住友ベークライト株式会社 有価証券報告書 第132期(2022/04/01-2023/03/31)
提出書類 | 有価証券報告書-第132期(2022/04/01-2023/03/31) |
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提出者 | 住友ベークライト株式会社 |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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住友ベークライト株式会社(E00819)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2023年6月22日
【事業年度】 第132期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
【会社名】 住友ベークライト株式会社
【英訳名】 Sumitomo Bakelite Company Limited
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 藤原 一彦
【本店の所在の場所】 東京都品川区東品川二丁目5番8号
【電話番号】 (03)5462-4111
【事務連絡者氏名】 取締役 常務執行役員 平井 俊也
【最寄りの連絡場所】 東京都品川区東品川二丁目5番8号
【電話番号】 (03)5462-4111
【事務連絡者氏名】 取締役 常務執行役員 平井 俊也
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
回次 第128期 第129期 第130期 第131期 第132期
決算年月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月 2023年3月
売上収益 (百万円) 212,952 206,620 209,002 263,114 284,939
事業利益 (百万円) 17,293 14,346 16,642 26,489 25,448
税引前利益 (百万円) 19,548 11,499 16,139 25,880 26,736
親会社の所有者に帰属する
(百万円) 15,084 8,986 13,198 18,299 20,289
当期利益
親会社の所有者に帰属する
(百万円) 13,561 2,207 26,119 34,058 31,227
当期包括利益
親会社の所有者に帰属する
(百万円) 178,818 177,138 200,205 229,784 255,358
持分
資産合計 (百万円) 284,898 283,322 345,763 370,836 378,457
1株当たり親会社
(円) 3,799.77 3,764.17 4,254.48 4,883.23 5,426.86
所有者帰属持分
基本的1株当たり
(円) 320.51 190.96 280.46 388.86 431.19
当期利益
希薄化後1株当たり
(円) ― ― ― ― ―
当期利益
親会社所有者帰属持分比率 (%) 62.8 62.5 57.9 62.0 67.5
親会社所有者帰属持分利益率 (%) 8.7 5.0 7.0 8.5 8.4
株価収益率 (倍) 12.4 12.0 16.1 12.8 12.0
営業活動による
(百万円) 20,191 22,206 27,405 27,920 23,618
キャッシュ・フロー
投資活動による
(百万円) △ 15,616 △ 10,377 △ 14,993 △ 10,468 △ 15,648
キャッシュ・フロー
財務活動による
(百万円) △ 2,224 △ 4,041 21,768 △ 19,308 △ 22,954
キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の
(百万円) 59,640 65,771 103,175 109,217 99,620
期末残高
5,898 5,969 7,937 7,916 8,044
従業員数
(名)
(外、平均臨時雇用者数)
( 637 ) ( 624 ) ( 761 ) ( 975 ) ( 1,005 )
(注) 1 国際会計基準(以下、IFRS)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2 当社グループでは、持続的成長を図るため管理すべき重要な指標の一つとして「事業利益」という段階利益
を導入しております。「事業利益」は、「売上収益」から「売上原価」と「販売費及び一般管理費」を控除
して算出しております。
3 希薄化後1株当たり当期利益については、希薄化効果を有する潜在的普通株式が存在しないため記載してお
りません。
4 2018年10月1日付で普通株式5株につき1株の割合で株式併合を行っております。これに伴い、1株当たり
親会社所有者帰属持分および基本的1株当たり当期利益は、第128期の期首に当該株式併合が行われたと仮
定し、算定しております。
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(2) 提出会社の経営指標等
回次 第128期 第129期 第130期 第131期 第132期
決算年月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月 2023年3月
売上高 (百万円) 90,971 89,054 89,968 99,737 99,672
経常利益 (百万円) 4,764 5,090 10,864 11,507 16,002
当期純利益又は当期純損失
(百万円) 3,550 3,327 △ 11,702 7,627 14,685
(△)
資本金 (百万円) 37,143 37,143 37,143 37,143 37,143
発行済株式総数 (株) 49,590,478 49,590,478 49,590,478 49,590,478 49,590,478
純資産額 (百万円) 129,566 127,073 115,829 117,693 126,283
総資産額 (百万円) 204,725 203,044 222,862 214,566 217,223
1株当たり純資産額 (円) 2,753.21 2,700.30 2,461.44 2,501.15 2,683.78
1株当たり配当額
45.00 75.00 75.00 110.00 130.00
(内、1株当たり
(円)
( 7.50 ) ( 45.00 ) ( 30.00 ) ( 50.00 ) ( 60.00 )
中間配当額)
1株当たり当期純利益又は
(円) 75.44 70.70 △ 248.69 162.10 312.09
当期純損失(△)
潜在株式調整後
(円) ― ― ― ― ―
1株当たり当期純利益
自己資本比率 (%) 63.3 62.6 52.0 54.9 58.1
自己資本利益率 (%) 2.7 2.6 ― 6.5 12.0
株価収益率 (倍) 52.6 32.5 ― 30.8 16.5
配当性向 (%) 99.4 106.1 ― 67.9 41.7
1,632 1,624 1,612 1,538 1,594
従業員数
(名)
(外、平均臨時雇用者数)
( 208 ) ( 201 ) ( 226 ) ( 275 ) ( 264 )
株主総利回り 86.0 52.1 101.2 113.4 119.8
(%)
(参考指標:配当込みTOPIX) ( 95.0 ) ( 85.9 ) ( 122.1 ) ( 124.6 ) ( 131.8 )
5,360
最高株価 (円) 4,790 4,850 6,140 5,180
(1,151)
3,450
最低株価 (円) 1,811 2,153 4,120 3,830
(928)
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 第130期の自己資本利益率、株価収益率および配当性向については当期純損失のため記載しておりません。
3 最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日
以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
4 2018年10月1日付で普通株式5株につき1株の割合で株式併合を行っております。これに伴い、1株当たり
純資産額および1株当たり当期純利益は、第128期の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、算定してお
ります。
5 2018年10月1日付で普通株式5株につき1株の割合で株式併合を行っており、第128期の1株当たり配当額
45.00円は、株式併合前の中間配当額7.50円と株式併合後の期末配当額37.50円の合計となります。
なお、当該株式併合を踏まえて換算した場合、第128期の中間配当額は37.50円となるため、期末配当額
37.50円を加えた年間配当額は75.00円となります。
6 2018年10月1日付で普通株式5株につき1株の割合で株式併合を行っております。これに伴い、第128期の
株価は当該株式併合後の最高・最低株価を記載し、()内に株式併合前の最高・最低株価を記載しておりま
す。
7 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第131期の期首から適用してお
り、第131期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっており
ます。
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2 【沿革】
年月 事項 年月 事項
(日本ベークライト株式会社) (住友化工材工業株式会社)
三共㈱よりフェノール系合成樹脂事業
1932年1月
を継承し、日本ベークライト㈱を設
立、同時に向島工場開設。
1938年8月 ㈱合成樹脂工業所設立。
1940年9月 塚口工場(現尼崎工場)開設。
1944年5月 住友化工材工業㈱に社名変更。
1944年6月 津工場開設。
1945年11月 日本化工材工業㈱に社名変更。
1949年3月 東京・大阪両証券取引所に上場。 1950年5月 大阪証券取引所に上場。
1952年11月 住友化工材工業㈱に社名復帰。
1953年12月 泉化学㈱(ベークライト商事㈱)を設
立。
1955年3月 日本ベークライト㈱と住友化工材工業㈱が合併して住友ベークライト㈱となる。
1962年1月 中央研究所(基礎研究所)完成。
1962年10月 静岡工場開設。
1963年12月 米国Hooker Chemical Corp.との合弁会社、住友デュレズ㈱を設立。
1982年3月 中央銘板工業㈱(現日本シイエムケイ㈱)との合弁会社、CMK Singapore (Pte.) Ltd.を設立。
1984年11月 宇都宮工場開設。
1987年12月 向島工場閉鎖。
1989年9月 SumiDurez Singapore Pte. Ltd.に出資。
1989年10月 Sumitomo Bakelite Singapore Pte. Ltd.工場開設。
1990年10月 日本シイエムケイ㈱との合弁会社、SNC Industrial Laminates Sdn. Bhd.を設立。
1991年4月 神戸基礎研究所開設。
1994年2月 ㈱エスエフシイと秋田地区3子会社(秋田ベークライト㈱他)を合併し秋田住友ベーク㈱を設立。
1995年2月 現在地に本社事務所を移転。
1995年12月 蘇州住友電木有限公司を設立。
1998年4月 台湾住友培科股份有限公司を設立。
2000年10月 子会社のベークライト商事㈱を吸収合併。
2000年10月 米国Occidental Chemical Corporationのフェノール樹脂事業および事業関連資産を買収。
2001年4月 子会社の住友デュレズ㈱を吸収合併。
2001年8月 米国Goodrich Corporationの電子材料研究部門を買収。
2001年10月 日東紡績㈱との合弁会社、デコラニット㈱を設立。
2002年1月 北米地域における持株会社、SB Durez Holding, Inc.(現Sumitomo Bakelite North America
Holding, Inc.)を設立。
2003年8月 Fers Resins, S.A.U.、Fenocast, S.A.U.、Fers Polymers, S.L.、Green Steel España, S.A.他
1社(前3社 現Sumitomo Bakelite Europe (Barcelona), S.L.U.)を買収。
2004年3月 関連会社の筒中プラスチック工業㈱を株式公開買付により子会社化。
2005年4月 Vyncolit North America, Inc.(現Sumitomo Bakelite North America, Inc.)およびVyncolit
NVを買収。
2007年3月 子会社の筒中プラスチック工業㈱を完全子会社化。
2007年6月 南通住友電木有限公司を設立。
2007年7月 子会社の筒中プラスチック工業㈱を吸収合併。
2007年9月 日本シイエムケイ㈱との合弁会社であるCMK Singapore (Pte.) Ltd.について、当社の保有する
株式の全部を日本シイエムケイ㈱に譲渡し、合弁事業を解消。
2007年12月 日本シイエムケイ㈱との合弁会社であるSNC Industrial Laminates Sdn. Bhd.について、日本シ
イエムケイ㈱の保有する株式の全部を当社が取得し、合弁事業を解消。
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年月 事項
2008年8月 日東紡績㈱との合弁会社であるデコラニット㈱について、日東紡績㈱の保有する株式の全部を当
社が取得し、合弁事業を解消。
2008年10月 子会社のデコラニット㈱を吸収合併。
2009年9月 津工場閉鎖。
2011年6月 基礎研究所と神戸基礎研究所を統合し神戸事業所内に先進技術開発研究所(現先端材料研究所)
を設置。
2014年6月 Vaupell Holdings, Inc.を買収。
2018年10月 大日本住友製薬㈱(2022年4月に住友ファーマ㈱に社名変更)との合弁会社、SBバイオサイエ
ンス㈱を設立。
2019年3月 川澄化学工業㈱と資本業務提携契約を締結、株式を取得し、持分法適用関連会社とする。
2020年10月 関連会社の川澄化学工業㈱を株式公開買付と株式売渡請求により完全子会社化。
2021年3月 大日本住友製薬㈱との合弁会社であるSBバイオサイエンス㈱について、大日本住友製薬㈱の保
有する株式の全部を当社が取得し、合弁事業を解消。
2021年10月 当社の医療機器事業を会社分割によりSBカワスミ㈱(同日付で川澄化学工業㈱より社名変更)
へ事業承継。
2022年4月 子会社のSBバイオサイエンス㈱を吸収合併。
2022年4月
東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行。
(注)2023年4月1日付でVyncolit NVはSumitomo Bakelite Europe (Ghent) NVに社名変更しております。
3 【事業の内容】
当社グループ(当社および関係会社)は当社、子会社55社、関連会社7社およびその他の関係会社1社(2023年3月31
日現在)で構成され、半導体関連材料、高機能プラスチック、クオリティオブライフ関連製品の製造および販売等の事
業活動を行っております。
当社グループの事業における各社の位置付けおよびセグメントとの関連は次のとおりであります。
① 半導体関連材料
半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、子会社のSumitomo Bakelite Singapore Pte. Ltd.、蘇州住友電木有限公
司、台湾住友培科股份有限公司が製造・販売しているほか、子会社の九州住友ベークライト㈱で製造し、製品の全量
を当社が販売しております。
半導体用液状樹脂は、当社および子会社のSumitomo Bakelite Singapore Pte. Ltd.、蘇州住友電木有限公司が製
造・販売しているほか、子会社の九州住友ベークライト㈱で製造し、製品の全量を当社が販売しております。
半導体基板材料「LαZ®」は、当社が製造・販売しております。
なお、これらの製品の一部について、販売子会社のSumitomo Bakelite (Thailand) Co., Ltd.、住友倍克(香港)有
限公司、Sumitomo Plastics America, Inc.およびSumitomo Bakelite Europe NV等を通じて販売しております。
② 高機能プラスチック
フェノール樹脂成形材料は、当社および子会社のSumiDurez Singapore Pte. Ltd.、南通住友電木有限公司、Durez
Canada Co., Ltd.、Sumitomo Bakelite North America, Inc.およびVyncolit NVが製造・販売しているほか、子会社
の山六化成工業㈱で製造し、製品の大部分を当社が販売しております。
工業用フェノール樹脂は、当社および子会社の南通住友電木有限公司、P.T. Indopherin Jaya、SNC Industrial
Laminates Sdn. Bhd.、Sumitomo Bakelite Europe NV、Sumitomo Bakelite Europe (Barcelona), S.L.U.およびDurez
Corporationが製造・販売しているほか、子会社の秋田住友ベーク㈱で製造し、製品の全量を当社が販売しておりま
す。
成形品は、当社および子会社の上海住友電木有限公司が製造・販売しております。
合成樹脂接着剤は、子会社の㈱サンベークが製造・販売しているほか、子会社の秋田住友ベーク㈱で製造し、製品
の全量を子会社の㈱サンベークが販売しております。
フェノール樹脂銅張積層板は、子会社のSNC Industrial Laminates Sdn. Bhd.が製造・販売しております。
エポキシ樹脂銅張積層板は、当社および子会社の住友倍克澳門有限公司が製造・販売しております。
航空機内装部品は、子会社のVaupell Holdings, Inc.および威派塑胶模具(東莞)有限公司等が製造・販売しており
ます。
なお、これらの製品の一部について、販売子会社のSumitomo Bakelite (Thailand) Co.,Ltd.、Rong Feng (H.K.)
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Industries Ltd.等を通じて販売しております。
③ クオリティオブライフ関連製品
SBカワスミ㈱は、自らが製造した医薬品を含む医療機器製品や、子会社のKawasumi Laboratories (Thailand)
Co., Ltd.が製造した製品の大部分に加え、子会社の東莞住友電木有限公司が製造し、子会社の秋田住友ベーク㈱が買
上げた医療機器製品の全量を販売しております。また、一部の医療機器製品は子会社のVaupell Holdings, Inc.等が
製造・販売しております。
熱可塑性樹脂製品は、まな板、保護帽等を子会社の住べテクノプラスチック㈱が製造・販売しているほか、パイプ
等を子会社の北海太洋プラスチック㈱が製造・販売しております。
ビニル樹脂シートおよび複合シートは、当社および子会社の南通住友電木有限公司が製造・販売しております。
メラミン樹脂化粧板・化粧シートは、当社が製造・販売しております。
鮮度保持フィルム「P-プラス®」は、当社が製造・販売しております。
ポリカーボネート樹脂板は、当社が製造・販売しているほか、子会社のP.T. SBP Indonesiaが製造・販売し、製品
の一部を当社が販売しております。
塩化ビニル樹脂板は、当社が製造・販売しております。
防水シートの製造・販売、防水工事の設計および施工請負は、子会社の住ベシート防水㈱が行っております。
バイオ関連製品は、当社が研究開発・製造・販売を行っているほか、子会社の秋田住友ベーク㈱で製造した製品の
全量を販売しております。また、一部の製品を子会社のVaupell Holdings, Inc.でも製造・販売しております。
なお、これらの製品の一部について、筒中興産㈱が加工しているほか、販売子会社の㈱ソフテック、西部樹脂㈱、
Sumitomo Bakelite (Thailand) Co., Ltd.およびKawasumi Laboratories America, Inc.等を通じて販売しておりま
す。
④ その他
試験・研究の受託を子会社の住ベリサーチ㈱が、電子材料分野に係る基礎研究の受託を子会社のPromerus LLCがそ
れぞれ行っております。
また、工場の跡地等について、土地の賃貸を当社が行っております。
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事業の系統図(2023年3月31日現在)
(注) 1 矢印は製品および材料等の支給または販売を示しております。
2 会社名の無印は連結子会社を、※はその他の関係会社を示しております。
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4 【関係会社の状況】
資本金又は 議決権の所有
名称 住所 出資金 主要な事業の内容 又は被所有 関係内容
(百万円) 割合(%)
(連結子会社)
当社製品の製造会社
高機能プラスチック
役員兼任1名、出向1名
秋田住友ベーク㈱ 秋田県秋田市 490 クオリティオブライフ 100.0
土地・建物他賃貸
関連製品
貸付金700百万円
クオリティオブライフ
役員兼任1名、出向1名
SBカワスミ㈱ (注)2,8 神奈川県川崎市 310 100.0
建物他賃貸
関連製品
クオリティオブライフ 役員兼任1名、出向4名
住ベシート防水㈱ 東京都品川区 300 100.0
関連製品 建物他賃貸
当社製品の製造会社
九州住友ベークライト㈱
福岡県直方市 200 半導体関連材料 100.0 役員兼任2名、出向1名
(注)2
土地・建物他賃貸
当社製品の一部を購入
㈱サンベーク 東京都品川区 100 高機能プラスチック 100.0 役員兼任1名、出向3名
土地・建物他賃貸
クオリティオブライフ 当社製品の一部を販売
㈱ソフテック 大阪府東大阪市 80 100.0
関連製品 出向2名
当社製品の製造会社
山六化成工業㈱ 大阪府柏原市 50 高機能プラスチック 100.0
役員兼任2名、出向1名
貸付金120百万円
当社の各種分析・調査業務を受
託
役員兼任1名、出向3名
住ベリサーチ㈱ 栃木県宇都宮市 49 その他 100.0
建物他賃貸
貸付金150百万円
クオリティオブライフ 出向3名
住ベテクノプラスチック㈱ 埼玉県児玉郡 30 100.0
関連製品 貸付金200百万円
当社製品の一部を販売
クオリティオブライフ
北海太洋プラスチック㈱ 北海道石狩市 30 100.0 役員兼任1名、出向2名
関連製品
貸付金205百万円
㈱ソフテックの子会社
クオリティオブライフ
100.0 当社製品の一部を販売
西部樹脂㈱ 福岡県福岡市 28
(100.0) 出向1名
関連製品
貸付金40百万円
当社製品の一部を加工
クオリティオブライフ
筒中興産㈱ 大阪府柏原市 10 100.0 出向1名
関連製品
建物他賃貸
Sumitomo Bakelite Singapore
US$ 当社製品の一部を販売
シンガポール 半導体関連材料 100.0
Pte. Ltd. (注)2
31,314千 役員兼任2名、出向1名
SumiDurez Singapore Pte. US$
シンガポール 高機能プラスチック 100.0 役員兼任2名、出向1名
Ltd. 5,121千
SNC Industrial Laminates
US$ 製品の一部を当社に販売
マレーシア 高機能プラスチック 100.0
Sdn. Bhd. (注)2
62,204千 役員兼任2名、出向2名
US$ クオリティオブライフ 製品の一部を当社に販売
100.0
P.T. SBP Indonesia
インドネシア
(0.0)
20,000千 関連製品 出向1名
US$ 製品の一部を当社に販売
P.T. Indopherin Jaya
インドネシア 高機能プラスチック 75.0
4,800千 役員兼任2名、出向2名
Kawasumi Laboratories
THB クオリティオブライフ
99.5
タイ SBカワスミ㈱の子会社
(Thailand) Co., Ltd. (99.5)
235,000千 関連製品
半導体関連材料
Sumitomo Bakelite
Sumitomo Bakelite (Thailand)
THB 高機能プラスチック
100.0
タイ Singapore Pte.Ltd.の子会社
Co., Ltd. (100.0)
109,000千 クオリティオブライフ
役員兼任3名、出向1名
関連製品
NT$
台湾住友培科股份有限公司 台湾 半導体関連材料 69.0 役員兼任2名、出向2名
800,000千
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資本金又は 議決権の所有
名称 住所 出資金 主要な事業の内容 又は被所有 関係内容
(百万円) 割合(%)
Sumitomo Bakelite
人民元
100.0
蘇州住友電木有限公司 (注)2 中国 半導体関連材料 Singapore Pte.Ltd.の子会社
(100.0)
355,414千
役員兼任2名、出向2名
人民元 当社製品の一部を購入
上海住友電木有限公司 中国 高機能プラスチック 100.0
131,320千 役員兼任3名、出向1名
高機能プラスチック
人民元
当社製品の一部を購入
南通住友電木有限公司 (注)2 中国 クオリティオブライフ 100.0
役員兼任4名
696,474千
関連製品
人民元 クオリティオブライフ
東莞住友電木有限公司 中国 100.0 役員兼任1名、出向1名
49,981千 関連製品
半導体関連材料
当社製品の海外販売会社、
住友倍克(香港)有限公司 中国 286 クオリティオブライフ 100.0
製品の一部を当社に販売
役員兼任1名
関連製品
US$
当社製品の一部を購入
住友倍克澳門有限公司 (注)2 中国 高機能プラスチック 100.0
役員兼任3名、出向1名
30,665千
Vaupell Holdings, Inc.
Rong Feng (H.K.) Industries US$
100.0
中国 高機能プラスチック
の子会社
(100.0)
Ltd. 11千
役員兼任2名
Rong Feng (H.K.) Industries
人民元 100.0
威派塑胶模具(東莞)有限公司 中国 高機能プラスチック
Ltd.の子会社
12,428千 (100.0)
役員兼任2名、出向1名
北米地域持株会社
Sumitomo Bakelite North
US$
債務保証
米国 その他 100.0
America Holding, Inc. (注)2
381,250千
役員兼任2名、出向1名
貸付金935百万円
Sumitomo Bakelite North
US$ America Holding, Inc.
100.0
Durez Corporation (注)2
米国 高機能プラスチック
(100.0)
104,360千 の子会社
役員兼任1名、出向1名
Sumitomo Bakelite North
America Holding, Inc.
US$
100.0
Promerus LLC
米国 その他 の子会社
(100.0)
8,000千
当社の基礎研究を受託
役員兼任1名
Sumitomo Bakelite North
America Holding, Inc.
Sumitomo Plastics America, US$
100.0
米国 半導体関連材料 の子会社
(100.0)
Inc. 3,250千
当社製品の海外販売会社
役員兼任2名、出向1名
Sumitomo Bakelite North
Sumitomo Bakelite North
US$ America Holding, Inc.
100.0
米国 高機能プラスチック
America, Inc. (100.0)
500 の子会社
役員兼任1名、出向1名
Sumitomo Bakelite North
高機能プラスチック
US$ America Holding, Inc.
100.0
Vaupell Holdings, Inc.
米国 クオリティオブライフ
(100.0)
7千 の子会社
関連製品
役員兼任1名、出向2名
Kawasumi Laboratories
US$ クオリティオブライフ
100.0
米国 SBカワスミ㈱の子会社
America, Inc. (100.0)
400千 関連製品
Sumitomo Bakelite North
US$
100.0
Durez Canada Co., Ltd.
カナダ 高機能プラスチック America Holding, Inc.
(100.0)
7,579千
の子会社
Sumitomo Bakelite
Euro 当社製品の一部を販売
100.0
ベルギー 高機能プラスチック
Europe NV (注)2 (0.0)
109,283千 役員兼任3名
Sumitomo Bakelite Europe
Euro
100.0
Vyncolit NV
ベルギー 高機能プラスチック NVの子会社
(90.0)
9,665千
役員兼任3名
Sumitomo Bakelite Europe
Sumitomo Bakelite Europe
Euro
100.0
スペイン 高機能プラスチック NVの子会社
(Barcelona), S.L.U. (100.0)
71千
役員兼任3名
その他7社 ― ― ― ― ―
(その他の関係会社)
住友化学㈱ (注)3,5 東京都中央区 89,699 (注)6 22.3 製品の一部を当社に販売
(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2 特定子会社に該当します。
3 有価証券報告書を提出しております。
4 「議決権の所有又は被所有割合」欄の(内書)は間接所有割合であります。
5 当社は、住友化学㈱の持分法適用関連会社であります。
6 当社グループのセグメントとは必ずしも一致しない各種化学品の事業を展開しております。
7 上記はIFRSで要求される開示の一部であり、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸
表 連結財務諸表注記 30.子会社」で上記を参照しております。
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8 SBカワスミ㈱については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割
合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (1)売上収益 28,941百万円
(2)営業利益 2,163 〃
(3)当期利益 1,911 〃
(4)資本合計 23,538 〃
(5)資産合計 31,852 〃
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5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
( 2023年3月31日 現在)
セグメントの名称 従業員数(名)
1,071
半導体関連材料
( 89 )
2,276
高機能プラスチック
( 177 )
4,300
クオリティオブライフ関連製品
( 734 )
49
その他
( -)
348
全社(共通)
( 5 )
8,044
合計
( 1,005 )
(注) 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均雇用人員を外数で記載しております。
(2) 提出会社の状況
( 2023年3月31日 現在)
従業員数(名) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(千円)
1,594
47.1 23.1 8,010
( 264 )
セグメントの名称 従業員数(名)
249
半導体関連材料
( 19 )
455
高機能プラスチック
( 53 )
570
クオリティオブライフ関連製品
( 187 )
-
その他
( -)
320
全社(共通)
( 5 )
1,594
合計
( 264 )
(注) 1 従業員数は当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であり、臨時従業員数
は( )内に年間の平均雇用人員を外数で記載しております。
2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
1 当社と多くの連結子会社において労働組合が結成されており、その主たるものは、当社の従業員により構成さ
れている住友ベークライト労働組合であります。
2 住友ベークライト労働組合は、情報交換をその活動の中心としている友誼団体である全国化学労働組合総連合
(化学総連)に加盟しております。
3 会社と組合は相互の信頼と協調に基づき健全な労使関係を形成しております。
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(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度
労働者の男女の賃金の差異(%)
管理職に占める女性 男性労働者の育児
(注)1、3
労働者の割合(%) 休業取得率(%)
正規雇用 パート・
(注)1 (注)2
全労働者
労働者 有期労働者
3.8 25.9 69.5 70.1 84.7
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したも
のであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の
規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」
(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものでありま
す。
3 パート労働者については、フルタイム労働者の所定労働時間(7時間40分/日)をもとに賃金の換算を行っ
ております。
②連結子会社
当事業年度
労働者の男女の賃金の差異(%)
管理職に占める 男性労働者の育
(注)1、3
女性労働者の割 児休業取得率
名称
合(%) (%)
正規雇用 パート・
全労働者
(注)1 (注)2
労働者 有期労働者
SBカワスミ㈱ 11.8 50.0 67.0 67.4 56.2
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したも
のであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の
規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」
(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等の取得割合を算出したものでありま
す。
3 パート労働者については、フルタイム労働者の所定労働時間(7時間40分/日)をもとに賃金の換算を行っ
ております。
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第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の基本方針
我が社は、信用を重んじ確実を旨とし、事業を通じて社会の進運及び民生の向上に貢献することを期する。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大の影響をはじめとした不確実な状況や、社会・環境の急激な変化
にも適応できるよう、これまで以上に経営基盤を強化するとともに、社会課題の変化を成長機会に結びつけること
で将来につながるサステナブルな経営を推進するべく、2021年度から3か年の中期経営計画に取り組んでおりま
す。その骨子は、次のとおりであります。
プラスチックの可能性を広げ、お客様の価値創造を通じて、
ビジョン
「未来に夢を提供する会社」 を目指す
SDGs に則し 、 機能性化学分野で
中期基本方針
「ニッチ&トップシェア」 を実現、事業規模の拡大を図る
・競争優位性のある新製品の開発、早期戦力化
基本戦略 ・既存製品の収益力強化、新規顧客・用途・地域の拡大
・成長領域における積極的な戦略投資(M&A、DX等)
最終年度(2023年度)
数値目標*
売上収益3,000億円 事業利益300億円 ROE10%
* 本中期経営計画の策定時に掲げた最終年度の数値目標(売上収益2,500億円、事業利益250億円、ROE10%)は、
ROEを除いて初年度である2021年度において達成することができたため、2022年度に最終年度の数値目標を見直
しております。
本中期経営計画の最終年度である2023年度における全社取り組みの詳細については、「第2 事業の状況 2.
サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。事業分野別の取り組みは次のとおりであり ます。
(半導体関連材料)
将来の市場成長を見据えて中国および台湾の新生産ラインにより生産体制を強化するとともに、先端材料向け製品
や環境対応製品などの高機能材料の開発や拡販を進めることで、グローバルシェアのさらなる拡大を目指します。ま
た、モビリティ向け戦略製品の拡販や欧米での現地生産拠点の確立、電動車向け樹脂化電動アクスルの取り組み等を
通じて、モビリティ分野において確固たる地位を築きます。
(高機能プラスチック)
グローバルに展開する拠点間の連携により基盤製品のシェア拡大を通じて収益力を向上させ、成長分野であるモビ
リティ・交通、通信・制御、エネルギー・環境向けの事業強化と、不採算事業の改善により、製品ポートフォリオの
変革を加速します。
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(クオリティオブライフ関連製品)
・医療機器事業およびバイオ事業
営業効率の向上や製品ラインナップの拡充など、SBカワスミ株式会社との医療機器事業の統合によるグループ
シナジーの最大化を図るとともに、戦略製品である血管内治療や消化器向け製品のシェア拡大を目指します。バイ
オ事業では、自社製造の体外診断用医薬品の拡販やパートナー企業との積極的な協業などを通じて、事業規模の拡
大を図ります。
・フィルム・シート事業
モノマテリアルやバイオマス材料を使用した環境対応製品の市場投入や食品包装用スキンパックの市場創出など
新たな事業領域の開拓を進めるとともに、既存製品の拡販によるシェアアップを通じて、さらなる事業規模の拡大
を目指します。
・産業機能性材料事業および防水関連事業
産業機能性材料では、光学制御製品や車載用絶縁材料などの差別化技術を生かした高付加価値製品への注力によ
り、また防水関連では、住宅向けのみならず、大型の一般建築分野向けのビジネスを拡大することで、高収益のビ
ジネスモデルへの転換を図ります。
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2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関す
る事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、基本方針である「我が社は、信用を重んじ確実を旨とし、事業を通じて社会の進運及び民生の向
上に貢献することを期する。」に基づき事業活動を行っています。しかし、昨今、環境側面において、化石燃料を使
うプラスチックに対するネガティブなイメージが抱かれやすいことは否めませんが、安全や安心、快適性を追求しな
がら、プラスチックを通じてしか発現できない実用的機能をもって社会課題を解決するという役割はこれからも重要
であり続けると考えます。
当社グループが取り組むべきサステナビリティは、プラスチックの多様な機能を追求し、その可能性を更に広げな
がら、既存製品の環境負荷を最小化し、SDGs貢献度を高めると共に、新製品・新サービスを社会実装することに
より、新たな環境的価値、社会的価値を創造していくことです。当社グループが提供するプラスチックのポジティブ
な本質的価値を世の中/お客様に認知いただくことで適正な経済的価値を生み出す、その総合的な取り組みを通じ
て、企業価値の持続的向上を図っていきます。
サステナビリティ経営の加速をはかるべく、グループ全体の取り組みの牽引をミッションとしたサステナビリティ
推進部を、また全従業員がイノベーションに挑戦する企業カルチャー変革の基盤づくりを担うDE&I(ダイバーシ
ティ、エクイティ&インクルージョン)推進室を2023年4月に新設しました。すべての事業活動において、これから
も基本方針に基づき、環境的価値、社会的価値を要件とした製品・サービスの研究、開発、製造、販売を行い、サス
テナブルな社会の実現に貢献できるよう、全社一丸となって取り組んでまいります。
当社グループの経営に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスクおよび機会に対処するため、「S
DGs貢献」、「気候変動対応」、「人的資本・多様性」に重点的に取り組んでいます。
(1)ガバナンス
当社グループのサステナビリティ関連のリスクおよび機会を監視、および管理するためのガバナンスの過程、統
制および手続は、次に示すとおりで、この考え方は取締役会において決議しました内部統制システム構築の基本方
針にも織り込まれています。
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(2)リスク管理
サステナビリティ関連のリスクおよび機会の識別、評価、ならびに管理は、当社グループのリスクマネジメント
プロセスに準拠し、実施しています。詳細については 「第2 事業の状況 3.事業等のリスク (1)当社グ
ループのリスクマネジメント体制」 をご参照ください。
SDGs貢献
(3)戦略
SDGsは社会ニーズそのものであり、当社グループの基本方針にも通じるものであると考えています。当社グ
ループでは、SDGsの目標3、7、8、9、12、13、14を重点的に取り組むべきSDGs領域「6+1」として
定めるとともに、SDGsに寄与する製品を「SDGs貢献製品」と認定し、その売上収益比率を増加させる取り
組みをSDGs推進委員会で行っています。
(4)指標及び目標
指標 目標 実績
2023年度末 50% 2021年度末 48%
SDGs貢献製品の売上収益比率
2030年度末 70% 2022年度末 53%(見込み)
自動車の電動化に欠かせないモーター磁石固定用材料、化石燃料を使わない植物由来のフェノール樹脂、フード
ロス削減にも寄与するスキンパック用フィルム、環境に配慮したバイオマス樹脂を用いた医薬品包装用シートな
ど、新商品・新技術の中からもSDGs貢献製品が次々と生み出されており、将来の当社グループを支える主力商
品に成長していくと期待しています。
気候変動対応
(3)戦略
当社グループは2021年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、再生可能エ
ネルギー由来の電力への切り替えやSDGs貢献製品比率アップに取り組むとともに、同年、全社横断のTCFD
タスクチームを編成し、TCFD提言に基づく情報開示に向けた活動を推進しています。同タスクチームを中心
に、2040年を想定した「気候関連シナリオ分析」を実施し、気候変動に伴う潜在的なリスクと機会を抽出しまし
た。その中で、比較的財務影響が大きくなるであろうと想定されるリスクと機会を「シナリオ分析表」のとおり特
定しました。
なお、2030年と2050年のGHG排出削減目標は、カーボンプライスの引き上げ、GHG排出規制の強化、化石燃料価格
の変動等(これらは1.5/2℃または4℃シナリオにおいてリスクとして抽出)への対応策として取り組んでいま
す。それら取り組みの前倒しを図り、長期的な移行リスクを短・中期の事業機会へと転換し、売上拡大を図りま
す。
2022年度に引き続き、現中期経営計画の最終年度となる2023年度もサステナビリティ推進委員会が中心となって
(本シナリオ分析結果からのバックキャストによる)短期的な施策の具体化を図り、社内関係部門へ展開、スピー
ド感をもって実行・推進しています。
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◆シナリオ分析表
<1.5℃/2℃シナリオ>
想定し得るシナリオ要素 当社影響 リスク
ドライバー
(世の中の動き) インパクト評価 機会
・カーボンプライスの上昇
・製造にかかるエネル
<1.5℃シナリオにおけるカーボンプライス(先進国)>
ギーコストの増加に
リスク
2030年:140USD/t-CO
よる操業コストの増
2
政策およ カーボンプライス
加
2040年:205USD/t-CO
び法規制 の引き上げ
2
2050年:250USD/t-CO
2
・輸送コストの増加 リスク
(2022年 IEA World Energy Outlook)
・再生可能エネルギー由来の電力需要の高まりによる 電
・操業コストの増加 リスク
力価格上昇
低炭素技術の進展
・バイオマス由来原料の需要の高まりによる原料の価格 ・バイオマス原料の高
リスク
上昇 騰
・ナフサはこれまでの副産品でなく主産品としての地位
低炭素技術の進展 ・ナフサの価格上昇に
を得る
に伴うガソリン需 よる仕入・調達コス リスク
・ガソリンやディーゼル油とともにナフサは安定的に供
要の減少 トの増加
給されるものの、価格は上昇
・炭素税やGHG排出規制などの影響により人やモノが移動 ・半導体関連製品の販
人やモノの移動の
するための費用負担が大きくなる 売拡大による売上増 機会
デジタル代替
・デジタルデバイスに搭載される半導体の需要増加 加
・顧客からの資源循環の要求 ・3R+Renewable製品
市場
低炭素技術の進展 ・3R+Renewable(持続可能な資源)関連製品への切替 の早期上市による売 機会
加速 上増加
・低炭素社会へとシフト
・低炭素製品/サービ
・炭素税やGHG排出規制が強化
低炭素技術製品の
ス の販売拡大による 機会
・経済性を考慮したCO 輸送技術の開発やそのインフラ
需要拡大
2
売上増加
整備が進む
・EVを対象とした製
EV関連需要の拡
品/ サービスの販売
大(電池用部材、 ・自動車販売台数に占めるEV車の割合は着実に増加
拡大による売上増加 機会
自動車用軽量化素 し、 EV車の販売台数は増加
・自動車用軽量化素材
材)
の売上増加
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<4℃シナリオ>
想定し得るシナリオ要素 当社影響 リスク
ドライバー
(世の中の動き) インパクト評価 機会
・原油、天然ガスは価格が上昇
原油 2021年:69USD/barrel
・仕入・調達コストの
2030年: 82USD/barrel
増加による原料コス
2050年: 95USD/barrel
トの増加
天然ガス 日本 2021年:10.2USD/MBtu*
化石燃料価格の変
市場 ・製造にかかるエネル リスク
動
2030年:10.9USD/MBtu*
ギーコストの増加に
2050年:10.6USD/MBtu*
よる操業コストの増
日本は下落 他の地域は上昇
加
(2022年 IEA World Energy Outlook)
*MBtu:百万英熱量
サイクロン、集中豪雨、洪水、干害などの激甚化、頻度
上昇 ・操業の一時停止によ
リスク
・主要原料サプライヤー:操業停止 る売上減少
・自社製造拠点(国内外):操業停止
サイクロンや洪水
「レジリエントな都市づくり」が推進される
・建材向け各種シート
などの異常気象の
→自然災害に強い建材、産業用資材の需要増
製品、防水シート製
機会
重大性と頻度の上
品/サービスの売上
(要求機能例:軽量/高耐久/耐衝撃/高断熱・遮
昇
増加
熱/耐火等)
物理リス
・食肉用家畜の減少 → 長期保存用食品/加工品包装材
ク:急性
・各種包装フィルム製
の需要増 機会
品の売上増加
・農作物の収穫量の減少 → 青果物包装材の需要増
・地域病院・自宅等での診断および遠隔診断の必要性増
大
・ヘルスケア製品の販
感染症/気温上昇
・環境変化に敏感な幼児・高齢者に対する医療機会(診
売拡大/売上増加
に伴う疾病・移動 機会
断・治療)の増大
・医薬品パッケージの
制限
→POCT(POCT:Point of Care Testing)/医療機器 の
需要増
需要増大
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(4)指標及び目標
指標 目標 実績
CO 排出量削減
2030年度 46%以上削減 2022年度 40%削減見込み
2
(2013年度比) (2013年度比)
(Scope1+Scope2)
化学産業界の一員として、SDGsの中でも気候変動への対応は特に重要であると考えており、2020年3月に策
定した「環境ビジョン2050(ネットゼロ)」をもとに、省エネ活動、太陽光発電等の取り組みを進め、2022年1月
からは国内全事業所へ再生可能エネルギー由来の電力を導入しています。
住友ベークライトグループCO 排出量
2
(Scope1+Scope2)(国内+海外)
(注)表および図のデータには、Vaupell Holdings, Inc.(2014年6月より連結子会社化)、SBカワスミ株式会社
(2020年10月より連結子会社化)の連結子会社化前のCO データも加えております。
2
人材育成および社内環境整備に関する方針
当社グループは、人的資本・多様性に関して、「DE&Iの推進」および「人材育成の充実化」に重点的に取り
組んでいます。
(3)戦略
DE&Iの推進
当社は、経営として取り組む重要課題の一つとして「DE&I」を掲げ、2022年10月に策定した「DE&Iの実
現に向けた基本方針」に基づき、多様な人材が個性や能力を発揮し、一人ひとりの状況に応じた公正な機会が提供
され、相互の理解と尊重のもとでいきいきと活躍できる会社の実現に向けて取り組んでおります。
まずは、女性の活躍推進を第一歩として、女性社員が自身のライフイベントとキャリアを両立できるよう、女性
社員が次の3点を実現できることを目標に掲げて各種施策に取り組んでおります。
・安定的、長期的に働き続けることができる
・高いパフォーマンスを発揮することができる
・高い職位を目指すことができる
2022年度は女性の活躍を後押しする風土作りのために、経営層を対象としたダイバーシティ推進教育と、女性を
部下に持つライン長を対象としたダイバーシティ・マネジメント教育を実施いたしました。
また、2023年4月に本活動を推進するための専任部署として、DE&I推進室を設置いたしました。女性活躍を
はじめとして、シニア層の活躍、介護者の支援、外国人材の採用、障がい者雇用の拡大、LGBTQへの理解等の
更なる推進に取り組みます。
人材育成の充実化
<人材教育(SBスクール)>
当社では人材育成に関わる教育研修や仕組みの体系を“SBスクール”と銘打ち、当社グループ事業の持続的成長
に必要な多くのことを学び、体験する場を提供しております。事業活動に関わる全部門・全階層に対して、必要な
教育プログラムを企画し、体系的かつ計画的に実施することにより、事業に有為な人材の育成をおこない、当社グ
ループ事業の持続的成長と企業価値の向上を目指しております。
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“SBスクール”は、従業員一人ひとりの成長こそが、事業の持続的成長の源泉になると考え、在籍する全ての従
業員を受講対象者としており、在学期間は従業員が当社に入社してから退職するまでの全ての期間です。
求める人材・育てたい人材
住友ベークライト流自立的人材像
■仕事に必要な新知識・新技能の習得に意欲的な、成長志向型人材
■今が最悪、絶えずもっとよい仕事を考える、変革志向型人材
■より高い仕事の成果のため、自身の力と周囲の力の和が発想できる、チーム型人材
■知識と技能に優れ、国内・外の仕事において通用し成果を生み出す、プロフェッショナル人材
<DX推進/データサイエンティストの育成>
当社は、データサイエンスを活用したイノベーションを推進し、持続的な成長を実現するために、DX推進やマ
テリアルズ・インフォマティクス(MI*)技術の社内実装にむけて2021年から高度なデジタルスキルを有する人材
の社内育成に注力しています。これまでに累計200名超にリテラシー等に関する基礎教育を、45名に対してデータサ
イエンティストとしてのスキルを磨くための長期研修を実施してまいりました。彼らの活躍により、データ科学技
術を取り入れた研究・開発業務の効率化や省コスト化、製品機能の向上など、多くの成果が生まれています。
今後データサイエンスの活用および全社的なDXをさらに推進するため、2023年度から新たに関連する教育講座
を増設するとともに、褒賞制度も含めたデータサイエンティスト社内認定制度を新規導入します。この制度は、当
社におけるデータサイエンティストの役割や立ち位置を明確化し、スキルを磨き実践的な成果を上げた社員を社内
認定することで、継続的に高い成果を生み出す体制を構築するものです。
さらに認定者以外にも、各種教育を通じてプログラミングやデータ分析技術に精通し、課題解決が可能な「デー
タ活用人材」の輩出を目指します。
*MIとは…データ科学と物質・材料に関するデータとを駆使して新規材料の発見や高機能化など材料科学の諸問
題を解明するための科学技術的手法
(4)指標及び目標
DE&Iの推進
「戦略」において記載した多様な人材の確保と活躍に関する方針および社内環境整備に関する方針に係る指標に
ついて、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、必ずし
も連結グループに属する全ての会社において行われているわけではないため、連結グループにおける記載は困難で
あります。このため、次の指標に関する目標および実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のも
のを記載しております。
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<連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のデータ>
指標 目標 実績(当事業年度)
女性管理職比率 2025年4月までに5% 3.8%
男性の育児休業取得率 2024年3月までに50% 25.9%
障がい者雇用率 2025年3月までに2.7% 2.7%
・女性管理職比率の向上
これまでも性差なく管理職への登用を行ってきましたが、積極的な女性採用と離職の防止などの施策に加え、今
後推進するDE&I活動を通じた各種施策により、同比率の向上を目指していきます。
●管理社員における女性比率の推移
(注)1 執行役員を除く管理社員を対象としています。
2 管理社員の資格を有した出向者を含みます。
3 比率は各年度末の値です。
4 住友ベークライト単体の数値です。
・男性の育児休業取得率の向上
当社では育児目的休暇として「妻の出産休暇」を設けており、出産日を基準に3日前から2週間後までの間に断
続的に5日(有給)の休暇を取得することを可能としています。また、2023年10月の法改正により新たに創設され
た「出生時育児休業」については、男性従業員の育児休業取得の妨げとならないよう、取得期間の初めの5日を有
給(100%)としております。その結果、妻の出産休暇との合計で10労働日について有給での休暇取得が可能となっ
ております。
これらの育児に関する制度を周知するとともに、男性従業員が育児に参加するために柔軟に休暇が取得できる職
場環境を整備し男性育児休業取得率の更なる向上に取り組んでまいります。
・男女の賃金の差異の低減
男性従業員の支払い賃金を100とした場合の女性従業員の賃金割合は、全労働者69.5%、正規雇用労働者70.1%、
パート・有期労働者84.7%となります。
当社の賃金(例月の基準内賃金、諸手当、賞与)において、性別により支給条件が異なる賃金項目はありません
が、正規雇用労働者については管理社員の平均勤続年数が男性と女性で差があること(男性は女性の1.4倍)、非正
規労働者については再雇用嘱託社員の賃金水準が採用区分で異なっており現時点で定年を迎えている賃金水準の高
い本社採用社員のほとんどが男性であることから賃金差異が生じております。これらの要因に対して、積極的な女
性採用と離職の防止、管理社員への登用拡大等により、男女の賃金差異の低減に取り組んでまいります。
・障がい者雇用率の維持・向上
当社は法令に定めるとおり障がい者を雇用していくことを、企業の社会的な使命の一つと捉えております。障が
いがありながら仕事をしていくために必要な配慮を行いつつ、ほかの従業員と同様に安全・安心な職場で、その能
力を継続的に発揮・育成できる環境づくりに努めております。
また、障がいのある学生をインターンシップとして受け入れるなど、個人にあった仕事や働き方を見つける機会
を提供するとともに、継続的な採用活動に取り組んでおります。
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●最近5年間の障がい者雇用率推移
(注)各年度の障がい者雇用率は、各月1日時点の障がい者数の合計値を、同時点の常用雇用者数の合計値で
除して算定しています。
人材育成の充実化
DX推進/データサイエンティストの育成に関わる指標および目標は下表のとおりです。
指標 目標
2023年度末 40名
データサイエンティスト認定者の輩出
2026年度末 90名
2023年度末 95名
データ活用人材
2026年度末 250名
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3 【事業等のリスク】
(1) 当社グループのリスクマネジメント体制
当社グループのリスクマネジメント体制は次のとおりであります。
[サステナビリティ推進委員会]
グループのサステナビリティ活動を継続的かつ全社的に行う母体として設置しています。下部委員会であるリ
スクマネジメント委員会の方針・計画・実績・外部公表する項目および数値について承認し、これらを取締役
会に報告しています。
[リスクマネジメント委員会]
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える主要リスクの選定、主要リスクの対応策の妥当性確認、追加
検討すべき対策についての指示などを個別リスク主管部、各事業部門に対して行っています。リスクマネジメ
ント委員会の委員は、社長、事業統轄役員、個別リスク主管部の長で構成されています。2022年度は4回開催
されました。
[個別リスク主管部]
総務本部・人事本部・経理企画本部・生産技術本部・研究開発本部・情報システム部・調達本部などの個別リ
スク主管部は、所管するリスクについて、当社グループの各事業部門と連携を取りながら、当社グループ全体
の対応策を立案・推進しています。
[各事業部門]
当社グループの営業部門、工場、研究開発部門などの各事業部門は、本来業務の一部として、自部門、自社の
業務遂行上のリスクを適切に管理するためにさまざまな対策を講じています。
●リスクマネジメント体制
なお、上記のほか、当社グループは、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記
載のとおりの企業統治体制を整え、リスクマネジメントを含む内部統制システムを整備・運用しております。
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当社グループにおける主要リスクの選定・承認は年1回実施しており、そのプロセスは次のとおりであります。
・リスクマネジメント委員会は、各事業部門・個別リスク主管部の統轄役員から 「主要リスク抽出質問票」(リ
スクの内容と当該リスクが顕在化した場合の影響、発生可能性、影響度、現状とっている主な対応について、
事業部門・個別リスク主管部としての評価を記入)の回答を収集。また、社長からのヒアリングを実施。
・「主要リスク抽出質問票」で抽出されたリスクについて、影響度と発生可能性を掛けあわせて算出したリスク
値が高いものを主要リスク候補として、リスクマネジメント委員会にてリスクマップの作成、主要リスクの選
定・承認、主要リスクに対する次年度の対応計画への反映を実施。
・サステナビリティ推進委員会は、選定された主要リスクおよび主要リスクに対する対応計画を承認し、取締役
会に報告。
●主要リスクの選定・承認フロー
■ 発生可能性のレベル選択の目安
レベル 発生可能性のレベル選択の目安
1) 発生可能性-低
100年に1回程度~10年に1回程度
2) 発生可能性-中
数年に1回程度~年に1回程度
3) 発生可能性-高 年に複数回以上
■ 影響度のレベル選択の目安
影響度のレベル選択の目安
(下記の複数が当てはまる場合は、一番影響度のレベルが高いものを選択)
レベル
金銭的影響 人命 評判(レピュテーション) 稼働への影響
・1拠点に限り数日程度
・医師の手当てが必要な
1)影響度-小 ~5,000万円 ・日常の管理で解決する
の稼働に影響
傷病者が発生
・マスメディア・WEB媒
・1拠点に限り数週間の
体に(悪い意味で)小さ
稼働に影響
5,000万円~ ・入院が必要な傷病者が
く取り上げられる
2)影響度-中
10億円 発生 ・複数拠点で数日程度の
・一部の取引先や消費者
稼働に影響
の信用を失う
・マスメディアやWEB媒
・1拠点に限り数ヶ月以
体に(悪い意味で)大々
上稼働に影響
・死亡者が1名以上発生
的に取り上げられる
3)影響度-大 10億円~
・傷病者が多数発生 ・複数拠点で数週間の稼
・取引先や消費者の信用
働に影響
を著しく失う
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(2) 主要リスクの内容と顕在化した際の影響、主要リスクへの対応策
本報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響
を及ぼす可能性のある主要リスクには、下記のものがあります。ただし、これらは当社グループに関するすべての
リスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、投資家の判断に
重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、「第2 事業の状況」の他の項目、「第5 経理の状況」の各注記、そ
の他においても個々に記載しておりますので、併せてご参照ください。文中の将来に関する事項は、当連結会計年
度末現在において当社グループが判断したものです。
主要リスクとして挙げた各リスク項目のリスクマップ上の位置
発生可能性
低 中 高
・ 災害・事故・パンデミック
・ 地政学リスク
・法令および規制への対応
大
・製品の品質 ・ 情報セキュリティインシデント
影
・ 環境負荷低減対策
響
中 ・原材料の供給問題、価格変動
度
小
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1.原材料の供給問題、価格変動について
発生時期:短期 発生可能性:高 影響度:中
[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]
・原材料については、原燃料価格の高騰によるサプライヤーの減産、素原料の入手困難による廃番、事業撤
退、気候変動による寒波や洪水などの自然災害、感染症の拡大による供給停止や物流の混乱による遅れ、法
令の改正や環境規制の強化に起因する供給の停止や廃番、原料需給ひっ迫、原油・非鉄金属などの相場に連
動した価格の高騰、さらには原材料メーカーの事業ポートフォリオ見直しによる事業撤退が起こる可能性が
あり、そのような場合には、売上減少や収益性の悪化、事業の継続に支障が生じる可能性があります。
[ リスクへの対応・機会 ]
・当社グループでは安定調達を第一に考え、重要原料につき調達先の複数化、適正在庫の確保などによりリス
クの低減に努めております。日本国内から調達している重要原料の調達先約100社については、水害・地震・
火災・パンデミックなどのBCP(事業継続計画)について調達先との協議を重ね、対策実施あるいは計画
作成まで完了しました。欧米や中国から調達している重要原料の調達先約80社についても、代替品や安全在
庫3ヶ月分以上の確保に向けた対応を進めております。また、新規原材料の採用にあたっては、BCP対策
有無の確認に加え、現在製造や流通が禁止されている物質だけではなく、将来的に製造や流通が禁止される
蓋然性の高い物質を含まないことを採用の基準の一つとし、リスク低減を図っております。
・植物や鉱物などの天産物由来の原料については、地域が変わることによって生じる組成や成分の違いをコン
トロールする技術開発にも継続して取り組んでおります。
・主要原材料の価格変動については顧客と協議の上、フォーミュラ制(原料価格変動分を製品価格に自動反
映)を適用することも進めております。
・近年では、顧客による取引開始や取引継続の条件の一要素として、サプライチェーンのBCP対応が重要視
されております。このため、上記のような対応を充実化させることは当社グループにとっての「機会」にも
なると考えております。
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2.災害・事故・パンデミックについて
発生時期:不定(ただし新型コロナは短期) 発生可能性:中 影響度:大
[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]
・当社グループでは、想定される災害・事故等のうち「地震」「爆発・火災」「風水害」「パンデミック」を
重大事態と位置付けております。特に近年、気候変動による大型の「風水害」や、新型コロナウイルス感染
症に代表される世界規模の「パンデミック」が現実の事態となっており、当社グループのみならずサプライ
チェーン全体への影響を考える必要があります。
・これらの事態が発生した場合は、近隣住民・従業員の人的被害、施設・設備の損壊や電気・ガス・水道・通
信機能の停止により、製品の供給を継続できない状況が発生する恐れがあります。また、顧客・調達先・物
流の機能停止によるサプライチェーン分断により、事業活動の継続性が確保できない可能性があります。こ
れらの結果、多額の損害賠償の請求を受けるなど、経営成績等に悪影響が及ぶ可能性があります。
[ リスクへの対応・機会 ]
・当社グループでは、災害・事故等の発生時の事業の継続性を確保するためBCPを策定し、必要に応じて関
係先と共有しております。また、減災対応や持続性確保として、これまでも適正在庫の確保、国内外事業所
での生産体制の二重化、予備品の増強や復旧体制の制度化といった対策を行ってきました。なお、東日本大
震災の際には、宇都宮事業所の建屋や設備の一部に損壊がありましたが、このBCPに従った行動で当社グ
ループにおける被害を最小限に抑えることができました。
・一方で、当社グループでは、気候変動の影響や科学技術の進歩により、災害・事故等の発生頻度や影響の大
きさ・範囲は、毎年変化するものであると認識しております。最新の情報を踏まえてこれらの対策の妥当性
を毎年検証し、今後もBCPの見直しおよび訓練を実施してまいります。
・調達先各社の協力を得て実施しているサプライチェーンの上流におけるBCP確認と追加対応策の検討につ
いては、前述の「1.原材料の供給問題、価格変動について」のリスクへの対応・機会欄に記載のとおりで
す。
・また、上記災害のうち、当社グループの要因で引き起こされる可能性のある「爆発・火災」については、国
内外の事業所で発生したヒヤリハット情報も取り込み、原因解明・対策立案・当社グループ全体への対策展
開を進めております。2023年度は、日本国内で導入されている爆発・火災事故に直結する機器への異常予兆
管理システムの海外事業所への展開を計画しております。
・2020年以降感染が拡大している新型コロナウイルス感染症への社内の対応については、本社に緊急対策本部
と対策事務局を設置し、感染状況に応じた対策を検討し、都度通知文を発信するなど柔軟に運用いたしまし
た。また、これらの運用を踏まえて「全社『新型感染症』対策マニュアル」の見直しを適宜行っておりま
す。関係会社においても、このマニュアルを参考に、所在国の法令・規制や就業規則の違いなどを考慮した
上で、それぞれ対策体制、行動計画等を策定するよう努めました。
・近年では、顧客による取引開始や取引継続の条件の一要素として、BCPの整備・運用、生産体制の二重
化、サプライチェーンのBCP対応が重要視されております。このため、上記のようなBCP対応を充実化
させることは当社グループにとっての「機会」にもなると考えております。
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3.法令および規制への対応について
発生時期:不定 発生可能性:低 影響度:大
[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]
・当社グループはグローバルに事業活動を展開しており、日本および諸外国において、様々な分野にわたる広
範な法令および規制に服しております。このうち、機能性化学品メーカーである当社グループの事業内容に
密接に関わる法令および規制としては、化学物質規制、廃棄物・排水・粉塵の排出に係る規制などがありま
す。例えば、化学物質規制に関しては、POPs条約への規制物質追加に伴う日本の化審法の第一種特定化学物
質が増加予定、欧州REACHやCLPに改正の動きなど、世界的に大きく変化しています。これらの法令や規制
の変更に対しては、新たな対策コストが発生する可能性があります。
・また、万一当社グループが現在または将来の法令および規制を遵守できなかった場合には、刑事罰・課徴
金・民事訴訟による多額の損失発生、信用失墜などにより経営成績等への悪影響を及ぼす可能性がありま
す。
[ リスクへの対応・機会 ]
・当社グループは、事業活動を進めるにあたって、法令および企業倫理を順守することが極めて重要であると
認識し、コンプライアンス重視の経営を推進しております。当社グループのコンプライアンス違反リスクの
極小化、コンプライアンスのための仕組みづくりの推進、コンプライアンス意識の啓蒙活動の推進を行うた
め、「コンプライアンス委員会」を設置しております。2022年度は、コンプライアンス委員会を2回開催
し、コンプライアンスに関する主要リスクへの対策の目標設定、住友ベークライトグループ倫理規範の制定
にあたっての内容確認・承認、公益通報者保護法改正を念頭に置いた内部通報制度の見直しにあたっての内
容確認・承認、内部通報制度の実効性や対応の妥当性の確認などを行いました。
・総務本部(贈収賄・競争法・安全保障貿易管理コンプライアンスなど)、人事本部(労務コンプライアン
ス)、生産技術本部(化学品規制・排出規制・安全衛生コンプライアンスなど)、研究開発本部(知財コン
プライアンス)、経理企画本部(会計・税務コンプライアンス)などの個別リスク主管部は、当社グループ
の各部門と連携を取りながら、社内ルールなどの仕組みづくりや教育の実施、事業部門への指導・支援を適
宜進めております。例えば、上記で例示した化学物質規制への対応に関しては、当社グループでは各国の最
新の化学物質規制への対応もキャッチアップ可能な化学物質管理システムを運用・維持管理することによ
り、各国の法規制に対する抜け漏れを防ぎ、リスクの低減に努めております。
・当社の監査室、生産技術本部、総務本部等の内部監査を担当する部署では、「内部統制システム構築の基本
方針」「内部監査規程」「財務報告に係る内部統制基本規程」「モノづくり監査規程」「安全保障輸出管理
規程」等に基づき、当社および海外を含む関係会社を対象として、実地での往査と被監査部門での自己監査
結果の点検による書面監査を適宜組み合わせて監査・評価を行っております。監査・評価は、各部門におけ
る業務の適法性および各種基準への適合性の観点からモニタリングを行っており、発見され指摘事項として
挙げられた不備については、当該部門に対して書面による是正報告を求めております。2022年度のコンプラ
イアンス状況については、環境、人権、労働、安全衛生、製品・サービスの提供や使用、顧客情報やデータ
の管理、適切な会計処理、公正な取引などの観点でこれらの監査・評価を行った結果、法令や規則に対する
重大な違反はありませんでした。
・当社グループでは、コンプライアンス違反の早期発見・未然防止を図るため、コンプライアンス違反または
そのおそれを知った場合に、社内窓口(監査室長)または社外窓口(弁護士)に通報できる、内部通報制度
(当社グループでは「コンプライアンス通報制度」と称しています。)を導入しております。当社グループ
の役員、従業員だけでなく、当社グループのステークホルダー(退職者、採用応募者、取引先を含む)も通
報することが可能です。通報者のプライバシーを厳重に保護するとともに、通報により通報者が不利益を被
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らないよう必要な措置を講じております。また、当社グループ共通の「コンプライアンス通報制度」に加
え、関係会社によっては、所在国の法令上の要求や会社の規模などを考慮した上で独自の内部通報制度を設
置しております。
・近年では、顧客による取引開始や取引継続の条件の一要素として、上記のような法令・規制への対応、コン
プライアンス体制の整備・運用が重要視されております。このため、上記のような法令・規制への対応、コ
ンプライアンス体制の整備・運用の維持改善をすることは当社グループにとっての「機会」にもなると考え
ております。
4.製品の品質について
発生時期:不定 発生可能性:低 影響度:大
[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]
・当社グループの製品は、自動車・航空機・医療機器・電子材料等の直接・間接に人命に関わる用途にも使用
されております。そのため、大規模な製品事故が発生した場合、顧客に損害を与えたり、社会に悪影響を及
ぼしたりする結果、損害賠償やリコール等で多額の費用負担が発生するばかりでなく、当社グループに対す
る信用失墜により、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・また、科学技術の進歩や顧客市場や使用方法の変化により、上市後に顧客等から求められる品質管理水準が
高くなり、予期せぬ品質問題が生じることもあります。
[ リスクへの対応・機会 ]
・当社グループは国際的な品質管理基準(ISO 9001のほか、製品の用途に応じてIATF 16949(自動車部品)、ISO
13485(医療機器)、AS 9100(航空宇宙産業)など)に準拠した品質マニュアルに従い、各種製品の設計管理か
ら製造・販売までの一貫した品質管理体制をとっております。
・当社グループでは、有資格者による内部監査や外部監査による現地品質監査により、品質管理状態の検証を
年1回行い、各所で抽出された懸念事項を全社で共有して改善する活動を進めるとともに、FMEA、FTAという
手法を用いた潜在的品質リスクの洗い出しとその低減対応を行うなどの改善活動を行っております。変更管
理、初動管理には特に注意を払った活動を行っております。直近では、海外関係拠点のマザー機能を有する
国内主要4拠点においてAI/IoT技術を駆使した人的変動要素の排除とトレーサビリティの強化を行ってお
り、現在、海外主力5工場への展開を進めております。
・また、当社グループでは国内外の全事業所で発生した品質問題について直ちに共有し、一元管理するシステ
ムを構築して、対応の遅れが無いよう逐次監視すると共に、品質問題の初動対応と被害拡大防止、発生と流
出防止の対策が効果的であるかの検証を行っております。
・すべての製品に完全に不良や欠陥が無いこと、および将来にわたって全く品質クレームやリコールが発生し
ないことまでは保証できませんが、これらの取り組みにより、安心して使用できる製品提供に努めてまいり
ます。
・顧客による取引開始や取引継続の条件の一要素として、上記のような国際的な品質管理基準に沿った品質管
理体制の整備・運用、認証の取得などが重要視されています。このため、上記のような品質管理体制の維持
改善をすることは、当社グループにとっての「機会」にもなると考えております。
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5.地政学リスクについて
発生時期:不定 発生可能性:中 影響度:大
[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]
・米中貿易摩擦やロシア・ウクライナ情勢などの国際関係の変化を背景に、各国の経済安全保障政策が強化さ
れ、最先端技術の国外流出を阻止するための法規制や、制裁・法規制の対象となった企業との輸出入取引や
資金決済が停止となる可能性があります。これらの情勢変化や政策に適切に対応できない場合、刑事罰、行
政罰ならびに民事訴訟、さらにブランドに対する社会的信頼の喪失につながる可能性があります。また、戦
争・紛争が発生した場合には、当社グループ社員の人命・資産が脅かされることに加え、物流・調達・イン
フラの寸断により事業継続に支障をきたす可能性があります。
[ リスクへの対応・機会 ]
・戦争・紛争テロ・暴動等のリスクに対しては、リスクコンサルタント等の専門家や政府関係機関等より情報
収集を行うとともに、従業員の安全確保を最優先としつつ、事業継続や情報管理の観点も考慮した海外拠点
の危機管理マニュアルの整備、実効性の強化を進めております。
・輸出入規制や経済制裁、物流・調達・インフラの寸断の影響を軽減、極小化するため、輸出入規制や経済制
裁などの情報収集、マルチファブ化やマルチソース化を進めております。
6.情報セキュリティインシデントについて
発生時期:不定 発生可能性:中 影響度:大
[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]
・近年、サイバー攻撃は巧妙化、高度化しており、不正アクセスやサイバー攻撃を受け、企業が保有する情報
が流出する事件が多発しています。当社グループがサイバー攻撃を受け、重要なシステムの誤作動や停止、
保有する機密情報の流出が発生した場合、社会的信用の失墜、事業活動の混乱や停滞、取引先等への補償な
どの費用発生により、当社グループにおける経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
[ リスクへの対応・機会 ]
・当社グループでは、情報セキュリティインシデント発生に備えた組織横断的機関である「SUMIBE-CSIRT」を
設置し、定例会議などを通してトピックスの共有、情報セキュリティ事故発生を未然に防ぐための対策策
定、事故発生時の対応手順の整備を行う一方で、有事の際には経営層を含めた対応や外部セキュリティ関係
機関との連携を行う体制としております。
・情報セキュリティインシデントを予防するための具体的な取り組みとしては、不正攻撃の標的となる脆弱性
への対応の徹底、セキュリティ対策製品の導入によるリスク検知、外部セキュリティ企業とも連携したサイ
バー攻撃の常時監視等の対策を行っております。さらに、日本シーサート協議会やサイバー情報共有イニシ
アティブ(J-CSIP)等、サイバー攻撃に関する情報共有や対応強化を行う外部団体に参加し、積極的な情報入
手を図っております。引き続き、外部セキュリティ企業支援のもと、グローバルで連携したインシデント対
応体制の確立を進めていきます。
・また、差し迫るサイバーリスクに対しては、適宜当社グループ内に注意喚起を発信、また国内外の全役員、
従業員を対象に、サイバーリスクのトレンドを踏まえた情報セキュリティ教育を定期的に実施する等、情報
セキュリティインシデントへの予防強化と情報セキュリティへの意識向上に取り組んでおります。セキュリ
ティインシデント発生時の被害の最小化と早期復旧を図るべく、社内でのインシデント発生訓練に加え、外
部団体との合同訓練にも参加する等、体制の強化にも取り組んでおります。
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・社内セキュリティ人材の強化策として、国家資格である「情報処理安全確保支援士」の取得を進めており、
2023年3月末時点で情報システム部門に所属する人員のうちの約10%がこの資格を有しております。また、
日本国外の拠点におけるセキュリティ人材配置・育成も進めていきます。
・近年では、顧客による取引開始や取引継続の条件の一要素として、上記のような情報セキュリティ管理体制
の整備・運用が重要視されております。このため、上記のような情報セキュリティ管理体制の整備・運用の
維持改善をすることは当社グループにとっての「機会」にもなると考えております。
7.環境負荷低減対策について
発生時期:中長期 発生可能性:中 影響度:大
[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]
・日本政府による2050年カーボンニュートラル宣言、2030年度に温室効果ガスの46%削減(2013年度比)が表
明された後、2021年のCOP26では1.5℃目標に向かって世界が努力することが合意され、地球規模での気候変
動問題への対応が求められています。温室効果ガス排出規制の強化、カーボンプライシングなどが具体的な
リスクとして考えられますが、これらの対策が遅れている企業は市場から淘汰されていくリスクがあると認
識しております。
[ リスクへの対応・機会 ]
・2050年に向けたカーボンニュートラルの達成は、有機化学産業に属する当社グループにとっての重要課題と
認識しております。当社グループは、気候変動への取組み強化を進める中で「環境ビジョン2050(ネットゼ
ロ)」を掲げ、2021年6月には、2030年目標として「CO 排出量46%削減(2013年度比)」を、2050年目標
2
として「カーボンニュートラルに挑戦」を設定しております。これらの目標に向かって、経営トップを長と
する横串組織において活動を促進しております。法令・規制遵守はもとより、CO 削減や省エネルギーの目
2
標の策定、進捗管理、モニタリングを行っております。2022年1月より、リスク対応の1つとして日本国内
の全事業所において再生可能エネルギー由来の電力(水力、地熱、太陽光、風力、バイオマス)に切り替え
たことで、日本国内における2030年度目標を大幅に前倒しで達成することができました。さらに、欧州のグ
ループ会社でも同様に、再生可能エネルギー由来の電力への100%切り替えが完了しています。
・環境負荷低減に必要なイノベーション技術の開発については、社内開発はもとより、産学官連携プログラム
や産業界プロジェクトに積極参画し、遅滞ない開発を目指してまいります。技術的なイノベーションをより
計画的に進めていけるよう、2035年までの全社環境開発ロードマップの策定も行いました。
・気候変動は当社グループにとってリスクである一方で、機会としても捉えております。当社グループは、長
年にわたり継続して取り組んでいるレスポンシブル・ケア活動の一環で、環境負荷低減対策にも積極的に取
り組んでまいりました。さらに、当社グループとして設定した SDGs 重点項目(気候変動含む7項目: S
DGs 目標3、7、8、9、12、13、14)の中で SDGs 貢献製品の2023年度売上収益比率50%以上を目標
に取り組んでおります。2022年度売上収益比率は53%の見込みであり、2023年度目標を前倒しで達成できそ
うです。
・リスクマネジメント委員会では、TCFDタスクチームを設置し、当社主要事業についてシナリオ分析を行
いました。電気自動車(EV)を中心とした自動車関連製品、半導体関連製品、常温保存や鮮度保持機能を
有する食品包装用高機能フィルム等が「機会」になると見込んでおります。また機会に関連して、使用する
原料や製品の廃棄について、資源循環(3R+Renewable)の観点からケミカルリサイクル、マテリアルリサ
イクル技術の確立、バイオマス原料の活用が不可欠と認識しており、早期の戦略立案とその実行に努めてま
いります。
・これらの活動の状況と結果は統合報告書やCDP(カーボンディスクロージャープログラム)他を通じ継続
的かつ積極的に外部発信してまいります。
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4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(経営成績等の状況)
(1) 当期の経営成績の状況
当期の経済環境は、ウクライナ情勢の長期化による資源価格の高騰とそれらに伴う物価全般の上昇、中国におけ
る新型コロナウイルスの感染者増加による景況悪化、コロナ禍からの回復過程により生じた巣ごもり関連需要の終
了など激しい変化がみられました。また為替相場は昨年後半に記録的な円安・ドル高となるなど、期を通じて円安
傾向が続きました。
このような情勢のもと、当社グループの売上収益は、円安為替評価による海外売上の増加に加え、原料価格上昇
に対応して製品価格改定を行った結果、前期と比べ8.3%増(以下の比率はこれに同じ)の2,849億39百万円となり
ました。損益につきましては、半導体関連材料および高機能プラスチック製品の市況悪化に加え、海外拠点での人
手不足を背景とする人件費増加、エネルギーコストの高騰などにより、事業利益は、3.9%減の254億48百万円、営
業利益は、0.3%減の248億23百万円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、受取利息・受取配当金
の増加等により10.9%増の202億89百万円(過去最高益)となりました。
ROEにつきましては、分子である親会社の所有者に帰属する当期利益が前期と比べ増加したものの、為替変動
の影響により分母である親会社の所有者に帰属する持分の増加額が上回った結果、0.1%減の8.4%となりました。
(セグメント別販売状況)
① 半導体関連材料
[売上収益 79,540百万円(前期比 5.0%増)、事業利益 15,323百万円(同 7.2%減)]
半導体関連材料は主力の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料が、前年度好調だったパソコンやスマートフォンな
ど民生向けの需要が、巣ごもり需要終了の影響等により冷え込み、在庫調整局面が長期化していることから販売数
量が減少しました。売上収益については原料価格上昇に伴う価格改定と円安影響により増加しましたが、事業利益
はコスト削減の取り組みにもかかわらず販売数量減少の影響が大きく前期比減益となりました。
感光性ウェハーコート用液状樹脂は、主要用途であるメモリー需要が堅調に推移しており、販売数量、売上収益
ともに前期並みで推移しました。
半導体用ダイボンディングペーストは、民生用途の需要減少、顧客での在庫調整が長期化し、販売数量、売上収
益は前期を下回りました。
半導体パッケージ基板材料「LαZ®」シリーズは、中国市場のスマートフォン需要低迷が長期化しており売上収
益が減少しました。
② 高機能プラスチック
[売上収益 102,351百万円(前期比 11.0%増)、事業利益 4,637百万円(同 21.9%減)]
高機能プラスチックは、主力の工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料が、中国での新型コロナウ
イルス感染者数増加による生産・消費活動の停滞影響で国内・アジア地域の販売数量が大幅に減少しました。製品
価格の改定、北米の経済環境改善等による売上収益の押上げ要因はありましたが、主力のアジア地域での販売数量
減少分をカバーできず事業利益は前期を大きく下回りました。
銅張積層板は、エアコン用、LED照明用基板の販売が好調に推移してきましたが、年明け以降、顧客での在庫
調整局面に入ったことにより売上収益は前期比で横ばいでした。
航空機内装部品は、航空産業の事業環境改善を背景に売上収益が大幅に増加し、収益力も生産合理化や製品価格
改定で改善しました。
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③ クオリティオブライフ関連製品
[売上収益 102,273百万円(前期比 8.3%増)、事業利益 9,210百万円(同 24.0%増)]
クオリティオブライフ関連製品は医療機器製品、ビニル樹脂シートおよび複合シートの販売が好調に推移してお
り、過去最高の売上収益、事業利益となりました。
医療機器製品は、北米向けの採血キット、アジア向けの血液バッグなど輸出販売が好調なことに加え、北米の医
療機器製造子会社の業績も好調なことから、売上収益は大幅に増加しました。
バイオ関連製品は、高付加価値品の販売に注力しましたが、国内向け一般品の販売が減少したこともあり売上収
益は前期並みでした。
ビニル樹脂シートおよび複合シートは、産業用途が半導体市況の悪化、スマートフォンの販売減などの影響を受
けて販売数量が減少しましたが、医薬品包装用途はジェネリック医薬品向けを中心に好調を持続し、食品包装用途
も堅調に推移したことから売上収益は前期比で大幅に増加しました。
ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板は、原料価格上昇等に対応して製品価格改定を進めて収益力改
善に努めてきましたが、サングラス用の偏光板用途で需要回復が遅れており、売上収益は前期比で横ばいでした。
防水関連製品は、新築住宅向け屋根防水工事を中心に需要が回復基調で売上収益は増加しました。
(2) 当期の財政状態の状況
①資産の部
資産合計は、前連結会計年度末に比べ76億21百万円増加し、3,784億57百万円となりました。
主な増減は、現金及び現金同等物の減少と、棚卸資産および有形固定資産の増加であります。
②負債の部
負債合計は、前連結会計年度末に比べ179億35百万円減少し、1,207億66百万円となりました。
主な増減は、コマーシャル・ペーパーの償還による減少であります。
③資本の部
資本合計は、前連結会計年度末に比べ255億56百万円増加し、2,576億92百万円となりました。
主な増減は、当期利益の計上および為替変動影響による増加と、配当金の支払による減少であります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金および現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べ95億97百万円減少し、996
億20百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は236億18百万円となりました。
これは主に、税引前利益および減価償却費による収入と、営業債務の減少による支出の結果であります。前期
と比べると43億2百万円の収入の減少となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動に用いた資金は156億48百万円となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出の結果であります。前期と比べると51億80百万円の支出の増加と
なりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動に用いた資金は229億54百万円となりました。
これは主に、コマーシャル・ペーパーの償還による支出と、配当金の支払による支出の結果であります。前期
と比べると36億46百万円の支出の増加となりました。
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(4) 資本の財源および資金の流動性に係る情報
①財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、健全かつ安定した財務基盤の維持を前提に、資産効率の向上を図り、事業活動の成長と拡大の
ための投資を継続的に行い、安定かつ継続的に株主還元を行うことを財務戦略の基本方針としております。
財務基盤に関しては、親会社所有者帰属持分比率は65%を超え、ネットキャッシュは500億円超のプラスという状
況で、安定した水準を維持しております。引き続き財務体質の改善、信用力向上のための取組みに努めてまいりま
す。また、資産効率に関しては、以下の施策をこれまで以上に強力に推進してまいります。
・収益性向上による営業キャッシュ・フロー確保のため、低採算・不採算事業の撲滅改善、製造原価の低減に加
え、開発効率の向上や間接業務の効率化等の費用削減。
・資産のスリム化のため、売掛債権の回収促進、棚卸資産の適正水準や滞留の管理強化、政策保有株式の適宜見直
し、不要・遊休資産の処分・売却の徹底、グローバルおよびリージョナルファイナンスによるグループ内資金の
効率的な活用。
また、当社グループ事業の成長と拡大のための研究開発および設備投資、さらなる成長スピードを加速させるた
めのM&A、DX等の戦略的な投資を積極的に実施してまいります。自己資金や外部から借り入れた資金をこれら
の投資に配分しますが、様々なリスクに見合った財務健全性の確保と、適正な財務レバレッジコントロールの観点
から、適切な負債・資本のバランスとして親会社所有者帰属持分比率は最低50%を維持してまいります。さらに株
主還元では配当性向30%を目安に、連結業績に応じて安定した配当を継続して実施してまいります。
②資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、生産効率および品質の維持向上、生産能力増強を目的とした設備投資等
の長期の資金需要と、製品製造のための原材料および部品の購入費、製造経費、販売費及び一般管理費等の運転資
金需要のほか、M&A、DX等の戦略的投資のための需要があります。
③資金調達
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、自己資金および外部資金を有効に活
用しております。
資金調達にあたっては、様々な手段の中から、その時々の市場環境も考慮したうえで、当社グループにとって最
適かつ有利な手段を機動的に選択しております。
当社グループは、主要な取引先金融機関との間で長年にわたり良好な関係を維持しており、長期借入金、短期借
入金、シンジケートローン等による資金調達のほか、緊急時の手元流動性と資金調達枠の確保を目的として、取引
先金融機関との間に短期借入金枠およびコミットメントラインを設定しております。さらに金融市場からの安定的
な資金調達能力の維持向上に努め、国内2社の格付機関から格付けを取得し、コマーシャル・ペーパーの発行によ
る資金調達も行っております。
これらにより運転資金および設備資金に加え、戦略的な投資に対しても十分な流動性が確保でき、機動的かつ円
滑な資金調達が可能となっております。
(5) 生産、受注および販売の実績
①生産実績および受注実績
当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ず
しも一様ではなく、また受注生産を行わないため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量
で示すことはしておりません。
このため生産の実績については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・
フローの状況の分析 (セグメント別販売状況)」に関連付けて示しております。
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②販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 販売高(百万円) 前期比増減(%)
半導体関連材料 79,540 5.0
高機能プラスチック 102,351 11.0
クオリティオブライフ関連製品 102,273 8.3
その他 775 21.3
合計 284,939 8.3
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(6) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上収益、事業利益、ROEを業績目標の指標に設定しております。
中期経営計画で掲げた最終年度(2023年度)の数値目標は「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境および
対処すべき課題」および「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」に、各指標の当連
結会計年度における達成状況については「(1) 当期の経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについ
ては、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載のと
おりであります。
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5 【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
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6 【研究開発活動】
当社は、経営方針の一つとして、持続可能な世界を実現するために2015年に国連で採択されたSDGsについて、全
社規模で必要な施策を推進しております。当連結会計年度の研究・開発においても、社会課題解決につながる顕在ニー
ズのみならず潜在ニーズにも応えていくために、3つの創生領域として掲げる「高集積デバイス」、「自動車・航空
機」、「ヘルスケア」領域において、SDGsを意識したイノベーションによる競争優位性の高い革新的製品および技
術の開発を推進しております。また、3R(リデュース、リユース、リサイクル)活動やカーボンニュートラルを目指
した環境課題に研究・開発段階から取り組むと共に、LCA(ライフサイクルアセスメント)による環境影響評価ができ
る人材育成を推進しております。
当社グループは、中長期的視野に立ち新製品およびそれに必要な要素技術の研究を担当する先端材料研究所およびバ
イオ・サイエンス研究所、生産技術開発を担当するコーポレートエンジニアリングセンター、全社のデータ駆動型の研
究・開発を推進するMI推進プロジェクト、ならびに新製品の商品化および現製品の改良研究を担当する各製品別5研
究所(情報通信材料研究所、HPP技術開発研究所、フィルム・シート研究所、産業機能性材料研究所、およびSBカ
ワスミ株式会社の殿町メディカル研究所)、さらに光電気複合インターポーザ事業開発推進部、炭素材開発プロジェク
トチーム、次世代電動アクスル事業化推進プロジェクトチーム、光回路材料開発プロジェクトチーム、電子調光デバイ
ス開発推進プロジェクトチームという体制で、当社のコア事業分野である①半導体関連材料、②高機能プラスチック、
③クオリティオブライフ関連製品における各マーケット動向に即座に対応すべく、研究・開発活動を進めております。
2022年1月1日に発足したMI推進プロジェクトが2022年度に本格的な活動を開始いたしました。MI技術を社内展
開し、高機能性材料開発や製造条件の最適化といった従来手法では早期解決が困難であった課題に対して新規有望材料
の発見や開発期間の短縮といった成果が得られています。さらに全社研究・開発データの統合管理基盤の構築とデータ
科学のスキルを有する研究者の育成の取組を通じて、一層のR&D効率化や新製品創出力の向上を目指していきます。
また、海外研究・開発拠点として、コーポレート部門は米国に研究・開発拠点、情報通信材料関係は中国、台湾、シ
ンガポール、米国、ベルギーにオープンラボ機能を持った研究・開発拠点、高機能プラスチック関係は米国、カナダ、
ベルギー、スペイン、中国、インドネシアに研究・開発拠点を設けており、国内組織と緊密な連携をとりながらグロー
バル市場のニーズに対応しております。
また、新規事業・研究開発テーマを継続的かつ着実に創出できる組織を目指し、当社グループに適したイノベーショ
ンマネジメントシステムを構築、全社展開を開始いたしました。当社グループにとっての新規市場に関する情報の入
手、適社性や競争優位性の判断、フィージビリティスタディを迅速に進めることで、新規事業への挑戦を続けていま
す。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は 11,582 百万円であります。なお、この中には基礎研究等費
用2,530百万円が含まれております。
各セグメント別の研究・開発活動は次のとおりであります。
①半導体関連材料
半導体封止用エポキシ樹脂成形材料、半導体用液状樹脂、半導体用感光性樹脂およびパッケージ基板用材料の開発
に重点的に力を入れております。当連結会計年度は、「モーターステーター用エポキシ樹脂」、「車載向けTCU用
封止材」、「2.5D 次世代ファンアウト型パッケージ用封止材」、「高熱伝導モールドアンダーフィル用封止材」、
「パワー半導体用Si Bare向けAgシンタリングペースト」、「パワーデバイス向け感光性絶縁材料」、「次世代パッ
ケージ用低CTEプリプレグ材料」を開発、上市しました。
なお、当セグメントに係る研究開発費は、 3,784 百万円であります。
②高機能プラスチック
高機能成形材料と精密成形技術を基盤技術として、自動車、電機部品用等の産業資材用樹脂、成形材料および成形
品の開発を進めております。特に環境対応材料に注力した開発を進めております。当連結会計年度は、「パワーモ
ジュール用エポキシ樹脂注型材」、「機構部品用高強度フェノール樹脂成形材料」、「バッテリー用高絶縁不飽和ポ
リエステル樹脂成形材料」、「バイオマス原料を利用した環境配慮フェノール樹脂成形材料」、「環境対応コンミ
テータ用フェノール樹脂成形材料」、「バッテリー用難燃フェノール樹脂成形材料」、「車載ギア用速硬化フェノー
ル樹脂」、「摩擦材用高耐熱フェノール樹脂」、「半導体用絶縁ポリマー」を開発、上市しました。
なお、当セグメントに係る研究開発費は、 1,779 百万円であります。
③クオリティオブライフ関連製品
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医療機器・用具、バイオ関連製品、医薬・食品等各種包装用材料および建築材料を中心に開発を進めております。
医療機器については特に低侵襲治療分野に注力した開発を進めております。当連結会計年度は、「胃ろう用ボタン型
カ テーテル」、「内視鏡用針状高周波ナイフ」、「胆管狭窄治療用ステント非円筒型」、「胆管狭窄治療用ステント
一方弁付き」、「ピロリ菌検査用胃液採取キット」、「頭頚部用能動マイクロカテーテル」、「再生医療用細胞培養
容器」、「バイオマス原料使用医薬品包装用フィルム」、「紙板対応バリアスキンパックフィルム」、「樹脂封止工
程用離型フィルム」、「超耐候ポリカーボネートシート」、「アイウェア用ハイコントラスト偏光板」、「新熱線
カットポリカーボネートフィルム」を開発、上市しました。
なお、当セグメントに係る研究開発費は、 3,489 百万円であります。
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第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループは、新たな成長へ向けた取り組みとして「競争優位性のある新製品の開発、早期戦力化」、「既存製品
の収益力強化、新規顧客・用途・地域の拡大」および「成長領域における積極的な戦略投資(M&A、DX等)」の基
本戦略のもと、当連結会計年度において 18,313 百万円の設備投資を実施しました。
セグメントごとの設備投資額は、次のとおりであります。
「半導体関連材料」では、蘇州住友電木有限公司、台湾住友培科股份有限公司およびVyncolit NVにおける半導体封止
用エポキシ樹脂成形材料の製造設備の増強など、 6,525 百万円の設備投資を実施しました。
「高機能プラスチック」では、当社における工業用フェノール樹脂の製造設備の増強および老朽更新、Durez
Corporationにおける工業用フェノール樹脂の製造設備および研究開発設備の増強、南通住友電木有限公司におけるフェ
ノール樹脂成形材料の製造設備の増強など、 7,122 百万円の設備投資を実施しました。
「クオリティオブライフ関連製品」では、当社におけるビニル樹脂および複合シートの製造設備の増強および老朽更
新、東莞住友電木有限公司およびSBカワスミ㈱における医療機器製品・医薬品の製造設備の増強など、 3,988 百万円の
設備投資を実施しました。
設備投資額には、有形固定資産のほか、無形資産、使用権資産への投資が含まれており、その所要金額については、
主として自己資金を充当しております。なお、重要な設備の除却または売却はありません。
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2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
( 2023年3月31日 現在)
従業員数
帳簿価額(百万円)
(外、平
事業所名 セグメントの
設備の内容 均臨時雇
機械装置
(所在地) 名称
建物及び 土地
用者数)
及び その他 合計
構築物 (面積㎡)
(名)
運搬具
ビニル樹脂
シートおよび
クオリティオ
尼崎工場 1,947 2,047 172 4,204 257
複合シート、 36
ブライフ関連
鮮度保持フィ (43,846)
(兵庫県尼崎市) (145)
製品
ルム製造設備
等
エポキシ樹脂
銅張積層板、
フェノール樹
高機能プラス
脂成形材料、
チック
静岡工場 2,567 2,157 544 508
成形品、工業 1,167
6,436
クオリティオ
用フェノール (291,760)
(静岡県藤枝市) (55)
ブライフ関連
樹脂、メラミ
製品
ン樹脂化粧
板・化粧シー
ト製造設備等
半導体基板材
宇都宮工場
半導体関連材 料、半導体用 240 176
2,650 1,676 381 4,949
料 液状樹脂製造 (102,147) (6)
(栃木県宇都宮市)
設備等
ポリカーボ
クオリティオ ネート樹脂
鹿沼工場
1,402 147
ブライフ関連 板、塩化ビニ 1,900 1,398 214 4,915
(79,372) (22)
(栃木県鹿沼市)
製品 ル樹脂板製造
設備等
神戸事業所
研究開発施設 1,125 52
全社 754 83 113 2,075
設備等 (21,377) (10)
(神戸市西区)
本社
全社
3,076 367
283
(東京都品川区) その他設備 4,708 116 8,184
(356,656) (11)
その他
(注)3,9
(2) 国内子会社
( 2023年3月31日 現在)
従業員数
帳簿価額(百万円)
(外、平
事業所名 セグメントの
会社名 設備の内容 均臨時雇
機械装置
(所在地) 名称
建物及び 土地
用者数)
及び その他 合計
構築物 (面積㎡)
(名)
運搬具
高機能プラス
工業用フェ
本社・工場
秋田住友 チック
―
ノール樹脂、 103
(秋田県 1,378 986 [51,444] 92 2,457
ベーク㈱ クオリティオ
医療機器製品 (83)
(注)5 ブライフ関連
秋田市)
製造設備等
製品
本社・工場
SBカワス
医療機器製
(神奈川県
クオリティオ 1,585 754
ミ㈱ 品・医薬品製 5,011 662 502 7,761
ブライフ関連 (102,529) (81)
川崎市
造設備等
(注)6
製品
ほか)
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(3) 在外子会社
( 2023年3月31日 現在)
従業員数
帳簿価額(百万円)
(外、平
事業所名 セグメントの
会社名 設備の内容 均臨時雇
機械装置
(所在地) 名称
建物及び 土地
使用権
用者数)
及び その他 合計
資産
構築物 (面積㎡)
(名)
運搬具
Sumitomo
半導体封止用
Bakelite
本社・工場
エポキシ樹脂
半導体関連 223
Singapore 成形材料、半 516 2,151 ― 888 55 3,611
( シ ン ガ
材料 (6)
導体用液状樹 [22,276]
ポール)
Pte. Ltd.
脂製造設備等
(注)7
SNC
フェノール樹
Industrial
本社・工場
脂銅張積層
高機能プラ ― 80
Laminates 板、工業用 1,149 216 448 41 1,854
(マレーシ
スチック [60,000] (―)
フェノール樹
ア)
Sdn. Bhd.
脂製造設備等
(注)7
半導体封止用
蘇州住友電
本社・工場 半導体関連 エポキシ樹脂 ― 231
木有限公司
775 3,121 552 1,047 5,495
(中国) 材料 成形材料製造 [87,138] (40)
(注)7
設備等
工業用フェ
高機能プラ
ノール樹脂、
南通住友電 スチック
本社・工場
フェノール樹 ― 249
木有限公司
2,124 3,040 557 118 5,839
クオリティ
脂成形材料、 [100,000] (―)
(中国)
(注)7 オブライフ
複合シート製
関連製品
造設備等
Durez
63
工業用フェ
本社・工場
Corporatio 高機能プラ 174
ノール樹脂製 780 2,415 100 14 3,372
(412,779)
n スチック (1)
(米国)
造設備等
[816]
(注)8
Sumitomo
工業用フェ
本社・工場
高機能プラ 20 142
Bakelite
ノール樹脂製 2,056 5,299 ― 150 7,524
スチック (110,000) (4)
(べルギー)
造設備等
Europe NV
フェノール樹
Vyncolit 本社・工場
高機能プラ 165 156
脂成形材料製 1,353 1,929 12 ― 3,460
スチック (23,565) (―)
NV (べルギー)
造設備等
高機能プラ
Vaupell
航空機内装部
本社・工場 スチック
3
Holdings,
品、医療機器 549
831 343 (30,634) 319 73 1,569
(米国・ クオリティ
Inc. 製品製造設備 (37)
[87,790]
中国) オブライフ
等
(注)8
関連製品
(注) 1 帳簿価額は、提出会社および国内子会社は日本基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を、在外子会社はIFRS
に基づく金額を記載しております。
2 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含めておりません。
3 連結会社以外へ賃貸中の建物及び構築物119百万円、土地475百万円(111,384㎡)を含んでおります。
4 賃借している土地の面積は[ ]で外書きしております。
5 秋田住友ベーク㈱は提出会社より土地及び建物の一部を賃借しております。
6 SBカワスミ㈱は提出会社より建物の一部を賃借しております。
7 Sumitomo Bakelite Singapore Pte. Ltd.、SNC Industrial Laminates Sdn. Bhd.、蘇州住友電木有限公司
および南通住友電木有限公司は連結会社以外から土地を賃借しております。
8 Durez CorporationおよびVaupell Holdings, Inc.は土地の一部を連結会社以外から賃借しております。
9 提出会社のうち本社には、秋田地区の土地(260,619㎡)、九州地区の土地(48,300㎡)、奈良地区の土地
(20,353㎡)、川崎地区(旧川崎工場用地)の土地(11,819㎡)等を含めております。
10 現在休止中の主要な設備はありません。
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3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループの当連結会計年度後1年間の設備投資計画(新設・拡充)は22,100百万円であり、セグメントごとの内訳
は次のとおりであります。
セグメントの名称 設備投資計画金額(百万円) 設備等の主な内容・目的
半導体関連材料 9,000 生産能力の増強、老朽更新等
高機能プラスチック 6,100 生産能力の増強、老朽更新等
クオリティオブライフ関連製品 5,600 生産能力の増強、老朽更新等
その他 1,400 研究開発設備の増強、老朽更新等
合計 22,100
(注)1 経常的な設備の更新のための除売却を除き、重要な設備の除売却の計画はありません。
2 上記の計画に伴う所要資金は、自己資金を充当する予定であります。
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第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
種類 発行可能株式総数(株)
普通株式 160,000,000
計 160,000,000
② 【発行済株式】
事業年度末現在 提出日現在
上場金融商品取引所名又は登録認可
種類 発行数(株) 発行数(株) 内容
金融商品取引業協会名
( 2023年3月31日 ) (2023年6月22日)
東京証券取引所
単元株式数は100株
普通株式 49,590,478 49,590,478
であります。
プライム市場
計 49,590,478 49,590,478 ― ―
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
発行済株式 発行済株式 資本準備金 資本準備金
資本金増減額 資本金残高
年月日 総数増減数 総数残高 増減額 残高
(百万円) (百万円)
(株) (株) (百万円) (百万円)
2018年10月1日
△198,361,916 49,590,478 ― 37,143 ― 35,358
(注)
(注) 2018年6月22日開催の第127期定時株主総会において、株式併合に関する議案(5株を1株に併合し、発行可能
株式総数を8億株から1億6千万株に変更)が承認可決されたため、同年10月1日をもって、当社の発行済株
式総数は198,361,916株減少し、49,590,478株となっております。
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(5) 【所有者別状況】
( 2023年3月31日 現在)
株式の状況(1単元の株式数 100 株)
単元未満
区分 外国法人等 株式の状況
政府及び
金融商品 その他の 個人
(株)
地方公共 金融機関 計
取引業者 法人 その他
団体
個人以外 個人
株主数(人) ― 46 26 126 258 10 7,053 7,519 ―
所有株式数
― 171,302 6,010 128,038 127,916 47 61,546 494,859 104,578
(単元)
所有株式数
― 34.62 1.21 25.87 25.85 0.01 12.44 100.00 ―
の割合(%)
(注) 1 自己株式2,535,917株は「個人その他」に25,359単元および「単元未満株式の状況」に17株含めて記載して
おります。
2 上記「その他の法人」の中に1単元、「単元未満株式の状況」の中に22株、証券保管振替機構名義の株式が
含まれております。
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(6) 【大株主の状況】
( 2023年3月31日 現在)
発行済株式(自己
株式を除く。)の
所有株式数
氏名又は名称 住所 総数に対する所
(千株)
有株式数の割合
(%)
住友化学株式会社 東京都中央区日本橋二丁目7番1号 10,509 22.34
日本マスタートラスト信託銀行株
東京都港区浜松町二丁目11番3号 7,805 16.59
式会社(信託口)
株式会社日本カストディ銀行
東京都中央区晴海一丁目8番12号 3,360 7.14
(信託口)
STATE STREET BANK AND TRUST P.O.BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS 02101
COMPANY 505001 U.S.A.
934 1.99
(常任代理人 株式会社みずほ銀行 (東京都港区港南二丁目15番1
決済営業部) 号 品川インターシティA棟)
東京都千代田区大手町二丁目3番1号
株式会社かんぽ生命保険 895 1.90
大手町プレイス ウエストタワー
株式会社日本カストディ銀行・三
東京都中央区晴海一丁目8番12号 873 1.86
井住友信託退給口
株式会社三井住友銀行 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 872 1.85
GOVERNMENT OF NORWAY
BANKPLASSEN 2, 0107 OSLO 1 OSLO 0107 NO
621 1.32
(常任代理人 シティバンク、エ
(東京都新宿区新宿六丁目27番30号)
ヌ・エイ東京支店)
HSBC-FUND SERVICES CLIENTS A/C
1 QUEEN'S ROAD CENTRAL HONG KONG
500 HKMPF 10PCT POOL
604 1.28
(東京都中央区日本橋三丁目11番1号)
(常任代理人 香港上海銀行東京支
店カストディ業務部)
住友生命保険相互会社 東京都中央区八重洲二丁目2番1号 523 1.11
計 ― 26,999 57.38
(注) 2022年12月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、野村アセットマネ
ジメント株式会社が2022年11月30日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社とし
て当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりま
せん。
保有株券等の数 株券等保有割合
氏名又は名称 住所
(千株) (%)
野村アセットマネジメント
東京都江東区豊洲二丁目2番1号 3,408 6.87
株式会社
計 ― 3,408 6.87
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(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
( 2023年3月31日 現在)
区分 株式数(株) 議決権の数(個) 内容
無議決権株式 ― ― ―
議決権制限株式(自己株式等) ― ― ―
議決権制限株式(その他) ― ― ―
(自己保有株式)
完全議決権株式(自己株式等) 普通株式 ― 単元株式数は100株であります。
2,535,900
普通株式
完全議決権株式(その他) 469,500 同上
46,950,000
普通株式
単元未満株式 ― ―
104,578
発行済株式総数 49,590,478 ― ―
総株主の議決権 ― 469,500 ―
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、証券保管振替機構名義の株式100株が含まれております。
2 「単元未満株式」欄の普通株式には、証券保管振替機構名義の株式22株および当社所有の自己株式17株が含
まれております。
② 【自己株式等】
( 2023年3月31日 現在)
発行済株式
自己名義 他人名義 所有株式数
所有者の氏名 総数に対する
所有者の住所 所有株式数 所有株式数 の合計
又は名称 所有株式数
(株) (株) (株)
の割合(%)
(自己保有株式) 東京都品川区東品川二丁目
2,535,900 ― 2,535,900 5.11
住友ベークライト株式会社 5番8号
計 ― 2,535,900 ― 2,535,900 5.11
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2 【自己株式の取得等の状況】
会社法第155条第3号および会社法第155条第7号による普通株式の取得
【株式の種類等】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
区分 株式数(数) 価額の総額(百万円)
取締役会 (2023年5月15日)での決議状況
750,000 3,000
(取得期間 2023年5月16日~2023年9月29日)
当事業年度前における取得自己株式 ― ―
当事業年度における取得自己株式 ― ―
残存決議株式の総数及び価額の総額 ― ―
当事業年度の末日現在の未行使割合(%) ― ―
当期間における取得自己株式 74,500 408
提出日現在の未行使割合(%) 90.1 86.4
(注)1 当期間における取得自己株式には、2023年6月1日から有価証券報告書提出日までの自己株式の取得に
よる株式数は含めておりません。
2 取得期間は約定日基準により、取得自己株式は受渡日基準により記載しております。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分 株式数(株) 価額の総額(百万円)
当事業年度における取得自己株式 1,190 5
当期間における取得自己株式 289 2
(注) 当期間における取得自己株式には、2023年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りに
よる株式数は含めておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況および保有状況】
当事業年度 当期間
区分
処分価額の総額 処分価額の総額
株式数(株) 株式数(株)
(百万円) (百万円)
引き受ける者の募集を行った
― ― ― ―
取得自己株式
消却の処分を行った取得自己株式 ― ― ― ―
合併、株式交換、株式交付、
会社分割に係る移転を行った ― ― ― ―
取得自己株式
その他(単元未満株式の買増請求に
― ― ― ―
よる減少)
保有自己株式数 2,535,917 ― 2,610,706 ―
(注) 当期間における保有自己株式には、2023年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り
および買増請求による売渡による株式数は含めておりません。
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3 【配当政策】
当社は、積極的に企業価値の向上を図り、株主への利益還元を経営の最重要課題の一つと考えております。利益配
分については、研究開発や設備投資およびM&Aといった将来の事業展開のために必要な内部留保とのバランスを勘
案し、連結業績に応じた安定的な配当の継続を実施していきたいと考えております。
当社の配当は、中間配当および期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、中間配当は
取締役会、期末配当は株主総会であります。
当期の期末配当につきましては、持続的成長に向けた戦略投資やM&Aの資金の確保も考慮し、1株につき70円と
いたしました。これにより、当期の年間配当金は、昨年実施した中間配当とあわせて、前期比20円増額の1株につき
130円となります。
また、内部留保については、中長期的視野に基づいた研究開発、高品質商品開発のための生産技術の改善・設備投
資のほか、中期経営計画に基づく戦略投資として、成長分野におけるM&A、主に半導体関連材料分野における生産
能力増強ならびにDX関連等の戦略投資に充当する予定であります。
なお、当社は中間配当を行うことができる旨を定款で定めております。
(注) 基準日が当期に属する剰余金の配当は、次のとおりであります。
決議年月日 配当金の総額(百万円) 1株当たり配当額(円)
2022年10月31日
2,823 60.00
取締役会決議
2023年6月22日
3,294 70.00
定時株主総会決議
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4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、プラスチックのパイオニアとして、プラスチックに、より高度な機能を創出し、当社の製品を利用する
ことにより「うれしさ」を提供して、顧客をはじめ当社を取り巻く様々なステークホルダーの価値の創造に貢献し
たいと考えております。そのためには、社会から信頼され、社会に必要とされることが重要であり、コンプライア
ンスの徹底をはじめ社会・環境への適合性の高い経営、経営を取り巻くリスクへの対処が効率的かつ効果的に行わ
れる体制の構築を進めております。
② コーポレート・ガバナンス体制および当該体制を採用する理由
当社は、監査役設置会社であり、取締役9名、監査役4名を選任しております。また、執行役員制度を導入し、
取締役会で選任する執行役員は業務執行の責任者として、取締役会で決定された方針に基づいて社長の指揮命令の
もとで業務を執行しております。
毎月1回取締役、執行役員および監査役で構成する役員連絡会を開催し、取締役会で決定された方針や重要事項
が周知されるとともに、業績の報告および各執行役員から業務の執行状況の報告を行い、重要事項のレビューおよ
び情報の共有が行われております。
執行役員制度により、重要な業務の決定と業務の執行を分離し、取締役会の役割としての業務執行の監督の実効
性を高め、業務執行の迅速化と責任の明確化が図られております。監査役は、取締役の職務の執行を監視し、取締
役会が適正にその役割を果たしていることを監査しております。このように取締役、監査役、執行役員がそれぞれ
の責任と役割を果たすことにより、株主をはじめとするステークホルダーの信頼に応えうる企業統治がなされるも
のと考えております。
・取締役会
例月の取締役会では、重要な業務の決定とともに、月次の業績の報告と各取締役からの重要な業務についての進
捗等が報告され、議長は十分な議論が行われるよう配慮し、監査役からの意見や報告を聴取しております。
当事業年度においては、法令、定款または当社の取締役会規則等で定められた重要な業務執行に関する事項につ
いて決議を行うとともに、業績および各事業セグメントの概況報告のほか、ESGにかかわるサステナビリティの
推進に関する事項、内部通報制度の改正をはじめとするコンプライアンスに関する事項、当社を取り巻くリスクお
よびその対応策などのリスクマネジメントに関する事項、データサイエンティストの認定制度などのDXの推進に
関する事項、取締役会の実効性評価結果に基づく実効性の向上に関する事項等について、報告・審議を行いまし
た。
なお、当事業年度中に開催された取締役会の構成員およびその出席状況は、次のとおりであります。議長は、
2022年6月23日開催の第131期定時株主総会の終結の時までに開催されたものは林茂が、以降に開催されたものは藤
原一彦が務めました。
出席状況
(注)1
氏名
会社における地位
(出席回数/開催回数)
(注)2
林 茂 代表取締役会長
3/3回
藤原 一彦 代表取締役社長 14/14回
稲垣 昌幸 代表取締役 14/14回
朝隈 純俊 取締役 14/14回
中村 隆 取締役 14/14回
(注)2
桑木 剛一郎 取締役
3/3回
小林 孝 取締役 13/14回
(注)3
倉知 圭介 取締役
11/11回
阿部 博之 社外取締役 13/14回
松田 和雄 社外取締役 14/14回
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出席状況
(注)1
氏名
会社における地位
(出席回数/開催回数)
永島 惠津子 社外取締役 14/14回
寺沢 常夫 常勤監査役 14/14回
青木 勝重 常勤監査役 14/14回
山岸 和彦 社外監査役 14/14回
川手 典子 社外監査役 14/14回
(注)1 当事業年度における就任期間の末日時点の地位を表示しております。
2 林茂および桑木剛一郎は、2022年6月23日開催の第131期定時株主総会の終結の時をもって、取締役を退任
しており、当該退任日までの出席状況を表示しております。
3 倉知圭介は、2022年6月23日開催の第131期定時株主総会において、新たに取締役に選任され、就任してお
り、当該就任日以降の出席状況を表示しております。
当社の取締役会は、必要とする重要な知識・経験・能力等を定めており、本報告書提出日現在の各取締役との関
係は、次の表のとおりとなります。なお、本表は、当社の取締役会が必要とする知識・経験・能力等のすべてを表
すものではありません。また、各取締役の知識・経験・能力等は、主なものに●印をつけております。
知識・経験・能力等
企業経営 グローバ 研究開発 サステナ DX・情
営業・ 製造・ 財務・
会社における
氏名
ル マ ー ケ 生産技術 ビリ 報システ 会計
地位
ティング ティ・ ム
ESG
代表取締役社長
藤原 一彦
● ● ●
社長執行役員
代表取締役
稲垣 昌幸
● ● ●
副社長執行役員
取締役
朝隈 純俊
● ● ●
副社長執行役員
取締役
小林 孝
● ● ●
専務執行役員
取締役
倉知 圭介
● ● ●
専務執行役員
取締役
平井 俊也
● ● ●
常務執行役員
阿部 博之 社外取締役
● ● ●
松田 和雄 社外取締役
● ● ●
永島 惠津子 社外取締役
● ● ●
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当社は、取締役会の実効性評価を毎年度実施することとしており、取締役会の構成員であるすべての取締役・監
査役に対するアンケートに基づく自己評価・意見集約、その分析結果に基づく各会議体での議論・意見交換、これ
らを踏まえた取締役会での評価結果の総括・課題設定、そして課題の改善に向けた取り組みの実施というプロセス
を通じて、PDCAのサイクルを回すことで取締役会の実効性を向上させることとしております。
2022年度の取締役会の実効性に関する分析・評価の結果の概要は、次のとおりです。
1.評価プロセス・評価方法
・2022年12月開催の社外役員会(社外役員、総務本部・経理企画本部統轄取締役、総務本部担当執行役員、常
勤監査役にて構成)において、前事業年度の実効性評価結果に基づく課題の改善に向けた取り組みの進捗を
確認するとともに、2022年度の実効性評価の実施方針・方法について議論を行い、前事業年度に続きアン
ケートに基づく自己評価を行うのが妥当であるとの結論に至りました。
・その結果を踏まえて、2023年1月開催の取締役会において、2022年度の実効性評価の実施方針・方法・アン
ケート項目等を確認した上で、2023年2月にすべての取締役および監査役を対象に、アンケートを実施いた
しました。
・アンケートでは、定量評価の観点から前事業年度に続き、「取締役会の構成」「取締役会の運営」「付議事
項」「情報提供」を大項目として設定し、各設問を4段階で評価する方式といたしました。また、忌憚のな
い意見を収集することを目的として各設問に自由記述欄を設けるとともに、設問趣旨を設けることで焦点を
絞ることとしました。アンケートの設問設定にあたっては、客観性・透明性を確保することを目的として、
前事業年度に外部弁護士の意見も参考としたほか、前事業年度に認識された課題や当社の現状の取り組みを
踏まえた内容といたしました。
・上記のアンケート結果を匿名化した上で集計を行い、その集計結果をもとに、2023年4月開催の経営会議
(常勤取締役が出席)および社外役員会でそれぞれ意見交換を行いました。これらの会議体での議論や提示
された意見等を踏まえて、2023年5月開催の取締役会で審議を行い、次項以下のとおり、評価結果の総括お
よび新たな課題とその改善に向けた取り組み方針の設定を行いました。
2.評価結果の概要および前事業年度に掲げた取り組みの対応状況
アンケートの結果、定量評価の観点では、前事業年度と比較して総じてポイントは向上しており、実効性は全
体としては確保されていると評価いたしました。
また、前事業年度に取り組むべき事項を次のとおり定め、それぞれ対応を進めた結果、いずれも改善傾向にあ
ることを確認いたしました。
・取締役会報告資料の要点をより明確化し、簡潔明瞭化を進める。
(主な対応)各議題のサマリー資料の準備。報告事項の焦点を絞ることを取締役会で審議。
・取締役会付議案件のフォローアップ報告をより徹底する。
(主な対応)従前経営会議のみで実施していた投資案件のフォローアップ報告を社外役員会および取締役会で
も実施することを確認。
・取締役会資料の早期提供を進めるとともに、新任役員への必要な知識習得の場の提供にも努める。
(主な対応)取締役会の決議・報告に係るすべての資料を可能な限り事前に出席者に送付。新任取締役に対す
る弁護士講話を実施。
3.新たに認識した課題とその改善に向けた取り組みの方針
前述のとおり、全体としての実効性は確保されていると評価されたものの、相対的にポイントの低い設問もあ
り、これらの設問に対して、取締役会の審議事項における中長期にわたる議論の充実や、経営会議や社外役員会な
ど他の会議体での議論の取締役会への積極的なフィードバックを求める意見がありました。そこで、これらを課題
と認識し、次に掲げる事項を今後の取り組みの方針と位置付けることで、さらなる取締役会の実効性向上に努める
ことといたしました。
・中長期の企業価値向上に資するテーマの取締役会での審議を強化する
・付議に至る議論の共有を促進する
・監査役会
監査役会の状況については、後記「(3) 監査の状況 ①監査役監査の状況」をご参照ください。
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・指名・報酬委員会
当社は、取締役の指名・報酬等に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するため、独立社外取
締役(株式会社東京証券取引所に対して独立役員として届出を行っている取締役をいいます。)が過半数を占める
指名・報酬委員会(従来、取締役の指名および報酬等の額の決定に関して取締役会に答申を行ってきた指名・報酬
諮問委員会を、権限を強化して2021年6月24日付で改組。)を任意に設置しております。指名・報酬委員会は、取
締役の指名に関しては、取締役の選任および解任、代表取締役の選定および解職ならびに代表取締役社長の後継者
計画について審議を行い、その審議結果を踏まえて取締役会に対して答申を行うこととしております。また、取締
役の報酬に関しては、取締役会の決議に基づく委任を受けて、取締役の報酬等(制度・方針を含む。)に関する事
項について決定を行うこととしております。
当事業年度においては、上記に従い、取締役の指名に関しては、取締役候補者の選定、社長の後継者計画および
経営陣幹部の解任基準等について審議を行い、取締役の報酬に関しては、取締役の月額報酬および賞与の役位別の
支給額を決定しました。
なお、当事業年度中に開催された指名・報酬委員会の構成員およびその出席状況は、次のとおりであります。委
員長は、2022年6月23日開催の第131期定時株主総会の終結の時までに開催されたものは林茂が、以降に開催された
ものは藤原一彦が務めました。
出席状況
(注)1
氏名
会社における地位
(出席回数/開催回数)
(注)2
林 茂 代表取締役会長
2/2回
藤原 一彦 代表取締役社長 5/5回
阿部 博之 社外取締役 5/5回
松田 和雄 社外取締役 5/5回
永島 惠津子 社外取締役 5/5回
(注)1 当事業年度における就任期間の末日時点の地位を表示しております。
2 林茂は、2022年6月23日開催の第131期定時株主総会の終結の時をもって、取締役を退任しており、当該退
任日までの出席状況を表示しております。
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・コーポレート・ガバナンス体制図
当社の業務執行・経営の監視および内部監査の仕組みは、次のとおりであります。なお、当社は、SDGsを含
むグループのサステナビリティ活動を継続的かつ全社的に行う母体としてサステナビリティ推進委員会を設置し、
その下部委員会として、リスクマネジメント委員会・コンプライアンス委員会等を設置しております。
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③ 企業統治に関するその他の事項
当社は、取締役会において決議した次の内部統制システム構築の基本方針を実行し、内部統制の充実に努めてお
ります。
内部統制システム構築の基本方針
(1) 基本的な考え方
① 当社は、住友の事業精神を尊重し、経営理念を示した基本方針「我が社は、信用を重んじ確実を旨とし、事業
を通じて社会の進運及び民生の向上に貢献することを期する。」に基づき、「サステナビリティ推進基本方針」
を定めるとともに、社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会を中心とする体制で、社会的課題を解決
し、持続的な成長と価値創造を実現する。
② 当社は、当社およびグループ各社(以下、当社グループという。)の業務の適正を確保するために必要な体制
(以下、内部統制システムという。)が上記の取り組みを推進する基盤となるものと考え、以下の内部統制シス
テムを整備し、それを積極的に活用して経営を行う。
(2) 当社および当社グループにおける取締役・使用人の職務の執行が法令・定款に適合することを確保するための体
制
① 当社は、当社グループ共通の規範・基準として、「私たちの行動指針」および「住友ベークライトグループ倫
理規範」を定め、当社グループの役職員に周知する。当社グループの役職員は、法令・定款および決められた
ルールを遵守し、かつ企業倫理にもとる行為を行わないことを職務執行の基本とする。
② 当社は、「コンプライアンス規程」に基づき、「コンプライアンス委員会」を設置する。同委員会は、規程に
基づき社長が任命する委員長の下で、当社グループのコンプライアンスの推進、状況調査、改善、教育啓蒙等を
行う。
③ 当社は、コンプライアンス違反の早期発見・未然防止を図るため、当社グループ共通のコンプライアンス通報
制度を整備し、コンプライアンス違反またはそのおそれがある行為を知った当社グループの役職員および利害関
係者が社内外に設置された通報窓口に直接通報できるよう運用する。窓口に寄せられた情報は、コンプライアン
ス委員会委員長(委員長が被通報者になる場合にあっては、副委員長)により適切に処理され、通報者が通報に
より不利益な取り扱いを受けることはない。また、グループ各社は、所在国の法令上の要求等を考慮した上で、
必要な場合に独自の内部通報制度を整備し、運用する。
④ 当社は、「財務報告に係る内部統制基本規程」に基づき、当社グループの財務報告の信頼性を確保するための
体制を維持・強化し、内部統制の実施、評価、報告および是正等の適切な運営を行うとともに、会社情報の適時
適切な開示を行う。
⑤ 当社グループは、反社会的勢力との関係の排除、贈収賄やカルテル等の違法行為の防止に関し、当社グループ
共通の枠組みを遵守するとともに、規程および必要な手続を定め、周知徹底および適切な管理運用に努める。
⑥ 当社の監査室および所管業務に関して内部監査を行う部署(以下、内部監査部門という。)は、当社グループ
の経営活動の全般にわたる管理・運営の制度および職務執行の状況を適法性および各種基準への適合性の観点か
ら検討・評価し、改善への助言・提案等を行う。また、当社の監査室は、社長および監査役に個別の監査結果を
適宜報告するとともに、当社グループの役職員の職務執行に対する監査の実施状況を、当社の取締役会および監
査役会に定期的に報告する。
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(3) 当社および当社グループにおける取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理ならびにグループ各社から
当社への職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
① 当社の役職員の職務執行における意思決定は、「起案規程」に基づき稟議手続を行い、文書または電磁的方法
により稟議手続の記録を保存する。
② 当社の役職員の職務執行に関する情報は、法令に基づくものに加え「文書規程」、「文書保存規程」、「機密
情報管理規程」、「個人情報保護基本規程」、「情報システムセキュリティ基本方針」等の諸規程およびこれら
に関する各マニュアルに従い、適切に保存および管理を行う。
③ グループ各社は、情報の保存・管理について、適切な意思決定手続および保存のルールを定め、管理を行う。
④ 当社は、グループ会社の管理運営に関する基本事項を定める「関係会社管理運営規程」において、グループ各
社が行う事業上の重要事項、グループ各社の財政状態および営業成績に影響を及ぼす事象について、当社におけ
る承認または当社への報告を義務付ける。
⑤ 内部監査部門は、グループにおける職務執行に係る情報の保存、管理および報告の状況を諸規程およびマニュ
アル等に照らし監査を行い、適切な保存および管理のための助言・提案等を行う。
(4) 当社および当社グループにおける損失の危険の管理に関する規程その他の体制
① 当社は、「リスクマネジメント基本規程」において、当社グループのリスクマネジメントの基本方針を定め、
事業を取り巻くさまざまなリスクに対し的確な管理・実践を行う。
② 当社は、当社グループのリスクマネジメント推進に関する課題・対応策を協議・承認する組織として「リスク
マネジメント委員会」を設置した上で、個別リスクの検討課題ごとに具体策を検討・実施する主管部門を設定
し、主管部門は進捗を委員会に報告する。
③ 当社は、当社グループでの危機発生時における基本方針、体制、情報伝達ルート等を定め、危機の早期収拾、
損害の拡大防止を図る。
④ 内部監査部門は、当社グループにおける経営活動の全般にわたる管理・運営の制度および業務執行の状況を検
討・評価し、会社財産の保全のための助言・提案等を行う。
(5) 当社および当社グループにおける取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
① 当社は、3事業年度を期間とするグループ中期経営計画を策定し、これを実行するための経営目標を定める。
② 当社の取締役会は執行役員を選任し、執行役員は社長の指揮命令の下で業務執行の責任者として担当業務を執
行する。
③ 当社は、取締役、監査役および執行役員で構成する「役員連絡会」を定期的に開催し、当社グループの業務執
行の方針の伝達および業務執行状況の報告を行う。
④ 当社は、当社グループで横断的に取り組む必要のあるテーマについて、各種委員会において社長が任命する委
員長の下で方針・計画の策定、施策の推進、実施状況の検証等の業務を行い、重要な事項は当社の取締役会にお
いて報告される。
⑤ 当社は、定期的に当社グループの業務執行の責任者が一堂に会する会合を開催
し、経営方針の周知および当社グループ内の意思疎通の向上を図る。
⑥ 当社の役職員は、グループ各社の取締役等を兼務し、当社グループの経営方針に沿った職務の執行を行う。
⑦ 当社は、当社グループの業務の適正を図るため、「関係会社管理運営規程」において、子会社の意思決定に関
する当社の関与の基準および程度を明確にする。
⑧ 当社は、「連結子会社の内部統制に係る包括的指針」を定め、グループ各社における内部統制システムの整備
を推進し、その維持、強化に努める。
⑨ 当社は、サイバーリスク等への必要な対策を行いながら、最新のIT技術を積極的に活用し、当社グループの
業務全般の正確性、効率性、実効性を高めるべく、業務の革新を推進する。
⑩ 内部監査部門は、当社グループにおける経営活動の全般にわたる管理・運営の制度および業務執行の状況を検
討・評価し、経営効率の向上のため改善・合理化への助言・提案等を行う。
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(6) 監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
① 当社は、規程に基づき、監査役の指揮命令の下で監査役の職務を補助するため監査役付属を置き、その員数、
能力等については監査役会の要請に基づき、必要に応じて見直すことに努める。なお、監査役付属の異動等につ
いては監査役会と事前に調整を行う。
② 当社は、次のような監査役への報告に関する体制を整備し、運用する。
イ.当社グループの役職員は、当社の各監査役の要請に応じて必要な報告を行う。
ロ.社長の決裁を必要とする重要な意思決定については常勤監査役に回覧し、当社の取締役会の決議事項に関す
る情報は、各監査役に事前に通知する。
ハ.当社の役職員は、当社グループに著しい損害を及ぼすおそれのある事実または法令・定款に違反する事実や
そのおそれのある事項もしくは著しく不当な事項を知ったときは、これを監査役に報告する。グループ各
社の役職員は、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実または法令・定款に違反する事実やそのおそ
れのある事項もしくは著しく不当な事項を知ったときは、これを当社の役職員に報告し、報告を受けた当
社の役職員はこれを監査役に報告する。
ニ.当社は、当社グループ共通のコンプライアンス通報制度およびグループ各社の内部通報制度の通報窓口に寄
せられた当社グループに著しい損害を及ぼす法令・定款に違反する事実やそのおそれのある事項またはそ
の他重要な事項については適宜監査役に報告するとともに、それらの通報窓口の運用状況についてはコン
プライアンス委員会を通じて定期的に報告する。また、当社グループ共通のコンプライアンス通報制度に
おいて、当社の取締役または執行役員が通報対象者になる場合には、通報窓口およびコンプライアンス委
員会による監査役への報告を義務付ける。
ホ.当社は、当社グループの役職員が監査役に当社グループのさまざまな情報について報告したことに関して不
利な取り扱いを行うことを禁止する。
③ 当社は、監査役の職務の執行のために必要な費用については速やかに処理するものとする。
④ 当社は、前述のほか、次のような監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制を整備し、運用
する。
イ.監査役は、経営状況に関する重要な会議および内部統制に関する重要な会合に参加し、意見を述べることが
できる。
ロ.監査役は、内部監査部門および会計監査人と連係を図るため、必要な範囲内で内部監査報告会や会計監査講
評等に立ち会う。
ハ.監査役会は、その年間監査計画および重点監査事項を取締役および執行役員に周知し、取締役および執行役
員はそれらに基づく監査活動に協力する。
ニ.社長は定期的に監査役との懇談を行い、当社グループの業務執行における適正を確保するため相互に意見交
換を行う。
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④ 責任限定契約の内容の概要
当社は、取締役阿部博之、松田和雄および永島惠津子の3氏ならびに監査役青木勝重、山岸和彦および川手典子
の3氏との間で、会社法第427条第1項の規定に基づき同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結し
ております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が定める最低責任限度額としております。
⑤ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社および当社子会社(北米地区を除く)の取締役、監査役および執行役員を被保険者とする会社法第
430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社と締結しております。当該保険契約により、被保険
者が会社の役員としての業務につき行った行為(不作為を含む)に起因して損害賠償請求がなされたことにより被
保険者が負担することとなる損害賠償金や訴訟費用等を填補することとしております。なお、保険料は、当社が全
額負担しております。
⑥ 取締役の員数
当社の取締役の員数は、3名以上とする旨を定款に定めております。
⑦ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任は、株主総会において、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有
する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨および累積投票によらないものとする旨を定款に定めてお
ります。
⑧ 取締役会で決議できる株主総会決議事項
イ 自己の株式の取得
当社は、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能とするため、会社法第165条第2項の規定に基づき、
取締役会の決議により、市場取引等による自己の株式の取得を行うことができる旨を定款に定めております。
ロ 中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を可能とするため、会社法第454条第5項の規定に基づき、取締役会の決議に
より、毎年9月30日の株主名簿に記録された株主または登録株式質権者に対し、中間配当を行うことができる旨を
定款に定めております。
⑨ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項の規定による株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3
分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上にあたる多数をもって行う旨を定款に定めておりま
す。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的
とするものであります。
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(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性 11 名 女性 2 名 (役員のうち女性の比率 15 %)
所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(百株)
1980年4月 当社入社
2003年1月 バイオ製品開発プロジェクトチームリーダー
2007年7月 S-バイオ開発部長
2009年6月
S-バイオ事業部長
代 表
執行役員
取締役
藤 原 一 彦 1958年3月2日 生 (注)3 144
2013年4月 常務執行役員
社 長
執行役員
2014年6月 取締役
専務執行役員
2016年4月
高機能プラスチック製品事業本部長
2018年6月 代表取締役社長(現任)
社長執行役員(現任)
1982年4月 当社入社
2004年4月 蘇州住友電木有限公司事務従事
執行役員
2009年6月
宇都宮工場長
九州住友ベークライト株式会社代表取締役
2013年4月 常務執行役員
代 表
2014年4月 生産技術本部長
取締役
コーポレートエンジニアリングセンター長
稲 垣 昌 幸 1959年7月27日 生 (注)3 137
副社長
2015年4月 静岡工場長
執行役員
2015年6月 取締役
2017年4月 専務執行役員
研究開発本部長
2018年6月
Promerus LLC代表取締役(現任)
2021年4月 副社長執行役員(現任)
2022年6月 代表取締役(現任)
1985年4月 当社入社
2008年6月 神戸基礎研究所長
2010年6月 執行役員
2013年10月 研究開発本部長
2014年4月 常務執行役員
2015年6月 取締役(現任)
取締役
Sumibe Korea Co., Ltd.代表取締役
2015年9月
副社長
朝 隈 純 俊 1961年1月3日 生 (注)3 106
執行役員
2016年1月 情報通信材料営業本部長
(HPP事業本部長)
2018年4月 専務執行役員
台湾住友培科股份有限公司代表取締役
2018年6月
台湾住培股份有限公司代表取締役
2022年4月 副社長執行役員(現任)
Sumitomo Bakelite North America
Holding, Inc.代表取締役
2023年4月 HPP事業本部長(現任)
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所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(百株)
1987年4月 当社入社
2007年9月 南通住友電木有限公司総経理
2013年4月 執行役員
高機能プラスチック製品事業本部副事業本部
長
2014年9月 南通住友電木有限公司代表取締役
取締役
2017年4月 常務執行役員
専 務 小 林 孝 1963年2月22日 生 (注)3 78
2018年6月 取締役(現任)
執行役員
2020年6月 秋田住友ベーク株式会社代表取締役(現任)
2021年1月 川澄化学工業株式会社(現SBカワスミ株式
会社)代表取締役(現任)
2021年4月
SBバイオサイエンス株式会社代表取締役
2021年10月 医療機器事業本部長
2023年4月 専務執行役員(現任)
1985年4月 当社入社
2016年4月 執行役員
九州住友ベークライト株式会社代表取締役
(現任)
宇都宮工場長
取締役
2018年4月 常務執行役員
専 務 倉 知 圭 介 1962年6月27日 生 (注)3 59
執行役員
2022年4月 台湾住友培科股份有限公司代表取締役(現
任)
台湾住培股份有限公司代表取締役(現任)
2022年6月
取締役(現任)
2023年4月
専務執行役員(現任)
1986年4月 住友化学工業株式会社入社
2022年7月 当社執行役員
取締役
経営戦略企画室長
常 務 平 井 俊 也 1963年2月16日 生 (注)3 1
2023年4月 常務執行役員(現任)
執行役員
2023年6月 取締役(現任)
住べ情報システム株式会社代表取締役(現任)
1996年11月 東北大学総長
2002年11月 東北大学名誉教授(現任)
取締役 阿 部 博 之 1936年10月9日 生 (注)3 ―
2007年6月 当社監査役
2015年6月 当社取締役(現任)
1971年4月 株式会社富士銀行入行
2000年4月 富士証券株式会社専務執行役員
2000年10月 みずほ証券株式会社常務執行役員
2009年6月 日本精工株式会社取締役代表執行役専務
取締役 松 田 和 雄 1948年11月11日 生 (注)3 25
2011年6月 日本精工株式会社特別顧問
NSKワーナー株式会社常勤監査役
大同メタル工業株式会社監査役(現任)
2015年6月 当社監査役
2016年6月 当社取締役(現任)
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所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(百株)
1978年10月
等松・青木監査法人(現有限責任監査法人
トーマツ)入所
1980年7月 公認会計士附柴会計事務所入所
1982年10月 公認会計士登録
公認会計士永島会計事務所開設 代表(現
1988年6月
任)
2008年4月 監査法人ベリタス代表社員
取締役 永 島 惠津子 1954年8月23日 生 (注)3 ―
2015年6月 ブルドックソース株式会社監査役
2016年6月 ブルドックソース株式会社取締役(監査等
委員)(現任)
2019年6月 当社監査役
2020年6月 株式会社ファルコホールディングス監査役
2021年6月 株式会社ファルコホールディングス取締役
(現任)
当社取締役(現任)
1985年4月
当社入社
2008年6月 人材開発部長
2015年4月 執行役員
常 勤
竹 崎 義 一 1962年8月9日 生 (注)4 82
監査役
人事本部長
2021年4月 常務執行役員
2023年6月 常勤監査役(現任)
1986年4月 住友化学工業株式会社入社
常 勤
青 木 勝 重 1961年4月12日 生 (注)4 13
監査役
2019年6月 当社常勤監査役(現任)
1984年4月 弁護士登録
1995年9月 ニューヨーク州弁護士登録
監査役 山 岸 和 彦 1956年4月19日 生 1998年3月 あさひ法律事務所パートナー(現任) (注)4 ―
2015年6月 新コスモス電機株式会社監査役(現任)
2019年6月 当社監査役(現任)
1999年4月 監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トー
マツ)入所
2001年7月 公認会計士登録
2003年4月 川手公認会計士事務所 所長(現任)
2004年8月 弁護士法人キャスト(現弁護士法人瓜生・糸
賀法律事務所)参画
2004年11月 税理士登録
2008年2月 クレアコンサルティング株式会社設立 代表
監査役 川 手 典 子 1976年2月22日 生 (注)4 1
取締役(現任)
2009年1月 税理士法人グラシア社員
2011年5月 いちご株式会社取締役(現任)
2011年11月 米国公認会計士登録
2015年2月 キャストグループ(現キャストグローバルグ
ループ)パートナー(現任)
2021年6月 当社監査役(現任)
ニチレキ株式会社監査役(現任)
計 646
(注) 1 取締役阿部博之、松田和雄および永島惠津子は、社外取締役であります。
2 監査役山岸和彦および川手典子は、社外監査役であります。
3 取締役の任期は、2023年3月期に係る定時株主総会終結の時から2024年3月期に係る定時株主総会終結の時
までであります。
4 監査役の任期は、2023年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時
までであります。
5 当社では、意思決定・監督と執行の分離による取締役会の活性化のため、執行役員制度を導入しておりま
す。
執行役員は20名で、上記記載の取締役 藤原一彦、稲垣昌幸、朝隈純俊、小林孝、倉知圭介、平井俊也の6
名のほかに、常務執行役員 桑木剛一郎、文田雅哉、指田暢幸、鈴木真、鍛治屋伸一、執行役員 アレックス
ゲスケンス(Alex Geskens)、田中厚、中西久雄、金沢敏秀、池山寧久、沖博美、野村浩史、大久保明子、
森健の14名で構成されております。
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6 当社は、法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠監査
役1名を選出しております。補欠監査役の略歴は次のとおりであります。
所有株式数
氏名 生年月日 略歴 任期
(百株)
1981年4月 弁護士登録
2002年1月 渥美・臼井法律事務所(現渥美坂井法律事務
所・外国法共同事業)シニアパートナー(現
由 布 節 子 1952年3月28日生 (注) ―
任)
2020年6月 パナソニック株式会社(現パナソニックホール
ディングス株式会社)監査役(現任)
(注) 補欠監査役の任期は、就任した時から退任した監査役の任期の満了の時までであります。
7 住友化学工業株式会社は、2004年10月1日付で住友化学株式会社に社名変更しております。
② 社外役員の状況
イ 社外取締役および社外監査役の員数ならびに社外取締役および社外監査役との人的関係、資本的関係または
取引関係その他の利害関係
当社の社外取締役は3名、社外監査役は2名であります。
社外取締役阿部博之氏と当社との間には特別の利害関係はありません。
社外取締役松田和雄氏は、上記「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の当社株式を所有しておりますが、これ
以外に当社との間には特別の利害関係はありません。
社外取締役永島惠津子氏と当社との間には特別の利害関係はありません。
社外監査役山岸和彦氏と当社との間には特別の利害関係はありません。
社外監査役川手典子氏は、上記「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の当社株式を所有しておりますが、これ
以外に当社との間には特別の利害関係はありません。
ロ 社外取締役および社外監査役の選任に関する考え方ならびに機能および役割
社外取締役阿部博之氏は、大学教授としての専門的知識、豊富な経験および幅広い見識を有しており、これら
の知見を生かして客観的な立場から適切な意見や貴重な助言をいただくことを期待しております。また、同氏に
は、指名・報酬委員会において委員を務めていただいております。
社外取締役松田和雄氏は、金融機関および事業会社の経営者として培った豊富な経験と幅広い見識を有してお
り、これらの知見を生かして客観的な立場から適切な意見や貴重な助言をいただくことを期待しております。ま
た、同氏には、指名・報酬委員会において委員を務めていただいております。
社外取締役永島惠津子氏は、公認会計士としての専門的見地ならびに財務および会計に関する幅広い見識を有
しており、これらの知見を生かして客観的な立場から適切な意見や貴重な助言をいただくことを期待しておりま
す。また、同氏には、指名・報酬委員会の委員を務めていただいております。
社外監査役山岸和彦氏は、弁護士としての専門的見地および経営に関する幅広い見識を有しており、これらの
経験や知見を当社の監査に生かしていただいております。
社外監査役川手典子氏は、公認会計士および税理士としての専門的見地ならびに財務、会計および経営に関す
る幅広い見識を有しており、これらの経験や知見を当社の監査に生かしていただいております。
ハ 社外取締役および社外監査役を選任するための当社からの独立性に関する基準または方針の内容
当社は、取締役会の決議により、「取締役・監査役の独立性基準」を定めております。
社外取締役阿部博之、松田和雄および永島惠津子の3氏ならびに社外監査役山岸和彦および川手典子の両氏
は、「取締役・監査役の独立性基準」に基づき独立性を有していると判断しております。また、各氏は、株式会
社東京証券取引所が定める独立役員として届出を行っております。
「取締役・監査役の独立性基準」の内容は、次のとおりであります。
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取締役・監査役の独立性基準
取締役および監査役の独立性を判断するための基準を、以下のとおりとする。
1.取締役および監査役が独立性を有するとするためには、会社法に定める社外役員の要件を満たし、かつ、以
下のいずれにも該当しないこととする。
① 当社の主要な取引先(過去5年間に該当するもの)
・直近事業年度における当社の年間連結売上収益の2%以上の取引がある者(法人その他の団体の場合はそ
の業務執行者(顧問等の役職を含む))
・当該対象者が主要な取引先である者の業務執行者の地位を離れている場合、退職後5年以上経過していな
いこと
・当社を主要な取引先とする者については、取引実態に即して判断する
② 弁護士、公認会計士、税理士その他のコンサルタント等
・当社から役員報酬を除き年間1,000万円以上の金銭その他の財産上の利益を得ている者(弁護士法人、監
査法人、税理士法人またはコンサルティングファーム等の法人、組合等の団体に所属する者を含む)
・当社から年間1,000万円以上の寄付または助成を受けている者(法人、組合等の団体の理事その他の業務
執行者を含む)
③ 主要株主
・当社株式の議決権保有割合が10%以上の者(法人その他の団体の場合はその業務執行者(顧問等の役職を
含む))
・過去5年間に上記の法人その他の団体の業務執行者であった者
④ 近親者
・当社グループの業務執行者の配偶者および2親等以内の近親者
・①~③に該当する者の配偶者および2親等以内の近親者については、実態に即して独立性を判断する
2.上記1.以外の属性において独立性が疑われる場合については、個別に取締役会が独立性を判断する。
ニ 社外取締役または社外監査役と内部監査、監査役監査および会計監査との相互連携ならびに内部統制部門と
の関係
社外取締役および社外監査役は、取締役会において忌憚のない意見や質問を行い、具体的な説明や各取締役、
監査役の意見を通じて理解を深めているほか、毎月開催される社外役員会において、総務本部・経理企画本部統
轄取締役、総務本部担当執行役員、常勤監査役、総務本部および経理企画本部との間で情報交換・情報共有を
行っております。
また、社外監査役は監査役会における情報の共有および内部監査部門、監査法人との協議を通じて実態の確認
を行い、監査の実効性を高めております。
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(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
イ 監査役会の組織および人員
監査役会は、常勤監査役2名および非常勤の独立性を有する社外監査役2名で構成されており、現在の財務・
会計・法務に関する知識を含む適切な経験・能力を有する者からなる多様な構成を今後も維持し、公正不偏で効
率的な監査活動を実施していく方針です。 なお、監査役会が必要と考える重要な知識・経験・能力等と各監査役
との関係は次の表のとおりで、各監査役の知識・経験・能力等の主なものに●をつけています。ただし、本表は
監査役会が必要と考える知識・経験・能力等のすべてを表すものではありません。
知識・経験・能力等
氏名および
企業経営・
法務・
内部統制・
会社における地位
財務・会計 グローバル
コンプライアンス
組織運営 リスク管理
● ● ●
寺沢 常夫
常勤監査役
当社で総務、人事、経理企画など幅広い部門の統轄責任者および取締役として経営に従事
2019年6月24日再任
しました。
● ● ●
青木 勝重
常勤監査役
他社で海外を含む財務・会計、内部統制・内部監査、グループガバナンスに係る業務に従
2019年6月24日就任
事しました。
山岸 和彦
● ● ●
社外監査役
海外勤務経験を持つ弁護士。他社で社外役員を経験しています。
2019年6月24日就任
川手 典子
● ● ●
社外監査役
公認会計士、税理士、米国公認会計士。他社で社外役員を経験しています。
2021年6月24日就任
各監査役の当事業年度に開催した監査役会への出席状況は、次のとおりです。
氏名 出席回数/開催回数
寺沢 常夫 19/19回
青木 勝重 19/19回
山岸 和彦 19/19回
川手 典子 19/19回
また、監査役の指揮命令下で、監査室との兼務で内部監査に関する知見を有するスタッフ(監査役付属)1名
(2021年9月1日付転入)が監査役会および各監査役の活動を補佐しています。なお、監査役付属の人事異動は
事前に監査役会の同意を得た上で行われています。
ロ 監査役会の活動状況
監査役会は、取締役会に先立ち月次で開催するほか、必要があれば臨時に開催することとしており、当事業年
度は19回開催し、開催時間は平均1時間13分でした。また、監査役会は、実効性向上のために毎年度監査活動を
振り返り、その実効性の評価・検証を 全監査役で議論しています。前事業年度の評価・検証の結果、新型コロナ
ウイルス感染症予防のための行動制限の中で実施 した Web会議形式のリモート監査は制約が多いことから、当事業
年度は可能な範囲で実地の往査に注力することを確認いたしました。その 上で、当社が抱えるリスクを検討し、
「法令、定款、規程等の遵守状況」、「内部統制システムの整備・運用状況」ならびに「経営リスクの管理状
況」の3点を監査の重点項目とする当事業年度の監査計画を定め、取締役会にその概要を報告し、取締役の協力
を得て監査活動を進めています。なお、監査役会にて当事業年度に決議・協議、報告・検討を行った主な事項は
次のとおりです。
(監査役会の主な決議・協議事項は以下のとおりです)
・当事業年度の監査役会議長、特定監査役、常勤監査役の選定を行いました。
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・前事業年度の監査活動の実効性を評価し、当事業年度の監査計画の策定、重点監査計画および監査活動の業務
分担を決定しました。
・提示を受けた補欠監査役選任議案を検討し、その株主総会への提出に同意しました。
・各監査役から監査報告を受け、監査役会の監査報告書を作成しました。
・監査役会の定時株主総会への対応方針を決定しました。
・常勤監査役の有価証券報告書の記述内容の検討結果の報告を受け、妥当性を確認しました。
・会計監査人である監査法人(以下、監査人)の評価を行い、その再任を決定しました。
・提示を受けた監査人の監査報酬案の妥当性を検討し、同意しました。
・日本公認会計士協会の改正倫理規則に則り、監査人およびその同一ネットワークの監査法人等が2023年4月以
降に提供する非保証業務の提供可否について、監査人から提示された包括了解リストを検討・了解し、当該リ
ストが完成するまでは事案ごとに事前に検討・了解しました。
(監査役会では決議・協議事項のほか、以下のような報告・検討を行いました)
・監査役会後開催の取締役会の議案は、2023年3月の「内部統制システム構築の基本方針」の一部改定を含めて
事前に確認し、必要な意見交換・検討を行いました。
・常勤監査役がその活動状況(出席した重要な会議の状況、内部統制システムを支える部署との月例会議の状
況、社内決裁の内容確認、往査の状況、監査人往査への立会、内部監査への立会等)について報告し、必要な
意見交換・検討を行いました。
・監査人からその監査計画、四半期レビュー結果、会社法および金融商品取引法監査の進捗状況と監査結果など
について報告を受け、その監査の相当性を確認しました。
・監査役が保有する知識・経験・能力等の開示のあり方について検討しました。
(監査人との連携とその「監査上の主要な検討事項」に関する検討)
監査役会は、監査人との間で、四半期レビューや年度監査の結果報告に加えて、監査人の年間監査計画、リス
クの評価、監査上の論点、監査の進捗などに関して相互に協議や情報交換(全10回)を行っているほか、常勤監
査役が監査人の海外子会社の往査への同行(全1回)や国内の事業所や子会社の往査の監査講評への参加(Web会
議形式を含めて、全3回)などを行い、相互連携を深め、会計監査の信頼性の確保に努めております。
特に、「監査上の主要な検討事項」については、監査人から候補として提示された海外子会社ののれんの評価
や国内子会社の合併などに関連した具体的なテーマ数件について検討を重ね、当事業年度の監査計画、期中の四
半期レビュー結果報告、期末の監査報告等の各段階で、監査人と監査の進捗に併せて数度にわたり充分な意見交
換を行いました。
(社外取締役との連携)
監査役会は、取締役会や監査役監査の実効性をより高めるため、社外取締役との連携も重視しており、取締役
会の前に社外取締役、総務本部・経理企画本部統轄取締役、総務本部担当執行役員、総務本部および経理企画本
部が参加して開催される社外役員会(当事業年度は全11回開催、開催時間は平均1時間13分)に全監査役が出席
し、M&Aを含む重要な投資案件、重要な資産の処分、コーポレートガバナンス・コードへの対応などの取締役
会の議案や報告事項、取締役会の実効性の評価などに関する意見の交換や経営に関する様々な情報の共有を行っ
ております。
(内部監査部門との連携)
常勤監査役は、社長と並行して個々の内部監査の結果の報告を受けているほか、内部監査の監査講評会や往査
への立ち会い(Web会議形式を含めて、全20回)、さらには内部監査を行う監査室との原則四半期ごとの会合を通
じて、監査計画、監査アプローチ、結果報告、監査後のフォローの各段階について、その実効性の確保に向けた
助言や意見交換を行っています。常勤監査役は、それらの状況を適宜監査役会に報告するほか、毎年社外監査役
も加わって監査室と交流会を開催するなど、監査役会は監査室とも緊密な連携を保っています。
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ハ 監査役の主な活動
各監査役は、この監査計画に基づいて次のような監査活動を行い、これらの監査活動を通じて気づいた事項に
ついて、取締役や業務執行部門に適宜課題提起や提言を行いました。
・取締役会へ出席し、議事運営、決議・報告内容等を監査し、適宜課題提起や提言を行いました。
・代表取締役社長と原則、四半期ごとに会合を持ち(当事業年度は全4回)、監査活動の報告や会社経営をめぐ
る諸課題について意見交換を行いました。
・重要な会議(役員連絡会(執行役員の月次会合)、社外役員会(社外取締役、社外監査役、総務本部・経理企
画本部統轄取締役、総務本部担当執行役員、常勤監査役、総務本部および経理企画本部の月次会合)、業務連絡
会(全執行役員、主管者、関係会社代表者の半期ごとの会合)、予算審議会等)に出席し、意思決定プロセスの
適正性の確認、執行部門との意見交換等を行いました。
・取締役および使用人に対して必要に応じて業務の執行状況に関する聴取を行いました。
・リスクアプローチに基づき近年のM&Aや組織再編に関連したものを中心に選定した事業所および子会社等へ
の往査(当事業年度はWeb会議形式を含めて、国内9拠点(子会社4社の拠点を含む)、海外子会社1社)を行い
ました。
その中で、常勤監査役は、常勤者としての業務分担に従って、重要な稟議案件の回覧を受けているほか、リス
クマネジメント委員会(当事業年度は全4回)やコンプライアンス委員会(当事業年度は全3回)等の重要な会
議への参加や、事業所および子会社への往査および会計監査人や内部監査部門が行う往査への立会を積極的に
行っています。さらに、子会社の監査役との連携を深めるため、子会社の監査役との交流会や監査の実施状況の
情報交換を行っています。
それに加えて、総務本部、人事本部、経理企画本部、情報システム部、研究開発本部、生産技術本部、経営戦
略企画室、監査室といったグループの内部統制システムの第2ラインを担う部署や第3ラインを担う監査室との
月例会議(生産技術本部全12回、研究開発本部全4回、その他の部署全11回)、および経理部門との半期に一度
の交流会などを開催してそれらの部署の情報交換に加え、第2ラインと第3ラインの部署間の交流も促進してい
ます。また、日本監査役協会など社外の講演会(Web会議形式を含む全46回)を活用して制度の改正など事業を取
り巻く環境の変化に係る最新の情報の入手にも努め、それらの活動で得られた情報や知見を監査役会を通じて社
外監査役とも共有し、監査役会での議論を踏まえて、監査活動の実効性のさらなる向上に努めています。
② 内部監査の状況
イ 内部監査の組織、人員および手続
当社では、社長に直結する専任組織の監査室(10名在籍)が、当社および海外を含む関係会社を対象として、
その業務執行の状況を、実地での往査と被監査部門での自己監査結果の点検による書面監査を適宜組み合わせな
がら、コンプライアンス、経営効率の向上、会社財産の保全等の観点から検討・評価する内部監査を数年間に一
度のローテーションで実施しております。
さらに、生産技術本部は、グループのモノづくりの全プロセスに関して、安全・環境・品質などの観点で総合
的に点検して指摘・改善提案を行う内部監査を定期的に実施しております。
ロ 内部監査、監査役監査および会計監査の相互連携ならびに内部統制部門との関係
内部監査と監査役監査との連携については、前述の監査役監査の状況に記載のとおりです。
また、監査室は、内部監査のほか、金融商品取引法に基づく当社グループの財務報告に係る内部統制の有効性
の評価活動も担当していることから、会計監査を行う有限責任あずさ監査法人による内部統制監査を受けてお
り、監査法人と定期的な会合を行うなど相互の連携に努めております。
さらに、監査室は総務本部、人事本部、経理企画本部などの内部統制部門に対して内部監査を行うほか、常勤
監査役と内部統制部門等との定期的な会合(月次)に参加して、直近の内部監査の状況を報告し、内部統制部門
との間で不備の点検や是正の推進に関する意見・情報等の交換を行っております。
ハ 内部監査の実効性を確保するための取組
監査室は、実効性のある監査を目指して、重点監査テーマ、年間監査スケジュールを含む各事業年度の監査計
画を策定しております。当事業年度も、社長承認された監査計画の下、国内33組織、海外5組織の内部監査を実
施しました。なお、個々の内部監査の結果については社長に報告するとともに、常勤監査役に対しても随時報告
を行っております。また、各事業年度の内部監査の実施状況とその結果および監査活動におけるトピックスを取
締役会に直接報告しており、当社グループのガバナンス強化に資する内部監査に努めています。
さらに、内部監査で発見された不備については、当該監査の対象部門に対して書面による是正報告を求めるほ
か、定期的に社長をはじめとする執行役員、常勤監査役に対してグループ全体の不備是正の進捗状況を四半期ご
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とに報告し、是正の促進を働きかけております。
③ 会計監査の状況
イ 監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
ロ 継続監査期間
1975年以降
上記以前の調査は著しく困難であり、記載年より前から継続している可能性があります。
ハ 業務を執行した公認会計士の氏名および補助者の構成
・業務を執行した会計士の氏名
指定有限責任社員 業務執行社員 椎名弘
指定有限責任社員 業務執行社員 鈴木雄飛
・監査業務に係る補助者の構成
監査業務に係る補助者は、監査法人の選定基準に基づき決定されており、具体的には、公認会計士および公
認会計士試験合格者等を主たる構成員とし、システム専門家等その他の補助者も加えて構成されております。
ニ 監査法人の選定方針、理由および評価
監査役会は、会計監査人の再任の適否を判断する場合に、社内関係部署および監査法人から必要な資料を入手
しかつ報告を受けて、監査役会で定めた評価基準に基づき評価を行い、監査法人の品質管理、監査体制、職務遂
行状況、独立性、専門性、海外ネットワークなどが適切であるか確認しております。その結果、有限責任 あずさ
監査法人は必要な独立性と専門性を有しており、会計監査人として適任であると認められたため、有限責任 あず
さ監査法人の再任を決定いたしました。
ホ 会計監査人の再任または不再任の決定の方針
監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める事項のいずれかに該当し、改善の見込みがないと
判断した場合、監査役全員の同意に基づき、会計監査人を解任することを決定するほか、会計監査人の独立性お
よびその職務の遂行状況等に鑑み、その職務を適切に遂行することが困難と認められる場合には、会社法第344条
に基づき会計監査人の解任または不再任を株主総会の目的とすることを決定する方針であります。
④ 監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円)
提出会社 130 ― 134 ―
連結子会社 ― ― ― ―
計 130 ― 134 ―
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b. 監査公認会計士等と同一のネットワークに対する報酬
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円)
提出会社 17 14 24 71
連結子会社 91 156 116 167
計 108 171 141 239
当社および連結子会社における非監査業務の内容は、税務コンサルティング等であります。
c. その他の重要な報酬の内容
該当事項はありません。
d. 監査報酬の決定方針
監査公認会計士等に対する報酬額の決定方針について、当社では特段の定めはありませんが、監査時間等を勘
案したうえで決定しております。
e. 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、社内関係部署および会計監査人から必要な資料を入手しかつ報告を受けて、会計監査人の監査計
画の内容、従前の連結会計年度を含む会計監査の職務遂行状況や報酬見積りの算出根拠などを検討した結果、会
計監査人の報酬等の額につき適切であると判断し、会社法第399条第1項の同意を行っております。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針に係る事項
イ 役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針の内容および決定方法
当社は、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針について、2023年5月15日開催の取締役会において、次
の内容に変更することにつき決議しております。
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当社の取締役の報酬は、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして機能するよう、業績や株主
価値と連動した報酬体系を構築する。具体的には、役位に応じた固定報酬として「月額報酬」、事業の年度計画の
達成への意欲を高めるための短期インセンティブとして「賞与」、および株主との価値共有を促進するための中長
期インセンティブとして「株式報酬」により構成する。ただし、社外取締役の報酬は、月額報酬のみとする。な
お、月額報酬と賞与の支給総額の合計は年額5億5千万円以内、株式報酬の支給総額は年額1億5千万円以内と、
それぞれ株主総会で決議された限度額の範囲内とする。
取締役の個人別の報酬等の額を決定するにあたっては、独立社外取締役(株式会社東京証券取引所に対して独立
役員として届出を行っている者)が過半数を占める指名・報酬委員会に対し、取締役会決議により、その決定を委
任する。
(1)月額報酬
月額報酬は、在任期間中に毎月定額を金銭で支給することとし、経営環境や経済情勢等を総合的に勘案し、役
位ごとに個別の支給額を決定する。
(2)賞与
賞与は、業績に連動して金額を決定することとし、その算定指標として、持続的成長を図るため管理すべき重
要な指標の一つである事業利益を採用する。事業利益に一定率を乗じて算出した額を支給総額とし、個別の支給
額は、役位や職責等に応じて支給総額に一定率を乗じた額により算出する。賞与は、毎年6月の定時株主総会の
日に金銭で支給する。
(3)株式報酬
株式報酬は、譲渡制限付株式報酬とし、役位ごとに定めた支給額に応じた数の譲渡制限付株式を定時株主総会
後の一定の時期に割り当てる。譲渡制限付株式の譲渡制限期間は、当社の取締役および執行役員のいずれの地位
からも退任する日までの間とする。なお、割当てを受けた取締役が譲渡制限期間中に法令、社内規則または譲渡
制限付株式割当契約の違反その他当社の取締役会で定める事由に該当した場合、当社は当該割当株式の全部また
は一部を無償で取得する。
(4)各報酬等の額の取締役の個人別の報酬等の額に対する割合の決定に関する方針
当社の取締役(社外取締役を除く。)の個人別の報酬等の総額に対する各報酬の割合は、当社の企業価値の持
続的な向上を図るインセンティブとして機能するよう、役位や職責等に応じて適切に定める。
監査役の報酬は、基本報酬(月額報酬)であり、その総額および個別支給額は、株主総会で決議された報酬の限
度額の範囲内で、監査役の協議により決定されます。
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ロ 業績連動報酬に係る指標、当該指標を選択した理由および当該業績連動報酬の額の決定方法ならびに当該業績
連動報酬に係る指標の目標および実績
当社は、業績連動報酬である賞与について、その算定指標として事業利益を採用しております。その理由および
賞与の額の決定方法は、上記方針に記載のとおりです。なお、当連結会計年度における事業利益の目標は28,500百
万円であり、その実績は25,448百万円となりました。
ハ 役員の報酬等に関する株主総会の決議年月日および当該決議の内容
取締役の報酬額は、2006年6月29日開催の第115期定時株主総会において年額5億5千万円以内と決議されており
ます。当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は8名です。また、当該報酬枠とは別枠にて、取締役(社外取締
役を除く。)に対して譲渡制限付株式の付与のために支給する報酬額として、2023年6月22日開催の第132期定時株
主総会において年額1億5千万円以内と決議されております。当該定時株主総会終結時点の取締役(社外取締役を
除く。)の員数は6名です。
監査役の報酬額は、2006年6月29日開催の第115期定時株主総会において年額1億円以内と決議されております。
当該定時株主総会終結時点の監査役の員数は4名です。
ニ 役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針の決定に関与する委員会における手続の概要
当社は、取締役の報酬等の額の決定に関与する任意の委員会として、代表取締役社長および独立社外取締役(株
式会社東京証券取引所に対して独立役員として届出を行っている取締役をいいます。)で構成する指名・報酬委員
会を設置しております。同委員会は、取締役会の決議による委任を受けて、取締役の個人別の報酬等の額について
決定します。
② 当事業年度の役員の報酬等
イ 当事業年度に係る役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針に係る事項
当社は、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針について、2021年6月24日開催の取締役会の決議によ
り、次のとおり定めております。当事業年度の取締役の個人別の報酬等の内容は、当該方針に基づき決定されてお
ります。
取締役の報酬は、「月額報酬」および「賞与」で構成する。月額報酬は役位ごとの固定報酬とし、賞与は事業の
年度計画の達成への意欲を高めるため、事業年度の事業利益を基準に支給額を算定する。なお、社外取締役は月額
報酬のみとする。月額報酬と賞与の年度支給総額は、株主総会で決議された限度額の範囲内とする。
取締役の個人別の報酬等の額については、独立社外取締役(株式会社東京証券取引所に対して独立役員として届
出を行っている者)が過半数を占める指名・報酬委員会を設置し、取締役会決議により、指名・報酬委員会にその
決定を委任する。
イ.月額報酬
月額報酬の個別支給額は、代表取締役会長および取締役が兼務する社長執行役員、副社長執行役員、専務執行
役員、常務執行役員、執行役員の役位ごとに支給額を定める。社外取締役は、一定の額とする。
ロ.賞与
賞与は、業績に連動して金額を決定することとし、その算定指標として、持続的成長を図るため管理すべき重
要な指標の一つである事業利益を採用する。事業利益に一定率を乗じて算出した額を支給総額とし、個別の支給
額は、役位に応じて支給総額に一定率を乗じた額により算出する。
ハ.月額報酬と賞与の割合
賞与を上記基準により決定するため、月額報酬と賞与との割合は定めない。
ニ.支給時期
月額報酬は、取締役の在任期間中、毎月支給する。賞与は、在任する事業年度に関する定時株主総会の日に支
給する。
ロ 取締役報酬決定の委任に係る事項および決定過程における取締役会・委員会等の活動内容
当事業年度の取締役の報酬は、賞与の支給総額については、取締役会が決定し、取締役の個人別の月額報酬およ
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び賞与の額については、取締役会決議により次のとおり指名・報酬委員会に決定を委任しております。
a.受任者(指名・報酬委員会委員)
代表取締役社長 藤原 一彦
独立社外取締役 阿部 博之
独立社外取締役 松田 和雄
独立社外取締役 永島惠津子
(注)2022年4月から6月分として支給した月額報酬および2022年6月23日に支給した賞与については、
2021年6月24日開催の取締役会決議による委任に基づき指名・報酬委員会が決定し、その委員には、
上記のほか、2022年6月23日開催の第131期定時株主総会終結の時をもって代表取締役会長を退任した
林茂氏が含まれております。
b.委任された権限の内容
取締役の役位別の月額支給額の決定および賞与の配分における役位別の支給額の決定
c.委任した理由
取締役の個人別の報酬額の決定に当たっては、当社全体の業績や事業環境を俯瞰しつつ、各取締役の職務執
行を取締役会から独立して、客観的かつ公正に評価を行う必要があることから、独立社外取締役が過半数を占
める指名・報酬委員会に決定を委任することが最も適していると考えられるためです。
d.権限が適切に行使されるようにするために講じた措置
指名・報酬委員会は、独立性および客観性を確保し、権限が適切に行使されるようにするため、委員の過半
数を独立社外取締役で構成するものとし、その決議は出席委員の過半数をもって決定することとしておりま
す。
ハ 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数
報酬等の種類別の総額(百万円)
報酬等の総額 対象となる
役員区分
(百万円) 役員の員数(名)
固定報酬 業績連動報酬
取締役(社外取締役を除く) 388 263 125 8
監査役(社外監査役を除く) 54 54 ― 2
社外役員 58 58 ― 5
ニ 当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものであると取締役会が判断した理由
指名・報酬委員会は、独立性および客観性を確保し、権限が適切に行使されるようにするため、委員の過半数を
独立社外取締役で構成するものとし、その決議は出席委員の過半数をもって決定することとしております。このた
め取締役会は、その内容が決定方針に沿うものであると判断しております。
ホ 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等
連結報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載しておりません。
ヘ 使用人兼務役員の使用人給与のうち、重要なもの
当社は取締役への使用人給与を支給しておりません。
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(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら
株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする投資株式を純投資目的である投
資株式とし、それ以外の投資株式を純投資目的以外の目的である投資株式としております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の
内容
当社は、事業運営上の必要性や取引関係の維持、向上を図る目的で中長期的に企業価値の向上に資すると判
断する場合に株式を保有しております。保有する株式については、その経済的合理性、保有の意義を踏まえて
取締役会で定期的に保有の必要性を検証し、保有の必要性が薄いと判断する場合は、当該株式を売却しており
ます。
取締役会において、個々の銘柄について、次の事項について検証をしております。
・保有目的
・保有による便益・リスクと資本コストの比較
・経済的合理性以外の企業価値向上への寄与
当事業年度は、2022年9月開催の取締役会において、上記の方針および検証事項に基づいて、個別銘柄毎に
当社の中長期的な企業価値の向上に資するか否かの検証を行い、保有の必要性が薄れたと判断される株式を売
却することとし、その他の銘柄においては保有の必要性があることを確認いたしました。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
貸借対照表計上額の
銘柄数
(銘柄)
合計額(百万円)
非上場株式 37 699
非上場株式以外の株式 25 17,093
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
銘柄数 株式数の増加に係る取得
株式数の増加の理由
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
非上場株式 ― ― ―
非上場株式以外の株式 1 9 取引先持株会の積立による増加
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
銘柄数 株式数の減少に係る売却
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
非上場株式 ― ―
非上場株式以外の株式 2 625
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c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、 当社の株
株式数(株) 株式数(株)
定量的な保有効果
銘柄 式の保有
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
及び株式数が増加した理由 (注)1
の有無
(百万円) (百万円)
主にクオリティオブライフ関連製品セグメ
997,000 997,000
ントおよび同社の不動産施設の利用等に関
住友不動産㈱ 有
わる取引関係があり、関係を維持・強化す
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ることを目的として、保有しております。
575,119 575,119
MS&ADインシュアラ 同社グループは、事業運営に必要な保険契
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(注)2
ディングス㈱ 目的として、保有しております。
2,361 2,287
主にクオリティオブライフ関連製品セグメ
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ントの製品販売に係る取引関係があり、関
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係を維持・強化することを目的として、保
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有しております。
313,600 313,600
同社グループは、事業運営に必要な資金借
無
㈱三井住友フィナン
入先であり、関係を維持・強化することを
シャルグループ
(注)2
目的として、保有しております。
1,661 1,225
主に原材料購買に係る取引関係があり、関
700,000 700,000
日東紡績㈱ 係を維持・強化することを目的として、保 有
1,410 1,974
有しております。
当社セグメント全般にわたる製品販売およ
595,000 595,000
び原材料購買に係る取引関係があり、関係
住友商事㈱ 有
を維持・強化することを目的として、保有
1,392 1,260
しております。
148,908 148,908
同社グループは、事業運営に必要な資金借
三井住友トラスト・
入先であり、関係を維持・強化することを 無
ホールディングス㈱
目的として、保有しております。
676 595
主に原材料購買に係る取引関係があり、関
130,500 130,500
住友金属鉱山㈱ 係を維持・強化することを目的として、保 有
658 804
有しております。
当社セグメント全般にわたる製品販売に係
81,249 81,249
㈱村田製作所 る取引関係があり、関係の維持・強化を目 無
653 659
的として、保有しております。
主に情報システム関連での取引関係がある
121,200 121,200
ほか、当社が重点課題として掲げるDX推
進に向けて取り組む生産技術のデジタル化
日本電気㈱ 有
に関する共創先であり、関係を維持・強化
することを目的として、保有しておりま
618 624
す。
主に高機能プラスチックセグメントの製品
1,205,000 1,205,000
販売に係る取引関係があり、関係を維持・
日本シイエムケイ㈱ 有
強化することを目的として、保有しており
549 750
ます。
当社グループの製品分野とは異なる製品を
121,600 121,600
扱う化学メーカーとして、必要に応じて協
住友精化㈱ 有
業を行うなど、関係を維持・強化すること
525 376
を目的として、保有しております。
主に工場資材等に関わる取引関係があり、
126,300 126,300
住友大阪セメント㈱ 関係を維持・強化することを目的として、 有
471 424
保有しております。
主に半導体関連材料セグメントの製品販売
21,063 20,115
に係る取引関係があり、関係を維持・強化
ローム㈱ することを目的として、保有しておりま 無
す。取引先持株会の積立により、株式数が
231 192
増加しております。
主に物流・倉庫保管に関わる取引関係があ
96,500 96,500
㈱住友倉庫 り、関係の維持・強化を目的として、保有 有
209 221
しております。
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主に高機能プラスチックセグメントの製品
121,000 121,000
販売に係る取引関係があり、関係を維持・
住友電気工業㈱ 有
強化することを目的として、保有しており
205 176
ます。
主に高機能プラスチックセグメントの製品
192,000 192,000
販売に係る取引関係があり、関係を維持・
シライ電子工業㈱ 無
強化することを目的として、保有しており
161 85
ます。
主に高機能プラスチックセグメントおよび
10,000 10,000
半導体関連材料セグメントの製品販売に係
㈱デンソー 無
る取引関係があり、関係を維持・強化する
74 78
ことを目的として、保有しております。
主に原材料購買に係る取引関係があり、関
20,000 20,000
㈱カネカ 係を維持・強化することを目的として、保 有
69 70
有しております。
同社との間で合弁会社を設立しており、関
13,000 13,000
大倉工業㈱ 係を維持・強化することを目的として、保 有
26 23
有しております。
主にクオリティオブライフ関連製品セグメ
25,900 25,900
ントの製品販売に係る取引関係があり、関
日本板硝子㈱ 無
係を維持・強化することを目的として、保
16 11
有しております。
主に高機能プラスチックセグメントの製品
2,000 2,000
販売に係る取引関係があり、関係を維持・
東京応化工業㈱ 無
強化することを目的として、保有しており
15 14
ます。
主にクオリティオブライフ関連製品セグメ
10,000 10,000
ントの製品販売に係る取引関係があり、関
丸大食品㈱ 無
係を維持・強化することを目的として、保
14 14
有しております。
主に工事発注のほか、同社の建設用材料に
30,984 30,984
関する共同開発を行うなどの協業を行って
三井住友建設㈱ 有
おり、関係を維持・強化することを目的と
11 12
して、保有しております。
主に高機能プラスチックセグメントの製品
300 300
品川リフラクトリー 販売に係る取引関係があり、関係を維持・
無
ズ㈱ 強化することを目的として、保有しており
1 1
ます。
当社セグメント全般にわたる製品販売およ
― 182,000
び原材料購買に係る取引関係があり、関係
稲畑産業㈱ を維持・強化することを目的として保有し 無
ておりましたが、当事業年度において売却
― 375
いたしました。
当社セグメント全般にわたる製品販売およ
― 100,000
び原材料購買に係る取引関係があり、関係
森六ホールディング
を維持・強化することを目的として保有し 有
ス㈱
ておりましたが、当事業年度において売却
― 180
いたしました。
みなし保有株式
当事業年度 前事業年度
当社の株
保有目的、定量的な保有効果
株式数(株) 株式数(株)
銘柄 式の保有
及び株式数が増加した理由 (注)1
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
の有無
(百万円) (百万円)
1,366,000 1,366,000
退職給付信託に拠出しており、当社が議決
住友商事㈱ 有
権行使の指図権限を有しております。
3,197 2,895
240,900 240,900
無
三井住友トラスト・ 退職給付信託に拠出しており、当社が議決
ホールディングス㈱ 権行使の指図権限を有しております。
(注)2
1,093 964
291,000 291,000
退職給付信託に拠出しており、当社が議決
日本シイエムケイ㈱ 有
権行使の指図権限を有しております。
132 181
(注) 1 特定投資株式およびみなし保有株式のうちいずれの銘柄についても、定量的な保有効果については記載が困
難であります。
保有の合理性については、上記「a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適
否に関する取締役会等における検証の内容」に記載のとおり、資本コストとの比較のほか、当社の中長期的
な企業価値への寄与および取引状況などの定性的な側面も踏まえて、検証しております。
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2 保有先企業は当社株式を保有しておりませんが、当該企業の子会社が当社株式を保有しております。
3 「―」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
該当事項はありません。
⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの
該当事項はありません。
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第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表および財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第
93条の規定により、国際会計基準(以下、IFRS)に準拠して作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、財
務諸表等規則)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しておりま
す。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日ま
で)の連結財務諸表および事業年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ
監査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みおよびIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成するこ
とができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みおよびIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作
成することができる体制の整備を行っております。その内容は次のとおりであります。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、または会計基準等の変更等について的確に対応できる体制を整備するため、
公益財団法人財務会計基準機構に加入するとともに、同法人および監査法人などが主催する研修に参加しておりま
す。
(2) IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、外部の専門家の
助言を受けながら、最新の基準の把握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するため
に、IFRSに準拠したグループ会計方針および会計指針を作成し、それらに基づいて会計処理を行っております。
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1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
資産
流動資産
現金及び現金同等物 7,29 109,217 99,620
営業債権及びその他の債権 8,29 59,414 60,954
その他の金融資産 9,29 47 1,133
棚卸資産 10 50,276 57,708
4,337 3,801
その他の流動資産 11
流動資産合計 223,291 223,216
非流動資産
有形固定資産 12,15 101,456 107,479
使用権資産 14,15 6,963 7,603
のれん 13,15 1,260 1,343
その他の無形資産 13,15 2,488 2,528
その他の金融資産 9,29 27,539 27,132
退職給付に係る資産 19 5,500 6,777
繰延税金資産 16 2,211 2,134
128 246
その他の非流動資産 11
非流動資産合計 147,546 155,242
資産合計 370,836 378,457
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(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
負債及び資本
負債
流動負債
借入金 17,29 35,155 21,824
営業債務及びその他の債務 18,29 56,316 52,826
その他の金融負債 14,29 1,422 1,359
未払法人所得税等 3,241 2,458
引当金 20 200 194
776 1,107
その他の流動負債
流動負債合計 97,110 79,767
非流動負債
借入金 17,29 23,467 21,407
その他の金融負債 14,29 3,578 4,031
退職給付に係る負債 19 4,148 4,031
引当金 20 1,235 1,229
繰延税金負債 16 8,592 9,773
571 527
その他の非流動負債
非流動負債合計 41,591 40,999
負債合計
138,701 120,766
資本
資本金 21 37,143 37,143
資本剰余金 21 35,137 35,137
自己株式 21 △ 6,794 △ 6,799
その他の資本の構成要素 21 24,915 34,475
139,383 155,403
利益剰余金
親会社の所有者に帰属する持分合計
229,784 255,358
2,352 2,333
非支配持分
資本合計 232,136 257,692
負債及び資本合計 370,836 378,457
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② 【連結損益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記 (自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
売上収益 6,23 263,114 284,939
△ 182,708 △ 203,587
売上原価
売上総利益
80,406 81,353
△ 53,917 △ 55,905
販売費及び一般管理費 24
事業利益 6
26,489 25,448
その他の収益 25 150 243
△ 1,753 △ 868
その他の費用 25
営業利益
24,887 24,823
金融収益 26 1,291 2,388
△ 298 △ 475
金融費用 26
税引前利益
25,880 26,736
△ 7,220 △ 6,142
法人所得税費用 16
当期利益 18,660 20,595
当期利益の帰属
親会社の所有者 18,299 20,289
361 305
非支配持分
当期利益 18,660 20,595
1株当たり当期利益 28
基本的1株当たり当期利益(円) 388.86 431.19
希薄化後1株当たり当期利益(円) ― ―
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③ 【連結包括利益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記 (自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
当期利益 18,660 20,595
その他の包括利益
純損益に振替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で
27 △ 750 △ 84
測定する金融資産の変動額
1,683 1,073
確定給付制度の再測定 27
純損益に振替えられることのない項目合計 27 932 989
純損益に振替えられる可能性のある項目
キャッシュ・フロー・ヘッジ 27 60 10
14,980 10,013
在外営業活動体の換算差額 27
純損益に振替えられる可能性のある項目合計 27 15,040 10,023
税引後その他の包括利益 27 15,973 11,013
当期包括利益 27 34,632 31,608
当期包括利益の帰属
親会社の所有者 27 34,058 31,227
574 381
非支配持分 27
当期包括利益 27 34,632 31,608
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④ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
その他の
包括利益
非支配 資本
キャッ
を通じて
変動項目 注記
確定給付 在外営業
持分 合計
資本 利益
シュ・
公正価値
資本金 自己株式
制度の再 活動体の 合計
剰余金 剰余金 で測定す
フロー・
測定 換算差額
る金融資
ヘッジ
産の変動
額
当期首残高 37,143 35,137 △ 6,785 124,052 10,431 ― △ 111 338 10,658 1,936 202,141
当期利益
― ― ― 18,299 ― ― ― ― ― 361 18,660
― ― ― ― △ 750 1,674 60 14,776 15,759 213 15,973
その他の包括利益 27
当期包括利益 ― ― ― 18,299 △ 750 1,674 60 14,776 15,759 574 34,632
剰余金の配当 22
― ― ― △ 4,470 ― ― ― ― ― △ 159 △ 4,629
自己株式の取得 21 ― ― △ 9 ― ― ― ― ― ― ― △ 9
その他の資本の
― ― ― 1,503 171 △ 1,674 ― ― △ 1,503 ― ―
構成要素から利益
剰余金への振替
所有者との取引合計 ― ― △ 9 △ 2,968 171 △ 1,674 ― ― △ 1,503 △ 159 △ 4,638
当期末残高 37,143 35,137 △ 6,794 139,383 9,852 ― △ 52 15,114 24,915 2,352 232,136
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当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
その他の
包括利益
非支配 資本
キャッ
を通じて
変動項目 注記
確定給付 在外営業
持分 合計
資本 利益
シュ・
公正価値
資本金 自己株式
制度の再 活動体の 合計
剰余金 剰余金 で測定す
フロー・
測定 換算差額
る金融資
ヘッジ
産の変動
額
当期首残高 37,143 35,137 △ 6,794 139,383 9,852 ― △ 52 15,114 24,915 2,352 232,136
当期利益
― ― ― 20,289 ― ― ― ― ― 305 20,595
― ― ― ― △ 84 1,072 10 9,939 10,937 76 11,013
その他の包括利益 27
当期包括利益 ― ― ― 20,289 △ 84 1,072 10 9,939 10,937 381 31,608
剰余金の配当 22
― ― ― △ 5,647 ― ― ― ― ― △ 400 △ 6,047
自己株式の取得 21 ― ― △ 5 ― ― ― ― ― ― ― △ 5
その他の資本の
― ― ― 1,377 △ 305 △ 1,072 ― ― △ 1,377 ― ―
構成要素から利益
剰余金への振替
所有者との取引合計 ― ― △ 5 △ 4,270 △ 305 △ 1,072 ― ― △ 1,377 △ 400 △ 6,052
当期末残高 37,143 35,137 △ 6,799 155,403 9,463 ― △ 41 25,053 34,475 2,333 257,692
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⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記 (自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前利益 25,880 26,736
減価償却費及び償却費 13,221 13,774
減損損失 1,295 ―
受取利息及び受取配当金 △ 1,186 △ 2,388
支払利息 298 331
営業債権及びその他の債権の増減額(△は増加) △ 4,441 △ 123
営業債務及びその他の債務の増減額(△は減少) 7,207 △ 5,646
棚卸資産の増減額(△は増加) △ 8,089 △ 5,581
△ 108 △ 62
その他
小計
34,076 27,041
利息の受取額 344 1,251
配当金の受取額 625 1,244
利息の支払額 △ 300 △ 332
△ 6,825 △ 5,586
法人所得税の支払額
営業活動によるキャッシュ・フロー
27,920 23,618
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出 △ 12,409 △ 14,971
有形固定資産の売却による収入 43 118
投資有価証券の取得による支出 △ 16 △ 17
投資有価証券の売却による収入 2,619 625
定期預金の預入による支出 △ 0 △ 1,845
定期預金の払戻による収入 ― 857
△ 705 △ 415
その他
投資活動によるキャッシュ・フロー
△ 10,468 △ 15,648
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の増減額(△は減少) 31 91 △ 411
コマーシャル・ペーパーの増減額(△は減少) 31 9,000 △ 13,000
長期借入金の返済による支出 31 △ 22,689 △ 2,507
リース負債の返済による支出 31 △ 1,072 △ 985
配当金の支払額 22 △ 4,470 △ 5,647
非支配持分への配当金の支払額 △ 159 △ 400
△ 9 △ 5
その他
財務活動によるキャッシュ・フロー △ 19,308 △ 22,954
現金及び現金同等物に係る換算差額 7,897 5,387
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 6,042 △ 9,597
現金及び現金同等物の期首残高 7 103,175 109,217
現金及び現金同等物の期末残高 7
109,217 99,620
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【連結財務諸表注記】
1.報告企業
住友ベークライト株式会社(以下、当社)は日本に所在する企業であります。その登記されている本社および主要な
事業所の住所はホームページ(URL https://www.sumibe.co.jp)で開示しております。本連結財務諸表は、2023年3月
31日を期末日とし、当社およびその子会社(以下、当社グループ)により構成されております。
当社グループの主な事業内容は、半導体関連材料、高機能プラスチックおよびクオリティオブライフ関連製品の製
造販売等であります。各事業の内容については注記「6.セグメント情報」に記載しております。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第
28号)第1条の2の「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、IFRSに準拠し
て作成しております。
本連結財務諸表は、2023年6月22日に当社取締役会によって承認されております。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、注記「3.重要な会計方針」に記載しております金融商品、退職給付制度に係
る負債(資産)の純額等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨および表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を四捨五入し
て表示しております。
(4) 会計方針の変更
2023年5月23日に公表された「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS第12号の修正)」は、第2の柱モ
デルルールに関する税制から生じる税金(以下、第2の柱の法人所得税)について、繰延税金の認識および開示を
不要とする一時的かつ強制的な例外規定を設けております。当社グループでは、第2の柱モデルルールに関する税
制の適用を受けることが想定されるため、当連結会計年度より、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び
誤謬」に従って、当該例外規定を遡及して適用しております。そのため、第2の柱の法人所得税に関して繰延税金
を認識しておらず、かつ、繰延税金に関する注記にも含めておりません。
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3.重要な会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生
じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リ
ターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断しております。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めており
ます。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の
財務諸表に調整を加えております。当社グループ間の債権債務残高および内部取引高、ならびに当社グループ間
の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
子会社持分を一部処分した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しております。非支配持分
の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されております。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得または損失は純損益で認識しております。
なお、決算日が異なる子会社の財務諸表は、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用してお
ります。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが当該企業に対し、財務および営業の方針に重要な影響力を有しているものの、
支配をしていない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%以上を保有する場合、当社グループ
は、重要な影響力がないことが明確に証明できない限り、当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推
定されます。
関連会社への投資は、取得時には取得原価で認識され、以後は持分法によって会計処理しております。
関連会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会
社の財務諸表に調整を加えております。
連結財務諸表には、他の株主との関係等により、決算日を統一することが実務上不可能であるため、決算日の
異なる関連会社への投資が含まれております。
決算日の差異により生じる期間の重要な取引または事象の影響については調整を行っております。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。当社グループは、IFRS第3号「企業結合」で規定されている
例外を除き、取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債および当社が発行する資本性
金融商品の取得日の公正価値の合計で測定しております。
段階的に達成する企業結合の場合、当社が以前に保有していた被取得企業の持分は支配獲得日の公正価値で再測
定し、発生した利得または損失は純損益で認識しております。非支配持分の測定については、公正価値で測定する
か、または被取得企業の識別可能な純資産の比例持分で測定するかを、取得日に個別の企業結合ごとに選択してお
ります。
移転された対価、従来保有していた被取得企業の資本持分の取得日公正価値および被取得企業のすべての非支配
持分の金額の総計が、取得した識別可能な資産および引き受けた負債の取得日の公正価値を超過する場合は、その
超過額をのれんとして認識しております。その差額が負の金額である場合には、直ちに純損益として認識しており
ます。
企業結合が生じた期間の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了しない場合は、暫定的な金額で会計処理を
行っております。取得日から1年以内の測定期間において取得日時点に存在した事実および状況に関する新しい情
報を入手した場合は、暫定的な金額を遡及修正しております。
企業結合を達成するために発生した取得関連コストは、発生時に純損益として認識しております。
支配獲得後の持分の追加取得については、資本取引として会計処理しているため、当該取引からのれんは認識し
ておりません。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートで機能通貨に換算しております。
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期末日における外貨建貨幣性資産および負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。
公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産および負債は、当該公正価値の測定日における為替レートで機能通
貨に換算しております。
換算または決済により生じる換算差額は、純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じ
て公正価値で測定する資本性金融商品、およびキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額のうち有効部分
については、その他の包括利益として認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産および負債については期末日の為替レート、収益および費用については期中の為替レー
トが著しく変動していない限り平均為替レートを用いて日本円に換算しております。在外営業活動体の財務諸表
の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体を処分した場合は、
その在外営業活動体に関連する累積換算差額を処分した期の純損益に振替えております。
(4) 金融商品
① 金融資産
金融資産は、当初認識時において、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定
する金融資産、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。金融資産は、当社グループが
当該金融資産の契約当事者となった取引日に当初認識しております。金融資産は原則として、公正価値に、当該
金融資産に直接帰属する取引費用を加算した金額で当初測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでい
ない営業債権は取引価格で当初測定しております。また、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産について
は、その取引費用は発生時に純損益で認識しております。
金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、または金融資産を譲渡し、当該金
融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転している場合に認識を中止しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる金融資産を償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づい
て、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特
定の日に生じる。
当初認識後は、実効金利法を適用して測定しております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(負債性金融商品)
次の条件がともに満たされる負債性金融商品は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融
商品に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方のために金融資産を保有することを目的とする事業モデ
ルに基づいて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特
定の日に生じる。
当初認識後は公正価値で測定し、事後的な変動はその他の包括利益に含めて認識しております。当該資産を
処分した場合、その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額をその他の資本の構成要素から
純損益に組替調整額として振替えております。
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(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(資本性金融商品)
取引先との関係維持、強化などを目的として保有する株式等については、当初認識時にその他の包括利益を
通じて公正価値で測定する資本性金融商品に指定しております。
当初認識後は公正価値で測定し、事後的な変動をその他の包括利益として認識しております。ただし、当該
資産から生じる配当金については、配当を受領する権利が確定した時点で金融収益として、純損益で認識して
おります。また、当該資産を処分した場合および公正価値が著しく下落した場合にその他の包括利益を通じて
認識された利得または損失の累計額をその他の資本の構成要素から利益剰余金へ振替えております。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記の償却原価で測定する金融資産またはその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産以外の金
融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
当初認識後は公正価値で測定し、事後的な変動は純損益で認識しております。
② 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(負債性金融商
品)の回収可能性について、期末日ごとに当該資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増大しているか
どうかを判定し、以下の金額で損失評価引当金を測定しております。信用リスクが著しく増大しているかどうか
については、金融資産の債務不履行リスクの変化に基づいて判断しております。
(a) 信用リスクの著しい増大が見受けられない場合
12ヶ月の予想信用損失と同額
(b) 信用リスクの著しい増大が見受けられるが、信用減損は見受けられない場合
全期間の予想信用損失と同額
(c) 信用リスクの著しい増大、信用減損がともに顕在化している場合
全期間の予想信用損失と同額
ただし、重大な金融要素が含まれていない営業債権については、常に全期間の予想信用損失で損失評価引当金
を測定しております。
債務不履行発生リスクの判断にあたっては、主に以下を考慮しております。
・発行体または債務者の重大な財政的困難
・利息または元本の支払不履行または延滞などの契約違反
・債務者が破産または他の財務的再編成に陥る可能性が高くなったこと
なお、金融資産の全体または一部分について回収できないと合理的に判断される場合は、当該金額を金融資産
の帳簿価額から直接減額しております。
③ 金融負債
金融負債は当初認識時に償却原価で測定する金融負債と純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類し
ております。金融負債は、当社グループが当該金融負債の契約当事者になる取引日に当初認識しております。償
却原価で測定する金融負債は、公正価値に当該金融負債に直接起因する取引コストを減算した金額で当初測定し
ておりますが、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、公正価値で当初測定しております。
金融負債が消滅したとき、すなわち契約中に特定された債務が免責、取消、または失効となったときに認識を
中止しております。
(a) 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しております。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、当初認識後は公正価値で測定し、事後的な変動は純損益で
認識しております。
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④ デリバティブおよびヘッジ会計
当社グループは、為替リスクや金利リスクをそれぞれヘッジするために、為替予約、金利スワップ契約等のデ
リバティブを利用しております。これらのデリバティブは、公正価値で当初測定し、その後も公正価値で再測定
しております。
ヘッジ会計の適用にあたっては、ヘッジ取引開始時に、ヘッジ対象とヘッジ手段の対応関係ならびにヘッジの
実施についてのリスク管理目的および戦略に関して、公式に指定し文書を作成しております。その文書は、ヘッ
ジ手段の特定、ヘッジの対象となる項目または取引、ヘッジされるリスクの性質およびヘッジされたリスクに起
因するヘッジ対象の公正価値またはキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺するに際しての
ヘッジ手段の有効性の評価方法が含まれます。ヘッジ有効性の継続的な評価は、各期末日またはヘッジ有効性の
要求に影響を与える状況の重大な変化があったときのいずれか早い方に行っております。
キャッシュ・フロー・ヘッジに指定されたデリバティブは、ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値変動の
うち有効なヘッジと判定される部分をその他の包括利益に認識しております。ヘッジ有効部分以外は純損益で認
識しております。
その他の包括利益に認識した金額は、予定取引のヘッジがその後において非金融資産または非金融負債の認識
を生じさせるものである場合、または非金融資産もしくは非金融負債に係るヘッジされた予定取引が公正価値
ヘッジの適用される確定約定となった場合、その他の包括利益に認識した金額を当該非金融資産または非金融負
債の当初の帳簿価額に含めております。
上記以外のキャッシュ・フロー・ヘッジは、ヘッジされた予想将来キャッシュ・フローが純損益に影響を与え
る会計期間においてその他の資本の構成要素から純損益に振替えております。ただし、当該金額が損失であり、
当該損失の全部または一部が将来の期間において回収されないと予想する場合は、回収が見込まれない金額を直
ちに純損益に振替えております。
ヘッジ手段が消滅、売却、終了または行使された場合、ヘッジがヘッジ会計の要件を満たしていない場合は、
ヘッジ会計を将来に向けて中止しております。予定取引の発生がもはや見込まれない場合は、その他の包括利益
に認識した金額は、直ちにその他の資本の構成要素から純損益に振替えております。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能であり、かつ、価値の変動に
ついて僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しております。正味実現可能価額は、通常
の事業過程における見積売価から、完成までに要する見積原価および見積販売コストを控除した額であります。取
得原価は、主として加重平均法に基づいて算定されており、購入原価、加工費および現在の場所および状態に至る
までに要したすべてのコストを含んでおります。
(7) 有形固定資産
有形固定資産については、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した額で測定しておりま
す。
取得原価には、資産の取得に直接関連するコスト、解体・除去および土地の原状回復コスト、および資産計上す
べき借入コストが含まれております。
土地および建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上されてお
ります。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は次のとおりであります。
・建物及び構築物 5-60年
・機械装置及び運搬具 4-12年
なお、見積耐用年数、残存価額および減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上
の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
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(8) 無形資産
① のれん
当社グループは、のれんを取得日時点で測定した被取得企業に対する非支配持分の認識額を含む譲渡対価の公
正価値から、取得日時点における識別可能な取得資産および引受負債の純額(通常、公正価値)を控除した額とし
て測定しております。
のれんの償却は行わず、毎期または減損の兆候が存在する場合には、その都度、減損テストを実施しておりま
す。
のれんの減損損失は連結損益計算書において認識され、その後の戻入れは行っておりません。
また、のれんは連結財政状態計算書において、取得原価から減損損失累計額を控除した帳簿価額で計上されま
す。
② その他の無形資産
のれん以外の無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。
当初認識後は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却し、取得原価から償却累計額および減損損失
累計額を控除した帳簿価額で計上しております。主要な無形資産の見積耐用年数は次のとおりであります。な
お、耐用年数を確定できない無形資産はありません。
ソフトウエア 社内利用可能期間(5年)
なお、見積耐用年数、残存価額および償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見
積りの変更として将来に向かって適用しております。
(9) リース
当社グループは借手としてのすべてのリース取引について使用権資産およびリース負債を計上しておりますが、
短期リースおよび少額資産のリースについては、使用権資産およびリース負債を認識しないことを選択しておりま
す。また、短期リースおよび少額資産のリース料は他の規則的な方法により利用者の便益のパターンがより適切に
表される場合を除いて、リース期間にわたり定額法によって費用として計上しております。
① 使用権資産
使用権資産は取得原価で当初測定しており、取得原価は、リース負債の当初測定の金額、当初直接コスト、原
資産の解体ならびに除去および原状回復コストの当初見積額等で構成されております。
当初認識後は、原資産の所有権がリース期間の終了時までに移転される場合、または使用権資産の取得原価が
購入オプションを行使することが合理的に確実である場合には、原資産の見積耐用年数で、合理的に確実でない
場合にはリース期間と使用権資産の見積耐用年数のいずれか短い期間にわたって定額法により減価償却を行って
おります。該当ある場合、使用権資産は減損損失によって減額され、特定のリース負債の再測定に際して調整さ
れます。
② リース負債
リース負債は、リース開始日現在で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在
価値で当初測定しております。リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、借手の追加借入利子率を用
いており、一般的に当社グループは追加借入利子率を割引率として使用しております。リース負債の測定に際し
ては、実務上の便法を適用し、リース要素とこれに関連する非リース要素は区分せず、単一のリース構成要素と
して認識することを選択しております。
リース負債は、リース負債に係る金利を反映するように帳簿価額を増額し、支払われたリース料を反映するよ
うに帳簿価額を減額することにより事後測定し、連結財政状態計算書上、その他の金融負債に含めて表示してお
ります。購入オプションを行使するかどうかの判定が変化した場合、リース負債は再測定されます。リース負債
を再測定する場合、対応する修正は使用権資産の帳簿価額を修正するか、使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額
されている場合には損益として表示しています。
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(10) 非金融資産の減損
期末日に、非金融資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを検討しております。減損の兆候が存在す
る場合は、当該資産またはその資産が属する資金生成単位の回収可能価額を見積っております。のれんおよびいま
だ使用可能でない無形資産は、毎期、および減損の兆候がある場合はいつでも、減損テストを実施しております。
のれんは、企業結合のシナジー効果によりキャッシュ・フローの獲得への貢献が期待される資金生成単位(最小の
単位または単位グループ)に配分しております。
回収可能価額は、資産または資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値および使用価値のいずれか高い金額で
あります。回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に、当該資産または資金生成単位をその回収可能価額まで
減額し、当該減額を減損損失として純損益で認識しております。認識した減損損失は、まずその資金生成単位に配
分されたのれんの帳簿価額を減額するよう配分し、次に資金生成単位内ののれんを除く各資産の帳簿価額を比例的
に減額するように配分しております。
期末日に、過去の期間にのれん以外の資産または資金生成単位について認識した減損損失がもはや存在しないか
または減少している可能性を示す兆候があるかどうかを検討しております。そのような兆候が存在する場合は、回
収可能価額を見積り、当該資産または資金生成単位の帳簿価額を回収可能価額まで増額して減損損失の戻入れを
行っております。減損損失の戻入れによって増加する資産または資金生成単位の帳簿価額は、過去の期間において
当該資産または資金生成単位について認識した減損損失がなかったとした場合の(償却または減価償却控除後の)
帳簿価額を超えないようにしております。減損損失の戻入れは直ちに純損益で認識しております。のれんについて
認識した減損損失は、以後の期間において戻入れは行っておりません。
(11) 従業員給付
① 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識してお
ります。賞与および有給休暇費用については、それらを支払う法的もしくは推定的な債務を負っており、信頼性
のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しておりま
す。
② 退職給付
当社グループは、従業員の退職給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を運営しております。
当社グループは、確定給付制度債務の現在価値および関連する当期勤務費用ならびに過去勤務費用を、予測単
位積増方式を用いて算定しております。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間をもとに割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日
時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しております。
確定給付制度に係る負債または資産は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して算定
しております。
確定給付制度の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識し、直ちにその他の資本の
構成要素から利益剰余金に振替えております。
過去勤務費用は、発生した期の純損益として処理しております。
確定拠出制度に係る費用は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識しております。
(12) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的または推定的債務を負っており、当該債務を決
済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合
に認識しております。引当金は、その影響に重要性がある場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的
価値および当該負債に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いております。
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(13) 収益
以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に収益を認識する。
当社グループは、半導体関連材料、高機能プラスチックおよびクオリティオブライフ関連製品の製造販売等を主
な事業としており、このような製品販売につきましては、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を
獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。ま
た、収益は顧客への財の移転と交換に企業が権利を得ると見込んでいる対価の金額で認識しており、値引、割戻し
および付加価値税等の税金を控除後の金額で測定しております。
(14) 法人所得税
法人所得税は、当期税金および繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの、および
直接資本で認識される項目またはその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しております。
当期税金は、税務当局に対する納付または税務当局から還付が予想される金額で測定されます。税額の算定にあ
たっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる損益を稼得する国において、連結会計年度末日までに
制定または実質的に制定されている税率および税法に従っております。
繰延税金は、決算日における資産および負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、繰越欠損金およ
び繰越税額控除に対して認識しております。繰延税金資産および負債は、連結会計年度末日において制定されてい
る、または実質的に制定されている法定税率および税法に基づいて資産が実現する期間または負債が決済される期
間に適用されると予想される税率および税法によって測定されます。繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上
の繰越欠損金および繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高い範囲内で認識しておりま
す。 課税所得が生じる時期および金額は、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があ
り、実際に発生した課税所得の時期および金額が認識時点の見積りと異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸
表において、繰延税金資産の計上額に重要な影響を与える可能性があります 。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産および負債を認識しておりません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引によって発生する資産およ
び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社および関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異について、当該一時差異を解消する時期をコント
ロールすることができ、かつ予測可能な期間にその一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産および負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一
の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しております。
(15) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普
通株式の加重平均株式数で除して計算しております。
(16) 自己株式
自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しております。当社の自己株式の購入、売却または消却において
利得または損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は、資本剰余金として認識されま
す。
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4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の
金額に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定を行うことが要求されております。実際の業績は、これらの見積りとは
異なる場合があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直
した会計期間およびそれ以降の将来の会計期間において認識されます。
経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える判断および見積りは次のとおりであります。
・非金融資産の減損(注記「3.重要な会計方針 (10) 非金融資産の減損」および「15.非金融資産の減損」)
・繰延税金資産の回収可能性(注記「3.重要な会計方針 (14) 法人所得税」および「16.法人所得税」)
・確定給付制度債務の測定(注記「3.重要な会計方針 (11) 従業員給付」および「19.従業員給付」)
5.未適用の新基準
連結財務諸表の承認日までに新設または改訂が行われた基準書および解釈指針のうち、当社グループが早期適用し
ていないもので、重要な影響があるものはありません。
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6.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締
役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものでありま
す。
当社グループは、取り扱う製品・サービス別に事業を区分し、生産・販売・研究を一体的に運営する事業部門制
を採用しております。各事業部門は、取り扱う製品・サービスについて国内および海外の包括的な戦略を立案し、
事業活動を展開しております。
当社グループは、主に事業部門を基礎とした製品・サービス別の事業セグメントから構成されており、これらの
事業セグメントを基礎に製品の市場における主要用途および事業の類似性を勘案し、「半導体関連材料」、「高機
能プラスチック」、および「クオリティオブライフ関連製品」の3つを報告セグメントとしております。
各報告セグメントに属する主な製品およびサービスの内容は次のとおりであります。
報告セグメント 主要な製品・サービス
半導体封止用エポキシ樹脂成形材料、感光性ウェハーコート用液状樹脂、半
半導体関連材料
導体用液状樹脂、半導体基板材料
フェノール樹脂成形材料、工業用フェノール樹脂、成形品、合成樹脂接着
高機能プラスチック
剤、フェノール樹脂銅張積層板、エポキシ樹脂銅張積層板、航空機内装部品
医療機器製品・医薬品、メラミン樹脂化粧板・化粧シート、ビニル樹脂シー
クオリティオブライフ関連製品 トおよび複合シート、鮮度保持フィルム、ポリカーボネート樹脂板、塩化ビ
ニル樹脂板、防水工事の設計ならびに施工請負、バイオ関連製品
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(2) セグメント収益および業績
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
(単位:百万円)
報告セグメント
その他 調整額 連結財務
合計
高機能 クオリティ
(注)2 (注)3 諸表計上額
半導体
プラス オブライフ
関連材料
チック 関連製品
売上収益
外部顧客への売上収益 75,787 92,244 94,444 639 263,114 ― 263,114
セグメント間の内部
― 158 1 ― 159 △ 159 ―
売上収益又は振替高
計 75,787 92,402 94,445 639 263,273 △ 159 263,114
セグメント損益
16,506 5,934 7,427 110 29,976 △ 3,487 26,489
(事業利益)(注)1
セグメント資産 116,669 119,551 115,135 1,093 352,448 18,388 370,836
その他の項目
減価償却費及び
3,103 4,602 4,816 30 12,552 670 13,221
償却費(注)4
減損損失 ― 392 17 886 1,295 ― 1,295
資本的支出(注)4 4,630 3,952 5,151 49 13,783 280 14,063
(注) 1 セグメント損益(事業利益)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しておりま
す。
2 「その他」の区分は、試験研究の受託、土地の賃貸等を含んでおります。
3 調整額は、次のとおりであります。
(1) 「セグメント損益」の調整額△3,487百万円には、セグメント間取引消去△26百万円、各報告セグメント
に配分していない全社費用△3,461百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属
しない基礎研究費用等であります。
(2) 「セグメント資産」の調整額18,388百万円には、セグメント間取引消去△511百万円、各報告セグメント
に配分していない全社資産18,900百万円が含まれております。全社資産の主なものは、当社での投資有価
証券、基礎研究および当社の一般管理部門に係る資産等であります。
(3) 「資本的支出」の調整額280百万円は、主に基礎研究および当社の一般管理部門への設備投資額でありま
す。
4 減価償却費及び償却費、資本的支出には、使用権資産に係る金額を含めております。
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当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
(単位:百万円)
報告セグメント
その他 調整額 連結財務
合計
高機能 クオリティ
(注)2 (注)3 諸表計上額
半導体
プラス オブライフ
関連材料
チック 関連製品
売上収益
外部顧客への売上収益 79,540 102,351 102,273 775 284,939 ― 284,939
セグメント間の内部
― 179 1 ― 179 △ 179 ―
売上収益又は振替高
計 79,540 102,530 102,274 775 285,119 △ 179 284,939
セグメント損益
15,323 4,637 9,210 219 29,389 △ 3,941 25,448
(事業利益)(注)1
セグメント資産 118,389 120,988 118,801 1,169 359,347 19,111 378,457
その他の項目
減価償却費及び
3,559 4,921 4,595 36 13,110 663 13,774
償却費(注)4
減損損失 ― ― ― ― ― ― ―
資本的支出(注)4 6,525 7,122 3,988 56 17,691 621 18,313
(注) 1 セグメント損益(事業利益)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しておりま
す。
2 「その他」の区分は、試験研究の受託、土地の賃貸等を含んでおります。
3 調整額は、次のとおりであります。
(1) 「セグメント損益」の調整額△3,941百万円には、セグメント間取引消去△5百万円、各報告セグメント
に配分していない全社費用△3,936百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属
しない基礎研究費用等であります。
(2) 「セグメント資産」の調整額19,111百万円には、セグメント間取引消去△152百万円、各報告セグメント
に配分していない全社資産19,263百万円が含まれております。全社資産の主なものは、当社での投資有価
証券、基礎研究および当社の一般管理部門に係る資産等であります。
(3) 「資本的支出」の調整額621百万円は、主に基礎研究および当社の一般管理部門への設備投資額でありま
す。
4 減価償却費及び償却費、資本的支出には、使用権資産に係る金額を含めております。
セグメント損益から税引前利益への調整は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
セグメント損益 26,489 25,448
その他の収益 150 243
その他の費用 △1,753 △868
営業利益 24,887 24,823
金融収益 1,291 2,388
金融費用 △298 △475
税引前利益 25,880 26,736
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(3) 製品およびサービスに関する情報
「(1)報告セグメントの概要」および「(2)セグメント収益および業績」に同様の情報を開示しておりますため、
記載を省略しております。
(4) 地域別に関する情報
売上収益および非流動資産の地域別内訳は次のとおりであります。
外部顧客への売上収益
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
(単位:百万円)
アジア
日本 北米 欧州その他 合計
中国 その他
102,599 52,324 58,128 25,312 24,752 263,114
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、地域に分類しております。
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
(単位:百万円)
アジア
日本 北米 欧州その他 合計
中国 その他
108,677 49,095 63,872 33,583 29,713 284,939
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、地域に分類しております。
非流動資産
前連結会計年度 ( 2022年3月31日 )
(単位:百万円)
アジア
日本 北米 欧州 合計
中国 その他
60,636 15,376 13,019 8,196 15,068 112,295
(注) 非流動資産は、資産の所在地によっており、金融商品、繰延税金資産、および退職給付に係る資産を含んでお
りません。
当連結会計年度 ( 2023年3月31日 )
(単位:百万円)
アジア
日本 北米 欧州 合計
中国 その他
59,369 18,615 14,816 9,320 17,079 119,199
(注) 非流動資産は、資産の所在地によっており、金融商品、繰延税金資産、および退職給付に係る資産を含んでお
りません。
(5) 主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、記載をしてお
りません。
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7.現金及び現金同等物
前連結会計年度末および当連結会計年度末の連結財政状態計算書上における「現金及び現金同等物」の残高と連結
キャッシュ・フロー計算書上における「現金及び現金同等物」の残高は一致しております。
8.営業債権及びその他の債権
「営業債権及びその他の債権」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
受取手形 6,267 6,170
売掛金 49,860 52,162
未収入金 3,287 2,622
合計 59,414 60,954
9.その他の金融資産
(1) その他の金融資産の内訳
「その他の金融資産」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
デリバティブ資産 671 1,204
資本性金融商品 25,558 24,895
負債性金融商品 238 274
貸付金 343 232
その他 777 1,660
合計 27,586 28,265
流動資産 47 1,133
非流動資産 27,539 27,132
合計 27,586 28,265
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
取引先との関係維持、強化等を目的として保有する株式等については、その他の包括利益を通じて公正価値で測
定する資本性金融商品に指定しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の主な銘柄および公正価値は次のとおりでありま
す。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
銘柄
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
住友不動産株式会社 3,379 2,973
MS&ADインシュアランスグループホールディングス株
2,288 2,361
式会社
住友林業株式会社 1,741 2,104
株式会社三井住友フィナンシャルグループ 1,225 1,661
日東紡績株式会社 1,975 1,411
その他 14,949 14,384
合計 25,557 24,894
(3) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の認識の中止
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当社グループは、資産の効率化や取引関係の見直し等を目的として、その他の包括利益を通じて公正価値で測定
する資本性金融商品の一部を売却しております。
各連結会計年度における売却時の公正価値および売却に係る累積損益(税引前)は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
公正価値 累積損益(税引前) 公正価値 累積損益(税引前)
2,306 △246 625 437
(注) その他の資本の構成要素として認識されていた累積損益は、当該資産を処分した場合および公正価値が著しく
下落した場合にその他の資本の構成要素から利益剰余金へ振替えております。利益剰余金へ振替えたその他の
包括利益の累積損益(税引後)は、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ171百万円、△
305百万円であります。
10.棚卸資産
「棚卸資産」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
商品及び製品 18,389 21,393
半製品及び仕掛品 8,558 9,784
原材料及び貯蔵品 23,329 26,531
合計 50,276 57,708
(注) 前連結会計年度および当連結会計年度に費用として認識された棚卸資産の取得原価は主に「売上原価」に含ま
れております。
費用として認識された棚卸資産の評価減の金額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
(自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 )
至 2023年3月31日 )
評価減の金額 1,349 1,627
11.その他の資産
その他の資産の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
流動資産
前払費用 1,437 1,241
その他 2,900 2,560
合計 4,337 3,801
非流動資産
長期前払費用 128 246
合計 128 246
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12.有形固定資産
(1) 増減表
「有形固定資産」の増減は次のとおりであります。
取得原価
(単位:百万円)
建物 機械装置 工具、器具
土地 建設仮勘定 合計
及び構築物 及び運搬具 及び備品
2021年4月1日 21,996 101,524 184,445 23,217 6,608 337,791
取得 ― 267 560 62 11,650 12,539
売却又は処分 △0 △485 △2,466 △843 △8 △3,802
科目振替 10 4,506 5,372 2,226 △12,114 ―
在外営業活動体
134 2,994 10,095 682 281 14,185
の換算差額
その他 △91 △355 △403 △407 34 △1,222
2022年3月31日 22,049 108,450 197,602 24,937 6,451 359,490
取得 71 180 316 104 15,625 16,295
売却又は処分 △115 △353 △1,642 △942 △103 △3,156
科目振替 111 1,970 5,507 1,609 △9,197 ―
在外営業活動体
169 2,469 7,416 425 158 10,637
の換算差額
その他 ― △7 0 △56 55 △8
2023年3月31日 22,284 112,709 209,200 26,076 12,989 383,259
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減価償却累計額および減損損失累計額
(単位:百万円)
建物 機械装置 工具、器具
土地 建設仮勘定 合計
及び構築物 及び運搬具 及び備品
2021年4月1日 △1,737 △69,342 △147,717 △20,237 △251 △239,284
減価償却費 ― △2,561 △7,588 △1,293 ― △11,441
減損損失 △891 △392 ― △0 ― △1,283
売却又は処分 ― 440 2,344 894 8 3,686
在外営業活動体
△44 △1,948 △7,894 △525 △24 △10,435
の換算差額
その他 ― 30 229 438 25 723
2022年3月31日 △ 2,673 △ 73,772 △ 160,625 △ 20,724 △ 242 △ 258,035
減価償却費 ― △2,645 △7,941 △1,515 ― △12,101
減損損失 ― ― ― ― ― ―
売却又は処分 ― 287 1,544 916 37 2,785
在外営業活動体
△42 △1,856 △6,098 △375 △25 △8,395
の換算差額
その他 ― 9 △270 △1 228 △34
2023年3月31日 △ 2,715 △ 77,977 △ 173,389 △ 21,698 △ 1 △ 275,780
(注) 1 有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に含まれて
おります。
2 減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に計上しております。減損損失の内容については、注記
「15.非金融資産の減損」に記載しております。
帳簿価額
(単位:百万円)
建物 機械装置 工具、器具
土地 建設仮勘定 合計
及び構築物 及び運搬具 及び備品
2021年4月1日 20,259 32,182 36,729 2,979 6,357 98,507
2022年3月31日 19,377 34,678 36,977 4,213 6,210 101,456
2023年3月31日 19,569 34,732 35,811 4,378 12,988 107,479
(2) コミットメント
有形固定資産の取得に関するコミットメントについては、注記「33.コミットメント」に記載しております。
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13.のれんおよびその他の無形資産
(1) 増減表
「のれん」および「その他の無形資産」の増減は次のとおりであります。
取得原価
(単位:百万円)
その他の無形資産
のれん
ソフトウエア その他 合計
2021年4月1日 23,841 5,549 3,103 8,653
取得 ― 8 368 376
売却又は処分 ― △391 △23 △413
科目振替 ― 341 △341 ―
在外営業活動体の
2,359 308 262 570
換算差額
その他 ― 12 △15 △3
2022年3月31日 26,199 5,828 3,354 9,182
取得 ― 114 479 592
売却又は処分 ― △228 △6 △234
科目振替 ― 319 △319 ―
在外営業活動体の
2,306 259 250 509
換算差額
その他 ― ― ― ―
2023年3月31日 28,505 6,292 3,757 10,050
償却累計額および減損損失累計額
(単位:百万円)
その他の無形資産
のれん
ソフトウエア その他 合計
2021年4月1日 △22,644 △3,303 △2,698 △6,001
償却費 ― △599 △46 △645
減損損失 ― △12 ― △12
売却又は処分 ― 382 1 383
在外営業活動体の
△2,295 △234 △242 △477
換算差額
その他 ― 19 39 57
2022年3月31日 △ 24,939 △ 3,748 △ 2,947 △ 6,694
償却費 ― △578 △30 △609
減損損失 ― ― ― ―
売却又は処分 ― 207 5 212
在外営業活動体の
△2,223 △199 △232 △431
換算差額
その他 ― ― ― ―
2023年3月31日 △ 27,162 △ 4,318 △ 3,204 △ 7,522
(注)1 無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に含まれておりま
す。
2 減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に計上しております。減損損失の内容については、注記
「15.非金融資産の減損」に記載しております。
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帳簿価額
(単位:百万円)
その他の無形資産
のれん
ソフトウエア その他 合計
2021年3月31日 1,197 2,247 405 2,652
2022年3月31日 1,260 2,081 407 2,488
2023年3月31日 1,343 1,974 554 2,528
(2) 重要なのれんおよびその他の無形資産の詳細
上記ののれんおよび耐用年数が確定できないその他の無形資産のうち、重要なものは欧州子会社のフェノール樹
脂成形材料事業ののれんであり、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ1,260百万円および
1,343百万円であります。
(3) 研究開発費
研究開発費は、連結損益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に計上しております。前連結会
計年度および当連結会計年度における費用として計上した研究開発費の合計額は、それぞれ10,731百万円、11,582
百万円であります。
14. リース
当社グループは、主にオフィスおよび工場として、国内および海外の土地と建物をリースしております。典型的な
オフィス、工場のリースは1年から20年の契約であり、契約期間終了後に同じ期間リースを延長するオプションが含
まれている契約もあります。
(1) リースに係る費用、キャッシュ・フロー
リースに係る費用、キャッシュ・フローは、次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
使用権資産の種類別の減価償却費
建物及び構築物 849 720
機械装置及び運搬具 52 54
工具、器具及び備品 19 36
土地 215 253
計 1,135 1,064
リース負債に係る金利費用 97 145
短期リースに係る費用 29 45
少額資産のリースに係る費用 533 511
リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額 1,731 1,685
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(2) 使用権資産の内訳
使用権資産の内訳は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
建物及び構築物 2,970 3,309
機械装置及び運搬具 88 61
工具、器具及び備品 76 110
土地 3,829 4,123
合計 6,963 7,603
(注)前連結会計年度および当連結会計年度における使用権資産の取得による増加額は1,148百万円および1,464百万
円であります。
(3) リース負債の測定に反映されていない将来キャッシュ・フロー
当社が潜在的に晒されている将来キャッシュ・フローのうち、リース負債の測定に反映されていない重要なもの
はありません。
(4) リース負債の満期分析
リース負債の満期分析は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
1年以内 1,133 1,359
1年超5年以内 1,798 2,140
5年超 2,850 2,926
割引前のリース負債総額 5,781 6,425
3月31日現在の連結財政状態計算書
(その他の金融負債)に含まれる 4,642 5,311
リース負債の残高
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15. 非金融資産の減損
(1)減損損失
前連結会計年度および当連結会計年度における減損損失は、次のとおりであります。減損損失は、「その他の費
用」に計上しております。当社グループは、原則として事業用資産は会社別・セグメント別にグルーピングしてお
り、遊休資産については物件ごとにグルーピングしております。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
土地 891 ―
建物及び構築物 392 ―
工具、器具及び備品 0 ―
ソフトウェア 12 ―
合計 1,295 ―
前連結会計年度に減損損失を認識した主な資産は次のとおりであります。
(単位:百万円)
所在地 用途 セグメント 種類及び金額
マレーシア フェノール樹脂銅張積層板 高機能プラスチック 建物及び構築物 392
日本 土地の賃貸 その他 土地 886
マレーシア子会社のSNC Industrial Laminates Sdn. Bhd.において営まれているフェノール樹脂銅張積層板事業
については、収益見込みの低下等に伴い事業計画を見直した結果、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少
額392百万円を減損損失として「その他の費用」に認識いたしました。
回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値により算定しており、重要性の高い資産については主にマーケット
アプローチを用いた第三者による不動産鑑定評価額等に基づいて評価しております。なお、公正価値のヒエラル
キーはレベル3であります。
当社が保有し外部へ賃貸している土地について、地価の下落により、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該
減少額886百万円を減損損失として「その他の費用」に認識いたしました。回収可能価額は処分コスト控除後の公正
価値により算定しており、主にインカムアプローチを用いた第三者による不動産鑑定評価額に基づいて評価してお
ります。なお、公正価値ヒエラルキーはレベル3であります。
当連結会計年度に減損損失を認識した資産はありません。
(2)のれんの減損テスト
当社グループの資金生成単位または資金生成単位グループに配分されたのれんは、欧州子会社のVyncolit NVにお
いて営まれているフェノール樹脂成形材料事業ののれんであり、前連結会計年度および当連結会計年度において、
1,260百万円および1,343百万円であります。
フェノール樹脂成形材料資金生成単位の回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。使用価値は、過
去の経験と外部の情報をもとに作成され経営陣によって承認された今後3年間の事業計画を基礎とし、4年目以降
は、3年目の将来キャッシュ・フローが継続するという前提に基づいて算定しております。将来キャッシュ・フ
ローの見積りには、主要な顧客が属する欧州自動車市場の成長に関する予測といった仮定が含まれます。割引率は
16.4%(前連結会計年度:15.8%)を使用しております。
減損テストの結果、回収可能価額は5,710百万円であり、当該資金生成単位の帳簿価額を830百万円上回っていた
ため減損損失は計上しておりません。ただし、仮に割引率が2.7%上昇した場合には、帳簿価額が回収可能価額を上
回ることになります。
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16.法人所得税
(1) 繰延税金資産および繰延税金負債
繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳および増減は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
(単位:百万円)
その他の
純損益を 包括利益 その他
2021年4月1日 2022年3月31日
通じて認識 において (注)
認識
繰延税金資産
減損損失 1,321 222 ― 269 1,813
退職給付に係る負債 775 160 △29 40 945
繰越欠損金 1,471 △1,070 ― 43 444
リース負債 997 △176 ― 52 872
その他 4,788 132 △19 △195 4,706
合計 9,352 △732 △48 209 8,781
繰延税金負債
割増償却 △2,987 70 ― △212 △3,129
圧縮記帳 △2,460 ― ― ― △2,460
有価証券 △3,053 ― 841 △3 △2,215
使用権資産
△1,235 212 ― △71 △1,094
その他 △5,678 △138 △448 0 △6,264
合計 △15,412 144 392 △286 △15,162
(注) 主に在外営業活動体の換算差額によるものであります。
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当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
(単位:百万円)
その他の
純損益を 包括利益 その他
2022年4月1日 2023年3月31日
通じて認識 において (注)
認識
繰延税金資産
減損損失 1,813 △715 ― 92 1,190
退職給付に係る負債 945 △75 18 39 927
繰越欠損金 444 △256 ― 22 210
リース負債 872 △71 ― 31 833
その他 4,706 493 △2 △4 5,193
合計 8,781 △625 16 180 8,353
繰延税金負債
割増償却 △3,129 △103 ― △237 △3,469
圧縮記帳 △2,460 ― ― ― △2,460
有価証券 △2,215 △9 123 △5 △2,106
使用権資産
△1,094 81 ― △73 △1,085
その他 △6,264 △106 △505 3 △6,872
合計 △15,162 △137 △382 △311 △15,991
(注) 主に在外営業活動体の換算差額によるものであります。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金、繰越税額控除および将来減算一時差異は次のとおりであり
ます。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
税務上の繰越欠損金 2,914 1,284
税務上の繰越税額控除 982 917
将来減算一時差異 15,267 14,066
上表以外に、繰延税金資産を認識していない子会社等に対する投資に係る将来減算一時差異の合計額は、前連結
会計年度および当連結会計年度において、それぞれ33,144百万円および32,076百万円であります。
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繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効予定は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
1年目 122 52
2年目 583 ―
3年目 221 ―
4年目 ― ―
5年目以降 1,300 648
無期限 689 584
合計 2,914 1,284
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越税額控除の失効予定は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
1年目 98 11
2年目 11 33
3年目 33 32
無期限 839 841
合計 982 917
繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、前連結会計年度およ
び当連結会計年度において、それぞれ58,136百万円および68,334百万円であります。これらは当社グループが一時
差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことか
ら、繰延税金負債を認識しておりません。
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(2) 法人所得税費用
「法人所得税費用」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
(自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 )
至 2023年3月31日 )
当期税金費用 6,632 5,380
繰延税金費用 588 762
合計 7,220 6,142
当期税金費用の減額に使用した、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異
から生じた便益の額は、当連結会計年度においては329百万円計上されており、当期税金費用に含めて表示しており
ます。前連結会計年度においては54百万円計上されており、当期税金費用に含めて表示しております。
繰延税金費用の減額に使用した、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異
から生じた便益の額は、当連結会計年度においては含まれておりません。前連結会計年度においては172百万円計上
されており、繰延税金費用に含めて表示しております。
繰延税金資産の評価減により生じた繰延税金費用は、当連結会計年度においては含まれておりません。前連結会
計年度においては870百万円計上されており、繰延税金費用に含めて表示しております。
法定実効税率と実際負担税率との差異要因は次のとおりであります。
(単位:%)
前連結会計年度
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
(自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 )
至 2023年3月31日 )
法定実効税率 30.6 30.6
(調整)
交際費等永久に損金に算入されない項目 0.1 0.5
受取配当金等永久に益金に算入されない項目 △0.4 △0.2
未認識の繰延税金資産の増減 6.0 △0.7
連結子会社との税率差異 △6.0 △6.4
税額控除 △3.8 △2.5
その他 1.3 1.8
実際負担税率 27.9 23.0
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17.借入金
「借入金」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
平均利率(%) 返済期限
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
短期借入金 4,647 4,316 1.22 ―
コマーシャル・ペーパー 28,000 15,000 0.00 ―
1年内返済予定の
2,507 2,508 0.63 ―
長期借入金
2024年~
長期借入金 23,467 21,407 0.42
2028年
合計 58,622 43,231 ― ―
流動負債 35,155 21,824 ― ―
非流動負債 23,467 21,407 ― ―
合計 58,622 43,231 ― ―
(注) 借入金は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
平均利率は、借入金の当連結会計年度末の残高に対する加重平均利率を記載しております。
18.営業債務及びその他の債務
「営業債務及びその他の債務」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
支払手形 2,532 2,728
買掛金 35,616 32,098
未払費用 11,777 11,055
その他 6,391 6,945
合計 56,316 52,826
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19.従業員給付
当社グループは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付制度として積立型、非積立型の退職一時金制度、確定
給付企業年金制度等を設けており、確定拠出制度として確定拠出年金制度を設けております。また、当社は退職給付
信託を設定しております。
当社グループの制度資産運用は、年金受給者(将来の年金受給者を含む)に対する給付を確保するために、許容さ
れるリスクの範囲内で制度資産価値の増大を図ることを目的としております。当社グループは、制度資産運用の基本
方針を策定し、その基本方針に基づいて一貫した資産運用を行っております。制度資産の運用にあたっては、投資対
象資産の期待収益率およびリスクを考慮した上で、将来にわたり最適な組み合わせである政策アセットミックスを策
定し、運用担当者の選定、財政状態の定期的な確認、長期運用方針の策定、資産配分状況のモニタリングなどにより
資産運用状況を管理しております。政策アセットミックスは、設定した当初前提からの市場環境の変化や積立状況の
変化に対応するため、定期的に見直しを行っております。
(1) 確定給付制度
① 確定給付制度債務および制度資産の調整表
確定給付制度債務および制度資産と連結財政状態計算書に計上された確定給付負債および資産の純額との関
係は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
積立型の確定給付制度債務の現在価値 36,225 34,984
制度資産の公正価値 △39,709 △39,881
小計 △3,484 △4,897
非積立型の確定給付制度債務の現在価値 2,132 2,151
確定給付負債及び資産の純額 △1,352 △2,746
連結財政状態計算書上の金額
退職給付に係る負債 4,148 4,031
退職給付に係る資産 △5,500 △6,777
連結財政状態計算書に計上された確定給付負債
△1,352 △2,746
及び資産の純額
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② 確定給付制度債務の現在価値の調整表
確定給付制度債務の現在価値の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
(自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 )
至 2023年3月31日 )
確定給付制度債務の現在価値の期首残高 37,517 38,357
勤務費用 1,583 1,491
利息費用 244 307
過去勤務費用 ― △124
再測定 △692 △1,856
人口統計上の仮定の変化により生じた数理計算上
△16 9
の差異
財務上の仮定の変化により生じた数理計算上の
△590 △2,181
差異
実績の修正により生じた数理計算上の差異 △86 316
給付支払額 △1,510 △1,411
在外営業活動体の換算差額 490 357
その他 726 15
確定給付制度債務の現在価値の期末残高 38,357 37,135
前連結会計年度におけるその他は、主に住友ファーマ株式会社(2022年4月1日付で大日本住友製薬株式会社
から社名変更)からの従業員の転籍に伴う移管によるものです。
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、次のとおりであります。
(単位:年)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
10.5 9.5
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③ 制度資産の公正価値の調整表
制度資産の公正価値の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
(自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 )
至 2023年3月31日 )
制度資産の公正価値の期首残高 37,113 39,709
利息収益 218 288
再測定 1,419 △270
制度資産に係る収益 1,419 △270
事業主からの拠出金 1,278 1,139
給付支払額 △1,305 △1,208
在外営業活動体の換算差額 372 195
その他 614 29
制度資産の公正価値の期末残高 39,709 39,881
前連結会計年度におけるその他は、主に住友ファーマ株式会社からの従業員の転籍に伴う移管によるもので
す。
当社グループは、翌連結会計年度(2024年3月期)に1,213百万円の掛金を拠出する予定であります。
当社グループは、法令の定めに従い、将来の給付発生に対する充当や積立不足がある場合の年金財政の均衡保
持を目的として、定期的に財政検証を行うと共に、掛金拠出額の再計算を行っております。
④ 制度資産の項目ごとの内訳
制度資産の主な項目ごとの内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
活発な市場 活発な市場 活発な市場 活発な市場
価格のある 価格のない 合計 価格のある 価格のない 合計
資産 資産 資産 資産
現金及び現金同等物 626 ― 626 820 ― 820
資本性金融商品 ― 13,967 13,967 ― 14,558 14,558
負債性金融商品 ― 22,644 22,644 ― 22,188 22,188
その他 ― 2,471 2,471 ― 2,316 2,316
合計 626 39,083 39,709 820 39,061 39,881
上記の資本性金融商品および負債性金融商品は、主に信託銀行による合同運用投資で、投資資産の公正価値に
基づき信託銀行が計算した純資産価値を用いて評価しており、活発な市場価格のない資産に分類しております。
⑤ 主な数理計算上の仮定
数理計算に用いた主な仮定は次のとおりであります。
(単位:%)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
割引率(加重平均による) 0.89 1.47
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⑥ 感応度分析
数理計算に用いた割引率が0.1%変動した場合に、確定給付制度債務の現在価値に与える影響は次のとおりであ
ります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
割引率が0.1%上昇した場合 △291 △264
割引率が0.1%低下した場合 296 268
(注) 感応度分析における確定給付制度債務の算定にあたっては、連結財政状態計算書で認識されている確定給付制
度債務の算定方法と同一の方法を適用しております。感応度分析は期末日において合理的に推測し得る仮定の
変動に基づき行っております。また、感応度分析は分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計
算上の仮定が一定であることを前提としておりますが、実際には他の数理計算上の仮定の変化が影響する可能
性があります。
(2) 確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として認識された金額は、前連結会計年度が280百万円、当連結会計年度が324百万円
であります。
(3) 従業員給付費用
前連結会計年度および当連結会計年度における連結損益計算書の「売上原価」「販売費及び一般管理費」および
「その他の費用」に含まれる従業員給付費用の合計額は、それぞれ53,196百万円および56,323百万円であります。
20.引当金
「引当金」の内訳および増減は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
(単位:百万円)
資産除去債務 製品保証引当金 合計
期首残高 687 1,046 1,734
期中増加額 3 52 55
期中減少額(目的使用) △105 △286 △391
期中減少額(戻入) ― ― ―
その他 37 ― 37
期末残高 622 812 1,435
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
(単位:百万円)
資産除去債務 製品保証引当金 合計
期首残高 622 812 1,434
期中増加額 16 156 172
期中減少額(目的使用) △54 △163 △217
期中減少額(戻入) ― △2 △2
その他 35 ― 35
期末残高 619 803 1,423
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「引当金」の連結財政状態計算書における内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
流動負債 200 194
非流動負債 1,235 1,229
合計 1,435 1,423
資産除去債務
固定資産に関連する有害物質の除去費用見込額および賃借契約終了時に原状回復義務のある賃借事務所等の原状
回復費用見込額について、資産除去債務を計上しております。これらの債務は主に1年以上経過した後に支払われ
ることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
製品保証引当金
将来の製品保証に伴う支出に備えるため、個別案件に対する見積額および売上収益に対する過去の実績率を基準
とした見積額を計上しております。これらの債務は主に1年以上経過した後に支払われることが見込まれておりま
す。
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21.資本およびその他の資本項目
(1) 資本金および資本剰余金
授権株式数、発行済株式数および資本金等の残高の増減は次のとおりであります。
授権株式数 発行済株式数
資本金 資本剰余金
(百万円) (百万円)
(株) (株)
前連結会計年度期首( 2021年4月1日 ) 160,000,000 49,590,478 37,143 35,137
期中増減 ― ― ― ―
前連結会計年度末( 2022年3月31日 ) 160,000,000 49,590,478 37,143 35,137
期中増減 ― ― ― ―
当連結会計年度末( 2023年3月31日 ) 160,000,000 49,590,478 37,143 35,137
(注) 当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込済み
となっております。
(2) 自己株式
自己株式数および残高の増減は次のとおりであります。
株式数(株) 金額(百万円)
前連結会計年度期首( 2021年4月1日 ) 2,532,997 △6,785
期中増減 1,730 △9
前連結会計年度末( 2022年3月31日 ) 2,534,727 △6,794
期中増減 1,190 △5
当連結会計年度末( 2023年3月31日 ) 2,535,917 △6,799
(3) 各種剰余金の内容および目的
① 資本剰余金
会社法では、株式の発行に対しての払込みまたは給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金
に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。また会社法では、資本準備金は株主総会の
決議により、資本金に組み入れることができます。
② 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金および利益準備金の合計額が
資本金の4分の1に達するまで資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されております。積み
立てられた利益準備金は、欠損補填に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取崩すこと
ができることとされております。
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(4) その他の資本の構成要素の内容および目的
在外営業活動体の換算差額
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額であります。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジにおけるヘッジ手段に係る利得または損失のうち有効部分であります。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の変動額
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の評価差額であります。
確定給付制度の再測定
確定給付制度の再測定は、数理計算上の差異および制度資産に係る収益(利息収益に含まれる金額を除く)の
変動額であります。これについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰
余金に直ちに振替えております。
22.配当金
配当金の支払額は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2021年6月24日
普通株式 2,118 45.00 2021年3月31日 2021年6月25日
定時株主総会
2021年10月29日
普通株式 2,353 50.00 2021年9月30日 2021年12月1日
取締役会
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2022年6月23日
普通株式 2,823 60.00 2022年3月31日 2022年6月24日
定時株主総会
2022年10月31日
普通株式 2,823 60.00 2022年9月30日 2022年12月1日
取締役会
配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
配当金の総額 1株当たり
決議 株式の種類 配当の原資 基準日 効力発生日
(百万円) 配当額(円)
2022年6月23日
普通株式 2,823 利益剰余金 60.00 2022年3月31日 2022年6月24日
定時株主総会
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
配当金の総額 1株当たり
決議 株式の種類 配当の原資 基準日 効力発生日
(百万円) 配当額(円)
2023年6月22日
普通株式 3,294 利益剰余金 70.00 2023年3月31日 2023年6月23日
定時株主総会
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23.売上収益
(1) 分解した収益とセグメント収益の関連
主たる地域市場における売上収益の分解と報告セグメントの関連は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
(単位:百万円)
高機能 クオリティオブ
半導体関連材料 その他 合計
プラスチック ライフ関連製品
日本 5,167 23,303 73,489 639 102,599
中国 26,942 20,397 4,985 ― 52,324
その他アジア 39,681 12,657 5,790 ― 58,128
北米 1,488 15,964 7,860 ― 25,312
欧州その他 2,508 19,923 2,321 ― 24,752
合計 75,787 92,244 94,444 639 263,114
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、セグメント間の内部取引控除後の金額を表示しております。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
(単位:百万円)
高機能 クオリティオブ
半導体関連材料 その他 合計
プラスチック ライフ関連製品
日本 5,586 24,178 78,138 775 108,677
中国 26,577 18,515 4,003 ― 49,095
その他アジア 42,633 14,325 6,913 ― 63,872
北米 1,606 21,955 10,022 ― 33,583
欧州その他 3,138 23,377 3,197 ― 29,713
合計 79,540 102,351 102,273 775 284,939
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、セグメント間の内部取引控除後の金額を表示しております。
当社グループは、半導体関連材料、高機能プラスチック、クオリティオブライフ関連製品およびその他の事業を有
する製造業であります。これらのビジネスでは、当社グループ自体が顧客との契約主体となります。
当社グループ各事業の主要な顧客に対して計上される収益の履行義務は、当社グループの製品が顧客へ納品された
時点で充足されるものであり、通常この時点で収益を計上しております。これは当社グループの製品が納品された時
点で、顧客は自己の意思で製品を使用、売却することができるようになり、そこから生じる便益を得ることができる
ことから、製品の支配が移転したと考えられるためであります。
顧客への納品後、1年以内に支払を受けているため、約束した対価の金額に重要な金融要素は含まれておりませ
ん。
当社グループは、いずれの事業においても、各顧客との取引開始時点で製品の取引価格を決定しております。取引
には、数ヶ月から1年までの一定期間の取引数量等に応じた割戻しや販売手数料を支給するものがありますが、これ
らの変動対価の金額には重要性はありません。
製品保証は、いずれの事業においても、販売時に存在していた欠陥を修理する以上のサービスを提供する等のサー
ビス型の製品保証は提供していないため、製品保証を独立した履行義務として区別せず、取引価格の一部を製品保証
に配分しておりません。
当社グループと顧客の間に重要な返品に係る契約はありません。
(2) 契約残高
当社グループの契約残高は、顧客との契約から生じた債権(受取手形および売掛金)のみであり、残高は注記「8.
営業債権及びその他の債権」に記載しております。
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(3) 残存履行義務に配分する取引価格
当社グループにおいては、個別の契約期間が1年を超える重要な取引はないことから、残存履行義務に配分した取
引価格の開示は省略しております。
(4) 顧客との契約の獲得または履行のためのコストから認識した資産
当社グループにおいては、資産として認識しなければならない、契約を獲得するための増分コスト、および履行に
かかるコストはありません。また、実務上の便法を適用し、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、
契約の獲得分の増分コストを発生時に費用として認識しております。
24.販売費及び一般管理費
「販売費及び一般管理費」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
(自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 )
至 2023年3月31日 )
従業員給付費用 23,753 24,151
荷造運搬費 11,087 10,955
減価償却費及び償却費 4,120 4,011
その他 14,957 16,788
合計 53,917 55,905
25.その他の収益および費用
「その他の収益」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
(自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 )
至 2023年3月31日 )
貸倒引当金戻入額 ― 63
受取補償金 ― 47
賃貸料 73 37
その他 77 96
合計 150 243
「その他の費用」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
(自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 )
至 2023年3月31日 )
減損損失 (注) 1,295 ―
固定資産処分損 169 250
寄付金 97 95
災害による損失 1 88
その他 191 434
合計 1,753 868
(注) 減損損失については、注記「15. 非金融資産の減損」に記載しております。
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26.金融収益および金融費用
「金融収益」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
(自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 )
至 2023年3月31日 )
受取利息
償却原価で測定する金融資産 379 1,326
受取配当金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
807 1,062
資本性金融商品
為替差益 105 ―
合計 1,291 2,388
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に係る受取配当金の内訳は、次のとおりでありま
す。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
期中に認識を中止した金融資産 17 33
決算日現在で保有している金融資産 790 1,029
合計 807 1,062
「金融費用」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
(自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 )
至 2023年3月31日 )
支払利息
償却原価で測定する金融負債 200 186
リース負債 97 145
為替差損 ― 144
合計 298 475
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27.その他の包括利益
「その他の包括利益」の各項目別の当期発生額および純損益への組替調整額、ならびに「法人所得税費用」の影響
は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
(単位:百万円)
当期発生額 組替調整額 税引前 法人所得税費用 税引後
純損益に振替えられることのない
項目
その他の包括利益を通じて
△1,052 ― △1,052 302 △750
公正価値で測定する金融資産の
変動額
確定給付制度の再測定 2,111 ― 2,111 △428 1,683
純損益に振替えられる
1,059 ― 1,059 △126 932
ことのない項目合計
純損益に振替えられる可能性
のある項目
キャッシュ・フロー・ヘッジ 88 △2 86 △26 60
在外営業活動体の換算差額 14,980 ― 14,980 ― 14,980
純損益に振替えられる
15,068 △2 15,067 △26 15,040
可能性のある項目合計
合計 16,127 △2 16,126 △153 15,973
上記のうち、非支配持分に帰属する金額は次のとおりであります。
在外営業活動体の換算差額等 213
合計 213
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
(単位:百万円)
当期発生額 組替調整額 税引前 法人所得税費用 税引後
純損益に振替えられることのない
項目
その他の包括利益を通じて
△121 ― △121 37 △84
公正価値で測定する金融資産の
変動額
確定給付制度の再測定 1,585 ― 1,585 △512 1,073
純損益に振替えられる
1,465 ― 1,465 △475 989
ことのない項目合計
純損益に振替えられる可能性
のある項目
キャッシュ・フロー・ヘッジ 169 △154 15 △5 10
在外営業活動体の換算差額 10,013 ― 10,013 ― 10,013
純損益に振替えられる
10,182 △154 10,028 △5 10,023
可能性のある項目合計
合計 11,646 △154 11,493 △480 11,013
上記のうち、非支配持分に帰属する金額は次のとおりであります。
在外営業活動体の換算差額等 76
合計 76
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28.1株当たり利益
「基本的1株当たり当期利益」の算定上の基礎は、次のとおりであります。
なお、希薄化効果を有する潜在的普通株式はありません。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 18,299 20,289
発行済普通株式の加重平均株式数(千株) 47,057 47,055
基本的1株当たり当期利益(円) 388.86 431.19
29.金融商品
(1) 資本管理
当社グループの資本管理は、経営の健全性・効率性を維持し、持続的な成長を実現するため、事業のリスクとリ
ターンに見合った適正な資本水準を維持することを基本方針としております。
そのために、当社グループは自己資本の効率性を重視し、親会社所有者帰属持分比率、親会社所有者帰属持分利
益率(ROE)を主要な指標に用いております。自己資本は、親会社の所有者に帰属する持分であります。
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
自己資本(百万円) 229,784 255,358
親会社所有者帰属持分比率(%) 62.0 67.5
親会社所有者帰属持分利益率(%) 8.5 8.4
なお、当社グループにおいて、外部から課されている自己資本に対する規制はありません。
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(2) 金融商品の分類
当社グループにおける金融商品の分類ごとの帳簿価額は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
金融資産
償却原価で測定する金融資産
現金及び現金同等物 109,217 99,620
営業債権及びその他の債権 59,414 60,954
その他の金融資産 1,120 1,892
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
金融資産
その他の金融資産 25,557 24,894
純損益を通じて公正価値で測定する
金融資産
その他の金融資産 909 1,479
合計 196,217 188,838
金融負債
償却原価で測定する金融負債
営業債務及びその他の債務(注) 51,380 47,917
借入金 58,622 43,231
純損益を通じて公正価値で測定する
金融負債
その他の金融負債 359 79
合計 110,360 91,226
(注) 連結財政状態計算書の「営業債務及びその他の債務」のうち、金融負債に該当しないものを除外しておりま
す。
前連結会計年度および当連結会計年度における連結財政状態計算書の「その他の金融負債」には上表のほか、
リース負債4,642百万円および5,311百万円が含まれております。
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(3) 財務上のリスク管理
当社グループは、経営活動を行う過程において、信用リスク、流動性リスク、市場リスク(為替リスク、金利リス
ク、市場価格の変動リスク)等の様々なリスクに晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、リスク管理
を行っております。
① 信用リスク管理
当社グループは、保有する金融資産の相手先の債務が不履行になることにより、主に営業債権(売掛金、受取
手形等)および営業債権以外の債権(貸付金等)が回収不能になるリスクに晒されております。
当社は債権管理について定めた営業債権管理規程に従い、営業債権について主要な取引先の状況を定期的にモ
ニタリングし、取引相手ごとに期日および残高を管理するとともに、財務状況等の悪化等による取引先の信用リ
スクの早期把握や軽減を図っております。
連結子会社においても、当社の営業債権管理規程に準じて、同様の管理を行っております。
デリバティブ取引は、取引先が信用力の高い金融機関のみであることから、信用リスクは限定的であります。
予想信用損失の金額は、次のように測定しております。
・営業債権
重大な金融要素が含まれていないことから単純化したアプローチに基づき、債権を相手先の信用リスク特性
に応じて区分し、その区分に応じて測定した過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引
当率を総額の帳簿価額に乗じて測定しております。
・営業債権以外の債権
原則的なアプローチに基づき、信用リスクが著しく増大していると判定されていない債権については、同種
の資産の過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を総額の帳簿価額に乗じて測定
しております。信用リスクが著しく増大していると判定された金融資産および信用減損金融資産については、
見積将来キャッシュ・フローを当該資産の当初の実効金利で割り引いた現在価値の額と、総額の帳簿価額との
差額をもって算定しております。
保有する担保およびその他の信用補完を考慮に入れない場合の信用リスクに対する最大エクスポージャーは、
連結財政状態計算書に表示されている帳簿価額であります。当社グループは、一部の営業債権に対する担保とし
て主に預り保証金を保有しており、金額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
預り保証金等 2,024 1,981
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損失評価引当金の認識対象となる金融資産の総額の帳簿価額および損失評価引当金は次のとおりであります。
なお、全期間の予想信用損失に等しい金額で測定している金融資産の信用リスク格付けは、12ヶ月の予想信用
損失で測定している金融資産の信用リスク格付けに比べて相対的に低く、単純化したアプローチを適用した金融
資産の信用リスク格付けは、主として12ヶ月の予想信用損失で測定している金融資産の信用リスク格付けに相当
します。同一区分内における金融資産の信用リスク格付けは概ね同一であります。
(a) 営業債権
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
総額の帳簿価額 59,473 60,885
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
損失評価引当金
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
期首残高 144 138
増加 7 4
減少 △24 △62
在外営業活動体の換算差額 11 6
期末残高 138 86
(b) 営業債権以外の債権
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
総額の帳簿価額
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で
279 386
測定している金融資産
全期間の予想信用損失に等しい金額で
2,010 ―
測定している金融資産
合計 2,289 386
(注) 全期間の予想信用損失に等しい金額で測定している金融資産は、信用減損している金融資産であります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
損失評価引当金
12ヶ月の予想信用損失 全期間の予想信用損失 12ヶ月の予想信用損失 全期間の予想信用損失
に等しい金額で測定 に等しい金額で測定 に等しい金額で測定 に等しい金額で測定
している金融資産 している金融資産 している金融資産 している金融資産
期首残高 ― 1,688 ― 1,868
増加 ― ― ― ―
減少 ― ― ― △1,800
ステージ変更 ― ― ― ―
その他 ― 180 ― △68
期末残高 ― 1,868 ― ―
(注) 全期間の予想信用損失に等しい金額で測定している金融資産は、信用減損している金融資産であります。
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② 流動性リスク管理
流動性リスクは、当社グループが期限の到来した金融負債の返済義務を履行するにあたり、支払期日にその支
払を実行できなくなるリスクであります。
当社グループでは、定期的に資金計画を作成・更新するとともに、手元資金とコマーシャル・ペーパー等によ
り、適切な手元流動性を確保することで流動性リスクを管理しております。
主な金融負債の期日別残高は次のとおりであります。
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
キャッ
帳簿価額 1年以内 5年超
シュ・フ 2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
ロー
営業債務及びその他の債務 51,380 51,380 51,380 ― ― ― ― ―
短期借入金 4,647 4,677 4,677 ― ― ― ― ―
コマーシャル・ペーパー 28,000 27,994 27,994 ― ― ― ― ―
長期借入金 25,974 25,661 2,622 2,608 7,304 2,051 5,534 5,541
デリバティブ負債 359 359 359 ― ― ― ― ―
(注) 金利通貨スワップについては、一部の長期借入金の元本および金利の金利リスクと為替リスクをヘッジする目
的でヘッジ手段として指定されていることから、長期借入金の契約上のキャッシュ・フローにその影響を加味
して表示し、デリバティブ負債からは除外しております。
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
キャッ
帳簿価額 1年以内 5年超
シュ・フ 2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
ロー
営業債務及びその他の債務 47,917 47,917 47,917 ― ― ― ― ―
短期借入金 4,316 4,369 4,369 ― ― ― ― ―
コマーシャル・ペーパー 15,000 15,000 15,000 ― ― ― ― ―
長期借入金 23,915 23,041 2,609 7,304 2,051 5,535 21 5,521
デリバティブ負債 79 79 79 ― ― ― ― ―
(注) 金利通貨スワップについては、一部の長期借入金の元本および金利の金利リスクと為替リスクをヘッジする目
的でヘッジ手段として指定されていることから、長期借入金の契約上のキャッシュ・フローにその影響を加味
して表示し、デリバティブ負債からは除外しております。
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③ 市場リスク管理
(a) 為替リスク管理
当社グループは、国際的に事業活動を行っており、米ドルを中心とした為替リスクに晒されております。
当社および一部の連結子会社は、為替リスクを回避する目的で、為替予約取引および金利通貨スワップ取引
を利用しております。ヘッジ会計の要件を満たす取引については、ヘッジ会計を適用しております。
なお、当社グループは、取引の対象物の価格変動に対する当該取引の時価変動率が大きい取引(レバレッジの
効いたデリバティブ取引)は利用しておりません。
為替リスクのエクスポージャー
当社グループの為替リスクに対するエクスポージャー(純額)は次のとおりであります。なお、為替予約等
により、実質的に円貨が固定された部分を除いております。
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
米ドル △21,269千米ドル △4,465千米ドル
為替感応度分析
各報告期間において、日本円が米ドルに対して1%円高になった場合に、連結損益計算書の税引前利益に与
える影響は次のとおりであります。また、その他すべての変数が一定であることを前提として、日本円が米ド
ルに対して1%円安になった場合は、以下の表と同額で反対の影響があります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
(自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 )
至 2023年3月31日 )
税引前利益 26 6
(b) 金利リスク管理
当社グループは、変動金利による資金調達を行っているため、金利リスクに晒されております。
当社グループは、金利リスクを回避する目的で、金利スワップおよび金利通貨スワップを利用しておりま
す。また、ヘッジ会計の要件を満たす取引については、ヘッジ会計を適用しております。
金利感応度分析
各報告期間において、金利が1%上昇した場合に、連結損益計算書の税引前利益に与える影響は次のとおり
であります。
ただし、本分析においては、その他の変動要因(残高、為替レート等)は一定であることを前提としておりま
す。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
(自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 )
至 2023年3月31日 )
税引前利益 △290 △179
125/157
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(c) 市場価格の変動リスク管理
当社グループは、資本性金融商品から生じる株価の変動リスクに晒されております。
当社グループは、市場価格の変動リスクを抑制するために、定期的に時価や取引先企業の財務状況等を把握
し、取引先企業との関係を勘案して保有状況の継続的な見直しを行っております。
当社グループが、期末日現在において保有する資本性金融商品の市場価格が10%下落した場合に、その他の
包括利益(税効果考慮前)が受ける影響は、次のとおりであります。
ただし、本分析においては、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
(自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 )
至 2023年3月31日 )
その他の包括利益(税効果考慮前) △1,948 △1,865
(4) 金融商品の公正価値
公正価値は用いられる評価技法のインプットに基づいて、以下の3つのレベルに区分しております。
レベル1:活発な市場における同一の資産または負債の市場価格により算出された公正価値
レベル2:レベル1以外の観察可能な価格を直接または間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
① 公正価値の測定方法
金融商品の公正価値の測定方法は次のとおりであります。
(借入金)
借入金は、将来キャッシュ・フローを新規に同様の契約を実行した場合に想定される利率で割り引いた現在価
値により算定し、公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類しております。
(その他の金融資産等)
上場株式の公正価値については、期末日の市場価格により算定し、公正価値ヒエラルキーのレベル1に分類し
ております。非上場株式の公正価値については、当社グループの定める最も適切かつ関連性の高い入手可能な
データを利用するための方針と手続に基づき、当該投資先の将来の収益性の見通し、純資産価値等の定量的な情
報を総合的に考慮した適切な評価方法により算定し、公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類しております。
デリバティブは取引先金融機関から提示された価格に基づいて算定し、公正価値ヒエラルキーのレベル2に分
類しております。
② 金融商品の帳簿価額と公正価値
金融商品の帳簿価額と公正価値は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
負債:
償却原価で測定する金融負債
借入金 58,622 58,773 43,231 43,339
(注) 帳簿価額が公正価値、または公正価値の合理的な近似値となっている金融商品は上表には含めておりません。
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③ 公正価値ヒエラルキー
公正価値で測定する金融資産および金融負債の公正価値ヒエラルキーのレベル別の内訳は次のとおりでありま
す。公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各報告期間の末日において認識しております。
前連結会計年度( 2022年3月31日 )
(単位:百万円)
レベル1 レベル2 レベル3 合計
資産:
純損益を通じて公正価値で
測定する金融資産
ヘッジ会計を適用していない
― 20 ― 20
デリバティブ
ヘッジ会計を適用している
― 651 ― 651
デリバティブ
資本性金融商品 ― ― 0 0
負債性金融商品 ― ― 238 238
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する金融資産
資本性金融商品 19,476 ― 6,082 25,557
資産合計 19,476 671 6,320 26,466
負債:
純損益を通じて公正価値で
測定する金融負債
ヘッジ会計を適用していない
― 359 ― 359
デリバティブ
ヘッジ会計を適用している
― ― ― ―
デリバティブ
負債合計 ― 359 ― 359
(注) 公正価値ヒエラルキーのレベル1とレベル2の間の重要な振替はありません。
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当連結会計年度( 2023年3月31日 )
(単位:百万円)
レベル1 レベル2 レベル3 合計
資産:
純損益を通じて公正価値で
測定する金融資産
ヘッジ会計を適用していない
― 93 ― 93
デリバティブ
ヘッジ会計を適用している
― 1,112 ― 1,112
デリバティブ
資本性金融商品 ― ― 0 0
負債性金融商品 ― ― 274 274
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する金融資産
資本性金融商品 18,646 ― 6,248 24,894
資産合計 18,646 1,204 6,522 26,373
負債:
純損益を通じて公正価値で
測定する金融負債
ヘッジ会計を適用していない
― 79 ― 79
デリバティブ
ヘッジ会計を適用している
― ― ― ―
デリバティブ
負債合計 ― 79 ― 79
(注) 公正価値ヒエラルキーのレベル1とレベル2の間の重要な振替はありません。
レベル3に分類された金融商品の期首残高から期末残高への調整表
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
期首残高 6,473 6,320
利得及び損失
純損益 △6 ―
その他の包括利益 106 95
購入等 ― 28
売却等 △340 ―
在外営業活動体の換算差額 87 80
レベル3への振替 ― ―
レベル3からの振替 ― ―
期末残高 6,320 6,522
(注)純利益に認識された利得および損失は、連結損益計算書上の「金融収益」および「金融費用」に含まれており
ます。その他の包括利益に認識された利得および損失は、連結包括利益計算書上の「その他の包括利益を通じ
て公正価値で測定する金融資産の変動額」に含まれております。
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(5) デリバティブ
(キャッシュ・フロー・ヘッジ)
当社は、一部の借入を変動金利借入、外貨建変動金利借入により行っており、その範囲で支払金利の変動リスク
および為替の変動リスクに晒されております。これらのリスクに対するヘッジを目的とした金利スワップおよび金
利通貨スワップを締結し、これらの借入を実質的に固定金利借入および円貨の固定金利借入に転換、キャッシュ・
フローの支払額を固定化するリスク管理戦略を採用しております。
これらの借入金の元本および金利の金利リスクと為替リスクをヘッジ対象として指定し、金利スワップと金利通
貨スワップから通貨ベーシス・スプレッドを除いた部分をヘッジ手段として指定することをヘッジ方針としており
ます。また、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係性およびリスク管理方針に照らしてヘッジ比率を1:1に設定
しております。
上記リスクに対するヘッジ会計の適用にあたっては、ヘッジ対象とヘッジ手段の経済的関係の確認を金利スワッ
プについては参照金利、金利期間、金利改定日および満期ならびに想定元本または額面に基づいて、金利通貨ス
ワップについては関連するキャッシュ・フローの通貨、金額および発生時期に基づいて判断しております。各ヘッ
ジ関係において指定したデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を有効に相殺し、今後も有効に相
殺する見通しか否かを、仮想デリバティブ法を用いて評価しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ手段として指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動はヘッジが有効な範囲に
おいてその他の包括利益として認識し、その他の資本の構成要素に含まれており、ヘッジ対象が純損益に認識され
た時点で純損益へ振替えております。
現在ヘッジを適用しているヘッジ関係においては、ヘッジ手段とヘッジ対象の重要な条件はすべて一致しており
ます。よって、ヘッジ関係におけるヘッジの非有効部分の主な発生原因は、為替ならびに金利の変動に起因する
ヘッジ対象のキャッシュ・フローの公正価値の変動に反映されていない、取引相手および当社グループ自身の信用
リスクが金利通貨スワップの公正価値に及ぼす影響に限定されると考えており、また実際に前連結会計年度および
当連結会計年度において重要な非有効部分は発生しておりません。
なお、各連結会計年度において、予定取引が当初予定していた時期までに実行されないためにキャッシュ・フ
ロー・ヘッジを終了したものはありません。
① ヘッジ会計を適用しているヘッジ手段の想定元本
各連結会計年度において、ヘッジ会計を適用しているヘッジ手段に係る想定元本は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
取引の種類
1年以内 1年超 1年以内 1年超
金利スワップ ― ― ― ―
金利通貨スワップ ― 4,210 ― 4,210
合計 ― 4,210 ― 4,210
(注) 前連結会計年度の金利通貨スワップにおける平均利率は0.39%、平均レートは1米ドルあたり105.25円であり
ます。また、これらのヘッジ手段およびヘッジ対象はすべてLIBORに連動しております。
当連結会計年度の金利通貨スワップにおける平均利率は0.39%、平均レートは1米ドルあたり105.25円であり
ます。また、これらのヘッジ手段およびヘッジ対象はすべてLIBORに連動しております。
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② ヘッジ会計を適用しているヘッジ手段に係る公正価値
ヘッジ会計を適用しているヘッジ手段に係るヘッジ種類別の公正価値は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
連結財政状態
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
取引の種類
計算書の表示科目
資産 負債 資産 負債
その他の金融資産
金利スワップ ― ― ― ―
その他の金融負債
その他の金融資産
金利通貨スワップ 651 ― 1,112 ―
その他の金融負債
合計 651 ― 1,112 ―
③ その他の資本の構成要素
その他の資本の構成要素の増減は次のとおりであります。
(a) 金利スワップ
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
期首 △4 ―
当期発生額 0 ―
当期利益への組替調整額 (注)
4 ―
期末 ― ―
(注) 税効果考慮前の金額は、前連結会計年度で6百万円であり、連結損益計算書上の「金融費用」に含まれており
ます。
(b) 金利通貨スワップ
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
期首 △107 △52
当期発生額 61 117
当期利益への組替調整額 (注)
△5 △107
期末 △52 △41
(注) 税効果考慮前の金額は、前連結会計年度および当連結会計年度で△7百万円および△154百万円であり、連結損
益計算書上の「金融費用」に含まれております。
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④ 金利指標改革による不確実性
2021年3月期より、当社グループは、「金利指標改革-フェーズ1」(IFRS第9号「金融商品:認識と測定」
(以下、IFRS第9号)およびIFRS第7号「金融商品:開示」(以下、IFRS第7号)の修正)を適用しました。本修
正は、金利指標改革の結果としてヘッジ対象またはヘッジ手段が修正される前に、不確実性の期間中に影響を受け
るヘッジに対してヘッジ会計を継続することを認めるように、特定のヘッジ会計の要求事項を変更しています。
前連結会計年度に、当社グループは、「金利指標改革-フェーズ2」(IFRS第9号、IFRS第7号)を適用しまし
た。本修正を適用することで、当社グループは、財務諸表利用者に有益な情報を提供しない会計上の影響を与える
ことなく、銀行間取引金利(IBOR)から代替的な指標金利への移行の影響を反映することができます。
当社グループは、米ドルLIBORおよび円LIBORに連動する変動金利債務を有しており、金利通貨スワップを利用し
たキャッシュ・フロー・ヘッジを行っております。本修正は、金利指標改革によりキャッシュ・フロー・ヘッジの
時期および金額について不確実性が生じる場合であっても、ヘッジ会計の継続を認めています。
当連結会計年度において当社グループが管理しているリスク・エクスポージャーのうち、金利指標改革の影響を
直接に受けるものは、「① ヘッジ会計を適用しているヘッジ手段の想定元本」に記載のとおりであります。
当社グループは、LIBORの代替となる金利指標への移行に向け、当社の財務担当部署において金利指標改革の動向
を随時モニタリングし、適切に判断・対応を行っております。
当社グループは、LIBORを参照する当社グループの契約が、金利指標が置き換えられる時期、後継金利のキャッ
シュ・フローおよび関連するスプレッド調整が改定されるまで、この不確実性は終わらないと想定しております。
30.子会社
当社の連結子会社は「第1 企業の概況 4.関係会社の状況」に記載しております。
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31.財務活動から生じた負債の変動
財務活動から生じた負債の変動は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )
(単位:百万円)
キャッシュ・フローを伴わない変動
キャッシュ・
項目 期首残高 フローを伴う 期末残高
公正価値の
取得 為替変動 その他
変動
変動
短期借入金 4,445 91 ― ― 112 ― 4,647
コマーシャル・ペーパー 19,000 9,000 ― ― ― ― 28,000
長期借入金 48,420 △22,915 ― ― 469 ― 25,974
デリバティブ資産(△)
△485 226 ― △467 ― ― △726
又は負債
リース負債 4,883 △1,072 769 ― 326 △265 4,642
合計 76,263 △14,670 769 △467 907 △265 62,538
(注) 1 長期借入金には、1年内返済予定長期借入金を含めております。
2 デリバティブは、長期借入金をヘッジする目的で保有しているものであります。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 )
(単位:百万円)
キャッシュ・フローを伴わない変動
キャッシュ・
項目 期首残高 フローを伴う 期末残高
公正価値の
取得 為替変動 その他
変動
変動
短期借入金 4,647 △411 ― ― 80 ― 4,316
コマーシャル・ペーパー 28,000 △13,000 ― ― ― ― 15,000
長期借入金 25,974 △2,507 ― ― 448 ― 23,915
デリバティブ資産(△)
△726 ― ― △446 ― ― △1,171
又は負債
リース負債 4,642 △985 1,448 ― 295 △90 5,311
合計 62,538 △16,902 1,448 △446 823 △90 47,371
(注) 1 長期借入金には、1年内返済予定長期借入金を含めております。
2 デリバティブは、長期借入金をヘッジする目的で保有しているものであります。
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32.関連当事者
主要な経営幹部に対する報酬
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
(自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 )
至 2023年3月31日 )
短期従業員給付 564 499
合計 564 499
33.コミットメント
決算日以降の支出に関するコミットメントは次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
有形固定資産の取得 2,342 3,512
合計 2,342 3,512
34.後発事象
(自己株式の取得)
当社は、2023年5月15日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第
156条の規定に基づき、自己株式を取得することを決議いたしました。
(1) 自己株式の取得を行う理由
株主還元の充実および資本効率の向上を目的として、自己株式を取得するものです。
(2) 取得に係る事項の内容
① 取得する株式の種類 普通株式
② 取得する株式の数 750,000株(上限)
(発行済株式総数(自己株式除く)に対する割合 1.59%)
③ 株式取得価額の総額 3,000百万円(上限)
④ 自己株式取得の期間 2023年5月16日から2023年9月29日まで
⑤ 取得方法 東京証券取引所における市場買付
⑥ その他 今回新たに取得する自己株式および過去に取得した自己株式のうち、一部を残し消却
することを予定しております。
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(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
(累計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 当連結会計年度
売上収益 (百万円) 71,733 143,470 216,649 284,939
税引前四半期利益又は
(百万円) 6,348 12,479 21,253 26,736
税引前利益
親会社の所有者に帰属する
(百万円) 4,711 9,230 16,155 20,289
四半期(当期)利益
基本的1株当たり四半期
(円) 100.11 196.16 343.32 431.19
(当期)利益
(会計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
基本的1株当たり
(円) 100.11 96.05 147.17 87.86
四半期利益
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2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
資産の部
流動資産
現金及び預金 12,638 12,489
受取手形 3,798 3,849
※1 22,247 ※1 22,732
売掛金
商品及び製品 3,841 4,862
半製品 2,701 3,167
仕掛品 105 78
原材料及び貯蔵品 4,505 5,755
前払費用 464 452
※1 856 ※1 934
短期貸付金
※1 10,667 ※1 10,485
未収入金
その他 79 186
― △ 0
貸倒引当金
流動資産合計 61,907 64,993
固定資産
有形固定資産
建物 14,384 13,890
構築物 714 731
機械及び装置 8,643 7,462
車両運搬具 14 18
工具、器具及び備品 1,539 1,612
土地 7,098 7,096
リース資産 52 98
2,146 2,862
建設仮勘定
※2 34,592 ※2 33,772
有形固定資産合計
無形固定資産
ソフトウエア 747 582
127 215
その他
無形固定資産合計 874 798
投資その他の資産
投資有価証券 18,259 17,793
関係会社株式等 92,220 91,652
※1 3,310 ※1 1,415
長期貸付金
長期前払費用 79 200
前払年金費用 4,889 6,269
その他 517 542
△ 2,084 △ 216
貸倒引当金
投資その他の資産合計 117,192 117,658
固定資産合計 152,659 152,229
資産合計 214,566 217,223
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(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
負債の部
流動負債
支払手形 907 844
※1 22,739 ※1 21,121
買掛金
※1 4,856 ※1 4,934
短期借入金
1年内返済予定の長期借入金 2,500 2,500
コマーシャル・ペーパー 28,000 15,000
※1 1,587 ※1 1,839
未払金
※1 1,506 ※1 1,765
未払費用
未払法人税等 696 299
※1 4,300 ※1 4,269
預り金
賞与引当金 1,737 1,786
874 928
その他
流動負債合計 69,707 55,287
固定負債
※1 22,710 ※1 31,056
長期借入金
繰延税金負債 4,037 4,229
環境対策引当金 144 89
資産除去債務 79 79
長期預り保証金 121 121
73 74
その他
固定負債合計 27,166 35,651
負債合計 96,873 90,939
純資産の部
株主資本
資本金 37,143 37,143
資本剰余金
資本準備金 35,358 35,358
0 0
その他資本剰余金
資本剰余金合計 35,359 35,359
利益剰余金
利益準備金 4,136 4,136
その他利益剰余金
別途積立金 32,500 32,500
7,202 16,241
繰越利益剰余金
利益剰余金合計 43,839 52,878
自己株式 △ 6,794 △ 6,799
株主資本合計 109,547 118,580
評価・換算差額等
8,146 7,703
その他有価証券評価差額金
評価・換算差額等合計 8,146 7,703
純資産合計 117,693 126,283
負債純資産合計 214,566 217,223
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② 【損益計算書】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
※1 99,737 ※1 99,672
売上高
※1 65,246 ※1 67,350
売上原価
売上総利益 34,491 32,321
※2 23,976 ※2 24,577
販売費及び一般管理費
営業利益 10,515 7,744
営業外収益
※1 15 ※1 38
受取利息
※1 1,122 ※1 8,644
受取配当金
※1 348 ※1 318
雑収入
営業外収益合計 1,485 9,000
営業外費用
※1 153 ※1 380
支払利息
340 361
雑損失
営業外費用合計 494 742
経常利益 11,507 16,002
特別利益
※1 19 ※1 5
固定資産売却益
投資有価証券売却益 150 436
― 57
その他
特別利益合計 170 499
特別損失
固定資産除売却損 90 81
関係会社株式評価損 385 ―
減損損失 890 ―
抱合せ株式消滅差損 ― 83
20 67
その他
特別損失合計 1,387 233
税引前当期純利益 10,290 16,269
法人税、住民税及び事業税
2,362 1,195
300 388
法人税等調整額
法人税等合計 2,662 1,583
当期純利益 7,627 14,685
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③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
資本金 その他利益剰余金
その他資本剰余
資本準備金 資本剰余金合計 利益準備金
金
配当積立金 別途積立金
当期首残高 37,143 35,358 0 35,359 4,136 2,200 32,500
当期変動額
剰余金の配当
当期純利益
自己株式の取得
配当積立金の取崩 △ 2,200
会社分割による減少
株主資本以外の項目の
当期変動額(純額)
当期変動額合計 ― ― ― ― ― △ 2,200 ―
当期末残高 37,143 35,358 0 35,359 4,136 ― 32,500
株主資本 評価・換算差額等
利益剰余金
純資産合計
その他利益剰余 その他有価証券 評価・換算差額
自己株式 株主資本合計
金 評価差額金 等合計
利益剰余金合計
繰越利益剰余金
当期首残高 2,478 41,315 △ 6,785 107,031 8,797 8,797 115,829
当期変動額
剰余金の配当 △ 4,470 △ 4,470 △ 4,470 △ 4,470
当期純利益 7,627 7,627 7,627 7,627
自己株式の取得 △ 8 △ 8 △ 8
配当積立金の取崩 2,200 ― ― ―
会社分割による減少 △ 633 △ 633 △ 633 △ 633
株主資本以外の項目
の当期変動額(純 △ 651 △ 651 △ 651
額)
当期変動額合計 4,724 2,524 △ 8 2,515 △ 651 △ 651 1,864
当期末残高 7,202 43,839 △ 6,794 109,547 8,146 8,146 117,693
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当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
資本金 その他利益剰余金
その他資本剰余
資本準備金 資本剰余金合計 利益準備金
金
配当積立金 別途積立金
当期首残高 37,143 35,358 0 35,359 4,136 ― 32,500
当期変動額
剰余金の配当
当期純利益
自己株式の取得
配当積立金の取崩
会社分割による減少
株主資本以外の項目の
当期変動額(純額)
当期変動額合計 ― ― ― ― ― ― ―
当期末残高 37,143 35,358 0 35,359 4,136 ― 32,500
株主資本 評価・換算差額等
利益剰余金
純資産合計
その他利益剰余 その他有価証券 評価・換算差額
自己株式 株主資本合計
金 評価差額金 等合計
利益剰余金合計
繰越利益剰余金
当期首残高 7,202 43,839 △ 6,794 109,547 8,146 8,146 117,693
当期変動額
剰余金の配当 △ 5,646 △ 5,646 △ 5,646 △ 5,646
当期純利益 14,685 14,685 14,685 14,685
自己株式の取得 △ 5 △ 5 △ 5
配当積立金の取崩 ―
会社分割による減少 ―
株主資本以外の項目
の当期変動額(純 △ 443 △ 443 △ 443
額)
当期変動額合計 9,038 9,038 △ 5 9,033 △ 443 △ 443 8,590
当期末残高 16,241 52,878 △ 6,799 118,580 7,703 7,703 126,283
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【注記事項】
(継続企業の前提に関する事項)
該当事項はありません。
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準および評価方法
(1) 有価証券
子会社株式および関連会社株式………………………………移動平均法による原価法
その他有価証券(市場価格のない株式等以外のもの)……時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売
却原価は移動平均法により算定しております)
その他有価証券(市場価格のない株式等)…………………移動平均法による原価法
(2) デリバティブ取引
時価法
(3) 棚卸資産
製品・半製品・仕掛品・原料品……移動平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)
貯蔵品……総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)
2.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっております。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっております。
なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法によっておりま
す。
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっております。
3.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により計算した額を、貸倒懸念債権および
破産更生債権等については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 賞与引当金
従業員の賞与の支払に備えるため、支給見込額に基づき計上しております。
(3) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき、当事業年
度末において発生していると認められる額を計上しております。
事業年度末において、年金資産見込額が退職給付債務見込額を超過している場合は、超過額を前払年金費用として
計上しております。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定
式基準によっております。
② 数理計算上の差異および過去勤務費用の費用処理方法
数理計算上の差異および過去勤務費用は、発生した年度において一括損益処理しております。
(4) 環境対策引当金
「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」により、今後発生が見込まれるPCB廃棄
物の処理費用の支払に備えるため、その所要見込額を計上しております。
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4.収益および費用の計上基準
以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に収益を認識する。
当社グループは、半導体関連材料、高機能プラスチックおよびクオリティオブライフ関連製品の製造販売等を主な
事業としており、このような製品販売につきましては、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得
することから、履行義務が充足されると判断しており、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。また、収益
は顧客への財の移転と交換に企業が権利を得ると見込んでいる対価の金額で認識しており、値引、割戻しおよび付加
価値税等の税金を控除後の金額で測定しております。
なお、収益認識適用指針第98項に定める代替的な取扱いを適用し、商品または製品の国内の販売において、出荷時
から当該商品または製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合には、出荷時に収益を認識
しております。
5.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) ヘッジ会計の方法
① ヘッジ会計の方法
特例処理の要件を満たしている金利スワップは、特例処理を採用しております。一体処理(特例処理、振当処理)
の要件を満たしている金利通貨スワップは、一体処理を採用しております。
② ヘッジ手段とヘッジ対象
(ヘッジ手段) (ヘッジ対象)
金利スワップ 借入金
金利通貨スワップ 外貨建借入金
③ ヘッジ方針
デリバティブ取引の限度額を実需の範囲とする方針であり、投機目的によるデリバティブ取引は行わないこととし
ております。
④ ヘッジ有効性評価の方法
特例処理によっている金利スワップおよび一体処理によっている金利通貨スワップについては、有効性の判定を省
略しております。
(重要な会計上の見積り)
1.退職給付債務の算定
(1) 貸借対照表における計上額
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
前払年金費用 4,889 6,269
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社は、従業員の退職給付制度として確定給付企業年金制度を運用しております。
算定方法、主要な仮定および翌事業年度の財務諸表の影響については、連結財務諸表に記載しておりますので省
略いたします。
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2.繰延税金資産の回収可能性
(1) 貸借対照表における計上額
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
繰延税金資産 2,153 2,169
繰延税金負債 6,190 6,399
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
算定方法、主要な仮定および翌事業年度の財務諸表の影響については、連結財務諸表に記載しておりますので省
略いたします。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する資産および負債
関係会社に対する金銭債権および金銭債務の金額は、次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
短期金銭債権 13,800百万円 14,559百万円
長期金銭債権 1,300 〃 1,415 〃
短期金銭債務 7,212 〃 7,414 〃
長期金銭債務 ― 10,846 〃
※2 有形固定資産の圧縮記帳累計額は、次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
圧縮記帳累計額 15,972百万円 16,037百万円
従来、取得原価から控除した圧縮記帳額に取得原価に対する帳簿価額の割合を乗じた金額を開示しておりました
が、圧縮記帳累計額をより適切に開示するため、取得原価から控除した圧縮記帳額を開示する方法に変更しており
ます。これに伴い、前事業年度の圧縮記帳累計額を8,470百万円から15,972百万円に変更しております。
なお、この変更による財務諸表への影響はありません。
3 保証債務
連結子会社であるSumitomo Bakelite North America Holding, Inc.が保証する同社子会社のリース負債等に対し
て、債務保証を行っております。
債務保証の極度額は次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
Sumitomo Bakelite North America
1,362百万円 1,506百万円
Holding, Inc.
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(損益計算書関係)
※1 関係会社との営業取引および営業取引以外の取引の取引高の金額は、次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
営業取引(売上高) 16,335 百万円 18,311 百万円
営業取引(仕入高) 21,627 〃 18,897 〃
営業取引以外の取引高 2,000 〃 8,565 〃
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目および金額ならびにおおよその割合は、次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日 ) 至 2023年3月31日 )
従業員給与および賞与 6,858 百万円 6,779 百万円
荷造運搬費 3,370 〃 3,325 〃
賞与引当金繰入額 1,108 〃 1,105 〃
退職給付費用 △ 432 〃 △ 504 〃
〃
減価償却費 1,905 〃 1,914
おおよその割合
販売費 35% 34%
一般管理費 65〃 66〃
(有価証券関係)
子会社株式および関連会社株式
前事業年度( 2022年3月31日 )
(単位:百万円)
区分 貸借対照表計上額 時価 差額
子会社株式 ― ― ―
関連会社株式 ― ― ―
当事業年度( 2023年3月31日 )
(単位:百万円)
区分 貸借対照表計上額 時価 差額
子会社株式 ― ― ―
関連会社株式 ― ― ―
(注) 市場価格のない子会社株式および関連会社株式の貸借対照表計上額
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
区分
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
子会社株式 75,529 75,313
関連会社株式 384 384
これらについては、市場価格のない株式等のため、上表の「子会社株式および関連会社株式」には含めておりません。
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(税効果会計関係)
1 繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
前事業年度 当事業年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
(繰延税金資産)
関係会社株式評価損 6,644百万円 6,441百万円
減損損失 796 〃 785 〃
531 〃
賞与引当金 546 〃
389 〃
退職給付信託実際運用収益 445 〃
310 〃
退職給付信託拠出株式 310 〃
230 〃
未払費用 244 〃
188 〃
棚卸資産評価損 222 〃
192 〃
投資有価証券評価損 147 〃
78 〃
ゴルフ会員権評価損 78 〃
174 〃
未払事業税 78 〃
48 〃
現物未処分資産 77 〃
142 〃
繰越税額控除 75 〃
73 〃
ソフトウェア償却超過額 72 〃
637 〃
貸倒引当金 66 〃
285 〃
265 〃
その他
繰延税金資産 小計 10,725百万円 9,858百万円
△8,572 〃 △7,688 〃
評価性引当額
繰延税金資産 合計
2,153百万円 2,169百万円
(繰延税金負債)
その他有価証券評価差額金 △3,418百万円 △3,222百万円
△1,496 〃 △1,918 〃
前払年金費用
△490 〃 △443 〃
退職給付信託拠出株式返還時益金
△784 〃 △814 〃
その他
繰延税金負債 合計 △6,190百万円 △6,399百万円
繰延税金資産の純額 △4,037百万円 △4,229百万円
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
前事業年度 当事業年度
( 2022年3月31日 ) ( 2023年3月31日 )
法定実効税率 30.6% 30.6%
(調整)
交際費等永久に損金に算入されない項目 0.2〃 0.2〃
受取配当金等永久に益金に算入されない項目 △2.0〃 △14.6〃
評価性引当額増減 4.9〃 △3.8〃
住民税均等割 0.3〃 0.2〃
役員賞与 0.5〃 0.5〃
外国子会社配当金源泉税 0.4〃 0.8〃
試験研究費税額控除 △6.1〃 △2.0〃
子会社吸収合併に伴い引き継いだ繰越欠損金の利用 ― △1.4〃
△2.9〃 △0.8〃
その他
税効果会計適用後の法人税等の負担率 25.9% 9.7%
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(企業結合等関係)
完全子会社の吸収合併
当社は、2022年4月1日付で当社の完全子会社であるSBバイオサイエンス株式会社を吸収合併(以下、「本合
併」といいます。)いたしました。
1.取引の概要
(1) 結合当事企業の名称及び事業の内容
結合当事企業の概要 SBバイオサイエンス株式会社
事業の内容 バイオ関連製品の研究開発・製造・販売
(2) 企業結合日
2022年4月1日
(3) 企業結合の法的形式
SBバイオサイエンス株式会社を吸収合併消滅会社とし、当社を吸収合併存続会社とする吸収合併
(4) 結合後企業の名称
住友ベークライト株式会社
(5) その他取引の概要に関する事項
当社のバイオ事業は、従来、再生医療支援や創薬支援分野における細胞培養器、糖鎖分析用試薬、マイクロフル
イディクスデバイスなどを中心に展開しておりましたが、2018年10月に住友ファーマ株式会社(2022年4月1日付
で大日本住友製薬株式会社から社名変更)との合弁によりSBバイオサイエンス株式会社を設立し、体外診断用医
薬品事業に進出するとともに、検査診断分野における技術・知見の強化を図ってまいりました。
今般、2021年3月に住友ファーマ株式会社からSBバイオサイエンス株式会社の株式を譲り受け100%子会社と
し、当社との一体運営を行うとともに、2021年4月1日にバイオ・診断薬・機能性マテリアルの研究開発を一体的
に行うバイオ・サイエンス研究所を設立したことで、検査診断分野における事業を当社において一元的に行う体制
を確立できたことから、SBバイオサイエンス株式会社を法人として存続させる意義が乏しくなったため、本合併
を実施いたしました。
今後は、2021年4月に新設したS-バイオ事業部およびバイオ・サイエンス研究所を一体としたOne-Bio体制によ
り、検査診断・再生医療支援・創薬支援分野における研究開発・生産・販売の一体運営を通じて事業の拡大を図る
こととしております。
(6) 承継した資産、負債の項目および帳簿価額
資産 負債
流動資産 1,068百万円 流動負債 332百万円
0百万円
固定資産 固定負債 605百万円
合計 1,069百万円 合計 937百万円
2.実施した会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)および「企業結合会計基準及び事業分離
等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)に基づき、共通支配下の取引とし
て処理しております。
なお、子会社株式の帳簿価額と合併にともなう受入純資産との差額は、損益計算書上の特別損失として、抱合せ
株式消滅差損83百万円を計上しております。
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(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表注記「23.売上収益」に同一の内容
を記載しているため、注記を省略しております。
(重要な後発事象)
連結財務諸表注記「34.後発事象」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
減価償却
区分 資産の種類 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期償却額 当期末残高
累計額
建物
14,384 550 4 1,040 13,890 32,483
有形固定資産
構築物 714 89 2 69 731 3,360
機械及び装置 8,643 1,566 4 2,743 7,462 54,975
車両運搬具 14 11 0 6 18 194
工具、器具及び備品 1,539 682 12 596 1,612 8,770
土地 7,098 ― 2 ― 7,096 ―
リース資産 52 66 4 15 98 21
建設仮勘定 2,146 4,283 3,567 ― 2,862 ―
計 34,592 7,250 3,597 4,472 33,772 99,806
ソフトウエア 747 90 19 236 582 ―
無形固定資産
その他 127 205 107 9 215 ―
計 874 295 126 245 798 ―
(注) 1 当期増加額の主なもの
建設仮勘定 静岡工場 1,168百万円
尼崎工場 923百万円
宇都宮工場 766百万円
2 当期減少額の主なもの
建設仮勘定 静岡工場 1,108百万円
尼崎工場 701百万円
鹿沼工場 672百万円
【引当金明細表】
(単位:百万円)
科目 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高
貸倒引当金 2,084 345 2,213 216
賞与引当金 1,737 1,786 1,737 1,786
環境対策引当金 144 ― 54 89
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(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
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第6 【提出会社の株式事務の概要】
事業年度 4月1日から3月31日まで
定時株主総会 6月中
基準日 3月31日
9月30日
剰余金の配当の基準日
3月31日
1単元の株式数 100株
単元未満株式の
買取り・買増し
(特別口座)
東京都千代田区丸の内一丁目4番1号
取扱場所
三井住友信託銀行株式会社 証券代行部
(特別口座)
株主名簿管理人 東京都千代田区丸の内一丁目4番1号
三井住友信託銀行株式会社
取次所 ―
買取・買増手数料 無料
当社の公告方法は、電子公告とします。ただし、事故その他のやむを得ない事由に
よって電子公告による公告をすることができない場合は、日本経済新聞に掲載して公
告します。
公告掲載方法
なお、電子公告は当社のホームページに掲載しており、そのアドレスは次のとおりで
あります。
https://www.sumibe.co.jp
株主に対する特典 なし
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第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書およびその添付書類ならびに確認書
事業年度 第131期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 )2022年6月23日関東財務局長に提出。
(2) 内部統制報告書およびその添付書類
2022年6月23日関東財務局長に提出。
(3) 四半期報告書および確認書
第132期 第1四半期(自 2022年4月1日 至 2022年6月30日 )2022年8月10日関東財務局長に提出。
第132期 第2四半期(自 2022年7月1日 至 2022年9月30日 )2022年11月9日関東財務局長に提出。
第132期 第3四半期(自 2022年10月1日 至 2022年12月31日 )2023年2月8日関東財務局長に提出。
(4) 臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)の規定に基づ
く臨時報告書を2022年6月24日関東財務局長に提出。
(5) 自己株券買付状況報告書
2023年6月13日関東財務局長に提出。
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第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
記載事項はありません。
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独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書
2023年6月22日
住友ベークライト株式会社
取締役会 御中
有限責任 あずさ監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
椎 名 弘
公認会計士
業務執行社員
指定有限責任社員
鈴 木 雄 飛
公認会計士
業務執行社員
<財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いる住友ベークライト株式会社の2022年4月1日から2023年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、
連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及
び連結財務諸表注記について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定
された国際会計基準に準拠して、住友ベークライト株式会社及び連結子会社の2023年3月31日現在の財政状態並びに同
日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示し
ているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準におけ
る当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国におけ
る職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責
任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重
要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見
の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
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Vyncolit NVが営むフェノール樹脂成形材料事業に配分されたのれんの減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
連結財務諸表注記「15.非金融資産の減損」 に記載の 当監査法人は、VNVが営むフェノール樹脂成形材料事
とおり、欧州子会社であるVyncolit NV(以下「VNV」と 業に配分されたのれんの減損損失の認識の要否に関する
判断の妥当性を検討するため、主に以下の手続を実施し
いう。)が営むフェノール樹脂成形材料事業に配分され
た。
たのれん1,343百万円が計上されている。
(1) 内部統制の評価
のれんを含む資金生成単位について、毎期及び減損の
兆候がある場合に、減損テストが実施され、回収可能価
・のれんを含む資金生成単位の減損テストにおける使用
額が当該資金生成単位の帳簿価額を下回る場合には、帳
価値の測定に用いる将来キャッシュ・フローの見積り
簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は
の設定に関する内部統制の整備状況及び運用状況の有
減損損失として認識される。
効性の評価
上記ののれんを含む資金生成単位の回収可能価額は使
(2) 使用価値の合理性の評価
用価値で算定されている。使用価値の測定に用いる将来
将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる事業計
キャッシュ・フローは、経営者が作成したフェノール樹
画の作成に当たって採用された主要な仮定の適切性を検
脂成形材料事業の事業計画を基礎として見積もられる
討するため、その根拠について、主に以下の手続を実施
が、事業計画の構成要素である将来の販売計画、特に主
した。
要な顧客が属する欧州自動車市場の今後の成長及び顧客
からの受注の増加といった仮定については高い不確実性
・フェノール樹脂成形材料事業の製品の販売実績及び販
を伴い、経営者による判断が将来キャッシュ・フローの
売計画についての経営者等への質問
見積りに重要な影響を及ぼす。
・フェノール樹脂成形材料事業の製品の販売計画と当監
以上から、当監査法人は、VNVが営むフェノール樹脂
査法人が独自に入手した市場予測及び特定の顧客から
成形材料事業に配分されたのれんの減損損失の認識の要
入手した発注見込みとの比較
否に関する判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務
・過去のフェノール樹脂成形材料事業の事業計画の達成
諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討
状況及び差異原因の検討結果を踏まえて、一定の不確
事項に該当すると判断した。
実性を織り込んだ場合の将来キャッシュ・フローの見
込みに与える影響の検討
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書
以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責
任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の
記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内
容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そ
のような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告
することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤
謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及
び運用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるか
どうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責
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任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにあ
る。
連結財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表
示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明
することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利
用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家と
しての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を
立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な
監査証拠を入手する。
・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価
の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び
関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づ
き、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結
論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事
項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表
に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠
に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連
結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうか
を評価する。
・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入
手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意
見に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制
の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、
並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガー
ドを講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判
断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表
が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利
益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、住友ベークライト株式会社の
2023年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、住友ベークライト株式会社が2023年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した
上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠し
て、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統
制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人
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の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から
独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十
分 かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告
に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があ
る。
内部統制監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかにつ
いて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することに
ある。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程
を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施す
る。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び
適用される。
・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部
統制報告書の表示を検討する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人
は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責
任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、
識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項
について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、
並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガー
ドを講じている場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はな
い。
以 上
※1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管している。
2 XBRLデータは監査の対象には含まれていない。
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独立監査人の監査報告書
2023年6月22日
住友ベークライト株式会社
取締役会 御中
有限責任 あずさ監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
椎 名 弘
公認会計士
業務執行社員
指定有限責任社員
鈴 木 雄 飛
公認会計士
業務執行社員
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いる住友ベークライト株式会社の2022年4月1日から2023年3月31日までの第132期事業年度の財務諸表、すなわち、貸
借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行っ
た。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、住友
ベークライト株式会社の2023年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要
な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準におけ
る当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職
業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要である
と判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成におい
て対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
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SBバイオサイエンス株式会社の吸収合併に係る会計処理の妥当性
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
注記事項(企業結合等関係) に記載のとおり、会社 当監査法人は、SBBSの吸収合併に係る会計処理の妥当
は、2022年4月1日付けで完全子会社であったSBバイ 性を検討するため、主に以下の手続を実施した。
オサイエンス株式会社(以下「SBBS」という。)を吸収
(1) 内部統制の評価
合併した。
・当該吸収合併の会計処理の検討に関する内部統制の整
当該吸収合併は、「企業結合に関する会計基準」(企
備状況及び運用状況の有効性の評価
業会計基準第21号 2019年1月16日)及び「企業結合会
(2) 会計処理の妥当性の検討
計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企
業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)(以下
主に以下の手続を実施した。
「企業結合に関する会計基準等」という。)に基づき、
・当該吸収合併を理解するため、経営者に質問するとと
共通支配下の取引として会計処理されている。
もに、取締役会議事録及び吸収合併契約書等の関連資
会社は、当該吸収合併に伴い抱合せ株式消滅差損83百
料を閲覧
万円を特別損失として計上している。
・企業結合に関する会計基準等に基づき、共通支配下の
当該吸収合併は、2021年4月に新設したS-バイオ事
取引として吸収合併に係る会計処理が行われているこ
業部及びバイオ・サイエンス研究所を一体としたOne-
との確認
Bio体制により、検査診断・再生医療支援・創薬支援分
・当監査法人のネットワーク・ファームの税務専門家を
野における研究開発・生産・販売の一体運営を通じて事
利用した、当該吸収合併に係る税務上の繰越欠損金の
業の拡大を図ることを目的とする重要な組織再編であ
引継ぎ可否の検討
る。当該取引は、非経常的な取引であり、企業結合日に
計上される繰延税金資産の算定基礎となる税務上の繰越
欠損金の引継ぎ可否の検討には税務に関する専門的知識
が必要である。
以上から、当監査法人は、SBBSの吸収合併に係る会計
処理の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査において特
に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判
断した。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書
以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責
任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載
内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と
財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような
重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告
することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
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有価証券報告書
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表
示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営
者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを
評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要
がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにあ
る。
財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示が
ないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明すること
にある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決
定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家と
しての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を
立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な
監査証拠を入手する。
・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実
施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び
関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、
継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付
ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意
を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項
付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいている
が、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどう
かとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事
象を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制
の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、
並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガー
ドを講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事
項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止さ
れている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回
ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
利害関係
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
※1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管している。
2 XBRLデータは監査の対象には含まれていない。
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