クイーンズランド州財務公社 有価証券報告書
| 提出書類 | 有価証券報告書 |
|---|---|
| 提出日 | |
| 提出者 | クイーンズランド州財務公社 |
| カテゴリ | 有価証券報告書 |
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クイーンズランド州財務公社(E06036)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第 24 条第 1 項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和 4 年 12 月 28 日
【会計年度（又は事業年度）】 自 令和 3 年 7 月 1 日 至 令和 4 年 6 月 30 日
【発行者の名称】 クイーンズランド州財務公社
（ Queensland Treasury Corporation ）
【代表者の役職氏名】 フィリップ・ノーブル
（ Philip Noble ）
最高経営責任者
（ Chief Executive ）
【事務連絡者氏名】 弁護士 田 中 収
【住所】 東京都千代田区大手町一丁目 1 番 1 号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03-6775-1025
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
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第１【募集（売出）債券の状況】
募集債券の状況
該当事項なし。
売出債券の状況
該当事項なし。
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第２【外国為替相場の推移】
(1) 【最近５年間の会計年度（又は事業年度）別為替相場の推移】
該当事項なし。
(2) 【当会計年度（又は事業年度）中最近６月間の月別為替相場の推移】
該当事項なし。
(3) 【最近日の為替相場】
該当事項なし。
第３【発行者の概況】
１【発行者が国である場合】
該当事項なし。
２【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし。
３【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
注記（ 1 ） 本書中、「豪ドル」または「ドル」と表示された金額はすべてオーストラリア・ドル、また
「米ドル」はすべてアメリカ合衆国ドルを意味する。
株式会社三菱 UFJ 銀行が発表した 2022 年 12 月 20 日現在の豪ドルおよび米ドルの東京外国為替
市場における対顧客電信直物売買相場の仲値は、それぞれ 1 豪ドル＝ 90.11 円および 1 米ドル
＝ 134.54 円である。
（ 2 ） クイーンズランド州財務公社、クイーンズランド州およびオーストラリア連邦の会計年度
は 7 月 1 日から翌年 6 月 30 日までである。本書中、 2022 年 6 月 30 日に終了する会計年度は
「 2021 ／ 22 年」または「 2021 年－ 22 年」と表示し、他の会計年度も同様に表示する。 2021 年
12 月 31 日に終了する暦年は「 2021 年」と表示し、他の暦年も同様に表示する。
（ 3 ） 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
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(1) 【設立】
(1 ）設立年月日、設立の目的および根拠ならびに沿革
クイーンズランド州財務公社（以下「 QTC 」という。） は、 1988 年 7 月 1 日に、クイーンズランド州の中
央借入機関であったクイーンズランド州政府開発公社の後継の機関として設立された。しかしながら、
QTC の業務範囲は 1988 年クイーンズランド州財務公社法（以下「公社法」という。）に従って拡大した。
公社法に基づいて QTC は資本市場事業に関する継続的な戦略を決定し実行するため、クイーンズランド
州財務公社資本市場理事会（ 1991 年 8 月 29 日設立） ( 以下「理事会」という。）を設立した。
公社法に定められた QTC の目的は以下のとおりである。
( イ）公法人（公社法において定義される。）およびクイーンズランド州（以下「クイーンズランド州」
または「州」という。）に対し金融資源および金融サービスを提供するための金融機関として行為す
ること
( ロ） QTC 、公法人およびクイーンズランド州の財政状態を強化すること
( ハ） QTC が以下のいずれかの目的を持つと認める金融その他の取決めを締結し、遂行すること
( ⅰ）クイーンズランド州の財政的利益の増進
( ⅱ）クイーンズランド州またはその一部の開発
( ⅲ）クイーンズランド州の居住者もしくはその集団またはクイーンズランド州と関連を現に有しもし
くは将来有する見込みのある者もしくはその集団の利益となること
上記の目的を達するべく、公社法はさらに QTC の機能を以下のように定めている。
( イ）クイーンズランド州自体、その公法人またはその他の者のために、オーストラリア連邦（以下
「オーストラリア連邦」、「オーストラリア」または「連邦」という。）もしくは他の地域において
借入、融資を受けること
( ロ）金員の貸付もしくはその他の方法で資金の調達をすること
( ハ）州の公法人のための中央借入・資金調達機関として行為すること
( ニ）公法人の代理として、金融の取決めの交渉、締結および履行を行うこと
( ホ）州財務大臣、公法人その他の者の資金の運用の手段を提供すること
( ヘ） QTC の金融に関する権利および義務を管理することもしくは管理させること
QTC は、州の中央金融機関として、地方自治体を含めたクイーンズランド州の各種公法人の行うインフ
ラストラクチャー事業の資金を供給するために、オーストラリアおよび海外の資本市場において資金調
達を行う。
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(2 ）法的地位および特別権限
QTC は、公社法に従って設立された。同法の下、 QTC の前身であるクイーンズランド州政府開発公社は
現在「クイーンズランド州財務公社」と名称を変えて存続している。
公社法の規定により、州財務次官が「クイーンズランド州財務公社」の名称と形体を有する単独法人
を構成するとされ、またこの名称と形体の下で永続的な地位と公印を有するとされている。 QTC は君主を
代表し、また公社法の規定に従って、君主の有するすべての権限、特権、権利および救済権を享有し、
これらを行使することができる。
公社法第 15 条の規定により、 QTC の利益は統合基金に帰属し QTC のすべての損失は同基金の負担とな
る。
(3 ）保証条項
公社法第 32 条は、 QTC の発行するすべての記名式債券は州財務大臣により保証される旨規定している。
QTC の国内豪ドル債券は記名債であり、したがって、同法第 32 条の保証の適用を受ける。
QTC の他の債務については、公社法第 33 条は、州総督の承認を得て州財務大臣がこれを保証することが
できる旨規定している。現在まで、 QTC のすべての海外におけるミディアム・ターム・ノートの発行およ
び債券の発行ならびにコマーシャル・ペーパー・プログラムは州財務大臣により保証されている。
2010 年 10 月 10 日以来、 ISDA 協約に基づいて QTC から相手方に対して法律上支払われるすべての金額は、
公社法第 33 条に従って発行された保証書に従って、すべて州財務大臣により保証される。
公社法第 32 条または第 33 条に基づいてなされる保証に従って州財務大臣によって支払われるすべての
金額は、クイーンズランド州政府の統合基金の勘定とされ、かかる基金からの支払は適宜充当される。
(4 ）日本との関係
なし。
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(2) 【資本構成】
次の表は、 2020 年期末、 2021 年期末および 2022 年期末現在の QTC キャピタル・マーケット業務の資本構
成を示すものである。
（単位：千豪ドル）
2021 年期末
2020 年期末 2022 年期末
修正再表示後
負債：
国内における借入金 110,404,225 119,168,935 116,936,356
海外からの借入金 2,784,639 3,587,000 2,411,085
646,834 238,187 300,604
デリバティブ
113,835,698 122,994,122 119,648,045
金融負債合計
資本：
資本合計 526,723 591,638 555,404
114,362,421 123,585,760 120,203,449
州の公的行政機関である QTC は、株式資本を有しない。
上記表内の数値は、州政府投資事業を含まない（ (4) 「業務の概況 - その他の金融サービス 」を参照の
こと。）。
(3) 【組織】
前記のとおり、クイーンズランド州財務次官は「クイーンズランド州財務公社」の名称と形体の下に単
独法人として構成される。現在のクイーンズランド州財務次官はレオン・アレン氏である。
QTC の権限、機能および義務は以下 2 つの理事会に委任されている。
・一定の退職年金および長期資産に関するものを除く、 QTC のすべての業務を運営するクイーンズランド
州財務公社資本市場理事会
・州の長期資産を管理するために 2008 年 7 月に設立された州投資諮問委員会
理事会は、以下 6 人の役員により構成されている。
・ダミアン・フローリー氏（理事長）
・ジム・ステニング氏
・カレン・スミス - ポメロイ氏
・ジョン・ウィルソン氏
・ナヴィレ・イデ氏
・ローズマリー・ヴィルガン氏
理事会構成員は、公社法第 10 条第 (2) 項に基づき、州財務大臣による推薦および州財務次官との協議のう
え、理事会構成員各自の適格性、経験、技能、戦略的能力ならびに QTC の業績および企業目標の達成への貢
献に対する取組みを考慮し、州総督により任命される。州総督はいつでも構成員のすべてまたはいずれか
を解任することができる。
理事会は州財務次官に対して責任を有する。構成員は少なくとも年に 9 回、または必要とされた場合に集
会を開く。理事会は、以下のものを含む理事会の職務および機能を定めた書面による憲章を有している。
・管理および説明責任の各システムを含む QTC の業務の監視
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・ QTC の戦略的方向性および重要企業戦略目標の承認
・重要政策および企業業績目標の承認
・運営が見込まれる経営の中でのリスク選好の設定
・経営陣により提案された年間予算の承認
・市場および出資者への財務およびその他の報告の承認
・報酬枠組みの承認
・合意結果に対する財務、経営および企業業績の監視
・適切な資源の入手可否についての査定を含む QTC の経営状況ならびに戦略および政策の遂行の監視およ
び評価
・リスク管理制度ならびに内部コンプライアンスおよび統制の検討および監視
・関連するすべての法律、税金および規制義務の実施状況の監視
・最高経営責任者の任命
・経営管理開発および後継者育成の監督
日常業務および QTC の経営に対する責務は、最高経営責任者理事会および経営チームに委任されている。
最高経営責任者は、フィリップ・ノーブル氏である。 2022 年 12 月 13 日、現最高経営責任者が 2022 年末に QTC
を退社することが発表された。経営陣の採用プロセスが行われる間、 QTC の現理事であるナヴィレ・イデ氏
が暫定最高経営責任者を務める。採用プロセスは 2023 年第 1 四半期の早い時期に完了する予定である。
最高経営責任者は理事会により任命され、経営陣は最高経営責任者が選出する。
2022 年 6 月 30 日現在、 QTC の正規職員数は約 171 名である。
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(4) 【業務の概況】
（ 1 ）業務
QTC は州全体の業績に重点を置いており、クイーンズランド州およびその公共部門機関（地方自治体を
含む。）に対し、広範な金融サービスを提供している。 QTC は、以下の方法により顧客（以下に定義され
る。）を支援している。
・最も費用対効果の高く、また流動性リスクおよび借換リスクを最小に抑える方法で資金を国内およ
び海外市場から借入することによる負債の調達および管理
・オーバーナイト・ファシリティおよび期限付きファシリティならびに管理されたキャッシュ・ファ
ンドを提供する保守的なリスク管理の枠組み内での、顧客の余剰資金残高の有効活用
・広範な金融リスク管理助言サービスの提供
借入、貸付および負債管理
QTC は様々な債券を発行することによって国内外の資本市場から資金の借入を行い、また、かかる資金
は政府の業務部門、国有企業、地方自治体および公法人（以下「政府機関」または「顧客」という。）
を含む様々な政府機関に対して貸し付けられるのが主である。
QTC は費用対効果に優れた資金を供給するために、コマーシャル・ペーパー、ミディアム・ターム・
ノートおよび公債に係る資金調達ファシリティの基盤を世界規模で確立してきた。 2022 年 6 月 30 日現在、
QTC の合計借入額は 124.488 十億ドルであった 。この額は、 2022 年 6 月 30 日時点での為替レートの使用を基
準として 2.501 十億ドルに相当する 海外の資金調達プログラムの下で発行された債券を含む。外貨借入金
はクロス通貨スワップ取引および為替予約により、すべて豪ドルに変換された。
QTC の借入および貸付機能は分離されている。これにより、 QTC は秩序だって市場における借入を行う
ことができ、同時に、政府機関から資金調達の要求を受けた際、多額の借入を行うことによる QTC の利率
に対して起こりうるマイナス影響が低減される。
借入余剰金は QTC の借換リスク、顧客の金利リスク、および QTC の流動性リスクを管理するため、 QTC の
貸借対照表に計上される。 QTC の有する高レベルの流動性を確保するため、かかる余剰金は、信用度の高
い取引先に対して行われる流動性の高い投資と共に、貸借対照表に計上される。
2022 年 6 月 30 日現在、 QTC の顧客に対する貸付金は合計 94.582 十億ドル（市場価格）であり、そのうち
27.123 十億ドルは、州政府保有法人に対するものであった。
QTC の貸付および負債管理の一環として、 QTC は政府機関が資金調達に利用可能な顧客向け融資商品を
確立した。
QTC の負債の管理における戦略は、概して、資金調達のコストを下げることによって顧客のために価値
を創造すること、ならびに債券発行における規模の経済および顧客債務の優れた管理を通して、金融リ
スク管理を改善することである。
QTC は、すべてのポートフォリオ管理活動を承認された方針の中で行っており、リスク管理および法令
遵守の厳格な監視のためのシステムが設定されている。
短・中期投資
QTC は顧客に対し、オーバーナイト・ファシリティ、管理された短期ファンド（キャッシュ･ファン
ド）および固定金利預入れを含む、投資によるソリューションを提供している。
QTC のキャッシュ・ファンドは、ブルームバーグのオーストラリア債券バンク・ビル・インデックスに
基づき、平均ベンチマーク期間がおよそ 45 日間の豪ドル建短中期資本保証キャッシュ・ファンドを管理
している。キャッシュ・ファンドは、顧客の一時的な余剰資金を用いて、短期金融資産およびターム資
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産証券のポートフォリオに投資し、次の目的を達すべく運用される。即ち、 ( ⅰ ) 短期金融資産および
ターム資産証券（典型的には 5 年未満の間）から得られる利回りを最大にし、それらの資産を、許容でき
る 市場リスクおよび信用リスクの範囲で運用し、 ( ⅱ ) 顧客の需要を充たすよう十分な流動性を維持する
ことである。
その他の金融サービス
QTC は、顧客に対し以下のとおり広範な金融リスク管理助言サービスを提供している。
・金融リスクが特定され、また効果的に管理されていることを保証するためのサポート
・財務および商業に関する考慮事項への助言
・金融取引および金融構造に関する専門知識
・重要なプロジェクトの結果を実現するためのプロジェクト管理サポート
・金融市場および民間機関との連携
州政府投資事業
QTC は、 QTC のキャピタル・マーケット業務とは別に、行政上の協定に基づき、クイーンズランド州政
府から譲渡された 2 つの資産ポートフォリオを有している。これらの資産は、 QIC リミテッドにより管理
されるユニット・トラストに保有されている。 QTC は、当該協定に基づく資産の譲渡と引き換えに、州に
対して、ポートフォリオごとに固定利付債券を発行した。 QTC の州政府投資事業セグメントは、これら 2
つのポートフォリオである長期資産ポートフォリオおよびクイーンズランド・フューチャー・ファン
ド・ポートフォリオによって構成されている。
当該固定利付債券と州政府投資事業セグメントの投資資産との直接の関係を認識するので、固定利付
債券について QTC が支払う利子と投資資産について州政府投資事業セグメントが受け取るリターンとの差
額は、財務書類上、毎年固定利付債券の価値に対する市場価格の調整として計上される。 2022 年 6 月 30 日
現在、州政府投資事業セグメントが保有する資産の市場価格は合計 40.372 十億豪ドルに達し、金融負債
の市場価格 40.372 十億豪ドル と一致した。
州投資諮問委員会は、州政府投資事業セグメントの投資資産の監督責任を負っている。当該セグメン
トは、キャッシュ・フローを生み出さず、 QTC のキャピタル・マーケット業務や債務履行能力へ影響を与
えない。
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(2 ） QTC による借入
次の表は、 2020 年期末、 2021 年期末および 2022 年期末現在の QTC の借入総額を示すものである。
（単位：百万豪ドル）
2020 年期末 2021 年期末 2022 年期末
種類
(1)
4,715 3,325 4,778
国内コマーシャル・ペーパー
(2)
105,689 115,844 112,158
国内における借入
(3)
1,322 2,311 1,475
海外コマーシャル・ペーパー
(3)
1,463 1,276 936
海外からの借入
合計 113,189 122,756 119,347
(1) 時価。
(2) 時価。各種公的機関による借入で、現在 QTC により管理、返済されているものを含む。
(3) 時価。現行の為替レートで換算したものである。
上記の金額は、政府機関に対して貸付けられているか、満期間近の負債にかかる QTC の借換の必要性を
充たすため、もしくは政府機関の資金調達の必要性を充たすために投資、保有されているか、または、
ポートフォリオ管理の目的で保有されている。
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(5) 【経理の状況】
以下のページに記載されているのは QTC の財務書類である。 QTC の財務計算に関する書類は発生主義によ
り作成されている。すべての金融資産および金融負債は時価で評価されている。財務書類は、 2009 年財務
執行責任法およびオーストラリア会計審議会の採用するオーストラリア会計基準に従い作成されている。
財務書類はオーストラリア会計基準および国際財務報告基準（以下「 IFRS 」という。）に適合している。
QTC は非営利法人指定を受けているが、営利法人同様 IFRS の基準を遵守することとしている。
包括的利益計算書
(2022 年 6 月 30 日に終了した会計年度 )
( 単位：千ドル )
修正再表示後
2021 ／ 22 年
注記
2020 ／ 21 年
キャピタル・マーケット業務
損益を通じて公正価格により評価される金融商品
にかかる純利益／（損失）
金融資産にかかる（損失） 3 (12,367,842) (243,309)
12,324,996 354,846
金融負債にかかる利益 3
(42,846) 111,537
その他の収入
手数料収入 96,525 91,879
96,525 91,879
費用
一般管理費 4 (76,442) (78,493)
使用権資産の減価償却 14 (1,919) (1,713)
(78,361) (80,206)
所得税支払前のキャピタル・マーケット業務から
(24,682) 123,210
の（損失）／利益
(11,552) (8,065)
所得税の支払 5
所得税支払後のキャピタル・マーケット業務から
(36,234) 115,145
の（損失）／利益
州政府投資事業
投資からの純利益
ユニット・トラストの公正価格の純変動 1,602,754 4,676,076
固定利付債券の公正価格の純変動 1,073,122 (2,653,028)
固定利付債券の利息 (2,446,413) (1,864,990)
(229,463) (158,058)
管理手数料
- -
州政府投資事業からの利益／（損失）
(36,234) 115,145
課税後の当期純（損失）／利益合計
(36,234) 115,145
資産保持者に帰属する包括的（損失）／利益合計
包括的（損失）／利益合計の構成：
キャピタル・マーケット業務 (36,234) 115,145
- -
州政府投資事業
(36,234) 115,145
包括的（損失）／利益合計
添付の注記はこれらの財務書類の一部を構成する。
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会計方針の変更による修正再表示についての詳細は、注記 2(a) 参照。
財務書類においては、 QTC の中央金融機関としての主要な役割と州の退職年金その他長期投資資産の移行後の付随的
役割を区別するため、キャピタル・マーケット業務と州政府投資事業を別個に表示している（注記 1 参照）。
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貸借対照表
( 2022 年 6 月 30 日現在 )
( 単位：千ドル )
修正再表示後
2021 ／ 22 年
注記
2020 ／ 21 年
資産－キャピタル・マーケット業務
現金および現金同等物 6 5,247,278 11,803,213
受取債権 6,448 7,262
損益を通じて公正価格により評価される金融資産 7 28,529,672 14,958,589
デリバティブ金融資産 8 297,945 336,836
貸付金 9 94,582,248 104,611,229
有形固定資産 13 2,277 2,967
使用権資産 14 7,026 8,278
無形資産 2,838 8,410
3,944 4,893
繰延税金資産
128,679,676 131,741,677
資産－州政府投資事業
40,372,412 37,814,711
損益を通じて公正価格により評価される金融資産 16
40,372,412 37,814,711
169,052,088 169,556,388
資産合計
負債－キャピタル・マーケット業務
支払債務 25,458 26,263
デリバティブ金融負債 8 300,604 238,187
損益を通じて公正価格により評価される金融負債
－利付債務 10(a) 119,347,440 122,755,935
－預金 10(b) 8,431,220 8,107,683
リース負債 14 12,823 15,165
6,727 6,806
その他の負債
128,124,272 131,150,039
負債－州政府投資事業
損益を通じて公正価格により評価される金融負債 16 40,372,412 37,814,711
40,372,412 37,814,711
168,496,684 168,964,750
負債合計
555,404 591,638
純資産
資本－キャピタル・マーケット業務
555,404 591,638
留保利益
555,404 591,638
資本－州政府投資事業
- -
留保利益
- -
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有価証券報告書
555,404 591,638
資本合計
添付の注記はこれらの財務書類の一部を構成する。
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資本変動表
(2022 年 6 月 30 日に終了した会計年度 )
( 単位：千ドル )
キャピタル・
注記
州政府投資事業
マーケット業務
留保利益 留保利益 資本合計
2020 ／ 21 年期首現在 526,723 - 526,723
会計方針の変更による影響純
(230) - (230)
額
修正再表示後 2020 ／ 21 年期首現
526,493 - 526,493
在
修正再表示後当期利益 115,145 - 115,145
所有者との取引：
(50,000) - (50,000)
引き当てられたまたは支払わ 24
れた配当金
修正再表示後 2020 ／ 21 年期末現
591,638 - 591,638
在
2021 ／ 22 年期首現在 591,638 - 591,638
当期損失 (36,234) - (36,234)
所有者との取引：
- - -
引き当てられたまたは支払わ 24
れた配当金
555,404 - 555,404
2021 ／ 22 年期末現在
添付の注記はこれらの財務書類の一部を構成する。
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資金収支表
(2022 年 6 月 30 日に終了した会計年度 )
( 単位：千ドル )
修正再表示後
2021 ／ 22 年
注記
2020 ／ 21 年
キャピタル・マーケット業務
営業活動により得られた資金
貸付からの受取利息 2,889,314 3,190,892
投資資産およびその他源泉からの受取利息 530,119 279,835
受取手数料 95,051 93,390
物品・サービス税純額 (294) 208
利付債務にかかる支払利息 (3,847,128) (2,800,272)
一般管理費 (74,713) (72,280)
預金の支払利息 (55,913) (64,617)
所得税の支払 (8,607) (7,153)
営業活動により（使用された）／得られた資金純額 15(a) (472,171) 620,003
投資活動により得られた資金
投資資産の売却による手取金額 27,200,288 33,681,434
投資資産に関する支払 (41,161,982) (26,578,979)
顧客への貸付金純額 (5,323,857) (9,977,168)
無形資産に関する支払 - (83)
有形固定資産に関する支払 (709) (13)
投資活動により使用された資金純額 (19,286,260) (2,874,809)
金融活動により得られた資金
利付債務からの手取金額 35,113,381 40,285,045
利付債務の返済 (22,233,304) (27,908,582)
顧客預金純額 322,419 (755, 875 )
配当の支払 - (50,000)
金融活動により得られた資金純額 15(b) 13,202,496 11,570,588
(6,555,935) 9,315,782
現金および現金同等物の純（減少）／増加額
11,803,213 2,487,431
期首現在の現金および現金同等物
5,247,278 11,803,213
期末現在の現金および現金同等物 6
添付の注記はこれらの財務書類の一部を構成する。
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2022 年 6 月 30 日に終了した会計年度の財務書類の注記
1 一般情報
QTC は、クイーンズランド州政府の中央財政当局である。また、州の公共部門機関、地方自治体および大
学に様々な金融サービスを提供している。 QTC は、公社法に基づき、同法第 5 条 (2) 項に従って単独法人とし
て指名される財務次官により構成される。 QTC は、オーストラリア連邦クイーンズランド州に本拠地を置
き、その主たる事業所はクイーンズランド州ブリスベン市イーグル・ストリート 111 番地に所在する。 QTC
の親事業体は、クイーンズランド州である。
QTC の事業運営は、 2 つのセグメント、すなわちキャピタル・マーケット業務および州政府投資事業で構
成されている。
キャピタル・マーケット業務
キャピタル・マーケット業務の枠には、負債によるファンディング、現金管理、金融リスク管理につい
ての助言および専門家公共財政教育が含まれる。
これらのサービスは、 QTC がその顧客への貸付の際に、貸付を管理するコストをカバーするための貸付管
理手数料を加えたその資金のコストに見合った利率にて、原価回収基準で提供される。 QTC は、資産管理の
リターンを QTC の顧客に還元し、資産の売却または満期到来まで貸借対照表上のクレジット・スプレッドの
変動に関連する未実現損益を保有する。かかる貸付の QTC の管理に関連する損益は、毎年州の統合基金に転
嫁されている。
キャピタル・マーケット業務はまた、資本および流動性の目的のために保有される金融市場商品からの
純利益を生み出している。
QTC はキャピタル・マーケット業務を行うにあたり、自己資本政策を考慮し、そのリスクを管理するた
め、十分な資本を維持している。
州政府投資事業
州政府投資事業は、州政府が QTC に譲渡した資産ポートフォリオで構成されている。
このセグメントの資産は、 QIC リミテッド（以下「 QIC 」という。）が管理し、州投資諮問委員会（以下
「 SIAB 」という。）が監督するユニット・トラストに保有されている。これらの資産は、長期資産ポート
フォリオおよびクイーンズランド・フューチャー・ファンド（以下「 QFF 」という。）ポートフォリオの 2
つのポートフォリオに投資されている。各ポートフォリオとは、独自の投資管理契約が結ばれている。長
期資産ポートフォリオについては、多数のサブ・ポートフォリオが存在している。
長期資産ポートフォリオ
長期資産ポートフォリオは、州が QTC に譲渡した資産で構成され、複数のサブ・ポートフォリオに投資し
ている。
(a) 基金ポートフォリオ
州の退職年金およびその他の長期債務に充当するため、 2008 年に州は資産を譲渡し、 2022 年 4 月には
2.5 十億ドルの金銭が本ポートフォリオに譲渡された。
(b) 州イニシアチブポートフォリオ
2021 年 6 月、多数の州政府イニシアチブを支援するため、 2.0 十億ドル相当の資産が譲渡された。
(c) 州政府保有ポートフォリオ
2022 年 4 月、州は 118.6 百万ドルの戦略的保有有価証券を譲渡した。
クイーンズランド・フューチャー・ファンド
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QFF およびそのサブ・ポートフォリオである債務返済基金（以下「 DRF 」という。）は、 2020 年クイーン
ズランド・フューチャー・ファンド法に基づくファンドとして設立された。 DRF は、州の信用格付を支える
と同時に、州の債務負担を軽減するためのリターンを生み出すことを目的として設立された。
DRF からの償還は、州の債務を削減するための金額と、 2020 年クイーンズランド・フューチャー・ファン
ド法による基金の管理に伴う手数料や費用に限られる。
固定利付債券
州からの資産の譲渡と引き換えに、 QTC は、州政府投資事業の各ポートフォリオに対して固定利付債券を
発行した。
長期資産ポートフォリオに合わせて発行された固定利付債券には、固定利付債券の帳簿価額に対して発
生する年率 6.5 ％（ 2021 年は 6.5 ％）の金利がついており、州の統合基金のために使われる。
QFF への最初の資産譲渡と引き換えに発行された固定利付債券は、クイーンズランド州財務省のためのも
のである。この固定利付債券の帳簿価額に対して年率 6.5 ％（ 2021 年は 6.5 ％）の利息が発生する。
固定利付債券と州政府投資事業の資産との直接の関係を認識するので、固定利付債券について QTC が支払
う返済額と投資資産について QTC が受け取るリターンとの差額は、財務書類上、毎年固定利付債券の価値に
対する市場価格の調整として計上される。市場価格調整は、 QTC のキャピタル・マーケット業務またはその
義務を履行する能力に影響を与えない。
SIAB 委員には、クイーンズランド州財務省からの代表者および投資管理やガバナンスに係る経験を有す
る外部委員が含まれている。 SIAB は、州政府により与えられた枠組み内で州政府投資事業を監督するすべ
ての責任を委譲されている。これには、適正な投資戦略を決定すること、投資実績および投資管理者
（ QIC ）の実績を監視すること、また関連する内部統制、基準および法令の遵守を監視することが含まれ
る。戦略的な資産配分の構築、実績および州政府投資事業の資産の監視は、そのためにクイーンズランド
州財務公社資本市場理事会および日々のキャピタル・マーケット業務とは区別されており、 SIAB および任
命された投資管理者（ QIC ）の責任である。
毎年、クイーンズランド州財務公社資本市場理事会は、オーストラリア会計基準およびその他の規定要
件に従い財務書類を作成するために、州政府投資事業の資産に係る関連情報を受領する。 QIC は、 SIAB がか
かる関連情報をクイーンズランド州財務公社資本市場理事会に提供できるよう支援する責任を負う。
2 重要な会計方針およびその他の説明情報
財務報告書の作成において採用された主要な会計方針は、下記および関係する 財務書類の注記 に記載さ
れる。
(a) 作成基盤
2022 年 6 月 30 日に終了した会計年度の汎用財務書類は、 2021 年 7 月 1 日以降に始まる報告期間に適用され
るオーストラリア会計基準およびオーストラリア会計審議会（以下「 AASB 」という。）によって採用さ
れた解釈指針、 2009 年金融説明責任法、 2019 年財政および業績管理基準ならびにクイーンズランド州政
府機関財務報告要件（法定組織に適用あるもの）に従い作成された。
IFRS の遵守
QTC の財務書類は、国際会計基準審議会 が公表した IFRS に適合している。 QTC は、営利法人と同様に
IFRS の要件を遵守することとしている。
会計方針、開示、基準および解釈指針の変更
新しい会計基準および解釈指針
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当年度中、 QTC は、サービスとしてのソフトフェア（以下「 SaaS 」という。）契約実行の際に生じる、
初期のコンフィグレーションおよびカスタマイゼーションに係る費用に関連する会計方針を修正した。
これは、現行の会計基準がこうした契約類型にどのように適用されるかについての解釈指針を明確化す
る IFRS 解釈指針委員会のアジェンダ決定に対応したものである。この結果、 QTC は無形資産の計上に係る
会計方針を変更した。
この会計方針の変更により影響を受ける過去の財務情報の各項目に関する修正再表示は以下のとおり
である。
( 単位：千ドル )
2020 ／ 21 年 会計方針の変更に 修正再表示後
決算 伴う調整 2020 ／ 21 年
包括的利益計算書（抜粋）
キャピタル・マーケット業務
費用
(77,770) (723) (78,493)
一般管理費
(79,483) (723) (80,206)
費用合計
(8,282) 217 (8,065)
所得税の支払
所得税支払後のキャピタル・マーケット業務からの
115,651 (506) 115,145
利益
貸借対照表（抜粋）
キャピタル・マーケット業務
9,462 (1,052) 8,410
無形資産
131,742,729 (1,052) 131,741,677
資産合計
26,579 (316) 26,263
支払債務
131,150,355 (316) 131,150,039
負債合計
592,374 (736) 591,638
純資産
資本変動表（抜粋）
2020 ／ 21 年期首現在 526,723 (230) 526,493
キャピタル・マーケット業務
115,651 (506) 115,145
当期利益
592,374 (736) 591,638
2020 ／ 21 年期末現在
資金収支表（抜粋）
営業活動により得られた資金
(71,654) (626) (72,280)
一般管理費
620,629 (626) 620,003
営業活動により得られた資金純額
投資活動により得られた資金
(709) 626 (83)
無形資産に関する支払
(2,875,435) 626 (2,874,809)
投資活動により使用された資金純額
未採用の基準および解釈指針
特定の新しい会計基準および解釈指針が公表されたが、今報告期間には強制適用されない。公表され
ているものの未だ効力が発生していないオーストラリア会計基準および解釈指針の将来の採用は、 QTC の
財務書類に重大な影響を及ぼすことはないと予測される。しかしながら、かかる会計基準および解釈指
針により、現在の情報開示方法が若干変更される可能性がある。
評価基準
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本財務書類は、別段の記載がある場合を除き、資産および負債の公正価格評価に基づき作成されてい
る。公正価格は、取引を行う十分な知識および意思を有する独立当事者間において資産が交換されまた
は 負債が決済される価格をいう。
機能通貨および表示通貨
本財務書類は、 QTC の機能通貨である豪ドルによって表示される。
資産および負債の分類
貸借対照表は、流動性基準により表示されている。資産および負債は、流動性の高い順で表示されて
おり、流動および固定の区別はされていない。
(b) 外貨
外貨取引は、まず当該取引日に適用される為替レートで豪ドルに換算される。決算日に、外貨により
QTC が受取りまたは支払う額は、利率および経過利息を考慮に入れ、決算日現在の為替レートを使って評
価されている。為替差損益は包括的利益計算書に計上されている。
(c) 担保
QTC は、合意された市場上限に従って担保の提供を要求するカウンターパーティーと様々な取引を行っ
ている。かかる上限を超えれば、 QTC は、取引を担保するためにカウンターパーティーに対し資産を担保
に供することが必要となるかまたはカウンターパーティーから資産を担保に受けられることもある。担
保として提供または受領された資産は主に現金の形による。
(d) 金融資産および金融負債
金融資産は、当初の計上時に損益を通じて公正価格で分類され、以下を含む。
・現金および現金同等物
・損益を通じて公正価格により評価される金融資産
・金融デリバティブ商品
・貸付金
金融負債は、損益を通じて公正価格で評価され、以下を含む。
・利付債務
・預金
・固定利付債券
金融資産および金融負債は、貸借対照表上、金融商品の契約規定の当事者に QTC がなった時点、すなわ
ち取引の決済日に計上される。金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローについての契約上の権
利が期間満了したかまたは譲渡されかつ QTC の支配下になくなった時点で、その計上が廃止される。金融
負債は、契約に規定される義務が終了したか、取り消されたかまたは期間満了した時点で、貸借対照表
上から抹消される。
金融資産および金融負債は、損益を通じて公正価格により評価され、公正価格は、利用可能であれ
ば、公表される市場の出口価格を参照する。市場価格が利用可能でない場合には、公正価格は、プライ
シングモデルまたは他の広く認められている評価技法に基づいて見積もられる。
QTC は、取引される金融商品の公正価格を決定する基盤として、リスクポジションを相殺する中間市場
価格を使用する。一般に、金利および外国為替リスクを管理するために使用される金融デリバティブを
伴う借入資金のリスクの性質は、貸し付けられる資金のそれと緊密に一致する。他のすべてのケースで
は、重要な場合には、売値－買値のスプレッドが適用される。
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損益を 通じて 公正価格により評価される金融資産および金融負債にかかる利益および損失は、包括的
利益計算書において計上される。
(e) 金融商品の相殺
QTC は、法的強制力のある相殺権があり、純額ベースで決済するかまたは資産を実現し同時に負債を決
済する意図がある場合に、金融資産と金融負債を相殺する（注記 11(c)(iv) 参照）。
(f) 買戻契約
買戻契約に基づき合意価格で売却された有価証券は、損益を 通じて 公正価格により評価される金融資
産カテゴリーの中で保有され、一方買戻し債務は、損益を 通じて 公正価格により評価される金融負債と
して開示される。
(g) 手数料収入
手数料収入は、以下を含む。
・ QTC の貸付および預り金の管理から得られる収入を意味する、管理手数料収入は、顧客の指令に従い
サービスが提供されたときに後から計上される。
・経済的利益が QTC に流入し、確実に評価できる可能性が高い範囲で、サービスの提供される期間にお
いて計上されるその他の報酬。
・金融保証にかかる収益は、契約期間にわたり継続的に計上される。金融保証にかかる債務不履行の
可能性は保証委託により極めて低いため、受取収益は公正価格を反映している。
(h) 損益
州総督が別に定める場合を除き、 公社法は、すべての利益を州の統合基金の利益とし、すべての損失
を州の統合基金の負担とすることを要求している。 州の統合基金への利益の還元は、配当の形で実行さ
れ、配当は、 QTC の資本要件を考慮したうえで理事会の承認に従って提供される。
(i) 受取債権
受取債権は、報告日においてその公正価格に近似する償却後原価により測定される。売掛金は、販売
時またはサービス提供時の金額、すなわち合意された購入価格／契約価格により計上される。その他の
債権は、一般に企業の通常の営業活動以外の取引から発生し、売掛金と同様の条件により評価額で計上
される。
(j) 無形資産
無形資産は、減価償却累計額および評価損累計額を控除した原価で計上される。減価償却は、通常 3 年
から 7 年の推定耐用年数につき定額法で計上される。かかる資産の耐用年数は、少なくとも各会計年度末
に見直され、その変動は、会計上の見積もりの変更として将来に向けて会計処理される。
業務用のコンピュータ・ソフトウェアライセンスの取得にかかる費用およびかかるシステムの向上、
修正または追加機能の導入を行い、かつ無形資産の定義および認定要件を満たすソフトウェア・コード
の開発にかかる費用は、無形資産として計上される。
SaaS 契約は、契約期間にわたり、 QTC にプロバイダーのアプリケーション・ソフトウェアにアクセスす
る権利を付与するサービス契約である。コンフィギュレーションまたはカスタマイゼーションにかかる
費用およびクラウドプロバイダーのアプリケーション・ソフトウェアへのアクセス権取得のための継続
的な費用は、サービスが提供された時点で経常支出として計上される。
(k) 減損
減損が計上される場合には、以下の方法が適用される。
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受取債権 ：売掛金およびその他の債権に対する貸倒引当金は、全期間の予想信用損失を反映し、合理
的で裏付けのある予測情報を組み入れている。 QTC の債務者に影響を及ぼす経済的変化および関連する業
界データは、 QTC の減損評価の一部を構成する。クイーンズランド州政府機関またはオーストラリア政府
機 関に対する受取債権については、その重要性に基づき貸倒引当金を計上していない。
債務者の未払金を回収する合理的な見込みがない場合には、債務は貸倒引当金に対する受取債権を直
接減額することにより償却される。償却された債務額が貸倒引当金を超過した場合、超過額は減損損失
として計上される。
非金融資産 ：非金融資産の帳簿価額は、各々の報告日付または減損の兆候が生じた際に見直される。
減損の兆候がある場合、その資産の回収可能価額が決定される。資産の帳簿価額が回収可能価額を超え
る額は、減損損失として計上される。資産の回収可能価額は、資産の公正価格から処分コストを控除し
た額または使用価値のいずれか高い方として決定される。
(l) 従業員の手当
過去の役務の対価として既存もしくは生成中の債務が存在する場合には、給与、退職年金、年次休
暇、長期勤続休暇および短期インセンティブを含む従業員の手当が負債として計上される。この負債
は、債務を確実に評価できることを前提とした給付見込額が基準となる。この金額は、翌 12 ヶ月以内に
支払われることが見込まれる場合には、割引前の基準で評価される。長期勤続休暇等、支払日が 12 ヶ月
を超えることが見込まれる金額については、将来の給付増加が予想され、オーストラリア政府債利回り
を使用して割引がなされる。病気休暇は給付が確定したものではないので、取得された際に、費用が病
気休暇について計上される。
(m) 端数整理
金額は、別段の記載がある場合を除き、千ドル未満を四捨五入している。
(n) 比較される数値
比較される数値については、注記 2(a) に詳述される会計方針の変更に伴い修正再表示されている。
(o) 判断および仮定
財務書類の作成にあたり、経営陣は、財務書類における報告値に影響を及ぼす判断、見積もりおよび
仮定を行う必要がある。経営陣は、その判断、見積もりおよび基礎となる仮定を継続的に評価する。会
計上の見積もりの修正は、見積もりが修正される期間および将来において影響を受ける期間において認
められている。より高度な判断または複雑性を内包する領域、または財務書類にとって仮定または見積
もりが重要となる場合がある分野は以下のとおりである。
金融資産および金融負債の公正価格
金融資産および金融負債（デリバティブを含む。）は、入手可能な市場価格の見積もりを参照するこ
とにより公正価格が算出される。活発な市場では取引されない金融商品の公正価格は、類似した商品の
市場の見積もりを参照するか、または評価技術を使用して決定される。評価技術は、スワップ・カーブ
またはカウンターパーティーの信用度の変化に応じて調整される類似商品に対するカウンターパー
ティーのクレジット・スプレッドへ、売買マージンを適用することができる。マージンは、商品につき
取引が活発ではない場合、当初の購入マージンに基づいて適用することができる。
活発な市場の見積もりが入手不可能な場合、評価方法または仮定の選択において判断が必要となる場
合がある（注記 12 および 18 参照）。
クイーンズランド・トレジャリー・ホールディングス・プロプライアタリー・リミテッド（以下
「 QTH 」という。）への出資
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クイーンズランド州財務省は、 QTH の 60 ％の実質持分および議決権の 76 ％を有している。残りの 40 ％の
実質持分および 24 ％の議決権は、 QTC が保有している。 QTC は、 QTH への出資につき、事業体、エクスポー
ジャー もしくは変動リターンに対する権利またはかかるリターンに影響を及ぼす権利に対して支配また
は重大な影響を有さないため、持分法を適用していない。クイーンズランド州財務省は、重要な取引を
支配し、 QTH のすべてのリスクを負いかつ利益を享受しており、したがって、 QTH はクイーンズランド州
財務省の財務書類に連結されている。
新型コロナウイルス感染症等の環境・社会・ガバナンス（以下「 ESG 」という。）に関連する影響
QTC の資産の大半（貸付金ならびに現金および現金同等物）は公正価格で日次評価されており、した
がって、新型コロナウイルス感染症、気候変動、法規制もしくは政府または規制当局が採用するその他
の政策の変更の結果として必要とされる追加の調整はない。カウンターパーティーの信用リスクおよび
QTC の顧客に関連する信用リスクは、 QTC により個別に監視されている（注記 11(c) 参照）。信用格付は、
主に ESG に関するリスクおよびサステナビリティ・リスクも勘案したうえで決定される。 QTC の貸付金の
大半は、炭素集約度の高い事業への貸付を含め、州により保証されている。
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3 損益を通じて公正価格により評価される金融商品にかかる純（損失）／利益
会計方針
損益を通じて公正価格により評価される金融資産および金融負債にかかる利益および損失は、以下の項
目から構成される。
・発生主義で計上される純 受取利息および純支払利息
・決済日に計上される投資対象の売却および借入の期限前弁済による市場金利の変動から生じる純実現
損益
・投資、一定の貸付および借入による市場金利の変動から生じる純未実現損益
( 単位：千ドル )
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
損益を通じて公正価格により評価される金融資産にかかる純（損失）／
利益
現金および現金同等物 15,026 16,690
損益を通じて公正価格により評価される金融資産 (241,375) 81,683
デリバティブ 323,965 30,951
(12,465,458) (372,633)
貸付金
(12,367,842) (243,309)
損益を通じて公正価格により評価される金融負債にかかる純利益／（損
失）
デリバティブ 292,155 (87,578)
損益を通じて公正価格により評価される金融負債
－短期 (142,743) 169,285
－長期 12,240,121 354,350
預金 (54,031) (62,922)
(10,506) (18,289)
その他
12,324,996 354,846
（注） 2022 年 6 月 30 日に終了した会計年度においては、長期利回りが上昇したため、金融資産および特に QTC の貸付金の
市場価格が下落した。この損失は、金融負債の市場価格の下落により相殺された。
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4 一般管理費
( 単位：千ドル )
修正再表示後
2021 ／ 22 年
(1)
2020 ／ 21 年
給与および関係費用 43,427 44,803
退職積立金 3,374 3,603
請負 854 1,863
顧問手数料 2,721 1,107
情報およびレジストリサービス 3,516 3,380
有形固定資産の減価償却 733 680
(1)
5,572 5,498
無形資産の償却および減損
賃料 1,202 1,967
情報および通信技術 11,312 12,295
3,731 3,297
その他の管理費用
76,442 78,493
(1) 当該金額は、 SaaS 契約実行の際に生じる、初期のコンフィグレーションおよびカスタマイゼーションに係る費用
に関連する注記 2(a) に記載の会計方針の変更により修正再表示されている。
5 所得税費用
会計方針
QTC は、 1997 年所得税法（その後の改正を含む。）第 50 条の 25 に基づき所得税の支払を免除されている。
QTC は、所得税に代わる支払を州の統合基金に対して行う。所得税負債の計算は、 QTC のキャピタル・マー
ケット業務によって管理される特定の活動による収入に基づいて行われる。州政府投資事業セグメントま
たは金融商品にかかる純損益の大部分に対しては、所得税は課税されない。
( 単位：千ドル )
修正再表示後
2021 ／ 22 年
(1)
2020 ／ 21 年
当期税 10,617 8,389
935 (324)
繰延税金（収益）／費用
11,552 8,065
当年度計上された所得税費用合計
所得税費用および会計上の税引前利益との間の数値調整
税引前当期（損失）／利益 (24,682) 123,210
非課税ポートフォリオからの差引（損失）／利益
－キャピタル・マーケット業務 (63,159) 96,022
- -
－州政府投資事業
38,477
課税ポートフォリオからの営業利益 27,188
課税ポートフォリオにかかるオーストラリアの 30 ％税率における税金 11,543
8,156
9
控除できない効果額 (91)
11,552
所得税費用 8,065
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(1) 当該金額は、 SaaS 契約実行の際に生じる、初期のコンフィグレーションおよびカスタマイゼーションに係る費用
に関連する注記 2(a) に記載の会計方針の変更により修正再表示されている。
6 現金および現金同等物
会計方針
現金および現金同等物は、手元現金および容易に換金可能な流動性の高い投資である要求払預金を含
む。
( 単位：千ドル )
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
銀行預金 5,247,278 11,803,213
5,247,278 11,803,213
7 損益を通じて公正価格により評価される金融資産
会計方針
金融資産は、貸借対照表上、金融商品の契約規定の当事者に QTC がなった時点に計上され、その損益は、
損益計算書において計上される。
すべての金融資産は、利用可能であれば、公表される市場の出口価格を参照した公正価格で評価され
る。公表される市場価格が利用可能でない場合には、公正価格は、プライシングモデルまたは他の広く認
められている評価技法に基づいて見積られる。
( 単位：千ドル )
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
割引証券 9,015,293 1,404,764
(1)
2,137,752 1,840,526
連邦証券および州発行証券
変動利付債券 8,772,443 8,254,147
定期預金 7,940,159 2,776,061
664,025
その他の投資 683,091
28,529,672
14,958,589
(1) QTC は自己株式の保有を維持している。かかる自己株式保有は、相殺されており、よって損益を通じて公正価格に
より評価される金融資産および金融負債より除外されている。
2022 年 6 月 30 日現在、金融資産 8.6 十億ドル（ 2021 年度は 9.4 十億ドル）が 12 ヶ月経過した後に満期を迎え
る予定である。
8 デリバティブ金融資産およびデリバティブ金融負債
会計方針
すべてのデリバティブは、損益を通じて公正価格により評価され、その損益は損益計算書において計上
される。デリバティブは、貸借対照表上、公正価格が正である場合には資産に、負である場合には負債に
計上される。
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QTC は、資産・負債管理の一環として、金利、為替および信用リスクへの QTC のエクスポージャーをヘッ
ジするため、金融デリバティブ商品を利用する。さらに金融デリバティブ商品は、長期変動金利または長
期固定金利へのエクスポージャーを分散するためにも利用される。
( 単位：千ドル )
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
デリバティブ金融資産
金利スワップ 183,379 224,737
クロス通貨スワップ 19,761 49,657
外国為替契約 86,132 59,924
8,673
先物取引契約 2,518
297,945
336,836
デリバティブ金融負債
金利スワップ (169,475) (177,299)
クロス通貨スワップ (75,901) (51,758)
(55,228) (9,130)
先物取引契約
(300,604) (238,187)
(2,659) 98,649
デリバティブ ( 純額 )
2022 年 6 月 30 日現在、デリバティブの純負債ポジションのうち 58.5 百万ドル（ 2021 年度は純 負債 ポジショ
ンのうち 38.9 百万ドル）に、 12 ヶ月超の償還日が設定されている。
9 貸付金
会計方針
QTC は、その顧客のために借入を行い、 QTC の資金のコストに見合った利率に、 QTC の業務のコストをカ
バーするための一般管理費を加えて貸付を行う。
貸付金は、当初引き出された金額が計上される。当初の計上後、貸付金は、基礎となる債務ポートフォ
リオまたは固定金利貸付の場合、割引キャッシュ・フロー法のいずれかを参照し、公正価格で貸借対照表
に記載される。
( 単位：千ドル )
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
州政府部局 43,704,767 48,965,762
州政府保有法人 27,123,470 28,609,158
公法人 17,222,205 19,744,887
地方自治体 6,192,908 6,883,658
(1)
101,339 102,898
QTC 関係法人
(2)
237,559 304,866
その他の法人
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94,582,248 104,611,229
(1) QTC 関係法人は、 DBCT ホールディングス・プロプライアタリー・リミテッドを含む。
(2) その他の法人は、産業支援パッケージの下で貸し付けられたローンを含む。
2022 年 6 月 30 日現在、顧客預金 2.4 十億ドルが、引出しファシリティに入金され（ 2021 年度は 2.3 十億ド
ル）、貸借対照表において貸出金額と相殺された。 2022 年 6 月 30 日現在、貸付金の総額は、 97.0 十億ドル
（ 2021 年度は 106.9 十億ドル）であった。
2022 年 6 月 30 日現在、帳簿価額総額 101.1 十億ドルのうち元本返済金 94.7 十億ドル（ 2021 年度は総額 95.7
十億ドルのうち 91.6 十億ドル）を 12 ヶ月経過した後に受領する見込みである。
州は、様々なクイーンズランド州の民間部門企業に対してローンおよび交付金の形で金融支援を引き続
き行っている。このプログラムは、産業支援パッケージ（以下「 ISP 」という。）と呼ばれ、新型コロナウ
イルス感染症のパンデミックが続く中で取引を行い、回復期間を促進することを目的に策定された。 2022
年 6 月 30 日現在、 ISP の下で貸し付けられたローンの 25.3 百万ドル（ 2021 年度は 36.5 百万ドル）が未払いで
あった。かかるパッケージにおけるローンはそれぞれ個別に交渉されたものであり、異なる条件を含み、
州により保証される。 ISP ローンの最長期間は開始から 10 年であり、プログラムの融資の最終返済期限は
2030 年 9 月 17 日である。
10 損益を通じて公正価格により評価される金融負債
(a) 利付債務
利付債務は、主として短期政府債券、オーストラリア債券および変動利付債券から構成される。オー
ストラリア債券は、 QTC の国内債券、資本指数化債券および公債を含む。
( 単位：千ドル )
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
利付債務
短期
政府債券 4,778,349 3,174,801
1,474,609
コマーシャル・ペーパー 2,460,771
6,252,958
5,635,572
長期
豪ドル建債券 100,868,073 105,388,979
変動利付債券 10,858,377 10,082,630
ミディアム・ターム・ノート 936,475 1,276,180
431,557 372,574
その他
113,094,482 117,120,363
119,347,440 122,755,935
利付債務合計
QTC の借入は、公社法に基づき、クイーンズランド州政府によって保証される。 2022 年 6 月 30 日現在、
債務証券 102.8 十億ドル（ 2021 年度は 114.6 十億ドル）が 12 ヶ月超経過した後に決済される見込みであ
る。
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外貨建商品は完全にヘッジされるため、外国為替相場の変動による純エクスポージャーは存在しな
い。外国為替相場の変動による QTC のエクスポージャーおよびかかるエクスポージャーをヘッジするため
に 使用されるデリバティブの詳細は、注記 11(a)(i) に記載されている。
QTC のグリーンボンド・プログラムは、州が進める低炭素で気候変動に強く、かつ環境的に持続可能な
経済への道筋を支援するものである。 2022 年 6 月 30 日現在、 QTC は 5.93 十億ドルの市場価値を持つグリー
ンボンドを発行している（ 2021 年度は 4.13 十億ドル）。
金融負債の帳簿価額と、満期時に債務保有者に対し契約上支払われるべき金額の差額は次の表のとお
りである。
( 単位：千ドル )
公正価格 満期時の弁済金額 差額
2021 ／ 22 年期末現在
利付債務
短期
政府債券 4,778,349 4,810,000 (31,651)
コマーシャル・ペーパー 1,474,609 1,481,324 (6,715)
6,252,958 6,291,324 (38,366)
長期
豪ドル建債券 100,868,073 105,892,029 (5,023,956)
変動利付債券 10,858,377 10,825,000 33,377
ミディアム・ターム・ノート 936,475 1,020,241 (83,766)
その他 431,557 459,720 (28,163)
113,094,482 118,196,990 (5,102,508)
119,347,440 124,488,314 (5,140,874)
利付債務合計
( 単位：千ドル )
公正価格 満期時の弁済金額 差額
2020 ／ 21 年期末現在
利付債務
短期
政府債券 3,174,801 3,175,000 (199)
コマーシャル・ペーパー 2,460,771 2,594,228 (133,457)
5,635,572 5,769,228 (133,656)
長期
豪ドル建債券 105,388,979 115,650,611 (10,261,632)
変動利付債券 10,082,630 10,292,668 (210,038)
ミディアム・ターム・ノート 1,276,180 1,486,560 (210,380)
その他 372,574 376,977 (4,403)
117,120,363 127,806,816 (10,686,453)
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122,755,935 133,576,044 (10,820,109)
利付債務合計
(b) 預金
顧客預金は、 QTC キャッシュ・ファンドまたはワーキング・キャピタル・ファシリティにおいて受け入
れられる。かかる預金の投資から発生する収益は日々預金者に発生する。貸借対照表に記載される数値
は、決算日における預金の市場価値を表示する。
保有担保および買戻し条件付き売却有価証券は預金として開示されている。
( 単位：千ドル )
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
顧客預金
地方自治体 4,691,689 4,029,212
公法人 3,131,029 3,404,693
州政府部局 93,862 78,308
州政府保有法人 42,074 144,543
(1)
101,288 114,683
QTC 関係法人
224,978 189,180
その他の預金者
8,284,920 7,960,619
保有担保 146,300 147,064
- -
買戻契約
146,300 147,064
8 107,683
8,431,220
預金合計
(1) QTC 関係法人は、クイーンズランド・トレジャリー・ホールディングス・プロプライアタリー・リミテッドならび
にその子会社であるブリスベン・ポート・ホールディングス・プロプライアタリー・リミテッド、 DBCT ホール
ディングス・プロプライアタリー・リミテッドおよびクイーンズランド・ロッタリー・コーポレーション・プロ
プライアタリー・リミテッドを含む。
2022 年 6 月 30 日現在、 8.3 十億ドル（ 2021 年度は 8.0 十億ドル）が 12 ヶ月以内に満期を迎える予定であ
る。
11 金融リスク管理
QTC の事業は、市場リスク（外国為替リスクおよび金利リスクを含む。）、資金調達および流動性リスク
ならびに信用リスクといった様々な金融リスクを有している。 QTC の金融リスク管理は、金融リスクエクス
ポージャーを最小限に留め、変動性を管理することに注力し、 QTC およびその顧客の財務実績に対する金融
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リスクの潜在的悪影響を軽減することを目指している。 QTC は、金融リスクを管理するため、為替予約、金
利スワップおよび先物取引契約といった金融デリバティブ商品を利用している。
金融リスクおよび法令遵守の管理のための強力なシステムが設定されている。金融リスク方針の遵守が
毎日チェックされている。独立性を確保するために、金融リスクの測定および監視は、取引にかかわる
チームとは別個のチームによって行われている。
すべての金融リスク管理活動は、金融市場リスク方針で定めるとおり、理事会の承認した方針の範囲内
で行われており、新しい金融商品は、 QTC の理事会から権限を委任された経営リーダーシップチームにより
承認されている。金融市場リスク方針の違反は、すべて、経営陣、最高経営責任者ならびに資金調達およ
び市場委員会会議において段階的に処理され、次回の理事会会議において提出される。
QTC は、キャピタル・マーケットにおける活動を行うにあたり、自己資本政策を考慮している。 QTC は、
法的、規制上または会計上の資本保有要件を有しないが、自己資本政策は、 QTC の自己資本管理方法を定め
ている。 QTC はその事業活動のリスク分析およびリスク選好を支援するために十分な自己資本を維持するよ
う努めている。
(a) 市場リスク
市場リスクは、金融市場価格における不利な動きによって生じるポジションにおいて損失を被るリス
クのことである。 QTC は、外国為替相場および金利の変動の影響によって生じる市場リスクを有してい
る。市場リスクに対する QTC のエクスポージャーは、借入および投資活動を通じて発生する。これには、
クイーンズランド州の公共部門企業が必要時にいつでも資金を調達できることを確保し、かつ満期を迎
える貸付の借換に関するリスクを低減させるための需要に先立った借入が含まれている。
市場価格変動の結果、残存リスクポジションがあり、これにより、実現会計損益および未実現会計損
益を当年度中に計上する可能性がある。これらの取引が満期まで保有されるか否かにより、未実現損益
が次期会計期間において逆転する可能性もある。
( ⅰ ) 外国為替リスク
QTC は、外貨での借入を可能にする資金調達ファシリティを有している。 QTC のキャッシュ・ファンド
は、外貨建資産に投資する場合がある。 QTC は、外貨借入および海外投資に伴う為替レートの変動による
リスクをヘッジするため、先物為替予約およびクロス通貨スワップの両方を締結している。次の表は、
クロス通貨スワップと先物為替予約が外貨借入および海外投資の額面金額に対してもたらしたヘッジ効
果を豪ドル換算で要約したものである。
( 単位：千ドル )
借入 海外投資 デリバティブ契約 純エクスポージャー
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
米ドル (1,481,325) (2,311,346) - - 1,481,325 2,311,346 - -
スイス・フラン (167,333) (158,715) - - 167,333 158,715 - -
円 (159,877) (180,376) - - 159,877 180,376 - -
(693,031) (721,451) 75,990 79,106 617,041 642,345 - -
ユーロ
( ⅱ ) 金利リスク
QTC は、顧客指令に規定される存続期間の特性に基づき、顧客に貸付を行う。 QTC は、資産および負債
管理ポートフォリオ内で顧客への貸付の存続期間の特性および QTC の資金間の差異を管理する。存続期間
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は、金融商品または金融商品のポートフォリオの金利感応度を直接測定するものであり、金利の変動に
よる金融商品または金融商品のポートフォリオの価値の変化を数値化する。顧客への貸付および QTC の資
金 間の差異の管理にかかる費用または利益は、すべて州へ転嫁されるため、 QTC は、当該ポートフォリオ
に関する金利リスクから効果的に保護されている。
QTC の先立った借入および信用の質が高く、流動性の高い資産への余剰金投資の結果である金利リスク
は、デュレーション・リスク、イールド・カーブ・リスク、価格差リスクおよびバリュー･アット･リス
ク（以下「 VaR 」という。）を考慮して管理されている。
QTC は、理事会の承認した VaR の枠組みを用いて、 QTC が影響を受ける市場リスクを管理しており、これ
は定義されたストレステスト等のその他の方法によって補完される。 VaR による評価により、任意の保有
期間における潜在的な時価での損失が 99 ％の信頼度で予測される。 QTC は、ヒストリカル・シミュレー
ション・アプローチを用いて、 10 営業日の保有期間で VaR を計算する。
イールド・カーブに沿った金利動向が得られないというリスクを管理するため、 QTC は、期間ごとにお
ける純金利リスクが測定できるように、ポートフォリオのキャッシュ・フローを一定の期間ごとに管理
している。 QTC は、金利リスク管理を行うために金利スワップおよび先物取引契約を締結している。
QTC の資金および流動性ポートフォリオにおいて、中期から長期の固定利率での借入の金利エクスポー
ジャーを変動利率での借入に変更するために、金利スワップを利用することができる。また、しばしば
変動から固定へのスワップは固定利率の資金を創設するために行うことができる。資金および流動性
ポートフォリオにおいて金利スワップを用いる場合、 QTC は価格差リスクを有する。価格差リスクは、ス
ワップ・カーブと現金、銀行手形および債券先物取引ならびに QTC ・イールド・カーブとの間での変動に
対する、時価でのエクスポージャーを表す。
QTC のキャッシュ・ファンドへの顧客預金は、顧客に代わって投資され、かかる投資から得た利益は、
クレジット・スプレッドの変動による時価での損益を除き、 QTC の顧客へ還元される。 QTC は、一般的に
これらの投資を満期まで保有するため、クレジット・スプレッドの変動による時価での影響は、通常、
資産の耐用年数につき転嫁される。
( ⅲ ) 商品価格リスク
QTC は、商品価格変動の影響を直接受けていない。
(b) 資金および流動性リスク
QTC は、強固な内部枠組みを有し、これにより、広範な流動性シナリオ分析および予測が、州の流動性
ポジションに関する適切な将来予測の見通しが存在することを確認するための仮定の感度を理解するた
めに行われる。
QTC の債券は、資本リスクの加重が 0 ％であるバーゼルⅢ改革に基づくオーストラリアの銀行向けレベ
ル 1 （慎重に要求される。）の資産である。厳しい市況においても、 QTC の債券は、一般的に、多くの需
要が保証されている。この需要は、 QTC の借入がクイーンズランド州政府によって保証されているという
事実によって、さらに支持されており（ QTC は S&P 、ムーディーズおよびフィッチという格付機関によっ
て、それぞれ AA+/Aa1/AA+ の格付を取得している。）、 QTC のベンチマーク債券はオーストラリア準備銀
行（ RBA ）による買戻契約の対象となっている（レポ適格）。容易に債券を発行できる能力は、流動性の
潜在的源泉とみなされる。
QTC は、理事会によって定義される最低要件を満たすために適切な流動性を保持する。理事会によって
限度が設定され、年に一度検討される流動性指標は以下のとおりである。
・ QTC の流動性カバレッジ・レシオ－ QTC は規定の期間において、ストレス下の流動性要件をカバーす
るのに十分な最低流動性残高を保持しなければならない。
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・ S&P の流動性比率－ QTC は今後 12 ヶ月間において債務返済要件のための最低流動資産比率を常に保持
しなければならない。
・キャッシュ・フロー・ウォーターフォール－ QTC は規定の期間において、すべてのインフローおよび
アウトフローを差し引いた現金同等物をプラスに維持しなければならない。
理事会が承認した流動性指標の遵守に加えて、 QTC は、公共部門企業の預金および州政府投資事業が保
有する投資の形で、偶発流動資産を保有する。
QTC は、中期から長期の資金調達ファシリティの中核として豪ドル建ベンチマークの債券ファシリティ
を、また短期資金調達ファシリティの中核として国内政府債券ファシリティを保有している。さらに、
QTC は、海外市場で代替的な資金調達機会を利用するために、グリーンボンド・プログラム、ユーロ建お
よび米国のミディアム・ターム・ノート・ファシリティならびにユーロ建および米国のコマーシャル・
ペーパー・ファシリティを保有している。 QTC は、これらのファシリティにより、国内外の金融市場取引
に迅速に参加することができる。
キャッシュ・ファンドおよびワーキング・キャピタル・ファシリティに計上されている預金は、請求
次第払戻される。一方、株券貸付および買戻契約の担保として保有している預金はかかる有価証券が QTC
に対して交付されたときに払戻される。
預金および支払債務を除き、負債の満期分析は、契約期間中における元本 ( 額面 ) および利息の価額の
返済に関する契約上の資金収支に基づき計算された。
現金および受取債権を除き、資産の満期分析は、契約期間中における元本 ( 額面 ) および利息の価額の
返済に関する契約上の資金収支に基づき計算された。
顧客への貸付金に関しては、一部の貸付金はインタレスト・オンリー型であり、元本部分については
返済日が確定していない（顧客の事業の質および当該事業の財務の健全性に基づき貸付が行われ
る。）。完全な満期分析を行うため、当該貸付金の元本部分は 5 年超の期間区分に分類され、当該期間区
分中においては利息の支払は想定されていない。
決算日現在、 QTC が保有する金融資産および金融負債に関する契約上の資金収支は、次の表のとおりで
ある。
( 単位：千ドル )
2021 ／ 22 年期末現在における契約上の満期
0～ 3ヶ月 3～ 6ヶ月 6～ 12 ヶ月 1～ 5年 5年超 総額 公正価格
金融資産
現金および
5,247,278 - - - - 5,247,278 5,247,278
現金同等物
受取債権 6,448 - - - - 6,448 6,448
(1)
2,985,180 1,324,708 1,325,159 15,229,417 97,015,633 117,880,097 94,582,248
貸付金
損益を通じて公正
価格により測定す 13,820,378 4,669,322 1,766,746 7,033,406 4,074,183 31,364,035 28,529,672
る金融資産
金融資産合計 22,059,284 5,994,030 3,091,905 22,262,823 101,089,816 154,497,858 128,365,646
金融負債
支払債務 (25,458) - - - - (25,458) (25,458)
預金 (8,320,769) (2,416) (23,235) (7,378) (92,327) (8,446,125) (8,431,220)
損益を通じて公正
価格により測定す
る金融負債
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－短期 (2,600,043) (3,191,282) (500,000) - - (6,291,325) (6,252,958)
(9,018,229) (145,184) (4,618,907) (53,511,926) (72,518,410) (139,812,656) (113,094,482)
－長期
(19,964,499) (3,338,882) (5,142,142) (53,519,304) (72,610,737) (154,575,564) (127,804,118)
金融負債合計
デリバティブ
金利スワップ 5,978 (10,003) (13,969) (31,233) 82,323 33,096 13,904
クロス通貨スワッ
1,020 (6,886) (20,141) (112,388) (458,418) (596,813) (56,140)
プ
外国為替契約 61,007 26,846 - - - 87,853 86,132
8,851,400 - - - - 8,851,400 (46,555)
先物取引契約
8,919,405 9,957 (34,110) (143,621) (376,095) 8,375,536 (2,659)
デリバティブ (純額 )
11,014,190 2,665,105 (2,084,347) (31,400,102) 28,102,984 8,297,830 558,869
純 (負債 )／資産
11,014,190 13,679,295 11,594,948 (19,805,154) 8,297,830 - -
累計
(1) QTC による貸付金の大部分は、当該顧客の事業の質および財務の健全性に基づいて行われる。当該事業が継続企業
であること、ならびに負債資本比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオ等の主要な信用評価指標の基準を
継続して充たすことを前提として、資金の貸付が行われる。このため、貸付金ポ－トフォリオの大部分は、貸付
の満期が 5 年超であり、また資金調達が基礎となる事業の状況に基づいて行われるよう、当該貸付の金利リスクは
顧客の事業リスクに基づいて管理される。 QTC は基礎となる事業の状況に見合った資金調達を行おうとしている
が、 QTC が有する負債の満期は、資産の満期よりも短くなる可能性がある。金利リスクの不一致がスワップおよび
先物取引契約によってヘッジされる一方で、 QTC は定期的に負債の借換を行わなければならない。
( 単位：千ドル )
(2)
修正再表示後 2020 ／ 21 年期末現在における契約上の満期
0～ 3ヶ月 3～ 6ヶ月 6～ 12 ヶ月 1～ 5年 5年超 総額 公正価格
金融資産
現金および
11,803,213 - - - - 11,803,213 11,803,213
現金同等物
受取債権 7,262 - - - - 7,262 7,262
(1)
1,133,459 1,108,672 1,284,119 14,068,787 95,460,106 113,055,143 104,611,229
貸付金
損益を通じて公正
価格により測定す 2,529,589 2,450,967 698,604 6,831,173 3,908,991 16,419,324 14,958,589
る金融資産
金融資産合計 15,473,523 3,559,639 1,982,723 20,899,960 99,369,097 141,284,942 131,380,293
金融負債
(2)
(26,263) - - - - (26,263) (26,263)
支払債務
預金 (7,779,197) (377,209) (20,809) (9,013) (92,327) (8,278,555) (8,107,683)
損益を通じて公正
価格により測定す
る金融負債
－短期 (3,715,528) (1,903,701) (150,000) - - (5,769,229) (5,635,572)
(1,811,267) (78,646) (4,334,921) (49,840,758) (71,741,222) (127,806,814) (117,120,363)
－長期
(13,332,255) (2,359,556) (4,505,730) (49,849,771) (71,833,549) (141,880,861) (130,889,881)
金融負債合計
デリバティブ
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金利スワップ 6,103 (6,027) 5,147 (27,875) 72,267 49,615 47,438
クロス通貨スワッ
(1,198) (5,928) (19,058) (108,264) (432,061) (566,509) (2,101)
プ
外国為替契約 2,350 - - - - 2,350 59,924
(1,536,000) - - - - (1,536,000) (6,612)
先物取引契約
(1,528,745) (11,955) (13,911) (136,139) (359,794) (2,050,544) 98,649
デリバティブ (純額 )
612,523 1,188,128 (2,536,918) (29,085,950) 27,175,754 (2,646,463) 589,061
純 (負債 )／資産
612,523 1,800,651 (736,237) (29,822,217) (2,646,463) - -
累計
(1) QTC による貸付金の大部分は、当該顧客の事業の質および財務の健全性に基づいて行われる。当該事業が継続企業
であること、ならびに負債資本比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオ等の主要な信用評価指標の基準を
継続して充たすことを前提として、資金の貸付が行われる。このため、貸付金ポ－トフォリオの大部分は、貸付
の満期が 5 年超であり、また資金調達が基礎となる事業の状況に基づいて行われるよう、当該貸付の金利リスクは
顧客の事業リスクに基づいて管理される。 QTC は基礎となる事業の状況に見合った資金調達を行おうとしている
が、 QTC が有する負債の満期は、資産の満期よりも短くなる可能性がある。金利リスクの不一致がスワップおよび
先物取引契約によってヘッジされる一方で、 QTC は定期的に負債の借換を行わなければならない。
(2) 当該金額は、 SaaS 契約実行の際に生じる、初期のコンフィグレーションおよびカスタマイゼーションに係る費用
に関連する注記 2(a) に記載の会計方針の変更により修正再表示されている。
(c) 信用リスク
( ⅰ ) 金融市場における相手方
金融市場の信用エクスポージャーは、 QTC によるキャッシュ・ファンドへの投資および金融商品へのそ
の他の直接投資に関する決算日現在の潜在的な損失として見積もられる。また、 QTC はデリバティブ契約
の形の信用エクスポージャーを有する。信用リスクとは、これらの相手方が QTC の投資に対して債務支払
できないリスクである。
非デリバティブ投資に関する信用エクスポージャーは、当該商品の市場価値または額面価格のいずれ
か高い方に基づき日々計算される。それに対し、デリバティブ契約のエクスポージャーは、商品価値に
適用される想定「追加」要因のみに基づく。デリバティブは、 QTC のすべてのクレジット・サポート・ア
ネックスに基づく日々の信用極度額のない時価評価である。 QTC はデリバティブを取引する相手方に対す
るエクスポージャーを限定する担保約定（ ( ⅳ ) マスター・ネッティング約定を参照のこと。）を活用し
ている。
下記の表は、 QTC の期末現在における信用リスクのエクスポージャーを示したものである。
( 単位：千ドル )
(1)
2021 ／ 22 年期末現在における信用格付
(2)
AAA AA+ AA AA- A+ A 合計
その他
現金および
- - - 5,247,278 - - - 5,247,278
現金同等物
(3)
2,769,577 1,115,703 371,200 18,889,841 3,043,093 1,784,349 514,661 28,488,424
金融資産
- - - 34,523 14,390 - - 48,913
デリバティブ
24,171,642 3,057,483 1,784,349 514,661 33,784,615
2,769,577 1,115,703 371,200
72 ％ 9％ 5％ 2％ 100 ％
8％ 3％ 1％
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( 単位：千ドル )
(1)
2020 ／ 21 年期末現在における信用格付
(2)
AAA AA+ AA AA- A+ A 合計
その他
現金および
- - - 11,803,213 - - - 11,803,213
現金同等物
(3)
2,069,924 1,083,854 451,715 7,456,454 2,957,201 797,203 - 14,816,351
金融資産
- - - 48,403 12,795 - - 61,198
デリバティブ
19,308,070 2,969,996 797,203 - 26,680,762
2,069,924 1,083,854 451,715
72 ％ 11 ％ 3％ 0％ 100 ％
8％ 4％ 2％
(1) S&P またはそれと同等の機関による信用格付。
(2) 長期格付の A- および BBB+ ならびに短期格付の A-1+ および A-2 を含む。
(3) 金融資産は未決済の額面金額に基づいている。かかる金融資産は主に割引証券、連邦証券および州発行証券、変
動利付債券ならびに定期預金から成る。
QTC の信用リスクは、銀行事業、とりわけ国内の銀行事業に大きく集中している。 2022 年 6 月 30 日現
在、システム上重要な国内の銀行（ AA- の格付を有する。）に対する QTC のエクスポージャーは約 61 ％
（ 2021 年度は 40 ％）であった。国内の銀行に対するエクスポージャーは、オーストラリアのクレジット
市場の構成を反映しており、かかるクレジット市場自体では国内の銀行による発行が多く見られる。規
制上の要件、追加資本バッファー、発行の種類および緊急事態による影響を含む国内の銀行の主な特徴
は、継続的に監視されている。
QTC は、相手方の信用の質の高さに強いこだわりを持ちながら、保守的な信用リスクの管理方法を採用
している。 QTC は、 BBB+ またはそれ以上の格付があり、金融機関および金融市場に関する法律および規制
上の強固な枠組みを有する政治的に安定した諸国に本店がある相手方に対する投資が義務付けられてい
る。
QTC の理事会は、相手方のドル価値の上限および発行体の信用格付に関する条件の制限を設けている。
個々の相手方に関する実際の制限は、これらの理事会による制限内で、所在国、主要な信用測定基準に
対する業績ならびに資産の質、資本水準および資金調達プログラムの規模に関するその他要因によって
決まる。
格付機関は、 QTC の与信チームの信用格付情報の主要な情報源として利用される。かかる情報は、エク
スポージャーの監視および報告のための与信チーム自体の信用分析方法および実務により支持されてい
る。
( ⅱ ) 貸付の相手方
QTC はまた、顧客への貸付に関する信用リスクを有する。民間企業に対する小口のエクスポージャーお
(1)
よび ISP （注記 9 参照）ポートフォリオの一環としてのエクスポージャーを除くと、 QTC は、クイーン
ズランド州政府の下部主体（クイーンズランド州財務省、公法人および政府保有法人を含む。）および
非州政府系主体（地方自治体、大学および私立学校を含む。）に資金を貸し付けている。
ISP を構成するローンおよび石炭発電等の環境・社会・ガバナンス（ ESG ）に影響のある主要な分野に
おいて事業を行っている顧客が保有するすべての債務を含む QTC の貸付の大半（ 2022 年度は 72.2 ％、 2021
年度は 72.0 ％）は明示的な州の保証を受けている。 QTC は、 2022 年 6 月 30 日現在約 26.5 十億ドル（ 2021 年
度は 29.6 十億ドル）の無保証貸付の限度までクレジット・デフォルト・リスクを直接有する。
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QTC の顧客の貸付残高エクスポージャーは、承認済みの顧客与信手続に基づき積極的に監視されてい
る。この手続には、すべての相手方が十分な債務支払能力および長期の金融安定性を維持することを確
保するための定期的な与信審査およびコベナンツ条項に関する監視が含まれる。
QTC は強力な信用評価および格付方法を整備しており、これにより州に対し貸付の推奨が伝えられる。
この方法には、長年にわたる定量的および定性的な要因（産業、地域、人口構成および経済の特徴）の
分析が含まれる。主要な信用測定基準に対する顧客の業績の評価が行われ、借入の推奨は、州に伝えら
れる前に、独立した信用調査委員会により評価される。
QTC は、貸付が十分な信用力を有する顧客に提供されることを確保するために慎重なリスク選好を採用
している。 QTC の貸付顧客の大半は、より長期的な金融の影響が業績に悪影響を及ぼす可能性があるもの
の、短期的な金融ショックに対処するために十分な財務バッファーを維持している。無保証貸付のう
ち、 99 ％は QTC が中程度またはそれ以上の信用格付を与えた顧客に提供されている。 QTC の中程度の信用
格付は、主要な格付機関が用いる投資適格の格付に近似する。
(1) 注記 9 に記載のとおり、 2021 年 6 月 30 日に終了した年度中、州は、様々なクイーンズランド州の民間部門事業体
に対してローンおよび交付金の形で金融支援を行った。このプログラムは ISP と呼ばれた。
( ⅲ ) QTC の債務の信用リスクと公正価格の連動性
QTC の借入はほとんどが州政府により保証される。したがって、公正価格の決定において信用リスクは
重要な要素とはならない。公正価格の変動は主に相場変動に起因する。
( ⅳ ) マスター・ネッティング約定
QTC は、国際スワップデリバティブズ協会（以下「 ISDA 」という。）のマスター契約に基づき、すべて
のデリバティブ取引を行っている。 QTC は現在、債務不履行事由が生じた場合におけるマスター・ネッ
ティング約定を行っておらず、そのため包括的利益計算書においてすべての金融デリバティブ商品を総
額ベースで表示している。 QTC はまた、それぞれの ISDA マスター契約について クレジット・サポート・ア
ネック ス （ CSA ）を付しており、これらに基づき毎営業日に担保が移転される。これはさらに、 QTC の信
用エクスポージャーを軽減する。
下記の表は、相殺されるか、または法的強制力のあるマスター・ネッティング約定およびその他同様
の契約に基づくが相殺されない金融商品を示したものである。「純額」の欄は、すべての相殺権が行使
された場合の QTC の貸借対照表上での影響を示している。
( 単位：千ドル )
貸借対照表上で相殺されていない
関連する金額
貸借対照表上の 受領または差入
金融商品担保 純額
総額および純額 現金担保
2021 ／ 22 年
デリバティブ資産
－マスター・ネッティング約定
297,945 - (275,954) 21,991
に基づくもの
デリバティブ負債
－マスター・ネッティング約定
(300,604) - 300,604 -
に基づくもの
純エクスポージャー
(2,659) - 24,650 21,991
2020 ／ 21 年
デリバティブ資産
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－マスター・ネッティング約定
336,836 - 54,880 391,716
に基づくもの
デリバティブ負債
－マスター・ネッティング約定
(238,187) - (147,060) (385,247)
に基づくもの
純エクスポージャー
98,649 - (92,180) 6,469
12 公正価格序列
公正価格で測定される金融商品は、 AASB 第 13 号（公正価格測定）に規定される序列に従って分類されて
いる。公正価格序列は、使用されるインプットの可観測性に基づき、 3 つのレベルに分類される。
レベル 1 - 活発な市場において、同一の資産および負債につき、 QTC が測定日にアクセス可能な相場価格
（調整は行われない。）。
レベル 2 - 資産または負債に関して、直接的または間接的に観測可能な、レベル 1 に含まれる相場価格以
外のインプット。
レベル 3 - 観測可能な市場情報に基づかない資産または負債に関するインプット（観測不能なインプッ
ト）。
すべての QTC の損益を通じて公正価格により評価される金融商品は、取引相場価格または観測可能なイン
プットのいずれかを参照し、かかる保有商品に対して重要な調整を施さずに評価される。 QTC はレベル 3 の
金融商品を保有していない。
レベル 1 に分類される金融資産は、主に短期取引可能銀行預金、活発な市場が形成されている連邦債券お
よび準政府債券ならびに先物取引契約から構成される。
レベル 2 に分類される金融資産には、取引が活発ではない企業の社債および準政府債券、一定の金融市場
証券、変動利付債券、定期預金、 QTC の貸付金ならびにすべての店頭デリバティブが含まれる。公正価格を
決定するうえの主要なインプットには、銀行間金利、スワップ、債券および先物市場における取引相場金
利、スワップ・カーブに対する売買マージンおよびカウンターパーティーの信用度の変化に応じて調整さ
れる類似商品に対するカウンターパーティーのクレジット・スプレッド等のベンチマークとなる金利が含
まれる。マージンは、商品につき取引が活発ではない場合、当初の購入マージンに基づいて適用すること
ができる。 QTC の貸付金は、基礎となる負債ポートフォリオに基づいて価格が設定される。
レベル 1 に分類される金融負債は、 QTC のベンチマーク債券から構成される。
レベル 2 に分類される金融負債には、コマーシャル・ペーパー、政府債券、ミディアム・ターム・ノー
ト、変動利付債券および顧客預金が含まれる。公正価格を決定するうえの主要なインプットには、銀行間
金利、スワップおよび債券市場における取引相場金利等のベンチマークとなる金利が含まれる。評価に
は、 LIBOR またはスワップ・カーブに対する固定のマージンを含めることができる。顧客預金は、主に元本
保証の QTC のキャッシュ・ファンドに蓄えられる。
店頭デリバティブは、通常レベル 2 として評価され、為替先渡、為替スワップ、金利スワップおよびクロ
ス通貨スワップを含む。公正価格を決定するうえの主要なインプットには、スワップ市場における取引相
場金利、直物為替レート・カーブおよびベーシス・カーブが含まれる。
QTC は、買値と売値のスプレッドの範囲内における公正価格測定の実務的かつ一貫性のある方法として、
市場仲値による価格設定を適用する。
商品の公正価格序列レベルへの分類は、毎年見直され、評価インプットに重大な変更が存在し、振替え
が行われたとみなされた場合、当該報告期間末にその効力が生じる。
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( 単位：千ドル )
観測可能な
相場価格
インプット 合計
2021 ／ 22 年 期末 現在
（レベル 1 ）
（レベル 2 ）
金融資産
現金および現金同等物 5,247,278 - 5,247,278
損益を通じて評価される金融資産 14,879,212 13,650,458 28,529,671
デリバティブ金融資産 8,674 289,272 297,945
貸付金 - 94,582,248 94,582,248
金融資産合計 20,135,164 108,521,978 128,657,142
金融負債
デリバティブ金融負債 55,228 245,376 300,604
損益を通じて評価される金融負債
－短期 - 6,252,958 6,252,958
－長期 90,548,996 22,545,486 113,094,482
預金 - 8,431,220 8,431,220
金融負債合計 90,604,224 37,475,040 128,079,264
( 単位：千ドル )
観測可能な
相場価格
インプット 合計
2020 ／ 21 年 期末 現在
（レベル 1 ）
（レベル 2 ）
金融資産
現金および現金同等物 11,803,213 - 11,803,213
損益を通じて評価される金融資産 9,042,835 5,915,754 14,958,589
貸付金 - 104,611,229 104,611,229
デリバティブ金融資産 168 336,668 336,836
金融資産合計 20,846,216 110,863,651 131,709,867
金融負債
損益を通じて評価される金融負債
－短期 - 5,635,572 5,635,572
－長期 100,786,473 16,333,890 117,120,363
預金 - 8,107,683 8,107,683
デリバティブ金融負債 9,129 229,058 238,187
金融負債合計 100,795,602 30,306,203 131,101,805
QTC はレベル 3 の金融商品を保有していない。
13 有形固定資産
会計方針
5,000 ドル以上の原価またはその他の価値を含む項目は、有形固定資産として報告される。より少額の価
値を含む項目は、取得した年度に費用処理される。有形固定資産は、減価償却累計額および評価損累計額
を控除した原価で評価される。減価償却費は、資産の推定耐用年数につき定額法で算定される。減価償却
率は、以下のとおりである。
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資産分類 減価償却率
情報関連機器およびオフィス設備 6-40 ％
資産の現存価額、耐用年数および減価償却の方法は、必要に応じ、各会計年度の終了時に見直されかつ
調整される。
有形固定資産の帳簿価額の調整額は次のとおりである。
( 単位：千ドル )
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
決算日現在原価 5,645 5,765
(3,368) (2,798)
減価償却および減損累計額
2,277 2,967
帳簿価額純額
変動
期首現在帳簿価額純額 2,967 3,633
追加 43 14
(733) (680)
減価償却費
2,277 2,967
期末現在帳簿価額純額
14 使用権資産およびリース負債
会計方針
短期リースおよび少額資産リースを除くすべてのリースは、リース負債および使用権資産として貸借対
照表上に計上される。
リース負債の帳簿価額は、当初の計上時に、現行のリース契約の現在価値により測定される。リース料
は、リースの計算利子率または QTC の追加借入利子率（計算利子率を容易に入手できない場合）により割り
引かれる。
使用権資産は、以下の原価により当初測定される。
・リース負債の当初測定額
・開始日または開始日以前に支払ったリース料および受領したリース・インセンティブ
・発生した当初直接コスト
・原状回復コストの当初見積もり額
減価償却費は、資産の推定耐用年数につき定額法で算定される。減価償却率は、以下のとおりである。
資産分類 減価償却率
リース資産 7 ％
使用権資産の帳簿価額および期中の変動は以下のとおりである。
( 単位：千ドル )
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
決算日現在原価 12,368 11,702
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(5,342) (3,424)
減価償却および減損累計額
7,026 8,278
期末現在帳簿価額純額
変動
期首現在帳簿価額純額 8,278 9,991
追加 667 -
(1,919) (1,713)
減価償却費
7,026 8,278
期末現在帳簿価額純額
リース負債の帳簿価額および期中の変動は以下のとおりである。
( 単位：千ドル )
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
期首現在帳簿価額純額 15,165 17,826
追加 667 -
利息 233 270
(3,242) (2,931)
リース料
12,823 15,165
期末現在帳簿価額純額
15 資金収支表に対する注記
(a) 税引後利益と営業活動からの資金純額の調整
( 単位：千ドル )
修正再表示後
2021 ／ 22 年
(1)
2020 ／ 21 年
(1)
(36,234) 115 , 145
当期（損失）／利益
営業利益における現金以外の資金収支
利付債務にかかる利益 (14 , 660 , 103) (3,552,597)
預金にかかる利益 (273) (838)
貸付金にかかる損失 15 , 348 , 389 3,550,453
損益を通じて公正価格により評価される金融資産にかかる
382 , 210 176,137
損失
(1)
8 , 225 7 , 891
減価償却および償却
資産および負債における変動
損益を通じて公正価格により評価される金融資産の減少／（増加） 47,292 (25 , 626)
繰延税金資産の減少／（増加） 949 (303)
貸付金の減少 4 , 449 12 , 743
受取債権の減少／（増加） 880 (1,042)
利付債務の（減少）／増加 (1,566,051) 334 , 558
預金の増加／（減少） 1,390 (857)
(1)
(3,294) 4 , 339
支払債務およびその他の負債の（減少）／増加
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営業活動により（使用された）／得られた資金純額 (472,171) 620 , 003
(1) 当該金額は、 SaaS 契約実行の際に生じる、初期のコンフィグレーションおよびカスタマイゼーションに係る費用
に関連する注記 2(a) に記載の会計方針の変更により修正再表示されている。
(b) 金融活動により生じた負債の調整
( 単位：千ドル )
期首現在 公正価格 外国為替 その他現金
資金収支 期末残高
2021 ／ 22 年 期末 現在
残高 の変動 の変動 以外の変動
(1)
122,994,122 12,880,077 (14,758,621) 98,518 (1,566,052) 119,648,044
利付債務
預金 8,107,683 322,419 (273) - 1,391 8,431,220
配当の支払 - - - - - -
131,101,805 13,202,496 (14,758,894) 98,518 (1,564,661) 128,079,264
( 単位：千ドル )
期首現在 公正価格 外国為替 その他現金
資金収支 期末残高
2020 ／ 21 年 期末 現在
残高 の変動 の変動 以外の変動
(1)
113,835,698 12,376,463 (3,318,628) (233,969) 334,558 122,994,122
利付債務
預金 8,865,253 (755,875) (838) - (857) 8,107,683
配当の支払 - (50,000) - - 50,000 -
122,700,951 11,570,588 (3,319,466) (233,969) 383,701 131,101,805
(1) デリバティブを含む。
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州政府投資事業
16 損益を通じて公正価格により評価される金融商品
会計方針－分類および評価
金融商品は、当初の計上時に以下のカテゴリーに分類される。
・損益を通じて公正価格により評価される金融資産
・損益を通じて公正価格により評価される金融負債
損益を通じて公正価格により評価される金融資産
損益を通じて公正価格により評価される金融資産は、 QIC が管理するユニット・トラストにおいて保有
される投資を含む。かかる投資は、現金、国際株およびその他多様な商品を含み、会計年度末において
（計上されている未払手数料および GST の未収還付税額の控除を調整して） QIC が見積もる原価に近いユ
ニット・プライスに基づいた市場価格で評価される。
損益を通じて公正価格により評価される金融負債
損益を通じて公正価格により評価される金融負債は、資産ポートフォリオと引き換えに、州に対して
発行された固定利付債券から構成される。当該固定利付債券は当初、州により拠出された金融資産の公
正価格と等しい価値で計上された。固定利付債券は、当初取引日から 50 年または当該固定利付債券が全
額返済される日のいずれか長い方の年限をもって償還される。固定利付債券の市場価格は、 QTC から州に
対し支払われる。固定利付債券の利息は毎月資産計上される。固定利付債券の利率は、対応する契約の
条件に基づき州により変更される可能性がある。
固定利付債券と州政府投資事業の資産との直接の関係を認識するので、損益を通じて公正価格により
評価される金融負債は、ポートフォリオの投資資産の価値の変動（市場価格の変動を含む。）を固定利
付債券の市場価格の変動と同等として反映することにより決定される。すなわち、固定利付債券につい
て QTC が支払う返済額と投資資産について QTC が受け取るリターンとの差額は、固定利付債券の価値に対
する市場価格の調整として計上され、このセグメントにおける金融資産と金融負債の間の会計上のミス
マッチは除去される。
( 単位：千ドル )
州政府
2021 ／ 22 年
(1)
投資事業
損益を通じて公正価格により評価される金融資産
(2)
長期資産
QFF
合計
ユニット・トラストおよびその他の持ち分への投資－ QIC
当年度中の動向
期首残高 30,072,492 7,742,219 37,814,711
(3)
3,202,792 - 3,202,792
預金
(3)
(2,018,382) - (2,018,382)
引出し
支払手数料 (181,302) (48,161) (229,463)
1,578,792 23,962 1,602,754
ユニット・トラストの公正価格の純変動
32,654,392 7,718,020 40,372,412
期末残高
(1) 長期資産は、州の確定給付型退職年金およびその他の長期債務の資金をまかなうために保有されている資産であ
り、州の他の取組みを支援するための資産でもある。
(2) 2022 年 6 月 30 日現在、 QFF の唯一のサブ・ファンドは DRF である。 DRF は、州の信用格付を支えると同時に、州の債
務負担を軽減するためのリターンを生み出すことを目的として設立された。
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(3) 長期資産または QFF により預け入れられるかまたは引き出されるすべての投資について、対応する固定利付債券が
同額分増減する。
( 単位：千ドル )
州政府
2020 ／ 21 年
(1)
投資事業
損益を通じて公正価格により評価される金融資産
(2)
長期資産
QFF
合計
ユニット・トラストおよびその他の持ち分への投資－ QIC
当年度中の動向
期首残高 26,216,930 - 26,216,930
(3)
2,747,056 6,195,724 8,942,780
預金
移転 (1,500,000) 1,500,000 -
(3)
(1,863,018) - (1,863,018)
引出し
支払手数料 (155,387) (2,671) (158,058)
4,626,911 49,166 4,676,077
ユニット・トラストの公正価格の純変動
30,072,492 7,742,219 37,814,711
期末残高
(1) 長期資産は、州の確定給付型退職年金およびその他の長期債務の資金をまかなうために保有されている資産であ
り、州の他の取組みを支援するための資産でもある。
(2) 2022 年 6 月 30 日現在、 QFF の唯一のサブ・ファンドは DRF である。 DRF は、州の信用格付を支えると同時に、州の債
務負担を軽減するためのリターンを生み出すことを目的として設立された。
(3) 長期資産または QFF により預け入れられるかまたは引き出されるすべての投資について、対応する固定利付債券が
同額分増減する。
( 単位：千ドル )
州政府
2021 ／ 22 年
(1)
投資事業
損益を通じて公正価格により評価される金融資産
(2)
長期資産
QFF
合計
トラストの原資産は以下のアセット・クラスから構成されてい
る。
防御的資産
現金 3,128,932 1,095,673 4,224,605
固定利付資産 1,449,208 511,381 1,960,589
成長資産
株式 8,572,442 2,969,947 11,542,389
多様な選択的資産 5,648,794 532,557 6,181,351
非上場資産
インフラストラクチャー 7,807,543 1,748,002 9,555,545
プライベート・エクイティ 3,749,903 403,795 4,153,698
不動産 2,297,570 456,665 2,754,235
32,654,392 7,718,020 40,372,412
( 単位：千ドル )
州政府
2020 ／ 21 年
(1)
投資事業
損益を通じて公正価格により評価される金融資産
(2)
長期資産
QFF
合計
トラストの原資産は以下のアセット・クラスから構成されてい
る。
防御的資産
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現金 2,069,345 2,731,104 4,800,449
固定利付資産 3,689,262 584,512 4,273,774
成長資産
株式 8,207,274 2,116,604 10,323,878
多様な選択的資産 4,439,721 - 4,439,721
非上場資産
インフラストラクチャー 7,097,897 1,605,433 8,703,330
プライベート・エクイティ 3,252,069 359,610 3,611,679
不動産 1,316,924 344,956 1,661,880
30,072,492 7,742,219 37,814,711
(1) 長期資産は、州の確定給付型退職年金およびその他の長期債務の資金をまかなうために保有されている資産であ
る。
(2) 2022 年 6 月 30 日現在、 QFF の唯一のサブ・ファンドは DRF である。 DRF は、州の信用格付を支えると同時に、州の債
務負担を軽減するためのリターンを生み出すことを目的として設立された。
( 単位：千ドル )
州政府
2021 ／ 22 年
(1)
投資事業
損益を通じて公正価格により評価される金融負債
(2)
長期資産
QFF
合計
固定利付債券
当年度中の動向
期首残高 30,072,492 7,742,219 37,814,711
(3)
3,202,792 - 3,202,792
増加
利息 1,944,485 501,928 2,446,413
(3)
(2,018,382) - (2,018,382)
減少
(4)
(546,995) (526,127) (1,073,122)
固定利付債券の公正価格の純変動
32,654,392 7,718,020 40,372,412
期末残高
( 単位：千ドル )
州政府
2020 ／ 21 年
(1)
投資事業
損益を通じて公正価格により評価される金融負債
(2)
長期資産
QFF
合計
固定利付債券
当年度中の動向
期首残高 26,216,930 - 26,216,930
(3)
2,747,056 6,195,724 8,942,780
増加
移転 (1,500,000) 1,500,000 -
利息 1,838,728 26,263 1,864,991
(3)
(1,863,018) - (1,863,018)
減少
(4)
2,632,796 20,232 2,653,028
固定利付債券の公正価格の純変動
30,072,492 7,742,219 37,814,711
期末残高
(1) 長期資産は、州の確定給付型退職年金およびその他の長期債務の資金をまかなうために保有されている資産であ
る。
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(2) 2022 年 6 月 30 日現在、 QFF の唯一のサブ・ファンドは DRF である。 DRF は、州の信用格付を支えると同時に、州の債
務負担を軽減するためのリターンを生み出すことを目的として設立された。
(3) 長期資産または QFF により預け入れられるかまたは引き出されるすべての投資について、対応する固定利付債券が
同額分増減する。
(4) 2022 年度において、固定利付債券について QTC が支払った 6.5 ％の利息に比べ、投資資産に係るリターンが下回っ
たことを反映し、固定利付債券の公正価格の純変動はマイナスであった。前年度においては、固定利付債券につ
いて支払われた 6.5 ％の利息に比べ、投資資産に係るリターンが上回ったことを反映し、投資資産に係るリターン
はプラスであった。
17 金融リスク管理
QTC はまた、州政府から譲渡された資産ポートフォリオを保有する。ただし、それは SIAB に代わって QIC
が管理する。 SIAB の委員は、クイーンズランド州財務省からの代表者および投資管理やガバナンスに係る
経験を有する 3 名の外部委員を含む。
州政府投資事業の資産は、 QIC 保有の非上場のユニット・トラストに投資される。ユニット・トラスト
は、デリバティブを含む多様な金融商品への投資を保持しているため、かかる長期資産は、信用リスク、
流動性リスクおよび市場リスクを有する。市場リスクは、金利、外国為替相場、資産の価格変動および資
本の価格変動に伴い発生する。しかしながら、これらの投資は長期的な性質のものであるため、投資期間
中に、市場の変動の均衡が取れると期待されている。
SIAB は、クイーンズランド州政府が規定する枠組み内での州政府投資事業セグメントの投資資産に関
し、その投資の目標、リスク分析および戦略を決定する。 SIAB は、求められるリスク分析に沿う投資目標
を達成するための、戦略的な資産配分を形成する役割を担う。したがって、州政府投資事業セグメントの
投資資産は、 QTC の資本市場理事会および日々のキャピタル・マーケット業務からは区別され、 SIAB および
それに任命された投資管理者（ QIC ）がその責任を負う。
QIC は、 SIAB に対し、その任務軽減のための支援を提供する。 QIC は、クイーンズランド州政府の投資管
理者として州政府投資事業セグメントの投資資産の各ポートフォリオの投資戦略を実施する任務を有す
る。 QIC の役割は、設定された目的およびリスク管理の範囲内で目的を達成するため、投資商品の目的、リ
スク分析および戦略的な資産配分を提言することを含む。 SIAB は、 QIC の遂行を監督し、 QIC が州政府投資
事業セグメントの投資資産の管理を承認された際に設定された目的およびリスクの限度管理の遵守を監視
する。
QIC は、リスクを検出・分析し、 SIAB の指示に従ったリスクの限度管理を設定するために、リスク管理方
針を設けた。 QIC のリスク管理の枠組みは、クイーンズランド州会計検査院長により署名された GS007 報告
書で確認される。
長期資産および QFF のポートフォリオ双方に係る QTC の固定利付債券に関する債務に適用される利率は、
債券の帳簿価額に基づき、年率 6.5 ％に設定されている。
(a) 市場リスク
州政府投資事業の資産の保有により QTC は、ユニット・トラストへの投資およびかかるユニット・トラ
ストを通じた純資産価値の潜在的な変動の結果として、金利リスク、外国為替リスク、資産の価格変動
リスクおよび資本の価格変動リスクを含む市場リスクを有する。ポートフォリオは、金利、外貨または
信用リスクに直接影響を及ぼさないため、資産が投資されたファンドのユニット・プライスは、市場に
よるこれら既存のリスクの認識に反応して変動する。
市場リスクは、 SIAB に承認された投資戦略に従って QIC が保有する、ユニット・トラストへの投資にお
ける多様なポートフォリオによって緩和される。投資戦略は、広範囲のアセット・クラスにわたる多様
化されたポートフォリオを対象としている。
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QIC は、資産の各ポートフォリオに関する投資管理契約に基づき、慎重な管理を行っている。かかる契
約の下では、デリバティブ商品は投機目的での活用が許されていない反面、既存のポジションへのヘッ
ジ 商品としての活用もしくは全体的な投資利益およびポートフォリオの変動目標の達成を支えるための
効率的取引および資産配分目的での活用がなされている。
ファンドへの投資に適用される、主要な市場リスクに関する感度分析は、 QIC によって行われている。
QIC は、主要なリスク変数につき合理的に考えられる範囲での変動を与えて分析を行っており、これには
S&P/ASX200 インデックス、 MSCI ワールド ex オーストラリア・証券インデックス、 RBA 公式キャッシュレー
ト、米国連邦準備銀行公式キャッシュレートおよび不動産の資本還元率が含まれる。
QTC の為替エクスポージャーは、個別のアセット・クラスの水準よりもポートフォリオ全体の水準にお
いて管理されている。このため、為替レートの変動に対する感度は、ポートフォリオ全体における為替
オーバーレイとして表れる。
主要なリスク変動のこれらの変化に基づき、様々な評価方法を適用して、期末時点において適用を受
ける投資の価値の合理的に考えられる変動は下記のとおりである。
変動 利益／資本
2021 ／ 22 年期末
低（％） 増加（千ドル）
高（％） 減少（千ドル）
(1)
-3 ％ 187,149
3 ％ (187,149)
現金および固定利付資産
株式 -10 ％ 10 ％ (1,154,239) 1,154,239
(2)
-10 ％ 10 ％ (617,948) 617,948
多様な選択的資産
インフラストラクチャー -10 ％ 10 ％ (955,940) 955,940
プライベート・エクイティ -10 ％ 10 ％ (415,244) 415,244
不動産 -13 ％ 16 ％ (343,605) 444,914
為替オーバーレイ -10 ％ 10 ％ (876,129) 876,129
(4,550,254) 4,651,563
変動 利益／資本
2020 ／ 21 年期末
低（％） 増加（千ドル）
高（％） 減少（千ドル）
(1)
-4 ％ 350,837
4 ％ (350,837)
現金および固定利付資産
株式 -10 ％ 10 ％ (1,032,629) 1,032,629
(2)
-10 ％ 10 ％ (444,076) 444,076
多様な選択的資産
インフラストラクチャー -10 ％ 10 ％ (870,536) 870,536
プライベート・エクイティ -9 ％ 9 ％ (325,283) 325,283
不動産 -22 ％ 35 ％ (367,115) 578,903
為替オーバーレイ -10 ％ 10 ％ (732,642) 732,642
(4,123,118) 4,334,906
(1) 現金および固定利付資産には、金利リスクのエクスポージャーおよびヘッジ商品に対するインフレのオーバーレ
イが含まれる。
(2) 多様な選択的資産には、価格リスクおよび金利リスクに対するエクスポージャーがいずれも含まれる。
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(b) 流動性リスク
州政府投資事業により QTC から生じた対外資金変動はない。州政府投資事業に関する預金およびその払
戻しは、対応する固定利付債券の価値に変動をもたらす。固定利付債券に関する財務利息は、州政府投
資事業に関する利益および手数料として資産勘定に計上されている。そのため、かかる日々の資金収支
の 変動は QTC に流動性リスクを発生させない。
(c) 信用リスク
QIC は州政府投資事業のための投資戦略を執行する責任を有する。投資戦略は、信用リスクを最小限に
留めるため、広範囲のアセット・クラスにわたる大きく多様化された資産ポートフォリオを対象として
いる。
18 公正価格序列
金融商品は、注記 12 のとおり、 AASB 第 13 号（公正価格測定）に規定される序列に従って分類されてい
る。
( 単位：千ドル )
観測可能な 観測不能な
インプット インプット 合計
2021 ／ 22 年期末現在
レベル 2 レベル 3
金融資産
現金 4,224,605 - 4,224,605
固定利付資産 1,960,589 - 1,960,589
株式 11,542,389 - 11,542,389
多様な選択的資産 2,115,368 4,065,983 6,181,351
インフラストラクチャー - 9,555,545 9,555,545
プライベート・エクイティ - 4,153,698 4,153,698
不動産 - 2,754,235 2,754,235
金融資産合計 19,842,951 20,529,461 40,372,412
金融負債
固定利付債券－長期資産 - 32,654,392 32,654,392
固定利付債券－ QFF - 7,718,020 7,718,020
金融負債合計 - 40,372,412 40,372,412
観測可能な 観測不能な
インプット インプット 合計
2020 ／ 21 年期末現在
レベル 2 レベル 3
金融資産
現金 4,800,449 - 4,800,449
固定利付資産 4,273,774 - 4,273,774
株式 10,323,878 - 10,323,878
多様な選択的資産 1,290,496 3,149,225 4,439,721
インフラストラクチャー - 8,703,330 8,703,330
プライベート・エクイティ - 3,611,679 3,611,679
不動産 - 1,661,880 1,661,880
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金融資産合計 20,688,597 17,126,114 37,814,711
金融負債
固定利付債券－長期資産 - 30,072,494 30,072,494
固定利付債券－ QFF - 7,742,217 7,742,217
金融負債合計 - 37,814,711 37,814,711
ユニット・トラストへの投資は、 QIC によって公正価格による方法を用いて評価され、未払手数料が調整
される。 QIC は、測定日におけるユニット・プライスに基づいて、純資産価値を報告する。
(a) レベル 3 金融資産および金融負債 - 重要な観測不能なインプットを用いる評価技法
公正価格序列においてレベル 3 であるユニット・トラストへの投資の評価は、かかるユニット・トラス
トの基礎となる資産の価格に基づく。非上場の外部管理される投資スキームへの投資は、 QIC によって、
ファンドマネージャーにより通知される入手可能な直近の純資産価値に基づき評価される。かかるファ
ンドが非流動資産への投資を行う場合、すぐに入手できる観測可能な市場価格がないため、投資は独立
した価格算定者により価格が設定される。
場合によって、 QIC により通知される価格は、 2022 年 6 月 30 日より前の日付に関連する原投資の外部運
用者により提供される未監査の評価ステートメントに基づく。 QIC は引き続き、外部運用者からの最新の
評価および監査済財務書類のその後の受領から生じるかかる投資の価値への潜在的影響に関する、 QTC へ
の最新の通知をモニターし、提供する。
QTC は、投資の公正価格を報告するために、該当する報告日に QIC により提供されるユニット・プライ
スを用いる一方で、下記の表は、レベル 3 公正価格および重要な観測不能なインプットにつきユニット・
プライスを計算するために用いられる評価技法を示している。
クラス 評価技法 観測不能なインプット
評価モデルは、資産から生じると予想
関連業界基準に従い、独立した外部価
され、リスク調整後割引率を用いて割
多様な選択的資産 格算定者または外部運用者により提供
り引かれる将来のキャッシュ・フロー
される評価に基づく。
純額を考慮する。
評価モデルは、資産から生じると予想
業界基準に従い、独立した外部価格算
され、リスク調整後割引率を用いて割
インフラストラクチャー 定者または外部運用者により提供され
り引かれる将来のキャッシュ・フロー
る評価に基づく。
純額を考慮する。
インターナショナル・プライベート・
エクイティ・アンド・ベンチャー・ 評価モデルは、資産から生じると予想
キャピタル・バリュエーションのガイ され、リスク調整後割引率を用いて割
プライベート・エクイティ
ドラインに従い、独立した外部価格算 り引かれる将来のキャッシュ・フロー
定者または外部運用者により提供され 純額を考慮する。
る評価に基づく。
オーストラリア不動産協会の評価およ 評価モデルは、資産から生じると予想
び不動産基準に従い、独立した外部価 され、リスク調整後割引率を用いて割
不動産
格算定者または外部運用者により提供 り引かれる将来のキャッシュ・フロー
される評価に基づく。 純額を考慮する。
州政府投資事業セグメントにおける資 評価は、レベル 3 インプットを用いて
固定利付債券 産の対応するポートフォリオの価値に 導き出される関連資産の公正価格に基
基づく。 づく。
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(b) レベル 3 公正価格の変動の調整
下記の表は、レベル 3 公正価格に関する利益および損失の内訳を示している。
( 単位：千ドル )
未実現の
2021 ／ 22 年期末
(1) (1)
期首残高 期末残高
(1)
配分 決済
アセット・クラス
相場変動
多様な選択的資産 3,149,225 (513,803) 466,868 963,693 4,065,983
インフラストラクチャー 8,703,331 (107,211) 1,308,889 (349,464) 9,555,545
プライベート・エクイティ 3,611,679 (453,054) 941,950 53,123 4,153,698
不動産 1,661,880 - (20,469) 1,112,824 2,754,235
( 単位：千ドル )
未実現の
2020 ／ 21 年期末
(1) (1)
期首残高 期末残高
(1)
配分 決済
アセット・クラス
相場変動
多様な選択的資産 4,882,357 (870,939) 91,042 (953,235) 3,149,225
インフラストラクチャー 3,190,411 (79,420) 402,922 5,189,418 8,703,331
プライベート・エクイティ 2,799,276 (392,689) 1,433,742 (228,650) 3,611,679
不動産 1,939,790 (12,339) (396,182) 130,611 1,661,880
(1) 上記表内の数値は、資産を保有するユニット・トラストの変動に基づく。
固定利付債券の変動は注記 16 に記載されている。
(c) レベル 3 - 感度分析
注記 17 には、レベル 3 として分類されるものを含むすべてのアセット・クラスに関する市場価格の変動
に対する影響が示されている。
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その他の情報
19 偶発債務
決算日に発生していた偶発債務は、以下のとおりである。
・ QTC は、クイーンズランド州の様々な公共部門企業の商業活動を支援するために、 2.8 十億ドル（ 2021
年度は 2.5 十億ドル）まで保証している。それぞれの場合において QTC は、該当する公共部門企業より
保証に対する再補償を得ている。
20 関連当事者間取引
QTC の関連当事者とは、 QTC が支配し、支配され、共通の支配下にあるか、または重大な影響を及ぼすこ
とのできる法人をいい、クイーンズランド州、クイーンズランド州財務省、州政府部局、公法人（大学を
除く。）および州政府保有法人の支配下にある法人ならびに QTC の主要経営陣およびその関連当事者が含ま
れる。大学に加えて、地方自治体も QTC の関連当事者にはあたらない。
(a) 究極支配法人
直接支配企業は、 QTC の単独法人としてのクイーンズランド州財務次官であり、究極支配法人は、ク
イーンズランド州である。かかる任務に関し、同財務次官に対して QTC から報酬は支払われていない。
(b) 主要経営陣
主要経営陣に関する開示情報は、注記 21 に記載されている。
(c) 会社への投資
関連会社および他の会社への投資に関する詳細は、注記 23 に記載されている。
(d) 関連当事者との取引
当年度における関連当事者との取引には、以下が含まれる。
・貸付として 90.9 十億ドル（ 2021 年度は 93.8 十億ドル）および受取利息として 2.5 十億ドル（ 2021 年度
は 2.7 十億ドル）
・余剰資金投資として 1.9 十億ドル（ 2021 年度は 1.9 十億ドル）および支払利息として 11.4 百万ドル
（ 2021 年度は 14.3 百万ドル）
・受取手数料として 75.4 百万ドル（ 2021 年度は 71.9 百万ドル）
・当年度におけるクイーンズランド州財務省への配当の宣言または支払はなかった。（ 2021 年度は 50
百万ドル）
・ダーリンプルベイ石炭ターミナルへの投資 118.6 百万ドルを、バッキング・クイーンズランド・イン
ベストメント・ファンドから長期資産ポートフォリオに移管した。
・州は、 2.5 十億ドルを、州政府投資事業部門の長期資産ポートフォリオに移管した。
QTC は、 QIC により管理されるユニット・トラストに対する投資を通じて、随時間接的に QTC の債券に対
する小額の投資を保有することができる。 QTC はかかる資産に対する直接的な法的所有権を有していない
ため、財務書類において調整は行われていない。 QTC は、州政府投資事業を通じて、 QIC への管理手数料
として 236.7 百万ドル（ 2021 年度は 157.5 百万ドル）およびクイーンズランド州財務省への SIAB に対する
理事会事務サービスに 0.5 百万ドル（ 2021 年度は 0.5 百万ドル）を支払った。
主な関連当事者間で行われる個々の重要な取引の性質および金額については、下記のとおり開示され
ている。
・ QTC は、コンサルタントからの助言の入手において政府機関の代理人として行為することがある。か
かる状況で、 QTC には、助言に関連して重大なリスクまたは利益は存在せず、コンサルタントの費用
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については一般的に政府機関により払戻される。払戻しとして受領した資金は財務書類においてコ
ンサルタント費用を相殺し、正味の影響はない。会計年度中に QTC に払戻された費用額は、合計 1.4
百 万ドル（ 2021 年度は 6.0 百万ドル）であった。
・ QTC は、 QTH およびその関連会社（以下「 QTH グループ」という。）の株式を保有している。 QTH グ
ループは、 QTC との間に 101.3 百万ドル（ 2021 年度は 114.1 百万ドル）の預金および 101.3 百万ドル
（ 2021 年度は 102.9 百万ドル）の貸付を有し、かかる預金および貸付は、 QTC の一般条件に照らした
アームスレングス・ルールによって規律される。 QTC は、原価回収基準で、 QTH グループに企業事務
サービスも提供し、これらのサービスの提供に関する受取手数料は 0.4 百万ドル（ 2021 年度は 0.3 百
万ドル）である。
(e) 代理業務
QTC は、顧客を代理して、以下の代理業務を行う。
・ QTC は、クイーンズランド州財務省を代理して、州政府保有法人の現金管理ファシリティに基づき
サービスを提供する。 QTC は、このファシリティのリスクおよび利益を受けておらず、したがって貸
借対照表上でこれらの預金を計上しない。 QTC は、このサービスに対して手数料を請求する。年度末
現在のこのファシリティに基づく預金残高は、 1.0 十億ドル（ 2021 年度は 1.1 十億ドル）であった。
・ QTC は、顧客を代理して、随時デリバティブ取引を行うことができる。これらの業務では、バック
ツーバックの関係にある QTC および顧客間の契約ならびに QTC および市場間の契約が存在する。この
ようにして、 QTC はこれらの契約によるリスクおよび利益を受けておらず、貸借対照表上でこれらを
計上しない。年度末現在のこれらのデリバティブ業務の想定元本は、 31.4 百万ドル（ 2021 年度は
36.7 百万ドル）であった。
21 主要経営陣
主要経営陣とは、理事会および経営リーダーシップチームの構成員であり、 QTC の活動を計画、管理およ
び統括する権限および責任を有する者をいう。
(a) QTC の理事会
QTC は、その権限を 2 つの理事会（資本市場理事会および SIAB ）に委任した。いずれの委員会も、公社
法第 10 条第 (2) 項に基づき、州総督により任命される。
(b) 報酬の方針
資本市場理事会－理事
理事会の報酬の変更は、クイーンズランド州財務省ならびに州首相府および州内閣による検討により
報酬が州政府の政策に相応することが要求される。州内閣による変更の認可は、州総督による承認の前
であることが要求される。報酬は直近では、 2012 年 7 月 1 日付で増額された。
州投資諮問委員会－理事
2019 年 7 月 4 日に長期資産諮問委員会が改称され、 SIAB として再構成されたとき、報酬を受ける権利の
ある新たな外部理事会構成員が任命された。新たな理事会構成員に対する報酬は、州総督による承認に
先立ち、州首相府および州内閣との協議のうえ、クイーンズランド州財務省により設定された。
執行役員および従業員
QTC の従業員（経営リーダーシップチームを含む。）は、個別の契約によって雇用され、公社法に従っ
て任命される。 QTC の従業員の大部分は、 QTC の運営する金融市場から人材を集めているため、 QTC の雇用
環境はこれらの市場において競争力を有している。報酬枠組みは、 QTC の理事会により年に一度承認され
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る固定報酬および変動報酬（年間の短期インセンティブ（以下「 STI 」という。）の機会形式による。）
により構成される。固定報酬は市場競争力があり、変動報酬は業績に連携するものである。
報酬ガバナンス
理事会のヒューマン・リソース委員会は、報酬慣行および報酬手配の統治に対して責任を負ってお
り、理事会は報酬に関する事項について絶対的な責任と意思決定を負っている。 QTC は、金融サービス業
界に属する機関の報酬データを収集する金融機関報酬グループ（以下「 FIRG 」という。）より、年間産
業別ベンチマーク・データを受領する。 QTC は、 FIRG の構成員内の関連組織に対応付けられたデータの一
部を使用している。 QTC が引き続き役割を市場と整合させるべく、外部コンサルタントより分析および助
言を得る。
報酬総額
QTC の各従業員の固定報酬総額は、毎年見直され、 FIRG の報酬データによって評価される。報酬総額の
基準は、関連する FIRG のデータベースの一部における FIRG の市場平均評価によって設定される。各従業
員の報酬基準を決定する際には、職務の範囲および複雑度、知識および経験、技能ならびに業績が考慮
される。
変動報酬－従業員向け短期インセンティブ
QTC の変動報酬枠組みは、適格な従業員に対して、会計年度における業績を調整する年間の短期インセ
ンティブの機会を提供する。かかる機会は、組織および個人の傑出した業績を区別し、報酬を与え、か
かる基準における業績をインセンティブ業績と調整するために設けられる。また、「目標」とする STI 業
績を FIRG のデータベースの関連する市場ポジション（ QTC の同業者グループにおける FIRG の構成員の平均
インセンティブ見込額等）と整合させ、各年において理事会レベルで承認を受けることにより、市場に
おける競争力を確保することを目指す。 2021 ／ 22 年について、 STI 報酬は、適格なスタッフに対して 2022
年 9 月に支払われた。
変動報酬－経営リーダーシップチーム向け短期インセンティブ
2021 ／ 22 年について、経営リーダーシップチームが企業および個人の KPI に対して堅調な業績を達成し
た場合、固定報酬総額の割合に基づき短期インセンティブ報酬を受ける資格を有することとなる。短期
インセンティブは業績不良の際は支払われないが、業績見込みを上回るパフォーマンスについては目標
値の 30 ％を上限とする追加のプレミアムが支払われるというリスクを負う。
経営リーダーシップチームの業績は、企業および個人の KPI に対して査定される業績によって調整され
る。 2021 ／ 22 年について、経営リーダーシップチームが「目標」とする短期インセンティブの額は自ら
の固定報酬総額の 40 ％から 60 ％とする。そのため、各執行役員の短期インセンティブの「目標」達成機
会の比重は、企業の業績および個人の業績に、また、 QTC の戦略的企業計画 2021-25 で定められた目標の
達成率に基づくこととなる。
QTC の委員会によって検討および承認される年間業績評定に記載される、 QTC の 2021 ／ 22 年の総体的な
業績は、基準を上回ると評価された。これは、 QTC の州全土、依頼者、資金調達および業務活動全体に渡
る堅調な業績を反映している。この業績評定により、経営リーダーシップチーム向け短期インセンティ
ブは固定報酬の 46 ％から 71 ％となった。
(c) カテゴリー別の報酬
( 単位：ドル )
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
キャピタル・マーケット業務
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理事
(1)
350,563 332,066
短期雇用手当
(4)
21,350 21,391
退職手当
371,913 353,457
合計
経営リーダーシップチーム
(2)
4,031,798 3,961,409
短期雇用手当
(3)
81,437 60,059
長期雇用手当
(4)
128,063 108,890
退職手当
141,424 -
終了手当
4,382,722 4,130,358
合計
( 単位：ドル )
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
州政府投資事業
理事
(1)
100,653 100,653
短期雇用手当
(4)
10,065 9,561
退職手当
110,718 110,214
合計
(1) 理事の短期手当には理事会給与および委員会給与が含まれ、資本市場理事会の理事長に関しては駐車場の供与も
含まれる。
(2) 執行役員の短期手当には賃金、年次休暇、短期インセンティブならびに（該当する場合は）駐車場の供与および
自動車手当等、金銭以外による手当が含まれる。
(3) 長期雇用手当には、長期勤続休暇が関連する。
(4) 退職手当には、 QTC により拠出される退職年金積立金が含まれる。
キャピタル・マーケット業務
( ⅰ ) 理事
理事報酬の主要種別金額の詳細は以下のとおりである。
( 単位：ドル )
短期雇用手当 退職手当 合計
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
ジェラルド・ブラッドリー
137,069 130,176 - 2,213 137,069 132,389
(1)
( 理事長 )
(2)(3)
- - - - - -
レオン・アレン
アン・パーキン 43,856 44,360 4,386 4,214 48,242 48,574
カレン・スミス－ポメロイ 45,362 45,362 4,536 4,309 49,898 49,671
ジム・ステニング 40,210 38,709 4,021 3,677 44,231 42,386
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ナヴィレ・イデ 43,856 43,856 4,386 4,166 48,242 48,022
ローズマリー・ヴィルガン
40,210 29,603 4,021 2,812 44,231 32,415
(4)
350,563 332,066 21,350 21,391 371,913 353,457
合計
(1) 2020 年 6 月 30 日に任期が満了し、 2020 年 7 月 16 日に再任され、 2022 年 6 月 30 日付で辞任した。
(2) 2020 年 7 月 16 日に選任された。
(3) クイーンズランド州財務省の代表者にはいかなる報酬も支払われていない。
(4) 2020 年 10 月 1 日に選任された。
( ⅱ ) 経営リーダーシップチーム
執行役員の主要種別金額の詳細は以下のとおりである。
( 単位：ドル )
短期雇用手当
退職手当 長期手当 終了手当 合計
短期イン
基本 センティ 金銭以外
2022 年 6 月 30 日
ブ
最高経営責任
752,689 492,085 17,273 25,630 22,532 - 1,310,209
者
副最高経営責
任者
兼経営理事 600,627 446,030 18,887 25,601 17,475 - 1,108,620
資金調達およ
び市場
経営理事
396,972 220,980 17,273 25,630 11,646 - 672,501
顧客
経営理事
コーポレー
ト・サービス
391,541 191,820 15,036 25,601 16,381 - 640,379
および最高リ
スク管理責任
者
経営理事
財務データお
295,512 157,800 17,273 25,601 13,403 141,424 651,013
よびコンプラ
イアンス
2,437,341 1,508,715 85,742 128,063 81,437 141,424 4,382,722
合計
( 単位：ドル )
短期雇用手当
退職手当 長期手当 合計
短期インセ
基本 金銭以外
2021 年 6 月 30 日
ンティブ
最高経営責任者 738,627 449,410 17,767 21,778 18,277 1,245,859
副最高経営責任者
兼経営理事
583,564 424,710 19,842 21,778 14,459 1,064,353
資金調達および市
場
経営理事
393,486 203,800 17,767 21,778 9,685 646,516
顧客
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経営理事
コーポレート・
サービスおよび最 368,475 185,600 16,047 21,778 9,078 600,978
高リスク管理責任
者
経営理事
348,467 176,080 17,767 21,778 8,560 572,652
財務データおよび
コンプライアンス
2,432,619 1,439,600 89,190 108,890 60,059 4,130,358
合計
州政府投資事業
( ⅲ ) 理事
理事報酬の主要種別金額の詳細は以下のとおりである。
( 単位：ドル )
短期雇用手当 退職手当 合計
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年 2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
2020 ／ 21 年
レオン・アレン
- - - - - -
(1)
－理事長
(1)
- - - - - -
ウィリアム・ライアン
マリア・ウィルトン 33,551 33,551 3,355 3,187 36,906 36,738
フィリップ・グラハム 33,551 33,551 3,355 3,187 36,906 36,738
トニー・ホーキンズ 33,551 33,551 3,355 3,187 36,906 36,738
合計 100,653 100,653 10,065 9,561 110,718 110,214
(1) クイーンズランド州財務省の代表者。当該選任について追加報酬は支払われていない。
(d) その他の取引
QTC の資本市場理事会の構成員の役職は、年次報告書のコーポレート・ガバナンスの項目において開示
される。 QTC の単独法人としての財務次官に対して QTC から報酬は支払われていないか、または支払われ
る予定はない。
会計年度内において、 QTC および主要経営陣が支配する法人の間の取引または主要経営陣への貸付もし
くは主要経営陣からの借入はなかった。
22 監査人報酬
外部監査人（クイーンズランド州の会計検査院長）は、 QTC に対するコンサルティング業務を行っていな
い。 QTC の監査人に支払われたもしくは支払われうる金額（物品・サービス税を除く。）は以下のとおりで
ある。
( 単位：ドル )
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
監査サービス
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387,000 368,000
QTC の財務諸表の監査および審査
23 関連会社への出資
以下の関連会社の株式を原価にて有している。
名称 主な業務
クイーンズランド・トレジャリー・
クイーンズランド州のために保有され、複数の子会社の株式および戦
ホールディングス・プロプライアタリー・
略的投資金を保有する持株会社
リミテッド (QTH)
クイーンズランド・ロッタリー・
ゴールデン・カスケット・ロッタリーのライセンスおよび商標を保有
コーポレーション・プロプライアタリー・
する
リミテッド
長期リース契約に基づき賃借しているマッカイに近接するダーリンプ
DBCT ホールディングス・
プロプライアタリー・リミテッド
ルベイにおける石炭積出港の所有権および施設の保有
クイーンズランド・エアポート・
99 年間のリース契約に基づき賃借しているマッカイ空港の土地および
ホールディングス（マッカイ）
設備の保有
プロプライアタリー・リミテッド
クイーンズランド・エアポート・
99 年間のリース契約に基づき賃借しているケアンズ空港の土地および
ホールディングス（ケアンズ）
設備の保有
プロプライアタリー・リミテッド
99 年間のリース契約に基づき賃借しているブリスベン港の所有権およ
ブリスベン・ポート・ホールディングス・
プロプライアタリー・リミテッド
び設備の保有
QTH はブリスベン・オーストラリアで設立され、同地に本拠地を置く。 QTH は、上記の会社の 100 ％の実質
持分を有している。 QTC は、 QTH に対する投資につき、持分法を適用していない（「注記 2 (o) 判断および
仮定」参照）。
24 配当
毎年、理事会は、公社の財政状態を考慮して、宣言する適正水準の配当を決定する。当年度において、
配当の宣言または支払はなかった。 50 百万ドルの配当がクイーンズランド州政府に対して 2021 年 6 月に支払
われた。
25 決算日後の事象
2022 年 7 月上旬、これまで住宅賃貸契約局に属していた 906 百万ドルの投資資産が、長期資産のクイーン
ズランド州一般保険基金投資勘定に移行された。これらの資産と引き換えに、長期資産の固定利付債券が
対応する金額分増額される。
会計年度末より、 QTC のキャピタル・マーケット業務セグメント、これらの経営の結果もしくは QTC の
キャピタル・マーケット業務セグメントの将来における形勢に著しく影響を及ぼした、あるいは及ぼす可
能性のあるその他の事態または状況は見受けられない。
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(6) 【その他】
なし。
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(7) 【発行者の属する国等の概況】
クイーンズランド州の概況
クイーンズランド州
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(1) 概況
クイーンズランド州は 6 つのオーストラリアの州のうちで 2 番目に広大な面積を有し、最も広い居住地
域を持つ州である。面積は 1.7 百万平方キロメートルで、亜熱帯気候に属する人口稠密の南東部から熱帯
気候に属する人口稀薄の北部ケープ・ヨーク半島に及ぶオーストラリア全土の 25 ％にあたる北東部を占
めている。クイーンズランド州の地形および気候は多種多様の農作物の生産に適しており、最も重要な
ものとして食肉、穀物、砂糖および綿花がある。さらに、クイーンズランド州は広範囲にわたる鉱床お
よびガス鉱床 ( 広大な石炭の鉱床および世界的に最も有名なボーキサイトの鉱床の 1 つを含む。 ) 、多様な
産業基盤、非常に発達した港湾および交通網ならびに教養ある労働力を有している。約 1 万キロメートル
に及ぶ鉄道および 216,886 キロメートルに及ぶ道路等の陸上交通網は州の資源の開発を支えている。
クイーンズランド州はオーストラリアで 3 番目に人口の多い州で、 2021 年 6 月 30 日現在、人口は約 5.2 百
万人であり、オーストラリアの総人口の 20.3 ％を占めている。 2021 年 6 月 30 日現在、クイーンズランド州
の人口の 72.6 ％は暖かい亜熱帯気候と発達した産業基盤を有するクイーンズランド州の南東部に住んで
いた。州の人口の残りは広範囲にわたって分布しており、クイーンズランド州をオーストラリアの中で
最も人口密度の低い州にしている。
クイーンズランド州の州都であるブリスベン市は周囲の大都市圏も含めて約 2.3 百万人を有している。
クイーンズランド州には他に 5 万人を超える人口密集地域が 10 都市ある。
(2) 政治
オーストラリア連邦は、 1901 年 1 月 1 日、ニュー・サウスウェールズ、ビクトリア、クイーンズラン
ド、南オーストラリア、西オーストラリアおよびタスマニアの 6 つの英国植民地が連邦政府の州として結
合し、国家連合として形成された。さらにこの 6 つの州に加えて、オーストラリアは北部準州および首都
キャンベラ市のあるオーストラリア首都特別地域等のいくつかの準州を持つ。
連邦議会は特定の事項に関してのみ立法行為を行うことができる。これらの事項には対外・各州間の
貿易、外交、国防、移民、租税、銀行業務、保険、結婚・離婚、通貨・計量・測量、郵便・通信および
疾病・老齢年金が含まれる。いくつかの事項に関して連邦は独占的権限を付与されており、すなわち各
州はこれらの領域において立法行為を行うことができない。他の事項に関して連邦および各州は平等の
権限を有しており、それによって連邦および各州は共に立法行為を行うことができる。各州は憲法に具
体的に記載されていない事項に関する立法権限を有している。連邦および各州が立法行為を行う平等の
権限を有している領域において矛盾のある場合、連邦法が優先し、州法はこれに矛盾する場合無効であ
る。
各州の権限は教育、公衆保健、警察および司法、運輸、道路および鉄道、産業、鉱業および農業、公
共事業、港湾、林業、電気、ガス、水道ならびに灌漑に関する監督に及ぶ。
クイーンズランド州は憲法上の責任とされているこれらの機能に関する自治権および監督権を有して
いるが、クイーンズランド州は連邦の一部を形成するものであり、多くの重要な点において州の経済実
績や見通しはオーストラリア全体のそれと互いに密接に関係している。特に、オーストラリア全体の経
済管理に対する一義的な責任は連邦政府が有している。たとえば、連邦政府は国家予算政策、財政政策
および外交政策に対して責任がある。さらに、ほとんどの賃金レートは従来連邦および州の調停機関や
仲裁機関を通して中央集権的に決定されてきたが、過去 20 年間の法制度によって中央集権的な賃金決定
から企業ごとの合意への移行の基盤が確立されている。
クイーンズランド州の立法権は州議会にある。州議会は立法議会という 1 つの議会から成り、 18 歳以上
のすべての州民の義務投票により 3 年以下の任期で選任される。
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2020 年 10 月に直近の州議会選挙が行われた。オーストラリア労働党は、（議会の 93 議席数のうち） 52
議席を獲得し、圧倒的過半数を形成し、州政権 3 期目となった。現在の首相はアナスタシア・パラシェー
首相であり、同氏は 2006 年に州議会議員となった。直近の 4 年の固定任期の開始後、次期州議会選挙は
2024 年 10 月に行われることが予定されている。
州の行政権は、形式的にはクイーンズランド州総督により行使されている。総督は君主を代表し行政
評議会の助言を受ける。行政評議会は、総督および州の大臣により構成される。大臣は立法議会の過半
数を制する政党または連合政党の党員である。首相を含めて現在では合計 18 人の大臣がいる。実際に
は、州の行政権は必要な場合には総督により形式的に批准される内閣の決定をもって、内閣（クイーン
ズランド州においてはすべての大臣により構成される。）によって行使される。連邦の場合と同様に、
特殊な場合を除き、総督が内閣の助言に基づき行動することは、オーストラリアの政治体制において慣
例となっている。
州のすべての歳入および歳出にはクイーンズランド州議会の許可が必要とされる。州の会計（ QTC の会
計を含む。）は、州総督により指名を受けた州の会計検査院長により継続的に監査され、州の会計検査
院長は各年の財政活動につき毎年州議会に報告する。
各大臣は 1 または複数の政府部門および関連する法定機関の業務に関して議会に対して責任を負ってい
る。各部門は、独立の公務員を置いており、 2009 年財務執行責任法の下、各部門用に議会が支給する資
金の財政管理に責任を有する長官が置かれている。
州の司法制度は主に土地裁判所、少年裁判所、治安判事裁判所、地方裁判所、最高裁判所およびク
イーンズランド州民事・行政審判所から成る。控訴裁判所は最高裁判所の 1 部門である。クイーンズラン
ド州の裁判官は内閣の助言に基づき行動する州総督により代表される君主により任命される。
特別な機能を実行し、または特定の地域サービスを実施するため、議会特別法に基づいていくつかの
個別の機関がクイーンズランド州において設立されている。これらの機関は、「法定機関」、「公法
人」、「準政府機関」、「地方機関」、「地方自治体」、「国有企業」あるいは「政府所有企業」と
様々に呼ばれている。
(3) 経済
( イ ) 概況
クイーンズランド州は、農業、資源、建設、観光業、製造業およびサービス業を含む多様な産業に
よって支えられた現代的で活力ある経済を有している。
過去 20 年間にわたり、クイーンズランド州の経済成長は全国平均を概して上回っている。近年の資
源投資ブームおよび関連する LNG （以下に定義される。）輸出の大幅な増加を受けて、経済成長は、今
後数年の国家経済成長に即してさらに広範囲に大きく成長すると予測されている。
さらに最近では、クイーンズランド州の経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症のパンデミッ
クの影響と戦い、オーストラリアをはじめとする多くの他の国々における大流行およびそれに関連す
る活動への規制が発生し、国家的および国際的な経済見通しの深刻な悪化につながっている。
しかし、クイーンズランド州の比較的強い医療保健面での対応は、州の経済および労働市場の回復
がオーストラリアの州および準州だけでなく、他の国際的な同等の経済圏の中でも際立っていること
を意味している。国内における活動および雇用は、規制が徐々に緩和されてきたことから、力強く回
復した。
農業、林業および漁業は、とりわけ農村および地方の地域において、クイーンズランド州の多様な
経済の重要な一部であり、州の財産の大切な一部である。クイーンズランド州の農産物の大部分が輸
出用に生産されており、外貨収入に重要な貢献をしている。
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クイーンズランド州は十分に発展した石炭産業および鉱物産業を有しており、また、液化天然ガス
産業は直近 10 年間で急速な拡大を見せ、主要な国際的輸出部門へと変革した。クイーンズランド州の
石 炭およびボーキサイトの埋蔵量は世界でもトップクラスであり、概して高品質で入手しやすい。
クイーンズランド州は、冶金用石炭（鋼鉄の生産に使用される。）の海上輸送による世界最大の輸
出者であり、州の石炭の大部分がボーエン盆地で生産されている。多種多様の鉱物（ボーキサイト、
銅、亜鉛、鉛、銀および金が最も多い。）がクイーンズランド州において生産されている。鉱物鉱山
はマウント・アイザの周囲の地域に最も集中している。
クイーンズランド州の天然ガス産業は 1960 年代から運営されているが、石炭層ガスの抽出技術の発
展およびグラッドストンの液化天然ガス（以下「 LNG 」という。）プラントへの多額の投資により、当
該部門にアジアの主要な輸出市場への門戸が開かれた。 2021 ／ 22 年において、その価値は 19.2 十億ド
ルの規模となり、 LNG は、クイーンズランド州で液化石炭に次ぎ 2 番目に重要な輸出用商品となった。
クイーンズランド州で生産される資源の大部分が海外で利用されている。資源（石炭、 LNG および鉱
物を含む。）の海外輸出は 2021 ／ 22 年におけるクイーンズランド州の海外商品輸出の約 86 ％を占め
た。
歴史的に、製造業はクイーンズランド州の経済にとってオーストラリアの他の州ほど重要とされて
いない。クイーンズランド州の製造業はクイーンズランド州内の鉱物加工および農作物を含む経済の
需要を充たすように特化されてきた。しかしながら、近年製造業部門は多様化し、高付加価値ハイテ
ク産業にまで拡大している。
国際観光および各州間観光はまた、クイーンズランド州の経済に大きく寄与する部門である。ク
イーンズランド州には、その国際的な都市やユニークな地方ばかりでなく、グレート・バリア・リー
フ、広大なビーチ、アイランド・リゾート、熱帯雨林等の自然の魅力が数多い。新型コロナウイルス
感染症のパンデミック後、国境は 2021 年後半に再び解放され、国際観光は回復し始めた。しかしなが
ら、国際観光輸出がコロナ以前の水準に回復するまで時間がかかる可能性がある。
すべての近代経済がそうであるように、クイーンズランド州は建設、卸売業および小売業、通信、
経営および財務といった様々な部門に関するサービス活動ならびに観光部門を含む広範囲にわたる
サービス部門を有している。
過去 20 年間におけるクイーンズランド州の経済において重要な構造的変化があった。製造部門の重
要性はかかる期間を通じて徐々に減少し、他方で医療および専門的・科学的・技術的サービス部門の
重要性は増加した。
経済計画
クイーンズランド州政府は、引き続き、州全体の継続的な経済成長と雇用創出を推進すべく、新型
コロナウイルス感染症のパンデミックに対して国をリードする対応の勢いを活かしている。
クイーンズランド州の国内経済は、 2020 年 3 月四半期のコロナ以前の水準から 2022 年 6 月四半期まで
の間で 9.1 ％成長し、同期間におけるオーストラリアの他の地域の成長率を上回った。また、クイーン
ズランド州は雇用創出においても引き続き国内をリードしており、 2022 年 10 月のクイーンズランド州
の雇用者数は、パンデミック開始時と比較して 209,200 人増加した。クイーンズランド州の 2022 年 9 月
四半期の失業率は 3.6 ％に低下し、 2007 ／ 08 年以来最も低い数値となった。
このような強固な経済状況を背景に、クイーンズランド州政府は、「安定した雇用」、「より良い
サービス」および「素晴らしいクイーンズランド州のライフスタイルの保護」という 3 つのコア目標に
焦点を当て、州全体の将来の繁栄および成長を築くための明確な計画を持って、将来に目を向けてい
る。
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2022 ／ 23 年クイーンズランド州予算で示されたように、政府の包括的経済戦略は、新エネルギー、
新たな経済的鉱物資源、先端製造業、生物医学製品、農業、観光、研究・教育サービス、およびクリ
エ イティブ・デザイン産業を含む、クイーンズランド州の伝統的な産業および新産業において、良質
で安定した雇用創出を推進する重要な機会を特定している。
これらの機会から最大限の利益を得るために必要な民間部門の成長および投資を促進し支援するた
め、現在の経済戦略は、州の競争力および生産性を高める主要な実現要因に重点を置くことでも下支
えされている。これらには貿易機会の拡大、熟練労働者の増加、技術革新およびデジタル化の促進、
公共・民間インフラへの継続的な投資、環境・社会・ガバナンス（ ESG ）認証の強化、ならびに競争力
のある投資環境が含まれている。
クイーンズランド州の競争力を高める重要な経済環境に焦点を当てることで、この戦略は、産業、
企業、地域社会および労働者が低排出ガス型の世界経済への移行を含むグローバル・シフトにおける
機会を実現できるよう支援している。
この移行を反映したクイーンズランド州におけるエネルギーおよび雇用計画は、今後数十年のク
イーンズランド州の競争力を推進するための政府の戦略の中心的なものである。この計画は、何世代
にもわたって電力を供給し、力強い経済成長および継続的な投資のための基盤とする、クリーンで信
頼性が高く、安価なエネルギー・システムについてのクイーンズランド州の道筋を示している。
クイーンズランド州政府は、クイーンズランド州の労働力への投資も継続して行っている。クイー
ンズランド州労働力戦略 2022-2032 は、政府の既存の 1.2 十億ドルの投資に基づいて、クイーンズラン
ド州民のために質の高い研修を提供し、素晴らしいキャリアパスを構築する。その中には、産業、地
域社会と政府間のパートナーシップを強化し、今ある仕事を獲得して将来の機会に適応できるよう
な、強固で、熟練した、多様な労働力を支援するための 70 百万ドルの新しいイニシアチブが含まれて
いる。
150 百万ドル規模のクイーンズランド州における貿易および投資の戦略 2022-32 の実施は、クイーン
ズランド州の企業の貿易機会拡大を支援し、新たな 142.2 百万ドルのアドバンス・クイーンズランド-
イノベーション・フォア・フューチャー・エコノミー・ 2022-2032 ・ロードマップは州全体の技術革
新、起業および雇用創出を促進する。
5.84 十億ドルのクイーンズランド・ジョブズ・ファンドに基づく主要プログラムを含む投資促進・
支援サービスは、クイーンズランド州各地において伝統的な産業および新産業における機会を獲得
し、雇用を創出するために継続的に行われている。
ESG 認証の強化は、クイーンズランド州の競争力を支え、将来の投資を誘致するのに役立つ。年次の
クイーンズランド州サステナビリティ・レポートにおいて、現在および将来にわたって、より良い地
域社会を支えるために、環境に対する影響を管理しながら、社会的成果の向上および持続可能な経済
成長の達成に焦点を当て、意思決定にサステナビリティの配慮を組み込むという政府のコミットメン
トが実証されている。
すべてのクイーンズランド州民が経済に関与し、機会から利益を得ることを支援するために、政府
はクイーンズランド州全体でより良いサービスを提供することに引き続き尽力している。 2022 ／ 23 年
クイーンズランド州予算で示されたように、医療、教育および地域サービスに対する記録的な投資
は、クイーンズランド州民の安全およびつながりを維持し、弱い立場のクイーンズランド州民のため
のより良い成果を支援している。
クイーンズランド州の人口と経済が成長する中、政府は、クイーンズランド州の家庭が直面してい
る生活費の圧迫への対応を含め、クイーンズランド州の素晴らしいライフスタイルを保護、強化する
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ための取組みも行っている。政府は、 2022 ／ 23 年に 6.786 十億ドルの補助金をクイーンズランド州民に
支給する予定である。
多くのクイーンズランド州民にとって、住宅取得能力は依然として課題であり、政府は、先般の住
宅サミットを含め、業界およびその他の関係者と協力し、住宅問題を改善するための革新的な解決策
を見出そうとしている。これには、差し迫った深刻な住宅問題に対処するための措置および中長期的
に住宅供給がより迅速に行われるようにするための改革を開始することが含まれている。
ハウジング・インベストメント・ファンドを 2 十億ドルに増額することで、政府はクイーンズランド
州民により多くの住宅を供給する能力を向上させる。この追加投資は、 2027 年 6 月 30 日までにクイーン
ズランド州全体で 5,600 戸の社会住宅および手頃な価格の住宅を新たに建設するという目標強化を支援
するものである。
2025 ／ 26 年までの 4 年間で 64.844 十億ドルを見込む政府の資本計画を含む生産性の高いインフラへの
継続的な投資は、企業と地域社会を結びつけ、人や物の移動をより促進し、州全体のより良いサービ
ス提供を支援する。
全体として、クイーンズランド州の経済戦略は、より多くの産業において、より多くの雇用を創出
するものである。クイーンズランド州の強みを生かし、新型コロナウイルス感染症の危機からの州の
力強い回復を活用することで、州全体の良質で安定した雇用を支え、すべてのクイーンズランド州民
の生活の質を向上させるような多様で成長する経済を実現させる。
経済成長
オーストラリア統計局によると、クイーンズランド州の経済生産は、 2020 ／ 21 年において 2.9 ％上方
修正され、新型コロナウイルス感染症により 2019 ／ 20 年において 0.9 ％低下した後、 2021 ／ 22 年におい
て 4.4 ％上昇した。 2021 ／ 22 年における実質州内総生産（以下「 GSP 」という。）の成長は、主に家計
消費の引き続き堅調な成長が GSP の成長率に 2.0 パーセントポイント寄与し、最終公共需要のさらなる
成長が GSP の成長率に 1.8 パーセントポイント寄与し、民間投資が GSP の成長率に 1.6 パーセントポイン
ト寄与したことによるものであった。
海外純輸出は 2021 ／ 22 年の GSP の成長率を 1.0 パーセントポイント低下させ、輸出の鈍化した増加
（ 1.6 ％増加）が輸入の急激な増加（ 8.4 ％増加）を上回った。
実質経済成長－クイーンズランド州およびオーストラリア
(a)
（独自連続数値基準 ）
クイーンズランド州 GSP オーストラリア GDP
(a) (a)
成長率 ( ％ ) 成長率 ( ％ )
年度
十億ドル 十億ドル
2016 ／ 17 344.0 2.6 1,936.8 2.3
2017 ／ 18 357.5 3.9 1,992.7 2.9
2018 ／ 19 361.0 1.0 2,036.0 2.2
2019 ／ 20 357.6 -0.9 2,034.9 -0.1
2020 ／ 21 368.2 2.9 2,080.4 2.2
384.5 4.4 2,156.8 3.7
2021 ／ 22
(a) 2020 ／ 21 年を参照年度とする連続数値基準による。
出所：オーストラリア統計局、オーストラリア国民経済計算：州経済計算およびオーストラリア統計局、オース
トラリア国民経済計算
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主要経済指標
次の表は、クイーンズランド州の特定の主要経済指標を示すものである。
クイーンズランド州主要経済指標
2017 ／ 18 年 2018 ／ 19 年 2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年
海外商品輸出 ( 十億ドル ) 74.3 87.2 76.2 57.9 120.0
小売業総取引高 ( 十億ドル ) 62.5 64.8 68.7 76.6 81.0
民間総設備投資 ( 十億ドル ) 69.5 66.5 64.1 67.2 80.1
資源輸出額 ( 十億ドル ) 61.1 73.3 62.1 44.8 102.9
農業生産額 ( 十億ドル ) 14.5 13.8 13.8 14.7 17.8
(a)
2,464 2,500 2,515 2,576 2,704
被雇用者数 ( 千人 )
(a)
6.0 6.1 6.4 6.8 4.6
失業率 ( ％ )
(a)
1.7 1.6 1.2 2.1 5.4
消費者物価の上昇率 ( ％ )
(a)
1,150 1,197 1,249 1,250 1,312
週平均総所得 ( ドル )
(a) 年間平均
( 注 ) すべての金銭価値は時価である。
出所：オーストラリア統計局、州の年次会計、国際収支および国際投資ポジション、労働力、平均週間所得、消費者物
価指数、小売業、クイーンズランド州農業水産省
( ロ ) クイーンズランド州経済の構造
次の表は、 2020 ／ 21 年および 2021 ／ 22 年におけるクイーンズランド州とオーストラリアの州内／国
内総生産における各項目の年間成長率の変化および貢献度が示されている。
経済成長の構成要素
(a)
( 独自連続数値基準 )
クイーンズランド州 オーストラリア
GSP の成長率に GDP の成長率に
年間成長率 年間成長率
対する貢献度 対する貢献度
( ％ ) ( ％ )
( パーセントポイント ) ( パーセントポイント )
2020 ／ 2021 ／ 2020 ／ 2021 ／ 2020 ／ 2021 ／ 2020 ／ 2021 ／
21 年 22 年 21 年 22 年 21 年 22 年 21 年 22 年
家計消費 5.2 3.5 2.9 2.0 1.1 3.7 0.6 1.9
民間投資 4.2 8.6 0.8 1.6 3.7 6.6 0.6 1.1
住宅 11.7 4.5 0.6 0.3 3.4 3.0 0.2 0.2
事業投資 -2.3 8.5 -0.3 0.9 1.0 7.0 0.1 0.7
非住宅建設 -9.5 10.6 -0.5 0.5 -6.3 4.6 -0.3 0.2
工場および施設 1.9 7.5 0.1 0.3 7.8 10.7 0.3 0.4
その他の事業投資 8.2 5.7 0.2 0.1 7.0 5.7 0.1 0.1
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(b)
5.0 4.8 3.7 3.6 1.8 4.4 1.2 3.0
最終民間需要
(b)
2.7 5.8 0.8 1.8 6.0 6.4 1.6 1.7
最終公共需要
海外輸出 -16.7 1.6 -3.8 0.3 -8.4 -0.1 -2.1 0.0
海外輸入 -3.9 8.4 0.6 -1.3 -3.4 7.0 -0.6 1.3
調整項目 n.a. n.a. 0.8 -0.4 n.a. n.a. n.a. n.a.
統計上の誤差 n.a. n.a. 0.1 0.4 n.a. n.a. 0.0 0.1
2.9 4.4 2.9 4.4 2.2 3.7 2.2 3.7
州内／国内総生産
(a) 2020 ／ 21 年を参照年度とする連続数値基準による。
(b) 「最終需要」は最終消費支出に総設備投資を加えたものから成る。
出所：オーストラリア統計局、オーストラリア国民経済計算：州経済計算およびオーストラリア統計局、オーストラリ
ア国民経済計算
オーストラリア統計局による州の年次会計のデータ（上記表を参照のこと。）に基づけば、主な特
色として、以下のものが挙げられる。
・クイーンズランド州における家計消費は、 2020 ／ 21 年の 5.2 ％の好調な伸びに続き、 2021 ／ 22 年に
おいて 3.5 ％増加した。好調な労働市場の状況、オーストラリアおよび州の両政府によるこれまで
の景気刺激策、資産価格の上昇ならびに国際的な国境閉鎖が、過去 2 年間にわたって家計消費を支
えてきた。今後は、貸出金利の大幅かつ急激な上昇および一部の資産価格の下落が家計を圧迫
し、 2022 ／ 23 年の下半期以降、実質個人消費の増加を抑制し、 2023 ／ 24 年から本格的に影響を及
ぼすと予想される。
・住宅投資は、前年の 11.7 ％の増加を基に、 2021 ／ 22 年において 4.5 ％増加した。記録的な低金利と
政府の大幅な景気刺激策が相まって、 2020 ／ 21 年において建設の承認および融資の指標の力強い
成長をもたらした。これらの要因によって、クイーンズランド州において進行中の住宅事業の価
値は、 2022 年 6 月四半期に過去最高の 11.5 十億ドルに達した。しかし、新型コロナウイルス感染症
のパンデミック、洪水を含む悪天候、複数の建設会社の倒産による資材および労働力不足が、建
設業界の需要の増加に対応する能力を制約している。その結果、 2022 年 9 月四半期のクイーンズラ
ンド州の住宅投資は前年同期比で 14.1 ％減少した。これらの要因を反映し、 2022 ／ 23 年の住宅投
資はわずかに減少するが、その後、供給側の問題が解決されるにつれて 2023 ／ 24 年には回復する
と予想される。
・クイーンズランド州における事業投資は、前年の 2.3 ％の減少の後で、 2021 ／ 22 年において 8.5 ％
増加した。 2021 ／ 22 年における増加は、工場および施設への投資（ 7.5 ％増加）および非居住用建
物（ 14.7 ％増加）によるものであった一方、土木建設（ 1.2 ％増加）はより緩やかに増加した。天
候がさらに通常の状態に戻るにつれ、事業収益性の向上に支えられ、非居住用建物に関する事業
活動の新たな回復が今後予想される。また、企業は、設備稼働率の高さやサプライチェーンの課
題に対応して、工場および施設を含む資本への投資を引き続き奨励されることが予想される。
・海外輸出は、 2021 ／ 22 年において 1.6 ％増加し、そのうち商品輸出の増加（ 2.7 ％増加）がサービ
ス輸出の減少（ 8.1 ％減少）を上回った。国境閉鎖は、当年度のサービス輸出を制限し続けたた
め、海外からの訪問者数はほぼゼロにとどまり、外国人留学生の受入数も減少した。サービス輸
出は 2022 年も回復を続け、 2022 年 9 月四半期には 2020 年 3 月四半期以来の高水準に達した。商品輸
出の増加は、当年度の理想的な成長状況を反映した農産物輸出の大幅な増加によるものであっ
た。海外輸入は、 2021 ／ 22 年において 8.4 ％増加し、そのうち商品輸入が 6.2 ％増加し（家計消費
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ならびに工場および施設への投資の堅調な伸びが続いていることを反映している。）、国境が再
開放され、アウトバウンド観光が再開されたことにより、海外サービス輸入が 32.0 ％増加した。
海外への商品輸出
クイーンズランド州は、オーストラリアで 2 番目に大きな商品輸出州であり、オーストラリアの
2021 ／ 22 年における商品輸出合計額の 22.5 ％を占めている。
クイーンズランド州の海外商品輸出の名目値は、 2021 ／ 22 年において 107.3 ％増加した。かかる増加
は、とりわけ石炭および LNG 等、クイーンズランド州の幅広い輸出商品に起因していた。クイーンズラ
ンド州の主要な輸出商品の価格は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに起因する下落から回
復し、輸出収入を押し上げた。
クイーンズランド州の石炭の輸出額は、主要な 3 種類すべての石炭の価格の上昇に牽引され、 2021 ／
22 年において 46.9 十億ドル増加して 71.6 十億ドルとなった。新型コロナウイルス感染症、およびより
最近では、ロシアのウクライナ侵攻に起因する世界的な供給問題は、世界的な需要回復と相まって、
記録的な石炭の価格の急騰をもたらした。オーストラリア産石炭の輸入に対する中国の非公式な禁令
は依然として続いており、 2020 年 10 月以降、中国への石炭の輸出は極端に減少している。一方で、ク
イーンズランド州の輸出業者は、これらの石炭輸出の大部分のための代替市場を探すことに成功して
おり、中国において失われた輸出量の 85 ％超が、特にインド、日本および韓国といった他市場への輸
出の増加に置き換わった。
LNG 輸出額は、 2021 ／ 22 年において 9.7 十億ドル増加して 19.2 十億ドルとなった。かかる増加は、
（石油価格に連動して）輸出価格が 97.8 ％上昇し、輸出量が 2.1 ％増加したことによるものであった。
北半球における予想以上の厳冬により、 LNG の需要が高まり、ウクライナにおける戦争に起因する世界
的な供給逼迫が深刻化した。
金属の輸出額は、アルミニウム（ボーキサイトおよびアルミナを含む。）の輸出の 709 百万ドルの増
加、銅の輸出の 325 百万ドルの増加、ならびに亜鉛の輸出の 274 百万ドルの増加により、 2021 ／ 22 年に
おいて 1.4 十億ドル増加して 11.6 十億ドルとなった。かかる金額の増加は 2021 ／ 22 年における大幅な価
格上昇を反映したものであり、輸出量は、新型コロナウイルス感染症による労働供給問題、降雨によ
る予想外の供給停止および中断により、総じて減少していた。
食肉（主に牛肉）輸出額は、輸出量が緩やかに減少（ 3.6 ％の減少）した一方で、輸出価格の上昇
（ 22.0 ％の上昇）に牽引されて、 2021 ／ 22 年において 1.0 十億ドル増加して 6.4 十億ドルとなった。大
量生産の奨励および家畜数の激減をもたらした干ばつが続いた過年度を経て、天候の改善により、生
産者による飼育目的の在庫保有が進んだ。
クイーンズランド州の天候の改善により、クイーンズランド州の穀物の輸出額（綿花を含む。）
は、 2021 ／ 22 年において 2.1 十億ドル増加して 4.0 十億ドルとなった。 2020 年以降、天候は州全土で改
善しており、 2020 ／ 21 年および 2021 ／ 22 年における穀物生産を押し上げた。 2022 年 12 月のオーストラ
リア農業資源経済局から出た穀物報告書によると、 2022 ／ 23 年のクイーンズランド州の穀物生産は再
び増加し、平均を上回る降雨量は穀物の生育状況を下支えすると予想している。
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クイーンズランド州の海外への商品輸出高
( 時価で評価。単位：百万ドル )
(p)
(a)
2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年
2021 ／ 22 年
輸出分類
(b)
農産品
食肉 6,884 5,461 6,424
(c)
448 401 1,329
織物用繊維
穀物および穀物調製品 129 636 1,654
野菜・果物 712 887 923
家畜飼料 117 107 119
1,671 1,418 1,566
その他の農産物
小計 9,961 8,911 12,016
天然鉱物
石炭・コークス・練炭 36,058 24,722 71,645
(d)
6,195 5,842 6,599
鉄鉱石
石油・石油製品・石油原料 95 78 93
ガス（天然および製造） 15,555 9,514 19,219
16 12 13
その他の天然鉱物
小計 57,920 40,168 97,568
(b)
加工鉱物・金属
(b)
3,824 4,355 4,967
非鉄金属
324 311 409
その他の加工鉱物・金属
小計 4,148 4,666 5,376
その他の製造品
機械製品・非輸送機器 1,459 1,369 1,481
化学製品・肥料（天然肥料を
922 1,045 1,290
除く）・プラスチック製品等
輸送機器 711 617 764
革・ゴム・その他の原料・家
271 240 243
具・衣類等
622 629 761
その他の製造品および飲料
小計 3,984 3,900 4,540
製造品合計 ( 加工鉱物・金属その他の合計 ) 8,132 8,566 9,916
(b)
76,248 57,892 119,995
製品・商品の海外輸出合計
(p) 暫定値
(a) 標準国際貿易分類（ SITC ）（第 4 改訂版）に基づく。
(b) 砂糖および一部の金属加工品の輸出は州レベルでは入手できず、これにより州合計が実際の輸出額よりも少なく
なった。
(c) オーストラリア統計局により機密データとされているクイーンズランド州財務省によるリント綿花輸出見積額を含
む。
(d) オーストラリア統計局により機密データとされているクイーンズランド州財務省によるアルミナ輸出見積額を含
む。
( 注 ) 数値は百万ドルの位に四捨五入されている。
出所：オーストラリア統計局の未公表外国貿易データおよびクイーンズランド州財務省
クイーンズランド州は輸出用に多種にわたる鉱物や農産物を生産している。大規模な受入能力を持
つ鉄道および港湾施設の開発は、クイーンズランド州の世界市場における競争力を高め、主要なアジ
ア市場およびヨーロッパ市場との接触を容易にした。
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2021 ／ 22 年の会計年度中、豪ドル為替レートは、前年と比べて 2.8 ％下落し、平均 0.7259 米ドルと
なった。 2022 ／ 23 年のこれまでのところ、豪ドルは米ドルに対して下落しており、最初の 5 ヶ月間にお
い て、平均 0.6697 米ドルであった。 2022 年において、世界的なインフレ懸念および米国の急激な金融
引き締め策により、米ドルは他国通貨に対して上昇した。
クイーンズランド州は幅広い海外市場に向けて輸出を行っているが、クイーンズランド州の商品の
主要な輸出先は、全輸出の 81.5 ％を占めるアジア諸国である（下記表を参照のこと。）。 2021 ／ 22 年
において、中国に対する州の海外向けの商品輸出額は 2 年前の 36.1 ％から減少し 14.0 ％となり、中国は
クイーンズランド州の最大の輸出市場としての地位を日本に取って代わられた。過年度において、中
国はオーストラリアからの様々な輸出品（特に石炭）に対し禁令を実施していた。クイーンズランド
州の輸出業者は、日本、インドおよび韓国等の他の主要な輸出先への輸出を増加させ、これらでク
イーンズランド州からの輸出の合算したシェアは、 2019 ／ 20 年以降 16.2 パーセントポイント増加し、
中国への輸出の減少を部分的に相殺することができた。
次の表は、近年のクイーンズランド州の主要輸出先を示している。
クイーンズランド州の商品輸出の主要海外市場
( 時価で評価。全体に対する割合。表示単位：％ )
(p)
2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年
2021 ／ 22 年
北アジア合計 64.4 55.0 52.0
中国 36.1 24.4 14.0
日本 13.1 13.6 18.2
韓国 11.2 13.0 15.0
台湾 3.5 3.4 4.5
香港 0.4 0.6 0.3
南アジア合計 20.3 25.7 29.5
インド 9.7 13.2 17.0
インドネシア 1.6 2.2 2.5
マレーシア 3.0 2.7 2.6
タイ 0.6 1.0 0.7
シンガポール 1.2 0.9 1.1
北米 3.4 4.3 2.7
アメリカ合衆国 2.7 3.2 2.2
カナダ 0.7 1.1 0.5
(a)
4.3 4.6 7.0
EU
英国 1.1 1.3 0.7
ニュージーランド 1.3 1.8 1.1
ブラジル 0.8 1.2 2.0
4.3 6.1 4.9
その他
(a) 英国を除く。
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(p) 暫定値
出所：オーストラリア統計局、未公表外国貿易データ
観光輸出
新型コロナウイルス感染症がもたらした旅行制限により、クイーンズランド州における海外からの
(1)
旅行者 の宿泊数は 2019 ／ 20 年および 2020 ／ 21 年に再び激減し、 0.8 百万泊まで減少した。 2021 年後
半の国境の再開放により、海外旅行者の宿泊数が回復し始め、 2021 ／ 22 年において 6.3 百万泊に増加し
た。全地域のうち、 2021 ／ 22 年において英国が一国では最多の 1 百万泊の海外旅行宿泊者をクイーンズ
ランド州へ送り込んだ。一方で、海外旅行市場に信用が戻るまで、また、海外輸送能力が回復するま
でには時間を要するため、予測期間中は緩やかな回復が見込まれる。コロナ以前の 2018 ／ 19 年におい
て、海外旅行者はクイーンズランド州に 36.0 百万泊滞在し、英国（ 4.3 百万泊）、ニュージーランド
（ 4.1 百万泊）および中国（ 3.8 百万泊）は出発地として主要な市場であった。
アジアからの海外旅行者の宿泊数は、 2018 ／ 19 年までの 5 年間にわたって堅調に増加し（ 36.3 ％増加
して 15.36 百万泊）、中国（ 61.7 ％増加して 3.78 百万泊）、インド（ 99.2 ％増加して 1.55 百万泊）およ
び台湾（ 29.2 ％増加して 2.46 百万泊）がかかる期間における増加への最大の貢献国となった。しかし
ながら、 2019 ／ 20 年の旅行者宿泊数は、 2020 年 2 月および 3 月に新型コロナウイルス感染症の発生で海
外旅行が制限されたことにより大幅に減少した。
(1) 旅行者は、友人もしくは親戚を訪問する人々または休暇を過ごす人々であると定義される。
(a)
クイーンズランド州への海外からの旅行者 宿泊数（出発地別）
( 単位：千泊 )
2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年
ニュージーランド 3,106 373 836
インド 983 17 763
その他のアジア諸国 926 26 647
韓国 1,594 3 153
中国 3,361 19 135
その他のアジア諸国 4,521 74 601
英国 2,592 60 952
ドイツ 1,251 10 174
その他の欧州諸国 3,833 43 903
アメリカ合衆国 1,306 55 322
その他の諸国 2,873 91 807
26,345 772 6,292
合計
(a) 旅行者は、友人もしくは親戚を訪問する人々または休暇を過ごす人々であると定義される。
出所：オーストラリア政府観光調査局
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各州間の旅行者もクイーンズランド州の重要な観光市場であり、従来海外からの観光よりもクイー
ンズランド州の経済活動に貢献している。（入手可能な直近年度である） 2020 ／ 21 年において、ク
イー ンズランド州の各州間の観光の総付加価値（ GVA ）は全州で最も多く、 1.83 十億ドルであり、新型
コロナウイルス感染症関連のロックダウンの影響をより強く受けたニュー・サウスウェールズ州
（ 1.79 十億ドル）をわずかに上回った。コロナ以前の 2018 ／ 2019 年において、クイーンズランド州の
各州間の観光の GVA は 2 番目に多く（ 3.35 十億ドル）、ニュー・サウスウェールズ州（ 3.39 十億ドル）
をわずかに下回った。
クイーンズランド州への各州間の旅行者の宿泊数は、新型コロナウイルス感染症による州間旅行制
限緩和のため、 2021 ／ 22 年においては 30.8 ％回復し、 25.6 百万泊となったが、コロナ以前の 2018 ／
2019 年の 34.8 百万泊の水準を引き続き下回っている。
海外からの商品輸入
クイーンズランド州の 2021 ／ 22 年における海外商品輸入の名目値は、 28.0 ％増加して 61.8 十億ドル
であった。輸入額の増加は、鉱物燃料、石油および潤滑油の輸入額の増加（ 7.0 十億ドル増加）による
もので、他方、化学製品（ 1.8 十億ドル増加）、その他の機械製品および輸送機器（ 1.5 十億ドル増
加）、その他の工業製品（ 1.0 十億ドル増加）ならびに道路走行車両（ 780 百万ドル増加）の輸入額も
大幅に増加した。
クイーンズランド州の近年の輸入額の詳細は、下記の表に示されるとおりである。
クイーンズランド州の海外からの商品輸入高
( 時価で評価。単位：百万ドル )
2021 ／ 22 年
(p)
(a)
2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年 増加率
2021 ／ 22 年
輸入分類
（％）
動物・食品・飲料・たばこ 2,448 2,308 2,501 8.3
鉱物燃料・石油・潤滑油 8,270 6,664 13,647 104.8
化学製品 2,650 2,736 4,569 67.0
道路走行車両 7,128 9,334 10,115 8.4
その他の機械製品および輸送機器 9,084 9,905 11,430 15.4
その他の工業製品 9,857 10,334 11,343 9.8
6,093 6,992 8,202 17.3
その他
45,531 48,273 61,806 28.0
商品の海外輸入合計
(a) 標準国際貿易分類に基づく。
(p) 暫定値
( 注 ) 数値は百万ドルの位に四捨五入されている。
出所：オーストラリア統計局、未公表外国貿易データ
人口および雇用
2022 年 3 月 31 日現在、クイーンズランド州の推定居住人口は、 5.30 百万人であり、オーストラリア人
口の 20.5 ％であった。 2022 年 3 月 31 日までの 1 年において、クイーンズランド州の人口は 1.8 ％増加した
が、これは、同期間における国の人口の増加が 0.9 ％であったのを上回った。
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各州間の純移動は、 2022 年 3 月までの 1 年において 53,984 人に増加した。海外からの純移動は、年間
のほとんどの期間の国境の閉鎖により 2022 年 3 月までの 1 年において 11,981 人の増加にとどまった。
2022 年 3 月までの 1 年において、自然増加（出生から死亡を差し引いた数）は 28,333 人であった。
年平均では、クイーンズランド州の雇用は、クイーンズランド州の経済が、 2020 年半ばの新型コロ
ナウイルス感染症による景気悪化から回復し続けたことから堅調な国内経済に牽引され、前年の 2.4 ％
の成長に続き、 2021 ／ 22 年において 5.0 ％の成長となった。
同様に、クイーンズランド州の労働力参加率は、 2021 ／ 22 年において 0.6 パーセントポイント上昇し
て 66.6 ％となり、 2011 ／ 12 年以降で最高の年間平均参加率となった。失業率は、 2021 ／ 22 年において
2.2 パーセントポイント下落して 4.6 ％となり、 2008 ／ 09 年以降で最低の年間平均失業率となった。
2022 ／ 23 年において季節調整値で失業率はさらに低下して、 2022 年 10 月に 3.3 ％となり、 1978 年にかか
る統計が始まって以来、月間失業率としては同等の最低水準となっている。
2021 ／ 22 年において、クイーンズランド州で最大の雇用創出部門は引き続き医療・社会扶助であ
り、 425,800 人（クイーンズランド州の雇用合計の 15.7 ％）を雇用し、小売業（ 9.4 ％）、建設
（ 8.8 ％）および教育・研修（ 8.7 ％）がこれに続いた。 2021 ／ 22 年におけるクイーンズランド州の雇
用の 84.9 ％を民間部門が占めた。
以下の表は、クイーンズランド州およびオーストラリアのその他の地域における産業部門別の雇用
および 2021 ／ 22 年までの 5 年間にわたる年平均成長率を示している。
(a)
クイーンズランド州における産業部門別被雇用者数
2016 ／ 17 年
から
2016 ／ 2017 ／ 2018 ／ 2019 ／ 2020 ／ 2021 ／
2021 ／ 22 年
17 年 18 年 19 年 20 年 21 年 22 年
までの
（千人） （千人） （千人） （千人） （千人） （千人）
年平均変動
率 ( ％ )
農業・林業・漁
52.4 63.0 69.5 79.8 84.1 66.7 4.9
業
鉱業 57.5 61.0 68.3 65.0 76.2 77.3 6.1
製造業 164.5 170.4 171.2 164.4 177.8 186.9 2.6
電力・ガス・水
24.6 33.0 30.0 31.4 29.4 32.3 5.6
道・廃棄物処理
建設 229.3 238.8 235.8 245.2 230.4 238.1 0.8
卸売業 64.4 64.4 73.3 71.8 79.9 68.6 1.3
小売業 253.6 262.0 252.9 231.8 266.5 254.1 0.0
ホテル・飲食
180.8 181.9 192.5 191.7 182.7 206.1 2.7
サービス
運輸・郵便・倉
132.4 140.5 136.3 128.6 133.9 140.2 1.2
庫
情報メディア・
電気通信サービ 35.7 28.4 33.3 28.6 27.2 29.1 (4.0)
ス
金融・保険サー
63.3 62.1 65.9 59.8 76.1 69.8 2.0
ビス
賃貸借・不動産
50.0 47.9 42.5 52.3 51.6 55.8 2.2
サービス
専門・科学・技
171.9 169.3 169.3 192.3 190.6 214.4 4.5
術サービス
行政支援サービ
80.1 90.6 85.4 87.4 80.0 82.7 0.6
ス
行政・安全 162.7 149.7 168.3 157.1 165.8 170.1 0.9
教育・研修 189.0 203.1 217.8 217.3 209.9 234.3 4.4
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医療・社会扶助 312.5 351.3 350.5 354.9 375.0 425.8 6.4
芸術・娯楽サー
43.2 45.2 43.6 45.5 43.5 40.7 (1.2)
ビス
その他のサービ
102.3 106.3 101.7 104.6 101.3 114.9 2.4
ス
(b)
2,370.3 2,468.9 2,508.2 2,509.5 2,582.0 2,707.9 2.7
合計
(a) 年平均
(b) 産業別雇用数の推定値は、各四半期の中間月に集計される。したがって、産業別雇用の総数は被雇用者の月間総数
と一致しない。
( 注 ) 四捨五入のため、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
出所：オーストラリア統計局、オーストラリア労働力調査（詳細集計）
(a)
オーストラリアのその他の地域における産業部門別被雇用者数
2016 ／ 17 年
から
2016 ／ 2017 ／ 2018 ／ 2019 ／ 2020 ／ 2021 ／
2021 ／ 22 年
17 年 18 年 19 年 20 年 21 年 22 年
までの
（千人） （千人） （千人） （千人） （千人） （千人）
年平均変動
率 ( ％ )
農業・林業・
252.0 266.3 264.2 254.2 253.6 236.0 (1.3)
漁業
鉱業 161.4 161.9 178.8 173.8 180.6 200.4 4.4
製造業 744.0 735.9 734.7 722.9 695.6 688.4 (1.5)
電力・ガス・
水道・廃棄物 112.8 115.8 124.0 124.4 123.2 122.8 1.7
処理
建設 856.4 932.2 929.7 934.3 930.0 915.8 1.4
卸売業 298.9 301.1 316.6 320.4 300.9 283.4 (1.1)
小売業 985.7 1,024.7 1,024.6 1,004.2 1,017.9 1,022.5 0.7
ホテル・飲食
682.4 708.5 708.2 659.9 651.5 661.4 (0.6)
サービス
運輸・郵便・
486.5 499.8 521.4 512.6 515.2 529.1 1.7
倉庫
情報メディ
ア・電気通信 180.5 192.7 181.4 176.2 165.3 168.2 (1.4)
サービス
金融・保険
373.8 368.7 379.1 406.9 407.4 474.9 4.9
サービス
賃貸借・不動
159.2 164.2 169.9 162.1 158.7 175.5 2.0
産サービス
専門・科学・
846.6 858.7 934.2 955.1 998.0 1,034.1 4.1
技術サービス
行政支援サー
350.5 325.0 343.6 350.7 336.7 344.4 (0.4)
ビス
行政・安全 614.1 588.2 667.7 670.7 700.3 733.3 3.6
教育・研修 792.9 822.0 824.1 867.9 902.4 895.4 2.5
医療・社会扶
1,251.1 1,321.4 1,334.3 1,408.4 1,425.0 1,535.1 4.2
助
芸術・娯楽
176.6 201.6 205.6 180.3 191.1 183.4 0.8
サービス
その他のサー
384.0 392.3 402.8 380.6 386.2 423.4 2.0
ビス
(b)
9,709.4 9,981.1 10,244.9 10,265.7 10,339.6 10,627.5 1.8
合計
(a) 年平均
(b) 産業別雇用数の推定値は、各四半期の中間月に集計される。したがって、産業別雇用の総数は被雇用者の月間総数
と一致しない。
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( 注 ) 四捨五入のため、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
出所：オーストラリア統計局、オーストラリア労働力調査（詳細集計）
物価
ブリスベンにおける消費者物価指数は、 2021 ／ 22 年においては 5.4 ％の上昇となり、物品・サービス
税導入後の 2000 ／ 01 年以降では最高の年間上昇率であった。物価上昇は広範囲に及ぶものの、ブリス
ベンにおける年間消費者物価指数上昇率の加速は主に、住宅価格および自動車燃料価格の急騰による
ものである。これに対し、 1993 ／ 94 年におけるオーストラリア準備銀行によるインフレ目標政策採用
以降のブリスベンの消費者物価指数の平均年間上昇率は 2.6 ％である。また、全国消費者物価指数は、
2021 ／ 22 年においては 4.4 ％の上昇となった。
所得
2021 ／ 22 年においてクイーンズランド州の平均週間所得は 5.0 ％増加し、これに対して全国の増加率
は 3.4 ％であった。かかる賃金測定におけるクイーンズランド州の相対的な強さは、現在の非常に厳し
い労働市場を反映している。
入手可能な直近の平均週間所得および 1 人当り家計所得の数値は以下のとおりである。
所得測定
2021 ／ 22 年における 2021 ／ 22 年における
州
1 人当り家計所得 ( ドル ) 平均週間所得 ( ドル )
クイーンズランド 68,467 1,312
ニュー・サウスウェールズ 74,648 1,361
ビクトリア 68,572 1,295
南オーストラリア 63,998 1,225
西オーストラリア 78,472 1,462
タスマニア 65,352 1,144
72,040 1,337
オーストラリア連邦
出所：オーストラリア統計局、オーストラリア国民経済計算；州会計における平均週間所得
賃金政策
企業レベルでの賃金交渉は 1991 年 10 月の導入以降、オーストラリアで広く受け入れられ、オースト
ラリアにおいて構造化された賃金交渉の主要な方法として、徐々に中央集権的賃金決定の「裁定制
度」に置き換わっていった。
2009 年 12 月 31 日、クイーンズランド州の立法により、民間部門の労使関係に係る州の権限がオース
トラリア連邦に移管された。 2010 年 1 月 1 日に施行されたこの移管は、全国の労使関係制度に関する
オーストラリア連邦の立法に合致するものである。全国労使関係制度は、すべてのクイーンズランド
州の民間部門の被雇用者に適用される。
クイーンズランド州の公共部門および地方政府の職員は、概ね州の労使関係制度の下にとどまる。
2022 年 6 月現在、クイーンズランド州における州および地方の公共部門の被雇用者は、合計 400,400 人
であり、クイーンズランド州の被雇用者総数の 14.4 ％を占めている。
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オーストラリア労働党は、 2022 年 5 月に連邦政権を獲得した。現在の連邦政府の政策は、生産性を高
めるため、オーストラリアの企業内交渉制度の再活性化を義務付けている。
クイーンズランド州の労使関係制度は、労使裁定および労使協約が主軸となっている。 2022 年 10
月、クイーンズランド州議会は、 5 年間の独立した法令見直しの勧告実施を伴う労使関係およびその他
の法律に関する 2022 年修正案を可決した。修正案には、性的指向、性別またはジェンダーに基づく職
場ハラスメントからの労働者保護の強化、育児休暇、家庭内暴力休暇取得の改善、そして団体交渉に
おける男女同一賃金の促進などが含まれる。また、養子縁組、代理出産、または文化的認知命令に基
づいて譲渡された親子関係を対象に含めるなど、有給および無給の育児休暇の柔軟性を高めたこと
で、現在の最低雇用基準は連邦基準に準拠している。
新型コロナウイルス感染症の出現まで、クイーンズランド州公共部門賃金政策は、労使協約に基づ
く報酬率に関して 2.5 ％の年間上昇率を是認するものであった。新型コロナウイルス感染症のパンデ
ミックによる財政的圧力のため、 2020 年の賃上げは延期されたものの、影響を受けたすべての公共部
門協約には、公共部門の被雇用者への継続的な影響がないことを保証するため、後日 2.5 ％の追加的な
賃上げが組み込まれた。
2022 年において、いくつかの主要な公共部門の交渉協約が失効した。現在の周期で交渉が進む中、
政府は現行の経済環境に対処する新たな賃上げのための協約を確立するため、誠実な交渉に取り組ん
でいる。政府は賃上げの提案として、 1 年目および 2 年目に 4 ％増、 3 年目に 3 ％増、ならびにインフレが
賃上げの提案を上回ることになった際は労働者への圧力緩和のため不定期での生計費の支払を提示し
ている。予算の見通しにおいて、雇用費用は、今後将来の交渉協約における主な賃上げについて、原
則的合意が既に確立されたものと一致することを前提としている。
政府全体での常勤換算職員数の水準は、承認済の常勤換算職員数の上限の範囲内で引き続き積極的
に管理されている。非フロントラインの新規採用に対する一時的な制限が終了し、各機関は承認済の
常勤換算職員数の上限の範囲内での柔軟な管理が可能となった。上級経営サービス職への外部採用に
対する中央監督では、引き続き上級経営層の緊密な管理を徹底している。
クイーンズランド州政府は引き続き、雇用の保証および危機対応のフロントラインのサービスに関
して、責任を持って取り組んでいる。
( ハ ) クイーンズランド州経済の主要部門
次の表は、クイーンズランド州とオーストラリアの産業別総付加価値の主な構成要素を示すもので
ある。
(a)
2021 ／ 22 年主要産業部門別
クイーンズランド州 GSP およびオーストラリア GDP( 額面 )
クイーンズランド州の
クイーンズランド州
オーストラリア GDP オーストラリア
GSP
部門
( 百万ドル ) に対する割合
( 百万ドル )
( ％ )
農業・林業・漁業 16,604 73,259 22.7
鉱業 74,202 314,959 23.6
製造業 23,992 125,183 19.2
建設 31,035 158,165 19.6
(b)
272,453 1,486,856 18.3
サービス業
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合計 418,286 2,158,422 19.4
(a) 産業別総付加価値に基づく。総付加価値は、基準価格での生産額から購入者価格での中間消費額を減算したもので
ある。生産額の基準価格での評価は、個々の産業の生産高についての物品税の負担および補助金の変化により生じ
る偏差を控除している。
(b) 電力・ガス・水道・廃棄物処理、卸売業、小売業、ホテル・飲食サービス、運輸・郵便・倉庫、情報メディア・電
気通信、金融・保険サービス、賃貸借・不動産サービス、専門・科学・技術サービス、行政支援サービス、行政・
安全、教育・研修、医療・社会扶助、芸術・娯楽サービス、その他のサービスおよび住宅不動産運用を含む。
出所：オーストラリア統計局、州の年次会計
鉱業
過去 10 年間にわたって鉱業部門は、クイーンズランド州経済に多大な貢献をしてきた。
クイーンズランド州は石炭、ボーキサイト、金、銅、銀、鉛および亜鉛等の資源の莫大な埋蔵量の
みならず、石炭層ガスの莫大な「非在来型」資源も有している。
クイーンズランド州において、石炭層ガスを原料とする液化天然ガス（ CSG-to-LNG ）に関する 3 つの
主要なプロジェクトが 2015 年に生産を始め、建設段階の総資本支出は 60 十億ドルを上回る。
クイーンズランド・カーティス LNG プロジェクトの最初の LNG は 2015 年 1 月に輸出され、 2015 ／ 16 年
は、 2016 年 10 月までにすべての LNG 「輸送列車」が運転可能となり、実質的な LNG 輸出の最初の施行年
度となった。 LNG は、クイーンズランド州において石炭に次いで最も重要な輸出品となり、 2021 ／ 22 年
の額面価格が 19.2 十億ドルとなっている。
2021 ／ 22 年においてクイーンズランド州は全国総鉱業生産の 23.6 ％（額面）を占めた。かかる産業
の生産量は 2018 ／ 19 年までの 5 年間（コロナ以前）の平均年間成長率 7.4 ％から減少したが、 2021 ／ 22
年までの 5 年間において平均年間成長率 1.5 ％（実質、 CVM ）の成長であった。
2021 ／ 22 年において、クイーンズランド州の鉱業部門は州の産業別総付加価値合計の 17.7 ％（額
面）を占め、これは過去最高となり、ピークであった 2008 ／ 09 年における 14.8 ％を大幅に上回った。
鉱業生産（額面）の力強い成長は、当年の石炭価格の高騰と石油価格の上昇によるものである。その
間に、 77,300 名が鉱業部門において直接的雇用（クイーンズランド州の雇用全体の 2.9 ％）であった。
クイーンズランド州の鉱業部門は輸出による利益の高い主要部門であり、資本投資および地域発展
に大きく貢献している。鉱業はまた、州の多くの主要付加価値産業の基盤を提供している。
石炭
石炭はクイーンズランド州の最も重要な輸出品目である。 2021 ／ 22 年における石炭の輸出額は、ク
イーンズランド州の商品輸出合計の 59.7 ％を占めた。記録的な石炭価格の高騰（前年比 198 ％増）が石
炭輸出トン数の減少（ 2.8 ％減少）を相殺したために、石炭の輸出額は 190 ％増加し、 2021 ／ 22 年には
71.6 十億ドルとなった。
以下の表は、クイーンズランド州の 2016 ／ 17 年から 2021 ／ 22 年において生産された特定の鉱物生産
額およびその生産量を示すものである。
(a)
クイーンズランド州の主要資源見積生産額
( 単位：百万ドル )
2016 ／ 17 年 2017 ／ 18 年 2018 ／ 19 年 2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年
資源
(b)
41,083 45,923 52,792 40,496 28,002 87,347
黒炭
(c)
8,641 10,737 15,728 15,555 9,514 19,219
LNG
銅精鉱 1,765 1,996 2,047 1,833 2,179 2,440
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金地金 1,055 1,027 925 1,049 1,026 1,093
(d)
1,260 1,275 1,494 1,649 1,339 1,273
ボーキサイト
鉛精鉱 755 715 839 814 844 822
1,204 1,670 2,614 2,489 2,746 3,417
亜鉛精鉱
(a) 生産額は、クイーンズランド州の生産量および各資源のオーストラリアにおける価格を用いて計算される。
(b) クイーンズランド州の輸出単価に基づき見積もられる。
(c) 輸出価格
(d) 2022 年 6 月四半期の生産額データは入手できておらず、 2021 ／ 22 年は 2022 年 3 月四半期までの 4 四半期となる。
出所：オーストラリア産業・科学・資源省、オーストラリア統計局およびクイーンズランド州財務省
クイーンズランド州の資源生産量
2016 ／ 17 年 2017 ／ 18 年 2018 ／ 19 年 2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年
資源
黒炭 ( 千トン ) 237,675 248,622 257,209 245,422 227,043 238,698
銅精鉱 ( 千トン ) 247 227 238 218 205 184
金地金 ( キログラム ) 19,695 19,084 16,286 13,938 12,845 13,446
(a)
30,041 32,030 35,829 41,087 35,812 37,234
ボーキサイト ( 千トン )
鉛精鉱 ( 千トン ) 270 228 301 288 318 259
亜鉛精鉱 ( 千トン ) 359 405 702 757 773 710
石炭層ガス ( 百万立方メー
34,358 35,404 37,600 39,904 40,627 40,817
(b)
トル )
(a) 2022 年 6 月四半期の生産量データは入手できておらず、 2021 ／ 22 年は 2022 年 3 月四半期までの 4 四半期となる。
(b) 国内の生産量データ。生産の大部分はクイーンズランド州で行われている。
出所：オーストラリア産業・科学・資源省
農業
クイーンズランド州の農業、林業および漁業部門は、 2021 ／ 22 年においてクイーンズランド州の産
業別総付加価値の 4.0 ％（額面）ならびにオーストラリア農業総生産の 22.7 ％を占めた。クイーンズラ
ンド州の農産物の大部分は伝統的に輸出され、クイーンズランド州の外貨収入に重要な貢献をしてい
る。
2021 ／ 22 年においてクイーンズランド州の農業総生産額面額の半分超は、牛肉、加工用砂糖きびお
よび綿花の 3 つの農産物から構成されており、それらは主に輸出のために生産されている。
また、クイーンズランド州は、主に国内市場向けの熱帯甘橘系果物、米、野菜、木材、落花生、菜
種油、卵および酪農品を生産している。
クイーンズランド州農業水産省によれば、 2021 ／ 22 年におけるクイーンズランド州の農産物の額面
価格は、 21.1 ％増加し、 17.8 十億ドルとなった。これは、綿花（ 976 百万ドル増の 1.5 十億ドル）、牛
肉（ 949 百万ドル増の 6.9 十億ドル）および小麦（ 431 百万ドル増の 901 百万ドル）の生産総額の増加に
起因する。
次の表は、クイーンズランド州の 2021 ／ 22 年までの過去 5 年間の主要部門別の農業総生産額面額およ
び生産量を示すものである。
クイーンズランド州の主要農業総生産額面額および生産量
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2017 ／ 18 年 2018 ／ 19 年 2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年
総額 ( 単位：百万ドル )
畜牛 5,473 5,803 6,547 5,902 6,851
家禽 561 587 568 600 631
豚 248 289 363 334 389
羊および子羊 55 58 67 72 79
加工用砂糖きび 1,234 1,192 1,060 1,150 1,374
羊毛 98 108 79 60 89
穀類・油用種子類・豆類 1,171 809 733 1,374 2,100
果物・野菜・ナッツ 3,270 3,132 2,881 3,198 3,117
酪農製品 ( 乳製品全般 ) 230 219 215 207 220
綿花 882 279 102 524 1,500
1,294 1,323 1,232 1,315 1,494
その他
農産物合計 14,516 13,798 13,847 14,737 17,843
生産高
牛肉および子牛肉 ( 千トン ) 1,077 1,111 1,112 923 926
(a)
31,472 30,489 28,443 29,330 28,479
砂糖きび ( 千トン )
(b)
5,042 3,953 4,102 4,946 4,116
羊毛 ( トン )
小麦 ( 千トン ) 765 420 418 1,594 1,825
320 164 31 222 422
リント綿花 ( 千トン )
(a) 暦年データ
(b) 仲介業者によって受領され、羊毛製造者から販売業者が購入した課税羊毛
出所：オーストラリア統計局の家畜生産品；クイーンズランド州農業水産省；オーストラリア製糖工場協議会；オース
トラリア農業資源経済局
その他の第一次産業
林業および伐採
2021 ／ 22 年におけるクイーンズランド州の林業および伐採の生産額は、 0.8 ％増加したと予測され、
253 百万ドルとなった。木材需要の大部分は、住居の新築および改築・増築の需要により決定される。
漁業
2021 ／ 22 年におけるクイーンズランド州の漁業および水産養殖の生産額は 7.4 ％増加したと予測さ
れ、 466 百万ドルとなった。その総生産額のうち、漁業は 51 ％を占め、水産養殖は 49 ％を占めた。
製造業
2021 ／ 22 年において製造業部門はクイーンズランド州の産業別総付加価値（額面）の 5.7 ％およびク
イーンズランド州の雇用の 6.9 ％を占めた。 2021 ／ 22 年においてオーストラリア全体の製造業生産高に
おけるクイーンズランド州のシェアは 19.2 ％であった。
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クイーンズランド州の製造業では歴史的に見てサービス業ならびに州内の農作物および鉱物資源の
加工業が発展してきた。大部分の産業国と同様、サービス提供中心の産業への比重の移行に伴い、
オーストラリアにおいて製造業は相対的に見て次第に重要性を喪失した。
（入手可能な直近のデータである） 2020 ／ 21 年において、食品製造業はクイーンズランド州の製造
業収益の最大の構成要素となり（ 28.9 ％）、一次金属製造業および金属製品製造業（ 11.6 ％）、組立
金属製品製造業ならびに機械設備製造業（共に 8.9 ％）が続いた。
建設
クイーンズランド州の建設業は、 2021 ／ 22 年には州内の雇用の 8.8 ％を創出し、直接的に州の GVA に
7.4 ％寄与した。
・住宅投資は、前年の 11.7 ％の増加を基に、 2021 ／ 22 年において 4.5 ％増加した。
・記録的な低金利と政府の大幅な景気刺激策が相まって、 2020 ／ 21 年において建設の承認およ
び融資の指標の力強い成長をもたらした。これらの要因によって、クイーンズランド州にお
いて進行中の住宅事業の価値は、 2022 年 6 月四半期に過去最高の 11.5 十億ドル に達した。
・しかし、新型コロナウイルス感染症のパンデミック、洪水を含む悪天候、複数の建設会社の
倒産による資材および労働力不足が、建設業界の需要の増加に対応する能力を制約してい
る。その結果、 2022 年 9 月四半期のクイーンズランド州の住宅投資は前年同期比で 14.1 ％減少
した。
・非居住用建物（店舗、事務所、工場等）および土木建設（炭鉱、港、道路等）によって構成され
る非住宅建設は、 2021 ／ 22 年において 10.6 ％増加した。
・クイーンズランド州における新規の土木建設は、過去 3 年間にわたり累積で 31.0 ％減少した
後、 2021 ／ 22 年に 1.2 ％増加した。
・非居住用建物の建設は、過去 3 年間にわたる累積の 25.6 ％の減少から堅調に回復し、 2021 ／
22 年に 14.7 ％増加した。
サービス
運輸
クイーンズランド州は 16 の貿易港を有し、その多くはそれぞれの地域の主要生産物を処理する施設
を備えている。さらに、クイーンズランド州は 2 つの地域港と南東にあるメアリーバラから北西にある
バークタウンの間に等間隔に設置された多くの非貿易港を有している。 2021 ／ 22 年におけるクイーン
ズランド州の港湾システムによる総処理トン数は 288.8 百万トン（前年比変化なし）と推定された。
クイーンズランド州の鉄道網は 10,000 キロメートル超の路線を有しており、電化された基幹線とク
イーンズランド州中央部の主要な炭鉱のための重貨物線が含まれる。鉄道貨物には競争が導入されて
いる。民間企業のパシフィック・ナショナルはクイーンズランド州で活動を行っている。一方、石炭
および貨物部門についてクイーンズランド・レール（現在は「オーリゾン（ Aurizon ）」）は従前政府
所有であったが、民営化された。鉄道貨物運送事業者は、クイーンズランド州の貨物輸送に従事する
道路運送企業とも競合している。概ね鉄道により運送される物資としては、石炭および鉱物が挙げら
れる。相当量のコンテナ貨物が鉄道および道路の両方により輸送される。
クイーンズランド州の公共道路網は安全性および発展可能性を維持するために常に改善され、拡大
されつつある。
クイーンズランド州は主要な国際空港を 2 つ、それらに次ぐ国際空港（ 2016 年 10 月に国際線事業を開
始した、トゥーンバにある私営空港であるブリスベン・ウエスト・ウェルキャンプ空港を含む。）を 5
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つ有しており、また、大規模な商業用国内空港や個人用飛行場もある。ブリスベン空港は、シドニー
空港とメルボルン空港に次いで国内で 3 番目に利用の多い空港であり、 2021 ／ 22 年には 10.0 百万人の乗
客 が乗り継ぎ、 2018 ／ 19 年のコロナ以前の水準である 23.6 百万人から減少した。ブリスベン空港は数
年にわたる工事の後、 2020 年 7 月に新たな滑走路の建設が完了し、これにより同空港の処理能力は倍増
すると予測される。
通信
クイーンズランド州では、連邦の郵便システムおよび多くの主要な電気通信会社により、州規模で
のサービスが提供されている。双方向衛星通信は遠隔地域で利用可能となっており、僻地居住者に対
して教育その他のサービスを提供している。クイーンズランド州は、オーストラリア放送公社および
スペシャル・ブロードキャスティング・サービスによって主に運営される広範囲な非商業テレビ網を
有しており、さらに 3 つの商業テレビ放送網（各々が多数のサブチャンネルを有する。）が州内におい
て運営されている。クイーンズランド州ではケーブル・テレビおよび衛星放送テレビのサービスが広
く行われており、包括的な商業および公営ラジオ放送網もある。
また、ブロードバンド・インターネットサービスが州内のすべての主要都市において利用可能であ
る。連邦政府は、ファイバー・トゥ・ザ・プレミシス／ベースメント、ファイバー・トゥ・ザ・ノー
ド、固定無線および衛星技術から成る「マルチ・テクノロジー・ミックス」を通じて提供される予定
のナショナル・ブロードバンド・ネットワーク（以下「 NBN 」という。）を現在完成しつつある。 NBN
はオーストラリア全土のデフォルトの法定インフラプロバイダー（以下「 SIP 」という。）であり、
SIP である場合、最低サービス速度に関連する法的義務を果たさなければならない。 NBN Co は、ダウン
ロードのピーク速度を最大で毎秒 1 ギガビットまで速め、アクセスを拡大する現在の計画を実施するこ
と等の最低要件を充たしたうえで、エンドユーザーからの要求に対応するため、小売業者を支援する
ネットワーク技術を資本制約の範囲内で引き続き改善させる。 2022 年 12 月 1 日現在、クイーンズランド
州で、総計 2,434,754 の世帯／企業につきサービスの準備が整い、総計 1,690,838 の世帯／企業につい
てはサービスを稼働させたと発表されている。
観光業
観光業は、 2020 ／ 21 年においてクイーンズランド州の生産額（基準価格での総付加価値）全体の推
定 2.2 ％を占めた（入手可能な最新時での予測）。新型コロナウイルス感染症の大流行および国境閉鎖
以前の 2018 ／ 19 年において、観光業は生産額の全体の 3.6 ％を占めた。クイーンズランド州の観光業の
発展は、一定の自然の利点、すなわち、休暇に理想的な気候ならびにグレート・バリア・リーフとそ
の島々、数百キロメートルに及ぶ砂浜、広大な未開発地域、山景、国立公園、熱帯の北部、ダーリン
グ・ダウンスおよび未開拓の奥地等のオーストラリアの自然の魅力が最も良く揃っていることに負う
ところが大きい。
ブリスベン市の南部に位置するゴールド・コーストは、オーストラリアで最大の最も人気のあるリ
ゾート地である。ゴールド・コーストはサーフィン、釣り、クルージングその他様々なスポーツ活動
のための施設を提供している 32 キロメートルに及ぶ砂浜で知られている。ゴールド・コーストの西に
位置するマクファーソン・レンジの未開発の熱帯雨林で覆われた丘陵地域は、登山、叢林地帯散策、
乗馬、国立公園、滝およびパノラマの景観等によりゴールド・コーストの魅力を広げている。ゴール
ド・コーストの自然の魅力は、テーマパーク、世界規模のゴルフコース、運河の伸長、および国際的
に定評のあるレストランならびに娯楽場等の開発により補強されている。
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グレート・バリア・リーフは国内外の旅行者にとって大きな魅力である。そして、リゾート地は、
島および海岸地方の中央部において開発されている。グレート・バリア・リーフの水質は世界で最良
の漁場を提供し、ケアンズは黒かじきで有名な釣りの大会の国際的な舞台となっている。ウィットサ
ン デー・コーストはウィットサンデー群島に近いオーストラリア本土にあり、過去 10 年間グレート・
バリア・リーフとその島々の人口増加に対応して発展してきた。この地域は、日帰り旅行による珊瑚
礁と島のある休日を提供し、名所へのクルージングやヨットのチャーター施設も提供している。
2021 ／ 22 年において、 223,000 人の海外からの旅行者（休暇を過ごすために来る人々または友人もし
くは親戚を訪問する人々であると定義される。）が、クイーンズランド州を訪れ、 2021 年後半の国境
再解放を受けて 2020 ／ 21 年における 32,000 人からは増加したものの、 コロナ以前の水準である 2018 ／
19 年における 2.4 百万人をはるかに下回っ た。海外からの旅行者は、クイーンズランド州に合計で 6.3
百万泊滞在し、 2020 ／ 21 年における 0.8 百万泊からは増加したものの、 コロナ以前の水準である 2018 ／
19 年における 36.0 百万泊をはるかに下回っ た。
伝統的に、クイーンズランド州においては国内旅行が海外旅行より大きな市場であったが、国内旅
行の相当部分は州内旅行（クイーンズランド州民がクイーンズランド州内を旅行）によるものであ
る。 2021 ／ 22 年において、クイーンズランド州への 1 泊国内旅行は 16.3 百万件に上り、そのうち 12.9 百
万件が 州内旅行であり、 3.4 百万件が州間旅行であった。国内旅行者は、 2021 ／ 22 年においてクイーン
ズランド州に 66.7 百万泊滞在し、 2020 ／ 21 年における 62.1 百万 泊 からは増加し、 2018 ／ 19 年における
71.7 百万 泊は下回った ものの、 2017 ／ 18 年における 65.2 百万 泊を上回った。 2021 ／ 22 年において、ク
イーンズランド州における国内旅行者の宿泊のうち 41.1 百万泊は州内の旅行者によるものであり、
25.6 百万泊は州間の旅行者によるものであった。
(4) 財政
( イ ) クイーンズランド州政府の財政
州の予算方針
各会計年度の予算は通常州財務大臣により会計年度が始まる前の 6 月に立法議会に提出され、当会計
年度の歳入歳出決算見積もりの明細ならびに翌会計年度および次年度以降の 3 会計年度の歳入歳出の予
算が含まれる。歳入調達の承認は州議会の様々な現行法に定められており、歳出は毎年、歳出法に基
づく州議会の承認を得る。
予算は通常 6 月に州議会に提出され、歳出法が 8 月から 9 月頃に州議会により予算審議を経て可決され
る。歳出法により、翌会計年度（すなわち予算年度）の歳出案が承認される。これらの歳出法はま
た、歳出法案が国王の裁可を得るまでの翌々会計年度の当初数ヶ月間のクイーンズランド州政府の通
常公務を行うにあたり十分な支出の総額を承認する。立法議会のための歳出法が 1 つとその他すべての
機関のための歳出法が 1 つある。
2021 ／ 22 年予算および 2021 ／ 22 年予算の更新（ MYFER ）
2021 ／ 22 年予算は、 2021 年 6 月 15 日に提出され、経済復興計画の実行、および州の新型コロナウイル
ス感染症の抑制に成功した後の雇用支援に焦点を当てている。高品質のフロントラインのサービスお
よびインフラを継続的に提供し、政府の選挙公約を実現することも、引き続き重要な焦点となった。
2021 ／ 22 年予算においては、 2024 ／ 25 年まで持続可能な工事計画を維持することに重点を置き、重
要なインフラの建設および建設に係る資本的支出に、 4 年間にわたり 52.216 十億ドルを投入することが
約束されている。
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景気は 2020 ／ 21 年予算における予測よりも早期かつ堅調に回復し、その結果、主要な歳入源が予想
以上に増加した。歳出が抑制されたことならびに政府が貯蓄および債務計画を引き続き実施したこと
と相まって、経常赤字は、 2020 ／ 21 年予算における予測を下回り、 2024 ／ 25 年にはわずかながら黒字
に 戻ると予測されている。
2021 ／ 22 年予算の更新（財政および経済に関する中間概観）が 2021 年 12 月 16 日に公表された。
2024 ／ 25 年までの 4 年間の赤字は 4.289 十億ドルで、 2021 ／ 22 年予算における予測を 2.451 十億ドル下
回っており、 2021 ／ 22 年についてはロイヤルティ歳入が一時的に増加したことに加え、譲渡税が予想
以上に増加したことを主因として上方修正されている。
2024 ／ 25 年までの 4 年間で、歳入は平均 3.4 ％増加すると予測されたが、支出は同期間で平均 3 ％しか
増加しないと予測された。
2022 ／ 23 年予算および 2022 ／ 23 年予算の更新（ MYFER ）
主に、国をリードする医療保健面での対応により、州の景気は新型コロナウイルス感染症の危機か
ら急速かつ堅調に回復したため、 2022 ／ 23 年予算の焦点はより多くの産業においてより多くの雇用を
創出し、より良いサービスを提供してクイーンズランド州のライフスタイルを保護することに転じ
た。
2022 ／ 23 年予算では、州の人口増加を支えるために不可欠な社会および経済インフラの資金とし
て、 4 年間で 59.126 十億ドルを投入することが約束された。この中には、医療システムの能力を高める
ための変革的な投資、新しい学校および重要なインフラのアップグレードへの投資ならびに交通イン
フラへの継続的な多額の投資が含まれている。
2020 年半ば以降、経済状況が大幅に改善されたため、 2021 ／ 22 年に歳入は力強く回復し、 2021 ／ 22
年予算の更新と比較して、将来見積もり期間において上昇を維持すると予想された。また、サービス
提供と経済的優先事項を支援するための追加資金は、歳入の上昇の範囲内で管理されると予想され
た。 2025 ／ 26 年までの 5 年間の平均年間歳出増加率は、同期間の年間歳入増加率が 4.5 ％であるのに対
し、 4.1 ％と予測された。
2022 ／ 23 年予算の更新（財政および経済に関する中間概観）が 2022 年 12 月 7 日に公表された。 2022 ／
23 年の黒字額は 5.18 十億ドルで、 2022 ／ 23 年予算の赤字額 1.029 十億ドルの予測を 6.209 十億ドル上
回った。見通しの改善は、主に、世界的な予想を上回る、一時的な石炭価格および石油価格の高値を
反映して石炭と石油のロイヤルティを上方修正したこと、ならびに堅調な GST （以下に定義される。）
および給与税の税収によるものである。
2023 ／ 24 年の赤字は 458 百万ドルと縮小し、 2024 ／ 25 年および 2025 ／ 26 年は、 2022 ／ 23 年予算のとお
り、若干の黒字が見込まれている。
2022 ／ 23 年予算で示された重要な公共インフラ投資プログラムは、クイーンズランド州におけるエ
ネルギーおよび雇用計画への投資によって補完された。 2025 ／ 26 年までの 4 年間の資本プログラムは
64.844 十億ドルになる見込みである。
財政原則
2009 年金融説明責任法は、州財務大臣が財政責任憲章（以下「憲章」という。）を作成し、立法議
会に上程することを義務付けている。憲章は、クイーンズランド州政府の財政目的およびかかる目的
を支援する財政原則を定めるものである。
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州財務大臣は、クイーンズランド州政府が憲章に記載されている優先事項に対して生じた進展につ
いて、立法議会に定期的に報告しなければならない。この報告は、予算書類および予算の更新におい
て毎年公表される。
クイーンズランド州政府は、財政原則が目的に適ったものであり、新型コロナウイルス感染症のパ
ンデミック後のクイーンズランド州の財政面のバッファーを再建するためにバランスのとれた賢明な
道筋を提供していることを確保するため、新たな憲章を策定し、 2021 ／ 22 年予算方針を反映した。新
たな財政原則は、純経常黒字の達成および純債務の安定を支える客観的な施策を定めている。
財政原則 1 －一般政府部門の 対歳入純債務比率を中期的に持続可能な水準に安定させ、長期的には対
歳入純債務比率の縮小を目指すこと。
中期的に債務を持続可能な水準に安定させることは、財政戦略の主要な構成要素である。
クイーンズランド州の対歳入純債務比率は、 2021 ／ 22 年は 15 ％となり、 2020 ／ 21 年決算での報告か
ら 18 ％の減少となった。一般政府部門の対歳入純債務比率の低下は、将来の重要なインフラのために
2.5 十億ドルのロイヤルティ収入を投資する等、クイーンズランド州政府による財政バッファーを回復
するための短期的な歳入の増加の慎重な管理を反映している。
2021 ／ 22 年予算では 61 ％となっていた対歳入純負債比率は、 2024 ／ 25 年までに 46 ％に達すると予想
されている。これは、 2020 ／ 21 年予算以降、予算の更新の度に一般政府部門の対歳入純負債比率の見
通しが着実に低下していることを受けたものである。
財政原則 2 －財政的に持続可能な純経常黒字を達成するため、中期的に一般政府部門の歳出の平均年
間上昇率が一般政府部門の歳入の平均年間上昇率を下回るようにすること。
財政原則 2 は、歳出増加管理の幅広い措置を実施することを目的としている。経常黒字の達成は債務
の安定化の一助となる。
クイーンズランド州の純経常収支は、 2021 ／ 22 年予算以降、 3.485 十億ドルの経常赤字から 4.296 十
億ドルの経常黒字に大幅に改善した。 2021 ／ 22 年における歳入および歳出は 2020 ／ 21 年と比較してそ
れぞれ 18.1 ％および 9.7 ％の成長となった。
2025 ／ 26 年までの 5 年間にわたり、歳入は平均年率 4.8 ％の増加が見込まれるのに対し、歳出は 4.5 ％
となっている。 2024 ／ 25 年には再度、経常黒字が達成されると予測される。
財政原則 3 －中期的に、非金融資産（資本）に対する投資からのキャッシュ・フロー純額につき、主
として営業活動により得られたキャッシュ・フロー純額で資金調達できるようにするため、純経常黒
字の継続的な改善を目指すこと。資本計画は、生産性の高い経済および雇用の支援ならびに人口増加
に対応するインフラのパイプラインの確保に重点を置く。
政府の 50 十億ドルのインフラ保証により、新型コロナウイルス感染症の危機の最中においても十分
な資本計画を維持することができ、 2025 ／ 26 年までの 4 年間にわたって 64.8 十億ドルの資本計画が予定
されている。
資本計画には、非金融資産の購入、資本助成金、新規ファイナンス・リースおよび類似の取決めが
含まれる。州の非金融部門が 2021 ／ 22 年に提供した資本計画は、 14.294 十億ドルであった。 2021 ／ 22
年の力強い歳入の伸びにより、一般政府部門の非金融資産への純投資の資金は全額、営業活動により
得られたキャッシュ・フロー純額により調達された。その性質上ばらつきがある歳入増加におけるボ
ラティリティと資本支出が相まると、各年の財政原則 3 の結果にもある程度の変動が見込まれる。かか
る割合は 2022 ／ 23 年に減少するが、営業状況の改善に伴い、将来見積もり期間において徐々に増加
し、 50 ％になる見込みである。
これにより、クイーンズランド州は、主として営業活動による余剰資金を通じた資金調達という中
期目標に向けて、将来見積もり期間以降も継続的な改善を図ることができる。
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財政原則 4 － 1 人当りベースで、クイーンズランド州の課税をその他の州の平均よりも低くすること
で、競争力のある税制を維持すること。
この財政原則は、クイーンズランド州の税制および政策の比較効果を有意義に示し、引き続きク
イーンズランド州民の納税額が、オーストラリアの他の州および準州の住民より少なくなることを保
証するものである。
入手可能な最新の結果によると、 2020 ／ 21 年においてクイーンズランド州の 1 人当りの課税額は、そ
の他の地域の平均と比べて 654 ドル少なかった。平均して、クイーンズランド州民の納税額は、
ニュー・サウスウェールズ州の住民よりも 1,114 ドルおよびビクトリア州の住民よりも 545 ドル少な
かった。
財政原則 5 －保険数理士の助言に従い、老齢退職年金および労災補償等の長期負債に対する完全積立
を目指すこと。
歴代政府の長年の慣行に従い、クイーンズランド州政府は、年金およびワークカバー等の長期負債
を満たすだけの、数理計算上で決定される資産を確保することを約束している。 Q スーパー制度の最新
の保険数理評価の完全版は、 2021 年 6 月 30 日時点のものであり、 2021 年 12 月 3 日付の報告書で公表され
ている。この報告書では、同制度は全額積立済みであるとされている。
2022 年 6 月 30 日現在、ワークカバー・クイーンズランドは全額積立済みである。
表 1
主要財務総計
(UPF ベース )
( 単位：百万ドル )
2018 ／ 19 年 2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年
2021 ／ 22 年
* * *
決算
決算 決算 決算
一般政府部門
収入 59,828 57,778 62,791 74,185
費用 58,843 63,505 63,706 69,889
純経常収支 985 (5,728) (915) 4,296
非金融資産購入額 5,764 6,306 6,682 7,889
財政収支 (2,207) (9,164) (4,857) (71)
非金融公社部門
収入 14,256 13,589 13,269 15,951
費用 12,587 12,661 12,071 14,888
純経常収支 1,669 928 1,198 1,062
非金融資産購入額 2,687 3,156 3,139 3,134
財政収支 1,471 305 687 601
非金融公共部門
収入 68,329 66,171 71,318 85,485
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費用 67,368 72,056 71,770 80,335
純経常収支 961 (5,886) (452) 5,150
非金融資産購入額 8,460 9,482 9,877 11,140
(2,439) (9,965) (4,973) 205
財政収支
*
該当する場合、収支は、会計方針の変更、表示および時期における差異ならびに誤差による修正再表示が行われてい
る。
経常収支
2021 ／ 22 年における決算
統一発表体制（以下「 UPF 」という。）ベースでは、一般政府部門は、 2020 ／ 21 年における修正再表
示された 915 百万ドルの経常赤字と比較して、 2021 ／ 22 年において 4,296 百万 ドルの経常黒字を計上し
た。 2021 ／ 22 年において、新型コロナウイルス感染症のオミクロン変異株の発生およびクイーンズラ
ンド州の南東部における大洪水にもかかわらず、クイーンズランド州の経済成長は継続した。クイー
ンズランド州内および国内の経済状況の改善ならびに商品価格の高騰により、収益は大幅に回復し、
純経常収支は大幅に回復した。
財政収支は、 2020 ／ 21 年における修正再表示された 4,857 百万ドルの赤字から 2021 ／ 22 年における 71
百万ドルの赤字へと減少した。これは主として純経常収支が改善したことによるものであるが、非金
融資産購入額の増加によりある程度相殺された。
収入
取引からの収入は、 2020 ／ 21 年において 8.68 ％（ 5,013 百万ドル）増加した後、 2021 ／ 22 年において
18.15 ％（ 11,394 百万ドル）増加した。
連邦助成金は、州の収入の主要部分を成し、一般政府部門の収入の約 46 ％を占めており、税金がそ
の約 27 ％を占めている。 2021 ／ 22 年において、連邦助成金およびその他の助成金は 1,122 百万ドル増加
した。これは主として、国の GST プールが改善され、 2021 ／ 22 年においてクイーンズランド州が GST
プールのより多くのシェアを受け取ることを反映して GST 歳入が増加したこと、ならびに主にパンデ
ミックへの医療保健面での対応および Quality Schools の資金供給に係る支出が増加したことによるも
のである。
2021 ／ 22 年における課税収入は 2020 ／ 21 年（ 3,762 百万ドル）と比較して増加したが、これは主とし
て、クイーンズランド州の住宅および労働市場の好調な状況が、居住用財産の売却に係る譲渡税およ
び給与税の増加につながったことによるものである。
一般政府部門のその他の収入は、主として石炭価格および石油価格の一時的な高騰を反映したロイ
ヤルティおよび地代の増加により、 2021 ／ 22 年において、 2020 ／ 21 年を 6,563 百万ドル上回った。
支出
実績に基づくと、 2021 ／ 22 年において、一般政府支出は 6,183 百万 ドル（ 9.71 ％）増加した。
雇用費用および老齢退職年金費用は、 2022 ／ 23 年予算の予測とほぼ一致して、 2021 ／ 22 年において
7.2 ％増加した。これは新型コロナウイルス感染症のパンデミックへの対応資金の調達を補助するた
め、 2020 ／ 21 年に予定されていた 一般政府部門の賃金引上げが 2 年先へと延期されたこと、主要なフロ
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ントラインのサービスの増加および年金数理上の前提条件の変更による確定給付型退職年金の費用の
増加が一因となっている。
その他経常支出は 2020 ／ 21 年から 1,727 百万 ドル（ 10.5 ％）増加したが、これは主として、新型コロ
ナウイルス感染症への州の対応と管理を含む公立病院および保険サービスの需要の伸び、子供の保護
制度および家庭内・家族間暴力に関するサービス、より高等な学校教育サービスならびに州 の道路お
よび鉄道インフラ計画の提供に伴う運営費用 の増加によるものである。
一般政府部門における減価償却費は 336 百万ドル増加して 4,506 百万ドルとなった。これは主とし
て、残存インフラの増加によるものであった。
一般政府部門における支払利息は 111 百万ドル減少して 1,508 百万ドルとなった。これは、平均帳簿
金利の低下が借入残高の増加の影響を上回ったことによるものであった。
一般政府部門における助成金費用は 13,817 百万ドルで、 2020 ／ 21 年より 2,104 百万ドル増加した。助
成金費用の増加に寄与したのは、（廃棄物への課税による家計への影響を軽減するための）地方自治
体への廃棄物改革年次一括前払い金、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業向け支援助成金
（観光部門およびホスピタリティ部門へのハードシップ助成金を含む。）、州立以外の学校へ付与さ
れるオーストラリア政府による助成金の増加および 2021 ／ 22 年の 災害シーズンにおける大規模洪水後
の災害復興資金提供協定の支払である。
非金融資産購入額および借入金
下記表 2 は、州の非金融資産購入額および借入金についてのデータを示すものである。
表 2
非金融資産購入額および借入金
(UPF ベース )
( 単位：百万ドル )
2018 ／ 19 年 2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年
決算 決算 決算 決算
非金融資産購入額
一般政府部門 5,764 6,306 6,682 7,889
非金融公社部門 2,687 3,156 3,139 3,134
(1)
8,460 9,482 9,877 11,140
非金融公共部門
借入金
一般政府部門 32,202 44,253 54,076 56,764
非金融公社部門 38,707 40,698 41,558 59,495
70,909 84,944 95,627 116,252
非金融公共部門
(1) 現行の統一発表体制の取決めに基づき、予算および将来見積もりデータは、正確な事業活動計画の作成が困難であ
ることから、公共金融公社 (PFC) には要求されない。この部門について資本支出は推定されていない。
州の純資産 ( または資本 ) とは、州の資産が負債を超過した額をいう。これはクイーンズランド州の
住民に代わって公共部門機関により保有される投資評価額である。
一般政府部門の純資産は、 2021 ／ 22 年期末現在 249,624 百万ドルとなった。
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2021 ／ 22 年期末現在において、一般政府部門における借入金は 56,764 百万ドルとなり、 2020 ／ 21 年
を 2,688 百万ドル上回った。借入金の増加は主として、資本支出のための QTC からの追加借入によるも
のである。
資本支出
UPF ベースで、 2021 ／ 22 年における一般政府の非金融資産購入額（すなわち、資本支出）は 7,889 百
万ドルとなり、 2020 ／ 21 年を 1,207 百万ドル上回った。
将来見積もり
下記表 3 は、 UPF ベースによる州の将来見積もりの概要を示すものである。
表 3
主要財務総計予測 ( 概要 ) - 2022 ／ 23 年予算の更新 (MYFER)
( 単位：百万ドル )
2022 ／ 23 年 2023 ／ 24 年 2024 ／ 25 年 2025 ／ 26 年
予測額 予測額 予測額 予測額
一般政府部門
収入 81,227 77,776 78,014 79,506
費用 76,047 78,234 77,891 79,286
純経常収支 5,180 (458) 123 220
非金融資産購
8,433 9,445 9,374 9,415
入額
財政収支 598 (5,298) (4,931) (4,061)
非金融公社部門
収入 14,867 14,056 14,093 14,477
費用 13,685 12,556 12,666 12,906
純経常収支 1,183 1,500 1,428 1,571
非金融資産購
3,773 4,654 4,742 5,022
入額
財政収支 146 (109) (119) (111)
非金融公共部門
収入 90,326 86,464 86,953 88,761
費用 84,928 86,464 86,338 88,041
純経常収支 5,397 0 615 720
非金融資産購
12,194 14,060 14,073 14,422
入額
(208) (6,411) (5,943) (5,228)
財政収支
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下記表 4 は、州の非金融資産購入額および借入金についての最新の予測値・見積値のデータを示すも
のである。
表 4
借入金および非金融資産購入額
(UPF ベース )
( 単位：百万ドル )
2022 ／ 23 年 2023 ／ 24 年 2024 ／ 25 年 2025 ／ 26 年
予測額 予測額 予測額 予測額
非金融資産購入額
一般政府部門 8,433 9,445 9,374 9,415
非金融公社部門 3,773 4,654 4,742 5,022
非金融公共部門 12,194 14,060 14,073 14,422
(1)
借入金
一般政府部門 64,067 72,799 79,977 87,075
非金融公社部門 46,386 42,459 42,174 42,240
110,446 115,251 122,144 129,308
非金融公共部門
(1) リース、有価証券およびデリバティブを含む借入金
( ロ ) オーストラリア連邦との財政上の関係
連邦の助成金
第二次世界大戦以後、連邦は単独の所得税賦課機関として活動しており、年間の一般歳入助成金が
連邦によって各州に支払われている。連邦は、また、憲法上、消費税、物品・サービス税および関税
を課す独占的な権限を有している。連邦政府は、富裕税、財産税または贈与税は課していない。州政
府は、給与税、印紙税および土地保有税を課し、地方自治体は不動産の課税評価額に基づき地方税を
課す。
1985 年の州首相の会合においてこれまで行われていた税割当制度は州に対する財政援助助成金に代
えられるべきであるという合意がなされた。連邦助成金委員会は、水平的財政調整原則に基づく一般
目的による助成金の割当てについて引き続き提言を行っていた。この原則は、すべての州が同等の税
負担で同水準のサービスおよび関連するインフラを提供することができるよう、州間の歳入を増強す
る能力の差およびサービス提供コストの差を埋めるために、助成金を受ける必要があるとするもので
ある。
連邦から州政府に対して特定の目的のためまたは条件付きで提供される助成金に加えて、財政助成
金が支払われた。これらの特定の目的のために提供される助成金は、連邦となって以来ほとんどの期
間存続してきたが、その連邦助成金としての重要性は 1970 年代から著しく増加している。
物品・サービス税（ GST ）に関する連邦と州との関係
2000 年 7 月 1 日付の包括的な消費税である物品・サービス税（以下「 GST 」という。）の導入は、連邦
政府により遂行された国家税制改革の基礎を成すものであった。かかる改革は、連邦および州間の財
政上の関係に重大な変化をもたらすものであった。オーストラリアのすべての政府は「連邦・州間財
政関係の改革に関する政府間協定」を締結した。
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かかる協定の主な特徴として以下のものが含まれる。
・ GST 歳入の各州に対する全額交付。州間に GST 歳入を分配する方法として、水平的財政調整原則が
承認された。
・州に対する財政援助助成金の廃止
・多くの州税制の廃止。クイーンズランド州の場合、国内税制の全体的な効率化を強化するため、 9
つの税の段階的な廃止を含む。
2022 ／ 23 年、クイーンズランド州は、 2022 ／ 23 年中間予算の更新において公表されたとおり、約
18.5 十億ドルの GST 歳入を受領する。クイーンズランド州は、現在、必要とする GST 分配額が 1 人当り等
額を超過する旨連邦助成金委員会により評価されている。
連邦財政関係に関する政府間協定
2008 年 3 月 26 日、オーストラリア政府間評議会は、連邦財政関係のために新たな枠組みを実施するこ
とに同意した。この新しい枠組みは、州政府の役割および責任ならびに成果主義に基づいた公的説明
責任を一層明確にしつつ、州政府によるサービス提供に関する連邦規定を大幅に削減することを目的
としていた。
2009 年 1 月 1 日、新たな取決めである「 連邦財政関係 に関する政府間協定」の運営が開始された。新
しい枠組みの主な特徴として以下のものが含まれる。
・支払の全体水準を低下させることなく、特定の目的のために提供される助成金の数の削減。新た
な国内取決めを背景に、当該助成金をヘルスケア、学校、技術および労働力開発、障害者への
サービス、ならびに住宅に関する分野の 5 つのより幅広い資金の流れに集約した。
・政府によるサービス提供の質、効率性および有効性の改善によるオーストラリア国民の福利改善
の成果への集中。ただし、州によるサービスに関する成果の達成手段や実施の方法に関する連邦
規定の削減、達成した成果または実施した活動に関する国民への説明責任の強化を伴う。
・交付の適格性の維持および目的との関連性を確保するための定期的な検証を伴いながら新しい国
内取決めを継続させることによる、各州に対するより確実性の高い交付
・特定のプロジェクトの実行を支援し、国家的に重要な改革を促進し、またはかかる改革の実行に
対して報奨を付与するための、連邦による各州に対する国家連携に係る交付
・ GST 歳入の各州に対する全額交付の継続
州政府、準州政府およびオーストラリア政府の優先事項が時折異なり、また競合することがあるた
め、クイーンズランド州およびその他の政府の継続的な課題は、当該枠組みの当初の意図が維持され
ることである。
新たなガバナンス協定-オーストラリア連邦関係
2020 年 5 月、オーストラリア政府、州政府および準州政府は、新たな国家ガバナンス協定および連邦
関係構造に合意した。この構造の中核となるのが、内閣である。
初代大臣は引き続き内閣として会合し、州財務大臣は引き続き連邦財政関係委員会（以下「 CFFR 」
という。）として会合する。新たな協定に基づき、 CFFR は、連邦と州および準州との間の財政関係の
監督に責任を負う。これには、国家連携協定を含むすべての資金調達契約に対し責任を負うこと、ま
た連邦財政関係に関する政府間協定を監督するという従来の責任を完遂することが含まれる。
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国民医療保健改革
国民医療保健改革協定（以下「 NHRA 」という。）が 2012 年 7 月 1 日に発効した。 2020 年 5 月、 2011 年
NHRA の補完書類がすべての管轄地で署名され、 2020 年 7 月 1 日から 2025 年 6 月 30 日まで適用される予定で
ある。資金供給は、大規模病院向けのアクティブ・ベースの資金供給および小規模な地域の病院向け
の ブロック・ファンディングの組み合わせにより提供されている。補完書類に基づき、連邦は、需要
の増加にかかわらず、 NHRA による資金供給の増加に係る 6.5 ％という全国的な上限に従い、公立病院の
サービスの効率的成長の 45 ％に資金供給を行っている。
新型コロナウイルス感染症のアウトブレイクに対応し、連邦は各州・準州に対し新型コロナウイル
ス感染症対応に関する国家連携協定（以下「 NPACR 」という。）を提供した。 NPACR に基づき、連邦
は、新型コロナウイルス感染症のアウトブレイクに対応するため州の医療保健サービスにより生じた
費用の 50 ％を拠出する。資金供給に上限はなく、需要に応じて（ 2015 年バイオセキュリティ法（連
邦）に基づく「指定ヒト感染症」として初めてウイルスが特定された） 2020 年 1 月 21 日以降に生じた費
用を対象とする。
新型コロナウイルス感染症への医療保健面での対応により、大半の待機手術等の緊急性の低い医療
保健活動は一時的に停止を余儀なくされた。その結果、連邦は 2019 ／ 20 年、 2020 ／ 21 年および 2021 ／
22 年について病院への資金供給の保証を提供している。かかる保証に基づき、連邦はクイーンズラン
ド州に対し、 NHRA および NPACR の病院サービス部分に基づく資金供給の合計の一定水準を最低限提供す
る。 2022 ／ 23 年クイーンズランド州予算の時点では、クイーンズランド州は、 NHRA に基づきオースト
ラリア政府から 6.030 十億ドルの資金供給を受ける予定である。
Quality Schools
2022 ／ 23 年クイーンズランド州予算の時点では、クイーンズランド州は、 2022 ／ 23 年にオーストラ
リア政府からクイーンズランド州の公立学校に対して 2.276 十億ドル（ 2025 ／ 26 年までの 4 年間で GST を
除き 9.690 十億ドル）の資金供給を受ける予定である。私立学校のための資金調達（ GST を含む。）
は、 2022 ／ 23 年に 3.818 十億ドルとなる（ 2025 ／ 26 年までの 4 年間で 16.230 十億ドル）。
2022 年度連邦補助金委員会（以下「 CGC 」という。）による GST 歳入分配補正係数に関する報告
2022 年 3 月、 CGC は、 GST の分配を決定するために州の状況の変化を考慮した、 GST 歳入分配補正係数
に関する報告－ 2022 年更新（以下「 2022 年 CGC 最新報告」という。）を公表した。 2022 年 CGC 最新報告
では、 2022 ／ 23 年に 2,837 百万ドルの基礎的影響を伴う、標準相対性理論に基づいたクイーンズランド
州の GST 歳入の増加が提言され、かかる基礎的影響には、オーストラリア政府による水平的財政調整の
移転支出、人口の推移、 GST プールの増加および相対的財政能力の変化が包含される。
クイーンズランド州の GST 比率の増加は、クイーンズランド州が他の州に比べて 1 人当り財政能力が
低いと CGC が判断したことによるものである。クイーンズランド州は、教育および医療保健に関する支
出ニーズが高く、土地税および譲渡税に関して歳入を増強する能力が低いと評価されているが、石炭
価格の上昇および連邦からの支払割合の増加により鉱区使用料の徴収能力が高いことにより一部相殺
されている。
( ハ ) 公債
クイーンズランド州の公共部門の負債は、いくつかの独立した範疇から成っている。
－連邦に対する公債
－連邦に対する他の州債務
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－保証付の QTC の債務およびその他の保証付借入債務
－偶発債務
1995 年 4 月に連邦政府およびクイーンズランド州政府は、クイーンズランド州が連邦に対する負債を
事前償還するという契約（以下「金融協定」という。）を締結した。この契約は 1995 年 7 月に遂行され
た。
連邦に対する州債務
金融協定に基づいて州に対して貸付けられた資金に加え、連邦政府は、連邦と州との間で合意され
た多様なプログラムに従って、州に資金を貸付けている。一般的に、これらの資金は、合意されたプ
ログラムの条項に従って他の者に貸付けられ、州への返済は最終借入者の収入からなされる。クイー
ンズランド州による貸付の場合、その債務は一般的に最終借入者の有形資産上の州の担保権によって
担保されている。
次の表は、この範疇の負債に基づいて連邦が行った貸付残高の概要を示すものである。
( 単位：百万ドル )
2021 ／ 22 年 2020 ／ 21 年
貸付金－連邦および州住宅建設 232 247
31 53
貸付金－その他
263 300
連邦および政府に対する他の州債務合計
クイーンズランド州財務公社保証付借入債務
現在までの QTC の主たる機能は、クイーンズランド州の政府機関に対して QTC が調達した資金の貸付
を行う中央金融機関の役割を果たすことであった。クイーンズランド州の財務相は、州政府の財務相
に代わって、 QTC により発行されたすべての債務証券の債務を保証する。過去 5 年間のそれぞれの会計
年度末現在の QTC の保証付借入債務（市場価格）およびその各種借入機関への配分は、以下の表に詳し
く示されている。
( 単位：百万ドル )
2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
負債の配分
クイーンズランド州政府各省庁
教育・訓練省 43
州開発省 58
幹線道路省 668
運輸省 -
住宅・公共工事省 9
厚生省 -
州財務省 30,400 33,173 41,923 48,869 43,507
その他 205 210 258 247 225
政府所有法人
CS エナジー・リミテッド 720 654 658 635 873
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クリーンコー・クイーンズランド・
643
リミテッド
エナジー・クイーンズランド・
17,607 18,912 19,799 19,999 17,920
リミテッド
港湾当局および施設 ( 各種 ) 1,403 1,482 1,184 1,155 984
クイーンズランド州送電株式会社
5,355 5,647 5,742 5,564 4,868
( パワーリンク )
スタンウェル・コーポレーション・
921 970 980 943 1,488
リミテッド
地方政府
ブリスベン市議会 2,195 2,184 2,314 2,381 2,402
ケアンズ地方議会 110 123 171 179 171
フレーザー・コースト地方議会 119 103 85 67 48
グラッドストン地方議会 144 141 131 108 85
ゴールド・コースト市議会 723 702 698 704 659
イプスウィッチ市議会 257 345 378 411 359
ローガン市議会 214 211 271 258 283
マッカイ地方議会 185 177 161 139 70
モレトン・ベイ地方議会 435 443 434 400 315
レッドランド市議会 45 42 45 46 44
ロックハンプトン地方議会 132 128 148 151 147
サンシャイン・コースト地方議会 307 354 592 680 416
トゥーンバ地方議会 181 180 201 207 175
タウンズビル市議会 396 448 440 440 418
その他 697 722 728 692 600
公法人団体
中等学校 94 89 107 140 113
SEQ ウォーター 10,827 11,617 11,882 11,349 9,437
ユニティーウォーター 416 435 443 431 379
大学 407 493 505 507 507
水供給委員会 280 281 255 255 238
その他 261 336 676 646 688
その他の団体
DBCT ホールディングス・
122 113 104 103 101
プロプライアタリー・リミテッド
クイーンズランド・レール・
3,666 3,901 4,149 4,094 3,821
リミテッド
クイーンズランド・アーバン・
2,067 2,215 2,551 2,540 2,383
ユーティリティーズ
287 299 321 271 215
その他
貸付資金総額 81,952 87,129 98,334 104,611 94,582
14,580 14,884 14,855 18,145 24,765
未配分借入金
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96,532 102,013 113,189 122,756 119,347
保証付債務合計額
QTC は国内外の資本市場から資金を調達しており、 2021 ／ 22 年期末現在、管理下にある借入の市場価
格は 119.347 十億ドルで、このうち 2.411 十億ドルが海外の資金調達プログラムの下で発行された債務
であった（ 2021 ／ 22 年期末の外国為替相場に基づく。 ) 。 QTC は金利および通貨スワップならびにその
他のヘッジおよび通貨転換取引を通じて外国債務ポートフォリオをヘッジしている。
以下の表はそれぞれ今後 5 年間およびその後に弁済期日が到来する QTC の未払負債の 2021 ／ 22 年期末
現在における契約時満期を示している。償還額計上については償還にかかる証券等の額面価額が用い
られている。したがって、前段落において示された負債の市場価格との比較は不適切である。
QTC の未払負債（額面価額）
償還満期分析
( 単位：百万豪ドル )
国外からの 国内における
合計
(1) (2)(3)
債務 債務
0 ～ 3 ヶ月 980 8,832 9,812
3 ～ 12 ヶ月 501 6,040 6,541
1 ～ 5 年 0 42,874 42,874
1,020 64,241 65,261
5 年超
2,501 121,987 124,488
合計
(1) これらの統計は、決算日において適法な外国為替相場で豪ドルに換算されたものであり、通貨スワップおよび為替
先物予約の純効果は含まない。 QTC のアメリカ合衆国およびヨーロッパのコマーシャル・ペーパー・ファシリティに
おいて、 2020 ／ 21 年期末現在未借入となっている 1,020 百万米ドルがこの中に含まれている（ 2021 年は 1,852 百万米
ドルであった。）。また、アメリカ合衆国およびヨーロッパのユーロ・ミディアム・ターム・ノート（ MTN ）ファシ
リティにおいて、 2021 ／ 22 年期末現在、 702 百万米ドルが未償還となっている（ 2021 年は 798 百万米ドルであっ
た。 ) 。
(2) 負債額については額面価額で計上されている。
(3) QTC の豪ドル政府債券ファシリティにおいて、 2021 ／ 22 年期末現在未償還となっている 4,778 百万豪ドルがこれらの
合計値に含まれている（ 2021 年は 3,175 百万豪ドルであった。 ) 。
QTC の未払債務
クーポンレート
満期日 額面価額（豪ドル） 市場価格（豪ドル）
（年率） ( ％ )
QTC 債
6.00 ％ 2022 年 7 月 7,176,715,000 7,387,285,770
4.25 ％ 2023 年 7 月 8,576,600,000 8,873,300,780
3.00 ％ 2024 年 3 月 752,000,000 757,942,978
5.75 ％ 2024 年 7 月 8,046,100,000 8,663,110,546
4.75 ％ 2025 年 7 月 8,530,200,000 9,010,247,547
3.25 ％ 2026 年 7 月 8,569,243,000 8,559,999,590
2.75 ％ 2027 年 8 月 8,673,500,000 8,356,348,939
3.25 ％ 2028 年 7 月 8,471,400,000 8,326,477,642
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2.50 ％ 2029 年 3 月 1,728,849,000 1,600,139,106
3.25 ％ 2029 年 8 月 7,535,000,000 7,294,061,364
2.75 ％ 2030 年 8 月 384,813,752 418,350,301
3.50 ％ 2030 年 8 月 8,584,200,000 8,377,263,878
1.25 ％ 2031 年 3 月 1,500,000,000 1,195,213,675
1.75 ％ 2031 年 8 月 7,357,000,000 6,078,255,262
1.50 ％ 2032 年 3 月 3,000,000,000 2,379,453,267
1.50 ％ 2032 年 8 月 4,027,000,000 3,151,411,534
6.50 ％ 2033 年 3 月 723,168,000 880,046,499
2.00 ％ 2033 年 8 月 2,828,320,000 2,279,593,263
1.75 ％ 2034 年 7 月 4,330,000,000 3,311,593,135
2.25 ％ 2040 年 4 月 1,882,265,000 1,399,283,347
2.25 ％ 2041 年 11 月 1,780,655,000 1,287,780,027
4.20 ％ 2047 年 2 月 1,024,000,000 1,010,977,137
2.25 ％ 2050 年 10 月 411,000,000 269,937,278
政府債券
各種 2022 年 7 月 300,000,000 299,846,282
各種 2022 年 8 月 840,000,000 838,503,143
各種 2022 年 9 月 480,000,000 477,958,389
各種 2022 年 10 月 1,275,000,000 1,267,814,576
各種 2022 年 11 月 590,000,000 584,718,230
各種 2022 年 12 月 825,000,000 816,304,406
各種 2023 年 1 月 500,000,000 493,204,019
変動利付債
3.27 ％ 2023 年 2 月 2,800,000,000 2,807,258,020
2.64 ％ 2024 年 11 月 2,300,000,000 2,313,440,541
2.55 ％ 2026 年 3 月 2,275,000,000 2,274,886,961
3.03 ％ 2027 年 4 月 3,450,000,000 3,462,791,470
その他ローン
各種 2022 年 50,095,000 50,450,657
各種 2023 年 74,504,000 73,148,616
各種 2024 年 49,360,000 46,171,414
各種 2025 年 229,510,500 208,828,860
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各種 2026 年 56,250,211 52,957,382
合計 121,986,748,463 116,936,355,831
未払国外債務
ユーロ・ミディアム・ターム・ノート (2021 ／ 22 年期末現在 )
額面価額 市場価格
発行年 クーポンレート 満期日 通貨
（豪ドル） （豪ドル）
スイス・
2011 年 1.73 ％ 2039 年 9 月 167,332,623 159,870,878
フラン
2014 年 2.65 ％ 2039 年 4 月 日本円 159,876,807 207,789,361
2016 年 1.64 ％ 2046 年 11 月 ユーロ 609,441,988 520,080,747
2020 年 0.69 ％ 2050 年 6 月 ユーロ 83,589,300 48,734,463
合計 1,020,240,718 936,475,449
コマーシャル・ペーパー (2021 ／ 22 年期末現在 )
額面価額 市場価格
発行年 利回り 満期日 通貨
（豪ドル） （豪ドル）
2022 年 0.270 ％ 2022 年 7 月 米ドル 363,247,807 363,081,174
2022 年 1.020 ％ 2022 年 8 月 米ドル 21,068,373 21,022,374
2022 年 0.810 ％ 2022 年 8 月 米ドル 72,649,561 72,486,115
2022 年 1.095 ％ 2022 年 8 月 米ドル 87,179,474 86,928,013
2022 年 1.200 ％ 2022 年 9 月 米ドル 435,897,369 433,626,584
2022 年 1.285 ％ 2022 年 10 月 米ドル 130,769,211 130,042,588
2022 年 1.568 ％ 2022 年 11 月 米ドル 225,213,641 223,370,378
2022 年 1.720 ％ 2022 年 11 月 米ドル 72,649,561 72,028,629
2022 年 1.570 ％ 2022 年 11 月 米ドル 72,649,561 72,023,330
合計 1,481,324,558 1,474,609,185
他の保証付債務および偶発債務
1996 年公法人財務調整法および公法人財務調整規則によって修正規定された 1982 年公法人財務調整
法の規定によると、公法人によって締結された金融上の協定は、クイーンズランド州政府を代理する
州財務大臣による保証を受けることがある。同法はまた、同法により置換えられた旧法の下で与えら
れた同種の保証を維持している。さらに、 1982 年公法人財務調整法に基づくその他の公法人による借
入に対する保証は、 2012 年経済発展法の下でこれを行うことができる。
豪ドルの為替相場
QTC およびクイーンズランド州の債務が額面表示され、相当外国為替に対して豪ドルで示される主要
通貨の為替相場は以下の表に示すとおりである。
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2016 ／ 17 年 2017 ／ 18 年 2018 ／ 19 年 2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年
通貨 ( 年間平均 )
米ドル 0.7542 0.7754 0.7154 0.6714 0.7470 0.7259
日本円 82.27 85.56 79.50 72.60 79.56 85.17
スイス・フラン 0.7476 0.7526 0.7117 0.6561 0.6797 0.6765
英ポンド 0.5949 0.5760 0.5527 0.5329 0.5546 0.5456
ユーロ 0.6919 0.6499 0.6269 0.6069 0.6260 0.6443
ニュージーランド・
1.0587 1.0853 1.0668 1.0545 1.0742 1.0669
ドル
出所：リフィニティブ
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オーストラリア連邦の概況
(1) 政治および外交
国家組織および政党
オーストラリアにおける連邦の立法権は、国王、上院および下院で構成される連邦議会に付与されて
いる。オーストラリアにおいて国王の権限を代表する者は連邦総督である。
上院議員および下院議員は共に全有権者の義務投票によって選出される。上院議員は、 6 年を任期とし
て 6 州から 12 名ずつ選出される。各州から選出される上院議員は 3 年ごとにその半数が改選される。さら
に、オーストラリア首都特別地域およびオーストラリア北部特別地域からそれぞれ 2 名ずつの上院議員が
選出されており、これら上院議員の任期は次回の下院の総選挙までとなっている。
下院は、 3 年を超えない期間を任期とする 151 名の議員により構成される。各州の下院議員の定員はほ
ぼその人口に比例している。
一定の場合には連邦総督は上下両院を同時に解散することができる。
次の表は過去 7 回の上院および下院の選挙結果を示したものである。
連邦選挙結果
2004 年 2007 年 2010 年 2013 年 2016 年 2019 年 2022 年 2004 年 2007 年 2010 年 2013 年 2016 年 2019 年 2022 年
(2) (3)
上院 下院
10 月 11 月 8月 9月 7月 5月 5月 10 月 11 月 8月 9月 7月 5月 5月
オーストラリア オーストラリア
28 32 31 25 26 26 26 60 83 72 55 69 68 77
労働党 労働党
自由党／国民党 自由党／国民党
39 37 34 33 31 35 32 87 65 73 90 76 77 58
(1) (1)
オーストラリア
(5) (9)
無所属 1 1 3 2 1 1 1 1 4
1 1
緑の党
統一オーストラ
オーストラリア
4 1
(8)
民主党
リア党
ポーリン・ハン
カッター率いる
ソン率いるワ
(8)
2 2 オーストラリア 1 1 1 1
2
ン・ネーション
党
(7)
党
オーストラリア
4 5 9 10 9 9 12 無所属 3 2 4 2 2 3 10
緑の党
センター・アラ
家族第一党 1 1 1 1 1 1
(4)
イアンス党
民主労働党 1
統一オーストラ
(8)
1 1
1
(6)
リア党
自由民主党 1 1
オーストラリア
1
自動車愛好者党
センター・アラ
1 2 2
(4)
イアンス党
デリン・ヒンチ
1
率いる正義党
オーストラリア
1
保守党
ジャッキ・ラン
ビー・ネット 1 2
ワーク
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計 76 76 76 76 76 76 76 計 150 150 150 150 150 151 151
(1) 自由党／国民党には、クイーンズランド州自由国民党、国民党、北部准州自由党が含まれる。
(2) 上記の表は、 2022 年 11 月 17 日のオーストラリア連邦議会のウェブサイトを出所とする情報を反映している。
(3) 上記の表は、 2022 年 11 月 17 日のオーストラリア選挙管理委員会のウェブサイトを出所とする情報を反映してい
る。
(4) 2016 年の連邦選挙の時点で同政党はニック・クセノフォンチームとして知られ、 2018 年 6 月 8 日にセンター・アラ
イアンス党に党名変更された。
(5) 無所属の上院議員はレックス・ライアル・パトリック（南オーストラリア州）である。
(6) 旧パーマー統一党。
(7) 旧ワン・ネーション党。
(8) 2018 年 6 月 18 日に、ブライアン・バーストン上院議員はワン・ネーション党を離党し、統一オーストラリア党に入
党した。
(9) 無所属の上院議員はデビッド・ポーコック（オーストラリア首都特別地域）である。
出所：オーストラリア選挙管理委員会およびオーストラリア連邦議会
オーストラリアにおける司法権はオーストラリア高等裁判所、その他の連邦裁判所ならびに州および
特別地域の裁判所に付与されている。限定された特定の事項に関して、高等裁判所は固有の裁判管轄権
を有している。高等裁判所はまた、連邦裁判所ならびに各州および特別地域の上級裁判所からの上訴に
つき管轄権を有する。
オーストラリアは外向的な国家であり、世界の他の国々と強固な関わりを持っている。 2 世紀超にわた
り、オーストラリアは多くの国々と強固で揺るぎない関係を築いてきた。これらの関係は、歴史、共通
(1)
の戦略的利益、貿易および人と人との関わりを通じて少しずつ進展してきた。
オーストラリアは、多くの世界機関および地域機関に参加している。オーストラリアは、国連の原加
盟国であり、国連の通常予算および平和維持予算の主要な分担国の 1 つである。オーストラリアは、ルー
ルに基づいた国際秩序の構築に積極的に尽力しており、それは万国および万民の利益を推進し保護する
(2)
ものである。
オーストラリアは、人種または宗教によってではなく、政治、経済および宗教の自由、自由民主主
義、法規範、人種およびジェンダーの平等ならびに相互尊重を含む共通の価値観によってそのナショナ
(3)
ル・アイデンティティを定義する。
オーストラリアの価値観は、国際社会へ関与する際の土台において重要な要素である。オーストラリ
アの政治、経済および宗教の自由、自由民主主義、法規範、人種およびジェンダーの平等ならびに相互
尊重への支持は、オーストラリアがどのような国家であるか、またオーストラリアがどのように世界と
向き合っているかを反映している。その価値観により、国内の強固で公正な密着型の社会は支えられて
(4)
おり、それはオーストラリアの国際的影響力の源となっている。
(1) オーストラリア政府（外務省）、オーストラリア・アンド・ザ・ワールド、 2022 年 11 月 30 日アクセス現在。
https://www.dfat.gov.au/about-australia#world
(2) ibid
(3) オーストラリア政府（外務省）、 2017 年外交政策白書、 2022 年 11 月 30 日アクセス現在。
https://www.dfat.gov.au/sites/default/files/2017-foreign-policy-white-paper.pdf
(4) ibid
次の表はオーストラリアが加盟している主な国際金融機関を示すものである。
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加盟年
国際通貨基金 1947
国際復興開発銀行 1947
国際金融公社 1956
国際開発協会 1960
投資紛争解決国際センター 1975
多数国間投資保証機関 1996
アジア開発銀行
通常財源 1966
特別基金 1970
欧州復興開発銀行 1991
アジアインフラ投資銀行 2015
オーストラリアは広範な世界的および地域的連携に積極的に取り組んでいる。
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(2) 最近の経済の動向
新型コロナウイルス感染症のパンデミック以前、オーストラリア経済は 28 年連続での経済成長を記録
していた。オーストラリアの実質国内総生産（以下「 GDP 」という。）は、 2018 ／ 19 年における 2.2 ％の
成長と比較して、 2019 ／ 20 年において 0.1 ％下落した。その後、 GDP は 2020 ／ 21 年において 2.2 ％、 2021 ／
22 年において 3.7 ％回復した。これに対し、 OECD 全体では、 2019 ／ 20 年において 2.1 ％下落し、 2020 ／ 21
年においては 1.5 ％、 2021 ／ 22 年において 4.5 ％回復した。
次の表は、 2017 ／ 18 年から 2021 ／ 22 年までの期間における産業構成要素別のオーストラリアの GDP を示
したものである。
(1)
産業別総付加価値
(CVM 基準年 2020 ／ 21 年 )
( 単位：百万豪ドル )
2017 ／ 18 年 2018 ／ 19 年 2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年
農業、林業および漁業 48,212 43,147 39,020 47,986 59,846
鉱業 211,458 221,338 230,821 224,353 222,279
製造業 116,069 114,942 112,907 115,440 118,555
電気、ガス、水道および廃棄物処理 46,394 46,585 45,209 45,924 47,081
建設業 153,013 151,930 145,622 145,281 152,839
卸売業 77,655 78,483 77,947 81,839 82,926
小売業 85,271 85,990 86,070 90,560 93,251
ホテルおよび飲食サービス 42,691 43,055 39,250 41,013 40,739
運輸、郵便および倉庫 98,542 99,847 94,098 85,602 93,415
情報、メディアおよび電気通信 41,066 42,316 43,144 44,617 48,997
金融および保険サービス 146,373 149,661 151,156 156,925 160,809
賃貸借および不動産サービス 55,269 56,364 56,101 57,804 61,398
専門、科学および技術サービス 133,491 139,762 144,337 149,431 159,505
行政支援サービス 65,191 69,560 68,397 66,593 74,464
行政および安全 99,051 103,006 107,966 111,762 112,777
教育および研修 94,989 97,296 97,763 100,188 101,620
保健および社会扶助 131,497 141,468 147,366 156,973 165,357
芸術および娯楽サービス 15,102 15,977 15,265 14,966 16,173
その他のサービス 34,392 35,603 33,644 32,811 34,216
住宅不動産運用 164,110 168,154 171,860 174,740 177,970
基準価格における総付加価値 1,858,747 1,902,871 1,906,125 1,944,803 2,024,221
製品に対する補助金を差し引いた税額 133,905 133,065 128,742 135,616 135,377
統計上の不突合 (P) 0 0 0 1 ( 2,813 )
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国内総生産 1,992,681 2,035,951 2,034,914 2,080,419 2,156,785
(1) 産業別総付加価値は税金を控除し補助金を加えた実質総生産額を表す。
出所：オーストラリア統計局、オーストラリア国民経済計算、 2022 年 9 月
農業
2021 ／ 22 年までの 5 年間にわたって農業、林業および漁業は平均して産業別総付加価値の 2.6 ％を占め
た。オーストラリアの主要な農産物には、牛および子牛、小麦、果実およびナッツ、野菜、全乳、羊お
よび子羊、大麦、菜種、鶏肉、羊毛ならびに干し草が含まれる。
鉱物およびエネルギー
オーストラリアは鉱物資源の量も種類も豊富な国である。オーストラリアは鉄鉱石、石炭、ボーキサ
イト、銅、鉛、亜鉛、ニッケルおよび砂鉱の主要生産国であると同時に、世界最大の輸出国の 1 つでもあ
る。
1960 年代の半ば以降、天然資源開発はオーストラリアの経済成長において重要な役割を果たしてい
る。また、鉱物および半加工金属の輸出収入はオーストラリアの輸出収入総額のさらに重要な構成要素
の 1 つとなっている。
さらに、液化天然ガス（ LNG ）の産出高増加を目指した現在の拡張投資により、 LNG はオーストラリア
の主要な輸出品の 1 つとなった。
中国は、オーストラリアにとって最大の輸出市場として日本を上回った。 2021 ／ 22 年には、オースト
ラリアの商品輸出のうち 31.6 ％が中国向けであったのに対し、日本向けのものは 16.7 ％であり、オース
トラリアにとって 2 番目に大きな輸出先となった。 2021 ／ 22 年におけるオーストラリアの対中商品輸出の
名目値は 1.6 ％の増加にとどまったが（ 168.7 十億豪ドルとなった。）、対日商品輸出の名目値は 104.8 ％
増加した（ 89.2 十億豪ドルとなった。）（石炭価格の大幅上昇の影響を受けたが、中国はオーストラリ
アからの石炭輸入停止により影響を受けなかった。）。
製造業
2007 ／ 08 年にかけた過去 30 年間、製造業は実質的に総じて拡大したが、それ以降概して縮小した。新
型コロナウイルス感染症のパンデミックである 2019 ／ 20 年に製造業の生産高は、年平均 1.1 ％減少して低
水準となったが、 2021 ／ 22 年までの 2 年間で 5.0 ％回復している。
製造業生産高の産業別総付加価値に占める割合は、 1989 ／ 90 年の 14.9 ％（入手可能な最初の名目デー
タ）から 2021 ／ 22 年の 5.8 ％まで徐々に低下した。この変化は主としてサービス部門の重要性の増大によ
るものであり、ほとんどの西側先進国と一致している。
オーストラリアにおける製造業は、大都市に集中している。これは市場に近接していることおよび労
働力が豊富であるということ以外に、輸送や通信面で潜在的なスケールメリットがあることを反映して
いる。
運輸業
オーストラリアでは、国土面積が広いことおよび国内の各種資源が広範囲に分散しているために、運
輸が経済活動上重要となっている。憲法上、州間および国際間の運輸ならびに特別地域との間および特
別地域内での運輸については連邦議会が規制権限を有している。各州は、憲法および連邦議会が制定す
る法律の範囲内で、各州内における運輸活動を規制できる。
通信業および放送業
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オーストラリアの郵便事業はオーストラリア郵便公社（オーストラリア・ポスト）が、多くの民間宅
配事業者と共同で担当している。過去 30 年間にわたり、オーストラリアの電気通信業は市場競争に対し
て 開かれており、現在は多くの電気通信サービス業者が競争的環境の下で業務を遂行している。
また、ブロードバンド・インターネットサービスは連邦内すべての主要都市において利用可能であ
る。連邦政府は現在、ナショナル・ブロードバンド・ネットワーク（ NBN ）を構築中であり、これらは、
ファイバー・トゥ・ザ・プレミシス／ベースメント、ファイバー・トゥ・ザ・ノード、固定式ワイアレ
スおよびサテライト通信から構成される「マルチテクノロジー混合型」ネットワークを通じて提供する
ことが期待されている。 NBN は目標を修正し、 NBN の経済的および社会的利益を最大化し、 NBN Co が持続
可能な商業事業として運営するとしている。 2022 年 12 月 1 日現在、合計 12,195,627 世帯／企業が接続する
準備が整っていると公表されている一方、合計 8,531,100 世帯／企業において、導入されたサービスが稼
動している。
政府が出資するオーストラリア放送公社（ ABC ）は、全国ネットのラジオ、テレビおよびオンライン・
サービスを提供しており、政府所有の特別放送公社（ SBS ）により多文化および多言語の放送サービスも
提供されている。これらの事業に加えて、オーストラリアには多くの商業ラジオ局および商業テレビ局
がある。
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(3) 通貨および金融制度
通貨制度
オーストラリア連邦の憲法は発券権を連邦に与えている。オーストラリアの銀行券の発行量に関する
法令上の制限は存在せず、需要に応じて発行量は自由に変動させ得る。
オーストラリアの銀行券は RBA 当局によって 5 ドル、 10 ドル、 20 ドル、 50 ドルおよび 100 ドルの券種で発
行および印刷され、 RBA の全支店における発券センターを通じて商業銀行に配布される。
銀行制度
オーストラリアの銀行制度は、中央銀行、商業銀行、住宅金融組合および信用組合で構成されてい
る。一般に、中央銀行である RBA の義務、権限および業務は諸外国の中央銀行の場合と同様である。すな
わち発券業務の管理、通貨および流動資産の管理業務、連邦政府証券の運用、連邦のための国庫および
金融代理業務ならびに外国為替業務の管理等である。
RBA からの支払に対しては、連邦が法的責任を負っている。
その他の金融機関および資本市場
オーストラリアにおいて、銀行以外の金融機関のうち比較的重要なものは、州および連邦の財務サー
ビス提供者を含めて、金融市場会社、金融会社、証券化業者、保険会社およびファンド・マネージャー
である。これらの金融機関は共に広範囲な金融サービスを提供し、金融制度およびオーストラリア経済
の発展に重要な貢献をしてきた。実際、 2021 ／ 22 年においては金融・保険サービスがオーストラリアの 4
番目に大きい産業であり、総付加価値率は 7.6 ％であった。
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(4) 貿易および国際収支
概況
オーストラリアの経済において外国との貿易は重要な役割を果たしている。
2021 ／ 22 年までの 5 年間のオーストラリアの輸出入商品の構成は、次のとおりである。
商品別商品輸出入
( 単位：百万豪ドル )
(p)
2017 ／ 18 年 2018 ／ 19 年 2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年
2021 ／ 22 年
輸出
食肉 12,603 14,756 16,911 13,348 16,222
穀物 7,933 6,395 6,036 10,202 16,762
織物用繊維 6,201 6,461 3,559 3,151 5,592
(1)
20,676 20,553 20,416 19,547 25,611
その他の農産物
(2)
60,379 69,596 54,621 39,196 113,863
石炭、コークスおよび練炭
金属 100,099 123,170 144,193 193,698 181,650
その他の鉱物燃料、潤滑油および
42,860 64,302 61,660 42,498 94,862
関連原料
(3)
19,293 18,867 24,394 26,105 23,202
非貨幣用金
機械および輸送機器 14,579 16,395 16,334 14,373 15,334
その他の製品 22,400 25,499 26,238 22,770 24,951
(4)
7,455 6,628 7,815 11,344 15,038
その他
商品輸出合計 314,478 372,622 382,178 396,231 533,089
輸入
食品、動物、飲料およびたばこ 17,889 19,868 21,294 20,340 21,008
原料、非食品（燃料を除く） 3,842 3,499 3,234 3,343 4,923
鉱物燃料、潤滑油および関連原料 34,732 40,118 32,482 25,659 50,079
金属製品 14,747 15,467 15,042 16,681 21,418
機械および輸送機器 124,468 123,095 117,308 131,030 143,048
その他の製品 86,162 93,118 96,006 100,434 119,841
その他 19,319 11,472 13,325 11,301 13,138
商品輸入合計 301,159 306,638 298,691 308,789 373,457
商品貿易収支 13,319 65,984 83,487 87,442 159,632
(1) オーストラリア統計局の再分類により、甘蔗原料糖の輸出は、「その他の農産物」の項目ではなく、「その他」の
項目に含まれている。
(2) 石炭輸出データの一部項目は非公開となり、「その他」の項目に含まれている。
(3) 金鉱および金精鉱を除く。
(4) 非公開項目を含む。
(p) 暫定貿易データ
出所：オーストラリア統計局、未発表貿易データ
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2017 ／ 18 年から 2021 ／ 22 年までの各会計年度のオーストラリアの貿易の地域分布の構成比は次の表の
とおりである。
地域別商品貿易分布 ( 主要国 )
(p)
2017 ／ 18 年 2018 ／ 19 年 2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年
2021 ／ 22 年
輸出 ％ ％ ％ ％ ％
中国 33.6 36.0 39.3 41.9 31.6
日本 15.3 15.6 13.8 11.0 16.7
韓国 6.6 6.7 6.6 6.8 8.7
インド 5.1 4.3 2.8 3.3 5.3
アメリカ合衆国 3.7 3.8 4.6 4.2 3.4
ニュージーランド 2.9 2.7 2.6 2.7 2.3
台湾 2.9 3.3 3.1 2.8 4.4
英国 2.0 2.1 4.1 3.0 0.6
カナダ 0.5 0.6 0.5 0.5 0.4
(1)
14.7 13.5 12.5 13.2 14.1
その他のアジア諸国
(2)
4.3 4.1 3.8 3.9 4.7
その他の欧州諸国
その他の諸国 8.3 7.2 6.2 6.7 7.8
輸出合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
輸入 ％ ％ ％ ％ ％
中国 22.5 25.4 27.1 28.2 27.1
アメリカ合衆国 9.9 10.7 12.2 11.1 10.0
日本 7.3 7.2 6.4 6.3 6.0
韓国 7.2 4.0 3.5 3.4 5.2
ニュージーランド 2.6 2.6 2.5 2.2 1.8
英国 2.4 2.4 2.3 2.4 1.9
インド 1.8 1.6 1.6 2.1 2.8
台湾 1.4 1.7 1.7 1.6 2.4
カナダ 0.7 0.8 0.9 0.7 0.7
(1)
16.5 17.4 16.6 17.2 18.5
その他のアジア諸国
(2)
16.6 17.0 16.9 17.4 15.9
その他の欧州諸国
その他の諸国 11.0 9.3 8.3 7.5 7.6
輸入合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
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(1) オーストラリア統計局に定義される東南アジア、北東アジアおよび南・中央アジア（日本、韓国、インド、台湾
および中国を除く。）を含む。
(2) オーストラリア統計局に定義される北西ヨーロッパおよび南・東ヨーロッパ（英国を除く。）を含む。
(p) 暫定貿易データ
出所：オーストラリア統計局、未発表貿易データ
対日貿易
2009 ／ 10 年に中国が日本を上回るまで、オーストラリアにとって日本は最大の商品輸出市場であっ
た。次の表は、オーストラリアと日本との 2021 ／ 22 年までの 5 年間の商品貿易の構成を示したものであ
る。
オーストラリアの対日商品貿易
( 単位：百万豪ドル )
(p)
2017 ／ 18 年 2018 ／ 19 年 2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年
2021 ／ 22 年
輸出
食肉 2,511 2,712 2,895 2,320 2,633
穀物 720 715 623 703 1,167
織物用繊維 47 53 28 14 31
(1)
1,969 2,215 2,044 1,402 2,182
その他の農産物
(2)
17,101 19,287 14,431 11,753 37,963
石炭、コークスおよび練炭
金属 8,972 9,475 10,786 10,626 12,845
その他の鉱物燃料、潤滑油および
711 512 177 122 262
関連原料
(3)
0 0 124 2 0
非貨幣用金
機械および輸送機器 275 345 285 230 244
その他の製品 828 880 857 822 1,062
(4)
14,895 21,949 20,535 15,546 30,799
その他
商品輸出合計 48,030 58,143 52,784 43,539 89,187
輸入
食品、動物、飲料および
168 197 215 261 273
たばこ
原料、非食品（燃料を除く） 42 43 45 43 39
鉱物燃料、潤滑油および関連原料 3,029 3,998 3,121 603 2,950
金属製品 481 364 389 290 296
機械および輸送機器 13,869 13,900 12,207 15,747 15,869
その他の製品 2,137 2,334 2,347 2,267 2,738
その他 2,289 1,209 776 92 138
商品輸入合計 22,014 22,043 19,100 19,303 22,303
(1) オーストラリア統計局の再分類により、甘蔗原料糖の輸出は、「その他の農産物」の項目ではなく、「その他」
の項目に含まれている。
(2) 石炭輸出データの一部項目は非公開となり、「その他」の項目に含まれている。
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(3) 金鉱および金精鉱を除く。
(4) 非公開項目を含む。
(p) 暫定貿易データ
出所：オーストラリア統計局、未発表貿易データ
国際収支
次の表は、 2021 ／ 22 年までの 5 年間におけるオーストラリアの国際収支の詳細を示している。
(1)
国際収支－経常取引
( 単位：百万豪ドル )
2017 ／ 18 年 2018 ／ 19 年 2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年
商品
輸出 315,342 373,509 383,197 396,712 534,839
輸入 (302,677) (320,156) ( 312,074 ) ( 321,408 ) ( 388,335 )
商品貿易収支 12,665 53,353 71,123 75,304 146,504
サービス
受取 87,705 96,628 92,040 62,544 61,096
支払 (93,787) (101,776) ( 88,277 ) ( 48,800 ) ( 72,074 )
サービス ( 純額 ) (6,082) (5,148) 3,763 13,744 ( 10,978 )
商品・サービス収支 6,583 48,205 74,886 89,048 135,526
収益
受取 59,585 67,904 64,992 61,498 79,473
支払 (117,252) (132,932) ( 109,501 ) ( 84,557 ) ( 165,788 )
収益 ( 純額 ) (57,667) (65,028) ( 44,508 ) ( 23,060 ) ( 86,316 )
移転
受取 10,050 10,650 10,457 9,313 10,595
支払 (10,835) (11,381) (11,677) ( 12,345 ) ( 13,634 )
移転 ( 純額 ) (785) (731) (1,220) (3,032) ( 3,039 )
経常収支 (51,867) (17,553) 29,158 62,956 46,171
(1) 商品貿易収支は、集計時期、算定方法の不適合および機密性の問題により輸出データとは異なるものであ
る。四捨五入により、データの合計は合致しない場合がある。
出所：オーストラリア統計局、国際収支および国際投資ポジション
国際収支－金融取引
( 単位：百万豪ドル )
2017 ／ 18 年 2018 ／ 19 年 2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年
直接投資 63,780 61,989 28,602 14,217 ( 57,905 )
ポートフォリオ投資 18,466 ( 86,653 ) ( 11,311 ) ( 61,220 ) 76, 463
デリバティブ投資 (15,151) ( 9,692 ) ( 8,155 ) ( 14,311 ) ( 9, 142)
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EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
有価証券報告書
その他の投資 (19,318) 45,024 ( 63,141 ) 11,222 ( 37,946 )
準備資産 8,952 3,785 18,523 ( 3,423 ) ( 20,156 )
金融収支 56,728 14,453 (35,484) (53,516) ( 48,687 )
出所：オーストラリア統計局、国際収支および国際投資ポジション
外貨準備
2021 ／ 22 年までの 5 年間におけるオーストラリアの公的外貨準備は、国際通貨基金の外貨準備持高を含
めると次のとおりである。
(1)
公的外貨準備
（ 6 月 30 日現在）
( 単位：百万豪ドル )
2017 ／ 18 年 2018 ／ 19 年 2019 ／ 20 年 2020 ／ 21 年 2021 ／ 22 年
金および外貨 92,990 86,158 66,939 64,792 73,064
豪ドル建証券合計 104,323 97,381 207,533 443,979 537,298
ローンおよび貸付金 2 1 1 1 0
決済項目 511 477 482 467 816
その他資産 1,362 1,394 1,416 1,440 1,468
資産合計 199,188 185,411 276,371 510,679 612,646
(1) 豪ドルへの換算は表示された日における外国為替市場レートに基づいている。ただし、金はロンドン金市場
の当該月の平均価格で評価され、その月の末日の為替レートで豪ドルに換算されている。
出所： RBA
豪ドルの為替レート
2021 ／ 22 年において 1 豪ドルは前年の 0.7470 米ドルから平均 0.7259 米ドル と 2.8 ％下落した。反対に、
2021 ／ 22 年中、日本円に対し 1 豪ドルは上昇し、平均 85.17 円と前年比で 7.0 ％上昇した。
1 豪ドルは 2011 年 7 月下旬に 1.11 米ドルを超える最高値となり、その後 2 年間の大半にわたり、等価に近
い水準で推移した。ただし、その後豪ドルは広く弱含みとなった。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、 2020 年 3 月に 1 豪ドルは急速に減価し、当初約 0.56 米ドルの
安値まで下落した。しかしながら、他の多くの先進国に比べてオーストラリア経済の見通しが改善して
いるため、またブラジルからの供給が制限される中で鉄鉱石の価格が高騰したため、その後為替相場は
改善した。しかし、世界的なインフレ懸念や米国の積極的な金融引き締めにより、 2022 年には米ドルが
他通貨に対して上昇し、 2022 年 10 月中旬には 1 豪ドルが 0.6230 米ドルの安値まで下落した。 2022 年 12 月上
旬には、 1 豪ドルは 0.6731 米ドルの買値となった。一方、豪ドルは 2022 年を通じて円に対して上昇してお
り、 12 月初めには 93.08 円の買値となったが、日本は、世界的に高いインフレ率の中で拡張的な金融政策
を継続することを選択した。
豪ドルの下落は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックから回復しつつある大規模な観光産業お
よび教育産業を含むオーストラリアの輸出を下支えする要因になり続けるだろう。
為替レート（日次）
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EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
有価証券報告書
（出所：トムソン・ロイター）
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