コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー 半期報告書
| 提出書類 | 半期報告書 |
|---|---|
| 提出日 | |
| 提出者 | コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー |
| カテゴリ | 半期報告書 |
EDINET提出書類
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
半期報告書
【表紙】
【提出書類】 半期報告書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和４年９月13日
【中間会計期間】 2022年度中(自 2022年１月１日 至 2022年６月30日)
【会社名】 コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー
(COÖPERATIEVE RABOBANK U.A.)
【代表者の役職氏名】 長期資金調達・資本部長(アジア太平洋）
(Head of Long Term Funding and Capital, APAC)
ヘル・ブルス
(Ger Buls)
【本店の所在の場所】 オランダ国 3521 CB ユトレヒト市クローセラーン18
(Croeselaan 18 3521 CB Utrecht, the Netherlands)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 梅 津 立
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目１番１号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03(6775)1000
【事務連絡者氏名】 弁護士 中村 慎二／白藤 祐也／水間 洋文／伊藤 雄太
／船岡 諒
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目１番１号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03(6775)1000
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
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第一部【企業情報】
(注) １ 本書において、別段の記載がある場合を除き、以下の用語は下記の意味を有する。
「当社」、「当行」、「ラボバンク」または「ラボバンク・ネダーランド」
：文脈上、別意を指す場合を除き、コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー
「ラボバンク・グループ」
：(i)コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー（支店、駐在員事務所および代理店を含む。）（以下「ラボバン
ク」という。）、ならびにオランダおよび世界各地の(ii)ラボバンクの子会社、および(iii)ラボバンクが支配的
持分を有するその他の事業体。
(注) ２ 別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「ユーロ」はその時々の欧州経済通貨同盟に参加している欧州連合の
加盟国の単一通貨としてのユーロを指す。本書において便宜上記載されている日本円への換算は、別段の記載がな
い限り、１ユーロ＝137.44円の換算率(令和４年８月12日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売相場と買
相場の仲値)によって換算されている。
(注) ３ ラボバンクの決算期は毎年12月31日をもって終了する１年間である。本書では、2021年12月31日に終了した会計年
度を「2021年度」といい、他の会計年度についてもこれに準ずる。
(注) ４ 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがある。
第１【本国における法制等の概要】
2022年１月１日から2022年６月30日までの６ヶ月間(以下「当上半期」という。)中、2022年６月15日に提出した
有価証券報告書（以下「有価証券報告書」という。）に記載した内容から重要な変更はなかった。
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第２【企業の概況】
１【主要な経営指標等の推移】
主要データ 上半期 通期
(単位：百万ユーロ) 2022年 2021年 2020年 2021年 2020年
主要財務データ
普通株等Tier 1比率
15.1 ％ 17.2 ％ 16.6 ％ 17.4 ％ 16.8％
1
19.9％ 23.0％ 24.3％ 22.6％ 24.2％
総自己資本比率（BIS比率）
2
6.2 ％ 7.1％ 5.9％ 7.3％ 7.0％
レバレッジ比率
リスク加重資産 251,455 210,768 205,617 211,855 205,773
ホールセールによる資金調達 130,035 126,088 137,523 121,638 131,361
3
63.5 ％ 58.0％ 65.3％ 63.8 ％ 65.8％
収益に対する費用の比率（賦課金を含む）
基礎的な収益に対する費用の比率（賦課金
62.0 ％ 59.4％ 64.3％ 60.4 ％ 64.5％
を含む）
自己資本利益率 7.0 ％ 10.4％ 1.1％ 8.8 ％ 2.7％
収益 5,959 6,112 5,212 12,169 10,782
営業費用 3,344 3,177 3,101 7,044 6,542
金融資産に係る減損費用 42 (274) 1,442 (474) 1,913
当期純利益 1,571 2,160 227 3,692 1,096
総資産 666,844 650,997 620,117 639,575 632,258
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 432,551 414,197 415,402 417,158 409,380
顧客からの預金 385,111 376,859 361,521 372,031 361,028
流動性カバレッジ比率 199％ 229％ 160％ 184％ 193％
預貸率 1.17 1.10 1.14 1.13 1.12
不良債権 8,323 12,276 14,844 9,231 13,882
主要非財務データ
オンライン・サービスを積極利用している
67.6 65.4 65.1 67.0 65.6
オランダの民間顧客（％）
オンライン・サービスを積極利用している
82.7 81.7 81.9 82.4 82.2
オランダの法人顧客（％）
4
99.8 ％ 99.9％ 99.8％ 99.8 ％ 99.8％
ネット・バンキングの使用率
4
99.8 ％ 99.9％ 99.8％ 99.8 ％ 99.8％
モバイル・バンキングの使用率
4
99.9％ 99.9％ 99.9％ 99.8 ％ 99.9％
iDEALの使用率
持続可能な融資総額 66,995 60,720 48,539 63,117 49,813
5
70.2 71.8 71.8 70.4 72.6
レップトラック・パルス・スコア
加盟者のエンゲージメント・スコア 43 ％ 47％ 53％ 44 ％ 52％
コミュニティー・ファンドおよび寄付 5.7 5.6 15.8 27.6 42.5
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従業員エンゲージメント・スキャン - 70 70 72 69
6
85 - - 83 -
従業員エンゲージメント・スコア
多様性：オランダ国内の従業員の女性比率 49 ％ 49％ 50％ 49 ％ 49％
オランダ国内の長期欠勤率 4.4％ 3.5％ 3.5％ 3.9％ 3.4％
格付
S&Pグローバル・レーティング A+ A+ A+ A+ A+
ムーディーズ・インベスターズ・サービス Aa2 Aa3 Aa3 Aa2 Aa3
フィッチ・レーティングス A+ A+ AA- A+ A+
AA (低) AA (低) AA (低)
DBRS AA AA
サステイナリティクスESGリスク格付
5 1 1 2 1
（多角経営型銀行部門）
1 総自己資本比率（BIS比率）は、適格資本をリスク加重資産によって除することにより算出される。
2 レバレッジ比率は、2011年６月のバーゼルIIIの文書において定義されているとおり、Tier 1資本を総資産によって除する
ことにより算出される。
3 収益に対する費用の比率（賦課金を含む）は、営業費用合計（賦課金を含む）と収益合計の比率として計算される。
4 12ヶ月にわたり算出された平均使用率。
5 敬意、感心、好感度および信頼を数値化し感情的な結びつきを測る、レピュテーション・インスティチュートが測定およ
び決定する評判。レップトラック・パルス・スコアは12ヶ月間の平均値に基づくものである。
6 当行は従業員エンゲージメントにつきより良い測定方法（スコア）への移行を行った。透明性の確保を目的として、過年
度についての従業員エンゲージメント・スキャンの結果も報告する。
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２【事業の内容】
本書に記載の内容以外に、当上半期において当社の事業の内容に重要な変更はなかった。
３【関係会社の状況】
本書に記載の内容以外に、当上半期において当社の関係会社の状況に重要な変更はなかった。
４【従業員の状況】
2022年６月30日現在、当社の常勤に相当する従業員の数は45,415名である。セグメント別の従業員数について
は、第３ ３「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1)業績等の概
要」を参照のこと。
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第３【事業の状況】
１【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当上半期中、経営方針および経営環境について重要な変更はなかった。対処すべき課題については、第６ １
「中間財務書類」の中間財務情報に対する注記「法的手続および仲裁手続」を参照のこと。
２【事業等のリスク】
有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
３【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 業績等の概要
① 不確実な状況の中での安定した業績が、2022年度上半期の純利益1,571百万ユーロにつな
がった
過去数ヶ月にわたり、経済はロシアのウクライナにおける戦争の影響、世界的なサプライ・チェーンの課題、
およびCOVID-19の長期的な影響に支配されてきた。全体的な不確実性が、世界規模での食品およびエネルギーの
価格上昇、インフレの急加速、および数年ぶりとなる中央銀行による金利の引き上げを引き起こしている。こう
した状況下において、ラボバンクは安定的な業務運営を維持し、2022年度上半期の純利益として1,571百万ユー
ロを計上した。
本年度初頭の経済状況が良かったことが、当行の半期の業績にプラスに作用した。しかしロシアによるウクラ
イナへの違法な侵攻後、不確実性は増した。まず、そして何より、当該侵攻はウクライナおよび戦争の残酷さの
中で生活するウクライナ国民に恐ろしい影響を与えている。当行の思いはウクライナ国民とともにある。当該戦
争の世界に対する影響も、日を追うごとにいっそう目に見えるかたちとなり、厳しさを増している。さらに、経
済の脆弱性、インフレ、資源の不足、および人材の奪い合いが、いずれも多かれ少なかれ当行の顧客の業務およ
び日常に影響を与えている。一方で我々は大きな転換期にも直面している。それはすなわち、気候およびエネル
ギーに係る移行、食料に係る移行、ならびにより一体性のある社会への道筋に係る移行である。これらは全て世
界規模の変化であり、複雑かつ真に相互に絡み合うものである。ラボバンクはこうした転換期における変化と前
進を促す立場にある。現在、農作物の生産手段につき大幅な不足が生じ、何百万もの人々が食糧不足による深刻
な飢餓に直面しているアフリカがその一例である。当行は持続可能なかたちで世界に食料を供給する手助けとな
るようなソリューションおよびパートナーシップを継続的に追求している。さらに、パイロットの規模を拡大中
である当行のラボ・カーボン・バンクは、オランダ国内におけるリジェネラティブ農業に基づく同バンク初の
カーボン・クレジットを販売した。また当行は、これまでのオランダ銀行界にはなかった、顧客が自身の使用し
たお金によりどれほどの二酸化炭素が排出されているかを追跡することのできるカーボン・インサイトを当行の
ラボ・アプリ内に新たに設けた。オランダ国内においても、当行は、農業業界を牽引する小さな国に対してこの
星の制約に収まる農業の未来をもたらすことができるよう、当行の顧客を手助けすることを目指している。
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この半年間はまたしても非常にダイナミックなものであった。経営委員会会長であるウィバ・ドライヤーは、
ラボバンクを信頼してくださる顧客へ御礼を申し上げ、世界各地の当行の従業員および同僚にも感謝の意を表し
ている。
財務業績
ラボバンクの純利益は、（2021年度上半期は2,160百万ユーロであったのに対し）2022年度上半期は1,571百万
ユーロとなった。2021年度の安定した業績が2022年度に入って以降も継続し当行の堅固な財務業績に寄与した。
しかし、ウクライナにおける戦争の影響があった。これは主にロシアからの完全撤退を本年度の序盤にラボバン
クが決定したことによる金融資産に係る減損費用の増加に見て取れる。かかるマイナスの影響の一部は、未使用
のCOVID-19向け引当金の取崩しにより相殺された。その結果、金融資産に係る減損費用は、（2021年度上半期は
274百万ユーロの取崩しであったのに対し）2022年度上半期は42百万ユーロ（平均貸付ポートフォリオの２ベー
シスポイント）となった。
経済の追い風により2021年度の当行の収益合計は力強い動きを見せていたのに対し、2022年度上半期の当行の
収益合計は３％減少した。利息の増加および金利の上昇によって、純受取利息は７％増加した。金利の上昇によ
り貯蓄性預金へのマージンが改善され、国内バンキング事業における貸付事業に対するマージンプレッシャーも
感じられるようになった。純受取手数料は、主に決済口座に係る手数料の増加および運用資産に係る手数料収入
の増加により、引続き増加した。異例であった前年度の業績には及ばなかったものの、ラボ・インベストメント
の力強い業績は2022年度に入って以降も継続した。加えて、不安定な環境ゆえに当行の投資株式につき評価損が
生じたことが、2022年度上半期の当行の財務業績に悪影響を及ぼした。なお前年度同期については、同項目がラ
ボバンクの業績にプラスに働いていた。主にKYCおよびITにつき従業員の増員が必要となったことによる人件費
の増加に起因し、費用は５％増加した。効率性に係る施策は引続き実施されているものの、インフレの影響がさ
らに大きくなることに鑑み、費用水準全体への圧力は来期も継続するものと見込まれる。
ラボバンクの貸付ポートフォリオは、外国為替の影響もあり、15.4十億ユーロ増の432.6十億ユーロとなっ
た。食品・農業ポートフォリオは10％増加し113.2十億ユーロとなった。オランダの住宅ローン市場における当
行の立場は依然として堅固であり、新規に組まれた住宅ローンの市場シェアは16％を占め、住宅ローン・ポート
フォリオもわずかに増加し193.3十億ユーロとなっている。個人およびホールセール顧客からの預金は13.1十億
ユーロ増加した。
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最終的に、収益の減少および費用の増加が当行の収益に対する費用の比率を63.5％（2021年度上半期：
58.0％）まで増加させた。自己資本利益率（ROE）は7.0％（2021年度上半期：10.4％）となった。住宅ローンに
対するマクロ・プルーデンス政策としてのアド・オンの施行、EBAガイドラインを反映したモデル・チェンジお
よびその他の（内部的な）モデル再構築、ならびに通常の事業拡大により、当行のリスク加重資産は39.6十億
ユーロ増加し251.5十億ユーロとなった。当行の健全な財務業績により多少は抑えられたものの、当該増加によ
りラボバンクのCET １比率は15.1％（2021年度：17.4％）まで減少した。残るバーゼルIVの影響がここに加わる
わけであるが、こちらは取るに足りない程度となると現在は見込まれている。当該水準を有する当行は引続き、
資本要件およびCET １比率14％超との目標水準のいずれをも十分に充たしているといえる。
KYC に関するアップデート
2021 年度末にオランダ銀行（DNB）はラボバンクに対してオランダ国内のリテール部門のマネーロンダリング
およびテロリズム融資防止法（ヴェット・テル・フォルコーミング・ファン・ヴィットヴァーセン・エン・フィ
ナンシーリング・ファン・テロリスメ（Wwft））遵守に関する不備を是正するよう指示した。
DNB はこれとは別の懲罰執行手続も開始される旨を当行に通知したが、当行はそれがどのような結果をもたら
すかを依然として把握できていない。当該不備を是正することが当行の最優先事項である。当行は顧客の本人確
認（KYC）に対して継続的に投資し、是正プログラムの下で取組みを強化しているが、これらは急速に進むロシ
アに対する制裁、労働市場に係る厳しい状況および新たな規制というダイナミックな背景事情の中で行われてい
る。進捗に影響を及ぼすこうした困難な状況を考慮し、当行はDNBに対して期限の延長を申し入れた。
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② ラボバンクの業績
ラボバンク
2021 年度同期の純利益が2,160百万ユーロであったのに対し、2022年度上半期の純利益は1,571百万ユーロと
なった。2021年度の安定した業績が2022年度も継続し、年度序盤においては市況も引続き良好であったことが、
当行の堅調な財務業績に貢献した。一方で、ロシア・ウクライナ戦争のもたらす結果も表れはじめ、当行の業績
に悪影響を及ぼした。例えば、ロシアからの撤退を当行が決定したことが、金融資産に係る減損費用の増大につ
ながった。当該悪影響の一部は、COVID-19向け引当金の取崩しにより相殺された。2021年度には異例の少なさと
なった金融資産に係る減損費用は、316百万ユーロ増の42百万ユーロ（平均貸付ポートフォリオの２ベーシスポ
イント）となったが、それでもなお長期平均の26ベーシスポイントを十分に下回っている。
収益合計は３％増加した。当行の投資株式につき評価損が生じたことが、当行の業績に悪影響を及ぼした。な
お2021年度上半期については、同項目が当行の業績にプラスに働いていた。金利の上昇により貯蓄性預金への
マージンは改善されたが、一方で国内リテール・バンキングにおける貸付事業に対するマージンプレッシャーも
感じられるようになった。それにもかかわらず、当行の純受取利息は、W＆Rおよびリース部門における保有資産
の増加にも後押しされ、７％増加した。純受取手数料は、主に当座預金に係る手数料収入の増加により、2021年
度上半期に比べ６％増加した。費用は５％増加したが、その一部はKYCおよびIT関連費用の増加によるもので
あった。これらの活動のため、従業員数は2022年度に入り増加している。インフレの影響がさらに大きくなるこ
とにより、営業費用に対する圧力は当面の間続くことが予想される。
当行の民間セクター向け貸付ポートフォリオは、為替変動の影響に一部起因し、15.4十億ユーロ増加した。リ
テール顧客およびホールセール顧客からの預金は13.1十億ユーロ増加した。国内リテール・バンキング（DRB）
における顧客からの預金は、当季の休日手当が使用されないまま貯金されていることに一部起因し、2022年度上
半期中に9.7十億ユーロ増加した。
2022 年度上半期の当行の業績は好調であったが、銀行に対する広範な規制、インフレの加速、地政学的緊張、
新たな（デジタル）ノン・バンクの台頭、気候変動リスク（窒素に係る議論を含む。）およびサイバーリスクと
いった銀行業界の多くの主要課題が今後当行の業績に影響を及ぼすであろう。一方で、金利環境については現在
変化が生じており、金利の上昇が当行の業績にプラスに働いている。
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ラボバンクの財務業績
業績
2022年 2021年
（単位：百万ユーロ） 増減率
６月30日 ６月30日
純受取利息 4,380 4,079 7％
純受取手数料 1,050 993 6％
その他利益 529 1,040 -49％
収益合計 5,959 6,112 -3％
人件費 2,368 2,279 4％
その他一般管理費 814 720 13％
減価償却費および償却費 162 178 -9％
営業費用合計 3,344 3,177 5％
総利益 2,615 2,935 -11％
金融資産に係る減損費用 42 (274) -115％
賦課金 438 368 19％
税引前営業利益 2,135 2,841 -25％
法人税等 564 681 -17％
当期純利益 1,571 2,160 -27％
金融資産に係る減損費用（単位：ベーシスポイント） 2 (13)
比率
収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 63.5％ 58.0％
基礎的な収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 62.0％ 59.4％
自己資本利益率（ROE） 7.0％ 10.4％
貸借対照表
2022年 2021年
（単位：十億ユーロ）
６月30日 12月31日
資産合計 666.8 639.6 4％
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 432.6 417.2 4％
顧客からの預金 385.1 372.0 4％
内部従業員数（常勤換算従業員） 36,830 35,766 3％
外部従業員数（常勤換算従業員） 8,585 7,595 13％
総従業員数（常勤換算従業員） 45,415 43,361 5％
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ラボバンクの財務業績に関する注記
税引前基礎的営業利益の変動
（単位：百万ユーロ） 2022年６月30日 2021年６月30日
収益 5,959 6,112
収益に対する調整 公正価値により評価される項目 93 -80
基礎的収益 6,052 6,032
営業費用 3,344 3,177
費用に対する調整 事業再構築費用 -7 -39
臨時KYC費用 39 -
基礎的費用 3,312 3,216
基礎的総利益 2,740 2,816
金融資産に係る減損費用 42 -274
賦課金 438 368
税引前営業利益 2,135 2,841
合計調整額 125 -119
税引前基礎的営業利益 2,260 2,722
収益：３％減
純受取 利息は増加
純受取利息は、特にW＆Rおよびリース部門における受取利息の増加に一部起因し、７％増となる合計4,380百
万ユーロ（2021年度：4,079百万ユーロ）となった。DRBにおいては、とりわけ資金調達コストの上昇の影響を受
け、（主に住宅ローンに係る）平均貸付マージンが減少した。一方で、金利の上昇が貯蓄性預金へのマージンの
改善につながったものの、当座預金へのマージンについては依然として圧力を受けている状態にある。純受取利
息の増加は、TLTRO IIIプログラムへの参加によって得られるベネフィットが減少した（2021年度上半期は192百
万ユーロであったのに対し、当期は131百万ユーロ）ことにより幾分相殺されている。純受取利息を平均総資産
で除することにより計算される年間純利息マージンは、2021年度上半期の1.25％に対して2022年６月30日時点で
は1.29％に増加した。
純受取手数料は増加
当行の純受取手数料は、６％増となる1,050百万ユーロ（2021年度：993百万ユーロ）となった。DRBにおいて
は、営業費用の増加（の一部）が転嫁され手数料が引き上げられたために、当座預金に係る純受取手数料が増加
した。さらに、運用資産（投資商品）の平均水準が上昇したことも、純受取手数料にプラスに作用した。W＆Rに
おいては、貸付事業における手数料収入の増加はあったものの、イベント・ドリブン型の事業分野における市場
活動が2021年度上半期に比べやや低迷したために、純受取手数料はわずかに減少した。
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その他利益は減少
その他利益は529百万ユーロ（2021年度：1,040百万ユーロ）まで減少した。2021年度の業績が異例であったた
めに、ラボ・インベストメントの2022年度上半期の業績は力強いものでありながら前年度比168百万ユーロ減と
なった。加えて、メキャニクス・バンクに対する当行の持分につき評価損が生じたことが、当行の業績に悪影響
を及ぼした。なお2021年度上半期については、同項目が当行の業績にプラスに働いていた。公正価値により評価
1
される項目に係る損益 は、2021年度上半期は２百万ユーロの損失であったのに対し、2022年度上半期は105百万
ユーロの損失となり、当該損失の増加もその他利益の減少につながった。またアフメアに対する当行の持分に係
る利益も減少した。
1 公正価値により評価される項目に係る損益には、当行のヘッジ会計に係る損益および当行のマーケッツ部門のXVA収益
が含まれる。
営業費用：５％増
人件費は増加
2022 年度上半期中、ラボバンクの総従業員数（外部採用従業員を含む。）は常勤換算従業員にして45,415人
（2021年度：43,361人）に増加した。効率性に係る施策は引続き実施されているものの、KYCおよびITのための
従業員の増員によって、DRBにおける合計常勤換算従業員数は増加した。事業の拡大およびコンプライアンス関
連の活動を支えるため、DLLにおける従業員数は常勤換算従業員にして303人増加し、W＆Rにおける従業員数も常
勤換算従業員にして70人増加した。人件費は、労働協約の影響もあり、４％増加して2,368百万ユーロ（2021年
度：2,279百万ユーロ）となった。
その他一般管理費は増加
その他一般管理費の合計は、臨時のKYC費用に一部起因し、814百万ユーロ（2021年度：720百万ユーロ）まで
増加した。当該KYC費用は、2021年度末時点において存在していた未処理案件の解消のために昨年度設定された
引当金につき、その取扱いに係る費用の増加が見込まれることから発生したものである。加えて、リース部門に
おいてはITおよびモデル・インフラへの投資に伴い費用が増加した。その他一般管理費の増加は、事業再構築に
係る引当金の取崩し額が減少したことにより一定程度抑制された。
減価償却費および償却費は減少
減価償却費および償却費は、DRBにおける不動産ポートフォリオの動向に沿うかたちで、162百万ユーロ（2021
年度：178百万ユーロ）に減少した。標準的な減少以外に、オフィスおよび賃貸契約の減少も当該減少につな
がった。
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金融資産に係る減損費用
2022 年度上半期の金融資産に係る減損費用は、42百万ユーロとなった。当該金額は前年度同期に対して316百
万ユーロの増加に当たる。減損費用の増加は、ウクライナへの侵攻後、ロシアにおける当行の全ての事業を段階
的に縮小する決定を当行が行ったことによるものである。企業向け貸付ポートフォリオにつき予想された信用度
の悪化が深刻化しなかったことを受け、概ね未使用であったCOVID-19引当金を取り崩したことにより、当該増加
傾向の一部は相殺された。現在のところ、現在のマクロ経済状況が当行の貸付ポートフォリオの信用度に対して
及ぼす影響は目立っていないが、当行は引続き注意を払っている。年間で見た場合の金融資産に係る減損費用は
２ベーシスポイント（2021年度：マイナス13ベーシスポイント）となったが、これは長期平均（2012年度から
2021年度）の26ベーシスポイントを下回っている。詳細については、「リスクおよび不確実性」の項を参照のこ
と。
不良債権（NPL）は2022年度上半期中に8.3十億ユーロ（2021年度：9.2十億ユーロ）まで減少した。NPL比率は
1.4％（2021年度：1.6％）となり、NPL引当率は24％（2021年度：24％）となった。NPLの減少は、主に当行の
NPL戦略が実行されたことおよび新たな貸倒債権の増加が限定的であったことによって得られた結果である。
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バランスシートの動向
バランスシート 2022 年６月30日 2021 年12月31日
（単位：十億ユーロ）
現金および現金同等物 144.8 120.5
顧客に対する貸出金および預け金 436.3 436.5
金融資産 18.4 18.5
他行に対する貸出金および預け金 20.1 22.1
デリバティブ 27.1 23.0
その他資産 20.1 19.0
資産合計 666.8 639.6
顧客からの預金 385.1 372.0
発行済債務証券 116.3 108.7
他行からの預り金 74.2 73.0
デリバティブ 21.1 18.7
金融負債 5.3 5.2
その他負債 18.9 18.5
負債合計 620.9 596.2
自己資本 45.9 43.4
負債および自己資本合計 666.8 639.6
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民間セクター向け貸付ポートフォリオは増加
当行の民間セクター向け貸付は、2022年６月30日現在432.6十億ユーロとなっており、15.4十億ユーロの増加
となった。当該増加の一部（約6.0十億ユーロ）は為替変動によるものである。新規貸付分が、減少傾向にはあ
るものの引続き高い水準にある繰上返済分を相殺したことにより、DRBにおける住宅ローンポートフォリオに変
動はなかった。DRBの民間セクター向け貸付ポートフォリオ合計は、276.3十億ユーロ（2021年度：273.9十億
ユーロ）となった。W＆RおよびDLLの貸付ポートフォリオはいずれも増加した（外国為替の影響につき修正した
場合もいずれも増加したことになる）。
貸付ポートフォリオ
(単位：十億ユーロ) 2022年６月30日 2021年12月31日
顧客に対する貸付および預け金の合計 436.3 436.5
うち：政府系顧客に対する貸付および預け金 2.2 2.0
リバース・レポ取引および証券貸借 10.6 13.9
金利ヘッジ（ヘッジ会計） -9.1 3.4
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 432.6 417.2
国内リテール・バンキング 276.3 273.9
ホールセール・アンド・ルーラル 119.3 108.6
リース 36.2 34.5
不動産開発 0.1 0.1
その他 0.7 0.1
2022 年６月30日現在の民間セクター向け貸付ポートフォリオの地理的内訳（債務者の所在国に基づく）は、オ
ランダが68％、北アメリカが11％、ヨーロッパ（オランダ以外）が８％、オーストラリアおよびニュージーラン
ドが７％、南アメリカが４％、アジアが２％であった。
1
セクター別貸付ポートフォリオ
(単位：十億ユーロ) 2022年６月30日 2021年12月31日
民間個人顧客に対する貸付 205.5 48％ 205.0 49％
商業・工業・サービス業に対する貸付 113.9 26％ 109.3 26％
うち：オランダ国内の貸付 76.0 74.5
うち：オランダ国外の貸付 37.9 34.7
食品・農業に対する貸付 113.2 26％ 102.9 25％
うち：オランダ国内の貸付 39.3 35.7
うち：オランダ国外の貸付 73.9 67.2
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 432.6 100％ 417.2 100％
1 当該事業体の設立国に基づく。
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顧客からの預金は 増加
顧客からの預金の合計は、385.1十億ユーロ（2021年度：372.0十億ユーロ）に大きく増加した。当行の預貸率
（LtD比率）は1.17（2021年度：1.13）と概ね安定している。休日手当が使用されないまま貯金されていること
に一部起因し、DRBにおける顧客からの預金は309.7十億ユーロ（2021年度：300.0十億ユーロ）まで増加した。
DRBにおける貯蓄性個人預金は6.3十億ユーロ増の150.4十億ユーロとなった。その他の部門における顧客からの
預金は、主にトレジャリーにおける預金が増加したこと（ただしその一部はインターナショナル・ダイレクト・
バンキング（IDB）における預金の減少により相殺された）により、75.3十億ユーロ（2021年度：72.0十億ユー
ロ）まで増加した。IDBにおける預金額の減少は、当行が欧州におけるダイレクト・バンキングの運用を段階的
に縮小していることによるものである。2022年度上半期中のIDBにおける預金の流出額は2.8十億ユーロに相当
し、2022年６月30日現在のIDBにおける預金額は合計9.0十億ユーロ（2021年度：11.8十億ユーロ）となってい
る。
顧客からの預金
(単位：十億ユーロ) 2022年６月30日 2021年12月31日
貯蓄性個人預金 156.1 152.4
国内リテール・バンキング 150.4 144.1
その他の部門 5.7 8.3
顧客からのその他の預金 229.0 219.6
国内リテール・バンキング 159.3 155.9
その他の部門 69.7 63.7
顧客からの預金合計 385.1 372.0
流動性
当行はその原因を問わず潜在的な流動性危機の影響から身を守ろうと常に努めている。COVID-19パンデミック
およびそれに伴う経済的不確実性が生じて以降、当行はこの点にいっそう力を入れてきた。当行の取組みが、当
行自身および当行の顧客を守るために即座に利用可能な流動性バッファを規制上の要件をはるかに上回る水準ま
で増加させることにつながった。その結果、当行の流動性カバレッジ比率（LCR）は199％（2021年度：184％）
と高い水準を維持した。中央銀行による臨時施策と併せ、当該水準は、顧客へのサービス提供を継続し、顧客の
長期および短期の流動性需要に応え続けることができるという自信を当行に与えるものである。当行は168十億
ユーロ（2021年度：149十億ユーロ）まで増加した強固な流動性バッファを有する。当該流動性バッファのう
ち、152十億ユーロ（2021年度：131十億ユーロ）を適格流動資産（HQLA）が占める。 加えて、当行は担保権が設
定されておらずECB適格である住宅ローン担保証券（RMBS）およびカバードボンドのポートフォリオを有してお
り、当該ポートフォリオは16十億ユーロの換金価値を有し、不測の事態に際しては流動性バッファとして利用で
き、適格住宅ローンを追加することで増額可能である。29十億ユーロの加重LCRインフローは当該バッファから
除外されている。
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自己資本
当行の自己資本は45.9十億ユーロ（2021年度：43.4十億ユーロ）に増加したが、当該増加の大部分は利益剰余
金およびその他Tier 1債の発行によるものである。当行の2022年６月30日現在の自己資本のうち、71％（2021年
度：72％）が利益剰余金および準備金、17％（2021年度：18％）がラボバンク証書、11％（2021年度：９％）が
資本証券、そして１％（2021年度：１％）がその他非支配持分により構成されている。
自己資本の変動
(単位：百万ユーロ)
2021年12月末時点の自己資本 43,402
当期中の純利益 1,571
その他包括利益 313
ラボバンク証書に対する支払い -254
ラボバンク発行の資本証券に対する支払い -88
資本証券の発行 1,000
資本証券の発行に係る費用 -5
その他 -20
2022年６月末時点の自己資本 45,919
ホールセールによる資金調達
当行は数年にわたりホールセールによる資金調達の利用の大幅な削減および多様化を進めてきた。これによっ
て当行が受ける資本市場の動きの影響は少なくなる。ロシア・ウクライナ戦争にも一部起因し、当行は2022年度
上半期中にホールセールによる資金調達額を意図的に130.0十億ユーロ（2021年度：121.6十億ユーロ）まで増額
した。TLTRO IIIの利用額は55十億ユーロから変動はなく、ホールセールによる資金調達に代わるものとしては
このうち６十億ユーロのみを使用する。
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リスクおよび不確実性
当行の顧客および当行にとって、ロシア・ウクライナ戦争の影響に起因する地政学的、経済的および財務的な
リスクが高まっている。この戦争による直接的な財務への影響は限定的であり、戦争開始時の直接的なエクス
ポージャーは400百万ユーロで、主にDLLおよびトレード・アンド・コモディティ・ファイナンスが占めていた。
DLLロシアは、2022年２月末をもってロシアから全事業を撤退している。2022年度中には高インフレが予想され
ており、消費者の消費に圧力がかかるだろう。企業は投入コストの高騰、高金利および労働力不足に直面してお
り、利益が減ったり企業投資の余地が少なくなったりすることをもたらすだろう。COVID-19に関する制限は解除
され、政府による救済は、ポートフォリオを顕著に悪化させることなく終了した。
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マクロ経済環境
パンデミックからの力強い回復の後、ロシア・ウクライナ戦争および高インフレによって、経済の見通しは
2022年度上半期中に悪化した。この戦争の経済的および財務的な影響は、世界中で実感されている。エネルギー
市場および日用品市場における価格は記録的に上昇しており、中国のCOVID-19政策に一部起因して、世界的な貿
易・サプライチェーンの分断も増加している。企業の生産および物流に係るコストが上昇し、世帯購買力は落ち
込んでいる。2022年度下半期および2023年度には、資金調達コストの高騰が、政府、企業および世帯の債務持続
可能性を圧迫するだろう。全体として、当行は、減損費用の増加をもたらし得る不確実性および財務リスクが増
加していると判断する。
オランダのベースライン・シナリオは以下のとおりである。
オランダ
前年と比較した場合の増減率（％） 2021 年 2022 年 2023 年 2024 年
国内総生産（GDP） 5.0 2.9 -0.2 1.7
民間消費 3.5 3.5 -0.2 1.5
企業投資 5.4 1.0 -3.5 1.6
住宅投資 3.3 2.8 -0.9 1.7
政府支出 3.8 1.9 2.6 3.1
商品およびサービスの輸出量 6.6 -0.6 -1.2 3.5
商品およびサービスの輸入量 5.1 -1.4 -0.9 4.2
インフレーション（％） 2.8 7.7 4.5 2.2
失業率（％） 4.2 3.3 3.5 3.7
パンデミックの救済措置の終了
オランダ政府の企業に対する包括的な救済措置は、 2022 年度第１四半期に終了した。 2022 年４月１日以降は納
税猶予特例が終了し、納税者は2022年４月１日以降の課税分を期限どおりに納税する必要がある。2022年10月１
日以降は、企業は、最大５年間の繰延べを受けた税金の支払いを開始しなければならない。これまでのところ、
破産件数は歴史的な低水準にとどまっており、前例のない救済措置が非常に効果的であり、経済が予想よりも強
靱であったと結論づけるのが妥当である。
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信用ポートフォリオ
2022 年度上半期中、当行の信用ポートフォリオの質は、ロシア・ウクライナ戦争の影響にかかわらず良好に維
持された。ステージ２のエクスポージャーの割合は、ロシア・ウクライナ戦争の勃発およびオランダ政府による
牧畜セクター向けの窒素政策アプローチの発表を受け複数のセクターが脆弱であると分類されたことから、2021
年度末の6.4％から増加し、2022年６月30日には8.4％となった。同時に、NPLは、効果的な特別資産管理により
減少傾向であり続けている。当行のNPLポートフォリオ合計は、2021年度の9.2十億ユーロから減少し、2022年６
月30日には8.3十億ユーロとなった。この純減はDRBおよびW&Rで起きたものであり、DLLではわずかな増加が見ら
れた。NPL比率（EBAの定義による。）は1.4％（2021年度：1.6％）となり、これは中央銀行への預金がNPL比率
の計算の分母に含まれていることもありステージ３の割合よりも低かった。2022年度下半期および2023年度に
は、資産の質の低下およびそれに伴うNPLの上昇が予想されている。しかし、これがどの程度の規模で起きるか
はまったく不透明であり、ロシア・ウクライナ戦争、エネルギー供給および物価動向に大きく依存する。その一
方で当行は、NPLの流入を管理するため、セクター／国について具体的に設計された戦略の実行を続け、（将来
の）事象（エネルギー価格の高騰や干ばつ等）またはセクターの問題（酪農業や窒素等）に関連する顧客の状況
を引続き監視する。
脆弱なセクター
脆弱なセクターのエクスポージャーは信用リスクの大幅な上昇および／または不確実性の大幅な増加をもたら
すとされ、ステージ２に分類される。「脆弱な」セクターとしての分類は、パンデミックおよび、2022年度初頭
以降はその他の動向（ロシア・ウクライナ戦争の直接および間接の影響やオランダ政府の窒素戦略に関連する不
確実性等）への相対的な強さおよび展望に対する（潜在的な）影響に関する詳細な分析に基づく。
2022 年度上半期中、パンデミックに関連する脆弱なセクターのほとんどが、ステージ１に格上げされた。これ
らは、国内サブセクターである宿泊および食品サービス（ホテル、レストランおよびパブ）、アート・エンター
テインメント・アンド・レクリエーション（スポーツ施設、フィットネス、アミューズメントパークおよびテー
マパーク）、ならびに管理および支援サービス業（旅行代理店）に関するものである。
同時に、その他のセクターが脆弱であると分類され、ステージ１からステージ２に移行された。
食品・農業の分野では、具体的には（オランダの）豚肉および 花卉園芸のエクスポージャーに関連するもので
ある。慎重を期すため、酪農 NL も予備的に脆弱と分類されている。ラボバンクは、当行の顧客のポートフォリオ
に対するオランダ政府の窒素戦略の影響に関する昨今の不確実性および不明確性から、この決定を行った（詳細
は下記「窒素」セクションを参照のこと。）。結果として、政府による十分な救済策が利用可能であるにもかか
わらず、酪農 NL 内のエクスポージャーの全て（10.3十億ユーロ）がステージ２に移行され、全期間予想信用損失
が計上された。トップ・レベル調整（TLA）は、2022年６月30日時点で76百万ユーロが認識された。窒素戦略お
よび利用可能な政府による救済策が明確になりつつあるため、今度数ヶ月中にさらなる影響分析およびシナリオ
分析が行われるだろう。これは、現在ステージ２に移行されているエクスポージャーに関してより包括的なアプ
ローチをとることにつながる可能性を持つ。
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食品・農業以外の分野では、脆弱と分類された最も重要なサブセクターは、オートモーティブ・ヨーロッパ、
商業用不動産（リテールおよびレジャー）内の複数のサブセクターおよびトランスポーテーションDLL（ヨー
ロッパ）である。最後に、現在のマクロ経済の動向の影響を特に受けやすいセクター内の高リスク商業貸付けの
一部が脆弱と分類され、ステージ２に移行された。
全体として、2022年６月30日時点で、433十億ユーロの民間セクター向け貸付ポートフォリオのうち4.9%
（2021年度：2.3%）が脆弱であると分類された（酪農NLの2.6%を除く。）。
窒素
2022 年６月、オランダ政府は、2021年「窒素法」の目標、つまり、2030年にいわゆるナチュラ2000区域の少な
くとも74％において許容範囲内の窒素堆積を実現するという目標を達成するための農業セクターに向けた戦略計
画を発表した。ラボバンクはこの削減目標を支持するとことを明らかにしたが、この計画が水質、気候およびそ
の他のセクターへの政府計画に関する総合的見解に欠けていることも指摘した。これにより、当行の 食品・農業
分野、特に牧畜農家の顧客は、自身の個人的な生活および事業への影響を受けており、今後も影響され続ける。
リスクの観点からは、特にナチュラ2000区域周辺の農家の展望は、今も不透明である。政府の窒素削減計画は
当行の顧客のビジネス・モデルに重大な影響を与えることが予想されているが、政府による十分な救済を利用す
ることができる。影響を受けるセクターの全体的な移行リスクは、より詳細に調査されている。当行のアカウン
ト・マネージャーは、顧客からの差し迫った融資の要望や将来を見据えたビジネスの維持について、当行の顧客
と戦略的な対話を行っている。
中央政府は、新たな窒素戦略をどのように実施できるかについて詳細を分析するよう、地方政府に命じた。こ
の決定は、地方間でアプローチやタイムラインに差異が出る可能性を生み、農家および食品・農業セクターが経
済的な結果を予想することを困難にする。
減損：ロシア・ウクライナ戦争およびCOVID-19パンデミックの影響
2022 年度上半期には、2021年度同時期よりも減損費用が増加した。２つの主要な発展が当該増加を決定づけ
た。一方で、COVID-19に関連するステージ３への流入は引続き低調であり、COVID-19に特化したトップ・レベル
調整（TLAs）の大部分がさらに解除された。 2022 年度上半期には、当行のCOVID-19関連の経営者による追加引当
の合計額は、210百万ユーロ（2021年度：500百万ユーロ）に減少した。
他方で、ロシア・ウクライナ戦争は、ロシアのエクスポージャー（主にDLL）およびウクライナの複数のト
レード・アンド・コモディティ・ファイナンスの顧客に対する減損費用をもたらした。2022年６月30日時点で、
ウクライナに対するエクスポージャーは96百万ユーロであり、ロシアに対するエクスポージャーは431百万ユー
ロである。今年２月のウクライナにおける戦争の勃発以降、当行はロシアから撤退することを決定し、当行のエ
クスポージャーを削減することに成功した。しかし、過去数ヶ月のルーブルの為替レートの上昇により、ユーロ
ベースで測定されるエクスポージャーが再度上昇した。現在ロシアの顧客は未払額の支払いを続けているため、
これらの貸付金は、信用リスクが著しく上昇した貸付金（ステージ２）に分類された。TLAは311百万ユーロに決
定された。ロシアのエクスポージャーのうち95%はルーブル建てのDLLから生じたもので、ロシアの残りのエクス
ポージャーおよびウクライナのエクスポージャーはトレード・アンド・コモディティ・ファイナンス（TCF）か
ら生じたものである。ウクライナのTCFの顧客２者に対しては、あわせて40百万ユーロのステージ３引当金が講
じられた。直接的なエクスポージャーのほか、当行はサプライチェーンの分断およびエネルギー価格の高騰によ
る影響を受けたエクスポージャーについて増大した信用リスクを明示し、これに対して89百万ユーロのTLAが定
められた。
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2022 年度上半期には経済回復が継続したが、2021年度に比べると非常に緩慢なペースであった。2022年度下半
期には、景気後退が起きる可能性が十分にある。一つ目の表は、異なるステージの減損費用を示す。減損引当金
合計に対するステージ１および２の引当金の割合は、純増が少なかったことおよびステージ３の評価減により、
42％（2021年度：36％）に増加した。
減損費用
2022 年 2021 年 2021 年 2021 年
( 単位：百万ユーロ)
上半期 下半期 上半期
ステージ１ 11 -375 -118 -256
ステージ２ 50 76 44 32
ステージ３ -19 -175 -125 -50
ラボバンクグループ 42 -474 -200 -274
ステージ構成ポートフォリオ
2022 年 2021 年 2021 年 2020 年
上半期 上半期
ステージ１ 89.8 91.6 89.9 89.5
ステージ２ 8.4 6.4 7.5 7.5
ステージ３ 1.7 2.0 2.6 3.0
ラボバンクグループ 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％
NPL 戦略
当行のNPLポートフォリオは、NPL戦略に関するグループ全体にまたがる枠組みの中で管理されている。NPL
ポートフォリオは注意深く監視され、必要に応じて地域またはセクターに関連するポートフォリオ戦略により
フォローされる。個人顧客戦略は、当行の顧客とともに新たな可能性を作り出すという当行の使命および価値に
基づいている。財政難にある各個人顧客の事業および財政の継続性に関して必要な評価に加えて、当行は、プル
デンシャル・バックストップ規制の影響をも重視する。当行は、顧客が当行の財政再建・回復部門のサービスを
受ける時間を減らすよう努力している。
過去２年間、当行は信用ポートフォリオのリスク削減に成功してきた。NPLポートフォリオを積極的に管理す
るため、流通市場でのエクスポージャーの売却、長期顧客へのさらなる注視およびNPL顧客への明確なマイルス
トーンの設定に対する注力を含む複数の施策を実行してきている。
2022 年度上半期におけるNPLの流入は、主にCOVID-19発生以来の政府による政策および経済の強靱な状況の結
果、わずかであった。当行は、当行の信用（NPLを含む。）ポートフォリオへのロシア・ウクライナ戦争の潜在
的な影響に加えて、COVID-19関連の最新の動向および窒素に関する政府の決定を注意深く監視している。
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インタレスト・オンリー住宅ローン
オランダにおける住宅ローンポートフォリオは、依然として好調である。住宅ローンの支払い能力は、エネル
ギー価格および金利の高騰の観点から、今後数年間にわたり重要な要素となる。このポートフォリオにおいてイ
ンタレスト・オンリー住宅ローンはより高いリスクを伴い、特にローン・トゥー・バリュー（LTV）が高く（＞
80％）顧客の退職が近づいている（収入の減少につながる）場合には特に高くなる。インタレスト・オンリー住
宅ローンを利用する顧客には、将来の支払いに関する問題を回避する可能性を探るために、個別に、かつリスク
ベースのアプローチにて、接触を行っている。過去数年間における住宅価格の急激な上昇および厳格な引受基準
により、LTVは減少し、住宅ローンポートフォリオの高リスク部分の減少につながっている。金利の上昇を踏ま
え、既存のトップ・レベル調整は40百万ユーロ（2021年度：25百万ユーロ）に引き上げる調整がされた。インタ
レスト・オンリー住宅ローンに対する実行中の監督監査は、オランダ住宅ローン市場における公平な競争環境に
加え、将来の資本および減損の水準にも影響を及ぼす可能性がある。
オランダ農業の将来
2022年６月、オランダ政府は、農業分野の大規模な転換の加速が望まれることから、農家の展望に関する文書
を発表した。オランダは、2030年に、循環農業における世界のリーダーとならなければならない。この構想は、
生産量増加・費用価格削減というあり方から、自然および生物多様性の回復と調和した資源利用・食料生産の最
適化というあり方へのパラダイムシフトを必然的に伴う。窒素問題（「窒素」セクションを参照のこと。）にも
使用される25十億ユーロの政府による転換資金は、これを可能にするはずである。前提条件として、農家が新た
な状況において適切な収入を稼げなければならない。同時に、オランダの景観およびその中の農業用地に関する
新たな設定について、合意されなければならない。当行は、利害関係者の一人として、このような非常に難易度
の高い発展に積極的に参加し、かかる影響が当行のポートフォリオに与える影響の評価を継続的に行っている。
PFAS
2020 年半ばから、建設および浚渫業界につき、PFASに汚染された土壌および浚渫廃棄物を扱う業務に対する規
制が、環境および健康に配慮しつつ緩和された。これにより建設および浚渫業界は、その事業の大部分を再開す
ることができるようになった。これは当行の顧客への圧力を軽減させた。同時に、オランダおよびEUの一部諸国
では、EU圏内におけるPFASの全ての使用を禁止すべきとする提言に取り組んでいる。これは最終的に当行の顧客
に影響を与える可能性があるため、当行はこの動向およびリスクを詳細に監視していく。
気候変動リスク
気候変動は、（１）移行リスク（例えば、規制、技術および市場心理の変化）および（２）物理的リスク
（嵐、山火事および洪水等の急激な気象現象ならびに海面上昇や干ばつ等の長期的現象における変化）という２
つのリスク経路から信用ポートフォリオに影響を及ぼす可能性がある。物理的リスクおよび移行リスクはいずれ
も、当行の信用ポートフォリオのうち特に食品・農業および住宅ローンポートフォリオの質に影響を及ぼす可能
性がある。気候関連財務情報開示タスクフォース（TCFD）が指定する４つの業種につき、当行はそのうち２つの
ポートフォリオを気候変動リスクの影響を最も受けやすい業種に分類する。４つの業種とは、①エネルギー、②
運送業、③不動産を含む建材および建設業ならびに④農業、食品および林産物である。
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これら４つの業界セクターに対する現時点での当行のエクスポージャーを合計すると、グループのデフォルト
時エクスポージャー（EAD）の約60％を占めることとなる。現在行っているヒートマップ作業は、地理的位置、
セクターおよび時間軸に基づく気候および環境に関連するリスクの質的なリスク推定を可能にする。温室効果ガ
スの排出を抑制することを目的とした規制の変更が今後増加し、特に最も影響を受けやすいこれらのセクター
に、より圧力がかかることが予想される。当行は今年、当行の貸付ポートフォリオの大部分について、金融に係
る排出量を公表した。目標設定および道程は、追って「パリへの道」と題する特別レポートに記載される。
サイバーセキュリティ
人々が頼みとするITアプリおよびITインフラの有用性を確かなものにしつつ、データ機密性を確保することは
不可欠である。法人および個人顧客は決済アプリに依存しており、かかるアプリが機能すること、つまり取引が
24時間年中無休で、遅滞なく行われることを想定している。このような全ての期待に沿うことは、重大なバラン
ス策である。当行の顧客、IT企業パートナーおよびラボバンクが、ますます手の込んだ攻撃を用いたサイバー犯
罪の標的となる時代において、当行は、当行の製品およびサービスが規制および社会の変化に対応するように適
応させ、組織、業務プロセスおよび支援するITシステムの大規模な転換を開始する。
当行は、情報システムを保護し顧客の利益にかなうよう、サイバーセキュリティへの投資を継続する。また、
世界中のその他の銀行、セキュリティ研究者、専門家および業界を牽引する組織と密接に協力し、サイバー犯罪
に対抗している。
外部不正
全体として、特にフィッシングおよびなりすまし、いわゆる、詐欺師が銀行の従業員を装う「銀行相談窓口詐
欺」に関連する外部不正が増加している。当行および顧客に影響を与える様々な形態の詐欺を抑制するため、ラ
ボバンクは、詐欺チェーン全体に対する総合的なアプローチを用いて、（オランダ銀行協会の傘下にある）他の
オランダの銀行およびオランダ法務・安全保障省との連携を行っている。このアプローチは、このチェーンの一
部である、テレコム・プロバイダーおよびビッグ・テック企業を含む他の利害関係者をも巻き込む。
金融セクターの門番
2021 年末に、オランダ銀行（DNB）はラボバンクに対して、遅くとも2023年12月15日までに、オランダ・リ
テール部門のヴェット・テル・フォルコーミング・ファン・ヴィットワーセン・フィナンシーリング・ファン・
テロリスメ（Wwft）の遵守に関する不備を是正するよう命じた。DNBはまた、別個の罰則執行手続を開始すると
通知したが、この結果は未だわかっていない。かかる不備の是正は、当行の最優先事項である。当行は、急速な
ペースで進むロシアに対する制裁、縮小する労働市場および新たな規制への対処を行うダイナミックな状況の
中、是正プログラムへの投資および取り組みの強化を継続している。進捗に影響を与えるこのような困難な動向
に鑑みて、当行はDNBに延長を求めている。
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当行は2022年度上半期を通してKYC活動のさらなる強化を行い、当行の全従業員および特にKYC従業員の研修へ
の投資を続けた。過年度の増加に違わず、当行は世界中のKYC従業員を拡大し、2021年度の約4,900人から2022年
度上半期には6,400人に増加させた。このような従業員は、当行の顧客、加盟者および社会を守るため日々熱心
に働いている。ラボバンクはまた、人工知能やロボットなど、プロセスおよび技術の自動化およびイノベーショ
ンへの投資を継続した。
ラボバンクは2022年度上半期単期で、KYCコンプライアンスに約294百万ユーロを費やした。このうち72百万
ユーロは、2021年12月31日時点で既に引き当てられている。
ラボバンクのKYCプログラムは、経営委員会の直接責任の下で遂行される。さらに、KYCコンプライアンスに特
定の重点を置く新たな地位が、経営委員会内に創設された。（監督評価の結果が良好であることを条件に、）
2022年10月１日付けで、フィリップ・ヴォロー氏がラボバンクのチーフ・フィナンシャル・エコノミック・クラ
イム・オフィサー（CFECO）に就任する予定である。監督委員会は、専門（臨時）委員会を通じた監督を含め、
KYC改善プログラムの監督を継続する。DNBもまた、このプログラム下で成される進捗の監督を続けるだろう。
制裁
ラボバンクは、ロシア・ウクライナ戦争に関する状況を注視している。数十年を経てヨーロッパ大陸が再びこ
のような暴力にさらされていること、そしてそれがもたらした痛ましい状況や不安定さは、とても悔やまれるこ
とである。ラボバンクは、方針、手続きおよび内部規制を策定し、制裁を遵守している。これには、欧州連合
（EU）が課す制裁および外国資産管理局（米国財務省の組織であるOFAC）が管理するプログラムならびに適用あ
る現地の制裁法によるものが含まれる。ロシア・ウクライナ戦争に関連する制裁はウクライナの支配権を脅かす
者に対する措置を対象とし、かかる関与者の口座を凍結させ金融取引を阻止することが求められる。これが行わ
れる場合には、DNBおよび／または資金情報機関（FIU）への報告を行わなければならない。さらに、制裁には、
ドネツク地域およびルガンスク地域との経済関係に対する大幅な制限ならびに、貸付、信用取引、証券取引その
他の金融市場商品に関する、ロシア政府およびロシア中央銀行によるヨーロッパ金融市場へのアクセスの遮断が
含まれている。
ラボバンクのロシアにおける商業的利益は比較的少ない。当行の子会社であるDLLのみが、主に農業セクター
における農業機械のリースにおいて、ロシアでの事業を行っている。２月末以降はDLLの新規事業は中止されて
おり、DLLはロシアにおける全ての事業の縮小を開始しロシアから撤退した。当然ながら、ラボバンクは制裁を
実行し、追加的な措置が発表された場合にはその手続きを行う。ラボバンクは、監督機関およびその他の当局と
の緊密な協議を行っている。
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③ 事業分野毎の業績
国内リテール・バンキング
要旨
オランダにおいて、国内リテール・バンキング（DRB）は、住宅ローン市場における融資の主要な提供者であ
り、貯蓄、決済、投資および保険の商品およびサービスを提供している。また、DRBは、SMEおよび食品・農業市
場における市場リーダーでもある。純受取利息の減少（-13％）は、2022年度上半期におけるDRBの純利益の減少
をもたらした主要な要素である。金融資産に係る減損費用は、2021年度上半期と同様に、当行の貸付ポートフォ
リオの信用度が依然高い水準であったことから、取り崩しが行われた。2022年度上半期において、顧客からの預
金は9.7十億ユーロと大幅に増加した一方で、民間セクター向け貸付ポートフォリオは１％のわずかな成長で
あった。当行の住宅ローン貸付ポートフォリオは、新規の住宅ローン組成の増加により返済金が相殺されたこと
で、193.3十億ユーロと比較的安定した状態を保っていた。
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財務業績
業績
2022年 2021年
単位：百万ユーロ 増減率
６月30日 ６月30日
純受取利息 2,060 2,364 -13%
純受取手数料 807 738 9%
その他収益 39 45 -13%
収益合計 2,906 3,147 -8%
人件費 1,272 1,274 0%
その他一般管理費 490 421 16%
減価償却費および償却費 51 65 -22%
営業費用合計 1,813 1,760 3%
総利益 1,093 1,387 -21%
金融資産に係る減損費用 -150 -248 -40%
賦課金 249 195 28%
税引前営業利益 994 1,440 -31%
法人税等 256 360 -29%
純利益 738 1,080 -32%
金融資産に係る減損費用（単位：ベーシスポイント） -11 -18
比率
収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 71.0% 62.1%
基礎的な収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 70.1% 64.0%
貸借対照表
2022年 2021年
単位：十億ユーロ
６月30日 12月31日
外部資産 279.8 277.3 1%
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 276.3 273.9 1%
顧客からの預金 309.7 300.0 3%
内部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 21,208 20,504 3%
外部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 6,629 5,517 20%
合計従業員数（単位：常勤換算従業員数） 27,837 26,021 7%
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財務業績に関する注記
税引前基礎的利益の変動
2022年 2021年
単位：百万ユーロ
６月30日 ６月30日
収益 2,906 3,147
営業費用 1,813 1,760
費用調整 事業再構築費用 -14 -58
臨時KYC費用 39 -
1
基礎的費用 1,788
1,818
金融資産に係る減損費用 -150 -248
賦課金 249 195
税引前営業利益 994 1,440
合計調整額 25 -58
税引前基礎的営業利益 1,019 1,382
1
2021年度上半期における基礎的費用は、変動金利付き消費者信用商品を利用する当行の一部の顧客を補償するための引当
金72百万ユーロを含む。
基礎的な業績は減少
DRB の基礎的な業績は、2022年度上半期中、2021年度同期間中に比べ減少した。税引前基礎的営業利益は、前
年度の1,382百万ユーロに対し1,019百万ユーロとなった。純受取利息は、貸付けおよび当座預金の平均マージン
の低下を受け、減少した。当行の効率化に向けた取り組みの継続にもかかわらず、基礎的営業費用はわずかに増
加した。 当行の貸付ポートフォリオ の 信用度 は依然高い水準であり、好調な経済状況およびCOVID-19の予想を下
回る影響により、150百万ユーロの減損費用を実質的に取り崩すこととなった。
収益は減少
収益合計は、2,906百万ユーロ（2021年度：3,147百万ユーロ）まで減少した。とりわけ資金調達コストの高騰
による影響を受けた（主に住宅ローンにおける）平均貸付けマージンの低下により、純受取利息は減少した。一
方で、上昇する金利により貯蓄に係るマージンは改善したが、当座預金に係るマージンは依然として圧迫されて
いる。純受取利息合計は2,060百万ユーロ（2021年度：2,364百万ユーロ）となった。純受取手数料は、当座預金
および運用資産（投資商品）に係る手数料収入の増加に主に起因し、807百万ユーロ（2021年度：738百万ユー
ロ）に増加した。当座預金の営業費用の増加は手数料の増加に（一部）転換されたが、大部分のCOVID-19措置が
解除されたことで海外取引の件数も増加した。今年の株式市場のマイナス成長にかかわらず、運用資産の平均規
模は2021年度上半期（約３十億ユーロ）よりも大きかった。その他収益は、39百万ユーロ（2021年度：45百万
ユーロ）まで減少した。
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営業費用はわずかに増加
営業費用合計は前年度に比べて３％増加し、1,813百万ユーロ（2021年度：1,760百万ユーロ）となった。KYC
およびITへの追加人員の結果として平均従業員数が増加したにもかかわらず、人件費は1,272百万ユーロ（2021
年度：1,274百万ユーロ）と安定していた。かかる従業員の増加に関する費用の一部は、未処理分を解消するた
めに前年度に講じられたKYC引当金により賄われた。その他一般管理費は、490百万ユーロ（2021年度：421百万
ユーロ）まで増加した。この増加は、複数の偶発的な事象を主因とするものである。まず、事業再構築引当金の
取り崩しは前年度同時期よりも少なく、-14百万ユーロ（2021年度：-58百万ユーロ）であった。さらに、2021年
度に講じられたKYC引当金の再計算が、管理費の増加につながった。結果として生じた費用の増加は、変動金利
付き消費者信用商品を利用する顧客を補償するために前年度に講じられた引当金がなかったことにより相殺され
た。そして、減価償却費および償却費は、当行の不動産ポートフォリオの発展に伴い、51百万ユーロ（2021年
度：65百万ユーロ）に減少した。オフィスおよび賃貸契約が減少したことにより、減価償却費の水準が低下し
た。
減損費用は引続き低値
COVID-19 パンデミック後に見込まれていた貸付ポートフォリオの信用度の悪化は、現在までに起こっていな
い。それゆえ、使用されなかったCOVID-19引当金の多くが取り崩された。好調な経済動向と相まって、減損費用
は-150百万ユーロ（2021年度：-248百万ユーロ）となり、これは、平均民間セクター向け貸付ポートフォリオの
-11ベーシスポイント（2021年度：-18ベーシスポイント）に換算され、長期平均の15ベーシスポイントを大幅に
下回る。
貸付ポートフォリオは増加
2022 年度上半期中、地方ラボバンクにおける顧客の追加住宅ローン返済額、すなわち、強制返済に追加して支
払われた金額は、合計約9.0十億ユーロ（2021年度：10.1十億ユーロ）となった。当該追加返済額のうち1.2十億
ユーロ（2021年度：1.5十億ユーロ）は部分返済に関連するものであり、7.8十億ユーロ（2021年度：8.6十億
ユーロ）の一部は顧客の転居を理由とした住宅ローンの完済によるものであった。2022年６月30日現在、当行の
住宅ローン貸付ポートフォリオの合計額は193.3十億ユーロ（2021年度：192.5十億ユーロ）となった。当該数値
には、33.0十億ユーロ（2021年度：32.3十億ユーロ）のオプフィオンの貸付ポートフォリオが含まれる。DRBの
ポートフォリオ（法人向け貸付を含む。）の合計は276.3十億ユーロ（2021年度：273.9十億ユーロ）で、この上
半期で増加を見せた。
セクター別貸付ポートフォリオ
単位：十億ユーロ 2022年６月30日 2021年12月31日
民間個人顧客に対する貸付額 203.5 203.3
商業・工業・サービス業に対する貸付額 49.8 48.2
食品・農業に対する貸付額 23.0 22.4
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 276.3 273.9
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住宅ローン貸付ポートフォリオ
住宅ローン
単位：百万ユーロ 2022年６月30日 2021年12月31日
住宅ローン・ポートフォリオ 193,306 192,450
加重平均LTV 50% 53%
不良債権（金額） 697 642
不良債権（住宅ローン貸付ポートフォリオ合計に占める割
0.36% 0.33%
合）
90日超の支払い遅延 0.13% 0.09%
NHGポートフォリオのシェア 15.8% 16.3%
金融資産における貸倒引当金 124 110
不良債権に基づくカバー率 10% 8%
純増額 14 -42
純増額(ベーシスポイント) 1 -2
評価減 2 -14
ラボバンクのオランダ住宅ローン市場におけるシェアは、2022年度上半期において新規に組まれた住宅ローン
1
の16.1％（2021年度：20.8％） に減少した。住宅ローン貸付ポートフォリオの0.36％を占める不良債権は、今
年度上半期中わずかに増加した。全国住宅ローン保証スキーム(ナショナール・ヒポテークガランシー（NHG）)
が支援する融資は、15.8％（2021年度：16.3％）まで減少した。2022年６月30日現在、住宅ローン貸付ポート
フォリオの加重平均指数化されたLTVは50％（2021年度：53％）となった。
顧客からの預金は増加
オランダの民間貯蓄性預金市場は、2022年６月30日現在、３％成長して421.4十億ユーロ（2021年度：407.2十
億ユーロ）となった。休日手当が使用されないままであることが貯蓄の増加に寄与した。当行の市場シェアは
2
34.9％（2021年度：34.9％） となった。顧客からの預金は３％増加して309.7十億ユーロ（2021年度：300.0十
億ユーロ）となった。DRBに預金された個人貯蓄性預金は、6.3十億ユーロ増加し、150.4十億ユーロ（2021年
度：144.1十億ユーロ）となった。顧客からのその他の預金は、主に当座預金が季節的な要因により増加した結
果、3.4十億ユーロ増加して159.3十億ユーロとなった。
1
出典元：オランダ土地登記所（カダスター）
2
出典元：スタティスティックス・ネザーランド（セントラール・ビューロー・フォー・デ・スタティスティーク）
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ホールセール・アンド・ルーラル
要旨
ホールセール・アンド・ルーラル（W＆R）部門は、ヨーロッパ＆アフリカ、北アメリカ、南アメリカ、オースト
ラリア＆ニュージーランドおよびアジアという、５つの領域で活動している。当行のバンキング・フォー・フー
ドおよびバンキング・フォー・ザ・ネザーランド戦略は、W＆Rポートフォリオの原動力となっている。2022年度
上半期におけるW＆Rの純利益は、2021年度における特殊な状況により、前年度同期間中と比較して18％の減少と
なった。金融資産に係る減損費用は、ロシア・ウクライナ戦争の影響がCOVID-19に係る引当金の未使用分を戻し
入れたことでおおよそ相殺されたことにより抑制された。収益は、マーケッツおよびラボ・インベストメンツの
業績が低下した（それでも引続き好調であった）ことに起因して、２％の減少となった。資産水準の上昇および
金利の上昇による追加収入の結果、純受取利息は増加した。
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財務業績
業績 2022年 2021年
増減率
単位：百万ユーロ ６月30日 ６月30日
純受取利息 1,398 1,177 19％
純受取手数料 198 216 -8％
その他収益 222 462 -52％
収益合計 1,818 1,855 -2％
人件費 671 607 11％
その他一般管理費 177 177 0％
減価償却費および償却費 54 48 13％
営業費用合計 902 832 8％
総利益 916 1,023 -10％
金融資産に係る減損費用 -17 8 -313％
賦課金 154 126 22％
税引前営業利益 779 889 -12％
法人税等 211 196 8％
当期純利益 568 693 -18％
金融資産に係る減損費用（単位：ベーシスポイント） -3 2
比率
収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 58.1％ 51.6％
基礎的な収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 58.4％ 52.5％
貸借対照表 2022年 2021年
単位：十億ユーロ ６月30日 12月31日
外部資産 159.5 140.3 14％
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 119.3 108.6 10％
内部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 8,769 8,648 1％
外部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 1,371 1,422 -4％
合計従業員数（単位：常勤換算従業員数） 10,140 10,070 1％
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財務業績に関する注記
税引前基礎的利益の変動
2022年 2021年
単位：百万ユーロ
６月30日 ６月30日
収益 1,818 1,855
収益に対する調整 公正価値項目 -11 -30
基礎的収益 1,807 1,825
営業費用 902 832
金融資産に係る減損費用 -17 8
賦課金 154 126
税引前営業利益 779 889
合計調整額 -11 -30
税引前基礎的営業利益 768 859
基礎的な業績は引続き好調
COVID-19 パンデミックに続く力強い回復を経て、W＆R部門は2022年度上半期においても好調な業績を上げた。
2022年度上半期中の税引前基礎的営業利益は、2021年度上半期中の859百万ユーロに対し、768百万ユーロとなっ
た。W＆R事業は、全ての領域にわたって堅調な業績を見せた。イベント・ドリブン型事業およびラボ・インベス
トメンツの業績は好調だったものの、2021年度上半期における非常に高い業績をやや下回った。減損費用は、ロ
シア・ウクライナ戦争のマイナスの影響がCOVID-19に係る引当金の未使用分を戻し入れたことでおおよそ相殺さ
れたことにより、引続き低い水準となった。
収益は減少
W ＆Rの収益合計は、2022年度上半期中、1,818百万ユーロ（2021年度：1,855百万ユーロ）まで減少した。純受
取利息は19％増加して1,398百万ユーロ（2021年度：1,177百万ユーロ)となった。資産水準の上昇および金利の
上昇による資本収入の増加が、当該増加をもたらした。資産水準の上昇は、サプライ・チェーンの混乱およびロ
シア・ウクライナ戦争の結果として物価が上昇したことに一部起因した。M＆A市場およびキャピタル・マーケッ
ツ部門における活動がやや減少したことにより、純受取手数料はやや減少し198百万ユーロ（2021年度：216百万
ユーロ）となった。その他収益は、240百万ユーロ減少し222百万ユーロ（2021年度：462百万ユーロ）となっ
た。こラボ・インベストメンツおよびマーケッツ部門の業績は引続き良好だったものの、2021年度における非常
に高い業績を下回った。
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営業費用は増加
2022 年度上半期中、営業費用は増加し、902百万ユーロ（2021年度：832百万ユーロ）となった。当該増加の半
分は外国為替による影響に起因している。W＆Rにおける平均従業員数は増加し、かかる増加は、ルーラルにおけ
る成長イニシアチブならびにITインフラストラクチャーおよびコンプライアンスに係る構造上の投資に関連した
人員の追加によって説明可能である。平均従業員数が増加したことに起因して、人件費は671百万ユーロ（2021
年度：607百万ユーロ）まで増加した。その他一般管理費は、177百万ユーロ（2021年度：177百万ユーロ）で引
続き安定していた。減価償却費および償却費は54百万ユーロ（2021年度：48百万ユーロ）まで増加した。
減損費用は減少
ロシア・ウクライナ戦争により2022年度上半期の減損費用は押し上げられたものの、このマイナスの影響は
COVID-19に係る引当金の未使用分を一部戻し入れたことでおおよそ相殺された。予想される信用度の悪化は、こ
れまでのところ具体化していない。金融資産に係る減損費用合計は、長期平均の42ベーシスポイントを大幅に下
回り、平均民間セクター向け貸付ポートフォリオの-17百万ユーロ（2021年度：８百万ユーロ）、すなわち-３
ベーシスポイント（2021年度：２ベーシスポイント）となった。
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オランダおよび国際ホールセール
ホールセール・ポートフォリオは、79.4十億ユーロ（2021年度：71.4十億ユーロ）となった。外国為替による
影響を除いた場合、ホールセール・ポートフォリオは約5.9十億ユーロ増加した。2022年度上半期中、オランダ
の最大規模の企業への貸付は、32.4十億ユーロ（2021年度：30.1十億ユーロ）まで減少した。オランダ国外の顧
客に提供されたホールセールの貸付ポートフォリオの規模は、2022年６月30日時点で、47.0十億ユーロ（2021年
度：41.3十億ユーロ）であった。
国際ルーラル・バンキング
ルーラル顧客に対する貸付高は、38.5十億ユーロ（2021年度：34.7十億ユーロ）に達した。外国為替による影
響を除いた場合、ルーラル・ポートフォリオは約2.0十億ユーロ増加した。ルーラル・バンキングの主な市場
は、オーストラリア、ニュージーランド、米国およびブラジルであり、当行はまた、チリ、ペルーおよびアルゼ
ンチンでも活動している。貸付ポートフォリオは、オーストラリアで12.8十億ユーロ（2021年度：11.1十億ユー
ロ）、ニュージーランドで7.6十億ユーロ（2021年度：7.3十億ユーロ）、米国で13.2十億ユーロ（2021年度：
11.9十億ユーロ）、ブラジルで3.8十億ユーロ（2021年度：3.3十億ユーロ）ならびにチリ、ペルーおよびアルゼ
ンチンで合計1.1十億ユーロ（2021年度：1.1十億ユーロ）となった。
IDB 預金は減少
インターナショナル・ダイレクト・バンキングは当行のオンライン貯蓄性預金銀行であり、ベルギー、ドイ
ツ、オーストラリアおよびニュージーランドで稼働している。顧客がIDBに預ける預金は、国際ルーラル・バン
キング事業およびその他の部門への資金提供に利用されている。昨年度、当行は、ヨーロッパにおけるダイレク
ト・バンキング業務を終了するとする当行の決定を発表した。このため、IDBの貯蓄性預金残高は、2022年６月
30日現在、9.0十億ユーロ（2021年度：11.8十億ユーロ）までさらに減少した。オンライン貯蓄性預金銀行の顧
客の数もまた、約275,000人（2021年度：525,000人）まで減少した。IDBヨーロッパは、2022年度下半期中に完
全終了することが予定されている。
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リース事業
要旨
世界的なアセット・ファイナンス法人として、当行のリース子会社であるDLLは、事業者に対して設備、テクノ
ロジーおよびソフトウェアへのより良いアクセスを提供できるよう、設備製造業者、ディーラーおよび販売業者
だけでなく、エンドユーザー顧客とも直接的に提携している。DLLは、25カ国を超える国において、農業、食
品、医療、クリーン・テクノロジー、建設、輸送、工業、事務設備および技術産業に対して金融ソリューション
を提供している。DLLの純利益における減少は、ロシアにおける活動に係る減損費用の増加ならびにロシアにお
ける全ての新たな商業活動の停止および現地ビジネスの終了に、主に起因している。リース・ポートフォリオ
は、2021年度と比較して６％増加した。2022年６月30日時点で、ポートフォリオのうち食品・農業が占める割合
は17.9十億ユーロ（2021年度：16.5十億ユーロ）に達し、DLLのポートフォリオの45％（2021年度：44％）を占
めている。
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財務業績
業績
2021年
2022年
単位：百万ユーロ 増減率
６月30日 ６月30日
純受取利息 612 558 10％
純受取手数料 52 53 -2％
その他収益 166 140 19％
収益合計 830 751 11％
人件費 302 269 12％
その他一般管理費 108 90 20％
減価償却費および償却費 13 13 0％
営業費用合計 423 372 14％
総利益 407 379 7％
金融資産に係る減損費用 209 -36 -681％
賦課金 31 28 11％
税引前営業利益 167 387 -57％
法人税等 71 107 -34％
当期純利益 96 280 -66％
金融資産に係る減損費用（単位：ベーシスポイント） 111 -21
比率
収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 54.7％ 53.3％
基礎的な収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 54.6％ 53.4％
貸借対照表 2022年 2021年
単位：十億ユーロ ６月30日 12月31日
リース・ポートフォリオ 39.5 37.4 6％
内部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 5,458 5,155 6％
外部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 294 333 -12％
合計従業員数（単位：常勤換算従業員数） 5,752 5,488 5％
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財務業績に関する注記
税引前基礎的利益の変動
2022年 2021年
単位：百万ユーロ
６月30日 ６月30日
収益 830 751
営業費用 423 372
費用に対する調整 事業再構築費用 1 -1
基礎的費用 422 373
金融資産に係る減損費用 209 -36
賦課金 31 28
税引前営業利益 167 387
合計調整額 1 -1
税引前基礎的営業利益 168 386
収益合計は増加
2022 年度上半期中、リース部門の収益合計は、為替変動の影響もあり、11％増加し830百万ユーロ（2021年
度：751百万ユーロ）となった。ポートフォリオの成長と一致して、純受取利息は10％増加し612百万ユーロ
（2021年度：558百万ユーロ）となった。しかしながら、新規事業のマージンは昨年度と比較してわずかに減少
し、サプライ・チェーンの混乱および商品不足によりリース契約の開始が遅れたことで新規事業量は抑制されて
いる。純受取手数料は、52百万ユーロ（2021年度：53百万ユーロ）で比較的安定していた。その他収益は主にオ
ペレーティング・リースによる収益およびリースが終了した資産の売却から構成され、19％増加し166百万ユー
ロ（2021年度：140百万ユーロ）となった。
営業費用は増加
リース部門の営業費用合計は、為替変動の影響もあり、14％増加して423百万ユーロ（2021年度：372百万ユー
ロ）となった。人件費は12％増加して302百万ユーロ（2021年度：269百万ユーロ）となった。事業の成長および
コンプライアンス関連活動を支えるため、2022年度上半期中、従業員数は、常勤換算従業員にして264人増加し
5,752人となった。その他一般管理費は、ITおよびそのモデル・インフラストラクチャーへの投資の増加を要因
として20％増加し、108百万ユーロ（2021年度：90百万ユーロ）となった。減価償却費および償却費合計は、13
百万ユーロ（2021年度：13百万ユーロ）で安定していた。
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金融資産に係る減損費用は増加
減損費用は2022年度上半期において大幅に増加し、これはロシアにおける全ての新たな事業活動の恒久的停止
および現地ビジネスの終了についてのDLLの決定に関連していた。これにより金融資産に係る減損費用は209百万
ユーロ（2021年度：-36百万ユーロ）となり、これは、平均貸付ポートフォリオの111ベーシスポイント（2021年
度：-21ベーシスポイント)に一致し、DLLの長期平均の44ベーシスポイントを大幅に上回っている。
リース・ポートフォリオの成長
リース・ポートフォリオにも外国為替相場の変動による影響があり、６％増加して39.5十億ユーロ（2021年
度：37.4十億ユーロ）となった。2022年度上半期中、食品・農業のポートフォリオにおけるシェアは、17.9十億
ユーロ（2021年度：16.5十億ユーロ）まで増加し、DLLポートフォリオの45％（2021年度：44％）を占めてい
る。
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不動産開発
要旨
不動産開発部門は、主にバウフォンツ・プロパティ・ディベロップメント（BPD）の事業活動によって構成され
ており、これはオランダおよびドイツにおいて活動している。2022年度上半期において住宅市場は非常に活発で
あり、引続き堅調に推移した。BPDの商業的業績は、マージンが改善したことにより2021年度上半期を上回っ
た。2018年度以降、バウフォンツ・インベストメント・マネジメント（BIM）による事業活動は段階的に停止さ
れたため、部門業績のごく一部しか構成していない。
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財務業績
業績
2021年
2022年
単位：百万ユーロ 増減率
６月30日
６月30日
純受取利息 -2 -10 80％
純受取手数料 - -
その他収益 163 147 11％
収益合計 161 137 18％
人件費 54 48 13％
その他一般管理費 18 16 13％
減価償却費および償却費 5 4 25％
営業費用合計 77 68 13％
総利益 84 69 22％
金融資産に係る減損費用 - -
賦課金 1 1 0％
税引前営業利益 83 68 22％
法人税等 15 17 -12％
当期純利益 68 51 33％
BPD 69 49 41％
比率
収益に対する費用の比率（賦課金を含む） 48.4％ 50.4％
貸借対照表
住宅用不動産の取引軒数 2,750 2,723 1％
2022年 2021年
単位：十億ユーロ
６月30日
12月31日
貸付ポートフォリオ 0.1 0.1 0％
内部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 711 711 0％
外部従業員数（単位：常勤換算従業員数） 74 95 -22％
合計従業員数（単位：常勤換算従業員数） 785 806 -3％
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財務業績に関する注記
好調な住宅市場により収益は増加
不動産開発部門の収益合計は、161百万ユーロ（2021年度：137百万ユーロ）まで増加した。BPDの堅調な業績
は、住宅市場の活発な動きが続いていることを主な要因とする。また、オランダおよびドイツにてマージンは引
続き好調であった。
営業費用は増加
営業費用合計は、77百万ユーロ（2021年度：68百万ユーロ）まで増加した。事業の成長を支えるためにBPDの
平均従業員数が増加したことにより人件費は2021年度同期間中と比較して６百万ユーロ増加し、合計54百万ユー
ロ（2021年度：48百万ユーロ）となった。その他一般管理費は、18百万ユーロ（2021年度：16百万ユーロ）まで
増加した。減価償却費および償却費はやや増加し、５百万ユーロ（2021年度：４百万ユーロ）となった。
住宅用不動産の取引軒数は引続き安定
2022 年度上半期において住宅市場の活発な動きが続いていたことで、住宅用不動産の取引軒数は2,750件
（2021年度：2,723件）で引続き安定していた。売却可能な新規プロジェクト数は、建築費の増加のためやや遅
れており、これによる影響は2022年度中に現れると予想されている。オランダにおける取引軒数は2,285件
（2021年度：2,024件）まで増加し、ドイツにおける取引軒数の合計は465件（2021年度：699件）まで減少し
た。ドイツでは、市場はロシア・ウクライナ戦争によって大きな影響を受けている。
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半期報告書
④ 自己資本（BIS比率）の動向
堅固な資本基盤の維持
自己資本比率（BIS比率）
（単位：百万ユーロ） 2022 年６月30日 2021 年12月31日
利益剰余金 33,273 32,087
予定される分配 -1 -1
ラボバンク証書 7,824 7,825
非支配持分のうち適格資本として扱われるもの 0 0
準備金 -707 -990
規制上の調整 -2,545 -2,097
経過措置に伴う調整 17 22
普通株等Tier 1資本
37,861 36,846
資本証券 4,960 3,978
適用除外対象証券 0 0
非支配持分 0 0
規制上の調整 -85 -99
経過措置に伴う調整 0 0
その他Tier 1資本
4,875 3,879
Tier 1 資本
42,736 40,725
劣後債務のうち適格資本として扱われるもの 7,270 7,356
非支配持分 0 0
規制上の調整 -65 -96
経過措置に伴う調整 0 0
Tier 2 資本
7,205 7,260
適格資本 49,941 47,985
リスク加重資産 251,455 211,855
普通株等Tier 1資本比率
15.1 ％ 17.4 ％
Tier 1 資本比率
17.0 ％ 19.2 ％
MREL バッファ 27.8 ％ 29.9 ％
総自己資本比率（BIS比率） 19.9 ％ 22.6 ％
自己資本比率 16.3 ％ 18.8 ％
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー単体（発行体
14.6 ％ 16.2 ％
レベル）の普通株等Tier 1資本比率
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半期報告書
2022 年６月30日現在、当行のCET １比率は15.1％（2021年度：17.4％）となった。 これは、当行の14％超とい
う目標を十分に上回っている。CET １比率の動向の主要な原動力となったのは、RWAが39.6十億ユーロ増加した
こと（211.9十億ユーロから251.5十億ユーロ）であった。RWA水準の上昇によるマイナスの影響は、利益剰余金
への純利益の追加により部分的に相殺された。当行はレバレッジ比率（すなわち、当行のTier 1資本をオン・バ
ランスの総資産およびオフ・バランスの負債で除した数値）をCRR／CRD IVに規定される定義に基づき算出して
いる。2022年６月30日時点の当行のレバレッジ比率は6.2％（2021年度：7.3％）であり、バーゼルⅢのガイドラ
インにおいて要求される３％の最低レバレッジ比率を十分に上回っている。レバレッジ比率の低下は、中央銀行
のエクスポージャーに対する免除の終了によるものである。将来のMREL要件を充足するため、当行は当行の資本
戦略に沿ってNPS商品を発行した。当行の総自己資本比率（BIS比率）は、RWAの増加および発行済みTier 2商品
の適格分の償却により、19.9％（2021年度：22.6％）まで減少した。ラボバンクは、20％の総自己資本比率
（BIS比率）は適切だと考えている。
リスク加重資産
2022 年度上半期中、RWA合計はさらに増加して251.5十億ユーロ（2021年度：211.9十億ユーロ）となった。RWA
は、2022年１月１日に住宅ローンに対するマクロ・プルーデンス政策としてのアド・オンが施行されたことによ
り、約10十億ユーロ増加した。約18十億ユーロのさらなる増加は、EBAガイドラインを反映するためのモデルの
変更およびその他の（内部）モデルの開発によるものであった。また、通常の事業成長によりRWAは約６十億
ユーロ増加し、為替変動は2.5十億ユーロの影響を及ぼした。これらのアド・オンおよび軽減イニシアチブによ
り、現在のRWA水準に対して残存するバーゼルIVの影響はないと当行は見込んでいる。
ラボバンクは、ラボバンクが直面するリスクの潜在的なマイナスの影響をカバーするために保有するのが適切
とみなされる資本を決定するため、自己資本比率を規範的（すなわち、規制上の観点）および経済的な観点の両
方から評価している。前述の規範的アド・オン（例えば、住宅ローンの直接的な信用リスクの評価とは一致して
いないものの、住宅価格の高騰と財政的安定性に対する潜在的リスクを誘因とする、住宅ローンに対するマク
ロ・プルーデンス政策としてのアド・オン）により、資本に関する規範的および経済的な観点はもはや並行して
おらず、乖離している。
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半期報告書
規制上の自己資本
規制上の自己資本要件は、当行のリスク加重資産の８％である。当行の自己資本要件は、CRRおよびCRD IVが
当行に保有を義務付ける資本の最小額を意味する。当行の規制上（要求される）自己資本は、2022年６月30日時
点で20.1十億ユーロ（2021年度：16.9十億ユーロ）となり、このうち85％は信用および移転リスク、12％がオペ
レーショナルリスク、３％が市場リスクに関係している。
事業部門別の規制上の自己資本
（単位：十億ユーロ） 2022 年６月30日 2021 年12月31日
国内リテール・バンキング 6.7 5.7
ホールセール・アンド・ルーラル 7.7 7.0
リース 2.2 1.6
不動産開発 0.4 0.3
その他 3.1 2.3
ラボバンク 20.1 16.9
当行のMREL適格資本バッファ
当行は、万が一ベイル・インが発生した場合にシニア債権者および預金者を保護することを目指している。そ
のため、当行はベイル・イン時に当初損失を吸収する資本、劣後債務および非優先シニア債務による多くのバッ
ファを有している。
当行は法的拘束力を有する自己資本および適格債務の最低基準（MREL）に関する単一破綻処理委員会（SRB）
による決定について、DNBより正式な通知を受領した。MREL要件は、欧州連合の銀行が潜在的な破綻に際して損
失を吸収するための十分な自己資本および適格債務を保有することを確保するために設けられた。MREL要件は、
SRBによる現時点での決定に基づき、ラボバンクについては連結レベルで設定されている。（2022年１月１日に
定められた） 法的拘束力を有する当行のMREL要件はRWAの27.62％（段階的に導入されているコンバインド・バッ
ファ要件（CBR）を含む。）およびレバレッジ比率エクスポージャーの7.5％に設定されている。
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当行は、MREL適格資本および債務によるバッファを、適格資本に適用除外対象であるその他Tier 1資本商品の
非適格部分、満期日までの残存期間が１年以上のTier 2資本証券（の償却済み分）および満期日までの残存期間
が１年以上の非優先シニア債を加えたものとして定義している。当該バッファは、63.4十億ユーロから69.8十億
ユーロまで増加し、これはリスク加重資産の27.8％（2021年度：29.9％）に相当する。
MREL 適格資本バッファ
（単位：十億ユーロ） 2022 年６月30日 2021 年12月31日
適格資本 49.9 48.0
適用除外対象であるその他Tier 1資本の非適格部分
0 0
満期日までの残存期間が１年以上のTier 2のうち償却済
1.8 1.3
みのもの
満期日までの残存期間が１年以上の非優先シニア債 18.0 14.1
MREL 適格資本および非優先シニア債によるバッファ 69.8 63.4
リスク加重資産 251.5 211.9
MREL 適格資本および非優先シニア債によるバッファ
27.8 ％ 29.9 ％
／リスク加重資産
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⑤ 最近の動向
コーペラティブ・ラボバンクの経営委員会会長にステファーン・デクラーネ
ラボバンクは、監督委員会によりステファーン・デクラーネが４年間の任期にて経営委員会会長に選任された
ことを９月５日付で発表した。同氏は、既に発表されているとおり２期目の満了をもち2022年10月１日付で退任
するウィバ・ドライヤーの後任となる。当該選任には、規制当局の承認および労使協議会の提言が必要となる。
ステファーン・デクラーネは、現在の職務を終え次第、今秋下旬より業務を開始する予定である。それまでは最
高財務責任者兼経営委員会委員であるバス・ブラウワースが、代理にて暫定的に経営委員会会長を務める。
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(2) 生産、受注及び販売の状況
上記「(1) 業績等の概要」を参照のこと。
(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
上記「(1) 業績等の概要」を参照のこと。
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４【経営上の重要な契約等】
該当する契約はない。
５【研究開発活動】
当上半期中、重要な変更はなかった。
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第４【設備の状況】
１【主要な設備の状況】
当上半期中、重要な変更はなかった。
２【設備の新設、除却等の計画】
当上半期中、重要な変更はなかった。
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第５【提出会社の状況】
１【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
①【株式の総数】
該当事項なし。
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アーには加盟者はいるものの、株主は存在しない。
②【発行済株式】
該当事項なし。
(2) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。
(3) 【発行済株式総数及び資本金の状況】
該当事項なし。
上記「(1)株式の総数等」を参照。
(4) 【大株主の状況】
該当事項なし。上記「(1)株式の総数等」を参照。
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アーには加盟者はいるものの、株主は存在しない。2022年６月30日現
在、コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アーには約２百万人の加盟者がいる。
２【役員の状況】
当上半期中、有価証券報告書に記載した内容から変更はなかった。
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第６【経理の状況】
ラボバンクの要約中間連結財務諸表は欧州連合が採用している国際財務報告基準（IFRS）に従って作成され、国
際会計基準（IAS）第34号「期中財務報告」に従って表示されている。ラボバンクが採用している会計原則と日本
において一般に公正妥当と認められる会計原則の主要な相違点は、以下に記す「３ 国際財務報告基準(IFRS)と日
本における会計原則及び会計慣行の相違」で説明している。
以下に記載されているラボバンクの2022年６月30日に終了した半期に係る要約中間連結財務諸表は、「中間財務
諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和52年大蔵省令第38号、以下「中間財務諸表等規則」という)
第76条第１項の規定に従って作成されている。
ラボバンクの要約中間連結財務諸表の英語版は、オランダにおけるラボバンクの独立した会計監査人であるプラ
イスウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイによる監査を受けていない。
ラボバンクの公表した要約中間連結財務諸表は百万ユーロで表示されている。以下の中間財務諸表で表示された
円貨額は、利用者の便宜のためであり、中間財務諸表等規則第79条の規定に従って、2022年８月12日現在の株式会
社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売相場と買相場の仲値である１ユーロ＝137.44円の換算レートで換算されたもの
である。日本円に換算された金額は、四捨五入のため合計欄の数値が総数と一致しない場合がある。
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１【中間財務書類】
連結財政状態計算書
連結財政状態計算書
注記 2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
資産
144,757 19,895,402 120,533 16,566,056
現金および現金同等物
20,100 2,762,544 22,065 3,032,614
金融機関に対する貸出金および預け金
3,255 447,367 2,484 341,401
売買目的金融資産
2,491 342,363 2,502 343,875
強制的に公正価値で測定される金融資産
27,097 3,724,212 22,971 3,157,134
デリバティブ
6 436,339 59,970,432 436,471 59,988,574
顧客に対する貸出金および預け金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資
12,659 1,739,853 13,544 1,861,487
産
2,028 278,728 2,282 313,638
関連会社および共同支配企業への投資
709 97,445 678 93,184
のれんおよびその他無形資産
4,421 607,622 4,432 609,134
有形固定資産
446 61,298 438 60,199
投資不動産
117 16,080 133 18,280
当期税金資産
807 110,914 803 110,364
繰延税金資産
11,374 1,563,243 10,166 1,397,215
その他資産
244 33,535 73 10,033
16
売却目的固定資産
666,844 91,651,039 639,575 87,903,188
資産合計
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半期報告書
注記 2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
負債
74,242 10,203,820 73,008 10,034,220
金融機関預り金
385,111 52,929,656 372,031 51,131,941
顧客預り金 8
116,260 15,978,774 108,709 14,940,965
発行済負債証券
2,087 286,837 1,419 195,027
売買目的金融負債
3,226 443,381 3,817 524,608
公正価値測定に指定した金融負債
21,126 2,903,557 18,710 2,571,502
デリバティブ
6,997 961,668 6,425 883,052
その他負債
1,070 147,061 1,072 147,336
引当金 9
132 18,142 759 104,317
当期税金負債
301 41,369 343 47,142
繰延税金負債
10,373 1,425,665 9,880 1,357,907
劣後債務
620,925 85,339,932 596,173 81,938,017
負債合計
資本
32,566 4,475,871 31,097 4,273,972
準備金および利益剰余金 10
ラボバンクにより発行された資本性金融商品
7,824 1,075,331 7,825 1,075,468
－ラボバンク証書
4,960 681,702 3,978 546,736
－資本証券
12,784 1,757,033 11,803 1,622,204
569 78,203 502 68,995
非支配持分
45,919 6,311,107 43,402 5,965,171
資本合計
666,844 91,651,039 639,575 87,903,188
負債および資本の合計
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半期報告書
連結損益計算書
連結損益計算書
1
注記 2022 年度上半期 2021 年度上半期
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
実効金利法を使用して認識する金融資産
1
6,353 873,156 5,972 820,792
からの受取利息
636 87,412 584 80,265
その他の受取利息 1
2,609 358,581 2,477 340,439
支払利息 1
4,380 601,987 4,079 560,618
純受取利息 1
1,215 166,990 1,126 154,757
受取手数料
165 22,678 133 18,280
支払手数料
1,050 144,312 993 136,478
純受取手数料
1,166 160,255 1,067 146,648
その他の営業活動による収益 2
887 121,909 806 110,777
その他の営業活動による費用
2
その他の営業活動による純利益
279 38,346 261 35,872
2
関連会社および共同支配企業への投資か
100 13,744 199 27,351
らの利益
償却原価で測定する金融資産の認識中止
(21) (2,886) (1) (137)
から生じた利益／（損失）
損益を通じて公正価値で測定する金融資
147 20,204 407 55,938
産および金融負債に係る利益／（損失）
その他の包括利益を通じて公正価値で測
(78) (10,720) 80 10,995
定する金融資産に係る利益／（損失）
102 14,019 94 12,919
その他収益
5,959 819,005 6,112 840,033
収益合計
2,368 325,458 2,279 313,226
人件費 3
814 111,876 720 98,957
その他一般管理費 4
162 22,265 178 24,464
減価償却費および償却費
3,344 459,599 3,177 436,647
営業費用
42 5,772 (274) (37,659)
金融資産に係る減損費用 5
438 60,199 368 50,578
規制上の賦課金
2,135 293,434 2,841 390,467
税引前営業利益
564 77,516 681 93,597
法人税
1,571 215,918 2,160 296,870
当期純利益
1,190 163,554 1,755 241,207
ラボバンク帰属分
254 34,910 254 34,910
ラボバンク証書帰属分
ラボバンクにより発行された資本証券帰
88 12,095 99 13,607
属分
39 5,360 52 7,147
非支配持分帰属分
1,571 215,918 2,160 296,870
当期純利益
1 調整後の表示。2021年度連結財務諸表の注記2.1を参照されたい。
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半期報告書
要約連結包括利益計算書
要約連結包括利益計算書
2022 年度上半期 2021 年度上半期
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
1,571 215,918 2,160 296,870
当期純利益
特定の条件に合致した場合に損益に振り替えられる
その他の包括利益（税引後）：
613 84,251 270 37,109
在外営業活動体に係る為替差損益
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債
(153) (21,028) (125) (17,180)
性金融商品の公正価値の増加／（減少）
7 962 36 4,948
ヘッジ・コスト
15 2,062 21 2,886
キャッシュ・フロー・ヘッジ
関連会社および共同支配企業のその他の包括利益へ
(231) (31,749) 9 1,237
の持分
損益に振り替えられることのないその他の包括利益
（税引後）：
1 137 (11) (1,512)
退職後給付債務の再測定
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本
(10) (1,374) 1 137
性金融商品の公正価値の増加／（減少）
関連会社および共同支配企業のその他の包括利益へ
12 1,649 (6) (825)
の持分
公正価値測定に指定した金融負債に係る自己の信用
59 8,109 (5) (687)
リスクによる公正価値の減少／（増加）
313 43,019 190 26,114
その他の包括利益
1,884 258,937 2,350 322,984
包括利益合計
1,473 202,449 1,933 265,672
ラボバンク帰属分
254 34,910 254 34,910
ラボバンク証書帰属分
88 12,095 99 13,607
ラボバンクにより発行された資本証券帰属分
69 9,483 64 8,796
その他非支配持分帰属分
1,884 258,937 2,350 322,984
包括利益合計
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半期報告書
連結持分変動計算書
連結持分変動計算書
準備金および ラボバンクにより発行された
利益剰余金 資本性金融商品 非支配持分 合計
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
2021 年12月31日現在残高
31,097 4,273,972 11,803 1,622,204 502 68,995 43,402 5,965,171
当期純利益
1,532 210,558 - - 39 5,360 1,571 215,918
283 38,896 - - 30 4,123 313 43,019
その他の包括利益
包括利益合計
1,815 249,454 - - 69 9,483 1,884 258,937
ラボバンク証書に係る支払
(254) (34,910) - - - - (254) (34,910)
ラボバンクにより発行された資本証券
(88) (12,095) - - - - (88) (12,095)
に関する支払額
資本証券の発行（注記11）
- - 1,000 137,440 - - 1,000 137,440
資本証券の発行費用（注記11）
- - (5) (687) - - (5) (687)
(4) (550) (14) (1,924) (2) (275) (20) (2,749)
その他
32,566 4,475,871 12,784 1,757,033 569 78,203 45,919 6,311,107
2022 年６月30日現在残高
2020 年12月31日現在残高
27,852 3,827,979 12,304 1,691,062 476 65,421 40,632 5,584,462
当期純利益
2,108 289,724 - - 52 7,147 2,160 296,870
178 24,464 - - 12 1,649 190 26,114
その他の包括利益
包括利益合計
2,286 314,188 - - 64 8,796 2,350 322,984
ラボバンク証書に係る支払
(86) (11,820) - - - - (86) (11,820)
ラボバンクにより発行された資本証券
(99) (13,607) - - - - (99) (13,607)
に関する支払額
資本証券の発行
- - 750 103,080 - - 750 103,080
資本証券の発行費用
- - (4) (550) - - (4) (550)
資本証券の償還
(9) (1,237) (1,241) (170,563) - - (1,250) (171,800)
2 275 36 4,948 (1) (137) 37 5,085
その他
29,946 4,115,778 11,845 1,627,977 539 74,080 42,330 5,817,835
2021 年６月30日現在残高
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要約連結キャッシュ・フロー計算書
要約連結キャッシュ・フロー計算書
2022 年度上半期 2021 年度上半期
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
税引前営業利益
2,135 293,434 2,841 390,467
税引前営業利益に認識されている非現金項目 524 72,019 (411) (56,488)
13,557 1,863,274 17,481 2,402,589
営業活動に関する資産および負債の変動（純額）
営業活動によるキャッシュ・フロー（純額）
16,216 2,228,727 19,911 2,736,568
投資活動によるキャッシュ・フロー（純額） 61 8,384 53 7,284
7,207 990,530 (5,127) (704,655)
財務活動によるキャッシュ・フロー（純額）
現金および現金同等物残高 の増減額（純額）
23,484 3,227,641 14,837 2,039,197
１月１日現在の現金および現金同等物残高 120,533 16,566,056 108,466 14,907,567
現金および現金同等物残高の増減額（純額） 23,484 3,227,641 14,837 2,039,197
740 101,706 489 67,208
現金および現金同等物残高に係る為替差損益
６月30日現在の現金および現金同等物残高 144,757 19,895,402 123,792 17,013,972
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中間財務諸表に対する注記
企業情報
ラボバンクは、協同組合の原則に基づき事業を行う国際的な金融サービス・プロバイダーである。ラボバンク
は、オランダにおけるあらゆる金融サービスの提供および食品・農業セクターに属する顧客に対する国際的な
サービス提供に注力している。ラボバンクは、リテール・バンキング、ホールセール・バンキング、ルーラル・
バンキング、プライベート・バンキング、ベンダー融資、リースおよび不動産開発事業において、その戦略に従
い商品・サービスを顧客に提供することにより価値を創出している。ラボバンクの中間財務諸表にはコーペラ
ティブ・ラボバンク・ウー・アーおよびオランダ国内外のその連結子会社の財務情報が記載されている。
作成基準
ラボバンクの中間財務諸表は、欧州連合（以下「EU」という）により採択された国際会計基準（以下「IAS」
という）第34号「期中財務報告」に従って作成されている。
中間財務諸表の公表に関して、ラボバンクは連結包括利益計算書および連結キャッシュ・フロー計算書の要約
版を表示することを選択した。本中間財務諸表は、連結財務諸表に要求される情報や開示のすべてを含んではい
ないため、ラボバンクの2021年度連結財務諸表と併せて読むべきである。当該連結財務諸表はEUにより採択され
た国際財務報告基準（以下「IFRS」という）およびオランダ民法典第２編第９章の該当する条項に準拠して作成
されている。本報告書で使用されている会計方針は、注記「国際会計基準審議会（以下「IASB」という）により
公表され、EUにより採択された、当年度に適用されている新基準および修正基準」に記載された会計方針の変更
を除き、2021年度連結財務諸表に対する注記に記載されたものと一致している。
2021 年度連結財務諸表に開示されているとおり、ラボバンクは、経済的ヘッジとして保有する一定のデリバ
ティブの損益の一部を「損益を通じて公正価値で測定する金融資産および金融負債に係る利益／（損失）」から
「支払利息」に組替えたため、2021年６月の数値は、次のとおり変更されている。「支払利息」および「純受取
利息」が調整されたことにより、純受取利息は51百万ユーロ減少し、「損益を通じて公正価値で測定する金融資
産および金融負債に係る利益／（損失）」は同額増加した。
IASB により公表され、EUにより採択された、当年度に適用されている修正基準
IFRS 第３号、IAS第16号、IAS第37号、および年次改善2018年-2020年に軽微な修正が加えられている。これら
の修正の適用が損益または資本に影響を及ぼすことはなかった。
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半期報告書
IASB により公表され、EUにより採択されたが、当年度にはまだ適用されていない新基準および修正基準
IFRS 第17号「保険契約」
IASB は、2023年１月１日以降に開始する事業年度に適用されるIFRS第17号「保険契約」を公表した。IFRS第17
号は、同基準の適用対象となる保険契約の認識、測定、表示および開示に関する原則を定めたものである。IFRS
第17号は、企業がこれらの保険契約を正確に示す適切な情報を確実に提供することを目的としている。IASBはま
た、保険カバーを提供するクレジットカード契約および類似する契約の適用範囲からの除外、ならびに死亡時の
債務免除の付いた融資の適用範囲からの任意の除外を含むIFRS第17号の修正を公表した。ラボバンクは小規模な
再保険子会社を除いて保険事業を保有しておらず、また保険商品を仲介者として販売しているものの、かかる状
況においては、ラボバンクは保険リスクを負っていない。ただし、当該基準はラボバンクの関連会社であるアフ
メアBVに影響を及ぼすことになる。ラボバンクは現在、この基準がラボバンクの財務諸表に及ぼす影響について
評価を行っている。
IFRS のその他の修正
IAS 第１号、IAS第８号およびIAS第12号に軽微な修正が加えられており、2023年１月１日以降に開始する事業
年度から適用される。当該修正は、負債の流動・非流動分類、会計方針の開示、会計上の見積りの定義ならびに
単一の取引から生じた資産および負債に係る繰延税金に関するものである。これらの新しい要求事項は現在分析
中であり、その影響はまだ不明であるが、ラボバンクは、これらの修正の適用が損益または資本に影響を及ぼす
ことはないと予想している。
継続企業
経営委員会は、本財務諸表の作成に当たり、継続企業の前提を採用したことは適切であると判断している。こ
れは、継続企業の前提を裏付けるラボバンクの中期計画（MTP）および予算編成プロセスに基づいている。
判断および見積り
経営陣は、本中間連結財務諸表の作成に当たり、中間連結財務諸表日現在の資産および負債の計上金額、偶発
資産および偶発債務の計上、ならびに報告期間中の収益および費用の計上金額に影響を与える見積りおよび仮定
について判断を行った。
下記の会計原則では、評価および仮定に基づく重要な見積りを必要とする。経営陣の見積りは、利用可能な財
務データや情報を基礎とする、現在の状況および活動に関するこの上なく慎重な評価に基づいて行われている
が、実際の結果はこれらの見積りから乖離することがあり得る。
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半期報告書
金融資産の減損引当金
ラボバンクは、３つのステージから成る予想信用損失減損モデルを適用して予想信用損失の測定および認識を
行っており、これには経営陣の判断を伴う。同モデルに基づく減損引当金の計上と個別に評価する金融資産の測
定に係る予想信用損失の算出において、ラボバンクは見積りと経営者の判断を用いている。同モデルの結果に加
え、ラボバンクは、IFRS第９号のモデルでは捕捉されない要素を調整するためのトップ・レベル調整（TLA）を
特定の状況において適用している。本注記において説明されているこれらのトップ・レベル調整では、経営陣に
よる重要な判断が求められることが多い。
同モデルに基づく減損引当金に関する詳細な情報は、注記７「金融資産に係る減損引当金」に記載している。
個別に評価する信用減損金融資産については、割引キャッシュ・フローの計算を行う。多くの場合、予想将来
キャッシュ・フローの見積りと３つのシナリオの加重に判断が求められる。
ロシアとウクライナの戦争に関するトップ・レベル調整
ラボバンクはロシアとウクライナの戦争を巡る情勢を注視している。数十年の時を経て欧州大陸が再びこのよ
うな暴力に直面していることは極めて遺憾である。ラボバンクがロシアに保有する直接的エクスポージャーは限
定的であり、それらは主にDLLおよびTCFが保有するものである。DLLロシアの外部貸出金およびリース・ポート
フォリオの大部分は依然として正常債権であるが、これら貸出金およびリース・ポートフォリオには、2022年以
降のロシアにおける前例のない経済悪化の影響がまだ表れていない。ロシアの顧客は現在のところ期日返済を続
けていることから、これらの貸出金はステージ３ではなく、信用リスクの著しい増大があった貸出金（ステージ
２）として分類されている。これらのステージ２の貸出金に係る全期間の予想損失の決定には、予想キャッ
シュ・フローが見積もられた。トップ・レベル調整は311百万ユーロ（2021年12月31日：ゼロ）と決定された。
直接的エクスポージャーに続き、ラボバンクは、サプライチェーンの混乱やエネルギー価格の高騰の影響を受
ける、現時点ではIFRS第９号のモデルによって捕捉されないエクスポージャーについて信用リスクの増大を決定
した。ラボバンクはこれらのエクスポージャーについて、モデルの結果にリスクを上乗せしたPDを適用した。
トップ・レベル調整は89百万ユーロ（2021年12月31日：ゼロ）と決定された。
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COVID-19 の影響に関するトップ・レベル調整
COVID-19 に関する不確実性は、中国を除く全世界で徐々に減少している。オランダ政府による包括的な事業支
援策は2022年第１四半期に終了した。納付期限を延長する特別措置は2022年４月１日に終了し、納税者は2022年
４月１日付以降、期限内に納付しなければならなくなった。企業は納付期限を延長していた納税額を2022年10月
１日から最長５年以内に納付しなければならない。破産件数はこれまでのところ引き続き過去最低に近い水準で
推移していることから、この前例のない支援策は極めて効果的であったこと、かつ経済の強靭性は予想よりも高
かったことが示されたと結論付けることができる。しかしラボバンクは、債務不履行のリスクが今後も高い水準
にとどまると予想している。これはラボバンクの顧客の（隠れ）債務残高が増加しているからである。これらの
債務残高には、（一部）返済が必要な政府支援策、納付期限を延長した納税額、およびその他の支払猶予額が含
まれる。債務不履行は、返済が遅延した時点で発生することになるが、隠れ債務の返済能力は、金利の上昇（借
換コストの増加）、エネルギー価格の高騰、人員不足および全般的なサプライチェーンの混乱など、他の市場動
向からの悪影響を受けることになる。COVID-19関連のトップ・レベル調整として、合計210百万ユーロ（2021年
12月31日：500百万ユーロ）が認識された。
インタレスト・オンリー住宅ローンに関するトップ・レベル調整
オランダにおける正常な住宅ローン・ポートフォリオのうち、インタレスト・オンリー住宅ローンのリスクは
高く、特に、LTVが高く（80％超）、顧客の退職が近づいている（収入の減少につながる）場合には極めて高く
なる。この数年、ラボバンクは、このリスクを認識させ、今後発生するおそれのある問題を防止する可能性を探
るために、かかる顧客に個別に打診を行っている。2022年上半期の超低金利からの金利上昇により、潜在的に返
済面で問題を抱える顧客は増加することになる。したがって、このような特定の住宅ローンについて算定した
トップ・レベル調整は40百万ユーロ（2021年12月31日：25百万ユーロ）に増加した。
気候リスクに関するトップ・レベル調整
2022 年６月30日に、気候関連の物理的リスクに関するトップ・レベル調整は認識されなかった（2021年12月31
日：チリにおける干ばつに関するトップ・レベル調整２百万ユーロ、およびオーストラリアにおける洪水に関す
るトップ・レベル調整２百万ユーロ）。
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半期報告書
窒素対策に関するトップ・レベル調整
オランダにおける食品・農業セクターの顧客の先行きは、特に「ナチュラ2000」地域では、現在のところ不確
実である。ラボバンクは食品・農業セクターの顧客のビジネスモデルについて、オランダ政府の窒素対策措置に
よる「移行リスク」を評価した。ラボバンクは畜産セクターの顧客が影響を受けると予想している。しかし、政
府の計画はまだ最終決定されておらず、導入もされていないため、顧客レベルの影響は不確実かつ不明確であ
る。この不確実な状況に基づき、ラボバンクはサブセクターである乳製品（オランダ）（10.3十億ユーロ）を脆
弱であると暫定的に分類したため、全期間の予想信用損失（ステージ２に分類）が計上された。2022年６月30日
現在、トップ・レベル調整として76百万ユーロが認識された。今後数ヶ月中に、窒素対策計画および利用可能な
政府支援パッケージが明確化されれば、さらなる影響およびシナリオ分析が実施される予定である。これによ
り、現時点でステージ２に移行したエクスポージャーについて、より精緻化したアプローチを採ることになる可
能性がある。
その他のトップ・レベル調整
2022 年６月30日現在、110百万ユーロ（2021年12月31日：105百万ユーロ）のトップ・レベル調整がIFRS第９号
のモデルのバックテストの結果に関係している。その他のトップ・レベル調整の残りは合計93百万ユーロ（2021
年12月31日：278百万ユーロ）である。この減少は主として、債務不履行に陥ったエクスポージャーについて
は、モデルを利用した引当金の計上が増加すること、また、従前想定していたよりも民間計画の承認に関するオ
ランダ法（オランダ語ではWet Homologatie Onderhands Akkoord、通称「WHOA」）の影響が少なかったことに起
因している。
金融資産および金融負債の公正価値
金融資産および金融負債の公正価値の決定に関する情報は注記12「金融資産および金融負債の公正価値」に記
載されている。
のれん、その他無形資産、ならびに関連会社および共同支配企業への投資の減損
その他無形資産ならびに関連会社および共同支配企業への投資は、 特定のトリガーが識別された時点で 減損テ
ストを実施し、のれんは、少なくとも年１回、減損テストを実施する。回収可能額が帳簿価額を下回る場合、減
損損失が認識される。これらの資産の減損の評価に当たり、回収可能額を決定するには、市場価格、比較対象企
業の価格、現在価値もしくはその他の評価手法、またはそれらの組み合わせに基づく見積りが必要となり、経営
陣は、主観的な判断および仮定を行うことが求められる。基礎となる状況が変化した場合、これらの見積りや仮
定により、計上額に大幅な差異が生じる可能性があることから、それらの見積りは極めて重要と考えられる。
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課税
法人税ならびに関連する当期税金資産および負債ならびに繰延税金資産および負債の決定に際しては見積りを
使用する。取引の税務上の取扱いは 常に明確または確実 であるとは限らず、 複数の 国において過年度の納税申告
が多くの場合確定しないまま、長期にわたり税務当局の承認の対象となる場合がある 。計上されている税金資産
および負債は、 入手可能な最善の 情報、および適切な場合外部の助言に基づいて決定されたものである。最終結
果と 当初の 見積りの差異は、取扱いが 合理的に 確実になった期間 に当期税金資産および負債ならびに繰延税金資
産および負債として会計処理される 。中間期間の法人税は、通年で予想される加重平均年次法人税率の最善の見
積りに基づいて認識される。
その他引当金
IAS 第37号の適用においては、現在の債務が存在するか否かの決定、ならびに資源流出の可能性、時期および
金額を見積もるための判断が必要になる。法的手続および仲裁手続に係る引当金に関する判断についての詳しい
情報は、注記９「法的手続および仲裁手続」に記載されている。
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主たる財務諸表に対する注記
1. 純受取利息
純受取利息
1
単位：百万ユーロ 2022 年度上半期 2021 年度上半期
受取利息
現金および現金同等物 132 27
金融機関に対する貸出金および預け金 77 49
顧客に対する貸出金および預け金 6,002 5,731
公正価値ヘッジ会計に利用されるデリバティブ 83 111
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 59 54
実効金利法を用いて測定する金融資産からの受取利息 6,353 5,972
売買目的金融資産 19 17
強制的に公正価値で測定される金融資産 7 8
マイナス金利の金融負債に係る受取利息 563 519
その他 47 40
その他の受取利息 636 584
受取利息合計 6,989 6,556
支払利息
金融機関預り金 82 32
顧客預り金 729 682
発行済負債証券 801 765
売買目的金融負債 9 8
経済的にヘッジする目的で保有されるデリバティブ 413 391
公正価値測定に指定した金融負債 61 65
劣後債務 229 298
マイナス金利の金融資産に係る支払利息 270 220
リース負債 7 8
その他 8 8
支払利息合計 2,609 2,477
純受取利息 4,380 4,079
1 調整後の表示。注記「作成基準」を参照されたい。
マイナス金利の金融負債に係る受取 利息には、TLTRO IIIプログラムによる271百万ユーロ（2021年６月30日：
319百万ユーロ）が含まれており、そのうち133百万ユーロ（2021年６月30日：192百万ユーロ）は未収政府補助
金として計上されている。
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2. その他の営業活動による純利益
その他の営業活動による純利益
単位：百万ユーロ 2022 年度上半期 2021 年度上半期
不動産事業からの収益 588 578
不動産事業による費用 451 453
不動産事業からの純利益 137 125
オペレーティング・リース事業からの収益 563 477
オペレーティング・リース事業による費用 425 356
オペレーティング・リース事業からの純利益 138 121
投資不動産からの収益 15 12
投資不動産による費用 11 (3)
投資不動産からの純利益 4 15
その他の営業活動による純利益 279 261
3. 人件費
人件費
単位：百万ユーロ 2022 年度上半期 2021 年度上半期
賃金および給与 1,405 1, 382
社会保険拠出金および保険料 157 148
年金費用－確定拠出制度 228 211
その他の退職後給付引当金の繰入／（戻入） 12 3
研修および旅費交通費 51 32
その他の人件費 515 503
人件費 2,368 2, 279
4. その他一般管理費
その他一般管理費
単位：百万ユーロ 2022 年度上半期 2021 年度上半期
引当金の繰入および戻入 93 43
IT お よびソフトウェア費用 214 186
コンサルタント費用 230 181
広報費用 39 36
有形（無形）資産の認識中止および減損に係る損益 (11) 27
その他費用 249 247
その他一般管理費 814 720
5. 金融資産に係る減損費用
金融資産に係る減損費用
単位：百万ユーロ 2022 年度上半期 2021 年度上半期
顧客および金融機関に対する貸出金および預け金 95 (242)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 (1) 1
償却後の回収額 (67) (56)
ローン・コミットメントおよび金融保証 15 23
金融資産に係る減損費用 42 (274)
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6. 顧客に対する貸出金および預け金
貸出金ポートフォリオの内訳を下表に示す。
顧客に対する貸出金および預け金
単位：百万ユーロ 2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
顧客に対する貸出金および預け金の帳簿価額総額 448,814 436,560
ヘッジ会計による調整 (9,084) 3,408
顧客に対する貸出金および預け金に係る減損引当金 (3,391) (3,497)
顧客に対する貸出金および預け金合計 436,339 436,471
顧客に対する貸出金および預け金（ステージ別）
2022 年６月30日現在 ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
顧客に対する貸出金および預け金の
帳簿価額総額 401,312 39,467 8,035 448,814
顧客に対する貸出金および預け金に
係る減損引当金 370 1,031 1,990 3,391
2021 年12月31日現在 ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
顧客に対する貸出金および預け金の
帳簿価額総額 398,159 29,283 9,118 436,560
顧客に対する貸出金および預け金に
係る減損引当金 372 890 2,235 3,497
7. 金融資産に係る減損引当金
下表に金融資産に係る減損引当金および信用関連の偶発債務の期首残高から期末残高までの増減を示す。
金融資産に係る減損引当金および信用関連の偶発債務
単位：百万ユーロ
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2022 年１月１日現在の残高 406 906 2,297 3,609
当初認識および取得に伴う増加 61 14 67 142
認識中止に伴う減少 (50) (36) (120) (206)
信用リスクの変動に伴う変動 (22) 171 125 274
当年度の不良債権の償却 (6) (3) (318) (327)
その他の変動 18 1 7 26
2022 年６月30日現在の残高 407 1,053 2,058 3,518
単位：百万ユーロ
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2021 年１月１日現在の残高 758 864 3,222 4,844
当初認識および取得に伴う増加 166 16 88 270
認識中止に伴う減少 (111) (90) (304) (505)
信用リスクの変動に伴う変動 (430) 105 66 (259)
当年度の不良債権の償却 (22) (5) (778) (805)
その他の変動 45 16 3 64
2021 年12月31日現在の残高 406 906 2,297 3,609
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信用リスクの著しい増大
資産をステージ１からステージ２へ振り替えるには判断が求められる。PDの閾値に対するECLの感応度を実証
するために、すべての資産がPDの閾値未満であると仮定して12ヶ月のECLを割り当てる分析を実施した。同じ資
産を基礎として、すべての資産がPDの閾値を超えると仮定して全期間のECLを割り当てる分析も実施した。いず
れの分析もトップ・レベル調整の影響を考慮に入れずに実施し、その結果、ECLはそれぞれ542百万ユーロ（2021
年12月31日：517百万ユーロ）と2,169百万ユーロ（2021年12月31日：1,990百万ユーロ）であった。2022年６月
30日現在のステージ１およびステージ２の減損引当金の合計は1,460百万ユーロ（2021年12月31日：1,312百万
ユーロ）である。
将来予測的情報およびマクロ経済シナリオ
ラボバンクは、各ステージの予想信用損失の見積りおよび信用リスクの著しい増大の評価において、過去の事
象や現在の状況に関する情報、ならびに将来の事象および経済情勢に関する合理的で裏付け可能な予測（以下
「将来予測的情報」という）を使用する。ラボバンクは、ECLモデルにおいて、確率加重した３つのマクロ経済
シナリオ（基本シナリオ、下振れシナリオ、上振れシナリオ）を使用して予想信用損失を算出している。重要な
変数は国内総生産の成長率、失業率および民間セクター投資である。これら将来のマクロ経済的な予測には判断
が必要であり、概ねラボバンク内部の調査を基にしている。ステージ１、ステージ２、およびモデルに基づくス
テージ３の引当金計上のためのECLモデル・プロセスにおいて使用した将来のマクロ経済に関する主なインプッ
トの感応度分析、および３つの各シナリオに適用した確率加重が、ECLに占める割合が最も大きい地域、すなわ
ちオランダについて、以下に示されている。トップ・レベル調整による影響は考慮されていない。モデルに基づ
く加重後のECLが2021年12月31日と比べて増加しているのは、オランダのステージ３のエクスポージャーの大部
分が個別評価による引当方法（ステージ3b）からモデルに基づく引当方法（ステージ3a）に変更されたことに起
因している。
マクロ経済シナリオ
加重後ECL 加重後ECL
（百万ユーロ） （百万ユーロ）
2022 年 2021 年
オランダ 2022 年 2023 年 2024 年 加重前のECL 確率 ６月30日現在 12月31日現在
上振れ 国民１人当たり 3.10% 1.90% 0.50%
のGDP
失業率 3.20% 2.90% 2.80% 863 20%
民間セクター投 2.80% 2.90% -3.40%
資
基本 国民１人当たり 2.70% -0.40% 1.50%
のGDP
失業率 3.30% 3.50% 3.70% 923 60% 932 532
民間セクター投 1.50% -2.80% 1.70%
資
下振れ 国民１人当たり 2.10% -3.60% 2.60%
のGDP
失業率 3.40% 4.30% 5.10% 1,029 20%
民間セクター投 -0.20% -11.10% 9.40%
資
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仮に下振れおよび上振れシナリオの確率加重をいずれも15％とし、基本シナリオの確率加重を70％とした場
合、ステージ１、ステージ２、およびモデルに基づくステージ３のエクスポージャーに係る加重後の（全地域に
関する）ECL合計は４百万ユーロ減少することになる。他方、下振れおよび上振れシナリオの確率加重をいずれ
も25％とし、基本シナリオの確率加重を50％とした場合、ステージ１、ステージ２、およびモデルに基づくス
テージ３のエクスポージャーに係る加重後の（全地域に関する）ECL合計は４百万ユーロ増加することになる。
信用リスクに影響を及ぼす可能性のある外的動向
気候関連およびESGリスク（以下「C&Eリスク」という）
気候変動は２つのリスク経路を介して信用ポートフォリオに影響を及ぼす可能性がある：１）移行リスク（例
えば、規制、テクノロジー、市場心理の変更・変化）、２）物理的リスク（例えば、暴風雨、山火事、洪水など
の急激な気象事象と、海面上昇や干ばつなどの長期的な事象）。物理的リスクと移行リスクはいずれも、信用
ポートフォリオの質、特に食品・農業セクターのポートフォリオおよびモーゲージ・ポートフォリオの質に影響
を及ぼす可能性がある。気候関連財務情報開示タスクフォース（TCFD）が区別した４つのカテゴリー（（i）エ
ネルギー、（ii）輸送、（iii）素材・建築物（不動産を含む）、および(iv）農業・食糧・林業製品）のうち、
ラボバンクは上記２つのポートフォリオを気候変動リスクに最も晒されているポートフォリオに分類している。
これら４つの業界に対するラボバンクの現在の全体的なエクスポージャーは、エクスポージャー合計のおよそ
60％である。現在進行中のヒートマップ作成作業により、地理的位置、業種および時間枠に基づく気候関連リス
クおよび環境関連リスクの定性的なリスクの見積りが算出される見込みである。今後は温室効果ガスの排出量抑
制を目的として規制の変更が増えることが予想されるが、最もリスクに晒されている業種はそれにより圧迫され
ることが見込まれる。ラボバンクは当年度、貸出金ポートフォリオの大部分から生じる、金融に係る排出量
（financed emissions）を公表した。さらに「パリへの道」と題する特別報告書において、目標設定および様々
な道筋を示す予定である。
オランダ農業の未来
オランダ政府は2022年６月、農業セクターの大規模な移行を加速させたいとの意欲を踏まえ、農家の将来的な
見通しに関する文書を公表した。オランダは2030年に循環型農業における世界的リーダーになることが求められ
ている。このビジョンでは、生産量の拡大およびコスト削減から、資源利用の最適化ならびに自然との調和およ
び生物多様性の回復を伴う食料生産へのパラダイムシフトが必要となる。これは、窒素対策（下記「窒素対策」
参照）にも使用される25十億ユーロの移行基金によって実現される。前提条件として、農家がこの新しい状況下
で相応の収入を得られるようにしなければならない。同時に、オランダの景観とその中での農業の位置付けに関
する新たな計画について合意を形成しなければならない。ラボバンクは、利害関係者として、極めて困難なこれ
らの変化に積極的に関与し、当行のポートフォリオに及ぼす影響を継続的に評価している。
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窒素対策
オランダ政府は６月に、2030年までに窒素を削減する計画を発表し、これを巡って国民的な議論および反対運
動が巻き起こった。ラボバンクは削減目標を支持する立場を明確にすると同時に、同計画には水質、気候変動、
および政府の他のセクターに係る計画に関する統合性が欠けていることを指摘した。加えて、オランダの農家、
特に畜産業を営む農家を巡る将来的な見通しも示されていない。現在のところ、政府の計画はまだ権限を有する
州政府によって説明および導入されていないため、顧客レベルの影響は不確実かつ不明確である。ラボバンクは
食品・農業セクターの顧客のビジネスモデルについて、政府の窒素対策措置による「移行リスク」を評価してい
る。2022年６月30日現在、トップ・レベル調整として76百万ユーロが認識された。
PFAS
2020 年半ばから、パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物（以下「PFAS」という）に
よって汚染された土壌での作業および残土の浚渫に関する規制が、環境および健康面を考慮しつつ、建設業およ
び浚渫業について緩和された。このため、建設業および浚渫業は、それぞれの事業の大部分を再開することが可
能になった。これによりラボバンクの顧客に対するプレッシャーが軽減された。その一方で、オランダと複数の
他のEU諸国は、欧州連合におけるPFASのあらゆる使用を禁止するという提案の策定を進めている。ラボバンクは
動向を注視していく予定である。現在のところ、トップ・レベル調整は不要である。
8. 顧客預り金
顧客預り金
単位：百万ユーロ 2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
当座預り金 130,184 126,606
満期を合意済みの預り金 64,219 61,011
通知預り金 187,321 183,581
レポ契約 3,337 527
信託預り金 50 306
顧客預り金合計 385,111 372,031
9. 法的手続および仲裁手続
ラボバンクは、相当の訴訟リスクを引き起こす法律・規制上の環境の中で活動している。ラボバンクはオラン
ダおよび他の諸国において訴訟、仲裁および規制手続に関与している。この点に関する概要については、ラボバ
ンクの2021年度連結財務諸表の注記4.10「法的手続および仲裁手続」を参照されたい。以下では、ラボバンクに
負債を発生させる可能性のある、最も関連性の深い法律・規制上の訴訟について述べる。
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変動金利の条件
オランダでは、一部の商品の正確な金利条件の適用に関して議論が生じている。ラボバンクのポートフォリオ
にもそうした商品が組み込まれている。各種事案においてオランダ金融サービス苦情処理機関（以下「Kifid」
という）は、特定の個人向け商品の貸手はそれら商品の変動金利を決定する際に市場金利に従うべきであったと
指導している。Kifidによるそれらの指導に基づきラボバンクは、一部の個人向け信用商品について、Kifidが選
択した参照金利に沿った金利調整を継続的に行っていなかったと認識した。これにより、ラボバンクは、一部の
個人向け変動金利付信用商品を有する顧客に補償をすべく340百万ユーロ（2021年12月31日：333百万ユーロ）の
引当金を認識した。
他の変動金利付商品も影響を受けるかについては不確実性が存在する。ラボバンクは、そうした事態になる確
率は高くはないが微かではないと考えている。ラボバンクは、この偶発債務に係る金融リスクの合計（場合に
よっては重大なリスクになる）について現時点においては信頼をもって見積もることはできない。
イムテック
イムテックグループは2015年８月に破産を宣告された。ラボバンクは、同グループへ資金を供与した銀行の一
つであり、また2013年７月と2014年10月のいずれの株主割当も引き受けている。2018年１月30日、ラボバンク
は、目論見書に虚偽表示があったとの主張に基づく集団訴訟と詐欺的偏頗行為（actio pauliana）の疑いに関す
る集団訴訟に関する訴訟手続が後日開始される可能性があるとのライアビリティ・レターを株主グループから受
領した。2018年３月28日付の書状により、VEB（株主全般の利益増進を目的とするオランダの団体）が、イム
テックの投資家が被ったとされる損害について、ラボバンクを含む関係者に責任があると主張した。2018年８月
10日および（時効期間を中断させる目的で）2022年６月10日、ラボバンクは、イムテックの管財人から、同グ
ループは多数の取引の無効化と様々な損害賠償を求めるとの正式通知を受領した。当該書状は、訴訟の可能性を
視野に時効期間を中断させることを目的としたものである。現時点までにいかなる訴訟手続もまだ開始されてお
らず、上記関係者のいずれによってもそれ以上の（法的）措置はとられていない。ラボバンクは、現時点でこれ
らの（潜在的）訴訟の結果を評価できないことから、イムテックの事案は偶発債務であるとみなしている。引当
金は計上していない。
BBA およびICE Libor／Euribor
ラボバンクは、他の複数のパネル行およびディーラー間ブローカーと共に、米国の連邦裁判所における様々な
推定上の集団訴訟および個別の民事訴訟の被告として指名されている。これらの訴訟は、米ドル（USD）Libor、
英ポンド（GBP）Libor、日本円（JPY）Libor、Tibor（注：ラボバンクはTiborのパネル行を務めたことはない）
およびEuriborに関するものである。また、ラボバンクは、金利ベンチマークに関連する民事訴訟（集団訴訟を
含む）でオランダ、アルゼンチン、英国およびイスラエルの様々な裁判所への出廷をラボバンクに命じる訴状お
よび召喚状を受け取っている。上記の民事訴訟は、本質的に不確実性に晒されているため、その結果を予測する
ことは困難である。ラボバンクはこれらの訴訟に対し実質的かつ説得力のある法律および事実関係に基づく抗弁
を有するという立場を取っている。ラボバンクはこれらの請求に対して引き続き争う方針である。ラボバンク
は、資金流出が発生する可能性が高くはないものの、ほとんどないとは言えないと見積もっているため、
Libor／Euriborの事案グループを偶発債務と捉えている。ラボバンクは、この偶発債務による資金流出合計につ
いて現時点においては信頼をもって見積もることはできない。引当金は設定されていない。
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マネー・ロンダリング防止、テロリスト資金供与防止および制裁
2021 年末、オランダ中央銀行（以下「DNB」という）はラボバンクに対して、遅くとも2023年12月15日まで
に、オランダのリテール部門のマネー・ロンダリング防止およびテロリスト資金供与防止法（Wet ter
voorkoming van witwassen en financieren van terrorisme：Wwft）の遵守に関する不備を是正するよう命じ
た。またDNBは当行に対して、別の罰則的執行手続が開始されると通知したが、その帰結はまだ当行にとって不
明である。これらの不備の是正は当行にとっての最優先事項である。当行は是正プログラムに継続的に投資し、
当該プログラムにおける取組みを強化しているが、これは急速に進むロシアへの制裁、労働市場の需給逼迫、お
よび新たな規制への対応を迫られるダイナミックな状況下で行われている。これらの困難な動向が進捗に影響を
及ぼすことを踏まえ、当行はDNBに期限の延長を要請した。
是正プロセスには、取引先のデューデリジェンスと取引のモニタリングにおける未対応作業の処理が含まれ
る。したがってラボバンクは、これら未対応作業の処理に伴う追加コストについて、2022年６月30日に249百万
ユーロ（2021年12月31日：249百万ユーロ）の引当金を（その他引当金として）認識した。2022年上半期中に、
ラボバンクは引当金のうち約72百万ユーロを使用した。同額が引当金に追加計上されている。
ラボバンクのKYCプログラムは、経営委員会が直接指揮をとって進めている。また、KYCの遵守に特化した新た
なポジションが経営委員会内に設置された。2022年10月１日付で、フィリップ・ヴォロー氏がラボバンクの最高
金融経済犯罪責任者（CFECO）に就任する予定である（監督委員会の審査の結果承認が得られることを条件とす
る）。監督委員会は、専任（臨時）委員会による監督を含め、引き続きKYC是正プログラムを監督する予定であ
る。またDNBもプログラムの進捗の監督を継続する予定である。
別の罰則的執行手続について、ラボバンクは、当該手続の結果、資金が流出する可能性は流出しない可能性よ
り高いと考えているが、当該負債の額を信頼をもって見積もるにはあまりにも多くの不確実性が存在するため、
この件については引当金を認識しなかった。
その他の事案
ラボバンクが対象になっている、引当金を認識した法的手続は他にもある。これらの事案は各々が比較的小規
模であることから個別に開示していない。これらの事案を併せた引当金総額は74百万ユーロ（2021年12月31日：
76百万ユーロ）である。請求に関連する、発生する可能性がほとんどないとは言えない測定可能な偶発債務の金
額は最大で225百万ユーロ（2021年12月31日：217百万ユーロ）である。
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10. 準備金および利益剰余金
準備金および利益剰余金の内訳は以下のとおりである。
準備金および利益剰余金
2022 年６月30日 2021 年12月31日 2021 年６月30日
単位：百万ユーロ 現在 現在 現在
外国為替換算準備金 (292) (887) ( 1,155 )
再評価準備金－その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
(270) 136 239
金融資産
再評価準備金－ キャッシュ・フロー・ヘッジ 1 (14) (26)
再評価準備金－ ヘッジ・コスト 85 78 72
再測定準備金－年金 (160) (173) ( 188 )
再評価準備金－公正価値測定に指定した金融負債に係る自己の
(71) (130) ( 114 )
信用リスクに起因する公正価値の変動
利益剰余金 33,273 32,087 31,118
準備金および利益剰余金合計 32,566 31,097 29,946
11. 2022 年度上半期における資本性金融商品の発行
ラボバンクは、2022年上半期に、1,000百万ユーロの資本証券を発行した。クーポンは発行日（2022年４月６
日）現在年率4.875％で、半年ごとに後払いされ、初回支払日は2022年６月29日であった。この資本証券は永久
債で、第１回償還可能日は2029年６月29日である。2029年12月29日現在まで当該資本証券が期限前償還されてい
なければ、５年物のユーロ・スワップレートに3.717％を加算した、ステップアップ条項なしの金利に基づく５
年間の分配金が設定されている。クーポンは完全に任意である。
12. 金融資産および金融負債の公正価値
本注記は、2021年度連結財務諸表の注記4.9「金融資産および金融負債の公正価値」と併せて読むべきであ
る。同注記には、採用された会計方針、公正価値の計算に使用された評価方法、および評価の監視の基準となる
評価管理の枠組みがより詳細に示されている。採用された会計方針または適用された評価方法に変更はない。
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次表は、以下に詳述されている評価方法および仮定に基づき償却原価で認識される金融商品の公正価値を示し
たものである。公正価値とは、評価日に市場参加者の間で実施される標準的な取引において、資産売却の対価と
して受け取られるであろう価格、または負債譲渡のために支払われるであろう価格を表す。ラボバンクは、公正
価値の測定に関して、資産売却または負債譲渡の取引は、当該資産または負債の主要市場、あるいは主要市場が
存在しない場合には最も有利な市場で実施されると仮定する。
ラボバンクが保有または発行している多くの金融資産および金融負債について市場価格が入手不可能である。
これらの金融商品の場合、下表に示された公正価値は、報告日時点の市況に基づき、現在価値法または他の見積
りおよび評価方法の結果を使用して見積られたものである。これらの方法を使用して算出される価値は、金額の
ほか、将来キャッシュ・フローのタイミング、割引率および市場の流動性悪化の可能性に使用された前提となる
仮定に大きく影響される。
財政状態計算書において償却原価で測定する金融商品の公正価値
2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
単位：百万ユーロ 帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
資産
現金および現金同等物 144,757 144,757 120,533 120,533
金融機関に対する貸出金および預け金 20,100 20,098 22,065 22,063
顧客に対する貸出金および預け金 436,339 431,674 436,471 447,723
負債
金融機関預り金 74,242 73,374 73,008 72,874
顧客預り金 385,111 386,109 372,031 376,334
発行済負債証券 116,260 113,489 108,709 109,594
劣後債務 10,373 10,394 9,880 11,295
上表に示された金額は、一定の方法と仮定に基づいて経営陣が行った最善の見積りである。活発な市場におけ
る市場価格が入手可能な場合は、それが公正価値の最善の見積りとされる。
期間の定めがある証券、資本性金融商品、デリバティブまたはコモディティ商品などに関して活発な市場にお
ける市場価格が入手できない場合、ラボバンクは、これらの投資の信用格付と満期までの期間に対応する市場金
利で割引いた、将来キャッシュ・フローの現在価値に基づく予想公正価値を基準として用いる。また、モデルに
基づく価格を公正価値の決定に使用することもできる。ラボバンクは、金融商品の評価のために使用したすべて
のモデルを、独立した専門スタッフに検証させるという方針をとっている。これらのスタッフは、金融商品の公
正価値決定の担当者にはなれない。
市場価値または公正価値の決定にあたっては様々な要因を検討しなければならない。かかる要因には、貨幣の
時間的価値、ボラティリティ、原オプションおよび取引相手の信用の質が含まれる。評価プロセスは、定期的に
入手可能な市場価格が体系的に使用されるように設計されている。仮定の修正は、売買目的および売買目的以外
の金融資産および金融負債の公正価値に影響することもある。
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下表は、金融資産および金融負債の公正価値決定に使用された公正価値ヒエラルキーを示したものである。内
訳は以下のとおりである。
・レベル１：同一の資産または負債に関する活発な市場における市場価格。「活発な市場」とは、当該資産また
は負債に関連する取引が、価格情報を恒久的に提供するうえで十分な頻度と取引量で行われている市場をい
う。
・レベル２：レベル１に含まれる市場価格以外のインプットで、資産または負債に関して直接的（すなわち、価
格として）または間接的（すなわち、価格からの派生として）に観察可能なもの。
・レベル３：観察可能な市場データに基づかない、資産・負債に関するインプット。
公正価値による金融商品の再評価では、ラボバンクは、各報告期間末時点のレベルを再評価することにより、
公正価値ヒエラルキーの各カテゴリー間において振替が発生した時点を決定する。
財政状態計算書において公正価値で測定する金融資産および金融負債の公正価値ヒエラルキー
単位：百万ユーロ レベル１ レベル２ レベル３ 合計
2022 年 ６月30日現在
財政状態計算書において公正価値で計上す
る資産
売買目的金融資産 2,600 215 440 3,255
強制的に公正価値で測定される金融資産 - 523 1,968 2,491
デリバティブ 43 26,931 123 27,097
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
9,591 2,890 178 12,659
する金融資産
売却目的固定資産 - - 244 244
財政状態計算書において公正価値で計上す
る負債
デリバティブ 25 20,967 134 21,126
売買目的金融負債 2,087 - - 2,087
公正価値測定に指定した金融負債 - 3,226 - 3,226
単位：百万ユーロ
2021 年 12月31日現在
財政状態計算書において公正価値で計上す
る資産
売買目的金融資産 1,519 109 856 2,484
強制的に公正価値で測定される金融資産 42 643 1,817 2,502
デリバティブ 22 22,889 60 22,971
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
10,244 3,109 191 13,544
する金融資産
売却目的固定資産 - - 73 73
財政状態計算書において公正価値で計上す
る負債
デリバティブ 36 18,629 45 18,710
売買目的金融負債 1,419 - - 1,419
公正価値測定に指定した金融負債 - 3,817 - 3,817
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次表は、財政状態計算書に公正価値で計上している金融商品のうちレベル３に分類されたものの変動を示して
いる。資本に含められるレベル３における公正価値の調整額は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
金融資産に係る再評価準備金として会計処理されている。
レベル３における公正価値で測定する金融商品
損益に組入
2022 年 れられる公 OCI に組入れ レベル３へ 2022 年
１月１日 正価値の変 られる公正 の（から 売却目的へ ６月30日
単位：百万ユーロ 現在の残高 動 価値の変動 購入額 売却額 決済額 の）振替 の振替 現在の残高
資産
856 21 - 382 (478) (341) - - 440
売買目的金融資産
強制的に公正価値で測定さ
1,817 95 - 170 (114) - - - 1,968
れる金融資産
60 104 - - - (38) (3) - 123
デリバティブ
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資 191 - 1 2 - (16) - - 178
産
負債
45 138 - - - (39) (10) - 134
デリバティブ
損益に組入
2021 年 れられる公 OCI に組入れ レベル３へ 2021 年
１月１日 正価値の変 られる公正 の（から 売却目的へ 12 月31日
単位：百万ユーロ 現在の残高 動 価値の変動 購入額 売却額 決済額 の）振替 の振替 現在の残高
資産
500 17 - 809 (470) - - - 856
売買目的金融資産
強制的に公正価値で測定さ
1,355 458 - 461 (171) (274) (12) - 1,817
れる金融資産
58 58 - - - (56) - - 60
デリバティブ
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資 261 - (72) - 3 (1) - - 191
産
負債
28 73 - - - (56) - - 45
デリバティブ
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レベル３に分類される資産 および 負債に関連して、損益計算書に認識された利益／（損失）合計額を下表に示
す。
報告期間末時点
報告期間末時点 でもはや保有さ
で保有されてい れていない金融
単位：百万ユーロ る金融商品 商品 合計
2022 年 ６月30日現在
資産
売買目的金融資産 21 - 21
強制的に公正価値で測定される金融資産 96 (1) 95
デリバティブ 66 38 104
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 - - -
負債
デリバティブ 100 38 138
公正価値測定に指定した金融負債 - - -
2021 年 12月31日現在
資産
売買目的金融資産 17 - 17
強制的に公正価値で測定される金融資産 446 12 458
デリバティブ 29 29 58
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 - - -
負債
デリバティブ 44 29 73
公正価値測定に指定した金融負債 - - -
レベル３の金融商品の評価に当たり、より有利な合理的仮定を用いた場合の損益計算書への潜在的な税引前影
響額は167百万ユーロ（2021年12月31日：165百万ユーロ）であり、その他の包括利益への潜在的な税引前影響額
は３百万ユーロ（2021年12月31日：３百万ユーロ）である。レベル３の金融商品の評価に当たり、より不利な合
理的仮定を使用した場合の損益計算書への潜在的な税引前影響額はマイナス168百万ユーロ（2021年12月31日：
マイナス166百万ユーロ）であり、その他の包括利益への潜在的な税引前影響額はマイナス３百万ユーロ（2021
年12月31日：マイナス４百万ユーロ）である。
レベル３の公正価値で測定する金融資産には主にプライベート・エクイティ持分が含まれる。公正価値で測定
するこれらレベル３の金融資産合計額は1,790百万ユーロ（2021年12月31日：1,662百万ユーロ）である。プライ
ベート・エクイティ持分の評価に係る重要な観察不能なインプットはEBITDAに適用される倍率である。加重平均
倍率は10.4倍（2021年12月31日：9.5倍）であり、その幅は倍率のマイナス１（不利な仮定）からプラス１（有
利な仮定）である。
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13. 関連当事者
財務上もしくは経営上の決定に関して、一方の当事者が他方の当事者に対する支配力を行使している場合、ま
たは他方の当事者に対する重大な影響力を有する場合、両者は関連当事者とみなされる。通常の業務において、
ラボバンクは、関連当事者との間で、貸出、預金および外貨建取引など、様々な取引を行う。関連当事者間の取
引には、関連会社、年金基金、共同支配企業、経営委員会および監督委員会との取引も含まれる。これらの取引
は商取引上の条件のもと市場価格に照らして行われている。2022年度上半期には、ラボバンクの当期中の財政状
態または業績に重大な影響を与える関連当事者取引は発生しなかった。
14. 金利指標改革
ラボバンクが2022年６月30日現在保有する、代替的な金利指標へまだ移行していない金融商品の詳細を下表に
まとめた。
IBOR に基づくエクスポージャーを有する金融商品
単位：百万ユーロ
うち、移行日後に
2022 年６月30日現在 帳簿価額 満期を迎えるもの
米ドル Libor に基づくエクスポージャーを有する資産
非デリバティブ金融資産 24,669 13,196
- 当座預金
105 105
- その他顧客に対する貸出金および預け金
23,655 13,086
- その他の非デリバティブ資産
909 5
米ドル Libor に基づくエクスポージャーを有する負債
非デリバティブ金融負債 2,461 1,912
- 顧客預り金
1,933 1,672
- その他の非デリバティブ負債
528 240
うち、移行日後に
想定元本
満期を迎えるもの
デリバティブ 729,333 547,567
IBOR 改革の影響を受けるものの、まだ代替的な金利指標へ移行していない（すなわち、１ヶ月物、３ヶ月物、
および６ヶ月物米ドルLiborの）、ヘッジ会計上ヘッジ関係にあるデリバティブの想定元本と残存期間および
ヘッジ対象リスクは下表のとおりである。
IBOR 改革の影響を受けるヘッジ会計上のヘッジ関係にあるデリバティブとヘッジ対象リスク
残存期間別想定元本
単位：百万ユーロ
１年未満 １－５年 ５年超 合計
2022 年６月30日現在
金利スワップ
１ヶ月物米ドルLibor - 399 - 399
３ヶ月物米ドルLibor 38 9,126 4,525 13,689
６ヶ月物米ドルLibor - - 146 146
合計 38 9,525 4,671 14,234
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15. 信用関連の偶発債務
信用関連の偶発債務は、ローン・コミットメント、金融保証、信用状、およびその他の貸出関連のオフバラン
スの金融商品を表している。信用関連の偶発債務は78十億ユーロ（2021年12月31日：70十億ユーロ）である。訴
訟に関連する偶発債務は注記９「法的手続および仲裁手続」に開示されている。
16. 売却目的固定資産
売却目的固定資産は244百万ユーロ（2021年12月31日：73百万ユーロ）であり、国内リテール・バンキング・
セグメント（７百万ユーロ）および不動産開発セグメント（72百万ユーロ）で保有する様々な種類の不動産が含
まれている。ホールセール・アンド・ルーラルにおける売却目的固定資産（合計105百万ユーロ）として、外国
子会社１社の売却予定の株式が含まれている。この取引は2022年下半期に完了する見込みである。リース・セグ
メントにおける売却目的固有資産（61百万ユーロ）として、売却予定の貸出金ポートフォリオ１件（2022年７月
に売却済み）が含まれている。これらの帳簿価額は、使用の継続ではなく売却を通じて実現される見込みであ
る。
17. 事業セグメント
ラボバンクが会計報告に使用している事業セグメントは、経営上の視点から定義されたものである。これは、
各セグメントがラボバンクの戦略的経営の一部としてレビューされ、異なるリスクおよびリターンを伴う事業に
関する意思決定のために使用されることを意味している。
ラボバンクは、国内リテール・バンキング（以下「DRB」という）、ホールセール・アンド・ルーラル（以下
「W&R」という）、リース、不動産開発、およびその他のセグメントという５つの主要事業セグメントを設けて
いる。
・ 国内リテール・バンキングは、主として地方ラボバンク、オプフィオンおよびファイナンシャル・ソ
リューションズが行う事業から成っている。
・ ホールセール・アンド・ルーラル（以下「W&R」という）は、オランダの卸売事業を含んでいる。またオラ
ンダ国外では、食品・農業セクターに重点を置いている。このセグメントは企業向けバンキング事業を行う
と共に、マーケッツ、マージャーズ・アンド・アクイジション、コーポレート・ファイナンス・オリジネー
ション、コア・レンディング、プロジェクト・ファイナンス、トレード・アンド・コモディティ・ファイナ
ンス、バリューチェーン・ファイナンス、ラボ・インベストメンツなどのグローバルな業務を行う部門も統
括している。またこのセグメントには、ラボバンクブランドのもとでの国際ルーラル事業も含まれている。
・ リース・セグメントの中では、DLLがリース事業に責任を負い、幅広いリース商品を提供している。DLL
は、アセット・ファイナンス関連の商品の販売において世界中の製造企業、ベンダーおよび販売企業を支援
している。
・ 不動産開発は、主にBPDの事業で構成されている。中核事業は居住用不動産の開発である。
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・ ラボバンク内のその他のセグメントには様々なサブセグメントが含まれるが、いずれも独立セグメントと
して掲記すべきものはない。この事業セグメントは主に関連会社（特にアフメアBV）への投資、トレジャ
リーおよびラボバンク・グループ・オーガニゼーションの財務実績で構成される。
ラボバンクの総収益の10％超を占める顧客はいない。様々な事業セグメント間の取引は、通常の商取引条件に
基づいて行われる。事業セグメント間には、事業活動によるものを除き、他の重要な包括利益は存在しない。セ
グメントに使用されている財務報告の原則は、注記「作成基準」に記載されたものと同じである。経営陣は、主
に純受取利息に依拠して各セグメントの業績を評価し、セグメントに配分するリソースに関する意思決定を下す
ため、セグメントの受取利息は支払利息控除後の金額で表示されている。
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事業セグメント
国内
リテール・ その他の
単位：百万ユーロ バンキング W&R リース 不動産開発 セグメント 連結効果 合計
2022 年度上半期
2,060 1,398 612 (2) 313 (1) 4,380
純受取利息
807 198 52 - (5) (2) 1,050
純受取手数料
39 222 166 163 (62) 1 529
その他収益
2,906 1,818 830 161 246 (2) 5,959
収益
1,272 671 302 54 73 (4) 2,368
人件費
490 177 108 18 56 (35) 814
その他一般管理費
51 54 13 5 3 36 162
減価償却費および償却費
1,813 902 423 77 132 (3) 3,344
営業費用
(150) (17) 209 - - - 42
金融資産に係る減損費用
249 154 31 1 3 - 438
規制上の賦課金
994 779 167 83 111 1 2,135
税引前営業利益
256 211 71 15 11 - 564
法人税
738 568 96 68 100 1 1,571
純利益
収益に対する費用の比率（規制上の賦課
71.0 58.1 54.7 48.4 n/a n/a 63.5
1
金を含む、単位：％）
金融資産に係る減損費用（民間セクター
向け貸出金ポートフォリオの平均に対す
(11) (3) 111 n/a n/a n/a 2
2
る比率、単位：ベーシスポイント）
279,815 159,517 40,595 3,714 183,203 - 666,844
外部資産
322 - - - - - 322
のれん
276,344 119,279 36,247 99 582 - 432,551
民間セクター向け貸出金ポートフォリオ
1 営業費用に規制上の賦課金を加算した金額を、収益で除した比率
2 年換算した金融資産に係る減損費用を、民間セクター向け貸出金ポートフォリオの６ヶ月間の平均値で除した比率
金融資産に係る減損引当金および信用関連の偶発債務
国内
リテール・
その他の
単位：百万ユーロ バンキング W&R リース 不動産開発 セグメント 連結効果 合 計
2022 年１月１日現在の残高 1,664 1,522 422 1 - - 3,609
当初認識および取得による増加 54 50 38 - - - 142
認識中止による減少 (114) (84) (8) - - - (206)
信用リスクの変動による変動 (69) 57 286 - - - 274
当年度の不良債権の償却 (116) (163) (48) - - - (327)
その他調整 1 29 (4) - - - 26
2022 年６月30日現在の残高 1,420 1,411 686 1 - - 3,518
減損引当金： 12 ヶ月の ECL
152 197 58 - - - 407
減損引当金：全期間の ECL －非 信用減
495 152 406 - - - 1,053
損
減損引当金：全期間の ECL － 信用減損
773 1,062 222 1 - - 2,058
2022 年６月30日現在の残高 1,420 1,411 686 1 - - 3,518
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事業セグメント
国内
リテール・
その他の
単位：百万ユーロ バンキング W&R リース 不動産開発 セグメント 連結効果 合 計
2021 年度上半期
純受取利息 2,364 1,177 558 (10) (9) (1) 4,079
純受取手数料 738 216 53 - (4) (10) 993
その他収益 45 462 140 147 238 8 1,040
収益 3,147 1,855 751 137 225 (3) 6,112
人件費 1,274 607 269 48 88 (7) 2,279
その他一般管理費 421 177 90 16 57 (41) 720
減価償却費および償却費 65 48 13 4 4 44 178
営業費用 1,760 832 372 68 149 (4) 3,177
金融資産に係る減損費用 (248) 8 (36) - 2 - (274)
規制上の賦課金 195 126 28 1 18 - 368
税引前営業利益 1,440 889 387 68 56 1 2,841
法人税 360 196 107 17 2 (1) 681
純利益 1,080 693 280 51 54 2 2,160
収益に対する費用の比率（規制上の賦課
62.1 51.6 53.3 50.4 n/a n/a 58.0
1
金を含む、単位：％）
金融資産に係る減損費用（民間セクター
向け貸出金ポートフォリオの平均に対す
(18) 2 (21) n/a n/a n/a (13)
2
る比率、単位：ベーシスポイント）
2021 年12月31日現在
外部資産 277,278 140,335 38,595 3,440 179,927 - 639,575
のれん 322 - - - - - 322
民間セクター向け貸出金ポートフォリオ 273,850 108,636 34,484 97 91 - 417,158
1 営業費用に規制上の賦課金を加算した金額を、収益で除した比率
2 年換算した金融資産に係る減損費用を、民間セクター向け貸出金ポートフォリオの６ヶ月間の平均値で除した比率
金融資産に係る減損引当金および信用関連の偶発債務
国内
リテール・
その他の
単位：百万ユーロ バンキング W&R リース 不動産開発 セグメント 連結効果 合 計
2021 年１月１日現在の残高 2,393 1,849 602 - - - 4,844
当初認識および取得による増加 132 41 97 - - - 270
認識中止による減少 (301) (180) (24) - - - (505)
信用リスクの変動による変動 (235) 85 (109) - - - (259)
当年度の不良債権の償却 (325) (329) (151) - - - (805)
その他調整 - 56 7 1 - - 64
2021 年12月31日現在の残高 1,664 1,522 422 1 - - 3,609
減損引当金： 12 ヶ月の ECL
139 203 64 - - - 406
減損引当金：全期間の ECL －非 信用減
612 170 124 - - - 906
損
減損引当金：全期間の ECL － 信用減損
913 1,149 234 1 - - 2,297
2021 年12月31日現在の残高 1,664 1,522 422 1 - - 3,609
18. 後発事象
開示すべき後発事象はなかった。
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２【その他】
(1) 後発事象
第３ ３「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1) 業績等の概要」
の「⑤最近の動向」を参照のこと。
(2) 訴訟
第６ １「中間財務書類」の中間財務諸表に対する注記９「法的手続および仲裁手続」を参照のこと。
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３【国際財務報告基準(IFRS)と日本における会計原則及び会計慣行の相違】
日本基準
国際財務報告基準(IFRS)
項目 (一般に公正妥当と認められる会計原則)
（2022年６月30日現在のもの）
（2022年６月30日現在のもの）
( 1 ) 表示が求められ 財務諸表で報告されるすべての金額に 前連結会計年度および当連結会計年度の財務諸
ついて、最低１会計期間分の比較情報 表を併記する。
る会計期間
を開示しなければならない。
(IAS1.38, 38A)
( 2 ) 財政状態計算書 下記の財務諸表※1、2の作成を求めて 下記の財務諸表※1の作成を求めている。
いる。 連結貸借対照表
（貸借対照表）と包
連結財政状態計算書 連結損益計算書および包括利益計算書（１
括利益計算書（損益
連結純損益および包括利益計算書 計算書方式）または連結損益計算書と連結包
計算書）等の様式
（１計算書方式）、または連結純損 括利益計算書を別個に作成（２計算書方
(IAS1.10)
益計算書と連結包括利益計算書を別 式）※2
個に作成（２計算書方式）※3 連結株主資本等変動計算書
連結持分変動計算書 連結キャッシュ・フロー計算書
連結キャッシュ・フロー計算書 連結附属明細表
会計方針および注記 ※1 会計方針を遡及適用した場合、財務諸表の
※1 各計算書の名称については他のも 修正再表示を行った場合、および財務諸表の組
のを使用することも可。 替えを行った場合でも、IFRSが求めるような開
※2 過去に遡って会計方針を適用（遡 示されるもっとも古い比較年度の期首貸借対照
及適用）した場合、財務諸表項目の修 表の追加作成は不要。
正再表示を行った場合、および財務諸 ※2 １計算書方式と２計算書方式のいずれでも
表項目の組替を行った場合には、上記 可。
財務諸表に加えて、開示される最も古
い比較年度の期首財政状態計算書の作
成も求められる。
※3 １計算書方式と２計算書方式のい
ずれでも可。
( 3 ) 特別（異常）損 収益または費用のいかなる項目も、異 特別損益に属するものはその内容を示す名称を
常項目として、包括利益計算書もしく 付した科目をもって表示する。
益の表示
は損益計算書（表示されている場合）
(IAS1.87)
または注記のいずれにも表示してはな
らない。
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日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 4 ) 連結の範囲 支配の概念による。 （連結財務諸表に関する会計基準（以下「連結
以下の要件を全て満たす場合に支配を 会計基準」第6項,第7項,第13項）
(IFRS10.7)
有するものと判断される。 支配力の概念による。
投資先に対してパワーを有してい 親会社が、他の企業の財務および営業または事
る。 業の方針を決定する機関（意思決定機関）を支
投資先への関与から生じる変動リ 配している場合、当該他の企業に対する支配が
ターンにさらされている、もしくは 存在する。
変動リターンに対する権利を有して
いる。 日本基準には、支配の有無の判断にあたり、潜
投資者のリターンの金額に影響を 在的議決権の影響や、意思決定権の行使が本人
与えるようなパワーを、投資先に対 と代理人のいずれの立場として行われるか等を
して行使することができる。 考慮することを明示的に求める規定は存在しな
い。
（IFRS10, B22, B47）
一方、IFRS第10号の「事実上の支配」に一部類
支配の有無を判断する際には、実態を
似する考え方として、自らの議決権が過半数に
伴う潜在的議決権を考慮する。その際
満たない場合であっても、「緊密な者」と「同
は、投資者が保有する潜在的議決権の
意している者」が所有する議決権を合わせた判
みならず、他の当事者が保有する議決
断を行うこと、取締役会の構成、資金調達の状
権も踏まえて判断する。
況および方針決定を支配する契約の存在等を考
慮することを求める規定が存在する。
（IFRS10, B41, B42）
投資者が投資先の議決権のうち、過半
数に満たない部分しか保有していない
場合であっても、いわゆる「事実上の
支配」が成立する可能性がある。
（IFRS10, 18, B58）
支配の有無の判断にあたり、意思決定
保有者が意思決定権を本人として自身
の利益のために行使するか、代理人と
して他の当事者のために行使するかを
考慮しなければならない。
( 5 ) 連結の範囲 （IFRS10 付録A） （連結会計基準第14項）
以下の子会社は連結の範囲から除かれる。
（例外） IFRS第10号に伴い、すべての子会社を
支配が一時的であると認められる企業
連結しなければならない。日本基準の
利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれ
ような例外はない。ただし、以下の投
のある企業
資企業に関する例外規定が適用された
場合は除く。
（IFRS10, 31-33）
一定の要件を満たす投資企業について
は、子会社を連結せず、当該投資を
IFRS第９号に基づき、純損益を通じて
公正価値で測定する。
自身が投資企業ではない親会社は、そ
の連結財務諸表において投資企業の会
計処理を適用することは認められな
い。すなわち、米国基準のようなroll-
up処理は認められない。
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日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 6 )特別目的事業体 投資者が支配を有すると判断されるス （連結会計基準第7-2項）
（SPE）およびスト トラクチャード・エンティティ― （投資事業組合に関する実務上の取扱い）
ラクチャード・エン （SE）についても連結対象に含める。 一定の特別目的会社につき、一定の要件を満た
ティティ―（SE） す場合には、オリジネーターの子会社に該当し
(IFRS10.7) ないものと推定する。
投資事業の場合、基本的には業務執行権限の有
無により判断する。
( 7 ) 共同支配の取決 共同契約のうち、共同支配事業（ジョ 共同支配投資企業は、共同支配企業に対する投
イント・オペレーション）は、自らの 資について、連結財務諸表上、持分法を適用す
め（ジョイント・ア
資産、負債、収益および費用ならびに/ る。
レンジメント）
または当事者に共通して発生したそれ
（IFRS11.20, 24）
らに対する持分相当額を認識する方法
により会計処理される。ジョイント・
ベンチャーは、持分法により会計処理
される。
( 8 ) のれんの当初認 企業結合ごとに、以下のいずれかを選 のれんとは、被取得企業または取得した事業の
択できる。 取得原価が、取得した資産および引き受けた負
識と非支配株主持分
1)非支配持分も含めた被取得企業全体 債に配分された純額を超過する額として算定さ
の測定方法
を公正価値で測定し、のれんは非支配 れる（購入のれんアプローチのみ）。
（IFRS3.19, 32）
持分に帰属する部分も含めて認識する
方法（全部のれんアプローチ）。 （連結会計基準第20項）
全面時価評価法により、子会社の資産および負
2)非支配持分は、被取得企業の識別可 債のすべてを支配獲得日の時価により評価す
能純資産の公正価値に対する比例持分 る。
相当額として測定し、のれんは取得企
業の持分相当額についてのみ認識する ※IFRSで選択できるような、非支配株主持分自
方法（購入のれんアプローチ）。 体を支配獲得日の時価で評価する処理は認めら
れていない。
( 9 ) のれんの取扱い 規則的な償却は行わず、減損の兆候が 20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定
無くても毎期１回、さらに減損の兆候 額法その他合理的な方法により償却する。ただ
(IFRS3.B63(a),
がある場合には追加で、減損テストの し、のれんの金額に重要性が乏しい場合には、
IAS36.88,90)
対象となる。 当該のれんが生じた事業年度の費用として処理
することができる。
のれんに減損の兆候がある場合に減損損失を認
識するかどうか判定する。
研究費は発生した時点で費用として認 研究開発費は、すべて発生時に費用として処理
( 10 ) 自己創設研究
識する。 しなければならない。
開発費
開発費については、技術上の実行可能 ソフトウェア制作費のうち、研究開発に該当す
(IAS38.52-62)
性や使用または売却するという企業の る部分も研究開発費として費用処理する。
意図等、一定の要件がすべて立証可能
な場合のみ、無形資産として認識する
（満たさない場合には発生時に費用処
理しなければならない）。
コンピュータ・ソフトウェアの研究開
発費に関する個別の指針はない。
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日本基準
項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 11 ) 借入費用の資 適格資産とは、意図した使用または売 固定資産を自家建設した場合には、適正な原価
却が可能になるまでに相当の期間を必 計算基準に従って製造原価を計算し、これに基
産計上
要とする資産をいう。 づいて取得原価を計算する。建設に要する借入
(IAS23.5,8)
企業は、適格資産の取得、建設または 資本の利子で稼動前の期間に属するものは、こ
製造に直接帰属する借入費用を当該資 れを取得価額に算入することができる。
産の一部として資産化しなければなら
ない。また、上記に該当しない借入費
用を発生時に費用として認識しなけれ
ばならない。
( 12 ) 有形固定資産 IAS第37号に従い、引当金の認識要件を 資産除去債務計上額を関連する有形固定資産の
満たす解体および除却費用ならびに原 帳簿価額に加える。
解体および除却費用
状回復費用等は、有形固定資産の取得 資産除去債務は、有形固定資産の除去に関して
ならびに原状回復費
原価に含める。IAS第37号の引当金に 法令または契約で要求される法律上の義務およ
用等
は、法的債務および推定的債務が含ま びそれに準ずるものを計上する。
(IAS16.16(C), 18,
れる。
IAS37.10, 14, 19,
資産除去債務の割引率は負債計上時に決定し、
45, 47, IFRIC1.3,
有形固定資産が原価モデルで測定され その後の変更は行わない（ただし、将来CFの見
8)
ており、引当金に係る割引率が事後的 積額が増加した場合は、その時点の割引率に変
に変更された場合は、引当金を再測定 更し、減少した場合は負債計上時の割引率を用
し、変動額を有形固定資産の取得原価 いる）。
に加減する。 時の経過による資産除去債務の調整額は、損益
計算書上、当該資産除去債務に関連する有形固
引当金の割引に関する振戻しは、金融 定資産の減価償却費と同じ区分に含めて計上す
費用として費用計上する。 る。
敷金が資産計上されている場合、簡便的に敷金
日本基準にある敷金に関する例外処理 の回収が見込めないと認められる金額を合理的
は、認められない。 に見積り、当期の負担に属する金額を費用に計
上する方法によることができる。
( 13 ) 有形固定資産 原価モデルまたは再評価モデルのどち 取得原価から減価償却累計額および減損損失累
らかを会計方針として選択し、同一種 計額を控除した金額で測定する（再評価は認め
および無形資産の事
類のすべての有形固定資産および無形 られていない）。
後測定
資産に適用しなければならない。
(IAS16.29-31,
再評価モデルを選択した場合、帳簿価
IAS38.72, 75)
額が報告期間の期末日における公正価
値と大きく相違しないよう、再評価を
定期的に実施しなければならない。
( 14 ) 投資不動産 原価モデルまたは公正価値モデルの選 （注記による開示だけであるため、特に明示さ
択が必要である。資産の存続期間にわ れた基準はなく）原価モデルのみ。
当初認識後の測定
たって選択したアプローチが変更され
(IAS40.30)
る可能性は非常に低い。
( 15 ) 投資不動産公 公正価値モデルを選択する企業は、一 該当する基準はない。
定の場合を除き、すべての投資不動産
正価値モデルでの測
を公正価値で評価しなければならな
定
い。
(IAS40.33, 35,
投資不動産の公正価値の変動は、発生
53A, 53B, 54)
した期の損益として処理される。
建設中の投資不動産に関しても原則と
して同じ考え方であるが、実務を配慮
した特別な取扱いが定められている。
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項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 16 ) 減損プロセス １段階アプローチ ２段階アプローチ
減損の兆候が存在する場合には、資産 減損の兆候が存在する場合には、最初に回収可
－減損の認識判定に
の帳簿価額がその回収可能価額を上回 能性テスト（資産の帳簿価額を、使用および最
用いる数値
る場合に、その差額を減損損失として 終的処分を通じて発生する割引前将来キャッ
(IAS36.59)
認識する。 シュ・フローの総額と比較する）を行う。その
回収可能価額は処分費用控除後の公正 結果、資産の帳簿価額が割引前キャッシュ・フ
価値と使用価値のいずれか高い金額と ローの総額よりも大きいため、回収不能と判断
なる。 された場合、資産の帳簿価額を回収可能価額
（正味売却価額と使用価値のいずれか高い金
額）まで減額するように減損損失を認識する。
( 17 ) 減損損失の戻 のれんに関し、その戻入れは禁止され あらゆる資産について禁止される。
ているが、他の資産については、毎
入れ
年、減損の兆候について検討しなけれ
(IAS36.110, 117,
ばならない。戻入れが必要な場合は、
124)
過年度に減損がなかったとした場合の
（償却または減価償却控除後の）帳簿
価額を上限として、減損損失を戻し入
れる。
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(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 18 ) リース 「使用権」資産および対応する金融負 リース取引はオペレーティング・リースおよび
債は財政状態計算書に認識される。 ファイナンス・リースに分類される。ファイナ
借手の会計処理
使用権資産および対応するリース負債 ンス・リースは解約不能かつフルペイアウトの
当初測定
は、リース期間にわたり未だ支払われ 要件を充足するリース取引をいい、以下の判定
(IFRS 16.6,8,23,
ていないリース料の現在価値に相当す 基準が用いられる。
24, 26)
る金額で測定される。 リース期間にわたる解約不能のリース料総
額の現在価値が、見積現金購入価額の概ね
短期リース 90％以上
短期リースはリース期間が12ヶ月以内 解約不能のリース期間が、当該リース物件
のリースと定義されている。借手は、 の経済的耐用年数の概ね75％以上
短期リースについて認識の免除を選択 ファイナンス・リース取引については、通常の
することができる。この場合、リース 売買取引に係る方法に準じて会計処理を行う。
料はリース期間にわたり定額法、また オペレーティング・リース取引は、通常の賃貸
は借手の便益のパターンをより適切に 借取引に係る方法に準じて会計処理を行う。
表す他の規則的な基礎のいずれかで費
用として認識される。この選択は、使 リース資産およびリース債務の価額は以下のと
用権が関連する原資産のクラスごとに おり。
行わなければならない。 〈貸手の購入価額が明らかな場合〉
所有権移転：貸手の購入価額
原資産が少額であるリース 所有権移転外：貸手の購入価額、または、リー
借手は、原資産が少額であるリースに ス料総額（残価保証額を含む）の割引現在価値
ついて認識の免除を選択することがで のいずれか低い金額
きる。この場合、リース料はリース期 〈貸手の購入金額が不明の場合〉
間にわたり定額法、または借手の便益 リース料総額（所有権移転の場合は割安購入選
のパターンをより適切に表す他の規則 択権の行使価額を含む）の割引現在価値また
的な基礎のいずれかで費用として認識 は、借手の見積現金購入価額のいずれか低い金
される。 額
ただし、以下のいずれかを満たす場合、通常の
賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行う
ことができる。
重要性が乏しい減価償却資産で、購入時に
費用処理する方法が採用され、リース料総額
が当該基準額以下のリース取引
リース期間が１年以内のリース取引
（所有権移転外のみ）事業内容に照らして
重要性の乏しい、契約１件当たりのリース料
総額が300万円以下のリース取引
( 19 ) リース 借手は、使用権資産を減価償却する際 所有権移転外ファイナンス・リースについて
にIAS第16号「有形固定資産」の減価償 は、企業の実態に応じたものを選択適用する。
借手の会計処理
却の要求事項を適用しなければならな 自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と
減価償却方法
い。 同一である必要はない。
(IFRS 16.31)
所有権移転ファイナンス・リースについては、
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と
同一の方法を適用する。
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項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 20 ) リース リース開始日から使用権資産の耐用年 所有権移転外ファイナンス・リースの償却期間
数の終了時までの期間と、リース開始 は、リース期間（再リース期間をリース期間に
借手の会計処理
日からリース期間の終了時までの期間 含めている場合は、再リース期間を含む年数）
償却期間
のいずれか短い期間を償却期間とす である。
(IFRS 16.32)
る。 所有権移転ファイナンス・リースの償却期間
ただし、リース期間の終了時に所有権 は、リース資産の経済的耐用年数である。
が移転する場合または購入オプション
の行使が使用権資産の取得原価に反映
されている場合（つまり、購入オプ
ションの行使が合理的に確実である場
合）には、リース開始日から原資産の
耐用年数の終了時までの期間を償却期
間とする。
( 21 ) リース リースは、原資産の所有に伴うリスク リースは、所有に伴うリスクと経済価値のほと
と経済価値のほとんどすべてを移転す んどすべてが借手に移転する場合には、ファイ
貸手の会計処理
る場合には、ファイナンス・リースに ナンス・リースに分類される。
分類
分類される。それ以外の場合にはオペ ファイナンス・リースの分類には数値基準があ
(IFRS 16.61-65)
レーティング・リースに分類される。 る。上記（18）を参照のこと。
数値基準はない。
( 22 ) リース 開始日において、貸手はファイナン ファイナンス・リースの貸手は、リース開始日
ス・リース債権を正味リース投資未回 にリース債権（リース投資資産）を認識する。
貸手の会計処理
収額に等しい金額で認識しなければな 利息相当額は、次のいずれかの方法を継続的に
ファイナンス・リー
らない。正味リース投資未回収額は、 適用して各期へ配分される。
スの会計処理
リース料と無保証残存価値をリースの (1) リース取引開始日に売上高と売上原価を計
(IFRS 16.67,
計算利子率で割り引いた現在価値であ
上
付録 A)
る。
(2) リース料受取時に売上高と売上原価を計上
(3) 売上高を計上せずに利息相当額を各期へ配
分
各期における利息相当額は、いずれの方法を採
用しても、同額となる。
( 23 ) リース リース料は定額法で、または他の規則 リース料はリース期間にわたり収益として認識
的な基礎の方が原資産の使用による便 される。
貸手の会計処理
益が減少するパターンをより適切に表
オペレーティング・
す場合には当該基礎を適用して、収益
リースの会計処理
として認識される。
(IFRS 16.81)
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(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 24 ) 金融商品の当 通常は取引価格が金融商品の当初認識 時価と取引価格が異なる場合、差額は取引の実
日における公正価値の最善の証拠とさ 態に応じて処理するものとされ、具体的な取扱
初測定
れる。 いは明記されていない。（金融商品会計に関す
（初日の利得／損
ただし、金融商品の当初認識時の公正 る実務指針 243）
失）
価値が取引価格と異なると判断される
場合、その当初認識時の公正価値につ
いて、同一の資産または負債の活発な
市場における相場価格の証拠があると
き、または観察可能な市場からのデー
タのみを用いた評価技法に基づいてい
るときには、当初認識時の公正価値と
取引価格との差額は初日の利得または
損失として認識する。
これに対して、上記条件を満たさない
評価技法に基づく当初認識時の公正価
値が取引価格と異なる場合には、当初
認識時の公正価値と取引価格との差額
は初日の利得または損失として認識し
ない。(IFRS9.B5.1.2A、B5.2.2A)
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(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 25 ) 金融資産の分 負債性金融商品に対する投資 金融資産は、原則として法的形態をベースに、
負債性金融商品に対する投資は、事業 有価証券、債権、金銭の信託、デリバティブな
類
モデルと契約上のキャッシュ・フロー どに分類して規定が定められている。さらに、
特性に基づいて以下の3つの測定区分に 有価証券については、売買目的有価証券、満期
分類される。 保有目的の債券、子会社および関連会社株式、
(1) 償却原価：契約上のキャッシュ・ その他有価証券に分類される。
フローを回収するために金融資産を保
有することを目的とする事業モデルの
中で金融資産が保有されており、か
つ、対象となる金融資産の所定の日に
生じる契約上のキャッシュ・フローが
元本と利息の支払いのみ（SPPI）から
なる場合
(2) その他の包括利益を通じて公正価
値（FVOCI）：契約上のキャッシュ・フ
ローの回収および売却の両方により目
的が達成される事業モデルの中で金融
資産が保有されており、対象となる金
融資産の所定の日に生じる契約上の
キャッシュ・フローがSPPIからなる場
合
(3) 純利益を通じて公正価値
（FVPL）：金融資産が上記のいずれに
も該当しない場合
資本性金融商品に対する投資
資本性金融商品に対する投資は純損益
を通じて公正価値で測定される。しか
し、当初認識時に、売買目的で保有さ
れていない資本性金融商品の公正価値
の変動を、その他の包括利益に表示す
るという取消不能な選択をすることが
できる（OCIオプション）。その他の包
括利益に表示された金額を事後的に純
損益に振り替えてはならない。しか
し、企業が利得または損失の累計額を
資本の中で振り替えることはできる。
（IFRS 9.4.1.1, 4.1.2, 4.1.2A,
4.1.3, 4.1.4, 5.7.5, B5.7.1,
B5.7.1A）
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( 26 ) 金融資産の認 企業は、金融資産の管理に関する事業 原則として、有価証券の保有目的区分は当初の
モデルを変更した場合に、かつその場 意図に基づくものであり、正当な理由がなく変
識の分類の変更
合にのみ、影響を受けるすべての金融 更することはできない。
資産を分類変更しなければならない。 満期保有目的の債券からの再分類を行った場合
金融資産を分類変更する場合には、企 には、その後２事業年度内の満期保有目的の債
業は分類変更日から将来に向かって分 券への分類を禁止する規定がある。
類変更を適用しなければならない。 なお、資金運用方針の変更または法令もしくは
(IFRS 9.4.4.1, 5.6.1) 基準などの改正もしくは適用に伴い、有価証券
のトレーディング取引を行わないこととした場
合には、すべての売買目的有価証券をその他有
価証券に振り替えることができる。
逆に、有価証券のトレーディング取引を開始す
ることとした場合、または有価証券の売買を頻
繁に繰り返したことが客観的に認められる場合
には、その他有価証券を売買目的有価証券に振
り替えなければならない。
( 27 ) 金融資産の認 リスク経済価値アプローチに基づき、 財務構成要素アプローチに基づき、金融資産の
金融資産の認識を中止する。 消滅を認識する。
識の中止
金融資産の所有に係るリスクと経済価
(IFRS 9)
値のほとんどすべてを移転したわけで
も、ほとんどすべてを保持しているわ
けでもない場合は、「支配」の有無を
検討する。引き続き支配を保持してい
る場合は、継続的関与アプローチに基
づき認識を継続する。
金融資産 公正価値オプションの概念は存在しない。
( 28 ) 公正価値オプ
IFRS第９号では、測定または認識の不
ション
整合（「会計上のミスマッチ」と呼ば
れることがある。）を除去または大幅
に低減する場合にのみ当初認識時にお
いて金融資産を純損益を通じて公正価
値で測定するものとして取消不能の指
定をすること（公正価値オプション）
が認められる。
非金融資産
非金融資産にデリバティブが組込まれ
ている場合に公正価値オプションを適
用できる（ただし、組込デリバティブ
がキャッシュ・フローの大幅な変更を
もたらさない場合、または、類似の混
合金融商品が最初に検討される際に組
込デリバティブの分離が禁じられるこ
とがほとんど分析なしに明らかな場合
を除く）。
(IFRS 9.4.1.5, 4.3.5)
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企業は、当初認識時に金融資産を公正 売買目的有価証券は時価で測定され、時価の変
( 29 ) 測定
価値で測定し、損益を通じて公正価値 動は損益に認識される。
で測定されない金融資産の場合は、金 なお、時価とは、算定日において市場参加者間
融資産の取得に直接起因する取引コス で秩序ある取引が行われると想定した場合の、
トを加算する。組込デリバティブを伴 当該取引における資産の売却によって受け取る
う金融資産は、そのキャッシュ・フ 価格または負債の移転のために支払う価格をい
ローが元本と利息の支払いのみで構成 う。
されているか否かの判断時に全体的に 満期保有目的の債券は償却原価で測定され、原
検討される。デリバティブは、公正価 則として利息法によるものとするが、継続適用
値で当初認識され、その後も損益を通 を条件として、簡便法である定額法を採用する
じて公正価値で測定される。 ことができる。
(IFRS 9.5.1.1) その他有価証券は、時価で測定する。時価の変
動額（評価差額）は、a)純資産の部に計上さ
れ、売却、減損あるいは回収時に損益計算書へ
負債性金融商品
計上される、もしくは（継続適用を条件に）b)
償却原価（AC）
個々の有価証券について、時価が取得原価を上
これらの金融資産は、償却原価で測定
回る場合には純資産の部に計上し、下回る場合
され、これらの金融資産からの受取利
には損益計算書に計上する。
息は実効金利法を使用して純受取利息
債権は償却原価で測定され、原則として利息法
として認識される。認識の中止から利
によるものとするが、契約上、元利の支払いが
益または損失が発生した場合、直接損
弁済期限に一括して行われる場合または規則的
益に認識される。(IFRS 9.5.4.1,
に行われる場合に、定額法を採用することがで
5.7.2)
きる。
その他の包括利益を通じた公正価
非上場株式は市場価格のない株式等として取り
値（FVOCI）
扱われ、取得原価で測定される。市場価格のな
これらの負債性金融商品は、その他の
い株式等については、株式の発行会社の財政状
包括利益を通じて公正価値で測定され
態の悪化により実質価額（保有株式数に、一株
る。その帳簿価額の変動はOCIを通じて
あたり純資産を乗じて計算される）が著しく低
計上されるが、減損損益、受取利息お
下したときに、減損損失が認識される。
よび為替換算損益は損益に認識され
る。当該金融資産の認識が中止された
場合、それまでOCIに認識されていた累
積損益は資本から損益に再分類され
る。これらの金融資産からの受取利息
は実効金利法を使用して純受取利息と
して認識される。(IFRS 9.5.7.10)
損益を通じた公正価値（FVPL）
当初認識後にFVPLで測定される負債性
金融商品に係る利益または損失は、こ
れが発生した期間における損益を通じ
て公正価値で認識される。(IFRS
9.5.7.1)
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項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
資本性金融商品
企業は、当初認識後にすべての資本性
金融商品を公正価値で測定しなければ
ならない。株式投資に係る公正価値損
益をOCIに表示することを選択した場
合、当該商品の認識を中止した後に事
後的に公正価値損益を損益に再分類す
ることはない。
損益を通じて公正価値で測定する金融
資産の公正価値の変動は、損益計算書
に認識される。
(IFRS 9.5.2.1, 9.5.7.1, B5.2.3,
B5.7.1)
( 30 ) 外貨建金融資 企業は、IAS第21号を、IAS第21号に 外貨建その他有価証券の評価差額に関して、取
従った貨幣性項目であり、かつ、外貨 得原価または償却原価に係る換算差額も評価差
産
で表示されている金融資産および金融 額と同様に処理する。
負債に適用する。IAS第21号は、貨幣性 すなわち、外貨建の売買目的有価証券および満
資産および貨幣性負債についての為替 期保有目的の債券の換算差額は損益計算書で認
の利得および損失を純損益に認識する 識され、外貨建のその他有価証券の換算差額は
ことを求めている。 a) 純資産の部に計上され、売却、減損あるいは
例外は、キャッシュ・フロー・ヘッ
回収時に損益計算書へ計上される、もしくはb)
ジ、純投資のヘッジまたはOCIオプショ
個々の有価証券について、時価が取得原価を上
ンに従って公正価値の変動をその他の
回る場合には純資産の部に計上し、下回る場合
包括利益に表示することを企業が選択
には損益計算書に計上される。
した資本性金融商品の公正価値ヘッジ
上記に加え、外貨建債券については、外国通貨
のいずれかにおいてヘッジ手段として
による時価の変動に係る換算差額を評価差額と
指定されている貨幣性項目である。
し、それ以外の差額については為替差損益とし
(IFRS 9.B5.7.2)
て処理することもできる。
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(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 31 ) 減損 減損（損失評価引当金）の対象となる 貸倒引当金の対象となる金融商品は、法的形式
金融商品は次のとおり。 が債権であるもの（売掛金、受取手形、売掛
適用範囲
償却原価で測定する金融資産 金、貸付金、リース債権等）である。
（IFRS 9.4.1.2） 当座貸越契約および貸出コミットメントは金融
商品会計基準の対象であるが、会計処理の定め
FVOCIで測定される金融資産
はない。貸手は、未使用のコミットメント残高
（IFRS 9.4.1.2A）
を注記する。
IFRS16「リース」に従って会計処
債務保証契約は、引当金の要件に該当する場合
理されるリース債権
には引当金を計上し、それ以外の場合は債務保
IFRS15「顧客との契約から生じる
証の金額を注記する。
収益」に従って認識および測定される
契約資産
ローン・コミットメント（IFRS 9.
2.1(g), 4.2.1(d)）（＊）
金融保証契約（IFRS 9.4.2.1
（c））（＊）
＊純損益を通じて公正価値で測定する
ものは含まない。
（IFRS 9.5.5.1）
なお、FVPLで測定される金融資産およ
びOCIオプションを選択した資本性金融
商品には減損（損失評価引当金）の要
求事項は適用されない。
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(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 32 ) 減損 損失評価引当金は、金融商品の「信用 貸倒引当金の算定は、以下の（1）から（3）
リスクが当初認識時以降に著しく増 の区分に応じて測定する。
予想信用損失の測定
大」しているかどうかを判断し、判断 (1) 一般債権
一般的なアプローチ
結果に応じて測定する。
過去の貸倒実績率等合理的な基準により貸倒見
積高を算定する。貸倒損失の過去のデータから
(1) 信用リスクが当初認識時以降に著し
貸倒実績率を算定する期間は、一般には、債権
く増大していない金融商品（「ス の平均回収期間が妥当とされている。
テージ１」）：「12ヶ月の予想信用 (2) 貸倒懸念債権
損失」と同額で損失評価引当金を測
以下のいずれかの方法による。
定
債権額から担保の処分見込額および保証に
12 ヶ月の予想信用損失とは、全期間の
よる回収見込額を減額し、その残額について債
予想信用損失のうち、ある金融商品に
務者の財政状態および経営成績を考慮して貸倒
ついて報告日後12ヶ月以内に生じ得る
見積高を算定する方法
「債務不履行」事象から生じる予想信
債権の元本および利息に係るキャッシュ・
用損失を表す部分をいう。
フローを合理的に見積り、当期末まで当初の約
定利子率または実効利子率で割り引いた金額の
(2) 信用リスクが当初認識時以降に著し
総額と債権の帳簿価額との差額を貸倒見積高と
く増大している金融商品（「ステー する方法
ジ２」、「ステージ３」）：「全期 (3) 破産更生債権等
間の予想信用損失」と同額で損失評
債権額から担保の処分見込額および保証による
価引当金を測定
回収見込額を減額し、その残額を貸倒見積高と
全期間の予想信用損失とは、当該金融
する方法
商品の存続期間にわたるすべての生じ
（注）IFRS第９号のような当初認識後の信用リ
得る「債務不履行」事象から生じる
スクの増大を考慮した相対的アプローチではな
「予想信用損失」をいう。
く、現時点における信用リスクを考慮した絶対
（IFRS 9.5.5.3, 5.5.5,付録Ａ）
的アプローチによっていると考えられる。ま
た、基本的には常に全期間の予想信用損失を考
慮していると考えられる。
（金融商品に関する会計基準第27項、28項、金
融商品会計実務指針第109項-117項）
( 33 ) 減損 の戻入れ 減損損失の減少は、減損認識後の事象 減損の戻入れは行われない。
と客観的に関連付けられる場合、戻し
(IFRS 9)
入れなければならない。
( 34 ) 貸出コミット 当初認識時において、貸出コミットメ (金融商品実務指針第139項)
ントが、公正価値オプションとして指 貸出コミットメントはオフバランス取引であ
メント
定されている場合、現金または他の金 る。
融商品の引渡しまたは発行による純額 当座貸越契約(これに準ずる契約を含む。) およ
決済が可能である場合、または、市場
び貸出コミットメントについて、貸手である金
金利を下回る金利で貸付金を提供する
融機関等は、その旨および極度額または貸出コ
コミットメントの場合、公正価値で評
ミットメントの額から借手の実行残高を差し引
価される。
いた額を注記する。
上記以外は、IFRS第９号の（当初認識
時の）適用範囲から除外されている。
ただし、この場合でも、当初認識後は
IFRS第９号の減損の要求事項が適用さ
れる。
（IFRS 9.2.1(g), 2.3, 5.1.1）
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(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 35 ) 金融負債と資 IAS第32号にて、金融負債と資本の区分 金融負債と資本の区分に関する包括的な規定は
に関する包括的な規定が設けられてお 存在しない。
本の区分
り、金融商品の契約の実質ならびに金
(IAS32.11, 16A-
融負債、資本性金融商品の定義に基づ
16D, 15, 18)
き区分しなければならない。
( 36 ) 自己の信用リ 金融負債は、純損益を通じて公正価値 支払手形、買掛金などの金銭債務は、債務額を
で測定する金融負債（売買目的負債お もって貸借対照表価額とし、社債については社
スク
よび公正価値オプション）および償却 債金額より低いまたは高い価額で発行した場合
(IFRS 9)
原価で測定される金融負債に分類され には償却原価で評価する必要がある。
る。
公正価値オプションを適用した金融負
債について、当該負債の信用リスクの
変動に起因する公正価値の変動はその
他の包括利益に表示しなければならな
い。ただし、この処理が純損益におけ
る会計上のミスマッチを創出または拡
大する場合は、負債の信用リスクの変
動の影響を含む全ての利得または損失
を純損益に表示しなければならない。
（IFRS 9.4.2.1, 4.2.2, 5.7.7,
5.7.8）
( 37 ) 組込デリバ （IFRS 9.4.3.2） 複合金融商品に組込まれた組込デリバティブ
は、次のすべての要件を満たした場合、主契約
ティブの分離要件 主契約がIFRS第９号の範囲内の金融資
から区分して時価評価される。
（金融資産が主契約 産である場合は、組込デリバティブを
組込デリバティブのリスクが現物の金融資
の場合） 分離せず、当該金融商品全体について
産または金融負債に及ぶ可能性がある
(IFRS 9) 分類の判定を行う。
組込デリバティブと同一条件の独立したデ
リバティブが、デリバティブの特徴を満たす
当該複合金融商品について、時価の変動に
よる評価差額が当期の損益に反映されない
上記の要件を満たさない場合でも、管理上組込
デリバティブを区分して管理している場合には
主契約と組込デリバティブを区分して会計処理
することができる。
( 38 ) 組込デリバ （IFRS 9.4.3.3） 非金融商品が主契約となる組込デリバティブに
関する規定は存在しない。
ティブの分離要件 組込デリバティブは、次のすべての要
（非金融商品が主契 件を満たす場合、かつ、その場合にの
約の場合） み、主契約から区分して公正価値評価
(IFRS 9) する。
組込デリバティブの経済的特徴およ
びリスクが、主契約の経済的特徴お
よびリスクに密接に関連していない
組込デリバティブと同一条件の別の
デリバティブが、デリバティブの定
義を満たす
当該混合金融商品について、公正価
値変動が純損益に反映されない
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項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 39 ) ヘッジ会計の 公正価値ヘッジ（ヘッジ対象の特定の 原則として、ヘッジ手段に係る損益または評価
リスクに係る公正価値の変動と、ヘッ 差額を、税効果を考慮のうえ、原則、純資産の
手法
ジ手段の公正価値の変動を、ともに損 部において繰り延べる。
(IAS39, IFRS 9)
益として認識・計上する）、キャッ ただし、ヘッジ対象に係る相場変動等を損益に
シュ・フロー・ヘッジ（ヘッジ手段の 反映させる時価ヘッジも認められる。
公正価値変動のうち、有効部分を資本
の部に直接計上する）、および在外営
業活動体に対する純投資のヘッジにつ
いて、ヘッジ会計の会計処理が行われ
ている。
ラボバンクは、ミクロ・キャッシュ・
フロー・ヘッジ会計についてのみIFRS
第９号を適用している。IFRS第９号は
金利リスクのポートフォリオ・ヘッジ
に関するソリューションを提供してい
ないため、経営陣は、マクロ公正価値
ヘッジ会計について、引き続きIAS第39
号に基づくヘッジ会計のソリューショ
ンを適用している。
( 40 ) ヘッジ非有効 （IFRS9.6.5.3, 6.5.11（c）） (金融商品実務指針第172項)
ヘッジ全体が有効と判定され、ヘッジ会計の要
部分の処理 ヘッジの非有効部分は、純損益に認識
件が満たされている場合には、非有効部分につ
(IFRS 9) する必要がある。
いても繰延処理することができる。
OCIオプションを選択した資本性金融商
非有効部分を合理的に区分できる場合には、当
品に対する投資を公正価値ヘッジの
期の損益に計上することができる。
ヘッジ対象に指定する場合（かつ、そ
の場合のみ）、ヘッジの非有効部分は
その他の包括利益に表示され、純損益
に振り替えられることはない。
( 41 ) 金利スワップ 該当する基準はなく、このような処理 (金融商品会計基準第107項)
は認められない。 一定の条件を満たす場合には、金利スワップを
の特例処理
時価評価せず、金利スワップに係る利息を直
接、金融資産・負債に係る利息に加減して処理
することが認められる。
( 42 ) 未払有給休暇 累積型については、将来の有給休暇に 該当する基準はない。
対する権利を増加させる勤務を従業員
(IAS19.13-18)
が提供したときに、有給休暇に係る予
想コストを認識することが求められ
る。
非累積型については、休暇取得時に認
識する。
( 43 ) 確定給付制度 確定給付制度において積立超過がある （退職給付に関する会計基準「以下「退職会計
場合、正味確定給付制度資産として認 基準」第13項）
－資産計上など
識しうる額は、当該積立超過の額また
(IAS19.8, 64)
はアセット・シーリングのいずれか低 年金資産の額が退職給付債務を超える場合に
い金額に制限される。 は、資産として計上する（なお、個別財務諸表
については別個の定めがある（「退職会計基
準」第39（1）項）。
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項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 44 ) 確定給付制度 確定給付制度負債（または資産）の純 （退職会計基準第15項、第24項，注7，退職給付
額を財政状態計算書に認識しなければ に関する会計基準の適用指針（以下「退職給付
－数理計算上の差異
ならない（そのため、数理計算上の差 適用指針」第33-40項，第43項）
(IAS19.8, 63)
異の遅延認識は認められない）。その 数理計算上の差異は、原則として各期の発生額
他の包括利益で認識された当該差異の について、平均残存勤務期間以内の一定の年数
純損益への振替は認められない。 で按分した額を毎期費用処理する。また、当期
に発生した未認識数理計算上の差異は税効果を
調整の上、その他の包括利益を通じて純資産の
部に計上する（なお、個別財務諸表については
別個の定めがある（「退職会計基準」第39（1）
項）。
その他の包括利益累計額に計上されている未認
識数理計算上の差異のうち、当期に費用処理さ
れた部分について、その他の包括利益の調整
（組替調整）を行う（なお、個別財務諸表につ
いては組替調整は行わない（「退職会計基準」
第39（2）項）。
数理計算上の差異については、未認識数理計算
上の差異の残高の一定割合を費用処理する方法
によることができる。数理計算上の差異につい
ては、当期の発生額を翌期から費用処理する方
法を用いることができる。
過去勤務費用と数理計算上の差異の費用処理年
数は別個に設定することが可能である。
( 45 ) 確定給付年金 原則：給付算定式方式 （退職会計基準第19項、退職給付適用指針第11
例外：定額方式（後期の年度の勤務が 項，第12項，第13項）
制度－確定給付制度
初期の年度より著しく高い水準の給付 計算方法は、以下の選択適用となる。
債務の期間配分方法
を生じさせる場合） ・期間定額基準
(IAS19.67, 70)
・給付算定式基準（IAS19号と同様）
なお、給付算定式基準に従う給付額が著しく後
加重であるときには、当該後加重である部分の
給付については、当該期間（退職給付に関する
会計基準の適用指針第13項参照）の給付が均等
に生じるとみなして、定額で期間帰属させる。
( 46 ) 確定給付年金 以下の順序で検討する。 （退職会計基準第20項、注6、退職給付適用指針
割引率は、退職後給付債務と同一通貨 第24項）
制度－割引率
で同様の期日を有する優良社債の（報 安全性の高い債券の利回りを基礎として決定す
(IAS19.83)
告期間の末日現在の）市場利回りを参 る（検討にあたり順序はない）。
照して決定する。 割引率の基礎とする安全性の高い債券の利回り
そのような社債について厚みのある市 とは、期末における国債、政府機関債および優
場が存在しない場合には、報告期間の 良社債の利回りをいう。
末日現在における国債の市場利回りを
使用しなければならない。
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項目 国際財務報告基準(IFRS)
(一般に公正妥当と認められる会計原則)
( 47 ) 確定給付年金 期待運用収益という概念はない。 （退職会計基準第23項、退職給付適用指針第21
上記で算定された割引率を確定給付制 項、第25項）
制度－期待運用収益
度負債（資産）の純額に乗ずること 期待運用収益は、期首の年金資産の額（期中に
率
で、確定給付制度負債（資産）の純額 年金資産の重要な変動があった場合には、これ
(IAS19.123)
に係る利息純額を算定する。 を反映させる）に合理的に期待される収益率
（長期期待運用収益率）を乗じて計算する。
長期期待運用収益率は、年金資産が退職給付の
支払に充てられるまでの時期、保有している年
金資産のポートフォリオ、過去の運用実績、運
用方針および市場の動向等を考慮して設定す
る。
( 48 ) 確定給付年金 制度が改訂または縮小された時と、会 （退職会計基準第15項、第25項、注9、注10、退
社が関連するリストラ費用や解雇給付 職給付適用指針 第33項、第41項、第42項、第
制度－過去勤務費用
を認識した時のいずれか早い時期に過 43項）
(IAS19.103)
去勤務費用を純損益として認識する。 過去勤務費用は、原則として各期の発生額につ
いて、平均残存勤務期間以内の一定の年数で按
分した額を毎期費用処理する。また、当期に発
生した未認識過去勤務費用は税効果を調整の
上、その他の包括利益を通じて純資産の部に計
上する（なお、個別財務諸表については別個の
定めがある（「退職会計基準」第39（1）項）。
その他の包括利益累計額に計上されている未認
識過去勤務費用のうち、当期に費用処理された
部分について、その他包括利益の調整（組替調
整）を行う（なお、個別財務諸表については組
替調整は行わない（「退職会計基準」第39（2）
項）。
過去勤務費用については、未認識過去勤務費用
の残高の一定割合を費用処理する方法によるこ
とができる。この場合の一定割合は、過去勤務
費用の発生額が平均残存勤務期間以内に概ね費
用処理される割合としなければならない。数理
計算上の差異については、当期の発生額を翌期
から費用処理することができるが、過去勤務費
用については同様の処理を認める規定が存在し
ない。
退職従業員に係る過去勤務費用は、他の過去勤
務費用と区分して発生時に全額を費用処理する
ことができる。
過去勤務費用と数理計算上の差異の費用処理年
数は別個に設定することが可能である。
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第７【外国為替相場の推移】
日本円とユーロの交換に関する為替相場は、国内において発行される２紙以上の日刊新聞紙に、当上半期中毎
日掲載されているため、本書におけるその記載を省略する。
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第８【提出会社の参考情報】
当社は、当事業年度開始日から本書提出日までの間に下記の書類を関東財務局長に提出した。
書類名 提出日
発行登録書（売出） 2022 年６月７日
有価証券報告書 2022 年６月15日
訂正発行登録書（売出） 2022 年６月15日
発行登録追補書類（売出） 2022 年６月24日
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第１【保証会社情報】
該当なし
第２【保証会社以外の会社の情報】
該当なし
第３【指数等の情報】
該当なし
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