株式会社精養軒 臨時報告書

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提出日
提出者 株式会社精養軒
カテゴリ 臨時報告書

                                                          EDINET提出書類
                                                        株式会社精養軒(E04763)
                                                             臨時報告書
    【表紙】
    【提出書類】                       臨時報告書

    【提出先】                       関東財務局長

    【提出日】                       2023年3月10日

    【会社名】                       株式会社 精養軒

    【英訳名】                       Kabushiki     Kaisha    Seiyoken.

    【代表者の役職氏名】                       代表取締役社長 酒井 裕

    【本店の所在の場所】                       東京都台東区上野公園4番58号

    【電話番号】                       東京(3821)2181(代表)

    【事務連絡者氏名】                       専務取締役管理本部長 清田 祐司

    【最寄りの連絡場所】                       東京都台東区上野公園4番58号

    【電話番号】                       東京(3821)2181(代表)

    【事務連絡者氏名】                       専務取締役管理本部長 清田 祐司

    【縦覧に供する場所】                       株式会社東京証券取引所

                           (東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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                                                             臨時報告書
    1【提出理由】
     当社は、2023年3月10日開催の当社取締役会において、当社の普通株式(以下、「当社株式」といいます。)の併合
    (以下、「本株式併合」といいます。)を目的とする、2023年4月27日開催予定の定時株主総会(以下、「本定時株主
    総会」といいます。)を招集することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開
    示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
    2【報告内容】
    1.株式併合の目的
    (1)株式併合の概要
     今般、当社は、当社株式を非公開化し、当社の株主を一般財団法人福島育英会、三井不動産株式会社、学校法人根津
    育英会武蔵学園及び根津公一氏(以下、各株主を「福島育英会」、「三井不動産」、「根津育英会」及び「根津氏」と
    いい、当該株主を総称して「残存株主ら」といいます。)のみとするための手続として本株式併合を実施するため、本
    定時株主総会において、本株式併合、単元株式数の定めの廃止及び定款の一部変更について付議することを決議いたし
    ました。
     本株式併合により、当社の株主は残存株主らのみとなり、残存株主ら以外の株主の皆様の保有する当社株式の数は、
    1株未満の端数となる予定です。当該1株未満の端数に相当する数の株式については、会社法(2005年法律第86号。そ
    の後の改正を含みます。以下同じです。)第235条第2項の準用する同法第234条第2項及び第4項の規定に基づき、裁
    判所の許可を得た上で、当社、福島育英会、根津育英会及び根津氏が買い取ることを予定しており、その買取りに係る
    代金を、1株未満の端数が生じた株主の皆様に対して交付する予定です。この場合の買取価格につきましては、必要と
    なる裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、本株式併合の効力発生日の前日である2023年5月22日の最終の当社
    の株主名簿において株主の皆様が保有する当社株式の数(以下、「基準株式数」といいます。)に1,200円を乗じた金額
    に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。
    (2)本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合後の経営方針

    ①株式併合の背景等
     当社は、明治維新直後の1872年、東京都中央区築地にて西洋料理店として創業し、2022年で創業150周年を迎えまし
    た。当社は、1963年に日本証券業協会に登録し、店頭登録株として株式公開を果たした後、2004年に株式会社ジャス
    ダック証券取引所(以下、「ジャスダック証券取引所」といいます。)が創設されたことに伴い、日本証券業協会への
    株式店頭登録を取り消し、ジャスダック証券取引所に上場しました。そして、2010年のジャスダック証券取引所と株式
    会社大阪証券取引所(以下、「大阪証券取引所」といいます。)の合併に伴い、大阪証券取引所(JASDAQ市場)に上場
    し、2013年には大阪証券取引所及び株式会社東京証券取引所(以下、「東京証券取引所」といいます。)の統合により
    東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場に上場、その後、2022年の東京証券取引所の市場区分の再編に伴い、現在
    は東京証券取引所スタンダード市場(以下、「スタンダード市場」といいます。)に上場しております。
     当社は、現在、子会社及び関連会社を有さず、当社のみで事業を運営しており、上野本店をはじめとして、東京都内
    を中心にフランス料理・洋食を主体としたレストラン・宴会場等の運営を行う飲食業を主な事業とし、東京都内を中心
    に事業用地・駐車場等の賃貸を行う賃貸業も営んでおります。
     当社は、関東大震災、昭和恐慌、第二次世界大戦、バブル経済とその崩壊等、様々な難局を乗り越え150年以上にわた
    り事業を継続しており、我が国の飲食業界をけん引してきた存在であると自負しております。また、明治から大正にか
    けて、我が国の食文化の近代化を推進する企業として、我が国の各種行事に協力し、(ⅰ)列車食堂や駅舎内飲食施設等
    の鉄道関連事業、(ⅱ)ビアホール、興行施設、百貨店内の飲食施設及びリゾートホテルの運営事業並びに(ⅲ)現代式婚
    礼事業等、国内初となる様々な新規事業を積極的に展開してまいりました。今後も我が国の飲食業界の先駆けとして、
    創業200周年を目指し、我が国の食文化発展に貢献していく所存であり、そのために事業を存続させていくことは、極め
    て重要な使命であると深く認識しております。
     一方で、当社を取り巻く事業環境としましては、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により日本経済
    は急速に悪化しており、新型コロナウイルスワクチンの接種の開始により同感染症も徐々に収束に向かうものと予想さ
    れておりましたが、2022年1月以降のオミクロン株の感染拡大により、今後の景気回復の見込みは依然として不透明な
    状況にあります。特に、当社の属する飲食業界については、外出自粛を推進する風潮や集団会食に対する警戒感の高ま
    り、また、他業種に比べ新型コロナウイルス感染症の感染リスクが高いとの指摘を受け、休業や営業時間短縮等の制約
    を余儀なくされたことから、大変厳しい状況であり、2023年はコロナ禍からアフターコロナへの移行期でもあるため、
    飲食業界は暫く厳しい状況が続くと考えております。
     また、米国の金融政策の引き締め等による急速な円安、ロシアによるウクライナ侵攻により、世界経済の情勢は大き
    く変化しており、海外からも多岐にわたって食材の仕入れを行っている当社としては、予断を許さない状況が続いてお
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    ります。
     なお、当社の属する飲食業界の事業環境の長期的な傾向又は見込みは、従前から、人口減少や少子高齢化による飲食
    需要の減少等により、全体的な飲食市場の縮小が懸念されている一方で、飲食業界は参入障壁が低いため、中食や宅配
    を行う事業者数は増加し、中食や宅配の市場等が拡大しており、業界内競争は激化しております。また、人手不足も深
    刻化しており、手作りの美味しい料理を丁寧なサービスで提供し、お客様にご支持をいただく事業スタイルの当社とし
    ては、大変厳しい状況が続いております。新型コロナウイルス感染症についても、生活スタイルや社会活動に与える影
    響は一過性のものではなく中長期的に続く可能性があるため、新型コロナウイルス感染症の収束後も完全に感染拡大前
    の水準に景気が回復するか否かは不明です。当社は、上記のような事業環境の変化に適応しつつ、早急に競合他社に勝
    る競争力を獲得する必要があると考えております。
     このような事業環境の変化の下でも、当社は、引き続きレストラン・宴会場の運営をはじめとする飲食事業を軸に事
    業の発展に注力してまいりましたが、上記の新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、2021年1月期及び2022年
    1月期の当社の年間売上高は、新型コロナウイルス感染症が本格的に流行する前である2020年1月期の年間売上高に対
    して2~3割程度まで減少して10億円を下回り、創業以来最大の赤字の計上による自己資本の縮小を余儀なくされまし
    た。このような赤字の計上により、当社は、2021年1月期及び2022年1月期の2期連続無配となる等、株主の皆様に対
    する利益還元も十分に行えておらず、創業以来の最大の危機に直面している状況です。加えて、現在も続く新型コロナ
    ウイルス感染症の影響により、当面の間は業績回復が見込めない中、当社は、先駆者としての我が国の食文化発展への
    貢献に支障が生じているほか、雇用の維持・継続、上野本店の老朽化への対策等の事業継続上の大きな課題・難問を抱
    えております。
     具体的な当社の足元の経営状況としては、2023年1月期通期の業績は、売上高18億88百万円(前年同期比106.6%増)、
    営業損失3億72百万円(前年同期は営業損失9億7百万円)、経常損失3億4百万円(前年同期は経常損失4億61百万
    円)、当期純損失3億9百万円(前年同期は当期純損失4億76百万円)となり、コロナ禍における行動制限の緩和等によ
    るレストランの収益改善を受け、前年同期比では増収増益となったものの、宴会需要の回復が十分でないこと等によ
    り、赤字の状態が継続しております。セグメントごとの経営成績としては、飲食業は売上高17億65百万円(前年同期
    比:123.2%増)、セグメント損失4億59百万円(前年同期はセグメント損失10億円)、賃貸業は売上高1億23百万円
    (前年同期比0.0%減)、セグメント利益87百万円(前年同期比6.2%減)と、未だ続く新型コロナウイルス感染症の影
    響等により、コスト削減策を進めているものの売上高の減少に追いついておらず、赤字の状態が継続しております。
    ②本株式併合の経緯・目的

     上記のような極めて厳しい事業環境の下、当社は、過去3年にわたり大きな打撃を受けたコロナ禍からの業績回復が
    最大の課題であり、中長期的には、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた競争力の強化が当社の将来的な事業存続
    を決定づける要素になると考え、抜本的な事業改革が必要であるとの判断に至りました。具体的には、以下のような施
    策を実施する必要があると考えております。
      (i)    徹底した業務の効率化によるコスト削減

         当社では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等に起因した事業環境の激変を受け、既に営業・管理部門の
       業務内容の見直しや適正な人員配置等を試行しております。しかし、アフターコロナへの移行により想定され
       る、更なる事業環境の大幅な変化に耐えうる強固な事業運営体制を構築し、固定費の削減を中心とした更なる費
       用削減等を進めるためには、DX関連の施策を迅速に実行可能な体制を早急に築いた上で当該施策を実行し、収益
       基盤の大規模な再構築を図る必要があると考えております。具体的には、セルフレジの活用や、顧客データベー
       スにより顧客購買行動を定量分析するための新システムの導入等による最適な人員の配置等、各店舗の収支構造
       改革が必要と考えております。
         一方で、上記のようなDX関連の施策のための投資を、アフターコロナを見据え、可及的速やかに、かつ、顧客
       ニーズに沿う実効的な形で実現するためには、設備投資費用の拠出やIT人材の登用等が必要となり、短期的には
       利益圧迫の要因となることが想定されます。
      (ii)    幅広い顧客層を獲得するための新規事業拡充及び広告宣伝強化

         当社は、「より良き内容、より良きサービス」をモットーに、質の高い料理とサービスの提供により、伝統と
       格式あるブランドを確立しております。また、伝統の人気メニューが継承され、日本人好みの優しい味付けとの
       評判から、特に高年齢層を中心に高い知名度を有しております。一方で、国内の人口減少が懸念されるため、顧
       客層の拡大は売上向上策として必要不可欠であると考えております。
         当社は、2022年以降、キッチンカー「パンダカフェ」のオープンや既存カフェの改装、物販商品の新規開発・
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       販路の拡大といった新規事業を推進してまいりました。また、当社の創業150周年が話題となる中、マスコミ・
       SNS等を活用し、広告宣伝力の強化にも努めてまいりました。もっとも、顧客層の拡大のためには、カフェ、
       物 販等をはじめとした新規事業の拡充を行いつつ、SNS等をより一層積極的に活用し、当社のブランドを幅広
       い世代に大規模に周知する必要があると考えており、これには相応の広告宣伝費が発生することが想定されま
       す。これにより、当社の歴史と伝統、立地、景観、知名度及び料理等、様々な当社の長所を更に強化し、競合他
       社との差別化を図ることが可能となると考えております。
         他方、幅広く顧客層を拡大するための上記のような新規事業の拡充や広告宣伝を進める上では、広告宣伝費や
       人件費等の費用が増加し、短期的には利益圧迫の要因となることが想定されます。
     (iii)    人材の育成と確保

         今日に至るまで当社は、伝統的な料理を大切に継承し、お客様に提供することで顧客を獲得してまいりました
       が、今後は人手不足やそれに伴う業務内容の省力化等による教育機会の喪失等により、技術の継承が円滑に進ま
       ない可能性が否定できません。飲食業は人が最大の財産であり、慢性的な人手不足が続く中、当社の事業存続の
       ためには、人材の育成・確保とそれによるサービス品質の維持・向上が極めて重要であると考えております。
         そのような状況下で、当社が同業他社との間の競争に勝ち抜くためには、早急に採用力の強化、従業員の処遇
       改善、教育システムの整備・定着化等を進めていく必要があり、そのためには相応のコストがかかるため、短期
       的には利益圧迫の要因となることが想定されます。
      (iv)    上野本店の大規模リニューアル

         当社の上野本店は、レストランの他、宴会場・結婚式場等の施設も併設しており、当社最大の収容能力を誇っ
       ていることに加えて、国内最大級の芸術・文化施設が集積する上野公園の来園者による利用や多人数の会食・宴
       会により当社最大の販売実績を誇るメイン店舗です。上野本店は、1961年に全館の建て替えが完了しましたが、
       それから60年以上が経過しており、耐震補強や営業強化のための機能充実等の観点から、過去数年間、リニュー
       アル計画を検討してまいりました。その一環として、2018年2月には三井不動産との間で事業用定期借地権設定
       契約を締結することで六本木の所有不動産の有効活用を図り、また、未上場株式の売却等により着実にリニュー
       アル資金の確保を図ってまいりました。しかし、今般、当社は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等による
       赤字計上のため多額の資金流出を余儀なくされ、リニューアル計画は一旦中断せざるを得ない状況であり、ま
       た、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、更なる資金流出のリスクを抱えております。
         一方で、上野本店の老朽化は着実に進行しており、上記の厳しい事業環境の中で当社が今後も事業を継続して
       いくためには、業績の回復と併行して、工法、スケジュール、及び資金計画等を見直し、一刻も早く上野本店の
       大規模なリニューアル計画を再度具体化し、投資を進めることが不可欠と考えております。
         ただ、当該投資は、投資回収期間や足元の財政状態から鑑みるとリスクが高く、多額の費用負担が早期かつ大
       規模に発生する見込みであり、また、その投資回収についても中長期的な期間が必要となることが見込まれるこ
       と、及びリニューアルの際には上野本店の一時的な休業を余儀なくされることから、短期的にはキャッシュフ
       ローが悪化する可能性があると考えております。
       (注)当社は、三井不動産との間で上記の事業用定期借地権設定契約を締結した際、同社より、賃貸借期間(33
         年間)の賃料合計額の一部である約24億円を受領しました。当該前受賃料については、当社が2018年6月8
         日付で公表した「平成31年1月期               第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」に記載された四半期貸借対照
         表上の「負債の部」の「前受収益」及び「長期前受収益」に計上するとともに、「資産の部」の「現金及び
         預金」に計上しました。また、当該前受賃料は、その当時検討を進めていた、上記の上野本店のリニューア
         ル計画に係る資金調達の一環として受領したものです。
     以上のように、当社が今後の事業存続と中長期的な企業価値の向上を図るためには上記の各施策を早急に実施する必

    要があると考えている一方、上記(ⅳ)の施策が大規模な先行投資を要するものであり、また、上記(ⅰ)乃至(ⅲ)の施策
    も一定の先行投資や費用を要すること、及び当該各施策の収益性は不確実性を伴うものであることを踏まえると、当該
    各施策の実行により、短期的には利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化を招来するリスクがあります。そのた
    め、当社が上場を維持したままこれらの施策を実行した場合には、資本市場から十分な評価が得られないおそれがあ
    り、その場合には、短期的な株価の下落を招き、当社の株主の皆様に対して悪影響を与えてしまう可能性が否定できま
    せん。したがって、当社は、当社株式の上場を維持したまま上記の各施策を推進することには限界があると考えるに至
    りました。
     また、当社は、1963年に日本証券業協会に登録し、店頭登録株として株式公開を果たして以降、知名度の向上による
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    優れた人材の確保、社会的な信用力の向上等、上場企業として様々なメリットを享受してきたものの、現在では、これ
    らのメリットを今後も継続して享受する必要性は高くないと考えております。即ち、当社は、人員確保や社会的信用の
    面 での優位性については、2022年に創業150周年を迎えた我が国最古の洋食店であることや上野ブランドの代表的企業と
    の評価をいただいていることにより維持・獲得される部分が大きく、上場会社としての知名度に依存していない状況に
    あります。また、資金調達手段については、現在の低金利環境下においては借入による調達が可能であり、エクイティ
    ファイナンスでの大規模な資金調達の必要性は必ずしも高くないと考えております。このように上場企業としてのメ
    リットを享受する必要性が必ずしも高くない一方で、当社株式の上場を維持するために一定のコスト(有価証券報告書
    等の継続的な情報開示に要する人的負担、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する金銭的負担、内部統
    制関連コスト等)の負担が必要であることを踏まえると、今後も継続して当社株式の上場を維持することの意義を見出
    しにくい状況にあると考えております。
     さらに、当社は、近年の業績低迷を受けて株価が低迷しており、2021年12月17日に公表した「新市場区分における
    「スタンダード市場」選択申請及び上場維持基準の適合に向けた計画書に関するお知らせ」において、「スタンダード
    市場」の上場維持基準の一つである「流通株式時価総額」の基準を当社の移行基準日(2021年6月30日)時点で満たし
    ておらず、2024年度(2025年1月期)を目標に上場維持基準を満たすため、各種取組みを進める計画であることを公表
    しております。しかしながら、当該計画書の内容は業績改善による株価回復を前提としているにもかかわらず、2022年
    7月頃の新型コロナウイルス感染症の再拡大に加え、2022年2月頃に開始したウクライナ侵攻による物価上昇等の影響
    により、足元の事業環境は急速に冷え込んでおります。このように当該計画書に関する公表時点から状況が一変してい
    る状況下において、未だ当社の業績及び株価は低迷し、上場維持基準を満たす目途は立っていないため、このような状
    況が抜本的に好転しない限りは、当社株式が上場廃止に至るおそれが否定できません。
     以上のような点を踏まえ、将来的な上場廃止により株主の皆様が株式売却の機会を奪われるリスク及び短期的な利益
    水準の低下やキャッシュ・フローの悪化等による株価下落を回避しつつ、中長期的な視点から抜本的かつ機動的な経営
    戦略を迅速かつ果敢に実践するために最善の策を講じる必要があると考え、現時点において迅速に当社株式の非公開化
    を行うことが必要との判断に至りました。
     また、当社は、当社株式の非公開化の手法としては、株式併合により、残存株主らのみを当社の株主とする方法が有
    効と考えるに至りました。即ち、福島育英会については、当社の元会長が設立した財団法人として、長期にわたり当社
    と友好的な関係性を構築しており、当社と協働して非公開化後の各施策を推進いただける存在と考えております。そし
    て、根津育英会及び根津氏に関しては、昭和初期から当社に対して事業運営に係る様々な支援、助言等を提供してお
    り、非公開化後の店舗の大規模リニューアル等に対して様々な観点からサポートを行うことができる適切な存在と考え
    ております。さらに、三井不動産に関しては、当社の事業運営上重要な要素となる店舗立地やデザインに関するノウハ
    ウを保有しており、当社の事業戦略面を適切にサポートすることが可能な存在と考えております。当社は、非公開化
    後、残存株主らによる上記のサポートを受けることで、機動的な経営戦略の実践が可能となると考えております。
     そこで、当社は、2022年12月上旬より、当社株式を非公開化し、当社の株主を残存株主らのみとするための手続とし
    て本株式併合を実施することについて、本格的な検討を開始しました。
    ③当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由

     当社は、本株式併合に関する初期的な検討を開始するに当たり、残存株主らが合計で1,427,972株(議決権数14,279
    個、所有割合(注)54.91%)の当社株式を保有しており、その構造上、支配株主との取引等に準ずる取引として、当社
    の少数株主との間で利益相反の問題が生じる可能性があることから、本株式併合に係る当社の意思決定に慎重を期し、
    また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的
    として、2022年8月下旬に、複数の法律事務所に問い合わせた上で、案件実績等を踏まえ、本株式併合について真摯か
    つ適切に法的な助言を頂けるかという観点から比較検討した結果、当社及び残存株主らから独立したリーガル・アドバ
    イザーとして西村あさひ法律事務所を選任しました。
     その後、当社は、本株式併合の実現可能性等について西村あさひ法律事務所を含めて協議・検討を進め、2022年12月
    上旬、本株式併合を実施することについて本格的な検討を開始することとしました。なお、当社は、公開買付けを前置
    せずに本株式併合を実施する手法については、(i)今回の取引は当社自身が中長期的な企業価値の向上を図るために当社
    株式の非公開化を推進するものであり、当社の支配権を取得したい旨の提案を当社以外の第三者から受けたものではな
    いため、そのような提案をする買付者の存在が前提となる公開買付けを前置するのではなく、当社自身が手続の主体と
    なる株式併合の手法が取引の性質と整合すること、(ii)公開買付けを前置する場合には、公開買付代理人への報酬を含
    む公開買付けに係るアドバイザー費用等が発生し、公開買付期間を含む追加的な時間が必要になるが、公開買付けを前
    置しない場合これらが不要となり、より低コストかつ短期間で当社株式の非公開化が可能となること、及び(iii)少数株
    主の皆様が本株式併合に係る端数処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額(以下、「本件端数処理交付見
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    込額」といいます。)に不満があるとして本株式併合に反対する場合には、法令上、一定の要件の下で株式買取請求権
    が認められており、少数株主の皆様は公正な株式買取価格の決定を求めて裁判所に申立てを行うことができること等、
    少 数株主の皆様の利益保護に資する制度が設けられていること等から、不合理とはいえないとの考えに至り、上記の本
    格的な検討を開始したものです。
     そして、当社は、上記と同様の目的の下、2023年1月11日付で、(i)当社の社外監査役並びに(ii)当社及び残存株主ら
    から独立した外部の有識者によって構成される特別委員会(以下、「本特別委員会」といいます。)を設置しました。
    特別委員会の委員としては、阿南剛氏(弁護士 潮見坂綜合法律事務所)、当社の社外監査役である幸山守氏(公認会
    計士)、同じく当社の社外監査役である江藤史朗氏を選定しております。なお、当社は、当初からこの3名を特別委員
    会の委員として選定しており、特別委員会の委員を変更した事実はありません。本特別委員会の具体的な活動内容等に
    ついては、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により
    株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等」の「(3)                                     本株式併合の公正性を担保するための
    措置及び利益相反を回避するための措置」の「③                       当社における特別委員会の設置」をご参照ください。
    (注)「所有割合」とは、当社が2023年3月10日付で公表した「令和5年1月期決算短信〔日本基準〕(非連結)」に

       記載された2023年1月31日現在の当社の発行済株式総数(2,628,000株)から、同日現在の当社が所有する自己
       株式数(27,512株)を除いた株式数(2,600,488株)に占める割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入してお
       ります。以下、所有割合の記載において同じとします。
     その上で、当社は、本特別委員会に対し、(a)本株式併合の目的の合理性(本株式併合が当社の企業価値の向上に資す

    るかを含む。)に関する事項、(b)本株式併合の取引条件の妥当性(本株式併合の実施方法や対価の妥当性を含む。)に
    関する事項、(c)本株式併合の手続の公正性(公正性担保措置が適切に講じられているかの検討を含む。)に関する事項
    及び(d)上記(a)乃至(c)その他の事項を踏まえ、当社取締役会が本株式併合の実施を決定することが少数株主に不利益か
    否か(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問しました。また、本特別員会は、本諮問事項の検
    討に当たり、複数の算定機関から見積もりを取得し、案件実績・費用等を踏まえて比較検討した上で、2023年1月12日
    開催の初回の本特別委員会において、当社及び残存株主らから独立した本特別委員会独自の第三者算定機関として山田
    コンサルティンググループ株式会社(以下、「山田コンサルティング」といいます。)を選任しました。
     本特別委員会は、残存株主らが合計で1,427,972株(議決権数14,279個、所有割合54.91%)の当社株式を保有してお

    り、その構造上、支配株主との取引等に準ずる取引として、当社の少数株主との間で利益相反の問題が生じる可能性が
    あることを踏まえ、慎重に本諮問事項の協議・検討を行いました。また、当社は、本特別委員会における協議・検討の
    内容を踏まえ、本件端数処理交付見込額について残存株主らとの間で協議・交渉を実施いたしました。
     具体的には、本特別委員会は、山田コンサルティングによる当社の株式価値の初期的な算定結果を踏まえて協議・検
    討を行い、当社の本源的価値及び株価動向等を総合的に考慮した上、2023年2月6日、当社の少数株主の皆様の利益が
    最大限確保された価格として、本件端数処理交付見込額は1,200円が妥当であると考えられるとの結論に至り、当該結論
    を当社に対して伝達しました。当該伝達を受け、当社は、2023年2月7日、本件端数処理交付見込額として1,200円を各
    残存株主らに対して提示し、本定時株主総会において本株式併合に賛同することが可能か否かを質問しました。その
    後、当社は、2023年3月上旬までに、福島育英会、根津育英会及び根津氏から、それぞれ当該価格で本定時株主総会に
    おいて本株式併合に賛同するとともに、当社株式の非公開化後も大株主として残存することに賛同する旨の意向を確認
    しました。また、当社は、2023年3月上旬に、三井不動産から、当社株式を非公開化することや当社株式の非公開化後
    も同社が大株主として残存することに賛同する方針である旨を確認しました。同社によれば、本定時株主総会に係る株
    主総会招集通知の受領後、同社の機関決定を経て方針決定する予定とのことです。
     また、本特別委員会は、上記の本件端数処理交付見込額に関する協議・検討と並行して、当社に対して、本株式併合
    の目的・背景、当社の経営課題の内容及び本株式併合後の当社の経営方針等に関する事項のヒアリングを実施すること
    等によって、本株式併合の目的の合理性についても検証しました。
     本特別委員会は、以上の協議・交渉及び検証を踏まえ慎重に検討した結果、2023年3月9日付で、当社取締役会に対
    し、本諮問事項に関する答申書(以下、「本答申書」といいます。)を提出しました(本答申書の内容については、下
    記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付さ
    れることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)                              本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相
    反を回避するための措置」の「③                当社における特別委員会の設置」をご参照ください。)。
     当社は、本答申書の内容を踏まえ、当社株式を非公開化し、当社の株主を残存株主らのみとするための手続として本
    株式併合を実施することは当社の企業価値向上に資すると判断するとともに、本件端数処理交付見込額を相当であると
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    判断するに至り、2023年3月10日開催の取締役会において、本定時株主総会において、本株式併合、単元株式数の定め
    の廃止及び定款の一部変更について付議することについて決議いたしました。
     なお、当社取締役会の決議の詳細については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合にお
    ける当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等」の「(3)
    本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④                                         当社における利害関係を有しな
    い取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
    ④本株式併合後の経営方針

     当社は、本株式併合後、上記「②                本株式併合の経緯・目的」に記載のとおり、各施策を推進する予定です。
     なお、残存株主ら、並びに、当社の取締役及び監査役との間では、本株式併合後の役員就任について何らの合意も
    行っておらず、本株式併合後の当社の役員構成を含む経営体制の詳細については、本株式併合後、残存株主らと協議し
    ながら決定していく予定です。
     また、本株式併合後における各残存株主らの持株比率については、当社の業績動向や剰余金額を見定めつつ、株主の
    皆様による株式買取請求権の行使の有無及びその結果、並びに残存株主らの意向等を踏まえ、裁判所に対する本端数相
    当株式の任意売却許可の申立て(下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の
    方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(2)                                               当該処理により株
    主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等」の「(i)                                    端数処理により株主に交付することが見
    込まれる金銭の額の根拠及び理由」の「②                    端数処理の方法に関する事項」の「(d)                  売却する時期及び売却により得られ
    た代金を株主に交付する時期の見込み」をご参照ください。)までに確定する予定です。
    2.本株式併合の割合

     当社株式について、122,500株を1株に併合いたします。
    3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付される

     ことが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
    (1)   1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
     上記「1.株式併合の目的」の「(1)                 株式併合の概要」に記載のとおり、本株式併合により、当社の株主は残存株主ら
    のみとなり、残存株主ら以外の株主の皆様の保有する当社株式の数は、1株未満の端数となる予定です。
     当該1株未満の端数に相当する数の株式については、当社株式が2023年5月19日をもって上場廃止となり、市場価格
    のない株式となる予定であることから、競売によって買付人が現れる可能性が期待できないこと等を踏まえ、会社法第
    235条第2項の準用する同法第234条第2項及び第4項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、当社、福島育英会、
    根津育英会及び根津氏が買い取ることを予定しており、その買取りに係る代金を、1株未満の端数が生じた株主の皆様
    に対して交付する予定です。
     この場合の買取価格につきましては、必要となる裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、基準株式数に1,200円
    を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。但し、裁判所の許可が得ら
    れない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあり得ま
    す。
    (2)    当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等

    (i)    端数処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額の根拠及び理由
    ①   親会社等がある場合における当該親会社等以外の当社の株主の利益を害さないように留意した事項
     当社には親会社その他の支配株主はないものの、本株式併合は、残存株主らが合計で1,427,972株(議決権数14,279
    個、所有割合54.91%)の当社株式を保有していることから、その構造上、支配株主との取引等に準ずる取引であり、当
    社の少数株主との間で利益相反の問題が生じる可能性があることから、当社は、本株式併合に係る当社の意思決定に慎
    重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保する
    ことを目的として、下記「(3)               本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」記載の
    措置を講じております。
    ②     端数処理の方法に関する事項

    (a)   会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定してい
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      るかの別及びその理由
     上記「(1)     1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」をご参照ください。
    (b)   売却に係る株式を買い取る者となると見込まれる者の氏名又は名称

      株式会社精養軒
      一般財団法人福島育英会
      学校法人根津育英会武蔵学園
      根津公一
    (c)   当該者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性

     当社、福島育英会、根津育英会及び根津氏は、本日現在、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当す
    る当社株式(以下、「本端数相当株式」といいます。)の売却代金の支払のための資金に相当する額の現預金を有してお
    ります。また、当社において、本端数相当株式の売却代金の支払に影響を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する
    可能性も認識しておりません。さらに、福島育英会、根津育英会及び根津氏によれば、各株主において、本端数相当株
    式の売却代金の支払に影響を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も認識していないとのことです。
     なお、当社は、福島育英会及び根津育英会について、各法人の直近の財務諸表上の現預金額を確認した上で、各法人
    の理事長から、本端数相当株式の売却代金の支払に影響を及ぼす事象が発生しておらず、今後発生する可能性も認識し
    ていない旨を口頭で確認しております。また、根津氏については、同氏から、本端数相当株式の売却代金の支払のため
    の資金に相当する額の現預金を有している旨、及び、当該支払に影響を及ぼす事象が発生しておらず、今後発生する可
    能性も認識していない旨を口頭で確認しております。
     したがって、本端数相当株式の売却代金の支払のための資金を確保する方法については相当であると判断しておりま
    す。
    (d)   売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み

     当社は、2023年5月下旬を目途に、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対
    して、本端数相当株式を当社、福島育英会、根津育英会及び根津氏が買い取ることについて許可を求める申立てを行う
    ことを予定しております。当社は、当該裁判所の許可を得て、2023年7月上旬から中旬を目途に、本端数相当株式を売
    却し、その後、当該売却により得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行ったうえで、2023年8月下
    旬から同年9月を目途に、当該代金を株主の皆様に対して交付することを見込んでおります。
     当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期
    に、本端数相当株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主への交付が行われるものと判断しております。
    ③     端数処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の相当性に関する事項

     上記「(1)     1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」に記載のとおり、本件
    端数処理交付見込額は、各株主の皆様の基準株式数に1,200円を乗じた金額となる予定です。
     当社が本件端数処理交付見込額を相当であると判断した理由については、上記「1.株式併合の目的」の「(2)                                                   本株式
    併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合後の経営方針」の「③                                             当社における本株式併
    合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由」をご参照ください。
    ④     当社において最終事業年度の末日後に生じた重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要

      な影響を与える事象
     当社は、2023年3月10日開催の取締役会において、2023年5月22日付で自己株式27,512株(2023年1月31日時点で当
    社が所有する自己株式の全部に相当)を消却することを決議いたしました。なお、当該自己株式の消却は、本定時株主
    総会において、本株式併合に関する議案が原案どおり承認可決されることを条件としており、消却後の当社の発行済株
    式総数は、2,600,488株となります。
    (ii)算定に関する事項

    ①     算定機関の名称並びに上場会社及び残存株主らとの関係
     本特別委員会は、本株式併合における本件端数処理交付見込額の評価を行うに当たり、その公正性を担保すべく、当
    社及び残存株主らから独立した第三者算定機関である山田コンサルティングに当社の株式価値の算定を依頼し、2023年
    3月9日付で、山田コンサルティングより、当該算定結果に関する株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンを取得
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    いたしました。本株式併合に係る山田コンサルティングの報酬は、本株式併合の成否にかかわらず支払われる固定報酬
    のみであり、本株式併合の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
    ②     算定の概要

     山田コンサルティングは、当社株式がスタンダード市場に上場しており市場株価が存在することから市場株価法を用
    い、また、当社の将来の事業活動の状況を評価に反映させる目的からディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以
    下、「DCF法」といいます。)を用いて、当社株式の株式価値の算定を行いました。なお、類似会社比較法について
    は、当社との事業内容や収益性の類似性における制約、及び、当該算定手法において一般的に使用される基準財務指標
    であるEBITDAが直近でマイナスの値となることが見込まれることに鑑み、適切に類似会社比較法を採用することが困難
    と考えられるため、最終的な評価方法として採用しておりません。
     上記各手法を用いて算定された当社の普通株式1株当たりの価値の範囲は、以下のとおりです。
    市場株価法                   : 691円から700円

    DCF法                     : 1,117円から1,253円
     市場株価法では、基準日を2023年3月9日として、スタンダード市場における当社株式の基準日終値700円、直近1ヶ

    月間の終値単純平均値693円、直近3ヶ月間の終値単純平均値691円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値700円を基に、当
    社株式の1株当たりの価値を691円から700円までと算定しております。
     DCF法では、当社が作成した2024年1月期から2030年1月期までの事業計画、当社の2023年1月末時点における財務情
    報、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2024年1月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッ
    シュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの価値を
    1,117円から1,253円までと算定しております。なお、割引率は4.63%から5.63%を採用しており、また、継続価値の算
    定に当たっては永久成長率法を採用し、永久成長率は0.0%として算定しております。
     山田コンサルティングがDCF法の算定の前提とした当社の事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。なお、
    前提とした事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2024年1月期
    は依然として新型コロナウイルス感染症の影響により売上が低水準となることから、営業利益及びEBITDAがマイナスと
    なる見込みですが、当社所有の不動産の売却によりフリー・キャッシュ・フローはプラスとなる見込みです。2025年1月
    期には売上高の回復、及び当社所有のその他資産の売却による収益計上を前提としていることから、当該事業年度の
    EBITDA及びフリー・キャッシュ・フローの増加が見込まれます。2027年1月期は上野本店のリニューアルに係る移転費用
    や、上野本店の建替の除却損失及び解体費用に起因する特別損失の発生を前提としていることから、EBITDA及びフ
    リー・キャッシュ・フローの減少が見込まれます。2028年1月期は上野本店の建替工事に係る支出及び通期休業を前提と
    しており、大幅な減益を見込んでおります。2029年1月期は2028年1月期と同様に上野本店の建替工事に係る支出及び半
    期休業を前提としている一方で、当社所有の不動産の売却によりフリー・キャッシュ・フローは改善する見込みです。
    2030年1月期は不動産賃貸による収益は発生しないものの、上野本店の建替工事が完了し営業が再開することを前提とし
    ており、営業利益、EBITDA及びフリー・キャッシュ・フローはプラスに転じる見込みです。本株式併合の実行により実
    現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、上場維持
    コストの削減効果を除き、以下の財務予測には加味しておりません。なお、当社所有の資産の売却及び上野本店の建替
    工事に関しましては、市況、建設資材価格及び行政の耐震指導等の外部環境をよく見定めるとともに、それぞれの関係
    者の理解を得た上で対応を進めていくことを予定しております。
              2024年       2025年       2026年       2027年       2028年       2029年       2030年

              1月期       1月期       1月期       1月期       1月期       1月期       1月期
    売上高            2,558       3,058       3,058       3,058       1,536       2,377       3,117
    営業利益            ▲209        118       137       58     ▲228       ▲136        90
    EBITDA            ▲164        166       183       104      ▲207       ▲48       246
    フリー・キャッ
                 239       727       96       23    ▲2,499        ▲894        186
    シュ・フロー
                                                  (単位:百万円) 
     山田コンサルティングは、本特別委員会への株式価値算定書の提出に際して、当社から提供を受けた情報、一般に公

    開された情報等を使用し、それらの資料、情報等が全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれ
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    らの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて、当社の財務予測については、当社の事業計画作成者により
    当該時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。
     また、当社の資産又は負債(偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に
    評価、財務デュー・ディリジェンス、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っており
    ません。もっとも、山田コンサルティングは、特別委員会が取得した、当社及び残存株主らから独立した不動産鑑定業
    者である株式会社九段緒方総合鑑定による当社所有の不動産の鑑定結果の共有を受けており、株式価値の算定に際し、
    当該鑑定結果を参照しております。
     山田コンサルティングは、本特別委員会からの依頼に基づき、本件端数処理交付見込額が、一定の条件(注)のもと

    に、当社の株主にとって財務的見地から妥当である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)(以下、「本フェアネス・
    オピニオン」といいます。)を、2023年3月9日付で本特別委員会に対して提供しております。
     (注)本フェアネス・オピニオンは、上記の市場株価法・DCF法による株式価値算定結果に照らして、本件端数処
      理交付見込額である1株当たり1,200円が、当社の株主にとって財務的見地から妥当であることを意見表明するも
      のです。なお、上記のとおり、DCF法の算定の前提とした当社の事業計画に基づく財務予測において、本株式併
      合の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、上場維持コストの削減効果を除き、加味され
      ておりません。
       山田コンサルティングは、本フェアネス・オピニオンの作成及び提出並びにその基礎となる株式価値の算定を行
      うに際して、既に公開されている情報又は当社によって提供され入手した情報について、それらが正確かつ完全で
      あること、当社株式の株式価値の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実で山田コンサルティングに対
      して未開示の事実はないことを前提としてこれらに依拠しており、独自にそれらの調査、検証を実施しておらず、
      その調査、検証を実施する義務も負っておりません。また、山田コンサルティングは、当社の事業計画作成者がこ
      れらの情報を重要な点で不正確又は誤解を招くものとする事実又は状況を認識していないことを前提としておりま
      す。
       また、山田コンサルティングは、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、当社の資産及び負債(簿外資産及
      び負債、その他の偶発債務を含みます。)に関して、独自の評価又は鑑定を行っておらず、倒産、支払停止又はそ
      れらに類似する事項に関する適用法令の下での当社の信用力についての評価も行っておりません。また、特別委員
      会が取得した不動産鑑定書を除き、これらに関していかなる評価書や鑑定書の提出も受けておりません。
       山田コンサルティングは、当社の資産又は施設の物理的検査を行う義務を負っておらず、また、破産手続、会社
      更生手続、民事再生手続、会社法の特別清算その他の倒産処理手続に適用される法律に基づいて当社の支払能力又
      は公正価値を評価しておりません。山田コンサルティングは、当社の経営陣が作成した事業計画の実現可能性につ
      いて独自に検証は行わず、これらの事業計画に依拠しており、その内容及び基礎となる仮定に関して何らの意見を
      表明するものではありません。
       本フェアネス・オピニオンの作成に当たって山田コンサルティングが当社に要求した情報のうち、当社から情報
      の提供又は開示を受けられず、その他の方法によっても山田コンサルティングが評価の基礎として使用できなかっ
      たものについては、山田コンサルティングは、当社の同意のもとで、山田コンサルティングが合理的かつ適切と考
      える仮定を用いております。山田コンサルティングのかかる仮定が重要な点において事実と異なることが明らかに
      なった場合に、それが当社の将来の財務状況にどのような影響を及ぼすかについて、山田コンサルティングは独自
      の検証を行っておりません。
       山田コンサルティングは、本株式併合が重要な条件の変更を伴うことなく適時に完了すること、当社又は本株式
      併合で想定される利益に悪影響を与える可能性のある遅延、制限又は条件が課されずに必要な政府及び規制当局の
      承認又は同意を得ることができること、またかかる承認及び同意の内容が、本件端数処理交付見込額に影響を及ぼ
      さないことを前提としており、独自の検証を行っておりません。また、当社は、本件端数処理交付見込額に重大な
      影響を及ぼす契約書、合意書その他の文書を過去に取り交わしておらず、また、将来も取り交わさないことを前提
      としております。
       本フェアネス・オピニオンは、本件端数処理交付見込額が当社の株主にとって財務的見地から不利益なものでは
      なく公正なものであることについて意見表明するにとどまり、本株式併合の承認の是非について、本特別委員会に
      対して助言することを意図するものではなく、またかかる助言を構成するものでもありません。さらに、本フェア
      ネス・オピニオンは、本株式併合について、当社が利用又は実行できる可能性のある他の戦略又は取引と比較した
      場合の相対的な利点、あるいは当社が本株式併合を実行又は継続するに当たっての基礎となる事業決定について、
      意見又は見解を表明するものではありません。また、本フェアネス・オピニオンは、本株式併合又はそれに関連す
      る事項に関し、株主の議決権行使や行動について、いかなる意見や提言を表明するものでもありません。山田コン
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      サルティングは、当社株式が本株式併合完了前に取引される価格、又は取引されるべき価格に関して意見を表明す
      るものではありません。
       本フェアネス・オピニオンは、本件端数処理交付見込額が当社の株主にとって財務的見地から公正であるか否か
      について、その作成日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提に、また、その作成日までに
      山田コンサルティングが入手している情報に基づいてその作成日時点における意見を述べたものであり、その後の
      状況の変化により本フェアネス・オピニオンの内容に影響を受けることがありますが、山田コンサルティングは、
      そのような場合であっても本フェアネス・オピニオンの内容を修正、変更又は補足する義務を負いません。また、
      本フェアネス・オピニオンは、本フェアネス・オピニオンに明示的に記載された事項以外、又は本フェアネス・オ
      ピニオンの提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、示唆するものではありません。
    (3)本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置

     当社は、本株式併合の検討を開始するに当たり、残存株主らが合計で1,427,972株(議決権数14,279個、所有割合
    54.91%)の当社株式を保有しており、支配株主との取引等に準ずる取引として、当社の少数株主との間で利益相反の問
    題が生じる可能性があることから、本株式併合に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過
    程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、以下の措置を講じており
    ます。
    ①  特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

     上記「(2)     当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等」の「(ⅱ)                                             算定に関
    する事項」に記載のとおり、本特別委員会は、当社及び残存株主らから独立した本特別委員会独自の第三者算定機関と
    して山田コンサルティングを選任し、山田コンサルティングから2023年3月9日付で株式価値算定書及びフェアネス・
    オピニオンを取得しています。当該株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの概要については、上記「(2)                                                    当該処
    理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等」の「(ⅱ)                                          算定に関する事項」の「②
    算定の概要」をご参照ください。
     なお、山田コンサルティングは、当社及び残存株主らの関連当事者には該当せず、本株式併合に関して重要な利害関
    係を有していません。
    ②  当社における独立した法律事務所からの助言

     当社は、当社及び残存株主らから独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を選任し、同事務所
    から、当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。
     なお、西村あさひ法律事務所は、当社及び残存株主らの関連当事者には該当せず、本株式併合に関して重要な利害関
    係を有しておりません。
    ③  当社における特別委員会の設置

     上記「1.株式併合の目的」の「(2)                 本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合
    後の経営方針」の「③           当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由」に記載のと
    おり、当社は、2023年1月11日付で、本特別委員会を設置し、本諮問事項を諮問しました。また、当社取締役会は、本
    特別委員会に対し、(i)当社の費用負担の下、本株式併合に係る調査を行う権限、(ii)残存株主らその他の取引関係者と
    協議・交渉する権限、(iii)本株式併合に関して当社が選任する法務アドバイザー、第三者評価機関その他のアドバイ
    ザー(以下、「外部専門家」といいます。)から助言を受けるほか、当社の外部専門家に対して必要な指示を行う権
    限、(iv)当社の費用負担の下、本特別委員会独自の外部専門家を選任する権限を与えることを決定しました。
     これを受けて、本特別委員会は、2023年1月12日開催の第1回特別委員会において、当社及び残存株主らから独立した
    本特別委員会独自の第三者算定機関として山田コンサルティングを選任し、当社の株式価値の算定を依頼しました。ま
    た、本特別委員会は、西村あさひ法律事務所について、その専門性及び独立性を確認の上、当社のリーガル・アドバイ
    ザーとして承認するとともに、本特別委員会としても西村あさひ法律事務所から必要な助言を受けることができること
    を確認しました。
     その後、本特別委員会は、2023年1月12日から2023年3月9日まで合計8回開催され、本諮問事項について、慎重に
    検討及び協議を行いました。具体的には、本特別委員会は、当社に対して、(i)本株式併合の背景・目的、当社の経営課
    題の内容及び本株式併合後の当社の経営方針等、並びに(ii)山田コンサルティングによる株式価値算定の前提とした事
    業計画の内容に関してヒアリングを行いました。また、本特別委員会は、山田コンサルティングに対して、(iii)当社の
    株式価値算定の方法及び結果に関してヒアリング等を実施しました。
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                                                             臨時報告書
     当社は、本特別委員会における協議・検討を踏まえ、残存株主らとの間で、本件端数処理交付見込額を含む本株式併
    合の諸条件に関する交渉を実施しており、本特別委員会に対してその進捗状況や結果を報告しております(具体的な協
    議・  交渉の過程については上記「1.株式併合の目的」の「(2)                           本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定
    の過程並びに本株式併合後の経営方針」の「③                      当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過
    程及び理由」をご参照ください。)。
     本特別委員会は、上記のとおり慎重に協議及び検討を重ねた結果、2023年3月9日付で、当社取締役会に対し、委員
    全員の一致で、大要以下を内容とする本答申書を提出しました。
      (ⅰ)答申内容

       i.    本株式併合の目的は合理的なものであると考える。
       ii.    本株式併合の取引条件は妥当であると考える。
      iii.     本株式併合の手続は公正であると考える。
       iv.    当社取締役会が本株式併合の実施を決定することは、少数株主に不利益ではないと考える。
      (ⅱ)答申理由

       i.    本株式併合の目的の合理性(本株式併合が当社の企業価値の向上に資するかを含む。)に関する事項
           以下の点を踏まえると、本株式併合は当社の企業価値の向上に資するものであり、本株式併合の目的は
           合理的であると考えられる。
            a.   上記「1.株式併合の目的」の「(2)                  本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の
              過程並びに本株式併合後の経営方針」に記載の本株式併合の背景となる事業環境及び経営課題に
              関する当社の認識、並びにそれらを前提として本株式併合の検討を行った経緯に不合理な点は認
              められない。
            b.   上記「1.株式併合の目的」の「(2)                  本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の
              過程並びに本株式併合後の経営方針」の「②                      本株式併合の経緯・目的」に記載のとおり、当社
              は、業績の回復及び競争力強化を図るため、(ⅰ)徹底した業務の効率化によるコスト削減、(ⅱ)
              幅広い顧客層を獲得するための新規事業拡充及び広告宣伝強化、(ⅲ)人材の育成と確保、並びに
              (ⅳ)上野本店の大規模リニューアルといった施策を実施することを検討しており、当該各施策
              は、当社の事業環境及び経営課題を踏まえた具体的かつ現実的なものであり、当社の企業価値の
              向上に資する効果を有するものであると評価できる。
            c.   上記(ⅳ)の施策が大規模な先行投資を要するものであり、また、上記(ⅰ)乃至(ⅲ)の施策も一
              定の先行投資や費用を要すること、及び当該各施策の収益性は不確実性を伴うものであることを
              踏まえると、当該各施策の実行により、短期的には利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化
              を招来する可能性があり、その結果、短期的な株価の下落により当社の株主に対して悪影響を与
              えてしまう可能性が否定できないため、そのような可能性を回避しつつ、中長期的な視点から抜
              本的かつ機動的な経営戦略を迅速かつ果敢に実践するために、当社株式を非公開化する手段とし
              て本株式併合を行うことには、合理性があると考えられる。
            d.   当社株式の上場廃止に伴うデメリットとして、①エクイティ・ファイナンスによる資金調達手
              段の制約、②上場会社としてのブランドの毀損、及び③人材採用への悪影響等が懸念されるとこ
              ろ、当社の説明を踏まえると、当社が上場廃止により被る不利益は相当程度小さいと考えられる
              こと、及び当社は、近年の業績低迷を受けて株価が低迷しており、「スタンダード市場」の上場
              維持基準の一つである「流通株式時価総額」の基準を当社の移行基準日(2021年6月30日)時点で満
              たしておらず、2024年度(2025年1月期)を目標に上場維持基準を満たすため、各種取組みを進める
              計画であることを公表しているが、当該計画書に関する公表時点から状況が一変している状況下
              において、未だ当社の業績及び株価は低迷し、上場維持基準を満たす目途は立っていないため、
              このような状況が抜本的に好転しない限りは、当社株式が上場廃止に至るおそれが否定できない
              ことを踏まえると、当社の株主に対して株式の売却の機会を提供した上で当社株式を非公開化す
              ることも不合理ではない。
       ii.    本株式併合の取引条件の妥当性(本株式併合の実施方法や対価の妥当性を含む。)に関する事項

            以下の点を踏まえると、本株式併合の取引条件は妥当であると考えられる。
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           a.   上記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該
             処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(2)                                         当該処理
             に より株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等」の「(ⅱ)                                        算定に関
             する事項」の「②         算定の概要」に記載の山田コンサルティングによる株式価値算定に用いられた
             算定方法について、山田コンサルティングから評価手法の選択理由、割引率の算定根拠、永久成長
             率の算定根拠等を含む詳細な説明を受け、同社に対し、これらに関する質疑応答も行った上で検討
             した結果、山田コンサルティングによる株式価値算定結果には、特に不合理な点は認められなかっ
             た。
           b.   山田コンサルティングによる株式価値算定のうちDCF法による算定の基礎となる当社の事業計画に
             ついて、当社から事業計画作成のプロセス、費目の計上の背景・根拠等を含む詳細な説明を受ける
             とともに事業計画の内容に関する質疑応答を行い、また、山田コンサルティングから事業計画を含
             む検討結果の説明を受けて検討したが、当社の事業計画にはその内容が著しく保守的であるなど特
             に不合理な点は認められなかった。
           c.   当該株式価値算定結果によれば、当社株式の1株当たり株式価値は、市場株価法によると691円か
             ら700円まで、DCF法によると1,117円から1,253円まで、と算定されているところ、本件端株処理交
             付見込額は、市場株価法による算定レンジの上限を上回り、DCF法による算定レンジの中央値を上
             回る金額である。また、本件端株処理交付見込額(1,200円)は、スタンダード市場における、2023
             年3月9日の当社株式の終値700円に対して71.43%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値
             693円に対して73.16%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値691円に対して73.66%、同日
             までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値700円に対して71.43%のプレミアムがそれぞれ加算されて
             おり、相応のプレミアムが付されている。
           d.   本フェアネス・オピニオンによれば、本件端株処理交付見込額は当社株主にとって財務的見地か
             ら妥当であるとされている。
           e.   当社は残存株主らとの間で本件端数処理交付見込額に関する協議を行ったが、残存株主らのうち
             福島育英会、根津育英会及び根津氏から、本件端数処理交付見込額が1,200円であることを前提と
             して本定時株主総会において本株式併合に賛同する旨の意向を確認しており、これらの残存株主ら
             との間で長年にわたり友好的な関係性を有することから、これらの残存株主らが本定時株主総会に
             おいて本株式併合に賛同するとの意向は信頼できると考えられること、及び三井不動産から、当社
             株式を非公開化することや当社株式の非公開化後も同社が大株主として残存することに賛同する方
             針である旨を確認していることから、当社が少数株主の利益が最大限確保されると考える1,200円
             という価格について残存株主らが賛同することが合理的に見込まれている。
           f.   上記「1.株式併合の目的」の「(2)                  本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過
             程並びに本株式併合後の経営方針」の「③                    当社における本株式併合を付議することを決議するに
             至った意思決定過程及び理由」に記載の理由を前提とすれば、公開買付けを前置せずに本株式併合
             を行うことは不合理ではない。
      iii.     本株式併合の手続の公正性(公正性担保措置が適切に講じられているかの検討を含む。)に関する事項

            以下のとおり、本株式併合に係る手続について、2019年6月28日付で経済産業省が公表した「公正な
           M&Aの在り方に関する指針」(以下「M&A指針」という。)に定められる各公正性担保措置に則った適切
           な対応が行われており、その内容に不合理な点は見当たらないため、本株式併合に係る手続の公正性は
           確保されていると考えられる。
           a.  ①本株式併合においては、本株式併合に係る取引条件の形成過程の初期段階から、本特別委員会が
             本株式併合に対して関与する状態が確保されていたことが認められること、②本特別委員会の委員
             はそれぞれ独立性を有することが確認されており、属性・専門性にも十分配慮して選定されたもの
             であることが認められること、③本特別委員会の設置、権限及び職責、委員の選定や報酬の決定の
             各過程において、当社の社外取締役及び社外監査役が主体性をもって実質的に関与する形で行われ
             る体制が確保されていたことが認められること、④本特別委員会が、当社のリーガル・アドバイ
             ザーとして承認した西村あさひ法律事務所、本特別委員会独自の第三者算定機関として選任した山
             田コンサルティング、及び当社所有の不動産の鑑定評価を依頼した株式会社九段緒方総合鑑定か
             ら、専門的な助言を得ながら本諮問事項について慎重に検討及び協議を行ったこと、⑤本特別委員
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             会が残存株主らとの間の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与してきたことが認められるこ
             と、⑥本特別委員会が、非公開情報も含めて重要な情報を入手し、これを踏まえて本株式併合の是
             非 や取引条件の妥当性について検討・判断を行っていることが認められること、⑦特別委員に対す
             る報酬が本株式併合の成否と関係なく支払われることとなっていることから、特別委員が時間的・
             労力的なコミットメントを行いやすく、かつ特別委員が本株式併合の成否から独立した立場から判
             断を行うための環境が整えられていることが認められること、⑧当社の取締役会が本特別委員会の
             意見を尊重して本株式併合に係る意思決定を行っていることが認められること、並びに⑨本株式併
             合に係る協議、検討及び交渉の過程で、残存株主らその他の本株式併合に特別な利害関係を有する
             者が交渉過程及び意思決定過程に不当な影響を与えた事実は認められないことを踏まえると、特別
             委員会の実効性を高める工夫に関するM&A指針の指摘事項に配慮した上で、独立性を有する本特別
             委員会が設置されており、これが有効に機能していることが認められる。
           b.  当社は、2022年8月下旬に当社及び残存株主らから独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさ
             ひ法律事務所を選任し、本株式併合に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程
             その他の留意点について、必要な法的助言を受けていたことが認められる。
           c.  本特別委員会は、山田コンサルティングから本株式併合の取引条件の決定に関して助言を得たほ
             か、同社に対して当社の株式価値の算定を依頼し、2023年3月9日付で株式価値算定書を取得して
             いる。
           d.  本株式併合においてはいわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないもの
             の、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定して本株式併合の成立を不安定なものとするこ
             とは、かえって当社の少数株主の利益を大きく損なう可能性があると考えられる反面、本株式併合
             においてはその他の適切な公正性担保措置が実施されており、当社の少数株主の利益には十分な配
             慮がなされていると考えられることから、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されてい
             ないことのみをもって適切な公正性担保措置が講じられていないと評価されるものではないと考え
             られる。
           e.  M&A指針が開示を求める、特別委員会に関する情報、株式価値算定書に関する情報、及びその他の
             情報は十分に開示されることが認められる。
       iv.    上記ⅰ乃至ⅲその他の事項を踏まえ、当社取締役会が本株式併合の実施を決定することが少数株主に不

           利益か否か
            上記ⅰ乃至ⅲのとおり、本株式併合の目的は合理的と考えられること、本株式併合の取引条件は妥当
           であると考えられること、及び本株式併合の手続は公正なものであると考えられることからすると、本
           株式併合の実施を決定することは少数株主に不利益ではないと考えられる。
    ④  当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見

     当社は、本特別委員会(本特別委員会の具体的な活動内容等については、上記「③当社における特別委員会の設置」
    をご参照ください。)から提出を受けた本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本株式併合の諸条件について慎重に
    検討しました。
     その結果、上記「1.株式併合の目的」の「(2)                      本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに
    本株式併合後の経営方針」の「③                当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由」
    に記載のとおり、当社取締役会は、本株式併合は当社の企業価値向上に資すると判断するとともに、本件端数処理交付
    見込額を相当であると判断するに至り、2023年3月10日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締
    役(当社の取締役6名のうち審議及び決議に参加した4名)の全員一致で、本定時株主総会に本株式併合を付議する旨
    を決議いたしました。また、上記取締役会には、当社の監査役3名(うち社外監査役2名)が出席し、その全員が上記
    決議に異議がない旨の意見を述べております。
     なお、当社の取締役のうち、社外取締役である根津氏は、残存株主らに含まれ、本株式併合に関して当社の少数株主
    との間で利益相反の問題が生じる可能性があるため、特別利害関係人として、当該取締役会における審議及び決議には
    一切参加しておらず、また、当社において、本株式併合における残存株主らを含む取引関係者との間で本株式併合の取
    引条件等に関する協議・交渉にも一切参加しておりません。
     また、当社の取締役のうち、社外取締役である古屋勝彦氏は、一身上の都合により、上記2023年3月10日開催の取締
    役会を欠席しましたが、当該取締役会は、取締役会に先立ち、同氏に対して本株式併合に関する説明を行った上で、同
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                                                             臨時報告書
    氏より、本定時株主総会に本株式併合を付議することに賛同する旨を確認しております。
    4.本株式併合の効力が生ずる日

    2023年5月23日(火)
                                15/15



















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