿って更新されている。本改訂の適用が当グループの財務諸表に与える重要な影響はない。
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・ HKAS 第 16 号（改訂）「有形固定資産：意図した使用の前の収入」
本改訂は、企業が資産を意図した方法で稼働可能にする前に生産された項目の売却から生じ
る収入を、有形固定資産項目の取得原価から控除することを禁止している。また、本改訂は、
企業が資産の技術的・物理的な性能を評価する際に、企業は当該資産が適切に稼動しているか
をテストする必要があり、当該資産の経済的な実績は、その評価と関連するものではないこと
を明確化している。企業は通常の活動から生じたものではない項目について、売却額と取得原
価を別途開示しなければならない。 HKAS 第２号が定める通り、関連する売却から生じる収入は
これらの項目の生産コストとともに純損益に認識する。本改訂は、企業が本改訂を最初に適用
する事業年度の財務諸表に表示される最も古い期間の期首以降に使用可能となった有形固定資
産項目に限り遡及的に適用する。本改訂の適用が当グループの財務諸表に与える重要な影響は
ない。
・ HKAS 第 37 号（改訂）「不利な契約－契約履行のコスト」
本改訂は契約が不利かどうかを評価する際に、契約履行のコストには契約履行の増分コスト
と、契約履行に直接関連する他のコストの配分の両方が含まれることを明確化している。不利
な契約に係る別個の引当金を認識する前に、企業は当該契約の履行に用いる資産に発生した減
損損失を認識する。本改訂は、本改訂を最初に適用する事業年度の期首現在存在する契約に適
用され、本改訂の適用の累積的影響は利益剰余金又は資本の他の内訳項目の期首残高の調整と
して認識される。比較情報は修正再表示されない。本改訂の適用が当グループの財務諸表に与
える重要な影響はない。
・ HKFRS 第３号（改訂）「概念フレームワークへの参照」
本改訂は、 HKFRS 第３号の参照先を、 2018 年に公表された「財務報告に関する概念フレーム
ワーク」へ置き換えている。本改訂はまた、 HKFRS 第３号に企業が資産又は負債の構成内容を
判定する際に概念フレームワークを参照する要求事項への例外規定を追加している。当該例外
規定は、 HKFRS 第３号を適用する企業が、負債及び偶発負債の一部の種類については、 2018 年
に公表された概念フレームワークではなく HKAS 第 37 号を参照すべきであることを明記してい
る。当該例外規定は、概念フレームワークへの参照を置き換えたことによる意図しない結果を
回避するために追加された。また本改訂は、偶発資産を取得日に認識してはならないことを確
認している。本改訂は将来に向かって適用される。また、企業が、 2018 年６月に公表された、
HKFRS における概念フレームワークへの参照の改訂による全ての改訂を同時に又は早期に適用
する場合は、早期適用も認められる。本改訂の適用が当グループの財務諸表に与える重要な影
響はない。
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(b) まだ強制適用されておらず、 2022 年度に当グループに早期適用されていない公表済の基準、基
準の改訂及び解釈指針
以下の日付以降に 当期において
基準／基準の改訂
開始する 当グループに
内容
／解釈指針
事業年度に適用 関係
HKAS 第１号（改 「負債の流動負債又は非流動負債へ
2024 年１月１日 しない
訂） の分類」
HKAS 第１号（改
「特約条項付きの非流動負債」 2024 年１月１日 しない
訂）
HKAS 第１号及び
HKFRS 実務記述書第 「会計方針の開示」 2023 年１月１日 する
２号（改訂）
HKAS 第８号（改
「会計上の見積りの定義」 2023 年１月１日 する
訂）
HKAS 第 12 号（改 「単一の取引から生じた資本及び負
2023 年１月１日 する
訂） 債に係る繰延税金」
HKAS 第 28 号（ 2011
「投資者とその関連会社又はジョイ
年）
ント・ベンチャーの間での資産の 未定 する
及び HKFRS 第 10 号
売却又は拠出」
（改訂）
HKAS 第 16 号（改 「セール・アンド・リースバックに
2024 年１月１日 しない
訂） おけるリース負債」
HKFRS 第 17 号 「保険契約」 2023 年１月１日 する
「財務諸表の表示－要求に応じた返
HK 解釈指針第５号
済条項を含むタームローンの借手 2023 年１月１日 しない
（ 2020 年）
による分類」
当グループに適用予定の HKFRS の詳細は以下の通りである。
・ HKAS 第１号（改訂）「会計方針の開示」
本改訂は、企業に対し、重要な（ significant ）会計方針ではなく、重要性がある
（ material ）会計方針に関する情報の開示を要求することを目的としている。本改訂は、「重
要性がある会計方針に関する情報」の定義を明確化し、重要性のある会計方針に関する情報を
どのように識別するかについて説明している。また、本改訂は、重要性がない会計方針の情報
を開示する必要はないことを明確にしている。重要性がない会計方針の情報が開示される場
合、重要性がある会計の情報を覆い隠すものであってはならない。
本改訂に対応するために、 HKICPA は HKFRS 実務記述書第２号「重要性の判断」も改訂し、重
要性の概念を会計方針の開示に適用する方法についてのガイダンスを設けている。本改訂の適
用が当グループの財務諸表に与える重要な影響はない。
・ HKAS 第８号（改訂）「会計上の見積りの定義」
本改訂は、企業がどのように会計方針の変更と会計上の見積りの変更とを区別すべきかを明
確にしている。会計上の見積りの変更は将来の取引や他の将来の事象に対し、将来に向かって
適用されるが、会計方針の変更は通常、当期に加え過去の取引や他の過去の事象に対して遡及
的に適用されることから、この区別は重要である。本改訂の適用が当グループの財務諸表に与
える重要な影響はない。
・ HKAS 第 12 号（改訂）「単一の取引から生じた資本及び負債に係る繰延税金」
本改訂は企業に対し、当初認識時に同額の将来加算一時差異及び将来減算一時差異が生じる
取引について、繰延税金を認識することを求めている。本改訂は通常、借手のリース及び廃棄
義務のような取引に適用され、新たな繰延税金資産及び繰延税金負債の認識を要求する。本改
訂の適用が当グループの財務諸表に与える重要な影響はない。
132/470
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・ HKAS 第 28 号（ 2011 年）及び HKFRS 第 10 号（改訂）「投資者とその関連会社又はジョイント・ベ
ンチャーの間での資産の売却又は拠出」
本改訂は、投資者とその関連会社又はジョイント・ベンチャーの間での資産の売却又は拠出
の取扱いに関する HKAS 第 28 号（ 2011 年）の要件と HKFRS 第 10 号の要件の不整合に対処するもの
である。この改訂の主な結論は、売却又は拠出が事業（子会社にあるか否かに関わらず）を構
成する場合、利得又は損失が全額認識されるというものである。当該資産が事業の定義を充足
していない場合、投資家は関連会社又はジョイント・ベンチャーにおける他の投資家の持分の
範囲内でのみ利得又は損失を認識する。本基準の改訂は将来に向かって適用され、早期適用が
認められている。本改訂の適用が当グループの財務諸表に与える重要な影響はない。
・ HKFRS 第 17 号「保険契約」
HKFRS 第 17 号は、現行の保険契約会計基準である HKFRS 第４号と置き換えることを意図して
2017 年 12 月に公表されたものである。この新基準は、 2023 年１月１日に発効し、それ以降にお
いて遡及適用されるもので、比較年度である 2022 事業年度の財務情報が修正再表示される。
当グループは、 HKFRS 第 17 号導入の後期段階にあり、移行に向けて会計方針を策定し、モデ
ル及びシステムを開発している。当グループは、保険料配分アプローチ以外の方法で測定され
る契約について、 HKFRS 第 17 号への移行に公正価値アプローチを適用している。
HKFRS 第４号からの主な変更点と、 HKFRS 第 17 号により予想される財務上の影響の要約は以下
の通りである。
( ⅰ ) 収益及び費用の認識における変更
HKFRS 第 17 号に従い、当グループは、 HKFRS 第４号に基づき保険料を受領した時点ではな
く、カバー期間中に履行義務を果たした時点（すなわち、保険サービスを提供した時点）で
保険収益を認識する。不利な保険契約に伴う損失は、当初認識時か、その後に保険契約が不
利な契約となった時点で、損益計算書に認識される。また、投資から発生する損益は保険収
益又は保険サービス費用に含まれない。
HKFRS 第４号の下では、保険契約に基づくサービス提供に関連する契約維持費用及び保険
契約の獲得に直接起因する費用は営業費用内に表示される。 HKFRS 第 17 号の下では、保険契
約に基づくサービス提供に関連する契約維持費用は保険サービス費用の一部として表示され
る一方、保険契約の獲得に直接起因する費用は、履行キャッシュ・フロー（保険料、保険
金、給付金及び諸費用からなる）の一部として分類変更され、カバー期間にわたり償却され
て保険サービス損益として計上される。
( ⅱ ) 保険契約の測定における変更
保険契約の認識及び測定に関する定めのない暫定基準である HKFRS 第４号とは異なり、
HKFRS 第 17 号は、類似するリスクを有していることから集約して管理される保険契約を各
ポートフォリオに分割して、各ポートフォリオを 12 ヶ月以内のコホートに細分化し、さらに
これらを各契約の収益性に応じたグループに分割することが求められる。当グループは、こ
れらの保険契約グループを、一般測定モデル（大部分の生命保険契約に適用）、変動手数料
アプローチ（直接連動有配当保険契約に適用）及び保険料配分アプローチ（短期の保険契約
に適用）で測定する。
一般測定モデルと変動手数料アプローチを適用する場合、当グループは、保険契約のグ
ループを、当グループの契約履行に伴い生じることが予想される将来キャッシュ・フローの
現在価値の見積り、非金融リスクに係るリスク調整及び当初認識時における契約上のサービ
ス・マージン（以下「 CSM 」という。）に基づき測定する。
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当グループが、将来において保険契約サービスの提供期間にわたり認識することとなる未
稼得利益を表す CSM は、保険契約負債の要素であり、残存カバー期間にわたりサービスを提
供するにつれて償却され、保険収益として認識される。
HKFRS 第 17 号は、保険契約負債の測定に使用する割引率を、観察可能な現在の市場価格と
整合的なものにすることを求めている。また、当グループは、保険金融収益又は費用を純損
益とその他の包括利益に分けて表示することとしている。
( ⅲ ) 負債性金融商品の分類変更
HKFRS 第 17 号の初度適用時に、当グループは、金融資産と保険契約負債の会計上のミス
マッチを低減させるために HKFRS 第９号に基づく金融資産の分類を再評価することができ
る。当グループは、 HKFRS 第 17 号に基づき、変動手数料アプローチで測定する直接連動有配
当契約型保険契約について、基礎となる負債性金融商品の分類を、償却原価で測定及びその
他の包括利益を通じて公正価値で測定から純損益を通じて公正価値で測定へ分類変更する。
一般測定モデルで測定する保険契約の基礎となる資産についても、 HKFRS 第 17 号に基づき、
特定の負債性金融商品を、償却原価で測定からその他の包括利益を通じて公正価値で測定へ
分類変更する。
( ⅳ ) HKFRS 第 17 号の適用に伴い予想される財務上の影響
当グループは、 HKFRS 第 17 号の適用により、適用年度において保険収益及び保険サービス
費用が HKFRS 第４号適用時と比べて減少すると予想している。また、移行日（すなわち 2022
年１月１日）において、主に、保険契約の公正価値測定と HKFRS 第４号に基づく保険契約の
測定の差異により、当グループの連結貸借対照表の資本合計が減少すると予想している。
(c) HKFRS の改善
「 HKFRS の改善」には、 HKICPA が緊急性はないが必要であると考える、 HKFRS に対する多数の
改訂が含まれている。この改善は、表示、認識又は測定に関する会計上の変更をもたらす改訂
並びに様々な個別の HKFRS に関連する専門用語又は編集上の改訂からなる。この改善が当グ
ループの財務諸表に与える重要な影響はない。
(d) 比較数値
注記 4.3 「流動性リスク」及び注記 50 「非連結のストラクチャード・エンティティに対する
持分」を含む、注記の特定の比較数値は、当事業年度の表示に合わせて調整されている。
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2.2 連結
当連結財務諸表には、 2022 年 12 月 31 日に終了する事業年度における当社及び当社の全ての子会社
の財務諸表が含まれている。
(1) 子会社
子会社とは、当グループが直接的又は間接的に支配する企業（ストラクチャード・エンティ
ティを含む）である。支配は、当グループが投資先への関与により生じる変動リターンに対す
るエクスポージャー又は権利を有し、投資先に対するパワーを通じてこうしたリターンに影響
を及ぼす能力（すなわち投資先の関連する活動を指図する現在の能力を当グループに与える既
存の権利）を持つ場合に達成される。当グループが直接的又は間接的に保有する投資先の議決
権又は同様の権利が過半数に満たない場合、当グループは投資先に対する支配力の有無を評価
する際に関連する事実及び状況を全て考慮する。これには、 (a) 投資先の他の議決権保有者と
の契約上の合意、 (b) 他の契約上の、又は契約によらない合意から発生する権利、及び (c) 当グ
ループの議決権及び潜在的議決権が含まれる。子会社は、支配権が当グループに移転される日
より完全に連結される。子会社は、支配がなくなった日より連結対象から外される。
当グループが子会社に対する支配を失った場合は、 ( ⅰ ) 子会社の資産（のれんを含む）及び
負債、 ( ⅱ ) 非支配持分の帳簿価額の認識を中止する。また、 ( ⅰ ) 受領した対価の公正価値、
( ⅱ ) 残存する旧子会社への投資の公正価値を認識し、以前その他の包括利益に認識していた金
額を、関連する資産又は負債を直接処分した場合と同じ基準に基づいて、適宜損益計算書又は
利益剰余金に振り替え、その結果生じる差額を損益として認識する。
当グループが、取締役会において子会社（処分グループ）に対する支配の喪失を伴う、撤回
又は大幅変更の可能性が低い売却計画を確約している場合、以下の要件が報告期間終了日又は
それ以前に満たされている場合に限り、当グループは当該子会社の資産及び負債を全て売却目
的保有に分類しなければならない。 ( ⅰ ) 帳簿価額が継続的保有ではなく主に売却取引により回
収される。 ( ⅱ ) 子会社が同種類の売却の通常かつ慣例的な条件のみに従って現況で即時に売却
可能で、必要である場合は株主からの承認を得る可能性が高いなど当該売却の可能性が非常に
高い。 ( ⅲ ) 売却後に当グループによる非支配持分の保有の有無に関わらず、合理的な価格での
買手を探し、１年以内に売却を完了させる活発な計画が開始されている。処分グループは（投
資不動産及び金融商品を除き）当初認識され、その後帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値
のいずれか低い方の金額で再測定される。売却目的保有に分類されている有形固定資産は減価
償却されない。
( ⅰ ) 共通支配下にない企業結合
共通支配下にない企業の取得は、取得法を用いて会計処理される。企業結合において譲
渡された対価は、譲渡された資産、発生した負債（条件付対価契約を含む）及び被取得企
業の支配と交換に当グループが発行した持分の取得日の公正価値である。取得関連コスト
は、発生時に損益計算書において費用計上される。
のれんは、取得した識別可能な資産から引き受けた負債を控除した取得日時点の金額に
対する、譲渡された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び被取得企業において当グ
ループが以前に保有していた資本持分（もしあれば）の合計の超過として測定される。評
価後に、被取得企業の識別可能な純資産の公正価値が、譲渡された対価、被取得企業の非
支配持分の金額、及び被取得企業において当グループが以前に保有していた資本持分の公
正価値（もしあれば）の合計を超過する場合、この超過は割安購入益として損益計算書に
即時に認識される。その後、のれんは少なくとも年に一度減損テストの対象となる。
企業結合において当グループが譲渡する対価が条件付対価契約による資産又は負債を含
む場合、条件付対価は取得日の公正価値で測定され、企業結合において譲渡された対価の
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一部とみなされる。測定期間における調整として適格な条件付対価の公正価値の変動は遡
及的に調整され、対応する調整がのれん又は割安購入益に対して行われる。測定期間にお
け る調整は、取得日現在に存在していた事実及び状況について測定期間中に入手された追
加情報より行われる。測定期間は、取得日より１年を超過しない。
取得毎に、当グループは、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産の公正価値に対
する非支配持分の比例持分のいずれかで被取得企業の非支配持分を認識する。
( ⅱ ) 共通支配下にある企業結合
共通支配下にある企業との結合については、企業結合の会計処理が適用される。企業結
合の会計処理の原則は、共通支配下にある企業を、あたかも被取得企業の事業が取得企業
によって常時行われてきたかのごとく、結合させる方法である。当グループの連結財務諸
表は、当社と被取得企業が初めて共通の支配下に入った日から当該企業結合が発生してい
たかのように当グループの連結業績、連結キャッシュ・フロー及び連結財政状態を表して
いる（すなわち、企業結合日における公正価値調整は必要とされない）。企業結合時の対
価と帳簿価額との差額は資本において認識される。当グループと被取得企業との間の全取
引による影響額は、当該結合前に発生したか後に発生したかに関わらず、当グループの連
結財務諸表を作成する際に消去されている。比較金額は、被取得企業が前報告期間期首に
結合されたかのごとく表示される。当該結合の取引費用は、損益計算書において費用計上
されることとなる。
グループ企業間における企業間取引、債権債務残高及び未実現利益は、消去される。また未
実現損失も当該取引により譲渡された資産に減損の証拠がない限りは消去される。子会社の会
計方針は、必要に応じて当グループが適用した方針との一貫性を保持するために変更される。
当社の貸借対照表において、子会社への投資は、減損引当金を控除した取得原価で計上され
る。子会社の業績は、当社により、受取配当金及び未収配当金に基づき会計処理される。子会
社からの受取配当金は、支払いを受ける権利が確定した時点で損益計算書において認識され
る。
(2) 所有持分の変動
当グループは、支配権の変更のない非支配持分との取引を当グループの株主との取引として
処理する。非支配持分からの所有持分の取得については、支払対価と取得した持分の子会社に
おける純資産の帳簿価額との間の差額は、資本に認識される。非支配持分に対する処分損益
も、資本に認識される。
当グループが支配権を保有しなくなる場合、資本における留保持分はその公正価値まで再測
定され、帳簿価額の変動は損益計算書に認識される。公正価値は、その後に留保持分を関連会
社、ジョイント・ベンチャー又は金融資産として会計処理するため当初の帳簿価額となる。ま
た、当該事業体に関して以前にその他の包括利益に認識された金額は、当グループが関連する
資産又は負債を直接処分したかのように会計処理される。以前にその他の包括利益に認識され
た金額は、必要に応じて損益計算書又は利益剰余金に振り替えられる。
(3) 関連会社及びジョイント・ベンチャー
関連会社とは、当グループが重要な影響力を持つが支配力は持たず、又は共同支配は行わ
ず、一般に議決権の 20 ％から 50 ％の株式を保有している事業体である。
ジョイント・ベンチャーは、複数当事者の共同支配契約により、当該ジョイント・ベン
チャーの純資産に対しての権利を有する共同支配の取決めの一種である。共同支配は、契約で
合意された取決めの支配の共有であり、これは関連する活動に対する決定において、支配を共
有する当事者全員の一致が必要とされる場合に存在する。
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関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資は、持分法を用いて会計処理され、売却目的
保有に分類されない限り（又は売却目的保有に分類される処分グループに含まれない限り）、
当初は取得原価で認識される。当グループの関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に
は、 減損損失累計額及び関連する外貨換算差額累計額控除後ののれんが含まれている。
取得後の当グループの関連会社又はジョイント・ベンチャーの損益持分は損益計算書におい
て認識され、取得後の準備金の増減に対する持分は準備金において認識される。取得後の増減
の累計額は、投資の取得原価に対して調整される。関連会社又はジョイント・ベンチャーの損
失の持分相当額が、関連会社又はジョイント・ベンチャーにおける持分と同等、又はそれを超
過する場合、当グループが関連会社若しくはジョイント・ベンチャーに代わって債務を負う、
又は債務を支払う場合を除き、当グループはそれ以上の損失を認識しない。
関連会社及びジョイント・ベンチャーからの受取配当金又は未収配当金は、投資の帳簿価額
の減少として認識される。
当グループと関連会社又はジョイント・ベンチャーとの間の取引による未実現利益は、当グ
ループの関連会社又はジョイント・ベンチャーに対する持分の範囲まで消去される。未実現損
失も、当該取引により譲渡された資産に減損の証拠がある場合を除き、消去される。
関連会社又はジョイント・ベンチャーにおける所有持分は減少するが重要な影響力が留保さ
れる場合、以前にその他の包括利益に認識されていた金額の比例持分のみが必要に応じて損益
計算書又は利益剰余金に分類変更される。
2.3 セグメント報告
セグメントの経営成績は、資源の配分及び事業セグメントの業績評価を行う経営会議に対する内
部報告に準拠した方法で報告される。経営会議は、当グループの最高意思決定機関である。各セグ
メントに直接関連する収益及び費用は、事業セグメントの業績の決定において考慮される。
2.4 外貨換算
当グループの個々の事業体の財務諸表に含まれる項目は、当該事業体が事業を行っている主要な
経済環境の通貨（以下「機能通貨」という。）で測定される。当連結財務諸表は、当社の機能通貨
及び表示通貨である、香港ドルで表示されている。
外貨建取引は、取引日における為替レート、又は再測定される項目については報告期間末の為替
レートを使用して機能通貨に換算される。取引日における為替レートを用いた外貨建取引の決済及
び報告期間末の為替レートで換算される外貨建の貨幣性資産及び負債により生じる為替差損益は、
適格なキャッシュ・フロー・ヘッジ又は適格な純投資ヘッジとしてその他の包括利益に繰り延べら
れる場合を除いて損益計算書に直接認識される。
純損益を通じて公正価値で保有される貨幣性証券の換算差額は、公正価値損益の一部として計上
される。その他の包括利益を通じて公正価値で測定として分類される外貨建の貨幣性証券の公正価
値の変動は、有価証券の償却原価の変動から生じる換算差額と証券の帳簿価額のその他の変動に分
けられる。償却原価の変動に関連する換算差額は損益計算書において認識され、帳簿価額のその他
の変動はその他の包括利益において認識される。
純損益を通じて公正価値で保有される資本性金融商品のような非貨幣性項目の換算差額は、公正
価値損益の一部として計上される。その他の包括利益を通じて公正価値で測定として分類される資
本性金融商品のような非貨幣性金融資産の換算差額は、その他の包括利益に含まれる。
香港ドルとは異なる機能通貨を有する全てのグループ会社の業績及び財政状態は、以下の通り香
港ドルに換算される。
・ 資産及び負債は、報告期間末の終値で換算される。
・ 収益及び費用は、期中平均レートで換算される。
・ 結果として生じる全ての換算差額は、資本の為替換算調整勘定に認識される。
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連結時に、在外事業体への純投資額換算により生じる為替差額、並びにかかる投資のヘッジとし
て指定された借入金及びその他の外貨商品の換算により生じる為替差額は、その他の包括利益に計
上 され、為替換算調整勘定において別建てで計上される。在外事業体が売却される場合、かかる為
替差額は、売却損益の一部として、資本から損益計算書に振り替えられる。
2.5 デリバティブ及びヘッジ会計
デリバティブは、当初にデリバティブ契約の締結日の公正価値で認識され、その後、公正価値で
再測定される。公正価値は、最近の市場取引を含む活発な市場における市場価格より入手される
か、必要に応じて割引キャッシュ・フロー・モデル及びオプション価格決定モデルを含む評価技法
の利用を通じて入手される。デリバティブは全て、公正価値がプラスの場合は資産として、公正価
値がマイナスの場合は負債として計上される。
金融負債に組み込まれている一部のデリバティブは、それらの経済的性質及びリスクが主契約の
ものと密接に関連しておらず、主契約が純損益を通じて公正価値で計上されない場合に、個別のデ
リバティブとして会計処理される。これらの組込デリバティブは公正価値で測定され、公正価値の
変動は損益計算書において認識される。
デリバティブはトレーディング目的保有として分類され、その公正価値の変動は損益計算書に即
時に認識されるが、ヘッジとして指定され、有効なヘッジ手段とみなされる場合は、ヘッジ会計の
要件に基づく測定の対象となる。
ヘッジ手段として指定され、有効にヘッジされるデリバティブについては、結果として生じる公
正価値損益の認識方法は、ヘッジ対象の性質によって決定される。当グループは、一部のデリバ
ティブを以下のいずれかとして指定する。
(a) 認識された資産又は負債あるいは確定約定の公正価値のヘッジ（公正価値ヘッジ）
(b) 認識された資産又は負債に帰属する、発生可能性が非常に高い将来のキャッシュ・フ
ロー、あるいは発生可能性が非常に高い予定取引に関する特定のリスクのヘッジ（キャッ
シュ・フロー・ヘッジ）
(c) 在外事業体に対する純投資のヘッジ（純投資ヘッジ）
当グループは開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係、並びに様々なヘッジ取引を行うための
リスク管理目標及び戦略を文書化している。当グループはまた、ヘッジ対象の公正価値又はキャッ
シュ・フローの変動を相殺する上で経済的関係、信用リスク、ヘッジ比率、並びにヘッジ手段の有
効性評価を、開始時だけでなくその後も継続的に評価し、これについて文書化している。ヘッジ
が、ヘッジ会計に基づき会計処理することが適格であると認められる前に、これらの基準を満たす
必要がある。ヘッジ手段とヘッジ対象が経済的関係を失う、又はヘッジ手段やヘッジ対象の公正価
値の変動を決める取引先の信用リスクが著しく変動する場合、ヘッジ会計が無効となる可能性があ
る。
(a) 公正価値ヘッジ
有効な公正価値ヘッジとして指定され、適格とされたデリバティブの公正価値の変動は、
ヘッジ対象リスクに帰属するヘッジ資産又は負債の公正価値の変動と併せて損益計算書におい
て認識される。
償却原価で計上される金融商品に公正価値ヘッジ会計が適用される場合、当該ヘッジ対象の
帳簿価額は償却原価で計上されるのではなく、デリバティブでヘッジされているリスクに帰属
する公正価値の変動に応じて調整される。そのような帳簿価額の調整額は、ヘッジ手段である
デリバティブの公正価値の変動と併せて損益計算書において認識される。
ヘッジ関係がヘッジ会計の要件を満たさなくなった場合、又はヘッジ対象の返済などの認識
中止以外の理由により終了した場合、ヘッジ対象に対する帳簿価額の調整額のうち未償却部分
（終了時点のヘッジ対象の帳簿価額とヘッジがそもそも存在していなかった場合に計上された
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と考えられる価額との差額）は、実効金利法を用いてヘッジ対象の残存期間にわたり損益計算
書に償却される。ヘッジ対象の認識が中止された場合、帳簿価額の調整額のうち未償却部分
は、 損益計算書にただちに計上される。
ヘッジ対象が FVOCI で計上される負債性金融商品である公正価値ヘッジのヘッジ関係につい
ては、ヘッジ会計が適用される一方で、公正価値の変動は損益計算書に計上される。ヘッジ関
係がヘッジ会計の要件を満たさなくなった場合、又は認識中止以外の理由により終了した場
合、損益計算書に認識される公正価値変動の有効なヘッジ部分の累計額は、実効金利法で償却
され資本として計上される。ヘッジ対象の認識が中止された場合、損益計算書に認識される公
正価値変動の有効なヘッジ部分の累計額の未償却部分は、資本にただちに振り替えられる。
(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され、適格とされたデリバティブの公正価値の変動
のうち有効部分は、その他の包括利益に認識され資本に累積される。非有効部分に関連する損
益は、損益計算書に即時に認識される。資本に累積された金額は、ヘッジ対象が損益に影響す
る期間において損益計算書に振り替えられる。
ヘッジ対象が満期となる、又は売却される場合、あるいはヘッジがヘッジ会計基準を満たさ
なくなる場合、その時点の資本に存在する累積損益は資本に保持され、予定取引が最終的に損
益計算書に認識される際に損益計算書に認識される。予定取引の発生が見込まれなくなる場
合、資本に計上された累積損益は損益計算書に即時に振り替えられる。
(c) 純投資ヘッジ
在外事業体に対する純投資のヘッジは、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様に会計処理され
る。ヘッジ手段の有効部分に係る損益はその他の包括利益に認識され資本の部に累積される。
また非有効部分に係る損益は損益計算書にただちに認識される。以前にその他の包括利益に認
識された累積損益は、在外事業の処分時に処分損益の一部として損益計算書に振り替えられ
る。
2.6 金融商品の相殺
認識された金額を相殺する法的に強制可能な権利があり、純額で決済するか資産の実現と負債の
決済を同時に実行する意図を有している場合、金融資産及び負債は相殺され、純額が貸借対照表に
計上される。
2.7 収入及び費用
(1) 受取利息及び支払利息
受取利息及び支払利息は、実効金利法を用いて償却原価で計上される及びその他包括利益を
通じて公正価値で計上される全ての金融資産、並びに金融負債について損益計算書で認識され
る。純損益を 通じて 公正価値で計上されるデリバティブ以外の金融資産及び負債から生じる類
似の受取利息及び支払利息は、類似の手法を用いて決定されるが、取引コストは除外される。
実効金利法は、金融資産又は金融負債の償却原価を計算し、当該期間にわたり受取利息又は
支払利息を配分する方法である。実効金利とは、金融商品の予想残存期間、又は、適切な場合
はそれよりも短い期間を通じて、将来の現金支払額又は受取額の見積額を、当該金融資産又は
金融負債の正味帳簿価額に正確に割り引く利率である。実効金利を計算する際、当グループ
は、当該金融商品の全契約条件（例：期限前返済オプション又は住宅用モーゲージ・ローンに
関連するインセンティブ）を考慮して将来キャッシュ・フローを見積るが、将来の信用損失は
考慮しない。計算には、契約当事者間の受取手数料、プレミアム又はディスカウント、支払済
み又は受取済みベーシス・ポイント、並びに 実効 金利と一体化している直接帰属する実行手数
料及び費用が含まれている。
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ヘッジ対象リスクが金利である場合の全てのヘッジ取引について、固定利付債務証券や固定
利付劣後ノート等のヘッジ対象からの受取利息又は支払利息は、金利スワップ等のヘッジ手段
か ら生じる正味 受取 ／支払利息とともに、純額で開示される。
(2) 非金利収入及び非金利費用
当グループが履行義務を充足し、顧客がサービスの支配を有する期間又は支配を取得した時
点のいずれかにおいて、サービス収入が認識される。
サービスによる手数料収入は、口座サービス又はクレジット・カード手数料など契約により
サービスの提供が長期にわたって求められる場合には、契約期間にわたって体系的に固定価格
又は変動価格で認識され、仲介サービスやローン・シンジケーションのアレンジなどサ－ビス
が顧客に全面的に提供された場合には、取引ベースの契約に基づきある特定の時点で手数料収
入が認識される。
金融資産からの配当収入は、支払を受ける権利が確定した時点で認識される。
非金利費用は発生する報告期間の損益に計上される。
保険料収入に関する会計方針は、注記 2.20 に開示されている。
2.8 金融資産
当グループは、当グループの金融資産を当初認識時に以下の測定区分のいずれか１つに分類して
いる。事後に純損益を通じて公正価値（以下「 FVPL 」という。）で測定、事後に償却原価で測定、
及び事後にその他の包括利益を通じて公正価値（以下「 FVOCI 」 という。 ）で測定。この分類は、金
融商品の運用に関する企業の事業モデル及び当該金融商品の契約上のキャッシュ・フローの特性、
又は公正価値オプションの選択によって決定している。全ての金融資産は当初に公正価値で認識さ
れる。 FVPL で計上する金融資産を除き、金融資産の取引費用は全て、その当初の帳簿価額に含めら
れる。
(1) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
この区分は、トレーディング目的で保有する金融資産を含む、純損益を通じて公正価値で測
定するものとして指定された金融資産、又は純損益を通じて公正価値で測定することが強制さ
れる金融資産の２種類に分類される。
主として短期間で売却することを目的として取得した金融資産、又はまとめて管理され、か
つ、最近における実際の短期的な利益獲得のパターンの証拠がある識別された金融商品のポー
トフォリオの一部であるものは、トレーディング目的保有として分類される。デリバティブ
は、有効なヘッジ手段として指定されている場合を除いては、トレーディング目的保有として
分類される。
トレーディング目的保有又は公正価値で測定することが強制される金融資産以外の金融資産
は、 金融資産の測定又は損益の認識を異なるベースで行うことにより生じる測定又は認識の不
整合（「会計上のミスマッチ」とも呼ばれる。）を除去又は大幅に低減し、 経営者がそれを指
定した場合に、 FVPL で測定する金融資産として指定されることとなる。
当該金融資産は、当初に公正価値で認識され、取引費用は損益計算書に直接計上され、その
後、公正価値で再測定される。
かかる資産の公正価値の変動による損益（利息部分を除く）は、正味トレーディング収益／
損失、又は FVPL で測定するものとして指定されたその他の金融商品に係る純利得／損失として
計上される。利息部分は受取利息の一部として計上される。この区分の資本性金融商品に係る
配当金も、支払いを受ける当グループの権利が確定した時点で、正味トレーディング収益／損
失、又は FVPL で測定する金融商品に係る純利得／損失に認識される。
(2) 償却原価で測定する金融資産
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金融資産は、（ⅰ）契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有すること
を目的とする事業モデル（以下「回収目的保有」事業モデルという。）の中で保有される金融
資産である、（ⅱ）当該金融資産の契約条件に基づき、特定の期日に、元本及び当該元本残高
に 対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローを生み出す、という条件をともに満たす場合
に、償却原価で測定として分類される。これらは、当初は公正価値に直接帰属する取引費用を
加えた価額で認識され、その後、実効金利法を用いて測定した償却原価から減損損失引当金を
控除した価額で測定される。プレミアム又はディスカウントの償却を含む受取利息は実効金利
法を用いて計算され、損益計算書に認識される。資産が認識中止、条件変更又は減損処理され
た時点で、全ての損益が損益計算書に認識される。
(3) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
負債性金融商品は、（ⅰ）契約上のキャッシュ・フローの回収と売却のために資産を保有す
ることを目的とする事業モデルの中で保有される金融資産である、（ⅱ）当該金融資産の契約
条件に基づき、特定の期日に、元本及び当該元本残高に対する利息の支払いのみのキャッ
シュ・フローを生み出す、という条件をともに満たす場合に、 FVOCI で測定として分類され
る。
FVOCI で測定する金融資産は、当初に公正価値に直接帰属する取引費用を加えた価額で認識
され、その後、公正価値で測定される。金融資産の公正価値の変動によって生じる未実現損益
は、金融資産の認識が中止される、又はこれが減損し、過年度に資本に認識された累積損益が
損益計算書に振り替えられるまでは、その他の包括利益に直接認識される。しかし、プレミア
ム又はディスカウントの償却を含む受取利息は、実効金利法を用いて計算され、損益計算書に
認識される。
持分投資については、当初認識時に、未実現及び実現の公正価値損益をその他の包括利益に
認識するという取消不能の選択を行うことができるが、その場合には、たとえ売却時でも、事
後的に当該公正価値損益を損益計算書に振り替えることはできない。 FVOCI で測定に分類され
る資本性金融商品に係る配当金は、支払を受ける当グループの権利が確定した時点でその他の
営業収益に認識される。 FVOCI で測定に指定された資本性金融商品は減損評価の対象にならな
い。
FVOCI 有価証券に係る換算差額の取り扱いについては、注記 2.4 に記載されている。
2.9 金融負債
当グループは、当グループの金融負債を以下の種類、すなわちトレーディング負債、純損益を通
じて公正価値で測定するものとして指定した金融負債、預金、発行済債務証券及び譲渡性預金証
書、その他の負債及び引当金並びに劣後債務に分類している。全ての金融負債は、開始時に分類さ
れ、当初は公正価値で認識されるが、金融負債が 純損益を通じて公正価値で測定されない場合は、
取引費用を加減するものとする。
(1) トレーディング負債
金融負債は、主として短期間に買戻すことを目的として生じる場合、トレーディング目的保
有として分類される。トレーディング負債は公正価値で測定され、公正価値の変動から生じた
損益は損益計算書に認識され、利息部分は支払利息の一部として計上される。
(2) 純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債
金融負債は、開始時にそのように指定された場合、純損益を通じて公正価値で測定するもの
として指定することができる。金融負債は、以下の基準のいずれか１つを満たす場合にそのよ
うに指定される。
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・ 金融負債の測定又は損益の認識を異なるベースで行うことより生じる測定又は認識の不
整合（「会計上のミスマッチ」とも呼ばれる。）を除去又は大幅に低減する。
・ 運用される金融資産、金融負債又はその両方のグループに適用され、その業績は、文書
化されたリスク管理又は投資戦略に従って、公正価値に基づいて評価される。また、当
該グループに関する情報が当該基準に基づき内部的に主要な経営者に提供される。
・ キャッシュ・フローに大きな変更を生じさせる組込デリバティブを１つ以上含んだ金融
負債に関連している。
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債は公正価値で測定され、
公正価値の変動による損益は損益計算書に認識される。自己の信用リスクに起因する公正価値
の変動はその他の包括利益で認識され、その後、認識の中止時に、純損益において会計上のミ
スマッチが生じる又は拡大することがない限り利益剰余金に分類変更され、公正価値の変動に
よる全ての損益は損益計算書に認識される。
(3) 預金、発行済債務証券及び譲渡性預金証書、その他の負債及び引当金並びに劣後債務
トレーディング負債として分類されるもの又は純損益を通じて公正価値で測定するものとし
て指定されたものを除く、預金、発行済債務証券及び譲渡性預金証書、その他の負債及び引当
金並びに劣後債務は、償却原価で計上される。取引費用控除後の受取額と償還価額との差額
（存在する場合）は実効金利法を用いて当該期間にわたって損益計算書に認識される。
2.10 金融保証契約及び未実行のローン・コミットメント
金融保証契約は、特定の債務者が期日までに支払いを行わなかったことにより生じた損失につ
いて、保有者と当該債務者の間で締結された契約の条件に従い、発行人が保有者に補償するため
に特定の支払を行うことが要求される契約である。
金融保証契約は当初、保証が付与された日の公正価値で金融負債として認識される。当初認識
後、かかる保証に関する当グループの負債は（ⅰ）注記 2.14 に記載されている ECL 引当金額と、
（ⅱ）当初認識した金額から、適宜、保証期間にわたって定額法で認識した償却累計額控除後の
金額のいずれか高い方の金額で測定される。金融保証契約に関する負債の変動は全て損益計算書
に計上される。
未実行のローン・コミットメントは、当グループが契約期間にわたり既定の条件で顧客に対し
てローンを実行することを求められる契約債務である。この契約は、注記 2.14 に記載されている
ECL 要件の対象である。
金融保証及びローン・コミットメントの ECL 引当金は、財務諸表の「その他の負債及び引当金」
に計上されている。
2.11 金融商品の認識、認識中止及び条件変更
事後に FVPL で測定する金融資産、 FVOCI で測定する有価証券及び償却原価で測定する有価証券の
売買は、取引日、すなわち当グループが資産を売買する日に認識される。貸付金及びその他の金
融資産は、現金が取引先に貸付けられる際に認識される。金融資産は、金融資産によるキャッ
シュ・フローを受け取る権利が失効した時点、又は当グループが所有権に伴う実質的に全てのリ
スク及び経済価値を譲渡した場合に、認識が中止される。当グループが、金融資産に伴う実質的
に全てのリスク及び経済価値を譲渡又は留保しない場合、当グループは、売買後も支配権を留保
する場合には支配の及ぶ範囲内で売却対象資産を認識し、売買後に支配権を留保しない場合には
当該資産の認識を中止する。償却原価又は FVOCI で測定する金融商品が条件緩和又は 大幅に異なる
条件で 条件変更される場合、 当初の金融商品は認識中止され、新たな金融商品が公正価値で認識
される。 そうでない場合には、当初の帳簿価額に対する差額が調整され、損益計算書において会
計処理される。
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トレーディング負債、 FVPL で測定するものとして指定された金融負債並びに発行済債務証券及
び譲渡性預金証書は取引日に認識される。 FVPL で測定するものとして指定されていない預金は、
顧客から現金を受領した際に認識される。その他の負債はかかる債務が生じる際に認識される。
契 約上で特定された債務が履行される、取り消される又は失効する場合には、金融負債は貸借対
照表上での認識が中止される。当グループがグループの債務を購入した場合、購入したグループ
の負債は貸借対照表上から取り除かれ、負債の帳簿価額と支払対価の差額が損益計算書に計上さ
れるが、 FVPL で測定するものとして指定された負債に係る自己の信用リスクの構成要素は除く。
相手先に売却された有価証券及び手形で、買戻し契約に基づいて指定した将来のある期日に所
定の価格で買戻す義務を有するものは、買戻条件付契約と呼ばれる。相手先から購入した有価証
券及び手形で、売渡契約に基づいて指定した将来のある期日に所定の価格で売渡す義務を有する
ものは、売戻条件付契約と呼ばれる。
買戻条件付契約又は有価証券貸付取引は、預金並びに銀行及びその他金融機関からの預り金又
は FVPL で測定する金融負債として相手先から実際に受け取る現金の額（通常は当初認識時の当該
金融負債の公正価値）で当初認識される。買戻契約の担保として提供した金融資産は、認識を中
止せず、投資有価証券又は FVPL で測定する金融資産として計上される。「回収目的保有」事業モ
デル、並びに元本及び元本残高に対する利息の支払いのみである契約上のキャッシュ・フローを
有している売戻条件付契約又は有価証券借入取引は、現金並びに銀行及びその他金融機関への預
け金又は FVPL で測定する金融資産として相手先に実際に支払う現金の額（通常は当初認識時の当
該金融資産の公正価値）で当初認識される。売戻条件付契約に基づいて担保として受け取った金
融資産は、貸借対照表に認識されない。
2.12 公正価値測定
当グループは、不動産、投資不動産、貴金属及び特定の金融商品を各報告期間末時点で、公正
価値で測定する。公正価値は、測定日時点で、主要な市場又は当グループが利用可能な最も有利
な市場における市場参加者との秩序ある取引により、資産の売却で受領するであろう価格又は負
債を移転するために支払うであろう価格である。
資産又は負債の公正価値は、市場参加者が自らの最善の経済利益のために行動することを前提
に、市場参加者が当該資産又は負債の価格決定に使用するであろう仮定を使用して測定される。
当グループは適切な場合、金融商品の公正価値を最も良く表すビッド・オファー・スプレッド
の価格を用いており、これにはマーケットリスクのエクスポージャー純額に基づいて当グループ
が金融資産及び負債のグループを管理している場合に、金融資産及び金融負債のポートフォリオ
のリスクポジション相殺後の純額の残余分を用いることも含まれる。当グループはこれらの金融
商品のグループの公正価値を純額ベースで測定しているものの、注記 2.6 に示されている相殺の要
件を満たさない限り、金融資産及び金融負債は財務諸表に別建てで表示される。
非金融資産の公正価値測定には、市場参加者が資産の最有効使用を行うこと、あるいは当該資
産を最有効使用するであろう他の市場参加者に売却することによって経済的利益を生み出す能力
が考慮されている。
資産又は負債の市場が活発ではない場合、当グループは、最近の第三者間取引の利用、割引
キャッシュ・フロー分析、オプション価格決定モデル及び市場参加者によって一般的に使用され
るその他の評価技法を含む評価技法を用いており、状況に応じて適切かつ公正価値を測定するた
めの十分な情報が利用可能な評価技法を使用し、関連する観察可能なインプットの使用を最大化
し、観察不能なインプットの使用を最小化している。
2.13 貴金属
貴金属は、金、銀及びその他の貴金属で構成される。貴金属は、当初に公正価値で認識され、
その後も公正価値で再測定される。貴金属の時価評価損益は、正味トレーディング収益／損失に
含まれる。
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2.14 金融資産の減損
当グループは、以下の商品に対し予想信用損失（以下「 ECL 」という。）に関する評価性引当金
を認識している。
・ 償却原価で測定する金融資産
・ FVOCI で測定する債務証券
・ FVPL で測定されないローン・コミットメント及び発行済金融保証
FVPL で測定する金融資産及び FVOCI で測定するものとして指定された持分証券（振替は認めな
い： non-recycling ）は ECL 評価の対象外である。
ECL とは確率加重された信用損失の見積りである。信用損失は、全てのキャッシュ不足見込額の
現在価値（契約に基づく当グループの支払いに係るキャッシュ・フローと当グループの受取りに
係るキャッシュ・フローとの差額）として測定される。
未実行のローン・コミットメント及び金融保証残高について、キャッシュ不足見込額は、
（ⅰ）ローン・コミットメント／金融保証の保有者／受益者が、当該ローンの借入／金融保証の
請求を行う場合に、当グループが支払うこととなる契約上のキャッシュ・フローと、（ⅱ）当該
ローンの借入／金融保証の請求が行われる場合に、当グループが受け取ることとなるキャッ
シュ・フローとの差額で測定される。
割引の影響に重要性がある場合、キャッシュ不足見込額は割り引かれる。 ECL の見積りで考慮さ
れる最長期間は、当グループが信用リスクにさらされている最長の契約期間になる。リボルビン
グ・クレジット・ファシリティなどの金融商品に実行済み及び未実行のコミットメントが含まれ
る場合、 ECL は、信用リスクに関する経営者の対応によって低減されていない信用リスクに当グ
ループが引き続きさらされる期間にわたって測定される。
ECL の測定に際し、当グループは入手可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮している。これに
は、過去の事象、現在の状況、並びに将来の経済状況の予測に関する情報が含まれている。
ECL は以下の前提のいずれかで測定されている。
・ 12 ヶ月の ECL ：報告書日以降 12 ヶ月以内に発生する可能性があるデフォルト事象に起因する
損失
・ 全期間の ECL ： ECL モデルが適用される商品の残存期間にわたり発生可能性がある全てのデ
フォルト事象に起因する損失
当グループは、金融商品の当初認識時に以後 12 ヶ月以内の予想信用損失をステージ１として計
上し、信用リスクが当初認識時以降に著しく増大している場合に、全期間の予想信用損失をス
テージ２として認識する。当該金融資産の将来キャッシュ・フローが１つ又は複数の事象による
不利な影響を受けた場合、信用減損した金融商品の全期間の予想信用損失がステージ３として認
識され、ステージ３に分類された各金融資産の減損額を控除した金額で受取利息が計上される。
金融商品の信用リスクが当初認識時以降に著しく増大したかどうかを評価する際に、当グルー
プは報告日現在で評価した当該金融商品に係るデフォルト発生リスクと、当初認識時に評価した
デフォルト発生リスクを比較している。
具体的には、信用リスクが当初認識時以降に著しく増大したかどうかを評価する場合に以下の
情報を考慮に入れている。
・ 元本及び利息の支払いが契約上の期日から 30 日超経過
・ 金融商品の内外の信用格付の大幅な低下又は大幅な低下の見込み（入手可能な場合）
・ 債務者の経営成績の大幅な悪化又は大幅な悪化の見込み
・ 債務者の当グループに対する債務返済能力に著しい悪影響を及ぼす技術、市場、経済又は
法的環境の変動又はその見込み
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ローン・コミットメント及び金融保証に関し、 ECL の評価上の当初認識日は、当グループが取消
不能のコミットメントの当事者となった日となる。ローン・コミットメント又は金融保証に、当
初認識時以降に信用リスクの著しい増大があったかどうかを評価する際に、当グループは当該
ローン・コミットメント／金融保証に関連するローン及び貸付金に係るデフォルト発生リスクの
変動を考慮している。
金融商品の性質に応じて、信用リスクの著しい増大は、個別又は集合的に評価される。集合的
に評価を行う場合、金融商品は、期日経過状況及び信用リスク格付けなどの共通の信用リスク特
性に基づいてグループ化される。
当グループは、以下について観察可能なデータが存在する場合に、金融商品が信用減損してい
るとみなしている。
－ 債務者に生じた著しい財政困難
－ 債務不履行又は元本若しくは利息の支払遅延等の契約違反
－ 債務者の財政困難に関連する経済的又は法的な理由により、当グループが、通常は考慮し
ない譲歩を債務者に与えた場合
－ 債務者が破産又は他の財政的再編をする可能性が高い場合
－ 信用損失の発生を反映した、ディープディスカウントでの金融資産の購入又は組成、若し
くは
－ 他の観察可能なデータが、当該貸付金からの見積将来キャッシュ・フローに無視できない
減少があることを示唆している場合
当グループは、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な、過去の実績及び将来予測的な情報
を含む、合理的かつ裏付け可能な定量的・定性的情報の双方を個別に検討している。
ECL は、当初認識時以降、金融商品の信用リスクの変動を反映するために報告書日ごとに再測定
される。 ECL の金額の変動は、減損利得又は損失として損益計算書に認識される。当グループは、
全ての関連金融商品の帳簿価額に対する調整として評価性引当金勘定を認識することで、減損利
得又は損失を認識している。ただし、例外として FVOCI で測定する債務証券については評価性引当
金に相当する金額が公正価値の変動として準備金に計上される。
注記 2.7 に従い認識される受取利息は、金融資産の総帳簿価額に基づき計算されるが、金融資産
が信用減損している場合（ステージ３）、受取利息は当該金融資産の償却原価（総帳簿価額から
評価性引当金を控除した金額）に基づき計算される。信用減損している金融資産の判定について
は注記 4.1 で詳述している。
金融資産が回収不能な場合、当該金融資産の総帳簿価額及び関連する減損損失引当金に対し償
却がなされる。必要となる全ての手続きを完了し、損失額が決定された後に、かかる資産は償却
される。償却された資産であってもなお債権回収活動の対象となる。償却済みの資産を回収した
場合、その回収額は損益計算書上の減損損失額を減少させる。
2.15 子会社、関連会社、ジョイント・ベンチャー及び非金融資産への投資の減損
資産は、帳簿価額が回収されない可能性があることを示す事象及び状況の変化が生じた場合
に、減損の見直しが行われる。減損を示唆する可能性のある事象には、当該資産に著しい悪影響
を及ぼす技術、市場、経済又は法的環境の変動、又は資産の価額がその取得原価を著しく又は長
期にわたり下回った場合などが含まれることがある。「著しい」は投資の取得原価に照らして評
価され、「長期」は公正価値が取得原価を下回っている期間に照らして評価される。耐用年数が
確定できない無形資産については、毎年減損テストが行われる。
減損損失は、資産の帳簿価額がその回収可能額を超過する金額について認識される。回収可能
額は、資産の処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方となる。減損を評価するた
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め、資産は最小の個別に識別可能なキャッシュ・フロー（資金生成単位）ごとにグループ分けさ
れる。減損資産は、各報告日において減損の戻入れの可能性について見直しが行われる。
当社の貸借対照表においては、子会社、関連会社若しくはジョイント・ベンチャーへの投資に
ついても、当該企業から配当金を受け取る際に配当金の額が、配当が宣言された期間における当
該企業の包括利益の合計額を上回っている場合、又は当社の貸借対照表上での当該企業の帳簿価
額が、当社の連結貸借対照表上での当該企業の純資産の帳簿価額（のれんを含む）を上回ってい
る場合には減損テストが必要とされる。
2.16 投資不動産
長期の賃貸利回り若しくはキャピタル・ゲイン又はその両方の目的で保有され、当グループの
企業に占有されていない不動産（不動産の所在する借地のリースから生じる使用権資産を含む）
は、投資不動産として分類される。グループ企業間でリースされた不動産は、個々の企業の財務
諸表では投資不動産に、連結財務諸表では不動産に分類される。
投資不動産は、当初に関連する取引コストも含め、取得原価で認識される。当初認識後、投資
不動産は公正価値で測定される。
その後の支出は、その項目に関する将来の経済的便益が当グループに流入する可能性が高く、
その支出が信頼をもって測定できる場合にのみ、資産の帳簿価額に計上される。仕掛品の項目は
公正価値で測定される。その他全ての修繕及び維持費用は、これらが発生した会計期間の損益計
算書に費用計上される。
公正価値の変動は、損益計算書に直接認識される。
投資不動産が自己保有になった場合には不動産に分類変更され、分類変更日の公正価値は、会
計上、取得原価となる。用途の変更により不動産の項目が投資不動産になると、分類変更日のこ
の項目の帳簿価額と公正価値の差額は注記 2.17 に記載されている通り、 HKAS 第 16 号「有形固定資
産」に基づく不動産再評価と同様にその他の包括利益又は純損益に認識される。
2.17 有形固定資産
不動産（不動産の所在する借地のリースから生じる使用権資産を含む）は、主に支店及び事務
所である。不動産は、定期的な（少なくとも１年毎）外部の独立鑑定人による評価に基づく公正
価値からその後の減価償却累計額及び減損損失累計額控除後の金額で表示される。再評価日の減
価償却累計額は、資産の総帳簿価額に対して消去され、その純額が資産の再評価額へ修正再表示
される。その間は、同種不動産の公開市場価額を参照して、取締役が不動産の帳簿価額を見直
し、重要な変更がある場合には調整がなされる。
不動産の再評価により発生する帳簿価額の増加は、その他の包括利益を通じて不動産再評価準
備金に貸方計上される。過年度の同じ個別資産の増加を相殺する減少は、その他の包括利益を通
じて不動産再評価準備金に借方計上され、その他の減少は全て、損益計算書に費用計上される。
その後の増加は、過去に借方計上した金額を限度として損益計算書に貸方計上され、その後、不
動産再評価準備金に計上される。不動産の処分の際に、過年度の評価に関して実現された不動産
再評価準備金の該当部分は、不動産再評価準備金から取り崩され、利益剰余金に振り替えられ
る。
全ての建物及び設備並びに借地以外の使用権資産（注記 2.19 参照）は、減価償却累計額及び減
損損失累計額控除後の取得原価で計上される。取得原価には、当該項目の取得及び据付に直接帰
属する費用が含まれている。
その後の支出はその項目に関連する将来の経済的便益が当グループに流入する可能性が高く、
その項目に関する支出が信頼性をもって測定できる場合にのみ、資産の帳簿価額に含まれるか、
適切な場合には、個別の資産として認識される。当該項目は、経済的便益の発生開始までは減損
額控除後の取得原価で計上され、その後は各資産の種類の測定基準に従って測定される。その他
全ての修繕及び維持費用は、これらが発生した又は履行された会計期間の損益計算書に計上され
る。
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減価償却費は、下記の見積耐用年数にわたり当該資産の取得原価又は再評価額を償却するため
に、定額法で計算される。
・ 不動産 香港政府の土地リース期間
・ 建物及び設備 ２～ 15 年
・ 使用権資産 耐用年数又はリース期間のいずれか短い期間
資産の耐用年数は各報告期間末に見直され、適切な場合には調整される。
各報告期間末において、有形固定資産が減損している兆候があるかどうかを決定するにあたっ
て外部及び内部両方の情報源が考慮される。そのような兆候があれば、当該資産の回収可能額が
見積られ、適切である場合には、減損損失が認識され資産は回収可能額まで減額される。かかる
減損損失は、資産が評価額で計上され、減損損失がその同じ資産の再評価剰余金を超過しない場
合（そのような場合、再評価減として会計処理される）を除いて、損益計算書に認識される。回
収可能額は、当該資産の処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方となる。減損損
失は、必要に応じて、不動産再評価準備金又は損益計算書を通じて戻し入れられる。
処分に係る損益は、関連する税金及び費用控除後の売却処分額と帳簿価額との差額により決定
される。これらは、処分日において損益計算書に認識される。関連する再評価剰余金がある場合
は再評価準備金から利益剰余金に振り替えられ、損益計算書に分類変更されることはない。
2.18 無形資産
無形資産は当グループが保有し支配権を有する、物理的な実体を持たない識別可能な非貨幣性
資産であり、主にコンピュータのアプリケーション・ソフトウェアである。無形資産は償却累積
額及び減損累計額を控除後の取得原価で計上される。
耐用年数が有限の無形資産の償却費は、当該資産の見積耐用年数にわたり、定額法で損益計算
書に計上される。耐用年数が有限の下記の無形資産は、利用可能となった日から償却される。こ
れらの見積耐用年数は以下の通りである。
・ 資産化されたコンピュータのアプリケーション・ソフトウェア：３～５年
償却期間と手法はともに毎年見直される。
処分に係る損益は、関連する税金及び費用控除後の売却処分額と帳簿価額との差額により決定
される。これらは、処分日において損益計算書に認識される。
2.19 リース
当グループは、契約開始時にその契約がリースであるか又はリースを含んでいるかどうかを評
価する。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する
場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいる。顧客が契約期間を通じて、特定
された資産の使用を指図し、かつ特定された資産の使用からの経済的便益の実質的に全てを取得
する権利を有している場合、支配は移転する。
(1) 借手側の会計処理
当グループは、リース開始日にリース期間が 12 ヶ月以内の短期リース及び少額資産のリース
を除く、使用権資産及びリース負債を認識する。当グループが少額資産のリース契約を締結す
る場合、当グループはリース毎に当該リースを使用権資産及びリース負債として認識するかど
うかを決定する。使用権資産及びリース負債として認識されないリースに関連したリース料
は、リース期間にわたり規則的な方法により費用として認識される。
延長オプションの行使が合理的に確実である場合にはその期間のリース料を勘案したうえ
で、リース負債を同日現在で支払われていないリース期間にわたるリース料の現在価値で当初
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認識する。当該リース料は、リースの計算利子率を用いて割り引くが、当該利子率が容易に算
定できない場合には、関連する追加借入利子率を使用する。リース料には、固定リース料（実
質 上の固定リース料を含む）から受け取るリース・インセンティブを控除した金額、変動リー
ス料のうち、指数又はレートに応じて決まる金額、及び残価保証に基づいて借手が支払うと見
込まれる金額が含まれる。リース料にはまた、購入オプションを当グループが行使することが
合理的に確実である場合の、当該オプションの行使価格及び、当グループによるリースの解約
オプションの行使が、リース期間に反映されている場合のリースの解約ペナルティに係る支払
いも含む。
当初認識後、支払利息は一定の期間利子率を使用して算定される。指数又はレートに応じて
決まるものではない変動リース料は、リース負債の測定に含まれず、よって発生した会計期間
に損益計算書へ借方計上される。
認識される使用権資産は、当初取得原価で測定される。この取得原価は、リース負債の当初
測定の金額に、開始日以前に支払ったリース料及び発生した当初直接コストを加算した金額で
構成される。該当する場合、使用権資産の取得原価には、原資産の解体及び除去、原資産の原
状回復又は原資産の敷地の原状回復の際に生じるコストの見積額を現在価値に割り引き、受け
取ったリース・インセンティブを控除した金額を含める。
設備に係る短期リース及び全ての少額資産のリースに関連するリース料は、定額法により損
益計算書に費用として認識される。
使用権資産はその後、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額（注
記 2.17 参照）で計上され、以下の使用権資産の種類を除きリース負債が再測定される際に調整
される。
－ 投資不動産の定義を満たす使用権資産は、注記 2.16 に従い公正価値で計上される
－ 投資不動産の定義を満たさず、当グループが登記された借地権受益者である場合の借地
及び建物に関連した使用権資産は、注記 2.17 に従い再評価額で計上される
指数又はレートの変動による将来のリース料の変動がある場合、残価保証に基づいて支払い
が見込まれる当グループの見積額に変動がある場合、リース期間に変更がある場合、又は当グ
ループの購入、延長、解約オプションの行使が合理的に確実であるかどうかの再評価から生じ
る変更がある場合に、リース負債は再測定される。リース負債がこのように再測定される場
合、これに対応する調整が、使用権資産の帳簿価額に対してなされるか、又は使用権資産の帳
簿価額がゼロまで減額された場合には損益計算書に認識される。
当グループは、投資不動産の定義を満たさない使用権資産を「有形固定資産」へ計上し、
リース負債を「その他の負債及び引当金」に計上している。
(2) 貸手側の会計処理
当グループが貸手の場合、リース開始日にそれぞれのリースがファイナンス・リースかオペ
レーティング・リースかを決定する。原資産の所有に伴うリスクと経済的価値の実質的に全て
を借手に移転するリースは、ファイナンス・リースに分類される。これに該当しないリース
は、オペレーティング・リースに分類される。
契約にリース構成部分と非リース構成部分が含まれる場合、当グループは契約における対価
を、関連する独立価格の比率に基づいて各構成部分へ配分する。オペレーティング・リースの
受取賃貸料は、リース期間にわたり定額法で認識される。
2.20 保険及び投資契約
(1) 保険及び投資契約の分類、認識及び測定
当グループは、裁量権のある有配当性（以下「 DPF 」という。）を有する保険契約及び投資
契約の負債を測定するために現地の規制基準に準拠している。
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当グループは、重要な保険リスクを移転し、かつ財務リスクも移転する可能性のある保険契
約を発行している。一般的な指針として、当グループは、重要な保険リスクを、保険事故が発
生 しなかった場合に支払われる給付金を少なくとも 10 ％超過する給付金を保険事故の発生時に
支払わなければならない可能性と定義している。当グループは、長期事業保険契約を発行して
おり、この契約は生命保険で保障される事故（死亡、延命又は永久的な能力喪失状態）を長期
にわたり保証している。将来発生すると予想される契約給付金に関する負債は、保険料が認識
される際に計上される。また、当グループは投資契約も発行している。投資契約は重要な保険
リスクを負わず、財務リスクを移転する。投資契約には、業績及び特定プールのリターン又は
契約の種類に基づいて重要となる可能性のある付加的な給付金（保証給付への追加）を受領す
る権利を契約者に与える DPF が含まれる。
契約保有者から受け取った対価で当グループが投資した投資ファンドのユニットと契約上の
支払を関連付ける組込デリバティブ（この組込デリバティブは主保険契約に密接に関連してい
る）を伴うリンク型長期保険契約について、対象資産の公正価値の変動全てに対して負債は調
整されており、この負債には、将来発生すると予想され、保険料の認識時に計上される契約給
付金に係る負債が含まれている。
退職制度管理カテゴリーＩの契約は投資契約に分類される。また、当該契約には契約者勘定
の貸付金利を決定する際の投資保証要素が含まれている。当該契約に関する負債は、これまで
受領した保険料と契約者に支払われた利息又は配当から保険契約加算金を控除した金額に基づ
いて勘定残高を示す遡及的計算方法を用いて決定される。
退職制度管理カテゴリー Ⅲ の保険契約は、保険法に定義されているように、死亡による雇用
の終了に伴う事象を保証している。将来発生すると予想される契約給付金に関する負債は、保
険料が認識される際に計上される。報告期間末現在、未経過リスクに関連する保有契約で受け
取った保険料の部分は、未経過保険料債務として計上される。未経過保険料債務は保険負債に
含まれる。
保険料は、契約保有者に保険料の支払義務が生じると、手数料の控除前の金額で収益とし
て、保険料に課される税金又は義務の控除前の総額で認識される。保険給付金及び保険金は発
生時に費用計上される。
当グループは、保険契約又は固定金額（若しくは固定金額及び利息に基づく金額）の保険契
約を解約するオプションの定義に見合う組込デリバティブを個別には測定しない。
当グループが自社発行の単一又は複数の契約に係る損失について補填を受けるという条件で
当グループが再保険業者と締結した契約のうち、上記の保険契約の分類要件を満たすものは、
保有再保険契約として分類される。
当グループが保有再保険契約に基づき受け取る権利がある保険給付金は、再保険資産として
認識される。これらの再保険資産は、再保険業者からの短期債権残高と、出再された元受保険
契約から生じる予想保険金及び保険給付金に左右される、より長期の債権で構成される。再保
険業者からの回収可能額又は再保険業者への支払債務は、基礎となる保険契約に伴う金額と整
合して、各再保険契約の条件に従って測定される。再保険負債は主に再保険契約に係る支払保
険料であり、期日到来時に費用として認識される。
(2) 負債の十分性のテスト
各報告期間末において、保険契約負債の金額が十分であることを確認するために負債の十分
性のテストが実施される。テストの実施にあたり、契約上の将来キャッシュ・フロー、給付金
請求取扱い及び一般管理費の最新かつ最良の見積り、並びに当該負債の担保となる資産から生
じる投資収益が使用される。不足額は即時に連結損益計算書に計上され、負債の十分性のテス
トから生じる損失に対して引当金が設定される。
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2.21 現金及び現金同等物
連結キャッシュ・フロー計算書上、現金及び現金同等物は、現金、銀行及びその他金融機関へ
の預け金、投資有価証券として分類される短期証券及び手形、並びに譲渡性預金証書を含み、当
初の満期が取得日から３ヶ月未満の債権残高から構成されている。
2.22 引当金
過去の事象に起因して当グループが現在、法的又は推定的債務を負い、その債務を解消するた
めに経済的便益を有する資源の流出が必要になる可能性が高く、またその債務の金額を信頼性を
もって見積ることが可能な場合、引当金が認識される。
2.23 従業員給付
(1) 退職給付費用
当グループの従業員が利用可能な認定職業別退職制度（以下「退職制度」という。）又は強
制年金基金制度（以下「 MPF 」という。）に基づき、当グループは確定拠出型退職金制度に拠
出している。当グループと従業員による当該制度への拠出金は、退職制度では従業員の基本給
に一定の割合を乗じて計算され、 MPF では MPF 規定に基づいて計算されている。退職給付制度の
費用は、発生時に損益計算書に費用計上され、当グループが制度に拠出する金額を表してい
る。拠出金の受給権が完全に確定する前に従業員が退職制度を退会した場合、当グループが支
払った分の拠出金は失効し、当グループの現在の拠出金水準を軽減させるか、又は退職制度の
信託証書に基づく費用に充当するために使用される。
当該制度の資産は、独立して管理される基金に当グループの資産とは別に保有される。
(2) 有給休暇
年次休暇及び病気休暇の従業員受給資格は、従業員に権利が生じた時点で認識される。報告
期間末までに従業員が提供した役務の結果、支払いが予想される未使用の年次休暇に対する見
積負債及び病気休暇の金額に対して引当金が設定される。
病気休暇及び特別承認年次休暇以外の有給休暇は累積されない。当期の受給資格の内、未使
用の部分がある場合、これらは失効する。失効していない年次休暇を除き、当グループ退職時
に未使用の受給資格に対する従業員への現金支払は認められていない。
(3) 賞与制度
賞与の予想費用は、従業員が役務を提供した結果、当グループが現在、法的又は推定的債務
を負い、その債務を信頼性をもって見積ることができる場合、負債として認識される。 12 ヶ月
を超えて清算が予想される賞与制度の負債は、金額に重要性がある場合、割り引かれる。
2.24 当期の法人税及び繰延税金
当期の税金費用は当期税金及び繰延税金からなる。税金は、その他の包括利益に直接認識され
る項目を除いて、損益計算書において認識される。この場合、税金はその他の包括利益において
も認識される。
当社、子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーが業務を行い、課税所得を生み出してい
る各管轄地において、報告期間末に施行されている、又は実質的に施行されている適用税法に基
づき、利益に課される未払法人税は利益が発生する期間の法人税費用として認識される。
繰延税金は、資産・負債の課税標準額と連結財務諸表上の帳簿価額の一時差異に伴う税金資
産・負債を貸借対照表に計上するという方法でその全額が認識されている。繰延税金は、報告期
間末現在で施行されているか実質的に施行されており、関連繰延税金資産が実現するか繰延税金
負債が清算される際に適用される見込みの税率と税法に基づき算定される。
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一時差異は主に、資産減損引当金、不動産及び設備の減価償却費、 FVOCI で測定する有価証券及
び不動産を含む一部の資産の再評価より生じる。しかし、繰延税金は、その取引の時点で会計上
の損益にも税務上の損益にも影響を及ぼさない企業結合の場合を除いて、取引における資産又は
負 債の当初の認識から生じる場合には認識されない。
繰延税金負債は、課税対象となる全ての一時差異に基づいて全額計上される。繰延税金資産
は、将来課税所得が生じ、それに対して将来減算一時差異、繰越税額控除及び繰越欠損金の繰越
が利用できる可能性が高い範囲内で将来減算一時差異、繰越税額控除及び繰越欠損金の繰越に基
づいて認識される。
繰延税金は、損益計算書に費用又は収益計上されるが、その他の包括利益に費用又は収益計上
される FVOCI で測定する有価証券の公正価値の再測定や不動産の再評価に関係する繰延税金は、同
様にその他の包括利益に費用又は収益計上され、その後、繰延損益の実現に伴い損益計算書にお
いて認識される。
投資不動産から生じる繰延税金負債又は繰延税金資産は、投資不動産の再評価額が売却を通じ
て回収され、それに応じた税率が適用されるという仮定に基づき算定される。
2.25 政府補助金
政府補助金は、当グループが補助金を受領し、補助金に付された条件を全て満たすことが合理
的に保証される場合に、その公正価値で認識される。政府補助金は、それで補填されることが意
図される関連費用に対応させることが必要な期間にわたり、損益計算書で認識される
2.26 抵当権実行資産
抵当権実行資産は、当初にそれらの処分費用控除後の公正価値と抵当権実行日の関連するロー
ン残高の償却原価のいずれか低い方の金額で認識され、関連するローン及び貸付金は関連する減
損引当金と共に貸借対照表から認識を中止される。その後、抵当権実行資産はそれらの取得原価
と処分費用控除後の公正価値のいずれか低い方の金額で測定され、「その他の資産」に含まれる
「売却目的で保有する非流動資産」として計上される。
2.27 信託業務
当グループは、一般に受託者として、又はその他の受託者の資格において活動し、個人、トラ
スト及びその他の機関の代理として、資産の保有又は管理を行っている。これらの資産及びそれ
について生じるいずれの損益も、当グループの資産ではないため、当財務諸表から除外されてい
る。
2.28 偶発債務及び偶発資産
偶発債務とは過去の事象に起因し、当グループで完全には統制できない将来の１つ又は複数の
不確実な事象が発生する又は発生しないことによってのみその存在が確認される潜在的な債務で
ある。また、過去の事象に起因し、経済的資源の流出が要求される可能性が低い、若しくは債務
の金額について信頼性をもって測定を行うことができないために認識されない現在の債務の場合
もある。
偶発債務は引当金として認識されないが、財務諸表に対する注記において開示される。流出の
可能性が変化し、そのため流出の可能性が高くなった場合には、引当金として認識される。
偶発資産は、過去の事象に起因し、当グループで完全には統制できない１つ又は複数の不確実
な将来の事象が発生する又は発生しないことによってのみその存在が確認される潜在的な資産で
ある。
偶発資産は財務諸表上では認識されないが、経済的便益を受け取る可能性が高い場合には、財
務諸表に対する注記において開示される。経済的便益の受取りがほぼ確実である場合には、資産
として認識される。
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2.29 関連当事者
当財務諸表では、当事者は、次に掲げるいずれかの場合に当グループの関連当事者としてみな
される。（ⅰ）単独で若しくは他者と共同で当グループを支配しているか、当グループに対し重
要な影響力を有する場合。（ⅱ）同じ財務報告グループのメンバー ( 親会社、子会社、及び同グ
ループ内の子会社 ) の場合。（ⅲ）当グループ若しくは親会社の財務報告グループの関連会社若し
くはジョイント・ベンチャーの場合。（ⅳ）当グループ若しくは親会社の主要な経営者の場合。
（ⅴ）当事者が当グループと共通の支配者の支配下にある場合。（ⅵ）（ⅳ）で特定された経営
者が支配する事業体の場合、及び（ⅶ）当グループ又は親会社に主要な経営者としてサービスを
提供している場合。関連当事者は個人の場合も企業の場合もある。
3. 会計方針を適用する際の重要な会計上の見積り及び判断
当グループは、翌報告書期間において資産及び負債の帳簿価額に影響を及ぼす可能性のある見積り及
び仮定を行う。見積り及び判断は、継続して評価されており、状況に照らして合理的であると考えら
れている将来の事象に関する予測を含む、過去の実績及びその他の要因に基づいている。資産及び負
債の帳簿価額に影響を及ぼす、本質的な見積り及び判断において変動しやすい領域については以下に
説明する。決定することが実行可能である場合の主要な仮定又はその他の見積りの不確実性に対する
変動の影響は以下に表示されている。実際の結果によって、以下に言及されている見積りに対して大
幅な調整を要する可能性もある。
3.1 顧客への貸付金に係る減損損失
当グループは、減損を評価するために信用ポートフォリオを少なくとも四半期ごとに見直してい
る。 HKFRS 第９号では、特に、減損損失の算定や信用リスクの著しい増大の評価を行う際の将来
キャッシュ・フローの金額及び時期、担保価値の見積りをはじめ、金融資産の全ての分類にわたり
減損損失の測定には判断が必要とされている。これらの見積りは多くの要因による影響を受け、そ
の変動によって引当金の水準が変動する可能性がある。
当グループの ECL の算定は複雑なモデルから生成されている。可変的なインプットの選択とその相
互関連性が一連の仮定に影響を与える。ステージ１及びステージ２のエクスポージャーの ECL モデル
は、実行可能かつ利用可能な場合には、注記 4.1 に基づくパラメータを利用して策定される。会計上
の判断及び見積りが考慮される ECL モデルには以下の要素が含まれる。
・ 個々の格付にデフォルト確率を割り当てる当グループの内部信用格付モデル
・ 当該金融資産の減損引当金を全期間の ECL で測定すべきかどうかを評価するための、当グ
ループの著しい信用悪化の要件（内部信用格付の引下げ、期日経過日数、時価の下落及び定
性的評価を含む）
・ ECL が集合的に評価される場合の、信用リスクの特徴による金融資産の区分（ソブリン、銀
行、法人、中小企業、住宅用モーゲージ・ローン及びクレジット・カードを含むポートフォ
リオ）
・ マクロ経済要因予測（国内総生産（ GDP ）成長率、消費者物価指数、不動産価格指数及び失
業率）の決定とそれがデフォルト確率、デフォルト時損失率及びデフォルト時エクスポー
ジャーに及ぼす影響を含む ECL モデルの開発
・ 将来予測的なマクロ経済シナリオ（好転シナリオ、ベースラインシナリオ、悪化シナリオ及
び代替シナリオという独立した４つのシナリオを含む）の選定及びその発生確率加重
信用減損エクスポージャーについては、回収可能な将来キャッシュ・フローの見積りにより予想
信用損失が個別に測定される。この見積りに影響を与える要因には、特に、特定の借手やその保証
人に関連する財務情報の粒度、競合他社に関する有意な情報の入手可能性、産業動向と特定の借手
の将来の業績との関連性、担保の処分に伴うキャッシュ・フローが含まれる。
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実際の損失実績を踏まえて定期的にモデルを見直し、必要に応じて調整を行うことを、当グルー
プの方針としている。
2022 年 12 月 31 日現在の顧客への貸付金の帳簿価額は、注記 25 に記載されている。
3.2 金融商品の公正価値
活発な市場で取引されない金融商品の公正価値は、評価技法を用いて決定される。使用される評
価技法は、直近の 第三者間取引 価格、割引キャッシュ・フロー分析及び業界で幅広く使用されてい
る外部から取得した金融分析又はリスク管理システムにおいて利用可能な内蔵機能付きモデル（オ
プション価格決定モデル及びその他一般的に使用される市場価格モデル等）の使用を含んでいる。
実行可能な範囲で、当該モデルは観察可能なデータを使用する。加えて、評価モデルで信用リスク
等の要素が考慮されていない場合は、評価調整が適用されることがある。適切な評価パラメータ、
仮定及びモデル化技法の選定には、経営者による判断及び見積りが必要とされる。
当グループは評価技法で用いた仮定と見積りを評価している。これには、通常の見直しや承認プ
ロセスの一貫としての、評価モデルの仮定や性質、モデルの仮定の変更、市場データの品質、市場
が活発であるか否か、特にモデルが捉えることができない他の公正価値調整、並びに複数の報告期
間の技法の適用の一貫性等に関する見直しが含まれる。評価技法は検証され、定期的に見直され、
必要に応じて財務報告日現在の市況を反映して更新される。 詳細は注記５で説明されている。
3.3 長期保険契約から生じる将来の給付金支払額及び保険料の見積り
当グループの長期事業資金負債（保険契約負債の構成要素）を決定するにあたり、当グループ
は、保険（長期負債の決定）規定に従い、関連要因の逆偏差のための適正なマージンを含む仮定を
慎重に行っている。当グループがリスクにさらされている各事業年度の予想死亡者数に関して見積
りが行われている。当グループは、当グループ独自の実績及び関連する再保険契約を適宜反映して
調整された、人口統計又は再保険の情報に基づいて、これらの見積りを作成している。長寿リスク
を保証する契約では、予想される死亡率の改善に対して適切かつ慎重な引当金が設定されている。
予想死亡者数により、給付金支払額及び評価保険料が決定される。不確実性の主な原因として、エ
イズ、サーズ、鳥インフルエンザなどの疫病及び食習慣、喫煙習慣、運動習慣などの多岐にわたる
ライフスタイルの変化などがあり、これによって、当グループが死亡リスクにさらされている年齢
層の将来の死亡率が、過去と比較して大幅に悪化する可能性がある。しかし、医療ケア及び社会情
勢の継続的な向上は、当グループが長寿リスクにさらされている契約負債を決定するために使用さ
れた見積りで考慮される以上の寿命の延長をもたらす可能性がある。
将来の死亡者数及び罹病者数とその経営者の見積りとの間に 10 ％（ 2021 年： 10 ％）の差異が生じ
た場合、長期事業資金負債は、当該負債の 0.20 ％（ 2021 年： 0.27 ％）にあたる約 198 百万香港ドル
（ 2021 年：約 267 百万香港ドル）増加することになる。この場合、保有再保険契約による負債の軽減
はないと想定されている。
生命保険の要素を含むリンク型長期保険契約については、当グループは将来において新たな死亡
率にあわせて死亡リスク負担を増加することができる。
資産担保付長期保険契約により生じる将来の投資収益についての見積りも行われた。これらの見
積りは、最新のマーケット・リターン並びに将来の経済及び金融の成長予測に基づいて行われてい
る。将来の平均投資利益が経営者の見積りより 50 ベーシス・ポイント（ 2021 年： 50 ベーシス・ポイ
ント）下回ると、長期事業資金負債は約 499 百万香港ドル（ 2021 年：約 866 百万香港ドル）増加する
こととなる。この場合、保有再保険契約による負債の軽減はないと想定されている。
当グループはまた、保険条例に従い、費用に係る引当金が必要であるかどうかを評価した。費用
に係る引当金とは、当グループが評価日から 12 ヶ月後に新規事業の取引を中止せざるを得なくなっ
た場合に契約を履行するために生じるであろう正味費用合計額を満たすために必要な金額のことで
ある。 2022 年 12 月 31 日現在、維持費に係る引当金は計上していない（ 2021 年：なし）。
負債に見合う資産価値に将来起こり得る変動の影響に対処する慎重な引当金を設定するために、
レジリエンス・リザーブが設定され、保険（長期負債の決定）規定に従って長期事業資金負債に含
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められた。レジリエンス・リザーブは、原資産の市場利回り及び評価金利が 25 ベーシス・ポイント
（ 2021 年： 19 ベーシス・ポイント）変動するという、任命された保険数理士のアドバイスに基づい
て 設定された。設定されるレジリエンス・リザーブの金額は、想定された金利変動の度合いに依拠
する。
3.4 繰延税金資産
繰越欠損金及び繰越税額控除に係る繰延税金資産が認識され、その認識額の決定には重要な経営
陣の判断が求められる。繰越欠損金に基づく繰延税金資産は、将来課税所得が生じ、それに対して
損金が利用できる可能性が高い範囲で認識される。認識可能な繰延税金資産の金額の決定には、将
来課税所得が生じるであろう時期と水準に基づく判断が求められる。繰延税額控除に基づく繰延税
金資産に関し、認識可能な繰延税金資産の金額の決定には、利用可能な税額控除の見積りと認識さ
れた繰延税金資産の回収可能性に基づく判断が求められる。
3.5 リースのリース期間の決定
当グループは、リースを延長するオプションを行使することが合理的に確実である場合にはリー
スを延長するオプションの対象期間、リースを解約するオプションを行使しないことが合理的に確
実である場合にはリースを解約するオプションの対象期間を加えたリース期間をリースの解約不能
期間として決定する。
当グループのリースには、３年から９年の追加延長オプションがついたものが存在する。当グ
ループは、オプションの行使が合理的に確実であるかどうかをリース開始日に評価する。評価にお
いて、当グループはリースを延長するオプションを行使することへの経済的インセンティブを生じ
させる、全ての関連する要因を考慮する。リース開始日後の、当グループの統制の及ぶ範囲内にあ
り、リースを延長するオプションを行使すること（又は行使しないこと）に影響を与える重大な事
象又は状況の重大な変化（事業戦略の変更等）の発生時に、当グループはリース期間の見直しを行
う。
2022 年 12 月 31 日現在の使用権資産の帳簿価額は注記 29 に記載されている。
3.6 保険及び投資契約の分類
当グループは、保険リスク及び財務リスクを移転する保険契約を発行している。保険契約は重大
な保険リスクを移転する契約である。当グループは、重大な判断により、高額な付加的給付金の支
払いが必要となる保険事故が生じ得るシナリオ（経済的実質のないシナリオは除く）の有無を決定
する。当グループによる高額な付加的給付金の支払いが必要となる契約は、保険契約として会計処
理される。
4. 金融リスク管理
当グループは様々な事業活動に携わっていることから金融リスクにさらされている。主な金融リスク
は、信用リスク、市場リスク（通貨リスク及び金利リスクを含む）及び流動性リスクである。この注
記では、これらのリスクに対する当グループのエクスポージャー、並びに当グループの目標、リスク
管理統治体制、管理方針及びプロセス、並びにこれらのリスクの測定に用いている方法について要約
する。
金融リスク管理の枠組み
当グループのリスク管理統治体制は全てのビジネス・プロセスをカバーし、事業を営む過程で様々な
リスクを適切に管理、統制すべく策定されている。当グループでは、発生する可能性がある様々なリ
スクを識別、測定、監視及び統制する包括的な一連の方針と手続を備えた強固なリスク管理の組織体
制を敷いている。これらのリスク管理方針及び手続は定期的に見直され、市場の変動及び事業戦略の
変更を反映するために更新される。リスクを負担する当事者の様々なグループがリスク管理に関する
それぞれの責任を担っている。
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株主の利益を代表する取締役会は当グループの最高意思決定権を有し、リスク管理の最終的責任を
負っている。取締役会は取締役会委員会の支援を受け、リスク管理戦略、リスク選好及びリスク・カ
ル チャーの構築及び当グループがこれらの戦略を実行するための効果的なリスク管理体制を確実に有
することに対する第一義的責任を負う。
取締役会によって設立された常任委員会であるリスク委員会（以下「 RMC 」という。）は、当グルー
プの包括的なリスク及び様々なタイプのリスクを監視し、レベルⅠのリスク管理方針の承認を行いそ
れらの実施を監視し、重要なリスク又は高リスクのエクスポージャー又は取引の承認を行う責任を負
う。監査委員会は、内部統制システムの監視責任を果たすことにおいて取締役会を支援する。
上級経営者は、包括的なリスク及び様々なタイプのリスクの管理を実施する責任を負う。社長（以下
「 CE 」という。）は、当グループの包括的なリスク及び様々なタイプのリスクの管理を実施する責任
を負うほか、取締役会により委任された自身の権限の範囲内で重要性のあるリスクのエクスポー
ジャー又は取引を承認する責任を負う。副社長（以下「 DCE 」という。）は、様々なタイプのリスクの
日次管理責任を果たすことにおいて CE をサポートし、 CE から委任された権限の範囲内で重要なリス
ク・エクスポージャーや取引を承認する責任を負う。最高リスク管理責任者（以下「 CRO 」という。）
は、様々なタイプのリスクと内部統制の日次管理責任を果たすことにおいて CE をサポートする。ま
た、当グループが、新たな事業や商品、事業環境の変化から時々生じ得るリスクを効果的に監視し、
管理することができるよう、規制上の変更に応じた新規のリスク管理戦略やプロジェクト、対策を開
始する責務を負うほか、重要性のあるリスクのエクスポージャー又は取引を、委任された権限の範囲
内で見直す責任を負う。取締役会が承認したリスク管理方針の序列決定原則に従い、上級経営者は、
各自の所管領域に関する詳細なリスク管理方針を承認する責任を負う。
当グループの様々なユニットがそれぞれのリスク管理責任を負う。事業ユニットが第一のディフェン
スラインを担い、事業ユニットから独立したリスク管理ユニットが様々な種類のリスクに関する日次
管理責任を負う。リスク管理ユニットは様々なリスク管理方針及び手続の草案作成、見直し、更新に
ついて主たる責任を負う。
当グループの主要な銀行子会社は、当グループの方針と整合的なリスク管理方針に従っている。また
当グループの非銀行子会社である中銀集団保険有限公司なども、当グループのリスク管理要件に従っ
ている。これらの子会社は、各社が属する業界の特徴に基づく独自のリスク管理方針を定め、日次リ
スク管理の実施責任を負い、 BOCHK へ定期報告を行う必要がある。 BOCHK のリスク管理ユニットは、各
子会社によるリスク管理の状況を監視する。
当グループは、方針、手続及び限度の遵守状況の監視に関する明確な権限及び責任系統が設定された
組織体制の確立を含む、適切な内部統制システムを整備している。適切な内部統制環境の推進を支援
する組織内の適切な職務の分掌と同様に、適切なレポーティングラインもまた、事業部門からの統制
機能の十分な独立性をもたらすものである。
商品開発及びリスクの監視
リスク評価と監視の有効性を確保するために、当グループは、全ての関連ユニットの役割及び責任が
明確に定義され、商品開発に係る適切なデュー・ディリジェンス・プロセスが整備されている包括的
な商品開発及びリスク監視システムを有している。
取締役会と経営者によって設定された戦略目標に従い、それぞれの商品管理ユニットは事業及び商品
の開発計画を構築し、具体的な商品開発活動を開始する責任を負う。戦略策定部門は、それらの計画
が当グループの全体的な戦略と整合していることを確認する。リスク管理、法務、コンプライアンス
及び財務等に対する責任を有する部門は、リスク評価結果のレビューを行う責任を負う。
商品開発以外のそれぞれの商品管理ユニットは、関連するリスク評価部門と緊密に協働し、新商品の
リスクを特定し、評価する。リスク評価部門は、リスク評価の結果及び対応するリスク管理対策につ
いて独立した立場から見直しを行う。商品は、全てのリスク評価部門のデュー・ディリジェンス・プ
ロセスが完了した後に初めて販売の開始が可能となる。
顧客に資金関連商品を提供する際には、慎重なアプローチが採られる。全ての資金関連商品は、販売
開始前に特別委員会による承認を必要とする。
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4.1 信用リスク
信用リスクは、顧客又は取引先が契約上の債務を履行できないか履行の意思を持たない損失のリ
スクである。信用リスクは、トレーディング勘定及び銀行勘定に存在し、当グループのオン／オ
フ・バランスシート取引からも生じる。このリスクは主に貸付、貿易金融及び資金関連業務から生
じる。
信用リスク管理の枠組み
当グループは発生する可能性のある信用リスクを管理及び統制するための一連の包括的な信用リ
スク管理方針とその手続を構築し、適切な信用リスク限度を設定している。これらの方針、手続及
び信用リスク限度は、市況の変化及び事業戦略の変更に対応するために定期的に見直され、更新が
行われる。
当グループの組織体制は、方針、手続及び限度の遵守状況の監視に関する明確な一連の権限及び
責任を確立している。
最高与信管理責任者は CRO の直属であり、信用リスク管理責任を負うとともに、当グループが策定
したリスク管理原則及び要件に沿って子会社の信用リスク・エクスポージャーを管理する責任も負
う。当グループの様々なユニットがそれぞれの信用リスク管理責任を負う。事業ユニットはリスク
管理の第一のディフェンスラインを担う。事業ユニットから独立したリスク管理部門（以下「 RMD 」
という。）は、信用リスクの日次管理責任を負うほか、信用リスクの特定、測定、監視、及び管理
を通じて独立したデュー・ディリジェンスを行って効果的なチェックと均衡が図られていることを
確認し、信用リスク管理方針及び手続の草案作成、見直し、及び更新を行う責任を負う。また RMD
は、当グループの内部格付システムを設計、開発及び維持する責任を負い、このシステムが関連規
制要件を遵守していることを確認する。バックオフィスは、オペレーション支援のほか、与信枠の
前提条件や貸出条件の適用状況を監督し、与信管理に関する責任を負う。
当グループの経営方針に準拠して、当グループの主要子会社は、当グループの中核となる方針と
整合した独自の信用リスク方針を構築する必要がある。これらの子会社はリスク管理報告書を当グ
ループの経営者に定期的に提出することが求められる。
取締役会は与信承認権限を CE に委任している。 CE はそれを、取締役会から許可された限度内にお
いて、さらに下位の者に委任することが可能である。当グループは、与信事業の性質、格付、取引
リスクのレベル及び信用エクスポージャーの程度に従って与信承認権限の限度を設定している。
信用リスクの測定及び統制
急速に変化する市況を考慮して、当グループは引き続きその与信戦略を見直し、関連するポート
フォリオについて厳格な検討を行っている。
貸付金
顧客、取引先又は取引に関するリスクのレベルに応じて異なる与信承認及び統制手続が採用され
る。与信及びその他の機能の専門家によって構成される信用リスク評価委員会は、 DCE 又はその上席
の承認を要する重要な与信申請を独立した立場で評価を行う責任を負う。リテール以外のエクス
ポージャーに係る与信申請はリスク管理ユニットにより個別に検討され、客観的に評価される。与
信に係る承認を裏付けるため、債務者格付（デフォルト確率）及び案件格付（デフォルト時損失
率）がこれらのポートフォリオに割り当てられる。リテール内部格付システムは、リテール・エク
スポージャーの中の小規模事業者ローン、住宅用モーゲージ・ローン、個人ローン及びクレジッ
ト・カード等を含むリテール信用取引のリスク評価において使用される。与信に係る承認の裏付け
には、ローンの等級、債務者格付及び案件格付に加えて損失の見積り（もしあれば）が使用され
る。
当グループはまた、信用状況の監視、報告及び信用リスク情報の分析を裏付けに、ローンの等
級、債務者格付及び損失の見積り（もしあれば）を使用する。リテール以外のエクスポージャーに
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ついては、よりリスクの高い顧客に関して、より頻繁な格付の見直しとより詳細な監視が求められ
ている。リテール・エクスポージャーについては、信用状況の監視に、ポートフォリオごとに月次
で 更新される内部格付と損失の見積りが使用される。リスクの高いプールにあることが識別された
債務者については、より包括的な見直しが求められる。
当グループは、スタンダード＆プアーズの外部信用にマッピングすることができる内部格付基本
基準を採用している。内部格付基本基準の構造は香港銀行業条例の銀行（資本）規則の要件に準拠
している。
RMD は、経営会議（以下「 MC 」という。）、 RMC 及び取締役会による信用リスクの監視を容易にす
るために定期的及び臨時の信用管理情報に関する報告書を提供する。
加えて当グループは、業界、地域、顧客又は取引先ごとに信用集中リスクを識別する。当グルー
プは全ての取引先の信用リスク、信用ポートフォリオの質及び信用リスク集中の変動を監視し、当
グループの経営者に定期的に報告する。
当グループは、 HKMA のガイドラインを参照して信用資産を以下の５つのカテゴリーに分類する
ローン格付基準を採用している。
「正常」は、借手が現在返済義務を果たしており、利息及び元本の全額返済が確実と考えられる
ローンを意味する。
「要注意」は、借手が当グループの貸付金の元利回収可能性に脅威を及ぼしかねない困難に陥っ
ているローンを意味する。最終的な損失はこの段階では予想されていないが、不利な状況が続く場
合に発生する可能性がある。
「要管理先」は、返済が困難となるような特定可能な問題を借手が見せているローンを意味す
る。
「貸倒懸念先」は、全額の回収が困難であり、当グループが担保の正味実現可能額を考慮しても
元本及び／又は利息の損失が生じることを予測しているローンを意味する。
「破綻先」は担保の処分や訴訟手続など全ての回収手段を行使しても、貸付金の回収が不可能と
考えられるローンを意味する。
債務証券及びデリバティブ
債務証券への投資について、債務者格付又は外部信用格付、及び顧客／証券発行体ごとに設定さ
れた与信限度額が、投資に関係する信用リスク管理に使用される。デリバティブについては、当グ
ループは関連の信用リスクを管理するために顧客限度額を設定し、貸付金と同様の承認及び統制プ
ロセスが適用される。継続的な監視手続及びストップロス手続が確立されている。
決済リスクは主に取引先との外国為替取引により発生し、また現金、有価証券又は株式による受
取予想に対応して、現金、有価証券又は株式による支払いが行われるあらゆる状況下においてのデ
リバティブ取引からも発生する。当グループによる一日の市場取引から生じる全ての決済リスクを
カバーするために、取引先又は顧客に対して日々の決済限度額が設定される。
90 日超延滞している、又は借手が当グループに対する信用債務を全額支払う公算が小さい場合
等、見積将来キャッシュ・フローに悪影響を与える １つ又は複数 の事象が発生している場合に、金
融商品は債務不履行であるとみなされる。
信用減損した金融商品はステージ３に分類され、全期間の予想信用損失が認識される。金融商品
が信用減損している証拠には、以下の事象に関する観察可能なデータが含まれる。
－ 借手に生じた著しい財政困難
－ 債務不履行又は元本若しくは利息の支払遅延等の契約違反
－ 借手の財政困難に関連する経済的又は契約上の理由により、当グループが、通常は考慮しな
い譲歩を借手に与えた場合
－ 借手が破産又は財政的再編をする可能性が高い場合
－ 信用損失の発生を反映した、ディープディスカウントでの金融資産の購入又は組成、若しく
は
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－ 他の 観察 可能なデータが、当該金融商品からの見積将来キャッシュ・フローに無視できない
減少が ある ことを示唆している場合。
予想信用損失（ ECL ）手法
減損評価では、償却原価で測定する保有金融商品及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定
する保有金融商品に関し ECL の認識を求める HKFRS 第９号に従い、減損モデルを導入している。 ECL は
HKFRS 第９号に基づき３つのステージで評価され、金融資産、ローン・コミットメント及び金融保証
は３つのステージのいずれか１つに分類される。
ステージ１：金融商品が組成時に信用減損しておらず、その信用リスクが組成時以降に著しく増
大していない場合、減損引当金は 12 ヶ月の ECL の金額で測定される。
ステージ２：金融商品が組成時に信用減損していないが、その信用リスクが組成時以降に著しく
増大している場合、減損引当金は全期間の ECL に相当する金額で測定される。
ステージ３：金融商品が信用減損しており、当該金融商品の将来キャッシュ・フローが １つ又は
複数 の事象により悪影響を受ける場合、減損引当金は全期間の ECL に相当する金額で測定される。
当グループは、金融商品のステージを決定するために、著しい信用悪化の要件の枠組みを策定し
た。この枠組みは、延滞日数、 IRB による格付の変更、低い信用リスクの閾値やウォッチリスト等の
要因を考慮し、定量的評価と定性的評価の双方を織り込んでいる。
内部モデルの顧客の信用格付は 27 段階に分類されている。最も低い信用格付（ 27 番目）は債務不
履行の顧客に相当し、他の格付は債務不履行ではない顧客に割り当てられる。著しい信用悪化を判
断する上で考慮される定量的基準及び定性的基準は以下を含む。
定量的基準
－ 元本又は利息の支払いが契約上の期日から 30 日超経過
－ 報告日現在、当初認識時とは異なる PD に応じた信用格付の引き下げが反映され、残存期間の
PD が当初認識時から一定幅以上上昇した場合は、信用リスクが著しく増大しているとみなさ
れる。多くの場合、顧客の信用格付が５段階引き下げられた時点で信用リスクが著しく増大
している。
定性的基準
－ 債務者の事業又は財政状況における重要なマイナスの変化
－ 信用悪化の前兆がみられる顧客がステージ分類見直し対象としてウォッチリストに入ったこ
と
当グループは、バーゼルⅡの IRB モデルに加え、実行可能かつ利用可能な場合には内部モデルに基
づいたパラメータを利用し ECL を算定している。モデルがないポートフォリオについては、実績デー
タ、関連する貸倒損失実績又は近似値など、その他全ての合理的かつ裏付け可能な情報を利用して
いる。 ECL の測定は、金融商品のデフォルト確率（以下「 PD 」という。）、デフォルト時損失率（以
下「 LGD 」という。）及びデフォルト時エクスポージャー（以下「 EAD 」という。）を掛け合わせた
金額を、実効金利を用いて報告日まで割り引いたものである。
ECL は、一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額、貨
幣の時間価値、並びに過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての合理的かつ裏
付け可能な情報を反映して測定されている。当グループは、 2022 年度第４四半期において、手法及
びモデルのパラメータの調整並びに４つ目の経済シナリオ（「代替」シナリオ）の追加を含む ECL 手
法の見直しを完了した。 ECL の測定では、 HKFRS 第９号の要件を満たすために４つの経済シナリオを
用い、 ECL モデルのリスク別分類性能を高め、比較的リスクの低いステージ１の顧客に係る減損を適
切な水準に引き下げ、比較的リスクの高いステージ２の顧客（救済ローン及び複数の中国本土の不
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動産開発業者を含むが、これらに限定されない）に係る減損水準を潜在的なリスクを反映するよう
引き上げることで、信用減損引当金の配分を強化している。「ベースライン」シナリオは最も可能
性 の高い結果を表しており、「好転」シナリオ及び「悪化」シナリオと称するその他２つのシナリ
オは、「ベースライン」シナリオからの推定偏差であり、「ベースライン」シナリオと比較してよ
り楽観的又はより悲観的なシナリオを表している。「代替」シナリオは、「悪化」シナリオよりさ
らに悲観的なシナリオであり、予測及び過去のデータから導出された３つのシナリオ（「ベースラ
イン」、「好転」及び「悪化」の各シナリオ）ではリスクを補足することができないと経営者が考
える、信用ポートフォリオの実績や資産の質に深刻な影響を及ぼし得る特殊な事象の深刻な下振れ
リスクに関する経営者の見解を表している。
ベースラインシナリオ及び代替シナリオは、経済戦略企画部により作成されている。ベースライ
ンシナリオを確実に合理的かつ裏付け可能なものとするために、過去のデータ、景気動向、政府及
び非政府機関が外部に提供する経済予測等もベンチマークとして利用している。好転シナリオ及び
悪化シナリオについて、当グループは、過去のマクロ経済データを参照して偏差を推定している。
代替シナリオには、最終的に経済に重大な圧力をもたらす、地政学的緊張のさらなる高まりやその
他の不確実性の増加、世界的なサプライチェーンの悪化、世界的なインフレ率の上昇、各国中央銀
行の金融引き締め政策及び金利の上昇を含む複数のリスク事象を織り込んだ、経済分布の推移に関
する経営者の考察が反映されている。
当グループが事業を行っている主要国／主要地域における国内総生産（ GDP ）成長率などの主要マ
クロ経済要因や、消費者物価指数、不動産価格指数及び失業率などの他の主要マクロ経済要因が経
済的シナリオに適用されている。これらのマクロ経済要因は、統計的分析及び景況感における当グ
ループの ECL にとって重要であると考えられる。
各シナリオに割り当てた発生確率加重は、減損引当金の十分性を確保するという当グループの慎
重かつ一貫した信用戦略を実践する、経済環境に対する当グループの見解を反映している。 発生確
率の高さを反映して、より高い発生確率加重がベースラインシナリオに割り当てられており、発生
確率の低さを反映して、より低い発生確率加重が好転シナリオ、悪化シナリオ及び代替シナリオに
割り当てられている。 2022 年 12 月現在、当グループのベースラインシナリオの確率加重は、好転シ
ナリオ、悪化シナリオ及び代替シナリオの確率加重の合計を上回る。
ECL を評価するために当グループが用いる主要マクロ経済要因は以下の通りである。
ベース
好転 悪化 代替
マクロ経済要因
ライン
シナリオ シナリオ シナリオ
シナリオ
6.50 ％ 3.00 ％ -0.50 ％ -6.00 ％
2023 年の香港の予想 GDP 成長率
ECL の算定はマクロ経済要因及び経済シナリオによる影響を受ける。より悲観的なマクロ経済要因
が ECL 算定に用いられる場合、又はより高い発生確率加重が悪化シナリオに割り当てられる場合に
ECL は増加する。当グループは ECL モデルに用いられたマクロ経済要因と経済シナリオの確率加重
を、確立されたメカニズムに従い四半期ごとに見直している。
RMC は ECL 手法の承認に責任を負い、経営者は ECL モデルの導入に責任を負う。信用リスク管理部門
は、定期的なモデルの見直しやパラメータの更新を含む ECL 手法の維持に責任を負う。独立したモデ
ル検証チームは、 ECL モデルの年次検証に責任を負う。 ECL 手法に変更がある場合、当グループは適
切な承認プロセスに従う。
2022 年 12 月 31 日現在、発生確率加重がベースラインシナリオから悪化シナリオに５％シフトした
場合、 ECL は 1.67 ％増加する。一方、確率加重がベースラインシナリオから好転シナリオに５％シフ
トした場合、 ECL は 0.83 ％減少する。
担保として保有される担保資産及びその他の信用補完
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担保の評価及び管理については、受け入れの基準、担保の有効性、融資比率、ヘアカット率、評
価及び保険などを網羅する信用リスク管理の方針及び手順に文書化されている。担保は定期的に再
評価されるが、その頻度及び使用される方法は関連する担保の種類、原貸付の性質とリスクによっ
て 異なる。当グループは、ポートフォリオごとに、公表された指標等を用いて、主要なタイプの担
保である不動産の担保価値の評価を更新するメカニズムを構築している。担保は当グループが一次
受益者として保証されている。個人部門における主要な担保の種類は不動産、現金預金、及び有価
証券である。企業及び事業部門における担保には不動産、有価証券、現金預金、船舶及び航空機等
が含まれる。
当グループは、第三者の保証人により保証されるローンに関して、当該保証人の財務状況、信用
履歴及び債務履行能力を査定する。
2022 年 12 月 31 日現在、借手の債務不履行がない状況で売却又は再担保が許可される当グループが
保有する担保の公正価値は 23,999 百万香港ドル（ 2021 年： 20,891 百万香港ドル）であった。当グ
ループは当該担保の売却も再担保も行わなかった（ 2021 年：なし）。これらの取引は売戻条件付契
約及び証券貸借取引の通常かつ慣例的な条件に基づいて実行される。
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(A) 信用エクスポージャー
最大信用エクスポージャーは、担保資産又はその他の信用補完を全く考慮しない、当グルー
プが被るエクスポージャーの最悪のシナリオである。オン・バランスシート資産については、
その帳簿価額が、信用リスクに対する最大エクスポージャーとなる。発行済保証状について
は、信用リスクに対する最大エクスポージャーは、保証が要求された場合に当グループが支払
いを要求される可能性がある最大額である。ローン・コミットメント及びその他の信用関連の
負債については、信用リスクに対する最大エクスポージャーは契約額の全額である。
以下は、担保資産及びその他の信用補完の性質と、これらが当グループの各種金融資産へ及
ぼす財務上の影響に関する説明である。
銀行及びその他金融機関への預け金
取引先の性質から、一般的にこれらのエクスポージャーに係るリスクは低いと考えられるた
め、これらの資産については通常、担保を求めていない。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び投資有価証券
債務証券については通常、担保を求めていない。
デリバティブ
当グループでは、国際スワップ・デリバティブ協会が公表したマスター契約書（以下「 ISDA
マスター契約書」という。）を、デリバティブ関連業務に関する契約書の雛形として推奨して
いる。当該マスター契約書には、契約の枠組み（この枠組みの下で店頭（以下「 OTC 」とい
う。）取引の取引業務が実施される）が定められている他、デフォルト事由及び終了事由の発
生による契約終了時のクローズアウト・ネッティング条項が定められている。さらに、必要と
判断された場合、 クレジット・サポート・アネックス が ISDA マスター契約書の附属書類に含ま
れる。クレジット・サポート・アネックスの下では、信用エクスポージャーを軽減するため、
必要に応じて、一方の契約の当事者からもう一方の当事者に担保が提供される。
貸付金その他、ローン・コミットメント及び金融保証契約
一般的な種類の担保は 177 ページ（訳者注：原文のページ）に開示されている。貸付金その
他、ローン・コミットメント及び金融保証契約については、当グループが、個々のエクスポー
ジャーに係るリスクを考慮した上で適切であると考える範囲で担保を徴求している。顧客への
貸付金に関する担保の割合は 187 ページから 188 ページ（訳者注：原文のページ）に記載されて
いる。またローン・コミットメント及び金融保証契約の構成要素と内容は注記 42 に開示されて
いる。当グループでは、事前の通知なく無条件で解約できるコミットメントについて、借手の
信用の質が悪化した場合にクレジット・ラインの供与を撤回する必要性を評価している。 2022
年 12 月 31 日現在、担保によりカバーされているローン・コミットメント及び金融保証契約は
12.23 ％（ 2021 年： 12.39 ％）である。
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有価証券報告書
(B) 貸付金その他
商品種類別の貸付金その他の総額（減損引当金控除前）は以下に要約されている。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
顧客への貸付金
個人向け
－モーゲージ 405,467 386,220
－クレジット・カード 11,977 12,096
－その他 135,083 110,729
企業向け
－商業ローン 1,045,104 1,016,428
51,879 73,611
－貿易金融
1,649,510 1,599,084
商業手形 6,329 7,264
1,015 727
銀行及びその他金融機関への貸付金
1,656,854 1,607,075
特定の返済期日が定められている貸付金は、元本又は利息の返済期日が過ぎ、返済がなされ
ない場合に延滞貸付金として分類される。定期的な分割払いで返済される貸付金は、分割返済
の期日が過ぎ、返済がなされない場合に延滞貸付金として分類される。要求払貸付金は、返済
要求が借手に送達されているが指示通りに返済がなされない、又は、貸付金が借手に伝えられ
ている承認限度額を継続的に超える状態が続いている場合に延滞貸付金として分類される。
ステージ３として分類された貸付金は、完全に担保されている場合は、必ずしも減損損失と
ならない。
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有価証券報告書
貸付金その他の総額（減損引当金控除前）は行内信用格付及びステージ区分別に以下のよう
に分析される。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
顧客への貸付金
正常 1,596,110 31,210 - 1,627,320
要注意 3,680 8,954 - 12,634
- - 8,724 8,724
要管理先以下の区分
1,599,790 40,164 8,724 1,648,678
商業手形
正常 6,329 - - 6,329
要注意 - - - -
- - - -
要管理先以下の区分
6,329 - - 6,329
銀行及びその他金融機関への貸付
金
正常 1,015 - - 1,015
要注意 - - - -
- - - -
要管理先以下の区分
1,015 - - 1,015
1,607,134 40,164 8,724 1,656,022
（単位：百万香港ドル）
2022 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
減損引当金
(3,997) (2,511) (4,992) (11,500)
償却原価で測定する貸付金その他
その他の包括利益を通じて公正価
(77) - - (77)
値で測定する貸付金その他
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有価証券報告書
（単位：百万香港ドル）
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
顧客への貸付金
正常 1,558,267 25,138 - 1,583,405
3,039 8,319 - 11,358
要注意
- - 4,321 4,321
要管理先以下の区分
1,561,306 33,457 4,321 1,599,084
商業手形
正常 7,264 - - 7,264
- - - -
要注意
- - - -
要管理先以下の区分
7,264 - - 7,264
銀行及びその他金融機関への貸付
金
正常 727 - - 727
- - - -
要注意
- - - -
要管理先以下の区分
727 - - 727
1,569,297 33,457 4,321 1,607,075
（単位：百万香港ドル）
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
減損引当金
(4,843) (2,406) (2,632) (9,881)
償却原価で測定する貸付金その他
その他の包括利益を通じて公正価
- - - -
値で測定する貸付金その他
2022 年 12 月 31 日現在、行内信用格付及びステージ区分別の貸付金その他には、純損益を通じ
て公正価値で測定するものとして強制的に分類された貸付金その他は含まれていない。
2022 年 12 月 31 日現在、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する貸付金その他に係る減
損引当金は 77 百万香港ドル（ 2021 年：なし）であり、その他の包括利益に貸方計上されてい
る。
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有価証券報告書
以下は、減損引当金と貸付金その他の総額の調整である。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
減損引当金
2022 年１月１日現在 4,843 2,406 2,632 9,881
ステージ１へ移動 268 (266) (2) -
ステージ２へ移動 (179) 185 (6) -
ステージ３へ移動 (1) (1,092) 1,093 -
ステージ間移動による変動 (249) 783 1,271 1,805
(ⅰ )
2,579 331 1,330 4,240
当事業年度の繰入額
(ⅱ)
(2,113) (600) (580) (3,293)
当事業年度の戻入額
モデルの変更 (1,110) 826 - (284)
償却額 - - (677) (677)
回収額 - - 117 117
(41) (62) (186) (289)
換算差額等
3,997 2,511 4,992 11,500
2022 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上（注記 13 ） 2,468
（単位：百万香港ドル）
2022 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
総額
2022 年１月１日現在 1,569,297 33,457 4,321 1,607,075
ステージ１へ移動 4,090 (4,076) (14) -
ステージ２へ移動 (20,310) 20,351 (41) -
ステージ３へ移動 (1,155) (3,799) 4,954 -
エクスポージャーの変動、純額 60,179 (5,524) 242 54,897
償却額 - - (677) (677)
(4,967) (245) (61) (5,273)
換算差額等
1,607,134 40,164 8,724 1,656,022
2022 年 12 月 31 日現在
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有価証券報告書
（単位：百万香港ドル）
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
減損引当金
2021 年１月１日現在 5,405 1,115 2,652 9,172
ステージ１へ移動 105 (103) (2) -
ステージ２へ移動 (226) 242 (16) -
ステージ３へ移動 (14) (13) 27 -
ステージ間移動による変動 (82) 1,062 963 1,943
(ⅰ )
2,590 682 703 3,975
当事業年度の繰入額
(ⅱ)
(2,912) (473) (375) (3,760)
当事業年度の戻入額
モデルの変更 5 (65) (42) (102)
償却額 - - (1,247) (1,247)
回収額 - - 90 90
(28) (41) (121) (190)
換算差額等
4,843 2,406 2,632 9,881
2021 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上（注記 13 ） 1,966
（単位：百万香港ドル）
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
総額
2021 年１月１日現在 1,482,216 23,378 3,994 1,509,588
ステージ１へ移動 1,472 (1,455) (17) -
ステージ２へ移動 (15,700) 15,726 (26) -
ステージ３へ移動 (1,392) (229) 1,621 -
エクスポージャーの変動、純額 104,523 (4,008) (33) 100,482
償却額 - - (1,247) (1,247)
(1,822) 45 29 (1,748)
換算差額等
1,569,297 33,457 4,321 1,607,075
2021 年 12 月 31 日現在
(ⅰ ) 当事業年度の繰入額は、新規ローン、ステージ間移動のない残存ローン、及びリスク・パラメータの変更等に起因する
減損損失の繰入からなる。
(ⅱ) 当事業年度の戻入額は、返済済みのローン、ステージ間移動のない残存ローン、及びリスク・パラメータの変更等に起
因する減損損失の戻入からなる。
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有価証券報告書
(a) 減損した貸付金
減損している顧客への貸付金の分析は以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
減損 分類又は減損 減損 分類又は減損
8,724 8,724 4,321 4,321
顧客への貸付金総額
顧客への貸付金総額に対する割合 0.53 ％ 0.53 ％ 0.27 ％ 0.27 ％
当該貸付金に対して設定された減損
4,992 4,992 2,632 2,632
引当金
分類された又は減損している顧客への貸付金は、当グループのローンの質の分類によ
り、「要管理先」、「貸倒懸念先」又は「破綻先」のいずれかに分類されるか、ステージ
３に分類されているものである。
減損引当金は信用減損貸付金に関する担保価値を考慮して設定された。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
減損している顧客への貸付金の保全部分に対する担保の現在の市
4,440 2,260
場価値
減損している顧客への貸付金の保全部分 2,387 1,062
減損している顧客への貸付金の非保全部分 6,337 3,259
2022 年 12 月 31 日現在、減損している商業手形並びに銀行及びその他の金融機関への貸付
金はなかった（ 2021 年：なし）。
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有価証券報告書
(b) ３ヶ月超延滞の貸付金
３ヶ月超延滞の貸付金の総額は以下のように分析される。
2022 年 2021 年
顧客への 顧客への
金額 貸付金 金額 貸付金
( 百万 総額に ( 百万 総額に
香港ドル ) 対する 香港ドル ) 対する
割合 ( ％ ) 割合 ( ％ )
延滞期間別の顧客への貸付金総額
－３ヶ月超６ヶ月以下 2,858 0.17 ％ 245 0.02 ％
－６ヶ月超１年以下 601 0.04 ％ 1,291 0.08 ％
1,860 0.11 ％ 1,488 0.09 ％
－１年超
３ヶ月超延滞の貸付金 5,319 0.32 ％ 3,024 0.19 ％
延滞貸付金－ステージ３に対する
3,110 1,907
減損引当金
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
2,739 1,196
当該顧客への貸付金の保全部分に対する担保の現在の市場価値
当該顧客への貸付金の保全部分 1,643 814
当該顧客への貸付金の非保全部分 3,676 2,210
延滞している、又は減損したローンに対する担保は、主として、企業向けローンについ
ては商業用及び住宅用不動産及び航空機といった事業資産であり、また個人向けローンに
ついては住宅用不動産である。
2022 年 12 月 31 日現在、支払期日から３ヶ月超延滞している商業手形並びに銀行及びその
他金融機関への貸付金はなかった（ 2021 年：なし）。
(c) リスケジュールされた貸付金
2022 年 2021 年
顧客への 顧客への
金額 貸付金 金額 貸付金
( 百万 総額に ( 百万 総額に
香港ドル ) 対する 香港ドル ) 対する
割合 ( ％ ) 割合 ( ％ )
「３ヶ月超延滞の貸付金」に含まれ
るもの以外の、リスケジュールさ
509 0.03 ％ 216 0.01 ％
れた顧客への貸付金
リスケジュールされた貸付金とは、借手の財務状況の悪化又は借手が当初の返済期限を
守れなくなったために、銀行と借手の間で減免や貸出条件が緩和された貸付金であり、利
息又は返済期間のいずれかに関する変更された返済条件は、当グループでは「ノン・コ
マーシャル」である。変更された返済条件の下で３ヶ月超延滞している、リスケジュール
された貸付金は「３ヶ月超延滞の貸付金」に含まれる。
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有価証券報告書
(d) 顧客への貸付金の集中
( ⅰ ) 顧客への貸付金総額のセクター別分析
以下の顧客への貸付金総額の産業セクター別分析は、ローン及び貸付金に関する
HKMA への報告書の作成要領を参照した区分に基づいている。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
担保又は
減損 減損
その他の
顧客への
延滞 引当金－ 引当金－
分類又は
保証付
貸付金
減損
貸付金 ステージ ステージ
貸付金の
総額
３ １及び２
割合 ( ％ )
香港で使用される
ローン
産業界、商業界及び
金融業界
－不動産開発
171,614 26.29 ％ 948 967 495 818
－不動産投資
91,525 58.03 ％ 827 862 - 484
－金融関連
25,197 2.04 ％ - - - 26
－株式ブローカー
1,110 68.14 ％ - - - -
－卸売及び小売業
31,704 40.34 ％ 109 207 36 97
－製造業
48,891 6.64 ％ 41 43 23 140
－輸送及び輸送設
備 62,411 17.74 ％ 164 71 85 268
－レクリエーショ
ン 154 96.92 ％ - - - -
－情報技術
34,274 0.29 ％ 34 35 21 68
－その他
174,326 43.00 ％ 99 1,118 63 560
個人
－宅地購入プログ
ラム、民間部門
参加プログラム
及び借主購入プ
ログラムによる
ローン 35,879 99.61 ％ 32 452 - 19
－その他の居住用
不動産購入ロー
ン 367,502 99.82 ％ 176 1,975 1 252
－クレジット・
カードによる貸
付金 11,962 - 91 480 54 181
－その他
117,158 95.41 ％ 133 933 60 223
香港で使用されるロー
ン合計 1,173,707 61.02 ％ 2,654 7,143 838 3,136
貿易金融
51,879 18.38 ％ 238 234 164 113
香港外で使用される
423,924 4.85 ％ 5,832 4,699 3,990 3,257
ローン
顧客への貸付金総額
1,649,510 45.24 ％ 8,724 12,076 4,992 6,506
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（単位：百万香港ドル）
2021 年
担保又は
減損 減損
その他の
顧客への
延滞 引当金－ 引当金－
分類又は
保証付
貸付金
減損
貸付金 ステージ ステージ
貸付金の
総額
３ １及び２
割合 ( ％ )
香港で使用される
ローン
産業界、商業界及び
金融業界
－不動産開発
166,208 26.82 ％ - 171 - 899
－不動産投資
78,125 62.89 ％ 28 41 1 248
－金融関連
23,392 0.83 ％ - - - 39
－株式ブローカー
3,070 80.08 ％ - - - 5
－卸売及び小売業
27,281 47.95 ％ 260 304 121 243
－製造業
44,492 9.12 ％ 31 3 20 180
－輸送及び輸送設
備 62,000 22.79 ％ - - - 368
－レクリエーショ
ン 176 97.15 ％ - - - -
－情報技術
31,753 0.30 ％ 32 32 20 61
－その他
145,302 43.76 ％ 51 266 29 359
個人
－宅地購入プログ
ラム、民間部門
参加プログラム
及び借主購入プ
ログラムによる
ローン 34,776 99.49 ％ 15 221 - 21
－その他の居住用
不動産購入ロー
ン 349,645 99.95 ％ 129 1,153 1 129
－クレジット・
カードによる貸
付金 12,079 - 91 419 48 174
－その他
104,906 95.19 ％ 117 469 67 196
香港で使用されるロー
ン合計 1,083,205 62.35 ％ 754 3,079 307 2,922
貿易金融
73,611 15.17 ％ 517 498 385 181
香港外で使用される
442,268 4.95 ％ 3,050 2,703 1,940 4,142
ローン
顧客への貸付金総額
1,599,084 44.30 ％ 4,321 6,280 2,632 7,245
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有価証券報告書
当グループの顧客への貸付金総額の 10 ％以上を占める産業セクターについて、損益
計算書に計上された新たな減損引当金の金額及び当事業年度中に償却された、分類さ
れた又は減損しているローンは以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
分類又は 分類又は
新たな 減損 新たな 減損
減損引当金 ローンの 減損引当金 ローンの
償却額 償却額
香港で使用されるローン
産業界、商業界及び金融業界
－不動産開発 928 - 533 -
－その他 398 5 236 4
個人
160 - 57 -
－その他の居住用不動産購入ローン
( ⅱ ) 顧客への貸付金総額の地域別分析
以下の顧客への貸付金の地域別分析は、リスクの移転を考慮の上、相手先の所在地
に基づいている。顧客と所在地が異なる当事者により顧客への貸付金が保証されてい
る場合、リスクは保証人の所在地に移転される。
顧客への貸付金総額
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
香港
1,400,675 1,332,801
95,416
中国本土 86,546
162,289 170,867
その他
1,649,510 1,599,084
顧客への貸付金総額－ステージ１及び２に対する減
損引当金
香港 3,954 3,830
中国本土 357 715
2,195 2,700
その他
6,506 7,245
延滞貸付金
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
香港
9,359 3,954
296
中国本土 353
2,364 2,030
その他
12,076 6,280
延滞貸付金－ステージ３に対する減損引当金
香港 2,457 741
中国本土 42 101
1,555 1,173
その他
4,054 2,015
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有価証券報告書
分類された又は減損している貸付金
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
香港
5,198 2,123
中国本土 171 207
3,355 1,991
その他
8,724 4,321
分類された又は減損している貸付金－ステージ３に
対する減損引当金
香港 2,694 1,111
中国本土 48 107
2,250 1,414
その他
4,992 2,632
(C) 抵当権実行資産
当事業年度中に、当グループは保有していた担保物件の抵当権を実行することによって資産
を取得した。 12 月 31 日現在で保有しているこれらの資産の性質と帳簿価額は以下の通りであ
る。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
駐車場
10 -
商業用不動産 160 122
工業用不動産 17 -
147 29
住宅用不動産
334 151
2022 年 12 月 31 日現在、当グループが所有する抵当権実行資産の市場価値の見積額は 546 百万
香港ドル（ 2021 年： 274 百万香港ドル）であった。抵当権実行資産には当グループが借手の債
務の全部又は一部を免除するために（例えば、裁判又は所有者の任意処分により）入手権又は
管理権を取得した不動産が含まれる。
抵当権実行不動産が容易に現金化されない場合、当グループは以下の代替案を考慮する可能
性がある。
－ 売却価格の調整
－ ローン及び資産の売却
－ ローンのリストラクチャリング
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有価証券報告書
(D) 銀行及びその他金融機関への預け金
銀行及びその他金融機関への預け金（減損引当金控除前）は、行内信用格付とステージ区分
別に以下のように分析される。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
中央銀行
正常 198,387 - - 198,387
要注意 - - - -
- - - -
要管理先以下の区分
198,387 - - 198,387
その他銀行及びその他金融機関
正常 319,097 - - 319,097
要注意 - - - -
- - 34 34
要管理先以下の区分
319,097 - 34 319,131
517,484 - 34 517,518
(43) - (16) (59)
減損引当金
517,441 - 18 517,459
（単位：百万香港ドル）
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
中央銀行
正常 160,930 - - 160,930
要注意 - - - -
- - - -
要管理先以下の区分
160,930 - - 160,930
その他銀行及びその他金融機関
正常 287,042 - - 287,042
要注意 - - - -
- - - -
要管理先以下の区分
287,042 - - 287,042
447,972 - - 447,972
(23) - - (23)
減損引当金
447,949 - - 447,949
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有価証券報告書
以下は、銀行及びその他金融機関への預け金に対する減損引当金の調整である。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2022 年１月１日現在
23 - - 23
ステージ間移動による変動 - - - -
当事業年度の（戻入）／繰入額、純額 (2) - 15 13
22 - 1 23
モデルの変更
43 - 16 59
2022 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上（注記 13 ） 36
（単位：百万香港ドル）
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2021 年１月１日現在
8 - - 8
ステージ間移動による変動 - - - -
当事業年度の繰入額、純額 15 - - 15
- - - -
モデルの変更
23 - - 23
2021 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上（注記 13 ） 15
2022 年 12 月 31 日現在、延滞または減損している銀行及びその他金融機関への預け金の総額
は、 34 百万香港ドル（ 2021 年：なし）であった。
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有価証券報告書
(E) 債務証券及び譲渡性預金証書
以下の表は、債務格付及びステージ区分別の債務証券及び譲渡性預金証書の帳簿価額の分析
を示している。債務格付がない場合は、各発行体について指定された格付が報告されている。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する投資有価証券
－ステージ１
Aaa 81,593 132,445
Aa １から Aa ３ 218,837 233,943
A １から A ３ 309,293 455,191
A ３未満 16,779 25,242
31,574 24,791
格付なし
658,076 871,612
－ステージ２
A ３未満 174 208
- -
－ステージ３
658,250 871,820
うち、減損引当金 (160) (288)
償却原価で測定する投資有価証券
－ステージ１
Aaa 150,675 61,864
Aa １から Aa ３ 33,926 25,404
A １から A ３ 109,742 93,571
A ３未満 31,235 28,761
6,792 6,921
格付なし
332,370 216,521
－ステージ２
A ３未満 402 390
- -
－ステージ３
332,772 216,911
(119) (99)
減損引当金
332,653 216,812
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
Aaa 1,037 2,830
Aa １から Aa ３ 16,327 15,439
A １から A ３ 30,221 10,814
A ３未満 2,860 8,545
1,136 3,430
格付なし
51,581 41,058
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有価証券報告書
以下は、債務証券及び譲渡性預金証書に対する減損引当金の調整である。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定する投資有価証券
2022 年１月１日現在 287 1 - 288
ステージ間移動による変動 - - - -
当事業年度の戻入額、純額 (83) - - (83)
モデルの変更 (35) - - (35)
(10) - - (10)
換算差額等
159 1 - 160
2022 年 12 月 31 日現在
損益計算書への貸方計上（注記 13 ） (118)
償却原価で測定する投資有価証券
2022 年１月１日現在 96 3 - 99
ステージ間移動による変動 - - - -
当事業年度の繰入額、純額 31 - - 31
モデルの変更 (12) - - (12)
1 - - 1
換算差額等
116 3 - 119
2022 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上（注記 13 ） 19
176/470
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バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド(E05924)
有価証券報告書
（単位：百万香港ドル）
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定する投資有価証券
2021 年１月１日現在 261 - - 261
ステージ間移動による変動 - - - -
当事業年度の繰入額、純額 25 1 - 26
モデルの変更 - - - -
1 - - 1
換算差額等
287 1 - 288
2021 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上（注記 13 ） 26
償却原価で測定する投資有価証券
2021 年１月１日現在 62 - - 62
ステージ間移動による変動 - - - -
当事業年度の繰入額、純額 34 3 - 37
モデルの変更 - - - -
- - - -
換算差額等
96 3 - 99
2021 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上（注記 13 ） 37
2022 年 12 月 31 日現在、延滞又は減損している債務証券及び譲渡性預金証書はなかった（ 2021
年：なし）。
177/470
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(F) ローン・コミットメント及び金融保証契約
以下の表は、行内信用格付及びステージ区分別のローン・コミットメント及び金融保証契約
の分析を示している。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
ローン・コミットメント及び金融保証
契約
正常 767,103 4,321 - 771,424
要注意 2,305 1,062 - 3,367
- - 256 256
要管理先以下の区分
769,408 5,383 256 775,047
（単位：百万香港ドル）
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
ローン・コミットメント及び金融保証
契約
正常 766,298 2,939 - 769,237
要注意 2,062 1,244 - 3,306
- - 403 403
要管理先以下の区分
768,360 4,183 403 772,946
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以下は、ローン・コミットメント及び金融保証契約に対する減損引当金の調整である。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2022 年１月１日現在
439 51 153 643
ステージ１へ移動 6 (6) - -
ステージ２へ移動 (4) 4 - -
ステージ３へ移動 - (1) 1 -
ステージ間移動による変動 (5) 5 26 26
当事業年度の繰入／（戻入）額、純額 20 (14) (52) (46)
モデルの変更 (129) (2) - (131)
(1) (1) - (2)
換算差額等
326 36 128 490
2022 年 12 月 31 日現在
損益計算書への貸方計上（注記 13 ） (151)
（単位：百万香港ドル）
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2021 年１月１日現在
594 44 20 658
ステージ１へ移動 11 (11) - -
ステージ２へ移動 (6) 6 - -
ステージ３へ移動 (5) - 5 -
ステージ間移動による変動 (10) 3 133 126
当事業年度の（戻入）／繰入額、純額 (76) 33 (3) (46)
モデルの変更 (66) (24) - (90)
(3) - (2) (5)
換算差額等
439 51 153 643
2021 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上（注記 13 ） 80
ローン・コミットメント及び金融保証契約の信用リスク・エクスポージャーの大半はステー
ジ１に区分され、当事業年度を通じて行内信用格付において「正常」として分類されている。
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(G) パンデミックに対応した信用リスク管理
2022 年度には、香港で新たに発生したパンデミックの波が、香港経済に深刻な影響を及ぼし
た。借手の経営環境や財政状況は引き続き厳しいものとなっている。当グループは、パンデ
ミックがもたらす悪影響と不確実性に対応するため、以下の一連のリスク管理措置を講じてい
る。
－ 当グループは新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる経済上の負担と影響を軽
減するため、 HKMA と連携し、個人及び法人顧客に対する様々な救済措置を講じている。
救済措置に基づく支払猶予の条件は商業ベースであることから、該当する借手に対する
救済措置が延長されても、自動的にステージ２やステージ３に移動するわけではなく、
リスケジュール貸付金として分類されることはない。
－ 隔離措置の実施により、貿易、小売、航空、観光（接客業を含む）、飲食、娯楽などの
いくつかの産業は大きな打撃を受けた。 当グループは、これらの産業の借手について、
リスクベースの評価を引き続き実施している。パンデミックが借手に与えた影響や個々
の減免策、短期的なリファイナンス計画を評価した上で影響を受けやすい借手を特定
し、ウォッチリストに入れて継続的に緊密な監視を行っている。これらの借手の貸付金
の区分と内部格付は、最新の状況に従って適時に見直しが行われている。
－ 当グループは、パンデミックの封じ込めに関し、様々なシナリオのストレス・テストを
実施し、信用損失と資産の質に及ぼす潜在的な影響を定期的に評価している。
－ 当グループは、 ECL モデルに用いた将来予測的なマクロ経済要因を四半期ごとに見直
し、経済見通しのダイナミックな変化を反映させている。各国政府が実施した救済措置
により、パンデミックにより影響を受けた借手のデフォルト圧力が軽減した一方で、当
グループは救済措置の延長が複数回行われたこれらの借手に対する緊密な監視を継続し
ており、同救済措置の終了後にこのポートフォリオの債務不履行リスクが高まる可能性
に対処するために、減損引当金を積み増している。
当グループはパンデミックの状況が経済に与える影響を注意深く監視し、資産の質の著しい
悪化を回避するため、資産の質に対する慎重な管理体制を継続する意向である。
4.2 市場リスク
市場リスクとは、金融市場の価格（為替レート、金利、信用スプレッド、株価、コモディティ価
格）の変動により、当グループが保有する為替、金利、株式及びコモディティのポジションの価値
が変動することで損失が発生するリスクを指す。当グループはリスクと収益のバランスを取るた
め、中程度の市場リスク選好度を採用している。当グループの市場リスク管理の目的は、当グルー
プの全体的なリスク選好度及び資金為替業務の戦略に従い、十分に確立したリスク管理制度と関連
する管理手段に基づいて当グループの事業における潜在的な市場リスクを効果的に管理することに
よって、資金為替業務の健全な成長を確保することである。
リスク管理に関する当グループのコーポレート・ガバナンスの方針に従い、取締役会及び RMC 、上
級経営者及び機能部門／ユニットが当グループの市場リスクを管理するための職務と責任を果たし
ている。 RMD は当グループの市場リスク管理の責任を負っており、上級経営者の日々の職務の遂行を
助け、当グループ及び BOCHK の市場リスク・プロファイル並びにリスク管理方針及びリスク限度の遵
守状況を独立して監視し、全体的な市場リスク及び個々の市場リスクが容認可能な範囲内にあるこ
とを確認している。
当グループの市場リスク管理は、 BOCHK 及びその子会社を対象としている。当グループは、 BOCHK
及びその子会社の市場リスク管理を統制するための市場リスク管理方針を確立している。一方で当
グループは、グループにおけるバリュー・アット・リスク（以下「 VaR 」という。）限度及びストレ
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ス・テスト限度を設けており、これは、事業上の必要性及びリスク許容度の水準に従い、当グルー
プ全体に配分され監視されている。当グループの方針に定められた要求事項に従い、子会社は詳細
な 方針と手続を作成して、自社の日々の市場リスクを管理する責任を負う。
当グループは、市場リスクを識別、測定、監視及び管理するために、市場リスク指標及び限度を
設けている。主要なリスク指標及び限度には VaR 、ストップロス、オープン・ポジション、ストレ
ス・テスト及び感応度分析（ベーシス・ポイント・バリュー、ギリシャ指標）などが含まれるが、
これらに限定されない。管理要件を満たすために、主要なリスク指標及び限度は３つのレベルに分
類され、それぞれ RMC 、上級経営者、又は各事業ユニットの責任者の承認を受ける。（グループの限
度に関して） BOCHK 及び子会社の資金為替業務ユニットは承認された市場リスク指標及び限度の範囲
内で事業を遂行することが求められている。
(A) VaR
当グループは VaR を使用して定期的に一般市場リスクを測定し、 RMC と上級経営者に報告して
いる。当グループは一貫した VaR 計算モデルを採用し、ヒストリカル・シミュレーション・ア
プローチと過去２年間の市場データを用いて、信頼水準が 99 ％、保有期間が１日の当グループ
及びその子会社の VaR を算定し、当グループ及びその子会社の VaR 限度を設定している。
1
以下の表には当グループの全ての一般市場リスク・エクスポージャー に関する VaR が表示さ
れている。
（単位：百万香港ドル）
12 月 31 日 期中 期中 期中
事業年度
現在 最小値 最大値 平均値
全ての市場リスクの VaR 2022 年
46.3 21.9 61.3 37.7
2021 年 55.1 19.0 55.1 30.7
外国為替リスクの VaR 2022 年 20.3 14.6 39.9 23.7
2021 年 25.3 13.2 50.8 25.2
トレーディング勘定におけ
2022 年 39.8 15.6 63.2 31.5
る金利リスクの VaR
2021 年 57.9 6.2 57.9 16.5
トレーディング勘定におけ
2022 年 1.1 0.2 4.5 2.0
る株式リスクの VaR
2021 年 2.2 0.2 3.4 1.2
コモディティ・リスクの VaR 2022 年 4.1 0.0 12.3 4.4
0.4 0.0 35.2 7.0
2021 年
注記：
1
構造為替ポジションは除外されている。
市場リスクを評価する上で有益な指針となるが、 VaR によるリスクの評価は、常にその限界
を踏まえて行わなければならない。例えば：
－ 予測される将来事象の代替指標として過去の市場データを使用する場合、全ての潜在的
な事象、特にその性質において極端なものが包含されているわけではない。
－ １日という保有期間を使用する場合、全てのポジションが１日で流動化され又はヘッジ
されることが前提となる。このため、１日の保有期間では全てのポジションを完全に流
動化又はヘッジさせるのに十分でない可能性がある場合、深刻な非流動性の状況で生じ
る市場リスクが完全に反映されないことがある。
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－ 99 ％の信頼水準の使用は、定義上、この信頼水準を超えて発生する可能性のある損失を
考慮しない。
－ VaR は日々の業務終了時に残存しているエクスポージャーに基づいて計算されるため、日
中のエクスポージャーは必ずしも反映されていない。
当グループは、ストレス・テストの指標及び限度を設け、 VaR の対象外の市場リスクを評価
し管理することでこれらの制限を認識する。市場リスクのストレス・テスト・プログラムに
は、多様な深刻度のリスク要素の変動に応じた感応度テスト、並びに 1987 年の株式市場の暴
落、 1994 年の債券市場の暴落、 1997 年のアジア金融危機、 2001 年９月 11 日の事件及び 2008 年の
金融危機などを含む過去の事象に基づくシナリオの分析が含まれる。
(B) 通貨リスク
当グループの資産及び負債は、主要通貨、特に香港ドル、米ドル及び人民元建てとなってい
る。当グループの通貨リスクのエクスポージャーを確実に許容可能な水準に保つために、モニ
タリング・ツールとしてリスク限度（ポジション及び VaR 限度など）が使用される。さらに当
グループは、同一通貨の資産及び負債の差額が最小限になるよう努めている。為替契約（通貨
スワップなど）は通常、外貨建て資産及び負債に関連した通貨リスクを管理するために利用さ
れる。
以下は、トレーディング、非トレーディング及び構造為替ポジションから生じる当グループ
の主要外国通貨エクスポージャーの要約であり、外国通貨ポジションに関する HKMA への報告書
の作成要領を参照して作成されている。オプション・ポジションの純額は、全ての外国為替オ
プション契約のデルタ加重ポジションに基づいて計算される。
（百万香港ドル相当額）
2022 年
その他の
米ドル 英ポンド 日本円 ユーロ 人民元 豪ドル 合計
外国通貨
現物資産
1,056,988 25,556 107,461 64,552 536,460 33,695 67,515 1,892,227
現物負債
(1,002,142) (33,659) (19,120) (32,649) (510,300) (37,840) (61,225) (1,696,935)
先渡買い
917,681 29,024 47,522 84,569 419,521 27,865 59,524 1,585,706
先渡売り
(963,555) (21,039) (135,669) (115,911) (443,379) (23,811) (66,850) (1,770,214)
オプション・ポ
ジション、純
1,208 (11) 11 (42) (563) 85 (11) 677
額
ロング／
（ショート）
ポジション、
10,180 (129) 205 519 1,739 (6) (1,047) 11,461
純額
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（百万香港ドル相当額）
2021 年
その他の
米ドル 英ポンド 日本円 ユーロ 人民元 豪ドル 合計
外国通貨
現物資産
1,080,487 37,456 183,101 48,897 515,964 38,125 65,868 1,969,898
現物負債
(977,297) (44,696) (6,489) (37,534) (586,921) (32,656) (64,951) (1,750,544)
先渡買い
899,315 26,016 13,259 32,049 558,540 15,695 53,741 1,598,615
先渡売り
(990,699) (18,696) (186,845) (43,463) (486,202) (21,120) (55,066) (1,802,091)
オプション・ポ
ジション、純
1,357 19 (5) (1) (1,331) 12 (11) 40
額
ロング／
（ショート）
ポジション、
13,163 99 3,021 (52) 50 56 (419) 15,918
純額
（百万香港ドル相当額）
2022 年
マレーシ フィリピ
タイ・ その他の
米ドル ア・リン ン・ペソ 合計
バーツ 外国通貨
ギット
構造為替ポジション、
31,172 2,285 2,905 1,717 4,371 42,450
純額
（百万香港ドル相当額）
2021 年
マレーシ フィリピ
タイ・ その他の
米ドル ア・リン ン・ペソ 合計
バーツ 外国通貨
ギット
構造為替ポジション、
30,911 2,225 2,789 1,854 4,054 41,833
純額
(C) 金利リスク
金利リスクは、金利の変動並びに銀行の資産及び負債のポジションの期間構造の変化により
発生する、銀行の利益及び経済的価値に対するリスクを指す。当グループの金利リスク・エク
スポージャーは主に構造為替ポジションから生じるものである。構造為替ポジションから生じ
る主な金利リスクのタイプは、以下の通りである。
－ ギャップリスク：正味受取利息及び経済価値に影響を及ぼす可能性のある、資産と負債
の満期又はリプライシング期間の不一致
－ ベーシス・リスク：同じリプライシング期間内において資産利回りと負債コストが異な
る金額で変動する結果となる、異なる取引ごとの異なる価格基準
－ オプション・リスク：資産及び負債のキャッシュ・フローの変動を引き起こす可能性の
ある、資産、負債又はオフ・バランスシート項目に組み込まれているオプションの行使
当グループのリスク管理の枠組みは、金利リスク管理にも適用される。資産負債管理委員会
（以下「 ALCO 」という。）は、 RMC によって承認された「 BOCHK グループ銀行勘定金利リスク管
理方針」に準拠して金利リスクの監視を行う。 RMD は当グループの金利リスクの管理責任を負
う。財務管理部門及び投資管理部門などの協力を得て、 RMD は ALCO による日々の金利リスク管
理の遂行をサポートする。その役割には、管理方針の策定、手法の選択、リスク指標と限度の
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設定、貸借対照表残高目標の評価、方針及び限度の遵守状況の監視、金利リスク管理報告書の
上級経営者及び RMC への提出などが含まれるが、これらに限定されない。
当グループは、金利リスクを日次で識別、測定、監視及び管理するために金利リスク指標及
び限度を設けている。主要な指標及び限度には、金利調整・ギャップ限度、ベーシス・リス
ク、デュレーション、ベーシス・ポイント・バリュー（ PVBP ）、正味受取利息の感応度（以下
「 NII 」という。）、経済的価値の感応度（以下「 EVE 」という。）などが含まれるが、これら
に限定されない。上記の主要な指標及び限度は、異なるレベルに分類され、それぞれ、 CFO 、
CRO 、 ALCO 及び RMC の承認を受ける。リスクを負担する事業ユニットは、金利リスク限度の範囲
内での業務の遂行が求められる。銀行勘定において新しい商品又は事業を開始する前に、関連
事業ユニットは、潜在的な金利リスクの評価及び現行のリスク監視方法の適切性についての検
討を含むリスク評価プロセスを実施しなくてはならない。リスク評価プロセスにおいて金利リ
スクに関する重要な影響が確認された場合、 RMC の承認を受けるために報告する。
NII 及び EVE は、当グループの正味受取利息及び資本ベースに対する金利変動の影響を評価す
る。これらは当グループの主要な金利リスク指標である。前者は正味受取利息に係る金利の変
動の影響額を、その事業年度に予想される正味受取利息に対するパーセンテージで評価する。
後者は経済的価値（資産・負債及びオフ・バランスシート項目のキャッシュ・フローを市場金
利で割り引いた正味現在価値）に係る金利の変動の影響額を、直近の Tier １資本に対するパー
センテージで評価する。これらの２指標に対する限度は、当グループの銀行勘定における金利
リスクを監視し管理するために RMC により設定されている。
当グループは、不利な状況下で直面する可能性のある銀行勘定における金利リスクを評価す
るために、シナリオ分析とストレス・テストを用いている。またシナリオ分析及びストレス・
テストは、貯蓄預金の選択性、モーゲージ・ローンの期限前返済、及び組込オプションを伴う
債務証券の期限前償還などにより発生する正味受取利息と経済的価値への影響額を評価するた
めにも使用されている。
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当グループは、主に、香港ドル、米ドル及び人民元の金利変動リスクにさらされている。
2022 年 12 月 31 日現在、市場金利がイールド・カーブ上で 100 ベーシス・ポイント平行移動し、
他の変数が一定であった場合、当グループの今後 12 ヶ月の正味受取利息及び準備金に対する感
応度は以下の表のようになる。
（単位：百万香港ドル）
12 月 31 日現在の今後 12 ヶ月の 12 月 31 日現在の
正味受取利息への影響 準備金への影響
2022 年 2021 年 2022 年 2021 年
イールド・カーブの
100 ベーシス・ポイン
ト
上方への平行移動
2,643 1,350 (5,206) (7,656)
合計
内訳：
香港ドル 4,372 3,963 (382) (154)
米ドル (668) (739) (1,816) (4,110)
(972) (1,540) (2,621) (3,041)
人民元
イールド・カーブの
100 ベーシス・ポイン
ト
下方への平行移動
(2,643) (1,350) 5,206 7,656
合計
内訳：
香港ドル (4,372) (3,963) 382 154
米ドル 668 739 1,816 4,110
972 1,540 2,621 3,041
人民元
イールド・カーブの 100 ベーシス・ポイント上方への平行移動では、 2022 年における、上述
の通貨に伴う正味受取利息に対する全体的な影響はプラスとなっている。当グループの準備金
は、イールド・カーブの 100 ベーシス・ポイント上方への平行移動に伴い債務証券ポートフォ
リオ及びヘッジ会計に基づく関連する金利デリバティブの評価額の減少が予想されるため、減
少する。正味受取利息に対するプラスの感応度は、定期預金の規模が拡大し、当座預金及び貯
蓄預金の規模が縮小したために増加し、準備金のマイナスの感応度は、資本市場における債務
証券ポートフォリオのデュレーションが低下したために 2021 年度と比ベて減少した。
イールド・カーブの 100 ベーシス・ポイント下方への平行移動では、 2022 年における、上述
の通貨に伴う正味受取利息に対する全体的な影響はマイナスとなっている。当グループの準備
金は、イールド・カーブの 100 ベーシス・ポイント下方への平行移動に伴い債務証券ポート
フォリオ及びヘッジ会計に基づく関連する金利デリバティブの評価額の増加が予想されるた
め、増加する。正味受取利息に対するマイナスの感応度は、定期預金の規模が拡大し、当座預
金及び貯蓄預金の規模が縮小したために増加し、準備金のプラスの感応度は、資本市場におけ
る債務証券ポートフォリオのデュレーションが低下したために 2021 年度と比ベて減少した。
上記の感応度は例示のためのものであり、関連通貨の金利間の相関関係の変動、金利の平行
移動、金利リスクの影響を緩和するための措置が取られないという仮定や、ヘッジ会計の有効
性、全てのポジションは満期まで保有されるという仮定、実際の金利更改日が契約上の金利更
改日と異なる商品や契約上の満期が存在しない商品への行動に関する仮定を含むが、これらに
限定されないいくつかの仮定に基づいている。上記のエクスポージャーは、当グループの金利
リスクのエクスポージャー全体の一部を成すものに過ぎない。
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以下の表は、 12 月 31 日現在の金利リスクに対する当グループのオン・バランスシートのエク
スポージャーについて要約している。この表に含まれているものは、当グループの資産及び負
債の帳簿価額であり、契約上の金利更改日と満期日のいずれか早い方の日に基づき分類されて
いる。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
１ヶ月超 ３ヶ月超
１年超
１ヶ月以内 ３ヶ月 12 ヶ月 ５年超 無利息 合計
５年以内
以内 以内
資産
現金並びに銀行及び
その他金融機関へ
の預け金 425,459 28,550 29,556 2,285 - 49,344 535,194
純損益を通じて公正
価値で測定する金
融資産 18,292 19,648 10,257 15,919 6,102 14,936 85,154
デリバティブ - - - - - 61,832 61,832
香港特別行政区
政府債務証書 - - - - - 208,770 208,770
貸付金その他 1,436,748 133,216 26,411 34,107 7,448 7,424 1,645,354
投資有価証券
－ FVOCI で測定 112,322 163,183 176,023 163,944 42,778 3,925 662,175
－償却原価で測定 2,871 2,466 70,513 169,195 87,608 - 332,653
関連会社及びジョイ
ント・ベンチャー
に対する持分 - - - - - 843 843
投資不動産 - - - - - 16,069 16,069
有形固定資産 - - - - - 44,261 44,261
その他の資産（当期
税金資産及び繰延
7,943 - - - - 84,809 92,752
税金資産を含む）
資産合計 2,003,635 347,063 312,760 385,450 143,936 492,213 3,685,057
負債
香港特別行政区流通
通貨 - - - - - 208,770 208,770
預金並びに銀行及び
その他金融機関か
らの預り金 275,903 1,545 5,700 101 - 33,377 316,626
純損益を通じて公正
価値で測定する金
融負債 19,496 15,538 21,541 1,451 1,425 2 59,453
デリバティブ - - - - - 50,266 50,266
顧客預金 1,480,966 381,657 324,513 1,735 - 188,336 2,377,207
発行済債務証券及び
譲渡性預金証書 - - 1,702 1,934 - - 3,636
その他の負債及び引
当金（当期税金負
債及び繰延税金負
債を含む） 19,419 10 31 851 406 88,038 108,755
保険契約負債 - - - - - 152,105 152,105
- - - 76,393 - - 76,393
劣後債務
負債合計 1,795,784 398,750 353,487 82,465 1,831 720,894 3,353,211
金利感応度ギャップ 207,851 (51,687) (40,727) 302,985 142,105 (228,681) 331,846
186/470
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（単位：百万香港ドル）
2021 年
１ヶ月超 ３ヶ月超
１年超
１ヶ月以内 ３ヶ月 12 ヶ月 ５年超 無利息 合計
５年以内
以内 以内
資産
現金並びに銀行及び
その他金融機関へ
の預け金 362,264 17,281 23,108 1,416 - 61,466 465,535
純損益を通じて公正
価値で測定する金
融資産 19,727 11,620 8,995 10,145 8,968 14,082 73,537
デリバティブ - - - - - 33,186 33,186
香港特別行政区政府
債務証書 - - - - - 203,810 203,810
貸付金その他 1,336,894 164,780 35,656 44,032 7,956 7,876 1,597,194
投資有価証券
－ FVOCI で測定 115,427 309,399 136,185 205,404 105,405 5,601 877,421
－償却原価で測定 2,521 7,402 19,723 108,207 78,959 - 216,812
関連会社及びジョイ
ント・ベンチャー
に対する持分 - - - - - 1,215 1,215
投資不動産 - - - - - 17,722 17,722
有形固定資産 - - - - - 46,441 46,441
その他の資産（当期
税金資産及び繰延
11,396 - - - - 95,161 106,557
税金資産を含む）
資産合計 1,848,229 510,482 223,667 369,204 201,288 486,560 3,639,430
負債
香港特別行政区流通
通貨 - - - - - 203,810 203,810
預金並びに銀行及び
その他金融機関か
らの預り金 386,399 18,081 714 412 - 80,456 486,062
純損益を通じて公正
価値で測定する金
融負債 5,249 4,784 973 1,343 171 - 12,520
デリバティブ - - - - - 29,757 29,757
顧客預金 1,685,008 279,751 117,181 1,716 - 247,499 2,331,155
発行済債務証券及び
譲渡性預金証書 563 - - 1,860 - - 2,423
その他の負債及び引
当金（当期税金負
債及び繰延税金負
債を含む） 11,341 7 140 947 224 79,672 92,331
保険契約負債 - - - - - 153,911 153,911
- - - - - - -
劣後債務
負債合計 2,088,560 302,623 119,008 6,278 395 795,105 3,311,969
(240,331) 207,859 104,659 362,926 200,893 (308,545) 327,461
金利感応度ギャップ
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4.3 流動性リスク
流動性リスクとは、支払期日が到来した際、銀行が債務を返済するために十分で適時な資金を妥
当な費用で獲得することができないリスクである。当グループは、正常な環境及びストレス・シナ
リオ下において、流動性需要を満たすための安定し信頼できる適切な財源を提供するために、健全
な流動性リスク選好度を維持している。
リスク管理に関する当グループのコーポレート・ガバナンスの方針に従い、取締役会及び RMC 、上
級経営者及び機能部門／ユニットが当グループの流動性リスクを管理するための職務と責任を果た
している。 RMC は、流動性リスク管理の意思決定機関であり、流動性リスク管理の最終的な責任を負
う。 ALCO は、 RMC の承認を得て、流動性リスクの監視を行い、当グループの日々の業務が RMC により
設定されたリスク選好度及び方針に基づき行われていることを確認する。 RMD は当グループの流動性
リスク管理の責任を負っている。 RMD は、財務管理部門及び投資管理部門などと協力して、 ALCO によ
るそれぞれの責務に応じた流動性管理機能の遂行をサポートする。
当グループの流動性リスク管理の目的は、健全な経営と持続可能な収益性を達成するための流動
性リスク選好度に基づき、オン・バランスシート及びオフ・バランスシートの項目の流動性を、合
理的なコストで効率的に管理することである。当グループの主要な資金調達源は、顧客の預金であ
る。安定した十分な資金調達原資を確保するため、当グループは積極的に新規預金の勧誘を行い、
コア預金を保持するとともに、銀行間金融市場からの調達及び資本市場において債券を発行するこ
とで補完的な資金調達を行う。異なる満期やストレス・シナリオから導かれる資金需要の見積りの
結果に従い、当グループは、通常業務における需要を支える適切な資金を提供する十分な流動性資
産を維持するとともに、緊急時において外部からの要求に対応するための資金を合理的なコストで
調達できるよう、資産構造（ローン、債券投資、銀行間の預け金など）を調整している。当グルー
プは、資産と負債の過度の集中を避け、問題が発生した場合に、特定の分野での資金調達先及び資
金使途の過度の集中を原因とする資金調達網の破綻による流動性リスクの発生を防ぐため、資金の
調達先、返済期間及び使途の多様化に注力している。このようなリスクを管理するために、当グ
ループは資産プールの集中度の限度額及び高品質の流動性資産総額に対する Tier １の高品質の流動
性資産比率、上位 10 の預金者比率及び高額預金者比率などの資金調達先を設定している。必要に応
じ、当グループは、銀行間借入若しくはマネーマーケットでのレポ取引を介した資金調達、流通市
場での債券の売却、又は既存の顧客預金の維持及び新規の顧客預金の獲得を含むが、これらに限定
されない緩和行動をとることにより流動性ポジションを改善する。資金を増加させることとは別
に、当グループは、相互の信頼を高めるために、取引先、親会社である銀行及び規制当局との良好
なコミュニケーションを維持する。
当グループは、当グループ内の企業間の流動性資金調達を管理し、グループ企業間での資金調達
への依存を制限するため、グループ内流動性リスク管理ガイドラインを設定した。また当グループ
は、ローン・コミットメント、デリバティブ、オプション及びその他の複雑な仕組商品などのオ
フ・バランスシート上の活動により発生する流動性リスクの管理にも注意を払っている。当グルー
プは外国通貨資産及び負債、担保、日中の流動性、グループ間の流動性、その他のリスクに伴い発
生する流動性リスクなどを管理するために、グループ全体での流動リスク管理戦略を取っており、
それに合わせた不測事態対応策を作成している。
当グループは日次で流動性リスクを識別、測定、監視及び管理するために、流動性リスク管理の
指標及び限度を設けている。こうした指標及び限度には、流動性カバレッジ比率（以下「 LCR 」とい
う。）、安定調達比率（以下「 NSFR 」という。）、預貸率、最大累積キャッシュ・アウトフロー
（以下「 MCO 」という。）、及び流動性クッションが含まれるが、これらに限定されない。当グルー
プは、通常の状況における当グループの流動性の状況を評価するためにキャッシュ・フロー分析を
用いている他、様々な厳しい流動性危機に耐える当グループの能力を評価するために、月に一度以
上、流動性ストレス・テスト（機関固有の危機、市場全般の危機及び複合した危機を含む）及び他
の方法を実施している。また、流動性リスク管理の業務を円滑にするため、データの提供と定期的
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な管理報告を作成するための資産負債管理システム及びバーゼル流動性比率管理システムをはじめ
とする関連経営管理情報システムを開発している。
HKMA により公表された監督方針マニュアル LM-2 「流動性リスク管理のための健全なシステム及び
統制」の要件に従い、当グループは、通常及びストレス下の両方の状況においての当グループの
キャッシュ・フロー分析を強化するため、キャッシュ・フロー分析及びストレス・テストの行動モ
デル及び仮定を導入している。通常の状況下でのキャッシュ・フロー分析では、オン・バランス
シート項目（顧客の預金等）及びオフ・バランスシート項目（ローン・コミットメント等）に関連
する仮定が立てられた。当グループは将来キャッシュ・フローを、資産、負債及びオフ・バランス
シート項目の様々な性質に従い、契約上の満期日並びに顧客行動及び貸借対照表残高の変動に関す
る仮定に基づいて予想する。当グループは、通常の状況下で上記の仮定に基づき今後 30 日間の最大
累積正味キャッシュ・アウトフローを予測する MCO 指標を設定し、継続事業の目標を達成するため
に、当グループがキャッシュ・フロー・ギャップを十分に満たすことができる資金調達能力を有す
るかを評価した。 2022 年 12 月 31 日現在、手持ちの有価証券の売却によるキャッシュ・インフローを
考慮に入れる前で、 BOCHK の 30 日累積キャッシュ・フローは 159,722 百万香港ドル（ 2021 年： 160,744
百万香港ドル）の正味キャッシュ・インフローであり、内部限度要件を満たしていた。
流動性ストレス・テストでは、機関固有の危機、市場全般の危機及び複合した危機の各シナリオ
が設定されており、複合した危機のシナリオでは、非常に厳しい流動性危機に耐える当グループの
能力を評価するために、機関固有の危機と市場全般の危機を組み合わせて、より厳しい一連の仮定
が適用されている。ストレス・テストの仮定には、リテール、ホールセール及び銀行間預金の流出
率、ローン・コミットメントの使用率及び貿易関連偶発債務、顧客向けローンの不履行率及びロー
ルオーバー率、銀行間預け金及び市場性のある有価証券のヘアカットが含まれる。 2022 年 12 月 31 日
現在、当グループは３つのストレス・シナリオ下で正味キャッシュ・インフローを維持することが
でき、当グループはストレスのかかった状況下でも資金調達需要を満たす能力を有していることを
示している。さらに、当グループは、ストレス・シナリオ下においても確実に資金調達需要を満た
すため、リスク・ウェイトが０％ないし 20 ％の国、中央銀行、公営企業若しくは国際開発金融機関
が発行若しくは保証する優良又は同等の市場性のある有価証券、あるいは金融機関以外の企業が発
行する市場性のある有価証券で、対応する外部信用格付が A- 以上のもの等による流動性クッション
を維持するための方針を整備している。 2022 年 12 月 31 日現在、 BOCHK の流動性クッション（ヘアカッ
ト前）は 717,272 百万香港ドル（ 2021 年： 781,053 百万香港ドル）であった。不測事態対応策が設定
され、当該対応策には、ストレス・テストの結果や、早期警告指標に基づく計画発動の条件と、行
動計画及び関連手続及び関連部門の責任についての詳細が記載されている。
HKMA によってカテゴリー１公認金融機関に分類されている当グループは、 LCR 及び NSFR を、銀行
（流動性）規則に準拠して連結ベースで計算するよう義務付けられている。当グループは LCR 及び
NSFR を 100 ％以上に維持しなければならない。
特定のデリバティブ契約において、契約相手が当グループの信用度に懸念を持った場合、当グ
ループに追加担保を要求する権利を有する。
また、当グループの流動性リスク管理は新しい商品又は事業の開発にも適用される。関連事業ユ
ニットは、新しい商品又は事業の開始前に、潜在的な流動性リスクの評価と現行のリスク管理方法
の適切性の検討を含むリスク評価プロセスを実施しなくてはならない。リスク評価プロセスにおい
て流動性リスクに対する重要な影響が確認された場合、 RMC の承認を受けるために報告する。
当グループは当グループ全社に対して、流動性リスク管理のための基準と指針の役割を果たす統
一の流動性リスク管理方針を定めている。当グループの統一方針を基に、子会社各社は自社の特性
に合わせて独自の流動性管理方針を作成し、それぞれに流動性リスク管理の責任を負う。子会社
は、 BOCHK の RMD へそれぞれの関連する流動性比率とともに流動性ポジションを定期的に報告するこ
とが求められ、関連要件を確実に満たすために、同部門はかかる情報を統合し、グループ全体の流
動性リスクを評価する。
(A) 流動性カバレッジ比率及び安定調達比率
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2022 年 2021 年
流動性カバレッジ比率の平均値
－第１四半期 159.16 ％ 130.80 ％
－第２四半期 149.49 ％ 130.81 ％
－第３四半期 149.00 ％ 131.01 ％
178.49 ％ 142.96 ％
－第４四半期
流動性カバレッジ比率の平均値は、該当四半期における各営業日の営業終了時の流動性カバ
レッジ比率の算術平均、並びに流動性ポジションに関する HKMA への報告書に定められた算定方
法及び要領に基づき計算される。
2022 年 2021 年
四半期末の安定調達比率
－第１四半期 123.86 ％ 123.61 ％
－第２四半期 126.87 ％ 117.22 ％
－第３四半期 127.98 ％ 124.63 ％
131.56 ％ 125.48 ％
－第４四半期
四半期末の安定調達比率は、流動性ポジションに関する HKMA への報告書に定められた算定方
法及び要領に基づき計算されている。
流動性カバレッジ比率及び安定調達比率は、銀行（流動性）規則に従い、 BOCHK 及び HKMA が
指定する特定の子会社のポジションにより構成される連結ベースで算出されている。
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(B) 満期分析
以下の表は、貸借対照日現在の契約満期日までの残存期間に基づき、 12 月 31 日現在の当グ
ループの資産及び負債を期間別に分析している。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
１ヶ月超 ３ヶ月超
１ヶ月 １年超
期限の
要求払い ３ヶ月 12 ヶ月 ５年超 合計
定めなし
以内 ５年以内
以内 以内
資産
現金並びに銀行及びそ
の他金融機関への預
け金 406,490 68,294 28,573 29,566 2,253 - 18 535,194
純損益を通じて公正価
値で測定する金融資
産 - 15,099 20,659 9,120 19,057 6,213 15,006 85,154
デリバティブ
14,493 4,788 4,130 8,053 20,138 10,230 - 61,832
香港特別行政区政府債
務証書 208,770 - - - - - - 208,770
貸付金その他
304,888 71,820 58,491 174,615 637,249 394,365 3,926 1,645,354
投資有価証券
－ FVOCI で測定
- 103,562 156,343 179,061 169,435 49,193 4,581 662,175
－償却原価で測定
- 3,187 2,398 70,830 168,046 86,850 1,342 332,653
関連会社及びジョイン
ト・ベンチャーに対
する持分 - - - - - - 843 843
投資不動産
- - - - - - 16,069 16,069
有形固定資産
- - - - - - 44,261 44,261
その他の資産（当期税
金資産及び繰延税金
37,801 12,858 1,194 7,388 20,398 10,550 2,563 92,752
資産を含む）
資産合計
972,442 279,608 271,788 478,633 1,036,576 557,401 88,609 3,685,057
負債
香港特別行政区流通通
貨 208,770 - - - - - - 208,770
預金並びに銀行及びそ
の他金融機関からの
預り金 259,214 49,990 997 5,700 725 - - 316,626
純損益を通じて公正価
値で測定する金融負
債 - 19,496 15,557 21,547 1,441 1,410 2 59,453
デリバティブ
9,833 3,385 5,769 7,362 16,499 7,418 - 50,266
顧客預金
1,230,065 439,237 381,657 324,513 1,735 - - 2,377,207
発行済債務証券及び
譲渡性預金証書 - 22 10 1,679 1,925 - - 3,636
その他の負債及び引当
金（当期税金負債及
び繰延税金負債を含
む） 76,235 14,374 2,236 3,781 6,944 5,185 - 108,755
保険契約負債
51,233 501 1,035 7,359 26,998 64,979 - 152,105
劣後債務
- - - 332 76,061 - - 76,393
負債合計
1,835,350 527,005 407,261 372,273 132,328 78,992 2 3,353,211
正味流動性ギャップ
(862,908) (247,397) (135,473) 106,360 904,248 478,409 88,607 331,846
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（単位：百万香港ドル）
2021 年
１ヶ月超 ３ヶ月超
１ヶ月 １年超
期限の
要求払い ３ヶ月 12 ヶ月 ５年超 合計
定めなし
以内 ５年以内
以内 以内
資産
現金並びに銀行及びそ
の他金融機関への預
け金 351,826 71,905 17,297 22,727 1,780 - - 465,535
純損益を通じて公正価
値で測定する金融資
産 - 19,787 11,560 7,720 10,540 8,394 15,536 73,537
デリバティブ
11,944 3,086 4,299 3,895 6,356 3,606 - 33,186
香港特別行政区政府債
務証書 203,810 - - - - - - 203,810
貸付金その他
259,993 44,548 79,716 235,036 602,050 374,119 1,732 1,597,194
投資有価証券
－ FVOCI で測定
- 105,135 298,363 142,601 212,683 111,837 6,802 877,421
－償却原価で測定
- 3,093 7,964 20,175 105,290 77,855 2,435 216,812
関連会社及びジョイン
ト・ベンチャーに対
する持分 - - - - - - 1,215 1,215
投資不動産
- - - - - - 17,722 17,722
有形固定資産
- - - - - - 46,441 46,441
その他の資産（当期税
金資産及び繰延税金
43,664 21,400 1,806 2,763 23,750 10,987 2,187 106,557
資産を含む）
資産合計
871,237 268,954 421,005 434,917 962,449 586,798 94,070 3,639,430
負債
香港特別行政区流通通
貨 203,810 - - - - - - 203,810
預金並びに銀行及びそ
の他金融機関からの
預り金 292,365 174,423 17,452 1,028 794 - - 486,062
純損益を通じて公正価
値で測定する金融負
債 - 5,249 4,790 974 1,337 170 - 12,520
デリバティブ
7,626 2,321 2,607 3,813 8,576 4,814 - 29,757
顧客預金
1,521,727 410,780 279,751 117,181 1,716 - - 2,331,155
発行済債務証券及び譲
渡性預金証書 - 588 - - 1,835 - - 2,423
その他の負債及び引当
金（当期税金負債及
び繰延税金負債を含
む） 56,368 18,859 2,005 3,501 7,145 4,453 - 92,331
保険契約負債
53,766 2,759 2,669 4,064 29,531 61,122 - 153,911
劣後債務
- - - - - - - -
負債合計
2,135,662 614,979 309,274 130,561 50,934 70,559 - 3,311,969
正味流動性ギャップ
(1,264,425) (346,025) 111,731 304,356 911,515 516,239 94,070 327,461
満期日までの残存期間別債務証券の分析は、契約上の満期日に基づいている。この開示は、
当該有価証券が満期まで保有されることを意味するものではない。
上記の保険契約負債に関する分析は、 12 月 31 日現在の貸借対照表上で認識される保険契約負
債から生じる正味キャッシュ・アウトフローの推定時期を表している。
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(C) 割引前キャッシュ・フローの契約満期日による分析
(a) 非デリバティブ・キャッシュ・フロー
以下の表は、当グループの 12 月 31 日現在における非デリバティブ金融負債のキャッ
シュ・フローを満期日までの残存期間別に要約している。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
金融負債
香港特別行政区流通
通貨 208,770 - - - - 208,770
預金並びに銀行及び
その他金融機関か
らの預り金 309,212 1,003 5,748 731 - 316,694
純損益を通じて公正
価値で測定する金
融負債 19,505 15,619 22,101 1,691 1,769 60,685
顧客預金
1,669,823 384,203 331,898 1,824 - 2,387,748
発行済債務証券及び
譲渡性預金証書 23 13 1,717 2,014 - 3,767
劣後債務
- - 2,509 80,586 - 83,095
リース負債
47 86 347 736 92 1,308
その他の金融負債
78,021 274 1,418 47 5 79,765
金融負債合計
2,285,401 401,198 365,738 87,629 1,866 3,141,832
（単位：百万香港ドル）
2021 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
金融負債
香港特別行政区流通
通貨 203,810 - - - - 203,810
預金並びに銀行及び
その他金融機関か
らの預り金 466,849 17,507 1,054 877 - 486,287
純損益を通じて公正
価値で測定する金
融負債 5,250 4,793 992 1,350 169 12,554
顧客預金
1,932,586 280,074 117,795 1,742 - 2,332,197
発行済債務証券及び
譲渡性預金証書 589 - 26 1,891 - 2,506
劣後債務
- - - - - -
リース負債
57 102 412 746 69 1,386
その他の金融負債
61,243 305 261 15 5 61,829
金融負債合計
2,670,384 302,781 120,540 6,621 243 3,100,569
(b) デリバティブ・キャッシュ・フロー
以下の表は、 12 月 31 日現在における、当グループの純額決済されるデリバティブ並びに
総額決済される全てのデリバティブのキャッシュ・フローを、資産のポジションであるか
負債のポジションであるかを区別せずに契約満期日までの残存期間別に要約したものであ
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る。表中に開示されている金額は、公正価値で開示される特定のデリバティブを除き、契
約上の割引前キャッシュ・フローの金額である。
当グループの純額決済されるデリバティブは主に金利スワップであり、総額決済される
デリバティブは為替予約及び通貨スワップである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
純額決済され
る デ リ バ
(10,333) (1,774) (7,599) (13,350) (2,165) (35,221)
ティブ負債
総額決済され
る デ リ バ
ティブ
流入額合計
635,746 379,653 566,376 202,148 10,973 1,794,896
流出額合計
(635,217) (376,902) (563,672) (202,119) (10,647) (1,788,557)
（単位：百万香港ドル）
2021 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
純額決済され
る デ リ バ
(8,138) (1,181) (4,315) (6,464) (1,162) (21,260)
ティブ負債
総額決済され
る デ リ バ
ティブ
流入額合計
926,726 414,179 314,868 82,945 6,666 1,745,384
流出額合計
(925,727) (410,520) (314,351) (82,820) (6,657) (1,740,075)
(c) オフ・バランスシート項目
ローン・コミットメント
当グループが顧客への信用供与及びその他の信用枠をコミットしている 2022 年 12 月 31 日
現在の当グループのオフ・バランスシート金融商品の契約上の金額は、 732,484 百万香港
ドル（ 2021 年： 715,718 百万香港ドル）であった。当該ローン・コミットメントの大半
は、１年以内に実行される可能性がある。
金融保証契約
2022 年 12 月 31 日現在、当グループの 42,563 百万香港ドル（ 2021 年： 57,228 百万香港ド
ル）の大半の金融保証及びその他の信用枠の期日は１年以内に到来する。
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4.4 保険リスク
当グループは死亡、罹病、障害、重症疾患、事故及びそれらに関連するリスクを引き受ける保険
業務を行っている。当グループは、引受戦略、再保険契約及び定期的な実績値の監視により、リス
クを管理している。
引受戦略は、保険料の価格を、引き受けたリスクの原エクスポージャーに見合った適切なレベル
で設定することを意図しており、当グループの引受手続には引受戦略との整合を確保するために、
健康状態及び家族の病歴の見直しなどの選別プロセスが含まれている。
保険のプロセスにおいて、特定の事象又は一連の事象が、当グループの保険金債務に大きな影響
を与えかねない場合にはリスクの集中が起こり得る。かかる集中は、単一の保険契約又は少数の関
連する契約を通じて生じる可能性があり、重大な保険金債務が生じかねない状況に関連する。
現在有効な保険契約について、ほとんどの原保険負債は養老保険、ユニバーサル生命保険、年金
保険、終身生命保険及びユニットリンク型生命保険商品に関するものである。当グループが発行す
るほとんどの保険契約について、当グループは生命保険契約の全てについて保有限度を有してい
る。当グループは、超過損害再保険契約に基づいて、限度を超えた分の保険給付金について再保険
をかけている。保険業務の一部について、当グループは、保険リスクの大半に再保険をかける再保
険契約を締結している。
長期保険契約に関する将来的な給付金支払及び保険料収入の見積りにおける不確実性は、死亡
率、罹病率及び継続率の全体レベルの長期的変化の予測が不可能であることから生じる。この点に
ついて、当グループは最新の動向を識別するため、関連する実績の調査研究を定期的に行ってい
る。結果は、価格設定及び引受管理において考慮される。また、こうした研究の結果は、マージン
の適正な水準を含む保険負債の仮定を決定する際に考慮されている。
(A) 仮定に関する決定を行う際に用いるプロセス
長期事業資金負債を決定するにあたり、当グループは、保険（長期負債の決定）規定に従
い、関連要因の不利な変動に対応するための適正なマージンを含んだ仮定を慎重に行ってい
る。これは、評価日以降の未払保険料を勘案し、既存の各保険契約の条件により決定された全
ての将来的な負債を考慮に入れたものである。負債の決定は、死亡率及び罹病率について評価
日現在で行われた最新の仮定に基づいており、様々な適切な割引率を考慮し、保険契約者の合
理的な期待に相応の注意を払っている。不利な変動に対応するための十分なマージンがこの仮
定に含まれている。
この注記で開示している、保険負債に関して用いられた仮定は以下の通りである。
死亡率及び罹病率
保険契約の全てのカテゴリーに関する負債額は、該当する場合には、慎重な死亡率及び罹病
率、並びに不利な変動に対するマージンに基づいて決定される。将来の負債の決定に用いられ
る仮定は、当グループの実績及び関連する再保険契約を適宜反映して調整された、人口統計又
は再保険の情報に基づいている。
評価で用いられる金利
同質の生命保険契約はセグメント別にグループ化され、特定の資産と見合うものになってい
る。各セグメントの負債のデュレーションは、評価目的で計算されている。
裁量権のある有配当性を有する投資契約における運用保証
裁量権のある有配当性を有する投資契約に係る運用保証の負債額は、 VaR99 ％の信頼水準を
反映するために、過去の経済データに基づく確率的分析により決定されている。
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新契約費
将来の負債を決定するための新契約費の仮定は、当グループの実績に基づいている。当グ
ループの最新の費用動向に基づき、当グループは新規契約における契約費の仮定を変更した。
(B) 仮定の変更
当グループは、当グループの実績を反映させるために、死亡率及び失効率の仮定を変更する
とともに、保険契約負債を裏付ける市場金利及び投資ポートフォリオの利回りの変化を反映さ
せるために、評価目的で用いる金利を変更している。 2022 年度において期末の評価目的で用い
られた評価金利の仮定は、０％から 4.20 ％（ 2021 年：０％から 3.16 ％）の範囲であった。 2022
年度においては、保険数理上の仮定の変更により、再保険資産によって相殺される保険契約負
債が 3,855 百万香港ドル（ 2021 年： 1,517 百万香港ドル）減少した。
(C) 感応度分析
以下の表は、保険負債の見積りに用いた重要な仮定の変動に対する、長期事業資金負債の感
応度を表したものである。
感応度分析 － 生命保険及び年金保険契約
（単位：百万香港ドル）
保険負債の変化に対する
税引後利益の減少
シナリオ 変数の変動
2022 年 2021 年
死亡率及び罹病率の悪化 10 ％ (165) (223)
(417) (723)
金利の低下 50 ベーシス・ポイント
上記の分析は、他の仮定が一定であることを前提に、ある仮定の変動に基づいて行ったもの
である。実際には、これが発生する可能性は低く、仮定のいくつかにおける変動は相関してい
る可能性がある。例えば、金利の変動と市場価値の変動、失効率の変動と将来の死亡率及び罹
病率の変動などである。
感応度分析 － リンク型長期保険契約、退職制度管理カテゴリーⅢの保険契約、並びに退職制
度管理カテゴリーⅠの DPF を有する投資契約：
退職制度管理カテゴリーⅢの保険契約の準備金、退職制度管理カテゴリーⅠの DPF を有する
投資契約、及びリンク型長期保険契約のユニット化されていない準備金はポートフォリオ全体
からみると重要ではないため、感応度分析は行われていない。これらの３つの構成要素が保険
負債全体に占める割合は、貸借対照表日現在、保険負債合計額の 0.1 ％未満であった。
ユニットリンク・ファンド負債（ユニット化準備金）については、負債はユニットリンク・
ファンドの資産価値により裏付けられている。
リンク型長期保険契約の中には、当グループが原投資の価値減少リスクにさらされる、最低
死亡給付金を有する契約がある。これは、死亡率リスクに対する当グループのエクスポー
ジャー純額を増加させる可能性がある。
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4.5 資本管理
当グループの資本管理の主要な目的は、当グループの全体的なリスク・プロファイルに関連する
自己資本比率を維持しつつ、株主利益全体を最大化することである。 ALCO は定期的に当グループの
資本構成を見直し、リスク、収益及び自己資本比率の最適なバランスを維持している。
当グループは、当グループの事業の展開を支え、法定の自己資本比率を維持するための資本管理
に関する健全な方針と統制の枠組みを策定し、維持している。
当グループは、報告期間において、銀行業務に関する HKMA の全ての法定資本要件を遵守してい
る。 HKMA は、 BOCHK 及び HKMA が指定する特定の子会社を連結ベースと単体ベースで監督している。こ
のため、 HKMA はこれらの企業の自己資本比率に関する情報を受け取り、これらの企業全体の自己資
本要件を設定している。海外の個々の銀行子会社及び支店は、現地の銀行監督当局により直接規制
されており、これらの監督当局が自己資本比率要件を設定し、その遵守状況を監視している。特定
のノンバンク金融子会社も、現地の規制当局による監督及び自己資本要件の対象となっている。
ALCO は当グループの自己資本比率を監視し、必要に応じて資本構成を調整する。当グループは、
大半の非証券化取引エクスポージャーに係る信用リスクの資本賦課を、基礎的内部格付（以下
「 FIRB 」という。）手法で算定している。残りの少額な信用エクスポージャーについては、引き続
き標準的（信用リスク）（以下「 STC 」という。）手法で算定している。当グループは、取引先の信
用評価調整（以下「 CVA 」という。）リスクに関する資本賦課を計算するために、 CVA の標準的手法
を採用している。
当グループは引き続き、為替及び金利のエクスポージャーに対する一般市場リスクの資本賦課の
算定に内部モデル（以下「 IMM 」という。）手法を採用し、また、 HKMA の承認を得て、市場リスクの
資本賦課の計算において構造為替ポジションを除外している。当グループの残りのエクスポー
ジャーについては、標準的（市場リスク）（以下「 STM 」という。）手法を引き続き採用して、市場
リスクの資本賦課を算定している。
当グループは、引き続きオペレーショナル・リスクの資本賦課の算定方法として標準的（オペ
レーショナル・リスク）（以下「 STO 」という。）手法を採用している。
当グループは、 2022 年度においても、 HKMA による監督方針マニュアル「監督検査プロセス」の要
件に従って、引き続き、自己資本充実度評価プロセス（以下「 ICAAP 」という。）を採用している。
第２の柱に係る HKMA のガイドラインに基づき、 ICAAP は、第１の柱では対象となっていない、あるい
は十分に捕捉されていない重要なリスクをカバーするために必要となる追加資本の評価を導入して
いる。そのため、最低普通株式 Tier １自己資本比率、最低 Tier １自己資本比率及び最低合計自己資
本比率が算定されている。同時に、前述の自己資本比率に関しては、将来の事業成長や資本の効率
的な利用のために柔軟性をもたらす、運用上の幅も設けられている。当グループはこの ICAAP を資本
管理のための継続的なプロセスとみなし、全体的なリスク・プロファイルに関連して定期的に自身
の資本構造を見直し、適宜調整している。
2022 年度において、 2023 年１月１日から遵守が求められる金融機関（破綻処理）（損失吸収力要
件－銀行セクター）規則（以下「 LAC 規則」という。）に基づき適用される内部損失吸収力要件を満
たすため、 BOC は BOCHK に対し、非資本損失吸収力を有する負債性金融商品を合計で 470 億人民元及び
30 億米ドル引き受けた。これにより、当グループの損失吸収力及び資本再構築力が強化されてい
る。
さらに、当グループの資本計画が年に一度作成され、 ALCO による是認後に取締役会に承認を受け
るために提出される。この計画は、事業戦略、株主資本利益率、リスク選好度、信用格付、及び規
制要件などの自己資本比率に係る各種要素の影響を評価して作成される。このため、将来の所要資
本が算定され、その資金源も特定される。この計画は、当グループが、その事業展開のニーズに
沿った十分な自己資本及び適切な資本構成を確実に維持することによって、リスク、リターン及び
自己資本充実度の最適バランスを達成することを目的としている。
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(A) 規制上の連結の基礎
規制上の連結は、銀行（資本）規則に従い、 BOCHK 及び HKMA が指定する一部の子会社のポジ
ションからなる。会計上、子会社は HKFRS に準拠して連結されている。
当社、その子会社（ BOC グループ・ライフ・アシュアランス・カンパニー・リミテッド、
BOCHK アセット・マネジメント（ケイマン）リミテッド及び BOC インシュアランス（インターナ
ショナル）ホールディングス・カンパニー・リミテッド（その子会社を含む））、並びに
BOCHK の一部の子会社は会計上の連結の範囲には含まれているが、規制上の連結の範囲には含
まれていない。
BOCHK の上記の子会社の詳細は以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
会社名 資産合計 資本合計 資産合計 資本合計
BOC グループ・トラスティー・カンパニー・リミ
200 200
テッド 200 200
BOCI- プルデンシャル・トラスティー・リミテッド 626 478 593 491
チャイナ・ブリッジ（マレーシア）スンディリア
ン・ベルハッド 20 (12) 12 2
バンク・オブ・チャイナ（香港）ノミニーズ・リ
ミテッド - - - -
バンク・オブ・チャイナ（香港）トラスティー
ズ・リミテッド 8 8 8 8
BOC ファイナンシャル・サービス（南寧）カンパ
ニー・リミテッド 152 43 199 40
BOCHK インフォメーション・テクノロジー（深圳）
カンパニー・リミテッド 372 258 399 275
BOCHK インフォメーション・テクノロジー･サービ
シズ（深圳）カンパニー・リミテッド 401 342 441 373
寶生フィナンシャル・インベストメント・サービ
ス・カンパニー・リミテッド 366 345 364 345
寶生セキュリティーズ・リミテッド
570 402 595 415
新華トラスティー・リミテッド 5 5 5 5
ビリオン・エクスプレス・デベロップメント・イ
- - - -
ンク
ビリオン・オリエント・ホールディングス・リミ
- - - -
テッド
エリート・ボンド・インベストメンツ・リミテッ
- - - -
ド
エクスプレス・キャピタル・エンタープライズ・
- - - -
インク
エクスプレス・チャーム・ホールディングス・
コーポレーション - - - -
エクスプレス・シャイン・アセッツ・ホールディ
ングス・コーポレーション - - - -
エクスプレス・タレント・インベストメント・リ
- - - -
ミテッド
ゴールド・メダル・キャピタル・インク - - - -
ゴールド・タップ・エンタープライズ・インク - - - -
マクシ・サクセス・ホールディングス・リミテッ
- - - -
ド
スマート・リンケージ・ホールディングス・イン
- - - -
ク
スマート・ユニオン・キャピタル・インベストメ
ンツ・リミテッド - - - -
サクセス・トレンド・デベロップメント・リミ
- - - -
テッド
ワイズ・キー・エンタープライズ・コーポレー
- - - -
ション
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有価証券報告書
上記の子会社の主要な業務は、「付表－当社の子会社」に記載されている。
2022 年 12 月 31 日現在、規制上の連結の範囲に含まれているが、会計上の連結の範囲には含ま
れていない子会社はない（ 2021 年：なし）。
2022 年 12 月 31 日現在、会計上の連結の範囲と規制上の連結の範囲の両方に含まれているが、
連結の方法が異なる子会社はない（ 2021 年：なし）。
当グループは様々な国／地域で子会社を運営しているが、これらの国／地域では資本が現地
の規制の対象となり、当グループの企業間での資金又は規制上の自己資本の移動が制限される
ことがある。
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(B) 自己資本比率
自己資本比率は以下の通り分析される。
2022 年 2021 年
17.55 ％ 17.30 ％
CET １資本比率
Tier １資本比率 19.34 ％ 19.11 ％
自己資本比率 21.56 ％ 21.44 ％
上記の自己資本比率の計算に使用された控除後の連結資本ベースの分析は、以下の通りであ
る。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
CET １資本：調達手段及び準備金
直接発行された適格 CET １資本調達手段
43,043 43,043
利益剰余金
206,222 193,800
準備金
36,914 45,033
規制上の控除前の CET １資本
286,179 281,876
CET １資本：規制上の控除
評価調整
(33) (66)
その他の無形資産（関連する繰延税金負債相殺後）
(1,760) (1,623)
繰延税金資産（関連する繰延税金負債相殺後）
(286) (185)
公正価値評価された負債に係る自己の信用リスクの
変動に伴う損益 (159) (31)
土地及び建物（自社使用及び投資不動産）の再評価
から生じた公正価値評価益の累積額 (47,488) (49,709)
一般的な銀行業務のリスクに対する法定準備金
(6,655) (6,073)
CET １資本に対する規制上の控除の合計
(56,381) (57,687)
CET １資本
229,798 224,189
AT １資本：調達手段
適用会計基準上、資本として分類された適格 AT １資
23,476 23,476
本調達手段
AT １資本
23,476 23,476
Tier １資本
253,274 247,665
Tier ２資本：調達手段及び引当金
Tier ２資本に算入可能な一般的な銀行業務のリスク
7,666 7,805
に対する集合的引当金及び法定準備金
規制上の控除前の Tier ２資本
7,666 7,805
Tier ２資本：規制上の控除
Tier ２資本に算入可能な土地及び建物（自社使用及
び投資不動産）の再評価から生じる公正価値評価
21,370 22,369
益の累計額の再加算
Tier ２資本に対する規制上の調整の合計
21,370 22,369
Tier ２資本
29,036 30,174
規制上の自己資本合計
282,310 277,839
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資本バッファー比率の分析は、以下の通りである。
2022 年 2021 年
2.500 ％ 2.500 ％
資本保全バッファー比率
より高い損失吸収力 1.500 ％ 1.500 ％
カウンターシクリカルな資本バッファー比率 0.817 ％ 0.799 ％
(C) レバレッジ比率
レバレッジ比率の分析は以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
253,274 247,665
Tier １資本
レバレッジ比率エクスポージャー 3,370,353 3,357,085
レバレッジ比率 7.51 ％ 7.38 ％
5. 資産及び負債の公正価値
公正価値が測定され、財務諸表に開示される全ての資産及び負債は、 HKFRS 第 13 号「公正価値測定」
に定義されている公正価値ヒエラルキー内で分類される。この分類は、評価手法に使用されたイン
プットの観察可能性及び重要性を参照し、公正価値測定全体にとって重要である最も低いレベルのイ
ンプットに基づいて決定される。
－ レベル１：活発な市場における同一の資産又は負債の相場価格（未調整）に基づくもの。このレ
ベルには、取引所上場株式、特定の政府が発行した負債性金融商品及び特定の上場デリバティブ
契約が含まれる。
－ レベル２：公正価値測定にとって重要である最も低いレベルのインプットが、直接的又は間接的
に観察可能な評価技法に基づくもの。このレベルには、大部分の OTC デリバティブ契約、値付業
者の提示価格を有する債務証券及び譲渡性預金証書、発行済仕組預金、貸付金その他並びにその
他の負債性金融商品が含まれている。また、このレベルには観察可能な市場インプットに対し重
要ではない調整や較正を行う特定の為替契約、貴金属及び不動産が含まれる。
－ レベル３：公正価値測定にとって重要である最も低いレベルのインプットが、観察不能な評価技
法に基づくもの。このレベルには、重要な観察不能なインプットを有する株式投資、ファンド、
貸付金その他並びにその他の負債性金融商品が含まれる。また、観察可能な市場インプットに対
し重要な調整を行う不動産も含まれる。
財務諸表で継続的に認識されている資産及び負債について、当グループは各報告期間末に（公正価値
測定全体にとって重要である最も低いレベルのインプットに基づいて）分類の見直しを行うことによ
り、ヒエラルキーのレベル間での移動が発生しているかどうかを決定する。
5.1 公正価値で測定する金融商品
当グループは、公正価値がフロント・オフィスから独立した管理ユニットによって決定又は検証
されるよう、ガバナンス体制と統制の枠組みを確立している。管理ユニットは、独立した立場での
営業部門による評価結果の検証並びにその他全ての重要な公正価値測定に関して全体的な責任を負
う。他の具体的な統制としては、観察可能な評価のインプットの検証、新規モデル及びモデルの変
更の見直し及び承認、観察された市場取引に対するモデルの較正及びバック・テスト、日次評価に
おける重要な変動の分析及び調査、重要な観察不能なインプット及び評価調整の見直しが含まれ
る。評価に係る重要な問題は上級経営者、リスク委員会及び監査委員会に報告される。
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バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド(E05924)
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一般的に、金融商品の計算単位は個別の金融商品である。 HKFRS 第 13 号は、特定の条件を満たす場
合、会計方針の選択により、ネット・オープン・リスク・ポジションに基づいて金融資産及び金融
負債ポートフォリオの公正価値を測定する、ポートフォリオの例外を認めている。当グループは、
計 算単位と整合する個別の金融商品単位で評価調整を適用する。デリバティブを管理するための当
グループのリスク管理方針及びシステムに従い、これらの条件を満たす特定のデリバティブ・ポー
トフォリオの公正価値調整は、ネット・オープン・リスクに関する受取対価又は支払対価に基づい
て測定される。これらのポートフォリオ単位での調整は、ポートフォリオに対する相対的なネッ
ト・リスク・エクスポージャーに基づいて個別の金融資産及び負債に配分される。
当グループは、活発な市場の公開市場相場価格を入手できない場合には、金融商品の公正価値を
決定するために評価技法又はブローカー／ディーラーの提示価格を用いる。
当グループが保有する金融商品の評価技法に使用される主なパラメータには、債券価格、金利、
外国為替レート、株価、コモディティ価格、ボラティリティ及び相関、取引先の信用スプレッド及
びその他が含まれる。これらのほとんどは、観察可能であり、公開市場から入手可能である。
下記の金融商品の公正価値を計算するために用いられる手法は、以下の通りである。
債務証券、譲渡性預金証書、貸付金その他並びにその他の負債性金融商品
これらの金融商品の公正価値は、証券取引所、ディーラー又は独立した値付業者から入手する時
価相場によって、又は割引キャッシュ・フロー技法を使用して算出される。割引キャッシュ・フ
ロー・モデルは、当該商品からの予想将来キャッシュ・フローを見積もり、類似のリスクを有する
商品に対し市場で要求される信用スプレッドを反映した割引率又は割引マージンを使用してこれら
のキャッシュ・フローを割り引いて、現在価値を測定する評価技法である。これらのインプットは
観察可能であるか、観察可能又は観察不能な市場データによる裏付けが可能である。
モーゲージ担保証券
この金融商品の場合、独立した第三者から公表価格を入手する。これらの有価証券の評価額は、
取引の性質に応じて、インプット・パラメータ（観察可能な又は類似の証券のマトリクス・プライ
シングを通じて収集される割引率のスプレッド、デフォルト率や回収率、早期償還率を含む）を用
いて、市場の標準的なキャッシュ・フロー・モデルによって見積もられる。
デリバティブ
OTC デリバティブ契約には、為替、金利、エクイティ、コモディティ又はクレジットに係る先渡契
約、スワップ契約及びオプション契約が含まれる。これらの契約の公正価値は、主に割引キャッ
シュ・フロー・モデルやオプション・プライシング・モデルなどの評価手法を用いて測定される。
当該インプットは、観察可能又は観察不能な市場データのいずれかとなる。観察可能なインプット
には、金利、外国為替レート、株価、コモディティ価格、クレジット・デフォルト・スワップ・ス
プレッド、ボラティリティ、相関が含まれる。観察不能なインプットは、仕組預金に組み込まれる
一般的に取引されることが少ないオプション商品に使用されることがある。特定の複雑なデリバ
ティブ契約の公正価値はブローカー／ディーラーの提示価格に基づいて決定される。
当グループの OTC デリバティブには、信用評価調整（ CVA ）及び債務評価調整（以下「 DVA 」とい
う。）が適用される。これらの調整は、市場要因の変動、取引先の予想信用度、当グループ自身の
信用スプレッドをそれぞれ反映している。また、調整額は主に個別の取引先ごとに決定され、エク
スポージャーの予想将来価値、デフォルト確率及び回収率に応じて決まる。
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(A) 公正価値ヒエラルキー
（単位：百万香港ドル）
2022 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
金融資産
トレーディング資産（注記 23 ）
－債務証券及び譲渡性預金証書
82 36,724 - 36,806
－持分証券
59 - - 59
－ファンド
1 - - 1
－その他の負債性金融商品
- 3,400 - 3,400
純損益を通じて公正価値で測定するもの
として強制的に分類されたその他の金融
資産（注記 23 ）
－債務証券及び譲渡性預金証書
- 12,458 62 12,520
－持分証券
3,957 250 - 4,207
－ファンド
2,699 1,105 6,865 10,669
純損益を通じて公正価値で測定するもの
として指定された金融資産（注記 23 ）
－債務証券及び譲渡性預金証書
859 1,396 - 2,255
－その他の負債性金融商品
- 15,237 - 15,237
デリバティブ（注記 24 ）
97 61,735 - 61,832
公正価値で測定する貸付金その他
- 8,884 832 9,716
FVOCI で測定する投資有価証券（注記 26 ）
－債務証券及び譲渡性預金証書
162,717 495,533 - 658,250
－持分証券
806 1,259 1,860 3,925
金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融
負債
（注記 32 ）
－トレーディング負債
6 59,445 - 59,451
－純損益を通じて公正価値で測定する
ものとして指定された金融負債 - 2 - 2
デリバティブ（注記 24 ）
291 49,975 - 50,266
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（単位：百万香港ドル）
2021 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
金融資産
トレーディング資産（注記 23 ）
－債務証券及び譲渡性預金証書
121 23,746 - 23,867
－持分証券
23 - - 23
－ファンド
- - - -
－その他の負債性金融商品
- 3,201 - 3,201
純損益を通じて公正価値で測定するもの
として強制的に分類されたその他の金融
資産（注記 23 ）
－債務証券及び譲渡性預金証書
1,481 13,433 800 15,714
－持分証券
2,520 144 193 2,857
－ファンド
4,550 1,776 4,876 11,202
純損益を通じて公正価値で測定するもの
として指定された金融資産（注記 23 ）
－債務証券及び譲渡性預金証書
711 766 - 1,477
－その他の負債性金融商品
- 15,196 - 15,196
デリバティブ（注記 24 ）
20 33,166 - 33,186
公正価値で測定する貸付金その他
- 2,757 - 2,757
FVOCI で測定する投資有価証券（注記 26 ）
－債務証券及び譲渡性預金証書
291,912 578,691 1,217 871,820
－持分証券
2,010 1,459 2,132 5,601
金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融
負債
（注記 32 ）
－トレーディング負債
- 12,322 - 12,322
－純損益を通じて公正価値で測定する
ものとして指定された金融負債 - 198 - 198
デリバティブ（注記 24 ）
11 29,746 - 29,757
当事業年度において、当グループでは、金融資産及び金融負債のレベル１とレベル２の間で
の移動はなかった（ 2021 年：なし）。
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(B) レベル３の項目の調整
（単位：百万香港ドル）
2022 年
金融資産
FVPL で測定するものとして
FVOCI で測定する
強制的に分類された
投資有価証券
その他の金融資産
公正価値
で測定す
債務証券 持分証券 ファンド 債務証券 持分証券
る貸付金
その他
2022 年１月１日現在
800 193 4,876 - 1,217 2,132
（損失）／利得
－損益計算書
－純損益を通じて公正
価値で測定するその他
の金融商品に係る純
（損失）／利得 (42) (147) 914 - - -
－その他の包括利益
－公正価値の変動
- - - - - (295)
取得
104 - 1,076 - - 23
処分、償還、満期
- - (1) - - -
レベル３への移動
- - - 832 - -
レベル３からの移動
(800) (46) - - (1,217) -
2022 年 12 月 31 日現在
62 - 6,865 832 - 1,860
2022 年 12 月 31 日現在保有す
る金融資産に関して損益
計算書に含まれている当
期未実現（損失）／利得
合計
－純損益を通じて公正価
値で測定するその他の
金融商品に係る純（損
(42) (147) 914 - - -
失）／利得
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（単位：百万香港ドル）
2021 年
金融資産
FVPL で測定するものとして
FVOCI で測定する
強制的に分類された
投資有価証券
その他の金融資産
公正価値
で測定す
債務証券 持分証券 ファンド 債務証券 持分証券
る貸付金
その他
2021 年１月１日現在
846 - 2,724 - 1,632 2,367
（損失）／利得
－損益計算書
－純損益を通じて公正
価値で測定するその他
の金融商品に係る純
（損失）／利得 (46) (1) 509 - - -
－その他の包括利益
－公正価値の変動
- - - - (69) (246)
取得
- 194 1,661 - - 11
処分、償還、満期
- - (18) - (346) -
レベル３への移動
- - - - - -
レベル３からの移動
- - - - - -
2021 年 12 月 31 日現在
800 193 4,876 - 1,217 2,132
2021 年 12 月 31 日現在保有す
る金融資産に関して損益
計算書に含まれている当
期未実現（損失）／利得
合計
－純損益を通じて公正価
値で測定するその他の金
融商品に係る純（損
(46) (1) 509 - - -
失）／利得
2022 年及び 2021 年 12 月 31 日現在、レベル３に分類された金融商品は、主に債務証券、ファン
ド、特定の貸付金その他並びに非上場株式で構成されている。
特定の流動性の低い債務証券、持分証券及びファンドの場合、当グループは、取引先から相
場価格情報を入手するか評価技法を用いて公正価値を決定するが、この評価技法には、割引
キャッシュ・フロー分析および、純資産価額をマーケットと比較するアプローチが含まれ、こ
れらは評価に重要な影響を及ぼす観察不能なインプットを基礎とすることが多い。特定の貸付
金その他については、評価技法に用いられる比較対象の信用スプレッドが、評価に重要な影響
を及ぼす観察不能なインプットとなっている。従って、当グループは、これらの金融商品をレ
ベル３に分類している。 2022 年におけるレベル３への／からの移動は、評価インプットの観察
可能性が変化したことによるものであった。当グループは、このような金融商品に対する当グ
ループのエクスポージャーを管理するための内部統制手続を定めている。
非上場の FVOCI 持分投資の公正価値は、（ⅰ）比較可能な上場企業のマルチプル（比較対象
の株価収益率や株価純資産倍率の平均値など）、（ⅱ）基礎となる持分投資の配当割引モデル
の算定、又は（ⅲ）適切な比較対象がなく配当割引モデルも適用できない場合には、保有する
特定の資産又は負債（該当する場合）を公正価値調整した純資産価額を参照して測定される。
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当グループの非上場持分投資の公正価値測定に適用される重要な観察不能なインプット及びそ
の範囲には、比較対象の株価収益率（ 20.35 倍から 45.22 倍）、比較対象の株価純資産倍率
（ 0.35 倍から 0.90 倍）、流動性ディスカウント（ 20 ％から 30 ％）、配当性向（ 23.44 ％から
83.53 ％）及び株主資本利益率（ 11.30 ％から 13.59 ％）が含まれる。公正価値は、適切な比較
対象の株価収益率及び株価純資産倍率、将来の予想配当金支払額や純資産価額の予測と正の相
関があり、比較対象の平均株価収益率及び平均株価純資産倍率で使用される流動性ディスカウ
ント又は配当割引モデルで使用される割引率とは負の相関がある。
評価技法で用いられる全ての重要な観察不能なインプットが５％有利／不利に変動した場合
（ 2021 年：５％）、当グループのその他の包括利益はそれぞれ、 84 百万香港ドル増加／ 83 百万
香港ドル減少していたと考えられる（ 2021 年： 96 百万香港ドル増加／ 94 百万香港ドル減少）。
5.2 公正価値で測定されない金融商品
公正価値の見積りは、関連する市場情報及び様々な金融商品の情報に基づいてある一時点で行わ
れる。以下の方法及び仮定は、適用可能な範囲で、金融商品の各分類の公正価値の見積りに用いら
れる。
銀行及びその他金融機関への預け金／からの預り金並びに商業手形
金融資産及び負債の実質的に全てが貸借対照表日から１年以内に満期を迎え、それらの帳簿価額
は公正価値に近似している。
香港特別行政区政府債務証書及び香港特別行政区流通通貨
香港特別行政区政府債務証書及び香港特別行政区流通通貨の帳簿価額は、各々の公正価値に近似
している。
顧客への貸付金並びに銀行及びその他金融機関への貸付金
顧客への貸付金並びに銀行及びその他金融機関への貸付金の実質的に全てが変動金利で、実勢市
場金利によっており、それらの帳簿価額は公正価値に近似している。
償却原価で測定する投資有価証券
償却原価で測定する有価証券の公正価値は、注記 5.1 に記載されている、公正価値で測定する債務
証券、譲渡性預金証書及びモーゲージ担保証券と同じアプローチを用いて決定される。
顧客預金
顧客預金は実質的に全てが貸借対照表日から１年以内に満期を迎え、それらの帳簿価額は公正価
値に近似している。
発行済債務証券及び譲渡性預金証書
これらの商品の公正価値は、注記 5.1 に記載されている、公正価値で測定する債務証券及び譲渡性
預金証書と同じアプローチを使用して決定される。
劣後債務
劣後債務の公正価値は、注記 5.1 に記載されている、公正価値で測定する債務証券及び譲渡性預金
証書と同じアプローチを使用して決定され、その帳簿価額は公正価値に近似している。
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以下の表は、前述の帳簿価額が公正価値に近似している商品を除いた、公正価値で測定されない
金融商品の帳簿価額及び公正価値を示している。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
金融資産
償却原価で測定する投資有価証券（注記
332,653 311,149 216,812 219,917
26 ）
金融負債
発行済債務証券及び譲渡性預金証書（注
3,636 3,634 2,423 2,426
記 34 ）
公正価値を開示している金融商品の公正価値ヒエラルキーは以下の表の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
金融資産
71,948 236,706 2,495 311,149
償却原価で測定する投資有価証券
金融負債
- 3,634 - 3,634
発行済債務証券及び譲渡性預金証書
（単位：百万香港ドル）
2021 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
金融資産
995 215,416 3,506 219,917
償却原価で測定する投資有価証券
金融負債
- 2,426 - 2,426
発行済債務証券及び譲渡性預金証書
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5.3 公正価値で測定する非金融商品
当グループは、評価技法又は活発な市場における相場価格を使用して非金融商品の公正価値を測
定している。
投資不動産及び不動産
当グループの不動産は、投資不動産及び不動産に分けることができる。当グループの全ての投資
不動産及び不動産は、事業年度末現在で再評価された。当事業年度において、この評価は独立した
不動産鑑定士である萊坊測計師行有限公司により実施された。同社は評価対象の不動産の所在地及
び種類について最新の実績を有する香港鑑定士学会のフェロー及びメンバーであるスタッフを有し
ている。当グループの経営者は、各中間及び年次報告日時点の評価実施時に、鑑定事務所と評価手
法、評価の前提及び評価結果について議論している。当事業年度中に評価手法の変更はなく、使用
された評価手法は前年度と同じである。
( ⅰ ) レベル２の公正価値の測定で使用された評価手法及びインプット
レベル２に分類された不動産の公正価値は、比較可能な不動産の最新の売価を参照する市場比
較アプローチ、又は市場賃料及び収益還元率を参照する収益還元アプローチのいずれかを使用
し、比較可能な不動産と評価対象の不動産との間の差異を反映した適切な調整を行い決定され
る。これらの調整は、測定にとって重要ではないとみなされている。
当グループの不動産は、不動産市場が活発かつ透明性が高いとみなされる香港並びに中国本
土、タイ及びマレーシアの特定の主要都市に所在している。これらの市場において、比較対象の
不動産の売価、市場賃料及び収益還元率は、一般的に直接的又は間接的に観察可能である。
( ⅱ ) レベル３の公正価値の測定に係る情報
銀行の金庫室を除くレベル３に分類された当グループの全ての不動産の公正価値は、市場比較
アプローチ又は収益還元アプローチのいずれかを使用し、比較可能な不動産と比較して当グルー
プの不動産の特性に対し固有のプレミアム又はディスカウントの調整を行うことによって決定さ
れる。
銀行の金庫室の公正価値は、特殊な性質のために利用できる直接比較可能な資産がないため、
減価償却後再調達原価アプローチを使用して決定される。主要なインプットは、既存の土地の市
場価値、不動産の現在の再調達コスト及び減価償却率である。不動産の特殊な性質を反映するた
めに適切な調整が行われる。
レベル３に分類された当グループの不動産の公正価値測定に使用された評価手法及び重要な観
察不能なインプットは、以下の通りである。
重要な観察不能な 観察不能なインプットの
評価手法 加重平均
インプット 公正価値に対する関係
年２％
減価償却率が上昇するにつ
減価償却率 れて、公正価値は減少す
（ 2021 年：
減価償却後
る。
２％）
銀行の
再調達原
価 ア プ
金庫室
建築価格の +15 ％
不動産の特殊な性
プレミアムが増加するにつ
ローチ
質に
れて、公正価値は増加す
（ 2021 年：
る。
係るプレミアム
+15 ％）
プレミアムが増加するにつ
比較可能な不動産
市場比較ア
れて、公正価値は増加す
と比較した不動
-10.7 ％
プローチ
る。
その他の
産の特性に係る
又は収益
（ 2021 年： -
プレミアム／
不動産
ディスカウントが増加する
還元アプ
3.7 ％）
（ディスカウン
につれて、公正価値は減
ローチ
ト）
少する。
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不動産の特性に係るプレミアム／（ディスカウント）は、市場変動の時間、立地、利便性、築
年数／状態、階数、面積、レイアウト等の各種要素を考慮し、比較可能な不動産の特性との差異
を参照して決定される。
再開発計画がある投資不動産の公正価値については、通常、土地の開発を評価するために用い
られる評価手法である残差アプローチを用いて、再開発ベースで測定される。総開発価値（以下
「 GDV 」という。）は、最初に比較可能な不動産の直近の取引を参考に市場比較アプローチを用
いて決定され、比較可能な不動産と比較した当グループの開発の品質を固有のプレミアム／ディ
スカウントによって調整する。再開発の最終的な公正価値は、開発費（専門家報酬、解体費、建
設費等）の現在価値と開発者利益を GDV の現在価値から控除した後の残存価値である。 GDV が増加
するにつれて公正価値は増加し、開発費と割引率が増加するにつれて公正価値は減少する。
貴金属
貴金属の公正価値は、活発な市場における取引価格又は一定の調整を行った取引価格を使用して
決定される。
(A) 公正価値ヒエラルキー
（単位：百万香港ドル）
2022 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
非金融資産
投資不動産（注記 28 ） - 323 15,746 16,069
有形固定資産（注記 29 ）
－不動産 - 976 40,806 41,782
その他の資産（注記 30 ）
- 11,507 - 11,507
－貴金属
（単位：百万香港ドル）
2021 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
非金融資産
投資不動産（注記 28 ） - 477 17,245 17,722
有形固定資産（注記 29 ）
－不動産 - 3,302 40,482 43,784
その他の資産（注記 30 ）
- 10,207 - 10,207
－貴金属
当事業年度において、当グループでは、非金融資産のレベル１とレベル２の間での移動はな
かった（ 2021 年：なし）。
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(B) レベル３の項目の調整
（単位：百万香港ドル）
2022 年
非金融資産
有形固定資産
投資不動産
不動産
2022 年１月１日現在
17,245 40,482
損失
－損益計算書
－投資不動産に係る公正価値調整からの純損失 (1,289) -
－不動産再評価純損失 - (113)
－その他の包括利益
－不動産再評価 - (954)
減価償却費 - (1,148)
取得 8 50
レベル３への移動 182 2,089
レベル３からの移動 - -
分類変更 (400) 400
- -
換算差額
15,746 40,806
2022 年 12 月 31 日現在
2022 年 12 月 31 日現在保有する非金融資産に関して損益計算
書に含まれている未実現損失合計
－投資不動産に係る公正価値調整からの純損失 (1,289) -
- (113)
－不動産再評価純損失
(1,289) (113)
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（単位：百万香港ドル）
2021 年
非金融資産
有形固定資産
投資不動産
不動産
2021 年１月１日現在
17,744 40,947
損失
－損益計算書
－投資不動産に係る公正価値調整からの純損失 (230) -
－不動産再評価純損失 - (16)
－その他の包括利益
－不動産再評価 - 616
減価償却費 - (1,129)
取得 232 38
レベル３への移動 412 606
レベル３からの移動 (163) (1,291)
分類変更 (750) 750
- (39)
換算差額
2021 年 12 月 31 日現在 17,245 40,482
2021 年 12 月 31 日現在保有する非金融資産に関して損益計算
書に含まれている未実現損失合計
－投資不動産に係る公正価値調整からの純損失 (230) -
- (16)
－不動産再評価純損失
(230) (16)
不動産のレベル３への移動及びレベル３からの移動は、当事業年度における対象不動産と比
較可能な不動産の間の、適用される特性に係るプレミアム／（ディスカウント）の変動による
ものである。特性に係るプレミアム／（ディスカウント）は対象不動産と市場で最近取引され
た比較可能な不動産の特性の違いに基づいて決定される。最近の市場取引に基づく比較可能な
不動産は毎年異なるため、対象不動産と比較可能な不動産の間の、適用される特性に係るプレ
ミアム／（ディスカウント）も毎年異なる。その結果、観察可能な市場インプットに対して行
われる調整の重要性が異なり、不動産のレベル３への移動やレベル３からの移動につながる場
合がある。
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6. 正味受取利息
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
受取利息
顧客への貸付金、銀行及びその他金融機関への預け金 45,166 27,419
投資有価証券及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 18,278 12,760
390 119
その他
63,834 40,298
支払利息
顧客預金、銀行及びその他金融機関からの預り金 (23,692) (8,238)
発行済債務証券及び譲渡性預金証書 (84) (42)
劣後債務 (332) -
リース負債 (34) (34)
(878) (43)
その他
(25,020) (8,357)
38,814 31,941
正味受取利息
受取利息には、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融
資産に係る受取利息がそれぞれ 52,790 百万香港ドル（ 2021 年： 32,018 百万香港ドル）及び 9,793 百万香
港ドル（ 2021 年： 7,464 百万香港ドル）含まれている。
支払利息には、純損益を通じて公正価値で測定されない金融負債に係る支払利息が 24,709 百万香港ド
ル（ 2021 年： 8,346 万香港ドル）含まれている。
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7. 正味受取手数料
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
受取手数料
貸付手数料 2,547 2,746
証券仲介業務 2,491 3,743
クレジット・カード事業 1,991 2,141
保険 1,257 1,529
支払サービス 724 751
信託及びカストディ業務 723 764
ファンド販売 541 724
手形手数料 514 623
貸金庫 299 306
為替 210 119
ファンド運用 49 161
1,359 1,196
その他
12,705 14,803
支払手数料
クレジット・カード事業 (1,419) (1,400)
保険 (634) (434)
証券仲介業務 (333) (458)
(807) (639)
その他
(3,193) (2,931)
9,512 11,872
正味受取手数料
内訳：
純損益を通じて公正価値で測定されない金融資産又は金融負
債
－受取手数料 2,848 3,073
(10) (13)
－支払手数料
2,838 3,060
信託及びその他の信託業務
－受取手数料 922 967
(39) (39)
－支払手数料
883 928
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8. 正味トレーディング収益
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
純利得／（損失）：
外国為替及び外国為替商品 8,084 4,725
金利商品及び公正価値ヘッジ項目 4,951 (60)
コモディティ 173 175
74 251
資本性金融商品及びクレジット・デリバティブ商品
13,282 5,091
9. 純損益を通じて公正価値で測定するその他の金融商品に係る純損失
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
純損益を通じて公正価値で測定するものとして強制的に分類さ
(3,227) (1,110)
れるその他の金融商品に係る純損失
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融
(16) (26)
商品に係る純損失
(3,243) (1,136)
10. その他の金融商品に係る純（損失）／利得
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
FVOCI で測定する投資有価証券の処分／償還に係る純（損
(3,858) 1,171
失）／利得
償却原価で測定する投資有価証券の処分／償還に係る純損失 (41) (76)
12 25
その他
(3,887) 1,120
信用力の低下による、償却原価で測定する投資有価証券の処分に係る損失は 10 百万香港ドル（ 2021
年： 41 百万香港ドルの利得）であった。
11. その他営業収益
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
受取配当金
－当事業年度中に認識を中止した FVOCI で測定する投資有価証
114 61
券からの受取配当金
－当事業年度末に保有していた FVOCI で測定する投資有価証券
172 303
からの受取配当金
投資不動産からの受取賃貸料総額 524 564
控除：投資不動産に関する費用 (49) (57)
関連会社及びジョイント・ベンチャーの処分に係る利得 3 -
147 112
その他
911 983
「投資不動産に関する費用」には、当事業年度中に賃貸されなかった投資不動産に関連する直接営業
費用７百万香港ドル（ 2021 年：７百万香港ドル）が含まれている。
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12. 正味保険金及び負債の変動
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
保険金の総額及び負債の変動
支払済保険金、給付金及び解約返戻金 (21,592) (15,563)
(1,412) (13,079)
負債の変動
(23,004) (28,642)
保険金及び負債の変動の再保険業者負担分
支払済保険金、給付金及び解約返戻金の再保険業者負担分 8,584 10,537
(192) 1,512
負債の変動の再保険業者負担分
8,392 12,049
正味保険金及び負債の変動 (14,612) (16,593)
13. 正味減損引当金繰入額
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
正味減損引当金（繰入）／戻入額：
貸付金その他
－ FVOCI で測定 (77) -
(2,468) (1,966)
－償却原価で測定
(2,545) (1,966)
銀行及びその他金融機関への預け金 (36) (15)
投資有価証券
－ FVOCI で測定 118 (26)
(19) (37)
－償却原価で測定
99 (63)
151 (80)
ローン・コミットメント及び金融保証契約
(2,331) (2,124)
(14) (21)
その他
(2,345) (2,145)
正味減損引当金繰入額
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14. 営業費用
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
人件費（取締役の報酬を含む）
－給与及びその他の費用 9,412 9,005
534 537
－年金費用
9,946 9,542
不動産及び設備費（減価償却費及び償却費を除く）
－短期リース、少額資産リース及び変動リースに係るリース
10 11
料
1,263 1,221
－その他
1,273 1,232
減価償却費及び償却費 3,001 3,039
監査報酬
－監査業務 25 25
－監査以外の業務 14 9
3,585 2,560
その他の営業費用
17,844 16,407
15. 投資不動産処分／公正価値調整純損失
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
(1,305) (229)
投資不動産に係る公正価値調整からの純損失（注記 28 ）
16. 有形固定資産処分／再評価純損失
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
器具、什器及び備品処分による純損失
(1) (3)
(110) (17)
不動産再評価による純損失（注記 29 ）
(111) (20)
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17. 税金
損益計算書における税金は以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
当期税金
香港法人所得税
－当事業年度税額 5,742 4,829
(315) (283)
－過年度過大引当額
5,427 4,546
香港以外の税金
－当事業年度税額 597 447
(1) (1)
－過年度過大引当額
6,023 4,992
繰延税金
(73) (23)
一時差異の発生及び取崩し並びに繰越税額控除（注記 36 ）
5,950 4,969
香港法人所得税は、当事業年度に香港で生じた見積課税所得に 16.5 ％（ 2021 年： 16.5 ％）の税率を乗
じて算出されている。香港以外の所得に係る税金は、当事業年度の見積課税所得に、当グループが営
業活動を行っている国／地域の適用税率を乗じて算出されている。
香港の税率を用いた際に生じる理論上の金額と相違する当グループの税引前利益に係る税額は以下の
通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
税引前利益 34,988 29,968
税率 16.5 ％で算定（ 2021 年： 16.5 ％）
5,773 4,945
香港以外の国／地域における異なる税率による影響額 99 199
課税対象外収益 (210) (240)
税務上損金算入されない費用 712 489
過去に未認識であった税務上の欠損金の繰越 - (15)
過年度過大引当額 (316) (284)
香港以外の源泉徴収税 146 101
(254) (226)
その他
税金費用 5,950 4,969
実効税率 17.0 ％ 16.6 ％
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18. 配当金
2022 年 2021 年
１株当たり 合計 １株当たり 合計
香港ドル 百万香港ドル 香港ドル 百万香港ドル
中間配当金支払額
0.447 4,726 0.447 4,726
0.910 9,621 0.683 7,221
最終配当金支払予定額
1.357 14,347 1.130 11,947
2022 年８月 30 日に開かれた会議で、取締役会は、 2022 年度上半期について、普通株式１株当たり
0.447 香港ドル、総額約 4,726 百万香港ドルの中間配当金を宣言した。
2023 年３月 30 日に開かれた会議で、取締役会は、 2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度の最終配当金に
ついて、普通株式１株当たり 0.910 香港ドル、総額約 9,621 百万香港ドルを、 2023 年６月 29 日に開催さ
れる年次株主総会において提言する旨を提案した。この最終配当金案は、当財務諸表上には未払配当
金として反映されていないが、 2023 年 12 月 31 日に終了する事業年度において、利益剰余金の処分とし
て反映される予定である。
19. １株当たり利益
2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度の基本的１株当たり利益の計算は、約 27,054 百万香港ドル（ 2021
年： 22,970 百万香港ドル）の当社株主に帰属する当期連結利益及び 10,572,780,266 株の発行済普通株
式（ 2021 年： 10,572,780,266 株の普通株式）に基づいている。
2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度において、発行済潜在的普通株式はなかったため、１株当たり利
益の希薄化はなかった（ 2021 年：なし）。
20. 退職給付費用
退職給付は、当グループの適格従業員に提供されている。
香港における当グループの従業員向けの確定拠出型年金制度は、 MPF 条例が適用されない職業退職制
度及び BOC －プルデンシャル簡易選択型 MPF 制度である。
職業退職制度に基づき、従業員は同制度に対して基本給の５％相当額を毎月拠出する一方、雇用者は
従業員の勤続年数に応じて、月次基本給の５％から 15 ％相当額を毎月拠出している。従業員は、 10 年
間の勤続期間を終えた後の定年退職、早期退職又は雇用終了時に、雇用者拠出額の 100 ％を受け取る権
利を得る。勤続年数が３年から９年の従業員は、即時解雇以外の雇用終了時に、雇用者拠出額の 30 ％
から 90 ％を受け取る権利を得る。従業員が受け取る雇用者の拠出金は全て MPF 条例の対象となる。
2000 年 12 月１日の MPF 条例の実施に伴い、当グループは規制要件に従い MPF 制度も導入した。 2019 年以
降、勤続年数が５年以上の従業員は雇用者による任意拠出金を受け取る権利を有している。この制度
の受託会社は BOCI －プルデンシャル・トラスティ、投資顧問は BOCI －プルデンシャル・アセット・マ
ネジメントであり、両社とも当社の関連当事者である。
2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度において、職業退職制度に対して当グループが支払った拠出金合
計額は、約 20 百万香港ドル（ 2021 年：約 20 百万香港ドル）の失効拠出金控除後で、約 357 百万香港ドル
（ 2021 年：約 361 百万香港ドル）であった。 MPF 制度について、当グループは、 2022 年 12 月 31 日に終了
した事業年度において、約 137 百万香港ドル（ 2021 年：約 132 百万香港ドル）を拠出した。
他の国や地域における機関に所属する全ての適格従業員は、現地の規制及び市場慣行に従い、現地の
確定拠出制度又は確定給付制度に加入している。
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21. 取締役、上級経営者及び主要な従業員の報酬
(a) 取締役及び上級経営者の報酬
( ⅰ ) 取締役の報酬
当事業年度中に当社に提供した役務及び当グループ内の子会社の経営に携わったことに
対する、当社の取締役への報酬支払額又は未払額は以下の通りである。
（単位：千香港ドル）
2022 年
基本給、
#
取締役報酬 諸手当及び 賞与 合計
その他
現物給付
執行取締役
スン・ユ（社長）
- 5,532 3,320 - 8,852
非執行取締役
リウ・リエング - - - - -
リウ・ジン - - - - -
リン・ジンジェン - - - - -
*
600 - - - 600
チェン・エヴァ
*
600 - - - 600
チョイ・クーン・シュム
フォン・ユン・メイ・アニー
500 - - - 500
*、注 1
タ
*
650 - - - 650
コー・ベン・セン
*
550 - - - 550
ロー・イー・クワン・クイン
リー・サニー・ワイ・ウォ
179 - - - 179
*、注 1
ン
*
700 - - - 700
トン・サヴィオ・ワイホク
3,779 - - - 3,779
3,779 5,532 3,320 - 12,631
注１：当事業年度中に任命
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（単位：千香港ドル）
2021 年
基本給、
#
取締役報酬 諸手当及び 賞与 合計
その他
現物給付
執行取締役
スン・ユ（社長）
- 5,390 2,905 - 8,295
非執行取締役
リウ・リエング - - - - -
リウ・ジン - - - - -
ワン・ジアン - - - - -
リン・ジンジェン - - - - -
*
600 - - - 600
チェン・エヴァ
*
600 - - - 600
チョイ・クーン・シュム
*
650 - - - 650
コー・ベン・セン
*
550 - - - 550
ロー・イー・クワン・クイン
*
700 - - - 700
トン・サヴィオ・ワイホク
3,100 - - - 3,100
3,100 5,390 2,905 - 11,395
* 独立非執行取締役
# 取締役に関する年金制度への拠出金、取締役に支払われた又は受取予定の当グループへの加入支度金及び退任慰労金を含
んでいる。
2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度において、報酬を放棄した取締役はいなかった
（ 2021 年：なし）。
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( ⅱ ) 報酬額上位５名
当グループにおいて、当事業年度の報酬が高額であった上位５名の中には、上述の分析
の中に反映されている取締役１名（ 2021 年：１名）が含まれている。当事業年度中に残り
の４名（ 2021 年：４名）に支払われる報酬は、以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
基本給及び諸手当
20 18
賞与 12 9
1 1
年金制度への拠出金
33 28
在任期間に応じた当事業年度中の各人への報酬支払額又は未払額は、以下の金額帯であ
る。
人数
2022 年 2021 年
6,000,001 香港ドルから 6,500,000 香港ドル
- 1
6,500,001 香港ドルから 7,000,000 香港ドル 2 -
7,000,001 香港ドルから 7,500,000 香港ドル - 2
7,500,001 香港ドルから 8,000,000 香港ドル - 1
8,500,001 香港ドルから 9,000,000 香港ドル 1 -
1 -
10,000,001 香港ドルから 10,500,000 香港ドル
( ⅲ ) 上級経営者の報酬
上級経営者としての在任期間に応じた当事業年度中の各人への報酬支払額又は未払額
は、以下の金額帯である。
人数
2022 年 2021 年
０香港ドルから 500,000 香港ドル
2 -
500,001 香港ドルから 1,000,000 香港ドル - 1
2,500,001 香港ドルから 3,000,000 香港ドル 1 -
3,500,001 香港ドルから 4,000,000 香港ドル 1 1
4,500,001 香港ドルから 5,000,000 香港ドル 3 1
5,000,001 香港ドルから 5,500,000 香港ドル 1 1
5,500,001 香港ドルから 6,000,000 香港ドル - 1
6,000,001 香港ドルから 6,500,000 香港ドル 2 2
7,000,001 香港ドルから 7,500,000 香港ドル - 1
8,000,001 香港ドルから 8,500,000 香港ドル - 1
1 -
8,500,001 香港ドルから 9,000,000 香港ドル
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(b) 指針 CG- ５に基づく上級経営者及び主要な従業員に対する報酬
開示の目的上、「上級経営者」及び「主要な従業員」の定義は以下の通りである。
－上級経営者：取締役会が任命する上級執行役員であり、全社的な戦略、活動又は重要な事
業分野の監視責任を負う。上級経営者には、社長、副社長、最高財務責任者、最高リスク
管理責任者、最高業務責任者、取締役会秘書役及びグループ監査責任者が含まれる。
－主要な従業員：その職務若しくは業務が、重要なリスクの引き受けを伴うものである従業
員、当グループのために重要なエクスポージャーを引き受ける従業員、個々の責任がリス
ク管理に直接的かつ実質的に関連する従業員、又は利益に対して直接的な影響力を有する
従業員であり、重要な事業分野の責任者、主要子会社及び東南アジアの事業体の責任者、
トレーディング責任者、リスク管理機能の責任者、社長の直属であるゼネラル・マネー
ジャー、また当グループが香港銀行業条例に従い指名した「管理責任者」が含まれる。
当事業年度における当グループの上級経営者及び主要な従業員に対する報酬の詳細は以下の
通りである。
(ⅰ) 当事業年度に支給された報酬
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
上級経営者 主要な従業員 上級経営者 主要な従業員
固定報酬
現金ベース 41 113 42 146
うち、繰延部分 - - - -
変動報酬
現金ベース 17 61 16 60
うち、繰延部分 7 24 4 13
58 174 58 206
報酬合計
従業員数（単位：人）
固定報酬 13 43 11 60
12 41 10 55
変動報酬
( ⅱ ) 特別報酬
（単位：千香港ドル）
2022 年 2021 年
上級経営者 主要な従業員 上級経営者 主要な従業員
- 280 - 1,415
サインオン・ボーナス
従業員数（単位：人） - 1 - 2
2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度において、上級経営者及び主要な従業員への保証さ
れた賞与及び退職金はなかった（ 2021 年：なし）。
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( ⅲ ) 繰延報酬
（単位：百万香港ドル）
2022 年
うち、事後の明示
事後の明示的 事後の暗示的
的若しくは暗示的
な調整に起因 な調整に起因 当事業年度に
繰延報酬
又はその両方の調
する当事業年 する当事業年 支払われた繰
整にさらされる繰
残高総額
度中の修正総 度中の修正総 延報酬総額
延並びに保留され
額 額
た報酬残高総額
上級経営者
現金 11 11 - - (5)
主要な従業員
34 34 - (1) (12)
現金
45 45 - (1) (17)
合計
（単位：百万香港ドル）
2021 年
うち、事後の明示
事後の明示的 事後の暗示的
的若しくは暗示的
な調整に起因 な調整に起因 当事業年度に
繰延報酬
又はその両方の調
する当事業年 する当事業年 支払われた繰
整にさらされる繰
残高総額
度中の修正総 度中の修正総 延報酬総額
延並びに保留され
額 額
た報酬残高総額
上級経営者
現金 9 9 - (1) (4)
主要な従業員
28 28 - (3) (18)
現金
37 37 - (4) (22)
合計
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22. 現金並びに銀行及びその他金融機関への預け金
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
現金 17,735 17,586
中央銀行への預け金 175,993 142,560
満期到来までの期間が１ヶ月以内である中央銀行への預け金 17,834 12,882
満期到来までの期間が１～ 12 ヶ月である中央銀行への預け金 3,063 4,332
1,497 1,156
満期到来までの期間が１年超である中央銀行への預け金
198,387 160,930
他の銀行及びその他金融機関への預け金 212,800 191,682
満期到来までの期間が期間１ヶ月以内である他の銀行及びその
50,489 59,035
他金融機関への預け金
満期到来までの期間が１～ 12 ヶ月である他の銀行及びその他金
55,086 35,701
融機関への預け金
満期到来までの期間が１年超である他の銀行及びその他金融機
756 624
関への預け金
319,131 287,042
535,253 465,558
控除：減損引当金
－ステージ１ (43) (23)
－ステージ２ - -
(16) -
－ステージ３
535,194 465,535
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23. 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
有価証券
トレーディング資産
－政府短期証券 12,270 11,548
－譲渡性預金証書 3,578 1,506
20,958 10,813
－その他の債務証券
36,806 23,867
－持分証券 59 23
1 -
－ファンド
36,866 23,890
純損益を通じて公正価値で測定するものとして強制的に分類
されたその他の金融資産
－政府短期証券 - 1,481
12,520 14,233
－その他の債務証券
12,520 15,714
－持分証券 4,207 2,857
10,669 11,202
－ファンド
27,396 29,773
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金
融資産
－政府短期証券 624 -
－譲渡性預金証書 355 -
1,276 1,477
－その他の債務証券
2,255 1,477
有価証券合計 66,517 55,140
その他の負債性金融商品
トレーディング資産 3,400 3,201
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金
15,237 15,196
融資産
その他の負債性金融商品合計 18,637 18,397
85,154 73,537
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上場場所別の有価証券合計の分析は以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
債務証券及び譲渡性預金証書
－香港で上場 5,193 9,199
－香港以外で上場 5,787 8,212
40,601 23,647
－非上場
51,581 41,058
持分証券
－香港で上場 3,553 2,234
－香港以外で上場 713 453
- 193
－非上場
4,266 2,880
ファンド
－香港で上場 1,476 1,469
－香港以外で上場 337 239
8,857 9,494
－非上場
10,670 11,202
66,517 55,140
有価証券合計
発行体別の有価証券合計の分析は以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
中央政府
31,839 21,713
公営企業 186 748
銀行及びその他金融機関 29,379 23,806
5,113 8,873
一般事業会社
66,517 55,140
有価証券合計
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24. デリバティブ及びヘッジ会計
当グループは、トレーディング及びリスク管理を目的として、為替、金利、コモディティ、エクイ
ティ及びクレジットに関連したデリバティブ契約を締結している。
為替先渡は、将来の特定の日に外貨を売買する契約を表す。金利先物は、金利の変動に基づく純額を
受け取る若しくは支払う、又は証券取引所の監督の下、金融市場において将来の特定の日にあらかじ
め合意された金額で金利商品を購入する若しくは売却するという契約上の義務である。金利先渡契約
は、約定金利と現行の市場金利との想定元本額に基づく差額について、将来の特定の日に現金決済を
要求するという、個別に交渉される金利先物である。
通貨、金利及びコモディティ・スワップは、一連のキャッシュ・フロー又は商品を他の一連のキャッ
シュ・フロー又は商品と交換する契約である。スワップにより、通貨、金利（例えば、固定金利から
変動金利への変更）又は貴金属（例えば、銀スワップ）、又はこれら全ての組み合わせ（例えば、通
貨金利スワップ）の交換が生じる。特定の通貨スワップ契約を除き、元本の交換は行われない。
外貨、金利、貴金属及びエクイティ・オプションは、買手（ホルダー）が指定日又は指定日までに、
又は指定された期間内に、一定量の金融商品をあらかじめ決められた金額で購入する（コール・オプ
ション）若しくは売却する（プット・オプション）権利（義務ではない）を、売手（ライター）が付
与する契約である。為替及び金利リスクの引受けに対する対価として、売手は買手からプレミアムを
受け取る。オプションは、当グループとその取引相手との間の店頭取引が行われるか、又は証券取引
所を通じて取引される（例えば、上場株式オプション ) 。
当グループが保有するデリバティブの契約額／想定元本額及び公正価値は、以下の表に記載されてい
る。これらの商品の契約額／想定元本額は、貸借対照表日現在の取引残高を示すものであり、その一
部は、貸借対照表上に認識された金融商品の公正価値との比較のための基礎を提供している。しか
し、これらは将来キャッシュ・フローの金額や当該商品の最新の公正価値を必ずしも示すものではな
いことから、当グループの信用リスクや市場リスクに対するエクスポージャーを示すものではない。
デリバティブは、それぞれの契約条件に関連する外国為替レート、市場金利、コモディティ価格又は
株価の変動によって、有利（資産）になったり不利（負債）になったりする。デリバティブの公正価
値の総額は、時折大幅に変動することがある。
(a) デリバティブ
当グループは、主に顧客業務のためにデリバティブ商品（上場及び OTC の両方）を取引して
いる。当グループは、リスク管理方針、並びに顧客へのデリバティブ商品の提供及び銀行間市
場でのデリバティブ商品の取引における要件に厳密に従っている。
また、デリバティブは銀行勘定の金利リスクを管理するためにも利用されている。デリバ
ティブ商品は、当該商品の取引が行われる前に、承認済商品リストに含まれていなければなら
ない。デリバティブ取引から生じるエクスポージャーの想定元本を管理するための限度額が設
定されており、取引の最長期間も設定されている。全てのデリバティブ取引は、決済、時価に
よる再評価、報告及び管理のため、関連するシステムに入力されなければならない。
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以下の表は、 12 月 31 日現在のデリバティブの種類別の契約額／想定元本額及び公正価値の要
約である。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
公正価値
契約額／想定元本額
資産 負債
為替契約
直物、先渡及び先物 268,839 15,806 (10,068)
スワップ 1,426,428 15,226 (16,189)
28,566 374 (156)
オプション
1,723,833 31,406 (26,413)
金利契約
先物 99,719 75 (52)
スワップ 1,500,924 29,972 (23,326)
- - -
オプション
1,600,643 30,047 (23,378)
コモディティ契約 14,501 361 (456)
エクイティ契約 863 18 (19)
3,339,840 61,832 (50,266)
（単位：百万香港ドル）
2021 年
公正価値
契約額／想定元本額
資産 負債
為替契約
直物、先渡及び先物 203,700 11,720 (7,545)
スワップ 1,602,271 11,558 (8,476)
40,382 92 (86)
オプション
1,846,353 23,370 (16,107)
金利契約
先物 2,220 1 (3)
スワップ 1,084,835 9,361 (13,321)
567 - -
オプション
1,087,622 9,362 (13,324)
コモディティ契約 13,873 388 (265)
エクイティ契約 1,470 66 (61)
2,949,318 33,186 (29,757)
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(b) ヘッジ会計
公正価値ヘッジ
当グループは、市場金利の変動から生じる金融資産及び金融負債の公正価値の変動をヘッジ
するために金利スワップを使用している。当グループがヘッジ会計を適用する金利リスクは固
定利付債務証券及びシニア債から生じるもので、それらの公正価値は指標金利が変動すると変
動する。固定利付債務証券及びシニア債の公正価値変動は指標金利の変動によって大きな影響
を受けることから、当グループは指標金利の範囲の金利リスクのみをヘッジ対象のリスクとし
て指定している。ヘッジ会計は、経済的ヘッジ関係がヘッジ会計の基準を満たしている場合に
適用される。
非有効性が生じ得る理由は以下の通りである。
－ ヘッジ対象とヘッジ手段の間の想定元本及びタイミングの差異
－ 取引先の信用リスクの大幅な変動
以下の表は、 12 月 31 日現在のヘッジ手段の契約額／想定元本額 及び平均固定金利 を契約上の
残存期間別に要約したものである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月
３ヶ月 12 ヶ月 ５年 ５年超 合計
以内
以内 以内 以内
金利スワップ
契約額／想定元本額 2,665 2,664 7,736 76,874 27,928 117,867
3.47 ％ 3.29 ％ 3.22 ％ 3.07 ％ 2.86 ％ N/A
平均固定金利
（単位：百万香港ドル）
2021 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月
３ヶ月 12 ヶ月 ５年 ５年超 合計
以内
以内 以内 以内
金利スワップ
契約額／想定元本額 1,513 2,821 11,543 65,070 42,111 123,058
3.23 ％ 2.99 ％ 3.33 ％ 3.05 ％ 2.87 ％ N/A
平均固定金利
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ヘッジ手段として指定された項目に係る金額は以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
ヘッジの非有効部分
公正価値
契約額／
の認識に使用された
想定元本額
資産 負債
公正価値の変動
デリバティブ
117,867 7,290 (169) 9,762
金利スワップ
（単位：百万香港ドル）
2021 年
ヘッジの非有効部分
公正価値
契約額／
の認識に使用された
想定元本額
資産 負債
公正価値の変動
デリバティブ
123,058 741 (2,617) 4,046
金利スワップ
ヘッジ対象に係る金額は以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
帳簿価額に含まれる
ヘッジの非有効部
帳簿価額 公正価値ヘッジ
分の認識に使用さ
調整累計額
れた公正価値の変
動
資産 負債 資産 負債
投資有価証券
債務証券 107,364 - (9,412) - (9,959)
発行済債務証券及び譲渡
性預金証書
- (1,934) - 73 73
シニア債
107,364 (1,934) (9,412) 73 (9,886)
（単位：百万香港ドル）
2021 年
帳簿価額に含まれる
ヘッジの非有効部
帳簿価額 公正価値ヘッジ
分の認識に使用さ
調整累計額
れた公正価値の変
動
資産 負債 資産 負債
投資有価証券
債務証券 127,438 - 3,096 - (4,216)
発行済債務証券及び譲渡性
預金証書
- - - - -
シニア債
127,438 - 3,096 - (4,216)
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ヘッジの非有効部分の認識額は以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
正味トレーディング損失 (124) (170)
25. 貸付金その他
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
個人向けローン及び貸付金
552,527 509,045
1,096,983 1,090,039
企業向けローン及び貸付金
顧客への貸付金
1,649,510 1,599,084
控除：減損引当金
－ステージ１ (3,995) (4,839)
－ステージ２ (2,511) (2,406)
(4,992) (2,632)
－ステージ３
1,638,012 1,589,207
商業手形
6,329 7,264
控除：減損引当金
－ステージ１ (1) (1)
－ステージ２ - -
- -
－ステージ３
6,328 7,263
銀行及びその他金融機関への貸付金
1,015 727
控除：減損引当金
－ステージ１ (1) (3)
－ステージ２ - -
- -
－ステージ３
1,014 724
1,645,354 1,597,194
2022 年 12 月 31 日現在、顧客への貸付金には未収利息 3,980 百万香港ドル（ 2021 年： 1,890 百万香港ド
ル）が含まれている。
2022 年 12 月 31 日現在、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する貸付金その他及び純損益を通じ
て公正価値で測定するものとして強制的に分類された貸付金その他は、それぞれ 8,884 百万香港ドル
（ 2021 年： 2,757 百万香港ドル）及び 832 百万香港ドル（ 2021 年：なし）である。
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26. 投資有価証券
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する投資有価
証券
－政府短期証券 287,961 410,163
－譲渡性預金証書 41,740 38,059
－その他の債務証券 328,549 423,598
658,250 871,820
－持分証券 3,925 5,601
662,175 877,421
償却原価で測定する投資有価証券
－政府短期証券 6 -
－譲渡性預金証書 5,510 2,693
－その他の債務証券 327,256 214,218
332,772 216,911
控除：減損引当金
－ステージ１ (116) (96)
－ステージ２ (3) (3)
- -
－ステージ３
332,653 216,812
994,828 1,094,233
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投資有価証券の上場場所の分析は以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する投資有価
証券
債務証券及び譲渡性預金証書
－香港で上場 72,425 106,919
－香港以外で上場 128,497 182,018
457,328 582,883
－非上場
658,250 871,820
持分証券
－香港で上場 1,468 2,351
－香港以外で上場 - 455
2,457 2,795
－非上場
3,925 5,601
662,175 877,421
償却原価で測定する投資有価証券
債務証券及び譲渡性預金証書
－香港で上場 47,788 39,845
－香港以外で上場 194,358 103,719
90,507 73,248
－非上場
332,653 216,812
994,828 1,094,233
償却原価で測定する上場有価証券の市場価値 225,309 145,392
発行体の種類別の投資有価証券の分析は以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
中央政府 512,087 558,915
公営企業 60,900 55,078
銀行及びその他金融機関 293,865 306,006
127,976 174,234
一般事業会社
994,828 1,094,233
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投資有価証券の増減は以下の通りに要約される。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
その他の
包括利益を通じて 償却原価で測定
公正価値で測定
2022 年１月１日現在 877,421 216,812
取得 1,290,480 159,142
処分、償還、満期 (1,450,959) (39,034)
償却 1,020 1,432
公正価値の変動／公正価値ヘッジ調整 (23,929) (741)
正味減損引当金繰入額 - (19)
(31,858) (4,939)
換算差額
2022 年 12 月 31 日現在 662,175 332,653
（単位：百万香港ドル）
2021 年
その他の
包括利益を通じて 償却原価で測定
公正価値で測定
2021 年１月１日現在 760,054 120,431
取得 1,501,274 132,794
処分、償還、満期 (1,364,521) (37,870)
償却 (1,114) 427
公正価値の変動／公正価値ヘッジ調整 (5,850) (71)
正味減損引当金繰入額 - (37)
(12,422) 1,138
換算差額
2021 年 12 月 31 日現在 877,421 216,812
当グループは、特定の持分証券を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する持分証券として指
定している。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する持分証券に指定したのは、当該証券が戦
略的投資目的で保有されているためである。投資には、その他 Tier １劣後証券、上場株式及び非上場
株式が含まれる。
当グループは、当事業年度において、 2,796 百万香港ドル（ 2021 年： 2,356 百万香港ドル）の公正価値
を有する、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する特定の持分証券の認識を中止した。この認
識中止はポートフォリオ・リバランスと発行体による償還のためである。
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27. 関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する持分
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
１月１日現在
1,215 1,485
損益に対する持分 (330) (197)
税金に対する持分 (9) (16)
受取配当金 (27) (57)
(6) -
関連会社及びジョイント・ベンチャーの処分
843 1,215
12 月 31 日現在
当グループの関連会社及びジョイント・ベンチャーは全て非上場であり、その詳細は以下の通りであ
る。
設立地及び
会社名 発行済株式資本 持株比率 主要な事業活動
事業活動拠点
登記資本金
クレジット・カードの
BOC サービシズ・カンパ 中華人民共和
45 ％
50,000,000 人民 バックエンド・サー
ニー・リミテッド 国
ビス支援
元
フューチャー X ・イノ
ベーション・リミテッ ケイマン諸島 １米ドル 20 ％ 投資持株会社
ド
ゴールデン・ハーベスト
ケイマン諸島 100 米ドル 49 ％ 投資持株会社
（ケイマン）・リミ
テッド
ATM サービスに係る
ジョイント・エレクトロ
プライベート・イン
10,025,200
ニック・テラー・サー 香港 19.96 ％
ターバンク・メッ
香港ドル
ビシズ・リミテッド
セージ交換ネット
ワークの運営
2,800,000,000
リヴィ・バンク・リミ
香港 39.29 ％ 銀行業
テッド
香港ドル
スナック・リアルター・
ケイマン諸島 １米ドル 20 ％ 投資持株会社
キャピタル・リミテッ
ド
ブラック・スペード・ア
ジア・アクイジショ ケイマン諸島 195,000 香港ドル 10 ％ 投資持株会社
ン・カンパニー
上記の関連会社及びジョイント・ベンチャーのうち、個別でも全体でも当グループにとって重要とみ
なされるものはない。
2022 年 12 月 31 日現在、株式引受契約に基づくジョイント・ベンチャーへの出資コミットメントの額は
793 百万香港ドル（ 2021 年：なし）であった。
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28. 投資不動産
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
１月１日現在
17,722 18,441
取得 13 233
公正価値損失（注記 15 ） (1,305) (229)
(361) (723)
有形固定資産への分類変更（注記 29 ）
16,069 17,722
12 月 31 日現在
残存リース期間に基づく投資不動産の帳簿価額の分析は、以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
香港内で保有
長期リース（ 50 年超） 4,773 4,942
中期リース（ 10 年から 50 年） 10,975 12,421
香港外で保有
中期リース（ 10 年から 50 年） 235 328
86 31
短期リース（ 10 年未満）
16,069 17,722
2022 年 12 月 31 日現在、投資不動産は、独立した不動産鑑定士である萊坊測計師行有限公司により 2022
年 12 月 31 日に実施された公正価値評価に基づく評価額で貸借対照表に計上されている。公正価値は、
測定日時点の市場参加者との秩序だった取引において、各投資不動産の売却の際に受け取るであろう
対価を表す。
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29. 有形固定資産
（単位：百万香港ドル）
器具、什器
不動産 使用権資産 合計
及び備品
正味帳簿価額－ 2022 年１月１日現在
43,784 1,338 1,319 46,441
取得 57 331 645 1,033
処分 (6) (3) - (9)
再評価 (1,214) - - (1,214)
当期減価償却費 (1,196) (500) (627) (2,323)
投資不動産からの分類変更（注記
361 - - 361
28 ）
当期減損額 - - - -
(4) (11) (13) (28)
換算差額
41,782 1,155 1,324 44,261
正味帳簿価額－ 2022 年 12 月 31 日現在
2022 年 12 月 31 日現在
取得原価又は評価額 41,782 7,163 2,497 51,442
- (6,008) (1,173) (7,181)
減価償却累計額及び減損累計額
41,782 1,155 1,324 44,261
正味帳簿価額－ 2022 年 12 月 31 日現在
上記資産の取得原価又は評価額の分
析は
以下の通りである。
2022 年 12 月 31 日現在
取得原価で測定 - 7,163 2,497 9,660
41,782 - - 41,782
評価額で測定
41,782 7,163 2,497 51,442
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（単位：百万香港ドル）
器具、什器
不動産 使用権資産 合計
及び備品
正味帳簿価額－ 2021 年１月１日現在
43,548 1,582 1,725 46,855
取得 40 344 341 725
処分 (4) (11) (41) (56)
再評価 634 - - 634
当期減価償却費 (1,154) (567) (700) (2,421)
投資不動産からの分類変更（注記
723 - - 723
28 ）
当期減損額 - (4) - (4)
(3) (6) (6) (15)
換算差額
正味帳簿価額－ 2021 年 12 月 31 日現在 43,784 1,338 1,319 46,441
2021 年 12 月 31 日現在
取得原価又は評価額 43,784 7,032 2,775 53,591
- (5,694) (1,456) (7,150)
減価償却累計額及び減損累計額
正味帳簿価額－ 2021 年 12 月 31 日現在 43,784 1,338 1,319 46,441
上記資産の取得原価又は評価額の分
析は以下の通りである。
2021 年 12 月 31 日現在
取得原価で測定 - 7,032 2,775 9,807
43,784 - - 43,784
評価額で測定
43,784 7,032 2,775 53,591
残存リース期間に基づく不動産の帳簿価額の分析は以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
香港内で保有
長期リース（ 50 年超） 12,034 12,725
中期リース（ 10 年から 50 年） 29,437 30,712
香港外で保有
長期リース（ 50 年超） 64 71
中期リース（ 10 年から 50 年） 214 276
33 -
短期リース（ 10 年未満）
41,782 43,784
2022 年 12 月 31 日現在、不動産は、独立した不動産鑑定士である萊坊測計師行有限公司により 2022 年 12
月 31 日に実施された公正価値評価に基づく評価額で貸借対照表に計上されている。公正価値は、測定
日時点の市場参加者との秩序だった取引において、各不動産の売却の際に受け取るであろう対価を表
す。
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上述の再評価による、不動産の評価額の変動は以下の通り認識された。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
損益計算書に借方計上された評価額の減少（注記 16 ）
(110) (17)
その他の包括利益に（借方）／貸方計上された評価額の（減
(1,104) 651
少）／増加
(1,214) 634
2022 年 12 月 31 日現在、不動産が減価償却累計額及び減損損失累計額控除後の取得原価で計上されてい
たと仮定した場合に、当グループの貸借対照表に含まれていたと考えられる不動産の正味帳簿価額は
9,457 百万香港ドル（ 2021 年： 9,363 百万香港ドル）であった。
30. その他の資産
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
抵当権実行資産
334 151
貴金属 11,507 10,207
無形資産 2,213 2,025
再保険資産 54,948 59,696
23,071 34,193
未収金及び前払金
92,073 106,272
無形資産の増減は以下の通りに要約される。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
正味帳簿価額－１月１日現在
2,025 1,862
取得 866 781
(678) (618)
当期償却費
2,213 2,025
正味帳簿価額－ 12 月 31 日現在
12 月 31 日現在
取得原価 6,727 5,866
(4,514) (3,841)
償却累計額及び減損累計額
2,213 2,025
正味帳簿価額－ 12 月 31 日現在
31. 香港特別行政区流通通貨
香港特別行政区流通通貨は、香港特別行政区政府債務証書が保有されている基金の預託によって担保
されている。
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32. 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
トレーディング負債
－有価証券のショート・ポジション 59,451 12,322
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金
融負債
－買戻条件付契約 - 198
2 -
－仕組債
59,453 12,520
2022 年及び 2021 年 12 月 31 日現在、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債
の帳簿価額と、当グループが契約上、満期時に所有者への支払いを求められるであろう金額の差額は
重要ではなかった。
33. 顧客預金
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
普通預金及び当座預金
－企業 165,006 229,326
71,109 97,908
－個人
236,115 327,234
貯蓄預金
－企業 472,248 513,556
521,441 680,538
－個人
993,689 1,194,094
定期預金及び通知預金
－企業 616,829 544,036
530,574 265,791
－個人
1,147,403 809,827
2,377,207 2,331,155
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34. 発行済債務証券及び譲渡性預金証書
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
償却原価で測定
－譲渡性預金証書 - 563
－ミディアム・ターム・ノート・プログラムに基づき発行
1,702 1,860
( ⅰ )
されたシニア債
－ミディアム・ターム・ノート・プログラムに基づき発行
1,934 -
(ⅱ)
されたシニア債（公正価値ヘッジ調整後）
3,636 2,423
(ⅰ) 2021 年７月に、 BOCHK は、 15 億人民元のシニア債（金利は年 2.80 ％、利払いは半年ごと、償還は 2023 年）を発行した。
(ⅱ) 2022 年２月に、 BOCHK は、 20 億香港ドルのシニア債（金利は年 1.33 ％、利払いは半年ごと、償還は 2024 年）を発行した。
35. その他の負債及び引当金
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
その他の未払金及び引当金
97,582 81,080
リース負債 1,298 1,318
ローン・コミットメント及び金融保証契約に対する減損引当
金
－ステージ１ 326 439
－ステージ２ 36 51
128 153
－ステージ３
99,370 83,041
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36. 繰延税金
繰延税金は、 HKAS 第 12 号「法人所得税」に従い、資産・負債の課税基準と財務諸表上の帳簿価額及び
繰越税額控除との間に生じる一時差異に関して認識されている。
貸借対照表に計上されている繰延税金（資産）／負債の主な要素並びに当事業年度における増減は、
以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
税務上の
不動産の 減損
加速減価 損失 その他 合計
再評価 引当金
償却
2022 年１月１日現在
826 6,606 (4) (1,128) (693) 5,607
損益計算書への借方／（貸
方）計上（注記 17 ） 15 (128) 3 (11) 48 (73)
その他の包括利益への貸方
計上 - (200) - - (1,585) (1,785)
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する資本
性金融商品の処分に係る
取崩し - - - - 45 45
- - (24) 11 1 (12)
換算差額等
841 6,278 (25) (1,128) (2,184) 3,782
2022 年 12 月 31 日現在
（単位：百万香港ドル）
2021 年
税務上の
不動産の 減損
加速減価 損失 その他 合計
再評価 引当金
償却
2021 年１月１日現在
797 6,560 (46) (1,153) (289) 5,869
損益計算書への借方／（貸
方）計上（注記 17 ） 29 (63) 10 23 (22) (23)
その他の包括利益への借
方／（貸方）計上 - 109 - - (401) (292)
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する資本
性金融商品の処分に係る
取崩し - - - - 19 19
- - 32 2 - 34
換算差額等
826 6,606 (4) (1,128) (693) 5,607
2021 年 12 月 31 日現在
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繰延税金資産・負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法的権利が存在し、かつ、その繰延
税金が同一の税務当局に関連するものである場合、個々の企業ベースで相殺される。適切な相殺処理
後に決定された以下の金額は、貸借対照表に表示されている。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
繰延税金資産
(564) (192)
4,346 5,799
繰延税金負債
3,782 5,607
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
回収予定まで 12 ヶ月超の繰延税金資産
(223) (153)
6,182 6,435
解消予定まで 12 ヶ月超の繰延税金負債
5,959 6,282
2022 年 12 月 31 日現在、当グループには、税務上の欠損金について未認識の繰延税金資産はない（ 2021
年：なし）。当グループの金額に関しては全て、様々な国／地域の現行の税法の下で有効期限はな
い。
37. 保険契約負債
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
１月１日現在
153,911 139,504
給付金支払 (20,761) (14,784)
18,955 29,191
発生保険金及び負債の増減
12 月 31 日現在 152,105 153,911
再保険契約によりカバーされる保険契約負債 45,300 百万香港ドル（ 2021 年： 48,037 百万香港ドル）及
び関連する再保険資産 54,948 百万香港ドル（ 2021 年： 59,696 百万香港ドル）は、「その他の資産」
（注記 30 ）に計上されている。
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38. 劣後債務
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
償却原価で測定する劣後ローン
(ⅰ )
22,499 -
200 億人民元
(ⅱ )
11,255 -
100 億人民元
(ⅲ )
7,860 -
10 億米ドル
(ⅳ )
7,846 -
10 億米ドル
(ⅴ )
19,107 -
170 億人民元
(ⅵ )
7,826 -
10 億米ドル
76,393 -
HKMA は、 BOCHK を BOC 破綻処理グループの重要な子会社に分類し、 BOCHK に対し、 2023 年１月１日から
遵守が求められる金融機関（破綻処理）（損失吸収力要件－銀行セクター）規則（以下「 LAC 規則」と
いう。）に基づき適用される内部損失吸収力要件を満たすことを要求している。該当要件を満たすた
め、 BOC は BOCHK から、非資本損失吸収力を有する負債性金融商品を 2022 年度第４四半期において合計
で 470 億人民元及び 30 億米ドルを引き受けた。当該金融商品は、清算が生じた場合にその他 Tier １資本
証券より上位に位置付けられる。
(ⅰ ) 金利は年率 2.20 ％、利払いは年１回、償還は 2024 年で期限前返済オプション付き。
(ⅱ ) 金利は年率 2.47 ％、利払いは年１回、償還は 2025 年で期限前返済オプション付き。
(ⅲ ) 金利は年率 5.30 ％、利払いは年１回、償還は 2025 年で期限前返済オプション付き。
(ⅳ ) 金利は年率 5.02 ％、利払いは年１回、償還は 2025 年で期限前返済オプション付き。
(ⅴ ) 金利は年率 2.85 ％、利払いは年１回、償還は 2025 年で期限前返済オプション付き。
(ⅵ ) 金利は年率 4.99 ％、利払いは年１回、償還は 2025 年で期限前返済オプション付き。
39. 資本金
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
発行済かつ全額払込済：
52,864 52,864
普通株式 10,572,780,266 株
40. その他の資本性金融商品
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
23,476 23,476
非累積型永久その他 Tier １劣後資本証券
2018 年９月、 BOCHK は 3,000 百万米ドルで非累積型永久その他 Tier １劣後資本証券を発行した。当該資
本証券は、償還日が設定されておらず、当初の５年間は償還不可能な永久債である。当初の分配率は
年率 5.90 ％で半年ごとに利払いが行われるが、 BOCHK の裁量により消却が可能である。 2022 年にその他
の資本性金融商品の保有者に支払われた配当金は 1,390 百万香港ドル（ 2021 年： 1,378 百万香港ドル）
であった。
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41. 連結キャッシュ・フロー計算書に対する注記
(a) 営業利益の税引前営業キャッシュ（アウトフロー）／インフローへの調整
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
営業利益
36,743 30,430
減価償却費及び償却費 3,001 3,039
関連会社及びジョイント・ベンチャーの処分益 (3) -
正味減損引当金繰入額 2,345 2,145
減損引当金に係るディスカウントの解消 (81) (37)
回収金額控除後貸付金償却額 (560) (1,157)
リース負債に係る支払利息 34 34
劣後債務の増減 1,877 -
当初満期が３ヶ月超の銀行及びその他金融機関への預け金の増
(15,325) (622)
減
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の増減 (21,504) 1,835
デリバティブの増減 (8,137) (10,886)
貸付金その他の増減 (49,779) (97,487)
投資有価証券の増減 53,024 (157,171)
その他の資産の増減 14,329 548
預金並びに銀行及びその他金融機関からの預り金の増減 (169,436) 159,567
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債の増減 46,933 (7,816)
顧客預金の増減 46,052 147,446
発行済債務証券及び譲渡性預金証書の増減 1,213 1,997
その他の負債及び引当金の増減 16,498 12,388
保険契約負債の増減 (1,806) 14,407
23,234 (5,278)
為替レート変動の影響額
(21,348) 93,382
税引前営業キャッシュ・（アウトフロー）／インフロー
営業活動からのキャッシュ・フローは以下を含む：
－受取利息 61,073 39,160
－支払利息 18,486 8,482
286 364
－受取配当金
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(b) 財務活動から生じる債務の調整
（単位：百万香港ドル）
2022 年
劣後債務
１月１日現在 -
キャッシュ・フロー：
劣後債務発行による収入 74,516
非資金の変動：
為替差額 1,545
332
その他の変動
76,393
12 月 31 日現在
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
リース負債
１月１日現在 1,318 1,710
キャッシュ・フロー：
リース負債に係る支払 (699) (716)
非資金の変動：
取得 645 331
処分 - (41)
34 34
その他の変動
12 月 31 日現在 1,298 1,318
(c) 現金及び現金同等物残高の分析
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
現金並びに当初満期が３ヶ月以内の銀行及びその他金融機関へ
479,150 424,780
の預け金
当初満期が３ヶ月以内の政府短期証券、譲渡性預金証書及びそ
の他の負債性金融商品
－純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 8,574 18,461
53,201 88,674
－投資有価証券
540,925 531,915
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42. 偶発債務及びコミットメント
以下は、重要な種類の偶発債務及びコミットメントの契約金額並びに信用リスク加重金額総額の要約
であり、自己資本比率に関する HKMA への報告書の作成要領を参照して作成されている。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
直接的な信用供与代替取引
1,069 1,338
取引関連偶発債務 25,586 30,075
貿易関連偶発債務 15,908 25,815
事前通知なく無条件で解約可能なコミットメント 533,304 526,430
当初満期が以下のその他のコミットメント
－１年以内 21,905 15,665
177,275 173,623
－１年超
775,047 772,946
信用リスク加重金額 79,122 83,704
信用リスク加重金額は、銀行（資本）規則に従って計算される。当該金額は、取引相手の状況と各種
契約の満期の特質によって異なる。
43. キャピタル・コミットメント
当グループは、当財務諸表に反映されていない以下の未履行のキャピタル・コミットメントを有して
いる。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
承認され契約されたが未計上のもの
211 183
233 119
承認されたが未契約のもの
444 302
上記のキャピタル・コミットメントは、主にコンピュータ設備及びソフトウェアの購入、並びに当グ
ループの不動産の改修に関連するものである。
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44. オペレーティング・リース契約
貸手側
当グループは借主と、解約不能なオペレーティング・リースに基づき、以下の将来の最低リース
料を受け取る契約を交わしている。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
不動産及び設備
－１年以内 431 469
－１年超２年以内 289 241
－２年超３年以内 132 103
－３年超４年以内 6 16
- 5
－４年超５年以内
858 834
当グループは、オペレーティング・リース契約に基づき、投資不動産を、通常１年から３年の期
間で賃貸している。リースの契約条件は、通常、借主に対して敷金の支払いを求めるほか、リース
契約の更新時点における実勢市況に基づき、賃借料を調整する旨を定めている。
45. 訴訟
当グループは、様々な独立した当事者から多数の訴訟及び反訴を受けている。これらの訴訟及び反訴
は、当グループの通常の商業活動に関するものである。
取締役は、当グループが原告に対する実体上の抗弁を有している、又はこれらの訴訟に関する金額に
は重要性がない見込みであると考えていることから、これらの訴訟及び反訴に対して重要な引当金は
設定されていない。
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46. セグメント報告
当グループは、主に事業セグメント単位で事業を管理しており、当グループの収益、税引前利益及び
資産の 90 ％超は香港で生じている。現時点で、個人向け銀行業務、法人向け銀行業務、資金為替業務
及び保険の４つの事業セグメントを識別している。当グループの事業セグメントの分類は顧客セグメ
ント及び商品の種類に基づいており、これは当グループの RPC （関係、商品、チャンネル）管理モデル
に沿ったものである。
個人向け銀行業務及び法人向け銀行業務セグメントは一般的な銀行サービスを提供する。このサービ
スには、各種預金商品、当座貸越、ローン、クレジット・カード、貿易関連商品及びその他のクレ
ジット・ファシリティ、投資及び保険商品並びに外貨及びデリバティブ商品が含まれる。個人向け銀
行業務は主に個人顧客及び小規模企業向けの業務を行うが、法人向け銀行業務は法人顧客との取引を
行う。資金為替業務は、自己勘定取引に加え、当グループの資金調達及び流動性、並びに金利及び外
国為替ポジションを管理する。保険セグメントは主に、個人生命保険商品及び団体生命保険商品を含
む生命保険商品に関連した業務を表す。「その他」は主に、当グループが保有する不動産、投資不動
産、株式投資、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する一部の持分並びに東南アジアの事業体
の事業を表す。
セグメントの資産、負債、収入、費用、業績、及び資本的支出は、当グループの会計方針に基づき測
定されている。セグメント情報には、セグメントに直接帰属する項目と、合理的な基準に沿ってセグ
メントへ配賦できる項目が含まれている。各セグメント間のファンディングは、当グループ内部の
ファンディング価格決定メカニズム（主に、各プロダクトに固有の特徴が加味されている市場レート
に基づく方法）に基づき行われる。
当グループは、収益の大半を利息から得ており、上級経営者は、事業を管理する際、主として正味受
取利息を中心に考えるため、全ての報告セグメントにおける受取利息及び支払利息は純額ベースで表
示されている。これと同じ考え方により、保険料収入及び保険金もまた、純額ベースで表示されてい
る。
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（単位：百万香港ドル）
個人向け 法人向け 資金為替
保険 その他 小計 消去 連結
銀行業務 銀行業務 業務
2022 年 12 月 31 日に終了した
事業年度
正味受取／（支払）利息
－外部 2,533 15,528 14,238 4,075 2,440 38,814 - 38,814
8,032 (4,027) (2,806) (54) (1,145) - - -
－セグメント間
10,565 11,501 11,432 4,021 1,295 38,814 - 38,814
正味受取／（支払）手数料 6,156 3,847 7 (1,176) 1,232 10,066 (554) 9,512
正味保険料収入 - - - 16,175 - 16,175 (20) 16,155
正味トレーディング収益／
1,011 1,603 10,196 (199) 585 13,196 86 13,282
（損失）
純損益を通じて公正価値で測
定
するその他の金融商品に係
る純損失 - - (604) (2,652) - (3,256) 13 (3,243)
その他の金融商品に係る純利
- 12 (3,709) (196) 6 (3,887) - (3,887)
得／（損失）
30 5 80 166 1,831 2,112 (1,201) 911
その他営業収益
営業収益合計
17,762 16,968 17,402 16,139 4,949 73,220 (1,676) 71,544
- - - (14,612) - (14,612) - (14,612)
正味保険金及び負債の変動
減損引当金繰入前正味営業収
17,762 16,968 17,402 1,527 4,949 58,608 (1,676) 56,932
益
正味減損引当金（繰入）／戻
(344) (2,008) 71 17 (81) (2,345) - (2,345)
入額
正味営業収益
17,418 14,960 17,473 1,544 4,868 56,263 (1,676) 54,587
(9,429) (3,553) (2,544) (633) (3,361) (19,520) 1,676 (17,844)
営業費用
営業利益
7,989 11,407 14,929 911 1,507 36,743 - 36,743
投資不動産処分／公正価値調
整純損失 - - - - (1,305) (1,305) - (1,305)
有形固定資産処分／再評価純
損失 (1) - - - (110) (111) - (111)
関連会社及びジョイント・ベ
ンチャー持分損益（税引
(48) - 4 - (295) (339) - (339)
後）
7,940 11,407 14,933 911 (203) 34,988 - 34,988
税引前利益／（損失）
2022 年 12 月 31 日現在
資産
セグメント資産 580,155 1,040,621 1,734,391 196,057 173,197 3,724,421 (40,207) 3,684,214
関連会社及びジョイント・ベ
563 - 1 - 279 843 - 843
ンチャーに対する持分
580,718 1,040,621 1,734,392 196,057 173,476 3,725,264 (40,207) 3,685,057
負債
1,280,379 1,075,631 746,103 185,759 105,546 3,393,418 (40,207) 3,353,211
セグメント負債
2022 年 12 月 31 日に終了した
事業年度
その他の情報
資本的支出 46 26 10 85 1,745 1,912 - 1,912
1,175 307 122 73 1,365 3,042 (41) 3,001
減価償却費及び償却費
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（単位：百万香港ドル）
個人向け 法人向け 資金為替
保険 その他 小計 消去 連結
銀行業務 銀行業務 業務
2021 年 12 月 31 日に終了した
事業年度
正味受取／（支払）利息
－外部 4,063 12,411 9,859 3,808 1,800 31,941 - 31,941
2,790 (1,301) (1,264) (11) (214) - - -
－セグメント間
6,853 11,110 8,595 3,797 1,586 31,941 - 31,941
正味受取／（支払）手数料 7,663 4,033 150 (677) 1,240 12,409 (537) 11,872
正味保険料収入 - - - 15,726 - 15,726 (22) 15,704
正味トレーディング収益 1,066 1,452 1,876 69 545 5,008 83 5,091
純損益を通じて公正価値で測
定
するその他の金融商品に係
る純損失 - - (75) (1,073) - (1,148) 12 (1,136)
その他の金融商品に係る純利
- 16 940 153 11 1,120 - 1,120
得
62 1 97 182 1,926 2,268 (1,285) 983
その他営業収益
営業収益合計
15,644 16,612 11,583 18,177 5,308 67,324 (1,749) 65,575
- - - (16,593) - (16,593) - (16,593)
正味保険金及び負債の変動
減損引当金繰入前正味営業収
15,644 16,612 11,583 1,584 5,308 50,731 (1,749) 48,982
益
正味減損引当金戻入／（繰
128 (295) (55) (12) (1,911) (2,145) - (2,145)
入）額
正味営業収益
15,772 16,317 11,528 1,572 3,397 48,586 (1,749) 46,837
(9,518) (3,393) (1,295) (549) (3,401) (18,156) 1,749 (16,407)
営業費用
営業利益／（損失）
6,254 12,924 10,233 1,023 (4) 30,430 - 30,430
投資不動産処分／公正価値調
整純損失 - - - - (229) (229) - (229)
有形固定資産処分／再評価純
損失 (4) - - - (16) (20) - (20)
関連会社及びジョイント・ベ
ンチャー持分損益（税引
81 - 5 - (299) (213) - (213)
後）
6,331 12,924 10,238 1,023 (548) 29,968 - 29,968
税引前利益／（損失）
2021 年 12 月 31 日現在
資産
セグメント資産 533,841 1,031,942 1,733,682 197,906 176,059 3,673,430 (35,215) 3,638,215
関連会社及びジョイント・ベ
633 - 8 - 574 1,215 - 1,215
ンチャーに対する持分
534,474 1,031,942 1,733,690 197,906 176,633 3,674,645 (35,215) 3,639,430
負債
1,203,126 1,100,321 753,782 186,277 103,678 3,347,184 (35,215) 3,311,969
セグメント負債
2021 年 12 月 31 日に終了した
事業年度
その他の情報
資本的支出 35 24 1 97 1,582 1,739 - 1,739
1,266 295 107 67 1,339 3,074 (35) 3,039
減価償却費及び償却費
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47. 金融商品の相殺
以下の表は、相殺、強制可能なマスター・ネッティング契約及び類似の契約の対象となる当グループ
の金融商品の詳細である。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
貸借対照表で 貸借対照表に
貸借対照表で
相殺される 計上された
金融資産の
相殺されない関連額
純額
金融負債の 金融資産の
認識額総額
金融商品 受入担保金
認識額総額 純額
資産
デリバティブ 45,254 - 45,254 (31,824) (12,534) 896
売戻条件付契約 17,576 - 17,576 (17,576) - -
有価証券借入契
3,400 - 3,400 (3,400) - -
約
11,364 (9,222) 2,142 (6) - 2,136
その他の資産
77,594 (9,222) 68,372 (52,806) (12,534) 3,032
（単位：百万香港ドル）
2022 年
貸借対照表で 貸借対照表に
貸借対照表で
相殺される 計上された
金融負債の
相殺されない関連額
純額
金融資産の 金融負債の
認識額総額
金融商品 差入担保金
認識額総額 純額
負債
デリバティブ 37,117 - 37,117 (31,824) (2,527) 2,766
買戻条件付契約 31,757 - 31,757 (31,757) - -
10,562 (9,222) 1,340 (6) - 1,334
その他の負債
79,436 (9,222) 70,214 (63,587) (2,527) 4,100
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（単位：百万香港ドル）
2021 年
貸借対照表で 貸借対照表に
貸借対照表で
相殺される 計上された
金融資産の
相殺されない関連額
純額
金融負債の 金融資産の
認識額総額
金融商品 受入担保金
認識額総額 純額
資産
デリバティブ 16,703 - 16,703 (12,337) (3,869) 497
売戻条件付契約 17,064 - 17,064 (17,064) - -
有価証券借入契
3,201 - 3,201 (3,201) - -
約
12,008 (8,908) 3,100 (1) - 3,099
その他の資産
48,976 (8,908) 40,068 (32,603) (3,869) 3,596
（単位：百万香港ドル）
2021 年
貸借対照表で 貸借対照表に
貸借対照表で
相殺される 計上された
金融負債の
相殺されない関連額
純額
金融資産の 金融負債の
認識額総額
金融商品 差入担保金
認識額総額 純額
負債
デリバティブ 18,116 - 18,116 (12,337) (5,592) 187
買戻条件付契約 68,268 - 68,268 (68,268) - -
9,540 (8,908) 632 (1) - 631
その他の負債
95,924 (8,908) 87,016 (80,606) (5,592) 818
当グループが締結した OTC デリバティブ、買戻条件付売却契約及び有価証券貸借取引のマスター・
ネッティング契約では、同じ取引相手先との関連額は、デフォルトやその他のあらかじめ定められた
事象が発生した場合、相殺することができる。
48. 担保として差入れた資産
2022 年 12 月 31 日現在、当グループの負債 27,986 百万香港ドル（ 2021 年： 12,788 百万香港ドル）は、決
済業務を促進するために中央預託機関に預託されている資産によって担保されていた。さらに、当グ
ループの負債 46,757 百万香港ドル（ 2021 年： 88,268 百万香港ドル）は、買戻条件付売却契約に関する
債務証券で担保されていた。これらの負債の担保として当グループが差入れていた資産の金額は、
75,346 百万香港ドル（ 2021 年： 103,349 百万香港ドル）であり、主に「純損益を通じて公正価値で測定
する金融資産」及び「投資有価証券」に含まれている。
また、当グループは、デリバティブ取引の当初証拠金として 2,709 百万香港ドル（ 2021 年：なし）の
有価証券を差入れている。
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49. 金融資産の譲渡
認識の中止の要件を満たさない譲渡された金融資産には、買戻条件付売却契約に基づいて取引先が担
保として保有する債務証券が含まれている。当該取引先は、当グループによる債務不履行がない限
り、当該有価証券を売却するか再担保に供することができるが、契約満期時に当該有価証券を返却す
る義務を負っている。当該有価証券は、当グループが実質的に全てのリスクと経済価値を保持してい
るため、認識は中止されない。買戻条件付売却契約に基づく受取額は金融負債として認識されてい
る。
下表は、取引先に譲渡された認識中止の要件を満たさない金融資産と、関連する金融負債の帳簿価額
の分析である。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
譲渡された 譲渡された
関連する 関連する
資産の 資産の
負債の 負債の
帳簿価額 帳簿価額
帳簿価額 帳簿価額
買戻条件付契約 32,189 31,757 70,488 68,268
50. 非連結のストラクチャード・エンティティに対する持分
当グループは、通常の事業活動において、非連結ストラクチャード・エンティティ投資の定義を満た
す多数のファンド投資に関わっており、当グループがスポンサーである当該エンティティから運用報
酬及び受託者報酬を稼得している。当グループの非連結ストラクチャード・エンティティに対する投
資保有持分は、 FVPL で測定する金融資産として認識されている。 2022 年 12 月 31 日現在、当グループが
スポンサーである非連結ストラクチャード・エンティティの純資産価額の総額は 159,172 百万香港ドル
（ 2021 年： 165,502 百万香港ドル）であった。当グループがスポンサーである非連結ストラクチャー
ド・エンティティに対する持分は 607 百万香港ドル（ 2021 年： 1,139 百万香港ドル）であり、他の金融
機関がスポンサーである非連結ストラクチャード・エンティティに対する持分は 10,062 百万香港ドル
（ 2021 年： 10,063 百万香港ドル）であった。 2022 年 12 月 31 日に終了した事業年度の、上述の運用報酬
及び受託者報酬は 581 百万香港ドル（ 2021 年： 671 百万香港ドル）であった。これらのファンド投資に
対する当グループの持分に係る損失に対する最大エクスポージャーは、当該ファンドに対する投資の
公正価値の総額に等しい。
51. 取締役への貸付金
香港会社条例第 383 条及び会社規則パート３（取締役の便益に関する情報開示）に準拠した当社の取
締役への貸付金の詳細は以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
5 -
当事業年度末現在の関連取引残高総額
当事業年度中の関連取引残高総額の最大値 6 1
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52. 重要な関連当事者間取引
当グループは、チャイナ・インベストメント・コーポレーション（以下「 CIC 」という。）、 CIC の完
全子会社であるセントラル・フイジン・インベストメント・リミテッド（以下「セントラル・フイジ
ン」という。）、及びセントラル・フイジンが支配持分を保有している BOC を通じて、中国政府国務院
の支配を受けている。
(a) 親会社及び親会社に支配されている他の企業との取引
親会社の一般情報：
当グループは、 BOC の支配を受けている。 セントラル・フイジン は BOC の支配企業であり、外
貨投資管理に従事する完全国有企業である CIC の完全子会社である。
セントラル・フイジン は、中華人民共和国のいくつかの企業の支配持分を保有している。
当グループは、通常の営業活動において、これらの企業との間で銀行取引及び他の取引を行
う。これらの取引には、ローン、投資有価証券、マネーマーケット及び再保険関連の取引が含
まれる。
BOC との取引の大部分は、マネーマーケット活動から生じている。 2022 年 12 月 31 日現在、当
グループの BOC に関連する債権の総額は 206,631 百万香港ドル（ 2021 年： 191,806 百万香港ド
ル）、債務の総額は 95,344 百万香港ドル（ 2021 年： 245,648 百万香港ドル）であった。 2022 年
12 月 31 日に終了した事業年度において BOC とのこれらの取引から生じた当グループの収入の総
額は 1,242 百万香港ドル（ 2021 年： 1,598 百万香港ドル）、費用の総額は 1,580 百万香港ドル
（ 2021 年： 936 百万香港ドル）であった。上記の関連当事者取引は、上場規則第 14 章 A に定義さ
れている関連会社間取引に相当するが、開示要件は適用されない。
2022 年 12 月 31 日現在、 BOC の子会社に関連する債権の総額は 2,209 百万香港ドル（ 2021 年：
1,113 百万香港ドル）、債務の総額は 12,218 百万香港ドル（ 2021 年： 10,139 百万香港ドル）で
あった。
BOC が引き受けた劣後債務の詳細については、財務諸表の注記 38 を参照のこと。
BOC の支配下にある企業とのその他の取引は重要ではないとみなされている。
(b) 政府当局、政府機関、政府関係機関及びその他の国営企業との取引
当グループは、 CIC 及びセントラル・フイジンを通じて、中国政府国務院の支配を受けてお
り、セントラル・フイジンは直接的又は間接的に、政府当局、政府機関、政府関係機関及びそ
の他の国営企業を通じて多数の事業体を支配している。当グループは、通常の営業活動におい
て、通常の商取引条件で政府当局、政府機関、政府関係機関及びその他の国営企業と銀行取引
を行う。
これらの取引には以下が含まれるが、これらに限定されない。
－ 貸付、信用及び保証の供与及び預金の受入
－ 銀行間残高の受入及び預託
－ その他の国営企業によって発行された債券の販売、購入、引受及び償還
－ 外為、送金及び投資関連サービスの提供
－ 信託業務の提供、並びに
－ 公益、輸送、通信及び郵便サービスの購入
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(c) 通常の営業活動で関連会社、ジョイント・ベンチャー及びその他の関連当事者と締結された取
引概要
当グループの関連会社、ジョイント・ベンチャー及びその他の関連当事者との関連当事者取
引により生じた収益／費用の総額及び残高の要約は、以下の通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
損益計算書項目
関連会社及びジョイント・ベンチャー
－受取手数料 29 60
－支払利息 - 1
－その他の営業費用 71 79
その他の関連当事者
－受取手数料 11 14
貸借対照表項目
関連会社及びジョイント・ベンチャー
－その他の資産 7 11
－銀行及びその他金融機関からの預り金 47 77
1 120
－顧客預金
上記の関連会社及びジョイント・ベンチャーから生じるその他の営業費用に関する関連当事
者間取引は、上場規則第 14 章 A に定義されている関連会社間取引に相当し、必要な開示は 296
ページから 297 ページ（訳者注：原文のページ番号）の「関連会社間取引」で行われている。
(d) 主要な経営幹部
主要な経営幹部とは、取締役及び上級経営者を含む、当グループの活動を直接的又は間接的
に計画、指揮、支配する権限及び責任を有する人物である。当グループは通常の営業活動にお
いて、主要な経営幹部から預金を受け入れ、またローン及び信用枠を供与している。当事業年
度及び前事業年度において、当社及びその持株会社の主要な経営幹部並びにその関連当事者と
の重要な取引は行われなかった。
12 月 31 日に終了した事業年度における主要な経営幹部に対する報酬の詳細は、以下の通りで
ある。
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
52 52
給与及びその他の短期従業員給付
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53. 金利指標改革（以下「 IBOR 改革」という。）
当グループは、 IBOR 改革に関連するリスクを管理し、当該改革に伴うリスク・エクスポージャーを継
続的に監視するとともに、既存の契約を転換している。
当グループは、米ドル LIBOR をはじめ、様々な銀行間取引金利にさらされている。下表は、 12 月 31 日
現在当グループが保有する、 LIBOR を参照しているものであって代替金利指標への移行が済んでいない
金融商品の詳細である。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
代替指標金利へ未移行の金融商品
米ドル LIBOR その他 *
非デリバティブ金融資産
178,040 -
624 -
非デリバティブ金融負債
デリバティブ契約額／想定元本額 469,213 -
（単位：百万香港ドル）
2021 年
代替指標金利へ未移行の金融商品
米ドル LIBOR その他 *
非デリバティブ金融資産
183,073 23,227
626 -
非デリバティブ金融負債
デリバティブ契約額／想定元本額 501,140 -
* 代替指標へ未移行の他の重要な指標金利（英ポンド LIBOR 及び日本円 LIBOR ）を参照する金融商品からなる。
当グループは、米ドル LIBOR をはじめ、様々な銀行間取引金利にさらされている公正価値ヘッジ会計
関係を有している。当グループのヘッジ会計関係の円滑な移行が確実に行われるように、リスク・フ
リー金利への移行に関する外部での進捗が継続的に監視されている。発生する具体的な問題は、各
ヘッジ関係の内容により異なるものの、指定に含まれる現行商品の移行、発行が見込まれる商品の取
引量の変化、発行された新商品の契約条件の変更やこれらの要因の組み合わせなどから生じる可能性
がある。ヘッジの中には指定を解除し新たなヘッジ関係を締結する必要があるものがある一方で、
IBOR 改革の影響を受けないヘッジもある。
ヘッジ会計関係の該当する一時的救済措置の適用によって影響を受けるヘッジ対象は、連結貸借対照
表上「投資有価証券」に表示されている債務証券である。
2022 年 12 月 31 日現在、公正価値ヘッジ会計関係に指定された金利デリバティブの契約額／想定元本額
は 48,924 百万香港ドル（ 2021 年： 77,496 百万香港ドル）であり、これは、当グループが管理する公正
価値ヘッジ関係に関連するリスク・エクスポージャーのうち、 IBOR 改革の直接的な影響と該当する一
時的救済措置の影響を受ける範囲を表したものである。
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54. 海外への請求権
以下の分析は、国際銀行統計に関する HKMA への報告書の作成要領を参照して作成している。海外への
請求権は、リスク移転考慮後の取引先の所在地に基づき最終的なリスクが存在する取引先に対するエ
クスポージャーであり、全通貨のクロスボーダー請求権と外国通貨の現地請求権の合計を示してい
る。所在地が取引先の所在地とは異なる当事者によって保証されている請求権については、リスクが
保証人の所在地に移転される。本社が別の場所にある銀行の海外支店に係る請求権については、リス
クが当該銀行の本社所在地に移転される。
個別の国又は地域に係る請求権（リスク移転後）で、各事業年度末における当グループの海外への請
求権の合計の 10 ％以上を占めるものは、以下に示す通りである。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
ノンバンク民間部門
ノンバンク 非金融
銀行 公的部門 合計
金融機関 民間部門
中国本土
408,250 224,106 23,248 121,303 776,907
香港 14,938 4,295 55,090 326,204 400,527
32,581 161,031 16,539 15,915 226,066
米国
（単位：百万香港ドル）
2021 年
ノンバンク民間部門
ノンバンク 非金融
銀行 公的部門 合計
金融機関 民間部門
中国本土
413,327 149,879 29,297 143,351 735,854
香港 30,507 3,341 50,196 379,250 463,294
18,373 147,258 15,829 19,879 201,339
米国
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55. 中国本土におけるノンバンクのエクスポージャー
中国本土におけるノンバンクのエクスポージャーの分析は、中国本土における活動に対する HKMA への
報告書の作成要領を参照したノンバンクの取引先の分類及び直接的なエクスポージャーの種類に基づ
いている。これには、 BOCHK の香港事務所が供与した中国本土向けエクスポージャーのみが含まれてい
る。
（単位：百万香港ドル）
2022 年
HKMA
オン・バラン オフ・バラン
エクス
スシート・ スシート・
への
ポージャー
エクス エクス
報告書
合計
ポージャー ポージャー
項目
中央政府、中央政府所有企業とその子会
社及びジョイント・ベンチャー １ 369,448 28,067 397,515
地方政府、地方政府所有企業とその子会
社及びジョイント・ベンチャー ２ 80,046 6,753 86,799
中国本土居住の中国国民又は中国本土で
設立されたその他の企業とその子会社
及びジョイント・ベンチャー ３ 129,723 18,635 148,358
上記項目１で報告されない国営企業 ４ 28,976 1,630 30,606
上記項目２で報告されない地方政府所有
５
企業 1,362 205 1,567
中国本土で使用するための信用が供与さ
れている、中国本土外に居住する中国
国民又は中国本土外で設立された企業 ６ 67,098 6,968 74,066
エクスポージャーが中国本土におけるノ
ンバンクのエクスポージャーとみなさ
1,856 86 1,942
れるその他の取引先 ７
678,509 62,344 740,853
合計 ８
引当金控除後の資産合計 ９ 3,422,169
総資産に対するオン・バランスシート・
19.83 ％
エクスポージャーの割合 10
（単位：百万香港ドル）
2021 年
HKMA
オン・バラン オフ・バラン
エクス
スシート・ スシート・
への
ポージャー
エクス エクス
報告書
合計
ポージャー ポージャー
項目
中央政府、中央政府所有企業とその子会
社及びジョイント・ベンチャー １ 391,272 28,052 419,324
地方政府、地方政府所有企業とその子会
社及びジョイント・ベンチャー ２ 78,458 10,669 89,127
中国本土居住の中国国民又は中国本土で
設立されたその他の企業とその子会社
及びジョイント・ベンチャー ３ 128,755 26,084 154,839
上記項目１で報告されない国営企業 ４ 28,200 1,333 29,533
上記項目２で報告されない地方政府所有
５
企業 1,001 7 1,008
中国本土で使用するための信用が供与さ
れている、中国本土外に居住する中国
国民又は中国本土外で設立された企業 ６ 74,082 12,916 86,998
エクスポージャーが中国本土におけるノ
ンバンクのエクスポージャーとみなさ
3,713 - 3,713
れるその他の取引先 ７
合計 ８ 705,481 79,061 784,542
引当金控除後の資産合計 ９ 3,372,961
総資産に対するオン・バランスシート・
20.92 ％
エクスポージャーの割合 10
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56. 貸借対照表及び株主持分等変動計算書
(a) 貸借対照表
12 月 31 日現在
2022 年 2021 年
百万香港ドル 百万香港ドル
資産
子会社銀行預け金 476 547
投資有価証券 807 955
子会社への投資 55,322 55,322
子会社に対する債権 10,287 7,059
関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資 1,100 1,100
2 1
その他の資産
67,994 64,984
資産合計
負債
3 2
子会社に対する債務
負債合計 3 2
資本
株主資本 52,864 52,864
15,127 12,118
準備金
資本合計 67,991 64,982
67,994 64,984
負債及び資本合計
2023 年３月 30 日付で取締役会により承認され、取締役会を代表して署名された。
リウ・ジン スン・ユ
取締役 取締役
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(b) 株主持分等変動計算書
（単位：百万香港ドル）
準備金
FVOCI で
測定する
株主資本 資本合計
利益剰余金
金融資産に
係る準備金
2021 年１月１日現在
52,864 (2,574) 16,421 66,711
当期純利益 - - 11,859 11,859
その他の包括利益：
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
- (457) - (457)
する資本性金融商品
包括利益合計
- (457) 11,859 11,402
- - (13,131) (13,131)
配当金
52,864 (3,031) 15,149 64,982
2021 年 12 月 31 日現在
2022 年１月１日現在 52,864 (3,031) 15,149 64,982
当期純利益 - - 15,105 15,105
その他の包括利益：
その他の包括利益を通じて公正価値で測定す
- (149) - (149)
る資本性金融商品
包括利益合計
- (149) 15,105 14,956
- - (11,947) (11,947)
配当金
2022 年 12 月 31 日現在 52,864 (3,180) 18,307 67,991
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57. 主要な子会社
2022 年 12 月 31 日現在の主要な子会社のリストは以下の通りである。
設立地及び
会社名 発行済株式資本 持株比率 主要な事業活動
事業活動拠点
バンク・オブ・チャイナ 43,042,840,858 香港ド
（香港）リミテッド 香港 ル *100 ％ 銀行業
BOC グループ・ライフ・
アシュアランス・カン 3,538,000,000 香港ド
パニー・リミテッド 香港 ル *51 ％ 生命保険業
クレジット・カー
BOC クレジット・カード
ド
（インターナショナ
ル）リミテッド 香港 565,000,000 香港ドル 100 ％ 事業
760,518,480
バンク・オブ・チャイナ
（マレーシア）ベル マレーシア・リン
ハッド マレーシア ギット 100 ％ 銀行業
バンク・オブ・チャイナ
（タイ）パブリック・
10,000,000,000
カンパニー・リミテッ
ド タイ タイバーツ 100 ％ 銀行業
* 当社が直接保有する株式
重要な非支配持分を有する子会社の詳細は以下の通りである。
BOC グループ・ライフ・アシュアランス・カンパニー・リミテッド
2022 年 2021 年
非支配持分が保有する所有権及び議決権の割合 49 ％ 49 ％
（単位：百万香港ドル）
2022 年 2021 年
非支配持分に帰属する利益
431 469
非支配持分累計額 5,046 5,699
要約財務情報：
－資産合計 196,057 197,906
－負債合計 185,759 186,277
－当期純利益 879 956
(1,332) 261
－当期包括利益合計
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58. 最終持株会社及び直接持株会社
当グループは、チャイナ・インベストメント・コーポレーション、その完全子会社であるセントラ
ル・フイジン・インベストメント・リミテッド（以下「セントラル・フイジン」という。）、及びセ
ントラル・フイジンが支配持分を保有している BOC を通じて、中国政府国務院の支配を受けている。当
グループの直接持株会社は、 BOC の間接完全所有子会社である BOC 香港（ BVI ）リミテッドである。
59. 財務諸表の承認
当財務諸表は、 2023 年３月 30 日付で取締役会によって公表が承認された。
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２【主な資産・負債及び収支の内容】
添付の財務書類及び財務書類に対する注記を参照のこと。
３【その他】
3.1 決算日以後の状況
該当なし。
3.2 訴訟
「第６－１ 財務書類」の注記「 45. 訴訟」を参照のこと。
3.3 その他
以下に掲げる情報は、当社の財務書類に対する未監査の補足財務情報として 2022 年度の年次報告書に含まれた財
務情報である。
未監査の補足財務情報
１ . 規制上の開示
規制上の開示は、年次報告書中の開示と共に、 HKMA により発行される銀行（開示）規則及び金融機関（破綻処
理）（損失吸収力要件－銀行セクター）規則により求められるすべての開示を含んでいる。規制上の開示は、バ
ンク・オブ・チャイナ香港のウェブサイト、 www.bochk.com の「 Regulatory Disclosure （規制上の開示）」の項
で入手可能である。
年次報告書及び規制上の開示は、当グループの開示方針に従い作成される。開示方針は、遵守ベースで当グ
ループの財務情報の開示に関する堅固なメカニズムを定めている。これは、財務開示の適時性、公正性、正確
性、誠実性、網羅性及び適法性を確実にするための方針及び内部統制手段を表している。
2. 関連会社間取引
2022 年度において、当社の完全所有子会社であるバンク・オブ・チャイナ香港及びその子会社は、通常の営業
活動において、中国銀行及びその関連会社との多数の取引に定期的に従事している。中国銀行が当社の支配株主
であり、その結果当社の関連当事者であるため、当該取引は全て上場規則の定義する関連会社間取引を構成す
る。当グループは、チャイナ・インベストメント・コーポレーション（以下「 CIC 」という。）、その完全保有子
会社であるセントラル・フイジン・インベストメント・リミテッド（以下「セントラル・フイジン」とい
う。）、及びセントラル・フイジンが支配的持分を有している中国銀行を通じて中国政府国務院の支配を受けて
いる。セントラル・フイジンは、当社の最終的な支配株主である。セントラル・フイジンは、主要な金融系企業
に株式投資を行なうことについて中国政府の承認を受諾した。従って、本書の目的のため、セントラル・フイジ
ン及びその関連会社は、当社の関連当事者として処理していない。
取引は、以下の２つのカテゴリーに分類されている。
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１ . 通常の営業活動において、通常の商取引条件もしくはより好ましい条件に基づいて締結された非課税取
引。当該取引は、 (1) 株主の承認、年次の見直し及びすべての開示要件から完全に免除、並びに／又
は、 (2) 上場規則の規則 14A.76 及び 14A.87 から 14A.101 の株主承認要件から免除された。
２ . 2002 年７月６日付のうち、特に当社と中国銀行により締結されたサービス及び関係契約（適宜改定及び
補足されたもの。 2020 年１月１日より開始する３年間の期間について改定された。）に基づき行われる
特定の継続関連会社間取引。同契約において中国銀行は、情報技術サービス、トレーニング・サービ
ス、地金取引現物決済代理サービス、コルレス銀行取引、資金為替取引、保険補償の提供、シンジケー
ト・ローン等を含む特定の分野に関連して、当グループとの将来の契約を全て、独立当事者間取引基準
で、通常の商取引条件で、独立した第三者に提供されるものと最低でも同等のレートで締結することに
同意し、又はその関連会社が同様に締結するようにすることに同意した。そして当社は、当グループが
中国銀行及びその関連会社に提供するレートが独立した第三者に対し提供されるものと最低でも同等で
あることを前提に、将来の契約を全て同様の条件で締結することに同意し、又は当社子会社が同様に締
結するようにすることに同意した。なお、サービス及び関係契約は、以下を含めるために、最終的に改
定された。中国銀行及びその関連会社と当グループ間の保険機関及び保険委託サービスの提供。 2019 年
12 月 23 日に当社は上場規則の規則 14A.35 に基づき公告（以下「公告」という。）を行い、 2020 年６月 29
日に個人株主の承認を得た。公告は、重要でない取引の範囲を超えた継続関連会社間取引を掲載し、
2020 年から 2022 年までの当該取引に関して上限が示された。当該取引は、当社の通常の営業活動におい
て、通常の商取引条件又はより好ましい条件に基づいて実施された。これらの継続関連会社間取引の詳
細は、下記に示され、また当社のウェブサイトにて参照できる公告に記載されている。当社は上場規則
の規則 14A に基づく開示要件を遵守している。
2022 年上限 2022 年実績
取引の種類
（ 百万香港ドル） （ 百万香港ドル）
1,000 184
情報技術サービス
1,000 196
不動産取引
1,000 44
銀行券デリバリー
1,000 280
保険補償の提供
1,000 56
カード・サービス
1,000 64
保管受託業務
1,000 70
コンタクト・センター・サービス
10,000 203
証券取引
10,000 48
投資信託販売取引
10,000 968
保険代理店業務
350,000 889
投資商品取引
10,000 88
資産運用及び委託サービス
10,000 1,274
外国為替取引
10,000 871
デリバティブ取引
350,000 7,347
金融資産取引
350,000 89,610
銀行間資本市場
3. HKFRS と IFRS ／ CAS 間の調整
当社は、中間持株会社であり当社の支配株主である中国銀行が、当社及びその子会社が連結財務書類の一部を
構成する連結財務情報を国際財務報告基準（以下「 IFRS 」という。）及び CAS に従って作成及び開示すると理解し
ている。 CAS の要件は、実質的に HKFRS 及び IFRS に収束している。
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中国銀行がその連結財務書類で開示した期間の「 BOC Hong Kong Group 」（以下「 BOC 香港グループ」とい
う。）の連結財務情報は、当社が香港において適用される法令に基づいて公表した期間の連結財務情報と異な
る。 これには２つの理由がある。
第一に、（中国銀行が自社の財務内容の開示目的のために採用した）「 BOC 香港グループ」と（当社が自社の連
結財務情報を作成及び提示するために採用した）「当グループ」の定義は異なる。「 BOC 香港グループ」とは、
BOC 香港（グループ）及びその子会社のことであり、「当グループ」は当社及びその子会社のことである（下記の
図を参照のこと。）。「 BOC 香港グループ」と「当グループ」の定義は異なるものの、それぞれが提示した期間の
財務実績は実質的に同一である。これは、 BOC 香港（グループ）とバンク・オブ・チャイナ香港 (BVI) 株式会社が
持株会社のみであり、自ら実質的な事業を営んでいないためである。
第二に、当グループの連結財務書類は HKFRS に従って作成されている。一方、中国銀行に報告した連結財務情報
は、それぞれ IFRS 及び CAS に従って作成されている。それぞれ当グループ及び中国銀行が選択した銀行店舗の事後
的測定基準が異なっている。
取締役会は、株主及び一般投資家が、当社が発表する当グループの連結財務情報及び中国銀行が自社の連結財
務書類において開示する BOC 香港グループの連結財務情報との間の重要な相違を確実に理解してもらうためには、
提示された期間における、 HKFRS に基づいた当グループの税引後利益及び純資産に対する IFRS ／ CAS に基づいた当
グループのそれぞれの税引後利益及び純資産の調整を表示することが最良の方法と考える。
測定基準が相違することに起因する主な相違は、下記に関連している。
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(a) 銀行店舗の帳簿簿価の修正再表示
当社は HKFRS に基づき、銀行店舗の計上に関して原価モデルではなく再評価モデルを適用した。一方、中国銀
行は IFRS 及び CAS に基づき、銀行店舗に関しては原価モデルを適用した。そのため、 IFRS 及び CAS に従って銀行
店舗の帳簿価額が調整され、減価償却費及び処分損益を再計算するための調整が行われた。
(b) 繰延税金にかかる調整
これらは、前述した調整による繰延税金の影響を示す。
税引後利益及び純資産の調整
HKFRS と IFRS ／ CAS の比較
税引後利益 純資産
2022 年 2021 年 2022 年 2021 年
百万香港ドル 百万香港ドル 百万香港ドル 百万香港ドル
HKFRS に基づき作成されたバンク・オ
ブ・チャイナ香港（ホールディング
ス）リミテッドの税引後利益／純資産 29,038 24,999 331,846 327,461
追加： IFRS ／ CAS にかかる調整
銀行店舗の帳簿価額の修正再表示
1,009 891 (29,572) (31,786)
繰延税金にかかる調整
(397) (93) 4,934 5,534
IFRS ／ CAS に基づき作成されたバンク・
オブ・チャイナ香港（ホールディング
29,650 307,208
25,797 301,209
ス）リミテッドの税引後利益／純資産
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４ 【香港と日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違】
添付の連結財務書類は、香港財務報告基準 ( 以下「 HKFRS 」という。 ) に従って作成されている。 HKFRS は、香港会計士
協会が発行した、適用される個々の香港財務報告基準、香港会計基準及び解釈指針全般を含む総称である。当該連結財務
書類は、日本において一般に公正妥当と認められる会計原則に従って作成されたものとは異なる可能性がある。主な相違
点は以下の通りである。
特別（異常）損益の表示
HKFRS では、利得又は損失のいかなる項目も、特別（異常）項目として、包括利益計算書もしくは損益計算書又は注
記のいずれにも表示してはならない。
日本の銀行に一般的に適用される会計原則では、経常損益項目以外の項目は、損益計算書に特別損益として表示す
る。
その他の包括利益の項目の表示
HKFRS では、特定の条件を満たした時点で純損益に再分類されるその他の包括利益は、その後純損益に再分類されない
ものと区分して開示しなければならない。
日本の会計原則では、このようなその他の包括利益の項目の表示に関する規定はない。
企業結合
HKFRS では、子会社の取得の会計処理は、以下の通りである。
(1) 共通支配下にない企業結合
共通支配下にない企業の取得は、取得法を用いて会計処理される。企業結合において移転される対価は、取得した資
産、引き受けた負債（条件付対価契約を含む。）及び被取得企業の支配と交換に取得企業が発行した持分の取得日の公正
価値で測定される。取得関連コストは、発生時に損益計算書において費用計上される。
のれんは、取得した識別可能な取得資産及び引受負債を控除した取得日現在の金額に対する、移転された対価、被取
得企業に対する非支配持分の金額、及び取得企業が従前保有していた被取得企業に対する資本持分の取得日現在の公正価
値（もしあれば）の合計の超過として測定される。評価を行った後に、被取得企業の識別可能な純資産の公正価値が、譲
渡された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び被取得企業において取得企業が以前に保有していた資本持分の公正
価値（もしあれば）の合計を超過する場合、この超過額は廉価取得に係る利得として損益計算書に直ちに認識される。の
れんは最低年に一度は減損テストを実施する。のれんの減損テストは、のれんが配分されている資金生成単位について、
のれんを含む帳簿価額と回収可能価額を比較しなければならない。
企業結合において取得企業の移転する対価が条件付対価契約による資産又は負債を含む場合、条件付対価は取得日の
公正価値で測定され、企業結合において譲渡された対価の一部とみなされる。測定期間における調整として適格な条件付
対価の公正価値の変動は遡及的に調整され、対応する調整がのれん又は割安購入益に対して行われる。測定期間における
調整は、取得日現在に存在していた事実及び状況について測定期間中に入手された追加情報により行われる。測定期間
は、取得日より１年を超過しない。
取得毎に、取得企業は公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産の公正価値に対する非支配持分の比例持分のいず
れかで被取得企業の非支配持分を認識する。
(2) 共通支配下の企業結合
共通支配下にある企業との結合については、合併の会計処理方法が適用される。合併の会計処理方法の原則は、共通
支配下にある会社を、あたかも被取得企業の事業が取得企業によって常時行われてきたかのごとく、結合させる方法であ
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る。取得企業の連結財務諸表には、取得企業と被取得企業が初めて共通の支配下に入った日付から当該企業結合が発生し
ていたかのように、取得企業の連結業績、連結キャッシュ・フロー及び連結財務状態が表示される（すなわち、企業結合
日 における公正価値による調整は必要とされない。）。企業結合時の対価と帳簿価額との差額は資本において認識され
る。取得企業と被取得企業との間の全取引による影響額は、当該結合前に発生したか後に発生したかに関わらず、取得企
業の連結財務諸表を作成する際に消去される。比較金額は、被取得企業が前報告期間の期首に結合されていたかのように
表示される。当該企業結合に係る取引費用は、損益計算書において費用計上される。
日本の会計原則では、企業結合に係る会計処理について「企業結合に係る会計基準」に従い、非支配持分は被取得企
業から受け入れた識別可能資産及び負債の企業結合日時点の時価を基礎として、比例持分で認識する。また、のれんは原
則として 20 年以内に定額法又はその他合理的な方法により償却しなければならない。また、のれんを含む資産グループご
とに減損の兆候がある場合、「固定資産の減損に係る会計基準」により減損テストが実施される。
連結の範囲
HKFRS では、 HKFRS 第 10 号「連結財務諸表」に基づき、投資者が被投資企業に対する支配を有している場合、すなわ
ち、投資者が被投資企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、被投資企
業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合は、当該被投資企業を連結の範囲に含めなけ
ればならないとされている。 HKAS 第 28 号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」では、関連会社及び共同支配企業に
ついて持分法の適用を求めている。関連会社とは、投資者が財務及び経営方針に関与する力を有し、重要な影響力を与え
ることができる企業をいい、共同支配企業とは、投資者が他の投資者と共同支配を有している企業をいう。
日本の会計原則では、ある企業の議決権の過半数を実質的に所有している場合、又は過半数は所有していないが高い
比率の議決権を有しており、かつ、当該企業の意思決定機関を支配している一定の事実が認められる場合に、当該企業は
子会社とみなされる。また、ある企業の議決権の 20 ％以上を実質的に所有している場合、又は 20 ％未満であっても一定の
議決権を有しており、かつ、当該企業の財務及び営業の方針決定に対して重要な影響を与えることができる一定の事実が
認められる場合に、当該企業は関連会社とみなされる。
金融資産
HKFRS では、金融資産は次の区分、つまり償却原価測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値測定する金
融資産、純損益を通じて公正価値測定する金融資産のいずれかに分類するよう要求される。金融資産の分類は、当初認識
時に行われる。当該分類は、金融資産の管理に関する企業の事業モデルと金融資産の契約上のキャッシュ・フローの特性
に従って、又は公正価値オプションの選択の有無に従って行われる。
金融商品が負債性金融商品であり、企業の事業モデルの目的が契約上のキャッシュ・フローを回収するために当該金
融資産を保有することであり、かつ当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローが、レバレッジがかかっていない元本及
び元本残高に対する利息の支払のみを表している場合のみ、当該金融資産は事後的に償却原価で測定される。また、契約
上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって達成される事業モデルの下で負債性金融商品を保有しており、当該
負債性金融商品が契約上のキャッシュ・フローの要件を満たしている場合、その他の包括利益を通じて公正価値で事後測
定される。その他すべての負債性金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定される。
資本性金融商品は、非上場投資であっても、公正価値で事後的に測定される。トレーディング目的で保有する資本性
金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定される。その他すべての資本性金融商品に対する投資について、当初認識時
に、実現及び未実現の公正価値による利得又は損失をその他の包括利益で認識するという取消不能の選択を行うことがで
きる。その他の包括利益で認識した金額は、投資を売却した場合であっても事後的に純損益に振替えることはできない。
資本性金融商品に係る配当は、支払いを受ける権利が確定した時に純損益に認識される。公正価値で測定される資本性金
融商品は、減損評価の対象ではない。
日本の会計原則では、保有目的に応じて有価証券を以下の３つの分類のひとつに分類する。
売買目的有価証券：
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時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券であり、時価評価され、実現損益及び未実現損益は
当期の損益計算書に計上される。
満期保有目的の債券：
満期保有目的の債券は、取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、取得価額と額面金額の差額が金利の調整
と認められるときは、償却原価法（利息法又は定額法）に基づく価額により計上される。満期保有目的の債券は、あらか
じめ満期日が定められており、かつ、額面金額での償還が予定されていなければならない。また、保有者は、満期まで保
有する積極的な意思及び能力を有していなければならない。満期保有目的の債券の保有目的の変更は極めて例外的に特定
の場合にのみ認められる。基準を満たさない保有目的の変更が行われると、全ての債券を満期保有目的に区分することが
できなくなる。
その他有価証券：
売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式に分類されなかった有価証券はその他有価証
券に分類される。その他有価証券は時価により計上され、未実現損益は、税効果考慮後の金額が純資産の部に計上される
か、又は、未実現損失は損益計算書に、未実現利益は税効果考慮後の金額が純資産の部に計上される。ただし、市場価格
のない株式等は取得原価で測定される。
利息認識
HKFRS では、金融資産及び金融負債は償却原価の計算により、償却期間を通じて収益及び費用を按分するに際し、実効
金利法を用いる。実効金利の計算には、契約当事者間で授受される、実行利回りの不可分な一部を表す全ての手数料や取
引費用、直接起因する融資手数料が含まれる。信用減損した金融資産に関する受取利息は当該資産の償却原価に対して実
効金利を適用して計算される。
日本の会計原則では、償却原価は原則として実効金利法により、利息額のみを考慮する。なお、簡便法として定額法
を採用することも認められる。
ヘッジ会計
HKFRS では、公正価値ヘッジ（ヘッジ対象の特定のリスクに係る公正価値の変動と、ヘッジ手段の公正価値の変動を、
ともに純損益として認識・計上する。）、キャッシュ・フロー・ヘッジ（ヘッジ手段の公正価値変動のうち、有効部分が
その他の包括利益に直接計上され、資本の部に累積される。資本の部に累積された金額は、ヘッジ対象の価値の変動が純
損益に計上される期に純損益に振り替えられる。）、及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジについてキャッシュ・
フロー・ヘッジと同様に、ヘッジ会計が認められている。
日本の会計原則では、ヘッジ会計要件を満たしている場合は、ヘッジ手段に係る損益を、非有効部分も含めて純資産
の部において繰り延べることができる。ただし、その他有価証券をヘッジ対象とする場合は、ヘッジ対象に係る相場変動
等を損益に反映させる時価ヘッジも認められる。
ヘッジ会計－金利スワップの特例処理
HKFRS では、金利スワップはデリバティブとして取扱い、純損益を通じて公正価値で評価される。
日本の会計原則では、一定の条件を満たす場合には、金利スワップを時価評価せず、金利スワップに係る利息を直
接、金融資産・負債に係る利息に加減して処理することが認められる。
金融資産の減損評価
HKFRS では、企業は、より早期に予想信用損失を認識することを求める将来予測的な予想信用損失モデル（以下「 ECL
モデル」という。）を用いることが求められている。償却原価測定で測定される負債性金融商品、及びその他の包括利益
を通じて公正価値で測定される負債性金融商品、ローン・コミットメント、金融保証契約に係る損失評価引当金は、 ECL
モデルにより算定される。具体的には、 ECL モデルにおいては、企業は信用リスクを評価し、偏りのない確率加重で ECL を
見積ることが求められる。
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さらに、過去の事象だけでなく、現在の状況及び将来の経済状況の予測を含め、報告日において全ての情報を考慮し
たうえで、貨幣の時間価値を割り引いて ECL を算定することが求められる。対象となる金融資産は、当初認識時、ステー
ジ １に分類し今後 12 ヶ月の予想信用損失を認識する。また、当初認識時以降、信用リスクが著しく増加している場合、ス
テージ２に分類し全期間の ECL を認識する。金融資産の見積将来キャッシュ・フローに不利な影響を与える１つ又は複数
の事象が発生している場合には、ステージ３に分類し全期間の ECL を認識する。
また、仮にその後の会計期間（直接償却前）において損失評価引当金の金額が減少した場合、過去に認識した減損損
失は損益計算書上で戻し入れられる。
償却原価で測定される金融資産の回収が見込まれない場合には、既に認識された損失評価引当金を充当することによ
り当該金融資産を直接償却する。そのような償却原価で測定される金融資産は、全ての必要な手続きが完了したのち直接
償却され、損失額が決定する。過去に直接償却した金額の事後的な回復は、損益計算書における減損損失の戻入れであ
る。
日本の会計原則では、回収不能と判断された金額に対して一般貸倒引当金又は個別貸倒引当金が計上される。一般貸
倒引当金は、個別に回収不能と認められない貸付金に対して、過去の貸倒実績等に基づいて計上される。個別貸倒引当金
は、個別に回収不能と認められた貸付金に適用され、各債務者の支払能力調査に基づいて計上される。貸倒引当金は資産
の控除項目として計上される。なお、 HKFRS と日本の会計原則での貸倒引当金の計上金額は、それぞれの一般に公正妥当
と認められている会計基準の適用に準拠して計算されるが、具体的な計算方法は各国の金融規制当局の考え方の影響を受
けるため、結果として計算される引当金額が異なる場合がある。
日本の会計原則では、金融資産及び負債の認識の中止に起因する保証を除き、金融保証の当初認識及び公正価値での
測定は要求されていない。報告主体が銀行である場合、保証を受ける第三者に対する返済義務は偶発債務として扱われ、
「支払承諾」勘定に契約金額で記録される一方、対応する保証人の顧客に対する補償の権利は偶発資産として扱われる
「支払承諾見返」勘定に計上され、貸倒損失額が見積もられる。
日本の会計原則では、ローン・コミットメントは減損の対象となっておらず、未実行残高を注記のうえ、手数料は発
生主義に基づき、当期に対応する部分を純損益に計上する。
また、有価証券の時価が著しく下落している場合には、回復する見込みがあると認められた場合を除き、減損処理を
行わなければならない。満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式について時価が著しく下落したときは、回復
する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損失として処理しなけれ
ばならない。市場価格のない株式等については、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、
相当の減額をし、評価差額は当期の損失として処理する。
減損貸付金に係る利息の認識
HKFRS では、貸付金や類似する貸付金グループに減損による評価減が行われると、受取利息は貸付金の総帳簿価額では
なく、償却原価に対して、当初の実効金利を使用して、認識される。
日本の金融機関における取扱いでは、一般的に自己査定の結果、「破綻懸念先債権」及び「実質破綻先債権及び破綻
先債権」に区分された貸付金については、未収利息を計上しない。
金融資産の認識の中止
HKFRS では、企業が金融資産から発生するキャッシュ・フローを受け取る権利がなくなる、又は企業が所有に伴う全て
のリスク及び便益を実質的に他に移転する場合に、認識が中止される。企業が金融資産に伴うリスク及び便益を移転も保
持もしない場合、売買後も支配権を留保する場合には支配の及ぶ範囲内で売却対象資産を認識し、売買後に支配権を保持
していない場合には当該金融資産の認識を中止する。
日本の会計原則では、「金融商品に関する会計基準」により、以下の要件のいずれかに該当する場合は金融資産の消
滅を認識しなければならない。
1) 金融資産固有の契約上の権利を行使した時
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2) 金融資産固有の契約上の権利を喪失した時
3) 金融資産固有の契約上の権利に対する支配が他に移転した時
これに加え、金融資産の契約上の権利に対する支配が他に移転するのは以下の要件を全て充足した場合である。
a) 譲渡された金融資産に対する譲受人の契約上の権利が譲渡人及びその債権者から法的に保全されていること
b) 譲受人が譲渡された金融資産の契約上の権利を直接又は間接に通常の方法で享受できること
c) 譲渡人が譲渡した金融資産を満期日前に買戻す権利及び義務を実質的に有していないこと
上記 a) は譲渡人に倒産等の事態が生じても譲渡された金融資産が譲渡人やその債権者等から法的に保全されているこ
とを意味する。
金融商品の条件変更
HKFRS では、償却原価又はその他の包括利益を通じて公正価値測定する金融商品の契約上のキャッシュ・フローが、認
識の中止を伴うことなく条件緩和又は条件変更される場合、条件変更された契約上のキャッシュ・フローは、当初の実効
金利を使用して割り引かれ、減損前の当初の償却原価と比較される。その差額、すなわち、条件変更による損益は、当該
金融資産の総帳簿価額に調整され、純損益で会計処理される。
日本基準では、金融商品の条件変更に関する規定はない。
Day1 利益
HKFRS では、公正価値と取引価格との間に差（ Day1 利益）が生じ、公正価値が市場で観測できるデータを用いる評価モ
デル以外のものを根拠とする場合、当該 Day1 利益の認識は繰延べられる。
日本の会計原則では、 Day1 利益に関する規定はない。
金融負債
HKFRS では、金融負債を、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債（トレーディング目的で保有する金融負債又は
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定（以下「公正価値オプション」という。）をした金融負債）又は、償
却原価で測定する金融負債に分類する。公正価値オプションの指定を行っている場合、当該金融負債の公正価値の変動の
うち、当該負債の自身の信用リスクの変動に起因する金額は、その他の包括利益に表示され、残りの金額は、純損益に表
示される。ただし、もし当該要求事項が、純損益における会計上のミスマッチを創出又は拡大することとなる場合には、
公正価値変動の全体が純損益に表示される。会計上のミスマッチが生じるかどうかの決定は、当初認識時に個々の金融負
債に関して行う必要があり、事後の再評価は認められない。その他の包括利益に表示された金額は、その後純損益には振
替えられないが、資本項目内部での振替えが行われる可能性がある。
日本の会計原則では、金融負債は債務額又は償却原価で測定される。
金融保証
HKFRS では、当初、金融保証は金融負債として認識され、保証が付与された日の公正価値で財務諸表の「その他の負債
及び引当金」に計上される。当初の認識後、かかる保証の下での企業の負債は、 ( ⅰ ) 金融保証に係る予想信用損失引当
金、又は ( ⅱ ) 当初認識した金額から、適切であれば、保証の期間にわたって定額法で認識した累積償却額を控除した金額
のいずれか高い金額で測定されている。金融保証に関する負債の変動は全て損益計算書に計上される。
日本の銀行業に係る会計原則では、第三者に対して負う金融保証は額面金額で支払承諾勘定に負債として計上され、
同額の支払承諾見返勘定が資産に計上される。また、保証に起因して、将来の損失が発生する可能性が高く、かつ、その
金額を合理的に見積もることができる場合には、引当金を計上する。
金融商品の開示
HKFRS では、金融商品の種類ごとに公正価値測定に用いられたインプットの性質により３つのレベルのヒエラルキーに
分けて公正価値測定について開示することを求めている。
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日本の会計原則では、企業会計基準適用指針第 19 号「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」において、一部の
個別項目の取り扱いで HKFRS と異なる定めはあるものの、金融商品の時価のレベルごとの内訳等の開示を求めている。
HKFRS では、金利指標改革に関するプロジェクトは、フェーズ１（既存の金利指標を代替的な金利指標に置換える前の
期間に生じる財務報告への影響）、フェーズ２（既存の金利指標を代替的な金利指標に置換える時に生じる財務報告への
影響）により完了した。フェーズ１では、救済措置を適用した場合にヘッジ関係に関する情報の開示が求められている。
フェーズ２では、代替的金利指標への移行の進捗及び当該移行をどのように管理しているか、移行から生じるリスクに晒
されている程度及びこれをどのようにリスク管理しているか等に関する定性的・定量的情報の開示が求められている。
日本の会計原則では、企業会計基準委員会（ ASBJ ）実務対応報告第 40 号「 LIBOR を参照する金融商品に関するヘッジ会
計の取扱い」の改訂により救済措置を適用した場合、ヘッジ関係に関する情報の開示を要求している。当該実務対応報告
第 40 号では、ヘッジ会計の方法、ヘッジ手段である金融商品の種類、ヘッジ対象である金融商品の種類、ヘッジ会計の種
類を注記することを要求している。また、当該実務対応報告を一部のヘッジ関係にのみ適用する場合には、その理由を注
記する必要がある。
固定資産の減損
HKFRS では、固定資産の帳簿価額が回収可能価額を超過した場合には減損を認識しなければならない。回収可能価額
は、資産の処分費用控除後の公正価値又は使用価値のどちらか高いほうで測定される。使用価値は、資産又はその資産が
属する資金生成単位の割引将来税引前キャッシュ・フローに基づき計算される。経営者が減損が存在すると判断した場
合、当該資産の回収可能価額が見積られ、適切である場合には、資産を回収可能価額まで減額するために減損損失が認識
される。かかる減損損失は、資産が再評価額で計上され、減損損失がその同じ資産の再評価準備金を超過しない場合（そ
のような場合、再評価減として会計処理される）を除いて、損益計算書に認識される。減損損失は、必要に応じて、不動
産再評価準備金又は損益計算書を通じて戻し入れられる。
減損損失を計上した資産のその後の回収可能価額の増加は、損失を生じさせた事象がもはや存在しない場合に、減損
損失を戻し入れる。減損損失の戻し入れは、過年度の資産について減損損失が認識されなかった場合に算定される帳簿価
額（減価償却費控除後）を超過してはならない。
日本の会計原則では、固定資産の減損に関する会計基準として、「固定資産の減損に係る会計基準」が適用されてい
る。当該基準では、長期性資産の割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合に、当該帳簿価額と回収
可能価額の差額が減損損失として計上される。減損損失の戻入れは禁止されている。
投資不動産
HKFRS では、投資不動産は取引コストも含めて取得原価で当初測定しなければならない。その後、投資不動産は公正価
値で計上され、公正価値の変動は損益計算書に直接計上される。
日本の会計原則では、投資不動産について、その他の有形固定資産と同様に取得原価基準により会計処理され、「固
定資産の減損に係る会計基準」に基づき減損処理が行われる。また、賃貸等不動産については、時価情報の開示が求めら
れている。
保険契約
HKFRS では、保険契約に基づき将来発生すると予想される契約保険金に関する負債は、保険料が認識される際に計上さ
れる。各報告期間末において、保険契約負債の金額が十分であることを確認するために負債の十分性のテストが実施され
る。不足額は即時に損益計算書に計上され、負債の十分性のテストから生じる損失に対して引当金が設定される。
日本の会計原則では、保険料積立金及び未経過保険料の算出について、純保険料式もしくは特定の条件下においてチ
ルメル式が適用されている。保険数理人のテストにより生じる積立不足については損益計算書に計上され、保険料積立金
の追加積立が行われる。
リース
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HKFRS では、借手はリースをファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に区分せず、単一の借手会計
処理モデルを適用する。すなわち、借手は、リース開始日において将来の支払リース料総額を割り引くことで「使用権資
産」及びリース債務を認識・測定する。具体的には、リース負債は、オプションの行使が合理的に確実と見込まれる場合
の オプション期間に係る支払も含めた、契約上の解約不能の支払リース料に係る将来キャッシュ・フローの割引現在価値
で測定される。使用権資産は、一般的にリース負債に当初直接コスト、及び見積もった解体又は返還コストを加え、さら
に前払・未払のリース料を調整して測定される。その後、借手は時の経過により増加したリース債務に係る利息費用を認
識するとともに、使用権資産に係る減価償却費をリース期間にわたって認識する。なお、実務上の便法として、借手は
リースの開始日においてリース期間が 12 か月以内である短期リース、及び原資産が少額であるリースに対して上記会計処
理モデルを適用しないことを選択でき、この場合、リース期間にわたり規則的にリース費用を認識する。
日本の会計原則では、借手はリースをファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に区分する。借手
のファイナンス・リース取引は、通常の売買取引に係る方法に準じて、リース物件とこれに係る債務をリース資産及び
リース債務として貸借対照表に計上する。ただし、リース契約 1 件当たりのリース料総額が 300 万円以下のリース取引や、
リース期間が 1 年以内のリース取引などは、通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行うことができる。また、
オペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行う。
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第７【外国為替相場の推移】
当社の財務諸表の表示に用いられた通貨（香港ドル）と本邦通貨との間の為替相場が、国内において時事に関する事
項を掲載する 2 以上の日刊新聞紙に最近 5 年間の事業年度及び最近 6 月間において掲載されているため、記載を省略する。
第８【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
１ . 日本における株式事務等の概要
1.1 日本における株式の名義書換取扱場所及び名義書換代理人
日本には当社の株式に関する名義書換代理人又は名義書換取扱場所はない。
当社の株式を取得する者（本１ . において以下「実質株主」という。）と、その取得窓口となった証券会社
（以下「窓口証券会社」という。）との間の外国証券取引口座に関する規則（以下「外国証券取引口座約款」と
いう。）により、実質株主の名義で外国証券取引口座（以下「取引口座」という。）が開設される。売買の執
行、売買代金の決済、証券の保管及びその他当社の株式の取引に関する事項は全てこの取引口座を通じて処理さ
れる。
各窓口証券会社は、取引口座を有する全ての実質株主の明細表（以下「実質株主明細表」という。）を維持
し、かかる明細表には各実質株主の名前及びそれら実質株主の各人の代わりに保有される当社の株式の株数が記
載される。
以下は、外国証券取引口座約款に従った、当社の株式に関する事務手続きの概要である。
1.2 株主に対する特典
なし。
1.3 株式の譲渡制限
なし。
1.4 その他株式事務に関する事項
1.4.1 証券の保管
当社の株式は、窓口証券会社を代理する香港における保管機関（以下「香港保管機関」という。）又はその
名義人の名義で登録され、香港保管機関により保管される。
1.4.2 決算期
毎年 12 月 31 日
1.4.3 実質株主明細表の基準日
当社は配当の支払又は新株引受権の付与のための基準日を定めることができる。かかる配当又は新株引受権
を受領する資格を有する実質株主を決定するための実質株主明細表の基準日は、通常当該基準日と同一の暦日
となる。
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1.4.4 実質株主に対する株式事務に関する手数料
実質株主は、取引口座を開設するときに窓口証券会社の定めるところにより年間口座管理料を支払う他、必
要に応じて実費を支払う。
1.4.5 公告
日本において公告を行わない。
1.4.6 株価の発表
日本証券業協会は、原則として、東京での毎営業日に、香港証券取引所での当社の株式の終値を発表する。
２ . 日本における実質株主の権利行使に関する手続
2.1 実質株主の議決権の行使に関する手続
議決権の行使は、実質株主が窓口証券会社を通じて行う指示に基づき、香港保管機関又はその名義人が行う。実
質株主が指示をしない場合、香港保管機関又はその名義人は議決権を行使しない。
2.2 配当請求等に関する手続
2.2.1 現金配当
外国証券取引口座約款に従い、現金配当は、窓口証券会社が香港保管機関又はその名義人からかかる配当金
を一括受領し、取引口座を通じて実質株主に交付される。
2.2.2 株式配当
株式配当により割り当てられた株式は、実質株主が特に要請した場合を除き、窓口証券会社を代理する香港
保管機関により香港で売却され、その純手取金は、窓口証券会社が香港保管機関又はその名義人からかかる手
取金を一括受領し、取引口座を通じて実質株主に支払われる。
株式分割により割り当てられた当社の株式は、香港保管機関又はその名義人に対して交付され、香港保管機関
又はその名義人の名義で登録され、窓口証券会社はかかる株式を取引口座を通じて処理する。
2.2.3 新株引受権
当社の株式について新株引受権が与えられた場合は、新株引受権は、原則として、窓口証券会社を代理する
香港保管機関により香港で売却され、その純手取金は、窓口証券会社が香港保管機関又はその名義人からかか
る手取金を一括受領し、その取引口座を通じて実質株主に支払われる。
2.3 株式譲渡に関する手続
実質株主は、その持株の保管替え又は売却注文をなすことができる。実質株主と窓口証券会社との間の決済
は、円貨又は窓口証券会社が応じ得る範囲内で実質株主が指定した外貨による。
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2.4 本邦における配当等に関する課税上の取扱い
2.4.1 配当
ⅰ . 実質株主に対して支払われる配当金は、個人については配当所得となり、法人については益金となる。
ⅱ . 個人の配当控除及び法人の益金不算入の適用は原則として認められない。個人の配当控除は内国法人か
らの配当にのみ認められる。法人の益金不算入の適用は外国子会社から受ける配当についても適用がある
がポートフォリオ投資の場合には持株割合要件・保有期間要件を充足せず適用がない。
ⅲ . 日本の居住者たる個人又は内国法人が支払を受けるべき本株式の配当金については、かかる配当が窓口証
券会社等、日本において資格を有する支払いの取扱者を通じてなされる場合、外国の源泉徴収課税（もし
あれば）（香港政府又はそれらの自治区によって課されるもの）の控除後の金額に対して、平成 26 年１月
１日からは、軽減税率の延長措置の終了と復興特別所得税（平成 25 年１月１日から平成 49 年 12 月 31 日まで
所得税額に対する 2.1 ％付加税率）の適用により、個人の場合は 15.315 ％（他に地方税５％）、法人の場
合は 15.315 ％の税率が課される。上場株式等の配当を受ける日本の居住者たる個人（ただし、一定の大口
株主を除く）については、当社株式が上場株式等である限り、原則として、一銘柄につき一回の配当支払
金額の多寡にかかわらず、源泉徴収により配当に係る課税を完了させ、確定申告をしないことを選択する
ことができるため、かかる選択をした場合には、別途確定申告を要しない。確定申告を行わない場合に
は、総合課税又は申告分離課税の場合に認められる二重課税を調整するための外国税額控除制度の適用は
原則として認められない。内国法人である株主の場合には、普通株式について支払いを受けた配当は法人
税法上益金として課税されるが、日本における支払いの取扱者による支払いの際に源泉徴収された税額に
ついて適用ある法令に従って所得税額の控除を受けることができる。
ⅳ . 日本の居住者たる個人が平成 21 年１月以降支払を受けるべき上場株式等の配当所得については、総合課
税か申告分離課税を選択できる（ただし、その年において申告する上場株式等の配当所得の全額につい
て、申告分離課税又は総合課税のいずれかを選択する必要がある）。
2.4.2 売却損益
ⅰ . 当社の株式の売却による損益は、原則として、日本の内国法人の上場株式の売却損益と同様の取扱いを
受ける。
ⅱ . 日本の居住者たる個人納税者が有する特定口座内保管上場株式等以外の上場株式等の売却益については、
確定申告により、他の所得と分離して所得税が課税（申告分離課税）されることになっており、その際の
税率は、平成 26 年１月１日からは、軽減税率の延長措置の終了と復興特別所得税の適用により、 15.315 ％
（他に地方税５％）となっている。また、本株式を、証券会社に開設した特定口座（源泉徴収口座）を通
して源泉徴収の適用があることを選択した上で売却した場合には、売却時に源泉徴収され （ 税率は上記
同様）、原則として、確定申告を要しない。
2.4.3 相続税
ⅰ . 日本国の居住者が相続した当社の株式は日本国の相続税の対象となる。
ⅱ . 日本国の居住者が相続した当社の株式が同時に外国の遺産税の対象となることがありうるが、外国で徴
収された当該遺産税については、日本国の相続税法の下で外国税額控除が受けられる場合がある。
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2.4.4 国外財産調書制度
ⅰ . 日本の居住者、又は外国人であるが日本の永住者である場合、 12 月 31 日現在で保有する国外財産につい
て、その時価の総額が 5,000 万円超である場合、国外財産調書を提出しなければならない。当社株式は一
般的に国外財産に該当し、かかる調書の提出期限は翌年 3 月 15 日である。
ⅱ . なお、国外財産調書に虚偽を記載した場合は 1 年以下の懲役又は 50 万円以下の罰金に処される。
2.5 その他の諸通知報告
当社が株主に対して行い、窓口証券会社が受領した全ての通知及び通信は、窓口証券会社が保管し、窓口証
券会社の店頭において実質株主の閲覧に供される。実質株主がかかる通知及び通信を希望する場合は、窓口証
券会社はかかる実質株主にそれらを送付し、実費は当該実質株主に請求される。
香港における課税上の取扱いについては、「第１－３ 課税上の取扱い」を参照のこと。
第９【提出会社の参考情報】
１【提出会社の親会社等の情報】
当社の発行する有価証券は金融商品取引法第 24 条第１項第１号及び第２号のいずれにも該当しないため、該当事項
はない。
２【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から本書提出日までの期間において提出された書類及び提出日は以下のとおりである。
１ . 有価証券報告書
事業年度 2021 年度（自 2021 年 1 月 1 日 至 2021 年 12 月 31 日） 2022 年 6 月 24 日関東財務局長に提出
２ . 半期報告書
事業年度 2022 年度中（自 2022 年 1 月 1 日 至 2022 年 6 月 30 日） 2022 年 9 月 28 日関東財務局長に提出
第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項なし。
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（訳文）
独立監査人の監査報告書
バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド（香港で設立された有限責任会社）
株主御中
監査意見
我々の 監査対象
125 頁 から 295 頁（訳者注：原文 のページ ） に記載 されているバンク・オブ・チャイナ 香港（ ホールディングス ） リミテッ
ド （以下、「会社」 という 。）及 びその 子会社（以下、併 せて 「 グループ 」 という 。） の 連結財務諸表は以下で構成され
ている。
・ 2022 年 12 月 31 日現在の連結貸借対照表
・ 同日をもって終了する事業年度 の 連結損益計算書
・ 同日をもって終了する事業年度 の 連結包括利益計算書
・ 同日をもって終了する事業年度 の 連結株主持分等変動計算書
・ 同日をもって終了する事業年度 の 連結 キャッシュ・フロー 計算書
・ 重要 な 会計方針及 びその 他 の 説明情報 を 含 む 連結財務諸表 に 対 する 注記
我々 の 監査意見
我々 の 意見 では 、 連結財務諸表 は 、香港会計士協会（以下、「 HKICPA 」 という 。） により発表された 香港財務報告基準
（以下、「 HKFRS 」 という 。） に 準拠 し 、 2022 年 12 月 31 日現在 のグループの 連結財政状態、並 びに 同日 をもって 終了 する
事業年度 の 連結経営成績及 び 連結 キャッシュ・フローに 関 して 真実 かつ 公正 なる 概観 を 与えており 、香港会社条例 に 準拠
して 適正 に 作成 されている 。
監査意見 の 基礎
我々 は 、 HKICPA により 公表 された 香港監査基準（以下、「 HKSA 」 という 。） に 従い 監査 を 行った 。 これらの 基準 の下にお
ける 我々 の 責任 は 、 本報告書 の 「 連結財務諸表監査 に 関 する 監査人 の 責任」 の 節にさらに詳細 に 記載 されている 。
我々 は 入手した監査証拠が監査意見 の合理的な 基礎 となるに 十分 かつ 適切 なものであると考えて いる 。
独立性
我々 は HKICPA の 職業会計士 の 倫理規範（以下「 本規範 」） に 従 い、 グループ とは 独立 しており 、 本規範 に 従いその 他 の 倫
理的責任 を 果 たしている 。
監査上の主要な検討事項
監査上 の 主要 な 検討事項 とは 、我々 の 職業的専門家 としての 判断 において 、当事業年度 の 連結財務諸表監査 において 最 も
重要 であると 判断 された 事項 のことをいう 。監査上 の 主要 な 検討事項 は 、 連結財務諸表全体 に 対 する 監査 の 実施過程及 び
監査意見 の 形成 において 検討 した 事項 であり 、我々 はこれらの 事項 に 対 して 個別 の 意見 を 表明 しない 。
我々の監査で特定された監査上の主要な検討事項は以下の通りである。
・ 顧客への貸付金に係る予想信用損失（以下、「 ECL 」という。）の測定
・ 公正価値で測定する金融商品の評価
・ 保険契約負債の評価
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監査上の主要な検討事項の内容と決定理由 監査上の対応
顧客への貸付金に係る予想信用損失（ ECL ）の測定
グループの 連結財務諸表 の 注記 2.14 、注記 3.1 、注記 我々は、顧客への貸付金に係る ECL の測定に関する経営者
4.1 、注記 13 及 び 注記 25 を 参照 されたい 。 の内部統制及び評価手続を理解し評価した。
2022 年 12 月 31 日現在、グループの連結貸借対照表に また我々は、見積りの不確実性の程度に加え、使用した推
おける顧客への貸付金の帳簿価額は 1,649,510 百万香 計モデルの複雑さ、経営者による重要な判断及び仮定の主
港ドルであった。この残高のうち、償却原価で測定 観性、経営者の偏向の生じやすさといった他の固有リスク
する顧客への貸付金 1,639,794 百万香港ドル及びその 要因の程度を踏まえて重要な虚偽表示に係る固有リスクの
他の包括利益を通じて公正価値で測定する顧客への 評価を行った。
貸付金 8,884 百万香港ドルは ECL の測定の対象であ
り、 2022 年 12 月 31 日現在、 11,575 百万香港ドルの減 我々は、顧客への貸付金に係る ECL の測定に関する主要な
損引当金が経営者によって認識されていた。 2022 年 内部統制の整備状況を評価し、運用状況の有効性をテスト
12 月 31 日 に 終了 した 事業年度 のグループの 連結損益 した。これには主に以下を含む、定期的な評価と承認に係
計算書 に 認識 された 顧客 への 貸付金 の 減損損失 は る統制が含まれる。
2,547 百万香港 ドルであった 。
(1) モデル化手法の選択の継続的なモニタリング、モデ
グループは顧客への貸付金の信用リスクが当初認識 ルの最適化、主要パラメータ変更の承認及び適用、
以降著しく増大したかどうかを評価し、 ECL の算定に モデルのバックテストを含む ECL モデルの管理に関す
３つのステージによる減損モデルのアプローチを使 る内部統制
用した。ステージ１又はステージ２に分類された顧
客への貸付金については、デフォルト確率（以下 (2) ポートフォリオの区分、パラメータの推計、信用リ
「 PD 」という。）、デフォルト時損失率（以下、 スクの著しい増大、デフォルト及び信用減損資産の
「 LGD 」という。）、及びデフォルト時エクスポー 識別基準の決定及び適用のほか、将来予測的な測定
ジャー（以下、「 EAD 」という。）を含む主要なリス に用いる経済指標、経済シナリオ及び加重方針な
クパラメータを組み込みモデル化した手法を用いて ど、経営者による重要な判断と仮定に関する内部統
ECL を評価している。ステージ３に分類された顧客へ 制
の貸付金については、グループは、その顧客への貸
付金からの将来キャッシュ・フローを見積もること (3) ステージ３に分類された顧客への貸付金の将来
により融資ごとの ECL を評価している。 キャッシュ・フローの見積り及び現在価値の算定に
関する内部統制
顧客への貸付金の ECL の測定には、主に以下に係る経
営者による重要な判断及び見積りが関わっている。 (4) モデルで使用される主要データの正確性及び網羅性
に関する内部統制
(1) 信用リスク特性、適切なモデルの選択及び仮定
に基づくポートフォリオの分類 (5) 情報テクノロジー（以下、「 IT 」という。）全般統
制、データ・インターフェース、モデル・パラメー
(2) 信用リスクの著しい増大、デフォルト又は信用 タの適用、減損の算定に係る自動化された IT に係る
減損資産を識別するための基準の決定及び適用 統制を含む、 ECL 測定に係る IT システムに関する内部
統制
(3) 将来予測的な測定で使用される経済指標、経済
シナリオ及び加重方針 我々は、信用リスクの専門家を関与させてモデルの手法、
重要な判断及び仮定、顧客への貸付金に係る ECL の測定に
(4) ステージ３の減損した顧客への貸付金の将来 使用されたデータ及び主要なパラメータを評価している。
キャッシュ・フローの見積り 我々が実施した主な実証監査手続は以下の通りである。
我々は、グループが保有する顧客への貸付金に係る (1) 顧客への貸付金のリスク特性、グループのリスク管
減損引当金の残高が金額的に重要であることに加 理実務及び業界の実務を勘案して、ポートフォリオ
え、見積りの不確実性、複雑なモデルの採用、経営 の区分に加え、異なるポートフォリオの ECL の測定に
者による重要な判断及び仮定の関与、かかる測定に 採用したモデルの適切性を評価した。 ECL の 算定 のサ
多数のパラメータやデータインプットを使用してい ンプルを抽出し 、 モデルの 計算 エンジンがグループ
ることにより固有リスクが高いことを理由として、 の 手法 と整合しているかどうかを 検証 した 。
顧客への貸付金に係る ECL の測定を監査上の主要な検
討事項に該当すると判断した。 (2) ECL モデルで使用されている過去データ及び測定日現
在のデータの正確性及び完全性をサンプルベースで
検証した。これには以下が含まれる。
(ⅰ) PD については、債務者の信用格付け、返済の延
滞状況等を判断するための財務情報及び非財務
情報等
(ⅱ) LGD については、保証及び担保の種類、過去の
実損失率等
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監査上の主要な検討事項の内容と決定理由 監査上の対応
顧客への貸付金に係る予想信用損失（ ECL ）の測定
(ⅲ) EAD については、債務者の借入残高、金利、満
期日、返済方法等
これらと融資契約書等の関連文書とを照合した。ま
た、 ECL モデルの信用リスクエクスポージャー合計と
他の情報システムのデータとを照合した。
(3) PD 及び LGD については、独自のバックテストにより、
重要なエクスポージャーの過去の PD や LGD の予測値と
後の PD や LGD の実績値を比較することにより、パラ
メータの妥当性を評価した。
(4) 債務者の財務及び非財務情報並びに経営者が提供し
たその他の外部証拠に基づき、信用リスクの著しい
増大、デフォルト又は信用減損資産の識別の判断に
使用した経営者のステージ区分と判断の適切性につ
いて、サンプルを抽出して価した。評価にあたって
は、債務者の信用リスク特性及びグループのリスク
管理実務を考慮した。
(5) 将来予測的な測定について、我々は、統計的分析及
び専門家の判断に基づく経済指標、経済シナリオ、
採用した加重方針に関する経営者の選択手法を評価
した。経済指標予測については、バックテストを実
施し、外部機関が公表している予測値と比較するこ
とにより、その妥当性を評価した。また、異なる経
済シナリオにより、経済指標とその加重方針に関す
る感応度分析を行った。
(6) 経営者が行った ECL モデルに関する年次の検証結果及
び評価を検討し、 ECL の算出にあたり重要な指摘事項
に対処しているかどうかを確認した。
(7) ステージ３に分類された顧客への貸付金について、
債務者及び保証人の財務情報、最新の担保評価等の
入手可能な情報及び要因に基づいて、経営者が作成
したキャッシュ・フロー予測と減損引当金の計算根
拠となる割引率をサンプルベースで検証した。
我々 は 、顧客 への 貸付金 に 係 る ECL の 測定 に 関連 する 財務
諸表 の 開示 の適切性について、適用される会計上の枠組み
に照らして 検討 し 評価 した 。
実施した手続きに基づいて、我々は、経営者が顧客への貸
付金に係る ECL の測定に用いた関連データや主要なパラ
メータのほか、モデル並びに重要な判断及び仮定が入手可
能な証拠で裏付けられていると判断している。
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監査上の主要な検討事項の内容と決定理由 監査上の対応
公正価値で測定する金融商品の評価
グループの 連結財務 諸表の 注記 2.12 、注記 3.2 、 我々は、公正価値で測定する金融商品の評価に関する経営者
注記 5.1 を 参照 されたい 。 の内部統制及び評価手続を理解し評価した。
2022 年 12 月 31 日現在、公正価値で測定するグルー
我々 は 、見積 りの 不確実性 の 程度 に 加 え 、評価技法 やモデル
プの金融資産は 818,877 百万香港ドルで資産合計
の 複雑 さ 、評価技法 、モデル 、 データインプットの 選択 にお
の 22 ％を占めており、そのうち (1)21 ％は活発な
ける 経営者 の 判断 及び 仮定 の 主観性、経営者 の 偏向 の 生 じや
市場における（未調整の）相場価格を用いて測定
すさといった 他 の 固有 リスク 要因 の水準を 踏 まえて 、重要 な
されるレベル 1 の公正価値に分類され、 (2)78 ％は
虚偽表示 に 係 る 固有 リスクの 評価 を 行 った 。
直接的又は間接的に観察可能な金融商品のイン
プットを用いた評価技法で測定されるレベル２の
我々は、公正価値で測定する金融商品の評価に関する主要な
公正価値に分類され、 (3) １％は評価に重要な影
内部統制をテストした。これには 、 モデルの 評価 と 承認、評
響を及ぼす観察不能なインプットを用いる評価技
価結果 の 検討 と 承認 に 係 る 統制、並 びに 関連 システム 、市場
法で測定されるレベル３の公正価値に分類されて
データなどのインプットのシステム・インターフェース 及 び
いる。レベル ３ の 金融商品 には 、主 に 当 グループ
評価 システム 内 の 自動計算 に 係 る IT 全般統制 が 含 まれる 。
が 保有 する 非上場株式、 ファンド 投資及 び 負債証
券 の 一部 が 含 まれている 。一方、 グループの 公正
我々はサンプルベースで以下の実証手続を行った。
価値 で 測定 する 金融負債 は 、 2022 年 12 月 31 日現
在、 109,719 百万香港 ドルで 負債 合計の３ ％ を 占
(1) レベル１の金融商品については、活発な市場における相
めており 、 そのうちの 99 ％超 がレベル ２ の 公正価
場価格と比較することによりその評価をテストした。
値 に 分類 されている 。
(2) レベル２及びレベル３の金融商品については、
我々は、公正価値で測定する金融商品の残高が金
額的に重要であることから、これを監査上の主要
(ⅰ) グループの評価モデルの適切性を評価し、商品特
な検討事項に該当すると判断した。また、経営者
性や業界の実務を踏まえ、一般的な市場モデルと
は活発な市場で取引されていない金融商品の公正
のベンチマーキングを行った。
価値を決定するために複雑な評価モデルを使用し
ていること、評価モデルには、データインプット
(ⅱ) レベル２の金融商品の評価を独立したソースから
の選択を含め、経営者の判断及び仮定を要するこ
入手した価格と比較したほか、評価モデルで使用
ともその理由である。
された観察可能なインプットをテストした。
(ⅲ) レベル３の金融商品の評価に使用された観察不能
なインプットについて、流動性ディスカウント、
割引率、予想配当金、非上場ファンドの純資産価
額等のインプットの選択に係る経営陣の手法に関
する理解を得たうえで、内部の評価専門家を関与
させ裏付けとなる情報を検証し、 市場 の 代替指標
と比較することによりこれらのインプットの妥当
性及び適切性を評価した。また 、観察不能 なイン
プットに 関 する 感応度分析 を 実施 した 。
( ⅳ ) 内部の評価専門家による独立した評価テストを実
施した。
我々 は 、金融商品 の 公正価値 に 関連 する 財務諸表 の 開示 の適
切性について、適用される会計上の枠組みに照らして 検討 し
評価 した 。
実施した手続に基づいて、我々は、経営者が公正価値で測定
する金融商品の評価に使用した評価モデル、重要な判断及び
仮定並びに関連データが入手可能な証拠で裏付けられている
と判断している。
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監査上の主要な検討事項の内容と決定理由 監査上の対応
保険契約負債の評価
グループの 連結財務諸表 の 注記 2.20 、注記 3.3 、注記 我々は、保険契約負債の評価に関する経営者の内部統制及
4.4 及 び 注記 37 を 参照 されたい 。 び評価手続を理解し評価した。
2022 年 12 月 31 日現在、グループは 152,105 百万香港ド また我々は見積りの不確実性の程度のほか、使用された推
ルの保険契約負債を計上しており、これはグループ 計モデルの複雑さ、経営者による重要な判断及び仮定の主
の負債合計の 5 ％を占めている。 観性、経営者の偏向の生じやすさなど、他の固有リスク要
因の水準を踏まえて、重要な虚偽表示に係る固有リスクの
保険契約負債の評価には、死亡率、罹患率、事業 評価を行った。
費、評価利率、不利な変動に対する引当金など、将
来の不確実な結末に関する重要な判断及び仮定に加 我々は、保険契約負債の評価に係る主要な内部統制をテス
え、複雑な評価技法が関わっている。 トした。これには主に以下を対象とした、定期的な評価及
び承認に係る統制が含まれている。
我々は、見積りの不確実性や複雑な評価技法の使用
に加え、経営者による重要な判断及び仮定が関わっ (1) 保険数理評価に適用された手法の選択と承認
ており固有リスクが高いことから、保険契約負債の
評価を監査上の主要な検討事項に該当すると判断し (2) 経営者が使用した主な仮定
た。
我々は、保険数理専門家の関与により、評価技法の適切性
や使用された主な仮定、経営者が行った判断に関する評価
を行った。我々が行った主な実証手続は以下の通りであ
る。
(1) 経営者との協議を通じて、商品の特徴や保険契約
負債の評価に用いられた評価技法を理解したほ
か、関連する会計基準及び規制上の要求事項に準
拠して評価技法の適切性を評価した。
(2) 保険契約負債の評価に用いられる死亡率、罹患
率、事業費、評価利率及び不利な変動引当金など
の主要な仮定について、市場で観察可能なデー
タ、グループの過去の実績値及び当業界の実績値
を参照することにより、その妥当性を評価した。
(3) 負債の十分性テストに適用された現在の最善見積
りの仮定を確認しそのテスト結果を評価し、保険
契約負債が十分であるかどうかを検討した。
(4) 保険契約負債の結果について、グループの過去の
実績値及び保険業界の過去の実績値から導出され
た我々の予想と比較した。
我々 は 、保険契約負債 に 関連 する 財務諸表 の 開示内容 を 検
討 し 評価 した 。
実施 した 手続 に 基 づいて 、我々 は 、保険契約負債 の 評価 に
おいて 経営者 が 採用 した 評価技法、重要 な 判断及 び 仮定 が
入手可能 な 証拠 によって 裏付 けられていると 判断 してい
る 。
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その 他 の 情報
会社 の 取締役 は 、 その 他 の 情報 について 責任 を有する 。 その 他 の 情報 は 、 連結財務諸表及び 我々 の 監査報告書 以外の 年次
報告書に含まれるすべての情報で 構成 されている 。
連結財務諸表 に 関 する 我々 の 意見 は 、 その 他 の 情報 を 対象 とするものではなく、我々はそれに対するいかなる形式の 保証
の 結論 も表明 しない 。
我々 の連結財務諸表 の 監査 に関連して 、我々 の 責任 はその 他 の 情報 を通読し 、その際に当該 その 他 の 情報 に 連結財務諸表
または我々が 監査 の過程で得た知識と重要な相違 があるかどうか、あるいは重要な虚偽表示と思われる箇所があるかどう
かを検討すること である 。
我々 が 実施 した 作業 に 基 づき、我々がこのその 他 の 情報 に 重要 な 虚偽表示 があると 結論 付けた 場合、我々 はその事実 を 報
告 することが要求される 。 この 点 に 関 して 我々 が 報告 すべき事項はない 。
連結財務諸表 に関する 取締役及 び 監査委員会 の 責任
会社 の 取締役 には 、 HKICPA が 発行 した HKFRS 及 び 香港会社条例 に 従 って 真実 かつ 公正 な 概観 をあたえる連結財務諸表 を 作
成 し 、不正又 は 誤謬 による 重要 な 虚偽表示 のない 連結財務諸表 を 作成 するために 取締役 が 必要 と 判断 する 内部統制 を 整備
する 責任 がある 。
連結財務諸表 を 作成 する際 、取締役 は 、継続企業 として 存続 するグループの 能力 を 評価 し 、継続企業 の 前提 に 関 する 事項
を 必要 に 応 じて 開示 し 、取締役 がグループの 清算 もしくは 営業 を 停止 する 意図 がある 場合、又 はそれ 以外 に 現実的 な 選択
肢 がない 場合 を 除 いて 、 会計上の 継続企業 の 前提 を 使用 する 責任 がある 。
監査委員会には、グループの財務報告プロセスを監視する責任がある。
連結財務諸表監査 に関する 監査人 の 責任
我々 の 目的 は 、全体 としての 連結財務諸表 に 不正又 は 誤謬 による 重要 な 虚偽表示 がないかどうかについて 合理的 な 保証 を
得 たうえで 、我々 の 意見 を 含 めた 監査報告書 を 作成 することである 。 我々は、香港会社条例第 405 条に基づいて、総体と
してのバンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッドの株主に対して我々の意見を報告するものであり、
他のいかなる目的のためでもない。我々は、本報告書の内容について他の者に対する責任を負うことはなく、また、義務
を負うこともない。合理的な保証とは、高い水準の保証であるが、 HKSA に準拠して実施された監査が、存在する重要な虚
偽表示を常に発見することを保証するものではない。 虚偽表示 は 、不正又 は 誤謬 から 発生 する 可能性 があり 、個別 に 又 は
集計 すると 、 これらの 連結財務諸表 の 利用者 の 経済的意思決定 に 影響 を 与 えると 合理的 に 見込 まれる 場合 に 、重要性 があ
るとみなされる 。
HKSA に準拠した監査の一環として、我々は、監査を通じて、職業的専門家としての判断を行使し、職業的専門家としての
懐疑心を保持した。また 我々 は 、以下 の 事項 を 実施 した 。
・ 不正又 は 誤謬 のいずれによるかを 問 わず 、 連結財務諸表 の 重要 な 虚偽表示 リスクを 識別 し 評価 すること 、 それら リ
スクに 対応 するための 監査手続 を 立案 し 実施 すること 、及 び 意見表明 の 基礎 を 提供 するために 十分 かつ 適切 な 監査
証拠 を 入手 すること 。 不正による重要な虚偽表示を発見できないリスクは、誤謬による重要な虚偽表示を発見でき
ないリスクよりも高くなる。これは、不正には、共謀、偽造、意図的な脱漏、虚偽の言明、又は内部統制の無効化
が伴う可能性があることによる。
・ 状況に応じて適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を理解すること。ただし、これはグルー
プの内部統制の有効性に対する意見を表明するためではない。
・ 使用された会計方針の適切性、並びに取締役によって行われた会計上の見積り及び関連する開示の妥当性を評価す
ること。
・ 取締役が会計上の継続企業の前提を使用したことの適切性について、入手した監査証拠に基づいて、継続企業とし
て存続するグループの能力に重大な疑義を生じさせる可能性がある事象や状況に関連して、重大な不確実性が存在
するかどうかについて結論付けること。 我々 は 、重大 な 不確実性 が 存在 すると 結論 付けた 場合、監査人 の 監査報告
書 において 、 連結財務諸表 の 関連 する 開示 に 注意 を喚起すること 、又 は 当該開示 が適切でない 場合 は 、 除外事項付
意見 を 表明 することが 求 められている 。我々 の 結論 は 、監査人 の 監査報告日までに 入手 した 監査証拠 に 基 づいてい
る 。 しかしながら、将来の事象又は状況により、グループが継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 開示 を 含 め 、 連結財務諸表 の 全体的 な 表示、構成及 び 内容 を 評価 し 、 連結財務諸表 が 、基礎 となる 取引 や 会計事象
を 適正 に 表示 しているかどうかを 評価 すること 。
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・ 連結財務諸表 に対する 意見 を 表明 するために 、 グループ 内 の 事業体又 は 事業活動 に 関 する 財務情報 について 、十分
かつ 適切 な 監査証拠 を 入手 すること 。 我々には、グループ監査の指示、監督及び実施について責任がある。我々
は、我々の監査意見に単独で責任を負う。
我々は、監査委員会に対し、特に、監査の過程で識別した内部統制の重要な不備を含め、計画した監査の範囲とその実施
時期、及び監査上の主要な発見事項を伝達した。
我々は、監査委員会に対し、我々の独立性についての職業倫理に関する規定を遵守している旨を書面で伝達し、また、
我々の独立性に影響を与えると合理的に考えられるすべての関係及びその他の事項、また該当する場合には阻害要因を除
去するための措置又は適用したセーフガードについても報告する。
我々 は 、監査委員会 と 協議 した 事項 の 中 から 、当事業年度 の 連結財務諸表監査 で 最 も 重要 な 事項 を 、監査上 の 主要 な 検討
事項 と 決定 し 、 これらの 事項 を 我々 の 監査報告書 に 記載 している 。 ただし、法令によって当該事項を開示することが禁止
されている場合や、極めて稀な状態ではあるが、監査報告書において報告することによる負の影響が、当該報告により得
られる公共の利益を上回ると合理的に予想されるため、監査人が当該事項について報告すべきでないと判断した場合は、
当該事項を記載しない。
本独立監査人の監査報告書における監査を担当したエンゲージメント・パートナーは林虹である。
プライスウォーターハウスクーパース
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香港
20 23 年３月 30 日
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Independent Auditor’s Report
To the Members of BOC Hong Kong (Holdings) Limited
(incorporated in Hong Kong with limited liability)
Opinion
What we have audited
The consolidated financial statements of BOC Hong Kong (Holdings) Limited (the “Company”) and its subsidiaries (the
“Group”), which are set out on pages 125 to 295, comprise:
・ the consolidated balance sheet as at 31 December 2022;
・ the consolidated income statement for the year then ended;
・ the consolidated statement of comprehensive income for the year then ended;
・ the consolidated statement of changes in equity for the year then ended;
・ the consolidated cash flow statement for the year then ended; and
・ the notes to the consolidated financial statements, which include significant accounting policies and other explanatory
information
Our opinion
In our opinion, the consolidated financial statements give a true and fair view of the consolidated financial position of the
Group as at 31 December 2022, and of its consolidated financial performance and its consolidated cash flows for the year
then ended in accordance with Hong Kong Financial Reporting Standards (“HKFRSs”) issued by the Hong Kong Institute
of Certified Public Accountants (“HKICPA”) and have been properly prepared in compliance with the Hong Kong
Companies Ordinance.
Basis for Opinion
We conducted our audit in accordance with Hong Kong Standards on Auditing (“HKSAs”) issued by the HKICPA. Our
responsibilities under those standards are further described in the Auditor’s Responsibilities for the Audit of the
Consolidated Financial Statements section of our report.
We believe that the audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to provide a basis for our opinion.
Independence
We are independent of the Group in accordance with the HKICPA’s Code of Ethics for Professional Accountants (“the
Code”), and we have fulfilled our other ethical responsibilities in accordance with the Code.
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Independent Auditor’s Report
Key Audit Matters
Key audit matters are those matters that, in our professional judgement, were of most significance in our audit of the
consolidated financial statements of the current period. These matters were addressed in the context of our audit of the
consolidated financial statements as a whole, and in forming our opinion thereon, and we do not provide a separate
opinion on these matters.
Key audit matters identified in our audit are summarised as follows:
・ Measurement of expected credit loss (“ECL”) for advances to customers
・ Valuation of financial instruments measured at fair value
・ Valuation of insurance contract liabilities
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INDEPENDENT AUDITOR’S REPORT
Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
Measurement of expected credit loss (“ECL”) for advances to customers
Refer to Note 2.14, Note 3.1, Note 4.1, Note 13 We understood and evaluated management’s internal
and Note 25 to the Group’s consolidated controls and assessment process for the measurement of
financial statements. ECL for advances to customers.
As at 31 December 2022, the carrying amount of We assessed the inherent risk of material misstatement
advances to customers in the Group’s by considering the degree of estimation uncertainty and
consolidated balance sheet was HK$1,649,510 level of other inherent risk factors such as the complexity
million. Of these balances, the advances to of estimation models used, the subjectivity of significant
customers measured at amortised cost of management judgements and assumptions, and
HK$1,639,794 million and advances to susceptibility to management bias.
customers measured at fair value through other
We assessed the design and tested the operating
comprehensive income of HK$8,884 million,
effectiveness of the key internal controls over the
were subject to ECL measurement and an
measurement of ECL for advances to customers. These
impairment allowance of HK$11,575 million was
included periodic assessment and approval controls,
recognised by management as at 31 December
which primarily include:
2022. The impairment losses on advances to
customers recognised in the Group’s
(1) internal controls over the ECL model management,
consolidated income statement for the year
including continuous monitoring of the selection of
ended 31 December 2022 amounted to
modelling methodologies, model optimisation,
HK$2,547 million.
approval and application of changes in key
parameters, and model back-testing;
The Group assessed whether the credit risk of
advances to customers had increased
(2) internal controls over significant management
significantly since their initial recognition, and
judgements and assumptions, including portfolio
applied a three-stage impairment model
segmentation, parameter estimation, determination
approach to calculate the ECL. For advances to
and application of criteria to identify significant
customers that are classified as stage 1 or stage
increases in credit risk, default and credit-impaired
2, the Group assessed the ECL using the risk
assets, as well as economic indicators, economic
parameter modelling approach that incorporated
scenarios and weightings used in forward-looking
relevant key risk parameters, including
measurement;
probability of default (“PD”), loss given default
(“LGD”), and exposure at default (“EAD”). For
(3) internal controls over the estimated future cash flows
advances to customers classified as stage 3, the
and calculation of present values with respect to
Group assessed ECL for each loan by
advances to customers classified as stage 3;
estimating the future cash flows from the
advances to customers.
(4) internal controls over the accuracy and completeness
of key data used by the models;
(5) internal controls over the information technology (“IT”)
systems for ECL measurement, including information
technology general controls, data interfaces,
application of model parameters and automated IT
controls over impairment calculations.
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
The measurement of ECL for advances to We involved our credit risk experts in evaluating the
customers involves significant management model methodologies, significant judgements and
judgements and estimations, mainly on: assumptions, data and key parameters used in the ECL
measurement for advances to customers. The
(1) Segmentation of portfolios based on credit
substantive audit procedures performed by us were
risk characteristics, selection of appropriate
mainly as follows:
models and assumptions;
(1) We assessed the appropriateness of portfolio
(2) Determination and application of criteria to
segmentation and the models adopted for the
identify significant increase in credit risks,
measurement of ECL in respect of different portfolios
default or credit impaired assets;
with consideration given to the risk characteristics of
advances to customers, the Group’s risk management
(3) Economic indicators, economic scenarios
practices and industry practices. We selected samples
and weighting used in the forward-looking
of ECL calculations and examined whether the
measurement;
models’ calculation engines are consistent with the
Group’s methodologies;
(4) Estimation of future cash flows for stage 3
advances to customers that are impaired.
(2) We examined the accuracy and completeness of
historical and measurement date data used in the
We have identified the measurement of ECL for
ECL models on a sample basis, including:
advances to customers as a key audit matter
due to the material balance of the Group’s
(i) in respect of PD: financial and non-financial
impairment allowances for advances to
information for determining borrowers’ credit
customers and high inherent risk given the
rating, overdue repayment status, etc.;
uncertainty of estimates, adoption of complex
models, involvement of significant management
(ii) in respect of LGD: types of guarantees and
judgements and assumptions and use of
collateral, historical actual loss rates, etc.;
numerous parameters and data inputs in such
measurement.
(iii) in respect of EAD: borrowers’ outstanding loan
balances, interest rates, maturity dates,
repayment methods, etc.
by agreeing them to loan contracts and other
relevant documents. We also agreed the total credit
risk exposure in the ECL models to data from other
information systems;
(3) In respect of PD and LGD, we assessed the
reasonableness of the parameters by comparing the
historical expected default and loss given default with
the subsequent actual default and loss given default
for significant exposures through independent back-
testing;
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
(4) We selected samples and assessed the
appropriateness of management’s staging
classifications and judgements used in determining
significant increases in credit risk and identification of
default or credit-impaired assets based on the
borrower’s financial and non-financial information and
other external evidence provided by management.
We took into consideration the credit risk profile of
borrowers and the Group’s risk management
practices in our assessment;
(5) For forward-looking measurements, we evaluated
management’s selection methodology for economic
indicators, economic scenarios and weightings
assigned based on statistical analysis and expert
judgements. We assessed the reasonableness of the
forecasted economic indicators by performing back-
testing and comparing with publicly available
forecasts from third-party institutions. We performed
sensitivity analysis on the economic indicators and
weightings under different economic scenarios;
(6) We reviewed the annual ECL model validation result
and assessment performed by management and
evaluated if significant finding has been addressed in
the ECL calculation;
(7) For advances to customers that were classified as
stage 3, we examined on a sample basis, forecasted
cash flows prepared by management based on the
financial information of borrowers and guarantors,
latest collateral valuations and other available
information and factors together with discount rates
used to support the computation of impairment
allowances.
We checked and evaluated the appropriateness of the
financial statement disclosures in relation to the
measurement of ECL in the context of applicable
accounting framework.
Based on the procedures performed, we considered that
the models, significant judgements and assumptions, as
well as relevant data and key parameters used by
management in measuring ECL for advances to
customers were supported by available evidence.
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
Valuation of financial instruments measured at fair value
Refer to Note 2.12, Note 3.2 and Note 5.1 to the We understood and evaluated management’s internal
Group’s consolidated financial statements. controls and assessment process of the valuation of
financial instruments measured at fair value.
As at 31 December 2022, the Group’s financial
assets measured at fair value were HK$818,877 We assessed the inherent risk of material misstatement
million, representing 22% of total assets, of by considering the degree of estimation uncertainty and
which (1) 21% were classified as Level 1 fair level of other inherent risk factors such as the complexity
value, measured using quoted prices of valuation techniques and models, the subjectivity of
(unadjusted) in active markets; (2) 78% were management’s judgements and assumptions in selecting
classified as Level 2 fair value, measured using valuation techniques, models and data inputs and
valuation techniques for which inputs are susceptibility to management bias.
observable for the financial instruments, either
We tested the key internal controls over the valuation of
directly or indirectly; and (3) 1% were classified
financial instruments measured at fair value. These
as Level 3 fair value, measured using valuation
included controls over model validation and approval,
techniques using unobservable inputs that have
review and approval of valuation results, and the IT
a significant impact on the valuation. Level 3
general controls of related systems, systems interfaces of
financial instruments mainly include unlisted
inputs such as market data and automated calculations
equity, fund investments and some debt
within the valuation system.
securities held by the Group. While the Group’s
financial liabilities measured at fair value were
We performed the following substantive procedures on a
HK$109,719 million as at 31 December 2022,
sampling basis:
representing 3% of total liabilities, of which more
than 99% were classified as Level 2 fair value.
(1) For Level 1 financial instruments, we tested their
valuations by comparing to quoted prices in active
We have identified this as a key audit matter
markets.
due to the material balance of the financial
instruments measured at fair value. Also,
(2) For Level 2 and Level 3 financial instruments:
management has used complex valuation
models to determine the fair value of financial
(i) we assessed the appropriateness of the Group’s
instruments that are not quoted in active
valuation models and benchmarked against
markets. The valuation models involve
common market models, taking into consideration
management’s judgements and assumptions,
the product characteristics and industry practice;
including the selection of data inputs.
(ii) we compared the valuation of Level 2 financial
instruments to quotation available from
independent sources; as well as tested observable
inputs used in valuation models;
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
(iii) for unobservable inputs used for valuation of
Level 3 financial instruments, we obtained an
understanding of management’s methodology for
the selection of inputs such as liquidity discounts,
discount rates, expected dividend, net asset value
of unlisted funds etc. and assessed the
reasonableness and appropriateness of such
inputs by examining supporting information and
comparing to alternatives in the market with
involvement of our internal valuation experts. We
also performed sensitivity analysis on the
unobservable inputs;
(iv) we involved internal valuation experts to perform
independent valuation testing.
We checked and evaluated the appropriateness of the
financial statements disclosures in relation to fair value of
financial instruments in the context of applicable
accounting framework.
Based on the procedures performed, we considered that
the valuation models, significant judgements and
assumptions as well as relevant data used by
management in the valuation of financial instruments
measured at fair value were supported by available
evidence.
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
Valuation of insurance contract liabilities
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
Refer to Note 2.20, Note 3.3, Note 4.4 and Note We understood and evaluated management’s internal
37 to the Group’s consolidated financial control and assessment process of the valuation of the
statements.
insurance contract liabilities.
As at 31 December 2022, the Group has
We assessed the inherent risk of material misstatement
recorded insurance contract liabilities of
by considering the degree of estimation uncertainty and
HK$152,105 million, representing 5% of the
level of other inherent risk factors such as the complexity
Group’s total liabilities.
of estimation models used, the subjectivity of significant
management judgements and assumptions, and
The valuation of insurance contract liabilities
susceptibility to management bias.
involved significant judgements and
assumptions about uncertain future outcomes,
We tested the key internal controls over the valuation of
including mortality, morbidity, expense,
insurance contract liabilities. These included periodic
valuation interest rates and provision for adverse
assessment and approval controls, which primarily over:
deviation, as well as complex valuation
methodologies.
(1) selection and approval of methodologies applied in
actuarial valuation;
We have identified this as a key audit matter due
to the high inherent risk given the uncertainty of
(2) key assumptions used by management.
estimates, use of complex valuation
methodologies and involvement of significant We involved our actuarial experts in assessing the
management judgements and assumptions. appropriateness of valuation methodologies, key
assumptions used and management’s judgements
applied. The substantive audit procedures performed by
us were mainly as follows:
(1) We discussed with management to understand the
product features and the valuation methodologies
applied in the valuation of insurance contract
liabilities. We assessed the appropriateness of the
valuation methodologies in accordance with the
relevant accounting standards and regulatory
requirements;
(2) We assessed the reasonableness of the key
assumptions, including mortality, morbidity, expense,
valuation interest rates and provision for adverse
deviation applied in the valuation of insurance contract
liabilities with reference to market observable data,
the Group’s past experience and our industry
experience;
(3) We reviewed the current best estimate assumptions
applied in and assessed the calculation of the liability
adequacy test to consider whether the insurance
contract liabilities are adequate;
(4) We compared the result of insurance contract
liabilities against our expectation derived from the
Group’s past experience and our industry experience.
We checked and evaluated the financial statements
disclosures in relation to insurance contract liabilities.
Based on the procedures performed, we considered that
the valuation methodologies, significant judgements and
assumptions used by management in the valuation of
insurance contract liabilities were supported by available
evidence.
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Other Information
The directors of the Company are responsible for the other information. The other information comprises all of the
information included in the annual report other than the consolidated financial statements and our auditor’s report thereon.
Our opinion on the consolidated financial statements does not cover the other information and we do not express any
form of assurance conclusion thereon.
In connection with our audit of the consolidated financial statements, our responsibility is to read the other information
and, in doing so, consider whether the other information is materially inconsistent with the consolidated financial
statements or our knowledge obtained in the audit or otherwise appears to be materially misstated.
If, based on the work we have performed, we conclude that there is a material misstatement of this other information, we
are required to report that fact. We have nothing to report in this regard.
Responsibilities of Directors and the Audit Committee for the Consolidated Financial Statements
The directors of the Company are responsible for the preparation of the consolidated financial statements that give a true
and fair view in accordance with HKFRSs issued by the HKICPA and the Hong Kong Companies Ordinance, and for such
internal control as the directors determine is necessary to enable the preparation of consolidated financial statements that
are free from material misstatement, whether due to fraud or error.
In preparing the consolidated financial statements, the directors are responsible for assessing the Group’s ability to
continue as a going concern, disclosing, as applicable, matters related to going concern and using the going concern
basis of accounting unless the directors either intend to liquidate the Group or to cease operations, or have no realistic
alternative but to do so.
The Audit Committee is responsible for overseeing the Group’s financial reporting process.
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Auditor’s Responsibilities for the Audit of the Consolidated Financial Statements
Our objectives are to obtain reasonable assurance about whether the consolidated financial statements as a whole are
free from material misstatement, whether due to fraud or error, and to issue an auditor’s report that includes our opinion.
We report our opinion solely to you, as a body, in accordance with Section 405 of the Hong Kong Companies Ordinance
and for no other purpose. We do not assume responsibility towards or accept liability to any other person for the contents
of this report. Reasonable assurance is a high level of assurance, but is not a guarantee that an audit conducted in
accordance with HKSAs will always detect a material misstatement when it exists. Misstatements can arise from fraud or
error and are considered material if, individually or in the aggregate, they could reasonably be expected to influence the
economic decisions of users taken on the basis of these consolidated financial statements.
As part of an audit in accordance with HKSAs, we exercise professional judgement and maintain professional scepticism
throughout the audit. We also:
・ Identify and assess the risks of material misstatement of the consolidated financial statements, whether due to fraud
or error, design and perform audit procedures responsive to those risks, and obtain audit evidence that is sufficient
and appropriate to provide a basis for our opinion. The risk of not detecting a material misstatement resulting from
fraud is higher than for one resulting from error, as fraud may involve collusion, forgery, intentional omissions,
misrepresentations, or the override of internal control.
・ Obtain an understanding of internal control relevant to the audit in order to design audit procedures that are
appropriate in the circumstances, but not for the purpose of expressing an opinion on the effectiveness of the Group’s
internal control.
・ Evaluate the appropriateness of accounting policies used and the reasonableness of accounting estimates and
related disclosures made by the directors.
・ Conclude on the appropriateness of the directors’ use of the going concern basis of accounting and, based on the
audit evidence obtained, whether a material uncertainty exists related to events or conditions that may cast significant
doubt on the Group’s ability to continue as a going concern. If we conclude that a material uncertainty exists, we are
required to draw attention in our auditor’s report to the related disclosures in the consolidated financial statements or,
if such disclosures are inadequate, to modify our opinion. Our conclusions are based on the audit evidence obtained
up to the date of our auditor’s report. However, future events or conditions may cause the Group to cease to continue
as a going concern.
・ Evaluate the overall presentation, structure and content of the consolidated financial statements, including the
disclosures, and whether the consolidated financial statements represent the underlying transactions and events in a
manner that achieves fair presentation.
・ Obtain sufficient appropriate audit evidence regarding the financial information of the entities or business activities
within the Group to express an opinion on the consolidated financial statements. We are responsible for the direction,
supervision and performance of the group audit. We remain solely responsible for our audit opinion.
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We communicate with the Audit Committee regarding, among other matters, the planned scope and timing of the audit
and significant audit findings, including any significant deficiencies in internal control that we identify during our audit.
We also provide the Audit Committee with a statement that we have complied with relevant ethical requirements
regarding independence and to communicate with them all relationships and other matters that may reasonably be
thought to bear on our independence, and where applicable, actions taken to eliminate threats or safeguards applied.
From the matters communicated with the Audit Committee, we determine those matters that were of most significance in
the audit of the consolidated financial statements of the current period and are therefore the key audit matters. We
describe these matters in our auditor’s report unless law or regulation precludes public disclosure about the matter or
when, in extremely rare circumstances, we determine that a matter should not be communicated in our report because the
adverse consequences of doing so would reasonably be expected to outweigh the public interest benefits of such
communication.
The engagement partner on the audit resulting in this independent auditor’s report is Ms. Lam Hung.
PricewaterhouseCoopers
Certified Public Accountants
Hong Kong, 30 March 2023
（ ※ ）上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は本書提出会社が別
途保管しております。
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