欧州評議会開発銀行 有価証券報告書
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欧州評議会開発銀行(E06017)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第１項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和５年４月７日
【会計年度】 自 令和４年１月１日 至 令和４年12月31日
【発行者の名称】 欧州評議会開発銀行
(Council of Europe Development Bank)
【代表者の役職氏名】 カルロ・モンティチェッリ
(Carlo Monticelli)
総裁
(Governor)
【事務連絡者氏名】 弁護士 柴 田 弘 典
同 甲 立 亮
同 山 岡 知 葉
同 下 田 真 央
【住所】 東京都千代田区大手町一丁目１番１号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03-6775-1120
【縦覧に供する場所】 該当なし
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第１【募集（売出）債券の状況】
該当事項なし
第２【外国為替相場の推移】
該当事項なし
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第３【発行者の概況】
１【発行者が国である場合】
該当事項なし
２【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
３【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
注(1) 会計年度中、取引は各取引で用いられた通貨で記載されている。欧州評議会開発銀行(以下「当行」又は「CEB」とい
う。)の勘定は2022年12月31日現在の以下の為替レートに基づき、ユーロで作成されている。
通貨対ユーロ ＊ 通貨対ユーロ ＊
略称 通貨 略称 通貨
ALL アルバニア・レク 113.95 HRK クロアチア・クーナ 7.5365
AUD オーストラリア・ドル 1.5693 HUF ハンガリー・フォリント 400.87
BRL ブラジル・レアル 5.6386 JPY 日本円 140.66
CAD カナダ・ドル 1.4440 NOK ノルウェー・クローネ 10.5138
CHF スイス・フラン 0.9847 NZD ニュージーランド・ドル 1.6798
CNY 中国人民元 7.3582 PLN ポーランド・ズローティー 4.6808
CZK チェコ・コルナ 24.116 SEK スウェーデン・クローナ 11.1218
DKK デンマーク・クローネ 7.4365 TRY トルコ・リラ 19.9649
GBP 英ポンド 0.88693 USD 米ドル 1.0666
HKD 香港ドル 8.3163
* 表中の数字は四捨五入されている。
(2) 当行の会計年度は暦年である。
(3) 本書に記載の表中の数値が四捨五入されている場合、合計は数値の総和とは必ずしも一致しない。
（１）【設立】
a. 設立の根拠、設立年月日及び沿革
当行は、1956年４月16日の欧州評議会閣僚委員会によって設立された。当初、当行の主な目的は第二
次世界大戦直後における欧州諸国へ又は欧州諸国間で移住した難民の再定住化に関する社会プログラム
に融資を行うことであった。当行はその後、その活動の範囲を、自然災害又は生態学的災害の被災者へ
の援助の提供及び欧州の社会的統合の強化に直接貢献するその他の社会的目標の支援へと拡大してき
た。かかるその他の社会的目標には現在、教育及び職業訓練、衛生、公共住宅、中小零細企業(MSMEs)
における雇用、都市及び地方の生活水準の改善、環境保護、歴史的及び文化的な遺産の保存並びに行政
及び司法による公共サービスのインフラストラクチャーの分野が含まれる。
当行の活動期間は限定されていない。
当行はフランス共和国ストラスブルグ市67075に所在し、事業活動の本部はフランス共和国 パリ市
75116 クレベール通り55番に所在する。
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b. 目的
1956 年４月16日の欧州評議会閣僚委員会の決議によって採択された定款(その後の改正を含む。以下
「定款」という。)によれば、当行の主たる目的は、貸付又は債務の保証を行うことにより、欧州にお
ける社会的統合を推進することである(詳細については、定款第２条を参照のこと。)。
当行は、その目的に一致した運用を条件として、定款の授権に基づき資金を借り入れ、拠出金を受け
入れることができる。
c. 加盟
定款により下記の者(以下「加盟国」という。)が当行に加盟することができる。
( ⅰ)欧州評議会の全ての加盟国
( ⅱ)当行の理事会が承認したその他の欧州の国
(ⅲ) 当行の理事会が承認した欧州に重点を置いている国際機関
定款を受諾し、それぞれ額面1,000ユーロで当行より発行される参加証書を引き受けることにより加
盟国となる。
当行の加盟国は、当行の義務に対して責任を負わない。
当行の加盟国は全て、当行の理事会が設定する条件の下に、当該暦年終了の６ヶ月前に通知をなすこ
とによって、当行から脱退することができる。
2022 年12月31日現在、当行の加盟国は42ヶ国である。
現在の加盟国は以下のとおりである。
アルバニア ラトビア
アンドラ リヒテンシュタイン
ベルギー リトアニア
ボスニア・ヘルツェゴビナ ルクセンブルク
ブルガリア マルタ
クロアチア モルドバ共和国
キプロス モンテネグロ
チェコ共和国 オランダ
デンマーク 北マケドニア
エストニア ノルウェー
フィンランド ポーランド
フランス ポルトガル
ジョージア ルーマニア
ドイツ サンマリノ
ギリシャ セルビア
バチカン スロバキア共和国
ハンガリー スロベニア
アイスランド スペイン
アイルランド スウェーデン
イタリア スイス
コソボ トルコ
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d. 法的地位並びに特権及び免責
ⅰ 法的地位
当行は、欧州評議会に付属し、その最高権威の下で運営される。欧州評議会の特権及び免責に関す
る一般協定に係る1959年３月６日付第三議定書(以下「第三議定書」という。)によって、当行は法人
格を有し、特に以下の事項を行う能力を有する。
(a) 契約の締結
(b) 不動産及び動産の取得及び処分
(c) 訴訟の提起
(d) 当行の法定の目的に関わる取引の遂行
当行の運営、行為及び契約は、第三議定書、定款及び定款に基づき制定された諸規則により規律さ
れる。さらに、一定の場合には国家の法令が適用されうる。但し、それは当行が当該法令の適用に明
示的に同意し、かつ、当該法令が第三議定書及び定款に抵触しない範囲に限られる。
第三議定書に基づき、当行は、当行が被告である場合、加盟国又は当行が貸付契約を締結し、若し
くは債務保証をした国の裁判管轄に服する。
ⅱ 特権及び免責
第三議定書に基づき、当行は、特に加盟国内で下記の特権及び免責を享受する。
(a) 法令上の一般的救済方法によって争うことのできない強制執行可能な判決が当行に対して送達さ
れる前における、当行の財産及び資産に対するあらゆる形式の没収、差押え又は強制執行からの
免除。
(b) 行政措置又は立法措置による当行の財産及び資産に対する捜索、徴用、没収、収用又はその他あ
らゆる形式の差押えからの免除。
(c) 当行の財産及び資産に対するあらゆる性質の制限、規制、支配及び支払停止の免除。
(d) 通貨の種類を問わず、通貨を保有し、口座を管理し、通貨を交換する権利、並びに送金先の国及
び送金元の国を問わず、その資金をあらゆる国内外に自由に送金する権利。
(e) 全ての直接税及び一定の間接税からの免除。
e. 本邦との関係
なし。
（２）【資本構成】
定款に基づき、下記の者が当行の加盟国となることができる。
a. 欧州評議会の全ての加盟国
b. 当行の理事会が承認した欧州評議会の加盟国でないその他の欧州の国
c. 当行の理事会が承認した欧州に重点を置いている国際機関
定款を受諾し、当行より発行される参加証書を引き受けることにより加盟国となる。参加証書はそれ
ぞれ額面1,000ユーロで発行される。当行の各加盟国はそれぞれ保有する参加証書１通につき１票の投票
権を有する。
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20 22 年 12 月 31 日現在引受済資本金
(単位：千ユーロ)
加盟国 引受済資本金 未払込資本金 払込請求済資本金 引受済資本金割合
フランス 915,770 814,114 101,656 16.720％
ドイツ 915,770 814,114 101,656 16.720％
イタリア 915,770 814,114 101,656 16.720％
スペイン 597,257 530,958 66,299 10.905％
トルコ 388,299 345,197 43,102 7.089％
オランダ 198,813 176,743 22,070 3.630％
ベルギー 164,321 146,083 18,238 3.000％
ギリシャ 164,321 146,083 18,238 3.000％
ポルトガル 139,172 123,724 15,448 2.541％
スウェーデン 139,172 123,724 15,448 2.541％
ポーランド 128,260 114,023 14,237 2.342％
デンマーク 89,667 79,712 9,955 1.637％
フィンランド 69,786 62,039 7,747 1.274％
ノルウェー 69,786 62,039 7,747 1.274％
ブルガリア 62,459 55,526 6,933 1.140％
ルーマニア 59,914 53,264 6,650 1.094％
スイス 53,824 43,229 10,595 0.983％
アイルランド 48,310 42,948 5,362 0.882％
ハンガリー 44,788 39,816 4,972 0.818％
チェコ共和国 43,037 38,260 4,777 0.786％
ルクセンブルク 34,734 30,878 3,856 0.634％
セルビア 25,841 22,973 2,868 0.472％
クロアチア 21,376 19,003 2,373 0.390％
キプロス 19,882 17,676 2,206 0.363％
スロバキア共和国 18,959 16,854 2,105 0.346％
アルバニア 13,385 11,899 1,486 0.244％
ラトビア 12,808 11,387 1,421 0.234％
エストニア 12,723 11,311 1,412 0.232％
北マケドニア 12,723 11,311 1,412 0.232％
リトアニア 12,588 11,191 1,397 0.230％
スロベニア 12,295 10,930 1,365 0.224％
アイスランド 10,144 9,018 1,126 0.185％
マルタ 10,144 9,018 1,126 0.185％
ジョージア 9,876 8,780 1,096 0.180％
ボスニア・ヘルツェゴビナ 9,689 8,614 1,075 0.177％
モンテネグロ 6,584 5,853 731 0.120％
コソボ 6,559 5,831 728 0.120％
モルドバ共和国 5,488 4,878 610 0.100％
アンドラ 4,925 4,378 547 0.090％
サンマリノ 4,867 4,206 661 0.089％
リヒテンシュタイン 2,921 2,374 547 0.053％
バチカン 137 107 30 0.003％
2022年合計 5,477,144 4,864,180 612,964 100.000％
2021年合計 5,477,144 4,864,180 612,964
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（３）【組織】
欧州評議会開発銀行は、多国間開発銀行であり、以下の４つの機関により監督されている。
・ 理事会
・ 管理委員会
・ 総裁
・ 監査委員会
理事会及び管理委員会が開催する年次の合同会議では、CEBの戦略上及び方針上の優先事項について議
論及び決定される。当該合同会議は、当行の加盟国のうちいずれか１ヶ国で開催されるのが慣行となっ
ており、2022年はアイルランドで開催された(「(４)業務の概況 j. ガバナンス及び人事 ⅰ ダブリ
ン、アイルランドにおける2022年CEB年次合同会議」を参照のこと。)。
a. 理事会
理事会は、議長及び42の加盟国からの各１名の代表者によって構成される。理事会は、当行の活
動に関する全般的な方向性について設定し、当行の加盟国となるための条件を決定し、増資の決定
を行い、年次報告書、計算書類及び当行の一般貸借対照表の承認を行っている。理事会は、理事会
及び管理委員会の議長の両方を選任し、総裁及び監査委員会の委員の任命を行う。
議長：マリネラ・ペトロヴァ(Marinela PETROVA)(ブルガリア)
b. 管理委員会
管理委員会は、議長及び各加盟国の１名の代表者によって構成される。管理委員会は、運営方針
についての立案及び監督並びに当行の加盟国政府によって提出された投資事業の承認を含む、理事
会に委譲された権限を行使する。また、同委員会は、当行の運営予算に関する投票を行う。
議長：ミグレ・タスキエネ(Miglé TUSKIENĖ)(リトアニア)
c. 総裁
総裁は、当行の法定代理人である。総裁は、当行の事業の代表であり、(管理委員会の全般的な
監督の下)当行の職員に対する責任を有する。総裁は、管理委員会のガイドラインに従い、当行の
財務方針を指揮し、全ての取引において当行を代表する。総裁は、当行に提出された融資依頼につ
いての技術的、財務的側面に関する審査を行い、管理委員会にこれらの照会を行う。
総裁：カルロ・モンティチェッリ(Carlo MONTICELLI)(イタリア)
総裁は、トマス・ボーチェック(Tomáš BOČEK)(チェコ共和国)、サンドリーヌ・ゴーダン
(Sandrine GAUDIN)(フランス)及びヨハネス・M・ベーマー(Johannes M. BÖHMER)(ドイツ)の３名の
副総裁によって補佐されている。
d. 監査委員会
監査委員会は、理事会によって任命された３名のメンバー及び特別顧問で構成されている。同委
員会は、外部監査人によって年次決算書が審査された後、その正確性について検証を行う。
ナータ・ラスマネ(Nata Lasmane)(ラトビア)、ルシア・カシアロヴァ(Lucia Kašiarová)(スロバ
キア共和国)、バルボラ・ヤニツコバ(Barbora Janíčková)(チェコ共和国)、ヤセック・ドミニク
(Jacek Dominik)(ポーランド)(特別顧問)
CEB の理事、管理及び統制組織は、欧州評議会開発銀行の部分協定の事務局員によって補佐され
る。
部分協定の事務総長：クリスチアーヌ・シメック(Christiane Schimeck)
組織の事務総長：シクスト・モリーナ(Sixto Molina)
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a. 理事会
理事会は、理事会自体によって選出される議長及び各加盟国によって任命される代表者各１名により
構成される。本書の日付現在(特段の記載がある場合を除き)の構成員は以下のとおりである。
マリネラ・ペトロヴァ(ブルガリア) 議長
欧州問題及び経済分析局局長、財務省大臣、在ソフィア
任命保留中 副議長
ダスティッド・コレシ(Dastid KORESHI) アルバニア
特命全権大使、欧州評議会アルバニア常任代表、在ストラスブルグ
ジョーン・フォーナー・ロヴィラ(Joan FORNER ROVIRA) アンドラ
特命全権大使、欧州評議会アンドラ常任代表、在ストラスブルグ
ジャン－セドリック・ジャネセンス・デ・ビストーヴェン(Jean-Cedric ベルギー
JANSSENS DE BISTHOVEN)
特命全権大使、欧州評議会ベルギー常任代表、在ストラスブルグ
イヴァン・オーリッチ(Ivan ORLIĆ) ボスニア・ヘルツェゴビナ
特命全権大使、欧州評議会ボスニア・ヘルツェゴビナ常任代表、在ストラスブ
ルグ
マリア・スパソヴァ(Maria SPASSOVA) ブルガリア
大使、欧州評議会ブルガリア常任代表、在ストラスブルグ
トマ・ガリ(Toma GALLI) クロアチア
特命全権大使、欧州評議会クロアチア常任代表、在ストラスブルグ
ディミトリ・ハジアージロー(Dimitris HATZIARGYROU) キプロス
特命全権大使、欧州評議会キプロス常任代表、在ストラスブルグ
ペトル・パヴェレク(Petr VÁLEK) チェコ共和国
特命全権大使、欧州評議会チェコ共和国常任代表、在ストラスブルグ
エリック・ラーセン(Erik LAURSEN) デンマーク
特命全権大使、欧州評議会デンマーク常任代表、在ストラスブルグ
ラスムス・ルミ(Rasmus LUMI) エストニア
特命全権大使、欧州評議会エストニア常任代表、在ストラスブルグ
ニナ・ノードストーム(Nina NORDSTRÖM) フィンランド
特命全権大使、欧州評議会フィンランド常任代表、在ストラスブルグ
マリエ・フォンタネル(Marie FONTANEL) フランス
大使、欧州評議会フランス常任代表、在ストラスブルグ
タマール・タリアシュヴィリ(Tamar TALIASHVIL) ジョージア
大使、欧州評議会ジョージア常任代表、在ストラスブルグ
ジュッタ・フラシュ(Jutta FRASCH) ドイツ
特命全権大使、欧州評議会ドイツ常任代表、在ストラスブルグ
パナイオティス・ベグリティス(Panayiotis BEGLITIS) ギリシャ
特命全権大使、欧州評議会ギリシャ常任代表、在ストラスブルグ
マルコ・ガンシ(Marco GANCI) バチカン
特使、欧州評議会バチカン常任オブザーバー、在ストラスブルグ
ハリー・アレックス・ラズ(Harry Alex RUSZ) ハンガリー
特命全権大使、欧州評議会ハンガリー常任代表、在ストラスブルグ
ラグンヒルダー・アーンジョツドティー(Ragnhildur ARNLJÓTSDÓTTIR) アイスランド
大使、欧州評議会アイスランド常任代表、在ストラスブルグ
ブレイファン・オーレイリー(Breifne O’REILLY) アイルランド
特命全権大使、欧州評議会アイルランド常任代表、在ストラスブルグ
ミケーレ・ジャコメッリ(Michele GIACOMELLI) イタリア
大使、欧州評議会イタリア常任代表、在ストラスブルグ
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ルルジム・ヒセニ(Lulzim HISENI) コソボ
コソボ総領事館総領事、在ストラスブルグ
ジャニス・カークリンス(Jānis KĀRKLIŅŠ) ラトビア
特命全権大使、欧州評議会ラトビア常任代表、在ストラスブルグ
ドメニク・ワンガー(Domenik WANGER) リヒテンシュタイン
特命全権大使、欧州評議会リヒテンシュタイン常任代表、在ストラスブルグ
アンドリアス・ナマヴィシアス(Andrius NAMAVIČIUS) リトアニア
特命全権大使、欧州評議会リトアニア常任代表、在ストラスブルグ
パトリック・インゲルバーグ(Patrick ENGELBERG) ルクセンブルク
特命全権大使、欧州評議会ルクセンブルク常任代表、在ストラスブルグ
ロレンツォ・ヴェラ(Lorenzo VELLA) マルタ
大使、欧州評議会マルタ常任代表、在ストラスブルグ
ダニエラ・クジュベ(Daniela CUJBĂ) モルドバ共和国
特命全権大使、欧州評議会モルドバ共和国常任代表、在ストラスブルグ
ボジダルカ・クルニチ(Božidarka KRUNIĆ) モンテネグロ
特命全権大使、欧州評議会モンテネグロ常任代表、在ストラスブルグ
ターニャ・ゴングリップ(Tanja GONGGRIJP) オランダ
特命全権大使、欧州評議会オランダ常任代表、在ストラスブルグ
スヴェトラナ・ゲレヴァ(Svetlana GELEVA) 北マケドニア
特命全権大使、欧州評議会北マケドニア常任代表、在ストラスブルグ
ヘルゲ・セランド(Helge SELAND) ノルウェー
特命全権大使、欧州評議会ノルウェー常任代表、在ストラスブルグ
ジャージー・バウルスキ(Jerzy BAURSKI) ポーランド
特命全権大使、欧州評議会ポーランド常任代表、在ストラスブルグ
ギルバート・ジェロニモ(Gilberto JERÓNIMO) ポルトガル
特命全権大使、欧州評議会ポルトガル常任代表、在ストラスブルグ
イオン・ジンガ(Ion JINGA) ルーマニア
特命全権大使、欧州評議会ルーマニア常任代表、在ストラスブルグ
エロス・ギャスペロニ(Eros GASPERONI) サンマリノ
特命全権大使、欧州評議会サンマリノ共和国常任代表、在ストラスブルグ
アレキサンドラ・ジュロビッチ(Aleksandra ĐJUROVIĆ) セルビア
特命全権大使、欧州評議会セルビア常任代表、在ストラスブルグ
オクサナ・トモヴェ(Oksana TOMOVÁ) スロバキア共和国
特命全権大使、欧州評議会スロバキア共和国常任代表、在ストラスブルグ
アンドレイ・スラプニチャー(Andrej SLAPNIČAR) スロベニア
特命全権大使、欧州評議会スロベニア常任代表、在ストラスブルグ
フアン・イグナチオ・モロ(Juan Ignacio MORRO)(2023年３月13日から) スペイン
特命全権大使、欧州評議会スペイン常任代表、在ストラスブルグ
マーテン・エンバーグ(Mårten EHNBERG) スウェーデン
特命全権大使、欧州評議会スウェーデン常任代表、在ストラスブルグ
クリスチャン・ミューリ(Christian MEUWLY) スイス
特命全権大使、欧州評議会スイス常任代表、在ストラスブルグ
ヌルダン・バイラクタル・ゴールダー(Nurdan BAYRAKTAR GOLDER)(2023年１月 トルコ
16日から)
特命全権大使、欧州評議会トルコ常任代表、在ストラスブルグ
理事会の構成
理事会は議長及び各加盟国によって任命される代表者各１名により構成される。各加盟国は、各々代
表者代行１名を任命することができる。欧州評議会の事務総長は、会議に参加し、又は代理人を出席さ
せることができる。
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理事会は当行の最高機関である。定款に定められた目的を変更する権利を除いて、理事会は当行に関
するあらゆる権限を有する。
理事会の権限
ⅰ 理事会は以下の事項を行う。
(a) 欧州評議会の加盟国が当行の加盟国になるための条件を決定する。
(b) 欧州評議会の加盟国でない欧州の国及び欧州に重点を置いている国際機関が当行の加盟国になる
ことを承認し、かかる承認の条件を決定し、かかる加盟国の引き受ける参加証書の数を決定す
る。
(c) 定款に添付の表に記載されている加盟国間の資本の配分の調整を行う。
(d) 資本を増減し、払い込まれる引受済資本の割合及び払込期日を定める。
(e) 定款に定められた目的の遵守を確保する。
当行の年次報告書、計算書類及びその他の財務書類を承認する。
機関の活動に関する一般ガイドラインを定める。
(f) 当行の運営を停止若しくは終了させ、又は清算時にその資産を分配する。
(g) 加盟国の資格を停止させる。
(h) 定款を変更する(但し、定められた目的の変更を除く。)。
(i) 定款を解釈し、定款の解釈又は適用に関わる決定に対する異議申立てに対する判断を下す。
(j) 他の国際機関との協力に関する一般協定の締結を承認する。
(k) 理事会の議長及び管理委員会の委員長を選任する。
(l) 総裁を任命し、総裁の提案に基づき、必要に応じて１人以上の副総裁(その内の１人が総裁の不
在時には総裁を代行する。)を任命し、それらを解任し、又は辞任の承認を行う。
(m) 監査委員会の委員を任命する。
(n) 外部監査人を任命し、在任期間を定める。
(o) 手続規定を定める。
(p) 定款で明示的に理事会に付与されたその他の権限を行使する。
ⅱ 理事会は、管理委員会の提案に基づき上記(d)及び(f)に関する決定をなし、上記(c)、(m)及び(n)に
ついては、管理委員会の意見を聴取した後に決定をなす。管理委員会は、財務上の影響を及ぼすそ
の他全ての決定に対して意見を表明する。
ⅲ 上記ⅰに定められた権限以外の全ての権限は管理委員会に委譲される。
定款により管理委員会に委譲された権限は、例外的な場合かつ特定の期間のみ、理事会が再び保有
できる。
ⅳ 理事会は年に１度開催される。理事会は、必要に応じて追加的に開催することができる。
ⅴ 理事会は、必要に応じて、国際機関の代表者、又はその他の利害関係者を招待し、その手続に参加
させることができる。但し、投票権は与えない。
投票及び決議
ⅰ 会議における理事会の決議は、加盟国の代表者の３分の２が出席した場合にのみ有効となる。
決議は投票により行われる。賛成票及び反対票のみが多数決の判定に関し有効となる。
ⅱ 会議間において、書面により決議することができる。
ⅲ 当行の各加盟国は、保有する参加証書１通につき、１票の投票権を有する。
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ⅳ 払込期限が到来した資本金の一部を期限に払い込まない加盟国は、かかる未払が継続する限り、そ
の期限の到来した未払金額に関して投票権を行使できないものとする。
ⅴ 決議は、賛成又は反対の票を投じた加盟国の過半数及び投票数の３分の２以上の多数をもってなさ
れるものとする。
ⅵ 以下の事項は、賛成又は反対の票を投じた加盟国の４分の３以上及び投票数の４分の３以上の多数
をもって決議される。
(a) 上記「理事会の権限」ⅲに規定される決議
(b) 新規加盟国の加盟に起因しない、上記「理事会の権限」ⅰ(c)に従い承認される定款に添付され
ている配分表の調整
ⅶ 上記「理事会の権限」ⅰ(f)及び(h)に記載されている決議は、投票した加盟国の満場一致により採
択される。
b. 管理委員会
管理委員会は、理事会が任命する委員長及び当行の各加盟国の代表者各１名により構成される。本書
の日付現在(特段の記載がある場合を除き)の構成員は以下のとおりである。
ミグレ・タスキエネ(リトアニア) 委員長
元財務省副大臣、在ビリニュス
アルセーヌ・ジャコビー(Arsène JACOBY)(ルクセンブルク) 副委員長
財務省多国間事業、開発及びコンプライアンス部部長、在ルクセンブルク
アデラ・シェマリ(Adela XHEMALI) アルバニア
財政経済省大臣代理、在ティラナ
マーク・バレスタ・アリアス(Marc BALLESTÀ ALIAS) アンドラ
財務省国際金融部門事務次官、在アンドラ・ラ・ヴェラ
ロナルド・デ・スワート(Ronald DE SWERT) ベルギー
ジェネラルカウンセル、連邦財務局財務省国際及び欧州金融業務部長、在ブ
リュッセル
リェルカ・マリッチ(Ljerka MARIĆ) ボスニア・ヘルツェゴビナ
連邦監督機関理事長代理、在サラエボ
ゲルガナ・ベレムシュカ(Gergana BEREMSKA) ブルガリア
財務省国際金融機関及び協力理事局局長、在ソフィア
スティペ・ズパン(Stipe ŽUPAN) クロアチア
財務省事務次官、在ザグレブ
キリアコス・カコウリス(Kyriacos KAKOURIS) キプロス
財務省国際金融機関及び中央政府財務管理局局長、在ニコシア
ペトル・パヴェレク(Petr PAVELEK) チェコ共和国
財務省負債及び金融資産管理部部長、在プラハ
スティーン・リュ・ラーセン(Steen Ryd LARSEN) デンマーク
財務省顧問、在コペンハーゲン
リーナ・ライゴ(Riina LAIGO) エストニア
財務省EU及び国際部門顧問、在タリン
アルト・エノ(Arto ENO) フィンランド
財務省国際金融業務財務顧問、在ヘルシンキ
マチュー・フィリポット(Matthieu PHILIPPOT) フランス
経済財務復興省財務部二国間欧州関係及びEU金融機関ユニット部長、在パリ
エカテリン・ガンツァドゼ(Ekaterine GUNTSADZE) ジョージア
財務省大臣代理、在トビリシ
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マルクス・ホーマン(Markus HÖRMANN) ドイツ
財務省部門(Ⅶ D 2)部長、在ベルリン
アンヘロ・ヴォーヴァチス(Angelos VOURVACHIS) ギリシャ
開発投資省国際金融機関及び開発銀行独立部門長、在アテネ
任命保留中 バチカン
マテ・ロガ(Máté LÓGA) ハンガリー
内閣総理大臣官房(経済開発・国家金融担当)、在ブタペスト
オーラヴル・シグルズソン(Ólafur SIGURÐSSON) アイスランド
外務省外国貿易経済局局長、在レイキャビック
ニアム・マッギュイレ(Niamh McGUIRE) アイルランド
財務省国際金融機関部門部長、在ダブリン
フランセスカ・ユティリ(Francesca UTILI) イタリア
経済財務省財務部門国際金融関係課課長、在ローマ
ディジェ・リズヴァノリ(Dije RIZVANOLLI) コソボ
財務省国際金融協力部門部長代理、在プリシュティナ
インタ・ヴァサラウゼ(Inta VASARAUDZE) ラトビア
財務省経済分析部門部長、在リガ
ドメニク・ワンガー リヒテンシュタイン
特命全権大使、欧州評議会リヒテンシュタイン常任代表、在ストラスブルグ
ダリウス・トラケリス(Darius TRAKELIS) リトアニア
財務省EU及び国際部門部長、在ビリニュス
アルセーヌ・ジャコビー ルクセンブルク
財務省多国間事業、開発及びコンプライアンス部門部長、在ルクセンブルク
ジョゼフ・フィレッティ(Joseph FILLETTI)(2023年２月10日から) マルタ
元欧州評議会マルタ常任代表、在セントジュリアンズ
ドゥミトロ・ブディアンシ(Dumitru BUDIANSCHI) モルドバ共和国
財務省大臣、在チシナウ
カタリナ・ジヴコビッチ(Katarina ŽIVKOVIĆ) モンテネグロ
福祉財務省財務局、負債管理、債務分析及び外交関係(フロント・オフィス)部
長、在ポドゴリツァ
ジョアンネス・スミーツ(Johannes SMEETS) オランダ
外務省顧問、在ハーグ
デヤン・ニコロフスキ(Dejan NIKOLOVSKI) 北マケドニア
財務省国際金融関係及び公債管理部門部長、在スコピエ
アンドレア・ダネヴァド(Andreas DANEVAD) ノルウェー
外務省国際開発金融機関部門上級顧問、在オスロ
トーマス・スカーゼウスキ(Tomasz SKURZEWSKI) ポーランド
財務省国際協力部門副部長、在ワルシャワ
ジョゼ・アゼヴェド・ペレイラ(José AZEVEDO PEREIRA) ポルトガル
財務省経済政策及び国際事業部部長、在リスボン
ボニ・クク(Boni CUCU) ルーマニア
国家財政省国際金融関係総局局長、在ブカレスト
ニコラ・チェカロリ(Nicola CECCAROLI) サンマリノ
財務省顧問、在サンマリノ
ゾラン・チロヴィッチ(Zoran ĆIROVIĆ) セルビア
元セルビア共和国証券委員会委員長、在ベオグラード
マルティン・スピリツァ(Martin SPIRITZA) スロバキア共和国
財務省国際関係部金融機関及び国際機関ユニット長、在ブラティスラヴァ
バーバラ・クナピック・ナバレッテ(Barbara KNAPIČ NAVARRETE) スロベニア
財務省財政制度部門、在リュブリャナ
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アンドレス・バラガン(Andrés BARRAGÁN)(2023年２月７日から) スペイン
経済デジタルトランスフォーメーション省財務及び国際金融事務国際金融機関局
長代理、在マドリード
エヴァ・ヴィベルグ(Ewa WIBERG) スウェーデン
財務省国際部門部長、在ストックホルム
イヴァン・パヴレティック(Ivan PAVLETIC) スイス
経済協力開発多国間協力部門経済事務局連邦部門部長、在ベルン
ケレム・ドンメズ(Kerem DÖNMEZ) トルコ
資金財務省対外経済関係局長代理、在アンカラ
管理委員会の権限及び構成
ⅰ 定款に従い、管理委員会は理事会により委譲された全ての権限を有する。
ⅱ 管理委員会は、理事会により任命された任期３年(任期を３年とする第２期目の再任可能)の委員長
及び各加盟国により任命された代表者各１名により構成される。各加盟国は代表者代行１名を任命
することができる。欧州評議会の事務総長は、会議に参加し、又は代理人を出席させることができ
る。
ⅲ 管理委員会は、委員長により又は５名の委員による要求により、年に最低４回招集される。
ⅳ 管理委員会は、必要に応じて、国際機関の代表者、又はその他の利害関係者を招待し、その手続に
参加させることができる。但し、投票権は与えない。
投票及び決議
ⅰ 会議における管理委員会の決議は、加盟国の代表者の３分の２が出席した場合にのみ有効となる。
ⅱ 当行の各加盟国は、保有する参加証書１通につき、１票の投票権を有する。
決議は多数決により行われる。賛成票及び反対票のみが多数決の判定に関し有効となる。
ⅲ 会議間において、書面により決議することができる。
ⅳ 払込期限の到来した資本金の一部を期限に払い込まない加盟国は、かかる未払が継続する限り、そ
の期限の到来した未払金額に関して投票権を行使できないものとする。
ⅴ しかしながら、管理委員会は、以下の決議事項については、賛成又は反対の票を投じた加盟国の過
半数及び投票数の過半数をもって決議するものとする。
(a) 上記「理事会の権限」ⅰ(c)、(d)、(f)、(m)及び(n)に従い、理事会に対してなされる提案及び
意見
(b) 管理委員会の手続規定の採択又は改正
ⅵ さらに、管理委員会は賛成又は反対の票を投じた加盟国の過半数及び投票数の３分の２以上の多数
をもって、定款第13条litt.c.に規定された許容性に関する意見を得ていない投資事業に関連した決
議を行うものとする。
管理委員会は、随時その委員の一部から成る委員会を設置し、その委員会に対し別途指定した権限
を委譲することができる。
c. 総裁
総裁は、当行の全ての取引において当行を代表する。総裁は、管理委員会の指示と監督の下に、当行
の日常の管理業務を行う。総裁は、管理委員会が明示的に承認しない限り、資金の借入、貸付又は債務
保証をしない。
総裁は理事会の決議によって５年の任期で１回限り再選されうる。
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カルロ・モンティチェッリが当行の総裁である。同氏は、2021年６月11日に、2021年12月18日から始
まる５年の任期について選任された。
総裁は、2022年12月31日現在３名の副総裁により補佐される。
・ トマス・ボーチェック 副総裁(対象グループ諸国担当)
・ サンドリーヌ・ゴーダン 副総裁(財務戦略担当)
・ ヨハネス・M・ベーマー 副総裁(社会開発戦略担当)
総裁は、管理委員会によって承認された職務の内容を考慮に入れて副総裁の責任を決定する。
副総裁は、５年の任期で１回限り再選されうる。
d. 監査委員会
監査委員会は、理事会が任命した３名の委員で構成され、監査委員会の現在の構成は以下のとおりで
ある。
・ ナータ・ラスマネ(Nata LASMANE)(ラトビア)
財務省EU基金監査機構長監査部門長、在ブタペスト
・ ルシア・カシアロヴァ(Lucia KAŠIAROVÁ)(スロバキア共和国)
財務省行政報告部門プロジェクト進行係、在ブラティスラヴァ
・ バルボラ・ヤニツコバ(チェコ共和国)
財務省中央調和ユニット長、在プラハ
監査委員会は、毎年、当行の会計を調査し、運営に関する計算書類及び貸借対照表が適切であること
を確認する。監査委員会報告書には、貸借対照表及び運営に関する計算書類が帳簿と一致しているか否
か、並びに各会計年度末現在の当行の状況を正しくかつ公正に示しているか否かが明記される。
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（４）【業務の概況】
a. 実績の記録
戦後の1950年代に創設されて以来、欧州評議会開発銀行(CEB)は、加盟国がより社会的及び環境的に
持続可能な社会及び経済を育み、その中で直面する多くの課題に立ち向かうことを支援してきた。CEB
の戦後の難民を対象とする再定住化基金から本格的な多国間開発銀行への進化は、2022年が示したよ
うに、決して当然視されるべきでない欧州の歴史の進化と密接に関連している。
2022 年２月のロシアのウクライナ侵攻に端を発した危機に対するCEBの迅速な対応は、当行の資本基
盤の歴史的な増強に対する加盟国の合意とともに、CEBが欧州の連帯及び社会的結束の要として役割を
果たし続けていることの証左である。
https://coebank.org/en/about/mission/ も参照のこと。
b. 2022 年のCEB：困難な時代への足固め
ロシアのウクライナ侵攻、生活費危機、気候危機の激化など、この１年は欧州にとって様々な面で
厳しい試練であり、今後も厳しい局面が続くとみられる。欧州評議会開発銀行(CEB)は、その資金及び
専門性を駆使し、他の国際機関とともに、加盟国及びその市民が、これらの前例のない、複雑に絡み
合う困難に対処できるよう支援する。
今なお続く欧州を揺るがす危機は、CEBが国際開発金融構造の中で正真正銘の要であることを確認す
るものであった。記録的な速さで展開された主な支援及び新総裁の下での歴史的躍進のおかげで、CEB
は2022年において、より強固かつ適切な立場で顧客にサービスを提供し、社会的課題への取組みを支
援することができた。
しかし、リスクは依然として高く、「(４)業務の概況」に記載されるように、不安定かつ困難な時
代において、欧州唯一の社会開発銀行であるCEBの使命は、これまでになく重要かつ差し迫ったものと
なっている。
ロシアのウクライナ侵攻及びその被害、とりわけ近隣諸国への影響が2022年にCEBの注目を集めた
が、当行は新型コロナウイルス感染症のパンデミック及び気候危機の深刻化など、他の重要な局面に
も焦点を当て続けた。これらの複合的な危機は、人命の損失及び人的被害を拡大させ、特にウクライ
ナから国境を越えた難民の流入が急増した。
また、エネルギー価格の高騰が今世紀に類を見ないほどのインフレを引き起こし、生活費危機はさ
らに火に油を注ぐ事態となった。欧州では、政府の揺るぎない政策及び緊密な国際協調により雇用が
拡大し景気後退を回避したものの、消費者心理及び企業景況感が悪化し、年末までに景気の先行きは
かなり暗いものとなった。
2022 年、ウクライナ危機がCEBの活動の中心となった。ロシアの攻撃は、欧州評議会設立の礎となっ
た価値観そのものに打撃を与えた。それは、国際社会が二度と繰り返すまいと決意している過去を思
い起こさせるものであった。
CEB は、欧州評議会及びその他の国際金融機関(IFI)と同様に、この侵攻を直ちに非難した。３月に
は、CEBのカルロ・モンティチェッリ総裁が、IFIの首脳陣による共同声明に署名し、全面的な支持を
表明した。その中で、首脳陣は「ロシアのウクライナ侵攻」に対し、それが引き起こした苦難、それ
が引き金となった避難民、並びに平和、安全及び世界中の人々の「社会的・経済的需要」にもたらす
脅威に対して、恐れと懸念を表明した。
共同声明では、侵攻の影響は「エネルギー及び食糧供給量の減少から、物価上昇及び貧困の増加並
びにウクライナの復興のための大規模事業まで広範囲に及び、その全てが世界各地のパンデミック後
の復興を妨げる」と警告した。
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ウクライナ危機は、甚大かつ予測不能な困難をもたらしたものの、避難民にまつわる複雑な問題に
対処してきた長い経験から、CEBは迅速に行動することができた。CEBは、難民及びその受け入れ側の
緊 急ニーズにまず焦点を当てるとともに、医療、住宅、学校教育といった社会的ニーズにも対処し
た。実際、CEBは多国間開発銀行で初めて、ウクライナからの難民に緊急支援を行った。2015年に設立
された移民及び難民基金並びに公的機関、国際的な提携先、非政府組織及び企業との強固な連携によ
り、当行は現場の緊急ニーズに迅速に対応できる立場にあり、ポーランド、モルドバ共和国、エスト
ニア、ルーマニア、ブルガリア、チェコ共和国、ハンガリー及びスロバキア共和国など、最も影響を
受けた受入国で使用する支援者補助金10百万ユーロを割り当て、影響を受けた人々への食料、シェル
ター、医療支援及び心理的支援等の提供を援助した。
2022 年において、CEBは4.24十億ユーロにのぼる36の新しいプロジェクトも承認した(「ⅱ 支援及び
成果 承認された事業(国ごと)」及び「支出済融資(国ごと)」を参照のこと。)。これらの融資のう
ち、当該年の融資総額の約３分の１に当たる約1.3十億ユーロは、ウクライナからの難民を受け入れ、
対応する加盟国の支援に使われた。
この総額には、ウクライナと国境を長く接し、人道危機の影響を多く受けているポーランド共和国
に対して2022年６月に承認された、当行史上最大の単独融資450百万ユーロが含まれている(「ポーラ
ンドへの迅速な危機対応」を参照のこと。)。
また、CEBは難民のために２つのソーシャル・インクルージョン・ボンド(SIB)を発行し、そのうち
の１つは６月に１十億米ドルで発行され、この通貨では最大の取引となった。
CEB は、７月にダブリンで開催された当行の年次合同会議で発表された、アイルランドからの１百万
ユーロの寄付を皮切りに、ウクライナ連帯基金の設立も支援した。
2022 年において、難民危機の緊急性は、たとえば、大部分がシリアからの難民であり、世界で最も
難民人口の多い国の１つであるトルコなど、他の場所での避難民に関連するものを含めて、既存の社
会的ニーズに加えて増大した。(「f. 協力関係及び支援者 ⅱ CEBが行う社会的行為の支援者」を参
照のこと。)。本書の日付現在、トルコとシリアの国境地帯は人道危機に加えて、壊滅的な地震に見舞
われた。
ポーランドへの迅速な危機対応
2022 年６月にCEBがポーランド共和国のために承認した融資の規模は450百万ユーロであり、当行の
単独融資としては過去最大である。当該融資は、2022年２月のロシアのウクライナ侵攻に端を発した
未曾有の人道危機への対応、特に紛争から逃れた人々(主に女性、子供及び高齢者)の初期救援及び支
援を目的としており、その正当性は明らかである。当該融資は、危機管理並びに難民及び避難民をめ
ぐる問題についての長年にわたる経験をもとに、緊急事態に迅速に対応する当行の姿勢の表れであ
る。
ウクライナと長い国境を接するポーランドは、紛争開始以来、大規模かつ継続的な避難民の流入に
直面してきた。2022年２月から12月までに、ウクライナから約8.5百万人の避難民がポーランド国境を
越えた(CEBの融資が承認された時点では３百万人超と記録されていた)。ポーランドは、12月までに主
に女性、子供及び高齢者である約1.5百万人の登録避難民を受け入れていることが国連のデータで示さ
れている。ポーランドにとって、これは宿泊施設、医療、教育及びその他の基本的な社会的サービス
の増大を意味する。ポーランド政府は、地方及び国の予算が逼迫する中、バンク・ゴスポダルスト
ファ・クラヨヴェゴ(Bank Gospodarstwa Krajowego)(BGK)というポーランドの開発金融機関が管理す
る支援基金を設立した。CEBの緊急融資である公共部門融資ファシリティ(PFF)は、国庫が支援基金に
現金を拠出できるようにするもので、債券発行及び他の社会基金からの送金を財源としている。
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この事業の最終受益者は、家族・社会政策省、教育省及び保健省など、ポーランドの人道危機管理
の最前線にいる主体であり、地方自治体は経費及び費用の相殺のために支援基金を引き出すこともで
き る。CEBの融資は、宿泊施設需要や、登録避難民が当面の費用を工面するための単発の補助金などに
使われる予定である。また、子供たちへの毎月の手当にも充てられる。当該融資は、これらの分野の
費用の約27％を賄う見込みで、これらを合わせると支援基金の支出予定額の約70％を占めると予想さ
れる。
このPFFが融資した重要な取り組みの１つが、最も支援を必要としている社会的弱者に手を差し伸べ
るための現金送金の仕組である。これは、非常に効果的かつ柔軟な人間中心のツールであることが緊
急事態下で実証された。
出典：
ウクライナ難民の状況(unhcr.org)
https://data.unhcr.org/en/situations/ukraine
2022 年ポーランドにおけるウクライナ難民(スタティスタ)
https://www.statista.com/statistics/1293564/ukrainian-refugees-in-poland/
ⅰ CEBの社会的使命：新たな緊急性
ウクライナに対するCEBの融資は、短期的にも長期的にも強い社会的影響力を与えることが期待され
る。CEBは、住宅、教育及び医療といった分野の社会的に影響力のある投資に融資及び助成を集中させ
るよう加盟国から負託されている。かかる命令の根底には、1956年に「欧州における国家難民及び人
口過剰のための再定住化基金」として設立されて以来、かかる機関が数十年にわたって蓄積してきた
唯一無二かつ豊富な知識に裏打ちされた経験がある。現在、CEBは欧州で最も古い多国間開発銀行であ
り、世界銀行に次いで世界で２番目に古い銀行である。
このレガシー以上に、欧州の継続的な繁栄、社会的及び環境的結束及びレジリエンスのための社会
的投資が極めて重要であることは、昨今において疑問の余地がない。経験的証拠によれば、所得及び
機会における不平等の拡大は、社会的結束のみならず経済成長をも損ねる。
この観点から、2022年に深刻化した危機は、全ての欧州諸国が立脚している社会機構を分断する危
険性がある。避難民を含むより多くの人々及びそのコミュニティが貧困及び排斥に対して脆弱になる
中で、CEBに特別な責任を課している。
CEB がアイルランドのソーシャルファイナンス・ファンデーション(Social Finance Foundation)を
支援するために承認した融資は、当行が支援する社会事業の幅広さ及び多様性を示している(「ⅱ 支
援及び成果 アイルランドにおける社会的投資の促進」を参照のこと。)。次の項目では、起業家精神
及び包摂的成長を促すためのブルガリアのマイクロファイナンス・プロジェクトや、スウェーデンの
学校に革新的な学習環境を提供するための基金といった、その他の事例も紹介する(「c. 2022年に承
認された計画 ⅲ 社会的弱者集団の支援は戦略的に必要である (b) 新校舎によりマルメに機運がも
たらされる」を参照のこと。)。
ベルギーのがん患者用医療機器購入支援やスペインの高齢者及び障害者支援プロジェクトなど、医
療もCEBの主要分野であり続けている。
アイルランドにおける社会的投資の促進
コミュニティセンター、スポーツ施設、保育所、博物館、障害者向け芸術施設、高齢者向け住宅、
依存症治療クリニック、食品協同組合などは、アイルランド政府が2007年に設立した慈善団体であ
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る、アイルランドのソーシャルファイナンス・ファンデーション(SFF)が集めた資金によって可能に
なった幅広い取組みの一部である。2022年にCEBの年次合同会議を主催したアイルランドの銀行は、と
り わけ金融危機以降、このような社会事業に対して直接融資を十分に提供してこなかった。SFFは、ア
イルランドのソーシャルファイナンス部門を活性化させつつ社会的影響力を生み出すことを目的とし
ている。SFFは、金融市場を活用することで、通常個人保証又は早期返済の違約金なしでコミュニティ
事業、ボランティア事業及び社会事業に貸付を行うコミュニティ・ファイナンス・アイルランド
(Community Finance Ireland)及びクラン・クレド(Clann Credo)という２つのソーシャルレンディン
グ機関に卸売資金を融資する資金を全額賄う。SFFの職員は少人数で、役員は無給のボランティアであ
る。2007年以来、1,600超の社会組織が、163百万ユーロに相当する融資の恩恵を受けている。
2022 年７月に承認された20百万ユーロのCEBの融資枠により、SFFはこうした借入人に対する融資活
動の拡大、金利上昇の抑制及び資金調達基盤の多様化を図ることができる(これはSFFにとって初の国
際金融機関からの融資である。)。本融資は、インベストEUの保証を受け、特に地方の生活環境の改善
及び社会事業による雇用創出の支援に重点を置く。また、このプロジェクトは二酸化炭素排出量が少
ないことが期待され、資金の一部は気候変動緩和のための投資に充てられる見込みである。
ⅱ 支援及び成果
2022 年７月にアイルランドのダブリンで初めて開催され、成功を収めたCEBの主要運営機関である理
事会及び管理委員会の年次合同会議で、加盟国はCEBの戦略的重要性の高まりを再確認した(「j. ガバ
ナンス及び人事 ⅰ ダブリン、アイルランドにおける2022年CEB年次合同会議」を参照のこと。)。戦
略的な政策協議並びに新規融資及び幹部人事に関する発表に加え、本会合は新たな節目となった。
第一に、加盟国は、現在進行中であるウクライナのCEB加盟プロセスを支援することを確認した。ウ
クライナは５月に当行への加盟を申請し、既に欧州評議会に加盟している。加盟国はまた、加盟にあ
たって必要な支払義務を免除することで具体的な支援の意思表示を行い、12月には加盟手続が進行中
であった。
2022 年第二の節目は、当行の資本基盤の強化に関する合意であった。CEBは、加盟国からの援助、補
助金又は予算拠出を一切受けていないが、危機の深刻化に伴い、CEBの融資に対する需要は年間５十億
ユーロ超に上り、当行の業務を強化し下支えすることが重要となっている。
合同会議後も議論は数ヶ月間継続し、2022年12月、当行の運営機関は、最大4.25十億ユーロの全体
増資を承認した(「j. ガバナンス及び人事 ⅰ ダブリン、アイルランドにおける2022年CEB年次合同
会議」を参照のこと。)。CEBの歴史上初めて、1.2十億ユーロにのぼる有償増資が加盟国からの現金拠
出によって調達されることになる。かかる資本基盤の強化は、同じく2022年12月に合意されたCEBの新
たな2023年から2027年に係る戦略的枠組みの推進に寄与する。
2022 年において、当行はその他にも目覚ましい成功を収め、顧客により良いサービスを提供するこ
とができる見込みである。当行はEUの新しい法令遵守検査、すなわち「柱の評価」に合格し、EUの資
金を管理する提携先としての能力が裏付けられた。EUとのパートナーシップ強化の一環として、CEBは
2022年11月に、最大159百万ユーロに相当する保証であるインベストEU協定に署名した。これにより、
幅広い社会的プロジェクトに対して５億ユーロの追加融資を活用することが可能となる一方、EUの予
算保証によりCEBのリスクテイク能力が高まる見込みである(「f. 協力関係及び支援者 ⅰ 協力関
係 (a) 欧州連合」を参照のこと。)。
CEB は支援者からの助成も受け、2022年には、主にEUから約39百万ユーロを調達した。かかる助成に
支えられ、当行は、ボスニア・ヘルツェゴビナで永続的な雇用を創出するためのサイエンス・テクノ
ロジー・パークに出資し、トルコで難民・医療プロジェクトに出資し、ベオグラードで小児病院を拡
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張し、ジョージアで学校に投資することができた「f. 協力関係及び支援者 ⅱ CEBが行う社会的行為
の支援者」を参照のこと。)。
さらに、CEBは、2022年10月にニューヨークで、グリーンボンド、ソーシャルボンド又はサステナビ
リティボンドの発行体、投資家及びその他の利害関係者向けのグローバルな情報及びデータ収集ツー
ルであるナスダック・サステナブルボンドネットワーク(NSBN)に加盟することで、環境・社会・ガバ
ナンス(ESG)市場においてもプレゼンスを高めた。
全体として、CEBは2022年の困難な課題を決意と能力をもって乗り越え、相対的に強い立場で2023年
を迎える。全ての主要な機関から取得した優れた信用格付、ESG基準に基づく非の打ちどころのない実
績並びに厳格なデュー・デリジェンス及び国際的なガバナンス基準の遵守により、CEBは加盟国の信頼
に足る社会開発銀行となっている。何より、CEBはスタッフの能力、専門性及びスタッフの前向きな意
欲並びに当行の社会的使命に対する職員の献身によって運営されている。
2022 年に欧州が直面した課題は、深刻化することはなくとも今後も継続すると予想される。移民及
び気候変動は長期的に継続する可能性が高く、2023年には世界経済がいくらか勢いを取り戻すかもし
れないものの、持続的かつ包摂的な成長のためには、CEBが提供できるような横断的な活動が必要とな
る。CEBは、より強く、より公正で、より社会的に結束した欧州を実現するために、加盟国及びその市
民が今後の課題に取り組むことを引き続き支援する準備がある。
加盟国が欧州評議会開発銀行の資本基盤の増強に同意
https://coebank.org/en/news-and-publications/news/governing-board-approves-ceb-2023-2027-
strategic-framework-and-historic-capital-increase/
カルロ・モンティチェッリ総裁がアイルランドの国営ラジオであるRTEのプライムタイムで応じたイ
ンタビュー
https://www.rte.ie/news/business/2022/0708/1309113-ceb-to-discuss-ukraines-application-
for-membership/
社会的包摂と気候変動との関連
2022 年におけるCEBの活動は、社会的包摂性があり、気候変動に耐性がある経済へ加盟国が移行する
進展を支援するという、CEBの強い関与を引き続き反映したものであった。
どの政府又は国際金融機関も、人間、地球及び繁栄という持続可能性の三角パラダイムを無視する
わけにはいかない。しかし、長期的な平均気温の上昇を産業革命以前の水準から1.5℃に抑えるという
世界的に合意された目標の達成には、世界規模の活動は依然として不十分である。2022年は記録上最
も温暖な年の１つであり、欧州では数ヶ国において過去に類を見ない森林火災が発生するなど、深刻
な気候関連事象がいくつか発生し、この課題の緊急性が改めて浮き彫りになった。
CEB は、いずれも2015年に合意された国連の持続可能な開発目標(SDGs)及び気候変動に係るパリ協定
を強く支持しており、その実施には社会的側面からの活動が不可欠である。実際に、これらの画期的
な合意は、社会的課題と気候関連課題との強い相関関係を浮き彫りにしている。気候関連の緊急事態
の悪化が不平等を深刻化させるように、不平等及びその他の社会的課題への取組みは気候変動対策を
強化するものであり、常にその設計に組み込まれるべきである。
CEB は、その社会的使命に従って、気候変動が低所得者及びその他の社会的弱者集団に不均衡な悪影
響を及ぼすことを認識している。移行政策及び投資における社会的包摂を確保しつつ気候変動危機に
対応することは、幅広い利益をもたらしうる。例えば、気候変動に耐性がある雇用の創出、気候変動
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の影響を受ける部門への依存を減らすための経済的多様性の促進及び低炭素な活動への投資は、全て
相互に補完し合う結果につながる。
この社会的包摂と気候変動とのつながりは、公正かつ社会的包摂性のある移行に対するCEBの取組み
において中心的な検討事項である。このつながりを考慮することは、社会的及び気候的に利益をもた
らすプロジェクトを特定し、社会的投資の環境フットプリントを削減し、気候変動対策による社会的
な負の影響に対処するのに役立つ。この取組みは、2022年に融資が承認された幾つかのプロジェクト
が示すように、ドイツ及びリトアニアの社会的弱者向けの新しい高エネルギー効率の住宅から、2021
年の熱波によって引き起こされたような悲劇的な森林火災に対するトルコの備えを強化する活動ま
で、CEBの新規プロジェクトの評価に組み込まれている(「c. 2022年に承認された計画 ⅳ 社会的包
摂の優先事項である環境の持続可能性 (a) 環境の回復力への投資」を参照のこと。)。
この文脈において、2021年に開始したCEBのパリ協定との整合性に関する枠組み及び2022年からのパ
リ協定との整合性に関する指針の実施は、社会的包摂と気候変動問題とをよりよく結びつけるための
関与をさらに強固にする。新たな融資プロジェクトをパリ協定が掲げる目標と一致させるための当行
の取組みは、予め資金使途及び地理的立地が定められているプロジェクトに関しては2023年から、そ
の他のプロジェクトは2024年から始動する。
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承認された事業(国ごと)
( 単位：千ユーロ)
2018 年から2022年の
2022 年 2021年 累積合計
1
国
金額 ％ 金額 ％ 金額 ％
アルバニア 75,000 1.80 75,000 0.34
アンドラ 8,000 0.19 20,000 0.09
ベルギー 89,000 2.10 300,000 7.22 689,000 3.09
ボスニア・ヘルツェゴビナ 4,000 0.09 4,000 0.10 38,635 0.17
ブルガリア 175,000 4.12 175,000 0.78
クロアチア 200,000 4.81 650,000 2.91
キプロス 65,500 1.57 105,500 0.47
チェコ共和国 410,000 9.66 50,000 1.20 1,245,000 5.58
エストニア 20,000 0.48 245,000 1.10
フィンランド 240,000 5.77 630,300 2.83
フランス 113,500 2.67 541,000 13.01 1,267,700 5.68
ジョージア 30,000 0.13
ドイツ 450,000 10.60 240,000 5.78 1,773,200 7.95
ギリシャ 2,000 0.05 272,000 1.22
ハンガリー 152,000 3.66 694,000 3.11
アイスランド 20,000 0.48 20,000 0.09
アイルランド 20,000 0.47 75,000 1.80 278,700 1.25
イタリア 730,000 17.20 253,600 6.10 2,555,600 11.46
コソボ 25,000 0.59 25,000 0.60 87,000 0.39
ラトビア 15,000 0.36 180,000 0.81
リトアニア 313,000 7.38 32,800 0.79 934,800 4.19
ルクセンブルク 3,000 0.07 3,000 0.01
モルドバ共和国 102,000 0.46
モンテネグロ 30,000 0.72 90,000 0.40
オランダ 200,000 4.81 910,000 4.08
北マケドニア 16,000 0.38 16,000 0.07
ポーランド 650,000 15.32 365,556 8.80 2,072,316 9.29
ポルトガル 188,700 4.54 333,700 1.50
ルーマニア 15,000 0.35 240,300 5.78 646,300 2.90
サンマリノ 10,000 0.04
セルビア 230,000 5.42 115,000 2.77 1,221,000 5.47
スロバキア共和国 130,000 3.13 920,000 4.12
スロベニア 120,000 2.89 170,000 0.76
スペイン 589,000 13.88 429,000 10.32 2,665,000 11.95
スウェーデン 80,000 1.89 380,000 1.70
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トルコ 350,000 8.25 800,000 3.59
合計 4,243,500 100.00 4,156,456 100.00 22,305,751 100.00
注(1) 対象国：アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ共和国、エストニア、
ジョージア、ハンガリー、コソボ、ラトビア、リトアニア、マルタ、モルドバ共和国、モンテネグロ、北マケドニア、
ポーランド、ルーマニア、セルビア、スロバキア共和国、スロベニア、トルコ
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支出済融資(国ごと)
( 単位：千ユーロ)
2018 年から2022年の
2022 年 2021 年 累積合計
国
金額 ％ 金額 ％ 金額 ％
69,000 1.96 0.00 100,400 0.57
アルバニア
4,000 0.11 3,600 0.09 16,000 0.09
アンドラ
50,000 1.42 170,000 4.23 535,000 3.04
ベルギー
8,491 0.24 18,894 0.47 77,273 0.44
ボスニア・ヘルツェゴビナ
0.00 220,000 1.25
ブルガリア
69,574 1.97 233,506 5.80 539,838 3.06
クロアチア
7,049 0.18 55,049 0.31
キプロス
154,281 4.38 155,000 3.85 974,281 5.53
チェコ共和国
50,000 1.42 150,000 3.73 200,000 1.13
エストニア
90,000 2.55 105,300 2.62 508,300 2.88
フィンランド
411,425 11.67 337,792 8.40 1,092,869 6.20
フランス
17,750 0.50 3,250 0.08 40,015 0.23
ジョージア
232,300 6.59 249,200 6.19 1,121,940 6.37
ドイツ
61,000 1.52 218,500 1.24
ギリシャ
93,497 2.65 198,000 4.92 700,711 3.98
ハンガリー
5,000 0.03
アイスランド
77,064 2.19 50,000 1.24 332,064 1.88
アイルランド
221,790 6.29 517,826 12.87 1,541,934 8.75
イタリア
10,824 0.31 17,216 0.43 45,824 0.26
コソボ
1,000 0.03 5,400 0.13 19,000 0.11
ラトビア
111,118 3.15 252,920 6.29 651,838 3.70
リトアニア
300 0.01 300 0.00
ルクセンブルク
20,300 0.58 8,700 0.22 29,000 0.16
マルタ
42,127 1.05 68,476 0.39
モルドバ共和国
12,350 0.35 36,872 0.92 93,142 0.53
モンテネグロ
20,000 0.57 165,083 4.10 1,076,600 6.11
オランダ
8,000 0.23 8,716 0.22 48,858 0.28
北マケドニア
746,467 21.17 205,143 5.10 2,137,137 12.13
ポーランド
15,500 0.44 25,200 0.63 180,000 1.02
ポルトガル
113,522 3.22 42,250 1.05 356,494 2.02
ルーマニア
3,000 0.07 10,000 0.06
サンマリノ
158,689 4.50 255,000 6.34 603,439 3.42
セルビア
31,000 0.88 60,500 1.50 833,326 4.73
スロバキア共和国
45,000 1.28 35,000 0.87 155,000 0.88
スロベニア
603,639 17.12 271,464 6.75 1,887,396 10.71
スペイン
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29,036 0.82 198,103 4.92 498,638 2.83
スウェーデン
50,000 1.42 130,000 3.23 650,000 3.69
トルコ
合計 3,525,917 100.00 4,023,111 100.00 17,623,641 100.00
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承認された事業(相手方別)
( 単位：千ユーロ)
国 相手方 プロジェクトの概要 CEB の貸付額 プロジェクト
の総額
ベルギー ジュール・ボルデ協会 協会の再建並びに放射線治療、核医学、医学 89 , 000 398,000
(Jules Bordet 画像、薬学及び研究所などの部門の医療機器
及びその他の機器の購入のための追加的な投
Institute)
資を提供する2012年に承認されたプロジェク
トの延長。
最終受益者：ベルギー及び欧州における治療
中のがん患者並びに医療従事者及び公的機
関。
ボスニア・ヘ MI-BOSPO マイクロクレ 生産性のある投資及び運転資本の需要並びに 4,000 8,000
ルツェゴビナ ジット・ファンデー ボスニア・ヘルツェゴビナ国内の低所得世帯
ション(MI-BOSPO の生活環境の改善を目的とした住宅ローンへ
の部分融資。
Microcredit
最終受益者：(特に女性)経営者及び低所得
Foundation)
者。
ブルガリア ブルガリア開発銀行 零細及び中小事業向けの金融資源の利用の促 175,000 435,000
(Bulgarian 進による国内の雇用の創出及び維持並びに
「グリーントランジション」の支援。
Development Bank)
最終受益者：ブルガリア国内の融資の利用促
(BDB)
進により恩恵を受けるMSME並びに雇用の創出
及び維持から恩恵を受ける労働者。
チェコ共和国 チェコスロバキア貿易 公共インフラの再活性化及び近代化のための 60,000 120,000
銀行A.S.(Č CSOBを通じた地方自治体、公的機関、民間機
eskoslovenská 関又は官民合同機関への長期的な融資で、欧
州構造投資基金及び/又はEU復興・強靱化
Obchodní Banka,
ファシリティへの協調融資を含む。グリーン
A.S.)
経済、イノベーション及び研究開発への投資
を優先する、MSMEの支援のためのCSOBを通じ
た運転資本及び投資ファイナンス。
最終受益者：チェコ共和国国内の公共サービ
スへの投資から恩恵を受ける地方自治体及び
地域の住民並びに適格MSMEの従業員及び求職
者。
政府 ウクライナの戦争に起因する臨時支出への部 200,000 250,000
分融資。避難民への宿泊施設、住居及び食料
の提供、雇用及び労働市場への統合の強化並
びに最長６ヶ月にわたる生活必需品に係る支
＊
出を援助するための緊急支援金の提供。
最終受益者：チェコ共和国での避難及び保護
を希望するウクライナ難民で、特に一時保護
の立場にある女性及び子供。
SG エクイップメント チェコ共和国内及びスロバキア共和国内の 150,000 300,000
ファイナンス・チェコ MSMEへの生産性のある投資への部分融資を通
共和国s.r.o (SG じた、雇用の創出及び維持の支援。また、都
市部及び地方の公共インフラの改修及び近代
Equipment Finance
化に係る投資への共同融資を通じた都市部及
Czech Republic
び地方の生活環境の改善の支援。
s.r.o.)
最終受益者：融資を受けることのできるMSME
の従業員及び求職者並びにチェコ共和国内及
びスロバキア共和国内の地方自治体及び地域
の住民。
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フランス クレディ・コオペラ 医療、社会及び教育関連施設及びインフラの 100,000 200,000
ティフ(Crédit 建設、改装及び改修。
最終受益者：高齢者、障がい者、複雑な家庭
Coopératif)
環境又は教育環境の子供又は10代などの社会
的弱者。
アプレンティ・オー 学生及びその他の大学の利用者が抱える現在 13 , 500 24 , 100
トゥイユ・ファンデー の及び潜在的な需要を施設に反映するため
ション(Fondation の、ムードン(オー・ド・セーヌ県)サン・
フィリップの教育キャンパスの改修及び拡張
Apprentis d’
のための部分融資。
Auteuil)(FAA)
最終受益者：恵まれない社会経済的な背景を
持つ若年層、不安定な状況にある世帯及び教
育界全般。
ドイツ GEWOFAGウォーネン 特にエネルギー効率への取組みに着目した、 150,000 600,000
GmbH(GEWOFAG Wohnen ミュンヘン及びその周辺地域の公共住宅及び
手頃な価格の住宅の供給の増加及び近代化。
GmbH)
最終受益者：ミュンヘンで住居を探している
者で、特に妊婦、子供のいる世帯、一人親、
高齢者及び障がい者。
NRW.バンク(NRW. 難民向けの宿泊施設の確保、建設及び近代化 200,000 400,000
のための投資への部分融資。貸付により、ウ
BANK)
クライナの戦争による負の影響を軽減させ、
難民及びその受入国が抱える長期的な需要に
応えることを目的とした借入人の取組みを支
援する。
最終受益者：自国の戦争から直接的な影響を
受けたウクライナ難民及びその他の難民(国
籍を問わない。)。
シュトゥットガルト路 輸送車両の近代化及び改装並びに関連インフ 100,000 378,000
面電車会社 ラの刷新及び拡張に焦点を当てた、借入人の
＊
(Stuttgarter 投資プログラムへの支援。
Straßenbahnen AG)
最終受益者：SSBのネットワーク内に居住す
る全ての住民で、特に社会的弱者集団。
(SSB)
アイルランド ソーシャルファイナン 特に地方の共同体、ボランティア組織及び社 20,000 63,000
ス・ファンデーション 会事業に対するソーシャルレンディング機関
(SLO)からの貸付への部分融資。
最終受益者：子供、高齢者及び特別支援が必
要な者並びにコミュニティーセンター及びス
ポーツセンター、ソーシャルケアサービス及
び文化施設などの公共施設の利用者。さら
に、当該プログラムにより社会事業の従業員
及び求職者が恩恵を受ける。
イタリア イタリア預託貸付公庫 「プラフォンド・セントロ・イタリア」ファ 350,000 3,000,000
(Cassa Depositi e シリティを通じた、2016年の地震の影響を受
けた地域の再建のための投資のサブ・プロ
Prestiti)
ジェクトへ部分融資するためのプロジェクト
の延長。
最終受益者：地震の影響を受けた地域の、そ
の住居が損壊した民間人及び事業に関連する
資産への損害を受けた民間企業。
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政府 ウクライナの戦争により生じた人道危機へ対 330,000 370,000
処するためのイタリアの施策で、特にイタリ
ア及びその他の影響を受けた国における緊急
サービスの供給及び初期の人道支援の提供な
＊
どに対する支援。
最終受益者：ウクライナの戦争から避難し、
イタリアでの保護及び避難を希望する個人並
びにその他の影響を受けた国の受入施設から
移動する個人。
スポーツ信用銀行 以前承認された貸付と同様、スポーツ施設の 50,000 770,000
(Istituto per il 建設、改装、適応及び拡充のための、2018年
に承認されたプロジェクトの延長。加えて、
Credito Sportivo)
文化遺産施設の改善、建築的障壁の撤廃、地
震及び環境リスクの軽減並びにエネルギー効
率の改善などの文化遺産の分野への投資の部
分融資を含む。
最終受益者：主に若年層、学生及び高齢者な
どの、公共及びアマチュアのスポーツ団体で
スポーツに従事する者並びに貧困地域でス
ポーツに従事する者。
コソボ 政府 コソボ当局による適切な公共住宅プログラム 25,000 44,750
の導入並びに国内の長期的に持続可能な公共
住宅及び手頃な価格の住宅に係るシステム構
築のための取組みへの支援。
最終受益者：社会経済的な弱者集団に焦点を
当てた、低・中所得層。特に母子家庭、失業
中及び経済的に自立していない低所得の女
性。
リトアニア 政府 ウクライナの戦争に起因する臨時支出への部 120,000 144,000
分融資。特に、支出予定額には、特定の社会
的弱者集団に対する補償への融資を含む教
育、医療及び社会介護への支援及び引当金を
＊
含むがこれに限られない。
最終受益者：ウクライナの戦争から避難し、
リトアニアでの支援及び避難を希望する者
で、特に子供、学生、高齢者及び障がい者が
含まれる。
政府 主に教育、医療、文化及びスポーツなどの複 100,000 200,000
数の社会分野に的を絞った投資への部分融資
を通じた、リトアニア政府が現在実施してい
る国家投資プログラム(SIP)に基づく投資支
＊
出への支援。
最終受益者：約2.7百万人のリトアニアの住
民。
カウナス市自治体 安全な宿泊施設、食料、心理的及び社会的支 25,000 150,000
援並びに子供の教育及び成人の職探しなどの
ウクライナ難民への地方自治体サービスの提
供を含む、カウナス市が戦略的開発計画に基
づく政策目標を達成するための支援を目的と
＊
した投資への部分融資の追加要請。
最終受益者：カウナス市及びカウナス地区内
の住民並びにリトアニアでの保護及び避難を
希望するウクライナ難民。
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カウナス市自治体の交 カウナス・パブリック・トランスポート・カ 16,000 81,333
通会社(カウナス・バ ン パ ニ ー (Kaunas Public Transport
ス会社(Kauno
Company)によるバス車両の近代化を通じたカ
Autobusai)) ウナス市の公共交通機関の質及び環境の持続
可能性の向上への継続的な取組みを支援する
＊
ための投資への部分融資に係る追加要請。
最終受益者：より良い交通の便を求める者を
含む、カウナスの公共交通機関の既存の及び
将来の利用者。
KREDA (統一中央信用 零細、小規模及び中規模事業向けの金融資源 2,000 4,000
の利用促進を通じた、雇用の創出及び維持の
組合(Jungtinė
支援。
centrinė kredito
最終受益者：国内全域のMSMEの従業員及び失
unija))
業者で、特に地方の零細企業及び小自作農。
非公開会社「SBモダー 集合住宅の改装のための国家プログラムに基 40,000 275,000
ニザヴィモ・フォンダ づくエネルギー消費、光熱費及び環境汚染の
(SB modernizavimo 削減による、集合住宅のエネルギー効率及び
エネルギー性能の向上。サブ・プロジェクト
fondas)」(シャウレイ
には、ファサード及び屋根の断熱工事、窓の
銀行(Šiaulių Bankas)
交換及び暖房の改修が含まれる。
の100％子会社)
最終受益者：国内の集合住宅に居住する世
帯。
公共投資開発庁(VIPA) 主にリトアニアの大都市(ヴィリニュス、カ 10,000 13,000
ウナス及びクライペダ)の校舎、寮又はその
他の教育関連施設を含む教育機関向けの施設
の改装、建設又は購入。
最終受益者：国内の職業訓練及び高等教育に
係る機関の学生及び教師。
ポーランド 政府 ウクライナ紛争による特別支出への部分融 450,000 2,440,000
資。宿泊設備及び社会的ケアの分野でポーラ
＊
ンドの対応計画に出資。
最終受益者：特にウクライナの子どもたちを
含む、ウクライナから逃れてポーランドに
シェルター及び避難所を求めている避難者。
PEKAO リーシングSp. 建設業、卸売業、工業及び製造業、小売業並 200,000 400,000
びに農業など幅広い分野における、商用車、
z.o.o. ( PEKAO Leasing
機械設備及びIT・事務機器の購入といった、
Sp. z.o.o.)(PekaoL)
受益者の中核的な事業活動を支援するための
固定資産及び生産設備への適格投資。
最終受益者：国内全域の既存のMSMEの従業員
及び失業者。
ルーマニア ライファイゼン・リー ライファイゼンと国内全域の適格なMSMEとの 15,000 160,000
シング・ルーマニア 間の融資及びリース契約を目的とし、機械、
IFN SA(Raiffeisen 機器、車両及びオフィス・IT機器を含む生産
的投資を支援するための、2017年に承認され
Leasing Romania IFN
たプロジェクトの延長。
SA)
最終受益者：適格なMSME。
セルビア 政府 クルシェヴァツ地域の老朽化した既存の刑務 30,000 42,250
所並びに隣接するチュプリア、ニシュ及びポ
ジャレバツのセンターに代わる新しい刑務所
の建設。さらに、既存のスレムスカ・ミトロ
ヴィツァ刑務所の施設に分館を併設し、閉鎖
環境の囚人用の200の追加収容場所を作る予
定。
最終受益者：これらの施設の収容者。
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政府 中小規模及び大規模の専門ケア施設の近代化 200,000 630,000
を含む、１次、２次及び３次レベルの医療イ
ンフラの改善のための投資への融資を継続す
るための、2018年に承認されたプロジェクト
＊
の延長。
最終受益者：高齢者、親のいない子ども又は
特別なニーズのある子どもなどの脆弱なグ
ループを含む、国内全域の特定の医療施設の
患者及び医療スタッフ。
スペイン バンコ・サンタンデー 再生可能エネルギーに対する投資への部分融 200,000 400,000
ル(Banco Santander) 資。これには、太陽光発電プロジェクト14件
及び風力発電プロジェクト２件の計16件の再
生可能エネルギーのサブ・プロジェクトが含
まれる可能性。
最終受益者：同国に住む人々。
バルセロナ市議会(バ バルセロナ市が2022年から2024年に係る行動 70,000 140,000
ルセロナ) 計画を達成し、持続可能な開発を推進する強
靭な都市となるための支援。バルセロナの戦
略路線、すなわち、社会権、気候変動への緊
急対応及び都市計画(社会的シェルター、持
続可能な移動手段及び都市インフラなど)に
＊
含まれる投資への部分融資。
最終受益者：バルセロナの1.6百万人の住民
(348,000人超の外国生まれの住民を含
む。)。さらに、同市を来訪する年間９百万
人超の観光客が、公共インフラの改良及び環
境の改善による恩恵を受ける。
アンダルシア自治州 アンダルシアの地域当局が高齢者及び障害者 200,000 400,000
(アンダルシア) に質の高い社会福祉サービスを提供する取組
＊
みの支援。
最終受益者：アンダルシアの住民、特に高齢
者及び障害者並びにその家族。
ペレ・タレス財団 高等教育(学部)、ソーシャル・ワーカーの研 19,000 38,000
(Fundació Pere 修活動及び財団本部を統合するための新建物
の建設及び装備に関連する支出への部分融
Tarrés)(FPT)
資。かかる新建物には、FPTの新しい取組み
である「社会革新のための観測所」及び「社
会活動のための研究所」なども置かれ、社会
的及び教育的活動の分野における知識及び最
良慣行のさらなる発展及び共有が目指される
予定。新建物には、屋外活動が可能な緑地が
設けられ、エネルギー効率化技術も取り入れ
られる予定。
最終受益者：学生、教職員、指導者及び研修
参加者、並びに新建物が建設されるラ・マ
リーナ・デル・プラット・ヴェルメル地区の
住民。
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カタルーニャ金融研究 カタルーニャ地域における社会住宅の供給を 100,000 200,000
所(Institut Català 拡大する取組みの支援。本貸付は、社会的賃
貸用住宅の取得及び社会住宅の建設への部分
de Finances)
融資。
最終受益者：カタルーニャ地域の市民で、市
場の賃貸価格を支払う余裕がなく、社会住宅
を求める人のためのカタルーニャ公的登録簿
に登録されている人々。特に、手頃な価格の
賃貸住宅の提供の拡大及びエネルギー費用の
削減が、ホームレス又は性暴力の被害者及び
失業者などの社会的に脆弱なグループに恩
恵。
スウェーデン マルメ市 都市化及び移民に起因する教育インフラへの 80,000 613,500
ニーズの高まりに応えるための、マルメ市に
よる教育施設の拡大及び改善を支援する投資
＊
への部分融資の追加要請。
最終受益者：マルメの子ども達及び地域社会
全体
トルコ イルバンク(Ilbank) 森林火災及びその他の自然災害に備え、対応 200,000 250,000
するための自治体の能力の強化。トルコの最
も影響を受ける13以下の地方自治体に直接融
資することで、当該借り手の貸付活動に部分
＊
融資。
最終受益者：トルコの特定の地方自治体の被
災地に住む約20百万人の人々。
トルコ輸出信用銀行 トルコの輸出志向のMSMEの発展を通じた雇用 150,000 300,000
(Türkiye İhracat の創出及び維持の支援。
最終受益者：MSMEの従業員及び国内全域の求
Kredi Bankası A.Ş.)
職者、特に女性起業家。
(Türk Eximbank)
合計 4,243,500
＊公共部門融資ファシリティ(PFF)
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c. 2022 年に承認された計画
ⅰ 活動中の欧州の社会開発銀行
CEB が2019年末に2020年から2022年に係る開発計画を発表した際、世界的な見通しは、すでに不安定
になり始めていた。GDP成長率は、貿易の低迷及び地政学的緊張を背景として年率約３％に下落した。
欧州諸国間の政策合意は、持続可能かつ包摂的な成長の促進の一環であり、誰も取り残さない政策に
よって裏付けられたデジタル移行により促進された。CEBでは、これを戦略推進の社会面での３つの具
体的な活動路線に変換した。
・包摂的な成長
・社会的弱者集団の支援
・環境の持続可能性
当該計画の初年における新型コロナウイルス感染症の急増及び2022年２月のロシアによるウクライ
ナ侵攻により、状況は急激に悪化し、危険度が高まった。活動路線にはおおむね変更ないが、活動が
強化される。新型コロナウイルス感染症の拡大を食い止めるために国境が閉鎖され、サプライチェー
ンが枯渇した結果、経済活動は2020年に急速に後退した。大規模な政府の予算措置及び通信技術のさ
らなる活用により事業及び雇用の維持に貢献したが、インフレ圧力及びその他の供給不足が発生し、
ウクライナにおける戦争により悪化した。特に個々の国々の中での不平等も再び拡大した。
社会的焦点に特化した欧州で唯一の国際開発銀行として、貧困、排除及び健康問題に直面している
社会的に最も弱い者に特に配慮し、加盟国間の社会的統合及び人々の福祉支援の双方において、CEBの
使命は必然的にこれまで以上に重要になるであろう。また、CEBは、その活動が気候変動に関する行動
及び国連の持続可能な開発目標の進展に引き続き貢献することを確実にするため、最善を尽くした。
危機が重なっている状況において、CEBは、引き続き政策の妥当性、質及び事業の影響に強く重点を
置いた機動性を兼ね備えていた。当行は、2022年には36件のプロジェクトへの融資を承認し、うち20
件は対象国に対するものであった(「b. 2022年のCEB：困難な時代への足固め ⅱ 支援及び成果 承
認された事業(国ごと)」を参照のこと。)。各プロジェクトのサイクルを通じて、技術、経済、金融、
環境及び社会面での持続可能性について、厳格なデュー・デリジェンスを行っている。特に、調達プ
ロセスがCEBの厳格な指針に従うこと、プロジェクトがCEBの環境及び社会セーフガード及び基準に
沿ったものであること、並びに緩和措置が顧客又は実施主体により適切に実施されることを確実にし
た。社会的影響に加えて、気候変動に関する懸念事項は、2022年のプロジェクト承認プロセスの中で
さらに主流となった(「b. 2022年のCEB：困難な時代への足固め ⅱ 支援及び成果 社会的包摂と気
候変動との関連」を参照のこと。)。
ウクライナに対するCEBの対応については、「b. 2022年のCEB：困難な時代への足固め」に記載され
る。以下のセクションでは、新たに承認されたプロジェクトに代表される、2022年に当行が実施した
その他の分野横断的な活動の事例を例示している。一覧の全体版は、「b. 2022年のCEB：困難な時代
への足固め ⅱ 支援及び成果 承認された事業(相手方別)」を参照のこと。
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ⅱ 万人のための機会をもたらす包摂的な成長
2008 年の金融危機以降が示すように、不平等の拡大は成長を損ない、全ての人の将来を危険にさら
す。CEBは、恩恵が広く公平に分配され、人々の可能性を刺激し、万人のための機会を創出する成長を
促進するプロジェクト向融資に取り組んでいる。2022年の全ての貸付の約半分は、包摂的な成長に向
けた優遇措置であった。
これらの活動は、住宅、医療及び教育に加え、零細企業を含む小規模企業の支援並びに都市部及び
地方の生活の向上を目的としたプロジェクトを含む幅広い国及び分野に及んでいる。大半のCEB加盟国
は、ロシアによるウクライナ侵攻による激しい衝撃を受けて2021年から2022年にインフレが進行した
際、パンデミック前の水準をほとんど回復していなかった。CEBの貸付は、加盟国がこれらの危機の影
響に対処することを支援するとともに、より明るく、より包摂的かつ回復力のある将来を構築し続け
ることを目的としていた。
(a) 零細企業及び女性の経済的エンパワメント
起業家精神の促進、雇用支援及びジェンダー不平等への対処が、ボスニア・ヘルツェゴビナの
非営利融資機関であるMI-BOSPOマイクロクレジット・ファンデーションに対する４百万ユーロの
CEBの貸付の主な目的である。この新たな貸付は、低所得世帯及び零細事業を対象とし、その多く
は女性が主導しており、3,500件ものプロジェクトを支援することができる。これは、CEBにとっ
て２回目のMI-BOSPOとの事業である。2018年に承認された２百万ユーロの初回の貸付は、4,250人
分の雇用を維持し、960人分の新規雇用を創出することに寄与し、CEBのテクニカル・レビューに
おいて「非常に満足」なパフォーマンス格付で評価された。さらに、最終借入人全体の約70％を
女性が占めた。ボスニア・ヘルツェゴビナの失業率は高く、女性の労働市場への参加を促進する
ための立法措置にもかかわらず、ジェンダー不平等は依然として根付いている。新たな貸付は、
女性の経済的エンパワメントの促進、金融的及び社会的包摂の促進並びに生活条件の向上に役立
つと期待されている。新興企業向融資は、本貸付のもう１つの重要な目的であり、特に起業及び
経営に必要な設備、物品、資材及び車両の購入資金を融資する。小規模家族経営農場に提供され
る支援も、地域開発及び農村の貧困への対処に重要である。また、かかる資金は、エネルギー削
減を含む住宅改修にも利用可能である。
www.mi-bospo.org を参照のこと。
(b) 環境配慮型の手頃な価格の住宅供給に向けて
ミュンヘンの家賃は、ドイツで最も高い部類に入る。同市の人口は、地域の経済力に大きく起
因し、2000年以降で27％超の増加となった。富及び所得の不平等な配分並びに限られた住宅供給
により、多くの低中所得世帯にとって住宅は手が届かないものとなっている。さらに、ミュンヘ
ンはその他のドイツの都市と比べて市営住宅の供給が比較的少ない。GEWOFAGは、ミュンヘン市が
完全所有する手頃な価格の公共住宅供給業者である。同市の課題への対応を強化するため、
GEWOFAGは、2021年から2025年に3,178戸、2030年までに約7,000戸の手頃な価格の住宅ユニットを
建設することを目指している。2022年３月に承認された150百万ユーロのCEBのプログラム貸付
は、2026年までに1,428戸の手頃な価格の賃貸住宅ユニットを提供するための10件のサブ・プロ
ジェクトの建設向融資を支援する。これらのユニットは、保育及びその他の地域サービス並びに
社会的企業のためのスペースが組み込まれる。CEBの貸付に基づき建設が予想される共同住宅の約
95％は、低所得層の入居者のために確保され、ミュンヘン市住宅移民局社会福祉課が定めた厳格
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な適格性基準に従って配分される。高いエネルギー性能基準に沿った建設は、CEBの貸付が2035年
まで気候中立性の目標に向けたミュンヘンの進展を支援するよう確保する。
(c) 大きな可能性を秘めた小規模事業
中小零細企業(MSME)を含む中小企業は、ブルガリアにおける雇用の４分の３を占めており、EU
の平均を大きく上回っている。しかし、かかる企業に対する貸付条件は厳しい。ブルガリア経済
は、１人当りGDPがEUの中で最も低い国の１つであり、パンデミック及びロシアによるウクライナ
侵攻の二重の打撃を受けており、2021年以降の一連の確定しない総選挙は、一部で政治不安を引
き起こした。ブルガリア政府が保証するブルガリア開発銀行(BDB)に対する175百万ユーロのCEBの
貸付は、環境の持続可能性を促進しつつ、起業家精神及び雇用を後押しすることにより、包摂的
な成長の促進を支援する。実際、BDBは、今後５年間で貸付ポートフォリオをMSMEのみを対象とす
るよう変更することを目指しており、グリーン移行を促進するため、クリーン・テクノロジー、
再生可能エネルギー及びエネルギー効率といった分野における「グリーンな」MSMEプロジェクト
向貸付目標を最低20％に設定している。BDBは、CEBの貸付を2023年から2026年に割り当てる予定
であり、これにより１事業体当り2.5百万ユーロの上限内で1,000を超える事業を支援することと
なる可能性がある。さらに、CEBは、環境、社会及びガバナンス(ESG)の運用枠組み、並びにESGに
準拠した監督及び報告の手法の構築においてBDBを支援する目的で、グリーン社会投資基金からの
助成金を承認した。
ⅲ 社会的弱者集団の支援は戦略的に必要である
３つの優先行動分野の下で社会的弱者により重点を置くという2020年から2022年に係る開発計画に
基づくCEBの決定は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが急増し、社会の再弱者に偏って影響
を及ぼしたことから、時宜にかなっていたことが証明された。国内の不平等の拡大により、すでに所
得分配の底辺に近い人々への新たな支援の必要性が生じていた。2021年のユーロスタット(Eurostat)
のデータによると、社会的に非常に弱い人々は、貧困又は社会的排除に陥るリスクが最も高く、欧州
では扶養児童のいる世帯に暮らす人々の５分の１に達する可能性がある。激しい消費者物価のインフ
レ及び成長の停滞も相まって、ロシアによるウクライナ侵攻は事態をさらに悪化させた。「b. 2022年
のCEB：困難な時代への足固め」に記載のとおり、2022年における社会的弱者集団の支援のための新た
な貸付の承認は、当然のことながら、欧州諸国におけるウクライナからの難民及びその受入コミュニ
ティを支援する取組みが多くを占めた。
しかし、社会的包摂とは誰も置き去りにしないことであり、CEBは、医療、公共住宅、教育及び訓練
の向上のための貸付及び助成金、並びに刑務所の基本的水準の改善のための資金提供を含む、その他
の分野においてもイニシアチブを推進した。
2022 年に承認された新規貸付全体の３分の１が社会的弱者集団を直接支援しており、2021年と比較
して増加している。こうした一連の活動路線が重要であることから、CEBは、2023年から2027年に係る
戦略的枠組みに基づき、全ての融資活動に「脆弱性のレンズ」を体系的に適用し、より良い解決策を
設計し、社会的統合を促進するため、各プロジェクトが取り組もうとしている脆弱性の具体的な原因
を特定する。
(a) 高齢者及び社会的弱者のための社会福祉
サンタ・ルイーザ・デ・マリアック(Santa Luisa de Marillac)は、スペインの自治区であるア
ンダルシア州のアルメリアに所在する高齢者福祉施設(residencia de ancianos)である。同施設
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は非営利財団が所有しており、最大で37人の65歳超の高齢者に対応する。アルメリアの西約350キ
ロメートルに位置するエシハには、障がい者向けのサービスに重点を置いたもう１つの社会福祉
施 設であるレジデンシア・ポラリス(Residencia Polaris)がある。これらは、アンダルシアが社
会的ニーズに資金を提供することを支援するための200百万ユーロのCEBの貸付による恩恵を受け
た、多くの社会福祉施設の２例にすぎない。
社会的弱者集団を支援するための社会福祉への投資、並びに包摂性及び健康増進の促進は、CEB
の主な使命であり、アンダルシア州はこれらが示す課題を体現している。同州は、人口8.4百万人
を超えるスペイン最大の地域であり、その５分の１近くが65歳を超えており、その多くは80歳代
後半である。アンダルシア州の１人当りGDPが全国平均の75％であることを除き、これは全国的な
パターンと一致している。さらに、同地域には65歳未満の障がい者が約400,000人いる。
アンダルシア州当局は、2022年に約1.6十億ユーロを社会福祉の予算として計上し、そのうち
1.4十億ユーロを高齢者及び障がい者に割り当てた。同地域では、ケアサービスの向上を目的とし
た戦略及び行動計画が開始され、情報及び支援を提供する双方向型オンライン・サービスでバッ
クアップされている。CEBの貸付は、高齢者施設向けサービス、デイ・センター及び在宅支援ケア
を含むこれらの社会的弱者集団向けのその他の基本的な支援サービスの調達に資金を提供する。
これにより、社会福祉施設及び扶養家族のいる世帯の両方で、約1.9百万人が恩恵を受ける可能性
がある。
(b) 新校舎によりマルメに機運がもたらされる
マルメはスウェーデンの第３の都市であり、工業港としての強力な遺産を有する。デンマーク
のコペンハーゲンの対岸であるエーレスンド海峡に位置するマルメは、歴史的に海外からの労働
者を引きつける場所であった。同市は高い失業率の影響を受けており、より環境に配慮した、ハ
イテクで文化的なダイナミズムへの移行を促進している。教育、特に義務教育はマルメ市の重要
な優先事項であり、同市は、費用見込総額が420.5百万ユーロの学校施設の建設及び改修を支援す
るため、当初2016年から2017年の期間に承認された160百万ユーロの貸付に加えて、80百万ユーロ
の貸付増額の受益者となる。当初の金額は全額支出され、学校建設又は改修のための65件の適格
プロジェクトに割り当てられた。CEBはまた、これらの投資の効果を高める方法について技術的な
助言を行うことにより、同市を支援した。かかる助言には、計画過程に様々な利害関係者を関与
させること、新たに利用可能となった学習環境を活用した教育スキルの開発における教師への支
援の重要性を強調すること、並びにこれらの新たな空間に責任を持つために時間及び資源を学校
コミュニティ全体に割り当てながら、将来の投資のために設計の改善の可能性について計画者に
フィードバックを提供することが含まれていた。
就学前教育を含む義務教育のための施設に焦点を当て、厳格な環境及びエネルギーの基準を尊
重するこれらのプロジェクトの恩恵は、地域社会を超えて、ウクライナからの難民を含む避難民
へ波及すると見込まれている。
https://coebank.org/media/documents/School_Design_and_Learning_Environments_
in_the_City_of_Malmo_Sweden.pdf に掲載のテーマ別レビュー・シリーズ(Thematic Review
Series)(パリ)、「スウェーデン、マルメ市における学校設計及び学習環境」、CEB(2020年)を参
照のこと。
(c) 受刑者の権利及び更生を支援するための刑務所の近代化
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セルビアの刑務所施設の質の改善が、30百万ユーロのCEBの貸付の目的である。欧州評議会は、
全ての市民の基本的人権及び尊厳を支持する。適切な刑務所環境は、拘留者の福祉のためだけで
なく、その後の更生及び社会復帰のためにも不可欠である。刑務所の基準の改善により、収監前
に 複数の社会的及び個人的な問題に直面した人々を支援しつつ、刑務所職員にとってより効果的
な職場も創造するなど、幅広い恩恵がもたらされる。さらに、欧州刑務所規則といった尊重すべ
き国際的な基準があり、より多くの国々が、たとえばEUへの加盟要件を満たすために刑務所施設
の改善を行っている。
これは、CEBの貸付の背景となる動機の１つでもあり、セルビアの刑務所を改善するための当行
の３件目の貸付である。当該貸付は、クルシェヴァツ市における新たな刑務所及びスレムスカ・
ミトロヴィツァ刑務所の新たな宿泊施設の建設に共同で資金提供する。刑務所プロジェクトの費
用は、42.3百万ユーロと見積られている。
当該プロジェクトには、一部は第二次世界大戦まで遡る老朽化した建物の建替えが含まれてお
り、欧州刑務所規則に従って工事が実施されることで、セルビアのEU加盟申請を後押しする。
重要なことに、当該貸付は大きな社会的恩恵を生み出すと期待されている。新たな刑務所に
は、依存症、学習障害及び技能不足といった犯罪につながる問題並びに過密といった受刑者の福
祉に影響を及ぼす問題に対処するために設計された近代的な施設が含まれる。施設には、ワーク
ショップ、医療及びスポーツ施設、教室、図書館及び文化空間並びに家族訪問のためのエリアが
あり、積極的な共同体意識を醸成することで更生を促すことを目的としている。
当該プロジェクトはまた、アクセス経路及び地域サービスを改善すること並びにカーボン・
フットプリントを少なくすることにより、地域社会に恩恵をもたらすことが期待されており、不
平等及び公正に関する国連の持続可能な開発目標に貢献する。
CEB のグリーン社会投資基金(GSIF)からの100,000ユーロの助成金は、これら２つの刑務所のエ
ネルギー消費を削減するための措置に充当される。さらに、当該プロジェクトは、職業訓練及び
「実践による学習」を通じて、エネルギー効率提案の実施に受刑者を直接関与させることを目指
している。
ⅳ 社会的包摂の優先事項である環境の持続可能性
CEB は、社会的投資の環境面での影響をできる限り少なく抑えるよう努めている。これは、我々の地
球にとって不可欠であるだけでなく、当行は、社会的包摂と環境、特に気候変動対策に関する進展が
密接に関連しており、社会行動と気候変動対策は相互に補強し合うことができると考えている。当行
は、貸付及び助成金の承認に関する厳格なコンプライアンス・テスト並びに気候関連の問題に関する
技術的な専門知識の蓄積などにより、グリーン移行を促進する上でますます主導的な役割を果たして
いる。CEBは、社会面及び環境面での取組みが相互に補強し合っていると考え、それらの取組みを結び
つけている。人々の福祉及び生活、並びにより広くは社会的統合にとって環境の持続可能性が重要で
あるのと同様に、効果的な気候変動対策は、最も弱い者を含む全ての共同体の全員の参加にかかって
いる。
2022 年の環境に関するCEBの重要な行動には、エネルギー効率の高い住宅向貸付、都市部及び地方の
イニシアチブへの資金提供、並びに気候関連のものを含む自然災害事象に備え人々を保護することに
より回復力を強化するプロジェクトが含まれている。全ての直接投資貸付に新たな審査手続が導入さ
れたことで、当行は、環境の持続可能性が全ての社会的投資の中心的な基準として織り込まれ、かつ
気候に関するパリ協定の目標に合致することの両方を確実にすることにおいて、さらなる進展を遂げ
た。
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(a) 環境の回復力への投資
気候変動に適応するための取組みの一環として、森林火災及び干ばつ又は洪水といったその他
の自然災害への備えを向上させるため、地域レベルでトルコの能力を強化することが、トルコの
地方開発投資銀行であるイラー・バンカシAS(Iller Bankasi AS)(ILBANK)に対する総額200百万
(1)
ユーロのCEBの公共融資ファシリティの主な全体目標である。 当該貸付は、2021年７月及び８月
に全国各地で発生した大規模な森林火災(うち約275件)に対応するもので、200,000ヘクタール(ル
クセンブルクの面積の４分の３に相当する約800平方マイル)を超える土地が焼失した。森林火災
により８人が死亡し、さらに100,000人の人々が避難を余儀なくされた。この森林火災は同国史上
最悪の山火事の１つであり、気候及び生物多様性の両方に壊滅的な打撃を与えた。
CEB の貸付には全額政府保証が付されており、2026年まで継続し、CEBにとってILBANKとの初の
提携となる。森林火災が貸付の契機となった一方、当該資金はより広範に自然災害に対処するた
め、火災の影響を最も受けた十数の地方自治体を支援する。トルコは、洪水及び地震といった複
数の地質学的及び水文気象学的な危険にさらされている。CEBの資金は、約20百万人の住民に利益
をもたらすと期待されており、災害対応能力の向上、たとえば鉄砲水に対する物理的能力及び重
要なインフラストラクチャーの強化、並びに人々の意識の向上を支援する。最初の段階は、設
備、技術及び警報システム並びに建物及び車両を含む現在の消火能力を評価することであり、こ
れによりILBANKは投資の優先順位を設定することができる。全体的な目標は、気候関連の事象が
より頻繁に発生する可能性のある将来に向けて、積極的なリスク管理アプローチを構築すること
である。
注(1) 2023年２月６日、トルコ及びシリアで大地震が発生し、多くの人命が失われ、甚大な被害が生じた。CEB
総裁のカルロ・モンティチェッリは悲しみと連帯を表す声明を発表し、CEBがこの大災害の影響を軽減す
るための緊急支援を提供する用意があると述べた。
(b) 共同住宅のエネルギー効率及び気候変動対策に向けて
40 百万ユーロのCEBの本貸付は、共同住宅区画、特に断熱、暖房及び換気に適用される基準が現
在より低かった1993年以前に建設された共同住宅区画のエネルギー効率を向上させるリトアニア
の取組みを支援する。建物は、世界の温室効果ガス排出量の約40％を占め、その大部分は暖房、
照明及び一般的なエネルギー使用によるものである。したがって、新旧を問わず建物のエネル
ギー効率を向上させることは、高インフレ時における運転コストの削減並びに気候変動の緩和及
び適応の促進の両方において重要である。
リトアニアには、約800,000の共同住宅から成る約39,000の共同住宅区画があり、その約90％は
この古い分類に該当する。ほぼ全ての共同住宅が民間所有であり、市営住宅は３％にすぎない。
2020年、リトアニア政府は、欧州連合の資金を活用し、同国の共同住宅の改修のための融資を集
める投資プラットフォームの創設パートナーとしてシャウレイ銀行を選定した。2025年にかけて
金融機関及びその他の投資家から約275百万ユーロを調達する「SBモダーニザヴィモ・フォンダ」
の投資プラットフォームが創設された。2025年末までに、25,000を超える世帯の少なくとも800の
共同住宅を改修する計画である。CEBの資金は、これらの改修投資の一部を網羅し、社会面及び環
境面でプラスの効果をもたらすとともに、約40％のエネルギー削減効果が見込まれる。
(c) 地震後の長期的な復興の支援
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イタリアは、CEBの貸付が加盟国の自然災害後の対応を支援しているもう１つの国である。同国
の一部(約80,000平方キロメートル)は、2016年から2017年の間にイタリア中部で300人近くが死亡
し、数十万人が家を失ったり脆弱な状況に置かれたりした一連の地震の傷跡を今なお負ってい
る。 CEBは、再建のため2017年に国立開発機関であるイタリア預託貸付公庫(CDP)に350百万ユーロ
を融資したが、起伏のある地形により被災地へのアクセスが妨げられたため、進展が遅くなっ
た。また、管理上の課題もあったが、利用可能な資金にアクセスするための手続の簡素化及び効
率化により、2020年以降、現地でのより迅速な復興活動が可能となった。2022年第１四半期まで
に、約5,900戸の建物が復旧され、約14,000世帯が自宅に戻ることができた。CEBの貸付は、利用
可能な資金の21％を占め、主に損傷した住宅及び事業インフラストラクチャーの修復に対処する
ための3,028件の民間イニシアチブ向融資を支援し、申請１件当りの寄与は平均で115,000ユーロ
であった。CEBの明確な付加価値は、社会的投資に費用対効果の高い資金を提供することであり、
その結果国家予算を32百万ユーロと大幅に削減した。
しかし、地震の爪痕は深く、被災地の復興に向けて残された課題は多い。2022年の見積りで
は、物理的な修復のための総支出は、震災後の見積りより約10十億ユーロ多い27十億ユーロと
なったが、これは地震によるコミュニティ全体に対する社会的及び文化的被害を網羅していな
い。そのため、CDPパートナーは、350百万ユーロの新規貸付を要請し、2017年以降の貸付総額は
700百万ユーロとなった。新規貸付は、2022年から2024年において適格サブ・ローンの最大50％を
融資する。
d. 持続可能な開発のための2030年アジェンダ
当行は、その2020年から2022年に係る開発計画に沿って、持続可能な開発のための2030年アジェン
ダにおける加盟国のコミットメント達成の支援に努めている。2020年１月以降、CEBは当行の社会的責
務に最も近いとされる10の持続可能な開発目標(SDGs)に照らして、融資が提案された全ての案件を審
査している。当該プロセスから３年を経て、2023年から2027年に係る新たな戦略的枠組みが合意さ
れ、その結果は影響力のある社会的プロジェクトを支援するという当行のコミットメントを反映して
いる。
CEB は、2020年から2022年の期間に149件のプロジェクトを承認したが、その主な内容は以下のとお
りである。
・各プロジェクトは、次の２つの目標のうち少なくとも１つに関連していた：SDG１(貧困をなくそ
う)及びSDG10(人や国の不平等をなくそう)
・半分を超えるプロジェクトがSDG11(住み続けられるまちづくりを)に貢献していた。
・全プロジェクトの４分の１が、SDG13(気候変動に具体的な対策を)、SDG３(全ての人に健康と福祉
を)又はSDG８(働きがいも経済成長も)のいずれかに関連していた。
・10件のプロジェクトのうち約１件にSDG５(ジェンダー平等を実現しよう)を通じたジェンダーの視
点があった。
・平均すると、2022年に承認された新規プロジェクトは１件当り2.8のSDGsを支援した。
また資金面では、CEBは、ソーシャル・インクルージョン・ボンドの枠組み及び年次報告にもSDGsを
組み込んでいる。
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承認されたCEBのプロジェクト及びSDGs
注：重複は、プロジェクトが複数のSDGを支援しているという事実を反映している。
さらなるデータ及び分析については、以下の2022年サステナビリティ・レポートを参照のこと。
coebank.org/en/about/sustainability/
e. 社会的知識、刊行物、マルチメディア
回復力のある都市：『コミュニティの脆弱性から回復力へ：欧州都市の経験』
CEB 技術概要書
スペインのバルセロナは、より良い方向へ変わりつつある。テクノロジー、モビリティ及び自然を
融合させた地域の取組みにより、この人口密度の高い歴史的都市は、市民が暮らし、働き、遊ぶため
の、よりクリーンで、よりアクセスしやすく、より回復力のある都市環境を作り上げてきた。「スー
パーブロック」はそのような取組みの１つであり、都市全域、つまりスーパーブロックが、大気汚染
及び騒音公害を減らすための自動車交通規制のために、また、誰もが移動し、交流し、文化活動を楽
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しむことができる安全な公共空間の提供のために指定されている。2015年に開始されたこのプロジェ
クトは、バルセロナがより健康的で炭素集約度の低い都市モビリティの目標に向けて前進し、気候変
動 対策を実行するのにも役立つだろう。
スーパーブロック・プログラムは、このCEB技術概要書に記載されている多くの事例の１つに過ぎ
ない。このCEB技術概要書は、都市の近隣地域とそのコミュニティにおける回復力を強化し、脆弱性
に対処する方法について、欧州諸国の都市計画家間の対話を促進することを目的としている。この概
要書は、バルセロナ、ブカレスト、ジェノヴァ、クオピオ、ミラノ、パリ、ロッテルダム及びティラ
ナといったCEB加盟国の先進都市の経験をもとに、衝撃やストレスに対する回復力を強化し、社会的
弱者集団が取り残されないようにするために重要な７つの実現可能な都市行動を特定している。同概
要書は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックと気候変動という２つの世界的かつ相互に関連し
た危機に関する行動に焦点を当て、特にロシアによるウクライナへの軍事侵攻に端を発し次々と明ら
かになっている危機に関連して、都市計画家が応用できる教訓を引き出している。
このCEB技術概要書は、OECD、持続可能な都市と地域をめざす自治体協議会(ICLEI)、回復力のある
都市ネットワーク、都市・自治体連合(UCLG)等のグローバルな都市ネットワーク及びいくつかの欧州
の都市との有益な協力の結果である。
CEB 技術概要書は、以下で読むことができる。
coebank.org/media/documents/Technical_Brief_From_Community_Vulnerability_to_Resilience.pdf
2022 年10月付のCEBのブログの投稿『コミュニティの脆弱性から回復力へ：欧州の都市から学ぶ５
つの重要な教訓』も以下で読むことができる。
coebank.org/en/news-and-publications/blog/from-community-vulnerability-to-
resilience-five-key-lessons-from-european-cities/
リスク管理の開示
CEB 報告書
CEB のリスク管理の主要な目的は、当行の長期的な財政の持続性及び業務の弾力性を確保し、さら
には当行がその社会的使命を遂行できるようにすることである。CEBは、慎重なリスク管理の枠組み
に従って業務を遂行している。この枠組みは、リスク管理の方針及び慣行を市況及び最良の業界慣行
に適合させている。このリスク管理開示報告書は、リスク管理及び自己資本の評価に対するCEBのア
プローチに関する洞察及び詳細を提供している。
多国間開発銀行であるCEBは、信用機関に関するEUの法律の適用範囲には含まれない。それでもな
お、CEBは、多国間開発銀行としてのCEBの特殊な地位に合わせて調整しつつも、関連するEUの銀行指
令及び規則並びにバーゼル銀行監督委員会が定める最良の慣行及び勧告を遵守するよう努めている。
当行は、事業戦略を推進するにあたり、信用リスク、流動性リスク及び市場リスクを、リスク選好
度及び公的使命に適合する水準で引き受けている。CEBの財務力が資本市場への有利なアクセス及び
低い資金調達コストを可能にし、堅実なリスク管理が当行の業務の弾力性を保証している。このこと
は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの際に、CEBが健全なリスク特性及び十分な資本バッ
ファーを維持しながら貸付業務を拡大することができたことにより実証された。2021年リスク管理開
示報告書は、これらの問題を詳細に検討している。たとえば、CEBの健全性に関する枠組みの構成要
素並びに当行の資本構成及びリスク・ポジション(特に信用リスク、オペレーショナルリスク、流動
性リスク及び金利リスク並びに外国為替リスクに関するもの)の概要が説明されている。
CEB のリスク管理開示報告書(2022年12月)は、以下で読むことができる。
coebank.org/media/documents/CEB_Risk_Management_Disclosure_Report_2021.pdf
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ウクライナ侵攻から逃れた難民：受入国の統合政策が難民をどのように支援しているか
CEB 研究論文
2022 年２月のロシアによるウクライナへの軍事侵攻及びその後に続く戦争により、4.7百万名超が
他の欧州諸国へ逃れることを余儀なくされている。欧州全体が、比類なき歴史的支援によりこれらの
人々のニーズに応えてきた。人々の流入は、欧州におけるこれまでの難民の押し寄せより大幅に増加
しているため、受入国には、ウクライナからの難民を支援する大きな圧力がかかっている。このCEB
研究論文は、政策立案者、難民統合従事者及び一般市民に対し、これまでの文献及びデータのレ
ビューを提供し、課題を理解することを目的としている。同論文は、どの国で難民の数が最も顕著で
あるかを評価し、それが受入国の受入れ及び支援能力に与えてきた影響についても精査している。
政策及び措置の成功へのより明確な理解のため、この論文は、難民支援がより必要とされている４
つの主要分野、すなわち、住宅、医療、教育、労働市場へのアクセスについて強調している。同論文
は、これまでに展開された政策及び措置から得られた情報及び教訓の分析並びに2015年から2016年の
欧州の難民及び移民危機の反省を通じ、ウクライナでの戦争からの難民を受入国がどのように支援し
ているか、また、不確実な経済状況の中で、今後の支援にどのような追加政策及び資金が必要とされ
るかについて、啓発的な視点を提供している。
概要は、以下で読むことができる。
coebank.org/media/documents/Integration_of_Refugees_Fleeing_the_Invasion_of_Ukraine.pdf
全ての人のための住宅 ：CEBビデオ
７月７日から10日にアイルランドのダブリンで開催されたCEBの年次合同会議(「j. ガバナンス及
び人事 ⅰ ダブリン、アイルランドにおける2022年CEB年次合同会議」を参照のこと。)の際、代表
団は、アイルランド国営の住宅金融庁(HFA)を通じてCEBの融資を受けたダブリンの住宅プロジェク
ト、ブルーム・ロッジを訪れた。HFAは、手頃な価格の賃貸住宅を提供する地方当局及び非営利認可
住宅団体に魅力的な長期固定金利融資を提供している。
ビデオは、以下で見ることができる。
coebank.org/en/news-and-publications/projects-focus/broome-lodge-ireland-home-all/
クロアチアの幼稚園施設への融資 ：CEBビデオ
CEB は、20年超にわたり、クロアチア復興開発銀行(HBOR)(Hrvatska banka za obnovu i razvitak)
と提携し、同国内の社会インフラストラクチャーに融資している。トゥラニにある幼稚園は、CEBの
資金により再建され、設備が整った。
2022 年の２分間のビデオは、以下で見ることができる。
coebank.org/en/news-and-publications/projects-focus/financing-preschool-facilities-
croatia/
CEB ビデオは、www.youtube.com/@coebankでも見ることができる。
西バルカン諸国について ：CEBブログ
2021 年11月の『西バルカン諸国の社会インフラストラクチャー：地域の経済回復力の向上、人的資
本の強化及び頭脳流出の影響への対処』に基づき、2022年に３つのCEBブログが公表された。
エド・オミック(Edo Omic)・セシリア・ハンデランド(Cecilia Handeland)著(2022年)
『人々の健康と経済の将来を阻害する西バルカン諸国の医療』(８月)
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coebank.org/en/news-and-publications/blog/healthcare-in-western-balkans-hurting-
peoples-well-being-and-economic-future/
『西バルカン諸国における住宅と不平等の接点』(４月)
coebank.org/en/news-and-publications/blog/intersection-housing-and-inequalities-
western-balkans/
『より良い社会インフラストラクチャーを通じた西バルカン諸国における女性支援』(３月)
coebank.org/en/news-and-publications/blog/supporting-women-western-balkans-
through-better-social-infrastructure/
f. 協力関係及び支援者
ⅰ 協力関係
協力関係は、当行がより効果的に活動し、より大きな影響を達成するために、CEBの事業モデルに
とって不可欠である。新型コロナウイルス感染症危機と同様に、2022年、ロシアによるウクライナへ
の軍事侵攻による危機に対処する際にも、協力関係の重要性が証明された。
協力関係は、知識及び専門性をもたらし、教訓、洞察及びベストプラクティスを共有するために重
要である。当行にとって、協力関係は、たとえば協調融資及びリスクの分担を通じて資源をより効果
的に活用するための鍵であり、CEBが単独では実施できないような投資プロジェクトを検討すること
を可能にするものである。
(a) 欧州連合
CEB のEU機関との関係は、長期的かつ広範囲に及ぶ。CEBの社会的使命、低所得者向け住宅及び
健康並びに難民関連の問題への取組みといった分野における専門性並びにEU助成金を活用した実
績は、欧州委員会及び欧州議会との強力で実りある交流の基盤となっている。
EU は、CEBの最大の支援者であり、2022年において38百万ユーロの支援者融資を提供している。
2022年１月、当行は、欧州委員会が設置した新たな拡大されたコンプライアンス試験、いわゆる
「柱の評価」に合格し、それにより、CEBのEU基準に従ったEU資金の管理能力が再確認され、この
EU及びCEBの協力関係の側面は強化された(「j. ガバナンス及び人事 ⅱ ベストプラクティス及
び最高水準の遵守」を参照のこと。)。
この成功の重要性は、11月にCEBがインベストEU保証契約に署名し、欧州投資銀行とともに２番
目の実施パートナーとなったことで実証された。最大159百万ユーロに値し、最大500百万ユーロ
の融資の動員が見込まれているこの保証契約は、公共住宅、手頃な価格の住宅及び学生寮、教
育、雇用及び技能、医療、長期介護及び社会介護、クリーンでスマートな都市モビリティ、上下
水道サービス並びに洪水対策への投資を開放することになるだろう。また、ジェンダーの平等や
障がい者を含む社会的弱者集団の社会的・経済的包摂といった分野横断的な目標を支援すること
になるだろう。
インベストEUは、実施パートナーのリスク負担能力を高めるためにEUの予算保証を提供し、そ
れによりEUの政策優先事項に対する公共及び民間の投資を集めることに貢献している。
経済担当欧州委員であるパオロ・ジェンティローニ(Paolo Gentiloni)は、この契約を歓迎し、
「強固で社会的な欧州を構築することより重要な目的はない。本日付で欧州評議会開発銀行を、
特に社会的投資のためのインベストEUの実施パートナーとして迎えられることを嬉しく思う。」
と述べた。CEBと欧州委員会との長年にわたる協力関係を強化する当該契約を歓迎し、総裁のカル
ロ・モンティチェッリは、「EUによる保証とCEBの融資及び専門知識を合わせることで、我々は、
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昨今の困難な社会的課題に対応する加盟国にとって、より強力なパートナーとなるであろう」と
述べた。
2022 年において、CEBのEUとの協力関係は、いくつかのイニシアチブを可能にした。４月、CEB
は、EC及び欧州議会の代表者とともに、ロマ族の住宅及びエンパワメント(HERO)として知られ
る、ロマ族のための手頃な価格の住宅ソリューションを支援する革新的なパイロット・プロジェ
クトのスロバキア部門を立ち上げた。このイニシアチブは、欧州議会が出資し、欧州委員会が運
営し、CEBがスロバキア共和国、ブルガリア及びルーマニアの現地パートナーとともに実施した
(coebank.org/en/news-and-publications/news/european-parliament-european-commission-and-
ceb-launch-pilot-
project-support-affordable-housing-roma-slovak-republic/ を参照のこと。)。
移民受入れのためのパートナーシップ及び融資(PAFMI)は、過年度においてさらに進化した、も
う１つのCEB・EU間の取組みである。EU加盟国かつCEB加盟国である国々において、難民の地方及
び地域レベルでの統合を促進するために開始された当該取組みは、EUからの3.5百万ユーロの拠出
により融資されている。2022年、競争入札を通じて、CEBは、EUにおいて2023年から実施する５件
の移民の統合プロジェクトを決定した。詳細については、2022年CEB支援者報告書を参照のこと。
(b) 多国間開発銀行及び国際金融機関
他の国際金融機関(IFI)及び多国間開発銀行(MDB)と力を合わせることは、CEBの業務及びアウト
リーチにとって重要である。当行は、11月にエジプトで開催された国連気候変動会議(COP27)に先
立ち、「低炭素で気候変動に強い国への移行」に取り組む国々を支援する義務を再確認したMDBの
共同声明に署名した。共同声明は、パリ協定の実施、適応ファイナンスの増額、譲許的融資の増
加等、「影響力の大きい成果を実現するための重要な優先事項」を定めている。
また、COP27に先立ち、CEBは、他のIFIと提携し、気候及び環境の持続可能性に関する共同ビデ
オキャンペーン「よりグリーンな世界への投資」を初めて開始した。人々の実話を通じ、プロが
制作したこの４分間のビデオでは、グリーン投資がどのように地球を大切にし生活を向上させる
かを垣間見ることができる。
CEB は、特に欧州投資銀行(EIB)、世界銀行グループ及びその他との協調融資及び並行融資の機
会を、それぞれの使命に沿って追求し続けた(「b. 2022年のCEB：困難な時代への足固め」を参照
のこと。)。
CEB は、いくつか例を挙げるだけでも、MDB気候担当、MDB調達担当及びMDBインフラストラク
チャー協力プラットフォームといった他のいくつかのネットワークの一員として積極的に参加し
た。また、CEBは、欧州長期投資家協会(ELTI)の主要なメンバーでもある。ELTIは、欧州の31の多
国間及び国家の開発銀行及び機関からなる欧州全域のネットワークであり、持続可能、賢明かつ
包摂的な成長及び雇用創出を促進するためにECによって策定された目的及びイニシアチブに沿っ
て長期投資を促進している。さらに、CEBは、創設メンバーとして、国際資本市場協会(ICMA)の
ソーシャルボンド・ワーキンググループとの協力を継続し、ソーシャルボンド原則の策定を支援
した。
CEB は、2030年アジェンダのSDGs及び気候に関するパリ協定の目的を達成するために、世界中の
公的開発銀行間の協力を強化するために2020年に発足した世界的な連合である共通の金融(FiC)の
活動メンバー及び資金提供者である。10月にコートジボワールのアビジャンで開催されたEIB及び
アフリカ開発銀行主催の2022年のFiCサミット「持続可能な回復に向けたグリーンかつ公正な移
行」において、CEBは、経済の再生及び回復力強化において社会投資が果たすことのできる重要な
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役割を改めて強調した。CEBは、また、社会と気候の関連性アプローチの重要性を強調し、社会と
気候の考慮事項の相互依存性及び社会的弱者に対処するための行動の重要性を認識した。
CEB は、また、フランス開発庁(AFD)と共同で、公共及び民間主体による社会投資のための資金
量を増加させ、それらの投資の多様性及び質を高めることを目的として、社会的投資連合を引き
続き主導することを確認した。
CEB は、他のFiC連合にも貢献している。当行は、FiC人権宣言を支持し、都市開発のためのグ
ローバルファンドが最近立ち上げた、回復力のある都市及び地域連合に加入した。
この地方及び地域政府の国際的なネットワークは、都市及び持続可能な都市開発への融資及び
投資ソリューションの設計に貢献している。都市がより強靭かつ包摂的になるよう支援すること
は、CEBの社会的使命の中核をなすものである。CEBは、2022年９月、都市の近隣地域とそのコ
ミュニティにおける対話及び回復力の促進を目的としたプロジェクトの技術概要書『コミュニ
ティの脆弱性から回復力へ：欧州の都市の経験』を公表した。この概要書は、OECD、持続可能な
都市と地域をめざす自治体協議会、回復力のある都市ネットワーク、都市・自治体連合(UCLG)等
のグローバルな都市ネットワーク及びいくつかの欧州の都市との有益な協力の結果である。概要
書は、以下で読むことができる。
coebank.org/media/documents/Technical_Brief_From_Community_Vulnerability_to_
Resilience.pdf
CEB 及びナスダックボンド
CEB は、2022年10月25日、グリーンボンド、ソーシャルボンド又はサステナビリティボンドの発行
体及び投資家のための世界的な情報及びデータ収集ツールであるナスダック・サステナブルボンド
ネットワーク(NSBN)に参加した。NSBNへの参加は、CEBの事業融資を支援するソーシャルボンド市場
のさらなる発展に向けたコミットメントの証となった。当行は、2017年以来、この市場における先駆
者及び主導者であり、当行の年間ソーシャルボンド発行額は着実に拡大し、2022年の資金調達プログ
ラムの34％を記録している。
当行は、更新版のソーシャル・インクルージョン・ボンドの枠組みを公表しており、ナスダックと
の新たな関与は、透明性及び影響報告に関して高い水準を確保するためのCEBのより大きな取組みの
一環である。投資家は、全ての関連書類及び影響データを一元化された公開プラットフォームで見る
ことができるようになる。
ナスダックにおけるナスダック・サステナブルボンドネットワーク責任者であるアン－シャルロッ
ト・エリアソン(Ann-Charlotte Eliasson)は、「ナスダック・サステナブルボンドネットワークに
CEBを迎えることができ、嬉しく思っている。」と述べ、このプラットフォームは、「投資家にソー
シャル・インクルージョン・ボンドに関する透明性、情報開示及びさらなる明確性を提供するという
CEBの目標をさらに支援するだろう」と指摘した。詳細については、coebank.org/en/news-and-
publications/news/ceb-joins-nasdaq-
sustainable-bond-network/ を参照のこと。
(c) 国際連合
CEB は、国連の世界的な招集力及び専門性を活用して、多くの国連機関との戦略的パートナー
シップを維持した。国連開発計画(UNDP)、国連ハビタット、国連児童基金(UNICEF)及び国連欧州
経済委員会(UNECE)がその主な例である。
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2022 年の難民及び避難民の急増を受け、CEBは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)及び国際移
住機関(IOM)との長年にわたる協力関係を強化した。特に、IOMとの協力により、CEBは、ウクライ
ナ危機に対して迅速に行動し、助成金を戦争から逃れてきた社会的弱者に直接割り当てることが
で きた。
(d) 経済協力開発機構(OECD)
CEB は、持続可能かつ包摂的な開発、移民及び難民、地域及び都市、公共及び企業のガバナンス
並びに気候ファイナンス等の戦略的優先分野においてOECDとの協力関係を強化した。
OECD が主導する一例として、都市・自治体連合(UCLG)と共同で組織された複数出資者によるイ
ニシアチブである地方政府の財政と投資(SNG-WOFI)がある。同機関は、マルチレベルのガバナン
ス及び地方財政の枠組みに関する国際比較可能なデータ及び分析の世界有数の情報源と考えられ
ている。
CEB は、2019年以来SNG-WOFIの支援パートナーである。その他の支援者は、フランス開発庁
(AFD)、ドイツ国際協力公社(GIZ)、国連資本開発基金(UNCDF)及びアジア開発銀行である。
www.sng-wofi.org/ を参照のこと。
(e) フランス欧州持続可能・包摂的社会住宅同盟
2020 年９月の同盟の開始以来、CEBは、社会住宅同盟(Union sociale pour l'habitat)、地域銀
行(Banque des Territoires)を通じて行為するフランス預金供託公庫(Caisse des Dépôts et
Consignations)及び欧州投資銀行(EIB)と積極的に協調し、フランスにおける社会住宅機関による
より多くのより良い社会住宅の提供を支援するための欧州における資金調達へのアクセスを促進
してきた。これは、欧州連合の「欧州社会権の柱」及び欧州評議会の欧州社会憲章(改訂版)に
従って運営されている。
(f) より広い関わり
CEB は、ブリューゲル、ウィーン国際経済研究所、ユーロシティ、持続可能な都市と地域をめざ
す自治体協議会(ICLEI)、回復力のある都市ネットワーク、ホームレスと協力する欧州国家組織連
盟(FEANTSA)及びハウジング・ヨーロッパ等の支援団体やシンクタンクと定期的に連絡を取り合っ
ていた。このような協力関係は、今日の不確実な時代においてCEBプロジェクトの社会的影響を高
めるために、問題に対する相互の知識及び理解を深め、適切な技術支援を含むより良い対応を形
成するのに役立っている。
CEB の協力関係の詳細については、coebank.org/en/about/partnerships/を参照のこと。
ⅱ CEBが行う社会的行為の支援者
2022 年のハイライト
ウクライナ対応への支援者からの多額の援助
・ ウクライナから避難した難民支援のための10百万ユーロの支援者融資
・ ウクライナ連帯基金の設立及びアイルランドからの１百万ユーロの拠出
EU による多額の資金提供
・ WBIFによるセルビアのベオグラードの小児病院の拡張に対する35.7百万ユーロの拠出
・ 地域住宅プログラムを2023年まで延長するための2.3百万ユーロの拠出
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12 月に承認された2023年から2027年に係る新たな戦略的枠組みに記載されているCEBの使命を達成
する上で、支援者との協力は不可欠である。CEBは、プロジェクトへの必要な追加支援を提供し、当
該プロジェクトが与える社会的影響を強化するため、支援者から資金を調達する。特に貧困地域の社
会的弱者や共同体を対象としたプロジェクトに対して行われることが多いが、これは、一般に当該プ
ロジェクトを担当する事業体の資金提供能力又は実施能力が限られているからである。
かかる追加支援は、借入人がベストプラクティスに沿ってプロジェクトを実施できるよう、技術援
助を提供する形で実施されることもある。また、借入人の財政的な負担を軽減できるよう、投資資金
又は金利補助金の形をとる場合もある。最後に、当行は、そのリスク特性が原因でCEBからの貸付を
受けることができないプロジェクトを保証するため、支援者融資を活用することもある。
CEB は、支援者から提供された資金の大部分を移民及び難民の支援に充当しており、当行は、これ
までに移民及び難民の支援へ約500百万ユーロを投入してきた。かかる取組みは、当行の使命と合致
するものであり、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻及び気候変動を鑑みて、継続して重要な位置
を占める。より広く言えば、支援者は、欧州における社会的統合を促進するための当行の努力に対
し、極めて重要な支援を提供している。
EU は、当行の最大の支援者であり、これまでに659百万ユーロ又は当行がこれまでに当行が受領し
た拠出金総額の４分の３を拠出してきた。柱の評価として知られるコンプライアンステストを通過し
たことで、EU基準に基づきEUからの提供資金を管理する能力がCEBにあることが、2022年に再確認さ
れた(「j. ガバナンス及び人事 ⅱ ベストプラクティス及び最高水準の遵守」を参照のこと。)。EU
及びCEBの協力体制は、強いシナジー効果を生んでいる。EUが政策に関する確かな専門知識及び資金
調達能力を有している一方で、CEBはプロジェクトの立案及び実施に通じており、EUからの助成金を
貸付で補強することができる。
CEB の加盟国のうち最大の支援国３カ国は、ドイツ、ノルウェー及びイタリアであり、非加盟国の
うち最大の支援国は米国である。これまでの支援者からの拠出金は、883百万ユーロに達している。
(a) ウクライナへの対応
2022 年のロシアによるウクライナへの軍事侵攻により、広範囲が破壊され数百人が故郷からの
避難を余儀なくされた。2022年末には、14百万人近く、つまりウクライナの人口の約３分の１が
難民となった。
当初の対応として、CEBは、支援者融資のうち10百万ユーロをウクライナからの難民支援のため
に充当した。当該融資は、うち6.4百万ユーロが2022年に締結されたものであり、輸送、シェル
ター、治療及びカウンセリングの提供に充てられた。かかる融資は、当時の移民及び難民の急増
に対応するため2015年にCEBが設立した信託基金である移民及び難民基金を通じて実施された。
その後、当行は、ウクライナからの避難民を支援し、国の再建を支援することを目的とした専
門の信託基金であるウクライナ連帯基金(USF)を設立した。ウクライナは、2023年にCEBの加盟国
となる予定である。アイルランドは、2022年７月に開催されたCEBの年次合同会議のホスト国とし
て当該信託基金の創設を推進し、シード資金に１百万ユーロを寄付した。
(b) バルカンの避難民に対する住宅の提供
1990 年代の旧ユーゴスラビアにおける紛争では、何百万人もの人々が故郷を追われた。それか
ら約30年後も、数 千人 が標準未満の住宅に住み続けている。これらの社会的弱者にまともな住宅
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を提供するため、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、モンテネグロ及びセルビアは、共同
イニシアチブの地域住宅プログラム(RHP)を実施した。
当該プログラムは、CEBが管理し、大規模に実施している。これまでに約30,400名の社会的弱者
が まともな住宅を得た。かかる人数は、2023年にプログラムが終了するまでに34,000名近くにま
で増加する見込みである。
RHP は、国際社会から強力な支援を受けている。支援者は、当該取組みに294百万ユーロの支援
を約束している。最大の拠出国は238百万ユーロのEUで、次いで24百万ユーロの米国である。その
他の主要な支援者には、ドイツ、ノルウェー、スイス及びイタリアが含まれる。
(c) トルコの医療及び難民
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、トルコは、10年以上前に始まった紛争の副産物で
ある3.5百万人のシリア難民を初めとして、世界で最も多くの難民を受け入れている。EU及びトル
コは、難民及び庇護地域のニーズが包括的かつ協調的な方法で対処されることを確保するため、
2015年に「EUのトルコにいる難民のためのファシリティ(FRiT)」という調整メカニズムを設定し
た。CEBは、難民及び庇護地域の医療改善を目的として、FRiTが資金提供する２つのプロジェクト
を管理している。
１つ目のプロジェクトでは、当行は、トルコのシリア国境沿いの州キリスに位置する400床の公
立病院の建設及び設備を監督した。キリス州は、シリア難民の流入により人口が急増している。
病院は、EUの拠出金50百万ユーロを受け入れ、医療キャパシティを300％まで引き上げる予定であ
る。トルコ保険省、EU及びCEBの代表は、2022年12月の病院の開業に立ち会った。病院は、2023年
２月の地震に耐え、通常どおりの運営を継続している。
２つ目のプロジェクトでは、CEBは、90百万ユーロが投じられたプロジェクトである「万人のた
めのヘルスケア・インフラストラクチャーの強化」(SHIFA)の下、難民及びその受入国のために、
継続してトルコ全土の医療センターのネットワークの設立を監督している。SHIFAは2021年から始
動し、その目的は、2023年２月の地震から影響を受けた地域の医療施設への投資を優先するよ
う、改定された。
(d) バルカンの画期的な小児科医院の拡張
ベオグラードのティルショワ小児大学病院は、高度な小児医療に定評がある。患者のケア及び職
員の労働環境のさらなる改善のため、セルビア当局は新たな施設を建設中である。
当該プロジェクトは、CEBからの54百万ユーロの貸付並びにEU、複数の金融機関及び二国間支援
者による共同イニシアチブである西バルカン半島投資フレームワーク(WBIF)から2022年に承認され
た36百万ユーロ近くの拠出金により支援されている。また、セルビアは、包摂的な成長及び環境の
持続可能性に係るCEBの活動を支援するために開設されたスロバキア包摂的成長口座及びノル
ウェー信託口座からの融資により、プロジェクトの準備のための技術支援を受けた。
(e) ボスニア・ヘルツェゴビナのサイエンス・テクノロジー・パーク
高度な雇用を生み、若者の失業問題を解決し、また優秀な人材の国外への「頭脳流出」を防ぐこ
とは、多くの国にとっての重要課題であり、ボスニア・ヘルツェゴビナにとっても同様である。ボ
スニア・ヘルツェゴビナは、雇用を創出し、科学界及び民間部門の協力関係を促進するため、 サイ
エンス・テクノロジー・パークを 第２の都市であるバニャ・ルカに 準備している。
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プロジェクトが国際基準に沿って実施されるよう、2022年以降、スルプスカ共和国政府はUNDPか
らの技術支援を受けている。当該支援は、550,000ユーロであり、CEBの社会配当金勘定(SDA)及び
イタリア革新的プロジェクト基金(IFIP)が融資している。SDAは、社会性の高いプロジェクトの支
援 のために利用され、当行の年間利益からの配分を通じて、主にCEB加盟国からの拠出金から融資
されている。IFIPは、当行による革新的な社会プロジェクトを支援するため、イタリアで設立され
た。
(f) セルビアの刑務所の生活環境及び就労環境の改善
刑務所における過密は、拘留者の健康及び安全の権利を阻害するものであり、その後の社会復帰
への見通しにも影響が出る可能性がある。職員の労働環境にも影響する過密を解消し、EUの加入要
件を満たすため、セルビアは、クルシェヴァツに新たな刑務所を建設しており、またスレムスカ・
ミトロヴィツァの既存の刑務所を拡張する(「c. 2022年に承認された計画 ⅲ 社会的弱者集団の
支援は戦略的に必要である (c) 受刑者の権利及び更生を支援するための刑務所の近代化」を参照
のこと。)。
CEB は、この社会性の高いプロジェクトを支援しており、2022年に30百万ユーロの貸付を承認し
た。また、当行は、セルビア当局による施設のエネルギー効率改善のため、2022年に技術支援を承
認した。かかる支援は、100,000ユーロであり、加盟国の低炭素かつ気候変動に強い経済への移行
を加速させるため2020年にCEBが設立した、グリーン社会投資基金が融資している。エネルギー効
率化の施策により、エネルギー消費が削減されることで環境面の利益が、また受刑者と刑務所職員
の双方がより快適に過ごせることで社会的な利益が得られることが期待されている。
(g) ジョージアの学校の 改修
ジョージアは、首都トビリシの公立学校の改修という野心的なプロジェクトを実施しており、
これにより社会的及び環境面での大きな利点が得られると期待されている。当該プロジェクトが
実施される前には、過去10年以内に建てられた学校は１校のみで、2002年の地震により多くの学
校が損壊していた。当該改修により、生徒の安全及び快適性が向上するとともに、校舎のエネル
ギー効率が40％向上する。
国際社会からの支援が、当該プロジェクトの鍵となっている。当該プロジェクトは、複数支援
機関である東ヨーロッパエネルギー効率化・環境パートナーシップ(E5P)からの６百万ユーロの助
成金並びにスロバキア包摂的成長口座及びCEBのプロジェクトに係る技術支援を融資するためにス
ペインで開設されたスペイン社会的統合口座からの210,000ユーロの技術支援の助成金を受けてい
る。かかる助成金は、CEBからの14百万ユーロの貸付を補助し、ジョージア当局によるベストプラ
クティスに基づくプロジェクトの資金調達及び実施を支援するものである。
詳細について
・ 2022年CEB支援者報告書を参照のこと。
・ CEBの支援者に関する詳細は、https://coebank.org/en/partnering-with-donors/trust-funds-
and-projects/を参照のこと。
g. 当行が供与する貸付及び保証の 方針 及び概略
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定款及び第三議定書に従い、管理委員会は、当行が供与する貸付及び保証を規律する一般的な規則
及び原則を含む貸付及び事業融資の方針並びに貸付規則を決議第1562号(2013)に基づき認可した。さ
らに、当行が認可する貸付又は保証ごとに、借入人及び当行は貸付契約又は保証契約を締結する。
当行の成文規則に基づき、貸付は、下記の法人に対して供与される。
ⅰ 当行の加盟国
ⅱ 当行の加盟国の保証のある当行の加盟国によって承認された法人
ⅲ 当行の加盟国が承認した法人。但し、管理委員会が、当該貸付が当行の成文規則に従って適切な
保証によりカバーされていると認めた場合に限る。
当行は、原則として、市場金利に沿って通常貸付を行う。当行は、代理手数料を差し引き、当行が
市場で獲得する利益を貸付の受益者に譲渡する。利用可能な資金の取扱いは、効率的かつ厳格に行わ
れている。
貸付及び保証の申請は全て、当行加盟国の政府により欧州評議会及び当行に提出されるものとす
る。欧州評議会は、申請書及びその添付書類に記載されている目的事業につき、欧州評議会の政治的
及び社会的な目的に合致しているか否かを確認する。同時に、当行の総裁は事業の専門的及び財政的
な見地から報告書を作成する。欧州評議会による調査の結果、目的事業が上述の要件に合致している
ことが判明し、総裁が専門的及び財政的な見地から当該事業に満足した場合には、申請書は、欧州評
議会の許容する旨の意見書及び総裁の報告書とともに、最終的な承認を得るために管理委員会に提出
される。当行は、一般的に事業の総費用の50％までを融資することに同意している。
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h. 財務 活動
2022 年２月のロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、欧州全体でのインフレ率の上昇と相まって、
2022年の国債金融市場の運営環境をより不安定化かつ混乱させた。それにも関わらず、CEBは、満期債
務の返済を行い、また流動性を確保しつつ、ウクライナ関連のプロジェクトを含む当行の活動に必要な
資金調達を行うことができた。
ⅰ 財務ポートフォリオ
当行の貸借 対照表 の資産の部には、以下の１種類の金融ポートフォリオ及び３種類の短期、中期及
び長期流動性有価証券ポートフォリオを含む４種類の財務ポートフォリオが計上されている。
・財務金融ポートフォリオは、１年満期までの短期私募債で構成される。
このポートフォリオの戦略的目的は、全ての必要な通貨の日々のキャッシュ・フローを管理す
ることである。３ヶ月満期までの短期私募債は、購入時に、最低BBB+の格付を取得していなくて
はならない。３ヶ月満期から１年満期までの短期私募債は、購入時に最低A-の格付を取得してい
なくてはならない。
2022 年12月31日現在、かかるポートフォリオの短期私募債総額は、4,174百万ユーロであっ
た。
・短期流動性有価証券ポートフォリオは、１年満期までの短期有価証券で構成される。
これらの有価証券は銀行預金の代替をなし、当行の短期流動性ポジションの強化において、財
務金融ポートフォリオを補完する。
３ヶ月満期までの短期国債は、購入時に最低BBBの格付を取得していなくてはならず、３ヶ月
満期から１年満期までの短期有価証券は、最低A-の格付を取得していなくてはならない。
2022 年12月31日現在、かかるポートフォリオにおける短期有価証券総額は、947百万ユーロで
ある。
・中期流動性有価証券ポートフォリオは、１年満期から15年満期までの投資有価証券で構成され
る。
かかるポートフォリオの戦略的目的は、満足のいく利回りを達成する一方で、当行の流動性ポ
ジションを強化することである。
中期有価証券は、購入時に最低A+の格付を取得していなくてはならない。
2022 年12月31日現在、かかるポートフォリオにおける有価証券総額は、2,000百万ユーロで
あった。
・長期流動性有価証券ポートフォリオは、１年満期から30年満期までの投資有価証券で構成され
る。
かかるポートフォリオの有価証券は、当行の金利収入の安定的な資金源を確保することを主な
目的としている。かかるポートフォリオの有価証券は、購入時に最低A+の格付を取得しているこ
とが要求される。
2022 年12月31日現在、かかるポートフォリオにおける有価証券総額は1,568百万ユーロであっ
た。
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ⅱ デリバティブ
CEB の管理委員会が採用する金融及びリスク方針に従い、当行は貸付、投資及び資金調達取引から
生じる市場リスクをヘッジすることを目的としてデリバティブを使用する。当行は、エンドユーザー
として、デリバティブをヘッジ目的のみに使用する。
2022 年12月31日現在、当行が所有するヘッジ対象の種類別のデリバティブの内訳は、債券発行が
61％、貸付が35％及び有価証券が４％であった。
これらの金融商品に特有のリスクを避けるため、当行は、厳格なリスク管理方針を実施しており、
その原則の概略は、下記「(５)経理の状況」の注Bに記載されている。
信用リスクを制限するために、当行は、基本的に全てのスワップ取引相手方と担保契約を締結して
いる。したがって、2022年12月31日現在、CEBのスワップ契約のほぼ全てに担保が付与されている。
取得した担保によって保証されない積極的市場価額の金額として計算される残余信用リスクは、最低
限に抑えられている。
ⅲ 2022年の資金調達
(a) 債券の発行
管理委員会が設定した年間借入承認に従い、CEBは、国際資本市場において債券を発行する。当
行は、総額６十億ユーロ又は2022年の借入承認額6.5十億ユーロのうち92％を借り入れた。かかる
金額は、満期が１年以上の21件の資金調達活動において調達され、当行が5.5十億ユーロ借り入れ
た2021年を500百万ユーロ上回った。
これにより、2022年は記録的な年となった。約20年間のうち、CEBは１暦年の間で最も多くの取
引を開始し、過去最大規模の資金調達プログラムに融資した。また、2022年の資金調達活動にお
いて、２十億ユーロ超、発行総数のうち34％という史上最大規模のソーシャル・インクルージョ
ン・ボンド(SIB)の発行が行われた。
2022 年の資金調達活動は、以下の３つの主要な目標を達成した。
・当行の貸付活動から生じる需要を満たすこと
・当行の満期債務の返済を可能にすること
・当行の流動性を管理委員会が定める水準に維持すること
活動資金を調達に必要な資金源を確保するために、当行は、継続して、広範な機関投資家を対
象とした主要通貨建の指標銘柄に、特定の通貨での債券の発行又は投資家の特殊な需要に応える
ために設計された特有のストラクチャーを組み合せている。
2022 年、当行が調達した資金の64.7％がユーロ建、15.6％が米ドル建、13.9％が英ポンド建、
3.3％が豪ドル建、1.7％がノルウェー・クローネ建、そして0.8％が香港ドル建であった。かかる
取引により、当行は、投資家基盤を拡大すると同時に、調達した資金を受けて当行が活動する市
場を多角化することができた。
ユーロ建では、10件の銘柄が発行された。１月に10年満期の１十億ユーロ指標銘柄が発行、ま
た2026年６月満期の250百万ユーロ指標銘柄、50百万ユーロ指標銘柄及び100百万ユーロ指標銘柄
の３件の銘柄がそれぞれ再発行され、５年満期の１十億ユーロ指標銘柄が３月に発行され、当行
の第６回目となる７年満期のソーシャル・インクルージョン・ボンド・ベンチマーク(１十億ユー
ロ)が４月に発行され、前述のソーシャル・インクルージョン・ボンド・ベンチマーク(100百万
ユーロ)が９月に(初めて)再発行され、2027年３月満期の125百万ユーロ銘柄が10月に再発行さ
れ、2026年６月満期の150百万ユーロ銘柄及び100百万ユーロ銘柄の２件の銘柄がそれぞれ10月に
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再発行された。CEBは、ユーロ建及び米ドル建の両方で対象を絞ったソーシャル・インクルージョ
ン・ボンドを発行し、ウクライナの戦争を要因とする難民危機に最初に対応した発行体である。
米ドル建では、2022年の借入承認に基づいて、１件の銘柄が発行された。３年満期のソーシャ
ル・インクルージョン・ボンド・ベンチマーク(１十億米ドル)が６月に発行され、これはこれま
で当行が発行した米ドル建のソーシャル・インクルージョン・ボンドで最大のものであった。
英ポンド建では、６件の銘柄が発行された。長期４年満期の250百万英ポンド指標銘柄が１月に
発行され、2027年７月満期の200百万英ポンド銘柄が３月に再発行され、2025年12月満期の50百万
英ポンド銘柄、50百万英ポンド銘柄、75百万英ポンド銘柄及び80百万英ポンド銘柄の４件の銘柄
がそれぞれ３月、５月、９月及び11月に再発行された。
これにより、2022年において、ユーロ、米ドル及び英ポンド市場は資金調達量の観点から最も
重要な市場のうちの１つであった。
その他の通貨建では、４件の銘柄が発行された。５年満期の１十億ノルウェー・クローネ指標
銘柄が１月に発行され、５年満期の400百万香港ドル銘柄が２月に発行され、５年満期の250百万
豪ドル指標銘柄が、11年満期の55百万豪ドル指標銘柄の２件がそれぞれ２月及び３月に発行され
た。
スワップを行った後、借入資金は全額ユーロ建となった。
2022 年の借入承認に基づいて実施された起債の満期の平均は、5.7年であった。
2022 年に借入プログラムに基づいて実施された起債のうち、61.3％が５年近くか又は５年以上
の最終満期であり、2021年の57.8％から増加した。かかる増加により、当行貸付金の借換を確保
し、次期年度におけるキャッシュギャップを回避することができる。
多通貨EMTNプログラムは、当行による発行の法的枠組みを金融市場の規制の変更に適応させる
ため、2020年12月に更新された。豪ドル及びニュージーランド・ドルMTN(オーストラリアのプロ
グラム)は、2015年９月に最後に更新された。また、CEBのユーロ・コマーシャル・ペーパープロ
グラムも、2020年12月に更新された。ソーシャルボンド原則に沿ったICMAのソーシャル・インク
ルージョン・ボンドの枠組みは、2022年３月に更新され、収益の管理がポートフォリオ手法へと
移行された。
下表は、資金調達の詳細を原通貨建で示している。
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2022 年に発行された債券
期間 額面価額
払込日 満期日 通貨 主幹事会社
(年) (百万)
バークレイズ(Barc)/BNPパリバ
2022年１月19日 2032年１月19日 EUR 10年 1,000 (BNPP)/シティバンク(Citi)/ドイツ銀
行(DB)
2022年１月24日 2026年６月８日 EUR ４年 250 香港上海銀行(HSBC)
バンク・オブ・アメリカ(BoA)/カナ
2022年１月25日 2026年９月15日 GBP ４年 250
ダ・ロイヤル銀行(RBC)/TD証券(TD)
2022年１月25日 2027年１月25日 NOK ５年 1,000 スウェドバンク(Swedbank)
2022年１月31日 2026年６月８日 EUR ４年 50 DB
2022年２月１日 2026年６月８日 EUR ４年 100 コメルツ銀行(Commerz)
2022年２月21日 2027年２月21日 HKD ５年 400 HSBC
オーストラリア・ニュージーランド銀
2022年２月25日 2027年２月25日 AUD ５年 250
行(ANZ)/JPモルガン(JPM)/TD
2022年３月３日 2027年７月22日 GBP ５年 200 HSBC/ナットウェスト(NatWest)
クレディ・アグリコル・コーポレー
ト・アンド・インベストメント・バン
2022年３月10日 2027年３月10日 EUR ５年 1,000
ク(CACIB)/ゴールドマン・サックス
(GS)/HSBC/TD
2022年３月18日 2025年12月15日 GBP ３年 50 NatWest
2022年４月１日 2033年４月１日 AUD 11年 55 TD
BoA/CACIB/アイエヌジー(ING)/野村證
2022年４月13日 2029年４月13日 EUR ７年 1,000
券(Nomura)
2022年５月19日 2025年12月15日 GBP ３年 50 TD
DZ銀行(DZ)/モルガン・スタンレー
2022年６月16日 2025年６月16日 USD ３年 1,000
(MS)/NatWest/RBC
2022年９月23日 2025年12月15日 GBP ３年 75 DB
2022年９月28日 2029年４月13日 EUR ７年 100 TD
2022年10月11日 2027年３月10日 EUR ５年 125 MS
2022年10月17日 2026年６月８日 EUR ４年 150 HSBC
2022年10月20日 2026年６月８日 EUR ４年 100 MS
2022年11月15日 2025年12月15日 GBP ３年 80 NatWest
(b) 債券は増加傾向
2022 年12月31日現在、支払利息を除いた有価証券に表章される債券の未償還額は、25.9十億
ユーロとなり、前年度末の24.2十億ユーロから増加した。
2022 年、当行は、長期債の買戻し、期限前償還を一切行わなかった。満期ごとの債券の内訳
は、下記図表のとおりである。
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詳細について
CEB の財務活動に係る詳細については、「(５)経理の状況」を参照のこと。
過去の財務報告については、年ごとの当社のアーカイブを参照のこと。
coebank.org/en/news-and-publications/ceb-publications/
CEB のソーシャル・インクルージョン・ボンド年次報告書及び融資の詳細については、visit
coebank.org/en/investor-relations/を参照のこと。
i. リスク管理
リスク管理の主要な目的は、当行の長期的な財政の持続性及び業務の弾力性を確保し、さらにはCEB
がその社会的使命を遂行できるようにすることである。当行は国際的にも最良の銀行慣行を実践し、業
務分野全体で健全かつ慎重なリスク文化を促進している。
ⅰ リスク管理
(a) 目的
リスク管理により、CEB全体の主要なリスクが全て特定、評価、監視及び報告される。リスク及
び統制局の財務(信用及び市場)リスク部門及びオペレーショナルリスク部門は、リスク軽減手段
及び内部統制手段を導入することにより、当行の財務の持続性を守り、事業の継続性及び業務の
弾力性を保証する。
(b) 原則
CEB は、国際的な最良の銀行慣行をリスク管理原則及び枠組みの基準に適用している。かかる銀
行慣行は、銀行規制に係る欧州指令、バーゼル銀行監督委員会の勧告及びMDBの地位に基づくもの
である。
当行は、当行の活動から生じるリスクを特定、査定、監視、報告及び管理するための方針、手
続、制限及び統制を含むCEB全体の高度なリスク文化のため、包括的なリスク管理の枠組みを発展
させてきた。かかる枠組みは、健全な要件との整合性を保証し、当行のガバナンスにおいて重要
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な意味を持つフロント・オフィス、財務リスク並びに内部監査及び外部監査という３つの防衛線
によって明確化されている。
CEB のリスク管理の構造は、CEBの財務及びリスク政策、財務及びリスク政策ガイドライン並び
に財務及び政策ハンドブックにおいて提示されており、これらは変容する経済及び金融環境に対
応するために定期的に更新されている(最終更新は2022年１月。)。また、リスク管理の枠組み
は、当行の開発計画及び戦略目標と合致するよう継続的に見直されている。さらに、2018年にCEB
の管理委員会により承認されたリスク管理憲章は、重要なリスク管理原則を成文化し、当行にお
けるリスク管理ガバナンスの目的及び原則を規定している。
財務リスク部門により管理委員会及び理事会へ提出されるリスク管理の四半期報告書は、信用
リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナルリスクといった主要なリスクに対するCEB
のエクスポージャーの変更及び内部で定義される健全性に関する枠組みの遵守に係る情報を投資
主へ提供している。
CEB の総裁財務報告書は、毎年公表されており、当該事業年度におけるリスク管理の手順及び実
施を評価することにより、外部のリスク報告に寄与している。さらに、当該報告書は、18-K様式
に従って米国証券取引委員会に提出される。
(c) 体制
リスク及び統制局(R&C)は、リスク管理の枠組みの実施について責任を負う。R&Cは、他局と協
同し、リスク政策及び手段の提案、それらの実施の監督並びにリスク報告を行う。当局は、他の
運営局及び事業局から独立しており、総裁に直接報告する。R&C部門は、信用リスク、市場リスク
(リスクの観点からの資産及び負債管理を含む。)並びにオペレーショナルリスク等の特定のリス
ク分野に取り組んでいる。
総裁が議長を務める以下の意思決定委員会は、リスク管理の政策の制定及び監視について責任
を負う。
・信用リスク委員会(CRC)は、週に１度開催され、内部の信用評価及び勧告に基づき、貸付及び資
金エクスポージャーに関する信用リスク決定を行う。
・資産及び負債委員会(ALCO)は、１ヶ月に１度(又は必要な場合はさらに頻繁に)開催され、金
利、外国為替及び流動性リスクの将来的な予測に基づき、戦略的な志向及び意向を形成する。
・オペレーショナルリスク及び組織委員会(CORO)は、オペレーショナルリスクに関する課題を半
年に１度検討し、これらのリスクを軽減、監視及び規制するための対応が採られていることを
確認する。
・IT運営委員会は、情報システムの問題を見直し、業務の弾力性及び事業の継続性を確保するた
めの措置を講じる。ITプロジェクト委員会は、事業要件の予測及びITに関する共有ビジョンの
発展を可能にする。
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(d) 統制機関
内部監査(IA)は、CEBの内部統制システム及びリスク統制における常設の独立した機能である。
既存の政策、手続及びベストプラクティスに従って事業、運営業務及びパフォーマンスが効率的
に行われ、管理されていることについて独立的かつ客観的な保証を提供する。さらに、CEBの運営
に関して、将来的な改善の提案も行う。
最高コンプライアンス責任者事務局(OCCO)は、マネー・ロンダリング及びテロ資金供与、脱税
のリスク並びに誠実性、汚職問題及び詐欺問題への対処を課せられている。OCCOは、当行の金融
及びローン事業における誠実性を保護し、風評リスクを防ぎ、企業理念の規範を促進している。
最高情報セキュリティー責任者(CISO)は、情報リスク及び情報技術(IT)リスクの軽減のため、
CEB全体のセキュリティーの枠組みの設計及び手続の開発を行うことにより、当行のセキュリ
ティーポリシーを設定する。
監査委員会は、優れた財務管理の方針に基づく当行の運営を保証することに責任を負い、当行
の収支決算の検査及びその正確性の確認を行う。監査委員会は、理事会が加盟国から交代で選任
する任期３年の代表者３名(退任者はアドバイザーとして引き続き任期１年で留任する。)から構
成される。監査委員会の報告書は、その抜粋が財務書類に添付される他、年次財務書類が承認の
ため提出される際に、CEBの監督機関に提出される。
外部監査人は、外部報告の一環として、当行の財務書類の国際監査・保証基準審議会(IAASB)が
規定する国際監査基準(ISA)に従った監査並びに内部統制及びリスク管理のプロセスの審査を行う
責任を負う。外部監査は、意見書を含む多くの報告書を作成する。外部監査人は、監査委員会の
意見及び管理委員会の推薦に基づき、入札手続の後に、理事会により任期４年で任命され、また
任期３年で１度更新することができる。
さらに、当行は、国際格付機関であるムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズ、
フィッチ・レーティングス及びスコープ・レーティングス(未承諾の格付)による評価を受ける。
これらの格付機関は、環境、社会及びガバナンスの検討事項の他、当行の財務状況及び信頼性を
毎年詳細に分析する。
その優れた格付(ムーディーズのAa1(引上げを検討中)、スタンダード・アンド・プアーズのAAA
(安定的)、フィッチ・レーティングスのAA+(ポジティブ)及びスコープ・レーティングスのAAA(安
定的)(未承諾の格付))により、CEBは優位な立場で資金を調達しており、その結果、借入人は社会
事業の資金調達のために行う貸付の費用を大幅に抑えることができる。
ⅱ 信用リスク
信用リスクは、銀行の借入人又は取引相手方が合意した条件に従ってその義務を履行しないことに
より生じる潜在的な損失と定義される。
当行は、借入人及び財務上の取引相手方が契約上の義務について債務不履行となる可能性がある
か、又は当行の投資の価値が損なわれる可能性があることから、融資活動及び財務活動の両方におい
て信用リスクにさらされている。
また、格付の引下げ、支払義務に係る(クロス)デフォルト又は取引の決済手続に際して、信用リス
クが生じることがある。決済リスク及び未決済リスクもまた、信用リスクに含まれる。同様に、担保
リスクは信用リスクの一部とされる(担保は、本質的には信用リスクを軽減させる手段である。)。概
して、信用リスクとは、融資先又は取引の信用エクスポージャーの値と信用の質の関数である。
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財務リスク部門は、信用リスクに対処するため、取引相手方の信用リスクの質的及び量的要因を評
価し、融資先の信用の質を考慮してリスク条件及び引当金を設定し、信用限度を定める。信用リスク
は、プロジェクト評価プロセスの初期段階から考慮される。
2021 年以降、R&Cは、信用リスク事業の一環として、CEBの2020年から2022年に係る開発計画に従
い、気候変動に関する懸念事項を枠組みへ統合するべく取り組んでいる。これは、気候変動に関する
パリ協定にも適合する環境面における持続可能性及び気候変動への弾力性がより高い開発経路へ加盟
国が移行することに寄与するものである。
ⅲ 市場リスク
市場リスクは、金利又は為替の不利な変動の結果生じる損失のリスクと定義される。
(a) 金利リスク
金利リスクは、利益の経済価値(EVE)又は金利の不利な変動による当行の株主資本の減少として
定義される。金利リスクは、金融商品に金利が設定される金利改定日又は金融商品の契約上の満
期の期間差異によって発生する。
当行は、株主資本の経済価値の変動性を監視しつつ、安定した収益特性を維持することを目的
に、貸借対照表全体の金利リスクポジションを管理している。また、当行は、資産及び負債の金
利リスクをヘッジするために、デリバティブ商品を使用している。
金利敏感型ではない当行の資本に係る構造的な金利リスクは、金利改定の特性及び資本のデュ
レーションに係る慣行を取り入れることにより管理されている。かかる慣行は、CEBのリスク選好
及び金融市場の傾向に基づき定期的に見直されている。
当行は、バーセル/EUの規則に基づき金利リスクを測定しており、また金利リスクの全ての要
素、すなわち金利リスク、ベーシス・リスク、信用スプレッド・リスク及びオプション・リスク
を考慮し、経済価値及び収益の両方の潜在的な変動という観点から金利リスクを測定している。
当行は、バーゼル/EUが規定する金利ショックに係る規制の適用を要因とするものを除き、利益
の経済価値の感応度に制限を設定している。
また、当行は、金利ショックシナリオによる収益への影響により、収益が大幅に減少すること
はないとしている。
最後に、CEBは株式持分に係る金利のデュレーション、金利改定ギャップ及び財務省証券ポート
フォリオの時価評価感応度を監視している。
(b) 外国為替リスク
外国為替リスクは、外国為替相場における不利な動きに起因する、「オンバランスシート」及
び「オフバランスシート」のポジションに係る潜在的損失として定義される。
CEB は、いかなる通貨ポジションも保有せず、デリバティブ商品を使用して、資産及び負債を体
系的にユーロ通貨にヘッジしている。ユーロ以外の通貨に対する利益を保有することで生じる残
存リスクは、月次ベースで監督及びヘッジされる。正味オープン・ポジションは、毎月末におい
て１通貨につき１百万ユーロ相当に制限されている。
ⅳ 流動性リスク
流動性リスクは、期限が到来した支払義務を適時に履行できないこと又は持続可能な費用による履
行が不可能であることに起因して損失が発生するリスクと定義される。
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CEB は、適切な水準の流動性の維持に尽力しており、これにより、融資を受けることが困難な市場
の混乱時においても支払義務を履行し、また業務を支援することができる。
流動性リスク管理において重要な要素は、当行の資金調達戦略であり、これは資産及び負債の満期
構成の間の著しいギャップを回避し、債券発行プログラム、資金調達市場及び投資家の基盤を多様化
することを目的としている。当行は、不利な市場環境においても、市場価値及び流動性が維持される
流動性の高い有価証券から構成される流動性準備金を保有することを保証する。
CEB は、バーゼル/EU規則に基づき定性分析によって補完される内部的な指標及び規制上の指標を使
用して流動性リスクを測定する。流動性リスクの測定に使用される主要な指標は、存続水準である。
かかる指標は、新たな資金源の不在、流動資産の価値の低下及びデリバティブ・ポートフォリオに対
する付随的担保要件を含む厳格なストレス・シナリオにおいて、当行が流動資産を用いて継続事業か
ら生じる支払義務を履行することができる期間を測定する。
また、当行は、バーゼル/EU規則に規定される流動性カバレッジ比率(LCR)及び安定調達比率(NSFR)
の要件を自身が満たしていることを確認している。
ⅴ オペレーショナルリスク
CEB は、オペレーショナルリスクについて、不適切若しくは破綻した内部プロセス、人員及びシス
テム又は外部的事象の発生に起因して発生する潜在的損失と定義しており、これには法的リスクも含
まれる。さらに、CEBは、その事業に関連する風評リスクを考慮している。
オペレーショナルリスク部門は、業務分野との共同により、日々のオペレーショナルリスク管理を
調整する。中央管理枠組みは、所定の方法、リスク軽減手段及び実行計画を通じて、リスクの評価を
提供する。オペレーショナルリスクのインシデントの収集及び監視により、リスクのマッピング及び
評価が達成され、管理枠組みの有効性が確保される。恒久的な内部統制の枠組みは、各局の統制環境
がその設計及び有効性の点で常に適切であることを保証しており、かかる有効性は年次報告書におい
て評価されている。
さらに、業務分野手続の作成を通じて、オペレーショナルリスク部門は包括的な手続及び管理マッ
プを維持している。加えて、事業継続計画(BCP)は、当行の事業活動の混乱に対するヘッジを行う。
オペレーショナルリスク管理政策は、オペレーショナルリスクの特定、評価、管理及び報告のため
の手順を体系化する。これは、CEB全体における有効かつ整合的な管理を確保するための健全な実務
について定めるものである。
j. ガバナンス及び人事
CEB は、当時の欧州評議会を構成していた15の加盟国のうちの８の加盟国によって1956年に設立され
た。多国間開発銀行としての使命を果たす上で、当行は、欧州評議会の価値及び原則を引き続き支持す
るが、財政的に独立した別個の法人である。以下では、CEBのガバナンス及び経営体制、主要な年次総
会並びにその人材に焦点を当て、CEBの運営方法について説明する。
ⅰ ダブリン、アイルランドにおける2022年CEB年次合同会議
(a) 会議はウクライナの次期加盟を支持
CEB の理事会及び管理委員会は、７月８日にアイルランドのダブリンで2022年の年次合同会議を
開催した。初めてアイルランド(2004年にCEBへ加盟。)で開催され、また初めてハイブリッド形式
で行われた第55回合同会議は、財務大臣兼ユーログループ議長のパスカル・ドノホー(Paschal
Donohoe)によって開催が宣言され、当該会議が欧州評議会の加盟以降アイルランドで開催された
一連の重要なイベントの先駆けであると述べられた。
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年次会議の出席者は、欧州評議会事務局長のマリヤ・ペイチノヴィッチ・ブリッチ(Marija Pej
činović Burić)、CEBの理事会の議長マリネラ・ペトロヴァ、CEBの管理委員会の委員長ミグレ・
タ スキエネ及びCEBの総裁カルロ・モンティチェッリであった。
ウクライナの地域発展・建設相オベルスキー・チェルニショフ(Oleksiy Chernyshov)は、合同
会議にはビデオ会議形式で参加した。
既に欧州評議会の加盟国であるウクライナは、６月初旬のCEBへの加盟を正式に申請した。合同
会議に参加した上層の発言者は、満場一致でウクライナのCEBへの加盟を支持し、手続が進められ
る旨が述べられた。
ドノホー大臣は、住宅金融庁による住宅支援や、ソーシャルファイナンス・ファンデーション
による地域支援などの多くの重要な分野におけるCEBによる継続したアイルランドへの支援を歓迎
した。同氏は、当行のウクライナでの戦争に対する迅速な対応及びCEBが難民の受入国に対して
行った支援を評価した。ドノホー大臣からアイルランド政府を代理して投入された１百万ユーロ
により、CEBによるウクライナ連帯基金の新規設立への道筋がついた(「f. 協力関係及び支援者
ⅱ CEBが行う社会的行為の支援者 (a) ウクライナへの対応」を参照のこと。)。
ウクライナのオベルスキー・チェルニショフ大臣は、ウクライナがCEBに加盟することで、国の
住宅政策及びインフラ計画の近代化が推進され、「戦争による被害を受けたウクライナ人のため
の適切な住宅を確保するための」外国投資を集めることができると強調した。
カルロ・モンティチェッリ総裁は、CEBの「加盟国とウクライナとの連帯」を喜び、これによ
り、当行が「ウクライナの社会発展及び再建設のための需要を支援」できるようになった暁に
は、ウクライナのCEBへの加盟が円滑に行われるであろうと述べた。
(b) 新たな副総裁の選出
CEB の合同会議は、２件の新たな重要な選任を発表した。行政において素晴らしい経歴を有する
フランス人のサンドリーヌ・ゴーダンがCEBの財務戦略担当副総裁に、民間部門において業績を収
めた後、12年前にCEBへ入行したドイツ人のヨハネス・ベーマーは、新たな社会開発戦略担当副総
裁に就任する。
承認された貸付の詳細を含む2022年のCEB合同会議に関する詳細については、以下を参照のこ
と。
https://coebank.org/en/news-and-publications/news/council-of-europe-development-
banks-governing-bodies-discuss-conditions-for-ukraine-membership/
ⅱ ベストプラクティス及び最高水準の遵守
最高コンプライアンス責任者事務局(OCCO)は、CEBが規制基準及びベストプラクティスを遵守して
いることを監視及び保証し、財務及び非財務業務における違反行為及び不法行為から保護し、当行の
評判リスクを管理する。OCCOは、マネーロンダリング防止、テロの資金供与の阻止、税金詐欺及び腐
敗防止が当行のプロジェクト・サイクルの全ての段階においてなされていることを確保する。OCCO
は、高水準の誠実性、企業倫理、個人データ保護及び情報セキュリティーの促進に積極的に取り組ん
でいる。
2022 年、CEBは、CEBの規則、憲章及び方針の近代化並びにそれらを特にEU基準の国際的なベストプ
ラクティスに適合させるための主要なプロセスを完了させた。さらに、2022年１月に欧州委員会が規
定する「柱の評価」を通過したことで、CEBによるEUからの融資の管理能力が再確認された。租税問
題に関する第６の柱a及びbの他、資金アクセスの除外に関する第７の柱、受給者の情報の公表に関す
る第８の柱及び個人情報保護に関する第９の柱の３つの柱においてリーダーシップを任されたOCCO
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は、CEBにとっての有利な結果に具体的な貢献をした。かかる成功を受け、CEBは159百万ユーロを上
限とするインベストEUの保証契約を締結したが、これは社会プロジェクトの貸付への約500百万ユー
ロ の投入を補助し、多額の社会投資の実現に寄与するものである。
個人データ保護の面では、OCCOはCEBの管理委員会の承認を受けた大規模な規制改革、またかかる
新たな個人データ保護規制を受けたガバナンスの変更を行った。データ保護責任者の役割及び責務は
OCCO内部に限定される一方で、データ保護委員の役割及び権限は、独立委員に委任される。
OCCO は、予定されている全てのプロジェクト及び活動において商業道徳を貫くCEBの確固たる姿勢
並びに欧州評議会によるMONEYAL(マネーロンダリング防止)及びGRECO(腐敗防止)に係る取組みや、政
府間プライム格付及びMDBとの継続した協力関係を強調することで、2023年から2027年に係る戦略的
枠組みに貢献した。
2022 年、OCCOは、新たな展開を反映し、CEBの透明性及び説明責任を保護するため、当行のコンプ
ライアンス機能の改善を継続して行った。環境、社会及びガバナンスに係る基本事項を「第２の防衛
線」及び苦情対応の観点から統合することは、代表的な社会開発銀行としてのCEBの目標及び戦略と
一致するものである。
信託口座及び信託基金から融資されるものを含むCEBの貸付プロジェクトに対するOCCOによる
デュー・デリジェンス並びにコンプライアンス関連の特別調査により、CEBが継続して高い水準での
誠実性を有し、完璧な評判を維持していることが確約された。内部調達の予防的役割を担うOCCOは、
手続の決定の承認、延長又は例外的な申請を継続して精査する。
2022 年のOCCOの研修及び意識向上活動は、特筆すべきものであった。これには、新入社員のための
義務的なコンプライアンス導入セッション、コンプライアンス連絡官の会議及び特に国際不正取引啓
発週間を記念し、違法行為の発見、防止及び報告に係る助言を実施した職員の啓発に特化したキャン
ペーンが含まれる。例年と同様、CEBは、他の多国間開発銀行とともに2022年12月９日の国際腐敗防
止デーを祝い、リンクトイン及びユーチューブに投稿された最高コンプライアンス責任者による宣言
とともに、汚職及び不正行為へのゼロ容認に対するCEBの姿勢を再確認した。OCCOによる啓発キャン
ペーンには、コンプライアンス機能の補完に特化したイントラネットも貢献した。
OCCO は、情報セキュリティのセーフガードとしての権限の範囲内で、新しいセキュリティソリュー
ションの選択及び導入に取り組み、スウィフト・カスタマー・セキュリティー・プログラムの遵守を
検証したほか、セキュリティ制御、サイバーレジリエンス、最高情報セキュリティー責任者の日常業
務活動を検証した。2022年第４四半期には、リスク環境の概要、脆弱性、ユーザーの認識という３つ
の主要分野の指標で構成される技術的なセキュリティダッシュボードが作成された。事務局はまた、
CEBの中核的な運用システムに係る脆弱性の管理、機密管理及びデータ保護影響評価を改善した。
OCCOは、感染源を特定、脅威を解決し、ユーザーが安全な状態で作業を継続できるよう、サイバーセ
キュリティーアラートの管理に積極的に取り組んでいる。
サイバー攻撃により、ユーザーは「通常どおり」には作業できなかった可能性があるが、危機管理
チームは、CEBの重要な機能への潜在的な障害や損害を制限した。情報セキュリティー研修では、ス
ウィフト・ユーザーを対象としたセキュリティー意識向上のためのセッションが実施され、また職員
がサイバー脅威に直面した際、反射的にベストプラクティスを実行できるようになるための「フィッ
シング」キャンペーンが実施された。
ⅲ 内部監査
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内部監査局は、欧州評議会開発銀行(CEB)の内部統制システムにおける常設の機能である。これ
は、CEBの運営改善を目的とする独立かつ客観的な保証及びコンサルティングサービスを総裁に提供
している。
内部監査は、「第３の防衛線」として、リスク管理、統制及びガバナンス・プロセスの質及び有効
性を評価するための体系的なアプローチを提供することで、CEBの目的達成を支援している。内部監
査は、CEBの取引が既存の方針及び手続に沿って行われているかを検証し、関連リスクを査定し、潜
在的な改善及び効率化のための提案を行う。公平かつ公正な立場を保つため、内部監査は、CEBの事
業活動、日々のリスク管理又は事業に関連する統制プロセスには一切関与しない。
監査の任務は、４年のリスクに基づき定期的に作成される計画に基づいた年次活動計画に従って行
われる。2021年10月に改訂された内部監査憲章は、内部監査機能の目的及び位置付けについて明記し
ている。内部監査は、内部監査人協会の国際的な専門業務枠組みの必須要素を全て遵守している
(www.theiia.orgを参照のこと。)。
ⅳ CEBが学び、業績を改善するための独立した評価
CEB は、社会開発の成果を達成するため、資金調達のパフォーマンスの評価及び強化に常に取り組
んでいる。評価局(EVO)は、社会開発支援を目的としたCEBの融資活動の質及び効果を改善するため、
当行の業務、イニシアチブ及び商品に関する独立した評価を行うことにより、CEBの説明責任及び知
識に貢献している。評価局は、内外の出資者へ評価結果を周知するとともに、当行の経営陣に対して
提言に関する説明を行う。
2022 年の業務プログラムの一環として、EVOはCEBと国家開発銀行(又は国家助成銀行)との関わりを
評価している。かかる評価の妥当性及び付加価値は、CEB及び過去10年間にわたりCEBの総融資額の
20％超を融資してきた当該銀行との長期にわたるパートナーシップから生じている。当該評価では、
CEBのクロアチア復興開発銀行(HBOR)、ブルガリア開発銀行(BDB)及びスペイン開発金融公庫(ICO)の
３つの借入人との業務が特に重視される。HBOR及びBDBに関する評価は2022年に完了し、CEBによる中
小企業及び零細企業、都市開発及び農村開発並びに住宅のエネルギー効率への支援を通じて、過去10
年間で達成された社会的及び環境面での成果が評価された。評価の結果、地域の不均衡を改善し、複
数の社会的、経済的及び環境的課題に対処することを目的とした今後のプロジェクトの遂行におい
て、国家開発銀行はCEBのパートナーとして適任であることが強調された。この調査結果により、CEB
は、社会開発の成果に適用される報告システムの有効性を向上させる方法を特定するとともに、国家
開発銀行とより緊密な協力をとるべき、現在進行中の社会経済、医療及び環境の危機により重要性が
高まっている具体的な分野について検討する機会を得た。
また、EVOは、CEBの公共部門融資ファシリティの見直しを行っており、特に新型コロナウイルス感
染症のパンデミック渦での加盟国の取組みを支援する上で、当該ファシリティはより顕著な融資手段
となっている。かかる見直しは、対象とする社会開発の成果に係る支援及び報告を改善するための、
当該融資手段の実施に係る見識及び勧告を当行に提供する。当該評価は、2023年上半期にCEBの業務
局との協議プロセスを経て完了する予定である。
ⅴ 持続可能性
「持続可能性」は、人々、特に社会的弱者、社会及び地球へ持続的な良い影響を与えることができ
るよう、CEBがその社会的使命を遂行するやり方を意味している。この目的のために、CEBは、中核事
業から内部業務に至るまで、全てのCEBの活動に組み込まれている持続可能性への横断的なアプロー
チを構築した。かかるアプローチは、１つ目の企業レベルでの環境、２つ目の社会及びガバナンス
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(ESG)基準の遵守、プロジェクトレベルでの環境的及び社会的保護手段の確保、３つ目の人間中心の
気候変動への対応並びに４つ目の国連の持続可能な開発のための2030年アジェンダ(特にCEBの社会的
使 命と密接に整合する10の主要なSDGs)への貢献という、４つの柱を対象としている。
持続可能性への取組みを実施し、当行の資金調達活動及び内部業務に完全に組み込むため、CEB
は、包括的な業務枠済みを活用している。かかる包括的な業務枠済みには、(ⅰ)当行全体で抱える持
続可能性に係る課題の解決を目指すCEBの全ての局及びオフィスを代表するESG担当者間の社内ネット
ワーク、(ⅱ)プロジェト・サイクルを通じて、CEBが融資する全てのプロジェクトの社会的及び環境
面でのリスク及び影響並びに当行の顧客によるリスク管理及び影響の特定のための取組みを評価、査
定及び監視する環境・社会サステナビリティー気候変動ユニット、(ⅲ)CEBのパリ協定との整合性に
関する枠組み及びロードマップを導入する局を横断した運営委員会が含まれる。
2022 年において、また2020年から2022年に係る開発計画を通じて達成された成果により、当行の資
本基盤を強化する歴史的な合意に至り、また最高水準の誠実性及びコンプライアンスに基づき業務を
遂行し、連鎖する危機に加盟国が対処できるよう支援するCEBの献身的な努力が証明された。
企業レベルでは、CEBは、その全体的に堅実なESGリスク管理及び業績を、大手ESG格付機関からの
評価を通じて確認した。2022年、CEBは、ISS ESGの「Prime」、MSCI ESGの「Leader」、サステイナ
リティクス(Sustainalytics)の「Negligible ESG Risk」、ムーディーズESGソリューションズ(Moody
’s ESG Solutions)の「Advanced」に格付された。さらに、CEBが、１月に新たな拡大されたEUの柱
の評価を通過したこと(「ⅱ ベストプラクティス及び最高水準の遵守」を参照のこと。)及びECとの
間で新たに開始するインベストEU保証契約を締結したことは、社会的付加価値の高いプロジェクト
(「f. 協力関係及び支援者 ⅰ 協力関係 (a) 欧州連合」を参照のこと。)に利益をもたらす。
透明性及び説明責任は企業の持続可能性の中核をなすものであり、CEBは、2023年にサステナビリ
ティ・レポートの枠組みを拡大するための基礎を2022年に築いた。CEBがどのように持続可能性の推
進に寄与しているかについては、2023年に公表予定の新規のTCFD(気候関連財務情報開示タスク
フォース)報告書及び誠実性及びコンプライアンス報告書で補足される、今後公表予定のサステナビ
リティ・レポート及びそれに付随するGRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)報告書を
参照のこと。
詳細について
・ 2022年サステナビリティ・レポート及びグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)報告
書を参照のこと。
・ 過去のサステナビリティ・レポートについては、coebank.org/en/news-and-publications/ceb-
publications/から年ごとの当社のアーカイブを参照のこと。
・ CEBにおけるESGについての詳細は、coebank.org/en/about/sustainability/を参照のこと。
k. 人事
ⅰ 従業員
2022 年現在、全職員のうち14％が上級管理職レベル、57％が専門職レベル、29％が補助職レベル又
は技術職レベルである。上級管理職レベルのうち23％、専門職レベルのうち53％、補助職レベル又は
技術職レベルのうち72％が女性である。
ⅱ 採用：ジェンダーバランスの改善
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当行は、公平かつ包摂的な職場及び文化を目指し、多様な候補者から採用者を募り選考するととも
に、偏りを緩和する採用プロセスを導入している。CEBは現在、任命された職員に関して、４つの主
要な多様性の側面、すなわち性別、国籍、年齢及び経歴について調査している。
2022 年、計18件の任命が決定し、うち14件が外部から、４件が内部からの登用であった。男性が任
命全体の64％、女性は36％を占めた。上級管理職レベルとして、２名の女性が登用された。したがっ
て、当行は、継続してジェンダーバランスのとれた上級の職位(A4以上)への登用を目指しており、
2022年には34％に改善した。
補助職レベルでは、３件の採用者全てが男性であり、補助職員における男性の比率を向上するとい
う目標に向けた改善がなされた。
内部採用者のうち、上級管理グループへの任命はいずれも外部へ採用者を募集した結果であり、専
門職レベルでの２件の採用は、内部にて募集されたものであった。
2022 年に任命された18名は、１名のジョージアからの史上初の採用者を含む９の異なる国籍から構
成されている。
専門職レベルの職員は、最も多様であり、2022年において30の加盟国を代表している。CEBは、採
用人数が少ない加盟国や採用者のいない加盟国の者を採用するアウトリーチ活動を主導してきた。当
行の専用ウェブサイトや国際的な求人掲示板で採用キャンペーンを広める従来の方法に加えて、特定
の採用に対してアウトリーチを行うために、リンクトインや外部サービスプロバイダーを通じた対象
を絞った候補者の検索が行われている。
2022 年の外部採用者の平均年齢は42歳であり、今後の退職を考慮すると、現在49歳の平均年齢を引
き下げ、経験豊富な職員が経験の浅い職員を指導することができるようなより幅広い年齢層の環境に
なる可能性がある。
過去５年間において、外部採用の職員のうち、43％はその他の国際金融機関(IFI)から、43％は民
間部門から、14％は公的部門からの採用であった。
ⅲ ダイバーシティー及びインクルージョン
当行は、ダイバーシティー及びインクルージョンの文化を育み、同等の仕事に対する同一賃金を含
む職場でのジェンダー平等に取り組んでいる。職員は、ジェンダー、年齢、人種、出身民族、障が
い、宗教若しくは信条、性的指向又はアイデンティティを理由とした直接的又は間接的な差別を受け
ず、平等に扱われる。
当行は、EDGEのジェンダー平等の認証の第１レベル(「評価」については、www.edge-cert.org/を
参照のこと。)を取得しており、職種、階級及び局を横断する代表者を含むCEBのジェンダー多様性グ
ループと協議の上、ジェンダー平等をさらに推進するための行動計画を実施している。
また、ジェンダーの平等及び多様性の原則は、CEBの内部方針、規則、ガイドライン及びプロセス
の主軸となっている。パフォーマンス管理ガイドラインを通じて、査定官は、女性及び男性の貢献を
公平に評価して報酬を与える環境を推進することを奨励されている。
CEB は、経済及び社会の女性フォーラムが主催するイベントに継続して代表を派遣した。今年は、
13名の職員(全員が女性で、専門職レベルの職員が８名及び補助職レベルの職員が５名)が第17回年次
女性フォーラム世界会議に出席した。
2022 年、研修への全体的な参加率は77％であった。研修に参加した女性の割合(57％)は男性(43％)
より高く、全体のジェンダーバランスに対応している。階級及びジェンダーに関わらず、ほとんどの
職員は中核的能力研修及び語学研修に参加した。CEBの中核的能力研修の一環として、外部から講演
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者を招いた複数のダイバーシティー及びインクルージョンのワークショップが開催され、職員の参加
率は62％に達した。これは、当該テーマに対する職員の強い関心を示すものである。
ⅳ 職員の福利
CEB は、医療保険会社と連携し、2021年末に開始された職場での健康及び生活の質に関する調査の
調査結果をまとめた。当該調査は、健康、従業員の職場への関与、就労環境の質及び脆弱性という４
つの主要な分野を対象としている。約66％の職員が、回答した。調査結果から、従業員の高い関与
(90％)及び全般的な健康への充分な満足度(83％)が明らかになった。約73％が、自身のワークライフ
バランスに満足であると回答した。かかる結果を基に、CEBは、行動計画を導入し、子育て中及び介
護中のワークライフバランス、精神への負担並びに仮眠の有用性などの主題について話し合うウェビ
ナーを実施した。約38％の職員(うち女性が51％、男性が49％)が、当該ウェビナーに参加した。
当行のスポーツ協会は、参加者の健康管理のため、また組織への帰属意識をさらに高めるために、
複数のスポーツ教室、ハイキング部及びCEB合唱団の活動を継続した。
CEB は、予防医療の促進に尽力しており、職員向けのワクチン接種キャンペーンを行い、また屋外
での運動を促進するオンラインアプリケーションを提供したが、これには90名が任意で参加した。継
続的な支援の仕組として、オンライン医療相談やCEBメディエーターがある。
CEB は、職員の個人的な利益及び欧州の社会開発銀行である当行の健全なパフォーマンスのため
に、引き続き労働力の多様化、学習機会及び専門性向上の機会の提供並びに全職員のケアを行う。
CEB での就労に係る詳細は、coebank.org/en/job-section/を参照のこと。
l. 社会的統合に対する年間CEB賞
当行の社会開発任務に沿って2020年に開始された社会的統合に対するCEB賞は、CEBの加盟国42ヶ国
のうちの１ヶ国で社会問題に取り組んでいる市民的・文化的イニシアチブを紹介することを目的とし
て毎年開催されている。
2022 年は、リトアニアの芸術機関であるアートスケープ(Artscape)が受賞した。ダブリンでのCEB
の年次合同会議に先立つ授賞式で、アートスケープは、そのクリエイティブ・ミッションズ・プロ
ジェクトを通じて革新的かつ効果的な方法で「社会的統合に大きく貢献した」として25,000ユーロの
賞を受賞した。2022年の賞に対し、21ヶ国から140件超の応募があり、64件のノミネート及び６件の
最終選考プロジェクトの中から受賞者が選ばれた。
アートスケープは、アーティスト兼教育者を派遣し、難民センターの人々との交流を積極的に行っ
ている。UNHCR及びリトアニア文化評議会から一部資金提供を受けたクリエイティブ・ミッション
ズ・イニシアチブは、ウクライナでの戦争から逃れてきた難民を支援することを目的としている。
「移民センターに閉じ込められている子供、女性及び男性に安全な場所を作るためにクリエイティ
ブ・ミッションズを開始した。」と創設者のアイステ・ウルベイ(Aistė Ulubey)は言う。「定期的に
センターに通う中で、連帯感を示し、『あなたは１人ではない』と言いたかった。アートスケープの
教育者及びボランティアが行った並外れた活動は、人間性、共感、献身の模範である。この賞はま
た、リトアニアの多くのNGOによる注目すべき活動にも焦点を当てている。」
「芸術は統合の強力なベクトルであり、アートスケープのプロジェクトはそれを見事に証明し
た。」と欧州協議会の人間の尊厳、平等及びガバナンス局長であり審査員長を務めたクローディア・
ルチアーニ(Claudia Luciani)は言った。審査員は、シンガ・アンド・カーム(SINGA and CALM)の創
設者ギヨーム・カペレ(Guillaume Capelle)、共通の金融の事務総長代理オルネラ・ダミーコ
(Ornella D’Amico)、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの住宅経済学名誉教授クリスティ
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ン・ホワイトヘッド(Christine Whitehead)及びCEBの副総裁(対象グループ諸国担当)トマス・ボー
チェックで構成された。
CEB の専門家が有効な応募につき影響、持続可能性及び革新性/再現性に関して評価した後、社会開
発、社会起業、学術及び市民社会の分野からの５名の独立した審査員が受賞プロジェクトを選出して
いる。
CEB は、2020年以来開催されている３回の賞を通じ、欧州29ヶ国から約300件のプロジェクトのノミ
ネートを集めている。
詳細については、award.coebank.orgを参照のこと。
m. 本邦との関係
当行は、今日に至るまで20年超にわたり、日本の金融市場において安定した活動を行ってきた。
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（５）【経理の状況】
以下に掲げる財務書類は、アーンスト・アンド・ヤング・オーディット ( フランスにおける独立監査
人) により監査されている。アーンスト・アンド・ヤング・オーディットは、当該財務書類が、欧州連
合により採用されるIFRS基準に従って、2022年12月31日現在の当行の財務状況並びに同年の財務成績
及びキャッシュ・フローを、全ての重要な点において適正に表示しているとの意見を述べている。
欧州連合によって採用されたIFRS基準に従って作成された財務書類
当行の目的
当行の主たる目的は、難民の移動や他の強制的な人口移動の結果、難民、避難民又は移民が存在する
ことになったこと、及び自然災害や生態学的災害の被害者が存在することになったことを受けて、欧州
諸国が直面している、又は直面するかもしれない社会問題の解決を支援することである。
当行が寄与している投資事業は、これらの人々をその滞在国において援助すること、又は帰国する条
件が整った時にこれらの人々を祖国へ帰還させること若しくは可能な場合は受入国へ移住させることを
目的とする。これらの事業は、当行の加盟国に承認されなければならない。
当行は、さらに、貧しい地域での雇用創出、低所得層のための住宅提供又は社会的インフラストラク
チャーの創設を可能にするため、当行の加盟国により承認された投資事業の実現に寄与する。
( 定款第２条)
活動分野
欧州評議会開発銀行(CEB又は当行)は、社会的一体性の利益になるよう、社会的志向の投資事業の実
行に寄与している。CEBの活動は、2020年から2022年に係る開発計画及び管理委員会の決議第1617号
(2020)に従い、以下の３つの活動方針に沿って明確化されている。かかる活動方針とは、包摂的成長、
社会的弱者集団への支援、環境の持続可能性である。
2020年から2022年のプロジェクトはこのように、上に挙げた分野別の活動路線のうちの１つ、２つ又
は３つに分類される。これらの活動路線は、以下の分野におけるCEBの全ての活動を支えるCEBの特定の
社会的使命及び開発ロジックの両方を反映している。かかる分野とは、難民、移民、避難民及びその他
の社会的弱者集団への援助、低所得者向け住宅、都市部及び地方の生活環境の改善、自然災害又は生態
学的災害、環境保護、歴史的・文化的遺産の保護及び再生、保健、教育及び職業訓練、行政及び司法の
インフラ、有効な雇用創出及び維持のための零細企業及び中小企業(MSME)支援である。
2023年１月１日から、CEBの今後５年間の活動の青写真として、2020年から2022年に係る開発計画が
2023年から2027年に係る戦略的枠組みに引き継がれた。管理委員会の決議第1646号(2022)に従い、CEB
の運営状況並びに加盟国の現在のニーズ及び予測されるニーズをより的確に反映するため、活動路線が
更新された。
CEBの社会的一体性への取組みは、全ての活動路線において社会的弱者に特に焦点を当てることによ
り支えられている。これについて、CEBは貸付業務へ脆弱性レンズを体系的に適用し、各プロジェクト
が取り組むべき具体的な脆弱性の原因を特定することで、より良い解決策を設計し、社会的一体性をさ
らに高めている。CEBが介入する各分野は、記載した活動路線に基づいており、明確かつ詳細な適格性
基準によって定義されている。
(*) (*)
2023年１月１日からのCEBの新しい業務分野は、保健及び社会保障 、教育及び職業訓練 、行政及
(*)
び司法のインフラ、歴史的及び文化的な遺産の保護及び復旧、手頃な価格の公共住宅 、都市部、地方
(*) (*)
及び地域の開発 、自然災害又は生態学的災害、環境保護、MSMEへの融資 並びにマイクロファイナン
(*)
ス である。
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CEBは、全ての主要な業務分野への関与を維持する一方で、プロジェクトの選択性を高め、CEBの重要
な目標の追求に最も貢献できる分野に資源を投入するために、いくつかの「重点分野」を特定した。重
点 分野に加え、他の分野におけるプロジェクトへの融資も引き続き十分に検討される。
独立した分野として挙げられてはいないが、CEBは、主要な活動分野と相互作用し、社会的一体性の
達成に役立つ３つの分野横断的テーマ、すなわち、(ⅰ)気候変動対策、(ⅱ)ジェンダー平等及び(ⅲ)デ
ジタル化を確認している。これらのテーマに明確かつ体系的に重点を置くことは、CEBが融資する全て
のプロジェクトの社会的一体性を強化するために、全ての分野におけるCEBの活動を設計及び実施する
際の指針となっている。
(*) 「重点分野」を示している。
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貸借対照表
(単位：千ユーロ)
注記 2022年12月31日 2021年12月31日
資産
現金及び中央銀行における残高 1,150,258 2,044,716
損益を通じて公正価値で測定する金融商品 C 654,045 443,250
ヘッジ・デリバティブ金融商品 C 2,198,288 700,933
株主資本を通じて公正価値で測定する金融
G 2,795,509 3,704,677
資産
償却原価での金融資産 G
貸付金 18,222,361 19,019,840
前渡金 4,209,861 2,096,670
負債証券 1,592,770 1,570,816
有形資産及び無形資産 H 57,545 57,290
その他資産 I 647,498 76,665
資産合計 31,528,135 29,714,857
負債及び株主資本
負債
損益を通じて公正価値で測定する金融商品 C 187,498 136,778
ヘッジ・デリバティブ金融商品 C 2,397,993 478,259
償却原価での金融負債 J
信用機関及び顧客に対する負債額 70,176 70,675
発行済負債証券 24,223,766 24,824,467
その他負債 I 917,001 555,785
社会配当金勘定 K 34,842 47,169
引当金 L 254,484 368,052
負債合計 28,085,760 26,481,185
株主資本
資本金 M
引受済資本金 5,477,144 5,477,144
(4,864,180) (4,864,180)
未払込資本金
払込請求済資本金
612,964 612,964
一般準備金 2,722,679 2,627,884
79,683 94,795
当期純利益
資本金、一般準備金及び当期純利益合計
3,415,326 3,335,643
株主資本に直接認識された損益 27,049 (101,971)
株主資本合計 3,442,375 3,233,672
負債及び株主資本合計 31,528,135 29,714,857
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損益計算書
(単位：千ユーロ)
注記 2022年 2021年
利息及び類似の収入 N 186,422 175,910
利息費用及び類似の手数料 N (43,162) (28,475)
金利差益 143,260 147,435
損益を通じて公正価値で測定する金融 商品からの純損益 P 6,859 (54)
株主資本を通じて公正価値で測定する 金融 資産からの
純利益 49 42
手数料(収入) 1,332 2,071
手数料(費用) (556) (2,647)
銀行業務純益 150,944 146,847
一般営業費用 Q (53,281) (53,223)
有形資産及び無形資産の減価償却費 H (7,274) (6,671)
総営業収入 90,389 86,953
リスク費用 R (10,706) 7,842
純利益 79,683 94,795
包括利益計算書
(単位：千ユーロ)
2022年 2021年
純利益 79,683 94,795
損益計算書に再分類される可能性のある項目 (754) 3,063
株主資本を通じて公正価値で測定する負債証券の価格変動 (20,557) 5,986
ヘッジ・デリバティブ金融商品の価格変動 19,803 (2,923)
損益計算書に再分類されない項目 129,774 3,637
年金計画関連の保険数理計算上の差異 107,318 2,388
その他の退職年金関連の保険数理計算上の差異 22,018 1,302
資本性金融商品の価格変動 438 (53)
包括利益のその他の要素合計 129,020 6,700
包括利益 208,703 101,495
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株主 資本勘定変動報告書
(単位：千ユーロ)
資本金及び準備金 株主資本に直接認識された損益
株主資本
を通じて
公正価値 ヘッジ・ 保険
で測定す デリバ 数理
資本性
払込請求済 準備金 る負債 ティブ
計算上の 金融 株主資本
資本金 及び実績 合計 証券 金融商品 差異 商品 合計 合計
2021年１月１日
現在の株主資本 612,964 2,627,883 3,240,847 23,806 9,641 (142,690) 572 (108,670) 3,132,177
2021会計年度の
純利益 94,795 94,795 94,795
株主資本に直接
認識された資産
及び負債の価格
変動 5,986 (2,923) 3,690 (53) 6,700 6,700
2021年12月31日
現在の株主資本 612,964 2,722,679 3,335,643 29,792 6,718 (139,000) 519 (101,970) 3,233,672
2022会計年度の
純利益 79,683 79,683 79,683
株主資本に直接
認識された資産
及び負債の価格
変動 (20,557) 19,803 129,336 438 129,020 129,020
2022年12月31日
現在の株主資本 612,964 2,802,362 3,415,326 9,235 26,521 (9,664) 957 27,049 3,442,375
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キャッシュ・フロー計算書
(単位：千ユーロ)
12月31日に終了した年度 2022年 2021年
当期純利益 79,683 94,795
+/-有形資産及び無形資産の減価償却費積立 7,274 6,670
+/-減損引当金 10,764 (7,854)
+/-投資活動による純損益 23,824 16,941
+/-未収の受取利息の変動 (67,043) 8,850
+/-未収の支払利息の変動 87,231 (5,397)
+/-その他の変動 8,443 14,883
業績に含まれる非通貨項目の合計 70,494 34,094
+信用機関及び顧客への営業に関連するキャッシュ・フロー 3,605,667 2,591,448
-信用機関及び顧客への営業に関連するキャッシュ・フロー (4,498,770) (5,183,668)
+金融資産又は金融負債に影響するその他の営業に関連するキャッシュ・
フロー 4,377,332 4,242,537
-金融資産又は金融負債に影響するその他の営業に関連するキャッシュ・
フロー (3,780,672) (3,407,151)
+/-非金融資産又は非金融負債に影響する営業に関連するキャッシュ・
フロー (8,093) 1,005
営業活動の結果による資産及び負債の純キャッシュ・フロー (304,536) (1,755,830)
営業活動による純キャッシュ・フロー合計(a) (154,359) (1,626,940)
+償却原価での負債証券に関連するキャッシュ・フロー 125,000 204,200
-償却原価での負債証券に関連するキャッシュ・フロー (156,089)
+/-有形資産及び無形資産に関連するキャッシュ・フロー (5,442) (4,251)
投資活動による純キャッシュ・フロー合計(b) (36,531) 199,949
+/-加盟国からの/へのキャッシュ・フロー (11,692) (1,349)
+償却原価での発行済負債証券によるキャッシュ・フロー 14,570,539 8,090,636
(13,043,469)
-償却原価での発行済負債証券によるキャッシュ・フロー (6,138,622)
財務活動による純キャッシュ・フロー合計(c) 1,515,378 1,950,664
現金及び現金同等物における外国為替レート変動の影響(d) 2,341 139
現金及び現金同等物における純増加/(減少)(a)+(b)+(c)+(d) 1,326,829 523,813
期首における現金及び現金同等物 3,052,794 2,528,981
現金及び中央銀行における残高 2,044,894 1,060,360
信用機関の要求に応じた支払可能な前渡金及び定期預金 1,007,900 1,468,620
期末における現金及び現金同等物 4,379,623 3,052,794
現金及び中央銀行における残高 1,150,631 2,044,894
信用機関の要求に応じた支払可能な前渡金及び定期預金 3,228,992 1,007,900
現金及び現金同等物の変動 1,326,829 523,813
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財務書類に対する注記
注A：当行によって 適用される主要な会計方法の概要
1. 会計基準
1.1. 適用される会計基準
当行の個別の計算書類は、欧州連合によって採用された国際財務報告基準(IFRS)に従って作成されてい
る。
当行は、2022年度において、欧州連合が採択済みであるが実施が任意であった新しい基準、改訂又は解
釈を実施しなかった。
1.2. 金利指標改革
・ 改革の経緯
2014年、金融安定理事会(FSB)及び証券監督者国際機構(IOSCO)は、銀行間取引金利(IBOR)指標の強化並
びに翌日物金利及び実取引に基づくリスク・フリー・レート(RFR)による段階的置換について提言を行っ
た。
2020年１月15日、欧州連合は、IAS第39号並びにIFRS第７号及び第９号の改訂を採用する欧州委員会規則
2020/34(金利指標改革－フェーズ１)を公表した。本規則により導入される変更は、IBOR改革が財務報告に
及ぼしうる影響への最初の対応であり、指標の置換に先立つ課題に対処するものであった。
また、2021年１月13日、欧州連合は、IAS第39号並びにIFRS第４号、第７号、第９号及び第16号の改訂を
採用する欧州委員会規則2021/25(金利指標改革－フェーズ２)を公表した。かかる第２の規則により導入さ
れる変更は、IBORの他の金利指標による置換を含む金利改革後に財務報告に生じうる問題に対処するもの
であった。
・ LIBORの置換プロセス
2021年３月５日に、英国金融行動監視機構(FCA)は、ICEベンチマーク・アドミニストレーション(IBA)が
公表する35のLIBOR指標セッティングの将来の公表停止及び代表性喪失について公表した。FCAは、とりわ
け、一定のLIBORセッティング(全てのテナーのユーロLIBOR及びスイスフランLIBOR、翌日、１週間、２ヶ
月及び12ヶ月の英ポンドLIBOR、翌日、１週間、２ヶ月及び12ヶ月の円LIBOR、並びに１週間及び２ヶ月の
米ドルLIBOR)は、2021年12月31日より後に直ちに恒久的に公表が停止されると公表した。2022年１月１日
以降、IBAは、１ヶ月、３ヶ月及び６ヶ月の英ポンドLIBOR及び円LIBORのセッティングについては、2022年
中は「シンセティック」メソドロジーベースで公表している。残りの全ての米ドルLIBORセッティングは、
2023年６月30日より後に直ちに恒久的に公表が停止されるか、又は代表性が喪失する予定である。
一定の米ドルLIBORレートの公表の2023年６月30日までの延長にかかわらず、FCAのガイダンスは、LIBOR
を2021年以降も続く新たな契約に使用すべきでないとしており、CEBもこのガイダンスに従っている。
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・ 改革実施プロジェクトの体制及び当行に対する影響
当行は、市場慣行に沿ってLIBOR指標からそれぞれのRFRに移行することにより、金利指標改革を実施し
ている。ワーキング・グループは、この移行のリスク及び潜在的影響を検討し、実施ロードマップを展開
し、その実施は継続されている。2022年末時点で対処している事項は、米ドルLIBORの停止及びWIBORの停
止であり、これらは2023年第１四半期から第２四半期に対処する指標改革(米ドルLIBOR)及び2023年から
2025年に対処する指標改革(WIBOR)の文脈においても重要な事項となるであろう。
当行は、主に、借入人に対する変動金利の貸付金に係るIBORのエクスポージャーを有する。EURIBORは、
EUベンチマーク規制との互換性を考慮して今後も公表され、引き続き、当面の欧州地域における参照レー
トとなる。当行の貸付のほとんどは、ユーロ建、参照EURIBORで行われており、2022年１月１日現在のほと
んどのLIBORセッティングの公表停止/代表性喪失は、当行の貸付業務に重大な影響を及ぼさなかった。当
行は、BUBOR及びSTIBORを参照する貸付残高を有しているが、これらのレートは、EUベンチマーク規則と適
合するとみなされるとして当面引き続き公表される予定である。さらに、当行は2025年に公表が停止され
る予定のWIBORを参照した貸付残高を有している。当行は、ポーランド国内の指標改革ワーキング・グルー
プからの勧告を含め、状況を監視しており、WIBORを適用可能なフォールバック・レートに置き換えるため
に必要な措置を順次講じる予定である。
2021年に、当行は、とりわけ、英ポンドLIBOR、スイスフランLIBOR及び円LIBORに指数化された１件の貸
付契約に係る一定のLIBORの置換に対処した。かかる貸付契約に基づく関連するトランシェ及び関連するス
ワップは、(ヘッジ会計アプローチを維持するため)同じRFRコンベンションを用いて修正された。当行は、
米ドルLIBORに指数化されている残存する貸付トランシェを特定しており、かつ潜在的な代替金利を監視し
ている。当行は、公正な取扱い及び代替参照金利の等価を採用している。
デリバティブに関して、当行は、2021年にISDA 2020 IBORフォールバック・プロトコルに準拠し、同プ
ロトコルに準拠しているその他全ての取引相手方との既存のISDAマスター契約(そのCSAを含む。)及びこれ
らに基づく残存スワップを、IBORフォールバック・レートを組み込むために多当事者間で修正している。
当該フォールバック・レートは、いずれかのIBORの公表が恒久的に停止された時点で、当該契約/スワップ
において参照される既存の各IBORを代替した。ISDAがプロトコルと併せて公表し、またCEBのスワップが参
照により組み込む修正後の定義により、同じフォールバック・レートが新規のスワップに適用される。
1.3. 表示通貨
財務書類の表示通貨はユーロである。財務書類及び注記において表示される金額は、別段の定めのない
限り、千ユーロ単位である。
2. 外貨取引
財務書類はユーロ建で記載される。
外貨建通貨資産及び負債は、会計年度末日に適用される為替レートでユーロ(CEBの機能通貨)に換算され
る。この取引換算から生じた為替変動は、損益計算書に計上される。
先物通貨取引は、かかる通貨の残存期間に適用される先物為替レートを用いて時価で評価される。ス
ポット為替ポジションは、会計期間末日のスポット為替レートで評価される。為替差額の結果は損益計算
書に計上される。
3. 予測の使用
IFRS の適用において、CEBは、当行の金融商品の価額を決定するために予測を使用しており、これは主に
デリバティブ商品の評価並びに金融資産及び金融約定に関する信用リスクの決定に使用されている。これ
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らの要素を除き、CEBの活動の性質は、判断及び評価の複雑性の観点から、財務書類の作成において重大な
予測又は決定的な仮定を必要としない。しかしながら、経済及び人口統計の想定は、退職給付の社会的約
定 の評価に使用される。
4. 金融資産及び金融負債
金融商品とは、現金又はその他の金融資産を受領するか又は支払う契約上の権利又は義務をいう。CEBの
銀行業務は一般に、貸付金、負債証券、発行済負債証券及びデリバティブ(スワップ、先物)等の広範囲の
資産及び負債を対象とした金融商品の形態をとる契約上のものである。
財務書類において、金融資産及び金融負債の分類及び評価方法は、その契約上の特性及びCEBがこれらの
金融商品を運営する方法による。
しかしながら、この区別は、その保有目的(市場活動又はヘッジ取引)を問わず、貸借対照表において常
に公正価値で測定されるデリバティブ商品には適用されない。
金融商品は、取引日ベースで認識される。
金融資産及び金融負債の分類及び測定
IFRS 第９号に従って、金融資産及び金融負債は、当初認識時に、貸借対照表において、３つの区分(償却
原価、損益を通じた公正価値、株主資本を通じた公正価値)に分類され、かかる区分により会計上の処理及
びこれに続く測定が決定される。この分類は、契約上のキャッシュ・フローの特性及び当行の金融商品の
管理方法(事業モデル)に基づく。
契約上のキャッシュ・フローの特性の分析
契約上のキャッシュ・フローの特性の分析は、その特性が基本融資契約の特性と類似している商品にの
み実効金利法を用いて金融資産からの利益の計上の可能性を制限することを目的としているが、これは関
連キャッシュ・フローの高い予測可能性を意味している。かかる特性を有さないその他の金融商品は全
て、それらが保有される事業モデルを問わず、損益を通じた公正価値で測定される。
元本の返済及び元本残高に係る利息の支払いのみを表す契約上のキャッシュ・フローは、基本融資契約
(SPPIフロー：元本及び利息の支払いのみ)に矛盾しない。
基本融資契約において、利息は主に金銭の時価及び信用リスクの対価から成る。基本的ではない金融資
産は全て、それらが保有される事業モデルを問わず、損益を通じた公正価値で認識しなければならない。
モデルの分析
事業モデルとは、キャッシュ・フロー及び利益を生むために商品が運営される方法をいう。金融資産の
分類及び評価の方法を決定するために、３つの事業モデルを区別することが必要である。
－金融資産から契約上のキャッシュ・フローを回収することに基づくモデル
－金融資産及びこれらの資産の売却から契約上のキャッシュ・フローを回収することに基づくモデル
－その他の金融資産、特に契約上のキャッシュ・フローの回収が付随する取引資産に特定のモデル
4.1. 償却原価での金融資産
金融資産は、以下の２つの基準、すなわち、事業モデルが契約上のキャッシュ・フローを回収するため
の商品の保有(「回収目的保有」)から成ること、並びにキャッシュ・フローが元本及び元本に係る利息の
支払いのみから成ることが満たされた場合、償却原価で分類される。
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事業モデル基準
金融資産は、当該商品の全期間にわたる支払いに関連するキャッシュ・フローを回収するために保有さ
れる。
キャッシュ・フロー基準
キャッシュ・フロー基準は、負債証券の契約上の条件が指定期日に元本及び元本残高に係る利息の支払
いのみであるキャッシュ・フローを生じさせた場合に当てはまる。「償却原価での金融資産」という区分
には、付与された貸付金、契約上の支払いの回収目的保有証券(短期国債、国債及びその他の負債証券)が
含まれる。
認識
当初認識時に、金融資産は公正価値(当該商品に直接起因する取引費用を含む。)で計上される。その
後、これらは償却原価(当該期間中の未収利息並びに元本及び利息の返済純額を含む。)で評価される。こ
れらの金融資産は、当初予想信用損失(注R)に関する減損計算の対象ともなる。利息は、契約開始時に決定
される実効金利法を用いて計算される。
公正価値ヘッジ取引において、資産の簿価は、IFRS第９号に従ってヘッジされたリスクに起因する損益
に関して調整される。
4.2. 株主資本を通じて公正価値で測定する金融資産
負債性商品
負債性商品は、以下の２つの条件が満たされた場合、株主資本を通じて公正価値で分類される。
事業モデル基準
金融資産は、その目的が契約上のキャッシュ・フローの回収及び金融資産の売却の両方(「回収及び売却
目的保有」)により達成される事業モデル内で保有される。後者は、付随的ではないが、事業モデルの不可
欠な要素である。
キャッシュ・フロー基準
その原則は、償却原価での金融資産に適用される原則と全く同じである。契約上のキャッシュ・フロー
回収目的又は売却目的で保有され、キャッシュ・フロー基準を遵守する有価証券は、主にこの区分に分類
される。
認識
当初認識時に、金融資産は時価(当該取引に直接起因する取引費用を含む。)で認識される。これらはそ
の後公正価値で測定され、公正価値の変動は株主資本の「株主資本に直接認識された損益」に計上され
る。これらの金融資産は、償却原価での負債性商品に適用されるものと同一条件での予想信用損失の計算
の対象ともなる。処分時に、それまで振替可能株主資本において認識された価値の変動は、損益計算書に
再分類される。もう一方で、利息は、損益計算書において契約開始時に決定された実効金利法に従って認
識される。
公正価値ヘッジ取引において、資産の簿価は、IFRS第９号に従ってヘッジされたリスクに起因する損益
に関して調整される。
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資本性金融商品
株式等の資本性金融商品への投資は、取引ごとに選択により、株主資本を通じて公正価値で測定する金
融資産として分類される。株式売却時に、これまで株主資本に計上されていた価値の変動は、損益計算書
において認識されない。配当金のみが、投資に係る利益を表し、資本の払戻しを表さない限り、損益計算
書において認識される。これらの商品は、減損の対象とはならない。
4.3. 損益を通じて公正価値で測定する金融資産
損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、事業モデルの「回収目的保有」若しくは「回収及び売却
目的保有」の基準又はキャッシュ・フローの基準を満たさない取引目的で保有されない負債性商品に関す
るものである。
これらの金融商品は、損益計算書に直接計上される当初取引費用である時価で計上される。末日時点
で、時価の変動は、損益計算書の「損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純損益」に計上され
る。
4.4. 金融負債
発行済金融商品又はその要素は、適法な契約の経済的実質に従って、負債に分類される。
発行済金融商品は、当行にその保有者への契約上の支払義務がある場合、負債性商品とみなされる。
発行済負債証券
発行済負債証券は、最初に取引費用を含む発行価格で計上され、その後実効金利法を用いて償却原価で
評価される。
IFRS第９号の適用において、公正価値でのヘッジ取引の観点から、発行済債券の簿価はヘッジリスクに
関する損益に応じて調整される。
4.5. 融資約定及び保証約定
損益を通じて公正価値で測定するデリバティブ商品として認識されない融資及び金融保証約定は、授受
された約定に関して注Sに表示される。これらは、予想信用損失について償却される。これらの引当金は、
「引当金」の項目に表示される。
4.6. 償却原価での金融資産及び株主資本を通じて公正価値で測定する負債性商品の減損
IFRS 第９号に従って、信用リスク減損モデルは、予想損失に基づく。このモデルは、償却原価区分又は
株主資本を通じて公正価値で測定する区分に分類される貸付金及び負債性商品、損益を通じて公正価値で
計上しない融資約定及び特定の金融保証約定に適用される。
一般的アプローチ
当行は、３つの「ステージ」を識別しており、それぞれが資産の当初認識以降の取引相手方の信用リス
クの進化に関する特定の状況に対応している。
12ヶ月間の予想信用損失「ステージ１」 ：
報告日現在、金融商品の信用リスクが当初認識以降に著しく増加しなかった場合、この商品に関して
12ヶ月間の予想信用損失に相当する額の減損(翌12ヶ月以内の債務不履行リスクに起因する。)が認識され
る。
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減損されない資産の全期間の予想損失「ステージ２」 ：
減損は、減損される金融資産がないという当初認識以降に金融商品の信用リスクが著しく増加した場
合、全期間の予想損失(満期時)に等しい。
減損された資産の全期間の予想損失「ステージ３」 ：
資産が減損された場合、減損はまた満期時の全期間の予想信用損失に等しい。
この一般モデルは、IFRS第９号の減損の範囲内で全ての金融商品に適用される。
利息収入は、ステージ１及びステージ２の残高の簿価総額により計算される。
ステージ３の範囲内での残高に関して、金利収入は償却原価残高(すなわち減損引当金に関して調整され
た簿価総額)に基づき計算される。
債務不履行の定義
債務不履行の定義は、バーゼルの比率が用いる定義と同じである。したがって、取引相手方は、90日超
の支払遅滞が判明した場合、債務不履行に陥っているとみなされる。
減損金融資産
金融資産は、当該金融資産の将来のキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす１又は複数の事象が生じた場
合、減損され、ステージ３に分類される。
個々のレベルで、減損の客観的表示には、以下の事象に関連する観測可能なデータが含まれる。すなわ
ち、支払期限を90日超過した契約上の支払いが存在すること、結果として現存するリスクと認められるこ
とに繋がる取引相手方の重大な財政難を認識又は観測したことである。
信用リスクの著しい増加
信用リスクの著しい増加は、合理的かつ妥当なあらゆる情報を考慮し、末日時点における当該金融商品
の債務不履行リスクと当初認識時点における債務不履行リスクとを比較して、評価される。
悪化という評価は、金融商品の当初認識時点における格付又は債務不履行の発生確率と報告日時点の格
付又は債務不履行の発生確率との比較に基づく。
予想損失の測定
予想信用損失は、金融商品の予想期間にわたり損失が生じる発生確率により加重された信用損失の見積
り(すなわち現金不足の現在価値)として定義される。これらは、各エクスポージャーについて個別に計算
される。
実際には、ステージ１及びステージ２のエクスポージャーに関して、予想信用損失は、債務不履行時損
失率(LGD)に債務不履行時エクスポージャー額(EAD)を乗じ、エクスポージャーの実効金利で割り引いた債
務不履行確率(PD)として計算される。これは、翌12ヶ月以内の債務不履行リスク(ステージ１)又は満期ま
での全期間にわたる債務不履行リスク(ステージ２)に起因する。
ステージ３に分類されるエクスポージャーに関して、予想信用損失は、実効金利で割り引いた、当該商
品の全期間にわたるキャッシュ・フロー不足として計算される。キャッシュ・フロー不足は、期限到来時
の契約上のキャッシュ・フローと予想キャッシュ・フローとの差額を表している。
実施された方法は、現行の概念及び枠組み(特にバーゼルの枠組み)に基づく。
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債務不履行確率(PD)
債務不履行確率は、既定期間にわたる債務不履行の発生確率の見積りである。
予想信用損失の測定には、満期時における１年間の債務不履行確率及び全期間の債務不履行確率の両方
の見積りが必要となる。満期時における１年間のPD及び全期間のPDは、サイクル全体の長期間平均に基づ
きPD規制により計算され、現在の状況を示すために調整されたある時点における(PIT)確率である。
十分な量の内部データがないことを考慮し、CEBは、当行の取引相手方のポートフォリオに従って標準化
されたPDデータの外部提供業者を利用する。
債務不履行時損失率(LGD)
債務不履行時損失率は、債務不履行日現在の実効金利で割り引かれた、契約上のキャッシュ・フローと
予想キャッシュ・フローとの差額である。LGDは、EADの比率として表示される。
予想キャッシュ・フローの見積りには、契約上の条件に含まれる場合は保有担保又はその他の信用補完
の売却によるキャッシュ・フローが含まれ、当該担保の取得費用及び売却費用を控除して事業体ごとに個
別に計上されない。
十分な量の内部データがないことを考慮し、CEBは、当行の取引相手方のポートフォリオ、信用補完及び
「低サイクル」効果に従って標準化されたLGDデータの外部提供業者を利用する。
債務不履行時エクスポージャー額(EAD)
商品の債務不履行時エクスポージャー額は、債務不履行時に借入人が所有する予想残高である。この額
は、予想される支払特性に基づき決定され、商品の種類に基づき、契約上の返済予定、予想早期償還及び
信用契約に係る将来の予想引出額を考慮している。
将来的な予測情報
予想信用損失額は、過去の事象、現在の状況及び合理的かつ妥当な経済情勢の予測を考慮した発生確率
－加重シナリオに基づき算定される。
予想信用損失算定時の将来的な予測情報に関連する原則は、「注R リスク費用」に詳細が記載される。
4.7. リスク費用
リスク費用には、償却原価で又は株主資本を通じて公正価値で計上された負債性商品、融資約定及び金
融保証約定に関連する12ヶ月間の予想損失及び全期間の予想損失(ステージ１及びステージ２)に関する減
損引当金及び同戻入金が含まれる。リスク費用には、減損に係る客観的証拠がある金融資産(ステージ３)
に関する減損引当金及び同戻入金、回収不能額の相殺額並びに減損資産からの回収額も含まれる。
4.8. デリバティブ商品
デリバティブ金融商品は、CEBがヘッジ対象の金利リスク及び/又は外国為替取引リスクを管理及びヘッ
ジするために使用される。これらは、ヘッジ・デリバティブ金融商品である。
ヘッジ取引は、個々の商品又は取引(ミクロヘッジ取引)を対象とする。
CEBの認識は、一般ヘッジ会計(又はミクロヘッジ)に関するIFRS第９号の基準に準拠しており、これは
IAS第39号「金融商品：認識及び測定」を置換するものである。
デリバティブは以下の２つの区分に分類される。
－デリバティブ取引
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デリバティブ商品は、ヘッジ商品とみなすことができる場合を除き、当初から取引商品として扱われ
る。デリバティブ商品は、時価がプラスの場合は貸借対照表の資産側の「損益を通じて公正価値で測定す
る 金融商品」の項目に計上され、時価がマイナスの場合は貸借対照表の負債側に計上される。損益は、損
益計算書の「損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純損益」の項目に計上される。
－デリバティブ及びヘッジ会計
特定された金融商品(貸付金、負債証券、発行証券)に関する固定金利付の資産及び負債の金利リスクを
特にカバーするために、当行は公正価値でのヘッジを使用する。
金利キャッシュ・フロー・ヘッジは、貸借対照表において認識された金融商品(変動利付貸付金、有価証
券又は負債)に関連する将来のキャッシュ・フローの変動にさらされる商品をヘッジするために使用され
る。このヘッジ関係は、損益計算書に影響を及ぼす可能性のある商品の将来のキャッシュ・フローのマイ
ナスの変動に対してヘッジすることを目的としている。
金融商品がヘッジ・デリバティブとして適格とされるために、当行は当初の利用からヘッジに関する情
報を保持している。かかる情報は指定資産又は負債、ヘッジリスク、使用されたデリバティブ商品の種類
並びにヘッジの過去及び将来の有効性評価に使用される評価方法を明確に記している。
ヘッジは、IFRS第９号に定義されるヘッジの有効性要件を全て満たさなければならない。かかる有効性
は、ヘッジの最初の利用及びその後のヘッジの全期間を通じて確保されていなければならない。
公正価値によるヘッジ関係の場合、デリバティブは貸借対照表において公正価値で再評価される。一方
で、公正価値の変動は損益計算書の「損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純損益」の項目に
計上される。これは、予想リスクに関するヘッジ商品の再評価と対称的である。貸借対照表において、認
識された資産又は負債に対するヘッジ関係の場合、ヘッジ項目の再評価はヘッジ商品の分類に基づいて計
上される。損益計算書に計上された影響は、ヘッジの終局的な非有効性を示している。
キャッシュ・フローによるヘッジ関係の場合、ヘッジ・デリバティブ金融商品の公正価値の変動は、そ
の非有効部分が「損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純損益」として損益計算書に計上され
る一方で、その有効部分について「株主持分に直接認識された損益」として資本に計上される。金利デリ
バティブの場合、ヘッジ商品に関連する金利収入又は金利費用と対称的に、デリバティブ金融商品の未収
利息部分は、損益計算書の「利息及び類似の収入又は費用」に計上される。
ヘッジが中断されるか又は有効性テストを充足することができない場合は、ヘッジ・デリバティブは取
引ポートフォリオへ移行され、かかる区分に適用される方針に従って計上される。当初においてヘッジさ
れているとみなされた金利商品の場合、貸借対照表に計上されたかかる商品の再評価額は、その残存期間
の実効金利法で償却される。特に早期償還されたために、貸借対照表にヘッジ項目がもはや計上されない
場合、かかる金額は直ちに損益計算書に移行される。
4.9. 公正価値評価
金融資産及び金融負債の公正価値は、IFRS第13号により要求される市場価値及び追加的な価値の調整に
より構成される。
－時価
「損益を通じて公正価値で測定する金融商品」、「ヘッジ・デリバティブ金融商品」及び「株主資本を
通じて公正価値で測定する金融資産」の区分の金融資産及び金融負債は、その時価で評価及び計上され
る。時価は、対等取引において知識のある自発的な当事者間において交換され得た資産、又は支払われ得
た負債に関する価格に相当する。
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時価は、以下のとおり決定される。
－活発な市場における見積価格の使用
－以下のような評価手法の利用
－認識された財務上の仮定に基づく数学的な計算方法
－活発な市場において取引される商品の価格を利用して、又は活発な市場がない場合には統計的推定若
しくはその他の定量法に基づいて決定された価値のパラメーター
一方で、デリバティブ商品(外国為替、金利及び通貨スワップ)は、一般的に承認されたモデル(割引
キャッシュ・フロー手法、ブラック・ショールズ・モデル、補間法)に基づいて観測可能なパラメーターを
用いて評価される。
－評価調整
評価調整により、公正価値の範囲内での取引相手方の信用リスク及び当行の信用リスクを統合すること
ができる。
取引相手方のリスクの評価調整(信用評価調整－CVA)は、取引相手方のうち１社が債務不履行の場合に、
当行が取引から全時価を回収し得ないリスクを反映している。
当行の信用リスクの評価調整(自己信用評価修正－OCA及び債務評価調整－DVA)は、当行の発行済負債証
券及びデリバティブ金融負債の評価額に対するCEBの信用リスクの影響を反映する。
これらの調整は、取引相手方ごとに算出され、債務不履行エクスポージャー、債務不履行確率及び債務
不履行の際の回収率に基づいて算出される。
債務不履行時におけるエクスポージャーは、リスク要因のシミュレーションによるリスクへのエクス
ポージャーを定量化するモデルを用いて見積られる。かかるモデルは、クレジット・サポート・アネック
ス(CSA)担保契約の性質に左右される担保の変動を考慮に入れる。
CVA及びDVAは、正の評価の場合は貸借対照表の資産側の「純損益を通じて公正価値で測定する金融商
品」の項目に計上され、負の評価の場合は貸借対照表の負債側に計上される。損益は、損益計算書の「純
損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純損益」に認識される。
4.10. 金融資産及び金融負債の償却
金融資産の償却
当行は、当該資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合又はCEBが当該資産か
らのキャッシュ・フローを受けるための契約上の権利並びに実質的に当該資産の所有に関するリスク及び
利益の全てを譲渡した場合のいずれも、金融資産の全部又は一部を償却する。これら全ての条件が満たさ
れなかった場合、当行は、貸借対照表において当該資産を維持し、当該資産の譲渡の結果生じた義務に関
して負債を認識する。
金融負債の償却
当行は、当該負債が全部又は一部消滅した場合、金融負債の全部又は一部を償却する。
レポ契約
レポ契約に基づき一時的に売却された有価証券は、引き続きCEBの貸借対照表においてその原ポートフォ
リオに認識される。これに対応する負債は、「償却原価での金融負債」に償却原価で認識される。
リバース・レポ契約に基づき一時取得された有価証券は、当行の貸借対照表において認識されない。こ
れに対応する債権は、「償却原価での金融資産」に償却原価で認識される。
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5. 金利収入及び金利費用
金利収入及び金利費用は、損益計算書において、実効金利法を用いることにより全ての金融商品に認識
される。
実効金利とは、金融商品の予想残存期間を通じて見積られる将来の現金支出又は現金収益を金融資産又
は金融負債の純簿価まで正確に割り引く利率である。この計算には、授受された手数料(利息と類似する場
合)、取引費用並びに全てのプレミアム及び割引が含まれる。
6. 固定資産
当行の貸借対照表に計上される固定資産は、有形活動資産及び無形活動資産、並びに2019年１月１日以
降は、IAS第17号「リース」を置換するIFRS第16号「リース」の範囲内の全てのリースを含む。
IFRS第16号に従い、基準の範囲内の全てのリースは、借手の貸借対照表において認識されなくてはなら
ない。契約期間中のリース資産の使用権を示す金額は、有形資産として認識され(注H)、リース負債に相当
する金額は負債として認識される(注I)。
損益計算書において、使用権は契約の全期間にわたって減価償却され、利息費用はリース負債と認識さ
れる。
固定資産は、直接関連のある費用を加えた購入価格で計上される。
減価償却は、定額法を用いて当行が予測する資産の予想耐用年数に従って計算され、資産の残存価値は
償却基礎価額から差し引かれる。
末日ごとに、固定資産は償却原価(減価償却及び可能性のある減損を差し引いた価格)で評価され、必要
があれば、耐用年数の存続期間及び残存価値に関する会計調整が実施される。
－有形資産
以下は活動施設の「建物」分野の内訳である。全てその耐用年数に従って減価償却される。
(*)
－主要な建物、ファサード及び屋根材 －
－一般設備及び専門設備 10年
－不動産の定着物及び付属物 10年
注(*) 当行の本部がパリの中心に所在していることを考慮し、その残存価値は「主要な建物、ファサード及び屋根材」
に指定されているが、これは減価償却の対象となっていない。
土地は減価償却されない。その他の有形固定資産は、以下の存続期間に従って減価償却される。
－付属物及び家具 10 年
－ 車 両 ４年
－事務所及びIT備品 ３年
－無形資産
無形資産(ITソフトウェア)は、以下の存続期間に従って償却される。
－アプリケーションソフトウェア ５年
－システムソフトウェア ３年
－オフィスソフトウェア １年
7. 退職職員給付金
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当行の年金計画は、当行及び職員からの拠出によって資金提供された確定給付型年金計画である。給付
金は労働年数及び最終勤務年度の基本報酬の割合に基づいて計算される。
その他の退職給付金計画(医療保険、財務調整及び退職年金)も、同様に確定給付型年金計画である。退
職期間中、退職した職員は、引き続き医療保険の対象となる。この医療保険は、職員及び当行からの拠出
により資金提供される。これらは、当行の職員がそれぞれ退職時に選択する制度により異なる。2014年１
月１日より前に雇用した職員について、当行は、受領した当行の年金に係る課税額の50％を払い戻す。
これらの計画は、当行側の約定を表し、評価され、引当金が設定されている。IAS第19号に基づき、会計
上及び人口統計上の条件を考慮し、これらの約定に関して保険数理計算上の評価が実施される。保険数理
計算上の損益は、貸借対照表の「引当金」の項目に「包括利益計算書」の取引相手方ごとに計上される。
これらの約定に関する引当金の額は、予測単位積増方式に従い独立した保険数理人によって決定され
る。
8. 社会配当金勘定
社会配当金勘定(SDA)は、CEBの目的に適合しかつ管理委員会が指定する適格諸国において実施されるプ
ロジェクトに助成金を提供するために使用される。SDAの運用原則は、2016年11月17日に承認された管理委
員会の決議第1589号(2016)により改訂されている。改訂により、当行の加盟国は全て保証制度の対象とな
ることとなった。
2019年11月、管理委員会はCEBの貸付金へのSDA保証の提供に用いる方法を改訂した。新たな方法は、バ
リュー・アット・リスク、すなわち一定の期間及び確率における予想最大損失額の概念に基づいている。
これにより、当行はリスクへの慎重なアプローチを維持しつつも、寄付金の金額の２倍以下を保証するこ
とができる。管理委員会は、決議第1612号(2019)においてSDAの方針を改訂することによりかかる新たな方
法を採用した。
SDAにより提供される助成金は、技術支援、金利補助金、保証及び助成金付与の形態とされることがあ
る。
－金利補助金
金利補助金は、CEBの借入人が負担する利息額を減らすために使用される。金利補助金は、貸付金の各債
券につき、当行が適用する金利と借入人が事実上支払う金利との差を補う。
－保証
CEBが付与する貸付への保証により、当行は、社会的影響は大きいものの、信用リスクが高いプロジェク
トへ資金を提供することが可能になる。その金額、トリガー事由及び回収方法は個別の事案ごとに決定さ
れる。
－技術支援
技術支援は、CEBの借入人によるプロジェクトの準備及び遂行を支援するために利用される。そのため、
プロジェクトの準備、実行又は監視及び報告、調達管理並びに影響評価のために必要な、事前の実現可能
性、実現可能性及び技術の研究、企画及び実施の計画、制度上及び法律上の評価並びにその他の助言サー
ビスのために資金が提供される。
－助成金付与
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助成金付与は、緊急事態の枠組みにおいて行われるか又は加盟国に共通する原因への拠出の形で行わ
れ、他の国際機関と協力して遂行される。
SDAから拠出される助成金は、総裁によって承認される300千ユーロ以下の技術支援の助成金を除き、管
理委員会によって承認される。
SDAは、当行の年間利益の配分時に支払われる社会的性格の配当を通じて、当行の加盟国からの拠出金に
よって主に資金提供されている。
9. 関連当事者
IAS第24号に関して、当行はいかなる機関の子会社でもない。財務書類は関連当事者との関係によって影
響を受けるものではない。
当行の議長及び任命役員に関連する情報については、下記10.の項に記載されている。
10. 議長、副議長及び任命役員への報酬
CEBの定款では、当行の組織、運営及び監督は下記の機関に分掌されている。
－理 事 会
－管理委員会
－総 裁
－監査委員会
理事会及び管理委員会は、それぞれ１名の議長及び各加盟国が任命した１名の代表から構成されてい
る。理事会の議長及び管理委員会の議長は理事会によって任期３年で選任され、その任期は１度更新する
ことができる。副議長は各機関の構成員から選任される。議長及び副議長の年間報酬は、在任期間中は管
理委員会によって固定されている。
総裁は理事会で任命され、任期は５年であるが１回は再任されることができる。総裁は、１名以上の副
総裁に補助される。かかる副総裁は、管理委員会からの意見に従って、理事会の委員との協議を経て、総
裁の提案に基づいて理事会によって任命され、任期は５年であるが１回は再任されることができる。総裁
及び副総裁の報酬は、当行の年間予算の承認範囲内で管理委員会によって固定されている。
総裁及び副総裁は、医療保険及び社会保険並びにCEBの年金制度に加入している。適用される退職年金制
度は、任命役員が、５年の任期後に退職年金を請求する場合を除き、職員と同じである。
CEBの議長、副議長及び任命役員はストック・オプション又はその他の種類の賞与を受領しない。
CEBの議長、副議長及び任命役員の報酬総額は以下のとおり要約される。
(単位：千ユーロ)
2022年 2021年
役員報酬
理事会議長 45 45
管理委員会議長 45 45
理事会副議長 4 6
管理委員会副議長 6 5
報酬
(a)
総裁 モンティチェッリ
414 14
副総裁 ボーチェック 315 304
(b)
副総裁 ゴーダン
131
(c)
副総裁 ベーマー
131
(d)
総裁 ウェンツェル(Wenzel)
385
(e)
副総裁 モンティチェッリ
293
(f)
副総裁 サンチェス-ジェブラ・アロンソ(S ánchez-Yebra Alonso)
293
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注(a) 総裁モンティチェッリの任期は2021年12月18日に開始した。
(b) 副総裁ゴーダンの任期は2022年８月１日に開始した。
(c) 副総裁ベーマーの任期は2022年８月１日に開始した。
(d) 総裁ウェンツェルの任期は2021年12月17日に終了した。
(e) 副総裁モンティチェッリの任期は2021年12月17日に終了した。
(f) 副総裁サンチェス-ジェブラ・アロンソの任期は2021年12月17日に終了した。
11. 課 税
欧州評議会の特権及び免責に関する一般協定に対する第三議定書は、当行の資産、収入及びその他の財産
は、当行の加盟国における全ての直接税から免除されると規定している。
注B：リスク管理
リスク管理の主要な目的は、当行の長期的な財政の持続性及び業務の弾力性を確保し、さらにはCEBがそ
の社会的使命を遂行できるようにすることである。そのため、当行は業務分野全体で健全かつ慎重なリス
ク文化を促進することにより、国際的にも最良の銀行慣行の実践を目指している。
本注記は、当行が通常の事業過程において直面する主な金融リスク、すなわち信用リスク、市場リス
ク、流動性リスク及びオペレーショナルリスクに対する当行のエクスポージャーに関する情報を提供して
いる。また、本注記は、かかるリスクを特定、評価、監視、報告、緩和及び統制するための適切なツール
をCEBにもたらす目的、方針、手続、制限及び統制に関する情報も含んでいる。
当行は、加盟国の規制には服さないものの、銀行規制に係る欧州連合指令及びバーゼル銀行監督委員会
の勧告をリスク管理の枠組みの基準として考慮している。
CEBは、最良の銀行慣行に沿う監視手続を含むリスク及び統制政策を定期的に見直している。
－リスク選好度
当行は、リスク選好度を、当行の戦略的枠組みに記載されている目標の達成のために当行がそのリスク
許容範囲内において負う意思のあるリスクの総体的なレベル及び種類と定義する。
CEB のマンデートを履行するための鍵となる手段は、有利な利率で資金を融資することであり、そのため
には資本市場において競争力のある利率で資金を調達することが必要となる。この目的のため、堅実な信
用リスク特性の保持が最も重要となる。
CEB の財務及びリスク特性は、量的及び質的な主要指標並びに健全性に関する枠組みに基づく制限から示
されるリスク選好度によって決まる。
当行は、そのリスク管理について堅実な方法を採用しており、これにより当行の長期にわたる財政の持
続可能性の確保に対するリスクが軽減される。この目標のために、当行は、オンバランスシート及びオフ
バランスシート両方の取引に起因してCEBの事業から生じる全てのリスクを認識、査定、監視、報告、緩和
及び統制するための包括的なリスク管理枠組みを開発、導入した。
CEB は、「伝統的な」リスク(信用リスク、金利リスク、為替リスク、流動性リスク又はオペレーショナ
ルリスク)に加え、気候リスクに関するリスクを認識している。当行は、融資プロジェクトの分析に物理的
な気候リスクの評価を統合し、取引相手方の評価に使用される最初の気候関連手法を開発した。CEBは、直
接又は顧客を介して、当行に影響を与える可能性のある気候リスク要因のリスク・マッピングの実施を継
続的に展開している。
－管理体制
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リスク及び統制局(R&C)は、リスク管理の枠組みの実行、とりわけ、当行全体における全てのリスクの認
識、監視及び報告について責任を負っている。R&Cは、他の局と協調して、リスクに関する方針及び手法を
提案し、それらの適用を監督し、全体的に一貫したリスク管理が行われるようにし、リスク報告を徹底さ
せ る。
R&C は、他の運営局及び事業局から独立し、総裁に対して直接報告を行う。R&C内部の部署は、信用リス
ク、市場リスク(リスク観点からの資産及び負債管理(ALM)を含む。)及びオペレーショナルリスクの分野を
対象としている。
財務総局は、業務上のALM及び当行の流動性ポジションについて責任を負う。
－意思決定委員会
当行は、各分野でリスク管理方針の設定及び監視について責任を負う異なる意思決定委員会を創設し
た。総裁はこれら全ての委員会の議長を務める。
－信用リスク委員会(CRC)は、週に１度開催され、内部信用リスクの分析と勧告に基づき、貸付及び資金
エクスポージャーに関する与信決議を行う。
－資産及び負債委員会(ALCO)は、貸借対照表全体を通じた金利、為替及び流動性リスクの将来的な予測
に基づき、戦略的な志向及び意向を形成するために１ヶ月に１度又は必要に応じてより高い頻度で会
議を開催する。
－オペレーショナルリスク及び組織委員会(CORO)は、CEBのオペレーショナルリスクに関する課題を半年
に１度検討し、これらのリスクを軽減、監視及び規制するための十分な方法が採られていることを確
認する。
－統制機関
内部監査(IA)は、CEBの内部統制システムにおける、常設の独立した機能である。IAの目的は、総裁及び
CEBの統制機関に対し、事業及び運営業務が効率的に行われ、管理されていることについて独自のかつ客観
的な保証を提供することである。IAは、CEBの活動及び取引が、既存の政策、手続及びベストプラクティス
との適合性の下行われているかを検査し、またそれらに関連するリスクの評価を行っている。さらに、CEB
の運営に関して、将来的な改善の提案も行う。
最高コンプライアンス責任者事務局(OCCO)は、マネー・ロンダリング及びテロ資金供与並びに脱税のリ
スク並びに誠実性、汚職問題及び詐欺問題への対処を課せられている。OCCOの任務は、金融リスク及びレ
ピュテーションリスクから当行を保護すること、企業倫理規範を促進すること並びにCEBのコンプライアン
スリスクの効率的な管理について自主的に貢献することである。OCCOの主な活動は、運営及び取引相手方
に対する誠実性のデュー・ディリジェンスによるチェックの実施、当行の金融及びローン事業における誠
実性の保護並びに当行の基準及び方針に対する違反からの職員及び合議制組織の誠実性及び義務論の保護
である。また、OCCOは、調達方法の選択手続が内部規則に沿っていることの確認を行う。
コンプライアンス・ユニットの最高情報セキュリティー責任者(CISO)は、CEBの情報資産及び技術が適切
に保護されていることを確保する。CISOは、セキュリティーポリシーの設定、セキュリティーの枠組みの
設計、並びにCEB全体の情報及びITリスク軽減のための手続の特定、開発、導入及び維持に関して責任を負
う。CISOは、インシデントへの対応、適切な基準及び統制の設定、セキュリティー技術の管理、セキュリ
ティーに対する認識の向上、並びに情報セキュリティーポリシー及び手続が適用されていることの確認を
行う。
監査委員会は、CEBの理事会によって加盟国から交代で選任される任期３年の代表者３名(退任者はアド
バイザーとして引き続き任期１年で留任する。)から成る。監査委員会は、当行の収支決算を検査し、その
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正確性を確認する。監査委員会の報告書は、毎年財務書類が承認のため提出される際に、当行の監督機関
に提出される。報告書の抜粋は財務書類に添付される。
外部監査人は、当行の財務書類の国際監査・保証基準審議会(IAASB)が発布する国際監査基準(ISAs)に
従った監査並びに当行の内部統制及びリスク管理のプロセスの審査を行う責任を負う。外部監査人は、監
査委員会の意見及び管理委員会の推薦に基づき、理事会により任期４年で任命され、入札手続の後に３年
の任期で１度更新することができる。外部監査人は、年次財務諸表に関する独立監査人の報告書を含む多
岐にわたる報告書を起草する。
さらに、当行はフィッチ・レーティングス、ムーディーズ及びスタンダード・アンド・プアーズの３つ
の主要な信用格付機関による評価を受ける。これらの格付機関は、当行の財務状況及び長期的な信頼性並
びに環境、社会及びガバナンスの基準を詳細に分析し、年間格付を付与する。2021年以降、CEBはスコー
プ・レーティングスからも非依頼型の信用格付を付与されている。
－リスク管理に関する内部報告及び外部報告
リスク及び統制局は週に１度、融資活動及び財務活動に関する信用リスクについて、信用リスク委員会
に対して報告する。
財務総局は月に１度、金利及び為替相場のエクスポージャー並びに資金調達及び流動性ポジションにつ
いて、資産及び負債委員会に報告する。
リスク管理に係る四半期報告書は、R&Cが作成し管理委員会及び理事会に提示される。当該報告書は、信
用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナルリスクといった主なリスクに対するCEBのエクス
ポージャー及び内部で定義される健全性の枠組みの進展について株主に情報を提示する。
CEBはまた、異なるタイプのリスクに対するエクスポージャー、リスク管理評価に適用される手法及びそ
れらの目標の詳細を提供するリスク管理開示報告書を年に１度発行する。
当行はまた、格付機関に対してその毎年の評価のために広範な情報を提供する。また、米国証券取引委
員会に提出された発行登録書との関係で、18-K様式により作成されたCEBの年次報告書にも、説明責任と透
明性を順に促進する当行のリスク管理の情報が含まれている。
最後に、CEBの総裁年次財務報告書には、当行において実施されているリスク管理のプロセス及び実務に
ついて公平な見解が示されており、そのリスクのエクスポージャーについての詳細なデータが提供されて
いる。
1. 信用リスク
－評価過程の概要
信用リスクは、銀行借入人又は取引相手方が合意した条件に従ってその義務を履行しないことにより生
じる潜在的な損失である。当行は、借入人及び財務上の取引相手方が契約上の義務について債務不履行と
なる可能性があるか、又は当行の投資の価値が損なわれる可能性があるため、融資活動及び財務活動にお
いて信用リスクにさらされている。また、当行の資本又は貸倒損失に係る引当金に対して悪影響を及ぼす
可能性がある格付の引下げにより、信用リスクが生じることがある。決済リスク及び未決済リスクもま
た、信用リスクに含まれる。同様に、担保リスクも信用リスクの一部とされる(担保は、本質的には信用リ
スクを軽減させる手段である。)。概して、信用リスクは、融資先又は取引の信用エクスポージャーの値と
信用の質の関数である。
－信用リスクの特定及び評価
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信用リスク管理は、当行のバランスシート及びオフバランスシート上の事業における当行の融資及び資
金運用活動から生じる全ての商品及び活動に内在する全ての信用リスクの潜在的な要因を特定する。当行
は、新たな商品及び活動が導入又は実施される前に、これらに係るリスクが適切なリスク管理の手続及び
統 制に服することを確認する。信用リスクは、格付の引下げ、支払義務に係る(クロス)デフォルトの形で
発生するか、又は取引の決済手続に際して発生する可能性がある。
信用リスクは、(ⅰ)リスク原則に従って信用取引が拡張されていることの確保のために適切な内部管理
を実施し、また(ⅱ)借入人又は仲介者との関係による影響を受けることなく独立した判断を下すため、融
資又は財務の担当者から独立して、信用リスク部(CRU ) (R&C 、財務リスク部門)によって評価される。信用
エクスポージャーは、毎日測定、監視及び統制される。制限の違反(もしあれば)は、上級管理職に報告さ
れる。
内部信用格付は、当行の独立した内部の信用リスク評価の結果である。内部信用格付は、支払義務を全
額、また期限どおりに履行することに係る借入人の能力及び意思に関する意見である。かかる内部信用格
付は、通常、リスク要因の質的及び量的な評価並びに最終的に不履行の原因となる可能性のある潜在的な
シナリオに基づく。内部信用格付は、財務総局並びに貸付及び社会開発局の全ての取引相手方に対して指
定される。当行は、当行が負う潜在的なリスクを適切に理解していることを確認しつつ、特定の取引、商
品又は取引相手方に関して外部格付を利用することができる。内部格付の方法は、随時検討され、調整さ
れる。当行の事業から発生する信用リスクを監視するために定められた限度は、定期的に検討される。
・内部格付と外部格付機関の対応表
内部格付 ムーディーズ S&P/フィッチ
10 Aaa AAA
9.5 Aa1 AA+
9 Aa2 AA
8.5 Aa3 AA‐
8 A1 A+
投資適格
7.5 A2 A
7 A3 A‐
6.5 Baa1 BBB+
6 Baa2 BBB
5.5 Baa3 BBB‐
5 Ba1 BB+
4.5 Ba2 BB
4 Ba3 BB‐
3.5 B1 B+
3 B2 B
投資不適格 2.5 B3 B‐
2 Caa1 CCC+
1.5 Caa2 CCC
1 Caa3 CCC‐
0.5 Ca CC
0.25 C C
債務不履行 0 D D
－信用リスクの軽減
CEB は、取引残存期間中の信用リスクを監視し軽減するため、信用リスクの軽減(CRM)手法を積極的に活
用している。信用リスクの軽減手法としては、保証、担保又は契約上の保護(契約上のコベナンツ)があ
る。
新規取引に関する信用リスクの軽減手法は、CRUによって提案され、信用リスク委員会の承認に服する。
既存取引に関する信用リスクの軽減手法は、取引相手方に係る年次精査において信用リスク委員会に提示
される。
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新規プロジェクトに関する信用リスクは、評価手続において評価され、関連する内部委員会からの承認
を必要とする。全てのプロジェクトは、管理委員会からの承認を得るために同委員会へ提出される。
管理委員会は、当行の財務及びリスク方針を通じて、財務活動の全体的な枠組みを設定する。この枠組
み内で、財務取引は、CRUにより評価され、承認のため信用リスク委員会に提出される。
最後に、大口エクスポージャー及び集中に関する制限も決定され、信用リスク委員会に報告される。
－信用リスク・エクスポージャーの概要
以下の表は、以下のA.及びB.の両方に対する2022年12月31日現在及び2021年12月31日現在における当行
の信用リスク・エクスポージャーを示している。
A. 貸付及び社会開発局：貸付及び融資約定
B. 財務総局：預金(ノストロ及び金融市場)、有価証券ポートフォリオ及びデリバティブ
(単位：百万ユーロ)
表１
2022年 2021年
AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計 AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計
貸付 4,357 12,818 2,712 19,887 3,760 12,535 2,621 18,916
融資約定 952 4,345 1,235 6,532 1,403 3,684 1,228 6,316
預金(ノストロ及び
金融市場) 1,414 3,939 5,352 1,737 2,409 4,146
有価証券 3,818 675 4,493 3,497 1,589 5,085
スワップ及びSA ‐
CCRによる外国為替
与信相当額 185 109 294 182 112 294
合計 10,726 21,885 3,948 36,559 10,578 20,329 3,850 34,757
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は内部格付(国際格付機関(すなわちムーディーズ、スタンダー
ド・アンド・プアーズ又はフィッチ)に格付を付与されていない場合)
・ 貸付及び 融資約定は、CRM後に報告される。
・ 貸付、預金及び有価証券は、額面価格で、未収利息を除き、報告される。
・ スワップ及び外国為替に対する SA‐CCR 方式は、2021年に導入された。
A - 貸付及び社会開発局の活動
－貸付ポートフォリオ
貸付事業における信用リスクは、主に銀行借入人又は取引の相手方による契約上の義務の不履行又は格
付の引下げから生じる。
2022年12月31日現在、貸付残高は2021年度末と比較して5.1％増加し(971百万ユーロのプラス)、19.9十
億ユーロとなった。2022年度において、2021年度と同じく、当行によるいかなる不履行又は延滞も記録さ
れていない。
以下の表は、貸付ポートフォリオの取引相手方の格付クラス及び属性別のリスク特性である。
(単位：百万ユーロ)
表２
2022年 2021年
AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計 AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計
ソブリン、国有
金融機関及びIFIs 1,891 6,307 2,425 10,623 1,329 6,247 2,379 9,956
準ソブリンの団体及び
金融機関 2,297 3,456 158 5,911 2,298 3,012 134 5,443
その他金融機関 10 2,731 93 2,834 13 3,092 85 3,190
非金融機関 159 324 37 519 120 184 23 327
合計 4,357 12,818 2,712 19,887 3,760 12,535 2,621 18,916
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は(国際格付機関に格付を付与されていない場合には)内部格付
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・ 額面価格で、未収利息を除き、CRM後に報告された 貸付
・保証貸付及び担保貸付
貸付ポートフォリオの大部分について、信用補完(担保及び保証)により、信用リスクの質が高まってい
る。
－保証貸付：2022年12月31日現在、6.1十億ユーロ(2021年度においては6.5十億ユーロ)、すなわち、
残高合計の30.9％(2021年度においては34.3％)
－担保貸付：2022年12月31日現在、211百万ユーロ(2021年度においては228百万ユーロ)、すなわち、
残高合計の1.2％(2021年度においても同様)
・貸付残高のリスク特性に対する信用補完の影響
(単位：百万ユーロ)
表３ 2022年 2021年
CRM前 CRM後 CRM前 CRM後
金額 ％ 金額 ％ 金額 ％ 金額 ％
AAA/AA 3,426 17％ 4,357 22％ 3,256 17％ 3,760 20％
A/BBB 11,624 58％ 12,818 64％ 10,903 58％ 12,535 66％
投資不適格 4,837 24％ 2,712 14％ 4,757 25％ 2,621 14％
合計 19,887 19,887 18,916 18,916
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は(国際格付機関に格付を付与されていない場合には)内部格付
・ 額面価格で、未収利息を除き、報告された 貸付
より具体的には、以下の２つの表は、外部格付機関による格付を付与されていない貸付への保証の影響
を示している。
－貸付合計のうち、外部格付機関による格付を付与されていない貸付の割合
(単位：百万ユーロ)
2022年 2021年
CRM前 CRM後 CRM前 CRM後
5,559 2,366 5,049 1,929
28.0％ 11.9％ 26.7％ 10.2％
－外部機関による格付を付与されていない貸付のうち、内部格付によって投資適格と格付された貸付の
割合
(単位：百万ユーロ)
2022年 2021年
CRM前 CRM後 CRM前 CRM後
3,322 2,142 2,904 1,741
59.8％ 90.6％ 57.5％ 92.1％
・貸付残高の返済フローの満期別内訳
表４ (単位：百万ユーロ)
満期 2022年 ％ 2021年 ％
１年以下 2,094 11％ 2,414 13％
１年超５年以下 8,313 42％ 7,711 41％
５年超10年以下 5,816 29％ 5,552 29％
10年超20年以下 3,227 16％ 2,896 15％
20年超 437 2％ 343 2％
合計 19,887 100％ 18,916 100％
加重平均残存期間 6.2年 5.9年
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・貸付残高(CRM後)の格付クラス別及び取引相手方の国別の内訳
(単位：百万ユーロ)
表５
2022年 2021年
AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計 AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計
加盟国
フランス 861 1,315 36 2,212 618 1,490 23 2,130
スペイン 2,118 25 2,143 1,902 1,902
ポーランド 1,670 10 1,680 1,204 21 1,225
イタリア 1,257 100 1,357 1,085 100 1,185
ドイツ 1,048 231 1,279 1,109 181 1,290
トルコ 1,143 1,143 1,266 1,266
ベルギー 214 869 1,084 231 866 1,097
スロバキア
共和国 1,043 15 1,058 1,040 25 1,065
オランダ 537 433 6 976 561 434 7 1,002
ハンガリー 716 716 703 703
リトアニア 689 3 692 639 639
クロアチア 634 634 623 623
フィンランド 344 267 1 612 316 280 596
セルビア 519 519 407 407
スウェーデン 446 446 462 462
チェコ共和国 300 64 59 423 300 92 25 417
アイルランド 392 14 406 388 388
ルーマニア 334 33 367 391 34 424
キプロス 308 308 361 361
ポルトガル 293 293 292 7 299
ギリシャ 218 218 218 218
エストニア 200 200 151 151
ブルガリア 192 192 230 230
スロベニア 170 170 134 134
アルバニア 133 133 83 83
モンテネグロ 100 100 94 94
北マケドニア 97 97 104 104
ボスニア・ヘルツェ
ゴビナ 88 88 88 88
モルドバ共和国 64 64 71 71
アイスランド 63 63 74 74
コソボ 46 46 35 35
マルタ 29 29 9 9
ラトビア 24 24 26 26
アンドラ 15 15 12 12
サンマリノ 9 9 10 10
ジョージア 9 9 5 5
小計 4,342 12,749 2,712 19,803 3,747 12,457 2,621 18,825
超国家 14 14 13 13
非加盟国
オーストリア 69 69 78 78
合計 4,357 12,818 2,712 19,887 3,760 12,535 2,621 18,916
(注) 未払利息を除くCRM後に計上された貸付金の額面価格
－事業の残存高及び融資約定
事業の残存高には、管理委員会が承認し、かつ未融資の全ての事業が含まれる。融資約定は、融資を要
する事業で、そのための枠組融資契約が締結されている。
事業の残存高は、2022年12月31日現在9.1十億ユーロ(2021年12月31日は8.9十億ユーロ)となり、そのう
ち80.5％は、投資適格に格付された(それに対して2021年12月31日現在は81.6％)。
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融資約定は、2022年12月31日現在6.5十億ユーロ(2021年12月31日は6.3十億ユーロ)となり、そのうち
79.2％が投資適格に格付された(2021年12月31日は80.5％)。
(単位：百万ユーロ)
表６
2022年 2021年
AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計 AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計
事業の残存高合計 1,382 5,941 1,770 9,093 1,453 5,824 1,638 8,915
うち融資約定 952 4,345 1,235 6,532 1,403 3,684 1,228 6,316
・ 将来のCRMを考慮して報告された融資約定
・融資約定(CRM後)の格付クラス別及び取引相手方の国別の内訳
(単位：百万ユーロ)
表７ 2022年 2021年
AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計 AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計
加盟国
フランス 217 435 11 663 632 280 58 970
ポーランド 625 625 507 507
スペイン 553 22 575 733 47 780
イタリア 493 75 568 510 75 585
ドイツ 256 169 425 416 204 620
セルビア 418 418 452 452
ポルトガル 292 100 392 150 100 250
ベルギー 339 339
ルーマニア 289 36 325 399 26 425
トルコ 320 320 220 220
チェコ共和国 200 50 250 82 18 100
リトアニア 164 43 207 127 127
オランダ 200 200 20 20
クロアチア 200 200 75 75
フィンランド 140 40 180 201 70 1 272
アイルランド 60 107 167 169 169
スロバキア
共和国 159 159 137 137
キプロス 100 100 34 34
スロベニア 75 75
スウェーデン 71 71 100 100
モルドバ共和国 60 60 80 80
ギリシャ 53 53 53 53
モンテネグロ 41 41 23 23
北マケドニア 25 25 25 25
エストニア 25 25 50 25 75
コソボ 14 14 25 25
ボスニア・ヘル
ツェゴビナ 11 11 15 15
ラトビア 8 8 9 9
ジョージア 5 5 9 9
アンドラ 4 4
アルバニア 1 1 3 3
ハンガリー 103 103
マルタ 20 20
小計 944 4,325 1,235 6,505 1,400 3,654 1,228 6,282
超国家 8 8 3 3
非加盟国
オーストリア 20 20 30 30
合計 952 4,345 1,235 6,532 1,403 3,684 1,228 6,316
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は(国際格付機関に格付を付与されていない場合には)内部格付
・ 将来のCRMを考慮して報告された融資約定
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B - 財務総局の活動
－資金運用事業
資金運用事業に係る信用リスクは、主に、預金、有価証券への投資及びヘッジ目的でのデリバティブ取
引の開始により生じる。
・融資事業の取引別内訳
(単位：百万ユーロ)
表８ 2022年 2021年
AAA AA A BBB 合計 AAA AA A BBB 合計
預金(ノストロ及び金融
456 958 3,939 5,352 280 1,457 2,359 50 4,146
市場)
有価証券 797 3,021 525 150 4,493 711 2,786 919 670 5,085
SA‐CCRによるスワップ
及び外国為替与信相当 1 184 109 294 191 98 3 291
額
合計 1,254 4,163 4,572 150 10,139 991 4,434 3,375 723 9,522
－預金
財務・金融ポートフォリオは、「ノストロ」勘定、１年以下の銀行預金、デリバティブの担保として受
領した現金及び(リバース)買戻条件付売却(レポ)取引等の短期のものから構成される。レポ取引は、全て
の要求通貨の日々のキャッシュ・フロー管理を目的としている。適格な取引相手方は、３ヶ月以下の投資
については最低限 6.5(BBB+) 、また３ヶ月超１年以下の投資については 最低限 7.0(A-) の内部格付を有して
いなければならない。
・預金の種類別及び信用格付別内訳
(単位：百万ユーロ)
表９ 2022年 2021年
AAA AA A BBB 合計 AAA AA A BBB 合計
ノストロ 406 335 416 1,157 280 1,457 315 2,052
金融市場 50 623 3,522 4,195 2,044 50 2,094
合計 456 958 3,939 5,352 280 1,457 2,359 50 4,146
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は(国際格付機関に格付を付与されていない場合には)内部格付
・ 額面価格で、未収利息を除き、報告された 預金
・金融市場預金の満期別及び信用格付別内訳
(単位：百万ユーロ)
表10 2022年 2021年
AAA AA A BBB 合計 AAA AA A BBB 合計
１ヶ月以下 227 2,147 2,374 283 283
１ヶ月超３ヶ月以下 50 396 1,070 1,516 668 50 718
３ヶ月超６ヶ月以下 305 305 917 917
６ヶ月超１年以下 175 175
合計 50 623 3,522 4,195 2,044 50 2,094
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は(国際格付機関に格付を付与されていない場合には)内部格付
・ 額面価格で、未収利息を除き、報告された 預金
－有価証券ポートフォリオ
当行は、３つの有価証券ポートフォリオとして、以下のものを管理している。
－短期流動性ポートフォリオ(STL)：最長満期１年の短期有価証券
－株主資本を通じた公正価値ポートフォリオ(FVOCI)：１年超最長15年の満期
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－償却原価ポートフォリオ(ACP)：ユーロ建、固定レート及び１年超最長30年の満期
短期投資とは、残存期間が１年(370日)以下のものと定義される。残存期間が６ヶ月未満のソブリンは、
最低内部格付が5.5(BBB-)である。残存期間が３ヶ月未満の準ソブリン、機関及び超国家により発行された
債券は、最低内部格付が6.0(BBB)である。残存期間が３ヶ月未満の金融機関により発行された債券及び預
金は、最低内部格付は6.5(BBB+)である。
長期投資とは、残存期間が１年(370日)を超えるものと定義される。残存期間が２年未満のソブリン、準
ソブリン、機関、超国家並びに金融機関により発行された債券及び預金は、最低内部格付が7.0(A-)であ
る。
・有価証券のポートフォリオ別及び格付別内訳
(単位：百万ユーロ)
表11 2022年 2021年
AAA AA A BBB 合計 AAA AA A BBB 合計
償却原価ポートフォリ
652 857 40 1,550 514 945 40 1,499
オ
公正価値ポートフォリ
145 1,846 1,991 197 1,730 74 2,000
オ
短期ポートフォリオ 317 485 150 952 111 805 670 1,586
合計 797 3,021 525 150 4,493 711 2,786 919 670 5,085
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は(国際格付機関に格付を付与されていない場合には)内部格付
・ 額面価格で報告され、未収利息を除く、 有価証券
・有価証券ポートフォリオの残存期間別及び格付別内訳
(単位：百万ユーロ)
表12 2022年 2021年
AAA AA A BBB 合計 AAA AA A BBB 合計
１年以下 71 728 485 150 1,435 50 276 868 670 1,864
１年超２年以下 100 285 40 425 60 420 480
２年超５年以下 243 784 1,027 271 923 51 1,245
５年超 383 1,224 1,607 330 1,166 1,496
合計 797 3,021 525 150 4,493 711 2,786 919 670 5,085
・有価証券ポートフォリオの発行体の国別及び格付別内訳
(単位：百万ユーロ)
表13 2022年 2021年
AAA AA A BBB 合計 AAA AA A BBB 合計
加盟国
フランス 1,425 1,425 1,493 1,493
ドイツ 88 325 413 74 404 477
スイス 10 200 130 340 10 225 235
フィンランド 153 153 162 162
イタリア 150 150 670 670
オランダ 69 80 148 92 92
ノルウェー 136 136 96 96
デンマーク 8 120 128
スウェーデン 69 69 58 58
ルクセンブルク 42 42 42 42
スペイン 40 40 40 40
ベルギー 31 31
小計 216 2,306 370 150 3,042 217 2,243 265 670 3,396
超国家 581 23 604 493 26 74 593
ヨーロッパ(非加盟国)
オーストリア 89 89 89 89
英国 80 80 330 330
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小計 89 80 169 89 330 419
その他
カナダ 329 329 179 179
オーストラリア 218 218 193 193
米国 75 75 196 196
ニュージーランド 52 52 52 52
韓国 4 4 4 4
日本 54 54
小計 602 75 678 428 250 678
合計 797 3,021 525 150 4,493 711 2,786 919 670 5,085
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は(国際格付機関に格付を付与されていない場合には)内部格付
・ 額面価格で報告され、未収利息を除く、 有価証券
－デリバティブ
CEBは、その貸付、投資及び資金調達取引に関する市場リスクをヘッジするために、金利スワップ(IRS)
及び通貨金利スワップ(CIRS)を使用する。
デリバティブ取引には、信用リスク委員会による取引相手方の信用度の事前承認並びに取引相手方との
(1)
間でのISDA マスターアグリーメント及びクレジット・サポート・アネックス(CSA)の締結が必要とされ、
これはデリバティブ取引の取引相手方との担保差入れに係る条件を規定するものである。そのため、CEBは
全てのデリバティブ取引の取引相手方とISDAマスターアグリーメント及びCSAを締結している。17の双方的
CSAでは、双方の取引相手方が担保を差し入れる必要があり、市況に適応すること及び最善の資金調達コス
トを確保することが可能となる。かかる双方的CSAは、デリバティブの市場価値に有利な変動がありデリバ
ティブのポジションの信用リスクを軽減できる場合には、不利な変動があった際に潜在的な資金需要を増
加させることができる。現金(ユーロ建)又は負債性証券は、CSAにおいて規定される適格な担保となりうる
が、当該債券は超過担保を適用することで市場価格から減額され、また当該債券の内部格付は最低限7.0
(A-に相当)でなければならない。スワップ取引は全て 正味現在価値 で評価されており、取引相手方ごとの
ポジションの監視が毎日行われているため、毎日から月に３回までのCSAのマージン・コール・オプション
に従って、追加担保を要求することができる。
2022年12月31日現在、当行は、現金担保として903百万ユーロを受領、638百万ユーロを差し出し、これ
はスワップのポートフォリオの全ての正味現在価値(プラスマイナスともに)をカバーするものであった。
CEBは、デリバティブのエクスポージャーに対する取引相手方信用リスク(CRR)の評価方法を規定する規
(2)
制及び指令であるCRR2/CRD5 に基づき、2021年よりネッティング契約及び担保フローを考慮し、SA-CCR方
式を採用している。
2022年12月31日現在、当行のデリバティブの信用リスク・エクスポージャーは、294百万ユーロである
(2021年度と同様)。
注(1) 国際スワップ・デリバティブ協会
注(2) 資本要件規則２：規制(EU)No. 2019/876/資本要件指令５：指令(EU) 2019/878
・スワップの想定元本の種類別及び満期別内訳
(単位：百万ユーロ)
2022 年 2021 年
表 14
１年以上 ５年以上 １年以上 ５年以上
１年未満 10 年以上 合計 １年未満 10 年以上 合計
５年未満 10 年未満 ５年未満 10 年未満
合計(a) 4,625 20,267 11,348 6,142 42,383 4,611 18,094 10,557 5,423 38,686
通貨スワップ 2,906 8,767 590 240 12,503 2,735 8,445 1,457 210 12,848
金利スワップ 1,720 11,500 10,758 5,902 29,880 1,876 9,649 9,100 5,213 25,838
このうち担保付(b) 4,625 20,267 11,348 6,142 42,383 4,611 18,094 10,557 5,423 38,686
(b)/(a) 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％
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(1)
－CEBの公的部門 に対する金融商品の種類別(貸付及び有価証券)のエクスポージャー
(単位：百万ユーロ)
表15 2022 年 2021 年
貸付金 有価証券 合計 貸付金 有価証券 合計
ユーロ圏諸国
フランス 985 910 1,895 750 940 1,689
スペイン 1,776 40 1,816 1,370 40 1,410
イタリア 1,159 150 1,309 1,083 670 1,753
ドイツ 1,048 173 1,220 1,109 142 1,251
ベルギー 1,074 1,074 1,096 1,096
スロバキア共和国 947 947 949 949
フィンランド 601 76 676 583 76 659
リトアニア 663 663 634 634
オランダ 537 69 606 561 92 653
アイルランド 404 404 388 388
キプロス 308 308 361 361
ポルトガル 288 288 292 292
ギリシャ 218 218 218 218
エストニア 200 200 151 151
スロベニア 158 158 120 120
ルクセンブルク 42 42 42 42
オーストリア 10 10 10 10
ラトビア 5 5 8 8
ユーロ圏小計(a) 10,371 1,468 11,840 9,672 2,011 11,684
その他のEU加盟国
ポーランド 1,262 1,262 790 790
ハンガリー 716 716 697 697
(a)
クロアチア 634 634 623 623
スウェーデン 446 8 453 462 8 470
ルーマニア 367 367 424 424
チェコ共和国 304 304 305 305
ブルガリア 192 192 230 230
デンマーク 8 8
その他のEU加盟国小計(b) 3,920 15 3,935 3,531 8 3,539
EU 加盟国合計(a)+(b) 14,291 1,484 15,775 13,204 2,019 15,222
非EU加盟国
トルコ 1,143 1,143 1,266 1,266
セルビア 519 519 407 407
アルバニア 133 133 83 83
モンテネグロ 100 100 94 94
北マケドニア 97 97 104 104
ボスニア・ヘルツェゴビナ 88 88 88 88
モルドバ共和国 64 64 71 71
コソボ 46 46 35 35
アンドラ 15 15 12 12
サンマリノ 9 9 10 10
ジョージア 9 9 5 5
アイスランド 8 8 9 9
非EU加盟国小計(c) 2,231 2,231 2,183 2,183
その他諸国
カナダ 75 75 50 50
ニュージーランド 52 52 52 52
韓国 4 4
日本 54 54
その他諸国小計(d) 131 131 155 155
超国家機関 14 604 619 13 581 594
超国家機関小計(e) 14 604 619 13 581 594
合計(a)+(b)+(c)+(d)+(e) 16,537 2,219 18,755 15,400 2,755 18,155
注(a) クロアチアは2023年１月１日にユーロ圏に加盟した。
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注(1) 公的部門には、ソブリン(国家)、準ソブリン(地域及び地方政府)、並びにそれらの政府系金融機関が含まれる。
－集約－大口エクスポージャー
集約リスクは、特定の国若しくは債務者又は特定の種類の商品若しくは個別の取引に対する配分が、
ポートフォリオに占める割合に対して高すぎることから生じる。大口エクスポージャーとは、単一の取引
相手方又は関連する取引相手方のグループに対する全体的なエクスポージャー(貸付、有価証券、預金及び
デリバティブ)で、健全性株主資本(払込済資本金、準備金及び純利益)の10％を超過しているものである。
CEBは、バーゼル委員会の勧告及び欧州連合指令の基準に沿って、単一の取引相手方又は関連する取引相
手方のグループに対するエクスポージャーが健全性株主資本の25％の上限を超えることがなく、また大口
エクスポージャーの累計が健全性株主資本の800％を超えることがないように努めている。ソブリン・エク
スポージャーは、大口エクスポージャーの計算からは除外される。
リスク集約要素は、以下のとおりである。
－グループにおける直接エクスポージャー：保証がなくとも、支配関係(子会社及び支社)にある取引相
手のグループ内
－グループにおける間接エクスポージャー：支配関係になくとも、一方がもう一方に保証を与えている
場合
2022年12月31日現在は、以下のとおりである。
－健全性株主資本は3.4十億ユーロとなった(2021年度末は3.2十億ユーロに相当)。
－12の取引相手方又は取引相手方のグループが存在しているため、これらは大口エクスポージャーであ
るとみなされている(2021年度と同様)。
－2021年度と同様、いずれの取引相手方又は関連する取引相手方のグループもCEBの健全性株主資本の
25％の上限を超えていない。
－これらの取引相手方に対する貸付残高合計は6.1十億ユーロに達しており、CEBの健全性株主資本の
178％に相当するが、上限である800％を大幅に下回っている(2021年12月31日は5.6十億ユーロ、すな
わちCEBの健全性株主資本の172％)。
2022年 2021年
大口エクスポージャーにおける取引相手方数 12 12
株主資本における大口エクスポージャーの割合合計(％) 178％ 172％
大口エクスポージャー合計(百万ユーロ) 6,136 5,569
うちローン(百万ユーロ) 3,351 3,995
うちファイナンス(百万ユーロ) 2,785 1,575
・ 額面価格で、未収利息を除き、CRM後(担保を付さない。)に報告された貸付
・ 「財務」とは、有価証券、金融市場、ノストロ、デリバティブ及び外国為替を意味する。
2. 市場リスク
市場リスクとは、金利や為替などの金融市場の変動により損失を被るリスクである。
当行はトレーディング業務を行っておらず、外国為替相場リスクも極小であるため、自己資本比率の市
場リスクに対する資本費用は充てられていない。
－銀行勘定の金利リスク(IRRBB)
銀行勘定の金利リスク(IRRBB)とは、資産及び負債の金利特性のミスマッチによる金利の不利な変動から
生じる当行の資本及び収益に対する現在又は将来のリスクである。
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金利エクスポージャー及びエクスポージャー制限の進展は月ごとに財務総局によって管理され、リスク
及び統制局によって監視される。資産及び負債委員会(ALCO)は、当行の金利ポジションの展開を監督し、
金 利リスクに関する意思決定の舵取りを行う。
金利リスク管理
CEBは、財務の安定性を保持し収益及び資本基盤を守ることを目的として、金利リスク管理に対して慎重な
アプローチを採っている。
当行は、資産及び負債をユーロ建の変動金利の金融商品に転換することにより、ミクロヘッジ又はマクロ
ヘッジのデリバティブを用いた貸借対照表を通じて金利リスクを管理している。当行は、調達費用を最適化
するために、資産及び負債をユーロ建の固定金利で保持するよう決定することもある。
CEBは、金利について感応的ではないため、資本の構造的な金利リスクにさらされている。また、それゆえ
に、資産側の金利感応商品とは適合しない。このリスクを管理するために、当行は金利改定プロファイルと
その資本のデュレーションに関する規則を採用したが、これは常に金融市場におけるCEBのリスク選好及びリ
スク傾向に照らして見直されるものである。株主資本投資の目標期間は、2022年末現在において６年間と
なっており、CEBの自己資本はユーロ建の固定金利のローン及び証券に投資されている。
金利リスク測定
当行は、バーゼル/EU規制に従い、当行の経済価値及び将来の収益の潜在的な変動を評価すること並びに金
利リスクにおける全ての要素、すなわち金融商品変動リスク、ベーシス・リスク及びオプション・リスクの
タイミングのミスマッチから生じるギャップ・リスクを捕捉することで金利リスクを測定している。
金利リスクを測定するための主要な指標は、純資産の経済価値(EVE)感応度である。この指標はCEBの健全
性枠組みに含まれており、静的貸借対照表において資本を除く正味現在価値の金利変動に対する感応度を測
定する。これはバーゼル/EU規制及び欧州銀行監督機構(EBA)によって定められた方法に従って計算されてい
る。CEBの健全性枠組みでは、EVEへの影響はEBAが規定した最も深刻な金利ショック(６つのシナリオのうち)
に限定され、絶対値では、CEBの健全性資本の20％となっている。2022年12月末現在、EVE感応度は-10.0％
(2021年度は-11.8％)に達した。
CEBはまた、以下の追加的な指標も監視する。
・ 収益感応度(EaS) ：この基準は、金利の変動によって当行の収益が大幅に減少しないようにすることを
目的としている。貸借対照表の項目の動的な変化を考慮して、将来の１年間継続企業の前提を基とし
て計算される。+/-100bpの瞬間的な金利ショックに基づいている。2022年12月末時点のEaSは+100bp
(resp. -100bp)の金利変動に対してマイナス4.7百万ユーロ(resp. 5.0百万ユーロ)である。2021年
は、+100bp(resp. -100bp)の金利変動に対してマイナス8.6百万ユーロ(resp. 30.4百万ユーロ)であっ
た。
・ 株主資本投資の金利デュレーション ：この基準は、実際の出資期間とALCOが決定した従来の出資期間
との間の乖離を監視することを目的としている。2022年12月末現在、目標デュレーションの６年に対
し、株主資本投資の金利デュレーションは5.6年(2021年は4.9年)であった。
・ 財務省証券ポートフォリオの感応度 ：当行は、厳しい市場環境の下で流動性と市場価値を確実に維持
し、また潜在的な資本への影響を監視するため、財務省証券ポートフォリオの金利及び信用スプレッ
ドの感応度を監視している。2022年には、以下のとおりであった。
－償却原価で計上される償却原価ポートフォリオ(ACP)の価値は、金利及び信用スプレッドが+10bp
(resp. +200bp)平行移動すると7.9百万ユーロ(resp. 146.0百万ユーロ)減少する。
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－その他の包括利益を通じて公正価値で計上されたポートフォリオ(株主資本を通じた公正価値ポート
フォリオ(FVOCI))及び短期流動性ポートフォリオ(STL)の価値は、信用スプレッドが+10bp(resp.
+200bp)平行移動した場合6.8百万ユーロ(resp. 128.1百万ユーロ)減少する。これらのポートフォリオ
は、 ほとんどが公正価値ヘッジされているため、金利に対してあまり感応的ではない。
・ 金利改定ギャップ ：CEBは、将来の期間ごとに資産と負債の潜在的なレート特性の不一致(金利変動の
タイミングの違い及び金利指標の違い)を測定する金利ギャップの観点から、静的アプローチによる金
利リスクを監視している。
下表は、2021年と比較して2022年12月31日現在の金利ギャップを示している。資産及び負債の金額
は、満期日又は次回契約更新日に応じて時期別に分類されている。各時期分類の資産及び負債の金額
の差により、静的な金利リスクのエクスポージャーが測定される。
(1)
金利リスクの償却の特性/ギャップ
(単位：千ユーロ)
１年超
１ヶ月超 ３ヶ月超
2022年12月31日現在 １ヶ月以下 ３ヶ月以下 １年以下 ５年以下 ５年超 無期限 純簿価
資産
現金及び中央銀行における残高 1,150,258 1,150,258
株主資本を通じて公正価値で測
＊
定する金融資産 693,655 1,913,395 336,829 (148,370) 2,795,509
償却原価での金融資産
＊
貸付金 4,608,528 12,392,991 969,923 496,612 1,482,406 (1,728,099) 18,222,361
前渡金 2,345,119 1,515,712 334,253 14,777 4,209,861
負債証券 127,600 592,133 830,002 43,035 1,592,770
差入保証金 638,590 (457) 638,133
その他の資産 2,919,243 2,919,243
資産小計 9,436,151 15,822,098 1,768,605 1,088,745 2,312,408 1,100,129 31,528,135
負債
償却原価での金融負債
信用機関及び顧客への負債額 (54,773) (6,975) (7,812) (311) (233) (72) (70,176)
＊
発行済負債証券 (12,124,579) (13,196,157) (37,505) (250,000) (250,000) 1,634,475 (24,223,766)
預かり保証金 (904,640) (904,640)
引当金 (480) (960) (4,318) (23,028) (225,699) (254,484)
その他の負債 (2,632,694) (2,632,694)
負債小計 (13,084,472) (13,204,092) (49,634) (273,339) (475,932) (998,291) (28,085,760)
株主資本 (3,442,375) (3,442,375)
当期合計(純額) (3,648,322) 2,618,007 1,718,970 815,406 1,836,477 (3,340,537)
当期累計(純額) (3,648,322) (1,030,315) 688,655 1,504,061 3,340,537
* ヘッジ後
(単位：千ユーロ)
１年超
１ヶ月超 ３ヶ月超
2021年12月31日現在 １ヶ月以下 ３ヶ月以下 １年以下 ５年以下 ５年超 無期限 純簿価
資産
現金及び中央銀行における残高 2,044,716 2,044,716
株主資本を通じて公正価値で測
＊
定する金融資産 785,367 1,842,670 1,010,934 65,706 3,704,677
償却原価での金融資産
＊
貸付金 3,911,631 11,993,522 1,266,853 436,525 1,352,584 58,725 19,019,840
前渡金 282,961 718,398 1,092,458 2,853 2,096,670
負債証券 134,000 125,000 630,646 743,297 (62,127) 1,570,816
差入保証金 67,464 67,464
その他の資産 1,210,674 1,210,674
資産小計 7,226,138 14,554,590 3,495,245 1,067,171 2,095,881 1,275,832 29,714,857
負債
償却原価での金融負債
信用機関及び顧客への負債額 (40,937) (26,997) (1,482) (735) (551) 27 (70,675)
＊
発行済負債証券 (11,108,761) (12,025,480) (500,000) (500,000) (690,226) (24,824,467)
預かり保証金 (540,534) (540,534)
引当金 (735) (1,469) (6,611) (35,259) (326,147) 2,169 (368,052)
その他の負債 (677,457) (677,457)
負債小計 (11,690,966) (12,053,947) (8,093) (535,994) (826,698) (1,365,487) (26,481,185)
株主資本 (3,233,672) (3,233,672)
当期合計(純額) (4,464,828) 2,500,643 3,487,152 531,177 1,269,183 (3,323,327)
当期累計(純額) (4,464,828) (1,964,185) 1,522,968 2,054,144 3,323,327
* ヘッジ後
注(1) 合計額は純簿価を表している。
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－外国為替取引リスク
外国為替取引リスクは、財務総局によって管理され、CEBの管理委員会のために全ての重大な市場リスク
を独立して監督する責任を負うリスク及び統制局によって監視される。
当行は、オンバランスシート及びオフバランスシートの両方を含む、１通貨当りの資産から負債を差し
引いた通貨ごとの正味スポット・オープン・ポジションを計算することにより、通貨エクスポージャーを
測定している。
残存リスクは、主にユーロ以外の通貨の純利益キャッシュ・フローにより生じる。通貨ごとの未決済の
ポジション(純額)の限度は、１百万ユーロである。これは毎月末に測定され、このポジションをカバーす
るため５営業日の期間が設けられる。
以下の表は、2022年度末現在のヘッジ考慮後の残存外国為替取引へのエクスポージャーを示している。
(単位：千ユーロ)
デリバティブ ポジション(純額) デリバティブ ポジション(純額)
通貨別内訳 資 産 負 債 資 産 負 債
商品 2022 年 商品 2021 年
米ドル 1,243,988 6,590,484 5,344,535 (1,961) 547,159 6,958,587 6,411,716 288
英ポンド 53,289 1,900,417 1,848,083 955 75,121 2,700,685 2,626,303 739
スイスフラン 177,850 230,407 53,079 522 167,690 219,576 52,703 817
オーストラリアドル 6,529 636,910 630,855 474 4,832 443,103 438,681 410
その他の通貨 2,062,682 879,759 (1,182,129) 794 1,647,814 749,173 (897,748) 893
合計 3,544,338 10,237,977 6,694,423 784 2,442,616 11,071,124 8,631,655 3,147
3. 流動性リスク
流動性リスクは、支払債務の期限到来時に確実に全額を支払うことができないことから生じる損失を被
るリスクである。かかるリスクは、(1)当行が新たな資金調達をできないために支払義務を履行できない場
合に発生する資金調達流動性リスクと、(2)当行が多額の損失を被らず流動資産の売却又は換金ができない
場合に発生する市場流動性リスクに分類することができる。
流動性リスクは、当行の事業に内在するものであり、資産と負債の間の満期のミスマッチから生じる。
CEBは商業銀行とは異なり顧客預金業務を行っておらず、また中央銀行を通じてリファイナンスを利用する
ことができないため、このリスクは多大な可能性がある。
流動性リスク管理
流動性リスク管理は、特に、不利な市況により市場における長期資金の利用が制限される場合に、当行
の財務面での柔軟性保護に関して非常に重要な役割を果たす。
当行は、異なる期間水準における流動性指標を設定することにより、また定期的活動を継続しつつ、新
たな資金調達のために市場にアクセスすることができない極端な市場環境の期間が生じた場合でも持ちこ
たえるための十分な流動資産を保有することにより、健全性に沿った方法で流動性リスクを管理してい
る。
流動性ポジション及びエクスポージャー限度の遵守は財務総局が管理し、また、リスク及び統制局が毎
日監視している。資産及び負債委員会(ALCO)は、当行の資金調達及び流動性ポジションの推移を監督し、
流動性リスクに対処する。
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流動性リスク管理
流動性リスクを管理するために使用される主要な基準は、存続水準(SH)である。これは、当行が、厳格
なストレス・シナリオの下で、利用可能な流動資産を使用して、継続的な事業活動から生じる支払義務を
履行することができる期間を測定するものである。このシナリオには、新たな資金調達のために市場にア
クセスできないこと、ローン返済の途絶、流動資産の価値の低下、及びデリバティブに対する担保要求の
ストレスが含まれる。SHの下限は12ヶ月である。2022年度末現在、当行のSHは15ヶ月(2021年度は14ヶ月)
であった。
CEB は、国際的な規制枠組みには服していないものの、バーゼル/EU規則で定められた規制上の流動性比
率、すなわち流動性カバレッジ比率(LCR)及び安定調達比率(NSFR)を遵守している。両比率はCEBのリスク
選好枠組みに含まれている。両方の比率の下限は100％である。2022年度末現在、LCRは554％(2021年度は
256％)、NSFRは130％(2021年度は132％)であった。
当行は、流動性リスクを管理するため、新たな資金調達を行うことなく通常の銀行業務を継続しながら
支払義務を履行するために使うことのできる流動性バッファーを維持している。この準備金は、その市場
価値及び流動性が厳しい市況において維持されている高格付を取得している流動性の高い有価証券から構
成される。これらの有価証券の大半は、「流動性カバレッジ比率」(LCR)のための適格流動性資産(HQLA)と
して適格である。2022年度末現在、ヘアカット後のHQLAの額は2.6十億ユーロ(2021年度は3.6十億ユーロ)
であった。
多様化は当行の資金調達及び流動性管理の主要な目的である。当行は、個別の市場又は資金源に過度に
依存することのないよう、債券発行プログラム、資金調達市場及び投資家基盤を多様化することに努めて
いる。当行はまた、資産及び負債の満期構成に重大なミスマッチが生じないようにしている。この資金調
達戦略は、管理委員会が承認した年間借入認可内で進められる。
CEBはまた、以下の補完的な指標も監視する。
・ 自給期間(SSP) ：この基準は、短期流動性リスクを評価するものである。これは、当行が、厳格なス
トレス・シナリオの下で、新たな資金調達のために市場にアクセスせず、また利用可能な流動資産
を使用することなく、継続的な事業活動から生じるストレス付加後の想定支出純キャッシュ・フ
ローを満たすことができる期間を測定するものである。SSPの下限は６ヶ月である。2022年度末現
在、当行のSSPは９ヶ月(2021年度と同じ)であった。
・ 短期流動比率(STLR) ：これらの比率は、１ヶ月から12ヶ月までの異なる期間における流動性の源泉
とその使用とを比較することにより、長期にわたる市場混乱における流動性の純需要に対処する当
行の能力を測定するものである。これらの比率の最低水準は100％である。2022年12月31日現在、
STLRは次のとおりである。１ヶ月については592％(2021年は387％)、３ヶ月については275％(2021
年は207％)、６ヶ月については165％(2021年は162％)、１年については132％(2021年は118％)。
・ 資産及び負債の満期構成 ：CEBは流動性ギャップを観点とした静的アプローチで流動性リスクを監視
している。かかるアプローチは、将来の各期間について、資産及び負債の満期構成の潜在的なミス
マッチを測定するものである。
以下の表は、当行の資産及び負債の満期構成、すなわち、金融商品の満期までの元利金のキャッシュ・
フロー(割引前)を示している。キャッシュ・フローは、金利スワップについては純額で、通貨スワップ及
び外国為替先物予約については総額で示されている。これらは、クロージング日現在の為替レート及び金
利に基づき計算されている。
(単位：千ユーロ)
流動資産/負債残高 固定資産/負債残高
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１年超
１ヶ月超 ３ヶ月超
2022年12月31日現在 １ヶ月以下 ３ヶ月以下 １年以下 ５年以下 ５年超 合計
資産
現金及び中央銀行における残高 1,150,631 1,150,631
株主資本を通じて公正価値で測
定する金融資産 100,965 608,563 626,314 923,801 802,315 3,061,960
償却原価での金融資産
貸付金 89,186 287,080 1,887,089 9,311,004 10,357,421 21,931,780
前渡金 2,358,198 1,523,050 337,497 4,218,745
負債証券 2,908 3,883 173,002 751,587 961,940 1,893,320
差入保証金 638,590 638,590
資産小計 4,340,478 2,422,576 3,023,902 10,986,392 12,121,676 32,895,025
負債
償却原価での金融負債
信用機関及び顧客への負債額 654 8,139 13,334 32,366 22,174 76,665
発行済負債証券 154,265 1,217,971 2,963,363 15,660,765 6,965,999 26,962,363
預かり保証金 904,640 904,640
社会配当金勘定 34,842 34,842
負債小計 1,094,401 1,226,110 2,976,697 15,693,130 6,988,173 27,978,511
オフバランスシート取引
融資約定 (453,801) (463,033) (1,514,088) (3,281,174) (820,294) (6,532,390)
定期性金融商品
受取り 1,080,979 1,797,789 2,279,182 10,660,353 1,960,796 17,779,099
支払い (1,123,056) (1,602,672) (2,325,226) (10,805,747) (1,546,741) (17,403,443)
オフバランスシート取引
小計 (495,878) (267,916) (1,560,132) (3,426,569) (406,238) (6,156,734)
合計 2,750,199 928,550 (1,512,927) (8,133,307) 4,727,265 (1,240,220)
(単位：千ユーロ)
流動資産/負債残高 固定資産/負債残高
１年超
１ヶ月超 ３ヶ月超
2021年12月31日現在 １ヶ月以下 ３ヶ月以下 １年以下 ５年以下 ５年超 合計
資産
現金及び中央銀行における残高 2,044,894 2,044,894
株主資本を通じて公正価値で測
定する金融資産 200,622 475,238 1,097,405 1,163,811 779,959 3,717,035
償却原価での金融資産
貸付金 (62,289) 103,654 2,197,197 8,321,728 9,391,832 19,952,122
前渡金 295,895 716,216 1,088,350 2,100,461
負債証券 2,908 3,527 172,955 800,058 899,475 1,878,922
差入保証金 67,477 67,477
資産小計 2,549,507 1,298,636 4,555,906 10,285,597 11,071,266 29,760,911
負債
償却原価での金融負債
信用機関及び顧客への負債額 459 7,584 10,795 35,355 16,545 70,738
発行済負債証券 496,226 895,554 3,192,431 14,328,452 6,166,255 25,078,917
預かり保証金 540,534 540,534
社会配当金勘定 47,169 47,169
負債小計 1,084,387 903,138 3,203,226 14,363,807 6,182,800 25,737,358
オフバランスシート取引
融資約定 (440,000) (738,000) (1,518,000) (2,861,739) (757,874) (6,315,613)
定期性金融商品
受取り 567,066 1,067,373 2,404,655 9,169,333 1,725,921 14,934,348
支払い (549,769) (958,723) (2,319,156) (8,849,056) (1,723,206) (14,399,911)
オフバランスシート取引
小計 (422,703) (629,351) (1,432,501) (2,541,463) (755,159) (5,781,176)
合計 1,042,417 (233,853) (79,820) (6,619,673) 4,133,306 (1,757,623)
4. オペレーショナルリスク
CEBは、オペレーショナルリスクの特定、評価、管理及び報告に係る手法を成文化するオペレーショナル
リスク管理方針を実施した。この方針は、CEB全体における有効かつ整合的なオペレーショナルリスクの管
理を確保するための健全な実務について示している。
オペレーショナルリスクとは、不適切又は機能不全の内部プロセス、人員及びシステム又は外部的事象
を原因とする潜在的な損失リスクである。さらに、CEBは、その活動に悪影響を与える可能性のある風評リ
スク及び法的リスクも考慮する。
バーゼル銀行監督委員会の方針及び国際的な最良慣行に自発的に従うことにより、当行は引き続き当行
のオペレーショナルリスクの評価及び適切な緩和策の実施に真摯に取り組んでいる。
CEBのオペレーショナルリスクの枠組みは、オペレーショナルリスク及び組織委員会(CORO)の半年に１度
の会合において見直し及び承認が行われる。COROは総裁が議長を務め、経営幹部により構成されており、
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CEBが運用する受容可能なオペレーショナルリスク水準の設定を行い、局長らがそれぞれの局内においてか
かるリスクを監視及び管理するために必要な対策を講じるようにさせる。
オペレーショナルリスク部門(ORD)は、業務分野と緊密に協力し、オペレーショナルリスクの枠組みの実
施を集中的かつ電子的に管理する。リスクの認識、評価及び軽減は、所定の方法及び的を絞った実行計画
に従う。また、リスクのマッピング及び評価を通じて管理の枠組みの有効性及び完全性を確保するため、
オペレーショナルリスクに係るインシデント(「危うくインシデントになりかけた」事例を含む。)も組み
込まれている。
ORDは、恒久的な内部統制の枠組みがその設計及び有効性の点で適切であるように確保する。各局は、主
要なリスクを対象とした重要な統制に関するテストの実施後の各々の恒久的な統制環境の効率性につい
て、毎年報告を行っている。当該結果はCOROに報告されている。
ORDは、包括的手続及び管理マップを維持するため、業務分野と共同し、手続のモデルを制定する責任も
負う。専用のイントラネット・サイトにより、全てのスタッフがかかる手続にアクセスすることができ
る。
CEBは、事業活動の途絶を回避するために事業継続計画(BCP)を整備している。BCPは、危機管理計画、並
びにデータセンター、緊急対策室、ユーザーバックアップ拠点、遠隔通信ソリューション及び業務分野固
有の計画を含む基本的な技術的枠組みから成る。
オペレーショナルリスクのリスク資本費用は、健全性に関する枠組みにおける当行の自己資本比率の一
部である。CEBは、過去３年間の平均銀行業務純益に基づく基礎的指標手法を採用している。
2022年12月31日現在、オペレーショナルリスクの資本費用は、2021年12月31日現在の22.1百万ユーロと
比較して、21.9百万ユーロとなった。
5. 健全性に関する枠組み
多国間開発銀行(MDB)として、CEBは、加盟国の規制枠組み、バーゼル委員会の勧告又は欧州連合指令の
対象とはならない。しかしながら、当行のMDBとしての地位に照らして、必要な調整を全て行った最良の銀
行慣行に従うことが当行の方針である。この目的のため、CEBは、その活動から生じるリスクを査定及び監
視するために、一連の「健全性比率」及び指標を制定している。
かかる比率及び指標は、主に、資本、レバレッジ、流動性、市場リスク及び金融活動における信用リス
クの５分野で構成される。
2022 年12月31日に終了した報告期間において、全ての比率及び指標は、認可された範囲内に十分収まっ
ていた。
資本
(1)
自己資本比率(CAR) は、当行の健全性資本 を総リスク加重資産(RWA)で除した比率である。当行は、第
１の柱の標準的アプローチを適用しており、RWAは、取引相手方の種類、格付及び満期(銀行の場合)に応じ
たリスク加重因子を用いて計算される。
当行は、信用リスク、市場リスク及びオペレーショナルリスクから生じる事業における想定外の損失を
吸収するための十分な資本を維持することを目的として、かかる比率を監視している。
かかる比率の健全性に関する枠組みにおける下限は10.5％に設定されているが、当行は、第１級の財務
ファンダメンタルズを確保する20％超の比率の維持を目指している。さらに、当行は、十分なバッファー
を目標とし、25％超の余裕幅を目指している。
2022 年度末現在、かかる比率は30.4％であり、2021年度をわずかに上回った。これは、融資事業のRWAの
減少及び資本の増加により、貸付のRWAの増加が相殺されたことによるものである。
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2022年 2021年
自己資本比率 30.4％ 29.1％
最後に、2022年12月末現在、信用リスクは95.2％と資本要件の大部分を占め、その内訳は、貸付ポート
フォリオにおける信用リスク(78.2％)及び融資事業における信用リスク(17.0％)であった。
(2)
ギアリング・レシオ(GR) は、(スワップ後及び保証後の)貸付残高を自己資金 で除した比率であり、ひ
いては当行の貸付事業の規模上限となる。かかる比率は主に、他の多国間開発銀行に指標を提供すること
を目的としている。
健全性に関する枠組みの上限は自己資金の2.5倍であるため、2022年12月末現在、最大貸付可能額は20.7
十億ユーロである。
2022年 2021年
ギアリング・レシオ 2.41 2.31
注(1) 健全性資本は、払込済資本金、準備金及び純利益から、CEBが関連するとみなすEU資本要件指令に規定された適切な
調整項目を控除したものである。
注(2) 自己資金：引受資本、準備金及び純利益
レバレッジ
レバレッジ比率(LR)は、健全性資本を全ての資産及びオフバランスシート項目のエクスポージャーの額
で除した比率である。デリバティブのエクスポージャーの額は、自己資本比率の標準的アプローチで用い
られる手法に従って算出される。リスクに関連するオフバランスシート項目(融資約定)の換算係数は50％
である。
レバレッジ比率は、自己資本比率を補完する簡易な指標であり、当行の過剰なレバレッジに対する制限
として機能する。
第１級の財務ファンダメンタルズを確保するため、この比率の健全性に関する枠組みにおける下限は
７％である。
2022年 2021年
レバレッジ・レシオ 10.3％ 10.2％
財務活動資産比率(TAR) は、(スワップの公正価値のヘッジの影響後の)金融資産総額を健全性資本と比較
する指標である。
金融資産総額は、有価証券ポートフォリオ、銀行預金、レポ及びノストロ勘定(有担保のものを除く。)
の残高で構成される。
その健全性に関する枠組みにおける上限はCEBの健全性資本の５倍(17.2十億ユーロ)である。
2022年 2021年
財務活動資産比率 2.83 2.68
流動性
存続水準は、流動性リスクを管理するために使用される主要な指標である。これ は当行が、厳格なスト
レス・シナリオの下で、新たな資金調達を行うことなく、利用可能な流動資産を使用して、継続的な事業
活動から生じる支払義務を履行することができる期間である。
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かかる指標の健全性に関する枠組みにおける最低水準は12ヶ月である。
2022年 2021年
存続水準 15ヶ月 14ヶ月
流動性規制比率(LCR及びNSFR)：また、当行は、流動性カバレッジ比率(LCR)及び安定調達比率(NSFR)の
要件を満たすのに十分な流動性ポジションを確保する必要があるとしている。健全性に関する枠組みにお
ける最低水準は100％である。
・ LCRは、当行が30暦日にわたる重大な流動性ストレス下にある期間を乗り切るために十分な量の適格
流動性資産(HQLA)を確実に保有することを目的とするものである。
2022年 2021年
流動性カバレッジ比率 554％ 256％
・ NSFRは、当行の利用可能な安定調達額(ASF)と所要安定調達額(RSF)を比較する指標である。監督上
の前提に沿って、様々な要素が貸借対照表全体の各金融商品の流動性特性を反映している。
2022年 2021年
安定調達比率 130％ 132％
市場リスク
エクイティの経済価値(EVE)の感応度は、所定のバーゼル/EUの金利ショックを適用した結果生じる、金
利に敏感な資産及び負債(資本を除く。)の現在価値の最大変動を測定する指標である。
健全性に関する枠組みにおける上限は、絶対値で、健全性資本の20％以下である。かかる指標は、2022
年度末現在、2021年度と同様、当該範囲内に十分収まっていた。
2022年 2021年
エクイティの経済価値(EVE)の感応度 -10.0％ -11.8％
(1)
正味スポット・オープン・ポジション は、オンバランスシート及びオフバランスシートの両方のポジ
ションを含む、外国通貨建の資産総額から負債総額を控除した額である。
健全性に関する枠組みにおける上限は、絶対値で、１通貨当り月末において１百万ユーロである。かか
るポジションは、2022年度末現在、2021年度と同様、当該範囲内に十分収まっていた。
注(1) 月末時点
金融活動における信用リスク
最低内部格付は、当行が、発行者、債務者及び取引相手方との取引を締結する購入日における最低格付
(1)
を決定する指標である。当行の最低内部格付は、短期投資については7.0(A-) 以上、長期投資については
(2)
8.0(A+) 以上である。2022年12月31日現在、2021年12月31日現在の購入日における最低内部格付が定めら
れた基準値を下回った取引相手方/取引はなかった。
注(1) 短期投資とは、残存期間が１年(370日)以下のものと定義される。残存期間が６ヶ月未満のソブリン債は、最低内部
格付が5.5(BBB-)である。残存期間が３ヶ月未満の準ソブリン債/機関債/超国家機関債は、最低内部格付が6.0(BBB)
である。残存期間が３ヶ月未満の金融機関債及び預金は、最低内部格付が6.5(BBB+)である。
注(2) 長期投資とは、残存期間が１年(370日)を超えるものと定義される。残存期間が２年未満のソブリン債/準ソブリン
債/機関債/超国家機関債並びに金融機関債及び預金は、最低内部格付が7.0(A-)である。
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注C：損益を通じて公正価値で測定する金融商品及びヘッジ・デリバティブ金融商品
IFRS第９号によってそのヘッジ関係が承認されていない当行のヘッジ・デリバティブは、貸借対照表の
「損益を通じて公正価値で測定する金融商品」の項目に計上される。
IFRS第９号に基づいて公正価値ヘッジ又はキャッシュ・フロー・ヘッジとして認識される当行のヘッ
ジ・デリバティブは、貸借対照表の「ヘッジ・デリバティブ金融商品」の項目に計上される。これらのオ
ペレーションは、金融資産及び負債(貸付金、株主資本を通じて公正価値で測定する金融資産、発行済負債
証券)をヘッジする。
金融商品には、金利スワップ、通貨スワップ及び先物為替スワップが含まれる。
IFRS第13号「公正価値測定」の適用に伴い、CEBは、以下の事項に関連する評価方法を調整した。
－デリバティブ金融資産の公正価値の範囲内での取引相手方の信用リスク(信用評価調整－CVA)
－デリバティブ金融負債の評価額の範囲内でのCEB自体の信用リスク(債務評価調整－DVA)
－発行済負債証券の評価額の範囲内でのCEB自体の信用リスク(自己信用評価修正－OCA)
2022年12月31日現在、CEBは、DVAに係る資産として104千ユーロ(2021年12月31日現在は145千ユーロ)、
及びCVAに係る負債として1,861千ユーロ(2021年12月31日現在は1,039千ユーロ)のデリバティブ商品に係る
公正価値の調整を計上した。これらの調整は、損益計算書の取引相手方ごとに計上される。
OCAは、公正価値で測定する区分に指定された発行済負債商品に対し、CEBの不履行リスクを示すために
作成される修正である。CEBが発行した負債証券が償却原価で測定する区分に全て指定されることにより、
OCAはゼロとなる。
以下の表は、損益を通じて公正価値で測定する金融商品及びヘッジ・デリバティブ金融商品の公正価値
を示す。
(単位：千ユーロ)
ポジティブ ネガティブ
2022年12月31日
時価 時価
損益を通じて公正価値で測定する金融商品
金利デリバティブ金融商品 3,248 (2,468)
外国為替デリバティブ金融商品 650,693 (183,169)
CEB自体の信用リスクの価額調整(債務評価調整－DVA) 104
取引相手方の信用リスクの価額調整(信用評価調整－CVA) (1,861)
合計 654,045 (187,498)
ヘッジ・デリバティブ金融商品
金利デリバティブ金融商品 1,997,876 (1,724,611)
外国為替デリバティブ金融商品 200,412 (673,382)
合計 2,198,288 (2,397,993)
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(単位：千ユーロ)
ポジティブ ネガティブ
2021年12月31日
時価 時価
損益を通じて公正価値で測定する金融商品
金利デリバティブ金融商品 1,963 (174)
外国為替デリバティブ金融商品 441,142 (135,565)
CEB自体の信用リスクの価額調整(債務評価調整－DVA) 145
取引相手方の信用リスクの価額調整(信用評価調整－CVA) (1,039)
合計 443,250 (136,778)
ヘッジ・デリバティブ金融商品
金利デリバティブ金融商品 531,751 (362,644)
外国為替デリバティブ金融商品 169,182 (115,615)
合計 700,933 (478,259)
注D：金融資産及び金融負債
以下の表は、会計評価基準に従った金融資産及び金融負債の純簿価及び公正価値を示す。
(単位：千ユーロ)
振替可能
非振替可能
損益を通じて
株主資本を
株主資本を
2022年12月31日現在 測定する 償却原価 純簿価 公正価値
通じて測定
通じて測定
公正価値
する公正価値
する公正価値
資産
現金及び中央銀行における残高 1,150,258 1,150,258 1,150,258
損益を通じて公正価値で測定する
654,045 654,045 654,045
金融資産
ヘッジ・デリバティブ金融商品 2,198,288 2,198,288 2,198,288
株主資本を通じて公正価値で測定する
金融資産 2,794,031 1,478 2,795,509 2,795,509
償却原価での金融資産
貸付金及び前渡金 22,432,222 22,432,222 22,432,222
負債証券 1,592,770 1,592,770 1,609,602
金融資産合計 2,852,333 2,794,031 1,478 25,175,250 30,823,092 30,839,924
負債
損益を通じて公正価値で測定する
187,498 187,498 187,498
金融負債
ヘッジ・デリバティブ金融商品 2,397,993 2,397,993 2,397,993
償却原価での金融資産
信用機関及び顧客に対する負債額 70,176 70,176 70,176
発行済負債証券 24,223,766 24,223,766 26,406,581
社会配当金勘定 34,842 34,842 34,842
金融負債合計 2,585,491 24,328,784 26,914,275 29,097,090
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(単位：千ユーロ)
振替可能 非振替可能
損益を通じて
株主資本を 株主資本を
2021年12月31日現在 測定する 償却原価 純簿価 公正価値
通じて測定 通じて測定
公正価値
する公正価値 する公正価値
資産
現金及び中央銀行における残高 2,044,716 2,044,716 2,044,716
損益を通じて公正価値で測定する
443,250 443,250 443,250
金融資産
ヘッジ・デリバティブ金融商品 700,933 700,933 700,933
株主資本を通じて公正価値で測定する
金融資産 3,703,635 1,042 3,704,677 3,704,677
償却原価での金融資産
貸付金及び前渡金 21,116,510 21,116,510 21,116,510
負債証券 1,570,816 1,570,816 1,872,883
金融資産合計 1,144,183 3,703,635 1,042 24,732,042 29,580,902 29,882,969
負債
損益を通じて公正価値で測定する
136,778 136,778 136,778
金融負債
ヘッジ・デリバティブ金融商品 478,259 478,259 478,259
償却原価での金融負債
信用機関及び顧客に対する負債額 70,675 70,675 70,675
発行済負債証券 24,824,467 24,824,467 24,591,781
社会配当金勘定 47,169 47,169 47,169
金融負債合計 615,037 24,942,311 25,557,348 25,324,662
株主資本を通じて公正価値で測定する金融資産又は償却原価での負債証券の項目に分類された有価証券
のうち、2022年中及び2021年中に担保として提供されたものはなかった。
注E：金融商品の時価測定
IFRS第13号「公正価値測定」の適用に伴い、CEBは、注Cに記載されたとおり、取引相手方のリスク(CVA)
並びに自身の信用リスク(DVA及びOCA)が含まれるように、その金融商品の公正価値測定の枠組みを調整し
た。
当行は、金融資産及び負債を、その公正価値測定の信頼性を反映して３段階のヒエラルキーにより分類
する。
公正価値レベルを決定するために、CEBは、下記の一連の規則に基づいて、外部のデータ提供者が提供す
る公正価値レベルを使用する。
レベル１－活発な市場で相場価格を有する流動資産及び負債並びに金融商品
レベル２－その市場価値が観察可能なパラメーターに基づく評価手法を用いて測定される金融商品。レベ
ル２の情報は、活発な市場における類似の資産又は負債の相場価格、活発でない市場における
同一又は類似の資産又は負債の相場価格、又は金融商品について観察可能な相場価格以外の情
報(金利及び観察可能なイールド・カーブ並びに信用スプレッド)を含む。
レベル３－その市場価値が観察不能なパラメーターも含めた評価手法を用いて測定される金融商品。この
レベルは支払の条件がその他の超国家的な金融機関により用いられる条件と同等である貸付金
を含む。優先債権者の地位を考慮して、当行は、この種の債権の売却を行っていない。さら
に、貸付金の大半が変動金利(ヘッジ取引を含む。)によるものであるため、かかる取引の公正
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価値に対する市場金利の変動の影響は僅少である。したがって、当行は、これらの資産の公正
価値は純簿価と一致すると見積っている。
2022年12月31日現在、CEBは、上記の規則に基づき外部のデータ提供者が提供する公正価値レベルに基づ
いて、以下の金融商品のヒエラルキーの移行を計上している。負債側で発行された負債証券に関しては、
3.1十億ユーロがレベル１からレベル２へ移行された。株主資本を通じて公正価値で計上される負債証券に
関しては、資産側で、105.2百万ユーロがレベル１からレベル２へ移行され、42.2百万ユーロがレベル２か
らレベル１へ移行された。最後に、償却原価で計上される負債証券に関しては、資産側で、24.6百万ユー
ロがレベル１からレベル２に移行された。
公正価値で測定された金融商品は、以下の表に示されている。
(単位：千ユーロ)
2022年12月31日 レベル１ レベル２ レベル３ 合計
資産
現金及び中央銀行における残高 1,150,258 1,150,258
損益を通じて公正価値で測定する金融商品 654,045 654,045
ヘッジ・デリバティブ金融商品 2,198,288 2,198,288
株主資本を通じて公正価値で測定する金融資産 1,734,729 1,060,780 2,795,509
償却原価での金融資産
貸付金及び前渡金 22,432,222 22,432,222
負債証券 1,566,198 43,404 1,609,602
金融資産合計 4,451,185 3,956,517 22,432,222 30,839,924
負債
損益を通じて公正価値で測定する金融商品 187,498 187,498
ヘッジ・デリバティブ金融商品 2,397,993 2,397,993
償却原価での金融負債
信用機関及び顧客に対する負債額 56,843 13,333 70,176
発行済負債証券 19,865,121 6,541,460 26,406,581
社会配当金勘定 34,842 34,842
金融負債合計 19,956,806 9,140,284 29,097,090
(単位：千ユーロ)
2021年12月31日 レベル１ レベル２ レベル３ 合計
資産
現金及び中央銀行における残高 2,044,716 2,044,716
損益を通じて公正価値で測定する金融商品 443,250 443,250
ヘッジ・デリバティブ金融商品 700,933 700,933
株主資本を通じて公正価値で測定する金融資産 2,756,496 948,181 3,704,677
償却原価での金融資産
貸付金及び前渡金 21,116,510 21,116,510
負債証券 1,865,904 6,979 1,872,883
金融資産合計 6,667,116 2,099,343 21,116,510 29,882,969
負債
損益を通じて公正価値で測定する金融商品 136,778 136,778
ヘッジ・デリバティブ金融商品 478,259 478,259
償却原価での金融負債
信用機関及び顧客に対する負債額 44,008 26,667 70,675
発行済負債証券 21,344,323 3,247,458 24,591,781
社会配当金勘定 47,169 47,169
金融負債合計 21,435,500 3,889,162 25,324,662
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注F：金融資産及び金融負債の相殺
2022年12月31日現在、CEBの貸借対照表において相殺の対象となる事業はなかった。当行はIAS第32号の
改訂の基準を満たすような相殺協定を有していない。
以下の表は、金融資産及び金融負債の純額、並びにIFRS第７号の改訂により要求される包括協定に基づ
く取引(スワップ及び貸付における担保契約に基づき受領した現金預金又は有価証券)を考慮に入れた金融
資産及び金融負債の純額を示している。
(単位：千ユーロ)
金融資産及 担保として
担保として
2022年12月31日 び金融負債 取得した 純額
受領した/取得し
た現金
の純額 有価証券
資産
償却原価での貸付金 18,222,361 (210,555) 18,011,806
デリバティブ金融商品 2,852,333 (903,451) 1,948,882
差入保証金 638,133 (637,800) 333
その他相殺されない資産 9,815,308 9,815,308
資産合計 31,528,135 (1,541,251) (210,555) 29,776,329
負債
デリバティブ金融商品 2,585,491 (637,800) 1,947,691
預かり保証金 904,640 (903,451) 1,189
その他相殺されない負債 24,595,629 24,595,629
負債合計 28,085,760 (1,541,251) 26,544,509
(単位：千ユーロ)
金融資産及 担保として
担保として
2021年12月31日 び金融負債 取得した 純額
受領した/取得し
た現金
の純額 有価証券
資産
償却原価での貸付金 19,019,840 (227,845) 18,791,995
デリバティブ金融商品 1,144,183 (540,769) 603,414
差入保証金 67,463 (67,510) (47)
その他相殺されない資産 9,483,371 9,483,371
資産合計 29,714,857 (608,279) (227,845) 28,878,733
負債
デリバティブ金融商品 615,037 (67,510) 547,527
預かり保証金 540,534 (540,769) (235)
その他相殺されない負債 25,325,614 25,325,614
負債合計 26,481,185 (608,279) 25,872,906
注G：株主資本を通じた公正価値及び償却原価での金融資産
株主資本を通じた公正価値での金融資産
2022年12月31日現在、株主資本を通じた公正価値での金融資産は、負債証券2.8十億ユーロ(2021年12月
31日は3.7十億ユーロ)及び資本性金融商品1.5百万ユーロ(2021年12月31日は1.0百万ユーロ)で構成され
る。
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(単位：千ユーロ)
2022年12月31日 2021年12月31日
株主資本を通じて公正価値で測定する金融資産
総簿価 2,967,004 3,626,180
未実現損益 (170,530) 79,088
(a)
減損 (965) (591)
合計 2,795,509 3,704,677
(a)うち、ステージ１ (965) (591)
うち、ステージ ２
うち、ステージ３
償却原価での金融資産
(単位：千ユーロ)
2022年12月31日 2021年12月31日
信用機関向貸付金
総簿価 6,641,359 7,358,451
減損 (5,176) (3,364)
純簿価 6,636,183 7,355,087
顧客向貸付金
総簿価 13,309,448 11,593,863
減損 (14,227) (8,492)
純簿価 13,295,221 11,585,371
デリバティブ商品によってヘッジされた貸付金
の金額調整 (1,709,043) 79,382
貸付金合計 18,222,361 19,019,840
前渡金
要求に応じた支払可能な前渡金‐総簿価 8,234 6,541
減損 (7) (2)
純簿価 8,227 6,539
合意された満期又は通知期間のある前渡金‐総
簿価 4,202,064 2,090,489
減損 (430) (358)
純簿価 4,201,634 2,090,131
前渡金合計 4,209,861 2,096,670
負債証券
総簿価 1,593,120 1,570,922
減損 (350) (106)
純簿価 1,592,770 1,570,816
負債証券合計 1,592,770 1,570,816
2022年12月31日現在の貸付金のうち、保証が付されているものは、6.1十億ユーロである(2021年12月31
日現在は6.8十億ユーロ)。これらの保証は、有価証券又は締結済みの約定の形式によって行われている。
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償却原価でのステージ別金融資産
(単位：千ユーロ)
2022年12月31日 2021年12月31日
総簿価 減損 純簿価 総簿価 減損 純簿価
信用機関向貸付金 6,641,359 (5,176) 6,636,183 7,358,451 (3,364) 7,355,087
ステージ１ 6,641,359 (5,176) 6,636,183 7,358,451 (3,364) 7,355,087
ステージ２
ステージ３
顧客向貸付金 13,309,448 (14,227) 13,295,221 11,593,863 (8,492) 11,585,371
ステージ１ 13,259,347 (14,079) 13,245,268 11,593,863 (8,492) 11,585,371
ステージ２ 50,101 (148) 49,953
ステージ３
前渡金 4,210,298 (437) 4,209,861 2,097,030 (360) 2,096,670
ステージ１ 4,210,298 (437) 4,209,861 2,097,030 (360) 2,096,670
ステージ２
ステージ３
負債証券 1,593,120 (350) 1,592,770 1,570,922 (106) 1,570,816
ステージ１ 1,593,120 (350) 1,592,770 1,570,922 (106) 1,570,816
ステージ２
ステージ３
2022 年度中に当行の償却原価での金融資産ポートフォリオに債務不履行は発生しなかった。さらに、当
行は取引相手方についてIFRS第９号の意味におけるステージ１からステージ２への移行につながる148千
ユーロの信用リスクの増加を１件確認した。
貸付金残高及び融資約定の国別内訳
以下の表には、借入人の属する国別の貸付金残高及び融資約定の内訳が、社会配当金勘定から助成金を
支払っているか否かにかかわらず表示される。
(単位：千ユーロ)
残高 融資約定
借入人の属する
国別内訳 2022年12月31日 ％ 2021年12月31日 ％ 2022年12月31日 2021年12月31日
スペイン 2,142,575 10.77 1,902,098 10.06 575,458 780,244
ポーランド 1,843,571 9.27 1,509,260 7.98 624,726 507,400
フランス 1,692,508 8.51 1,497,110 7.91 587,741 939,916
(a)
イタリア 1,210,889 6.09 1,114,816 5.89 568,475 510,460
(b)
ドイツ 1,175,698 5.91 1,200,106 6.34 410,062 592,362
トルコ 1,143,195 5.75 1,265,829 6.69 320,000 220,000
ベルギー 1,073,875 5.40 1,095,509 5.79 339,000
スロバキア共和国 1,058,388 5.32 1,064,915 5.63 158,500 136,674
オランダ 976,483 4.91 1,002,414 5.30 200,000 20,000
チェコ共和国 779,606 3.92 762,336 4.03 325,000 130,000
ハンガリー 715,523 3.60 696,919 3.68 103,386
リトアニア 691,742 3.48 638,982 3.38 206,962 127,080
クロアチア 634,422 3.19 622,734 3.29 200,000 74,500
フィンランド 611,589 3.08 595,586 3.15 180,000 272,000
セルビア 578,472 2.91 467,740 2.47 438,471 482,161
ルーマニア 571,390 2.87 555,963 2.94 324,529 499,551
スウェーデン 445,996 2.24 462,046 2.44 70,964 100,000
アイルランド 406,129 2.04 387,981 2.05 166,636 168,700
キプロス 308,135 1.55 361,195 1.91 99,500 34,000
ポルトガル 292,741 1.47 299,342 1.58 391,700 249,500
ギリシャ 218,167 1.10 218,500 1.16 53,500 53,500
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ブルガリア 201,558 1.01 248,434 1.31
エストニア 200,000 1.01 150,898 0.80 25,000 75,000
スロベニア 169,971 0.85 140,400 0.74 75,000
アルバニア 139,803 0.70 83,033 0.44 8,980 17,980
北マケドニア 106,461 0.54 107,671 0.57 32,500 25,500
ボスニア・ヘルツェ
ゴビナ 101,677 0.51 100,252 0.53 15,227 15,717
モンテネグロ 100,392 0.50 94,225 0.50 40,628 22,978
モルドバ共和国 74,840 0.38 84,975 0.45 59,648 79,648
アイスランド 62,597 0.31 74,405 0.39
コソボ 45,824 0.23 35,000 0.19 14,176 25,000
ジョージア 35,359 0.18 20,013 0.11 5,308 23,058
マルタ 29,000 0.15 8,700 0.05 20,300
ラトビア 24,000 0.12 25,500 0.13 8,000 9,000
アンドラ 15,354 0.08 12,000 0.06 4,000
サンマリノ 8,867 0.04 9,533 0.05
(c)
ルクセンブルク 300 0.01 2,700
合計 19,887,097 100.00 18,916,422 100.00 6,532,390 6,315,613
注(a) うち2022年12月31日現在の対象国のための残高2.1百万ユーロ(2021年12月31日現在は3.1百万ユーロ)。
(b) うち2022年12月31日現在の対象国のための残高14.7百万ユーロ(2021年12月31日現在は19.8百万ユーロ)。
(c) うち2022年12月31日現在の対象国のための残高0.3百万ユーロ(2021年12月31日現在は０ユーロ)。
SDA 金利補助金又は借入保証を受けている貸付金残高及び融資約定の国別内訳
社会配当金勘定からの金利補助金又は借入保証を受けている貸付金残高及び融資約定の詳細は、下記の
表に借入人の属する国別に記載されるとおりである。
(単位：千ユーロ)
残高 融資約定
借入人の属する国別内訳 2022年12月31日 2021年12月31日 2022年12月31日 2021年12月31日
トルコ 372,000 405,667
ポーランド 141,259 156,971
ボスニア・ヘルツェゴビナ 92,284 89,806 4,727 4,717
ルーマニア 50,476 62,995 6,621 7,121
コソボ 35,000 35,000
アルバニア 31,924 41,302
モルドバ共和国 27,179 30,302 1,333 1,333
クロアチア 22,074 26,838
北マケドニア 21,110 21,811 500
イタリア 4,400 6,400
セルビア 3,004 4,888
リトアニア 3,000 3,000
ブルガリア 2,558 3,309
ジョージア 1,667 1,875 1,250
ギリシャ 667 1,000 1,000 1,000
ルクセンブルク 300 2,700
合計 808,902 888,164 19,381 15,921
金利補助金については、注Kに記載されている。
注H：有形資産及び無形資産
(単位：千ユーロ)
(a)
土地及び建物
備品及び設備 その他 無形資産 合計
総簿価
2022年１月１日現在 37,687 15,113 8,165 37,089 98,053
追加額 2,531 347 798 4,697 8,373
その他変動 (878) (486) (963) (4,046) (6,374)
2022年12月31日現在 39,340 14,973 8,000 37,740 100,052
償却費
2022年１月１日現在 (852) (11,898) (7,179) (20,834) (40,763)
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当期費用 (286) (637) (612) (5,739) (7,274)
その他変動 1,043 1,098 3,388 5,529
2022年12月31日現在 (94) (12,535) (6,693) (23,186) (42,508)
純簿価
2022年12月31日現在 39,246 2,439 1,306 14,554 57,545
(単位：千ユーロ)
(a)
土地及び建物
備品及び設備 その他 無形資産 合計
総簿価
2021年１月１日現在 37,687 15,035 8,008 32,816 93,545
追加額 98 377 4,616 5,091
その他変動 (20) (220) (343) (583)
2021年12月31日現在 37,687 15,113 8,165 37,089 98,053
償却費
2021年１月１日現在 (564) (11,127) (6,669) (15,721) (34,081)
当期費用 (288) (771) (499) (5,113) (6,671)
その他変動 (11) (11)
2021年12月31日現在 (852) (11,898) (7,179) (20,834) (40,763)
純簿価
2021年12月31日現在 36,835 3,215 1 986 16,254 57,290
注(a) 「土地及び建物」は、パリ市クレベール通り55番所在の当行の本部を示している。IFRS第16号に従い、かかる項目に
リース契約も含まれている。2022年12月31日現在の利用権総額は2.5百万ユーロとなり、償却費はマイナス94千ユーロ
となった(2021年12月31日現在はそれぞれ1.0百万ユーロ及びマイナス852千ユーロ)。
注I：その他の資産及び負債
(単位：千ユーロ)
2022年12月31日 2021年12月31日
その他の資産
(a)
差入保証金
638,133 67,463
雑借方 3,019 2,762
引受済資本金、払込請求済資本金及び未払資本金並び
に受取準備金 711 1,422
前払費用 2,228 2,297
雑資産 3,407 2,721
合計 647,498 76,665
その他の負債
(a)
預かり保証金
904,640 540,534
(b)
雑貸方
11,323 12,655
雑負債 1,038 2,596
合計 917,001 555,785
注(a) 担保契約に関して、当行は、預託金又は有価証券の形式による保証金を預け入れ、また差し入れている。2022年12月31
日現在、CEBは、
・預託金の形式で638.1百万ユーロ(2021年12月31日現在は67.5百万ユーロ)の保証金を差し入れた。
・預託金の形式で904.6百万ユーロ(2021年12月31日現在は540.5百万ユーロ)、有価証券の形式で210.6百万ユーロ(2021
年12月31日現在は227.8百万ユーロ)の保証金を預け入れた。
(b) IFRS第16号に基づき、うち支払リース料の総額である2.5百万ユーロのリース負債及びマイナス85千ユーロの負債の償
却費である(2021年12月31日現在、リース負債は1.0百万ユーロ及び負債の償却費はマイナス852千ユーロ)。
注J：減価償却費で測定する金融負債
(単位：千ユーロ)
2022年12月31日 2021年12月31日
信用機関及び顧客に対する負債額
付利口座 56,781 44,008
借入金及び定期預金 13,333 26,667
支払利息 62
合計 70,176 70,675
償却原価での発行済負債証券
債券 26,242,367 24,439,069
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支払利息 165,104 148,523
デリバティブ商品によりヘッジされる発行済負債証券
の価額調整 (2,183,705) 236,875
合計 24,223,766 24,824,467
顧客の付利口座の進展
支援者との間で調印された多数の二国間及び多国間の寄付金に関する同意の枠組内で、CEBは、その目的
に沿った活動に対し助成金による融資を行うため、寄付金を受け入れている。支援者より受領した寄付金
は、CEBの名義で開設されている口座に預け入れられる。
一般的に、寄付金の大部分はCEBの協力国及び欧州連合の加盟国によって提供される。
当行は、口座の管理者としての役割を果たしている。当行は口座に影響を及ぼす変更の処理及び記録並
びに利用可能残高の管理を行う。かかる活動の枠組内において、CEBは管理報酬を受け取ることができる。
CEBが最初に１又は複数の支援者より寄付金に関する約定を得ることなく受益者へ助成金を提供する約定
を結ぶことはないため、CEBは、上記の口座に関して信用リスクにさらされてはいない。
2022年12月31日現在、当行は30の信託基金(2021年は28)を管理し、残高は合計56.8百万ユーロ(2021年は
44.0百万ユーロ)であった。かかる口座の原資は、支出額が377.0百万ユーロ(2021年は349.7百万ユーロ)で
あったのに対し、433.8百万ユーロ(2021年は393.7百万ユーロ)であった。
以下の表は、以下の２つのカテゴリーに分類されたCEBにより管理されている口座の変動及び約定の概要
を示したものである。
・支援国より資金提供を受けているプログラム/口座
・全て又は主に欧州連合より資金提供を受けているプログラム/口座
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(単位：千ユーロ)
(a) (b) (c) (c)
原資 支出額 受取約定 支払約定
2022年12月31日
支援国より資金提供を
受けているプログラム/口座 53,827 (38,671) 15,156 (2,780)
全て又は主に欧州連合より
資金提供を
受けているプログラム/口座 379,996 (338,371) 41,625 104,623 (99,666)
合計 433,823 (377,042) 56,781 104,623 (102,446)
(単位：千ユーロ)
(a) (b) (c) (c)
原資 支出額 受取約定 支払約定
2021年12月31日
支援国より資金提供を
受けているプログラム/口座 42,756 (32,712) 10,044 (2,020)
全て又は主に欧州連合より
資金提供を
受けているプログラム/口座 350,976 (317,012) 33,964 97,202 (111,046)
合計 393,732 (349,724) 44,008 97,202 (113,066)
注(a) 支援者より受け取った寄付金及び未収利息により構成される。
(b) プロジェクトに対し支出した助成金、手数料及び支援者に返還した資金により構成される。
(c) 受取約定及び支払約定は、継続事業のみに関するものである。
以下の表は、以下の２つのカテゴリーに分類された付利口座の詳細を示したものである。
(単位：千ユーロ)
口座 2022年 2021年
プログラム/口座 支援者 原資 支出額
開設年 12月31日 12月31日
支援国より資金提供を受けているプログラ
ム/口座
ウクライナ連帯基金
アイルランド 2022年 1,001 (40) 961
グリーン社会投資基金 CEB、チェコ共 2020年
5,089 5,089 5,047
和国
イタリア革新的プロジェクト基金 イタリア 2017年
1,001 (627) 374 488
移住者及び難民基金 2015年
アルバニア、ボ 38,684 (32,909) 5,774 888
スニア・ヘル
ツェゴビナ、ブ
ルガリア、キプ
ロス、チェコ共
和国、フラン
ス、ドイツ、バ
チカン、ハンガ
リー、アイスラ
ンド、アイルラ
ンド、イタリ
ア、リヒテン
シュタイン、リ
トアニア、ルク
センブルク、マ
ルタ、ノル
ウェー、ポーラ
ンド、サンマリ
ノ、スロバキア
共和国、スペイ
ン、スウェーデ
ン、EIB、CEB
スロバキア包摂的成長口座 スロバキア 2016年 4,005 (2,170) 1,835 2,234
共和国
スペイン社会的統合口座 スペイン 2009年 4,047 (2,925) 1,122 1,387
支援国より資金提供を受けているプログラ 53,827 (38,671) 15,156 10,044
ム/口座小計
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全て又は主に欧州連合より資金提供を受けて
いるプログラム/口座
地域住宅プログラム(RHP)に関連する口座
2012年 (60,726) 6,965
RHP基金国家口座-BiH 欧州連合、ドイ 63,006 2,280
ツ、イタリア
2019年 (850)
RHP基金国家口座-BiH及びSRB スイス 850
2013年 (9,303) 156
RHP基金国家口座-クロアチア 欧州連合 9,303
2013年 (2,840) 1,194
RHP基金国家口座-モンテネグロ 欧州連合、ドイ 3,502 662
ツ
2013年 (68,984) 1,978
RHP基金国家口座-セルビア 欧州連合、ドイ 69,000 16
ツ
2012年 (41,740) 6,777
RHP基金地域口座 欧州連合、トル 47,273 5,533
コ、米国
2012年 (50,106) 5,604
RHP基金準地域口座 デンマーク、欧 53,855 3,749
州連合、ドイ
ツ、ルクセンブ
ルク、ノル
ウェー、スイス
欧州連合 2013年 (25,120) 460
RHP実施 25,120
欧州連合 2017年 (13,790) 587
RHP実施２ 13,888 98
スイス 2019年 (2) 498
RHP実施支援基金口座 500 498
2019年 (1,595) 836
RHP実施支援基金-ODA口座 ドイツ、ノル 1,641 46
ウェー
キプロス 2012年 (50) 49
RHPキプロス共和国特別口座 50
チェコ共和国 2013年 (40) 44
RHPチェコ共和国特別口座 85 44
ハンガリー 2014年 (1) 29
RHPハンガリー特別口座 30 29
2012年 (36) 13
RHPスロバキア共和国特別口座 スロバキア 40 4
共和国
東ヨーロッパエネルギー効率化・環境パート
ナーシップ(E5PR)
欧州連合の 2016年 2,500 (2,500)
改築-ジョージアのトビリシにおける公立学
その他の支援者
校の復旧及びエネルギー効率の向上
欧州地方エネルギー支援機関(ELENA)
欧州連合 2012年 (726) 275 274
CEB-ELENA 2012 1,001
トルコ難民支援機関(FRIT)
2017年
欧州連合
50,000 (49,939) 61 337
トルコ難民口座
2020年
欧州連合
33,298 (6,593) 26,705 6,953
健康基盤の全体的な強化
加盟前支援制度(IPA)/西バルカン半島投資フ
レームワーク(WBIF)
WBIF：セルビアにおける刑務所施設建設 欧州連合の 2015年 1,430 (1,430) 89
その他の支援者
WBIF：ボスニア・ヘルツェゴビナの集合住 欧州連合の 2020年 500 (349) 151
宅に暮らす社会的弱者集団 その他の支援者
WBIF：北マケドニアの初等教育学校及び中 欧州連合の 2020年 922 (922)
等教育学校における体育教育施設の復旧 その他の支援者
亡命、移住及び受入れ計画
移民受入れのためのパートナーシップ及び 欧州連合 2021年 928 (117) 811
融資
ロマ族集団の施設
欧州連合 2021年 1,274 (612) 662 1,121
ロマ族の住宅及びエンパワメント(HERO)
全て又は主に欧州連合より資金提供を受け 379,996 (338,371) 41,625 33,964
ているプログラム/口座小計
付利口座合計 433,823 (377,042) 56,781 44,008
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注K：社会配当金勘定
当行は、４種類の助成金の財源として社会配当金勘定(SDA)を使用している。
－当行が付与する貸付金に係る金利補助金
－社会的に影響の大きい事業に対する当行の資金調達を支援する保証
－CEBが資金調達する事業の枠組みにおける技術支援
－ 交付 寄付金
SDAを財源とする助成金は、総裁が承認する300千ユーロ以下の技術支援助成金を除いて、当行の管理委
員会により承認される。
助成金は、500千ユーロに制限される交付寄付金を除いて、それぞれ２百万ユーロを上限とすることがで
きる。全ての項目をあわせた国別の年次承認の合計は、利用可能なSDAの資金の10％を超えてはならない。
管理委員会は、2022年３月にSDAから移民及び難民基金(MRF)への5.0百万ユーロの移行を承認し、2022年
６月に追加的な5.0百万ユーロの移行を承認したため、口座の原資は合計10.0百万ユーロ減少した。
2022年12月31日現在、これらの下位勘定の内訳は以下のとおりである。
(単位：千ユーロ)
SDAの項目 2022年12月31日 2021年12月31日
承認された貸付金に係る補助金 10,719 13,047
補助可能額 1,772 1,640
貸付金に係る金利補助金 12,491 14,687
承認された貸付金に係る保証 8,685 7,483
保証可能額 10,087 15,790
貸付保証 18,772 23,273
技術支援の承認 1,261 1,091
技術支援可能額 1,998 5,798
技術支援 3,259 6,889
承認された交付寄付金
寄付可能額 320 2,320
交付寄付金 320 2,320
合計 34,842 47,169
資金調達
SDAは、以下により資金調達されている。
a) 当行の年間利益の割当時の社会的性格の配当を通じて、CEBの加盟国から受領した寄付金。
b) 管理委員会の承認を受けた当行の加盟国からの任意拠出金。
c) 欧州評議会の加盟国並びに理事会及び管理委員会による承認を受けた非加盟国又は国際機関からの
任意拠出金。
注L：引当金
(単位：千ユーロ)
2022年12月31日 2021年12月31日
引当金
社会的約定に係る引当金 250,841 366,291
融資約定に係る減損(注S) 3,643 1,761
合計 254,484 368,052
社会的約定に係る引当金の変動
当行は、医療保険制度、財務調整制度及び退職給付制度に係る年金計画並びにその他の退職給付金を運
営する。各退職給付金に関する約定額は、予測単位積増し保険数理評価方式によって個別に決定される。
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最新の保険数理評価は、2022年６月30日現在の個別のデータに基づき2022年12月31日現在実施済みであ
る。
退職給付金に係る財務状況は以下に示されている。
(単位：千ユーロ)
その他の
年金計画 合計
退職給付金
2022年１月１日現在の引当金 308,801 57,490 366,291
勤務費用 10,258 2,809 13,067
割引約定に関する利息費用 6,360 1,145 7,505
直接株主資本と認識される実差額の変動額 (107,319) (22,027) (129,346)
支払済給付金 (4,800) (1,876) (6,676)
2022年12月31日現在の引当金 213,300 37,541 250,841
(単位：千ユーロ)
その他の
年金計画 合計
退職給付金
2021年１月１日現在の引当金 299,437 57,003 356,440
勤務費用 12,459 2,685 15,144
割引約定に関する利息費用 4,105 767 4,872
直接株主資本と認識される実差額の変動額 (2,388) (1,248) (3,636)
支払済給付金 (4,812) (1,717) (6,529)
2021年12月31日現在の引当金 308,801 57,490 366,291
退職給付金の約定の評価に使用される主要な推定値は、以下のとおりである。
諸情報 2022年 2021年
割引利子率 4.25％ 1.50％
インフレ率 2.00％ 1.75％
年金再評価率 2.00％ 1.75％
給与増加率 3.50％ 3.50％
雇用主の医療費負担率 6.28％ 6.28％
平均勤続年数 17.70 22.20
感応度テスト
以下の表は、割引率の変動を-/+0.25％と仮定して計算した、2022年12月31日現在で評価された退職給付
金に関する約定(予測給付債務(PBO))の感応度、勤務費用、利息費用及び2023年の見積給付額に関する情報
を提供するものである。
(単位：千ユーロ)
2022年 2023年 2023年
2023年 2023年
年金計画 12月31日 PBOに対する 12月31日
勤務費用 見積給付額
PBO 利息費用 PBO
割引率-0.25％ 222,083 7,185 8,738 (7,268) 230,738
割引率+0.25％ 205,038 6,442 9,063 (7,263) 213,280
2022年12月31日現在、割引率が0.25％低下したと仮定した場合、年金約定は4.1％増加する。同日現在、
割引率が0.25％上昇したと仮定した場合、当該約定は3.9％減少する。
(単位：千ユーロ)
2022年 2023年 2023年
2023年 2023年
その他の退職
12月31日 PBOに対する 12月31日
給付金
勤務費用 見積給付額
PBO 利息費用 PBO
割引率-0.25％ 39,119 1,265 1,519 (2,277) 39,626
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割引率+0.25％ 36,060 1,128 1,571 (2,277) 36,482
2022年12月31日現在、割引率が0.25％低下したと仮定した場合、退職給付金に関する約定は4.2％増加す
る。同日現在、割引率が0.25％上昇したと仮定した場合、当該約定は3.9％減少する。
注M：資本
資本管理
定款(第３条)に従い、欧州諸国(欧州評議会の加盟国又は非加盟国)及び欧州に重点を置いている国際機
関は、当行の理事会が制定した条件に従って、CEBの加盟国となることができる。
当行は、加盟国が引き受けるユーロ建の参加証書を発行する。各証書の額面価格は、いずれも同額の
1,000ユーロである。
候補国の加盟手続は、申請国が当行の定款を承認し、理事会との合意により決定された数の参加証書を
引き受ける旨明言した欧州評議会の議長に対する宣言により行われる。当行の加盟国となる国は全て、か
かる宣言において以下の目的を承認するものとする。
－欧州評議会の特権及び免責に関する一般協定のための第三議定書について、できるだけ早い機会に同意
すること。
－かかる同意までの間に、当行の財産、資産及び運営に関する議定書による法的処置を適用すること並び
に当行の機関及び職員に議定書による法的地位を付与すること(定款第３条)。
理事会は、資本の引受け及び払込みに関する引当金に加えて、増資に関する引当金を設定している。加
盟国の脱退の可能性に関する条件については、CEBの定款(第15条)に定めている。当行はこれまでにこの種
の要求を受けたことはない。これに基づき、また2008年２月に改訂されたIAS第32号に従い、本参加証書
は、資本性金融商品に分類されている。
当行の資本及び準備金に対する出資は、CEBに関する欧州評議会の部分協定の予算に対する加盟申請国に
よる寄与比率に基づき算出されるものとする。
当行の引受済資本金は、払込済資本金及び請求払資本金で構成される。払込済資本金は、資本金のう
ち、管理委員会の提案を受けて理事会の決定後に当行に加盟する時点で払い込まれる部分である。開始以
来、当行は引受済資本金の引出しを行っていない。
当行の業務に関連するリスクに関する自己資本は、様々な比率により構築された健全性に関する枠組み
を通じて評価されている(注Bの5.を参照のこと。)。
増資
理事会は、2022年12月２日に、当行の引受済資本金の最大4.25十億ユーロの増加を承認し、うち最大
1.20十億ユーロが加盟国から払い込まれる。出資期間は、2023年12月31日までである。増資は、参加証書
の少なくとも67％が引受済みとなった暦月末に有効となる。
加盟国別の資本金の内訳は以下のとおりである。
(単位：千ユーロ)
加盟国 引受済資本金 未払込資本金 払込請求済資本金 引受済資本金割合
フランス 915,770 814,114 101,656 16.720％
ドイツ 915,770 814,114 101,656 16.720％
イタリア 915,770 814,114 101,656 16.720％
スペイン 597,257 530,958 66,299 10.905％
トルコ 388,299 345,197 43,102 7.089％
オランダ 198,813 176,743 22,070 3.630％
ベルギー 164,321 146,083 18,238 3.000％
ギリシャ 164,321 146,083 18,238 3.000％
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ポルトガル 139,172 123,724 15,448 2.541％
スウェーデン 139,172 123,724 15,448 2.541％
ポーランド 128,260 114,023 14,237 2.342％
デンマーク 89,667 79,712 9,955 1.637％
フィンランド 69,786 62,039 7,747 1.274％
ノルウェー 69,786 62,039 7,747 1.274％
ブルガリア 62,459 55,526 6,933 1.140％
ルーマニア 59,914 53,264 6,650 1.094％
スイス 53,824 43,229 10,595 0.983％
アイルランド 48,310 42,948 5,362 0.882％
ハンガリー 44,788 39,816 4,972 0.818％
チェコ共和国 43,037 38,260 4,777 0.786％
ルクセンブルク 34,734 30,878 3,856 0.634％
セルビア 25,841 22,973 2,868 0.472％
クロアチア 21,376 19,003 2,373 0.390％
キプロス 19,882 17,676 2,206 0.363％
スロバキア共和国 18,959 16,854 2,105 0.346％
アルバニア 13,385 11,899 1,486 0.244％
ラトビア 12,808 11,387 1,421 0.234％
エストニア 12,723 11,311 1,412 0.232％
北マケドニア 12,723 11,311 1,412 0.232％
リトアニア 12,588 11,191 1,397 0.230％
スロベニア 12,295 10,930 1,365 0.224％
アイスランド 10,144 9,018 1,126 0.185％
マルタ 10,144 9,018 1,126 0.185％
ジョージア 9,876 8,780 1,096 0.180％
ボスニア・ヘルツェゴビナ 9,689 8,614 1,075 0.177％
モンテネグロ 6,584 5,853 731 0.120％
コソボ 6,559 5,831 728 0.120％
モルドバ共和国 5,488 4,878 610 0.100％
アンドラ 4,925 4,378 547 0.090％
サンマリノ 4,867 4,206 661 0.089％
リヒテンシュタイン 2,921 2,374 547 0.053％
バチカン 137 107 30 0.003％
2022年合計 5,477,144 4,864,180 612,964 100.000％
2021年合計 5,477,144 4,864,180 612,964
2022年の各参加証書の収益は14.55ユーロ(2021年は17.31ユーロ)に達した。
2020 年度において、アンドラの加盟に伴い、当行の引受済資本金は4,925千ユーロ増加した。このうち
547千ユーロは払込請求済資本金に関連するものであった。準備金への拠出額は合計2,296千ユーロであっ
た。払込請求済資本金の払込み及び準備金への拠出は、毎年均等に４回に分割して行われる。711千ユーロ
の３回の支払い(574千ユーロの準備金及び137千ユーロの払込請求済資本金)は2020年、2021年及び2022年
にそれぞれ支払われた。最新の未払いの支払いの総額は以下のとおりである。
(単位：千ユーロ)
加盟国 払込済資本金 払込済準備金 合計
アンドラ 137 574 711
合計 137 574 711
注N：金利差益
収入及び費用は、実効金利法(利息、手数料及び費用)に従って計上される。
受取利息及び支払利息は製品ごとにグループ化されている。
製品の分類が資産であるか負債であるかにかかわらず、受取純額は「利息及び類似収益」の項目に分類
され、支払純額は「利息費用及び類似費用」に分類される。
これらの製品ごとの純額は、かかる製品のマイナス金利も含む。
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公正価値ヘッジ・デリバティブの利息収益及び費用は、ヘッジ商品の収益及び利息とともに記載され
る。
金利差益は、以下のとおりである。
(単位：千ユーロ)
2022年 2021年
(a)
株主資本を通じた公正価値での金融資産 21,536
ヘッジ・デリバティブ (12,493)
小計 9,043
(a)
償却原価での貸付金及び前渡金
-信用機関及び中央銀行 103,385
-顧客 135,492
ヘッジ・デリバティブ (106,559)
小計 132,318
償却原価での負債証券 45,061 51,473
信用機関及び顧客 2,346
償却原価での発行済負債証券 (206,371)
ヘッジ・デリバティブ 328,462
小計 122,091
利息及び類似の収入 186,422 175,910
信用機関及び顧客 (803)
償却原価での発行済負債証券 (265,554)
ヘッジ・デリバティブ 230,680
小計 (34,874)
その他利息費用及び類似の費用 (7,485) (4,872)
(a)
株主資本を通じた公正価値での金融資産 15,413
ヘッジ・デリバティブ (23,593)
小計 (8,180)
(a)
償却原価での貸付金及び前渡金
-信用機関及び中央銀行 22,334
-顧客 86,381
ヘッジ・デリバティブ (124,138)
小計 (15,423)
利息費用及び類似の費用 (43,162) (28,475)
金利差益 143,260 147,435
(a)マイナス金利の影響： (単位：千ユーロ)
-株主資本を通じた公正価値での金融資産 (5,376) (5,898)
-償却原価での前渡金 (15,915) (20,390)
(21,291) (26,288)
注O：セグメント情報
CEBは、社会的使命を有する多国間開発銀行である。CEBは、加盟国における金融プロジェクトに対して
貸付を行っている。かかる事業の資金は、公募及び私募により調達される。
この範囲内で、当行は、単一の事業分野を有する。当行は、その拠出金を最も必要とする地域、特に対
象国を構成する中欧及び東欧諸国に介入する。
プロジェクトファイナンス事業は、欧州においてのみ行われている。しかしながら、その他の金融事
業、特に公募に関しては、CEBは欧州のほか、他の地域においても事業を行っている。したがって、これら
の事業については、下記の表に含まれていない。
借入人の属する国 別 の貸付における利息の内訳は以下のとおりである。
(単位：千ユーロ)
借入人の属する国別内訳 2022年 2021年
ポーランド 52,151 10,693
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トルコ 16,854 15,992
ハンガリー 16,178 6,959
ルーマニア 7,427 7,510
リトアニア 4,849 4,351
クロアチア 4,429 4,069
スロバキア共和国 3,840 3,296
キプロス 3,451 3,704
チェコ共和国 3,030 793
セルビア 2,719 1,337
アルバニア 1,979 1,544
ボスニア・ヘルツェゴビナ 1,268 1,199
ブルガリア 1,217 1,236
北マケドニア 996 808
スロベニア 991 342
エストニア 860 64
モルドバ共和国 571 586
モンテネグロ 475 336
ラトビア 387 493
マルタ 240 29
ジョージア 183 83
コソボ 143 76
対象国小計 124,238 65,500
ベルギー 17,590 17,823
フランス 12,792 7,179
スペイン 11,381 8,000
イタリア 7,401 3,246
オランダ 7,226 6,331
ドイツ 5,875 4,071
アイルランド 4,509 3,539
ポルトガル 3,547 3,226
スウェーデン 3,275 2,953
フィンランド 2,420 964
アイスランド 861 384
ギリシャ 70 70
アンドラ 57 14
サンマリノ 23 19
その他の国小計 77,027 57,819
その他の国を通じた対象国 122 22
合計 201,387 123,341
国別貸付残高は、注Gに記載されている。
注P：損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純損益
損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純利益又は純損失は、金利差益(注N)で表示される金利
収入及び費用を除く金融商品に関する損益項目を含む。
(単位：千ユーロ)
2022年 2021年
ヘッジ商品の公正価値の正味残額 (388,820) (83,138)
ヘッジリスクに起因するヘッジ項目の再評価 397,677 83,250
損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの残額 (951) (199)
為替持高の再評価 (184) 170
自身の信用リスクに係る価額調整(債務評価調整－DVA) (42) (34)
相手方のリスクに係る価額調整(信用評価調整－CVA) (822) (103)
合計 6,859 (54)
注Q：一般営業費用
(単位：千ユーロ)
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2022年 2021年
賃金及び給料 (28,974) (27,271)
社会保障及び年金費用 (11,353) (13,660)
その他の一般営業費用 (12,954) (12,292)
合計 (53,281) (53,223)
(*)
2022年12月31日現在、当行の職員は、４名の任命役員(総裁及び副総裁 ) 及び211名の専門職員から構成
されている。2021年12月31日現在では、２名の任命役員(総裁及び副総裁)及び213名の専門職員であった。
注(*) ゴーダン副総裁及びベーマー副総裁の任務は2022年８月１日付で開始した。
注R：リスク費用
CEBが使用する一般的な減損評価モデルは、以下の２つの段階に基づく。
・当初認識後の信用リスクの著しい増加の有無を評価すること。
・当初認識後に信用リスクの著しい増加がない場合は12ヶ月の予想損失に基づき減損引当金を測定し、
当初認識後に信用リスクの著しい増加が生じた場合は全期間の予想損失(すなわち、満期時点の予想
損失)に基づき減損引当金を測定すること。
これらの２つの段階は、将来予測アプローチに基づくものでなければならない。
信用リスクの著しい増加
信用リスクの著しい増加に係る評価は、取引相手方の種類及びその内部格付によって異なる指標及び閾
値に基づき、各取引ごとのレベルで測定される。
信用リスクの著しい増加に係る評価に用いられる指標は、取引相手方の内部格付である。内部格付シス
テムについては、注Bの1.(信用リスク)に記載されている。評価は関連する基準、すなわち当初の格付と比
較して何段階格下げされたかに基づいて行われる。しかしながら、取引が2018年１月１日現在の当行の
ポートフォリオに既に表示されていた場合、信用リスクの著しい増加に係る評価の基準を評価日現在の内
部格付に基づく絶対評価とする。
いずれの場合も、評価日現在の信用格付が3.5以下の場合、信用の質の低下は重大とみなされ、当該取引
はステージ２に分類される。しかしながら、ソブリンはCEBの優先債権者の地位を前提として、一貫してス
テージ１に分類される。
90日超支払が遅延した場合、かかる資産は債務不履行状態にあるとみなされ、ステージ３に分類され
る。
2022 年度中に当行のポートフォリオに債務不履行は発生しなかった。さらに、当行は取引相手方のIFRS
第９号の意味におけるステージ１からステージ２への移行につながる148千ユーロの信用リスクの増加を特
定した。
将来予測アプローチ
当行は、予想信用損失(ECL)の測定の際に、将来予測情報を考慮している。
当行は、可能性のある将来の経済情勢を幅広くカバーするため、３つのマクロ経済シナリオを使用する
ことを選択している。これらのシナリオは現在、ムーディーズ・アナリティックス(Moody's Analytics)に
より策定され、毎月更新されている。
主要なマクロ経済変数は、ユーロ圏におけるGDPの進展及び欧州の株式市場の進展である。予測期間中の
マクロ経済変数のモデル化は、２つの変数及び３つのラグを用いる自己回帰モデルを使用するモンテカル
ロ・シミュレーションに基づく。
IFRS第９号の下で使用されるシナリオは以下のとおりである。
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・５年間の予測期間中に最も実現しそうな経済情勢を記述した基礎シナリオ。
・顕在化したリスクを基礎となるシナリオに加重した影響を反映し、結果として好ましくない経済情勢
となった不利なシナリオ。かかるシナリオは、ユーロ圏のGDP成長率のモンテカルロ・シミュレー
ションにおける10％の分位点として定義される。
・顕在化したリスクを反映し、結果として良好な経済情勢となった好ましいシナリオ。かかるシナリオ
は、ユーロ圏のGDP成長率のモンテカルロ・シミュレーションにおける90％の分位点として定義され
る。
バランスの取れた引当金の推計を行うため、有利なシナリオの発生確率は、不利なシナリオの発生確率
と等しい値としている。
シナリオに設定された加重は以下のとおりである。
・ベースのシナリオについて60％
・不利なシナリオについて20％
・有利なシナリオについて20％
期間中のリスク費用引当金
(単位：千ユーロ)
2022年 2021年
減損引当金の純額－資本 (10,706) 7,842
減損引当金の純額－利息 (58) 12
合計 (10,764) 7,854
期間中のリスク費用の詳細
(単位：千ユーロ)
2022年 2021年
中央銀行における残高 (195) (69)
株主資本を通じて公正価値で測定する金融資産 (374) (117)
償却原価での金融資産
貸付金 (7,548) 6,208
前渡金 (77) (204)
負債証券 (243) (2)
その他資産 (444) 70
融資約定 (1,883) 1,968
合計 (10,764) 7,854
減損を伴わない残高に係るリスク費用 (10,764) 7,854
うち、ステージ１ (10,616) 7,854
うち、ステージ２ (148)
減損した残高に係るリスク費用(ステージ３)
期間中における減損の変動
(単位：千ユーロ)
12ヶ月の予想損 全期間の予想損
貸倒残高に係る
失を伴う残高に 失を伴う残高に
減損 合計
係る減損 係る減損
(ステージ３)
(ステージ１) (ステージ２)
2022年１月１日現在 (14,864) (14,864)
減損引当金の純額
期間中に取得した金融資産 (5,678) (5,678)
期間中に認識中止された金融資産 1,241 1,241
ステージ２への移転 (148) (148)
ステージ３への移転
ステージ１への移転
ステージの移転を伴わないその他の引当金/戻入額 (6,180) (6,180)
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2022年12月31日現在 (25,480) (148) (25,628)
注S：付与された又は受領した融資約定
(単位：千ユーロ)
2022年 2021年
付与された融資約定
信用機関向け 2,306,448 533,407
顧客向け 4,225,942 5,782,206
付与された融資約定の合計 6,532,390 6,315,613
付与された融資約定の減損 3,643 1,761
うち、ステージ１ 3,643 1,761
うち、ステージ２
うち、ステージ３
2022年12月31日現在、受領した融資約定は計上されていない。
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以下は、2022年12月31日に終了した年度の財務書類についての独立した監査法人であるアーンスト・アン
ド・ヤング・オーディットの監査報告書の日本語訳である。
欧州評議会開発銀行
2022 年12月31日に終了した年度
独立監査人による年次財務書類についての監査報告書
総裁 殿
意見
我々は、欧州評議会開発銀行(以下「本銀行」という。)の年次財務書類を監査した。これらの年次財務書類
には、2022年12月31日を年度末とする貸借対照表、同日に終了した年度に係る損益計算書、包括利益計算
書、株主 資本勘定変動報告書 、キャッシュ・フロー計算書及び重要な会計方針の要約を含む年次財務書類に
対する注記が含まれている。
これらの財務書類は総裁の責任に基づきまとめられた。
我々の意見では、添付の年次財務書類は、全ての重要な点において、欧州連合により採用される国際財務報
告基準に従って、2022年12月31日現在の本銀行の財務状況、並びに同日に終了した年度に係る本銀行の財務
成績及びキャッシュ・フローを、適正に表示している。
意見の基礎
我々は、国際監査基準(ISAs)に準拠して監査を行った。かかる基準に基づく我々の責任の詳細については、
下記「年次財務書類の監査に関する監査法人の責任」の項に記載されている。我々は、フランスにおいて
我々の行う年次財務書類の監査に適用される倫理的な要求とともに「職業会計士のための国際論理規定(国際
独立性基準を含む。)」(IESBAコード)に従い、本銀行から独立しており、また、かかる要求及びIESBAコード
に従い、その他の我々の倫理的責任を果たしてきた。我々は、我々が取得した監査証拠が、本意見の基礎を
提供することについて十分かつ適正であると確信している。
重要監査事項
重要監査事項とは、我々の専門的判断において、我々が当期の年次財務書類を監査するにあたり重要度が最
も高い事項である。これらの事項については、我々の行った年次財務書類の監査全体の文脈の中で、我々の
意見を形成しつつ対処しており、これらの事項に関する個別の意見は述べていない。
損益を通じて公正価値で測定する金融商品及びヘッジ・デリバティブ金融商品の評価
特定されたリスク
2022 年12月31日現在、損益を通じて公正価値で測定する金融商品は、654,045千ユーロの資産及び187,498千
ユーロの負債となった。ヘッジ・デリバティブ金融商品は、2,198,288千ユーロの資産及び2,397,993千ユー
ロの負債となった。
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年次財務書類に対する注Aに定義されているとおり、当該区分に基づく金融資産及び金融負債は、その時価で
評価及び計上される。かかる商品の時価は、活発な市場における見積価格の使用、又は以下の評価技術を適
用することによって決定される。
・財務上の仮定に基づく数学的計算方法
・活発な市場において取引される商品価格の利用、又は活発な市場がない場合には統計的推定若しくはその
他の定量法に基づいて決定された価値のパラメーター
かかる金融商品の重要性及び関連する見積りの内在不確実性により、我々は、損益を通じて公正価値で測定
する金融商品及びヘッジ・デリバティブ金融商品の評価を重要監査事項とみなしている。
我々の対応
我々は、金利スワップ及び通貨金利スワップに係る公正価値の決定に関する本銀行のプロセスを理解し、ま
た、公正価値評価の定式化のために本銀行が実行に移した技法について理解した。
我々は、スワップ評価額を取引相手方が作成した外部情報と比較し、金利スワップ(IRS) 及び 通貨金利スワッ
プ(CIRS)のサンプルに対する評価を再度計算した。
本銀行の2022年12月31日現在の年次報告書に含まれるその他の情報
その他の情報は、年次財務書類及び我々の監査報告書を除く年次報告書に含まれる情報で構成されている。
経営陣はその他の情報について責任を負う。
年次財務書類に対する我々の意見は、その他の情報を対象とせず、それらに関するいかなる種類の保証結論
も表明していない。
財務書類の我々の監査に関して、我々の責任は、その他の情報を読み、その他の情報が財務書類や監査で得
た我々の知識と重要な矛盾を生じていないか、又は重要な虚偽記載を生じると思われるものがないか検討す
ることである。我々が行った作業に基づいてかかるその他の情報に重要な虚偽記載があると判断した場合
は、我々はその事実を報告することが要求される。この点に関し、我々が報告するものはない。
経営陣及びガバナンスを担当する者の年次財務書類に関する責任
経営陣は、欧州連合により採用される国際財務報告基準に従って、年次財務書類を作成し、公正に公表する
こと、及び故意によるものか又は過失によるものかを問わず、重要な虚偽記載のない年次財務書類を作成す
るために経営陣が必要と判断する内部統制について責任を負う。
経営陣は、年次財務書類の作成にあたって、本銀行の継続企業として存在し続ける能力を評価し、継続企業
に関連する事項を(適用があれば)開示し、また経営陣が本銀行を清算するか若しくは業務を停止する意図が
ある場合又はそうする以外に現実的な代替手段がない場合を除き、会計上の継続企業の前提を使用する責任
を負う。
ガバナンスを担当する者は、本銀行の財務報告過程を監督する責任を負う。
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年次財務書類の監査に関する監査法人の責任
我々の目的は、故意によるものか又は過失によるものかを問わず、年次財務書類全体に重要な虚偽記載がな
いかどうかについて合理的な保証を得ること並びに我々の意見を含む監査報告書を公表することである。合
理的な保証は、高いレベルの保証であるが、ISAに従って行われる監査によって、重要な虚偽記載が存在する
場合にそれを常に発見できるという保証ではない。虚偽記載は、故意又は過失によって生じる場合があり、
それのみによるか又は全体の中でによるものかを問わず、これらの年次財務書類に基づいて利用者が行う経
済的意思決定に影響を及ぼすと合理的に予想される場合に重要とみなされる。
ISA に従って行われる監査の一環として、我々は専門的判断を行い、監査を通して職業上の懐疑心を持ち続け
る。また我々は、以下のことを行う。
・故意によるものか又は過失によるものかを問わず、年次財務書類の重要な虚偽記載のリスクの特定及び評
価を行い、当該リスクに対応する監査手続の企図及び実施を行い、かつ我々の意見の根拠を提供する十分
かつ適切な監査証拠を取得すること。故意による重要な虚偽記載を発見できないリスクは、過失による重
要な虚偽記載を発見できないリスクよりも高い。これは、故意によるものは、共謀、偽造、故意の脱漏、
不実表示又は内部統制の無効を含むことがあるからである。
・特定状況において適切な監査手続を企図するための、監査に関連する内部統制への理解を得ること。但
し、これは本銀行の内部統制の実効性に関する意見を表明することを意図するものではない。
・経営陣により使用される会計方針の適切性並びに経営陣によってなされる会計予測及びそれに関連する開
示の合理性を評価すること。
・経営陣による会計上の継続企業の前提の使用の適切性、及び取得した監査証拠に基づき、本銀行の継続企
業として存在し続ける能力に重大な疑いを掛ける可能性のある事象又は状況に関連する重要な不確実性が
存在するかどうかについて、結論を出すこと。我々が重要な不確実性が存在すると結論付けた場合には、
我々は、年次財務書類の関連する開示に対し、監査報告書において注意喚起する義務があり、又は当該開
示が不適切である場合には、我々の意見を修正する義務がある。我々の結論は、監査報告書の日付現在ま
でに取得した監査証拠に基づいている。しかしながら、将来における事象又は状況によっては、本銀行が
継続企業として存在しなくなる可能性もある。
・年次財務書類の表示全般、構成及び内容(開示情報を含む。)並びに年次財務書類が公正な表示となる様式
で基となる取引及び事象を表しているかどうかを評価すること。
我々は、とりわけ監査の予定範囲及び時期並びに重要な監査上の検出事項(監査中に我々が特定した内部統制
の重大な不備を含む。)について、ガバナンスを担当する者に通知する。
また我々は、ガバナンスを担当する者に、我々が独立性に関して該当する倫理的要件に準拠した旨の報告書
を提出し、我々の独立性に影響を及ぼすと合理的に考えられる全ての関係性及びその他の事項並びに(適用が
あれば)脅威を排除するために取られた対応及び適用されたセーフガードの措置について通知する。
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2023 年２月28日、パリ市ラ・デファンスにて
独立監査人
アーンスト・アンド・ヤング・オーディット
( 署 名)
Luc Valverde
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（６）【その他】
2023 年１月１日以後提出日までに、重要な変更は生じていない。
（７）【発行者の属する国等の概況】
該当事項なし
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