オーストラリア・ニュージーランド銀行 有価証券報告書

提出書類 有価証券報告書
提出日
提出者 オーストラリア・ニュージーランド銀行
カテゴリ 有価証券報告書

                                                          EDINET提出書類
                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
    【表紙】

    【提出書類】                   有価証券報告書

    【根拠条文】                   金融商品取引法第24条第1項

    【提出先】                   関東財務局長

    【提出日】                   令和4年12月20日

    【事業年度】                   自 令和3年10月1日 至 令和4年9月30日

    【会社名】                   オーストラリア・ニュージーランド銀行

                        ( Australia     and  New  Zealand    Banking    Group   Limited    )
                         (Australian       Business     Number    11  005  357  522)
    【代表者の役職氏名】                   グループ財務責任者 (Group              Treasurer)

                        エイドリアン・ウェント            (Adrian      Went)
    【本店の所在の場所】                   オーストラリア、ヴィクトリア州3008、ドックランズ、コリンズ・スト

                        リート833、9階、ANZセンター・メルボルン
                        (ANZ   Centre    Melbourne,      Level   9,  833  Collins    Street,    Docklands,
                         Victoria     3008,   Australia)
    【代理人の氏名又は名称】                   弁護士 黒丸 博善

    【代理人の住所又は所在地】                   東京都港区六本木六丁目10番1号

                        六本木ヒルズ森タワー23階
                        TMI総合法律事務所
    【電話番号】                   03-6438-5511

    【事務連絡者氏名】                   弁護士 黒丸 博善

                        弁護士 海江田 光
                        弁護士 奥村 文彦
    【連絡場所】                   東京都港区六本木六丁目10番1号
                        六本木ヒルズ森タワー23階
                        TMI総合法律事務所
    【電話番号】                   03-6438-5511

    【縦覧に供する場所】                   該当なし

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     ( 注)1.   別段の記載がある場合を除き、本書において「当行」または「ANZBGL」とはオーストラリア・ニュージーランド銀行
        を意味し、別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、「ANZ」、「ANZグループ」、「当グ
        ループ」、「当銀行グループ」または「連結会社」はオーストラリア・ニュージーランド銀行とその連結子会社を意
        味する。別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、本書において、「ANZニュージーラン
        ド」はANZバンク・ニュージーランド・リミテッドを意味し、「ANZニュージーランド・グループ」はANZニュージーラ
        ンドとその子会社を意味する。
       2 .ANZの事業年度は9月30日に終了する。本書に別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、

        2022年9月30日に終了した事業年度は「2022年度」、「2022事業年度」、「2022会計年度」または「2022年9月終了年
        度」と言及され、2021年9月30日に終了した事業年度は「2021年度」、「2021事業年度」、「2021会計年度」または
        「2021年9月終了年度」と言及され、2022年9月30日に終了した半期(半年)は「2022年9月終了半期」と言及され、
        その他の事業年度および半期(半年)についてもこれに対応する記載によって言及される。暦年に関する言及はその通
        りの意味を持つ。
       3.  本書に別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、本書において「ドル」「豪ドル」、

        「オーストラリアドル」または「セント」とはオーストラリア連邦の法定通貨を指す。本書において便宜上記載されて
        いる日本円への換算は、1ドル=95.23円の換算率(2022年12月1日現在の株式会社三菱UFJ銀行公表の対顧客電信
        売相場)により換算されている。本書に別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、本書にお
        いて「米ドル」とはアメリカ合衆国の法定通貨を指し、「ニュージーランドドル」はニュージーランドの法定通貨を指
        し、「ユーロ」とはユーロ圏の公式通貨を指す。
       4.  本有価証券報告書は、事象や動向に関する記述および意見ならびに当行または当グループの事業運営、市況、業績お

        よび財務状態、適正資本、特定の規定および経営慣行ならびに下記「第2 企業の概況-3 事業の内容-(5)純粋持
        株会社」に記載の再編案を含む当グループが実施中または実施する可能性がある業務に関する当グループの意向、信条
        または現在の予測など、「将来に関する記載」または意見を含んでいる。これらの事項は、当行およびANZグループの
        実際の業績および財務状態を本書に提示される情報から大幅に異ならせる可能性のあるリスクおよび不確実性に左右さ
        れる。本有価証券報告書において、当行または当グループとその経営陣に関連して、「予測する」、「推定する」、
        「計画する」、「意図する」、「予想する」、「確信する」、「期待する」、「することがある」、「見込みであ
        る」、「リスクがある」、「予定である」、「追求する」、「だろう」、「可能性がある」、「すべきである」および
        これらに類する表現が使用されている場合は、かかる将来に関する記載または意見を示すことが意図されている。これ
        らの記述および意見は、予測的な性格を有する、不確実な仮定もしくは未知のリスクや不確実性の影響を受ける、また
        は最終的に達成されるものと大きく異なる可能性がある。そのため、投資判断を行うにあたってこれらの記載および意
        見に依拠すべきではない。実際の結果が本書に記載の将来に関する記載または意見と大幅に異ならないとの保証はでき
        ない。本書に含まれる将来に関する記載と意見に影響を与える特定の要因に関する詳細については、下記「第3 事業
        の状況-2 事業等のリスク」を参照のこと。本有価証券報告書に含まれている将来に関する記載または意見はいずれ
        も本書提出日現在においてなされた記載であり、今後提出されることのある本書の訂正報告書または臨時報告書ならび
        に発行登録書、訂正発行登録書および発行登録追補書類の参照書類の補完情報およびそれらの添付書類においてなされ
        た記載により、かかる記載または意見は更新、修正、訂正または置き換えられることがある。本書中の将来に関する記
        載または意見はかかる記載がなされた日時点のみについて述べたものであり、当グループは、本書日付以後に事象や状
        況を反映するために、または予期しない事態の発生を反映するために、これらの将来に関する記載または意見の修正結
        果を公表する義務を負わない。
       5.  本書中の表において、計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。

       6.  本書に別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、「本書」とは本有価証券報告書を意味す

        る。
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    第一部【企業情報】
    第1【本国における法制等の概要】

    1【会社制度等の概要】

     本「1 会社制度等の概要」は、2023年1月頃に、(本書日現在すべての関連する条件が満たされたため)新たな純粋持株
    会社がANZグループの親会社となり、関連する本再編(下記に定義される。)が実施され完了する予定であるため、今後変更さ
    れることがある。提案されている純粋持株会社および関連する本再編についての詳細は、下記「第2 企業の概況-3 事業
    の内容-(5)純粋持株会社」を参照のこと。
    (1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】

     以下はオーストラリアの2001年会社法および当行の定款の概要を含む。以下の事項をより徹底して理解したいと希望する読
    者は、元となるこれらの文書を参照すべきである。
     当行はその他のオーストラリアの銀行および会社と同様、2001年会社法(「会社法」)に従い、会社法により規制される。

    会社法は制定法であり、オーストラリア証券投資委員会(「ASIC」)が管理している。
     オーストラリア連邦の諸法律(「豪州法」)は当行のオーストラリアにおける業務運営の様々な局面に影響を与えている。
    会社法に加え、特に当行に関係のある重要な豪州法は、1959年銀行法(「銀行法」)、1998年オーストラリア健全性規制庁
    法、2001年オーストラリア証券投資委員会法および1998年金融部門(株式所有)法を含む、現行の銀行諸法から構成される。
    当行は上場公開会社であるため、オーストラリア証券取引所(「ASX」)が管理する上場規程による規制も受ける。
     当行に適用のある会社法の主要規定の概略は以下の通りである。
     上場会社は会社内部の経営および株主の権利を統治する定款を持たなければならない。当行は2007年12月18日に開催された
    株主総会において当行の株主により承認され、2010年12月17日および2018年12月19日に開催された株主総会において変更が承
    認された定款(「定款」)を採択している。
     定款には、会社の業務、運営、権利および権限ならびに株主、取締役、その他の役員の権利および権限に関して、豪州法の
    規定と一致する規則のみを含めることができる。定款は、決議に関して議決権を有する会社の株主の最低75%の投票をもって
    決議される場合のみ改定することができると会社法により規定されている。
     定款は通常、以下の事項に関する規定を含む。
      ・会社の株式に付随する権利および義務ならびに会社の株式の譲渡。
      ・株主総会の投票および運営方法。
      ・取締役の人数、権限、義務および任免ならびに取締役会会議の運営方法。
      ・会社秘書役の任命および社印の使用。
      ・会計および監査。
      ・株主への通知。
      ・会社の清算に際しての資産の分配。
     会社法は、当行に対し、その取引、財務状況および業績を正確に記録かつ説明し、真正かつ公正な財務書類の作成および監
    査を可能にする、書面による会計帳簿を保持することを要求している。
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     会社法は当行に対し、その事業年度ごとに財務報告書を期限前に作成し、監査を受けることを要求している。財務報告書
    は、(ⅰ)財務書類(損益計算書、包括利益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書および持分変動計算書ならびに財
    務書類の注記を含む。)ならびに(ⅱ)財務書類および注記についての取締役の宣誓書から構成される。財務報告書はオースト
    ラリアの会計基準および会社法に規定されているその他の関連規則を遵守しなければならず、財務書類および注記は当行の財
    務状況および業績につき真正かつ公正な見解を表示しなければならない。当行はグループ内の親会社であるので、当該事業年
    度を通して随時、当行が支配している会社との連結財務書類の作成も要する。会社法に基づき、当行の監査人は企業もしくは
    個人(どちらの場合でも会社法に基づく登録を行っている会社監査人でなければならない。)または(会社法に基づく公認監
    査会社である)会社でなければならない。監査人は、毎事業年度の当行の財務報告書の監査を実施し、当行の年次財務報告書
    に関して以下の事項について意見を述べる義務を有する。
      ・年次財務報告書が会社法およびオーストラリアの会計基準に従い作成されているか否か。
      ・年次財務報告書が当行の財務状況および業績について真正かつ公正な見解を示しているか否か。
      ・監査人は、監査の実施につき必要なすべての情報、説明および支援を得ているか否か。
      ・当行は年次財務報告書の作成および監査を可能にするため十分な会計帳簿の記録を保持しているか否か。
      ・当行は会社法の要求するその他のすべての記録および登録簿を保持しているか否か。
     ただし、年次財務報告書に関する監査報告書は、上記の最初の2項目のみを明示的に言及している。
     財務報告書中のあらゆる欠陥もしくは不正または上記の最後の3項目に言及される事項に関する不備、不履行もしくは不足
    についての詳細は監査報告書に記載されなければならない。
     当行の取締役は、会社法で特定された一定の事項に関して、当行の株主宛てに事業年度ごとの取締役会の報告書を作成しな
    ければならない。これらの事項にはとりわけ、事業年度中支払われた配当額、事業年度中推奨されたが支払われなかった配当
    額、事業年度の業務運営およびその業績結果の検討、事業年度中に行われた当行の主要な業務についての記載ならびにこうし
    た業務の性質の重大な変更、事業年度における当行の経営状態の重大な変化、および当行の業務運営、業績または経営状態に
    重大な影響を及ぼした、もしくは今後の事業年度において及ぼす可能性のある、当該事業年度以降に生じる当行の事項や状況
    が含まれる。
     ASX  に上場されている企業としての当行の取締役会報告書にはとりわけ、(取締役および特定の上級経営陣を含む。)当行の
    主要経営陣の報酬の性質および額の決定またはそれらに関する取締役会の方針の検討、ならびにかかる方針と当行の業績との
    関係を含めなければならない。
     当行は、ASICには事業年度末から3か月以内に、またASXにはASICへの提出と同時におよびいかなる場合でも事業年度末から
    3か月以内に、年次財務報告書の写しを提出しなければならず、当行の株主全員に対して、株主がかかる報告書を受領しない
    ことを特別に希望しない限り、年次株主総会から21日前まで、または当該事業年度末から4か月後のいずれか早い方までにか
    かる報告書の写しを送付しなければならない。半期報告書はASICには半期終了から75日以内に、またASXにはASICへの提出時ま
    でにおよびいかなる場合でも半期終了から2か月以内に提出しなければならない。半期報告書を株主に送付する義務はない
    が、半期報告書はASXに提出され、ASXのウェブサイトで公衆の縦覧に付され、当行のウェブサイトにも掲載される。
     定款は、当行の取締役会が、特に、当行が配当を維持する能力に関連する定款の一定の規則および会社法の規定に従って、
    適切と考えるいかなる配当の支払いも決議し得ることを定めている。会社法は、以下の場合を除くと、会社は配当を支払わな
    くてもよいと規定している。
      ・配当が宣言される直前に会社の資産がその負債を上回っており、その超過が配当の支払いに十分である。
      ・配当の支払いが会社の株主全体にとって公平で妥当である。
      ・配当の支払いによって、会社がその債権者に支払いする能力に重大な損害を与えない。
    株主

     会社法の規定に従い、株主総会は暦年ごとに少なくとも1回、当行の事業年度の終了から5か月以内に開催されなければなら
    ない。この総会は、年次株主総会と称される。年次株主総会の主な機能は通常、取締役の選任、取締役報酬額の決定ならびに
    財務書類および報告書の審議である。これに加え、取締役または一定比率の当行の株式を保有する株主は、その他の株主総会
    を随時招集することができる。この総会は、単に株主総会と称されている。
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     当行の株式に付随する議決権は、株主総会におけるその行使方法とともに、定款に定められている。
     当行株主総会への出席権および議決権を有する株主は、代理人を立てて株主総会に出席することができる。この場合の代理
    人は当行の株主たることを要しない。定款には、当行のあらゆる株主総会の定足数およびその議長の任命等に関する規定が含
    まれている。
     定款に従い、株主総会の決議は、通常、普通決議により、すなわち株主総会に出席し、かつ決議に関して議決権を有する当
    行の株主(代理人による出席を含む。)による投票の過半数による多数決によって、採択される。しかし、特定の事項(例え
    ば定款の変更)については、会社法または定款によって、特別の決議方法、すなわち総会に出席し、かつその決議に関して議
    決権を有する当行の株主(代理人による出席を含む。)による投票の75%以上の多数による決議承認を経ることが必要とされ
    ている。
     1998  年金融部門(株式所有)法の定めるところによれば、何人もまたはかかる者とその関係者も、オーストラリア連邦の財
    務大臣の承認を得ないで、金融業界の会社(当行を含む。)の全議決権の20%超を保有することまたは実質的な支配権を所有
    することは認められていない。しかしながら、財務大臣は、オーストラリアの国益であるという条件を満たす場合のみ、20%
    超の持分をある者が保有することを承認することができる。ある者に対する当行株式の保有、所有または議決権を行使する能
    力の制限についての詳細は、下記の「2 外国為替管理制度-証券保有者に影響を与える制限」を参照のこと。
     2019  年財政改正法(相互改革)に従い、金融部門の会社の保有比率の上限は、2019年4月6日に15%から20%に変更され
    た。
    経営および運営

     公開会社である当行は、3名以上の取締役によって運営されることが要求されており、その内少なくとも2名はオーストラ
    リアに通常居住する者でなければならない。取締役は自然人でなければならない。定款は当行の取締役の数を5名以上15名以
    下と規定している。取締役の当行を運営する権限は、定款で定められている。
     定款に従い、当行の取締役は取締役会として行為しなければならず、取締役会は諸決議を取締役会会議で行うほか、定款に
    従い、会議を開催することなく書面決議の方法によりこれを行うことができる。個々の取締役、委員会、代理人またはその他
    の者は、当行の取締役会の決議で付与された場合には当行を代表して行為する権限を有する。当行の取締役会は、取締役会の
    あらゆる権限を1名以上の取締役またはその他の者に委任することができる。
     公開会社は最低1名の秘書役(その内少なくとも1名はオーストラリアに居住する者でなければならない。)および定めら
    れた数の取締役(上記に記載の通り)を任命することを義務付けられているが、会社法はその他の特定の役員の任命を要求し
    ていない。秘書役は会社法および定款に基づき、特定の機能と責任を有しており、自然人でなければならない。
     当行の株主は以下の事項を行う権限により最終的決定権を保持している。
      (a)  取締役会に諸権限を付与している定款を修正すること。
      (b)  株主総会を招集すること。
      (c)  会社法および定款に規定されたその他の事項または取締役の解任または不再任決議を可決すること。
     定款によって付与された権利および権限を行使するに際しては、当行の取締役は相当な注意と勤勉さをもってこれに当たる
    ことが要求され、かつその権限の行使と義務の履行に際しては誠意をもって、常時当行の利益、すなわち一般的な意味ではそ
    の株主の利益のために尽くすことが要求されている。
    株式の発行

     当行の未発行株式はすべて当行の取締役の管理下にあり、当行の定款、会社法および上場規程に従い、取締役会が適切と判
    断した条件によりこれら株式を発行することができる。
     定款の詳細および抜粋については、下記の「(2)提出会社の定款等に規定する制度」を参照のこと。
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    (2)【提出会社の定款等に規定する制度】
     以下には当行の定款から抜粋した情報が含まれており、かかる定款はオーストラリア、ヴィクトリア州3008、ドックラン
    ズ、コリンズ・ストリート833、9階、ANZセンター・メルボルンにおいて平日(土曜日、日曜日および祝祭日を除く。)の通
    常営業時間に閲覧可能である。
     本(2)に記載の定款の抜粋は、参考の便宜上、適宜言換えがなされており、またかかる抜粋に使用されている定義済の用
    語は、定款において与えられた意味を有する。定款に定められた規則を完全に理解するためには、定款の写しを全文で読む必
    要がある。
    取締役会

     取締役の人数(代理取締役は数に入れない。)は、取締役会が決定することができるが、5名以上でなくてはならない。上
    限は、15名あるいは取締役会が定めるそれより少ない人数を超えてはならない。
     会社法、定款、および上記の人数制限に基づきその時々に確定される取締役の上限人数を条件に、取締役会は随時、取締役
    となる者を任命することができる。このように任命された取締役は、次の年次株主総会において自動的に退職することとな
    り、かかる株主総会で行われる選挙の有資格者となる。
     定款、適用法令、および上記の人数制限に基づきその時々に確定される取締役の上限人数を条件に、当行は普通決議により
    取締役を選出することができる。
     (a)  取締役は自身が選出または最後に再選されてから3回目の年次株主総会において、その職位から退任しなければならな
    い。(b)取締役は前記(a)の規定により要求される時点より前に年次株主総会において退任し、再選を目指すことを選択するこ
    とができる。ただし、年次株主総会の少なくとも45営業日前(または取締役会が決定するその他の期間以前)に、取締役は取
    締役会に自身の意向を通知しているものとする。取締役がかかる通知を行う場合、取締役は当該年次株主総会において退任し
    なければならない。(c)取締役の選出は各年次株主総会において行われなければならない。定款に基づき年次株主総会において
    取締役の選出が予定されていない場合、年次株主総会において取締役が1名退任しなければならない。(d)前記(a)、(b)または
    (c)の規定は、マネージング・ディレクター(または2名以上の場合、(もしいれば)定款に基づき任命された1名)およびそ
    の代理取締役には適用されない。(e)定款に基づき退任する取締役は再選資格を有する。(f)選出されたが、適用法令に基づき
    取締役として行為することが認められない者(会社法および銀行法を含むが、これらに限定されない。)は、90日以内に適用
    法令により取締役として行為することが認められようになった場合のみ、取締役の職に就くことができる。90日以内にかかる
    者が適用法令により取締役として行為することができなかった場合、選出されなかったとみなされる。
     会社法を条件として、上記            (c)  の規定に基づき退任する取締役は、前回の選出または任命から最も長く職位に就いている者と
    する。在任期間が同一の取締役が2名以上いる場合には、かかる取締役の間で合意により退任者を決定することができる。合
    意に達しない場合には、退任者決定の抽選が行われる。
     取締役の退職は、その取締役がかかる年次株主総会において再選されない限り、その株主総会の終了時に有効となる。
     取締役の任命期間が明示的に特定されているか否かにかかわらず、会社法に従い、当行は普通決議をもって取締役を解任す
    ることができる。
     取締役の数が上記の人数制限により要求される最少人数を下回ることとなる場合、残っている取締役らは、(a)最少人数を満
    たす数までの取締役の任命、(b)株主総会の招集、および(c)緊急事態についてのみ、取締役会として行為することができる。
    取締役会会議

     取締役はいつでも取締役会会議を招集でき、また、秘書役は取締役からの要請ある場合は必ず取締役会会議を招集しなけれ
    ばならない。
     取締役会が別段に定めない限り、取締役会会議の定足数は取締役2名とし、この定足数がかかる会議の終始、常に出席して
    いなければならない。取締役を兼任している代理取締役、または複数の任命権者の代理取締役となっている者は、定足数に1
    回のみ数え入れる。
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    株主総会の招集
     当行は年次株主総会を会社法により要求されている通りに開かなければならない。
     株主総会は、取締役会がいつでも招集でき、また会社法もしくは会社法に基づく命令により要求される時に取締役会が招集
    しなければならない。
     株主総会の通知は、会社法に則り行われなければならない。会社法および上場規程を総会の通知において遵守しなければな
    らず、また、会社法が許可するあらゆる方法を用いて通知することができる。
     会社法を条件として、取締役会は、
     (a)  株主総会を延期することができ、または、
     (b)  株主総会を中止することができ、または、
     (c)  株主総会の会場を変更することができる。
     その書面による通知を、
     (d)  オーストラリア国内の日刊新聞1紙において掲載する。または、
     (e)  オーストラリア証券取引所に通知する。または、
     (f)  会社法および上場規程を条件として、取締役会において決定するその他の方法により通知する。
    議決権

     当行の株主が誰であるのか、ならびに株主総会で投票する権利があるのは誰であるのか、および保有する株式数は何株とす
    るのかを決定するにあたり、当行は、
     (a)  総会の招集者が、総会の通知が配布される前に会社法に基づいて特定の時点を定めた場合、その時点で有効な株主名簿の
       みを参照しなければならない。または、
     (b)  定めていない場合には、総会の48時間前もしくはASX決済業務規則が要求するそれ以降の時点において有効な株主名簿の
       みを参照しなければならない。
     会社法、定款の規定および株式発行の条件を制約とし、
     (a)  挙手に際して、
       ( ⅰ)  株主が議決権行使代理人を2名任命している場合は、いずれの議決権行使代理人も投票できない。および、
       ( ⅱ)  上記(a)(ⅰ)の規定に従い、本人、あるいは議決権行使代理人、代理人または代表者により出席している各株主
          である出席者は、1票を有する。
     (b)  本人、あるいは議決権行使代理人、代理人または代表者により出席している議決権を持つ株主は、書面投票に際して、
       ( ⅰ)  全額払込済み株式1株につき、1票を有する。および、
       ( ⅱ)  下記(c)の規定を条件として、各一部払込済み株式については、その株式の発行価格全体に対する払込済み額の割
          合に等しい比の端数票を有する。
     (c)  ただし、一部払込済み株式の保有者が持つ端数票の計算において、
       ( ⅰ)  上場規程に基づき認められていない限り、かつ
       ( ⅱ)  株式発行の条件が別途定めていない限り、当行は、
       ( ⅲ)  払込請求に先立って払込まれた金員を勘定に入れてはならない。または、
       ( ⅳ)  一部払込済み株式に対して、現金または現金相当による当行への支払いを伴わずに貸記されている金員は勘定に入
          れてはならない。
     株主総会の議長には決定票がない。ある決議の賛成票および反対票が同数である場合、かかる案件は否決されたと裁定す
    る。
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    株式
     会社法および定款を条件として、取締役会は当行に代わり、取締役会が決定する任意の者に対して任意の条件および時期に
    おいて、未発行株式の発行、オプション付与、その他の処理を行うことができる。
     当行は、    優先株式(償還義務のある優先株式を含む。)を発行することができる。優先株式には、
     (a)  定款に提示されている、もしくは従い決定される権利、または
     (b)  会社法に従い認められているその他の権利が付されている。
     当行が異なる種類の株式を発行する場合、もしくは発行済み株式を異なる種類に振分ける場合、あらゆる種類の株式に付さ
    れる権利は、下記の場合に限り、(会社法を条件として)変更または取消すことができる。
     (a)  影響を受ける種類の発行済み株式の75%の保有者から書面による同意を得た場合、または
     (b)  影響を受ける種類の発行済み株式の保有者による個別会議において特別決議が可決された場合。
     株式発行の条件を制約として、ある種類の株式に付された権利は、かかる既存の種類と同じランクの株式を追加して発行す
    ることにより、当行の利益および資産への参加に関して変更されたとはみなされない。
    優先株式に付されている権利

     (a)  取締役会は、定款を条件として、発行に先立ち取締役会が決定するあらゆる権利(外国通貨で表示された権利を含む。)
       が付された優先株式を発行することができる。かかる方法で定められた権利は、その時点で発行されている優先株式に付
       されている権利と同じである必要はない。
     (b)  優先株式は、1シリーズもしくは複数の異なるシリーズで発行することができ、各シリーズは取締役会が定める方法によ
       り識別する。
    配当請求権

     (a)  定款に基づく取締役会の権限を制限することなく、あらゆる優先株式の割当ての前に取締役会は、下記の事項、またはこ
       れらの事項を決定する際の方法を定めなければならない。
       ( ⅰ)  かかる株式に対して支払われる              (もしあれば)配当金の率または金額
       ( ⅱ ) かかる株式に対する配当金の支払いの時期または状況
       ( ⅲ ) 配当金が支払われる期間
       ( ⅳ ) その他の種類の株式との関係でかかる株式の配当金支払いの優先順位
       ( ⅴ ) かかる株式に累積配当の権利があるのか、非累積配当の権利があるのか、および
       ( ⅵ ) 分配できる利益がある場合に、かかる株式はさらにそれに参加する権利があるのか否か
     (b)  優先株式の発行の条件にはさらに、以下の規定を盛込むことができる。
       ( ⅰ)  税金またはその他の国庫賦課金、あるいは課税控除またはインピュテーション税額控除、もしくはそれら双方を考
         慮に入れて、もしくは参照して、配当金額を調整する基準(もしあれば)、および、
       ( ⅱ)  優先株式の保有者に支払われるはずであった(発行の条件においてであるが)配当金の額が、配当金以外の方法で
         当行が優先株式の保有者に支払う金額の程度まで、削減されるもしくは消滅される旨。
    配当金支払いの優先順位

     取締役会が割当ての前に定める以下の配当金支払いの優先順位に関する規定(すべてまたは一部)が、あらゆる特定の優先
    株式について適用される。
     (a)  当行はその優先株式の配当金を下記の通り、支払うものとする。
       ( ⅰ)  普通株式に対するあらゆる配当金の支払いより優先し支払うものとする。
       ( ⅱ)  利益への関与に関して、同順位の明示がなされているその他すべての優先株式の配当金と同等に支払うものとす
         る。および、
       ( ⅲ)  利益への関与に関して、優先して順位が明示されているすべての優先株式(もしあれば)の配当金より劣後して支
         払うものとする。
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     (b)  償還または清算に際して、優先株式の保有者に累積配当の権利がある場合には、上記(a)で定めている通りのその他の株
       式との優先順位にて、当行は、かかる保有者に償還日もしくは(場合に応じ)清算開始までの未払い配当金または配当滞
       納金(宣言されたか否かを問わない。)に等しい額を支払わなければならない。
     (c)  償還または清算に際して、優先株式の保有者が非累積配当の権利を有している場合、上記(a)で定めている通りのその他
       の株式との優先順位にて、当行は、かかる保有者に償還日もしくは(場合に応じ)清算開始までに宣言されたが未払いの
       配当金に等しい額を支払わなければならない。
    清算時の優先順位

     (a)  優先株式の割当てに先立ち、取締役会は、当行清算時の資本の払戻しに関する各優先株式の優先順位および残余資産への
       株主の参加の権利(もしあれば)を決定するものとする。
     (b)  割当てに先立ち取締役会がかかる決定をした場合、優先株式の保有者は、当行の清算に際してかかる優先株式につき払込
       済みまたは払込済みとして貸記された金額と同額の支払い、および配当金ならびに発行の条件に従い保有者に権利が与え
       られているその他の金額の支払いに対する権利を以下の通り有する。
       ( ⅰ)  普通株式に対する支払いより優先して支払われる。
       ( ⅱ)  清算に際し当該優先株式と同順位の明示がなされているその他すべての優先株式の保有者に対する支払いと同等に
         支払うものとする。および、
       ( ⅲ)  清算に際し、当該優先株式より優先して順位が明示されているすべての優先株式(もしあれば)の保有者に対する
         支払いより劣後して支払うものとする。
      ただし、当行の剰余金、もしくは当行の利益または資産のその他の分配には参加しないものとする。
    2【外国為替管理制度】

    為替管理
     現在、当グループの有価証券の保有者に対する配当、利息の支払またはその他の送金を制限する、オーストラリアにおいて
    効力を有する一般的な為替管理規制はない。しかしながら、オーストラリアの公共政策を反映して随時オーストラリア国内に
    おいて為替管理が実施され、適用あるオーストラリアの規制当局の承認なしに特定の人物または団体との特定取引の締結を禁
    止する効果を有する。それらには以下が含まれる。
       1. 2011年独自制裁法(連邦)に基づき、かつ2011年独自制裁規則(連邦)に従い、禁止の中で特に以下のもの:
       (a)   ミャンマー、       ウルグアイの特定の地域           、ロシア、イラン、シリア、ジンバブエまたは朝鮮民主主義人民共和国(北朝
         鮮)への「制裁されているサービス」供与の禁止。財政援助、特定の種類の金融サービスまたは軍事活動もしくは一
         定の輸出認可品目(武器または関連物資等)を支援もしくはそれらに関連して供与されるその他サービスを含む。
       (b)   北朝鮮、旧ユーゴスラビア共和国、イラン、リビア、ミャンマー、シリア、ジンバブエ                                         、 ウクライナまたは関係大臣
         が当該人物もしくは団体が大量破壊兵器の拡散に関与していると納得する地域向けの、関係大臣により指定された個
         人または団体に対し、直接的もしくは間接的に、資産を利用させることまたはそれらの利益のために資産を利用させ
         ることの禁止。
       (c)   ロシアにとって経済的または戦略的に重要性がある活動への従事または機能の実行の禁止。
       (d)   ウクライナの主権と領土の保全に対する脅威に責任がある、または加担していると関係大臣が確信する個人または団
         体に対する禁止。
       2. 1945年国連憲章第4章に基づき、かつ、2008年国連憲章(資産の取引)規則に従った、オーストラリア連邦の外務
      大臣がオーストラリアの官報において随時挙げる人物または団体の金融その他の資産の利用または取引に対する制裁。当該
      個人または団体は以下におけるものを含む。
       (a)   コンゴ民主共和国(国連憲章(制裁-コンゴ民主共和国)2008年規則を参照)
       (b)   北朝鮮(国連憲章(制裁-朝鮮民主主義人民共和国)2008年規則、国連憲章(制裁-朝鮮民主主義人民共和国)2017
         年文書および国連憲章(制裁-朝鮮民主主義人民共和国)(贅沢品)2017年文書)を参照)
       (c)   スーダン(国連憲章(制裁-スーダン)2008年規則を参照)
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       (d)   イラン(国連憲章(制裁-イラン)2016年規則および国連憲章(制裁-イラン)(制裁対象輸出品)2016年制裁リス
         トを参照)
       (e)   イラク(国連憲章(制裁-イラク)2008年規則を参照)
       (f)   アルカイダ(国連憲章(制裁-アルカイダ)2008年規則を参照)
       (g)   ソマリア(国連憲章(制裁-ソマリア)2008年規則を参照)
       (h)   レバノン(国連憲章(制裁-レバノン)2008年規則を参照)
       (i)   マリ(国連憲章(制裁-マリ)2018年規則を参照)
       (j)   リビア(国連憲章(制裁-リビア)2011年規則を参照)
       (k)   タリバン(国連憲章(制裁-タリバン)2013年規則を参照)
       (l)   中央アフリカ共和国(国連憲章(制裁-中央アフリカ共和国)2014年規則を参照)
       (m)   イエメン(国連憲章(制裁-イエメン)2014年規則を参照)
       (n)   南スーダン(国連憲章(制裁-南スーダン)2015年規則を参照)
       3. 1988年金融取引報告法に基づき、かつ一定の免除に従い、「キャッシュ・ディーラー」(オーストラリア公認預金
      受入機関を含む。)は1万豪ドルまたは外貨による相当額以上の「現金取引」をオーストラリア取引報告・分析センターに
      報告しなければならない。現金取引は1人の人物から別の人への通貨の物理的な移転を伴う取引である。
    証券保有者に影響を与える制限

     以下のオーストラリア法は、オーストラリアの非居住者または非市民が当行株式を保有、所有または議決権行使する権利に
    対して制限を課している。
     1. 1975年外資による資産買収・企業買収法
       外資によるオーストラリアの会社株式の取得は、1975年外資による資産買収・企業買収法(「外国買収法」)により規制
      を受ける。外国買収法は、一定の金額の基準を条件とし、とりわけ以下のいずれかの状況をもたらす株式の取得または発行
      に適用される。
       ・1名の外国人もしくは外国支配法人が単独で、または関係者と共同で、議決権もしくは潜在的議決権の20%以上を支配
      する立場にある、またはオーストラリア事業を行う法人の発行済株式もしくは発行済株式に対する権利の20%以上の法律上
      もしくは衡平法上の権利を保有する立場にある。
       ・2名以上の外国人もしくは外国支配法人がその関係者と共同で、議決権もしくは潜在的議決権の40%以上を支配する立
      場にある、またはオーストラリア事業を行う法人の発行済株式もしくは発行済株式に対する権利の40%以上の法律上もしく
      は衡平法上の権利を保有する立場にある。
       上記のいずれのケースにおいても、また一定のその他状況において、オーストラリアの国益に反する場合、財務大臣はこ
      の買収を禁止することができる。
       オーストラリアの外国投資の承認制度に対する新改正が2021年1月1日より発効した。COVID-19のパンデミックに対応し
      て導入された一時的な0ドルの金額審査基準は2021年1月1日より廃止された。ただし、国家安全保障上の懸念の可能性が
      ある投資は、引き続き0ドルの金額基準の対象となるか、または審査請求が課されることがある。国家安全保障に関する事
      業および国家安全保障用地への投資に対しては、承認の義務付けに関する要件が新たに導入され                                            、審査基準となる投資の割
      合は引き下げられて上記の20%の基準の代わりに10%の基準が一般的に適用される(特定の状況ではさらに低い基準が適用
      される場合がある。)           。「国家安全保障に関する事業」とは、一般的に「重要なインフラ資産」、電気通信、防衛または
      (オーストラリアもしくは外国の)国家の情報コミュニティまたはそれらのサプライチェーンに関与または関連する事業で
      ある。   2021年12月2日、2021年セキュリティ法改正(重要インフラ)法(連邦)が発効し、現行の2018年重要インフラセ
      キュリティ法(連邦)が大幅に修正された。                     とりわけ、同法により、「重要なインフラ資産」の定義が拡大され、金融サー
      ビスを含む11の追加のセクターにおける重要資産が対象とされる。
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     2. 1998年金融部門(株式所有)法
       1998  年金融部門(株式所有)法は、1名の者(関係者がいる場合は共同で)、または取決めに基づく2名以上の者が、そ
      の者が(関係者と共同で)20%を超える会社持分を保有することになる場合、金融部門の会社の株式を取得することを禁止
      する。しかし、財務大臣は、オーストラリアの国益であるという条件を満たす場合のみ、20%を超える持分をある者が保有
      することを承認することができる。当グループの株式について、かかる承認が与えられたことはない。
       2018  年財政法改正法(金融部門規制)に従い、金融部門の会社の保有比率の上限は2019年4月1日に15%から20%に変更
      された。
     3. 2001年会社法
       企業において議決権株式を取得する者は誰でも、会社法第6章に記載の株式取得条項の制限に従う。特定の例外を除き、
      会社法第606節は、取引を理由として、ある者もしくはその他の者のある会社における議決権が(i)20%以下から20%超
      へ、または(ii)20%超90%未満から、増加する場合、その者が当該会社の議決権株式の権益を取得することを禁止する。
       第606節の例外の1つは、ある者が取得前の6か月間を通して当該会社の最低19%の議決権を保有していた場合、その者が
      追加で3%の議決権を取得することを認める。
       会社法の目的上、ある者のある会社における議決権は、議決権株式に付属する投票総数であり、かかる議決権株式につき
      その者およびその関係者(広く定義される。)が当該会社の全議決権株式に付属する全投票数の比率に応じて「関連持分」
      を有している。広く言えば、特定の資格に従い、ある者が証券の保有者である場合、その者は証券の「関連持分」を保有
      し、証券に付与された議決権を行使する権利もしくは行使を支配する権利を持つ、または証券を処分する権利、もしくは処
      分する権利の行使を支配する権利を持つ。
       さらに、会社法に基づき、当行の実質的な持分の保有を始めるもしくは保有をやめる、またはある者が既に実質的持分を
      持っておりその持分に少なくとも1%の変動がある場合、かかる者は当行およびASXに特定の規定情報(氏名および住所、な
      らびに当行の議決権株式における関連持分の詳細を含む。)を知らせる通知を行う必要がある。かかる通知はおおむね、そ
      の者が情報を知った時から2営業日以内に行うものとする。
     上記1から3に記載の制限は、ANZの預託銀行により米国において発行される米国預託株式を表章するANZの米国預託証書
    (ADR)の所持人にも適用される。
    3【課税上の取扱い】

     本「3 課税上の取扱い」において、「本サムライ債」とは、ANZが発行し日本国内で募集が行われた本書日付現在未償還で
    あるサムライ債を意味し、「本売出債」とは、ANZが発行し日本国内で売出しが行われた本書日付現在未償還である売出社債を
    意味し、また「本社債権者(サムライ)」とは本サムライ債の所持人を、「本社債権者(売出し)」とは本売出債の所持人
    を、また「利札」は本サムライ債および本売出債に付された利札を意味するものとする。
     以下の記述は一般的な性質のものであり、現時点で効力のある規定に基づくものである。自身の税務上の立場について疑問
    がある本社債権者(サムライ)および本社債権者(売出し)は、それぞれの専門アドバイザーに相談すべきである。
     当行によるまたは当行を代理しての本サムライ債、本売出債および利札に関する元利金の支払いはすべて、オーストラリア
    連邦において、またはその課税権限を有する当局により課税、徴収、源泉徴収または賦課される一切の現在または将来の税
    金、関税、賦課金または公租を源泉徴収または控除することなく行われる。ただし、かかる源泉徴収または控除がオーストラ
    リア連邦法により要求されるまたはFATCA(以下に定義される。)のためにもしくはそれを理由として行われる場合を除く。か
    かる場合、慣習上の例外(FATCAのためにもしくはそれを理由として行われる源泉徴収または控除の場合を含む。)を除き、当
    行は、かかる源泉徴収または控除が要求されなかった場合受領するはずであった額を                                       本社債権者(サムライ)および本社債権
    者(売出し)が       受領することができるよう、追加額を支払うことに同意している。
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     「FATCA」とは、以下を意味する。
       ( ⅰ)  合衆国内国歳入法(または合衆国内国歳入法の修正もしくは継承法)第1471条ないし第1474条およびそれらの現在も
        しくは将来の規則もしくは公権解釈、
       ( ⅱ)  合衆国内国歳入法のかかる条項もしくは米国以外の法の類似規定のいずれかを実施することに関連して、政府間で締
        結された合意に従って採用された米国もしくは米国以外の財務または規制上の法制、規則、指針または実務、または
       ( ⅲ)  米国内国歳入庁、米国政府またはその他の法域の政府機関もしくは税務当局との、上記(ⅰ)または(ⅱ)の実施に従う
        合意。
     「合衆国内国歳入法」とは、1986年米国内国歳入法(その後の修正を含む。)を意味する。
     本売出債または本サムライ債に関するオーストラリアの課税上の立場の説明については、以下を参照のこと。
    (a)   本売出債の場合、随時補足および/または更新される、2022年11月16日付オーストラリア・ニュージーランド銀行
    60,000,000,000米ドル・ユーロ・ミディアム・ターム・ノート・プログラムのベース・プロスぺクタス「税制-オーストラリ
    ア」。
    (b)   本サムライ債の場合、当該本サムライ債の発行時において有効であり、随時補足または訂正される、当行がその時々に提
    出した訂正発行登録書または発行登録追補書類の「第一部-第1-1-摘要-I.(12)オーストラリアの租税」(またはそれに
    相当もしくは代替する項目)。
    4【法律意見】

     当行のオーストラリアの法律顧問であるアレンズ法律事務所により、当該法律意見書に記載の一定の前提および限定に基づ
    き、上記「第一部-第1-1、2および3」に記載されたオーストラリア連邦の法的事項に関する記載はすべての重要な点に
    おいて真実かつ正確である、との法律意見書が提出されている。
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    第2【企業の概況】
    1【主要な経営指標等の推移】

    連結財務情報
                      (単位:百万ドル(ただし、発行済株式数、1株当たり情報、比率および従業員数を除く。))
                              (下段は円換算額(1)(百万円(ただし、発行済株式数、1株当たり情報、
                                             比率および従業員数を除く。)))
                                                (-はマイナスを示す。)
                                    9月30日終了年度
                       2022  年度      2021  年度      2020  年度      2019  年度      2018  年度
     収入(2)(3)                    28,161        22,788        28,014        35,523        35,797
                       (2,681,772)        (2,170,101)        (2,667,773)        (3,382,855)        (3,408,948)
     税引前利益(3)                    10,079        8,936        5,516        8,920        9,895
                        (959,823)        (850,975)        (525,289)        (849,452)        (942,301)
     税引後利益(非支配持分を除く)                    7,119        6,162        3,577        5,953        6,400
                        (677,942)        (586,807)        (340,638)        (566,904)        (609,472)
     発行済株式総数
                      2,989,923,751        2,823,563,652        2,840,370,225        2,834,584,923        2,873,618,118
     (普通株式)
     株主資本(非支配持分を除く)                    65,907        63,665        61,287        60,783        59,265
     (4 )(5)(6)                 (6,276,324)        (6,062,818)        (5,836,361)        (5,788,365)        (5,643,806)
                        1,085,729        978,857       1,042,286        981,137        943,182
     資産合計(4)
                      (103,393,973)        (93,216,552)        (99,256,896)        (93,433,677)        (89,819,222)
     非支配持分を除く1株当たりの株主資
                                 22.55        21.58        21.44        20.62
                         22.04
     本(4)(5)(6)
                        (2,099)        (2,147)        (2,055)        (2,042)        (1,964)
     (単位:上段 ドル、下段 円)
     普通株式1株当たり配当額                     146        142        60       160        160
     (単位:上段 セント、下段 円)                    (139)        (135)        (57)       (152)        (152)
     普通株式1株当たり利益(基本)
                                 215.9        128.7        220.2        243.5
                         250.7
     (単位:上段 セント、下段 円)
                         (239)        (206)        (123)        (210)        (232)
     (3)(7)
     普通株式1株当たり利益(希薄化後)
                                 203.7        119.8        211.2        232.2
                         233.8
     (単位:上段 セント、下段 円)
                         (223)        (194)        (114)        (201)        (221)
     (3)(7)
     当行株主に帰属する普通株式1株当た
                         20.75        21.09        20.04        19.59        18.47
     り正味有形資産(単位:上段 ドル、
                        (1,976)        (2,008)        (1,908)        (1,866)        (1,759)
     下段 円)(4)(5)(8)
     資産合計に対する非支配持分を除く株
                         6.07%        6.50%        5.88%       6.20  %      6.28  %
     主資本(4)(5)(6)
     平均株主資本に対する純利益(損失)
                         11.4%        9.9%        5.9%       10.0  %      10.9  %
     (9)
     配当性向(10)
                         59.3%        65.3%        47.6%       76.2  %      72.1  %
     営業活動によるキャッシュフロー                    20,176        43,822        40,282        -4,550        10,566
                       (1,921,360)        (4,173,169)        (3,836,055)        (-433,297)       (1,006,200)
     投資活動によるキャッシュフロー                    -1,817        10,258       -11,465         -206        166
                       (-173,033)        (976,869)      (-1,091,812)         (-19,617)        (15,808)
     財務活動によるキャッシュフロー                    -2,345        -9,672        -432       -2,761        2,620
                       (-223,314)        (-921,065)        (-41,139)       (-262,930)        (249,503)
     現金および現金同等物の期末残高(11)                    168,132        151,260        107,923        81,621        84,964
                      (16,011,210)        (14,404,490)        (10,277,507)        (7,772,768)        (8,091,122)
     期末現在従業員数(フルタイム換算)
                         39,196        40,221        38,579        39,060        39,924
     (FTE)(単位:人)
    注:(1)   円換算額は、全報告期間について、1ドル=95.23円の換算率(2022年12月1日現在の株式会社三菱UFJ銀行公表の対顧客電信売相場)によ

        り換算されている。
      (2)  受取利息、その他営業収入、資産運用収入および保険事業収入純額ならびに関連会社投資の持分利益/損失を含む。支払利息および大手銀行税
        は考慮しない。
      (3) 数値および比率は継続事業ベースで表示されている。
      (4)  2019  年10月1日のAASB第16号の適用に伴い、当グループにおいて17億ドルのリース負債および16億ドルの使用権資産が認識された。その結果、
        2019年10月1日現在において、期首利益剰余金が8,800万ドル減少、繰延税金資産が3,700万ドル増加した。2019年度および2018年度の比較情報
        は修正再表示されていない。
      (5)  2018  年10月1日のAASB第9号「金融商品」を適用に伴い、当グループは、金融資産の減損について予想信用損失法を導入し、一定の金融資産の
        分類および測定も変更した。その結果、2018年10月1日現在において期首利益剰余金を通じて貸倒引当金が8億1,300万ドル増加した。2018年
        度の比較情報は修正されていない。
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      (6)  非支配持分を除く。非支配持分を含む株主資本合計は、次の通りである。2022年度664億100万ドル(約6兆3,230億円)、2021年度636億7,600
        万ドル(約6兆640億円)、2020年度612億9,700万ドル(約5兆8,370億円)、2019年度607億9,400万ドル(約5兆7,890億円)および2018年度
        594億500万ドル(約5兆6,570億円)。
      (7)  1株当たり利益は、AASB第133号「1株当たり利益」に基づいて2022年度に実施されたシェア・エンタイトルメントに基づく発行の無償要素を
        反映して修正再表示されている。
      (8)  正味有形資産は、当行株主に帰属する株式資本および準備金から未償却の無形資産(のれんおよびソフトウェアを含む。)を差引いた金額に等
        しい。
      (9)  純利益(損失)は、税引後法定利益と定義される(非支配持分を除く)。平均株主資本は、当該年度についての平均株主資本(非支配持分を除
        く。)と定義される。
      (10)  配当性向は以下の配当支払いに基づき計算されている。
                                                 (単位:百万ドル)
                                              (下段は円換算額(百万円))
                  2022  年度      2021  年度      2020  年度      2019  年度      2018  年度
                    2,012        1,992         709       2,267        2,317
        中間配当
                  (191,603)        (189,698)         (67,518)        (215,886)        (220,648)
                    2,213        2,030         994       2,268        2,295
        期末配当
                  (210,744)        (193,317)         (94,659)        (215,982)        (218,553)
                    4,224        4,022        1,703        4,535        4,612
        合計
                  (402,252)        (383,015)        (162,177)        (431,868)        (439,201)
      (11)  2018  年9月30日現在における売却目的保有の現金および現金同等物を含む。

    2【沿革】

     ANZ  の歴史は、1835年において特許状に基づきバンク・オブ・オーストラレーシアがロンドンにおいて設立された時まで遡る
    ことができる。バンク・オブ・オーストラレーシアは当初、1835年にオーストラリアのシドニーにおいて、および1838年には
    メルボルンにおいて開設された。
     1951  年、バンク・オブ・オーストラレーシアは、ユニオン・バンク・オブ・オーストラリア(1837年設立)と合併し、オー
    ストラリア・アンド・ニュージーランド・バンク・リミテッド(ANZ銀行)となった。1970年には、現在の組織であるオースト
    ラリア・アンド・ニュージーランド・バンキング・グループ・リミテッドを形成するために、ANZ銀行がイングリッシュ・スコ
    ティッシュ・アンド・オーストラリアン・バンク・リミテッド(1852年設立)と合併した。ANZは1969年に英国において設立さ
    れ、同年にオーストラリア証券取引所に上場された。1977年、設立地がオーストラリアに移転された。
     2022  年において、ANZは、純粋持株会社(NOHC)を設立し、当グループの再編を行うことを提案した旨発表した。2022年12月
    15日にNOHCに関する提案はANZ株主に承認され、その他すべての条件も充足されている。NOHC設立および再編は2023年1月頃に
    完了する予定である。提案されている純粋持株会社および関連する再編についての詳細については、下記「3 事業の内容-
    (5)純粋持株会社」を参照のこと。
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    3【事業の内容】
    (1)   概 要
     オーストラリア・ニュージーランド銀行(「ANZBGL」)およびその子会社(合わせて「当グループ」)は、オーストラリア
    での営業を1835年に、またニュージーランドでの営業を1840年に開始した、オーストラリアに本店を置く4大銀行グループの
    1つである。ANZBGLはオーストラリアで設立された株式公開会社であり、1977年7月14日にヴィクトリア州において登録され
    た。ANZBGLの登記上の本店はオーストラリア、ヴィクトリア州3008、ドックランズ、コリンズ・ストリート833、9階に所在
    し、電話番号は+61         3 9683   9999である。ANZBGLのオーストラリア企業番号はABN                         11  005  357  522である。
     当グループは、幅広い銀行業および金融商品およびサービスをリテール、小規模企業、コーポレートおよび法人顧客に提供
    する。地理的には、オーストラリア、ニュージーランド、アジア太平洋地域の複数の国々、英国、フランス、ドイツおよび米
    国にかけて営業を行っている。
     2022  年9月30日現在、当グループの資産合計は1兆857億ドルであり、非支配持分を除く株主資本は659億ドルであった。当グ
                                                (1)
    ループは、銀行グループのうち資産合計の面で、2022年9月30日現在オーストラリアで第2位                                             、2022年9月30日現在ニュー
              (2)
    ジーランドで第1位          であった。
     ANZBGL   の普通株式の主たる上場証券取引所はオーストラリア証券取引所(ASX)である。ANZBGLの普通株式はまた、ニュー
    ジーランド証券取引所(「NZX」)でも値付けされている。2022年9月30日の取引終了時点において、ANZBGLの時価総額はおよ
                                     (3)
    そ682億ドルであり、これはASXに上場されている会社で第6位であった                                  。
     2022  年度中に発表したとおり、ANZBGLは、純粋持株会社を設立し、関連する再編を行うが、これらは2023年1月頃に完了す
    る見込みである。この純粋持株会社および関連する再編の提案(当グループの上場に対する影響を含む。)に関するより詳し
    い情報については、下記           「 (5)  純粋持株会社」       の項を参照のこと。
     2022  年7月18日、ANZBGLは、サンコープ・バンクの直接の純粋持株会社であるエスビージーエイチ・リミテッドの株式の
    100%を買収することを提案した。この買収は、最短12か月の完了期間およびその他の条件を満たす必要がある。この買収に関
    するより詳しい情報については、下記                 「 (6)  サンコープ・バンク買収」            の項を参照のこと。
     (1)  出典:オーストラリア・コモンウェルス銀行の                      2022  年6月30日終了事業年度に関する業績発表。ナショナル・オースト

       ラリア銀行の      2022  年9月30日終了事業年度に関する業績発表。ウェストパック・バンキング・コーポレーションの                                             2022
       年9月30日終了事業年度に関する業績発表。
     (2)  出典:   2022  年9月30日終了の四半期に関する                 ニュージーランド準備銀行(RBNZ)の銀行財務力ダッシュボード
       (https://bankdashboard.rbnz.govt.nz/summary)                        。
     (3)  出典:IRESS(2022年9月30日現在)
    (2)   ビジネス・モデル

     当グループのビジネス・モデルは主に、顧客預金およびホールセール債券市場を通じて資金を調達し、当該資金を顧客に貸
    し出すことからなる。さらに、当グループは、セールス、トレーディングおよびリスク管理業務から収益を得るマーケッツ事
    業を営んでいる。当グループはまた、支払および決済ソリューションも提供している。
     当グループの主な貸付業務は、居住用住宅ローン、クレジットカードおよび当座貸越を扱う個人ローンならびにコーポレー
    トおよび法人顧客への貸付である。
     当グループの収入は多数の収入源によるものであるが、主なものは以下のとおりである。
     ・ 純利息収益-当グループが貸付業務で得た受取利息と顧客預金およびホールセール資金調達に関して支払った利息との
       差異を示す。
     ・ 受取手数料(純額)-貸付で得た手数料収入ならびに金融商品およびサービスに関連した貸付以外で得た手数料収入を
       示す。資産運用収入を含む
     ・ 関連会社投資の持分利益-当グループが支配はしていないが重大な影響力を有する事業体に係る当グループの持分利益
       を示す。
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     ・ その他収入-保険手数料、マーケッツ事業におけるセールス、トレーディングおよびリスク管理業務から生じた収益、
       外国為替収入純額、経済ヘッジ損益ならびに収益および費用ヘッジ損益ならびに事業の売却および閉鎖による損益を含
       む。
    (3)   戦 略

     当グループの戦略は、顧客の財務的安定および持続可能性を改善することに注力しており、そのために、顧客を獲得して維
    持し、顧客の行動を積極的に変革するような優れたサービスおよび手段と洞察を提供している。
     とりわけ、当グループは、次のことを支援したい。
     ・ 顧客が貯蓄をし、住み心地のよい住宅を購入および所有すること
     ・ 顧客が事業を開始または買収して成長させ、持続可能な形で成長させること
     ・ 顧客が地域内で資本および物品を流通させ、持続可能な形で顧客のビジネスを成長させること
     当グループは、次のことを通じて、その戦略を達成しようとしている。
     ・   命題   当グループの顧客は、絶えず変化するそのニーズを満たすべく進化するサービスを、容易に利用できることを好
       む。データをよりよく活用することにより、当グループは、顧客および顧客がその生存期間にわたり財務的健全性と持
       続可能性をいかに改善することができるかについて価値ある洞察を提供することができ、より優れた命題を設定するこ
       とも可能となる。
     ・ 顧客を強化するとともに、他の者が産業を強化するためにも利用することのできる、柔軟で回復力のあるデジタル・バ
       ンキング・     プラットフォーム         このプラットフォームは、当グループ自身の命題の土台となるとともに、当グループの
       顧客、特に他の銀行や機関法人をさらに下支えしようとするものである。
     ・ 新しい価値をもたらす            パートナーシップ         これは顧客がその財務的健全性と持続可能性をさらに改善するのに役立つエ
       コシステムを伴うものである。我々は、いかなる単一の機関もすべてのことを行い、顧客のニーズを満足するのに必要
       なペースでイノベーションを行うことはできず、したがって他のパートナーとの強固な関係は不可欠のものであると認
       識している。
     ・  目的  と価値に導かれる人々 これらの人々は、当グループの顧客および当グループが創出する結果を大切にすることに
       より、その価値を駆り立てる。当グループの人員は、他者の意見を聞き、学び、かつ適応し、最初に適切な事柄を成し
       て、財務的健全性と持続可能性の挑戦に向けた結果をもたらそうとする。
     当グループの顧客の財務的健全性と持続可能性を確立することは、利益の積極的な循環を生む。それ                                               は、顧客に対して直接
    の利益を与えるとともに、株主利回りをも増大させ、強力かつ積極的な評判につながり、究極的に顧客獲得のコストが低下す
    ることを意味する。また、それはロイヤルティ(忠誠)を増大させ、そのことがさらにより良いリターンを創出する-すなわ
    ち、より多くの資本が供給されて、当グループはより良い銀行の確立のために投資することができ、かつ当グループの顧客の
    生活を改善する活動を継続することができる。
    (4)   当グループの主な活動

     下記「第3 事業の状況-3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-                                                A.当年度の経営成
    績の要説-(3)       部門別業績」      に概要が記されている部門構造の変更により、当グループは、オーストラリア・リテール部門、
    オーストラリア商業部門、法人部門、ニュージーランド部門、パシフィック部門、ならびにグループ・センター部門の6つの
    部門からなる部門構造で事業を営む。
     下記に報告される部門は、AASB第8号「事業セグメント」に定義される事業セグメントおよび事業の最高経営意思決定者が
    最高経営責任者であるために提供を受ける内部報告と一致する。
     2022  年9月30日現在、6つの部門の主要な活動は以下のとおりであった。
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    オーストラリア・リテール
     オーストラリア・リテール部門は、                 オーストラリアの個人顧客に、あらゆる銀行サービスを提供する。これには、住宅ロー
    ン、預金、クレジットカードおよび個人ローンが含まれる。商品およびサービスは、支店網、住宅ローン・スペシャリスト、
    コンタクト・センターおよび様々なセルフサービス・チャネル(デジタル・バンキングおよびインターネット・バンキング、
    ウェブサイト、ATMおよびテレフォン・バンキング)、および外部のブローカーを通じて提供される。これにはまた、リテール
    顧客向けに提案するANZプラスの企画の開発および運営に関する費用も含まれる。
    オーストラリア商業

     オーストラリア商業部門は、小規模企業主および中規模商業顧客(中小企業(SME)バンキング)ならびに大規模商業顧客、
    および富裕層の個人顧客および同族グループ(スペシャリスト事業)という顧客セグメントに対し、アセット・ファイナンス
    を含むあらゆる銀行商品および金融サービスを提供する。
    法 人

     法人部門は、オーストラリア、ニュージーランドおよび国外の政府、世界中の機関投資家および法人企業に対して、以下の
    事業ユニットを通じてサービスを提供する。
     ・ 「トランザクション・バンキング」は、顧客に対して、ドキュメンタリー取引、サプライチェーン・ファイナンス、コ
       モディティ・ファイナンス、キャッシュ・マネジメント・ソリューション、預金、支払、決済など運転資本および流動
       性ソリューションを提供する。
     ・ 「コーポレート・ファイナンス」は、顧客に対して、ローン商品、ローン・シンジケーション、スペシャライズド・
       ローンのストラクチャリングおよび執行、プロジェクトおよび輸出向けファイナンス、デット・ストラクチャリングお
       よび買収関連ファイナンス、コーポレート・アドバイザリー・サービスを提供する。
     ・ 「マーケッツ」は、顧客に対して、当グループの金利エクスポージャーおよび流動性ポジションを管理する他、為替、
       金利、クレジット、コモディティおよびデット・キャピタル・マーケットに係るリスク・マネジメント・サービスを提
       供する。
    ニュージーランド

     ニュージーランド部門は、以下の事業ユニットで構成される。
     ・ 「パーソナル」は、あらゆる銀行サービス、ウェルス・マネジメント・サービスを個人およびプライベート・バンキン
       グの顧客に提供する。インターネットとアプリベースのデジタル・ソリューションおよび支店網、モーゲージ・スペ
       シャリスト、リレーションシップ・マネジャーおよびコンタクト・センターを通じてサービスを提供する。
     ・ 「ビジネス」は、デジタル、支店およびコンタクト・センターのチャネルを通じた小規模事業バンキング、また、従来
       のリレーションシップ・バンキング、ならびに専任のマネジャーを通じての高度な金融ソリューションなど、あらゆる
       銀行サービスを提供する。これらは、未上場の小規模、中規模、大規模企業、農業事業セグメント、政府および政府関
       連企業を対象としている。
    パシフィック

     パシフィック部門は、個人、中小企業、法人顧客、パシフィック諸島の政府に商品・サービスを提供する。商品・サービス
    は、消費者に提供するリテール商品、従来型のリレーションシップ・バンキング、専任のマネジャーを通じて企業に提供する
    高度な金融ソリューションなどである。
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    グループ・センター
     グループ・センターは、テクノロジー、資産、リスク・マネジメント、財務管理、戦略、マーケティング、人事、コーポ
    レート業務などのオペレーティング部門をサポートする。グループ・センターには、当グループの事業売却の残留事業、グ
    ループ・トレジャリー、シェアホルダー・ファンクションズ、アジアにおける少数投資およびデジタル・ビジネスも含む。
    (5)   純粋持株会社

     この項では、定義された用語は、文脈により別の意味を有すべき場合を除き、本項末尾の「定義語」に記載された意味を有
    するものとする。本書日付現在の提案された純粋持株会社に関する最新の情報については、本スキームおよびそれに関連する
    残りの重要な日程を含めて、下記「(7) 最近の進展」の項を参照のこと。
    再編
     2022  年度中に発表したとおり、ANZBGLは、スキーム・オブ・アレンジメントによりANZグループの新たな上場持株親会社とし
    て、純粋持株会社であるANZ             NOHCを設立し、かつ、ANZの銀行事業および非銀行事業をANZ銀行グループとANZ非銀行グループに
    分離するための再編を実施する。ANZ銀行グループは、現在のANZBGLとその子会社の大部分から構成される。ANZ非銀行グルー
    プは、ANZグループが開発または買収した銀行関連事業を担うこととなる。ANZグループは、新しいテクノロジーや銀行関連
    サービスを、ANZグループの顧客に提供する方法を追及し続ける。さらに、別のサービス会社も設立する予定である。
     本書日付時点で、本スキームおよび本事業再編に関するすべての条件は満たされており、2023年1月頃にそれらは実施され
    る予定である。本書日付現在、そして本再編が完了するまでは、ANZBGLは、多くの株主に所有されたオーストラリア証券取引
    所に上場された公開会社であり続ける予定である。
    再編の概要
     本再編は、本スキームおよび本事業再編により実施される。本再編後のANZグループの構成は、下記の図に示すとおりであ
    る。
     (a)  ANZ  グループの新たな上場親会社としてANZ                  NOHCを設立するスキーム
       本スキームでは、ANZ            NOHCはANZグループの新たな上場親会社となり、ANZの全株式を取得し、ANZBGLの適格株主に対して
       ANZ  NOHC株式を一対一の割合で発行する。
     (b)  事業再編
       本スキームが実施された後、ANZグループは、本事業再編を実施し、特定の事業および資産を分離することを提案してお
       り、これは、その内部において様々な株式および資産の譲渡ならびにその他の法人の行為によって実行される予定であ
       る 。本事業再編の主な過程は、以下のとおりである。
       ・ ANZBGLは、1835i信託の受益権、ワールドライン(Worldline)とのワールドライン加盟店獲得業務(アクワイアリ
         ング)ジョイント・ベンチャーの非支配持分、ならびにライゴン(Lygon)、ティーアイエヌ(TIN)およびポリ
         ネーション(Pollination)のエクイティ持分を、ANZ非銀行持株会社に譲渡する。
       ・ ANZBGLは、ANZセンター・トラスト、ANZセンター・チャテルズ・トラスト、一部の什器備品(リース物件改良資産
         を含む。)およびANZセンターの持分をANZサービス会社に譲渡する。
       ・ ANZBGLは、ANZ銀行持株会社、ANZ非銀行持株会社およびANZサービス会社の全株式をANZ                                          NOHCに譲渡する。
       ・ ANZ    NOHCは、ANZBGLの全株式をANZ銀行持株会社に譲渡する。
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                (1)
     (c)  本再編前の組織構造
                (2)





     (d)  本再編後の組織構造
     (1)  当該図は、簡素化されており、ANZグループのすべての子会社およびANZのすべての持分を示しているものではない。ANZ







       の株主への言及は、ANZの株式を表象するANZ                     ADSの保有者も含んでいることに留意されたい。
     (2)  当該図は、簡素化されており、ANZグループのすべての子会社およびANZのすべての持分を示しているものではない。ANZ
       NOHCの株主への言及は、ANZ             NOCHの株式を表象するANZ            NOHC   ADSの保有者も含んでいることに留意されたい。
    APRA  の規制要件
     (a)  再編後のAPRAの規制
       本再編の一環として、ANZの健全性ポリシーの枠組みは、本再編後のANZグループに対するAPRAの規制を反映するように調
       整される。本再編後のAPRAによるANZグループに対する規制の概要は以下のとおりである。
       ・ ANZ    NOHCは、APRAの       認可  を受けた純粋持株会社(認可純粋持株会社)となる。ANZ                           NOHCは、下記(c)の項で要約した
         認可条件(特定の資本要件を含む。)を遵守することが求められる。認可純粋持株会社とし                                          て、  1959  年銀行法(オー
         ストラリア連邦)および           APRA   の健  全性基準に基づく規制にも服することになる。レベル3のグループの最上位の法
         人としては、ANZグループ(ANZ銀行グループおよびANZ非銀行グループの関連メンバーを含む。)全体に、APRAの一
         定の健全性基準が適切に適用されることを確保することが要求されることになる。
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       ・ ANZ銀行グループは、銀行業務を行うANZグループの事業体(ANZBGLおよびANZニュージーランドを含む。)により構
         成 される   。ANZ銀行グループは、引き続き、自己資本比率や流動性に関する基準など、公認預金受                                        入機関(    ADI  )にか
         かる  APRA  の 健全性基準や報告基準全般の適用を受けることになる。
       ・ ANZ非銀行グループは、ANZグループのうち、ANZ銀行グループ以外の事業体で構成される。APRAの認可に関する要件
         (詳細は後記(b)項および(c)項を参照。)に従うことを条件としつつ、かかる事業体には、現在ANZBGLに適用                                                  されて
         いる銀行の自己資本比率規制や流動性規制といっ                       た ADI  特有の   規制は適用されないことになる。前記のとおり、ANZ
         NOHCは、ANZグループやANZの顧客を保護するために適切であるとANZ                                NOHCが判断した場合、またはAPRAがANZ                  NOHCに
         要求した場合、ANZ非銀行グループの関連メンバーも含め、APRAの一定の健全性基準をANZグループ全体に適切に適用
         することが求められることになる。
       当初の段階では、ANZのリスク管理枠組みは、現行のリスク管理の枠組みと実質的に同じ形で、本スキームの実施後のANZ
       グループに適用される予定である。ただし、ANZのリスク管理の枠組みおよびリスク選好度の声明は、ANZ非銀行グループ
       (ANZサービス会社を含む。)の発展に伴い、時間の経過とともに調整される可能性がある。
     (b)  APRA  の資本規制
       本再編後、ANZ         NOHCは、ANZ銀行グループとANZ非銀行グループの両方を含むANZグループ全体のリスクを反映した十分な
       資本を保有することが要求されることになる。
       ANZグループの所要自己資本は、ANZ銀行グループとANZ非銀行グループの所要自己資本の合計となる。ANZ銀行グループの
       所要自己資本は、引き続き現行のAPRAの要件によって決定される。ANZ非銀行グループの所要自己資本は、独立して検証
       され、ANZ     NOHCの取締役会が承認する経済資本の枠組みとモデルを用いて評価される予定であり、独立して確保すること
       になる。
     (c)  APRA  の条件
       ANZ    NOHCは、APRAの規制下に置かれ、銀行法ならびにAPRAの健全性基準および報告基準に基づく義務を負うことになる。
       APRAによるANZ       NOHCの銀行法上の純粋持株会社としての認可は、以下の事項を含む一定の条件付きで行われる。
       ・ ANZ銀行持株会社          および   ANZBGL   は、ANZ    NOHCまたはANZ非銀行グループの事業体のいずれの取締役会メンバーでもない
         独立取締役一名を有しなければならない。
       ・ ANZ    NOHC自身は、例えば、ANZグループ全体に対する経営指導、子会社への投資の保有、子会社への投資や支援、自
         己の  活動  または健全性義務を遵守するために必要なその他の活動を行うための資金調達、その他APRAが承認した活動
         以外の活動を行ってはならない。
       ・ ANZ    NOHCは、    ANZ  非銀行グループにおいて重要な活動を開始する前に、APRAから異議がない旨の確認を得なければな
         らない。
       ・ ANZBGLは、自身の運営に必要なすべての機能の保有を維持するかまたは利用可能なものとしなくてはならない。
       ・ ANZグループの非規制業務は、ANZBGLとは、財務上も運営上も分離可能なものとしなくてはならない。
       ・ ANZ    NOHCは、ANZ非銀行グループがADIに過度のリスクをもたらす活動を行わないことを確保しなければならない(ま
         た、APRAがADIに過度のリスクをもたらすと書面で通知した活動については、ANZ銀行グループがANZ非銀行グループ
         に移転することを確保しなければならない)。
       APRA  は、適切と判断した場合にはいつでもこれらの条件を見直し、変更することができる。
    RBNZ  の規制要件
     ANZ  NOHC  およびANZ銀行持株会社は、RBNZの規制対象事業者にはならない。本再編により、ANZBGLおよびANZ                                              ニュージーラン
    ド (またはANZニュージーランドの子会社)に対するRBNZの規制に大幅な変更が生じることはないと予想される。
    その他の規制の影響
     本再編後も、多くの規制当局がANZグループ(ANZ銀行グループおよびANZ非銀行グループの両方を含む。)に対する監督およ
    び規制を継続する。オーストラリアでは、これらの規制当局には以下のものが含まれる。
     ・ オーストラリア証券投資委員会                 -  会社および証券の事項に関連するもの
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     ・ オーストラリア取引報告分析センター                    -  マネーロンダリング防止およびテロ資金対策法に関連するもの
     ・ オーストラリア情報コミッショナー事務局                      -  情報法に関するプライバシーおよび自由に関連するもの
     米国では、これらの規制当局には米国連邦準備制度が含まれる(詳細については「(8)監督および規制-アメリカ合衆国(米
    国)」を参照)。
     上述のとおり、ANZ非銀行グループは、銀行やADIの特定の規制の対象とはならない。しかし、ANZ非銀行グループの活動が
    ANZの顧客に対する商品・サービスの提供を伴う限りにおいては、ANZは、利益相反や顧客データ保護に関するものを含む様々
    な法律および規制を(現在と同様に)引き続き遵守する必要がある。
    ガバナンス
     (a)  ANZ  NOHC  の定款
       ANZ    NOHCの定款は、ANZ         NOHCの株主の権利と義務を規定する主要な文書となる。ANZ                            NOHCの定款の条項は、現行のANZBGL
       定款と実質的に同じものとなる。
     (b)  ANBGL   の定款
       ANZBGLの定款は、引き続き有効であり、本再編の一環として変更されることはない。ANZBGLの定款は、ANZBGLの完全子会
       社としての地位を反映するために将来変更されることがある。
     (c)  取締役会の委員会規程およびガバナンス方針
       ANZ    NOHCグループの取締役会の委員会規程およびガバナンス方針の条項は、現行のANZグループの取締役会の委員会規程
       およびガバナンス方針と実質的に同じ形式および構造が採用される予定であるが、本再編後のANZグループの構造を反映
       するために一定の変更が加えられることがある。
    配当、DRPおよびBOP
     本再編が実施された後、ANZ             NOHCの株主は、現在保有するANZ株式と同じ配当権を有することになる。
     本再編自体においては、以下の事項は想定されていない。
     ・ ANZグループの配当支払能力に影響すること
     ・ ANZの配当支払率(配当として株主に支払われる利益の百分率)に影響すること
     ・ 配当金に関して適用可能なフランキング・クレジットの額に影響すること(ANZ                                        NOHCの株主へのフランキング・クレ
       ジット付与能力に影響を与えることも想定されていない)。
     本スキーム     の実  施に際し、ANZ       NOHCは独自の配当再投資制度(DRP)およびボーナス・オプション制度(BOP)を設定する予
    定である。これらは、現在のANZのDRPおよびBOPと実質的に同じ条件となる予定である。
    本再編のANZBGLの証券への影響
     (a)  優先債券およびANZ         RMBS
       ANZのシニア債およびANZの住宅モーゲージ裏付証券(RMBS)は、本再編の影響を受けない。本スキームの実施後も、ANZ
       のシニア債およびANZ          RMBSは、現在と同じ条件で発行されたままとなり、上場されている場合には、現在と同じ取引所に
       上場され続ける。
     (b)  ANZ  規制資本証券
       本スキーム     の実施後も、ANZ規制資本証券(ANZキャピタルノートを含む。)は、その条件に従って償還、転換または償却
       されるまで、ANZBGLが発行したものとして維持され、(該当する場合は)新しいASXコードでASXにおける上場取引が継続
       する。本スキームの実施後も、ANZBGLは、ASXコード「AN3」で、債券上場企業としてASXに上場され続ける(ANZ株式につ
       いては、ASXでの上場取引は行われなくなる)。
       本スキーム後、ANZBGLの普通株式の上場取引は行われないため、ANZ規制資本証券の転換が必要な場合、ANZ                                                    NOHC株式へ
       の転換が行われる。ANZBGLは、転換時の普通株式の発行者をANZ                              NOHCに変更するため、各ANZ規制資本証券の関連条項を
       修正する。
     (c)  米国預託株式
       本スキームが承認され、実施された後、ANZの米国預託株式の保有者は、                                    効力発生日     時点で保有するANZの米国預託株式
       1 枚につき、ANZ         NOHC株式1株に相当するADS1枚を受領することになる。
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     定義語
     上記の「純粋持株会社」の項における定義語は、以下の意味を有する。
     ADI  とは、銀行法に基づいて認可された公認預金受入金融機関を意味する。
     ADS  とは、米国預託株式(American               Depositary      Shares)を意味し、ANZの米国預託株式およびANZ                       NOHCの米国預託株式を含
    み、ADSはそのいずれかを意味する。
     ANZ  とは、文脈上によりANZBGLまたはANZ                 NOHCを意味する。
     ANZ  ADS  預託契約    とは、ANZBGL、ANZ         ADSの預託機関およびANZ            ADS保有者の間の2018年12月11日付修正再録預託契約を意味す
    る。
     ANZ  ADS  保有者   とは、ANZBGL株式を表章するADSの所有者および保有者を意味する。
     ANZ  ADS  とは、ANZBGL株式を表章するADS(それぞれをANZ                       ADS)を指し、ANZ         ADS1枚はANZ株式1株を表章する。ANZ                  ADSの条
    件はANZ    ADS預託契約に記載されている。
     ANZ  銀行持株会社      とは、ANZ銀行グループの子会社(ANZBGLおよびANZニュージーランドを含む。)を保有する、ANZ                                             NOHCが保
    有する事業を行わない中間持株会社であるANZ                     BH  Pty  Ltd(オーストラリア会社番号(ACN)658                   939  952)を意味する。
     ANZ  銀行グループ      とは、ANZ銀行持株会社が保有する全ての事業および事業体(ANZBGLおよびANZニュージーランドを含む。)
    を意味する。
     ANZ  DRP  とは、ANZBGLの配当再投資制度を意味する。
     ANZBGL   とは、オーストラリア・ニュージーランド銀行(                       Australia     and  New  Zealand    Banking    Group   Limited)    ( ACN  005  357
    522  )を意味する。
     ANZBGL   グループ    とは、ANZBGLおよびその各子会社を意味する。
     ANZ  キャピタルノート        とは、ANZキャピタルノート3、ANZキャピタルノート4、ANZキャピタルノート5、ANZキャピタルノー
    ト6およびANZキャピタルノート7を意味する。
     ANZ  キャピタルノート        3 とは、ANZBGLがニュージーランド支店を通じて2015年2月5日付の目論見書(2015年1月23日付の目
    論見書に代わるもの)に基づき発行した全額払込済み転換社債を意味する。
     ANZ  キャピタルノート        4 とはANZBGLが2016年8月24日付の目論見書(2016年8月16日付の目論見書に代わるもの)に基づき発
    行した全額払込済み転換社債を意味する。
     ANZ  キャピタルノート        5 とはANZBGLが2017年8月24日付の目論見書(2017年8月16日付の目論見書に代わるもの)に基づき発
    行した全額払込済み転換社債を意味する。
     ANZ  キャピタルノート        6 とは、ANZBGLが2021年6月9日付の目論見書(2021年6月1日付の目論見書に代わるもの)に基づき
    発行する全額払込済み転換社債を意味する。
     ANZ  キャピタルノート        7 とは、ANZBGLが2022年2月23日付の目論見書(2022年2月15日付の目論見書に代わるもの)に基づき
    発行する全額払込済み転換社債を意味する。
     ANZ  グループ    とは、文脈に応じて、ANZBGLグループまたはANZ                      NOHCグループ全体(全事業を含む。)を意味する。
     ANZ  NOHC  とは、ANZグループ・ホールディングス・リミテッド(ANZ                            Group   Holdings     Limited)(ACN       659  510  791)を意味す
    る。
     ANZ  NOHC  グループ    とは、再編後にANZ         NOHCが保有または支配する全ての事業(ANZ銀行持株会社、ANZBGL、ANZサービス会社
    およびANZ非銀行持株会社を含む。)を意味する。
     ANZ  非銀行グループ       とは、ANZサービス会社およびANZ非銀行持株会社が保有する全ての事業や団体を指し、ANZの1835i信託の
    受益権、ワールドライン加盟店獲得(アクワイアリング)ジョイント・ベンチャーの非支配持分、ならびにライゴン
    (Lygon)、ティーアイエヌ(TIN)およびポリネーション(Pollination)のエクイティ持分が含まれる。
     ANZ  非銀行持株会社       とは、ANZ     NBH  Pty  Ltd(ACN     658  941  096)を指し、ANZ         NOHCが保有する事業を行わない中間持株会社
    で、特定の非銀行子会社を保有する予定である。
     ANZ  条件付転換永久劣後証券           とは、ANZBGLのロンドン支店が2016年6月15日に発行した6.75%固定金利調整条件付転換永久劣
    後証券を意味する。
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     ANZ  規制資本証券      とは、ANZキャピタルノート、ANZ条件付転換永久劣後証券、およびANZBGLがその債務プログラムに基づき機
    関投資家に発行するTier            2負債証券を意味する。
     ANZ  RMBS  とは、ANZBGLのキングフィッシャー・プログラムに基づき設立された証券化信託の受託者が発行する住宅モーゲー
    ジ・バック証券を意味する。
     ANZ  シニア債    とは、ANZBGLが発行する負債証券(ANZ規制資本証券を除く。)を意味し、カバード・ボンドおよびシニア・ボ
    ンドを含む。
     ANZ  サービス会社      とは、ANZ     Group   Services     Pty  Ltd  (ACN   658  940  900)を意味する。
     ANZ  株式  とは、ANZBGLの資本を構成する全額払込済み普通株式を意味する。
     ANZ  株式  登録簿   とは、オーストラリア会社法に従って管理されるANZBGLの名簿を意味する。
     ASX  上場規則    とは、ASXの正式な上場規則を意味する。
     BOP  とは、ボーナス・オプション制度を意味する。
     本事業再編     とは、本スキームの実施後に実施される事業再編を意味する。
     FSSA  とは、オーストラリアの1998年金融セクター(株式保有)法を意味する。
     政府機関    とは、外国またはオーストラリアの政府、または政府、準政府、行政、財政または司法機関、部署、委員会、当
    局、法廷、庁または団体(株式取引所またはその他の証券取引所を含む。)、オーストラリア連邦または州の権利を有する王
    室の大臣、または外国またはオーストラリアのその他の連邦、州、地方、その他の政府を意味する。
     ライゴン(Lygon)         とは、Lygon      1B  Pty  Ltd(ACN     633  568  411)を意味する。
     ポリネーション(Pollination)               とは、イングランドおよびウェールズの法律に基づいて設立された会社であるポリネーショ
    ン・グローバル・ホールディングス・リミテッド(Pollination                               Global    Holdings     Limited)(会社番号11892654)を意味す
    る。
     規制当局    には以下のものが含まれる。
     1.  ASX  とASIC
     2.  APRA  および連邦財務大臣(FSSAに基づき行動する)。
     3.  RBNZ
     4.  海外投資庁(ニュージーランド)
     5.  米国連邦準備制度
     6.  オーストラリア税務局
     7.  政府機関
     8.  政府の大臣、部局、部署、委員会、受任機関、代行機関、庁、役員会、当局、または組織、ならびに
     9.  法令に基づき設立された規制機関
     本再編   とは、上記の       1)本スキームおよび          2)本事業再編によって実施されるANZグループの再編を意味する。
     本スキーム     とは、ANZBGLとスキーム株主との間のオーストラリア会社法第5.1節に基づくスキーム・オブ・アレンジメントを
    意味する。
     スキーム基準日       とは、効力発生日から2営業日目の午後7時を意味し、                          現時点では     2022  年12月22日の午後7時が想定されて
    いる。
     スキーム株主      とは、スキーム基準日時点でANZ株式登録簿に記録されているANZ株式の保有者を意味する。
     ティーアイエヌ(TIN)           とは、イングランドおよびウェールズの法律に基づいて設立された会社であるTrade                                        Information
    Network    Limited    Company(No.12210032)を意味する。
     財務大臣    とは、FSSAに基づく財務大臣を意味する。
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    (6)   サンコープ・バンク買収
     2022  年7月18日、ANZは、サンコープ・バンクの直接の純粋持株会社であるエスビージーエイチ・リミテッド(SBGH
    Limited)の株式の100%を取得することに合意したことを発表した。この買収は、最低12か月の完了期間と、連邦財務大臣の
    承認、オーストラリア競争・消費者委員会の認可または承認、クイーンズランド州の1996年州金融機関およびメトウェイ合併
    法の改正といった一定の条件を満たすことが条件とされている。両当事者が別途合意しない限り、かかる条件が満たされる最
    終期日は契約締結後24か月である(その後、当事者のいずれも契約を終了させることができる。)。最終的な買収金額は、完
    了時の調整により、49億ドル超または未満となる可能性がある。また、ANZは、サンコープ・バンクのその他Tier                                                    1キャピタル
    ノートを額面金額(2022年6月現在で6億ドル)で取得する予定である。完了は2023暦年の後半が予定されている。
    (7)   最近の進展

    消費者信用保険に関する集団訴訟の和解合意について
     2022  年11月14日、ANZBGLは、2020年にスレーター・アンド・ゴードン(Slater                                  & Gordon)が同社に対して提起した集団訴訟
    の和解に合意したことを発表した。この集団訴訟は、ANZBGLを含む複数の当事者に対するもので、3つの消費者信用保険商品の
    販売に関連するものである。ANZBGLは、和解金として4,200万豪ドルを拠出するが、これは2022年9月30日時点で保有する引当
    金でカバーされる。この和解は、法的責任を認めるものではなく、裁判所の承認を条件とする。
    ANZ  の株主は純粋持株会社を設立するためのスキーム・オブ・アレンジメントに賛成

     2022  年12月15日、ANZは、ANZグループの新たな上場親会社として、ANZグループ・ホールディングス・リミテッド(「ANZ
    NOHC」)を設立し、ANZの銀行事業と一部の非銀行事業を2つのグループに分離するスキーム・オブ・アレンジメントに対し
    て、ANZの株主が賛成票を投じたことを発表した。
    オーストラリア連邦裁判所は純粋持株会社を設立するためのスキーム・オブ・アレンジメントを承認

     2022  年12月19日、ANZは、オーストラリア連邦裁判所が、ANZグループの新たな上場親会社として、ANZ                                             NOHCを設立し、ANZの
    銀行事業と一部の非銀行事業を2つのグループに分離する本スキームを承認する命令を行ったことを発表した。
    純粋持株会社を設立するスキーム・オブ・アレンジメントが法的に有効となる

     2022  年12月20日、ANZは、2001年会社法第411節(10)に従い、本スキームを承認する当該裁判所による命令をオーストラリア
    証券投資委員会(「ASIC」)に正式に提出したことを発表した。
     したがって、本スキームは現在法的に有効となっている。ASXおよびNZXにおけるANZ株式は、2022年12月20日の取引終了時か
    ら停止される。ASXでの取引について値付けされているANZ規制資本証券は、2022年12月20日の取引終了時から現在のコードに
    よるASXでの取引が停止される。
     2022  年12月21日、ASXにおいて、ANZ               NOHC株式の取引が繰延決済で開始される。2022年12月21日、NZXにおいて、ANZ                                     NOHC株
    式の取引が停止される。ASXでの取引について値付けされているANZ規制資本証券については、2022年12月21日、新しいASXコー
    ドによる取引が(繰延決済で)開始される。適格ANZ株主は、保有するANZ株式1株に対してANZ                                             NOHC株式1株を受領する。非
    適格外国ANZ株主はANZ           NOHC株式を受領しないが、売却代理人によるANZ                      NOHC株式売却の代金を受領する。
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     本スキームの今後の重要な日程は以下のとおりである。
      事象                                         日時*

      ANZ  NOHC  の上場                                     2022  年12月21日
      ASX  において、ANZ       NOHC株式の取引が繰延決済で開始される。
      NZX  において、ANZ       NOHC株式の取引が停止される。
      ASX  での取引について値付けされているANZ規制資本証券は、新しいASXコードによる取
      引が繰延決済で開始される。
      スキーム基準日                                         2022  年12月22日午後7時
      ANZ  NOHC  株式(または非適格外国株主の場合はANZ                    NOHC株式の売却代金)を受領する
      適格性が決定される。
      実施日                                         2023  年1月3日

      適格ANZ株主は、ANZ          NOHC株式を受領する。
      通常取引の開始                                         2023  年1月4日

      ASX  ( ASX:ANZ)およびNZX(NZX:ANZ)において、ANZ                       NOHC株式の通常取引が開始さ
      れる。
      ASX  での取引について値付けされているANZ規制資本証券は、新しいASXコードによる通
      常取引が開始される。
     * 上記の日時は目安であり、変更となる可能性がある。ANZは、変更があった場合はその旨をASXに通知する。

     上記に記載されたものを除き、2022年9月30日以降、本書日付までに、その他の重要な進展はない。

    (8)   監督および規制

     主要な銀行グループとして、当グループは、事業を行う各主要市場において規制当局および証券取引所による広範な規制の
    対象となっている。本項は、オーストラリア、ニュージーランドおよび米国に焦点を当て、当グループに適用される規制上の
    状況の概要を示す。
    オーストラリア

    健全性および規制の監督
    APRA  の監督上の役割
     1998  年7月1日以降、オーストラリア健全性規制庁(「APRA」)が、銀行(ANZBGLを含む。)、信用組合、ビルディング・
    ソサイエティ、保険会社および退職年金基金を含むオーストラリアの公認預金受入機関(「ADI」)の健全性および規制の監督
    に責任を持っている。それ以前は、オーストラリアの銀行業界はオーストラリア準備銀行(「RBA」)による規制を受けてい
    た。RBAは、引き続き金融政策、金融システムの安定性および支払システムの規制に対して全体的な責任を持つ。APRAは1998年
    オーストラリア健全性規制庁法によりその権限を付与されている。
     APRA  はADIに、様々なAPRA健全性基準の範囲内の一定の健全性要件を満たすよう要求する。
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     APRA  は、その監督下にあるADIに、財務状態についての財務上および統計上のデータならびに健全性およびその他事項に関す
    る情報を含む広範囲な情報を記載した報告を定期的に提供するよう要求することによりその責任の一部を果たしている。APRA
    は、自己資本比率、流動性、利益、信用の質および関連する貸付損失の履歴、リスクの集中、資産および負債の満期構成、オ
    ペレーショナル・リスク、市場リスク、銀行勘定における金利リスク(「IRRBB」)、関連会社に対するエクスポージャー、外
    部委託、資産運用、ガバナンス、事業継続性の管理、回復と解決の計画、監査およびその他の関連事項、証券化業務、ならび
    に国際銀行業務に特別な注意を払っている。APRAはまた、ADIがその財務状態についての情報の提供を怠った場合、一定の調査
    権限を行使することもできる。APRAが、ADIが債務不履行に陥る可能性があるまたは(その他の状況の中でも)支払い停止に陥
    る可能性があるとみなした場合、APRAは(銀行法上の法定支配人の任命を含め、)ADIの事業を管理することができる。APRAは
    また、ADIがその債務に関して支払いを行わないよう指示する権限を有する。加えて、APRAは、1999年オーストラリア金融部門
    法(譲渡および条件緩和)の下で、一部もしくはすべてのADIの資産および負債またはその株式を、APRAが指定する第三者(す
    べての場合にADIであることは必要とされない。)に強制譲渡させる権限も有する。大まかに言えば、APRAは、オーストラリア
    における担当大臣が譲渡すべきであると宣明した場合、または銀行法、規制もしくは規制上の措置への違反があり、もしくは
    ADIが債務不履行に陥る可能性が高い旨もしくは支払い停止に陥りそうである旨をAPRAに対して通知し、一定の他の基準に適合
    するとAPRAが認める場合(金融部門全体の利益を考慮すれば譲渡が適切であるとAPRAが認める場合を含む。)などに、かかる
    強制譲渡をさせることができる。ADIとの契約の相手方は、ADIへの債務の否定のため、または当該契約に基づく債務の繰上げ
    のため、当該契約に関する取引の終了のため、もしくは当該契約に基づく担保の実行の根拠として、銀行法上の法定支配人が
    ADIの事業を管理しているという事実または指示もしくは強制譲渡命令のみに依拠することはできない。
     その監督の役割を果たすため、APRAは、各ADIから収集した統計データの分析を、選択的な「現場」訪問ならびにADIの上級
    経営陣および外部監査人との正式な会議により補完する。APRAはまた、ADIの同意を得て各ADIの外部監査人との協議関係を正
    式なものとした。外部監査人は、ADIの会計記録から得られた情報で、ADIのAPRA報告に含まれているものが、すべての重要な
    点において、信頼でき、関連するAPRAの健全性および報告基準に従っていることをAPRAに対して追加保証する。外部監査人は
    また、APRAが選択した特定のリスク管理分野を対象とした検査を行う。加えて、ADIの取締役会は、適用ある健全性基準が指定
    する様式により、ADIのリスク管理に関してAPRAに対して年次宣言書を提出しなければならない。
    その他のオーストラリアの規制

     APRA  ならびにその健全性および規制の監督に加えて、ANZBGLおよびそのオーストラリアの子会社はいくつかの点において
    オーストラリア証券投資委員会(「ASIC」)、オーストラリア競争・消費者委員会(「ACCC」)、オーストラリア取引報告・
    分析センター(「AUSTRAC」)、オーストラリア情報コミッショナー事務局(「OAIC」)および様々な証券取引所を含むその他
    の監督機関による監督および規制を受けている。
     ASIC  はオーストラリアにおける会社、市場、金融サービスおよび消費者信用の監督機関である。ASICは投資、退職年金、保
    険、預金受入および信用の取扱および助言を行うオーストラリアの会社、金融市場、金融サービス機関および専門家に対する
    規制を行っている。ASICは、消費者信用の監督機関として、消費者信用業務に従事する人々および企業(銀行、信用組合、金
    融会社ならびにモーゲージ・ブローカーおよび金融ブローカーを含む。)に対してライセンスを付与し、規制を行っている。
    ASICは、2009年オーストラリア国家消費者信用保護法が定める消費者に対する責任についての基準等にライセンスが適合する
    ことを確保する。ASCIは、市場の監督機関として、公認の金融市場が公平で秩序および透明性のある市場を運営する法的義務
    をいかに効果的に遵守しているかについて調査している。2010年8月1日より、ASICは、オーストラリア国内の認可されたエ
    クイティ市場、デリバティブ市場および先物市場における取引を監督する責任も有している。ASICは、金融サービスの監督機
    関として、金融サービス企業に対し、それらが効果的で誠実かつ公平な運営を行うことを確保するために、ライセンスを付与
    し、監視を行っている。それらの企業は、概して、退職年金、管理されたファンド、株式および社債、デリバティブならびに
    保険を取り扱っている。ANZBGLはASICが監督する市場に商品を提供し、また参加している。
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                                                           有価証券報告書
     ACCC  は、消費者、企業および社会に便益をもたらすべく、オーストラリアの市場における競争および公正取引を促進する独
    立した連邦法定機関である。同機関はまた、国家のインフラ・サービスを監督する。その主要な任務は、個人および当グルー
    プを含む企業が、オーストラリアの競争、公正取引および消費者保護法を遵守することを確保することである。
     AUSTRAC    は、オーストラリアの金融情報機関であり、マネーロンダリング防止およびテロ資金対策の規制当局でもある。2006
    年オーストラリアマネーロンダリング防止およびテロ資金対策法(「AML法」)を含むオーストラリア法に基づき、一定のマ
    ネーロンダリング防止およびテロ資金対策の法規制を遵守する義務を負っている。AML法は、AUSTRACにより運用されている。
     OAIC  は、オーストラリア司法長官の所掌する独立機関である。OAICの主な役割は、プライバシー、情報公開および政府の情
    報政策であり、調査の実施、決定の見直し、不服の処理ならびに指導および助言の提供などを担当する。
    自己資本および流動性

    自己資本
     銀行の自己資本規制の適切な水準を決定する共通の枠組みは、一般に「バーゼル3」として知られる枠組みに基づいてバー
    ゼル銀行監督委員会(「BCBS」)により設定される。
     バーゼル合意の第1の柱に基づく最低自己資本要件(「自己資本要件」)を計算するために、当グループは、APRAより、信
    用リスク加重資産について先進的内部格付手法を使用し、およびオペレーショナル・リスク加重資産相当額について先進的計
    測手法を使用する認可を受けている。
     2013  年1月1日より、APRAは、オーストラリアにおいてバーゼル3自己資本改革の大部分を採用した。APRAはバーゼル3改
    正を最低要件とみなし、そのためバーゼル3規則で提案された譲歩のいくつかを組み込まず、他の分野でより高度な要件も定
    めている。その結果、オーストラリアの銀行のバーゼル3で報告される自己資本比率は、国際的な同業他社と直接的には比較
    できない。バーゼル3改正は、CET1資本からの資本控除の増額、自己資本比率の引上げ(2016年1月1日から全面的に実施さ
    れる規定最低資本バッファーを含む。)、新規のその他Tier1(「AT1」)およびTier2証券についての要件の厳格化ならび
    に新規制に合致しない既存のその他Tier1およびTier2証券の移行措置を含む。その他の変更には、カウンターパーティー信
    用リスクのための自己資本要件および大手の規制されていない金融機関に対するエクスポージャーに関する資産価値相関の引
    上げならびに以下に記載する金融制度審議会(「FSI」)の結果による変更を含む。
     自己資本規制の動向に関する詳細については、下記「規制上の動向-自己資本および流動性」を参照のこと。
    流動性

     ANZBGL   の流動性および資金調達リスクは、ANZBGLの取締役会リスク委員会により承認された詳細な方針枠組により管理され
    ている。流動性および資金調達ポジションならびにリスクの管理は、グループ資産負債委員会によって監督されている。
    ANZBGLの流動性リスク選好            は、  ANZBGL   の 取締役会リスク委員会が義務付けた一連の規制上の要件および内部の流動性指標を満
    たす能力で定義される。指標は、異なるデュレーションおよび深刻度水準の様々なシナリオに渡る。この枠組みは以下に役立
    つ。
     ・ より短期だがより極端な市場の混乱およびストレスに対して保護を提供する。
     ・ 適切な額の長期資産の調達をより長期の資金調達にすることで、貸借対照表の構造的な強さを維持する。
     ・ 当グループの資金調達プロファイルに過度の時期の集中が存在しないことを確保する。
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     この枠組みの主要な要素は、              2015  年1月1日付でオーストラリアで実施された流動性カバレッジ比率(「LCR」)である。
    LCRは、APRAを含む銀行規制当局によって義務付けられる深刻な短期の流動性ストレス・シナリオであり、流動性リスクの測
    定、基準およびモニタリングのためのバーゼル3国際的枠組みの一部として導入された。LCR要件への適合の一環として、
    ANZBGLはRBAに流動性供給枠(「CLF」)を有している。CLFは、オーストラリアの市場における高品質な流動資産(「HQLA」)の
    不足の解決策として設けられ、RBA適格の流動資産の代替形式を提供する。適格ADIが利用可能なCLFの総額はAPRAによって最低
    でも年に一度設定される。2021年9月、APRAはADIに対して、ADIにとってLCRの要件を満たすのに十分なHQLAが存在し、それゆ
    え2022年を越えてCLFを使用する必要がないかについてAPRAとRBAで検討する旨の通知文書を発した。2022年(暦年)中に107億
    豪ドルのCLFを4等分して2023年1月1日にはゼロにするというAPRAの要件に従い、ANZのCLFは、2022年の9月30日現在で27億
    豪ドルであった(22年3月現在:80億豪ドル。21年9月現在:107億豪ドル)。
     さらに、当グループは、2016年12月に安定調達比率(「NSFR」)の最終の基準が公表された後、2018年1月1日より、APRA
    のNSFR要件を満たしている。2022年9月30日において、当グループのレベル2NSFRは119%であった(2021年9月30日は
    124%)。
     ANZBGL   は、APRA健全性基準APS第210号               流動性   (「APS第210号」)が要求する流動性および資金調達リスクに関する健全性義
    務、ならびにANZBGLのオフショア業務に係る海外規制当局の健全性要件を厳守することに努める。
    APRA  の規制における自己資本管理および流動性

     当グループの自己資本管理および流動性に関する詳細については、「第3 事業の状況-3 経営者による財政状態、経営
    成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-B.当グループの業績-(15)流動性リスク」から「(18)レバレッジ比率」までを
    参照のこと。
    銀行役員説明責任体制および金融説明責任体制

     銀行役員説明責任体制(「BEAR」)                は、ADIグループにおける取締役および最も上級の役員に関する責任および説明責任の新
    しいフレームワークとして、2018年に導入された。                        BEAR  の 下でのANZBGLの義務は、2018年7月1日に開始した。                         BEAR  の下で、
     ・ ANZBGLは、一定の上級役員または取締役の任命に際して、任命される個人を事前にAPRAに登録し、その者のADIグループ
       (ANZニュージーランドを含む。)における役割および責任を示した図を整備してAPRAに提出しなければならず、また、
       各上級役員または取締役について個人の役割および責任を詳述した説明責任文書をAPRAに提出しなければならず、
     ・ ANZBGLの登録された上級役員および取締役が説明義務を果たさない場合には、APRAは裁判所の命令なしにそれら個人の
       上級役員または取締役としての資格を奪う権限を与えられ(ただし、銀行法第6編に従った行政審理の対象とな
       る。)、
     ・ ANZBGLは、取締役および上級役員について、報酬の一部繰延べを含むBEARの要件に適合した報酬決定方針を定めなけれ
       ばならず、
     ・ ANZBGLは、BEARの義務を遵守しない場合には、相当な金額の罰金を支払う義務を負う。
     2020  年1月、オーストラリア政府は、BEARはFARにより代替され、他のAPRAの関連事業体にもその体制を拡張する予定である
    ことを発表した。
     2021  年10月、オーストラリア政府は、金融説明責任体制(「FAR」)を整備することを企図した2021年金融説明責任体制法案
    (「FAR法案」)をオーストラリア議会に提出した。FARは、銀行業、退職年金および金融サービス業                                               における違反行為を監視
    するための     王立委員会(「王立委員会」)の勧告に応えて整備されたものであり、APRAの規制対象である銀行業、保険業およ
    び退職年金事業を行う一定の事業者、ならびに当該事業者において一定の地位または責任を有する人員の説明責任のフレーム
    ワークを設定することにより、BEARを拡張し、これに代替することが企図されている。BEARと同様に、FARはANZBGLの事業の全
    てに適用されるものであるが、BEARの場合とは異なり、当グループ内の保険会社やライセンスを受けた退職年金受託者は、
    ANZBGLとともに、FARの下で説明責任を有する主体として指定され、FARの規定により直接の規制を受けることになる。FARは、
    APRAとASICにより共同で執行されるものである。
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     2022  年4月、FAR法案は連邦選挙の発表後に期限切れとなり、2022年9月にオーストラリア議会に再提出された。現在の内容
    のまま議会を通過した場合、規制対象者に対して段階的に施行されていき、ANZBGLに対する立法当初の6か月後からの施行を
    初めとして、立法当初の18か月後には当グループの保険会社および認可年金受託者に対して施行されていく。
     FAR  法案では、当グループおよびその一定の上位役職員は、新規のまたは強化された説明責任の義務を負い、その影響を受け
    ることになる。例えば、FARは、ANZBGLが下記を実施するために合理的な措置を講じることを要求する。
     ・ 適切な技能、注意および精励をもって、誠実かつ真摯にその業務を行うこと
     ・ オープンで建設的、協力的な方法で、APRAとASICと取引すること
     ・ 健全な地位または健全な評判に悪影響が及ぶことを防止すること
     ・ 一定の取締役、上級役員その他のキーパーソンが上記の行為基準を満たし、適用のある法律を遵守するための合理的な
       措置を講じることを確保すること、ならびに
     ・ 関連事業者でその事業と活動が重要かつ実質的な影響をANZBGLに与える者が、ANZBGLと同様にFARを遵守することを確保
       すること
    危機管理

     銀行法の下では、APRA          は、規制対象法人(およびその子会社)の経営難の際に秩序ある破綻処理を促進する権限を保有して
    いる。当グループに影響を与える可能性がある権限には、ANZBGLおよびその他の当グループの法人との関係での監視、管理お
    よび監督権限が含まれる。銀行法には、当グループ内の規制対象法人に対する法定管理権限の強化、ならびに規制された資本
    商品の転換または償却を法的に認めるための条項(「法定転換および償却条項」)が含まれる。
     法定転換および償却条項は、一定の金融セクターの事業体(ADIを含み、ANZBGLもその1つである。)が発行した規制された
    資本商品に関して適用され、APRA健全性基準に適合するための転換または償却条項を含む。ある商品に法定転換および償却条
    項が適用された場合、当該商品はその条項に従って転換されうる。これは、いかなる(特定の法律の他、現時点では、ある者
    がオーストラリアの企業または金融セクターの事業体の持分利益を取得する能力に関する法律以外の)法令、発行者の定款、
    発行者が当事者となっている契約、ならびに当該商品に適用のある上場規則、業務規則またはクリアリングおよび決済規則に
    かかわらずそうなる。加えて、銀行法には、法定転換および償却条項の運用に関する理由による一定の措置(義務の否定、債
    務の繰上げ、取引の終了、担保の実行など)のモラトリアムが定められている。
    規制上の動向-自己資本および流動性

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    RBNZ  の自己資本要件
     RBNZ  のニュージーランドの銀行のは銀行業健全性要件(「BPR」)の文書に規定されており、2021年10月から2028年7月まで
    の移行期間中に段階的に施行される。
     ANZ  ニュージーランドに適用のある主要な自己資本要件のうち、主要な要件は、以下のとおりである。
     ・ ANZニュージーランドのTier1資本要件は                     リスク加重資産(「         RWA  」)  の16%に増加し、そのうち2.5%まではAT1資本で
       構成することができる。ANZニュージーランドの自己資本合計の要件は、RWAの18%に増加し、そのうち2%まではTier
       2資本とすることができる。増加した自己資本比率要件は、                            2022  年7月1日から2028年7月1日にかけて段階的に施行
       される。
     ・ AT1資本は永久優先株式によって構成することが必要であるが、これは償還可能なものでもよい。ANZニュージーランド
       は、既存の内部AT1証券を外部の取引先にリファイナンス可能であると予想される。Tier2資本は長期劣後債務で構成
       することが必要である。
     ・ 内部格付手法(「IRB」)のアプローチを用いる                        銀行として、ANZニュージーランドの信用RWAの結果は、バーゼルの標準
       測定アプローチ(「標準アプローチ」)により算出された数値の約90%に引き上げられた。これは、2022年1月1日に
       発効した85%のアウトプット・フロアを適用し、信用RWAに適用されるスカラーを2022年10月1日から1.06から1.20に引
       き上げることにより達成された。
     ANZBGL   のレベル1のCET1資本への正味の影響は、2022年9月30日から2028年の移行期間の最終日までに約10億豪ドルから15
    億豪ドルへの資本要件の増加であろうと予想されている(当グループの2022年9月30日現在の貸借対照表に基づく。)。しか
    し、これらの改革の結果としてレベル1とレベル2のCET1の間の変動が狭まることが予想されていることからすると、2023年
    1月からのAPRA資本改革の実施後は、当グループ全体の資本状態への正味の影響はより少なくなりうる。この金額も、ANZ
    ニュージーランドの自己資本状態の変更(例えばRWAの増加、管理バッファー要件によるもの)および潜在的な配当金額に従
    い、時が経つとともに変化し得る。
     詳細については、下記          「ニュージーランド-ニュージーランドの規制上の動向-                           銀行の自己資本要件         」 を参照のこと。
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    自己資本規制-問題なく強固
     APRA  の「問題なく強固」に関する主要な施策は、以下のとおりである。
     ・ 2017年7月、APRAは、当初は2014年12月にFSIの最終報告書に記載された、オーストラリアの銀行セクターが「問題なく
       強固」とみなされるために要求される追加資本に関する調査をまとめた情報文書を公表した。APRAは、「4つの主要な
       オーストラリアの国内のシステム上重要な銀行(「D-SIB」)の場合、この追加資本は、現行の自己資本比率のフレーム
       ワークの下では、2020年1月1日以降、ベンチマークとなるCET1資本比率が最低でも10.5%であることと同義である」
       と述べた。
     ・ 2021年11月、APRAは、2023年1月1日からの実施に向けた、ADIに対する自己資本十分性および信用リスクにおける所要
       自己資本に関する最終要件を公表した。                  APRA  の最終要件の重要な側面は、以下のとおりである。
       ・ 国際的に合意された非住宅モーゲージ・エクスポージャーのバーゼル基準との整合性を向上させる。
       ・ 住宅ローン貸付について、よりリスクに敏感なリスク・ウェイトを適用する。
       ・ IRBを用いるADIのRWAを、標準アプローチによりRWAの72.5%以上に制限するバーゼル2資本フロアを導入する。
       ・ カウンターシクリカル資本バッファー(「CCyB」)を導入することにより、自己資本フレームワークの柔軟性を高
         め、IRBを用いるADIの資本保全バッファー(CCB                      ) を引き上げる。
       ・ IRBを用いるADIに対して標準アプローチによる自己資本比率の公表を求めることも含め、ADIの自己資本比率の透明
         性および比較可能性を向上させる。
       ・ IRBを用いるADIの最低レバレッジ比率を3.5%とする。APRAの「レバレッジ比率」は、                                          Tier  1資本をAPRA健全性基準
         APS第110号が定義する「エクスポージャー指標」(パーセンテージで表示される。)と比較するものであり、現在の
         リスクベースの自己資本要件に対する非リスクベースの補完または補強として設計され、銀行業界における過度なレ
         バレッジの積み上がりを禁止している。
     APRA  は、上記の提案により          RWA  が減少する可能性があるが、規制上のバッファーへの資本配分の増加により相殺されると述べ
    ている。2020年12月、さらにAPRAは、ADIは現時点で「問題なく強固」のベンチマークを満たしているため、ADIに対して追加
    資本の調達を要求することはAPRAの意向ではないことも述べている。よって、APRAは、現行の自己資本フレームワークに基づ
    き、ADIに対する既存の「問題なく強固」の自己資本ベンチマークに業界レベルで一致させるべく、ADIについてドルベースの
    自己資本要件の調整を図っている。しかし、これらの変更案が個々のADI(ANZBGLを含む。)に及ぼす影響は、APRAが適用する
    最終的な要件によって異なる。
     さらに、銀行業の金利リスク(「IRRBB」)、市場リスクおよびカウンターパーティー信用リスクが存在しており、APRAは、
    多数の健全性基準の修正について現在も協議を行っているところである。APRAがまだ最終化していない項目が複数あることを
    前提とすれば、       ADI  の「問題なく強固」に関する自己資本フレームワークの見直しに関連して行った                                     APRA  健全性基準へのすべて
    の変更による総合的な最終結果は、依然として不明である。
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     APRA  の総損失吸収力要件
     2019  年7月、APRAは、損失吸収力に関する決定を公表し、この決定に従いANZBGLを含むオーストラリアのD-SIBに対して2024
    年1月までに自己資本合計をリスク加重資産(「RWA」)の3%増加させることを求めることになる。2021年12月2日、APRA
    は、損失吸収力に関する要件を最終化し、オーストラリアのD-SIBに対し、2026年1月までにその自己資本合計をさらにRWAの
    1.5%引き上げるよう要求する旨を述べている。以前公表した暫定的な3%の増加を含め、これによって、最低所要自己資本合
    計は全体でRWAの4.5%相当分引き上げられることになる。APRAは、主にその他Tier2資本によってこの要件が充足され、他の
    上位の資金調達において相当額の減少があると予想している。
     追加の所要自己資本合計額は、2021年11月29日に発表されたAPRAの自己資本フレームワークの改訂による最終的な影響を含
    め、2026年1月時点での当グループの実際のRWAに基づいて決定される。APRAは、「ADIの資本改革によるRWAの変化を考慮する
    と、2023年から実施される新たな自己資本フレームワークに基づいたドル建て金額の下限は、概ねRWAの4.5パーセンテージ・
    ポイントの要件に一致する」と言及している。
    関連会社の枠組みの変更

     2022  年1月   、関連ADI(または同等の海外事業体)に対するオーストラリアのADIの個々のエクスポージャーの上限をレベル
    1総資本の50%からレベル1のTier1資本の25%へ、またエクスポージャー合計ではレベル1総資本の150%からレベル1の
    Tier1資本の75%へと引き下げるためのAPRAによるAPS第222号「関連事業体の関与」(「APS第222号」)の修正が発効した。
    かかる上限の引下げが当グループに重大な影響を及ぼすことは予想されない。詳細については、下記「ANZBGLが財政支援を提
    供する能力の制限」を参照のこと。
    ANZBGL   が財政支援を提供する能力の制限

    APRA  健全性基準による効果
     APRA  が課す現在または将来の要件は、ANZBGLの事業、業績、流動性、資本の源泉または財政状態に悪影響を及ぼす可能性が
    ある。APS第222号は、関連会社の関与に起因するリスクの監視、管理および統制に関してANZBGLを含むオーストラリアのADIが
    遵守すべき最低要件を設定するとともに、グループ内の財務上のエクスポージャーに係る上限を含んでいる。
     APS  第222号の下で、ANZBGLが関連会社(ANZニュージーランドを含む。)に財政支援を提供する能力は以下の制限に服する。
     ・ ANZBGLは、関連会社の事業の支援を主要な目的とするいかなる第三者取引も行ってはならず、
     ・ ANZBGLは、関連会社に対して、合計または個別の会社レベルのいずれにおいても、特定の時間または金額による限定が
       ない無制限のエクスポージャーを持ってはならず(例えば、関連会社のいかなる義務をもカバーする一般的保証を提供
       してはならず)、
     ・ ANZBGLは、関連会社の債務不履行(財務的な債務であるか否かを問わない。)がANZBGLの債務不履行を引き起こすかま
       たは引き起こすとみなされる内容のクロス・デフォルト条項を締結してはならず、
     ・ 自己資本から除かれるエクスポージャーを控除後のANZBGLのレベル1総資本基盤のエクスポージャーの水準は、以下を
       超えてはならない。
      (i)   ANZニュージーランドなどの関連ADIもしくは同等の事業体に対し、個々のエクスポージャーベースで50%、またはす
        べての関連ADIもしくは同等の事業体に対するエクスポージャー合計で150%
      (ii)   その他の関連会社に対し、
         ⅰ 規制された関連会社の場合、個々のエクスポージャーベースで25%、または
         ⅱ その他の(規制されていない)関連会社の場合、個々のエクスポージャーベースで15%、および
         ⅲ すべての非ADIまたは同等の関連会社に対するエクスポージャー合計で35%
     2022  年1月、APRAは、ANZBGLがANZニュージーランドに対して提供できる財政支援の量および質に影響するAPS第222号への変
    更を実施した。その主要な変更点は、以下のとおりである。
     ・ エクスポージャーの上限を設定するために用いられるレベル1資本基盤は、総資本からTier1資本に変更される。
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     ・ ADIに対する個々のエクスポージャーの上限をレベル1のTier1資本基盤の25%に、エクスポージャー合計の上限をレベ
       ル1のTier1資本基盤の75%に引き下げる。
     2022  年9月30日時点のANZBGLのANZニュージーランドに対するエクスポージャーは、APS第222号の上限を遵守したものとなっ

    てい。
     加えて、APRAは、2021年1月1日からは、ANZBGLの通常時におけるニュージーランド業務
     (ANZニュージーランドなどのニュージーランドにおいて設立された子会社およびANZBGLのニュージーランド支店を含む。)
    への非株式等エクスポージャーを、ANZBGLのレベル1のTier1資本基盤に対する比率で5%以下に収めることができることを
    確認した。この上限は、資本商品の保有または金融ストレス時にANZニュージーランドおよびその子会社(ANZニュージーラン
    ドとその子会社を総称して「ANZニュージーランド・グループ」)に対して提供される適格担保付きの偶発的な資金調達の支援
    を含まない。
     APRA  はまた、金融ストレス時におけるANZBGLによるANZニュージーランドへの偶発的な資金調達の支援は、APRAが承認可能な
    条件に基づいて提供されなければならないことを確認した。現在、カバード・ボンドのみが偶発的な資金調達に係るAPRAの基
    準に該当している。APRAはまた、ANZBGLのニュージーランド業務に対するエクスポージャー合計は、ANZBGLのレベル1のTier
    1資本基盤の50%を超えてはならないことを要求する。
    レベル3枠組みによる効果

     加えて、特にグループ・ガバナンスおよびリスク・エクスポージャーに関連するAPRAのレベル3枠組みの一定の要件が、
    2017年7月1日に発効した。この枠組みはまた、当グループが子会社(ANZニュージーランドを含む。)に対する財務上および
    業務上のエクスポージャーを制限しなければならないことを要求する。
     子会社に対するエクスポージャーの許容水準を定めるに当たり、ANZBGLの取締役会は以下を考慮する。
     (a)  信用度が概ね同等である第三者について承認されるであろうエクスポージャー、および
     (b)  ANZBGL   の自己資本ポジションおよび流動性ポジションに対する潜在的な影響、ならびに子会社が破綻した場合にも営業
       を継続できるANZBGLの能力
     これらの要件は、ANZBGLがANZニュージーランドを含む子会社に対して財務上または業務上の支援を提供する能力にさらなる
    制限を課すとは予想されていない。
    規制上の動向-その他

    COVID-19    のパンデミックに対する規制上の対応
     オーストラリアの規制当局およびオーストラリア政府は、COVID-19のパンデミックへの対応として、広範な措置を講じた。
    かかる措置には、通常の日々の活動の制限、金融介入および支援スキーム、規制改革実施の延期および先送り、ならびに規制
    の優先順位(執行の優先順位を含む)の再ランク付けが含まれる。
     COVID-19    の パンデミックの影響がいつまで続き、どれほど深刻かについて、その全容は依然としてきわめて不確実である。

    そのため、オーストラリアの規制当局は、通常の監督業務に優先順位を再設定しつつ、引き続きCOVID-19のパンデミックの影
    響を注視る。これをふまえると、当グループなどの金融サービス・グループに対する規制および監督ならびに執行に対する
    COVID-19のパンデミックの影響は、依然として不確実であり、本書日付現在、予測は困難である。
     詳細については、        「第3 事業の状況-2 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性」中の「法的および規制上のリ
    スク-17    . 規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能
    性がある。」ならびに「当グループの事業の活動および業界に関するリスク-2.                                      COVID-19    のパンデミックおよび          他の伝染性
    疾患の将来の発生やパンデミックは、                 当グループのポジションに重大な               悪影響を与える可能性がある。              」を参照のこと。
     ニュージーランドにおける            COVID-19    の パンデミックに対する規制上の対応に関する情報                       については、      「ニュージーランド-
    ニュージーランドの規制上の動向-COVID-19のパンデミックへの規制上の対応」                                     を参照のこと。
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    フレームワークおよび実務の自己評価
     2018  年5月1日、APRAは、すべての規制を受ける金融機関はガバナンス、文化および説明責任に関するフレームワークおよ
    び実務の自己評価を実施することにより恩恵を受ける旨、ならびに当グループのような大手金融機関についてもその取締役会
    により見直され承認された評価書を求めていく旨を指摘した。APRAがこのように述べたのは、他の主要なADIに関する健全性調
    査についての最終報告書で特定された論点に鑑みたものである。この健全性調査は、他の主要なADIグループのガバナンス、文
    化および説明責任に関するフレームワークおよび実務を調査するために創設された。2018年11月30日、ANZBGLはAPRAに対して
    自己評価書を提出した。2019年8月22日、ANZBGLは、自己評価書の中で提起された問題に対応するためのANZBGLの取組みの状
    況(「ロードマップ」の進展を含む。)を詳述したANZBGL会長の論説を公表した。ANZBGLのロードマップは、5つの注力領域
    (文化、ガバナンスおよび説明責任、オペレーショナル・リスクの管理、救済、ならびに簡素化)が設定された、複数年にわ
    たる計画である。APRAは、(2019年9月30日から)ANZBGLのロードマップにおいて計画された目標が効果的に達成されるま
    で、オペレーショナル・リスクのための5億ドルの追加資本を保持するようANZBGLに求めている。
    住宅モーゲージ貸付実務

     近年において、APRAは、住宅モーゲージ貸付実務を厳しく監視し、また銀行業界全体での住宅モーゲージ貸付基準の強化を
    狙いとした数々の手段をとってきた。
     2021  年10月、APRAは、住宅ローン申請にかかる実行性を評価する際にADIが使用することが予定される最低金利バッファーに
    つき、ローンの金利に追加されるものとして最低2.5%であったものを最低3%に引き上げた。APRAは、かかる決定は、ADIの
    住宅モーゲージ貸付に関して増大する財務安定性リスクを反映するものであると指摘した。APRAは以下の事項も指摘した。
    APRAは、2022年9月に発効したADIの住宅モーゲージ貸付に関する信用リスク管理フレームワークをさらに改訂した。具体的に
    は、ADIは、以下の類型の貸付に該当する貸付の程度を制限する能力を有しなければならない。
     (a)  返済負担率が4倍または6倍以上の貸付
     (b)  貸出金比率が80%または90%以上の貸付
     (c)  投資目的の貸付
     (d)  利息のみの貸付
     (e)  (a)  から(d)のいずれか2つを組合せによる貸付
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    住宅モーゲージ・ローンの分類の変更
     ANZBGL   の住宅モーゲージ・ローンの現行の分類は一般に、                        監督機関    および   市場に報告している通り、顧客から提供                   される   情
    報または顧客が事後的にローンの変更を申請する際に提供される情報に基づき、ローンの組成の過程(すなわち、与信申請、
    審査および貸付実行)で決定されている。
     住宅用   モーゲージ     ・ ローン   の 分類は、以下を理由に変更される可能性がある。
     ・ 組成段階での誤分類:組成段階で顧客が自己の身上についてANZBGLに誤った情報を通知する範囲で、ローンは誤って分
       類されるリスクがあり、かかるローンは再分類される可能性がある。
     ・ 顧客の状況の変化:与えられた分類の継続的な妥当性は、顧客が自己の状況の変化についてANZBGLに情報を通知する義
       務、および顧客から提供される情報を独自に検証するANZBGLの能力に依存する。顧客が自己の状況の変化を通知する範
       囲で、またはANZBGLがその検証プロセスに基づきその旨を決定する場合において、ローンは再分類される可能性があ
       る。
     ・ 規制その他の変更:ローンの分類基準およびその解釈は、1または複数の報告上の目的により変更される                                                    可能性   があ
       り、このことは一定のローンの分類に影響を及ぼす可能性がある。
     ・ ANZBGLのシステムおよびプロセスの変更
     ローンの誤分類または再分類は、持ち家居住者向けの不動産担保ローンがより金利の高い投資用不動産ローンに再分類され
    るなどの場合において、顧客の返済義務を履行する能力に影響を及ぼす可能性がある。                                        顧客が再分類後のローンの返済義務を
    履行する能力を欠けば、かかるローンにつき債務不履行を生じるリスクが増す可能性があり、このことは当グループのポジ
    ションに悪影響を及ぼす可能性がある。
    その他

     当グループにもたらされるリスクも含む規制上の動向に関する詳細                               について    は、  下記「第3 事業の状況-2 事業等のリ
    スク-(2)主なリスクおよび不確実性-                  法的および規制上のリスク            -17.   規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守でき
    ないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。                                 」を参照のこと。
    オーストラリア刑法典第102.6条および102.7条

     オーストラリア刑法典第102.6条および第102.7条(1995年オーストラリア刑法典(「刑法典」)に含まれる)に基づき、あ
    る者が意図してテロリスト組織から資金を受け取り、テロリスト組織に資金を提供し、テロリスト組織のためにもしくはテロ
    リスト組織を代理して資金を調達し、またはテロリスト組織に支援や資源を提供する場合、その者が当該組織がテロリスト組
    織であると知っているかまたはテロリスト組織であるかについて無頓着であった状況では、それは犯罪となる。テロリスト組
    織とは、直接もしくは間接にテロリスト行為の実行に関与、準備、計画、幇助もしくは助長した組織をいい、かかる組織が刑
    法典に基づいた規則においてテロリスト組織と規定されている。
     2011  年オーストラリア独自制裁法および2011年オーストラリア独自制裁規則以下のことを規定している。
     ・ 特定の国々や地域と関連した一定の具体的に認定された人物、事業体、資産および船舶に対して制裁が与えられる。
     ・ 特定された名前の人物もしくは事業体または制裁を受けた国々もしくは地域が関わる一定の取引は、外務大臣からの特
       別な許可を得た場合のみ行うことができる。これらの制裁に違反することは犯罪となる。
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    ニュージーランド
    RBNZ  の監督の役割
     1989  年銀行健全性標準法(「BPS法」)は、ニュージーランド準備銀行(                                RBNZ  )が以下の目的で、銀行登録および登録銀行
    (ANZニュージーランドを含む。)の健全性監督の権限を行使することを求めている。
     ・ 健全で     効率的   な金融システムの維持を推進する。
     ・ 登録銀行の破綻から生じる可能性のある金融システムへの重大な損害を防止する。
     銀行登録に係るRBNZの方針は、適切な地位および評判を持つ金融機関のみが登録銀行となることができることを確実にする
    ことを目的としている。この要件を条件として、RBNZは、銀行業界内の競争を促進するために、新規登録銀行参入への障壁を
    最小限に保つ意向があると述べている。
     RBNZ  の 監督機能は、金融システム全体の安定性および効率性を促進することを目的としており、個々の銀行の破綻防止や                                                     債
    権者  の 保護を目的としたものではない。RBNZは、市場に本来存在する規律を活用し強化することで、これを達成することを目
    指す。
     RBNZ  は、財務成績およびリスク状況に係る情報を定期的に銀行が開示する要件ならびに取締役が一定の主要な事項を定期的
    に保証する要件を非常に重視している。これらの方策は、市場規律を強化し、銀行の健全性管理責任が、RBNZがその責任を行
    使するのに最もふさわしいと考える者、すなわち取締役および経営陣にあることを確実にすることを意図している。
     RBNZ  の 監督的役割の主要な要素は以下を含む。
     ・   すべての銀行が一定の健全性最低要件を遵守することを求め、これは登録条件を通じて適用される。これらは、                                                    関連  エ
       クスポージャーに対する制約、最低自己資本比率要件および流動性リスク管理最低基準を含み、以下にさらに詳細に記
       載される。
     ・ 各登録     銀行  の財務状況および登録条件遵守を、主に公表される半期開示書類およびRBNZに対して非公開で提出される月
       次報告書に基づいて監視する。この監視は、RBNZが各銀行および銀行業界全体の財務状況に引き続き精通し、必要と
       なった場合危機管理の権限を行使する準備状態を維持することを確実にするよう意図されている。
     ・ 登録銀行の上級経営陣と協議する。
     ・ BPS法に基づいて利用可能な危機管理の権限を用いて、銀行の経営難または破綻の状況が金融システムの健全性を脅かし
       ている場合介入する。
     ・ 銀行が健全に業務を行っているかを査定する。
     ・ 銀行のマネーロンダリング防止および対テロ資金要件の遵守の監視に係る指針を発行する。
     ・ 銀行の外部委託契約を、外部委託に関連する登録銀行のリスクが適切に管理されているかを判断するために監視する。
     ・ 銀行の内部自己資本十分性プロセスおよび流動性方針に係る指針を発表する。
     ・ コーポレート・ガバナンスに係る指針を発表する。
     ・ 銀行特有の問題、政策問題ならびにニュージーランドおよび親銀行が所在する国々での金融システムの状況に関連する
       一般事項に関して親銀行の監督機関(オーストラリアのAPRA等)との密接な業務                                     関係を維持する。
     登録銀行は、半期ごとに、包括的な詳細情報ならびに、通年に                             ついて   は完全な財務書類、半期については未監査の半期財務
    書類を含む開示書類を発行することを求められる。財務書類は、各会計年度末には                                      全面的   な外部監査の対象となり、各半期末
    には限定された範囲のレビュー対象となる。各銀行取締役は、銀行の開示書類に署名し、一定の保証を行わなければならな
    い。銀行およびその取締役は、銀行の開示書類が虚偽または誤解を招くとみなされる情報を含んでいた場合、刑事上および民
    事上の罰則を課せられる可能性がある。
     RBNZ  は、登録銀行の主要な情報の四半期ごとの「ダッシュボード」をRBNZのウェブサイトで公表している。ダッシュボード
    は、公衆および市場参加者がそれらの銀行の財務力およびリスク・プロファイルに関する情報を理解し、当該情報に基づいて
    行動する能力の向上を目指している。情報は、銀行がRBNZに非公開で行う報告に基づく。ダッシュボードで公表されたANZ
    ニュージーランド・グループに関する情報は、本書の参照情報ではなく本書の一部を構成しない。場合によっては、それらの
    情報は、ANZニュージーランド・グループの連結財務書類中の表示とは異なる分類または表示がなされている。
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                                                           有価証券報告書
     ニュージーランドで設立された銀行は、ニュージーランドの状況を反映して修正されたバーゼル3自己資本比率要件を遵守
    することを求められる。RBNZはまた、ANZニュージーランドを含む国内のシステム上重要な銀行の大半に、最低比率を3.5%上
    回る健全性資本        バッファー     を維持することを求めており、これに従わない銀行は販売を制限される。この健全性資本バッ
    ファーは、2028年7月におけるRWAの9%まで、段階的に引き上げられる。詳細については、下記「ニュージーランドの規制上
    の動向-銀行の自己資本要件」を参照のこと。
     ニュージーランドで設立された銀行(ANZニュージーランドを含む。)は、RBNZの流動性方針(「BS13」)を遵守することが
    求められる。BS13の要件は、ニュージーランドで設立された銀行に75%の最低コア資金調達比率(「CFR」)を満たすことを求
    め、銀行の資金調達のうち少なくとも最低限の割合が顧客預金、期限付ホールセール資金調達およびTier1資本によって満た
    されることを確保している。
     2021  年9月、RBNZは、ニュージーランドで設立された銀行のBS13の遵守に関するテーマ別レビューの結果を公表した。これ
    を受けて、RBNZは、2022年2月に、BS13の包括的なレビューも開始している。これには、Basel3流動性基準のいくつかの側面
    についての見直しが含まれる。詳細については、下記「ニュージーランドの規制上の動向-登録銀行によるRBNZの流動性方針
    の遵守についてのテーマ別レビュー」および「ニュージーランドの規制上の動向-RBNZによるBS13のレビュー」を参照のこ
    と。
     また、RBNZは、すべての登録銀行に対し、承認された機関からの信用格付を取得および維持し、かかる格付を開示書類で公
    表することも求めている。
     さらに、RBNZは、その監督機能に関連して、さらなる情報、データおよび見通しを取得し、ならびにかかる情報、データお
    よび見通しを監査させる広範な権限を有している。
     RBNZ  はまた、いくつかの危機管理権限も有している。これらの権限には、銀行登録の取消勧告、登録銀行の業務の調査、登
    録銀行のRBNZとの協議の要求、登録銀行への命令、登録銀行の取締役の解任、交替もしくは指名、または登録銀行を法定管理
    下に置く勧告が含まれる。
     登録銀行が法定管理対象になると宣言された場合、いかなる者も、特に以下の行為をしてはならない。
     ・ 銀行に対する反訴による手続きを含む、訴訟またはその他手続きを開始すること、または継続すること。
     ・ 執行命令を出すこと、債務を差し押さえること、または当該銀行に関して得られた判決および命令を執行し、もしくは
       執行することを求めること。
     ・ 当該銀行を清算する手段を講じること。
     ・ 当該銀行に対して相殺権を行使すること。
     RBNZ  の 監督権限の一環として、ある者が登録銀行への「重要な影響力」を獲得するまたは増大する結果となる取引を生じさ
    せる前に、その者はRBNZの書面による同意を取得する必要がある。「重要な影響力」とは、登録銀行の取締役会の25%以上を
    指名する能力またはその議決権株式の10%以上の適格持分(例えば、法的または受益所有権)を意味する。
     登録銀行への重要な影響力を取得する同意の申請を評価する際に、RBNZは、登録銀行としての登録申請を評価する際に関連
    するのと同一の事項を考慮に入れると述べている。同意を与える際、RBNZは、ふさわしいとみなす条件を課す可能性がある。
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    ニュージーランドの規制上の動向
    COVID-19    の パンデミックへの規制上の対応
     COVID-19    の パンデミックへの対応として、RBNZおよびニュージーランド政府は、広範な措置を講じており、これには以下の
    措置が含まれる。
     ・ 経済に資金を投入することを企図した最大1,000億ニュージーランドドルの大規模資産購入プログラムをRBNZが実施した
       こと(2021年7月に終了)(本書日付現在では保留されているが、RBNZは、同プログラムに基づく債券保有の段階的削
       減を開始している。)
     ・ 銀行に低コストの資金を提供し、ニュージーランドの企業および家計における借入コストの低下を促すことを企図した
       「融資資金提供プログラム」をRBNZが実施したこと(2022年12月6日をもって終了)
     ・   ( COVID-19により影響を受けた小規模企業を支援するためにローンを提供する)「小規模企業キャッシュフロー・ロー
       ン制度」、(COVID-19により自主隔離が必要となり自宅で仕事ができなくなった従業員に対する企業の支払を支援す
       る)「休暇支援制度」、ならびに(COVID-19によるロックダウンで悪影響を受けた雇用主が従業員への支払および雇用
       を継続できるよう支援する)「賃金助成制度」および「短期欠勤手当」(いずれも現在は終了)をニュージーランド政
       府が実施したこと。
     ・   遵法コストの削減を目的とした暫定的な課税標準の2,500ニュージーランドドルから5,000ニュージーランドドルへの引
       上げや、一定の「事業継続性基準」を満たす企業は株主の継続性に変化が生じたとしても税務上の損失を繰り越すこと
       ができるという新ルールの導入など、中規模および小規模の企業を支援するための税制改革。
     COVID-19    の パンデミックの影響がいつまで続き、どれほど深刻かについては、依然としてきわめて不確実である。そのた
    め、ニュージーランドの監督機関は、通常の監督業務に優先順位を再設定し、また上記の規制手段の一部は現在終了している
    が、引き続きCOVID-19のパンデミックの影響を注視しており、将来的にさらなる措置を実施する可能性がある。これらをふま
    えると、ANZニュージーランド・グループなどの金融サービス・グループに対する規制および監督に対するCOVID-19のパンデ
    ミックの影響は、依然として不確実であり、                    本書日付現在、       予測は困難である。
    銀行の自己資本要件

     RBNZ  は、ニュージーランドの銀行に適用される新しい銀行自己資本要件は、BPR文書に規定されており、いる。                                                 新たな枠組み
    は、2021年10月から2028年7月の移行期間中に段階的に実施される。ANZニュージーランドに適用のある主要な要件は以下のと
    おりである。
     ・ ANZニュージーランドのTier1資本はRWAの16%まで引き上げられ、そのうち2.5%まではAT1資本で構成することができ
       る。ANZニュージーランドの総資本要件はRWAの18%に引き上げられ、これはTier1資本要件の2%まではTier2資本で
       構成することができる。自己資本比率要件の引上げは、2022年7月1日から2028年7月1日までに段階的に実施され
       る。
     ・ AT1資本は、償還可能な永久優先株式で構成されなければならない。ANZニュージーランドは、既存の内部AT1証券を外
       部の取引先にリファイナンス可能であると予想される。Tier2資本は、長期劣後債務で構成されなければならない。
     ・ Tier1資本要件は、RWAの9%のCET1健全性資本バッファーを含む。これには                                      、2%の    国内のシステム上重要な銀行の
       資本バッファー、1.5%の「早期設定」カウンターシクリカル資本バッファー(金融危機後においては0%まで一時的に
       引き下げる     ことが可能であり、または資産価格高騰を防ぐために一時的に引き上げることができる。)、および5.5%の
       保全バッファーが含まれる。
     ・ 条件付資本商品は、今後適格規制資本として取り扱われない。2022年9月30日現在、ANZニュージーランドは約22億
       4,100万ニュージーランドドルのAT1商品を保有しているが、かかる商品が未償還で残った場合、2022年1月1日から
       2028年7月1日までの移行期間中に段階的に適格規制資本としての取扱いの対象から外れることになる。
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     ・ IRBのアプローチを認められた銀行として、ANZニュージーランドの信用RWAは、標準アプローチにより算出された数値の
       約90%に引き上げられた。これは、2022年1月1日より有効となっている85%の資本フロアを適用し、2022年10月1日
       より信用RWAスカラーを1.06から1.20に増加させることで達成される。
     ・ ANZニュージーランドは、2023年6月30日から、IRBと標準アプローチの両方を用いて、RWAおよびその結果得られる自己
       資本比率を報告する必要がある。
     RBNZ  の 見直しは、ANZニュージーランドが保有すべき自己資本の水準を著しく増大させる。見直しにより、ANZニュージーラ
    ンドの資本配分および事業計画を含むANZニュージーランドおよびその事業に対して、重大な影響が及ぶ可能性もある。
    RBNZ  の改正外部委託方針

     ANZ  ニュージーランドなどのニュージーランドで設立された大手銀行は、外部委託契約のBS11(RBNZの変更外部委託方針)の
    遵守を確保しなければならない。
     2017  年10月1日より前から存在していた外部委託契約は、2023年10月1日までにBS11を遵守していなくてはならない。ANZ
    ニュージーランドは、遵守プランの手順(Path                      to  Compliance      Plan)で概説される、既存外部委託契約のBS11の遵守の実現の
    最終段階にある。BS11の要件はANZニュージーランドの登録条件の一部をなす。ANZニュージーランドが外部委託に関する登録
    条件をみたさない場合、RBNZは、ANZニュージーランドの外部委託利用に追加的な制限を付すなどの執行措置を講じることがで
    きる。
    ニュージーランドにおける新たな金融助言制度

     2021  年3月、2019年金融サービス法制改正法により、ニュージーランドにおいて新たな金融助言制度が導入された。
     金融助言業者として、ANZニュージーランドは、新しい制度の下でライセンスを受ける必要がある。ANZニュージーランド
    は、既に金融市場庁         (「FMA」)から暫定的な金融助言業者のライセンスを取得し、2022年9月にはクラス3の金融サービス事
    業者のライセンスを取得し、2023年3月16日から有効となる。
     新しい制度により、コンプライアンス費用とANZニュージーランド・グループに対する規制当局の調査が増加するものと予測
    されている。
    1989  年ニュージーランド準備銀行法の見直し

     ニュージーランド政府は、1989年ニュージーランド準備銀行法の見直しを行った。見直しの第1段階の結果、ニュージーラ
    ンドの金融政策の枠組みにいくつかの変更を加える2018年ニュージーランド準備銀行(金融政策)改正法が制定された。第2
    段階では、金融政策に関する1989年ニュージーランド準備銀行法の金融政策の規定の包括的な見直しが行われ、同法はBPS法と
    改名された。
     BPS  法は、2つの別個の法制により代替されることが予定されている。

     ・ BPS法は、RBNZのハイレベルでの目的、権限、役割、ガバナンスと資金調達方法に関して準備銀行法の一部を代替するも
       ので、2022年7月に完全に施行された。2021年ニュージーランド準備銀行法は、とりわけ、以下の事項を規定してい
       る。
       -  金融政策委員会が行うべき事項を除くすべての決定に責任を負う法定のガバナンス・ボードを設置すること(かかる
         新しいガバナンス・ボードが任務を開始するまでは、暫定のボードが任務を行う。)
       -  ニュージーランドの金融システムの安定性を保護し増進させる包括的金融安定性目的を(経済目的および中央銀行の
         目的に加えて)導入すること
     ・ 預金受入機関法は、とりわけ、以下の事項を規定することが見込まれている。
       -  すべての銀行およびノンバンク預金受入機関向けの単一の規制制度を創設すること。
       -  払戻事由    が発生した場合に、一預金受入機関につき、預金者一人当たり10万ニュージーランドドルまで保護する預金
         補償制度を創設すること。
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       -  預金受入機関の取締役の説明責任要件の強化。
       -  RBNZの監督および執行方法の拡充。
       -  RBNZの危機破綻処理の枠組み(BPS法から主要な管理権限を実質的に引き継ぎ、当該権限を(実際的である場合に
         は)破綻処理機関としてのRBNZに付与するもの)の強化および明確化。
       預金受入機関法の法案2022年9月に国会に提出され、2023年の半ばから後半にかけて立法化される見込みである。預金

       補償制度は、預金受入機関法の他の条項の発効に先んじて、2024年の早い時期の当初の実施が目標とされている。預金
       受入機関法が立法化されるまでは、                BPS  法の下で現行の銀行規制枠組みが継続する。
    金融機関の行為規制

     2022  年金融市場(金融機関の行為)改正法(「FMCIA法」)は、2022年6月に立法化され、2025年の早い時期に施行される見
    込みである。FMCIA法は、施行になった場合、該当サービスおよび関連商品を提供する金融機関(登録銀行、認可保険会社およ
    びノンバンク預金受入機関を含む。)に対して以下を要求する。
     ・ 2013年金融市場行動法第6部に基づく認可を取得すること。
     ・ (顧客の利益を正当に考慮するなど、顧客を公平に取り扱うことを要請する)公平性原則を遵守すること。
     ・ 公正性原則を運用可能にするための効果的な公正性プログラムを策定、実施、維持および遵守すること、ならびに公正
       性プログラムの要約を発行すること。
     ・ サービスの提供に従事するスタッフその他の人員に対する成果奨励金に対する規制を遵守すること。
     FMCIA   法は、広範な行為制度を実現しようとするものであり、かかる制度は、時とともに拡大し、規制対象事業体に義務の拡
    大をもたらし得る。
    2003  年信用契約および消費者金融法(「CCCFA」)の改正

     ANZ  ニュージーランド・グループは、最近の2019年信用契約法改正法(「CCLA法」)による改革に対応して、そのCCCFA上の
    手続を更新した。2022年3月に商務大臣が発表したCCLA法がもたらした意図しない影響に対処するためのCCCFAの規制および責
    任ある貸付コードのガイダンスに対する変更は、2022年7月に発効した。ANZニュージーランド・グループは、これに対応する
    ため、そのポリシーとプロセスに一定の変更を加えたが、そのCCCFAのプロセスにさらに何らかの変更が必要となるか検討中で
    ある。商務大臣は、2022年8月、CCLA法改革の意図しない影響を緩和するためにCCCFA下の規制の更なる変更を発表した。ANZ
    ニュージーランド・グループは、法令改正の詳細が明らかになったときは、そのポリシーおよびプロセスに更に加えるべき変
    更について検討する。CCCFA規制および責任ある貸付コードへの更なる変更は、2023年3月からの施行が見込まれている。
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    登録銀行によるRBNZの流動性方針の遵守についてのテーマ別レビュー
     2021  年9月、RBNZは、ニュージーランドで設立された銀行がBS13の要件を遵守しているか否かにかかるテーマ別レビューの
    調査結果を公表した。RBNZは、すべての銀行が流動性リスク・マネジメントのための明確な組織的ストラクチャーを備え、
    BS13の最低要件を超える内部リミットおよび測定を活用しており、日中の流動性の需要を把握するためにキャッシュ・ポジ
    ションをモニタリングしていることを見い出した。
     しかしながら、内部管理の脆弱性およびポリシー解釈における注意が不十分であることから生じている問題も判明した。そ
    の結果、ニュージーランドで設立された10大銀行は以下のことを要求された。
     ・ 個別のフィードバック・レターで指摘された調査結果のすべてについて対処する改善プランを作成すること
     ・ 流動性比率についての調査結果の影響の重大性評価を行うこと
     ANZ  ニュージーランドは、その受領した個別のフィードバックに対処する改善プランをRBNZに提出し、要求された重大性評価
    に取りかかった。かかる調査結果に重大性はないと評価された。ANZニュージーランドは、BS13テーマ別レビューの調査結果に
    対処するため、RBNZとの協働を継続している。
    RBNZ  によるBS13のレビュー

     RBNZ  は、BS13の包括的レビューを行っている。かかるレビューの主要対象には以下のものが含まれると見込まれている。
     ・ BCBSの流動性フレームワークに向けた潜在的活動。
     ・ ニュージーランドにおける流動性資産の適格要件。
     ・   ニュージーランドにおける流動性資産の利用可能性。
     ・ 現在および将来において銀行がRBNZとの取引時に流動性資産を担保として利用する仕組み。
     ・   各種の預金受入機関に対してどのように流動性要件は適用されるべきか。
     ・   外国銀行の支店に対して流動性要件は適用されるべきか。
     ・   マクロ・プルーデンスのための手段として流動性要件は使用されるべきか。
     かかるレビューについての最初の協議段階は完了した。当該レビュー過程は、更なる3段階の協議および量的影響の調査を
    含むと見込まれている。アップデートされた流動性方針については、2025年に発行されることが現在予定されている。
    サイバーレジリエンスに関するガイダンスおよび情報共有の協議

     2021  年4月、RBNZは、サイバーレジリエンスに関して、規制対象事業体(ANZニュージーランドを含む。)に対するRBNZの期
    待を概説するガイダンスを公表した。このガイダンスは、特に、取締役会および上級管理職のレベルで、金融セクターのサイ
    バーレジリエンスに対する意識を高め、最終的にはその強化を図ることを目的とする。このガイダンスは、主要な国際的およ
    び国家的なサイバーセキュリティの基準およびガイドラインに依拠しており、原理ベースの高水準の推奨事項を事業体に提供
    することを意図している。
     RBNZ  はまた、国家サイバーセキュリティ・センター、ニュージーランド・コンピューター緊急対応チームおよびFMAを含む他
    の関連政府機関との間での情報共有の促進を計画している。RBNZの情報収集および共有の計画の詳細は現在策定中であり、                                                         公
    衆からの意見聴取のために公表              されることになる。
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    債務返済能力に関する制限
     2021  年11月、RBNZは、住宅モーゲージ貸付の債務返済能力にかかる制限について協議を開始した。この協議は、提案された
    二つの制限に重きを置いており、その一つは、(借主の総収入総負債比率に基づいて借主への貸付を制限する)返済負担率リ
    ミット、もう一つは(銀行が債務返済能力にかかる評価を行うために用いることのできる最低金利のテストを設定する)金利
    フロアである。2022年4月、RBNZは、返済負担率の制限を機能させるためのフレームワークの設計を進める意思を表明し、そ
    の後詳細な設計問題を議論するために銀行と会合していた。2022年11月、RBNZは、返済負担率のフレームワークの技術的設計
    の側面の問題についてさらに協議するために銀行と相談した。2022年12月には、協議文書に対する意見がRBNZに提出され、
    2023年の早い時期にRBNZがフレームワークに関する最終決定をすることが見込まれている。フレームワークが最終化された
    後、実施まで約1年間の期間が許容されうる。
     本書日付現在、提案されている返済負担率の制限がANZニュージーランド・グループに与える影響は不確実である。
    ローン資産価値比率による制限

     RBNZ  は、住宅モーゲージ貸付にかかるローン資産価値比率(「LVR」)による制限を強化した。
     ・ 2021年11月から、ニュージーランドで登録された銀行は、LVR80%を超える「非資産投資住宅モーゲージ貸付」(標準的
       な住宅モーゲージ貸付で、所有者が占有している住宅用資産にのみ担保が設定されているもの)は、新しい非資産投資
       モーゲージ貸付の総ドル価値の10%までに制限しなくてはならない。
     ・ 2021年5月から、ニュージーランドで登録された銀行は、LVR60%を超える「資産投資住宅モーゲージ貸付」(標準的な
       住宅モーゲージ貸付で、非資産投資住宅モーゲージ貸付でないもの)は、新しい資産投資住宅モーゲージ貸付の総ドル
       価値の5%までに制限しなくてはならない。
    気候関連開示

     2021  年金融セクター(気候関連開示およびその他の事項)改正法をもって、2022年10月27日より2013年金融市場行動法が改
    正された。この改正により、ANZニュージーランド・グループは、2024年9月30日に終了する事業年度から、ニュージーランド
    外部報告委員会が発行するCRD報告基準に従って、気候関連開示(「CRD」)を作成することが義務付けられることになる。ANZ
    ニュージーランド・グループは、このスケジュールに従ってCRDを作成するための準備を積極的に進めている。
    登録条件の重大な不遵守

     以下に記載の内容は、ANZニュージーランド・グループによるその登録条件の未解決の重大な不遵守事例および最近の重大な
    不遵守事例である。
    登録条件の重大な不遵守:登録条件1B-BPR120の不遵守:自己資本手続要件

     ANZ  ニュージーランドの2019年9月30日に終了した年度のディスクロージャー報告書において最初に報告されたとおり、                                                      ANZ
    ニュージーランドは、RBNZから承認されていない17の格付モデルおよび手続への変更の実施に関し、登録条件1Bを遵守してい
    なかった。2019年9月30日現在の関連するエクスポージャーに、RBNZが最後に承認した手法を適用すれば、RWAは合計で4,700
    万ニュージーランドドル(0.05%)減少したはずであるが、報告された自己資本比率に影響を及ぼすまでには至らなかった。
     BPR120   の Part   E.15で要求されているANZニュージーランドのモデルの概要は、承認されていないモデルを含んでいたため不
    遵守となった。2021年4月には、アップデートされたモデル概要がRBNZに提出され、RBNZは当該概要が2021年10月には遵守さ
    れたものとなっていた旨確認した。過去のすべての不遵守のモデルは承認のためにRBNZに提出され、最後まで残っていた承認
    も2022年9月29日に得られた。2022年9月30日現在、すべての不遵守のモデルはRBNZによって承認されたものとなっている。
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    登録条件に関するその他の事項
     現在レビュー中のその他の事項も存在し、その関連方針の文言または要件の正当な解釈は一通りでない場合があり得る。ANZ
    ニュージーランドが採用した解釈について一定の不確実性がある場合は、当該事項について、適宜、指針をRBNZに対して求め
    ており、またRBNZと連絡を取っていくことになる。
    第95節レビュー

     2019  年7月のBPS法第95節に基づくRBNZの通知に従い、ANZニュージーランドは2つの外部レビューを受けた。1つ目のレ
    ビューは、ANZニュージーランドによるRBNZ銀行業監督ハンドブック文書の自己資本枠組み(内部モデルによるアプローチ)
    (BS2B)の一定部分の遵守についてのもの(「自己資本比率レビュー」)であり、2つ目のレビューは、                                                ANZ  ニュージーランド
    の取締役による認証および保証の枠組みの有効性についてのもの(「認証レビュー」)であった。
     最終の認証レビューの要約が2022年3月に公刊された。ANZニュージーランドは、2019年の認証レビュー報告の提言に対応す
    べく適切な措置を行ったとの報告がなされている。当該レビューは、認証プロセスについて、経営陣、役員およびANZニュー
    ジーランドの取締役会がより焦点を合わせて精査を行っており、ANZニュージーランド内の全体的な対応能力に顕著な向上が
    あったと記している。当該レビューはまた、未だ導入中のフレームワーク中の事項もあるものの、2019年の認証レビューが提
    言した主要な変更については適切な対応がなされてきたとも記している。
     最終の自己資本比率レビューは、2021年12月に完了した。その報告書では、ANZニュージーランドは、2019年の自己資本比率
    レビューで指摘された不遵守の問題と改善事項への対応に関して大きな進展を遂げたとされている。                                               2022  年9月30日現在で、
    過去の   すべての不遵守モデルがRBNZにより承認されている。
    ローン情報訴訟

     2021  年9月、ANZニュージーランドに対して、一部のローン顧客に送付された変更通知に関する消費者信用立法上の開示義務
    違反を主張する原告のクラス・アクションがその代表者により提起された。ANZニュージーランドは、かかる主張に対する防御
    を行っている。手続はまだ初期の段階にある。クラス・アクション進行の許可を求める原告の申立の審理が                                                  2022  年5月に上級
    裁判所で行われた。裁判所は、2015年6月6日から2016年5月28日の間にANZニュージーランドと住宅ローンまたは個人ローンを
    締結しその期間に当該ローンの変更を要求した顧客のクラスを代表して1名の代表原告が提起した訴訟につき、オプトアウト
    代表訴訟として手続を進める旨決定した。
    アメリカ合衆国(米国)

     ANZBGL   は、  米国連邦準備制度理事会(「FRB」)                 から金融持株会社(「FHC」)として取り扱われることを選択した。FHCは、
    FRBおよび米国財務省が本質的に財務的である、あるいはそれに付随していると決定した活動、ならびに(FRBが承認した場合
    は)FRBが財務活動を補完すると判断した活動に米国内で従事し、あるいは従事する企業を買収することを認められている。
     1956  年銀行持株会社法(「BHC法」)の下で、FHCの活動は、当該FHC(ANZBGLの場合では、当グループのレベルであるいはそ
    のグアムおよび米国サモアにおける米国銀行子会社のレベルで)が「良好に経営されている」あるいは「資本が充実してい
    る」と言えなくなった場合、もしくは特定の資本水準を維持することを求める執行措置の対象となった場合に、または、その
    グアムおよび米国サモアにおける米国銀行子会社が地域再投資法上「並」以上の格付けを維持できなくなった場合に、制約の
    対象となる。FRBは、ANZBGLを含む、FHCを管轄する「包括的な」監督者である。
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     ANZBGL   は、  1978年国際銀行法(「IBA」)を含む米国連邦法令に従う。IBAに基づき、在米の外国銀行のすべての支店および代
    理店は、米国銀行持株会社により所有または支配されている国内銀行に課せられているものと同様の報告および審査要件に従
    うものとする。連邦政府の認可を受けた支店は、主に米国通貨監督庁(「OCC」)の規制を受けることから、ANZBGLのニュー
    ヨーク支店(「ニューヨーク支店」)は、国内銀行に許可されている業務に従事することができるものの、ニューヨーク支店
    はリテール預金を受け付けることができず(法人預金および企業預金のみ受け付けることができ)、そのため連邦預金保険公
    社(「FDIC」)の監督対象ではない。グアムおよび米国サモアで営業する米国銀行子会社は、リテール預金を受け付けるた
    め、FDICの監督対象である。本再編後(上記「(5)純粋                         持株会社    」に記載)、グアムの銀行子会社の清算が完了すると、ANZBGL
    は、グアムおよび米国サモアの米国銀行子会社のレベルでの規制を受けなくなるが、ANZBGL自身またはグループレベルで「良
    好な経営」または「十分な資本」を維持できなくなった場合または特定の資本水準の維持を求める執行措置の対象となった場
    合には、BHC法の対象となりFHCとしての活動が制限を受け続けることになる。
     IBA  の下で、FRBは、ニューヨーク支店を含む、外国銀行の米国支店および代理店が保有している預金に対する準備金要件を
    課す権限を有している。ニューヨーク支店は、一般的にその会計と記録を当グループのものとは別に維持する必要があり、OCC
    が規定するそのような追加要件に従う必要がある。IBAおよびBHC法は、当グループの米国におけるノンバンク業務に従事する
    能力にも影響する。
     IBA  の下で、非米国銀行の在米支店は、国内銀行と同じ範囲でOCCにより管財人の管理対象となる。監督官は在米支店の事業
    と財産を占有することがある。監督官は、法律や規制の違反および安全と健全性の違反に対処する広い範囲の監督および執行
    手段を自由に使うことができ、それは在米支店に対して課される場合がある。監督官は、在米支店の経営者を解任し、民事上
    の罰金を課することもある。状況によっては、監督官は自ら、あるいはFRBの勧告を受けて、在米支店の免許を剥奪することも
    ある。
     当グループは、2010年のドッド-フランク・ウォール・ストリート改革および消費者保護法(「ドッド-フランク法」)の一
    定の規定に従っている。ドッド-フランク法は、米国および世界の銀行業務の多くの側面を規制する。
     BHC  法のセクション13およびその施行規則は通称を「ボルカー・ルール」といい、とりわけ、銀行およびその関連会社が一定
    の「自己勘定取引」に従事することを広く禁止し(ただし、引受け、マーケット・メーキング関連、リスク緩和ヘッジ業務な
    どの一定の業務は許可する。)、一定の重要な例外および免除はあるが、一定のプライベート・ファンド(プライベート・エ
    クイティ・ファンドおよびヘッジファンドを含む。)への資金提供ならびに投資を制限する。
     その他のドッド-フランク法の規制は、非清算集中スワップおよび有価証券関連スワップについて最低限の証拠金の要件を課
    し、規制された取引プラットフォームおよび決済機関において標準OTCデリバティブを集中約定および集中決済することを要請
    し、特定の種類のデリバティブについてポジションの規模に制限を課し、取引データを規制されたスワップおよび有価証券関
    連スワップのデータ蓄積機関に報告することを要請し、ならびにディーラーおよびデリバティブ市場の主要な市場参加者の監
    督強化を規定している。ANZBGLは、商品取引法および商品先物取引委員会(「CFTC」)規則に基づく仮登録スワップ・ディー
    ラーである。ANZBGLは、米国証券取引委員会(「SEC」)に登録された有価証券関連スワップ・ディーラーではないが、登録が
    必要となった場合または登録が適切と判断された場合は、登録を行うことがある。さらに、当グループ内の他の関連会社は、
    米国人であるカウンターパーティーまたはその他の特定の種類のカウンターパーティーとのスワップまたは有価証券関連ス
    ワップ取引の水準次第で、スワップ・ディーラーまたは有価証券関連スワップ・ディーラーの登録の対象となる可能性があ
    る。CFTCまたはSECへの登録が必要とされなくても、そのような企業は、米国人であるカウンターパーティーまたはその他の特
    定の種類のカウンターパーティーとの取引に関連して、CFTCまたはSECの規制要件の一部の対象となる可能性がある。
     2020  年、CFTCは、クロスボーダー取引に関する規則を採択し、これは特に、CFTCがCFTCのものに相当すると決定した規制制
    度を有する非米国法域に所在するスワップ・ディーラーによる「代替的コンプライアンス」を許容する。CFTCは、従前、クロ
    スボーダー取引に関する規則の採択前に自らが発行したガイダンスに基づいてオーストラリアの法令の一定の側面に関してか
    かる決定を行っており、かかる決定は、新たな規則の下でも有効に存続する。かかる決定に基づき、ANZBGLは、相当するCFTC
    規則の遵守の代わりに一定のオーストラリアの規則の代替的遵守に依拠することができる。
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     米国の健全性規制機関、CFTCおよびSECは、決済されないスワップおよび有価証券関連スワップの取引に当初および変動証拠
    金要件を課す規則を実施した。ANZBGLは、FRBの監督に服するスワップ・ディーラーであり、OCCにより規制されるニューヨー
    ク支店を運営していることから、FRB、農業金融局、FDIC、連邦住宅金融庁およびOCCが公布した非清算集中スワップの証拠金
    に関する規則を遵守する必要がある。これらの規則により、対象のカウンターパーティーとの対象の取引に関して当初および
    変動証拠金を収取および預託することを求める要件が課されている。健全性規制機関およびCFTCの規則はまた、ANZBGLのよう
    な非米国スワップ・ディーラーが、一定の分野の取引およびカウンターパーティーに関して、健全性規制機関が非米国法域に
    ついて同等性の決定を行った場合には健全性規制機関およびCFTCの証拠金に関する規則の代わりに当該非米国法域の適用ある
    法律を遵守すること、またはその他の方法で米国の証拠金に関する規則を遵守しないことを認めている。
     ドッド-フランク法はまた、ANZBGLが破綻処理計画をFRBおよびFDICに提出することも要求する。ANZBGLは、直近の米国破綻
    処理計画を2022年6月に提出している。ANZBGLはまた、レギュレーションYYのサブパートNに基づく「強化された健全性規
    制」の対象にもなっており、これはドッド-フランク法第165節に基づき導入され、財務およびリスク監視要件の遵守の四半期
    ごとおよび年1回の証明を求めている。2019年10月、FRBおよびFDICは、外国の銀行組織の米国での事業規模およびリスク・プ
    ロファイル次第でそれらに適用される、破綻処理計画の策定について個別適合的な要件を適用する最終規則および強化された
    健全性基準の修正を発行した。               最終規則の下では、ANZBGLは、次回は2025年7月1日までに簡易な破綻処理計画の提出を求め
    られることになる。
     ANZBGL   は、  ANZセキュリティーズ・インク(「ANZSI」)を通じて米国における債券資本市場の活動を行っている。ANZSIは、
    SECの認可を受けたブローカーディーラーであり、SECおよび金融業規制機構(「FINRA」)の監督下にある。また、ANZSIは、
    事業を行っている州および地域でライセンスを取得している。SECおよびFINRAにおいては、ANZSIに適用ある広範な遵守事項が
    あり、これには、記録の維持、取引および通信のモニタリング、ANZSIの従業員の監督、内部方針および手続、ならびにANZSI
    の日常業務を規律するその他多くの事項が含まれる。ANZSIは、その業務についてSECおよびFINRAによる定期的なレビューを受
    けている。
     米国の外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)は、金融機関に、特定の顧客デュー・デリジェンスを実施し、米国市民ま
    たは課税上の米国居住者である口座保有者(一定の者についてはその実質的所有者を含む。)の情報を、直接または現地税務
    当局を経由して、米国連邦税務当局である内国歳入庁に提供することを求める。必要な顧客データ収集デュー・デリジェンス
    および口座保有者情報の提供が実施されず、適用ある要件を満たす方法および形式で提供されない場合、当グループおよび/
    または当グループ内のメンバーの口座に資産を保有する者は一定の金額に関して30%の源泉徴収の対象となる可能性がある。
    かかる源泉徴収は現在、米国内の源泉からなされた一定の支払に対してのみ適用される可能性があるが、「外国でのパスス
    ルーの支払」という用語を定義する米国の最新の規則が制定された日の2年後の日より前に行われた米国外の源泉からなされ
    た支払にはかかる源泉徴収税は課されない予定である。現在、「外国でのパススルーの支払」の定義案または最終の定義は存
    在せず(法令上の要件および時間枠は変わりうるが)、そのため一定の支払が外国でのパススルーの支払として扱われる可能
    性があるか否かは不明である。
     以上の議論は、一定の手取金総額の支払について源泉徴収を行わず、米国外からの支払に対する源泉徴収の発効日を遅らせ
    る米国の規制案を反映したものである。米国財務省は、納税者は規制案に依拠できる旨を述べている。以上の議論は、現在の
    内容で規制が最終化され、遡及的に適用されることを前提としている。
     FATCA   に加え、米国は、一定の状況において当グループに一定の情報を米国支払人(源泉代理人、                                          カストディアン       など)に提
    供することを求める可能性があり、当グループおよび/またはその顧客は、当グループが当該情報を適用ある規則および規制
    を遵守して提供しなかった場合、源泉徴収の適用を受ける場合がある。さらに、当グループが求められた情報を提供したとし
    ても、一定の米国からの支払に対してはなお源泉徴収の適用がありうる。
     当グループはまた、ANZBGLが営業を行う国が米国との政府間協定の締結および施行を行わず、その国においてFATCAの遵守を
    妨げる現地法上の障害がある場合には、多大な源泉徴収エクスポージャーおよびその他の営業上の影響といったより広範なコ
    ンプライアンス上の問題に直面する可能性がある。
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     金融機関に影響を及ぼしている米国政府政策の主な焦点の1つは、マネーロンダリング、テロリストの資金調達および米国
    の制裁への違反に対抗することである。2001年テロリズムの阻止と回避のために必要な適切な手段を提供することによりアメ
    リカを統合し強化        するための法律(「愛国者法」)は、著しいコンプライアンスとデュー・デリジェンスの義務を課し、犯罪を
    確認し、罰則を規定し、米国外における管轄権を拡大することによって、米国マネーロンダリング防止法の範囲を大幅に拡大
    した。米国財務省は、愛国者法の様々な要件を実施する数々の規制、および制裁に関するその他の米国法を発表し、それは
    ANZBGLの米国ブローカーディーラー子会社、ニューヨーク支店ならびにグアムおよび米国サモアで営業するANZBGLの銀行子会
    社などの外国銀行の子会社および支店を含む米国金融機関に適用される。
     それらの規制は、米国内で事業を行っている金融機関に、マネーロンダリングとテロリストの資金調達を特定、阻止、報告
    するとともに顧客の身元を確認する適切な方針、手続き、管理を維持するよう求める。それらの規制はまた、米国内の金融機
    関に対して、米国の制裁制度を遵守して業務を行うよう求める。さらに、米国銀行規制機関は、より高い基準を課し、米国法
    執行機関は、より積極的な役割を果たしてきており、その結果、当該事項の執行が強化されている。他のグローバルな金融機
    関に対する執行処分決定には、多額の罰金の支払、将来の事業運営に関する合意、関係者の処分などが含まれている。金融機
    関が、マネーロンダリングとテロリストの資金調達に対抗する適切な方針と手続きを維持、実施できず、また米国の制裁制度
    を遵守できない場合、金融機関にとって法的および評判上深刻な結果を招くことがあり、さらに民事上、金銭上および刑事上
    の罰則処分を課される結果となることもある。
     2021  年1月、2020年マネーロンダリング防止法(「AMLA」)が米国において立法された。AMLAでは、米国マネーロンダリン
    グ法制を包括的に改革し最新化することが企図されている。とりわけ、AMLAは、金融機関のマネーロンダリング防止のコンプ
    ライアンスについてリスクベース・アプローチを条文化し、マネーロンダリング防止コンプライアンスのための評価技術およ
    び内部手続の基準を米国財務省が発展させることを要請し、執行および調査に関連する権限の拡大(一定の違反に対して適用
    可能な制裁措置の大幅な拡大を含む。)を行うものである。AMLAの多くの条文は、追加的な規則制定、報告その他の措置を必
    要としており、AMLAの効果は、とりわけ、規則制定および施行ガイダンスの影響を受けるであろう。
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    その他の監督機関
     当グループには、ASXおよびNZXに上場されているANZBGLの普通株式を含む、一定の証券取引所に上場している証券がある。
    これにより、当グループは、オーストラリアおよび海外の様々な上場の要件ならびにコーポレート・ガバナンスの要件を遵守
    しなければならない。
     APRA  がANZBGLおよびその支店業務を対象に行う健全性自己資本監督ならびに上記の監督および規制の詳細に加えて、すべて
    のANZBGLのオフショア支店および銀行子会社の現地での銀行業務は、それぞれの監督機関による現地国の監督に従う。例えば
    RBNZ、OCC、FRB、英国健全性規制機構、シンガポール通貨監督庁、香港金融管理局、中国銀行保険規制委員会ならびにこれら
    の諸国および他の関連諸国のその他の金融監督機関である。これらの監督機関は、とりわけ、それぞれの管轄法域におけるこ
    れらの業務に対し、最低自己資本金要件を課す可能性がある。
     当グループはまた、営業を行うすべての国の現地法における、マネーロンダリング防止および対テロ資金に関する一定の法
    規制を   遵守することを求められる。
    (9)   競  争

    オーストラリア
     オーストラリアの銀行業界は集中しており、競争が激しい。2022年9月30日現在、オーストラリアの4つの主要な銀行グ
    ループ(ANZグループ、オーストラリア・コモンウェルス銀行、ナショナル・オーストラリア銀行およびウェストパック・バン
    キング・コーポレーション)がオーストラリアで営業を行う公認預金受入機関(「ADI」)のオーストラリアの貸付資産総額の
       (1)
    約72%    を保有していた。規模の小さい地方銀行の業務運営は、典型的には、特定の州または地域の顧客へのサービス提供に
    焦点を絞っており、リテール銀行業務に重点を置いている。多くの国際銀行もオーストラリアで銀行サービスを提供してお
    り、一般的にこれらの銀行はリテールまたは法人市場の特定の部門に重点を置き、かかる部門において若干のシェアを占めて
    いる。
     1980  年代初頭のオーストラリアの金融制度の規制緩和は、4大銀行グループと選択的な市場で競争する銀行金融機関および
    非銀行金融機関の急増につながった。住宅金融組合や信用組合などのノンバンク仲介機関は主に預金受入および住宅ローン貸
    付の分野で競争する。大手住宅金融組合のうちいくつかは、銀行法の下で、銀行業免許を付与されている。専門的な銀行以外
    の住宅ローン貸付業者および直接的な(支店以外の)銀行業務もまた近年においてより重要になっている。
     競争は歴史的に住宅ローン市場においてより激しい。競争は、当初は担保付住宅ローン・オリジネーターの増加、その後は
    担保付住宅ローン・ブローカー業界の成長からもたらされた。ノンバンクのオリジネーターが近年活発化し、このことは、規
    制された市場に比して、大幅に低い市場シェアベースからではあるが、ノンバンクのオリジネーターおよび規制されていない
    市場の成長率に反映されている。大手銀行を含む住宅ローンの提供者は、新規貸付市場およびリファイナンス市場のいずれに
    おいても、広告された料率を下回る大幅なディスカウントを行うことにより活発に競争している。
     オーストラリアのリテール預金市場もまた、資金調達を支えるための信用の伸び増加および貸付需要増の時期には特に、競
    争が激しい。リテール顧客の銀行預金に対するオーストラリア政府保証は、世界金融危機の最中の2008年に導入され、大手
    オーストラリア銀行への預金の増加およびその他預金ファンド提供者への預金の減少をもたらした。オーストラリア政府保証
    は、オーストラリアの預金受入機関の預金およびホールセール資金調達に係る保証の提供を可能とするためにオーストラリア
    政府によって発表された一時的措置に依拠している。さらに、金融サービス・セクターの変化により、ノンバンクでも、従来
    銀行が   様々な(物理的およびオンラインの)流通チャネルを通じて                            提供してきた商品およびサービスを提供することが可能に
    なっている。
     コーポレートおよび商業銀行業においては、大手銀行、地域銀行およびその他の商業銀行全体で依然として競争が激しい。
    事業投資が引き続き低調であることから信用の需要は減少しており、このことは、顧客とのリレーションシップ維持および深
    耕のさらなる重視とともに、貸付利鞘への圧力をより高めている。
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     法人市場において、競合他社はその顧客基盤の質、認知された技術の組合せ、体系化されたソリューションおよび価格設
    定、顧客の洞察力、評判およびブランドにより評価を獲得する。オーストラリア国内市場においては、大手中堅企業および大
    企業の顧客レベルでの競合他社は一般に、オーストラリア大手銀行、少数の世界的な投資銀行ならびに現地市場を超越してい
    る少数のアジア銀行およびニッチ分野に力を入れている巨大多国籍銀行コングロマリットのブティック型事業である。
     銀行業界は、顧客のニーズおよび変化する顧客の選好に応えるために、引き続き新しいデジタル商品およびデジタル・サー
    ビスのソリューションとともに進化を続けている。革新的なデジタル・ソリューションへの需要は、特にリテール銀行業にお
    いて、銀行業界への既存参入者と新規参入者とのさらなる競争に寄与している。
     さらに、将来の経済状況は、当グループが中期的に事業を展開する市場における金融仲介業者の数にさらに影響を与える効
    果をもたらす可能性がある(詳細については、「第3 事業の状況-2 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性-当
    グループの事業の活動および業界に関するリスク-3当グループが業務を行う市場における競争は、当グループのポジション
    に悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。)。ただし、中期的な競争水準の低下にはつながらない可能性がある。
     オーストラリアのオープン・バンキング法は、商品とサービスを比較し切り替える消費者の能力を向上させることを目的と
    する。これにより、オーストラリアの銀行業界への新規参入者に対する障壁が削減され、競争が激化する可能性がある。
     (1)  出典:   APRA2022年9月の月次公認預金受入機関統計(2022年10月31日公表)。

    ニュージーランド

     当グループが営業を行うニュージーランドの金融サービス・セクターは非常に集中しており、また非常に競争が激しい。ANZ
    ニュージーランドの主な競合他社は、ASB銀行、ニュージーランド銀行、ウェストパック・バンキング・コーポレーション/
    ウェストパック・ニュージーランドという他の3大銀行である。これらの各銀行は、オーストラリアの大銀行の子会社または
    支店である。これらの銀行は、個人から大企業まであらゆる顧客セグメント全体に関与する。
     競争はまた、その他銀行の特定の事業セクターにも存在する。キウィ銀行は、リテール・セクターにおいて活動し、ラボバ
    ンク・ニュージーランドは、リテール預金および農業貸付市場において活動する。ハートランド・バンク・リミテッド、TSBバ
    ンク・リミテッドなどの地方銀行は、リテール・セクターでの競争力を高めている。シティグループ・インク、香港上海銀
    行、ドイツ銀行などの国際的な銀行は、法人市場に限定的に参加している。2013年末以降、ニュージーランドではまた、中国
    工商銀行、中国建設銀行および中国銀行が、ニュージーランドにおいて登録銀行となった。これらの銀行の重点は住宅貸付お
    よび事業貸付に置かれているようであるが、当該セグメントにおけるこれらの銀行の市場シェアは、依然として小さい。
     歴史的に、ニュージーランドのリテール預金市場は競争が激しい。しかし、最近では、ニュージーランドのCOVID-19のパン
    デミックからの景気回復を支えるためにRBNZが導入した大規模な資産購入プログラムにより、ニュージーランドの銀行業界内
    の資金量が増加したため、預金獲得競争は緩和されている。2022年9月30日現在、住宅ローン市場が登録銀行によるニュー
    ジーランドでの貸付の半分以上を占めており、この市場が競争における主要分野である。
     近年、ニュージーランドではノンバンクのオリジネーターの活動が活発化しているが、総資産における成長率はオーストラ
    リアなどのオフショア市場と比較して低くなっている。COVID-19のパンデミックにより、顧客の実店舗からオンラインやデジ
    タル・サービスへの移行が促進されており、これにより金融サービス・セクターにおける新たなプレーヤーの出現が促される
    可能性がある。2022年9月30日現在、ノンバンク・セクターは金融制度の資産合計の約3%を占めていた。
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     COVID-19    の パンデミックその他の将来起こり得る経済的混乱は、規制および金融政策の変更、資金調達コストおよび信用供
    与の増加、流動性のレベル、事業継続計画の実施、ならびに事業戦略の変更により、ニュージーランドの金融サービス・セク
    ターにおける競争に中期的な影響を与える可能性がある。
    アジア

     アジアにおける銀行業は、非常に競争が激しい。多数のグローバル銀行ならびに地域銀行が、各市場の地方銀行に加えて本
    地域で営業している。
     当グループは、現在、アジアの多数の国において、法人銀行業ならびに地域のトレードおよび資本フローによる顧客への金
    融ソリューションの提供に焦点を絞って営業を行っている。当グループは、地理的対象、オーストラリアおよびニュージーラ
    ンドの国内市場における強み、ならびに顧客、産業および商品に係る専門化(マーケッツおよびトランザクション・バンキン
    グを含む。)への的を絞った集中により、地域を超えて競合他社との差別化が可能になると確信している。
     競争は引き続き活発であり、多数の銀行がこの地域の成長機会を支援するためにバランスシートの一部を投じたいという意
    欲を示している。このことは、アジアにおける法人貸付の純預貸利鞘が、オーストラリアおよびニュージーランドにおける類
    似の貸付における純金利マージンよりも一般に低水準であることに寄与している。
     当グループは、法人顧客に対して幅広い一連の金融サービスを提供するが、アジアにおけるリテール市場または商業市場に
    おける銀行となることは目指していない。
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    4【関係会社の状況】
    (1)親会社
       該当事項なし。
     2023年1月頃、オーストラリア法に基づいたスキーム・オブ・アレンジメントによって、純粋持株会社のANZグループ・ホー
    ルディングス・リミテッドがANZグループの新たな親会社となる。かかる新たな企業構造の下で、ANZグループ・ホールディン
    グス・リミテッドがANZ銀行持株会社(ANZ                    Bank   HoldCo)の全株式を保有し、ANZ銀行持株会社がANZBGLの直接親会社となる予
    定である。ANZグループ・ホールディングス・リミテッドおよび関連する本再編についての詳細は、上記「3 事業の内容-
    (5)純粋持株会社」を参照のこと。
    (2)被支配法人

       当グループの重要な被支配法人(2022年9月30日現在)は以下のとおりである。
                                                       議決権の

                                                    (1)
                                                帳簿価額
    名  称                           事業の内容        設立地                所有割合
                                                (単位:千ドル)
                               銀行業        ベトナム           204,731     100 %
                  (2)
    ANZ バンク(ベトナム)リミテッド
    ANZ ファンズ    Pty  Ltd                    持株会社        オーストラリア          13,432,005      100 %
                               銀行業        キリバス            5,400     75 %
                  (2)
     ANZ バンク(キリバス)リミテッド
                               銀行業        サモア            17,565     100 %
                  (2)
     ANZ バンク(サモア)リミテッド
                               銀行業        タイ           766,717     100 %
                           (2)
     ANZ バンク(タイ)パブリック・カンパニー・リミテッド
                               持株会社        ニュージーランド                100 %
                          (2)
                                                 10,253,320
     ANZ ホールディングス(ニュージーランド)リミテッド
                               銀行業        ニュージーランド                100 %
                       (2)
                                                 10,721,812
      ANZ バンク・ニュージーランド・リミテッド
                               資産運用        ニュージーランド              #   100 %
       ANZ インベストメント・サービシズ(ニュージーランド)
            (2)
       リミテッド
                               ファイナンス        ニュージーランド             440   100 %
                             (2)
       ANZ ニュージーランド(インターナショナル)リミテッド
                               持株会社        ニュージーランド           110,231     100 %
       ANZ ニュージーランド・インベストメンツ・
       ホールディングス・リミテッド
                           (2)
       (旧ANZウェルス・ニュージーランド・リミテッド)
                               資産運用        ニュージーランド           114,544     100 %
        ANZ ニュージーランド・インベストメンツ・                リミテッド
        (2)
                               ファイナンス        ニュージーランド              #   100 %
                           (2)(5)
       ANZ ニュージーランド・        カバード・ボンド・トラスト
                               持株会社        シンガポール              #   100 %
                         (2)
     ANZ インターナショナル・プライベート・リミテッド
                               マーチャント・        シンガポール            62,309     100 %
                 (2)
      ANZ シンガポール・リミテッド
                               バンキング業務
                               持株会社        香港            69,007     100 %
                      (2)
     ANZ インターナショナル(香港)リミテッド
                               銀行業        バヌアツ                100 %
                   (3)
                                                   22,611
      ANZ バンク(バヌアツ)リミテッド
                               自家保険        シンガポール           102,242     100 %
                            (2)
     ANZ カバー・インシュアランス・プライベート・リミテッド
    ANZ レンダーズ・モーゲージ・インシュアランス                 Ptyリミテッド        抵当保険        オーストラリア           398,296     100 %
                               ファイナンス        オーストラリア              #   100 %
                       (5)
    ANZ レジデンシャル・カバード・ボンド・トラスト
    オーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンク                           銀行業        中国          1,121,161      100 %
                   (2)
    (チャイナ)カンパニー・リミテッド
                               銀 行業       パプアニューギニア           754,828     100 %
    オーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンキング・
               (2)
    グループ(PNG)リミテッド
                               銀行業        中国            2,986    100 %
             (2)
    重慶市梁平    ANZ 農村銀行
                               持株会社        グアム            40,692     100 %
               (4)
    シティズンズ・バンコープ
                               銀行業        グアム            67,047     100 %
            (4)
     ANZ グアム・インク
                               証券化        オーストラリア            17,700     100 %
    インターナショナル・セキュリタイゼーション・サービシズ
                               マネージャー
    ・リミテッド     (旧ANZケーペル・コート・リミテッド)
                               銀行業        インドネシア           262,460     99 %
              (2)
    PT バンクANZインドネシア
      #   500  ドル未満。

    注:  (1)  帳簿価額=当該被支配法人の直接の親会社であるANZグループ会社が保有する投資の帳簿価額。これは「第6 経理の状況-1 財務書類」の
        2022年度財務書類において報告されている被支配法人の純資産の帳簿価額ではない。
      (2)  当グループ監査の一環として、または単体財務書類に必要であるため、海外のKPMGによる監査を受けている。
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      (3)  ロー・パートナーズによる監査を受けている。
      (4)  デロイト・グアムによる監査を受けている。
      (5)  当グループは所有していない。当グループが事業のほぼすべてのリスクおよび経済価値を留保する場合、支配が存在する。
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      重要な被支配法人の変更
       2022  年7月、ANZアジア・リミテッドは登録が抹消された。
      重要な制限

       健全性規制に服する被支配法人は、最低自己資本やその他の規制要件の維持を要求されることがあり、これにより、資
      産の譲渡、配当金支払その他の資本分配を親会社や当グループ内の他の企業に行う能力を制限される場合がある。当グ
      ループはこのような制限を            「第6 経理の状況-1 財務書類」中の2022年度財務書類の注記18「財務リスク管理」に概
      要を記したリスク管理の枠組みおよび同財務書類の注記25「資本管理」に概要を記した資本管理戦略の範囲内で管理して
      いる。
       2022  年9月30日、当グループ内の企業が資産の譲渡、配当金支払その他の資本分配を当グループ内の他の企業に対して
      行う能力について重要な制限は課せられていない。
    (3)関連会社

       当グループの重要な関連会社             (2022年9月30日現在)           は以下のとおりであ         る。
                                              (1)

                                                    議決権の
                                          帳簿価額
                                 主たる事業所
     名称                  事業の内容          および設立地        ( 単位:百万ドル)          所有割合
     AMMB  ホールディングスBerhad                銀行業務および保         マレーシア               790        22 %
                       険
     PT  バンク・パン・インドネシア                 個人および企業向         インドネシア              1,318         39 %
                       け銀行
     ワールドライン・オーストラリア                  決済および取引         オーストラリア               47        49 %
                       サービス
     Ptyリミテッド
     注 : (1)  関連会社に対するANZの出資の持分法による帳簿価額。

     当グループの関連会社の詳細については、「第6 経理の状況-1 財務書類」の2022年度財務書類の注記27を参照のこ

    と。
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    5【従業員の状況】
     2022年9月30日現在、ANZはフルタイム換算(FTE)基準で3万9,196名(2021年9月:4万221名)の従業員を雇用してい
    た。
                                          年度

                                  2022  年      2021  年
      部門別                            9月終了        9月終了       増減率
      オーストラリア・リテール                             11,846        11,764        1 %
      オーストラリア商業                              2,799        3,095       -10  %
      法人                              6,236        6,196        1 %
      ニュージーランド                              6,873        7,060       -3 %
      パシフィック                              1,086        1,089        0 %
      グループ・センター(1)                             10,147        10,480        -3 %
      継続事業におけるFTE合計                             38,987        39,684        -2 %
      非継続事業                               209        537      -61  %
      FTE  合計(非継続事業を含む。)                            39,196        40,221        -3 %
      平均FTE(継続事業)                             39,546        38,043        4 %
      平均FTE(非継続事業を含む。)                             39,987        38,813        3 %
                                          年度

                                  2022  年      2021  年
      地域別                           9月終了        9月終了        増減率
      オーストラリア                             19,211        19,552        -2 %
      アジア、太平洋、ヨーロッパおよびアメリカ                             12,705        13,196        -4 %
      ニュージーランド                              7,280        7,473       -3 %
      FTE  合計                            39,196        40,221        -3 %
      注:(1)    1835iグループPtyリミテッドが管理する連結された投資先のFTEを除く。

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    労使関係
    オーストラリア
     オーストラリアにおいては、大半の非経営陣の雇用条件は給与を含めて団体企業労働協約(「EBA」)の一部として労働組合
    と経営陣との間で交渉することができる。ただし、従業員の過半数の賛成を条件とする。
     ANZ労働協約2015-2016年(オーストラリア)は、2015年12月29日に開始した。同協約は89%の大多数の従業員がこれを承認
    した従業員投票を受けて、公正労働委員会により承認された。同協約はANZ労働協約2013-2014年(オーストラリア)に代わ
    り、ANZのオーストラリアのグループ4、5および6の従業員(すなわち中間管理職および非管理職従業員)のための雇用の最
    低雇用条件を定める。同協約はまた、2015年度および2016年度の業績・報酬検討に関する適格な「非市場評価の」オーストラ
    リアのグループ5および6の従業員(すなわち非管理職従業員)の賃上げの取決めも定め、これらの従業員に適用される給与
    の幅を含む。
     2017  年9月19日、94%の大多数の従業員が、同協約を1年間延長し、2017年度の業績・報酬検討に関する適格な「非市場評
    価の」オーストラリアのグループ5およびグループ6の従業員の賃上げを定め、かかる従業員の給与の幅を盛り込んだ同協約
    の修正案を承認した。公正労働委員会は、2017年10月31日にこの修正を承認した。同協約の賃上げ条項が現在は失効している
    ことを受けて、2018年から2022年までの各年において適格な「非市場評価の」オーストラリアのグループ5および6の従業員
    の賃上げは同協約外で管理されていたにもかかわらず、本書提出日現在、同協約は引き続き適用されており、今後も無期限に
    適用される。
     オーストラリアにおいて、経営陣と労働組合との間の重大な紛争はない。
    ニュージーランド

     ニュージーランドの従業員の過半数は個人の雇用契約によりカバーされている。FIRSTユニオンとANZニュージーランドの団
    体労働協約は、ニュージーランドの従業員の約12%をカバーし、2022年8月1日付で更新され、2024年7月31日まで有効であ
    る。
     経営陣と労働組合との間でいかなる重要な紛争も存在していない。
    アジア太平洋、ヨーロッパおよびアメリカ

     アジア太平洋、ヨーロッパまたはアメリカ地域にあるいずれかの国において、経営陣と労働組合との間の重大な紛争はな
    い。
    年金制度

     当グループは世界中で多数の年金、老齢退職年金および退職後医療給付制度を設定している。ANZの老齢退職年金債務の詳細
    については、「第6 経理の状況-1 財務書類」の2022年度財務書類の注記30を参照のこと。
    従業員株式

     ANZは、ANZ従業員株式購入制度およびANZ株式オプション制度に基づき運営される多数の従業員株式およびオプション制度を
    運営する。ANZの従業員株式およびオプション制度の詳細については、「第6 経理の状況-1 財務書類」の2022年度財務書
    類の注記31を参照のこと。
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    第3【事業の状況】
    1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

     上記「第2 企業の概況-3 事業の内容」および下記                          「2 事業等のリスク」を参照のこと。本項は本書の表紙(注)4.
    に記載の「将来に関する記載」に関する説明とあわせて検討されるべきである。
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    2【事業等のリスク】
    (1)リスク
     マクロ経済および地政学の状況は、当グループの事業環境にとって引き続き困難なものである。当グループのリスク管理の
    枠組み(「RMF」)は、こうした困難に直面する中でも揺るぎなく維持され、当グループの事業の健全な管理を可能にしてい
    る。
    当グループのリスク管理の枠組み

     取締役会は、当グループの基礎となるシステム、構造、方針、手順、プロセス、および人材を支柱に据えたRMFを設定し、か
    つ監督することに最終的な責任を負う。取締役会は、当グループのリスク管理方針の遵守を推進し、監視する権限を取締役会
    リスク委員会(BRC)に対して委任している。同委員会は、その活動について取締役会に定期的に報告を行う。当グループの
    RMFの主柱となるものには以下が含まれる。
    ・ 当グループの目的と戦略を要因として生じるリスクを管理するためのアプローチを記したリスク管理戦略(RMS)。RMSに
     は、当グループの目的と戦略を支援するリスク部門の構造、銀行役員説明責任制度(BEAR)に基づく当グループの説明責任
     者としての当グループ最高リスク責任者の所定の責任の遂行、戦略的優先事項を実現するために従業員に求められる価値
     観、態度および行動、重要なリスクそれぞれの内容、ならびに関連する方針、基準および手続きに準拠した各リスクに対す
     るRMFにおける対処方法についての概要が含まれる。また、重要なリスクの当グループによる特定、測定、評価、監視、報告
     の方法およびその後のそれらのリスクの管理または軽減の方法、ならびに監督の仕組みおよび/もしくは所定の委員会に関
     する情報も含む。
    ・ 重要な各リスクについて、株主、預金者および顧客の利益を考慮の上、当グループが戦略的目標および事業計画の達成に
     向かうにあたって受け入れる意思があるリスクの最大レベルに関する取締役会の予想を記載しているリスク選好報告書
     (RAS)。
    ・ 当グループの組織文化と当グループのRMFの本質的な部分から取りまとめたリスク文化の諸原則。
     当グループは、全員がリスクの責任を負うという文化の定着を促すリスク管理に関する3つの防衛線モデルを採用してい
    る。
     1番目の防衛線としての事業においては、日常的にリスクと制御に当事者意識を持つ責任と、RMFの継続的な実施と維持に対
    する説明責任を負う。
     2番目の防衛線は当グループのリスク(コンプライアンスを含む。)チームであり、当グループのリスク・プロファイルお
    よびRMFに対する独立した監視を行う。
     3番目の防衛線は内部監査であり、当グループのRMFの妥当性、有効性および適切性に対する独立した評価および保証を与え
    る。
     リスク管理のガバナンスおよび監視は、日々の活動に組み込まれている一方で、当グループ全体にわたって委員会および定
    期的なフォーラムにおける重要な取り組みとなっている(下図を参照のこと)。委員会およびフォーラムにおいては、既知の
    問題の対処にあたっての管理プランの見直しと進行状況の監視を行い、既知および新規のリスクについての議論と監視を行
    う。
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    主要な重要なリスク
     以下は、当グループのRMSに基づく当グループが直面する重要なリスクと、これらのリスクの管理方法の要約である。RMSの
    年次レビューの一環として、プロファイルを向上させるため、金融犯罪リスクを主要な重要リスクとして分類した(これまで
    はオペレーショナル・リスクとして把握されていた。)。当グループはまた、より良い慣行に準拠し、当グループにとって重
    要な義務や重要なリスクを特定することを目的としたコンプライアンス・リスクとオペレーショナル・リスクの戦略の方向性
    に従うため、資金洗浄リスク、テロ資金調達リスク、制裁リスクおよび不正リスクについてリスク管理アプローチを明記し
    た。
     リスクの種類                内容                     リスク管理

     自己資本充実        当グループの連結業務およびリスク選好                    当グループは、主要方針目標に照らした資本基盤の
     リスク        度を支援するための、健全性規制当局お                    水準と構成の継続的な審査および取締役会の承認を
             よびその他の主要な利害関係者(株主、                    通じて、預金者、債権者および株主の利益の保護を
             債券投資家、預金者および格付会社等)                    目的とした自己資本管理に対する積極的な取組みを
             が要求する自己資本水準を当グループが                    進めている。
             維持できない場合に発生する損失に関す
             るリスクである。
     コンプライア        当グループの事業に適用される法律、規                    当グループのオペレーショナル・リスクおよびコン
     ンス・リスク        則、業界基準および規約、内部方針およ                    プライアンスの枠組みの一部としてコンプライアン
             び内部手続きならびに最良ガバナンス原                    ス・リスクを管理する手法の主要な特徴には、以下
             則の不遵守に関するリスクである。                    のものが含まれる。
                                  ・ グローバル・オブリゲーション・ライブラ
                                    リーによる主要な義務の一元管理により、義
                                    務の新設・改訂に対して当グループに変更管
                                    理能力を与え、規制や事業環境の変化の特定
                                    に重点を置くことで、新たに発生するコンプ
                                    ライアンス・リスクの事前の評価を可能にす
                                    る。
                                  ・ 適時にインシデント/違反を特定、管理およ
                                    び報告する当グループの能力を向上させる独
                                    立の要素としてのインシデント管理の認識
     信用リスク        以下の結果生じる財務損失に関するリス                    当グループの信用リスクについての枠組みはトップ
             クである。                    ダウン構造で、信用原則および信用指針により定義
              ・ カウンターパーティーが債務履行                   づけられている。与信の政策、要件および手続き
                を怠る。                 は、初期承認およびリスクのグレード化から継続的
              ・ カウンターパーティーの信用の質                   な管理および問題債権の管理まで、与信のライフ・
                が低下し、そのことにより財務損                 サイクルにわたってあらゆる面を網羅している。
                失が生じる。
             信用リスクは、気候変動による、または
             カーボン・プライシングおよび気候変動
             適応政策または緩和政策を含む法令の改
             正または政府もしくは規制当局が採用す
             るその他政策の変更による影響を受ける
             可能性がある企業顧客およびリテール顧
             客に当グループが行う貸付に関連したリ
             スクを含む。
     流動性および        以下を含む、期日が到来した支払債務を                    当グループの流動性および資金調達リスクの管理に
     資金調達リス        当グループが履行できないリスクをい                    おける主要な原則には以下が含まれる。
     ク        う。                     ・ ANZの短期流動性シナリオのモデル化がなさ
              ・ 預金者への返済またはホールセー                      れており、複数の「維持可能期間」に対する
                ル債券の満期償還                    キャッシュフロー予測に重点が置かれてい
              ・ 資産を増額する資金調達を行う当                      る。かかる期間にわたり当グループはキャッ
                グループの能力が不十分                    シュフローのプラス値を維持することが要求
                                    される。
                                  ・ 長期シナリオは、バランスシート上の構造的
                                    な流動性ポジションを測定するよう設定され
                                    ている。
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     市場リスク        当グループのトレーディングおよびバラ                    当グループは、トレーディングおよびバランスシー
             ンスシート取引に起因するリスクであ                    ト取引の支援のために詳細な市場リスク管理および
             り、以下に起因する当グループの利益に                    統制の枠組みを有しており、この枠組みには、ト
             対するリスクをいう。                    レーディングおよびバランスシートのポートフォリ
              ・ 金利、外国為替レート、信用スプ                   オにおける市場リスクの大きさを定量化するための
                レッド、ボラティリティおよび相                 独立したリスク測定アプローチが組み込まれてい
                関関係の変動、または                 る。このアプローチは、関連する分析とともに、一
              ・ 債券価格、コモディティ価格もし                   定の期間に予想できる、可能性のある結果が及ぶ範
                くは株価の変動                 囲を特定し、それらの結果の可能性を確定し、これ
                                 らの活動を支援する適正な額の資本の割り当てを行
                                 う。
     オペレーショ        不適切または機能不全の内部プロセス、                    当グループは、コンプライアンス・リスクおよびオ
     ナル・リスク        人員およびシステム、または外生的事象                    ペレーショナル・リスクを、顧客や地域社会の最善
             に起因する損失リスクおよび/または法                    の利益となるよう、規制当局の期待に沿って管理し
             の不遵守リスクである。法的リスクおよ                    ている。コンプライアンス・リスクおよびオペレー
             びレピュテーション(評判)の損失のリ                    ショナル・リスクに係る原則(レベル1)がANZに
             スクを含むが、戦略リスクは含まない。                    おける基本的な要件を定めており、タイムリーで適
                                 切な特定、対応および監視を通じたANZのコンプラ
                                 イアンス・リスクおよびオペレーショナル・リスク
                                 の管理に係る方針、プロセスおよび手続の策定が明
                                 記されている。これは、ANZのRMFおよびANZのI.AM
                                 (特定・対応・監視)フレームワーク(レベル2)
                                 にも一部採用されている。
                                 当グループでは、オペレーショナル・リスクと義務
                                 の管理にリスクベースのアプローチを採用してい
                                 る。これにより、オペレーショナル・リスクに関連
                                 するリスク・エクスポージャーの事前の特定、評
                                 価、管理、報告およびエスカレーション(上長への
                                 報告)を一貫して行うことができるとともに、当グ
                                 ループが事業を行っている各法域の特定の義務を遵
                                 守することができる。
                                 オペレーショナル・リスクの日々の管理について
                                 は、事業部門のライン管理職およびスタッフが責任
                                 を負う。揺るぎないリスク文化に支えられるリスク
                                 管理は、スタッフ全員が日常的にリスクを認識して
                                 管理すること、すなわち「リスクはみんなの責任」
                                 であることの徹底に努めるよう促す。
     戦略リスク        組織の事業戦略および戦略目標に影響を                    戦略リスクは、取締役会の承認を経て、グループ経
             及ぼし、またはそれらによって生成され                    営委員会により管理された年間の戦略計画策定プロ
             るリスク。損失は、成功しないビジネス                    セスを通じて検討および管理される。戦略がその他
             プランを追求することを原因として生じ                    の主要な重要なリスク(例えば、信用リスク、市場
             ることがある。例えば、戦略的リスク                    リスク、オペレーショナル・リスク)の増大につな
             は、不適切な戦略による事業上の意思決                    がる場合は、それらのリスクに関するリスク管理戦
             定、決定の不十分な実施、不適当な資源                    略により一次的な管理が行われる。
             配分または事業環境の変化への適切な対
             応の失敗により生じる可能性がある。
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     技術リスク        技術資産およびサービスを顧客やスタッ                    当グループの技術リスクの管理は、顧客の情報の安
             フに提供する内部プロセス、人員または                    全性を確保し、サービスの中断を許容範囲内に収め
             システムの不備または機能不全による損                    るよう努める形で、サイバーセキュリティや第三者
             失リスクおよび/または法の不遵守リス                    プロバイダーに関連するリスクを含む技術の使用に
             ク。当該リスクには、第三者によって提                    起因するオペレーショナル・リスクを管理するアプ
             供または管理される技術資産およびサー                    ローチによって行われる。
             ビス、ならびに外部事象が含まれる。
             当該リスクでは、とりわけ、情報セキュ
             リティおよびサイバーセキュリティ、な
             らびに当グループが保有する情報につい
             て必要となる、不適切な改変、喪失、開
             示および利用不能からの保護の方法が対
             象とされる。
     コンダクト・        当グループ、その従業員または代理人                    コンダクト・リスクの管理は、顧客、地域社会、お
     リスク        が、事業活動を行う上で、顧客の利益、                    よび市場の一体性に対するリスクが、適切なガバナ
             金融市場の一体性や地域社会の期待など                    ンスおよび監督の下で、確実に特定、審査、測定、
             を適切に考慮しなかったことにより生じ                    評価、処理、監視および報告されることを目指すア
             る損失または損害のリスク。                    プローチによって行われる。
             当該リスクは、個々の従業員の故意また                    新しい非金融リスク(NFR)モデルに基づくレベル
             は過失によるものだけでなく、不注意や                    1のリスクテーマとしてコンダクト・リスクを明確
             不適切な当グループのシステム、プロセ                    化することは、ANZにコンダクト・リスクを主要な
             ス、手順から生じる可能性もある。                    重要リスクとして管理することを促すことになる。
                                 NFRモデル(および健全性規制基準CPS第220号「リ
                                 スク管理」上の当グループの義務)に従うため、
                                 ANZは明確で一貫した方法によるリスクの管理およ
                                 び監視を促進するグローバルなコンダクト・リスク
                                 枠組みおよびコンダクト・リスクの分類を構築し、
                                 コンプライアンス・リスクおよびオペレーショナ
                                 ル・リスク枠組み(I.AM)と連動させてリスクを管
                                 理している。
     金融犯罪リス        金融犯罪リスクの対象は、ANZにおける                   ANZ  における金融犯罪リスクは、コンダクト・リスク
     ク        以下のリスクである。                   枠組みに基づくリスクベース・アプローチを用いて
             マネーロンダリング(ML)リスク                ―  当  管理され、またコンプライアンス・リスクおよびオ
                                ペレーショナル・リスク枠組み(I.AM)ならびに3
             グループの商品および/またはサービス
                                つの防衛線モデルと連動して管理されている。リス
             が、犯罪収益の不正な資金源を隠して合
                                ク管理へのリスクベース・アプローチに加え、制裁
             法的な外観を持たせる処理の便宜のため
                                については、制裁関連法令を遵守するためのルール
             に悪用されることにより、当グループが
                                ベースの焦点(レンズ)が設けられている。当グ
             合理的に直面しうるリスク。
                                ループの事業が金融犯罪リスクを特定および管理で
             テロ資金調達(TF)リスク             ―  当グルー
                                きるよう、規制上の義務や影響が及ぶ事業活動を特
             プの商品および/またはサービスが、テ
                                定し、主な監督機能を維持および監視しなければな
             ロリストまたはテロ組織の支援に関した
                                らない。
             行為の実行のために用いる意図または認
             識のもと資金供給または資金集めの便宜
             のために悪用されることにより、当グ
             ループが合理的に直面しうるリスク。
             制裁リスク     ― 禁止されている制裁対象行
             為の便宜のために当グループの商品およ
             びサービスが悪用される結果、政府およ
             び国際機関が課す制裁に関する法令を遵
             守できなくなるリスク。
             詐欺リスク     ― 当グループの製品および/
             またはサービスが、内部または外部の資
             金源から生ずる不当または不正な利益を
             得るための欺罔に関与する1人以上の個
             人による故意行為の便宜のために悪用さ
             れることにより、当グループが合理的に
             直面しうるリスク。
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    (2)主なリスクおよび不確実性
     序論
     当グループの活動は、当グループの事業、業務、業績、レピュテーション(評判)、見通し、流動性、資本の源泉、財務実
    績および財務状態(「当グループのポジション」と総称する。)に悪影響を与える可能性のあるリスクに左右される。
     以下に記載するリスクおよび不確実性は当グループが直面する可能性のあるすべてのものではない。当グループが認識して
    いないまたは当グループが現在重要でないとみなしているさらなるリスクおよび不確実性も影響を与える重要な要因になる可
    能性がある。
     以下に記載する、または記載していないリスクのいずれかが実際に生じた場合、当グループのポジションが重大な悪影響を
    受け、その結果当グループの株式および債券の取引価格が下落し、投資家がその投資の全部または一部を失う可能性がある。
    下記のリスク要因は、本書の表紙(注)4.に記載の「将来に関する記載」とあわせて検討されるべきである。
    当グループの事業の活動および業界に関するリスク

    1.地域的または世界的な信用市場および資本市場における混乱を含む政治および一般的な事業・経済情勢の変化は、当グ

    ループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     当グループの財務実績は、当グループまたはその顧客もしくはカウンターパーティーが業務、取引または資金調達を行う主
    要諸国および地域(オーストラリア、ニュージーランド、アジア太平洋地域、英国、ヨーロッパおよび米国を含むが、これら
    に限られない。)(「関連法域」)における政治・経済情勢および事業活動の水準に主に影響される。
     当グループが業務および取引活動を行う市場における政治、経済および事業環境は、とりわけ国内外の経済事象、グローバ
    ル金融市場における進展、世界のサプライ・チェーンの回復力、政治的な展望、見解および関連事象および自然災害による影
    響を受ける。
     世界経済に影響を与えている世界の政治情勢により、政治および経済の不確実性ならびに国際金融市場におけるボラティリ
    ティが長期にわたり増大し、継続していく可能性があり、これが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。世
    界の政治情勢に影響を及ぼした(および今後も及ぼし続ける可能性がある)事象の例には、ウクライナの継続中の紛争、英国
    の2020年1月31日の欧州連合(「EU」)および欧州経済領域(EEA)加盟国からの離脱(一般的に「ブレクジット」と呼ばれ
    る。)、英国の政治動向、金融市場の課題や、とりわけ、米国、中国ならびにオーストラリアおよびニュージーランドの重要
    な貿易相手国および同盟国である国家によるものを含め主要国による関税および課徴金の賦課または賦課されるおそれに関す
    る国際貿易情勢の進展がある。とりわけ、ブレクジット後の協定や関係者間の取り決めに関しては、多くの不確実性が残され
    ている。
     ウクライナにおける紛争は継続中の流動的な状況であり、とりわけヨーロッパにおける地政学的および経済的情勢に大きな
    影響を及ぼしており、今後も継続することが予想され、特にエネルギー、食品および金属などの商品価格はすでに影響を受け
    ており、紛争が与える今後の影響は未だ不確実なままである。紛争を受けて、米国、英国およびEUは、ロシアに関する大規模
    かつ広範な経済制裁と輸出管理を共同で課す包括的な協調行動を発表し、その中にはロシア中央銀行の外貨準備の一部の凍結
    が含まれた。オーストラリア、ニュージーランドおよび日本を含むその他の国家は、同様の対象とセクターのうちいくつかに
    集中した制裁、輸出管理や類似の規制を発表している。これらの制裁は、ロシアその他の経済や国際金融システムに重大な影
    響を及ぼしている。紛争の範囲および期間ならびにそれに応じた経済制裁、輸出管理および類似の規制とそれらに起因する市
    場の混乱について予測するのは困難である。当グループは、ロシアやウクライナにおいて事業を展開しておらず、現在はロシ
    アおよびウクライナに対していかなる直接的なエクスポージャーも有していないが、かかる紛争は当グループが事業を展開す
    る市場に悪影響を及ぼす可能性があり、市場のボラティリティまたは経済の不確実性が長引けば、当グループのポジションに
    悪影響が及ぶ可能性がある。
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     現在、インフレ圧力は、オーストラリア、ニュージーランド、米国、カナダ、ヨーロッパおよび英国などの多くの経済で高
    水準となっている。地政学的緊張、金利の上昇、中央銀行による引き締めや、国際的な輸送能力の制約、運送費の上昇、サプ
    ライ・チェーンの問題、エネルギー価格の上昇、食料価格の上昇などの世界経済におけるCOVID-19に関する継続的な課題や労
    働市場の逼迫は、すべて世界経済に対するインフレ上昇圧力要因となっている。その結果、相手方取引先の債務不履行、各国
    の通貨のデノミネーション、資本規制の導入および/または一つもしくは複数の主要経済国の崩壊といった影響が生じる可能
    性がある。予測は困難であるが、このような事象は世界の金融市場の不安定化をもたらし、当グループのポジションへの悪影
    響を含め、すべての参加者に悪影響を及ぼす可能性がある。食料の価格と供給は、ウクライナにおける戦争による影響をすで
    に受け、また、主要な農業地域における異常気象による影響も受けている。これらの要因は金融市場や経済および社会の安定
    性に影響を及ぼし、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     米国と中国など一部の貿易相手国との間の貿易関係およびより広範な地政的局面における関係は依然として不安定である。
    オーストラリアおよびニュージーランドの主要貿易相手国および同盟国の貿易政策の実施または規制の枠組みの相違は、オー
    ストラリアおよびニュージーランドの輸出の需要に悪影響を与え、世界的な経済成長の低下につながる可能性がある。特に、
    中国はオーストラリアおよびニュージーランドの主要な貿易相手国の一つであり、当グループとその顧客が事業を行っている
    多くの市場において、商品需要と価格の重要な牽引役となっている。地政学的緊張の高まりや、追加関税およびその他の保護
    貿易政策の実施など、中国の経済成長ならびにオーストラリアおよびニュージーランドと中国の経済関係に悪影響を及ぼす事
    象が発生した場合、オーストラリアまたはニュージーランドの経済活動に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果、当グルー
    プのポジションにも悪影響が及ぶ可能性がある。
     ウクライナにおける紛争の結果によるものを含む国際政治情勢の不安定性は、経済の不確実性および市場流動性の低下をも
    たらしており、国際金融市場におけるボラティリティを高め、当グループまたはその顧客もしくはカウンターパーティーが業
    務を行う市場における消費者および企業の活動に悪影響を与える可能性があり、あるいは当グループが遵守すべき新たな規制
    上の枠組みの導入につながる、および/または規制上の枠組みの相違を引き起こす可能性がある。
     当グループまたはその顧客もしくはカウンターパーティーが業務を行う市場において経済状況が悪化した場合、住宅、商業
    用または地方不動産市場の資産価値が下落し、失業が増加し、企業および個人所得が悪影響を受ける可能性がある。世界市場
    (株式、不動産、外国為替およびその他資産市場を含む。)の悪化は、当グループの顧客ならびに当グループが貸付およびそ
    の他の信用供与のエクスポージャーに対して保有する担保に影響を与え、これは貸付およびその他の信用供与のエクスポー
    ジャーを回収する当グループの能力に影響を与える可能性がある。上記のいずれかが生じた場合、当グループのポジションは
    重大な悪影響を受ける可能性がある。リスク要因11.「信用リスクは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性があ
    る。」を参照のこと。
     当グループが需要の落込みまたは予想を下回る収益に対応してコスト構造、商品、価格設定または営業活動を適合させられ
    ない場合、当グループの財務実績はまた悪影響を受ける。同様に、当グループまたはその顧客もしくはカウンターパーティー
    が業務を行う国または地域における経済、全般的な事業環境または経営環境の悪化のために、予想を上回るコスト(与信費用
    および資金調達費用ならびにインフレに起因するコストの増加を含む。)を負担する可能性がある。上記のいずれかが生じた
    場合、当グループのポジションは重大な悪影響を受ける可能性がある。
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    2.COVID-19のパンデミックおよび他の伝染性疾患の将来の発生やパンデミックは、当グループのポジションに重大な悪影響
    を与える可能性がある。
     COVID-19    のパンデミックは当グループのポジション、国内経済および世界経済に影響を及ぼし続けている。ワクチン接種率
    の上昇に伴い、地域および海外での旅行、イベント、会議およびその他のもっと通常に行われている活動に対する制限が緩和
    されている。オーストラリア政府は州レベルを含め、当面の間は、将来のCOVID-19の蔓延を抑制するために、従前の制限を再
    導入するか、さらなる措置を実施や導入する可能性があることを示唆している。ニュージーランド政府は引き続き、隔離期間
    およびマスク着用の要件や、必要な場合には旅行者に対してその他の要件を課すことができる。さらなる変異株が発生した場
    合には、これまで採用されたものとは異なる政府の対応や一層強力な制限が必要になる可能性がある。COVID-19の継続的な影
    響は、例えば地政学的リスクなどのその他のリスクと相俟って、その影響と重なることで悪化し、経済の混乱を大幅に増大さ
    せる可能性がある。
     地域社会における健康上や経済的な活動の混乱は、オーストラリア、ニュージーランドおよび世界各地のほとんどの事業部
    門に影響を引き続き及ぼしている。継続的なCOVID-19によるサプライ・チェーンの混乱および労働力流動性の制約により、利
    益率が低下する可能性があり、顧客のキャッシュフロー、資本、流動性および資金調達需要に影響を与える可能性がある。こ
    れらの結果、当グループの商品およびサービスに対する需要に影響が及んでおり、当グループの信用ポートフォリオの質が短
    期的および長期的にさらに悪化する可能性がある。当グループの多くの借り手がCOVID-19のパンデミックの悪影響を引き続き
    受け、それが特に以下の部門において信用損失リスクの高まりにつながる可能性がある。運輸、観光および旅行、エンターテ
    イメント、教育、一任された小売業ならびに不動産部門。「第6 経理の状況-1 財務書類」の2022年度財務書類の注記14
    を参照のこと。
     COVID-19    は、不動産開発部門の安定性に影響を及ぼす請負業者のリスクの増大と潜在的な波及効果により不動産建設業界に
    著しい影響を与えている。サプライ・チェーンの混乱とそれに伴うコストの増加は、プロジェクトの実現可能性に対するリス
    クとして存在したままで、基礎となる不動産価格がコストの増加に応じて上昇せず、これがプロジェクトの遅延や取消しの原
    因となる可能性がある。世界的な経済活動の大幅な縮小により金融市場において大幅なボラティリティが生じており、そのよ
    うなボラティリティは今後も続いて世界経済および世界市場、ならびにオーストラリアおよびニュージーランドの経済に大き
    な影響を与え続けると予想される。渡航制限、国境管理、ソーシャルディスタンス確保、検疫手順その他の封じ込め対策(中
    国で継続中のロックダウン対策を含む。)は、オーストラリア、ニュージーランドその他の世界各地における経済活動の制
    限、商品需要の減退、産業界のサプライ・チェーンの中断、消費意欲の低下、事業収益および成長見通しの抑制につながって
    おり、今後も継続する可能性がある。また、これらすべてが世界の金融市場のボラティリティが継続する一因となる可能性が
    ある。
     混合型/ハイブリッド・ワークモデルにより、従業員の行動ならびに/または当グループのシステムおよびプロセスが影響
    を受けることでコンダクト・リスクが高まる可能性がある。顧客の損失のリスクは、パンデミックの経済的および社会的影響
    により引き続き形成されると思われる。景気が回復するにつれて、個々の状況に応じた個別に適合した支援および持続可能な
    取決めを当グループが提供できなければ、依然として苦境に陥っている個々の顧客が不利益を被る可能性がある。
     現在も続いているCOVID-19のパンデミックの影響は依然として不確実であり、本書日現在、COVID-19のパンデミックの影響
    を抑制する上でのワクチン接種、ブースター接種または他の医学的治療の有効性の有無および程度を予測することは困難であ
    る。
     上記のCOVID-19のパンデミックに関連したすべてまたはいずれかのマイナスの条件により、当グループの商品およびサービ
    スに対する需要のさらなる減退、貸付その他の債権のデフォルト、不良債権および減損の増加、ならびに/または当グループ
    の事業コストの増加が引き起こされる可能性がある。これらのいずれかが発生した場合、当グループのポジションに重大な悪
    影響を与える可能性がある。
     パンデミックに対する政府と中央銀行の対応の有効性は、依然として大きな不確実性に晒されている。COVID-19のパンデ
    ミックは、当グループのポジションに悪影響を及ぼし続ける範囲において、本書に記載されたその他のリスクの多くを強める
    影響を与える可能性がある。
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    3.当グループが業務を行う市場における競争は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     当グループが業務を行う市場は非常に競争が激しく、将来において一層競争が激化する可能性がある。オーストラリアで事
    業拡大を継続して行っているオーストラリア国外の金融サービス事業者や、これらの市場における新規参入のノンバンクまた
    は小規模事業者を含め、競争が激しくなっており、今後も引き続き高まることが予想される。
     競争に影響を与え、当グループのポジションにマイナスの影響を及ぼす要因の例として下記が挙げられる。
     ・ オーストラリアおよびニュージーランド外における事業体を含め、当グループと競合する事業体は、当グループより緩
        やかなレベルの規制および規制活動の対象となる可能性がある。このことは、規制レベルが緩やかであることがそれら
        の事業体のコストベースを低下させ、および/または当グループが他の方法で雇用を模索することになる従業員を惹き
        付ける能力を与えるため、より競争力のある商品およびサービスの提供をかかる事業体に可能にさせることがあり得
        る。
     ・ デジタル技術およびビジネスモデルが顧客の行動および競争環境を変化させており、新興の競合会社は、新技術の利用
        を増やし、金融サービス部門における既存のビジネスモデルの分断を目指している。
     ・ 伝統的な金融サービス部門以外の既存会社が、銀行業免許の取得および/または既存の提供会社との提携などを含め、
        従来銀行が提供する商品およびサービスを提供することにより当グループと直接競争を展開している。
     ・ 消費者および企業が、当グループがそれに関する金融サービスを提供しないことを選択する可能性がある、または競争
        上提供できない可能性がある(仮想通貨または中央銀行のデジタル通貨などの)新しい形態の通貨を利用した取引また
        はこれらの通貨への投資もしくは価値の保存を行う選択をすることもあり得る。例えば、オーストラリア準備銀行およ
        びRBNZはそれぞれ中央銀行のデジタル通貨について積極的なリサーチを行っている旨を発表しているが、かかる通貨が
        採用された場合、当グループのポジションに与える影響は不確実である。新しい形態の通貨は、金融仲介および市場の
        運営方法の変更につながり、それに伴い当グループの競争上および商業上のポジションにも変化をもたらす可能性があ
        る。
     ・ オープン・バンキング(以下に記載する。)により競争が増す可能性がある。(リスク要因17.「規制の変更または法
        律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこ
        と。)
     市況における競争の増加による当グループに対する影響または当グループの事業プラットフォームを競争上不利にする技術
    の変動は、特に当グループの主要市場および商品においては、当グループの市場シェア、顧客および利鞘の大幅な減少につな
    がる可能性があり、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     預金獲得のための競争の高まりにより当グループの資金調達コストが増加しうる。当グループが預金獲得に首尾よく競争で
    きない場合、当グループは他の、より安定していないまたはよりコストが高い形式の資金調達により大きく頼るか、貸付を削
    減せざるを得ないかもしれない。これは当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     地政学的および経済的混乱は、資金調達コストおよび信用引当金の増加、金利の変動、流動性の不足、事業継続計画の実
    施、事業戦略の変更ならびに一時的な規制上のセーフハーバーにより、中期的に金融サービス部門の競争や収益性に大きな影
    響を与える可能性がある。低成長環境下においては、競争の増大およびマージンの圧迫が起こる可能性が高い。
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     4.純粋株会社設立のための当グループの再編は当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     ANZBGL   は、当グループの新たな上場親会社として純粋持株会社のANZ                             NOHCを設立し、当グループの銀行事業と一定の非銀行
    事業を分離することになる。本再編(上記に定義される。)は、2023年1月頃に完了する予定である。
     APRA  は、ADIのオーストラリアの純粋持株会社(「NOHC」)に関する健全性の枠組みをまだ確定させていない。APRAによる
    ADIのオーストラリアNOHCに関する最終的な規制の枠組みやANZ                             NOHCに対する規制は、時間が経過するにつれ既存の規制の枠組
    みと異なってくるリスクが存在している。この結果、当グループに悪影響が及ぶ可能性および/またはさらなる構造上の変更
    が必要となる可能性がある。
     本再編により、ANZBGLの既存のオペレーティング・モデルに一定の変更が生じる。ANZBGLは、かかる変更を本再編後に適切
    に実施および管理することが可能であると考えている。しかしながら、予期せぬビジネス、市場および/または規制上の要因
    により、これらのオペレーティング・モデルの変更が期待通りに機能せず、さらなる変更が必要となる可能性がある。
     本再編の実施は多くの段階を経ることを要し、本再編の実施および/またはその時期、形態および範囲に影響を及ぼす可能
    性のある予期せぬ事態が発生する可能性がある。同様に、重要でない規制当局の承認の遅れや規制上の免除が認められないこ
    とにより、予期せぬ債務が発生する可能性がある。
     本再編に関連する移行およびその他の事項のすべてが成功裏に実施されない場合、または本再編自体が、当グループのポジ
    ションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     本再編が何らかの理由により意図されたとおりに完了に至らなかった場合、当グループの継続事業に悪影響が及び、金融市
    場が否定的に反応するなどの様々なリスクに当グループが晒され、顧客、ベンダーおよび従業員から否定的な反応を受ける可
    能性がある。当グループは、追加費用を負担し、本再編に関連する一定の費用を支払うことを要求される。また、本再編に関
    連して当グループの経営陣は多大な時間と資源を費やす必要があったが、もしそうでなければこれらは当グループに利益をも
    たらす可能性のあった他の機会に充てることができたものであった。
    5.オーストラリア、ニュージーランドまたは当グループが事業を行うその他市場の不動産市場の変動は当グループのポジ

    ションに悪影響を与える可能性がある。
     住居用および商業用不動産への融資は、不動産開発および投資不動産向け融資とともに、当グループの重要な事業である。
    当グループの貸付ポートフォリオの主要なサブ・セグメントには以下が含まれる。
     ・ 住宅ローン(自己所有および投資)
     ・ 商業用不動産ローン(投資および開発)
     2009  年以降、世界の主要な中央銀行は、前例のない金融政策による刺激策に乗り出した。それ以来、この結果生じた利回り
    を求める資金はその影響力により、当グループの中核的な不動産管轄区域(オーストラリア、ニュージーランド、シンガポー
    ルおよび香港)の不動産市場を支える重要な牽引役となってきた。不動産市場はCOVID-19のパンデミックの期間を通じて概ね
    堅調を維持した一方、金利の上昇以降はオーストラリアおよびニュージーランドにおける不動産価格は下落している。投資家
    は慎重な姿勢を示しており、不動産価格がどの程度まで下落するかは最終的に金利上昇の速度と上昇幅や、より広範な経済の
    見通しが受ける影響に左右されることになる。
     2022  年6月、APRAは、オーストラリアにおいて与信ベースのマクロ・プルーデンス政策を導入したが、それによりADIは、特
    定の形態の貸出(商業用不動産および住宅用不動産を含む。)の増加を制限する能力、システミック・リスクが高まっている
    時期により高リスクの貸出を抑制する、または、APRAが決定した水準による特定の貸出基準を満たす能力、および制限に対し
    て適切な報告を確実に確立する能力を確保することが要求される。また、APRAは、商業用不動産の定義を健全性の枠組みにお
    いてより広い意味で整合させることを示唆している。これらのAPRAの政策の枠組みの変更と2022年9月に適用される与信ベー
    スのマクロ・プルーデンス政策措置の健全性基準の正式な制定により、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性があ
    る。これらの提案は、リスク要因17.「規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジ
    ションに悪影響を与える可能性がある。」に記載されている。
     ニュージーランドの住宅用不動産価格の中央値は過年度において上昇して2021年11月に最高値に達した後、2022暦年には下
    落に転じている。RBNZの認識では、金利の上昇と生活費の増加が家計を圧迫し、それが住宅価格に影響を与える可能性があ
    り、住宅価格は短期的にはより持続可能な水準に向かって下落し続ける見込みである。
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     金利の上昇は、債務返済能力に影響を及ぼし、当グループの借手による債務不履行を増加させ、オーストラリアおよび
    ニュージーランド双方において商業用および住宅用不動産ならびに当グループの関連融資商品の需要を減退させる可能性があ
    る。ニュージーランドではすでに住宅用不動産に対する需要が大幅に減退している。資産価格のインフレおよび記録的な低金
    利が長期にわたって続いた後、オーストラリアでは2022年5月、ニュージーランドでは2021年10月から金利が上昇し始めた。
    現在の高水準のインフレに対処するため、金利の引き上げは継続される可能性がある。
     最近の一連の金利の上昇は、最近の資産価格のインフレおよび利回りの圧縮を背景とし、インタレスト・カバレッジ・レシ
    オと資産価値を低下させ、借換えリスクを高め、債務削減に向けた借手の持分拠出を余儀なくさせる可能性がある。セカンダ
    リーグレードの資産は、より有利な金利環境と安定した経済見通しが存在している期間に、流動性の高い市場(負債と株式)
    において投資家がファンダメンタルズの弱体化を見落としていた場合、価格が下落しやすくなる可能性がある。不確実性とボ
    ラティリティが増している時期において、銀行とノンバンクの債券市場において流動性の逼迫がみられた場合、借換えリスク
    が高まる可能性がある。
     上記のほか、請負業者の安定性、サプライ・チェーンの制限による資材コストへの影響と人件費の上昇などの建設リスク
    は、短・中期的に商業用不動産開発の実現可能性や地価に影響を与える可能性がある。
     上記の各要因は、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
    6.ソブリン・リスクに関する事象が世界の金融市場の不安定化を招き、当グループのポジションに悪影響を与える可能性が

    ある。
     ソブリン・リスクは政府が債務につき不履行となる、満期を迎えたときに債務の借換えができない、または自国の経済の一
    部を国有化するリスクである。
     ソブリン・デフォルトは、当グループの資産価値に悪影響を及ぼすことを通じて直接的に、または国際金融市場の不安定化
    を通じて間接的に、当グループに影響を悪影響を与え、これにより当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
     ソブリン・リスクは、米国、英国、中国、ヨーロッパ、オーストラリアおよびニュージーランドなどの当グループが事業を
    展開しているまたは直接にエクスポージャーを有する経済を含む多くの経済国において存在している。1つの国家が債務不履
    行となる場合、他の市場および国へ連鎖的な影響を与える可能性があり、その結果は、予測は困難であるが、世界金融危機お
    よびその後のソブリン債務危機の期間中に経験した状況に類似もしくはそれより悪い可能性がある。
    7.市場リスクに関する事象は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

     市場リスクは、金利、為替レート、信用スプレッドのマイナスの変化、または債券、商品もしくは株式価格の変動から生じ
    る損失のリスクである。金融リスク管理の目的で、当グループはトレーディングおよび非トレーディングの市場リスクを区別
    する。トレーディング市場リスクは主に当グループの金利、為替レート、商品および有価証券のトレーディング・オペレー
    ションから生ずる。非トレーディング市場リスクは専ら銀行業資産の金利リスクである。その他の非トレーディング市場リス
    クには、海外営業での資本投資から生ずる取引および構造的為替リスクおよび非トレーディング株式リスクが含まれる。かか
    る市場リスクに関する事由の発生により生じる損失は、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
    8.為替レートの変動が、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

     当グループは、いくつかの異なる通貨で事業を行っているため、当グループの事業は、為替レートの変動により影響を受け
    る可能性がある。さらに、当グループの年次報告書および中間報告書は豪ドルで作成・提示されるため、当グループが収益を
    得ている(特にニュージーランドドルおよび米ドル)または資本を保有している他の通貨に対する豪ドルの価値の変動は、当
    グループの報告された収益および/または自己資本比率に悪影響を及ぼす可能性がある。
     当グループは通貨の変動の影響を一部軽減するためにヘッジを設定しているが、当グループのヘッジが十分なものまたは効
    果的となる保証はなく、当グループが収入を得ているまたは資本を保有している他通貨に対して豪ドルの価値が変動した場合
    には当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
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    9.現在進められているLIBORの廃止および他のベンチマーク・レートに影響を及ぼす進展は、当グループの証券発行ならびに
    その資本市場活動および投資活動に悪影響を与える可能性がある。
     2021  年12月31日に1週間および2か月の米ドル建てLIBOR(「米ドルLIBOR」)の設定(および一定の他通貨のLIBORの設定)
    は廃止された一方、存続する非米ドル建てのLIBORの設定は代表性を喪失し、現在一時的な「シンセティック(合成)」ベース
    でのみ公表されている。また、LIBOR管理者の規制当局である英国金融行為規制機構(「FCA」)は、2023年6月30日をもっ
    て、主要な米ドルLIBORの設定(翌日物および1か月、3か月、6か月および12か月)はいかなる管理者によっても公表されな
    い、または代表性を喪失すると発表した(FCAは2023年6月30日後には「合成」ベースでのかかる設定の公表継続を要求するこ
    とを検討している)。2023年6月30日まで現行のまま主要な米ドルLIBORの設定が公表される予定ではあるが、FCAは(限られ
    た例外を除き)規制対象の会社が2021年12月31日後は新たな契約においてかかる設定を使用することを禁止しており、また、
    一定の米国(およびその他の)規制当局は、かかる日後には米ドルLIBORを使用した新たな契約を締結してはならないとしてい
    る。
     この結果、多くのLIBOR参照債が別のベンチマークにすでに移行しており、これ以外の多数のLIBOR参照債も移行する予定で
    ある。また、様々な種類の金融商品が代替のベンチマーク・レートにすでに移行し、または移行する予定である。しかしなが
    ら、米ドルLIBOR(およびシンガポール、タイ、フィリピンおよびインドで使用されているベンチマーク・レートなど米ドル
    LIBORをその構成中に組み込んだレート)を含め、依然としてLIBORに連動する多くのローン、モーゲージ、証券、デリバティ
    ブその他の金融商品が存在している。LIBORの廃止に向けた有効な移行措置を行えない場合は、金融市場の混乱、資本市場活動
    の抑制、訴訟申し立ての発生を引き起こす可能性がある。さらに、金融市場、特に変動利率債務の取引市場は、存続している
    LIBORの設定の廃止および代替参照レートへの移行により、2023年において全般的に悪影響を受ける可能性がある。代替参照
    レートが、代替される対象のLIBOR設定と経済的に同等であるという保証はない。これらの事項の一部またはすべてが当グルー
    プのポジションおよび当グループが発行、調達または保有するLIBORに連動する証券その他の商品の価値にマイナスの影響を与
    える可能性がある。
     当グループは、現在米ドルLIBORをベンチマーク・レートとして使用しているか、またはその他の形で米ドルLIBORに連動し
    ているローン、証券、デリバティブその他の金融商品の当事者となっている。これらの金融商品の中には、米ドルLIBORが廃止
    された場合に、代替のベンチマーク・レートを参照することによって、またはその他に基づいて、関連する利息または支払額
    の計算を行うことを規定する条項を含む場合があり、そのような商品はかかる条項に従って米ドルLIBORから移行することにな
    る。商品の条件に健全なフォールバック条項が含まれていない場合や、フォールバック条項が不十分であると考えられる場合
    には、当該商品は新興の市場基準に沿って当該条項を追加または修正する必要が生じる可能性があり(または適用がある場合
    は法の作用により修正が行われる。)、または、米ドルLIBORが廃止された場合に当該商品に関して他の取決めを行う必要が生
    じる可能性がある。この種の金融商品の修正が当グループにより進められている。場合によっては、米ドルLIBORに連動する金
    融商品の関連条項を修正することができない可能性がある。このような事態が発生した場合の法的、規制上およびその他の潜
    在的な影響は不確定である。いずれにしても、既存のフォールバック条項の実施またはその他の理由による変更は、例えば、
    当該金融商品の支払額、価値および流動性を変化させ、かかる金融商品と関連する契約(ヘッジ契約等)との間にミスマッチ
    を生じさせる可能性がある。また、2023年6月末までに、このような大量の契約に関して必要な措置を講じるプロセスには、
    当グループのオペレーショナル・リスクが伴う。
     他のベンチマーク・レート(例えば欧州銀行間取引金利(EURIBOR))は改革が行われているか、あるいは改革される可能性
    がある。かかる改革により、関連するベンチマークのパフォーマンスが従来とは異なるものになる可能性があり、またはレー
    トに加えられた改革が完全には予測できない他の結果をもたらす可能性がある。
     ベンチマーク・レートが廃止となる場合に、適切かつ同様の代替参照レートが存在する可能性も存在しないか可能性もあ
    り、代替レートへの移行において不利な結果が生じる可能性がある。これらのような展開やベンチマークの規制に関する将来
    の政策は、当グループが発行、資金調達または保有するものを含め、かかるベンチマーク・レートにリターンが連動するロー
    ン、モーゲージ、証券、デリバティブおよびその他の金融商品のリターン、価値および市場に悪影響を及ぼす可能性があり、
    さらに、金融市場に広範にわたる混乱をもたらし、証券、デリバティブおよびその他の商品の価格を変動に晒し、資本市場活
    動を抑制する可能性があり、これらすべてが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
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    10 .買収および/または売却は、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     当グループは定期的に、当グループの戦略的ポジションおよび財務実績を強化する機会か否かを判断しながら、買収および
    売却を含め、様々な企業の機会を検討している。
     買収(または売却)した事業の統合(または分離)は複雑で費用がかかり、時には関連する会計およびデータ処理システ
    ム、技術プラットフォームならびに経営管理の統合(または分離)とともに、関連する従業員、顧客、規制当局、カウンター
    パーティー、サプライヤーおよびその他の事業の相手方との関係や契約を管理することを含む。買収または売却により重要な
    関係および/または人員の喪失があった場合、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
     買収(または売却)は、その基礎となった前提が最終的に正確であったか、または達成可能であったかわからないため、シ
    ナジー効果、コストまたはコスト節減、統合(または分離)までの時間および全体的なパフォーマンスに関して期待されるプ
    ラスの結果を生み出す保証はない。また、買収(または売却)は、当グループの信用格付、資金調達コストおよび追加の資金
    調達の手段に影響を与え、その結果、当グループの資金調達のポジションおよび流動性のポジションに悪影響を与える可能性
    がある。
     統合(または分離)への取り組みの中で、基準、統制、手続および方針の不一致を生じさせる可能性があり、経営陣の注意
    をそらし、資源が流出する可能性がある。また、カウンターパーティーが当グループに対して完了済みまたは未完了の取引に
    関して請求を行うリスクが存在し、それが当グループのポジションに悪影響を与えるおそれがある。これらの要因のすべてま
    たは一部が、当グループが事業を成功裡に行う能力に悪影響を及ぼす可能性があり、また当グループの業務または業績に影響
    を与える可能性がある。さらに、新しく買収(または維持)した事業の従業員、顧客、カウンターパーティー、サプライヤー
    および事業の他の相手方がかかる買収後(または売却後)も留まるという保証はない。さらに、当グループまたはカウンター
    パーティーが完了条件を満たすことができないため、または関連規制当局、株主その他の承認の取得などのその他の完了条件
    が成就しないためなど、当事者間で当初合意された形かまたは全く違う形であるかにかかわらず、合意された取引が完了しな
    いリスクが存在する。統合または分離リスクのいずれかが発生した場合、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性があ
    る。
     当グループが以前に発表したが、完了していない取引には以下が含まれる。
     ・ サンコープ・バンクのサンコープ・グループ・リミテッドからの買収(一定の条件の充足を条件とし、2023暦年後半に
        実施予定)
     ・ 当グループの株式投資貸出ポートフォリオのレバレッジド・エクイティーズ・リミテッドへの売却(2023暦年前半に実
        施予定)
     ・ グアムにおける商業ローンおよびモーゲージ・ローンのポートフォリオのバンク・オブ・グアムへの売却(段階的に実
        施され、最終段階は2023暦年初頭に完了予定)
     サンコープ・バンクの買収を含む公表済みの買収が何らかの理由で完了しなかった場合、当グループの継続事業が悪影響を
    受け、当グループに以下のような多数のリスクが生じる可能性がある。金融市場が否定的に反応し、その結果、当グループの
    証券への悪影響およびその他の悪影響が起きる可能性;当グループの顧客、ベンダーおよび従業員が否定的に反応する可能
    性;買収が完了するか否かにかかわらず、当グループは、法務、会計、投資銀行、その他の専門家への報酬や事務手数料など
    買収に関する費用を負担し、一定のコストを支払う必要が生じる可能性;また、買収に関連して、当グループの経営陣が、当
    グループに利益をもたらす可能性のあった他の機会に充てることができたはずであった時間と資源を多大に費やす必要が生じ
    る可能性。
     サンコープ・グループ・リミテッドからのサンコープ・バンクの買収は、一定の条件の充足が前提となっている。これに
    は、連邦財務大臣の承認、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)の認可または承認およびクイーンズランド州の1996年
    州金融機関およびメトウェイ合併法の一定の改正が含まれる。承認を与える条件において、条件、制限、義務もしくは費用が
    課される、買収後の当グループやその事業の遂行に制約が課される、または取引条件の変更が要求されることもあり得る。規
    制当局がかかる条件、義務もしくは制約を課さないという保証はなく、かかる条件、制限、義務もしくは制約が課された場
    合、取引の完了を遅延させるもしくは阻止する、買収後に当グループが多額の追加コストを負担するもしくは当グループの収
    益を著しく制限する、または見込まれる当グループの買収利益を減少させる影響をもたらさないという保証はなく、これらは
    いずれも買収後に当グループに悪影響を与える可能性がある。
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    ANZBGL   は、サンコープ・バンクの買収提案に関連して、サンコープ・バンクに関して提供された、またはサンコープ・バンク
    の経営陣との会合で提供された財務、技術、法務その他の情報の検討に一部基づきデューデリジェンス手続きを実施した。
    ANZBGLは、デューデリジェンス調査の一環として合理的な努力を行っているが、提供されたすべての情報の正確性、信頼性ま
    たは完全性を確認することはできない。デューデリジェンスにおいて提供されたまたはANZBGLが依拠した情報が不正確、不完
    全または誤解を招くものであることが判明した場合、サンコープ・バンクの実際の財政状態および業績が予想と異なるかもし
    れないリスクが存在する。また、実施されたデューデリジェンスが確定的であり、買収提案に関するすべての重要な問題およ
    びリスクが特定、回避または管理されているという保証はないため、当グループに悪影響を与える可能性のある問題またはリ
    スクが発生するおそれがある。サンコープ・グループ・リミテッドは、ANZBGLに対し、買収完了前の特定の事項に関する補償
    およびANZBGLに有利な表明保証を提供している。このような保護があってもこれらの事項に関する債務を完全にカバーするに
    は不十分である可能性があり、その場合、当グループの財務実績およびポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。通常、保証
    や補償は一定の金銭債権の限度およびその他の制限にも服することになる。
    当グループの財政状態に関するリスク

    11 .信用リスクは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

     金融機関として、当グループは、カウンターパーティーがその契約債務を履行することができない、あるいは履行を拒否す
    る結果として起こり得る信用関連の損失を被る場合を含め、取引相手への信用供与に関するリスクに晒されている。信用損失
    によって、金融サービス機関が重大な損失を被るか、場合によっては破綻するようなケースが生じる可能性があり、これまで
    も生じている。
     信用関連損失のリスクがCOVID-19のパンデミックの影響および特にリスク要因1.「地域的または世界的な信用市場および
    資本市場における混乱を含む政治および一般的な事業・経済情勢の変化は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性
    がある。」に記載されているような政治的緊張の高まりにより増大している一方、信用関連損失のリスクは、当グループまた
    はその顧客もしくはカウンターパーティーが業務を行っている経済圏における金融情勢状況の悪化、当グループまたはその顧
    客もしくはカウンターパーティーが業務を行っている市場における長引く高水準の失業率および/またはさらなる金利の変動
    とインフレ状態、サプライ・チェーンの重大な混乱、当グループの顧客またはカウンターパーティーの財務状態の悪化、当グ
    ループが担保として保有する資産価値の低下、当グループが有するカウンターパーティーの証券および債務の時価の悪化を含
    む様々な要因によってもさらに増加する可能性がある。
     全般的、または特定の産業部門あるいは地理的地域であれ、不利な事業あるいは経済情勢、ならびに自然災害またはパンデ
    ミックのような事象の発生によって、顧客またはカウンターパーティーは合意条件に従った債務を履行できない可能性があ
    る。
     以下の部門のエクスポージャーに晒されている当グループの顧客およびカウンターパーティーの一部は、ますます脆弱化し
    ている。
     ・ COVID-19のパンデミックの影響を受ける産業、特に、リスク要因2.「COVID-19のパンデミックおよび他の伝染性疾患
        の将来の発生やパンデミックは、当グループのポジションに重大な悪影響を与える可能性がある。」に記載の産業。
     ・ 政府の景気刺激策の解除および金利の上昇に影響を受ける産業ならびに裁量的支出に依存する産業。
     ・ とりわけロシアとウクライナの紛争とそれに関連する石油とガスの価格、生産および供給の影響を受けた、燃料供給不
        足ならびに関連する航空、道路輸送・海運および農業などのコストの上昇に著しく晒される産業。
     ・ 基礎となる価格の変動に起因するヘッジ契約または先物契約の証拠金の支払い要求の増加に晒されるエネルギーまたは
        商品市場の参加者。
     ・ 制裁、地政学的な緊張または貿易紛争(例えばテクノロジー、農業、通信および金融機関)および/または世界的な成
        長の落ち込みおよび世界的なサプライ・チェーンの混乱(リテール、ホールセール、自動車、製造およびパッケージン
        グ産業を含むがそれらに限定されない。)のリスクがある産業。
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     ・ 金利の上昇、都心部の大規模マンションに対する投資家需要の減少および純移動の大幅な減少に晒されている商業用不
        動産部門(建設および請負業者を含む。)。一部の市場では、民営の請負業者や下請業者は、現在のプロジェクトが終
        了し、将来の財務状態が悪化するため、今後12か月から24か月にわたりキャッシュフロー/流動性の問題に直面する可
        能性がある。住宅開発部門では、サプライ・チェーンの問題、コストの上昇および労働力の移動の問題が発生してい
        る。ホテル宿泊施設および小売の一定のセクターの収益は、モビリティの低下よる影響を依然として受けており、一部
        のオフィスについてリモートワーク体制への移行によるより長期的な影響がどの程度となるかはまだ定かではない。
     ・ 観光業、接客業、技術、農業、小売業、医療、建設業およびサービス業など、労働力不足に直面している、ならびに/
        または熟練・未熟練双方の移民労働者の獲得に依存している産業。
     ・ 物理的な気候リスク(森林火災、洪水、暴風雨および干ばつなど)および移行リスク(二酸化炭素削減要求とそれに伴
        う商品およびサービスの需要や流動性の変化に晒される産業など)による混乱に晒される顧客および産業。気候関連の
        リスクの詳細については、リスク要因31.「将来の気候関連事象、生物多様性の喪失、人権、地質学的事象、植物、動物
        および人間の疾病ならびにその他外因性事象の影響は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を
        参照のこと。
     ・ 為替相場の変動に晒されている産業および外国為替市場全般。
     当グループはまた、特定の状況において第三者に対する権利が強制履行できない場合があるリスクに晒されており、これが
    信用損失につながる可能性がある。当グループの信用供与のエクスポージャーに重大な信用損失が生じる場合、当グループの
    ポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
     また、当グループが締結した一定のデリバティブ、クリアリングおよび決済契約により、ならびにその他の銀行、金融機
    関、会社、政府および政府機関の財務状態が世界金融市場の経済状況の影響を受ける場合、かかる機関が発行した債券の
    ディーリングおよび保有により、信用リスクが発生する可能性がある。
     さらに、顧客および/またはカウンターパーティーと与信取引を行うかあるいは他の取引を行うかを判断するにあたり、当
    グループは、財務諸表およびその他の財務情報を含む、顧客および/またはカウンターパーティーあるいはその代理により提
    供された情報に依拠する。また、当グループはそれらの情報の正確性および完全性に関しては顧客および独立顧問による表明
    に依拠する可能性がある。当グループの財務実績は、不完全、不正確あるいは著しく誤解を招く恐れのある情報に依拠する場
    合、マイナスの影響を受ける可能性がある。
     当グループは貸倒引当金を保有しており、これらの引当金は、当グループの貸付ポートフォリオ内の減損の現在の情報およ
    び主観的で複雑な判断に基づき決定される。しかし、評価が行われる情報が不正確であると証明された場合、または当グルー
    プが情報を正確に分析できない場合、貸倒れの引当金は不十分である可能性があり、当グループのポジションに悪影響を与え
    かねない。
    12 .当グループの資本基盤の管理における課題が要因となり、自己資本比率におけるボラティリティが高まる可能性があり、

    当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
     当グループの資本基盤は、当グループの事業を管理し資金を調達するにあたり不可欠である。当グループの健全性規制機関
    は、APRA、RBNZならびに米国、英国およびアジア太平洋地域の様々な規制機関を含むがそれらに限定されない。当グループ
    は、主たる規制機関であるAPRAおよびRBNZ(ANZニュージーランド・グループの場合)により、適切な規制上の自己資本を維持
    することを義務付けられている。
     現在の規制上の要件のもとでは、リスク加重資産および予想貸付損失はカウンターパーティーのリスク度合いの悪化に従い
    増加する。これらの規制上の自己資本の要件は、ストレス時の利益減少による自己資本の減少の影響を強める傾向にある。そ
    の結果、自己資本比率におけるボラティリティがより高まる可能性があり、当グループが追加資本の調達を求められる可能性
    がある。必要とされる追加資本が利用可能であるか、または合理的な条件で調達可能であるかについては確実ではない。
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     当グループの自己資本比率は、(ⅰ)                 収益低下(非連結となった子会社(例えば、保険事業子会社)ならびに関連会社への投
    資からの配当減少を含む。)、(ⅱ)                 資産の伸び増加、(ⅲ)           リスク加重資産または為替換算調整勘定に影響を与える、当グ
    ループが業務を行う他通貨(特にニュージーランドドルおよび米ドル)に対する豪ドル価値の変化、(ⅳ)                                                 事業戦略の変化(買
    収、売却および投資または資本集約的事業の増加を含む。)ならびに(ⅴ)                                  規制要件の変更などの数々の要因に影響を受ける可
    能性がある。
     APRA  およびRBNZはバーゼル3に対応するための健全性基準を実施している。一定の他の監督当局は、銀行、資産運用会社お
    よび保険会社の流動性および自己資本比率をとりわけ強化することを目指す規制(バーゼル3を含む。)を実施しているか、
    もしくは実施の過程にあるが、これらの規制が意図された効果をすでにもたらしている、または将来もたらすという確証はな
    い。これらの規制は、APRAの「問題なく強固」な自己資本要件、BCBSの要件およびRBNZの自己資本要件の改革などによる規制
    変更から生ずるリスクとともに、リスク要因17.「規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グ
    ループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」の項目に記載される。当グループが規制上の自己資本を維持すること
    ができなかった場合、当グループのポジションに重大な悪影響が及ぶ可能性がある。
    13 .当グループの信用格付は変更される可能性があり、資本およびホールセール資金を調達する当グループの能力に悪影響を

    与え、新規貸付を抑制する可能性があり、これにより当グループのポジションに悪影響を受ける可能性がある。
     当グループの信用格付は、資本およびホールセール資金調達の利用およびコストの両方に顕著な影響を与える。また、格付
    は、顧客またはカウンターパーティーが当グループの商品およびサービスを評価する際に重要となることがある。信用格付お
    よび格付けのアウトルックは信用格付機関によっていつでも撤回、限定、修正または保留されることがある。格付機関が信用
    格付および格付のアウトルックを決定するために用いる方法も、法的もしくは規制上の変更、市場の動向またはその他の理由
    に対応し、修正される可能性がある。
     当グループの信用格付または格付のアウトルックは、オーストラリア連邦またはニュージーランドの信用格付もしくは格付
    アウトルックの変更、本書に記載された1つ以上のその他のリスク、格付手法の変更またはその他の事象により、マイナスの
    影響を受ける可能性がある。このため、全般的な経済状況または当グループの財政状態の変化を反映しない当グループの信用
    格付または格付アウトルックの格下げが行われる可能性がある。さらに、当グループ(および世界のその他銀行)が発行する
    個別の証券(一定のTier            1資本およびTier        2資本証券ならびにカバード・ボンドを含むがそれらに限られない。)の格付は、
    かかる商品に対する規制要件および格付機関が利用する格付方法論の変化によってその時々に影響を受ける可能性がある。
     当グループの将来の信用格付または格付のアウトルックの引き下げまたは引き下げの可能性により、資本およびホールセー
    ル債券市場の利用が制限され、および資金調達コストを増加させる可能性があり、これが新規貸付高を抑制し、カウンター
    パーティーが当グループと取引しようとする意思に影響を与え、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     信用格付は、関連格付機関が当グループの募集する証券への投資を奨励するものではない。
    14 .流動性および資金調達リスクに関する事象は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

     流動性リスクおよび資金調達リスクは、当グループが預金者への支払や満期になったホールセール債券の支払を含め、期日
    どおりに支払債務を履行することができない、または当グループが資産の増加に対して資金調達能力が不十分であるというリ
    スクである。流動性リスクおよび資金調達リスクは、資金収入と資金支出の間のタイミングのミスマッチのため、すべての銀
    行業務に内在するものである。
     流動性の低下は、当グループの借入コストの増加を招き、新規貸付額の制限につながる場合があり、それにより当グループ
    のポジションが悪影響を受ける可能性がある。
     市場情勢の悪化およびボラティリティならびに/または当グループに対する投資家の信頼の低下によって、満期を迎える債
    務を借り換え、(タイムリーかつコスト効率の良い方法で)資金調達を利用する当グループの能力が重大な影響を受ける可能
    性があり、これが当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
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     当グループは、資金調達需要を満たすため、また当グループの事業を全般的に維持あるいは成長させるため、国内の市場お
    よびオフショア市場内で顧客預金およびホールセール資金調達を含む様々な調達源から資金を調達する。主要市場の情勢は、
    国際資本市場における流動性に悪影響を受ける場合がある。例えば、流動性ストレスの時期において、当グループに対する市
    場の信頼が損なわれた場合、またはオーストラリア内外の市場からの資金調達が利用できないもしくは抑制された場合に、当
    グループの資金調達源および流動性を利用する能力は、抑制される可能性があり、当グループは流動性リスクおよび資金調達
    リスクに晒されることになる。
    15 .当グループの一部の資産および負債の評価の変動は、当グループの収益および/または資本に悪影響を及ぼし、結果とし

    て当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     当グループは、デリバティブ商品を含む多様な金融商品、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資産および負債
    ならびに一定の資産および負債(「第6 経理の状況-1 財務書類」の2022年度財務書類の注記19に記載されるもの)を公
    正価値で測定することを要する会計基準を採用しており、公正価値の変動は損益または資本に認識される。
     一般的に、これらの金融商品の公正価値を測定するために、当グループは取引相場価格、現在価格の見積もりまたは市場参
    加者が資産と負債の評価に際して考慮すると思われる要因の影響を組み込んだその他の評価手法に依拠する。これらの商品の
    公正価値は、当グループの収益および/または資本に重大な悪影響を与える可能性がある市場価格または評価の変数の変動に
    より影響を受ける。
     加えて、当グループは貸付関連でない資産の減損(損益に認識される。)の結果としてその価値の下落に晒される場合があ
    る。当グループは、少なくとも年1回のれん残高の回収可能性および耐用年数が確定できないまたは使用可能になっていない
    無形資産についてテストする必要があり、減損の兆候がある土地建物および設備機器(リースから生じる使用権資産を含
    む。)、関連会社に対する投資、資産計上したソフトウェアならびにその他の無形資産を含むその他の貸付関連でない資産を
    テストする必要がある。
     のれん残高の回収可能性を査定するため、当グループは利益倍率計算法を使用する。当該計算の基礎となる仮定の変更は、
    収益の変動とともにこの査定に大きく影響するかもしれず、結果としてのれん残高の一部または全部の償却の可能性がある。
     その他の貸付関連でない資産について、資産が今後使用されない場合または当該資産により生み出されるキャッシュフロー
    が帳簿価格を裏付けられない場合、減損費用が計上される可能性がある。これは、上述の他の潜在的な変化と相俟って、当グ
    ループのポジションに影響を及ぼす可能性がある。
    16 .会計方針の変更が当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

     当グループが適用する会計方針は当グループが財務状態および営業成績を記録および報告する方法にとって基礎となる。経
    営陣は、かかる会計方針が、適用ある会計基準または解釈に適合し、当グループの財務状態および営業成績を記録および報告
    するのに最も適切な方法を反映していることを確保するため、これらの会計方針および方法の多くの選択および適用につき判
    断を下す。しかし、これらの会計方針が不正確に適用され、その結果、当グループの財務状態につき不実表示がされる可能性
    がある。さらに、新規のまたは改正された会計基準または解釈の適用により、当グループのポジションが悪影響を受ける可能
    性がある。
     当グループの2022事業年度に初めて発効する新たな会計基準の影響については、「第6 経理の状況-1 財務書類」の
    2022年度財務書類の注記1に概要が記してある。
     時には、経営陣は、2つ以上の選択肢から会計方針を選択する必要があり、いずれの選択肢も関連する会計基準または解釈
    に適合しその状況下で合理的であるかもしれないが、選択肢に基づいて報告されたものとは著しく異なる結果を報告する結果
    になる可能性がある。
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    法的および規制上のリスク
    17 .規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性があ

    る。
     当グループの事業および業務は厳しく規制されている。近年、規制の変更のペースは加速している。当グループは、事業を
    行うまたは資金調達を行う関連法域において業界の自主規制を含めて、相当数かつ増加しつつある法律、規則および政策に
    従っており、これらのそれぞれの法域において複数の異なる当局の監督対象となっている。オーストラリアおよびニュージー
    ランドにおける金融サービス・グループの行為に関する地域社会の関心への対応を含め、当グループのような金融サービス・
    グループの規制および監督の変更の規模ならびにかかる規制および監督に対して割り当てられる資金、また、訴訟を通じたも
    のを含めたかかるグループに対する法の執行は、近年大幅に増加している。この結果、関連法域にわたり、当グループを含む
    金融サービス・グループに対する規制および監督ならびに法の執行はますます広範囲に及んで複雑化し、費用も高くなってき
    ている。かかる規制、監督および執行は絶えず進展を続けている。
     COVID-19    のパンデミックは、当グループのような金融サービス・グループに対する規制および監督ならびに執行に影響を及
    ぼしており、今後も及ぼし続ける可能性がある。COVID-19のパンデミックの将来の影響は依然として不確実であり、本書日付
    現在において予測することは困難である。オーストラリアおよびニュージーランドでは規制改革の実施が遅延したり、繰り延
    べられており、執行の優先順位を含めた優先順位の再設定が行われている。
     このような遅延および繰り延べは、当グループが規制変更を管理する能力に影響を与え、新たな規制が発効した時に遵守し
    ていないリスクを増大させる可能性がある。
     また、進行中のCOVID-19のパンデミックは、様々な点で当グループの規制当局との交渉を複雑にする可能性がある。特に
    COVID-19のパンデミックに起因する当グループの事業、業務、第三者の請負業者およびサプライヤーにおける混乱は、当グ
    ループが規制上の義務もしくはプロセスを満たすことができず、ならびに/または未解決の問題に対処することができないリ
    スクを増大させる可能性があり、これが潜在的に、規制当局が当グループに対して不利な行動をとる可能性を高めている。
    COVID-19のパンデミックに関するリスクについての詳細は、リスク要因2.「COVID-19のパンデミックおよび他の伝染性疾患
    の将来の発生やパンデミックは、当グループのポジションに重大な悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。
     健全性規則における進展は引き続き当グループに重大な影響を及ぼしている。常にAPRAおよびRBNZとの協議に複数の項目が
    付されているため、規制の進展が当グループへ及ぼす潜在的な影響は本質的に不確実な状態である。APRAまたはRBNZによる健
    全性基準のさらなる変更が、当グループに対して維持することが要求される規制上の自己資本の水準の引き上げにつながり、
    当グループの柔軟性を制限し、多額の費用の負担が必要となり、および/または1つ以上の事業ラインの利益性に影響を及ぼ
    す可能性があり、このいずれもが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性があり、これにはとりわけ以下のものを含
    む。
    健全性規制に関する進展

     ・ 2021年11月、APRAは、2023年1月1日から実施されるADIに対する自己資本十分性および信用リスクにおける所要自己資
        本に関する最終要件を公表した。これは、APRAがADIの自己資本フレームワークの変更案に関する協議文書を発表した
        2020年12月から開始した協議手続きに従ったものであり、当該変更は、ADIに自己資本の「問題なく強固」な保有水準を
        達成させ、自己資本比率のフレームワークの柔軟性を高め、ADIの資本力の透明性を向上させることを目的としている。
        APRAの最終要件の重要な側面は、以下のとおりである。
          ・ 国際的に合意された           非住宅モーゲージ・エクスポージャーの                  バーゼル基準との整合性を向上させる。
          ・ 住宅ローン貸付について、よりリスクに敏感なリスク・ウェイトを適用する。
          ・ 内部格付手法(「IRB」)を用いるADIのリスク加重資産(「RWA」)を、標準アプローチによりRWAの72.5%以
            上に制限するバーゼルⅡ資本フロアを導入する。
          ・ カウンターシクリカル資本バッファー(「CCyB」)のデフォルト水準の導入により自己資本フレームワークの
            柔軟性を高め、IRBを用いるADIの資本保全バッファー(CCB)を引き上げる。
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          ・ IRBを用いるADIに対して標準アプローチによる自己資本比率の公表を求めることも含め、ADIの自己資本比率
            の透明性および比較可能性を向上させる。
          ・ IRBを用いるADIの最低レバレッジ比率を3.5%とする。
     ・   APRA  は、上記の変更により          RWA  が減少する可能性があるが、規制上のバッファーへの資本配分の増加により相殺されると
        述べている。さらにAPRAは、ADIは現時点で「問題なく強固」のベンチマークを満たしているため、ADIに対して追加資
        本の調達を要求することはAPRAの意向ではないことも述べている。よって、APRAは、現行の自己資本フレームワークに
        基づき、ADIに対する既存の「問題なく強固」の自己資本ベンチマークに業界レベルで一致させるべく、ADIについて提
        案されたドルベースの自己資本要件の調整を図っている。しかし、これらの変更案が個々のADI(ANZBGLを含む。)に及
        ぼす影響は、APRAが適用する最終的な要件によって異なる。                            また、銀行業の金利リスク(「IRRBB」)、市場リスクおよ
        びカウンターパーティー信用リスクが存在しているため、APRAは、市場リスクに関連する多数の健全性基準の修正につ
        いて協議を行っている。APRAがまだ最終化していない項目が複数あることを前提とすれば、                                          ADI  の「問題なく強固」に関
        する自己資本フレームワークの見直しに関連して行った                          APRA  健全性基準へのすべての変更による総合的な最終結果は、
        依然として不明である。
     ・ 2022年6月、APRAは、マクロ・プルーデンス政策の枠組みを確定させた。さらに、かかる枠組みの実施を支援するた
        め、APRAは、健全性基準APS第220号「信用の質」(「APS第220号」)の新規の添付書類の中で、与信ベースのマクロ・
        プルーデンス政策措置を正式化し、健全性基準に盛り込んだ。APRAの目的は、マクロ・プルーデンス政策の透明性、実
        施および強制執行力を強化することにある。APS第220号の更新には、必要に応じてシステミック・リスクの対処に利用
        される与信ベースの一連のマクロ・プルーデンス政策が盛り込まれている。かかる更新には、貸出限度(この一時的な
        貸出限度の目的は、システミック・リスクが高まっている時期に、より高リスクの貸出の過度の増加を抑制することに
        ある。)および貸出基準(APRAはこれに従い住宅用モーゲージのサービサビリティ(返済可能性)バッファーなどの措
        置を含む貸出基準の最低要件を設定できる。)の2種類の主要な与信ベースのマクロ・プルーデンス政策の措置が含ま
        れた。かかる変更が実施された場合、当グループの柔軟性が制限され、および/または1つもしくは複数の事業ライン
        の収益性に影響が及ぶ可能性がある。詳細については、リスク要因                               4.「オーストラリア、ニュージーランドまたは当グ
        ループが事業を行うその他市場の不動産市場の変動は当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。                                                    」を参
        照のこと。
     ・ 2022年8月、APRAは、事業継続とサービス・プロバイダー管理についての要件の更新を含む、オペレーショナル・リス
        ク管理に関する最低基準を定める新たな健全性基準CPS230「オペレーショナル・リスク管理」(「CPS230」)について
        の協議を開始した。新基準は、現在では健全性基準CPS231「外部委託」およびCPS232「事業継続管理」に含まれている
        サービス・プロバイダー管理(現在は「外部委託」)と事業継続管理の要件の更新を盛り込む予定で、基準は新たに
        CPS230に置き換えられる。協議に対する業界のフィードバックを検討した後、APRAは2023年初頭にCPS230の最終版を発
        表し、その後2024年1月1日からの新基準の発効を予定している。現行のCPS230案は、銀行業界に混乱をもたらす可能
        性も含め、当グループを含む規制対象企業に大きな規制上の負担と課題をもたらすことになる。システム、業務および
        第三者との契約上の取り決めの変更を必要とする実施プロセスの複雑さと規模を考えると、当グループが現在提案され
        ている実施スケジュールに間に合うことができない可能性がある。
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     ・ 2019年7月、APRAは、損失吸収力に関する決定を公表し、この決定に従いANZBGLを含むオーストラリアのD-SIBに対して
        2024年1月までに自己資本合計をRWA比で3%引き上げることを求めることになる。2021年12月2日、APRAは、損失吸収
        力に関する要件を最終化する旨を公表し、オーストラリアのD-SIBに対し、2026年1月までにその自己資本合計をさらに
        RWA比で1.5%引き上げるよう要求する旨述べている。以前公表した暫定的な3%の増加を含め、これによって、最低所
        要自己資本合計は全体でRWAの4.5%相当分引き上げられることになる。APRAは、主にその他Tier2資本によってこの要
        件が充足され、他の上位の資金調達において相当額の減少があると予想している。追加の所要自己資本合計額は、2021
        年11月29日に発表されたAPRAの自己資本フレームワークの改訂による最終的な影響を含め、2026年1月時点での当グ
        ループの実際のRWAに基づいて決定される。APRAは、「ADIの資本改革によるRWAの変化を考慮すると、2023年から実施さ
        れる新たな自己資本フレームワークに基づいたドル建て金額の下限は、概ねRWAの4.5パーセンテージ・ポイントの要件
        に一致する」と言及している。
     ・   RBNZ  は、ニュージーランド          の 銀行に   対して   新しい自己資本要件を発表したが、これは銀行業健全性要件(「BPR」)の文
        書に規定されて       おり、   2021  年10月から2028年7月までの移行期間中に段階的に施行される。ANZBGLのレベル1のCET1資
        本への正味の影響は、2022年9月30日から2028年の移行期間の最終日までに約10億ドルから15億ドルへの自己資本要件
        の増加であろうと予想されている(当グループの2022年9月30日現在の貸借対照表に基づく。)。しかしながら、2023
        年1月からのAPRAの資本改革の実施後には、かかる改革によりレベル1およびレベル2間でのCET1比率の差異が縮小さ
        れることが予想されるため、当グループ全体の自己資本ポジションへの正味の影響は小さくなる可能性がある。また、
        この金額は、ANZニュージーランドの自己資本ポジションの変更(例えばRWAの増加、管理バッファー要件、潜在的な配
        当金額から生じるもの)に従い時が経つとともに変化し得る。
     ・ さらに、BPR文書に概要が示されている変更に基づき、2022年1月1日から2028年7月1日まで、2021年9月30日時点で
        未償還のANZニュージーランドのその他Tier1資本商品の合計額の規制資本上の認識の上限が年間ベースで12.5%引き下
        げられる。
    ASIC  の規制に関する優先事項

     2022  年8月、ASICは、2022年から2026年までのコーポレート・プランを発表し、その中で不十分な商品の設計やガバナンス
    によって消費者が被害を受けるリスクを低減し、サイバーレジリエンスやオペレーショナルレジリエンスを強化するにあたっ
    てのASICの優先事項を概説した。また、ASICは、新たな技術や商品が金融エコシステムを変化させている中、他のデジタル技
    術で可能となった不正行為にも焦点を拡げる予定である。ASICは詐欺や暗号資産にも焦点を当てていく。ASICは以下の4つの
    外部戦略上の優先事項を掲げている。(ⅰ)商品の設計および販売、(ⅱ)サステナブル・ファイナンス、(ⅲ)退職者の意思決
    定、ならびに(ⅳ)技術リスク。これらの優先事項を支えるのは、中核的な戦略プロジェクトであり、持続可能な金融慣行、暗
    号資産、詐欺、サイバーレジリエンスおよびオペレーショナルレジリエンス、違反の報告、商品の設計および販売に関する義
    務、金融説明責任体制に焦点を当てている。
     当グループが適用法令を遵守できなかった場合、当グループのレピュテーションおよび財務実績にマイナスの影響を与え、
    訴訟や規制上の執行手続きを生じさせる可能性があり、その結果、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
    競争に関する法律、規則および調査

     オーストラリアおよびニュージーランドの金融サービス部門における競争の規制について重点的な取り組みがなされてい
    る。2022年3月、ACCCは、今年度のコンプライアンスと執行優先事項を発表した。ACCCは、金融サービス部門における競争の
    問題(特に決済サービスの問題)に引き続き注力することを発表し、金融サービス部門における健全な競争の促進と非競争的
    行為の調査に重点を置くと表明した。ACCCの審査が増加することにより、潜在的買収を通じて成長する当グループの能力が悪
    影響を受ける他、関連して当グループの費用が増加する可能性があり、このことが当グループのポジションに悪影響を与える
    可能性がある。
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    製品に関する法律、規則および調査
     当グループを含む金融サービス事業者が提供する商品の適合性について重点的な取り組みがなされている。責任ある消費者
    向け融資に関する規制政策は大きな進展を見せ、監督は大幅に強化されており、事業慣行の見直しと変更が引き続き推進され
    ている。責任ある消費者向け融資に関する進展および監督の結果、さらに法、規制または政策が改正された場合、かかる変更
    は、当グループの将来における消費者向け融資業務の提供方法に影響を与えることがあり、これがかかる分野の当グループの
    業務に一部悪影響を及ぼし、結果的に当グループのポジションにも悪影響が及ぶ可能性がある。ASICは、2019年12月に責任あ
    る融資に関する法律についての最新の規制ガイダンスを発表した。金融商品および追加保険の繰延販売モデルに関連して、よ
    り厳格に不招請勧誘を禁止する法律が可決された。2021年10月5日にオーストラリアで発効した金融商品および信用商品の設
    計および販売義務に関する法律では、特に当該商品の発行者および販売会社に対し、適切な対象市場を特定し、その対象市場
    にアクセスできるよう当該商品を販売することを要求している。不遵守に対しては多額の罰金が科せられており、かかる法律
    の制定は将来における金融商品の発行およびマーケティングを行う当グループの能力に影響する可能性がある。金融商品の販
    売要件に起因する法令遵守コストの増加は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
    監督権限の強化、企業に対する罰金の引き上げおよび規制当局のための財政的支援の強化

     オーストラリア消費者法を含め、オーストラリアにおける法律違反に対する罰金が引き上げられ、規制当局の権限および規
    制当局による違反の取り締まりのための財政的支援が強化されている。強化の対象となった監督権限には、ASICの商品介入権
    限、ならびにASICの指示権限の拡大案が含まれる。2019年財政法改正法(企業および金融部門に対する罰則強化)により、企
    業および金融部門による様々な義務違反に適用される処罰が大幅に強化された。オーストラリア議会は、競争・消費者法
    (オーストラリア消費者法を含む。)の違反に対する罰金の最高額の引き上げや民事罰を導入した法案を制定した。これに
    は、該当する場合、法人に対する罰金の上限を、法人の年間売上高の10%から違反が発生した期間における調整後売上高の
    30%に引き上げることが含まれている。当グループに対してかかる罰金が賦課された場合、当グループのポジションに悪影響
    を及ぼす可能性がある。
    上級役員の説明責任に関する法律および規則

     銀行部門の上級役員に適用される罰金と特定の規則が強化されている。銀行役員説明責任体制(BEAR)がADIグループにおけ
    る取締役および大部分の上級役員に関する責任および説明責任の枠組みとして2018年に導入された。2020年1月、オーストラ
    リア政府はBEARを、説明責任体制の適用範囲を他のAPRA規制対象企業に拡大する金融説明責任体制(FAR)に置き換えることを
    発表した。FARをAPRAとASICにより共同で管理することが提案され、あらゆる違反行為に対してより厳しい民事罰が課される可
    能性がある。2021年10月、オーストラリア政府は金融説明責任体制法案(FAR法案)を提出した。2022年4月、FAR法案は選挙
    の公示に伴い失効した。FAR法案は、2022年9月に議会に再提出されたが、FAR法案の一部として説明責任者に対する民事罰は
    含まれていない。FAR法案は、ADIに対して法案成立の6か月後に発効する予定である。BEARの制定およびFARが当グループにも
    たらす潜在的なリスクには、罰金の支払リスクならびに優秀な取締役および上級役員を誘因および維持するための当グループ
    の能力に対するリスクが含まれる。
    王立委員会の最終補償制度

     王立委員会は、法の改革および自主規制基準に関する様々な勧告を行い、それらの勧告の多くが既に実施されている。政府
    の最終補償制度(「CSLR」)の創設案に関連して、追加的な費用とさらなるエクスポージャーが発生することになる。CSLRの
    目的は、オーストラリア苦情機構(AFCA)から補償の決定を受けた適格な消費者への補償金の支払いを促進することで、金融
    システムの紛争解決の枠組みへの継続的な信頼を支えることである。2022年9月、オーストラリアの新政府はCSLRを実施する
    法案を議会に再提出し、規制を支える法案が協議中である。これらの潜在的なエクスポージャーおよび法案の変更の結果や関
    連する費用の総額は未だ不明であり、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
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    その他の政府または規制当局による金融部門に対する介入
     オーストラリア政府、議会および規制当局によるオーストラリアの金融セクターに対する様々な審議および介入が行われて
    いる。これらの審議は広範囲に及び、税金や賦課金によるものを含む当グループのポジションに悪影響を及ぼすおそれがある
    法規制の変更または措置につながる可能性がある。過去および継続中の2006年マネーロンダリング防止およびテロ資金対策法
    (連邦法)の違反の申し立てに関連して他のオーストラリア主要銀行2行に対して2017年および2019年にAUSTRAC(マネーロン
    ダリング、組織犯罪、脱税およびテロ資金調達の特定を目的として金融取引を監視するために設立されたオーストラリア政府
    の金融情報機関)による民事上の罰則手続きが開始されたのを受けて、銀行の審査が継続的に行われている。オーストラリア
    上院の技術・金融センターとしてのオーストラリア特別委員会(「ASSC」)は、技術およびオーストラリアの金融サービスに
    関する幅広い課題の調査を受けて最終報告書を発表し、その中にはオーストラリアの銀行によるフィンテックの「脱銀行化」
    が含まれている。また、オーストラリア政府は、ASSCの報告書に一部対応した「オーストラリアの決済システムの変革」に関
    する政策文書を発表した(「支払ポリシー」を参照のこと。)。さらに、オーストラリア政府は、銀行支店の閉鎖が地域社会
    に与える影響を評価する地方銀行タスクフォースを立ち上げた。これらの取組みがANZBGLに与える影響(もしあれば)はまだ
    明らかではない。リスク要因19.「マネーロンダリング防止、対テロ資金および制裁に関連する法令違反の場合に多大な罰金お
    よび制裁を受ければ、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。」も参照のこと。
    業界自主規制

     リテールおよび小規模企業バンキングに影響する業界ベスト・プラクティスの指針および基準に対して重点的な取り組みが
    続けられている。2021年12月、オーストラリア銀行業行動規範(「行動規範」)についての独立審査が終了し、116の勧告が行
    われた報告もなされた。それには、銀行に対して、行動規範のすべての規定を確実に実施するための制度や仕組みを整備する
    よう求める新しい強制可能な規定に関するものが含まれている。オーストラリア銀行協会(「ABA」)および加盟銀行は、それ
    らの勧告に対する業界の立場を確立するよう取り組んでいる。これとは別に、ABAと加盟銀行は、行動規範を簡素化する方法に
    ついて検討している。2021年のレビューによる勧告の実施および/または行動規範の簡素化の実施スケジュールはまだ明らか
    になっていない。
     行動規範の遵守に失敗した場合、当グループのレピュテーションにマイナスの影響を与え、訴訟または規制当局による強制
    措置につながる可能性があり、その結果、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
    オープン・バンキング法

     オープン・バンキングは、2019年8月に成立したオーストラリアにおける新たな消費者データに関する権利(「CDR」)の一
    つである。CDRは、顧客に自己データに関するアクセスおよび管理権限を与え、また商品とサービスとを比較し切り替える消費
    者の能力を確立しこれを向上させるものである。オーストラリアの銀行業界への新規参入者に対する障壁を削減することが期
    待されている。
     CDR  制度は現在も進展中である。2020年12月、オーストラリア政府は「消費者データに関する権利の将来の方向性に関する調
    査」の報告書を公表した。かかる報告書には、CDRの拡大に向けた100の勧告が含まれている。
     2021  年12月、オーストラリア政府は報告書の100の勧告の大半に同意した。2022年11月、政府はCDRの適用を拡大し、支払い
    を行うことを含め顧客に代わり第三者による行為を可能とする法案を提出した。CDRの拡大の当グループへの影響は現時点で明
    らかになっておらず、オーストラリアの新政府の政策に左右される一方、オープン・バンキングにより競争が高まる可能性が
    あり、これが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
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    サイバーセキュリティおよび重要なインフラ
     2021  年12月、2021年セキュリティ法改正(重要インフラ)法が発効した。同法により、2008年重要インフラセキュリティ法
    の適用は金融サービスおよび市場部門を含む他の部門にも拡大されている。また、同法により、事業体へ特定の行動を指示
    し、オーストラリア信号局にサイバー攻撃への介入を許可する「最終手段」の権限がオーストラリア政府に与えられ、重要イ
    ンフラ資産とサイバー・インシデントについての登録および報告要件が導入されている。部門特有の要件を通じて遂行される
    ことになる重要インフラ資産に対する積極的なセキュリティ義務と国家的に重要なシステムに対する強化されたサイバーセ
    キュリティ義務などのさらなる改革を盛り込んだ2022年セキュリティ法改正(重要インフラ保護)法が2022年4月に発効し
    た。当グループは、より詳細な情報が発表されるに従いこの変更による影響を検討している。同法案の遂行によりコストが上
    昇し、規制上の執行手続きが生じる可能性があり、その結果、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
    支払ポリシー

     2021  年12月、オーストラリア政府は、オーストラリアの決済システム                              の見直し、モバイル決済およびデジタル・ウォレット
    の調査、ならびに(フィンテックおよび暗号通貨取引の脱銀行化に対応した)技術・金融センターとしてのオーストラリアに
    ついての調査、という支払に関する3つの検討と調査に並行して対応                                した。オーストラリア          政府  は勧告   に概ね同意し、       オース
    トラリア財務省は2022年の勧告               の実施   について    協議を行っている        。 脱銀行化に関して、オーストラリア政府はその基礎的根拠
    および可能な政策対応について金融規制協議会からの助言を検討している。                                   かかる作業の影響が当グループにあるとしても、
    その影響はいまだ明確になっていない。可能性がある政策対応には、新たな規制要件や決済システムへのアクセス拡大が含ま
    れ、これらにより競争が高まり、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
    プライバシー法の見直し

     オーストラリア議会は、重大または反復したプライバシー法の違反に対する執行手段と罰則の強化に関する法案を可決し
    た。かかる罰則が当グループに課された場合、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性あがる。また、オーストラリア
    政府は、プライバシー法の広範な一連の可能性のある改革についても協議しており、これにより企業が個人情報を利用する方
    法が大きく影響を受ける可能性がある。かかる検討による当グループへの影響はまだ明らかになっておらず、オーストラリア
    の新政府の政策次第であり、さらなる規制上の義務が実施されれば、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
    アドバイスの質に関する見直し

     2022  年9月、オーストラリア政府のアドバイスの質に関する見直し(独立した審査者により主導された。)により、金融ア
    ドバイス提供に関する規制上の枠組みを改革することを目的とした一連の提案についての協議が行われた。これらの提案に
    は、「個人的なアドバイス」の範囲を広げることや、金融アドバイザーが顧客の最善の利益のために行動する義務を「良質な
    アドバイス」を提供する義務に置き換えることなどが含まれていた。オーストラリア政府がこの提案を実施に移すかは不明で
    ある。実施された場合、この新たな枠組みにより、銀行はさらなる規制義務を課される可能性があり、当グループのポジショ
    ンに悪影響が及ぶ可能性がある。
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    ニュージーランドにおける進展
     ニュージーランドの政府および規制当局は、ニュージーランドの金融機関に対する大幅な法律上および規制上の変更を提案
    または実施した。これらの変更には、とりわけ以下が含まれる。RBNZによる自己資本要件および改正外部委託方針(BS11)の
    改訂、2022年金融市場(金融機関の行為)改正法(FMCIA)に基づく金融機関に対する行動規制案、気候関連の財務開示制度、
    1989年ニュージーランド準備銀行法の預金受入機関制度(預金保証制度を含む。)への代替、ならびに2019年信用契約改正法
    (CCLA法)の改正。上記の変更は、ANZニュージーランド・グループに悪影響を及ぼす可能性があり、潜在的にその企業構造、
    事業、戦略、資本、流動性、資金調達および収益性、コスト構造、顧客のためのコストおよび信用の利用ならびにさらに広い
    範囲にわたる経済に影響し、これがさらに当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
    その他の国外における進展

     その他の国外の規制上の進展には、LIBORの廃止、一定のその他のベンチマーク・レートの改革および代替ベンチマーク・
    レートへの移行が含まれる(これらに関しては、上記リスク要因9.「現在進められているLIBORの廃止および他のベンチマー
    ク・レートに影響を及ぼす進展は、当グループの証券発行ならびにその資本市場活動および投資活動に悪影響を与える可能性
    がある。」を参照のこと)。
     関連法域における当グループによる法律、規則または方針の不遵守は、規制上の調査、法律上もしくは規制上の制裁、財務
    損失もしくはレピュテーションの喪失、訴訟、罰金、刑罰、当グループが事業を行う能力の制限、関連する規制上の免許の取
    消し、停止もしくは条件の変更またはその他の強制執行もしくは行政処分もしくは合意(強制執行可能な約束など)につなが
    る可能性があり、これが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     当グループの事業に対するCOVID-19のパンデミックの影響により、規制の変更または規制当局に対してもしくは公に行った
    確約への取組みに必要な措置の実施が遅延する可能性がある。いかなる遅延も、規制当局がその監督義務または法規制の変更
    について、どのように選択しその優先順位、時期および適用を調整するかに左右される。
     上記の不遵守が発生すれば、当グループは第三者(集団訴訟手続きによるものを含む。)からの訴訟リスクに晒されること
    になる。訴訟(集団訴訟手続きを含む。)の結果により、第三者への補償金の支払いおよび/またはさらなる救済行為につな
    がる可能性がある。当グループの訴訟および偶発債務に関する情報については、リスク要因18.「訴訟および偶発債務は当グ
    ループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」および「第6 経理の状況-1 財務書類」の2022年度財務書類の注
    記33を参照のこと。
    18 .訴訟および偶発債務は当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

     当グループは、その時々において重大な訴訟、規制措置、法的あるいは仲裁手続きおよびその他の偶発債務の対象となる可
    能性があり、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     当グループは、2022年9月30日現在、「第6 経理の状況-1 財務書類」の2022年度財務書類の注記33に概要が記載され
    る事項に関する偶発債務を有していた。
     注記33は特に以下の事項を含む。
     ・ 監督当局および顧客に対するエクスポージャー
     ・ ベンチマーク/金利に関する訴訟
     ・ 資本調達に関する訴訟
     ・ 消費者信用保険訴訟
     ・ Esandaのディーラー自動車ローンに関する訴訟
     ・ OnePathの年金に関する訴訟
     ・ ニュージーランドのローン情報に関する訴訟
     ・ クレジットカードに関する訴訟
     ・ 無免許の第三者に関する訴訟
     ・ 利用可能資金訴訟
     ・ 王立委員会
     ・ 担保回収の訴訟
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     ・ 保証、補償およびパフォーマンス管理費
     当グループは、オーストラリアおよび世界レベルにおいて、規制当局による調査、監視および見直し、報告対象の事態、民
    事執行活動(訴訟であるか否かを問わず)、公式および非公式の照会ならびに規制当局による監視活動に関して規制当局と定
    期的に意見交換を行っている。当グループは業界全体に対する見直しおよび当グループ固有の見直しの両方の一環として規制
    当局からの各種通知および情報の請求を受け、勧奨に基づき規制当局に対する開示も行った。これらのやり取りの性質は広範
    囲にわたり、例えば近年においては責任ある貸付慣行、規制上の貸付要件、商品の適合性および流通、利息および手数料なら
    びにそれらを課す資格の付与、顧客救済、富裕層への助言、保険の販売、価格設定、競争、金融市場における行為および金融
    取引、資本市場取引、マネーロンダリング防止および対テロ資金に関する義務、プライバシーに関する義務および情報セキュ
    リティ、事業継続管理、報告および開示義務ならびに商品の開示書類などの一連の事項が含まれている、または含まれてき
    た。規制当局に対するエクスポージャーに加えて、顧客に対するエクスポージャーも存在する可能性がある。これらにはクラ
    ス・アクション、個別請求または顧客救済もしくは補償行為が含まれうる。かかる見直しおよび可能性のあるエクスポー
    ジャーの結果および関連する費用の総額は不明である。
     偶発債務が予想以上に大きい、あるいは追加的訴訟、規制上措置、訴訟もしくは仲裁手続きまたはその他の偶発債務が生じ
    るかもしれないというリスクがある。
    19 .マネーロンダリング防止、対テロ資金および制裁に関連する法令違反の場合に多大な罰金および制裁を受ければ、当グ

    ループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
     マネーロンダリング防止(AML)、対テロ資金(CTF)および制裁遵守は、近年、重要な規制上の変更および執行の対象と
    なっている。当グループが業務を行う環境が複雑さを増すことによって、これらのオペレーショナル・リスクおよびコンプラ
    イアンスのリスクが高まってきている。さらに、国内および世界の双方における金融機関によるコンプライアンス問題の結果
    や関連する罰金と和解金額の透明性の向上は、これらのリスクが引き続き当グループが注視する分野であることを意味する。
     現在のウクライナにおける紛争を受けて、世界中の規制当局が、ロシアに対して前例のないほど多くの制裁措置を適用し、
    また、将来的には他の政府に対して適用する可能性がある。米国、欧州およびオーストラリアにおける多くの政府は、目的と
    する制裁対象については概ね一致しているものの、その意味合いや具体的な制限については完全に一致しているわけではな
    い。また、世界中の多くの企業が、ロシアまたはロシア所有の機関との継続的な事業活動に関してリスク選好度評価を実施し
    ている。このことは、合法とみなされる、または他のカウンターパーティーのリスク選好の範囲内での、取引を進める上での
    オペレーショナル・リスクやコンプライアンス・リスクを高めている。このような状況は中期的に継続し、かかる地域の紛争
    が長引くにつれて高まっていくと予想される。
     近年、主要なAML/CTF規制当局による「報告事業体」(オーストラリアにおける「報告事業体」とは、銀行口座開設やローン
    の提供など少なくとも1つの「指定サービス」を顧客に提供する法人を意味する。)に対する措置が強化されている。AUSTRAC
    は、AML/CTFのリスクの特定、軽減および管理のために必要なシステムと管理への投資やリスク管理にあたっての上級経営陣と
    取締役の関与などの分野についてのAUSTRACの考えについて報告事業体に知らせる資料を引き続き公表している。
     2019  年後半、2006年マネーロンダリング防止およびテロ資金対策法の過去の報告違反の申し立てに関連してオーストラリア
    主要銀行の1行に対してAUSTRACによる民事上の罰則手続きを開始した。2020年9月、同意された陳述書がオーストラリア連邦
    裁判所に提出され、その結果、同銀行に対して13億豪ドルの民事制裁金が課された。これはオーストラリアで金融機関に課さ
    れた過去最高額となる制裁金(AUSTRACによる制裁金のこれまでの最高額の2倍近くに相当する。)であり、AUSTRACが引き続
    き、AML/CTF規制体制の重要な不遵守に対して罰則を科していることが裏付けられた。AUSTRACは、規制対象となる報告事業体
    に対して監督権限を引き続き行使し、民事訴訟やその他の命令を実施しており、当グループはこれを注意深く監視している。
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     また、2022年5月にAUSTRACは、別のオーストラリア主要銀行1行からの強制執行可能な約束(EU)を受入れた旨を発表した
    が、これはここ5年においてAUSTRACが行った主要銀行に対する3件目の公的執行である。今回のEUでは、かかる銀行に対して
    包括的な是正措置計画の実施を約束することを求めており、これによりそのシステム、管理、記録保持が改善が図られること
    になる。同様に、RBNZは、ニュージーランドの2009年マネーロンダリング防止および対テロ資金対策法の違反に対して正式な
    強制執行措置を採る意欲を高めていると述べており、他の規制当局(アジア太平洋地域を含む。)も自国のAML/CTF法の不遵守
    に対して措置をとる傾向が強まっている。2021年、ANZニュージーランドは、取引報告書が所定の期間内に提出されていない3
    件の所定取引報告(「PTR」)に関する事例を自ら特定し、RBNZに通知した。RBNZは、そのうち1件(特定のSWIFTメッセージ
    タイプの取引報告6,409件に関するもの)をPTRに関するニュージーランドの2009年マネーロンダリング防止および対テロ資金
    対策法の重大な違反、他の2件を軽微な違反とみなすとANZニュージーランドに通知した。これらの案件はRBNZの執行チームが
    検討中であり、現時点ではどのような結果になる可能性があるかはまだ不明である。
     COVID-19    のパンデミックが当グループが事業を展開する多くの法域で様々なペースで進行を続ける間、金融犯罪の程度およ
    び種類の綿密な監視を当グループ全体にわたって継続する。現在までに、最も顕著な影響としては、犯罪者がCOVID-19のパン
    デミックを偽装に利用して脆弱な顧客を標的とする詐欺の種類の変化、個人情報の窃盗および虚偽の政府の支援への申請やロ
    シア・ウクライナ危機に伴い発生している詐欺の著しい増加がある。潜在的なマネーロンダリングやテロリズムの資金調達活
    動に対する警告の管理については、リソースの可用性および/または作業体制の変更の双方とも原因となって遅延する可能性
    があるリスクが引き続き存在している。
     AML/CTF    および制裁関連の法律の不遵守リスクは、当グループの規模および複雑性ならびにいくつかの必須の報告要件の透明
    性の欠如を考慮すると、引き続き高い。仮想資産サービス・プロバイダー(例えばデジタル通貨の交換業者およびウォレッ
    ト・プロバイダー)により提供されるもの等の新興技術ならびにフィンテックやその他のディスラプターを通じたますます複
    雑化する送金の取決めにより、資金の流れを追跡し、関連取引の監視を進め、報告義務を満たす当グループの能力が制限され
    る可能性がある。さらに、当グループの技術の複雑性ならびにAML/CTFおよび制裁遵守において機能するシステムの変更の頻度
    の増加により、当グループは、システムおよび制御への影響を誤って特定できないリスクに晒されている。資金の流れを報告
    し、マネーロンダリング、テロ資金調達その他の重大な犯罪に対抗するための強固なプログラムを実施できないと、当グルー
    プおよびその従業員に財務上、法的およびレピュテーションの面で深刻な影響が及ぶ可能性がある。
     上記の結果、罰金、刑事上および民事上の罰則、民事訴訟、レピュテーションの毀損および一定の法域で事業を行うことの
    制限などが発生する可能性がある。これらの結果によっては、個別または集団的に、当グループのポジションに悪影響が及ぶ
    こともあり得る。当グループの海外業務により、当グループを規制当局による強化された監視下に置かれ、法令順守コストが
    増加する可能性がある。
    20 .金融政策の変更は当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

     中央金融当局(RBA、RBNZ、米国連邦準備制度理事会、欧州中央銀行、イングランド銀行および当グループが業務を行うアジ
    アの法域の金融当局を含む。)はそれぞれ関連法域で通貨および信用の需要に影響を与えるため、政策金利の設定またはその
    他手段を取っている。加えて、法域の一部では、通貨政策が全般的な事業状況ならびに通貨および信用の需要に影響を与える
    ために使用される。これらの手段および政策は、当グループの貸付および投資の資金コスト、ならびに当グループがそれらの
    貸付および投資からあげるリターンにかなりの影響を与える可能性がある。これらの要因は当グループの純預貸利鞘に影響を
    与え、当グループが保有する債券およびヘッジ商品などの金融商品の価値に影響を与える可能性がある。中央金融当局の取る
    手段および政策はまた、当グループの借入者に影響を与える可能性があり、借入金返済を履行できないリスクを潜在的に増加
    させる。
     かかる政策金利および金融政策の変更を予測することは困難であり、当グループのポジションに悪影響を与える可能性があ
    る。
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    21 .グローバル顧客の税務の透明性に関する制度により課される現在進められている広範囲に及ぶ「非居住者に係る金融口座
    情報の自動交換のための報告制度(AEoI)」義務に関し、継続的で多額の法令順守(コンプライアンス)コストが生じること
    は、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     当グループを含めたすべてのグローバルな金融機関(「FI」)による、外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)、経済協
    力開発機構(OECD)の共通報告基準(CRS)およびこれらに類する租税回避対策制度に基づくグローバル顧客の税務の透明性に
    関する制度への遵守に関して、引き続き強制的かつ大幅な変更が行われており、また規制当局の関心も高まっている。これら
    は、、強制執行や罰則の世界的な規制による動きや、追加的なコンプライアンス枠組み要件、コンプライアンス評価要件/調
    査、オンサイトの金融機関監査/証拠に関する要件、回避の封じ込め、不遵守の阻止、検出および罰則の賦課を目的とした詳
    細な規則および枠組みの規制による実施の強化が含まれている。継続中のOECD諸国の政府レベルでの相互審査およびIRS/規制
    当局によるFIのコンプライアンス審査/監査要件によりFIに対する監視は強化されているため、世界中でFIには予定外の作業
    負荷が増している。不遵守の防止および処罰のために罰金制度が十分であることを確保するよう、各CRS採択国はOECDにより迫
    られている。
     これらの結果、FIとして世界的に相関関係が存在する事業環境で事業を展開する中で、各国の様々な制度の実施に伴う義務
    が高度に複雑かつ厳格な性質を有するものであることは、当グループのオペレーショナル・リスクやコンプライアンス・リス
    クを高めている。世界中の規制当局が引き続きコンプライアンスの枠組みの要件を成熟させ、金銭的制裁やその他のより一般
    的な税務リスクの枠組みと関わる執行に重点を移しているため、不遵守となった場合には多額の制裁金の要求や評判の失墜に
    つながる可能性がある。したがって、グローバル顧客の税務の透明性に関する制度の遵守は、当グループにとって引き続き主
    要な関心分野であり、大きなコストを発生させている。
     さらに、FATCAおよびその他の関連するその他米国財務省の規則に基づき、当グループは以下の影響を受ける可能性がある。
     ・ 継続中の詳細にわたる義務を適切に履行できない場合、一定金額(顧客に支払われる金額を含む。)に対して30%の源
       泉徴収税を課せられ、上位支払者に対して一定の情報を提供するよう求められる可能性があり、また、その他の不利な
       影響も受ける可能性がある。
     ・ 米国と当グループが業務を行う適用ある法域との間のFATCAに関する政府間協定が失効した場合、広範なコンプライアン
       スの問題、重大な源泉徴収に関わるエクスポージャー、競争面での不利な状況およびその他の業務上の影響を受ける可
       能性がある。
     CRS  の下で、当グループは、
     ・ 太平洋地域などの当グループが事業を行っている発展途上国における課題に直面している。これらの国々の現地規制当
       局は一般に「パートナー」国家から支援を受けており、このことが実施や遵守を困難にし続ける基準や証拠に関する要
       件の導入につながっている。
     ・ 所定の顧客情報の収集または報告の不履行について、さらに広範な「裏付けのある信頼関係」による結論および多額の
       罰金と共に、現地の法律および規制の実施において国ごとに特有の広がり続ける大幅な差異に対処しなければならな
       い。
     ・ 規制当局の取り組みの重点がCRSの当初の立ち上げからFIの効果的な実施へ移ったため、他のFIと共に、ますます厳格化
       する規制当局による監視と措置を受けている。規制当局の関心が強まることにより(上記のFIに対する潜在的な影響と
       ともに)、影響を受ける顧客に重大な不利益な体験(一方的な口座の凍結および閉鎖、それから生じる根本的な顧客関
       連の問題ならびに顧客への直接的な罰則の可能性を含む。)がもたらされ、当グループのポジションに悪影響が及ぶ、
       また、他のFIが同様のことを履行しない場合には重大な競争上の不利益および事業上の損失が生じる可能性がある。
     ・ とりわけ当グループが規制上の問題を顧客に明確に伝えていなかったり、(例えばデータやプロセスの誤りにより)不
       正に口座を凍結または閉鎖した場合、凍結および閉鎖の影響により不当に扱われたと感じる顧客により、法的責任や第
       三者賠償責任に晒される可能性が高まるなど、顧客成果の悪化に直面する。
     ・ 規制上の影響を受けるリスクを高める可能性がある、中間的な領域にまたがった複雑な要件が絡む多くの実施上の課題
       に引き続き対処している。
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     当グループの規模および複雑性は、他のFIと同様に、FATCA、CRSおよびその他の税務報告制度への不注意による不遵守を犯
    すリスクが高いことを意味している。また、主要な人材および重要な特定分野の専門家の流出と共に、その後の十分な資格を
    有する後任者の発掘という継続的な課題は、義務の範囲やその内容についての不注意による不遵守リスクを増大させている。
    実施されたプロセスを上手く運用できない、または義務のすべてを特定および履行できない場合、当グループおよびその従業
    員に法律、財務およびレピュテーション面への影響が生じる可能性がある。かかる影響には、罰金、刑事上および民事上制
    裁、民事上の請求、レピュテーションの毀損、競争上の不利益、事業損失、事業遂行上の制約が含まれる。
     自然災害およびCOVID-19のパンデミックは、世界的な規模で、システム、ツールおよび情報へのスタッフによるアクセスを
    困難なものにしており(予定外のスタッフの欠勤を含む。)、規制当局が期待するエラーのゼロ率の達成が要求されている継
    続的な改善活動のみならず、義務付けられたFATCAおよびCRSの規制上の報告、顧客へのフォローアップに関する戦略、規制当
    局からの勧告の解決と対処を含む、当グループの規制上の義務を必須の期間内に履行することに影響を与えている。企業自身
    の税務上の申告や納税に関連する当グループの国際的な税務上の義務も同様に影響を受ける可能性がある。COVID-19のパンデ
    ミックなどの外的要因がもたらす継続的な課題にFIが対応することが期待されることから、世界の規制当局から当初受けてい
    た寛容な対応は、厳格化または撤回が続いており、規制上の義務を要求される質の水準までかつ期間内に履行するにあたって
    の不備や遅延の結果として、規制当局によるさらなる監督、関連する罰則およびレピュテーションへの影響が発生するリスク
    がさらに増している。
     これらの影響は、個別的または集合的に、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
    22 .いずれかの法域における当グループの営業免許の予期せぬ変更は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性があ

    る。
     当グループは、様々な国、州および特別地域で営業する免許を取得している。政府、当局または規制省庁により、営業免許
    の条件に対し、当グループがこれまで許可されていた方法での取引を禁止または制限するような予期できない変更がなされた
    場合には、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
    内部統制、オペレーショナル・リスクおよびレピュテーショナル・リスク

    23 .オペレーショナル・リスク事象は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

     オペレーショナル・リスクは、社内手続き、人員およびシステムの不適切もしくは障害、または外的事象から生ずる損失リ
    スクおよび/または法の不遵守に関するリスクである。この定義には法的なリスクならびに社内手続き、人員、および/また
    はシステムの不適切もしくは障害から生じるレピュテーションの喪失または損害リスクを含むが、戦略的なリスクは含まな
    い。
     当グループのリスク分類に基づくオペレーショナル・リスクの種類には以下が含まれる(ただし、これらに限られな
    い。):
     ・ 金融犯罪(資金洗浄、制裁規制違反、贈収賄および汚職、ならびに「Know                                     your   customer」の顧客本人確認不履行のリ
       スク)。リスク要因19.「マネーロンダリング防止、テロ資金および制裁に関連する法令違反の場合に多大な罰金およ
       び制裁を受ければ、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。」を参照のこと。
     ・ 内部不正行為(内部関係者が組織に対して企図または遂行する不正行為)。
     ・ 社外の詐欺および盗難(従業員の関与なしに部外者(すなわち、当グループと直接的な関係がない者(顧客は含まな
       い。))が組織に対して企図または遂行する不正行為)。
     ・ 事業の継続性(事業継続性管理枠組みの不全)。
     ・ 物理的なセキュリティおよび安全性(当社グループの物的資産、顧客資産または当社グループが責任を負うべき公的資
       産への損害、および当社グループの従業員または関連係会社への(犯罪)被害のリスク)。
     ・ 人材(雇用法制への違反、従業員関係の管理の瑕疵、安全な労働環境の確保不足のリスク)。
     ・ 取引の処理および実行(取引および/またはその他の手続の適正および/または適切な処理、管理および実行の不
       備)。
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     ・ 技術(ハードウェア、ソフトウェアおよびネットワークなどのシステムの不具合または停止に関するリスク)。リスク
       要因27.「ITシステムの混乱、あるいは新規技術システムの実施の失敗は、当グループの事業を大いに妨害する可能
       性があり、これは当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。
     ・ 行為(当グループの事業活動を行うにあたり、ANZ、その従業員または代理人が消費者の利益、金融市場の一体性および
       地域社会の期待への適切な配慮を欠くために生ずる損失または損害のリスク)。リスク要因26.「コンダクト・リスク
       事象は当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。
     ・ リーガル(法的手続および法的プロセスを誤って実施するリスク)。
     ・ 規制遵守(他に記載されるリスクでは捕捉されない法律上または規制上の義務の不履行)。リスク要因17「規制の変更
       または法律、規制もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を
       参照のこと。
     ・ 第三者(サービスや機能の外注に起因する付加的なオペレーショナル・リスクを特定および軽減するための合理的な措
       置を講じないなど、第三者に係る関係およびリスクを適切に管理できないリスク)。
     ・ サイバーセキュリティなどの情報セキュリティ(データ/情報の喪失、盗難または悪用などの情報セキュリティ事案の
       リスク―あらゆる種類のデータを対象とし、また情報セキュリティ関連規則の不遵守を包含しうる)。リスク要因28.
       「サイバー攻撃を含む情報セキュリティに関連するリスクは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性があ
       る。」を参照のこと。
     ・ データ管理(適切にデータ(顧客データ、従業員データおよび当グループの固有データなどのあらゆる種類のデータを
       含む。)を管理および維持することができないリスク)。リスク要因29.「データ管理リスクは、当グループのポジ
       ションに悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。
     ・ モデル(モデルの誤設計、適正なモデルの不適当な実装、または適正なモデルの不適切な適用によるリスク)。リスク
       要因30.「モデルリスクは、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。
     ・ 法定報告および税金(法定報告の要件および税金の納付/申告の要件を充足できないリスク)。法定報告には、当グ
       ループが履行義務を負うすべての対外報告(例:規制当局への報告や財務報告)が含まれる。
     オペレーショナル・リスク事象による損失は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。かかる損失には罰
    金、刑罰、賦課(資本賦課を含む。)、資金もしくは資産の損失もしくは盗難、訴訟費用、顧客補償、株主価値の喪失、レ
    ピュテーションの喪失、人命損失もしくは負傷ならびに資産および/または情報の損失を含む。
     オペレーショナル・リスクは、変動リスク事象(例えば、変更の遂行の失敗または変更の取組みから生じるリスクなど)を
    はじめとする多くの原因から生じる可能性があり、またレピュテーションへの影響など多くの様々な影響を有する可能性があ
    る(リスク要因25.「レピュテーショナル・リスクに関する事象は、業務上の不履行および規制の不遵守とともに、レピュ
    テーショナル・リスクを引き起こす可能性があり、これが利害関係者の信頼を損ない、当グループのブランドを低下させ、当
    グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。)。
     また、APRAおよびおRBNZの要件に従い、当グループおよびANZニュージーランド・グループは、将来のオペレーショナル事象
    の発生に備えて「オペレーショナル・リスク資本」準備金を維持しなければならない。
     COVID-19    関連の問題は、リモートワーク制度の採用を含め、当グループの業務の行い方に多くの変化をもたらした。大半の
    主要オフィスでは、混合型/ハイブリッド・ワークの環境に戻っており、当グループは、勤務地に関して関連政府の指示およ
    び占有制限に従うよう努めている。デジタル・チャネルへの依存度は依然として高く、その結果としてサイバー攻撃やシステ
    ム/サービスの可用性の障害に関連するリスクが高まっている。
     事業継続計画は、パンデミック中に十分なテストと改善が行われたが、システム/サービスの可用性への影響がレピュテー
    ション、財務およびコンプライアンスの観点から当グループのポジションに影響を及ぼす可能性が依然としてある。
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    24 .人的資本リスクは、現在および将来の事業ニーズを満たすために、当グループの人員を引き付け、育成し、意欲を持た
    せ、維持することができない状態に関連するものであり、財務的成果および顧客成果を上げられず、当グループが顧客および
    その他の利害関係者の期待に応える能力が減少する可能性がある。
     主要な執行役員、従業員および取締役は、当グループの事業運営およびその戦略的目標の追求において、重要な役割を果た
    している。重要な役割を担う個人の予想外の離職が生じた場合、または現状の困難さを考えると、特にデジタル、テクノロ
    ジー、リスクまたはコンプライアンスの分野において、当グループがこれらの役割に適切な技術および資格を有する者を採
    用、育成および維持できない場合は、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。継続するCOVID-19のパンデミッ
    クによる影響は、従業員の健康状態、社会および雇用の選択への影響を含め、これらのリスクがさらに高まる可能性がある。
    25 .レピュテーショナル・リスクに関する事象は、業務上の不履行および規制の不遵守とともに、レピュテーショナル・リス

    クを引き起こす可能性があり、これが利害関係者の信頼を損ない、当グループのブランドを低下させ、当グループのポジショ
    ンに悪影響を与える可能性がある。
     当グループのレピュテーションは貴重な財産であり、事業のイニシアチブおよび資金調達力または資本調達力に関して地域
    社会から受ける支援に大きく貢献している。
     レピュテーショナル・リスクは、外部の事象または業務上の不履行および規制の不遵守を含む当グループの実際のまたはそ
    のようにみなされる行為および慣行の結果として生じる可能性がある。これらの事象が発生すれば、当グループに対する一般
    (当グループの顧客を含む。)、株主、投資家、規制当局または格付機関の認識に悪影響を及ぼす可能性がある。当グループ
    のレピュテーションに関するリスク事象の影響は、リスク事象そのものの直接的なコストを上回る可能性があり、当グループ
    のポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     当グループの慣行の一つが継続的に変化し進化する社会の期待に応えることができなかった場合、当グループはレピュテー
    ションから生じる損害を被る可能性がある。これらの期待は適用法に従うために必要な基準を超えて求められることもあるた
    め、当グループは法的義務を果たしている場合でもレピュテーションによる損害を被る可能性がある。社会の期待と当グルー
    プの慣行との相違は、商品およびサービスの開示の慣行、価格設定方針ならびにデータの利用を含め、多くの状況で発生しう
    る。さらに、当グループのレピュテーションは、特に金利上昇の局面において、広範な金融サービス業界に対する社会の認識
    により悪影響を受ける可能性がある。加えて、レピュテーションから生じる損害は、当グループによる効果的なリスク管理の
    不履行、規制当局による執行または監視措置、規制当局による調査の不利な結果によって、ならびに地域社会、環境および倫
    理的問題に適切に対応できないまたは対応できないとみられた場合に生じる可能性がある。
     COVID-19    のパンデミックの影響が継続し、長期の財務的および非財務的な影響の全容がまだ判明していない中で、当グルー
    プの行為が意図しない結果をもたらす可能性があり、それによって当グループに対する否定的な認識が生じる可能性がある。
     また、一定の業務上の不履行および規制の不遵守または業務上の不履行および規制の不遵守とみなされることがレピュテー
    ショナル・リスクを生じさせる可能性がある。かかる業務上の不履行および規制の不遵守には、以下が挙げられる(ただし、
    これらに限定されない。)。
     ・ 身元確認義務の充足に関する不履行
     ・ 商品の開発に関する新たに発生する不履行
     ・ 継続中の商品モニタリング活動に関する不履行
     ・ ターゲット市場外で商品販売を行う際の適合性要件に関する不履行
     ・ 開示義務の不遵守
     ・ 市場操作または反競争的行為
     ・ 不適切な危機管理/危機的事象への対応
     ・ 不適切な顧客苦情処理
     ・ 不適切な第三者との取決め
     ・ プライバシーの侵害、および
     ・ 不測のリスク(例えば、信用、市場、オペレーショナルまたはコンプライアンス)
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     当グループのレピュテーションに対する損害は、当グループの収益性、規模および資金調達費用、規制当局による監視の強
    化、規制当局による強制措置、追加的な法的リスク、ならびに新規事業機会の獲得可能性への悪影響など、広範囲に影響を及
    ぼす可能性がある。当グループのレピュテーションが損なわれる場合、当グループが顧客を引き付け維持する能力もまた悪影
    響を受ける可能性があり、これは当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
    26 .コンダクト・リスク事象は当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

     当グループは、コンダクト・リスクを当グループが事業活動を行うにあたり、消費者の利益、金融市場の一体性および地域
    社会の期待を当グループ、従業員または代理人が適切に考慮しないことから生じる損失または損害のリスクとして定義してい
    る。
     コンダクト・リスクは以下のものを含む。
     ・ 顧客に対する不相応または不適切な助言の提供。
     ・ 商品もしくはサービスに関する不正確な説明もしくは開示、または顧客に対してリスクおよび利益について十分な情報
       を提供しないこと。
     ・ 条件、開示、提案および/または助言に従った商品の特徴および利益の伝達ができないこと。
     ・ 利益相反を適切に防止または管理することができないこと。
     ・ 不適切な苦情処理または改善プロセス。
     ・ 経済的困難にある顧客に対する義務を尊重せず、遵守しないこと。
     ・ 当グループの方針および基準に反した金融市場における無許可の取引活動
     オーストラリアおよびニュージーランドも含め、コンダクト・リスクに対する規制当局および地域社会の関心は増してきて
    いる。生活費の継続的な増加は経済的余裕を圧迫しており、これが顧客への貸付能力や、すでに苦境にある顧客に対してどの
    程度の返済猶予を提供する必要があるかに影響する可能性がある。また、財政的困難に陥る可能性のある顧客の数が増加する
    ことが予想される。この状況は進展中かつ流動的であり、当グループは、経済的余裕に対する継続的な圧力から生じる顧客損
    害のリスクを軽減するために適応と対応を続ける必要がある。
     当グループは、様々な顧客救済プログラムの実施の任務を負う中央化された専門チームを有しており、それには当グループ
    の見直しから明らかになった特定の行為に関する問題への対処が含まれる。コンダクト・リスク事象は、当グループに対し
    て、規制当局の措置、銀行業免許の制限もしくは条件および/またはレピュテーションへの影響をもたらすこともあり、それ
    により当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。救済プログラムが適切に実施されない、またはさらなる救済業
    務が必要となる可能性があり、これが訴訟、規制上の措置および/または当グループの費用の増加を招き、これらのすべてが
    当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     コンダクト・リスクに対する規制上の関心の高まりについての詳細は、リスク要因17.「規制の変更または法律、規則もし
    くは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」およびリスク要因18.「訴訟お
    よび偶発債務は当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。
    27 .ITシステムの混乱、あるいは新規技術システムの実施の失敗は、当グループの事業を大いに妨害する可能性があり、こ

    れは当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     当グループの日々の活動およびそのサービスの提供(デジタル・バンキングを含む。)は情報技術(「IT」)システムに
    大きく依存している。ITシステムまたは当グループが使用もしくは依存するサービスに混乱が生じた場合には、当グループ
    がコンプライアンス義務を履行できない、および/または顧客のバンキング業務の要求に応えられない可能性がある。デジタ
    ル界では、24時間年中無休の銀行サービスへの顧客の期待に対し、高い可用性と耐性・回復力を備えたITシステムを必要とし
    てる。
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     当グループは、ITシステムを維持し、IT資産のライフ・サイクル、IT資産のプロジェクト・デリバリー、技術のレジ
    リエンス、技術のセキュリティ、第三者の使用、データの保持/復元ならびにビジネスルールおよび自動化などを含む、かか
    るシステムに関するリスク・エクスポージャーを特定し、評価し、および対応する責任を継続的に負う。これらのリスク・エ
    クスポージャーへの対応が不十分であったときは、不安定もしくは安全でないシステムが顧客に悪影響を与え、費用の増加や
    規制要件の不遵守を招く可能性があり、これが当グループのポジションに悪影響を及ぼすことがあり得る。
     当グループは、多数のITシステムの提供を当グループに依拠しているANZニュージーランドや海外支店を含め、当グループ
    のネットワーク全体の全ての事業のために、短期および長期の双方にわたる障害発生時にも重要なITシステムが稼働し続け
    ることを確保することを目的としたインシデント対応、災害復旧および事業継続対策を実施している。当グループのシステム
    障害は当グループのネットワークに影響を及ぼし、よって当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。COVID-19
    のパンデミックは、大規模で思いも寄らない事象に向けてこれらの対策を対応させることが必要であり、また、重要なITシス
    テムが長期間にわたり、多数の技術者やビジネスユーザーによってサポートおよびリモートでアクセスされることが保証され
    なければならないことを浮き彫りにしている。かかる対策が効果的に実施できない場合には、当グループのポジションに悪影
    響が及ぶ可能性がある。
     さらに、当グループの費用対効果の高い技術環境によって、進化する顧客要求を支えることができるように、当グループ
    は、新しいITシステム、中でもクラウド、データおよび自動化のテクノロジーを実装し既存の技術に統合させなければならな
    い。これらのシステムの不十分な実装および統合またはベンダーやサプライ・チェーンを含め、不適切な運用および管理は、
    当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     このリスク要因については、情報セキュリティ侵害およびサイバー攻撃が、ITシステムの混乱を引き起こす可能性がある
    ため、リスク要因28.「サイバー攻撃を含む情報セキュリティに関連するリスクは、当グループのポジションに悪影響を与え
    る可能性がある。」と併せて読むべきである。
    28 .サイバー攻撃を含む情報セキュリティに関連するリスクは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

     情報セキュリティにおいて最も注力される点とは、情報および技術システムを機密性、整合性または可用性の中断から保護
    することにある。銀行として、当グループは、事業を展開する複数の地域においてその顧客およびその内部業務について相当
    な量の個人情報および機密情報を扱う。かかる情報は、内部および第三者のホスト環境の双方において処理および保存され
    る。当グループまたは第三者が行うセキュリティ管理のいかなる不備も、当グループの事業に悪影響を与える可能性がある。
     システムおよび情報に対するリスクは、例えば政治的脅威またはテロリストもしくは犯罪組織による標的型サイバー攻撃が
    増大している一部の国においては本質的により高くなる。
     当グループは、高度な持続的脅威、分散型サービス妨害、マルウェア(破壊工作ソフト)攻撃およびランサムウェアなどの
    サイバー攻撃の脅威が絶え間なく進展し、より洗練され、増加していることを認識している。COVID-19のパンデミックによ
    り、長期にわたってオフサイト(現場の外)で働くスタッフの数が増加したため、当グループの情報セキュリティ・リスクが
    高まる可能性がある。サイバー犯罪者は、エンド・ポイント・セキュリティにおける弱点の追求、マルウェアの拡散および
    フィッシング攻撃の増強を通じて悪用を試みる可能性がある。また、これらのリスクは地政学的リスクによりさらに悪化する
    可能性がある。
     さらに、当グループのサイバーセキュリティの方針、手続きまたは管理において不備があった場合は、データその他の機密
    情報の喪失(機能停止によるものを含む。)を招き、これらに関連したレピュテーションから生じる損害をもたらす可能性が
    ある。これらの事象のいずれも、多額の財務的損失(顧客への通知または補償に関するコストを含む。)、規制当局の調査も
    しくは制裁の発動につながり、または当グループが顧客を維持および引き付ける能力に影響を及ぼす可能性があり、結果とし
    て当グループのポジションに悪影響が及ぶことがあり得る。
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    29 .データ管理リスクは、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     データ管理プロセスには、機密データを含め、大量のデータの収集、処理、配信、アクセス、保持および廃棄が含まれる。
    データ管理は当グループのシステムおよび技術に依存している。様々な問題やリスク・エクスポージャーを評価するのには
    データに依存するため、データの品質管理は重点分野である。データの品質もしくはデータの収集、分析および検証プロセス
    の有効性に不備がある場合、または当グループのデータ、システムおよびテクノロジーを適切に管理および維持できない場
    合、有効性のないリスク管理手法や不正確なリスク報告につながり、これが当グループのポジションに悪影響を与える可能性
    がある。また、規制上の義務を含むデータ管理義務に従えない場合、当グループが損失を被ったり、規制上の措置につながる
    可能性がある。
    30 .モデルリスクは、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

     当グループは、大手の金融機関として、重大なビジネス上の意思決定(貸付の決定、所定自己資本の計算、引当金の水準、
    顧客へ支払う補償金およびストレスのかかるエクスポージャーを含むがこれらに限定されない。)のための多数のモデルに依
    拠している。使用したモデルが不適切に設計、実施もしくは維持され、または不正確な仮定もしくはインプットに基づいてい
    ることが明らかになった場合、当グループのポジションは悪影響を受ける可能性がある。
    環境関連リスク、ソーシャル・リスクおよびガバナンス・リスク

    31 .将来の気候関連事象、生物多様性の喪失、人権、地質学的事象、植物、動物および人間の疾病ならびにその他外因性事象

    の影響は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     当グループおよびその顧客は、気候関連事象を含む環境・社会・ガバナンス(ESG)リスク、地質学的事象(火山・地震活動
    または津波を含む。)、生物多様性の喪失、植物、動物および人間の疾病またはCOVID-19などのパンデミックならびに人権リ
    スクに晒されている。これらはそれぞれが当グループの事業およびその顧客に重大な影響をもたらしている。
     気象関連事象には、暴風雨、干ばつ、火災、サイクロン、ハリケーン、洪水および海面水位上昇が含まれる。これらの事象
    による影響が広範囲にわたり、一次生産者を超えて、農業部門への供給業者である当グループの顧客および影響を受けた地域
    に居住しその地域内で事業を行う者にも影響が及ぶ可能性がある。これらの損失による当グループへの影響は、担保として保
    有する資産の価値および流動性の低下によって増幅され、債務が不履行となった場合に当グループの資金回収能力に影響が及
    ぶ可能性がある。
     オーストラリアにおける最近の例としては、深刻な干ばつ状態、2019年/2020年の山火事ならびに2021年および2022年の大
    洪水などがある。また、ニュージーランドで近年において地質学的事象が発生しており、COVID-19のパンデミックは引き続き
    当グループの事業と顧客に影響を与え続けている。
     種の絶滅や減少、生態系の悪化および自然の喪失から生じる生物多様性の喪失のリスクは、当グループがさらに理解を深め
    るよう努めている新たなリスクである。生物多様性関連では、生物多様性や生態系サービスに大きく依存する顧客または生物
    多様性に負の影響を与える得る顧客への融資からリスクが発生する可能性がある。当グループは、森林の消失や土地の劣化の
    阻止および保存に取り組むなど、生態系の保護と回復を図り、生物多様性の喪失を軽減する必要性を認識している。これらの
    リスクの管理を怠った場合、財務および非財務リスクにつながり、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性があること
    を当グループは理解している。
     人権リスクは、当グループの人員の安全と安心、労働上の権利、現代の奴隷制、プライバシーと消費者の保護、汚職と贈収
    賄および土地の権利に関して生じることがある。当グループは、リスクベースのデューデリジェンスにより、人権リスクと当
    グループのビジネス関係に関連する影響を特定している。これらのリスク管理ができない場合、当グループのポジションに悪
    影響が及ぶ可能性がある。
     気候変動、生物多様性、人権、またはその他の環境、社会もしくはガバナンスのリスクに関連する新たな規制または指針に
    加えて、株主、従業員およびその他の利害関係者の見解により、当グループが一定の活動に従事するかまたは一定の商品を提
    供するか否か、およびそれらを行う条件に影響が及ぶ可能性がある。
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     その頻度および深刻さによっては、これらの外因性事象は、当グループの支店もしくはビジネスセンターなどの一部地域の
    サービスまたは当グループによるサービスの提供を継続的に中断または制限する可能性があり、また当グループの財務状態ま
    たは顧客に対して供与する信用ファシリティに関連する担保状況に悪影響を与える可能性があり、これがさらに当グループの
    ポジションに悪影響を与える可能性がある。
    32 .当グループのリスク管理の枠組みによりすべての既存のリスクを適切に管理する、または新たに発生したリスクを十分に

    素早く検知することができない場合は、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
     リスク管理は、当グループの活動にとって不可欠なものであり、当グループのリスク選好の特定、測定、報告、監視および
    緩和ならびに当グループのリスク・プロファイルおよび特定された管理の有効性に関する報告を含む。しかしながら、当グ
    ループのリスク管理の枠組みは、既存のリスクまたは当グループが適時に予想もしくは識別できない新たなリスクを含むすべ
    ての事例において効果的に機能する保証はなく、および/またはこれらに対する管理が有効でない可能性がある。リスクを効
    果的に管理することができない場合、当グループのレピュテーションまたは規制上の義務の遵守に悪影響が及ぶ可能性があ
    る。
     また、当グループのリスク管理の枠組みの有効性は、適正な報酬体系により支えられる健全なリスク管理の文化の確立およ
    び維持にも関連している。適切な報酬体系が策定または有効に実施されていない場合、当グループのリスクの文化および当グ
    ループのリスク管理の枠組みの有効性に悪影響を及ぼす可能性がある。
     当グループは、継続的にリスク管理の枠組みの改善に取り組んでいる。当グループは、そのリスク管理方針の遂行および定
    期的な見直しを行い、リスクの管理および軽減のため追加資金を当グループ内で配分する。しかしながら、かかる取組みに
    よって当グループにおける将来の不正の発生を防げない可能性もあり、当グループのリスク管理の枠組みが効果的であるとい
    う保証はできない。当グループのリスク管理プロセスまたはリスクガバナンスにおける不備により、当グループが不測の損失
    およびレピュテーションの低下を被る、および規制上の義務を遵守できない可能性があり、このことが当グループのポジショ
    ンに悪影響を与える可能性がある。
     これらの原則が当グループのリスク管理の枠組みを支える一方、進行中のCOVID-19のパンデミックにより、従業員と顧客の
    双方に対するパンデミックの影響の管理のために当グループの業務活動が進化し続けるように、優れた慣行と強固なリスク管
    理の枠組みを維持し続けることが必要とされる。このような状況において、当グループのリスク管理の枠組み、プロセスまた
    はガバナンスに障害が生じた場合、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
    33 .直接または間接に気候変動リスクの影響を受けることがある顧客向けの貸付に伴うリスクは当グループのポジションに悪

    影響を及ぼす可能性がある。
     気候変動に関するリスクは、オーストラリアおよびニュージーランドを含め、規制上、政治的および社会的に注目が高まっ
    ている。APRAは、既存のリスク管理およびガバナンスの枠組みの一環として規制対象となる事業体(当グループを含む。)が
    気候関連のリスクおよび機会の管理を行うことを支援するために、健全性実践ガイドライン「CPG229」を発表した。APRAは、
    2021および2022暦年に最初の気候変動脆弱性評価を行い、これは、(i)銀行の気候変動リスクに対する潜在的な財務エクスポー
    ジャーの評価、(ii)銀行が異なるシナリオに対応して、事業モデルを調整し管理行動を実施する方法についての理解、および
    (iii)気候変動リスク管理能力の改善の促進を目的としている。同様に、RBNZは、気候変動への重視を強化しており、2021年10
    月には2021年気候変動レポートを公表した。2021年気候変動レポートは、これまで以上にストレステストに気候変動を組み入
    れ、監視の枠組み、データ収集および内部計画にも気候変動を織り込むための将来の措置など、気候変動へのRBNZのアプロー
    チを概説している。2021年金融セクター(気候変動に関する開示およびその他の事項)改正法は、ANZBGLおよびANZニュージー
    ランドに対し、「気候変動に関する報告対象事業体」として、ニュージーランド外部報告審議会が発行する気候変動に関する
    開示基準に準拠して、気候変動の管理および事業への影響について毎年報告書を作成し、その第三者による保証を求め、公表
    することを義務付ける。第一回の開示は2024年9月30日に終了する事業年度に行われる予定である。また、2022年において
    RBNZは選定した気候関連事象もニュージーランドの大手銀行のストレステストのプログラムに加えた。RBNZは、2023年に
    ニュージーランド初となる全面的な気候変動関連のストレステストを行う予定である。気候変動リスクをAPRAとその他の利害
    関係者の予測に基づいて当グループのリスク管理の枠組みに組み込み、気候変動および低炭素経済への移行により生じたリス
    クと機会の双方の対応に向けた当グループの業務および事業戦略を採用することは、当グループに重大な影響を与える可能性
    がある。
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     当グループにとって最も重大な気候変動リスクは、顧客が債務を返済できないもしくは履行を拒否する結果生じる信用関連
    の損失または担保の価値および流動性が影響を受ける事象を含め、その企業およびリテールの顧客に対する貸付に起因するも
    ので、これが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。顧客の信用関連の問題から生じる当グループのリスク
    は、直接に気候関連事象により、および間接に法律、規制またはカーボン・プライシング(炭素価格付け)および気候リスク
    適応策または軽減策などのその他の政策の変更により発生することがあり、これらは顧客のサプライ・チェーンに影響する可
    能性がある。
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    3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
     以下は、2021年10月1日から2022年9月30日までの年度に関するANZの「連結財務報告および配当宣言」(「経営成績発
    表」)および「第6 経理の状況-1 財務書類」に記載の2022年度財務書類から抜粋した情報に基づいている。注釈および
    参照のいくつかは、本報告書の規定の形式との整合性をとるために、省略、修正されている。
    A .  当年度の経営成績の要説

    (1)   IFRSに準拠していない情報

     法定利益は、オーストラリア会計基準の認識および測定の要件に従って算定されており、この基準は国際財務報告基準
    (「IFRS」)に準拠している。当グループは、連結財務報告および配当宣言の中で、会計基準とは別の基準で作成された追加
    の業績指標を提供している。この情報を提示する際、オーストラリア証券投資委員会(「ASIC」)の規制ガイド230において提
    供された指針に従う。
     現金   利益

     IFRS  に準拠していない指標である現金利益は、当グループの中核的事業活動に関する業績のANZが推奨する指標を示すもので
    あり、過去の期間および同業他社と比較した当グループおよび部門の業績を読者が評価できるようにしている。現金利益を導
    くための調整項目は法定利益に含まれ、「                    第6   経理の状況‐1        財務書類」の2022年度財務書類               の外部監査人による監査にお
    いて取り扱われる範囲で監査対象となる。現金利益は外部監査人による監査の対象ではない。外部監査人は、各表示期間を通
    じて一貫した基準で現金利益の調整が決定されている旨を監査委員会に通知している。
    ・ 法定利益と現金利益の調整

     当グループは、法定利益から非中核項目を除外して現金利益を計算している。法定利益と現金利益の調整については、下記
    「D.利益の調整」を参照のこと。
    ・ 現金利益の重大/重要項目
     当グループの継続事業による現金利益には、重大/重要項目と総称される多くの項目が含まれる。これらの項目は現金利益
    の一部を形成するが、その性質および影響の大きさゆえ、提供される関連比較情報と共に透明性を確保し比較を容易にするた
    め個別的に表示されている。重大/重要項目の詳細については、「B.当グループの業績-(1)現金利益-重大/重要項目」を
    参照のこと。
    (2)   非継続事業

     当グループは、2020年9月終了年度および2019年9月終了年度において、その関連ディーラー・グループ事業、ならびに
    OnePathの年金および投資事業のIOOFホールディングス・リミテッド(「IOOF」、現社名はインシグニア・ファイナンシャル・
    リミテッド)への売却、生命保険事業のチューリッヒ・フィナンシャル・サービシズ・オーストラリア(「チューリッヒ」)
    への売却を完了した。
     売却したこれらの事業の財務実績は、財務報告の観点からは非継続事業として扱われている。取引完了後の財務実績は、主
    に分離に係る残余営業費用および各移行サービス契約に基づく費用の一部回収に関係している。チューリッヒに売却された事
    業の分離は2022年4月上旬に完了し、IOOFに売却された事業の分離は2022年10月上旬に完了した。
     当年度および過去の比較期間において、非継続事業による重大な財務への影響はなかった。
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    (3)   部門別業績
     2022  年3月1日、当グループは、既存のオーストラリア・リテールおよび商業部門、およびグループ・センター部門のデジ
    タル事業の構造改革を発表した。これには、生産性の向上と組織内の説明責任の改善を目的とする、オーストラリアのリテー
    ル事業とデジタル事業の統合、およびオーストラリア商業事業の新部門への分離が含まれる。これらの変更の結果、当グルー
    プ内で区別された戦略および機会に沿って、現在では                         オーストラリア・リテール部門、オーストラリア商業部門、法人部門、
    ニュージーランド部門、パシフィック部門およびグループ・センター部門の6つの部門が存在する。これに応じて、比較情報
    は修正再表示されている。
     本書におけるセグメント情報の開示は、最高経営責任者である最高経営意思決定者に提供した内部報告と一致している。
    (4)   将来の報告期間に影響を与える保留中の組織変更

     純粋持株会社
     2022  年度中において、当グループは、ANZがその中核事業をさらに強化・成長させる戦略を適切に達成することを支援するた
    めに、純粋持株会社を設立し、組織内で区別された銀行グループと非銀行グループを設ける意向を発表した                                                 。
     必要な株主承認を得るため、説明資料がオーストラリア証券投資委員会に登録され、ANZの株主は、2022年12月15日にその提
    案を承認した。この説明資料は、ANZウェブサイト(www.anz.com/schememeeting)で入手可能である。その他全ての条件は満
    たされており、再編は2023年1月頃に実施される見込みである。
     再編には、ANZが、スキーム・オブ・アレンジメントによりANZグループの新たな上場持株親会社として、純粋持株会社であ
    るANZグループ・ホールディングス・リミテッドを設立すること、かつ、ANZの銀行事業および非銀行事業をANZ銀行グループと
    ANZ非銀行グループに分離することが含まれる。ANZ銀行グループは、現在のオーストラリア・ニュージーランド銀行とその子
    会社の大部分から構成される。ANZ非銀行グループは、ANZグループが開発または買収した銀行関連事業を担うこととなり、最
    高の新しいテクノロジーや銀行関連サービスを、その顧客に提供する方法を追求し続ける。
     サンコープ・バンクの買収

     2022  年7月18日、当グループは、サンコープ・バンクの直接の純粋持株会社であるエスビージーエイチ・リミテッドの株式
    の100%を取得することに合意したことを発表した。この買収は、最低12か月の完了期間と、連邦財務大臣の承認、オーストラ
    リア競争および消費者委員会の認可または承認、クイーンズランド州の1996年州金融機関およびメトウェイ合併法の改正と
    いった一定の条件を満たすことが条件とされている。両当事者が別途合意しない限り、かかる条件が満たされる最終期日は契
    約締結後24か月である(その後、当事者のいずれかが契約を終了させることができる。)。最終的な買収金額は、完了時の調
    整により、49億ドル以上または以下となる可能性がある。また、ANZは、サンコープ・バンクのその他Tier1キャピタル・ノー
    トを額面金額(2022年6月現在で6億ドル)で取得する予定である。完了は暦年2023年後半が予定されている。
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    B .  当グループの業績
    (1)   現金利益
     IFRS  に準拠していない指標である現金利益は、当グループの中核的事業活動に関する業績のANZが推奨する指標を示すもので
    あり、過去の期間および同業他社と比較した当グループおよび部門の業績を読者が評価できるようにしている。当グループ
    は、法定利益から非中核項目を除外して現金利益を計算している(詳細については、下記「E.定義」を参照のこと。)。現
    金利益を導くための調整項目は法定利益に含まれ、「第6                            経理の状況‐1        財務書類」の2022年度財務書類の外部監査人によ
    る監査において取り扱われる範囲で監査対象となる。現金利益は外部監査人による監査の対象ではない。外部監査人は、各表
    示期間を通じて一貫した基準で現金利益の調整が決定されている旨を監査委員会に通知している。
     当グループの業績のセクションは、別段の記載がない限り、継続事業の現金利益ベースで報告されている。
                                           年度

                                  2022  年      2021  年
                                  9月終了        9月終了        増減率
                                     ( 百万ドル)
    当行株主に帰属する継続事業による法定利益                                7,138        6,179        16 %
                 (1)

    法定利益と現金利益の調整
     経済ヘッジ                                (569)         (77)        大
     収益および費用ヘッジ                                 (54)         96        大
    継続事業による法定利益と現金利益の調整合計                                (623)         19        大
    継続事業による現金利益                                6,515        6,198         5 %
    注:(1)    法定利益と現金利益の調整の分析は、下記「D.利益の調整」を参照のこと。

     当グループの業績-現金利益

                                           年度

                                  2022  年      2021  年
                                  9月終了        9月終了        増減率
                                     ( 百万ドル)
    純利息収益                                14,874        14,161         5 %
    その他営業収入                                3,673        3,286        12 %
    営業収入                                18,547        17,447         6 %
    営業費用                                (9,579)        (9,051)         6 %
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                                8,968        8,396         7 %
    貸倒引当金(繰入)/戻入                                 232        567       -59  %
    税引前利益                                9,200        8,963         3 %
    法人税および非支配持分                                (2,685)        (2,765)         -3 %
    継続事業による現金利益                                6,515        6,198         5 %
                                           年度

                                          2021  年
                                   2022  年
                                  9月終了        9月終了        増減率
    部門別現金利益/(損失)                                 ( 百万ドル)
    オーストラリア・リテール                                2,140        2,316        -8 %
    オーストラリア商業                                1,510        1,107        36 %
    法人                                1,761        1,887        -7 %
    ニュージーランド                                1,633        1,508         8 %
    パシフィック                                  9       (3)        大
    グループ・センター                                 (538)        (617)       -13  %
    継続事業による現金利益                                6,515        6,198         5 %
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    重大/重要項目
     継続事業による現金利益に含まれる重大/重要項目について、以下に説明する。これらの項目は現金利益の一部を構成する
    が、その性質および重要性を考慮し、透明性を提供し容易に比較できるように、関連する比較情報と共に個別に表示してい
    る。
    事業の売却/閉鎖

     下記の売却/閉鎖事業は会計基準の下で非継続事業としての要件をみたさないため、継続事業の一部となる。これらの売
    却/閉鎖事業の財務的影響は、2022年9月終了年度に売却が完了した事業の事業損益を含め、以下のとおり要約される。
                           事業の売却/

                                     売却完了事業の
                          閉鎖による利益/
                                          (1)
                            (損失)          事業損益             合計
                                         年度
                          2022  年   2021  年   2022  年   2021  年    2022  年    2021  年
                         9月終了     9月終了     9月終了     9月終了      9月終了      9月終了
    重大/重要項目の影響:
                                 ( 百万ドル    )
    ANZ  ワールドライン・パートナーシップ                      307       -     60     123      367      123
    ANZ  シェア・インベスティング事業                       -    (251)       -     -      -     (251)
    ファイナンシャル・プランニング・
    アドバイス事業                       (69)       -     5     9     (64)       9
    法人の合理化                       (65)       -     -     -     (65)       -
    その他の事業売却                       (13)      13      -     -     (13)       13
    税引前利益     /(損失)                  160     (238)      65     132      225      (106)
    法人税   ベネフィット/(費用)                     37      -    (19)     (40)      18      (40)
    継続事業による       税引後利益     /(損失)           197     (238)      46     92     243      (146)
    注:(1)    2022年9月終了年度に完了した事業売却により、比較情報は修正再表示されている。

    ・ ANZワールドライン・パートナーシップ

       当グループは2020年12月、ワールドラインSA(「ワールドライン」)とパートナーシップ契約を締結したことを公表し
      た。当該パートナーシップ契約は、ANZとワールドラインが新たに加盟店獲得業務(アクワイアリング)グループを設立する
      ものであり、それぞれの保有持分は49%および51%である。当該取引は2022年9月終了年度に完了し、当グループは、オー
      ストラリア商業部門において、3億700万ドルの利益をその他営業収入に認識するとともに、2,800万ドルの法人税ベネ
      フィットも認識した。売却事業の損益は、オーストラリア商業部門および法人部門に認識された。
    ・ ANZシェア・インベスティング事業

       2021  年 9月終了年度において、当グループは、ANZシェア・インベスティング事業のCMCマーケッツへの売却を完了し、
      オーストラリア・リテール部門において、2億5,100万ドルの売却損をその他営業収入に認識した。
    ・ ファイナンシャル・プランニング・アドバイス事業

       当グループは、2022年9月終了年度において、富裕層にサービスを提供するファイナンシャル・プランニング・アドバイ
      ス事業のチューリッヒ・フィナンシャル・サービシズ・オーストラリア・リミテッドへの売却を完了した。当該取引の結
      果、当グループは、オーストラリア商業部門において、6,200万ドルの損失を認識したが、これは主にその他営業収入におけ
      る4,000万ドルののれん償却、700万ドルの組織再編費用および900万ドルの法人税ベネフィットで構成される。売却事業の損
      益は、オーストラリア商業部門に認識された。
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    ・ 法人の合理化
       2022  年 9月終了年度において、当グループの法人構造を合理化するために、過去に英国ではミネルヴァ・ホールディング
      ス・リミテッド(「ミネルヴァ」)が行っていた事業、香港ではANZアジア・リミテッド(「ANZアジア」)が行っていた事
      業を解散した。その結果、関連する為替換算調整勘定がその他の包括利益から損益にリサイクリングされ、グループ・セン
      ター部門において、6,500万ドルの損失がその他営業収入に認識された。
    ・ その他の事業売却/閉鎖

       2022  年 9月終了年度において、当グループは、ANZアメリカ領(「ANZアメリカ領サモア・ANZグアム」)の閉鎖計画を公表
      した。当該期間中、パシフィック部門において2,600万ドルの損失が認識されたが、これはその他営業収入における700万ド
      ルの損失、1,300万ドルの組織再編費用および600万ドルの貸倒引当金繰入で構成される。
       2022  年 9月終了年度において、当グループは、過年度に完了したUDCファイナンスおよびペイマーク・リミテッドの売却の
      一貫として当初生じた超過引当金の戻入を行い、グループ・センター部門において1,300万ドルの利益をその他営業収入に認
      識した。
       2021  年 9月終了年度において、当グループは、旧保険ポートフォリオに関する権利および義務をタワー・リミテッドに売
      却し、ニュージーランド部門において、1,300万ドルの利益をその他営業収入に認識した。
    ・ 合併および買収(「M&A」)関連費用

       2022  年 9月終了年度において、当グループは、サンコープ・バンクの買収を含め、当該期間にM&A活動に伴い、1,000万ド
      ルの取引に関連する外部弁護士およびアドバイザー費用(税引後)を計上した。
    ・   顧客救済

       顧客救済には、顧客への返金予定額に対する引当金、救済プロジェクト費用、ならびに顧客および規制に関する請求、罰
      金ならびに訴訟の費用および結果が含まれる。
                                                年度

                                           2022  年      2021  年
                                          9月終了        9月終了
    重大/重要項目の影響:                                          ( 百万ドル)
    営業収入                                          (34)        (142)
    営業費用                                          (190)        (185)
    税引前利益/(損失)                                          (224)        (327)
    法人税   ベネフィット/(費用)                                        58        106
    継続事業による       税引後利益     /(損失)                             (166)        (221)
    ・   訴訟の和解

       2022  年9月終了年度において、当グループは、一定の金利指標参照レートに基づく商品の売買に関連する米国の集団訴訟
      を解決する合意に達し、和解案に関連する1,000万ドルの費用(税引後)および関連費用を認識した。当該訴訟は責任を認め
      ることなく解決され、今後も裁判所の承認に加え、完全な和解条件の交渉および執行を条件とする。
       2021  年9月終了年度において、当グループは、その他の金利指標に基づく商品および業務に関連する別の米国集団訴訟を
      解決する合意に達し、4,800万ドルの費用(税引後)を認識した。当該訴訟は責任を認めることなく解決され、今後も裁判所
      の承認を条件とする。
    ・   組織再編費用

       事業の売却/閉鎖に伴う組織再編費用に加えて、当グループは、複数の部門にわたる運営上の変更に関連して、2022年9
      月終了年度に6,800万ドル(税引後)(2021年9月終了年度:9,200万ドル)の組織再編費用を認識した。
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    ・   源泉徴収税
       2022  年9月終了年度において、ANZパプアニューギニア(「ANZ                           PNG」)は、ANZBGLに対し、7億1,400万ドルの配当金(源
      泉徴収税控除後)の支払いを行った。これは、APRAによる子会社に関する自己資本要件の変更に対応して、当グループ内の
      資本を再配分することを目的としている。ANZBGLは、AZN                           PNGに対し、配当金に相当する額(源泉徴収税控除後)を資本投入
      した。配当金の支払いの結果、当該期間において1億2,600万ドルの配当金に係る源泉徴収税費用を認識した。
    ・   リースの条件変更

       2022  年9月終了年度において、当グループは、メルボルンの55                           Collins    Streetに所在する建物のヘッドリースを早期解約
      し、その結果、1,700万ドルの純損失(税引後)を計上した。この損失は、リースの条件変更時のリース負債および使用権資
      産の再測定から生じたその他の営業収入における3,100万ドルの利益(リース解約料800万ドル控除後)、加速償却および資
      産償却を含むリース解約費用に関連する営業費用における4,700万ドルの損失、ならびに700万ドルの所得税ベネフィットで
      構成される。
    ・   アジア関連会社に関する項目

       AMMB  ホールディングスBerhad(「AmBank」)が、1マレーシア・デベロップメントBerhad(「1MDB」)への関与に関する
      潜在的請求を解決するためにマレーシア財務省と合意に達したことを受け、当グループは、2021年9月終了年度において、
      和解金に対する当グループの持分割合を反映した2億1,200万ドルおよびAmBankのれんの減損の持分割合を反映した1億
      3,500万ドルで構成される、3億4,700万ドルの持分法利益の減少(税引後)を認識した。
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     重大/重要項目
       継続事業による現金利益において、当グループはいくつかの重大/重要項目を認識した。下表は現金利益への影響を示し
      ている。
    現金利益実績

                                      年度

                              2022  年               2021  年
                             9月終了                 9月終了         増減率
                                         重大/
                   2022  年    重大/           2021  年
                             重大/重要                 重大/重要        重大/重要
                                            (1)
                  9月終了      重要項目     項目を除く      9月終了           項目を除く        項目を除く
                                        重要項目
                              (単位:百万ドル)
    純利息収益               14,874        -   14,874      14,161       (86)    14,247          4 %
    その他営業収入                3,673       287     3,386      3,286      (431)     3,717         -9 %
    営業収入               18,547       287    18,260      17,447       (517)     17,964          2 %
    営業費用               (9,579)       (409)     (9,170)      (9,051)       (462)     (8,589)          7 %
    貸倒引当金繰入
    および法人税控除前利益                8,968      (122)     9,090      8,396      (979)     9,375         -3 %
    貸倒引当金(繰入)/戻入                 232      (4)     236      567       3     564       -58  %
    税引前利益/(損失)                9,200      (126)     9,326      8,963      (976)     9,939         -6 %
    法人税ベネフィット/
    (費用)および非支配持分               (2,685)       (28)    (2,657)      (2,765)       122    (2,887)          -8 %
    継続事業による現金利益/
    (損失)                6,515      (154)     6,669      6,198      (854)     7,052         -5 %
     部門別現金利益/(損失)

                                      年度

                              2022  年               2021  年
                             9月終了                 9月終了         増減率
                                         重大/
                   2022  年    重大/           2021  年
                             重大/重要                 重大/重要        重大/重要
                                            (1)
                  9月終了      重要項目     項目を除く      9月終了           項目を除く        項目を除く
                                        重要項目
                              (単位:百万ドル)
    オーストラリア・リテール                2,140      (183)     2,323      2,316      (479)     2,795        -17  %

    オーストラリア商業                1,510       322     1,188      1,107       36    1,071         11 %
    法人                1,761      (142)     1,903      1,887       (27)     1,914         -1 %
    ニュージーランド                1,633       10    1,623      1,508       (5)    1,513          7 %
    パシフィック                  9     (27)      36      (3)      (2)      (1)        大
                     (538)      (134)      (404)      (617)      (377)      (240)        68 %
    グループ・センター
    継続事業による現金利益/
    (損失)                6,515      (154)     6,669      6,198      (854)     7,052         -5 %
    注:(1)    2022年9月終了年度に完了した事業売却により、比較情報は修正再表示されている。

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     重大/重要項目
       継続事業による現金利益において、当グループはいくつかの重大/重要項目を認識した。下表はこれらの項目を示してい
      る。
                               2022  年9月終了年度

                        継続事業による現金利益に含まれる重大/重要項目
                                    組織再編
               事業の
                      M&A     顧客     訴訟の           源泉    リースの
                                       (1)
              売却/閉鎖      関連費用      救済     和解     費用     徴収税     条件変更       合計
                               (単位:百万ドル)
    現金利益
    純利息収益              -      -     -     -     -     -      -      -
    その他営業収入             298       -    (34)      -     -     -     23     287
    営業収入             298       -    (34)      -     -     -     23     287
    営業費用             (69)      (12)    (190)      (10)     (81)      -     (47)     (409)
    貸倒引当金繰入およ
    び法人税控除前利益             229      (12)    (224)      (10)     (81)      -     (24)     (122)
    貸倒引当金(繰入)/
    戻入              (4)       -     -     -     -     -      -     (4)
    税引前利益             225      (12)    (224)      (10)     (81)      -     (24)     (126)
    法人税ベネフィッ
    ト/(費用)              18       2    58      -     13    (126)       7     (28)
    継続事業による現金
    利益/(損失)             243      (10)    (166)      (10)     (68)     (126)      (17)     (154)
                                2021  年9月終了年度

                         継続事業による現金利益に含まれる重大/重要項目
                                            アジア関連
                   事業の
                                      組織再編
                                            会社に関する
                      (2)                  (1)
                 売却/閉鎖        顧客救済      訴訟の和解        費用       項目       合計
                                (単位:百万ドル)
    現金利益
    純利息収益                  -     (86)       -       -       -      (86)
    その他営業収入                 (28)      (56)       -       -     (347)       (431)
    営業収入                 (28)      (142)        -       -     (347)       (517)
    営業費用                 (81)      (185)       (69)       (127)        -      (462)
    貸倒引当金繰入
    および法人税控除前利益                 (109)      (327)       (69)       (127)       (347)       (979)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                  3      -      -       -       -       3
    税引前利益                 (106)      (327)       (69)       (127)       (347)       (976)
    法人税ベネフィット
    /(費用)                 (40)      106       21       35       -      122
    継続事業による現金利益/
    (損失)                 (146)      (221)       (48)       (92)      (347)       (854)
    注:(1)    2022年9月終了年度の税引前組織再編費用8,100万ドル(2021年9月終了年度:1億2,700万ドル)には、事業の売

        却/閉鎖の一部として生じた2022年9月終了年度の組織再編費用2,000万ドル(2021年9月終了年度:0ドル)は含ま
        れていない。
      (2)  2022  年9月終了年度に完了した事業売却により、2021年度の比較情報は修正再表示されている。
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     重大/重要項目
       継続事業による現金利益において、当グループはいくつかの重大/重要項目を認識した。下表は、これらの項目の部門別
      実績に対する影響を示している。
                               2022  年9月終了年度

                        継続事業による現金利益に含まれる重大/重要項目
                                    組織再編
               事業の
                      M&A     顧客     訴訟の           源泉    リースの
                                       (1)
              売却/閉鎖      関連費用      救済     和解     費用     徴収税     条件変更       合計
                               (単位:百万ドル)
    税引前利益
    オーストラリア・
    リテール              (3)       -   (219)       -    (32)      -      -    (254)
    オーストラリア商業             298       -     5     -     2     -      -     305
    法人              8      -     2    (10)     (21)      -      -     (21)
    ニュージーランド              -      -    25      -    (12)      -      -     13
    パシフィック             (26)       -    (1)      -     -     -      -     (27)
    グループ・センター             (52)      (12)     (36)      -    (18)      -     (24)     (142)
    税引前利益             225      (12)    (224)      (10)     (81)      -     (24)     (126)
    法人税ベネフィッ
    ト/(費用)              18       2    58      -     13    (126)       7     (28)
    継続事業による現金
    利益/(損失)             243      (10)    (166)      (10)     (68)     (126)      (17)     (154)
                                    2021  年9月終了年度

                            継続事業による現金利益に含まれる重大/重要項目
                        事業の
                                               アジア関連
                                         組織再編
                       売却/閉鎖
                                    訴訟の
                                               会社に関する
                                            (1)
                         (2)
                             顧客救済       和解     費用       項目      合計
                                    (単位:百万ドル)
    税引前利益
    オーストラリア・リテール                      (255)      (275)       -     (47)        -    (577)
    オーストラリア商業                      120      (62)       -      (5)       -     53
    法人                       16      28     (69)      (24)        -     49)
    ニュージーランド                       13      (16)       -      (9)       -    (12)
    パシフィック                       -      (2)      -      (1)       -     (3)
                           -      -      -     (41)      (347)     (388)
    グループ・センター
    税引前利益                      (106)      (327)      (69)      (127)       (347)     (976)
    法人税ベネフィット/(費用)                      (40)      106      21      35       -    122
    継続事業による現金利益/(損失)                      (146)      (221)      (48)      (92)      (347)     (854)
    注:(1)    2022年9月終了年度の税引前組織再編費用8,100万ドル(2021年9月終了年度:1億2,700万ドル)には、事業の売

        却/閉鎖の一部として生じた2022年9月終了年度の組織再編費用2,000万ドル(2021年9月終了年度:0ドル)は含ま
        れていない。
      (2)  2022  年9月終了年度に完了した事業売却により、2021年度の比較情報は修正再表示されている。
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    ( 2 )  現金  純利息収益
                                          年度

                                  2022  年      2021  年
                                 9月終了        9月終了        増減率
    当グループ                                ( 百万ドル)
         (1)
    純利息収益
                                   14,874       14,161         5 %
    利付資産平均残高                               910,037       863,691         5 %
    預金およびその他の借入金の平均残高                               780,373       712,540         10 %
                                                  -1  bps
    純預貸利鞘(%)                                1.63       1.64
    当グループ(マーケッツ事業ユニットを除く)

         (1)
    純利息収益
                                   14,167       13,320         6 %
    利付資産平均残高                               652,453       599,989         9 %
    預金およびその他の借入金の平均残高                               601,123       547,992         10 %
                                                  -5  bps
    純預貸利鞘(%)                                2.17       2.22
                                          年度

                                  2022  年      2021  年
                                 9月終了        9月終了        増減率
               ( 1 )
    主要部門別純預貸利鞘
                                    ( 百万ドル)
    オーストラリア・リテール
                                                  -2  bps
     純預貸利鞘(%)-現金                               2.25       2.27
     利付資産平均残高                              245,448       251,794         -3 %
     預金およびその他の借入金の平均残高                              145,794       135,487         8 %
    オーストラリア商業

                 (2)
                                                  12  bps
     純預貸利鞘(%)-現金                               2.10       1.98
     利付資産平均残高                              58,867       58,277         1 %
     預金およびその他の借入金の平均残高                              115,097       107,111         7 %
    法人

                                                  4 bps
     純預貸利鞘     (%)-現金                          0.85       0.81
     利付資産平均残高                              400,569       385,647         4 %
     預金およびその他の借入金の平均残高                              330,839       297,527         11 %
    ニュージーランド

                                                  14  bps
     純預貸利鞘     (%)-現金                          2.47       2.33
     利付資産平均残高                              128,478       123,162         4 %
     預金およびその他の借入金の平均残高                              104,621        98,161         7 %
    注:(1)    2022年9月終了年度には0ドル(2021年9月終了年度:-8,600万ドル)の重大/重要項目が含まれている。重大/重

        要項目の詳細については、「(1)現金利益-重大/重要項目」を参照のこと。また、2022年9月終了年度の大手銀行税
        -3億4,000万ドル(2021年9月終了年度:-3億4,600万ドル)が含まれている。
      (2)  オーストラリア商業部門は、保有する余剰預金によるプラスの純利息収益を生成している。したがって、2022年9月
        終了年度における634億ドルの平均預金額(2021年9月終了年度:568億ドル)は、内部経営報告の見解と一致させる
        ため、純預貸利鞘の計算のための利付資産平均残高に含まれている。
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    注:(1)    マーケッツのバランスシート取引は、裁量的流動資産の保有およびその他のバランスシート取引の影響を含む。





      純預貸利鞘(-1ベーシス・ポイント)

       ・ 資産の価格設定(-8ベーシス・ポイント):主にオーストラリア・リテール部門およびニュージーランド部門におけ
         る住宅ローンの価格競争に起因した。
       ・ 預金の金利設定およびホールセール資金調達(+12ベーシス・ポイント):金利上昇環境によって改善された預金の利
         鞘に起因した。
       ・ 資産構成および資金調達構成(-2ベーシス・ポイント):顧客の変動金利住宅ローンから固定金利住宅ローンへの変
         更、およびオーストラリア・リテール部門における無担保貸付の減少を反映した商品構成上不利な影響による。これ
         は、通知預金の成長による有利な預金構成およびホールセール資金調達と比較して増加した顧客預金により一部相殺
         された。
       ・ 流動性(-5ベーシス・ポイント):流動性供給枠(「CLF」)を更新し、APRA要件に従って2023年1月1日に0ドル
         にまで削減させるため、利回りが低下した流動資産の成長による。
       ・ 資本収益および複製ポートフォリオ(+3ベーシス・ポイント):主に金利上昇環境に起因した。
       ・ マーケッツのバランスシート取引(-2ベーシス・ポイント):主に過年度におけるポートフォリオのリバランス後に
         低下した平均利回りによる。
       ・ 重大/重要項目(+1ベーシス・ポイント):顧客救済の減少による。
      利付資産平均残高(+463億ドルすなわち+5%)

       ・ 正味貸付金および前渡金の平均残高(+264                      億ドルすなわち+5%)           :法人部門およびオーストラリア商業部門の                     貸付の
         増加、ニュージーランド部門の住宅ローンの成長                       、ならびに為替換算変動の影響に牽引されたが、オーストラリア・
         リテール部門での減少により一部相殺された。
       ・ 売買目的資産および投資有価証券の平均残高(-165億ドルすなわち-12%):主に金利上昇の結果として減少したマー
         ケッツの評価額に牽引されたが、為替換算変動の影響により一部相殺された。
       ・ 現金およびその他の流動資産の平均残高(+364億ドルすなわち+26%):中央銀行預け金の増加によるものであった
         が、売戻条件付契約の減少により一部相殺された。
      預金およびその他の借入金の平均残高(+678億ドルすなわち+10%)

       ・ 預金およびその他の借入金の平均残高(+678億ドルすなわち+10%):全部門における通知預金の伸びおよびコマー
         シャル・ペーパーの増加によるものであったが、定期預金および譲渡性預金の減少により一部相殺された。
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    (3)   現金その他営業収入
                                          年度

                                 2022  年      2021  年
                                 9月終了        9月終了         増減率
                                    ( 百万ドル)
           (1)
    手数料収入純額
                                    1,907        2,063         -8 %
    マーケッツのその他営業収入                                860       1,130        -24  %
    関連会社投資の持分利益/(損失)                                177       (176)         大
       (1)
    その他
                                     729        269         大
    合計                               3,673        3,286         12 %
                                          年度

                                 2022  年      2021  年
                                 9月終了        9月終了         増減率
    部門別その他営業収入                                ( 百万ドル)
    オーストラリア・リテール                                622        433        44 %
    オーストラリア商業                                652        456        43 %
    法人                               1,648        1,878        -12  %
    ニュージーランド                                461        469        -2 %
    パシフィック                                 68        65        5 %
    グループ・センター                                222        (15)         大
    合計                               3,673        3,286         12 %
                                          年度

                                 2022  年      2021  年
                                 9月終了        9月終了         増減率
    マーケッツの収入
                                    ( 百万ドル)
    純利息収益                                707        841       -16  %
    その他営業収入                                860       1,130        -24  %
    合計                               1,567        1,971        -20  %
    注:(1)    マーケッツ事業部門を除く。

    その他営業収入(重大/重要項目を除く)

     その他営業収入には、2022年9月終了年度における2億8,700万ドルの重大/重要項目(2021年9月終了年度:-4億3,100万
    ドル)と総称される多くの項目が含まれていた。これらの項目は、現金その他営業収入合計の一部を構成するが、その性質お
    よび重要性を考慮し、別途分析されており(重大/重要項目については、上記「(1)現金利益-重大/重要項目」を参照のこ
    と。)、下表からは除外されている。
                                          年度

                                 2022  年      2021  年
                                 9月終了        9月終了         増減率
    その他営業収入(重大/重要項目を除く)                                ( 百万ドル)
           (1)
    受取手数料純額
                                    1,822        1,930         -6 %
    マーケッツのその他営業収入                                846       1,101        -23  %
    関連会社投資の持分利益/(損失)                                177        171        4 %
       (1)
    その他
                                     541        515        5 %
    合計(重大/重要項目を除く)                               3,386        3,717         -9 %
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                                          年度
                                 2022  年      2021  年
                                 9月終了        9月終了         増減率
    部門別その他営業収入(重大/重要項目を除く)                                ( 百万ドル)
    オーストラリア・リテール                                645        751       -14  %
    オーストラリア商業                                319        307        4 %
    法人                               1,621        1,806        -10  %
    ニュージーランド                                461        456        1 %
    パシフィック                                 75        65       15 %
    グループ・センター                                265        332       -20  %
    合計(重大/重要項目を除く)                               3,386        3,717         -9 %
    注:(1)    マーケッツ事業部門を除く。

       その他営業収入は3億8,700万ドル(+12%)増加した。重大/重要項目を除くと、その他営業収入は3億3,100万ドル





      (-9%)減少した。
       受取手数料純額(-1億5,600万ドルすなわち-8%)

       ・ ブレークフリー・パッケージの手数料改定に牽引された、オーストラリア・リテール部門の1億2,800万ドルの減少。
         これは、個人消費の回復によって増加したカード収入により一部相殺された。
       ・ 主にオーストラリア商業部門において減少した売却事業の損益に牽引された9,800万ドルの減少。
       ・ 主に資産運用報酬の廃止または引下げによる手数料の減少に牽引された、ニュージーランド部門の2,200万ドルの減
         少。
       ・ 顧客救済の減少による4,900万ドルの増加。
       ・ トランザクション・バンキングにおける取引量に関連する手数料の増加に牽引された、法人部門の4,300万ドルの増
         加。
       マーケッツの収入(-4億400万ドルすなわち-20%)

       マーケッツの収入は、その他営業収入の2億7,000万ドル(-24%)の減少および純利息収益の1億3,400万ドル(-
      16%)の減少により、4億400万ドル(-20%)減少した。この減少は、主に以下の事業活動に起因する。
       ・ 実現益の減少、純利息収益の減少およびイールド・カーブの変動に起因する不利な値洗いによる変動に牽引された、
         バランスシート収入の4億1,800万ドルの減少。
       ・ 主に2022年3月半期における不利な信用取引状況およびより変動しやすい市況における顧客への発行水準の低下に牽
         引された、信用および資本市場収入の1億1,500万ドルの減少。
       ・ 外国為替および金利の変動性の上昇の結果増加した信用評価調整による、デリバティブの評価調整における5,500万ド
         ルの減少。
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       ・ 為替の変動性の上昇および通貨間の金利格差によるヘッジソリューションに対する顧客需要に牽引された、外国為替
         収入の1億3,600万ドルの増加。これは、過年度における顧客救済引当金の戻入により一部相殺された。
       ・ 主に2022年3月半期におけるより有利な取引状況に牽引された、金利収入の4,000万ドルの増加。
       ・ 主に2022年3月半期におけるヘッジソリューションに対する需要の増加およびより有利な取引状況による、コモディ
         ティ収入の800万ドルの増加。
       関連会社投資の持分利益/(損失)(+3億5,300万ドル)

       ・ 1MDBに関する和解金についてAmBankが過年度に認識した費用の当グループの持分およびのれんの減損(3億4,700万
         ドル)ならびにその他の持分法利益の増加による3億5,300万ドルの増加。
       その他(+4億6,000万ドル)

       ・ 以下の事業の売却/閉鎖による4億2,400万ドルの増加。
        -  過年度におけるANZシェア・インベスティング事業の売却に係る損失に起因する、オーストラリア・リテール部門
          での2億5,100万ドルの増加。
        -  ANZワールドライン・パートナーシップの取引完了による利益(3億700万ドル)に起因する、オーストラリア商業
          部門での2億4,500万ドルの増加。この増加は、ファイナンシャル・プランニング・アドバイス事業の売却損
          (6,200万ドル)により一部相殺された。
        -  ミネルヴァおよびANZアジアの解散による為替換算調整勘定のその他の包括利益から損益へのリサイクリング
          (6,500万ドル)に牽引された、グループ・センター部門での5,200万ドルの減少。この減少は、過年度に完了した
          UDCファイナンスおよびペイマーク・リミテッドの売却の一貫として当初生じた超過引当金の戻入(1,300万ドル)
          により一部相殺された。
        -  その他の事業売却/閉鎖に係る利益/損失に起因する2,000万ドルの減少。
       ・ トランザクション・バンキングでの多国間決済量の増加に牽引された、法人部門における2,800万ドルの増加。
       ・ 政府債の売却による実現益に牽引された、ニュージーランド部門における2,700万ドルの増加。
       ・ 保険収入の増加に牽引された、オーストラリア・リテール部門における2,200万ドルの増加。
       ・ 主に当グループの別部門における有利な為替換算差額を相殺した外貨建て収益源に対する経済ヘッジに係る実現益の
         減少および1835iベンチャーズ・トラスト事業ユニットにおいて公正価値で測定された投資の評価調整額の減少に起因
         する、グループ・センターでの5,500万ドルの減少。これは、重要なリース契約の条件変更に係る純利益により一部相
         殺された。
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    ( 4 )  現金  営業費用
                                           年度

                                    2022  年    2021  年
                                    9月終了      9月終了       増減率
                                      ( 百万ドル)
    人件費                                 5,296      4,946       7 %
    土地建物費                                  721      705      2 %
    テクノロジー費                                 1,621      1,588       2 %
    組織再編費用                                  101      127     -20  %
    その他                                 1,840      1,685       9 %
    合計                                 9,579      9,051       6 %
                                           年度

                                    2022  年    2021  年
                                    9月終了      9月終了       増減率
    部門別営業費用                                  ( 百万ドル)
    オーストラリア・リテール                                 3,210      2,948       9 %
    オーストラリア商業                                 1,346      1,353       -1 %
    法人                                 2,503      2,447       2 %
    ニュージーランド                                 1,324      1,325       0 %
    パシフィック                                  153      144      6 %
    グループ・センター                                 1,043       834      25 %
    合計                                 9,579      9,051       6 %
                                           年度

                                    2022  年    2021  年
                                    9月終了      9月終了       増減率
    部門別FTE                                   ( 人)
                 (1)
    オーストラリア・リテール                                 11,846      11,764        1 %
    オーストラリア商業                                 2,799      3,095      -10  %
    法人                                 6,236      6,196       1 %
    ニュージーランド
                                     6,873      7,060       -3 %
    パシフィック                                 1,086      1,089       0 %
              (1)(2)
    グループ・センター
                                     10,147      10,480       -3 %
    FTE  合計                               38,987      39,684       -2 %
    平均FTE                                 39,546      38,043        4 %
    注:  (1)  FTE  は、2022年9月終了年度におけるANZプラスのグループ・センター部門からオーストラリア・リテール部門への移

        転を反映するために修正再表示されている(2021年9月終了年度:379人)。
      (2)  1835i   グループPtyリミテッドが管理する連結された投資先のFTEを除く。
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    営業費用(重大/重要項目を除く)
     営業費用には、2022年9月終了年度における4億900万ドルの重大/重要項目(2021年9月終了年度:4億6,200万ドル)と
    総称される多くの項目が含まれていた。これらの項目は、現金営業費用合計の一部を構成するが、その性質および重要性を考
    慮し、別途分析されており(重大/重要項目については、上記「(1)現金利益-重大/重要項目」を参照のこと。)、下表から
    は除外されている。
                                         年度

                                 2022  年      2021  年
                                9月終了        9月終了        増減率
    費用(重大/重要項目を除く)                               ( 百万ドル)
    人件費                               5,195        4,803        8 %
    土地建物費                                674        706       -5 %
    テクノロジー費                               1,602        1,542        4 %
    組織再編費用                                 -        -    該当なし
    その他                               1,699        1,538        10 %
    合計  (重大/重要項目を除く)                             9,170        8,589        7 %
                                         年度

                                 2022  年      2021  年
                                9月終了        9月終了        増減率
    部門別費用     (重大/重要項目を除く)                          ( 百万ドル)
    オーストラリア・リテール                               2,990        2,729        10 %
    オーストラリア商業                               1,312        1,302        1 %
    法人                               2,455        2,320        6 %
    ニュージーランド                               1,331        1,304        2 %
    パシフィック                                138        141       -2 %
    グループ・センター                                944        793       19 %
    合計  (重大/重要項目を除く)                             9,170        8,589        7 %
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       営業  費用は、    5億2,800     万ドル(+6      %)増加した。重大/重要項目を除くと、営業費用は5億8,100万ドル(+7%)増加





      した。
       ・ 人件費は3億5,000万ドル(+7%)増加した。これは、デジタル機能の開発、規制上の義務および法遵守義務の履行
         に加えて、取引量の成長促進のための投資を支援する平均資金提供額の増加に起因する。2021年12月のキャッシュリ
         ワーズ・リミテッド(「キャッシュリワーズ」)の支配権取得後にキャッシュリワーズを算入したことに加えて賃金
         インフレもまた、この増加に寄与した。この増加は、デジタルチャネルを継続して活用する顧客からの利益、テクノ
         ロジーおよびバックオフィスの最適化により生じた生産性向上、従業員の休暇取得率の上昇、ならびに顧客救済の減
         少により一部相殺された。
       ・ 土地建物費は、重要なリース契約の条件変更に牽引され、1,600万ドル(+2%)増加した。この増加は、継続してい
         る不動産の最適化により一部相殺された。
       ・ テクノロジー費は、3,300万ドル(+2%)増加した。これは、ソフトウェア・ライセンス費用の増加および投資費用
         の増加によるものであったが、償却費の減少により一部相殺された。
       ・ 組織再編費用は、グループ・センター部門およびオーストラリア・リテール部門における手数料の引下げにより、
         2,600万ドル(-20%)減少した。
       ・ その他の費用は1億5,500万ドル(                  + 9 %)増加した。これは、デジタル機能を開発し規制上の義務および法遵守義務
         を履行するための投資費用の増加によるものであった。
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    (5)   投資費用
                                        年度

                               2022  年      2021  年
                               9月終了        9月終了        増減率
                                  ( 百万ドル)
              (1)
    費用計上された投資
                                 1,888        1,434        32 %
    資産計上された投資
                                  285        376      -24  %
          (1)
    投資費用合計
                                 2,173        1,810        20 %
                                        年度

                               2022  年      2021  年
                               9月終了        9月終了        増減率
    部門別投資費用                              ( 百万ドル)
    オーストラリア・リテール
                                   886        677       31 %
    オーストラリア商業
                                   124        136       -9 %
    法人                              317        284       12 %
    ニュージーランド                              269        245       10 %
    グループ・センター                              577        468       23 %
    投資費用合計
                                 2,173        1,810        20 %
    注:(1)    2022年9月終了年度における9,000万ドルの重大/重要項目に関連する投資費用が含まれている(2021年9月終了年

        度:1億6,100万ドル)。
    (6)   ソフトウェアの資産計上

     資産計上されたソフトウェアは、ソフトウェアの開発の際に発生した費用(投資費用に含まれる。)およびソフトウェアの
    取得費用の両方で構成される。これらの費用は無形資産として資産計上され、予想耐用期間にわたり償却される。詳細は下表
    に表示されている。
                                        年度

                               2022  年      2021  年
                               9月終了        9月終了        増減率
                                  (百万ドル)
    期首残高                              960       1,039        -8 %
    当期中に資産計上されたソフトウェア                              315        356      -12  %
    当期中の償却                             (375)        (434)       -14  %
    ソフトウェア減損/償却費                              (3)        (1)       大
    為替換算                              (1)         -    該当なし
    資産計上されたソフトウェア合計                              896        960       -7 %
                                        年度

                               2022  年      2021  年
                               9月終了        9月終了        増減率
    部門別資産計上されたソフトウェア                              (百万ドル)
    オーストラリア・リテール                              91       105      -13  %
    オーストラリア商業                              74        46      61 %
    法人                              405        393       3 %
    ニュージーランド                              15        14       7 %
    グループ・センター                              311        402      -23  %
    資産計上されたソフトウェア合計                              896        960       -7 %
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    (7)   信用  リスク
     クレジット・ポートフォリオの予想信用損失                      (「ECL」)に関する当グループの評価は、内部および外部の様々な情報に加
    え、過去のストレス状況下でのポートフォリオの運用状況における当グループの経験に基づく、経営陣の判断および見積りに
    従う。詳細については、「第6               経理の状況     - 1  財務書類」の2022年度財務書類の注記14を参照のこと。
    予想信用損失引当金

                                期末現在

                             2022  年      2021  年
                            9月終了        9月終了        増減率
                               (百万ドル)
    一括評価の予想信用損失引当金                          3,853         4,195        -8 %
    個別評価の予想信用損失引当金                           542         687      -21  %
    予想信用損失引当金合計                          4,395         4,882       -10  %
    貸倒引当金繰入/(戻入)

                                     年度

                             2022  年      2021  年
                            9月終了        9月終了        増減率
                               (百万ドル)
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           (311)        (823)       -62  %
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                            79       256       -69  %
    貸倒引当金繰入/(戻入)合計                           (232)        (567)       -59  %
    部門別貸倒引当金繰入/(戻入)

                                     年度

                             2022  年      2021  年
                            9月終了        9月終了        増減率
    一括評価                           (百万ドル)
    オーストラリア・リテール                           (169)        (349)       -52  %
    オーストラリア商業                           (170)        (272)       -38  %
    法人                            13       (159)         大
    ニュージーランド                            35       (61)        大
    パシフィック                           (19)        15        大
    グループ・センター                            (1)        3       大
    一括評価合計                           (311)        (823)       -62  %
                                     年度

                             2022  年      2021  年
                            9月終了        9月終了        増減率
    個別評価                           (百万ドル)
    オーストラリア・リテール                            40       122       -67  %
    オーストラリア商業                            37        73      -49  %
    法人                           (31)        70        大
    ニュージーランド                            1       (15)        大
    パシフィック                            13        6       大
    グループ・センター                            19        -    該当なし
    個別評価合計                            79       256       -69  %
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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
                                     年度
                             2022  年      2021  年
                            9月終了        9月終了        増減率
    貸倒引当金繰入/(戻入)合計                           (百万ドル)
    オーストラリア・リテール                           (129)        (227)       -43  %
    オーストラリア商業                           (133)        (199)       -33  %
    法人                           (18)        (89)       -80  %
    ニュージーランド                            36       (76)        大
    パシフィック                            (6)        21        大
    グループ・センター                            18        3       大
    貸倒引当金繰入/(戻入)合計                           (232)        (567)       -59  %
                        一括評価                    個別評価

    2022  年9月終了年度
                                     ステージ3     -  ステージ3     -
                ステージ     ステージ     ステージ           新規および       回収および
                               一括評価                   個別評価
                 1     2     3     合計      増加       戻入       合計     合計
                                   (百万ドル)
    オーストラリア
    ・リテール               6    (159)      (16)     (169)       218      (178)       40     (129)
    オーストラリア商業              71    (214)      (27)     (170)       194      (157)       37     (133)
    法人              112     (99)      -     13       23      (54)      (31)      (18)
    ニュージーランド              34     (3)      4     35       66      (65)       1     36
    パシフィック              (2)     (13)      (4)     (19)       19       (6)      13      (6)
    グループ・センター              (1)      -     -     (1)       -      19      19      18
    合計              220     (488)      (43)     (311)       520      (441)       79     (232)
                        一括評価                    個別評価

    2021  年9月終了年度
                                     ステージ3     -  ステージ3     -
                ステージ     ステージ     ステージ           新規および       回収および
                 1     2     3     合計      増加       戻入       合計     合計
                                   (百万ドル)
    オーストラリア
    ・リテール             (171)     (155)      (23)     (349)       345      (223)      122     (227)
    オーストラリア商業               3    (264)      (11)     (272)       266      (193)       73     (199)
    法人             (103)      (49)      (7)    (159)       145       (75)      70     (89)
    ニュージーランド               2    (40)     (23)     (61)       55      (70)      (15)      (76)
    パシフィック              (3)      4     14     15       13       (7)      6     21
    グループ・センター               3     -     -     3       -       -      -      3
    合計             (269)     (504)      (50)     (823)       824      (568)      256     (567)
     一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)

     2022  年9月終了年度における3億1,100万ドルの一括評価貸倒引当金戻入額は、信用リスクの改善、有利なポートフォリオ構
    成の変更および経営陣による一時的な調整の正味戻入によるものであった。これは、経済見通しに関連するダウンサイドリス
    クの上昇によって一部相殺された。
     2021  年9月終了年度における8億2,300万ドルの一括評価貸倒引当金戻入額は、経済見通しの改善、貸付の減少、有利なポー
    トフォリオ構成の変更および信用リスクの改善によるものであった。これは、経営陣による一時的な調整の純増によって一部
    相殺された。
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     個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)
     個別評価貸倒引当金繰入額の1億7,700万ドル(-69%)の減少は、2022年9月終了年度において重要な減損がなかった法人
    部門での減少(-1億100万ドル)、これまでの政府や銀行によるCOVID-19支援措置の継続により、基礎となる新規の支払延滞
    および減損が依然として低い水準にとどまっているオーストラリア・リテール部門での減少(-8,200万ドル)およびオースト
    ラリア商業部門での減少(-3,600万ドル)に牽引された。
                  (1)

     部門別予想信用損失引当金
                                期末現在

                             2022  年      2021  年
                            9月終了        9月終了        増減率
    一括評価                           (百万ドル)
    オーストラリア・リテール                            899       1,068       -16  %
    オーストラリア商業                            976       1,157       -16  %
    法人                           1,381        1,346        3 %
    ニュージーランド                            519        526       -1 %
    パシフィック                            77        95      -19  %
    グループ・センター                             1        3     -67  %
    一括評価合計                           3,853        4,195        -8 %
                                期末現在

                             2022  年      2021  年
                            9月終了        9月終了        増減率
    個別評価                           (百万ドル)
    オーストラリア・リテール                            75       116      -35  %
    オーストラリア商業                            188        290      -35  %
    法人                            176        195      -10  %
    ニュージーランド                            70        63      11 %
    パシフィック                            33        23      43 %
    グループ・センター                             -        -    該当なし
    個別評価合計                            542        687      -21  %
                                期末現在

                             2022  年      2021  年
                            9月終了        9月終了        増減率
    予想信用損失引当金                           (百万ドル)
    オーストラリア・リテール                            974       1,184       -18  %
    オーストラリア商業                           1,164        1,447       -20  %
    法人                           1,557        1,541        1 %
    ニュージーランド                            589        589       0 %
    パシフィック                            110        118       -7 %
    グループ・センター                             1        3     -67  %
    予想信用損失引当金合計                           4,395        4,882       -10  %
    注:(1)    正味貸付金および前渡金(償却原価で測定)、投資有価証券-負債証券(償却原価で測定)、オフバランスシートの

        コミットメント-未実行与信枠および偶発与信枠の予想信用損失引当金を含む。投資有価証券-負債証券(FVOCIで測
        定)の予想信用損失引当金は、その他の包括利益に認識され、対応する費用は損益に認識される。
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                             一括評価                個別評価

    2022  年9月終了年度       末現在
                                                     合計
                   ステージ1       ステージ2       ステージ3        合計     ステージ3
                                   (百万ドル)
    オーストラリア・リテール                   145       583       171      899       75      974
    オーストラリア商業                   352       511       113      976       188     1,164
    法人                  1,083        273       25    1,381        176     1,557
    ニュージーランド                   175       289       55     519       70      589
    パシフィック                   16       36       25      77       33      110
    グループ・センター                    1       -       -      1       -      1
    合計                  1,772       1,692        389     3,853        542     4,395
                             一括評価                個別評価

    2021  年9月終了年度       末現在
                                                     合計
                   ステージ1       ステージ2       ステージ3        合計     ステージ3
                                   (百万ドル)
    オーストラリア・リテール                   140       741       187     1,068        116     1,184
    オーストラリア商業                   290       726       141     1,157        290     1,447
    法人                   949       373       24    1,346        195     1,541
    ニュージーランド                   154       317       55     526       63      589
    パシフィック                   18       48       29      95       23      118
    グループ・センター                    3       -       -      3       -      3
    合計                  1,554       2,205        436     4,195        687     4,882
    注:(1)    正味貸付金および前渡金(償却原価で測定)、投資有価証券-負債証券(償却原価で測定)、オフバランスシートの

        コミットメント-未実行与信枠および偶発与信枠の予想信用損失引当金を含む。投資有価証券-負債証券(FVOCIで測
        定)の予想信用損失引当金は、その他の包括利益に認識され、対応する費用は損益に認識される。
     長期損失率

     経営陣は、個別評価引当金に係るモデル化された過去の長期損失率を開示することが、会計上の損失を用いることで生じる
    報告利益のボラティリティを除去することにより、より長期的な貸付ポートフォリオの予想損失率の算定に資すると考えてい
    る。経済的利益に使用された長期損失アプローチは内部的な指標であり、AASB第9号「金融商品」の信用損失の認識原則に基
    づくものではない。
                                              現在

                                        2022  年 9月      2021  年 9月
    部門別貸付資産総額に対する長期損失の割合
    オーストラリア・リテール                                      0.11  %       0.12  %
    オーストラリア商業                                      0.56  %       0.68  %
    ニュージーランド                                      0.11  %       0.13  %
    法人                                      0.21  %       0.25  %
    グループ    合計                                  0.19  %       0.22  %
                                112/572








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     不良債権を裏付けとする信用エクスポージャー
                                      現在            増減率

                                                 2022  年 9月
                                                   対
                                2022  年 9月     2021  年 9月     2021  年 9月
                                   (百万ドル)
         (1)
    減損貸付金
                                   1,043        1,549         -33  %
          (2)
    条件緩和債権
                                    376        355         6 %
    不良資産を裏付けとする契約債務、偶発債務および
          (1)
    デリバティブ
                                    26        61       -57  %
    減損資産総額                              1,445        1,965         -26  %
    減損していない不良資産を裏付けとする
    信用エクスポージャー                              3,065        3,538         -13  %
                            (3)
    不良債権を裏付けとする信用エクスポージャー合計                              4,510        5,503         -18  %
    部門別減損資産総額

    オーストラリア・リテール                               390        377         3 %
    オーストラリア商業                               360        664        -46  %
    法人                               385        704        -45  %
    ニュージーランド                               133        164        -19  %
    パシフィック                               177         56         大
    減損資産総額                              1,445        1,965         -26  %
    エクスポージャーの規模別減損資産総額

    1,000   万ドル未満                            1,084        1,289         -16  %
    1,000   万ドル以上1億ドル以下                             131        222        -41  %
    1億ドル超                               230        454        -49  %
    減損資産総額                              1,445        1,965         -26  %
    個別評価引当金

    減損貸付金                               (533)        (666)        -20  %
    不良資産を裏付けとする契約債務、偶発債務および
    デリバティブ                                (9)        (21)        -57  %
    減損資産純額                               903       1,278         -29  %
    注:(1)    減損貸付金ならびに不良債権を裏付けとする契約債務、偶発債務およびデリバティブは、90日超延滞している無担保

        リテール・エクスポージャーおよび不履行が発生しているが十分な担保を供されるエクスポージャーからなる、一括
        評価されたステージ3のECLであるエクスポージャーを含んでいない。
      (2)  条件緩和債権とは、当初の契約条件が顧客の財政的困難に関連する理由により修正され、ステージ3のECLについて一
        括評価されたファシリティである。条件緩和は、利息、元本その他法律上期限が到来した支払いの削減、または同様
        のリスクの新規ファシリティに対して一般的に提供される満期を大幅に超える延長からなる。
      (3)  不良資産を裏付けとする信用エクスポージャーは、APS第220号「信用リスク管理」の定義と一致している。
       減損資産総額は、5億2,000万ドル(-26%)減少した。これは、単一顧客の複数のエクスポージャーの格上げおよび返済

      による法人部門での減少(-3億1,900万ドル)、これまでの政府や銀行によるCOVID-19支援措置の継続により、                                                    基礎となる
      新規の支払延滞が依然として低い水準にとどまって                        いること、ならびに単一顧客の複数のエクスポージャーの格上げおよび
      返済に起因したオーストラリア商業部門での減少(-3億400万ドル)によるものであった。この減少は、2022年9月半期に
      おいて、現地のCOVID-19支援パッケージをロールオフしたエクスポージャーが条件緩和債権に分類されたことに牽引され
      た、パシフィック部門での増加(1億2,100万ドル)により一部相殺された。
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       当グループの減損資産に対する個別評価引当金のカバレッジ比率は、2022年9月30日現在で37.5%(2021年9月30日現在
      で35.0%)であった。
     新規減損資産

                                           年度

                                  2022  年      2021  年
                                  9月終了        9月終了        増減率
                                     ( 百万ドル)
         (1)
    減損貸付金
                                     798       1,306       -39  %
          (2)
    条件緩和債権
                                     412        309       33 %
    不良資産を裏付けとする契約債務、偶発債務および
          (1)
    デリバティブ
                                      28        117      -76  %
    新規減損資産合計                                1,238        1,732       -29  %
    部門別新規減損資産

    オーストラリア・リテール                                 481        475       1 %
    オーストラリア商業                                 300        407      -26  %
    法人                                 185        664      -72  %
    ニュージーランド                                 141        144       -2 %
    パシフィック                                 131         42       大
    新規減損資産合計                                1,238        1,732       -29  %
    注:(1)    減損貸付金ならびに不良債権を裏付けとする契約債務、偶発債務およびデリバティブは、90日超延滞している無担保

        リテール・エクスポージャーおよび不履行が発生しているが十分な担保を供されるエクスポージャーからなる、一括
        評価されたステージ3のECLであるエクスポージャーを含んでいない。
      (2)  条件緩和債権とは、当初の契約条件が顧客の財政的困難に関連する理由により修正され、ステージ3のECLについて一
        括評価されたファシリティである。条件緩和は、利息、元本その他法律上期限が到来した支払いの削減、または同様
        のリスクの新規ファシリティに対して一般的に提供される満期を大幅に超える延長からなる。
     新規減損資産は、4億9,400万ドル(-29%)減少した。これは、2021年9月終了年度に認識済みの十分な担保を供された少

    数の単一エクスポージャーを反映した法人部門での減少(-4億7,900万ドル)、これまでの政府や銀行によるCOVID-19に関連
    する支援措置の継続により            基礎となる新規の支払延滞が依然として低い水準にとどまって                             いるオーストラリア商業部門での減
    少(-1億700万ドル)に牽引された。この減少は、2022年9月半期において、現地のCOVID-19支援パッケージによるエクス
    ポージャーが条件緩和債権に分類されたことに牽引された、パシフィック部門での増加(8,900万ドル)により一部相殺され
    た。
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     延滞しているが減損していない正味貸付金および前渡金の期間分析
                                       現在           増減率

                                                 2022  年 9月
                                                   対
                                             (1)
                                 2022  年 9月    2021  年 9月      2021  年 9月
                                     (百万ドル)
    1~29日                               5,322        4,757        12 %
    30 ~59日                              1,243        1,751        -29  %
    60 ~89日                               598        860       -30  %
    90 日以上                              2,402        3,065        -22  %
    合計                               9,565       10,433         -8 %
    注:  (1)  6か月の返済猶予制度が適用され猶予期間中猶予された適格顧客を除く。30日以上延滞している顧客は、6か月の返

        済猶予制度の対象外である。
     延滞しているが減損していない正味貸付金および前渡金は、8億6,800万ドル(-8%)減少した。オーストラリア・リテー

    ル部門における住宅ローンの減少、ならびにオーストラリア商業部門およびニュージーランド部門における商業ポートフォリ
    オの減少に牽引され、          基礎となる新規の支払延滞は依然として低い水準にとどまって                             いる。この減少は、1~29日の期間にお
    ける増加により一部相殺された。
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    (8)   現金法人税費用
                                            年度

                                    2022  年     2021  年
                                    9月終了       9月終了        増減率
                                       ( 百万ドル)
    継続事業に係る税引前現金利益                                 9,200       8,963        3 %
    計算上の法人税費用(税率30%)                                 2,760       2,689        3 %
    永久差異に係る税効果:
     事業の売却/閉鎖による純(利益)/損失                                  38       71      -46  %
     関連会社投資の持分(利益)/損失                                 (53)        53       大
     ワールドライン・パートナーシップの取引完了による利益                                 (121)         -    該当なし
     転換型金融商品の利息                                  49       44      11 %
     海外税率差異                                 (121)        (87)       39 %
     配当金の送金に課される外国税引当金                                 155        37       大
     その他                                  5      (27)        大
    小計                                 2,712       2,780        -2 %
    過年度の法人税(過大)/過少計上額                                  (28)       (16)       75 %
    現金利益に対する法人税費用                                 2,684       2,764        -3 %
     オーストラリア                                1,680       1,916       -12  %
     海外                                1,004        848       18 %
    現金利益に対する法人税費用                                 2,684       2,764        -3 %
    実効税率                                 29.2  %     30.8  %
       実効税率は、30.8%から29.2%へと減少した。160ベーシス・ポイントの減少は、当期におけるワールドライン・パート

      ナーシップの取引完了による非課税利益(-132ベーシス・ポイント)、事業の売却/閉鎖による純利益/損失の減少(-38
      ベーシス・ポイント)および持分法利益の減少(-117ベーシス・ポイント)によるものであった。これは、主にANZ                                                     PNGから
      の配当金の支払いに係る源泉徴収税費用の増加(+127ベーシス・ポイント)により、一部相殺された。
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    (9)   外国為替換算の影響
     下表は、外国為替換算変動の影響解消後の当グループの現金利益、正味貸付金および前渡金、ならびに顧客預金を示す。比
    較データは、以前の期間の比較情報を当期の為替レートで再換算することにより、外国為替変動の換算の影響を取り除くよう
    調整している。
                                  年度                増減率

                                    為替に                 為替
                               為替           為替      為替
                                                     調整後
                          実際     調整前     よる影響      調整後      調整前
                                               2022  年    2022  年
                                               9月終了      9月終了
                                               年度対      年度対
                                               2021  年    2021  年
                         2022  年   2021  年   2021  年   2021  年   9月終了      9月終了
                          9月      9月     9月     9月      年度      年度
                                ( 百万ドル)
    純利息収益                     14,874     14,161       (8)    14,153       5 %     5 %
    その他営業収入                      3,673     3,286      (28)     3,258      12 %     13 %
    営業収入                     18,547     17,447      (36)    17,411       6 %     7 %
    営業費用                     (9,579)     (9,051)      (22)    (9,073)       6 %     6 %
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                      8,968     8,396      (58)     8,338      7 %     8 %
    貸倒引当金(繰入)/戻入                       232     567      -     567    -59  %    -59  %
    法人税引前利益                      9,200     8,963      (58)     8,905      3 %     3 %
    法人税および非支配持分                     (2,685)     (2,765)       17    (2,748)      -3 %     -2 %
    継続事業による現金利益                      6,515     6,198      (41)     6,157      5 %     6 %
    部門別継続事業による現金利益

    /(損失)
    オーストラリア・リテール                      2,140     2,316       -    2,316      -8 %     -8 %
    オーストラリア商業                      1,510     1,107       -    1,107      36 %     36 %
    法人                      1,761     1,887       7    1,894      -7 %     -7 %
    ニュージーランド                      1,633     1,508      (24)     1,484      8 %     10 %
    パシフィック                        9     (3)     -     (3)     大      大
    グループ・センター                      (538)     (617)     (24)     (641)     -13  %    -16  %
    継続事業による現金利益                      6,515     6,198      (41)     6,157      5 %     6 %
    部門別正味貸付金および前渡金

    オーストラリア・リテール                     290,322     283,988        -   283,988       2 %     2 %
    オーストラリア商業                     59,727     57,245       -   57,245       4 %     4 %
    法人                     196,782     158,231      3,940     162,171       24 %     21 %
    ニュージーランド                     123,747     128,466     (9,925)     118,541       -4 %     4 %
    パシフィック                      1,754     1,771      46    1,817      -1 %     -3 %
    グループ・センター                       75     18     -     18     大      大
    正味貸付金および前渡金                     672,407     629,719     (5,939)     623,780       7 %     8 %
    部門別顧客預金

    オーストラリア・リテール                     149,953     141,404        -   141,404       6 %     6 %
    オーストラリア商業                     112,195     111,100        -   111,100       1 %     1 %
    法人                     259,444     239,628      8,220     247,848       8 %     5 %
    ニュージーランド                     95,122     97,719     (7,550)      90,169      -3 %     5 %
    パシフィック                      3,776     3,767      143     3,910      0 %     -3 %
    グループ・センター                       (61)     (35)      -     (35)     74 %     74 %
    顧客預金                     620,429     593,583       813    594,396       5 %     4 %
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    (10)   収益に関するヘッジ
     当グループは、適切であると考える場合、外貨建ての(主にニュージーランドドル(「NZD」)建ておよび米ドル
    (「USD」)建ての)大規模な収益源に対し、経済ヘッジを設定しているNZD建てのエクスポージャーはニュージーランド地域
    に関連し、USD建てのエクスポージャーはアジア太平洋、ヨーロッパおよびアメリカ地域に関連するものである。これらのヘッ
    ジの詳細は以下のとおりである。
                                             年度

                                        2022  年       2021  年
                                       9月  終了       9月  終了
    NZD  建て経済ヘッジ                                     (百万ドル)
                      (1)(2)
    正味未決済NZDポジション(想定元本)
                                          2,585         2,652
                         (3)
    収益に計上された金額(税引前法定ベース)
                                           176         (65)
                         (4)
    収益に計上された金額(税引前現金ベース)
                                            45         20
    USD  建て経済ヘッジ

                      (1)(2)
    正味未決済USDポジション(想定元本)
                                           685         528
                         (3)
    収益に計上された金額(税引前法定ベース)
                                           (59)          -
                         (4)
    収益に計上された金額(税引前現金ベース)
                                            (6)         54
    注:(1)    契約レートによる豪ドル建て価値

      (2)  以下のヘッジは、為替レートの不利な変動に対して、2022年9月30日現在におけるNZD                                        1.09/AUDのNZD先物相場(2021
        年9月:NZD       1.06/AUD)および2022年9月30日現在におけるUSD                          0.71/AUDのUSD先物相場(2021年9月:USD
        0.74/AUD)により、将来の利益を一部ヘッジするために実行されたものである。
                                         年度

                                    2022  年       2021  年
                                   9月終了         9月  終了
        NZD  建て経済ヘッジ
         当期末現在(10億ニュージーランドドル)
                                       2.8         2.8
         当期中に満期到来(10億ニュージーランドドル)
                                       2.3         1.8
        USD  建て経済ヘッジ

         当期末現在(10億米ドル)
                                       0.5         0.4
         当期中に満期到来(10億米ドル)
                                       0.3         0.4
      (3)  未実現評価変動および満期または終了ヘッジからの実現収益

      (4)  終了ヘッジからの実現収益
     2022  年9月終了年度において、経済ヘッジのニュージーランドドルおよび米ドル残高に対する未実現利益7,800万ドル(2021

    年9月終了年度:-1億3,900万ドル)が、法定損益に計上された。これらは今後のニュージーランドドルおよび米ドル建て収
    益に対するヘッジであることから、この未実現利益は現金利益を算定する際に法定利益への調整として処理されている。
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                 (1)
    (11)   現金1株当たり利益
                                             年度

                                     2022  年     2021  年
                                     9月終了       9月終了       増減率
    継続事業による1株当たり現金利益(セント)
     基本的                                  228.8      216.5       6 %
     希薄化後                                 214.0      204.3       5 %
    現金利益調整後加重平均普通株式数                ( 百万  )
     基本的                                2,847.5      2,862.6        -1 %
     希薄化後                                3,138.1      3,125.1        0 %
    継続事業による       現金利益(百万ドル)                           6,515      6,198       5 %

    希薄化後1株当たりの現金利益の計算に使用された                        継続事業
    による   現金利益(百万ドル)                               6,714      6,385       5 %
    注:  (1)  加重平均普通株式数および1株当たりの利益は、AASB第133号「1株当たり利益」に従い、2022年9月終了年度に行っ

        たシェア・エンタイトルメントに基づく発行の無償要素を反映するために、修正再表示されている。
    (12)   配当

                                             年度

                                     2022  年     2021  年
                                     9月終了       9月終了       増減率
                      (1)
    普通株式1株当たりの配当(セント)
     中間配当                                   72       70
     最終配当                                   74       72
     合計                                  146       142      3 %
                           (2)(3)

    配当性向に用いられた普通株式配当(百万ドル)
                                       4,224       4,022       5 %
    継続事業による現金利益(百万ドル)                                  6,515       6,198       5 %
                    (3)
    普通株式配当性向(現金ベース)
                                      64.8  %    64.9  %
    注:(1)    2022年度最終配当については、オーストラリアの課税目的において全額フランキング済(税率30%)であり、9

        ニュージーランドセント(2022年度中間配当:9ニュージーランドセント、2021年度最終配当:8ニュージーランド
        セント、2021年中間配当:8ニュージーランドセント)のインピュテーション税額控除が付される。
      (2)  当社の普通株式保有者に支払われた配当である。当グループの非支配持分保有者に対して子会社が支払った配当200万
        ドル(2021年9月終了年度:0ドル)を除く。
      (3)  配当性向は、配当基準日において発行済となる予定の普通株式の見込み数に基づく、提案された2022年度最終配当額
        22億1,300万ドルを用いて算出されている。2021年9月終了年度の配当性向は、実際の配当金支払額を用いて算出され
        た。
     74 セントの最終配当は、2022年12月15日に適格なANZ全額払込済普通株式に対して支払われた。2022年度最終配当は、オース

    トラリアにおける課税の目的において全額フランキング済みとなり、普通株式1株当たり9ニュージーランドセントのニュー
    ジーランドのインピュテーション税額控除も付与された。
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    (1 3 )  経済的利益
                                          年度

                                  2022  年
                                          2021  年
                                 9月終了        9月終了        増減率
                                    (百万ドル)
    当行株主に帰属する継続事業による法定利益                               7,138        6,179        16 %
    継続事業による法定利益と現金利益の調整                                (623)         19       大
    継続事業による現金利益                               6,515        6,198        5 %
    経済的信用コスト調整                               (1,087)        (1,456)        -25  %
    インピュテーション税額控除                                931       1,109       -16  %
    継続事業による経済的リターン                               6,359        5,851        9 %
    資本コスト                               (5,279)        (5,255)         0 %
    継続事業による経済的利益                               1,080         596       81 %
     経済的利益は、事業ユニットの業績を評価するのに利用されるリスク調整済みの利益指標である。これは内部管理目的のた

    めに利用されるもので、外部監査人によるレビューの対象にはならない。
     事業ユニットのレベルでは、資本は、規制資本に基づいて配分されるため、高リスクの事業には高水準の資本が計上され
    る。この方法は、適切なリスク管理の遂行を支援し、事業リターンがリスクの水準と確実に一致するよう設定されている。対
    象としている重要なリスクには、信用リスク、オペレーショナル・リスク、市場リスクおよびその他のリスクが含まれる。
     経済的   利益  は、以下のとおり、現金利益への一連の調整を通じて算出される。
       ・  経済的信用コスト調整により、会計上の貸倒損失繰入額が、                            景気  循環を通じたポートフォリオの年間長期平均損失率
         に基づいた内部予想損失に置き換えられる                   。
       ・  インピュテーション税額控除の利益が認識され、オーストラリア税費用の70%に基づき見積もられる。
       ・  資本コストは、経済的利益の主要な構成要素である。ANZグループのレベルでは、資本コスト率を乗じた平均普通株式
         株主資本(非支配持分を除く。)を使用して算定される。2021年9月終了年度については、8.44%の年間平均コスト
         率を用いて修正再表示されている。2022年9月終了年度末現在の資本コストは9.75%であった。
     経済的   利益  は、2021年9月終了年度に対し4億8,400万ドル増加した。これは、現金利益および有利な経済的信用コスト調整

    に牽引されたが、インピュテーション税額控除の減少および資本コストの増加により一部相殺された。
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    (14)   要約貸借対照表
                                    現在            増減率

                                               2022  年 9月
                                                 対
                              2022  年 9月     2021  年 9月     2021  年 9月
                                (十億ドル)
    資産
    現金/ANZに対する未収決済残高/支払担保                             185.6        168.0         10 %
    売買目的資産および投資有価証券                             121.4        127.8         -5 %
    デリバティブ金融商品                             90.2        38.7         大
    正味貸付金および前渡金                             672.4        629.7         7 %
    その他                             16.0        14.7         9 %
    資産合計                            1,085.6         978.9         11 %
    負債
    ANZ  による未払決済残高/受取担保                            30.0        23.1        30 %
    預金およびその他の借入金                             797.3        743.1         7 %
    デリバティブ金融商品                             85.1        36.0         大
    発行済社債                             93.7        101.1         -7 %
    その他                             13.2        11.9        11 %
    負債合計                            1,019.3         915.2         11 %
    株主資本合計                             66.4        63.7         4 %
       ・  現金/ANZに対する未収決済残高/支払担保は176億ドル(+10%)増加した。この増加は、中央銀行預け金の増加によ

         る。
       ・  売買目的資産および投資有価証券は、金利引上げの結果、マーケッツにおける再評価額の減少により64億ドル(-
         5%)減少した。
       ・  デリバティブ金融資産およびデリバティブ金融負債は、それぞれ515億ドルおよび491億ドル増加した。この増加は、
         市場金利の変動による影響(主に大幅な米ドル高)に牽引された。
       ・  正味貸付金および前渡金は、427億ドル(+7%)増加した。この増加は、法人部門(+346億ドル)およびオーストラ
         リア商業部門(25億ドル)における貸付の増加、オーストラリア・リテール部門(64億ドル)およびニュージーラン
         ド部門(52億ドル)の住宅ローンの増加によるものであったが、為替換算変動の影響により一部相殺された。
       ・  ANZの未払決済残高/受取担保は69億ドル(+30%)増加した。これは、受取担保の増加によるものであったが、資金
         決済勘定残高の減少により一部相殺された。
       ・  預金およびその他の借入金は、542億ドル(+7%)増加した。これは、法人部門(116億ドル)、オーストラリア・リ
         テール部門(85億ドル)およびニュージーランド部門(50億ドル)にわたっての顧客預金の増加、銀行預金および買
         戻条件付契約(145億ドル)の増加、コマーシャル・ペーパー(139億ドル)の増加、ならびに為替換算変動の影響に
         よるものであった。これは、譲渡性預金の減少(39億ドル)により一部相殺された。
       ・  発行済社債は、主に非劣後債務の満期およびヘッジの再評価額の変動により、74億ドル(-7%)減少した。
     2022  年9月終了年度において、株主資本合計は主に35億ドルのシェア・エンタイトルメント・オファーに牽引されて増加し

    た。
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    (15)   流動性リスク
     流動性リスクは当グループが預金者への払戻および満期が到来するホールセール債券の償還を含む、期限の到来した支払義
    務を満たせないリスク、または当グループが資産の増加に対して資金を調達する能力が不十分であるリスクである。キャッ
    シュフローの時期の不一致および関連する流動性リスクは、すべての銀行業務に内在するものであり、当グループはこれを注
    意深く監視し、取締役会が設定したリスク選好に従って管理している。
     当グループの流動性リスク管理への取組みは、2つの主要な要素を含む。
    ・ 資金調達源のシナリオのモデリング

       ANZ  の流動性リスク       選好  は、取締役会が義務付けた一連の規制上の要件および内部の流動性指標を満たす能力と定義され
      る。  指標  は、異なる持続期間および深刻性水準の様々なシナリオに渡る。この枠組みの目的は以下のとおりである。
       ・ より短期で極度の市場の混乱およびストレスに対して保護を提供すること。
       ・ 適切な額の長期資産がより長期の資金で調達されることを確実にすることで、貸借対照表の構造的な強さを維持する
         こと。
       ・ 当グループの資金調達プロファイルに過度の時期の集中が存在しないことを確保すること。
       この枠組みの主要な要素は、APRAを含む世界中の銀行規制機関により義務付けられた深刻な短期の流動性ストレス・シナ

      リオである流動性カバレッジ比率(「LCR」)である。LCR要件への適合の一環として、ANZはオーストラリア準備銀行
      (「RBA」)に流動性供給枠(「CLF」)を有している。CLFは、オーストラリアにおける利用可能な高品質な流動資産
      (「HQLA」)の不足を相殺するために設けられており、偶発的流動性の代替形式を提供する。CLFは、RBAに担保として差入
      れ可能な資産(国内住宅モーゲージ・バック証券を含む。)により担保されている。適格公認預金受入機関(「ADI」)が利
      用可能なCLFの総額はAPRAによって毎年設定される。2021年9月、各ADIがそのLCR要件を満たすために十分なHQLAを有してい
      るとARPAおよびRBAがみなしている旨を、APRAは各ADIに対して書面により通知した。よって、2022年以降CLFの使用は求めら
      れない。
       2022  暦年中に107億ドルのCLFを4等分して2023年1月1日にはゼロにするというAPRAの要件に従い、ANZのCLFは、2022年
      9月30日現在で27億ドルであった(2021年9月30日現在:107億ドル)。
    ・ 流動資産

       当グループ     は、深刻なストレス下の環境における当グループの流動性ポジションを保護し、かつ規制上の要件を満たすた
      め、高品質な、処分に制約のない流動資産のポートフォリオを保有している。HQLAは、バーゼル3LCRと整合性のある定義に
      よる3つのカテゴリーからなる。
       ・ 最も高品質な流動資産(「HQLA1」):現金、同日に流動性を提供する中央銀行との買戻条件付契約に適格な、信用の
         質が最も高い政府、中央銀行または公的部門証券
       ・ 高品質な流動資産(「HQLA2」):同日に流動性を提供する中央銀行との買戻条件付契約に適格な、信用の質の高い政
         府、中央銀行または公的部門証券、質の高い企業債務証券および質の高いカバード・ボンド
       ・ 代替流動資産(「ALA」):CLFの担保として適格な資産およびRBNZにより列挙されたその他の適格証券
       RBA  は、COVID-19の経済的影響に対応して、2020年3月に                         ターム資金供給ファシリティ(「TFF」)を設定した。TFFの下で

      RBAは、ADIに対してRBA適格担保により保証された3年間の資金提供を行っている。ADIは、その裁量により引出しが可能な
      確約済の中央銀行ファシリティを示す未実行であるが利用可能なTFFを、LCRの計算にあたり流動資産として含めることがで
      きる。2021年7月1日現在、ANZの利用可能なTFFはすべて実行されている。その実行前において、未実行であるが利用可能
      なTFFは、RBAへの差入担保として適格な資産により以下に示されている。
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       RBNZ  は、COVID-19の経済的影響に対応して、2020年11月に「融資資金提供プログラム(「FLP」)」を導入した。FLPの下
      でRBNZは、承認された適格担保により保証された適格カウンターパーティーに対して、3年間の資金供給を行っている。
      APRAは、未実行であるが利用可能なFLPを、LCRの計算にあたり現金流入として含めることができ、それによって正味キャッ
      シュ・アウトフローが減少すると述べている。レベル2のLCRの計算にあたり、ニュージーランドドルのLCRの100%を超過し
      て保有する流動資産を除外しているため、未実行であるが利用可能なFLPの影響により、正味キャッシュ・アウトフローおよ
      びレベル2の流動資産は同額減少している。
       当グループは、規制上の要件および取締役会が設定したリスク選好に沿って、継続的に流動資産ポートフォリオの規模お
      よび構成を監視および管理している。
                                          年 平均           増減率

                                                    2022  年 9月
                                      2022  年     2021  年       対
                                      9月終了       9月終了       2021  年 9月
                                        (十億ドル)
                  (1)
    ディスカウント後の市場価値
    HQLA1                                   226.2       198.8         14 %
    HQLA2                                    8.0       9.5       -15  %
                  (2 )
    国内住宅モーゲージ担保証券
                                        1.7       10.9        -84  %
         (2)
    その他ALA
                                        5.8       6.7       -14  %
    流動資産合計                                   241.7       225.9         7 %
    ストレス・シナリオに基づいてモデル化されたキャッシュフロー

    キャッシュ・アウトフロー                                   238.1       205.6         16 %
    キャッシュ・インフロー                                    52.9       40.3        31 %
    正味キャッシュ・アウトフロー                                   185.3       165.3         12 %
               (3)
    流動性カバレッジ比率
                                       131  %      137  %       -6 %
    注:(1)    APRA健全性規制基準(APS第210号「流動性」)による規定に従って計算され、APS第330号の要件に一致している年平

        均基準。
      (2)  承認された枠限度までのCLFおよびTFFの担保として適格な資産ならびにRBNZの「流動性方針-別表:流動資産-健全
        性監督局文書BS13A12」に定義される流動資産からなる。
      (3)  すべての通貨のレベル2のLCR。
     当事業年度中、       主に正味キャッシュ・アウトフローに寄与するものは、当行のコーポレートおよびリテールの預金ポート

    フォリオに関連するモデル化されたアウトフローであったが、返済期限が到来する貸付からのインフローにより相殺された。
    デリバティブに関連するキャッシュ・アウトフローは重要であるものの、これらはデリバティブのキャッシュ・インフローに
    より効果的に相殺された。
     当事業年度中の流動資産合計は、正味アウトフローを平均で560億ドル超過した。流動資産ポートフォリオは、主にHQLAであ
    る有価証券および現金で構成されている。当グループは、預金および資金調達基盤を投資家の種類、満期日、資金源および通
    貨別に多様化させ、不適切な集中を回避している。
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    (16)   資金調達
     ANZ  は、投資家種別、満期、調達市場および通貨ごとの過度の集中を避け、分散化した資金調達基盤を目標とする。
     当年度中に、157億ドルの期限付ホールセール資金調達(その他Tier1資本を除く。)が発行され、2022年9月30日現在の残
    存期間は1年超であった。さらに、当グループは、当年度中に13億ドルのその他Tier1資本(当グループの非支配持分に分類
                              (1)
    されているANZバンク・ニュージーランドの永久優先株式                           を除く。)を発行した。
     下表は当グループの資金調達合計の内訳を示す。
                                          現在           増減率

                                                   2022  年 9月
                                     2022  年     2021  年       対
                                      9月       9月      2021  年 9月
                                        (十億ドル)
    顧客預金およびその他負債
    オーストラリア・リテール                                  150.0       141.4         6 %
    オーストラリア商業                                  112.2       111.1         1 %
    法人                                  259.4       239.6         8 %
    ニュージーランド                                   95.1       97.7        -3 %
    パシフィック                                   3.8       3.8        0 %
    グループ・センター                                   (0.1)         -    該当なし
    顧客預金                                  620.4       593.6         5 %
              (2)
    その他資金調達負債
                                        8.0       8.1        -1 %
    顧客  負債  (資金調達)合計                              628.4       601.7         4 %
    ホールセール資金調達

                           (3)
    非劣後債務および中央銀行による               ターム資金供給
                                       89.0       97.1        -8 %
       (4)
    劣後債                                   27.3       25.3         8 %
    譲渡性預金                                   34.0       37.7        -10  %
    コマーシャル・ペーパー                                   39.2       25.7        53 %
                  (5)
    その他のホールセール借入金
                                       110.8        88.5        25 %
    ホールセール資金調達合計                                  300.3       274.3         9 %
        (1)
    株主資本                                   66.4       63.7         4 %
    資金調達合計                                  995.1       939.7         6 %
    注:(1)    2022年9月終了年度において、ANZバンク・ニュージーランド・リミテッドは、4億8,400万ドルの当グループの非支

        配持分とみなされている永久優先株式を発行した。詳細については、「第6                                    経理の状況-1        財務書類」の2022年度
        財務書類の注記24を参照のこと。
      (2)  未払利息、未払債務およびその他債務、引当金および未払法人税等(純額)を含み、支払承諾債務は正味の資金調達
        を伴わないため除く。
      (3)  RBA  TFF  の201億ドル(2021年9月終了年度:201億ドル)、RBNZ                          FLPの23億ドル(2021年9月終了年度:9億ドル)お
        よびTLFの3億ドル(2021年9月終了年度:3億ドル)を含む。
      (4)  RBNZ  の要件に基づくTier2資本を構成するがAPRAのTier2要件を満たしていない、ANZニュージーランドが発行した劣
        後債務、およびAPRAの自己資本フレームワークに基づき、2022年1月1日よりバーゼル3の移行措置が適用される
        Tier2資本として扱われなくなった3億米ドルの永久劣後債を含む。
      (5)  銀行借入金、買戻条件付契約に基づき売却された有価証券、デリバティブの正味残高、特別目的会社、その他借入金
        および該当する為替決済口座の現金残高によって相殺決済されたRBAのオープン・レポの取決めを含む。
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     正味安定資金調達比率
     下表はレベル2の正味安定資金調達比率(「NSFR」)の内訳を示す。
                                             現在         増減率

                                                    2022  年 9月
                                          2022  年   2021  年     対
                                          9月     9月     2021  年 9月
                                           (十億ドル)
              (1)
    所要安定資金調達額
                                       (2)
    リテールおよび中小企業、コーポレート向け貸付(35%未満のリスク加重)
                                          204.8     198.7        3 %
                                      (2)
    リテールおよび中小企業、コーポレート向け貸付(35%超のリスク加重)
                                          198.2     182.0        9 %
         (3)
    その他貸付
                                          36.2     31.9       13 %
    流動資産                                      12.0     11.6        3 %
         (4)
    その他資産
                                          39.7     38.3        4 %
    所要安定資金調達額合計                                     490.9     462.5        6 %
                 (1)

    利用可能な安定資金調達額
    リテールおよび中小企業顧客預金                                     282.6     287.8        -2 %
    コーポレート、公共セクター企業およびオペレーショナル預金                                     132.7     115.5        15 %
    中央銀行およびその他の金融機関の預金                                       4.8     4.5       7 %
          (5)
    有期  資金調達
                                          63.1     74.2       -15  %
    短期資金調達およびその他の債務                                       7.7     2.4        大
    自己資本                                      93.5     88.3        6 %
    利用可能な安定資金調達額合計                                     584.4     572.7        2 %
    正味安定資金調達比率                                     119  %    124  %      -5 %
    注:(1)    APRA健全性規制基準のAPS第210号「流動性」に従ったNSFRを織り込んだ残高。

      (2)  APRA  健全性規制基準のAPS第112号「資本十分性:信用リスクに対する標準的手法」に従ったリスク加重。
      (3)  金融機関貸付、中央銀行貸付および不良債権を裏付けとする貸付を含む。
      (4)  オフバランスシート項目、デリバティブ純額およびその他資産を含む。
      (5)  RBA  およびRBNZの資金供給ファシリティ(TFF、FLPおよびTLF)の引出しによる残高を含む。
     2022  年9月30日現在のANZの所要安定資金調達額(「RSF」)の大半は、RSF合計の49%(2021年度:51%)が住宅モーゲージ

    および32%(2021年度:32%)が非金融機関の顧客に対する貸付によるものであった。
     2022  年9月30日現在の利用可能な安定資金調達額(「ASF」)の主な供給源は、ASF合計の48%(2021年度:50%)がリテー
    ルおよび中小企業顧客預金、27%(2021年度:25%)がその他のホールセール資金調達(ターム資金供給ファシリティを含
    む。)、16%(2021年度:15%)が自己資本であった。
     これらの資金は、直近の2022年度報告期間に関する当グループの2022年9月30日現在の年次財務書類に記載のとおり、当グ
    ループの事業戦略およびリスク選好と整合し、かつ、適用ある規制上の要件に従った方法により、当グループが配分し一般事
    業目的のために使用する。
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    (17)   資本管理
                                      現在

                                         国際的に比較可能な
                                                (1)
                                          バーゼル3
                           APRA  バーゼル3
                         2022  年 9月    2021  年 9月    2022  年 9月    2021  年 9月
    自己資本比率(レベル2)
    普通株式等Tier1                       12.3  %     12.3  %      19.2  %     18.3  %
    Tier  1                     14.0  %     14.3  %      21.5  %     20.9  %
    自己資本合計                       18.2  %     18.4  %      27.3  %     26.3  %
    リスク加重資産(十億ドル)                       454.7       416.1        331.1       319.0
    注:(1)    国際的に比較可能な方法論は、「国際資本比較研究」(2015年7月13日)と題するAPRAの情報文書と一致している。

     APRA  バーゼル3普通株式等Tier1(「CET1」)

    注:(1) 現金利益内の重大/重要項目は「その他」に含まれている。





       ANZ  のCET1比率は、2022年9月終了年度中に-5ベーシス・ポイント減少して12.29%となった。CET1比率変動の主要な要

      因は以下のとおりである。
       ・ 現金利益(重大/重要項目を除く。)により、CET1比率は+160ベーシス・ポイント上昇した。
       ・ 信用RWAの利用増加(為替換算変動、規制上の変更およびその他の一時的要因を除く。)により、CET1比率は-59ベー
         シス・ポイント低下した。これは、主に法人部門における貸付の増加によるものであった。
       ・ 非信用RWAの利用増加(為替換算変動を除く。)により、CET1比率は-61ベーシス・ポイント低下した。これは、主に
         ターム物金利の上昇による含み損の増加に起因する銀行業の金利リスク(「IRRBB」)を考慮したRWAの増加によるも
         のであった。
       ・ 資本控除の-4ベーシス・ポイントの変動は、連結範囲から除外された企業体の利益剰余金の変動、関連会社投資の持
         分利益、ならびにソフトウェアおよび資産計上された費用控除の変動によるものであった。
       ・ 2021年度最終配当(ボーナス・オプション制度(「BOP」)による発行分および配当金再投資制度(「DRP」)の中立
         化を除く。)および2022年度中間配当(BOPおよびDPRによる発行分を除く。)の支払いにより、CET1比率は-91ベー
         シス・ポイント低下した。
       ・ 既に発表している15億ドルの自己株式買戻しのうち約7億9,100万ドルが完了したことで、CET1比率は-19ベーシス・
         ポイント低下した。
       ・ 合計-15ベーシス・ポイントのその他の影響には、主に為替換算の変動、重大/重要項目、非現金調整、FVOCI準備金
         の変動、繰延税金資産およびその他の項目が反映されている。
       ・ サンコープ・バンクの買収を支援するための35億ドルの資金調達により、CET1比率は+84ベーシス・ポイント上昇し
         た。
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     リスク加重資産(「RWA」)合計
                                              現在         増減率

                                                      2022  年 9月
                                          2022  年    2021  年
                                                        対
                                           9月      9月     2021  年 9月
                                            (十億ドル)
    信用RWA                                       359.4      342.5        5 %

    市場リスクおよび銀行勘定金利リスクを考慮したリスク加重資産(IRRBB                                  RWA)
                                           47.4      25.2       88 %
    オペレーショナルRWA                                       47.9      48.4       -1 %
    RWA  合計                                     454.7      416.1        9 %
     リスク加重資産(「RWA」)合計

       RWA  合計は、386億ドル増加した。外貨換算の影響および一過性の信用RWAの変動を除くと、基礎的な信用RWA(部門別貸付





      およびリスク軽減)は、主に法人部門における貸付の増加により199億ドル増加した。その他の信用RWAの変動には、ワール
      ドライン・パートナーシップの取引完了による影響および信用RWAの手法変更の正味の影響が含まれる。非信用RWAの217億ド
      ルの増加は、主に含み損の増加によるIRRBB                    RWAにおける200億ドルの増加に牽引された。
                 (1)

     APRA  と国際的に比較可能          な普通株式等Tier1(「CET1比率」)- 2022年9月30日現在
    注:(1)    バーゼル委員会刊行物「バーゼル3:より強靭な銀行および銀行システムのための世界的規制枠組み」(2011年6




        月)および「資本測定および資本基準の国際的コンバージェンス」(2006年6月)に記載された規制のANZの解釈。
        「国際資本比較研究」(2015年7月13日)と題するAPRAの情報文書で特定された差異も含む。
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     上表は、APRAのバーゼル3健全性資本基準に基づいたCET1比率を国際的に比較可能なバーゼル3基準に調整するものであ
    る。APRAはバーゼル3改正を最低要件とみなしており、そのため、バーゼル3規則で提案された譲歩のいくつかを含んでおら
    ず、またその他分野でより高い要件を設定している。その結果、オーストラリアの銀行のバーゼル3により報告される資本比
    率は国際的な同業他社とは直接的には比較できない。国際的に比較可能なバーゼル3のCET1比率は、APRAと、バーゼル委員会
    のバーゼル3枠組み(2014年3月のオーストラリアでのバーゼル3実施に係るバーゼル委員会の規制上の整合性評価プログラ
    ム(「RCAP」)で特定された差異を含む。)およびその主要な海外の法域での適用双方との間の差異を含んでいる。
     APRA  のバーゼル3と国際的に比較可能なバーゼル3比率との重大な差異には以下が含まれる。
     控除

     ・ 保険および銀行子会社への投資 - APRAは、                        CET  1からの全額控除を要求している。国際的に比較可能な基準では、こ
       れらの投資は、控除が要求される前に譲許的基準額の適用がある。
     ・ 繰延税金資産(「DTA」) - 一時差異に関連する適格DTA(繰延税金負債控除後)については、APRAにより                                                    CET  1から
       の全額控除が要求される。国際的に比較可能な基準では、これは、控除が要求される前にまず譲許的基準値の対象とな
       る。
     リスク加重資産(「RWA」)

     ・   モーゲージRWA        - APRAは、住宅モーゲージの信用RWA計算に使用される景気後退期デフォルト時損失率(「LGD」)に
       20%の下限を課している。            国際的に比較可能なバーゼル3の枠組みで要求される景気後退期LGDの下限は10%である。                                          さ
       らに、APRAは、バーゼル枠組みを上回る相関係数                      を 要求している      。
     ・   IRRBB   RWA   - APRAは、       CET  1 比率計算のRWAベース内に銀行勘定金利リスク(「IRRBB」)を含めることを要求してい
       る。これは、国際的に比較可能な基準では要求されない。
     ・   特定貸付債権 - APRAは、特定貸付債権エクスポージャーの信用RWAの決定に、監督当局設定のスロッティング・アプ
       ローチを使用することを要求している。                   国際的に比較可能な基準では、これらのエクスポージャーのRWA計算の際に先進
       的内部格付手法の使用を認めている。
     ・   無担保コーポレート貸付のLGD               - ANZの      無担保コーポレート貸付のLGD              を、他の法域の銀行と一致させるために45%に
       揃える調整。45%のLGD率は、基礎的内部格付手法(「FIRB」)にも使用される。
     ・   未実行   コーポレート      貸付のデフォルト時エクスポージャー                 ( 「EAD」)      - 未実行      コーポレート      貸付コミットメントの
       ANZの掛け目を、他の法域の銀行と一致させるために(                         FIRB  手法  で使用される)75%に調整すること。
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    (18)   レバレッジ比率
     2022  年9月30日現在、当グループのAPRAレバレッジ比率は5.4%で、ANZを含む内部格付手法を選択しているADI(「IRB
    ADI」)についてAPRAが設定した最低3.5%を上回っていた。下表は、当グループのレバレッジ比率計算の要約である。
                                          現在           増減率

                                                     2022  年 9月
                                      2022  年      2021  年       対
                                      9月        9月      2021  年 9月
                                            (百万ドル)
    Tier  1資本(資本控除を除く)                                 63,558        59,473         7 %
    オンバランスシートのエクスポージャー

    (デリバティブおよび証券金融取引のエクスポージャーを除く)                                  954,088        901,969         6 %
    デリバティブのエクスポージャー                                   51,800        37,769        37 %
    証券金融取引のエクスポージャー                                   35,570        30,484        17 %
    その他のオフバランスシートのエクスポージャー                                  126,853        117,848         8 %
    エクスポージャー測定額合計                                 1,168,311        1,088,070          7 %
    APRA  レバレッジ比率                                 5.4  %       5.5  %
    国際的に比較可能なレバレッジ比率                                   6.1  %       6.1  %
       APRA  レバレッジ比率は、2022年9月終了年度中に-3ベーシス・ポイント低下した。変動の主要な要因は以下のとおりであ

      る。
       ・  配当金支払額控除後の正味内部資本生成(主に重大/重要項目および資本控除の変動を除く現金利益による。)(+27
         ベーシス・ポイント)。
       ・  ANZキャピタル・ノート2およびANZニュージーランド・キャピタル・ノートの償還による純減。これは、AT1として
         のANZキャピタル・ノート7の発行により一部相殺された(-7ベーシス・ポイント)。
       ・   主に貸付の増加によるオンバランスシートのエクスポージャーの増加は、レバレッジ比率を-28ベーシス・ポイント低
         下させた。
       ・  オフバランスシート、          証券金融取引およびデリバティブ・エクスポージャー                         の増加は、レバレッジ比率を-14ベーシ
         ス・ポイント低下させた。
       ・  自己株式買戻しは、レバレッジ比率を-7ベーシス・ポイント低下させた。
       ・  -6ベーシス・ポイントのその他の正味影響(重大/重要項目を含む。)。
       ・  35億ドルの資金調達は、レバレッジ比率を+32ベーシス・ポイント上昇させた。
    (19)   資本管理-その他の動向 

    「第2 企業の概況-3 事業の内容-(8)監督および規制-                            規制上の動向-自己資本および流動性                 」を参照    のこと。
    次へ

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    C. 部門別経営成績
    (1)   部門別業績
     2022  年3月1日、当グループは、既存のオーストラリア・リテールおよび商業部門、およびグループ・センターのデジタル
    事業の構造改革を発表した。これには、組織の生産性の向上と組織内の説明責任の改善を目的とする、オーストラリアのリ
    テール事業とデジタル事業の統合、およびオーストラリアの商業事業の新部門への分離が含まれる。これらの変更の結果、当
    グループ内で区別された戦略および機会に沿って、現在ではオーストラリア・リテール部門、オーストラリア商業部門、法人
    部門、ニュージーランド部門、パシフィック部門およびグループ・センターの6つの部門が存在する。                                                これに応じて、比較情
    報は修正再表示されている。
     上記を除き、その他の重要な変更はなかった。
     下記に報告される部門は、事業の最高意思決定者たる最高経営責任者に提供される内部報告のそれと一致する。
     部門別経営成績のセクションは、継続事業について現金利益ベースで報告されている。

     部門別現金利益

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                  オーストラ
                   リア・リ     オーストラ            ニュージー      パシフィッ      グループ・
                   テール     リア商業       法人     ランド       ク    センター     当グループ
    2022  年9月終了年度
                                   (百万ドル)
    純利息収益               5,527      2,568      3,401      3,168        96     114    14,874
    その他営業収入                622      652     1,648       461       68     222     3,673
    営業収入               6,149      3,220      5,049      3,629       164      336    18,547
    営業費用               (3,210)      (1,346)      (2,503)      (1,324)       (153)     (1,043)      (9,579)
    貸倒引当金繰入および               2,939
                          1,874      2,546      2,305        11     (707)     8,968
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                129      133       18     (36)       6     (18)      232
    税引前利益/(損失)               3,068      2,007      2,564      2,269        17     (725)     9,200
    法人税および非支配持分                (928)      (497)      (803)      (636)       (8)     187    (2,685)
    継続事業による現金利益/               2,140
                          1,510      1,761      1,633        9    (538)     6,515
    (損失)
                  オーストラ

                   リア・リ     オーストラ            ニュージー      パシフィッ      グループ・
                   テール     リア商業       法人     ランド       ク    センター     当グループ
    2021  年9月終了年度
                                   (百万ドル)
    純利息収益               5,708      2,281      3,105      2,870        96     101    14,161
    その他営業収入                433      456     1,878       469       65     (15)     3,286
    営業収入               6,141      2,737      4,983      3,339       161       86    17,447
    営業費用               (2,948)      (1,353)      (2,447)      (1,325)       (144)      (834)     (9,051)
    貸倒引当金繰入および
                    3,193      1,384      2,536      2,014        17     (748)     8,396
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                227      199       89      76     (21)      (3)     567
    税引前利益/(損失)               3,420      1,583      2,625      2,090        (4)     (751)     8,963
    法人税および非支配持分               (1,104)       (476)      (738)      (582)        1     134    (2,765)
    継続事業による現金利益/
                    2,316      1,107      1,887      1,508        (3)     (617)     6,198
    (損失)
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    2022  年9月終了年度       対2021年9月終了年度
                  オーストラ

                   リア・リ     オーストラ            ニュージー      パシフィッ      グループ・
                   テール     リア商業       法人     ランド       ク    センター     当グループ
    純利息収益                -3%      13%      10%      10%       0%     13%      5%

    その他営業収入                44%      43%     -12%      -2%       5%      大     12%
    営業収入                 0%     18%       1%      9%      2%      大      6%
    営業費用                 9%     -1%       2%      0%      6%     25%      6%
    貸倒引当金繰入および
                     -8%      35%       0%     14%     -35%       -5%      7%
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                -43%      -33%      -80%       大      大      大     -59%
    税引前利益/(損失)                -10%      27%      -2%      9%      大     -3%      3%
    法人税および非支配持分                -16%       4%      9%      9%      大     40%      -3%
    継続事業による現金利益/
                     -8%      36%      -7%      8%      大     -13%       5%
    (損失)
     部門別現金利益(重大/重要項目を除く)

     当グループの現金利益には、重大/重要項目と総称される多くの項目が含まれる。これらの項目は現金利益の一部を形成す
    るが、その性質および影響の大きさゆえ以下の表からは除外されている。重大/重要項目の詳細については、「B.                                                      当グルー
    プの業績-(1)現金利益-重大/重要項目                   」を参照のこと。
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                  オーストラ
                   リア・リ     オーストラ            ニュージー      パシフィッ      グループ・
                   テール     リア商業       法人     ランド       ク    センター     当グループ
    2022  年9月終了年度
                                   (百万ドル)
    純利息収益               5,538      2,562      3,403      3,162        95     114    14,874
    その他営業収入                645      319     1,621       461       75     265     3,386
    営業収入               6,183      2,881      5,024      3,623       170      379    18,260
    営業費用               (2,990)      (1,312)      (2,455)      (1,331)       (138)      (944)     (9,170)
    貸倒引当金繰入および
                    3,193      1,569      2,569      2,292        32     (565)     9,090
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                129      133       16     (36)       12     (18)      236
    税引前利益/(損失)               3,322      1,702      2,585      2,256        44     (583)     9,326
    法人税および非支配持分                (999)      (514)      (682)      (633)       (8)     179    (2,657)
    継続事業による現金利益/
                    2,323      1,188      1,903      1,623        36    (404)     6,669
    (損失)
                  オーストラ

                   リア・リ     オーストラ            ニュージー      パシフィッ      グループ・
                   テール     リア商業       法人     ランド       ク    センター     当グループ
    2021  年9月終了年度
                                   (百万ドル)
    純利息収益               5,748      2,324      3,104      2,874        96     101    14,247
    その他営業収入                751      307     1,806       456       65     332     3,717
    営業収入               6,499      2,631      4,910      3,330       161      433    17,964
    営業費用               (2,729)      (1,302)      (2,320)      (1,304)       (141)      (793)     (8,589)
    貸倒引当金繰入および
                    3,770      1,329      2,590      2,026        20     (360)     9,375
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                227      201       84      76     (21)      (3)     564
    税引前利益/(損失)               3,997      1,530      2,674      2,102        (1)     (363)     9,939
    法人税および非支配持分               (1,202)       (459)      (760)      (589)        -     123    (2,887)
    継続事業による現金利益/
                    2,795      1,071      1,914      1,513        (1)     (240)     7,052
    (損失)
                                133/572











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    2022  年9月終了年度       対2021年9月終了年度
                  オーストラ

                   リア・リ     オーストラ            ニュージー      パシフィッ      グループ・
                   テール     リア商業       法人     ランド       ク    センター     当グループ
    純利息収益                -4%      10%      10%      10%      -1%      13%      4%

    その他営業収入                -14%       4%     -10%       1%     15%     -20%      -9%
    営業収入                -5%      10%       2%      9%      6%     -12%       2%
    営業費用                10%      1%      6%      2%     -2%      19%      7%
    貸倒引当金繰入および
                    -15%      18%      -1%      13%      60%      57%      -3%
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                -43%      -34%      -81%       大      大      大     -58%
    税引前利益/(損失)                -17%      11%      -3%      7%      大     61%      -6%
    法人税および非支配持分                -17%      12%     -10%       7%   該当なし         46%      -8%
    継続事業による現金利益/
                    -17%      11%      -1%      7%      大      68%     -5%
    (損失)
                                134/572















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    部門別の貸借対照表の主要指標
                                  現在         増減率

                                          2022  年 9月
                              2022  年    2021  年     対
                               9月      9月     2021  年 9月
                                ( 百万ドル)
    正味貸付金および前渡金
                  (1)
                               290.3      284.0        2%
     オーストラリア・リテール
               (1)
                                59.7      57.2       4%
     オーストラリア商業
       (2)
                               196.8      158.2       24%
     法人
              (2)
                               123.7      128.5       -4%
     ニュージーランド
     パシフィック                           1.8      1.8       0%
     グループ・センター                           0.1       -   該当なし
     合計                          672.4      629.7        7%
    顧客預金
     オーストラリア・リテール                          150.0      141.4        6%
     オーストラリア商業                          112.2      111.1        1%
       (3)
                               259.4      239.6        8%
     法人
              (3)
                                95.1      97.7       -3%
     ニュージーランド
     パシフィック                           3.8      3.8       0%
     グループ・センター                          (0.1)        -   該当なし
     合計                          620.4      593.6        5%
    リスク加重資産
     オーストラリア・リテール                          125.5      112.2       12%
     オーストラリア商業                          54.0      51.6       5%
     法人                          198.3      172.1       15%
     ニュージーランド                          67.5      71.2       -5%
     パシフィック                           3.9      3.7       5%
     グループ・センター                           5.4      5.3       2%
     合計                          454.7      416.1        9%
                                  年度

                              2022  年    2021  年
                              9月終了      9月終了
    平均リスク加重資産利益率-現金継続事業
    オーストラリア・リテール                           1.8%      2.1%
    オーストラリア商業                           2.9%      2.1%
    法人                           0.9%      1.1%
    ニュージーランド                           2.3%      2.2%
    パシフィック                           0.2%      (0.1%)
    グループ・センター                          (10.3%)       (9.1%)
    合計                           1.5%      1.5%
    注:(1)    2022年度に、当グループは、モーゲージ・ブローカーに支払う継続的なトレイル・コミッション(代行手数料)の取

        扱いを修正し、支払債務およびその他の負債に、予想される将来のトレイル・コミッションの支払額の現在価値と同
        額の負債を認識するとともに、正味貸付金および前払金に資産計上された仲介費用の対応する増加分を認識した。
        2022年9月30日現在の残高は、オーストラリア・リテール部門で12億2,600万ドル、およびオーストラリア商業部門で
        9,400万ドルであった。比較情報は再表示されていない。
      (2)  外国為替換算の影響を除いた正味貸付金および前渡金の増減については、「B.                                     当グループの業績-(9)外国為替換算
        の影響   」を参照のこと。
      (3)  外国為替換算の影響を除いた顧客預金の増減については、「B.                              当グループの業績-(9)外国為替換算の影響                    」を参照
        のこと。
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    (2)   オーストラリア・リテール部門
     部門別経営成績は多くの重大/重要項目から影響を受ける。詳細については、「B.                                        当グループの業績-(1)現金利益-重
    大/重要項目      」および本章「(1)部門別業績              -部門別現金利益(重大/重要項目を除く)                    」を参照のこと。
                                     年度

                              2022  年    2021  年
                              9月終了      9月終了       増減率
                                ( 百万ドル)
    純利息収益                           5,527      5,708       -3%
    その他営業収入                            622      433      44%
    営業収入                           6,149      6,141        0%
    営業費用                          (3,210)      (2,948)        9%
    貸倒引当金繰入および
                               2,939      3,193       -8%
    法人税控除前利益
    貸倒引当金(繰入)/戻入                            129      227      -43%
    税引前利益                           3,068      3,420       -10%
    法人税および被支配持分                           (928)     (1,104)       -16%
    現金利益                           2,140      2,316       -8%
    貸借対照表
                (1)
                              290,322      283,988         2%
    正味貸付金および前渡金
    その他外部資産                           2,503      2,578       -3%
    外部資産                          292,825      286,566         2%
    顧客預金                          149,953      141,404         6%
    その他外部負債                           3,538      2,305       53%
    外部負債                          153,491      143,709         7%
    リスク加重資産                          125,516      112,172        12%
    貸付金および前渡金の総額の平均残高                          286,270      287,304         0%
    預金およびその他の借入金平均残高                          145,794      135,487         8%
    比率
    平均資産利益率                           0.74%      0.80%
    純預貸利鞘                           2.25%      2.27%
    営業収入に対する営業費用                           52.2%      48.0%
    資産平均残高に対する営業費用                           1.12%      1.02%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)額                            40      122      -67%
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に
                               0.01%      0.04%
                           (2)
    対する個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)の割合
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           (169)      (349)      -52%
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に
                               (0.06%)      (0.12%)
                           (2)
    対する一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)の割合
    減損資産総額                            390      377       3%
    貸付金および前渡金の総額に対する
                               0.13%      0.13%
    減損資産総額の割合
    FTE  (フルタイム換算従業員)数合計                         11,846      11,764        1%
    注:(1)    「(1)部門別業績-部門別の貸借対照表の主要指標」で説明したモーゲージ・ブローカーへの継続的なトレイル・コ

        ミッション(代行手数料)の取扱いの修正に伴い、2022年9月30日現在の正味貸付金および前渡金は12億2,600万ドル
        増加した。比較情報は修正再表示されていない。
      (2)  割合計算に用いた貸倒引当金繰入/(戻入)は、貸付金および前渡金の総額ならびにオフ・バランスシートのコミット
        メント-未実行債務および偶発債務に関係する。
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     貸付高   は、住宅ローンの成長を要因として増加したが、これは、無担保貸付の減少により一部相殺された。
     ・ 純預貸利鞘は、競争圧力による資産マージンの縮小、および低マージンの固定金利住宅ローンが大幅に成長してその構
       成比を高めるという貸付構成の悪化を要因として減少した。これは、利上げ局面下での預金マージンの改善および預金
       構成の好転により一部相殺された。
     ・ その他営業収入は、前年度中のANZシェア・インベスティング事業の売却に係る損失との対比において、および消費者支
       出の回復に伴うクレジット・カードの増収により増加したが、ブレークフリー・パッケージの手数料改定により一部相
       殺された。
     ・ 営業費用は、        ANZ  プラスに係る投資支出の増加および住宅ローンの好調により増加したが、これは、組織再編費用の減少
       により一部相殺された          。
     ・ 貸倒引当金戻入は、一括評価引当金戻入の減額を要因として減少したが、これは、政府や銀行による先のCOVID-19支援
       パッケージの恩恵が維持され支払遅滞や減損フローが引き続き低水準にとどまっていることに伴う個別評価引当金繰入
       の減額により一部相殺された。
     現金利益-2022年9月終了年度対2021年9月終了年度

                                     年度








    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)
                              2022  年    2021  年
                              9月終了      9月終了       増減率
                                ( 百万ドル)
     住宅ローン                            (8)      44      大
     カードおよび個人ローン                            46      73     -37%
            (1)
                                 2      5     -60%
     預金および支払
    個別貸倒引当金繰入/(戻入)                            40      122      -67%
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                                     年度
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)
                              2022  年    2021  年
                              9月終了      9月終了       増減率
                                ( 百万ドル)
     住宅ローン                           (119)      (251)      -53%
     カードおよび個人ローン                            (52)      (92)      -43%
            (1)
                                 2      (6)      大
     預金および支払
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           (169)      (349)      -52%
                                  現在         増減率

    正味貸付金および前渡金
                                          2022  年 9月
                                            対
                             2022  年 9月   2021  年 9月   2021  年 9月
                                ( 百万ドル)
          (2)
                              284,362      277,959         2%
     住宅ローン
     カードおよび個人ローン                           5,926      5,974       -1%
            (1)
                                 34      55     -38%
     預金および支払
    正味貸付金および前渡金                          290,322      283,988         2%
                                  現在         増減率

    顧客預金
                                          2022  年 9月
                                            対
                             2022  年 9月   2021  年 9月   2021  年 9月
                                ( 百万ドル)
          (3)
                               43,284      38,753        12%
     住宅ローン
     カードおよび個人ローン                            217      198      10%
                              106,452      102,453         4%
     預金および支払
    正味貸付金および前渡金                          149,953      141,404         6%
    注:(1)    預金および支払事業の正味貸付金および前渡金は、当座貸越の金額を表す。

      (2)  「(1)部門別業績-部門別の貸借対照表主要指標」で説明したモーゲージ・ブローカーへの継続的なトレイル・コミッ
        ション(代行手数料)の取扱いの修正に伴い、2022年9月30日現在の正味貸付金および前渡金は12億2,600万ドル増加
        した。比較情報は修正再表示されていない。
      (3)  住宅ローン事業の顧客預金額は、オフセット口座の残高を表す。
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    (3)   オーストラリア商業部門
     部門別経営成績は多くの重大/重要項目から影響を受ける。詳細については、「B.                                        当グループの業績-(1)現金利益-重
    大/重要項目      -継続事業     」および本章「(1)部門別業績              -部門別現金利益(重大/重要項目を除く)                    」を参照のこと。
                                     年度

                              2022  年    2021  年
                              9月終了      9月終了       増減率
                                ( 百万ドル)
    純利息収益                           2,568      2,281       13%
    その他営業収入                            652      456      43%
    営業収入                           3,220      2,737       18%
    営業費用                          (1,346)      (1,353)        -1%
    貸倒引当金繰入および
                               1,874      1,384       35%
    法人税控除前利益
    貸倒引当金(繰入)/戻入                            133      199      -33%
    税引前利益                           2,007      1,583       27%
    法人税および被支配持分                           (497)      (476)       4%
    現金利益                           1,510      1,107       36%
    貸借対照表
    正味貸付金および前渡金                          59,727      57,245        4%
    その他外部資産                            304      236      29%
    外部資産                          60,031      57,481        4%
    顧客預金                          112,195      111,100         1%
    その他外部負債                           6,168      6,639       -7%
    外部負債                          118,363      117,739         1%
    リスク加重資産                          54,043      51,637        5%
    貸付金および前渡金の総額の平均残高                          59,120      58,650        1%
    預金およびその他の借入金平均残高                          115,097      107,111         7%
    比率
    平均資産利益率                           1.24%      0.97%
         (1)
                               2.10%      1.98%
    純預貸利鞘
    営業収入に対する営業費用                           41.8%      49.4%
    資産平均残高に対する営業費用                           1.11%      1.19%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)額                            37      73     -49%
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に
                               0.06%      0.12%
                           (2)
    対する個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)の割合
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           (170)      (272)      -38%
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に
                               (0.29%)      (0.46%)
                           (2)
    対する一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)の割合
    減損資産総額                            360      664      -46%
    貸付金および前渡金の総額に対する
                               0.59%      1.13%
    減損資産総額の割合
    FTE  (フルタイム換算従業員)数合計                         2,799      3,095       -10%
    注:(1)オーストラリア商業部門では、保有する余剰預金からプラスの純利息収益が生成されている。これに伴い、純預貸利鞘

        の計算においては、内部経営報告の表示と整合させるため、2022年9月終了年度の平均預金残高634億ドル(21年9月
        終了年度:568億ドル)は利息資産平均残高に含めている。
      (2)  割合計算に用いた貸倒引当金繰入/(戻入)は、貸付金および前渡金の総額ならびにオフ・バランスシートのコミッ
        トメント-未実行債務および偶発債務に関係する。
     貸付高は、スペシャリスト事業貸付の成長を要因として増加した。

     ・ 純預貸利鞘は、利上げ局面下での預金マージンの改善および預金の構成の好転により増加した。これは、低マージンの
       大口商業顧客が大きく成長してその構成比を高めるという貸付構成の悪化、および競争圧力による資産マージンの縮小
       により一部相殺された。
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     ・ その他営業収入は、ANZワールドライン・パートナーシップに関する売却益を要因として増加した。これは、フィナン
       シャル・プランニングおよび助言事業の売却に係る損失、ならびにANZワールドラインとのパートナーシップに伴う売却
       事業の業績の影響により一部相殺された。
     ・ 営業費用は、        組織再編費用の減少および売却事業の業績の影響低下小により減少した                                 。
     ・ 貸倒引当金戻入は、一括評価引当金戻入の減額を要因として減少したが、これは、政府や銀行による先のCOVID-19支援
       パッケージの恩恵が維持され支払遅滞や減損フローが引き続き低水準にとどまっていることに伴う個別評価引当金繰入
       の減額により一部相殺された。
     現金利益-2022年9月終了年度対2021年9月終了年度

                                     年度








    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)
                              2022  年    2021  年
                              9月終了      9月終了       増減率
                                ( 百万ドル)
     SMEバンキング                            51      99     -48%
     スペシャリスト事業                            (15)      (28)      -46%
                                 1      2     -50%
     セントラル・ファンクション
    個別貸倒引当金繰入/(戻入)                            37      73     -49%
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                                     年度
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)
                              2022  年    2021  年
                              9月終了      9月終了       増減率
                                ( 百万ドル)
     SMEバンキング                           (186)      (236)      -21%
     スペシャリスト事業                            16      (36)       大
                                 -      -   該当なし
     セントラル・ファンクション
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           (170)      (272)      -38%
                                 現在          増減率

    正味貸付金および前渡金
                                          2022  年 9月
                                            対
                             2022  年 9月   2021  年 9月    2021  年 9月
                                ( 百万ドル)
            (1)
                              38,573      39,566         -3%
     SMEバンキング
     スペシャリスト事業                          19,585      16,912         16%
                   (1)
                               1,569       767        大
     セントラル・ファンクション
    正味貸付金および前渡金                          59,727      57,245         4%
                                 現在          増減率

    顧客預金
                                          2022  年 9月
                                            対
                             2022  年 9月   2021  年 9月    2021  年 9月
                                ( 百万ドル)
                              77,135      74,477         4%
     SMEバンキング
     スペシャリスト事業                          35,048      36,610         -4%
     セントラル・ファンクション                            12      13       -8%
    顧客預金                         112,195      111,100          1%
    注:(1)    2022年9月終了年度に、独立型の資産運用事業は、SMEバンキングからセントラル・ファンクションに将来に向かって

        再分類された。
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    (4)   法人部門
     部門別業績は多くの重大/重要項目から影響を受ける。詳細については、「B.                                     当グループの業績-(1)現金利益-重大/重
    要項目   」および本章「(1)部門別業績              -部門別現金利益(重大/重要項目を除く)                    」を参照のこと。
                                    年度

                             2022  年    2021  年
                            9月終了      9月終了       増減率
                               ( 百万ドル)          (%)
    純利息収益                         3,401      3,105       10%
    その他営業収入                         1,648      1,878       -12%
    営業収入                         5,049      4,983        1%
    営業費用                         (2,503)      (2,447)        2%
    貸倒引当金繰入および
                              2,546      2,536        0%
    法人税控除前利益
    貸倒引当金繰入/(戻入)                           18      89     -80%
    税引前利益                         2,564      2,625       -2%
    法人税および非支配持分                          (803)      (738)       9%
    現金利益                         1,761      1,887       -7%
    貸借対照表
    正味貸付金および前渡金                        196,782      158,231        24%
    その他外部資産                        336,668      271,131        24%
    外部資産                        533,450      429,362        24%
    顧客預金                        259,444      239,628         8%
    その他預金および借入金                         83,230      70,033        19%
    預金およびその他借入金                        342,674      309,661        11%
    その他外部負債                        127,332       74,445        71%
    外部負債                        470,006      384,106        22%
    リスク加重資産                        198,271      172,065        15%
    貸付金および前渡金の総額の平均残高                        177,894      151,597        17%
    預金およびその他借入金平均残高                        330,839      297,527        11%
    比率
    平均資産利益率                         0.37%      0.37%
    純預貸利鞘                         0.85%      0.81%
    純預貸利鞘(マーケッツを除く)                         1.88%      1.86%
    営業収入に対する営業費用                         49.6%      49.1%
    資産平均残高に対する営業費用                         0.52%      0.48%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                          (31)       70      大
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に対する個
                             (0.02%)       0.05%
                       (1)
    別評価貸倒引当金繰入          / (戻入)の割合
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           13     (159)       大
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に対する一
                              0.01%      (0.10%)
                       (1)
    括評価貸倒引当金繰入/(戻入)の割合
    減損資産総額                          385      704      -45%
    貸付金および前渡金の総額に対する減損資産総額
                              0.19%      0.44%
    の割合
    FTE  (フルタイム換算従業員)数合計                        6,236      6,196        1%
    注:   (1)  割合計算に用いた貸倒引当金繰入/(戻入)は、貸付金および前渡金の総額ならびにオフ・バランスシートのコミッ

        トメント-未実行債務および偶発債務に関係する。
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     貸付高は、当期中のコア貸付および顧客貸付の堅調なフローにより、コーポレート・ファイナンスおよびトランザクショ
    ン・バンキングで増加した。顧客預金は、トランザクション・バンキングで大幅に増加した。
     ・ 純利息利鞘(マーケッツを除く。)は、利上げ局面下での預金マージンの改善を主要因として増加した。
     ・ その他営業収入は、貸借対照表およびデリバティブ評価調整がボラティリティの高さおよびイールドカーブの動きによ
       り影響を受けたことに伴うマーケッツの減収を要因として減少した。
     ・ 営業費用は、テクノロジー費用の増加を要因として増加したが、これは、訴訟解決金の減少により一部相殺された。
     ・ 貸倒引当金戻入は、前期の一括評価貸倒引当金戻入との比較において減少したが、これは、トランザクション・バンキ
       ングの個別評価貸倒引当金繰入額の戻入により一部相殺された。
     ・ 法人税は、ANZ         PNGからANZBGLに支払われた配当金の源泉徴収税を要因として増加したが、これは、国際地域における稼
       得利益に係る税率の違い、ならびに税還付および税控除により一部相殺された。
     現金利益-2022年9月終了年度対2021年9月終了年度

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    地域別法人
                                   年度

                            2022  年     2021  年
                            9月終了       9月終了       増減率
                               ( 百万ドル)
    オーストラリア
    純利息収益                         1,968      1,876        5%
    その他営業収入                          538      923      -42%
    営業収入                         2,506      2,799       -10%
    営業費用                         (1,191)      (1,240)        -4%
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                         1,315      1,559       -16%
    貸倒引当金(繰入)/戻入                           8      74     -89%
    税引前利益                         1,323      1,633       -19%
    法人税および非支配持分                          (402)      (483)      -17%
    現金利益                          921     1,150       -20%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           (3)      50      大

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           (5)     (124)      -96%
    正味貸付金および前渡金                        111,117       91,084        22%
    顧客預金                        100,023       91,352        9%
    リスク加重資産                        106,897       91,346        17%
    アジア太平洋、ヨーロッパおよびアメリカ

    純利息収益                         1,148       916      25%
    その他営業収入                          871      733      19%
    営業収入                         2,019      1,649       22%
    営業費用                         (1,134)      (1,033)        10%
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                          885      616      44%
    貸倒引当金(繰入)/戻入                           10      (16)       大
    税引前利益                          895      600      49%
    法人税および非支配持分                          (304)      (145)       大
    現金利益                          591      455      30%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                          (28)       24      大

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           18      (8)      大
    正味貸付金および前渡金                         79,561      60,907        31%
    顧客預金                        139,707      126,512        10%
    リスク加重資産                         77,427      68,293        13%
    ニュージーランド

    純利息収益                          285      313      -9%
    その他営業収入                          239      222       8%
    営業収入                          524      535      -2%
    営業費用                          (178)      (174)       2%
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                          346      361      -4%
    貸倒引当金(繰入)/戻入                           -      31     -100%
    税引前利益                          346      392      -12%
    法人税および非支配持分                          (97)      (110)      -12%
    現金利益                          249      282      -12%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           -      (4)     -100%

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           -     (27)     -100%
    正味貸付金および前渡金                         6,104      6,240       -2%
    顧客預金                         19,714      21,764        -9%
    リスク加重資産                         13,947      12,426        12%
                                144/572



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                                   年度
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)
                            2022  年     2021  年
                            9月終了       9月終了       増減率
                               ( 百万ドル)
    トランザクション・バンキング                          (23)       (2)      大
    コーポレート・ファイナンス                           (8)      73      大
    マーケッツ                           -      (1)     -100%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                          (31)       70      大
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                               年度

                            2022  年     2021  年
                            9月終了       9月終了       増減率
                              ( 百万ドル)
    トランザクション・バンキング                          (22)       6      大
    コーポレート・ファイナンス                           37     (165)       大
    マーケッツ                           (2)       -   該当なし
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           13     (159)       大
                                現在          増減率

    正味貸付金および前渡金
                                         2022  年 9月
                                           対
                           2022  年 9月    2021  年 9月   2021  年 9月
                              ( 百万ドル)
    トランザクション・バンキング                         20,894      17,348        20%
    コーポレート・ファイナンス                        135,183      113,720        19%
    マーケッツ                         40,656      27,021        50%
    セントラル・ファンクション                           49      142      -65%
    正味貸付金および前渡金                        196,782      158,231        24%
                                現在          増減率

    顧客預金
                                         2022  年 9月
                                           対
                           2022  年 9月    2021  年 9月    2021  年 9月
                              ( 百万ドル)
    トランザクション・バンキング                        150,755       133,202        13%
    コーポレート・ファイナンス                         1,475        981      50%
    マーケッツ                        106,342       103,470         3%
    セントラル・ファンクション                          872      1,975       -56%
    顧客預金                        259,444       239,628         8%
                                145/572








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                      トランザク       コーポレー              セントラル・
                      ション・バン       ト・ファイナ              ファンクショ
                       キング        ンス      マーケッツ         ン      法人合計
    2022  年9月終了年度
                                    (百万ドル)
    純利息収益                     848      1,834        707        12      3,401
    その他営業収入                     661       108       860        19      1,648
    営業収入                    1,509       1,942       1,567         31      5,049
    営業費用                     (674)       (602)      (1,132)         (95)      (2,503)
    貸倒引当金繰入および
                          835      1,340        435       (64)      2,546
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                      45       (29)        2       -       18
    税引前利益/(損失)                     880      1,311        437       (64)      2,564
    法人税および非支配持分                     (242)       (359)       (113)        (89)       (803)
    現金利益/(損失)                     638       952       324       (153)       1,761
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                     (23)        (8)        -       -      (31)

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                     (22)        37       (2)        -       13
    正味貸付金および前渡金                    20,894       135,183        40,656         49     196,782
    顧客預金                   150,755        1,475      106,342         872     259,444
    リスク加重資産                    27,272       111,968        57,813        1,218      198,271
    2021  年9月終了年度

    純利息収益                     661      1,591        841        12      3,105
    その他営業収入                     634        94      1,130         20      1,878
    営業収入                    1,295       1,685       1,971         32      4,983
    営業費用                     (677)       (600)      (1,108)         (62)      (2,447)
    貸倒引当金繰入および
                          618      1,085        863       (30)      2,536
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                      (4)       92        1       -       89
    税引前利益/(損失)                     614      1,177        864       (30)      2,625
    法人税および非支配持分                     (178)       (334)       (224)        (2)      (738)
    現金利益/(損失)                     436       843       640       (32)      1,887
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                      (2)       73       (1)        -       70

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                      6      (165)         -       -      (159)
    正味貸付金および前渡金                    17,348       113,720        27,021         142     158,231
    顧客預金                   133,202         981     103,470        1,975      239,628
    リスク加重資産                    26,061       95,994       48,642        1,368      172,065
                                146/572









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    2022  年9月終了年度       対2021年9月終了年度
    純利息収益                     28%       15%       -16%        0%       10%
    その他営業収入                      4%       15%       -24%        -5%       -12%
    営業収入                     17%       15%       -20%        -3%        1%
    営業費用                      0%       0%       2%       53%        2%
    貸倒引当金繰入および
                          35%       24%       -50%        大       0%
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                      大       大      100%     該当なし         -80%
    税引前利益/(損失)                     43%       11%       -49%        大       -2%
    法人税および非支配持分                     36%        7%      -50%        大       9%
    現金利益/(損失)                     46%       13%       -49%        大       -7%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                      大       大      -100%      該当なし          大

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                      大       大    該当なし       該当なし          大
    正味貸付金および前渡金                     20%       19%       50%       -65%        24%
    顧客預金                     13%       50%        3%      -56%        8%
    リスク加重資産                      5%       17%       19%       -11%        15%
                 (1)

    マーケッツ営業収入の分析
                                   年度

                             2022  年    2021  年
                            9月終了      9月終了       増減率
                               ( 百万ドル)
    商品別マーケッツ営業収入の構成
    外国為替                          705      569      24%
    金 利                          292      252      16%
    信用および資本市場                           85      200      -58%
    コモディティ                           83      75      11%
    フランチャイズ営業収入                         1,165      1,096        6%
           (2)
                              429      847      -49%
    バランスシート
               (3)
                              (27)       28      大
    デリバティブ評価調整
    マーケッツ営業収入                         1,567      1,971       -20%
    注:(1)    マーケッツ営業収入は、純利息収益およびその他営業収入を含む。

      (2)  バランスシートは、当グループの貸付および預金勘定ならびに当グループの流動性ポートフォリオ管理に関する金利
        リスクのヘッジを表す。
      (3)  資金調達および信用の評価調整を含む。
                                   年度

                             2022  年    2021  年
                            9月終了      9月終了       増減率
    地域別マーケッツ営業収入の構成
                               ( 百万ドル)
    オーストラリア                          398      840      -53%
    アジア太平洋、ヨーロッパおよびアメリカ                         1,000       887      13%
    ニュージーランド                          169      244      -31%
    マーケッツ営業収入                         1,567      1,971       -20%
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    市場リスク
     トレーディングに起因する市場リスク
     下表は、当銀行グループの主たるトレーディング拠点における現物およびデリバティブのトレーディング・ポジションの双
    方をカバーする、信頼水準99%のバリュー・アット・リスク(VaR)によるエクスポージャーの合計を示している。
     信頼水準99%(保有期間1日)

                       2022  年   2022  年   2022  年        2021  年   2021  年   2021  年

                  2022  年   9月終了     9月終了     9月終了      2021  年   9月終了     9月終了     9月終了
                 9月終了      年度の     年度の     年度の     9月終了      年度の     年度の     年度の
                  年度末      最高     最低     平均     年度末      最高     最低     平均
                        (百万ドル)                     (百万ドル)
    信頼水準99%のVaR
     外国為替              1.8     4.8     1.1     2.4     3.8     10.0      1.3     3.9
     金 利              7.9     22.7      5.0     9.5     9.6     19.6      4.3     8.8
     クレジット              2.6     11.8      1.6     4.9     6.3     22.2      5.3     13.7
     コモディティ              4.3     7.0     1.4     2.9     3.1     5.0     1.3     2.8
                    -
     株 式                    -     -     -     -     -     -     -
         (1)
                  (7.2)    該当なし     該当なし      (7.1)     (9.4)    該当なし     該当なし      (9.7)
     分散効果
    VaR  の合計             9.4     26.9      5.6     12.6     13.4     30.0      8.7     19.5
     トレーディングに起因しない金利リスク

     トレーディングに起因しない金利リスクは、マーケッツが管理し、市場金利の変動が当グループの将来の純利息収益に与え
    る潜在的な悪影響に関連する。金利リスクは、                      VaR  および1%の利率の変動に基づくシナリオ分析を含む様々な手法を用いて報
    告される。
     信頼水準99%(保有期間1日)

                       2022  年   2022  年   2022  年        2021  年   2021  年   2021  年

                  2022  年   9月終了     9月終了     9月終了      2021  年   9月終了     9月終了     9月終了
                 9月終了      年度の     年度の     年度の     9月終了      年度の     年度の     年度の
                  年度末      最高     最低     平均     年度末      最高     最低     平均
                        (百万ドル)                     (百万ドル)
    信頼水準99%のVaR
     オーストラリア             78.5     93.4     63.0     76.1     67.0     81.8     61.9     69.8
     ニュージーランド             25.4     27.1     20.2     23.9     21.6     32.8     21.6     26.7
     アジア太平洋、ヨーロッ
                  21.7     38.0     16.8     25.8     31.5     34.9     29.0     32.0
     パおよびアメリカ
         (1)
                  (38.1)     該当なし     該当なし      (33.7)     (32.9)     該当なし     該当なし      (53.7)
     分散効果
    VaR  の合計             87.5     104.9      66.8     92.1     87.2     87.2     59.3     74.8
                                148/572







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                              (2)
     1%の利率の変動が12か月の純利息収益に与える影響
                                     現在

                               2022  年9月       2021  年9月
                               終了年度末         終了年度末
    期末現在                              1.29%         2.43%

    最高エクスポージャー                              2.08%         2.43%
    最低エクスポージャー                              1.15%         0.98%
    平均エクスポージャー(絶対値)                              1.56%         1.55%
    注:(1)    分散効果は、カテゴリー間で相殺されるリスクを反映する。各要素の最高・最低VaRの報告値は、当グループ全体の最

        高・最低VaRの報告値と同日に発生したとは限らない。そのため、最高・最低に係る分散効果は無意味であり、本表か
        ら除外されている。
      (2)  12 か月の純利息収益に与える潜在的影響を算定は、翌日物                          イールドカーブのプラス1%の平行移動(パラレル・シフ
        ト)のモデルに基づく。これは、ホールセール金利および顧客金利の全体にパラレル・シフトが反映されると仮定す
        る標準的なリスク指標である。
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    (5)   ニュージーランド部門
      部門別業績は多くの重大/重要項目から影響を受ける。(豪ドル建の)詳細については、「B.                                            当グループの業績-(1)現
     金利益-重大/重要項目           」および本章「(1)部門別業績              -部門別現金利益(重大/重要項目を除く)                    」を参照のこと。
      以下は、「ニュージーランド部門に関するニュージーランドドル建の表」である。
      豪ドル建ての経営成績は、後掲の「ニュージーランド部門に関する豪ドル建の表」に示す。
                                年度

                         2022  年    2021  年
                         9月終了      9月終了       増減率
                         ( 百万ニュージーランド
                             ドル)
    純利息収益                      3,429      3,060       12%
    その他営業収入                       498      499       0%
    営業収入                      3,927      3,559       10%
    営業費用                     (1,432)      (1,413)        1%
    貸倒引当金繰入および
                          2,495      2,146       16%
    法人税控除前利益
    貸倒引当金(繰入)/戻入                       (39)       81      大
    税引前利益                      2,456      2,227       10%
    法人税および非支配持分                      (688)      (620)       11%
    現金利益                      1,768      1,607       10%
    貸借対照表
    正味貸付金および前渡金                     140,445      134,537         4%
    その他外部資産                      3,600      3,944       -9%
    外部資産                     144,045      138,481         4%
    顧客預金                     107,957      102,336         5%
    その他預金および借入金                      5,755      5,734        0%
    預金およびその他借入金                     113,712      108,070         5%
    その他外部負債                     20,632      19,694        5%
    外部負債                     134,344      127,764         5%
    リスク加重資産                     76,659      74,524        3%
    貸付金および前渡金の総額の平均残高                     139,102      131,363         6%
    預金およびその他借入金平均残高                     113,223      104,651         8%
    資産運用収入                       196      225      -13%
    運用資産                     34,313      39,043       -12%
    運用資産平均残高                     37,129      36,687        1%
    比率
    平均資産利益率                      1.24%      1.19%
    純預貸利鞘                      2.47%      2.33%
    営業収入に対する営業費用                      36.5%      39.7%
    平均資産に対する営業費用                      1.01%      1.05%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                        1     (17)       大
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に
    対する個別評価貸倒引当金繰入/(戻
                          0.00%      (0.01%)
         (1)
    入)の割合
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                       38      (64)       大
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に
    対する一括評価貸倒引当金繰入/(戻
                          0.03%      (0.05%)
         (1)
    入)の割合
    減損資産総額                       151      173      -13%
    貸付金および前渡金の総額に対する減損
                          0.11%      0.13%
    資産総額の割合
    FTE  (フルタイム換算従業員)数合計                    6,873      7,060       -3%
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    注:  (1)  割合計算に用いた貸倒引当金繰入/(戻入)は、貸付金および前渡金の総額ならびにオフ・バランスシートのコミット
        メント-未実行債務および偶発債務に関係する。
     貸付高は、住宅ローンの成長を要因として増加した。

       ・ 純預貸利鞘は、利上げ局面下での預金マージンの改善を要因として増加したが、これは、競争による住宅ローンの
         マージンの縮小、および固定金利住宅ローンの構成比の増加により一部相殺された。
       ・ その他営業収入は、政府債の売却による利益が資産運用報酬の廃止または引下げによる手数料の減少により相殺され
         たため、変動はなかった。
       ・ 営業費用は、        投資支出の増加およびインフレの影響により増加したが、これは、生産性の向上およびその他の節約に
         より一部相殺された。
       ・   貸倒引当金     繰入は、一括評価貸倒引当金が前年度の戻入に対して当年度は繰入となったことを主要因として増加し
         た。
     現金利益-2022年9月終了年度対2021年9月終了年度

                                年度







    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)
                         2022  年     2021  年
                        9月終了       9月終了        増減率
                       ( 百万ニュージーランド          ドル)
         (1)
                           11       13      -15%
    パーソナル
     住宅ローン                       1       1       0%
     その他                       10       12      -17%
        (1)
                           (10)       (30)       -67%
    ビジネス
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                       1      (17)        大
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                                年度
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)
                         2022  年     2021  年
                        9月終了       9月終了        増減率
                       ( 百万ニュージーランド          ドル)
         (1)
                           63       (32)        大
    パーソナル
     住宅ローン                       45       (16)        大
     その他                       18       (16)        大
        (1)
                           (25)       (32)       -22%
    ビジネス
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                       38       (64)        大
                             現在          増減率

    正味貸付金および前渡金
                                      2022  年 9月
                                        対
                        2022  年 9月    2021  年 9月    2021  年 9月
                       ( 百万  ニュージーランド        ドル)
         (1)
                         103,014        95,379         8%
    パーソナル
     住宅ローン                    101,482        93,785         8%
     その他                     1,532       1,594        -4%
        (1)
                         37,431       39,158         -4%
    ビジネス
    正味貸付金および前渡金                    140,445       134,537          4%
                             現在          増減率

    顧客預金
                                      2022  年 9月
                                        対
                        2022  年 9月    2021  年 9月    2021  年 9月
                       ( 百万  ニュージーランド        ドル)
         (1)
                         85,391       78,592         9%
    パーソナル
        (1)
                         22,566       23,744         -5%
    ビジネス
    顧客預金                    107,957       102,336          5%
    注:(1)    ニュージーランド部門の事業部門をリテールおよび商業からパーソナルおよびビジネスに再編したことを受け、2021

        年9月終了年度から2022年3月半期にかけて、顧客のニーズにより適切に対応するため一部の顧客について分類を変
        更した。これらの変更は実施時以降の将来に向けて適用された。
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                                         セントラル・        ニュージーラン
                              (1)        (1)
                         パーソナル         ビジネス       ファンクション          ド合計
    2022  年9月終了年度
                                 (百万ニュージーランドドル)
    純利息収益                        2,220        1,206          3      3,429
    その他営業収入                         414         53        31        498
    営業収入                        2,634        1,259          34       3,927
    営業費用                       (1,165)         (263)         (4)      (1,432)
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                        1,469         996         30       2,495
    貸倒引当金(繰入)/戻入                         (74)         35         -       (39)
    税引前利益                        1,395        1,031          30       2,456
    法人税および非支配持分                        (391)        (289)         (8)       (688)
    現金利益                        1,004         742         22       1,768
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                         11        (10)         -        1

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                         63        (25)         -        38
    正味貸付金および前渡金                       103,014         37,431           -     140,445
    顧客預金                       85,391        22,566           -     107,957
    リスク加重資産                       41,710        33,122         1,827        76,659
    2021  年9月終了年度

    純利息収益                        1,995        1,064          1      3,060
    その他営業収入                         486         13         -       499
    営業収入                        2,481        1,077          1      3,559
    営業費用                       (1,147)         (262)         (4)      (1,413)
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                        1,334         815         (3)       2,146
    貸倒引当金(繰入)/戻入                         19        62         -        81
    税引前利益                        1,353         877         (3)       2,227
    法人税および非支配持分                        (375)        (246)          1       (620)
    現金利益                         978        631         (2)       1,607
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                         13        (30)         -       (17)

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                         (32)        (32)         -       (64)
    正味貸付金および前渡金                       95,379        39,158           -     134,537
    顧客預金                       78,592        23,744           -     102,336
    リスク加重資産                       39,787        32,596         2,141        74,524
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    2022  年9月終了年度       対2021年9月終了年度
    純利息収益                         11%        13%         大        12%
    その他営業収入                        -15%         大     該当なし           0%
    営業収入                         6%        17%         大        10%
    営業費用                         2%        0%        0%        1%
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                         10%        22%         大        16%
    貸倒引当金(繰入)/戻入                         大       -44%      該当なし           大
    税引前利益                         3%        18%         大        10%
    法人税および非支配持分                         4%        17%         大        11%
    現金利益                         3%        18%         大        10%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                        -15%        -67%      該当なし           大

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                         大       -22%      該当なし           大
    正味貸付金および前渡金                         8%        -4%      該当なし           4%
    顧客預金                         9%        -5%      該当なし           5%
    リスク加重資産                         5%        2%       -15%         3%
    注:(1)    ニュージーランド部門の事業部門をリテールおよび商業からパーソナルおよびビジネスに再編したことを受け、2021

        年9月終了年度から2022年3月半期にかけて、顧客のニーズにより適切に対応するため一部の顧客について分類を変
        更した。これらの変更は実施時以降の将来に向けて適用された。
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      以下は、「ニュージーランド部門に関する豪ドル建の表」である。
      ニュージーランドドル建の経営成績は、前掲「ニュージーランド部門に関するニュージーランドドル建の表」に示す。
                                   年度

                            2022  年    2021  年
                            9月終了      9月終了       増減率
                              ( 百万ドル)
    純利息収益                         3,168      2,870       10%
    その他営業収入                          461      469      -2%
    営業収入                         3,629      3,339        9%
    営業費用                        (1,324)      (1,325)        0%
    貸倒引当金繰入および
                             2,305      2,014       14%
    法人税控除前利益
    貸倒引当金(繰入)/戻入                          (36)       76      大
    税引前利益                         2,269      2,090        9%
    法人税および非支配持分                         (636)      (582)       9%
    現金利益                         1,633      1,508        8%
    構成:
          (1)
                              928      917       1%
     パーソナル
         (1)
                              686      591      16%
     ビジネス
     セントラル・ファンクション                          19       -   該当なし
    現金利益                         1,633      1,508        8%
    貸借対照表
    正味貸付金および前渡金                        123,747      128,466        -4%
    その他外部資産                         3,172      3,766       -16%
    外部資産                        126,919      132,232        -4%
    顧客預金                        95,122      97,719        -3%
    その他預金および借入金                         5,070      5,474       -7%
    預金およびその他借入金                        100,192      103,193        -3%
    その他外部負債                        18,179      18,806        -3%
    外部負債                        118,371      121,999        -3%
    リスク加重資産                        67,544      71,161        -5%
    貸付金および前渡金の総額の平均残高                        128,533      123,216         4%
    預金およびその他借入金平均残高                        104,621       98,161        7%
    資産運用収入純額                          182      211      -14%
    運用資産                        30,234      37,280       -19%
    運用資産平均残高                        34,309      34,412        0%
    比率
    平均資産利益率                         1.24%      1.19%
    純預貸利鞘                         2.47%      2.33%
    営業収入に対する営業費用                         36.5%      39.7%
    資産平均残高に対する営業費用                         1.01%      1.05%
    個別評価    貸倒  引当金繰入/(戻入)                     1     (15)       大
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に対する
                             0.00%      (0.01%)
                        (2)
    個別評価    貸倒  引当金繰入/(戻入)の割合
    一括評価    貸倒  引当金繰入/(戻入)                    35      (61)       大
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に対する
                             0.03%     (0.05%)
                        (2)
    一括評価    貸倒  引当金繰入/(戻入)の割合
    減損資産総額                          133      164      -19%
    貸付金および前渡金の総額に対する減損資産総
                             0.11%      0.13%
    額の割合
    FTE  (フルタイム換算従業員)数合計                       6,873      7,060       -3%
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    注:(1)    ニュージーランド部門の事業部門をリテールおよび商業からパーソナルおよびビジネスに再編したことを受け、2021
        年9月終了年度から2022年3月半期にかけて、顧客のニーズにより適切に対応するため一部の顧客について分類を変
        更した。これらの変更は実施時以降の将来に向けて適用された。
      (2)  割合計算に用いた貸倒引当金繰入/(戻入)は、貸付金および前渡金の総額ならびにオフ・バランスシートの                                                  コミット
        メント   -未実行債務および偶発債務に関係する。
    (6)   パシフィック

      部門別業績は多くの重大/重要項目から影響を受ける。詳細については、「B.                                     当グループの業績-(1)現金利益-重大/
     重要項目    」および本章「(1)部門別業績              -部門別現金利益(重大/重要項目を除く)                    」を参照のこと。
                                 年度

                            2022  年     2021  年
                            9月終了       9月終了        増減率
                               ( 百万ドル)
    純利息収益                           96       96       0%
    その他営業収入                           68       65       5%
    営業収入                          164       161        2%
                              (153)       (144)        6%
    営業費用
    貸倒引当金繰入および
                               11       17      -35%
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                           6      (21)        大
    税引前利益/(損失)                           17       (4)       大
    法人税(費用)/ベネフィットおよび非支配持
                               (8)        1       大
    分
    現金利益/(損失)                           9       (3)       大
    貸借対照表
    正味貸付金および前渡金                         1,754       1,771        -1%
    顧客預金                         3,776       3,767         0%
    リスク加重資産                         3,899       3,682         6%
    FTE  (フルタイム換算従業員)数合計                        1,086       1,089         0%
                                156/572











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    (7)   グループ・センター
      部門別業績は多くの重大/重要項目から影響を受ける。詳細については、「B.                                     当グループの業績-(1)現金利益-重大/
     重要項目    」および本章「(1)部門別業績              -部門別現金利益(重大/重要項目を除く)                    」を参照のこと。
                                     年度

                             2022  年     2021  年
                             9月終了       9月終了        増減率
                                ( 百万ドル)
    関連会社投資の持分利益/(損失)                           189       (176)        大
    営業収入(その他)                           147       262       -44%
        (1)
                                336        86       大
    営業収入
        (2)
                              (1,043)        (834)        25%
    営業費用
    貸倒引当金繰入および
                               (707)       (748)        -5%
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                           (18)        (3)       大
    税引前利益/(損失)                           (725)       (751)        -3%
    法人税および非支配持分                           187       134       40%
    現金利益/(損失)                           (538)       (617)       -13%
    リスク加重資産                          5,445       5,206         5%

                     (3)
                              10,147       10,480         -3%
    FTE  (フルタイム換算従業員)数合計
    注:(1)    2022  年9月終了年度は、         リースの条件変更に係る利益2,300万ドル、顧客救済の減少1,400万ドル、事業の売却による

        純損失1,300万ドル、および法人の合理化による損失6,500万ドルを含む。                                  2021  年9月終了年度は、         AmBankの1MDBに関
        する和解金およびのれんの減損に対する当グループの持分法適用持分に関する損失3億4,700万ドル、ならびに事業の
        売却による純利益1,300万ドルを含む。
      (2)  2022  年9月終了年度は、リースの条件変更費用4,700万ドル(2021年9月終了年度:なし)、顧客救済費用2,200万ド
        ル(2021年9月終了年度:なし)、組織再編費用1,800万ドル(2021年9月終了年度:4,100万ドル)、および合併・
        買収関連費用1,200万ドル(2021年9月終了年度:なし)を含む。
      (3)  1835i   グループPtyリミテッドが管理する連結された投資先のFTEを除く。
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    D.利益の調整
    (1)   法定利益と現金利益の調整
     現金利益は、当グループの中核的事業活動に関する業績のANZが推奨する指標を示しており、過去の期間および同業他社と比
    較した当グループおよび部門の業績を読者が評価できるようにしている。当グループは、法定利益から非中核項目を除外して
    現金利益を計算している(詳細については、「E.定義」を参照のこと。)。現金利益を導くための調整項目は法定利益に含
    まれ、「第6       経理の状況‐1        財務書類」の2022年度財務書類の外部監査人による監査において取り扱われる範囲で監査対象
    となる。現金利益は外部監査人による監査の対象ではない。外部監査人は、各表示期間を通じて一貫した基準で現金利益の調
    整が決定されている旨を監査委員会に通知している。
                                      年度

                               2022  年     2021  年
                              9月終了       9月終了        増減率
                                 ( 百万ドル)
    当行株主に帰属する継続事業による法定利益                           7,138       6,179        16%
    継続事業に関する法定利益と現金利益の調整

     経済ヘッジ                            (569)        (77)        大
     収益および費用ヘッジ                            (54)        96       大
    継続事業による法定利益と現金利益の調整合計                            (623)        19       大
    継続事業による現金利益                           6,515       6,198         5%
    当行株主に帰属する非継続事業による法定利益/
                                (19)       (17)       12%
    (損失)
    現金利益                           6,496       6,181         5%
    (2)   法定利益と現金利益の調整             についての説明-継続事業

     ・ 経済ヘッジ
        当グループは、会計基準に沿った金利および外国為替リスクを管理するために経済ヘッジを締結しており、これによ
       り、公正価値評価による損益は損益計算書内で認識される。これには、会計ヘッジ関係に指定されないが、経済ヘッジで
       あるとみなされる承認済みデリバティブ商品から生ずる損益、および指定された会計ヘッジの非有効部分が含まれる。
        経済ヘッジは以下で構成される。
        ・ 外貨建債券発行の手取金を変動金利の豪ドル建およびニュージーランドドル建債務に交換するために利用されてい
          る、ヘッジ会計適格ではないデリバティブ(主にクロスカレンシー金利スワップ)。これらの公正価値の変動の主
          たる要因は、通貨ベーシス・スワップのスプレッドならびにその他の主要調達通貨に対する豪ドルおよびニュー
          ジーランドドルの変動である。
        ・ ヘッジ会計に適格でない特定の                ストラクチャード・ファイナンス               およびスペシャライズド・リース取引の経済ヘッ
          ジ。これらの公正価値の調整の主たる要因は、オーストラリアおよびニュージーランドの金利の期間構成の変動で
          ある。
        ・ 指定されたのうち、ヘッジ対象とヘッジ商品間の一定の要因の差により生ずる非有効部分。
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        当グループは公正価値調整を現金利益から除去しているが、これは基礎となるヘッジ対象からの損益と一致するよう損
       益を時の経過とともに戻入れるためである。
        2022  年9月終了年度の経済ヘッジの利益の大半は、資金調達関連スワップに関連し、主に米ドルに対する豪ドル安およ
       びニュージーランドドル安、豪ドル/米ドルの通貨のベーシス・スプレッドの拡大、ならびに一部のストラクチャード・
       ファイナンスおよびスペシャライズド・リース取引の経済ヘッジに関する金利上昇の影響に起因した。
     ・ 収益および費用ヘッジ

        当グループは、ニュージーランドドルおよび米ドル(ならびに米ドル相関)を主軸として拡大している外国為替建て収
       益および費用ストリームのヘッジを管理するために経済ヘッジを締結している。2022年9月終了年度の収益および費用
       ヘッジの利益は主に、2022年3月半期を主としたニュージーランドドルに対する豪ドル高によるものであった。
     (3)   法定利益の現金利益への調整

    2022  年9月終了年度

                                       法定利益への調整

                                     収益および
                                            法定利益への調
                      法定利益       経済ヘッジ        費用ヘッジ         整合計       現金利益
                                    (百万ドル)
    純利息収益                    14,874          -        -        -    14,874
    その他営業収入                    4,552        (802)         (77)        (879)      3,673
    営業収入                    19,426        (802)         (77)        (879)      18,547
    営業費用                    (9,579)          -        -        -    (9,579)
    貸倒引当金     繰入  および法人税
                         9,847        (802)         (77)        (879)      8,968
    控除前利益
    貸倒引当金(繰入)/戻入                     232        -        -        -      232
    税引前利益                    10,079        (802)         (77)        (879)      9,200
    法人税および非支配持分                    (2,941)         233         23        256     (2,685)
    継続事業による税引後利益                    7,138        (569)         (54)        (623)      6,515
    非継続事業による税引後利益/(損
                          (19)        -        -        -      (19)
    失)
    税引後純利益                    7,119        (569)         (54)        (623)      6,496
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    2021  年9月終了年度
                                       法定利益への調整

                                     収益および
                                            法定利益への調
                      法定利益       経済ヘッジ        費用ヘッジ         整合計       現金利益
                                    (百万ドル)
    純利息収益                    14,161          -        -        -    14,161
    その他営業収入                    3,259        (110)         137         27     3,286
    営業収入                    17,420        (110)         137         27     17,447
    営業費用                    (9,051)          -        -        -    (9,051)
    貸倒引当金     繰入  および法人税
                         8,369        (110)         137         27     8,396
    控除前利益
    貸倒引当金(繰入)/戻入                     567        -        -        -      567
    税引前利益                    8,936        (110)         137         27     8,963
    法人税および非支配持分                    (2,757)         33        (41)         (8)     (2,765)
    継続事業による税引後利益                    6,179        (77)         96        19     6,198
    非継続事業による税引後利益/(損
                          (17)        -        -        -      (17)
    失)
    税引後純利益                    6,162        (77)         96        19     6,181
    E .定義

     「AASB」 ― オーストラリア会計基準審議会。「AASB」という用語は、AASBが発行したオーストラリア会計基準を特定す
    るときに通常使用される。
     「ADI」 ― APRAが定める公認預金受入機関
     「ANZEST」 ― オーストラリア従業員株式信託
     「ANZリサーチ・エコノミクス」 ― ANZの事業ユニットであり、主要な経済インプットおよび動向の分析ならびに地方、
    地域およびグローバル経済の潜在的影響の評価を実施する。
     「APRA」 ― オーストラリア健全性規制庁
     「APS」 ― ADIの健全性基準
     「ASX」 ― オーストラリア証券取引所
     「AT1」 ― その他Tier1資本
     「現金および現金同等物」は、硬貨、紙幣、コールマネー、中央銀行預入残高、流動性決済残高(容易に一定の金額の現金
    に換金可能であり、価値変動のリスクが僅少なもの)および3か月より短期の再売買契約(リバース・リパーチェス契約)に
    基づき購入された証券からなる。
     「現金利益」は、会計基準に従わないで作成された追加の業績指標である。現金利益は当グループの中核的事業活動の業績
    のANZが推奨する指標を示しており、過去の期間および同業他社と比較した当グループおよび部門の業績を読者が評価できるよ
    うにしている。当グループは、下記のとおり、法定利益から非中核項目を除外して現金利益を計算している。これらの項目
    は、プラスとマイナスの調整に違いを付けないよう、各期間を通じて一貫して計算されている。
     損益は、それらが重要である、またはいずれかの期間で重要となる可能性があり、かつ以下の3つのカテゴリーのうち1つ
    に該当する場合調整される。
      1. 税、法律もしくは会計法制変更または当グループの中核的事業活動に関連しないその他非中核項目から生じた利益に
         含まれる利益または損失
      2. 経済ヘッジの影響および将来の利益を通じて解消される時間的差異が内在する類似の会計項目
      3. 減損デリバティブの信用リスク等、報告利益に影響を与えない個々の勘定科目間の会計上の再分類
     現金利益は、現金主義会計ベースで決定されるキャッシュフローまたは利益の指標ではない。
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     「一括評価の予想信用損失引当金」は、予想信用損失(ECL)のうち、将来予測に関する情報を包含し、信用損失引当金を認
    識するにあたり損失事象の発生を要しないものである。
     流動性供給枠      (「CLF」)は、オーストラリアにおける利用可能な高品質の流動資産(「HQLA」)の不足を補うためにRBAに
    設けられたファシリティであり、不測の流動性の代替形式を提供する。CLFは、RBAに担保として差入れ可能な資産(国内住宅
    モーゲージ・バック証券を含む。)により担保されている。適格ADIが利用可能なCLFの総額はAPRAによって毎年設定される。
    2021年9月、APRAはADIに書面で、APRAとRBAは、ADIが流動性カバレッジ比率(LCR)の要件を満たすために十分なHQLAを有し
    ていると認識しており、よって2022年以降はCLFの使用を義務付けない旨を通達した。
     「コロナウィルス(COVID-19)」は、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に指定された呼吸器疾患である。COVID-19
    は、2020年3月11日に世界保健機関によりパンデミックと位置付けられた。
     「カバード・ボンド」は、倒産隔離された特別目的事業体に移転されたADIの資産プール(カバー・プール)により担保され
    た、ADIより外部の投資家向けに発行される債券である。カバー・プールを形成する主な資産はモーゲージ・ローンである。
    モーゲージは発行者のバランスシートに計上される。カバード・ボンドの保有者は発行者およびカバー・プール資産という二
    重のリコースを有する。カバー・プールに含まれるモーゲージは、それ以外においては担保に供することも処分することもで
    きないが、プールの信用の質を維持するために買戻しおよび差替えができる。当グループは、その資金調達活動の一部として
    カバード・ボンドを発行している。
     「信用リスク」は、ANZの顧客および取引相手が貸付または契約上の条件を守らないまたは完全に履行できないことによる財
    務的損失のリスクである。
     「信用リスク加重資産(「CRWA」)」は、APS第112/113号に規定されているとおり、決められた公式に基づいて信用リスク
    で加重された資産を表す。
     「顧客預金」は、定期預金、その他有利子預金、無利子預金、および借入会社の債務を意味し、証券化預金は含まない。
     「顧客救済」は、顧客に対する返金予定の引当金、関連する救済プロジェクトの費用、ならびに規制上の要求、罰金および
    訴訟の結果を含む。
     「デリバティブ信用評価調整(「CVA」)」 ― デリバティブ商品の全期間を通じて、ANZは、モデルを用いて、取引相手
    の信用の質の影響を考慮に入れるために公正価値を調整する。この方法論は、金融商品の全期間を通じた予想損失の現在価値
    を、デフォルト確率、デフォルト時損失率、デフォルト時予想信用リスク・エクスポージャーおよび資産相関係数の関数とし
    て計算する。減損デリバティブもCVAの対象となる。
     「配当性向」は、普通株式配当支払合計額を当行株主に帰属する利益で除したものである。
     「含み損」 ―銀行勘定の金利リスクに関連して、APRAはADIに対して、規制資本の算定時に値洗いベースで処理されない銀
    行勘定項目の含み損益を考慮することを要求している。含み損益は、ある時点における銀行業務の帳簿価値と経済的価値の差
    として測定される。
     「公正価値」は、知識ある自発的な当事者間の対等な取引において資産または負債が交換されうる価額である。
     「融資資金提供プログラム(「FLP」)」は、2020年11月にRBNZにより発表されニュージーランドの銀行に提供された、
    ニュージーランドの企業および家計の借入コストを低減するための3年間の資金提供を表す。
     「貸付金および前渡金の総額(「GLA」)」は、貸付金および前渡金、資産計上した仲介その他の実行費用から未収収益を控
    除したものである。
     「減損資産」は、契約上の金額を全額適時に受領できるかについて懸念が存在するかまたは、顧客の財政的困難により譲許
    的条項が提供されている金融資産である。
     「減損貸付金」は、顧客の状態が不良債権化していると明確にされた実行済みの貸付からなる。
     「個別評価の予想信用損失引当金」は、個別的に管理されるすべての減損資産について個別の状況に応じて評価し、その際
    には担保(またはその他の信用補強)の実現可能価額、清算時や倒産時の予想受取可能額、法的不確定性、回収に係る見積費
    用、流通市場エクスポージャーの市価、ならびに想定される受取金および回収金の額や時期などの要素を考慮する。
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     「銀行業の金利リスク(「IRRBB」)」は、ANZの将来の純利息収益に係る市場金利の変動の悪影響の可能性に関係する。こ
    のリスクは一般的に以下から生ずる。
      1. 価格改定(リプライシング)およびイールドカーブ・リスク ― 全般的な金利水準および/またはイールドカーブ
         全体にわたる金利の関連性の変動の結果としての収益または市場価値に対するリスク
      2. ベーシス・リスク ― 銀行業の資産項目に適用される利鞘のボラティリティから生ずる収益または市場価値に対す
         るリスク
      3. オプショナリティ・リスク ― 銀行業の資産項目の独立または組込みオプションの存在から生ずる収益または市場
         価値に対するリスク
     「国際的に比較可能な比率」は、バーゼル委員会の出版物「バーゼル3:より強靭な銀行および銀行システムのための世界
    的規制枠組み」(2011年6月)および「資本測定および資本基準の国際的コンバージェンス」(2006年6月)において文書化
    された規制のANZによる解釈。「国際資本比較研究」(2015年7月13日)と題するAPRAの情報文書で特定された差異も含む。
     「レベル1」とは、APRAの監督との関連で、一定の承認された子会社を連結したオーストラリア・ニュージーランド銀行で
    ある。
     「レベル2」とは、APRAの監督との関連で、関連会社、保険および資産運用会社、非金融営利法人ならびに一定の証券化
    ビークルを連結から除いた当グループである。
     「レベル3」とは、APRAの監督との関連で、連結した当グループである。
     「 純預貸利鞘」とは、平均利付資産に対する純利息収益の割合である。
     「正味貸付金および前渡金」とは、貸付金および前渡金の総額から予想信用損失引当金を差し引いたものである。
     「正味安定資金調達比率(「NSFR」)」とは、APRAが定める所要安定調達額(「RSF」)に対する利用可能な安定調達額
    (「ASF」)の比率である。利用可能な安定調達額は、1年ベースの確実な想定資金源としてADIの資本および負債を構成す
    る。所要安定調達額は、ADIの資産の流動特性および残存期間ならびにオフ・バランスシート取引の関数により定まる。ADIは
    少なくともNSFRの100%を維持しなければならない。
     「正味有形資産」は、当行株主に帰属する株式資本および準備金から未償却の無形資産(のれんおよびソフトウェアを含
    む。)を差引いた金額に等しい。
     「NZX」 ― ニュージーランド証券取引所
     「RBA」 ― オーストラリアの中央銀行であるオーストラリア準備銀行
     「RBNZ」 ― ニュージーランドの中央銀行であるニュージーランド準備銀行
     「規制上の預け金」とは、法律上の要件に従い現地の中央銀行に預ける強制的な準備預金である。
     「条件緩和債権」とは、当初の契約条件が顧客の財政的困難に関連する理由により修正されたファシリティから成る。条件
    緩和には、利息、元本またはその他法律上期限が到来した支払いの削減、または同様のリスクの新ファシリティに対して一般
    的に提供される満期の実質的延長から成る。
     「平均資産利益率」とは、当行株主に帰属する利益を平均資産合計で除した料率である。
     「平均普通株主資本利益率」とは、当行株主に帰属する利益を平均普通株主資本で除した料率である。
     「リスク加重資産(「RWA」)」とは、各資産に内在するデフォルトの可能性およびデフォルトの場合にありうる損失に従
    い、リスクにより加重される。資産担保リスク以外の場合(すなわち、市場リスクおよびオペレーショナル・リスク)、RWAは
    これらのリスクの資本要件に12.5を乗ずることにより決定される。
     「ANZの未収決済残高/ANZの未払決済残高」とは、決済される途上にある金融資産および/または金融負債である。これは
    取引期限付き資産および負債、先方勘定ならびに証券決済口座を含む。
     「ターム資金供給ファシリティ(「TFF」)」は、RBAが2020年3月19日に発表した、オーストラリア企業向けの低コストな
    貸付を支援するための3年間の資金供給を表す。
     「ターム貸付ファシリティ(「TLF」)」は、ニュージーランド企業向けの貸付を促進するためにRBNZにより2020年5月から
    2021年7月まで提供される3年間から5年間の資金供給を表す。
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    4【経営上の重要な契約等】
     2022  年度の開始日から本書提出日までの間において、当グループが締結した重要な契約はない。ただし、当グループが実質
    的に依存している、業務の通常の過程においてなされる契約を除く。
     完全を期すため、以下の点に留意すること。
    ・ 2022年10月26日、ANZBGLとANZ                 NOHCとの間で、本スキームを含む本再編の実施に関するNOHC再編実施契約が締結された。
     詳細については、「第2 企業の概況-3 事業の内容-(5)純粋持株会社」を参照のこと。
    ・ 要約すると、NOHC再編実施契約(上記)は、本スキームの実施および関連する本スキーム後のANZグループの内部再編を推
     進するために、ANZBGLおよびANZ                NOHCが合意した条件を定めたものである。同契約には、実施の前提条件、予想日程ならび
     に規制当局の承認を取得し、株主総会および本スキームの対価の発行など、その他の必要な手続を遂行する義務が含まれて
     いる。
    ・ 2022年7月18日、ANZBGLは、サンコープ・バンクの直接の純粋持株会社であるエスビージーエイチ・リミテッドの株式の
     100%を取得することに合意したと発表した。この買収は、最短12か月の完了期間および一定の条件を満たすことが条件とさ
     れている。詳細については、「第2 企業の概況-3 事業の内容-(6)サンコープ・バンク買収」を参照のこと。
    5【研究開発活動】

     当グループは、顧客の財務的安定の改善という戦略に沿って、商品およびサービスの研究開発を続けている。
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    第4【設備の状況】
    1【設備投資等の概要】

     2022  年度中、ANZはオーストラリア、ニュージーランドならびにアジア、パシフィック、ヨーロッパおよびアメリカにおける
    事業経営を支援するために、様々な土地建物、家具什器および技術機器を取得し、また様々な賃借物件の改良を行った。2022
    年度中、当グループの土地建物および設備機器の追加は4億1,800万ドルであり、処分は1億400万ドルであった。
     2022  年9月終了年度に、当グループはメルボルン、コリンズ・ストリート55所在のビルのヘッドリースを早期解約した。当
    グループは引き続きこのビル内の3フロアを使用している。
     さらに、当グループはその他の無形資産に3億1,500万ドル(資産計上されたソフトウェアを含む。)を追加した。詳細につ
    いては、「第6 経理の状況-1 財務書類」の2022年度財務書類の注記22を参照のこと。
    2【主要な設備の状況】

     ANZ  はその事業目的でオーストラリア、ニュージーランド、アジア、パシフィック、ヨーロッパおよびアメリカの各地に土地
    建物を自由保有および賃借している。これら土地建物は、支店および商業用管理センターを含み、2022年9月30日現在の帳簿
    価格  は15億3,100万ドル(2021年9月:17億1,900万ドル)であり、以下で構成されている。
                            2022  年9月30日現在               2021  年9月30日現在

                           所有                 所有
           不動産の数              (自由保有)           賃借       (自由保有)           賃借
    リテール(支店網)                         24        587         26        625
    管理およびオペレーション・センター                         3        158          5        177
    居住用                         14         0        15         0
    合計
                             41        745         46        802
     ポートフォリオの主な建物(自己所有および賃借)は、以下を含む。

    ・オーストラリア、メルボルン、コリンズ・ストリート833
    ・オーストラリア、メルボルン、コリンズ・ストリート839
    ・オーストラリア、サウス・メルボルン、ドーカス・ストリート75
    ・オーストラリア、シドニー、ピット・ストリート242
    ・ニュージーランド、ウェリントン、トーリー・ストリート49
    ・ニュージーランド、オークランド、アルバート・ストリート23-29
    ・インド、バンガロール、ヴァーター・ホブリ、キャンパス5A、RMZエコ・ワールド
    ・インド、バンガロール、ナガヴァラ、マナヤタ・エンバシー・ビジネス・パーク、ユカリプタス
    ・フィリピン、ケソン・シティ、バランガイ・バグンバヤン、E.                              ロドリゲス・ジュニア・アベニュー、MDC                   100ビルディング
    3【設備の新設、除却等の計画】

     ANZ  は定期的に世界中のリテールおよび商業部門の不動産拠点を見直し、当グループの今後の営業モデルに沿わない賃借物件
    を除却している。
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    第5【提出会社の状況】
    1【株式等の状況】

    (1)【株式の総数等】
      ①【株式の総数】
                                               (2022年9月30日現在)
                  授権株数(株)             発行済株式総数(株)               未発行株式数(株)
       普通株式                  該当なし            2,989,923,751                 該当なし
       合計                  該当なし            2,989,923,751                 該当なし

      ②【発行済株式】

                                               (2022年9月30日現在)
       記名・無記名の別及び                           上場金融商品取引所名又は
                    種類     発行数(株)                          内容
        額面・無額面の別                         登録認可金融商品取引業協会名
                                               普通株式(当行の定款
                                 オーストラリア証券取引所
       記名無額面           普通株式       2,989,923,751                       に定める条項に基づき
                                 ニュージーランド証券取引所
                                               発行される普通株式)
       計                  2,989,923,751

     なお、ANZ株式は、本スキームの効力発生日(本書提出日現在、2022年12月20日)の取引終了時から、オーストラリア証券取

    引所(ASX)およびニュージーランド証券取引所(NZX)における取引が停止される予定である。
    (2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】

       該当事項なし。
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    (3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
       普通株式
                            普通株式資本金        普通株式資本金

             発行済株式        発行済株式                             備考
                               増減額         残高
       年月日      総数増減数         総数残高                          (発行済株式総数
                            ( 単位:百万ドル        ( 単位:百万ドル
              (株)        (株)                          増減の理由)
                             (百万円))        (百万円))
       2017  年                               29,088
                    2,937,415,327
       9月30日                                (2,770,050)
                                             市場での自社株買戻しによ
                                             り株式が買戻され消却され
                                -1,883             たが、ボーナス・オプショ
       2018  年 度   -63,797,209
                               (-179,318)              ン制度に基づき発行された
                                             株式により一部相殺され
                                             た。
       2018  年                               27,205
                    2,873,618,118
       9月30日                                (2,590,732)
                                             市場での自社株買戻しによ
                                             り株式が買戻され消却され
                                 -715            たが、ボーナス・オプショ
       2019  年 度   -39,033,195
                               (-68,089)              ン制度に基づき発行された
                                             株式により一部相殺され
                                             た。
       2019  年                               26,490
                    2,834,584,923
       9月30日                                (2,522,643)
                                             配当金再投資制度および
                                  41           ボーナス・オプション制度
       2020  年 度    5,785,302
                                (3,904)             に基づき株式が発行され
                                             た。
       2020  年                               26,531
                    2,840,370,225
       9月30日                                (2,526,547)
                                             配当金再投資制度および
                                             ボーナス・オプション制度
                                 -547
       2021  年 度   -16,806,573                                に基づき株式が発行された
                               (-52,091)
                                             が、自社株買戻しにより一
                                             部相殺された。
       2021  年                               25,984
                    2,823,563,652
       9月30日                                (2,474,456)
                                             配当金再投資制度および
                                             ボーナス・オプション制度
                                             に基づき株式が発行された
                                             が、自社株買戻しにより一
                                             部相殺された。全額引受型
                                 2,813            プロラタ・アクセラレイ
       2022  年 度   166,360,099
                               (267,882)              テッド・リナウンサブル・
                                             エンタイトルメント・オ
                                             ファー(比例按分方式・機
                                             関株主部分先行・放棄可
                                             能・権利付与型募集)に基
                                             づき株式が発行された。
       2022  年                               28,797
                    2,989,923,751
       9月30日                                (2,742,338)
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    (4)【所有者別状況】
       普通株式
                                               (2022年9月30日現在)
           区分           株主数(人)            所有株式数(株)            所有株式数の割合(%)
           法人              127,309           584,097,546                19.54
           個人              404,126           717,955,046                24.01
          ノミニー                10,344          1,687,871,159                 56.45
           合計              541,779          2,989,923,751                 100.00
     なお、本スキームの実施時に、既存のANZ株式はすべてANZ                           NOHCの株式と交換される予定である。

    (5)【大株主の状況】

       普通株式
                                               (2022年10月3日現在)
                                              発行済株式総数に対する
          氏名又は名称                 住所         所有株式数(株)
                                              所有株式数の割合(%)
       HSBC  カストディ・ノミニーズ            GPO  Box  5302  、
       (オーストラリア)リミテッ
                                        808,413,840               27.04
                     シドニー、ニュー・サウス・
       ド
                     ウェールズ州2001
       JP モルガン・ノミニーズ・             GPO  Box  3289  、
       オーストラリア・Pty・リミ
                                        431,466,278               14.43
                     シドニー、ニュー・サウス・
       テッド
                     ウェールズ州2001
       シティコープ・ノミニーズ・               GPO  Box  764G  、
       Pty・リミテッド
                                        252,524,808                8.45
                     メルボルン、ヴィクトリア州
                     3001
       ナショナル・ノミニーズ・リ               GPO  Box  1406  、
       ミテッド
                                        83,083,608               2.78
                     メルボルン、ヴィクトリア州
                     3001
       BNP  パリバ・ノミニーズ・             PO  Box  R209  、
       Pty・リミテッド(配当金再
                     ロイヤル・エクスチェンジ、
                                        64,392,488               2.15
       投資制度)
                     ニュー・サウス・ウェールズ
                     州1225
     2022  年10月3日現在、上記の株主がANZの発行済株式総数の1%以上を保有していた。

     2017  年5月12日、ANZは、ブラックロック・グループから、同社がANZの普通株式148,984,864株(5.07%)を有する大量保有

    株主になった旨、また、2019年12月2日、ブラックロック・グループの持分がANZの普通株式172,225,527株(6.07%)に増加
    した旨の通知を受けた。2022年11月24日現在、ANZは、この大量保有に関する更新情報を受領していない。
     2022  年4月22日、ANZは、バンガード・グループから、同社がANZの普通株式139,745,231株(5.001%)を有する大量保有株
    主になった旨の通知を受けた。2022年11月24日現在、ANZは、この大量保有に関する更新情報を受領していない。
     2022  年7月20日、ANZは、ステート・ストリート・コーポレーションから、同社がANZの普通株式142,312,309株(5.08%)を
    有する大量保有株主になった旨の通知を受けた。2022年11月24日現在、ANZは、この大量保有に関する更新情報を受領していな
    い。
     なお、本スキームの実施時に、既存のANZ株式はすべてANZ                           NOHCの株式と交換される予定である。

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    2【配当政策】
     ANZBGL   の取締役会は、当グループの財務実績と財務状態を基準にして、普通株式の株主への配当の金額と時期を決定する。
     ANZBGL   には配当金再投資制度(「DRP」)およびボーナス・オプション制度(「BOP」)があり、2022年度の期末配当に関し
    て運営された。2022年度の期末配当について、ANZBGLは新株の発行によりDRPおよびBOPに基づく株式を提供した。DRPおよび
    BOPに基づいて提供される株式数の決定に用いられる「取得価格」は、2022年11月11日から10取引日の間にASXおよびCboeオー
    ストラリアの通常の取引過程で売られた全ての全額払込済ANZBGL普通株式の日次出来高加重平均価格の算術平均を基準にし
    て、セント単位に四捨五入して算出される。ただし、端数が0.5セントの場合はセント単位に切り捨てられる。DRPおよびBOPに
    基づいて提供された株式は、既存の全額払込済ANZBGL普通株式と全ての点で同順位に位置する。適格基準がDRPおよびBOPへの
    参加に適用される。特に、取締役会が別途決定しない限り、DRPおよびBOPへの参加は、アメリカ合衆国、その準州もしくは属
    領またはカナダにいる、またはその居住者である(または、アメリカ合衆国、その準州もしくは属領またはカナダにいる、ま
    たはその居住者である法人もしくは個人を代理してもしくはその勘定でもしくはその利益のために行為する)いかなる法人ま
    たは個人(ANZBGL普通株式の法的または受益所有者を含む)も直接または間接に利用できない。
     2021  年期末配当、2022年中間配当および2022年期末配当は全額フランキング済であった。配当は、2022年度中および本書提
    出日までに全額払込済普通株式について支払われた。
                             配当金額

         種類        1株当たりセント                      取締役会決議日             支払日
                                   (1)
                          ( 単位:百万ドル)
      2021  年期末配当            72          2,030        2021  年11月24日         2021  年12月16日
      2022  年中間配当            72          2,012        2022  年5月26日         2022  年7月1日
      2022  年期末配当            74          2,213        2022  年11月23日         2022  年12月15日
    注:(1)    金額は、ボーナス・オプション制度調整前である。

     配当に関するさらなる詳細は、「第3 事業の状況-3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況

    の分析-B.当グループの業績-(12)配当」および「第6 経理の状況-1 財務書類」の2022年度財務書類の注記6を参照
    のこと。
     本再編後の配当、DRPおよびBOPに関する情報は、「第2 企業の概況-3 事業の内容-(5)純粋持株会社」を参照のこと。

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    3【コーポレート・ガバナンスの状況等】
    (1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
     本「(1)コーポレート・ガバナンスの概要」は、以下「14.その他の補足情報」を除き、ANZの2022年10月26日付の2022年度
    コーポレート・ガバナンス報告書(以下「本コーポレート・ガバナンス報告書」という。)に基づいており、これを抽出した
    ものである。本コーポレート・ガバナンス報告書の基準日以降の取締役の状況については、「(2)役員の状況-①取締役」を参
    照のこと。
    1.ガバナンスへのアプローチ

     ANZ  の取締役会は、取締役会委員会の補佐のもと、ANZのガバナンス枠組みを監督することについて責任を負う。この枠組み
    は、効率的かつ責任ある意思決定をもたらすよう構想されており、もってANZの戦略と目標の達成を支援するものである。
     本コーポレート・ガバナンス報告書は、以下を含む枠組みの主要部分を概説する。

     ・ 経験豊富で独立的な取締役会。これを補佐する取締役会委員会の体制は、取締役会の効率的な運営および価値の創出が
       継続的に確保されるよう定期的に見直される。
     ・ 取締役会および経営陣が担当する役割の明確な分掌。
     ・ 時機に即した偏りのない開示。ANZのウェブサイトのコーポレート・ガバナンスのページ
       ( anz.com/corporategovernance              )(英文)を含む。
     ・ 包括的なリスク管理の枠組み。定期的に見直される。
     取締役会の概要

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                                                           有価証券報告書
     取締役会の構成
     ・ ANZの取締役会は、8名の独立非執行取締役(独立した会長であるポール・オサリバンを含む。)、および1名の執行取
       締役(最高経営責任者(CEO)であるシェイン・エリオット)により構成される。
     ・ 現在、ANZの取締役のうち3名が女性、6名が男性である。
     ・   ジェフ・スミスが、2022年8月1日付で非執行取締役に就任した。スミスは2022年12月15日に開催されるANZの年次株主
       総会において取締役に立候補する。クリスティーン・オライリーは2021年11月1日に非執行取締役に就任した。
     ・ ポーラ・ドワイヤーは、2021年12月16日の年次株主総会で非執行取締役を退任した。グレイム・リーベルトは、2022年
       12月15日に開催されるANZの年次株主総会の終結の時をもって非執行取締役を退任する。
     ・ 取締役の氏名および経歴の詳細は、ANZの社外における主な関連団体を含め、ANZのウェブサイト(                                               anz.com/directors         )
       (英文)および2022年度の年次報告書にて参照可能である。
     取締役会委員会

     ・ ANZの定款に基づき、取締役会は、そのあらゆる権限を取締役会委員会に委任することができる。ANZは、監査委員会
       (委員長:クリスティーン・              オライリー)、倫理、環境、社会およびガバナンス(EESG)委員会(委員長:ポール・オ
       サリバン)、リスク委員会(委員長:グレイム・リーベルト)、人事委員会(委員長:イラナ・アトラス                                                 AO (オースト
       ラリア勲章オフィサー)           )、デジタル事業および技術委員会(委員長:ジェーン・ハルトン                               AO  PSM  (オーストラリア政
       府公共サービス・メダル)            )、ならびに指名および取締役会運営(NBO)委員会(委員長:ポール・オサリバン)の6つ
       の主要な取締役会委員会を擁する。各委員会は、その役割および責任を定める独自の憲章を持つ。
    2.取締役会の重点領域

     取締役会およびその委員会は、毎年、主な戦略、ガバナンスおよび監視に係る活動に取り組んでいる。以下の事項は、2022
    事業年度中に取締役会およびその委員会が検討したいくつかの重要事項に関して、利害関係人に洞察を提供するための説明で
    あるが、すべての事項の包括的なリストではない。
    戦略および成長

     当年度中、     取締役会およびその委員会は、長期戦略に関する事項に引き続き注力した。
     定例戦略会議に参加する他、             取締役会は、ANZの戦略および成長の優先課題について定期的に議論し検討を重ね                                     た。取締役会
    の各定例会議では、取締役会で合意済みの経営陣の主な優先課題の進捗について、CEOを交えて制約なしに議論が続けられた。
     取締役会はまた、ANZプラスに関して顧客の移行戦略を含めた設計・構築・実施の進捗について、(戦略/業務面および技術
    面の両観点から)定期的な報告を受けた。
     サンコープ・バンクの買収など市場に開示済みの重要な潜在的取引に関連して、合併および買収は、取締役会の定例・臨時
    の両会議で交わされた議論における当年度の主要な検討課題であった。
     ANZ  は5月の中間決算で、純粋持株会社制の実施に向けた承認の申請を行う意向を発表した。取締役会は、当該再編後の組織
    の実際の運用方法に係る戦略上の合理性および詳細につき、ガバナンスや業務を含めて年度を通じて定期的な報告を受けた。
    取締役会は、組織再編案の設計および適用の最終決定において重要な役割を果たした。
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    リスク、規制およびレピュテーション
     リスク委員会および取締役会は、当グループの非財務リスク管理のアプローチの見直し、ならびにANZのオペレーショナル・
    リスクおよびコンプライアンスの改訂枠組みの設計および実施において、重要な役割を担った。
     取締役会およびその委員会は引き続き当グループのリスク選好の設定を監視した。
     取締役会は、当年度中に、建設的な双方向の対話を維持することを目的として                                    ANZ  の主要なオーストラリア規制当局と会合も
    引き続き行った。
     取締役会はまた、制裁措置、競争法およびサイバーセキュリティといった重要な分野について、定期的に規制当局の研修を
    受けて要約資料を入手し、研修会を開催し、さらに銀行役員説明責任制度(BEAR)のシナリオ・トレーニングに参加した。
    財務/業務

     取締役会およびその委員会            は 当グループの長期的な将来性を               重視する一方で       、取締役会(およびその委員会)は                 引き続き    当
    グループの現在の業績も等しく重視した。これには以下が含まれる。
     ・ ANZのオーストラリア・リテールおよび商業部門の事業構成の変更の検討および最終承認
     ・ 主要各社のトップとの、事業の業績、主な注力課題および現下の経営環境の変化についての定期的で                                                広範  な議論
     ・ 急速な経営環境の変化を背景としたオーストラリア住宅ローン事業の業績に関する定期的な報告の受領
     ・ ANZの年次および長期の経営および戦略計画の検討、検証および最終承認
     ・ 直近の     リナウンサブル・エンタイトルメント・オファー(放棄可能・権利付与型募集)                                     の承認を含む、主要な資本管理
       事項の監視
     変化する経営環境

     取締役会およびその委員会は、地政学上の問題、インフレおよび金利、ならびにCOVID-19の継続的な影響などの急速に変化す
    る経営環境を、これらの問題に対するANZの取組みと併せて注意深く監視した。
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    3.取締役会
    3.1   取締役
      会長と最高経営責任者(CEO)の役割は別個のものである。                           ポール・オサリバン         は、2020年10月28日から会長を務める。                  オサ
    リバン   は、2019年11月に独立非執行取締役に任命された。シェイン・エリオットは2016年1月1日からCEOを務める。ASX上場
    規則により、CEOであるエリオットは3年ごとの再選を株主に求める必要はない。
      ポール・オサリバンおよび            ジェーン・ハルトン         は、ASX上場規則に従い2022年度の年次株主総会で再選候補とされる。2013年
    から取締役会において独立非執行取締役を務めた                       グレイム・リーベルト          は、2022年度の年次株主総会の終結の時をもって退任
    する予定である。ジェフ・スミスは2022年8月1日付で非執行取締役としてANZの取締役会に参画した。スミスは2022年度の年
    次株主総会において取締役に立候補する予定である。
     ANZ  の各取締役の氏名および任命に関するデータを以下に示す。
              取締役              取締役就任             最近の選任日/再任日

     ポール・オサリバン          (取締役会会長、EESG委              2019  年   2019  年  2022年度の年次株主総会での再選候補
      員会およびNBO委員会の委員長)
     シェイン・エリオット(CEO)                        2016  年   該当なし
     イラナ・アトラス         AO(オーストラリア勲章オ               2014  年   2020  年
      フィサー)(人事委員会委員長)
     ジェーン・ハルトン          AO  PSM(デジタル事業お            2016  年   2019  年  2022年度の年次株主総会での再選候補
      よび技術委員会委員長)
     RT  Hon  サー・ジョン・キー          GNZM   AC(ニュー        2018  年   2021  年
      ジーランド・メリット勲章ナイト・アン
      ド・デイム・グランド・コンパニオン、
      オーストラリア勲章コンパニオン)
     グレイム・リーベルト(リスク委員会委員                        2013  年   2019  年  2022年度の年次株主総会            の終結の時をもっ
      長)                            て 退任予定
     ジョン・マクファーレン                        2014  年   2020  年
     クリスティーン・オライリー(監査委員会委                        2021  年   2021  年
      員長)
     ジェフ・スミス                        2022  年   2022  年 度の年次株主総会で立候補予定
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    3.2   取締役    および経営陣の役割
      取締役会は、ANZの監視およびその慎重で健全な経営、ならびに憲章に定める一定の義務について責任を負う。
      経営陣レベルでは、ANZの大部分の上級執行役員がグループ経営委員会を構成する。グループ経営委員会の委員はANZのウェ
    ブサイト(     anz.com/exco      )(英文)に掲載される。ANZは、CEOおよびその他の上級経営陣の構成員に委任される事項を明確に
    定める権限委任の枠組みを有する。
      取締役会およびその主要委員会のそれぞれの憲章は、ANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載さ
    れている。
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    3.3   取締役    の取締役会および委員会の会議出席状況
     当年度中の取締役会会議および取締役会委員会会議の開催回数、ならびにそれらの会議への各取締役の出席回数を以下に示
    す。
                                倫理、

                                                  指名
                                    デジタル
                                環境、
                                        取締役会
                                    事業
                                                 および
                                                       株式
                                            取締役会
                  リスク     監査    人事
                                社会
                                         特別
                                    および
             取締役会                                    取締役会
                                                        (1)
                                               (1)
                  委員会    委員会    委員会
                                および
                                                      委員会
                                            委員会
                                        委員会
                                    技術
                                                  運営
                               ガバナン
                                    委員会
                                                 委員会
                               ス委員会
                                                 A  B
              A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B       A   B
    ポール・オサリバン         18  18  8  8  8  8  7  7  6  6  4  4  1  1  1  1  4  4  3   3
    イラナ・アトラス       AO
              18  18       8  8  7  7  6  6       1  1  1  1  4  4  1   1
            (2)
    ポーラ・ドワイヤー          4  4  2  2  2  2  2  2
    シェイン・エリオット         18  18                         1  1  2  2       2   2
    ジェーン・ハルトン
    AO PSM
              18  18           7  7  6  6  4  4           4  4
    RT  Hon  サー・ジョ
    ン・キーGNZM      AC
              18  17  8  8           6  6  4  4  1  1       4  4
    グレイム・リーベルト         18  18  8  8  8  8  7  7           1  1  2  2  4  4
    ジョン・マクファーレ
    ン         18  18  8  8  8  8           4  4  1  1  1  1  4  4
    クリスティーン・オラ
       (3)
    イリー         16  16  6  6  7  7  5  4           1  1  2  2  4  4
          (4)
    ジェフ・スミス          1  1                                 1  1
     A列は、取締役が委員として出席する権利を有した会議の回数を示す。

     B列は、会議に出席した回数を示す。上表は委員会会議に関する委員の出席状況を記録している。
    注:(1)    上表に記載の取締役会委員会および株式委員会の会議は、書面による決議により行われたものを含む。

      (2)  ポーラ・ドワイヤー         は2021年12月16日に非執行取締役を退任した。
      (3)  クリスティーン・オライリーは2021年11月1日付で非執行取締役に就任した。
      (4)  ジェフ・スミスは2022年8月1日付で非執行取締役に就任した。
     ANZ  取締役会が留保する権限およびANZの権限委任方針が一体となって、ANZおよびその被支配法人のすべての従業員および契

    約者に対して適用される包括的な権限委任の枠組みを構成する。
    3.4   最高経営責任者(CEO)および経営陣への権限委任

     取締役会は、その憲章が定めるとおり、CEOおよびANZ上級経営陣の一定の構成員を任命する。取締役会はCEOに、およびCEO
    を通じて上級経営陣に、承認された戦略およびANZの財務目標を達成するための意思決定の権限および責任をANZの権限委任方
    針に従い委任している。本方針は定期的に見直される。
     グループ経営委員会は通常、毎月会議を行い、人とコミュニティが繁栄する世界を作るというANZの目標を実施することにつ
    いて責任を負う。グループ経営委員会は以下を重視してこれを行っている。
     ・ すべての主要利害関係人
     ・ ANZの文化および能力の形成
     ・ ANZの取組みおよび資源配分の優先順位付け
     ANZ  にはまた、正式に設置された多数のマネジメント委員会があり、これらの各委員会は、定められた意思決定権限により、
    特定の継続的な課題に対処する。
     BEAR  の要求により、ANZの説明責任対象者(ANZのすべての取締役およびグループ経営委員会ならびにグループ・ジェネラ
    ル・マネージャー(内部監査担当))に関して個別の説明責任確認書が作成および維持されている。これらには、BEARに基づ
    く説明責任義務に係る個別の責任および受諾の包括的な確認が含まれる。
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     さらにANZは、ANZの取締役会、取締役会委員会および主要なマネジメント委員会の目的を説明するBEARのためのアカウンタ
    ビリティ・マップを整備している。当該マップには、説明責任対象者全体の管理およびガバナンス取決めに関するマッピング
    も含まれる。
    3.5   取締役会の構成、選任および任命

     ANZ  は、取締役会の構成を定期的に見直している。NBO委員会は取締役会の構成の検討に関するあらゆる事項について取締役
    会を補佐する。候補者となりうる者を評価し取締役会の規模および構成の見直しを実施するにあたり、NBO委員会は、取締役会
    の構成には以下のような項目を勘案した適切な混成比が反映されるべきとする指導原則を考慮する。
     ・ ANZの取締役会スキル・マトリックスで特定される主要分野のスキル/経験
     ・ 在任期間
     ・ 多様性
     また、NBO委員会は以下の要素も考慮する。
     ・ 取締役会の構成に関する関連ガイドライン/法的要件
     ・ 取締役会憲章に明記された取締役会在職要件
     ・ ANZの戦略目標を含むその他の考慮事項
     取締役会には少なくとも女性比40%以上の取締役会構成を維持するという目標があり、また取締役会単独で男女同数の代表
    構成にしていくという長期的な展望もある。
     候補者となる可能性のある者について検討する際、取締役会は、多様性が非常に大きな広がりを持ち、年齢や文化的アイデ
    ンティティ(例えば、民族や母国)などのその他の事項を含む点にも着目する。同委員会はまた、候補者の個人的資質、コ
    ミュニケーション能力ならびに効果的な経営手腕、プロフェッショナルとしての名声および倫理的活動への取組みも考慮す
    る。
     同委員会はまた、必要に応じて、取締役会会長の後継者育成および選出手順の見直しおよび勧告を行う。
     ANZ  の指名手順に関する情報の詳細は、ANZの「取締役会の構成、選任および任命(Board                                          Composition,       Selection     and
    Appointment)」の資料に記載があり、これはANZのウェブサイト(                                anz.com/corporategovernance              )(英文)で閲覧可能であ
    る。
     NBO  委員会は、取締役会の規模および構成について見直しを行い取締役会に勧告し、また取締役に適任と考えられる者を特定
    して候補者を取締役会に推薦する職責を委任されている。
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    3.6   取締役    会の技能および経験
     以下の表は、ANZの取締役会がその構成上確保したい主な技能と経験、ならびにそれぞれの技能/経験を備える取締役の人数
    を示す。
     以下に列挙される多様な専門的技能と経験を備えた個人を取締役会に擁することに加えて、ANZの取締役会が確保したいの
    は、各自が事業の長期的成功を重視しつつチームとして機能し、また、異なる個性と視点を含めることにより、各自が敬意を
    持って対経営陣および取締役相互間で具申を行い、忌憚のない議論に参加し、新たなソリューションを得るため仲間と協力す
    る体制である。
     技能  および経験                                            取締役の人数

     戦略および商業の見識
                                                      9
     (商業的判断を活かして戦略目標の実現を計画および監視するための知識と経験)
     銀行および/または金融サービス
                                                      6
     (ANZ以外の銀行業または金融サービス業界の重要要素における経験)
     テクノロジー
     (重要技術、データ、技術関連イノベーションまたはデジタル・インフラストラクチャーもしく                                                 4
     はアプリケーションを企業において適用および開発するための知識と経験)
     大規模な組織におけるリーダー的役割
                                                      9
     (上場企業または大規模/複雑な組織、または政府組織におけるCEOまたは上級職への就任経験)
     職場文化および/または報酬
     (職場文化の事項を管理または監督し、および/または報酬実務および上級職員の任命を監視す                                                 9
     るための上級職レベルの知識と経験)
     コーポレート・ガバナンス、リスク管理/コンプライアンスおよび/または持続可能性
     (コーポレート・ガバナンス、リスク管理/コンプライアンスおよび/または持続可能性の枠組
     みおよびそれらに関連する実務の設計・適用における経験を含むが、これらに限定されない。こ                                                 9
     れには、上場企業または大規模/複雑な組織または政府組織の取締役(理事)/執行役員として
     の経験が含まれる。)
     規制/政府方針
     (規制/政府/業界政策に関する事項を策定し、および/または重要な利害関係人のエンゲージ                                                 7
     メント/管理に関係する経験)
     国際ビジネスの経験                                                 9
     財務の見識
     (財務および関連リスク管理の十分性を精査する能力を含む、大規模事業の財務書類に対する十                                                 9
     分な理解)
    3.7   取締役    の独立性

     ANZ  の取締役会憲章は、ANZの独立性基準を満たす非執行取締役が取締役会の過半数を占めることを要求する。かかる基準は
    取締役会憲章で定められており、NBO委員会がASXガバナンス原則、APRAの健全性基準およびその他の関連する要件に照らして
    これを定期的に見直している。
     監査委員会憲章が監査委員のための追加的独立性基準を定めており、これも考慮されている。
     かかる基準の詳細は、ANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に記載されている。
     ANZ  の独立性テストは、ある取締役がANZと重要な関係があるか否かを基準とする。要約すれば、以下のことをするにあた
    り、取締役の意思に影響を与えるまたは与えると考えられる現実かつ妥当な可能性があるとANZの非執行取締役の地位にある合
    理的な人間が予想する場合、ANZとの重要な関係があるとみなされる。
     ・ 定期的に取締役会または委員会の議題に上がる傾向にある事項について決定を行う。
     ・ 経営陣が提供する情報および助言を客観的に評価する。
     ・ ANZ全体にわたり一般的に適用される方針を設定する。
     ・ 一般的に取締役としての自身の役割を実行する。
     取締役は、ANZと個人的な取引関係を有する可能性があり、またはANZと取引関係がある会社その他の組織の取締役にも就任
    する。こうした関係から独立性の問題が生じないように取決めが交わされる(第3.8項を参照)。
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    3.8   利益相反
     独立性の問題を超えて、各取締役は、ANZの業務に関連する重要事項に関する潜在的または現実の利益相反を生じているか否
    かを判断する継続的な責任を負う。かかる状況は、外部の団体、利害関係または個人的関係から生じる可能性がある。
     ANZ  は、取締役の利害開示規約および利益相反処理手続きを備えている。これは、現実のまたは潜在的な利益相反が存在する
    場合、取締役は取締役会に対して影響力を行使することができない旨を定める。
     この規約は、利益相反を処理するためのANZの取組みに関するより多くの情報を含んでおり、ANZのウェブサイト
    ( anz.com/corporategovernance              )(英文)で閲覧可能である。
    3.9   非執行取締役の社外コミットメント

     すべての非執行取締役は、いかなる社外での新たな役職の任命についても、引き受ける前に会長に通知する義務がある。会
    長は、新たな任命の提案について検討し、個別に問題を考慮する。
     この検討を行う際に会長が従う手順および考慮要素は、「非執行取締役の社外コミットメント(Outside                                                  Commitments      of
    Non-Executive       Directors)」の資料において定められており、これはANZのウェブサイト(                                    anz.com/corporategovernance              )
    (英文)にて閲覧可能である。
     会長が社外の新たな役職を引き受けようとする場合、在任期間の最も長い非執行取締役が上記の検討および承認手順におい
    て会長の代わりを務める。
     ANZ  は非執行取締役の各社外コミットメントについて問題はないものと思料している。
     取締役会は各非執行取締役の独立性を検討し、各非執行取締役が独立的であるとの結論に達した。
    4.業績評価

     ANZ  は非執行取締役、取締役会会長、取締役会および取締役会委員会の各々についての業績評価を実施している。
     評価プロセスの内容について以下で要約しており、更なる詳細についてはANZのウェブサイト
    (anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載されているANZの「取締役会改選および業績評価規約(Board                                                    Renewal    and
    Performance      Evaluation      Protocol)」で説明している。
    4.1   非執行取締役

     非執行取締役の評価のため、会長は、通常、業績について各非執行取締役と1対1の会合を持つ。当年度は外部の調整役を
    活用し、各非執行取締役に関する情報を調整役が取りまとめる。調整役はこの情報を会長にフィードバックし、会長はこの
    フィードバックに基づき各取締役と協議を行う。
    4.2   取締役    会会長

     通例は、ANZの最も在職期間の長い非執行取締役が、会長の業績評価を行う。これには、各取締役にインプットを求めること
    が含まれる。当年度は、外部の調整役を利用して各非執行取締役の情報を得て、その調整役がそれを会長に伝え、会長は各取
    締役とそれについて話し合う。
    4.3   取締役    会

     定期的に、取締役会の業績は独立の外部の調整役を活用して評価される。ANZは当該外部評価をおよそ3年毎に行う予定であ
    る。当年度は、外部の調整役を活用している。
    4.4   取締役    会委員会

     主要な取締役会委員会は通常、それぞれが当該委員会の業績の評価を目的として年次自己評価を行う。当年度は、外部の調
    整役を活用して各委員会の業績が評価される。
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    4.5   上級執行役員
     当グループがリスク、顧客ならびに人材、文化、財政規律および業務の回復力に関する基準につきどのように評価している
    かを含め、最高経営責任者(CEO)およびその他主要な上級執行役員の業績の取締役会による評価方法については、「(2)役員
    の状況-③役員報酬の内容(報酬報告)」に記載される。
     2022  事業年度に関する主要な執行役員の評価は、この手順に従って行われた。
    4.6   2022年度の実施評価手順

     当年度、取締役会は、取締役会、委員会および取締役の評価を補佐するために、独立の外部の調整役のサービスを利用して
    いる。これには、各取締役および上級経営陣の各主要構成員に意見を聴取することが含まれ、その結果は取締役会で討議さ
    れ、その後の活動が合意される。
    5.その他の情報

    5.1   適格性チェックおよび銀行役員説明責任制度への適応性
     ANZ  は、関連する上級職に任命された個人が、健全性に関する責任を適切に果たすための相当な適格性を有することを保証す
    る手続きを備えている。
     その枠組みは、ANZの「APRA規制対象機関のための適格性方針(Fit                                      and  Proper    Policy    for  APRA   Regulated
    Institutions)」に定められている。各取締役、関連する上級執行役員およびANZの外部監査人のAPRA認定業務執行パートナー
    について新規任命が行われる前に、評価を実施することが当該方針で求められている。取締役会はANZの非執行取締役の評価を
    実施し、人事委員会は、CEOおよび主要な上級執行役員を評価し、監査委員会はANZの外部監査人のAPRA認定業務執行パート
    ナーを評価する。評価には以下が含まれる。
     ・ 各人が証明を提供すること
     ・ 審査担当者が個人の重要な資格の証拠を入手すること
     ・ 例えば犯罪歴、破産歴および規制上の欠格といった個人の経歴を審査担当者がチェックすること
     2022  年度中、適格性の年次評価は、非執行取締役、最高経営責任者、主要な上級執行役員およびANZの外部監査人のAPRA認定
    業務執行パートナーの各人について行われた。
     この方針はまた、ANZの説明責任対象者がBEARの要件に従いその職責を担うにふさわしいか否かを取締役会および人事委員会
    が評価する方法を定める。
     適格性方針の要約および枠組みに関する更なる詳細情報は、ANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)
    に掲載されている。
    5.2   任命書類

     新任の非執行取締役は各自、任命書とともに、補債、会社役員賠償責任保険、独立した個別の助言を受ける権利、機密保持
    に関する要件および情報へのアクセスなど多数の事項を網羅している取締役の証書を受領する。
     任命期間を明示した正式な文書が上級執行役員に渡される。
    5.3   取締役    向け初任研修

     ANZ  は、すべての新任取締役が参加する初任研修プログラムを整備しており、その中で参加者は上級経営陣の主要な構成員に
    よる説明を含む、当グループの業務のすべての面について情報提供を受ける。これに続いて、新任取締役の要求により、追加
    の会議または情報提供が実施される。
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    5.4   独立的助言を求める取締役の権利
     取締役がその責務を履行する一助とするため、各取締役は、(会長の事前承認を受けて)ANZの費用負担において、その責務
    に関する独立した専門的助言を求める権利を持つ。
     さらに、取締役会および各主要委員会は、ANZの費用負担において、会長の承認を受けて、その業務を支援するために必要と
    するあらゆる専門的助言も得ることができる。
    5.5   取締役    持株基準の充足

     非執行取締役は、任命後5年以内にその基本報酬の最低100%と同額のANZ株式を保有するまで買い進め、以降はその保有を
    維持しなければならない。会長の要件はその基本報酬の最低200%である。
     2022  年9月30日現在のANZの株価に基づき、在任5年になる非執行取締役は、1名を除いて持株基準を満たした。在任5年超
    の非執行取締役1名が保有するANZの証券の価値は、株価の変動により9月30日現在で持株基準をわずかに下回った。過去5年
    以内に任命された非執行取締役は、すでに持株基準を満たしているか、または持株基準の充足に向けて買い進めている。
    5.6   非執行取締役       および上級執行役員の報酬

     非執行取締役、CEOおよびその他の上級執行役員の報酬の構成に関する情報は、「(2)役員の状況-③役員報酬の内容(報酬
    報告)」に記載されている。
    5.7   次の年次株主総会における選任

     ANZ  の定款および2001年会社法の規定により認められている通り、取締役会は随時ANZの非執行取締役を任命することができ
    る。しかし、同人は次の年次株主総会において退任しなければならない。
     同人が取締役として継続を望む場合には同年次総会において株主による選任を受けなければならない。
    5.8   取締役    の任期および退任

     ANZ  の定款は、非執行取締役としての役職の継続を望む非執行取締役が、3年毎に株主による再選を求めなければならない旨
    を規定している。これは、ASX上場規則に整合している。
     さらに、ANZの「取締役会改選および業績評価規約」では、非執行取締役は、株主により最初に選任されてから連続3回の3
    年間の任期を満了した時点で退任することを求めている。
     ただし、特別な状況において、取締役会は任期延長を非執行取締役に依頼することができる。
    5.9   取締役    向け継続教育

     ANZ  の取締役は、正式な初任研修プログラムに加えて、取締役としての自己の職務および責任に関する幅広い研修および継続
    教育に参加する。
     また各委員会は、独自の継続的な研修会を適宜開催し、また自己評価の要素項目の選定に努める。一例として、監査委員会
    は、会計基準の動向について定期的に説明を受けている。
     必要に応じて、社内および社外の専門家が研修会の開催に関与し、デジタル事業および技術委員会は、サイバーセキュリ
    ティ情勢の動向について定期的に報告を受けている。
    6.会社秘書役の役割

     取締役会はANZの会社秘書役の任命につき責任を負う。取締役会により、会社秘書役として2名が任命されている。ANZの会
    社秘書役のプロフィールは(2022年度年次報告書中の)取締役報告書で確認することができる。
     任命された会社秘書役のうちの一人はグループ・ジェネラル・カウンセルであるケン・アダムスである。アダムス氏はANZに
    対してグローバルに法務業務を提供する責任を負う。会長、取締役および上級経営陣と密接に連携し、コーポレート・ガバナ
    ンス機能部門について取締役会に対し責任を負う。
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     会社秘書役であるサイモン・ポーデージは、コーポレート・ガバナンス機能部門の業務運営に責任を負う。これには、取締
    役会および取締役会委員会会議の運営ならびにANZおよびそのオーストラリア子会社に対する取締役会のガバナンスに関する関
    連要件の管理、銀行役員説明責任制度(BEAR)に基づくグループ要件の管理、ANZのグループ方針の管理、ANZの株式登録機関
    との関係の監視、ならびに分配の管理ならびに証券取引所および企業規制当局との情報の連絡およびこれらへの情報の届出な
    どのANZの上場有価証券の管理が含まれる。
     同氏は、取締役会の適切な機能に関係するあらゆる事項について、取締役会に対し会長を通じて直接説明する責任を負う。
     同氏はANZのコーポレート・ガバナンス原則を発展および維持させるために取締役会の会長と緊密に連携する。
    7.取締役会委員会

    7.1   委員および出席
     各主要な取締役会委員会は、
     ・ 専ら独立非執行取締役により構成される3名以上の委員を擁し、
     ・ 独自の憲章を持ち、
     ・ 必要と思料される特別な調査を開始する権限を有し、また、
     ・ その委員のうち1名が取締役会により委員長に任命される。
     取締役会は取締役会委員会の構成を毎年見直す。会長は、各主要取締役会委員会の職権上の委員となり、EESG委員会および
    NBO委員会の委員長となる。CEOは、適宜、取締役会委員会の会議への出席を依頼される。もっとも、同人の出席は当然のもの
    ではなく、また自己の報酬が検討または討議される場合には出席しない。非執行取締役は、すべての委員会のあらゆる会議に
    出席することができ、また出席することが推奨され、すべての会議資料の提供を受ける。
     各取締役会委員会は、その責任の範囲内で、憲章に基づき、その責務を実践するために関連があると思料する経営陣および
    従業員に無制限に連絡をとり、かかる情報を無制限に入手することができる。
     各取締役会委員会は、必要に応じて会議にANZの役員または従業員に出席を要請することができ、また外部関係者の出席を依
    頼することができる。
    7.2   監査委員会

     監査委員会は以下を監視し、独立的に検討する責任を負う。
     ・ ANZの財務報告に係る原則および方針、管理ならびに手続き
     ・ ANZの内部統制およびリスク管理の枠組みの有効性
     ・ 監査委員会委員長に直属する内部監査(IA)の業務(IAの詳細については、下記第8.1項を参照のこと)
     ・ ANZの財務書類およびその独立監査の整合性ならびに関連ある法律上および規制上の要件の遵守
     ・ 財務報告に関連する範囲において健全性の監視手続きおよびその他の規制上の要件(報告要件を含む。)、ならびに
     ・ 主要な子会社の監査委員会からの報告
     監査委員会はまた、次についても責任を負う。
     ・ 外部監査人の任命、監督および年次評価(独立性、適格性ならびに資質および資格の検討を含む。)
     ・ 外部監査人の報酬
     ・ 外部監査人の交代(適宜)、ならびに
     ・ グループ・ジェネラル・マネージャー(内部監査担当)の業績および報酬の検討、ならびに取締役会に対する適宜の勧
       告の実施
     委員会憲章に基づき、
     ・ 監査委員会の各委員は適切に財務に通じていなければならず、また、
     ・ 委員会の委員は委員会の責務を有効に実践するための適切な知識、技能および経験(業界における経験を含む。)を委
       員会全体として有していなければならない。
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     取締役会は、クリスティーン・オライリー(委員長)が、監査委員会憲章に規定される定義に基づく「財務の専門家」であ
    ると判断した。取締役会はオライリーが当該要件に基づく「財務の専門家」に必要な資質を有していると判断したが、このた
    めにオライリーが監査委員会の他の委員より追加の責任を負うことはないという点は重要である。
     監査委員会は、定期的に、経営陣を同席させずに外部監査人および内部監査人と会合する。監査委員会委員長は、IA、外部
    監査人および経営陣と個別かつ定期的に会合する。副最高財務責任者は執行役員であり、監査委員会の事務および効果的な運
    営に関して同委員会委員長を補佐する責任を負う。
     CEO  および最高財務責任者は、取締役会に対し、当グループの2022年度に関して以下への誓言を与えた。
     ・ 会社法第295条AおよびASXガバナンス原則の勧告4.2に定められる年次財務書類およびその他の事項、ならびに
     ・ ASXガバナンス原則の勧告4.2により要求される中間財務書類およびその他の事項
    7.3   EESG委員会

     EESG  委員会は以下を含む事項の監督、検討、および/または(適宜の)承認について責任を負う。
     ・ ANZの企業持続可能性の目標案
     ・ ANZの持続可能性の枠組み、目標および関連実績に関する開示
     ・ 公正で責任ある持続可能な事業を運営する銀行の能力に関する倫理、環境、社会およびガバナンス上のリスクならびに
       機会
     ・ 倫理、環境、社会およびガバナンスに関する事項についての報告
     ・ ANZの企業倫理・責任委員会
     ・ 倫理または環境、社会およびガバナンスに関する重要事項の決議の取締役会への適宜の付託
     ・ 関連する企業ガバナンス方針および原則の策定および承認
     ・ 本コーポレート・ガバナンス報告書の審査
     会社秘書役およびグループ・ジェネラル・マネージャー(総務担当)はEESG委員会の運営に関して同委員会委員長を補佐す
    る責任を負う。
    7.4   人事委員会

     人事委員会は、報酬事項ならびに上級執行役員の交代、多様性、文化、説明責任、結果管理など、その他の人材および文化
    の事項について取締役会を補佐し、取締役会に勧告する。
     人事委員会は取締役会に対して以下を含む事項について検討および承認、または勧告を行う責任を負う。
     ・ CEOおよびその他の主要な執行役員の報酬、非執行取締役の報酬
     ・ 主要な変動報酬制度の計画
     ・ 主要な上級執行役員の業績および報酬の査定
     ・ 主要な上級執行役員の任命および解任
     ・ ANZBGL報酬方針の有効性および同方針の変更
     ・ 多様性、包摂性、従業員エンゲージメント、リーダーシップ戦略、説明責任および結果の枠組みを含むが、これらに限
       られない文化(NBO委員会が監視する取締役会の多様性を除く。)の変革に向けた戦略および行動
     ・ BEAR違反への対処方針を含むANZのBEARの枠組みの有効性に関する年次レビューの結果
     ・ セクシャル・ハラスメントの防止および対応に関する方針、体制および枠組み
     グループ執行役員(人材および文化担当)が、人事委員会の運営に関して、同委員会委員長を補佐する責任を負う。
     人事委員会の活動の詳細は、「(2)役員の状況-③役員報酬の内容(報酬報告)」を参照のこと。
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    7.5   リスク委員会
     取締役会は、当グループのリスク選好報告書およびリスク管理戦略を含むリスク選好の承認に責任を負う。
     この責任はまた、当グループ全体で有効なリスク管理を促進するため、経営陣による健全なリスク管理文化の確立の監視に
    及ぶ。これは翻ってANZのリスク選好範囲内で一貫して業務を行う能力を支える。
     リスク委員会は、以下により取締役会を補佐する。
     ・ 経営陣によるリスク管理枠組みおよび関連業務の履行を独立して監視をする。
     ・ 当グループのリスク選好および資本力に照らし、ANZのグループ全体の現在および将来のリスク状況を観察する。
     ・ 事業、市場、信用、エクイティおよびその他の投資、財務、オペレーション、コンプライアンス、流動性およびレピュ
       テーション(評判)リスクの管理ならびに当グループのコンプライアンス義務の管理に対する責任を遂行する。ならび
       に、
     ・ 現行のおよび将来のリスク選好およびリスク管理戦略について取締役会に対して助言をする。
     リスク委員会は、経営陣の承認裁量を超えた信用取引を承認する権限を付与されている。
     最高リスク責任者は、リスク委員会の運営に関して同委員会委員長を補佐する責任を負う。
     リスク管理の枠組み

     当グループには、ANZの重要なリスクの監視および管理を行うリスク管理枠組みが設けられている。その健全性が維持されて
    いること、およびANZが取締役が定めたリスク選好を十分配慮して運営されていることを確認するため、リスク委員会の承諾を
    受けて、取締役会は、少なくとも年に1度はこの枠組みの見直しを行う。当該見直しは2022事業年度中に行われた。年次報告
    書はANZの枠組みに関する詳細情報を含む。これは、三線防衛モデルおよびリスク管理委員会、本年度中のリスク管理を改善す
    るための措置およびANZに浮上しつつあるリスクに関して、当該枠組みがどのように構成されているかを含む。
     三線防衛モデルに基づき、事業に第1の責任防衛線を、リスク機能部門に第2の防衛線を、および内部監査に最終防衛線を
    設定している。
    7.6   デジタル事業および技術委員会

     デジタル事業および技術委員会は、ANZのデジタル・トランスフォーメーション、データ、技術、技術関連イノベーションお
    よび情報/サイバーセキュリティ戦略の監視に関する取締役会の責任を効率的に切り出して取締役会を補佐する責任を負う。
     また同委員会の委員が関連事項について取締役会で行うよりさらに深く疑問を投げかけ探求する場を提供する。同委員会は
    以下の責任を有する。
     ・ ANZのデジタル・トランスフォーメーション、技術、技術関連イノベーションおよび情報/サイバーセキュリティ戦略に
       関する事項を適宜監視および指導する。
     ・ ANZのデジタル・トランスフォーメーション、技術、技術関連イノベーションおよび情報/サイバーセキュリティ戦略の
       一部をなす主要プログラムの展開を監視する。
     ・ 1億ドルを超えるものを含む重要なデジタル・トランスフォーメーションおよび技術投資を取締役会に勧告し、監視す
       る。
     ・ 安全で安定した信頼性の高いサービスを確保するため、ANZの技術装備一式の健全性および関連性を見直す。
     グループ執行役員(技術担当)が、当該委員会の運営に関して、同委員会委員長を補佐する責任を有する。
    7.7   指名および取締役会運営委員会

     NBO  委員会は、取締役会の継続的な構成および全体的な運営に関するものを含め、取締役会の適切な機能に関係するあらゆる
    事項について取締役会を補佐する。その業務は以下を含む。
     ・ 取締役会構成の検討に関するあらゆる事項。これには、改選および交代の計画、取締役選任、任命および再任のプロセ
       ス、多様性に対するANZのアプローチの有効性、ANZの取締役会スキル・マトリックスの監視および変更、取締役として
       任命すべき候補者の取締役会への推薦、取締役会会長の交代の計画が含まれる。
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     ・ 取締役会、各主要委員会および会長を含む各取締役(ただしCEOを除く。)の業績評価のプロセスの見直しおよび承認。
     ・ 取締役会およびその主要委員会の効果的かつ効率的な運営に関係するあらゆるその他の事項。
     会社秘書役が、当該委員会の運営に関して同委員会委員長を補佐する責任を負う。
    7.8   その他の委員会

     取締役会は、6つの主要な取締役会委員会に加えて、特定の任務の遂行を補佐するための取締役のみで構成される2つの委
    員会を設置している。2つの委員会は以下の通りである。
     ・ 取締役会の全権限を有し、緊急問題を処理するために、定期的に予定される取締役会の会議の合間にも適宜招集される
       取締役会特別委員会、ならびに
     ・ 取締役会に代わり株式およびオプションの発行を管理する権限(ANZの従業員株式取得制度および株式オプション制度に
       基づく場合を含む。)を有する株式委員会
     取締役会はまた、特定の任務を果たすにあたり、取締役会の臨時特別委員会を適宜設置して権限を委任する。
     会社秘書役は、取締役会の適切な機能に関連するあらゆる事項について、取締役会に対し会長を通じて直接説明する責任を
    負う。
     ANZ  取締役会委員会の委員

                       倫理、

                     環境、   社会および                       デジタル
                                                    指名および取
               監査       ガバナンス         人事        リスク      事業および技術        締役会運営
                                メンバーシップ
     ポール・オサリ                     C                                C 
     バン*
     イラナ・アトラ                            C 
     ス AO
     ジェーン・ハル                                            C 
     トン  AO PSM
     RT Hon  サー・
     ジョン・キー
     GNZM  AC
     グレイム・リー                                    C 
     ベルト
     ジョン・マク
     ファーレン
     クリスティー           C, FE
     ン・オライリー
     ジェフ・スミス
                       構成
            ・取締役会は取締役         ・取締役会が委        ・取締役会が委       ・取締役会は取締役         ・取締役会が       ・取締役会が
             会会長以外の取締         員の1人を委        員の1人を委       会会長以外の取締         委員の1人       委員の1人
             役の1人を委員長         員長に指名す        員長に指名す       役の1人を委員長         を委員長に       を委員長に
             に指名する         る。        る。       に指名する。         指名する。       指名する。
            ・リスク委員会と監                 ・委員会の委員       ・委員会の委員構成
             査委員会の間の適                 構成において       においてリスク委
             切な情報フローの                 監査委員会、       員会と人事委員会
             確保を目指すため                 リスク委員会       の委員を兼務する
             に、リスク委員会                 および人事委       者の確保を目指
             委員長が監査委員                 員会の委員を       す。
             会委員となり、監                 兼務する者の      ・リスク委員会と監
             査委員会委員長が                 確保を目指       査委員会の間の適
             リスク委員会委員                 す。       切な情報フローの
             となる。                        確保を目指すため
            ・監査委員会憲章の                         に、監査委員会委
             第6.2条に記載の                        員長がリスク委員
             とおり、規則によ                        会委員となり、リ
             り委員適格性が加                        スク委員会委員長
             重されている。                        が監査委員会委員
                                     となる。
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     ・ 委員は全員独立非執行取締役であることが求められる。
     ・   各委員会の最低員数は非執行取締役3名である。これには取締役会会長(職権上の委員)を含めることができる。
     ・   各取締役は、自身が委員ではない委員会の会議に出席することができる(投票はできない。)。
    * 職権上の委員

    注:C   - 委員長、FE      - 財務の専門家
    8.監査および財務ガバナンス

    8.1   内部監査
     内部監査(IA)は、経営陣から独立している。その役割は、取締役会、経営陣および規制当局に、ANZの第1防衛線(事業)
    および第2防衛線(グループ・リスク)が定めた内部統制の独立的な評価を提供することである。IAは取締役会が承認した憲
    章に従って機能する。IAは直接かつ単独で監査委員長に対して報告を行う。IAはグループ最高経営責任者および外部監査人に
    も直接連絡をとることができる。
     IA チームは6人のジェネラル・マネージャーを含み、彼らは、それぞれの部門に対して監査業務を行う責任を負う。ジェネ
    ラル・マネージャーは、監査業務のトップ、監査ディレクター(カルチャー担当)、データ分析ディレクターおよびグルー
    プ・ジェネラル・マネージャー(IA担当)と共に、IAリーダーシップ・チームを組む。IAは、その業務のために、技術、信用
    保証、文化評価、データ分析および業務監査の技能を持つ個人から構成されるグローバル・チームの力を活用する。グローバ
    ル・チームは14拠点に分散している。
     IA は年次IA計画(ANZの全体的なリスク選好およびリスク管理の枠組みに沿って、作成および見直しが行われる。)に従って
    業務を行う。監査委員会は、IA年次計画およびこれに対する重要な変更を検討および承認する。これにより、IA計画が規制上
    の要件を満たし、かつ、すべての重要なリスクを考慮していることを確認する。監査委員会は、IA業務の年間予算も承認す
    る。
     すべての監査活動は、専門的な監査機関により公表された国内および国際的な監査基準のみならず、ANZの方針および価値観
    (ANZの従業員行動規範を含む。)に沿って行われている。グループ・ジェネラル・マネージャー(IA担当)は、報告書を監査
    委員会の各会議に提出する。当該報告書には、主要な活動および認定事実、発行済み監査報告書および格付けの統計、ならび
    に内部監査業務に関する情報(戦略的イニシアチブ、人員配置およびその他の関連事項の進捗を含む。)が含まれる。
     IA は、提起された監査上の問題の効率的かつ適時な解決について評価し、報告する。
    8.2   外部監査

     外部監査人の役割は、ANZの財務報告および「(2)役員の状況-③役員報酬の内容(報酬報告)」における報酬報告が真実か
    つ公正であり会計基準および適用ある規制を遵守している旨の独立した意見を与えることである。外部監査人はオーストラリ
    ア監査基準に基づき独立監査を実施する。監査委員会は、外部監査人との関係についてのANZの利害関係人に係るエンゲージメ
    ント・モデル(利害関係人エンゲージメント・モデル)を監視する。
     この利害関係人エンゲージメント・モデルに基づき、監査委員会には外部監査人の指名(株主承認の対象である。)ならび
    に報酬の支払い、採用および行為の監督の責任がある。
     また、同利害関係人エンゲージメント・モデルの規定により、監査委員会は、
     ・ エンゲージメント毎に、または同委員会によって個別に採択された事前承認の方針に従って、すべての監査業務、監査
       関連業務および非監査業務を事前に承認する。
     ・ 外部監査人の独立性につき定期的に見直す。ならびに、
     ・ 外部監査人の有効性を評価する。
     上記の利害関係人エンゲージメント・モデルは、ANZのウェブサイト(                                 anz.com/corporategovernance              )(英文)に掲載され
    ている。
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     この利害関係者エンゲージメント・モデルには、外部監査人が提供することができる非監査業務に関する多くの要件、なら
    びに外部監査従業員の採用およびローテーションに関する要件が含まれている。
     外部監査人であるKPMGにより2022年度中に提供された非監査業務の情報は、2022年度年次報告書中の取締役報告書に記載さ
    れている。当該情報には、当該業務の費用および2001年会社法上の関連する独立性要件のKPMGにおける充足の十分性に係る取
    締役会による書面が含まれる。
    8.3   財務管理

     監査委員会は、ANZの財務報告方針および管理、ANZの財務書類およびその他の市場向け開示情報の整合性、外部監査人との
    関係、IAの業務、ならびに重要な子会社の監査委員会を監督する。
     部門/事業、財務およびリスク担当の上級経営陣は、定期的に財務業績および開示情報の整合性、財務報告義務の遵守、な
    らびに外部報告に係る内部統制環境の有効性を証明する。
     ANZ  はまた、外部報告の作成に対する主要な内部統制の有効性を評価する財務・規制報告ガバナンス・プログラムを維持して
    いる。
     経営陣による証明またはガバナンス評価から生じた重大事項は、監査委員会に報告される。ANZはまた、報告の財務的整合性
    を支援するプロセスを強化するために、標準化、簡素化および自動化を適宜活用している。財務リスク管理委員会はこれら強
    化策の実施および管理を監督する。重大事項はANZのオペレーショナル・リスク管理およびコンプライアンスの枠組み                                                      を通して
    対処される。
    9.倫理的かつ責任ある意思決定

    9.1   行動規範
     ANZ  は従業員規範および非執行取締役規範という2つの行動規範(以下「行動規範」という。)を有している。従業員規範は
    ANZの価値観を支え、ANZの従業員に対し、その日常業務における公正で偏らない倫理的な意思決定を助ける一連の実務的な指
    針を与えている。非執行取締役規範は、法律に基づく取締役の責任が従業員のそれと異なることを認めつつ、従業員規範と同
    じ価値観および原則を掲げている。
     行動規範は、誠実性、信頼性、質の高さおよび信用を求めている。ANZの従業員および取締役はこれらの行為を実行し、行動
    規範を遵守することが要求される。行動規範は、法改正の反映およびその他の合目的性の維持を確保するため定期的に検討さ
    れる一連の方針により補われる。
     取締役による非執行取締役規範の遵守は、通常の年次業績審査対象の一部となっている。
     行動規範およびANZの価値観はANZのウェブサイト(                        anz.com/corporategovernance              )(英文)に掲載されている。               ANZの2022
    年度年次報告書には、ANZの行動および文化(違反を含む。)に関して本年度中に実施された業務の情報が掲載されている。
    EESG委員会は、行動規範への重大な違反の報告を受ける。
     社内の研修および違反に関するものを含む、行動規範に関する更なる情報は、ANZの2022年度ESG補足文書に掲載されてい
    る。
    9.2   証券取引

     ANZ  証券取引方針は、一般には入手できず、ANZの有価証券の価格もしくは価値に重大もしくは著しい影響を与えると合理的
    に予想される情報を保有するすべての従業員、取締役および契約者によるANZの有価証券の取引を禁止している。
     この方針は、同方針に定義されるとおりの「取引停止期間」中にANZの取締役および一定の「制限対象者」(一部の上級執行
    役員を含む。)ならびにそれらの関係者によるANZの有価証券の取引を明確に禁止している。この方針では、
     ・ 特定の種類の取引は同方針上の取引制限から除外される。
     ・ 例外的な場合に、事前の書面による許可により、禁止期間中に取引が認められる。
     ・ 従業員およびその関係者が、権利未確定であるかまたは保有義務のある、ANZのいずれかの従業員持株制度に基づいて付
       与された持分をヘッジすることを禁止している。
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     ・ ANZの取締役および制限対象者は、マージン・コールまたは融資担保比率違反の対象となる可能性がある、マージン・
       ローンまたは同様の金融上の取決めに関連したANZの有価証券の使用を禁止されている。
     当該方針はANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載されている。
    9.3   内部告発者保護

     ANZ  は、開放性、信頼性および説明責任を推奨する文化に基づく強固な価値観を有しており、これにより職員みんなでの成功
    や重要課題の達成が可能となる。内部告発者保護方針は、ANZグループの現在および過去の従業員、役員、関係者、請負業者お
    よび下請業者のすべてが、(これらの個人の家族および第三者介在者とともに、)自由に、損失の恐れなく、ANZまたはANZグ
    ループに関連する人物による不正行為の事実またはその疑いに関して懸念を表明することができるように策定された。
     内部告発者保護方針およびプログラムは、ANZのコンダクト・リスク管理およびコーポレート・ガバナンス枠組みの主要な構
    成部分であり、不正行為を開示した個人を保護し、ANZの倫理的および職業的な基準に対する説明責任を果たし、適用ある法律
    の遵守および「声を上げる」文化の重要性を促進する。
     ANZ  の内部告発者保護方針では、本方針中のANZ拠店一覧表に記載される法域固有の規制とともに、オーストラリアの内部告
    発者保護規制を当グループのグローバル事業全体について適用する。
     内部告発者は、多様な方法で内部告発者保護方針に基づく秘密開示を行うことができる。これには、内部告発者保護オフィ
    サーや内部告発者プログラム・チームに開示する方法、またはANZの内部告発者報告のために外部サービスが運用する電話、E
    メールおよびウェブベースの仕組み(サードパーティー・プロバイダにより管理されている。)を匿名で利用する方法が含ま
    れる。ANZは、可能な限り最大限の範囲ですべての報告の秘密を保持し、実際の不正行為またはその疑いについて真の懸念を表
    明した者に対する、いかなる不利益や報復も容認しない。
     ANZ  の内部告発者プログラム・チームは、月に1回、最高コンプライアンス責任者に、また、年に2回、経営リスク執行役委
    員会に報告する。EESG委員会への報告は3か月に1回行われ、報告内容には、方針に基づき表明された一切の重大事案および
    とられた措置が含まれる。ANZグループ内のその他の取締役会および委員会に対しては、内部通報者プログラムと関連取締役会
    または委員会との間で合意した方法により適宜報告する。報告は、通報書を保護するため、匿名化して実施される。
     ANZ  の取締役またはCEOが関与する通報は、ANZの会長に対して報告する義務がある。
     ANZ  の内部告発者保護方針は、ANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載されている。
    9.4   贈収賄防止および汚職防止

     ANZ  は、事業を行う法域の適用あるすべての贈収賄防止および汚職防止(ABAC)法を遵守し、最高水準の倫理的行動および基
    準を適用し、維持するよう努めている。ANZは、ABAC方針を定めて、従業員、臨時職員および当グループのために行動する第三
    者が贈収賄または汚職を構成する活動に関与することを禁止している。この方針は、贈収賄および汚職に関する許容できない
    行動や活動を定義し、贈収賄および汚職リスクの予防、特定、対応を可能にするABACコンプライアンスの枠組みの基礎となる
    原則を定めている。
     これには、以下の禁止事項が含まれている。
     ・ 公務員およびすべての商業関係を含め、いかなる形でも贈賄または収賄を行うこと
     ・ 贈答品、接待、資金援助付き旅行の授受を行うこと
     ・ いかなる種類でも不当な利益を得る目的で、不当に影響を与えるために公務員に価値のあるものを提供すること
     ・ いかなる種類でも利益を得るため、または不当に影響を与えるために寄付をすること
     ANZ  のABAC方針への違反は、ANZの行動規範への違反を構成し、重大な違反は、取締役会および/またはリスク委員会に報告
    される。
     ANZ  のABAC方針は、ANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載されている。
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    10 .株主に対する責任
    10.1   コミュニケーション
     ANZ  に関して十分な情報を得たうえで決定することができるようにするために、またANZに対する見解を伝えるために、株主
    はANZの事業運営、業績およびガバナンスの枠組みを把握する必要がある。
     一般的に当グループはその業績報告、年次報告書(年次レビューを包含している。)、市場向けアナウンスおよび短信、半
    年毎のニュースレターおよびANZの株主専用サイト(                        anz.com/shareholder/centre             )(英文)を通じて、上記を行っている。
     当グループはすべての事業慣行につき透明性の向上に向けて努力しており、株主、より広範囲の市場およびコミュニティの
    信用と信頼に質の高い開示が与える影響を認識している。これらを達成するため、ANZは、予定された業績発表の他に、2022
    年度において市場向けに取引情報の更新(トレーディング・アップデート)を行った。
     何らかの情報を要求した場合または懸念もしくは関心のある事項につきANZに見解を表明したい場合、ANZのインベスター・
    リレーションズ(IR)およびANZの株式登録機関、コンピューターシェア社の投資家サービスの連絡先の詳細(郵便、電話お
    よびEメールを含む。)が、ANZの2022年度年次報告書およびANZのウェブサイト(                                            anz.com/annualreport          および
    anz.com/shareholder/centre             )(英文)において提供されている。
     株主が株主向け連絡の電子的な受領を選択して好みのコミュニケーション方法への更新を希望する場合、更新方法の案内は
    ANZのウェブサイト(          anz.com/shareholder/centre/your-shareholding/shareholder-communication/                                    )(英文)にて閲覧可能
    である。
    10.2   総会

     可能な限り多数の株主に株主総会に出席する機会を与えるために、ANZは株主総会を各州都で持ち回りで開催し、ウェブキャ
    スト技術を用いてオンラインで株主総会を視聴することを可能にしている。2022年度は、(実地開催とオンラインを併用し
    た)ハイブリッドな株主総会を開催する。
     本事業年度中に行われた会議およびプレゼンテーションに関する情報は、ANZのウェブサイト(                                           anz.com/shareholder/centre             )
    (英文)にて閲覧可能である。
     年次株主総会の前に、総会において重要な共通のテーマを検討できるように、株主は会長またはCEOに対して質問を提出する
    機会を有する。
     外部監査人は、ANZの年次株主総会に出席し、監査人としての能力の範囲で自らに関する事項につき株主の質問に答えること
    ができる。
     取締役も、異常な状況にある場合を除き、年次株主総会に出席することが求められる。
     株主は企業の問題に関連した様々な決議案に投票する権利を有する。株主に対しては、総会に出席し参加することを推奨す
    る。ただし、株主が総会に出席できない場合、郵便または電子的に委任状を提出することができる。来たる2022年度年次株主
    総会においては、すべての決議は投票により行われる(ANZにおいてはこれが通例である。)予定であり、株主は秘密投票によ
    り投票することができる。
     ANZ  は総会の結果を検証するために独立した第三者(通常はKPMG)を指名する。当該結果はできる限り速やかにASXに報告さ
    れ、ANZのウェブサイト(           anz.com/agm      )(英文)に掲載される。
     ANZ  の株主は、ANZおよびその株式登録機関から電磁的に連絡を受け取り、ANZおよびその株式登録機関に対してメッセージを
    送信するオプションを有している。
     ANZ  は、投資家との効果的なコミュニケーションを促す包括的インベスター・リレーションズ・プログラムも備えている。
     2021  年度年次総会のANZの通知には、年次総会における取締役の選出または再選を含む、総会業務に関してANZが有するすべ
    ての重要な情報が含まれていた。
     ANZ  はANZに積極的に関心をもつことを株主に奨励し、時期を逸することなく質の高い情報を株主に提供することを目指す。
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    11 .継続開示
     ANZ  は、ASX、ニュージーランド証券取引所(NZX)、およびその他ANZの有価証券が上場しているオフショア取引所の上場規
    則、ならびに関連する会社法および証券法の開示義務を遵守している。ANZは、例外を除いて、市場に影響しやすいいかなる情
    報も、直ちにASX、NZXの順に通知しなければならない。その後、コーポレート・ガバナンス機能部門が決定した場合には、他
    のオフショア取引所に当該開示を提出する。ASXに提出された市場に影響しやすい情報に関する発表およびプレゼンテーション
    は、ANZのウェブサイトに掲載されている。
     ANZ  の継続開示委員会の委員は通常、提案されている開示について検討し、いかなる情報を市場に開示するかに関して決定を
    下す責任を負う。ANZの従業員および契約者は、ANZに関する潜在的な価格機微情報を覚知した場合、直ちに、それを会社秘書
    役(または会社秘書役の不在時にはグループ・ジェネラル・マネージャー)に通知しなければならない。
     ANZ  の取締役会は、市場で重要な公表が行われた後、速やかにその写しを受領する。投資家またはアナリスト向けの新規の実
    質的なプレゼンテーションは、プレゼンテーション実施前にASXに提出される。
     ANZ  の継続開示方針は、ANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載されている。
    12 .環境・社会のリスク

     ANZ  の重大な環境・社会リスクに関する詳細およびANZがこれらのリスクをどのように管理するかに関する詳細は、ANZの年次
    報告書およびESG補足文書(これらはANZのウェブサイト(                           anz.com/annualreport          ) (英文)において入手可能)に記載されてい
    る。ANZは2022年度の気候変動関連の財務開示報告書、主要なリスクおよび不確実性に関する開示を当期年次株主総会に先立っ
    てリリースする。この報告書はANZのウェブサイト(                        anz.com/    shareholder/centre         ) (英文)において入手可能である。
    13 .多様性および包摂性

    13.1   包摂的な職場の創設
     ANZ  は、多様な社員と包摂的な文化の織りなす力が意思決定の質を向上させ、革新を後押しし、それによって当行が顧客に
    とってより良い銀行となり、また人々と共同体が繁栄する世界を築けるようになると信じている。
     多様性および包摂性に関するANZの方針については、ANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載され
    ている。
    13.2   リーダーシップ、ガバナンスおよび説明責任

     ANZ  の人事委員会はANZの人材戦略、報酬戦略ならびに多様性および包摂性(ジェンダー多様性を含む。)への取組みに関連
    して、重要な役割を果たす。
     人事委員会は以下について包括的な役割を担う。
     ・ 多様性および包摂性に対するANZのアプローチの有効性を検討、注目および監視する。
     ・ 多様性(ジェンダー多様性を含む。)および包摂性に対する測定可能な目標を検討および承認する。
     ・ かかる目標およびその達成進捗を毎年検討する。
     リーダー層における女性比を含む当グループの多様性に関する目標達成に向けた進捗は、グループ経営委員会によって定期
                      1
    的に監視される。リーダー層の女性比                  は当グループのスコアカードにおける指標であり、よってANZの変動報酬プールに関与
    する要素のひとつとなっている。人事委員会はまた、毎年の業績および報酬査定を検討する。その検討は以下を含む。
     ・ 業績評価の分布、給与の変遷および短期的インセンティブの査定について、ジェンダー分析を行う。
     ・ ジェンダー間の待遇の均衡に重点的に取り組み、その結果はすべてCEOが検討する。
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                                                           有価証券報告書
     取締役会に関するジェンダー多様性の事項については、NBO委員会が責任を負う。
    注:
    1.  グループ1、2および3に指定されているANZのすべての役職(主要経営陣(KMP)を含む。)に占めるリーダー層の女性
      比。
    13.3   取締役    会、上級執行役員およびリーダー層レベルでのジェンダー均衡

     本コーポレート・ガバナンス報告書の報告日現在、ANZの取締役会は、9名の取締役、1名の執行取締役(すなわちCEO)お
    よび8名の非執行取締役で構成され、そのうち3名が女性である。取締役会における女性比は現在33.3%である。取締役会の
    現在の目標は2022事業年度中に見直され、現在は取締役会における女性比を少なくとも40%以上に増やすことへと変更されて
    いる。長期的に取締役会が思い描く目標は、取締役会単独で男女同数の代表構成にすることである。
     ANZ  の主要経営陣(KMP)構成における女性比は33.3%から37.5%に増加したが、依然として女性比を少なくとも40%にする
    というANZの目標数値を下回っている。しかし、損益に責任を負うライン部門KMPの3つの要職のうち2つ(グループ執行役員
    (オーストラリア・リテール担当)およびニュージーランド部門の最高経営責任者)を女性が担っていることは重要である。
     ANZ  は、長年にわたり女性従業員が過半数(現在51.1%)を占めてきたことを踏まえ、全従業員においてではなく、リーダー
    層の女性の構成において、ジェンダーの多様性を実現するための測定可能な目標を設定している。この目標は、最も改善が必
    要とされているレベル、すなわち、銀行の中で最も上位かつ影響力のあるレベルに努力の焦点を当てているため、ANZにとっ
    て、より適切な目標であると考えている。
     当グループには、2021事業年度から2024事業年度にかけて毎年、リーダー層の女性比を前年度比で1%ポイント増加させる
    という継続的な目標がある。2022年度中、リーダー層全体の女性比は年度末までに0.6%増の35.9%へとわずかに上昇した。
    ジェンダー均衡を重視することは、依然としてANZの事業地域および事業全体において重要な優先事項である。
     2022  年9月30日現在、子会社取締役会におけるすべての従業員兼務取締役のうち44%に女性が任命されている。
    13.4   リーダー層およびANZにおける女性比

     2022  年度の実績は、ANZにおける上級執行役員の定義を含めて、以下のとおりである。
     グループ^          2023  年度目標         2022  年度目標         2022  年度女性比の実績         2021  年度女性比の

                                     割合           実績割合
     主要経営陣(KMP)          女性比を    40 % 以上に増     KMP  における女性比          37.5  %         33.3  %
               やす。           を少なくとも      40 % 以
                          上に増やす。
     リーダー層の女性          2021  年 度 から2024年       2021  年 度 から2024年       35.9  %         35.3  %
               度の間、リーダー層           度の間、リーダー層
               の女性比を     毎年1%      における女性比を        毎
               ポイントずつ増や           年度1%ポイントず
               す。           つ増やす。
     ANZ  全体         該当なし           該当なし           51.1  %         51.3  %
    注:

    ^  「グループ」には休暇の状況にかかわらずすべての従業員を含むが、契約者(FTEに含まれる。)は含まない。
    1.  ANZ  は、「上級執行役員」を「主要経営陣(KMP)」と定義しており、これは最高経営責任者および                                           「(2)役員の状況-③役
      員報酬の内容(報酬報告)」             に記載された開示対象執行役員を意味する。
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                                                           有価証券報告書
     職場における男女平等法(Workplace                  Gender    Equality     Act)に基づき、ANZは、職場における男女平等局(WGEA)に対し、
    ANZの「男女平等指標」を開示する年次の公式届出を行うことが求められる。これらの報告書は、3月31日に終了する12か月間
    について、年次で提出される。最新のANZの提出情報がANZのウェブサイト(anz.com.au/about-us/sustainability/workplace-
    participation-diversity/gender/)(英文)に掲載されている。
     多様性および包摂性に対するANZの取組みに関する詳細は、ANZのウェブサイト(anz.com.au/about-us/esg/reporting/)
    (英文)に掲載されている。
     ウェブサイト

     ANZ  のガバナンス枠組みの詳細はANZのウェブサイト(                       anz.com/corporategovernance              )(英文)に掲載されており、以下を閲
    覧することができる。
     ・ 取締役会および各取締役会委員会の憲章、ならびに
     ・ 本コーポレート・ガバナンス報告書で言及される書類および方針の多く
     ガバナンス勧告の遵守

     ANZ  は、2022年度を通じてANZがASXコーポレート・ガバナンス評議会の勧告に従ったことを確認する。本コーポレート・ガバ
    ナンス報告書の情報は、2021年10月26日現在の最新情報であり、すでにANZの取締役会により承認されている。
     本コーポレート・ガバナンス報告書は、同報告書に関連するASX                              Appendix     4GとともにASXに提出されており、ANZのウェブサ
    イト(   anz.com/corporategovernance              ) (英文)に掲載されている。ANZに関する更なる情報は、ANZの2022年度年次報告書に記載
    されている。
    14 .その他の補足情報

     ANZ  は、各取締役(監査委員会のすべての委員を含む。)と損失補償証書を交わしている。証書に従い、ANZは取締役に対
    し、取締役について生じた責任および法務費用を適用ある法律により許容される範囲で補償する。
     また、ANZと外部監査人の間で交わされたサービス基本契約書に置かれた一定の規定に従い、ANZに対する外部監査人の責任
    は適用ある法規制により許容される範囲で制限されている。
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    (2)【役員の状況】
     ①取締役
     2010  年12月17日および2018年12月19日付で修正された当行の定款(「定款」)の規定に従い、2001年会社法(連邦)(「会
    社法」)、その他適用法令、およびオーストラリア証券取引所上場規則により要求されるその他の事項を除き、取締役会は当
    グループの事業を経営する権限をもち、株主総会で行使することを要求されている以外のすべての権限を行使することができ
    る。
     本書提出日現在、取締役会は、7名の非執行取締役および1名の執行取締役兼最高経営責任者で構成されている。取締役の
    氏名、略歴等は以下のとおりである。
     本書提出日直前の2022年12月15日に開催された2022年度年次株主総会の終了時をもって、グレイム・リーベルト氏は独立非
    執行取締役を退任した。
     男性5名、女性3名(取締役のうち女性の比率37.5%)

                                                        所有株式

                                                         等の数
               氏名
                                                    (1)
      役職名                           略歴
                                                  任期
                                                        (2022   年11月
              (年齢)
                                                            (2)
                                                       18日現在)
     取締役会会長       P O'Sullivan        オサリバン氏は2020年10月から取締役会会長、2019年11月                            2025  年度年      13,600   株
     独立非執行取                から非執行取締役である。オサリバン氏は倫理、環境、社                            次株主総会
            (オサリバン)
     締役                会およびガバナンス委員会の委員長ならびに指名および取                            まで再選
            (62歳)
     倫理、環境、                締役会運営委員会の委員長を含む、すべての取締役会委員
     社会およびガ                会の職権上の委員である。
     バナンス委員                オサリバン氏はオーストラリアおよび海外の両方で、電気
     会委員長                通信ならびに石油およびガスの分野の経験を有する。同氏
     指名および取                はシンガポール・テレコム(シングテル)で上級業務執行
     締役会運営委                の役職に従事しており、以前はオプタスの最高経営責任者
     員会委員長                であった。また、カナダ、中東、オーストラリアおよび英
                     国においてコロニアル・グループおよびロイヤル・ダッ
                     チ・シェル・グループで管理職を務めた。
                     オサリバン氏は現在、シングテル・オプタスPtyリミテッド
                     の会長(2014年から、2004年から取締役)およびウエスタ
                     ン・シドニー・エアポート・コーポレーションの会長
                     (2017年から)であり、セント・ヴィンセンツ・ヘルス・
                     オーストラリアの取締役(2019年から)およびオーストラ
                     リアン・タワー・ネットワークPty                 Ltdの取締役(2021年か
                     ら)である。
                     以前は、テルコムセル・インドネシアの取締役(2010年か
                     ら2020年)、ヘルススコープ・リミテッドの取締役(2016
                     年から2019年)、全国障害者保険庁の理事(2017年から
                     2020年)およびコカコーラ・アマティルの取締役(2017年
                     から2021年)であった。
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                                                        所有株式
                                                         等の数
               氏名
                                                    (1)
      役職名                           略歴
                                                  任期
                                                        (2022   年11月
              (年齢)
                                                            (2)
                                                       18日現在)
     最高経営責任       S  C  Elliott       エリオット氏は2016年1月1日から最高経営責任者兼執行                            該当なし        975,810    株
     者                取締役である。
            (エリオット)
     執行取締役                エリオット氏はオーストラリアおよび海外において業界の
            (59歳)
                     全側面に関して30年を超える銀行業の経験を有する。同氏
                     は2009年6月に法人部門の最高経営責任者としてANZに入行
                     し、2012年に最高財務責任者に任命された。
                     ANZ  入行前は、中東最大の投資銀行であるEFGエルメスで最
                     高執行責任者を含む上級執行役員としての職務を果たし
                     た。同氏はシティバンク・ニュージーランドからキャリア
                     を開始し、20年間シティバンク/シティグループに勤務し
                     た。その間、英国、米国、エジプト、オーストラリアおよ
                     び香港において様々な上級職を務めた。
                     同氏は子供のための金融市場財団の理事であり、オースト
                     ラリア銀行協会の会員、オーストラリア・ビジネス評議会
                     の会員およびオーストラリア関税諮問委員会の委員であ
                     る。
                     エリオット氏は現在、ANZバンク・ニュージーランド・リミ
                     テッドの取締役(2009年から)および子供のための金融市
                     場財団の理事(2016年から)であり、オーストラリア・ビ
                     ジネス評議会の会員(2016年から)、オーストラリア銀行
                     協会の会員(2016年から、2017年から2019年まで会長)お
                     よびオーストラリア関税諮問委員会の委員(2020年から)
                     である。
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                                                        所有株式
                                                         等の数
               氏名
                                                    (1)
      役職名                           略歴
                                                  任期
                                                        (2022   年11月
              (年齢)
                                                            (2)
                                                       18日現在)
     独立非執行取       I R Atlas,    AO    アトラス氏は2014年9月から非執行取締役である。アトラ                            2023  年度年      15,318   株
     締役                ス氏は監査委員会、倫理、環境、社会およびガバナンス委                            次株主総会
            (アトラス)
     人事委員会委                員会ならびに指名および取締役会運営委員会の委員であ                            まで再選
            (68歳)
     員長                る。
                     アトラス氏は豊富な金融業界での経歴および法務の経験を
                     もって取締役会に貢献している。同氏はマレソンズ・ス
                     ティーブン・ジャック法律事務所(現:キング・アンド・
                     ウッド・マレソンズ法律事務所)のパートナーであった。
                     そこでは、会社法の実務に加え、人事・情報担当エグゼク
                     ティブ・パートナーおよびマネジング・パートナーを含む
                     事務所内の数多くの経営上の役割を担っていた。同氏はま
                     た10年間ウエストパックに勤務し、グループ秘書役兼ゼネ
                     ラル・カウンセルおよび人事担当グループ執行役員を含む
                     役職を務め、人材、総務および持続可能性を担当した。同
                     氏は特に芸術および教育のコミュニティに熱心に取り組ん
                     でいる。
                     アトラス氏は現在、ジャワンの会長(2017年から、2014年
                     から取締役)であり、ポール・ラムゼイ財団の理事(2017
                     年から)、センター・グループの取締役(2021年から)お
                     よびオリジン・エナジー・リミテッドの取締役(2021年か
                     ら)であり、オーストラリア国立美術館評議会の評議員
                     (2021年から)およびアデイラ・パートナーズのパネル・
                     メンバー(2015年から)である。
                     以前は、コカコーラ・アマティル・リミテッドの会長
                     (2017年から2021年、2011年から取締役)であり、ワン
                     マーケット・リミテッドの取締役(2018年から2019年)で
                     あり、シドニー大学評議員会のフェロー(2015年から2019
                     年)であった。
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                                                        所有株式
                                                         等の数
               氏名
                                                    (1)
      役職名                           略歴
                                                  任期
                                                        (2022   年11月
              (年齢)
                                                            (2)
                                                       18日現在)
     独立非執行取       S J Halton,    AO,   ハルトン氏は2016年10月から非執行取締役である。ハルト                            2025  年度年       9,653   株
     締役                ン氏は人事委員会、倫理、環境、社会およびガバナンス委                            次株主総会
            PSM
     デジタル事業                員会ならびに指名および取締役会運営委員会の委員であ                            まで再選
            (ハルトン)
     および技術委                る。
            (62歳)
     員会委員長                ハルトン氏の33年間にわたる公職の経歴には、オーストラ
                     リア財務省次官、オーストラリア保健省次官、保健高齢化
                     省次官および首相内閣省エグゼクティブ・コーディネー
                     ター(次官補)の地位が含まれる。同氏は金融、保険、リ
                     スク管理、情報技術、人事、保健および高齢化ならびに公
                     共政策に関する豊かな経験を取締役会にもたらす。同氏は
                     また、重要な国際経験も有する。
                     同氏はCOVAX調整メカニズムの共同議長を務めるなど、世界
                     保健機関を含む地方および国際機関を通じて、地域社会の
                     保健に広く貢献してきた。
                     ハルトン氏は現在、感染症流行対策イノベーション連合
                     (ノルウェー)の会長(2018年から、2016年から理事)お
                     よびオーストラリア高齢化評議会の会長(2017年から)で
                     あり、クレイトン・ユッツ法律事務所のディレクター
                     (2017年から)であり、ワシントン大学保健基準・評価研
                     究所の理事会メンバー(2007年から)であり、オーストラ
                     リア国立大学心理学研究科の名誉教授であり、シドニー大
                     学およびキャンベラ大学の非常勤教授であり、オーストラ
                     リア戦略政策研究所の評議会メンバー(2016年から)であ
                     る。
                     以前は、ボールト・システムズの会長(2017年から2022
                     年)であり、クラウン・リゾーツ・リミテッドの取締役
                     (2018年から2022年)およびネイバル・グループ・オース
                     トラリアPty      Ltdの取締役(2021年から2022年)であり、国
                     家COVID-19委員会の諮問委員(2020年から2021年)であっ
                     た。
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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
                                                        所有株式
                                                         等の数
               氏名
                                                    (1)
      役職名                           略歴
                                                  任期
                                                        (2022   年11月
              (年齢)
                                                            (2)
                                                       18日現在)
     独立非執行取       Rt  Hon  Sir  John    サー・キーは2018年2月から非執行取締役である。サー・                            2024  年度年      10,500   株
     締役                キーはリスク委員会、倫理、環境、社会およびガバナンス                            次株主総会
            Key  GNZM   AC
                     委員会、デジタル事業および技術委員会ならびに指名およ                            まで再選
            (サー・キー)
                     び取締役会運営委員会の委員である。
            (61歳)
                     サー・キーは2002年に政治家としてのキャリアを開始し、
                     2008年から2016年までニュージーランド首相であった。
                     サー・キーは国際金融における長い経歴を有し、主に
                     ニュージーランドのバンカーズ・トラストならびにシンガ
                     ポール、ロンドンおよびシドニーのメリルリンチに勤務し
                     た。以前は、ニューヨーク連邦準備銀行外国為替委員会の
                     委員(1999年から2001年)であった。
                     サー・キーは2017年の女王誕生記念叙勲においてニュー
                     ジーランド・メリット勲章のナイト・グランド・コンパニ
                     オンを授与された。2017年には、オーストラリアとニュー
                     ジーランドの二国間関係を進展させた功績により、オース
                     トラリア勲章のコンパニオンの勲位を授かった。
                     サー・キーは現在、ANZバンク・ニュージーランド・リミ
                     テッドの会長(2018年から、2017年から取締役)であり、
                     パロアルト・ネットワークスの取締役(2019年から)であ
                     る。
                     以前は、ニュージーランド航空の取締役(2017年から2020
                     年)であった。
     独立非執行取       J T Macfarlane       マクファーレン氏は2014年5月から非執行取締役である。                            2023  年度年      28,182   株
     締役                マクファーレン氏は監査委員会、デジタル事業および技術                            次株主総会
            (マクファーレ
     リスク委員会                委員会ならびに指名および取締役会運営委員会の委員であ                            まで再選
            ン)
     委員長                る。
            (62歳)
                     マクファーレン氏はオーストラリア有数の経験豊富な国際
                     銀行家であり、以前はオーストラリアおよびニュージーラ
                     ンドのドイチェ・バンクの業務執行会長ならびにオースト
                     ラリアのドイチェ・バンクの最高経営責任者を務めた。同
                     氏はまた、米国、日本およびパプアニューギニアでの勤務
                     経験も有し、ANZの主要な市場であるオーストラリア、
                     ニュージーランドおよびアジア太平洋における深い銀行業
                     務の経験を取締役会にもたらす。
                     同氏は地域保健に尽力しており、エイケンヘッド・セン
                     ター・オブ・メディカル・ディスカバリー・リミテッドの
                     取締役(2016年から)である。
                     マクファーレン氏は現在、コルマック・グループPty                         Ltdの
                     取締役(2014年から)、AGインベスト・ホールディング
                     ス・リミテッド(MyFarmリミテッド)の取締役(2014年か
                     ら、2014年から2016年まで会長)、バルモラル・パストラ
                     ル・インベストメンツの取締役(2017年から)およびL1ロ
                     ング・ショート・ファンドの取締役(2018年から)であ
                     る。
                     以前は、クレイグス・インベストメント・パートナーズ・
                     リミテッドの取締役(2013年から2020年)であった。
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                                                        所有株式
                                                         等の数
               氏名
                                                    (1)
      役職名                           略歴
                                                  任期
                                                       (2022   年11月
              (年齢)
                                                            (2)
                                                       18日現在)
     独立非執行取        C  E O'Reilly       オライリー氏は2021年11月から非執行取締役である。オラ                            2024  年度年       6,400   株
     締役                イリー氏はリスク委員会、人事委員会ならびに指名および                            次株主総会
            (オライリー)
     監査委員会委                取締役会運営委員会の委員である。                            まで選任
            (61歳)
     員長                オライリー氏はオーストラリアの優れた非執行取締役の一
                     人である。同氏は、インフラおよび金融サービス業界で業
                     務執行の役割を担ってきた。ガスネット・オーストラリア
                     の最高経営責任者およびコロニアル・ファースト・ステー
                     ト・グローバル・アセット・マネジメントの非上場インフ
                     ラ投資部門の共同ヘッド、また、初期のキャリアとしてプ
                     ライスウォーターハウスでの投資銀行および監査の経験な
                     どが含まれる。
                     オライリー氏は現在、ベーカー心臓・糖尿病研究所の理事
                     (2013年から)、ストックランドの取締役(2018年から)
                     およびBHPグループ・リミテッドの取締役(2020年から)で
                     ある。
                     以前は、メディバンク・プライベート・リミテッドの取締
                     役(2014年から2021年)、CSLリミテッドの取締役(2011年
                     から2020年)およびトランズアーバン・グループの取締役
                     (2012年から2020年)であった。
     独立非執行取       J P Smith       スミス氏は2022年8月から非執行取締役である。スミス氏                            2025  年度年       2,779   株
     締役                はデジタル事業および技術委員会、リスク委員会、人事委                            次株主総会
            (スミス)
                     員会ならびに指名および取締役会運営委員会の委員であ                            まで選任
            (61歳)
                     る。
                     スミス氏はテルストラ、ハネウェルおよびトヨタなど多く
                     の企業での上級業務執行職を含む30年を超える企業経験を
                     有する、世界的なビジネスと技術の経験が豊富な幹部であ
                     る。以前はIBMコーポレーションで最高情報責任者を務め、
                     IT戦略、リソース、システムおよびインフラを世界的に統
                     括し、同社のアジャイル・トランスフォーメーションを主
                     導した。同氏はまた、サンコープ・ビジネス・サービシズ
                     の最高経営責任者およびサンコープの最高情報責任者も務
                     めた。同氏は、2017年からワールド・フューエル・サービ
                     シズ・コーポレーションの最高執行責任者を務めている
                     が、2022年末に同職を辞任する予定である。
                     同氏はまた、オーストラリアの大学院生向け奨学金を米国
                     の大学に支給するオーストラリアのフルブライト委員会の
                     委員も務めた。
                     同氏は以前、2019年までANZの国際技術およびデジタル事業
                     諮問委員会の委員であった。
                     スミス氏は現在、ソンライ・セキュリティ・インクの取締
                     役(2021年から)であり、ズーム・ビデオ・コミュニケー
                     ションズ・インクの顧問(2018年から)およびボックス・
                     インクの顧問(2018年から)である。
                     以前は、ANZの国際技術およびデジタル事業諮問委員会の委
                     員(2016年から2019年)であった。
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    注:(1)    オーストラリア法の下では、非執行取締役は株主により選任または最後に再選されてから3回目の年次株主総会にお
        いて退任しなければならないが、当該年次株主総会において再選を目指して立候補することができる。直近の年次株
        主総会以降に取締役会により任命された非執行取締役の場合は、次の年次株主総会において退任しなければならない
        が、かかる非執行取締役は当該年次株主総会において株主による選任を目指して立候補することができる。さらに、
        ANZの取締役会の方針にもとづき、非執行取締役は株主に最初に選任されてから最長で3年間の任期を連続3回務めた
        時点で退任する。ただし、特別な状況のため取締役会により任期を延長するよう要請される場合はこの限りではな
        い。
      (2)  所有株式等の合計である。個人名(共同所有を含む。)および個人の退職年金基金による所有証券(普通株式、転換
        優先株式およびキャピタル・ノート)ならびにANZEST                         Pty  Ltd.が個人のために信託で保有する証券(株式、オプショ
        ンおよび権利)を含む。業績基準または後渡しのために権利が確定していない権利および後渡し株式を含む。
     なお、本スキームの効力発生日(本書提出日現在、2022年12月20日)から、上記取締役は、ANZ                                             NOHCおよびANZBGLの取締役

    となる予定である。また、本スキームの発効後3か月以内に、ANZBGLの取締役会およびANZ銀行持株会社の取締役会は、ANZ
    NOHCおよびANZ非銀行グループから独立した非執行取締役1名を加える予定である。
    取締役の会議

     当年度中に開催された取締役会および取締役会委員会の会議の回数ならびにそれらの会議に各取締役が出席した回数は以下
    のとおりである。
                                    倫理、

                                    環境、
                                    社会   デジタル             指名
                                    および    事業           および
                                               取締役会         株式
                                    ガバナ    および    取締役会        取締役会
                                               委員会        委員会
                        リスク    監査    人事    ンス    技術    特別        運営
                                                (1)        (1)
                   取締役会    委員会    委員会    委員会    委員会    委員会    委員会        委員会
                    A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B
    Paul  O'Sullivan
                    18  18  8  8  8  8  7  7  6  6  4  4  1  1  1  1  4  4  3  3
    (ポール・オサリバン)
    Ilana   Atlas,   AO
                    18  18      8  8  7  7  6  6      1  1  1  1  4  4  1  1
    (イラナ・アトラス        AO)
         (2)
    Paula   Dwyer
                    4  4  2  2  2  2  2  2
    (ポーラ・ドワイヤー)
    Shayne   Elliott
                    18  18                      1  1  2  2      2  2
    (シェイン・エリオット)
    Jane  Halton,   AO PSM
                    18  18          7  7  6  6  4  4          4  4
    (ジェーン・ハルトン         AO PSM)
    Rt Hon  Sir  John  Key,  GNZM  AC
    (Rt  Hon  サー・ジョン・キー        GNZM   18  17  8  8          6  6  4  4  1  1      4  4
    AC)
    Graeme   Liebelt
                    18  18  8  8  8  8  7  7          1  1  2  2  4  4
    (グレイム・リーベルト)
    John  Macfarlane
                    18  18  8  8  8  8          4  4  1  1  1  1  4  4
    (ジョン・マクファーレン)
            (3)
    Christine    O'Reilly
                    16  16  6  6  7  7  5  4          1  1  2  2  4  4
    (クリスティーン・オライリー)
         (4)
    Jeff  Smith
                    1  1                              1  1
    (ジェフ・スミス)
    ・A列は、取締役が委員として出席する権利を有した会議の回数を示す。

    ・B列は、会議に出席した回数を示す。上表は委員会の会議に関する委員会委員の出席状況を記録している。
    注:(1)    上表に記載の取締役会委員会および株式委員会の会議は、書面による決議により行われたものを含む。

      (2)  ポーラ・ドワイヤー氏は2021年12月16日に非執行取締役を退任した。
      (3)  クリスティーン・オライリー氏は2021年11月1日に非執行取締役に就任した。
      (4)  ジェフ・スミス氏は2022年8月1日に非執行取締役に就任した。
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     ② 執行役員
     本書提出日現在、ANZの経営幹部および執行役員(非執行取締役を除く。)は以下のとおりである。
     男性6名、女性3名(執行役員のうち女性の比率33.3%)

                                                     所有株式

                                                      等の数
              氏名                           現在の職位      当グループ
      役職名                       略歴
                                                     (2022   年11月
             (年齢)                            への就任      への入社
                                                         (1)
                                                     18日現在)
     最高経営責       S Elliott       上記「①取締役」に記載の略歴を参照のこ                     2016  年1月    2009  年6月     975,810    株
     任者               と。
           (エリオット)
           (59歳)
     グループ執       M Carnegie       ANZ  ではこれまで、グループ執行役員(デジ                    2022  年3月    2016  年6月     268,471    株
     行役員               タルおよびオーストラリア事業改革担
           (カーネギー)
     (オースト               当)、グループ執行役員(デジタル・バン
           (53歳)
     ラリア・リ               キング担当)を務めた。
     テール担               ANZ  入行前は、オーストラリアおよびニュー
     当)               ジーランドのグーグルのマネジング・ディ
                    レクター、オーストラリアおよびニュー
                    ジーランドのプロクター・アンド・ギャン
                    ブルのマネジング・ディレクターを務め
                    た。
     グループ最       K Corbally       ANZ  ではこれまで、内部監査担当グループ・                    2018  年3月    2009  年7月     111,300    株
     高リスク責               ジェネラル・マネジャー、マネジング・
           (コーバリー)
     任者               ディレクター兼与信および資本管理のヘッ
           (52歳)
                    ド、法人リレーションシップ・バンキン
                    グ・オーストラリアのヘッド、産業多様化
                    のヘッドを務めた。
                    ANZ  入行前は、シティグループのマネジン
                    グ・ディレクター兼コーポレートおよび商
                    業銀行業のヘッド(オーストラリアおよび
                    ニュージーランド担当)を務めた。
     最高財務責       F Faruqui       金融業界において25年以上の経験を有す                     2021  年10月    2014  年8月     317,022    株
     任者               る。
           (ファルーキ)
                    ANZ  ではこれまで、グループ執行役員(国際
           (58歳)
                    担当)、国際銀行部門の最高経営責任者を
                    務めた。
                    ANZ  入行前は、シティのアジア太平洋のコー
                    ポレートおよび商業銀行業のヘッド、シ
                    ティのアジア太平洋のグローバル・ローン
                    およびレバレッジ・ファイナンスのヘッド
                    兼資本市場の債券部門のヘッドを務めた。
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                                                     所有株式
                                                      等の数
              氏名                           現在の職位      当グループ
      役職名                       略歴
                                                    (2022   年11月18
             (年齢)                            への就任      への入社
                                                         (1)
                                                     日現在)
     グループ執        G  Florian       技術業界において30年以上の経験を有す                     2017  年1月    2017  年1月     201,400    株
     行役員(技               る。
           (フローリア
     術およびグ               ANZ  入行前は、ディメンション・データの
           ン)
     ループ・               ITaaS部門の最高戦略責任者、ディメンショ
           (57歳)
     サービス担               ン・データのITaaS部門の戦略および契約担
     当)               当シニア・バイス・プレジデント、ディメ
                    ンション・データのクラウド事業ユニット
                    担当最高製品責任者、ディメンション・
                    データの最高マーケティング責任者、ディ
                    メンション・データの最高技術責任者を務
                    めた。
     グループ執       A Strong       ANZ  ではこれまで、グループ戦略担当グルー                   2022  年11月    2009  年1月      25,646   株
     行役員(戦               プ・ジェネラル・マネジャー、法人戦略お
           (ストロング)
     略およびト               よびマーケティング担当ジェネラル・マネ
           (51歳)
     ランス               ジャー、法人戦略担当ヘッドを務めた。
     フォーメー               ANZ  入行前は、12年間ボストン・コンサル
     ション担               ティング・グループで主に金融サービス企
     当)               業を担当した。
     グループ執       K van  der  Merwe   事業改革の主導に注力した15年以上の経験                     2017  年5月    2017  年5月     202,071    株
     行役員(人               を有する。
           (ファン・デ
     材・カル               ANZ  入行前は、ベイン・アンド・カンパニー
           ル・マーブ)
     チャーおよ               のバイス・プレジデントを務めた。
           (48歳)
     びサービ
     ス・セン
     ター担当)
     グループ執       A Watson       ニュージーランド、英国、オーストラリア                     2019  年12月    2009  年4月     162,104    株
     行役員兼最               およびハンガリーの専門的サービスおよび
           (ワトソン)
     高経営責任               金融サービス部門において25年以上の経験
           (53歳)
     者(ニュー               を有する。
     ジーランド               ANZ  ではこれまで、グループ執行役員兼最高
     担当)               経営責任者代理(ニュージーランド担
                    当)、リテールおよびビジネス・バンキン
                    グ担当マネジング・ディレクター、ニュー
                    ジーランド担当最高財務責任者、ニュー
                    ジーランド担当ファイナンシャル・コント
                    ローラーを務めた。
     グループ執       M Whelan       銀行業界において35年以上の経験を有し、                     2016  年2月    2004  年11月     269,642    株
     行役員(法               アジア市場および法人銀行業の豊富な経験
           (ウィーラン)
     人担当)               を有する。
           (62歳)
                    ANZ  ではこれまで、最高経営責任者(オース
                    トラリア担当)、オーストラリアの商業銀
                    行業のマネジング・ディレクター、アジ
                    ア、ヨーロッパおよびアメリカの法人部門
                    のマネジング・ディレクター、アジアの法
                    人部門のマネジング・ディレクター、マー
                    ケッツのマネジング・ディレクター、マー
                    ケッツ部門セールスのヘッドを務めた。
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    注:(1)    所有株式等の合計である。個人名(共同所有を含む。)および個人の退職年金基金による所有証券(普通株式、転換
        優先株式およびキャピタル・ノート)ならびにANZEST                         Pty  Ltd.が個人のために信託で保有する証券(株式、オプショ
        ンおよび権利)を含む。業績基準または後渡しのために権利が確定していない権利および後渡し株式を含む。
     なお、本再編後、上記執行役員は、ANZ                  NOHCおよびANZBGLの執行役員となる予定である。

     2022  年12月9日、ANZは、クレア・モーガン氏が最高経営責任者直属のグループ執行役員(オーストラリア商業部門担当)に

    任命されたと発表した。モーガン氏は、オーストラリアおよび米国において様々な企業および法人向け銀行業務の営業および
    商品に携わり、金融サービスに関する豊富な経験を有する。直近では、オーストラリア・コモンウェルス銀行でスモールビジ
    ネスバンキング部門のエグゼクティブ・ジェネラル・マネジャーを務めた。モーガン氏は2023年初めにANZに入行する予定であ
    る。
     取締役または執行役員間において家族関係はない。

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    ③   役員報酬の内容(        報酬報告)
     本「③役員報酬の内容(報酬報告)」は、2022年9月30日付(特に明記のない限り)のANZの2022年度年次報告書に含まれる
    2022年度についての報酬報告書に基づいており、これを抽出したものである。報酬報告書日以降の取締役の状況については、
    上記「①取締役」および「②執行役員」を参照のこと。
    1.本報告の対象者

     主要経営陣(「KMP」)は、オーストラリア・ニュージーランド銀行(「ANZBGL」)の取締役であり(執行取締役か否かは問
    わない。)、当グループの戦略的方向性および経営管理の重要な責任を有する(すなわち、銀行役員説明責任体制
    (「BEAR」)に基づく説明責任を有し、最高経営責任者(「CEO」)に報告するグループ経営委員会(「ExCo」)の委員であ
    る。)(これらを「開示を要する執行役員」という。)。
    1.1   開示を要する執行役員およびNEDの変更

     2022年度中にKMPの一部に変更があった。
     ・ クリスティーン・オライリーが、2021年11月1日に非執行取締役(「NED」)に就任した。
     ・ ポーラ・ドワイヤーが、2021年12月16日、2021年度年次株主総会の終結の時をもってNEDを退任した。
     ・ ジェフ・スミスが、2022年8月1日にNEDに就任した。
     ・ ファルハーン・ファルーキが、2021年10月にANZの最高財務責任者(「CFO」)に就任し、この時にシェーン・バグルが
       退任した。
     ・ ANZのデジタル事業とオーストラリア・リテール事業が統合され、マイレ・カーネギーが、2022年3月1日にオーストラ
       リア・リテール担当の新たなグループ執行役員に就任し、マーク・ハンドが、2022年2月28日にオーストラリアのリ
       テール・バンキングおよびコマーシャル・バンキング担当のグループ執行役員を退任した。これらの変更の一貫とし
       て、オーストラリアにおける商業事業は、現在別の部門になっている。同部門は、将来CEOの直下となるが、CEOは当該
       事業のグループ執行役員も務めている。
    1 .2  主要経営陣(       「 KMP  」 )

     当年度の報告において報酬が開示されるKMPは以下のとおりである。
     2022  年度  非執行取締役(       「 NED  」 ) -現任

      P.オサリバン              取締役会会長
      I.アトラス              取締役
      J.ハルトン              取締役
      J.キー              取締役
      G.リーベルト              取締役
      J.マクファーレン              取締役
      C.オライリー              取締役-2021年11月1日就任
      J.スミス              取締役-2022年8月1日就任
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     2022  年度  非執行取締役(       「 NED  」 ) -前任
      P.ドワイヤー              前取締役-2021年12月16日退任
     2022  年度  最高経営責任者(「CEO」)および開示を要する執行役員-現任

      S.エリオット              CEO兼執行取締役
      M.カーネギー              グループ執行役員(オーストラリア・リテール担当)-2022年3月1日就任
                   (2022年2月28日まで前デジタルおよびオーストラリア事業改革担当グループ執
                   行役員)
      K.コーバリー              最高リスク責任者(「CRO」)
      F.ファルーキ              CFO-2021年10月11日就任
      G.フローリアン              グループ執行役員(技術担当)
      K.ファン・デル・マーブ              グループ執行役員(人材&カルチャーおよびサービス・センター担当)
      A.ワトソン              グループ執行役員兼ニュージーランドCEO
      M.ウィーラン              グループ執行役員(法人担当)
     2022  年度  開示を要する執行役員-前任

      S.バグル              前CFO代理-2021年10月10日退任
      M.ハンド              前グループ執行役員(オーストラリアのリテール・バンキングおよびコマーシャ
                   ル・バンキング担当)-2022年2月28日退任
     2022年度末以降取締役報告書の署名日までの間、以前発表したとおり、以下のKMPの変更があった。

     ・ 2022年11月1日、ジェラルド・フローリアンの役割が拡大され、グループ執行役員(テクノロジー&グループサービス担
       当)に就任し、アントニー・ストロングがグループ執行役員(ストラテジー&トランスフォーメーション担当)として
       ExCo委員に任命された。
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    2.  2022  年 度報酬査定の概観
    最高経営責任者(「CEO」)の報酬
     2022年度については、以下のとおりであった。
     ・ CEOの固定報酬は増額されなかった。
     ・ CEOは、業績の期待値をすべてではないがそのほとんどを充足したため、上限機会の74%の短期変動報酬(「STVR」)が
       付与された(下記4を参照のこと。)。
     ・ 当グループは、期末ではなく期首に長期変動報酬(「LTVR」)を付与するよう変更したため、2022年度にCEOに付与され
       たLTVRはなかった。2023年度のLTVRの付与(337.5万ドル)については、2022年度年次株主総会で株主の承認が求められ
       る。
     ・ CEOは、2022年度に合計600万ドルの報酬を受領した(すなわち、下記4.1に記載されるとおり、2022年度に権利が確定し
       た過去のエクイティ報酬の価値を含む。)。
    開示を要する執行役員の報酬

     2022年度については、以下のとおりであった。
     ・ 2021年10月1日に市場調整額を受領したCROを除き、2022年度の開示を要する執行役員の固定報酬は増額されなかった。
     ・ 開示を要する執行役員のSTVR査定は平均で上限機会の78%であり、個人レベルでの査定の範囲は、上限機会の71%から
       96%であった。
     ・ 新しい執行役員報酬体系の下、CEOと一致させ、2022年度のLTVRの付与は2023年度の期首に行うよう変更されたため、開
       示を要する執行役員に付与されたLTVRはなかった(下記5.2を参照のこと。)。
    業績に基づく権利の査定(CEOおよび開示を要する執行役員)

     2018年度後半にCEOおよび開示を要する執行役員(CROを除く。)に付与された2018年度の業績に基づく権利(「PR」)の
    51.6%は、2021年11月の業績期間終了時に、業績要件に対して判定された際に権利確定され、残りの48.4%は失効した(下記
    4.4.3を参照のこと。)。
    非執行取締役(「NED」)

     市場レビューに従い、NEDの基本報酬に変更はなかった(下記7.1を参照のこと。)が、2022年4月1日より、会長および大
    半の委員会の委員長/委員の報酬は増額された。
     会長の持株要件は、さらに市場と一致させるため、(NED基本報酬の200%である480,000ドルから)会長報酬の100%である
    850,000ドルに増額された。
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    3.  ANZ  の報酬体系の概要
    3.1   変更内容
     2021年度報酬報告に示されるとおり、当グループの規制当局であるAPRAによって新たな健全性基準CPS511「報酬」が導入さ
    れたため、当グループのCEOおよび開示を要する執行役員に対する報酬の付与方法について、詳細な検討が求められることと
    なった。その結果、取締役会は、以下の設計原則に沿った執行役員報酬体系の変更を承認し、その変更は2022年事業年度より
    適用されている。
    新たなAPRA健全性基準の文言と精神に対応する

     ・ 財務リスクおよび非財務リスクの効果的な管理を促進する報酬体系
     ・ APRAにより要求されている、変動報酬の査定に関する非財務指標への重要な比重
     ・ クローバックの導入
     ・ 繰延の長期化
    株主との調整

     ・ 変動報酬の大部分は、長期的な焦点を確保するため、後渡し株式として支給される額の約80%において、長期にわたり繰
       り延べられる。
     ・ 総株主利回り(「TSR」)の業績は、引き続き主要なLTVRの業績指標とする。
    業績およびリスク管理を引き続き重視する

     ・ 変動報酬のすべての構成要素は、業績および健全なリスク管理に連動する。
     ・ 事象の発生から数年後に影響を受ける場合であっても、リスクに関する課題にその影響が確実に適用されることによっ
       て、長期的な査定に注力する。
     ・ 報酬の査定は、今後も意思決定の枠組みを支援することで、取締役会の裁量に従う。
    有能な人材を集め、動機付けし、雇用を維持する

     ・ CPS511要件の充足と市場で競争力のある報酬体系の構築とのバランスを取る。
                                                    (1)
     ・ 報酬体系の変更によって個人が大きく有利または不利にならないように、合理的に比較可能な価値                                                を維持する。
     ・ より整合性のある報酬体系をCEOと開示を要する執行役員に適用することで簡素化する。
     (1)  新しい報酬体系と以前の報酬体系との差(予想される変動報酬の権利確定等の側面、ならびに報酬機会および繰延期間の変更を含

       む。)を考慮に入れる。
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    3.2   主な変更の概要
     報酬機会の大幅な減少              >   LTVRの権利確定の可能性が高まったことを反映して、上限報酬機会を引

                      き下げる。
                      ・ CEO  :-137.5万ドル/-14%
                                     (1)
                      ・ 開示を要する執行役員          :-30%     (CRO:-16%)
     簡素化              >   開示を要する執行役員について、STVRとLTVRに分離することにより(以
                      前は複合変動報酬であった。)、CEOと開示を要する執行役員の報酬体系
                      を一致させる。
     繰延期間の変更              >   短期および長期にわたるよりバランスの取れた権利確定
                      ・2年目から3年目についてはSTVR
                      ・4年目から5/6年目についてはLTVR
     LTVR  の再設計            >   非財務指標に重要な比重を置くために(APRAの要件に従って)、以下の
                      2つのLTVR部分につき、比重を等しくする。
                      ・ 制限付き権利(「RR」)           :付与前および権利確定前評価は、リスク測
                       定を重視する。
                      ・ 業績に基づく権利(「PR」)             :TSR要件
     クローバックの導入              >   リスクおよび報酬の結果を強化し、変動報酬の支払い/権利確定後2年
                      間クローバックを適用する。
     (1)  開示を要する執行役員の上限機会は、CEOのSTVR部分に限定して比較すると、複合変動報酬(「VR」)部分の150%であった                                                   以前の報酬

       体系での違いにより、CEOと開示を要する執行役員との差が縮小された                             。新しい報酬体系においては、上限機会は目標の125%に引き下
       げられ、STVR部分にのみ適用される。個人の報酬機会の変更については、下記3.4の図を参照のこと。
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    3.3   新たな報酬体系の概要
                              (1)

    CEO  および開示を要する執行役員(「DE」)(CROを除く                         )
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    以前の報酬体系との主な相違
     構成:       現在CEOおよび開示を要する執行役員については、STVRとLTVRを分離している(以前は、開示を要

            する執行役員は複合VRを受領していた。)。
            現在CEOおよび開示を要する執行役員は、同じSTVRおよびLTVRの上限機会(それぞれFRの100%お
            よび135%)を有する。
            以前、CEOはFRの150%のSTVR上限機会とFRの140%のLTVR上限機会を、開示を要する執行役員はFR
            の402%の複合VR上限機会を有していた。
     条件機会:       以前、目標を上回る報酬機会(目標の150%が上限)は、CEOについてはSTVRのみ、開示を要する
            執行役員については複合VRに適用された。新しい報酬体系の下では、上限機会はSTVR目標の125%
            (すなわち、FRの100%)に引き下げられており、CEOおよび開示を要する執行役員の双方のSTVR
            にのみ適用される。
     FR :      報酬体系変更の一部として、開示を要する執行役員に大きな不利が生じないように、約4%の構
            造上のFR調整(上方調整)が開示を要する執行役員(CEOではなく)に適用される。取締役会は、
            その裁量を行使することを決定し、「構造上の」FR調整を他の報酬体系の変更が行われた2022年
            度でなく2023年度まで延期した。ただし、2022年度に構造上の昇給が有効となった場合、STVR機
            会は、FRに基づくことを決定した。
     STVR  :     株式は2年目と3年目に均一に繰り延べられる(2年目から5年目に権利確定をずらすのではな
            い。)。
     LTVR  :     現在は、事業年度の期末ではなく期首に付与される。
            現在は、付与前および権利確定前評価(リスク測定に基づく)に従い、半分をRRとして支給さ
            れ、残りをPRとして支給される(以前はPRが100%)。
            LTVRは、変更なく4年の業績期間後に判定され、また現在は付与から4年目、5年目および6年
            目(CEOについて)の応当日まで、追加の保有期間に従う。以前のLTVRに相当する報酬は、付与か
            ら4年間繰り延べられていた。
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    3.4   2022年度上限報酬機会
     以下の図は、CEOおよび開示を要する執行役員の減少した上限報酬機会を示している。
    上限報酬機会

    CEO



     以下の図は、CEOの上限報酬機会が975万ドルから837.5万ドルまで減少(-137.5万ドル、すなわち-14%)したことを示して
    いる。この減少は、STVR上限機会がFRの150%から100%に引き下げられたこと、およびLTVR機会がFRの140%から135%に引き
    下げられたことが主な要因である。これらの引下げ(LTVRに対する大きな比重を維持する。)は、上昇したLTVR                                                    RRの確実性を
    反映している一方で、報酬機会全体における市場競争力の維持を確保することを目指すものである。
    上限報酬機会-CEO(百万ドル)

    開示を要する執行役員



     以下の図は、開示を要する執行役員の上限報酬機会の大幅な減少を示している。この減少は、上限変動報酬機会がFRの402%
    から235%に引き下げられたことが主な要因である。この引下げは、様々な構造の変更(特にLTVR                                              RR部分の確実性の上昇およ
    び約4%の構造上のFR調整)を反映している。
     新しい報酬体系は2022年度に適用されたが、取締役会は、構造上のFR調整は2023年度まで適用しないこと、および構造上の
    昇給が2022年度に有効となった場合には、2022年度STVR機会はFRに基づくことを決定した。取締役会は、市場におけるFR調整
    (適切な場合)を追って検討する。
     以下の図における「以前の上限機会」のFRは、2021年10月1日現在のものである。
    上限報酬機会-グループ執行役員(オーストラリア・リテール担当)(百万ドル)

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    上限報酬機会-CFO(百万ドル)
    上限報酬機会-グループ執行役員(技術担当)(百万ドル)




    上限報酬機会-グループ執行役員(人材&カルチャーおよびサービス・センター担当)(百万ドル)



    上限報酬機会-グループ執行役員(グループ執行役員兼ニュージーランドCEO)(百万ドル)



    上限報酬機会-グループ執行役員(法人担当)(百万ドル)



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    CRO
     CROの役割の独立性を保持するために、また、組織全体において、リスク統制機能を実施する際に利益相反を最小限に抑制す
    るために、CROの報酬の取決めは、他の開示を要する執行役員とは異なる。STVR機会(FRの100%)はCEOと開示を要する執行役
    員と同様であるが、LTVR機会は異なり(FRの135%ではなくFRの100%)、RRを100%とするLTVR(RRを50%、PRを50%ではな
    く)の支給を反映している。CROの上限変動報酬機会は、FRの270%から200%に引き下げられた。
    上限報酬機会

    上限報酬機会-CRO(百万ドル)



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    3.5   報酬フレームワークの概要
     以下は、執行役員報酬フレームワークがどのようにANZの目的および戦略を支援し、ANZのリスク管理への重視を促進し、株
    主価値に沿ったものにしているかを示している。
    (1)  「第2 企業の概況-3.事業の内容-(3)戦略」を参照のこと。














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    4.  2022  年度の査定
     変動報酬はリスク性のある報酬であり、その範囲はゼロから上限機会までである。年次業績目標は、毎年期首に当グループ
    および部門/個人のレベルで設定され、その実現に挑むものになるよう設計されている。人事委員会および取締役会は、多数
    の情報源による業績の包括的分析を裏付けとして、長時間にわたる詳細な議論および評価を行ったうえで、CEOおよび開示を要
    する執行役員に対する変動報酬の査定を決定する。期待値が達成された場合のSTVRは、概ね上限機会の80%で付与される可能
    性が高い。業績が期待値を下回った場合にはSTVRは減額され(ゼロになる可能性があり)、期待値を上回った場合にはSTVRは
    増額される(最大で上限機会の額になる可能性がある。)。LTVRは上限機会に基づき期首に付与される。ただし、LTVR                                                       RRの付
    与前評価によって減額される場合を除く(また、CEOについては株主の承認も条件とする。)。
     報酬の査定は、以下の3通りで示される。
     ⅰ.  実際に受領した       報酬  (下記4.1を参照のこと。):2022年度に実際に                      受領した    報酬を反映する(すなわち、支払われた現
       金および2022年に権利確定した              過去の   エクイティ報酬の価値)。
     ⅱ.  対前年比較により付与されるSTVR                (下記4.2を参照のこと。):該当事業年度につき実際に                          付与された     現金およびSTVRの
       後渡し株式部分(または過年度の年間変動報酬(「AVR」)/変動報酬(「VR」))を反映する。非現金構成要素は、将
       来における権利確定の査定結果に影響を受けるため、付与価額は将来の換価代金より増減する可能性がある。
     ⅲ.  法定報酬    (下記9.1を参照のこと。):FRおよび按分償却された変動報酬の会計価値を含む、オーストラリア会計基準に
       準拠した報酬を反映する(該当事業年度につき実際に付与された額でも受領した額でもない。)。
    4.1   受領した2022年度の報酬実額

     下表は、CEOおよび開示を要する執行役員が、現金または過去のエクイティ報酬の場合は2022年度に権利確定した価値によっ
    て実際に受領した、2022年度に関する報酬額を示す。右端の列はまた、2022年度に失効/失権した過去のエクイティ報酬の価
    値を示す(これらは、2018年度のPR報酬のうち2021年11月に判定した時点で業績要件の一部を満たしたものである。)。
     CROのFRは、さらに市場と一致させるため、2021年10月1日に110万ドルから120万ドルに増額された。2022年度において、開
    示を要する執行役員のFRにその他の市場調整は行われなかった。
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    受領した2022年度の報酬実額-CEOおよび開示を要する執行役員
     受領価額には、当該年度に権利確定した過去のエクイティ報酬の価値が含まれる。
                                                    当年度中に

                                    当年度中に権利                失効/失権
                                    確定した後渡し                した後渡し
                                             受領した
                      現金による
                                       (1)(2)               (1)(4)
                                                (3)
                                    変動報酬               変動報酬
               固定報酬       変動報酬       現金総額               報酬実額
                                (単位:ドル)
    CEO および現職の開示を要する執行役員
    S. エリオット          2,500,000        930,000       3,430,000        2,570,069        6,000,069       (1,476,258)
    M. カーネギー          1,200,000        460,000       1,660,000        1,213,496        2,873,496        (557,157)
    K. コーバリー          1,200,000        442,500       1,642,500        775,802       2,418,302           –
         (5)
               1,164,000        579,575       1,743,575        1,747,173        3,490,748        (731,262)
    F. ファルーキ
    G. フローリアン          1,100,000        442,500       1,542,500        788,778       2,331,278        (348,210)
    K. ファン・デル・
               1,000,000        400,000       1,400,000        831,518       2,231,518        (383,026)
     マーブ
         (6)
               1,062,629        422,742       1,485,371        426,037       1,911,408        (40,188)
    A. ワトソン
    M. ウィーラン          1,400,000        535,000       1,935,000        1,697,449        3,632,449        (757,400)
    前職の開示を要する執行役員

        (5)
                33,000       該当なし        33,000          –     33,000         –
    S. バグル
        (5)
                492,000       該当なし        492,000        770,215       1,262,215        (348,210)
    M. ハンド
    (1)  後渡し株式/後渡し株式の権利および/または業績に基づく権利として付与された過去の後渡し報酬の一時点における価額は、権利が確

       定する日または失効/失権する日にオーストラリア証券取引所(「ASX」)で売買される当行株式の1日出来高加重平均価格
       (「VWAP」)に、後渡し株式/後渡し株式の権利および/または業績に基づく権利の数を乗じたものに基づく。
    (2)  権利確定価額には、2021年11月/12月に権利確定した2018年11月/12月に付与された業績に基づく権利の51.6%が含まれている。CEOに
       ついては、さらに1年の制限期間を条件として、株式の受渡によって決済された。
    (3)  当該年度に権利確定した固定報酬、現金変動報酬および後渡し変動報酬の合計である。
    (4)  失効/失権額は、2018年11月/12月に付与され、業績要件のすべてを満たさなかったために2021年11月/12月に失効した業績に基づく権
       利の48.4%に関連している。
    (5)  FRは、開示を要する執行役員としての期間に応じて按分されている。
    (6)  ニュージーランドドルで支払われ、豪ドルに換算されている。ニュージーランドドルから豪ドルに換算する際に使用する年初来平均為替
       レートは、該当年度の9月30日現在のものである。
    4.2   STVR報酬支給額の対前年比較

     下表は、2021年度および2022年度の業績期間について、CEOに付与されたSTVR(以前は年間変動報酬(「AVR」)と称されて
    いた。)および開示を要する執行役員に付与されたSTVRの対前年比較を表す(開示を要する執行役員については、過去の期間
    におけるSTVR相当分は現金および変動報酬の後渡し株式部分に関連している。)。
     2022年度の報酬査定は、当グループ全体の業績と各個人/部門における業績の両方を反映する。
     CEO

     パーセントで表示される上限機会の対前年比較(下表に示される。)は、上限機会が2022年度にSTVR目標の150%から125%
    に引き下げられたため、比較可能ではない。しかし、査定結果を目標の割合で比較する場合、CEOの2022年度STVR査定結果が
    2021年度よりも目標の割合では高いにもかかわらず(2022年度の業績の向上を反映している。)、新たな報酬体系において
    STVR機会が引き下げられたため、CEOの実際の2022年度STVRのドル金額の査定は低くなっていることが、下表において示されて
    いる。
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    当該事業年度における報酬支給額の対前年比較-CEO
                                                  STVR  (%)

                                  STVR  の実額
                       STVR                   STVR
               事業年度      上限機会      STVR  合計    STVR  現金    後渡し株式       目標機会      上限機会
                            (単位:ドル)
    CEO
    S. エリオット           2022  年     2,500,000      1,860,000      930,000       930,000       93 %     74 %
                2021  年     3,750,000      2,000,000      1,000,000       1,000,000        80 %     53 %
     開示を要する執行役員

    ・ 現任の開示を要する執行役員の平均STVR査定は、ANZグループ全体の業績評価が「期待値をわずかに下回る」であったこと
      を反映して、上限機会の78%である(下記4.5.3を参照のこと。)。パーセントで表示される上限機会の査定結果は71%か
      ら96%の範囲であり、その下限は、主にグループ全体の非財務リスクフレームワークの構築が予定より遅れており、マー
      ケッツの収益の業績が予想より低く、顧客に関する結果目標をある程度下回ったためであり(特に当グループのデジタ
      ル・イノベーション商品であるANZプラスの提供延期および通年にわたる住宅ローンの業績)、その上限は、サンコープ・
      バンクの買収契約の締結が成功し、新たな純粋持株会社の設立に進展が認められたことによるものであった。
    ・ 2021年度および2022年度の全期間在任していた2022年度の開示を要する執行役員については、対前年比でSTVRのドル金額
      は平均で31%減少した。これは主に、新しい報酬体系でのSTVR機会の引下げによるものであった。例えば、下記のとお
      り、目標の割合で示される業績が前年比で差がなかったとしても、開示を要する執行役員が受領するドル金額は大幅に減
      少している。しかし、上限機会に対する割合で示される査定は、上限機会が新しい報酬体系において目標の150%から
      125%に引き下げられたため、前年度から増加しているように見える。
    ・ 変動報酬は、引き続き対前年比でおよび執行役員間で異なっており、これは、報酬の構成要素のリスク性ならびに当グ
      ループおよび個人の対前年比業績の変動性を明確に示している。詳細については、下記4.4を参照のこと。
     パーセントで表示される上限機会の対前年比較は(下表に示される。)、上限機会が、以前の報酬体系に基づく複合変動報

    酬目標の150%から新しい報酬体系に基づくSTVR目標の125%に引き下げられたため、比較可能ではない。2022年度STVR機会
    は、報酬体系の変更により、2022年度は大幅に減少している。
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    該当事業年度における報酬支給額の対前年比較-開示を要する執行役員
                                STVR  の実額   (2021年度のSTVR相当)               STVR  (%)

                        STVR  上限
                                           STVR
                          (1)
                  事業年度       機会      STVR  合計    STVR  現金    後渡し株式       目標機会      上限機会
                             (単位:ドル)
    現職の開示を要する執行役員
    M. カーネギー             2022  年     1,250,000       920,000      460,000      460,000       92 %     74 %
                  2021  年     2,376,000      1,138,500      569,250      569,250       72 %     48 %
    K. コーバリー             2022  年     1,250,000       885,000      442,500      442,500       89 %     71 %
                  2021  年     1,960,200      1,227,600      613,800      613,800       94 %     63 %
         (2)
                  2022  年     1,212,500      1,159,150      579,575      579,575       120 %     96 %
    F. ファルーキ
    G. フローリアン             2022  年     1,150,000       885,000      442,500      442,500       96 %     77 %
                  2021  年     2,147,310      1,353,000      676,500      676,500       95 %     63 %
    K. ファン・デル
                  2022  年     1,040,000       800,000      400,000      400,000       96 %     77 %
    ・マーブ
                  2021  年     1,795,860      1,188,000      594,000      594,000       99 %     66 %
         (3)
                  2022  年     1,108,830       845,483      422,742      422,742       95 %     76 %
    A. ワトソン
                  2021  年     2,135,790      1,374,335      687,167      687,167       97 %     64 %
    M. ウィーラン             2022  年     1,460,000      1,070,000      535,000      535,000       92 %     73 %
                  2021  年     2,526,480      1,620,300      810,150      810,150       96 %     64 %
    前職の開示を要する執行役員

        (2)(4)
                  2022  年      41,250      該当なし      該当なし      該当なし      該当なし      該当なし
    S. バグル
                  2021  年     1,393,920       924,000      462,000      462,000       99 %     66 %
        (2)
                  2022  年      615,000      該当なし      該当なし      該当なし      該当なし      該当なし
    M. ハンド
                  2021  年     2,376,000      1,089,000      544,500      544,500       69 %     46 %
    (1)  2022年度上限STVR機会は、開示を要する執行役員の新しいFRに基づいている(上記3.4の図を参照のこと。)。

    (2)  STVRは、開示を要する執行役員としての期間に応じて按分されている。
    (3)  ニュージーランドドルで支払われ、豪ドルに換算されている。ニュージーランドドルから豪ドルに換算する際に使用する年初来平均為替
       レートは、該当年度の9月30日現在のものである。
    (4)  S.バグルの2021年度および2022年度のSTVRは、CFOであった期間を反映している。
    4.3   報酬原則の適用

     変動報酬の査定を検討するにあたり、人事委員会および取締役会は、以下のとおりANZの報酬原則の適用を反映している。
    ・   当グループの顧客や株主を重視し正しい行いをした職員に報酬を提供する:                                   変動報酬は「労力」や業績に対する割合では
      なく主に「結果」に基づくべきである。また、様々なステークホルダー(株主、顧客、従業員、地域社会および規制当局
      を含む。)の経験や期待を考慮する必要もある。
    ・   優秀な人材を集め、動機付けし、雇用を維持する:                        取締役会は、報酬の査定を決定するにあたり、特により優秀な人材を
      獲得する厳しい状況において、主要な人材を確実に維持するための市場競争力のあるバランスの業績の重要性を認識して
      いる。
    ・   何を達成したかと同様にどう達成したかを重視する:                         取締役会は、目標(リスク修正要素を含む。)に対する業績、(財
      務および非財務リスクを把握した)リスク基準評価およびどのように業績が達成されたか(すなわち、当グループの価値
      観および目的に沿って)について、適切に検討し重点を置く。
    ・   公正で分かりやすいものにする:               変動報酬は、期間を通じて公正かつ一貫性があるべきであり、また、経営陣の管理の及
      ばない外的影響を考慮すべきである。
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    4.4   変動報酬-詳細
    4.4.1    CEOの業績、STVRおよびLTVR
     業績
     STVRに関して、CEOは、ANZグループ業績フレームワークにより50%、ANZの戦略に沿った個人の戦略目標の達成により50%評
    価される。ANZグループ業績フレームワークおよび個人の戦略目標は共に、事業年度の期首に取締役会と合意して、高く設定し
    その実現に挑むものとなっている。
    財務指標の加重

     STVR
      CEOのSTVRは定型的ではなく、査定は、ANZグループ業績フレームワークのリスク要素、および業績のあらゆる
     側面を考慮した適切なSTVRに関する取締役会の判断により加減される。
     LTVR
      TSR(相対および絶対の両方)は、引き続きLTVR                       PR(LTVRに50%の比重)の査定を決定する。ただし、LTVRは
     現在、主にリスクベースの測定(付与前および権利確定前評価の一部であり、下記5.2.4を参照のこと。)を重視
     する50%の比重のRR報酬も含む。これによって、LTVRは、新たなAPRA健全性基準CPS511「報酬」により要求される
     とおり、非財務測定に重要な比重を置く。
     事業年度末に、ANZの業績はANZグループ業績フレームワークに対して評価され、CEOの業績は個人の戦略目標、ANZの価値観

    (姿勢)、BEAR義務の遂行、ならびにANZのリスクおよびコンプライアンス基準に対しても評価される。CEOの業績評価にあた
    り、人事委員会は、会長、(リスク管理について)CRO、(財務業績について)CFO、(人材および文化に関する事項につい
    て)人材およびカルチャー担当グループ執行役員(「GE                           T&C」)および(内部監査事項について)内部監査担当グループ・
    ジェネラル・マネジャー(「GGM                IA」)からのインプットを求める。当年度に生じたまたは明らかになった重大なリスク、監
    査および行動に関する事象は、取締役会の監査委員会およびリスク委員会双方からのインプットと併せて検討される。
     以下のとおり、取締役会はCEOの2022年度業績を評価した。
     ANZグループ業績フレームワーク                   =   期待値をわずかに下回る(下記4.5.3を参照のこと。)

     個人の戦略目標                   =   期待値を満たす(以下の取締役会の評価を参照のこと。)
     ANZの価値観                   =   期待値を上回る
     個人のリスク/コンプライアンス評価                   =   期待値を満たす
     全体                   =   期待値をすべてではないがそのほとんどを満たす
     取締役会は、2022年度の適切なSTVR査定を決定するにあたり、CEOの業績を考慮した。取締役会は、STVR査定は上限機会の

    74%が適切であると判断した。
    2022  年度  のCEOの個人の戦略目標

     ・ ANZの事業改革に必要な文化および説明責任を率いて、ロールモデルとなる。
     ・ すべてのステークホルダー・グループにわたってANZの評判を高める。
     ・ とりわけ成長に重点を置き組織の戦略的方向性を定め、オーストラリアにおいては住宅ローンの勢いを維持
       し、当グループのデジタル・トランスフォーメーション、サステナビリティ、プラットフォームおよびエコシ
       ステムを織り込む。
     ・ ANZが長期的成長を支える強固で信頼性のあるプラットフォームを確実に有するために、健全なリスク管理、
       オペレーショナル・エクセレンスおよびシステムの安定性を含む回復力に注力する。
     ・ 顧客および職員の経験を改善するための生産性向上イニシアチブに重要な進展を示すと同時に、銀行運営費用
       によりランレートの大幅な減少を促進する。
     ・ 引き続きグループ経営委員会の有効性を強化して、グループ経営委員会委員とCEOの後継者育成の道筋を構築
       する。
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     個人の戦略目標に関する業績に対する取締役会の評価
      CEOは、その経営チームの支援を受けて、厳しい環境下で良好な業績を残した。とりわけ、CEOは、チームを率
     いて多くの重要な結果を実現し、ANZを変革して長期的に持続可能な業績と成長を目指す地位に置いた。これらに
     は以下が含まれる。
     ・ すべての株主に対して可能な限り公平な結果を提供するため、十分な支援を受け直ちに利用可能な資金を調達
       し、サンコープ・バンクの買収契約の締結を成功に導いた(現在は規制当局の承認待ちである。)。
     ・ 新たなオーストラリア商業戦略の策定において主導的役割を果たし、当該事業の運営を改善した。
     ・ 新しい文化的姿勢(当グループの戦略に即した)を取り入れ、一貫してその姿勢を示した。
     ・ ANZプラスを導入し(ANZのデジタル・トランスフォーメーションにおける大きな前進である。)、リテール・
       バンクの将来のための基盤を構築した。
     ・ 環境の持続可能性に関する戦略に意義のある進捗を達成した。
     ・ 事業のリスクを低減するため、非中核顧客および製品を終了し、当グループのプロセスの質を高め、リスク選
       好を縮小したが、これは不確実な将来にうまく対応するための重要な功績である。
     ・ 純粋持株会社の設立を進め、それには、関連する規制当局の承認およびANZが翌年の前半の実施に向けた準備
       を確実に行うことが含まれる(2022年度年次株主総会後に開催されるスキーム・ミーティングでの株主承認を
       条件とする。)。
      全体的に強固な業績年度に影響を与える課題がいくつかあったものの、CEOは、以下で示されるとおり、2023年

     度にANZを良好な地位に置くための必要な手段は取られたと確信している。
     ・ 当グループ全体にわたるより統合的なアプローチを推進するために策定された、新たなグループ全体の非財務
       リスクフレームワークについて、当グループの実行手法を見直した。
     ・ 住宅ローンの処理能力をさらに改善し、リスク調整後リターンを重視する品質の成長に寄与した。
      CEOは、ANZの価値観を示すロールモデルである。ANZの再形成に注力することで、例えば、84%という高い従業

     員エンゲージメントを今年度も実現した(Finance                        &  Insuranceベンチマークは79%)。
      CEOは、明確に信頼性のある対応を行い、規制当局や政府と強固で友好な関係を維持し、当グループの外部の評
     判を積極的に管理している。当グループの目的をより広く重視する一貫として、CEOは、非営利団体パートナー、
     環境その他の地域社会グループと定期的に交流を行っている。
      CEOは、リスク管理において重要な役割を担っている。それには、リスクに関するフォーラムおよび委員会に積
     極的に参加し、強固なリスク文化の推進に明確な考えを示した。長期損失率を含むリスク指標に対して、継続的に
     良好な結果を残しているが、ある程度の課題は存在しており、当グループ全体の非財務リスクフレームワークの実
     施が遅れている。
      CEOのリスク重視は、ANZが安定的なシステム、強固で信頼性の高いプラットフォームを有することにまで及ん
     でいる。2022年度のこの分野におけるANZの業績は底堅く、重要な規制違反もなく、当グループは長期的成長に向
     けて有利な地位を確保している(詳細については、下記4.5.3を参照のこと。)
      CEOは、生産性向上イニシアチブと共に、継続して適切なコスト管理に重点を置いており(すなわち「銀行運
     営」費用は概ね変動がなかった。)、よってANZは、過去最高水準での投資、顧客体験の向上(例えば、オースト
     ラリアにおける住宅ローンの提供の簡素化、小規模事業向けの融資の借換え手続きの簡略化)および従業員体験の
     向上(例えば、より効果的かつ効率的な業務執行を実現する新しい技術プラットフォーム)が可能となっている。
      執行役員の育成は継続して行われており、2021年10月にファルハーン・ファルーキがCFOに就任し、オーストラ
     リア・リテール事業とオーストラリア商業事業の分離後、2022年3月にマイレ・カーネギーがグループ執行役員
     (オーストラリア・リテール担当)に就任した。
      財務業績には、全部門にわたる堅調な収益、ならびに純預貸利鞘およびコスト管理における良好な業績が含ま
     れている。
      すべてのイニシアチブが望んだとおり迅速に進んでいるわけではないが、多くの成果があり、長期的な戦略の
     観点からも、CEOは、当グループの将来における業績および成長の支援を大幅に進めている。
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     STVR  およびLTVR
     事業年度末に、人事委員会はCEOのSTVR査定に関して承認を得るために、取締役会に提言を行う。
     CEOのSTVRは毎年増減し保証されておらず、その範囲はゼロから上限機会までである。
     取締役会は、STVRの186万ドルの査定(上限機会の74%)は、CEOの業績および当グループ全体の業績の双方を考慮し、2022
    年度について適切であると判断した。
     CEOのLTVRは、事業年度の期末ではなく期首に付与されるよう変更となったため、2022年度に付与は行われなかった。2023年
    度におけるCEOの337.5万ドル(2021年度:350万ドル)のLTVR案は、2022年度年次株主総会での株主承認を条件とする。
     報酬合計の要約

     下記の   支給された報酬       は、当グループが新しい報酬体系に移行したため、2022年度はLTVRの付与は行われず、またSTRVの付
    与額も減少したため、2021年度より大幅に減少している。
     受領した報酬      は、2022年度に増加した。これは、以前付与され2022年度に権利確定した後渡し株式が権利確定時に増額した
    こと、および2021年度の43.3%に対して2022年度のLTVR権利確定結果が51.6%であったことによる。2022年に権利確定したPR
    は、さらに1年の制限期間を条件として、株式の受渡によって決済された。
     法定報酬    は、2022年度の会計価値を反映しているため、2022年度に受領した報酬(権利が確定した過年度の報酬を含む。)
    とは異なっている。
    報酬合計の要約-CEO

                                              (1)        (2)

                         支給
                                            受領        法定
                            LTVR
             固定報酬        STVR    (額面価額の全額)          報酬合計         報酬合計        報酬合計
                               (単位:ドル)
                               (3)
             2,500,000      1,860,000
     2022  年度                    該当なし         4,360,000         6,000,069        5,489,133
     2021年度         2,500,000      2,000,000        3,500,000        8,000,000         5,752,821        5,473,399
    (1)  以前支給されたSTVRの後渡し株式およびLTVRの業績に基づく権利の権利確定日現在の価値を含む。

    (2)  当年度に費用計上されたSTVRおよびLTVRの価値を含む。
    (3)  LTVRの付与は年度の期首(期末ではなく)に変更になったため、2022年度にLTVRは付与されなかった。2023年度のLTVR案
       は337.5万ドルである。
     過年度のSTVRおよびLTVR

     下表は、過去5年間のCEOのSTVRの上限機会に対する比率およびLTVRの権利確定の査定結果を示している。
      過年度においては、CEOの上限STVR機会は目標の150%であったが、新たな2022年度報酬体系の下で目標の125%

      に引き下げされたため、2022年度における下記の上限機会に対する比率74%は、過年度と比較可能ではない。
      上限機会が変わらず目標の150%であったと仮定すると、CEOの2022年度STVR査定結果(同一条件の下)は、上限
      機会の62%に等しくなる。
    過年度のSTVRおよびLTVR-CEO

                           2018年度      2019年度      2020年度       2021年度      2022年度

                                      (COVID-19によ
                                      る50%減額後)
       (1)
     STVR   の査定結果(上限機会に対する比率)                    56%      48%       33%       53%      74 %
     LTVRの権利確定査定結果(権利確定率)                        0%     21.8%        0%     43.3%      51.6  %
    (1)  2022年度より前はAVRと称されていた。

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    4.4.2    開示を要する執行役員の業績
     業績
     各年度の期首に、当グループの開示を要する執行役員それぞれの部門業績フレームワークという形で、取締役会が承認した
    ANZグループ業績フレームワークに沿って、実現には相当の努力を要する高い業績目標が設定される。
                       (1)
     事業年度末に、開示を要する執行役員                   それぞれの業績がANZグループ業績フレームワーク(25%から50%の比重)、部門業
    績フレームワーク、ANZの価値観(姿勢)、BEAR義務の遂行、ANZのリスクおよびコンプライアンス基準に対して評価される。
     開示を要する執行役員のANZグループ業績フレームワークの比重は、包括的な説明責任および当グループの業績への貢献度の
    重要性を促進する。2022年度の各比重は役職に応じて以下のとおりに異なる。
     ・ 当グループの業績における比重50%:CFO、グループ執行役員(人材およびカルチャー担当)およびグループ執行役員
       (技術担当)
     ・ 当グループの業績における比重25%:CRO、グループ執行役員(オーストラリア・リテール担当)、グループ執行役員兼
       ニュージーランド最高経営責任者、グループ執行役員(法人担当)
     ANZグループ業績フレームワークと同様に、部門業績フレームワークには、財務的規律および経営上の回復力、顧客、ならび

                                          (2)
    に人材および文化という主要な要素が、修正要素としてのリスクと共に含まれる                                      。各自の役職の責任を反映して評価基準の
    比重を変えている。財務的規律および経営上の回復力の要素は20%から35%の範囲である。
     人事委員会は、CEOからのインプット、ならびにリスク担当、財務担当、人材・カルチャー担当および内部監査担当から個別
    の報告を求め、重要なリスク、監査および行動に関する事象を見直し、取締役会の監査委員会およびリスク委員会双方からの
    インプットを求める。
     開示を要する執行役員それぞれの全般的な業績査定の承認については、人事委員会が検討して取締役会に提案する。
    (1)  CRO の業績に関する取決めは、リスク委員会により追加的に対応される。グループ執行役員兼ニュージーランド最高経営責任者の業績に関

      する取決めは、規制上の義務との整合性を図り、人事委員会/取締役会と協議し人事委員会/取締役会に是認された上で、ANZニュージー
      ランドの人事委員会/ANZニュージーランドの取締役会が決定し承認する。
    (2)  リスクの測定に割り当てられた比重を有するCROを除く。
     STVR  およびLTVR

     事業年度末に、CEOおよび人事委員会は開示を要する執行役員それぞれについてSTVRの提案を決定し、最終的に取締役会に
             (3)
    よって承認される          。STVRは業績に従い毎年変動している。STVRは保証されておらず、ゼロから上限機会までの範囲で上方ま
    たは下方修正される。
     上記4のとおり、目標に対する業績は、STVRの査定に影響を及ぼす(例えば、期待値が達成された場合、付与されるSTVR
    は、上限機会の80%に等しいおおむね目標機会の額になる可能性が高い。)。
     個人のSTVRの査定結果の違いは、当グループの構成要素の比重(すなわち、当グループの50%の比重を有する役職は概して
    差が少ない。)および異なる分野/個人の相対的業績を反映し、業績と報酬間で適切な調整が確実に行われている。この査定
    結果はSTVRのリスク性がある性質を立証し、査定結果が開示を要する執行役員ごとに大きく異なり、また毎年変動することを
    示している。開示を要する執行役員への2022年度平均STVRは上限機会(71%から96%の範囲)の78%である。
     新たな執行役員報酬体系の下、LTVRは2023年度期首に付与されるよう変更されたため、CEOと一致させて、2022年度、開示を
    要する執行役員に対して付与されたLTVRはなかった。
    (3)  グループ執行役員兼ニュージーランド最高経営責任者の報酬に関する取決めは、規制上の義務との整合性を図り、取締役会と協議し取締

      役会に是認された上で、ANZニュージーランドの取締役会が決定し承認する。
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     過年度の開示を要する執行役員の変動報酬(「VR」)
     下表は、過去5年間にわたり開示された執行役員のVRの上限機会に対する比率を示している。
      過年度においては、開示を要する執行役員の上限VR機会は複合VR目標の150%であったが、新たな2022年度報酬

      体系の下でSTVR部分のみの目標に対する125%に引き下げされたため、2022年度における下記の上限機会に対す
      る比率78%は、過年度と比較可能ではない。
      上限機会が変わらず目標の150%と仮定すると、開示を要する執行役員の2022年度平均STVR査定結果(同一条件
      の下)は、上限機会の65%に等しくなる(範囲は59%から80%である。)。
    過年度の開示を要する執行役員のVR

                                        2020年度

                                       (COVID-19に
                                        よる50%
                            2018年度      2019年度      減額後)      2021年度      2022年度
       (1)                  (2)
                             51%      45%      36%      60%      78 %
     STVR   査定結果     (上限機会の平均比率(%)             )
       (1)                  (2)
                           40%~60%      0%~74%      31%~44%      46%~66%      71 % ~96%
     STVR   査定結果     (上限機会の範囲比率(%)             )
     VR業績に基づく権利の確定実績               (確定比率(%))          0%     21.8%       0%     43.3%      51.6  %
    (1)  2022年度より前はVRと称されていた。

    (2)  2022年度より前のこれらの年度において、開示を要する執行役員には複合VR構造が用いられていたため、上限機会に対する比率はVR全額
      に適用されていた。
    4.4.3    PRの査定結果(CEOおよび開示を要する執行役員)

     CEOに対して2018年12月に付与されたPRおよび開示を要する執行役員(CROを除く。)に対して2018年11月に付与されたPR
    は、2021年11月にその業績期間の終期を迎えた。要件に対する業績に基づくと、これらの権利の51.6%は権利確定済みであり
    (CEOについては、引き続きさらに1年間の制限期間の対象である。)、残りの48.4%は失効し、執行役員が当該報酬部分から
    受領した価値はなかった。
    PR の査定結果

                                  3年

                                        TSR の
                                TSR の中央値/
                           ANZ のTSR/
                                       上位四分位
                                   (2)
                             (2)
                                           (2)
                      行使可能
                                 CAGR   TSR          権利
                            CAGR                       全般的なPRの
                                       数/CAGR
                  (1)     (1)
     要件                        TSR     閾値目標      TSR 上限目標     確定率      査定結果
                付与日      初日
     75 % 相対TSR
                2018  年    2021  年
     選定金融サービス(SFS)
                            17.49  %    5.60  %    41.02  %    68.85  %
                                                    51.6  %が
                11月22日      11月22日
            (3)
                                                      (4)
     比較可能グループ
                                                   権利確定
                2018  年    2021  年
                                                   48.4  %が  失効
          (2)
                            5.52  %     10 %     15 %     0%
     25 % 絶対CAGR    TSR
                11月22日      11月22日
    (1)  CEOに対する付与日は2018年12月19日、行使可能初日は2021年12月19日である。CEOの業績期間は開示を要する執行役員と

      同じである。
    (2)  年平均成長率(「CAGR」)。
    (3)  SFS比較可能グループの詳細については、下記5.2.5を参照のこと。
    (4)  CEOについては、引き続きさらに1年間の制限期間の対象である。
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    4 .5  ANZIPの変動報酬資金プールおよびグループ業績
    4.5.1    ANZIPの変動報酬
     ANZインセンティブ・プラン(「ANZIP」)は、ANZ全体で運営される変動報酬プランである。
     CEOのSTVRを除き、開示を要する執行役員のSTVRを含むその他すべての従業員の個人の変動報酬の査定結果は、ANZIPに基づ
    き資金供給される。CEOの変動報酬の査定結果は、潜在的な利益相反を軽減するために取締役会が個別に決定する。下記8.1.3
    を参照のこと。
     各事業年度末に、取締役会は、公正かつ合理的なANZIP資金プール額を決定するために判断を下す。財務業績の評価は、資金
    プールの額を決定するが、定型的な査定はしていない。取締役会は、以下を含む様々な要因を検討する。
     ・ ANZグループ業績フレームワークの評価(下記4.5.3を参照のこと)
     ・ 利益および事業環境の質
     ・ 2022年度中の株主体験(例えば、株主還元および配当金の過年度との比較)
     ・ 当グループの報酬原則(例えば、優秀な人材を集め、動機付けし、雇用を維持すること)
    4.5.2    ANZグループ業績フレームワーク

     ANZグループ業績フレームワークは各事業年度の期首に取締役会によって承認される。当グループの業績フレームワークの主
    要目的は、当グループの戦略の実現に最も重要な決め手となる成果を実現するため、組織全体で調整し注力することを可能に
    することである。当グループの業績フレームワークは、以下に対する主要な役割を果たす。
     ・ 何が最も重要かについて社内へメッセージを発信する。
     ・ リスク、顧客、人材、財務実績に加えて健全な経営の重要性を強調する。
     ・ ANZ全般での取り組み、優先順位、意思決定の重点を伝える。
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    4.5.3    2022年度のANZグループ業績フレームワークに照らした評価
     適切なリスク管理はANZの経営方法の基本であり、リスクは評価の重要な部分を構成し、全般的なANZグループ業績フレーム
    ワークの査定結果に直接影響する(ANZグループ業績評価の修正要素の範囲は0%~110%である。)。
     全体的には、当年度も多くの経済的な不確実性を伴う変動する年であった。COVIDは、引き続き営業上および当グループの顧










    客に課題をもたらした。過去5年にわたるリスクを低減し当行を簡素化する困難な取組み、ならびに2020年および2021年の
    COVIDから得た教訓によって、ANZが急速に変化する環境を乗り切るために有利な地位にあることが示された。
     こうした厳しい状況においても、多くの重要なイニシアチブの達成は、2023年度以降も当グループを有利な位置に置き(例
    えば、サンコープ・バンクの買収契約によって、100万を超えるリテール顧客が加わり、急成長を遂げているクイーンズランド
    市場での成長に向けたプラットフォームが提供されること、純粋持株会社の設立が株主に承認された場合、株主にとっての価
    値を高める柔軟性をもたらすこと、新しいオーストラリア商業の戦略、サステナビリティ投資等)、オーストラリア住宅ロー
    ンも質の高い成長に回復している。
     多くが達成されたにもかかわらず、当グループは、2022年度業績を「期待値をわずかに下回る」と評価している。それは主
    に、当グループ全体の非財務リスクフレームワークの構築が予定より遅れていること(現行のフレームワークは、部門により
    重点を置いたものである。)、および当グループのデジタル・イノベーション商品であるANZプラスの導入が予定より遅れたこ
    とが要因である。
     下表は、2022年度のANZの業績目標の概略であり、2022年度の総合評価を伝えるために、主要な業績区分ごとの業績査定の要
    約となっている。
     期待値に対する業績は、進捗の全体的評価、ならびに当グループの戦略的優先項目および年間の重点分野に沿って実現した
    成果を用いて、区分ごとに評価される。
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     実施した業務に関する経営陣のインプット、実現した成果の証拠および学んだ教訓を含む、様々な客観的指標および主観的
    要因が考慮され、営業、規制および競争環境も考慮に入れられる。
     リスク                                     リスクの総合評価:

     (修正要素0%~110%)                                     目標をわずかに下回る
     業績コメント                                         目標に対する実績
     当グループの戦略的優先項目:
                                          下回る      一致     上回る
     顧客および規制に関する良好な成果を重視したリスク管理体制を維持する
      常に進化している経済、健康、規制および政治の環境において、当グルー
     プの強固なリスク管理体制を今後も重視することが、以下に示されるとお
     り、より重要となっている。
      ・トリガーイベントが生じるリスクが中程度からより高い管轄区域の緊急時
       対応計画の策定を含む、新たなリスクを伝えるために、地政学的リスク対
       応機能をANZに組み入れる。
      ・当グループの気候変動リスクの管理機能を強化する(例えば、APRAの気候
       変動脆弱性評価を実施するために、当グループの信用カウンターパー
       ティーの気候変動リスク評価を改善する。)。
      ・王立委員会の勧告の実施(進行中)および当グループ全体の資本効率性プ
       ログラムの実行を着実に進める。
      規制、信用、監査または市場における重要な違反はなかった。バランス

                                               ●
     シートのさらなる強化および既存の非中核事業によって、事業のリスク低減
     を継続した。当グループは、引き続きリスク基盤およびプロセスを改善した
     が、将来の重要な基盤とみなす新しい当グループ全体の非財務リスクフレー
     ムワークは、当グループが望んでいたほど進捗しなかった。APRAは、残りの
     5億ドルのオペレーショナル・リスク・オーバーレイを義務付けた。当グ
     ループは、特にリスクに関して極めて高い基準を適切に保っており、すべて
     の期待値が達成されなかったことで、当グループのリスク業績を「目標をわ
     ずかに下回る」と評価した。
                                      (1)
      ANZは、S&Pの2022年コーポレート・サステナビリティ・アセスメント                                 に
     より評価を受け、全世界の銀行セクターにおいて96パーセンタイルに位置し
     (2022年9月23日現在)、金融で満足のいく状態および社会・環境に関する
     報告を含む分野で称賛された。
     (1)   S&Pダウ・ジョーンズ指数とRobecoSAM(サステナブル・アセット・マネジメント)との間の戦略パートナー

        シップのもとで運営される、数千の公開企業の持続可能性に関する業績を評価する。
     2022  年度  の注力分野        業績コメント                            目標に対する実績

                                          下回る      一致     上回る
     主要な規制上の責任を果            ・主要な法遵守規制上の責任を着実に果たしたが
     たす             (例えば、APRAのリスクガバナンス、カル
                  チャーおよび説明責任に関する自己評価証明、
                  継続する当グループのマネーロンダリング防止
                  プログラムの拡充、APRAの自己資本改革プログ
                  ラム、ニュージーランド準備銀行の基準
                  BS11)、BS11等のプログラムの変更の複雑性お
                  よび規模は、当グループの高い業績目標の実現
                                             ●
                  までの期間に影響を及ぼしている。
                 ・各部門はそのオペレーショナル・リスクを管理
                  し、事業のリスク低減に投資を行っているもの
                  の、将来の重要な基盤とみなす新しい当グルー
                  プ全体の非財務リスクフレームワークの構築お
                  よび組込みは、当グループが望んでいたほど進
                  捗しなかった。
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     リスク文化を強化し目標            ・ANZの姿勢を織り込み、様々なチャネルや長期的
     とする状況へ向けて前進             な戦略活動を通じたリスク文化の認識を高める
     する             ことを含め、リスク文化に影響を及ぼす多数の
                  肯定的な行動を行った。当グループ全体の非財                             ●
                  務リスクフレームワークの実現を進めたが、
                  2022年度に完了しなかったため、リスク文化の
                  目標は達成されなかった。
     システムの機密性、統合            ・技術リスクの評価は、管理環境の強化および機
     性および利用可能性のさ             能の向上を通じて上昇した。これによって、シ
     らなる保護のために効果             ステムの利用可能性が向上し、内部および外部
     的な管理を行う             の安全性に関する脅威の防止、検知および抑制
                  が改善した。
                 ・技術リスクの管理方法に関する高水準の研修支
                  援が、全部門での1,000人を超える従業員に提供                                 ●
                  された。
                 ・クラウド・イニシアチブは、ANZアプリケーショ
                  ンの安全かつ法に準拠した方法によるクラウド
                  技術への展開、ならびにANZのクラウドに関する
                  方針およびフレームワークの強化を支援してい
                  る。
     地域社会および規制当局            ・規制当局および地域社会からの評判は依然とし
     からの評判を引き続き高             て高い。
     める            ・ANZ、特にCEOは、「人々や地域社会が繁栄する
                  世界を形成する」という当グループの目的に
                  沿って、非営利団体パートナー、環境その他の
                  地域社会のグループ/リーダーと定期的に交流
                  を行う。
                 ・経済的参加を向上させ、金融で満足のいく状態
                  を実現するための能力を開発し個人を育成する                               ●
                  組織を支援することに重点を置いた、第5協調
                  行動計画を発表した。
                 ・2022年8月のエンゲージメント調査によるANZの
                  「率直に発言する」に関するスコアは83%と引
                  き続き高く、率直な発言や従業員が互いに敬意
                  を表して議論することのできるリスク文化を奨
                  励する取組みを数年にわたって持続しているこ
                  とが反映されている。
     顧客(比重35%)                                     顧客の総合評価:
                                          目標を下回る
     業績コメント                                         目標に対する実績
     当グループの戦略的優先事項:
     優先セグメントの金融で満足のいく状態および経験の向上に注力し、顧客に                                      下回る      一致     上回る
     とって良好な成果をもたらす
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      当グループは、以下に示すとおり、現在も(事業戦略の中心となってい
     る)顧客の金融で満足のいく状態(「FWB」)を向上させる約束を示してい
     る。
      ・2022年、オーストラリアおよびニュージーランドにおいて、FWBハブに
       850,000を超えるアクセスがあった。
      ・FWBを推進するための多数の大規模なキャンペーン(例えば、2022年全豪
       オープンでのキャンペーン、新規ブランド・プラットフォーム「For
       Financial     Wellbeings」の導入および人々に長期的なFWBを考えてもらう
       ための新しいKiwiSaverの「Long               term   plans」キャンペーン)を実施し、
       FWBのために設計されたANZプラスを導入した。
      当グループは、その市場での主導的な地位をさらに確固たるものにし(例

     えば、ニュージーランドのブランド考慮率は過去最高の53%超であり、オー
     ストラリア法人部門では、引き続き様々な顧客評価で第1位を獲得し
     た。)、ニュージーランドおよびオーストラリア法人部門における基礎とな
     る業績は、引き続き堅調であった。オーストラリア商業部門の戦略は、オー
                                             ●
     ストラリアにおける小規模事業の開始および運営を希望する者にとって、ど
     のように最良の銀行となるかを詳述しており、これは取締役会によって承認
     された。当事業年度の上半期における市場シェアの減少に伴って、オースト
     ラリアの住宅ローンの能力と機能は当事業年度に再構築されたと同時に、引
     き続きリスクとリターンを重視した。業績は強固であり、当グループは十分
     な勢いをもって2022年度を終えた。当グループが導入した新しいリテール・
     バンキング・プラットフォームであるANZプラスは、2022年7月の正式なマー
     ケティングの開始以降、約50,000人の顧客を獲得している。当グループは、
     2023年にはANZプラス・ホームローンも導入する予定である。この成功にもか
     かわらず、COVIDにより資金源の課題に取り組んだことで予想外の遅延が生じ
     ている。よって、顧客に関する当グループ全体の業績は、「目標を下回る」
     と評価している。
      2022年度の目標に含まれていなかったが、2022年度において、将来良好な
     顧客結果を実現するために策定された多数の重要なイニチアチブ(例えば、
     サンコープ・バンクの買収契約)が実行された。
     2022  年度  の注力分野        業績コメント                            目標に対する実績

                                          下回る      一致     上回る
     オーストラリアにおける            ・オーストラリアにおける住宅ローンの処理に関
     住宅ローンに関する最初             する課題に前進があった。ブローカーおよびモ
     の決定までの時間を改善             バイルによるローン申請に対する最初の決定に
     する             かかる平均時間は、2021年の7.4日から2022年に
                  は3.4日へと短縮された。                             ●
                 ・しかし、顧客のためにより迅速でより一貫した
                  ローン申請への対応を実現するため、2023年に
                  さらなる取組みが必要であることを認識してい
                  る。
     顧客のデジタル・イノ            ・Manage     My  Money:ANZプラスは2022年7月に導
     ベーションの提案を組み
                  入され、現在ではAppleおよびAndroidのアプリ
     込む
                  ストアで入手可能である。当初は低調であった
                  が、マーケティングや支店での活動が開始され                             ●
                  たことで、2022年度末に向けて改善した。
                 ・Buy   and  Own  a Home:支援ソフトウェアの提供
                  は順調に前進した。
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     苦情管理を強化し維持す            ・オーストラリア:ASICの2019年レビューと2021
     る             年の規制変更へのすべての対応は完了し、2023
                  年から継続的な改善のためのアプローチに取り
                  組む(顧客に最も近い第一線での苦情の把握、
                  苦情管理の質と公平性および苦情データの利用
                  に注力する。)。
                                                 ●
                 ・ニュージーランド:2022年度における苦情の数
                  は一定していたが、問題解決に関する満足度は
                  低下した。人的資源が厳しい環境で処理件数が
                  上昇したため、待機時間によるサービスへの苦
                  情(不正行為分析チームおよびオンラインスト
                  ア・チームにおいて)が増加した。
     法人部門内のプラット            ・プラットフォーム:デジタル資産を含むサービ
     フォーム、市場およびサ             スとしてのプラットフォームの力強い進展:
     ステナビリティ戦略を加             AUD/NZDの決済サービスは、SWIFTのグローバ
     速する             ル・ペイメント・イニチアチブ(「GPI」)の顧
                  客による搭載および実施の継続において重要な
                  柱である。当グループのプラットフォームの提
                  案(代理店、決済および現金管理)は、引き続
                  き高いリターンを提供することである。デジタ
                  ル資産の分野における炭素クレジットのトーク
                  ン化を含め、当グループのA$DCステーブルコイ
                                                   ●
                  ンによる概念実証は成功した。
                 ・市場:内部での米国私募の開始により、追加収
                  益を実現した。
                 ・サステナビリティ:数十億ドルの持続可能な融
                  資の提供が堅調に進展し、サステナビリティ・
                  ソリューションの提供に対する顧客から継続的
                  に高評価を得た。ポリネーション社との戦略
                  パートナーシップを構築し、プロジェクト・
                  ウィートベルト(炭素農業および地域再生)を
                  開始した。
                           (2)
     サステナビリティ・バン
                 ・ピーター・リー           の「Lead     Sustainability
     クとしての主導的立場を
                  Provider     for  Australia     and  New  Zealand」で
     強化する
                  第1位を獲得し、Kanga            Newsにより「Global
                                                     ●
                  Coverage     House   of  the  Year-Sustainability
                  and  Australian      Sustainability        Debt   House   of
                  Year」を授与された。
     (2)   ピーター・リー・アソシエイツの2022年ラージ・コーポレート・アンド・インスティテューショナル・リレー
        ションシップ・バンキング調査(オーストラリアおよびニュージーランド)
     人材および文化(比重30%)                                     人材および文化の

                                          総合評価:目標に一致
     業績コメント                                         目標に対する実績
     当グループの戦略的優先事項:
                                          下回る      一致     上回る
     成功を目指し多様性のあるチームが関与し最適化する文化を構築する
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      当グループは、最も厳しい労働環境の一つにおいて、長年にわたり決意を
     もって継続的にリーダーシップと文化に注力してきたが、これは、以下のと
     おり、当グループの職員による関与やすばらしい職場としての認識によって
     証明されている。
                 (3)
      ・エンゲージメント指数             が84%であった(Global            Finance    &  Insurance
       の平均は79%)。
      ・AFRの「卒業生雇用者上位100位」においてオーストラリアで最も人気の
       ある卒業生向けプログラムとして受賞し、SWOOPアナリティクスの大企業
       の2021年Yammer        Benchmarkingで世界第1位を獲得した。
            (4)
      ・グラスドア        の格付においては、主要銀行の中で同率第1位を獲得し
       た。
      2022年度はさらなる成功を収めた年であり、当グループは目的および価値

                                                 ●
     を重視したことで、有能な人材の維持や将来のために必要な主要スキルの向
     上に関して、堅調な結果を実現した。性別の多様性は引き続き改善している
     が、過年度ほど順調なペースでの改善ではなかった。全体として、当グルー
     プは、人材および文化については目標どおりであった。戦略的イニシアチブ
     の注目すべき点には、以下が含まれる。
      ・簡素化した文化への姿勢を導入し織り込む。
      ・リーダーシップの能力を向上させるために、新しいリーダーシップ・プ
       ログラムを実験的に実施する。
      ・新しい学習習慣を確立するために従業員を支援し、毎月約9,600人の従業
       員が主要デジタル・ラーニング・プラットフォームを利用した。
      ・当グループの従業員の人材および文化のサービスやシステムの利用方法
       を改善し簡略化するため、「人材&文化」テクノロジー向上プログラム
       を順調に進めた。
     (3)   新たなリサーチベースのエンゲージメント指数に基づく。

     (4)    グラスドアとは、従業員および元従業員が無記名で企業やその経営陣を評価するウェブサイトである。
     2022  年度  の注力分野        業績コメント                            目標に対する実績

                                          下回る      一致     上回る
     業績の文化を促進する            当グループは、期待値の簡素化およびチームの支
                 援に注力する一方で、以下を通じて、どの分野に
                 おいてどのように取り組むかの詳細化も行った。
                 ・当グループの目的および戦略を達成するため
                  に、簡素化された一連の文化に対する姿勢を展
                  開し、当グループの従業員が実務において理解                               ●
                  できるよう支援を行った。
                 ・安全かつ効果的な職場への復帰を促すプログラ
                  ム、およびウェルビーイングやメンタルヘルス
                  を目的としたウェビナーやコンテンツを含む、
                  COVIDに対する継続的な支援を提供した。
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     当グループが銀行業務に            育成
     再投資するために必要な            ・「我々が目指している銀行(the                  Bank   we're
     主要スキルを有する人材
                  Building)」に関連する重要なトピックにおい
     を確保し、維持し、育成
                  て、リーダーのスキルを向上させるためのエク
     する
                  ゼクティブ・リーダシップ・シリーズを導入し
                  た。
                 ・オーストラリアおよびニュージーランドにおけ
                  る300名の参加者によって、カスタマー・コーチ
                  ング・プログラムを実験的に開始した。
                 ・より包括的なキャリア・プログラムの戦略を策
                  定した。
                                                 ●
                 確保
                 ・データ、デジタルおよび配信の専門分野を強化
                  する当グループの戦略および計画の積極的な管
                  理を実現するために不可欠な750名超のエンジニ
                  アを正規雇用した。
                 ・需要のある人材を確保するために、キャンペー
                  ン、人材市場およびその他の戦略的な獲得方法
                  を活用した。
                 維持
                 ・維持に必要な項目を特定した。極めて厳しい労
                  働市場によって牽引された離職率に対応するた
                  めに様々な取組みが実施された。
     性別の多様性における長            ・役員全体の女性が占める割合(「WIL」)は
     期的かつ持続可能な改善             35.9%で、昨年からわずかに(0.6%)増加した
     のための基盤を構築する             (人材に対する熾烈な競争や上昇の程度に影響
                  を与えるフルタイムの従業員における厳格な規
                  律による。)。収益を生成する職務でのWILは
                  28%から30%に上昇した。
                 ・長期にわたって性別の多様性を改善する基盤を
                  構築するにあたり、2022年度は、以下を含む大
                  きな進展があった。
                                                 ●
                   - ジェンダー・アクションプランを進め、ダ
                    イバーシティ&インクルージョン計画を開始
                    した。
                   - オーストラリアの卒業生雇用プログラムに
                    おける女性の採用率が57%であった。
                   - 性別の多様性を向上させるための役員昇進
                    プロセスを更新した。
                   - 仕事と家庭の両立を重視する職場「Family
                    Inclusive     Workplace」の認証を取得した。
     財務的規律および経営上の回復力(比重35%)                                     財務的規律および経営上の回復力の
                                          総合評価:目標をわずかに上回る
     業績コメント                                         目標に対する実績
     当グループの戦略的優先事項:
                                          下回る      一致     上回る
     持続可能な成長および経営上の改善を重視し、中核事業を適切に運営する
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      課題が継続する環境において、ANZは、着実に収益を実現している。これ
     は、長期的戦略の実行および事業の多角化ポートフォリオによる利益を反映
     している。
      堅調な利鞘および貸付の勢いは全部門で顕著であり、品質の向上およびリ
     スク調整後リターンに注力し規律が保たれている。オーストラリア住宅ロー
     ン事業においては、運営能力やプロセスの回復力をさらに向上させること
     で、当事業年度の下半期には、一貫した作業時間の短縮を可能にし、処理量
     の大幅な増加につながった。
      コストは再び良好に管理され、インフレ圧力の出現にもかかわらず、「銀
     行運営」費用は、引き続き経営上の複雑性が軽減され事業の簡略化も進めら
     れたため、概ね変動はなかった。これによって、継続的な事業への高い水準                                                ●
     の投資が可能となり、ANZプラスやクラウド・マイグレーション等の成長およ
     び生産性向上イニシアチブを順調に進めることができた。
      当グループは、引き続き慎重にリスク管理を行っている。低い水準の個別
     評価引当金は、継続するポートフォリオの信用力の改善と相関している一方
     で、一括評価引当金残高は、不確実な国内および全世界の経済見通しにおい
     て適切に考慮に入れられている。当グループの資本ポジションは依然として
     強固であり、財務基盤を収益性といった点で成長させ、サンコープ・バンク
     の買収のための資金調達を可能にした。
      全体では、財務的規律および経営上の回復力の業績は、「目標をわずかに
     上回る」と評価している。
     2022  年度  の注力分野        業績コメント                            目標に対する実績
                                          下回る      一致     上回る
     当グループの経済的利益            ・2022年度には現金による継続ベースで10億8,000
                            (5)
     を高品質な方法で計画ど
                  万ドルの経済的利益           が生成され、過年度から
     おりまたはそれ以上提供
                  81%の増加であった。さらに、継続事業による
     する
                  現金利益は5%の増加、引当金控除前利益は
                  7%の増加、ROEは47ベーシス・ポイントの上昇
                  であり、これは株主にとっての成果が堅調で
                  あったことを反映している。
                          (6)
                 ・重大/重要項目          を除くと、当事業年度中に収
                  益は2%増加し、これは取引量の成長とすべて
                  の事業における規律ある利鞘管理によるもので
                  あった。マーケッツの顧客フランチャイズの業
                  績は好調であったが、変動する市況によってバ
                  ランスシート取引収入が減少し、マーケッツ全
                  体の収入が減少した。下半期においては、収益
                  は10%増加し、翌年度においても堅調な収益が
                  期待される。
                                                     ●
                 ・インフレ圧力がある中、厳格なコスト管理が維
                  持され、「銀行運営」費用は前年度比で概ね変
                  動はなかった。コスト全体は増加したが、これ
                  は事業を成長させ簡略化し、規制上および法遵
                  守上の義務を履行するための高水準の投資を継
                  続したこと、ならびに投資費用が高い割合で直
                  接費用計上されたことによる。
                 ・当グループの貸付ポートフォリオの信用力は依
                  然として強固であり、2022年度の長期損失率は
                  継続して減少し、個別評価引当金は低水準で
                  あった。
                 ・自己資本および流動性は引き続き適切に管理さ
                  れている。最低規制要件を上回る12.3%のCET1
                  (レベル2)が保たれた一方で、収益性のある
                  財務基盤を成長させ、サンコープ・バンク買収
                  資金の一部に充てるための35億ドルの資金調達
                  を完了した。
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     通常業務の生産性を向上            ・2022年度、加速戦略プログラムを通じて、さら
     させる             に2億5,000万ドルの「銀行運営」費用が削減さ
                  れ、「銀行運営」費用は概ね変動はなかった。
                 ・クラウドベースの最新テクノロジー・アーキテ
                                                 ●
                  クチャーへの継続的な移行、顧客および従業員
                  のデジタル採用の拡大、ならびにより簡略化さ
                  れた事業プロセスに重点を置いた一連のイニシ
                  アチブを通じて、コスト削減が達成された。
     好調なオーストラリア住            ・オーストラリア住宅ローンは、2022年度に49億
     宅ローンを維持する             ドル(1.8%)のプラスとなった。運営能力およ
                  びプロセスの回復力を向上させたことで、当年
                                               ●
                  度を通して住宅ローンの申請数が改善し、運用
                  資金の大半は下半期に増加し、9月は増加額が
                  最も高い月であった。
     クラウド・マイグレー            ・当グループの技術は引き続き最新化されてお
     ションはさらに進展した             り、12,000超のシステムがクラウドに移行また
                  は廃止され目標を上回った(目標:9,000)。ア                                     ●
                  プリケーションの31%が現在クラウド上にあ
                  る。
     当グループの法人構造の            ・純粋持株会社の法人形態への移行が、2023年の
     改善に向けた進展を示し             実施に向けて準備作業が行われており、これは
                                                 ●
     ている             すべての規制当局および株主の承認が条件と
                  なっている。
     (5)   経済的利益は、事業ユニットの業績を評価するために利用されるリスク調整済みの利益指標であり、外部監査
        人による監査の対象にはならない。経済的利益は、現金利益への一連の調整を通じて算出され、経済的信用コ
        スト調整により、会計上の貸倒損失繰入額が置き換えられ、インピュテーション税額控除の利益(オーストラ
        リア税の70%で測定される。)および資本コストを反映するための調整が含められる。
     (6)   重大/重要項目には、事業売却の影響、合併および買収関連項目、顧客救済、訴訟、組織再編、源泉徴収税、
        リースの条件変更およびアジア関連会社に関する項目が含まれる。
     全般                                     ANZ  グループ業績評価:

                                          目標をわずかに下回る
                                          下回る      一致     上回る
      財務的規律および経営上の回復力が好調な結果となり、人材および文化の
     業績は目標どおりであったにもかかわらず、顧客で改善すべき分野があり、
     高い期待に沿う当グループ全体の非財務リスクフレームワークの構築が予定
     より遅延したため、取締役会は、当グループの全体的な業績を「目標をわず
     かに下回る」と評価した。しかし、取締役会は、困難な状況の中で多くの目                                        ●
     標が達成されまたは目標を上回ったと認識しており、複数の重要な実績(例
     えば、サンコープ・バンク買収契約、純粋持株会社、クラウドなど)によっ
     て、当グループは長期的に有利な立場を確保できている。
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    4.5.4    ANZの業績査定
     2018  年度から2022年度のANZの財務実績
     上記4.5.1で説明したとおり、CEO、開示を要する執行役員および従業員の変動報酬査定の決定においては、異なる財務指標
                                                   (1)
    が幅広く考慮される。当グループは、当グループの継続的事業活動の業績の評価基準として現金利益                                                を用いており、これに
    より過去の期間および競合する機関と対照して当グループおよび部門の業績を評価するための基礎を提供している。現金利益
    を算出する際に行われる調整は、監査対象である法定利益に含められている。現金利益は監査対象とされていないが、外部監
    査人は、各表示期間を通じて一貫した基準で現金利益の調整額が決定されている旨を監査委員会に通知している。
     法定利益は前事業年度から16%増加し、継続事業による現金利益は5%増加した。これらの増加の一部は、前事業年度の一
    回限りの費用および事業売却損の減少によるものであった。基本的な業績は、成長のための投資に重点を置いたことによる収
    益の増加を反映している。
     2022年度において当グループは、株主に余剰資本を還元するための15億ドルの自己株式買戻しを完了するとともに、当グ
    ループのオーストラリア・リテール事業とオーストラリア商業事業の成長を加速するためのサンコープ・バンクの買収案を発
    表し、当該買収は2023暦年に完了する見込みである(規制当局の承認が条件である。)。予定された買収は、2022年の35億ド
    ルの増資により一部が賄われる。詳細については、「第6                            経理の状況-1        財務書類」の2022年度財務書類の注記24「株主資
    本」を参照のこと。
     下表は、過去5年間のANZの財務実績(現金利益を含む。)を示している。

                             2018年度      2019年度      2020年度      2021年度      2022年度

     普通株主に帰属する法定利益(百万ドル)
                              6,400      5,953      3,577      6,162      7,119
         (1)
     現金利益     (百万ドル、未監査)                    5,805      6,161      3,660      6,181      6,496
     現金利益-継続事業(百万ドル、未監査)                          6,487      6,470      3,758      6,198      6,515
     引当金繰入前現金利益-継続事業
     (百万ドル、未監査)                          9,966      9,958      8,369      8,396      8,968
     キャッシュROE(%)-継続事業(未監査)                          11.0      10.9       6.2      9.9      10.4
                      (2)
     キャッシュEPS-継続事業(未監査)                          243.5      220.2      128.7      216.5      228.8
     9月30日現在の株価(ドル)(2017年10月1日
     の始値は29.60ドル)                          28.18      28.52      17.22      28.15      22.80
     配当金総額(1株当たりセント)                           160      160       60      142      146
     株主総利回り(12か月、%)                           0.6      9.2     (36.9)       70.7      (14.0)
    (1)  現金利益は法定利益に含まれる非中核項目を除外しており、2022年度については、法定利益から複数の項目で構成される

      調整額6億2,300万ドルを差し引いた純額(税引後)である。読者が当グループの主力事業活動の経営成績を理解するため
      に提供されている。
    (2)  キャッシュEPSは、AASB第133号「1株当たり利益」に基づき、2022年度のシェア・エンタイトルメントに基づく発行の無
      償要素を反映して修正再表示されている。
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     ANZ  の株主総利回り(「TSR」)パフォーマンス(1-10年)
                                                            (1)
     下表は、1年から10年の期間にわたり、ANZのTSRパフォーマンスを、選定金融サービス(「SFS」)比較可能グループ                                                        の
    TSR中央値および業績に基づく権利(「PR」)のTSR上位25%層のTSRと対照している。下表は、当グループのPRを異なる業績期
    間(すなわち、2022年9月30日まで)で測定したTSRである。
                                                 (1)
     ・ ANZのTSRパフォーマンスは、3年および5年にわたり比較した際に、SFS比較可能グループ                                             のTSR中央値を上回った。
     ・ 1年および10年にわたる比較の場合は中央値を下回った。
                                      2022年9月30日までの年数

                                          (2)
                                   1年             5年       10年
                                        3年
     ANZ(%)
                                  (14.0)       (7.3)       0.2       59.5
     SFSのTSR中央値(%)                             (12.6)       (14.1)       (2.0)       88.4
     SFS上位25%のTSR(%)                              8.4      25.5       51.2       166.6
    (1)  SFS比較グループの詳細については、下記5.2.5を参照のこと。

    (2)  2018年11月/12月に付与され、2021年11月に判定されたPRの査定結果は上記4.4.3に詳述されている。
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    5.  2022  年度の執行役員の報酬の体系および支給
     ANZの報酬には、固定報酬(「FR」)とリスク変動報酬という2つの中核的な構成要素がある。
     報酬を編成するにあたり、取締役会は固定報酬と変動報酬(リスク性あり)、支給方法(現金対後渡し報酬)、適切な繰延
    期間(短期、中期、長期)の間の適正なバランスを確保することを目指している。
     取締役会は、CEOおよび開示を要する執行役員のFRを、金融サービス市場との相関性に基づき、また職責、業績、適性および
    経験を反映して設定し、毎年見直しを行っている。FRの年次市場レビューは当初2022年9月に予定されていたが、APRAが新た
    に健全性基準CPS511「報酬」を公表した結果、取締役会が報酬の変更による市場での影響をより明確に把握するため、2023年
    の初めまで延期されている。
     CEOおよび開示を要する執行役員の変動報酬は、短期変動報酬(「STVR」)と長期変動報酬(「LTVR」)で構成されるが、そ
    れらは外部の市場慣行と一致している。
     変動報酬は、当グループのCEOおよび開示を要する執行役員が当グループの事業戦略を支え高い業績目標を掲げることを重視
    するように、またリスク管理および長期的なステークホルダー価値の実現が促されるように設計されている。
     変動報酬の査定は、様々な測定基準(下記に示す。)に基づいており、健全性基準CPS511「報酬」に従って、非財務測定に
    重要な比重を置いている。当グループの変動報酬へのアプローチは、株主のための長期的かつ持続可能な実績の促進を強く重
    視している。例えば、STVRの査定には、株主価値の重要な要因とみなされる多くの目標が含まれ、LTVR部分の重要な比重(変
    動報酬の60%超)およびANZ株式で支給されるSTVRの50%は、(株価および配当に関して)執行役員報酬の大部分を株主体験に
    一致させるものである。
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     変動報酬のかなりの部分を繰り延べることで(CEOおよび開示を要する執行役員が上限機会の79%、CROが75%)、当グルー












    プは株主利益との整合性を確保しANZの戦略目標を達成し、確実に長期的な価値創出を重視するよう努めている。後渡し変動報
    酬は重要な慰留の要素となり、最も重要なことには、ゼロまで下方修正ができ、これにより取締役会は、その決定および措置
    の長期的な影響に関して個別にまたは共同で執行役員に責任を持たせることができる。
     取締役会の裁量は、以下を含め、CEOおよび開示を要する執行役員全員の変動報酬査定の決定の際に適用される。
     ・ 各事業年度におけるSTVRおよびLTVR
     ・ LTVRの権利確定結果(権利確定前評価)
     ・ 以前繰り延べられた報酬の予定された引渡し前のマルスまたは追加繰延の検討
     ・ 2022年以降の変動報酬の支払いまたは権利確定後2年間を上限とするクローバックの検討(下記5.3を参照のこと。)
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    5.1   報酬構成
     上記3で示されたとおり、CEOおよび開示を要する執行役員は、現在同じ報酬構成(上限機会においてFRが30%、STVRが30%
    およびLTVRが40%)および構造(APRAの繰延要件に沿ったCEOのさらに繰延の長期化を除く。)を有している。
     CEO

     下表は、合計報酬機会が減少したものの、LTVR部分は、長期の重点項目および株主体験との一致を強化するためにわずかに
    減少したにすぎないことを示している。
     開示を要する執行役員





     下表は、開示を要する執行役員の上限機会の大幅な引下げ(約30%)(すなわち、この例では-183.7万ドル)を示してい
    る。以前の複合VR構造の下では、150%の上限機会が複合VRに適用された一方で、新たな報酬体系においては、上限機会は
    125%に引き下げられ、STVRにのみ適用される。
      (1)  CRO を除く。




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     CRO
     CROの報酬の取決めは、その職務の独立性を保護し、組織全体にわたるリスク統制機能を果たす際の利益相反を最小化するた
    め、他の開示を要する執行役員のものとは異なる。
     STVR機会(FRの100%)はCEOおよび開示を要する執行役員と同じであるが、LTVR機会は異なる(FRの135%でなくFRの
    100%)。これは、RRを100%として支給するLTVR(RRを50%およびPRを50%ではない。)を反映している。CROについては、変
    動報酬の上限機会はFRの270%から200%に引き下げられた。報酬構成は、FRが33.3%、STVRが33.3%、LTVRが33.3%である。
     取締役会は、開示を要する執行役員とCROの双方について、FRの増額を除き、開示を要する執行役員の約4%の構造上の昇給
    の支払いを2023年度まで延期することを決定したため、開示を要する執行役員の2022年度の実際の上限機会における報酬構成
    は、FRが29%、STVRが30%、LTVRが41%(およびCROについては、FRが32%、STVRが34%、LTVRが34%)である。
    5.2   変動報酬の支給

     CEOおよび開示を要する執行役員(CROを除く。)の変動報酬は、以下のとおり支給される。
     ・ STVRは、現金50%および株式50%(2年目および3年目にわたり等しく繰り延べられる。)
     ・ LTVRは、RRおよびPRが、以下のとおり繰り延べられる。
        - CEOについては、4年目(33%)、5年目(33%)および6年目(34%)
        - 開示を要する執行役員については、4年目(50%)および5年目(50%)
     RRおよびPRはいずれも、4年の業績期間終了時に関連する業績条件に照らして判定され(上記5を参照のこと。)、その後

    各繰延期間が完了するまで、追加の保有期間に従う。
     業績目標では、CEOおよび開示を要する執行役員については変動報酬の63%、CROについては変動報酬の56%が、(取締役会
    が10月に変動報酬を承認する日(および株主がCEOの LTVRを承認する日)から)少なくとも4年間繰り延べられる。これは、
    CEOについては60%および開示を要する執行役員については40%のBEAR最低繰延要件を遵守したものである。CEOが目標STVRを
    上回って受領した場合、目標を上回る金額は、BEARおよびAPRAの健全性基準CPS511「報酬」に関連する最低繰延要件の遵守を
    確保するため、現金で40%および後渡し株式で60%(4年目に20%、5年目に20%、6年目に20%)を支給され る。
     取締役会は、予定された後渡し報酬の引渡し前に、CEOおよび開示を要する執行役員に対して以前繰り延べられた報酬につい
    て、マルス(または権利確定のさらなる繰延)を適用するか否かを検討する。取締役会はまた、2022事業年度以降付与される
    変動報酬にクローバックを適用するかも検討する。下記5.3を参照のこと。
    5.2.1    STVR現金-CEOおよび開示を要する執行役員

     STVRの現金部分は、年次の業績および報酬レビューの終了時(2022年12月)に執行役員に対して支払われ、2022年以降は支
    払後2年間クローバックの対象となる。
    5.2.2    STVR後渡し株式-CEOおよび開示を要する執行役員

     後渡し株式による執行役員のSTVRを、2年および3年にわたり繰り延べること(ならびにマルスおよびクローバックの対象
    とし続けること)により、当グループは、かかるSTVR金額の多くの部分を株主価値の実現に直接連動させることができる。当
    グループは、10月1日から翌年9月30日の事業年度の業績に係る後渡し株式を、毎年11月下旬に付与している。
     CEOおよび開示を要する執行役員の後渡し変動報酬については、当グループは、付与する後渡し株式の数を、ASXで売買され
    る株式の、10月1日(すなわち、事業年度の開始に合わせて)までの5営業日(10月1日を含む。)のVWAPに基づいて計算す
    る。2022事業年度より前の割当ては、付与日までの5営業日(付与日を含む。)のVWAPに基づいていた。割当てに使用する
    VWAPは、開示および費用計上の目的で使用される公正価値のVWAP(すなわち、付与日での1日VWAP)とは異なる。
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     一定の場合、当グループは執行役員に対して、後渡し株式に代えて後渡し株式の権利を付与することができる。後渡し株式
    の権利1個につき普通株式1株に対する権利が保有者に与えられる。
    5.2.3    LTVR-CEOおよび開示を要する執行役員

     LTVRは、長期戦略目標の達成、同業他社と比較した優れた業績の追求およびすべてのステークホルダーにとっての長期的に
    持続する価値創出を強化するものである。下表は、LTVR                          RRとPR両方に共通の設計上の特徴を示している。
     新しい報酬体系への移行の一貫として、2022年度にLTVRは付与されなかったが、本項では、2022年11月/12月頃に付与され
    る予定の2023年度LTVR報酬に適用されるLTVRのアプローチを詳述する。
     要素          詳細

     詳細          RRおよびPRは、適用される期間および業績要件が充足される限り、ANZ普通株式1株を無償
               で取得する権利を提供する。それらの将来価値は、ゼロから不定額までの範囲となる可能性
               がある。その価値は、適用される業績要件に対する業績と行使時の株価に左右される。
     業績期間          RRおよびPRは双方とも、10月1日から開始し4年後の9月30日に終了する4年の業績期間
               (例えば、2023年度付与の場合、2022年10月1日から2026年9月30日)を有する。LTVRは、
               現時点では当該事業年度の期首(期末ではない)に付与される予定である。
     繰延期間          繰延期間は、4年の業績期間と適用される保有期間の合計である。
               保有期間は、4年の業績期間が終了した翌日に開始し(例えば、2023年度LTVR報酬の場合、
               2026年10月1日)、付与日の4年目、5年目または6年目の応当日に終了する。
     行使期間          権利が確定し行使可能となった場合、関連する繰延期間(4年、5年または6年)の終了時

               にのみ権利を行使することができる。
               RRおよびPRの場合、関連する繰延期間の終了時に開始する2年の行使期間が存在する。
     費用計上          ANZは、費用計上の目的にのみ用いられるRRおよびPRの公正価値を独立して決定するため、
               プライスウォーターハウスクーパースと契約している。プライスウォーターハウスクーパー
               スは、市場実績、株価の変動、商品の残存期間、配当利回りおよび付与日の株価等の要因を
               考慮する。
     配当          配当相当支払金(「DEP」)は、関連する繰延期間の終了時に現金で支払われるが、基礎と
               なる権利のすべてまたは一部が該当の業績要件を満たし、その個人に権利確定した場合にの
               み支払われる。配当同等物は、RRについては全繰延期間にわたり、PRについては保有期間中
               にのみ計上される。
     割当基準          取締役会がCEOおよび開示を要する執行役員に割り当てるRRおよびPRの数を決定するために

               使用する価値は、ASXで売買される当行株式の10月1日(すなわち、事業年度およびLTVRの
               業績期間の開始日)までの5営業日の額面価額である。
               LTVRは、開示を要する執行役員に対して11月下旬/12月上旬、CEOに対して12月の事業年度
               の期首頃に付与される(ただし、株主の承認を条件とする。)。
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    5.2.4    LTVR制限付き権利-CEOおよび開示を要する執行役員
     RRの導入は、LTVRが非財務測定に重要な比重を置き(APRAの健全性基準CPS511「報酬」により要求される。)、株主との長
    期的調整への支援を確保するものである。
     取締役会は、RRの適切な測定について熟考した。報酬の査定結果に対する「二重の影響」というリスクを軽減するため、
    STVR部分とLTVR部分の測定に関する包括的評価が検討された。リスクに応じた焦点は、新しい健全性基準CPS511「報酬」の意
    図を反映し、報酬の取決めによって、個人に対し慎重にリスクを管理するよう適切に促すことを確保する。業績要件は、重要
    なリスク事象および長期にわたる強固なリスク文化の構築を確実に行うために設計されている。
     要素          業績要件の詳細

     RR の付与前         付与前評価の目的:         RR付与価額を減額すべきかを決定し、主として過年度の実績に基づく。
               権利確定前評価の目的:           RR付与価額がすべて権利確定されるべきか決定し、主として4年の
     および権利確定前
               業績期間にわたる実績に基づく。
     評価
               付与前および権利確定前評価は、当年度または過年度のいずれかに同じ事由/実績に対して
               すでに適用された調整(すなわち、STVRおよびLTVRの調整、マルスならびにクローバック)
               も考慮に入れ、全体的な影響が公平であり実績の程度に応じたものであることを確保する。
               よって、その他の報酬調整が最初に検討される可能性に鑑みると、また、将来RRの付与に重
               点が置かれることから、RRは、以下の3つの評価手順の結果がその他の方法で決定されない
               限り、ほとんどの年度において上限価額で割り当てられることが予想される。
               ステップ1               ステップ2               ステップ3

               健全性の評価               リスク測定の評価               取締役会の裁量の適用
               ・ANZが自己資本比率および               ・重要な影響を及ぼすことが               ・取締役会は、以下を含む

                流動性の健全性最低基準              見込まれるまたは及ぼして               様々な要因の検討に基づ
                を充足しない場合は付与              いる執行役員の作為または               き、LTVR     RRの査定結果に
                されない。              不作為による      重大なリスク
                                             対して減額すべきかを決
                              評価結果    を検討する。
                                             定する。
                                             - ステップ1と2から得
                             ・ APRAの厳格な監督        水準に極
                                              た結果
                              めて不利な変更があればそ
                              れを検討する。               - 市場におけるANZの評
                                              判/位置に対する課題
                             ・ANZが健全なリスク文化を
                                              の影響(もしあれば)
                              維持している(またはそれ
                                             - 課題がANZ、銀行業界ま
                              に向けて前進している)か
                                              たはより広い範囲の市
                              を検証するために、執行役
                                              場に特有であるか否か
                              員の作為または不作為を考
                                             - すでに適用されている
                              慮に入れ、     リスク文化     を検
                              討する。
                                              影響(例えば、下方調
                                              整した場合の波及経
                                              路、LTVR     RRに対する付
                                              与前評価の影響)
                                             - 影響が個人的または集
                                              合的に及ぼされた否か
               取締役会の裁量の適用が求められる状況が通常様々でありまたは独特であることを考慮する
               と、評価は統一的なものとする予定はないが、取締役会の意思決定の枠組みは、裁量を適用
               する際の取締役会の指針となるよう整備されている。
     重要なリスク評価          重要なリスク評価結果の検討は、当グループの広範な説明責任および結果フレームワーク

     結果のプロセス          (下記6を参照のこと。)の一部を形成する重要なプロセスであり、関連するすべての事象
               が適切に表面化し検討されることを確保するために策定された、包括的なボトムアップ・プ
               ロセスである。重要な手順には以下が含まれる。
               ・リスク、行動および監査事象が、ANZのコンプライアンス&オペレーショナル・リスク・シ
                ステムで報告される。
               ・説明責任部門グループは、深刻な監査事象、行動テーマおよび傾向を精査し、説明責任お
                よび結果に関する提言を行う。
               ・全社的説明責任グループ(「EAG」)は、説明責任部門グループの提言を検討し、最終判断
                を下す。
               ・人事委員会は、最も深刻なリスク、行動および監査事象を精査し(CROからの独自の報告の
                一部として)、当グループ、部門、ならびにCEOおよびExCoの個人レベルでの影響を判断す
                る。
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    5.2.5    LTVR業績に基づく権利-CEOおよび開示を要する執行役員(CROを除く)

     要素          業績要件の詳細

     業績に基づく権利          業績に基づく権利(「PR」)は、長期戦略目標の達成および執行役員と株主の利益の一致に
     の要件          集中することの重要性を反映した株主総利回り(「TSR」)業績要件を伴う。当グループ
               は、PFの2023年度付与分に対して、2つのTSR業績要件を適用する。
               ・75%は、相対TSR要件に照らして評価する(第1トランシュ)。
               ・25%は、絶対TSR要件に照らして評価する(第2トランシュ)。
               TSRは、株式価値の変動に、支払われた配当の再投資による価値を加味したものである。TSR

               は株主価値の実現に主眼を置き、十分に理解され検証された業績測定メカニズムであること
               から、当グループはこれがもっとも適切な長期の評価基準であると考えている。以下によ
               り、相対TSRと絶対TSRの要件の組合せでプランはバランスが保たれている。
               ・相対:比較可能会社の業績を上回る業績に対して執行役員に報酬を与える。
               ・絶対:市場後退の局面にあっても、引き続きプラス成長を生み出すことに重点が置かれ
                る。
               2つの要件は、業績の異なる側面を評価する。

               ・相対TSR要件は、当グループのTSRを、中核的な地域およびグローバルの競争相手からなる
                選定金融サービス(「SFS」)の比較可能グループのTSRと比較して評価する。この比較可
                能グループは、収益をめぐってANZが競争している地域および事業セグメントを広く反映
                して選定されている。
               ・年平均成長率(「CAGR」)を応用した絶対TSR要件は、執行役員に対し、達成されるべき
                株主利回りの水準についてより直接的な見通しを提供する。また、執行役員の報酬と株主
                に帰属する財務実績との間により密接な相関性がもたらされる。
               当グループは、4年間の業績期間終了時に各要件に対するANZのTSRを測定し、PRの各トラン

               シェが権利行使可能か否かを判断する。各トランシェはそれぞれ別個に測定される。例え
               ば、一方のトランシェは完全にまたは一部権利が確定するが、他方のトランシェの権利が確
               定しない場合がある。
     PR に関する相対TSR         相対TSR要件は外部的な要件であり、当グループのTSRを、SFS比較可能グループのそれに照

     要件          らして4年間で評価する。SFS比較可能グループ(前年度から変更はない。)は、バンク・
               オブ・クイーンズランド・リミテッド(Bank                     of  Queensland      Limited)、ベンディゴ・アン
               ド・アデレード・バンク・リミテッド(Bendigo                        and  Adelaide     Bank   Limited)、コモン
               ウェルス・バンク・オブ・オーストラリア・リミテッド(Commonwealth                                  Bank   of  Australia
               Limited)、DBSバンク・リミテッド(DBS                    Bank   Limited)、マッコリー・グループ・リミ
               テッド(Macquarie         Group   Limited)、ナショナル・オーストラリア・バンク・リミテッド
               (National      Australia     Bank   Limited)、スタンダード・チャータード・ピー・エル・シー
               (Standard      Chartered     PLC)、サンコープ・グループ・リミテッド(Suncorp                             Group
               Limited)およびウェストパック・バンキング・コーポレーション(Westpac                                       Banking
               Corporation)で構成される。
               比較可能グループのTSRと比較した
                                    >   PR が確定する割合は、
               当グループのTSRが、
               第50パーセンタイル値未満である場合                       0%
                                      50%をベースに、第50パーセンタイル値
               第50パーセンタイル値以上を達成したが、
                                      を1パーセンタイル上回るごとに2%を
               第75パーセンタイル値未満である場合
                                      加算
               第75パーセンタイル値以上である場合                       100%
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     PR に関する絶対TSR         CAGRを応用した絶対TSRは、ANZが最低限の成長水準を達成しまたは上回っているかに関する
     要件          内部的な要件であり、取締役会が業績期間の期首に設定する。取締役会は毎年、PRの付与に
               関する絶対TSR目標を見直し承認する。目標を見直す際に、取締役会は、ANZの評価済み資本
               コストを参照する。資本コストは、資本資産価格モデル(「CAPM」)などの手法を用いて決
               定され、定期的に見直された上で、現時点での市況を反映するために更新される。2023年度
               PRの将来的な性質により、また、増大した10年債の利率の変動性を考慮して、取締役会は、
               2023年度PRのCAGRを応用したTSR目標として、下半期平均資本コストの使用が適切であると
               判断した。
               CAGR  を応用した当グループの絶対TSRが、                   ⇒   PR が確定する割合は、

               9.125%未満である場合                       0%

               9.125%である場合                       50%

               9.125%以上13.688%未満である場合                       50%から100%まで比例的・直線的に累増

               13.688%以上である場合                       100%

     TSR  パフォーマンス        TSRを基準とする業績の計算において、当グループは、
     の計算          ・  90営業日期間の初日および最終日の価格の平均計算値を用いることで、株価変動の影響を
                緩和している。
               ・  TSR要件に対するANZの業績の計算につき、外部機関(マーサー・コンサルティング(オー
                ストラリア)Ptyリミテッド(Mercer                 Consulting      (Australia)      Pty  Ltd))のサービスを
                契約することで、独立的な評価を確保している。
               ・  業績は、4年の業績期間終了時に1回限りで、要件に照らして判定される。業績要件に達
                しない場合、業績に基づく権利は失効し、再判定は行われない。
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    5.3   下方修正-取締役会の裁量
     取締役会は、その裁量を行使し、査定結果の管理の一部として、多くの下方修正の選択肢を適用する(適用法および定めら
    れた条件に従う。)。取締役会は、いつでも以下の選択肢またはそれらの組合せを行使する選択を行うことができるが、健全
    性基準CPS511「報酬」に定める状況が生じた場合、常にそれらの使用を検討する。以下の1.から3.に定める下方修正の選択肢
    は全従業員に適用されるが、2022年度のクローバック(下記4.)は現在、特定の従業員(主にCEO、開示を要する執行役員およ
    びクローバック規定が適用される管轄区域の一部の管理職)に限定されている。
     1.   期中調整    は、最も一般的な下方修正であり、従業員が当該年度に付与された他の変動報酬分を減額する。
     2.   追加繰延/凍結       は、変動報酬の支払い/割当ての決定を遅らせ、または後渡し報酬の権利確定をさらに延期し、権利確
       定済み/未行使の株式および権利を凍結する。この選択肢は、通常調査が保留中/進行中の場合にのみ検討される。
     3.   マルス   は、後渡し報酬の権利確定前に、そのすべてまたは一部の価値を引き下げる調整である。マルスは、より深刻な
       業績または行動に問題が生じた場合に用いられる。当グループが従業員に付与するすべての変動報酬は、ANZの継続的か
       つ絶対的な裁量に従い、関連する変動報酬の権利確定前のいつでもマルスを適用し変動報酬の下方修正(ゼロまでの減
       額を含む。)が行われる。
     4.   クローバック      は、すでに権利確定しまたは支払われた変動報酬の回収である。この選択肢は、通常状況の深刻度を考慮
       して、他の種類の下方修正/その他の結果が不適切である場合にのみ検討される。
     後渡し報酬の予定された権利確定前に、取締役会(CEO、開示を要する執行役員およびその他特定された役職に関して)およ

    び/またはEAG(他の従業員に関して)は、追加繰延、マルスまたはクローバックを適用すべきかどうかを検討する。詳細につ
    いては、下記6を参照のこと。
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    6.説明責任および結果フレームワーク
     2022年度、当グループは、引き続きANZの説明責任および結果フレームワークを強化し進展させた。全社的説明責任グループ
    (「EAG」)は、説明責任および結果フレームワークの運用に関する主要なガバナンスの仕組みである。
    6.1   EAGの役割

     EAGは、CEOを委員長とし、そのメンバーにはCRO、CFOおよびグループ執行役員(人材およびカルチャー担当)が含まれる。
    人事委員会から委任された権限に基づいて運営され、以下の責任を有する。
     ・ ANZの説明責任および結果フレームワークの実施および継続的な有効性を監視する際に取締役会を補佐する。
     ・ 最も重大なリスク、行動、監査事象、説明責任および査定結果の適用(必要に応じて)をレビューする。
     ・ リスク行動を強化するために、各部門に指針を示し部門全体における取組みを検討する。
     ・ 重大なポジティブリスク事象を確認し(2022年度より)リスクのロールモデルを認識し、その成果を組織全体に説明す
       る。
     ・ 後渡し変動報酬に対する下方修正の解除または適用を承認する(CEOおよび開示を要する執行役員については、取締役が
       これを承認する。)。
    6.2   重大なポジティブリスク事象

     2022年において、EAGは、当グループのリスクの特定および軽減に対する積極的なアプローチが重大なプラスの結果をもたら
    した場合に、重大なポジティブリスクに関する決定事項と事象のレビューを含めるため、その範囲を拡大した。これらの事例
    のレビューは、当該事象の重要性を認識し、企業全体で認識を共有する機会を提供する。
    6.3   リスクのロールモデル

     2022年度において、組織のリスクを管理し軽減するとともに、当グループの強固なリスク文化に寄与する取組みに対し、59
    名の個人が優れたリスク行動を行ったロールモデルとして表彰された。その59名にはCEOから個人的に電子メールが送られ、当
    グループのイントラネットや社内のニュースレターにその功績が紹介された。
    6.4   健全性基準CPS511「報酬」の実施

     APRAの新たな健全性基準CPS511「報酬」の実施の一貫として、当グループは、新基準との整合性を確保するために、説明責
    任および結果フレームワークと関連プロセスの包括的なレビューを実施した。すでに新しい要件のほとんどを遵守していると
    の評価を受けているが、当グループは、その機会を利用して、既存の説明責任および結果フレームワークとそのプロセスを拡
    充した。
     当グループは、2022年度より、CEOおよび開示を要する執行役員に対してクローバック規定を設けた。それに加えて、期中調
    整、追加繰延およびマルス等の既存の調整手段も引き続き適用している。
     他の拡充には、従業員研修や伝達においてより明確に説明責任および結果フレームワークを参照することで、説明責任およ
    び結果(報酬の査定結果を含む。)に関する従業員の意識をさらに高めること、当グループの業績および報酬に関する方針文
    書を簡略化することが含まれる。
    6.5   重大なリスク、監査および行動事象に関する結果の検討

     EAGには、事象のレビューならびに説明責任および査定結果の決定における利益相反のリスク軽減を確保する手続きが整備さ
    れている。例えば、説明責任のレビューを実施する際に、レビュー責任者およびレビュー範囲に関する推薦は、その個人が偏
    見のない公平なレビューを行う能力を有しているかを確認するため、CROまたは(当グループのリスクに関わる事象の場合は)
    CEOに提出し検討され、承認を得なければならない。
     当グループの上級執行役員の説明責任および査定結果については、人事委員会および取締役会が検討し決定する。
     最も重大なリスク、監査および行動に関する問題は、同時開催される会合において、人事委員会、リスク委員会および監査
    委員会に報告される。この情報は、当グループの業績および全従業員の2022年度ANZIP変動報酬資金プールを検討し、CEOおよ
    び開示を要する執行役員の業績および報酬査定結果を決定する際に、取締役が考慮した。
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     人事委員会および取締役会は、以前繰り延べた報酬へのマルスの適用を含む、CEOおよび開示を要する執行役員の説明責任お
    よび査定結果を検討する。2022年度は、CEOおよび開示を要する執行役員について以前繰り延べられた報酬にマルスは適用され
    なかった。
     査定結果を決定する際、説明責任の程度、顧客への影響を含む問題の重要性が考慮される。査定結果として、例えば、相
    談、正式な警告、期中業績および報酬査定への影響、以前繰り延べた報酬へのマルスの適用、ならびに最終的には最も重大な
    問題による雇用の終了やクローバックなどが挙げられる。
    6.6   進化する説明責任および結果フレームワーク

     説明責任、査定結果および強固なリスク文化の推進に対して当グループが継続的に注力することにより、物事がうまくいか
    ない場合の顧客コミットメントを支援して、直ちにそれを解決し、現職(場合によっては前職)の執行役員に適宜責任を持た
    せる。当グループはまた、事象の原因から学び、将来の再発リスクを軽減し、継続的に当グループのリスク文化の強化を図る
    ことに注力している。当グループは、説明責任および結果フレームワークの有効性を毎年見直し、規制および社内ステークホ
    ルダーのインプットに基づき、当該フレームワークのさらなる強化のための拡充を実施する。
    6.7   率直に発言する文化

     当グループは継続して従業員の意識を高め、以下のような取組みを通じて、従業員が率直に発言し問題や意見を述べること
    のできる様々な方法を促進している。
     ・ 内部告発啓発に関する研修
     ・ 内部告発プログラムおよびプロセスへの信頼を築くことを目的とするデジタル・コミュニケーション
     これらは、当グループの従業員エンゲージメント調査の回答を分析することにより実施される。

     さらに、重要なリスクおよび率直な発言に関するスコアは、「リーダーはリスクに責任を持つ」(86%)、「報復措置の心
    配なく問題提起することができる」(80%)および「発言した考え、意見および懸念を聞いてもらえる」(83%)など、2021
               (1)
    年および2020年の結果           と同様に力強い一貫した数字となった。
    6.8   査定結果の適用

     2022年度には1,133件の行動規範違反に関する従業員関連事案が生じ、その結果、2021年の573名から減少して518名の従業員
    が正式な懲戒処分を受けたかANZを退職した。違反行為は、コンプライアンス/手続上の違反(23%)から、一般的な許容でき
    ない行為(36%)、電子メール/システムの悪用(17%)、勤怠に関する問題(14%)、不正行為/窃盗(4%)、利益相反
    (2%)および当グループの機会均等、いじめおよびハラスメントに関する方針違反(3%)の範囲にまで及ぶ。当年度の違
                                              (2)
    反行為の調査結果には、95件の雇用終了、322件の警告および101名のANZを退社した従業員                                           が含まれる。
     当グループの上級リーダーシップレベル(上級執行役員、執行役員およびシニアマネージャー)への査定結果の適用に関し
    て、21名の現従業員および元従業員(2021年度は16名)の査定結果が、当グループの行動規範方針の適用および/または関連
    する事象の責任に関する調査結果により適用された。査定結果には、警告、業績および報酬の査定への影響、ならびに元従業
    員については以前繰り延べられた報酬のマルス(該当する場合)が含まれる。
     企業全体におけるすべての従業員および契約社員は、義務付けられている学習モジュールを修了することが求められる。期
    限後30日以内に学習必須要件を修了しなかった正規従業員は、(例外的な状況を除き)年次業績および報酬レビューの一部と
    して、FRまたは変動報酬を受領する資格を有しない。2022年度において、企業全体における必須学習コースの受講修了率は
    99.9%であった。
    (1)  報告された結果は、第2四半期および/または第4四半期の従業員エンゲージメント調査によるものである。

    (2)  従業員は関係のあるすべてのカテゴリーに含まれている。つまり、1名の従業員が複数のカテゴリーに反映されている場
      合があることを意味する。
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    7.非執行取締役        (「NED」)      の報酬
    7.1   報酬の体系
     NEDは、取締役としての報酬、および取締役会委員会の委員長または委員としての追加報酬を受ける。取締役会会長は、取締
    役会委員会の業務について追加報酬を受けない。
     人事委員会および取締役会は、NEDの2022年度の報酬を検討し、NEDとしての報酬ならびに監査委員会委員長および委員とし
    ての委員会報酬に変更はない(2020年以降変更がないデジタル事業および技術委員会の委員長報酬を除き、2016年以降会長、
    NEDおよび委員会報酬に変更はない。)ことを決定した。2022年4月1日より、取締役会会長、ならびにリスク委員会、人事委
    員会、デジタル事業および技術委員会、倫理、環境、社会およびガバナンス委員会の委員長および委員に対する報酬は増額さ
    れた。
     取締役および委員としての報酬を設定する際、取締役会は、一般的な業界慣行、ASXのコーポレート・ガバナンス原則と推
    奨、NEDの役職に伴う責任およびリスク、当グループおよび当行の課題に対してNEDに期待される時間的関与、ならびに比較可
    能な会社のNEDに支払われる報酬を考慮する。
     ANZは、NEDの報酬を、時価総額が近いオーストラリア上場会社のうち特に大手金融サービス機関に絞った比較可能グループ
    と比較している。規模、業務の複雑性および性質ならびにNEDの稼働時間が近似することを前提に、これが適切なグループと考
    えられる。
     NEDの独立性および不偏性を維持するため、
     ・ NEDの報酬は、当グループの業績と連動しない。
     ・ NEDは、当グループの変動報酬の取決めに関して参加資格を有しない。
     現行のNEDの報酬資金プール総額は400万ドルであり、2012年度の年次株主総会で株主から承認を受けた。退職年金拠出金を

    含むNED報酬の年間総額は、この合意に基づく上限の範囲内に収まっている。
     下表は、2022年度のNEDの報酬方針の構成を示す。

    2022  年度  NEDの報酬方針の構成

                               2022年上半期               2022年下半期

                            会長報酬・               会長報酬・
                                   取締役報酬・               取締役報酬・
                            委員長報酬        委員報酬        委員長報酬        委員報酬
                                      (単位:ドル)
        (1)(2)
    取締役会                          825,000       240,000        850,000       240,000
    監査委員会                           65,000       32,500        65,000       32,500
    リスク委員会                           62,000       31,000        65,000       32,500
    人事委員会                           57,000       29,000        65,000       32,500
    デジタル事業および技術委員会                           45,000       15,000        55,000       27,500
    倫理、環境、社会およびガバナンス委員会                           35,000       15,000        55,000       27,500
    (1)  退職年金を含む。

    (2)  取締役会会長は取締役会委員会の委員としての追加報酬を受けない。取締役会会長およびNEDは、指名および取締役会運営
      委員会の委員報酬を受けない。
     NED  の持株ガイドライン

     人事委員会は、会長・委員長の持株ガイドラインを見直し、2021年10月1日より、NED報酬の200%から会長・委員長報酬の
    100%に増加させる(すなわち、480,000ドルから850,000ドル)ことを決定した。
     当グループは、NEDにANZ株式の保有を要求している。NEDは、以下を要求される。
     ・ 任命から5年にわたり、以下の相当額まで株式を積み増すこと。
        - 取締役については、NED報酬の100%
        - 取締役会長については、会長報酬の100%
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     ・ ANZの取締役である間は、かかる持株を維持すること。
     2022年9月30日現在のANZの株価に基づくと、1名を除き5年を経過したすべてのNEDが保有要件を満たしている。9月30日

    現在に5年超NEDを務めた1名が保有していたANZ株式の価値が、ANZ株式の価格変動によって基準をわずかに下回った。
    7.2   2022  年度  の法定報酬-NED

     下表は、オーストラリア会計基準に準拠して開示したNEDの法定報酬を示している。
     下記の報酬に加えて、サー・ジョン・キーは、ANZバンク・ニュージーランド・リミテッドの会長としての役職についても、
    2022年度に422,050ニュージーランドドルおよび2021年度に391,000ニュージーランドドルを受領した。
    2022  年度  の法定報酬-NED

                              短期NED手当              退職後

                                           退職年金
                                                       (3)
                             (1)          (2)        (1)
                   事業年度                                報酬総額
                           報酬       非貨幣給付          拠出金
                                  (単位:ドル)
     現職の非執行取締役
                    202  2       813,501         6,128        23,999        843,628
     P. オサリバン
                    2021         764,033         19,931         22,163        806,127
     I. アトラス              202  2       330,751           –      23,999        354,750
                    2021         322,337           –      22,163        344,500
     J. ハルトン              202  2       318,001           –      23,999        342,000
                    2021         306,837           –      22,163        329,000
     J. キー              202  2       290,251           –      23,999        314,250
                    2021         278,837           –      22,163        301,000
     G. リーベルト              202  2       360,427           –       6,323       366,750
                    2021         341,337           –      22,163        363,500
     J. マクファーレン              202  2       301,501           –      23,999        325,500
                    2021         296,337           –      22,163        318,500
           (4)
                            302,863           –      22,579        325,442
     C. オライリー              202  2
         (5)

                             36,003           –       3,780        39,783
     J. スミス              202  2
     前職の非執行取締役

           (6)
                    202  2        76,372         4,944           –      81,316
     P. ドワイヤー
                    2021         365,000           –         –     365,000
     非執行取締役全員の合計               202  2      2,829,670          11,072        152,677       2,993,419
                    2021        2,674,718          19,931        132,978       2,827,627
    (1)  対前年の報酬の差額は、NED報酬の変更および退職年金拠出金の上限基準額の変更に関連する。2021年10月1日から2022年

      6月30日の期間にG.リーベルト、および2020年10月1日から退職日までの期間にP.ドワイヤーは、報酬のすべての支払い
      を受領する選択をしたため、退職年金拠出金を受領しなかった。
    (2)  非貨幣給付は一般に、駐車場および退社時の贈与等、会社負担の手当(および関連する付加給付税)で構成される。
    (3)  長期手当および株式に基づく支払いは、NEDには適用されない。
    (4)  C.オライリーは、2021年11月1日にNEDに就任したため、2022年度の報酬は勤務年の一部を反映したものとなっている。
    (5)  J.スミスは、2022年8月1日にNEDに就任したため、2022年度の報酬は勤務年の一部を反映したものとなっている。
    (6)  P.ドワイヤーは、2021年12月16日にNEDを退任したため、2022年度の報酬は勤務年の一部を反映したものとなっている。
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    8 .報酬ガバナンス
    8.1   人事(「HR」)委員会
    8.1.1    人事委員会の役割
     人事委員会は、報酬およびその他の人事事項について取締役会を補佐する。当グループの報酬方針および慣行を検討し、ま
    た市場慣行ならびにオーストラリア内外の規制上およびコンプライアンス上の要件も監視する。
                      (1)
     当年度中、人事委員会は7回の会議                  をもち、以下を含む事項について検討および承認または取締役会への勧告を行った。
     ・ ANZBGLの報酬方針の対象となるCEOおよびその他の主要執行役員(報酬報告における開示対象者より広義)の報酬ならび
       にNEDの報酬
     ・ APRAの健全性基準CPS511「報酬」の実施に関連する事項、BEARおよび財務省の金融説明責任体制(「FAR」)に関する最
       新情報
               (1)
     ・ CPS511「報酬」          を考慮した執行役員報酬体系の変更
     ・ ANZグループ業績フレームワーク(年間目標の設定および評価)ならびに年間変動報酬の支出
     ・ 主要上級執行役員の実績および報酬の査定(当年度に生じたまたは明らかになった重大な事象の検討を含む)
     ・ 後渡し報酬の引渡し、追加繰延またはマルスの適用
     ・ 主要上級執行役員の任命および解任
     ・ ANZBGLの報酬方針、説明責任および結果フレームワークの実効性
     ・ サー・ステファン・セジウィックによる業界全体のリテール報酬レビューに対するANZの対応
     ・ 当グループの戦略を実現するために必要な能力の開発
     ・ 主要上級執行役員の後継育成計画
     ・ 文化、多様性およびインクルージョン、従業員エンゲージメント、ならびにポスト・コロナの環境での働き方
     当グループは、2021年のサー・ステファン・セジウィックによるリテール報酬レビューからの提言の実施を完了した(業界

    全体の提言は現時点で進行中である。)が、セジウィックの提言の継続的遵守を確保するために、人事委員会に提供された最
    新情報と共に、当グループのプロセスを引き続き見直す。このレビューは、リテール・バンクのインセンティブ、販売慣行お
    よび良好な顧客結果の整合性を強化することに重点が置かれた。
     人事委員会の役割に関する詳細は、同委員会の憲章を含め、ANZのウェブサイト(anz.com                                             > Our  company    > Strong
    governance      framework     > ANZ  Human   Resources     Committee     Charter)に掲載されている。
    (1)  人事委員会は、当年度中に一部委員が集合して多数の会議を開き、規制上の進展、執行役員報酬体系および2022年度の査

      定について議論した。
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    8.1.2    報酬およびリスクの連動
     人事委員会は、業績、リスク管理および報酬の関係を当グループの事業戦略と合致させることに重点を置いている。リスク
    委員会および監査委員会の委員長は人事委員会委員を務め、取締役全員が特定の人事委員会の会議に出席する。人事委員会、
    リスク委員会および監査委員会の同時会合は、以下を見直すために開催された。
     ・ 2022年度に生じたまたは明らかになった重大なリスク、行動および監査事象
     ・ 当グループ、CEOおよび開示を要する執行役員のレベルにおける2022度の業績および変動報酬に関する提言
     報酬とリスクの連動の重要性をより大きく反映するため、

     ・ 取締役会は2022年度中、(会長に加え)2名のNEDに人事委員会およびリスク委員会を兼務させた。
     ・ 人事委員会は、リスクおよび財務管理の人員に自由かつ無制限にアクセスできる(CROおよびCFOは特定の議題に関して
       人事委員会の会議に参加する。)。
     ・ CROは(人材およびカルチャー担当グループ執行役員、内部監査担当グループ・ジェネラル・マネジャーと共に)、最も
       重大なリスク、行動および監査事象に関する個別の報告書を人事委員会に提出し(該当する場合)、当グループ、部門
       および個人レベルで業績および報酬の考慮事項、ならびに説明責任および査定結果を通知する。
     ・ CROはまた、CEOおよび開示を要する執行役員の業績および報酬の査定結果の評価にあたり、取締役会を補佐するために
       独立した報告書を提供する。
     ・ リスク委員会および監査委員会の委員長は、すべての関連リスクおよび内部監査に関する課題を適切に検討するため、
       インプットを提供することが求められる。
     ・ ANZグループ業績フレームワークおよび部門業績フレームワークは、修正要素となる重要な構成要素としてリスクを含
       み、各フレームワークの評価の不可欠な部分を形成し、全体的査定に直接影響を及ぼす。
     ・ LTVR     RRの付与前および権利確定前評価は、取締役会によって実施され、主に非財務リスク査定結果に基づく。
    8.1.3    利益相反

     利益相反の可能性を低減するために以下を行う。
     ・ 経営陣は、その業績または報酬について人事委員会または取締役会が議論する場合はその会議に出席しない。
     ・ CEOの短期変動報酬は、ANZIP変動報酬資金プールから資金提供され個別に決定される。
     ・ CROの報酬の取決めは、その職務の独立性を保つために、他の開示を要する執行役員とは異なるものとする。
     ・ 全社的説明責任グループ(「EAG」)は、上記6に概説される利益相反を軽減するための手続きを整備している。
     ・ 人事委員会は、CEOおよび開示を要する執行役員の業績および報酬査定の検討事項について通知するために、以下を含む
       多くの情報源からの意見を求める。
        - リスク担当、財務担当、人材およびカルチャー担当、内部監査担当からの個別の報告書
        - CROが提供した重大なリスク、行動および監査事象に関するデータ
        - 取締役会の監査委員会およびリスク委員会双方からのインプット
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    8.1.4    外部アドバイザーは情報を提供したが、勧告は行わなかった
     人事委員会は、必要に応じて、独立的な外部アドバイザーと契約することができる。
     当年度中、人事委員会および経営陣は、外部アドバイザーであるエーオン(Aon)、アシャースト(Ashurst)、EY、マー
    サー・コンサルティング(オーストラリア)Ptyリミテッド(Mercer                                  Consulting      (Australia)      Pty  Ltd)およびプライス
    ウォーターハウスクーパース(PricewaterhouseCoopers)から情報提供を受けた。こうした情報は、市場データ、市場慣行、
    分析およびモデリング、法的要件ならびにガバナンス上および規制上の要件の解釈に関連するものであった。
     ANZは当年度中、KMPの報酬について外部のコンサルタントから報酬勧告を受けていない。
     ANZは、人事委員会および取締役会に勧告を行う社内の報酬専門家を採用している。取締役会は、提供された情報を用い、
    ANZの戦略目標、目的および価値観、リスク選好ならびにANZBGLの報酬方針および原則を慎重に考慮したうえで、独立的に決定
    を下した。
    8.2   内部統制

    8.2.1    ヘッジの禁止
     すべての後渡し株式は、権利が完全に確定するまでリスク性を維持しなければならない。したがって、執行役員およびその
    関係者は、割り当てられたエクイティの権利確定前の価値を特定的に保護するスキームを契約してはならない。これを行った
    場合、当該エクイティは失権することになる。
    8.2.2    CEOおよび開示を要する執行役員の持株ガイドライン

     当グループは、CEOおよび開示を要する各執行役員に対して、5年にわたり、以下を要求する。
     ・ FRの200%相当額までANZ株式を積み増すこと。
     ・ ANZの執行役員である間は、かかる持株を維持すること。
     執行役員は、200%の基準を下回った場合であっても、持株に対する納税義務を履行するためにANZ証券を売却することを認

    められている。ただし、当該ガイドラインの目的における納税義務は、当初の課税点事由(すなわち、後渡し株式が権利確定
    するか権利が行使された場合)から生じるものに限定される。
     持株には、すべての権利確定済みおよび権利確定前のエクイティ(PRを除く。)が含まれる。2022年9月30日現在の持株、
    ならびに2022年度業績および報酬レビューの査定結果により2022年11月22日に付与されるSTVR後渡し株式に基づくと、CEOおよ
    びすべての開示を要する執行役員は、最低保有要件を満たしているか、在任期間が5年に満たない場合は、要件が満たされる
    見込みである。
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    8.2.3    CEOおよび開示を要する執行役員の契約条件およびエクイティの取扱い
     CEOおよび開示を要する執行役員に関する契約条件および退任時のエクイティの取扱い(付与条件に従う。)は、以下のとお
    りである。これらは類似しているが、置かれる立場の違いに適合するよう一定の場合に差を設けている。
     契約の種類             恒久的な継続雇用契約

     辞任の通知             ・ CEOからは12か月前まで
                                        (1)
                  ・ 開示を要する執行役員からは6か月前まで
              (2)                                     (3)
     ANZ  による解任通知            ・ CEOおよび開示を要する執行役員についてはANZにより12か月前まで
                  ただし、ANZは、重大な不正行為があった場合はいつでも直ちに個人の雇用を終了さ
                  せることができる。この場合、当該個人は、FRに限り退任日までおよび法定給付につ
                  いて支給を受けることができる。
     ANZ  離職時の権利確定前株            辞任するまたは解任される執行役員は、取締役会が別段の決定をしない限り、権利確
     式の取扱い             定前の後渡し株式の権利を失う。
                  ある執行役員が人員余剰を理由に解任され、または「善良な離職者」と分類される場
                  合、取締役会が別段の決定をしない限り、
                  ・ STVR(後渡し株式/株式の権利)は継続しており、当初の権利確定日に引き渡さ
                    れる。
                  ・ LTVR(RR/PR)(2020年12月31日からの付与分)は継続しており、(業績要件に
                                           (4)
                    達した範囲で)当初の権利確定日に引き渡される                        。
                     (5)
                  ・ PR    (2020年12月31日前までの付与分)は、(業績要件に達した範囲で)解任
                    通知満了日までの在任期間に応じて期間割りされ、当初の権利確定日に引き渡さ
                    れる。
                  執行役員の死亡時または全身的かつ永久的な障害の発生時に、後渡し株式の権利は確

                  定する。権利確定前のエクイティは、退職後も引き続きマルスの対象となる。
     支配権の変更             支配権の変更またはこれに類するその他の事象が発生した場合、当グループはCEOの
                  PRに適用する業績条件を判定する。業績条件の達成度に応じてこれらの権利が確定す
     (CEOにのみ適用)
                  る。
                  法人構造の変更案が進められた場合(銀行グループと非銀行グループとを明確に区別
                  するための変更であり、「第6               経理の状況-1        財務書類」の2022年度財務書類の注
                  記35を参照のこと。)、権利確定前のエクイティによる変動報酬に関する付与条件に
                  基づく「支配権の変更」は発生しない旨を文書化した、ANZBGLとCEOとの間の暫定合
                  意が策定されている。
    (1)  前CFO代理からは3か月前まで。

    (2)  M.カーネギー、K.コーバリー、F.ファルーキ、G.フローリアン、K.                               ファン・デル・マーブ、M.ウィーランおよびM.ハンド
      の契約には、関連するANZの方針(適宜変更される。)に従い、特定の状況で人員削減給付の受領資格を有する場合がある
      ことが記載されており、M.ハンドは、定年退職、人員削減、死亡、または疾病、就労不能もしくは家庭の事情による辞任
      により退職手当を受給する資格を有する(下記9.1の脚注(5)を参照のこと。)。A.ワトソンについては、人員削減通知は
      6週間前までとし、人員削減時点での報酬は、25年の役務後79週を上限として段階的に計算される。
    (3)  前CFO代理についてはANZにより6か月前まで。
    (4)  このアプローチは、より業界慣行に一致している。
    (5)  または、業績に基づく権利に代えてCROに支給される後渡し株式の権利。
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    9.その他のデータ
    9.1   2022  年度の法定報酬-CEOおよび開示を要する執行役員
     下表は、オーストラリア会計基準に準拠して開示された法定報酬の一覧である。同表は、支給された固定報酬(現金および
    退職年金拠出金)ならびに2022年度の変動報酬のうち現金部分も表示しているが、2022年度に実際に支給または受領された変
    動報酬(上記4.2および4.1を参照のこと。)は表示しておらず、これに代えて按分償却された当事業年度分の後渡し報酬(前
    年支給分を含む。)の会計価値を表示している。
    2022  年度の法定報酬-CEOおよび開示を要する執行役員

                                   長期従業

                                                  (7)
                                           株式に基づく報酬
                  短期従業員給付            退職後      員給付
                                            償却価値合計
                                                    その他の
                                                    エクイ
                                                    ティ
                                                    割当て
                                                     (8)
                                            変動報酬
                                   当年度中
                                    に
                               当年度中
                                に   発生した
                       現金による
                            退職年金   発生した     長期
                                            後渡し
                    非貨幣
                       インセンテ
                                                       退任
                            拠出金   退職給付    勤続休暇
                                        後渡し        業績に    後渡し
           事業                                株式  の権
                  (1)    (2)     (3)
                             (4)   (5)    (6)
              現金給与     給付   ィブ合計
                                                       給付  金
                                        株式     利   基づく権利     株式      報酬総額
           年度
                                   (単位:ドル)
    CEO および現職の開示を要する執行役員
     S. エリオット      2022
            年  2,476,001     15,384    930,000    23,999      -  33,306    933,786       - 1,076,657       -   - 5,489,133
           20 21
            年  2,478,132     15,025   1,000,000     21,868      -  37,880    880,970       - 1,039,524       -   - 5,473,399
     M. カーネギー      2022
            年  1,176,001     31,041    460,000    24,499      -  17,151    522,450       -  129,603      -   - 2,360,745
           20 21
            年  1,178,047     22,621    569,250    22,453      -  18,182    534,990       -  267,586      -   - 2,613,129
     K. コーバリー      2022
            年  1,176,001      9,884    442,500    23,999      -  34,577    513,883    238,579       -   -   - 2,439,423
           20 21
            年  1,078,030      9,525    613,800    21,970      -  16,667    472,538    357,462      1,984     -   - 2,571,976
     F. ファルーキ
           2022
     (9)
            年  1,159,194     174,222    579,575     4,806     -  17,524    465,805    178,143     302,636      -   - 2,881,905
     G. フローリア      2022                        15,812    512,134       -  171,181      -   - 2,256,364

     ン       年  1,072,169     18,569    442,500    23,999      -
           20 21                       18,058    478,255       -  312,520      -   - 2,591,264
            年  1,062,530     21,431    676,500    21,970      -
     K. ファン・デ      2022
     ル       年   976,001     16,034    400,000    24,499      -  14,409    472,124       -  177,072      -   - 2,080,139
     ・マーブ       20 21
            年   885,012     15,620    594,000    22,488      -  22,929    457,267       -  298,076      -   - 2,295,392
     A. ワトソン
           2022
     (10)
            年  1,019,021     22,049    422,742    70,686      -  4,068   505,698     2,132    119,057     312   - 2,165,765
           20 21
            年  1,040,213      9,786    687,167    56,131      -  4,130   439,710     22,321    200,921     564   - 2,460,943
     M. ウィーラン      2022
            年  1,376,001      9,884    535,000    23,999      -  17,779    666,495       -  181,892      -   - 2,811,050
           20 21
            年  1,254,082     12,275    810,150    21,918      -  69,359    730,123       -  355,857      -   - 3,253,764
    前職の開示を要する執行
    役員
        (11)
           2022                         412   2,600    3,157      71    -   -   39,240
     S. バグル
            年    28,785      -    -  4,215     -
           20 21                       52,757    112,974    159,613     71,423      -   - 1,562,767
            年   689,935       -  462,000    14,065      -
        (12)
           2022                         5,151   127,875       -   64,765      -   -  698,287
     M. ハンド
            年   480,216     4,053      -  11,784    4,443
           20 21                       18,182    451,897       -  266,258      -   - 2,495,580
            年  1,178,047      9,525    544,500    21,953    5,218
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    (1)   現金給与には、主要経営陣の役職期間にANZのライフスタイル休暇制度の利用を反映するために必要な一切の調整額が含
       まれる。
    (2)   非貨幣給付は一般に、駐車場、税務サービス、配置転換に関連して会社が払う費用など、会社負担の手当(関連する付加
       給付税を含む。)で構成される。
    (3)   現金によるインセンティブ合計は、現金部分のみに関係する。STVRの後渡し部分に関係する償却は株式に基づく報酬に含
       まれ、権利確定期間にわたって償却されている。STVRはすべて2022年10月19日にANZBGLの取締役会により承認され、A.ワ
       トソンについては2022年10月18日にANZニュージーランドの取締役会により承認された。2021年度および2022年度に支給
       されたVR/STVRの現金部分はすべて、関連する年度中に執行役員に対して権利が確定した。
    (4)   オーストラリアに拠点を置くすべての執行役員について、2021年度および2022年度の退職年金拠出金は退職年金保証拠出
       (上限拠出基準額に基づく。)を反映している。F.ファルーキの2022年度の額は、退職年金拠出金の年間額の一部を反映
       している。A.ワトソンはキウィセーバー(KiwiSaver)に加入しており、ANZは加入者拠出と折半で雇用者拠出(給与支払
       総額の4%を上限とする。)を負担している。キウィセーバー雇用者拠出もまた、支払時に現金によるSTVRを上限として
       拠出される。
    (5)   退職手当に関連して発生した額。M.ハンドは、1992年11月以前にANZに雇用されたため、定年退職、人員削減、死亡、ま
       たは疾病、就労不能もしくは家庭の事情による辞任により退職手当を受け取る権利を有していた。退職手当は、確定して
       いる名目給与(固定報酬の65%に相当)の3か月分に、常勤であった(10年を超える)各年について名目給与の3%を加
       え、長期勤続休暇(取得済みおよび未取得を含む。)の発生分の価値の合計を差し引いたものとして計算される。
    (6)   オーストラリアに拠点を置く執行役員について、長期勤続休暇の発生分には、退職年金保証率の変更による影響が考慮さ
       れている。K.コーバリーの当年度中に発生した長期勤続休暇は、同氏の2022年度固定報酬が増額した結果、前年度比で増
       加し、G.フローリアン、K.ファン・デル・マーブおよびM.ウィーランについて当年度中に発生した長期勤続休暇は、同氏
       らの2021年度の固定報酬が増額した結果、前年度比で減少した。
    (7)   AASB第2号「株式に基づく支払い」が要求するとおり、償却価値は、事業年度の開始時に完全には権利確定していなかっ
       たすべてのエクイティの(市場関連の権利確定条件を考慮した)公正価値の割合部分を含む。公正価値は付与日に決定さ
       れ、関連する権利確定期間において定額法で割り当てられる。報酬として含まれる金額は、エクイティの権利が行使可能
       となった場合に執行役員が最終的に収受する換価利益(もしあれば)と関係なく、またそれを示唆するものでもない。当
       事業年度中、変更または修正された株式に基づく支払い条件はなかった。また、CEOまたは開示を要する執行役員につい
       ては、当事業年度において現金で決済された株式に基づく支払いおよびその他の形態の株式に基づく報酬はなかった。
    (8)   その他のエクイティ割当ては、過去の従業員株式オファーに関連して受領された株式に関係する。
    (9)   F.ファルーキは2021年10月11日に開示を要する執行役員に就任したため、同氏の2022年度の報酬は、勤務年の一部を反映
       したものとなっている。
    (10)   A.ワトソンの固定報酬はニュージーランドドルで支払われ、豪ドルに換算されている。2021年度の現金給与、退職年金拠
       出金および報酬総額は、固定報酬と現金によるVRに関連してキウィセーバー雇用者拠出の総価値を含めるために修正再表
       示されており、17,622豪ドルの変更額合計を表している。2019年度および2020年度、A.ワトソンは、過去の従業員株式オ
       ファーに基づき株式を受領する資格を有していた。当該オファーは、適格従業員に対して、取締役会の承認を前提に事業
       年度ごとにANZ株式を付与するものである。
    (11)   S.バグルの2022年度報酬は、2021年10月10日に開示を要する執行役員を退任した日までの勤務年の一部を反映している
       (2022年度の同氏の年間固定報酬は110万ドルと変更はなかった。)。
    (12)   M.ハンドの2022年度報酬は、2022年2月28日に開示を要する執行役員を退任した日までの勤務年の一部を反映している
       (2022年度の同氏の年間固定報酬は120万ドルと変更はなかった。)。
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    9.2   エクイティの保有
     2021年11月/12月にCEOおよび開示を要する執行役員に対して付与されたエクイティのための後渡し株式はすべて市場で調達
    された。
     2021年11月/12月にCEOおよび開示を要する執行役員に対して権利確定した後渡し株式の権利および業績に基づく権利につい
    ては、以前失権した株式の再割当を通じて権利を充足することができず、株式を市場で調達することにより充足された。
    9.2.1    付与、権利確定、行使/売却および失効/失権となったCEOおよび開示を要する執行役員のエクイティ

     下表は、当グループがCEOおよび開示を要する執行役員に対して付与した後渡し株式および権利の詳細を示す。
     ・ 2021年度業績および報酬レビューの査定結果に関連して、2022年度中に付与したもの、または
     ・ 過年度に付与してその後権利が確定し、2022年度中に行使/売却されまたは失効/失権したもの
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    付与、権利確定、行使/売却および失効/失権となったエクイティ-CEOおよび開示を要する執行役員
                                                        2022 年9
                              権利確定した         失効/失権した         行使/売却された        月30日現
            エクイティ
                                                        在で権利    2022 年9
            の付与時の
                                                        確定済み    月30日現
             公正価値
                                                        かつ   在で行使
       エクイ     (2022 年度付
                                   (2)         (2)         (2)
          付与数
                                                        行使可能    可能でな
                                  価値         価値         価値
       ティの     与分のみ)(ド
                    行使可能初           比率         比率         比率
                                                          (3)    (4)
          (1)
              ル)
     氏名   種類         付与日     日   満了日    数  (%)   (ドル)    数  (%)   (ドル)    数  (%)   (ドル)    なもの    いもの
    CEO および現職の開示を要する執行役員
       後渡し   8,529
    S. エリ
                2017/11/22    2021/11/22       - 8,529   100  229,122     -   -   - -8,529    100  232,154      -    -
    オット
       株式
       後渡し   8,622
                2018/11/22    2021/11/22       - 8,622   100  231,621     -   -   - -8,622    100  234,686      -    -
       株式
       後渡し   9,003
                2019/11/22    2021/11/22       - 9,003   100  241,856     -   -   - -9,003    100  245,056      -    -
       株式
       後渡し   10,843
                2020/12/07    2021/11/22       - 10,843    100  291,285     -   -   - -10,843    100  295,140      -    -
       株式
       後渡し   14,441                                                  14,441
              26.86  2021/11/22    2022/11/22       -   -   -    -   -   -   -   -   -    -   -
       株式
       後渡し   10,830                                                  10,830
              26.86  2021/11/22    2023/11/22       -   -   -    -   -   -   -   -   -    -   -
       株式
       後渡し   7,220                                                  7,220
              26.86  2021/11/22    2024/11/22       -   -   -    -   -   -   -   -   -    -   -
       株式
       後渡し   3,610                                                  3,610
              26.86  2021/11/22    2025/11/22       -   -   -    -   -   -   -   -   -    -   -
       株式
       業績に
       基づく   107,471       2017/12/19    2020/12/19    2022/12/19      -   -    -   -   -   - -62,010     58 1,687,875      -    -
       権利
       業績に
       基づく
          82,774      2018/12/19    2021/12/19    2021/12/26    56,989    69 1,576,185    -25,785    31 -713,154   -56,989     69 1,576,185      -    -
        (5)
       権利
       業績に
       基づく   27,591      2018/12/19    2021/12/19    2021/12/26      –   –    – -27,591    100  -763,104     -   -    -   -    -
       権利
       業績に
       基づく   94,765    11.91  2021/12/16    2025/12/16    2027/12/16      -   -    -   -   -   -   -   -    -   -  94,765
       権利
       業績に
       基づく   31,588    6.30  2021/12/16    2025/12/16    2027/12/16      -   -    -   -   -   -   -   -    -   -  31,588
       権利
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                                                       2022 年9月

            エクイティ                  権利確定した         失効/失権した         行使/売却された
                                                       30日現在で
                                                           2022 年9月
            の付与時の
                                                       権利確定済
                                                           30日現在で
             公正価値
                                                        みかつ
                                                           行使可能で
       エクイ     (2022 年度付
                                                       行使可能な
                                   (2)         (2)         (2)
          付与数
                                  価値         価値         価値
                                                           ないもの
       ティの     与分のみ)(ド
                    行使可能初           比率         比率         比率
                                                         (3)
           (1)
                                                            (4)
                                                        もの
              ル)
     氏名   種類         付与日     日   満了日    数  (%)   (ドル)    数  (%)   (ドル)    数  (%)   (ドル)
    M. カーネ  後渡し   4,785
                2017/11/22    2021/11/22       - 4,785   100  128,544     -   -   -   -   -   -  4,785     –
    ギー
       株式
       後渡し   5,202
                2018/11/22    2021/11/22       - 5,202   100  139,746     -   -   -   -   -   -  5,202     –
       株式
       後渡し   5,942
                2019/11/22    2021/11/22       - 5,942   100  159,625     -   -   -   -   -   -  5,942     –
       株式
       後渡し   7,099
                2020/12/07    2021/11/22       - 7,099   100  190,707     -   -   -   -   -   -  7,099     –
       株式
       後渡し   8,220
              26.86  2021/11/22    2022/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    –  8,220
       株式
       後渡し   6,165
              26.86  2021/11/22    2023/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    –  6,165
       株式
       後渡し   4,110
              26.86  2021/11/22    2024/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    –  4,110
       株式
       後渡し   2,055
              26.86  2021/11/22    2025/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    –  2,055
       株式
       業績に
       基づく   29,580      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22      -   -   -   -   -   - -17,067     58  453,818      -    -
       権利
       業績に
       基づく   32,163      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22    22,144    69  594,874   -10,019    31 -269,149   -22,144     69  611,679      -    -
       権利
       業績に
       基づく   10,721      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22      –   –   – -10,721    100  -288,008     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく   31,759    11.66  2021/11/22    2025/11/22    2027/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  31,759
       権利
       業績に
       基づく   10,586    6.37  2021/11/22    2025/11/22    2027/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  10,586
       権利
                                254/572












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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
                               権利確定した        失効/失権した         行使/売却された
                                                        2022 年9
                                                        月30日現
                                                        在で権利    2022 年9
             エクイティ
                                                        確定済み    月30日現
             の付与時の
                                                        かつ 行使  在で行使
             公正価値
       エクイ
                                    (2)         (2)         (2)
          付与数
                                                        可能なも    可能でな
                                  価値         価値         価値
            (2022 年度付与
       ティの             行使可能初           比率         比率         比率
                                                         (3)    (4)
           (1)
            分のみ)(ドル)
     氏名   種類          付与日     日   満了日    数  (%)  (ドル)    数  (%)  (ドル)    数  (%)   (ドル)    の   いもの
       後渡し   3,007                   3,007   100  80,780
    K. コーバ
                2018/11/22    2021/11/22       -            -   -   - -3,007    100  83,167     -    -
    リー
       株式
       後渡し   5,744                   5,744   100  154,306
                2019/11/22    2021/11/22       -            -   -   - -5,744    100  158,866      -    -
       株式
       後渡し   5,582                   5,582   100  149,954
                2020/12/07    2021/11/22       -            -   -   - -5,582    100  154,385      -    -
       株式
       後渡し   6,649
              26.86  2021/11/22    2022/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  6,649
       株式
       後渡し   6,647
              26.86  2021/11/22    2023/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  6,647
       株式
       後渡し   4,431
              26.86  2021/11/22    2024/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  4,431
       株式
       後渡し   4,431
              26.86  2021/11/22    2025/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  4,431
       株式
       後渡し
       株式の   14,546      2018/11/22    2021/11/22    2021/11/29    14,546    100  390,762     -   -   - -14,546    100  390,762      -    –
       権利
       後渡し
       株式の   22,830    21.60  2021/11/22    2025/11/22    2025/11/29      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  22,830
       権利
    F. ファ     10,486                                                  10,486
       後渡し
    ルーキ
              26.86  2021/11/22    2022/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -
       株式
    (6)
       後渡し   7,862                                                  7,862
              26.86  2021/11/22    2023/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -
       株式
       後渡し   5,241                                                  5,241
              26.86  2021/11/22    2024/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -
       株式
       後渡し   2,620                                                  2,620
              26.86  2021/11/22    2025/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -
       株式
       後渡し
       株式の   10,138      2017/11/22    2021/11/22    2021/11/29    10,138    100  272,346     -   -   - -10,138    100  272,346      -    -
       権利
       後渡し
       株式の   8,013      2018/11/22    2021/11/22    2021/11/29     8,013   100  215,260     -   -   - -8,013    100  215,260      -    -
       権利
       後渡し
       株式の   11,363      2019/11/22    2021/11/22    2021/11/29    11,363    100  305,254     -   -   - -11,363    100  305,254      -    -
       権利
       後渡し
       株式の   6,459      2020/12/07    2021/11/22    2021/11/29     6,459   100  173,514     -   -   - -6,459    100  173,514      -    -
       権利
       業績に
       基づく   28,845      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22      -   -   -   -   -   - -28,845    100  795,107      -    -
       権利
       業績に
       基づく   42,215      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22    29,065    69  780,799   -13,150    31 -353,260   -29,065     69  801,171      -    -
       権利
       業績に
       基づく   14,071      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22      –   –   – -14,071    100  -378,002     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく   40,505    11.66  2021/11/22    2025/11/22    2027/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  40,505
       権利
       業績に
       基づく   13,501    6.37  2021/11/22    2025/11/22    2027/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  13,501
       権利
                                255/572







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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
                               権利確定した        失効/失権した        行使/売却された

                                                       2022 年9月
                                                           2022 年9
                                                       30日現在で
             エクイティ
                                                           月30日現
                                                       権利確定済
             の付与時の
                                                           在で行使
                                                       みかつ  行使
             公正価値
       エクイ
                                    (2)         (2)         (2)
          付与数
                                                           可能でな
                                  価値         価値         価値
                                                       可能なもの
            (2022 年度付与
       ティの             行使可能初           比率         比率         比率
                                                             (4)
           (1)
                                                        (3)
            分のみ)(ドル)
     氏名   種類          付与日     日   満了日    数  (%)  (ドル)    数  (%)  (ドル)    数  (%)   (ドル)        いもの
       後渡し
    G. フロー
          2,462      2017/11/22    2020/11/22       -   -   -   -   -   -   - -2,462    100  55,371      -    -
    リアン
       株式
       後渡し
          2,462      2017/11/22    2021/11/22       - 2,462   100  66,139    -   -   - -2,462    100  55,371      -    -
       株式
       後渡し
          3,251      2018/11/22    2020/11/22       -   -   -   -   -   -   - -3,251    100  73,116      -    -
       株式
       後渡し                      3,251   100  87,335                      1,609     –
          3,251      2018/11/22    2021/11/22       -           -   -   - -1,642    51  36,929
       株式
       後渡し                      3,367   100  90,451                      3,367     –
          3,367      2019/11/22    2021/11/22       -           -   -   -   -   -   -
       株式
       後渡し                      6,442   100  173,057                      6,442     –
          6,442      2020/12/07    2021/11/22       -           -   -   -   -   -   -
       株式
       後渡し                                                   –  9,770
          9,770    26.86  2021/11/22    2022/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -
       株式
       後渡し                                                   –  7,326
          7,326    26.86  2021/11/22    2023/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -
       株式
       後渡し                                                   –  4,884
          4,884    26.86  2021/11/22    2024/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -
       株式
       後渡し                                                     2,442
          2,442    26.86  2021/11/22    2025/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -
       株式
       業績に
       基づく   15,225      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22      -   -   -   -   -   - -8,784    58  197,555      -    -
       権利
       業績に
       基づく   20,102      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22    13,840    69  371,796   -6,262    31 -168,222   -13,840     69  311,266      -    -
       権利
       業績に
       基づく   6,700      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22      –   –   – -6,700    100  -179,988     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく   37,743    11.66  2021/11/22    2025/11/22    2027/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  37,743
       権利
       業績に
       基づく   12,581    6.37  2021/11/22    2025/11/22    2027/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  12,581
       権利
                                256/572











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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
                               権利確定した        失効/失権した         行使/売却された
                                                       2022 年9月
                                                       30日現在で    2022 年9月
             エクイティ
                                                       権利確定済    30日現在で
             の付与時の
                                                       みかつ  行使  行使可能で
             公正価値
       エクイ
                                    (2)         (2)         (2)
          付与数
                                  価値         価値         価値
                                                       可能なもの    ないもの
            (2022 年度付与
       ティの             行使可能初           比率         比率         比率
           (1)
                                                        (3)    (4)
            分のみ)(ドル)
     氏名   種類          付与日     日   満了日    数  (%)  (ドル)    数  (%)   (ドル)    数  (%)   (ドル)
       後渡し
    K. ファ
           679     2017/11/22    2018/11/22       -   -   -   -   -   -   -  -679   100  19,244      -    -
    ン・デル
       株式
       後渡し
    ・マーブ      1,477      2017/11/22    2019/11/22       -   -   -   -   -   -   - -1,477    100  41,860      -    -
       株式
       後渡し
          1,477      2017/11/22    2020/11/22       -   -   -   -   -   -   - -1,477    100  41,860      -    -
       株式
       後渡し
          1,477      2017/11/22    2021/11/22       - 1,477   100  39,678    -   -   - -1,477    100  41,860      -    -
       株式
       後渡し
          3,577      2018/11/22    2019/11/22       -   -   -   -   -   -   - -3,053    85  86,525     524    -
       株式
       後渡し
          3,577      2018/11/22    2021/11/22       - 3,577   100  96,092    -   -   -   -   -   -  3,577     -
       株式
       後渡し                         100
          4,951      2019/11/22    2021/11/22       - 4,951     133,003     -   -   -   -   -   -  4,951     -
       株式
       後渡し                         100
          5,724      2020/12/07    2021/11/22       - 5,724     153,769     -   -   -   -   -   -  5,724     -
       株式
       後渡し
          8,579    26.86  2021/11/22    2022/11/22          -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  8,579
       株式
       後渡し
          6,433    26.86  2021/11/22    2023/11/22          -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  6,433
       株式
       後渡し
          4,288    26.86  2021/11/22    2024/11/22          -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  4,288
       株式
       後渡し
          2,144    26.86  2021/11/22    2025/11/22          -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  2,144
       株式
       業績に
       基づく   9,135      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22      -   -   -   -   -   - -5,270    58  119,265      -    -
       権利
       業績に
       基づく   22,112      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22    15,224    69  408,976   -6,888    31 -185,039   -15,224     69  344,534      -    -
       権利
       業績に
       基づく   7,370      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22      -   -   - -7,370    100  -197,987     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく   33,140    11.66  2021/11/22    2025/11/22    2027/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  33,140
       権利
       業績に
       基づく   11,046    6.37  2021/11/22    2025/11/22    2027/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  11,046
       権利
                                257/572











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                                                           有価証券報告書
                               権利確定した        失効/失権した         行使/売却された

                                                        2022 年9
                                                        月30日現
             エクイティ
                                                        在で権利
                                                           2022 年9月
             の付与時の
                                                        確定済み
                                                           30日現在で
             公正価値
                                                        かつ 行使
                                                           行使可能で
             (2022 年度付
        エクイ
                                    (2)         (2)         (2)
          付与数
                                                        可能なも
                                   価値         価値         価値
                                                           ないもの
             与分のみ)(ド
        ティの             行使可能初           比率         比率         比率
                                                         (3)
           (1)
                                                            (4)
              ル)
     氏名   種類         付与日     日   満了日    数  (%)  (ドル)    数  (%)   (ドル)    数  (%)   (ドル)    の
       後渡し   3,904
    A. ワトソ
                 2019/11/22    2020/11/22       -   -   -   -   -   -   - -3,904    100  107,533      -    -
    ン
       株式
       後渡し   3,901                   3,901   100  104,796
                 2019/11/22    2021/11/22       -           -   -   - -3,901    100  107,451      -    -
       株式
       後渡し   5,806                   5,806   100  155,972
                 2020/12/07    2021/11/22       -           -   -   - -5,806    100  159,923      -    -
       株式
       後渡し   9,924                                                  9,924
              26.86  2021/11/22    2022/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -
       株式
       後渡し   7,442                                                  7,442
              26.86  2021/11/22    2023/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -
       株式
       後渡し   4,961                                                  4,961
              26.86  2021/11/22    2024/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -
       株式
       後渡し   2,480                                                  2,480
              26.86  2021/11/22    2025/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -
       株式
       従業員
            29     2018/12/03    2021/12/03       -  29  100   781   -   -   -   -   -   -   29    -
       株式 オ
       ファー
       後渡し
       株式の   2,817      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22     2,817   100  75,676     –   –   - -2,817    100  77,912     -    -
       権利
       業績に
       基づく   4,802      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22     3,306    69  88,812   -1,496    31  -40,188   -3,306    69  91,436     -    -
       権利
       業績に
       基づく   38,338    11.66  2021/11/22    2025/11/22    2027/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  38,338
       権利
       業績に
       基づく   12,779    6.37  2021/11/22    2025/11/22    2027/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  12,779
       権利
       後渡し   9,218                   9,218   100  247,631
    M. ウィー
                 2017/11/22    2021/11/22       -           -   -   - -9,218    100  250,823      -    -
    ラン
       株式
       後渡し   7,072                   7,072   100  189,982
                 2018/11/22    2021/11/22       -           -   -   - -7,072    100  192,430      -    -
       株式
       後渡し   10,498                   10,498    100  282,017
                 2019/11/22    2021/11/22       -           -   -   - -10,468    100  285,652      -    -
       株式
       後渡し   6,297                   6,297   100  169,162
                 2020/12/07    2021/11/22       -           -   -   - -6,297    100  171,342      -    -
       株式
       後渡し   11,700
              26.86  2021/11/22    2022/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  11,700
       株式
       後渡し   8,774
              26.86  2021/11/22    2023/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  8,774
       株式
       後渡し   5,849
              26.86  2021/11/22    2024/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  5,849
       株式
       後渡し
           2,924    26.86  2021/11/22    2025/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  2,924
       株式
       業績に
       基づく   43,722      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22    30,102    69  808,657   -13,620    31 -365,886   -30,102     69  829,142      -    -
       権利
       業績に
       基づく   14,574      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22      –   –   – -14,574    100  -391,514     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく   45,200    11.66  2021/11/22    2025/11/22    2027/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  45,200
       権利
       業績に
       基づく   15,066    6.37  2021/11/22    2025/11/22    2027/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  15,066
       権利
                                258/572







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                                                       2022 年9
                                                       月30日現
            エクイティ
                               権利確定した         失効/失権した         行使/売却された
                                                       在で権利
                                                           2022 年9月
            の付与時の
                                                       確定済み
                                                           30日現在で
             公正価値
                                                       かつ 行使
                                                           行使可能で
             (2022 年度付
       エクイ
                                    (2)         (2)         (2)
          付与数
                                                       可能なも
                                  価値         価値         価値
                                                           ないもの
            与分のみ)(ド
       ティの             行使可能初           比率         比率         比率
                                                         (3)
          (1)
                                                            (4)
              ル)
     氏名   種類         付与日     日   満了日    数  (%)   (ドル)    数  (%)   (ドル)    数  (%)   (ドル)    の
    前職の開示を要する執行役員
    S. バグ
     (7)
    ル
          3,251                   3,251   100  87,335
    M. ハン
       後渡し
                2018/11/22    2021/11/22       -            -   -   - -2,160    66  59,665    1,091     -
     (7)
       株式
    ド
       後渡し   3,565                   3,565   100  95,770
                2019/11/22    2021/11/22       -            -   -   -   -   -   -  3,565     -
       株式
       後渡し   8,015                   8,015   100  215,314
                2020/12/07    2021/11/22       -            -   -   -   -   -   -  8,015     –
       株式
          7,864
       後渡し
              26.86  2021/11/22    2022/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    –  7,864
       株式
          5,897
       後渡し
              26.86  2021/11/22    2023/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    –  5,897
       株式
          3,931
       後渡し
              26.86  2021/11/22    2024/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    –  3,931
       株式
          1,965
       後渡し
              26.86  2021/11/22    2025/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    –  1,965
       株式
       業績に
       基づく   20,102      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22    13,840    69  371,796   -6,262    31 -168,222   -13,840     69 382,300      -    -
       権利
       業績に
       基づく   6,700      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22      –   –   – -6,700    100  -179,988     –   –   –    -    -
       権利
       業績に
       基づく   30,379    11.66  2021/11/22    2025/11/22    2027/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  30,379
       権利
       業績に
       基づく   10,126    6.37  2021/11/22    2025/11/22    2027/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  10,126
       権利
    (1) 執行役員は、高額報酬上位5名の執行役員の開示目的上、開示を要する執行役員またはグループ経営委員会のその他の委員と定義される。2022事業年度の高額報酬上位5名の執行役員に
      は、開示を要する執行役員5名が含まれている。2022年度に報酬として開示を要する執行役員に付与された権利は、上表に含まれている。2022年度末から取締役報告書の署名日までの間
      に、CEO、開示を要する執行役員または高額報酬執行役員上位5名に対してかかる権利は付与されなかった。
    (2) 後渡し株式/後渡し株式の権利および/または業績に基づく権利の一時点における価額は、権利確定、失効/失権、または行使/売却/信託終了の日にASXで売買される当行株式のVWAP
      に、後渡し株式/後渡し株式の権利および/または業績に基づく権利の数を乗じたものに基づく。すべての後渡し株式の権利/業績に基づく権利の行使価格は、0.00ドルである。株式に
      基づく支払いに関して当報告期間中に変更または修正された付与条件はなかった。
    (3) 権利確定済みかつ行使可能な数は、報告期間末現在で権利が確定している株式、オプションおよび権利の数である。権利確定済みであり行使可能ではない株式、オプションおよび権利は
      ない。
    (4) 過年度に付与された(付与日を基準として)業績に基づく権利のうち、2022年9月30日現在または開示を要する執行役員の退任日でなお行使可能でないものには以下が含まれる。
                     2018 年11月         2019 年11月         2020 年11月         2021 年11月
      S. エリオット
                        -        168,066          159,308          126,353
      M. カーネギー                 -        40,816          38,378          42,345
      K. コーバリー                 -          -          -          -
      F. ファルーキ                 -        69,118          34,045          54,006
      G. フローリアン                 -        23,128          34,820          50,324
      K. ファン・デル・マーブ                 -        34,013          30,950          44,186
      A. ワトソン                 -          -        31,389          51,117
      M. ウィーラン                 -        72,108          34,045          60,266
      S. バグル                6,464           -          -          -
      M. ハンド                 -        24,489          43,330          40,505
      2022 年度にS.エリオットに付与された業績に基づく権利は、ASX上場規則10.14に従って、2021年度年次株主総会で株主により承認された。
    (5) S. エリオットの業績に基づく権利の権利確定価値には、2018年12月に付与され2021年12月に業績要件を満たしたことにより権利確定した業績に基づく権利の51.6%の価値が含まれてお
      り、それらは、株式の受渡により決済され、さらに1年の制限期間の対象となっている。
    (6) 開示を要する執行役員に就任した日から開示されたエクイティ取引である。
    (7) 開示を要する執行役員を退任するまでに開示されたエクイティ取引である。S.バグルが開示を要する執行役員を退任した日までに開示可能な取引はなかった。
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    9.2.2    NED、CEOおよび開示をする執行役員のエクイティ保有
     下表は、各NED、CEOおよび開示を要する各執行役員(これらの者の関係者を含む。)により直接、間接または実質的に保有
    されるエクイティの詳細を示す。
    エクイティ保有-NED、CEOおよび開示を要する執行役員

                                       オプションま

                                       たは権利の行
                                当年度中に報
                                              当年度中のそ      2022  年9月
                           2021  年10月          使により当年
                                酬として付与
                                              の他の変動に      30日の期末
                           1日の期首            度中に受領し
                                     (1)
                                                  (2)    (3)(4)
                                されたもの
         氏名        エクイティの種類           残高            たもの      よるもの      残高
     現職の非執行取締役
     P. オサリバン           普通株式            4,078         -       -     272    4,350
                 キャピタルノート2            9,250         -       -    -9,250        -
                 キャピタルノート        7      -      -       -    9,250      9,250
     I.アトラス            普通株式           14,360         -       -     958    15,318
     J.ハルトン            普通株式            9,049         -       -     604    9,653
     J.キー            普通株式            3,000         -       -    7,500     10,500
     G.リーベルト            普通株式           20,315         -       -    1,356     21,671
                 キャピタルノート2            2,500         -       -    -2,500        -
                 キャピタルノート6            2,500         -       -      -   2,500
                 キャピタルノート        7      -      -       -    2,500      2,500
     J.マクファーレン            普通株式           17,851         -       -    1,191     19,042
                 キャピタルノート2            2,500         -       -    -2,000        -
                 キャピタルノート3            5,000         -       -      -   5,000
                 キャピタルノート6            2,140         -       -      -   2,140
                 キャピタルノート        7      -      -       -    2,000      2,000
           (5)
                 普通株式            6,000         -       -     400    6,400
     C. オライリー
         (5)
                 普通株式            2,605         -       -     174    2,779
     J. スミス
     前職の非執行取締役
           (6)
                 普通株式           17,500         -       -      -   17,500
     P. ドワイヤー
     CEO  および現職の開示を要する執行役員
     S. エリオット           後渡し株式           70,882      36,101          -   -36,997      69,986
                 普通株式           290,675          -     62,010      42,423     395,108
                 権利確定済み株式
                               -      -     56,989         -   56,989
                 (1年の制限期間)
                 業績に基づく権利           499,749      126,353       -118,999       -53,376      453,727
     M. カーネギー           後渡し株式           92,284      20,550          -      -  112,834
                 普通株式            8,670         -     39,211      -13,783      34,098
                 業績に基づく権利           139,145       42,345       -39,211      -20,740      121,539
     K. コーバリー           後渡し株式           38,019      22,158          -   -14,333      45,844
                 普通株式            1,431         -     14,546      -14,596       1,381
                 キャピタルノート6            1,400         -       -      -   1,400
                 後渡し株式の権利           54,391      22,830       -14,546          -   62,675
           (5)
                 後渡し株式            1,797      26,209          -      -   28,006
     F. ファルーキ
                 普通株式            3,890         -     93,883       2,607    100,380
                 後渡し株式の権利           67,440         -    -35,973          -   31,467
                 業績に基づく権利           188,294       54,006       -57,910      -27,221      157,169
     G. フローリアン           後渡し株式           42,283      24,422          -   -10,100      56,605
                 普通株式           11,977         -     22,624       2,982     37,583
                 業績に基づく権利           93,534      50,324       -22,624      -12,962      108,272
     K. ファン・デル
     ・マーブ            後渡し株式           50,404      21,444          -    -8,333      63,515
                 普通株式            1,282         -     20,494       7,631     29,407
                 業績に基づく権利           99,715      44,186       -20,494      -14,258      109,149
     A. ワトソン           後渡し株式           30,760      24,807          -   -13,611      41,956
                 従業員株式オファー             61       -       -      -     61
                 普通株式           23,747         -     6,123      7,711     37,581
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                 後渡し株式の権利            2,817         -     -2,817         -      -
                 業績に基づく権利           36,191      51,117       -3,306      -1,496      82,506
     M. ウィーラン           後渡し株式           60,098      29,247          -   -33,085      56,260
                 普通株式           34,387         -     30,102      -17,526      46,963
                 業績に基づく権利           164,449       60,266       -30,102      -28,194      166,419
     前職の開示を要する執行役員
         (6)
                 後渡し株式           86,664         -       -      -   86,664
     S. バグル
                 普通株式           21,174         -       -      -   21,174
                 キャピタルノート        2     490       -       -      -    490
                 キャピタルノート        6     590       -       -      -    590
                 後渡し株式     の権利      24,624         -       -      -   24,624
                 業績に基づく権利            6,464         -       -      -   6,464
         (6)
     M. ハンド           後渡し株式           33,665      19,657          -    -2,160      51,162
                 普通株式            1,235         -     13,840      -12,964       2,111
                 業績に基づく権利           94,621      40,505       -13,840      -12,962      108,324
    (1)  2022年度中に報酬として付与されたオプション/権利の内容は前掲の表に記載されている。

    (2)  当年度中のその他の変動による株式には、購入(ANZ株式購入プランに基づく購入を含む。)、失権、売却または配当金再
      投資制度に基づき取得された株式の正味残額が含まれている。
    (3)  以下の株式(上記の保有分に含まれている。)が、2022年9月30日(または主要経営陣としての退任日)現在、NED、CEO
      および開示を要する執行役員に代わり保有されていた(すなわち、間接的な実質保有株式)。P.オサリバン                                                  0株、I.アト
      ラス   15,318株、J.ハルトン           0株、J.キー       10,500株、G.リーベルト            8,436株、J.マクファーレン              28,182株、C.オライ
      リー   0株、J.スミス        0株、P.ドワイヤー          17,500株、S.エリオット            518,500株、M.カーネギー            112,834株、K.コーバリー
      47,244株、F.ファルーキ            28,006株、G.フローリアン             66,504株、K.ファン・デル・マーブ                 63,515株、A.ワトソン           42,017
      株、M.ウィーラン         100,073株、S.バグル          87,744株、およびM.ハンド             51,162株。
    (4)  2022年9月30日現在、権利確定済みで行使可能な権利はなく、権利確定済みで行使可能でないオプション/権利もなかっ
      た。取締役報告書の署名日現在の残高に変更はなかった。
    (5)  期首残高は、主要経営陣としての就任日現在の保有に基づく。
    (6)  期末残高は、主要経営陣としての退任日現在の保有に基づく。
    9.3   ローン

    9.3.1    概況
     当グループがNED、CEOまたは開示を要する執行役員に対してローンを組む場合、当グループはこれを通常の事業過程におい
    て、他の従業員または顧客に与えるものより有利でない通常の商業条件に基づき実施しており、この条件には貸付条件、必要
    担保および金利が含まれる。貸付商品の条件の詳細は、ANZのウェブサイト(anz.com)に掲載されている。当期間中に償却さ
    れた金額はなく、これらの残高に関して予想信用損失のための個別評価引当金も計上されていない。
     2022年9月30日現在、NED、CEOおよび開示を要する執行役員(これらの者の関係者を含む。)に対するローン総額(100,000
    ドル未満の残高を含む。)は、24,339,919ドル(2021年度:25,444,692ドル)であり、当期間中の支払利息は790,118ドル
    (2021年度:776,791ドル)であった。
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    9.3.2    NED、CEOおよび開示を要する執行役員へのローン取引
     下表は、NED、CEOおよび開示を要する執行役員(当年度中の任意の時点で個々のローン残高が総額100,000ドルを超える場合
    はこれらの関係当事者を含む。)に対するローン残高の詳細を示す。
    ローン取引-NED、CEOおよび開示を要する執行役員

                                        報告期間中に

                                       支払われたおよび
                  2021  年10月1日
                             2022  年9月30日                    報告期間中の
                                              (2)
                        (1)
                              の期末残高         支払われる利息            最高残高
         氏名
                   の期首残高
                                 (単位:ドル)
     現職の非執行取締役
     P.オサリバン                  792,259          731,495               65      810,049
     J.キー                     –      3,703,009              73,835       3,704,351
     J.マクファーレン                 12,913,111          9,364,205             423,076       14,104,140
     CEO  および現職の開示を要する執行役員
     S.エリオット                 2,616,885          2,521,407              54,579       2,641,851
     G.フローリアン                 4,483,293          4,250,856             140,327       8,072,732
     K.ファン・デル・マーブ                 2,464,654          1,655,942              47,480       2,479,909
     M.ウィーラン                 1,628,540          1,550,938              50,625       1,681,066
     前職の開示を要する執行役員
         (3)
                       504,008          499,193               –     504,061
     S.バグル
     合計                 25,402,750          24,277,045              789,987       33,998,158
    (1)  期首残高は、時間分散を考慮するために調整されている。

    (2)  オフセット口座考慮後の実質支払利息。ローン残高は総額で表示されるが、支払利息はオフセット口座の影響を考慮して
      いる。
    (3)  期末残高は、主要経営陣としての退任日現在である。
    9.4   その他の取引

     NED、CEOおよび開示を要する執行役員ならびにこれらの者の関係者とのその他の取引には預金が含まれる。
    その他の取引-NED、CEOおよび開示を要する執行役員

                                      2021  年10月1日の        2022  年9月30日の

                                            (1)         (2)(3)
                                        期首残高         期末残高
                                            (単位:ドル)
     主要経営陣の預金合計
                                          27,513,114          30,208,600
    (1)  期首残高は2021年10月1日現在、または年の途中で就任した場合は就任日現在であり、時間分散を考慮するために調整さ

      れている。
    (2)  期末残高は2022年9月30日現在、または年の途中で退任した場合は退任日現在である。
    (3)  2022年度の預金の利息受取額は140,355ドル(2021年度:88,209ドル)である。
     主要経営陣およびその関係者とのその他の取引には、投資運用サービス手数料、仲介手数料、銀行業務手数料に関して当グ

    ループに支払われる金額が含まれる。当グループは、その職務の遂行に伴うセキュリティおよび秘書サービスで負担した費用
    について、主要経営陣に支払う。かかる取引は、他の従業員または顧客に与えるものより有利でない通常の商業条件に基づき
    実施されている。
    前へ

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    (3)【監査の状況】
    ① 監査委員会

     上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-7.2 監査委員会」を参照のこと。
     監査委員会の委員の氏名および2022年度に開催された監査委員会会議への出席状況は、下表のとおりである。
                            出席資格を有する

              取締役の氏名              会議の開催回数          出席回数
        ポール・オサリバン                        8         8
        イラナ・アトラス                        8         8
        ポーラ・ドワイヤー                        2         2
        グレイム・リーベルト                        8         8
        ジョン・マクファーレン                        8         8
        クリスティーン・オライリー(委員長)                        7         7
     当年度における監査委員会の活動状況および主な検討事項は、以下を含むがこれらに限定されない。

      ・ 以下の監督およびレビュー
       -   ANZ  の財務報告原則および方針、統制ならびに手続き
       -   ANZ  の内  部統制およびリスク管理の枠組みの有効性
       -   ANZ  の内  部監  査機能の業務(内部監査による発見事項のレビューならびに適時適切な方法による問題点の管理および
         是正の確実な実施を含む。)
       -   ANZ  の 財務書類ならびに独立監査の完全性ならびに関連する法律上および規制上の要件の遵守
       - デュー・デリジェンスの手続き
       - 財務報告に関連する健全性の監督手続きおよびその他の規制上の要件
       - 取締役会により付託されたその他の事項
      ・ 外部監査人に関する以下の事項
       - その任命、報酬支払い、年次評価、維持および監督
       - その独立性、有効性、適合性および適切性、ならびに資格の年次レビュー(主任パートナーの交代を含む。)
       - 年次の監査計画の見直しおよび承認ならびに提供を受けることができる非監査業務分野の決定
       - 外部監査人により提供される                すべての監査、監査関連業務および非監査業務の事前承認(もしくはその他の承
         認)。
       -   ANZ  の 財務書類と活動に関して外部監査人が作成および発行する監査報告書ならびに重要な会計方針に関する報告の
         レビューおよび監督
       - その交代(適切とみなされる場合)
      ・ 以下を含むがこれらに限定されないその他の事項
       - 過去の会議の議事録の承認
       - 主要な子会社の監査委員会からの報告
       - 監査委員会憲章の見直しおよび自己評価
       - 内部監査、外部監査人および委員会委員との会議(個別に行う。)
       - 提案されている純粋持株会社の設立に関する監査上および報告上の検討事項についての議論および質疑
       - 必要に応じて、継続中の              COVID-19    の パンデミック、ウクライナにおける紛争、インフレ率と金利の上昇、サプラ
         イ・チェーンの混乱および気候事象などの問題がANZの財務書類に与える影響の検討
     委員の適格性および会議に関する要求事項に加え、監査委員会の目的、権限、機能および職務に関する詳細は、ANZのウェブ

    サイト(www.anz.com          /shareholder/centre/about/corporate-governance/                        )に掲載されている「監査委員会憲章」を参照のこ
    と。
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    ② 内部監査
     上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-8.1 内部監査」を参照のこと。
    ③ 会計監査

     上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-8.2 外部監査」を参照のこと。
    ( ⅰ) 外部監査人

     ⅰ. 外部監査人の名称:            KPMG
     ⅱ. 継続監査期間:          外部監査人は1969年以降連続して監査関連業務を行っている。
     ⅲ. 業務を執行した公認会計士の氏名:                   Martin    McGrath(マーティン・マクグラス)。
     ⅳ. 監査業務に係る補助者の構成:                 非公開
    ( ⅱ) 外部監査人を選定した理由(外部監査人の選定(または解任もしくは不再任の決定)方針を含む)

     上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-8.2 外部監査」に記載されているANZのウェブサイト内の「外部監査人と
    の関係についてのANZの利害関係人に係るエンゲージメント・モデル」を参照のこと。
     「外部監査人との関係についてのANZの利害関係人に係るエンゲージメント・モデル」に概説されているとおり、監査委員会
    は、
      ・ 外部監査人の選任、報酬、維持および監督の責任を有する(財務報告に関する経営陣と外部監査人の間の意見の相違の
        解決を含む。)。
      ・ 採用ごとに、または監査委員会により適用された特定の事前承認方針に基づき、すべての監査、監査関連業務および非
        監査業務を事前に承認する。
      ・ 外部監査人の独立性を定期的に評価する(最低年に1度の正式なレビューを含む。)
      ・ 外部監査人の有効性を定期的に検証する(最低年に1度の正式なレビューを含む。)
      ・ 外部監査人による業務の提供に対応する採用モデルを維持する。
     外部監査人の入札(非競争入札)手続は、2015年に監査委員会がKPMGの監査手法、地域的および国際的な手腕や実績、独立

    性ならびに任期を考慮し実行された。監査委員会は、KPMGの再任を決議した。
     さらに、主要経営陣は、2年に一度、外部監査人の職務遂行状況のレビューとして行う調査の完了を要求されている。これ
    は、当グループ全体における外部監査人の業務提供の質に関する意見を入手することを目的としている。その報告は監査委員
    会に提示され検討される。直近の調査は2021年中に行われ、2021年10月に監査委員会に提示された。
    ( ⅲ) 最近2連結会計年度における外部監査人の異動

     該当なし。
    ( ⅳ) 監査委員会による外部監査人の評価の内容

     上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-8.2 外部監査」に記載されているANZのウェブサイト内の「外部監査人と
    の関係についてのANZの利害関係人に係るエンゲージメント・モデル」および同ウェブサイト内の「外部監査人-独立性および
    職務遂行状況の評価」を参照のこと。
     監査委員会による外部監査人の職務遂行状況の評価の詳細は開示されていない。選任された外部監査人の再契約および外部
    監査人の入札手続を開始するか否かの判断については、毎年監査委員会により確認が得られる。
     2022  年7月、監査委員会は、2023年以前に外部入札を開始しないことを決定し、2023年9月30日終了の事業年度の監査につ
    いてKPMGの再任を決議した。
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    ( ⅴ) 監査人報酬
     ⅰ. 外部監査人に対して支払った報酬
      「第6 経理の状況-1 財務書類」の2022年度財務書類の注記34を参照のこと。
      下記の表では、オーストラリアの外部監査人に対して支払われた監査報酬その他の報酬を記載している。
                                            2022  年      20 21 年

                                              (単位:千ドル)
    KPMG  オーストラリアに対する報酬
    当グループ全体
    財務報告書の監査またはレビュー                                          8,217        7,434
    監査関連業務                                          6,037        2,772
                                                8       106
    非監査業務
                                              14,262        10,312
    ANZBGL
    財務報告書の監査またはレビュー                                          7,726        7,021
    監査関連業務                                          5,956        2,696
                                                8       106
    非監査業務
                                              13,690         9,823
    子会社
    財務報告書の監査またはレビュー                                           491        413
    監査関連業務                                            81        76
                                                -        -
    非監査業務
                                               572        489
     ⅱ. 外部監査人と同一のネットワークに属する組織に対して支払った                                報酬

      下記の表では、オーストラリア以外の外部監査人の関連法人に対して支払われた監査報酬その他の報酬を記載している。
                                            2022  年      20 21 年
                                              (単位:千ドル)
    KPMG  (オーストラリア以外)に対する報酬
    当グループ全体
    財務報告書の監査またはレビュー                                          5,808        5,511
    監査関連業務                                          1,459        1,657
                                                -        85
    非監査業務
                                              7,267        7,253
    ANZBGL
    財務報告書の監査またはレビュー                                          2,033        1,965
    監査関連業務                                           831        917
                                                -        85
    非監査業務
                                              2,864        2,967
    子会社
    財務報告書の監査またはレビュー                                          3,775        3,546
    監査関連業務                                           628        740
                                                -        -
    非監査業務
                                              4,403        4,286
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     ⅲ. ANZに対して提供した非監査業務の内容
     2001  年会社法および業界の最良慣行の要件を組込んだ当グループの「                              外部監査人との関係についての当グループの利害関係
    人に係るエンゲージメント・モデル                 」(以下「本方針」という。)は、外部監査人が外部監査人としての役割と対立するまた
    は独立性の要件に違反すると考えられるサービスを提供することを防止している。これは、コンサルティングの助言および経
    営陣が通常行う業務上の活動の下請け、ならびに外部監査人が自身の業務について意見を表明することが最終的に必要となる
    可能性のある契約を含む。
     具体的に本方針は以下を定める。
      ・ 提供可能な非監査業務の範囲を限定する。
      ・ 監査業務、監査関連業務および認められる非監査業務については、監査委員会により承認を受けるか、または監査委員
        会委員長(もしくは代表者)により承認を受け監査委員会に通知する前に、独立性の規定に照らしてかつ潜在的な利益
        相反を考慮することを必要とする。
      ・ 当グループのための一切の契約を外部監査人が開始するには、事前承認を必要とする。
     本方針の詳細は、上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要                            -8.2 外部監査        」に記載する。
     外部監査人は監査委員会に対して、以下を確認した。
      ・ 適用法域における独立ルールを確実に遵守する手続きを実施した。
      ・ 当該法域において非監査業務の提供および本方針に関する適用ある政策および規則を遵守した。
     監査委員会は、2022年度につき外部監査人が提供した非監査業務を検討し、これらの業務の提供は本方針に一致すること、
    2001年会社法が課す監査人の独立性に関する一般基準に矛盾しないこと、また2001年会社法における監査人の独立性の要件を
    損なわなかったことを確認した。これは監査委員会により取締役会に正式に報告された。
     2022  年9月30日に終了した年度中に外部監査人であるKPMG、またはKPMGを代理して他の者もしくは事務所により当グループ
    に提供された非監査業務の分類、および当グループが支払済みまたは支払うべき金額(物品・サービス税を含む。)は以下の
    とおりである。
                                            支払済金額/未払金額

     非監査業務                                     2022  年度        2021  年度
                                             (単位:千ドル)
     研修および関連サービス                                         -          -
     統制関連評価                                         -         90
                                              8         101
     方法および手続きのレビュー
                                              8         191
     合計
     KPMG  に対して支払った報酬の詳細については、下記「第6 経理の状況-1 財務書類」の2022年度財務書類の注記34「監

    査人報酬」を参照のこと。かかる報酬には当年度に提供された監査関連業務に対する報酬750万ドル(2021年度:443万ドル)
    が含まれる。
     上記の理由から、取締役は、2022年9月30日に終了した年度中の外部監査人による非監査業務の提供が、2001年会社法が課
    す外部監査人の独立性に関する一般基準に矛盾しないこと、また2001年会社法における監査人の独立性の要件を損なわなかっ
    たことに満足している。
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     ⅳ. その他の重要な監査証明業務に基づく報酬
     該当事項なし。
     ⅴ. 外部監査人に対する報酬の額の決定に関する方針

     監査委員会が外部監査人の報酬の額を決定する責任を有する。
     ⅵ. 監査委員会が同意をした理由

     監査委員会は、ANZの事業活動の性質および規模に対して期待される外部監査人の作業成果の評価に加え、オーストラリアに
    おける類似の銀行に関する監査報酬案の見直しを含む一定の要因を十分考慮し、外部監査人の報酬案に同意した。
    (4)【役員の報酬等】

      該当事項なし。
    (5)【株式の保有状況】

      該当事項なし。
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                                                           有価証券報告書
    第6【経理の状況】
    (イ)本書記載のオーストラリア・ニュージーランド銀行(「当行」または「ANZ」)ならびに当行およびその被支配法人(当

      行と合わせて、「当グループ」)の2022年9月30日現在ならびに同日に終了した事業年度の財務書類(連結財務書類およ
      び個別財務書類)は、オーストラリア会計基準(「AASs」)、およびオーストラリア会計基準審議会(「AASB」)が発行
      したその他の権威ある公表文書、2001年会社法、ならびに国際会計基準審議会(「IASB」)が公表した国際会計報告基準
      (「IFRS」)および解釈指針に準拠して作成されたものである。なお、当行および当グループの英文財務書類はオースト
      ラリア証券投資委員会(「ASIC」)に提出され、オーストラリア証券取引所で公衆の縦覧に供されている。
      当行が採用した会計基準、会計手続きおよび表示方法と、日本において一般に公正妥当と認められている企業会計基準、
      会計手続きおよび表示方法との主な相違点に関しては「4.日本とオーストラリアとの会計原則の相違」に記載されてい
      る。
      本書記載の財務書類は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)(「財務諸
      表等規則」)第131条第1項の規定の適用を受けている。
    (ロ)2022年9月30日現在ならびに同日に終了した事業年度の財務書類は、当行のオーストラリアの会計監査人であるケー

      ピーエムジーの監査を受けている。監査報告書および同意書は、本書に掲載されている。
      なお、ケーピーエムジーによる監査を受けたことにより、当行および当グループの財務書類は「財務諸表等の監査証明に
      関する内閣府令」(昭和32年大蔵省令第12号)第1条の2の規定で定めるところの、監査証明に相当すると認められる証
      明を受けたとみなされるため、金融商品取引法第193条の2第1項第1号の規定に基づき日本の公認会計士または監査法人
      による監査を受けていない。
    (ハ)本書記載の当行および当グループの財務書類(原文)は、豪ドルで表示されている。以下の財務書類に「円」で表示さ

      れている金額は、「財務諸表等規則」第134条の規定に基づき、2022年12月1日現在の、株式会社三菱UFJ銀行公表の対
      顧客電信直物売相場(1豪ドル=95.23円)の為替レートにより換算したものである。
    (ニ)日本円への換算額ならびに「2.主な資産・負債及び収支の内容」から「4.日本とオーストラリアとの会計原則の相

      違」に関する記載は、当行の原文の財務書類に含まれておらず、上記(ロ)の監査の対象にもなっていない。
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    1【財務書類】
    損益計算書

                             連結                    当行

                        2022  年        2021  年        2022  年        2021  年
    9月30日終了事業年度              注記   (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)
        (1)
    受取利息                  23,609    2,248,285      19,529    1,859,747      18,408    1,752,994      15,347    1,461,495
    支払利息                  (8,735)    (831,834)      (5,368)    (511,195)      (7,433)    (707,845)      (4,822)    (459,199)
    純利息収益              2   14,874    1,416,451      14,161    1,348,552      10,975    1,045,149      10,525    1,002,296
    その他営業収入              3    4,235    403,299      3,325    316,640      6,424    611,758      4,854    462,246
    保険事業収入純額              3     140    13,332      110    10,475       -     -     -     -
    関連会社投資の持分利益/
    (損失)              3     177    16,856      (176)    (16,760)       (12)    (1,143)       (1)     (95)
    営業収入                  19,426    1,849,938      17,420    1,658,907      17,387    1,655,764      15,378    1,464,447
    営業費用              4   (9,579)    (912,208)      (9,051)    (861,927)      (8,123)    (773,553)      (7,594)    (723,177)
    貸倒引当金繰入および
    法人税控除前利益                  9,847    937,730      8,369    796,980      9,264    882,211      7,784    741,270
    貸倒引当金    ( 繰入  )/ 戻入      14     232    22,093      567    53,995      265    25,236      469    44,663
    税引前利益                  10,079     959,823      8,936    850,975      9,529    907,447      8,253    785,933
    法人税              5   (2,940)    (279,976)      (2,756)    (262,454)      (1,933)    (184,080)      (1,922)    (183,032)
    継続事業に係る税引後利益                  7,139    679,847      6,180    588,521      7,596    723,367      6,331    602,901
    非継続事業に係る税引後利益/
    (損失)                   (19)    (1,809)      (17)    (1,619)       -     -     -     -
    当期利益                  7,120    678,038      6,163    586,902      7,596    723,367      6,331    602,901
    内訳:
    当行株主に帰属する利益                  7,119    677,942      6,162    586,807      7,596    723,367      6,331    602,901
    非支配持分に帰属する利益                    1     95     1     95     -     -     -     -
    非継続事業を含む普通株式

    1株当たり利益(セント/円)
    (2)
    基本的              7    250.0     238.1     215.3     205.0
    希薄化後              7    233.2     222.1     203.2     193.5
    継続事業に係る普通株式
    1株当たり利益(セント/円)
    (2)
    基本的              7    250.7     238.7     215.9     205.6
    希薄化後              7    233.8     222.6     203.7     194.0
    普通株式1株当たり配当
    (セント/円)              6     146    139.0      142    135.2
    (1)  償却原価で測定される金融資産またはその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産について、実効金利法を使用して算出された受取利

      息が、当グループに22,844百万ドル(2021年度:19,054百万ドル)、当行に17,123百万ドル(2021年度:14,363百万ドル)含まれている。
    (2)  2021年度の1株当たり利益は、AASB第133号「1株当たり利益」に基づいて2022年度に実施されたシェア・エンタイトルメント・オファーの無償部
      分を反映するために修正再表示されている。
    114ページから232ページ(訳注:原文のページ番号である。)の注記は本財務書類の一部である。

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    包括利益計算書
                             連結                    当行

                        2022  年        2021  年        2022  年        2021  年
    9月30日終了事業年度                (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)
    継続事業に係る当期利益                  7,139    679,847      6,180    588,521      7,596    723,367      6,331    602,901
    その他の包括利益
    将来、損益に組み替えられない項目
    投資有価証券-FVOCIで測定される
    持分証券                   (55)    (5,238)       80    7,618     (119)    (11,332)       67    6,380
            (1)
    その他の準備金増減                   127    12,094      (41)    (3,904)      132    12,570      (95)    (9,047)
    将来、損益に組み替えられる可能性の

    ある項目
    為替換算調整勘定                  (759)    (72,280)       456    43,425      139    13,237      (14)    (1,333)
    その他の準備金増減                 (4,180)    (398,061)      (1,052)    (100,182)      (4,132)    (393,490)      (1,003)     (95,516)
    上記項目に帰属する法人税                  1,172    111,610       301    28,664     1,186    112,943       303    28,855

                  (2)
    関連会社のその他の包括利益の持分                   (40)    (3,809)      (48)    (4,571)       -     -     -     -
    継続事業に係るその他の包括利益
    (税引後)                 (3,735)    (355,684)       (304)    (28,950)     (2,794)    (266,073)       (742)    (70,661)
    非継続事業に係る税引後利益/(損失)                   (19)    (1,809)      (17)    (1,619)       -     -     -     -
    当期包括利益合計                  3,385    322,354      5,859    557,953      4,802    457,294      5,589    532,240
    包括利益合計の内訳:
     当行株主に帰属するもの                 3,399    323,687      5,858    557,857      4,802    457,294      5,589    532,240
         (1)
     非支配持分                  (14)    (1,333)       1     95     -     -     -     -
    (1)  当グループには、ANZバンク・ニュージーランド・リミテッドの非支配持分の為替換算の再調整に関連する-15百万ドル(2021年度:ゼロ)が含まれ

      ている。
    (2)  当グループにおいて将来、損益に組み替えられる可能性のある、関連会社のその他の包括利益に対する当グループの持分には、以下が含まれる。
                        2022  年        2021  年

                    (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)
    FVOCI準備金の利益/(損失)                   (56)    (5,333)      (42)    (4,000)
    確定給付制度の利益/(損失)                   15    1,428      (5)    (476)
    キャッシュフロー・ヘッジ準備金の
    利益/(損失)                    -     -     1     95
    為替換算調整勘定の利益/(損失)                    1     95     (2)    (190)
    合計                   (40)    (3,809)      (48)    (4,571)
    114ページから232ページ(訳注:原文のページ番号である。)の注記は本財務書類の一部である。

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                                                           有価証券報告書
    貸借対照表
                             連結                    当行

                        2022  年         2021  年        2022  年        2021  年
    9月30日現在             注記   (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)
    資産
             (1)
    現金および現金同等物              9   168,132    16,011,210      151,260    14,404,490      155,483    14,806,646      141,436    13,468,950
    ANZの未収決済残高                  4,762     453,485      7,530    717,082      4,024    383,206      7,183    684,037
    支払担保                  12,700    1,209,421       9,166    872,878     11,368    1,082,575       8,343    794,504
    売買目的資産              10    35,237    3,355,620      44,688    4,255,638      28,073    2,673,392      34,752    3,309,433
    デリバティブ金融商品              11    90,174    8,587,270      38,736    3,688,829      88,056    8,385,573      38,292    3,646,547
    投資有価証券              12    86,153    8,204,350      83,126    7,916,089      72,399    6,894,557      67,940    6,469,926
    正味貸付金および前渡金              13   672,407    64,033,319      629,719    59,968,140      537,345    51,171,364      488,487    46,518,617
    規制上の預け金                   632    60,185      671    63,899      249    23,712      213    20,284
    被支配法人に対する債権                    -      -     -     -   22,860    2,176,958      23,530    2,240,762
    被支配法人に対する持分              26      -      -     -     -   17,630    1,678,905      15,693    1,494,444
    関連会社に対する投資              27    2,181     207,697      1,972    187,794       53    5,047      20    1,905
    当期税金資産                   46    4,381      57    5,428      43    4,095      55    5,238
    繰延税金資産                  3,384     322,258      2,339    222,743      2,992    284,928      1,887    179,699
    のれんおよびその他の無形資産              22    3,877     369,207      4,124    392,729       935    89,040     1,017     96,849
    土地建物および設備機器                  2,431     231,504      2,734    260,359      2,171    206,744      2,415    229,980
    その他資産                  3,613     344,066      2,735    260,454      2,402    228,742      1,909    181,794
    資産合計                1,085,729     103,393,973       978,857    93,216,552      946,083    90,095,484      833,172    79,342,970
    負債
    ANZの未払決済残高                  13,766    1,310,936      17,427    1,659,573      10,224     973,632     14,922    1,421,022
    受取担保                  16,230    1,545,583       5,657    538,716     14,425    1,373,693       5,148    490,244
    預金およびその他の借入金              15   797,281    75,925,070      743,056    70,761,223      665,607    63,385,755      606,723    57,778,231
    デリバティブ金融商品              11    85,149    8,108,739      36,035    3,431,613      84,500    8,046,935      37,005    3,523,986
    被支配法人に対する債務                    -      -     -     -   25,305    2,409,795      23,079    2,197,813
    当期税金負債                   829    78,946      419    39,901      488    46,472      193    18,379
    繰延税金負債                   83    7,904      70    6,666      54    5,142      70    6,666
    支払債務およびその他の負債              16    9,835     936,587      8,647    823,454      8,562    815,359      7,244    689,846
    従業員受給権                   549    52,281      602    57,328      409    38,949      447    42,568
    その他引当金              23    1,872     178,271      2,214    210,839      1,648    156,939      1,873    178,366
    発行済社債              17    93,734    8,926,289      101,054    9,623,372      75,828    7,221,100      81,088    7,722,010
    負債合計                1,019,328     97,070,605      915,181    87,152,687      887,050    84,473,772      777,792    74,069,132
    純資産                  66,401    6,323,367      63,676    6,063,865      59,033    5,621,713      55,380    5,273,837
    株主資本
    普通株式資本              24    28,797    2,742,338      25,984    2,474,456      28,720    2,735,006      25,907    2,467,124
    準備金              24    (2,606)     (248,169)      1,228    116,942     (2,546)    (242,456)       341    32,473
    利益剰余金              24    39,716    3,782,155      36,453    3,471,419      32,859    3,129,163      29,132    2,774,240
    当行株主に帰属する株式資本
    および準備金              24    65,907    6,276,324      63,665    6,062,818      59,033    5,621,713      55,380    5,273,837
    非支配持分              24     494    47,044       11    1,048       -     -     -     -
    株主資本合計              24    66,401    6,323,367      63,676    6,063,865      59,033    5,621,713      55,380    5,273,837
    (1)  現金および現金同等物の定義を満たすANZの未収決済残高を含む。

    114ページから232ページ(訳注:原文のページ番号である。)の注記は本財務書類の一部である。

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    キャッシュフロー計算書
                             連結                    当行

                        2022  年        2021  年        2022  年        2021  年
    9月30日終了事業年度                (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)
    税引後利益                  7,120    678,038      6,163    586,902      7,596    723,367      6,331    602,901
    営業活動による(に使用された)純
    キャッシュフローとの調整:
    予想信用損失引当金                  (232)    (22,093)      (567)    (53,995)      (265)    (25,236)      (469)    (44,663)
    減価償却費および償却費                  1,008     95,992     1,087    103,515       867    82,564      959    91,326
    土地建物および設備機器の売却
    (益)/損                   (8)    (762)     (11)    (1,048)       (1)     (95)     (11)    (1,048)
    正味デリバティブ/外貨換算調整                 (4,434)    (422,250)      (6,350)    (604,711)      (4,687)    (446,343)      (4,374)    (416,536)
    投資の売却による(利益)/損失                  (252)    (23,998)       238    22,665      (246)    (23,427)       (12)    (1,143)
    その他の非現金項目の増減                  (909)    (86,564)      (237)    (22,570)      (488)    (46,472)      (456)    (43,425)
    営業資産の純(増加)/減少
      支払担保                (2,638)    (251,217)      4,995    475,674     (2,054)    (195,602)      4,484    427,011
      売買目的資産                8,020    763,745       10     952    6,355    605,187     (2,778)    (264,549)
      正味貸付金および前渡金               (46,378)    (4,416,577)       (8,259)    (786,505)     (42,003)    (3,999,946)       (300)    (28,569)
      正味グループ内貸付金および前渡金                  -     -     -     -    978    93,135     (1,212)    (115,419)
      その他資産                 685    65,233      143    13,618      655    62,376       89    8,475
    営業負債の純増加/(減少)
      預金およびその他の借入金                48,879    4,654,747      48,896    4,656,366      45,058    4,290,873      41,908    3,990,899
      ANZの未払決済残高                (3,486)    (331,972)      (4,928)    (469,293)      (4,769)    (454,152)      (4,671)    (444,819)
      受取担保                9,468    901,638     (3,466)    (330,067)      8,074    768,887     (2,728)    (259,787)
      その他の負債                3,333    317,402      6,108    581,665      3,426    326,258      5,579    531,288
    調整額合計                 13,056    1,243,323      37,659    3,586,267      10,900    1,038,007      36,008    3,429,042
    営業活動(に使用された)による純
           (1)
    キャッシュフロー                 20,176    1,921,360      43,822    4,173,169      18,496    1,761,374      42,339    4,031,943
    投資活動によるキャッシュフロー
    投資有価証券資産:
      購入               (34,292)    (3,265,627)      (52,639)    (5,012,812)      (30,065)    (2,863,090)      (23,040)    (2,194,099)
      売却または満期による手取金                32,797    3,123,258      63,445    6,041,867      28,201    2,685,581      35,493    3,379,998
    事業売却による手取金、売却事業
    保有現金控除後                   394    37,521       13    1,238      (5)    (476)      -     -
    被支配法人に対する持分の純増減額                   (65)    (6,190)       -     -    (133)    (12,666)      (175)    (16,665)
    その他資産への純投資                  (651)    (61,995)      (561)    (53,424)      (667)    (63,518)      (650)    (61,900)
    投資活動(に使用された)による
    純キャッシュフロー                 (1,817)    (173,033)      10,258     976,869     (2,669)    (254,169)      11,628    1,107,334
    財務活動によるキャッシュフロー
    預金およびその他の借入金の実行                  1,226    116,752      9,310    886,591        -     -   8,091    770,506
         (2)
    発行済社債:
      発行額                23,422    2,230,477      12,624    1,202,184      20,145    1,918,408       9,517    906,304
      償還額               (26,017)    (2,477,599)      (27,709)    (2,638,728)      (21,985)    (2,093,632)      (23,104)    (2,200,194)
         (3)
    配当金支払額                 (3,784)    (360,350)      (2,834)    (269,882)      (3,782)    (360,160)      (2,834)    (269,882)
    自己株式の市場での購入                  (117)    (11,142)       (79)    (7,523)      (117)    (11,142)       (79)    (7,523)
    リース負債の返済                  (218)    (20,760)      (330)    (31,426)      (226)    (21,522)      (288)    (27,426)
    自己株式買戻し                  (846)    (80,565)      (654)    (62,280)      (846)    (80,565)      (654)    (62,280)
    ANZバンク・ニュージーランド
    永久優先株                   492    46,853       -     -     -     -     -     -
    シェア・エンタイトルメントに基づく
    発行                  3,497    333,019        -     -   3,497    333,019        -     -
    財務活動(に使用された)による
    純キャッシュフロー                 (2,345)    (223,314)      (9,672)    (921,065)      (3,314)    (315,592)      (9,351)    (890,496)
    現金および現金同等物の純(減少)/
    増加                 16,014    1,525,013      44,408    4,228,974      12,513    1,191,613      44,616    4,248,782
    現金および現金同等物の期首残高                 151,260    14,404,490      107,923    10,277,507      141,436    13,468,950       98,083    9,340,444
    現金および現金同等物に関する
    為替レート変動の影響                   858    81,707     (1,071)    (101,991)      1,534    146,083     (1,263)    (120,275)
    現金および現金同等物の期末残高                 168,132    16,011,210      151,260    14,404,490      155,483    14,806,646      141,436    13,468,950
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    (1)  当グループの営業活動(に使用された)による純キャッシュフローは、利息受取額22,748百万ドル(2021年度:19,649百万ドル)、利息支払額
      7,857百万ドル(2021年度:5,793百万ドル)および法人税納付額2,171百万ドル(2021年度:2,427百万ドル)を含む。当行の営業活動(に使用され
      た)による純キャッシュフローは、利息受取額17,672百万ドル(2021年度:15,435百万ドル)、利息支払額6,692百万ドル(2021年度:5,117百万ド
      ル)および法人税納付額1,443百万ドル(2021年度:1,541百万ドル)を含む。
    (2)  発行済社債に係る現金を伴わない変動には、当グループについては、主に公正価値ヘッジ調整による未実現変動からの利益4,725百万ドル(2021年
      度:3,476百万ドルの利益)が含まれており、一部が為替損失と相殺されている。当行については、主に公正価値ヘッジによる未実現変動からの利
      益3,420百万ドル(2021年度:2,322百万ドルの利益)が含まれており、一部が為替損失と相殺されている。
    (3)  配当金再投資制度に対応するための株式購入に伴うキャッシュ・アウトフローは、配当金支払額に分類されている。
    114ページから232ページ(訳注:原文のページ番号である。)                         の注記は本財務書類の一部である。

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    持分変動計算書
                                                   当行株主に帰属する

                      普通株式資本           準備金         利益剰余金        株式資本および準備金
    連結                (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)
    2020年10月1日現在                 26,531    2,526,547       1,501    142,940     33,255    3,166,874      61,287    5,836,361
    継続事業に係る損益                    -     -     -     -   6,179    588,426      6,179    588,426
    非継続事業に係る損益                    -     -     -     -    (17)    (1,619)      (17)    (1,619)
    継続事業に係る当期その他包括利益                    -     -    (264)    (25,141)       (40)    (3,809)      (304)    (28,950)
    当期包括利益合計                    -     -    (264)    (25,141)      6,122    582,998      5,858    557,857
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額                    -     -     -     -   (2,928)    (278,833)      (2,928)    (278,833)
           (1)
    配当金再投資制度                   94    8,952       -     -     -     -     94    8,952
            (2)
    グループ株式買戻し                  (654)    (62,280)        -     -     -     -    (654)    (62,280)
    その他の資本増減
    当グループの従業員株式取得制度                   13    1,238       -     -     -     -     13    1,238
    その他の項目                    -     -     (9)    (857)      4    381     (5)    (476)
    2021年9月30日現在                 25,984    2,474,456       1,228    116,942     36,453    3,471,419      63,665    6,062,818
    継続事業に係る損益                    -     -     -     -   7,138    679,752      7,138    679,752
    非継続事業に係る損益                    -     -     -     -    (19)    (1,809)      (19)    (1,809)
    継続事業に係る当期その他包括利益                    -     -   (3,835)    (365,207)       115    10,951     (3,720)    (354,256)
    当期包括利益合計                    -     -   (3,835)    (365,207)      7,234    688,894      3,399    323,687
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額                    -     -     -     -   (3,965)    (377,587)      (3,965)    (377,587)
           (1)
    配当金再投資制度                   183    17,427       -     -     -     -    183    17,427
            (2)
    グループ株式買戻し                  (846)    (80,565)        -     -     -     -    (846)    (80,565)
    シェア・エンタイトルメントに基づく
      (3)
    発行                  3,497    333,019        -     -     -     -   3,497    333,019
    その他の資本増減:
    当グループの従業員株式取得制度                   (21)    (2,000)       -     -     -     -    (21)    (2,000)
    優先株式の発行                    -     -     -     -     (7)    (667)      (7)    (667)
    その他の項目                    -     -     1     95     1     95     2    190
    2022年9月30日現在                 28,797    2,742,338      (2,606)    (248,169)      39,716    3,782,155      65,907    6,276,324
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                       非支配持分         株主資本合計

    連結                (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)
    2020年10月1日現在                   10     952    61,297    5,837,313
    継続事業に係る損益                    1     95    6,180    588,521
    非継続事業に係る損益                    -     -    (17)    (1,619)
    継続事業に係る当期その他包括利益                    -     -    (304)    (28,950)
    当期包括利益合計                    1     95    5,859    557,953
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額                    -     -   (2,928)    (278,833)
           (1)
    配当金再投資制度                    -     -     94    8,952
            (2)
    グループ株式買戻し                    -     -    (654)    (62,280)
    その他の資本増減:
    当グループの従業員株式取得制度                    -     -     13    1,238
    その他の項目                    -     -     (5)    (476)
    2021年9月30日現在                   11    1,048     63,676    6,063,865
    継続事業に係る損益                    1     95    7,139    679,847
    非継続事業に係る損益                    -     -    (19)    (1,809)
    継続事業に係る当期その他包括利益                   (15)    (1,428)     (3,735)    (355,684)
    当期包括利益合計                   (14)    (1,333)     3,385    322,354
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額                   (2)    (190)    (3,967)    (377,777)
           (1)
    配当金再投資制度                    -     -    183    17,427
            (2)
    グループ株式買戻し                    -     -    (846)    (80,565)
    シェア・エンタイトルメントに基づく
      (3)
    発行                    -     -   3,497    333,019
    その他の資本増減:
    当グループの従業員株式取得制度                    -     -    (21)    (2,000)
    優先株式の発行                   499    47,520      492    46,853
    その他の項目                    -     -     2    190
    2022年9月30日現在                   494    47,044     66,401    6,323,367
    (1)  2022年度中間配当金について、配当金再投資制度(「DPP」)に基づき7.2百万株が発行された(2021年度最終配当金および中間配当金に伴いゼロ、

      2020年度最終配当金に伴い4.2百万株)。2022年度におけるDRP向けに市場で購入した株式は、204百万ドル(2021年度:199百万ドル)であった。
    (2)  当グループは、2022年3月25日に15億ドルのANZ普通株式の市場買戻しを完了し、その結果、2022年度に31百万株(2021年度:23百万株)が消却さ
      れた。
    (3)当グループは、2022年度にシェア・エンタイトルメント・オファーに基づく187.1百万株の普通株式を新規に発行した。
    114ページから232ページ(訳注:原文のページ番号である。)の注                          記は本財務書類の一部である。

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    持分変動計算書
                      普通株式資本           準備金         利益剰余金         株主資本合計

    当行                (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)
    2020年10月1日現在                 26,454    2,519,214       1,018     96,944     25,800    2,456,934      53,272    5,073,093
    当期利益                    -     -     -     -   6,331    602,901      6,331    602,901
    当期その他の包括利益                    -     -    (668)    (63,614)       (74)    (7,047)      (742)    (70,661)
    当期包括利益合計                    -     -    (668)    (63,614)      6,257    595,854      5,589    532,240
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額                    -     -     -     -   (2,928)    (278,833)      (2,928)    (278,833)
           (1)
    配当金再投資制度                   94    8,952       -     -     -     -     94    8,952
            (2)
    グループ株式買戻し                  (654)    (62,280)        -     -     -     -    (654)    (62,280)
    その他の資本増減:
    当グループの従業員株式取得制度                   13    1,238       -     -     -     -     13    1,238
    その他の項目                    -     -    (9)    (857)      3    286     (6)    (571)
    2021年9月30日現在                 25,907    2,467,124        341    32,473     29,132    2,774,240      55,380    5,273,837
    当期利益                    -     -     -     -   7,596    723,367      7,596    723,367
    当期その他の包括利益                    -     -   (2,888)    (275,024)       94    8,952    (2,794)    (266,073)
    当期包括利益合計                    -     -   (2,888)    (275,024)      7,690    732,319      4,802    457,294
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額                    -     -     -     -   (3,965)    (377,587)      (3,965)    (377,587)
           (1)
    配当金再投資制度                   183    17,427       -     -     -     -    183    17,427
            (2)
    グループ株式買戻し                  (846)    (80,565)        -     -     -     -    (846)    (80,565)
    シェア・エンタイトルメントに基づく
      (3)
    発行                  3,497    333,019        -     -     -     -   3,497    333,019
    その他の資本増減:
    当グループの従業員株式取得制度                   (21)    (2,000)       -     -     -     -    (21)    (2,000)
    その他の項目                    -     -     1     95     2    190      3    286
    2022年9月30日現在                 28,720    2,735,006      (2,546)    (242,456)      32,859    3,129,163      59,033    5,621,713
    (1)  2022年度中間配当金について配当金再投資制度(「DRP」)に基づき7.2百万株が発行された(2021年度最終配当金および中間配当金に伴いゼロ、

      2020年度最終配当金に伴い4.2百万株)。2022年度におけるDRP向けに市場で購入した株式は、204百万ドル(2021年度:199百万ドル)であった。
    (2)  当行は、2022年3月25日に15億ドルの株式市場買戻し完了し、その結果、2022年度に31百万株(2021年度:23百万株)が消却された。
    (3)  当行は、2022年度にシェア・エンタイトルメント・オファーに基づく187.1百万株の普通株式を新規に発行した。
    114ページから232ページ(訳注:原文のページ番号である。)の                         注記は本財務書類の一部である。

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    財務書類注記
    1.  当グループの財務書類について

     本財務書類は、オーストラリア・ニュージーランド銀行(「当行」)およびその被支配法人(「当グループ」と総称す

    る。)の2022年9月30日に終了した事業年度の財務書類である。当行はオーストラリアで設立され、同国に本店を構えている
    上場会社である。当行の登記上の事務所の住所、ならびに主要な事業所はANZ                                      Centre,    833  Collins    Street,    Docklands,
    Victoria,     Australia     3008である。当グループは個人顧客および企業顧客にバンキングおよび金融のサービスを提供してお
    り、32の市場にわたって営業している。
     2022年10月26日、取締役はこれらの財務書類の発行の承認を決議した。
     財務書類の情報は、財務書類の理解において重要かつ関連性があると想定されるものに限定して含めている。例えば以下の
    ような場合、開示は重要かつ関連性があるとみなされる。
        ・ 金額の規模が重要である(定量的要因)
        ・ 情報の性質が重要である(定性的要因)
        ・ 利用者はその開示がないと当グループの業績を理解することができない(定性的要因)
        ・ 例えば事業の取得や処分など、利用者にとって当期中のグループ事業の重要な変更による影響を理解するための
          重要な情報である(定性的要因)
        ・ 将来のグループ業績に影響する重要な業務に関する情報(定性的要因)
        ・ 2001年会社法、1959年銀行法(オーストラリア連邦)の規制要件に基づき、もしくはオーストラリア証券投資委
          員会(「ASIC」)、オーストラリア健全性規制庁(「APRA」)などグループの主たる規制当局により求められる
          情報
     財務書類の本セクションでは、以下を示している。

        ・ 当グループの財務書類の作成基準の概要
        ・ 財務書類に直接影響を及ぼす新たな会計基準もしくは規制の説明
    作成基準

     財務報告は、オーストラリア会計基準(「AAS」)、およびオーストラリア会計基準審議会(「AASB」)が発行したその他の
    権威ある公表文書、2001年会社法、ならびに国際会計基準審議会(「IASB」)が公表した国際財務報告基準(「IFRS」)およ
    び解釈指針に準拠して営利目的企業により作成された一般目的の財務報告(Tier1)である。
     当グループの財務書類は、当行の機能通貨であり表示通貨である豪ドルで表示されている。ASIC企業向け(財務書類/取締
    役会報告書における四捨五入)通達第2016/191号により認められているように、別段の記載がない限り、財務書類に記載され
    ている金額は百万ドル未満を四捨五入している。当グループの各社の財務書類は、各社が営業を行う主たる経済環境の通貨を
    用いて測定される(機能通貨)。
    測定および表示基準

     財務情報は、公正価値で表示されている以下の資産および負債を除き、取得原価法に基づき作成されている。
        ・ デリバティブ金融商品、また公正価値ヘッジの場合、基礎となるヘッジ対象に対して行われる公正価値調整
        ・ 売買目的保有金融商品
        ・ 損益を通じて公正価値で測定するものと指定された金融資産および金融負債
        ・ その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
        ・ 売却目的保有に分類された資産および負債(帳簿価額での計上が義務付けられるものを除く。)
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     AASB第119号「従業員給付」(「AASB第119号」)に準拠して確定給付債務は予測単位積増方式を用いて測定される。
     2022会計年度において、当グループは、住宅ローン・ブローカーに支払う継続的なトレイル・コミッションの取扱いを変更
    し、現在は、支払債務およびその他の負債に、予想される将来のトレイル・コミッション未払額の現在価値と同額の負債を認
    識するとともに、これに対応して増加した仲介手数料の資産計上を正味貸付金および前渡金に認識した。比較情報は修正再表
    示していない。
     富裕層オーストラリア事業のIOOFホールディングス・リミテッド(「IOOF」、現社名インシグニア・ファイナンシャル・リ
    ミテッド)およびチューリッヒ・フィナンシャル・サービシズ・オーストラリア(「チューリッヒ」)への売却は2019年から
    2020年にかけて完了した。チューリッヒに売却された事業の分離は2022年4月上旬に完了し、IOOFに売却された事業の分離は
    2022年10月上旬に完了した。これらの売却事業の財務業績は、財務報告の観点からは非継続事業として扱われる。
    連結基準

     当グループの連結財務書類は、当行および当行の全子会社の財務書類で構成される。ある事業体について当行の支配が存在
    すると認められる場合、その事業体(組成された事業体を含む。)は当グループの子会社とされる。当グループが事業体への
    関与を通じてリターンの変動にさらされるか、あるいはリターンの変動に対する権利を有し、かつその事業体に対するパワー
    を通じてそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合には支配が存在する。当グループは、事業体における関連性のあ
    る活動を指図する現在の能力を当行に与える権利を検討することでパワーを評価している。当グループ内の法人間取引は、連
    結ベースですべて消去されている。
    為替換算

     取引および残高
     外貨建て取引は、取引日現在の為替レートで関連する機能通貨へ換算される。報告日において、外貨建て金融資産および負
    債は、当該日のスポット・レートで機能通貨へ換算される。為替換算損益は、発生した期間の損益に含まれる。
     損益を通じて公正価値で測定される非貨幣性項目の換算差額は、公正価値評価損益の一部として表示される。その他の包括
    利益を通じて公正価値で測定される投資有価証券に分類された非貨幣性項目に関して、換算差額は、その他の包括利益に含ま
    れる。
     オーストラリアドル以外を機能通貨とする海外事業の財務書類

     海外事業の財務書類は、以下の手法を用いて、当グループの財務書類に連結するためにオーストラリアドルに換算される。
     外貨建て項目                使用する為替レート

     資産および負債                報告日のレート
     資本                当初の投資日のレート
     収益および費用                期間の平均レート-ただし、重要と考えられる取引について、平均レートが合
                     理的ではない場合、取引日のレートを使用
     海外事業の財務書類の換算から生じる換算差額は、資本の為替換算調整勘定に計上される。海外事業を処分する場合、かか

    る累積換算差額は損益に振り替えられる。
    受託業務

     当グループは、保管、名義人および受託サービスを含む信託サービスを第三者に提供している。これに伴い、当グループ
    は、第三者に代わり資産を保有、ならびに金融商品の購入および売却に関する意思決定を行う。ANZが資産の実質所有者でない
    場合、もしくは資産を支配していない場合、本財務書類においてこれらの取引は認識されない。                                             ただし、会計基準または規制
    で要求される場合を除く。
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     重要な判断および見積り

     当グループの会計方針を適用する目的で、経営陣は数多くの判断を下し、過去および将来の事象に関する見積りお
     よび仮定を適用している。財務書類にとって重要であると考える重要な判断および見積りに関する詳しい情報は、
     関連するそれぞれの財務書類注記に含まれている。
     COVID-19のパンデミックの状況は収束しつつあり、一般市民、企業および経済活動に対するその影響の管理につい
     ての理解は深まっているが、消費者、企業および政府の反応は依然として不確実である。パンデミックの影響を複
     雑にしているのは、地政学的な緊張の高まり、世界的なサプライチェーンの混乱、ウクライナ紛争、コモディティ
     価格への圧力、経済に影響を与えるインフレと金利の上昇である。したがって、見積りの不確実性は、本財務書類
     の作成において依然として高い水準にある。
     当グループは、2022年9月30日現在における将来の事象について、このような状況下で合理的と考えられる見込み
     および仮定を反映した経済状況の予測に基づく様々な会計上の見積りを財務報告において行った。これらの見積り
     の作成には、相当な判断を伴っている。予測した事象は予期したとおりには発生しないことが多いため、実際の経
     済状況は予想とは異なる可能性が高く、こうした相違による影響は本財務書類に含まれる会計上の見積りに重要な
     影響を与える可能性がある。これらの予測および関連する不確実性によって影響を受ける重要な会計上の見積り
     は、主に予想信用損失および非金融資産の回収可能価額に関連している。
     これらの不確実性がこれらの会計上の見積りに与える影響については、後述および/または本財務書類の関連する
     注記に記載されている。本財務書類の読者は、上記の内在する不確実性に照らしてこれらの開示を検討すべきであ
     る。
    金利指標改革

     銀行間取引金利(「IBOR」)は、デリバティブ、貸付および有価証券の参照レートとしての機能を果たし世界の金融市場で
    不可欠な役割を果たす他、金融商品の評価においても不可欠な役割を果たしてきた。IBOR改革は、IBORと無リスク金利
    (「RFR」)の間の根本的な違いにより、当グループおよび当グループの顧客に広範囲の影響を及ぼす。IBORとRFRとの重要な
    相違は、IBOR金利には期間と銀行の信用リスクプレミアムが含まれているのに対して、RFRにはこれが含まれていないことであ
    る。これらの相違点の結果として、IBOR金利を参照する契約について、経済的に同等なベースでの移行を確実にするために
    は、RFRへの調整が必要となる。
     金利指標改革に対する当グループのアプローチに関するアップデート

     2021年に行われた規制当局の発表に伴い、英ポンド(「GBP」)、ユーロ(「EUR」)、スイスフラン(「CHF」)および日本
    円(「JPY」)ならびに米ドル(「USD」)の1週間物および2か月物のLIBORを含むIBOR金利の設定値の大半は、2021年12月31
    日で廃止され、代替的なRFRに置き換えられている。この移行が当グループの損益に与えた影響に重要性はなかった。当グルー
    プは、顧客との貸付およびデリバティブ取引、債券の発行、ならびに資産・負債の管理活動を通じて、2023年6月30日までに
    ほぼ廃止される予定の残りの米ドルLIBORおよびその他のIBOR関連指標に対するエクスポージャーを引き続き有する。
     当グループは、米ドルLIBORの残りの期間およびその他残りのIBORからRFRへの移行を、全社的な指標移行プログラム(「プ
    ログラム」)を通じて継続的に管理する。プログラムは、移行に伴い発生する可能性のあるオペレーショナル・リスク、市場
    リスク、法的リスク、コンダクト・リスクおよび財務報告リスクなどのリスクの管理を担当する。
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     2022年9月30日現在の指標金利改革の対象となるエクスポージャー
     下表は、IBOR改革の対象となる金利指標に対する当グループのエクスポージャーを示している。これらは、RFRへの移行が計
    画されている契約上IBOR指標を参照する金融商品で、契約上の満期日は予定されているIBOR廃止日よりも先となっているもの
    である。
                                        米ドルLIBOR             その他

     2022年9月30日現在                                (単位:百万ドル)           (単位:百万ドル)
              (1)
     貸付金および前渡金                                      13,349            126
                (1)
     非デリバティブ金融資産                                        154            -
                (2)
     非デリバティブ金融負債                                        669           36
                   (3)
     デリバティブ資産(想定元本)                                      571,393           14,400
                   (3)
     デリバティブ負債(想定元本)                                      553,754           14,540
              (1)(4)
     貸付コミットメント                                      16,312            222
    (1)  予想信用損失(「ECL」)を除く。
    (2)  当グループの変動利付発行済社債で構成される。
    (3)  流入・流出の両方のレッグが改革の対象通貨であるクロスカレンシー・スワップについて、当グループは両方について想
      定元本額の豪ドル相当額を開示している。片方のレッグが改革の対象である場合、当グループは流入の想定元本額を開示
      している。
    (4)  多通貨IBOR参照与信枠について、未実行残高は当該与信枠がプライシングされている通貨に割り当てられ、廃止の影響を
      受ける多通貨プライシングの場合は、融資の実行可能性が最も高い通貨に割り当てられている。
     IBOR改革の対象であるヘッジ会計エクスポージャー

     当グループは米ドルLIBORを参照するヘッジ会計関係を有しており、これは主として公正価値ヘッジ会計関係に指定されてい
    る米ドル建ての固定金利投資有価証券および当グループの固定金利発行済社債によるものである。下表は、当グループのIBOR
    改革によって影響を受けるLIBORを参照する、ヘッジ関係に指定された米ドルエクスポージャーの帳簿価額の詳細を示してい
    る。関連するヘッジ手段の想定元本も含まれている。
                                                2022年9月30日現在

                                                (単位:百万ドル)
    ヘッジ対象
      FVOCIで測定される投資有価証券                                                 8,457

      正味貸付金および前渡金                                                  216
      預金およびその他の借入金                                                  163
                                                      19,861
      発行済社債
                      2023年6月30日まで           2023年6月30日以降について

                      指定された想定元本               指定された想定元本              想定元本合計
    ヘッジ手段
                                   (単位:百万ドル)
      公正価値ヘッジ                       8,523              21,795           30,318
                               -              286           286
      キャッシュフロー・ヘッジ
    当期に採用された会計基準

     2022年に採用された新しい会計基準や解釈指針で、当グループに重大な影響を与えたものはなかった。
     別途注記されている場合を除き、会計方針は継続的に適用されている。
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    早期適用されなかった会計基準
     数多くの新たな基準、基準の改訂、解釈指針が公表されているが、2022年9月30日終了年度の財務書類について適用義務は
    なく、当グループによる本財務書類の作成において適用されていない。これらの会計基準の詳細は以下に記載されている。
     一般ヘッジ会計

     AASB第9号「金融商品」(「AASB第9号」)は、会計と、財務リスクおよび非財務リスクの両方をヘッジする際に行われる
    リスク管理活動をより整合させる新たなヘッジ会計要件を導入している。AASB第9号は、マクロ・ヘッジ会計に関する国際会
    計基準審議会の進行中のプロジェクトが完了するまで、AASB第139号「金融商品:認識および測定」(「AASB第139号」)の
    ヘッジ会計要件を引き続き会計方針として適用する選択肢を与えている。当グループは現在、AASB第139号のヘッジ会計要件を
    適用している。
     AASB  第 17 号「保険契約」       ( 「 AASB  第 17 号」  )

     AASB第17号の最終版は2017年7月に公表されたが、2023年10月1日まで当グループには適用されない。これは、AASB第4号
    「保険契約」、AASB第1023号「損害保険契約」、AASB第1038号「生命保険契約」に置き替わるものである。AASB第17号は、保
    険契約の認識、測定、表示および開示に関する原則を定めている。
     AASB第17号に基づく測定、表示および開示の要件は、現行の会計基準と大きく異なる。保険契約について認識される利益の
    合計は変わらないが、収益認識の時期が変わる見込みである。
     AASB第17号が当グループに重要な影響を及ぼすことは見込まれていない。
     単一の取引から生じる資産および負債に係る繰延税金

     AASB第2021-5号「オーストラリア会計基準の改訂-単一の取引から生じた資産および負債に係る繰延税金」は、AASB第112号
    「法人所得税」を改訂し、資産と負債の両方があり、同額の将来加算と将来減算の一時差異を生じさせる取引について、企業
    は繰延税金を認識することが求められる旨を明確化している。これにはリースと廃棄または原状回復義務などの取引が含まれ
    得る。この改訂は、2023年10月1日より当グループに適用されるが、重要な影響を及ぼすとは見込まれていない。
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    2.  純利息収益
                                     連結             当行

                                 2022年       2021年       2022年       2021年
                                        (単位:百万ドル)
    純利息収益
    受取利息の金融資産の種類別の内訳
    償却原価で測定される金融資産                             21,737       18,188       16,289       13,767
    FVOCIで測定される投資有価証券                              1,107        866       834       596
    売買目的資産                               700       446       547       325
                                    65       29      177       124
    損益を通じて公正価値で測定される金融資産
    外部受取利息                             23,609       19,529       17,847       14,812
                                    -       -      561       535
    被支配法人収益
                                  23,609       19,529       18,408       15,347
    受取利息
    支払利息の金融負債の種類別の内訳
    償却原価で測定される金融負債                             (8,019)       (4,830)       (6,170)       (3,681)
    空売り有価証券                              (214)       (91)      (191)       (82)
    損益を通じて公正価値評価するものとして指定されている
                                   (162)       (101)       (151)       (158)
    金融負債
    外部支払利息                             (8,395)       (5,022)       (6,512)       (3,921)
                                    -       -     (581)       (555)
    被支配法人費用
                                  (8,395)       (5,022)       (7,093)       (4,476)
    支払利息
                                   (340)       (346)       (340)       (346)
    大手銀行税
         (1)
                                  14,874       14,161       10,975       10,525
    純利息収益
    (1)  顧客救済措置に伴う費用が、当グループについてはゼロ(2021年度:-86百万ドル)、当行については-5百万ドル(2021

      年度:-82百万ドル)含まれている。
     認識および測定

     純利息収益
     受取利息および費用
     売買目的保有、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資産、および損益を通じて公正価値で測定する資産
     など、すべての金融商品の受取利息および費用は、純利息収益として認識する。当グループは、償却原価で保有す
     る資産の償却原価を算出する際、およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の受取利息を認
     識する際に、実効金利法を用いている。実効金利とは、将来の見積り現金受取額または支払額を金融商品の予想残
     存期間(適切な場合にはより短期間)にわたって、金融資産または負債の正味帳簿価額まで割り引く金利である。
     期限前返済の対象となる資産については、特定の資産ポートフォリオの過去の返済状況に基づいて予想残存期間が
     決定されるが、その際には契約条件および期限前返済の実態を勘案している。
     金融商品の不可欠な部分である手数料および費用(例えばローン・オリジネーション手数料および費用)は、実効
     金利法を用いて認識される。これらは、基礎となる金融商品が金融資産であるか、金融負債であるかに応じて、受
     取利息または支払利息の一部として表示されている。
     大手銀行税

     2017年大手銀行税法(「銀行税」または「大手銀行税」)は、当行の特定の負債に対し0.06%で課税する。当グ
     ループは、当該銀行税は当グループおよび当行の資金調達コストを示しており、損益計算書において支払利息の一
     部として含めることを決定した。
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    3.  非利息収益
                                     連結             当行

                                 2022年       2021年       2022年       2021年
                                        (単位:百万ドル)
    非利息収益
    手数料およびコミッション収益
         (1)
    貸付手数料                               374       474       340       436
    非貸付手数料                              2,394       2,552       1,744       1,961
    コミッション                               103       97       74       65
                                   261       287       27       5
    資産運用収入
    外部手数料およびコミッション収益                              3,132       3,410       2,185       2,467
                                    -       -      244       235
    被支配法人収益
    手数料およびコミッション収益                              3,132       3,410       2,429       2,702
                                  (1,160)       (1,267)        (695)       (836)
    手数料およびコミッション費用
                                  1,972       2,143       1,734       1,866
    手数料およびコミッション収益(純額)
    その他収入
                            (2)
    為替差益およびその他金融商品による収益(純額)                              1,993       1,371       1,296       1,064
    ANZワールドライン・パートナーシップの取引完了による利
    益                               307        -      307        -
    被支配法人に対する持分の減損                                -       -     (180)        -
    ANZシェア・インベスティング事業の処分損                                -     (251)        -      12
    為替換算調整勘定の戻入                               (65)        -       -       -
    ファイナンシャル・プランニング・アドバイス事業の処分損                               (62)        -      (22)        -
    被支配法人から受領した配当金                                -       -     3,181       1,845
                                    90       62      108       67
    その他
                                  2,263       1,182       4,690       2,988
    その他収入
                                  4,235       3,325       6,424       4,854
    その他営業収入
    保険事業収入純額                               140       110        -       -

                    (3)
                                   177      (176)       (12)       (1)
    関連会社投資の持分利益/(損失)
         (4)
                                  4,552       3,259       6,412       4,853
    非利息収益
    (1)  貸付手数料は、実効利回りの計算の一部として処理され受取利息に含まれている手数料を除く。

    (2)  金利リスクおよび為替リスクを管理するための、会計上のヘッジとして指定されていないデリバティブの公正価値の変動
      (実現および未収利息を除く。)、キャッシュフロー・ヘッジの非有効部分、損益を通じて公正価値評価するものとして
      指定された金融資産および金融負債の公正価値の変動を含む。
    (3)  AMMBホールディングスBerhad              の1マレーシア・デベロップメント・ブルハドに関する2021年の和解金およびのれん償却に
      おける当グループの持分-347百万ドルを含む。
    (4)  顧客救済費用が当グループについては-34百万ドル(2021年度:-56百万ドル)、当行については-20百万ドル(2021年度:
      -84百万ドル)含まれている。
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     認識および測定

     その他営業収入
     手数料およびコミッション収益
     当グループは、顧客との契約から発生する手数料およびコミッション収益を、(a)履行義務が1報告期間を超える
     期間にわたって充足される場合には期間の経過に従って、または(b)履行義務が直ちにもしくは1報告期間内に充
     足される場合にはある一時点で認識している。
      ・ 貸付手数料は、実効利回りの計算の一部として処理され受取利息に含まれている手数料を除く。貸付手数料
        には、特定の保証またはコミットメント手数料(当該貸付または保証を利用しない可能性が高い場合)およ
        びその他の手数料で原貸付商品とは別個に認識される区分可能な商品またはサービスの顧客への提供に関す
        るものが含まれている。
      ・ 非貸付手数料には、預金およびクレジットカード口座に伴う手数料、インターチェンジ・フィーならびに外
        国送金などの特定の顧客取引に対する手数料が含まれる。当グループが顧客に複数の商品またはサービスを
        同一の契約に基づいて提供する場合、当グループは当該契約の取引価格を、各履行義務の独立販売価格の比
        率に基づいて個別の履行義務に配分する。収益は、各履行義務の充足時に認識される。
      ・ コミッションは、当グループが代理人として行動する場合の第三者からの手数料を表すもので、この場合
        は、第三者(保険のプロバイダー等)が顧客に商品およびサービスを提供するよう手配する。このような場
        合、当グループは顧客に原商品またはサービスを提供する主たる責任を負わない。当グループが第三者に代
        わって代理人として行動している際に資金を回収する場合、当グループはコミッション純額分のみを収益と
        して認識する。コミッションが、当グループの支配の及ばない要因によって変動する場合(トレイル・コ
        ミッション等)、将来の期間に変動する金額の重大な戻入が必要とならない可能性が高い場合にのみ、収益
        が認識される。
      ・ 資産運用収入は、投資助言の提供に対して顧客から得る手数料、ならびに投資ファンドに提供する資産運用
        サービスおよび助言に対する手数料を表す。収益は、投資助言が提供された時点、または資産運用サービス
        が提供された期間にわたって認識される。資産運用業務に伴うパフォーマンス・フィーは、当該パフォーマ
        ンス水準の達成の可能性が高くなった場合にのみ、認識される。
     為替差益およびその他金融商品による収益(純額)

     当グループでは、以下の為替差益およびその他金融商品による収益(純額)を認識する。
      ・ 貨幣性項目の決済による換算差額および貨幣性項目を当初認識時または前期の財務報告で使用されたものと
        異なるレートで換算したことにより生ずる換算差額
      ・ 資金調達商品の金利リスクおよび為替リスクを管理するために用いられているが、会計上のヘッジとして指
        定されていないデリバティブの公正価値の変動(実現および未収利息を除く。)
      ・ 公正価値ヘッジ、キャッシュフロー・ヘッジ、純投資ヘッジの非有効部分
      ・ ヘッジ対象の売却または返済の直後において、公正価値ヘッジのヘッジ対象の公正価値調整の未償却額およ
        びキャッシュフロー・ヘッジの指定に関連して資本の部に累計された金額
      ・ 損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された、もしくは売買保有目的の金融資産および金融負債
        の公正価値の変動
      ・ その他の包括利益を通じて公正価値で測定(「FVOCI」)に分類された負債性金融商品の売却時にFVOCI準備
        金から振り戻される金額
      ・ 償却原価で測定される金融資産または金融負債の認識中止時の利益または損失
     非金融資産の処分損益

     資産の処分に伴う損益は、資産の帳簿価額と処分費用控除後の売却額との差額である。これは、当該資産の重大な
     リスクおよび経済価値が買い手に移転した事業年度においてその他の収益項目として計上される。
     一つの非金融資産または資産グループが売却目的保有として分類された場合、分類変更の直前の帳簿価額と処分費
     用控除後の公正価値との差額は、処分が当該年度中に完了した場合に適用されるはずである処分損益の分類と一致
     させるために、その他営業収入に認識される。
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     保険事業からの収入純額

     以下を認識する。
      ・ 販売した保険契約の期間にわたってリスクの顕在化に関して推定されるパターンの評価に基づいた受取保険
        料(支払再保険料控除後の純額)。この評価は、定期的に実施され、最新のリスクの顕在化パターンに従っ
        て更新される。
      ・ 契約条件に基づいた保険契約者に対する負債の確定時、および将来の保険金請求について保険数理上の仮定
        を通じて発生主義で生じる再保険金相殺後の保険金請求額。
     関連会社投資の持分利益/(損失)

     関連会社の会計処理には持分法が適用されている。持分法では、関連会社の税引後損益に対する当行の持分が損益
     計算書および包括利益計算書に計上される。
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    4.  営業費用
                                     連結             当行

                                 2022年       2021年       2022年       2021年
                                        (単位:百万ドル)
    人件費
    給与および関連費用                              4,754       4,425       3,494       3,241
    年金費用                               375       337       317       281
                                   167       184       127       110
    その他
                                  5,296       4,946       3,938       3,632
    人件費
    土地建物
    賃借料                               88       85       67       62
    減価償却費                               419       446       344       371
                                   214       174       168       131
    その他
                                   721       705       579       564
    土地建物
    技術費
    減価償却費および償却費                               578       638       521       585
    サブスクリプション・ライセンス費用および外注サービス費                               899       786       648       587
                                   144       164       162       170
    その他
                                  1,621       1,588       1,331       1,342
    技術費
                                   101       127       78       77
    組織再編
    その他
    広告・広報費                               165       178       128       134
    専門家報酬                               935       769       864       714
    運送料、文房具、郵便および通信                               172       185       128       141
                                   568       553      1,077        990
    その他
                                  1,840       1,685       2,197       1,979
    その他
        (1)
                                  9,579       9,051       8,123       7,594
    営業費用
    (1)  顧客救済費用が当グループについて190百万ドル(2021年度:185百万ドル)、当行について189百万ドル(2021年度:148

      百万ドル)、訴訟解決費用が当グループについて10百万ドル(2021年度:69百万ドル)、当行について9百万ドル(2021
      年度:69百万ドル)、そして合併・買収関連費用が当グループおよび当行について12百万ドル(2021年度:ゼロ)含まれ
      ている。
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     認識および測定

     営業費用
     営業費用は、一定期間にわたり当グループにサービスが提供される都度認識されるが、その際に資産が消費される
     か負債が発生する。
     給与および関連費用-年次休暇、長期勤続休暇、その他従業員給付

     賃金給与、年次休暇、その他の従業員給付で、従業員の勤務の提供から12か月以内に支払または決済が予想される
     場合は、当グループが負債の決済時に支払が見込まれる報酬率を用いた名目額で測定される。
     長期勤続休暇に関する従業員受給権は、数理計算を用いて計上される。これには、職員の退職、休暇の利用、将来
     の昇給に関する仮定を含む。その結果は、報告日時点の市場利回りを用いて割り引かれる。市場利回りは、将来の
     予想キャッシュ・アウトフローと密接に対応する残存期間を有する高格付けの社債の混合金利より決定される。
     短期現金賞与の支給が見込まれる場合、当グループが当該額を支払う現在の法的債務、または推定的債務(従業員
     が過去に提供した勤務の結果)を有しており、当該債務について信頼性のある測定が可能な場合に負債が認識され
     る。
     また人件費には、現金または株式で決済可能な株式報酬も含まれる。付与日において株式決済型報酬の公正価値が
     計算され、その後権利確定期間にわたって償却される。これに対応して株式資本、もしくは該当する場合には株式
     オプション準備金が増加する。公正価値を見積もる際には、株価に関する条件など、市場権利確定条件を考慮に入
     れる。勤続条件などの市場以外の権利確定条件は、費用に含める株式の数を調整することで考慮される。
     株式報酬を付与した後、従業員の退職、重大な不正行為による失職または解雇通知により当該報酬規定に定められ
     ていた最低勤続期間を満たせない場合など、市場以外の権利確定条件が満たされない場合は、費用として認識され
     た金額は戻し入れられる。ただし、市場に基づく条件が満たされないとの理由から権利確定しない場合、当該費用
     は戻し入れない。
     当年度および前年度に当グループが運営する株式報酬制度に関するさらに詳しい情報は、注記31「従業員持株およ
     びオプション制度」に記載されている。
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    5.  法人税
     法人税費用

     損益に計上された法人税費用と税引前利益に対する計算上の法人税費用との調整
                                      連結            当行

                                  2022年      2021年      2022年      2021年
                                         (単位:百万ドル)
    継続事業に係る税引前利益                              10,079       8,936      9,529      8,253
    計算上の法人税費用(税率30%)                               3,024      2,681      2,859      2,476
    永久差異に係る税効果
      投資の売却/閉鎖による純(利益)/損失                              (83)       71     (113)       (4)
      関連会社投資の持分(利益)/損失                              (53)       53       4      -
      転換型金融商品の利息                               49      44      49      44
      海外税率差異                              (128)       (88)      (70)      (33)
      配当金の送金に課される外国税引当金                              155       37      150       33
      請求可能および益金不算入配当金                               -      -     (954)      (554)
      被支配法人に対する持分の減損                               -      -      54       -
                                     4     (26)      (21)      (23)
      その他
    小計                               2,968      2,772      1,958      1,939
                                    (28)      (16)      (25)      (17)
    過年度の法人税計上(超過)/不足額
                                   2,940      2,756      1,933      1,922
    法人税費用
      当期税金費用                             2,694      2,616      1,725      1,743
      過年度の税金に関して当年度に認識された調整                              (28)      (16)      (25)      (17)
                                    274      156      233      196
      一時差異の発生および解消に関する繰延税金費用/(収入)
                                   2,940      2,756      1,933      1,922
    法人税費用
      オーストラリア                             1,844      1,897      1,755      1,806
                                   1,096       859      178      116
      海外
                                   29.2%      30.8%      20.3%      23.3%
    実効税率
     連結納税

     当行およびオーストラリアを所在地とする当行の完全所有法人はすべて、オーストラリア税法に基づく連結納税グループの
    一員である。当行は、連結納税グループの筆頭企業である。連結納税グループのメンバーに関する法人税費用/収益および一
    時差異から生ずる繰延税金負債/資産は、各メンバーの個別財務諸表において、「グループ割当」ベースで認識される。連結
    納税グループの当期の税金負債および資産は、当行が(連結納税グループの筆頭企業として)認識する。
     連結納税グループ内の法人間の納税資金調達契約に基づき、当行および連結納税グループの他のメンバー間での税拠出額に
    関する既支払額または未払計上額が、当行および連結納税グループの各メンバーにより支払債務または受取債権として認識さ
    れている。
     連結納税グループのメンバーは、税分担契約も締結している。これは、筆頭企業が法人税支払債務を履行できなかった場合
    の法人間での法人税債務の割当を規定している。
     未認識繰延税金資産および負債

     (収益勘定における)未使用の税務上の欠損金に関連する未認識繰延税金資産は、当グループが合計で1百万ドル(2021年
    度:6百万ドル)、当行がゼロ(2021年度:2百万ドル)である。
     発生し得る追加の外国税額(海外支店および子会社の利益剰余金は本国に全額送金されるものと仮定)に関連する未認識繰
    延税金負債は、当グループが合計250百万ドル(2021年度:344百万ドル)、当行が18百万ドル(2021年度:15百万ドル)であ
    る。
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     認識および測定

     法人税費用
     法人税費用は、当期税金と繰延税金の両方が含まれており、収益と費用に関する会計上と税務処理上の(課税所
     得)の差異について調整された会計上の利益に基づいている。税金費用は損益に認識されるが、資本およびその他
     の包括利益において直接認識される項目に限り、それぞれ資本またはその他の包括利益において直接認識する。
     当期税金費用

     当期税金は、当年度の課税所得につき支払う予定税額であり、報告日において制定済みの税率(および税法)に基
     づいている。当期税金は、未払額(または還付可能額)について、負債(または資産)が計上される。
     繰延税金資産および負債

     繰延税金は、貸借対照表方式を用いて会計処理される。繰延税金は、会計上の利益が必ずしも課税所得と一致しな
     いことから生じる。このために一時差異が生じるが、通常は、一定期間で解消する。解消するまでは、貸借対照表
     に繰延税金資産または負債が計上される。繰延税金は、報告日までに制定済みまたは実質的に制定されている税率
     (および税法)に基づき、資産が実現される期、または負債が決済される期に適用が予想される税率を用いて測定
     される。
     当期税金および繰延税金資産ならびに負債は、以下の場合についてのみ相殺する。
      ・ 同一課税当局により課された法人税に関係する場合。
      ・ 法的な権利を有し、純額決済する意思がある場合。
      ・ 該当する法域の税法で認められている場合。
     重要な判断および見積り

     不確実な税務上のポジションについて、引当金を決定する際に判断が求められる。当グループでは、事業活動を
     行っている各国で該当する法律を理解し、必要に応じて独立した助言を求め、それらに基づき税金負債を見積も
     る。
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    6.  配当金
     普通株式配当

     配当金は、決定され次第、財務書類に計上される。したがって、当会計年度について発表された最終配当金は、翌会計年度
    の計上および支払となる。
                                                    配当金合計

                                   全体に占める        1株当たりの
                                     割合        金額      (百万ドル)
    配当金
    2021会計年度
                 (1)(2)
    2020年度最終配当金支払額                                        35セント           994
                 (1)(2)
    2021年度中間配当金支払額                                        70セント          1,992
                                                       (58)
    ボーナス・オプション制度調整
                                                      2,928
    2021年9月30日に終了した事業年度の配当金支払額
     現金                                 90.0%                2,635
             (3)
                                      10.0%                 293
     配当金再投資制度
                                                      2,928
    2021年9月30日に終了した事業年度の配当金支払額
    2022会計年度
                 (1)(2)
    2021年度最終配当金支払額                                        72セント          2,030
                 (1)(2)
    2022年度中間配当金支払額                                        72セント          2,012
                                                       (77)
    ボーナス・オプション制度調整
                                                      3,965
    2022年9月30日に終了した事業年度の配当金支払額
     現金                                 90.2%                3,577
             (3)
                                       9.8%                 388
     配当金再投資制度
                                                      3,965
    2022年9月30日に終了した事業年度の配当金支払額
                                                    配当金合計

                                           1株当たりの
                                     支払日        金額      (百万ドル)
    発表済みで年度終了後に支払われる配当金
    2022年度最終配当金(オーストラリアの税金については全額
                                      2022年
    フランキング済み、ニュージーランドのインピュテーション
                                     12月15日        74セント          2,213
    方式の税額控除対象は1株当たり9ニュージーランド・セント)
    (1)  ニュージーランドのインピュテーション方式の税額控除対象は、2022年度中間配当金については9ニュージーランド・セ

      ント、2021年度最終配当金および2021年度中間配当金については8ニュージーランド・セント、2020年度最終配当金につ
      いては4ニュージーランド・セント。
    (2)  オーストラリアの税金については全額フランキング済み(税率30%)。
    (3)  DRP向けに市場で購入した株式204百万ドル(2021年度:199百万ドル)を含む。
     配当金再投資制度およびボーナス・オプション制度

     当行の配当金再投資制度(「DRP」)に基づいて、適格株主は、配当受領権をANZの普通株式に再投資することができる。適
    格株主は、ボーナス・オプション制度(「BOP」)に基づき、配当受領権を放棄し、代わりにANZの普通株式を受領することが
    できる。2022年度最終配当金について、DRPおよびBOPへの参加分はANZの新規普通株式の発行によって履行される。DRPおよび
    BOPの価格に割引は適用されない。
     DRPおよびBOPに関して当行が購入または発行した株式の詳細については、注記24「株主資本」を参照のこと。
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     配当に関するフランキング勘定
                                      通貨       2022年        2021年

                                              (単位:百万ドル)
    30%の税率で利用可能なオーストラリアのフランキング・クレジット                                  AUD         396        772
    ニュージーランドのインピュテーション方式の税額控除
    (オーストラリアにおける配当金についても加味し得るが、かかる
    控除はニュージーランド居住者株主のみに用いることができる。)                                  NZD        5,000        5,020
     上記の額は、以下により調整された当会計年度末現在におけるオーストラリアのフランキング勘定を表す。

        ・ 未払法人税の納付によって生じる当会計年度末現在のフランキング・クレジット。
        ・ 配当金の受取り/支払いによって生じるフランキング・クレジット/フランキング・デビット。これは、当会計
          年度末現在の未収還付税/未払法人税として認識された。
     2022年度の最終配当案では、2022年9月30日現在で利用可能なフランキング・クレジット396百万ドルの全額を利用する予定

    である。2022会計年度についての分割納付が2022年9月30日より後に行われ、この分割納付により2022年度最終配当金が全額
    フランキング済となるような十分なフランキング・クレジットが発生する。将来の配当金がフランキング済みとなる範囲は、
    いくつかの要因に左右され、その要因には当グループが生み出すオーストラリアで課税対象の利益の水準が含まれる。
     配当金支払いに係る制限

     以下に該当する場合、ANZ普通株式の配当金の支払い前に、APRAの書面による承認が必要である。
        ・ 配当金の支払いが、関連する会計年度における当行の税引後利益(この税引後利益の算出にあたり、高順位の資
          本性金融商品に対する支払配当金を考慮)を上回る場合
        ・ 当グループの普通株式等Tier1資本比率が、APRAが規定する資本バッファーの範囲内になる場合
     当行のANZキャピタルノートまたはANZ資本証券について、支払予定日に配当金、分配金が支払われなかった場合、ANZ普通株

    式の配当金の支払決議または支払いを制限される可能性がある(ただし、様々な例外も認められている。)。
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    7.  普通株式1株当たり利益
     基本的1株当たり利益(「EPS」)は、普通株主に帰属する損益を本会計年度における加重平均発行済普通株式数

    (「WANOS」)(自己株式として当グループが保有するANZ株式控除後)で除する方法により算出される。希薄化後EPSは、普通
    株主に帰属する損益および基本的EPSの算出に用いられた加重平均発行済普通株式数を、希薄化効果のある普通株式による影響
    について調整することによって計算される。
                                          2022年          2021年

                    (1)
    普通株式1株当たり利益            - 基本的                           (単位:セント)
    1株当たり利益                                        250.0          215.3
    継続事業に係る1株当たり利益                                        250.7          215.9
                                             (0.7)          (0.6)
    非継続事業に係る1株当たり利益
                                          2022年          2021年

                     (1)
    普通株式1株当たり利益-            希薄化後                           (単位:セント)
    1株当たり利益                                        233.2          203.2
    継続事業に係る1株当たり利益                                        233.8          203.7
                                             (0.6)          (0.5)
    非継続事業に係る1株当たり利益
                                          2022年          2021年

                                           (単位:百万ドル)
    1株当たり利益の計算に用いられる利益の調整
    基本的:
    当期利益                                        7,120          6,163
                                              1          1
    控除:非支配持分に帰属する利益
    基本的1株当たり利益の計算に使用された利益                                        7,119          6,162
                                             (19)          (17)
    控除:非継続事業に係る税引後利益/(損失)
                                            7,138          6,179
    継続事業に係る基本的1株当たり利益の計算に使用された利益
    希薄化後:

    基本的1株当たり利益の計算に使用された利益                                        7,119          6,162
                                             199          187
    加算:転換劣後債務の利息
    希薄化後1株当たり利益の計算に使用された利益                                        7,318          6,349
                                             (19)          (17)
    控除:非継続事業に係る税引後利益/(損失)
                                            7,337          6,366
    継続事業に係る希薄化後1株当たり利益の計算に使用された利益
                                          2022年          2021年

                          (1)(2)
                                            (単位:百万株)
    1株当たり利益の計算に用いられるWANOSの調整
    基本的1株当たり利益の計算に使用されたWANOS                                       2,847.5          2,862.6
    加算:希薄化効果のある普通株式の加重平均数
        転換型劣後債務                                     282.9          252.5
                                             7.7         10.0
        株式報酬(オプション、権利、後渡し株式)
                                           3,138.1          3,125.1
    希薄化後1株当たり利益の計算に使用されたWANOS
    (1)  WANOSおよびEPSは、AASB第133号「1株当たり利益」に基づいて2022年度に発行されたシェア・エンタイトルメントに基づ

      く発行の無償部分を反映するために修正再表示されている。
    (2)  ANZEST    Pty  Ltdが保有する加重平均自己株式数4.4百万株(2021年度:4.6百万株)は、WANOSから除かれている。
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    8.  セグメント報告
     セグメントの概要

     2022年3月1日、当グループは、既存のオーストラリア・リテールおよび商業部門、およびグループ・センター部門(旧称
    テクノロジー、サービス&オペレーションズ(「TSO」)およびグループ・センター部門)のデジタル事業の構造改革を発表し
    た。これには、組織の生産性と説明責任を向上させるためのオーストラリアのリテール事業とデジタル事業の統合、および
    オーストラリアの商業事業の新部門への分離が含まれる。これらの変更の結果、現在はオーストラリア・リテール、オースト
    ラリア商業、法人、ニュージーランド、パシフィックおよびグループ・センターの6部門となり、グループ内の異なる戦略と
    機会に適合している。比較情報は、これに伴い修正再表示されている。
     当グループの6つの事業セグメントは、最高経営意思決定者である最高経営責任者に提供される内部情報と同じ基準で表示
    されている。これは、当グループの法的構造ではなく、業務の管理方法を反映している。
     これらのセグメント業績は現金利益ベースで測定されている。現金利益を計算するために、非中核項目の一部が法定利益か
    ら除外されている。これらの項目の詳細は、本注記の「その他の項目」に記載されている。ANZ内のセグメントにわたる事業部
    門間の取引は、独立第三者間基準で行われており、これらのセグメントの収益および費用の一部として開示されている。
     報告セグメントは、異なる商品・サービス、もしくは異なる地域で同様の商品・サービスを提供している部門である。報告
    セグメントは以下のとおりである。
     オーストラリア・リテール

     オーストラリア・リテール部門は、オーストラリアの個人顧客にあらゆる銀行サービスを提供している。これには、住宅
    ローン、預金、クレジットカード、個人ローンが含まれる。商品・サービスは、支店網、住宅ローン・スペシャリスト、コン
    タクト・センター、様々なセルフサービス・チャネル(デジタルおよびインターネット・バンキング、ウェブサイト、ATM、お
    よびテレホンバンキング)、および外部のブローカーを通じて提供される。また、この部門にはリテール顧客向けに提案する
    ANZプラスの開発および運用に関連する費用も含まれる。
     オーストラリア商業

     オーストラリア商業部門は、小規模事業主および中規模商業顧客(SMEバンキング)ならびに大規模商業顧客、富裕層の個人
    顧客および同族グループ(スペシャリスト事業)という顧客セグメントにわたり、資産ファイナンスを含むあらゆる銀行商品
    および金融サービスを提供する。
     法人

     法人部門は、オーストラリア、ニュージーランドおよび国外の政府、世界規模の機関顧客および法人顧客に、以下の事業部
    門を通じてサービスを提供する。
        ・   トランザクション・バンキング               は、ドキュメンタリー取引、サプライチェーン・ファイナンス、コモディティ・
          ファイナンス、キャッシュ・マネジメント・ソリューション、預金、支払、決済など運転資本および流動性ソ
          リューションを顧客に提供する。
        ・   コーポレート・ファイナンス             は、ローン商品、ローン・シンジケーション、専門ローンのストラクチャリングおよ
          び執行、プロジェクトおよび輸出向けファイナンス、デット・ストラクチャリングおよび買収関連ファイナンス、
          コーポレート・アドバイザリー・サービスを顧客に提供する。
        ・   マーケッツ     は、当グループの金利エクスポージャーおよび流動性ポジションを管理する他、為替、金利、クレジッ
          ト、コモディティおよびデット・キャピタル・マーケットに係るリスク管理サービスを顧客に提供する。
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     ニュージーランド
     ニュージーランド部門は、以下の事業部門で構成される。
        ・   パーソナル     は、あらゆる銀行サービス、ウェルス・マネジメント・サービスを個人およびプライベート・バンキン
          グの顧客に提供する。インターネットとアプリベースのデジタル・ソリューションおよび支店網、モーゲージ・ス
          ペシャリスト、リレーションシップ・マネジャー、コンタクト・センターを通じてサービスを提供する。
        ・   ビジネス    は、デジタル、支店およびコンタクト・センターのチャネルを通じた小規模事業バンキング、また、従来
          のリレーションシップ・バンキング、ならびに専任のマネジャーを通じての高度な金融ソリューションなど、あら
          ゆる銀行サービスを提供する。これらは、未上場の小規模、中規模、大規模企業、農業事業セグメント、政府およ
          び政府関連事業体を対象としている。
     パシフィック

     パシフィック部門は、個人、中小企業、法人顧客、パシフィック諸島の政府に商品・サービスを提供する。商品・サービス
    は、消費者に提供するリテール商品、従来型のリレーションシップ・バンキング、専任のマネジャーを通じて企業に提供する
    高度な金融ソリューションなどである。
     グループ・センター

     グループ・センター部門は、技術、資産、リスク管理、財務管理、戦略、マーケティング、人事、コーポレート業務などの
    オペレーティング部門をサポートする。グループ・センターはまた、当グループの売却事業の残留部分、グループ・トレジャ
    リー、シェアホルダー・ファンクションズ、アジアにおける少数持分投資およびデジタル事業を含む。
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     営業セグメント
                                                        当

                         オースト          ニュー
                    オースト
                                             グルー
                                                  その他の
                          ラリア          ジー                  グループ
    2022年9月30日に終了した                ラリア・                     パシ
                                              プ・
                                                    (1)
                    リテール      商業     法人    ランド    フィック          項目     合計
    事業年度
                                             センター
                                   (単位:百万ドル)
                     5,527     2,568     3,401     3,168      96    114      -  14,874
    純利息収益
    受取手数料(純額)
     -貸付手数料                  8    90    262      8     6     -     -    374
     -非貸付手数料                 849     384     524     622     26    (11)      -   2,394
     -コミッション                  52     22      1    28     -     -     -    103
     -資産運用収入                  -    26      1    234      -     -     -    261
     -支払手数料および
      コミッション               (432)     (118)     (140)     (464)      (6)     -     -  (1,160)
                      140      -     -     -     -     -     -    140
    保険事業収入純額
                       5    258    1,002      33     42     44    879    2,263
    その他収入
    関連会社投資の持分利益/
                       -    (10)      (2)     -     -    189      -    177
    (損失)
                      622     652    1,648      461     68    222     879    4,552
    その他営業収入
                     6,149     3,220     5,049     3,629      164     336     879   19,426
    営業収入
                     (3,210)     (1,346)     (2,503)     (1,324)      (153)    (1,043)        -  (9,579)
    営業費用
    貸倒引当金繰入および法人税
                     2,939     1,874     2,546     2,305      11    (707)     879    9,847
    控除前利益
                      129     133      18    (36)      6    (18)      -    232
    貸倒引当金(繰入)/戻入
                     3,068     2,007     2,564     2,269      17    (725)     879   10,079
    税引前利益
                      (928)     (497)     (803)     (636)      (8)    187    (256)    (2,941)
    法人税費用および非支配持分
                     2,140     1,510     1,761     1,633       9   (538)     623    7,138
    継続事業に係る税引後利益
    非継続事業に係る税引後利益/
                                                        (19)
    (損失)
                                                        7,119
    株主に帰属する税引後利益
    以下の非現金項目を含む:
    関連会社投資の持分利益/
                       -    (10)      (2)     -     -    189      -    177
    (損失)
                      (61)     (12)     (158)     (116)     (10)    (652)       -  (1,009)
    減価償却費および償却費
                       (5)     (1)    (72)     (4)     (1)    (19)      -   (102)
    株式決済型株式費用
                      129     133      18    (36)      6    (18)      -    232
    貸倒引当金(繰入)/戻入
                                                        当

                         オースト          ニュー
                    オースト
                                             グルー
                          ラリア          ジー                  グループ
                    ラリア・                     パシ
                                              プ・
                    リテール      商業     法人    ランド    フィック                合計
                                             センター
                                   (単位:百万ドル)
    財政状態
       (2)
                      178      -   1,022     1,706       -     -        2,906
    のれん
                       -    47      5     -     -   2,129          2,181
    関連会社に対する投資
                                                      1,085,729
                    292,825     60,031    533,450     126,919      3,707    68,797
    外部資産合計
                                                      1,019,328
                    153,491     118,363     470,006     118,371      4,065    155,032
    外部負債合計
    (1)  現金利益は、当グループが上表に表示されているセグメントの業績の指標として推奨しているものである。132ページ(訳

      注:原文のページ番号である。)に説明のとおり、当グループは、セグメントの継続業績に不可欠なものではないと考え
      られる項目はセグメントから控除し、その他の項目として表示している。
    (2)  当グループは、オーストラリア・リテール部門におけるキャッシュリワーズ事業の買収に関連して78百万ドルののれんを
      認識し、オーストラリア商業部門の富裕層顧客セグメントを対象としたファイナンシャル・プランニング・アドバイス事
      業からの撤退に関連して40百万ドルののれんを償却した。
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                                                        当

                         オースト          ニュー
                    オースト
                                             グルー
                                                  その他の
                          ラリア          ジー                  グループ
                    ラリア・                     パシ
    2021年9月30日に終了した
                                              プ・
                                                    (1)
                    リテール      商業     法人    ランド    フィック          項目     合計
    事業年度
                                             センター
                                   (単位:百万ドル)
                     5,708     2,281     3,105     2,870      96    101      -  14,161
    純利息収益
    受取手数料(純額)
     -貸付手数料                 136     80    241     10     7     -     -    474
     -非貸付手数料                 738     530     683     585     20     (4)     -   2,552
     -コミッション                  40     24      1    32     -     -     -    97
     -資産運用収入                  -    32      1    254      -     -     -    287
     -支払手数料および
      コミッション               (358)     (202)     (274)     (430)      (2)     (1)     -  (1,267)
                      110      -     -     -     -     -     -    110
    保険事業収入純額
                      (234)      (8)    1,227      18     40    166     (27)    1,182
    その他収入
    関連会社投資の持分利益/
                       1     -    (1)     -     -   (176)       -   (176)
    (損失)
                      433     456    1,878      469     65    (15)     (27)    3,259
    その他営業収入
                     6,141     2,737     4,983     3,339      161     86    (27)   17,420
    営業収入
                     (2,948)     (1,353)     (2,447)     (1,325)      (144)     (834)       -  (9,051)
    営業費用
    貸倒引当金繰入および法人税
                     3,193     1,384     2,536     2,014      17    (748)     (27)    8,369
    控除前利益
                      227     199      89     76    (21)     (3)     -    567
    貸倒引当金(繰入)/戻入
                     3,420     1,583     2,625     2,090      (4)    (751)     (27)    8,936
    税引前利益
                     (1,104)      (476)     (738)     (582)       1    134      8  (2,757)
    法人税費用および非支配持分
                     2,316     1,107     1,887     1,508      (3)    (617)     (19)    6,179
    継続事業に係る税引後利益
    非継続事業に係る税引後利益/
                                                        (17)
    (損失)
                                                        6,162
    株主に帰属する税引後利益
    以下の非現金項目を含む:
    関連会社投資の持分利益/
                       1     -    (1)     -     -   (176)       -   (176)
    (損失)
         (2)
                      (251)       -     -     -     -     -     -   (251)
    のれん償却
                      (84)     (24)     (115)     (117)     (11)    (739)       -  (1,090)
    減価償却費および償却費
                       (3)     (1)    (63)     (6)     (1)    (17)      -    (91)
    株式決済型株式費用
                      227     199      89     76    (21)     (3)     -    567
    貸倒引当金(繰入)/戻入
                                                        当

                         オースト          ニュー
                    オースト
                                             グルー
                          ラリア          ジー                  グループ
                    ラリア・                     パシ
                                              プ・
                    リテール      商業     法人    ランド    フィック                合計
                                             センター
                                   (単位:百万ドル)
    財政状態
       (2)
                      100     40   1,100     1,849       -     -        3,089
    のれん
                       17     -     4     -     -   1,951          1,972
    関連会社に対する投資
                    286,566     57,481     429,362     132,232      3,755    69,461         978,857
    外部資産合計
                    143,709     117,739     384,106     121,999      3,898    143,730          915,181
    外部負債合計
    (1)  現金利益は、当グループが上表に表示されているセグメントの業績の指標として推奨しているものである。132ページ(訳

      注:原文のページ番号である。)に説明のとおり、当グループは、セグメントの継続業績に不可欠なものではないと考え
      られる項目はセグメントから控除し、その他の項目として表示している。
    (2)  当グループはANZシェア・インベスティング事業を売却目的保有に分類変更した際に、オーストラリア・リテール部門での
      れんを251百万ドル償却し、残りの13百万ドルは処分完了時に認識を中止した。
                                296/572





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     その他の項目
     下表は、各セグメントの現金利益を反映するために法定利益から控除されたその他の項目の税引後利益に対する影響を示し
    たものである。
                                               税引後利益

                                            2022年         2021年
                                             (単位:百万ドル)
    項目                    関連セグメント
                        法人、ニュージーランド、
    経済ヘッジ                    グループ    ・センター                   569         77
                                               54        (96)
    収益および費用ヘッジ                    グループ・センター
                                               623        (19)
    継続事業からのその他の項目合計
     商品・サービス別のセグメント収入

     いずれの部門も、主な社外収入源は受取利息およびその他営業収入であり、その他営業収入には、手数料およびコミッショ
    ン(純額)、為替差益およびその他金融商品による収益(純額)が含まれる。オーストラリア・リテール部門、オーストラリ
    ア商業部門、ニュージーランド部門、およびパシフィック部門の収入源は、リテール銀行業と商業銀行業の商品およびサービ
    スである。法人部門の収入源は、法人向けの商品およびマーケッツ・サービスである。当グループの収入の10%超を占める単
    一の顧客はいない。
     地域別の情報

     報告セグメントは3地域で次のとおり営業している。
        ・ オーストラリア・リテール部門                 - オーストラリア
        ・ オーストラリア商業部門              - オーストラリア
        ・ 法人部門       – 3地域すべて
        ・ ニュージーランド部門             – ニュージーランド
        ・ パシフィック部門           – 国際地域
        ・ グループ・センター部門              – 3地域すべて
     非継続事業の実績はオーストラリア地域に含まれている。国際地域にはアジア太平洋、ヨーロッパおよびアメリカが含まれ

    る。
     下表は、当グループが事業を営む地域別に、非継続事業を含む営業収入合計および1年超の期間に回収される資産を示した

    ものである。
                   オーストラリア            国際地域        ニュージーランド             合計

                   2022年     2021年     2022年     2021年     2022年     2021年     2022年     2021年
                                 (単位:百万ドル)
          (1)
                   12,462     11,822      2,547     1,778     4,501     3,892    19,510     17,492
    営業収入合計
    1年超の期間に回収される
      (2)
                   384,724     362,588      32,350     28,213     109,191     112,966     526,265     503,767
    資産
    (1)  非継続事業から得た営業収入84百万ドル(2021年度:72百万ドル)を含む。
    (2)  正味貸付金および前渡金を契約上の満期日に基づいて示している。
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     金融資産
     以下は、後述の注記での開示に適用される当グループの金融資産の分類および測定方法の概説である。
     分類および測定

     金融資産-全般
     AASB第9号においては、金融資産に関して、償却原価による測定、損益を通じた公正価値による測定
     (「FVTPL」)、その他の包括利益を通じた公正価値による測定(「FVOCI」)の3つの分類がある。金融資産は、
     以下の2つの基準に基づいて、これらの測定区分に分類される。
      ・ 金融資産の管理におけるビジネスモデル。
      ・ 金融資産の契約上のキャッシュフローの特性(具体的には、契約上のキャッシュフローが元本および利息の
        返済のみを表しているかどうか。)。
     金融資産の分類は結果として以下のとおりになる。

      ・ 償却原価:元本および利息の返済のみで構成される契約上のキャッシュフローを有する金融資産で、それら
        のキャッシュフローを回収することを目的とするビジネスモデルで保有されている。
      ・ FVOCI:元本および利息の返済のみで構成される契約上のキャッシュフローを有する金融資産で、それらの
        キャッシュフローを回収することまたは資産を売却することを目的とするビジネスモデルに保有されてい
        る。
      ・ FVTPL:上記の区分に該当しないその他の金融資産はFVTPLで測定される。
     金融資産の公正価値オプション

     金融資産は、当初認識時に取消不能で以下に指定することができる。
      ・ FVTPLで測定:この指定により、指定しない場合に発生する会計上のミスマッチを解消または著しく減少さ
        せる場合。
      ・ 持分証券投資についてFVOCIで測定:当該金融商品が売買目的保有でも、企業結合で取得者が認識した条件
        付対価でもない場合。
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    9.  現金および現金同等物
     現金および現金同等物は、手許現金および以下に示すその他の残高から構成されており、これらの残高は、価値の変動リス
    クが少なく、売戻条件付契約を含む満期までの残存期間が3か月以内の現金化が可能なものである。
                                     連結             当行

                                 2022年       2021年       2022年       2021年
                                        (単位:百万ドル)
    硬貨、紙幣および銀行預金                              1,147       1,127        787       721
    3か月未満売戻条件付買入証券                             15,996       17,571       14,372       16,465
    中央銀行預け金                             127,790       107,915       118,928       101,400
                                  23,199       24,647       21,396       22,850
    3か月未満のANZの未収決済残高
                                 168,132       151,260       155,483       141,436
    現金および現金同等物
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    10.  売買目的資産
                                     連結             当行



                                 2022年       2021年       2022年       2021年
                                        (単位:百万ドル)
    政府債                             27,291       33,880       21,881       26,119
    社債および金融機関債                              3,941       5,630       2,700       3,493
    コモディティ                              3,860       4,995       3,348       4,957
                                   145       183       144       183
    その他証券
                                  35,237       44,688       28,073       34,752
    合計
     認識および測定

     売買目的資産は、次のいずれかの金融商品またはその他の資産である。
      ・ 主に短期での売却を目的として取得する。
      ・ 短期での利益確定を目的に運用するポートフォリオの一部として保有する。
     売買目的資産には、AASB第102号「棚卸資産」に基づくブローカー・トレーダーの適用除外に従い、売却費用控除
     後の公正価値で測定されるコモディティ棚卸資産が含まれる。
     売買目的資産の取得および売却は、取引日に計上される。
      ・ 当初は公正価値で測定する。
      ・ その後、貸借対照表において公正価値で測定され、公正価値の変動は損益に認識される。
     売買目的資産として開示された資産は、133ページ(訳注:原文のページ番号である。)の当グループの金融資産
     に関する開示の冒頭で概説されている金融資産の分類および測定についての一般方針の適用を受ける。
     重要な判断および見積り

     売買目的資産の公正価値の算定において、市場相場価格ではなく評価技法を用いる場合は、その適用の際に判断が
     求められる。詳細については、注記19「金融資産および金融負債の公正価値」を参照のこと。
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    11.  デリバティブ金融商品
                                    2022年              2021年

    連結
                                 資産       負債       資産       負債
                                (単位:百万ドル)              (単位:百万ドル)
    公正価値
    デリバティブ金融商品          ― 売買目的保有
                                 89,716      (84,793)        38,080       (35,833)
                                   458      (356)        656      (202)
    デリバティブ金融商品-ヘッジ関係に指定
                                 90,174      (85,149)        38,736       (36,035)
    デリバティブ金融商品
                                    2022年              2021年

    当行
                                 資産       負債       資産       負債
                                (単位:百万ドル)              (単位:百万ドル)
    公正価値
    デリバティブ金融商品          ― 売買目的保有
                                 87,650      (84,200)        37,700       (36,847)
                                   406      (300)        592      (158)
    デリバティブ金融商品-ヘッジ関係に指定
                                 88,056      (84,500)        38,292       (37,005)
    デリバティブ金融商品
     特徴

     デリバティブ金融商品は、以下のような契約である。
        ・ その価値を、契約において定められた基礎となる価格インデックス(またはその他の変数)から求める。場合に
          よっては、複数の変数から価値を求める。
        ・ 当初の純投資がほとんど、あるいはまったく必要とされない。
        ・ 将来の期日に決済される。
     契約の価値の変動を引き起こす、基礎変数の価格変動は、デリバティブの公正価値に反映される。

     目的

     当グループのデリバティブ金融商品は、以下のように分類される。
     売買目的          以下を目的として保有されるデリバティブ:

              ・ 顧客のリスク管理ニーズに応じるため。
              ・ 当グループで会計上のヘッジ関係に指定されていないリスクを管理するため(貸借対照
                 表管理の要素の一部)。
              ・ 価格またはマージンの短期変動から利益を得るために、マーケット・メーキング活動お
                 よびポジショニング活動を遂行するため。
     ヘッジ関係に指定          以下に関連して、基礎となるポジションの変動に対応させることによって、純損益の変動を
              最小限に抑えるために会計上のヘッジ関係に指定されるデリバティブ:
              ・ 当グループの金利リスク、通貨リスクへのエクスポージャーのヘッジ。
              ・ トレーディング以外のポジションに関連したその他のエクスポージャーのヘッジ。
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     種類
     当グループは、4種類の異なるデリバティブ金融商品を提供または利用する。
     先渡          将来の一定の日に、想定元本金額に対して受渡しされる利率または為替レートを定めた契

              約。
     先物          取引所で取引される契約であり、当事者が取引日に合意した価格で資産を将来売買すること
              を合意する契約で、当該将来日において当該資産の物理的な引渡しは行われずに、純額での
              現金決済が行われる。
     スワップ          当事者二者が一連のキャッシュフローを他のキャッシュフローと交換する契約。
     オプション          契約の買い手が、資産または商品を一定価格で将来日に購入(コール・オプション)または
              売却(プット・オプション)する権利(義務ではない。)を有する契約。買い手がオプショ
              ンを行使した場合に、売り手はこれに応じて、当該資産または商品を売却または購入する取
              引を履行する義務を負う。
     管理対象リスク

     当グループは、次の市場要素の変動を管理するために、上記の商品を提供し、利用する。
     外国為替          実勢または所定の為替レートで換算される通貨。

     金利          貸付金、預金または借入金に適用される固定金利または変動金利。
     コモディティ          ソフト・コモディティ(すなわち、小麦、コーヒー、ココア、砂糖等の農産物)およびハー
              ド・コモディティ(すなわち、金、石油およびガス等の鉱産物)。
     クレジット          顧客または第三者による債務不履行リスク。
     当グループは、デリバティブ取引を清算するために、いくつかの中央清算カウンターパーティーおよび取引所を利用してい

    る。これらの取引所との間では、様々な担保差入の取決めがある。
        ・ 一部の取引は、清算制度の対象となっており、その結果、保有される担保資産と負債は、関連する公正価値で評価
          されるデリバティブ資産および負債の帳簿価額とは別に認識される。
        ・ その他の取引では、担保の受け払いによって法的に決済され、関連するデリバティブ金融商品の帳簿価額は担保の
          受け払いの金額だけ減額される。
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     デリバティブ金融商品          ― 売買目的保有
     当グループのデリバティブ金融商品の大半は、売買目的で保有されている。売買目的保有デリバティブ金融商品の公正価値
    は、以下のとおりである。
                                    2022年              2021年

    連結
                                 資産       負債       資産       負債
                                (単位:百万ドル)              (単位:百万ドル)
    公正価値
    金利契約
      金利先渡契約                              -      (1)       2      (23)
      先物契約                             336      (123)       105       (24)
      スワップ契約                           10,421      (15,031)       10,267       (8,065)
      買建オプション                            1,698         -      971        -
                                    -    (1,954)         -     (1,207)
      売建オプション
                                 12,455      (17,109)       11,345       (9,319)
    合計
    外国為替契約
      直物および先渡契約                           42,221      (37,426)       13,869       (11,462)
      スワップ契約                           32,169      (27,548)       11,109       (12,425)
      買建オプション                             926        -      277        -
                                    -    (1,343)         -      (577)
      売建オプション
                                 75,316      (66,317)       25,255       (24,464)
    合計
                                  1,927      (1,353)       1,445       (2,017)
    コモディティおよびその他の契約
    クレジット・デフォルト・スワップ
      買建クレジット・デリバティブ                             16       (2)       -      (33)
                                    2      (12)       35        -
      売建クレジット・デリバティブ
                                   18      (14)       35       (33)
    合計
                      (1)
                                 89,716      (84,793)       38,080       (35,833)
    デリバティブ金融商品          ― 売買目的保有
    (1)  貸借対照表管理目的で保有され、会計上のヘッジ関係に指定されていないデリバティブを含む。

     当行のデリバティブ金融商品の大半は、売買目的で保有されている。売買目的保有デリバティブ金融商品の公正価値は、以

    下のとおりである。
                                    2022年              2021年

    当行
                                 資産       負債       資産       負債
                                (単位:百万ドル)              (単位:百万ドル)
    公正価値
    金利契約
      金利先渡契約                              2      (7)       3      (24)
      先物契約                             240      (116)        87       (19)
      スワップ契約                           10,778      (15,098)       11,598       (10,538)
      買建オプション                            1,684         -      969        -
                                    -    (1,947)         -     (1,206)
      売建オプション
                                 12,704      (17,168)       12,657       (11,787)
    合計
    外国為替契約
      直物および先渡契約                           36,576      (33,376)       11,840       (9,658)
      スワップ契約                           35,526      (30,949)       11,463       (12,940)
      買建オプション                             895        -      267        -
                                    -    (1,331)         -      (408)
      売建オプション
                                 72,997      (65,656)       23,570       (23,006)
    合計
                                  1,923      (1,352)       1,422       (2,015)
    コモディティおよびその他の契約
    クレジット・デフォルト・スワップ
      買建クレジット・デリバティブ                             24       (2)       -      (39)
                                    2      (22)       51        -
      売建クレジット・デリバティブ
                                   26      (24)       51       (39)
    合計
                      (1)
                                 87,650      (84,200)       37,700       (36,847)
    デリバティブ金融商品          ― 売買目的保有
    (1)  貸借対照表管理目的で保有され、会計上のヘッジ関係に指定されていないデリバティブを含む。

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     デリバティブ金融商品-ヘッジ関係に指定

     当グループが使用する会計上のヘッジ関係は3種類である。
              公正価値ヘッジ              キャッシュフロー・ヘッジ               純投資ヘッジ

     ヘッジの目的          金利または外国為替の変動か              金利、外国為替およびその他               当グループの外国事業の当該
              ら生じる、認識済み資産また              の価格の変動から生じる、認               事業の機能通貨から豪ドルへ
              は負債もしくは未認識の確定              識済み資産もしくは負債、確               換算する際に生じる為替レー
              契約の公正価値変動に対す              定契約または実行される可能               トの差に対する当行のエクス
              る、当グループのエクスポー              性が高い予定取引のキャッ               ポージャーをヘッジするこ
              ジャーをヘッジすること。              シュフローの可変性に対する               と。
                             当グループのエクスポー
                             ジャーをヘッジすること。
     ヘッジの有効部分          以下のものは、損益に同時に              キャッシュフロー・ヘッジと               ヘッジ手段の公正価値変動の
     の認識          認識される。              して指定されたデリバティブ               有効部分は、為替換算調整勘
                ・ ヘッジ対象リスクに関             の公正価値変動の有効部分               定(「FCTR」)で認識され
                  連する基礎数値項目の           は、キャッシュフロー・ヘッ               る。
                  公正価値変動の全額、           ジ準備金に認識される。
                  および
                ・ デリバティブの公正価
                  値変動額。
     ヘッジの非有効部          その他営業収入で直ちに認識される。
     分の認識
     ヘッジ手段の期限          ヘッジ対象を純損益で認識す              ヘッジ対象が純損益で認識さ               為替換算調整勘定で繰り延べ
     が到来した場合、          る際に、関連する未償却の公              れる場合に限り、以前に繰り               られる金額は資本の部で留保
     または売却、解約          正価値調整が純損益で認識さ              延べられたキャッシュフ               され、外国事業の処分時また
     もしくは行使され          れる。これは、ヘッジ対象が              ロー・ヘッジ準備金が純損益               は部分的な処分時にのみ、純
     た場合、または          満期までの期間にわたって実              に振替えられる。               損益に振り替えられる。
     ヘッジ会計の要件          効利回りの一部として純損益
     を満たさなくなっ          で償却される場合には、その
     た場合          期間にわたり発生する。
     ヘッジ対象が売却          未償却の公正価値調整は、直              資本の部に累積された金額               資本の部で認識された損益ま
     または返済された          ちに純損益で認識される。              は、直ちに純損益に振り替え               たはその該当する比例部分
     場合                        られる。               は、外国事業の処分時または
                                           部分的な処分時に、純損益に
                                           振り替えられる。
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     AASB第9号による会計方針の選択肢に従い、当グループは引き続きAASB第139号のヘッジ会計要件を適用している。

     ヘッジ関係に指定されたデリバティブ金融商品の公正価値は、以下のとおりである。
                                 2022年                2021年

    連結
                           想定元本      資産     負債    想定元本      資産     負債
                                     (単位:百万ドル)
    公正価値ヘッジ
    外国為替直物および先渡契約                         604      -    (37)     548      -    (13)
    金利スワップ契約                       106,366        79    (168)    95,384       370     (121)
    金利先物契約                       17,361       264      (3)    8,704      191      (2)
    キャッシュフロー・ヘッジ
    金利スワップ契約                       125,063        33     (53)   105,416        27     (20)
    外国為替スワップ契約                         656      48     (44)     642      22      -
    外国為替直物および先渡契約                         161      -     (4)     153      -     (1)
    純投資ヘッジ
                             940      34     (47)    1,097       46     (45)
    外国為替直物および先渡契約
                           251,151       458     (356)    211,944       656     (202)
    デリバティブ金融商品-ヘッジ関係に指定
                                 2022年                2021年

    当行
                           想定元本      資産     負債    想定元本      資産     負債
                                     (単位:百万ドル)
    公正価値ヘッジ
    外国為替直物および先渡契約                         604      -    (37)     548      -    (13)
    金利スワップ契約                       80,185       65    (163)    68,708       358     (116)
    金利先物契約                       17,361       264      (3)    8,704      191      (2)
    キャッシュフロー・ヘッジ
    金利スワップ契約                       94,928       28     (49)    78,852       19     (16)
    外国為替スワップ契約                         656      48     (44)     642      22      -
    外国為替直物および先渡契約                         161      -     (4)     153      -     (1)
    純投資ヘッジ
                             146      1     -    299      2    (10)
    外国為替直物および先渡契約
                           194,041       406     (300)    157,906       592     (158)
    デリバティブ金融商品-ヘッジ関係に指定
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     当グループが保有するヘッジ手段の名目金額の満期の状況は以下のとおりである。
    連結

                               3か月
                          平均          3か月か      1年から
                         レート      未満     ら12か月       5年     5年超      合計
    想定元本
    2022年9月30日現在
                                       (単位:百万ドル)
    公正価値ヘッジ
    金利          金利            1.65%     10,931      17,322      65,259      30,215     123,727
    外国為替          HKD/AUD為替レート             5.43      604       -      -      -     604
    キャッシュフロー・
    ヘッジ
    金利          金利            1.59%     3,317     32,145      88,461      1,140     125,063
        (1)
              AUD/USD為替レート             0.74
    外国為替
                                 40     121       -     656      817
              USD/EUR為替レート             0.91
    純投資ヘッジ
    外国為替          TWD/AUD為替レート            20.68
                                 794      146       -      -     940
                          25.05
              THB/AUD為替レート
    2021年9月30日現在

    公正価値ヘッジ
    金利          金利            1.26%     2,597     14,328      58,658      28,505     104,088
    外国為替          HKD/AUD為替レート             5.74      548       -      -      -     548
    キャッシュフロー・
    ヘッジ
    金利          金利            1.17%     4,593     14,180      84,924      1,719     105,416
        (1)
              AUD/USD為替レート             0.74
    外国為替
                                 38     115       -     642      795
              USD/EUR為替レート             0.91
    純投資ヘッジ
    外国為替          TWD/AUD為替レート            20.81
                                 456      641       -      -    1,097
              THB/AUD為替レート            24.18
    (1)  外国為替リスクのヘッジは、複数の通貨ペアを対象としている。この表は金額の大きい通貨ペアのみを反映している。

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    当行

    想定元本                           3か月
                          平均          3か月か      1年から
                         レート      未満     ら12か月       5年     5年超      合計
    2022年9月30日現在
                                       (単位:百万ドル)
    公正価値ヘッジ
    金利          金利            1.75%     10,931      13,466      48,011      25,138      97,546
    外国為替          HKD/AUD為替レート             5.43      604       -      -      -     604
    キャッシュフロー・
    ヘッジ
    金利          金利            1.37%     1,708     22,611      69,600      1,009     94,928
        (1)
              AUD/USD為替レート             0.74
    外国為替
                                 40     121       -     656      817
              USD/EUR為替レート             0.91
    純投資ヘッジ
    外国為替                      20.68       -     146       -      -     146
              TWD/AUD為替レート
    2021年9月30日現在

    公正価値ヘッジ
    金利          金利            1.37%     2,445     10,884      43,063      21,020      77,412
    外国為替          HKD/AUD為替レート             5.74      548       -      -      -     548
    キャッシュフロー・
    ヘッジ
    金利          金利            1.06%     2,125      7,233     67,799      1,695     78,852
        (1)
              AUD/USD為替レート             0.74
    外国為替
                                 38     115       -     642      795
              USD/EUR為替レート             0.91
    純投資ヘッジ
    外国為替                      20.81      150      149       -      -     299
              TWD/AUD為替レート
    (1)  外国為替リスクのヘッジは、複数の通貨ペアを対象としている。この表は金額の大きい通貨ペアのみを反映している。

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     当グループの指定されたヘッジ関係の非有効部分による影響は、ヘッジ関係の種類別およびヘッジ対象リスク別に以下のと
    おりである。
                                                   キャッシュ

                                非有効部分
                                                  フロー・ヘッジ
                                                  準備金または
                                          損益で認識
                                                  FCTRから損益に
                      ヘッジ手段の
                                         されたヘッジの         再分類された金
                                ヘッジ対象の
    連結
                           (2)                   (3)       (4)
                      価値の変動          価値の変動         非有効部分           額
                                   (単位:百万ドル)
    2022年9月30日現在
           (1)
    公正価値ヘッジ
    金利                       697         (719)          (22)          -
    外国為替                       (55)          55          -         -
                 (1)
    キャッシュフロー・ヘッジ
    金利                     (3,619)          3,453          (166)          (13)
    外国為替                       (4)          4         -         1
          (1)
    純投資ヘッジ
                            62         (62)          -         -
    外国為替
    2021年9月30日現在

           (1)
    公正価値ヘッジ
    金利                      1,005         (1,006)           (1)          -
    外国為替                        9         (9)          -         -
                 (1)
    キャッシュフロー・ヘッジ
    金利                      (934)          909         (25)          4
    外国為替                       (10)          10          -         (1)
          (1)
    純投資ヘッジ
                            61         (61)          -         -
    外国為替
    (1)  ヘッジ手段はすべてデリバティブ金融商品に分類されている。

    (2)  ヘッジ手段の価値変動は、クリアリング契約による決済評価差額                              (Settle     to  Market)    関する調整前。
    (3)  その他営業収入で認識される。
    (4)  純利息収益およびその他営業収入で認識される。
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                                                   キャッシュ

                                非有効部分
                                                  フロー・ヘッジ
                                                  準備金または
                                         純損益で認識
                                                  FCTRから純損益
                                         されたヘッジの         に再分類された
                      ヘッジ手段の
                                ヘッジ対象の
    当行
                                              (3)        (4)
                           (2)
                                価値の変動         非有効部分           金額
                      価値の変動
                                   (単位:百万ドル)
    2022年9月30日現在
           (1)
    公正価値ヘッジ
    金利                      1,570         (1,586)           (16)          -
    外国為替                       (55)          55          -         -
                 (1)
    キャッシュフロー・ヘッジ
    金利                     (3,643)          3,477          (166)          (13)
    外国為替                       (4)          4         -         1
          (1)
    純投資ヘッジ
    外国為替                       58         (58)          -         -
    2021年9月30日現在

           (1)
    公正価値ヘッジ
    金利                       731         (734)          (3)          -
    外国為替                        9         (9)          -         -
                 (1)
    キャッシュフロー・ヘッジ
    金利                      (797)          772         (25)          (6)
    外国為替                       (10)          10          -         (1)
          (1)
    純投資ヘッジ
    外国為替                       (6)          6         -         -
    (1)  ヘッジ手段はすべてデリバティブ金融商品に分類されている。

    (2)  ヘッジ手段の価値変動は、クリアリング契約による決済評価差額                              (Settle     to  Market)    に関する調整前。
    (3)  その他営業収入で認識される。
    (4)  純利息収益およびその他営業収入で認識される。
                                309/572










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     当グループの公正価値ヘッジに関連するヘッジ対象は以下のとおりである。
                                               ヘッジ対象に対する

                                    帳簿価額          公正価値ヘッジ調整累積額
                                 資産       負債       資産       負債
                貸借対照表上の        ヘッジ対象
                表示        リスク               (単位:百万ドル)
    連結
    2022年9月30日現在
    固定金利貸付金および
                正味貸付金およ
    前渡金            び前渡金        金利         10,252         -     (369)        -
    固定金利発行済社債            発行済社債        金利           -    (51,531)          -     3,721
    FVOCIで測定される固定
            (1)
    金利投資有価証券            投資有価証券        金利         53,915         -    (5,349)         -
    FVOCIで測定される持分
      (1)
                                   604        -      75       -
    証券            投資有価証券        外国為替
                                 64,771      (51,531)       (5,643)       3,721
    合計
    2021年9月30日現在

    固定金利貸付金および
                正味貸付金およ
    前渡金            び前渡金        金利         3,416         -       9       -
    固定金利発行済社債            発行済社債        金利           -    (53,885)          -     (999)
    FVOCIで測定される固定
            (1)
    金利投資有価証券            投資有価証券        金利         53,321         -     (209)        -
    FVOCIで測定される持分
      (1)
                                   548        -      20       -
    証券            投資有価証券        外国為替
                                 57,285      (53,885)        (180)       (999)
    合計
    (1)  FVOCIで測定する負債性金融商品および資本性金融商品の帳簿価額には、公正価値ヘッジ調整を含めていない。これはヘッ

      ジ手段の損益と一致させるヘッジ関係の会計処理により、公正価値ヘッジ調整がその他の包括利益から損益計算書に振替
      えられることによる。
     中止されたヘッジ関係に関連する貸借対照表に留保された公正価値ヘッジ調整の累積金額は、-7百万ドル(2021年度:2百

    万ドル)である。
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     当行の公正価値ヘッジに関連するヘッジ対象は以下のとおりである。
                                               ヘッジ対象に対する

                                    帳簿価額          公正価値ヘッジ調整累積額
                                 資産       負債       資産       負債
                貸借対照表上の        ヘッジ対象
    当行
                表示        リスク               (単位:百万ドル)
    2022年9月30日現在
    固定金利貸付金および
                正味貸付金およ
    前渡金            び前渡金        金利         10,252         -     (369)        -
    固定金利発行済社債            発行済社債        金利           -    (37,141)          -     2,572
    FVOCIで測定される固定
            (1)
    金利投資有価証券            投資有価証券        金利         44,038         -    (4,489)         -
    FVOCIで測定される持分
      (1)
                                   604        -      75       -
    証券            投資有価証券        外国為替
    合計
                                 54,894      (37,141)       (4,783)       2,572
    2021年9月30日現在

    固定金利貸付金および
                正味貸付金およ
    前渡金            び前渡金        金利         3,416         -       7       -
    固定金利発行済社債            発行済社債        金利           -    (38,222)          -     (769)
    FVOCIで測定される固定
            (1)
    金利投資有価証券            投資有価証券        金利         41,944         -      129        -
    FVOCIで測定される持分
      (1)
                                   548        -      20       -
    証券            投資有価証券        外国為替
    合計
                                 45,908      (38,222)         156      (769)
    (1)  FVOCIで測定する負債性金融商品および資本性金融商品の帳簿価額には、公正価値ヘッジ調整を含めていない。これはヘッ

      ジ手段の損益と一致させるヘッジ関係の会計処理により、公正価値ヘッジ調整がその他の包括利益から損益計算書に振替
      えられることによる。
     中止されたヘッジ関係に関連する貸借対照表に留保された公正価値ヘッジ調整の累積金額は、-7百万ドル(2021年度:ゼ

    ロ)である。
                                311/572










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                                                           有価証券報告書
     当グループおよび当行のキャッシュフロー・ヘッジおよび純投資ヘッジに関連したヘッジ対象は以下のとおりである。
                               キャッシュフロー・ヘッジ

                                    準備金           為替換算調整勘定
                                       非継続              非継続
                                継続ヘッジ        ヘッジ      継続ヘッジ         ヘッジ
    連結
                    ヘッジ対象リスク                   (単位:百万ドル)
    2022年9月30日現在
    キャッシュフロー・ヘッジ
    変動金利貸付金および前渡金                金利             (4,286)         19       -       -
    変動金利顧客預金                金利              1,357         5       -       -
    外貨建て発行済社債                外国為替               (1)       (1)       -       -
    発生する可能性の高い予定取引                外国為替               (7)        -       -       -
    純投資ヘッジ
                                    -       -      43      (149)
    海外事業                外国為替
    2021年9月30日現在

    キャッシュフロー・ヘッジ
    変動金利貸付金および前渡金                金利               546       20       -       -
    変動金利顧客預金                金利                4      (6)       -       -
    外貨建て発行済社債                外国為替               (4)       (1)       -       -
    発生する可能性の高い予定取引                外国為替               (1)       -       -       -
    純投資ヘッジ
                                    -       -      (19)      (149)
    海外事業                外国為替
                               キャッシュフロー・ヘッジ

                                    準備金           為替換算調整勘定
                                       非継続              非継続
                                継続ヘッジ        ヘッジ      継続ヘッジ        ヘッジ
                    ヘッジ対象リスク                   (単位:百万ドル)
    当行
    2022年9月30日現在
    キャッシュフロー・ヘッジ
    変動金利貸付金および前渡金                金利             (4,005)         11       -       -
    変動金利顧客預金                金利              1,053         6       -       -
    外貨建て発行済社債                外国為替               (1)       (1)       -       -
    発生する可能性の高い予定取引                外国為替               (7)       -       -       -
    純投資ヘッジ
                                    -       -      88      (149)
    海外事業                外国為替
    2021年9月30日現在

    キャッシュフロー・ヘッジ
    変動金利貸付金および前渡金                金利               541       11       -       -
    変動金利顧客預金                金利                8      (6)       -       -
    外貨建て発行済社債                外国為替               (4)       (1)       -       -
    発生する可能性の高い予定取引                外国為替               (1)       -       -       -
    純投資ヘッジ
                                    -       -      30      (149)
    海外事業                外国為替
                                312/572






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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
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     下表は、リスクの種類ごとに当グループのキャッシュフロー・ヘッジ準備金の調整の詳細を表示している。
                                     金利        外貨        合計

                                          (単位:百万ドル)
    連結
    2020年10月1日現在残高
                                      1,034          4      1,038
    公正価値評価益/(評価損)                                  (909)         (10)       (919)
    損益への振替                                    4       (1)         3
    法人税他                                   269         2       271
    2021年9月30日現在残高
                                       398         (5)       393
    公正価値評価益/(評価損)                                 (3,453)          (4)      (3,457)
    損益への振替                                   (13)         1       (12)
    法人税他                                  1,040          -      1,040
    2022年9月30日現在残高
                                      (2,028)          (8)      (2,036)
     海外事業への純投資のヘッジの結果、当年度中にFCTRは62百万ドル増加した(2021年度:61百万ドル増加)。

     下表は、リスクの種類ごとに当行のキャッシュフロー・ヘッジ準備金の調整の詳細を表示している。

                                     金利        外貨        合計

                                          (単位:百万ドル)
    当行
    2020年10月1日現在残高                                   931         4       935
    公正価値評価益/(評価損)                                  (772)         (10)       (782)
    損益への振替                                   (6)        (1)        (7)
                                       236         2       238
    法人税他
    2021年9月30日現在残高                                   389         (5)       384
    公正価値評価益/(評価損)                                 (3,477)          (4)      (3,481)
    損益への振替                                   (13)         1       (12)
                                      1,048          -      1,048
    法人税他
                                      (2,053)          (8)      (2,061)
    2022年9月30日現在残高
     海外事業への純投資のヘッジの結果、当年度中にFCTRは58百万ドル増加した(2021年度:6百万ドル減少)。

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     認識および測定

     認識          当初および各報告日に、すべてのデリバティブは公正価値で認識される。デリバティブの公
               正価値が正の値の場合、当該デリバティブは資産として計上され、公正価値が負の値の場合
               は、負債として計上される。
               評価調整は、デリバティブの公正価値を決定する上で不可欠なものである。評価調整には、
               以下が含まれる。
                ・ カウンターパーティ・リスクおよび/またはデフォルトを反映するための、信用評価調
                  整
                ・ デリバティブ・ポートフォリオにおける資金調達コストと利益を考慮する資金調達評
                  価調整
     資産および負債の          デリバティブ資産は、契約が満了するか、所有に係るリスクおよび経済価値のほとんどすべ
     認識の中止          てを移転した際に、貸借対照表から除外される。デリバティブ負債は、当グループの契約上
               の義務が免除、取消または満了した際に、当グループの貸借対照表から除外される。
               中央清算カウンターパーティーまたは取引所を通じて清算されるデリバティブについては、
               デリバティブ資産または負債は各金融商品について定められている法的取決めに応じて、担
               保が決済された際に上記の原則に従って認識が中止される場合がある。
     損益計算書への影          デリバティブ金融商品に係る損益の認識は、当該デリバティブが売買目的で保有されている
     響          か、それともヘッジ関係に指定されているかに左右される。売買目的で保有するデリバティ
               ブ金融商品について、公正価値の変動による利益または損失は、損益で認識される。
               ヘッジ関係に指定された商品について、利益または損失の認識は、ヘッジ対象の内容に左右
               される。会計上のヘッジ関係の種類別認識アプローチの詳細については、138ページ(訳注:
               原文のページ番号である。)の表を参照のこと。
               ヘッジの非有効部分は、金利の参照レートの差異、マージン、またはレート設定の差異、お
               よびヘッジ対象とヘッジ手段の間で割引による差異から発生する場合がある。
     ヘッジの有効性          AASB第139号における会計上のヘッジ関係として適格であるためには、ヘッジ関係の有効性が
               高いと見込まれなければならない。ヘッジ関係は、次の条件を満たした場合にのみ、有効性
               が高いとされる。
                ・ ヘッジが指定される期間中に、ヘッジ対象リスクに起因する公正価値またはキャッ
                  シュフローの変動の相殺において高い有効性が見込まれる(期待有効性)
                ・ ヘッジの実際の結果が80%から125%の範囲内である(事後有効性)
               当グループは、定期的にヘッジの有効性を監視しており、少なくとも各報告日現在において

               監視を行っている。
     重要な判断および見積り

     デリバティブの公正価値測定に使用する評価技法の選定の際には判断が必要とされ、特に容易に観察できない評価
     インプットの選定、および特定のデリバティブに対する評価調整を適用する際に判断が求められる。詳細について
     は、注記19「金融資産および金融負債の公正価値」を参照のこと。
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    12.  投資有価証券
                                    連結              当行



                                2022年       2021年       2022年       2021年
                                       (単位:百万ドル)
    その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
    投資有価証券
    負債証券                             76,817       74,743       65,257       61,623
    持分証券                             1,353       1,310       1,027       1,054
    償却原価で測定される投資有価証券
        (1)
                                  7,943       7,031       6,115       5,263
    負債証券
    損益を通じて公正価値で測定される投資有価証券
                                   40       42       -       -
    負債証券
    合計
                                 86,153       83,126       72,399       67,940
    (1)  予想信用損失引当金が当グループについて38百万ドル(2021年度:31百万ドル)、当行について1百万ドル(2021年度:

      1百万ドル)含まれている。
     投資有価証券の満期の状況は、以下のとおりである。

    連結

                                 1年から
                          3か月から
                   3か月未満        12か月       5年      5年超      満期なし       合計
    2022年9月30日現在
                                 (単位:百万ドル)
    政府債                 6,544      14,045       29,806      21,856         -    72,251
    社債および金融機関債                  324      2,462       4,906        97       2    7,791
    その他の有価証券                  429       423       543     3,363         -    4,758
                        -       -       -       -    1,353      1,353
    持分証券
    合計
                      7,297      16,930       35,255      25,316       1,355      86,153
    2021年9月30日現在

    政府債                 6,396      12,984       32,179      19,382         -    70,941
    社債および金融機関債                  285      1,179       5,701        110        -    7,275
    その他の有価証券                  129       295       553     2,623         -    3,600
                        -       -       -       -    1,310      1,310
    持分証券
    合計
                      6,810      14,458       38,433      22,115       1,310      83,126
     当事業年度中、当グループはFVOCIで測定する負債証券に関連して以前にその他の包括利益で認識されていた利益/損失のリ

    サイクリングにより、28百万ドル(2021年度:303百万ドル)の純利益(税引前)を、その他営業収入に認識した。
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    当行

                                 1年から
                          3か月から
                   3か月未満        12か月       5年      5年超      満期なし       合計
    2022年9月30日現在
                                 (単位:百万ドル)
    政府債
                      5,715      11,647       23,100      19,853         -    60,315
    社債および金融機関債                  276      1,972       3,993        58       -    6,299
    その他の有価証券                  429       423       543     3,363         -    4,758
    持分証券                   -       -       -       -    1,027      1,027
    合計
                      6,420      14,042       27,636      23,274       1,027      72,399
    2021年9月30日現在

    政府債                 5,453      11,646       24,390      16,350         -    57,839
    社債および金融機関債                  175       830      4,371        71       -    5,447
    その他の有価証券                  129       295       553     2,623         -    3,600
                        -       -       -       -    1,054      1,054
    持分証券
    合計
                      5,757      12,771       29,314      19,044       1,054      67,940
     当事業年度中、当行はFVOCIで測定する負債証券に関連して以前にその他の包括利益で認識された利益/損失のリサイクリン

    グにより、1百万ドル(2021年度:301百万ドル)の純利益(税引前)を、その他営業収入に認識した。
     認識および測定

     投資有価証券は、売買以外の目的で保有される有価証券の形式の金融資産である(すなわち、譲渡可能な負債性金
     融商品または資本性金融商品)。例外として、当グループの顧客貸付業務を円滑にするために使用される為替手形
     (有価証券/譲渡性証書の一形態)は、契約内容をより的確に反映するため(投資有価証券ではなく)正味貸付金
     および前渡金に分類されている。
     売買目的以外で保有される持分投資は、商品毎にFVOCIで測定するものとして指定することができる。この選択が
     なされる場合、当該投資の利益または損失は、売却時にその他の包括利益から純損益へ再分類されない。ただし、
     利益または損失は、資本の部の中で再分類することができる。
     投資有価証券として開示された資産は、133ページ(訳注:原文のページ番号である。)の当グループの金融資産
     に関する開示の冒頭で概説されている金融資産の分類および測定についての一般方針の適用を受ける。また、「投
     資有価証券-償却原価で測定される負債証券」および「投資有価証券-その他の包括利益を通じて公正価値で測定
     される負債証券」に伴う予想信用損失は、注記14「予想信用損失引当金」に概説されている会計方針に従って認識
     および測定される。「投資有価証券-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債証券」について、予想
     信用損失(「ECL」)引当金は資本の部のFVOCI準備金に計上され、対応する費用は損益で認識される。
     重要な判断および見積り

     評価に市場相場価格が使用されない資産の公正価値の算定に使用する評価技法の選定の際には判断が必要とされる
     が、特に容易に観察できない評価インプットの選定の際にその判断が求められる。詳細については、注記19「金融
     資産および金融負債の公正価値」を参照のこと。
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    13.  正味貸付金および前渡金
     下表は当グループおよび当行の正味貸付金および前渡金の詳細を示したものである。

                                    連結              当行

                                2022年       2021年       2022年       2021年
                                       (単位:百万ドル)
    貸越                             5,266       5,360       4,262       4,465
    クレジットカード                             6,755       6,570       5,664       5,494
    手形融資                             5,214       6,000       5,214       6,000
    ターム・ローン-住宅                            374,625       372,572       282,965       278,372
    ターム・ローン-住宅以外                            279,730       239,277       238,215       194,150
                                  2,035       2,985       1,929       2,733
    その他
                                 673,625       632,764       538,249       491,214
    小計
        (1)
    前受収益                              (518)       (434)       (480)       (390)
                            (1)(2)
                                  2,882       1,434       2,501       1,050
    資産計上された仲介手数料およびその他の組成費用
                                 675,989       633,764       540,270       491,874
    貸付金および前渡金の総額
                                 (3,582)       (4,045)       (2,925)       (3,387)
    予想信用損失引当金(注記14参照)
                                 672,407       629,719       537,345       488,487
    正味貸付金および前渡金
    契約上の満期までの残存期間:
    1年以内                            146,142       125,952       121,513        98,214
                                 526,265       503,767       415,832       390,273
    1年超
                                 672,407       629,719       537,345       488,487
    正味貸付金および前渡金
    貸借対照表計上基準         :
    償却原価                            667,732       626,099       533,082       485,015
                                  4,675       3,620       4,263       3,472
    損益を通じた公正価値による測定
                (3)
                                 672,407       629,719       537,345       488,487
    正味貸付金および前渡金
    (1)  貸付金の予想残存期間にわたって償却される。

    (2)  2022年度において、当グループは、住宅ローン・ブローカーに支払う継続的なトレイル・コミッションの会計上の取扱い
      を変更し、支払債務およびその他の負債に、予想される将来のトレイル・コミッションの未払額の現在価値と同額の負債
      を認識している。また、これに対応して増加した仲介手数料の資産計上を正味貸付金および前渡金に認識した。2022年9
      月30日現在の残高は、当グループおよび当行で1,320百万ドルであった。比較情報は修正再表示されていない。
    (3)  当グループおよび当行の正味貸付金および前渡金には、2023年中の完了を見込んでいる売却手続中のシェア・インベス
      ティングの貸付ポートフォリオに関する残高667百万ドルが含まれている。
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     認識および測定

     貸付金および前渡金は、固定された、または確定可能な支払額を伴う非デリバティブ金融資産であり、活発な市場
     での相場価格がなく、当グループが顧客に直接的に、または第三者チャネルを通じて提供する与信枠である。
     貸付金および前渡金は、当初公正価値に貸付金または前渡金の実行に直接起因する取引費用を加算した額で計上さ
     れる。これらの取引費用は、主として仲介手数料およびその他の組成費用であり、貸付金の見積り貸付期間にわた
     り償却される。貸付金および前渡金は、その後は、実効金利法を使用した償却原価から予想信用損失引当金を控除
     した額で測定されるか、あるいは当初認識時に損益を通じて公正価値評価するものとして個別に指定された場合、
     売却目的保有に分類された場合、もしくは売買目的保有の場合に公正価値で測定される。
     資産をリースする契約および購入権付リース契約は、資産の所有に伴う実質的にすべてのリスクおよび経済価値を
     顧客または当グループの関係者でない第三者に移転する場合にファイナンス・リースとして分類される。これらの
     ファシリティは、上表では「その他」に含まれている。
     当グループは、貸借対照表上で認識されている金融資産を譲渡する取引を行う。当グループが譲渡資産のリスクと
     経済価値の実質的にすべてを留保している場合、当該譲渡された資産は当グループの貸借対照表に引き続き計上さ
     れるが、実質的にすべてのリスクと経済価値が移転された場合には、当グループは当該資産の認識を中止する。リ
     スクと経済価値が部分的に留保され、当該資産に対する支配を喪失した場合には、当グループは当該資産の認識を
     中止する。当該資産に対する支配を喪失していない場合、当グループは継続関与の範囲で当該資産の認識を継続す
     る。
     資産の譲渡において権利と義務が留保、または発生した場合、権利と義務は内容に応じて別々に認識される。
     正味貸付金および前渡金として開示された資産は、133ページ(訳注:原文のページ番号である。)で概説されて
     いる金融資産の分類および測定についての一般方針の適用を受ける。また、償却原価で測定される正味貸付金およ
     び前渡金に伴う予想信用損失は、注記14「予想信用損失引当金」に概説されている会計方針に従って認識および測
     定される。
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    14.  予想信用損失引当金
                           2022年                    2021年

                    一括評価       個別評価        合計     一括評価       個別評価       合計
    連結
                                 (単位:百万ドル)
    償却原価で測定される正味貸
    付金および前渡金                 3,049        533      3,582      3,379        666     4,045
    帳簿外のコミットメント                  766        9      775      785       21      806
    投資有価証券-償却原価で
                       38       -      38      31       -      31
    測定される負債証券
    合計
                      3,853        542      4,395      4,195        687     4,882
    その他の包括利益
    投資有価証券-FVOCIで測定
           (1)
                       10       -      10      11       -      11
    される負債証券
                           2022年                    2021年

                    一括評価       個別評価        合計     一括評価       個別評価       合計
    当行
                                 (単位:百万ドル)
    償却原価で測定される正味貸
    付金および前渡金                 2,500        425      2,925      2,824        563     3,387
    帳簿外のコミットメント                  668        5      673      667        7     674
    投資有価証券-償却原価で
                        1       -       1       1      -      1
    測定される負債証券
    合計
                      3,169        430      3,599      3,492        570     4,062
    その他の包括利益
    投資有価証券-FVOCIで測定
           (1)
                        7       -       7       7      -      7
    される負債証券
    (1)  FVOCIで測定される資産については、ECL引当金によって帳簿価額が変動することはなく、引き続き公正価値で計上され

      る。その代わり、ECL引当金はその他の包括利益に認識されており、対応する費用は純損益で認識される。
     下表は、当年度中のECL引当金の増減を表示している。

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     償却原価で測定される正味貸付金および前渡金

     ECL引当金は正味貸付金および前渡金に含まれている。
                                              (1)

                                         ステージ3
                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価       合計
                                    (単位:百万ドル)
    連結
    2020年10月1日現在                        1,204      2,465       461      851     4,981
    ステージ間の移動                         399      (421)      (137)       159       -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                        (639)       (53)       90      663       61
    戻入                          -      -      -     (365)      (365)
    貸倒償却(償却債権回収額を除く。)                          -      -      -     (626)      (626)
                  (2)
                              4      3      3     (16)       (6)
    為替換算およびその他の増減
                             968     1,994       417      666     4,045
    2021年9月30日現在
    ステージ間の移動                         219      (224)       (95)      100       -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                         (48)      (202)       42      420      212
    戻入                          -      -      -     (222)      (222)
    貸倒償却(償却債権回収額を除く。)                          -      -      -     (428)      (428)
                  (2)
                              2     (20)       (4)      (3)      (25)
    為替換算およびその他の増減
                            1,141      1,548       360      533     3,582
    2022年9月30日現在
    (1)  購入または組成された信用減損(POCI)貸付金および前渡金に係る当グループの信用エクスポージャーは重要でない。

    (2)  その他の増減には、個別評価ECL引当金に係る割引のアンワインドの影響または当該年度中に完了した売却の影響が含まれ
      ている。
                                              (1)

                                         ステージ3
                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価       合計
                                    (単位:百万ドル)
    当行
    2020年10月1日現在                        1,028      2,114       373      704     4,219
    ステージ間の移動                         392      (382)      (130)       120       -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                        (620)       (49)      106      619       56
    戻入                          -      -      -     (308)      (308)
    貸倒償却(償却債権回収額を除く。)                          -      -      -     (556)      (556)
                  (2)
                              (3)      (4)      (1)      (16)      (24)
    為替換算およびその他の変動
                             797     1,679       348      563     3,387
    2021年9月30日現在
    ステージ間の移動                         192      (201)       (84)       93       -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                         (59)      (220)       31      354      106
    戻入                          -      -      -     (193)      (193)
    貸倒償却(償却債権回収額を除く。)                          -      -      -     (386)      (386)
                  (2)
                              16       1      -      (6)      11
    為替換算およびその他の変動
                             946     1,259       295      425     2,925
    2022年9月30日現在
    (1)  購入または組成された信用減損(POCI)貸付金および前渡金に係る当行の信用エクスポージャーは重要でない。

    (2)  その他の増減には、個別評価ECL引当金に係る割引のアンワインドの影響が含まれている。
                                320/572






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                                                           有価証券報告書
     帳簿外のコミットメント-未実行および条件付与信枠
     ECL引当金はその他引当金に含まれている。
                                              (1)

                                         ステージ3
                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価       合計
                                    (単位:百万ドル)
    連結
    2020年10月1日現在                         596      239       23      40      898
    ステージ間の移動                         51      (49)       (3)       1      -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                         (92)       19       -      1     (72)
    戻入                          -      -      -     (21)      (21)
                              -      2      (1)       -      1
    為替換算
                             555      211       19      21      806
    2021年9月30日現在
    ステージ間の移動                         40      (34)       (8)       2      -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                          7     (28)       18      (2)      (5)
    戻入                          -      -      -     (11)      (11)
                  (2)
                              (9)      (5)       -      (1)      (15)
    為替換算およびその他の増減
                             593      144       29       9     775
    2022年9月30日現在
    (1)  購入または組成された信用減損(POCI)貸付金および前渡金に係る当グループの信用エクスポージャーは重要でない。

    (2)  その他の増減には、当年度中に完了した売却の影響が含まれている。
                                              (1)

                                         ステージ3
                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価       合計
                                    (単位:百万ドル)
    当行
    2020年10月1日現在                         513      183       15      20      731
    ステージ間の移動                         45      (41)       (5)       1      -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                         (72)       28       2      1     (41)
    戻入                          -      -      -     (15)      (15)
                              (2)       1      -      -      (1)
    為替換算
                             484      171       12       7     674
    2021年9月30日現在
    ステージ間の移動                         33      (27)       (6)       -      -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                         17      (29)       20       -      8
    戻入                          -      -      -      (2)      (2)
                  (2)
                              (4)      (3)       -      -      (7)
    為替換算およびその他の変動
                             530      112       26       5     673
    2022年9月30日現在
    (1)  購入または組成された(POCI)貸付金および前渡金に係る当行の信用エクスポージャーは重要でない。

    (2)  その他の増減には、当年度中に完了した売却の影響が含まれている。
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                                                           有価証券報告書
     投資有価証券-償却原価で測定される負債証券
     ECL引当金は投資有価証券に含まれている。
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価       合計
                                    (単位:百万ドル)
    連結
    2021年9月30日現在
                              31       -      -      -      31
    2022年9月30日現在
                              38       -      -      -      38
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価       合計
                                    (単位:百万ドル)
    当行
    2021年9月30日現在
                              1      -      -      -      1
    2022年9月30日現在
                              1      -      -      -      1
     投資有価証券-FVOCIで測定される負債証券

     FVOCI資産は公正価値で測定されるため、個別のECL引当金はない。その代わり、ECL引当金はその他の包括利益に認識されて
    おり、対応する費用は純損益で認識される。
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価       合計
    連結
                                    (単位:百万ドル)
    2021年9月30日現在
                              11       -      -      -      11
    2022年9月30日現在
                              10       -      -      -      10
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価       合計
    当行
                                    (単位:百万ドル)
    2021年9月30日現在
                              7      -      -      -      7
    2022年9月30日現在
                              7      -      -      -      7
                                322/572










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                                                           有価証券報告書
     貸倒引当金繰入-損益計算書
     貸倒引当金繰入/(戻入)の内訳
                                    連結              当行

                                2022年       2021年       2022年       2021年
                                       (単位:百万ドル)
                        (1)(2)
    新規および増加した引当金(戻入控除後)
                                  (311)       (823)       (333)       (726)
    -一括評価
                                   520       824       447       741
    -個別評価
      (3)
                                  (233)       (386)       (195)       (323)
    戻入
                                  (208)       (182)       (184)       (161)
    償却債権回収額
                                  (232)       (567)       (265)       (469)
    貸倒引当金繰入合計
    (1)  一括評価および個別評価間の振替の影響を含む。

    (2)  新規および増加した引当金(戻入控除後)の内訳は以下のとおり。
                          連結                     当行

                    2022  年         2021  年         2022  年         2021  年
                 一括評価     個別評価     一括評価     個別評価     一括評価     個別評価     一括評価     個別評価
                (百万ドル)     (百万ドル)     (百万ドル)     (百万ドル)     (百万ドル)     (百万ドル)     (百万ドル)     (百万ドル)
    償却原価で測定される
                  (308)      520     (761)      822     (341)      447     (683)      739
    正味貸付金および前渡金
    帳簿外のコミットメント               (5)      -     (74)      2     8     -     (43)      2
    投資有価証券-償却原価で
                   3     -     11      -     -     -     -     -
    測定される負債証券
    投資有価証券-FVOCIで
                   (1)      -     1     -     -     -     -     -
    測定される負債証券
    合計              (311)      520     (823)      824     (333)      447     (726)      741
    (3)  償却原価で測定される正味貸付金および前渡金の戻入が当グループについて222百万ドル(2021年度:365百万ドル)、当
      行について193百万ドル(2021年度:308百万ドル)、帳簿外のコミットメントが当グループについて11百万ドル(2021年
      度:21百万ドル)、当行について2百万ドル(2021年度:15百万ドル)含まれている。
     当年度中に償却されたが、引き続き回収活動の対象となる金融資産の契約上の残高は、当グループについて143百万ドル

    (2021年度:168百万ドル)、当行について128百万ドル(2021年度:138百万ドル)である。
                                323/572










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     認識および測定

     予想信用損失モデル
     予想信用損失の測定は、一連のシナリオを、貨幣の時間的価値、過去の事象、現在の状況および将来の経済状況の
     予想を考慮に入れる偏りのない確率加重予想を反映する。
     予想信用損失は、以下の3段階のアプローチに基づいて、組成以降の信用の悪化に従って、12か月間または当該金
     融資産の予想残存期間に対して測定される。
      ・ ステージ1:金融資産の組成時において、また組成以降信用リスクの著しい増大(「SICR」)がない場合、
        報告日から12か月以内に起こりうるデフォルト事象から発生する予想信用損失を反映して、12か月分のECL
        に相当する引当金が認識される。満期までの残存期間が12か月未満の金融商品については、予想信用損失
        は、満期までの残りの期間にわたって起こりうるデフォルト事象に基づいて見積もられる。
      ・ ステージ2:組成以降信用リスクが著しく増大している場合、金融商品の予想残存期間にわたって起こりう
        るすべてのデフォルト事象から発生する予想信用損失を反映して、残存期間のECLに相当する引当金が認識
        される。その後の期間に、信用リスクの状況が改善され、組成以降の信用リスクの増大が著しいものとはみ
        なされなくなった場合、当該エクスポージャーはステージ1の区分に戻され、これに従ってECLが測定され
        る。
      ・ ステージ3:減損の客観的証拠が存在する場合、全期間のECLに相当する引当金が認識される。
     ステージ1およびステージ2のエクスポージャーについては、予想信用損失は集合的に見積もられ、ステージ3に
     移動した場合に集合的または個別に見積もられる。
     予想信用損失の測定

     ECLは、与信枠レベルで以下の信用リスク要因から算出したものを、貨幣の時間的価値を組み込んで割り引いたも
     のである。
      ・ デフォルト確率(「PD」)-借り手が所与の期間にデフォルトする確率の見積り
      ・ デフォルト時エクスポージャー(「EAD」)-元本および利息の返済、与信枠からの追加的な借入の実行な
        らびに経過利息を考慮に入れた、デフォルト時の予想貸借対照表エクスポージャー
      ・ デフォルト時損失率(「LGD」)-借り手のデフォルトの際の予想損失で、直接的および間接的な回収費用
        も考慮に入れられ、当該与信枠のEADに対する割合で表される。
     これらの信用リスク要因は、マクロ経済的変数の使用を通じて、現在の情報および将来情報に関して調整される。

     予想存続期間

     ステージ2およびステージ3エクスポージャーのECLを見積もる際に、当グループは信用リスクに晒されると予想
     される全期間を考慮する。
     リテール以外のポートフォリオに関して、当グループはリボルビング以外の与信枠について最長の契約期間を予想
     全期間として使用している。法人向け与信枠等、リテール以外のリボルビング与信枠の予想全期間には、契約で合
     意された年次審査の一環として当グループが与信枠を取り消す契約上の権利を、適用される通知期間を考慮して反
     映する。
     リテールのポートフォリオに関して、予想残存期間は予想される期限前返済および重大な条件緩和を生じさせる事
     象を考慮した行動パターンを使用して決定される。
     デフォルト、信用減損および償却の定義

     ECLの測定に使用されるデフォルトの定義は、全ポートフォリオにわたって、内部信用リスク管理目的に使用され
     る定義に一致させている。この定義はまた、規制上のデフォルトの定義にも沿っている。デフォルトは、債務者が
     当グループに対する契約上の支払義務を完全に履行する可能性が低いことを示す兆候がある、またはエクスポー
     ジャーが延滞90日となった場合に発生する。
     金融資産(担保が十分な金融資産を含む。)は、デフォルトした場合、財務報告目的上は信用減損が発生している
     とみなされる。
     回収の現実的な可能性がない場合、貸付金は、当グループの内部プロセスが完了し、合理的に予想されたすべての
     回収時に、関連する貸倒引当金を充当して償却される。その後の期間における償却債権回収額は、損益計算書に貸
     倒引当金繰入額の戻入として計上される。
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     条件変更した金融資産

     信用または商業上の理由から、金融資産の契約条件の変更、あるいは現存の金融資産が新しい金融資産に置き換え
     られた場合、現存の金融資産に対する大幅な条件変更とみなされるかを判定するための評価が行われる。この評価
     では、変更条件から発生するキャッシュフローの変化に加え、元本金額(与信限度額)、期間、原担保の変更な
     ど、商品全体のリスク・プロファイルの変化の両方が検討される。大幅な条件変更とみなされない場合、現存の金
     融商品の認識中止は行われず、信用リスクの著しい増大(「SICR」)の判定には引き続き組成日が使用される。大
     幅な条件変更とみなされる場合、現存の金融商品の認識は中止され、条件変更日に新しい金融資産が公正価値で認
     識され、当該条件変更日がこの新しい資産のSICRの判定に使用される組成日となる。
     信用リスクの著しい増大(「SICR」)

     ステージ2の資産は、組成以降にSICRがあった資産である。SICRの構成内容の決定にあたり、当グループは定性的
     情報と定量的情報の両方を考慮する。
     ⅰ .内部信用格付等級
       ポートフォリオの大部分に関してSICRの主要な指標とされているのは、組成以降の与信枠に関する内部格付等
       級の著しい悪化であり閾値を適用して測定される。
       リテール以外のポートフォリオに関して、SICRは報告日時点で与信枠に適用される顧客信用格付(「CCR」)
       と、当該与信枠の組成時のCCRを比較して判定される。CCRは、借り手のPDを反映して各借り手に割り当てら
       れ、将来予測的な情報を含む、借り手固有の情報および借り手以外の固有の情報の両方が組み込まれる。CCR
       は最低限1年に1度、または顧客の信用リスクに影響を及ぼすおそれのある事象が発生した場合はより頻繁に
       見直しの対象となる。
       リテールのポートフォリオに関して、SICRは与信枠の種類に応じて、報告日時点のシナリオ加重された全期間
       にわたるPDと、組成時にシナリオ加重された全期間にわたるPDを比較して、あるいは顧客の行動スコアの閾値
       を参照して判定される。シナリオ加重された全期間にわたるデフォルト確率は、以下の場合に著しい増大とな
       る。
       ・ 経済見通しの悪化、または経済の不透明性が高まった場合
       ・ 顧客の信用状況全般、または支払義務の管理能力の低下があった場合
     ⅱ .バックストップ基準
       当グループは、リテール以外とリテールのポートフォリオの両方について、30日延滞をバックストップ基準と
       して使用している。リテール・ポートフォリオに関してのみ、ステージ1への復帰前に3か月から6か月間の
       良好な支払実績を示すことが要求される。
     将来予測的な情報

     当グループは、金融資産の組成以降に信用リスクの著しい増大が生じたか否かの評価と、ECLの見積りの両方に将
     来予測的な情報を組み込んでいる。ECLの見積りにおいて将来予測的な情報を適用する際に、当グループは以下の
     4つの確率加重予想経済シナリオを検討する。
     ⅰ .ベースケースシナリオ
       ベースケースシナリオは、将来のマクロ経済状況についてのANZの見解である。このシナリオは、戦略計画お
       よび予算策定に使用された経営陣の仮定を反映し、当グループが3年の計画期間で戦略計画および資本計画に
       適用するプロセスである当グループの自己資本充実度評価プロセス(「ICAAP」)における情報としても利用
       される。
     ⅱ .アップサイドおよび          ⅲ.ダウンサイドシナリオ

       アップサイドシナリオおよびダウンサイドシナリオは、平均的な景気サイクルの状況を参照して決定され(す
       なわち、これらは貸借対照表日現在の実勢経済状況に基づくのではない。)、長期的計画期間にわたるより楽
       観的(アップサイドシナリオの場合)またはより悲観的(ダウンサイドシナリオの場合)な経済事象および不
       確実性の組合わせに基づく。
     ⅳ .深刻なダウンサイドシナリオ

       当グループは、現在の経済情勢や地政学的環境をより適切に反映するために、2022年の深刻なダウンサイドシ
       ナリオを、平均的な景気サイクルの状況を参照して設定したシナリオから、グループ全体でのストレステスト
       に使用されたシナリオに合わせたものに変更した。
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     これらの4つのシナリオは、貸出ポートフォリオおよび借り手の国別に、PD、LGDおよびEADのモデル(ECLモデル

     と総称)に使用されるマクロ経済変数の観点で記述される。これらのマクロ経済変数の例は、失業率、GDP成長
     率、住宅価格指数、商業用不動産価格指数、消費者物価指数などである。
     各シナリオの確率加重は、ベースケース経済シナリオを取り巻くリスクおよび不確実性、ならびに必要な場合には
     個別のポートフォリオに対する検討事項を考慮して経営陣によって決定される。グループ資産負債委員会
     (「GALCO」)はベースケース経済シナリオの見直しおよび承認を担当し、信用および市場リスク委員会
     (「CMRC」)は、シナリオに適用される確率加重を承認する。
     該当する場合、モデル化プロセスにおいて既知または予想されるリスクが適切に対処されない状況を考慮するため
     の一時的な調整が行われる。CMRCは、このような調整を承認する責任を負っている。
     重要な判断および見積り
     一括評価される予想信用損失引当金
     一括評価ECLの見積りにおいて、当グループは以下に関する判断、仮定を行っている。
      ・ 見積技法またはモデル化手法の選択
      ・ これらのモデルに対するインプットの選択、インプット間の相互依存性
     下表は、モデルのインプット、ならびにインプット間の相互依存性に関する重要な判断および仮定をまとめたもの

     で、当期中の重要な変更を示している。
     判断および関連する仮定は、各種の要因が世界経済にどのように影響するかについての不確実性を踏まえて作成さ
     れており、現状において合理的であると考えられる将来の事象の予測など、関連があるとみなされる過去の実績や
     その他の要因を反映している。当グループのECLの見積りは本質的に不確実なものであり、結果として、これらの
     見積りは実際の結果と異なる可能性がある。
     判断/仮定           説明                     2022年9月30日に終了した事業年度の
                                     検討事項
     信用リスクの著しい増           ECLの測定において、貸付金の当初認識時以                     当グループは、金利の上昇、インフレの率
     大の発生時期の判定           降にSICRがあり、その結果による当該金融                     上昇および賃金の低成長などの経済的プ
                資産の「ステージ1」から「ステージ2」                     レッシャーに対して特に脆弱であるとみな
                への移動を判定するための基準およびトリ                     される特定の顧客セグメントの信用力の低
                ガーポイントの設定には判断を伴う。ス                     下が予想されることを考慮して、当期にECL
                テージ1からステージ2への移動は、翌12                     を調整した。
                か月間のデフォルト確率に基づく引当金か
                ら、全期間にわたる予想信用損失引当金へ
                とECLを増加させることから、重要な判断領
                域である。ステージ2からステージ1への
                移動をもたらすその後の信用リスクの減少
                は、同様にECL引当金の大幅な変動をもたら
                す。
                トリガーポイントを正確に設定するために
                は、ECL引当金の額に重大な影響を及ぼす可
                能性のある判断が必要とされる。当グルー
                プは、SICR判定基準の有効性を継続的に監
                視している。
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     判断/仮定           説明                     2022年9月30日に終了した事業年度の

                                     検討事項
     12か月間と全期間の両           ECLの算定に使用されるデフォルト確率                     2021年9月30日現在のモデルの算定結果に
     方の信用損失の測定           (「PD」)、デフォルト時損失率                     は、COVID-19の結果としてモデルの不確実
                (「LGD」)およびデフォルト時エクスポー                     性が増加したことを認識するためのモデル
                ジャー(「EAD」)の信用リスクパラメー                     調整が含まれていた。これらの不確実性は
                ターは、経営陣が判定する適切な将来予測                     基礎となるモデルに概ね適切に反映された
                的な情報を反映した一定時点での尺度であ                     ことから、COVID-19のモデル調整は行われ
                る。どの将来予測的な情報の変数が特定の                     ていない。
                貸付ポートフォリオに関連するか、および
                各ポートフォリオの一時点での感応度の決
                定に関連するかの判定には判断を伴う。
                また、ECLの測定に使用する、与信枠の全期                     方針に重要な変更はなかった。
                間を見積るにあたり、行動特性を適用する
                場合にも判断が必要とされる。
     ベースケース経済           当グループは、将来のマクロ経済状況に係                     モデルのインプットとして用いられている
                るANZリサーチ・エコノミクス(「ANZエコ                     将来情報の変数(主要経済要因)の種類に
     予測
                ノミクス」)の見解を反映して将来予測的                     変更はなかった。
                な「ベースケース」経済シナリオを策定し                     2022年9月30日現在、COVID-19関連の規制
                ている。                     の緩和、サプライチェーンと労働市場の圧
                                     力の継続、世界的なインフレの急速な高ま
                                     りと金利上昇、ならびに主要国経済の成長
                                     鈍化を反映して、ベースケースの仮定が更
                                     新されている。
                                     2022年9月30日現在のベースケースシナリ
                                     オについて予想される主要経済要因の結果
                                     は、「ベースケース経済予測に関する仮
                                     定」の項に後述されている。
     各経済シナリオの
                各経済シナリオの確率加重は、各測定日時                     当グループは、現在の経済情勢や地政学的
     確率加重
                点のベースケース経済シナリオを取り巻く                     環境をより適切に反映するために、深刻な
     (ベースケース、アッ
                リスクおよび不確実性を考慮して経営陣に                     ダウンサイドシナリオを、平均的な景気サ
     プサイド、
                よって決定される。                     イクルの状況を参照して設定したシナリオ
     ダウンサイド、深刻な
                オーストラリア、ニュージーランドおよび                     から、グループ全体でのストレステストに
     ダウンサイドの
          (1)
                世界の他の地域で割り当てられる確率加重                     使用されたシナリオに合わせたものに変更
     シナリオ)
                は、内在する不確実性の影響を大きく受け                     した。
                るため、実際の結果が予想と大きく異なる                     当期の確率加重における主な検討事項に
                可能性がある。                     は、COVID-19規制からの脱却、金利上昇と
                                     インフレ率上昇に対する顧客の反応、世界
                                     的な成長見通しの低下の潜在的な影響が含
                                     まれる。
                                     当期および過去の期間の加重は、後述の
                                     「確率加重」のセクションで詳述されてい
                                     る。
    (1)  アップサイドシナリオおよびダウンサイドシナリオは、平均的な景気サイクルの状況を参照して決定され(すなわち、こ

      れらは貸借対照表日現在の実勢経済状況に基づくのではない。)、より楽観的(アップサイドシナリオの場合)またはよ
      り悲観的(ダウンサイドシナリオの場合)な経済状況の組合わせに基づく。
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     判断/仮定           説明                     2022年9月30日に終了した事業年度の

                                     検討事項
     経営陣による一時的な           ECL引当金に対する経営陣による一時的な調                     2022年9月30日現在、経営陣は、COVID-19
     調整           整は、当グループの既存のインプット、仮                     に伴う不確実性についてはもはや経営陣に
                定およびモデル技法が当グループの貸付                     よる個別の一時調整が必要とは考えていな
                ポートフォリオに関連するすべてのリスク                     い。一方、経営陣はインフレ率の上昇、金
                要因を捕捉していないと判断された状況で                     利の急速な上昇、ならびに進行中のサプラ
                使用される。                     イチェーンと労働市場の圧力に伴う不確実
                当グループの最新のパラメーター、リスク                     性に対応するための調整を含めた。
                格付または将来予測的な情報に組み込まれ                     さらに、オーストラリアとニュージーラン
                ていない、発生しつつある、地域的または                     ドの住宅ローンや小規模企業を含むリテー
                世界的なマクロ経済的、ミクロ経済的また                     ルに特有のリスク、パーソナルならびにパ
                は政治的な事象および自然災害は、こうし                     シフィックの観光業のリスクに対するマネ
                た状況の例である。                     ジメント・オーバーレイも行われた。
                経営陣による一時的な調整の使用は、認識
                されるECLの金額に影響を及ぼす場合があ
                る。
     ベースケース経済予測に関する仮定
     上記の不確実性が継続する場合、経済予測のリスクが高まり、その結果、ECL残高が過少または過大になる。
     ANZエコノミクスに使用された2022年9月30日現在の将来のマクロ経済状況に関する見解を反映したベースケース
     経済予測の主要経済要因は次のとおりである。以下の短期予測以降の期間について、ECLモデルは将来の経済状況
     を予測しているが、そこには最終的に景気サイクルの中盤に回帰するという仮定が含まれる。
                                            暦年予測

                                     2022年        2023年        2024年
     オーストラリア
     GDP(年間成長率)                                   4.0%        2.4%        1.4%
     失業率(年間平均)                                   3.5%        3.1%        3.6%
     住宅用不動産価格(年間上昇率)                                   -2.6%        -8.9%        5.2%
     消費者物価指数(年間平均上昇率)                                   6.4%        3.8%        2.8%
     ニュージーランド
     GDP(年間成長率)                                   1.9%        1.8%        1.7%
     失業率(年間平均)                                   3.3%        3.9%        4.9%
     住宅用不動産価格(年間上昇率)                                  -11.3%        -3.1%        2.6%
     消費者物価指数(年間平均上昇率)                                   6.8%        3.6%        1.9%
     世界の他の国々
     GDP(年間成長率)                                   1.7%        0.9%        1.2%
     消費者物価指数(年間平均上昇率)                                   8.3%        3.1%        2.0%
     オーストラリア、ニュージーランド、世界の他の国々のベースケース経済予測は、2024年までの住宅価格の下落に

     加え、金利上昇とインフレ上昇により世界的に経済活動の減速が予想されることを反映している。労働市場のひっ
     迫は、中央銀行の金融政策が、意図した需要削減とインフレ抑制の効果を発揮するまで続くと予想される。
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     確率加重

     各シナリオの確率加重は、前述の不確実性を含め、ベースケースの景気シナリオを取り巻くリスクおよび不確実性
     を考慮して経営陣によって決定される。
     ベースケースシナリオでは、2021年9月以降の3つの地域セグメントのすべてについて全体的な景気悪化が予想さ
     れていることを示している。世界的なインフレや経済成長率の低下などの急速に変化する要因に経済がどのように
     対応するかについての不確実性を考慮し、アップサイドシナリオの全地域平均の加重は0%(2021年9月:5%)
     に引き下げられ、ベースケースの加重は45%(2021年9月:41%)に引き上げられ、深刻なダウンサイドシナリオ
     は15%(2021年9月:6%)に引き上げられた。
     オーストラリア、ニュージーランドおよび世界の他の地域で割り当てられる確率加重は、内在する不確実性の影響
     を大きく受けるため、実際の結果が予想と大きく異なる可能性がある。当グループは、当グループのクレジット・
     ポートフォリオにおける短期的および長期的な相互関係を考慮に入れつつ、損失の可能性の見積りを提示するため
     に各地域の加重を検討している。当グループで適用される平均加重は以下のとおりである。
                                      連結            当行
                                  2022年      2021年      2022年      2021年
     ベース                               45.0%      41.3%      45.0%      40.0%
     アップサイド                               0.0%      5.2%      0.0%      5.4%
     ダウンサイド                               40.0%      47.7%      40.0%      48.8%
     深刻なダウンサイド                               15.0%       5.8%      15.0%       5.8%
     ECL  - 感応度分析

     足元の経済の不確実性と、将来の期間における借手の予想デフォルトを判断する際に用いられる要因に適用される
     判断を踏まえると、当グループが報告する予想信用損失は、予想可能な見積り範囲内で最善の見積りと考えられ
     る。
     下表は、2022年9月30日現在の一括評価ECLの決定に用いられる主要要因とECLに対する感応度を示している。

                                        連結           当行
                                     ECL     影響      ECL     影響
                                          (単位:百万ドル)
     ステージ1与信枠の1%がステージ2に含まれている場合                                 3,936       83    3,242       73
     ステージ2与信枠の1%がステージ1に含まれている場合                                 3,848       (5)    3,165       (4)
     100%アップサイドシナリオ                                 1,423     (2,430)      1,190     (1,979)

     100%ベースシナリオ                                 1,750     (2,103)      1,454     (1,715)
     100%ダウンサイドシナリオ                                 3,239      (614)     2,699      (470)
     100%深刻なダウンサイドシナリオ                                 6,951      3,098      5,725      2,556
     個別に評価される予想信用損失引当金

     個別に評価されるECLを見積もる際に、当グループは返済予想、担保物件の実現可能価額、顧客事業の見通し、競

     合請求ならびに債権処理プロセスの予想費用および機関に関連する判断および仮定を行う。
     これらの事項に関する判断と仮定は、とりわけ上記の不確実性を反映するように更新されている。
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    金融負債
     以下に、当グループが後述の注記での開示に関連している金融負債を分類および測定している方法を概説する。
     分類および測定

     金融負債
     金融負債は、償却原価または、売買目的で保有される場合に損益を通じて公正価値(「FVTPL」)で測定される。
     加えて、金融負債は以下の場合にFVTPLで測定されるものとして指定することができる。
      ・ この指定により、指定しない場合に発生する会計上のミスマッチを解消または著しく減少させる場合。
      ・ 金融負債のグループが、文書化されたリスク管理戦略に従って、公正価値で管理され、その実績が公正価値
        に基づいて評価される場合。
      ・ 金融負債が1件またはそれ以上の組込デリバティブを含む場合。ただし、以下の場合を除く。
        a)その組込デリバティブが、それがなければ契約上求められていたはずのキャッシュフローを大幅に変更
          していない場合。
        b)組込デリバティブが、主契約となる金融負債と密接に関連している場合。
     金融負債が公正価値で測定するものとして指定されている場合、企業の自己信用リスクの変動に係る利益および損

     失は、その他の包括利益に含められるが、それにより、損益における会計上のミスマッチが生じるまたは拡大する
     場合を除く。
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    15.  預金およびその他の借入金
                                    連結              当行




                                2022年       2021年       2022年       2021年
                                       (単位:百万ドル)
    譲渡性預金                             34,049       37,708       32,411       35,696
    定期預金                            200,064       177,081       157,479       136,067
    要求払い預金および短期預金                            369,460       366,755       310,857       303,381
    無利息預金                             50,906       49,746       29,416       26,836
    銀行からの預り金および買戻条件付契約により
    売却した有価証券                            103,580       86,082       98,825       83,294
                                 39,222       25,684       36,619       21,449
    コマーシャル・ペーパーおよびその他の借入金
                                 797,281       743,056       665,607       606,723
    預金およびその他の借入金
    契約上の満期までの残存期間:
    1年以内                            781,573       717,889       654,997       584,816
                                 15,708       25,167       10,610       21,907
    1年超
                                 797,281       743,056       665,607       606,723
    預金およびその他の借入金
    貸借対照表計上基準         :
    償却原価                            794,621       738,772       665,567       606,673
                                  2,660       4,284        40       50
    損益を通じた公正価値による測定
                                 797,281       743,056       665,607       606,723
    預金およびその他の借入金
     認識および測定

     預金およびその他の借入金の認識および測定は次のとおりである
      ・ 当初認識時にFVTPLに指定されていないものについては、償却原価で測定され、実効金利法を用いて支払利
        息を認識する。
      ・ 公正価値で管理され、会計上のミスマッチを低減もしくは解消する、または組込デリバティブを含むもの
        は、損益を通じて公正価値で測定するものとして指定する。
     詳細については、注記19「金融資産および金融負債の公正価値」を参照のこと。

     公正価値評価に指定された預金およびその他の借入金について、当グループの自己信用リスクの変動に起因する公
     正価値損益は、利益剰余金のその他の包括利益で認識される。公正価値損益の残りの金額は、純損益に直接認識さ
     れる。その他の包括利益で認識された金額は、その後に損益に再分類されることはない。
     買戻条件付契約により売却した有価証券は、所有に係るリスクおよび経済価値が当グループに留保されていること
     により、当該金融資産を買い戻す負債を表しており、当グループの貸借対照表に引き続き計上されている。売却価
     格と買戻価格の差額は、買戻条件付契約の期間にわたって認識され、損益計算書の支払利息に費用計上される。
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    16.  支払債務およびその他の負債
                                    連結              当行

                                2022年       2021年       2022年       2021年
                                       (単位:百万ドル)
    支払債務および未払費用                             2,896       2,062       2,189       1,526
    公正価値で測定される負債                             3,239       3,913       2,857       3,245
    リース負債                             1,040       1,245       1,628       1,831
                  (1)
    トレイル・コミッション負債                             1,320         -     1,320         -
                                  1,340       1,427        568       642
    その他の負債
                                  9,835       8,647       8,562       7,244
    支払債務およびその他の負債
    (1)  2022年度において、当グループは、住宅ローン・ブローカーに支払う継続的なトレイル・コミッションの取扱いを変更

      し、支払債務およびその他の負債に、予想される将来のトレイル・コミッション未払額の現在価値と同額の負債を認識し
      ている。また、これに対応して増加した仲介手数料の資産計上を正味貸付金および前渡金に認識した。2022年9月30日現
      在の残高は、当グループおよび当行で1,320百万ドルであった。比較情報は修正再表示されていない。
     認識および測定

     当グループは、過去の事象の結果、経済的資源を移転する現在の債務がある場合に負債を認識する。
     その他の負債に区分される各項目の測定基準は以下のとおりである。
      ・ 支払債務、未払費用およびその他の負債は、契約上の支払額または当該支払債務の決済に必要な対価の最善
        の見積りで測定される。
      ・ 公正価値で測定される負債は、活発な市場における相場価格に基づいて測定される売買目的負債である。
      ・ リース負債は、将来支払リース料を、リース開始時における当グループの追加借入利子率を使用した現在価
        値で当初測定される。その後、帳簿価額は、リース負債に対する利息、支払ったリース料およびリースの再
        評価または条件変更を反映して調整される。
      ・ トレイル・コミッション負債は、行動パターンにおける平均的な貸付期間とブローカーが組成する貸付金残
        高を考慮に入れた将来のトレイル・コミッションの予想支払額の現在価値に基づいて測定される。
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    17.  発行済社債
     当グループは、各種の資金調達プログラムを利用して優先債務(カバード・ボンドおよび証券化を含む。)および劣後債務

    を発行している。優先債務と劣後債務の違いは、優先債務の保有者が関連する発行体の債務である劣後債務の保有者に対して
    優先権を有することである。関連する発行体の清算にあたって、劣後債務が返済されるのは、関連する発行体がその預金者、
    その他の債権者および優先債務の保有者に対する返済が行われた後となる。
                                    連結              当行

                                2022年       2021年       2022年       2021年
                                       (単位:百万ドル)
    優先債務                             52,324       58,952       40,325       45,348
    カバード・ボンド                             12,967       15,399       9,371       11,342
                                  1,115       1,424         -       -
    証券化
    非劣後債務合計                             66,406       75,775       49,696       56,690
    劣後債務
     -その他Tier1資本                             7,705       8,506       7,763       8,191
     -Tier2資本                            17,907       16,207       17,907       16,207
                (1)
                                  1,716        566       462        -
     -その他の劣後債務証券
                                 27,328       25,279       26,132       24,398
    劣後債務合計
                                 93,734      101,054       75,828       81,088
    発行済社債合計
                  (2)
    契約上の満期までの残存期間               :
    1年以内                             25,208       22,621       21,990       18,512
    1年超                             66,660       76,594       51,929       60,605
                                  1,866       1,839       1,909       1,971
    満期日なし(永久債)
                                 93,734      101,054       75,828       81,088
    発行済社債合計
    (1)  これには、当行の300百万米ドルの永久劣後債およびANZバンク・ニュージーランドが発行した劣後債が含まれる。2021年

      には当行の300百万米ドルの永久劣後債は、2021年12月に終了したAPRAのバーゼル3移行措置に従って、当グループのTier
      2資本に算入されていた。
    (2)  最終満期日に基づくが、その他Tier1資本証券の場合、強制転換日がある場合はその日に基づく。
     発行済社債の通貨別内訳

     下表は、当グループの発行済社債の通貨別内訳を示したものであり、概して社債保有者の本拠地を表している。
                                    連結              当行

                                2022年       2021年       2022年       2021年
                                       (単位:百万ドル)
    USD    米ドル
                                 25,527       29,788       17,206       22,354
    EUR    ユーロ                         19,923       22,984       14,049       15,294
    AUD    豪ドル                         36,398       35,709       35,259       34,299
    NZD    ニュージーランドドル                         1,628       3,276        46       839
    JPY    日本円                         2,159       1,854       2,159       1,853
    CHF    スイスフラン                          954       940        -       -
    GBP    英ポンド                         5,261       4,286       5,261       4,287
    HKD    香港ドル                          771       727       771       727
    その他    人民元、ノルウェークローネ、シンガポールド
                                  1,113       1,490       1,077       1,435
        ルおよびカナダドル
    発行済社債合計
                                 93,734      101,054       75,828       81,088
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     劣後債務
     2022年9月30日現在、当行が発行したすべての劣後債務は、当グループの規制資本として適格である(当行の300百万米ドル
    の永久劣後債を除く-後述の注釈を参照のこと。)。APRAの適正資本の目的上、当行の劣後債務商品は、当該商品の条件に従
    い、当グループのその他Tier1(「AT1」)資本(ANZキャピタルノート(「ANZ                                     CN」)およびANZ資本証券(「ANZ                CS」)の
    場合)、またはTier2資本(当行の期限付劣後債の場合)のいずれかに分類される。
     ANZバンク・ニュージーランド・リミテッド(「ANZバンク・ニュージーランド」)が外部に発行する劣後債務は、ANZバン
    ク・ニュージーランドと当グループの両方の劣後債務で構成される。当該劣後債務は、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)の
    自己資本要件目的上、ANZバンク・ニュージーランドのTier2資本となるが、当該劣後債務の条件がAPRAの自己資本要件を満た
    さないため、当グループのTier2資本とはならない。
     その商品の発行体に影響するような流動性事由がある場合、Tier2資本商品は、AT1資本商品に優先し、AT1資本商品は普
    通株式のみに優先する。
     AT1資本

     当行のすべての発行済AT1資本商品は、バーゼル3に全面的に準拠した商品である(バーゼル3についての詳細は、注記25
    「資本管理」を参照のこと。)。ANZ                 CNとANZ    CSは、それぞれ同順位である。
     AT1資本商品に係る分配は累積されず、発行体の完全裁量および一定の支払条件(規制上の要件を含む。)のもとで行われ
    る。ANZ    CNに係る分配は、ANZ普通株式に適用されるフランキングと同様のフランキングの対象となる。
     発行体は、定められてる場合には、AT1資本商品について特定の期日および一定の状況下(税務事由、規制事由等)におい
    て、繰上償還または転換オプションを行使することができる。この償還オプションは、APRAの書面による事前承認を条件とす
    る。
     各AT1資本商品は、以下の場合に、不定数のANZ普通株式(所定の転換株数を上限に、転換直前のANZ普通株式の平均市場株
    価から1%割引後の価格に基づく。)に直ちに転換される。
     ・ 当グループまたは当行の普通株式等Tier1資本比率が5.125%以下となった場合(普通株式資本関連のトリガー事由)、
        または
     ・ APRAが、特定の有価証券の転換もしくは償却、または公的資金の注入(もしくは同等の支援)がなければ、当行が存続
        不能に陥ると判断していると、当行に通達した場合(存続不能のトリガー事由)
     定められている場合、AT1資本商品は、以下の日に不定数のANZ普通株式(転換直前の平均市場株価から1%割引後の価格に

    基づく。)に強制的に転換される。
     ・ 定められた強制転換日、または
     ・ 条件に定義されている一定の状況下においてそれよりも早い日。
     ただし、一定の転換基準を満たさない場合、強制転換は所定の期間延期される。

     ANZバンク・ニュージーランドが外部に発行した優先株式は、RBNZの自己資本要件の目的上、ANZバンク・ニュージーランド
    のその他Tier1資本となるが、当該優先株式の条件がAPRAの自己資本の要件を満たさないため、当グループのその他Tier1資
    本とはならない。当該優先株式は、注記24「株主資本」において、非支配持分に含まれている。
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     下表は、当事業年度および前事業年度の9月30日現在における当グループの発行済AT1資本商品の主要な内容である。
                                    連結              当行

                                2022年       2021年       2022年       2021年
                                       (単位:百万ドル)
                    (1)
    その他Tier1資本(永久劣後債)
    ANZキャピタルノート(ANZ             CN)
                  (2)
    AUD    1,610百万
                                    -     1,609         -     1,609
               ANZ  CN2
    AUD    970百万      ANZ  CN3
                                   970       968       985       998
    AUD    1,622百万      ANZ  CN4
                                  1,619       1,617       1,619       1,617
    AUD    931百万      ANZ  CN5
                                   928       927       928       927
    AUD    1,500百万      ANZ  CN6
                                  1,487       1,486       1,487       1,486
    AUD    1,310百万      ANZ  CN7
                                  1,297         -     1,297         -
    ANZ  資本証券    (ANZ   CS)
    USD    1,000百万      ANZ資本証券                   1,404       1,422       1,447       1,554
    ANZ  NZキャピタルノート(ANZ            NZ  CN)
                          (3)
    NZD    500百万
               ANZ  NZキャピタルノート                   -      477        -       -
               (4)
                                  7,705       8,506       7,763       8,191
    その他Tier1資本合計
    (1)  発行費用控除後の帳簿価額。

    (2)  ANZキャピタルノート2は2022年3月24日にすべて償還され、約860百万ドルの償還金は同日にANZキャピタルノート7に再
      投資された。
    (3)  ANZ  NZキャピタルノートは、ANZバンク・ニュージーランド・リミテッドによって、2021年12月31日にすべて償還された。
    (4)  これは、適格その他Tier1資本の一部を構成する。詳細は、注記25「資本管理」を参照のこと。
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     ANZキャピタルノート(ANZ             CN)
                    CN2             CN3             CN4

    発行体                ANZ             ANZ(ニュージーランド支             ANZ
                                 店を通じて発行)
    発行日                2014年3月31日             2015年3月5日             2016年9月27日
    発行額                1,610百万ドル             970百万ドル             1,622百万ドル
    額面価額                100ドル             100ドル             100ドル
    配当の頻度                半期毎に後払い             半期毎に後払い             四半期毎に後払い
    配当率                変動レート:(180日物銀             変動レート:(180日物銀             変動レート:(90日物銀
                    行手形レート+3.25%)           × 行手形レート+3.6%)           ×  行手形レート+4.7%)           ×
                    (1-オーストラリア法             (1-オーストラリア法             (1-オーストラリア法
                    人税率)             人税率)             人税率)
                            (1)
    発行体による繰上償還または転換                             2023年3月24日             2024年3月20日
                    2022年3月24日
    オプション
                            (2)
    強制転換日                             2025年3月24日             2026年3月20日
                    2024年3月24日
    普通株式資本関連のトリガー事由                あり             あり             あり
    存続不能のトリガー事由                あり             あり             あり
    帳簿価額(発行費用控除後)                ゼロ(2021年度:1,609百             970百万ドル(2021年度:             1,619百万ドル(2021年
                    万ドル)             968百万ドル)             度:1,617百万ドル)
                    CN5             CN6             CN7

    発行体                ANZ             ANZ             ANZ
    発行日                2017年9月28日             2021年7月8日             2022年3月24日
    発行額                931百万ドル             1,500百万ドル             1,310百万ドル
    額面価額                100ドル             100ドル             100ドル
    配当の頻度                四半期毎に後払い             四半期毎に後払い             四半期毎に後払い
    配当率                変動レート:(90日物銀             変動レート:(90日物銀             変動レート:(90日物銀
                    行手形レート+3.8%)           ×  行手形レート+3.0%)           ×  行手形レート+2.7%)           ×
                    (1-オーストラリア法             (1-オーストラリア法             (1-オーストラリア法
                    人税率)             人税率)             人税率)
    発行体による繰上償還または転換                2025年3月20日             2028年3月20日             2029年3月20日
    オプション
    強制転換日                2027年3月20日             2030年9月20日             2031年9月20日
    普通株式資本関連のトリガー事由                あり             あり             あり
    存続不能のトリガー事由                あり             あり             あり
    帳簿価額(発行費用控除後)                928百万ドル(2021年度:             1,487百万ドル(2021年             1,297百万ドル(2021年
                    927百万ドル)             度:1,486百万ドル)             度:ゼロ)
    (1)  ANZキャピタルノート2は2022年3月24日にすべて償還され、約860百万ドルの償還金は同日にANZキャピタルノート7に再
      投資された。
    (2)  CN2は全額が償還されているため、今後強制転換日が適用されることはない。
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     ANZ資本証券(ANZ         CS)
       発行体                 ANZ(ロンドン支店を通じて発行)

       発行日                 2016年6月15日
       発行額                 1,000百万米ドル
       額面価額                 最低券面単位200,000米ドルで、それを超える場合の超過額は1,000米ドル
                        の整数倍
       利払の頻度                 半期毎に後払い
       金利                 2026年6月15日まで年利6.75%の固定金利。2026年6月15日およびその5
                        年毎の応当日に、5年物米ドルスワップレート仲値+5.168%の変動金利
                        に再設定
       発行体による繰上償還オプション                 2026年6月15日およびその5年毎の応当日
       普通株式資本関連のトリガー事由                 あり
       存続不能のトリガー事由                 あり
       帳簿価額(発行費用控除後)                 1,404百万ドル(2021年度:1,422百万ドル)
                       (1)

     ANZ  NZキャピタルノート(ANZ            NZ  CN)
       発行体                 ANZバンク・ニュージーランド・リミテッド

       発行日                 2015年3月31日
       発行額                 500百万ニュージーランドドル
       額面価額                 1ニュージーランドドル
       利払の頻度                 四半期毎に後払い
       金利                 2020年5月25日まで年利7.2%の固定金利。2020年5月にニュージーラン
                        ド3か月物銀行手形レート+3.5%の変動金利にレート再設定。
                        利息の支払いは、ANZバンク・ニュージーランドの完全裁量を条件とし、
                        一定の支払条件(APRAとRBNZの要件を含む。)の適用を受ける。
       発行体による繰上償還オプション                 このオプションは2020年5月25日に行使されず、満了した。
       強制転換日                 2022年5月25日
       普通株式資本関連のトリガー事由                 あり
       存続不能のトリガー事由                 あり
       帳簿価額(発行費用控除後)                 ゼロ(2021年度:477百万ドル)
    (1)  ANZ  NZ  CNは、2021年12月31日にANZバンク・ニュージーランド・リミテッドによってすべて償還された。

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     Tier2資本
     当行が発行した転換可能期限付劣後債はバーゼル3に全面的に準拠した商品である。存続不能のトリガー事由が発生した場
    合、各転換可能期限付劣後債は、ANZ普通株式に直ちに転換される(所定の転換株数を上限として、転換直前の平均市場価格か
    ら1%割引後の価格に基づく。)。
     下表は、当事業年度および前事業年度の9月30日現在における当グループのTier2資本劣後債務を示している。
                                       連結            当行

                    次回繰上償還可能
                    日 ― APRAの事前承
                                    2022年      2021年      2022年      2021年
    通貨    額面価額      満期日      認を条件とする         金利
                                          (単位:百万ドル)
                               (1)
    バーゼル3自己資本規制の移行措置適用劣後債(永久債)
    USD    300百万      永久債      半年毎の利払日         変動金利           -     417       -     417
    バーゼル3自己資本規制の移行措置適用劣後債合計
                                       -     417       -     417
    Tier  2 資本  ( 期限付劣後債      )
    USD    800百万      2024年      該当なし         固定金利        1,189      1,173      1,189      1,173
    SGD    500百万      2027年      2022年         固定金利           -     515       -     515
    AUD    200百万      2027年      2022年         固定金利           -     200       -     200
    JPY    20,000百万      2026年      該当なし         固定金利          213      250      213      250
    USD    1,500百万      2026年      該当なし         固定金利        2,113      2,137      2,113      2,137
    JPY    10,000百万      2028年      2023年         固定金利          106      124      106      124
    AUD    225百万      2032年      2027年         固定金利          225      225      225      225
    AUD    1,750百万      2029年      2024年         変動金利        1,750      1,740      1,750      1,740
    EUR    1,000百万      2029年      2024年         固定金利        1,410      1,608      1,410      1,608
    AUD    265百万      2039年      該当なし         固定金利          179      253      179      253
    USD    1,250百万      2030年      2025年         固定金利        1,785      1,782      1,785      1,782
    AUD    1,250百万      2031年      2026年         変動金利        1,250      1,235      1,250      1,235
    USD    1,500百万      2035年      2030年         固定金利        1,830      1,955      1,830      1,955
    AUD    330百万      2040年      該当なし         固定金利          214      304      214      304
    AUD    195百万      2040年      該当なし         固定金利          124      178      124      178
    EUR    750百万      2031年      2026年         固定金利        1,003      1,193      1,003      1,193
    GBP    500百万      2031年      2026年         固定金利          714      918      714      918
    AUD    1,450百万      2032年      2027年         固定金利        1,390        -    1,390        -
    AUD    300百万      2032年      2027年         変動金利          300       -     300       -
    JPY    59,400百万      2032年      2027年         固定金利          627       -     627       -
    SGD    600百万      2032年      2027年         固定金利          618       -     618       -
                             固定金利          867       -     867       -
    AUD    900百万      2034年      2029年
    バーゼル3に全面的に準拠した劣後債合計
                                    17,907      15,790      17,907      15,790
           (2)(3)
                                    17,907      16,207      17,907      16,207
    Tier2資本合計
    (1)  2021年には当行の300百万米ドルの永久劣後債は、2021年12月に終了したAPRAのバーゼル3移行措置に従って、当グループ
      のTier2資本に算入されていた。2022年には、この永久劣後債はその他の劣後債務証券に含まれている。
    (2)  帳簿価額は発行費用控除後であり、該当する場合は公正価値ヘッジ会計調整後である。
    (3)  これは、適格Tier2資本の一部を構成する。詳細については、注記25「資本管理」を参照のこと。
     その他の劣後債務証券

     当行の300百万米ドルの永久劣後債は、当グループの規制資本を構成していない(APRAのバーゼル3資本規制の移行措置の適
    用が、2022年1月から廃止されたため。)。これらの劣後債には、存続不能のトリガー事由は含まれていない。
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     当グループの子会社であるANZバンク・ニュージーランドは、2021年9月に600百万ニュージーランドドルの無担保劣後債を
    発行し、2022年8月に500百万米ドルの無担保劣後債を発行した。これらの劣後債務はRBNZの要件の下ではTier2資本を構成す
    るが、当該劣後債務は(特に)存続不能のトリガー事由を含んでおらず、したがって、当グループの規制資本として適格とな
    るためのAPRAによるTier2資本商品の要件を充足しない。
                                       連結            当行

                    次回繰上償還
                       (1)
                                    2022年      2021年      2022年      2021年
    通貨    額面価額      満期日      可能日         金利
                                          (単位:百万ドル)
                          (2)
    当行が発行したバーゼル3非適格の永久劣後債
    USD    300百万      永久債      半年毎の利払日         変動金利          462       -     462       -
    ANZバンク・ニュージーランド・リミテッドニュージーランド発行
    の期限付劣後債
                             固定金利
    NZD    600百万      2031年      2026年                  524      566       -      -
                             固定金利          730       -      -      -
    USD    500百万      2032年      2027年
    その他の劣後債務
                                     1,716       566      462       -
    (1)  APRAまたはRBNZの事前承認を条件とする(該当する場合)。

    (2)  2021年には当行の300百万米ドルの永久劣後債は、2021年12月に終了したAPRAのバーゼル3移行措置に従って、当グループ
      のTier2資本に算入されていた。
     認識および測定

     発行済社債は、当初公正価値で当初認識され、その後は、損益を通じて公正価値で測定するものとして指定されて
     いる場合を除き、償却原価で測定される。発行済社債に係る支払利息は、実効金利法を用いて計上される。当グ
     ループがヘッジ関係を指定して公正価値ヘッジ会計を開始した場合、ヘッジ対象リスクに起因する公正価値評価
     は、当該社債の帳簿価額を調整することで反映される。
     資本に基づいた転換条項(すなわち、普通株式資本関連のトリガー事由または存続不能のトリガー事由)を持つ劣
     後債務は、損益を通じた公正価値で別個に会計処理される組込デリバティブを含んでいると考えられる。これらの
     トリガー事由を受けた転換にあたり発行される株式の金額は、最大転換数に左右されることから組込デリバティブ
     が生じるが、トリガー事由の発生可能性が低いことを鑑み、報告日現在の評価額は重要な金額ではない。
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    18.  財務リスク管理
    リスク管理の枠組みおよびモデル

     序論
     顧客にバンキングおよびその他の金融サービスを提供する当グループの事業において、金融商品の利用は必須である。これ
    に伴う財務リスク(主に、信用、市場および流動性リスク)は、当グループの主要な重大リスクの重要な部分を占めている。
     当グループは、当グループに影響を及ぼすすべての主要な重大リスクの詳細および当グループのリスク管理活動についての
    詳細な情報を、年次報告書(英文)のガバナンスおよびリスク管理の項で開示している。
     本注記では、当グループの財務リスク管理の方針、プロセスおよび主要な財務リスクと関連する定量的開示を詳述してい
    る。
      主な重要財務リスク                           本リスクに適用される主要な項目

      信用リスク                           ・ 信用リスクの概要、管理および統制責任
      以下の結果発生する財務的損失のリスク。                           ・ 信用リスクの最大エクスポージャー
       ・ 取引相手がその債務の履行を怠る。                          ・ 信用の質
       ・ 取引相手の信用の質が悪化し、結果として財務                          ・ 信用リスクの集中
         的損失をもたらす。                        ・ 担保管理
      信用リスクには、当グループが、気候変動、法律、規
      制もしくは政府あるいは規制当局によって採用される
      その他の政策(カーボンプライシングおよび気候変動
      への適応もしくは軽減政策を含む)の変化から影響を
      受けるおそれのある顧客への貸付に伴うリスクを取り
      入れている。
      市場リスク                           ・ 市場リスクの概要、管理および統制責任
      以下により発生する当グループの利益に対するリス                           ・ 市場リスクの測定
      ク。                           ・ トレーディングに起因する市場リスクおよびト
       ・ 金利、為替レート、信用スプレッド、ボラティ                            レーディングに起因しない市場リスク
         リティおよび相関関係の変動                        ・ FVOCIで測定するものとして指定された持分証券
       ・ 債券価格、コモディティ価格または株価の変動                          ・ 外国為替リスク         ― 構造的エクスポージャー
      流動性および資金調達リスク                           ・ 流動性リスクの概要、管理および統制責任
      当グループが、期日到来時に、以下を含む支払義務を                           ・ 流動性リスクについての重要な測定分野
      履行することができないリスク。                           ・ 流動性リスクの結果
       ・ 預金の払戻しまたは満期を迎えるホールセール                          ・ 当グループの負債の契約上の期日までの残存期
         債務                          間別分析
       ・ 当グループの増加資産に対する資金調達能力の
         不足
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    概要
     リスク管理の枠組みの概要
     この概要は、財務書類利用者が、AASB第7号「金融商品:開示」に基づいて義務付けられる財務上の開示内容の理解におけ
    る手助けとなることを目的としている。この概要は、年次報告書(英文)のガバナンスおよびリスク管理の項と併せて読まれ
    るべきものである。
     取締役会は、当グループのリスク管理の枠組み(「RMF」)を確立し、監視する責任を負う。取締役会は、取締役会のリスク
    委員会(「BRC」)に、当グループのリスク管理方針の策定およびその遵守を監視する権限を委譲している。BRCは、その活動
    を取締役会に定期的に報告している。
     取締役会は以下を含む、当グループの戦略目的を承認する。
     ・ ANZが戦略目的および事業計画の追求において、受け入れる用意があるリスクの程度に関する取締役会の期待値を示した
       リスク選好度ステートメント(「RAS」)
     ・ ANZのリスク管理戦略およびこの戦略を実施するRMFの主要な要素を記述した、リスク管理戦略(RMS)。これには、重大
       な各リスク、ならびにRMFのそれぞれのリスクへの対応方法の概要が、関連する方針、基準および手続きを参照して記述
       されている。また、ANZが重大なリスクをどのように特定、測定、評価、監視、報告および管理または低減するかも含ま
       れている。
     当グループは、研修ならびに管理基準および手続きを通じて、全従業員がその役割および義務を理解しており、規律があり

    信頼性の高い統制環境の維持を目指している。ANZにおいては、リスクは各従業員が責任を担う。
     当グループは、以下の職務を担うチーフ・リスク・オフィサーが率いる独立したリスク管理機能部門を有している。
     ・ リスク・プロファイルおよびリスク管理の枠組みを監視する責任を負う。
     ・ ANZのリスク・プロファイルに重大な影響を及ぼす業務活動および決定に対して実効性のある異議を唱えることができ
       る。
     ・ 懸念事項の適切な上申を可能にするために、独立したBRCへの報告経路を持つ。
     内部監査機能部門は、取締役会監査委員会(「BAC」)に直属している。内部監査は以下を行う。

     ・ リスク管理の枠組みへの遵守とリスク管理の枠組みの有効性を確保することを目的とした、当グループのRMFの年次評価
       を独立した立場から行う。
     ・ リスク管理の枠組みの適切性、有効性および十分性を確保することを目的とした、3年ごとの包括的なレビューを実施
       する。
     ・ 日常業務の有効性の強化を目的として、枠組みおよび/または実務慣行を改善するための勧告を行う。
    信用リスク

     信用リスクの概要、管理および統制責任
     顧客に対する信用供与は、当グループの利益の主要源泉の一つである。この活動は主要リスクでもあるため、当グループは
    その管理に多大な資源を振り向けている。当グループは、多様な市場および多くの法域において、広範囲の貸出およびその他
    の活動に伴う信用リスクを負っている。信用リスクは伝統的な顧客への貸出に加えて、銀行間取引、トレジャリー、貿易金融
    および世界中の資本市場での活動からも生じる。
     当グループの信用リスク管理の枠組みは、取締役会により設定される信用リスク選好度の測定、監視および管理について、
    一貫性のある取組みが当グループ全体に適用されることを確実にしている。信用リスクの監視という職務を果たす際、取締役
    会は、BRCによる支援および助言を受ける。BRCは、以下を行う。
     ・ 信用リスク選好度および与信戦略の設定
     ・ 経営執行陣の裁量を超える与信取引の承認
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     当グループは、エクスポージャーの種類全体にわたっての一貫性を確保し、報告および分析目的で一貫性のある枠組みを提
    供するために、信用リスクを内部格付システム(統一測定基準)を通じて定量化している。このシステムでは、顧客エクス
    ポージャーについて次の項目を測定するためにモデルおよびその他のツールが使用される。
      デフォルト確率(「PD」)                顧客の借入金の元利払いおよび返済能力に対する当グループの評価を反映

                      した顧客の信用格付け(「CCR」)で表される。
      デフォルト時エクスポージャー                元本および利息の返済、予想される与信枠からの追加的な借入の実行なら
      (「EAD」)                びに経過利息を考慮に入れた、デフォルト時での予想貸借対照表エクス
                      ポージャー。
      デフォルト時損失率(「LGD」)                AからGまでの担保指標(「SI」)は、顧客のデフォルト時に当グループが
                      現金化することができる担保で貸付金がカバーされている割合を参照して
                      計算される。AからGまでの指標は、預金額やソブリン支援等の要素を取り
                      扱う一連のその他のSIで補完される。リテールおよび一部の小規模企業向
                      け貸付については、エクスポージャーは大きな同質的なプールにグループ
                      分けされ、LGDはプールのレベルで指定される。
     当グループの信用リスク専門家のチームは、当グループのPDおよびLGD格付モデルを策定し、検証する。これら
     のモデルから得られたアウトプットにより、組成、価格設定、承認レベル、自己資本比率規制、経済的資本配分
     および信用供与などに関して当グループの日々の信用リスク管理上の決定が行われている。
     ANZが与信関係を有するすべての顧客には、次の評価手法のいずれかを通じて、組成時にCCRが割り当てられる。

     大口かつ複雑な貸付                          リテールおよび一部の小規模企業向け貸付

     格付モデルにより一貫性のある体系的な評価が提供で                          スコアリング(アプリケーション上および行動パター
     きるが、モデルで想定されていない要因に関しては判                          ンの)、ポリシー・ルールおよび外部の信用報告の情
     断が求められる。与信承認は、事業部門の引受担当者                          報を組み合わせたものを使用する、与信申請の自動評
     と独立したクレジット・オフィサーが共同で承認する                          価。与信申請が、自動評価の基準を満たさない場合、
     二重承認基準で行われている。                          マニュアル評価の対象となる。
     当グループでは、金融資産の信用度を管理するために、当グループの内部CCRを使用している。広範な比較を可能にするため

    に、当グループのCCRは、以下のように外部の格付機関の測定基準に合わせて作成されている。
                                         ムーディーズ

                                                  S&Pグローバル
     信用の質の説明         内部CCR       ANZ顧客要件                    格付け        格付け
     信用度が高い         CCR  0+から4-     長期にわたる営業活動および財務成績に                    Aaa  – Baa3     AAA  – BBB-
                     おいて優れた安定性を示し、収益力が予
                     測可能な事象に対してそれほど脆弱では
                     ない。
     受入れ可能         CCR  5+から6-     中には景気循環傾向および利益の変動性                    Ba1  – B1     BB+  – B+
                     の影響を受けやすい顧客が存在する可能
                     性があるものの、中期から長期にわたり
                     適切な営業上および財政上の安定性を示
                     している。
     信用度が低い         CCR  7+から8=     短期および場合によっては中期にわたり                    B2  - Caa      B - CCC
                     収益性および流動性の変動および不確実
                     性が予想されることから、いくらかの営
                     業上および財政上の不安定性を示してい
                     る。
     デフォルト         CCR  8-から10     与信枠の回収可能性に関して疑いが生じ                    該当なし        該当なし
                     た場合、当該金融商品(または「当該与
                     信枠」)はデフォルトに分類される。
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     信用リスクの最大エクスポージャー
     貸借対照表上で認識されている金融資産の場合、信用リスクの最大エクスポージャーは、帳簿価額である。一定の状況にお
    いて、貸借対照表上の帳簿価額と以下の表において公表される額には差異がある場合がある。これらの差異は主に、市場リス
    クにさらされる持分商品または紙幣および硬貨など、信用リスク以外のリスクにさらされる金融資産について生じる。
     未実行の与信枠について、信用リスクの最大エクスポージャーは、与信枠の総額である。偶発的なエクスポージャーについ
    て、信用リスクの最大エクスポージャーは、かかる請求が行われた場合に当グループが支払わなければならない最大額であ
    る。
     下表は、担保またはその他の信用補完を考慮前の当グループの帳簿上および帳簿外の信用リスクの最大エクスポージャーを

    示したものである。
                                              信用リスクの最大エクス

                                        (1)
                       報告金額                          ポージャー
                                    除外金額
                    2022年      2021年       2022年       2021年       2022年      2021年
                                  (単位:百万ドル)
    連結
    貸借対照表勘定
    正味貸付金および前渡金                 672,407      629,719          -       -   672,407      629,719
    その他金融資産:

      現金および現金同等物               168,132      151,260        1,147       1,127     166,985      150,133
      ANZの未収決済残高                4,762      7,530       4,762       7,530        -      -
      支払担保               12,700       9,166         -       -    12,700       9,166
      売買目的資産               35,237      44,688       3,860       4,996      31,377      39,692
      デリバティブ金融商品               90,174      38,736         -       -    90,174      38,736
      投資有価証券
      -償却原価で測定される
       負債証券              7,943      7,031         -       -    7,943      7,031
      -FVOCIで測定される負債
       証券              76,817      74,743         -       -    76,817      74,743
      -FVOCIで測定される持分
       証券              1,353      1,310       1,353       1,310        -      -
      -FVTPLで測定される負債
       証券                40      42       -       -      40      42
      規制上の預け金                 632      671        -       -     632      671
             (2)
                      2,943      2,054         -       -    2,943      2,054
      その他金融資産
                     400,733      337,231       11,122       14,963      389,611      322,268
    その他金融資産合計
                    1,073,140       966,950       11,122       14,963     1,062,018       951,987
    小計
    帳簿外のポジション
                 (3)
                     285,041      259,789          -       -   285,041      259,789
    未実行および条件付与信枠
    合計
                    1,358,181      1,226,739        11,122       14,963     1,347,059      1,211,776
    (1)  現金および現金同等物のうちの硬貨、紙幣および銀行預金、ANZの未収決済残高のうちの約定日基準の資産、売買目的資産

      のうちの持分証券、貴金属のエクスポージャーおよびカーボンクレジット、ならびに投資有価証券のうちの持分証券は、
      信用リスク・エクスポージャーを伴わないため、除外されている。
    (2)  その他金融資産は、主に未収利息および引受手形で構成されている。
    (3)  未実行および条件付与信枠には、保証、信用状、履行関連の偶発債務を、一括評価および個別評価される予想信用損失引
      当金を控除したうえで含めている。
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                                              信用リスクの最大エクス
                                        (1)
                       報告金額            除外金額             ポージャー
                    2022年      2021年       2022年       2021年       2022年      2021年
                                  (単位:百万ドル)
    当行
    貸借対照表勘定
    正味貸付金および前渡金                 537,345      488,487          -       -   537,345      488,487
    その他金融資産:

      現金および現金同等物               155,483      141,436         787       721    154,696      140,715
      ANZの未収決済残高                4,024      7,183       4,024       7,183        -      -
      支払担保               11,368       8,343         -       -    11,368       8,343
      売買目的資産               28,073      34,752       3,348       4,957      24,725      29,795
      デリバティブ金融商品               88,056      38,292         -       -    88,056      38,292
      投資有価証券
      -償却原価で測定される
       負債証券              6,115      5,263         -       -    6,115      5,263
      -FVOCIで測定される負債
       証券              65,257      61,623         -       -    65,257      61,623
      -FVOCIで測定される持分
       証券              1,027      1,054       1,027       1,054        -      -
      -FVTPLで測定される負債
       証券                 -      -       -       -      -      -
      規制上の預け金                 249      213        -       -     249      213
      被支配法人に対する債権               22,860      23,530         -       -    22,860      23,530
             (2)
                      1,882      1,371         -       -    1,882      1,371
      その他金融資産
                     384,394      323,060        9,186      13,915      375,208      309,145
    その他金融資産合計
                     921,739      811,547        9,186      13,915      912,553      797,632
    小計
    帳簿外のポジション
                 (3)
                     246,722      220,445          -       -   246,722      220,445
    未実行および条件付与信枠
    合計
                    1,168,461      1,031,992         9,186      13,915     1,159,275      1,018,077
    (1)  現金および現金同等物のうちの硬貨、紙幣および銀行預金、ANZの未収決済残高のうちの約定日基準の資産、売買目的資産

      のうちの持分証券、貴金属のエクスポージャーおよびカーボンクレジット、ならびに投資有価証券のうちの持分証券は、
      信用リスク・エクスポージャーを伴わないため、除外されている。
    (2)  その他金融資産は、主に未収利息および引受手形で構成されている。
    (3)  未実行および条件付与信枠には、保証、信用状、履行関連の偶発債務を、一括評価および個別評価される予想信用損失引
      当金を控除したうえで含めている。
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                                                           有価証券報告書
     信用の質
     下表は、担保またはその他の信用補完の影響を考慮しないステージごとの当グループの内部信用度格付に基づいて、当グ
    ループの信用リスク・エクスポージャーの内訳を示したものである。
     正味貸付金および前渡金

                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    2022年9月30日現在
    信用度が高い                       443,571       15,880         -      -   459,451
    受入れ可能                       154,823       31,864         -      -   186,687
    信用度が低い                        9,197      9,244         -      -    18,441
                               -      -    3,328      1,043       4,371
    デフォルト
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
    総額                       607,591       56,988       3,328      1,043     668,950
                            (1,141)       (1,548)       (360)      (533)      (3,582)
    ECL引当金
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
                           606,450       55,440       2,968       510    665,368
    純額
                            0.19%      2.72%      10.82%      51.10%       0.54%
    引当率
    損益を通じて公正価値で測定される貸付金
    および前渡金                                                  4,675
    前受収益                                                   (518)
    資産計上された仲介手数料およびその他の
                                                      2,882
    組成費用
                                                     672,407
    正味帳簿価額
    2021年9月30日現在

    信用度が高い                       412,821       12,596         -      -   425,417
    受入れ可能                       146,368       31,228         -      -   177,596
    信用度が低い                        7,921      12,907         -      -    20,828
                               -      -    3,754      1,549       5,303
    デフォルト
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
    総額                       567,110       56,731       3,754      1,549     629,144
                             (968)     (1,994)       (417)      (666)      (4,045)
    ECL引当金
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
                           566,142       54,737       3,337       883    625,099
    純額
                            0.17%      3.51%      11.11%      43.00%       0.64%
    引当率
    損益を通じて公正価値で測定される貸付金
    および前渡金                                                  3,620
    前受収益                                                   (434)
    資産計上された仲介手数料およびその他の
                                                      1,434
    組成費用
                                                     629,719
    正味帳簿価額
                                345/572







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     正味貸付金および前渡金
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    当行
    2022年9月30日現在
                           334,850        9,641         -      -   344,491
    信用度が高い
                           142,772       26,186         -      -   168,958
    受入れ可能
                            9,181      7,759         -      -    16,940
    信用度が低い
                               -      -    2,744       853      3,597
    デフォルト
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
                           486,803       43,586       2,744       853    533,986
    総額
                             (946)     (1,259)       (295)      (425)      (2,925)
    ECL引当金
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
                           485,857       42,327       2,449       428    531,061
    純額
                            0.19%      2.89%      10.75%      49.82%       0.55%
    引当率
    損益を通じて公正価値で測定される貸付金
                                                      4,263
    および前渡金
                                                       (480)
    前受収益
    資産計上された仲介手数料およびその他の
                                                      2,501
    組成費用
                                                     537,345
    正味帳簿価額
    2021年9月30日現在

                           297,511        9,329         -      -   306,840
    信用度が高い
                           131,979       25,538         -      -   157,517
    受入れ可能
                            7,913      11,038         -      -    18,951
    信用度が低い
                               -      -    3,089      1,345       4,434
    デフォルト
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
                           437,403       45,905       3,089      1,345     487,742
    総額
                             (797)     (1,679)       (348)      (563)      (3,387)
    ECL引当金
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
                           436,606       44,226       2,741       782    484,355
    純額
                            0.18%      3.66%      11.27%      41.86%       0.69%
    引当率
    損益を通じて公正価値で測定される貸付金
                                                      3,472
    および前渡金
                                                       (390)
    前受収益
    資産計上された仲介手数料およびその他の
                                                      1,050
    組成費用
                                                     488,487
    正味帳簿価額
                                346/572









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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
     帳簿外のコミットメント-未実行および条件付与信枠
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    2022年9月30日現在
    信用度が高い                       191,363        1,703         -      -   193,066
    受入れ可能                        18,583       3,078         -      -    21,661
    信用度が低い                         774       706       -      -    1,480
                               -      -     113       19      132
    デフォルト
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、総額                       210,720        5,487       113       19    216,339
    その他引当金に含まれるECL引当金
                             (593)      (144)       (29)       (9)     (775)
    (注記23参照)
                           210,127        5,343        84      10    215,564
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、純額
                            0.28%      2.62%      25.66%      47.37%       0.36%
    引当率
                       (1)
                                                      69,477
    ECLの対象外の未実行および条件付与信枠
                                                     285,041
    未実行および条件付与信枠、純額
    2021年9月30日現在

    信用度が高い                       174,808        1,754         -      -   176,562
    受入れ可能                        23,799       3,564         -      -    27,363
    信用度が低い                        1,030      1,185         -      -    2,215
                               -      -     138       50      188
    デフォルト
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、総額                       199,637        6,503       138       50    206,328
    その他引当金に含まれるECL引当金
                             (555)      (211)       (19)      (21)      (806)
    (注記23参照)
                           199,082        6,292       119       29    205,522
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、純額
                            0.28%      3.24%      13.77%      42.00%       0.39%
    引当率
                       (1)
                                                      54,267
    ECLの対象外の未実行および条件付与信枠
                                                     259,789
    未実行および条件付与信枠、純額
    (1)  通知をすることなく、無条件で随時取消可能なコミットメント。

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                                                           有価証券報告書
     帳簿外のコミットメント-未実行および条件付与信枠
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
    当行
                                     (単位:百万ドル)
    2022年9月30日現在
    信用度が高い                       185,979        1,725         -      -   187,704
    受入れ可能                        15,496       2,306         -      -    17,802
    信用度が低い                         711       463       -      -    1,174
                               -      -      97      13      110
    デフォルト
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、総額                       202,186        4,494        97      13    206,790
    その他引当金に含まれるECL引当金
                             (530)      (112)       (26)       (5)     (673)
    (注記23参照)
                           201,656        4,382        71       8   206,117
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、純額
                            0.26%      2.49%      26.80%      38.46%       0.33%
    引当率
                       (1)
                                                      40,605
    ECLの対象外の未実行および条件付与信枠
                                                     246,722
    未実行および条件付与信枠、純額
    2021年9月30日現在

    信用度が高い                       162,232        1,745         -      -   163,977
    受入れ可能                        19,790       2,662         -      -    22,452
    信用度が低い                        1,005        966       -      -    1,971
                               -      -      91      28      119
    デフォルト
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、総額                       183,027        5,373        91      28    188,519
    その他引当金に含まれるECL引当金
                             (484)      (171)       (12)       (7)     (674)
    (注記23参照)
                           182,543        5,202        79      21    187,845
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、純額
                            0.26%      3.18%      13.19%      25.00%       0.36%
    引当率
                       (1)
                                                      32,600
    ECLの対象外の未実行および条件付与信枠
                                                     220,445
    未実行および条件付与信枠、純額
    (1)  通知をすることなく、無条件で随時取消可能なコミットメント。

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                                                           有価証券報告書
     投資有価証券-償却原価で測定される負債証券
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    2022年9月30日現在
    信用度が高い                        6,279         -      -      -    6,279
    受入れ可能                         113        -      -      -      113
                            1,589         -      -      -    1,589
    信用度が低い
    償却原価で測定される投資有価証券
    -負債証券、総額                        7,981         -      -      -    7,981
                             (38)        -      -      -      (38)
    ECL引当金
    償却原価で測定される投資有価証券
                            7,943         -      -      -    7,943
    -負債証券、純額
                            0.48%         -      -      -    0.48%
    引当率
    2021年9月30日現在

    信用度が高い                        5,574         -      -      -    5,574
    受入れ可能                         121        -      -      -      121
                            1,367         -      -      -    1,367
    信用度が低い
    償却原価で測定される投資有価証券
    -負債証券、総額                        7,062         -      -      -    7,062
                             (31)        -      -      -      (31)
    ECL引当金
    償却原価で測定される投資有価証券
                            7,031         -      -      -    7,031
    -負債証券、純額
                            0.44%         -      -      -    0.44%
    引当率
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    当行
    2022年9月30日現在
    信用度が高い                        6,032         -      -      -    6,032
                              84       -      -      -      84
    受入れ可能
    償却原価で測定される投資有価証券
    -負債証券、総額                        6,116         -      -      -    6,116
                              (1)       -      -      -      (1)
    ECL引当金
    償却原価で測定される投資有価証券
                            6,115         -      -      -    6,115
    -負債証券、純額
                            0.02%         -      -      -    0.02%
    引当率
    2021年9月30日現在

    信用度が高い                        5,162         -      -      -    5,162
                             102        -      -      -      102
    受入れ可能
    償却原価で測定される投資有価証券
    -負債証券、総額                        5,264         -      -      -    5,264
                              (1)       -      -      -      (1)
    ECL引当金
    償却原価で測定される投資有価証券
                            5,263         -      -      -    5,263
    -負債証券、純額
                            0.02%         -      -      -    0.02%
    引当率
                                349/572





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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
     投資有価証券-FVOCIで測定される負債証券
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    2022年9月30日現在
    信用度が高い                        76,668         -      -      -    76,668
                             149        -      -            149
    受入れ可能
    投資有価証券-FVOCIで測定される負債証券                        76,817         -      -      -    76,817
                             (10)        -      -      -      (10)
    その他の包括利益に認識されているECL引当金
                            0.01%         -      -      -    0.01%
    引当率
    2021年9月30日現在

    信用度が高い                        74,541         -      -      -    74,541
                             202        -      -      -      202
    受入れ可能
    投資有価証券-FVOCIで測定される負債証券                        74,743         -      -      -    74,743
                             (11)        -      -      -      (11)
    その他の包括利益に認識されているECL引当金
                            0.01%         -      -      -    0.01%
    引当率
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    当行
    2022年9月30日現在
    信用度が高い                        65,257         -      -      -    65,257
                               -      -      -      -       -
    受入れ可能
    投資有価証券-FVOCIで測定される負債証券                        65,257         -      -      -    65,257
                              (7)       -      -      -      (7)
    その他の包括利益に認識されているECL引当金
                            0.01%         -      -      -    0.01%
    引当率
    2021年9月30日現在

    信用度が高い                        61,623         -      -      -    61,623
                               -      -      -      -       -
    受入れ可能
    投資有価証券-FVOCIで測定される負債証券                        61,623         -      -      -    61,623
                              (7)       -      -      -      (7)
    その他の包括利益に認識されているECL引当金
                            0.01%         -      -      -    0.01%
    引当率
                                350/572









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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
     その他金融資産
                                      連結             当行

                                  2022年      2021年      2022年       2021年
                                        (単位:百万ドル)
    信用度が高い                              301,735      235,847      301,771       238,452
         (1)
    受入れ可能                               2,164      3,513      1,707       3,026
    信用度が低い                                945     1,122       351       769
                                     7      12       7      12
    デフォルト
                                  304,851      240,494      303,836       242,259
    帳簿価額合計
    (1)  投資有価証券-FVTPLで測定される負債証券が、当グループについて40百万ドル(2021年度:42百万ドル)含まれ、当行に

      ついては、ゼロ(2021年度:ゼロ)含まれている。
     信用リスクの集中

     信用リスクの集中は、多くの顧客が、類似した活動に従事している、類似した経済的特性を有している、または同一の地域
    で類似した活動を行っており、そのため経済またはその他の状況の変化から同様の影響を受ける可能性がある場合に生じる。
    当グループは、リスクの集中を管理するために与信ポートフォリオの監視および再調整を行っている。当グループはまた、単
    一顧客への許容できない大規模エクスポージャーを回避するために、個別顧客限度額を設定している。
     信用リスクが生じる金融商品の産業別内訳は以下のとおりである。
                                     簿外信用関連のコ

                貸付金および前渡金            その他金融資産           ミットメント             合計
                2022年      2021年     2022年     2021年     2022年     2021年      2022年      2021年
                                (単位:百万ドル)
    連結
    農業、林業、漁業
                 33,668      34,862       781     335    17,694     16,034      52,143      51,231
    および鉱業
                 9,252      9,161      242     119    6,245     6,429     15,739      15,709
    ビジネスサービス
                 6,155      5,886       48     46    6,594     6,458     12,797      12,390
    建設
                 9,650      6,513      790     807    9,865     9,053     20,305      16,373
    電力、ガス、水道供給
    娯楽、レジャーおよび
                 12,886      12,710       89     157    3,691     3,862     16,666      16,729
    観光
                 75,118      56,107     305,148     229,273      58,075     50,568     438,341      335,948
    金融、投資および保険
                 7,280      4,651     71,139     83,741      1,592     1,798     80,011      90,190
    政府および公的機関
                 28,072      23,752      1,279      741    46,701     37,696      76,052      62,189
    製造業
                363,539      361,814       955     664    57,989     57,410     422,483      419,888
    個人ローン
                 55,203      50,396       606     489    17,862     16,673      73,671      67,558
    不動産業
                 11,648      9,967       98     104    7,076     8,444     18,822      18,515
    小売業
                 12,311      11,710       327     437    8,423     8,257     21,061      20,404
    運輸および倉庫
                 15,215      12,434      1,235      583    28,042     20,899      44,492      33,916
    卸売業
                 33,628      32,801      6,912     4,803     15,967     17,014      56,507      54,618
    その他
                673,625      632,764     389,649     322,299     285,816     260,595     1,349,090      1,215,658
    総計
                 (3,582)      (4,045)       (38)     (31)     (775)     (806)     (4,395)      (4,882)
    ECL引当金
                670,043      628,719     389,611     322,268     285,041     259,789     1,344,695      1,210,776
    小計
                  (518)      (434)       -     -     -     -    (518)      (434)
    前受収益
    資産計上された仲介
    手数料およびその他の
                 2,882      1,434       -     -     -     -    2,882      1,434
    組成費用
    信用リスクの最大
                672,407      629,719     389,611     322,268     285,041     259,789     1,347,059      1,211,776
    エクスポージャー
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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
     信用リスクが生じる金融商品の産業別内訳は以下のとおりである。
                                     簿外信用関連のコ

                貸付金および前渡金            その他金融資産           ミットメント             合計
                2022年      2021年     2022年     2021年     2022年     2021年      2022年      2021年
                                (単位:百万ドル)
    当行
    農業、林業、漁業およ
    び鉱業            19,065      18,283       751     297    16,304     14,305      36,120      32,885
    ビジネスサービス             8,382      8,096      202      73    5,517     5,618     14,101      13,787
    建設             5,004      4,710       42     30    5,376     5,241     10,422       9,981
    電力、ガス、水道供給             8,820      5,523      533     580    8,526     7,356     17,879      13,459
    娯楽、レジャーおよび
    観光            11,267      10,934       58     138    3,192     3,404     14,517      14,476
    金融、投資および保険            71,889      52,230     306,318     236,430      53,970     46,971     432,177      335,631
    政府および公的機関             7,272      4,621     58,342     65,429       910    1,113     66,524      71,163
    製造業            24,645      20,143       664     369    39,279     30,794      64,588      51,306
    個人ローン            282,095      278,526       912     638    47,596     45,886     330,603      325,050
    不動産業            42,592      37,580       531     379    15,640     14,424      58,763      52,383
    小売業            10,048      8,273       74     82    6,279     7,298     16,401      15,653
    運輸および倉庫            11,231      10,564       270     339    7,252     7,229     18,753      18,132
    卸売業            13,055      10,345       791     380    24,185     17,462      38,031      28,187
                 22,884      21,386      5,721     3,982     13,369     14,018      41,974      39,386
    その他
                538,249      491,214     375,209     309,146     247,395     221,119     1,160,853      1,021,479
    総計
                 (2,925)      (3,387)       (1)     (1)    (673)     (674)     (3,599)      (4,062)
    ECL引当金
                535,324      487,827     375,208     309,145     246,722     220,445     1,157,254      1,017,417
    小計
    前受収益             (480)      (390)       -     -     -     -    (480)      (390)
    資産計上された仲介手
    数料およびその他の
                 2,501      1,050       -     -     -     -    2,501      1,050
    組成費用
    信用リスクの最大
                537,345      488,487     375,208     309,145     246,722     220,445     1,159,275      1,018,077
    エクスポージャー
     担保管理

     当行は、帳簿上および帳簿外のエクスポージャーについて、取引相手が返済義務を履行することができない場合の信用リス
    クを低減するために担保を利用している。十分な担保が設定されている場合は、予想信用損失は認識されない。これは主に、
    貸付けた資金を使用して購入した有価証券が担保に供されているマージンローンや売戻条件付契約などの特定の貸付商品の場
    合である。一部の商品については、顧客が差し入れる担保は当該商品の組成に不可欠であり、そのため担保は厳密には返済の
    ための二次的な資金源にならない。                 例えば、売掛金で担保されている貸付は一般的には売掛金を回収することによって返済さ
    れる。当期中に、当グループの担保方針に変更はなかった。
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     関連する金融資産の種類について保有する担保および保証の内容は次のとおりである。
     正味貸付金および前渡金

     貸付金   ― 住宅ローンおよび個人             住宅ローンは、不動産に対する抵当権によって担保されており、追加担保
                      は保証または預り金の形態をとる場合もある。
     ローン
                      個人ローン(クレジットカードおよび当座貸越を含む。)は、大半が無担
                      保である。担保を設定する場合は、適格な車両、モーターホームおよびそ
                      の他の資産に限定される。
     貸付金   ― 企業向け貸付金             企業向け貸付金は、担保付、部分担保付または無担保のいずれかである。
                      通常、不動産に対する抵当権および/または事業資産またはその他の資産
                      に対する担保権により担保を設定する。
                      適切な場合は、信用リスクを低減するために、保証、スタンドバイ信用状
                      またはデリバティブによるプロテクション等のその他の担保措置をとる場
                      合がある。
     その他金融資産
     売買目的資産、投資有価証券、                 売買目的資産については、当行は発行体または取引相手からの直接的な担
                      保は求めない。ただし、商品の条件において担保が含まれている場合があ
     デリバティブおよびその他
                      る(例えば、資産担保証券)。債券の条件には、担保が含まれている場合
     金融資産
                      がある。
                      デリバティブに関する取引相手のデフォルトの際に、当行は通常、国際ス
                      ワップ・デリバティブ協会(「ISDA」)のマスター契約に基づいて、当該
                      取引相手とのすべての契約を解約し、デフォルト発生時点の市場水準で純
                      額決済する。
                      当行は、また、取引相手との未決済デリバティブ・ポジションが集計さ
                      れ、日次で現金担保(またはその他の形態の適格担保)を交換するISDAマ
                      スター契約のクレジット・サポート・アネックス(「CSA」)の利用を優先
                      的な慣行としている。担保は、取引相手のポジションがアウト・オブ・
                      ザ・マネーとなった際に取引相手から提供される(または、ANZのポジショ
                      ンがアウト・オブ・ザ・マネーとなった際に取引相手に提供される。)。
     帳簿外のポジション
     未実行および条件付与信枠                 帳簿外のポジションの担保は、主に未実行の与信枠に対して保有され、通
                      常は契約履行保証または保証である。未実行の与信枠には、住宅用不動産
                      の抵当付住宅ローン、商用不動産および/または事業資産を担保にした事
                      業融資などがある。
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     下表は、当グループが保有する担保の見積価値および信用エクスポージャーの正味無担保部分を表示している。
                        信用リスクの最大エクス                       信用エクスポージャー

                           ポージャー           担保の価値総額            の無担保分
                         2022年      2021年      2022年     2021年      2022年      2021年
                                    (単位:百万ドル)
    連結
    正味貸付金および前渡金                    672,407      629,719     531,815     515,866      140,592      113,853
    その他金融資産                    389,611      322,268      24,758     24,410     364,853      297,858
                         285,041      259,789      60,544     52,512     224,497      207,277
    帳簿外のポジション
                        1,347,059      1,211,776      617,117     592,788      729,942      618,988
    合計
                        信用リスクの最大エクス                       信用エクスポージャー

                           ポージャー           担保の価値総額            の無担保分
                         2022年      2021年      2022年     2021年      2022年      2021年
                                    (単位:百万ドル)
    当行
    正味貸付金および前渡金                    537,345      488,487     407,610     387,273      129,735      101,214
    その他金融資産                    375,208      309,145      19,492     22,027     355,716      287,118
                         246,722      220,445      38,618     36,676     208,104      183,769
    帳簿外のポジション
                        1,159,275      1,018,077      465,720     445,976      693,555      572,101
    合計
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    市場リスク
     市場リスクの概要、管理および統制責任
     市場リスクは当グループのトレーディング活動、貸借対照表管理活動、金利、外国為替相場、信用スプレッドの変動または
    相関の影響、および債券、コモディティまたは株式の価格のボラティリティから生じる。
     BRCは、市場リスクおよび市場リスク方針の遵守状況に関する日々の統制責任を、信用および市場リスク委員会(CMRC)なら
    びにグループ資産負債委員会(「GALCO」)へ委譲している。
     BRCが定めた全体的な戦略および方針の範囲内で、事業部門およびリスク管理は、グループレベルでの市場リスクの統制に対
    して共同で責任を負う。市場リスク・チーム(事業部門から独立した専門家で構成されるリスク管理部門)は、市場リスク限
    度額を様々なレベルで配分し、これらを日次で監視および報告する。この詳細な枠組みにより、リスク要因と損益限度額を使
    用して、エクスポージャーを管理および統制するための個別の限度額が配分される。
     市場リスクの管理、測定および報告は、大まかに2つの区分で行われている。
     トレーディングに起因する市場リスク                              トレーディングに起因しない市場リスク

     現物のトレーディング・ポジションとデリバティブのトレー                              トレーディングに起因しない金利リスク、流動
     ディング・ポジションの双方の価格要素の変動に起因する金融                              性リスクおよび外国為替エクスポージャーの管
     商品の価値変動による損失リスク。監視される主なリスクの種                              理に伴う損失リスク。これには、銀行勘定にお
     類は以下のとおりである。                              ける金利リスクが含まれる。損失リスクは、金
     1. 通貨リスク       ― 外国為替相場またはその予想ボラティリティ                      利の全体的な水準および異なった期間の相対的
                                   水準における不利な変動、金利マージンの実際
       の変動から発生する潜在的損失。
                                   と予想の差異、ならびに、金融商品および銀行
     2. 金利リスク       ― 市場金利またはその予想ボラティリティの変
                                   商品における組込オプションに伴う潜在的な評
       動による潜在的損失。
                                   価リスクから発生する。
     3. 信用スプレッド・リスク             ― ベンチマークに対するマージン
       またはスプレッドの変動から発生する潜在的損失。
     4. コモディティ・リスク            ― コモディティ価格またはその予想
       ボラティリティの変動から発生する潜在的損失。
     5. 株式リスク       ― 株価の変動から発生する潜在的損失。
     市場リスクの測定

     当グループは、主にバリュー・アット・リスク(「VaR」)、感応度分析およびストレステストを使用して、市場リスクを管
    理および統制している。
     VaRは、過去の市場の動きに基づいて、当グループの潜在的な1日の損失を測定する。
     当グループでは、トレーディングおよび非トレーディング・リスクの双方に関して、過去のデータに基づくシミュレーショ
    ンを行うことでVaRを測定している。当行は、以下の期間にわたる過去の市場レート、価格およびボラティリティの変動を使用
    する。
     ・ 標準的VaRを算出するために、過去500営業日
     ・ ストレス下のVaRを算出するために1年間のストレス下の期間
     トレーディングに起因するVaRおよびトレーディングに起因しないVaRは、1日および10日の保有期間を用いて算出されてい

    る。ストレス下のVaRについては、10日間の保有期間を用いる。当グループのVaRモデルが正確性を維持していることを確保す
    るために、バックテストが用いられる。
     ANZはVaRを99%の信頼区間で測定しているが、このことは、保有期間に損失がVaRを上回らない確率が99%ということを意味
    する。
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    トレーディングに起因する市場リスクおよびトレーディングに起因しない市場リスク
     トレーディングに起因する市場リスク
     下表は、リスク・カテゴリー別に分散化された基準でトレーディングに起因する市場リスクを示している。
                       2022年                      2021年

               当該日     年度最高     年度最低     年度平均      当該日     年度最高     年度最低     年度平均
                               (単位:百万ドル)
    連結
    信頼水準99%の
    トレーディングに
    起因するVaR
    外国為替            1.8     4.8     1.1     2.4      3.8     10.0      1.3     3.9
    金利            7.9     22.7      5.0     9.5      9.6     19.6      4.3     8.8
    クレジット            2.6     11.8      1.6     4.9      6.3     22.2      5.3     13.7
    コモディティ            4.3     7.0     1.4     2.9      3.1     5.0     1.3     2.8
    株式             -     -     -     -      -     -     -     -
        (1)
                (7.2)   該当なし     該当なし        (7.1)      (9.4)   該当なし     該当なし        (9.7)
    分散効果
                 9.4     26.9      5.6     12.6      13.4     30.0      8.7     19.5
    VaR合計
                       2022年                      2021年

               当該日     年度最高     年度最低     年度平均      当該日     年度最高     年度最低     年度平均
                               (単位:百万ドル)
    当行
    信頼水準99%の
    トレーディングに
    起因するVaR
    外国為替            2.0     5.1     0.9     2.4      3.4     7.6     1.5     3.5
    金利            6.7     18.6      4.9     8.8      9.0     16.4      4.1     7.5
    クレジット            2.0     11.9      1.3     4.7      5.8     22.1      5.3     13.3
    コモディティ            1.4     7.2     0.9     2.8      2.3     5.4     1.4     2.7
    株式             -     -     -     -      -     -     -     -
        (1)
                (4.2)   該当なし     該当なし        (7.4)      (6.0)   該当なし     該当なし       (10.1)
    分散効果
                 7.9     23.4      5.4     11.3      14.5     26.0      9.6     16.9
    VaR合計
    (1)  分散効果は、リスク・カテゴリー全体にわたって相殺されたリスクを反映している。VaR値の最高および最低はグループ全
      体として報告されているため、各要素について報告されたVaR値の最高および最低は、必ずしも同日に発生したわけではな
      い。そのため、最高および最低についての分散効果は重要なものではなく、したがって、表からは省略されている。
     トレーディングに起因しない市場リスク

     貸借対照表リスク管理
     貸借対照表リスク管理の主な目的は、金利リスクや流動性リスクを許容可能な水準に保ち、金利動向が収益や当グループの
    銀行勘定の時価にもたらす負の影響を軽減する一方、当グループが十分な流動性を確保し、期日の到来する債務の履行を可能
    にすることである。
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     金利リスク管理
     トレーディングに起因しない金利リスクとは、市場における金利変動が当グループの将来の純利息収益に及ぼす潜在的に不
    利な影響に関連するものである。このリスクは、主に2つの原因から生じる。                                    すなわち、利付資産と利付負債の間の金利更改
    時期のミスマッチ、そして資本やその他の無利息の負債および資産の投資である。金利リスクは、VaRおよびシナリオ分析
    (1%変動の影響の分析)を用いて報告される。以下の表は、グループ合算に加えて、オーストラリア、ニュージーランドな
    らびにアジア太平洋、ヨーロッパおよびアメリカ(「APEA」)地域について、トレーディングに起因しない金利リスクのVaR値
    を別々に計算して示している。
                       2022年                      2021年

               当該日     年度最高     年度最低     年度平均      当該日     年度最高     年度最低     年度平均
                               (単位:百万ドル)
    連結
    信頼水準99%の
    トレーディングに
    起因しないVaR
    オーストラリア            78.5     93.4     63.0     76.1      67.0     81.8     61.9     69.8
    ニュージーランド            25.4     27.1     20.2     23.9      21.6     32.8     21.6     26.7
    アジア太平洋、
    ヨーロッパおよび
    アメリカ            21.7     38.0     16.8     25.8      31.5     34.9     29.0     32.0
        (1)
                (38.1)    該当なし     該当なし       (33.7)      (32.9)    該当なし     該当なし       (53.7)
    分散効果
                87.5     104.9      66.8     92.1      87.2     87.2     59.3     74.8
    VaR合計
                       2022年                      2021年

               当該日     年度最高     年度最低     年度平均      当該日     年度最高     年度最低     年度平均
                               (単位:百万ドル)
    当行
    信頼水準99%の
    トレーディングに
    起因しないVaR
    オーストラリア            78.5     93.4     63.0     76.1      67.0     81.8     61.9     69.8
    ニュージーランド            0.0     0.1     0.0     0.0      0.0     0.0     0.0     0.0
    アジア太平洋、
    ヨーロッパおよび
    アメリカ            22.1     37.7     16.7     25.6      30.8     35.2     27.5     31.2
        (1)
                (17.1)    該当なし     該当なし       (20.2)      (31.9)    該当なし     該当なし       (36.2)
    分散効果
                83.5     94.5     62.9     81.5      65.9     69.9     55.0     64.8
    VaR合計
    (1)  分散効果の値は、これら地域間の過去の相関を反映したものである。VaR値の最高および最低はグループ全体として報告さ
      れているため、地域について報告されたVaR値の最高および最低は、必ずしも同日に発生したわけではない。そのため、最
      高および最低についての分散効果は重要なものではなく、したがって、表からは省略されている。
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     当グループは、例外的な事象が当グループの市場リスク・エクスポージャーに与える影響のストレステストを行うために、
    シナリオ分析を実施する。イールド・カーブが一晩でプラス方向に1%平行移動する変化が生じた場合をモデル化して、向こ
    う12か月間の純利息収益に与える潜在的影響を判定している。これは標準的なリスク測定であり、かかる平行移動がすべての
    ホールセール向けの利率と顧客向けの利率に反映されると仮定している。
     下表は、当事業年度および前事業年度のリスク測定の結果を、財務書類上の純利息収益に対する割合をもって示したもので
    ある。
                                      連結             当行

                                  2022年      2021年      2022年       2021年
    1%の金利変動が12か月間の純利息収益に
    与える影響
    期末現在                               1.29%      2.43%      0.90%       2.02%
    最大エクスポージャー                               2.08%      2.43%      1.65%       2.02%
    最低エクスポージャー                               1.15%      0.98%      0.71%       0.54%
                                   1.56%      1.55%      1.11%       1.08%
    平均エクスポージャー(絶対値)
     FVOCIで測定するものとして指定された持分証券

     当グループの投資有価証券には、主に天津銀行で構成される持分投資と1835iベンチャーズ・トラスト事業部門の持分保有が
    含まれている。当該持分投資に対する市場リスクの影響は、トレーディングに起因する市場リスクとトレーディングに起因し
    ない市場リスクに対する当グループのVaRプロセスで測定することはできない。したがって、当グループは定期的にポートフォ
    リオ内の投資の評価額を見直し、当該投資が注記12「投資有価証券」で記述している認識および測定の方針に基づいて適切に
    測定されているかを評価している。
     外国為替リスク       ― 構造的エクスポージャー

     豪ドル以外の機能通貨を用いる支店、子会社および関連会社などの海外事業への資本投資により、当グループは外国為替相
    場の変動リスクにさらされている。為替差額によって生じる海外事業の価値の変動は、資本における為替換算調整勘定に反映
    される。
     適切とみなされた場合には、当グループは大口の外貨建て収益源(主としてニュージーランドドル、米ドルおよび米ドル連
    動)に対して経済的ヘッジを実施する。ヘッジの主な目的は、実務的に可能であれば、連結自己資本比率に対する為替相場変
    動の影響が最小化されることを確保することである。
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    流動性および資金調達リスク
     流動性リスクの概要、管理および統制責任
     流動性リスクは、以下のいずれかのリスクである。
     ・ 当グループが、支払義務の期日が到来した際に、当該義務を履行することができない(預金の払戻しまたはホールセー
       ル債務の満期を含む。)。
     ・ 当グループの資産の増加に対応するための適切な金額、期間および構成の資金調達および流動性を有していない。
     流動性および資金調達リスクの管理は、GALCOによって監視されている。当グループの流動性および資金調達リスクは、BRC

    により承認された一連の原則により管理され、当該原則には以下が含まれている。
     ・ すべての支払債務を短期に履行する能力を維持すること。
     ・ 短期から中期にわたって金銭的債務を履行するため、各現場とグループ全体の双方で、一連のANZ固有の流動性ストレ
       ス・シナリオと一般的な市場流動性ストレス・シナリオ下の「サバイバル期間」基準を確実に満たすこと。
     ・ 流動性リスクおよび資金調達リスク・プロファイルに対して長期的な耐性を確保するために、グループの貸借対照表構
       造の健全性を維持すること。
     ・ 各国の規制要件に準拠した流動性管理の枠組みを確保すること。
     ・ 当グループのポジションを数値化するために、日次の流動性報告書とシナリオ分析を作成すること。
     ・ 投資家の種類、満期、資金源および通貨による過度の集中を避けるために多様な資金調達基盤を対象とすること。
     ・ 資金調達状況の悪化に対処し、日々の業務を支えるために、質の高い流動資産を組み入れたポートフォリオを保有する
       こと。
     ・ 様々な流動性に関する危機的事象に備えるための詳細な危機管理計画を策定すること。
    流動性リスクについての重要な測定分野

     資金調達源のシナリオのモデル化
     ANZの流動性リスク選好度は、一連の規制および取締役会が義務付ける内部流動性測定基準で定められる。この測定基準は、
    異なった期間および深刻度に関する一連のシナリオを扱っている。
     この枠組みの主要な構成要素は流動性カバレッジレシオ(「LCR」)であり、これはAPRAを含む銀行規制当局によって義務付
    けられた深刻な短期流動性ストレス・シナリオである。LCR要件に準拠するための対応のひとつとして、当グループは、オース
    トラリア準備銀行(「RBA」)との間で流動性供給枠(「CLF」)を設定した。CLFは、オーストラリアにおいて、利用可能な質
    の高い流動資産(「HQLA」)の不足を埋め合わせ、代替的な形態の臨時的な流動性を提供するために設定された。CLFには、国
    内住宅モーゲージ・バック証券などRBAへの差入担保として適格な資産が担保に供されている。2021年9月、APRAはADIに書面
    で、APRAとRBAは、ADIがLCR要件を満たすために十分なHQLAを有していると認識しており、よって2022暦年以降はCLFの使用を
    義務付けない旨を通達した。
     2022暦年中に107億ドルのCLFを4回均等に削減して2023年1月1日に0ドルにするというAPRAの要件に従い、ANZのCLFは
    2022年9月30日現在で27億ドルとなった(2021年:107億ドル)。
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     流動資産
     過酷なストレス環境において当グループの流動性ポジションを保護し、また、規制要件を遵守するために、当グループは高
    品質で処分制約のない流動性資産ポートフォリオを保有している。HQLAは、バーゼル3のLCR要件と一致して、3つのカテゴ
    リーで構成されている。
     ・ HQLA1:現金、および信用度が最も高い政府、中央銀行または公的部門の証券で中央銀行による日中流動性を供給する
       ためのレポに適格とされるもの
     ・ HQLA2:信用度の高い政府、中央銀行または公的部門の証券、質の高い社債および質の高いカバード・ボンドで、中央
       銀行による日中流動性を供給するためのレポに適格とされるもの
     ・ 代替的流動資産(「ALA」):CLFの担保として適格な資産およびニュージーランド準備銀行(「RBNZ」)が国内市場の
       操作に使用できる適格証券
              (1)

    流動性リスクの結果
     流動性カバレッジレシオ           -2022年度のANZの流動性カバレッジレシオ(「LCR」)の平均は、2021年度の平均137%より低下
    し、131%となり規制の最低要件である100%を上回っている。
     正味安定資金調達比率          -2022年9月30日現在のANZの正味安定資金調達比率(「NSFR」)は119%(2021年:124%)で、規制

    の最低要件である100%を上回っている。
    (1)  この情報は、当グループの外部監査人であるKPMGによる当グループの財務報告書の外部監査の範囲に含まれていない。流

      動性カバレッジレシオおよび正味安定資金調達比率は、IFRSで求められる開示に含まれておらず、当グループのAPS第330
      号「開示」の一部として開示され、オーストラリア基準(「ASRS」)第4400号「合意された手続                                            ‐ 発見事項の報告業務」
      に準拠する特定のレビュー手続の対象となっている。
     流動性危機管理計画

     当グループは、ひとつの国およびグループ全体を対象とした流動性を脅かす事態の分析および対処するための、APRA承認の
    流動性危機管理計画を整備している。主要な流動性危機管理計画の要件およびガイドラインは以下のとおりである。
     事業継続の管理                  早期の兆候/軽度のストレス                  深刻なストレス

     ・ 危機/深刻度の度合いの設定                  ・ 監視およびレビュー                  ・ 能動的臨時資金調達計画
     ・ 流動性限度額                  ・ 事業の合理化を必要としない                  ・ 資産および負債の動きを
     ・ 早期警告指標
                         経営措置                  変更する経営措置
     内外向けコミュニケーション担当の割当ておよびコミュニケーションの適切な時期
     ストレス事象の正確な内容を事前に知ることはできないため、当グループはストレス事象の内容および深刻度に応じて柔軟

    性を持たせた計画を設計しており、複数の代替によりいかなる計画にも適応可能にしている。
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     当グループの資金調達
     当グループは、資金調達の構成と安定性が、当グループの資金調達リスク選好度の範囲内にとどまるよう監視している。こ
    の手法は、当グループ資産の適切な割合が、顧客預金、長期ホールセール資金調達(残存期間が1年を超えるもの)、および
    資本等の安定した資金源で確実に調達されるようにしている。
     作成された資金調達計画                           資金調達計画作成における検討事項

     ・ 年次で作成される3か年戦略計画                           ・ 顧客の貸借対照表の成長
     ・ 当グループの計画プロセスの一環としての年次                           ・ ホールセール資金調達(優先債、担保付債券、
       資金調達計画                           劣後債、およびハイブリッド証券の取引に関して目
     ・ 年次計画の調整としての、実績を考慮した予測                             標とされる資金調達額、市場、投資家、期間
                                 および通貨を含む。)ならびに市場の状況の変化
     RBAのターム資金供給ファシリティ

     2020年3月、RBAは、新たな資金源としてオーストラリアの企業部門への貸付を支援するための銀行システム向けターム資金
    供給ファシリティ(「TFF」)を発表した。TFFは、2020年11月4日までの実行に対して0.25%、2020年11月4日以降の新規実
    行に対しては0.10%に引き下げた固定金利でADIに資金を3年間供給する有担保ファシリティである。TFFは、2021年6月30日
    にその実行が終了した。
     2022年9月30日現在、ANZはRBAのTFFに基づき201億ドルを調達した。
     RBNZの貸出資金供給プログラムおよびターム貸付ファシリティ

     2020年5月から2021年7月の間、RBNZは企業への貸出を促進させるために、ターム貸付ファシリティ(「TLF」)の下で資金
    供給を行った。TLFは、5年の0.25%の固定金利でニュージーランドの銀行向けの有担保資金供給ファシリティである。
     2020年11月、RBNZはニュージーランドの企業および一般家庭の借入コストの引下げを目的とした融資資金提供プログラム
    (「FLP」)を発表した。FLPは、ニュージーランドの政策金利(「OCR」)による変動金利でのニュージーランドの銀行向けの
    3年の有担保資金供給ファシリティである。ニュージーランドの銀行は、2020年10月31日時点でニュージーランドの居住者世
    帯、一般世帯にサービスを提供する非金融企業および非営利団体に対する貸付(適格ローン)の4%を上限に初回の資金供給
    を受けることができた。当初の供給は、2022年6月6日に終了した。一定の条件を満たすことを条件に、適格ローンの2%を
    上限とした追加の供給を2022年12月6日まで利用することができる。
     2022年9月30日現在、ANZバンク・ニュージーランドはTLFに基づき3億ドル、FLPに基づき23億ドルを調達した。
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     当グループの負債の契約上の期日までの期間別分析
     下表は、9月30日現在の金融負債の契約上の期日までの期間別分析を、関連する期日のグループごとに示している。すべて
    の発行済社債および劣後債の期日は、当グループが支払を求められる可能性がある最も早い日に基づいている。すべての要求
    払い負債は、最低通知期間が3か月以上の場合を除き、「3か月未満」の区分で報告されている。これらの金額は、元本およ
    び利息のキャッシュフローを示しており、相当する貸借対照表に報告された金額とは異なる可能性がある。
     これは当グループがどのように流動性リスクを管理しているかを示すものではないことに注意しなければならない。このリ
    スクの管理については187ページ(訳注:原文のページ番号である。)で詳述している。
                                         1年から

                                  3か月から
                           3か月未満        12か月       5年      5年超      合計
    連結
                                     (単位:百万ドル)
    2022年9月30日現在
                             13,766         -       -      -   13,766
    ANZの未払決済残高
                             16,230         -       -      -   16,230
    受取担保
                            667,568       117,166       15,960       160    800,854
    預金およびその他の借入金
                              352        -       -      -     352
    支払承諾
         (1)(2)
                             7,591      22,315       60,716      13,667     104,289
    発行済社債
    デリバティブ負債
                     (3)
                             71,073         -       -      -   71,073
    (貸借対照表管理目的保有を除く)
                               81      210       654      168     1,113
    リース負債
    デリバティブ資産および負債
              (4)
    (貸借対照表管理)
     -資金調達:
       流入                      (33,155)       (49,030)       (66,661)      (12,851)     (161,697)
       流出                      30,845       49,191       68,211      12,913     161,160
     -その他貸借対照表管理
       流入                     (125,122)        (44,835)       (29,188)      (10,063)     (209,208)
                            120,959       44,126       31,026      15,170     211,281
       流出
    2021年9月30日現在

                             17,427         -       -      -   17,427
    ANZの未払決済残高
                             5,657         -       -      -    5,657
    受取担保
                            634,145       84,357       25,247       227    743,976
    預金およびその他の借入金
                              392        -       -      -     392
    支払承諾
         (1)
                             4,218      24,928       65,198      14,588     108,932
    発行済社債
    デリバティブ負債
                     (3)
                             30,474         -       -      -   30,474
    (貸借対照表管理目的保有を除く)
                               86      224       755      301     1,366
    リース負債
    デリバティブ資産および負債
              (4)
    (貸借対照表管理)
     -資金調達:
       流入                      (29,186)       (36,462)       (62,061)      (14,334)     (142,043)
       流出                      28,538       35,082       61,867      14,473     139,960
     -その他貸借対照表管理
       流入                     (104,036)       (37,275)       (14,982)      (8,029)     (164,322)
                            103,586       36,804       15,457      9,974     165,821
       流出
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    (1)  繰上償還可能なホールセール債務商品の満期は次の繰上償還日としている。残高には、当グループの選択により、現金ま
      たは株式で決済することができる劣後債務商品、およびANZニュージーランドにより発行され、RBNZの要件の下ではTier2
      資本を構成するが、APRAのTier2資本要件に非適格な劣後債務が含まれている。
    (2)  300百万米ドルの永久債務商品は、APRAによるバーゼル3資本規制への移行期間の終了(2021年12月)を反映して、「3か
      月から12か月」の区分に含まれている。これは2021年には「5年超」の区分に含まれていた。
    (3)  デリバティブ負債(貸借対照表管理目的保有を除く)の決済評価差額(Settle                                    to  Market)に関する調整後の時価は、す
      べて「3か月未満」の区分に含まれている。
    (4)  ヘッジ関係に指定された356百万ドル(2021年度:202百万ドル)および売買目的保有に分類されているが当グループの貸
      借対照表管理活動の一部を成す13,720百万ドル(2021年度:5,359百万ドル)のデリバティブを含む。
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     2022年9月30日現在、当グループが支払を求められる可能性のある最も早い日に基づくと、236,051百万ドル(2021年度:
    212,265百万ドル)の当グループの未実行与信枠および49,765百万ドル(2021年度:48,330百万ドル)の発行済保証が1年以内
    に期日を迎える。
                                         1年から

                                  3か月から
                           3か月未満        12か月       5年      5年超      合計
    当行
                                     (単位:百万ドル)
    2022年9月30日現在
    ANZの未払決済残高                         10,224         -       -      -   10,224
    受取担保                         14,425         -       -      -   14,425
    預金およびその他の借入金                        564,147       93,197       10,639       157    668,140
    支払承諾                          144        -       -      -     144
         (1)(2)
    発行済社債                         7,648      18,951       48,323      9,970     84,892
    デリバティブ負債
                     (3)
    (貸借対照表管理目的保有を除く)                         75,810         -       -      -   75,810
    リース負債                           76      202       744      826     1,848
    デリバティブ資産および負債
              (4)
    (貸借対照表管理)
     -資金調達:
       流入                      (29,397)       (39,350)       (46,997)      (8,857)     (124,601)
       流出                      27,413       40,237       48,281      9,064     124,995
     -その他貸借対照表管理
       流入                     (121,112)       (40,061)       (21,417)      (9,498)     (192,088)
                            116,992       39,921       24,081      14,666     195,660
       流出
    2021年9月30日現在

    ANZの未払決済残高                         14,922         -       -      -   14,922
    受取担保                         5,148         -       -      -    5,148
    預金およびその他の借入金                        524,654       60,427       21,844       227    607,152
    支払承諾                          223        -       -      -     223
         (1)
    発行済社債                         4,108      20,244       54,465      8,965     87,782
    デリバティブ負債
                     (3)
    (貸借対照表管理目的保有を除く)                         34,240         -       -      -   34,240
    リース負債                           81      208       814      989     2,092
    デリバティブ資産および負債
              (4)
    (貸借対照表管理)
     -資金調達:
       流入                      (25,170)       (26,362)       (48,026)      (7,364)     (106,922)
       流出                      24,523       25,344       47,467      7,318     104,652
     -その他貸借対照表管理
       流入                     (102,921)       (35,426)       (11,063)      (7,633)     (157,043)
                            102,346       34,908       11,501      9,587     158,342
       流出
    (1)  繰上償還可能なホールセール債務商品の満期は次の繰上償還日としている。残高には、当行の選択により、現金または株

      式で決済することができる劣後債務商品が含まれている。
    (2)  300百万米ドルの永久債務商品は、APRAによるバーゼル3資本規制への移行期間の終了(2021年12月)を反映して、「3か
      月から12か月」の区分に含まれている。これは2021年には「5年超」の区分に含まれていた。
    (3)  デリバティブ負債(貸借対照表管理目的保有を除く)の決済評価差額(Settle                                    to  Market)に関する調整後の時価は、す
      べて「3か月未満」の区分に含まれている。
    (4)  ヘッジ関係に指定された300百万ドル(2021年度:158百万ドル)および売買目的保有に分類されているが当行の貸借対照
      表管理活動の一部を成す8,390百万ドル(2021年度:2,607百万ドル)のデリバティブを含む。
     2022年9月30日現在、当行が支払を求められる可能性のある最も早い日に基づくと、201,204百万ドル(2021年度:176,077

    百万ドル)の当行の未実行与信枠および46,191百万ドル(2021年度:45,042百万ドル)の発行済保証が1年以内に期日を迎え
    る。
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    19.  金融資産および金融負債の公正価値
    金融資産および金融負債の分類

     当グループは、金融商品を公正価値または償却原価のいずれかで認識および測定しており、貸借対照表上、多数の金融商品
    が公正価値で計上されている。
     公正価値とは、測定日における市場参加者間の秩序ある取引において、資産を売却するために受け取るであろう価格、また
    は負債を移転するために支払われるであろう価格の最善の見積りである。
     下表は、金融資産および金融負債の測定基準による分類を、貸借対照表上で認識されている帳簿価額とともに記載してい
    る。
                               2022年                 2021年

                    注記    償却原価     公正価値       合計     償却原価     公正価値       合計
                                    (単位:百万ドル)
    連結
    金融資産
    現金および現金同等物                 9    168,132        -   168,132     151,260        -   151,260
    ANZの未収決済残高                     4,762       -    4,762     7,530       -    7,530
    支払担保                     12,700        -    12,700      9,166       -    9,166
    売買目的資産                10       -   35,237      35,237        -   44,688      44,688
    デリバティブ金融商品                11       -   90,174      90,174        -   38,736      38,736
    投資有価証券                12     7,943     78,210      86,153      7,031     76,095      83,126
    正味貸付金および前渡金                13    667,732      4,675     672,407     626,099      3,620     629,719
    規制上の預け金                      632      -     632     671      -     671
                          2,943       -    2,943     2,054       -    2,054
    その他金融資産
                         864,844     208,296     1,073,140      803,811     163,139      966,950
    合計
    金融負債
    ANZの未払決済残高                     13,766        -    13,766     17,427        -    17,427
    受取担保                     16,230        -    16,230      5,657       -    5,657
    預金およびその他の借入金                15    794,621      2,660     797,281     738,772      4,284     743,056
    デリバティブ金融商品                11       -   85,149      85,149        -   36,035      36,035
    支払債務およびその他の負債                     6,596     3,239      9,835     4,734     3,913      8,647
                         92,623      1,111      93,734     99,092      1,962     101,054
    発行済社債                17
                         923,836      92,159     1,015,995      865,682      46,194      911,876
    合計
                                365/572










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                               2022年                 2021年

                    注記    償却原価      公正価値       合計     償却原価     公正価値       合計
                                    (単位:百万ドル)
    当行
    金融資産
    現金および現金同等物                 9    155,483         -   155,483     141,436        -   141,436
    ANZの未収決済残高                     4,024        -    4,024     7,183       -    7,183
    支払担保                     11,368        -    11,368      8,343       -    8,343
    売買目的資産                10       -   28,073      28,073        -   34,752      34,752
    デリバティブ金融商品                11       -   88,056      88,056        -   38,292      38,292
    投資有価証券                12     6,115     66,284      72,399      5,263     62,677      67,940
    正味貸付金および前渡金                13    533,082       4,263     537,345     485,015      3,472     488,487
    規制上の預け金                      249       -     249     213      -     213
    被支配法人に対する債権                     20,360      2,500      22,860     21,489      2,041      23,530
                          1,882        -    1,882     1,371       -    1,371
    その他金融資産
    合計
                         732,563      189,176      921,739     670,313     141,234      811,547
    金融負債
    ANZの未払決済残高                     10,224        -    10,224     14,922        -    14,922
    受取担保                     14,425        -    14,425      5,148       -    5,148
    預金およびその他の借入金                15    665,567        40    665,607     606,673        50    606,723
    デリバティブ金融商品                11       -   84,500      84,500        -   37,005      37,005
    被支配法人に対する債務                     25,305        -    25,305     23,079        -    23,079
    支払債務およびその他の負債                     5,705      2,857      8,562     3,999     3,245      7,244
                         72,757      3,071      75,828     77,053      4,035      81,088
    発行済社債                17
    合計
                         793,983      90,468      884,451     730,874      44,335      775,209
    公正価値で測定される金融資産および金融負債

     金融資産および金融負債の公正価値評価は、一般的に個別商品のレベルで算定される。
     当グループが相殺されるリスク・ポジションを保有する場合、当グループはAASB第13号「公正価値測定」(AASB第13号)の
    ポートフォリオの例外措置を利用して、かかる金融資産および金融負債グループの公正価値を測定する。当グループは、特定
    のリスク・エクスポージャーについての正味ロング・ポジション(資産)の売却で受け取るであろう価格、または特定のリス
    ク・エクスポージャーについての正味ショート・ポジション(負債)を移転するための価格に基づいてポートフォリオを測定
    している。
     公正価値指定

     当グループは、以下のように、一部の貸付金および前渡金、一部の預金およびその他の借入金ならびに発行済社債を、損益
    を通じて公正価値評価するものとして指定している。
     ・ 当該商品のキャッシュフローを著しく変更する可能性がある、分離可能な組込デリバティブを含んでいる場合、当該資
       産または負債の公正価値の変動を、関連するヘッジ手段の公正価値の変動と同一期間に損益に確実に認識されるように
       するため。
     ・ 資産または負債が償却原価で計上された場合に発生する可能性のある会計上のミスマッチを解消するため。このミス
       マッチは、デリバティブ金融商品(当該資産または負債の金利リスクを緩和するために使用するもの)を、損益を通じ
       て公正価値で測定することによる。
     当グループのアプローチは、当該資産または負債の公正価値の変動が、関連するデリバティブに係る変動と同一期間に損益

    に確実に認識されるようにしている。
     また、一部の貸付金および前渡金、一部の預金およびその他の借入金ならびに発行済社債についても、商品の管理方法と測
    定方法を合わせるために公正価値で管理している場合には、損益を通じて公正価値で評価するものとして指定することがあ
    る。
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    公正価値に関するアプローチおよび評価技法
     当グループは、資産および負債の認識、測定および開示の目的で公正価値を見積もる際に、その資産または負債の活発な市
    場における市場相場価格が存在しない場合には評価技法を使用する。これには以下が含まれる。
     資産または負債                  公正価値アプローチ

     売買目的保有金融商品:
                       信用リスク、満期および利回り特性が類似した金融商品についての観察可
     - 空売り有価証券                 能な市場インプットを組み込む形にモデル化された評価技法が使用され
                       る。
     - デリバティブ金融資産および
                       活発な市場が存在しない持分証券については、比較可能な会社の評価倍率
      金融負債
                       (株価純資産倍率など)を用いて測定される。
     - 負債証券および持分証券
     以下に分類される金融商品:                  商品の契約上の将来キャッシュフローが、ホールセール市場金利、または
                       満期が類似する、もしくは残存期間についてのイールド・カーブが適切な
     - デリバティブ金融資産および
                       債務もしくは貸付金の市場金利を用いて割り引かれる場合に使用される割
      金融負債    (売買目的保有以外)
                       引キャッシュフロー法。
     - 正味貸付金および前渡金
     - 預金およびその他の借入金
                       評価技法には、類似した特性を持つ金融商品からの観察可能なインプット
     以下に分類される金融商品:
                       を可能な限り組み込んだ、比較可能な倍率(株価純資産倍率など)または
     - 投資有価証券-負債証券または
                       割引キャッシュフロー(「DCF」)技法が使用される。
      持分証券
     公正価値ヒエラルキー

     当グループは、公正価値で計上される資産および負債を、AASB第13号に従い、公正価値を測定するために用いられるイン
    プットの観察可能性に基づいて公正価値ヒエラルキーに区分している。
     ・ レベル1―同一の資産または負債の活発な市場における相場価格(無調整)に基づく評価
     ・ レベル2―類似の資産または負債について直接的または間接的に観察可能な、レベル1に含まれる相場価格以外のイン
       プットを用いた評価
     ・ レベル3―資産または負債の公正価値を測定するために重要な観察不能なインプットが用いられる評価
     下表は、公正価値ヒエラルキーに基づいた公正価値で測定される資産および負債を示したものである。
                                   公正価値測定

                   活発な市場に           観察可能な          観察不能な
                   おける相場価格          インプットを使用          インプットを使用
                   (レベル1)          (レベル2)          (レベル3)             合計
                  2022年     2021年     2022年     2021年     2022年     2021年     2022年      2021年
                                  (単位:百万ドル)
    連結
    資産
          (1)
    売買目的資産              28,455     36,025     6,782      8,663       -     -   35,237      44,688
    デリバティブ金融商品                944     494   89,185      38,187       45     55    90,174      38,736
          (1)
    投資有価証券              68,211     68,007     8,614      6,756     1,385     1,332     78,210      76,095
                (2)
                     -     -   4,272      3,510      403     110     4,675      3,620
    正味貸付金および前渡金
    合計
                  97,610    104,526     108,853      57,116     1,833     1,497     208,296      163,139
    負債

    預金およびその他の借入金                 -     -   2,660      4,284       -     -    2,660      4,284
    デリバティブ金融商品                309    1,131    84,809      34,874       31     30    85,149      36,035
    支払債務およびその他の
      (2)(3)
    負債               2,842     3,690      397      223      -     -    3,239      3,913
    発行済社債
                     -     -   1,111      1,962       -     -    1,111      1,962
    (公正価値評価に指定)
    合計
                   3,151     4,821    88,977      41,343       31     30    92,159      46,194
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                                   公正価値測定

                  活発な市場におけ          観察可能なインプッ           観察不能なイン
                    る相場価格           トを使用         プットを使用
                   (レベル1)          (レベル2)          (レベル3)             合計
                  2022年     2021年     2022年     2021年     2022年     2021年     2022年      2021年
                                  (単位:百万ドル)
    当行
    資産
          (1)
    売買目的資産              23,037     27,764     5,036      6,988       -     -   28,073      34,752
    デリバティブ金融商品                848     470   87,181      37,788       27     34    88,056      38,292
          (1)
    投資有価証券              58,259     56,277     7,006      5,354     1,019     1,046     66,284      62,677
                (2)
    正味貸付金および前渡金                 -     -   3,860      3,362      403     110     4,263      3,472
                     -     -   2,500      2,041       -     -    2,500      2,041
    被支配法人に対する債権
    合計
                  82,144     84,511    105,583      55,533     1,449     1,190     189,176      141,234
    負債

    預金およびその他の借入金                 -     -    40      50     -     -     40      50
    デリバティブ金融商品                301    1,121    84,179      35,854       20     30    84,500      37,005
    支払債務およびその他の
      (2)(3)
    負債               2,510     3,040      347      205      -     -    2,857      3,245
    発行済社債
                    985     998    2,086      3,037       -     -    3,071      4,035
    (公正価値評価に指定)
    合計
                   3,796     5,159    86,652      39,146       20     30    90,468      44,335
    (1)  2022年度中に、当グループおよび当行で、評価インプットの観察可能性の変化により、1,043百万ドルの資産がレベル1か

      らレベル2に振り替えられ(2021年度:3,845百万ドルがレベル1からレベル2に振替)、1,677百万ドルの資産がレベル
      2からレベル1に振り替えられた(2021年度:レベル2からレベル1への振替はゼロ)。当年度中のその他の重要な振替
      はなかった。レベル間の振替は、当該振替が発生した報告期間の期首現在で測定されている。
    (2)  2022年度において、当グループは、住宅ローン・ブローカーに支払う継続的なトレイル・コミッションの会計上の取扱い
      を修正し、支払債務およびその他の負債に、予想される将来のトレイル・コミッション支払の現在価値と同額の負債を認
      識するとともに、正味貸付金および前渡金に資産計上された仲介コストの対応する増加を認識した。2022年9月30日現在
      の残高は、当グループおよび当行について1,320百万ドルであった。比較情報は修正再表示されていない。
    (3)  支払債務およびその他の負債は空売り有価証券に関連しているが、空売り有価証券は売買目的保有に分類され、損益を通
      じて公正価値評価されている。
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    観察不能な市場データを組み込んだ公正価値測定
     レベル3の公正価値測定
     当グループレベル3金融商品の純資産は、1,802百万ドル(2021年度:1,467百万ドル)、当行は1,429百万ドル(2021年度:
    1,160百万ドル)である。
     重要な観察不能なインプットが組み込まれている資産および負債は、以下のとおりである。
     ・ 活発な市場がない、または取引価格が観察不能な持分証券
     ・ 公正価値で測定され、観察可能な市場データが存在しない貸付金および前渡金
     ・ 主に市場活動がないために観察不能となっている市場レートを参照するデリバティブ
     レベル3の振替

     当年度中に評価パラメーターが観察不能となった結果、当グループおよび当行は、当年度において公正価値で測定される貸
    付金および前渡金312百万ドルをレベル2からレベル3に振り替えた。当年度または過年度において、その他のレベル3への振
    替もレベル3からの振替もなかった。
     2022年9月30日現在の重要なレベル3の金融商品は以下のとおりである。
     i)  投資有価証券-FVOCIに分類される株式保有

     天津銀行(「BoT」)
     当グループは天津銀行に投資している。当該投資は、比較可能な株価純資産(「P/B」)倍率に基づいて評価されている
    (P/B倍率は、株式の市場価格と帳簿価額の比率である。)。適切な倍率を決定するに当たって適用される判断の範囲および倍
    率が導き出される際に用いられる比較対象グループは、結果的にレベル3に分類される。2022年9月現在、BoT株式保有の残高
    は854百万ドル(2021年:991百万ドル)であった。当会計年度におけるBoTの公正価値評価額の減少は、主に評価に用いたP/B
    倍率の低下による。
     1835iベンチャーズ・トラスト

     当グループは、1835iベンチャーズ・トラスト事業部門において、324百万ドル(2021年度:241百万ドル)のFVOCIに分類さ
    れる非上場株式を保有しており、これらは活発な市場も観察された取引価格も存在しないため、レベル3に分類される。1835i
    の株式保有残高の当会計年度の増加は、主に新規持分投資および再評価に伴う増加によるものである。
     法人部門-株式保有

     当グループは法人部門において、137百万ドル(2021年度:4百万ドル)のFVOCIに分類される非上場株式を保有しており、
    これらは活発な市場も利用可能な取引価格も存在しないため、レベル3に分類される。法人部門の株式保有残高の増加は、主
    に当会計年度中の新規株式購入によるものである。
     ii)  正味貸付金および前渡金-FVTPLに分類

     シンジケート・ローン
     当グループは、FVTPLで測定される売買目的のシンジケート・ローンを403百万ドル(2021年度:110百万ドル)保有してい
    る。これらの貸付金は、評価のために利用可能な観察可能市場データがない場合、レベル3に分類される。当会計年度におい
    て、当グループは、公正価値で測定したシンジケート・ローン312百万ドルについて、これらの金融商品の評価パラメーターが
    観察不能となったため、レベル2からレベル3に振り替えた。
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     レベル3インプットの感応度
     評価に重要なインプットが直接的に観察できない(レベル3インプット)ことにより、当グループが仮定を使用する場合、
    こうした仮定を変更することにより、商品の公正価値の見積額は変動する。有利な変動および不利な変動は、主として公正価
    値評価を導き出すために使用される観察不能なパラメーターを変更することによって算定される。
     投資有価証券      - 株式保有

     持分投資の評価は、P/B倍率や割引キャッシュフロー技法を含む使用した評価技法と、選択した観察不能なインプッにおける
    変動に対する感応度が高い。例えば、評価への主たるインプットの10%の増加または減少が生じた場合(P/B倍率など。)、結
    果として、ポートフォリオの公正価値は135百万ドル増加または減少し、その変動は純損益に影響を与えることなく当グループ
    の株主資本に認識される(当行については102百万ドル)。
     正味貸付金および前渡金

     シンジケート・ローンの評価では、公正価値評価額の算定における信用スプレッドやディスカウント・カーブに対する感応
    度が高い。しかし、これらは主として投資適格ローンであるため、信用スプレッドや利回りの増減が当グループの純利益や純
    資産に与える影響は重要ではない。
     その他

     残りのレベル3の残高は重要ではなく、インプットの変動による当グループの純利益および純資産への影響は軽微である。
     公正価値の繰延損益

     金融商品の公正価値に重要な影響を与える観察不能なインプットを用いて公正価値が決定される場合、当グループは、取引
    価格と評価技法に基づく算定額との差額(取引日における損益)を純損益として直ちに認識することはない。当初認識後、繰
    延額は、取引残存期間にわたり定額法によって、またはすべてのインプットが観察可能になった際に、純損益に認識される。
    繰り延べられている取引日損益は重要ではない。
    公正価値で測定されない金融資産および金融負債

     以下に示した金融資産および金融負債は当グループの貸借対照表において償却原価で計上されている。これは資産が現金化
    され、負債が決済されると予想される価値であるが、当グループは下表において貸借対照表日における金融資産および金融負
    債の公正価値の見積りを示している。
                                       公正価値ヒエラルキーでの区分

                                    活発な市場における             観察可能な
                                       相場価格         インプットを使用
                            償却原価          (レベル1)           (レベル2)
                          2022年     2021年     2022年     2021年     2022年     2021年
                                    (単位:百万ドル)
    連結
    金融資産
    投資有価証券                       7,943     7,031        -     -   7,918     7,043
    正味貸付金および前渡金                      667,732     626,099         -     -   29,460     16,906
    合計                      675,675     633,130         -     -   37,378     23,949
    金融負債
    預金およびその他の借入金                      794,621     738,772         -     -  794,124     738,840
    発行済社債                      92,623     99,092     22,982     27,785     69,028     73,332
    合計                      887,244     837,864      22,982     27,785     863,152     812,172
                                370/572





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                            公正価値
                         ヒエラルキーでの区分
                          重要な観察不能な
                          インプットを使用
                           (レベル3)          公正価値(合計)
                          2022年     2021年     2022年     2021年
                               (単位:百万ドル)
    連結
    金融資産
    投資有価証券                         -     -   7,918     7,043
    正味貸付金および前渡金                      634,272     609,541     663,732     626,447
    合計                      634,272     609,541     671,650     633,490
    金融負債
    預金およびその他の借入金                         -     -  794,124     738,840
    発行済社債                         -     -   92,010     101,117
    合計                         -     -  886,134     839,957
                                       公正価値ヒエラルキーでの区分

                                    活発な市場における相           観察可能なインプット
                                        場価格           を使用
                            償却原価          (レベル1)           (レベル2)
                          2022年     2021年     2022年     2021年     2022年     2021年
                                    (単位:百万ドル)
    当行
    金融資産
    投資有価証券                       6,115     5,263        -     -   6,092     5,275
    正味貸付金および前渡金                      533,082     485,015         -     -   28,708     16,050
    被支配法人に対する債権                      20,360     21,489        -     -     -     -
    合計                      559,557     511,767         -     -   34,800     21,325
    金融負債
    預金およびその他の借入金                      665,567     606,673         -     -  665,242     606,723
    被支配法人に対する債務                      25,305     23,079        -     -     -     -
    発行済社債                      72,757     77,053     19,741     24,280     52,453     54,421
    合計                      763,629     706,805      19,741     24,280     717,695     661,144
                         公正価値ヒエラルキー

                            での区分
                         重要な観察不能なイン
                           プットを使用
                           (レベル3)          公正価値(合計)
                          2022年     2021年     2022年     2021年
                               (単位:百万ドル)
    当行
    金融資産
    投資有価証券                         -     -   6,092     5,275
    正味貸付金および前渡金                      501,795     469,363     530,503     485,413
    被支配法人に対する債権                      20,360     21,489     20,360     21,489
    合計                      522,155     490,852     556,955     512,177
    金融負債
    預金およびその他の借入金                         -     -  665,242     606,723
    被支配法人に対する債務                      25,305     23,079     25,305     23,079
    発行済社債                         -     -   72,194     78,701
    合計                      25,305     23,079     762,741     708,503
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     次表は、当グループにおいて償却原価で計上される金融資産および金融負債について、帳簿価額が公正価値の合理的な近似
    値とならないことが一般的である場合における、公正価値を見積もる際の基準について記載している。
     貸借対照表に計上されている金融商品の一部の帳簿価額は公正価値に近似している。これらの金融商品は短期のものである
    か、または報告期間末またはその近くに市場金利に再設定される変動金利商品である。
     金融資産および金融負債               公正価値アプローチ

     投資有価証券-償却原価で測
                   市場相場価格または該当する場合は観察可能なインプットに基づいた計算。市場
     定される負債証券
                   相場価格が入手不能な場合には、負債商品の満期までの残存期間に関して適切な
                   イールド・カーブを用いた割引キャッシュフロー・モデルを使用する。
                   公正価値はその金融商品に関して適用される信用スプレッドに対する調整を反映
                   している。
     銀行に対する正味貸付金およ               信用の質が類似する貸付に適用される一般的な市場金利を用いて割引いたキャッ
     び前渡金               シュフロー。
     顧客に対する正味貸付金およ               将来キャッシュフローをホールセール市場金利の変動、当グループのホールセー
     び前渡金               ル資金調達コストおよび顧客マージンを必要に応じて組み込んだイールド・カー
                   ブを使用して割引いた現在価値。
     満期の定めのない預金負債ま               報告日現在の要求払いの金額。預金を将来期間に継続することにより当グループ
     たは要求払い預金負債               が得ることが予想される価値に関しては公正価値を調整していない。
     満期が定められている利付預               満期が類似する債務に係る市場借入金利を用いて割り引いた契約上のキャッシュ
     金ならびに市場相場金利のあ               フロー。
     るその他の借入金および支払
     承諾
     発行済社債               市場相場価格または該当する場合は観察可能なインプットに基づいた計算。市場
                   相場価格が入手不能な場合には、債務商品の満期までの残存期間に関して適切な
                   イールド・カーブを用いた割引キャッシュフロー・モデルを使用する。公正価値
                   にはその金融商品に関してANZに適用される信用スプレッドに対する調整を反映し
                   ている。
     重要な判断および見積り

     金融商品のかなりの部分は、当グループおよび当行の貸借対照表に公正価値で計上されている。したがって、当グ
     ループは財務書類に組み込まれる金融商品の公正価値評価額の算定に使用する重要な評価上の仮定を定期的に評価
     している。これは、貸借対照表日現在の帳簿価額の算定には、高度の判断および見積が伴う可能性があるためであ
     る。
     金融商品の公正価値評価額の算定にあたって、当グループは、公正価値測定の仮定における経済および市場の状況
     による影響およびこれらの見積における評価インプット、特に評価調整の適切性、ならびに、公正価値ヒエラル
     キーにおける金融商品の分類に対するこれらの事項の影響を考慮している。
     当グループが用いる評価モデルの大部分は観察可能な市場データのみをインプットとして使用している。特定の金
     融商品については、現在の市場では容易に観察できないデータを使用することもある。観察不能な市場データを使
     用する場合には、評価全体に対する観察不能なインプットの重要性に応じて、公正価値を算定するための判断の行
     使がより求められる。一般には、観察不能なインプットを他の関連市場データから取得し、それらを入手可能な場
     合には観察された取引価格と比較している。評価技法を用いて金融商品の公正価値を評価するにあたって、当グ
     ループは公正価値の算定に求められる評価調整も考慮している。当グループは市場参加者が特定の金融商品の公正
     価値の算定にあたり考慮するであろう要素を当グループの評価に反映するため、調整(信用評価調整および資金調
     達評価調整など。注記11「デリバティブ金融商品」を参照のこと)を適用することがある。
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    20.  担保に供している資産および受け入れている担保物件
     以下の開示からは、デリバティブ負債およびデリバティブ資産に関連するものとして貸借対照表に表示されている支払担保

    および受取担保の金額が除かれている。それらの担保契約の条件は、国際スワップ・デリバティブ協会のマスター契約の一部
    を構成する標準クレジット・サポート・アネックスに記載されており、当グループの大部分のデリバティブはこれに従って実
    行されている。
     担保に供している資産

     担保に供している資産には、以下の種類の商品が含まれる。
     ・ 買戻条件付取引の担保に供された有価証券。これらの取引は業界の標準的な契約に準拠している。
     ・ ANZのカバード・ボンド・プログラムの一環として、投資家に発行した債券および社債の担保に供された特定の住宅モー
       ゲージ。
     ・ 中央銀行に差し入れている担保。
     ・ 清算機関に差し入れている担保。
     担保として差し入れられている資産の帳簿価額は、以下のとおりである。

                                      連結             当行

                                  2022年      2021年      2022年       2021年
                                        (単位:百万ドル)
              (1)
                                  52,757      51,208      47,846       48,663
    買戻条件付売却証券
    カバード・ボンドの担保として差し入れられた
                                  27,575      28,816      17,953       17,925
    住宅抵当証券
                                   5,601      4,039      5,527       3,963
    その他
    (1)  買戻条件付売却証券として開示されている金額には下記の両方が含まれる。

      ・ 担保として差し入れられている資産で当グループの貸借対照表に引き続き認識されるもの
      ・ 以下の開示に含まれる転質された資産
     受け入れ担保物件

     ANZは様々な財務取引に関連して担保を受け入れている。特定の取決めに基づき、ANZは受け取った担保を売却または転質す
    る権利を有している。これらの取決めは業界の標準的な契約に準拠している。
     受入担保および売却または転質した担保の公正価値は以下のとおりである。
                                      連結             当行

                                  2022年      2021年      2022年       2021年
                                        (単位:百万ドル)
    売却または転質可能な資産の公正価値
                                  32,389      26,814      30,647       25,679
    売却または転質された資産の公正価値                              21,269      18,741      20,359       18,189
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    21.  相殺
     下記の両方の条件を満たしている場合、当グループは(AASB第132号「金融商品:表示」に準拠して)貸借対照表において金

    融資産および金融負債を相殺している。
     ・ すべての状況において認識された金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有している。
     ・ 資産および負債を純額で決済するか、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意図がある。
     下表は、相殺されていないものの、強制力のあるマスター・ネッティング契約(または類似する契約)の対象となっている
    金融資産および金融負債ならびに関連する貸借対照表において相殺されていない金額を示したものである。超過担保の影響は
    考慮していない。
                                      マスター・ネッティング契約または類似

                                         する契約の対象となる金額
                            マスター・
                           ネッティング契約
                           または類似する
                                               (受入)/
                     貸借対照表
                            契約の対象と                    差入金融
                     に計上され
                     た合計額       ならない金額         合計     金融商品       担保      純額
                                  (単位:百万ドル)
    連結
    2022年9月30日現在
    デリバティブ金融資産                  90,174         (6,983)      83,191     (56,491)      (16,951)       9,749
    売戻条件付契約、有価証券借入
                 (1)
                      29,776         (6,697)      23,079      (1,985)     (21,094)         -
    契約、および類似する契約
                      119,950         (13,680)      106,270      (58,476)      (38,045)       9,749
    金融資産合計
    デリバティブ金融負債                 (85,149)          9,936     (75,213)      56,491      9,964     (8,758)
    買戻条件付契約、有価証券貸付
                 (2)
                      (47,229)          12,497     (34,732)       1,985     32,747        -
    契約、および類似する契約
                     (132,378)          22,433     (109,945)       58,476      42,711      (8,758)
    金融負債合計
    2021年9月30日現在

    デリバティブ金融資産                  38,736         (3,078)      35,658     (24,186)      (5,750)      5,722
    売戻条件付契約、有価証券借入
                 (1)
                      26,082         (3,166)      22,916      (1,052)     (21,864)         -
    契約、および類似する契約
                      64,818         (6,244)      58,574     (25,238)      (27,614)       5,722
    金融資産合計
    デリバティブ金融負債                 (36,035)          2,822     (33,213)      24,186      5,530     (3,497)
    買戻条件付契約、有価証券貸付
                 (2)
                      (46,147)          11,461     (34,686)       1,052     33,634        -
    契約、および類似する契約
                      (82,182)          14,283     (67,899)      25,238      39,164      (3,497)
    金融負債合計
    (1)  売戻条件付契約

      ・ 満期までの期間が90日未満のものは貸借対照表において現金および現金同等物に計上されている。
      ・ 満期までの期間が90日以上のものは貸借対照表において正味貸付金および前渡金に計上されている。
    (2)  買戻条件付契約は、貸借対照表の預金およびその他の借入金に計上されている。
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                                     マスター・ネッティング契約または類似する
                                          契約の対象と      なる金額
                            マスター・
                           ネッティング契約
                           または類似する
                                               (受入)/
                     貸借対照表
                            契約の対象と                    差入金融
                     に計上され
                     た合計額       ならない金額         合計     金融商品       担保      純額
                                  (単位:百万ドル)
    当行
    2022年9月30日現在
    デリバティブ金融資産                  88,056         (4,242)      83,814     (61,038)      (14,876)       7,900
    売戻条件付契約、有価証券借入
                 (1)
                      28,045         (5,323)      22,722      (1,629)     (21,093)         -
    契約、および類似する契約
                      116,101          (9,565)     106,536      (62,667)      (35,969)       7,900
    金融資産合計
    デリバティブ金融負債                 (84,500)          6,839     (77,661)      61,038      8,548     (8,075)
    買戻条件付契約、有価証券貸付
                 (2)
                      (42,940)          11,021     (31,919)       1,629     30,290        -
    契約、および類似する契約
                     (127,440)          17,860     (109,580)       62,667      38,838      (8,075)
    金融負債合計
    2021年9月30日現在

    デリバティブ金融資産                  38,292         (1,539)      36,753     (27,288)      (5,189)      4,276
    売戻条件付契約、有価証券借入
                 (1)
                      24,958         (2,042)      22,916      (1,052)     (21,864)         -
    契約、および類似する契約
                      63,250         (3,581)      59,669     (28,340)      (27,053)       4,276
    金融資産合計
    デリバティブ金融負債                 (37,005)          1,343     (35,662)      27,288      5,425     (2,949)
    買戻条件付契約、有価証券貸付
                 (2)
                      (43,925)          10,480     (33,445)       1,052     32,393        -
    契約、および類似する契約
                      (80,930)          11,823     (69,107)      28,340      37,818      (2,949)
    金融負債合計
    (1)  売戻条件付契約

      ・ 満期までの期間が90日未満のものは貸借対照表において現金および現金同等物に計上されている。
      ・ 満期までの期間が90日以上のものは貸借対照表において正味貸付金および前渡金に計上されている。
    (2)  買戻条件付契約は、貸借対照表の預金およびその他の借入金に計上されている。
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    22.  のれんおよびその他の無形資産
                      (1)

                             ソフトウェア         その他の無形資産              合計
                   のれん
                 2022年     2021年     2022年     2021年     2022年     2021年     2022年      2021年
                                 (単位:百万ドル)
    連結
    期首残高              3,089     3,264      960     1,039      75     76    4,124      4,379
      (2)
    増加               78     -    315      356     10     -     403      356
    償却費用                -     -   (375)      (434)      (4)     (2)     (379)      (436)
        (3)
    減損費用                -   (251)      (3)      (1)     -     -     (3)     (252)
    処分/撤退に基づく償却
    (3)(4)
                   (40)     (13)      -      -     -     -     (40)      (13)
                   (221)      89     (1)      -    (6)     1    (228)       90
    換算差額
                  2,906     3,089      896      960     75     75    3,877      4,124
    期末残高
        (5)

    取得原価              2,906     3,089     7,843      7,639      83     78    10,832      10,806
                   該当     該当
                   なし     なし    (6,947)      (6,679)       (8)     (3)    (6,955)      (6,682)
    償却累計額
                  2,906     3,089      896      960     75     75    3,877      4,124
    帳簿価額
                      (1)

                             ソフトウェア         その他の無形資産              合計
                   のれん
                 2022年     2021年     2022年     2021年     2022年     2021年     2022年      2021年
                                 (単位:百万ドル)
    当行
    期首残高               62     62    952     1,030       3     5    1,017      1,097
    増加                -     -    287      345      -     -     287      345
    償却費用                -     -   (363)      (422)      (3)     (2)     (366)      (424)
    減損費用                -     -    (3)      (1)     -     -     (3)      (1)
                    -     -    (1)      -     1     -      -      -
    換算差額
                    62     62    872      952      1     3     935     1,017
    期末残高
        (5)

    取得原価               62     62   7,544      7,342       7     6    7,613      7,410
                   該当     該当
                   なし     なし    (6,672)      (6,390)       (6)     (3)    (6,678)      (6,393)
    償却累計額
                    62     62    872      952      1     3     935     1,017
    帳簿価額
    (1)  のれんは、持分法適用投資の投資調整勘定を除外している。

    (2)  2022年度ののれんの増加はキャッシュリワーズの取得に関連している。
    (3)  2021年度ののれんの減損費用は、ANZシェア・インベスティング事業の売却目的保有への分類変更による償却に関連してお
      り、残りの13百万ドルは事業売却時に認識が中止された。この減損は、2021年の売却完了の際の分類に合わせて、その他
      収入に認識された。
    (4)  2022年度の処分/撤退に基づくのれんの償却は、ファイナンシャル・プランニング・アドバイス事業からの撤退に関連し
      ている。
    (5)  為替換算差額の影響を含む。
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     のれんを伴う資金生成単位の減損テスト
     企業結合により取得したのれんの減損テストは、毎年および減損の兆候がある場合に実施している。のれんは取得日時点
    で、関連する企業結合のシナジー効果の恩恵を受けると予想される資金生成単位(「CGU」)またはCGUのグループに割り当て
    られる。
     該当CGUの帳簿価額が、回収可能価額を超過している場合、のれんは減損しているとみなされる。当グループは、のれんが割
    り当てられた各CGUの回収可能価額を見積もるために、売却コスト控除後の公正価値(「FVLCOD」)アプローチを使用し、
    FVLCODが帳簿価額を下回る場合には使用価値(「VIU」)の評価を実施する。
     2022年9月30日終了年度に、当グループは、オーストラリア・リテール部門とオーストラリア商業部門を別個に設置する事
    業の再編を実施した。これらの変更により、のれんの減損テストの目的で、新しい部門構造を反映した新規CGUが生成された。
    のれんは、のれんが監視される最小組織レベルに基づいて、以下のCGUに配分されている。
                                          2022年          2021年

     資金生成単位
                                            (単位:百万ドル)
     オーストラリア・リテール                                         178          100
     オーストラリア商業                                          -          40
     ニュージーランド                                        1,706          1,849
     法人                                        1,022          1,100
     のれんの配分先である各CGUのFVLCODは、維持可能な将来収益の見積額に比較対象企業の観察可能な収益倍率を適用すること

    によって見積もられる。その後、処分費用の見積額を控除する。評価額は、評価において使用される観察不能なインプットの
    ために、公正価値ヒエラルキーのレベル3とみなされる。
     FVLCODの決定に使用された経営陣のアプローチおよび重要な仮定は以下のとおりである。
     重要な仮定           それぞれの重要な仮定の値(または複数の値)の決定のアプローチ

     維持可能な将来収益           各CGUの維持可能な将来収益は、以下の金額の合計として見積もられる。
                 ・ 当グループの各CGUの2023会計年度の財務計画
                 ・ のれんが割当てられたCGUの範囲外で計上された中央部門の費用配分
                関連がある場合、当グループの財務計画は、予想信用損失や投資支出などの項目の長期予
                測を反映して修正される。
     収益倍率(P/E)           各CGUに適用される収益倍率は、上場企業の比較対象グループから導出されたものであ
                り、後述する30%の支配プレミアムを含んでいる。
                ニュージーランド部門CGUおよび法人部門CGUの場合には、経営陣は、これらのCGUとの関
                連性がある固有の要因に対処するためにP/E倍率の下方修正を行った。
                支配プレミアムが適用されているが、これは、取得希望者がCGUの関連活動に対する支配
                の獲得に十分な所有権を得るために支払うであろうと考えられる対価の上乗せ分の認識で
                ある。各CGUに関する支配プレミアムは、過去の取引に基づいて比較対象グループのP/E倍
                率の30%と見積もられた。
     処分費用           処分費用は、過去および最近の取引から観察に基づいて、CGUの公正価値の2%と見積も
                られた。
     上記のとおり、減損テストの結果、2022年9月30日現在認識されているのれんの重要な減損は認められなかった。

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     各CGUのFVLCODの見積りは、P/E倍率、将来の維持可能な収益および支配プレミアム(30%)に関する仮定に影響される。し
    かし、各CGUは、他の合理的に代替可能な見積りを用いた場合であっても、引き続き帳簿価額に対して回収可能価額が超過す
    る。
     認識および測定

     下表は無形資産別に認識および測定方法の詳細を示している。
               のれん               ソフトウェア              その他の無形資産
     定義          当グループが企業を取得する               当グループが保有する購入済              資産運用事業の取得から生じ
               にあたり支払った金額が、取               みソフトウェアは資産計上さ              た運用手数料の権利および契
               得した識別可能な資産および               れる。              約上の権利から生じたその他
               負債の公正価値を超過した金               ソフトウェアおよびコン              の無形資産。
               額。               ピューター・システムの構築
                             にあたり発生した20百万ドル
                             を超過する内部および外部費
                             用は、資産計上される。20百
                             万ドル未満の費用は発生年度
                             に費用計上される。
     帳簿価額          取得原価から減損損失累計額               当初は取得原価で測定され              当初は取得時の公正価値で測
               を控除した金額。               る。              定される。
               取得に関係する資金生成単位               その後、取得原価から償却費              その後、取得原価から償却費
               に割当てられる。               および減損損失累計額を控除              および減損損失累計額を控除
                             した金額で計上される。              した金額で計上される。
                             ソフトウェア案の企画もしく
                             は評価に要した費用またはシ
                             ステム設置後の維持費用は資
                             産計上されない。
     耐用年数          確定できない。               主要な基幹インフラストラク              耐用年数が確定できない運用
                             チャーを除き、2年から5年              手数料の権利については、少
               のれんについては、少なくと               の期間にわたり償却される。              なくとも年次で、または減損
               も年次で、または減損の兆候               ただし、主要な基幹インフラ              の兆候のある場合は減損の有
               が見られる際に減損の有無が               ストラクチャーは、監査委員              無について見直される。その
               見直される。               会の承認を前提として最長7              他の無形資産は3年の期間に
                             年の期間にわたり償却するこ              わたり償却される。
                             とができる。
                             購入したソフトウェアは、よ
                             り長い耐用年数を有する他の
                             資産と一体とみなされる場合
                             を除き、2年で償却される。
     減価償却法          該当なし。               定額法。              耐用年数を確定できない無形
                                            資産には適用されない。耐用
                                            年数を確定できる資産につい
                                            ては定額法。
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     重要な判断および見積り

     のれんおよびその他の無形資産の回収可能価額ならびに資産の経済的耐用年数(または資産の耐用年数が無限であ
     るか)を評価するために、経営陣の判断が利用されている。当グループは各報告日に帳簿価額の回収可能性を再評
     価している。
     のれん
     のれんの残高に減損が生じているかどうかの決定においては、以下の多数の重要な判断が求められる。
      ・ のれんが割当てられるレベル               – 過去の期間と同様に、のれんが割り当てられたCGUは、のれんが発生した過
        去の企業結合から関連する便益を享受する、当グループの収益生成セグメントである。
      ・ 各CGUの帳簿価額の決定。これには、のれんが割り当てられたCGUに直接帰属しない全社資産および負債の
        合理的かつ一貫した配分が含まれる。
      ・ 各CGUの回収可能価額の評価は、以下を含む。
        ・ 公正価値を決定するために使用されるモデルの選択                          – 当グループは、市場倍率アプローチを使用して公
          正価値を見積もった。
        ・ 上記の適切な比較対象グループの選択ならびに適切な支配プレミアムおよび処分費用の決定を含む、維
          持可能な将来収益、適用されるP/E倍率に関する重要な仮定の選択
     ソフトウェアおよびその他の無形資産

     各報告日に、ソフトウェアおよびその他の無形資産は減損の兆候に関して評価され、その兆候が特定された場合に
     は減損評価が実施される。資産の帳簿価額が回収可能価額を超過していると判断された場合、直ちに当該資産の帳
     簿価額が減額される。まだ使用可能になっていない資産の減損テストは毎年行われる。
     また、無形資産の予想される耐用年数は、各報告日に評価される。評価には、経営陣の判断が求められ、ソフト
     ウェア資産に関しては、数多くの要因が予想される耐用年数に影響を及ぼす。これらの要因には、事業戦略の変
     更、重要な売却および技術的な変化のペースが含まれる。
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    23.  その他引当金
                                 連結                 当行

                            2022年        2021年        2022年        2021年
                                     (単位:百万ドル)
                      (1)
                               775        806        673        674
    未実行および条件付与信枠のECL引当金
                               662        886        600        791
    顧客救済措置
                                68        99        47        44
    組織再編費用
                  (2)
                               105        133         93        115
    非貸付損失、不正および偽造
       (2)
                               262        290        235        249
    その他
                              1,872        2,214        1,648        1,873
    その他引当金合計
                                           非貸付損失、

                                            不正および
                                               (2)         (2)
                           顧客救済措置        組織再編費用          偽造        その他
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    2021年10月1日現在残高                           886         99        133        290
    新規および当期中に増加した引当金                           231         64        122        191
    当期中に使用された引当金                          (404)         (67)        (148)        (202)
                               (51)        (28)         (2)        (17)
    当期中に戻入された未使用金額
                               662         68        105        262
    2022年9月30日現在残高
                                           非貸付損失、

                                            不正および
                                               (2)         (2)
                           顧客救済措置        組織再編費用          偽造        その他
                                     (単位:百万ドル)
    当行
    2021年10月1日現在残高                           791         44        115        249
    新規および当期中に増加した引当金                           228         54        13        170
    当期中に使用された引当金                          (375)         (27)        (35)        (181)
                               (44)        (24)         -        (3)
    当期中に戻入された未使用金額
                               600         47        93        235
    2022年9月30日現在残高
    (1)  増減分析については、注記14「予想信用損失引当金」を参照のこと。

    (2)  一部の引当金は、その性質をよりよく反映させるために、2022年度中に「その他」から「非貸付損失、不正および偽造」
      に組み替えられた。比較情報はこれに伴い修正再表示されており、この組替えの影響額は、当グループについて72百万ド
      ル、当行について61百万ドルであった。
     顧客救済措置

     顧客救済措置には、顧客への返金見込額に関する引当金、救済プロジェクト費用ならびに関連する顧客および規制当局から
    の請求、罰金ならびに訴訟の費用および結果が含まれる。
     組織再編費用

     組織再編費用に関する引当金は、当グループの業務範囲、または業務方法の重大な変更に関する活動から生じるもので、従
    業員退職手当が含まれる。継続活動に関する費用は引き当てられず、発生時に費用計上される。
     非貸付損失、不正および偽造

     非貸付損失には、貸付金および前渡金の元本残高に直接関連しない特定の法的措置によって生じた損失ならびに偽造、不正
    および業務に関する是正措置によって生じた損失が含まれる。認識された金額は、報告日現在の債務を決済するために必要な
    対価の最善の見積りであり、引当金に影響を及ぼす事象および状況に関わるリスクおよび不確実性を考慮している。
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     その他
     その他引当金は、従業員報酬、賃貸借物件に関連した補償引当金、様々な事業および資産の売却に関連した保証および補
    償、ならびに企業結合の一部として認識された偶発債務を含む、様々なその他の引当金で構成される。
     認識および測定

     当グループは、過去の事象から生じる現在の債務が存在し、経済的資源の流出の可能性が高く、信頼性のある測定
     が可能な場合に引当金を認識する。
     認識された金額は、報告日現在の債務を決済するために必要な対価の最善の見積りであり、債務の時期および金額
     に関するリスクおよび不確実性を考慮している。現在の債務を決済するために必要なキャッシュフローの見積りを
     用いて引当金を測定する場合、その帳簿価額は当該キャッシュフローの現在価値である。
     重要な判断および見積り

     当グループは、顧客救済措置、組織再編費用、非貸付損失、不正および偽造ならびに訴訟に関連する請求を含む
     様々な債務に対して引当金を計上している。これらの引当金は、それらの債務を支払うために必要な支出の見積り
     を含む将来の事象の時期および結果に関する判断を伴う。必要に応じて、専門家の法的助言が取り入れられ、それ
     らの助言に鑑み、適切とみなされる引当金の計上および/または開示が行われる。
     顧客救済に関連する引当金は、特定された案件の解決費用に係る経営陣の最善の見積りを表すものであり、その金
     額の決定には重要な判断の行使が求められる。判断は、影響を受けた顧客数、顧客1人当たりの平均返金額、関連
     する救済プロジェクト費用、個別の事実や状況に関する規制上のエクスポージャーおよび顧客の請求による影響を
     含む、異なる仮定に対する見解を形成するために必要とされる場合が多い。顧客救済引当金が訴訟または法的事項
     に関連する場合、見積りの不確実性の水準が高くなる。根拠となる仮定の適切性を実績および法律専門家の助言を
     含むその他の関連する証拠と照らして定期的に検証し、必要に応じて、引当金を調整する。
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    24.  株主資本
     株主資本

                                 連結                当行

                            2022年        2021年        2022年        2021年
                                     (単位:百万ドル)
    普通株式資本                         28,797        25,984        28,720        25,907
    準備金
             (1)
     為替換算調整勘定                         (148)         611         (6)       (145)
     株式オプション準備金                           78        76        78        76
     FVOCI準備金                         (478)         170        (557)         26
     キャッシュフロー・ヘッジ準備金                        (2,036)          393      (2,061)          384
                               (22)        (22)         -        -
     非支配持分株主間取引準備金
    準備金合計                         (2,606)         1,228        (2,546)          341
                              39,716        36,453        32,859        29,132
    利益剰余金
    当行株主に帰属する株式資本および準備金                         65,907        63,665        59,033        55,380
         (2)
                               494         11         -        -
    非支配持分
                              66,401        63,676        59,033        55,380
    株主資本合計
    (1)  英国のミネルヴァ・ホールディングス・リミテッドおよび香港のANZアジア・リミテッドの解散の結果、関連する為替換算

      調整勘定65百万ドルが2022年度にその他の包括利益から損益にリサイクルされた。
    (2)  ANZバンク・ニュージーランドは、2022年度に当グループの非支配持分とみなされる484百万ドルの永久優先株を発行し
      た。
     普通株式資本

     下表は当期における普通株式および株式資本の変動の詳細を示したものである。
                           2022年                    2021年

                       株式数         (百万ドル)           株式数         (百万ドル)
    連結
                     2,823,563,652             25,984      2,840,370,225              26,531
    期首残高
                       7,195,108            183       4,242,368              94
    配当金再投資制度に基づく発行
                       2,890,268             -      2,259,507              -
    ボーナス・オプション制度
                           -        (21)           -          13
    当グループの従業員株式取得制度
         (1)
                      (30,831,227)             (846)      (23,308,448)              (654)
    株式買戻し
    シェア・エンタイトルメントに基
        (2)
                      187,105,950            3,497            -          -
    づく発行
                     2,989,923,751             28,797      2,823,563,652              25,984
    期末残高
                       (4,209,150)                   (4,401,593)
    減算:自己株式
                     2,985,714,601             28,797      2,819,162,059              25,984
    期末残高
                           2022年                    2021年

                       株式数         (百万ドル)           株式数         (百万ドル)
    当行
    期首残高                 2,823,563,652             25,907      2,840,370,225              26,454
    配当金再投資制度に基づく発行                   7,195,108            183       4,242,368              94
    ボーナス・オプション制度                   2,890,268             -      2,259,507              -
    当グループの従業員株式取得制度                       -        (21)           -          13
         (1)
    株式買戻し                  (30,831,227)             (846)      (23,308,448)              (654)
    シェア・エンタイトルメントに基
        (2)
                      187,105,950            3,497            -          -
    づく発行
                     2,989,923,751             28,720      2,823,563,652              25,907
    期末残高
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    (1)  当行は、2022年度に846百万ドル(2021年度:654百万ドル)相当の株式を買い戻し、15億ドルのANZ普通株式の市場での買
      戻しを完了し、その結果、2022年度に31百万株(2021年度:23百万株)が消却された。
    (2)  2022年7月18日、当グループは、予定されているサンコープ・バンクの買収のための資金調達に活用するため、ANZの新規
      普通株式につき、全額引受済のプロラタ・アクセラレイテッド・リナウンサブル・エンタイトルメント・オファー(比例
      按分方式・機関株主部分先行・放棄可能・権利付与型の募集)を発表した。すべての適格株主に対して、2022年7月21日
      現在の保有株式15株につき新株1株を1株当たり18.90ドルの発行価格で購入する内容で勧誘が行われた。当行はこのオ
      ファーに基づき、合計187.1百万株の普通株式を発行し、3,497百万ドル(発行費用控除後)の新規株式資本を調達した。
     非支配持分

                        非支配持分に帰属する利            非支配持分に帰属する           非支配持分への配当金

                             益           資本          の支払額
                         2022年      2021年      2022年     2021年      2022年      2021年
                                    (単位:百万ドル)
    連結
    ANZバンク・ニュージーランドPPS                        -      -    484      -      -      -
                            1      1     10     11      2      -
    その他
                            1      1    494      11      2      -
    合計
     ANZバンク・ニュージーランド優先株式

     当グループの完全保有子会社であるANZバンク・ニュージーランド・リミテッド(「ANZバンク・ニュージーランド」)は、
    永久優先株式(「PPS」)を発行しており、これは当グループとの関係では非支配持分とみなされる。
     PPSの主な条件は以下に要約される。
     PPS配当金

     PPS配当金は、ANZバンク・ニュージーランドの取締役の裁量により支払われ、累積しない。PPSの払込みが行われない場合、
    ANZバンク・ニュージーランドは、次回のPPS配当支払日まで、普通株式に対する配当金の支払いあるいはその他の分配を決議
    してはならない。
     ANZバンク・ニュージーランドがPPS配当金を支払う選択をする場合、PPS配当金は、2028年7月18日まで年率6.95%とし、そ
    の後は変動利率となり、その利率は(PPS配当金が全額インピュテーション方式の税額控除対象の場合で)3か月物ニュージー
    ランド銀行間取引金利に3.25%を上乗せした合算値に1からニュージーランド法人税率を差し引いたものを乗じたものとし、
    支払期日は毎年1月18日、4月18日、7月18日、および10月18日とする。
     償還に係る個別条項

     PPSの所有者は、PPSの償還請求権を有していない。ANZバンク・ニュージーランドは、RBNZの書面による事前の承認およびそ
    の他の条件を満たすことを条件として、任意の償還日(2028年7月18日以降の各PPS配当日)、または税務事由もしくは規制事
    由の発生後の任意の時点において、すべてのPPSの償還を選択することができる。
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     認識および測定
     普通株式               普通株式は無額面である。普通株式の株主には全額払込済普通株式保有数に応じ
                    て、配当金を受け取る権利、または当行の清算時に残余財産を受け取る権利が付与
                    される。これらは発行に直接帰属する費用を控除後の普通株式1株当たりの払込額
                    で計上される。株主総会に自らまたは代理人が出席している全額払込済普通株式の
                    各保有者は下記の議決権を有する。
                     ・ 挙手の場合は各人。
                     ・ 投票の場合は各保有株式につき。
     自己株式               自己株式は当行において、次のいずれかに該当するものである。
                     ・ ANZ従業員株式取得制度のために市場で購入され、未だ分配されていないも
                      の。
                     ・ 当行がANZ従業員株式取得制度のために発行し、未だ分配されていないもの。
                    自己株式は株式資本から控除され、1株当たり利益の計算に用いる加重平均発行済

                    普通株式数から除外される。
     準備金:
     為替換算調整勘定               海外事業(子会社および支店を含む。)の機能通貨が豪ドルではない場合、資産お
                    よび負債の豪ドルへの換算の際に発生する差額が含まれる。本準備金において、当
                    該エクスポージャーのヘッジにより相殺する損益を、税効果と共に反映している。
     キャッシュフロー・ヘッジ               キャッシュフロー・ヘッジ手段として指定された商品に関連して有効部分とされる
                    公正価値損益が税効果と共に含まれている。
     準備金
     FVOCI準備金               投資有価証券に含まれている特定の負債証券および持分証券の公正価値の変動が税
                    効果と共に含まれている。
                    FVOCI測定に分類される負債証券に関して、FVOCI準備金は、当初の認識後に生じた
                    公正価値の変動累計額を、損益計算書に計上された予想信用損失引当金、受取利
                    息、為替換算損益に関連するものを除外して計上している。FVOCIに分類される負債
                    証券は公正価値で計上されるため、FVOCI準備金残高は、当該資産に関するECL引当
                    金を控除したものである。FVOCIで測定される負債証券の認識が中止される場合、当
                    該証券に関してFVOCI準備金に計上されている損益累計額は、損益に再分類されその
                    他営業収入に表示される。
                    FVOCIで測定される持分証券に関して、FVOCI準備金には、当初認識後の公正価値変
                    動累計額が計上される(関連する為替換算損益を含む。)。FVOCIで測定される持分
                    証券の認識が中止される場合、当該証券に関してFVOCI準備金に計上されている損益
                    累計額の損益への組替えは行われない。
     株式オプション準備金               株式報酬費用の認識時に生じる金額が含まれている。
     非支配持分株主間取引準備金               株主権に基づく非支配株主との取引の影響が含まれている。
     非支配持分               当行が直接または間接的に所有していない株式持分に帰属する被支配法人の純資産
                    部分。
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    25.  資本管理
    資本管理戦略

     ANZの資本管理戦略は預金者、債権者および株主の利益を保護することを目標としている。当グループは3年間にわたる詳細
    な戦略計画および資本計画を策定するための自己資本評価プロセス(「ICAAP」)を通じてその目標を達成している。
     プロセスとしては次のものが含まれる。
     ・ 経済的変化、ANZ各部門の財務成績および計画期間中に実施される新たな戦略的イニシアチブの財務上の影響を予測する
       こと。
     ・ 異なる経済シナリオのもとでストレステストを実施し、景気低迷時に発生する可能性のある損失を吸収するために必要
       な追加資本(「ストレス資本バッファー」)の水準を決定すること。
     ・ ANZのリスク・プロファイルに照らし、自己資本比率およびさまざまな資本クラスの目標を見直すこと。
     ・ 目標とする自己資本比率、現在および将来の資本発行要件ならびに異なる市場や経済の状況下で資本計画を実行するた
       めの資本商品、時期および市場に関する選択肢を考慮し、資本計画を策定すること。
     資本計画は取締役会によって承認され、必要に応じて更新される。取締役会および上級経営陣には、ANZの資本ポジションの

    最新情報が定期的に報告される。現在の適正資本管理を維持するために必要な重大な措置はすべて、取締役会に報告され、承
    認を受ける。当年度を通じて、当グループは営業している各法域における自己資本比率に関するすべての規制要件を遵守して
    いた。
    規制環境

     オーストラリア
     ANZはオーストラリアにおける認可済預金受託機関(「ADI」)であるため、1959年銀行法(オーストラリア連邦)のもとで
    主としてAPRAによる規制を受ける。ANZはAPRAが定め、国際バーゼル3の自己資本規制枠組みに準拠した最低規制資本要件、健
    全資本比率および特定の報告水準を遵守しなければならない。これはバーゼル銀行監督委員会(「BCBS」)によって設定され
    る銀行規制資本の適正水準を決定するための一般的な枠組みである。APRAの要件は、以下に要約されている。
     規制資本の定義

     普通株式等     Tier  1(CET1)

     資本                Tier1資本              Tier2資本              資本合計
     特定の項目について調整され                CET1資本とその他Tier              発行日現在において償還              Tier1資本とTier2資本
     た株主資本                1資本と呼ばれる適合損              期限まで最低5年の劣後              の合計
                     失吸収力を備えた特定の              債務商品
                     有価証券の合計
     最低適正資本比率        (PCR)

     CET1比率                Tier1比率                    合計自己資本比率

     CET1資本のリスク加重資産に                Tier1資本のリスク加重資産に対する                    資本合計のリスク加重資産に対する
     対する比率は、最低で4.5%で                比率は、最低で6.0%でなければなら                    比率は、最低で8.0%でなければなら
     なければならない。                ない。                    ない。
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     報告レベル
     レベル1                 レベル2                    レベル3

     ADI単体(すなわち、当行および                 連結グループから、健全性基準の下で                    最も広範囲なコングロマリット・
     ADIの拡大認定法人を構成するた                 除外される特定の子会社および関連会                    グループ。
     めに連結することが特定されて                 社を除外したもの。
     いる子会社)。
     APRAはまた、ADIに対し、以下の追加CET1バッファーの保有を義務付けている。

     ・ 国内のシステム上重要な銀行(「D-SIB」)に対する1%の追加分を含む、3.5%の資本保全バッファー(「CCB」)。
       APRAは、ANZはD-SIBであると判断している。
     ・ 法域に基づいて設定されるカウンターシクリカル資本バッファー。オーストラリアに関しては、この要件は現在ゼロに
       設定されている。
     ANZはAPRAにレベル1とレベル2の基準で報告し、レベル1とレベル2の自己資本の適切性を月次で測定しているが、レベル

    3の基準による自己資本の維持はまだ義務付けられていない(APRAはレベル3基準による報告義務の開始時期についてまだ決
    定していない。)。
     生命保険および資産運用

     APRAの健全性基準で要求されているように、保険および資産運用業務は、以下のように扱われている。
     ・ 自己資本比率の計算目的では連結から除外されている。
     ・ リスク・ベースの自己資本比率の枠組みからは除外されている。
     当グループは、これらの被支配法人に対する投資の100%をCET1資本から控除し、これらの業務からの利益がグループ業績

    に含まれている場合、当該利益の当行への未送金額をCET1資本の算定から除外している。
     オーストラリア以外

     APRAに加え、当行の支店および主要銀行子会社の運営は、ニュージーランド準備銀行、米国連邦準備制度理事会、英国健全
    性規制機構、シンガポール通貨監督庁、香港金融管理局および中国銀行保険業監督管理委員会など、現地の規制当局の監督も
    受ける。これらの規制当局は、各法域におけるそれぞれの事業活動に対して最低自己資本比率を課すことができる。
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           (1)
     自己資本比率
     下表は、当グループの9月30日現在の自己資本比率の詳細を示したものである。
                                                連結

                                           2022年         2021年
                                             (単位:百万ドル)
    適格資本
    Tier1
    株主資本および非支配持分                                         66,401         63,676
                                              (175)          3
    株主資本への適正資本調整
    普通株式等Tier1総資本                                         66,226         63,679
                                            (10,354)         (12,320)
    控除
    普通株式等     Tier  1 資本                                55,872         51,359
            (2)
                                             7,686         8,114
    その他Tier1資本
    Tier1資本                                         63,558         59,473
         (3)
                                             19,277         17,125
    Tier2資本
                                             82,835         76,598
    適格資本合計
    自己資本比率(レベル2)
    普通株式等Tier1                                         12.3%         12.3%
    Tier1                                         14.0%         14.3%
    Tier2                                          4.2%         4.1%
                                             18.2%         18.4%
    自己資本比率合計
                                            454,718         416,086
    リスク加重資産
    (1)  この情報は、当グループの外部監査人であるKPMGによる当グループの財務報告書の外部監査の範囲に含まれていない。本

      表に表示された情報は、APRA報告書式(「ARF」)第110号「自己資本比率」のパートAで開示されている規制当局の要件で
      あり、健全性基準APS第310号「監査および関連事項」に基づいた監査の対象となる。
    (2)  これには、その他Tier1資本7,705百万ドル(2021年度:8,506百万ドル)(注記17「発行済社債」を参照のこと。)、な
      らびに規制上の調整および控除額-19百万ドル(2021年度:-392百万ドル)が含まれる。
    (3)  これには、Tier2資本17,907百万ドル(2021年度:16,207百万ドル)(注記17「発行済社債」を参照のこと。)、金融資
      産の減損に関する一般準備金1,233百万ドル(2021年度:1,412百万ドル)ならびに規制上の調整および控除額137百万ドル
      (2021年度:-494百万ドル)が含まれる。
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    26.  被支配法人
                                         設立地         事業の内容

    当グループの親会社はオーストラリア・ニュージーランド銀行である。                                     オーストラリア         銀行業

    当グループは、別途注記されているものを除き、すべての被支配法人の
    議決権の100%を保有している。
    当グループの重要な被支配法人は以下のとおりである。
                    (1)
    ANZバンク(ベトナム)リミテッド                                     ベトナム         銀行業
    ANZファンズPty        Ltd
                                         オーストラリア         持株会社
                     (1)
                                         キリバス         銀行業
     ANZバンク(キリバス)リミテッド                 (持分比率は75%)
                    (1)
                                         サモア         銀行業
     ANZバンク(サモア)リミテッド
                               (1)
                                         タイ         銀行業
     ANZバンク(タイ)パブリック・カンパニー・リミテッド
                              (1)
                                         ニュージーランド         持株会社
     ANZホールディングス(ニュージーランド)リミテッド
                           (1)
                                         ニュージーランド         銀行業
       ANZバンク・ニュージーランド・リミテッド
                                        (1)
                                         ニュージーランド         資産運用
         ANZインベストメント・サービシズ(ニュージーランド)リミテッド
                                   (1)
                                         ニュージーランド         ファイナンス
         ANZニュージーランド(インターナショナル)リミテッド
         ANZニュージーランド・インベストメンツ・ホールディングス・
                                      (1)
                                         ニュージーランド         持株会社
         リミテッド(旧ANZウェルス・ニュージーランド・リミテッド)
                                   (1)
                                         ニュージーランド         資産運用
          ANZニュージーランド・インベストメンツ・リミテッド
                                 (1)(4)
                                         ニュージーランド         ファイナンス
         ANZニュージーランド・カバード・ボンド・トラスト
                             (1)
                                         シンガポール         持株会社
     ANZインターナショナル・プライベート・リミテッド
                                                   マーチャント・
                     (1)
                                         シンガポール         バンキング業務
       ANZシンガポール・リミテッド
                         (1)
                                         香港         持株会社
     ANZインターナショナル(香港)リミテッド
                       (2)
                                         バヌアツ         銀行業
       ANZバンク(バヌアツ)リミテッド
                                (1)
                                         シンガポール         自家保険
     ANZカバー・インシュアランス・プライベート・リミテッド
    ANZレンダーズ・モーゲージ・インシュアランスPtyリミテッド                                     オーストラリア         抵当保険
                           (4)
    ANZレジデンシャル・カバード・ボンド・トラスト                                     オーストラリア         ファイナンス
    オーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンク(チャイナ)カンパニー・
         (1)
    リミテッド                                     中国         銀行業
    オーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンキング・グループ(PNG)
         (1)
    リミテッド                                     パプアニューギニア         銀行業
               (1)
    重慶市梁平     ANZ  農村銀行                              中国         銀行業
                 (3)
    シティズンズ・バンコープ                                     グアム         持株会社
              (3)
                                         グアム         銀行業
     ANZグアム・インク
    インスティテューショナル・セキュリタイゼーション・サービシズ・
                                                   証券化マネ
    リミテッド     (旧ANZケーペル・コート・リミテッド)                                オーストラリア         ジャー
                (1)
    PTバンクANZインドネシア             (持分比率は99%)                        インドネシア         銀行業
    (1)  海外のKPMGによる監査(必要に応じて当グループ監査の一環としてもしくは個別財務書類について)を受けている。

    (2)  ロー・パートナーズによる監査を受けている。
    (3)  デロイト・グアムによる監査を受けている。
    (4)  当グループは所有していない。当グループが事業のほぼすべてのリスクおよび経済価値を留保しているため、支配が存在
      する。
     重要な被支配法人の変動

     ANZアジア・リミテッドは、2022年7月に登録抹消された。
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     重大な制約
     健全性規制の対象となる被支配法人は、最低資本またはその他の規制要件を維持することを要求される場合があり、このこ
    とは、当該事業体が、親会社または当グループ内の他の事業体への資産の移転、配当金の支払いまたはその他の資本分配を行
    う際の能力を制限する場合がある。当グループは、このような制約を注記18「財務リスク管理」で概説されるリスク管理の枠
    組み、および注記25「資本管理」で概説される当グループの資本管理戦略の中で管理している。
     2022年9月30日現在、当グループ内の事業体が当グループ内の他の事業体に対して資産の譲渡、配当金の支払いまたはその
    他の資本分配を行う能力について、重大な制約はなかった。
     認識および測定

     当グループの子会社とは、次により当グループが支配する法人を指す。
      ・ 当該事業体から生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有していること
      ・ 当該事業体に対するパワーを通じて当該リターンに影響を与えることが可能であること
     当グループは、事業体に対する当グループのパワーの有無を、当該事業体の関連活動を指揮する既存の権利を吟味

     することにより評価している。
     当グループが当事業年度中に子会社を処分または取得した場合、子会社の処分日まで、または取得日以降の営業成
     績が当グループの業績に含まれる。当グループの支配が停止した場合、子会社の資産および負債、関連する一切の
     非支配持分ならびにその他の資本構成部分について認識を中止する。
     子会社における当グループの所有持分が変動しても支配の喪失にはならない場合、当グループは、株主権に基づく
     株主との取引として会計処理する。
     当グループ法人間の取引は、すべて連結時に消去される。
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    27.  関連会社に対する投資
     当グループの重要な関連会社は以下のとおりである。

                                                帳簿価額

                                普通株式における持分              (単位:百万ドル)
    会社名                  主要業務         2022年       2021年       2022年       2021年
    AMMBホールディングスBerhad
    (「AmBank」)               銀行業務および保険               22%       22%       790       719
    PTバンク・パン・インドネシア
                    個人および企業向け
    (「PT    Panin」)
                    銀行               39%       39%      1,318       1,210
    ワールドライン・
    オーストラリアPtyリミテッド
    (「ワールドライン」)               決済・取引サービス               49%        -      47       -
    その他の個別に重要でない関連
                                該当なし       該当なし          26       43
    会社の合計
               (1)
                                               2,181       1,972
    関連会社帳簿価額合計
    (1)  為替換算調整勘定に認識されている為替換算による影響を含む。

    重要な関連会社の財務情報

     当グループの重要な関連会社各社の要約財務情報は、以下のとおりである。これらの要約財務情報は、当該関連会社の国際
    財務報告基準(「IFRS」)に準拠した財務情報に基づいているが、各関連会社の会計年度が当グループと異なる(PT                                                      Paninは
    12月31日、AmBankは3月31日、ワールドラインは12月31日)ため、未監査財務情報の使用が必要となる場合がある。
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                                                    ワールド
                                                    ライン・
                                                    オーストラ
                                                   リアPtyリミ
                           AMMBホールディングス            PTバンク・パン・インド
                                                       (1)
                              Berhad             ネシア         テッド
    主たる事業所の所在地および設立国
                                                    オーストラ
                             マレーシア            インドネシア           リア
                           2022年       2021年      2022年      2021年      2022年
                                     (単位:百万ドル)
    要約業績
        (2)
                             1,511       1,560      1,206      1,222        57
    営業収入
    当期利益/(損失)                         529     (1,192)        198      298       (21)
                             (128)       (39)       6     (56)        -
    その他の包括利益/(損失)
    包括利益/(損失)合計                         401     (1,231)        204      242       (21)
    減算:非支配持分に帰属する包括(利益)/
                              (18)       (25)       25       1       -
    損失合計
    関連会社株主に帰属する包括利益/(損失)
                              383     (1,256)        229      243       (21)
    合計
    要約財政状態
        (3)
    資産合計                        57,220       55,711      20,537      18,323        203
        (3)
                            53,234       49,773      17,234      15,377         90
    負債合計
         (3)
    純資産合計                        3,986       5,938      3,303      2,946        113
                             (402)       (327)      (315)      (304)        -
    減算:関連会社における非支配持分
                             3,584       5,611      2,988      2,642        113
    関連会社株主に帰属する純資産
    関連会社における当グループ持分の帳簿価額
    に対する調整
    期首現在の帳簿価額                         719      1,056      1,210      1,084         -
    取得                          -       -      -      -      57
    包括利益/(損失)合計における当グループ
    の持分                          81      (313)       71      90      (10)
    関連会社から受け取った配当金                         (12)        -     (18)       -       -
                               2      (24)       55      36       -
    為替換算調整勘定の調整
                              790       719     1,318      1,210        47
    期末現在の帳簿価額
    当グループによる関連会社に対する投資の
                              929       756     2,016       675    該当なし
    市場価値
    (1)  2022年度に、当グループはワールドラインSAと提携を結んだ。これには新会社であるワールドライン・オーストラリアPty

      リミテッドの設立が含まれ、同社は2022年3月8日に営業を開始した。
    (2)  2021年度の営業収入は、AmBankの財務諸表の表示方法の変更に合わせて修正再表示された。
    (3)  買収時に当グループが行った(のれんなどの)市場価値の調整(および会計方針の差異に関する調整)が含まれる。
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     認識および測定
     関連会社とは、当グループがその営業方針や財務方針に重大な影響力を行使するものの支配していない法人であ
     る。当グループは持分法で関連会社を会計処理している。関連会社に対する投資は、取得原価に取得後の関連会社
     の純資産変動額の持分を加えたものから、減損損失累計額を差し引いた額で計上される。当グループが関連会社か
     ら受け取る配当金は、当該投資の帳簿価額の減算として認識される。当グループは、関連会社によって認識されて
     いるのれんを投資の帳簿価額に算入している。関連会社の帳簿価額に算入されているのれんについては、個別に減
     損判定を実施していない。
     当グループは、少なくとも報告日において関連会社に対する投資の減損の兆候について検討する。減損の兆候が存
     在する場合、当グループは、次のいずれか高い方を用いて関連会社の回収可能価額を算定する。
      ・ 関連会社の処分費用控除後の公正価値
      ・ 使用価値
     当行は、回収可能価額の算定に、割引キャッシュフロー法や該当する場合にはその他の方法(収益還元法など)を
     用いる。
     重要な判断および見積り

     関連会社およびジョイント・ベンチャーに対する投資は、各報告日に評価され、投資が減損している可能性を示す
     兆候がある場合に減損テストが行われる。また、当グループは、各報告日において、過去の期間の減損の戻入れを
     正当付ける水準まで当グループの投資の回収可能価額が増加しているかを評価することが義務付けられている。
     2022年9月30日終了年度において、株式の相場価格を参照して決定された当社グループのPTバンク・パン・インド
     ネシア(「PT       Panin」)に対する投資の処分費用控除後の公正価値は大幅に増加し、2022年9月30日現在では帳簿
     価額を上回った。この公正価値の増加により、株価を参照して決定された処分費用控除後の公正価値が投資の帳簿
     価額を下回っていた2021年9月30日現在の状態は大きく転じている。
     PT  Paninの過去の期間の減損の全部または一部を戻入することが適切かの検討において、当グループはPT                                               Panin株
     式の特性を評価した。最近の急速な株価の上昇および継続する株価ボラティリティの高さを考慮し、当グループは
     過去の期間のいかなる減損についても戻入れを行わないことを決定した。
     経営陣のこれらの要素に対する評価が異なっていた場合、減損の戻入金額は、ゼロから220百万ドルとなっていた
     可能性があった。
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    28.  組成された事業体
     組成された事業体(ストラクチャード・エンティティ)(「SE」)とは、どの当事者が事業体を支配しているかを判断する

    際に、議決権または類似の権利が決定要因にならないように設計された事業体である。SEは通常、狭義かつ十分に明確化され
    た目的を達成するために、継続中の活動を制限するように設定されている。
     支配関係が存在する場合、SEは子会社に分類の上で連結される。当グループがSEを支配していない場合、SEは連結されな
    い。本注記では連結SEと非連結SE両方の情報を示している。
     当グループによるSEへの関与は、次のとおりである。
     種類            詳細

     証券化            当グループは、流動性を管理する上で資金調達源を分散するため、当グループが行った
                 顧客貸付金および前渡金を証券化するためにSEを設立している。証券化プログラムに
                 は、SEが外部投資家に発行したノートに係る返済債務の担保を提供するか、または該当
                 する中央銀行との買戻条件付契約に適格な当グループ保有の資産を創出するために、倒
                 産隔離構造を持つSEに割り当てられた顧客貸付金および前渡金が含まれる。
                 当グループはSEの支配を留保しているため、これらのSEは連結されている。詳細は、注
                 記29「金融資産の譲渡」を参照のこと。
                 当グループは、顧客に代わって顧客の貸付金または債権を証券化するためにSEを設立す
                 ることもある。当グループは、これらの証券化事業体の運営、または流動性の提供もし
                 くは他の支援を行う場合がある。さらに、証券化事業体が発行した有価証券の保有を通
                 じて、第三者が設立した証券化事業体の持分を取得することもある。限定的ではあるが
                 支配関係が存在する場合、当グループはSEを連結する。
     カバード・ボンドの            当グループによる発行済社債の担保を提供するため、特定の貸付金および前渡金は倒産
                 隔離SEに譲渡されている。当グループはSEの支配を留保しているため、これらのSEは連
     発行
                 結されている。詳細は、注記29「金融資産の譲渡」を参照のこと。
     ストラクチャード・            当グループは次のようなSEに関与している。
     ファイナンス契約             ・ 債務シンジケーションの組成および/または担保資産を分別管理するためのスト
                    ラクチャード貸付取引に関連して設立されたSE
                  ・ ストラクチャード・リース取引において顧客にリースされた資産を所有するため
                    に設立されたSE
                 当グループは、SEを管理し、SEの資本に少額を出資、またはリスク管理商品(デリバ
                 ティブ)をSEに提供する場合もある。大半の場合、当グループはこれらのSEを支配して
                 いない。限定的ではあるが支配関係が存在する場合、当グループはSEを連結する。
     資産運用業務            当グループは、ニュージーランドにおける多数の管理投資スキーム(「MIS」)のス
                 キーム・マネジャーである。これらのMISは、投資家に対する受益証券の発行を通じて
                 資金を調達しており、当グループはそれらをSEとみなしている。これらのMISに対する
                 当グループの持分は、サービスに係る手数料の受領またはリスク管理商品(デリバティ
                 ブ)の提供に限定される。これらの持分は、当グループがファンドを支配するような重
                 要なエクスポージャーを生じさせるものではない。
                 したがって、これらのMISは連結されていない。
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    連結対象となる組成された事業体
     連結対象となる組成された事業体に対する財政支援またはその他の支援
     当グループは、連結SEに以下の財政支援を提供している。
     証券化およびカバード・             当グループは、SEに貸付枠、デリバティブ、コミットメントを提供する、および/また

     ボンドの発行             はSEが発行した負債性金融商品を保有する。
     ストラクチャード・             これらのSEが保有する資産は、通常、提供された資金の担保として差し入れられる。一
                 部の連結SEは、資金全額が当グループにより提供されているが、その他には当グループ
     ファイナンス契約
                 も参加するシンジケート・ローンにより資金調達されるSEもある。当グループによる資
                 金提供は、当グループのエクスポージャーが貸付額および残りの未使用枠に制限される
                 貸付枠も含まれている。さらに、当グループは、提供した資金の返済を向こう12か月間
                 要求しない旨を確認するサポートレターをこれらの連結SEに提供している。
     当事業年度において、当グループは連結SEに対して契約外の支援を提供しなかった(2021年度:なし)。現在、当グループ

    は、上記以外の財政支援やその他の支援を連結SEに提供する意思はない。
    連結対象外の組成された事業体

     連結対象外の組成された事業体における当グループの持分
     連結対象外のSEにおける「持分」は、契約または契約外の形式によるSEへの関与で、当グループをその業績による変動リ
    ターンにさらすものである。当該持分には、債券および持分証券の保有、SEの業績に特有のリスクを移転するデリバティブの
    保有、貸付、貸付コミットメント、金融保証および資産運用業務からの手数料が含まれるが、これらに限定されない。
     連結対象外のSEにおける持分を開示するにあたり、
     ・ 例えば当グループの関与が、典型的な顧客と業者の関係である場合など、パッシブ持分の関係以上のものにはならない
       場合には開示していない。この考え方に基づき、貸付業務、トレーディング業務および投資活動から生じる連結対象外
       のSEに対するエクスポージャーは開示対象の持分とみなしていない。                                ただし、SEの設定により、当グループが関連性の
       ある活動(SEのリターンに重要な影響を及ぼす活動)に関する意思決定に参加可能である場合を除く。
     ・ 「持分」には、当グループを(そのSE特有のパフォーマンス・リスクではなく)市場リスクにさらすことを意図したデ
       リバティブ、または、当グループが連結対象外のSEの変動性を吸収するのではなく、変動性を生じさせるデリバティブ
       (例として、クレジット・デフォルト・スワップにおける信用プロテクションの購入)は含まれない。
     下表は、連結対象外のSEにおける当グループの持分を、これらの持分から生じる可能性のある損失に対する最大エクスポー

    ジャーと併せて記載したものである。
                                     ストラクチャード・

                             証券化         ファイナンス             合計
                           2022年     2021年     2022年     2021年     2022年     2021年
                                     (単位:百万ドル)
    帳簿上の持分
    投資有価証券                       3,352     2,624       -     -   3,352     2,624
                            9,433     7,697       43     53    9,476     7,750
    貸付金および前渡金の総額
                           12,785     10,321       43     53   12,828     10,374
    貸借対照表合計
    簿外の持分
    コミットメント(未実行の与信枠)                       2,078     2,034       -     -   2,078     2,034
                             50     50      -     -     50     50
    保証
                            2,128     2,084       -     -   2,128     2,084
    簿外合計
                           14,913     12,405       43     53   14,956     12,458
    損失に対する最大エクスポージャー
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     上記の持分の他に、当事業年度において当グループは連結対象外の投資ファンドから181百万ドル(2021年度:192百万ド
    ル)の資産運用手数料を稼得した。
     当グループの損失に対する最大エクスポージャーとは、損失事由が発生した場合にその発生可能性にかかわらず、連結対象

    外のSEへの関与により当グループに生じ得る損失の最大額である。ただし、これは、被ると予想される実際の損失を示すもの
    ではない。損失に対する最大エクスポージャーは、損失に対するANZのエクスポージャーを軽減するために締結したヘッジ取引
    や担保契約の効果を控除する前の総額で表示されている。
     損失に対する最大エクスポージャーは、次のように算定された。
     ・ 償却原価で測定される投資有価証券の帳簿価額
     ・ 帳簿価額に未実行の貸付金および前渡金を加算した額
     連結対象外のSEの規模は資産合計で示されるが、これはSEによって異なり、最大の単一のSEの資産は約52億ドルである。

     当事業年度に、当グループは連結対象外のSEに契約外の支援を提供しなかった(2021年度:なし)。                                               また、現在、連結対象
    外のSEに財政支援やその他の支援を提供する意思はない。
    スポンサーになっている連結対象外の組成された事業体

     当グループは、連結対象外のSEのスポンサーになることができるが、開示対象となる持分はなかった。
     この開示において、当グループが当該SEの設計および設立に関与する主たる当事者で、かつ以下の場合には、当グループ自
    らが連結対象外のSEの「スポンサー」であると考えている。
     ・ 当グループが当該SEの主な利用者である場合、または
     ・ 当該SEの名称または商品に当グループの名称が用いられている場合、または
     ・ 当グループが当該SEの業績について黙示的もしくは明示的な保証を供与している場合
     当グループは、投資がANZバンク・ニュージーランドへの預金に限定されているニュージーランドのANZ                                                PIEファンドのスポ

    ンサーになっている。当グループはANZ                  PIEファンドの資本価値および投資パフォーマンスについて、黙示的にも明示的にも保
    証していない。当事業年度において、当該SEから受領した収益または当該SEへの資産の移転はなかった。
     重要な判断および見積り

     当グループが組成された事業体に対する支配を有するか否かの評価においては重要な判断が求められる。支配の有
     無を決定する際に、判断が要求される。
      ・ 関連性のある活動(当該事業体のリターンに重要な影響を及ぼす活動)に対するパワー
      ・ 当該事業体の変動リターンに対するエクスポージャー
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    29.  金融資産の譲渡
     当グループは、通常の事業活動において、金融資産を第三者またはSEに直接譲渡する取引を行っている。これらの譲渡によ

    り、当グループは、譲渡資産に係る当グループのリスクおよび経済価値または支配へのエクスポージャーによっては、それら
    の金融資産の全部または一部の認識を中止する場合がある。当グループが譲渡資産に係るリスクおよび経済価値をほぼすべて
    留保している場合、認識中止に適格な譲渡とは認められず、当該資産は当グループの貸借対照表に引き続き全額計上される。
     証券化

     正味貸付金および前渡金には、当グループの証券化プログラムに基づいて証券化され、倒産隔離構造を持つSEに譲渡された
    住宅モーゲージが含まれている。それらの住宅モーゲージは、SEが発行するノートに係る返済債務の担保とするために譲渡さ
    れたものである。発行済ノート保有者は、証券化された住宅モーゲージ・プールに対して完全遡及権を有し、当グループは、
    かかる譲渡資産を担保に差し入れることや処分することはできない。
     場合によっては、当グループは、SEが発行する証券化されたノートの保有者でもある。さらに当グループは、SEの残存収益
    に対する権利も有しており、SEとデリバティブ契約を結ぶこともある。したがって、当グループは住宅モーゲージのリスクお
    よび経済価値を留保しているため、引き続き当該住宅モーゲージを金融資産として認識する。
     当グループはこれら証券化SEへの関与により変動リターンにさらされており、またSEの活動に対するパワーを通じてこれら
    のリターンに影響を及ぼす能力を有する。したがってこれらのSEは当グループに連結されている。
     カバード・ボンド

     当グループは、発行市場で資金を調達するため、様々なグローバル・カバード・ボンド・プログラムを運用している。正味
    貸付金および前渡金には、これらのカバード・ボンド・プログラムに基づいて倒産隔離構造を持つSEに譲渡された住宅モー
    ゲージが含まれている。それらの住宅モーゲージは、発行済のカバード・ボンドにかかる返済債務の担保となっている。
     カバード・ボンド保有者は、発行体とカバー・プール資産に対して二重の遡及権を有する。発行体は、かかる譲渡資産を担
    保に差し入れること、あるいは処分することはできないが、必要な補償が維持されている限り、法的手続きを条件に資産の買
    戻しおよび代用ができる。
     当行は、カバー・プールを、当該カバード・ボンド債務を十分に補償できる水準に維持しなければならない。さらに当行
    は、カバード・ボンドSEの残存収益に対する権利も有しており、SEとデリバティブ契約を結んでいる。したがって、当行は住
    宅モーゲージのリスクおよび経済価値の大半を留保しているため、引き続き当該住宅モーゲージを金融資産として認識する。
    当該金額をSEに返済するための債務は、当行の金融負債として認識している。
     当グループはカバード・ボンドSEへの関与により変動リターンにさらされており、またSEの活動に対するパワーを通じてそ
    のリターンに影響を及ぼす能力を有している。したがってこれらのSEは当グループに連結されている。これらの発行済外部向
    けカバード・ボンドは、発行済社債に含まれている。
     買戻条件付契約

     当グループが、所有に伴う実質的にすべてのリスクおよび経済価値を留保する買戻条件付契約により有価証券を売却する場
    合、それらは認識の中止に適格な資産とみなされない。取引相手から受領した対価について関連負債が認識される。
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     ストラクチャード・ファイナンス契約
     当グループは、ストラクチャード・リースを通じて、特定の顧客取引の資金提供を行っている。これらの取引は、当グルー
    プの貸借対照表においてリース債権あるいは貸付金として認識される。他の金融機関も当該契約の資金提供に参加することも
    ある。その場合には、当グループにより認識された当該資産に対する権利が割合に応じて譲渡される。参加銀行は、リース資
    産および関連収入に対して限定的な遡及権を有する。当グループが、デリバティブまたはその他の継続的関与を通じて、当グ
    ループが譲渡した資産のリスクの一部に引き続きさらされる場合、当グループはリース債権または貸付金の認識を中止しな
    い。その代わりに、参加金融機関に対する債務を表す関連負債を認識する。
     下表は、認識の中止に不適格な譲渡資産の残高と関連負債を示したものである。

                                                ストラクチャード・

                       (1)(2)
                            カバード・ボンド          買戻条件付契約          ファイナンス契約
                    証券化
                   2022年     2021年     2022年     2021年     2022年     2021年     2022年     2021年
    連結                             (単位:百万ドル)
    譲渡済資産の当期帳簿価額               1,121     1,430    27,575     28,816     52,757     51,208       36     55
                   1,115     1,424    12,967     15,399     47,229     46,147       36     55
    関連負債の帳簿価額
                                                ストラクチャード・

                       (1)(2)
                            カバード・ボンド          買戻条件付契約          ファイナンス契約
                    証券化
                   2022年     2021年     2022年     2021年     2022年     2021年     2022年     2021年
    当行                             (単位:百万ドル)
    譲渡済資産の当期帳簿価額               1,121     1,430    17,953     17,925     47,846     48,663        -     -
                   1,121     1,430    17,953     17,925     42,940     43,925        -     -
    関連負債の帳簿価額
    (1)  外部投資家のいない内部の組成された事業体への譲渡は含まない。

    (2)  証券化されたノートの保有者は、証券化された住宅モーゲージ・プールのみに対して遡及権を有する。証券化資産と関連
      負債の帳簿価額は、公正価値の近似値である。
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    30.  退職年金および退職後給付債務
     下表は、確定給付型退職年金制度に関して貸借対照表に計上された金額を要約したものである。

                                 連結                当行

                            2022年        2021年        2022年        2021年
                                     (単位:百万ドル)
    確定給付債務および制度資産
    積立済確定給付債務の現在価値                          (930)       (1,477)         (809)       (1,319)
                              1,123        1,679         988       1,514
    制度資産の公正価値
                               193        202        179        195
    正味確定給付資産
    貸借対照表に計上された金額
    支払債務およびその他の負債に含まれ
    る確定給付債務から生じた純負債                           (6)        (11)         (6)        (11)
    その他の資産に含まれる確定給付債務から
                               199        213        185        206
    生じた純資産
                               193        202        179        195
    正味確定給付資産
    確定給付債務に反映された給付金の支払いの
                               14.8        14.9        14.9        14.9
    加重平均期間(年)
     制度の直近の報告日時点において、未払給付額に対する資産の市場価値(純額)は、積立ベースで合計69百万ドルの超過

    (2021年度:109百万ドルの超過)であった。当グループは、2022年度に確定給付制度へ合計2百万ドル(2021年度:3百万ド
    ル)を拠出した。来年度には、約2百万ドルを拠出する見込みである。
     制度のガバナンスおよび確定給付制度の積立て

     当グループが加入している主な確定給付型退職年金制度は信託法の下で運営され、関連する信託証書の条項、規則およびす
    べての関連する法律に従い、加入者に代わって運用および管理される。これらの制度は、当グループの完全子会社を受託会社
    としている。受託会社は制度資産の法的な所有者であり、これらは当グループの資産とは分別して保管されている。                                                      また、受
    託会社の責任は、運用方針の設定、および3年ごとの年金数理評価プロセスを通じて雇用主と所要積立額について合意するこ
    とである。
     当グループは、オーストラリア、日本、ニュージーランド、フィリピン、台湾、英国で確定給付制度を設けている。3大制
    度は、ANZオーストラリア職員退職年金制度、ANZ英国職員年金制度、ニュージーランドのANZ全国退職金制度の確定給付制度で
    ある。これらの制度は閉鎖されており、1987年、2004年、1991年以降、それぞれ新規加入者はない。どの制度も、直近の積立
    評価時現在、不足額も余剰金もそれほど多くはなかった。当グループは、いかなる制度の信託契約上も、不足額(積立ベース
    に基づいて測定)を補てんする義務を負っていない。これらの制度のいずれかを解散した場合、当グループに偶発債務が発生
    する可能性がある。
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     認識および測定
     確定給付退職年金制度
     当グループは、少数の確定給付制度も運営している。各確定給付制度に基づく従業員への給付に関連する負債およ
     び費用は独立年金数理士が計算する。年金数理士は予測単位積増方式を用いて、負債を評価する。貸借対照表に
     は、次のものが計上される。
      ・ 債務が制度資産の公正価値を上回る場合は、確定給付負債
      ・ 資産の公正価値が債務を上回る場合は、資産(回収可能価額を上限とする。)
     各報告期間において、正味確定給付債務の変動は、以下のように認識される。
      ・ 当期勤務費用、確定給付債務の利息純額、過去勤務費用、およびその他の費用(例えば縮小や清算の影響な
        ど。)に関連する純変動は、営業費用として認識される。
      ・ 正味確定給付負債のうちの数理計算上の差異および制度資産からの収益(利息純額に含まれる受取利息を除
        く。)を構成する部分の再測定は、その他の包括利益を通じて利益剰余金に直接計上される。
      ・ 当グループの拠出額は正味確定給付残高に直接計上される。
     確定拠出退職年金制度

     当グループは、多数の確定拠出制度も運営しており、事業を行っている様々な国における法律に従い、確定拠出制
     度の性質を有する政府およびその他の制度にも拠出を行っている。当グループのこれら制度への拠出は、発生時に
     人件費として認識される。
     重要な判断および見積り

     確定給付債務の評価時に当グループが使用する主な仮定は、次のとおりである。仮定の変更、または異なる仮定の
     適用は、その他の包括利益計算書および貸借対照表に影響を及ぼす可能性がある。
                                               確定給付債務の増加/
                                                  (減少)
                                                2022年      2021年
                                     重要な仮定の変更に
     連結                  2022年        2021年      関する感応度分析           (単位:百万ドル)
                       1.35   - 5.45     0.4  - 2.15
     割引率(年率%)                                  0.5%の上昇           (49)     (103)
                        1.5  - 3.8     1.9  - 3.5
     将来の昇給率(年率%)
     将来の年金給付の物価スライド
     支払(年率%)/                  3.1  - 3.5/    1.05   - 3.35/
     繰延年金(年率%)                     3.0        2.7    0.5%の上昇            32      84
     現在の加入者の60歳時点での余命                                  1年長期化            40      74
                       26.2   - 28.3    26.1   - 28.8
     -男性(年数)
                       29.1   - 30.2    29.0   - 30.5
     -女性(年数)
                                               確定給付債務の増加/

                                                  (減少)
                                                2022年      2021年
                                     重要な仮定の変更に
     当行                  2022年        2021年      関する感応度分析           (単位:百万ドル)
                       5.1  - 5.45    1.95   - 2.15
     割引率(年率%)                                  0.5%の上昇           (43)      (94)
     将来の昇給率(年率%)                      3.8        3.5
     将来の年金給付の物価スライド
     支払(年率%)/                  3.1  - 3.5/    2.0  - 3.35/
     繰延年金(年率%)                     3.0        2.7    0.5%の上昇            26      75
     現在の加入者の60歳時点での余命                                  1年長期化            35      67
                       26.2   - 28.3    26.1   - 28.8
     -男性(年数)
                       29.1   - 30.2    29.0   - 30.5
     -女性(年数)
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    31.  従業員持株およびオプション制度
     ANZは、ANZ従業員株式取得制度およびANZ株式オプション制度に基づき多数の従業員持株およびオプション制度を運営してい

    る。
     ANZ  従業員株式取得制度

     株式後渡し制度は、2022年度および2021年度に運営された唯一のANZ従業員株式取得制度であった。
     株式後渡し制度

     i)  ANZインセンティブ制度(「ANZIP」)-                   最高経営責任者(「CEO」)、グループ執行委員会(「ExCo」)、およ
      び銀行役員説明責任制度(「BEAR」)のその他の説明責任対象役員:2021年度および2020年度の業績および報
      酬レビューに基づく(2022会計年度および2021会計年度に付与)
     資格            CEO、ExCoおよび内部監査担当グループ・ジェネラル・マネージャー(「GGM                                   IA」)
     付与            CEOの短期変動報酬(「STVR」)の50%相当、ExCo(最高リスク責任者(「CRO」)を除
                 く。)の変動報酬(「VR」)の25%相当、ならびにCROおよびGGM                              IAのVRの33%相当を
                 後渡し株式として受領。
     条件            取締役会が変動報酬の付与を承認した日から少なくとも1年から4年にわたって繰り延
                 べられる。
     ii)  ANZIP:2021年度および2020年度の業績および報酬レビューに基づく(2022会計年度および2021会計年度に付
       与)
     資格            CEO、ExCoおよびGGM          IA(すなわちBEARのその他の説明責任対象役員)、ならびに英
                                     (1)
                 国/中国の一部の役割を除くすべての従業員
     付与            VRが100,000豪ドルまたはそれを上回る場合、VR金額合計の60%相当を後渡し株式とし
                 て受領
     条件            付与日から3年にわたって繰り延べられる。
     iii)   例外的な場合
     放棄された報酬            例外的に、当グループは、特定の従業員が前の雇用主に対して放棄した報酬を補償する
                 ため、ANZ入社時に後渡し株式を付与する。権利確定期間は一般的に、当該従業員が放
                 棄した報酬の残存権利確定期間で調整されるため、付与によって異なる。
     人材確保            ANZにとって人材喪失リスクが大きいとみなされる業績の良い従業員に対して、後渡し
                 株式が付与されることがある。
     iv)  追加情報
     中止            取締役会が別段の決定を下さない限り、従業員が辞職した場合、通知により契約が終了
                 した場合、または重大な不正行為により解雇された場合、権利未確定の後渡し株式は失
                 効する。後渡し株式は繰り延べ期間以降は信託で保有可能である。
     配当金            配当金は配当金再投資制度で再投資される。
     金融商品            一部の国においては、現地に合わせて後渡し株式の代わりに後渡し株式の権利を付与す
                 ることができる(「後渡し株式の権利」欄を参照のこと。)。
     割当額            すべての後渡し株式は、付与日までの1週間(付与日を含む。)にASXで取引されたANZ
                 株式のVWAPに基づいて、発行される。
     費用計上額            当グループは、関連する権利確定期間を通じて、定額法で後渡し株式の公正価値を費用
                 計上する。この費用を株式報酬費用として計上し、資本が同額増加する。
     (公正価値)
     2022年度および2021年            2022年度に、1,971,715株(2021年度:1,653,585株)の後渡し株式が付与され、加重平
     度の付与            均付与価格は27.52ドル(2021年度:23.31ドル)であった。
     マルス(下方修正)            株式後渡しは依然としてリスクにさらされており、取締役会は権利確定日までいつでも
                 後渡し株式数を下方修正(ゼロまでの修正を含む。)する裁量を有する。ANZのマルス
                 (下方修正)規定については、2022年度報酬報告書のセクション5.3を参照のこと。
                 後渡し株式の下方修正を行う取締役会の裁量権は、2022年度には行使されなかった
                 (2021年度:なし)。
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    (1)  英国の重要リスクテイカーおよび中国の重要リスクテイカーとして定義される役割については、現地の規制要件に従っ
      て、ANZIPの下での特定の繰延べ取決めも存在する。
     ANZ従業員株式取得制度の費用計上

     費用計上額            2022年度に株式後渡し制度により当グループが付与した株式の付与日に測定した公正価
                 値は、株式数1,971,715株(2021年度:1,653,585株)とVWAP26.69ドル(2021年度:
     (公正価値)
                 VWAP23.53ドル)に基づいて52.6百万ドル(2021年度:38.9百万ドル)である。
     ANZ株式オプション制度

     割当            当グループは、選ばれた従業員に、ANZの全額払込済普通株式をオプションまたは権利
                 の確定時に所定の価格で取得する権利を表象するオプションまたは権利を付与すること
                 がある。オプションまたは権利を行使して普通株式が割り当てられると、議決権と配当
                 請求権も付随して割り当てられる。
                 各オプションまたは権利により、その所有者は付与時に課せられた条件に従い普通株式
                 1株を与えられる。オプションの行使価格は、制度の規則に従い、一般には付与日まで
                 の1週間(付与日を含む。)にASXで取引された株式のVWAPを基準に決定される。権利
                 については、行使価格はゼロである。
     規則            オプションまたは権利の行使前に、株式無償割当、株主割当発行、または再編により
                 ANZが株式資本を変更した場合、次の調整が求められる。
                 ・ 株式無償割当        ― 所有者のオプション行使時において、対象株式の割当時に保有して
                   いたならば受領資格のあった無償株式の割当数に対する権利が同時に与えられる。
                 ・ 株主割当発行        ― 当グループは、ASX上場規則で定められている方法で、オプション
                   行使価格を調整する。
                 ・ 再編    ― 権利に関して、株式無償割当またはANZの株式資本再編が行われた場合、取
                   締役会は、権利所有者に損得が生じないよう、権利の個数または対象株式数を調整
                   できる。
                 所有者には上記以外に参加する権利はない。

                 ・   オプションまたは権利の行使前におけるANZの有価証券の新規発行
                 ・   ANZ以外の法人(子会社など)の株式発行
                 取締役会の裁量により、報奨の権利確定部分を株式ではなく現金同等物で支給できる。

     費用計上            当グループは、関連する権利確定期間を通じて、定額法でオプションまたは権利の公正
                 価値を費用計上する。この費用を株式報酬費用として計上し、資本が同額増加する。
     中止            当該従業員の雇用が終了した場合に適用される規定については、2022年度報酬報告書の
                 セクション8.2.3を参照のこと。
     マルス(下方修正)            ANZのマルス(下方修正)規定については、2022年度報酬報告書のセクション5.3を参照
                 のこと。
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     2022年度および2021年度のオプション制度
     i)  業績に基づく権利

     割当            当グループは、ANZの変動報酬プランの一環として、CEOおよびExCoに業績に基づく権利
                 を付与している。業績に基づく権利とは、4年間の権利確定期間および総株主利回り
                 (「TSR」)の業績要件を条件として、対価なしにANZ株式を取得する権利を所有者に付
                 与する。業績要件に関する詳細については、2022年度報酬報告書のセクション5.2.5を
                 参照のこと。
     権利確定            業績に基づく権利(業績要件を満たしている。)の報奨の一部は、取締役会の裁量によ
                 り株式ではなく現金同等物で支給できる。2022年度(および2021年度)には、権利が確
                 定した業績に基づく権利(前回は2018年11月/12月(および2017年11月/12月)に付
                 与)は、現金支払いが行われた24,011個(2021年度:36,103個)の業績に基づく権利を
                 除いて、株式の割当により支給された。
     2022年度および2021年            2022年度には、542,747個(2021年度:485,032個)の業績に基づく権利を付与した。
     度の付与
     マルス(下方修正)            業績に基づく権利の下方修正を行う取締役会の裁量権は、2022年度には行使されなかっ
                 た(2021年度:なし)。
     ii)  後渡し株式の権利(業績要件なし)
     割当            後渡し株式の権利とは、一定の権利確定期間の後、対価なしにANZ株式を取得する権利
                 を所有者に与えるものである。当グループは、制限期間中に配当が支払われないことに
                 ついて権利の公正価値を調整する。
     権利確定            株式報奨の一部は、取締役会の裁量により株式ではなく現金同等物で支給できる。現金
                 支払いが行われた後渡し株式の権利55,977個(2021年度:89,296個)を除いて、すべて
                 株式の割当により支給された。
     2022年度および2021年            2022年度には、2,576,907個(2021年度:2,258,774個)の後渡し株式の権利(業績要件
     度の付与            なし)が付与された。
     マルス(下方修正)            後渡し株式の権利の下方修正を行う取締役会の裁量権は、2022年度には行使されなかっ
                 た(2021年度:8,414個)。
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     発行済のオプション、後渡し株式の権利、および業績に基づく権利
     2022年10月26日現在、発行済の後渡し株式の権利は4,804,445個、その所有者は457名、発行済の業績に基づく権利は
    1,402,847個、その所有者は22名であった。
     オプション/権利の変動

     2022年度期首および期末における未発行ANZ株式に係るオプション/権利、関連する加重平均(「WA」)行使価格および2022
    年度の変動の詳細は、下表に示すとおりである。
                               失効した

                期首残高                                    期末残高
                       付与された               終了した       行使された
                              オプション/
                 2021年                                    2022年
                      オプション/              オプション/       オプション/
                                  (1)
               10月1日現在         権利数      権利数        権利数       権利数      9月30日現在
    オプション/権利数            6,307,778       3,119,654        (747,744)           0  (2,470,648)        6,209,040
    WA行使価格(ドル)               0.00       0.00       0.00       0.00       0.00       0.00
    WA株価終値(ドル)                                                  25.56
    WA残存契約期間                                                  1.9年
    行使可能な全発行済
    オプション/権利の
    WA行使価格(ドル)                                                   0.00
    行使可能な発行済
                                                     141,633
    オプション/権利数
     2021年度期首および期末における未発行ANZ株式に係るオプション/権利、関連する加重平均行使価格および2021年度の変動

    の詳細は、下表に示すとおりである。
                               失効した

                期首残高                                    期末残高
                       付与された               終了した       行使された
                              オプション/
                 2020年                                    2021年
                      オプション/              オプション/       オプション/
                                  (1)
               10月1日現在         権利数      権利数        権利数       権利数      9月30日現在
    オプション/権利数            6,724,557       2,743,806        (918,589)           0  (2,241,996)        6,307,778
    WA行使価格(ドル)               0.00       0.00       0.00       0.00       0.00       0.00
    WA株価終値(ドル)                                                  25.34
    WA残存契約期間                                                  1.8年
    行使可能な全発行済
    オプション/権利の
    WA行使価格(ドル)                                                   0.00
    行使可能な発行済
                                                     227,412
    オプション/権利数
    (1)  権利が失効するような状況(例えば中止、下方修正、業績面の条件を満たしていないなど)を指す。

     2022年および2021年度のオプション/権利の行使の結果発行されたすべての株式の権利行使価格はゼロであった。

     取締役会報告書の署名日である2022年10月26日現在、
     ・ 2022年度末以降に付与された普通株式に対するオプション/権利はなかった。
     ・ 2022年度末以降のオプション/権利の行使の結果発行された株式はなかった。
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     公正価値の仮定
     公正価値算定時、当グループは、AASB第2号「株式報酬」の要件に従って、モンテ・カルロ価格モデルおよび/またはブ
    ラック・ショールズ価格モデルなど、市場における標準的な評価技法を適用している。これらのモデルは、権利が確定した持
    分の早期行使、譲渡不能、および(要件が設けられている場合は)社内外の業績要件を考慮している。
     下表は、期中に付与された金融商品の公正価値の計算へのインプットとして使用した重要な仮定である。値は加重平均値で

    表示しているが、各配分で用いる具体的な値は、公正価値の計算に用いている値である。
                              2022年                 2021年

                         後渡し株式の        業績に基づく        後渡し株式の         業績に基づく
                           権利        権利        権利         権利
    行使価格(ドル)                         0.00         0.00        0.00         0.00
    付与日の株価終値(ドル)                        26.62         26.92        23.37         23.32
                     (1)
    ANZ株価の予想ボラティリティ(%)                         20.0         20.0        26.5         25.0
    権利の期間(年)                         2.2         6.0        2.3         6.0
    権利確定期間(年)                         2.1         4.0        2.0         4.0
    予定残存期間(年)                         2.1         4.0        2.0         4.0
    予定配当利回り(%)                         5.50         5.50        4.85         5.25
    無リスク金利(%)                         0.80         1.25        0.10         0.21
                            23.71         10.38        21.15          9.56
    公正価値(ドル)
    (1)  予想ボラティリティとは、ANZの株価が権利の有効期間中において変動すると予想される金額の割合である。価格モデルで

      用いる変動率の測定の基準となるのは、付与日に先立つ一定の期間における株価実績について、連続複利による収益率の
      標準偏差を年換算したものである。この年率換算した変動実績率の平均は、権利の予定期間における合理的な予想変動率
      を見積もるために利用される。
     株式報酬の支給

     株式報酬に用いられるすべての株式は、市場からの買戻し、再割当、新規発行、またはこれらの組み合わせにより調達され
    る。
     2022会計年度に当グループが全従業員のために市場で買い付けた株式数は(ANZ従業員株式取得制度およびANZ株式オプショ
    ン制度に基づき、あるいはオプションまたは権利に対応するため)は4,230,962株、1株当たり平均株価は27.57ドル(2021年
    度:3,593,574株、1株当たり平均株価は22.03ドル)であった。
                                404/572










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    32.  関係当事者の開示
     主要経営陣の報酬

     主要経営陣(「KMP」)とは、オーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンキング・グループ・リミテッドの取締役
    (執行取締役かそれ以外かを問わない。)、ならびに当グループの戦略的方向性および経営に対して重要な責任を有する人員
    (すなわち、グループ執行委員会(「ExCo」)のメンバー)のうち、銀行役員説明責任制度(「BEAR」)の説明責任を有し、
    最高経営責任者(「CEO」)に報告する人員をいう。注記4「営業費用」で人件費合計に算入されているKMPの報酬は、以下の
    とおりである。
                                            連結

                                         (1)
                                      2022年           2021年
                                    (単位:千ドル)           (単位:千ドル)
    短期給付                                     18,294          21,107
    退職後給付                                       394          403
    その他長期給付                                       160          258
    退職給付                                        -         250
                                          7,368          5,066
    株式報酬
                                          26,216          27,084
    合計
    (1)  雇用期間が終了するまでは、開示された旧KMPを含めている。

     主要経営陣のローン取引

     KMPに融資されたローンは、他の従業員や一般顧客に適用される条件よりも有利にならない通常の商業的条件(融資期間、所
    要担保、金利など)に基づき、通常の事業過程で行われたものである。当期中に償却はなく、これらの残高に関して計上され
    た個別引当金もなかった。ローン商品の条件の詳細は、anz.comに掲載されている。KMP(その関係当事者を含む。)に対して
    実行したローン(クレジットカード残高を含む。)、保証または担保、および未実行の与信枠の総額は、以下のとおりであっ
    た。
                                 連結                当行

                            2022年        2021年        2022年        2021年
                                     (単位:千ドル)
       (1)
                              24,340        25,445        11,270        12,534
    貸付金
           (1)
                               489        531        277        277
    未実行の与信枠
        (2)
                               790        777        293        434
    利息費用
    (1)  残高は貸借対照表日現在(貸借対照表日現在に在職していたKMP)、あるいは旧KMPの離職日現在のものである。比較情報

      は、当期の新KMPに係る期首残高(開始日時点)を含むよう修正されている。
    (2)  利息費用は当期中のすべてのKMPに関するものである。
     主要経営陣によるANZ証券の保有高

     KMP(KMPの関係当事者を含む。)が直接的、間接的、または実質的に保有する当行の劣後債、株式、株式の権利および株式
    オプションの詳細は以下のとおりである。
                                               連結

                                          2022年          2021年
                                                  株数または個数
                                        株数または個数
                  (1)
                                           2,911,138         2,471,577
    株式、オプションおよび権利
        (1)
                                            29,948         25,870
    劣後債務
    (1)  残高は貸借対照表日現在(貸借対照表日現在に在職していたKMP)、あるいは旧KMPの離職日現在のものである。比較情報

      は、当期の新KMPに係る期首残高(開始日時点)を含むよう修正されている。
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     主要経営陣およびその関係当事者とのその他の取引
     KMPおよびその関係当事者の当グループへの預金総額は30百万ドル(2021年度:28百万ドル)、当行への預金総額は21百万ド
    ル(2021年度:20百万ドル)であった。
     当年度において、KMPは           ANZ個人向けシェア・エンタイトルメント・オファーの募集                           に、当グループの他の株主と同一の条件
    で株主として参加した。           ANZ個人向けシェア・エンタイトルメント・オファーの募集                           の詳細については、注記24「株主資本」を
    参照のこと。
     KMPおよびその関係当事者とのその他の取引には、投資運用サービス手数料、ブローカーおよび銀行手数料に関して当グルー
    プに支払われた金額が含まれている。当グループは、KMPの職務の遂行に関連したセキュリティおよび事務サービスの費用を払
    い戻している。これらの取引は、通常の商業条件で行われており、他の従業員や顧客の場合と比べて有利なものではない。当
    年度において、退職するKMPに4,944ドル相当の贈与が行われた。
     関連会社

     重要な関連会社については、注記27「関連会社に対する投資」で開示している。当年度中、全関連会社との間で実行された
    取引は、通常の商業的条件と同等の条件で行われた。
                                 連結                当行

                            2022年        2021年        2022年        2021年
                                     (単位:千ドル)
    関連会社からの未収金                         86,469           7      18,572           -
    関連会社への未払金                         102,042         1,739       101,198          716
    関連会社からの受取利息                          5,570          -      4,477          -
    関連会社への支払利息                           34         2        26         -
    関連会社からのその他の収入                         14,296           -      14,296           -
    関連会社に支払ったその他の費用                         11,159         9,988        8,592        8,063
    関連会社への保証                           72        28        72        28
    関連会社からの受取配当金                         38,692           -        -        -
                              94,097           -      94,097           -
    未実行の与信枠
     関連会社に重要な保証を与えたことはなく、また関連会社から重要な保証を受けたこともなかった。当期中に関連会社から

    の未収金の償却はなく、これらの残高に関して計上された個別引当金もなかった。
     子会社

     重要な被支配法人については、注記26「被支配法人」において開示している。当会計年度中、子会社は子会社間および関連
    会社との間で、独立第三者間取引と同等の条件で取引を行った。2022年9月30日現在、当行はこれらすべての取引に関わる残
    高が全額回収可能とみなしている。
     当行とその子会社との間の取引には、広範囲にわたる銀行業務およびその他の与信枠の提供が含まれる。配当金または持分
    の形式で関係当事者に支払った、または関係当事者より受領した金額は、注記2「純利息収益」および注記3「非利息収益」
    に記載されている。
     その他のグループ内取引には、運用および管理サービスの提供、職員の研修、データ処理設備、税務上の欠損金の移転なら
    びに土地建物および設備機器のリースが含まれる。当行は、通常の事業過程において、特定の子会社に関する援助の念書
    (「レター・オブ・コンフォート」)および保証書も発行した。
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    33.  コミットメント、偶発債務および偶発資産
     信用関連のコミットメントおよび偶発債務

                                連結                当行

                           2022年        2021年        2022年        2021年
                                    (単位:百万ドル)
    契約額
    未実行の与信枠                        236,051        212,265        201,204        176,077
    保証および信用状                         23,729        30,027        21,557        27,957
                             26,036        18,303        24,634        17,085
    履行保証関連偶発債務
    合計
                            285,816        260,595        247,395        221,119
     未実行の与信枠

     未実行の与信枠の大半は、顧客の特定の信用およびその他要件もしくは条件の維持が前提となる。これら与信枠の多くは、
    部分的な使用にとどまると予想されるが、その他は全く使用されない可能性もある。したがって、額面金額の総額は、将来の
    流動性リスクまたは将来の現金の必要額を必ずしも示していない。当グループまたは当行が支払いを求められうる最短日に基
    づくと、当グループおよび当行の未実行の与信枠の全額が向こう12か月以内に満期を迎える。
     保証、信用状および履行保証関連偶発債務

     保証、信用状および履行保証関連偶発債務は、保証、スタンドバイ信用状、荷為替信用状など当グループが自己勘定におい
    て実行した取引に関するものである。
     荷為替信用状では、輸出業者に対する代金支払いを保証する信用状を当グループが発行する。これらは、関係する積荷商品
    を担保としているか、または他の銀行の確認信用状の発行を条件にしている。
     履行保証関連偶発債務は、顧客が契約に基づく非金銭的な債務の履行を怠った場合に第三者に支払いを行う義務を当グルー
    プに負わせる負債である。
     これらの取引に関連するリスクを反映するため、当グループは、融資申請と同じ与信審査、ポートフォリオ管理および担保
    要件を適用している。契約額は、契約相手が金銭上の債務を履行できなかった場合に当グループが被りうる最大損失額を表し
    ている。与信枠は、実行されずに期間が終了する可能性もあるため、名目上の金額は必ずしも将来必要となる現金額を表すわ
    けではない。当グループまたは当行が支払いを求められうる最短日に基づくと、当グループおよび当行の保証および信用状な
    らびに履行保証関連偶発債務の全額が向こう12か月以内に満期を迎える。
    その他の偶発債務

     2022年9月30日現在、当グループには以下の事項に関する偶発債務が存在していた。該当する場合には、法律専門家の助言
    に照らして適切と考えられる引当金の計上(注記23「その他引当金」を参照のこと。)および開示が行われている。場合に
    よっては、開示が実務的でないこと、または開示により当グループの利益を毀損するおそれがあるため、個別項目が財務に及
    ぼす影響の見積額を開示していない。
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     規制上および顧客関連のエクスポージャー
     当グループは、オーストラリアおよび世界各国において、規制当局による調査、監視および検査、報告すべき状況、民事執
    行措置(訴訟によるものであるか否かを問わない。)、公式および非公式の調査、ならびに規制当局による監督活動に関連し
    て、定期的にその規制当局とやり取りしている。当グループは、業界全体および当グループに限定した検査の一環として、規
    制当局から様々な通知および情報提供の要請を受けた。また、規制当局に対して当グループ自ら進んで開示を行った。これら
    の関与は広範囲に及ぶ可能性があり、例えば、近年は担当する融資実務、規制されている貸付の要件、商品の適合性および販
    売、これらに課される利子および手数料や受給権、顧客救済措置、富裕層への助言、保険の販売、価格設定、競争、金融市場
    および金融取引における行為、資本市場取引、マネーロンダリング対策およびテロ資金対策の義務、個人情報保護義務および
    情報セキュリティ、事業継続管理、報告および開示の義務ならびに商品開示に関する文書などの多岐にわたる事項が含まれる
    か、または含まれてきた。これらは、規制に対するエクスポージャーに加えて顧客に対するエクスポージャーが生じる可能性
    がある。これらのエクスポージャーとしては、集団訴訟、個別請求、または顧客救済や補償措置が含まれるおそれがある。こ
    れらの検査の結果および潜在的なエクスポージャーに関連する費用の合計は依然として不確定である。
     ベンチマーク/金利を巡る訴訟

     2016年7月と8月に、当行を含めた米国内外の銀行を相手取った集団訴訟の訴状が米国地方裁判所に提出された。両集団訴
    訟は、一定の指標金利に基づき値付け、評価、および/または決済された米国を本拠地とする金融商品取引に関与した個人と
    企業に適用されると表明されている。原告は金額を定めない損害賠償または補償金を請求し、当行をはじめとする被告銀行が
    米国の独占禁止法、組織犯罪排除法、ならびに(1件の訴訟のみ)商品取引法および不当利得原則に違反したと主張した。
    2022年9月30日現在、ANZはこれらの件のそれぞれについて和解に達している。財務的影響に重要性はない。和解では賠償責任
    を認めておらず、引き続き最終合意と裁判所の承認を要する。
     2017年2月、南アフリカ競争委員会は南アフリカ・ランド建て取引において同国競争法のカルテル禁止規定に違反したとし
    て、当行を含めた国内外の銀行を相手取った訴訟を開始した。民事罰の見込みあるいはその他の財務的な影響は判明していな
    い。
     資金調達を巡る訴訟

     2018年9月に、オーストラリア証券投資委員会(「ASIC」)は、当行が、2015年8月の機関投資家向けの株式売出しに関連
    する継続開示義務を遵守していないという主張に対する民事訴訟に取り掛かった。ASICは、売出し株式のうち、普通株式約
    25.5百万株を共同主幹事が引き受けた件について、当行が市場に知らせるべきだったと主張している。当行は、この申し立て
    に対し争っている。
     消費者信用保険に関する訴訟

     2020年2月に、消費者信用保険商品の販売に関連する金融助言義務の違反、誤解を招くまたは欺瞞的な行為および非良心的
    行為を主張する集団訴訟が、当行に対して申し立てられた。保険商品の発行者であるQBEおよびOnePathライフも請求の被告と
    なっている。当行は、この申し立てに対し争っている。
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     ESANDAのディーラー自動車ローンに関する訴訟
     2020年8月に、ディーラーが手配したEsanda自動車ローンにおけるフレックス・コミッションの利用に関する不公正行為、
    誤解を招くまたは欺瞞的な行為および衡平法上の錯誤を主張する集団訴訟が、当行に対して申し立てられた。当行は、この申
    し立てに対し争っている。
     OnePathの退職年金に関する訴訟

     2020年12月、OnePathカストディアンズが、退職年金に係る投資および手数料に関して、退職年金法に基づく義務および受託
    会社としての義務に違反したと主張する集団訴訟が、OnePathカストディアンズ、OnePathライフおよび当行に対して申し立て
    られた。またこの請求は、当行がOnePathカストディアンズの投資違反の一部に関与したと主張している。当行は、この申し立
    てに対し争っている。
     ニュージーランドのローン情報に関する訴訟

     2021年9月、特定のローン顧客に送付された変更通知に関して、消費者信用法に基づく開示要件違反を主張する集団訴訟
    が、当行に対して申し立てられた。ANZバンク・ニュージーランド・リミテッドは、この申し立てに対し争っている。
     クレジットカード訴訟

     2021年11月、クレジットカード契約における特定の金利に関する条項は不公正な契約条項であり、当行が当該条項に依拠す
    ることは不当である旨を申し立てた集団訴訟が当行に対して提起された。当行は、この申し立てに対し争っている。
     無認可の第三者の行為に関する訴訟

     2021年11月、ASICは、当行の住宅ローン紹介者プログラムとの関連も含め、3名の無認可の第三者が当行の貸し手に住宅
    ローン与信申請書類を提供した旨を申し立てる当行に対する民事訴訟に取り掛かった。ASICは、当行が与信法制の下での義務
    に違反した旨を申し立てている。
     利用可能資金訴訟

     2022年5月、ASICは、最近入金された未処理の資金を使用して行われたクレジットカードのキャッシング取引につき、ある
    状況下で顧客に請求された手数料に関して、当行に対する民事訴訟に取り掛かった。ASICは、当社が虚偽または誤解を招く表
    明を行い、誤解を招く行為または欺瞞行為を行い、与信業務の免許を受けた事業者として特定の法的義務に違反した旨を申し
    立てている。当行は、この申し立てに対し争っている。
     王立委員会

     2019年2月4日に、銀行業、退職年金および金融サービス業における違反行為を監視するための王立委員会が最終報告書を
    公表した。王立委員会によると、追加費用および更なるエクスポージャー(更なる規制措置に関連するエクスポージャーまた
    は、集団訴訟、個人請求もしくは顧客救済または補償措置などの顧客関連の潜在的エクスポージャーを含む。)が発生してお
    り、また発生し続けている。これらの潜在的なエクスポージャーに関連する結果および費用の合計は依然として不確定であ
    る。
     担保回収を巡る訴訟

     減損資産の問題解決を目的として担保回収措置が講じられたことにより、様々な損害賠償請求が発生しており、または発生
    する見込みである。これらの請求については防御が見込まれている。
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     保証、補償および運用報酬
     当グループは、様々な事業および資産の売却やその他の取引に関連する事項およびリスクを網羅して、購入者およびその他
    の人物の利益となる保証、補償およびその他のコミットメントを提供している。当グループは、それらの保証、補償およびコ
    ミットメントに基づく請求に晒されており、これらの一部は現在も進行中である。これらのエクスポージャーに関連する結果
    および費用の合計は依然として不確定である。
     当グループは、当グループの一部の投資に関連して、所定の運用成績の基準値が達成された場合に、外部のファンド・マ
    ネージャーに運用成功報酬を支払う取決めを締結している。運用成績の基準値の達成およびそれに伴う運用成功報酬は依然と
    して不確定である。
     精算および決済義務

     特定のグループ会社は、様々な精算および決済の取決めを規定する規則を遵守する義務があるが、これにより他の会員金融
    機関がその支払を怠った場合、信用リスク・エクスポージャーおよび損失が生じる可能性がある。これらの取決めに起因する
    当グループの潜在的エクスポージャーは、事前に数値化できない。
     特定のグループ会社は、ASXクリア(「フューチャーズ」)、ロンドン・クリアリング・ハウス(「LCH」)・スワップクリ
    アおよびレポクリア、韓国取引所(「KRX」)、香港取引所(「HKEX」)、クリアリング・コーポレーション・オブ・インド、
    上海清算所など、中央清算機関の会員である。会員である関連グループ会社は、国際的な規制要件に沿って中央清算機関でデ
    リバティブ商品を清算できる。これらすべての会員制に共通する点は、関連グループ会社がデフォルト基金に拠出する必要が
    あることである。他の会員が債務履行を怠った場合、関連グループ会社はデフォルト基金への追加拠出義務を請け負うよう求
    められるおそれがあるものの、その額を事前に数値化することはできない。
     親会社の保証

     当行は、通常の事業過程において、特定の子会社に関する援助の念書(「レター・オブ・コンフォート」)および保証書を
    発行している。これらの念書および保証書に基づき、当行は、それらの会社が引き続き当行の被支配法人であること等、一定
    の条件に該当する場合、それらの子会社が各自の金融上の義務を引き続き果たせるようにすることを保証する。
     グリンドレイズの事業の売却

     2000年7月31日、当行は、ANZグリンドレイズ・バンク・リミテッド(「グリンドレイズ」)およびその他の特定の事業のス
    タンダード・チャータード・バンク(「SCB」)に対する売却を完了した。当行はこれらの事業に関する保証および補償を提供
    した。
     補償対象事項には、1973年外国為替規制法に違反したと主張される1991年に実行された特定の取引に関して、インドの当局
    がグリンドレイズおよびその特定の役員に対して提起した民事罰手続きおよび刑事訴追が含まれている。2007年に民事罰が課
    されたが、上訴の対象となっている。刑事訴追は現在防御の過程にある。
    偶発資産

     ナショナル・ハウジング・バンク
     当行は、問題のある小切手により1990年代初頭に旧グリンドレイズの顧客口座に入金された受取金の回収を継続している。
     問題の小切手は、インドのナショナル・ハウジング・バンク(「NHB」)から振り出されていた。小切手の受取金に関するグ
    リンドレイズとNHBの訴訟は2002年初頭に解決した。
     回収は、小切手の受取金を受領したグリンドレイズの顧客財産に対して行われている。回収額は、当行とNHBの間で分配され
    ることになっている。
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    34.  監査人報酬
                                 連結                当行

                            2022年        2021年        2022年        2021年
                                     (単位:千ドル)
    KPMGオーストラリア
    財務報告書の監査またはレビュー                          8,217        7,434        7,726        7,021
          (1)
    監査関連業務                          6,037        2,772        5,956        2,696
         (2)
                                8       106         8       106
    非監査業務
      (3)
                              14,262        10,312        13,690         9,823
    合計
    KPMGオーストラリアの海外提携事務所

    財務報告書の監査またはレビュー                          5,808        5,511        2,033        1,965
          (1)
    監査関連業務                          1,459        1,657         831        917
         (2)
                                -        85         -        85
    非監査業務
    合計
                              7,267        7,253        2,864        2,967
    監査人報酬合計
                              21,529        17,565        16,554        12,790
    (1)  当グループの監査関連業務の内訳は、健全性および規制に関する業務が6.26百万ドル(2021年度:3.27百万ドル)、コン

      フォート・レターが0.52百万ドル(2021年度:0.49百万ドル)、その他の業務が0.71百万ドル(2021年度:0.67百万ド
      ル)である。当行の監査関連業務の内訳は、健全性および規制に関する業務が5.90百万ドル(2021年度:2.78百万ド
      ル)、コンフォート・レターが0.48百万ドル(2021年度:0.45百万ドル)、その他の業務が0.41百万ドル(2021年度:
      0.38百万ドル)である。
    (2)  当グループおよび当行の非監査業務の内容は、統制に関連した評価、方法や手続のレビューなどである。詳細は取締役会
      報告書に記載している。
    (3)  物品・サービス税を含む。
     当グループおよび当行の方針は、KPMGオーストラリアまたはその提携事務所が法定の監査業務の範囲外であっても外部監査

    人の役割と矛盾しない保証およびその他の監査関連業務を認めている。この中には、APRAなどの監督機関の要請による規制遵
    守や健全性に関するレビューが含まれる。監査や監査関連業務に当てはまらないその他の業務は、非監査業務とされる。当該
    方針では、監査人の独立要件に反しない限り、特定の非監査業務の提供を受けることを認めている。KPMGオーストラリアまた
    はその提携事務所は、外部監査人としての役割と矛盾する、または監査人の独立性に違反するとされる業務を行ってはならな
    い。これには、通常経営陣が行う経営活動に関する助言および下請け、ならびに外部監査人が自己の業務に対して意見を述べ
    ることを最終的に求められうる契約が含まれる。
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    35.  将来の報告期間に影響を与える保留中の組織変更
     純粋持株会社

     2022年5月4日、当グループはANZが中核事業をさらに強化・成長させる戦略をより適切に達成することを支援するために、
    APRA、連邦財務大臣その他関連規制当局に対して、純粋持株会社を設立し、組織内で区分された銀行グループと非銀行グルー
    プを設けるための正式な申請を行う意向を発表した。
     計画された事業再編が進んだ場合、ANZは、ANZグループの新たな上場持株親会社として、純粋持株会社であるANZグループ・
    ホールディングス・リミテッドをスキーム・オブ・アレンジメントによって設立し、ANZの銀行事業と一部の非銀行事業をANZ
    銀行グループとANZ非銀行グループに分離する。「ANZ銀行グループ」は、現在のオーストラリア・アンド・ニュージーラン
    ド・バンキング・グループ・リミテッドと現時点での子会社の大半で構成されることになる。「ANZ非銀行グループ」は、ANZ
    グループが開発または買収した銀行関連事業が含まれ、最高の新技術と銀行関連サービスを顧客に提供する方法を追求し続け
    る。
     説明資料はオーストラリア証券投資委員会に登録されており、ANZの株主は2022年12月15日にこのスキームに対する投票が求
    められる。この説明資料は、ANZウェブサイト(www.anz.com/schememeeting)でも閲覧可能になる予定である。
     サンコープ・バンクの買収

     2022年7月18日、当グループは、サンコープ・バンクの直接純粋持株会社であるSBGHリミテッドの全株式を取得することに
    合意した旨を発表した。この買収は、最低12か月の期間と連邦財務大臣の承認、オーストラリア競争・消費者委員会の認可ま
    たは承認および1996年州金融機関およびメットウェイ合併助成法(クイーンズランド州、一部改正)など特定の条件が適用さ
    れる。当事者間で他の合意がない限り、これらの条件を完了する最終期日は、締結後24か月である(その後は、いずれの当事
    者も契約を解除することができる。)。最終取得価格は完了時に調整され、49億ドル前後となる可能性がある。加えて、ANZは
    サンコープ・バンクのその他Tier1キャピタル・ノートを額面価額(2022年6月時点で6億ドル)で取得する。当該買収の完
    了は2023歴年後半と見込まれている。
    36.  事業年度末以後の後発事象

     2022年9月30日から本報告書署名日までの間に発生した重要な事象はない。

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                              取締役の宣言
    オーストラリア・ニュージーランド銀行の取締役は以下のことを宣言する:
    a)  取締役の意見において、当行および連結会社の財務書類および注記は、以下を含む2001年会社法に準拠している。
      ⅰ)  第296条、オーストラリア会計基準および2001年会社規則により追加される要件に準拠している。
      ⅱ)  第297条、2022年9月30日現在の当行および連結会社の財務状態および同日に終了した事業年度における当行および連
        結会社の業績について真実かつ公正に表示している。
    b)  当行および連結会社の財務書類の注記には、当行および連結会社の財務書類ならびに注記が国際財務報告基準に準拠してい
      るという記載が含まれている。
    c)  取締役は、2001年会社法第295条Aで要求される宣言を与えられた。
    d)  取締役の意見では、支払期日到来時において当行に債務の支払能力があると信ずるに足る合理的な根拠がある。
    取締役の決議に従って署名されている。

    ポール・O・オサリバン                           シェイン・C・エリオット

    会長                           マネジング・ディレクター
    2022年10月26日
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    2【主な資産・負債及び収支の内容】
     上記「1 財務書類」中の財務書類および注記を参照のこと。
    3【その他】

    (1)    事業年度末以降に生じた重要事象
     2022年9月30日以降本書提出日現在まで、上記「第2 企業の概況-3 事業の内容-(7)最近の進展」に記載された事項を
    除き、ANZにとり重要な後発事象は生じていない。
    (2)    訴訟等

     当グループに対する係属中の裁判、請求および請求の可能性がある。必要ある場合、専門家による法律上の助言を得て、か
    かる助言に照らして、適切とみなされる引当金の引当ておよび/または開示が行われている。場合により、実際的ではないた
    め、またはかかる開示が当グループの利益を害する可能性があるため、当グループは個別事項の財務上の予想影響額を開示し
    ていないことがある。
     詳細については、上記「1 財務書類-注記33(コミットメント、偶発債務および偶発資産)」を参照のこと。さらに完全
    を期すため、上記「第3 事業の状況-2 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性」中の「18.訴訟および偶発債務
    は当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」という項目名のリスク要因の開示も参照のこと。
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    4【日本とオーストラリアとの会計原則の相違】
     本書記載の当グループおよび当行の財務書類(連結財務書類および個別財務書類)(「財務書類」)は、オーストラリア会
    計基準(AAS)およびオーストラリア会計基準審議会(AASB)が発行したその他の権威ある公表文書(「AGAAP」と総称す
    る。)に準拠して作成されている。国際財務報告基準(IFRS)はAGAAPの基礎を成している。
     以下の記述は、当グループが適用するAGAAPと日本基準の重要な差異を概説したものである。当グループは、財務書類および
    関連注記の開示に関して、AGAAPと日本基準との間の比較表を作成しておらず、かかる差異を定量化していない。したがって、
    以下のAGAAPと日本基準の差異の概説が完全であるという保証はない。
     投資の決定にあたって、投資家は当グループ、申込の条件および財務情報に関する自らの検証に依拠しなければならない。
    投資家はAGAAPと日本基準の差異、およびそれらの差異がどのように本書の財務情報に影響を与えるかを理解するために、自身
    の専門アドバイザーに相談すべきである。
     AGAAP、AGAAPの基礎となるIFRSおよび日本基準を公表する組織は、比較に将来重要な影響を与えうる継続中のプロジェクト
    を複数抱えている。さらに、所定の会計基準の変更の結果生じるAGAAPおよび日本基準の今後の差異を特定することは行ってい
    ない。
     投資家は、投資を行うかどうかの決定にあたって、AGAAPと日本基準とでは結果が大きく異なりうることを前提とすべきであ
    る。当グループの連結当期純利益、資産および株主持分の決定に影響を与える可能性がある、AGAAPおよび日本基準の間の重要
    な差異は、以下のとおりである。
    (a)   連結

     被支配法人の識別
     AGAAP   において、グループの連結財務諸表には、親会社および親会社が支配するすべての会社(すなわち子会社。組成された
    事業体を含む。)の財務諸表が含まれている。「支配」は、当グループが事業体に関与することで変動するリターンに対する
    エクスポージャーまたは権利を有し、かつ事業体に対するパワーを通じてそのリターンに影響を及ぼす能力を有する場合に存
    在するとみなされる。パワーは、当グループに当該事業体の関連活動を指示する現在の能力を与える既存の権利を検討するこ
    とで評価される。場合により、支配の決定には判断を伴う。
     日本基準においても、親会社は支配しているすべての会社等を連結することが求められている。日本基準において、会社

    (親会社)は他の会社の意思決定機関を支配している場合、支配が存在するとみなされる。
     ただし、一定の要件を満たす特別目的会社(SPE)については、子会社の定義に該当しないものと推定され、連結しないこと
    ができる。
     連結事業体の会計方針の統一

     AGAAP   において、財務諸表は統一した会計方針を使用して作成される。
     日本基準においては、親会社および子会社が連結財務諸表を作成するために採用する会計原則は、原則として統一されてい
    なければならない。「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」によれば、在外子会社の所在
    地国の会計原則に準拠して作成された財務諸表は原則として親会社の会計方針(日本基準)に修正する必要があるが、在外子
    会社の財務諸表がIFRSまたは米国会計基準に準拠して作成されている場合は、のれんの償却および退職給付会計における数理
    計算上の差異の費用処理等の一定の項目を修正した上で、これを連結決算上利用できることと規定されている。
    (b)   売却目的で保有する非流動資産および非継続事業

     AGAAP   においては、売却目的保有に分類される要件を満たす資産は、帳簿価額又は売却コスト控除後の公正価値のいずれか低
    い方の金額で測定され、財政状態計算書(貸借対照表)において区分表示が求められる。非継続事業への区分が求められる構
    成単位の経営成績は、包括利益計算書において区分表示される
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     日本基準においては、売却目的で保有する非流動資産および非継続事業を扱う基準はないため、区分開示は求められない。
    (c)   株式報酬

     AGAAP   においては、株式報酬の付与後に株価に関する条件が充たされずに報酬の確定後に失効が生じた場合、損益計算書への
    調整は行わない。
     日本基準においては、権利の確定後に失効が生じた場合、以前に計上された株式報酬費用は戻し入れられ、損益計算書に戻

    入益を計上する。
    (d)   のれん

     AGAAP   においては、企業結合で取得したのれんは償却される代わりに毎年減損についてテストし、また事象や状況の変化が減
    損の可能性を示している場合は、より頻繁に減損テストを実施する。減損損失をその後戻し入れることは認められていない。
     日本基準においては、企業結合により発生するのれんの償却は20年以内の期間にわたって規則的に償却される。減損の兆候

    がある場合、のれんの未償却簿価は減損テストが行われる。
    (e)   資産の減損

     AGAAPのもとでは、以下の減損テストが求められる。
     ・各報告日において、有形固定資産または耐用年数を確定できる無形資産(または無形資産が配分された資金生成単位
    (「CGU」))に減損の兆候があるかどうかを判断する。
     ・耐用年数が確定できないまたは使用可能になっていない無形資産およびのれんについては、減損の兆候の有無にかかわら
    ず年次で減損テストを実施する。
     減損テストにあたり、資産またはCGUの帳簿価格はその回収可能価額と比較される。当該回収可能価額が資産またはCGUの簿
    価より小さい場合には、当該差額を減損として認識する。回収可能価額は、資産またはCGUの公正価値から売却費用を控除した
    金額と、将来のキャッシュフローを現在価値に割引いて算出した使用価値のいずれか高い方の額である。
     無形資産(のれんを除く)または有形固定資産について以前認識された減損損失は、減損損失がその後減少したか、もはや
    存在しなくなった場合には損益計算書に戻し入れられる。ただし、増加する資産額は、過年度において当該資産について減損
    損失が認識されていなかった場合に決定されたであろう帳簿価格(減価償却費を控除後)を超えてはならない。のれんに対す
    る減損損失を、その後戻入れることは認められていない。
     日本基準においても、減損会計は基本的にAGAAPと同様である。しかしながら、日本基準の場合、減損テストは減損の兆候が

    ある場合にのみに行われ、簿価と割引前見積将来キャッシュフローとを比較し、簿価が高い場合に限り、資産の公正価値(売
    却費用控除後)および使用価値を考慮して減損損失を算定する。減損損失を、その後戻入れることは認められていない。
    (f)   金融資産の分類および測定

     AGAAPのもとでは、金融資産は、管理におけるビジネスモデルおよび契約上のキャッシュフローの特性(契約上のキャッシュ
    フローが元本および利息の返済のみを表しているかどうか)に基づいて、「償却原価による測定」、「損益を通じた公正価値
    による測定(FVTPL)」、「その他の包括利益を通じた公正価値による測定(FVOCI)」の3つに分類される。金融資産は、
    FVTPLで測定するものとして指定することによって、指定しない場合に発生するであろう会計上のミスマッチを消去または大幅
    に低減する場合に、FVTPLで測定するものとして取消不能の指定をすることができる。
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     金融負債は、「償却原価」または、売買目的で保有される場合は「損益を通じた公正価値による測定(FVTPL)」で測定され
    る。加えて、金融負債は以下の場合にFVTPLで測定するものとして指定することができる。
     ・この指定により、指定しない場合に発生する会計上のミスマッチを解消または著しく減少させる場合。
     ・金融負債グループが、文書化されたリスク管理戦略に従って、公正価値で管理され、その実績が公正価値に基づいて評価
    される場合。
     ・金融負債が1以上の組込デリバティブを含む場合で以下の場合を除く。
      a)  組込デリバティブが、組込デリバティブがない場合には契約によって要求されるキャッシュフローを著しく変更しな
       い。
      b)  組込デリバティブが、主契約となる金融負債と密接に関連している。
     金融負債が公正価値で測定するものとして指定されている場合、企業自身の信用リスク変動に係る利益および損失は、その
    他の包括利益に含められるが、それにより、損益における会計上のミスマッチが生じるまたは拡大する場合を除く。
     日本基準においては、金融資産は金銭債権、有価証券、デリバティブおよび金銭債務といった種類別に計上される。有価証

    券はさらに保有目的別に「売買目的有価証券」「満期保有目的の債券」「子会社および関連会社株式」、「その他有価証券」
    に分類される。「金銭債権」、「子会社および関連会社株式」は取得額で計上される。「満期保有目的の債券」は取得原価
    (債券を債券金額で取得した場合)または償却原価(債券を債券金額と異なる価額で取得した場合)のいずれかで計上され
    る。「売買目的有価証券」および「デリバティブ取引から生じる正味の資産」は時価で計上され、評価差額は当期の損益とし
    て処理される。「その他有価証券」は、時価で計上され、評価差額は純資産の部に計上される。
     金融負債は、「金銭債務」および「デリバティブ取引から生じる正味の負債」に区分される。金銭債務は債務額をもって計
    上される。「デリバティブ取引から生じる正味の負債」は時価で計上され、評価差額は当期の損益として処理される。
     日本基準においては、金融商品の公正価値オプションは認められていない。

    (g)   金融資産の減損

     AGAAPのもとでは、償却原価またはFVOCIに分類される負債性金融商品、リース債権、契約資産、またはAASB第9号の減損規
    定が適用されるFVTPL以外のローン・コミットメントおよび金融保証契約について予想信用損失に対する損失評価引当金が認識
    される。減損は、当初認識以降の信用悪化の程度に基づき3つのステージを用いたアプローチ(予想信用損失モデル)により
    損失評価引当金が認識される。
     日本基準において、債権は債務者の状況に応じた3つの区分に分類され、区分ごとに算定された貸倒見積高に基づいて貸倒

    引当金が計上される。「満期保有目的の債券」、「子会社株式及び関連会社株式」ならびに「その他有価証券」の時価が著し
    く下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損
    失として処理しなければならない。
    (h)   金融資産の譲渡による認識の中止

     AGAAPのもとでは、金融資産の譲渡による認識の中止は、譲渡企業の譲渡資産に対する支配およびリスク/経済価値のエクス
    ポージャーをどの程度留保しているかに基づいて行われる。所有に伴うすべてのリスクおよび経済価値が実質的には留保も移
    転もされない取引において、当該資産に対する支配権が失われた場合に当該資産の認識は中止される。一方、金融資産に対す
    る支配の一部が留保される譲渡取引において、企業は継続的関与の範囲内(企業が譲渡資産の価値変動にさらされる範囲)に
    ついて引き続き認識を継続する。
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     日本基準においては、財務構成要素アプローチに基づき、金融資産の契約上の権利に対する支配が他に移転した場合に、金
    融資産の譲渡による認識の中止を行う。金融資産の契約上の権利に対する支配が他に移転するのは、(a)                                                 譲渡された金融資産
    に対する譲受人の契約上の権利が譲渡人およびその債権者から法的に保全され、(b)                                       譲受人が譲渡された金融資産の契約上の
    権利を直接または間接に通常の方法で享受でき、(c)                         譲渡人が譲渡した金融資産を当該金融資産の満期前に買戻すまたは償還
    する権利および義務を実質的に有していない場合である。
    (i)   ヘッジ会計

     AGAAPのもとでは、公正価値ヘッジ、キャッシュフロー・ヘッジ、海外事業に対する純投資ヘッジが認められている。公正価
    値ヘッジの場合、ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動とヘッジ手段の公正価値の変動は、ともに損益
    計算書に計上される。キャッシュフロー・ヘッジおよび海外事業に対する純投資ヘッジの場合、ヘッジ手段の公正価値の変動
    のうち有効部分は資本の部に計上され、非有効部分は直ちに損益計算書に計上される。キャッシュフロー・ヘッジに関連し
    て、
     ・ヘッジ手段が消滅、売却、解除された、またはもはやヘッジ会計の要件を満たさなくなった場合、資本の部に繰延べられ
    た累積額はキャッシュフロー・ヘッジ準備金に留保され、その後ヘッジ対象が損益計算書に計上される際に損益計算書に振替
    えられる。
     ・予定取引がもう発生しないと予想される場合、資本の部に繰延べられた金額は直ちに損益計算書に計上される。
     海外事業に対する純投資ヘッジに関連し、資本の部に認識された累積損益は、海外事業の処分または一部処分の際に損益計

    算書に認識される。
     日本基準においては、ヘッジに有効性がある場合は原則として「繰延ヘッジ」が適用される。「繰延ヘッジ」とは、ヘッジ

    手段の公正価値の変動を、対応するヘッジ対象の損益が認識されるまで資本の部に計上する方法である。この例外として、売
    却可能有価証券(いわゆる「その他有価証券」)の価格変動リスクをヘッジする際には、「時価ヘッジ」を適用することがで
    きる。「時価ヘッジ」では、上記AGAAPの公正価値ヘッジと同様に、ヘッジ対象およびヘッジ手段の両方の公正価値の変動を同
    時に損益計算書に認識する。
    (j)   確定給付制度

     AGAAPのもとでは、各確定給付制度の確定給付債務の現在価値(予測単位積増方式を用いて計算される)が各制度の資産の公
    正価値より大きい場合には確定給付負債が認識される。また、この計算によって資産が生じる場合、回収可能な額を上限とす
    る確定給付資産が認識される。各報告期間において、正味確定給付負債(資産)の増減は、以下のように取扱われる。
     ・当期の勤務費用、正味確定給付負債の利息純額、過去勤務費用およびその他の費用(例えば、縮小および清算の影響な
      ど)に関する増減(純額)は、損益計算書の営業費用に計上される。
     ・正味確定給付負債(資産)のうち数理計算上の差異および制度資産からの収益(利息純額に含まれる受取利息を除く)を
      構成する部分の再測定は、その他包括利益を通じて利益剰余金に直接計上される。
     ・雇用者の拠出額は正味確定給付負債(資産)に直接認識される。
     日本基準においては、退職給付債務額は「給付算定基準」または「期間定額基準」のいずれかを用いて計算される。

     利息費用は退職給付債務に割引率を乗じて算定される。各報告期間において、勤務費用、利息費用、制度資産の期待収益、
    過去勤務費用および数理計算上の差異の当期の費用処理額(その他包括利益からリサイクリング)は、退職給付費用の一部と
    して損益計算書に含まれる。
     未認識の過去勤務費用および数理計算上の差異については、その他包括利益を通じて貸借対照表の資本の部に認識される。
    過去勤務費用および数理計算上の差異については、従業員の平均残存勤務期間の範囲内の一定の年数で、営業費用として損益
    計算書に計上することとされており、また発生時に費用処理する方法も認められている。
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    (k)   個別財務諸表における持分法
     AGAAPのもとで、当行はAASB第2014-9号を適用しており親会社の個別財務諸表において関連会社に対する投資に持分法が適用
    されている。日本基準においては、関連会社に対する投資は個別財務諸表において取得原価で計上される。
    (l)   収益認識

     AGAAP   のもとでは、顧客との契約から生じるすべての収益に関する会計処理を定めているAASB第15号に基づいて収益が計上さ
    れる。当該基準に基づいて、契約及び契約における履行義務を識別し、契約における取引価格をそれら履行義務に配分し、各
    履行義務が充足された時に(又は充足されるにつれて)収益が認識される。
     日本の基準において、収益は実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限り、収益とし

    て認識されるが、AGAAPのような包括的な規定はなかった。
     2018  年3月30日に、収益に関する会計処理及び開示について定めることを目的とした企業会計基準第29号「収益認識に関す
    る会計基準」が企業会計審議会から公表された。新基準は、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」と概ね同様のものと
    なっている。新基準は、2021年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用されている。
    (m)   リース(借手の会計処理)

     AGAAP   のもとでは、借手は単一の会計モデルに基づき、すべてのリース(少額資産および短期のリースを除く)を貸借対照表
    に認識しなければならない。その結果、借手は対象リース資産をリース期間にわたって使用する権利を使用権(ROU)資産とし
    て認識し、リース料の支払義務をリース負債として認識する。また、損益計算書において、借手はROU資産に関する減価償却費
    とリース負債に対する支払利息を認識する。
     日本の基準において、リース取引は、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に分類される。基本的

    に、資産の所有に伴うリスクと経済的便益のほとんどすべてが実質的に借手に移転している場合には、ファイナンス・リース
    取引、それ以外をオペレーティング・リース取引とする。原則として、ファイナンス・リース取引については売買と同様の会
    計処理を行い、オペレーティング・リース取引については賃貸借と同様の会計処理を行う。
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    第7【外国為替相場の推移】
     当行の財務書類の表示に用いられた豪ドルと日本円との間の為替相場が、国内において時事に関する事項を掲載する2以上
    の日刊新聞紙に最近5年間の事業年度において掲載されているので、記載を省略する。
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    第8【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
     該当事項なし。
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    第9【提出会社の参考情報】
    1【提出会社の親会社等の情報】

     該当事項なし。
    2【その他の参考情報】

    (1)   有価証券報告書及びその添付書類

       事業年度 (自 令和2年10月1日 至 令和3年9月30日) 令和3年12月20日に関東財務局長に提出
    (2)   四半期報告書又は半期報告書

       半期報告書 事業年度中 (自 令和3年10月1日 至 令和4年3月31日) 令和4年6月17日に関東財務局長に提出
    (3)   臨時報告書

       1.  企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第1号の規定に基づき臨時報告書を令和4年4月19日に関東財務局
        長に提出
       2.  企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第1号の規定に基づき臨時報告書を令和4年10月7日に関東財務局
        長に提出
    (4)   訂正報告書

       該当事項なし
    (5)   発行登録書(募集)

       該当事項なし
    (6)   発行登録書(売出)

       該当事項なし
    (7)   訂正発行登録書(募集)

       1.  令和4年4月19日に関東財務局長に提出
       2.  令和4年10月7日に関東財務局長に提出
    (8)   訂正発行登録書(売出)

       1.  令和4年4月19日に関東財務局長に提出
       2.  令和4年10月7日に関東財務局長に提出
    (9)   発行登録追補書類(募集)

       該当事項なし
    (10)   発行登録追補書類(売出)

       該当事項なし
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    第二部【提出会社の保証会社等の情報】
    第1【保証会社情報】

    1【保証の対象となっている社債】

    該当事項なし。

    2【継続開示会社たる保証会社に関する事項】

    該当事項なし。

    3【継続開示会社に該当しない保証会社に関する事項】

    該当事項なし。

    第2【保証会社以外の会社の情報】

    該当事項なし。

    第3【指数等の情報】

    該当事項なし。

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                               ( 訳文)

                            独立監査人の同意書
    オーストラリア・ニュージーランド銀行

    取締役会 御中
    私たちは、2022年9月30日終了事業年度に係るオーストラリア・ニュージーランド銀行の年次報告書に


    含まれるオーストラリア・ニュージーランド銀行の財務報告書に関連した2022年10月26日付のオースト
    ラリア・ニュージーランド銀行の独立監査人の監査報告書が、金融商品取引法に従って2022年12月20日
    またはその前後に関東財務局長に提出される有価証券報告書の中に含まれることに同意する。
    ケーピーエムジー(署名)

    マーティン・マクグラス(署名)

    パートナー
    オーストラリア、メルボルン市

    2022   年12月20日
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                     CONSENT      OF  THE   INDEPENDENT         AUDITOR
    To  the  Board   of Directors

    Australia     and  New   Zealand    Banking     Group    Limited

    We  hereby    consent    to the  use  of  our  Independent       Auditor’s     Report    to the  Shareholders       of  Australia     and  New

    Zealand    Banking     Group    Limited    dated   26  October    2022   with   respect    to the  financial     report   of Australia     and  New
    Zealand    Banking     Group    Limited    appearing     in Australia     and  New   Zealand    Banking     Group    Limited’s     Annual    Report
    for  the  year   ended   30  September      2022   in the  Annual    Securities     Report    lodged    with   Director     General    of the  Kanto
    Local    Finance     Bureau    of  Japan    on  or  around    20  December      2022   for  the  purposes     of  satisfying      the  filing
    requirements       of the  Financial     Instruments      and  Exchange     Law   in Japan.
    KPMG

    Martin    McGrath

    Partner

    Melbourne,      Australia

    20  December     2022
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                           独立監査人の監査報告書

                               (翻訳)
     オーストラリア・ニュージーランド銀行株主各位

     財務書類監査に関する報告書
     監査意見

     私たちは、オーストラリア・ニュージーランド銀行の連結財務書類(以下、「グループの財務書類」という。)
    について監査を行った。私たちはまた、オーストラリア・ニュージーランド銀行の財務書類(以下、「銀行の財務
    書類」という。)についても監査を行った。
     私たちは、添付のグループの財務書類および銀行の財務書類が、それぞれ2001年会社法に基づき、以下のとおり
    であるものと認める。
      ・グループおよび銀行の2022年9月30日現在の財政状態および同日に終了した事業年度における財務成績を真実
       かつ公正に表示している。
     ・オーストラリア会計基準および2001年会社法規則に準拠している。
     グループおよび銀行の財務書類は、それぞれ以下より構成されている。
     ・2022年9月30日現在の貸借対照表、
      ・同日に終了した事業年度の損益計算書、包括利益計算書、持分変動計算書およびキャッシュフロー計算書、
     ・重要な会計方針の要約を含む注記1から36、
     ・取締役の宣言
     グループは、オーストラリア・ニュージーランド銀行(以下、「銀行」という。)および銀行の事業年度末現
    在、あるいは当事業年度中における被支配法人で構成される。
     監査意見の根拠

     私たちは、オーストラリア監査基準に準拠して監査を行った。私たちは、意見表明の基礎となる十分かつ適切な
    監査証拠を入手したと判断している。
     監査の基準における私たちの責任は、本報告書の「財務書類監査に関する監査人の責任」に記載されている。
     私たちは、オーストラリアにおける財務書類監査に関する2001年会社法 および職業的監査人倫理基準審議会の
    APES110「職業的監査人の倫理規範(独立性基準を含む。)」(以下、「規範」という。)における職業倫理に関
    する規範に従って、グループおよび銀行から独立しており、また、これらの要件に準拠して監査人のその他の倫理
    上の責任を果たしている。
     監査上の主要な事項

     私たちが識別したグループおよび銀行に関する監査上の主要な事項は以下のとおりである。
     ・予想信用損失引当金
     ・公正価値で保有する金融商品の主観的かつ複雑な評価
     ・顧客救済引当金
     ・ITシステムおよび統制
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     加えて、私たちが識別したグループ(のみ)に関する監査上の主要な事項は以下のとおりである。
     ・PTバンク・パン・インドネシア(以下、「PT                        Panin」という。)への投資の帳簿価額
     監査上の主要な事項とは、当事業年度のそれぞれの財務書類監査において、監査人が職業的専門家として特に重

    要であると判断した事項である。
     監査上の主要な事項は、各財務書類全体に対する監査の実施過程および監査意見の形成において対応した事項で
    あり、私たちは当該項目に対して個別に意見を表明するものではない。
     予想信用損失引当金(グループ4,395百万ドル、銀行3,599百万ドル)

     予想信用損失引当金に関する重要な会計上の見積りおよび判断ならびに開示については、グループおよび銀行の
    財務書類注記14に記載されている。
     監査上の主要な事項

     予想信用損失引当金は、財務書類における貸付金および前渡金残高の重要性および予想信用損失引当金(以下、
    「ECL」という。)の測定に用いられる銀行およびグループのECLモデル特有の複雑性により、監査上の主要な事項
    とされている。これらのモデルは、データならびに複数の経済シナリオの影響を含む数多くの見積りおよびその他
    の仮定(信用リスクの著しい増大(以下、「SICR」という。)の定義等)に依拠する。
     AASB第9号「金融商品」は、経済状況のレンジを反映した将来予測に基づいてECLを測定するよう銀行およびグ
    ループに要求している。既知のECLモデルの限界またはローン・ポートフォリオの最新傾向に対応するために、銀
    行およびグループによって、モデルによるECLの算定後調整が行われる。私たちは、使用された経済シナリオなら
    びに銀行およびグループがモデルによるECLの算定後に適用したECLの算定後調整の判断に対する批判的な検討にお
    いて重要な判断を行う。
     経済見通しがグループおよび銀行の顧客に及ぼす影響に伴う不確実性の高まりにより、銀行およびグループの
    ECLの測定にさらなる主観性および判断が加わり、それらに対する監査も増加している。
     銀行およびグループによる顧客の信用格付(以下、「CCR」という。)の低下等のSICRを識別するために選定さ
    れた基準は、これらの基準により将来予測的な12か月の引当金計上、または全期間の引当金計上となるかを決定づ
    けるため、銀行およびグループによるECL手法における主要な判断領域となる。
     さらに、特定の閾値を超える個別に評価されたホールセール貸付金に対する引当金は、銀行およびグループに
    よって評価される。私たちは、予想される将来の現金返済額およびその貸付金に対して銀行およびグループが保有
    する担保価値からの予想収入に基づいて、特定の引当金の評価に対する批判的な検討において重要な判断を行う。
     当該事項に対する監査上の対応

     ECL引当金に関する私たちの監査手続は、当該会計基準の要件に照らした銀行およびグループの重要な会計方針
    の評価を含んでいた。さらに、私たちの手続きには以下が含まれていた。
     以下に関する銀行およびグループの主要な統制をテストした。
     ・モデルのパフォーマンス評価を含むECLモデルのガバナンスおよび検証プロセス
      ・将来予測的なマクロ経済の仮定およびシナリオ加重について銀行およびグループの内部ガバナンス・プロセス
       による批判的な検討を通じた評価および承認
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      ・ECL算定プロセスで使用されたデータと総勘定元帳ならびにソース・システム内に記録されている総残高との
       調整
      ・ホールセール貸付金(大規模顧客へのエクスポージャーは個別に監視される)の顧客の信用格付け(以下、
       「CCR」という。) これは、新規貸付枠の承認と銀行およびグループの貸付方針との比較、取引先固有の内
       部的要因または外部のマクロ経済的要因に関する銀行およびグループのエクスポージャー基準と取引先の信用
       状況の監視の比較、ならびにCCRおよび担保指標(以下、「SI」という。)の評価における正確性および適時
       性と銀行およびグループの貸付方針ならびに規制要件との比較等の項目を網羅した。
      ・個人向け貸付金の貸付延滞や、支払延滞区分別のエクスポージャーを記録し、個別引当金を再計算するITシス
       テムに関する統制  私たちは、自動計算および変更管理統制について検証し、延滞の監視に関する統制に焦
       点を当て、銀行およびグループによるポートフォリオの監視状況について評価した。
     私たちは、以下の監査上の主要な事項のITシステムおよび統制に詳述されているとおり、ECL引当金の測定にお

    いて銀行およびグループが使用した主要なITアプリケーションに関して、関連する情報処理全般統制(以下、
    「GITC」という。)をテストした。
     統制のテストに加えて、私たちの手続きには以下が含まれていた。
      ・銀行およびグループの専門家および回収チームにより管理され、リスクがより高いまたは減損していると査定
       されたホールセール貸付金のサンプル、ならびにその他の貸付金サンプルの信用評価の再実施                                                  ここでは、減
       損の兆候を示していると銀行およびグループが査定した、より大規模なエクスポージャー、または新たに生じ
       たリスク領域に焦点を当てている。サンプルとなった各貸付金について、顧客の財政状態、担保評価および関
       連がある場合には座礁資産のリスクを用いて、貸付金の回収可能性の全般的な評価および引当金への影響を把
       握するために銀行およびグループによるCCRおよびSIの評価を批判的に検討した。これに当たって、私たち
       は、銀行およびグループのローン・ファイルに含まれる情報を用いて貸付担当者とともに事例にまつわる事実
       および状況を議論した。私たちの判断および手続きの実施には、関連産業およびマクロ経済環境に関して私た
       ちが把握している内容を利用して、銀行およびグループが回収可能性の評価において使用したデータおよび仮
       定と外部から入手した証拠(商品価格、一般に入手可能な監査済財務書類および保有する担保についての比較
       可能な外部評価等)を比較することが含まれる。関連がある場合、私たちは、評価および事業計画の承認を裏
       付けるという観点から将来キャッシュフローの予想時期を評価し、評価における主要な仮定について批判的に
       検討した。
      ・ECL引当金を計算するために銀行およびグループのプロセスを把握し、確立された市場慣行および会計基準に
       おける要件に照らして銀行およびグループのECLモデル手法を評価した。
      ・私たちは、私たちの信用リスクの専門家と協力して、私たちが独立して入手した計算ツールを用いて、貸付金
       サンプルのECL引当金を再計算し、これと銀行およびグループが計上した金額を比較することによって、銀行
       およびグループのECLモデルによる見積りの正確性を評価した。
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      ・私たちは、私たちの経済専門家と協力して、銀行およびグループのECLモデルに織り込まれた将来予測的なマ
       クロ経済の仮定ならびに銀行およびグループのECLモデルに織り込まれたシナリオを批判的に検討した。私た
       ちは、銀行およびグループの予想GDP、失業率、CPIおよび不動産価格指標と関連性のある一般に入手可能なマ
       クロ経済情報を比較した。また、矛盾した指標を識別するためにその他の既知の変数および私たちの他の監査
       手続きを通じて入手した情報を検討した。
      ・貸付金組成時からのCCRの変動を考慮に入れて、貸付金のサンプルのステージング計算を再実施し、銀行およ
       びグループのECLモデルにおいて個別勘定レベルで適用される実際のステージングと私たちの結果を比較する
       ことによって、銀行およびグループのSICR手法の実施を検証した。
      ・勘定残高およびCCR等データ・フィールドのサンプルと関連するソース・システムと照合することによってECL
       モデルに用いられたデータの正確性を評価した。
     私たちは、銀行およびグループによるECL引当金残高に対するモデル適用後の調整の構成要素における主要な仮

    定についても批判的に検討した。これには以下が含まれる。
      ・特に経済シナリオにおける著しいボラティリティを考慮して、銀行およびグループのECLモデルならびに銀行
       およびグループのECLモデル検証プロセスで特定されたデータの不備に対するモデル適用後調整を評価した。
      ・集中リスクおよび景気循環引当金に使用された基礎データと、ローン・ポートフォリオにおける最近の損失実
       績、最新の市況および銀行およびグループのローン・ポートフォリオにおける特徴的なリスクと比較した。
      ・グループおよび銀行によって識別された特定のモデル適用後調整を内部および外部情報に照らして評価した。
      ・銀行およびグループの評価に対してローン・ポートフォリオで特定されたリスクとの整合性をチェックするこ
       とによって、モデル適用後調整の網羅性を評価した。
     私たちが実施したテストによって入手した内容の私たちの理解を用いて、また会計基準要件に照らして、財務書

    類における銀行およびグループの開示の適切性を評価した。
     公正価値で保有する金融商品の主観的かつ複雑な評価

     グループ
     -レベル3資産の公正価値(1,833百万ドル)
     -レベル2資産の公正価値(108,853百万ドル)
     -レベル3負債の公正価値(31百万ドル)
     -レベル2負債の公正価値(88,977百万ドル)
     銀行

     -レベル3資産の公正価値(1,449百万ドル)
     -レベル2資産の公正価値(105,583百万ドル)
     -レベル3負債の公正価値(20百万ドル)
     -レベル2負債の公正価値(86,652百万ドル)
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     公正価値に関する重要な会計上の見積りおよび判断ならびに開示についてはグループおよび銀行の財務書類注記
    19に記載されている。
     監査上の主要な事項

     銀行およびグループのレベル3およびレベル2の金融商品の公正価値は、銀行およびグループが評価技法を適用
    することによって決定される。これには、判断の行使および仮定や見積りの使用を伴う場合がある。
     監査上の主要な事項を評価するにあたって、私たちは、上級チームメンバーを補完するために、銀行およびグ
    ループの金融商品の評価に関連した手法、仮定およびデータを理解している、私たちの評価の専門家を関与させ
    た。
     公正価値で保有するレベル3およびレベル2金融商品の銀行およびグループの評価は、以下の要因により監査上
    の主要な事項とされた。
      ・見積りの高度な不確実性、および評価手法ならびにモデルで用いられる価格設定の重要なインプットが観察不
       能なレベル3に分類される金融商品の評価に関連して合理的に起こり得る結果のレンジが潜在的に重要なもの
       となる可能性。
      ・主観性および見積りの不確実性の増大につながる、特定のより複雑なレベル2金融商品の銀行およびグループ
       の評価手法およびモデルに関連した複雑性。
     これらの要因により、私たちが適用した判断のレベルおよび私たちの監査業務が増大した。
     当該事項に対する監査上の対応

     公正価値で保有する金融商品の評価に関する私たちの監査手続には、以下が含まれる。
      ・観察不能なインプットまたはモデルの複雑性により、評価における重要な判断から生じる虚偽記載リスクがよ
       り高いポートフォリオを識別するため、銀行およびグループが公正価値で保有する金融商品の母集団の評価を
       行った。
      ・特にこれらの金融商品に関する主要な統制の整備状況および運用状況の有効性のテストを行った。これらには
       以下に関するものが含まれる。
       ・独立した価格評価(以下、「IPV」という。)。ポートフォリオおよびIPVの対象となる評価インプットの網
        羅性を含む。
       ・当初および定期的なモデル検証。モデルの限界および仮定の評価を含む。
       ・管理機能による日次損益のレビュー、承認および批判的な検討。
      ・担保管理プロセス。清算機関に対するマージン調整のレビューおよび承認を含む。
      ・公正価値調整のレビューおよび承認。出口価格およびポートフォリオ・レベルの調整を含む。
      ・複雑なレベル2およびレベル3金融商品の主観的な評価に関連して、私たちの評価専門家と共に以下を実施し
       た。
       ・市場における比較可能なデータおよび入手可能な代替値を用いて、主要なインプットおよび仮定の妥当性を
        評価した。
      ・銀行およびグループの評価手法と業界慣行および会計基準における要件と比較した。
      ・私たちの評価専門家の支援を受けて、銀行およびグループの選定した金融商品および公正価値調整の再評価を
       独立して行った。これには、比較可能な市場データおよび入手可能な代替データからインプットを独自に入手
       することが含まれた。私たちは、私たちの再評価が、銀行およびグループの評価から著しく乖離した場合に銀
       行およびグループの評価を批判的に検討した。
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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
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      ・私たちのテストで理解した内容を用いて、また会計基準の要件に照らして、財務書類における銀行およびグ
       ループの開示の適切性を評価した。
     PTバンク・パン・インドネシア(以下、「PT                       Panin」という。)への投資の帳簿価額(グループ1,318百万ド

    ル)
     重要な会計上の見積りおよび判断ならびに開示についてはグループの財務書類注記27に記載されている。
     監査上の主要な事項

     関連会社(PT       Panin)へのグループの投資の帳簿価額は、以下により、監査上の主要な事項とされている。
      ・投資は、関連会社として会計処理されている持分であり、減損の兆候が識別される場合には、回収可能価額を
       評価しなければならない。これには、過去における株式の市場価格のボラティリティならびに当該株式に関す
       る市場の流動性が限定的であることを考慮した判断ならびに評価モデルの検討が含まれる。過年度には、減損
       が認識されている。
      ・グループの関連会社への投資であるPT                     Paninに関するグループの減損評価により、当期において株式の市場価
       格が大幅に増加したことが識別された。2022年9月30日現在において示された、この帳簿価額を上回る価値
       は、会計基準の要件に基づいて過去の減損の戻入れが可能であることが示されている。
      ・私たちは、過年度のPT             Paninへの投資に対して計上された減損損失の戻入れをしないというグループの結論に
       ついて批判的に評価した。この評価では、市場の分析およびグループの使用価値モデルによる結果とその他の
       公正価値アプローチに対する比較を要した。
      ・私たちは、回収可能価額の評価における主要な仮定に関連したグループの判断を批判的に評価することに焦点
       を当てた。これには、以下が含まれる。
       ・代替的評価手法の内容
       ・収益予測、成長率予測および永久成長率-グループのモデルは、これらの仮定のわずかな変動による影響を
        受けやすい。
       ・割引率-これらは、その性質上複雑であり、事業を行っている関連会社投資の条件および環境に応じて変動
        する。
      ・私たちは、監査上の主要な事項の評価において、チームのシニアメンバーを補充するために私たちの評価専門
       家の協力を得た。
     当該事項に対する監査上の対応

     評価専門家と共に作業した私たちの監査手続には、以下が含まれる。
      ・関連会社(PT         Panin)へのグループの投資の帳簿価額が裏付けられると結論付けるためにグループが使用した
       回収可能価額の評価の適切性について検討した。
      ・PT   Panin株式の特性および株式の市場相場価格の参照により示された最近の公正価値の著しい増大の決定要因
       について理解した。これには、増減の変動性、グループの所有株式の内容および規模ならびに浮動株式の取引
       の上限についての分析が含まれる。
      ・その他の公正評価法を批判的に評価し、これを株式の市場相場価値と比較し、グループの使用価値の結果と比
       較した。
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      ・グループが適用した使用価値の評価手法の適切性を会計基準の要件に照らして検討した。
      これには以下が含まれる。
       ・使用されたモデルの整合性(基礎となる計算式の正確性を含む)について評価した。
      ・割引率、予測収益、予測成長率および永久成長率等、当該モデルで使用されたグループの主要な仮定を外部
        で観察可能な測定基準、過去の実績、市場に関する私たちの知識および現在の市場慣行と比較することに
        よって評価した。
       ・比較可能な企業の一般に入手可能な市場テータを利用して、割引率の見積りまたは比較可能な範囲を独自に
        設定し、当該投資ならびにその市場および事業を行っている業界に特有の要因について調整を行った。
       ・当該モデルに含まれている予測収益とブローカーのコンセンサス・レポートおよび公表されている財務成績
        と比較した。
       ・モデルに組み込まれた現在の予測についての私たちの評価を形成するために過去の予測の正確性を評価し
        た。
       ・割引率および永久成長率等、主要な仮定を合理的に起こり得る範囲内で変動させることによって当該モデル
        の感応度を検討した。これは、偏向リスクの高い、あるいは適用に統一性のない仮定を識別するため、また
        その後の手続きを絞り込むために実施した。
      ・過去の減損損失の戻入れを批判的に評価するため、報告日現在の回収可能価額を直近の減損評価時点におけ
       る当該投資の回収可能価額に照らして評価した。
      ・私たちのテストで理解した内容を用いて、また、会計基準の規定に照らして財務書類における開示を評価し
       た。
     顧客救済引当金(グループ662百万ドル、銀行600百万ドル)

     重要な会計上の見積りおよび判断ならびに開示についてはグループおよび銀行の財務書類注記23および33に記載
    されている。
     監査上の主要な事項

     銀行およびグループは、内部および外部調査ならびにレビューにより生じた特定の顧客救済措置に関連する引当
    金を認識した。
     顧客救済活動に関する引当金は、以下に関する銀行およびグループの算定を評価するに当たり、私たちによる判
    断が要求されることから、監査上の主要な事項と考えられる。
     ・救済が求められる事項の母集団の網羅性
      ・その事象を会計基準で規定されている要件に照らして検討し、過去の事象によって生じた現在の法的債務また
       は推定的債務の存在
      ・調査および法的措置によって生じた支払可能性のある救済金額について信頼性のある見積り(関連費用の見積
       りを含む)
      ・私たちが検討すべき見積りの幅の拡大につながるような法的手続き、追加調査、および規制当局によるレ
       ビューの可能性
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     当該事項に対する監査上の対応
     顧客救済引当金に関する私たちの監査手続には、以下が含まれる。
      ・顧客救済措置に関する調査による影響を識別および評価するための銀行およびグループのプロセスを把握し
       た。
      ・継続中の法律、規制事項および救済が必要とされる可能性のある過去の活動に関するその他の調査について銀
       行およびグループに照会した。
      ・外部の法律顧問と重要案件に関する独立した討議を実施した。
      ・顧客救済引当金の見積りに使用される基礎の一貫性に関して、銀行の取締役会、役員会、さまざまな経営委員
       会の議事録およびその他の関連文書を通読し、銀行の監査およびリスク委員会の会議に出席した。
      ・関連規制当局との通信を査閲し、状況および位置付けを銀行およびグループが使用した見積りの基礎と比較し
       た。
      ・個別の顧客救済事項のサンプルについて、引当金および関連費用の認識の基礎を会計基準の規定に照らして評
       価し、銀行およびグループの方針との整合性を評価した。私たちは、当該事項およびその状況を把握し、独立
       して会計基準の認識規定に照らして評価することによってこれを行った。
      ・個別の顧客救済事項のサンプルについて、以下を行った。
      ・顧客救済事項に関して、銀行およびグループが使用した手法、データおよび仮定の評価および批 判的な検
        討
       ・対象システムへのデータの正確性のサンプルチェック
       ・モデルの整合性チェックの実施
      ・過去の救済引当金を実際の支払額と比較することによって、その正確性を検証した。私たちは、グループお
        よび銀行の現在の見積りを批判的に検討するために、また私たちの次の手続を形成するためにこの知識を用
        いた。
      ・私たちの広範囲にわたる業界事案の知識および経験、銀行およびグループの文書ならびに現在の規制環境に基
       づいて、エクスポージャーが生じる可能性のある事項を評価することによって網羅性をテストした。私たちは
       また、これらのエクスポージャーの特性を、引当金または偶発債務を定義する会計基準の規定に照らして確認
       した。
      ・信頼性の高い見積りができない引当金の認識に関して、銀行およびグループによる結論の適切性をオーストラ
       リア会計基準要件に照らして評価した。
      ・私たちのテストで理解した内容を用いて、またオーストラリア会計基準の要件に照らして関連する開示を評価
       した。
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     ITシステムおよび統制
     監査上の主要な事項
     オーストラリアの大手銀行として、銀行およびグループの事業は、大量の取引を処理し、記録するために数多く
    の複雑かつ相互依存型の情報技術(以下、「IT」という。)システムを活用している。ITシステムへのアクセス、
    変更および運用に係る統制は、財務情報を記録する上で重要であり、銀行およびグループの財政状態および経営成
    績を真実かつ公正に表示する財務書類の作成において重要である。
     ITシステムおよび統制は、財務記録および銀行およびグループの取引報告に影響を与えるため、銀行およびグ
    ループのIT統制の運用状況の有効性に応じて私たちの監査手続が大きく変更する可能性があることから監査上の主
    要な事項とされている。私たちは、私たちの監査チームの中核である私たちのIT専門家と共に作業している。
     当該事項に対する監査上の対応

     私たちのテストは、重要な取引を処理し、総勘定元帳に残高を記録するために用いる主要なITアプリケーション
    (システム)に関するテクノロジー統制環境およびテクノロジーによって可能になるビジネス・プロセスと連携し
    た、これらのシステムの中に組み込まれている自動化された統制に焦点を当てた。IT専門家と共に作業した私たち
    の監査手続には以下が含まれる。
      ・IT環境全般(方針の整備、方針のレビューおよび認識、ならびにITリスクおよびサイバー・セキュリティ管理
       業務に関するものを含む)を通じたガバナンスおよび全般的な統制について評価した。
      ・ユーザ・アクセス・マネジメント・ライフサイクル全般に係る主要な統制の整備および運用状況の有効性のテ
       スト。これには、重要なITアプリケーションおよびそのサポート基盤におけるユーザーアクセス権の付与、割
       り当てられたアクセス・レベルのレビューおよび削除が適時にどのように行われるかが含まれる。私たちはま
       た、関連するITアプリケーションおよびそのサポート基盤全般につき、特別な権限および機能の管理について
       も検証した。
      ・ITの変更管理を可能にするための主要な統制の整備および運用状況の有効性のテスト。これには、開発前の変
       更承認、テストの実施および主要なITアプリケーションの本番環境移行前の承認が含まれる。私たちは、銀行
       およびグループ全体のITアプリケーションの本番環境に変更を加える際のユーザーアクセスの適切性について
       評価し、職責に見合っていたかどうかについて評価した。
      ・銀行およびグループのテクノロジー・チームが、システムのバッチ・ジョブへのアクセスを制限し、そのスケ
       ジュールをモニターするために使用する主要な統制の整備および運用状況の有効性のテスト。
      ・自動化された主要なビジネス・プロセスの統制の整備および運用状況の有効性のテスト。これには、ITアプリ
       ケーション内の不適切な役割の組み合わせから生じる対立を回避するための職務分掌の強化に関連するものが
       含まれる。私たちのテストには、以下が含まれていた。
       ・計算、マッピングおよび金融取引のフラグを立てることを実行するためのコンフィギュレーション、ならび
        に自動照合統制(システム間とシステム内の両方)
       ・私たちの監査においてサンプルの選定に使用した主要なレポート・システムならびに銀行およびグループが
        財務報告の作成に使用した分析データの完全性
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     その他の記載内容
     その他の記載内容とは、財務書類および監査報告書に加えて提供されている、オーストラリア・ニュージーラン
    ド銀行の年次報告書の財務情報および非財務情報である。その他の記載内容に対する責任は取締役にある。
     財務書類に関する私たちの意見は、その他の記載内容を対象としていないため、私たちは、報酬報告書およびそ
    れに対する私たちの保証意見を除き、当該その他の記載内容に対して監査意見を表明しないし、またいかなる形式
    の保証の結論も表明しない。
     財務書類の監査に関連して、私たちの責任は、その他の記載内容を通読し、その過程で、当該その他の記載内容
    が財務書類または私たちが監査上入手した知識と重要な相違があり、そのため重要な虚偽記載があるかどうかを検
    討することである。
     実施した手続きに基づき、監査報告書の日付よりも前に、当該その他の情報に重要な虚偽記載があるとの結論に
    至った場合、私たちは当該事実を報告する義務がある。この点に関して、私たちが報告すべきことはない。
     財務書類に関する取締役の責任

     取締役の責任は以下のとおりである。
     ・オーストラリア会計基準および2001年会社法に準拠した真実かつ公正な財務書類を作成すること。
      ・不正または誤謬による重要な虚偽記載のない財務書類を作成し、真実かつ公正に表示するために取締役が必要
       と判断した内部統制を整備および運用すること。
      ・継続企業の前提に基づきグループおよび銀行の財務書類を作成すること、および継続企業の会計基準を使用す
       ることが適切かどうかを評価すること。これには、取締役がグループおよび銀行を清算もしくは事業を停止す
       る意図があるか、またはそれ以外に現実的な代替案がない場合を除き、継続企業を前提として財務書類を作成
       し、財務報告の枠組みおよび開示規則に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事
       項を開示することが含まれる。
     財務書類監査に関する監査人の責任

     監査の目的は以下のとおりである。
      ・全体としての財務書類のそれぞれについて、不正または誤謬による重要な虚偽記載がないかどうかに関する合
       理的な保証を得ること
     ・監査報告書において監査意見を表明すること
     合理的な保証は、高い水準の保証である。しかしながら、オーストラリア監査基準に準拠して行った監査が、す

    べての重要な虚偽表示を常に発見することを保証するものではない。虚偽表示は、不正または誤謬により発生する
    可能性があり、個別にまたは集計すると、財務書類の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合
    に、重要性があると判断される。
     財務書類監査に関する監査人の責任のより詳細な記載は、監査および保証基準審議会のウェブサイト
    http://www.auasb.gov.au/admin/file/content102/c3/arl_2020.pdf.                                    に掲載されている。当該記載は、監査報告
    書の一部である。
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     <報酬報告書に関する報告>
     私たちは、オーストラリア・ニュージーランド銀行の2022年9月30日に終了した事業年度の報酬報告書が、2001
    年会社法第300A条に準拠しているものと認める。
     取締役の責任

     取締役の責任は、2001年会社法の第300A条に準拠して報酬報告書を作成し、開示することにある。
     監査人の責任

     私たちは、2022年9月30日に終了した事業年度の取締役報告書の62ページから103ページ(訳注:原文のページ
    番号である。)に記載された報酬報告書について監査を行った。
     監査人の責任は、オーストラリア監査基準に準拠して行った監査に基づいて、報酬報告書について意見を表明す
    ることである。
     ケーピーエムジー(署名)                           マーティン・マクグラス(署名)

                                パートナー
                                メルボルン市
                                2022年10月26日
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    Independent        Auditor’s       Report
    TO   THE    SHAREHOLDERS             OF   AUSTRALIA          AND    NEW     ZEALAND        BANKING

    GROUP      LIMITED       REPORT       ON   THE   AUDITS      OF  THE   FINANCIAL         REPORTS
    OPINIONS
    We  have   audited    the  consolidated       Financial     Report    of  Australia     and  New   Zealand    Banking     Group    Limited    (the
    Group    Financial     Report).    We  have   also  audited    the  Financial     Report    of Australia     and  New   Zealand    Banking     Group
    Limited    (the  Company     Financial     Report).
    In our  opinion,    each   of the  accompanying        Group    Financial     Report    and  Company     Financial     Report    are  in accordance
    with   the  Corporations       Act  2001  , including:
    ・    giving    a true  and  fair  view   of the  Group’s     and  of the  Company’s      financial     position    as at 30  September      2022
       and  of its financial     performance       for  the  year  ended   on  that  date;   and
    ・    complying      with   Australian      Accounting      Standards     and  the  Corporations       Regulations      2001.
    ・    The  respective     Financial     Reports    of the  Group    and  the  Company     comprise:
    ・    balance    sheets   as at 30  September      2022
    ・    income    statements,      statements      of  comprehensive        income,     statements      of  changes     in  equity,    and  cash   flow
       statements      for  the  year  then  ended
    ・    notes   1 to 36  including     a summary     of significant      accounting      policies
    ・    Directors’     Declaration.
    The   Group    consists     of  Australia     and  New   Zealand     Banking     Group    Limited     (the   Company)      and  the  entities    it
    controlled     at the  year-end     or from   time   to time   during    the  financial     year.
    BASIS    FOR   OPINIONS

    We  conducted     our  audits   in accordance      with   Australian      Auditing     Standards     . We  believe    that  the  audit   evidence     we
    have   obtained     is sufficient     and  appropriate      to provide    a basis   for  our  opinions.
    Our  responsibilities        under   those   standards     are  further    described     in the  Auditor’s     responsibilities        for  the  audits   of the
    Financial     Reports    section    of our  report.
    We  are  independent       of  the  Group    and  Company     in accordance      with   the  Corporations       Act  2001   and  the  ethical
    requirements       of  the  Accounting       Professional       and  Ethical    Standards      Board’s     APES    110   Code   of  Ethics    for
    Professional       Accountants       ((including      Independence       Standards)      (the  Code)    that  are  relevant     to our  audits   of  the
    Financial     Reports     in  Australia.      We  have   fulfilled     our  other   ethical    responsibilities        in  accordance      with   these
    requirements.
    KEY   AUDIT    MATTERS

    The  Key  Audit   Matters    we  identified     for  the  Group   and  Company     are:
    ・    Allowance      for  expected     credit   losses;
    ・    Subjective      and  complex     valuation     of financial     instruments      held  at fair  value;
    ・    Provisions      for  customer     remediation;       and
    ・    IT systems    and  controls.
    The  additional     Key  Audit   Matter    we  identified     for  the  Group    (only)   is:
    ・    Carrying     value   of investment      in PT  Bank   Pan  Indonesia     (PT  Panin).
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    Key   Audit    Matters    are  those   matters    that,   in  our  professional       judgement,      were   of  most   significance       in  our
    respective     audits   of the  Financial     Reports    of the  current    period.
    These   matters    were   addressed     in the  context    of  our  audits   of  each   of  the  Financial     Reports    as  a whole,    and  in
    forming    our  opinions     thereon,    and  we  do  not  provide    a separate    opinion    on  these   matters.
    ALLOWANCE        FOR   EXPECTED       CREDIT     LOSSES     (Group    $4,395m;     Company     $3,599m)

    Refer   to the  critical    accounting      estimates     and  judgements      disclosures      in relation     to the  allowance      for  expected
    credit   losses   in Note   14  to the  Group    and  Company     Financial     Reports.
    The  Key  Audit   Matter

    Allowance      for  expected     credit   losses    is a key  audit   matter    due  to  the  significance       of  the  loans   and  advances
    balances     to the  financial     statements      and  the  inherent    complexity      of the  Company     and  Group’s    Expected     Credit   Loss
    models    (ECL   models)     used   to  measure     ECL   allowances.       These    models    are  reliant    on  data   and  a number    of
    estimates     including     the  impact    of multiple     economic     scenarios     and  other   assumptions       such   as defining     a significant
    increase    in credit   risk  (SICR).
    AASB    9 Financial     Instruments      requires     the  Company     and  Group    to measure     ECLs   on  a forward-looking         basis
    reflecting     a range   of economic     conditions.      Post-model      adjustments      are  made   by  the  Company     and  Group    to address
    known    ECL   model    limitations      or  emerging     trends    in the  loan   portfolios.      We  exercise     significant      judgement      in
    challenging      the  economic     scenarios     used   and  the  judgmental      post-model      adjustments       the  Company     and  Group
    applies    to the  ECL   results.
    Additional      subjectivity      and  judgement      has  been   introduced      into  the  Group    and  Company’s      measurement       of ECL
    due  to the  heightened      uncertainty      associated     with   the  impact    of the  economic     outlook    to the  Group    and  Company’s
    customers,      increasing     our  audit   effort   thereon.
    The  Company     and  Group’s     criteria    selected    to identify    a SICR,   such   as a decrease     in customer     credit   rating   (CCR),
    are  key  areas   of judgement      within    the  Company     and  Group’s     ECL   methodology       as  these   criteria    determine     if a
    forward-looking         12  month    or lifetime    allowance     is recorded.
    Additionally,       allowances      for  individually       assessed     wholesale     loans   exceeding      specific    thresholds      are  assessed     by
    the  Company     and  Group.    We  exercise     significant      judgement      in challenging      the  assessment      of specific    allowances
    based   on  the  expected     future   cash   repayments      and  estimated     proceeds     from   the  value   of the  collateral     held   by  the
    Company     and  Group    in respect    of the  loans.
    How   the  matter    was  addressed     in our  audits
    Our   audit   procedures      for  the  allowance      for  ECL   included     assessing     the  Company      and  Group’s     significant
    accounting      policies    against    the  requirements       of the  accounting      standard.     Additionally,       our  procedures      included:
    Testing    key  controls    of the  Company     and  Group    in relation    to:
    ・    The  ECL   model   governance      and  validation     processes     which   involved     assessment      of model   performance;
    ・    The  assessment      and  approval     of  the  forward-looking         macroeconomic        assumptions       and  scenario     weightings
       through    challenge     applied    by  the  Company     and  Group’s    internal    governance      processes;
    ・    Reconciliation        of the  data  used   in the  ECL   calculation      process    to gross   balances     recorded     within    the  general
       ledger   as well  as source    systems;
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    ・    Customer     credit   rating   (CCR)    for  wholesale     loans   (larger    customer     exposures      are  monitored      individually).
       This   covered    elements     such   as:  approval     of new   lending    facilities     against    the  Company     and  Group’s     lending
       policies,     monitoring      of  counterparty       credit   quality    against    the  Company     and  Group’s     exposure     criteria    for
       internal    factors    specific    to the  counterparty       or external    macroeconomic        factors,    and  accuracy     and  timeliness     of
       CCR   and  security    indicator     (SI)  assessments      against    the  requirements       of the  Company     and  Group’s     lending
       policies    and  regulatory     requirements;
    ・    IT system    controls    which   record   retail   loans   lending    arrears,    group   exposures     into  delinquency      buckets,    and  re-
       calculate     individual      allowances.       We  tested    automated      calculation      and  change    management       controls     and
       evaluated     the  Company     and  Group’s     oversight     of the  portfolios,      with   a focus   on  controls    over   delinquency
       monitoring.
    We  tested   relevant    General    Information      Technology      Controls     (GITCs)     in relation    to the  key  IT  applications      used
    by  the  Company     and  Group    in measuring      ECL   allowances      as detailed    in the  IT  Systems     and  Controls     key  audit
    matter    below.
    In addition    to controls    testing,    our  procedures      included:
    ・    Re-performing        credit   assessments       of  a sample    of  wholesale     loans   controlled      by  the  Company     and  Group’s
       specialist     workout     and  recovery     team   assessed     as  higher    risk  or  impaired,     and  a sample    of  other   loans,
       focusing     on  larger   exposures     assessed     by  the  Company     and  Group    as  showing     signs   of  deterioration,       or  in
       areas   of emerging     risk.   For  each   loan   sampled,     we  challenged      the  Company     and  Group’s     assessment      of CCR
       and  SI  using   the  customer’s      financial     position,     the  valuation     of  security,     and,   where    relevant,     the  risk  of
       stranded     assets,    to inform    our  overall    assessment      of loan  recoverability       and  the  impact    on  the  credit   allowance.
       To  do  this,   we  used   the  information      on  the  Company’s      and  Group’s     loan   file  and  discussed     the  facts   and
       circumstances       of the  case   with   the  loan   officer.    Exercising      our  judgement,      our  procedures      included     using   our
       understanding        of  relevant     industries      and   the  macro-economic         environment       and   comparing      data   and
       assumptions       used   by  the  Company     and  Group    in recoverability       assessments      to externally     sourced    evidence,
       such   as commodity      prices,    publicly    available     audited    financial     statements      and  comparable      external    valuations
       of  collateral     held.   Where    relevant     we  assessed     the  forecast     timing    of  future    cash   flows   in  the  context    of
       underlying      valuations     and  approved     business     plans   and  challenged      key  assumptions      in the  valuations;
    ・    Obtaining     an  understanding       of the  Company     and  Group’s     processes     to determine     ECL   allowances,      evaluating
       the  Company     and  Group’s     ECL   model    methodologies        against    established      market    practices     and  criteria    in the
       accounting      standards;
    ・    Working     with   our  Credit   risk  specialists,      we  assessed     the  accuracy     of the  Company     and  Group’s     ECL   model
       estimates     by  re-performing,        for  a sample    of  loans,    the  ECL   allowance      using   our  independently        derived
       calculation      tools   and  comparing      this  to the  amount    recorded     by  the  Company     and  Group;
    ・    Working     with   our  economic     specialists,      we  challenged      the  Company     and  Group’s     forward-looking         macro-
       economic     assumptions       and  scenarios     incorporated       in the  Company     and  Group’s     ECL   models.    We  compared
       the  Company     and  Group’s     forecast    GDP,   unemployment        rates,   CPI  and  property     price   indices    to relevant
       publicly     available     macro-economic         information,       and  considered      other   known    variables     and  information
       obtained     through    our  other   audit   procedures      to identify    contradictory       indicators;
    ・    Testing    the  implementation        of  the  Company     and  Group’s     SICR   methodology       by  re-performing       the  staging
       calculation      for  a sample    of loans   taking    into  consideration       movements      in the  CCR   from   loan   origination      and
       comparing      our  result   to actual   staging    applied    on  an  individual      account    level   in the  Company     and  Group’s
       ECL   model;
    ・    Assessing      the  accuracy     of  the  data   used   in the  ECL   models    by  checking     a sample    of  data   fields   such   as
       account    balance    and  CCR   to relevant    source    systems.
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    We  challenged      key  assumptions       in the  components      of the  Company     and  Group’s    post-model      adjustments      to the
    ECL   allowance     balance.    This   included:
    ・    Assessing     post-model      adjustments      against    the  Company     and  Group’s    ECL   model   and  data  deficiencies
       identified     by  the  Company     and  Group’s    ECL   model   validation     processes,     particularly      in light   of the
       significant      volatility     in economic     scenarios;
    ・    Comparing      underlying      data  used   in concentration       risk  and  economic     cycle   allowances      to underlying      loan
       portfolio     characteristics       of recent   loss  experience,      current    market    conditions      and  specific    risks   in the  Company
       and  Group’s    loan  portfolios;
    ・    Assessing     certain    post-model      adjustments      identified     by  the  Group    and  Company     against    internal    and  external
       information;
    ・    Assessing     the  completeness       of post-model      adjustments      by  checking     the  consistency      of risks   we  identified     in
       the  loan  portfolios     against    the  Company     and  Group’s    assessment.
    Assessing     the  appropriateness        of the  Company     and  Group’s    disclosures      in the  financial     reports    using   our
    understanding       obtained     from   our  testing    and  against    the  requirements       of the  accounting      standards.
    SUBJECTIVE        AND   COMPLEX      VALUATION        OF  FINANCIAL       INSTRUMENTS         HELD    AT  FAIR   VALUE:

    GROUP
    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    3 ASSET    POSITIONS       $1,833m
    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    2 ASSET    POSITIONS       $108,853m
    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    3 LIABILITY      POSITIONS       $31m
    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    2 LIABILITY      POSITIONS       $88,977m
    COMPANY
    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    3 ASSET    POSITIONS       $1,449m
    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    2 ASSET    POSITIONS       $105,583m
    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    3 LIABILITY      POSITIONS       $20m
    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    2 LIABILITY      POSITIONS       $86,652m
    Refer   to the  critical    accounting      estimates,     judgements      and  disclosures      of fair  values    in Note   19  to the  Group    and

    Company     Financial     Reports.
    The  Key  Audit   Matter

    The  fair  value   of the  Company     and  Group’s    Level   3 and  2 financial     instruments      is determined      by  the  Company     and
    Group’s     application      of  valuation     techniques      which    often   involve    the  exercise     of  judgement      and  the  use  of
    assumptions      and  estimates.
    In assessing     this  Key   Audit   Matter,    we  involved     our  valuation     specialists      to supplement      our  senior   team   members
    who   understand      the  Company     and  Group’s     methods,     assumptions       and  data  relevant    to their   valuation     of Financial
    Instruments.
    The  Company     and  Group’s    valuation     of Level   3 and  Level   2 financial     instruments      held  at fair  value   is a Key  Audit
    Matter    due  to:
    The  high   degree    of estimation      uncertainty      and  potentially      significant      range   of reasonable      outcomes     associated     with
    the  valuation     of financial     instruments      classified     as Level   3 where   significant      pricing    inputs   used   in the  valuation
    methodology       and  models    are  not  observable.
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    The  complexity      associated      with   the  Company     and  Group’s     valuation     methodology       and  models    of  certain    more
    complex     Level   2 financial     instruments      leading    to an increase    in subjectivity      and  estimation      uncertainty.
    These   factors    increased     the  level   of judgement      applied    by  us and  our  audit   effort   thereon.
    How   the  matter    was  addressed     in our  audits

    Our  audit   procedures      in relation    to the  valuation     of financial     instruments      held  at fair  value   included:
    ・    Performing      an assessment      of the  population      of financial     instruments      held  at fair  value   by  the  Company     and
       Group    to identify    portfolios     with   a higher    risk  of misstatement       arising    from   significant      judgements      over
       valuation     either   due  to unobservable       inputs   or complex     models.
    ・    Testing    the  design    and  operating     effectiveness       of key  controls    relating    specifically      to these   financial
       instruments,      including     those   in relation    to:
    ・    Independent      Price   Verification       (IPV),   including     completeness       of portfolios     and  valuation     inputs   subject    to
       IPV;
    ・    model   validation     at inception     and  periodically,       including     assessment      of model   limitation     and  assumptions;
    ・    review,    approval     and  challenge     of daily   profit   and  loss  by  a control    function;
    ・    collateral     management       process,    including     review    and  approval     of margin    reconciliations        with   clearing    houses;
       and
    ・    review    and  approval     of fair  value   adjustments      (FVAs),     including     exit  price   and  portfolio     level   adjustments.
    ・    In relation    to the  subjective     valuation     of complex     Level   2 and  Level   3 financial     instruments,      with   our
       valuation     specialists:
    ・    Assessing     the  reasonableness        of key  inputs   and  assumptions      using   comparable      data  in the  market    and  available
       alternatives;
    ・    Comparing      the  Company     and  Group’s    valuation     methodology       to industry    practice    and  the  criteria    in the
       accounting      standards.
    ・    With   the  assistance     of our  valuation     specialists,      independently       re-valuing     a selection     of financial     instruments
       and  FVAs   of the  Company     and  Group.    This   involved     sourcing     independent      inputs   from   comparable      data  in
       the  market    and  available     alternatives.      We  challenged      the  Company     and  Group   where   our  revaluations
       significantly       differed    from   the  Company     and  Group’s    valuations.
    ・    Assessing     the  appropriateness        of the  Company     and  Group’s    disclosures      in the  financial     reports    using   our
       understanding       obtained     from   our  testing    and  against    the  requirements       of the  accounting      standards.
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    CARRYING       VALUE     OF  INVESTMENT        IN  PT  BANK    PAN   INDONESIA       (PT  PANIN)     (Group    $1,318m)
    Refer   to the  critical    accounting      estimates,     judgements      and  disclosures      in Note   27  to the  Group    Financial     Report.
    The  Key  Audit   Matter
    The  carrying    value   of the  Group’s    investment      in associate,     PT  Panin,   is a key  audit   matter    as:
    ・    The  investment      is equity   accounted     as an associate     and  where   indicators     of impairment      are  identified     the
       recoverable      amount    must   be  assessed.     This   involves     judgement      and  consideration       of valuation     models    given
       historical     volatility     in the  market    price   of the  shares   and  limited    liquidity     in the  market    for  the  shares.
       Impairment      has  been   recognised      in prior   periods.
    ・    The  Group’s    impairment      assessment      identified     that  the  Group’s    investment      in associate,     PT  Panin,
       experienced      a significant      increase    in the  quoted    share   price   during    the  period.    At  30  September      2022,   this
       indicated     a value   greater    than  its carrying    value,   indicating     a possible    reversal    of previous     impairment      under
       accounting      standard     requirements.
    ・    We  critically     evaluated     the  Group’s    conclusion      not  to reverse    the  impairment      losses   recorded     against    the
       investment      in PT  Panin   in prior   periods.    This   required    analysis    of the  market    and  comparison      against    the
       Group’s    value   in use  modelled     outcome     and  other   fair  value   approaches.
    ・    We  focused    on  critically     evaluating      the  Group’s    judgement      in relation    to key  assumptions      for  assessing     the
       recoverable      amount,    including:
      ・    The  nature   of alternative      valuation     methodologies;
      ・    Forecast     earnings,     forecast    growth    rates   and  terminal    growth    rates   – the  Group’s    model   is highly    sensitive
        to small   changes    in these   assumptions;
      ・    Discount     rates   – these   are  complicated      in nature   and  vary   according     to the  conditions      and  environment       the
        associate     investment      operates    in.
    ・    We  involved     our  valuation     specialists     to supplement      our  senior   team   members     in assessing     this  key  audit
       matter.
    How   the  matter    was  addressed     in our  audit
    Working     with   our  valuation     specialists,      our  procedures      included:
    ・    Considering      the  appropriateness        of the  recoverable      amount    assessment      used   by  the  Group    to conclude     the
       carrying    value   of the  Group’s    investment      in associate,     PT  Panin,   is supportable;
    ・    Understanding        the  features    of the  PT  Panin   stock   and  the  drivers    of the  recent   significant      increase    in fair  value
       indicated     by  reference     to the  quoted    share   price.   This   included     analysis    of the  volatility     of movements,      the
       nature   and  size  of the  Group’s    shareholdings       and  the  volumes     of trading    of the  limited    free  float   of shares;
    ・    Critically     evaluating      other   fair  valuation     approaches      and  comparing      this  to the  quoted    share   price   value,   and
       the  Group’s    value   in use  outcome;
    ・    Considering      the  appropriateness        of the  value   in use  valuation     method    applied    by  the  Group    against    the
       requirements       of the  accounting      standards.     This   included:
      ・    Assessing     the  integrity     of the  model   used,   including     the  accuracy     of the  underlying      calculation      formulas;
      ・    Assessing     the  Group’s    key  assumptions       used   in the  model,    such   as,  discount     rates,   forecast    earnings,
        forecast    growth    rates   and  terminal    growth    rate  by  comparing      to external    observable      metrics,    historical
        experience,      our  knowledge      of the  markets    and  current    market    practice;
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      ・    Independently       developing      a discount     rate  estimate    or range   considered      comparable      using   publicly    available
        market    data  for  comparable      entities,    adjusted    for  factors    specific    to the  investment      and  the  market    and
        industry    it operates    in;
      ・    Comparing      the  forecast    earnings     contained     in the  model   to broker    consensus     reports,    and  released    financial
        results;
      ・    Assessing     the  accuracy     of previous     forecasts     to inform    our  evaluation      of current    forecasts     incorporated       in
        the  model;
      ・    Considering      the  sensitivity     of the  model   by  varying    key  assumptions,       such   as,  discount     rates   and  terminal
        growth    rates,   within    a reasonable      possible    range.   We  did  this  to identify    those   assumptions      at higher    risk  of
        bias  or inconsistency       in application      and  to focus   our  further    procedures.
    ・    Assessing     the  recoverable      amount    at the  reporting     date  against    the  recoverable      amount    of the  investment      when
       it was  last  impaired     to critically     assess   reversal    of previous     impairment      losses;
    ・    Assessing     the  disclosures      in the  financial     report   using   our  understanding       obtained     from   our  testing    and  against
       the  requirements       of the  accounting      standards.
    PROVISIONS        FOR   CUSTOMER       REMEDIATION         (Group    $662m;    Company     $600m)

    Refer   to  the  critical    accounting      estimates,      judgements      and  disclosures      in  Notes   23  and  33  to  the  Group    and
    Company     Financial     Reports.
    The  Key  Audit   Matter
    The  Company     and  Group    have   recognised      provisions      in relation    to certain    customer     remediation      activities     arising
    from   both   internal    and  external    investigations       and  reviews.
    Provisions      for  customer     remediation       activities     is a key  audit   matter    due  to  the  judgements      required     by  us  in
    assessing     the  Company     and  Group’s    determination       of:
    ・    The  completeness       of the  population      of matters    requiring     remediation;
    ・    The  existence     of a present    legal   or constructive      obligation     arising    from   a past  event,   considering      the  conditions
       of the  event   against    the  criteria    in the  accounting      standards;
    ・    Reliable    estimates     of the  remediation      amounts     which   may  be paid  arising    from   investigations       and  legal
       actions,    including     estimates     of related    costs;   and
    ・    The  potential     for  legal   proceedings,       further    investigations,        and  reviews    from   their   regulators     leading    to a wider
       range   of estimation      outcomes     for  us to consider.
    How   the  matter    was  addressed     in our  audits
    Our  audit   procedures      for  customer     remediation      provisions      included:
    ・    Obtaining     an understanding       of the  Company     and  Group’s    processes     and  controls    for  identifying      and  assessing
       the  impact    of the  investigations       into  customer     remediation      activities;
    ・    Enquiring     with   the  Company     and  Group    regarding     ongoing    legal,   regulatory     and  other   investigations       into  past
       activities     which   may  require    remediation;
    ・    Conducting      independent      discussions      on  significant      matters    with   external    legal   counsel;
    ・    Reading    the  minutes    and  other   relevant    documentation        of the  Company’s      Board   of Directors,     Board
       Committees,       various    management       committees,      and  attending     the  Company’s      Audit   and  Risk   Committee
       meetings,     for  consistency      to the  basis   used   to estimate    the  provision;
    ・    Inspecting      correspondence        with   relevant    regulatory     bodies    and  comparing      the  status   and  positioning      with   the
       basis   for  estimation      used   by  the  Company     and  Group;
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    ・    For  a sample    of individual     customer     remediation      matters,    evaluating      the  basis   for  recognition      of a provision
       and  associated     costs   against    the  requirements       of the  accounting      standards     and  for  consistency      with   the  Group
       and  Company’s      policies.     We  did  this  by  obtaining     an  understanding       of the  matter    and  its status   and
       independently       assessing     this  against    the  recognition      requirements       of the  accounting      standards;
      For  a sample    of individual     customer     remediation      matters:
       ・    Assessing     and  challenging      the  methods,     data  and  assumptions      used   by  the  Company     and  Group    to provide
         for  customer     remediation      matters;
       ・    Sample    checking     data  accuracy     to underlying      systems;
       ・    Performing      model   integrity     checks;
       ・    Testing    the  accuracy     of historical     remediation      provisions      by  comparing      to actual   payments.     We  used   this
         knowledge      to challenge     the  Group’s    and  Company’s      current    estimates     and  to inform    our  further
         procedures.
    ・    Testing    completeness       by  evaluating      where   exposures     may  have   arisen   based   upon   our  knowledge      and
       experience      of broader    industry    matters,    the  Company     and  Group's    documentation        and  the  current    regulatory
       environment.       We  also  checked    the  features    of these   exposures     against    the  criteria    defining     a provision     or a
       contingency      in the  accounting      standards;
    ・    Assessing     the  appropriateness        of the  Company     and  Group’s    conclusions      against    the  requirements       of Australian
       Accounting      Standards     where   estimates     were   unable    to be reliably    made   for  a provision     to be recognised;
    ・    Evaluating      the  related    disclosures      using   our  understanding       obtained     from   our  testing    and  against    the
       requirements       of Australian      Accounting      Standards.
    IT SYSTEMS      AND   CONTROLS

    The  Key  Audit   Matter
    As  a major    Australian      bank,   the  Company      and   Group’s     businesses      utilise    many    complex,     interdependent
    Information       Technology       (IT)   systems     to  process    and  record    a high   volume    of  transactions.       The  controls     over
    access,    changes    to and  operation     of IT systems    are  key  to the  recording     of financial     information      and  the  preparation
    of  financial     reports    which    provide    a true   and  fair  view   of  the  Company     and  Group’s     financial     positions     and
    performance.
    The  IT  systems    and  controls,     as they   impact    the  financial     recording     and  reporting     of  the  Company     and  Group’s
    transactions,       is a key  audit   matter    as  our  audit   approaches      could   significantly       differ   depending      on  the  effective
    operation     of the  Company     and  Group’s     IT  controls.     We  work   with   our  IT  specialists      as a core   part  of our  audit
    team.
    How   the  matter    was  addressed     in our  audits
    Our  testing    focused    on  the  technology      control    environments       for  key  IT  applications      (systems)     used   in processing
    significant      transactions      and  recording     balances     in the  general    ledgers,    and  the  automated      controls    embedded     within
    these   systems    which    link  the  technology-enabled          business     processes.      Working     with   our  IT  specialists,      our  audit
    procedures      included:
    ・    Assessing     the  governance      and  higher-level      controls    across   the  IT environments,       including     those   regarding
       policy   design,    policy   review    and  awareness,      and  IT  Risk   and  cyber   security    management       practices;
    ・    Design    and  operating     effectiveness       testing    of key  controls    across   the  user  access    management       lifecycle,
       including     how  users   are  on-boarded,      reviewed     for  access    levels   assigned,     and  removed     on  a timely   basis   from
       key  IT applications      and  supporting      infrastructure.       We  also  examined     the  management       of privileged     roles   and
       functions     across   relevant    IT application      and  the  supporting      infrastructure;
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    ・    Design    and  operating     effectiveness       testing    of key  controls    for  IT change    management       including     authorisation
       of changes    prior   to development,       testing    performed      and  approvals     prior   to migration     into  the  production
       environment       of key  IT applications.       We  assessed     user  access    to release    changes    to IT application      production
       environments       across   the  Company     and  Group   and  whether    access   was  commensurate        with   their   job
       responsibilities;
    ・    Design    and  operating     effectiveness       testing    of key  controls    used   by  the  Company     and  Group’s    technology
       teams   to restrict    access   to and  monitor    system    batch   job  schedules;
    ・    Design    and  operating     effectiveness       testing    of key  automated      business     process    controls    including     those   relating
       to enforcing     segregation      of duties   to avoid   conflicts     from   inappropriate       role  combinations       within    IT
       applications.       Our  testing    included:
    ・    Configurations        to perform    calculations,       mappings     and  flagging    of financial     transactions,       and  automated
       reconciliation       controls    (both   between    systems    and  intra-system);       and
    ・    Data   integrity     of key  system    reporting     used   by  us in our  audit   to select   samples    and  analyse    data  used   by  the
       Company     and  Group    to generate     financial     reporting.
    OTHER     INFORMATION

    Other   Information      is financial     and  non-financial       information      in Australia     and  New   Zealand    Banking     Group    Limited
    ’s annual    reporting     which   is provided     in addition    to the  Financial     Reports    and  the  Auditor's     Report.    The  Directors
    are  responsible      for  the  Other   Information.
    Our  opinions     on  the  Financial     Reports    do  not  cover   the  Other   Information      and,   accordingly,       we  do  not  express    an
    audit   opinion    or any  form   of assurance     conclusion      thereon,    with   the  exception     of the  Remuneration       Report    and  our
    related    assurance     opinion.
    In connection      with   our  audits   of the  Financial     Reports,     our  responsibility       is to read  the  Other   Information.       In doing
    so,  we  consider     whether     the  Other    Information       is materially      inconsistent       with   the  Financial     Reports     or  our
    knowledge      obtained     in the  audit,   or otherwise     appears    to be materially     misstated.
    We  are  required     to report   if we  conclude     that  there   is a material    misstatement       of this  Other   Information,       and  based
    on  the  work   we  have   performed      on  the  Other   Information      that  we  obtained     prior   to the  date   of  this  Auditor’s
    Report,    we  have   nothing    to report.
    RESPONSIBILITIES           OF  THE   DIRECTORS       FOR   THE   FINANCIAL       REPORTS

    The  Directors     are  responsible      for:
    ・    preparing     the  Financial     Reports    that  give   a true  and  fair  view   in accordance      with   Australian      Accounting
       Standards     and  the  Corporations       Act  2001
    ・    implementing       necessary     internal    controls    to enable    the  preparation      of a Financial     Report    that  gives   a true  and
       fair  view   and  is free  from   material    misstatement,       whether    due  to fraud   or error
    ・    assessing     the  Group    and  Company’s      ability    to continue     as a going   concern    and  whether    the  use  of the  going
       concern    basis   of accounting      is appropriate.      This   includes    disclosing,      as applicable,      matters    related    to going
       concern    and  using   the  going   concern    basis   of accounting      unless   they  either   intend   to liquidate     the  Group   and
       Company     or to cease   operations      or have   no  realistic    alternative      but  to do  so.
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                                                          EDINET提出書類
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                                                           有価証券報告書
    AUDITOR’S       RESPONSIBILITIES           FOR   THE   AUDITS     OF  THE   FINANCIAL       REPORTS
    Our  objective     is:
    ・    to obtain   reasonable      assurance     about   whether    each   of the  Financial     Reports    as a whole   are  free  from   material
       misstatement,       whether    due  to fraud   o r error;   and
    ・    to issue   an Auditor’s     Report    that  includes    our  opinions.
    Reasonable      assurance     is a high   level   of assurance     but  is not  a guarantee     that  an  audit   conducted     in accordance      with
    Australian      Auditing     Standards     will  always    detect   a material     misstatement       when   it exists.    Misstatements        can  arise
    from   fraud   or  error.   They   are  considered      material     if,  individually       or  in the  aggregate,      they   could   reasonably      be
    expected     to influence     the  economic     decisions     of users   taken   on  the  basis   of the  Financial     Reports.
    A further    description      of our  responsibilities        for  the  audits   of the  Financial     Reports    is located    at the  Auditing     and
    Assurance      Standards     Board   website    at:  https://www.auasb.gov.au/admin/file/content102/c3/ar1_2020.pdf                                 . This
    description      forms   part  of our  Auditor’s     Report.
    REPORT     ON  THE   REMUNERATION          REPORT

    In our  opinion,    the  Remuneration       Report    of Australia     and  New   Zealand    Banking     Group    Limited    for  the  year  ended
    30  September      2022   complies     with
    Section    300A   of the  Corporations       Act  2001   .
    DIRECTORS’        RESPONSIBILITIES

    The  Directors     of the  Company     are  responsible      for  the  preparation      and  presentation       of the  Remuneration       Report    in
    accordance      with   Section    300A   of the  Corporations       Act  2001   .
    OUR   RESPONSIBILITIES

    We  have   audited    the  Remuneration       Report    included     in pages   62  to 103  of the  Directors’     report   for  the  year   ended
    30  September      2022.
    Our   responsibility       is  to  express    an  opinion    on  the  Remuneration        Report,    based    on  our  audit   conducted      in
    accordance      with   Australian      Auditing     Standards     .
    /s/KPMG

                               /s/Martin     McGrath
                               Partner
                               Melbourne

                               26  October    2022
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2024年4月16日

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他のより便利なサービスが多々出てきた現在、弊サイトは役割を終えたと考えております。改修はせずこのままサービス終了する予定です。2008年よりの長きにわたりご利用いただきましてありがとうございました。登録いただいたメールアドレスなどの情報はサービス終了時点で全て破棄させていただきます。

2023年2月15日

2023年1月より一部報告書の通知、表示が旧社名で通知、表示される現象が発生しておりました。対応を行い現在は解消しております。

2023年2月15日

メール通知設定可能件数を15件から25件に変更しました。

2023年1月7日

2023年分の情報が更新されない問題、解消しました。

2023年1月6日

2023年分より情報が更新されない状態となっております。原因調査中です。

2022年4月25日

社名の変更履歴が表示されるようになりました

2020年12月21日

新規上場の通知機能を追加しました。Myページにて通知の設定が行えます。

2020年9月22日

企業・投資家の個別ページに掲載情報を追加しました。また、併せて細かい改修を行いました。

2019年3月22日

2019年4月より、5年より前の報告書については登録会員さまのみへのご提供と変更させていただきます。

2017年10月31日

キーワードに関する報告書の検出処理を改善いたしました。これまで表示されていなかった一部の報告書にも「増加」「減少」が表示されるようになっりました。

2017年2月12日

キーワードに関する報告書のRSS配信を開始いたしました。

2017年1月23日

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