株式会社文溪堂 有価証券報告書 第70期(2022/04/01-2023/03/31)
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株式会社文溪堂(E00709)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 東海財務局長
【提出日】 2023年6月23日
第70期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
【事業年度】
【会社名】 株式会社文溪堂
BUNKEIDO CO.,LTD.
【英訳名】
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 水谷 泰三
【本店の所在の場所】 岐阜県羽島市江吉良町江中七丁目1番地
058-398-1111(代表)
【電話番号】
【事務連絡者氏名】 取締役 管理本部長 吉田 裕之
【最寄りの連絡場所】 岐阜県羽島市江吉良町江中七丁目1番地
058-398-1111(代表)
【電話番号】
【事務連絡者氏名】 取締役 管理本部長 吉田 裕之
【縦覧に供する場所】 株式会社文溪堂 東京本社
(東京都文京区大塚三丁目16番12号)
株式会社名古屋証券取引所
(名古屋市中区栄三丁目8番20号)
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第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
回次 第66期 第67期 第68期 第69期 第70期
決算年月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月 2023年3月
11,969,474 12,410,194 13,049,786 13,197,890 12,750,469
売上高 (千円)
895,787 833,305 880,244 1,216,545 1,126,891
経常利益 (千円)
親会社株主に帰属する当期
581,410 553,565 151,727 774,644 704,440
(千円)
純利益
581,109 497,576 204,401 754,779 781,442
包括利益 (千円)
13,085,532 13,367,167 13,427,458 13,829,611 14,295,706
純資産額 (千円)
17,841,691 18,301,178 18,739,556 19,294,109 19,567,447
総資産額 (千円)
2,088.58 2,133.56 2,139.00 2,198.02 2,266.15
1株当たり純資産額 (円)
92.79 88.35 24.18 123.21 111.76
1株当たり当期純利益 (円)
潜在株式調整後1株当たり
(円) - - - - -
当期純利益
73.3 73.0 71.6 71.6 73.0
自己資本比率 (%)
4.5 4.1 1.1 5.6 5.0
自己資本利益率 (%)
14.5 13.6 55.6 9.9 10.2
株価収益率 (倍)
営業活動による
925,684 455,248 781,903 739,807 784,405
(千円)
キャッシュ・フロー
投資活動による
31,533 96,381 365,710
(千円) △ 402,580 △ 363,482
キャッシュ・フロー
財務活動による
(千円) △ 223,851 △ 105,939 △ 134,580 △ 78,700 △ 359,076
キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の期末
4,389,981 4,375,807 5,054,664 5,812,153 6,603,192
(千円)
残高
263 261 250 242 245
従業員数
(人)
(ほか、平均臨時雇用者数) ( 118 ) ( 138 ) ( 119 ) ( 112 ) ( 97 )
(注)1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 従業員数の( )内は、臨時従業員の平均雇用人員数であり、外書きであります。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第69期の期首から適用してお
り、第69期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっておりま
す。
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(2)提出会社の経営指標等
回次 第66期 第67期 第68期 第69期 第70期
決算年月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月 2023年3月
10,620,657 11,005,135 11,757,805 11,909,194 11,499,158
売上高 (千円)
823,845 789,250 997,039 1,316,961 1,235,625
経常利益 (千円)
531,932 492,642 659,500 883,990 813,622
当期純利益 (千円)
1,917,812 1,917,812 1,917,812 1,917,812 1,917,812
資本金 (千円)
6,600 6,600 6,600 6,600 6,600
発行済株式総数 (千株)
12,163,533 12,361,905 12,941,080 13,457,027 14,023,781
純資産額 (千円)
16,345,127 16,674,927 17,478,191 18,046,968 18,494,433
総資産額 (千円)
1,941.42 1,973.10 2,061.52 2,138.80 2,223.05
1株当たり純資産額 (円)
34.00 31.50 42.05 56.20 51.60
1株当たり配当額
(円)
(内1株当たり中間配当額) ( 15.35 ) ( 15.80 ) ( 10.55 ) ( 23.30 ) ( 20.30 )
84.90 78.63 105.13 140.60 129.08
1株当たり当期純利益 (円)
潜在株式調整後1株当たり
(円) - - - - -
当期純利益
74.4 74.1 74.0 74.5 75.8
自己資本比率 (%)
4.3 4.0 5.2 6.6 5.9
自己資本利益率 (%)
15.9 15.3 12.7 8.6 8.8
株価収益率 (倍)
40.0 40.0 39.9 39.9 39.9
配当性向 (%)
220 214 208 204 208
従業員数
(人)
(ほか、平均臨時雇用者数) ( 90 ) ( 112 ) ( 83 ) ( 78 ) ( 75 )
135.6 125.0 142.4 135.8 132.9
株主総利回り (%)
(比較指標:配当込みTOPIX) (%) ( 94.9 ) ( 85.9 ) ( 122.1 ) ( 124.5 ) ( 131.8 )
最高株価 (円) 1,900 2,001 1,860 1,385 1,237
最低株価 (円) 1,025 1,201 1,207 1,161 1,140
(注)1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 従業員数の( )内は、臨時従業員の平均雇用人員数であり、外書きであります。
3 最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より名古屋証券取引所(メイン市場)におけるものであり、それ
以前は名古屋証券取引所(市場第二部)におけるものであります。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第69期の期首から適用してお
り、第69期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっておりま
す。
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2【沿革】
当社の前身は、1900年に書籍・教科書の販売を目的とした、個人経営としての文溪堂を創業したのが始まりであり
ます。1933年の「夏休みの友」の発行は、現在の出版の礎を築くこととなりました。戦後には、「学習プリント」
(「テスト」の前身)の販売地区も全国に及ぶまでになりました。その後、製品・商品の発行点数・部数とも年々増
加する等の事業の発展に伴い、1953年12月25日に株式会社文溪堂を設立するに至りました。
年月 概要
1953年12月 教育図書の製造・販売を目的として㈱文溪堂(岐阜県岐阜市、資本金1,000千円)を設立
1957年4月 東京営業所(東京都新宿区)を設置
1970年2月 東京営業所を移転(東京都練馬区)
1972年11月 大阪営業所(大阪府大阪市)を設置
1973年4月 「裁縫セット」、「家庭科布教材」を発売し、教材・教具分野へ進出
1974年1月 東京営業所を東京支店に昇格
1978年1月 営業センター(岐阜県羽島市、現本社流通センター)を設置
1980年8月 東京編集センター(東京都文京区)を設置
1985年11月 本社を移転(岐阜県羽島市)。東京編集センターを移転(東京都千代田区)
1985年12月 文溪製本㈱(岐阜県羽島市、現本社製本工場)を吸収合併
1986年11月 ㈱ブンケイ商事(後に、㈲ブンケイ商事へ商号変更。現・非連結子会社)を買収
1987年11月 大阪営業所を移転(大阪府東大阪市、現大阪支社)
1988年9月 名古屋証券取引所市場第二部に上場
1988年10月 二本社制による東京本社(東京都豊島区)を設置し、東京支店と東京編集センターを同所に移転
1989年1月 ㈱創造工芸新社(後に、㈱ロビン企画へ商号変更。現・連結子会社)を設立
1990年3月 「日本児童文学」を発行し、市販部門へ進出
1991年5月 ㈱学宝社(現・連結子会社)を買収し、中学校出版部門に進出
1991年6月 ㈱ぶんけい出版を設立
1991年6月 ㈱青樹社を買収
1991年12月 第二物流センター(岐阜県羽島市)を設置
1994年9月 東京本社を移転(東京都文京区)
1996年11月 ぶんけいソフトピアセンター(岐阜県大垣市)を設置
2004年3月 ㈱青樹社を清算
2007年3月 ㈱ぶんけい出版を清算
2018年3月 ㈲ブンケイ商事を休眠化
2019年8月 ㈱ロビン企画を移転(岐阜県岐阜市)
2022年4月 名古屋証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第二部からメイン市場に移行
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3【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社2社、非連結子会社1社で構成されており、教
育図書の出版及び教材の製造・販売を主な事業としております。
事業の内容と当社及び連結子会社の当該事業に係る位置付け及び事業セグメントとの関連は、次のとおりでありま
す。
(出版) 当社は、小学校教育図書及び市販図書を製造販売しております。
㈱学宝社は、中学校教育図書を製造販売しております。
また、当社と㈱学宝社との間に一部商品の売買があります。
(教具) 当社が裁縫セット・家庭科布教材等の教具品を製造販売しております。製造及び発送の一部を㈱ロビ
ン企画に委託しております。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
4【関係会社の状況】
資本金(千 主要な事業の 議決権の所有
名称 住所 関係内容
円) 内容 割合(%)
(連結子会社)
当社の中学校向け教材
㈱学宝社 名古屋市中川区 100,000 出版 100.0 を販売している。
役員の兼任あり。
当社の家庭科教材の加
㈱ロビン企画 岐阜県岐阜市 30,000 教具 100.0 工をしている。
役員の兼任あり。
(注)1 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2 当社は、2022年12月6日付で、株式会社学宝社から株式会社ロビン企画の全株式を取得いたしました。これ
により、間接保有から直接保有に変更となりました。
3 特定子会社に該当する会社はありません。
4 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
5 上記連結子会社は、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合がそれぞれ
100分の10以下であるため、主要な損益情報等の記載を省略しております。
6 上記のほか、非連結子会社(㈲ブンケイ商事(休眠会社))がありますが、重要性が乏しいため、記載を省
略しております。
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5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2023年3月31日現在
セグメントの名称 従業員数(人)
190
出版 ( 72 )
29
教具 ( 24 )
219
報告セグメント計 ( 96 )
26
全社(共通) ( 1 )
245
合計 ( 97 )
(注)1 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除く就業人員数であります。
2 従業員数の( )内は、臨時従業員の平均雇用人数であり、外書きであります。
3 全社(共通)として記載している従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
(2)提出会社の状況
2023年3月31日現在
従業員数(人) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
208 41.1 13.8 6,504,807
( 75 )
2023年3月31日現在
セグメントの名称 従業員数(人)
155
出版 ( 72 )
27
教具 ( 2 )
182
報告セグメント計 ( 74 )
26
全社(共通) ( 1 )
208
合計 ( 75 )
(注)1 従業員数は、当社から他社への出向者を除く就業人員数であります。
2 従業員数の( )内は、臨時従業員の平均雇用人数であり、外書きであります。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4 全社(共通)として記載している従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
(3)労働組合の状況
労働組合は結成されておりませんが、労使間の問題については社内に苦情提案委員会を設けて、労使の協調を
図っております。
(4)管理職に占める女性労働者の割合
2023年3月31日現在
女性管理職比率 18.2%
(注)1 提出会社の数値であります。
2 連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休
業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による
公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
3 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもの
であります。
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第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社の企業理念であります「21世紀の人づくりを通じて、社会に貢献する教育と文化の創造企業をめざそう」を常
に念頭に置き、現場第一主義の姿勢を堅持し、社内外の英知を結集して多様化する教育現場のニーズに対応した教材
づくりに邁進してまいります。
また、“若さとアイデアに生きる文溪堂”に相応しい行動力とアイデアを駆使し、株主様はもとより、お客様やお
取引先様からの信頼と期待に応えるべく、企業変革の必要性を認識しつつ、常に活性化した“ゆめ企業=文溪堂”を
目指して鋭意努力してまいります。
(2)経営戦略等
新学習指導要領が小学校では2020年度から、中学校では2021年度から完全実施されました。当社グループとしまし
ては、新しい教育の方向性を見定めながら、社会の変化や教育現場のニーズを的確に捉え、下記の5項目に重点をお
いた経営を進めてまいります。
① 当社グループの主体事業である出版部門においては、子供たちや先生方を支えるための良質で有益な教材や
サービスの提供を目指し、従来からの教材の既成概念にとらわれない新しいタイプの教材を開発してまいりま
す。
② 出版以外の部門においては、教材・教具の商品企画の充実や販売網の拡充を図るとともに、中学校・高等学校
への教材・教具の販路拡充を推進してまいります。
③ 学校のICT環境の整備の充実に対応し、ペーパーとデジタルを融合させたハイブリッド型教材や、校務の負
担を軽減し教師を支援するソフトウエアなどの開発・販売に取り組んでまいります。また、販売網の拡充を目指
してまいります。
④ 知的所有権がますます尊重されるなか、当社グループの商品開発力を駆使してアイデア性、独創性の高い教
材・教具類の開発と、その権利化を図ってまいります。
⑤ 当社グループの連結経営機構の発展を推進し、業務の効率化や収益力の向上を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの主力商品であるテスト・ドリル等の出版物、裁縫セット・家庭科布教材等の教材・教具の販売市場
である小学校及び中学校においては、少子化傾向が進み、児童・生徒数の減少という構造的な課題を抱えておりま
す。そのような状況のなか、2021年3月期(売上高130億円、売上高経常利益率6.7%)から売上高135億円、売上高経
常利益率8%を目標値としてまいりました。
そして、2023年3月期は売上高127億円、売上高経常利益率8.8%となりました。売上高経常利益率は目標値を達成
できたものの売上高は目標値に至っていないため、今後はGIGAスクール構想に適切に対応したデジタルの特性を
生かした企画の提案や他社との差別化を図った教材の研究開発と提供に努めてまいります。また、業務の効率化や商
品ラインナップの精選などによる製造原価の低減にも力を入れ、引き続きグループ全体での売上高135億円を目指
し、売上高経常利益率についても8%以上を維持してまいりたいと考えております。
(4)経営環境
日本においては、コロナ禍での出産控えなどの影響もあってますます出生数が減少しており、少子化傾向がさらに
進行しています。そのために教育現場では学校の統廃合が進んでおります。
教育界においては、変化が激しく予測困難な社会のなかでも、子供たちが未来を切り拓いていくために必要な資
質・能力を着実に身に付けることが求められております。情報社会に続く超スマート社会で活躍できる人材の育成を
目指して、これらの変化に対応した教育現場への提案がますます重要性を増しております。
また、文部科学省はこれからを生きる子供たちに必要な資質・能力の育成と学びを保障するため、GIGAスクー
ル構想によりICT環境の整備を実施しました。学校では、端末を効果的に活用すべく研究を重ねております。
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(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
教育界においては、2020年度から始まったGIGAスクール構想により1人1台端末が整備され、児童・生徒の学
びの充実や教師の働き方改革への活用が進められております。
このような情勢のなか、当社グループは教育現場から求められる様々な課題を解決するために、ICTの活用によ
るさらなる教育の充実に対応したペーパーとデジタルを融合させたハイブリッド型教材の開発、教師の業務の負担軽
減を支援するソフトウエアの研究・開発・充実に取り組み、引き続き成長・発展を目指してまいります。さらに、当
業界における先駆的な企業グループとしての自覚を持ち、保護者の費用負担の軽減にも配慮しながら、商品ライン
ナップの精選、製作コストの削減、諸経費の見直しに向けて積極的に取り組み、企業価値の向上を目指してまいりま
す。
また、財務上の課題としましては、文部科学省が2024年度から段階的にデジタル教科書の導入を進めるなど学校の
デジタル機器の活用への急激な傾斜により、従来のビジネスモデルの急激な変化による業績への大きな影響が発生し
た場合の対応として、自己資本の充実の重要性を認識しております。2023年3月期の自己資本比率は73.0%であり、
70%以上の自己資本比率を維持してまいりたいと考えております。
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
サステナビリティに対する取組姿勢
当社は、中長期的な企業価値の向上のためのサステナビリティを巡る課題への対応については、経営の重要課題で
あると認識しており、企業価値の向上に資するため設立した「ブランド戦略委員会」の中で統合的に検討を進めてお
ります。具体的には、当社のサステナビリティに関する取り組みについての基本方針を策定し、持続可能な開発目標
の達成に向けて取り組みを進めております。
なお、気候変動要素については、取締役管理本部長を委員長とする「SBT推進委員会」をブランド戦略委員会か
ら独立して設置し、取り組みを進めております。
また、取締役会では、人的資本・知的財産への投資の重要性を認識し、経営資源の配分や事業ポートフォリオに関
する戦略について、実効性を含めて審議を行い、監督を行っております。
(1)環境(気候変動関連)への取り組み
当社は、2020年12月に『21世紀の人づくりを通じて、社会に貢献する教育と文化の創造企業をめざそう』という企
業理念のもと文溪堂SDGs宣言を行いました。「教育と文化の創造」「環境への配慮」「社会との共生」を重点取
り組み事項として定めております。「環境への配慮」では、事業活動に伴う環境負荷を低減し、環境に配慮した取り
組みを行っております。また、持続的な消費・生産形態である循環型経済を促進するため、3R(リデュース・リ
ユース・リサイクル)により廃棄物の削減に加え、科学的見地と融合した二酸化炭素の排出削減目標の達成を目指し
ております。
①ガバナンス
SBT推進委員会は、気候科学に基づく「共通基準」で評価・認定された排出削減目標である「温室効果ガス排
出量ゼロ」の達成を目指して、グループ全体で脱炭素社会の実現に向けて取り組んでまいります。また、協議した
内容は、業務執行取締役を構成員とした経営会議へ報告し、必要な対応を実施するとともにその重要度に応じて取
締役会へ適宜報告しております。
②戦略
当社は現在、気候科学に基づく「共通基準」で評価・認定された排出削減目標を設定するSBT(Science
Based Targets)の認証取得に向けて2023年4月27日に申請を行っております。
その過程において、いわゆるScope1・2と呼ばれる、当社グループが使用する化石燃料に由来するエネルギー
や電力の使用量を把握し、その消費に起因する温室効果ガスの排出量をパリ協定が求める「温室効果ガス排出量ゼ
ロ」の達成を目標として、グループ全体で脱炭素社会の実現に向けて取り組んでまいります。
③リスク管理
当社の気候変動に関するリスク管理としては、SBT推進委員会において、グループ全体の二酸化炭素の排出削
減目標の達成状況を常に把握するとともに、気候変動に影響を及ぼすと推測されるリスクを識別した場合は、経営
会議へ速やかに報告します。
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a)気候変動に係るリスクを識別・評価するプロセス
SBT推進委員会は、グループ各社におけるScope1・2の達成状況を常に把握し、気候変動の要因となりう
る増減理由を分析し、影響を及ぼすと推測されるリスクを識別するとともに、その具体的な対処案を立案し、経
営会議へ報告します。経営会議は、識別された気候変動に関するリスクの評価を行います。
b)気候変動に係るリスクを管理するプロセス
SBT推進委員会は、識別した気候変動に関するリスクについて、グループ各社に気候変動に係るリスクの管
理を行うとともに、評価したリスクの最小化に向けてグループ各社に対して具体的な対処を指示し、その達成状
況について監督します。
グループ各社から気候変動に係るリスクの報告を受けた場合は、その内容を客観的に評価し、グループ全体で
情報共有を図るとともに、適切な対応策を検討し、経営会議へ報告します。
経営会議においてリスクの最小化に向けた対処案の指示を受けた場合は、グループ各社に指示するとともに、
その実施状況について監督します。
④指標及び目標
岐阜本社の本館ビルで使用する電力のすべてを、実質再生可能エネルギー100%の電力に切り替えております。
発電方法は、森林の機能維持を目的に間伐等で伐採された未利用木材を活用した「木質バイオマス発電」によりま
す。燃焼時に排出される二酸化炭素は、その樹木の成長過程における光合成での吸収量と相殺される「カーボン
ニュートラル」を実現しております。
また、当社グループが使用する化石燃料や電力の使用に起因する二酸化炭素の排出量の削減に向けて、照明機器
や空調設備、運搬機器等の省エネルギー型への転換、化石燃料の使用を低減する自動車への更新等を進め、温室効
果ガスの排出量を2030年までに42%削減、2045年にはパリ協定が要求する「温室効果ガス排出量ゼロ」の達成を目
標として、グループ全体で脱炭素社会の実現に向けて取り組んでまいります。
(2)人的資本、多様性等への取り組み
①人材育成方針及び社内環境整備に関する方針
ブランド戦略委員会は「社会との共生 21世紀をきみと創る」という基本方針を掲げております。従業員の安
全・安心な労働環境を整備するとともに、生産的な雇用と働きがいのある仕事・職場を提供し、地域の一員である
との自覚のもと様々な社会活動に貢献することにより、地域社会とのパートナーシップの構築を進めてまいりま
す。
人的資本への投資等については、会社にとって最大の資産は「人」であると考え、今後も未来を担う子どもたち
を支え続ける企業であり、さらに企業体質を強化していくために必要なものは、会社を支える社員教育だと考えて
おります。定期的に資質向上のための階層別研修を実施するとともに、総合的な能力向上を目的とした自己啓発活
動にも支援を行い、人材の多様化を目指した教育に努めております。また、仕事と育児等の両立支援については、
出産の前後の育児における休暇制度、時短勤務制度等の諸制度を導入するなど、働きやすい職場環境整備に積極的
に取り組んでおり、男性の育児休業取得の促進にも力を入れております。
2023年3月末時点での当社の管理職に占める女性労働者の割合は18.2%であり、今後の目標としては20%以上を
目指し、より女性が継続的に活躍できる取り組みを促進してまいります。
②具体的な取り組み
・女性の管理職の登用について
当社は、年齢・性別等で差別することなく、管理職への登用に際しては意欲のある優秀な従業員が機会を得られ
る人事考課制度を導入しております。2023年3月末時点で当社における正社員の女性管理職比率は18.2%、女性従
業員の比率は40.2%であります。女性の管理職及び監督職の育成に向け、社内プロジェクトメンバーへの積極的な
登用を行うとともに、異業種交流による経験値の向上を目的として外部セミナーへ積極的に派遣するなど、女性の
管理職及び監督職の比率の向上を目指してまいります。
・管理職に占める経験者採用者の割合について
事業の安定的な発展を目指し、外部の専門的な人材を積極的に採用しております。管理職への登用については、
その経験や知識・能力を公平に評価しております。2023年3月末時点での当社における管理職に占める経験者採用
者の割合は36.3%となっております。
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3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成
績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおり
であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)主力商品の市場について
当社グループの主力商品であるテスト・ドリル等の出版物、裁縫セット・家庭科布教材等の教材・教具の販売市場
は、小学校及び中学校であります。当連結会計年度における当社グループの売上高に占める小学校・中学校向けの出
版物、教材・教具の売上の割合は約90%であり、今後も現場第一主義の姿勢を堅持し、教育のICT化を見据えつつ
教育現場のニーズに対応した教材作りに邁進してまいります。しかしながら、日本が抱える少子化傾向が予想以上に
進行し市場が著しく縮小した場合や、デジタル教科書の本格導入などの影響により従来のビジネスモデルが急激に変
化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)法的規制について
当社グループの主力商品である出版物は、日本の教育・文化の安定的向上のために、独占禁止法の再販売価格維持
制度の対象となっておりますが、この制度が廃止された場合、当社グループの業績(セグメントの出版)への影響は
もちろんのこと、出版業界全体にも大きな影響を与える可能性があります。
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4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以
下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動の両立が進み、持
ち直しの動きが見られた一方で、急速な円安の進行と相まって輸入物価が高騰し、エネルギー・食料品を中心とし
た物価上昇が生じるなど、先行きが不透明な状況が続きました。
教育界においては、小学校では2020年度の新学習指導要領の実施から3年が、中学校では2021年度の実施から2
年が経過しました。現行の学習指導要領では、児童・生徒一人ひとりが未来社会を切り拓くために育成する資質・
能力を「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」の3つの柱に整理しており
ます。また、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善等に向けた教育活動が定着してきました。
一方で、教育現場ではいじめや不登校などの問題や、特別な配慮や支援が必要な児童・生徒への対応など多種多
様な課題への取り組みに追われております。さらに教師不足も重なり、教師の業務負担が十分に解消されない状態
が続き、深刻な課題となっております。
そのような状況のもと、文部科学省は、1人1台の端末や高速大容量の通信ネットワーク環境の整備等の「GI
GAスクール構想」を進めてまいりました。これらの教育インフラを効果的に活用することにより、「個別最適な
学び」と「協働的な学び」の充実だけでなく、教師の負担軽減も含めた働き方改革にもつながる運用が浸透しつつ
あります。
今後、小学校においては、現行の学習指導要領のもとで2024年度に教科書が改訂され、デジタル教科書も一部導
入されることになっております。また、次期学習指導要領の議論も活発化し、方向性が示される段階に入ってまい
ります。教育施策も新たなステージに入り、今後ICTを活用した学びがさらに充実するものと思われます。
このような情勢を背景に、当社グループは主力である小学校図書教材においては、価格や付録などの厳しい競争
が続くなか、効果的にデジタルデータを活用し、基礎・基本の定着や活用する力の育成と評価を念頭におき、あわ
せて教師の負担軽減にも配慮しながら、教育現場のニーズに応えた改訂を進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して273,338千円増加し、19,567,447千円となりま
した。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して192,756千円減少し、5,271,741千円となり
ました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して466,095千円増加し、14,295,706千円
となりました。当連結会計年度末の自己資本比率は73.0%で引き続き比較的高い数値を維持しております。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高12,750,469千円(前年同期比3.3%減)と、減収となりました。利益に
つきましても、営業利益1,068,944千円(前年同期比7.3%減)、経常利益1,126,891千円(前年同期比7.3%
減)、親会社株主に帰属する当期純利益704,440千円(前年同期比9.0%減)と、減益となりました。
なお、主力商品であるテスト・ドリル等の出版物は、文部科学省が定める学習指導要領や教科書に準拠する必
要があるため、その定期的な改訂に伴い、内容を見直す必要があります。次期教科書改訂は小学校においては
2024年度に予定されており、教育現場のニーズに対応した教材が提供できるかどうかが売上に影響を及ぼしま
す。また、日本が抱える少子化傾向が進行し市場が縮小することも売上に影響を及ぼします。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
・出版
小学校図書教材においては、教育現場の実態や動向を分析し、多様なニーズを的確に捉えたことにより、求め
られる「知識・技能」や「思考力・判断力・表現力」を育み、評価できる教材が教育現場に支持された一方で、
児童数の減少やデジタル教材の導入の影響が見受けられました。
テストなどの評価教材では、各教科で「見方・考え方」を働かせながら、基礎・基本から活用までの学習内容
を的確に評価できる企画と、二次元コードを活用して「自らの学び」をサポートするデジタル企画が教育現場か
ら好評を得たことにより、前期実績を維持いたしました。
ドリルなどの習熟教材では、基礎的な学習内容が確実に定着する企画に加え、GIGAスクール構想による1
人1台の端末の活用に対応した提案をしてまいりましたが、教育現場のニーズの変化や各自治体が導入するデジ
タル教材の影響により、実績が減少いたしました。
季刊物教材では、デジタル企画が好評を得て夏休み教材、冬休み教材ともに実績が増加した一方で、学年末の
しあげ教材では予算削減などの影響により、実績が減少いたしました。
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中学校図書教材においては、デジタル教材の普及により主力商品や季刊物教材の採用が大きな影響を受けたこ
とにより、実績が減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は8,975,910千円(前年同期比4.7%減)、営業利益は1,642,966千円(前年
同期比4.9%減)となりました。
・教具
小学校教材・教具においては、各教科の授業運営が新型コロナウイルス感染症発生前の状態に戻ってまいりま
したが、児童の嗜好の変化や購入方法の多様化などにより、採用状況に変化が見受けられました。
「書道セット」や「画材セット」「彫刻刀」では、新製品や長く使い続けられるデザインに加え、機能性の高
さが受け入れられたことにより、実績が増加いたしました。
一方、「裁縫セット」や新1年生用品の「算数セット」では、児童の嗜好の変化などの影響により、実績が減
少いたしました。
また、中学校・高等学校向けの家庭科教材ブランド「クロッサム」では、感染予防の観点から見送られていた
調理実習が再開したことで、コロナ禍においてニーズが高まった布教材の採用が感染症発生前の水準に戻ったこ
とにより、実績が減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は3,774,558千円(前年同期比0.1%増)、営業利益は388,647千円(前年同
期比2.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して791,039千円増加して6,603,192千
円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は784,405千円で、前連結会計年度と比較して44,597千円増加(前年同期の資金収支は
739,807千円)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローが増加した主な要因は、税金等調整前当期純利益
が129,784千円減少、退職給付に係る負債の減少額が56,752千円減少、売上債権の増加額が82,284千円増加、棚卸資
産の減少額が227,345千円増加、仕入債務の減少額が52,756千円減少、法人税等の支払額が81,342千円増加したこと
によります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、児童数の減少や、デジタル教材の影響を受けたことにより減収となり、税
金等調整前当期純利益が減少しましたが、セグメントの出版では、小学校において来期に教科書改訂による出版物の
内容の見直しが予定されており、今期において製作数を抑えたことや、編集費用負担が減少したことにより棚卸資産
の減少額が増加し、増加に推移しました。決算期ごとに営業活動によるキャッシュ・フローの推移をみていきます
と、2018年3月期1,487,472千円、2019年3月期925,684千円、2020年3月期455,248千円、2021年3月期781,903千
円、2022年3月期739,807千円、2023年3月期784,405千円となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は365,710千円で、前連結会計年度と比較して269,329千円増加(前年同期の資金収支は
96,381千円)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローが増加した主な要因は、無形固定資産の取得による
支出が56,583千円増加、投資有価証券の取得による支出が100,000千円減少、投資有価証券の償還による収入が
274,389千円増加したことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、株式の取得による支出はほとんどありませんが、社債の取得による支出と
償還による収入の増減により影響を受けます。また、設備投資につきましては、セグメントの出版における製品の製
作は外注の印刷会社に委託いたしますので、印刷機械等の有形固定資産の取得による支出はほとんどありません。セ
グメントの教具における製品の製作も外注に依存しておりますが、裁縫セット、画材セット等を製作するために必要
な金型の取得による支出が発生する場合があります。その他の有形固定資産の取得による支出の主な内容は本社建物
等の改修費用であります。無形固定資産の取得による支出は主に基幹システムの再構築や販売目的のソフトウエアの
開発による支出であります。
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(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は△359,076千円で、前連結会計年度と比較して280,376千円減少(前年同期の資金収支は
△78,700千円)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローが減少した主な要因は、短期借入金の純増減額が
290,000千円減少、配当金の支払額が9,609千円減少したことによります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2008年3月期より配当金の支払額については、文溪堂単体の当期純利益の
40%相当額を目処に年間配当金総額を決定しております。なお、利益水準にかかわらず最低年間配当金として、1株
当たり7円50銭を目標としており、配当金の支払額は当期純利益により変動いたします。また、短期借入金の純増減
額につきましては、文溪堂単体の借入金は発生しておりませんが、子会社の㈱学宝社において教科書改訂に伴い出版
物の改訂編集費用の増加により借入金が発生する場合があります。現在のところ、財務活動による資金調達は内部資
金及び金融機関からの借入金で対応できると認識しております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度
セグメントの名称 (自 2022年4月1日 前年同期比(%)
至 2023年3月31日)
出版(千円) 8,435,550 91.5
教具(千円) 2,652,871 102.4
合計(千円) 11,088,422 93.9
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度
セグメントの名称 (自 2022年4月1日 前年同期比(%)
至 2023年3月31日)
出版(千円) 8,975,910 95.2
教具(千円) 3,774,558 100.1
合計(千円) 12,750,469 96.6
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
す。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は19,567,447千円となり、前連結会計年度末と比較して273,338千円増加しました。
流動資産の残高は13,200,780千円で、前連結会計年度末と比較して284,274千円増加しました。流動資産の主な増
減は、現金及び預金の増加791,039千円、有価証券の減少410,667千円、商品及び製品の増加57,090千円、セグメント
の出版における小学校図書教材の改訂編集費用の減少により仕掛品の減少226,070千円であります。
固定資産の残高は6,366,667千円で、前連結会計年度末と比較して10,935千円減少しました。固定資産の主な増減
は、ソフトウエアの増加78,819千円、ソフトウエア仮勘定(無形固定資産その他)の増加166,370千円、投資有価証
券の減少279,280千円であります。
流動負債の残高は4,572,904千円で、前連結会計年度末と比較して161,844千円減少しました。流動負債の主な増減
は、支払手形及び買掛金の減少151,474千円、未払金(流動負債その他)の増加141,031千円、未払法人税等の減少
125,837千円であります。
固定負債の残高は698,837千円で、前連結会計年度末と比較して30,911千円減少しました。固定負債の主な増減
は、繰延税金負債の増加24,857千円、退職給付に係る負債の減少27,608千円であります。
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純資産は14,295,706千円で、前連結会計年度末と比較して466,095千円増加しました。純資産の主な増減は、利益
剰余金の増加369,378千円、その他有価証券評価差額金の増加68,477千円であります。
(b)経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は12,750,469千円(前年同期比3.3%減)となりました。売上高が減少した主な要
因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
売上原価は7,433,462千円(前年同期比3.1%減)、売上総利益は5,317,007千円(前年同期比3.7%減)となりまし
た。売上原価が減少した主な要因は、小学校図書教材における編集費用負担が減少したためであります。また、売上
総利益が減少した主な要因は、売上高が減少したためであります。
販売費及び一般管理費は4,248,062千円(前年同期比2.7%減)となりました。主な増減は、セグメントの出版にお
いて次期の販売促進のための出版物の無料見本の減少等により広告宣伝費が64,532千円減少、給与及び手当が73,166
千円減少、福利厚生費が13,890千円減少、旅費交通費が35,886千円増加いたしました。以上の結果、営業利益は
1,068,944千円(前年同期比7.3%減)となりました。
営業外収益は前連結会計年度の63,638千円から減少し59,416千円となりました。主な増減は、雑収入が6,353千円
減少となります。以上の結果、経常利益は1,126,891千円(前年同期比7.3%減)となりました。
特別損失は政策保有株式の一部に評価損が発生し、投資有価証券評価損を48,608千円計上いたしました。法人税等
合計は372,535千円(前年同期比13.7%減)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は704,440
千円(前年同期比9.0%減)となりました。
なお、当社では、セグメントの出版では、定期的に実施される教科書改訂に伴い出版物を改訂しているために、下
記のような出版物の改訂年度の編集費用の処理方法を行っております。「第5〔経理の状況〕2〔財務諸表等〕
(1)〔財務諸表〕5.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項」参照
教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用は、改訂初年度50%、2年度30%、3年度20%に按分して製品原価を計算
しております。当期の小学校図書教材においては、2022年度品の出版物は改訂3年目にあたるため、教科書改訂に伴
う改訂編集費用は20%にて計算しております。
上記の出版物の改訂年度の編集費用の処理により、通常は、改訂初年度50%にて計算された原価の製品を販売した
決算期の売上原価が高くなり、2年度目、3年度目、4年度目と売上原価が小さくなる傾向があります。ただし、仮
に改訂初年度の決算期における売上が減少し、売上を挽回するために2年度目に製品の部分改訂を実施し、編集費用
が増加すると売上原価が上昇する要因となります。この2年度以降の部分改訂の編集費用は繰り延べ処理をせずに製
造原価を計算しております。また、改訂初年度の前年の決算期においては、改訂する前の製品が次期(改訂初年度)
に使用することができず在庫処分となり、その費用が売上原価の増加につながります。なお、通常、中学校の教科書
改訂に伴う出版物の改訂は小学校の1年後に実施されます。
経営上の目標数値については、売上高経常利益率8%を目指しております。前期の売上高経常利益率は9.2%、今
期も8.8%であり、目標数値を達成いたしました。今後も引き続き8%以上の維持を目標としてまいります。
セグメントごとの経営成績に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
売上高につきましては、出版が8,975,910千円、教具が3,774,558千円となっており、売上高割合は出版が70.4%、
教具が29.6%となっております。
報告セグメントに配分していない管理部門の販売管理費等の全社費用を除いたセグメント利益では、出版が
1,642,966千円で売上高セグメント利益率は18.3%、教具が388,647千円で10.2%であります。両セグメントの利益率
の差の主な要因は、出版は製作ロット数が多くなれば1冊当たりの原価が低くなりますが、教具は1個当たりの原価
が低くならないことが挙げられます。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2〔事業の状況〕3〔事業等のリスク〕」に記
載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー
の状況」に記載のとおりであります。営業活動による資金収支に影響を与える要因として編集費用があります。教科
書改訂に伴う出版物の改訂編集費用が発生した決算期は、改訂編集費用の支払いが多くなり、営業活動による収支が
悪化する傾向にあります。
運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。決算日現在、
短期借入金は340,000千円、1年内返済予定の長期借入金は40,000千円であります。
当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料や加工賃、販売費及び一般管理費等の営業費用であ
ります。資金繰りの面では必要な手元資金を確保しておりますが、原油価格の上昇に起因する原材料価格の高騰や円
安傾向による販管コストの増加を受け、事業活動に影響が出て、突発的な資金手当てが必要となった場合には、借入
金にて十分な対応が可能と判断しております。
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③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりま
す。この連結財務諸表の作成にあたって採用した会計方針は、「第5〔経理の状況〕1〔連結財務諸表等〕(1)
〔連結財務諸表〕〔注記事項〕」をご参照下さい。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつ
いては、「第5〔経理の状況〕1〔連結財務諸表等〕〔注記事項〕(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであり
ます。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可
能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将
来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資
産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
5【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
6【研究開発活動】
該当事項はありません。
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第3【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資(無形固定資産を含む)の総額は 478 百万円であります。その主なものは、出版事業に
おいては建物の改修工事やソフトウエアの購入等に 215 百万円、教具事業においては金型の購入等に 20 百万円、報告
セグメントに帰属しない管理部門等の全社で共有する建物や基幹システムの改修費用等に242百万円であります。
2【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。
(1)提出会社
2023年3月31日現在
帳簿価額(千円)
事業所名 従業員数
セグメントの名称 設備の内容
(所在地) 建物及び構 機械装置及 土地 (人)
その他 合計
築物 び運搬具 (面積㎡)
本社 管理業務・販売 1,647,162 122
出版、教具
243,701 16,979 584,102 2,476,645
(岐阜県羽島市) 業務・製作業務 (16,241) (7)
本社流通センター
発送設備・製本 498,944 43
出版、教具 352,634 44,474 11,899 907,952
(岐阜県羽島市) 設備 (8,671) (65)
東京本社 管理業務・販売 354,499 33
出版、教具
73,247 0 3,507 431,254
業務・製作業務
(東京都文京区) (310) (1)
大阪支社 57,301 9
出版、教具 販売業務
7,108 0 2,342 66,752
(大阪府東大阪市) (317) (2)
(注)1 帳簿価額のうち「その他」は、工具器具備品及び無形固定資産の合計であります。なお、金額には消費税等
を含んでおりません。
2 主要な賃借及び賃貸している設備はありません。
3 現在休止中の主要な設備はありません。
4 従業員数の( )内は、臨時従業員の平均雇用人数であり、外書きであります。
(2)国内子会社
2023年3月31日現在
帳簿価額(千円)
事業所名 セグメント 従業員数
会社名 設備の内容
(所在地) の名称 土地 (人)
建物及び構 機械装置及
その他 合計
築物 び運搬具 (面積㎡)
管理業務・
本社 141,663 35
㈱学宝社 出版 販売業務・ 95,430 750 21,824 259,668
(名古屋市中川区) (617) (0)
製作業務
(注)1 帳簿価額のうち「その他」は、工具器具備品及び無形固定資産の合計であります。
2 上記建物及び構築物の中には、連結会社以外の者への貸与中のもの26,087千円を含んでおります。
3 現在休止中の主要な設備はありません。
4 従業員数の( )内は、臨時従業員の平均雇用人数であり、外書きであります。
(3)在外子会社
該当する子会社はありません。
3【設備の新設、除却等の計画】
特記すべき事項はありません。
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第4【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
種類 発行可能株式総数(株)
普通株式 15,000,000
計 15,000,000
②【発行済株式】
事業年度末現在発行数
提出日現在発行数(株) 上場金融商品取引所名又は登
種類 (株) 内容
(2023年6月23日) 録認可金融商品取引業協会名
(2023年3月31日)
名古屋証券取引所 単元株式数
6,600,000 6,600,000
普通株式
メイン市場 100株
6,600,000 6,600,000
計 - -
(2)【新株予約権等の状況】
①【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
発行済株式総
発行済株式総 資本金増減額 資本金残高 資本準備金増 資本準備金残
年月日 数増減数
数残高(株) (千円) (千円) 減額(千円) 高(千円)
(株)
1989年1月20日
600,000 6,600,000 - 1,917,812 - 1,832,730
(注)
(注)無償割当
1988年11月30日現在の株主に対し、1株につき0.1株の割合にて無償新株式の発行を行いました。
(5)【所有者別状況】
2023年3月31日現在
株式の状況(1単元の株式数 100 株)
単元未満株
区分 外国法人等 式の状況
政府及び地 金融商品取 その他の法
金融機関 個人その他 計 (株)
方公共団体 引業者 人
個人以外 個人
株主数(人) - 9 7 97 - - 820 933 -
所有株式数
- 9,949 179 23,786 - - 32,062 65,976 2,400
(単元)
所有株式数の
- 15.08 0.27 36.05 - - 48.60 100.00 -
割合(%)
(注)自己株式291,656株は「個人その他」に2,916単元、「単元未満株式の状況」に56株含まれております。
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(6)【大株主の状況】
2023年3月31日現在
発行済株式(自己
株式を除く。)の
所有株式数
氏名又は名称 住所 総数に対する所有
(千株)
株式数の割合
(%)
880 13.94
有限会社清林溪声会 岐阜県岐阜市光町三丁目14番地
株式会社大垣共立銀行
岐阜県大垣市郭町三丁目98番地
313 4.96
(常任代理人 株式会社日本カス
(東京都中央区晴海1丁目8番12号)
トディ銀行)
283 4.50
文溪共栄会 岐阜県羽島市江吉良町江中七丁目1番地
235 3.72
株式会社十六銀行 岐阜県岐阜市神田町八丁目26番地
岐阜県大垣市久瀬川町七丁目5番地1 193 3.07
サンメッセ株式会社
193 3.07
水谷 雄二 岐阜県岐阜市
188 2.99
文溪堂従業員持株会 岐阜県羽島市江吉良町江中七丁目1番地
185 2.94
水谷 匡宏 東京都目黒区
184 2.92
水谷 邦照 岐阜県岐阜市
163 2.58
一般財団法人総合初等教育研究所 岐阜県羽島市江吉良町江中七丁目1番地
2,822 44.73
計 -
(7)【議決権の状況】
①【発行済株式】
2023年3月31日現在
区分 株式数(株) 議決権の数(個) 内容
無議決権株式 - - -
議決権制限株式(自己株式等) - - -
議決権制限株式(その他) - - -
(自己保有株式)
完全議決権株式(自己株式等) - -
291,600
普通株式
6,306,000 63,060
完全議決権株式(その他) 普通株式 -
2,400
単元未満株式 普通株式 - -
6,600,000
発行済株式総数 - -
63,060
総株主の議決権 - -
(注)「単元未満株式」欄の普通株式には、当社所有の自己株式56株が含まれております。
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②【自己株式等】
2023年3月31日現在
発行済株式総数に
所有者の氏名又 自己名義所有株 他人名義所有株 所有株式数の合
所有者の住所 対する所有株式数
は名称 式数(株) 式数(株) 計(株)
の割合(%)
(自己保有株式) 羽島市江吉良町江
291,600 291,600 4.41
-
株式会社文溪堂 中七丁目1番地
291,600 291,600 4.41
計 - -
(注)自己株式は、2022年7月29日に実施した譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分により、16,610株減少して
おります。
2【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】 会社法第155条第7号に該当する普通株式の取得
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分 株式数(株) 価額の総額(円)
当事業年度における取得自己株式 100 116,600
当期間における取得自己株式 - -
(注)当期間における取得自己株式には、2023年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取
りによる株式は含まれておりません。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
当事業年度 当期間
区分
処分価額の総額 処分価額の総額
株式数(株) 株式数(株)
(円) (円)
引き受ける者の募集を行った取得自己株式 - - - -
消却の処分を行った取得自己株式 - - - -
合併、株式交換、株式交付、会社分割に
- - - -
係る移転を行った取得自己株式
そ の 他 (譲渡制限付株式報酬として
16,610 19,832,340 - -
の自己株式の処分)
保有自己株式数 291,656 - 291,656 -
(注)当期間における保有自己株式数には、2023年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取
りによる株式は含まれておりません。
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3【配当政策】
当社は、長期にわたり安定的な経営基盤の確立に努めるとともに、安定した利益配当を継続的に実施することを最
重要課題として位置づけており、従来からの安定的な配当を行うことに加え、業績連動型の配当を行うことを方針と
しております。
具体的には、株主の皆様に対する利益還元をより一層充実させる観点から、文溪堂単体の当期純利益の40%相当額
を目処に年間配当金総額を決定しております。なお、利益水準にかかわらず最低年間配当金として、1株当たり7円
50銭を目標としております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを方針としております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
上記の配当政策により、当期における年間配当金は1株当たり51円60銭となり、1株当たり20円30銭の中間配当を
行っておりますので、期末配当金は1株当たり31円30銭となりました。
内部留保資金の使途につきましては、同業他社との競争激化や教育現場のニーズの多様化、新しい教育課程に対処
するため、多品種化及び高品質化に向けた教材製作や新規教材の開発に有効投資してまいりたいと存じます。
当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定
めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
配当金の総額 1株当たり配当額
決議年月日
(百万円) (円)
2022年11月9日
128 20.30
取締役会決議
2023年6月22日
197 31.30
定時株主総会決議
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4【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、企業倫理の重要性を認識し、経営の健全性・透明性の向上を図ることを目的として、株主価値を重視し
たコーポレート・ガバナンスの構築に取り組んでおります。このような視点に立ち、株主の皆様の権利保護や平等
性の確保、タイムリーディスクロージャーを重視し、幅広い情報開示や継続的なIR活動に努めております。
① 企業統治の体制の概要
当社は、監査役会制度採用会社であります。
取締役会は、当社の経営監督機関であり、経営の基本方針や法令で定められた事項、その他経営に関する重要事
項を決定するとともに、業務執行状況を監督する機関と位置付けて運用を図っております。取締役会は、代表権を
持つ会長と社長の他、取締役6名(うち、社外取締役1名)の計8名で構成されております。取締役会(定例)に
ついては、株主総会終結の直後の開催、決算取締役会の開催(年2回)及び毎月約1回で年16回開催しておりま
す。取締役会規程添付の「取締役会決議事項」に定める付議すべき事項について決議し、決議の方法は取締役会の
過半数が出席し、出席取締役の過半数をもって決定しております。なお、当社の取締役は、12名以内とする旨を定
款に定めております。
また、当事業年度における個々の取締役の出席状況については次のとおりであります。
氏 名 開催回数 出席回数
水谷 邦照 16回 16回
水谷 泰三 16回 16回
大橋 正人 16回 16回
加藤 達也 16回 16回
吉田 裕之 16回 16回
山田 哲生 16回 16回
杉野 幸男 16回 16回
霜鳥 秋則 16回 16回
霜鳥秋則氏は、2023年6月22日開催の第70期定時株主総会にて退任いたしました。
取締役会の具体的な検討内容
・経営方針、重要な業務計画の決定及び変更
・年間予算案の決定及び変更
・計算書類及び附属明細書の承認
・決算短信の承認
・重要な財産の取得及び処分
・投資有価証券の購入及び売却
経営会議は、社長以下の取締役(社外取締役を除く)で構成され、毎月2回開催し、取締役会の付議事項に関す
る基本方針の事前審議及び経営活動に関する重要事項を協議決定しております。
監査役会は、常勤監査役を含む4名全員が、独立役員である社外役員で構成され、おおむね毎月1回開催するほ
か、取締役会その他重要な会議に出席し、子会社を含めた営業概況や財産の状況、コンプライアンス体制等の会社
の重要情報に関する報告を受けており、客観的立場から取締役の職務執行を監視しております。監査役会の決議と
は、監査役の合意を必要とする事項を決定することをいい、決議の方法は、監査役全員の過半数をもって決定して
おります。
内部監査に関しましては、内部監査担当が、当社の全部署を対象とした業務監査を定期的に実施し、業務の適正
な運営・改善・能率の増進を図っております。
法令順守に関しましては、取締役、監査役、顧問弁護士、法務・渉外担当等で構成する「順法推進委員会」を設
置し、定期的な開催により、経営に法律面のコントロール機能が働くようにしております。なお、顧問弁護士とは
顧問契約に基づき、必要に応じてアドバイスを受けております。
リスク管理に関しましては、取締役、法務・渉外担当等で構成する「危機管理委員会」を設置し、経営危機が発
生した場合の会社の対応を協議するほか、リスク回避の方策について協議いたします。
会計監査に関しましては、会計監査人であるEY新日本有限責任監査法人と監査契約を結び、外部監査を受けてお
ります。
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② 企業統治の体制を採用する理由
取締役会付議議案のうち、特に重要案件とされるものについては、取締役会開催前の経営会議において事前審議
を行い、取締役会において迅速な意思決定が図れるよう体制を整えております。
③ 内部統制システムの整備の状況
内部統制システムの構築は、可及的速やかに実行すべきものとし、かつ、内部統制システムについての不断の見
直しによってその改善を図り、もって、効率的で適法な企業体制を作ることを目的としております。内部統制シス
テムの構築に関する基本方針は、以下のとおりであります。
イ.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役の職務に係る文書・情報の取扱いは、社内規程に基づき、適正に保管・管理を行う。
ロ.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
危機が発生した場合は、社内規程に基づき、速やかに対応する。
ハ.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(イ) 重要事項については多面的な検討を行い、慎重に決定するために経営会議で審議する。
(ロ) 定例の取締役会を毎月1回開催し、重要事項の決定並びに取締役の業務執行状況の監督等を行う。
(ハ) 取締役は社内規程に基づき、分掌範囲で責任を持って職務を遂行する。
ニ.取締役・使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(イ) 取締役及び使用人は、社内規程に基づき、法令を順守し、それぞれの立場で自らの問題としてとらえて業
務運営にあたる。
(ロ) 内部監査担当は、当社の全部署を対象とした業務監査を定期的に実施し、業務の適正な運営・改善・能率
の増進を図る。
ホ.当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制整備の
状況
(イ) 社内規程に基づき、子会社の管理を明確にし、指導・育成を促進する。
(ロ) 当社は、毎月1回、当社の取締役会に子会社の社長を出席させ、子会社における重要な事象について報告
させるとともに、対応を協議する。
(ハ) 監査役は社内規程に基づき、子会社に経営概況の報告を求め、必要な場合は調査を行う。
(ニ) 子会社は、その事業の性質及び規模に応じて、事業や投資に関するリスクを適切に管理し、当社は、当該
子会社のリスク管理体制の運用を支援する。
(ホ) 当社の内部監査担当は、監査計画に基づき定期的に子会社の内部監査を実施し、業務改善指導を通じて、
企業集団における業務の適正の確保に努める。
(へ) 子会社は、その取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するため、当社の定
める法令順守規程に従う。
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ヘ.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
監査役からその職務を補助すべき使用人を求められた場合には、必要と要望に応じて監査役の補助スタッフを
置くこととし、その人事については、取締役会と監査役会の承認を得るものとする。
ト.監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する
事項
監査役の職務を補助すべき使用人の任命・異動については、予め監査役会の承認を得るものとし、当該使用人
は監査役の指揮命令下に置くものとする。
チ.当社及び当社の子会社の取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制、その他の監査役への報告に関す
る体制、並びに報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利益な取扱いを受けないことを確保するため
の体制
(イ) 当社及び当社の子会社の取締役及び使用人は、監査役会の定めるところに従い、各監査役の要請に応じて
必要な報告及び情報提供を行う。
(ロ) 前項の報告及び情報提供としての主なものは次のとおりとする。
・月次決算の状況
・経営会議決議事項及び取締役社長決裁事項のうち、特に重要な事項
・取締役及び監査役について、他社の取締役及び監査役の兼務の状況
・特に重要な事業計画の遂行状況
・財務に関する重要事項
・使用人及び給与に関する重要事項
・法務及び広報に関する重要事項
・環境保全等に関する重要事項
・子会社の収支状況
・各担当取締役が重要と認める事項
(ハ) 当社及び当社の子会社は、上記の報告を行った当社及び当社の子会社の役員、使用人に対して、当該報告
を行ったことを理由として、解雇その他いかなる不利益な取扱いを行わないものとする。
リ.監査役の職務の執行について生ずる費用の前払い又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用
又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査役がその職務の執行について生ずる費用の前払い又は償還等の請求をした時は、当該監査役の職務の執行
に必要でないと認められた場合を除き、速やかに当該費用又は債務を処理するものとする。
ヌ.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役は社内規程に基づき、取締役及び会計監査人、内部監査担当と緊密な連携を図り、的確な監査を実施す
る。
ル.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況
反社会的勢力・団体に対しては、総務部を窓口とし毅然とした態度で組織的に対応を行う。また、これらの勢
力・団体からの介入を防止するために、警察当局等との緊密な連携を図るとともに、当社業務への関与を拒絶
し、あらゆる要求を排除する。
④ リスク管理体制の整備の状況
リスク管理体制については、社内に危機管理委員会を設置し、リスク管理体制の整備を行っているほか、社内規
程の整備に取り組んでおります。
⑤ 会社のコーポレート・ガバナンスの充実に向けた取組みの最近1年間における実施状況
取締役会は、年16回開催し、経営の基本方針、法令で定められた事項やその他重要事項を決議するとともに、業
務執行状況の監視を行っております。また、順法推進委員会においては、全委員の出席のもと原則、年12回開催
し、法令順守に向けて確認、検討を行っております。
⑥ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主
の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めておりま
す。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的
とするものであります。
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⑦ 中間配当の決定機関
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって
毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
⑧ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主
が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。
また、当社の取締役の選任は、累積投票によらない旨を定款に定めております。
⑨ 自己の株式の取得
当社は、自己の株式の取得について、機動的な資本政策の遂行を可能とするため、会社法第165条第2項の規定
に基づき、取締役会の決議によって、市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めており
ます。
⑩ 取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、取締役(取締役であった者を含む。)
及び監査役(監査役であった者を含む。)の会社法第423条第1項の損害賠償責任について、法令に定める要件に
該当する場合には、損害賠償責任額から法令に定める最低責任限度額を控除して得た額を限度として免除すること
ができる旨を定款に定めております。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発
揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
⑪ 責任限定契約の内容の概要
当社と取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)及び監査役との間で、会社法第427条第1項の規定に基
づき、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任
の限度額は、法令に定める最低責任限度額としております。
⑫ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険(D&O保険)契約を締
結しております。同保険の被保険者の範囲は、当社及び当社の子会社の取締役、監査役ならびにそれらの相続人で
あります。保険料は、当該役員が職務を行う会社が全額負担をしております。
当該保険契約の内容の概要は、被保険者がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求
を受ける事によって生ずることのある損害を当該保険契約により保険会社が塡補するものであります。
取締役及び監査役に新たに選任され就任した場合は、当該保険契約の被保険者となります。また、当該保険契約
は次回更新時においても更新を予定しております。
なお、当該保険契約では、被保険者が私的な利益または便宜の供与を違法に得るなど、法令に違反することを認
識しながら行った行為等に起因する損害賠償請求については、当該保険契約により塡補されません。また、塡補す
る額について限度額を設けることにより、当該役員の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を
講じております。
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(2)【役員の状況】
① 役員一覧
男性 11 名 女性 1 名 (役員のうち女性の比率 8.3 %)
所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(千株)
1973年6月 当社入社
1983年9月 編集部部長
1987年2月 取締役就任
1990年2月 常務取締役就任
1995年7月 専務取締役就任
代表取締役
水谷 邦照 1948年2月14日 生
(注)3 184
1998年7月 取締役副社長就任
会長
2003年6月 代表取締役社長就任
2013年6月 一般財団法人総合初等教育
研究所理事長就任(現任)
2013年6月
代表取締役会長就任(現任)
1981年6月 当社入社
1996年8月 準教科書編集グループリー
ダー
代表取締役
水谷 泰三 1957年3月9日 生
(注)3 48
2011年6月 取締役就任
社長
2015年5月 常務取締役就任
2016年6月
代表取締役社長就任(現任)
1986年3月 当社入社
2014年10月 出版部部長
取締役
2019年6月 取締役就任(現任)
出版・物流本部長、 大橋 正人 1963年5月13日 生 (注)3 7
2022年8月 出版・物流本部長、DX推
DX推進本部長
進本部長就任(現任)
1986年3月 当社入社
2007年8月 ソフト営業部部長
取締役
2020年6月
取締役就任(現任)
加藤 達也 1962年7月18日 生 (注)3 7
東京本部長、ICT事業本部長
2021年6月 東京本部長、ICT事業本
部長就任(現任)
1986年3月 当社入社
2011年9月 総務部部長
取締役
吉田 裕之 1964年3月18日 生 (注)3 13
2020年6月 取締役就任(現任)
管理本部長
2020年6月
管理本部長就任(現任)
1987年3月 当社入社
2014年1月 商品流通部部長
取締役
2019年8月 岐阜営業部部長
山田 哲生 1964年4月2日 生 (注)3 4
営業本部長
2021年6月 取締役就任(現任)
2021年6月
営業本部長就任(現任)
1990年3月 当社入社
2016年6月 編集部部長
取締役
2021年6月 取締役就任(現任)
杉野 幸男 1967年8月21日 生 (注)3 6
編集・製作本部長
2022年8月 編集・製作本部長就任(現
任)
1982年4月 文部省入省
2014年7月 文化庁次長
2016年1月 文部科学省生涯学習政策局
長
取締役 有松 育子 1958年7月16日 生 (注)3 -
2022年6月 株式会社博報堂DYホール
ディングス社外取締役(現
任)
2023年6月 当社取締役就任(現任)
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所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(千株)
2004年4月 岐阜県教育委員会教育次長
常勤監査役 田村 弘司 1950年12月5日 生
(注)4 -
2017年6月 当社監査役就任(現任)
2014年4月 公益財団法人岐阜県暴力追
放推進センター専務理事
監査役 杉山 俊博 1953年6月8日 生 (注)5 -
2020年6月
当社監査役就任(現任)
2019年7月 名古屋国税局調査部部長退
官
監査役 藤村 伸介 1958年11月16日 生
(注)5 -
2019年9月 税理士登録
2020年7月
当社監査役就任(現任)
2012年4月 堀法律事務所開設
2014年4月 岐阜県弁護士会副会長(現
監査役 堀 雅博 1977年3月16日 生
(注)6 -
任)
2023年6月 当社監査役就任(現任)
計
272
(注)1 取締役有松育子氏は、社外取締役であります。
2 監査役全員は、社外監査役であります。
3 2023年6月22日開催の定時株主総会の終結の時から2年間
4 2021年6月24日開催の定時株主総会の終結の時から4年間
5 2020年6月25日開催の定時株主総会の終結の時から4年間
6 2023年6月22日開催の定時株主総会の終結の時から4年間
② 社外役員の状況
当社の社外取締役は1名、社外監査役は4名であります。
社外取締役の有松育子氏は、教育行政の豊かな経験及び優れた知見を有しており、中立的な立場から経営に関
わる重要な事項について助言を行うとともに、コーポレート・ガバナンスの向上に活かせるものと判断しており
ます。
社外取締役1名は、当社との人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。
社外監査役4名は、当社との人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。
当社は、監査役に関しては、多面的に取締役の職務の執行が監視できるよう、教育者、弁護士、行政経験者、
税理士などから人選を行っており、監査役4名はすべて社外監査役であります。
また、監査役は、社内規程に基づき、会計監査人と密接な連携を保ちながら積極的に情報交換を行い、効率的
な監査を実施しており、年数回は監査役会において、監査体制、監査計画、監査実施状況などの報告を受けてお
ります。内部監査部門とは、社内規程に基づき、監査はそれぞれ独立して実施しているものの、緊密な連携を保
ち、必要に応じて相互の監査結果情報を交換し、監査効率の向上に努めております。
当社は、社外取締役又は社外監査役の選任にあたっては、会社法や証券取引所の規則等を参考にし、経歴や当
社との関係を踏まえて、当社経営陣から独立した立場で社外役員としての職務を遂行できる十分な独立性が確保
できることを個別に判断しております。
社外取締役及び社外監査役と当社との間には、特別の利害関係はなく、当社の一般株主と利益相反の生じるお
それはないと判断されることから、社外取締役1名、社外監査役4名を証券取引所の定める独立役員として届け
出ております。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部
統制部門との関係
社外取締役と社外監査役は、経営会議の内容、業務の進捗状況等の詳細な報告を受け、順法推進委員会への参
加等により情報を共有しており、取締役会の議論に積極的に参加できる状況であります。また、社外取締役は、
独立社外役員である監査役とは、情報交換が必要な場合は会合を設けることとしております。
内部監査は、業務監査結果について会計監査人と随時協議を行うほか、監査役会及び取締役会に報告しており
ます。
各監査役は自らの職務の執行状況について監査役会に随時報告するとともに、必要に応じて会計監査人、取締
役等から報告を受けております。
なお、これらの監査結果等は内部監査部門に適宜報告され、意見交換をしております。
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(3)【監査の状況】
① 監査役監査の状況
当社は、監査役会制度を採用しております。監査役監査は常勤監査役1名と非常勤監査役3名が実施してお
り、常勤監査役及び非常勤監査役全員は社外監査役であります。
a.各監査役の経験及び能力
常勤監査役 田村弘司氏は、教育行政の豊かな経験及び幅広い見識を有しております。監査役 杉山俊博
氏は、行政の豊かな経験及び幅広い見識を有しております。監査役 藤村伸介氏は、税理士の資格を有して
おり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。監査役 堀雅博氏は、弁護士の資格を有し
ており、コンプライアンスに関する豊かな経験と幅広い見識を有しております。
なお、堀雅博氏は2023年6月22日開催の第70期定時株主総会にて選任され、同日に就任しております。
b.当事業年度における監査役会の回数と出席状況
氏 名 開催回数 出席回数
田村 弘司 17回 17回
後藤 真一 17回 17回
杉山 俊博 17回 17回
藤村 伸介 17回 17回
後藤真一氏は、弁護士の資格を有しており、コンプライアンスに関する豊かな経験と幅広い見識
を有しております。後藤真一氏は、2023年6月22日開催の第70期定時株主総会にて退任いたしま
した。
c.監査活動の概要
監査役は当事業年度において監査役会を17回開催し、監査役会において定めた監査計画に基づいた監
査を行うとともに、取締役会、順法推進委員会など重要な社内会議へ出席し、子会社を含めた営業概況
や財産の状況、コンプライアンス体制等の会社の重要情報に関する報告を受けており、客観的立場から
取締役の職務執行を監視しております。また、会計監査人及び内部監査担当との情報交換、取締役、部
長からも適宜面談を実施し密接に連携して、監査の有効性・効率性を高めております。
監査役会の具体的な検討内容
・監査方針、監査計画及び業務分担について
・会計監査人に関する評価、監査報酬等
・内部統制システムの整備・運用状況
・競業取引、利益相反取引
・決算の適法性・適正性
・取締役会の決議内容等の監査
常勤監査役の活動は、監査役会の議長を務め、事業年度の監査計画を立案し各監査役とその内容について
審議しております。また、取締役会においては、審議事項、子会社を含めた報告事項等に関して意見を述べ
るなど、客観的立場から取締役の職務執行を監視しております。特に、会計監査人及び内部監査担当との情
報交換の中心的な役割を果たし、取締役、各部長と適宜面談を実施し密接に連携して、監査の有効性・効率
性を高めております。
② 内部監査の状況
内部監査は、専任スタッフ2名が担当しており、当社の全部署を対象とした業務監査を定期的に実施し、業務
の適正な運営・改善・能率の増進を図っております。また、業務監査結果については、会計監査人と随時協議を
行ない、各部署から改善状況を報告させることにより内部監査の実効性の確保を図り、取締役会並びに監査役及
び監査役会に報告しております。
③ 会計監査の状況
a.監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
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b.継続監査期間
37年間
・2002年3月期までは八重洲監査法人、2003年から新日本監査法人(現、EY新日本有限責任監査法人)であ
ります。ただし、監査業務を執行していた公認会計士が新日本監査法人(現、EY新日本有限責任監査法
人)へ異動し、継続して当社の監査業務を執行していたことから、同一の監査法人が継続して監査業務を
執行していると考えられるため、当該公認会計士の異動前の監査期間を合わせて記載しております。
・業務執行社員のローテーションに関しては適切に実施されており、原則として7会計期間を超えて監査業
務に関与しておりません。
c.業務を執行した公認会計士
髙橋 浩彦
中岡 秀二郎
d.監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士4名、その他9名であります。
e.監査法人の選定方針と理由
当社が監査公認会計士を選定するにあたって考慮するものとしている方針としては、監査法人の規模、品
質管理体制、独立性、専門性、監査活動の実施体制、監査報酬の水準等を総合的に判断して選定を行ってお
ります。
f.監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社の監査役及び監査役会は、監査法人に対して評価を行っております。評価については、監査法人の品
質管理体制、監査チーム、監査報酬等、監査役等とのコミュニケーション、経営者との関係、グループ監
査、不正リスクなどの観点について監査法人から報告書を受領し、また経理部門、内部監査部門からもヒア
リングを行い、整備・運用が十分に行われているかを確認し、評価を行っております。
④ 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報 監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報
報酬(千円) 酬(千円) 報酬(千円) 酬(千円)
24,800 24,800
提出会社 - -
連結子会社 - - - -
24,800 24,800
計 - -
(注)当社と会計監査人との間の監査契約においては、会社法上の監査に対する報酬等の額と金融商品取引法上の監査
に対する報酬等の額を区分しておらず、かつ、実質的にも区分できないことから、当連結会計年度の監査証明業
務に基づく報酬には、公認会計士法第2条第1項の業務に係る報酬等の額を記載しております。
b.監査公認会計士等と同一のネットワークに属する組織に対する報酬(a.を除く)
前連結会計年度
該当事項はありません。
当連結会計年度
該当事項はありません。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
前連結会計年度
該当事項はありません。
当連結会計年度
該当事項はありません。
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d.監査報酬の決定方針
当社の監査公認会計士に対する監査報酬の決定方針としましては、会社の規模、複雑性、リスクに対して合
理的かどうかなどの観点から他企業と比較を行い、監査実施の責任者及び監査チームのメンバーの監査時間等
の精査を通じて、監査報酬の水準が適切かどうかの評価を行っております。
e.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務遂行状況及び報酬見積りの算出根拠などが当
社の事業規模や事業内容に適切であるかどうかについて必要な検証を行ったうえで、会計監査人の報酬等の
額について同意の判断を行っております。
(4)【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
a.役員の報酬等の改訂について
当社は、外部識者を含む経営会議で継続的な審議を経て、2020年5月25日開催の取締役会にて役員報酬制度
を見直すことを決議し、2020年6月25日開催の定時株主総会で承認されました。具体的な内容は、取締役(社
外取締役を除く)に企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主と更なる価値共有
を進めることを目的とした譲渡制限付株式報酬です。
また、役員退職慰労金制度の廃止は、2020年5月25日開催の取締役会で決議し、2020年6月25日開催の定時
株主総会で承認されました。
以上の結果、当社の取締役報酬は、金銭報酬である固定報酬、金銭報酬である業績連動報酬(役員賞与)、
非金銭報酬である譲渡制限付株式報酬で構成しております。取締役の個人別の報酬等の内容について、固定報
酬と役員賞与の額は、代表取締役会長水谷邦照が各取締役の職位や職務執行の成果、取締役会での答申内容、
会社業績等を総合的に勘案し、代表取締役社長水谷泰三と協議の上決定いたします。
取締役の報酬等に関する株主総会の決議年月日は2015年6月25日であり、年額260,000千円以内であります。
なお、監督機能を担う社外取締役については、その職務に鑑み、金銭報酬である固定報酬のみを支給すること
としております。
業績連動報酬である役員賞与は取締役(社外取締役を除く。以下「対象取締役」という。)が対象で、株主
への配当の原資でもある事業年度の純粋な企業活動の成果を示す当期純利益を指標として選定し、当期純利益
と連動した業績連動型で毎年一定の時期に支給いたします。業績連動報酬として目標とする当期純利益の達成
条件は定めておりません。当事業年度における実績は813,622千円であり、当期純利益の10%を限度として支給
いたします。
取締役会は当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等について、経営に関して豊富な知識を有する代表取締
役が定められた範囲内で、独断にならないよう代表取締役会長水谷邦照と代表取締役社長水谷泰三が協議の上
で決定されたものであるため、報酬等の内容の決定方法及び決定された報酬等の内容が当該決定方針に沿うも
のであると判断しております。
非金銭報酬である譲渡制限付株式報酬は、上記の報酬枠とは別枠で、2020年6月25日開催の定時株主総会に
おいて、対象取締役に支給することを決議し、その総額を年額50,000千円以内としております。毎年一定の時
期に支給し、支給される金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式について発行又は
処分を受けるものとして、これにより発行又は、処分される普通株式の総数は年40,000株以内としておりま
す。各対象取締役への具体的な支給時期及び配分については、取締役会において決定いたします。
また、監査役の報酬につきましては、常勤、非常勤、勤続年数等を考慮して、監査役の協議により決定して
おります。当社の監査役の報酬等に関する株主総会の決議年月日は2006年6月29日であり、年額18,000千円以
内と定めております。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
報酬等の種類別の総額(千円)
対象となる
報酬等の総額
役員区分 役員の員数
(千円)
(人)
固定報酬 業績連動報酬 非金銭報酬等
199,510 123,750 56,000 19,760 7
取締役
19,215 19,215 5
社外取締役及び社外監査役 - -
(注)1 「業績連動報酬」欄に記載の金額は、当事業年度における役員賞与引当金の繰入額であります。
2 監査役は、すべて社外監査役であります。
3 取締役(社外取締役を除く。)に対する非金銭報酬等の総額は、譲渡制限付株式報酬であります。
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(5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、資産運用の一環として保有する投資株式を純投資目的である投資株式とし、純投資目的以外の目的で
保有する投資株式は、主に事業運営の連携強化、取引関係の維持・強化、及び安定的な資金調達等により当社の
持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資する企業の株式を保有することとしております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の
内容
当社の出版・教具事業では、今後も成長を続けていくための開発・生産・販売等の過程において、また、安
定的かつ継続的な金融取引関係の維持のために、様々な企業との協力関係が必要と考えております。具体的に
は、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式は、決算日現在で15銘柄保有しております。15銘柄を①
仕入先(セグメントの出版における原材料の仕入先)、②加工先(セグメントの出版における加工先)、③取
引先(物流企業)、④取引金融機関、⑤その他(経営安定、情報等の取得企業)の5つに区分し、事業戦略、
取引先との事業上の関係などを検討し、中長期的な企業価値の向上に資すると判断した場合について、保有し
ていく方針であります。この方針に基づき、当社は取締役会にて当該株式の検証を実施いたしました。今後
も、毎年、継続して検証を行ってまいります。
また、純投資目的以外の目的である投資株式の縮減については、事業戦略等を適宜見直し、株式保有する意
義が不十分、あるいは企業価値の向上がないと判断した株式については、保有株式の縮減を検討いたします。
具体的には、株式保有することによるリターンとリスク等を踏まえた中長期的な観点から、個別銘柄ごとの①
保有目的、②政策保有株式の株価動向、配当状況、③株式保有企業の業績動向、④個々の株式残高の当社純資
産に占める割合、ROE等の経営指標を考慮して、当社の資産が非効率に費消されていないかどうかを検証してお
ります。また、株式を保有している企業からの当社の企業戦略に見合った情報、保有先企業のノウハウ等を取
締役会における継続保有の重要項目として判断材料としております。
なお、取締役会における純投資目的以外の目的である投資株式についての報告・審議については、2022年5
月の取締役会にて検討しております。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
銘柄数 貸借対照表計上額の
(銘柄) 合計額(千円)
9 16,285
非上場株式
15 338,804
非上場株式以外の株式
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
銘柄数 株式数の増加に係る取得
株式数の増加の理由
(銘柄) 価額の合計額(千円)
非上場株式 - - -
非上場株式以外の株式 - - -
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
銘柄数 株式数の減少に係る売却
(銘柄) 価額の合計額(千円)
非上場株式 - -
非上場株式以外の株式 - -
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c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(千円) (千円)
定量的な保有効果については記載が困難
ですが、事業戦略において互恵目的で保
216,000 216,000
有の適否と、株価動向、配当状況、株式
保有企業の業績動向、個々の株式残高の
㈱TYK
当社純資産に占める割合、ROE等の経営 有
指標を考慮して、当社の資産が非効率に
費消されていないかどうかを取締役会で
71,280 63,504
定期的に検証を行い、保有の合理性があ
ると判断しております。
定量的な保有効果については記載が困難
ですが、セグメントの出版において、印
195,800 195,800
刷・発送業務等の取引を行っており、信
頼関係の構築・維持強化の必要性や事業
サンメッセ㈱
有
上の取引状況等に基づく保有意義、同社
との取引関係による経済合理性について
69,900 69,900
取締役会で定期的に検証を行い、保有の
合理性があると判断しております。
定量的な保有効果については記載が困難
ですが、財務・経理に係る業務の円滑な
34,804 34,804
推進のため保有しております。信頼関係
の構築・維持強化の必要性や事業上の取
㈱大垣共立銀行 引状況等に基づく保有意義、同社との取 有
引により事業展開する上での有意義な情
報等を得ることによる経済合理性につい
62,159 66,259
て取締役会で定期的に検証を行い、保有
の合理性があると判断しております。
定量的な保有効果については記載が困難
ですが、財務・経理に係る業務の円滑な
5,962 5,962
推進のため保有しております。信頼関係
の構築・維持強化の必要性や事業上の取
㈱三井住友フィナン
引状況等に基づく保有意義、同社との取 有
シャルグループ
引により事業展開する上での有意義な情
報等を得ることによる経済合理性につい
31,586 23,293
て取締役会で定期的に検証を行い、保有
の合理性があると判断しております。
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(千円) (千円)
定量的な保有効果については記載が困難
ですが、財務・経理に係る業務の円滑な
11,028 11,028
推進のため保有しております。信頼関係
の構築・維持強化の必要性や事業上の取
㈱十六フィナンシャ
引状況等に基づく保有意義、同社との取 有
ルグループ
引により事業展開する上での有意義な情
報等を得ることによる経済合理性につい
31,143 23,941
て取締役会で定期的に検証を行い、保有
の合理性があると判断しております。
定量的な保有効果については記載が困難
ですが、物流業務の取引を行っており、
26,000 26,000
信頼関係の構築・維持強化の必要性や事
業上の取引状況等に基づく保有意義、同
㈱エスライン 有
社との取引関係によって得る有意義な情
報等について取締役会で定期的に検証を
21,892 23,686
行い、保有の合理性があると判断してお
ります。
定量的な保有効果については記載が困難
ですが、セグメントの出版において、出
13,000 13,000
版物の原材料となる紙の仕入を行ってお
り、信頼関係の構築・維持強化の必要性
北越コーポレーショ
や事業上の取引状況等に基づく保有意 有
ン㈱
義、同社との取引関係による経済合理性
について取締役会で定期的に検証を行
11,531 9,035
い、保有の合理性があると判断しており
ます。
定量的な保有効果については記載が困難
ですが、物流業務等の取引を行ってお
6,964 6,964
り、信頼関係の構築・維持強化の必要性
セイノーホールディ
や事業上の取引状況等に基づく保有意
無
ングス㈱
義、同社との取引関係による経済合理性
について取締役会で定期的に検証を行
10,167 7,757
い、保有の合理性があると判断しており
ます。
定量的な保有効果については記載が困難
ですが、財務・経理に係る業務の円滑な
3,817 3,817
推進のため保有しております。信頼関係
の構築・維持強化の必要性や事業上の取
㈱みずほフィナン
引状況等に基づく保有意義、同社との取 有
シャルグループ
引により事業展開する上での有意義な情
報等を得ることによる経済合理性につい
7,168 5,981
て取締役会で定期的に検証を行い、保有
の合理性があると判断しております。
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(千円) (千円)
定量的な保有効果については記載が困難
ですが、セグメントの出版において、物
5,071 5,071
流業務に係る荷造包装用品の仕入をおこ
なっており、信頼関係の構築・維持強化
ダイナパック㈱
の必要性や事業上の取引状況等に基づく 有
保有意義、同社との取引関係による経済
合理性について取締役会で定期的に検証
6,582 6,450
を行い、保有の合理性があると判断して
おります。
定量的な保有効果については記載が困難
ですが、財務・経理に係る業務の円滑な
7,480 7,480
推進のため保有しております。信頼関係
の構築・維持強化の必要性や事業上の取
㈱三菱UFJフィナ
引状況等に基づく保有意義、同社との取 有
ンシャル・グループ
引により事業展開する上での有意義な情
報等を得ることによる経済合理性につい
6,342 5,687
て取締役会で定期的に検証を行い、保有
の合理性があると判断しております。
定量的な保有効果については記載が困難
ですが、セグメントの出版において、出
9,000 9,000
版物の原材料となる紙の仕入を行ってお
り、信頼関係の構築・維持強化の必要性
王子ホールディング
や事業上の取引状況等に基づく保有意 無
ス㈱
義、同社との取引関係による経済合理性
について取締役会で定期的に検証を行
4,716 5,463
い、保有の合理性があると判断しており
ます。
定量的な保有効果については記載が困難
ですが、財務・経理に係る業務の円滑な
5,515 5,515
推進のため保有しております。信頼関係
の構築・維持強化の必要性や事業上の取
野村ホールディング
引状況等に基づく保有意義、同社との取 有
ス㈱
引により事業展開する上での有意義な情
報等を得ることによる経済合理性につい
2,810 2,841
て取締役会で定期的に検証を行い、保有
の合理性があると判断しております。
定量的な保有効果については記載が困難
ですが、セグメントの出版において、出
1,300 1,300
版物の原材料となる紙の仕入を行ってお
り、信頼関係の構築・維持強化の必要性
日本製紙㈱
や事業上の取引状況等に基づく保有意 無
義、同社との取引関係による経済合理性
について取締役会で定期的に検証を行
1,329 1,350
い、保有の合理性があると判断しており
ます。
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(株) 株式数(株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(千円) (千円)
定量的な保有効果については記載が困難
100 100
ですが、事業戦略において業界の動きを
㈱ベネッセホール
知るために、取締役会で定期的に検証を 無
ディングス
行い、保有の合理性があると判断してお
194 224
ります。
(注)当社は、特定投資株式における定量的な保有効果については、個別の取引条件を開示できないため記載が困難で
あります。特定投資株式については、取締役会において、そのリターンとリスク等を踏まえた中長期的な観点か
ら、個別銘柄ごとの保有目的、政策保有株式の株価動向、配当状況、株式保有企業の業績動向、個々の株式残高
の当社純資産に占める割合、ROE等の経営指標に考慮して、当社の資産が非効率に費消されていないかどうかを
検証しています。また、企業戦略に見合った情報、保有先企業のノウハウ等の情報を取締役会における継続保有
の重要項目として判断材料としております。なお、2023年3月期においては2022年5月の取締役会にて純投資目
的以外の目的である投資株式についての保有の適否を検討しております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
当事業年度 前事業年度
区分
銘柄数 貸借対照表計上額の 銘柄数 貸借対照表計上額の
(銘柄) 合計額(千円) (銘柄) 合計額(千円)
非上場株式 - - - -
8 41,804 8 36,514
非上場株式以外の株式
当事業年度
区分
受取配当金の 売却損益の 評価損益の
合計額(千円) 合計額(千円) 合計額(千円)
非上場株式 - - -
1,151 18,509
非上場株式以外の株式 -
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第5【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)
に基づいて作成しております。
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下
「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しており
ます。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日
まで)の連結財務諸表及び事業年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の財務諸表について、EY新日本有限
責任監査法人による監査を受けております。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みについて
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っております。具体的には、会計基準等の内
容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準
機構へ加入しております。
また、監査法人等が主催するセミナーへの参加や会計専門誌の購読等により各種情報を取得しております。
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株式会社文溪堂(E00709)
有価証券報告書
1【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結貸借対照表】
(単位:千円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
資産の部
流動資産
6,312,153 7,103,192
現金及び預金
※1 1,274,514 ※1 1,299,321
受取手形及び売掛金
711,307 300,640
有価証券
※3 3,666,200 ※3 3,723,291
商品及び製品
455,436 229,365
仕掛品
393,523 443,273
原材料
104,524 102,028
その他
△ 1,153 △ 331
貸倒引当金
12,916,506 13,200,780
流動資産合計
固定資産
有形固定資産
※4.5 787,256 ※4.5 821,506
建物及び構築物(純額)
※5 2,958,514 ※5 2,958,514
土地
※4 129,224 ※4 121,643
その他(純額)
3,874,995 3,901,665
有形固定資産合計
無形固定資産
171,920 250,740
ソフトウエア
165,664 331,995
その他
337,584 582,735
無形固定資産合計
投資その他の資産
1,923,201 1,643,921
投資有価証券
11,355 7,343
繰延税金資産
※2 244,131 ※2 244,351
その他
△ 13,665 △ 13,350
貸倒引当金
2,165,022 1,882,266
投資その他の資産合計
6,377,603 6,366,667
固定資産合計
19,294,109 19,567,447
資産合計
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(単位:千円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
負債の部
流動負債
1,226,270 1,074,796
支払手形及び買掛金
1,524,163 1,605,821
電子記録債務
※5 365,182 ※5 380,000
短期借入金
286,814 160,977
未払法人税等
57,000 56,000
役員賞与引当金
※6 1,275,317 ※6 1,295,309
その他
4,734,749 4,572,904
流動負債合計
固定負債
※5 40,011
長期借入金 -
46,246 71,103
繰延税金負債
10,894 14,213
役員退職慰労引当金
391,780 364,172
退職給付に係る負債
6,954 7,036
資産除去債務
192,878 192,878
長期未払金
40,982 49,432
その他
729,748 698,837
固定負債合計
5,464,498 5,271,741
負債合計
純資産の部
株主資本
1,917,812 1,917,812
資本金
1,847,910 1,852,311
資本剰余金
10,334,733 10,704,111
利益剰余金
△ 286,128 △ 270,814
自己株式
13,814,328 14,203,422
株主資本合計
その他の包括利益累計額
33,417 101,895
その他有価証券評価差額金
△ 18,134 △ 9,611
退職給付に係る調整累計額
15,282 92,283
その他の包括利益累計額合計
13,829,611 14,295,706
純資産合計
19,294,109 19,567,447
負債純資産合計
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②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
(単位:千円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
※1 13,197,890 ※1 12,750,469
売上高
※2 7,676,442 ※2 7,433,462
売上原価
5,521,447 5,317,007
売上総利益
販売費及び一般管理費
1,102,839 1,100,221
荷造運搬費
606,122 541,590
広告宣伝費
189,485 189,675
役員報酬
1,184,342 1,111,175
給料及び手当
57,000 56,000
役員賞与引当金繰入額
51,282 43,192
退職給付費用
3,353 3,319
役員退職慰労引当金繰入額
227,497 213,606
福利厚生費
19,779 19,760
株式報酬費用
187,656 188,808
賃借料
79,451 78,172
租税公課
104,433 98,260
減価償却費
554,275 604,279
その他の経費
4,367,520 4,248,062
販売費及び一般管理費合計
1,153,927 1,068,944
営業利益
営業外収益
7,961 6,645
受取利息
11,218 12,388
受取配当金
24,930 27,096
受取賃貸料
1,171 1,220
受取保険金
1,274 1,337
保険配当金
17,082 10,729
雑収入
63,638 59,416
営業外収益合計
営業外費用
488 880
支払利息
524
有価証券償還損 -
6 590
雑損失
1,020 1,470
営業外費用合計
1,216,545 1,126,891
経常利益
特別利益
※3 399
-
固定資産売却益
399
特別利益合計 -
特別損失
※4 3,018 ※4 113
固定資産除却損
180 48,608
投資有価証券評価損
382
投資有価証券償還損 -
※5 4,485
減損損失 -
2,500
会員権評価損 -
810
-
貸倒損失
10,184 49,914
特別損失合計
1,206,761 1,076,976
税金等調整前当期純利益
法人税、住民税及び事業税 427,151 351,356
4,965 21,179
法人税等調整額
432,116 372,535
法人税等合計
774,644 704,440
当期純利益
774,644 704,440
親会社株主に帰属する当期純利益
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【連結包括利益計算書】
(単位:千円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
774,644 704,440
当期純利益
その他の包括利益
68,477
その他有価証券評価差額金 △ 30,050
10,185 8,523
退職給付に係る調整額
※ △ 19,864 ※ 77,001
その他の包括利益合計
754,779 781,442
包括利益
(内訳)
754,779 781,442
親会社株主に係る包括利益
非支配株主に係る包括利益 - -
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③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:千円)
株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
当期首残高 1,917,812 1,841,824 9,932,131 △ 299,458 13,392,310
会計方針の変更による累積
△ 27,700 △ 27,700
的影響額
会計方針の変更を反映した当
1,917,812 1,841,824 9,904,430 △ 299,458 13,364,610
期首残高
当期変動額
剰余金の配当
△ 344,341 △ 344,341
親会社株主に帰属する当期
774,644 774,644
純利益
自己株式の取得 △ 130 △ 130
自己株式の処分 6,085 13,460 19,545
株主資本以外の項目の当期
変動額(純額)
当期変動額合計 - 6,085 430,302 13,330 449,718
当期末残高 1,917,812 1,847,910 10,334,733 △ 286,128 13,814,328
その他の包括利益累計額
純資産合計
その他有価証券評価 退職給付に係る調整 その他の包括利益累
差額金 累計額 計額合計
当期首残高 63,467 △ 28,319 35,147 13,427,458
会計方針の変更による累積
△ 27,700
的影響額
会計方針の変更を反映した当
63,467 △ 28,319 35,147 13,399,757
期首残高
当期変動額
剰余金の配当 △ 344,341
親会社株主に帰属する当期
774,644
純利益
自己株式の取得 △ 130
自己株式の処分 19,545
株主資本以外の項目の当期
△ 30,050 10,185 △ 19,864 △ 19,864
変動額(純額)
当期変動額合計
△ 30,050 10,185 △ 19,864 429,853
当期末残高 33,417 △ 18,134 15,282 13,829,611
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当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:千円)
株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
当期首残高 1,917,812 1,847,910 10,334,733 △ 286,128 13,814,328
当期変動額
剰余金の配当 △ 335,062 △ 335,062
親会社株主に帰属する当期
704,440 704,440
純利益
自己株式の取得 △ 116 △ 116
自己株式の処分 4,401 15,430 19,832
株主資本以外の項目の当期
変動額(純額)
当期変動額合計 - 4,401 369,378 15,314 389,093
当期末残高 1,917,812 1,852,311 10,704,111 △ 270,814 14,203,422
その他の包括利益累計額
純資産合計
その他有価証券評価 退職給付に係る調整 その他の包括利益累
差額金 累計額 計額合計
当期首残高
33,417 △ 18,134 15,282 13,829,611
当期変動額
剰余金の配当 △ 335,062
親会社株主に帰属する当期
704,440
純利益
自己株式の取得 △ 116
自己株式の処分 19,832
株主資本以外の項目の当期
68,477 8,523 77,001 77,001
変動額(純額)
当期変動額合計 68,477 8,523 77,001 466,095
当期末残高 101,895 △ 9,611 92,283 14,295,706
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④【連結キャッシュ・フロー計算書】
(単位:千円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
1,206,761 1,076,976
税金等調整前当期純利益
131,890 146,459
減価償却費
33,553 40,135
ソフトウエア償却費
19,779 19,760
株式報酬費用
4,485
減損損失 -
2,500
会員権評価損 -
貸倒引当金の増減額(△は減少) △ 7,345 △ 1,137
役員賞与引当金の増減額(△は減少) △ 8,000 △ 1,000
3,319
役員退職慰労引当金の増減額(△は減少) △ 16,423
長期未払金の増減額(△は減少) △ 19,481 -
退職給付に係る負債の増減額(△は減少) △ 84,361 △ 27,608
受取利息及び受取配当金 △ 19,179 △ 19,033
488 880
支払利息
有形固定資産売却損益(△は益) △ 399 -
873 0
有形固定資産除却損
2,145 113
無形固定資産除却損
180 48,608
投資有価証券評価損益(△は益)
382
投資有価証券償還損益(△は益) -
810
貸倒損失 -
20,914
売上債権の増減額(△は増加) △ 61,369
119,230
棚卸資産の増減額(△は増加) △ 108,114
仕入債務の増減額(△は減少) △ 118,773 △ 66,017
60,297
△ 44,826
その他
1,101,789 1,235,683
小計
利息及び配当金の受取額 25,744 23,279
利息の支払額 △ 496 △ 894
5,090
法人税等の還付額 -
△ 392,319 △ 473,661
法人税等の支払額
739,807 784,405
営業活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出 △ 59,144 △ 102,928
400
有形固定資産の売却による収入 -
無形固定資産の取得による支出 △ 184,973 △ 241,557
投資有価証券の取得による支出 △ 200,000 △ 100,000
535,610 810,000
投資有価証券の償還による収入
保険積立金の積立による支出 △ 3,899 △ 3,899
8,388 4,005
保険積立金の払戻による収入
90
-
その他の収入
96,381 365,710
投資活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
265,000
短期借入金の純増減額(△は減少) △ 25,000
自己株式の取得による支出 △ 130 △ 116
△ 343,570 △ 333,960
配当金の支払額
財務活動によるキャッシュ・フロー △ 78,700 △ 359,076
757,488 791,039
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)
5,054,664 5,812,153
現金及び現金同等物の期首残高
※ 5,812,153 ※ 6,603,192
現金及び現金同等物の期末残高
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【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1.連結の範囲に関する事項
(1)連結子会社の数 2 社
連結子会社の名称
㈱学宝社
㈱ロビン企画
(2)主要な非連結子会社の名称等
主要な非連結子会社
㈲ブンケイ商事
(連結の範囲から除いた理由)
非連結子会社は小規模であり、その総資産、売上高、当期純損益及び利益剰余金等は、連結財務諸表に重要な影
響を及ぼさないため、連結の範囲から除外しております。
2.持分法の適用に関する事項
該当事項はありません。
3.連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社の決算日は連結決算日と同一であります。
4.会計方針に関する事項
(1)重要な資産の評価基準及び評価方法
(イ)有価証券
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定しております。)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
(ロ)棚卸資産
商品、製品及び原材料については、移動平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基
づく簿価切下げの方法)によっており、仕掛品については、個別法による原価法(貸借対照表価額については
収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)によっております。なお、連結子会社の一部の棚卸資産について
は、売価還元法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)及び最終
仕入原価法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)により評価し
ております。
(2)重要な減価償却資産の減価償却の方法
(イ)有形固定資産
定率法によっております。但し、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに2016年
4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については、定額法によっております。なお、主な耐用年数
は、建物及び構築物の8~50年であります。
(ロ)無形固定資産
定額法によっております。なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における見込利用可能期間(5
年)に基づいております。また、市場販売目的のソフトウエアについては、残存有効期間(3年以内)に基づ
く均等配分額と見込販売収益に基づく償却額のいずれか大きい金額を計上しております。
(3)重要な引当金の計上基準
(イ)貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権
については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(ロ)単行本在庫調整勘定
単行本の陳腐化による損失に備えるため、法人税法に規定する繰入限度相当額を計上しております。
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(ハ)役員賞与引当金
役員の賞与の支給に備えるため、支給見込額に基づき計上しております。
(ニ)役員退職慰労引当金
連結子会社である株式会社学宝社は、役員の退職により支給する退職慰労金に充てるため、役員退職慰労金
規程に基づく期末要支給額を計上しております。
(4)退職給付に係る会計処理の方法
従業員の退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、退職
給付債務から年金資産を控除した額を退職給付に係る負債として計上し、年金資産の額が退職給付債務を超える場
合には退職給付に係る資産として投資その他の資産に計上しております。
(イ)退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法について
は、期間定額基準によっております。
(ロ)数理計算上の差異の費用処理方法
数理計算上の差異は、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10
年)による定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理しております。
(ハ)未認識数理計算上の差異の費用処理方法
未認識数理計算上の差異については、税効果を調整の上、純資産の部におけるその他の包括利益累計額に計
上しております。
(ニ)小規模企業等における簡便法の採用
一部の連結子会社は、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給
額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。
(5)重要な収益及び費用の計上基準
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは、図書教材や教材・教具等の製造及び販売を行っております。このような商品及び製品の販売に
ついては、商品及び製品の引渡時点において顧客が当該商品及び製品の支配を獲得し、履行義務が充足されると判
断しております。ただし、出荷時から当該商品及び製品の支配が顧客に移転されるまでの期間が通常の期間である
ため、出荷時に収益を認識しております。収益は、顧客との契約において約束された対価から、返品、割戻金及び
売上割引を控除した金額で測定しております。
返品については、顧客に返金すると見込んでいる対価を返金負債として計上しております。当該返金負債の見積
りにあたっては、契約条件や過去の実績などに基づき算出しております。なお、返金負債の決済時に顧客が商品及
び製品を返品する場合、当社グループは顧客から商品及び製品を回収する権利として認識した資産を返品資産とし
て計上しております。返品される当該資産については、契約条件や過去の実績などに基づき算出しております。
割戻金については、顧客に支払われると見込まれる対価を返金負債として計上しております。当該返金負債の見
積りにあたっては、契約条件や過去の実績などに基づき算出しております。
売上割引については、顧客に支払われると見込まれる対価を返金負債として計上しております。当該返金負債の
見積りにあたっては、契約条件や過去の実績などに基づき算出しております。
物品の販売契約における対価は、物品に対する支配が顧客に移転した時点から主として1年以内に回収しており
ます。
なお、重要な金融要素は含んでおりません。
(6)連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
連結キャッシュ・フロー計算書における資金(現金及び現金同等物)は、手許現金、随時引き出し可能な預金及
び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限
の到来する短期投資からなっております。
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(重要な会計上の見積り)
繰延税金資産の回収可能性
(1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
繰延税金資産の金額は、連結財務諸表「注記事項(税効果会計関係)」の1.に記載の金額と同一であります。
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
①算出方法
将来減算一時差異に対して、将来の収益力等に基づく課税所得の見積りにより繰延税金資産の回収可能性を判
断しております。
課税所得の見積りは、事業計画を基礎としており、過去の実績及び事業計画に基づいて企業会計基準適用指針
第26号による企業分類を行い、繰延税金資産の回収可能額を算定しております。
②主要な仮定
主力商品であるテスト・ドリル等の出版物は、文部科学省が定める学習指導要領や教科書に準拠する必要があ
るため、その定期的な改訂に伴い、内容を見直す必要があります。次期教科書改訂は小学校においては2024年度
に予定されており、教育現場のニーズに対応した教材が提供できるかどうかが売上に影響を及ぼします。また、
日本が抱える少子化傾向が進行し市場が縮小することも売上に影響を及ぼします。
このように、学習指導要領や教科書改訂による影響及び少子化傾向を踏まえた売上の成長率を事業計画におけ
る主要な仮定としております。
③翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
これらの見積りは将来の不確実な経済状況及び会社の経営状況の影響を受け、実際に生じた時期及び金額が見
積りと異なった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性が
あります。
(会計方針の変更)
(時価の算定に関する会計基準の適用指針の適用)
「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2021年6月17日。以下「時価算定会
計基準適用指針」という。)を当連結会計年度の期首から適用し、時価算定会計基準適用指針第27-2項に定める経
過的な取扱いに従って、時価算定会計基準適用指針が定める新たな会計方針を将来にわたって適用することとしてお
ります。これによる、連結財務諸表に与える影響はありません。
なお、「金融商品関係」注記の金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項における投資信託に関する注記
事項においては、時価算定会計基準適用指針第27-3項に従って、前連結会計年度に係るものについては記載してお
りません。
(未適用の会計基準等)
・「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日 企業会計基準委員
会)
・「包括利益の表示に関する会計基準」(企業会計基準第25号 2022年10月28日 企業会計基準委員会)
・「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日 企業会計基準委員
会)
(1)概要
2018年2月に企業会計基準第28号「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」等(以下「企業会計基準第28
号等」)が公表され、日本公認会計士協会における税効果会計に関する実務指針の企業会計基準委員会への移管
が完了されましたが、その審議の過程で、次の2つの論点について、企業会計基準第28号等の公表後に改めて検
討を行うこととされていたものが、審議され、公表されたものであります。
・税金費用の計上区分(その他の包括利益に対する課税)
・グループ法人税制が適用される場合の子会社株式等(子会社株式又は関連会社株式)の売却に係る税効果
(2)適用予定日
2025年3月期の期首から適用します。
(3)当該会計基準等の適用による影響
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用による連結財務諸表に与える影響額については、
現時点で評価中であります。
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(連結貸借対照表関係)
※1 受取手形及び売掛金のうち、顧客との契約から生じた債権の金額は、それぞれ以下のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
受取手形 22,972 千円 22,830 千円
1,251,542 1,276,491
売掛金
※2 非連結子会社に対するものは、次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
投資その他の資産(その他) 3,590千円 3,590千円
※3 製品より控除した単行本在庫調整勘定
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
単行本在庫調整勘定 125,370千円 121,576千円
※4 有形固定資産の減価償却累計額
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
減価償却累計額 3,420,736 千円 3,470,006 千円
※5 担保資産及び担保付債務
担保に供している資産は、次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
建物 284,316千円 302,787千円
土地 529,825 529,825
計 814,141 832,613
担保付債務は、次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
短期借入金 365,182千円 340,000千円
長期借入金 11 -
計 365,193 340,000
※6 流動負債「その他」のうち、契約負債の残高
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
契約負債 218,116 千円 181,237 千円
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(連結損益計算書関係)
※1 顧客との契約から生じる収益
売上高については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載しておりません。顧客との
契約から生じる収益の金額は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解
した情報」に記載しております。
※2 期末棚卸高は収益性の低下に伴う簿価切下後の金額であり、次の棚卸資産評価損(洗替法による戻入額相殺後)
が売上原価に含まれております。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
△ 9,576 千円 4,656 千円
※3 固定資産売却益の内容は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
その他(機械及び装置) 399千円 -千円
※4 固定資産除却損の内容は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
建物及び構築物 53千円 -千円
その他(機械及び装置) 0 -
その他(車両運搬具) 0 0
その他(工具、器具及び備品) 819 0
ソフトウエア 2,145 113
計 3,018 113
※5 減損損失
当社グループは、以下の資産グループについて減損損失を計上しました。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
場所 用途 種類
岐阜県大垣市 事業資産 その他(工具、器具及び備品)
岐阜県大垣市 事業資産 ソフトウエア
岐阜県羽島市 事業資産 ソフトウエア
当社グループは、事業資産については継続的に損益を把握している管理会計上の区分により、グルーピングを
行っております。
収益性の低下により投資の回収が見込めなくなった事業資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当
該減少額4,485千円を減損損失として特別損失に計上しております。その内訳は、工具、器具及び備品2,214千円、
ソフトウエア2,270千円であります。
なお、回収可能価額は使用価値により測定しており、回収可能性が認められないため、零としております。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
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(連結包括利益計算書関係)
※ その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
その他有価証券評価差額金:
当期発生額 △31,861千円 23,537千円
組替調整額 705 48,991
税効果調整前
△31,156 72,528
税効果額 1,105 △4,050
その他有価証券評価差額金
△30,050 68,477
退職給付に係る調整額:
当期発生額 △880 2,291
組替調整額 15,414 9,870
税効果調整前
14,533 12,162
税効果額 △4,348 △3,639
退職給付に係る調整額
10,185 8,523
その他の包括利益合計
△19,864 77,001
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
当連結会計年度 当連結会計年度 当連結会計年度 当連結会計年度末
期首株式数(株) 増加株式数(株) 減少株式数(株) 株式数(株)
発行済株式
普通株式 6,600,000 - - 6,600,000
合計 6,600,000 - - 6,600,000
自己株式
普通株式 322,555 100 14,489 308,166
合計 322,555 100 14,489 308,166
(注)1.普通株式の自己株式の減少14,489株は、取締役(ただし、社外取締役を除く)を対象とする株式報酬制度に
かかる信託が保有する当社株式の処分であります。
2.普通株式の自己株式の増加100株は、単元未満株式の買取りによる増加であります。
2.配当に関する事項
(1)配当金支払額
配当金の総額 1株当たり配当
(決議) 株式の種類 基準日 効力発生日
(千円) 額(円)
2021年6月24日
普通株式 197,739 31.50 2021年3月31日 2021年6月25日
定時株主総会
2021年11月8日
普通株式 146,602 23.30 2021年9月30日 2021年12月3日
取締役会
(2)基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
配当金の総額 1株当たり配
(決議) 株式の種類 配当の原資 基準日 効力発生日
(千円) 当額(円)
2022年6月23日
普通株式 207,001 利益剰余金 32.90 2022年3月31日 2022年6月24日
定時株主総会
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当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
当連結会計年度 当連結会計年度 当連結会計年度 当連結会計年度末
期首株式数(株) 増加株式数(株) 減少株式数(株) 株式数(株)
発行済株式
普通株式 6,600,000 - - 6,600,000
合計 6,600,000 - - 6,600,000
自己株式
普通株式 308,166 100 16,610 291,656
合計 308,166 100 16,610 291,656
(注)1.普通株式の自己株式の減少16,610株は、取締役(ただし、社外取締役を除く)を対象とする株式報酬制度に
かかる信託が保有する当社株式の処分であります。
2.普通株式の自己株式の増加100株は、単元未満株式の買取りによる増加であります。
2.配当に関する事項
(1)配当金支払額
配当金の総額 1株当たり配当
(決議) 株式の種類 基準日 効力発生日
(千円) 額(円)
2022年6月23日
普通株式 207,001 32.90 2022年3月31日 2022年6月24日
定時株主総会
2022年11月9日
普通株式 128,061 20.30 2022年9月30日 2022年12月5日
取締役会
(2)基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
配当金の総額 1株当たり配
(決議) 株式の種類 配当の原資 基準日 効力発生日
(千円) 当額(円)
2023年6月22日
普通株式 197,451 利益剰余金 31.30 2023年3月31日 2023年6月23日
定時株主総会
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※ 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
現金及び預金勘定 6,312,153千円 7,103,192千円
預入期間が3か月を超える定期預金 △500,000 △500,000
現金及び現金同等物 5,812,153 6,603,192
(リース取引関係)
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
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(金融商品関係)
1.金融商品の状況に関する事項
(1)金融商品に対する取組方針
当社グループは、資金運用については安全性の高い金融資産(預金、国債、社債等)に限定し、短期的な運転資
金を銀行借入により調達しております。また、デリバティブ取引、投機的な取引は行わない方針であります。
(2)金融商品の内容及びそのリスク
営業債権である受取手形及び売掛金は顧客の信用リスクがあり、有価証券及び投資有価証券は、主に社債及び取
引先企業の株式であり、市場価格の変動リスクがあります。
営業債務である支払手形及び買掛金、電子記録債務は、そのほとんどが4か月以内の支払期日であります。
(3)金融商品に係るリスク管理体制
受取手形及び売掛金に係る顧客の信用リスクは、不良債権リスク規程に従い、営業部が取引先の状況を定期的に
モニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握
や軽減を図っております。
有価証券及び投資有価証券のうち、満期保有目的の債券は資金運用規程に従い格付の高い債券のみを対象として
いるため、信用リスクは僅少であり、上場株式は定期的に発行体の財務状況等を確認し、四半期ごとに時価の把握
を行っております。
借入金の使途は運転資金(主として短期)であり、長期借入金の支払利息は固定金利により実行しております。
(4)金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件等を採用することにより、当
該価額が変動することがあります。
2.金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりであります。また、現金及び預金、受取手
形及び売掛金、支払手形及び買掛金、電子記録債務、短期借入金、未払法人税等については、短期間で決済されるた
め時価が帳簿価額に近似することから、注記を省略しております。
前連結会計年度(2022年3月31日)
連結貸借対照表計上額
時価(千円) 差額(千円)
(千円)
有価証券及び投資有価証券 2,615,663 2,615,663 -
資産計 2,615,663 2,615,663 -
長期借入金 40,193 40,026 △167
負債計 40,193 40,026 △167
当連結会計年度(2023年3月31日)
連結貸借対照表計上額
時価(千円) 差額(千円)
(千円)
有価証券及び投資有価証券 1,925,716 1,925,716 -
資産計 1,925,716 1,925,716 -
長期借入金 40,000 39,862 △137
負債計 40,000 39,862 △137
市場価格のない株式等
区分 前連結会計年度(千円) 当連結会計年度(千円)
非上場株式 22,435 22,435
上記は、「有価証券及び投資有価証券」には含めておりません。
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(注)1 金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2022年3月31日)
1年超 5年超
1年以内 10年超
5年以内 10年以内
(千円) (千円)
(千円) (千円)
現金及び預金 6,305,242 - - -
受取手形及び売掛金 1,274,514 - - -
有価証券及び投資有価証券
その他有価証券のうち満期
があるもの
(1)社債 710,000 1,400,000 100,000 -
(2)その他 - 48,496 - -
合計 8,289,757 1,448,496 100,000 -
当連結会計年度(2023年3月31日)
1年超 5年超
1年以内 10年超
5年以内 10年以内
(千円) (千円)
(千円) (千円)
現金及び預金 7,095,810 - - -
受取手形及び売掛金 1,299,321 - - -
有価証券及び投資有価証券
その他有価証券のうち満期
があるもの
(1)社債 300,000 1,100,000 100,000 -
(2)その他 - 47,618 - -
合計 8,695,131 1,147,618 100,000 -
2 短期借入金及び長期借入金の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2022年3月31日)
1年超 2年超 3年超 4年超
1年以内 5年超
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
(千円) (千円)
(千円) (千円) (千円) (千円)
短期借入金 365,000 - - - - -
長期借入金 182 40,011 - - - -
合計 365,182 40,011 - - - -
当連結会計年度(2023年3月31日)
1年超 2年超 3年超 4年超
1年以内 5年超
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
(千円) (千円)
(千円) (千円) (千円) (千円)
短期借入金 340,000 - - - - -
長期借入金 40,000 - - - - -
合計 380,000 - - - - -
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3.金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類
しております。
レベル1の時価:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により算定した時価
レベル2の時価:レベル1のインプット以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:重要な観察できないインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属する
レベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
(1)時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
前連結会計年度(2022年3月31日)
時価(千円)
区分
レベル1 レベル2 レベル3 合計
有価証券及び投資有価証券
株式 351,890 - - 351,890
社債 - 2,215,277 - 2,215,277
その他 - 48,496 - 48,496
資産計 351,890 2,263,773 - 2,615,663
当連結会計年度(2023年3月31日)
時価(千円)
区分
レベル1 レベル2 レベル3 合計
有価証券及び投資有価証券
株式 380,609 - - 380,609
社債 - 1,497,489 - 1,497,489
その他 - 47,618 - 47,618
資産計 380,609 1,545,107 - 1,925,716
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(2)時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
前連結会計年度(2022年3月31日)
時価(千円)
区分
レベル1 レベル2 レベル3 合計
長期借入金 - 40,026 - 40,026
負債計 - 40,026 - 40,026
当連結会計年度(2023年3月31日)
時価(千円)
区分
レベル1 レベル2 レベル3 合計
長期借入金 - 39,862 - 39,862
負債計 - 39,862 - 39,862
(注) 時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
有価証券及び投資有価証券
上場株式は相場価格を用いて評価しております。上場株式は活発な市場で取引されているため、その時価を
レベル1の時価に分類しております。
一方で、社債、投資信託は市場での取引頻度が低く、活発な市場における相場価格とは認められないため、
その時価をレベル2の時価に分類しております。
長期借入金
長期借入金の時価は、元利金の合計額と、当該債務の残存期間及び信用リスクを加味した利率を基に、割引
現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類しております。なお、長期借入金には一年以内に返済
予定の長期借入金を含めております。
(有価証券関係)
1.その他有価証券
前連結会計年度(2022年3月31日)
連結貸借対照表計
種類 取得原価(千円) 差額(千円)
上額(千円)
(1)株式 257,348 187,405 69,943
(2)債券 703,710 701,440 2,269
連結貸借対照表計上額が
取得原価を超えるもの
(3)その他 48,496 20,400 28,096
小計 1,009,554 909,246 100,308
(1)株式 94,541 140,937 △46,395
(2)債券 1,511,567 1,514,707 △3,140
連結貸借対照表計上額が
取得原価を超えないもの
(3)その他 - - -
小計 1,606,108 1,655,644 △49,535
合計 2,615,663 2,564,890 50,773
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当連結会計年度(2023年3月31日)
連結貸借対照表計
種類 取得原価(千円) 差額(千円)
上額(千円)
(1)株式 313,845 212,196 101,648
(2)債券 300,810 300,663 146
連結貸借対照表計上額が
取得原価を超えるもの
(3)その他 47,618 20,400 27,218
小計 662,273 533,260 129,012
(1)株式 66,764 67,537 △773
(2)債券 1,196,679 1,201,616 △4,937
連結貸借対照表計上額が
取得原価を超えないもの
(3)その他 - - -
小計 1,263,443 1,269,154 △5,711
合計 1,925,716 1,802,414 123,301
2.売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
3.減損処理を行った有価証券
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当連結会計年度において、投資有価証券について180千円(その他有価証券で市場価格のない株式等以外のもの
180千円)減損処理を行っております。
減損処理にあたっては、その他有価証券で市場価格のない株式等以外のものについては、連結会計年度末におけ
る時価が取得原価に比べ、50%以上の下落率の銘柄については全て減損処理を行い、30%以上50%未満の下落率の
銘柄について発行会社の業績及び過去の時価の推移等を考慮し、時価の回復可能性が認められないと判断される銘
柄を減損処理しております。
また、その他有価証券で市場価格のない株式等については、実質価額が取得原価に比べ、50%以上の下落率の銘
柄について、時価の回復可能性が認められないと判断される銘柄を減損処理しております。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度において、投資有価証券について48,608千円(その他有価証券で市場価格のない株式等以外のも
の48,608千円)減損処理を行っております。
減損処理にあたっては、その他有価証券で市場価格のない株式等以外のものについては、連結会計年度末におけ
る時価が取得原価に比べ、50%以上の下落率の銘柄については全て減損処理を行い、30%以上50%未満の下落率の
銘柄について発行会社の業績及び過去の時価の推移等を考慮し、時価の回復可能性が認められないと判断される銘
柄を減損処理しております。
また、その他有価証券で市場価格のない株式等については、実質価額が取得原価に比べ、50%以上の下落率の銘
柄について、時価の回復可能性が認められないと判断される銘柄を減損処理しております。
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(退職給付関係)
1.採用している退職給付制度の概要
当社および一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型の制度として退職一時金制度、確定
給付企業年金制度を採用しており、連結子会社1社は中小企業退職金共済制度を採用しております。
また、当社および連結子会社1社は、出版企業年金基金(複数事業主制度)に加入しておりますが、自社の拠出に
対応する年金資産の額を合理的に計算することができないため、確定拠出制度と同様に会計処理しております。
2.確定給付制度
(1)退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表((3)に掲げられた簡便法を適用した制度を除く)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
退職給付債務の期首残高 908,587千円 829,311千円
勤務費用 50,651 49,049
利息費用 2,008 1,830
数理計算上の差異の発生額 △182 △5,182
退職給付の支払額 △131,753 △54,246
退職給付債務の期末残高 829,311 820,762
(2)年金資産の期首残高と期末残高の調整表((3)に掲げられた簡便法を適用した制度を除く)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
年金資産の期首残高 519,019千円 504,689千円
期待運用収益 6,487 6,308
数理計算上の差異の発生額 △1,062 △2,890
事業主からの拠出額 79,841 53,374
退職給付の支払額 △99,596 △39,641
年金資産の期末残高 504,689 521,841
(3)簡便法を適用した制度の、退職給付に係る負債の期首残高と期末残高の調整表
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
退職給付に係る負債の期首残高 86,574千円 67,158千円
退職給付費用 19,663 11,819
退職給付の支払額 △33,499 △8,625
制度への拠出額 △5,579 △5,102
退職給付に係る負債の期末残高 67,158 65,250
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(4)退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債の調整表
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
積立型制度の退職給付債務 965,270千円 954,909千円
年金資産 △573,489 △590,737
連結貸借対照表に計上された負債の純額 391,780 364,172
退職給付に係る負債 391,780 364,172
連結貸借対照表に計上された負債の純額 391,780 364,172
(注)簡便法を適用した制度を含みます。
(5)退職給付費用及びその内訳項目の金額
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
勤務費用 59,689千円 57,931千円
利息費用 2,008 1,830
期待運用収益 △6,487 △6,308
数理計算上の差異の費用処理額 15,414 9,870
簡便法で計算した退職給付費用 19,663 11,819
確定給付制度に係る退職給付費用 90,288 75,142
(6)退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
未認識数理計算上の差異 △14,533千円 △12,162千円
合 計 △14,533 △12,162
(7)退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
未認識数理計算上の差異 25,877千円 13,714千円
合 計 25,877 13,714
(8)年金資産に関する事項
① 年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は、次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
債券 5% 5%
株式 4 4
一般勘定 91 91
合 計 100 100
② 長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する
多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しております。
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(9)数理計算上の計算基礎に関する事項
主要な数理計算上の計算基礎
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
割引率 0.0~0.3% 0.0~0.3%
長期期待運用収益率 1.25% 1.25%
3.複数事業主制度
確定拠出制度と同様に会計処理する、複数事業主制度の企業年金基金制度への要拠出額は、前連結会計年度10,894
千円、当連結会計年度10,650千円であります。
(1)複数事業主制度の直近の積立状況
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
年金資産の額 46,119,940千円 44,871,193千円
年金財政計算上の数理債務の額と
41,169,952 41,122,986
最低責任準備金の額との合計額
差引額 4,949,988 3,748,206
(2)複数事業主制度の掛金に占める当社グループの割合
前連結会計年度 1.09% (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当連結会計年度 1.10% (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(3)補足説明
上記(1)の差引額の主な要因は、繰越剰余金(前連結会計年度4,949,988千円、当連結会計年度3,748,206千円)
であります。
なお、上記(2)の割合は当社グループの実際の負担割合とは一致しません。
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(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
繰延税金資産
役員退職慰労引当金 3,757千円 4,902千円
長期未払金 57,709 57,709
株式報酬費用 9,273 15,186
退職給付に係る負債 120,168 111,805
有価証券評価損 43,392 57,936
貸倒引当金 4,435 4,093
未払事業税 17,782 13,019
未払賞与 115,803 109,485
減損損失累計額 160,114 34,714
税務上の繰越欠損金 107,408 113,935
資産除去債務 1,526 2,029
58,729 56,375
その他
繰延税金資産小計 700,101 581,192
評価性引当額 △345,795 △248,066
繰延税金資産合計
354,305 333,125
繰延税金負債
土地譲渡損 △357,181 △357,181
買換資産圧縮積立金 △1,863 △1,728
固定資産圧縮積立金 △8,254 △8,254
△21,898 △29,721
その他
繰延税金負債合計 △389,197 △396,886
繰延税金資産(負債)の純額 △34,891 △63,760
(注)前連結会計年度及び当連結会計年度における繰延税金資産(負債)の純額は、連結貸借対照表の以下の項目に
含まれております。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
繰延税金資産(固定)
11,355千円 7,343千円
繰延税金負債(固定) △46,246 △71,103
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった
主要な項目別の内訳
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
法定実効税率
29.9% 29.9%
(調整)
3.7 2.3
評価性引当額に係る影響
1.9 2.0
交際費等永久に損金に算入されない項目
0.5 0.5
住民税の均等割等
△0.1 △0.1
受取配当金等永久に益金に算入されない項目
- 2.1
子会社株式売却損益による連結修正
- △2.1
税額控除
△0.3 △0.1
その他
税効果会計適用後の法人税等の負担率 35.6 34.5
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(資産除去債務関係)
前連結会計年度末(2022年3月31日)
資産除去債務の総額に重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度末(2023年3月31日)
資産除去債務の総額に重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(賃貸等不動産関係)
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
賃貸等不動産の総額に重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
賃貸等不動産の総額に重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(収益認識関係)
1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報
顧客との契約から生じる収益を分解した情報は、「注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりでありま
す。
2.顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
収益を理解するための基礎となる情報は「会計方針に関する事項 (5)重要な収益及び費用の計上基準」に記
載のとおりであります。
3.顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当連結会計年
度末において存在する顧客との契約から翌連結会計年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関す
る情報
(1)契約資産及び契約負債の残高等
(単位:千円)
前連結会計年度 当連結会計年度
顧客との契約から生じた債権(期首残高) 1,334,162 1,274,514
顧客との契約から生じた債権(期末残高) 1,274,514 1,299,321
契約負債(期首残高) 263,417 218,116
契約負債(期末残高) 218,116 181,237
契約負債は主に、出版事業に係る顧客からの前受金であります。
前連結会計年度に認識された収益のうち、期首現在の契約負債残高に含まれていた金額は161,091千円であ
り、当連結会計年度に認識された収益のうち、期首現在の契約負債残高に含まれていた金額は136,119千円であ
ります。
(2)残存履行義務に配分した取引価格
当連結会計年度末における残存履行義務に配分された取引価格の総額及び収益が見込まれる時期は以下のとお
りであります。
(単位:千円)
前連結会計年度 当連結会計年度
1年以内 120,967 120,050
1年超 120,967 -
合計 241,934 120,050
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(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の
配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、本社に製品・サービス別の事業本部を置き、各事業本部は取り扱う製品・サービスについて包括的な戦略
を立案し、事業活動を展開しております。
従って、当社は、事業本部を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「出版」及び「教
具」の2つを報告セグメントとしております。なお、「出版物」、「中学出版物」等は、経済的特長、製品及びサー
ビスの内容等の集約基準に照らし合わせて、「出版」に集約して1つの事業セグメントとしております。
「出版」は、小学生及び中学生が使用するテスト・ドリル等の出版物を製造販売しております。「教具」は、小学
生及び中学生が使用する裁縫セット・家庭科布教材等の教具品(プラスチック製、布製の教材)を製造販売しており
ます。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠し
た方法であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報並びに収益の分解情報
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:千円)
報告セグメント
連結財務諸
調整額
表計上額
(注)1
(注)2
出版 教具 計
売上高
一時点で移転される財 9,322,786 3,770,686 13,093,472 - 13,093,472
一定の期間にわたり移
104,417 - 104,417 - 104,417
転されるサービス
顧客との契約から生じ
9,427,204 3,770,686 13,197,890 - 13,197,890
る収益
その他の収益 - - - - -
9,427,204 3,770,686 13,197,890 13,197,890
外部顧客への売上高 -
セグメント間の内部
- - - - -
売上高又は振替高
9,427,204 3,770,686 13,197,890 13,197,890
計 -
1,728,008 400,249 2,128,258 1,153,927
セグメント利益 △ 974,331
その他の項目
38,107 3,536 41,644 90,246 131,890
減価償却費
有形固定資産及び
103,776 2,864 106,640 141,688 248,329
無形固定資産の増加額
(注)1 調整額は、以下のとおりであります。
(1)セグメント利益の調整額△974,331千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に報
告セグメントに帰属しない管理部門の販売管理費であります。
(2)減価償却費の調整額90,246千円は、本社建物、東京本社建物等の減価償却費であります。
(3)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額141,688千円は、報告セグメントに帰属しない管理部門
等の全社で共有する建物や基幹システムの再構築費用等であります。
2 セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
3 当社グループの資産、負債の大部分は、報告セグメントの「出版」、「教具」及び報告セグメントに帰属し
ない管理部門にて共有しているため、事業セグメントに資産、負債を配分しておりません。
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当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:千円)
報告セグメント
連結財務諸
調整額
表計上額
(注)1
(注)2
出版 教具 計
売上高
一時点で移転される財 8,862,615 3,774,558 12,637,174 - 12,637,174
一定の期間にわたり移
113,295 - 113,295 - 113,295
転されるサービス
顧客との契約から生じ
8,975,910 3,774,558 12,750,469 - 12,750,469
る収益
その他の収益 - - - - -
8,975,910 3,774,558 12,750,469 12,750,469
外部顧客への売上高 -
セグメント間の内部
- - - - -
売上高又は振替高
8,975,910 3,774,558 12,750,469 12,750,469
計 -
1,642,966 388,647 2,031,614 1,068,944
セグメント利益 △ 962,669
その他の項目
40,825 21,272 62,098 84,361 146,459
減価償却費
有形固定資産及び
215,378 20,542 235,920 242,801 478,721
無形固定資産の増加額
(注)1 調整額は、以下のとおりであります。
(1)セグメント利益の調整額△962,669千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に報
告セグメントに帰属しない管理部門の販売管理費であります。
(2)減価償却費の調整額84,361千円は、本社建物、東京本社建物等の減価償却費であります。
(3)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額242,801千円は、報告セグメントに帰属しない管理部門
等の全社で共有する建物や基幹システムの再構築費用等であります。
2 セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
3 当社グループの資産、負債の大部分は、報告セグメントの「出版」、「教具」及び報告セグメントに帰属し
ない管理部門にて共有しているため、事業セグメントに資産、負債を配分しておりません。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
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有価証券報告書
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:千円)
報告セグメント
調整額 合計
出版 教具 計
4,485 4,485 4,485
減損損失 - -
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
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【関連当事者情報】
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
(1株当たり情報)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
2,198.02円 2,266.15円
1株当たり純資産額
123.21円 111.76円
1株当たり当期純利益
(注)1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
親会社株主に帰属する当期純利益(千
774,644 704,440
円)
普通株主に帰属しない金額(千円) - -
普通株式に係る親会社株主に帰属する
774,644 704,440
当期純利益(千円)
普通株式の期中平均株式数(株) 6,287,145 6,302,985
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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⑤【連結附属明細表】
【社債明細表】
該当事項はありません。
【借入金等明細表】
当期首残高 当期末残高 平均利率
区分 返済期限
(千円) (千円) (%)
短期借入金 365,000 340,000 0.3 -
1年以内に返済予定の長期借入金 182 40,000 0.0 -
1年以内に返済予定のリース債務 - - - -
長期借入金(1年以内に返済予定のものを除く) 40,011 - - -
リース債務(1年以内に返済予定のものを除く) - - - -
その他有利子負債 - - - -
合計 405,193 380,000 - -
(注) 平均利率は、期末借入金残高に対する加重平均利率を記載しております。
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における資産除去債務の金額が、当連結会計年度期首及び当連結会
計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、連結財務諸表規則第92条の2の規定に
より記載を省略しております。
(2)【その他】
① 当連結会計年度における四半期情報等
(累計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 当連結会計年度
売上高(千円) 5,202,982 8,420,531 10,654,366 12,750,469
税金等調整前四半期(当期)純利益(千円) 1,107,735 1,830,855 1,882,481 1,076,976
親会社株主に帰属する四半期(当期)純利益(千
779,974 1,278,703 1,266,696 704,440
円)
1株当たり四半期(当期)純利益(円) 123.96 203.04 201.02 111.76
(会計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
1株当たり四半期純利益又は1株当たり四半期純
123.96 79.12 △1.90 △89.12
損失(△)(円)
② 決算日後の状況
特記事項はありません。
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2【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
(単位:千円)
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
資産の部
流動資産
6,213,237 7,003,234
現金及び預金
6,744 10,742
受取手形
※2 1,116,513 ※2 1,104,834
売掛金
711,307 300,640
有価証券
3,188,830 3,227,353
商品及び製品
250,220 151,202
仕掛品
390,745 439,812
原材料
39,562 42,822
前払費用
※2 57,407 ※2 53,976
その他
△ 1,116 △ 331
貸倒引当金
11,973,451 12,334,287
流動資産合計
固定資産
有形固定資産
※1 642,642 ※1 686,440
建物
26,874 24,069
構築物
18,739 43,635
機械及び装置
4,359 2,518
車両運搬具
71,977 60,088
工具、器具及び備品
※1 2,814,940 ※1 2,814,940
土地
15,576 2,750
建設仮勘定
3,595,111 3,634,444
有形固定資産合計
無形固定資産
162,607 239,593
ソフトウエア
164,344 330,676
その他
326,952 570,270
無形固定資産合計
投資その他の資産
1,920,641 1,641,361
投資有価証券
3,590 85,619
関係会社株式
17,343 21,375
前払年金費用
223,543 220,425
その他
△ 13,665 △ 13,350
貸倒引当金
2,151,453 1,955,431
投資その他の資産合計
6,073,516 6,160,145
固定資産合計
18,046,968 18,494,433
資産合計
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(単位:千円)
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
負債の部
流動負債
110,656 73,004
支払手形
※2 843,047 ※2 882,731
買掛金
1,524,163 1,496,642
電子記録債務
※1 182
1年内返済予定の長期借入金 -
※2 323,261 ※2 454,598
未払金
454,259 429,213
未払費用
285,800 160,500
未払法人税等
213,717 176,865
契約負債
22,721 23,050
預り金
57,000 56,000
役員賞与引当金
173,661 111,411
その他
4,008,471 3,864,017
流動負債合計
固定負債
※1 11
長期借入金 -
39,335 65,075
繰延税金負債
316,087 306,582
退職給付引当金
5,101 5,144
資産除去債務
192,878 192,878
長期未払金
28,053 36,953
その他
581,469 606,634
固定負債合計
4,589,940 4,470,652
負債合計
純資産の部
株主資本
1,917,812 1,917,812
資本金
資本剰余金
1,832,730 1,832,730
資本準備金
15,179 19,580
その他資本剰余金
1,847,910 1,852,311
資本剰余金合計
利益剰余金
128,021 128,021
利益準備金
その他利益剰余金
4,363 4,049
買換資産圧縮積立金
19,333 19,333
固定資産圧縮積立金
6,150,000 6,150,000
別途積立金
3,642,296 4,121,170
繰越利益剰余金
9,944,015 10,422,575
利益剰余金合計
自己株式 △ 286,128 △ 270,814
13,423,610 13,921,886
株主資本合計
評価・換算差額等
33,417 101,895
その他有価証券評価差額金
33,417 101,895
評価・換算差額等合計
13,457,027 14,023,781
純資産合計
18,046,968 18,494,433
負債純資産合計
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②【損益計算書】
(単位:千円)
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
※ 11,909,194 ※ 11,499,158
売上高
※ 6,950,538 ※ 6,708,144
売上原価
4,958,656 4,791,014
売上総利益
販売費及び一般管理費
※ 959,835 ※ 958,228
荷造運搬費
※ 422,532 ※ 392,800
広告宣伝費
142,497 142,965
役員報酬
1,062,369 992,617
給料及び手当
57,000 56,000
役員賞与引当金繰入額
43,726 38,131
退職給付費用
196,345 183,603
福利厚生費
19,779 19,760
株式報酬費用
※ 114,642 ※ 115,651
賃借料
76,864 75,550
租税公課
90,602 84,607
減価償却費
※ 496,698 ※ 536,611
その他の経費
3,682,895 3,596,529
販売費及び一般管理費合計
1,275,760 1,194,484
営業利益
営業外収益
44 46
受取利息
7,915 6,597
有価証券利息
11,146 12,316
受取配当金
※ 10,028 ※ 11,936
受取賃貸料
1,171 1,171
受取保険金
1,247 1,300
保険配当金
10,172 8,330
雑収入
41,727 41,699
営業外収益合計
営業外費用
524
有価証券償還損 -
1 558
雑損失
526 558
営業外費用合計
1,316,961 1,235,625
経常利益
特別利益
399
-
固定資産売却益
399
特別利益合計 -
特別損失
2,983 113
固定資産除却損
180 48,608
投資有価証券評価損
382
投資有価証券償還損 -
4,485
減損損失 -
810
貸倒損失 -
2,500
-
会員権評価損
10,149 49,914
特別損失合計
1,307,212 1,185,711
税引前当期純利益
法人税、住民税及び事業税 425,895 350,399
21,688
△ 2,673
法人税等調整額
423,221 372,088
法人税等合計
883,990 813,622
当期純利益
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③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:千円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
資本金
その他資本 資本剰余金
資本準備金 利益準備金
剰余金 合計 買換資産圧 固定資産圧
別途積立金
縮積立金 縮積立金
当期首残高 1,917,812 1,832,730 9,093 1,841,824 128,021 4,702 19,333 6,150,000
会計方針の変更に
よる累積的影響額
会計方針の変更を反
1,917,812 1,832,730 9,093 1,841,824 128,021 4,702 19,333 6,150,000
映した当期首残高
当期変動額
剰余金の配当
買換資産圧縮積立
△ 338
金の取崩
当期純利益
自己株式の取得
自己株式の処分 6,085 6,085
株主資本以外の項
目の当期変動額
(純額)
当期変動額合計 - - 6,085 6,085 - △ 338 - -
当期末残高 1,917,812 1,832,730 15,179 1,847,910 128,021 4,363 19,333 6,150,000
株主資本 評価・換算差額等
利益剰余金
その他利益 その他有価 純資産合計
評価・換算
剰余金 自己株式 株主資本合計 証券評価差
利益剰余金 差額等合計
額金
合計
繰越利益剰
余金
当期首残高 3,115,375 9,417,433 △ 299,458 12,877,612 63,467 63,467 12,941,080
会計方針の変更に
△ 13,066 △ 13,066 △ 13,066 △ 13,066
よる累積的影響額
会計方針の変更を反
3,102,309 9,404,366 △ 299,458 12,864,546 63,467 63,467 12,928,013
映した当期首残高
当期変動額
剰余金の配当 △ 344,341 △ 344,341 △ 344,341 △ 344,341
買換資産圧縮積立
338 - - -
金の取崩
当期純利益 883,990 883,990 883,990 883,990
自己株式の取得 △ 130 △ 130 △ 130
自己株式の処分
13,460 19,545 19,545
株主資本以外の項
目の当期変動額
△ 30,050 △ 30,050 △ 30,050
(純額)
当期変動額合計 539,987 539,648 13,330 559,064 △ 30,050 △ 30,050 529,013
当期末残高
3,642,296 9,944,015 △ 286,128 13,423,610 33,417 33,417 13,457,027
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当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:千円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
資本金
その他資本 資本剰余金
資本準備金 利益準備金
剰余金 合計 買換資産圧 固定資産圧
別途積立金
縮積立金 縮積立金
当期首残高
1,917,812 1,832,730 15,179 1,847,910 128,021 4,363 19,333 6,150,000
当期変動額
剰余金の配当
買換資産圧縮積立
△ 314
金の取崩
当期純利益
自己株式の取得
自己株式の処分 4,401 4,401
株主資本以外の項
目の当期変動額
(純額)
当期変動額合計 - - 4,401 4,401 - △ 314 - -
当期末残高 1,917,812 1,832,730 19,580 1,852,311 128,021 4,049 19,333 6,150,000
株主資本 評価・換算差額等
利益剰余金
その他利益 その他有価 純資産合計
評価・換算
剰余金 自己株式 株主資本合計 証券評価差
利益剰余金 差額等合計
額金
合計
繰越利益剰
余金
当期首残高 3,642,296 9,944,015 △ 286,128 13,423,610 33,417 33,417 13,457,027
当期変動額
剰余金の配当 △ 335,062 △ 335,062 △ 335,062 △ 335,062
買換資産圧縮積立
314 - - -
金の取崩
当期純利益 813,622 813,622 813,622 813,622
自己株式の取得 △ 116 △ 116 △ 116
自己株式の処分
15,430 19,832 19,832
株主資本以外の項
目の当期変動額
68,477 68,477 68,477
(純額)
当期変動額合計 478,874 478,560 15,314 498,275 68,477 68,477 566,753
当期末残高
4,121,170 10,422,575 △ 270,814 13,921,886 101,895 101,895 14,023,781
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【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1)有価証券の評価基準及び評価方法
(イ)子会社株式
移動平均法による原価法
(ロ)その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定しております。)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
(2)棚卸資産の評価基準及び評価方法
(イ)商品、製品、原材料
移動平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)によってお
ります。
(ロ)仕掛品
個別法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)によっておりま
す。
2.固定資産の減価償却の方法
(1)有形固定資産
定率法によっております。但し、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに2016年4月
1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については、定額法によっております。なお、主な耐用年数は、建物
及び構築物の8~50年であります。
(2)無形固定資産
定額法によっております。なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における見込利用可能期間(5年)
に基づいております。また、市場販売目的のソフトウエアについては、残存有効期間(3年以内)に基づく均等配
分額と見込販売収益に基づく償却額のいずれか大きい金額を計上しております。
3.引当金の計上基準
(1)貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権につ
いては個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2)単行本在庫調整勘定
単行本の陳腐化による損失に備えるため、法人税法に規定する繰入限度相当額を計上しております。
(3)役員賞与引当金
役員の賞与の支給に備えるため、支給見込額に基づき計上しております。
(4)退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、退職給付
債務から年金資産を控除した額を退職給付引当金として計上し、年金資産の額が退職給付債務を超える場合には前
払年金費用として投資その他の資産に計上しております。
(イ)退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、期
間定額基準によっております。
(ロ)数理計算上の差異の費用処理方法
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)に
よる定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。
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4.収益及び費用の計上基準
当社は、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社は、図書教材や教材・教具等の製造及び販売を行っております。このような商品及び製品の販売について
は、商品及び製品の引渡時点において顧客が当該商品及び製品の支配を獲得し、履行義務が充足されると判断して
おります。ただし、出荷時から当該商品及び製品の支配が顧客に移転されるまでの期間が通常の期間であるため、
出荷時に収益を認識しております。収益は、顧客との契約において約束された対価から、返品、割戻金及び売上割
引を控除した金額で測定しております。
返品については、顧客に返金すると見込んでいる対価を返金負債として計上しております。当該返金負債の見積
りにあたっては、契約条件や過去の実績などに基づき算出しております。なお、返金負債の決済時に顧客が商品及
び製品を返品する場合、当社は顧客から商品及び製品を回収する権利として認識した資産を返品資産として計上し
ております。返品される当該資産については、契約条件や過去の実績などに基づき算出しております。
割戻金については、顧客に支払われると見込まれる対価を返金負債として計上しております。当該返金負債の見
積りにあたっては、契約条件や過去の実績などに基づき算出しております。
売上割引については、顧客に支払われると見込まれる対価を返金負債として計上しております。当該返金負債の
見積りにあたっては、契約条件や過去の実績などに基づき算出しております。
物品の販売契約における対価は、物品に対する支配が顧客に移転した時点から主として1年以内に回収しており
ます。
なお、重要な金融要素は含んでおりません。
5.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
出版物の改訂年度の編集費用の処理方法
2020年度の教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用は、改訂初年度50%、2年度30%、3年度20%に按分して製
品原価を計算しております。当期の小学校図書教材においては、2020年度品の出版物は改訂3年度にあたるため、
教科書改訂に伴う改訂編集費用の20%で製品原価を計算しております。
(重要な会計上の見積り)
繰延税金資産の回収可能性
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
繰延税金資産の金額は、財務諸表「注記事項(税効果会計関係)」の1.に記載の金額と同一であります。
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
①算出方法
将来減算一時差異に対して、将来の収益力等に基づく課税所得の見積りにより繰延税金資産の回収可能性を判
断しております。
課税所得の見積りは、事業計画を基礎としており、過去の実績及び事業計画に基づいて企業会計基準適用指針
第26号による企業分類を行い、繰延税金資産の回収可能額を算定しております。
②主要な仮定
主力商品であるテスト・ドリル等の出版物は、文部科学省が定める学習指導要領や教科書に準拠する必要があ
るため、その定期的な改訂に伴い、内容を見直す必要があります。次期教科書改訂は小学校においては2024年度
に予定されており、教育現場のニーズに対応した教材が提供できるかどうかが売上に影響を及ぼします。また、
日本が抱える少子化傾向が進行し市場が縮小することも売上に影響を及ぼします。
このように、学習指導要領や教科書改訂による影響及び少子化傾向を踏まえた売上の成長率を事業計画におけ
る主要な仮定としております。
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③翌事業年度の財務諸表に与える影響
これらの見積りは将来の不確実な経済状況及び会社の経営状況の影響を受け、実際に生じた時期及び金額が見
積りと異なった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性がありま
す。
(会計方針の変更)
(時価の算定に関する会計基準の適用指針の適用)
「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2021年6月17日。以下「時価算定会
計基準適用指針」という。)を当事業年度の期首から適用し、時価算定会計基準適用指針第27-2項に定める経過的
な取扱いに従って、時価算定会計基準適用指針が定める新たな会計方針を将来にわたって適用することとしておりま
す。これによる、財務諸表に与える影響はありません。
(貸借対照表関係)
※1 担保資産及び担保付債務
担保に供している資産
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
建物 183,147千円 207,475千円
土地 386,251 386,251
計 569,399 593,726
対応する債務
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
1年内返済予定の長期借入金 182千円 -千円
長期借入金 11 -
計 193 -
※2 関係会社に対する金銭債権、金銭債務
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
関係会社に対する短期金銭債権 33,983千円 12,895千円
関係会社に対する短期金銭債務 6,443 5,187
(損益計算書関係)
※ 関係会社との取引高
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
売上高 41,414千円 11,111千円
仕入高 77,889 74,476
営業取引以外の取引高 60 60
(有価証券関係)
子会社株式
市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
区分 前事業年度(千円) 当事業年度(千円)
子会社株式 3,590 85,619
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(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
繰延税金資産
退職給付引当金 89,384千円 85,333千円
長期未払金 57,709 57,709
株式報酬費用 9,273 15,186
有価証券評価損 43,392 57,936
貸倒引当金 4,422 4,093
未払賞与 111,900 105,318
未払社会保険料 18,632 16,396
未払事業税 17,754 13,015
減損損失累計額 39,302 34,714
関係会社株式評価損 99,837 99,837
資産除去債務 1,526 1,539
41,437 35,309
その他
繰延税金資産小計
534,575 526,390
△184,713 △200,607
評価性引当額
繰延税金資産合計
349,861 325,782
繰延税金負債
土地譲渡損 △357,181 △357,181
買換資産圧縮積立金 △1,863 △1,728
固定資産圧縮積立金 △8,254 △8,254
△21,898 △23,692
その他
繰延税金負債合計 △389,197 △390,857
繰延税金負債の純額 △39,335 △65,075
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった
主要な項目別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
法定実効税率
29.9% 29.9%
(調整)
0.2 1.3
評価性引当額に係る影響
1.7 1.8
交際費等永久に損金に算入されない項目
0.4 0.4
住民税の均等割等
△0.1 △0.1
受取配当金等永久に益金に算入されない項目
- △1.9
税額控除
0.2 △0.1
その他
税効果会計適用後の法人税等の負担率 32.3 31.3
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関
係)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:千円)
減価償却
当期首 当 期 当 期 当 期 当期末
区分 資産の種類
累 計 額
残 高 増加額 減少額 償却額 残 高
建物 642,642 89,474 - 45,676 686,440 2,154,932
構築物 26,874 - - 2,805 24,069 173,077
機械及び装置 18,739 31,749 - 6,853 43,635 200,161
有形
車両運搬具 4,359 - - 1,840 2,518 28,449
固定
工具、器具及び備品
71,977 25,229 0 37,118 60,088 556,908
資産
土地
2,814,940 - - - 2,814,940 -
建設仮勘定 15,576 2,750 15,576 - 2,750 -
計 3,595,111 149,203 15,576 94,294 3,634,444 3,113,529
ソフトウエア 162,607 151,341 113 74,240 239,593 -
無形
固定 その他 164,344 170,986 4,616 38 330,676 -
資産
計
326,952 322,327 4,730 74,279 570,270 -
【引当金明細表】
(単位:千円)
科目 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高
貸倒引当金 14,781 331 1,431 13,681
単行本在庫調整勘定 125,370 121,576 125,370 121,576
役員賞与引当金 57,000 56,000 57,000 56,000
(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3)【その他】
該当事項はありません。
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第6【提出会社の株式事務の概要】
事業年度 4月1日から3月31日まで
定時株主総会 6月中
基準日 3月31日
9月30日
剰余金の配当の基準日
3月31日
1単元の株式数 100株
単元未満株式の買取り
(特別口座)
取扱場所 東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
(特別口座)
株主名簿管理人 東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
三菱UFJ信託銀行株式会社
取次所 ──────
買取手数料 株式の売買の委託に係る手数料相当額として別途定める金額
電子公告により行う。ただし、やむを得ない事由により電子公告によるこ
とができない場合は、日本経済新聞に掲載する方法により行う。
公告掲載方法 なお、電子公告は当会社のウェブサイトに掲載しており、そのアドレスは
次のとおりです。
https://www.bunkei.co.jp/
株主に対する特典 該当事項はありません。
(注)当社の単元未満株主は、以下に掲げる権利以外の権利を行使することができない旨を定款に定めております。
・会社法第189条第2項各号に掲げる権利
・取得請求権付株式の取得を請求する権利
・募集株式または募集新株予約権の割当てを受ける権利
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第7【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1)有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度(第69期)(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)2022年6月24日東海財務局長に提出
(2)内部統制報告書及びその添付書類
2022年6月24日東海財務局長に提出
(3)四半期報告書及び確認書
(第70期第1四半期)(自 2022年4月1日 至 2022年6月30日)2022年8月10日東海財務局長に提出
(第70期第2四半期)(自 2022年7月1日 至 2022年9月30日)2022年11月11日東海財務局長に提出
(第70期第3四半期)(自 2022年10月1日 至 2022年12月31日)2023年2月13日東海財務局長に提出
(4)臨時報告書
2022年6月27日東海財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)に基づく臨時
報告書であります。
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
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独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書
2023年6月23日
株式会社文溪堂
取締役会 御中
EY新日本有限責任監査法人
名古屋事務所
指定有限責任社員
公認会計士
髙橋 浩彦
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
中岡 秀二郎
業務執行社員
<財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いる株式会社文溪堂の2022年4月1日から2023年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照
表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表
作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式
会社文溪堂及び連結子会社の2023年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及び
キャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職
業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果
たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要
であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形
成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
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株式会社文溪堂の繰延税金資産の回収可能性に関する判断
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
会社は、2023年3月31日現在、連結貸借対照表上、繰延 当監査法人は、経営者による繰延税金資産の回収可能性
税金資産7,343千円、繰延税金負債71,103千円を計上して の判断の妥当性を検討するに当たり、主として以下の監査
おり、 注記事項(重要な会計上の見積り)及び(税効果会 手続を実施した。
計関係) に記載されているとおり、繰延税金資産の繰延税 ・「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づ
金負債との相殺前の金額は333,125千円である。このう く企業の分類の妥当性、特に、近い将来に経営環境に著し
ち、株式会社文溪堂の繰延税金資産(繰延税金負債との相 い変化が見込まれるかどうかを検討した。
殺前)の金額が大半を占めており、特に重要である。 ・将来の課税所得の見積りを評価するため、その基礎とな
会社は、将来減算一時差異に対して、将来の収益力等に る将来の事業計画について直近の予算との整合性を検討し
基づく課税所得の見積りにより、繰延税金資産の回収可能 た。
性を判断している。 ・経営者の事業計画策定の見積りプロセスの有効性を評価
課税所得の見積りは、事業計画を基礎としており、過去 するため、過年度の事業計画と実績とを比較した。
の実績及び事業計画に基づいて企業会計基準適用指針第26 ・将来減算一時差異の残高の正確性、網羅性について検討
号による企業分類を行い、繰延税金資産の回収可能額を算 するため、その残高を法人税の申告書草案と照合した。
定している。 ・経営者と協議することで将来の事業計画における主要な
会社の主力商品であるテスト・ドリル等の出版物は、文 仮定である学習指導要領や教科書改訂の影響及び少子化傾
部科学省が定める学習指導要領や教科書に準拠する必要が 向を踏まえた売上の成長率に関する経営者の評価について
あるため、その定期的な改訂に伴い、内容を見直す必要が 検討した。
ある。次期教科書改訂は、小学校においては2024年度に予 ・将来に見込まれる教科書改訂の影響については、過去の
定されており、教育現場のニーズに対応した教材が提供で 教科書改訂年度の実績と比較した。
きるかどうかが売上に影響を及ぼす。また、日本が抱える ・将来に見込まれる少子化傾向については、利用可能な外
少子化傾向が進行し市場が縮小することも売上に影響を及 部データと比較した。
ぼす。
このように、会社は、学習指導要領や教科書改訂の影響
及び少子化傾向を踏まえた売上の成長率を事業計画におけ
る主要な仮定としている。なお、当該主要な仮定について
は、 注記事項(重要な会計上の見積り) に記載している。
以上より、繰延税金資産の回収可能性の判断において、
主要な仮定は不確実性を伴い、経営者による判断を必要と
することから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検
討事項と判断した。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以
外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任
は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記
載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容
と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのよ
うな重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告す
ることが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
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連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に
表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために
経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかど
うかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する
必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示
がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明する
ことにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の
意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を
立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監
査証拠を入手する。
・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価
の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び
関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づ
き、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論
付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に
注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対し
て除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づい
ているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているか
どうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取
引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入
手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見
に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の
重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並
びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを
講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断
した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁
止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上
回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社文溪堂の2023年3月
31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、株式会社文溪堂が2023年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統
制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に
係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
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監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制
監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責
任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立し
ており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適
切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に
係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があ
る。
内部統制監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについ
て合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにあ
る。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を
通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施す
る。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適
用される。
・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部
統制報告書の表示を検討する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人
は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任
を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識
別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項につ
いて報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並
びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを
講じている場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はな
い。
以 上
(注)1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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独立監査人の監査報告書
2023年6月23日
株式会社文溪堂
取締役会 御中
EY新日本有限責任監査法人
名古屋事務所
指定有限責任社員
公認会計士
髙橋 浩彦
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
中岡 秀二郎
業務執行社員
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いる株式会社文溪堂の2022年4月1日から2023年3月31日までの第70期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損
益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社
文溪堂の2023年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正
に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫
理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査
法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると
判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対
応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
繰延税金資産の回収可能性に関する判断
連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項と同一内容であるため、記載を省略している。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以
外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任
は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内
容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財
務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要
な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告す
ることが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
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EDINET提出書類
株式会社文溪堂(E00709)
有価証券報告書
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示
することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が
必 要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評
価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要があ
る場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がな
いかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにあ
る。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影
響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を
立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監
査証拠を入手する。
・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実
施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び
関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、
継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付け
る。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚
起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見
を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の
事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどう
かとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象
を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の
重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並
びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを
講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項
を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されて
いる場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合
理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
利害関係
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
(注)1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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