ドイツ銀行 有価証券報告書
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和4年6月29日
【事業年度】 2021年度(自 令和3年1月1日 至 令和3年12月31日)
【会社名】 ドイツ銀行
(Deutsche Bank Aktiengesellschaft)
【代表者の役職氏名】 チーフ・エグゼクティブ・オフィサー クリスティアン・ゼーヴィング
(Christian Sewing, Chief Executive Officer)
プレジデント カール・フォン・ローア
(Karl von Rohr, President)
【本店の所在の場所】 ドイツ連邦共和国 60325 フランクフルト・アム・マイン タウヌス
アンラーゲ12
(Taunusanlage 12, 60325 Frankfurt am Main, Federal Republic of
Germany)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 箱田 英子
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 丸の内パークビルディング
森・濱田松本法律事務所
【電話番号】 03(6212)8316
【事務連絡者氏名】 弁護士 箱田 英子
同 田井中 克之
同 二村 佑
【連絡場所】 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 丸の内パークビルディング
森・濱田松本法律事務所
【電話番号】 03(6212)8316
【縦覧に供する場所】 該当なし
(注1)本書において、別段の記載がある場合を除き、「提出会社」または「当行」とはドイツ銀行を指し、「グループ」とはドイツ銀行とその連結子
会社を指す。
(注2)原則として、本書において便宜上記載されている日本円金額は、2022年5月31日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信売買相場の仲値
(1ユーロ=137.76円)により計算されている。
(注3)本書の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがある。
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第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
概 説
ドイツ法は、各種の企業形態について規定している。
-合名会社(Offene Handelsgesellschaft-「OHG」)
商法第105条乃至第160条の適用を受け、組合員全員が組合の負債につき無限責任を負う。
-合資会社(Kommanditgesellschaft-「KG」)
商法第161条乃至第177条aの適用を受け、最低1名の社員(無限責任社員)が無限責任を負うのに対し、他の(有限責任)
社員はその出資額を限度とする責任を負う。
-GmbH & Co.KG(合資会社の特殊形態)
有限会社がその唯一の無限責任社員となる。
この種の会社は、合資会社に適用ある規定の適用を受ける。
-有限会社(Gesellschaft mit beschränkter Haftung-「GmbH」)
有限会社法の適用を受け、法人格を有する。
会社債権者に対する債務は、会社の資産のみをもって弁済され、出資した持分の払込みをなした社員は責任を負わない。
最低25,000ユーロの固定資本を有し、かかる資本は持分に分割される。ただし、持分は公正証書によってのみ譲渡可能で
ある。
-株式会社(Aktiengesellschaft-「AG」)
株式会社法の適用を受け、有限会社と同様法人格を有する。会社債権者に対する債務は、会社の資産のみをもって弁済さ
れ、出資した株式の払込みをなした株主は責任を負わない。最低50,000ユーロの固定資本を有し、かかる資本は株式に分
割される。株式は、公証人の認証がなくても譲渡可能であるが、一般に、株式会社法上認められた会社の構造は、有限会
社法上のそれと比べると柔軟性に乏しい。
株式会社(以下単に「会社」という。)としての当行に適用される法律は、1965年9月6日付株式会社法(改正済)であ
る。当行に適用される同法の主要な規定の概要は以下のとおりである。
設 立
会社を設立するには、1人以上の者(「発起人」)が、取得する株式の額面金額に等しいかまたは額面金額以上の出資によ
り当該会社の株式を取得し、かつ当該会社の定款を作成しなければならない。定款の記載事項は以下のとおりである。
-会社の名称および所在地
-会社の目的
-資本の額
-株式の額面金額(もしあれば)および各額面金額毎の株式数、株式が複数の種類の株式の場合は、各種類株式の名称およ
び株式数
-株式の記名式・無記名式の別。保険会社および新事情としてダイムラー、シーメンスおよびドイツ銀行等の国際的に事業
を行っている大企業を除き、ドイツの証券取引所に上場されている会社の場合は、通常、無記名式株式である。
-取締役の員数または員数決定の根拠となる規則
-会社の公告に関する規定
会社は、管轄裁判所から認証を受けた後その所在地において商業登記簿に登記されなければならない。会社の定款も、当該
管轄裁判所に提出しなければならない。登記事項には、以下の事項が含まれている。
-名称および所在地
-目的
-資本の額
-定款作成日
-取締役の氏名およびその代表権の範囲
定款の変更は、商業登記簿に登記されたときに有効となる。
株 式 資 本
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会社の資本は、株式に分割される。当該資本はユーロ建で、1株当たりの最低額面金額、または場合により、各無額面株式
の株式資本組入最低部分を1ユーロとし、かつ最低資本金の額は、50,000ユーロである。株式を、額面以下で発行してはなら
ない。株式には種々の権利、特に、利益および会社資産の分配に関する権利を付与できる。同一の権利を付与された株式は、
す べて同一種類の株式とする。
会社は、株式会社法第71条および71条a)乃至d)に定めるところに従い、一定の例外的な場合に限り自己株式を取得する
ことができる。会社は、自己株式によっては権利または利益を享受することができない。
資本増加は、準備金の転換による一定の増加を除き、新株の発行のみによりなされる。取締役会は、株主総会から適法に委
任された場合に限り、現金による払込みまたは現物出資による資本増加を決議することができる。株主は、株式会社法第186条
第3項および第4項の場合を除き、当該新株式につき新株引受権を付与されなければならない。資本増加は、商業登記簿に登
記されたときに法律上有効となる。
株主総会は、会社が発行を認めた転換権または新株引受権を担保するため条件付資本増加をすることができる。かかる資本
増加は当該株式が発行されたときに法律上有効となる。
株 主 総 会
定時株主総会は、会社の各営業年度の開始後8か月以内に開催される。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデ
ミック危機の状況下での柔軟な対応のため、法律は2020年 から2022年8月31日まで における定時株主総会に関する適用除外を
設け、営業年度開始から12か月以内に開催することおよび株主の権利の行使に一定の制限を設けた上でバーチャル株主総会の
み開催することを許容している。定時株主総会以外の株主総会は、会社のために必要な場合に随時これを開催することができ
る。
株主総会は、取締役会または監査役会が招集することができる。株主総会は、また、資本金の5%を有する株主が取締役会
に書面で招集を請求した場合にも招集することができる。(定款により、当該株主総会招集権をより低い比率の資本金を有す
る株主に付与する旨定めることができる。)株主総会の招集通知は、総会の会日、または、会社の定款により株主による事前
の通知が要求される場合、総会に出席しようとする株主が出席の意思を通知しなければならない日の最終日、または無記名式
株式を発行している上場会社の場合、基準日における株式保有の証明が会社に対して提供されなければならない日(いずれも
当該日を含まない)の30日以上前に、会社が公告掲載のために選択した新聞(もしあれば)および連邦官報に公告する。すべ
ての株主の氏名が判明している場合は、書留郵便により株主総会を招集することもできる。総会招集通知または書留郵便に
は、総会の日時、場所および上記の出席のための一切の条件ならびに各議案に関する取締役会および監査役会(一定の場合、
後者のみ)の提案事項を含む議事日程を掲載する。株主(ただし、資本金の内5%以上または50万ユーロ以上を有する者)
は、議案を提案することができる。
下記事項の決定権は、株主総会に保留される。
(1)監査役会における株主代表の選任
(2)貸借対照表に記載された配当可能利益の処分
(3)取締役および監査役の責任解除
(4)決算監査人の選任
(5)定款変更
(6)資本増加および資本減少
(7)特別監査人の選任
(8)会社の解散
株主総会は、取締役会から請求された場合に限り会社の業務執行に関する事項につき決議する。
株主総会において、各株主は、株式会社法第131条第3項に規定された場合を除き、請求する情報が当該議案を客観的に判断
するのに必要な場合に限り、取締役会から回答を得る権利を有する。
議決権は、所有株式の額面金額に比例する。非上場会社に限り、1名の株主が行使しうる議決権の数を、定款により制限す
ることができる。本人または所定の様式もしくは定款により規定された他の方式により適法に授権された代理人が議決権を行
使することができる。
株主総会の決議は、原則として、行使された議決権の過半数により行われる。定款変更、資本増加もしくは資本減少または
会社解散の場合には、出席株式総数の4分の3以上の多数の賛成によらない限り決議することができない旨の規定が、株式会
社法にある。定款により、多数決の要件を加重し、また一定の場合には緩和することができる。
上場会社の株主総会の議事録は、公証人が作成する。議事録は、一定の書類を添付して株主総会後不当に遅滞することなく
商業登記所に提出する。
経営陣の構成
株式会社法は、取締役会および監査役会について規定している。いかなる個人も取締役会および監査役会の構成員を兼務す
ることはできない。
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取 締 役 会
取締役会は、1名以上の法律上完全な行為能力を有する自然人により構成される。各取締役は、監査役会により選任され、
その任期は5年以内とする。各取締役は、最高5年を任期として、監査役会の決議により再任されまたは任期の延長が許され
る。取締役会が複数の取締役で構成される場合、監査役会は、取締役会会長を選任することができる。
取締役会は、第三者に対して裁判上および裁判外において会社を代表する。取締役会が複数の取締役で構成される場合、定
款により、取締役は単独もしくは共同して、または会社の適法に授権された他の代理人1名と共同して会社を代表することが
できる旨定めることができる。取締役会およびかかる代表権を付与された取締役は、1名の取締役または取締役以外の者に対
し、一定の商取引または一定の種類の業務を執行する権限を委任することができる。取締役会全体としての会社を代表する権
限を、制限することはできない。
取締役または会社を代表するその他の者の変更については、商業登記簿に登記しなければならない。
取締役会は、その責任において会社の業務を執行する。取締役会は、監査役会が取締役会規則を定めることを決定した場
合、または定款により監査役会に取締役会規則を定める権限が付与されている場合を除き、取締役会規則を定めることができ
る。
取締役会は、監査役会に対し、営業方針、会社の収益性、業務の展開、会社の現況、会社の収益性もしくは流動性に重大な
影響を及ぼす取引および会社にとって非常に重要なその他の一切の事項について報告しなければならない。
取締役会は、株主総会の決議事項のうちその権限の範囲内にあるものを執行する。
監査役会は、取締役全員の報酬を決定する。上場会社の報酬体系は会社の持続可能な発展を図るものでなければならず、当
該報酬体系に重要な変更があった場合および少なくとも4年に一度は株主総会の承認を要する。
監査役会の明示の承認がある場合に限り、取締役に対し貸付を行うことができる。かかる貸付は、従業員が一般的に利用で
きる条件または通常の取引条件の下でのみ認められる。米国2003年サーベインズ・オクスリー法に基づき、ある一定の貸付は
いかなる場合も取締役に対して実行してはならない。
監 査 役 会
一般に従業員が20,000名以上の会社の監査役会は、株主により選任される10名の監査役およびドイツの従業員により選任さ
れる10名の監査役で構成される。後者の10名のうち、7名は会社の従業員とし、3名は労働組合の代表とするが、この3名が
会社の従業員である場合もある。
法律上完全な行為能力を有する自然人のみが会社の監査役となることができる。下記の者は、会社の監査役となることはで
きない。
(注1)
-監査役会の設置が義務付けられている10の企業の監査役にすでに就任している者
(注1)会長職は2社と数え、最高5社までの、当該企業の子会社もしくは当該者が取締役となっている会社に支配されている会社の監査役職は、上
記の計算に含めない。
-当該会社の被支配会社の取締役会(もしくは同等の機関)の構成員である者
-当該会社の取締役が監査役に就任している会社の取締役会(もしくは同等の機関)の構成員である者
-当該会社の取締役もしくは副取締役である者または当該会社を代表する権限を付与されているその他の者
-直近の2年間に当該会社において取締役会の構成員であった者。ただし、その選任が当該会社の株主の総議決権の25%超を
保有する株主の提案によるものである場合を除く。
ドイツ銀行法(Kreditwesengesetz – KWG)第25d条第3項は、銀行および金融持株会社の監査役会の構成員に関していくつ
かの追加的制限を規定している。2015年、株式会社法により、完全な共同決定に服する上場会社の監査役会においては、原則
としてそのメンバーの男性および女性の構成比をそれぞれ30%以上とすることを内容とする追加的な制限が規定された。
ただし、監査役会は、欠員または出席不能の取締役に代わる1名以上の者を、その構成員の中から1年以下の期間を任期と
して取締役に選任することができる。取締役に選任された者は、その任期中監査役としての職務を行うことはできない。
株主を代表する監査役10名は、株主総会で選任される。従業員を代表する監査役選任については、共同決定法第9条乃至第
24条および2004年5月28日に同法に基づき公布された3つの規則により定められた細則が適用される。選任手続は複雑で、多
くの子会社を有する親会社の場合には少なくとも31週間を要する。
監査役の任期は、就任後4営業年度目に係る同監査役の責任解除につき決議する株主総会をもって終了する期間、すなわち
約5年を超えることができない。再任することは妨げない。
監査役に変更が生じた場合は、取締役会は監査役全員を記載したリストを商業登記所に提出しなければならない。
監査役会は、会社経営の監査を職務とする。監査役は、会社の会計帳簿および資産を自ら監査するか、または、他の監査
役、また、特定の範囲につき適切な専門家に、かかる監査を委任することができる。監査役会は、会社の利益のために必要な
場合は株主総会を招集しなければならない。監査役会は、業務執行をすることはできない。ただし、監査役会または定款は、
一定の種類の取引については、監査役会の承諾ある場合に限り、これを行うことができる旨定めることができる。
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監査役の報酬は、定款または株主総会により決定することができる。上場株式会社においては、報酬は少なくとも4年に一
度、株主総会によって決定される。当該報酬には、会社の年間利益からの分配が含まれることがある。
監査役に対し、取締役に対する場合と同様の基準により貸付を行うことができる。
財 務 書 類
会社は、商法および株式会社法の規定に従い取引、資産および負債に関し適正な記帳をする。取締役会は、当営業年度の開
始後3か月以内に、前営業年度についての貸借対照表、損益計算書およびそれらの注記(併せて「財務書類」と総称する。)
ならびに経営報告書を作成する。財務書類の形式および内容については、株式会社法、商法および信用機関および金融サービ
ス機関による会計規則(RechKredⅤ)に規定されている。かかる商法および会計規則には、1990年11月30日の銀行会計の内容
を指示する法律により制定され、1993年1月1日以降の会計年度に適用しなければならない銀行の財務書類に関する特別規則
(下記にその一部を記載する。)が含まれる。
財務書類およびその基礎となる会計帳簿については、株主総会で選任された決算監査人または決算監査法人が監査する。決
算監査人はまた、監査意見書に監査結果の要約を記載しなければならない。かかる監査意見には、監査範囲、採用した会計・
監査原則および監査結果を記載するものとする。決算監査人は、特に、当該監査意見の留保事項の有無につき記載しなければ
ならない。
決算監査人は、財務書類に上記の意見を記載することができない場合は、その旨を明示した報告書を発行しなければならな
い。
取締役会は、財務書類を監査役会に提出し、決算監査人は、監査報告書を提出し、その監査結果を報告し、次いで監査役会
がこれらの書類を監査し、監査結果を書面で株主総会に報告する。監査役会は、決算監査人の報告書について意見を述べ、異
議を申立てるか否か、および財務書類を承認するか否かを記載しなければならない。年次決算書は、監査役会が承認すれば、
最終財務書類となる。取締役会および監査役会は、財務書類の承認を株主総会に委ねる旨決定することができるが、通常は委
ねない。いずれの場合にも、財務書類は次に株主総会に提出される。
2007年以降、会社の法律上の代表者は、当該財務書類を、株主に提示された後遅滞なく、かつ貸借対照表の日付の後12か月
以内(上場会社の場合は4か月以内)に、決算監査人の監査報告書もしくは監査意見の範囲限定報告書、経営報告書、監査役
会報告書を付して電子化の上、連邦官報(Bundesanzeiger)に提出しなければならない。当該事業年度の純利益または純損失
の明細を決定した利益処分案および利益処分決議も、同時にもしくはそれらの決定後不当に遅滞することなく提出しなければ
ならない。会社の代表者は、これらの書類が、提出後不当に遅滞することなく連邦官報に公告され、会社の登記所
(Unternehmensregister)に送付されるよう手配しなければならない。所有株式表は、連邦官報に公告されることを要しな
い。
利 益 処 分
配当可能利益の処分は、株主総会で決定される。株主は、法律および会社の定款により、株主総会で別段の処分を決議しな
い限り配当可能利益の配当を請求する権利を有する。
会社が清算されない限り、配当可能利益だけを株主に配当することになる。
企 業 契 約
企業契約は、会社がその経営を他の会社に委任する契約、または他の会社に自己の利益および損失の全部を移転する契約な
らびにその他の同種類の契約をいう。企業契約は、法律および定款に規定された多数決による株主総会の承認がある場合に限
り、締結および改定することができる。各株主は、請求すれば株主総会前に当該契約の写しを受領する権利を有する。当該契
約は、契約中の一定の重要な規定が会社所在地の商業登記簿に登記されたときに有効となる。当該商業登記簿を管轄する裁判
所は、電子的方法により新しく登記された事項を公告する。
定 款 変 更
会社の定款は、株主総会の決議のない限り変更することができない。法律および定款は各種の定款変更決議に必要な多数を
規定する。定款の変更は、会社所在地の商業登記簿に登記されたときに有効となる。一定の定款変更はまた、裁判所により電
子的方法により公告されなければならない。
連結財務諸表
統一的な経営に服する会社グループについては、親会社は連結財務諸表も作成しなければならない。
商法第315条aおよび国際財務報告基準(IFRS)の適用に関する欧州議会および欧州連合理事会2002年7月19日規則第1606/
2002号は、欧州連合内で上場しているドイツの会社は2005年以降、IFRSに基づいて連結財務諸表を作成すべきことを要請して
いる。
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(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
A.株 式
当行の株式はすべて記名式である。無記名式株式も発行することができる。
B.株 主 総 会
取締役会および監査役会のその営業年度における行為についての責任解除、利益処分、決算監査人の選任、および場合に
より年次決算書の承認(定時株主総会)につき決議することを目的として招集される株主総会は、各営業年度の開始後8か
月以内に開催される。
株主総会の招集通知は、総会への出席を希望する株主が出席意思を登録しなければならない最終日の遅くとも30日前(公
告日および最終日を日数の計算に算入しない。)までに連邦官報に公告する。登録要件および株主総会の出席票発行に関す
る詳細は、招集通知に記載されなければならない。
1株1議決権とする。
法律または定款の強行規定に別段の定めのない限り、株主総会の決議は、議決権の単純過半数により採択される。発行済
株式総数の過半数が要求される場合には、発行済株式総数の単純過半数により採択される。
C.取 締 役 会
取締役会は、3名以上の取締役により構成される。
監査役会は、取締役を選任し、かつ取締役の員数を決定する。
当行は、取締役2名により、または取締役1名および委任状(Prokurist)を有する代理人により適法に代表される。
取締役会は、実業界との近密な関係を維持し、かつ業務上の諮問を受けるため、諮問委員会および地方諮問委員会を設置
することができる。
D.監 査 役 会
監査役会は、20名の監査役で構成される。
監査役会の決議は、法律に別段の定めのない限り、議決権の単純過半数により採択される。可否同数の場合は、共同決定
法第29条第(2)項および第31条第(4)項により会長が決する。
以下の場合には、監査役会の承認が要求される。
a)事項を特定しない一般的な代理権の授与
b)5億ユーロ超に相当する不動産の取得および処分
c)他の会社の持分の取得を含め、ドイツの銀行法により金融機関の監査機関の承認を要する信用の供与
d)10億ユーロ超に相当する他の持分の取得および処分
5億ユーロ超にかかる持分の取得または処分は、監査役会に遅滞なく報告されなければならない。
(1)b)およびd)についての承認は、当該取引が従属法人においてなされた場合にも必要とされる。
(2)監査役会は、監査役会の承認を要する取引を追加的に定めることができる。
E.年次決算書および利益処分
当行の営業年度は暦年である。
取締役会は、各営業年度の開始後3か月以内に、前営業年度に関する年次財務諸表(貸借対照表、損益計算書および注
記)ならびに経営報告書を作成し、これを当該年度の決算監査人に提出する。取締役会は、年次決算書を、決算監査人は、
監査報告書を、監査役会に提出する。
監査役会は、当該書類の提出を受けた日から1か月以内に取締役会に監査役会の報告書を提出する。
配当可能利益は、株主総会が別段の決議をしない限り、株主に分配される。
当行が利益分配証書を発行し、当該利益分配証書の条項により、利益分配証書の保有者に配当可能利益の分配請求権が付
与されている場合、配当可能利益の該当部分に対する株主の請求権は排除される(株式会社法58条4項)。
株主に対する配当は、常に、株式資本に対する持分株式の出資の比率および出資期日から経過した期間に比例して行われ
る。
新株式発行の場合、当該株式について異なる配当を決定することができる。
2【外国為替管理制度】
欧州連合の他の加盟国におけると同様に、国際連合決議を遵守するための欧州連合の管轄当局の規制により、当該規制の指
定する一定の法人および自然人に対する資産凍結命令が発効した。また、欧州連合は、イランに対し独自の様々な経済制裁お
よび金融制裁を課してきた。欧州連合はイランに対する核関連の経済制裁および金融制裁を2016年1月16日にすべて解除した
が、一部の制裁措置は引き続き効力を有している。
さらに、ロシアのウクライナに対する大規模な軍事行動を受けて、欧州連合、米国、英国およびその他の国々がロシアに対
して広範にわたる制裁を課した。
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若干の例外を除き、ドイツの居住者である法人または個人は、非居住たる法人または個人から受領しまたはこれらに対して
もしくはこれらの勘定で行われる12,500ユーロ(または外国通貨による相当額)を超える支払について、ドイツ連邦銀行への
報告が求められる。この報告要件は、統計上の目的によるものである。
上記の例外を除いて、現在、ドイツの居住者またはドイツ市民以外の当行株主に対する資金の移管または配当その他の支払
の送金を妨げるドイツの法律、判決または規制は存在しない。
また、ドイツの非居住株主または外国人株主の当行株式の保有または適用ある議決権行使の権利は、ドイツの法律または当
行の定款に基づき制限を受けることはない。ただし、投資額が一定の基準に達しまたはこれを上回った場合には、一定の報告
義務が適用され、また当該投資がBaFin、欧州中央銀行およびその他の管轄当局による審査対象になることがある。
3【課税上の取扱い】
ドイツの課税上の取扱い
当行によって日本国居住者に支払われる配当金(日本において無制限の納税義務に服する。)は、25%のドイツの源泉課税
の対象となる。源泉税には5.5%の追加税が課せられ、その結果、税率は合計26.375%となる。
所得に対する租税およびある種の租税に関する二重課税の回避のための日本国とドイツとの間の協定(DTT)に従い、ドイツ
の源泉税は配当の15%を超えることはできない。DTTの下で適用される源泉税と実際に源泉徴収される税額(26.375%)の差額
の救済は、還付を申請することにより、又は(支払が行われる前に)源泉課税の免除を申請することにより、受けることがで
きる。後者は、事前に、特定の要件(例:居住国での居住の証明、10%以上の株式保有など)を充足する場合に所定の様式に
よる申請書に基づきドイツの税務当局により付与される免除証書が必要となる。
還付を受けるためには、特別の申請書がドイツ、D-53221 ボンの連邦中央税務署(Bundeszentralamt für Steuern)に提
出されなければならない。申請書は、源泉課税年度以後4年以内に提出されなければならない。
日本国居住者が得る当行の株式の売却益(日本において無制限の納税義務に服する。)は、その株式が日本企業のドイツ国
内に有する恒久的施設の営業用資産の一部となっている場合、またはその株式が業務上のサービスを実施する目的をもって日
本国居住者がドイツ国内において利用しうる恒久的施設に属する場合を除き、ドイツの所得税の対象とならない。
自然人である日本国居住者が所有する当行の株式は、当該日本国居住者が個人またはその関係者と共に当行の株式資本の
10%以上を所有する場合にのみドイツの相続税(Erbschaftsteuer)が課される。
日本の課税上の取扱い
所得税法、法人税法、相続税法およびその他の関連法令に従いかつその制限のもとで、日本国の個人または法人は、適用あ
る租税条約に従い、上記で述べたところに従って個人または法人の各所得について(また個人については相続についても)支
払ったドイツ税額につき日本の税務当局に税額控除を請求することができる。「第8 本邦における提出会社の株式事務等の概
要、2 日本における実質株主の権利行使に関する手続、(4)配当等に関する課税上の取扱い」参照。
4【法律意見】
当行グループの法務部は、アソシエイト・ジェネラル・カウンセルであるミケーレ・フランケおよび上級法律顧問である
フォルカー・ブツケによる次の趣旨の法律意見書を提出している。
(1)当行は、ドイツ連邦共和国法に基づき適法に設立され、有効に存続する法人である。
(2)当該法律顧問が知りかつ信ずる限りにおいて、本書中のドイツ連邦共和国法に関する記述は、真実かつ正確である。
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第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(注1)
(a)ドイツ銀行グループ(連結ベース)
(特に表示がない限り単位:百万ユーロ(億円))
年 度 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
10,640
信用損失引当金繰入額控除後の 11,853 12,791 13,026 9,734
純利息収益 (16,329) (17,621) (17,945) (13,410) (14,658)
14,070 12,000 9,416 12,503 14,255
利息以外の収益合計
(19,383) (16,531) (12,971) (17,224) (19,638)
25,922 24,791 22,441 22,237 24,895
(注 2 )
純収益合計
(35,710) (34,152) (30,915) (30,634) (34,295)
1,228 1,330 -2,634 1,021 3,390
税引前利益(損失)
(1,692) (1,832) (-3,629) (1,407) (4,670)
ドイツ銀行株主およびその他の資本構成 -751 267 -5,390 495 2,365
要素に帰属する純利益(損失) (-1,035) (368) (-7,425) (682) (3,258)
-3,892 298 -6,073 -762 3,844
包括利益(損失)合計(税引後)
(-5,362) (411) (-8,366) (-1,050) (5,295)
5,291 5,291 5,291 5,291 5,291
普通株式
(7,289) (7,289) (7,289) (7,289) (7,289)
63,174 62,495 55,857 54,786 58,027
株主持分合計
(87,029) (86,093) (76,949) (75,473) (79,938)
1,474,732 1,348,137 1,297,674 1,325,259 1,323,993
資産合計
(2,031,591) (1,857,194) (1,787,676) (1,825,677) (1,823,933)
普通株式等Tier 1 資本比率(CRR / CRD 4 適
14.8 13.6 13.6 13.6 13.2
(注 3 )
用ベー ス)(%)
普通株式等Tier 1 資本比率(CRR / CRD 4 完
14.0 13.6 13.6 13.6 13.2
(注 4 )
全適用ベー ス)(%)
Tier 1 自己資本率(CRR / CRD 4 適用ベー
16.8 15.7 15.6 15.7 15.7
(注 3 )
ス)(%)
Tier 1 自己資本率(CRR / CRD 4 完全適用
15.4 14.9 15.0 15.4 15.6
(注 4 )
ベー ス)(%)
30.16 29.69 26.37
26.04 27.62
基本的流通株式 1 株当たり純資産
(4,155) (4,090) (3,633)
(3,587) (3,805)
(ユーロ(円))
(注 5 ) -0.53 -0.01 -2.71
0.07 0.96
基本的 1 株当たり利益(損失)
(-73) (-1) (-373)
(10) (132)
(注6)
(ユーロ(円))
(注 5 ) -0.53 -0.01 -2.71
0.07 0.93
希薄化後 1 株当たり利益(損失)
(-73) (-1) (-373)
(10) (128)
(注7)
(ユーロ(円))
39,576 -54,172 -40,449 30,736 -2,952
営業活動によるキャッシュ・フロー
(54,520) (-74,627) (-55,723) (42,342) (-4,067)
2,433 7,634 -10,280 -1,892 23,595
投資活動によるキャッシュ・フロー
(3,352) (10,517) (-14,162) (-2,606) (32,504)
7,138 -3,334 -2,802 -311 1,630
財務活動によるキャッシュ・フロー
(9,833) (-4,593) (-3,860) (-428) (2,245)
229,025 180,822 128,869 156,328 179,946
現金および現金同等物の期末残高
(315,505) (249,100) (177,530) (215,357) (247,894)
従業員数(常勤相当) ( 人) 97,535 91,737 87,597 84,659 82,969
(注1)当行の連結財務諸表は、IFRSに基づき開示されている。
(注2)信用損失引当金繰入額控除後
(注3)CRR/CRD 4フレームワークの暫定適用ベースに基づいている。自己資本比率は、対象となる資本とリスク・ウェイテッド・アセットとの関連を
示している。
(注4)CRR/CRD 4フレームワークの完全適用ベースに基づいている。
(注5)基本的平均流通株式数は、増資に関連して2017年4月に割り当てられた新株引受権の無償交付の要素の影響を反映するため2017年4月より前の
全ての期間で修正されている。
(注6)各年度の基本的1株当たり利益は、ドイツ銀行株主に帰属する純利益を普通株式の平均流通株式数で除して計算されている。利益は、2021年4
月、2020年4月、2019年4月、2018年4月および2017年4月にその他Tier 1証券のクーポンとしてそれぞれ支払われた3億6,300万ユーロ、3
億4,900万ユーロおよび3億3,000万ユーロ(税引前)、2億9,200万ユーロおよび2億9,800万ユーロ(税引後)によって調整されている。2019年
以降は、税の影響は直接純利益(損失)において認識されている。
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(注7)各年度の希薄化後1株当たり利益は、ドイツ銀行株主に帰属する純利益を普通株式の平均流通株式数(いずれも想定される株式転換後の数値)
で除して計算されている。利益は、2021年4月、2020年4月、2019年4月、2018年4月および2017年4月にその他Tier 1証券のクーポンとして
そ れぞれ支払われた3億6,300万ユーロ、3億4,900万ユーロおよび3億3,000万ユーロ(税引前)、2億9,200万ユーロおよび2億9,800万ユーロ
(税引後)によって調整されている。2019年および2017年については、当行グループは純損失を計上したため希薄化効果はない。2018年につい
ては、その他Tier 1証券に支払われたクーポンにより純利益が相殺されたため希薄化効果はない。
(b)ドイツ銀行
(特に表示がない限り単位:百万ユーロ(億円))
年 度 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
29,092 31,492 27,840 27,515 26,252
収益合計
(40,077) (43,383) (38,352) (37,905) (36,165)
1,574 2,975 -6,452 -902 121
営業利益(損失)
(2,168) (4,098) (-8,888) (-1,243) (167)
644 514 -19,685 -1,769 1,919
当期純利益(損失)
(887) (708) (-27,118) (-2,437) (2,644)
5,291 5,291 5,291 5,291 5,291
資本金
(7,289) (7,289) (7,289) (7,289) (7,289)
1,232,245 888,562 777,081 993,292 1,020,109
資産合計
(1,697,541) (1,224,083) (1,070,507) (1,368,359) (1,405,302)
54,343 54,634 34,728 32,959 34,913
純資産額
(74,863) (75,264) (47,841) (45,404) (48,096)
(注1)
1株当たり純資産額
26.10 26.20 16.80 15.95 16.89
(3,596) (3,609) (2,314) (2,197) (2,327)
(ユーロ(円))
0.31 0.25 -9.52 -0.86 0.93
1株当たり利益(損失)
(43) (34) (-1,311) (-118) (128)
(ユーロ(円))
1株当たり配当 0.11 0.11 - - 0.20
(ユーロ(円)) (15) (15) (-) (-) (28)
配当性向(%) 35.3 44.2 N/A N/A 21.5
(注2)
従業員数(人)
29,259 27,397 26,271 32,132 35,848
(注1)配当可能利益を除く。
(注2)常勤相当の平均従業員数。
2【沿革】
当行の法律上および商業上の名称は、ドイチェ・バンク・アクチエンゲゼルシヤフト(Deutsche Bank
Aktiengesellschaft)という。当行は、ドイツの法律に基づき組成された株式会社である。ドイチェ・バンク・アクチエンゲ
ゼルシヤフトは、ハンブルグのノルトドイチェ・バンク・アクチエンゲゼルシヤフト(Norddeutsche Bank
Aktiengesellschaft)、デュッセルドルフのライニッシュ・ヴェストファリッシェ・バンク・アクチエンゲゼルシヤフト
(Rheinisch-Westfälische Bank Aktiengesellschaft)およびミュンヘンのズートドイチェ・バンク・アクチエンゲゼルシヤ
フト(Süddeutsche Bank Aktiengesellschaft)の統合により設立された。金融機関の業務地域に関する法律(Law on the
Regional Scope of Credit Institutions)に基づき、これらの銀行は、1870年に設立されたドイツ銀行から1952年に分割され
た。当該合併およびドイツ銀行の名称は、1957年5月2日、フランクフルト・アム・マインの地方裁判所の商業登記簿に登記
された。
当行は、登録番号HRB第30000号で登記されている。当行の登記上の住所は、ドイツ、60325フランクフルト・アム・マイン、
タウヌスアンラーゲ12であり、当行の電話番号は、+49-69-910-00である。
重要な資本的支出および資産の処分に関する情報については、「第6 経理の状況、1 財務書類、(1)連結財務書類、①取締役
会報告書、重要な資本的支出および資産の処分」の項に記載されている。
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3【事業の内容】 (2021年12月31日現在)
(1)会社の目的
ドイツ銀行は、定款に記載されたとおり、一切の銀行取引業務、金融その他のサービス提供および国際的経済関係の推進を
目的とする。当行は、本目的を当行自身により、または子会社および関連会社を通じて、達成することができる。当行は、法
律により許容されている範囲内で、不動産の取得および処分、ドイツ国内外の支店の設置、他の企業への参加権の取得、管理
および処分、ならびに企業の利益参加に関する契約の締結を含む、当行の目的を促進するとみなされる一切の取引を行いまた
一切の手段を講じることができる。
(2)事業の内容
ドイツ銀行は、フランクフルト・アム・マイン(ドイツ)に本店を置くドイツ最大の銀行であり、2021年12月31日現在の総
資産規模が1兆3,240億ユーロで、世界最大の金融機関の一つである。2021年度末現在、当行内部の従業員数はフルタイム換算
で82,969名であり、58ヶ国において1,709支店(このうち67%がドイツ国内)を運営している。当行グループは、世界中の個
人、法人および機関投資家顧客向けに多種多様な投資、金融および関連の商品およびサービスを提供している。
2021年12月31日現在、当行グループは以下のセグメントで組織されている。
- コーポレート・バンク(CB)
- インベストメント・バンク(IB)
- プライベート・バンク(PB)
- アセット・マネジメント(AM)
- キャピタル・リリース・ユニット(CRU)
- コーポレートおよびその他(C&O)
当行グループでは、CB、IB、PB、AM、C&Oをコア・バンクと呼んでいる。
さらに、ドイツ銀行グループは、グローバル戦略を一貫して実行するために、国および地域の層からなる組織構造を有して
いる。
当行グループは、世界の大部分の国々における既存顧客および潜在顧客と営業または取引を行っている。これらの営業およ
び取引は、以下を通じて行われている。
- 子会社および支店
- 駐在員事務所
- 顧客に対応する1名以上の営業担当者
各部門に関連する資本的支出または資産の処分は、各コーポレート部門の概要に記載されている。
当行グループの関係会社のそれぞれの名称および所在地は、ドイツ銀行グループの資本持分とともに「第6 経理の状況、1
財務書類、(1)連結財務書類 注記44 保有株式」に記載されている。
(3)日本における業務活動
1962年-東京に駐在員事務所を開設
1971年-東京に支店を設立する。(当行の子会社であったドイチェ・ユーバーゼーイッシュ・バンク(Deutsche
Überseeische Bank)の支店であったが、1976年に当行は同行を吸収合併した。)と同時に駐在員事務所の閉鎖
1977年-西日本地域の業務を促進するための事務所として大阪に駐在員事務所を開設
1979年-東京に駐在員事務所を再開設
1982年-中部日本地域における業務を促進するための事務所として名古屋に駐在員事務所を開設
-大阪の駐在員事務所をあらゆる領域のサービスを提供する支店に組織変更
1986年-香港の投資銀行であるDBキャピタル・マーケッツ(アジア)リミテッド(DB Capital Markets (Asia)
Ltd.)(当行が議決権付株式資本の50%を保有する。)の東京支店の開設
-ドイツ企業および多国籍企業に対し、日本市場への参入および通商に関し助言を行うコンサルティング会社であ
るファウベル・アンド・パートナーズ・リミテッド(Vaubel & Partners Ltd.)の持分を取得
-DBキャピタル・マネジメント・インターナショナル・ゲーエムベーハー(DB Capital Management
International GmbH)の全額出資子会社であるドイツ銀証券会社を日本における投資顧問およびポートフォリオ
の運営管理を行うため設立
1988年-ドイツ銀証券会社が、東京証券取引所の会員権を取得
1989年-香港のDBアジア・ファイナンス(HK)リミテッド(DB Asia Finance(HK)Ltd.)の駐在員事務所を東京に開
設
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-名古屋の駐在員事務所をあらゆる領域のサービスを提供する支店に組織変更
-ドイツ銀行株式を東京証券取引所に上場
1990年-ドイツ銀投資顧問およびモルガン・グレンフェル・インターナショナル・アセット・マネジメント・カンパ
ニー・リミテッド(Morgan Grenfell International Asset Management Co., Ltd.)を合併し、DBモルガン・
グレンフェル・アセット・マネジメント・リミテッド(DB Morgan Grenfell Asset Management Ltd.)を東京に
設立
1991年-ドイツ銀証券会社が、大阪証券取引所の会員権を取得
1993年-ファウベル・アンド・パートナーズ・リミテッドの全持分を取得し、社名をローランド・バーガー・アンド・
パートナー・リミテッド(Roland Berger & Partner Ltd.)に変更
1994年-ドイツ銀証券会社が東京国際金融先物取引所の会員権を取得
-ドイツ銀証券会社がドイツ銀行の全額出資子会社となる。
1996年-ドイツ銀証券会社が「ドイチェ・モルガン・グレンフェル証券会社」に名称変更
-信託銀行であるチェース・マンハッタン信託銀行を買収し、ドイチェ・モルガン・グレンフェル信託銀行に名称
変更
1998年-ナットウェスト・デリバティブス(NatWest Derivatives)の営業拠点の獲得完了
ドイチェ・モルガン・グレンフェル証券会社が「ドイツ証券会社」に名称変更
1999年-バンカース・トラストの日本における営業所の獲得完了
2000年-ドイツ銀行名古屋支店閉鎖
-バンカース・トラスト東京支店閉鎖
-DMG信託銀行の持分の大半を売却
2001年-ドイツ銀行大阪支店閉鎖
2004年-ドイツ証券会社が、ジャスダック証券取引所の取引参加者証を取得
2005年-ドイツ証券会社東京支店が、すべての営業を、日本法人として設立されたドイツ証券株式会社に譲渡
-ドイチェ・アセット・マネジメントとドイチェ信託銀行の資産運用サービス業務をドイチェ・アセット・マネジ
メントに統合
-ドイチェ信託銀行が法人信託サービス業務をDB信託株式会社に移管し、信託銀行免許を返上
2006年-ドイツ銀行株式の東京証券取引所上場廃止
2007年-ドイツ証券株式会社が第一種金融商品取引業者として、またドイツ銀行東京支店が登録金融機関として、それぞ
れ金融商品取引法に基づき登録
2014年-DB信託株式会社が「ドイチェ信託株式会社」に名称変更
2017年-ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が第一種金融商品取引業者として、金融商品取引法に基づき登録
2020年-ドイチェ信託株式会社の全株式をSanne Group Japan株式会社(現在の商号Sanne Group Japan信託株式会社)に売
却
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4【関係会社の状況】
(1)親会社
当行には親会社はない。
(2)子会社および関連会社等 (2021年12月31日現在)
当行は、子会社337社、連結ストラクチャード・エンティティ225事業体および持分法により会計処理されている会社69社を
有している。
下記は当行の主要な連結子会社である。
名称 住所 資本金 ドイツ銀 主要な事業の ドイツ
行グルー 内容 銀行と
プの所有 の関係
割合 内容
(%)
DB ・ユーエスエー・コーポレーション ウィルミントン 3,862 米ドル 100 金融会社 -
ドイチェ・バンク・アメリカズ・ホー ウィルミントン 120 米ドル 100 金融持株会社 -
ルディングCorp.
DB U.S. ファイナンシャル・マーケッ ウィルミントン 23,672 米ドル 100 金融持株会社 -
ツ・ホールディング・コーポレーショ
ン
ドイチェ・バンク・セキュリティー ウィルミントン 2,000 米ドル 100 証券業 -
ズInc.
ドイチェ・バンク・トラスト・コーポ ニューヨーク 1 米ドル 100 金融持株会社 -
レーション
ドイチェ・バンク・トラスト・カン ニューヨーク 2,127,308,670 100 商業銀行業 -
パニー・アメリカズ 米ドル
ドイチェ・バンク・ルクセンブルクS.A. ルクセンブルク 3,959,500,000 100 商業銀行業 -
ユーロ
DB ベタイリグングス-ホールディング フランクフルト 50,000 ユーロ 100 金融持株会社 -
GmbH
DWS グループGmbH & Co. KGaA フランクフルト 200,000,000 79 金融持株会社 -
ユーロ
(注)上記に加え、当行は、ドイツ証券株式会社を日本における重要な連結子会社と考えている。当行の証券取引業務は、日本において主に同社によっ
て展開されている。
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5【従業員の状況】 (2021年12月31日現在)
(1)ドイツ銀行グループ(連結)
従業員数(常勤相当) 82,969人
コーポレート・バンク(CB)(直接雇用、常勤相当) 13,265
インベストメント・バンク(IB)(直接雇用、常勤相当) 7,202
プライベート・バンク(PB)(フロント・オフィス常勤相当) 28,100
アセット・マネジメント(AM)(フロント・オフィス常勤相当) 4,072
コーポレートおよびその他(C&O)(常勤相当) 30,064
キャピタル・リリース・ユニット(CRU)(オフィス常勤相当) 267
(注)四捨五入されているため合計が一致しない可能性がある。
(2)ドイツ銀行AG
従業員数(常勤相当) 34,859人
平均年齢 44.3歳
平均勤続年数 16.3年
平均年間給与 167,500ユーロ
(3)ドイツ銀行グループの総従業員数は、2020年12月31日現在の84,659人から、2021年12月31日現在で82,969人となった。従
業員数の計算は常勤相当で行っており、その中には一定数の非常勤の従業員が含まれている。
地域別
以下の表は、2021年、2020年および2019年12月31日現在の地域別の総従業員数(常勤相当)を示している。
(注1)
従業員数 2021年12月31日 2020年12月31日 2019年12月31日
ドイツ 35,741 37,315 40,491
EMEA地域(欧州(ドイツを除く)/中東/アフリカ) 19,311 19,617 19,672
アジア太平洋地域 20,215 19,430 18,874
(注2)
北米 7,556 8,149 8,399
ラテン・アメリカ 145 148 162
従業員数合計 82,969 84,659 87,597
(注1)常勤相当。数字は四捨五入をしているため、必ずしも合計と一致するものではない。
(注2)主に米国。
ドイツ 銀行 グループの総従業員数は、2019年7月に発表された改革の取組みの実施により、2021年に1,690人(前年比
2.0%)減少した。
-ドイツにおける従業員数は、主にプライベート・バンク(PB)および管理部門において、再編策の実施により、
1,574人(前年比4.2%)減少した。
-北米における従業員数は、全ての事業部門および関連する管理部門における減少により、592人(前年比7.3%)減
少した。
-ラテン・アメリカにおける従業員数は、当行の拠点戦略の実施の結果、主にブラジルにおける減少により、3人
(前年比2.0%)減少した。
-EMEA地域(ドイツを除く)における従業員数は、テクノロジー、データおよびイノベーションにおける増員により
一部相殺されたものの、主にプライベート・バンクおよびコーポレート・バンクにおける減少により、306人(前年
比1.6%)減少した。
-アジア太平洋地域における従業員数は、主にテクノロジー、データおよびイノベーションにおける増員により、785
人(前年比4.0%)増加した。
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部門別
以下の表は、2021年、2020年および2019年12月31日現在の部門別の従業員(常勤相当)の内訳を示している。
従業員数 2021年12月31日 2020年12月31日 2019年12月31日
コーポレート・バンク(CB) 16.0 % 15.7 % 15.4 %
インベストメント・バンク(IB) 8.7 % 9.0 % 8.5 %
プライベート・バンク(PB) 33.9 % 35.2 % 35.9 %
アセット・マネジメント(AM) 4.9 % 4.6 % 4.5 %
キャピタル・リリース・ユニット(CRU) 0.3 % 0.6 % 0.7 %
管理部門 36.2 % 34.9 % 35.0 %
-コーポレート・バンク(CB)の従業員数は、主に主にアジア太平洋地域における増員により一部相殺されたもの
の、米国および英国における減少により、55人(前年比0.4%)減少した。
-インベストメント・バンク(IB)の従業員数は、主に営業部門における減少により、382人(前年比5.0%)減少し
た。
-プライベート・バンク(PB)の従業員数は、主にドイツおよびEMEA地域(ドイツを除く)における減少により、
1,665人(前年比5.6%)減少した。
-アセット・マネジメント(AM)の従業員数は、主にドイツ、英国およびアジア太平洋地域における増員により、146
人(前年比3.7%)増加した。
-キャピタル・リリース・ユニット(CRU)の従業員数は、主にグローバル・プライム・ファイナンスおよび株式電子
トレーディングのプラットフォームの売却に関連する減少により、211人(前年比44.2%)減少した。
-管理部門の従業員数は、主に業務上不可欠な外部スタッフを内部雇用としたことによるテクノロジー、データおよ
びイノベーション業務における1,040人の増員により増加したが、他のすべての管理部門における減少により一部相
殺され、477人(前年比1.6%)の増加となった。
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第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
世界経済
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経済成長(%) 2021 年 2020 年
主な要因
世界経済 6.0 -3.1 2021年の世界のGDP成長率は、主にCOVID-19の変異株による影
響が予想以上に長く続いていることとサプライチェーンの混乱
により、年初の予想をやや下回る結果となった。ワクチンの接
種と供給の実施状況は若干期待を下回り、インフレリスクが高
まる中、成長の見通しがやや下方修正された。2021年の世界の
GDP成長率は、様々な国で回復の勢いに著しい変動が見られた
にもかかわらず、10年以上前の世界金融危機以降において依然
として最高の水準にある。
このうち:先進国 5.1 -4.8 先進諸国は、2021年にCOVID-19ワクチンが早期に入手可能に
なったことからプラスの影響を受けた。財政政策は引き続き内
需を下支えし、産業部門はグローバルでの回復からプラスの影
響を受けた。また、中央銀行は拡張的なスタンスを維持し、財
政政策を補完した。それにもかかわらず、先進諸国の景気回復
は、世界的なサプライチェーンの制約により減速した。
このうち:新興国市場 6.6 -1.8 新興国市場の景気回復は、引き締めと緩和の繰り返しとワクチ
ン接種ペースによって妨げられた。2021年度下半期には、物流
のボトルネックとエネルギー価格の上昇に起因してインフレが
進行した。
ユーロ圏経済 5.2 -6.5 ユーロ圏経済は、特にデルタ変異株によるCOVID-19感染の波が
一段落した後は、好調であった。しかし、2021年度下半期には
物流の制約が逆風となって状況は悪化し、ユーロ圏は2021年度
第4四半期にはほぼ停滞した。欧州中央銀行は引き続き支援を
行い、財政政策も引き続き拡張された。
このうち:ドイツ経済 2.8 -4.6 COVID-19関連の制限が緩和され、個人消費が急速に伸びると、
ドイツ経済は2021年に回復を見せた。産業界は好調な世界貿易
からプラスの影響を受けたが、物流のボトルネックのためにそ
の潜在的回復力を実現するには至らなかった。一時的な要因と
相まって、サプライチェーンの制約とエネルギー価格の上昇が
インフレ率の大幅な上昇をもたらした。これらの要因により、
2021年度第4四半期はGDPが縮小した。
米国経済 5.7 -3.4 米国経済は2021年に好調な回復を見せた。大規模な財政刺激
策、ワクチン接種の実施および労働市場の力強い改善が内需を
下支えした。しかし、持続的な物流のボトルネックとCOVID-19
の影響が回復をやや抑制した。2021年においてインフレ率は大
幅に上昇した。連邦準備銀行の金融政策は引き続き拡張的で
あった。
日本経済 1.7 -4.5 2021年における日本経済の回復は他の先進国に比べて遅く、
2021年初頭の予想よりも弱いものであった。これは、COVID-19
の影響の長期化、政府によるパンデミックへの厳格な対応、半
導体および他の製品の供給不足の拡大によるものであった。日
本銀行は引き続き緩和政策の立場を維持した。
4
アジア経済 7.1 -0.8 2021年のアジアの景気回復は、多くのアジア諸国でGDP成長率
が予想を下回ったことと、COVID-19の影響がより深刻かつ長期
化したことの影響を受けた。2021年を通じ、成長度合いの差が
拡大し、アジアにおける先進国は概ね回復基調である一方、そ
の他の国は大きく鈍化した。
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このうち:中国経済 8.1 2.2 中国経済は主に輸出需要に成長を牽引され、2021年に向けてダ
イナミックなスタートを切った。2021年に入り時がたつにつ
れ、内需はCOVID-19の感染急拡大とそれに関連する措置、なら
びに信用や規制上の統制の厳格な実施により影響を受けた。影
響が及んでいる不動産セクターとエネルギー不足が回復を抑制
した。
1 年間実質GDP成長率(対前年比%)出典:別途記載のものを除き各国の当局。
2 出典:ドイツ銀行リサーチ。
3 パンデミックが経済に及ぼした影響を受け、2020年の経済データの一部は公的な統計機関により改訂されている。その結果、このデータ
は過年度に公表した数値とは異なる可能性がある。
4 中国、香港、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、スリランカ、韓国、台湾、タイ、ベトナムを含むが、日
本を除く。
銀行業界
2021 年12月31日現在
前年比 法人向け 個人向け
成長率(%) 貸出 貸出 法人預金 個人預金 主な要因
ユーロ圏 3.1 4.0 8.1 5.0 法人向け貸出金の伸びはここ数ヶ月で大幅に回復し、法人
預金の伸びにも寄与している。個人預金はほぼCOVID-19以
前のペースで拡大した。個人向け貸出は、住宅ローンに牽
引されて一層加速し、現在では実質的に過去10年間で最も
好調な分野となっている。
このうち: 5.0 5.2 6.4 3.3 法人向け貸出金の伸びは、2021年初頭は鈍化したが、ここ
数ヶ月で再び大幅に伸び、現在はCOVID-19危機以前の水準
ドイツ
に近づいている。個人向け貸出の伸びは1年前に既に記録
的な高水準にあり、特に住宅ローンでさらに勢いを増した
が、最近は頭打ちとなっている。消費者向け貸出は低迷が
続いている。個人預金は2016年以降で最も緩やかな伸びを
示している。法人預金は伸びはやや鈍化しているが増加を
続けている。
1 1
米国 0.9 3.8 11.3 11.3 法人向け貸出金は前年比で減少したが、ここ数ヶ月は安定
している。個人向け貸出は縮小から回復し、現在はCOVID-
19危機前の堅調な成長ペースに戻っている。異例の高水準
からは落ち込んだものの、預金合計の伸びは依然として力
強く、2桁成長を見せている。
中国 10.5 12.5 6.1 10.6 法人向け貸出、個人向け貸出ともに緩やかに減速している
が、伸び率は依然として2桁台である。伸び率の推移は最
近では安定しているものの、預金による資金調達も勢いを
失っており、特に、パンデミックに突入以来、実質的に取
引高が伸び悩んでいる法人向けにおいて顕著である。
1 セクター別内訳は入手不能であるため、米国の預金合計である。
2021 年は、グローバルのオリジネーションおよびアドバイザリー(O&A)にとって例外的な年であった。手数料収入合計は、
わずか1年前に記録した過去最高をはるかに上回る記録を達成し、39%増となった。O&Aの利益は米ドルベースで過去10年間で
ほぼ倍増した。2021年において、手数料プールは、株式オリジネーション、債券オリジネーション、および最大増加幅が見ら
れたアドバイザリーという主要なカテゴリー全体にわたり過去最高を更新した。手数料プール全体の60%は米州、23%は
EMEA、17%はAPACであった。アドバイザリー(公表案件数ベース)および株式オリジネーション(記録的なIPOおよびフォロー
オン取引)の取引高は過去最高水準まで増加した一方、債券オリジネーションは、ハイ・イールド債の発行は過去最高となっ
たものの、投資適格債および国債の正常化に牽引され、過去最高を記録した2020年から減少した。2020年のパフォーマンスが
いずれも非常に好調であったのに対し、債券および為替全体の収益プールは約16%減少し、G10為替と金利は20%以上低下し、
新興市場は10~15%減少し、コモディティ(DBの商品ポートフォリオに含まれていない。)は概ね横ばいとなった。ファイナ
ンシングの商品は、2021年度下半期の力強い成長に牽引されて前年度を上回った。株式手数料プール(これもDBの商品ポート
フォリオの重要部分に含まれていない。)は、デリバティブ商品と仕組み商品が主な原動力となり、前年比で25%増加したと
推定されている。
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事業戦略
2019年7月、当行は抜本的改革を発表した。 発表して以降、当行は主要なコミットメントにおいて大きく前進した。当行
は、事業基盤を見直し、競争で優位に立つことができない事業を選択して撤退した。また戦略的重点項目の実施に注力し、財
務目標およびマイルストーンの達成を推進した。当行の4つすべての中核事業において、事業の活発化、市場シェアの拡大、
2022年に向けての業績を支える投資の実施と相まって、収益および取引高の双方が増加した。新型コロナウイルス感染症
(COVID-19)のパンデミックにより先行きが不透明な中、当行は、顧客との関わりを増やし、顧客が困難を乗り切るための支
援を提供した。当行は、想定される改革関連費用の97%を計上して、2021年を終えた。この進展は、当行のステークホルダー
により外部から認められるものであった。2021年においては特に、ムーディーズ、S&Pおよびフィッチにより、格付が上方修正
された。
当行の競争力は、グローバル展開している貸出事業、投資事業、決済事業、リスク管理事業および資本市場における仲介事
業の能力、ならびにホームマーケットであるドイツでの安定性を基盤としている。今後10年間で銀行業界の市場は前例のない
変化を遂げる可能性がある中、強みおよび安定性が重要になると考えられる。当行の事業環境は、マクロ経済環境における大
きな変化、温室効果ガス排出量が実質的にゼロ(ネットゼロ)な経済への移行、およびテクノロジーの進化によって決定され
る。この変動の激しい世界において、特にアドバイザリー・サービス、ESG関連取引支援、およびリスク管理に関する顧客の需
要が増加すると予想される。
当行の意欲的目標は、顧客のグローバルなハウスバンクとしてその金融ニーズ全般に取り組み、全ての顧客にとっての
「ファーストコール」パートナーとなることである。当行のグローバル・ネットワーク、全世界で20,000を超えるアカウント
マネージャー、市場に関する専門性、包括的な商品ラインおよび優れたリスク管理により、当行は欧州を拠点とする有数のグ
ローバルなハウスバンクの地位に立てると考えている。当行が向かう方向が正しいことは、顧客の取引活動の活発化や収益力
のある成長からも明らかである。当行は、顧客のリスクをヘッジし、顧客の改革に対して資金を提供し、インフレの悪影響を
相殺し顧客の資産を保護できるような投資を手助けすることにより、複雑な環境における顧客の舵取りを支援する。これを踏
まえ、当行は今後、進化の次の段階に移行し、効率性を向上させ、かつ資本管理を維持しつつ、当行の事業を一層成長させる
ことにより、持続可能な収益力を備えることに注力していく。
当行の今後の成長目標は、安定的かつ持続可能な事業に重点を置いている。コーポレート・バンク、プライベート・バンク
(主としてインターナショナル・プライベート・バンク)およびアセット・マネジメントにおいては、成長に向け、的を絞っ
た施策が策定されている。インベストメント・バンクにおいては、当行の戦略を一貫してかつ厳格に実施することに引き続き
注力する。
これらの意欲的な成長目標に加え、コスト削減にも引き続き注力する。長期的に競争力のある地位を再構築しかつ強化する
ため、規律を維持しつつ将来に向けて投資力を高めていく。 当行は削減したコストを、成長に向けて的を絞った施策および追
加の業務効率改善策に再投資する予定である。
成長目標および効率性への注力は、双方とも、当行株主への資本還元を可能にすることを意図したものである。当行は、事
業成長への投資と資本還元との間のバランスをとるよう、改革の最終段階においていしたものと同様の規律を引き続き採用す
る。当行グループの有形株主資本利益率プロファイルを強化するため、当行のポートフォリオ内でより高利回りかつ高成長の
事業への資本の再配分を図る。
当行は、規制当局による承認および株主の承認を受け、ドイツ会社法の要件を満たすことを条件として、収益力のある成長
を支援し今後予定されている規制上の変更への対応に必要とされる金額を超えて自社株を買い戻すことにより、現金配当の持
続的増加および株主への剰余金の還元を実現することをコミットした。その目的に向けて、取締役会は、当行の戦略的目標を
達成することを条件として、1株当たりの現金配当額を2021年の1株当たり0.20ユーロを基準として、その後の3年で年率
50%増加させる予定である。これは2025年までに支払われる2021年から2024年に関する累積現金配当額が約33億ユーロとなる
ことを意味する。2024年について、当行は、2025年に配当の支払いおよび自社株の買戻しを組み合わせることにより、50%の
株主還元率を達成する予定であり、翌年以降も50%の株主還元率を維持する予定である。よって、すでに発表された2022年に
おける3億ユーロの自社株の買戻しに加え、当行の現行の財務目標を満たすことは、以前発表した、2021年から2024年に関す
る、配当の支払または自社株の買戻しの実施による総額50億ユーロの累積分配をサポートすることになる。
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さらに、当行が2025年まで財務計画および戦略計画を成功裏に実施できた場合、2021年から2025年に関して推定される累積分
配額は約80億ユーロに達することになる。株主に対する資本還元目標は、約13%の健全な普通株式等 Tier 1(CET1)資本比率
(すなわち、現時点で当行がしばらく適用されると想定している当行の最大分配可能額(MDA)の基準値を200ベーシスポイン
ト 以上上回るCET1資本比率)を維持するという目標により一層補強されている。
当行の2021年業績
コア・バンクの増収を維持
当行の戦略的改革は、当行のコア・バンクの重点を見直して、魅力的なリターンが見込める成長市場で運営される、市場を
リードする事業に集中させるよう計画された。当行のコア・バンクは、4つの中核となる事業部門、すなわちコーポレート・
バンク(CB)、インベストメント・バンク(IB)、プライベート・バンク(PB)およびアセット・マネジメント(AM)、なら
びにコーポレートおよびその他(C&O)のセグメントで構成される。2021年において、当行のコア・バンクの収益は254億ユー
ロ、グループ全体の収益は254億ユーロとなり、2020年からそれぞれ5%および6%増加した。
コスト削減目標への継続的努力
当行は、2021年において引き続きコスト削減に大きな力を注いだ。2021年の利息以外の費用は、2020年から3億ユーロ、率
にして1.4%わずかに増加し、215億ユーロであった。改革の進展に伴い、当行の費用収益比率は2019年以降大幅に改善し、24
パーセンテージ・ポイント低下した。改革費用およびプライム・ファイナンスに関して返還される可能性のある費用を除く調
整済コストは、2020年から3億ユーロ、率にして1.3%減少して193億ユーロとなった。これは人員削減を反映して報酬が減少
したことによるもので、変動報酬における業績連動の調整額ならびに主に投資支出と当行のITおよびプラットフォーム戦略の
実施による情報技術(IT)コストのわずかな増加を相殺した。
キャピタル・リリース・ユニットにおいてはポートフォリオおよびコストを引き続き削減し、プライム・ファイナンスの譲渡
を完了
キャピタル・リリース・ユニット(CRU)は、2021年も引き続きポートフォリオを大幅に削減するとともに、コストの削減を
さらに進めた。当行のグローバル・プライム・ファイナンスおよび株式電子トレーディング事業からBNPパリバへの顧客、テク
ノロジーおよび主要な従業員の移行は、目標としたスケジュールどおり2021年末までに成功裡に完了した。
2021年末におけるリスク・ウェイテッド・アセット(RWA)は、2020年末の340億ユーロから減少して280億ユーロとなり、
2022年末の目標である320億ユーロを前倒しで達成した。2021年12月31日現在、同ユニットのRWAには、オペレーション・リス
クRWA200億ユーロが含まれている。2021年末現在のレバレッジ・エクスポージャーは、2020年末の720億ユーロから46%減少し
て390億ユーロとなり、2022年の目標である510億ユーロを既に達成済みである。
2019年半ばにおけるキャピタル・リリース・ユニットの創設以来、RWAは57%、額にして370億ユーロ、レバレッジ・エクス
ポージャーは84%、額にして2,100億ユーロ削減された。
キャピタル・リリース・ユニットの業績は、2021年において大幅に改善した。税引前損失は、2020年の22億ユーロから38%
減少し、14億ユーロとなった。この改善は主に、2021年中に改革費用を除く調整済コストが35%減少したことを受けて、利息
以外の費用が前年から26%減少したことによるものである。
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保守的なバランスシート管理
当行は、戦略的改革を実施し、COVID-19のパンデミックおよびロシアのウクライナに対する軍事行動に関する状況を切り抜
けるにあたり、保守的なバランスシート管理に引き続き取り組んでいる。2021年末現在の当行の普通株式等Tier 1(CET1)資本
比率は、2020年末から42ベーシスポイント低下して13.2%となったが、CET1規制要件を280ベーシスポイント上回った。2022年
に向けて、当行は今後も12.5%を上回るCET1資本比率を維持していく。
2021年末現在のレバレッジ比率(完全適用ベース)は、2021年6月28日に施行されたCRRの改正およびECBの決定第2021/1074
号によるプラスの影響を受け、4.9%となった。全体として、銀行は中央銀行に対する一定の適格なエクスポージャーを除外す
ることが2022年3月まで可能となり、2020年第3四半期においてCRR応急的措置として一時的に導入されたかかる除外を引き続
き行っている。中央銀行に対するかかるエクスポージャーの残高を含めると、当行のレバレッジ比率(完全適用ベース)は
4.5%であった。
2021年末現在のバリュー・アット・リスク(VaR)は3,400万ユーロであり、当行のリスク水準が保守的であることが確認さ
れた。
2021年通年の信用損失引当金繰入額は、2020年と比較して大幅に減少し、5億1,500万ユーロであった。2022年通年について
は、当行の信用損失引当金は、想定貸出平均残高に対する割合が約20ベーシスポイントになると予想している。これは、2021
年において極めて高水準であったマクロ経済の成長が、2022年には減速するとの予想を反映したものである。当行は引き続
き、厳格な引受基準および厳重なリスク管理フレームワークを維持していく。予想信用損失額(ECL)の詳細な算出方法につい
ては、本書中の「リスク・レポート」に記載されている。
当行のサステナビリティ戦略
2019年以降、サステナビリティは当行の「コンピート・トゥ・ウィン」戦略において中心的な要素となっている。2021年、
当行は次の4つの側面に注力して、サステナビリティ戦略の実施を進展させた。
- サステナブル・ファイナンス:当行の目標は、顧客にとって信頼できる金融パートナーとなり、顧客のサステナビリ
ティ移行を支援することである。
- ポリシー&コミットメント:当行が手掛ける事業がESG適格であることを確保し、マイナスの影響を回避する。
- 人材&オペレーション:選ばれるパートナーとなるため、当行が模範を示す必要がある。すなわち、当行自体がサステ
ナブルな運営を行い、ダイバーシティ&インクルージョンの文化を育成する。
- ソートリーダーシップ&ステークホルダー・エンゲージメント:当行におけるプラスの影響を最大限に高めるような適
正な基準およびフレームワークについて賛同を得るため、議員、規制当局、投資家および社会全体に働きかける必要が
ある。
この進展を牽引する主な要因の一つが、当行のサステナビリティ活動を管理し、測定し、統括する当行のガバナンスであ
る。このガバナンスには、サステナビリティに完全に特化したエグゼクティブ・レベルでの議論の場が2つ含まれている。最
上級の議論の場となるのが、グループ・サステナビリティ委員会である。当行のチーフ・エグゼクティブ・オフィサー(CEO)
が委員長となるこの委員会の役割は、意思決定を迅速化し、グループ全体の上級管理職の間で連携を図ることである。サステ
ナビリティにおける当行の意欲を高めるため、2021年から、取締役会およびその他のトップレベル管理職の変動報酬は、サス
テナブル・ファイナンスおよびサステナブル投資の取引高、当行建物内の電力消費量の削減、ならびにCDP、ISS ESG、MSCI ESG
Ratings、S&Pグローバルおよびサステイナリティクス(Sustainalytics)を含むサステナビリティ格付インデックスなどの、
財務以外の追加的なサステナビリティ目標と連動するようになっている。
サステナブル・ファイナンスにおける当行の進展を考慮し、当行は当初、サステナブル・ファイナンスおよびサステナブル
投資の目標2,000億ユーロを2年前倒しして2023年末に達成する旨を発表したが、現在では、2022年末には達成できる見込みで
ある。当行は、サステナブル・ファイナンスおよびサステナブル投資の2021年の目標であった1,000億ユーロを年初から9か月
後に上回り、2021年末現在では1,570億ユーロとなった。
当行はまた、サステナビリティ戦略の重点分野における戦略の実行に引き続き取り組んだ。2021年、当行は、気候関連財務
情報開示タスクフォースの勧告に従った包括的な気候リスク・フレームワークの開発および実施を進めた。当行は、ネットゼ
ロ・バンキング・アライアンスの創立メンバーとなり、当行の業務上および貸出金ポートフォリオに帰属する温室効果ガスの
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排出量を、2050年までに実質的にゼロ(ネットゼロ)とする取組みに合致させることを約束した。これは、当行によるドイツ
金融業界における気候行動への共同コミットメントへの署名、および当行貸出金ポートフォリオにおける二酸化炭素排出量を
2022 年末までに公表するというコミットメントを補完するものである。ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)への
参加に続き、当行は、顧客のサステナビリティ移行を加速させ、信頼性のある移行計画の策定において顧客を支援するため、
移行に関する意見交換を開始した。
サステナビリティを当行の業務の中心に置くという当行の意欲的目標に合致させるべく、当行の業務および出張について、
当行はカーボンニュートラルを2012年から維持しており、さらに再生可能エネルギーによる電力の調達割合を2025年までには
100%とし、その中間目標として2022年までには85%とするコミットメントを実行に移した。
ソートリーダーシップを実践し、積極的に意見交換を行うため、当行は、2021年5月に開催した当行初のサステナビリ
ティ・ディープ・ダイブにおいて当行の戦略を公表した。さらに、スコットランドのグラスゴーで開催されたCOP26(第26回気
候変動枠組条約締約国会議)において、当行の代表団が、顧客およびその他のステークホルダーとサステナビリティ問題につ
いて意見を交換した。また、シンガポール金融管理局と協働でESGセンター・オブ・エクセレンスを設立し、ヨーロッパ・ス
クール・オブ・マネジメント・アンド・テクノロジー・ベルリンに新たに設立されたサステナブル・ビジネス・トランス
フォーメンション・イニシャティブにおいてサステナブル・ファイナンスの寄付講座を開設した。
当行は、包括的なサステナビリティ・アプローチにより、気候に関するパリ協定および国際連合のサステナブル開発目標に
最大限貢献することを目指す。当行のサステナビリティにおける進展は、複数のESGの格付機関により認められた。CDPは当行
の気候変動スコアをCからBに引き上げ、また信用格付機関のS&Pグローバルは当行のスコアを60点(S&PグローバルのCSA評価)
とし、これにより当行は再びダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ヨーロッパ・インデックス(Dow Jones Sustainability
Europe Index)銘柄に選ばれ、当行のサステイナリティクス(Sustainalytics)のスコアは30.0(「高」リスク)から27.4
(「中」リスク)に改善した。
当行のサステナビリティに関する取組みの詳細は、「第6 経理の状況、1 財務書類、(1)連結財務諸表、①取締役会報告
書」中の「サステナビリティ」の項に記載されている。
当行の財務目標
当行 の主要な財務目標は以下のとおりである。
2022年の財務目標
- 当行グループの税引後平均有形株主資本利益率を8%とする
- コア・バンクの税引後平均有形株主資本利益率を9%超とする
- 費用収益比率を70%とする
- 普通株式等Tier 1(CET1)資本比率を12.5%超とする
- レバレッジ比率(完全適用ベース)を約4.5%とする
2025年の財務目標
- 当行グループの税引後平均有形株主資本利益率を10%とする
- 2021年から2025年の収益の年平均成長率を3.5%から4.5%とする
- 費用収益比率を62.5%未満とする
COVID-19 のパンデミックおよびその世界経済への長引く影響、ならびにロシアのウクライナに対する軍事行動は、その最終
的な影響の予測が依然として不可能であることから、財務目標を達成する当行の能力に影響を及ぼす可能性がある。
当行グループは、2021年第1四半期まで、2022年の改革費用を除く調整済コストを167億ユーロとする追加目標を設定してい
た。2019年に改革プログラムを採用して以降、当行グループは大きな前進を遂げ、その結果、当行は持続可能な収益性を達成
するという目標に迫っている。当行の進展がマクロ経済の力によって加速または減速することで、収益の成長率が変化するこ
とを考慮し、当行は2021年第2四半期において、健全かつ持続可能なマージンを目指すには、相対的に測定されるコストに注
目することがより適切であると考え、その旨を発表した。よって、2021年第2四半期以降、経営陣は費用収益比率(CIR)を使
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用して当行グループの費用効率を測定している。当行グループの主要なコスト目標はCIRとなり、定量的な絶対的コスト目標は
今後公表されない。
調整済コスト、改革費用を除く調整済コスト、税引後平均有形株主資本利益率、ならびにレバレッジ比率(完全適用ベー
ス)は、GAAP以外の財務的測定尺度である。
当行の事業
コーポレート・バンク(CB)
コーポレート・バンキングは、当行の事業の不可欠な一部である。第一に、キャッシュ・マネジメント、貿易金融および貸
出しならびに外国為替(後者はインベストメント・バンク(IB)との緊密な協力のもとに行われる。)における態勢によっ
て、当行は法人顧客の主要なニーズに応えることができる。当行は、多国籍企業およびドイツ企業に国内外においてサービス
を提供する主導的な銀行として、顧客の運転資金および流動性の最適化、グローバルなサプライチェーンおよび販売チャネル
の確保ならびにリスク管理を支援している。第二に、専門化したサービスを金融機関に提供しており、コルレス銀行業務、法
人信託・取次ぎサービスおよび証券サービスを行っている。第三に、ドイツ国内の約80万の顧客にビジネス・バンキングの
サービスを提供しており、中小企業および起業家の顧客を対象として、主に標準化された商品を提供している。
CBは、これらの異なる分野にわたる中核をなす能力を活かし、収益を増大させてその目標を達成するため、いくつかの具体
的施策を決定した。
2021年、コーポレート・バンクは、戦略的目標に向けて前進を続けた。2021年末までに、預金の金利改定による収益が3億
6,400万ユーロとなり、金利改定契約の対象となった預金の総額は約1,010億ユーロとなった。また、フィンテック
(FinTechs)およびeコマース(eCommerce)といった決済サービス・プロバイダーのプラットフォームにおける事業を、新た
な委任および顧客を得て、引き続き拡大した。当行は、当行初のマーチャント・ソリューションズ商品の販売を開始し、2021
年第2四半期に発表した、決済および金融サービス・テクノロジーのグローバルな大手プロバイダーであるファイサーブ
(Fiserv)との合弁会社との協働を開始した。2021年第3四半期には、決済処理およびアクセプタンスに関する商品の幅を広
げ市場シェアを拡大するため、当行はベルリンを拠点とする決済サービス・プロバイダーBetter Payment Germany GmbHを買収し
た。さらに、当行は、ESG関連の移行についての顧客との対話や、様々な業界の取組みにおける外部のESGステークホルダーと
の協働を引き続き強化することに注力した。
当行は、戦略的目標に向けた取組みを継続する。まず、欧州におけるマイナス金利の影響を相殺するため、キャッシュ・マ
ネジメント業務およびドイツ国内の法人顧客の両方に関して預金の金利改定をさらに進める予定である。預金の金利改定契約
の実施は、これまでの進展が示すとおり、実質的に当行側で管理できるものであり、その厳格な実行に依拠している。また、
企業財務担当者のための、アドバイザリーおよび資金調達ソリューションのサービス全般を提供することを目指す。そして、
すべての地域の法人顧客に対する貸付ポジションを引き続き拡大していく。また、2021年の成果を土台として、フィンテック
(FinTechs)やeコマース(eCommerce)といった決済サービス・プロバイダーのプラットフォームにおける事業をさらに拡大
させることも、CBの取組みの一つである。コーポレート・バンキング業務の中には、とりわけ決済サービスのように、ペース
の速い技術開発や新規競合勢力の出現により、高い革新性や技術破壊を経験しているものがある。2022年、CBは、市場機会が
見込まれ競争上の優位性を有すると考える新しい成長分野(マーチャント・ソリューションズおよびアセット・アズ・ア・
サービス(資産のサービス化)を含む。)への的を絞った投資から利益が得られるものと見込んでいる。そして、顧客ととも
に事業をグローバルに成長させつつ、貸出金ポートフォリオの質の高さおよび厳格な融資基準を維持するよう、健全なリスク
管理原則の適用にコミットする。
当行はまた、顧客へのサステナブル・ファイナンス・ソリューションの提供においてもさらに前進することを目指してい
る。2021年において、当行は、キャッシュ・マネジメントおよびサプライチェーン金融商品にサステナビリティの要素を組み
入れることにより、サステナブル・ファイナンス商品の提供を拡大し、進行中の知識共有のフォーマットを確立し、顧客との
対話においては引き続きESG関連の問題に取り組んだ。さらにCBでは、ビジネス・バンキング顧客向けに、測定できるESGソ
リューションの開発を開始し、かかるソリューションは2022年に導入される予定である。
当行は、CBが今後もグローバルなハウスバンクの不可欠な一部となると予想している。当行は、CBにおける従来の強みと新た
な商品により、中核となる当行の顧客グループ(法人顧客、機関投資家顧客、ビジネス・バンキング顧客)全体において成長
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機会があると考えている。同様に、テクノロジー、営業からバックオフィスまでの最適化、自動化および立地戦略により、コ
ストにおいてもさらなる削減余地があると考えている。
いくつかの取組みは、法人顧客のキャッシュ・マネジメントおよび決済からの収益の増加、機関投資家顧客との報酬ベース
の事業の拡大、貸付の増加を目指すものである。当行の意欲的目標は、ESGにおけるリーダーとなり、法人顧客をグローバルに
支援することによりサステナブルな経済への移行を牽引することである。また、新商品への投資によって、マーチャント・ソ
リューションズやアセット・アズ・ア・サービス(資産のサービス化)のような実体経済の新たなビジネスモデルが可能とな
り、将来の持続可能な成長に寄与すると予想している。
インベストメント・バンク(IB)
インベストメント・バンク(IB)は、依然として当行事業の中核である。オリジネーションとアドバイザリー(O&A)、なら
びに債券およびセールス/トレーディング(FIC)において、法人顧客および機関投資家顧客は、アドバイザリー、債券および株
式の発行、ファイナンシング、マーケット・メーキング/流動性の提供、ならびにリスク管理ソリューションを含む包括的な
サービスを利用することができる。IBは、競争上優位にある地域での営業に注力する戦略に基づき、欧州・中東・アフリカ
(EMEA)、米州およびアジア・太平洋地域(APAC)をカバーしている。
2021年において、 IB は、2019年および2020年の投資家向け資料に概要が記載されている戦略を引き続き実施した。持続可能
な収益の増加、顧客基盤の向上およびコストベースの削減といった主要な優先事項は変更されていない。 これらの事項につい
て、IBは目に見える業績を上げることに成功した。O&Aにおいては8四半期連続で前年同四半期から収益が増加し、ファイナン
シング事業全体が好調に推移し、FICのフロー基盤の重点を見直したことにより、収益は好調であった2020年から4%増加し
た。この増加は、顧客基盤の強さを反映したものであり、O&Aにおいては、重要度の高い顧客との取引により市場シェアを110
ベーシスポイント拡大し(出所:ディールロジック)、FICにおいては、機関投資家顧客グループの収益実績が2019年と比較し
て17%増加した。EMEAにおける当行の新たな顧客カバレッジモデルは、当行のフロービジネスへの投資と相まって、金利商
品、クレジット・ボンド、および外国為替ビジネス全体の電子基盤における市場シェアの獲得に寄与した。顧客は、当行が提
供するサービスの強みを認め、ESG関連活動の割合が増えつつあるリスク管理関連サービス全般を当行に依頼する。
2019 年以降実施されてきたIBの戦略の成功により、事業は堅調となった。当行独自のプラットフォームは、当行が競争力を
有する分野を重視したものであり、バリューチェーン全体を通して運営される事業の利益を明らかにすることができる。イン
ベストメント・バンクは、一貫性をもって、かつ厳格に戦略実行を継続することを目指す。これにより、市場における当行の
強固な地位を守り固めることが可能となる。IBでは、事業の特定分野の成長に向けた重点投資を行うとともに、重点を置く顧
客のレベルを維持する予定である。債券部門においては、フロービジネス、ファイナンシング力の拡張、およびリスク管理
サービスの一環としてテクノロジーによる革新的な顧客ソリューションの開発が一層強化される。O&A部門では、成長機会の追
求を通じて、M&Aビジネスの増強を焦点とした主要な重点セクターへの投資などの重点投資が行われる。
最後に、ESGは引き続き事業全般における優先事項とされる。当行は、債券関連ESG商品のオリジネーション・ハウスとして
第5位にランクされ(出所:ディールロジック)、顧客向けに数多くのマーケットを重視した資金調達および投資ソリュー
ションを開発した。当行は2021年に、世界各国の顧客のパートナーとしてサステナビリティ・リンク・ボンドの発行をサポー
トし、1,500億ユーロを超えるサステナブルボンドによる資金調達において顧客を支援した。当行は、EUの次世代プログラム
の下で発行された、120億ユーロの初のグリーンボンド取引において、共同ブックランナーを務めた。
プライベート・バンク(PB)
プライベート・バンク(PB)は、事業の主要2部門であるプライベート・バンク(ドイツ)およびインターナショナル・プ
ライベート・バンクを通じて業務を行い、60を超える国のプライベート、ウェルスおよびコマーシャルの各顧客をカバーして
いる。
プライベート・バンク(ドイツ)は、ドイツ銀行とポストバンクという補完し合う2つのブランドを有する、ドイツ市場を
リードするリテール・バンクである。プライベート・バンク(ドイツ)は、ドイツ銀行が提供するアドバイザリー・ソリュー
ションを求める顧客、ならびにポストバンクが提供する利便性を求める顧客を対象としている。また、ドイツポストDHL AGと協
力して、ポストバンクの店舗において郵便・小包サービスも提供する。プライベート・バンク(ドイツ)において、改革は順
調に進んでいる。2021年において、PBは引き続きその戦略的施策を実施し、とりわけ投資商品および融資商品において事業を
拡大した。プライベート・バンク(ドイツ)は、今後はドイツ銀行とポストバンクのITインフラの統合を完了させ、業務の効
率化を実現する予定である。また、支店ネットワークおよびセルフサービス型のインフラを削減することで、サービス提供の
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ネットワークの更なる最適化を図る。当行は、消費者金融ビジネスを強化しつつ、データ活用により実現する販売チャネルお
よび企業と消費者の間の仲介ビジネス(B2B2C)による成長戦略に投資する予定である。また同時に、市場をリードするアドバ
イ ザリー・ビジネスを土台として、保険商品および投資商品の拡張を促していく。変化する顧客のアドバイザリー需要に対応
するため、プライベート・バンク(ドイツ)は、新たな形式の支店およびリモート・バンキング設備を展開している。さら
に、ESG適格商品およびそれらに関するアドバイザリー需要の増加に対応するため、サステナビリティに的を絞った専用の支店
が展開される予定である。
インターナショナル・プライベート・バンク(IPB)は、多岐にわたる事業により構成されている。IPBの中核をなす多くの
ビジネスはヨーロッパ大陸において行われているものの、アジアおよび中東における基盤も急速に成長しており、また、米国
において超富裕層(U/HNW)に特化したビジネスも行っている。IPBのパーソナル・バンキング部門では、主にイタリアおよび
スペインにおいて、約300万の顧客にサービスを提供している。IPBのビジョンは、グローバルでファミリー起業家から選ばれ
るハウスとなることである。これらの顧客の私的および商業上のニーズに対し、ワンストップでソリューションを提供して包
括的にカバーするという当行のアプローチにより、競合他社との差異化を図る。当行は、2021年、イタリアおよびスペインに
おいて「起業家のための銀行」に特化したビジネスを開始し、今後は他の市場に展開していく予定である。この戦略の重要な
要素は、IPBが世界各国の洗練されたU/HNWファミリーから選ばれる投資パートナーとなることである。当行は2021年、この部
門において魅力的な成長機会を獲得するため、顧客関係および商品力の強化に対して多額の投資を行った。この戦略に加え、
当行は、富裕層顧客向けプレミアム・バンクとなることを計画しており、パーソナル・バンキング事業を富裕層顧客部門の
ニーズに個別に対応させるようモデルへの変革を進めている。第一歩として、当行は2021年、ドイツ銀行ファイナンシャル・
アドバイザーのネットワークの売却合意書に署名し、また当行の支店ネットワークの最適化を継続した。当行は引き続き、商
品力、主要な市場、デジタル化、ならびにネットワークおよびチャネル利用の最適化を通じた当行のパーソナル・バンキング
事業の変革完了に向けて投資を行っていく。
2021 年において、プライベート・バンク(PB)は、投資商品の分類フレームワーク(2020年に公表された、当行グループの
サステナブル・ファイナンス・フレームワークを補完するものである。)の開発を通じ、前年に築いたサステナビリティ基盤
を土台としてその増強を続けた。2021年5月に開催された第一回サステナビリティ・ディープ・ダイブにおいて、PB部門は、
個人顧客、富裕顧客および商業顧客に対し適切なESG適格金融商品および金融ソリューションを提供することをコミットした。
アセット・マネジメント(AM)
当行は、世界有数のアセット・マネージャーであり、2021年12月31日現在、9,280億ユーロの運用資産を有する。アセット・
マネジメント(AM)では、グローバルで約4,200人の従業員が働いており、世界各国の顧客に対して幅広い投資信託やオルタナ
ティブ投資商品を提供している。AMが提供する投資商品は、株式、債券、キャッシュおよびマルチ・アセットならびにオルタ
ナティブおよびパッシブ投資商品を含むすべての主要資産クラスに及ぶ。商品提供は、グローバルな販売ネットワークを通じ
て行われるが、第三者の販売チャネルも活用する。AMは、世界中の多様な個人投資家および機関投資家に対してサービスを提
供しており、本国ドイツにおいて強固なプレゼンスを有している。AMの顧客には、政府機関、企業および基金ならびに多数の
個人投資家が含まれる。
アセット・マネジメント業界は、地政学的緊張の高まりや市場ボラティリティの上昇の中で、競争の激化、継続的なマージ
ン低下傾向および技術破壊に晒されており、常に進化している。しかし、広範にわたる高品質な商品や投資ソリューションを
有していることが、事業を行う市場がいずれであっても、資産や収益性の成長におけるAMの強力な基盤となっていると考えら
れる。2018年3月に新規株式公開を行って以来、AMは、戦略的かつ組織的な改善、純資金流入の増加、および効率性の向上に
注力してきた。当行は、事業環境に左右されずに最大株主価値を確実に創出できるようにするため、その目標に向けた取組み
の最初の段階において、費用収益比率(調整後)目標を優先させることとした。AMは、かかる取組みの第二段階に入るにあた
り、グローバルに展開する欧州有数のアセット・マネージャーとなるため、改革を行い、成長し、業界を主導するという目標
に注力する所存である。
第一に、当行の改革目標の一つとして、10年先の業界の課題に対応できるよう取り組み方の改変を図る。当行は、DWSの信託
事業および顧客に適合するよう当行の中核プラットフォームおよび方針の枠組みを再編することにより、この目標を達成する
所存である。当行はまた、新たなテクノロジーへの投資を行っており、機能的役割フレームワークの始動後、当行の組織文化
を一層強化している。第二に、成長目標にむけて、的を絞った成長市場における重点的商品戦略の実施、サステナブル投資ソ
リューションの拡張、および特に成長が著しいアジア太平洋地域において、新たな顧客開拓を行うための既存のパートナー
シップの活用に注力する。また、当行は、M&Aにおいて重要な役割を担う機会を追求する。当行は、優先分野における合併によ
る成長のための機会や、アセット・マネジメント業界において今後も生じると予想される統合に加わるための変革の機会を選
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定するため、市場を注視する。第三に、ESG、パッシブおよび利益率の高い投資やソリューション全般において、差異化を図っ
たリーダーシップをとることが当行の意欲的目標である。これらの目標を実現していくことにより、グローバル展開を行う欧
州 の有力なアセット・マネージャーになるという当行全体の目標を達成することができる。
2021年初頭、DWSは、優先事項および取組みを広範にわたって見直し、その一環として、2024年に向けた中期財務目標を精緻
化した。これらの目標は、持続可能な費用収益比率(調整後)を60%とすること、ならびに中期的に純資金流入率が該当期間
開始時点の平均運用資産の4%を超えることである。
2021年、当行は、パッシブ、アクティブ、マルチ・アセットおよびオルタナティブの重点を絞った資産クラスへのさらなる
注力を継続した。地域戦略の一環として、当行は、ドイツおよび欧州において当行が市場で強固な地位を有する要因である戦
略的パートナーシップの展開および構築に注力することを目指している。アジアにおいては、パートナーである日本生命およ
びハーベスト・ファンド・マネジメントとの連携を引き続き深化させ、新規のビジネスチャンスを模索していく。さらに、
2021年下半期において、協働してデジタル投資プラットフォームをプラットフォーム・エコシステムへと進化させるため、ブ
ラックフィン・キャピタル・パートナーズ(BlackFin Capital Partners)と長期戦略的パートナーシップを結んだ。当行の目
標は、顧客に対しトップクラスの体験およびサービスを提供することである。テクノロジーの発展に向けた当行のコミットメ
ントは、英国を拠点とする退職金に関するテクノロジー企業、スマート・ペンション・リミテッド(Smart Pension Limited)
の少数株式持ち分の取得により一層強化される。
2050年までのグローバルなネットゼロ経済の実現に貢献するにあたり、世界各国の政府や企業が意欲的な目標を設定してい
る。DWSは、パリ協定に沿って、遅くとも2050年までに、DWSの活動がクライメイト・ニュートラル(気候中立)となることを
目指す。この長期目標および当行によるネットゼロ・アセット・マネジャーズ・イニシャチブ(NZAMI)への署名に基づき、気
候行動は、当行のグローバルなサステナビリティ戦略の中心的テーマである。
2025年に向けた取組みにおいては、自律的および非自律的双方の機会を捉えて、補完的な強みやサービス提供アクセスを獲
得し当行拠点の地理的拡大して、プラットフォームの規模を増強することにより、当行のアセット・マネジメント事業をさら
に拡大させる所存である。資産がパッシブおよびオルタナティブにシフトする強い基調により、当行のビジネスにおいて複数
の成長分野が生じている。当行のESGに関する能力を顧客に提供し、ESGをDWSの企業DNAにより一層組み入れることが、DWSの今
後の成長への鍵となる。
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2【事業等のリスク】
本項は、2022年3月11日付の当行の年次報告書(Form 20-F)の「リスク・ファクター」の項の和訳である。
当行の証券への投資は、様々なリスクを伴う。当行の証券に関する投資判断を行う場合、当行が晒されるリスクに関する
以下の情報を、本書のその他の情報と併せて十分に検討すべきである。これらのリスクのいずれかが現実のものとなった場
合には、当行の財務状態、業績、キャッシュ・フローまたは当行の証券の価格に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
なお、本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、上記年次報告書の日付現在において当行が判断したも
のである。
事業等のリスクの概要
マクロ経済的環境、地政学的環境および市場環境に関連するリスク 大規模な民間の顧客基盤を有するグローバルな法人お
よび投資銀行として、当行の業務は、世界のマクロ経済状況および金融市場の状況により重大な影響を受ける。経済成長の
見通し、金利環境、インフレ圧力、サプライチェーンの混乱および地政学的リスクならびに市場ボラティリティの上昇、国
際貿易関係の悪化の可能性および世界、地域および国家の経済状況の低迷から大きな課題が発生し得る。かかるリスクは、
特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックおよびその継続的な影響ならびにロシアのウクライナに対する
大規模な軍事行動から発生している。その他のリスクとしては、中国に関するリスクや、主要市場における政治経済上の不
安定性に起因するリスクが存在する。これらのリスクは、事業環境に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果、経済活動が
低迷し、金融市場においてより広範な調整が行われる可能性がある。これらのリスクの顕在化により、当行の一部の事業に
おける業績および当行の財務状態ならびに当行の戦略計画が悪影響を受ける可能性がある。こうしたリスクに対し当行が自
ら防衛する能力は限られている。
当行の事業および戦略に関するリスク 当行の業績および財務状態は、市場環境、不透明なマクロ経済環境および地政学的
状況、顧客取引水準の低下、競争および規制の増加ならびに戦略的決定の直接的な影響により、これまでマイナスの影響を
受けてきた。当行が収益性を改善できない場合、当行は、戦略的目標を達成できなくなり、自己資本、流動性およびレバ
レッジを市場参加者および規制当局が期待する水準に維持することが困難になるおそれがある。低迷する市場環境、資産価
格の下落、ボラティリティおよび慎重な投資家のセンチメントは、当行の収益、特に当行のインベストメント・バンキン
グ、仲介業務およびその他の手数料・報酬を収入ベースとする業務に影響を及ぼしており、また将来重大な悪影響を及ぼす
可能性がある。当行の本国ドイツの市場およびグローバルな市場における激しい競争は、当行の収益および収益性に著しい
悪影響を及ぼし、今後も及ぼす可能性がある。
当行の資金流動性、事業活動および収益性は、市場全体もしくは当行独自の流動性が不足する場合には、債券資本市場に
アクセスできないことや資産を売却できないことにより、悪影響を受けるおそれがある。信用格付けの低下に起因して当行
の資金調達コストは過去に増加しており、将来の信用格付けの低下は、当行の資金調達コスト、当行との取引を継続しよう
とする相手方の意欲および当行のビジネスモデルの重要な側面に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
当行がその戦略計画を成功裡に実行できなかった場合、当行は財務上の目標を達成できなくなる可能性がある。
環境・社会・ガバナンス(ESG)関連の変化に関するリスク 地球温暖化の影響、ならびに社会、当行の規制当局および銀行
セクターによる気候変動および「ネットゼロ」経済への移行の重視の強化により、気候変動が当行の事業活動に影響を与え
るリスク、当行がESG目標を達成していないとみなされた場合のレピュテーション・リスク、および当行の活動におけるESG
側面の提示が進化するESG基準に準拠しないリスクが生じている。
規制および監督に関するリスク 規制の見直しは、規制当局によるより全般的な検査の強化と共に、当行に多大な影響を及
ぼしており、かつ引き続き影響を及ぼして、当行の事業および戦略計画を実行する能力に悪影響を及ぼす可能性がある。当
行が規制要件を遵守しなかった場合、管轄規制当局は、当行に対し、配当支払いや規制上適格な資本性金融商品に関する支
払いを禁じたり、一定の活動を停止する、またはその他の措置を講じる可能性がある。規制上の変更は、主要な企業の資金
調達方法に影響を与える可能性があり、事業運営の方法に影響を及ぼし、業績にマイナスの影響を与える可能性がある。ま
た、当行は規制上の措置により、当行のビジネスモデルの変更を余儀なくされるか、または一部の事業活動が実行不可能と
なる可能性がある。規制上および法律上の変更は、当行に対しより多額の自己資本および破綻処理シナリオにおいてベイル
イン対象となる債務を維持し、厳格化された流動性要件を遵守することを要請する。当行が自己資本規制または資金流動性
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の要件を満たすことができない可能性があるとの市場の認識は、当行の事業および業績に対するこれらの要因による影響を
強める可能性がある。金融危機を受けて採択されたまたは今後提案されるその他の規制の見直し(例えば、当行のデリバ
ティ ブ業務、報酬、銀行税、預金保護またはデータ保護に関する広範な新規制など)は、当行の営業費用を大幅に増加さ
せ、当行のビジネスモデルに悪影響を及ぼす可能性がある。
当行の内部管理体制に関するリスク 当行は、内部管理体制およびインフラを強化する必要性を認識し、強化に向けた取組
みを開始した。ドイツ連邦金融監督庁(Bundesanstalt f ü r Finanzdienstleistungsaufsicht、以下「BaFin」という。)は、
当行に対して、2018年9月に、マネーロンダリングおよびテロ資金供与防止を目的として、適切な内部予防対策を講じ、一
般的なデュー・ディリジェンス義務を遵守するよう命じ、2019年2月に、コルレス銀行業務の分野における当行のグループ
全体のリスク管理プロセスの見直しおよび必要に応じた調整を行うよう命じており、また2021年4月に、特に定期レビュー
に関して、より適切な内部予防対策を採用し、デュー・ディリジェンス義務を遵守するよう命じている。この拡大は、コル
レス銀行取引関係や取引の監視にも適用される。BaFinは、命令されたこれらの措置の実施を監視し、BaFinに対し進捗の評
価および報告を行う特別代表を任命した。
訴訟、規制上の執行案件および調査に関するリスク 当行は、規制が厳しく強化され、訴訟が頻繁に行われる環境下で業務
を行っており、これにより当行は、多額で見積ることが困難な負債およびその他の費用ならびに法律上および規制上の制裁
およびレピュテーション上の悪影響に潜在的に晒されている。これらには、主に以下の事項が含まれる。
- 当行は、規制当局および法執行当局による銀行間およびディーラー取引金利に関する業界全体の調査、ならびに民事訴
訟の対象となっている。
- 当行は、当行が実施したポストバンクの株式公開買付けに関連した民事訴訟に関与している。
- 当行は、モスクワおよびロンドンにおいて一定の顧客により実行された株式取引の状況を調査し、当該取引について複
数の法域の規制当局および法執行当局に通知している。
- 当行は、配当金の支払いに対して課される源泉徴収税に関するドイツの税額控除または還付を受ける目的で、ドイツ株
の顧客により配当金基準日前後に行われた取引(いわゆるCUM-EX取引)に関して、規制当局および法執行当局による業
界全体に対する調査および捜査ならびに民事訴訟の対象とされている。
- 当行は、当行の過去の仲介者およびコンサルタントの雇用ならびに貴金属取引でのスプーフィング(見せ玉)に関し
て、米国司法省と訴追延期合意(DPA)を行った。当行がDPAに違反した場合、DPAの期間が延長されるか、または当行が
刑事訴追もしくはその他の措置を受ける可能性がある。
- 当行は、当行が業務を行う法域の税務当局により継続的に調査を受けている。
- 米国議会委員会や米国政府機関は、当行と過去の一定の米国の行政機関のメンバー、トランプ前大統領、その家族およ
びその他の近い関係者との間の取引の有無について、当行に情報を求めておりまた今後求める可能性がある。
- 当行は、過去の一定のコルレス銀行取引関係(ダンスケ銀行を含む。)および当行の金融犯罪対策(米国におけるもの
を含む。)について、規制当局および法執行当局から情報の請求を受けている。
- リテール顧客の保護、特に標準様式による契約条件の有効性および透明性ならびに損害賠償に関して、EUの規制当局お
よび裁判所の検査が厳格化している。
これらの法的手続または捜査の結果、当行が適用ある法律を遵守しなかったとされた場合、当行は多額の損害賠償、罰
金、事業活動の制限、是正の約束、刑事訴追または当行の財務状態へのその他重大な悪影響に晒され、結果としてメディア
の大きな注目を集め、レピュテーション上や事業上の損失のリスクにも晒される可能性がある。刑事上の手続きにおける当
行もしくは当行の関連会社の有罪答弁もしくは有罪判決、または当行もしくは当行の関連会社が対象となっている規制命令
もしくは執行命令、和解もしくは合意は、当行の事業の一部に悪影響を及ぼす結果をもたらす可能性がある。さらに、これ
らの件が、そのコストまたは当行の事業に要求される変更の点において当行の予想よりも不利な条件で解決された場合、ま
たはその件に関連して当行の事業および見通しに関する否定的な見方や事業への影響が増大した場合、当行は、当行の戦略
的目標を達成することができないか、またはその変更を余儀なくされる可能性がある。
その他のリスク 当行は、以下を含むその他のリスクにも晒されている。
- 伝統的な銀行業務である預金業務および貸付業務に加え、当行は、非伝統的な与信業務にも従事しており、第三者の証
券の保有を伴う取引や複雑なデリバティブ取引にまで与信が拡大されている。これらの業務は、当行の信用リスクを著
しく増大させる。
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- 当行の資産および負債の大部分は、公正価値で計上された金融商品から構成されており、公正価値の変動は損益計算書
において計上されている。かかる変動により、当行は損失を被っており、またさらに被る可能性がある。
- 会計規則に基づき、当行は、事業ののれんの価値およびその他の無形資産の価値について、定期的に減損テストを行わ
なければならない。かかるテストにより減損が存在すると判断された場合、当行は、当該資産について評価減を行う必
要がある。
- 当行はまた、各報告期間末に繰延税金資産の見直しも行わなければならない。当行の繰延税金資産の全部または一部を
利用できるだけの十分な課税所得が発生する見込みがなくなった場合、当行は、帳簿価額を減額する必要がある。のれ
んおよびその他の無形資産の減損ならびに繰延税金資産の減額は、当行の収益性、資本および財務状態に重大な悪影響
を及ぼしており、また今後も及ぼす可能性がある。
- 当行はまた、当行の年金債務の測定に重大な影響を及ぼす可能性のある年金リスク(当行の収益に重大な影響を及ぼし
うる金利、インフレおよび長寿リスクを含む。)に晒されている。
- 当行のリスク管理の方針、手続きおよび方法によっても、当行は認識していなかったまたは予想していなかったリスク
を負い、重大な損失を被る可能性がある。
- 当行のプロセスの履行上の誤り、従業員の行為、ITシステムおよびIT基盤の不安定性、不調もしくは停止または事業継
続の喪失、あるいは当行と取引を行う第三者のサービス・プロバイダーに関する同様の問題から発生し得るオペレー
ショナル・リスクにより、当行の業務が妨げられ、重大な損失を被る可能性がある。
- 当行は、当行の事業や業務を支えるために様々な第三者と取引を行っている。第三者により提供されるサービスには、
当行自らがサービスを履行した場合に負うものと同様のリスクが伴い、当該第三者により提供されるサービスの責任
は、最終的には当行が引き続き負うことになる。かかる第三者が適用ある基準または当行の期待に沿って業務を遂行し
ない場合、当行は、重大な損失を被り、または規制措置もしくは訴訟に服し、もしくはレピュテーションの毀損に晒さ
れ、あるいは当行が当該関係に求めた利益を達成することができない可能性がある。
- 当行のオペレーショナル・システムは、増加するサイバー攻撃やその他のインターネット犯罪のリスクに晒されてお
り、その結果、顧客または取引先情報に重大な損失が発生し、当行のレピュテーションが損なわれ、また規制当局によ
る制裁および財務上の損失が生じる可能性がある。
- 当行の決済業務の規模が大きいために、かかる業務が適切に行われなかった場合には、当行は重大な損失を被る高度の
リスクを負っている。
- 継続中の国際的なベンチマーク改革の取り組み、特に、銀行間取引金利から開発が進められている代替参照金利(「リ
スク・フリー・レート」を含む。)への移行により、当行の事業や金融業界に多くの特有のリスクがもたらされる。
- 当行は、金融上および取引上の制裁や通商禁止措置に関する法律およびその他の要件の適用を受ける。当行がかかる法
律および要件に違反した場合、当行は、重大な規制上の執行措置や制裁金を被る可能性があり、現に過去に被ってい
る。米国国務省によりテロ支援国家として指定された諸国内の取引相手方または米国経済制裁の対象者と取引を行った
結果、潜在的顧客および投資者が、当行との取引または当行の証券への投資を回避し、当行のレピュテーションが損な
われ、あるいは規制または執行措置が講じられることとなる可能性がある。
マクロ経済的環境、地政学的環境および市場環境に関連するリスク
大規模な民間の顧客基盤を有するグローバルな法人および投資銀行として、当行の業務は、世界のマクロ経済状況および
金融市場の状況により重大な影響を受ける。経済成長の見通し、金利環境、インフレ圧力、サプライチェーンの混乱および
地政学的リスクならびに市場ボラティリティの上昇、国際貿易関係の悪化の可能性および世界、地域および国家の経済状況
の低迷から大きな課題が発生し得る。かかるリスクは、特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックおよび
その継続的な影響ならびにロシアのウクライナに対する大規模な軍事行動から発生している。その他のリスクとしては、中
国に関するリスクや、主要市場における政治経済上の不安定性に起因するリスクが存在する。
当行の事業および業務を取り巻くマクロ経済環境は、パンデミックによる景気後退からの世界経済の大幅な回復に伴い、
2021年を通して改善した。しかしながら、短期的な見通しは悪化しており、インフレ圧力のさらなる上昇、サプライサイド
の混乱の長期化および新たなより強い感染力を持つCOVID-19のオミクロン変異株の世界中への急拡大を受けて、ダウンサイ
ド・リスクが増大している。
COVID-19のパンデミックは、引き続き当行の事業にとって明確なダウンサイド・リスクとなる。より強い感染力を持つオ
ミクロン変異株に関連するCOVID-19の症例が世界的に急増し、オミクロン株は従前の変異株よりも重症化しにくいことが示
唆されているにもかかわらず、多くの国において政府による規制が強化されたことにより、経済活動にマイナスの影響を与
えている。多くの新興国市場はワクチン接種率で引き続き先進国に遅れを取っており、先進国市場では相当数の人々がワク
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チン接種を躊躇する状況が続いているものの、ワクチン接種率は世界的に上昇が続いており、新たな抗ウイルス薬が利用可
能になったことで、重症化や死亡数が抑制されると考えられるため、こうした影響は弱まると予想されている。そのため、
経 済回復の時期および強度は、引き続き国ごとに異なる。懸念となる新たな変異株の出現により、追加のソーシャル・ディ
スタンス要件またはロックダウンが要求される可能性があり、これらは変異株の性質、国特有のパンデミックの状況および
政策の傾向によって変化するため、その影響を完全に予測することは不可能である。オミクロン株はより強い感染力を持つ
ため、中国などゼロ・コロナ(COVID-19)政策を進めている国々では、オミクロン株をその他の変異株と同様に完全に封じ
込めるのに苦戦する可能性がある。政策には若干の変化が生じ始めているものの、厳しいロックダウンが要求される可能性
があり、それにより中国経済および世界のサプライチェーンが影響を受ける可能性がある。
2022年2月24日、ロシアは、ウクライナに対する大規模な軍事行動を開始した。これは、ロシアとウクライナおよび西側
諸国との間の数週間にわたる緊張の中で、ウクライナ東部の分離主義者が占拠する2つの地域をロシアが独立国家として承
認した後に開始された。ロシアの軍事行動のニュースは、株価の下落や、多くのコモディティの反騰を引き起こし、ブレン
ト原油の価格は1バレル当たり100米ドルを超え、天然ガス価格も急騰した。この紛争により供給が混乱すれば、エネルギー
価格(特に、天然ガス)のさらなる上昇を招くおそれがあり、またこの紛争は、欧州の企業および個人にとって主要なダウ
ンサイド・リスクとなり、エネルギー・コストの上昇の影響をより受けやすい顧客のサプライチェーン・リスクをさらに悪
化させる可能性がある。その結果として世界金融市場の混乱が生じた場合には、リスクを伴う資産および国々に影響を及ぼ
す可能性がある。総じて、この紛争およびそれに付随する影響は世界経済を大きく減速させ、当行が収益を生み出す能力や
特定のポートフォリオにおける収益力を減少させ、想定以上の貸し倒れが発生する可能性がある。今後のこの危機の展開お
よびこの危機が金融市場および経済全体に与える影響によっては、当行の公表済みの財務上および非財務上の目標を達成す
る能力にも影響を与える可能性がある。
パンデミックとその後の需要の大幅な回復に起因する世界的な生産、貿易および物流におけるサプライチェーンへの圧力
は、2022年も持続する可能性が高く、これにより生産活動が抑圧され、製造品および中間財ならびにエネルギーその他のコ
モディティの価格上昇が加速する。消費者物価上昇率は、欧州および米国において数十年来の高水準を記録し、エネルギー
価格の高騰は企業および個人のコスト圧迫要因となっており、特に公益事業などの直接影響を受ける産業における当行の
ポートフォリオの質に影響を与える可能性がある。その結果、当行は、特定の産業または地域における想定以上の債務不履
行、クレジット・ファシリティの借入れの引出しの増加、および市場ボラティリティの全般的な上昇に直面する可能性があ
る。
インフレの見通しは依然として不透明である。コンセンサス予想および市場ベースの予測では、供給のボトルネックやそ
の他一時的な要因は徐々にしか解消されないため、インフレ圧力は上昇し続けるとされている。主要な中央銀行は、緊急債
券購入を段階的に廃止し、主要な政策金利を引き上げることにより、臨時の財政刺激策を徐々に廃止する予定であるが、主
要先進国経済の消費者物価および資産価値のインフレが想定を上回る形で加速し続けるリスクは引き続き存在し、その場
合、より積極的な金融引締政策が必要となる。債券の利回りの秩序なき急増は、当行の事業活動の水準および純利息収益の
回復に優位に働く可能性はあるものの、株式の下降調整およびクレジット・スプレッドの拡大を誘発するおそれもあり、こ
れによりトレーディングの業績も悪影響を受ける可能性がある。加えて、当行は、デリバティブに関する相手先の信用エク
スポージャー増、高レバレッジ顧客の信用リスク増および新興市場における対外的インバランス、ならびに当行の年金基金
資産に対するリスクに直面する可能性がある。このことは、より広範には、当行の資産および負債の評価に影響を与え、当
行のバランスシートの構成を変化させる可能性がある。
インフレ圧力の上昇にもかかわらず、現在、金利は極めて低い水準で推移しており、欧州中央銀行(以下「ECB」とい
う。)の預金金利は依然として-0.50%に設定され、ドイツ国債の名目利回りは最近までマイナス領域かそれに近い水準で取
引されており、実質金利も大幅にマイナスとなっている。低金利環境は、特にテクノロジーセクターを含む米国株式におい
て、リスク資産全般について押し上げられた市場評価を支えている。直近では、マクロ経済および地政学上の懸念から米国
株式は調整局面に入り、テクノロジー関連企業の株価が大幅に下落しており、政策金利が現在の予想よりも急速にかつ高い
水準で上昇した場合、株価が大幅にかつ持続的に下落するリスクがさらに高まる可能性がある。引締めが遅れれば、伸び悩
む市場評価がさらに悪化し、銀行の金利マージンに再び圧力がかかる可能性がある。さらに重要な点は、ユーロ圏における
さらなる長期間の低金利は当行の収益性およびバランスシートの動向に重大な影響を及ぼす可能性があるということであ
る。当行の収益は特に金利の影響を受けやすく、当行の帳簿上におけるユーロ建て貸出金および預金の規模を勘案すると、
公正価値で計上されるバランスシート上の他のポジションも低金利環境の影響を受ける可能性がある。
信用損失引当金が低水準であった2021年と比較して、2022年はその水準が上昇すると当行は予想している。これは、マク
ロ経済成長が2021年の例外的に高い水準から減速するとの当行の予想や、商業用不動産など一定の資産クラスにおける
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COVID-19のパンデミックの長引く影響、長期化するサプライチェーンの混乱、インフレおよび地政学的リスクなどの様々な
リスク要因の存在を反映したものである。また、COVID-19の新規変異株の出現可能性は、今後も引き続き各国政府の新たな
厳 しい対応や市場および顧客の不評を招くリスクとなる。これらは、貸倒れや(2020年に観測されたような)顧客によるク
レジット・ファシリティの借入れが引き出される状況を増やす可能性があり、その結果、自己資本比率や流動性需要の増加
に繋がる可能性がある。金融市場におけるボラティリティの上昇は、国内向け、国外向けともにマージン・コールを増やす
ことに繋がる可能性がある。債務の支払猶予等、中央銀行および政府が講じた政策措置は、2020年および2021年の短期的な
影響を一部軽減した。支援策の撤回は、パンデミック(サプライチェーンなどへの二次的な影響を含む。)の結果としての
社債およびソブリン債の債務水準の著しい上昇と相まって、債務不履行や信用損失を増加させる可能性もある。当行は集中
リスクの管理のためにローン担保証券(CLO)およびクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を定期的に利用している
が、これらでは、潜在的な信用損失を完全に相殺するには不十分である可能性がある。
中国の高レバレッジの不動産セクターおよび不動産デベロッパーの広範かつ長期にわたる資金繰り悪化の可能性に対する
継続的な懸念があり、中国関連リスクは高まっている。当行は、外部の格付機関による多くの格付け見直しを見てきたが、
格付けが大幅に悪化している銘柄の中には最近まで投資適格の格付けを受けていたものもあること、またこのセクターでは
流動性不足が蔓延していることに留意している。経済の安定化は、中国政府の2022年における重要な優先事項となっている
が、不動産セクターにおける継続的な流動性の不足および特定の債務不履行のリスクは上昇し続けている。厳しいダウンサ
イド・シナリオでは、このような事態は、国有および民間の弱小企業全体に、より広範な影響を及ぼす可能性があり、その
結果、当行のポートフォリオにおいて、信用損失引当金の増加など損失が拡大する可能性がある。
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これらのリスクが現実のものとなるか、または現在の困難な状況が長引くかあるいは悪化した場合、当行の事業、業績ま
たは戦略計画は、悪影響を受ける可能性がある。
ロシアのウクライナに対する大規模な軍事行動は、マクロ経済への広範な影響に加え、当行の事業や業務にも悪影響を及
ぼす可能性がある。
ロシアのウクライナに対する大規模な軍事行動を受け、西側諸国およびEUは、ロシア(ロシアの主要銀行、ロシア中央銀
行、その他一定の企業、ロシアの国会議員とロシア人の一部のエリート層およびそれらの家族を含むが、これらに限られな
い。)を対象とした広範にわたる制裁(資産凍結/封鎖制裁を含む。)を課す動きに出ており、またロシアの特定の銀行を
SWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することを発表した。この制裁は、ソブリン債その他の特定の証券の新規発行およ
び/または流通も禁じている。個人(制裁対象リスト掲載者)または企業(システム上より重要な企業および銀行を含
む。)に対する追加または新規の資産凍結/封鎖制裁、ロシア・ルーブルの米ドル、ユーロまたは英ポンドへの両替禁止お
よびSWIFTの送金システムから排除するロシアの銀行の追加など、さらなる制裁が課される可能性がある。制裁は急激に変更
され、また、情勢の展開の結果、米国またはその他の法域により、事前の警告なしに新たな直接的または間接的な二次的制
裁が賦課される可能性もある。ロシアの軍事行動を受けて発表された制裁を考慮すると、当行は、前例のない規模の制裁措
置に直面しており、そのすべてが法域を超えて完全に整合しているわけではないため、急激に変化する制裁環境の中で日々
の事業活動を管理する上で、業務上の複雑さやミスを犯すリスクはさらに増している。
一般的に、対ロシア制裁の強化は、当行の管理体制をさらに複雑なものにし、影響を受ける顧客が増えれば増えるほど、
ライセンスまたは許認可により定められた期間内にロシア案件を完全に縮小することがより困難になる可能性がある。新た
な制裁やロシア政府による対抗措置により、関連要件の現地での適用および/または実施に関して当行のモスクワ支店と当
行グループとの間で差異が生じる可能性もある(当行のモスクワ支店は、現地の法律を遵守する必要があるため)。その結
果、法に抵触する状態が生じ、一定の適用除外を適用しなければならなくなる。さらに、当行は、ロシアの社内技術資源を
活用しており、この資源は当行の多くの必要不可欠なアプリケーションの開発に貢献している。当行は、西側諸国による制
裁、ロシアの国家主導の行動または経営陣の行動などにより、これらの技術資源を活用する当行の能力が損なわれ、または
失われるリスクに晒されている。
当行は、制裁の強化に関する動向(ロシアの対抗措置を含む。)を注意深く監視しており、必要に応じて世界・地域危機
管理部門(Global and Regional Crisis Management)などの専門的なガバナンス体制を利用している。当行においてはサイ
バー攻撃も増加しており、これは当行にとって直接的および間接的なリスクとなる可能性がある。現在のウクライナ情勢が
継続した場合における財務リスクと非財務リスクの両観点からのダウンサイドの影響は、現在の危機の今後の展開によって
左右される。ロシアのウクライナに対する大規模な軍事行動および西側諸国のロシアに対する厳しい制裁措置は、ロシア経
済だけでなく、欧州にとっても、重大な経済上の悪影響をもたらす可能性がある。この危機により、すでにストレスのか
かっている欧州のエネルギー価格の状況を悪化させる可能性があり、その結果、経済の減速を招き、当行のポートフォリオ
において、信用損失引当金の増加など、損失が拡大する可能性がある。規制環境またはその他の制限(制裁の賦課を含
む。)により、ロシア関連の当行の事業活動が実行不可能となり、または当行の資産の全般的な管理ができなくなる可能性
がある。
事業継続および危機管理に関して現在とられている方針にかかわらず、この紛争により従業員や事業継続の喪失に関する
困難が生じ、これにより当行の業務が妨げられ重大な損失を被る可能性がある。
COVID-19のパンデミックは、マクロ経済への広範な影響に加え、当行の事業環境や従業員など、他の面でも当行の事業お
よび業務に悪影響を及ぼしており、また今後も悪影響を及ぼす可能性がある。
経営面では、事業継続および危機管理に関して現在とられている方針にかかわらず、COVID-19のパンデミック、ウイルス
の新規変異株の出現およびその結果としての政府の対応の急激な変更は、引き続き当行の事業活動および管理体制に悪影響
を及ぼす可能性がある。世界のあらゆる産業にわたって、その事業を主たる事業所からではなく自宅から行う動きが続いて
おり、過去の傾向と比較して、ビジネス慣行の進化がさらに加速している。当行の技術インフラ需要および当行へのサイ
バー攻撃のリスクは、技術障害、セキュリティ侵害、不正アクセス、データの喪失もしくは破損、またはサービスの利用不
能につながる可能性があり、行為規範の違反が起こる可能性も高める。これらの事象が発生した場合、訴訟、当行の財務上
の損失、事業活動の中断および顧客に対する責任、規制当局による検査、政府の介入または当行のレピュテーションの毀損
が生じる可能性がある。同時に、これらのサイバー・セキュリティ、情報セキュリティその他リスクを管理するための当行
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のコストは依然として高い。消費者保護措置を含む規制要件の実施や当行の戦略的プロジェクトの実施の遅延が、当行の収
益およびコストにマイナスの影響を及ぼす可能性もある中で、市場ボラティリティの上昇の再燃が市場監視モニタリングお
よ び処理に対する需要の増加につながり、また今後もつながる可能性がある。当行と取引を行う者および当行のサービス・
プロバイダーは同様の課題に直面しており、これら相手先が契約上の義務を履行できなくなるリスクがあり、当行が当該契
約から得ることを期待する利益もリスクに晒されている。
COVID-19のパンデミックは、正規従業員の削減率を過去最高の水準から一時的に減らし、その結果、当行のコスト削減目
標にはより厳しい課題がつきつけられ、非自発的退職手続のコストも増加することになる。これにより、余剰とされた業務
に就く有能な従業員を当行内で再配属する機会も制限された。当行が提供可能な報酬水準を節度ある金額に設定するよう、
規制当局から要請されたことにより、当行グループは有能な従業員の勧誘および雇用において不利になった可能性がある。
しかしながら、2021年において、従業員削減の水準はパンデミック前の水準まで戻っており、当行は、特にアジア太平洋地
域における展開に注力している。削減率が過去の水準と比較して上昇した場合、有能な従業員の勧誘および雇用を行う当行
の能力に悪影響を及ぼす可能性があり、特に、収益を発生させるためには重要なポジションであるフロント・オフィスや当
行の管理体制の向上の鍵となるポジションについて顕著となりうる。世界的に見れば、特に米国とインドにおいて、従業員
獲得のための競争は非常に激しくなっている。
これらのリスクのいずれかが顕在化した場合、当行の業績、戦略計画および目標ならびに当行の株価に悪影響を及ぼす可
能性がある。
当行は、当行の事業環境に悪影響を及ぼす可能性のあるその他のマクロ経済的リスクおよび地政学的リスク(中国に関す
るものを含む。)に晒されており、その結果、経済活動が低迷し、金融市場においてより広範な調整が行われる可能性があ
る。
貿易およびテクノロジー関連問題、香港、台湾、人権ならびにサイバー・セキュリティなど、広範囲に及ぶ分野で米中の
緊張が高い状態が続いている。米国は、中国の企業および政府関係者に対して特定の制裁ならびに輸出および投資に係る制
限を課しており、中国は、米国の一定の企業および政府関係者に対して制裁を課し、対中制裁の域外適用に対するブロッキ
ング規制の枠組みを導入した。同様に、EUも人権問題に関連して中国に制裁を課しているが、中国も対抗制裁を課した。こ
れらの制裁が当行の事業または財務目標に与える影響について予測することはできないが、このような措置は、潜在的な規
制遵守の問題および法の抵触の問題を引き起こし、重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
当行の事業環境および財務目標にマイナスの影響を与える可能性のあるその他の地政学的リスクとして、米国とイランが
新たなJCPOA(イラン核合意)への復帰またはその実施について合意に至らない場合、イランの核開発計画をめぐる中東の緊
張が高まる可能性などがある。
これらのリスクのいずれかが顕在化した場合、当行の業績、戦略計画および目標ならびに当行の株価に悪影響を及ぼす可
能性がある。
EUにおいては、潜在的な政治的ショックおよび政情不安が、金融システムおよびより広く経済情勢に予測不能な結果を引
き起こす可能性があり、また一部の地域において欧州の分裂を引き起こすおそれがあり、当行の事業全般における取引高の
低下、資産の評価減および損失をもたらす可能性がある。こうしたリスクに対し当行が自ら防衛する能力は限られている。
2009年から2012年の間の世界的な金融危機とその後の欧州債務危機以降、欧州では政情不安が高まっている。特に、英国
のEU離脱(「ブレグジット」)だけでなく、他の加盟国においても選挙民にとってポピュリスト政党の運動を支持すること
への魅力が増したことで、当行の事業が恩恵を受けてきた欧州の統合が妨げられる可能性があることに関する懸念が生じて
いる。欧州の金融構造および危機対応能力は過去10年間で大幅に強化されたが、2020年以降、パンデミックにより生じた危
機により、多くのEUおよび経済通貨同盟(EMU)加盟国の財政状態は再び著しく悪化している。EUは、経済回復および近代化
を支援するため、前例のない多年次にわたる「次世代のEU(Next Generation EU)」プログラムを立ち上げた。このプログラ
ムは、(現時点の金額で)8,000億ユーロを超える補助金と融資から成り、加盟国に対し、資金を受けるために意欲的な国内
構造改革および投資計画の追求を義務付ける。これは、成長を促進する構造改革やEU加盟国のさらなる統合(いずれも将来
の危機に対するユーロ圏の脆弱性を低減するための重要な要素であると考えられている。)が行われる見通しの改善につな
がった。しかしながら、複数の国で今後行われる議会選挙および大統領選挙などから生じる政情不安を考慮すると、将来の
景気動向および欧州の政治的な結束に対するダウンサイド・リスクは依然として存在する。これらのリスクが顕在化した場
合、当行の顧客が総生産の落ち込みや不確実性の増大に鑑み取引量を抑えるのに伴い、最終的に当行の取引高を著しく減少
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させ、当行の業績および財務状態に重大な悪影響を及ぼすおそれがある。政治的リスクの増大は、金融システム、公債の持
続可能性、ユーロの価値およびより広く経済情勢全体に影響を与える可能性があり、当行の事業全般における取引高の低
下、 資産の評価減および損失をもたらす可能性がある。
極端なテールリスク・シナリオにおいて、一つまたは複数の加盟国が債務不履行に陥り、またはユーロ圏から離脱するこ
とを決定した場合、一つまたは複数の自国通貨が再導入される可能性がある。ユーロ圏諸国のいずれかがユーロ圏から離脱
すべきであると決定した場合、その結果必要となる自国通貨の再導入や既存の契約上の義務の改定は、予測不能な財務的、
法的、政治的および社会的な影響をもたらす可能性があり、当該国の民間債についても多大な損失を招く可能性がある。
ユーロ圏内では金融システムが相互に密接に連携していることや、当行の欧州全域にわたる公的なおよび民間の取引相手方
に対する高いエクスポージャーに鑑みて、当行のエクスポージャーを重大でない水準まで低下させることで上記の不測の事
態を回避する方策をとる当行の能力は、制限される可能性が高い。ブレグジットまたは他のEU加盟国のユーロ圏からの離脱
によって欧州全体の経済環境が悪化した場合、当行の事業は悪影響を受ける可能性があり、また事業活動の水準が全般的に
低下した場合や、当行が様々な事業における相当のエクスポージャーにつき評価減を行わなければならない場合には、当行
は重大な損失を被るおそれがある。
英国のEU離脱(ブレグジット)は、当行の事業、業績または戦略計画に悪影響を及ぼすおそれがある。
英国政府は、EUとの間で貿易協力協定(TCA)を締結し、2021年1月1日に発効した。しかしながら、特に既存の協定にお
いて広範にカバーされていない金融サービスに関しては、英国とEUの間の交渉が2021年を通して続いており、依然として不
透明である。この拡張の内容および最終的な結果については、2022年も引き続き議論される。
英国のEU離脱の中長期的な影響に関して引き続き不確実性が存在していることを考慮すると、これらがドイツ銀行AGに及
ぼす長期の影響を正確に見極めることは困難である。しかしながら、英国の経済とユーロ圏諸国の経済は、ユーロ通貨を除
くEUの統合プロジェクトにより極めて密接な結びつきを持っており、英国における当行の事業規模、とりわけ当行が大きな
エクスポージャーを有しており、ブレグジットにより悪化する可能性があるロンドンのシティーにおける取引水準に左右さ
れる事業の規模は、たとえパーセンテージの点ではさほど大きくなくとも、当行の事業に極めて重大な悪影響を及ぼすおそ
れがあることを意味している。ブレグジットは、残念ながら、クロスボーダー金融サービスの提供に混乱を生じさせた。ま
た、さらなる遅延があった場合や関連する法律に基づき相互に「同等性」を決定する事項について合意形成ができない可能
性がある場合、当行の一部のビジネス再編のためのコストを大幅に増加させることとなり、英国からのまたは英国に対する
従来のシームレスな態様での金融サービスの提供における当行の能力を制限する。また、将来におけるEUと英国との関係が
現時点で不透明であるため、クロスボーダーの事業活動に関する規制についての不確実性が高まる可能性が大きい。欧州委
員会の最近の発表では、英国のCCP(中央清算機関)の一時的な同等性評価(equivalence)に関する現行の取り決めの延長
が確認され、(前回の延長が終了する)2022年6月からEUの企業が英国の清算機関にアクセスできなくなるリスクが取り除
かれた。EUおよび英国のそれぞれ金融サービス制度間に同等性評価(equivalence)がなされない限り、当行は、当行が英国
に対して金融サービスを提供する能力および英国からその提供を受ける能力を制限されることとなる。
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当行は、英国における規制業務(従来はEUパスポート規定に従い実施してきた業務)を引き続き実施するため、英国にお
ける当行の所管当局である健全性監督機構(PRA)および金融行為規制機構(FCA)に認可申請を行っている。第三国機関の
支店(Third Country Branch)として認可を受けられない場合、当行の事業、業績または戦略計画に悪影響が生じるおそれが
ある。
より広範には、英国が北アイルランド議定書第16条を発動した場合、いくつかの景気下振れリスクが引き続き存在し、最
悪の結果として、EUがブレグジット貿易協定を停止する可能性がある。交渉による解決ができない場合、最終的には世界貿
易機関(WTO)の規則が適用されるが、これは関税が引き上げられることを意味し、貿易および経済活動にさらなる悪影響を
及ぼす可能性がある。
当行の広範囲に及ぶ準備にもかかわらず、ブレグジットの結果、当行の事業および戦略計画に悪影響が生じるおそれがあ
る。現時点において何らかの定量的な確度をもってそのような悪影響を評価することは、特にそれらが将来の政治上および
市場の動向に左右されるため難しい。
欧州債務危機が再燃した場合、当行は、欧州諸国およびその他の国のソブリン債に対するエクスポージャーにつき減損を
計上しなければならなくなる可能性がある。当行がソブリン信用リスクの管理を目的に締結したクレジット・デフォルト・
スワップは、これらの損失の相殺に利用できない可能性がある。
ユーロ圏諸国のソブリン債の多くが当行を含む欧州の金融機関により保有されている。ここ数年で欧州債務危機は明らか
に緩和したが、現在の政治的環境に照らすと、ギリシャや他のユーロ圏諸国(スペイン、イタリア、ポルトガルおよびキプ
ロス等)がその債務水準を今後管理していけるか否か、またギリシャが過去の国際的な債務再編について再交渉を試みるか
否かは、依然として不透明である。これらの国々の多くにおける反緊縮派の政党やポピュリスト感情の台頭により、ユーロ
圏諸国間の著しく異なる経済状況に起因する緊張を緩和させる目的でこれらの国々に推奨されている中長期的な政策は危機
に直面している。今後、これらの国々およびその他の債務国のソブリン債についても、2012年のギリシャ債務の再編と同様
の交渉や交換が行われる可能性がある。ソブリン債の条件変更(元本金額の減額や償還期限の延長を含む。)に関する交渉
の結果によっては、当行の貸借対照表上の資産の更なる減損計上が必要となる可能性もある。これらの交渉は、当行がコン
トロールすることのできない政治的および経済的な圧力を受ける可能性が非常に高く、当行は、金融市場やより広い経済情
勢、また当行に対するその影響を予測することはできない。
上記に加え、発行済みソブリン債の再編は、当行およびその他の市場参加者に対して、不履行リスクに対する保護を目的
に購入したヘッジ商品に基づく支払によってカバーされない潜在的な損失をもたらす可能性がある。これらの商品は、主
に、信用事由(デフォルトなど)が特定の対象債務に発生した場合に一方の当事者が他方の当事者に支払を行うことに合意
する、一般にCDSと呼ばれるクレジット・デフォルト・スワップで構成される。自発的な評価減によって信用事由を回避する
ソブリン債再編の場合、当行が購入したCDSのトリガー事由に該当しない可能性があり、評価減の場合におけるエクスポー
ジャーは、ヘッジ後の純エクスポージャーとして当初想定していたエクスポージャーを上回る可能性がある。さらに、仮に
CDSのトリガー事由に該当した場合でも、CDSに基づき最終的に支払われる金額が、被った損失の全額に満たない場合があ
る。当行はまた、そのヘッジ取引の相手方が自らのエクスポージャーを有効にヘッジしておらず、当該契約に基づく支払の
トリガー事由が発生した場合に必要な流動性を提供することができないリスクに晒されている。このことが欧州の銀行業界
全体に影響するシステミック・リスクを生じさせ、当行の事業および財務状態に悪影響を与える可能性がある。
当行の事業および戦略に関するリスク
当行の業績および財務状態は、厳しい市場環境、不透明なマクロ経済環境および地政学的状況、顧客取引水準の低下、競
争および規制の増加ならびに戦略的決定の直接的な影響により、これまでマイナスの影響を受けてきた。当行が収益性を改
善できない場合、当行は、戦略的目標を達成できなくなり、自己資本、流動性およびレバレッジを市場参加者および規制当
局が期待する水準に維持することが困難になるおそれがある。
2021年、当行の純収益は2020年から増加し、その結果、2019年を上回った。この増加は、基礎となる市場活動の恩恵を受
けたものであり、金利環境の強い逆風の影響やCOVID-19のパンデミックのマイナスの影響および業界全体のマージンの圧縮
を相殺した。
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当行のインベストメント・バンクが2021年の業績を継続できるかは、投資銀行業界における市場での取引が引き続き堅調
を維持できるかにかかっている。これについては、引き続き著しいダウンサイド・リスクを孕んでいるCOVID-19のパンデ
ミックの進捗の影響や、地政学的事由および圧力(ロシアのウクライナに対する大規模な軍事行動や中国との緊張等)の影
響 を受ける可能性が高い。COVID-19のパンデミックは「より長期にわたり低水準にとどまる」金利環境を深化させ、これに
より当行の一部の部門の業績が影響を受けた。低金利環境はまた、投資家の利回り追求として、リスク資産全般について押
し上げられた市場評価を支えた。これらの傾向は、金利上昇により生じた大幅かつ持続的な資産価格修正リスクを高める。
リスクは、高い債務水準、市場の一定の分野における流動性の欠如および世界的な引受基準の緩和により高まる。低迷する
市場環境、外国為替レートの重大な変動(および結果としての交換の効果)を含む不利な価格およびボラティリティ、なら
びに慎重な投資家および顧客のセンチメントは、将来的に、当行の収益および利益ならびに当行の戦略的目標その他の目標
の適時かつ完全な達成に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
当行のビジネスの低マージン低リスクの商品への移行は、当行がボラティリティから利益を得る機会を制限する可能性が
ある。規制当局は一般的に、銀行セクターに対し、顧客フローの促進に注力し、リスクを取ることは控えるよう促してい
る。これは、高リスクの取引に対する自己資本水準の引き上げにより一部実施されている。さらに規制当局の一部は、銀行
に対して低リスクの取引に重点を置くよう求める方針に従い、当行の事業基盤を見直すよう促しまた推奨している。近年に
おいて、当行は、より高リスクで資本賦課の高い商品に焦点を当ててきた多くの事業(これらの事業は、初期の段階では、
より高い収益性を持つ可能性も有していた。)に対するエクスポージャーを削減してきた。当行の収益および利益は、規制
(特に規制自己資本、レバレッジ要件および流動性要件の増大やコンプライアンス費用の増加)および競争による長期にわ
たる構造的傾向により圧迫を受けており、これらが当行の多くの事業のマージンを圧縮している。これらの要素の組み合わ
せが、当行のトレーディング・アンド・マーケッツビジネスにおける長期にわたるマージンの低下および取引高の減少を招
いた場合、当行の財務上の目標の達成を妨げる可能性がある。
当行は近年、訴訟事案、執行措置および類似の事案を、当行が設定した引当金の枠内でほぼ解決して大きな進展を遂げて
きたが、この状況を維持できない可能性がある。特に、これらの費用は、訴訟事案、執行措置および類似の事案につき当行
が設定した引当金の水準を著しく上回る可能性があり、これにより当行の財務の健全性に関する市場の見方が否定的とな
り、当行の事業が悪影響を受ける可能性がある。このことにより、訴訟事案、執行措置およびその他の事案について生じる
実際の費用と相まって、今度は自己資本、流動性およびレバレッジを、市場参加者および規制当局が期待する水準に維持す
る当行の能力に悪影響を及ぼすおそれがある。
低迷する市場環境、資産価格の下落、ボラティリティおよび慎重な投資家のセンチメントは、当行の収益、特に当行のイ
ンベストメント・バンキング、仲介業務およびその他の手数料・報酬を収入ベースとする業務に影響を及ぼしており、また
将来重大な悪影響を及ぼす可能性がある。その結果、当行は、過去に当行のトレーディングおよび投資業務において著しい
損失を被っており、また将来においても被る可能性がある。
当行は、グローバルな投資銀行として、金融市場に対する相当なエクスポージャーを有しており、主に伝統的な銀行業務
に従事する機関に比べて、金融市場の軟化によるリスクに晒される機会が多い。長引く市況の低迷により当行の収益は過去
に減少を経験しており、また将来においても減少する可能性があり、当行が費用についても同様の割合で削減することがで
きない場合には、当行は、その収益性が損なわれ、重大な損失を計上する可能性がある。市場のボラティリティは、当行が
保有する金融資産の価値を減少させ、当行のリスクをヘッジする費用を増加させることにより、当行に悪影響を与えるおそ
れがある。顧客活動の低下も、当行の「フロー」ビジネスの収益を減少させる可能性がある。
特に、ファイナンシャル・アドバイザリー手数料および引受手数料の形態による当行のインベストメント・バンキングの
収益は、当行が手がける取引の数および規模に直接関連しており、長期にわたる市場の低迷により悪影響を受けやすい。こ
れらの手数料その他の収入は、通常、原取引の価格に連動するため、資産価値とともに減少する可能性がある。また、市場
の低迷と不確実性の期間には、特にマージンの高い取引において取引高やインベストメント・バンキングの収益の重要な原
動力となる、市場リスクおよび信用リスクに対する顧客のリスク志向が弱まる傾向がある。近時を含め過去における顧客の
リスク志向の減少は、当行のインベストメント・バンクの取引量や収益性レベルの低下を招いた。当行の収益および収益性
は、債券・株式の募集ならびに合併および買収の数や規模の著しい減少または縮小により、重大な悪影響を受ける可能性が
ある。
市場の低迷はまた、当行が顧客のために行う取引量の減少を招き、これにより当行の利息以外の収益が減少しており、ま
た将来においても減少する可能性がある。また、当行が顧客のポートフォリオの管理につき請求する報酬は、多くの場合、
当該ポートフォリオの価格またはパフォーマンスに基づいているため、市場の低迷により顧客のポートフォリオの価格の下
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落や資金流出が増加すると、当行がアセット・マネジメントおよびプライベート・バンキング業務から得られる収益が減少
する。市場が低迷していない場合でも、投資ファンドが市場を下回るまたはマイナスのパフォーマンスを示す場合には、資
金 流出が増加し、資金流入が減少し、当行がアセット・マネジメント業務から得られる収益が減少する可能性がある。当行
の顧客は、当行が顧客の勘定でポジションを取得したことにより被る損失につき責任を負うが、当行は、十分な担保を保有
せずまたはこれを実行できない場合に、当該顧客の損失を填補する必要性のために更なる信用リスクに晒される可能性があ
る。当行はまた、顧客が損失を被り、当行がその商品および業務に対する顧客の信用を失った場合にも、その業務が阻害さ
れる可能性がある。
また、当行のトレーディング・ポジションおよび投資ポジションならびに当該ポジションに関連する当行の取引から得ら
れる収益の多くは、市場価格により直接不利な影響を受ける可能性がある。当行がこれらのトレーディング・ポジションお
よび投資ポジションを有する各商品および各事業分野においては、当行の業務の一部として、各種の金融市場およびそれら
のトレンドに関する評価を必然的に伴う。当行が資産を保有している場合、市場価格の下落により、当行は損失を被る可能
性がある。インベストメント・バンクのより高度な取引の多くは、価格変動および価格差の影響を受ける。当行の予想しな
い形で価格が変動した場合、当行は損失を被る可能性がある。また、市場のボラティリティが高くなっている場合、当行が
行った評価により、結果的に関連する取引およびポジションにおける収益の減少または損失を招く可能性がある。さらに当
行は、一定の資本市場取引を促進する目的で資本を投入し、市場リスクを負っており、これにより当行は収益の変動の他、
損失を被る可能性がある。かかる損失は、とりわけ当行の保有資産にそもそも流動性のある市場が存在しない場合に発生す
る。銀行間のデリバティブ契約などの証券取引所またはその他の公開取引市場で取引されない資産は、当行が公開市場価格
以外のモデルを利用して計算した価格が付けられる場合がある。この種の資産の価格の下落を監視することは困難であり、
当行が予想しなかった損失を被る可能性がある。また、リスクに対する一般的認識が投資を躊躇している投資家に引き続き
市場参加をためらわせてその活動を縮小し、ひいては取引フローに依拠する当行の事業の活動水準も低下させる場合には、
当行は悪影響を受ける可能性がある。
さらに現在の市場環境においては、ドイツ国債のマイナス利回りを含め、特にユーロ圏において超低金利が特徴となって
いる。ユーロ圏やその他の地域で低金利が長期化することにより、当行の純利益マージン、収益性およびバランスシートの
動向に重大な影響を及ぼす可能性がある。当行の収益は特に金利の影響を受けやすく、当行の帳簿上におけるユーロ建て貸
出金および預金の規模を勘案すると、公正価値で計上されるバランスシート上の他のポジションも低金利環境の影響を受け
る可能性がある。このような状況により、現時点の当行の収益見通しに重大な影響を及ぼすおそれがある。プライシングの
変更や追加手数料の導入など、この低金利の影響を相殺するための措置は、上記の影響を相殺するには不十分である可能性
がある。
これに対し、最近、市場金利が上昇しており、2022年中に金融当局による金利の引き上げがあると予想されている。かか
る引き上げが当行や市場の予想を超える範囲または率で行われた場合、経済、市場および当行の事業にマイナスの影響を与
える可能性がある。
当行の資金流動性、事業活動および収益性は、市場全体もしくは当行独自の流動性が不足する場合には、債券資本市場に
アクセスできないことや資産を売却できないことにより、悪影響を受けるおそれがある。信用格付けの低下に起因して当行
の資金調達コストは過去に増加している。最近、当行の信用格付けは上方修正されたが、将来の信用格付けの低下は、当行
の資金調達コスト、当行との取引を継続しようとする相手方の意欲および当行のビジネスモデルの重要な側面に重大な悪影
響を及ぼす可能性がある。
当行は、事業活動に資金を提供するため流動性資金を継続的に必要としている。当行の資金流動性は、有担保債ないし無
担保債の市場にアクセスできないこと、当行の子会社からの資金を利用できないことやその他当行の事業全般に流動性資金
を適切に配分できないこと、資産の売却もしくは投資の回収を行えないこと、または現金もしくは担保の予測不能な流出が
生じることにより損なわれる可能性がある。このような状況は、当行の事業とは無関係の当行の管理可能な範囲を超えた状
況、例えば金融市場における混乱に起因する場合もあるし、当行に特有の状況、例えば訴訟事案、規制措置および類似の事
案に起因する今後の資金流出(預金の流出を含む。)に関する認識、ならびに当行の事業、ビジネスモデルもしくは戦略の
脆弱性や経済状況や市場環境の悪化への対応力の低さが実際に見られたり予想されたりした場合に、それを理由として取引
相手方または市場が当行の事業に対する資金提供を控えること等によって生じる可能性もある。こうした状況を受けて、ス
トレスのかかったシナリオにおける利用可能な流動性資金に関する内部の見積りがマイナスの影響を受ける可能性がある。
また、当行と同規模と考えられている他の金融機関の経営不振および金融業界全般についての否定的な評価もまた、当行
に影響を及ぼす可能性がある。かかる認識は、資本市場にアクセスし、当行の事業活動を支えるのに必要な資金を取得する
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対価に影響を与える恐れがある。かかる認識が存在、継続または悪化した場合、容認可能な条件で上記の資金を取得する当
行の能力は、悪影響を受ける可能性がある。特に、当行の貸借対照表上の資産に係るリファイナンスや資産価値の下落をカ
バー するために必要な水準の資本の維持ができない場合には、当行は、保有資産を低い価格または不利な条件で処分し、ま
た例えば新たな信用供与に係る事業を縮小せざるを得ない可能性がある。かかる場合、当行の事業、財務状態および業績に
悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、各通貨での事業活動をリファイナンスする継続的能力を確保する必要がある。
また、当行は近年、特にユーロ圏の金融機関および金融市場に追加の流動性資金をもたらしたECBおよびその他の中央銀行
による多くの資金提供措置から恩恵を受けている。かかる資金提供が縮小または停止した場合、当行の資金調達コストが増
大または資金供給が減少し、その結果、当行の事業活動が停滞するおそれがある。特に、ECBが量的緩和政策の停止または縮
小を決定したり、連邦準備制度理事会が金融引締政策を推し進めたり、またはより一般的に各国中央銀行が金融引締めに向
けた措置を講じたような場合には、長期金利が上昇し、中央銀行による資金供給が減少し、それらにより当行の資金調達コ
ストにも影響を及ぼす可能性が高い。
当行の信用格付けは、2021年に主要格付会社全3社により上方修正された。最近上方修正されたとしても、格付機関は定
期的に当行の信用格付けの見直しを行い、かかる見直しは時の経過とともに変化する多くの要因により悪影響を受ける可能
性がある。かかる要因には、当行の戦略および経営陣の能力、当行の財務状況(収益性、資産の質、資本、資金調達および
流動性などに関する)、当行が属する業界に対する政治的支援の水準、構造改革の実施、当行の法的構造に適用ある法律お
よび規制上のフレームワーク、当行債権者の事業活動および権利、格付手法の変更、債券保有者および預金者を保護する損
失吸収バッファーの比重の変更、当行の主要市場における競争環境や政治経済状況(COVID-19のパンデミックおよびブレグ
ジットの影響を含む。)、ならびに市場の不確実性に関する格付機関による評価が含まれる。さらに、投資家が投資判断に
おいて検討する場合と同様、環境(気候変動リスクを含む。)・社会・ガバナンス(ESG)の要因が、信用格付分析の一部と
して格付機関により考慮されることが多くなってきている。
当行の信用格付けの引き下げ、とりわけ投資適格未満に引き下げられたような場合や、当行の財務上の対応力への資本市
場の認識が悪化した場合、当行の短期金融市場へのアクセスに重大な影響が生じ、当行の預金ベースの規模が縮小し、デリ
バティブ契約およびその他の担保付資金調達の取り決めにおいて追加担保またはその他の要求が生じたりそれらの取り決め
を変更する必要が生じる可能性がある。その結果として、当行の資金調達コストおよび資本市場へのアクセスに悪影響を及
ぼし、当行との取引を希望する取引相手方の範囲が限定される可能性がある。これにより、当行の競争力が悪影響を受け、
当行の短期ないし中期的な見通しを脅かす可能性がある。
世界規模の金融危機が始まった後、主要な信用格付機関は、複数回にわたり当行の信用格付けを引き下げ、または見直し
もしくはネガティブ・ウォッチ(格下げ方向で見直し)に指定してきた。こうした信用格付けの低下は、当行の資金調達コ
ストを増加させた。最近の信用格付の上方修正にかかわらず、当行のクレジット・スプレッド水準(ベンチマークとしての
国債と当行証券の利回りの差異)は市場の軟化の影響を受けやすく、格付けが大幅に引き下げられた場合、当行の信用格付
けが投資不適格の範疇に入る可能性がある。将来の信用格付けの低下は、当行の資金調達コストおよびビジネスモデルの重
要な側面に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。信用格付けの低下による影響は、格下げが金融業界全体に影響を及ぼすも
のか、地域ベースで影響を及ぼすものか、あるいは規制措置、訴訟事案および類似の事案の今後の和解等の当行に特有の状
況を反映することが意図されたものか、当行の経営幹部が格下げに対し事前にまたは事後に講じた措置、当行との取引を継
続しようとする相手方の意欲、またより一般的には、その他の市場事由の影響およびマクロ経済環境の状況を含む、様々な
要因によって左右される。
また、当行が当事者となっているデリバティブ商品を規定する多くの契約に基づき、信用格付けの低下は、当行に対し追
加の担保設定を余儀なくし、当行の支払義務を伴う契約の終了を招き、または相手方に対し追加の救済手段を与える可能性
がある。当行は、「第6 経理の状況、1 財務書類、(1)連結財務書類、①取締役会報告書、リスク・レポート、流動性リス
ク、ストレス・テストおよびシナリオ分析」に詳述されるとおり、流動性ストレス・テスト分析においてこれらの影響を考
慮する。
当行がその戦略計画を成功裡に実行できなかった場合、当行は財務上の目標を達成できなくなるか、または減損や引当金
の追加を含む損失を被り、低い収益性にとどまり、当行の財務状態、業績および株価は重大な悪影響を受ける可能性があ
る。
2019年7月、当行は、コア・バンク(4つの中核となる事業部門、すなわちコーポレート・バンク、インベストメント・
バンク、プライベート・バンクおよびアセット・マネジメント、ならびにコーポレートおよびその他の部門で構成され
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る。)の重点を見直して、通常、魅力的なリターンが見込める成長市場で展開される、市場をリードする事業に集中させる
ことにより持続可能な株主還元を大きく向上させることを意図した、当行の戦略的改革を発表した。また当行は、十分な収
益 を得ることができないリターンの低い資産およびビジネス、またはもはや当行の戦略において中核とはいえない活動に
よって消費されている資本を解放することを第一の目的とするキャピタル・リリース・ユニット(CRU)を設立した。それ以
降、当行の事業基盤を見直し、競争で優位に立つことができない事業を選択して撤退した。当行の改革の次の段階は、コス
ト、リスクおよびバランスシートの規律ある管理ならびに統制を維持しつつ、当行事業を成長させることにより持続可能な
収益性の確保という目標に注力することである。
2022年の当行の主要な財務目標は以下の通りである。
- 当行グループの税引後平均有形株主資本利益率を8%とする
- コア・バンクの税引後平均有形株主資本利益率を9%超とする
- 費用収益比率を70%とする
- 普通株式等Tier 1資本比率を12.5%超とする
- レバレッジ比率(完全適用ベース)を約4.5%とする
当行は、このほど、2025年に向けた主要な財務目標を追加した。
- 当行グループの税引後平均有形株主資本利益率を10%超とする
- 2021年から2025年までの年平均収益成長率を3.5%~4.5%とする
- 費用収益比率を62.5%未満とする
当行は、規制当局による承認および株主の承認を受け、ドイツ会社法の要件を満たすことを条件として、収益力のある成
長を支援し今後予定されている規制上の変更への対応に必要とされる金額を超えて自社株を買い戻すことにより、現金配当
の持続的増加および株主への剰余金の還元を実現することをコミットした。その目的に向けて、取締役会は、当行の戦略的
目標を達成することを条件として、1株当たりの現金配当額を2021年の1株当たり0.20ユーロを基準として、その後の3年
で年率50%増加させる予定である。これは2025年までに支払われる2021年から2024年に関する累積現金配当額が約33億ユー
ロとなることを意味する。2024年について、当行は、2025年に配当の支払いおよび自社株の買戻しを組み合わせることによ
り、50%の株主還元率を達成する予定であり、翌年以降も50%の株主還元率を維持する予定である。よって、すでに発表さ
れた2022年における3億ユーロの自社株の買戻しに加え、当行の現行の財務目標を満たすことは、以前発表した、2021年か
ら2024年に関する、配当の支払または自社株の買戻しの実施による総額50億ユーロの累積分配をサポートすることになる。
さらに、当行が2025年まで財務計画および戦略計画を成功裏に実施できた場合、2021年から2025年に関して推定される累
積分配額は約80億ユーロに達することになる。株主に対する資本還元目標は、約13%の健全な普通株式等 Tier 1(CET1)資
本比率(すなわち、現時点で当行がしばらく適用されると想定している当行の最大分配可能額(MDA)の基準値を200ベーシ
スポイント以上上回るCET1資本比率)を維持するという目標により一層補強されている。
当行の戦略的目標の達成は、様々な内部的および外部的要因、市場や規制の不確実性、経済に対する不透明感および政情
不安、ならびに当行の経営モデルに係る制約による影響を受ける。これらの要因により、当行の戦略目標の達成、期待され
る利益の実現、または当行の2022年の財務目標もしくは2025年に向けた追加財務目標の達成能力が悪影響を受ける可能性が
ある。当行の戦略的目標は特に、以下の前提およびリスクに服する。
- 地政学的な情勢の推移、特にウクライナに対するロシアの大規模軍事行動に関する情勢の推移も、世界的および地域的な
経済や市場に短期的なものだけでなく影響を与える可能性があり、当行の事業、業績、戦略計画および目標、ならびに当
行の証券の価格が悪影響を受ける可能性がある。その他、中国に関する地政学リスクならびに主要な市場における政治的
および経済的不安定性による地政学リスクがある。
- 現在のCOVID-19のパンデミックおよびその世界経済に対する潜在的影響は、当行の財務目標を達成する能力に影響を与え
る可能性がある。地方、地域または世界の経済環境が長期的に低迷することにより、当行の事業、業績、戦略計画および
目標、ならびに当行の証券の価格が悪影響を受ける可能性がある。
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- 当行の財務計画および資本計画のベースケース・シナリオには、マクロ経済環境の好転に依拠する増収見込みが含まれて
いる。マクロ経済環境が停滞または低迷した場合、これらの戦略的財務目標および資本目標を達成するために必要となる
増収を生み出す当行の能力に大きな影響を及ぼす可能性がある。また、このベースケース・シナリオには、将来における
当 行のコスト削減能力に関する仮定も含まれている。
- さらに、当行のベースケース・シナリオは、フォワード・レート・カーブに関する当行の評価に基づき、低いながら金利
の上昇を想定している。金利が予想どおり上昇しない場合、当行の収益は想定のように推移しない可能性がある。
- また、当行の戦略的目標は、前年において上昇したインフレ水準に関する仮定に基づいており、その見通しは依然として
不透明である。インフレが予想どおりに推移しない場合、またはサプライヤーや第三者との関係における商業上の手段に
よりインフレ圧力に対応できない場合、当行の事業は悪影響を受け、当行のコストが増加する可能性がある。
- 当行の計画は、特にユーロと米ドルに関して、2022年1月31日現在の為替レートに基づいている。為替レートが当該水準
から変化した場合、当行が目標を達成する能力に悪影響を与える可能性がある。
- 2021年のインベストメント・バンクの業績は、投資銀行業務における市場活動が業界として高水準であったことに後押し
された。インベストメント・バンクがその業績を維持できるかどうかは、高水準の市場活動が続くか否かに左右される。
- 2022年については、信用損失引当金は、貸出平均残高に対する割合が約20ベーシスポイントになると当行は予想してい
る。より高い水準の信用損失引当金が要求される場合、当行の業績ならびに戦略的財務目標および資本目標を達成する当
行の能力に悪影響を及ぼす可能性がある。
- 当行は、当行のビジネスモデルから生じる大きな課題を克服することができるものと予想している。当行は引き続きト
レーディングビジネスおよびマーケッツビジネスから多くの収益を得ている。経済および市場の状況の推移次第で、かか
るビジネスが悪影響を受ける、または当行がかかるビジネスから稼得することを目指す収益性を達成できない可能性があ
る。
- 資産および顧客水準は、これまで市場の否定的な見方による影響を受けてきた。当行に対し、市場が引き続き否定的な見
方で注目しまたは新たに注目した場合、新規顧客や資産の流出を再び招く可能性がある。
- 当行は、CRUが、コストを削減しつつレバレッジ解消を継続することを想定している。CRUがレバレッジを解消できない、
または計画どおりコストを削減できない場合、当行の目標が阻害される可能性がある。
- 2020年、COVID-19のパンデミックにより、正規従業員の自然減少率が過去の水準と比較して一時的に低下したが、2021年
には従業員の自然減少率はパンデミック前の傾向に近い水準に戻った。自然減少の水準が再び低下した場合、当行のコス
ト目標において厳しい状況となる可能性がある。逆に、自然減少率が過去の水準と比較して上昇した場合、有能な人材、
特に収益の発生に重要なフロント・オフィスおよび管理体制の向上に重要なポジションの人材を勧誘および雇用する当行
の能力に悪影響を及ぼす可能性がある。
- また、戦略目標を達成する当行の能力は、規制の変更によっても悪影響を受ける可能性がある。特に、当行の収益性の減
少を招く可能性のあるビジネスモデルまたは組織の変更を政府当局から要請され、あるいは法令遵守のため当行の収益性
を減少させるような変更を行わざるを得なくなる可能性がある。
- 当行はまた、ドイツ国内およびドイツ国外の多数の法域(特に米国)において、多くの訴訟、仲裁ならびに規制上の手続
きに関与し調査の対象となっている。これらの件には、多くの不確実性が伴う。当行は、訴訟環境は引き続き厳しい状況
が続くと予想している。訴訟および規制案件が今後も近年と同様のまたはこれを上回るペースおよび規模で発生する場
合、またはこれらの件に対する当行の潜在的エクスポージャーについて市場の憶測が消えない場合、当行は、戦略目標を
達成することができない可能性がある。
- 当行は現在、非常に複雑なインフラを運営しており、これは管理体制全体の質を損なう可能性がある。強固な管理体制を
備えたより効率的な銀行となれるかは、当行のITランドスケープの合理化および簡素化ならびに企業文化の変革の成功に
かかっている。
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- 当行に適用される法令に従って事業を遂行できるようにするためには、堅固かつ効果的な内部管理体制が必要である。当
行は、内部統制環境の有効性向上というイニシャティブを予定通りまたは規制当局の要求通り迅速に完了できない可能性
があり、また当行の取り組みは、当行の管理体制における将来のすべての不備を阻止し、または管理体制の改善によって
将来的に訴訟ならびに規制上および執行上の調査や手続きを減少させるには不十分である可能性がある。さらに、管理強
化の実施によって、規制遵守に係る費用が想定よりも高くなり、効率性の向上による費用節減が相殺される可能性があ
る。
- 特に、上記リスクのいずれかが短期的に現実のものとなり、当行の収益に悪影響を与えた場合または当行のコストが大幅
に増加した場合、当行は2022年の費用収益比率の目標としている70%を達成できない可能性がある。例えば、収益が当行
の予想を下回る、または銀行税、訴訟費用、従業員コストなどの費用が予想を上回る可能性がある。
当行がかかる戦略的イニシャティブの全部もしくは一部を実施できなかった場合、実施されたイニシャティブが期待され
た効果をあげなかった場合、かかるイニシャティブを実施するために当行が負担する費用が当行想定の金額を超えた場合、
あるいは当行がこれらのイニシャティブを実施するために定めた公表済みの目標を達成できなかった場合、当行はその財務
上の目標を達成できなくなるか、または損失を被り、低い収益性にとどまりもしくは資本基盤が弱まる可能性があり、当行
の財務状態、業績および株価は重大な悪影響を受ける可能性がある。
当行は、事業体、ビジネスまたは資産の有利な価格での売却あるいは売却自体が困難となり、市場の動向にかかわらずか
かる資産およびその他の投資により重大な損失を受ける可能性がある。
当行は、ビジネスの簡素化および集中を行い、自己資本要件およびレバレッジ要件を充足またはこれらを超える水準を達
成し、また有形株主資本利益率の目標の達成を促進する戦略の一環として、当行の中核事業に該当しない資産の売却もしく
はかかる資産へのエクスポージャーを削減していく所存である。当行は既に非中核資産の大部分を売却しており、当行が残
りの非中核資産を期待通り迅速にかつ許容可能な価格で売却するのは、とりわけ困難である可能性がある。当行が事業体ま
たはビジネスを売却する場合、当行は、売買契約の条件に基づく一定の損失またはリスクに引き続き晒される可能性があ
り、またかかる事業体またはビジネスの分離および売却のプロセスにより、オペレーティング・リスクまたはその他の損失
が生じる可能性がある。厳しい事業環境や市場環境により、当行は、事業体、ビジネスまたは資産を有利な価格で売却する
こと、あるいは売却自体が不可能となる可能性がある。当行が計画通りにその資産を削減できない場合、当行は、その戦略
に基づき設定された自己資本目標を達成することができなくなる可能性がある。
当行が統合対象を見つけ出して統合を行うことは困難となる可能性があり、統合を実施してもこれを回避しても、当行の
業績および株価が著しく損なわれる可能性がある。
当行は随時、事業統合を検討している。重要な事業統合を発表しまたは完了した場合で、当該取引が高額すぎる、既存株
主にとって希薄化をもたらす、または当行の競争力を増す可能性が低いと投資家が判断した場合、当行の株価または統合対
象法人の株価は著しく下落する可能性がある。当行が統合する可能性のあるいかなるビジネスについても、当行があらゆる
点で完璧な調査を行うことは一般に不可能である。その結果として、統合が予想通りに運ばない可能性がある。さらに、事
業を統合する対象法人と当行の業務をうまく統合できない可能性がある。発表した事業統合を完了できなかった場合、また
は当該統合において予想された恩恵を享受できなかった場合、当行の収益性に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。またこ
のような不首尾が、当行の事業見通しおよび運営に対する投資家の認識に影響をあたえ、当行の株価が下落する可能性があ
る。さらには、重要な従業員の退職を招く可能性もあり、また従業員の残留を促すために報奨金を支払う必要があると当行
が判断した場合は、費用の増大および収益性の減少を招く可能性もある。
当行がさらなる事業統合を行うことを回避し、または発表したもしくは予想された統合を実現できなかった場合、市場参
加者は、当行に対して否定的な認識を持つ可能性がある。当行はまた、特に新たな事業分野への事業の拡大を自律的成長の
みによって行う場合には、競合他社と同様に迅速に、あるいは成功裡に実行することができないおそれもある。これらの認
識や制約は、当行の事業に損失をもたらし、また当行のレピュテーションを毀損する可能性があり、当行の財務状態、業績
および流動性に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
当行の本国ドイツの市場およびグローバルな市場における激しい競争は、当行の収益および収益性に著しい悪影響を及ぼ
し、今後も及ぼす可能性がある。
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ドイツおよびグローバルな市場における主な事業分野のすべてにおいて、競争が激しくなっている。当行が、当行に収益
をもたらす魅力的な商品およびサービスの提供をもってかかる市場における競争環境に対処できなかった場合、当行は、そ
の 事業の重要な分野における市場シェアを失い、または業務の一部もしくは全部において損失を被る可能性がある。また、
かかる市場における景気の低迷は、当行における価格圧力の増大や取引量の減少等を通じて、競争を激化させる可能性があ
る。
これまでに、複数の金融機関の間で大規模な合併および集中が行われてきた。かかる傾向は、当行の競合他社の一部の資
本基盤および業務地域を著しく増大させ、証券およびその他の金融市場のグローバリゼーションを加速した。その結果、当
行は、当行より大規模で資金力があり、現地の市場においてより強固な地位を占める可能性のある金融機関と競争しなくて
はならなくなった。
他のユニバーサル・バンクや金融サービス会社といった従来の競合他社に加えて、新興企業やテクノロジー企業(「フィ
ンテック」サービスを提供する企業を含む。)といった新たなグループが、将来の競合勢力としてバンキング・サービスお
よび商品への興味を強めている。これらの新たな競合他社は、中核的な商品(支払い、基本貯蓄口座ならびに融資および投
資アドバイザリー等)および新商品(ピアツーピア・レンディングや株式型クラウドファンディング等)の双方における競
争を激化させる可能性がある。また、かかる企業は、有能な人材の勧誘および雇用において当行の潜在的な競合相手であ
る。
環境・社会・ガバナンス(ESG)に関連する変化に関するリスク
地球温暖化の影響、ならびに社会、規制当局および銀行セクターにおける気候変動重視の強化および「ネットゼロ」経済
への移行により、財政リスクおよび非財政リスクの新たな要因が次々と出現することになった。これらのリスクには、頻度
が増え、より深刻になっている異常気象イベントにより生じる物理的リスク、炭素集約型セクターが直面している増税、需
要の減少および資金調達手段の制限といった移行リスク、ならびに活動におけるESG側面の提示に関するリスクが含まれる。
これらのリスクは、幅広いタイプの財務リスクおよび非財務リスクにおいて、当行に影響を与える可能性がある。
金融機関は、各国政府、規制当局、株主およびその他の組織から、気候問題やより広範な環境、社会およびガバナンス
(ESG)関連問題についてより詳細な検査を受けており、当行が、低炭素経済への移行を支援しておらず、種の多様性や人権
を擁護していないとみなされた場合、レピュテーション・リスクにつながる。当行は、新たな規制ガイダンスにあわせてESG
リスク管理の枠組みを見直して強化し、当行の活動におけるESG側面の正確な提示を確保するよう求められる。現在のとこ
ろ、一貫性のある利用可能な包括的ESGデータおよび方法がなく、これは、当行のバランスシートに対するリスク評価におい
て当行は代用として見積りや定性的アプローチに大きく依拠している事を意味し、当行の気候関連の開示に関する不確実性
は高くなる。2022年、ECBは、初の気候ストレス・テストを実施する予定であるが、これは、新たな方法やデータソースの開
発を必要とする新奇かつ複雑な要素を多く含むテストとなる。
当行は、当行のポートフォリオを2050年までに排出量をネットゼロに調整することを含め、事業活動および運営をサステ
ナブルな方法で管理することをコミットしている。当行は、当行の事業活動全体における環境関連要因の統合を進めるた
め、環境リスクの評価および管理に対する当行のアプローチの開発と実施を続けている。これには、リスクの特定、監視お
よび管理を行い、定期的シナリオ分析およびストレス・テストを実施する能力が含まれる。規制当局およびステークホル
ダー双方の急速に変化する要求は、ステークホルダーの高い関心と相まって、当行がそれらの要求に答えることができない
場合または戦略計画を適切に実施できない場合、当行の事業に大きな影響を与える可能性がある。
規制および監督に関するリスク
金融業界の脆弱性および規制当局によるより全般的な検査の強化を受けて制定された、または提案される規制の見直し
は、当行に多大な影響を及ぼしており、かつ引き続き影響を及ぼして、当行の事業および戦略計画を実行する能力に悪影響
を及ぼす可能性がある。当行が規制要件を遵守しなかった場合、管轄規制当局は、当行に対し、配当支払いや規制上適格な
資本性金融商品に関する支払いを禁じるか、またはその他の措置を講じる可能性がある。
世界規模の金融危機および欧州債務危機を受けて、政府および規制当局等は、規制の枠組み変更を通じて金融業界の将来
の危機への対応力を強化するための取り組みを行ってきた。バーゼル銀行監督委員会(以下「バーゼル委員会」という。)
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やその他の基準設定機関によって概要を示された規制見直し計画は、その重点が様々な要素の実施に移行したことによっ
て、新たな変革のペースは鈍化した。その結果、当行および金融機関全体にとっての不確実性は、これまでの年よりその水
準 は軽減されたものの、引き続き存在している。新たな(または改正された)法律および規制や現在の提案には、以下のも
のが含まれる。
- より厳しい資本規制、レバレッジおよび流動性基準
- 報酬の慣行に係る制限
- 自己勘定取引その他の投資業務に係る制限
- 特別銀行税
- 金融危機に対応するための債権者の「ベイルイン」を含む再建・破綻処理権限
- 多額のエクスポージャー制限の厳格化
- ユーロ圏内およびその他の加盟国における一元化した銀行監督当局および銀行破綻処理当局の創設
- 単一破綻処理基金への拠出および預金保証制度の事前積立
- 一定の業務の預金受入業務からの分離
- ストレス・テストおよび資金計画制度
- 報告要件の強化
- デリバティブその他の金融商品、投資商品および市場インフラストラクチャーの見直し
規制枠組改革の中核的要素として、バーゼル委員会は、バーゼル3として知られる最低自己資本および流動性の基準に関
する包括的な一連の規則およびその他の規則を策定し、精緻化および補足を続けてきた。当初の一連の規則は、銀行の破綻
処理の枠組みを規定する「CRR/CRD IV」および銀行再建・破綻処理指令(「BRRD」)とも呼ばれる欧州の一連の法令を通じ
て、2014年以降、欧州および国内(当行の場合ドイツ)の法律において実施されている。一連の規則は、2019年に「CRR
II/CRD V」および「BRRD II」と呼ばれる包括的な一連の改革案によりさらに厳格化された。一連の改革案もまた、ドイツ銀
行のようなグローバルにシステム上重要な金融機関(G-SII)がその破綻時に損失を負担できる一定の最低水準の資本および
その他の商品の保有(総損失吸収力(TLAC))を義務付けることに関する金融安定理事会(FSB)の一定の規制上の提案を実
施した。
2021年10月27日、欧州委員会は、COVID-19パンデミックからのEUの復興およびクライメイト・ニュートラル(気候中立)
への移行に貢献すると共に、将来起こり得る経済的打撃に対する銀行の対応力向上を確保するため、欧州連合の銀行規則に
関する包括的な一連の改革案(以下「銀行パッケージ2021」という。)を公表した。この改革案は、所要自己資本規制
(CRR)、資本要件に関する指令(CRD)および銀行再建・破綻処理指令(BRRD)の修正を目的としている。採択された場
合、CRRおよびCRDの修正案(一般に「CRR III」および「CRD VI」と呼ばれる。)は、特に、欧州連合におけるバーゼル3フ
レームワークの実施を最終化するものとなり、またトレーディング勘定の抜本的見直し(FRTB)のマーケット・リスクの自
己資本要件の変更を全面的に実施することになる。別個の提案においては、破綻処理制度に関するCRRおよびBRRDの複合的修
正が必要とされる。
CRR IIIおよびCRD VIには、とりわけ、最終的には標準的手法に基づき算出されたリスク・ウェイテッド・アセットの
72.5%に設定される予定の最低リスク・ウェイテッド・アセットを設定する資本フロアの段階的導入、信用リスクを決定す
る標準的手法および内部格付手法の変更、信用評価調整の変更、FRTBで規定されるオペレーショナル・リスクに対する手法
の改定およびマーケット・リスクに関する枠組みの改革、「第二の柱」要件(P2R)およびシステミック・リスク・バッ
ファーの調整、ならびに銀行経営に従事する上級従業員に関する一連の「適格性」規則が含まれる。その他の施策案は、環
境・社会・ガバナンスのリスクを、自らのリスク管理の一部として特定し、開示し、管理することを銀行に求めることによ
り、サステナビリティ・リスクに対応することを目指すものであり、これには、銀行の監督機関による定期的な気候ストレ
ス・テストの実施が含まれる。この案は、グリーン資産またはブラウン資産に関する自己資本要件の調整は一切伴わない。
ただし、欧州委員会は、調整について検討中であり、欧州銀行監督機構(EBA)に調整の可能性について評価を依頼したと述
べている。EBAは、2023年に報告書を提出する予定である。
破綻処理制度に関する提案には、一元的破綻処理および多元的破綻処理戦略に関するTLAC/自己資本および適格負債に関
する最低基準(MREL)制度の一部に関する明確化、ならびに、特に中間親会社が自己の内部MRELの許容額から、同一の破綻
処理グループに属する自身の子会社が発行した内部MRELの適格商品の保有額(自己資本を含む。)を控除するよう要求する
控除制度が含まれる。
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銀行パッケージ2021は、EUの立法機関、すなわち欧州議会と加盟国との間で協議されることになる。CRR IIIおよびCRD VI
は、早ければ2023年には有効となるものがあり、バーゼル3を実施する新規則は2025年1月1日から適用されると予想され
て いる。欧州委員会は、バーゼル3フレームワークの最終段階の実施により、欧州の銀行の自己資本要件は、2025年の移行
期間開始時の平均3%未満から2030年の移行期間終了時には9%未満に増加することになると見込んでいる。
バーゼル3に基づく銀行パッケージ2021の残りの法案の実施は、当行のリスク・ウェイテッド・アセットを増加させる可
能性があり、また規制上の自己資本要件および流動性要件の引き上げや、コスト増を引き起こすことにより、当行のビジネ
スに影響を及ぼす可能性が高い。これらの要件は、規制自己資本バッファー(それ自体増加を求められる可能性がある。)
に追加される要件となったり、既に当行に課されている各種の要件に追加を行うものとなる可能性があり、また当該要件自
体が当行の所要自己資本の大幅な増加を要請するものとなる可能性がある。
また、規制当局の既存の法律および規制の遵守に関する検査はより強化され、監督当局の要請は引き続き重要である。複
数の新たな(または改正された)法律および規制の草案作成や実施が行われているが、まだ道半ばであり、監督当局の要請
はまだ確定されておらず、その具体的な影響は明らかではない。
規制当局は、銀行の規制方法に対して実質的な裁量を有しており、かかる裁量および規制当局が利用できる方法は、近年
着実に増加している。進行中または将来の危機(COVID-19のパンデミックなど)を受けて、各国政府および規制当局によ
り、規制が必要に応じて課される可能性があり、特に当行のようなシステム上重要とみなされる金融機関に影響を及ぼすお
それがある。
特に、当行を管轄する規制当局(ECBを含む。)は、単一監督メカニズム(「SSM」とも呼ばれる。)に基づき、監督上の
検証・評価プロセス(以下「SREP」という。)、SSM対象機関全体の資産品質または内部リスク・モデルの検証等に関連して
ストレス・テストを実施することができる。管轄の規制当局は、金融機関の個別の状況に応じてリスク・ウェイテッド・ア
セットやその他の自己資本賦課においては認識されていないリスク(訴訟事案、規制措置および類似の事案に関するものを
含む。)に対応するため、金融機関に自己資本の上積みを課す裁量を有する。このような調整は、例えば当行の管理体制の
不備や特定の商品もしくは取引の取扱いに関する監督当局による検証の結果生じる追加リスクを反映する可能性がある。リ
スク負担に関してECBが重視するこれらの分野の一つが、レバレッジのかかった貸付であり、ECBは、SSMの対象となる全金融
機関に関しレバレッジのかかった貸付の期待値を明確にし、これらの期待値を満たしていないとECBが評価する銀行について
は、今後のSREPに基づく決定において定量的措置を検討する意向であることを発表した。ECBは、その他の措置(当行の事業
の制限または変更等)を講じるかまたはこれを要求する裁量を有する。こうした状況の中、ECBは、当行にSREPに基づく個別
の自己資本要件(P2Rと呼ばれる。)を課す可能性があり、これまでにも課してきた。金融機関は、Tier 1資本の75%以上お
よび普通株式等Tier 1資本の56.25%以上のP2Rを満たさなければならない。P2Rは、法定の最低自己資本水準およびバッ
ファー要件に加えて満たす必要があり、これらの要件を満たさなかった場合は、配当支払いの制限等の法的措置を直接課さ
れる可能性がある。
ECBはまた、SREPに基づき、各銀行に対し「第二の柱」に基づく普通株式等Tier 1資本の追加の保有を推奨する通知(いわ
ゆる「第二の柱」ガイダンス(P2G))を行う可能性があり、当行に通知を行ったことがある。P2Gは法的拘束力を有さず、
その不遵守は法的措置を自動的に招くものではないが、ECBは、一般的に、各銀行がP2Gを遵守することを期待すると述べて
いる。COVID-19のパンデミックを受けて、ECBは現在、各銀行がP2Gで定める資本水準を一時的に下回る状態で運営すること
を認めているが、2023年1月1日以降は、各銀行がP2Gを上回る状態で運営することが期待される。
さらにドイツ連邦金融監督庁(BaFin)は、2022年2月1日を発効日として、ドイツの銀行に関するカウンターシクリカル
資本バッファー(CCyB)の金額を、各銀行の総リスク・エクスポージャーの0.75%に設定した。銀行は、2023年2月1日か
ら新たなカウンターシクリカル資本バッファー(CCyB)要件を満たさなければならない。
またより一般的には、管轄規制当局は、当行が規制要件(特に法定の最低自己資本水準、またはP2Rを遵守しなかった場合
や、当行のガバナンスおよびリスク管理プロセスに不十分な点があった場合には、当行に対し、株主に対する配当支払いや
当行のその他の規制上適格な資本性金融商品の保有者に対する分配を禁じることができる。こうした事態は、例えば、当行
が収益の減少により十分な利益を得られなかった場合や、訴訟事案、規制措置および類似の事案に起因する多額の資金流出
の結果として生じる可能性がある。一般的に、定量的または定性的な規制要件が満たされない場合、当行の事業、財務状態
および業績(株主に対する配当支払いもしくは当行のその他の規制上適格な資本性金融商品に関する分配を行う当行の能力
や、場合によっては当行が現在行っている、あるいは将来行う予定である業務を行う当行の能力を含む。)に重大な悪影響
を及ぼす可能性がある。
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規制上および法律上の変更は、当行に対しより多額の自己資本およびベイルイン可能債務(銀行破綻時にベイルイン対象
となる債務)を維持し、厳格化された流動性要件を遵守することを要請する。これらの要件が当行のビジネスモデル、財務
状態、業績および競争環境全般に重大な影響を与える可能性がある。当行が自己資本規制または資金流動性の要件を十分な
バッファーをもって達成することができない可能性があるとの市場の認識や、当行がかかる要件を上回る自己資本もしくは
流動性を維持すべきであるとの市場の認識、またはこれらの要件を再び満たすことができないような場合は、当行の事業お
よび業績に対するこれらの要因による影響を強める可能性がある。
「CRR/CRD IV」の一連の法令の実施は、とりわけ、自己資本要件の強化および流動性要件の厳格化をもたらし、その一部
として、2019年1月1日までに段階的に適用された追加的な自己資本バッファー要件も含まれている。リスク測定に関する
規則の厳格化ならびにCRR II/CRD V/BRRD II改革パッケージが導入する追加の修正により、リスク・ウェイテッド・アセット
およびこれに対応する銀行の資本に対する要請がさらに増大し、(拘束力のある安定調達比率(NSFR)の導入等)流動性要
件が厳格化した。さらに、拘束力のあるレバレッジ比率(レバレッジ比率バッファーを含む。)の導入が、当行のビジネス
モデル、財務状態および業績に影響を与えた。
さらに、SRM規制、BRRDおよびドイツ再建・破綻処理法(Sanierungs- und Abwicklungsgesetz)に基づき、当行は、管轄
破綻処理機関が各銀行の状況に応じて決定する、堅実な自己資本および適格負債に関する最低基準(MREL)を常に満たして
いなければならない。また、CRR II/CRD V/BRRD II改革パッケージは、G-SII(欧州におけるG-SIB(以下に定義される。)の
同義語)に対する第一の柱の自己資本および適格負債に関する最低基準(MREL)要件を導入することによって、グローバル
にシステム上重要な銀行(G-SIB、当行のような銀行。)に対する金融安定理事会(FSB)の総損失吸収力(TLAC)基準を実
施した。この要件は、リスクに基づく分母およびリスク以外に基づく分母の双方をベースとし、総リスク・エクスポー
ジャーの18%超、およびレバレッジ比率エクスポージャー測定尺度の6.75%に設定される。特定の適格性基準を満たすTier
1またはTier 2資本商品または債務は、かかる基準を満たすことができる。G-SIIによる他のG-SIIの総損失吸収力(TLAC)商
品の保有には、控除規則が適用される。また管轄当局は、G-SIIに法定の最低要件を超える個別のMREL要件を課すことができ
る。欧州委員会は、上記のとおり、TLAC/MREL制度に関する明確化を2021年10月27日の法案に含めた。
総損失吸収力(TLAC、第一の柱のMREL)およびMRELの要件は、とりわけ破綻銀行を税金に頼らずに破綻処理することを確
保するため、破綻処理における損失を吸収できる十分な額の金融商品の保持を銀行に要請するよう策定されている。その目
的に向けて、ドイツの銀行による総損失吸収力(TLAC)要件の充足を容易にするため、ドイツの銀行が発行した特に定義さ
れた一定の上位無担保債券(仕組み商品ではない債券等)に係る債務は、2017年以降、劣後債と明文上規定されていなくて
も、他のあらゆる劣後性のない同行の無担保債務(預金、デリバティブ、マネーマーケット商品および特定の仕組み債券
等)の下位に位置づけられることとなる一方、契約上の劣後債(Tier 2資本商品等)に対しては引き続き上位に位置づけら
れることとなる。
EU内の銀行の債権者の債権の優先性について各国内の規則を整合させる作業の一環として、 BRRD は、銀行が、劣後性のな
い同行の他の債券(「 上位 非優先」債券として扱われない債券を含む。)に対して(法令で定めるものだけでなく)その要
項に従って下位に位置づけられ、同行の契約上劣後性のある債務(Tier 2資本商品等)に優先する「 上位 非優先」債券を発
行することを認めている。かかる規則に基づき当行が発行する上記のような「 上位 非優先」債券は、その発行時点におい
て、従前の規則に基づいて既に発行されている「 上位 非優先」債券と同順位になるものと予想される。このBRRDの修正は最
終化され、2018年7月21日付でドイツ国内法として施行された。
これらの要件を遵守しなければならないことにより、当行の事業、財務状態および業績に影響が及ぶ可能性があり、特に
当行の資金調達費用が増加する可能性がある。
当行は、今後強化されていくこれらの規制上の要件を満たす十分な自己資本またはその他の損失吸収負債を有しないこと
となる可能性がある。それは、新基準の下で規制自己資本もしくは損失吸収負債として認識される証券を当行が新規に発行
できないといった規制上の変更その他の要因によっても、従前より厳しいリスク測定規則の適用やユーロの価値の対他通貨
での将来の下落の結果としてリスク・ウェイテッド・アセットが増加することによっても、リスク以外に基づくレバレッジ
比率の遵守に関するより厳格な要件によっても、当行が重大な損失を被り普通株式Tier 1資本の構成要素である留保利益が
減少することによっても、またはこれらの組み合わせもしくはその他の要因によっても生じ得る。
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適用ある最低自己資本比率やバッファー要件、特定の「第二の柱」自己資本要件、レバレッジ比率要件または総損失吸収
力(TLAC)もしくは自己資本および適格負債に関する最低基準(MREL)要件を満たす十分な自己資本を当行が維持できな
かった場合、当行は、執行措置の対象となり、配当の支払、自社株の買戻し、その他の規制上の資本性金融商品に関する支
払 いおよび任意の報酬支払を制限される可能性がある。また当行は、リスクに基づく自己資本比率やレバレッジ比率引上げ
の要請を満たすため、マージンの高いリスク・ウェイテッド・アセットを減少させることを含め、収益の発生や利益の増大
よりも、自己資本の保全および増大を重視する戦略を採用する可能性がある。かかる場合に、もし当行が資本市場を通じた
新たな資本調達により、またリスク・ウェイテッド・アセットの減少その他の方法により、その自己資本比率を規制上の最
低基準まで増加させることができないような場合には、当行は、グループ再建計画の実施を要請される可能性がある。すな
わち、これらの措置またはその他の私的なもしくは監督当局による措置によっても要求される自己資本比率水準まで回復せ
ず、当行が破綻状態に陥るかまたはその蓋然性が高くなったとみなされる場合には、管轄当局は、単一破綻処理メカニズム
(SRM)および適用ある法令に基づく破綻処理権限を適用する可能性がある。これが適用された場合、当行の株主利益の重大
な希薄化をもたらすおそれがあり、また当行の株主または債権者の投資のすべてを失わせるおそれもある。
自己資本要求規則(CRR)は、30暦日間の流動性ストレス・シナリオにおいて必要な流動性に対応するため、銀行に対し
て、容易かつ迅速に現金に換金できる、担保提供されていない質の高い流動性資産を適正に確保することを求める流動性カ
バレッジ要件を導入した。必要とされる流動性カバレッジ比率(LCR)は、銀行の純資金流出額に対する流動性バッファーの
割合として計算される。 また銀行は、自行の流動性バッファーにおける流動資産の内訳を、定期的に管轄当局に報告しなけ
ればならない。COVID-19パンデミックにより、ECBは、最低LCRを下回る状態で運営することを一時的に認めている。2021年
12月17日、ECBは、銀行が、2022年1月1日からは100%を上回るLCRで再び運営することを期待すると発表した。
さらにCRR II/CRD V/BRRD II改革パッケージは、銀行に対して、満期までの期間が1年を超える十分に安定した資金調達源
から銀行活動の資金を調達することを要求することによって中長期の資金調達リスクを削減すべく、安定調達比率(NSFR)
を導入した。2021年6月28日から適用された安定調達比率は、1年を超える所要安定的調達額に対する銀行の利用可能な安
定的調達額の割合と定義されている。銀行は100%以上の安定調達比率を維持しなければならない。ECBは各銀行に対し、他
の方法では銀行が流動性を継続的に確保できない場合、一般的な法定要件よりも厳しい流動性要件を課すことができる。安
定調達比率(NSFR)は、当行グループ全体および単一監督メカニズム(SSM)の規制を受ける個々の事業体(親会社であるド
イツ銀行を含む。)の双方に対して適用されている。
流動性要件を満たすことができない場合、当行は、執行措置の対象となる可能性がある。さらに、流動性の維持または増
加を求める要件により、当行の収益の発生や利益の増大を追求する活動が減少する可能性がある。
COVID-19パンデミックにより、厳しいマクロ経済シナリオがEUの銀行の支払能力に与える影響を評価するよう設計され
た、EBAおよびECBによるEU域内2020年ストレス・テストは、2021年に実施された。このテストは、監督機関、銀行およびそ
の他の市場参加者に対して、標準シナリオおよびパンデミックの影響を考慮した深刻な打撃を特徴とする景気悪化シナリオ
の双方における3年間のEUの銀行の対応力を比較し評価する共通の分析枠組みを提供するよう設計されている。ストレス・
テストは、当行を含むEUの50の銀行を調査対象として行われ、その結果は2021年7月30日に公表された。ECBは、その標準的
手続きにより、2021年SREP評価において「第二の柱」ガイダンスの水準を再検討する際の入力情報として景気悪化シナリオ
下の当行の定量的パフォーマンスを検討し、P2Rを全体的に検証する際の一側面として当行の定性的パフォーマンスを検討す
る。2021年のSREPの後、当行は、2022年3月1日以降、これまでと同様に2.50%のP2Rを連結ベースで維持するよう要求され
る点について、ECBから連絡を受けた。次回のEU全域ストレス・テストは、2023年に実施される予定である。
異なる法域、特に米国における当行の現地事業に関して、個別に自己資本を保有・計算し、流動性資金およびリスク管理
に関する規則を遵守することを求められるケースもある。
当行は、異なる法域における当行の現地事業に関して、個別に自己資本を保有・計算し、流動性資金およびリスク管理に
関する規則を遵守することを求められている。2014年2月、連邦準備制度理事会は、ドイツ銀行のような特定の外国銀行
(FBO)の米国での業務について、米国で必要とされる体制を定めた規則ならびに当行の米国での業務に適用される高度健全
性基準を採択した。当行のような、支店以外の米国内資産が500億米ドル以上ある大規模外国銀行は、これらの規則に基づ
き、別途の資本金を有する一流の米国中間持株会社を設立または指定し、当該外国銀行の米国子会社に対する保有持分のほ
ぼすべてをかかる中間持株会社に保有させることが義務付けられた。2016年7月1日、当行はDB USAコーポレーションを当
行の米国中間持株会社に指定した。2018年3月、当行がその株式の約80%を所有するDWSグループGmbH & Co. KGaA(以下
「DWS」という。)を設立するために行った、当行のアセット・マネジメント部門の一部株式の新規公開が完了した。2018年
4月、DWSの子会社としてDWS USAコーポレーションが設立され、当行は、連邦準備制度理事会の承認受領後、同社を当行の
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第二の中間持株会社に指定し、当行の資産運用子会社を同社の傘下に置いた。これらの中間持株会社は、それぞれ米国の
バーゼル3自己資本規制フレームワークに基づくリスクベース資本要件およびレバレッジ資本要件、資本計画およびストレ
ス・ テストの要件、米国流動性バッファー要件および米国の大手銀行組織に適用あるものと同等のその他の高度健全性基準
に、連結ベースで服している。また、これらの中間持株会社は、DB USAコーポレーションに適用ある補足的レバレッジ比率
(以下「SLR」という。)要件にも服している。連邦準備制度理事会は、DB USAコーポレーションおよびDWS USAコーポレー
ションのような米国中間持株会社およびその子会社ならびに当行のニューヨーク支店などの外国銀行(FBO)の米国支店およ
び代理店を検査する権限を有する。
2019年10月10日、連邦準備制度理事会は、米国高度健全性基準の適用を適合させるため、大規模な外国銀行(FBO)の米国
業務を、規模、複雑さおよびリスクに基づき分類する規則(以下「適合規則」(Tailoring Rules)という。)を成立させ
た。適合規則により、DB USAコーポレーションやDWS USAコーポレーションはある程度簡素化された資本要件に従うことを選
択できるようになるが、適用される資本要件が大幅に変更されるものではない。とはいえ、当行の米国中間持株会社の短期
ホールセール調達額の加重合計が750億米ドル未満である限り、これらの米国中間持株会社に適用される流動性要件は、適合
規則により若干緩和される。
2,500億米ドル以上の資産を有する銀行持株会社として、ドイツ銀行AGは、ドッド・フランク・ウォールストリート改革お
よび消費者保護法(改正済み。以下、「ドッド・フランク法」という。)第I編およびそれに基づく施行規則に基づき、完
全版または焦点を絞った破綻処理計画(以下「米国破綻処理計画」という。)のいずれかを作成し、連邦準備制度理事会お
よび連邦預金保険公社(以下「FDIC」という。)に対して当該機関により設定されたスケジュールで提出することが義務付
けられている。米国破綻処理計画においては、ドイツ銀行AGがその米国における指定された重要法人および業務の秩序ある
破綻処理のために戦略を実行する能力があることを証明しなければならない。ドイツ銀行AGのような、外国に拠点を置きこ
れらの破綻処理計画要件の対象となる会社の場合、米国破綻処理計画は、その活動のすべてまたは重要な部分が米国に所在
するかもしくは米国で実施されている子会社、支店、代理店および事業のみに適用される。当行の米国破綻処理計画では、
ドイツ銀行の米国における重要法人および業務に関する一元的破綻処理戦略が説明され、当行の中間持株会社であるDB USA
コーポレーションが、米国におけるその重要法人子会社に対し流動性および資本援助を提供し、適用ある破綻処理手続によ
らず、当該子会社の支払能力を維持した業務撤退を確保する旨が規定されている。
2020年12月9日、連邦準備制度理事会およびFDICは、ドイツ銀行AGを含む一定の大手外国銀行の破綻処理計画に関する指
針を最終化した。当該指針において、両機関は、破綻処理に関する資本および流動性、デリバティブおよび取引活動、なら
びに支払、清算および決済活動についての両機関の想定を調整した。また、両機関は、当行を含む大手銀行に対し、2021年
米国破綻処理計画(提出期日は2021年12月17日)に含まれる予定の追加の内容に関する情報を提供した。当行の焦点を絞っ
た2021年米国破綻処理計画(当行初となる焦点を絞った計画)には、例えば資本、流動性および資本増強戦略など米国破綻
処理戦略における中核となる要素を記載し、また、COVID -19のパンデミックへの対応から得た教訓を、当行が自らの破綻処理
計画のプロセスにどのように組み入れるかに関する説明を記載する。当行は、2021年12月31日に焦点を絞った2021年米国破
綻処理計画を提出した。連邦準備制度理事会およびFDICの双方が、当行の米国破綻処理計画を信頼性が低いと判断し、当行
が、連邦準備制度理事会およびFDICにより規定された期間内にこれらの問題点を是正できなかった場合には、両機関が当行
に制限を課す、または事業、法人、オペレーショナル・システムないし企業内取引を再構築または再編することを求められ
る可能性があり、これにより当行の運営および戦略にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。さらに、連邦準備制度理事会
およびFDICが、より厳しい自己資本水準、レバレッジ要件もしくは流動性資金要件を当行に課す、または一定の資産もしく
は事業を売却することを当行に要求する可能性もある。
DB USAコーポレーションおよびDWS USAコーポレーションはそれぞれ、毎年、連邦準備制度理事会の監督当局によるストレ
ス・テストおよび自己資本要件の対象となる。また、DB USAコーポレーションおよびDWS USAコーポレーションは、大手銀行
持株会社および中間持株会社の自己資本および計画の実務を評価する監督当局による年次調査である包括的資本分析検査
(CCAR)の対象である。2021年6月24日、連邦準備制度理事会は、監督当局による年次ストレス・テストの結果を公表し、
かかる結果において、DB USAコーポレーションおよびDWS USAコーポレーションが、ストレス・テストの深刻な景気悪化シナ
リオにおいても最低要件を上回る水準の自己資本の保有を維持することが示された。DB USAコーポレーションおよびDWS USA
コーポレーションは、2021年4月に年次自己資本計画を提出し、2022年4月に次の資本計画案を連邦準備制度理事会に提出
する。連邦準備制度理事会がこれらの資本計画案に対して異議を唱えた場合、当行の運営および戦略にマイナスの影響を及
ぼすか、または米国における成長を妨げるような方法で資本の増加もしくは事業再編を求められる可能性がある。
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2020年3月4日、連邦準備制度理事会は、CCARの定量的評価と連邦準備制度理事会の自己資本規則におけるバッファー要
件とを統合して、統一自己資本バッファー要件とするようCCARプロセスを修正する規則を公表した。この最終規則は、CCAR
から「合否判定方式」による定量的および定性的評価を削除し、金融機関固有の2.5%を下限とするストレス資本バッファー
(以 下「SCB」という。)を組み入れるよう、一定水準の資本保全バッファーを修正した。ストレス資本バッファーは、(i)
予定された資本活動実施前の、年次CCARのストレス・テストの監督当局による深刻な景気悪化シナリオに基づく、銀行持株
会社の普通株式等 Tier 1(CET1)資本における最高値から最低値までの減少予想額に、(ii)1年間に予定されている普通株
式の配当金を加えた金額に相当する。ストレス資本バッファーは、毎年再設定される。2021年8月5日、連邦準備制度理事
会は、監督当局による2021年ストレス・テストの結果に基づく各CCAR対象企業のSCBを発表し、DB USAコーポレーションのSCB
は4.5%、DWS USAコーポレーションのSCBは7.2%に設定された。このSCBは、2021年10月1日から発効した後、通常2022年9
月30日まで有効とされ、その時点で当行の各中間持株会社のSCBの程度は、2022年6月に公表されると予想される2022年スト
レス・テストの結果に基づき再計算される。COVID-19パンデミックへの対応として、2021年上半期において、連邦準備制度
理事会は、SCBとは別に、CCAR対象企業の一定の資本分配に対して追加制限を課した。これらの追加の資本制限は、2021年7
月1日に解除された。
米国連邦銀行規制当局は、2013年に米国の銀行組織に適用されるバーゼル3自己資本規制のフレームワークの要請を実施
する最終規則を発表した。
2014年9月、連邦準備制度理事会およびその他の米国規制当局は、大規模な米国銀行持株会社およびこれらの子会社であ
る預託機関の一部を対象として、バーゼル委員会による修正後のバーゼル3流動性基準と概ね合致する流動性カバレッジ比
率(LCR)要件を実施する最終規則を承認した。DB USAコーポレーション、DWS USAコーポレーションおよび当行の米国におけ
る主要な銀行子会社であるドイチェ・バンク・トラスト・カンパニー・アメリカズ(以下「DBTCA」という。)は、LCR要件
に服している。適合規則により、これらの機関に適用される流動性カバレッジ比率(LCR)要件は、設定上の30日間における
純流出額のカバレッジ比率が100%から85%に引き下げられた。
2020年10月20日、連邦準備制度理事会および米国のその他の規制当局は、バーゼル3流動性フレームワークの第二の要素
である安定調達比率(NSFR)の適用を実施する規則を最終化した。適合規則によれば、当行の米国中間持株会社の短期ホー
ルセール調達額の加重合計が750億米ドル未満である限り、DB USAコーポレーション、DWS USAコーポレーションおよびDBTCA
が服する安定調達比率(NSFR)は85%となる。2021年7月1日を発効日として、これらの企業は、日時ベースで安定調達比
率(NSFR)を計算し、最低所要比率を満たすことを求められる。これらの企業は、2023年から、安定調達比率(NSFR)情報
を定期的に公表するよう求められる。
2016年12月15日、連邦準備制度理事会は、金融安定理事会(FSB)の総損失吸収力(TLAC)基準を米国において実施する最
終規則を採択した。最終規則は、米国外のG-SIBの米国中間持株会社(当行の米国中間持株会社であるDB USAコーポレーショ
ンおよびDWS USAコーポレーションを含む。)が総損失吸収力(TLAC)の最低基準額を維持することを特に要請しており、ま
た別途、かかる米国中間持株会社が一定の要件を満たした長期債を最低基準額保持するよう要請している。
上記を含む米国の規則および解釈により、当行は、米国内に保有する資産の削減や資本ないし流動性資金の投入、その他
当行の米国事業の構造の変更を余儀なくされ、当行の米国子会社が当行に対して配当を支払う能力やその配当金額を制限す
る可能性がある。当行が、米国での事業縮小を余儀なくされたり、他に投入すればより多くの利益を上げられたであろう資
本または流動性を米国に投入することを余儀なくされる限り、かかる要件は、当行の事業、財務状態および業績に悪影響を
及ぼす可能性がある。
上記を含むいずれの自己資本強化規制または流動性資金強化規制も、当該要件の結果当行が資金調達を行わなければなら
ないか、またはとりわけ現地の要件に従い特定の法域で流動性を増加させるその他の施策を講じなければならないような場
合には、当行の事業、財務状態および業績ならびに当行の安定性に関する市場の認識に悪影響を与える可能性がある。現地
の要件の変更に応じて当行が講じなければならない、または講じる必要があると判明したこのような施策は、当行の戦略的
目標に合致せず、かつかかる目標の達成を遅らせる可能性がある。加えて、かかる規制が現在の見通しより速やかに実施さ
れることになった場合、当行は、最も迅速かつ確実にこれを遵守する方法として、貸借対照表上の資産を減少させ、資産を
売却し、またはその他の方法で一部の業務を切離し、または一定の事業分野を縮小しもしくはそこから撤退する決断をする
可能性がある。
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上記の場合における当行の資金調達の努力は、当行の競合他社、なかでも当行と同様のまたは類似の自己資本規制に服す
る者もまた、同時期に資金調達を行わなければならない可能性が高いことが予想されることにより、より大きな影響を受け
る可能性がある。さらに、当行の一部の競合他社、とりわけ欧州連合加盟国以外に所在する者は、当行と同様のまたは類似
の 規制に服していない場合があり、これは当行を競争上不利な立場に追い込む可能性がある。
上記の規制上の施策に加えて、当行のような金融機関は、市場心理により、規制上求められる最低基準を大きく上回る自
己資本、流動性資金および損失吸収商品を維持することが推奨され、その結果、上記の当行への影響が増大し、または当行
が自己資本を推奨される水準にまで増加させなかった場合は、市場において当行の資本は他の金融機関全般と比べて不十分
であるとの認識をもたらす可能性がある。
上記のような米国での自己資本要件その他の要件および他の法域での類似の規制により、グローバルな銀行の監督が分断
化されるおそれがあるかは現時点では不明である。当行は、規制当局による免責に依拠することにより、自己資本比率要
件、多額のエクスポージャー制限および一定の組織要件について、連結ベースと非連結ベースの両方ではなく連結ベースの
みに基づいて遵守することを認められているが、監督の分断化は、こうした免責に依拠できることに悪影響を及ぼすおそれ
がある。当行は、かかる免責に依拠することができなくなった場合、連結ベースに加えて非連結ベースの自己資本規制その
他の要件に対応しなければならず、またこれを遵守するために必要な措置を取らなければならなくなる。その結果、コスト
も大幅に上昇し、当行の収益性および配当支払能力にも悪影響が及ぶ可能性がある。
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当行の規制自己資本比率および流動性比率ならびに当行の株式または規制上の資本性金融商品に関する分配に利用可能な
当行の資金は、当行の事業上の決定の影響を受けるが、かかる決定において、当行の利益とかかる金融商品の保有者の利益
は一致しない可能性があり、当行が適用ある法律および関連する金融商品の条件に従って決定を行った結果、当行の株式ま
たは規制上の資本性金融商品に関して全く支払いが行われないか、あるいは支払額が減少する可能性がある。
当行の規制自己資本比率および流動性比率は、多くの要因(当行の事業運営に関して当行が行う決定ならびに当行の資本
基盤、リスク・ウェイテッド・アセットおよび貸借対照表全般の管理、そして当行の資産への配分が認められているリス
ク・ウェイトに関する規制、商業上のリスクおよびマーケット・リスクまたは当行の法的または規制上の手続に係る費用等
の外部的要因を含む。)による影響を受ける。当行および当行の経営陣は、経営上の決定において(特に、収益が低調で、
自己資本要件が強化された状況においては)、規制を受ける機関としての当行の利益ならびに当行の株主および債権者の利
益を含め、広範な事項を考慮することを求められるが、資本増強および流動性資金の積み上げのための規制要件が最重要と
なる可能性がある。その場合には、当行は資本および流動性管理に関する決定において、当行の株式またはその他Tier 1資本
商品のような規制自己資本に含める適格を有する当行発行の金融商品の保有者の利益を遵守することを要求されない。当行
は、たとえ当行の規制上の資本性金融商品に関して不払い、評価減またはその他の再建もしくは破綻処理関連措置が発生す
ることとなる場合であっても、実現可能な時期に行う(証券発行またはその他の方法による)増資を含め、一定の措置の実
施を差し控えるよう決定する可能性がある。当行の決定が規制自己資本比率に及ぼす効果により、かかる規制上の資本性金
融商品の保有者が、その保有する当該金融商品の投資価値の全部または一部を失う可能性があるが、当行の決定により、た
とえ当該保有者が保有するかかる金融商品に関して不払い、評価減またはその他の再建もしくは破綻処理関連措置が生じる
結果となった場合であっても、当該保有者は、当行に対してかかる決定に関する請求権を有しない。
また、年度の利益および分配可能な準備金は、当行の株式に関する配当の支払いおよびその他の規制上の資本性金融商品
に関する支払い(各資本性金融商品につき、その条件または法律の運用により決定される。)に利用可能な資金の重要な一
部を構成しており、ドイツ商法(Handelsgesetzbuch)において規定されるドイツ会計規則に従い、通常、非連結ベースで計算
される。当行の財務的な見通し、財務状態もしくは収益性または当行の分配可能な準備金(それぞれ非連結ベースで計算さ
れる。)の不利な変動は、配当やかかる資本性金融商品に関するその他の支払いを行う当行の能力に重大な悪影響を及ぼす
可能性がある。加えて、当行は戦略を実行するにあたり多額の減損を計上し、この減損が非連結ベースの貸借対照表上での
子会社の帳簿価額の減少や、利益および分配可能な準備金の減少をもたらす可能性がある。当行の非連結ベースの利益また
は分配可能な準備金を減少させるような将来の減損またはその他の事象により、将来、かかる支払いの全部または一部がで
きないこととなる可能性がある。特に、訴訟事案、執行措置および類似の事案の和解金額に関する直接的な費用(とりわけ
これらにつき当行が設定した引当金を上回る場合)や、その関連事業への影響は、これらが生じた場合にかかる分配可能な
金額に影響を及ぼす可能性がある。
さらに、ドイツの法律は、当行の株主または当行のその他の規制上の資本性金融商品(その他Tier 1資本商品等)の保有者
に分配される、非連結ベースで計算される年度の利益およびその他の分配可能な準備金の範囲に制限を設けている。また、
当行の経営陣は、適用ある法律に従い、適用ある会計原則に基づき分配に利用可能な資金の計算に関連するすべての金額に
影響を与える広範な裁量権限を有する。かかる裁量権限による決定は、配当や規制上の資本性金融商品の条件に基づくその
他の支払いを行う当行の能力に影響を及ぼす可能性がある。
銀行および投資会社の再建・破綻処理に関する欧州およびドイツの法律により、当行の破綻処理の実現可能性を確保する
ための措置が講じられた場合、または当行に破綻処理措置が課された場合には、当行の業務が重大な影響を受け、かつ当行
の株主および債権者が損失を被る可能性がある。
ドイツは、銀行同盟に加盟しているEU加盟国の銀行の破綻を処理するための主要な権限およびリソースを欧州レベルで一
元化する単一破綻処理メカニズム(SRM)に参加している。SRMは、SRM規則およびドイツにおいてはドイツ再建・破綻処理法
を通じて実施されている銀行再建・破綻処理指令(BRRD)に基づいている。また、破綻処理法
(Abwicklungsmechanismusgesetz)により、ドイツの銀行破綻処理に関する諸法律がSRM規則に適合するよう改正された。
SRM規則およびドイツ再建・破綻処理法は、銀行に対し再建・破綻処理計画の策定を要求し、かつ、公的機関に対し、破綻
したまたは破綻しそうな銀行に介入する広範な権限を付与する。ECBの直接監督下にある銀行(当行等)については、単一破
綻処理委員会(以下「SRB」という。)が破綻処理の実現可能性を評価し、破綻処理の実現可能性を確保するために銀行組織
に係る法律上および業務上の変更を要請することができる。SRBは、ある銀行が破綻したか、または破綻しそうであるとECB
またはSRBにより判断され、かつ、特定のその他の条件が揃った場合に、SRM規則に基づき当該銀行のための破綻処理スキー
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ムを採用する責任を負う。欧州委員会および程度は低いものの欧州連合理事会は、SRBにより提案される破綻処理スキームを
支持するか、またはこれに反対する役割を担っている。破綻処理スキームは、各国の管轄破綻処理機関(ドイツの場合、
BaFin) により、BRRDを施行する国内法に沿って検討、実施される。破綻処理中の銀行に課され得る破綻処理措置には、当該
銀行の株式、資産もしくは負債の他の法的主体への譲渡、株式の額面価額の減額(ゼロにすることも含む。)、株主利益の
希薄化または株式の消却や、当該銀行の発行済み債券の条件の変更(例えば償還延期や適用金利の引下げなど)が含まれる
可能性がある。さらに、銀行が破綻処理の対象となった場合、一定の適格無担保負債(特にドイツ銀行法に明記される特定
の上位非優先債務)が償却され(ゼロにすることも含む。)、または株式に転換される(一般に「ベイルイン」と呼ばれ
る。)可能性もある。
SRMは、破綻した金融機関が公的支援を必要としないようにするか、またはかかる必要性を減じることを目的としている。
したがって、そのような金融機関への公的金融支援(もしあれば)は、ベイルイン権限等の破綻処理権限が最大限行使され
利用された後の最終手段としてのみ行われる。当行の破綻処理実現可能性を確保するための措置を講じることや管轄破綻処
理機関による破綻処理権限の行使は、当行の業務に重大な影響を及ぼし、当行の株主利益の著しい希薄化、さらには当行の
株主または債権者の投資全額の喪失を招く可能性がある。
金融危機を受けて採択されたまたは今後提案されるその他の規制の見直し(例えば、当行のデリバティブ業務、報酬、銀
行税、預金保護、またはデータ保護などに関する広範な新規制)は、当行の営業費用を大幅に増大させ、また当行のビジネ
スモデルにマイナスの影響を与える可能性がある。
上記の所要自己資本やその他の要件に加え、当行は、様々な規制の見直し(とりわけ当行のデリバティブ業務、報酬、銀
行税を含む預金保護またはデータ保護に関する規制など)の影響を受けており、今後も受けることが予想される。
2012年8月16日、EUの店頭(以下「OTC」という。)デリバティブ、集中決済機関および取引情報蓄積機関に関する規制
(以下「欧州市場基盤規制」または「EMIR」という。)が発効した。EMIRは、特定のクラスのOTCデリバティブに関する決済
義務や各種報告および開示義務を含む多数の要件を導入した。EMIRの実施は、当行の利益率に悪影響を与える変更をもたら
しており、また今後ももたらす可能性がある。改定された金融商品市場指令(以下「MiFID」という。)およびこれに対応し
た金融商品市場規則(以下「MiFIR」という。)は、2018年1月3日から当行に適用されており、そこには集中決済義務に服
し標準化されたOTCデリバティブについて、トレーディングにおける義務が規定されている。2021年11月25日、欧州委員会
は、MiFIRおよびMiFIDの修正を伴うMiFIRの検証案(以下「MiFIRレビュー」という。)を公表した。MiFIRレビューにおける
提案は、とりわけ、各資産クラスに関するEU全域で統合されたテープ、エクイティ(株式など)およびエクイティ以外(デ
リバティブおよび債券など)の少額取引に関する透明性要件の厳格化、ならびにEU株式取引義務およびデリバティブ取引義
務の範囲調整を導入するものである。
米国では、ドッド・フランク法に、当行の運営に影響を及ぼすまたは及ぼしうる多くの規定がある。ドッド・フランク法
の規定を実施する規制に基づき、当行は米国商品先物取引委員会(以下「CFTC」という。)にスワップ・ディーラーとして
仮登録し、CFTCの幅広い監督の対象となった。CFTCにより定められたスワップ・ディーラーに関する規制は、当行に対し、
コーポレート・ガバナンス、業務遂行、自己資本、証拠金、報告、決済、執行その他に関する多くの規制上の要件を課して
いる。かかる規制はまた、当行に対して、一定の場合に米国外でまたは非米国人との間で行う取引についても一定の米国の
規則を遵守することを要求する。EMIRおよびドッド・フランク法を実施するCFTC規制の規定範囲は多くの点で類似している
が、一定のスワップ取引については、かなりの部分で両方の規制に服しなければならない可能性がある。
また、ドッド・フランク法に基づき、証券派生スワップは、米証券取引委員会(以下「SEC」という。)の管轄下にある独
立した規制制度の対象となっている。SECは、CFTCのスワップ・ディーラー規則に概ね類似する、証券派生スワップ・ディー
ラーに関する登録、資本、リスク低減措置、報告、業務実施基準、取引認証および証明要件、ならびにクロスボーダー要件
に関する規則を実施した。これらの規則は、2021年11月に、証券派生スワップ・ディーラーの登録が初めて行われた日に全
体として発効した。これらの規則により、当行は、暫定的に証券派生スワップ・ディーラーとして登録され、当行のデリバ
ティブ事業はさらなる規制を受ける。
これらのCFTCおよびSEC規則に基づき、当行は、米国の規制上の要件を遵守することで欧州および/またはドイツの要件の
遵守に代えることができる場合がある。ドッド・フランク法に基づくこれらの要件は、当行のデリバティブ事業に悪影響を
及ぼし、特にかかる規制の対象とならない競合他社と比べて、当行の競争力を弱める可能性がある。
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また、CRR/CRD IVの一連の法令は、経営陣の報酬の見直し(当該法令、ドイツ銀行法ならびに金融機関の報酬に係る規制
(Institutsverg ü tungsverordnung)を含むその他の適用ある規則および規制に定義される「重大なリスクテイカー」および
その他の従業員に付与される賞与の上限設定を含む。)についても規定した。かかる報酬の規制(CRR II/CRD V/BRRD II改
革 パッケージにより導入された変更およびかかる規制の実施のためにEBAが公表した指針を含む。)により、当行は、有能な
従業員の勧誘および雇用において、特にこうした上限やその他の制約の適用を受けない欧州連合加盟国以外に所在する競合
他社と比べて不利になる可能性がある。
金融危機を受け、ドイツや英国を含む複数の国では銀行税が導入されている。当行は銀行税として、2021年に5億5,300万
ユーロ、2020年は6億3,300万ユーロ、2019年は6億2,200万ユーロを支払った。当行はまた、単一破綻処理メカニズム
(SRM)に基づく単一破綻処理基金(2023年末までに、SRMに参加する加盟国のすべての銀行の付保預金残高の1%の水準を
達成することを目標としている。)、ならびに改正欧州連合預金保証制度指令(以下「DGS指令」という。)に基づく法定の
預金保証制度および投資家補償制度指令に基づく投資家補償制度に多額の拠出を行うことを要求されることになる。DGS指令
は、2024年7月3日までの積立目標水準として、破綻処理基金と同様に付保預金残高の0.8%を設定しており、この積立のた
め法定の預金保護制度費用が大幅に増加した。また、当行は、メンバーからの拠出金により資金を調達する預金保護基金
(Einlagensicherungsfonds) を通じて、 ドイツの民間銀行が提供する自主的な預金保護にも参加している。現時点で将来の賦
課金の全体的な影響を数量化することはできないが、かかる賦課金は、将来の当行の事業、財務状態および業績に悪影響を
及ぼす可能性がある。銀行の破綻、破綻処理措置、および関連する国のDGSまたはSRMによって保有される資産価値の下落に
より、不足額を補うため、拠出金が増額される可能性がある。
当行は、一般データ保護規則(「GDPR」)に服しており、これにより、個人データの処理に関する当行の規制上の義務を
増大(GDPRのデータ保護原則の遵守、データ主体の権利の数の増加および厳格なデータ漏洩通知の義務を含む。)させた。
GDPRは、監督当局に対して広範な執行能力(不遵守に対して多額の罰金を課す能力を含む。)を付与し、またGDPR違反によ
り影響を受ける個人が提訴できる権利を規定する。GDPRの遵守には、技術上および組織上の適切な措置への投資が必要とな
り、当行はデータ保護に多大な資源を継続的に投入することを余儀なくされる可能性がある。当行がGDPRにより要求される
基準を満たしていないことが判明した場合、当行のレピュテーションが損なわれ、データ保護監督当局により多額の罰金ま
たは当行の個人データ処理能力に関する制限が課せられ、影響を受ける個人により提起された賠償請求に対して防御するこ
とが必要になる可能性がある。これらはすべて、当行に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
2019年11月27日、欧州議会および理事会は、当行の子会社であるDWSなどの投資会社に関する規制上の実質的な変更(資本
要件の計算に対する変更を含む。)を導入する、投資会社規則および投資会社指令を採択した。(ドイツ法において実施さ
れる)投資会社規則および投資会社指令は、2021年6月26日から全面的に有効となった。
当行が活動する複数の法域で、当行の事業およびエクスポージャーにおける環境・社会・ガバナンス(ESG)の側面に関す
る規則についての議論が始まっている。現在のところ、これらの規則が当行にどのような影響を与えるかについて予想する
ことは困難である。
リテール顧客の保護、特に標準的取引条件の強制執行能力および透明性、ならびに損害賠償に関して、規制当局および裁
判所の検査が厳格化している。
近時において、規制当局および裁判所は、リテール顧客の保護重視を一段と強めた。例としては、次のようなものがあ
る。(i)BaFinの2021年6月21日付一般命令。これに従い金融機関は、それぞれの標準的取引条件における法律的に無効な金
利調整条項について顧客に知らせなければならない。(ii)ドイツ連邦裁判所(BGH)の2021年4月27日付決定。かかる決定
により、一定期間内に顧客が異議を唱えない場合修正案に同意したとみなされる旨を規定した、銀行の標準的取引条件にお
ける典型的条項の強制執行は不可能となる。(iii)ポーランドにおける外貨建て住宅ローン。これは、業界全体で大きな論
争となり、法廷で争われた問題であり、裁判所は、一定の外貨建て住宅ローン契約には不公平な条件が含まれているため、
強制執行力はないと判断した。これらの事項に関する顧客への賠償実務は、業界全体において大きく異なっており、当行の
実務が受け入れられた標準とは異なる場合、当行は、民事請求または規制当局による請求を受ける可能性がある。これらの
問題により、当行は、追加コストを負担する、または顧客への払戻しもしくは損害賠償の支払が必要になる場合がある。
当行の内部管理体制に関するリスク
当行が、適用法令や関連する監督当局の期待に沿って業務を遂行することを確保するには、堅固かつ効果的な内部管理体
制および適切なインフラ(人材、方針および手続き、コントロールのテストならびにITシステムから構成される。)が必要
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である。当行は、その内部管理体制およびインフラを強化する必要性を認識し、これを達成するための施策を進めてきた。
これらの施策が奏功せずまたはその進行が遅すぎる場合、当行のレピュテーション、規制遵守状況および財務状態は重大な
悪 影響を受ける可能性があり、また戦略目標を達成する当行の能力が損なわれる可能性がある。
当行のビジネスは、堅固かつ効果的な内部管理体制を維持する当行の能力に大きく依拠している。この能力は、当行が、
非常に複雑で多数かつ多様な市場および通貨において高速、大量かつ高頻度に発生する、広範囲にわたる取引を日々処理し
監視するのに必要なものである。さらに、そのような堅固かつ効果的な管理体制は、これを支える当行のインフラの十分性
に依拠している。かかるインフラは、一般に、内部方針および手続き、テストプロトコルおよびITシステム、ならびにこれ
らを実施しまた機能させるために必要な人材から構成される。効果的な管理体制は、取引の処理および決済、資産の評価、
各種測定基準に対するリスクおよびポジションの特定、監視、集計、測定および報告、法律上、規制上およびコンプライア
ンス上の目的における取引相手方および顧客の評価、見直しの検討、ならびに必要に応じた軽減および是正措置の実行を含
むインフラ・システムおよび手続きに依拠している。これらは、規制上の報告、ならびにその他のデータ処理およびコンプ
ライアンス業務にも必要不可欠である。
当行の内部管理体制およびその基礎となるインフラは、いずれも当行の完全性や包括性の基準に至っていない分野が多
く、また当行全体で十分に統合されていない。特に、当行のITインフラは、大幅なアップデートが必要な多数の異なるプ
ラットフォームを使用しており、当行全体での運用の統一性が欠けている。当行の業務プロセスおよび関連する管理システ
ムでは、しばしば手動による処理が要求され、完全に統合された自動システムおよびプロセスの場合と比べて、人為的な過
誤やその他の運用上の問題のリスクが増大し、これにより経営陣への情報の報告が遅延し、また多くの調整および修正が必
要になる可能性がある。その結果、当行が規制報告およびその他のコンプライアンス要件を遵守し、または一貫性をもって
規制当局の期待に応え、また場合によっては当行のリスクを包括的に管理するために、一貫して質の高い情報を適時に取得
しまたは提供することはしばしば困難となっており、また多大な労力を要する。また、従業員の不適切な行動や当行サービ
スを経由した禁止行為(金融犯罪対策法令に関するものを含む。)に悪用する第三者の試みを可能な限り特定するには、集
中的な取り組みが要求される。
また当行は、そのプロセスやインフラの不十分な点を補い、またはリスクを特定、管理もしくは制御するのに適切な水準
の経験、年功および技能を持つ人材を常に確保できるとは限らず、必要な人材の勧誘および雇用はしばしば困難な状況で
あった。このことは、既存の脆弱性を是正し、当行の事業活動に特有のリスクを管理する能力に影響を与えてきた。さら
に、COVID-19のパンデミックの中における当行全体の人員の減少は小幅であったが、当行の管理体制改善にとって重要な立
場の人員の減少は、今後もリスクとなる。
これらを背景に、当行の規制当局、取締役会およびグループ内部監査部門は、当行の業務に関する多くの正規の見直しや
監査を通じて、当行の内部管理およびインフラにより一層かつ集中的に注目している。これらの見直しおよび監査により、
当行の管理体制およびインフラの多くの要素に関して様々な改善の余地があることが特定されている。これには、取引の把
握および認識、資産の分類、資産評価の枠組み、モデル、データやプロセスの一貫性、情報セキュリティ、ソフトウェアの
ライセンス管理、支払業務、リスクの特定、測定および管理、ならびに法律、規制および監督当局の期待により要求される
その他のプロセスに関わるインフラが含まれる。また規制報告、マネーロンダリング対策、取引の監視、ならびに金融犯罪
の実行および隠ぺいを目的として当行の商品およびサービスを利用することを防止するための「顧客確認」(「KYC」)、制
裁や通商禁止措置、市場行動その他の内部プロセスも含まれる。
BaFin、ECBおよび連邦準備制度理事会を含む当行の主要規制当局もまた、当行の内部管理および関連するインフラに焦点
を置いた多くの見直しを行った。これらの規制当局は、当行に対して、マネーロンダリング対策やその他の脆弱性(当行の
インフラの統一性の欠如や手動の性質を含む。)の是正に取り組むよう正式に要請した。例えば、2018年9月21日、BaFin
は、当行に対して、当行のマネーロンダリング対策および特に当行の事業の一部におけるKYCプロセスに関する管理およびコ
ンプライアンス・インフラの改善措置を、今後数か月から数年の間にわたる所定のスケジュールで実施するよう要請する旨
の命令を発布した。当行が業務を行うその他の国の現地の規制当局も、その法域に関する当行の管理体制やインフラの十分
性の検討を行っている。当行が業務を行う多くの場所で当行を管轄し裁量権を有する各種規制当局の総体的な目標は概ね一
致しており、また、当行の内部管理やこれを支えるインフラにおける不備の一般的な課題も類似している一方で、内部管理
の分野で当行に適用ある規制上の枠組みは、一般的にドイツ国内またはEU内レベルで適用されるものであり、当行が業務を
行っている世界各地の法域全体で一貫しているとは限らない。このことは、統一性の欠如を改善し、相互に円滑かつ迅速に
通信するための自動システムを導入する当行の努力を、より複雑にするとともにその費用を増大させている。
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上記の諸分野を改善するため、当行は、取引処理体制の実効性の向上、管理やインフラの強化、非財務リスクの管理およ
び従業員の技能の向上のためのいくつかの主要な施策を講じている。当行は、これらの施策により、当行が服している訴訟
や規制および執行当局による調査・手続きを招いた状況の多くを回避し、また法律や規制を遵守し、監督当局の期待に応え
る 当行の能力を向上させることができるようになると考えている。特に当行は、事業の複雑性を軽減し、プロセスやビジネ
スおよびセカンドラインの管理を統合し自動化する取り組みを行っている。当行はまた、一定の事業や高リスク諸国から撤
退し、多数の顧客の選択的なオフボーディングを行い、コンプライアンスを重視する文化と管理部門の強化を進めた。しか
しながら、当行は、当行の予定や規制当局の要求通り迅速にこれらの施策を完了することができない可能性があり、また当
行の取り組みは、既存の不備を是正しかつ将来の不備を予防し、今後の訴訟や規制および執行当局の調査、手続きおよび批
判を減少させるには不十分である可能性がある。当行はまた、これらの施策に莫大な費用が発生した場合、十分な資源を早
急に提供することができず、もしくは全く提供することができない、または所要資源の範囲を過少評価する可能性もある。
上記の分野の大幅かつ恒久的改善の達成に向けた当行の是正努力および進捗の程度が遅いことにより、規制当局がその進捗
が不十分または遅すぎるとみなす他の金融機関に対して取られた措置と同種の規制上の措置を受ける可能性がある。当行が
そのインフラおよび管理体制を適時にかつ大幅に改善することができない場合、罰金または罰則を賦課され、当行の事業に
関して規制当局の介入を受ける可能性がある。例えば、規制当局から一定の種類の商品もしくは事業、取引相手方または地
域へのエクスポージャーの削減またはその終了を要求されたり、そのようなプレッシャーを受ける可能性があり、その場
合、かかる要求の程度によっては、現在のビジネスモデルに基づき利益を計上する当行の能力が著しく損なわれる可能性が
ある。
規制当局はまた、当行の管理体制における不備により生じる追加リスクを反映するために、自己資本の上積みを課して、
当行に適用ある自己資本規制に基づき直接要求されるものに追加して、自己資本バッファーを求めることができる。究極的
には、規制当局はその管轄下にある事業および地域における営業許可を停止し、または徹底的かつ高いコストのかかる是正
措置を要求することができる。さらに、インフラおよび管理体制の強化の実施によって、規制遵守に係る費用が想定よりも
高くなり、効率性の向上による費用節減が相殺されもしくはこれを上回り、または当行の収益性に著しく影響する可能性が
ある。上記のいずれの要素も、戦略を適時に実施する当行の能力、あるいは実施すること自体に係る当行の能力に影響を及
ぼす可能性がある。
BaFinは、当行に対して、マネーロンダリング対策および顧客確認プロセスに関する当行の管理およびコンプライアンス・
インフラの改善を命じており、これらの措置の実施を監視する特別代表を任命した。当行が定められた期限までに当行のイ
ンフラおよび管理体制を大幅に改善することができない場合、当行の業績、財務状態またはレピュテーションは重大な悪影
響を受ける可能性がある。
2018年9月21日、BaFinは当行に対して、マネーロンダリングおよびテロリストへの資金供与を防止する適切な内部予防策
の実施および一般的デュー・ディリジェンス義務の遵守を要請する命令を発布した。BaFinは、命令されたこれらの措置の実
施を監視し、BaFinに対し進捗の評価および報告を行う特別代表を任命した。2019年2月、BaFinは、コルレス銀行業務の分
野における当行グループ全体のリスク管理プロセスを見直し、必要に応じて調整を行うため、命令の範囲および特別代表の
職務範囲を拡大した。2021年4月29日、BaFinはさらに、命令および職務の範囲を拡大し、特に定期レビューに関して、より
適切な内部予防策を採用しデュー・ディリジェンス義務を遵守するよう当行に命じた。この拡大は、コルレス銀行取引関係
や取引の監視にも適用される。当行のマネーロンダリング対策およびKYCプロセスや、金融犯罪の実行および隠ぺいを目的と
して当行の商品およびサービスを利用することを防止するためのその他の内部プロセス、ならびにこれらの分野での当行の
取り組みについて責任を負う当行の従業員は、引き続き複数の法域(米国を含む。)で規制当局による検査の対象となって
おり、他の法域の規制当局が当行に対し、BaFinと類似の対応を取る可能性がある。
当行が、定められた期限までに当行のインフラおよび管理体制を大幅に改善することができない場合、当行の業績、財務
状態またはレピュテーションは重大な悪影響を受ける可能性がある。規制当局は、罰金を賦課しまたは当行に対して一定の
種類の商品もしくは事業または取引相手方もしくは地方との関係へのエクスポージャーの削減またはその終了を要求するこ
とができる。また、当行は今後、他の法域におけるものを含め、当行の事業および収益性に重大な影響を与える新たな法的
手続、調査または規制上の措置を受ける可能性がある。その場合、その結果生じる要求の程度によっては、当行のレピュ
テーションおよび現在のビジネスモデルに基づき利益を計上する当行の能力が著しく損なわれる可能性がある。
訴訟、規制上の執行案件および調査に関するリスク
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当行は、規制が厳しく強化され、訴訟が頻繁に行われる環境下で業務を行っており、これにより当行は、多額で見積るこ
とが困難な負債およびその他の費用ならびに法律上および規制上の制裁およびレピュテーション上の悪影響に潜在的に晒さ
れている。
金融業界は、最も厳しく規制されている業界の一つである。全世界における当行の業務は、当行が業務を行う法域の中央
銀行および規制当局による規制および監督を受けている。近年、多くの分野において規制および監督は強化され、規制当
局、法執行当局および政府機関等は、金融機関に対してより厳しい監督および検査を受けるよう求めてきており、その結
果、規制上の調査や執行措置が追加され、民事訴訟に発展することも多い。金融機関に対する法律上および規制上の手続き
の和解のために規制当局および法執行当局が要求する条件は急激にその厳しさを増しており、近年の和解では、前例のない
高額な制裁金や刑事上の制裁が含まれている。その結果、当行は、義務負担や規制当局による制裁の水準の増大に引き続き
対処しなければならず、またこれらの義務負担や制裁に応じるために費用の増大および追加資金の投入を余儀なくされる可
能性がある。規制当局による制裁は、現地ライセンスの地位の変更または特定のビジネスの廃止命令を含むことがある。
当行およびその子会社は、世界中の法域において様々な訴訟手続(民事集団訴訟を含む。)、仲裁手続およびその他の第
三者との紛争ならびに行政手続および民事および刑事双方の当局による調査に服している。当行に対する係争中の訴訟、執
行および類似案件の解決により発生する費用は、引き続き短期ないし中期的に多額なものとなり、また当行の事業、財務状
態および業績に悪影響を及ぼすものと予想される。訴訟および規制案件には多くの不確実性が伴い、各案件の結果を確実に
予想することはできない。当行は、最終的な判決が下され責任が確定する前に、訴訟または行政手続を和解で解決する可能
性がある。当行は、請求に対して有効な防御策を有すると確信する場合であっても、かかる責任につき争い続けることによ
る費用、経営努力または業務上、規制上もしくはレピュテーション上の悪影響を回避するためといったさまざまな理由によ
り、早期解決をはかる場合がある。当行はまた、勝訴できなかったことによる潜在的な影響が和解費用に比べて過大である
と考えられる場合に、かかる早期の解決を行う可能性がある。さらに当行は、同様の理由により、当行に法律上補償義務が
ないと確信する場合でも相手方の損失を補償する場合がある。法的リスクの財務上の影響は大きい可能性があるが、その予
測および定量化は困難または不可能であり、最終的に支払われる金額は、かかるリスクを補償するための引当金やかかるリ
スクを評価した偶発債務を上回る可能性がある。
当行または当行の現在もしくは過去の従業員に対する現在係争中の訴訟は、当行に対して、判決、和解、罰金または制裁
金だけでなく、レピュテーション上の重大な悪影響をもたらす可能性がある。かかる手続きにより生じる当行のレピュテー
ションの毀損のリスクもまた、数量化が困難または不可能である。
規制当局は、その和解提案において、以前にも増して不正行為の承認を求めるようになっている。これは、その後の民事
訴訟またはいわゆる「常習犯」法に基づく措置におけるエクスポージャーの増加につながる可能性があり、ある法律に基づ
き罪を犯したと決定された個人または主体は、その他の法律に基づく事業活動の制限やレピュテーション上の悪影響を受け
る可能性がある。また、米国司法省(DOJ)は、ある会社が不正行為にかかる民事上および刑事上の調査協力による減免措置
を受けるためには、不正行為の疑いについて責任のある個人に関するすべての関連事実を当該会社が調査当局に提供するこ
とを条件としている。この方針により、当行が調査に関連して該当する個人について十分な情報を提供していないとDOJが判
断した場合には、罰金および制裁金の増額が生じる可能性がある。他の政府当局も同様の方針を採用する可能性がある。
また、当行が服するいくつかの案件の類似案件から発生する法的リスクの財務上の影響は、金融業界の多くの関係者に
とって非常に大きなものとなっており、罰金や和解金の額は市場参加者の予想を大幅に上回り、近年では上記の通り予測不
能な水準にまで急激に増大した。類似案件における他社の経験(和解条件を含む。)は、当行がこれらの法的リスクについ
て計上する引当金の水準を決定する際に考慮する要素に含まれる。他の金融機関が関与する案件の近年の展開が結果の予測
可能性をより不確実なものとしており、当行は引当金を追加しなければならない可能性がある。さらに、これらの案件に関
する当行の調査および防御のコストは、それ自体が多大なものである。異なる法域の規制当局間または同一法域内の異なる
権限を有する規制当局間の調整不足により、さらなる不確実性が生じる場合があり、その結果、当行が各規制当局との間で
同時に和解に至ることが困難になる可能性がある。当行が、当行の服する訴訟および規制案件から、当行の予測および適用
ある会計規則に従って計算した金額を上回る財務上の影響を受ける場合、当該リスクに関する当行の引当金は、これらの影
響を補償するには大幅に不足する結果となりうる。これは、当行の業績、財務状態またはレピュテーションならびに自己資
本比率、レバレッジ比率および流動性比率を市場参加者および規制当局が期待する水準に維持する当行の能力に重大な悪影
響を与える可能性がある。その場合、当行は、これらの比率を改善するために、不足額への引当てによる悪影響に相当する
金額につき、リスク・ウェイテッド・アセットの削減(当行に不利な条件によるものを含む。)または大幅なコスト削減を
行うことが必要と認識する可能性がある。
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当行は、これまでに銀行間およびディーラー取引金利に関する規制当局および法執行当局の業界全体に及ぶ調査の対象と
なったことがあり、現在この分野において民事訴訟の対象となっている。本件の注目の高さや他の金融機関の和解交渉の状
況 など多数の不確実性により、本件の最終的な結果は予測不能であるが、当行の業績、財務状態およびレピュテーションに
重大な悪影響を与える可能性がある。
当行は、様々な規制当局および法執行当局より、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)、欧州銀行間取引金利(EURIBOR)、
東京銀行間取引金利(TIBOR)その他の銀行間およびディーラー取引金利の設定に関する業界全体に及ぶ調査に関連して、情
報提供の要請に対じまたこれに協力した。
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既に公表した通り、金利デリバティブのトレーディングにおける反競争的行為に関する2013年12月4日付の和解契約に基
づき、当行は欧州委員会に対して7億2,500万ユーロを支払った。また、既に公表したとおり、当行は2015年4月23日、
LIBOR、EURIBORおよびTIBORの設定に関する不正行為の調査を決着させるため、DOJ、CFTC、FCAおよびニューヨーク州金融監
督局(「DFS」)との間でそれぞれ和解に達した。和解条件に基づき、当行は、DOJ、CFTCおよびDFSに対して21億7,500万米ド
ル、またFCAに対し2億2,680万英ポンドの制裁金を支払った。DOJとの合意解決の一環として、DBグループ・サービシズ
(UK)リミテッド(当行の間接所有全額出資子会社)が米国コネティカット地区連邦地方裁判所において通信詐欺の1つの
訴因について有罪答弁を行い、当行は3年を期限とする訴追延期合意を行い、当該期間は2018年に満了した。2017年10月25
日、当行は、米国の州検事長のワーキング・グループとの間で、その銀行間取引金利に関する調査を決着させる和解を締結
した。和解条件の一つとして、当行は、2億2,000万米ドルの和解金を支払った。上記の和解に関連して当行が行った事実に
関する承認は、当行が係争中および将来の請求に対して防御することを困難にする可能性がある。
また、当行は、各種の銀行間および/またはディーラー取引金利の設定に関する操作の疑いについて、27件の米国民事訴
訟ならびに英国、アルゼンチンおよびスペインの各国で係争中の単一の訴訟の当事者となっている。推定集団訴訟を含むそ
れらの民事訴訟の多くは、米国ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所(SDNY)において、当行およびその他多数の被告に
対して係属している。これらの米国民事訴訟のうち3件を除くすべてが、米ドルLIBOR設定に関する操作により損失を被った
と主張する当事者を代理して提起されたものである。米ドルLIBORに関連しない当行に対する3件の民事訴訟もまた、SDNYに
提起されており、これらは英ポンドLIBORに関する1件の集団訴訟、スイスフランLIBORに関する1件の訴訟ならびに2つの
シンガポールドル金利指標、シンガポール銀行間取引金利(SIBOR)およびスワップ・オファー・レート(SOR)に関する1
件の訴訟からなる。
当行は、銀行間およびディーラー取引金利の件が当行に与える影響を予想することができないが、これには当行に責任が
あるとされた場合の民事訴訟における損害賠償が含まれる可能性がある。
当行は、現在、ポストバンクの全株式の取得に関する当行の株式公開買付けに関連した民事訴訟に服している。本件に対
する当行の財務的エクスポージャーの程度は重大なものとなる可能性があり、当行のレピュテーションが損なわれる可能性
がある。
2010年9月12日、当行は、ドイツ・ポストバンクAG(「ポストバンク」)の全株式を取得する株式公開買付けを発表し
た。2010年10月7日、当行は正式に株式公開買付けを公表し、ポストバンク株主に対し、ポストバンク株式1株につき25
ユーロの対価を提示した。この株式公開買付けは、合計で約4,820万株のポストバンク株式について応諾された。
2010年11月、株式公開買付けに応じたポストバンクの旧株主であるエフェクテン・シュピーゲルAG(Effecten-Spiegel
AG)は、かかる提示価格が著しく低く、ドイツの適用ある法律に基づき決定されたものではないと主張し、当行に対して訴
訟を提起した。原告は、ポストバンクにおけるドイツポストAGの議決権が、ドイツ公開買付法第30条に従って当行に帰属さ
れるべきであったとし、当行が、遅くとも2009年にはポストバンクの全株式について強制株式公開買付けを行う義務があっ
たと主張する。上記に基づき、原告は、2010年の株式公開買付けにおいて当行が提示した対価は、1株当たり57.25ユーロま
で増額される必要があると主張している。
ケルン地方裁判所(Landgericht)は2011年に当該請求を棄却し、ケルン高等裁判所(Oberlandesgericht)は2012年に上
訴を棄却した。ドイツ連邦裁判所(Bundesgerichtshof)は、この判決を破棄し、原告の一定の主張について証拠調べを行う
ため、本件をケルン高等裁判所に差し戻した。
2014年以降、2010年の株式公開買付けに応じたその他のポストバンクの旧株主が、エフェクテン・シュピーゲルAGと同様
の訴訟を提起している。2017年10月20日、ケルン地方裁判所は、1件の手続きに統合された合計14件の訴えについて、請求
を認める決定を下した。ケルン地方裁判所は、当行が2008年時点において強制株式公開買付けを行う義務を負っており、し
たがって株式公開買付けにおいて提示される適切な対価はポストバンク株式1株当たり(25ユーロではなく)57.25ユーロで
あったはずであるとの見解を示した。株式公開買付けを承諾した投資家に対して支払われるべき1株当たりの追加対価は、
32.25ユーロとなる。当行は、当該決定に対し、これを不服として上訴し、かかる上訴は、エフェクテン・シュピーゲルAGの
上訴審も行われたケルン高等裁判所第13部に係属した。
2020年12月16日、ケルン高等裁判所は、エフェクテン・シュピーゲルAGの請求を完全に棄却する決定を下した。さらに、
2020年12月16日に下されたもう一つの決定において、ケルン高等裁判所は、2017年10月20日付地方裁判所の決定に対する当
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行の上訴を認め、関連する原告による全ての請求を棄却した。ケルン高等裁判所は、双方についてドイツ連邦裁判所に上訴
することを認め、関連する原告全てが、2021年1月末および2月の初めに連邦裁判所にそれぞれ上訴した。2021年10月15
日、 原告はドイツ連邦裁判所に対し上訴理由を提出した。
当行に対しては、2017年末近くに多くの追加訴訟が提起されており、これらの請求は、ほぼ全てが現在ケルン地方裁判所
において係争中である。新たな原告には、2010年の株式公開買付けにおける当行提示のポストバンク株式の対価は、1株当
たり64.25ユーロまで増額されるべきであると主張する者もいる。
これらの件に関する当行に対する支払いの請求は、合計で7億ユーロ近く(利息を除く。)に上る。
2015年9月、ポストバンクの旧株主は、2015年8月にポストバンクの株主総会で採択された少数株主からの株式買い取り
(スクイーズアウト)の決議無効を求め、ポストバンクに対する株主訴訟をケルン地方裁判所に提起した。原告は、なかで
も当行が強制株式公開買付けを行うべきであったのにこれを行わなかったとの主張に基づき、当行のポストバンク株式に関
する議決権を停止すべきであると主張した。スクイーズアウトは確定しており、この訴訟手続により覆る余地はないが、損
害賠償金の支払いが発生する可能性がある。原告は、上記のエフェクテン・シュピーゲル訴訟におけるのと同様の法的主張
を述べている。2017年10月20日の決定において、ケルン地方裁判所は、スクイーズアウトの決議は無効との判断を下した。
但し裁判所は、主張される当行の強制株式公開買付けの不履行による議決権の停止に依拠したのではなく、ポストバンク
が、2015年8月のポストバンク株主総会においてポストバンク株主の情報請求権を侵害したことを根拠とした。ポストバン
クは、この決定に対し、これを不服として上訴した。2020年5月15日、ドイチェ・バンク・プリヴァート・ウント・フィル
メンクンデンバンクAG(2018年の統合によるポストバンクの法律上の承継会社)は、ドイツ銀行AGに統合された。2015年の
スクイーズアウトが覆る余地がないことを考慮すると、かかる決議無効を求める訴訟に関する上訴を継続するための労力や
コストが、当該訴訟による残る僅かな利益に比べて過大となることから、2020年7月3日、当行はこの上訴を取り下げた。
その結果、ポストバンクがその株主総会においてポストバンク株主の情報請求権を侵害したという第1審の判断が確定し
た。
当行が、2010年の株式公開買付けの前に全てのポストバンク株式について強制株式公開買付けを行う義務を負っていたか
否かの法的論点は、係争中の2件の価格評価請求手続( Spruchverfahren )にも影響する可能性がある。これらの手続きは、
2015年のポストバンク株主のスクイーズアウトに関連して提示された現金対価、ならびに2012年のDBフィナンツ-ホールディ
ングAG(現DBベタイリグンクス-ホールディングGmbH)とポストバンクの間の経営支配および損益移転契約( Beherrschungs-
und Gewinnabf ü hrungsvertrag )の締結に関連して提示された現金対価およびこれに関連して支払われた年間補償の増額を求
めて、ポストバンクの旧株主により提起されたものである。
価格評価請求手続において、申立人らは、適切な現金対価を決定するにあたっては、当行が57.25ユーロの提示価格でポス
トバンクの強制株式公開買付けを実施すべき潜在的な義務があったことは明白であると主張している。ケルン地方裁判所
は、当初この2件の手続きにおいてこの申立人らの法的見解を容認していたが、2019年6月の判決において、同裁判所は、
経営支配および損益移転契約の締結に関連して、当該価格評価請求手続におけるこの法的見解から明示的に軌道修正した。
この判決によれば、当行が、2020年の株式公開買付けの前に全てのポストバンク株式について強制株式公開買付けを行う義
務を負っていたか否かの論点は、適切な現金対価の決定には関連性がないとされた。ケルン地方裁判所は、スクイーズアウ
トに関連する価格評価請求手続においても、同一の法的見解を取る可能性が高いものと思われる。2020年10月1日、ケルン
地方裁判所は、経営支配および損益移転契約(2012年12月5日付)に関する価格評価請求手続において、ドイツ株式会社法
第304条に基づく年間補償( j ährliche Ausgleichszahlung )をポストバンク株式1株につき0.12ユーロ増額して1.78ユーロと
し、ドイツ株式会社法第305条に基づく和解金額( Abfindungsbetrag )をポストバンク株式1株につき4.56ユーロ増額して
29.74ユーロとする決定を下した。この和解金額の増額は、旧ポストバンク株式約492,000株に関連するものであり、年間補
償の増額は、旧ポストバンク株式約700万株に関連するものである。当行および申立人らは、この決定に対し、これを不服と
して上訴している。
これらの件に対する当行の財務的エクスポージャーの程度は重大なものとなる可能性があり、当行のレピュテーションが
損なわれる可能性がある。
当行は、モスクワおよびロンドンにおいて一定の顧客により実行された株式取引の状況を調査し、当該取引について複数
の法域の規制当局および法執行当局に通知している。法律または規制の違反が発生したことが判明した場合、これにより生
じる当行に対する制裁金は、当行の業績、財務状態およびレピュテーションに重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
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当行は、モスクワおよびロンドンにおいて一定の顧客により当行との間で実行された株式取引の状況を調査した。調査対
象の取引の合計額は多大である。法律、規制および方針に対する違反の可能性および関連する内部統制環境についての当行
による内部調査は終了し、特定された調査結果を検討した。現在までに、当行の方針に対する一定の違反および当行の統制
環境における不備が特定されている。当行は、この調査について複数の法域(ドイツ、ロシア、英国および米国を含む。)
の規制当局および法執行当局に通知しており、また本件に関与した一部の個人に対して懲戒処分を実行した。
2017年1月30日および31日、ニューヨーク州金融監督局(DFS)と英国金融行為規制機構(FCA)は、本件の調査に関しそ
れぞれ当行と和解したことを発表した。この和解をもって、DFSおよびFCAによる当行インベストメント・バンキング部門の
マネーロンダリング対策管理部門に対する調査は、上記株式取引に関する調査を含めて終了した。DFSとの和解契約の条件に
基づき、当行は同意命令(consent order)に服し、民事制裁金として4億2,500万米ドルを支払うこと、ならびに向こう2年
間について独立した監視人を一名設置することに同意した。また当行は、FCAとの間の和解契約の条件に基づき、民事制裁金
として約1億6,300万ポンドを支払うことに同意した。2017年5月30日、連邦準備制度理事会は、当行との間で、本事案およ
び同理事会により特定された追加のマネーロンダリング対策上の問題を決着させる和解に至ったことを発表した。当行は、
4,100万米ドルの制裁金を支払った。当行は、当行の銀行秘密法/マネーロンダリング対策プログラムを評価し、DBTCAの特
定の海外コルレス銀行業務を審査する独立の第三者を置くことにも合意した。当行はまた、書面による改善の計画およびプ
ログラムの提出を求められた。
当行は引き続き、規制当局および法執行当局(これらの証券取引に係る独自の調査を行っているDOJを含む。)に協力して
いる。法律または規制の違反が生じたことが判明した場合、これに関する法律上および規制上の制裁は、当行の業績、財務
状態およびレピュテーションに重大な悪影響を与える可能性がある。
当行は現在、配当金の支払いに対して課される源泉徴収税に関しドイツの税額控除または還付を受ける目的で、ドイツ株
の顧客により配当金基準日前後に行われた取引(いわゆるCUM-EX取引)に関して、規制当局および法執行当局による業界全
体に対する調査および捜査の対象とされている。さらに当行は、租税債務および第三者(例えば元契約相手方、保管銀行、
投資家および他の市場参加者)による民事上の請求(当行が直接関与していない刑事手続における判決の結果によるものを
含む。)を受けるおそれに晒されている。本件の最終的な結果は予測不能であるが、当行の業績、財務状況およびレピュ
テーションに重大な悪影響を与える可能性がある。
ケルンの検察官( Staatsanwaltschaft K ö ln 、以下「CPP」という。)は、2017年8月以来、過去の一定の顧客によるCUM-EX
取引に関して、当行の元従業員2名について刑事上の調査を行っている。2019年5月末および6月初めに、CPPは、さらに当
行の現/元従業員および元取締役会メンバーを追加して調査手続の範囲を拡げた。2020年7月、当行は、CPPの調査ファイル
を監査する過程で、CPPが2019年6月に、元取締役会メンバー1名および現取締役会メンバー1名を含む当行の現/元職員に
調査の範囲をさらに拡げていたことを知った。手続きが今後どのように進展するかを予想することは困難である。当行は、
これらの手続きにおける潜在的な二次的当事者( Nebenbeteiligte )であり、手続きは、利得の返還や罰金に帰結する可能性
がある。
2021年5月、当行は、サル・オッペンハイム jr. & Cie. AG & Co. KGaA(以下「サル・オッペンハイム」という。)の法律
上の承継会社としてのドイチェ・オッペンハイム・ファミリー・オフィスAG(「DOAG」)が受けた情報の請求から、CPPが
2021年に、CUM-EX取引に関して、サル・オッペンハイムの元従業員(氏名不詳)について刑事上の調査手続きを開始したこ
とを知った。DOAGは、要求された情報を、2021年9月13日と10月15日に提供した。
手続きは、疑いが持たれている個人に対する正式起訴および刑事上の訴追につながるリスクがある。また、当行および/
またはDOAGは、二次的当事者または 刑事罰としての財産没収 の対象者( Einziehungsbeteiligte )として、刑事裁判手続きに
加えられる可能性がある。CUM-EX問題へのメディアの注目が高まる場合や、当行に対して将来不利な刑事判決が下されるよ
うな場合には、レピュテーション・リスクを生じさせる可能性がある。罰金の賦課および利得の返還または刑事罰としての
財産没収は、当行の財務状態および業績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
当行はさらに、ドイツ税務当局および第三者による、潜在的な税法上および民事上の返還請求および損害賠償請求の主張
に晒されている。
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当行は、特に過去の2名のカストディ顧客のために、彼らによるCUM-EX取引に関連して、源泉徴収税の還付請求において
電子的払戻手続( elektronisches Datentr ägerverfahren )を通じて参加者として行為し還付請求書を提出した。2018年2
月、当行はドイツ連邦中央税務庁( Bundeszentralamt f ü r Steuern 、以下「FTO」という。)より、過去のカストディ顧客1
名 に対して支払われた税金還付金約4,900万ユーロについての支払請求を受領した。2019年12月20日には、当行がもう1名の
過去のカストディ顧客を代理して提出した税金還付請求に関連して、当行はFTOから210万ユーロを2020年1月29日までに支
払うよう求める債務通知を受領した。2020年に、当行は、請求された支払いを行った上で、当該債務通知に対して異議を申
し立てた。2020年12月3日、当行は210万ユーロの債務通知に関してFTOからもう1通の審問レターを受領し、これに対して
2021年4月16日に回答した。2021年7月28日、当行は、2019年12月の修正された税査定通知は、当行の顧客が既に2016年に
清算していたことから送達不能であり、従って有効な行政行為ではなかった、とするFTOからのレターを受領した。同日、
FTOは当行に対し、誤った納税証明書を発行したとして別の債務通知を発行した。当行が1通目の債務通知に基づいて支払っ
た210万ユーロは、かかる2通目の債務通知に基づきFTOにより相殺された。そのため、当行は追加の支払いを行っていな
い。当行は2通目の債務通知に対し、2021年8月31日に異議を申し立て、2021年10月14日に当該異議の根拠を提出した。
2021年11月9日、当行は本件について追加の準備書面を提出した。FTOが2018年2月公表の件やその他の件についてさらに債
務通知を発行し、当行が当該債務通知に基づく債務を最終的に負う場合、当行は財務上の損失を被るおそれがあり、また当
行の業績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
民事上の請求については、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン・エス・エー/エヌ・ヴィー(以下「BNY」という。2010
年に当行が買収し同年BNYに売却した、カストディアン銀行およびファンド管理会社として行為する2つの会社の親会社)が
当行に対し、当該2社が被ったCUM-EX取引に関する潜在的な租税債務について、契約上の補償条項に基づいて補償請求を行
う意図を伝えた。BNYは、潜在的な租税債務の額は最大1億2,000万ユーロになると推定している。2020年11月および12月
に、当行は、BNYの一部の事業体が、2009年および2010年の一定の投資ファンドによるCUM-EX関連取引に関する見積金額につ
いて税務当局から通知を受領した旨、BNYの法律顧問から報告を受けた。BNYは、この通知に対して異議を申し立てた。
2019年2月6日、当行は、M.M.Warburg & CO Gruppe GmbHおよびM.M.Warburg & CO (AG & Co.) KGaA(以下「ウォーバーグ」と
総称する。)と当行のカストディ顧客との間の2007年から2011年の期間におけるCUM-EX取引に関連するウォーバーグからの
請求について、フランクフルト・アム・マイン地方裁判所( Landgericht )から訴状の送達を受けた。ウォーバーグは、2007
年から2011年の期間に行われた取引に関するドイツの租税に関する補償を当行に請求した。さらに、ウォーバーグは、これ
らの取引に関する請求金額を特定しない形での損害賠償を請求した。ウォーバーグは、2007年から2011年の期間に受領した
税査定通知に基づき、合計2億5,000万ユーロ(そのうち1億6,600万ユーロは租税、8,400万ユーロは利息に関する)を請求
した。2020年3月20日、ウォーバーグは、当行に対する請求の範囲を拡げ、当該取引に関する2020年3月18日のCUM-EX刑事
裁判においてボン地方裁判所が発した1億7,600万ユーロ(そのうち1億6,600万ユーロは租税、1,000万ユーロは利息に関す
る)の刑事罰としての財産没収命令に関してウォーバーグを補償するよう求めた。2021年7月28日、ドイツ連邦裁判所
(BGH)は刑事罰としての財産没収を確認した。2020年9月23日、フランクフルト地方裁判所は、納税義務者
( Steuerschuldner )であるウォーバーグが第一義的に責任を負うものであり、ウォーバーグは当行に対する支払請求を行う
ことはできないという理由から、ウォーバーグの当行に対する請求をすべて棄却した。フランクフルト地方裁判所は、さら
に、いずれの請求も時効であると判断した。2020年10月29日、ウォーバーグはこの決定に対し、これを不服としてフランク
フルト・アム・マイン高等裁判所( Oberlandesgericht )に上訴した。ウォーバーグおよび当行それぞれからの上訴準備書面
を受けて、2021年11月3日に上訴手続きのための審問が行われた。2021年12月1日、ウォーバーグは請求の範囲を第1審の
ものより減額した。ウォーバーグは今度は8,600万ユーロ(そのうち6,300万ユーロは租税、2,300万ユーロは利息に関する)
を請求している。また、ウォーバーグは刑事罰としての財産没収に関して5,400万ユーロを請求している。2022年1月26日に
追加の審問が行われた。2022年3月2日の判決において、フランクフルト・アム・マイン高等裁判所はウォーバーグの上訴
をすべて棄却した。同高等裁判所は、その判断についてドイツ連邦裁判所(BGH)への上告を認めなかった。ウォーバーグは
この決定に対し、上告不許抗告( Nichtzulassungsbeschwerde )を申し立てる可能性がある。
2021年1月25日、当行は、2009年および2010年における 2つの投資ファンド の取引それぞれに関するウォーバーグ・イン
ベスト・カピタルアンラーゲゲゼルシャフトmbH(以下「ウォーバーグ・インベスト」という。)からの請求について、ハン
ブルク地方裁判所( Landgericht )から訴状の送達を受けた。ウォーバーグ・インベストは、両ファンドのファンド管理会社
であった。ウォーバーグ・インベストは、当行およびその他複数の当事者を連帯債務者( Gesamtschuldner )として、当該2
つのファンドが行ったCUM-EX取引に関するドイツの租税に関する補償を請求している。さらに、ウォーバーグ・インベスト
は、これらの取引に関する請求金額を特定しない形での損害賠償を請求している。2020年11月、ウォーバーグ・インベスト
は、当該ファンドのうち1つについて、6,100万ユーロの租税債務通知を税務当局から受領した。当行は、公開情報に基づ
き、他方のファンドの租税額を約4,900万ユーロと見積もっている。ウォーバーグ・インベストは、特に、公序良俗(ドイツ
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民法第826条)に反して故意に損害を与えたとの主張および当行が公序良俗に反するビジネスモデル( sittenwidriges
Gesch äftsmodell )に参加した疑いに基づき、当行を含む複数の当事者に対し請求を申し立てた。2021年7月5日、当行は、
ハ ンブルク地方裁判所に抗弁の陳述書を提出した。2021年12月31日、当該手続きの他の被告2者は、当行を含む複数の当事
者に対し、争う旨の通知( Streitverk ü ndung )を送達した。
2021年2月26日、当行は、Seriva Verm ö gensverwaltungs GmbH(以下「Seriva」という。)からの請求について、フランク
フルト・アム・マイン地方裁判所( Landgericht )から訴状の送達を受けた。Serivaは当行に対し、当行が2017年4月に取り
下げたSerivaのCUM-EX取引に関する納税証明書( Steuerbescheinigungen )について、これを再発行するよう請求している。
当行は2021年4月6日に、Serivaの請求の主張に対して回答した。2021年7月5日、当行は、この回答に対するSerivaから
の準備書面を受領した。当行はこれに対し、2021年8月17日に回答した。2022年2月7日に審問が行われ、2022年2月28日
の判決において、フランクフルト・アム・マイン地方裁判所はSerivaの請求を棄却した。Serivaはこの決定に対し、上訴す
る可能性がある。
CUM-EX問題に起因するリスクは定量化が難しく、これらのリスクが顕在化する可能性を予測するのは困難である。既に主
張されている民事上の請求または将来第三者により主張される可能性のある請求について当行が最終的に責任があるとされ
た場合、当行の財務状態または業績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
当行は、当行の過去の仲介者およびコンサルタントの雇用ならびに貴金属取引でのスプーフィング(見せ玉)に関して、
米国司法省(DOJ)と訴追延期合意(DPA)を行った。当行がDPAに違反した場合、DPAの期間が延長されるか、または当行が
刑事訴追もしくはその他の措置を受ける可能性があり、いずれの場合においても、その結果として追加の罰金、制裁金、和
解金、支払いまたは当行に対するその他重大な悪影響が生じる可能性がある。
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2021年1月8日、当行は、当行の過去の仲介者およびコンサルタントの雇用に関してDOJとDPAを行い、当行のDPA上の義務
の一環として、当該行為に関して約8,000万米ドルを支払うことに同意した。また、DOJとのDPAには、貴金属取引でのスプー
フィングに関する合意解決も含まれていた。当行の貴金属取引でのスプーフィングに関するDPA上の義務の一環として、当行
は、約800万米ドル(そのうち約600万米ドルは、2018年の当行とCFTCとの合意解決によるものである。)を支払うことに同
意した。また同日、当行は、当行の仲介者およびコンサルタントの雇用に関して、当行の米国海外腐敗行為防止法の遵守状
況に関する行為に対する調査を決着させるため、SECとの間で和解に達した。当行は、このSECとの和解において約4,300万米
ドルを支払うことに同意した。当行がDPAに違反した場合、DPAの期間が延長されるか、または当行が刑事訴追もしくはその
他の措置を受ける可能性があり、いずれの場合においても、その結果として追加の罰金、制裁金、和解金、支払いまたは当
行に対するその他重大な悪影響が生じる可能性がある。2022年2月28日、DOJによる調査の結果として当行はその子会社であ
るDWSにおいてESG関連の情報に関する一定の主張について適時に報告を行わず2021年のDPAに違反したとされたことを受け
て、当行は、関連する内部統制の実施について監視人が証明できるよう、2023年2月まで現行の監視人設置を延長し、従前
のDPAの諸条件を遵守することについてDOJと合意した。DOJは、必要と考える場合、2021年のDPAについてさらなる措置を講
じることにつき、すべての権利を留保している。
当行は、当行が業務を行う法域の税務当局により継続的に調査を受けている。税法は一層複雑化し、発展している。慣例
的な税務調査、税務訴訟ならびにその他の形式の税務手続および税務争訟の解決によって、当行に発生する費用が増加する
可能性があり、当行の事業、財務状態および業績に悪影響を及ぼす可能性がある。
当行は、当行が業務を行う法域の税務当局により継続的に調査を受けている。税法は一層複雑化している。現在の政治お
よび規制環境において、税務当局および裁判所の税法および規制の解釈ならびにその適用は常に進展しており、税務当局に
よる検査は一層厳しくなっている。OECDの税源浸食と利益移転施策により生じた国際課税原則の広範囲かつ継続的な変更
は、当行および当行の子会社に対して多大な不確実性を生み出しており、また各加盟国が当該要件の国内法化にあたり異な
るアプローチを採用しうるため、あるいは一方的措置を講じることを選択しうるため、今後、税務争訟や二重課税の事例が
増加する可能性がある。その例としては、2020年に全面施行された、租税に関する特定の取決めの開示を義務付けるEU指令
や、早ければ2023年初めから施行される可能性のある、OECDの国際的な最低法人税率(第2の柱)を実施する旨の最近のEU
指令案がある。税務当局は、一定のクロスボーダー貸出しまたはデリバティブ取引に関連する利子配当に係る源泉徴収税の
減額の適用を受ける納税者の適格性に注目しており、2021年中にドイツ連邦財務省がこの分野における追加の行政指針を発
行している。また、「税源浸食・租税回避防止税(Base Erosion Anti-Abuse Tax)」の規定を含む2017年末の米国税制改正が
なされて以降、多くの指針が出されているものの、依然として不確実性が残り、今後数年にわたり、さらなる解釈指針が必
要となる可能性がある。その結果、慣例的な税務調査、税務訴訟およびその他の形式の税務手続および税務争訟の解決や、
急速に変化し一層複雑化かつ不確実化する税法ならびに税原則によって、当行に発生する費用が増加する可能性があり、当
行の事業、財務状態および業績に悪影響を及ぼす可能性がある。
米国議会委員会や米国政府機関は、特に当行と過去の一定の米国の行政機関のメンバー(トランプ前大統領、その家族お
よびその他の近い関係者を含む。)との間の取引の有無などの問題について、当行に情報を求めておりまた今後求める可能
性があり、メディアの大きな注目により、当行は特にレピュテーションや潜在的な事業上の損失のリスクに晒されている。
多くのメディア機関は、米国議会委員会や米国政府機関が、特に当行と過去の一定の米国政府の行政機関のメンバー(ト
ランプ前大統領、その家族およびその他の近い関係者を含む。)との間の取引の有無などの問題について、当行に情報を求
めておりまたは今後求める可能性があると報道している。こうした実際のあるいは潜在的な請求や照会および当行の回答に
注目が集まることにより、当行に重大な悪影響を及ぼしうるレピュテーションおよびその他のリスクが生じる可能性があ
る。当行は、権限ある政府のすべての照会に協力する方針である。
当行は、 ダンスケ 銀行を含む過去の一定のコルレス銀行取引関係について、規制 当局 および法執行当局から情報の請求を
受けており、メディアの大きな注目により、特にレピュテーションや潜在的な事業上の損失のリスクに晒されている。法律
または規制の違反が生じたことが判明した場合、これに関する法律上および規制上の制裁は、当行の業績、財務状態および
レピュテーションに重大な悪影響を与える可能性がある。
当行は、ダンスケ銀行を含む過去の一定のコルレス銀行取引関係について、規制当局および法執行当局から情報の請求を
受けている。当行は、調査当局に情報を提供しまたその他の方法により調査当局に協力している。当行はまた、2015年にダ
ンスケ銀行エストニア支店との間のコルレス銀行取引関係を停止する前に同支店の顧客のために行った当行による過去のコ
ルレス銀行取引の処理(それには法律、規制または当行方針の違反の有無や、関連ある内部管理体制の有効性などが含まれ
る。)に重点をおいた内部調査を完了した。
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さらに、2019年9月24日および25日に、フランクフルトの地区裁判所( Amtsgericht )により発行された捜査令状に基づ
き、フランクフルトの検察当局(以下「FPP」という。)が、当行におけるマネーロンダリングに関する疑わしい取引の可能
性の報告に関連して当行に対する捜査を行った。2020年10月13日、FPPは、マネーロンダリングの疑いを裏付ける十分な証拠
を得られなかったため、犯罪捜査を終了した。それにもかかわらず、当行は、ドイツにおける疑わしい取引の報告(SAR)の
提出を適時に行わなかったことに関して1,350万ユーロの行政上の罰金をFPPへ支払うことに同意し、当該罰金を2020年第4
四半期に支払った。
2020年7月7日、ニューヨーク州金融監督局(DFS)は、当行が過去の3名の顧客(ダンスケ銀行エストニア支店、ジェフ
リー・エプスタインおよびFBME銀行)との関係に関連してニューヨーク州銀行法に違反していたことを指摘し、当該過去の
3名の顧客との関係に関して1億5,000万米ドルの民事制裁金を課す同意命令(consent order)を発した。当行は、当該制裁
金を2020年第3四半期に支払った。
2020年7月15日、米国ニュージャージー州地方裁判所において、当行を被告の一人とする証券集団訴訟が提起された。当
該訴訟においては、当行がマネーロンダリング対策管理および関連する是正の有効性に関して重大な不実表示を行っている
との主張がなされた。訴状は、当行のダンスケ銀行エストニア支店、ジェフリー・エプスタインおよびFBME銀行との関係に
関するDFSの同意命令において提起された管理不備に関する主張を引用している。2020年9月30日、原告は、当行のマネーロ
ンダリング対策管理の有効性に関する追加の主張を含めた修正訴状を提出した。2020年12月28日、ニュージャージー州地方
裁判所は、原告代表および主任弁護士を指名した。原告代表は、2021年3月1日に第2修正訴状を提出した。2021年4月23
日、当行は他の管轄への移送、また選択的に、第2修正訴状の棄却を求める申立てを行った。これらの申立ての概要説明は
2021年7月1日に完了した。
これらの件にメディアや市場の注目が集まることにより、当行の調査および 規制当局や法執行当局 の調査で不正行為の証
拠が出なかった場合でも、特にレピュテーション・リスクが生じる可能性がある。その結果、特に当行の取引高が減少する
おそれがあり、これが当行の財務状態および業績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
当行は、当行の金融犯罪対策に関して、米国におけるものを含め、規制当局および法執行当局から情報の請求を受けてい
る。法律または規制の違反が生じたことが判明した場合、これに関する法律上および規制上の制裁は、当行の業績、財務状
態およびレピュテーションに重大な悪影響を与える可能性がある。
当行は、当行の金融犯罪対策に関して、過去数年間にわたり、米国におけるものを含め、全般的におよび特定の顧客、取
引相手方または事象に関して、規制当局および法執行当局から情報の請求を受けている。これらの照会の範囲には、顧客の
新規登録や顧客確認(KYC)プロセス、取引監視のシステムおよび手続き、疑わしい取引の報告を行うか否かの意思決定プロ
セス、エスカレーション手続き、その他の関連するプロセスならびに手続きが含まれる。当行はこの捜査に協力している。
法律または規制の違反が生じたことが判明した場合、これに関する法律上および規制上の制裁は、当行の業績、財務状態お
よびレピュテーションに重大な悪影響を与える可能性がある。
刑事上の手続きにおける当行もしくは当行の関連会社の有罪答弁もしくは有罪判決、または当行もしくは当行の関連会社
が対象となっている規制命令もしくは執行命令、和解もしくは合意は、当行の事業の一部に悪影響を及ぼす結果をもたらす
可能性がある。
当行および当行の関連会社は、これまで刑事上のおよび規制上の執行手続きの対象となったことがあり、現在もその対象
となっている。特に、ロンドン銀行間取引金利に関する不正行為についてのDOJによる調査の合意解決の一環として、当行の
子会社であるDBグループ・サービシズ(UK)リミテッドは、2015年にDOJと司法取引を行い、同社はこれに基づき電子通信詐
欺の一つの訴因について有罪を認め、その後、同社に対して有罪判決が下された。また、KOSPI指数の急落問題に関連して、
当行の子会社であるドイチェ・セキュリティーズ・コリア・カンパニーは、その1名の従業員による直物/先物に関連した
市場操作に係る使用者としての刑事責任につき有罪判決を受けた。この刑事裁判の判決は上訴審で覆ったが、韓国の検察当
局はこの決定に対し、これを不服として上訴している。当行および当行の子会社はまた、その他の刑事上のまたは規制上の
執行手続きまたは調査の対象となっている。
当行もしくは当行の関連会社の有罪答弁もしくは有罪判決、または当行もしくは当行の関連会社が対象となっている規制
命令もしくは執行命令、和解もしくは合意は、一定の事業活動を行う当行の資格の喪失につながる可能性がある。特に、か
かる有罪答弁または有罪判決は、一定の資産運用戦略に関連する年金制度に対して資産運用サービスを提供するために必要
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な適用除外であるERISAに基づく「適格専門資産運用業者」(QPAM)禁止取引適用除外の規定に基づく、当行の資産運用関連
会社のQPAMとしての資格を喪失させる可能性がある。当行の資産運用関連会社がERISA制度のための取引に使用することがで
き る、法律上の適用除外やその他の行政上の適用除外は複数存在し、また多くの場合はQPAM適用除外に依拠する代わりにこ
れらを使用することができるが、QPAMとしての資格の喪失は、当該資格に依拠する顧客(顧客との取引に当該資格が法律上
必要とされることによるか、あるいは当行が当該資格の維持を顧客との間で契約上合意していることによるかを問わな
い。)に、当行との取引を中止させるかまたは差し控えさせる可能性があり、より一般的には当行のレピュテーションに悪
影響を及ぼす可能性がある。例えば、顧客が、かかる資格の喪失を、当行の資産運用関連会社が何らかの理由でERISAの管轄
当局である米国労働省(DOL)の資産運用業者全般としての承認を失った証であると誤解し、これを理由に当行との取引を中
止するかまたは差し控える可能性もある。このことは、当行の業績、特に米国におけるアセット・マネジメント事業の業績
に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。2017年12月29日、DOLは、DBグループ・サービシズ(UK)リミテッドの有罪判決およ
びドイチェ・セキュリティーズ・コリア・カンパニーの有罪判決(後者はその後覆ったため、現在は上訴審で争ってい
る。)にかかわらず、当行の複数の関連会社がQPAMとしての資格を維持することを認める個別の3年間の適用除外を公表し
た。かかる適用除外はその後、DOLによりさらに3年間延長され、2024年4月17日まで有効とされるが、当行または当行の関
連会社が他の事案で有罪判決を受けた場合などにはこれより早期に終了する可能性がある。これらの有罪判決により発生す
る資格喪失期間は2027年4月17日まであるため、当行は、QPAMの資格喪失を回避するためには、2024年4月18日までに再度
適用除外を受けておく必要がある。
その他のリスク
伝統的な銀行業務である預金業務および貸付業務に加え、当行は、非伝統的な与信業務にも従事しており、第三者の証券
の保有や複雑なデリバティブ取引への従事といった取引にまで与信が拡大されている。これらの非伝統的な与信業務は、当
行の信用リスクを著しく増大させる。
銀行および金融サービス提供会社として、当行は、金銭、証券その他の資産につき当行に対して義務を負う第三者がその
義務を履行しないおそれがあるというリスクを負っている。伝統的な銀行業務である預金業務および貸付業務以外に当行が
従事する業務の多くも、信用リスクに晒されている。
特に、インベストメント・バンク部門を通じて当行が遂行する業務の大半は、多くの場合、他の取引に付随して与信取引
を伴う。伝統的な銀行業務以外の業務により、例えば以下の各事由から信用リスクが発生する可能性がある。
- 第三者の証券の保有
- 相手方が当行に対して支払義務を負うスワップ契約またはその他のデリバティブ契約の締結
- 実行された証券、先物、通貨または商品の取引が、相手方の未交付または決済代理人、取引所、決済機関またはその
他の仲介金融機関のシステム障害により期限に決済できないこと
- その他の取決めを通じた与信の拡大
トレーディングの相手方等これらの取引の当事者は、倒産、政治経済上の事由、流動性の欠如、事業の失敗その他の理由
により、当行に対する義務の不履行に陥る可能性がある。
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当行のデリバティブ取引の多くは、個別に交渉され、標準化されておらず、これによりポジションの撤退、譲渡または決
済が困難になり得る。一定の信用デリバティブは、当行が支払いを受領するためには、相手方に対して裏付け証券、ローン
またはその他の債務を交付することが求められる。多くの場合、当行は、裏付け証券、ローンまたはその他の債務を保有し
ておらず、また今後もこれを取得することができない可能性がある。その結果、当行は、本来なら当行に支払われるべき支
払いを受けられず、または決済が遅延し、これにより当行のレピュテーションや将来の業務の可能性が失われ、また当行に
課せられる費用も増大する可能性がある。欧州連合の法律(EMIR)および米国の法律(ドッド・フランク法)は、一定のOTC
デリバティブについて標準化、マージニング(証拠金の評価)、集中決済および取引報告の要件を導入した。かかる要件
は、当該デリバティブにより相手方および金融システムが被るリスクを削減することを目的とするが、当行が従事する取引
の取引高および収益性を減少させる可能性があり、また当行はかかる規定を遵守することにより多額の費用を負担する可能
性がある。
世界規模の金融危機において直面した極めて厳しい市場環境は、レバレッジド・ファイナンス市場およびストラクチャー
ド・クレジット市場を含め、当行が伝統的なタイプではない信用リスクを伴う業務を行っている一部の分野に著しい悪影響
を及ぼしており、今後も類似した市場環境が生じた場合には、同様の状況が発生する可能性がある。
当行の資産および負債の多くの部分は、公正価値で計上された金融商品から構成されており、公正価値の変動は損益計算
書において計上されている。かかる変動により、当行は過去にも損失を被っており、また今後もさらに被る可能性がある。
当行の貸借対照表に記載された資産および負債の多くの部分は、公正価値で計上された金融商品から構成されており、公
正価値の変動は損益計算書において計上されている。公正価値とは、強制的売却もしくは清算時売却以外の場合で、取引を
希望する知識を有する当事者間の独立当事者間取引において資産もしくは負債が交換されうる現在の価値をいう。公正価値
で計上された資産の価値が低下した場合(または公正価値で計上された負債の価値が上昇した場合)、これに対応する公正
価値の不利な変動が損益計算書に計上される。かかる変動は相当な金額にのぼり、また将来においても相当な金額となる可
能性がある。
一定のクラスの金融商品について、価値や数値は実際には観測できない。かかる場合、公正価値は特定の商品につき適切
であると当行が考える評価手法を用いて算定される。公正価値を算定する評価手法の適用には、推定や経営陣の判断が伴
い、その程度は市場における商品の複雑性および流動性の度合いにより異なる。経営陣の判断は、適切なパラメーター、仮
定条件およびモデル手法の選択および適用に必要となる。市場環境の悪化その他の原因により仮定条件のいずれかが変動し
た場合、当行が保有する金融商品の公正価値が著しく変動し、当行は損失を計上することを余儀なくされる可能性がある。
当行のエクスポージャーおよびこれに関連する公正価値の変動は、対象資産に関わるヘッジ取引により計上しうる公正価
値の上昇を差し引いてネットで計上される。しかしながら、当行はかかる公正価値の上昇を今後実現することができない可
能性があり、またヘッジ取引の公正価値は、例えばヘッジ取引の相手方の信用状態の低下などさまざまな理由により、今後
変動する可能性がある。かかる取引価値の低下は、ヘッジ対象資産または負債の公正価値とは切り離されているとも言え、
将来損失をもたらす可能性がある。
会計規則に基づき、当行は、事業ののれんの価値およびその他の無形資産の価値について、定期的に減損テストを行わな
ければならない。かかるテストにより減損の基準に該当すると判断された場合、当行は、会計規則に基づき、当該資産につ
いて評価減を行う必要がある。のれんおよびその他の無形資産の減損は、当行の収益性や業績に重大な悪影響を及ぼしてお
り、また今後も及ぼす可能性がある。
のれんは、子会社および関連会社の取得において発生し、被取得企業の取得原価および非支配持分の合計が、取得日に取
得した識別可能な純資産の公正価値を超過する額を表章する。当行は、2021年12月31日現在で28億ユーロおよび2020年12月
31日現在で27億ユーロののれんをそれぞれ計上した。子会社の取得によるのれんは、資産計上され、毎年または減損発生の
兆候がある場合にはより高い頻度で、減損見直しが行われる。無形資産は、分離可能であるかまたは契約上もしくはその他
の法律上の権利から発生しており、かつ、その公正価値が確実に測定できる場合には、のれんとは別に認識される。これら
の資産については、少なくとも年1回減損テストが行われ、またその耐用年数の見直しが実施される。非金融資産の減損評
価における回収可能額の決定には、公開市場価格、類似事業の価格、現在価値もしくはその他の評価手法、またはこれらの
組み合わせに基づく見積りが必要であり、経営陣は主観的な判断や前提の設定を求められる。これらの見積りおよび前提の
設定を用いる結果、基礎となる状況が変化した場合には、報告された金額との間に大きな差異が発生する可能性がある。
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のれんおよびその他の無形資産の減損は、当行の収益性や業績に重大な悪影響を及ぼしており、また今後も及ぼす可能性
がある。2019年以降、当行はその戦略的改革に関連して10億ユーロののれんの減損を行った。
会計規則に基づき、当行は、各報告期間末に繰延税金資産の見直しを行わなければならない。当行の繰延税金資産の全部
または一部を利用できるだけの十分な課税所得が発生する見込みがなくなった場合、当行は、帳簿価額を減額する必要があ
る。これらの減額は、当行の収益性、資本および財務状態に重大な悪影響を及ぼしており、また今後も及ぼす可能性があ
る。
当行は、既存の資産および負債の財務諸表上の帳簿価額とそれぞれの税務基準額の間の一時差異、繰越欠損金および繰越
税額控除により生じる、将来の税効果に対する繰延税金資産を認識している。繰延税金資産は、かかる繰越欠損金、繰越税
額控除および将来減算一時差異が利用できるだけの十分な課税所得が発生する見込みが高い場合に限り認識される。当行
は、2021年12月31日現在で62億ユーロおよび2020年12月31日現在で61億ユーロの繰延税金資産をそれぞれ認識した。
繰延税金資産の金額の決定において、当行は、過去の税負担能力や収益性に関する情報および(適切な場合は)承認され
た事業計画に基づく予想業績(認められた繰越期間の見直し、利用可能なタックスプランニングの機会およびその他の関連
する考慮事項を含む。)を使用する。過去の税負担能力の分析には、報告日時点において最近損失を出した事実が存在した
かの判断が含まれ、通常は、当該年度の税引前損益を、その前2年度の税引前損益との間の永久差異で調整したものに基づ
き分析される。各四半期に、当行は、将来の収益性に関する仮定を含む繰延税金資産に関する当行の見積りを再評価する。
繰延税金資産に関する会計上の見積りは、過去の税負担能力や収益性に関する情報および承認された事業計画に基づく予想
業績についての、年度により変動する可能性のある仮定を基礎としてこれに依拠し、また経営陣の重要な判断を必要とす
る。例えば、税法の変更または将来の予想業績の変動により、繰延税金資産の調整が発生し、かかる決定が行われた期間の
法人所得税費用に計上されるかまたは資本に直接計上される可能性がある。
これらの調整は、当行の収益性または資本に重大な悪影響を及ぼしており、また今後も及ぼす可能性がある。当行グルー
プは、改革に関連して、影響を受けた法域(英国や米国など)における繰延税金資産に関する見積りを調整し、2019年以
降、28億ユーロの評価調整額を認識した。
当行は、当行の年金債務の測定に重大な影響を及ぼす可能性のある年金リスク(当行の収益に重大な影響を及ぼしうる金
利、インフレおよび長寿リスクを含む。)に晒されている。
当行は、従業員のために、確定給付制度を含む、多数の退職年金給付制度を有している。当行の各種制度は、当該制度の
性質および内容に基づいて会計処理される。一般に、確定給付制度については、参加者に発生する給付額は、各従業員の報
酬および勤続年数に基づく。当行は、確定給付制度の債務の資金の大半を賄うために外部に様々な年金信託を保持してい
る。当行の資金積立の原則は、確定給付債務の資金積立を、現地の法定要件を満たすことを条件として、制度資産によって
債務の90%~100%の間で維持することにある。当行はまた、一定の制度については、資金積立手法は(例えば現地の規制や
実務に変更が生じた場合等に)一定期間ごとに見直すものの、積立不足のままとすべきと判断した。当行の積立不足の制度
に係る債務は、バランスシート上に計上される。外部資金により積立てられる確定給付制度のほとんどについては、現地の
最低積立要件がある。当行は、当行の資金積立の原則を基準として、追加拠出金について決定することができる。地域に
よっては、例えば英国のように、拠出金の水準について年金制度受託者と当行とが共同で合意する。当行はまた、複数の国
において退職金制度および退職給付補償制度のスポンサーを務めるだけでなく、主に米国において多くの現従業員および退
職従業員のための複数の退職後医療補償制度のスポンサーを務める。退職後医療補償制度は、通常、適格退職者の医療費に
ついて定額控除を行った上で一定割合を支払う。
当行は、ガバナンスおよびリスク管理のためのガイドライン(資金積立、資産配分および数理上の仮定の設定を含む。)
を策定し、維持する。ここでのリスク管理とは、市場の動向(例えば金利、クレジット・スプレッド、価格インフレ)、資
産投資、規制上または法律上の要件、および人口構成の変化(例えば長寿)の監視に関する当行のリスクの管理および統制
をいう。年金制度に積立資金がある限り、保有資産が負債リスクの一部を軽減できるが、投資リスクをもたらす。当行が年
金制度を有する主要な諸国において、退職後給付制度の最大のリスク・エクスポージャーは、採用された投資戦略を通じて
部分的に軽減されてはいるものの、クレジット・スプレッド、金利、価格インフレおよび長寿の潜在的な変化に関するもの
である。当行は全般に、市場動向によって年金が当行の財務ポジションに及ぼす影響を、退職後給付、自己資本規制および
現地の資金積立要件ないし会計上の要件による制約の間のバランスを取りつつ最小化するよう努めている。
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すべての年金制度は、予測単位積増方式を用いて、割引率、インフレ率、将来の報酬の増加率、支払中の年金および長寿
予想等のデータを加味して、独立した有資格の保険数理士によって毎年評価される。主要各国における当行グループの最も
重要な年金制度に関して、各測定日に使用される割引率は、質の高い社債のイールドカーブ(定評ある第三者の指数データ
提 供業者および格付機関から提供された債券母集団を用いて導出される。)に基づき設定され、かかる割引率には各制度の
将来予定される給付支払いの時期、金額および通貨が反映される。
年金制度の資金積立における当行の投資目的およびこれに関する当行の義務は、確定給付年金制度が当行の主要な財務指
標に及ぼす悪影響から当行を守ることにある。当行は、制度資産を、年金負債に関する金利、クレジット・スプレッドおよ
びインフレといった市場リスク要因へのエクスポージャーに密接に関連付けて配分することにより、制度資産が年金債務に
含まれるリスク・プロファイルや通貨を広範に反映することを目指す。
当行の年金負債の動向を握る各種要素が当行に不利な態様で動いた場合、主要な変数に関する当行の仮定が誤っていたこ
とが証明された場合、または当行の年金負債のための資金積立がそれらの負債をヘッジするのに十分でない場合には、当行
はその年金制度に関して、追加の拠出を行うことが求められたり、数理上または会計上の損失に晒される可能性がある。当
行の従業員給付制度についての詳細は、「第6 経理の状況、1財務書類、(1)連結財務書類の注記33 従業員給付
(Employee Benefits)」の項に記載されている。
当行のリスク管理の方針、手続きおよび方法によっても、当行は認識していなかったまたは予想していなかったリスクを
負い、重大な損失を被る可能性がある。
当行は、リスク管理の方針、手続きおよび評価方法の策定に多大な資源を投入しており、今後も引き続き投入していく考
えである。それにもかかわらず、リスク管理の手法および戦略は、あらゆる経済市場環境において、またはあらゆる種類の
リスク(当行が認識または予想することができないリスクを含む。)について、当行のリスク・エクスポージャーの軽減に
とって十分に有効とはなっておらず、また今後も十分に有効とはならない可能性がある。リスクを管理する当行の数量化手
段および測定基準の一部は、当行が利用する過去における市場の動きについての観測に基づいている。当行は、当行のリス
ク・エクスポージャーを数量化するため、かかる観測に統計ツールおよびその他のツールを利用している。金融危機におい
て、金融市場は前例のない水準のボラティリティ(価格動向の急激な変化)および従来観測された資産クラス間の相関関係
(価格が連動する範囲)の破綻と流動性の著しい悪化に直面した。このボラティリティの高い市場環境において、当行のリ
スク管理ツールおよび測定基準は、当行が被ったいくつかの損失の予測に失敗しており、将来においても重大なリスク・エ
クスポージャーの予測に失敗する可能性がある。また、当行の数量モデルは、すべてのリスクを考慮するものではなく、環
境全般に関して、場合によっては発生しないものも含め数多くの前提を置いている。その結果、リスク・エクスポージャー
は、当行が予想しなかったまたは当行の統計モデルにおいて正確に評価されなかった要因から発生し、また今後も発生する
可能性がある。このことは、特にその結果生じる事態の多くを現在予測することができない地政学的な情勢の展開に鑑み
て、リスクを管理する当行の能力の制約となっており、また今後も制約となる可能性がある。これにより、当行の損失は、
過去の測定が示すものより著しく大きくなっており、また今後も大きくなる可能性がある。
さらに、定量的手法において勘案されないリスクを管理するためのより定性的な当行の手法も、十分なものとはいえない
可能性があり、そのために当行が予想外の重大な損失を被る可能性がある。また、既存のまたは潜在的な顧客または取引相
手方が当行のリスク管理が不十分であると考えた場合、当該顧客または取引相手方は、当行以外の者と取引を行うかまたは
当行との取引を制限する可能性がある。このことにより、当行のレピュテーションならびに収益および利益が損なわれる可
能性がある。
当行のプロセスの履行上の誤り、従業員の行為、ITシステムおよびIT基盤の不安定性、不調もしくは停止または事業継続
の喪失、あるいは当行と取引を行う者に関する同様の問題から発生し得るオペレーショナル・リスクにより、当行の業務が
妨げられ、重大な損失を被る可能性がある。
当行は、取引の実施、確認もしくは決済の誤り(意図的であるか否かを問わない。)から発生するオペレーショナル・リ
スク、または適切に記録、評価もしくは計上されなかった取引から発生するオペレーショナル・リスクを負っている。その
一例として、相手方との取引の確認が常に適時に得られるわけではないデリバティブ契約に関するリスクが挙げられる。取
引が確認されない限り、当行は、高度の信用リスクおよびオペレーショナル・リスクを負い、不履行が生じた場合は、契約
の執行がより難しくなる可能性がある。
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また、当行の業務は、多数かつ多様な市場において各種の通貨で大量の取引を日々手動でまたは当行のシステムを通じて
処理する当行の能力に大きく依拠している。一部の取引は一層複雑化している。さらに、経営陣は、一部手動処理を伴う、
その金融データ、会計データおよびその他のデータの処理システムに大きく依存している。かかる処理またはシステムのい
ず れかが適切に稼動しなかった場合、故障した場合、あるいはそこに意図的なもしくは不注意による人為的な過誤や失敗が
発生した場合、当行は、財務上の損失を被り、業務が中断され、顧客に対し責任を負い、規制当局の介入を受け、またはレ
ピュテーションを損なう可能性がある。
当行はまた、当行の従業員が、適用ある法律、規制および一般に認められている業務基準に従って当行の業務を遂行する
ことに依拠している。従業員がかかる方法で当行の業務を遂行しない場合、当行は、重大な損失を被る可能性がある。ま
た、従業員の不正行為が詐欺的意図を反映するものである場合、当行はまた、レピュテーションの毀損に晒される可能性が
ある。当行は、これらのリスクを、コンダクト・リスクに分類している。コンダクト・リスクとは、特定の顧客に適さない
商品の販売、詐欺、不正トレーディングならびに適用ある規制、法律および内部指針の不遵守など、顧客、取引先または市
場の公正性に悪影響を及ぼすおそれのある従業員および代理人(第三者を含む。)による行為に関連するリスクを意味す
る。米国規制当局は、特にコンダクト・リスクにより一層注目しており、かかる注目の高まりは、調査やその他の照会およ
び是正要求、規制上またはその他の執行手続きの増加、民事訴訟、ならびにコンプライアンス上およびその他のリスクおよ
び費用の増加をもたらす可能性がある。
当行は、特に、当行のITシステムおよびIT基盤の不安定性、不調または停止ならびにITシステムおよびIT基盤の侵害(サ
イバー攻撃を含む。)による損失リスクに晒されている。かかる損失は、例えば、システムの停止、システムおよびITアプ
リケーションにおけるサービスの劣化または当行のITシステムのアクセス不能に起因する処理実行の過誤や遅延から生じる
可能性があり、業務プロセスを遂行する当行の能力に重大な影響を及ぼすおそれがある。取引処理に遅延が生じている間に
市場環境が悪化したような場合には、営業関連損失を生じさせる可能性がある。IT関連の不備はまた、機密情報の取り扱い
ミス、コンピュータ・システムの損害、財務上の損失、システム修繕に係る追加費用、レピュテーションの毀損、顧客不満
足または潜在的な規制もしくは訴訟へのエクスポージャー(GDPR等の個人情報保護法に基づくエクスポージャーを含む。)
を引き起こすおそれがある。
COVID-19のパンデミックへの対応として、世界のあらゆる産業にわたって、その事業を主たる事業所の場所からではなく
自宅から行う動きは、引き続きビジネス慣行を圧迫し、当行の技術インフラ需要に圧力をかけている。また現在の状況にお
いて、当行へのサイバー攻撃のリスクも高まっており、このことは技術障害、セキュリティ侵害、不正アクセス、データの
喪失もしくは破損、またはサービスの利用不能につながる可能性があり、行為規範の違反が起こる可能性も高める。
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事業継続リスクは、通常の事業活動の中断により損失を被るリスクである。当行は、世界中の多くの地域で業務を行って
おり、しばしば当行のコントロールの及ばない事態の発生に直面している。当行は不測の事態に対応する計画を策定してい
るが、各地で業務を行う当行の能力は、例えば当行と取引を行う第三者や、当行が業務を行う地域社会または公共インフラ
に影響を与える事由によるものである場合を含め、当行の業務を支えるインフラの混乱により悪影響を受ける可能性があ
る。生産妨害行為、テロ活動、爆弾による脅威、ストライキ、暴動および当行従業員への暴行などの意図的行為、ハリケー
ン、大雪、洪水、(現在のCOVID-19パンデミックのような)疾病の世界的流行および地震などの自然災害、または事故、火
災、爆発、停電および政治的不安などその他の予測不能な出来事を含むいかなる事象も、かかる混乱の原因となり得る。こ
のような混乱は、当行の事業および財務状態に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
当行は、グローバルな銀行として、報道の対象となることが多い。当行は、メディアとの対話を正式のチームを通じて
行っているが、メディアは時に、こうした正式のチャネル以外の方法で当行従業員に接触を試みることがあり、機密事項を
含む当行の内部情報が外部報道の対象とされ、当該報道を通じて機密情報が公表される結果となる可能性がある。メディア
への漏洩は、特にそれが事実と異なる陳述や流言、憶測または許可されていない意見を含む場合に、当行に多大な影響を及
ぼす可能性がある。これにより顧客の信頼や顧客取引の喪失といった財務上の影響を被る可能性があり、また投資家の信頼
を損なうことにより当行の株価や資本性金融商品に影響が出る可能性がある。こうしたリスクに対し当行が自ら防衛する能
力は限られている。
当行は、当行の事業や業務を支えるために様々な第三者と取引を行っている。第三者により提供されるサービスには、当
行自らがサービスを履行した場合に負うものと同様のリスクが伴い、最終的には当行が引き続き、第三者により提供される
サービスの責任を負うことになる。また、第三者が、適用ある基準や当行の期待に沿って業務を遂行しない場合、当行は、
重大な損失や規制措置もしくは訴訟に晒され、または当行がその取引関係に求めた利益を達成することができない可能性が
ある。
当行は、当行の事業や業務を支えるために様々な第三者と取引を行っている。その目的は、当行がその中核的業務に焦点
を置きつつ、当行の業務上の費用、効率性および効果の点での改善を追求することにあり、これには例えば当行のIT近代化
の取り組みに関連するものなどが挙げられる。当行が第三者と取引を行う事業や業務の性質は変化しており、クラウドコン
ピューティングなど、サービスやインフラのより基礎的な側面も含まれるようになった。このことは、異なるリスクを示す
ものであり、厳格なリスク評価、適切な契約締結および関連するリスクに見合う継続的な監視が必要となる。また、このこ
とにより、当行の第三者の日常的な管理方法に関する、また当該第三者によるサポートを受ける業務サービスの重要性に照
らして必要な耐性レベルの評価に関する、規制および規制当局による検査も増加している。
第三者により提供されるサービスには、当行自らがサービスを履行した場合に負うものと同様のリスクが伴い、最終的に
は当行が引き続き当該第三者により提供されるサービスの責任を負うことになる。当行は、かかる第三者が、適用ある法
律、規制および一般に認められている業務基準ならびに当該第三者が当行との間で合意した契約上の条件およびサービス水
準に従ってサービスの提供を行うことに依拠している。当該第三者がこれらの基準に従って業務を遂行しない場合、当行
は、重大な損失を被り、規制措置もしくは訴訟に服し、またレピュテーションの毀損に晒される可能性がある。より一般的
には、第三者との関係が当行の期待を満たさない場合、当行は、財務リスク(別の第三者へのサービスの移行に関連する経
費および費用など)や、かかる移行に関連するビジネス・リスクおよびオペレーショナル・リスクに晒される可能性があ
り、当行が当該第三者との取引関係に求めた利益を達成することができない可能性がある。
当行のオペレーショナル・システムは、増加するサイバー攻撃やその他のインターネット犯罪のリスクに晒されており、
その結果、顧客または取引先情報に重大な損失が発生し、当行のレピュテーションが損なわれ、また規制当局による制裁お
よび財務上の損失が生じる可能性がある。
当行が直面するオペレーショナル・リスクには、ネットワークや情報への不正アクセス、コンピュータ・ウイルスやマル
ウェアの導入、あるいはその他の形態のサイバー・セキュリティ攻撃または事故による、当行や当行と取引を行う者のコン
ピュータ・システムのセキュリティ侵害リスクがある。かかる侵害は、当行または当行の顧客データの機密性やシステムの
信頼性を脅かす可能性がある。当行は、かかる侵害から当行のコンピュータ・システムを保護し、また当行と取引を行う者
が適切なサイバー・セキュリティ予防対策を講じることを確保するために引き続き投資していく。また進化するサイバー攻
撃のリスクに対処するため、当行は、引き続き保護対策の修正や強化および情報セキュリティの脆弱性の調査や是正を行っ
ていく。しかしながら、これらの措置が、当行が直面する多くのセキュリティ上の脅威に対して有効であるとは限らない。
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近年のサイバー攻撃の頻度の増加や複雑化により、当行を含む世界中の多くの組織に関するリスク・プロファイルが増大
しており、当行の経営陣は、これらの攻撃に対する準備態勢の全体的なレベルに大きな注意を払っている。サイバー・セ
キュ リティは、当行の業務がその技術環境に依拠しており、今後益々依拠していくといった要因により、その重要性が高
まっている。当行およびその他の金融機関は、会社もしくは顧客の機密情報への不正アクセスの取得や会社データ、資源も
しくは事業活動の損害もしくは妨害またはその他インフラの脆弱性の利用を目的とした攻撃を含む、コンピュータ・システ
ムへの攻撃を経験している。当行は、今後も引き続きそのような攻撃の標的になることが予想される。当行は、現在のとこ
ろ、このような攻撃による重大な事業上の影響を被ったことはないが、今後、より重大な攻撃の発生を有効に予測し防ぐこ
とができない可能性もある。COVID-19のパンデミックへの対応として、世界のあらゆる産業にわたって、その事業を主たる
事業所の場所からではなく自宅から行う動きにより、当行へのサイバー攻撃のリスクも高まっており、このことは技術障
害、セキュリティ侵害、不正アクセス、データの喪失もしくは破損、またはサービスの利用不能につながる可能性がある。
攻撃が成功した場合、顧客または自己情報の漏洩もしくは悪用、コンピュータ・システムの損害、情報技術(IT)システム
へのアクセス不能、財務上の損失、改善コスト(調査およびサービス再開に関する費用など)の負担、サイバー・セキュリ
ティ費用(追加の人材、技術または当行と取引を行う第三者に関する費用など)の増額、個人データ漏洩の通知義務、レ
ピュテーションの毀損、顧客不満足および潜在的な規制もしくは訴訟へのエクスポージャーなどの結果、当行に重大な悪影
響が及ぶ可能性がある。
当行の決済業務の規模が大きいために、かかる業務が適切に行われなかった場合には、当行は重大な損失を被る高度のリ
スクを負っている。
当行は、大きな規模で決済業務を行っており、また保有する情報技術(IT)ランドスケープも一層複雑化しかつ相互に密
接に連携している。そのため、当行のシステムが短期間でも適切に稼動しなかった場合、当行、当行の顧客またはその他の
第三者が多大な損失を被るリスクが発生する。これは、かかる障害の理由が当行の外部に存在する場合にも起こりうるもの
である。この場合、金銭的な損害は大きくない場合であっても、当行のレピュテーションが損なわれる可能性がある。これ
により、顧客が当行以外の者と取引を行うようになり、当行の収益および利益に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
継続中の国際的なベンチマーク改革の取り組み、特に、銀行間取引金利から代替参照金利(「リスク・フリー・レート」
を含む。)への移行により、当行の事業や金融業界に多くの特有のリスクがもたらされる。これらのリスクが顕在化した場
合は、当行の事業、業績および収益性に重大な悪影響が及ぶ可能性がある。
規制当局および中央銀行は、金融ベンチマーク、特に、金利ベンチマークの頑健性を向上させる目標を設定している。こ
の施策により、2021年末をもって、各種テナーのスイスフランLIBOR、ユーロLIBOR、EONIAおよびその一部の通貨LIBOR の 公
表が停止された。代表的な形での英ポンドLIBORおよび日本円LIBORの公表は停止された。一定のテナーの英ポンドLIBORおよ
び日本円LIBORは、シンセティックLIBORとして、いわゆる「タフレガシー」取引を適切な代替のリスク・フリー・レート
(以下「RFR」という。)に移行することを可能にする目的のみのために、一定期間引き続き提供される。限られたテナーの
米ドルLIBORの公表は、2023年6月末まで行われる予定であるが、新規に米ドルLIBORを用いることは多くの制限を受けるこ
とになる。LIBORやEONIA(以下総称して「IBOR」という。)からRFRへの移行は、ポートフォリオに従前とは異なる動きをも
たらす可能性や、完全に予想することは不可能なその他の影響をもたらす可能性がある。FCAや米国連邦制度準備理事会
(FRB)などの規制当局は、市場参加者に対して、代替のRFRへの移行を強く求めている。
当行の資産および負債(当行が取引する金融商品や当行が関与するその他の取引およびサービスを含む。)に係る金利の
大部分は、既に廃止されたか、または将来利用不能とされるか廃止される可能性があるIBORおよびその他の金融ベンチマー
クに連動している。レガシー取引の移行は、顧客関係の構築やスプレッド調整の合意に左右される場合があり、これらは直
ちに実現できない可能性がある。また、レガシー商品の移行は、多数の債券保有者への連絡が技術的に不可能なことなど、
構造的要因に阻まれる場合もある。タフレガシー商品に伴うリスクへの対応に資するため、英国およびニューヨークでは法
案が通過し、また欧州委員会により実施権限が発動されている。しかしながら、かかるいずれの法的措置もタフレガシー商
品の移行に万能薬的な役割は果たせず、IBORを参照する当行の商品やその保有に関するリスクは残されている。RFRへの移行
の時期・方法を取り巻く不透明さは、当行、当行の顧客および広くは金融業界全体にとって引き続き多くのリスクを示して
いる。IBORおよびその他の金融ベンチマークの利用不能や廃止は、当行に引き続き多様なリスクをもたらす。これらのリス
クには以下が含まれる。
- 取引相手方との金融取引契約の規定や代替金利への移行方法に関して発生しうる紛争により、法務リスクやコンプライ
アンス・リスク(コンダクト・リスクを含む。)が生じる可能性がある。金融ベンチマークに連動する多くの金融商品
には、他の金融商品とは異なり、当該金融ベンチマークが廃止された場合における後継金利の使用についての規定(い
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わゆるフォールバック条項)が含まれる。契約のフォールバック条項の質は、ここ最近の多くの商品については改善さ
れているものの、中にはうまく機能しない可能性があるものもあり、リスクは残されている。廃止または移行に関連し
て、 金融商品の取引相手方は、特に当行が後継金利の決定または設定に関与する場合、当該商品についてフォールバッ
ク条項により決定された金利に対して異議を唱える可能性がある。かかる紛争により、契約違反、独占禁止法違反、市
場濫用行為および/またはその他顧客の不当な扱いに関する請求において訴訟が提起され、または規制措置が講じられ
る可能性がある。
- 金融ベンチマークの新規の使用を停止するという規制当局の想定に従うことができないことにより、法務リスクやコン
プライアンス・リスクが生じる可能性がある。
- RFR(特に担保付翌日物調達金利(SOFR))関連商品の受入れや普及が遅れた場合や流動性の推移によっては流動性リス
クが発生し、その結果、市場の混乱または分裂が生じるおそれがある。また、呼値スプレッドが拡大し、資金調達や担
保供与に影響を与える可能性がある。廃止日に向けたエクスポージャー、またはシンセティックLIBOR(従来のLIBORと
は異なる動きをする可能性がある。)を使用するタフレガシー商品に関するエクスポージャーに、同様のリスクが該当
する可能性がある。
- さらに、金融ベンチマークへの置き替え、またはシンセティックLIBORの使用により、当該ベンチマークにそのリターン
が連動する既存の商品や契約の価値およびリターンならびに証券やその他の商品の取引市場が悪影響を受ける可能性が
ある。
- フォールバックの手法および時期が異なることにより生じるテナーから通貨にまで及ぶ金利「ベーシス」リスク(負債
と資産に適用される金利規定が異なることにより生じるリスク)により、市場リスクが発生する可能性がある。フォー
ルバック・プロトコルの適用時期の差異により、新たなベーシスが設定され、ヘッジ費用が増大したりヘッジの効果が
低下する可能性があり、また適用されるフォールバック手法における価値の移転によって損失が生じるおそれがある。
既に生じたまたはこれから起こる金融ベンチマークの利用不能および廃止により、当行は、後継金利と廃止された金融
ベンチマークとが経済的に同等でない場合には、当行の資産および負債に関して損失を被る可能性がある。
- 新たなRFRの導入により、当行は、新しいRFR連動商品に関する新たなプライシングおよびリスク・モデルの開発が必要
となった。規制リスクおよびRFR連動商品をサポートするために開発した資本モデルは、承認を得るために規制当局に提
出済みであり、さらなる変更モデルを2022年に提出予定である。未実施のモデルの変更の規模の大きさは、プロジェク
ト・リスクおよびオペレーショナル・リスクが継続することを示し、引き続き経営幹部の主要な重点項目となってい
る。
- 金融ベンチマークの廃止およびRFRへの移行により、金融および税務リスクが生じる可能性があり、その結果、ヘッジ会
計項目の認識が中止され、当行の収益性が悪影響を受けあるいは当行が損失を被るおそれがある。廃止および移行の結
果、新たなまたは変更された金融商品に市場データが利用できない場合、金融商品の独立した価格検証もまた困難にな
る可能性がある。例えば、廃止または移行が、課税目的上の損益認識の問題を生じさせる金融商品の重大な変更とみな
される場合は、税務上の不確実性が生じる可能性がある。
- 規制当局や中央銀行、広範囲に及ぶ市場参加者との連携を要する移行プロセスの複雑性により、技術上のリスクおよび
オペレーショナル・リスクが生じる可能性がある。また、RFR商品の開発、顧客契約の文書更改およびインフラの変更
(各事業ならびに当行のファイナンス、リスクおよび財務部門全般にわたるシステム、プロセスおよびモデルを含
む。)に関する重大な変更の取り組みが要求されている。必ずしもすべてのシステムおよびプロセスについて金融ベン
チマークの利用可能性への依拠が特定され、是正されているとは限らないリスクがある。移行プロセスの成功は、基準
や規約に関する業界および顧客の合意の達成、移行措置の時期およびシークエンシング、フォワードルッキングのター
ム物RFRの設定ならびに顧客契約の適時の文書更改に一定程度依拠している。
現在のところ、代替参照金利への当該移行が当行にどの程度悪影響を及ぼすか、または関連する影響緩和措置の実施コス
トについて見極めることは困難である。そのような想定される変更、代替参照金利またはその他の改革(シンセティック英
ポンドLIBOR公表が当初1年の経過後も引き続き行われる可能性を含む。)の性質や程度に関する不確実性は、金融ベンチ
マークを使用している金融商品に悪影響を及ぼす可能性がある。代替のRFRの実施は、当該金融商品の既存の条件下では不可
能または実務上不可能となる可能性があり、この実施により、一定の金融商品の価値や当行の収益性に悪影響が及ぶ可能性
がある。会計基準設置機関が制定した移行ルールにより、報告された業績に対して悪影響が及ぶリスクも存在する。
より広範には、既存のベンチマークを改革する施策や当該施策への当行の参加(ベンチマーク申告者としての参加を含
む。)により、当行は法務リスク、風評リスクまたはその他のリスクに晒される可能性がある。特に、モデルを使用し、潜
在的には専門家の判断を実行する要請に従ってパネル行として、あるいはベンチマーク運営機関への取引データの提供者と
してベンチマーク申告に参加することのオペレーショナル・リスクにより、法務リスクやコンプライアンス・リスク(コン
ダクト・リスクを含む。)が生じる可能性がある。
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米ドルLIBORを含む金融ベンチマークの利用可能性のさらなる縮小の継続や最終的な廃止、およびRFRへの移行は、当行の
事業、業績および収益性に悪影響を及ぼす可能性がある。
当行は、金融上および取引上の制裁や通商禁止措置に関する法律およびその他の要件の適用を受ける。当行がかかる法律
および要件に違反した場合、当行は、重大な規制上の執行措置や制裁金を被る可能性があり、現に過去に被っている。
当行は、EU、ドイツ連邦銀行、ドイツ連邦経済・輸出管理庁およびその他の当局(米国財務省の外国資産管理局(OFAC)
および英国財務省の金融制裁執行局(OFSI)など)により設定された金融上および取引上の制裁や、通商禁止措置に関する
法律およびその他の要件の監視、評価および遵守を求められている。制裁は急に変更される可能性があり、また、地政学的
な情勢の展開の結果、米国またはその他の法域により、事前の警告なしに新たな直接的または間接的な二次的制裁が賦課さ
れる可能性がある。ロシアのウクライナに対する侵攻後、非常に急速に、米国、EU、英国およびその他の各国により、ロシ
アの企業や個人に対する新たなかつ広範な制裁が課されており、これらの制裁の多くは非常に迅速な実施が求められてい
る。当行がこれらの新たな制裁について、適時にかつ網羅的に遵守することができなかった場合、当行は刑事罰に晒される
可能性があり、また当行のレピュテーションが損なわれる可能性がある。ウクライナ紛争関連以外にも、他の企業や個人に
対する新たな制裁が、いつでも課される可能性がある。当行がかかる新規または既存の法律および要件に違反した場合、当
行は、重大な規制上の執行措置や制裁金を被る可能性があり、現に過去に被っている。
米国国務省によりテロ支援国家として指定された諸国内の取引相手方または米国経済制裁の対象者と取引を行った結果、
潜在的顧客および投資者が、当行との取引または当行の証券への投資を回避し、当行のレピュテーションが損なわれ、当行
の事業に重大な悪影響を与えうる規制または執行措置が講じられることとなる可能性がある。
当行は、イランおよびキューバを含め、米国の包括的制裁の対象となっている一部の諸国または地域(以下「制裁対象
国」という。)内の取引相手方(政府により所有され、もしくは支配されている取引相手方を含む。)または米国経済制裁
の対象者(以下「制裁対象者」という。)との間で、限定的ではあるが一定量の取引を過去に行ってきており、現在も行っ
ている。米国の法律は、米国人または米国法域内で行為するその他の者(米国との関連を有する事業を含む。)が制裁対象
国または制裁対象者ともしくはそれらに関して取引を行うことを一般的に禁止している。さらに、米国の間接的または「二
次的」制裁は、完全な米国法域外において非米国人が特定の活動(特定の事業体や国々との一定の取引を含む。)に従事す
ることに対して制裁を課すとも警告している。このように、米国の制裁は、状況によっては、米国外の地域における活動や
非米国人による活動にも及ぶ可能性がある。当行の米国における子会社、支店および従業員は、かかる禁止規定やその他の
規制の適用を受けており、また当行の米国外における子会社、支店および従業員のなかには、かかる禁止規定やその他の規
制の適用を受けているか、受けることになるものがある。
当行はドイツ籍の銀行であり、制裁対象国および制裁対象者に関わる当行の業務は、米国法域(米国人が管理もしくは実
務に行うことを含む。)の関与を回避し、また国際連合、欧州連合およびドイツによる制裁や通商禁止措置の遵守を確実と
するべく策定された方針および手続きに服している。近年の法的規制の展開を受けて、当行は、法的に認められる範囲にお
いて、法域に関わりなく他の地域にも適用範囲を拡大している規制上の要件の遵守を推進するために、上記の方針および手
続きを拡充した。しかしながら、もし当行の方針には効果がない、あるいは効果がなかったと証明された場合には、当行
は、当行のレピュテーション、財務状態または事業に重大な悪影響を与えうる規制または執行措置を課せられる可能性があ
る。当行はまた、遵守違反のリスクを軽減するその他の措置を講じている。2007年に、当行取締役会は、イラン、シリア、
スーダンおよび北朝鮮等の諸国内の取引相手方と当行が新規取引を行わないこと、ならびに法的に可能な限りにおいて、当
行がかかる取引相手方との間で既に行っている取引を終了することを決定した。2014年にクリミア地域を当該諸国リストに
追加し、2021年にはアフガニスタンを追加する一方、スーダンをリストから削除した。当行はまた、キューバの取引相手方
との取引を制限することを決定した。イラン、北朝鮮、シリアおよびキューバは現在、米国国務省によりテロ支援国家に指
定されている。
当行は、2007年12月31日に閉鎖するまで、イランのテヘランに駐在員事務所を有していた。イランの取引相手方との間で
当行が行っている残りの取引の大部分は、欧州およびアジアの輸出業者の輸出契約に対して資金を提供するために2007年よ
り前に設定された数件の大規模な貿易金融ファシリティへの貸し手および/またはエージェントとしての参加であった。
2018年12月31日現在、かかる融資残高は全額返済されており、その後残存するイラン関連のビジネスの大部分は、保証に関
する過去の契約上の義務により構成されている。上記の保証の額面金額は近年の当行の総資産の0.01%を大幅に下回ってお
り、当行は、イランの取引相手方との取引業務が当行の事業全体に対して重要な部分を占めるものではなく、過去にも占め
ていなかったと考えている。2021年12月31日現在、イランの取引相手方との取引業務による収益は2021年12月31日に終了し
た年度の当行の総収益の0.01%を大幅に下回っていた。
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2012年イラン脅威削減およびシリア人権法第219条(1934年証券取引法(改正済)第13条(r))の要請に基づき、当行は、
イランおよび当該規定に服するその他の米国による制裁の対象者との取引等に関する一定の情報を開示した。
当行はまた、限定的ではあるが、国際連合、欧州連合またはドイツのいずれの通商禁止措置も適用されないキューバに所
在する相手方との取引を行っている。かかる取引は、ごく少数の信用状および現金払い込み(それぞれ米国との関連はな
い。)で構成されており、その残高は2021年12月31日現在の当行の総資産の0.01%を大幅に下回っている。かかる信用状
は、機械などの商品や医療用品の取引に資金を融通している。
当行は、2017年以降に発生した米国の経済的制裁におけるその他の重大な変化を遵守するために、プロセスおよび手続き
を設定している。2017年8月、米国は「敵対者に対する制裁措置法」(以下「CAATSA」という。)を施行したが、そこでは
ロシアに対する既存の米国の制裁措置(米国の制裁対象となるロシアの事業体の指定を含む。)を法制化し、ロシアに対す
る米国の二次的制裁を拡大し、(ロシア経済の特定の部門を対象とする)既存の部門別制裁を強化し、また部門別制裁を賦
課するロシア経済の部門の追加を許可している。特に、CAATSAに基づく米国の二次的制裁の拡大により、ロシア関連の制裁
対象者またはロシアの防衛および諜報部門における特定の事業体との間の、ならびにロシアに関連する一定のエネルギー関
連プロジェクトに関する、「重要な」取引などに従事する非米国企業等に対する米国の制裁の賦課が認められている。当行
は、米国の制裁措置に違反するまたは制裁対象となるようなロシアの事業体との取引にこれまで従事したことはなく、現在
も従事していないものと確信している。しかしながら、米国の制裁措置の解釈および執行において米国当局が持つ広範な裁
量権限を考慮すると、当行が現在行っている活動に関して、米国当局が当行に対して執行措置を講じない、あるいは二次的
制裁を課さないとの保証はない。かかる措置は、当行の事業に重大な影響を及ぼし、また当行のレピュテーションを損なう
可能性がある。さらに、上述のとおり、最近のロシアのウクライナに対する大規模な軍事行動に対して、米国およびその他
の諸国やEUは、ロシアおよびロシアの事業体に対する制裁を拡大しており、かかる措置が当行の事業活動に重大な影響を及
ぼす可能性がある。
また、2017年以降、米政権は、ベネズエラ政府およびベネズエラ政府関係者に対して多くの制裁を課している。これらの
制裁は、(2019年8月5日から)ベネズエラ政府(国有または国営企業を含む。)が関与するほぼすべての無認可の取引を
禁止するものであり、また当該取引またはディーリングを実質的に支援した者(非米国人)に制裁を課すとも警告してい
る。ベネズエラ政府が関与する米国法域内での経済活動の大部分は、現在、米国の制裁措置により禁じられている。当行
は、ベネズエラ政府に対するこれらの米国の制裁措置を遵守するために、手段を講じ、またプロセスおよび手続きを設定し
ている。これらの米国の制裁措置に対して、当行は複数の顧客関係を段階的に縮小している。ベネズエラ政府機関について
は、当行は現在、レガシー取引のみ行っている。当行は、ベネズエラ政府に関連して残存する活動のいずれも、米国の制裁
措置に違反していないものと確信している。しかしながら、米国の制裁措置の解釈および執行において米国当局が持つ広範
な裁量権限を考慮すると、当行が現在行っている活動が米国の制裁措置に違反していると米国当局が今後主張しないとの保
証はない。
米中間の政治的および貿易上の緊張は、2020年および2021年の一連の制裁および対抗措置につながったが、その一部は特
に金融機関に関するものであった。2021年6月、米国は、既存の規制を修正し、中国の軍産複合体との関係があると米国が
判断する企業に連動する一定の公開有価証券ならびに当該有価証券のデリバティブまたは当該有価証券への投資エクスポー
ジャーを提供する公開有価証券の米国人による売買を制限する行政命令14032を採択した。行政命令14032は、従前の行政命
令に基づいて課されていた類似の制限を修正して明確化した。当行は、これらの要請の遵守を促進するよう当行の管理プロ
セスの変更を実施しているが、このような措置は、潜在的な規制遵守の問題や法の抵触の問題を引き起こし、重大な悪影響
を及ぼす可能性がある。
米国およびその他の地域の政府機関および非政府組織が、制裁対象国、特に中国、イランおよびロシアと取引を行ってい
る主体との取引もしくはかかる主体への投資を禁止し、またはかかる主体への出資の撤退を求める法律、規制もしくは方針
の採用に向けた施策を主導していることを、当行は報道等を通じて認識している。かかる施策により、取引禁止の対象とさ
れる主体を、顧客としてもしくは当行の証券への投資者として獲得、維持することが当行にとって不可能となるおそれがあ
る。さらに、かかる対象国との関係により、当行のレピュテーションが損なわれる可能性がある。その結果、当行の事業も
しくは当行の株価に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。制裁は急に変更される可能性があり、また、地政学的な情勢の展
開の結果、米国またはその他の法域により、事前の警告なしに新たな直接的または間接的な二次的制裁が賦課される可能性
がある。
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3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
財政状態及び経営成績の分析
「第6 経理の状況、1財務書類、(1)連結財務書類、①取締役会報告書」参照
キャッシュ・フローの状況の分析
連結キャッシュ・フロー計算書においては、当行グループの現金および現金同等物は、重要な価値変動リスクがない、容易
に換金可能な流動性の高い投資を含む。当該投資は現金および中央銀行預け金ならびに要求払銀行預け金を含んでいる。
当行グループは、ビジネスモデルに依拠して、キャッシュ・フローを営業活動、投資活動および財務活動の各区分に分類し
ている(「マネジメント・アプローチ」)。当行グループにとって主たる営業活動は、金融資産および金融負債を運用管理す
ることである。このため、長期債務の発行および運用管理は、中核的な営業活動である。この点は、借入れが主要な収益創出
活動ではないため財務活動の一部となる非金融企業とは異なる。
当行グループは、優先長期債務の発行を営業活動とみなしている。優先長期債務の構成要素は、仕組み債および資産担保証
券(コーポレート・バンクおよびインベストメント・バンクの事業ライン部門により設計および実行され、収益創出活動であ
る。)、ならびに財務(トレジャリー)が発行する債務(他の資金源と交換可能であるとみなされている。)である。資金調
達コストはすべて、収益性を判断するために各事業活動に配賦されている。
劣後長期債務および信託優先証券に関連したキャッシュ・フローは、当行グループの資本の不可欠な一部として、主に規制
上の資本要件を満たす目的で管理されているため、優先長期債務に関連したキャッシュ・フローとは異なる見方をされてい
る。このため、劣後長期債務および信託優先証券は他の営業負債とは交換不能であり、資本とのみ交換可能であることから、
財務活動の一部であるとみなされている。
連結キャッシュ・フロー計算書に記載されている金額は、外貨換算による変動や連結対象会社グループの変更による変動と
いった非資金項目を除外しているため、各期間ごとの連結貸借対照表における変動とは厳密には一致しない。
純損益を通じて公正価値で計上する項目の残高の変動は、帳簿価額に影響を及ぼすすべての変動を示す。これには、市場の
変動や資金の流出入による影響が含まれている。公正価値で計上する項目の残高の変動は、通常、営業活動によるキャッ
シュ・フローに表示されている。
2021年度および2020年度
以下の表は、ドイツ銀行の2021年度連結財務諸表に基づく2020年度および2021年度のデータの抜粋である。
2020年 2021年
単位:百万ユーロ(億円) (監査済)
30,736 -2,952
営業活動によるキャッシュ・フロー
(42,342) (-4,067)
-1,892 23,595
投資活動によるキャッシュ・フロー
(-2,606)
(32,504)
-311 1,630
財務活動によるキャッシュ・フロー
(-428) (2,245)
-1,074 1,345
現金および現金同等物に対する為替レート変動の純影響
(-1,480) (1,853)
128,869 156,328
現金および現金同等物、期首残高
(177,530) (215,357)
156,328 179,946
現金および現金同等物、期末残高
(215,357) (247,894)
当行グループの現金および現金同等物は、2020年末現在の1,563億ユーロから増加して、2021年12月31日現在では1,799億
ユーロとなった。この増加は主に、中央銀行への利付当座預金および決済勘定が増加したことによるものであった。
2021年度は25億ユーロの当期純利益を計上したことに照らして、非現金項目に関する収益調整を考慮した結果、営業活動に
よるキャッシュ・フローは、2021年末にマイナス30億ユーロ(2020年末はプラス307億ユーロ)となり、かかる金額が2021年度
の現金および現金同等物の236億ユーロの増加に含まれている。現金および現金同等物への影響の残りの部分は、投資活動およ
び財務活動から使用された現金によるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、2021年度は236億ユーロ(2020年はマイナス19億ユーロ)となった。これには、主に
その他の包括利益を通じて公正価値で評価される金融資産に関連したものおよびこれらの金融資産の売買によるキャッシュ・
フローが含まれる。
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財務活動によるキャッシュ・フローは、2020年末はマイナス3億1,100万ユーロであったのに対し、2021年12月31日現在では
16億ユーロとなったが、これは主にその他資本構成商品(AT1証券)の発行によるものであった。
上記の結果、2021年の営業活動、投資活動および財務活動によるキャッシュ・フローの現金および現金同等物への正味の影
響額は増加した。
4【経営上の重要な契約等】
当行は、以下の会社と経営支配および損益移転契約を締結している。
A.DBベタイリグンクス-ホールディングGmbH
B.BHW-ゲゼルシャフト・フュア・ヴォーヌンクスヴィルトシャフトmbH
C.ポストバンク・ベタイリグンゲンGmbH
D.BHWホールディングGmbH
E.DBキャピタル・マーケッツ(ドイチェランド)GmbH
F.ドイチェ・オッペンハイム・ファミリー・オフィスAG
G.ノーリスバンクGmbH
H.DWSインベストメントGmbH
I.DWSベタイリグンクスGmbH
J.ポストバンク・フィンナンツベラトゥンクAG
K.DWSインターナショナルGmbH
.DWSリアル・エステートGmbH
上記会社は、当該契約に基づき、当行により支配され、各会社の利益を当行に移転するかまたは当行がその損失を塡補する
ものとされている。
5【研究開発活動】
該当事項なし
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第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
ドイツ銀行グループは、2021年度における土地・建物および備品・器具への設備投資に約8億400万ユーロを費やした。
2021年度に、5億7,800万ユーロ(簿価)の土地・建物および備品・器具の原価処分が行われた。
2【主要な設備の状況】
(単位:百万ユーロ(百万円))
2020年12月31日 2021年12月31日
(ドイツ銀行)
153 95
土地・建物
(21,077) (13,087)
1,042 1,114
備品・器具
(143,546) (153,465)
(ドイツ銀行グループ)
657 624
土地・建物
(90,508) (85,962)
980 849
備品・器具
(135,005) (116,958)
3【設備の新設、除却等の計画】
該当事項なし
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第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
(2021年12月31日現在)
授権株数(株)(注) 発行済株式総数(株) 未発行株式(数)(注)
2,066,773,131 2,066,773,131 -
(注)ドイツ銀行AGは、上記日付現在有効な定款に、下記のような授権資本および条件付資本の増加の定めを置いている。
授権資本
取締役会は、2026年4月30日以前に、一回または数回にわたり、総額512,000,000ユーロを限度として現金払込により新株
を発行することにより増資を行う権限を授与される(授権資本2021年/第I回)。株主は、新株引受権を与えられる。ただ
し、取締役会は、株主の新株引受権から端株を除外し、また当行またはその関連会社により発行されたオプション権、転換
社債および転換権付利益分配権の保有者に対し新株引受権を付与することが必要とされる場合、オプション権または転換権
の行使後に当該権利の付与を受けられる限りにおいて、新株引受権を排除する権限を有する。取締役会はまた、新株の発行
価額が当該発行価額の最終決定時において既に上場されている当該株式の市場価額を著しく下回っておらず、かつ株式会社
法第186条第(3)項第4文に基づく承認を受けて以降発行された株式の総数が、当該承認が有効となった時点における株式資
本の10%(当該承認が実行された時点における株式資本の額の方が低い場合には、当該低い額の10%)を超過しない場合に
も、新株引受権を完全に排除することができる。当該承認が有効な間に、株式会社法第186条第(3)項第4文を直接適用また
は準用することにより発行または売出される新株引受権が付与されない株式は、株式資本の10%の上限の計算に含まれる。
また、転換社債、ワラント付社債、転換権付利益分配権もしくは利益分配権に関するオプション権および/または転換権
(これらの社債または利益分配権が、当該承認が有効な間に、株式会社法第186条第(3)項第4文を直接適用または準用する
ことにより発行される場合に限る。)に対して発行される株式も、この計算に含まれる。取締役会は、新株引受権が付与さ
れない新規発行株式の割合が株主資本の10%を超過しない場合に限り、新株引受権を排除する上記の承認を実行することが
できる。かかる10%上限の計算は、当該承認が有効となった時点における株式資本の金額に基づいて行われる。当該承認が
実行された時点の株式資本の金額がより低い場合には、当該低い額により決せられる。当該承認が有効な間でかつ承認を実
行するまでの間に、他の承認を用いて 当行株式の発行がなされ、または当行株式の引受けを可能とするもしくは義務づける
権利の発行がなされ、これらの株式について 新株引受権が排除される 場合も、上記の10%上限に算入される。 授権資本を利
用する旨、および新株引受権を排除する旨の取締役会決議は、監査役会の承認を要する。新株式はまた、取締役会の指定す
る銀行が、当行株主に対して募集を行う義務を負って引き受けることもできる(間接的新株引受権)。
取締役会は、2026年4月30日以前に、一回または数回にわたり、総額2,048,000,000ユーロを限度として現金払込により新
株を発行することにより増資を行う権限を授与される(授権資本2021年/第II回)。株主は、新株引受権を与えられる。た
だし、取締役会は、株主の新株引受権から端株を除外し、また当行またはその関連会社により発行されたオプション権、転
換社債および転換権付利益分配権の保有者に対し新株引受権を付与することが必要とされる場合、引受権または転換権の行
使後に当該権利の付与を受けられる限りにおいて、新株引受権を排除する権限を有する。取締役会は、新株引受権が付与さ
れない新規発行株式の割合が株主資本の10%を超過しない場合に限り、新株引受権を排除する上記の承認を実行することが
できる。かかる10%上限の計算は、当該承認が有効となった時点における株式資本の金額に基づいて行われる。当該承認が
実行された時点の株式資本の金額がより低い場合には、当該低い額により決せられる。当該承認が有効な間でかつ承認を実
行するまでの間に、他の承認を用いて 当行株式の発行がなされ、または当行株式の引受けを可能とするもしくは義務づける
権利の発行がなされ、これらの株式について 新株引受権が排除される 場合も、上記の10%上限に算入される。 授権資本を利
用する旨、および新株引受権を排除する旨の取締役会決議は、監査役会の承認を要する。新株式はまた、取締役会の指定す
る銀行が、当行株主に対して募集を行う義務を負って引き受けることもできる(間接的新株引受権)。
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条件付資本
株式資本は、200,000,000株以下の記名式無額面株式の新規発行を通じて512,000,000ユーロを上限に条件付で増加する。
この条件付資本は、
a)2017年5月18日の株主総会の決議により取締役会に授与された権限に基づき2022年4月30日以前に当行またはその関連
会社により発行される利益分配債、転換社債またはワラント付社債に関連する転換権もしくはオプション権の保有者が
その転換権もしくはオプション権を行使する場合、または、
b)上記の権限に基づき2022年4月30日以前に当行および/またはその関連会社により発行される転換権付利益分配債また
は転換義務を負う転換社債の保有者がその転換義務を履行する場合
に限り増加できる。
新株式は、転換権および/もしくはオプション権の行使または転換義務の履行により当該株式が発行された営業年度の開
始時より、分配を受領する権利を有する。取締役会は、条件付資本増加の実施に関する詳細を決定する権限を授与される。
株式資本は、20,000,000株以下の記名式無額面株式の新規発行を通じて51,200,000ユーロを上限に条件付で増加する。こ
の条件付資本の増加は、2017年5月18日の株主総会の授権に基づき2022年4月30日以前に付与されたオプションを実行する
場合に限られる。この条件付資本は、発行済のオプション権の保有者が当行の株式を受領する権利を行使する場合にのみ増
加し、当行はオプションの実行のために自己株式の交付は行わない。新株式は、オプション権の行使により当該株式が発行
された営業年度の開始時より、分配を受領する権利を有する。
②【発行済株式】
2021年12月31日現在、ドイツ銀行の発行済株式資本は、5,290,939,215.36ユーロであり、無額面普通株式2,066,773,131株
により構成される。株式は全額払込済みであり、記名式である。各株式につき一議決権が付与される。
当行の株式は、ドイツ国内各証券取引所およびニューヨーク証券取引所に上場されている。
2021年末現在、当行が保有する自己株式は678,948株であり、当行の株式資本の0.03%に相当する。
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債等の行使状況等】
該当事項なし
(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】 ( 2021年12月31日現在)
発行済株式総数 発行済株式総数
年月日 資本金増減額 資本金残高 摘 要
増減数(株) 残高(株)
当行の株主に対する2対1(所有す
1,760,000,000ユーロ
2017年 5,290,939,215.36ユーロ る既存の2株に対して1株)の比率
687,500,000 2,066,773,131 (242,458百万円)
4月3日 (728,880百万円) のライツ・オファリング(1株当た
り行使価格11.65ユーロ)による増資
(4)【所有者別状況】
2021年12月31日現在の株主名簿上の株主数は、574,644人であった。
地域別の株主の分布は下記のとおりである。
株主数(人) 所有株式数(株)
ドイツに所在する株主
564,220 893,547,039
アメリカ合衆国に所在する株主 538 273,502,796
その他 9,886 899,723,296
計 574,644 2,066,773,131
(5)【大株主の状況】
当行株式は、引き続きほぼ100%浮動株式である。ドイツ証券取引法に規定する所有株式割合3%以上の報告義務に基づく
(注1)
通知による、当行の大株主は下記のとおりである。
発行済株式総数に対する
名称 所在地
所有株式数の割合
(注2)
5.23 %
ブラックロック・インク ウィルミントン・デラウェア州
ニューヨーク(ハドソン・エグゼク
(注3)
3.18 %
ダグラス・L・ブラウンスタイン
ティブ・キャピタルLP)
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パラマウント・サービシズ・ホール
(注4)
3.05 %
英領ヴァージン諸島
ディングス・リミテッド
スプリーム・ユニバーサル・ホール
(注5)
3.05 %
ケイマン諸島
ディングス・リミテッド
(注1) 株式の保有状況の記載は、主要株主の議決権通知の公表に関するドイツ証券取引法(WpHG)第40条の規定に基づいており、日付の記載は、報告
義務のある保有割合に達したと主要株主が開示した日付に基づいている。個別のケースにおいて、異なる通知義務対象者による議決権通知が、
物理的に同一の株式保有に係るものと考える根拠がある場合、当行は明確性を確保するため、議決権通知をまとめて記載する権利を留保する。
当行は、記載の正確性について責任を負わない。
(注2)2020年12月31日付の数値。その後、2022年6月1日現在まで変更の通知は受けていない。
(注3)2020年11月20日付の数値。その後、2022年6月1日現在まで変更の通知は受けていない。
(注4) 2015 年8月20日付の数値。その後、2022年6月1日現在まで変更の通知は受けていない。
(注5)2015年8月20日付の数値。その後、2022年6月1日現在まで変更の通知は受けていない。
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2【配当政策】
(1) 配当方針
2020年度については、法律の要請に従い配当金支払いの提案は行われない。これについて取締役会報告は次のように述べ
ている。
2022年に向けての財務目標の実行により、規制当局の承認を条件として、当行が2021年度に関して、2022年から配当の支
払いおよび自社株の買戻しを通じた株主への資本還元を開始することが可能になるといえる。当行の配当支払いは、ドイツ
会計規則に基づく当行の各年度の単体財務諸表において、十分な水準の分配可能利益の報告を行うことができるかに依拠し
ている。当行は、2020年度についての配当支払いの提案は行わない旨発表したが、2022年から配当を行えるよう資本を解放
することを目指しており、今後、50億ユーロの資本を株主に還元していくことを想定している。
2021 年度について、取締役会および監査役会は、以下を提案した。
配当可能利益968,555,094.00ユーロから、配当支払適格のある2,031,931,059株の無額面株式につき1株当たり0.20ユーロ
の配当金(総額406,386,211.80ユーロ)を支払う。残高の562,168,882.20ユーロは翌年度に繰り越す。
2022年5月19日開催の当行株主総会は、この提案を採択した。
(2) 1株当たりの配当等の推移
下記の表は、2017年から2021年までの、当行の株式1株当たりの配当等を示したものである。
ドイツ銀行(非連結)
(単位:ユーロ(円))
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
1株当たり配当金 0.11 0.11 - - 0.20
(15) (15) (-) (-) (28)
1株当たり当期純利益 0.31 0.25 -9.52 -0.86 0.93
(43) (34) (-1,311) (-118) (128)
1株当たり株主資本お
26.10 26.20 16.80 15.95 16.89
よび準備金 (注)
(3,596) (3,609) (2,314) (2,197) (2,327)
配当性向(%) 35.3 44.2 N/A N/A 21.5
(注)配当可能利益を除く。
ドイツ銀行グループ(連結)
(単位:ユーロ(円))
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
基本的1株当たり利益
-0.53 -0.01 -2.71 0.07 0.96
(注1)(注2)
(-73) (-1) (-373) (10)
(132)
1株当たり株主持分 30.16 29.69 26.37 26.04 27.62
(4,155) (4,090) (3,633)
(3,587) (3,805)
(注1)基本的平均流通株式数は、増資に関連して2017年4月に割り当てられた新株引受権の無償交付の要素の影響を反映するため、2017年4月より前
の全ての期間で修正されている。
(注2)各年度の基本的1株当たり利益は、ドイツ銀行株主に帰属する純利益を普通株式の平均流通株式数で除して計算されている。利益は、2021年4
月、2020年4月、2019年4月、2018年4月および2017年4月にその他Tier 1証券のクーポンとしてそれぞれ支払われた3億6,300万ユーロ、3
億4,900万ユーロおよび3億3,000万ユーロ(税引前)、2億9,200万ユーロおよび2億9,800万ユーロ(税引後)によって調整されている。2019年
以降は、税の影響は直接純利益(損失)において認識されている。
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3【コーポレート・ガバナンスの状況等】
( 以下は、「(2)役員の状況 」中の取締役会および監査役会のメンバー(提出日現在)の記載を除き、主に当行の2021年年
次報告書に含まれる2021年度に関するコンぺンセーション・レポートおよび2022年2月11日付コーポレート・ガバナンス・
ステートメントからの引用である。)
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
取締役会
ドイツ銀行AGの取締役会は、当行の利益のための持続的な価値の創造を目的として、法律、ドイツ銀行AGの定款および取
締役会の参照事項に基づき、当行の経営に責任を負っている。取締役会は、株主、従業員およびその他の当行に関連するス
テークホルダーの利益を考慮する。取締役会のメンバーは、当行の事業の管理について共同で責任を負っている。取締役会
は、グループ取締役会として、統一的なガイドラインに従ってドイツ銀行グループの経営を行っており、全てのグループ企
業を全般的に管理する。
取締役会は、法律および定款に規定される全ての事項について決定を行い、法律上の要件や社内ガイドラインの遵守を確
保する(コンプライアンス)。取締役会はまた、適切な社内ガイドラインの策定および実施を確保するための必要な措置を
講じる。取締役会は、特に、当行の経営戦略や戦略的方向性、資源配分、財務/経理および報告、コントロールおよびリス
ク管理ならびに適切な業務組織およびコーポレート・コントロールをその職務とする。取締役会は、取締役会の下に位置す
る上級管理職の任命や特にグローバルの主要役職者の任命を決定する。グループ内の経営幹部の選任に際しては、取締役会
は多様性を考慮に入れ、特に、適切な女性比率を達成するよう努力する。
取締役会は、協力的な信頼関係のもと、当行の利益のために、監査役会と緊密に連携する。取締役会は、少なくとも法律
および管理ガイドラインに規定される範囲内において、特にグループが関係する戦略、意図する事業方針、計画、事業展
開、リスク状況、リスク管理、従業員育成、レピュテーションおよびコンプライアンスに関わる全ての問題について監査役
会に報告する。
当行の取締役会の職務、責任および手続きに関する包括的な記述は、その参照事項に明記されており、その最新版は当行
のウェブサイト( www.db.com/ir/en/documents.htm )から入手可能である。
監査役会
ドイツ銀行AGの監査役会は、取締役会メンバーを任命し、これを監督し、これに助言を行い、また、当行の根幹に関わる
重要な決定に直接関与する。監査役会は、協力的な信頼関係のもと、当行の利益のために、取締役会と緊密に連携する。
監査役会の内部組織およびその委員会、ならびに個々のメンバーの任務およびプロファイルは、コーポレート・ガバナン
スに関する会社法の規制を規定し補足する特定の法令上の要求事項に服する。当該要求事項は、とりわけ、ドイツ銀行法
(Kreditwesengesetz)、金融機関の報酬に係る規制(Institutsverg ü tungsverordnung)、欧州銀行監督機構(EBA)および
欧州証券市場監督機構(ESMA)のガイドラインならびに当行の監督当局としての欧州中央銀行の管理実務に基づいている。
これらの要求事項は、個別のケースにおいてはドイツ・コーポレート・ガバナンス規則(以下「GCGC」という。)の勧告と
異なる場合がある。監査役会の職務、会議の準備およびフォローアップならびに委員会の一般規則は、監査役会の参照事項
に定められる。最新版は、当行のウェブサイト( www.db.com/ir/en/documents.htm )から入手可能である。2021年度中に開
催された会議の回数は監査役会報告書に記載されている。
監査役会は、取締役会とともに、長期的な承継計画を策定している。指名委員会は、当行の取締役会で職責を果たす候補
者の特定において、会長統括委員会および監査役会を支援する。その際、会長統括委員会は、候補者のプロファイルを記載
した職位明細書を作成し、予想される任期を明示する。適切な候補者の特定は、外部の採用コンサルタントと協働で行われ
る場合もあり、体系的な面接が実施される。このような外部者による承継計画に加え、取締役会および監査役会は、内部の
候補者リストも保持している。指名委員会および監査役会は、取締役会の視点からの内部の承継計画およびそのプロセスに
関する報告書を取締役会から定期的に受領する。適切な候補者(外部か内部かを問わない。)を選定するため、指名委員会
は、取締役会メンバー全員の知識、技能および経験のバランスおよび多様性を考慮する。また、指名委員会は、取締役会に
おける多様性(ジェンダー、国籍および年齢など)の推進も図る。この指名委員会の検討結果を基に、会長統括委員会は、
監査役会の決議のための候補者案を提出する。監査役会は、この案に基づき取締役会メンバーの任命を決定する。取締役会
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メンバーの任命に関する提案に加え、会長統括委員会は、取締役会メンバーの解任に関する提案も行う。かかる解任に関す
る決定は、監査役会の責任である。
監査役会はまた、報酬管理委員会の提案に基づき、取締役会の個々のメンバーの報酬の総額を決定し、取締役会の報酬制
度について決議し、これを定期的に見直す。
監査役会は、少なくとも法律または管理ガイドラインに規定される範囲内において、特にグループが関係する戦略、意図
する事業方針、計画、事業展開、リスク状況、リスク管理、従業員育成、レピュテーションおよびコンプライアンスに関わ
る全ての問題について取締役会から報告を受ける。さらに、グループ内部監査は定期的に、また重大な不備が発生した場合
は不当な遅滞なく、特定された不備について監査委員会に連絡する。監査役会会長は、取締役会メンバーに関する重大な調
査結果について適宜報告を受ける。監査役会および取締役会は、監査役会への報告だけでなく、監査役会による照会や当行
従業員に対する情報提供の要請、会議の準備に関するおよび会議間の情報交換などについても定める情報制度を採択した。
監査役会会長は、監査役会が適切に機能するために重要な役割を果たしており、また指導的役割を担っている。監査役会
会長は、監査役会の内部組織およびコミュニケーション、監査役会における職務の調整ならびに監査役会と取締役会の間の
やり取りに関する内部ガイドラインおよび方針を策定することができる。監査役会開催の間の期間にも、監査役会会長およ
び(適切な場合は)監査役会委員会会長は、取締役会メンバー、特に取締役会会長と定期的に連絡を取り、とりわけ、ドイ
ツ銀行グループの戦略、計画、事業の状況、リスク状況、リスク管理、リスク統制、ガバナンス、コンプライアンス、報酬
制度、IT、データならびにデジタル化および重大な訴訟案件の問題について協議する。監査役会会長および(それぞれの業
務上の職責の範囲内において)監査役会委員会会長は、ドイツ銀行グループの現状、動向および経営の評価にとって重要性
の高い事象について、取締役会会長またはそれぞれ職責を担う取締役会メンバーから遅滞なく連絡を受ける。監査役会会長
は、監査役会関連の事項について投資家と必要に応じて議論を行い、また監査役会に対してかかる議論の内容を定期的に報
告する。
処理のために監査役会の承認を必要とする事項は、当行の定款に明記されている。監査役会は、定期的に取締役会メン
バーの参加なしで会議を行う。十分に考慮した上でかつ実質的に適切である限り、監査役会またはその委員会は、その職務
の遂行のため、監査人、法律アドバイザーその他の内部または外部のアドバイザーに相談することができる。その職務の遂
行において、監査役会会長、委員会会長および監査役会メンバーは、取締役会から独立した監査役会事務局のサポートを受
ける。
指名委員会および監査役会は、数回の会議において、ドイツ銀行法(KWG)第25d条に基づく法律に規定される監査役会の
評価(ドイツ・コーポレート・ガバナンス規則(GCGC)第D.13条に基づく監査役会の自己評価でもある。)について議論し
た。この評価の具体的な実施およびスケジュールは、2021年9月16日および2021年10月25日の指名委員会の会議で審議さ
れ、決定された。これに関して、外部アドバイザーの利用は義務付けられなかった。この評価は、基本的に、監査役会、監
査役会委員会および取締役会の業務に関する広範なアンケート、指名委員会メンバーが取締役会メンバーとともに実施する
個別の面接ならびに取締役会および監査役会双方の個々のメンバーの評価に基づき行われた。評価の最終審議は、2022年2
月2日の監査役会全体会議において行われ、その結果が最終報告書に記載された。監査役会は、監査役会および取締役会が
高い水準を達成し、特に取締役会メンバーおよび監査役会メンバーの専門的資質、個人的信頼性および時間的余裕に関して
懸念がないとの見解を引き続き有している。
監査役会の構成に関わる目的、要件のプロファイル、多様性の概念および実施状況
監査役会の構成は、国際的に事業を行い、広く各国に拠点を置く銀行の取締役会に対して効果的かつ適切な管理および助
言ができることを確保するべきである。この観点から、監査役会のメンバーは全体として、その職務を適切に完遂するため
の知識、能力および専門家としての経験を有しなければならず、また監査役会および監査委員会のメンバーは全体として銀
行セクターを熟知していなければならない。特に、選任提案される個人の清廉、人格、職務遂行の意欲、専門性および独立
性には特に注意が払われるべきである。さらに、当該メンバーは、その職務の遂行に十分な時間を費やせることを要する。
この目的は、当行グループの活動を考慮した上で、また関連する銀行監督規制の遵守の観点から、不可欠と考えられるすべ
ての知識および経験を、監査役会が全体として有するためである。
各メンバーの職務遂行への適性は、指名委員会および監査役会ならびに規制当局により、内部および外部の双方から評価
され、継続的に判断および監視される。適性評価では、個々のメンバーの専門知識、信頼性および時間的余裕を評価対象と
する。加えて、監査役会が管理部門としての職務を果たすために必要な監査役会全体の知識、技能および経験(集団適性)
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の評価も行われる。監査役会メンバーの適性評価に合格することおよびドイツ銀行AGにおける任期全体にわたって監査役会
メンバーの適性を継続的に保つことは、監査役会メンバーが業務を遂行する上で必須の規制要件となっている。
監査役会の要件のプロファイルに記載されるとおり、各監査役会メンバーは、ドイツ銀行AGの規模や複雑性に応じて、以
下に定める専門分野を適切に理解していなければならない。要件のプロファイルは、専門分野を拡大して環境・社会・ガバ
ナンス(ESG)ならびにマネーロンダリング対策およびテロ資金供与防止を含めるよう、直近で2021年12月16日の監査役会会
議において審議され、その後採択された。専門家は、各分野における深い専門知識を有するものとする。
専門分野は、特に、以下の分野を含む。
- 銀行業務、金融サービス、金融市場および金融業界(ホームマーケットおよび欧州以外の当行の主要市場を含む。)
の分野における知識
- 当行にとっての顧客、市場の期待および事業環境の知識
- リスク管理(財務および非財務リスクの調査、評価、軽減、管理および統制、自己資本および流動性の管理、株式保
有)
- 会計(国際財務報告基準(IFRS)およびドイツ商法(HGB)に基づく。)および年次財務諸表の監査(財務専門家)
- 環境・社会・ガバナンス(ESG)および企業の社会的責任(CSR)(報告を含む。)
- 税務
- 内部監査
- コンプライアンスおよび内部統制
- マネーロンダリング対策およびテロ資金供与防止
- 戦略的プランニング、事業およびリスク戦略ならびにその実施
- デジタル化
- 情報技術(IT)、ITシステムおよびITセキュリティ
- 規制上のフレームワークや法律上の要件、特に、当行に関連する法制度の知識
- ホームマーケットにおける社会上、政治上および規制上の期待の知識
- 経営陣メンバーの選定手続とその適性評価
- ガバナンスおよび企業文化
- 人事および従業員の管理
- 報酬および報酬制度(報酬専門家)
- 大規模かつ国際的な規制企業の経営
- 当行の内部組織
監査役会は、その構成に関して定められた具体的な目的および要件のプロファイルを遵守していると確信している。監査
役会メンバーは、全体として、その職務を適切に完遂するための知識、能力および専門家としての経験を有している。
監査役会は、株主代表のうち独立性のあるメンバーの数が少なくとも6人となるように構成するものとする。以下が、独
立性のある株主代表である:パウル・アッハライトナー、メイリー・クラーク、ゲルハルト・エッシェルベック、ジグ
マー・ガブリエル、ジョン・アレクサンダー・セイン、ミシェル・トローニ、ダグマー・バルカルセル、テオドール・ヴァ
イマー、ノールベルト・ヴィンケルヨハンおよびフランク・ヴィッター。前年度において、監査役会には元取締役会メン
バーはいなかった。
監査役会メンバーの通常の定年は70歳である。正当な理由がある個別の場合においては、監査役会メンバーは、最長で70
歳を迎えた後4回目に開催される年次株主総会の終了時まで定年を延長することができる。この定年制は、株主総会への選
任提案において考慮されており、また次回の監査役会メンバーの選任または今後欠員となる監査役会メンバーの後任の任命
についても考慮されるものとする。
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2020年7月より後に選任または任命される監査役会メンバーについては、その任期は12年を超えてはならない。これを満
たさない場合は、株主代表側の監査役会メンバーとして独立性があるとはみなされない。
監査役会は、メンバーの候補者の提案にあたって多様性を重視する。当行が海外事業を展開していることに照らして、監
査役会メンバーには、適切な数の長年にわたる海外経験者が置かれるよう留意するべきである。現在、監査役会メンバーの
うち5名は、その専門的職務または生活の本拠をドイツ国外に置いている。さらに、監査役会の株主代表は全員、現在また
は過去の職務において、たとえば、海外事業を行う会社または組織の取締役会メンバーもしくは最高経営責任者(CEO)また
はこれと同等の執行職として長年の海外経験を有している。これら二つの点から、監査役会は、当行の海外事業に十分考慮
が払われていると確信している。その目的は、当行の現在の国際的な特性を維持することにある。
既に2008年に行われた監査役会メンバーの選任以降、候補者選定プロセスに女性を含めることを適切に考慮することの重
要性が認識されてきた。株主総会への選任提案について、監査役会は、指名委員会の推奨や、監査役会の女性比率および男
性比率がいずれも30%以上であることを求める法律上の要件を考慮する。すなわち、新たな監査役会メンバーの選任または
今後欠員となるメンバーの後任の任命のための候補者を検討する際には、適格性のある女性は候補者選定プロセスに含ま
れ、選任提案において適切に考慮される。2021年度末現在で、従業員代表側と株主代表側の双方において、3名の女性と7
名の男性が監査役会メンバーとなっている。したがって、何年も前から現在に至るまで、法定の最低限である30%を満たし
ていることになる。
年齢構成は多様で、2021年度末現在で38歳から66歳までおり、一般的な定義によるところの3世代に及ぶ。ドイツ銀行の
監査役会メンバーとしての経験年数は、2021年度末現在で1年未満から約19年となっている。
メンバーの学歴および職務経歴には、銀行業務、企業経営、経済、法律、ドイツ研究、政治および情報技術が含まれる。
監査役会メンバーの経歴は、当行のウェブサイト( www.db.com/ir/en/supervisory-board.htm )において公表されている。
監査役会メンバーは、同時に主要な競合他社の経営陣として職務を執行し、またはこれに対する監督義務のある職務に就
いてはならない。監査役会メンバーに関する一時的なものではない重大な利益相反は、当該メンバーの監査役としての任期
の終了をもたらす。監査役会メンバーは、ドイツ銀行法(KWG)第25d条により認められる数を超える数の監査役会メンバー
または同様の要件を有する会社の監督機関のメンバーの職に就いてはならない。前年度においてこれらの要件は充足されて
いた。
監査役会の一部のメンバーは、当行が取引関係を有する他の会社において高い地位に就いているかまたは前年においてこ
れに就いていた。これらの会社との取引は、無関係の第三者との取引と同一の条件で実行されている。当行の意見では、こ
れらの取引は当該相手方に関係を有する監査役会メンバーの独立性に影響を及ぼすものではない。
2021年には、監査役会の下に、会長統括委員会、指名委員会、監査委員会、リスク委員会、インテグリティ(健全性)委
員会、報酬管理委員会、戦略委員会、技術・データおよびイノベーション委員会の8つの常設委員会と、必要な場合に会合
が開かれる仲裁委員会が設置されていた。
(2)【役員の状況】
男性22名、女性8名(役員のうち女性の比率26.7%)(提出日現在)
取締役会メンバーおよび監査役会メンバーの略歴
(取締役会)
略歴
所有株式数
氏 名
役 職(担当) 初回就任年
(株) (注1)
(生年月日)
任期満了年
クリスティアン・ゼーヴィング
1989 年入行
(Christian Sewing)
取締役会会長(CEO) 2015 年取締役就任 192,000
任期満了年:2026年
(1970年4月24日)
イェームス・フォン・モルトケ
2017 年入行
プレジデント、チーフ・ファイナンシャル・オフィサー
(James von Moltke)
2017 年取締役就任 74,753
(CFO)
任期満了年:2023年
(1969年4月18日)
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カール・フォン・ローア
1997 年入行
プレジデント、プライベート・バンクおよびアセット・マ
(Karl von Rohr)
2015 年取締役就任 30,058
ネジメント責任者
任期満了年:2023年
(1965年10月16日)
ファブリツィオ・カンペッリ
2004 年入行
コーポレート・バンクおよびインベストメント・バンク統
(Fabrizio Campelli)
2019 年取締役就任 132,010
括責任者
任期満了年:2025年
(1973年4月14日)
ベルント・ロイケルト
2019 年入行
チーフ・テクノロジー・データ・アンド・イノベーショ
(Bernd Leukert)
2020 年取締役就任 7,882
ン・オフィサー
任期満了年:2025年
(1967年5月31日)
アレクサンダー・フォン・ツァ・
1998 年入行
ミューレン
アジア太平洋地域チーフ・エグゼクティブ・オフィサー 320,829
2020 年取締役就任
( Alexander von zur Mühlen )
任期満了年:2023年
(1975年8月6日)
クリスティアナ・ライリー
2006 年入行
(Christiana Riley)
米州地域チーフ・エグゼクティブ・オフィサー 2020 年取締役就任 82,504
任期満了年:2025年
(1978年5月25日)
レベッカ・ショート
1998 年入行
(Rebecca Short)
チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー 2021 年取締役就任 36,451
任期満了年:2024年
(1974年11月10日)
2019 年入行
シュテファン・シモン (注2)
(Stefan Simon) チーフ・アドミニストレーティブ・オフィサー 0
2020 年取締役就任
(1969年9月12日)
任期満了年:2023年
2022 年入行
オリヴィエ・ヴィニュロン
(Olivier Vigneron ) 138,538 (注3)
チーフ・リスク・オフィサー(CRO) 2022 年取締役就任
(1971年6月1日)
任期満了年:2025年
(注1)特に記載のない限り、2022年2月11日現在の所有株式数を記載している。
(注2)シュテファン ・シモン氏は、2016年 8月 から2019年7月31日まで監査役会メンバーであった。
(注3)2022年6月1日現在の所有株式数を記載している。
取締役全員の業務上の住所は、ドイツ、60325 フランクフルト・アム・マイン、タウヌスアンラーゲ12である。
取締役は、当行の事業遂行について共同で責任を負っている。取締役会は、法律、定款または取締役会の参照事項により取
締役会の決議によることが要請されているすべての事項について決議する。取締役会は、その構成員の過半数をもって決議の
定足数を構成する。取締役会の決議は、決議に加わった取締役の過半数によって決せられる。賛否同数の場合は、取締役会議
長の投票により決せられる。
取締役は、法律および取締役会の参照事項の許容する範囲内で、他の会社の監査役を兼任することができる。
(監査役会)
所有株式数
氏 名
役職/担当 略歴/初回就任年/任期満了年
(注1)
(株)
(生年月日)
アレキサンダー・ワイナンツ
初回就任年:2022年
0(注2)
(Alexander Wynaendts)
監査役会会長
任期満了年:2026年
(1960年 8 月 1 日)
デトレフ・ポラシェック(*)
スタッフ・カウンシル・メンバー
(Detlef Polaschek)
監査役会副会長 初回就任年:2018年 693
任期満了年:2023年
(1960年3月14日)
ルードヴィヒ・ブロマイヤー・バルテ
ドイツ銀行AGスポークスパーソン・オブ・ザ・マネジメン
ンスタイン(*)
ト・ブレーメン
- 4,631
(Ludwig Blomeyer-Bartenstein)
初回就任年:2018年
任期満了年:2023年
(1957年8月2日)
メイリー・キャロル・クラーク
監査役会メンバー
(Mayree Carroll Clark)
- 初回就任年:2018年 109,444
任期満了年:2023年
(1957年3月9日)
フェル・デイ労働組合ナショナル・ワーキング・グルー
ヤン・ドゥシェック(*)
プ・バンキング責任者
(Jan Duscheck)
- 0
初回就任年:2016年
(1984年12月18日)
任期満了年:2023年
スタッフ・カウンシル・メンバー
マンジャ・エイファート(*)
73 (注2)
(Manja Eifert)
- 初回就任年: 2022 年
(1971年 12 月 18 日)
任期満了年:2023年
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有価証券報告書
ジグマー・ガブリエル
元ドイツ連邦政府大臣
(Sigmar Gabriel)
- 初回就任年:2020年 0
任期満了年:2025年
(1959年9月12日)
ティモ・ハイダー(*)
スタッフ・カウンシル・メンバー
(Timo Heider)
- 初回就任年:2013年 0
任期満了年:2023年
(1975年5月9日)
マルティーナ・クレー(*)
スタッフ・カウンシル・メンバー
(Martina Klee)
- 初回就任年:2008年 2,621
任期満了年:2023年
(1962年5月1日)
ガブリエル・プラッチャー(*)
スタッフ・カウンシル・メンバー
(Gabriele Platscher)
- 初回就任年:2003年 1,615
任期満了年:2023年
(1957年10月7日)
ベルント・ローゼ(*)
スタッフ・カウンシル・メンバー
(Bernd Rose)
- 初回就任年:2013年 0
任期満了年:2023年
(1967年5月27日)
エイカー・アセットマネジメントAS チーフ・エグゼク
イングヴィ・スリングスタッド
ティブ・オフィサー
0(注3)
(Yngve Slyngstad)
-
初回就任年:2022年
(1962 年11月3 日)
任期満了年:2026年
ジョン・アレクサンダー・セイン
監査役会メンバー
(John Alexander Thain)
- 初回就任年:2018年 100,000
任期満了年:2023年
(1955年5月26日)
ミシェル・トローニ エルドリッジ オペレーティング・パートナー
(Michele Trogni)
- 15,000
初回就任年:2018年
(1965年6月18日) 任期満了年:2023年
ダグマー・バルカルセル
監査役会メンバー
( Dr. Dagmar Valc árcel )
- 初回就任年:2019年 0
任期満了年:2025年
(1966年4月19日)
シュテファン・フィアテル(*) (注4)
スタッフ・カウンシル・メンバー
(Stefan Viertel) - 初回就任年:2021年 1,007
任期満了年:2023年
(1964年6月17日)
テオドール・ヴァイマー ドイツ取引所AG CEO
(Dr. Theodor Weimer)
- 108,000
初回就任年:2020年
(1959年12月21日) 任期満了年:2025年
フランク・ウェルニッケ (*)
フェル・デイ労働組合会長
(Frank Werneke)
- 初回就任年:2021年 0
任期満了年:2023年
( 1967 年 4 月 5 日 )
ノールベルト・ヴィンケルヨハン・アドバイザリー&イン
ノールベルト・ヴィンケルヨハン
ベストメンツ(企業コンサルタント)
(Prof. Dr. Norbert Winkeljohann)
- 0
初回就任年:2018年
(1957年11月5日)
任期満了年:2023年
フランク・ヴィッター
監査役会メンバー
(Frank Witter)
- 0
初回就任年:2021年
(1959年5月29日)
任期満了年:2025年
(*)従業員代表
(注1)特に記載のない限り、2022年2月11日現在の所有株式数を記載している。
(注2)2022年 6 月 10 日現在の所有株式数を記載している。
(注3)2022年6月2日現在の所有株式数を記載している。
(注4) シュテファン ・フィアテル氏は、2010年から2013年まで監査役会メンバーであった。
役員の報酬
取締役の報酬
ドイツ会計基準第17号の要件に従い、取締役会メンバー全員が2021年度に受領した報酬の総額は、49,984,668ユーロ(2020
年度は40,119,062ユーロ)であった。そのうち固定報酬は、26,467,225ユーロ(2020年度は22,473,664ユーロ)、定額手当は
1,300,000ユーロ(2020年度は920,833ユーロ)、付加給付は1,115,438ユーロ(2020年度は1,353,072ユーロ)、業績連動報酬
は21,102,005ユーロ(2020年度は15,371,493ユーロ)であった。
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監査役会は、2021年の上記の報酬を、各人について以下の通り決定した。
2021 年
目標報酬
目標に対する
基本給 (注1)
単位:ユーロ 短期報奨 長期報奨 報酬総額 総額 比率
クリスティアン・ゼーヴィング
98 %
3,600,000 3,065,400 2,147,048 8,812,448 9,000,000
(Christian Sewing)
カール・フォン・ローア
97 %
3,000,000 2,393,600 1,749,447 7,143,047 7,400,000
(Karl von Rohr)
ファブリツィオ・カンペッリ
96 %
2,400,000 2,218,783 1,630,166 6,248,949 6,500,000
(Fabrizio Campelli)
ベルント・ロイケルト
95 %
2,400,000 2,161,383 1,630,166 6,191,549 6,500,000
(Bernd Leukert)
スチュアート・ルイス
96 %
2,800,000 2,258,200 1,669,926 6,728,126 7,000,000
(Stuart Lewis)
イェームス・フォン・モルトケ
96 %
2,800,000 2,278,500 1,669,926 6,748,426 7,000,000
(James von Moltke)
アレクサンダー・フォン・
ツァ・ミューレン 95 %
2,400,000 2,132,000 1,630,166 6,162,166 6,500,000
(Alexander von zur M ü hlen )
クリスティアナ・ライリー
95 %
2,400,000 2,162,750 1,630,166 6,192,916 6,500,000
(Christiana Riley)
レベッカ・ショート (注2)
95 %
1,600,000 1,440,467 1,086,777 4,127,244 4,333,333
(Rebecca Short)
シュテファン・シモン
95 %
2,400,000 2,134,050 1,630,166 6,164,216 6,500,000
(Stefan Simon)
フランク・クンケ (注3)
91 %
800,000 634,133 543,389 1,977,522 2,166,667
(Frank Kuhnke)
96 %
合計 26,600,000 22,879,266 17,017,343 66,496,609 69,400,000
(注1) 「基本給」の列には、監査役会によって設定された目標額が、比較のためユーロ建で表示されている。実際の受領額は、取締役会メンバーのア
レクサンダー・フォン・ツァ・ミューレンおよびクリスティアナ・ライリーについては為替変動のため、ベルント・ロイケルトについては委任
契約による報酬と相殺されているため、この目標額とは異なっている。
(注2)2021年 5月1日就任。
(注3) 2021 年 4月 30 日退任。
2021年度について制限付株式報酬(REA)の形で2022年に取締役会メンバーに付与される株式数は、ユーロ建の各金額を、ド
イツ銀行株式の2022年2月の最終10取引日におけるXetraの終値の平均値または2022年2月28日におけるXetraの終値(12.8930
ユーロ)のいずれか高い方の金額で除して計算されている。
制限付株式報酬
(追加の在任期間について繰延)
(株) (注1)
取締役会メンバー
クリスティアン・ゼーヴィング
202,143
(Christian Sewing)
カール・フォン・ローア
160,670
(Karl von Rohr)
ファブリツィオ・カンペッリ
149,265
(Fabrizio Campelli)
ベルント・ロイケルト
147,039
(Bernd Leukert)
スチュアート・ルイス
152,336
(Stuart Lewis)
イェームス・フォン・モルトケ
153,123
(James von Moltke)
アレクサンダー・フォン・ツァ・ミューレン
145,900
(Alexander von zur M ü hlen)
クリスティアナ・ライリー
147,092
(Christiana Riley)
レベッカ・ショート (注2)
98,008
(Rebecca Short)
シュテファン・シモン
145,979
(Stefan Simon)
フランク・クンケ (注3)
45,665
(Frank Kuhnke)
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合計 1,547,220
(注1) 制限付 株式報酬は、表示上の目的により四捨五入されている。
(注2)2021年5月1日就任。
(注3)2021年4月30日退任。
監査役の報酬
監査役の報酬原則は、当行の定款に定められる。2013年に新たに設置された報酬規定に関する直近の修正は、2021年5月27
日に開催された当行の年次株主総会の決議において行われ、2021年7月23日に発効した。監査役は、固定年次報酬を受領す
る。年次の基本報酬は、各監査役につき100,000ユーロである。監査役会会長は、上記金額の2倍、監査役会副会長は、上記金
額の1.5倍を受領する。監査役会の各委員会構成員および委員会会長には、追加の固定年次報酬が支払われる。決定された報酬
の75%は、翌年年初から3か月以内に、請求書を提出した各監査役に支払われる。残りの25%は、定款の規定に従い、当行に
より、当該支払時に当行株式に転換されたものとみなされる。定款の規定に従い、当該株式の数に相当する株式の価額が、各
監査役に対してその退任または任期満了の年の翌年2月に支払われる。ただし、かかる支払いは、当該監査役が、解任に相当
する重大な事由により監査役会を退いたものでないことを条件とする。期中に監査役の変更が生じた場合、当該年度の報酬
は、退任月の在任日数により月単位に切り上げ又は切り捨てた上、按分比例にて支払われる。退任した年度に関しては、全て
の報酬が現金で支払われるが、当該年度の報酬の25%に対して失効に係る規制が適用される。2021年度、監査役は、総額
6,520,833ユーロ(2020年度は6,077,083ユーロ)の報酬を受領した。定款の規定に従い、このうち4,965,625ユーロが2022年春
に(前年度は4,632,813ユーロが2021年春に)支払われた。
監査役会の各メンバーは、2021年度について以下の報酬(付加価値税を除く)を受領した。以下の表は、監査役会のメン
バーに対してドイツ株式会社法(AktG)第162(1)条の第1文に基づき、2021年度に支払われた、または支払われるべき報酬
を示している。
2021 年度報酬
監査役会メンバー
基本給 委員会の報酬 報酬総額
単位:ユーロ 単位:% 単位:ユーロ 単位:% 単位:ユーロ
パウル・アッハライトナー 200,000 23 670,833 77 870,833
(Dr. Paul Achleitner)
デトレフ・ポラシェック 150,000 33 300,000 67 450,000
(Detlef Polaschek)
ルードヴィヒ・ブロマイヤー・ 100,000 33 200,000 67 300,000
バルテンスタイン
(Ludwig Blomeyer-
Bartenstein)
フランク・ビジルスケ (注1) 83,333 33 166,667 67 250,000
(Frank Bsirske)
メイリー・キャロル・クラーク 100,000 22 350,000 78 450,000
(Mayree Carroll Clark)
ヤン・ドゥシェック 100,000 37 170,833 63 270,833
(Jan Duscheck)
ゲルハルト・エッシェルベック 100,000 46 116,667 54 216,667
(Dr. Gerhard Eschelbeck)
ジグマー・ガブリエル 100,000 50 100,000 50 200,000
(Sigmar Gabriel)
ティモ・ハイダー 100,000 34 191,667 66 291,667
(Timo Heider)
マルティーナ・クレー 100,000 59 70,833 41 170,833
(Martina Klee)
ヘンリエッテ・マルク 100,000 40 150,000 60 250,000
(Henriette Mark)
ガブリエル・プラッチャー 100,000 33 200,000 67 300,000
(Gabriele Platscher)
ベルント・ローゼ 100,000 31 220,833 69 320,833
(Bernd Rose)
ゲルト・アレクサンダー・ 41,667 83 8,333 17 50,000
シュッツ (注2)
(Gerd Alexander Schütz)
ジョン・アレクサンダー・ 100,000 50 100,000 50 200,000
セイン
(John Alexander Thain)
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ミシェル・トローニ 100,000 26 291,667 74 391,667
(Michele Trogni)
ダグマー・バルカルセル 100,000 22 350,000 78 450,000
(Dr. Dagmar Valcárcel)
シュテファン・フィアテル 100,000 41 141,667 59 241,667
(Stefan Viertel)
テオドール・ヴァイマー 100,000 50 100,000 50 200,000
(Dr. Theodor Weimer )
フランク・ウェルニッケ (注3) 8,333 100 0 0 8,333
(Frank Werneke )
ノールベルト・ヴィンケルヨハ 100,000 20 395,833 80 495,833
ン
(Prof. Dr. Norbert
Winkeljohann )
フランク・ヴィッター (注4) 58,333 41 83,333 59 141,667
(Frank Witter)
合計 2,141,666 33 4,379,166 67 6,520,833
(注1)2021年10月27日退任。
(注2) 2021 年5月27日退任。
(注3) 2021 年11月25日就任。
(注4) 2021 年5月27日就任。
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(3)【監査の状況】
監査および統制
監査委員会における財務専門家
監査役会は、その監査委員会のメンバーであるパウル・アッハライトナー、ダグマー・バルカルセル、テオドール・ヴァ
イマー、ノールベルト・ヴィンケルヨハンおよびフランク・ヴィッターが、2002年サーベンス・オクスレー法第407条に基づ
き米国証券取引委員会が制定している規則に定義される「監査委員会における財務専門家」であると判断した。これらの監
査委員会における財務専門家は、1934年米国証券取引所法のルール10A-3の定義に基づき、当行から「独立」しており、また
ドイツ株式会社法(AktG)第107条(4)および第100条(5)ならびにドイツ銀行法(KWG)第25d条(9)の規定に基づき、財務会計
および監査において必要な専門家としての知識を有している。
報酬管理委員会における報酬専門家
ドイツ銀行法(KWG)第25d条(12)に基づき、報酬管理委員会のメンバーのうち少なくとも1名は、リスク管理およびリス
ク統制の分野において、とりわけ、報酬制度を当行の全体的なリスク選好およびリスク戦略ならびに資本基盤に対応させる
メカニズムに関して、十分な専門知識および専門家としての経験を有していなければならない。監査役会は、報酬管理委員
会の会長であるパウル・アッハライトナーおよび ダグマー・バルカルセル が、ドイツ銀行法(KWG)第25d条(12)の要件を満
たしており、よって報酬管理委員会における報酬専門家としてリスク管理およびリスク統制において必要な専門知識および
専門家としての経験を有していると判断した。
ドイツ銀行AGおよびドイツ銀行グループの価値観およびリーダーシップの原則
ドイツ銀行グループ行動規範およびシニア・ファイナンシャル・オフィサー倫理規範
ドイツ銀行グループの行動規範は、当行の取締役会および従業員の全員が従うことが期待される行動に関する目的、価値
観、信念および最低基準を定めたものである。これらの価値観および基準は、従業員と当行の顧客、競合他社、ビジネス・
パートナー、政府当局、規制当局および株主ならびに他の従業員とのやり取りを規律する。また当該規範は、適用法令の遵
守に関する指針を定める当行の方針の基礎を形成する。
2002年サーベンス・オクスレー法第406条に基づき、当行は、「シニア・ファイナンシャル・オフィサー」に適用される特
別な義務を伴うドイツ銀行AGおよびドイツ銀行グループのシニア・ファイナンシャル・オフィサー倫理規範を採択した。現
在、当行の「シニア・ファイナンシャル・オフィサー」は、取締役会会長、チーフ・ファイナンシャル・オフィサーおよび
その他のシニア・ファイナンシャル・オフィサーにより構成されている。2021年において、当該倫理規範の変更や適用除外
はなかった。
ドイツ銀行AGおよびドイツ銀行グループの行動規範およびシニア・フィナンシャル・オフィサー倫理規範の最新版は、当
行のウェブサイト( www.db.com/ir/en/documents.htm )から入手可能である。
ドイツ銀行AGおよびドイツ銀行グループのコーポレート・ガバナンス
当行は、ドイツ銀行AGおよびドイツ銀行グループのコーポレート・ガバナンスの枠組みの明確化、実施および監督を行う
ためグループ・ガバナンス機能を設置し、グループ全体にわたってそのガバナンス機能を履行する。グループ・ガバナンス
は、優れたコーポレート・ガバナンスの主要な要素に沿った明確な組織構造に焦点を絞りつつ、ドイツ銀行およびドイツ銀
行グループ内のコーポレート・ガバナンス上の問題に取り組む。
ドイツ銀行AGおよびドイツ銀行グループは、国際基準および法律上の規定に従って、コーポレート・ガバナンスの枠組み
を確立することに注力している。この目的の達成において、ドイツ銀行AGおよびドイツ銀行グループは、明確なコーポレー
ト・ガバナンス原則を設定した。
コーポレート・ガバナンスに関する詳細は、当行のウェブサイト ( www.db.com/ir/en/corporategovernance.htm )において
公表されている。
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関連当事者間取引
関連当事者間取引に関する情報は、「第6 経理の状況、1財務書類、(1)連結財務書類 注記36 関連当事者間取
引」の項に記載されている。
ドイツ・コーポレート・ガバナンス規則の遵守
当行は、ドイツ法に基づき、毎年適合宣言を公表することにより、ドイツ・コーポレート・ガバナンス規則の勧告の遵守
および遵守しない場合の理由について宣言している。また、年次報告書の一部であるコーポレー・ガバナンス・ステートメ
ントは、当行のコーポレート・ガバナンス組織についてのさらなる詳細を提供している。適合宣言は、当行のウェブサイト
から入手可能である。
会計監査の状況
当行の主たる会計監査人(外国監査公認会計士)は、ドイツ法に従い、当行の年次株主総会において監査役会の提案に基
づいて選任される。当行監査役会の監査委員会が、当該提案を準備する。主たる会計監査人の選任後、監査委員会が契約を
締結し、その単独の権限において監査の条件および範囲ならびに監査契約に係るすべての報酬について承認を行うととも
に、主たる会計監査人の独立性を監視する。2020年の事業年度から当行の主たる会計監査人は、アーンスト・アンド・ヤン
グ・ゲーエムベーハー監査法人(Ernst & Young GmbH Wirtschafts-prüfungsgesellschaft、以下「EY」という。)となって
おり、これまで2020年および2021年の2事業年度につき会計監査を行っている。
外国監査公認会計士等に対する報酬の内容
(単位:百万ユーロ(百万円))
前連結事業年度 当連結事業年度
区分
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
基づく報酬 基づく報酬 基づく報酬 基づく報酬
40 0 44 0
(注1)
提出会社
(5,510) (0) (6,061) (0)
連結子会社
18 0 18 2
(注2) (2,480) (0) (2,480) (276)
58 0 62 2
計
(7,990) (0) (8,541) (276)
(注1)当行の監査報酬管理の方法により、当該項目は当行のドイツ国内の本店および支店に関する情報からなる。
(注2)当行の監査報酬管理の方法により、当該項目には当行の海外支店に関する情報も含まれている。
その他重要な報酬の内容
当行の連結子会社の大多数は、監査証明業務に基づく報酬および非監査業務に基づく報酬を、EYと同じ会計事務所グルー
プに所属する会計士に支払っているが、そこにはEYによる監査を受けていないDWSとその子会社に関する報酬は含まれてい
ない。
外国監査公認会計士等の提出会社および連結子会社に対する非監査業務の内容
外国監査公認会計士等(EY)の提出会社および連結子会社に対する非監査業務には、納税申告書の作成および検討ならび
にコンプライアンスに係る支援および助言、当行グループのタックスプランニング戦略および施策に関する税務相談および
助言、税法および規制に係るコンプライアンス評価の支援などの税務関連業務が含まれている。
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監査報酬の決定方針
当行の主たる会計監査人への業務委託は、当行の監査委員会により事前に承認されるかもしくは監査委員会が採用する方
針および手続に従う必要がある。
(4)【役員の報酬等】
該当事項なし。取締役および監査役の報酬については「(2)役員の状況 」参照。
(5)【株式の保有状況】
該当事項なし
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第6【経理の状況】
a. 本書記載のドイツ銀行(以下「当行」という。)の邦文の財務書類ならびに当行および連結子会社(以下、合わせて
「当行グループ」という。)の邦文の財務書類(以下「邦文の財務書類」という。)は、ドイツ連邦共和国において開示
された本書記載の原文の財務書類(以下「原文の財務書類」という。)の英訳を日本語に翻訳したものに、下記の円換算
額を併記したものである。当行グループは、国際会計基準審議会(以下「IASB」という。)が公表し、欧州連合(以下
「EU」という。)が承認した国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して連結財務書類を作成している。当行
の個別財務書類はドイツ商法に準拠して作成されている。当行および当行グループの財務書類の日本における開示につい
ては、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」とい
う。)第131条第1項の規定が適用されている。
邦文の財務書類には、財務諸表等規則に基づき、原文の財務書類中のユーロ表示の金額のうち主要なものについて円換
算額が併記されている。日本円への換算には、2022年5月31日の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売買相場の仲値、
1ユーロ=137.76円の為替レートが使用されている。
なお、財務諸表等規則に基づき、日本とドイツ連邦共和国との会計原則および報告実務の主要な相違については、第6
の「4 日本とドイツ連邦共和国との会計原則の相違」に記載されている。
円換算額および第6の「2 主な資産・負債及び収支の内容」から「4 日本とドイツ連邦共和国との会計原則の相違」
までの事項は原文の財務書類には記載されておらず、当該事項における原文の財務書類への参照事項を除き、下記bの監
査証明に相当すると認められる証明の対象になっていない。
b. 原文の財務書類は、外国監査法人等(「公認会計士法」(昭和23年法律第103号)第1条の3第7項に規定されている外国
監査法人等をいう。)であるアーンスト・アンド・ヤング・ゲーエムベーハー監査法人(ドイツ連邦共和国における独立
監査人)から、「金融商品取引法」(昭和23年法律第25号)第193条の2第1項第1号に規定されている監査証明に相当する
と認められる証明を受けている。それらの監査報告書の原文および訳文は、本書に掲載されている。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
1【財務書類】
(1 )連結財務書類
① マネジメント・レポート
経営および財務の概況
以下の説明および分析は、連結財務諸表および連結財務諸表に対する関連の注記と併せて読むべきものである。当行グルー
プの経営および財務の概況には、国際財務報告基準(IFRS)第8号「事業セグメント」で要求される純収益の構成単位に係るセ
グメント別の経営成績および企業全体の開示に関する定量的および定性的開示が含まれている。IFRS第8号に基づく追加的な事
業セグメントの開示は、連結財務諸表に対する注記04「事業セグメントおよび関連情報」を参照のこと。将来の事象に関する
記述は「見通し」の項に開示されている。
概要
世界経済
1 2 3
経済成長(%) 2021 年 2020 年
主な要因
世界経済 6.0 -3.1 2021年の世界のGDP成長率は、主にCOVID-19の変異株による影
響が予想以上に長く続いていることとサプライチェーンの混乱
により、年初の予想をやや下回る結果となった。ワクチンの接
種と供給の実施状況は若干期待を下回り、インフレ・リスクが
高まる中、成長の見通しがやや下方修正された。2021年の世界
のGDP成長率は、様々な国で回復の勢いに著しい変動が見られ
たにもかかわらず、10年以上前の世界金融危機以降において依
然として最高の水準にある。
このうち:先進国 5.1 -4.8 先進諸国は、2021年にCOVID-19ワクチンが早期に入手可能に
なったことからプラスの影響を受けた。財政政策は引き続き内
需を下支えし、産業部門はグローバルでの回復からプラスの影
響を受けた。また、中央銀行は拡張的なスタンスを維持し、財
政政策を補完した。それにもかかわらず、先進諸国の景気回復
は、世界的なサプライチェーンの制約により減速した。
このうち:新興国市場 6.6 -1.8 新興国市場の景気回復は、引き締めと緩和の繰り返しとワクチ
ン接種ペースによって妨げられた。2021年度下半期には、物流
のボトルネックとエネルギー価格の上昇に起因してインフレが
進行した。
ユーロ圏経済 5.2 -6.5 ユーロ圏経済は、特にデルタ変異株によるCOVID-19感染の波が
一段落した後は、好調であった。しかし、2021年度下半期には
物流の制約が逆風となって状況は悪化し、ユーロ圏は2021年度
第4四半期にはほぼ停滞した。欧州中央銀行は引き続き支援を
行い、財政政策も引き続き拡張された。
このうち:ドイツ経済 2.8 -4.6 COVID-19関連の制限が緩和され、個人消費が急速に伸びると、
ドイツ経済は2021年に回復を見せた。業界は好調な世界貿易か
らプラスの影響を受けたが、物流のボトルネックのためにその
潜在的回復力を実現するには至らなかった。一時的な要因と相
まって、サプライチェーンの制約とエネルギー価格の上昇がイ
ンフレ率の大幅な上昇をもたらした。これらの要因により、
2021年度第4四半期はGDPが縮小した。
米国経済 5.7 -3.4 米国経済は2021年に好調な回復を見せた。大規模な財政刺激
策、ワクチン接種の実施および労働市場の力強い改善が内需を
下支えした。しかし、持続的な物流のボトルネックとCOVID-19
の影響が回復をやや抑制した。2021年においてインフレ率は大
幅に上昇した。連邦準備銀行の金融政策は引き続き拡張的で
あった。
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日本経済 1.7 -4.5 2021年における日本経済の回復は他の先進国に比べて遅く、
2021年初頭の予想よりも弱いものであった。これは、COVID-19
の影響の長期化、政府によるパンデミックへの厳格な対応、半
導体および他の製品の供給不足の拡大によるものであった。日
本銀行は引き続き緩和政策の立場を維持した。
4
アジア経済 7.1 -0.8 2021年のアジアの景気回復は、多くのアジア諸国でGDP成長率
が予想を下回ったことと、COVID-19の影響がより深刻かつ長期
化したことの影響を受けた。2021年を通じ、成長度合いの差が
拡大し、アジアにおける先進国は概ね回復基調である一方、そ
の他の国は大きく鈍化した。
このうち:中国経済 8.1 2.2 中国経済は主に輸出需要に成長を牽引され、2021年に向けてダ
イナミックなスタートを切った。2021年に入り時がたつにつ
れ、内需はCOVID-19の感染急拡大とそれに関連する措置、なら
びに信用や規制上の統制の厳格な実施により影響を受けた。影
響が及んでいる不動産セクターとエネルギー不足が回復を抑制
した。
1 年間実質GDP成長率(対前年比%)出典:別途記載のものを除き各国の当局。
2 出典:ドイツ銀行リサーチ。
3 パンデミックが経済に及ぼした影響を受け、2020年の経済データの一部は公的な統計機関により改訂されている。その結果、このデータ
は過年度に公表した数値とは異なる可能性がある。
4 中国、香港、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、スリランカ、韓国、台湾、タイ、ベトナムを含むが、日
本を除く。
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銀行業界
2021 年12月31日現在
前年比 法人向け 個人向け
成長率(%) 貸出 貸出 法人預金 個人預金 主な要因
ユーロ圏 3.1 4.0 8.1 5.0 法人向け貸出金の伸びはここ数ヶ月で大幅に回復し、法人
預金の伸びにも寄与している。個人預金はほぼCOVID-19以
前のペースで拡大した。個人向け貸出は、住宅ローンに牽
引されて一層加速し、現在では実質的に過去10年間で最も
好調な分野となっている。
このうち: 5.0 5.2 6.4 3.3 法人向け貸出金の伸びは、2021年初頭は鈍化したが、ここ
数ヶ月で再び大幅に伸び、現在はCOVID-19危機以前の水準
ドイツ
に近づいている。個人向け貸出の伸びは1年前には既に記録
的な高水準にあり、特に住宅ローンでさらに勢いを増した
が、最近は頭打ちとなっている。消費者向け貸出は低迷が
続いている。個人預金は2016年以降で最も緩やかな伸びを
示している。法人預金は伸びはやや鈍化しているが増加を
続けている。
1 1
米国 0.9 3.8 11.3 11.3 法人向け貸出金は前年比で減少したが、ここ数ヶ月は安定
している。個人向け貸出は縮小から回復し、現在はCOVID-
19危機前の堅調な成長ペースに戻っている。異例の高水準
からは落ち込んだものの、預金合計の伸びは依然として力
強く、2桁成長を見せている。
中国 10.5 12.5 6.1 10.6 法人向け貸出、個人向け貸出ともに緩やかに減速している
が、伸び率は依然として2桁台である。伸び率の推移は最近
では安定しているものの、預金による資金調達も勢いを
失っており、特に、パンデミックに突入以来、実質的に取
引高が伸び悩んでいる法人向けにおいて顕著である。
1 セクター別内訳は入手不能であるため、米国の預金合計である。
2021 年は、グローバルのオリジネーションおよびアドバイザリー(O&A)にとって例外的な年であった。手数料収入合計は、
わずか1年前に記録した過去最高をはるかに上回る記録を達成し、39%増となった。O&Aの利益は米ドルベースで過去10年間で
ほぼ倍増した。2021年において、手数料プールは、株式オリジネーション、債券オリジネーション、および最大増加幅が見ら
れたアドバイザリーという主要なカテゴリー全体にわたり過去最高を更新した。手数料プール全体の60%は米州、23%は
EMEA、17%はAPACであった。アドバイザリー(公表案件数)および株式オリジネーション(記録的なIPOおよびフォローオン取
引)の取引高は過去最高水準まで増加した一方、債券オリジネーションは、ハイ・イールド債の発行は過去最高となったもの
の、投資適格債および国債の正常化に牽引され、過去最高を記録した2020年から減少した。2020年のパフォーマンスがいずれ
も非常に好調であったのに対し、債券および為替全体の収益プールは約16%減少し、G10為替と金利は20%以上低下し、新興市
場は10~15%減少し、コモディティ(DBの商品ポートフォリオに含まれていない。)は概ね横ばいとなった。ファイナンシン
グの商品は、2021年度下半期の力強い成長に牽引されて前年度を上回った。株式手数料プール(これもDBの商品ポートフォリ
オの重要部分に含まれていない。)は、デリバティブ商品と仕組み商品が主な原動力となり、前年比で25%増加したと推定さ
れている。
ドイツ銀行の業績
ドイツ銀行は、2021年度通年で34億ユーロの税引前利益、25億ユーロの純利益を計上した。純利益は2020年度に比べて4倍に
増加し、過去10年間で最高の結果を達成した。各事業が当年度に勢いを増し、市場シェアを獲得した結果、コア・バンクの4つ
の柱すべてで増収増益となった。当行は、予想される改革関連の影響全体の97%を認識し、また、強固なバランスシートと統
制のとれたリスク管理に支えられて信用損失引当金繰入額も削減した。2021年の改革の進展と財務業績は、改革の完了と当行
の2022年度の財務目標の達成への出発点となる。レガシー資産の削減は予想よりも早く進んでおり、当行は株主への資本分配
を再開する。当行は、2022年に株主に対して合計約700百万ユーロの配当を行うことを公表した。取締役会は、2022年度上半期
に完了する予定の300百万ユーロの自社株買いプログラムを開始することを決定し、2021年度について1株当たり0.20ユーロの
現金配当を年次株主総会に提案する意向である。
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2021 年度の税引前利益は34億ユーロで、これは改革費用10億ユーロ、ならびに再構築および解雇に係る費用470百万ユーロを
負担したためである。キャピタル・リリース・ユニットを除くコア・バンクは、2020年度の32億ユーロに対して、2021年度に
は48億ユーロの税引前利益を計上した。改革費用945百万ユーロ、再構築および解雇に係る費用464百万ユーロならびに特定の
収 益項目の74百万ユーロの損失を調整すると、コア・バンクの税引前利益は、同様に調整した2020年度の利益と比べて46%増
の61億ユーロになったと考えられる。
特定項目を除いた収益、調整後費用、改革費用を除いた調整後費用、改革費用およびプライム・ファイナンス関連の払戻対
象費用を除いた調整後費用、調整後税引前利益(損失)、税引後平均有形株主資本利益率、ならびに純資産(調整後)は、非
GAAP財務指標である。非GAAP財務指標の定義および基礎となるIFRSによる指標との調整については、英文Annual Report 2021
の「Supplementary Information (Unaudited): Non-GAAP Financial Measures」に記載されている。
当行グループの重要業績評価指標
短期の経営関連のパフォーマンス 2021 年度末の状況 2020年度末の状況
1
当行グループの税引後平均有形株主資本利益率
3.8 % 0.2%
2
コア・バンクの税引後平均有形株主資本利益率
6.4 % 4.0%
3
費用収益比率
84.6 % 88.3%
資本関連のパフォーマンス
4
普通株式等Tier 1資本比率
13.2 % 13.6%
4
レバレッジ比率(完全適用ベース)
4.9 % 4.7%
1 ドイツ銀行株主に帰属する純利益に基づく。詳細については、英文Annual Report 2021の「Supplementary Information (Unaudited):
Non-GAAP Financial Measures」に記載されている。
2 ドイツ銀行株主に帰属するコア・バンク純利益に基づく。詳細については、英文Annual Report 2021の「Supplementary Information
(Unaudited): Non-GAAP Financial Measures」に記載されている。
3 利息以外の費用の収益合計に対する割合。収益合計は、信用損失引当金繰入前の純利息収益に利息以外の収益を加えたものと定義され
る。
4 この比率の計算に関する詳細については、リスク・レポートに記載されている。
2021年度の当行グループの純収益は、2020年度と比べて14億ユーロ、率にして6%増加し、254億ユーロとなった。コア・バ
ンクの純収益は5%増加し、254億ユーロとなった。コーポレート・バンク(CB)の純収益は、事業の取引残高の伸びと預金金
利更改が金利の不利な状況を相殺したため、前年比で横ばいの52億ユーロとなった。インベストメント・バンク(IB)の2021
年度の純収益は、率にして4%増加し、96億ユーロとなった。これは、セールス/トレーディング(債券および為替(FIC))
が概ね横ばいであった一方、当年度における好調な市況と取引量の記録的な伸びを反映してオリジネーションおよびアドバイ
ザリーの収益が大幅に増加したことに起因している。プライベート・バンク(PB)の通年の純収益は、前年比1%増の82億ユー
ロであった。これは、プライベート・バンク(ドイツ)およびインターナショナル・プライベート・バンクの両事業の収益が
増加したことに加え、TLTROからのプラスの影響が大きかったことが、金利の不利な状況によるマイナスの影響と、ドイツ連邦
憲法裁判所(BGH)が口座手数料の変更に対する顧客の同意に関する判決を下したことより生じた逸失手数料収益によるマイナ
スの影響とを相殺したことを反映している。アセット・マネジメント(AM)の純収益は、前年比21%増の27億ユーロであっ
た。これは、株式市場の取引水準の改善および7四半期連続の正味資金流入によってマネジメント・フィーが増加したことと、
2021年度のマルチ・アセットの運用報酬からのプラスの影響を含め、運用報酬および取引手数料が増加したことを反映してい
る。キャピタル・リリース・ユニット(CRU)の純収益は、前年度は225百万ユーロの損失であったのに対し、2021年度は26百
万ユーロの収益となった。これは、プライム・ファイナンスのコスト回収からの収益と貸出金ポートフォリオからの収益が資
金調達、リスク管理およびリスク圧縮の影響により部分的にしか相殺されなかったためである。コーポレートおよびその他
(C&O)の収益は、前年度の534百万ユーロの損失に対して339百万ユーロの損失であった。これは、当行の資金調達契約に関連
した金利ヘッジ取引の時価評価のプラスの影響に起因する、評価および期間差異の有利な影響を反映している。
2021年度の信用損失引当金繰入額は、2020年度と比べて71%減少し、515百万ユーロとなった。これは、2021年のCOVID-19関
連の制限緩和による景気回復を背景とした、好調な信用環境、良質な融資案件、厳格なリスク統制の継続を反映している。信
用損失引当金繰入額は、貸出金の平均残高に対する割合が2020年の41ベーシス・ポイントから減少し、12ベーシス・ポイント
であった。
2021年度の利息以外の費用は、2020年度と比べて289百万ユーロ、率にして1%増加し、215億ユーロとなった。これには、
2020年度の490百万ユーロから増加した10億ユーロの改革費用が含まれている。2022年度末までに発生すると予想されていた改
革関連の影響全体の97%が、2021年度末までに既に認識されている。訴訟費用は308百万ユーロ増加したが、再構築および解雇
に係る費用が217百万ユーロ減少したことにより一部相殺された。改革費用およびプライム・ファイナンス関連の払戻対象費用
を除いた調整後費用は、前年比1%減の193億ユーロであった。この前年比での減少には、2021年度におけるフルタイム換算で
1,690人の人員削減による影響を反映して報酬費用が減少したことが含まれているが、変動報酬費用の増加により一部相殺され
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ている。前述の改革費用と訴訟費用を除いた場合、一般管理費に含まれるほとんどの費用カテゴリーは、継続的な規律あるコ
スト管理の効果により、前年度と比べて減少したか横ばいであった。
法人所得税費用は、前年度の397百万ユーロに対して2021年度は880百万ユーロであった。2021年度の実効税率は26%であっ
た。
当行は、2020年度の624百万ユーロに対して、2021年度には25億ユーロの当期純利益を計上した。この改善は、前述のコア事
業全体における好調な収益、ならびに前述の利息以外の費用のわずかな増加により一部相殺されたものの信用損失引当金繰入
額の水準が引き下げられたことによるものであった。
2021年度末における普通株式等Tier 1(CET 1)資本比率は、2020年度から40ベーシス・ポイント減の13.2%であった。レバ
レッジ比率は、完全適用ベースで2020年度の4.7%から2021年度末には4.9%に改善した。段階的適用ベースのレバレッジ比率
は、2020年度の4.8%から2021年度には4.9%に改善した。
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ドイツ 銀行 グループ
ドイツ銀行:組織
ドイツ銀行は、フランクフルト・アム・マイン(ドイツ)に本店を置くドイツ最大の銀行であり、2021年12月31日現在の総
資産規模が1兆3,240億ユーロで、世界最大の金融機関の一つである。2021年度末現在、当行内部の従業員数はフルタイム換算
で82,969名であり、58ヶ国において1,709支店(このうち67%がドイツ国内)を運営している。当行グループは、世界中の個
人、法人および機関投資家顧客向けに多種多様な投資、金融および関連の商品およびサービスを提供している。
2021年12月31日現在、当行グループは以下のセグメントで組織されている。
- コーポレート・バンク(CB)
- インベストメント・バンク(IB)
- プライベート・バンク(PB)
- アセット・マネジメント(AM)
- キャピタル・リリース・ユニット(CRU)
- コーポレートおよびその他(C&O)
当行グループでは、CB、IB、PB、AM、C&Oをコア・バンクと呼んでいる。
さらに、ドイツ銀行グループは、グローバル戦略を一貫して実行するために、国および地域の層からなる組織構造を有して
いる。
当行グループは、世界の大部分の国々における既存顧客および潜在顧客と営業または取引を行っている。これらの営業およ
び取引は、以下を通じて行われている。
- 子会社および支店
- 駐在員事務所
- 顧客に対応する1名以上の営業担当者
各部門に関連する資本的支出または資産の処分は、各コーポレート部門の概要に記載されている。
経営構造
取締役会は、当行グループを、法人および支店として地域横断的に業務を行うコーポレート部門および管理部門から構成さ
れるマトリックス組織として構築した。
取締役会は、法律、定款および取締役会の規約に従い、当行の経営に対して責任を負っており、当行の利益に関して持続可
能な価値を創造することを目的としている。取締役会は、株主、従業員およびその他の当行に関係するステークホルダーの利
益を考慮している。取締役会は、統一的なガイドラインに従いドイツ銀行グループを管理し、すべてのグループ会社を統括管
理している。
取締役会は、法律および定款に規定されたすべての事項に関する意思決定を行い、法的要件および内部ガイドラインの遵守
(コンプライアンス)を確実にする。また、適切な内部ガイドラインが確実に策定および導入されるために必要な措置を講じ
ている。取締役会の責任には、特に、当行の戦略的経営と指示、資源の配分、財務会計および報告、統制およびリスク管理、
ならびに企業統制と事業組織の適切な機能化が含まれる。取締役会のメンバーは、当行の事業管理においては連帯責任を有す
る。
取締役会の各メンバーへの職務的な責任の割当てについては、取締役会以下の上級経営層に責任を委任するための枠組みを
定めた「取締役会の業務分掌計画」に記述されている。取締役会は、上級経営職の個々の責任を支持するが、一方で、委員会
においては共同で意思決定を行う。同時に、取締役会は、十分な情報に基づく意思決定を行うために、すべての事業にわたる
包括的かつ健全な情報共有が重要であることを認識しており、管理委員会、業務幹部委員会、地域委員会とともに、コーポ
レート部門間およびコーポレート部門と取締役会間の情報フローの改善を目的として「グループ・マネジメント委員会」を設
置した。グループ・マネジメント委員会は、ドイツ株式会社法では設置が要求されない上層プラットフォームであり、情報交
換や業務、成長、収益性について議論するためにすべての取締役会・メンバーと上層の業務代表者で構成されている。
コーポレート・バンク
コーポレート部門の概要
コーポレート・バンク(CB)は主に、ドイツの「Mittelstand」を含むドイツ国内の法人顧客、大規模や小規模のコマーシャ
ル・バンキングおよびビジネス・バンキング顧客、ならびに多国籍企業へのサービス提供に注力している。同部門はまた、ト
ランザクション・バンキングが提供する特定のサービスに関して金融機関のパートナーとしての役割も有する。
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2021年度第1四半期から、コーポレート・バンクは、インスティテューショナル・クライアント・サービス、コーポレート・
トレジャリー・サービス、ビジネス・バンキングの3つの顧客カテゴリーに基づいて収益を報告している。インスティテュー
ショ ナル・クライアント・サービスは、機関投資家顧客向けのキャッシュ・マネジメント、トラスト・アンド・エージェン
シー・サービス、およびセキュリティーズ・サービスで構成されている。コーポレート・トレジャリー・サービスは、トレー
ド・ファイナンスおよび貸出の一連のサービス、ならびに多国籍企業およびドイツの大企業および中堅企業顧客向けのコーポ
レート・キャッシュ・マネジメントを提供している。ビジネス・バンキングは、ドイツの小規模企業および起業家の顧客を対
象としており、包括的で概ね標準化された一連の商品を提供している。
2019年1月1日以降、重要な資本的支出または資産の処分はない。
商品およびサービス
コーポレート・バンクは、リスク・マネジメント・ソリューション、キャッシュ・マネジメント、貸出、トレード・ファイ
ナンス、信託および仲介業務、ならびにセキュリティーズ・サービスの世界的なプロバイダーである。ドイツ国内外の法人お
よび商業顧客ならびに金融機関の財務部門に焦点を当てて、当行は総合的な専門知識とグローバルネットワークを駆使した統
合的なソリューションを提供している。
コーポレート・バンクが提供する一連の商品に加えて、顧客は当行グループのカバレッジ・チームを通じてインベストメン
ト・バンクの専門知識を利用することができる。
販売チャネルおよびマーケティング
コーポレート・バンクのグローバル・カバレッジ部門は、国際的な大口法人顧客に焦点を当てており、カバレッジとリス
ク・マネジメント・ソリューションズの2つのユニットに組織されている。カバレッジには、グローバル、地域、各国のカバ
レッジ・チームを通じて、本社レベルおよび子会社を対象とするマルチ商品のゼネラリストが含まれる。リスク・マネジメン
ト・ソリューションズには、外国為替、新興市場、金利商品のスペシャリストが含まれる。このユニットは、当行グループの
顧客に緊密に繋がるように、APAC、米州およびEMEAの地域別に管理されている。
ドイツの法人顧客は、コーポレート・トレジャリー・サービスもしくはビジネス・バンキングという2つのユニットのうちど
ちらかが担当している。コーポレート・トレジャリー・サービスは、ドイツ銀行とポストバンクの2つのブランドにわたり中堅
企業および大企業顧客を対象としており、企業の財務担当者向けにキャッシュ、トレード・ファイナンス、貸出、リスク管理
に至るまでの幅広いソリューションを提供している。ビジネス・バンキングは、小規模企業および起業家顧客を対象としてお
り、概ね標準化された一連の商品および特定のバンキング・パートナー・サービス(会計ソリューション等)を提供してい
る。
インベストメント・バンク
コーポレート部門の概要
インベストメント・バンク(IB)は、ドイツ銀行のセールス/トレーディング(債券および為替)、オリジネーションおよ
びアドバイザリー、ならびにドイツ銀行リサーチから構成される。同部門は、金融、アドバイザリー、債券、通貨といった伝
統的な強みに焦点を当てて、カバレッジ先の横断的なホールセール・バンキングに関する専門知識、リスク管理、セールスお
よびトレーディング、インベストメント・バンキングならびに管理部門を取りまとめている。これによりIBは、当行グループ
の顧客および商品の枠を越えて、経営資源および資本を調整し、当行の顧客に効率的にサービスを提供することができる。
IBでは、2019年1月1日以降、1件の重要な資産の処分を行った。
2019年4月、Tradewebは新規株式公開(IPO)を完了した。Tradewebは、債券およびデリバティブ取引のための店頭(OTC)市
場の構築および運営を行う金融サービス会社である。ドイツ銀行グループは、2007年よりTradewebに対する経済的持分を有し
ていたが、保有持分の一部を売却することにより、他の大手銀行株主とともに、新規株式公開およびその後の複数の二次募集
に参加した。
2019年1月1日以降、重要な資本的支出はない。
商品およびサービス
セールス/トレーディング(債券および為替)は、外国為替、金利、新興市場、クレジット・トレーディングおよびファイ
ナンシングにわたり、組織的な販売力、リサーチ、取引およびストラクチャリングの専門知識を取りまとめている。セール
ス/トレーディング(債券および為替)事業はグローバルに展開しており、法人顧客と機関投資家顧客の双方に対し、流動性
サービス、マーケット・メイキング・サービスおよび商品全体にわたって特化した様々なリスク管理ソリューション(これら
は包括的な資金調達商品によって補完されている。)を提供している。テクノロジーの適用および取引ライフサイクルにおけ
るプロセスの継続的なイノベーションにより、ドイツ銀行はあらゆる顧客の要望に対応できるようになり、これによって自動
化/電子化および規制要件の充足が強化されている。
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オリジネーションおよびアドバイザリーは、当行グループの起債事業、合併および買収(M&A)および焦点を絞った株式の助
言および組成のプラットフォームを担っている。オリジネーションおよびアドバイザリーは地域別および業種別カバレッジ・
チー ムから構成されており、欧州、米国、アジア太平洋地域の当行のハブ拠点と共同で、当行の法人顧客に対して幅広い金融
商品およびサービスの提供を行っている。
販売チャネルおよびマーケティング
IBの顧客への対象サービスは主に、当行の債券セールスチームを有するインスティテューショナル・クライアント・グルー
プ、資本市場およびトレジャリー・ソリューションを受け持つコーポレート・バンクのリスク・マネジメント・ソリューショ
ンズ、ならびにオリジネーションおよびアドバイザリー内のインベストメント・バンキング・カバレッジという、互いに協働
している3つのグループによって提供される。これらのグループが緊密に連携することによって一層のシナジー効果を生み出
し、当行グループの顧客に対する商品/ソリューションのクロスセルの拡大につなげている。
プライベート・バンク
コーポレート部門の概要
プライベート・バンク(PB)は、個人顧客、富裕層の個人顧客、起業家およびファミリー顧客に対するサービスを提供して
いる。また、国際事業においては、商業顧客にも注力している。PBは、2つの事業部門、すなわち、プライベート・バンク(ド
イツ)とインターナショナル・プライベート・バンクで構成されている。
PBは、2019年1月1日以降、以下の重要な資産の処分を行った。
2020年11月、ドイツ銀行AGは、Postbank Systems AGの株式をTata Consultancy Services(TCS)に売却する契約を締結し
た。この取引は、2020年12月31日に規制当局および政府の承認を得た後に完了した。
2021年8月、ドイツ銀行SpAは、イタリアにおける金融アドバイザーのネットワーク(ドイチェ・バンク・ファイナンシャ
ル・アドバイザーズ)をチューリッヒ・イタリーに売却する契約を締結した。この取引は、規制当局の承認を前提としてお
り、2022年に完了する予定である。
2019年1月1日以降、重要な資本的支出はない。
商品およびサービス
PBの商品には、決済および口座サービス、信用および預金商品、ならびに投資アドバイス(様々な環境・社会・ガバナンス
(ESG)商品を含む。これらの商品により、PBの顧客は、その価値観に沿って、また特定のESG戦略、スコアおよび排除基準に
従って、投資を行うことができる。)が含まれる。
プライベート・バンク(ドイツ)は、「ドイツ銀行」と「ポストバンク」の2つの強力で相補的な主力ブランドにより、差別
化された顧客重視のアプローチを推進している。当部門は「ドイツ銀行」ブランドのもとで、個人顧客に対する銀行業務なら
びに金融商品およびサービス(個別の複雑なアドバイザリー・ソリューションを含む。)の提供に注力している。「ポストバ
ンク」ブランドは引き続き、リテール顧客に対し、標準的な商品と、ダイレクト・バンキングの提供能力に裏付けられた日々
のリテール・バンキング・サービスを提供することに焦点を当てている。また、プライベート・バンク(ドイツ)は、
Deutsche Post DHL AGと協力して、ポストバンク・ブランドの支店で郵便および小包サービスも提供している。
インターナショナル・プライベート・バンクは、2つの顧客セグメントに対する差別化された顧客重視のアプローチも使用し
ている。「IPBパーソナル・バンキング」顧客セグメントは、イタリア、スペイン、ベルギー、インドのリテールおよび富裕層
顧客ならびに小規模事業を対象として、バンキング・サービスおよびその他の金融サービスを提供している。「プライベー
ト・バンキングおよびウェルス・マネジメント」顧客セグメントは、世界中の富裕層および超富裕層、ならびにイタリア、ス
ペイン、ベルギー、インドの中小法人顧客およびプライベート・バンキング顧客を対象としている。インターナショナル・プ
ライベート・バンクの顧客支援は、顧客財産の形成、管理および投資、顧客の個人的または事業上の利益のための資金供給、
ならびに機関投資家または法人としてのニーズに対応するサービスの提供に及ぶ。また、複雑なサービスを必要とする顧客に
は、機関投資家型のサービスも提供しており、インベストメント・バンク、コーポレート・バンクおよびアセット・マネジメ
ントとの緊密な連携によりサービスを補完している。
販売チャネルおよびマーケティング
プライベート・バンクは、オムニチャネル・アプローチを推進しており、顧客はサービスや商品へのアクセス等様々な方法
を柔軟に選択することができる。
販売チャネルには、プライベート・バンク(ドイツ)およびインターナショナル・プライベート・バンクの支店網が含まれ
ており、顧客のコールセンターおよびセルフサービス・ターミナルのサポートを受けている。ドイツ、イタリア、スペインに
おけるドイツ銀行ブランドのアドバイザリー・センターは、支店網に加え、オンラインおよびモバイル・バンキングを含むデ
ジタルサービスにより補完される。PBはまた、ドイツのBusiness-to-Business-to-Consumer(B2B2C)パートナーとの各種提携
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を含め、自営の金融アドバイザーならびにその他の販売および提携パートナーと協力している。プライベート・バンキングお
よびウェルス・マネジメント顧客セグメントについて、インターナショナル・プライベート・バンクは、リレーションシッ
プ・ マネージャーおよびインベストメント・マネージャーと共に、異なる顧客層をカバーするチームを編成して顧客アプロー
チを行っており、同部門は、富裕層向け資産運用サービスおよびオープン・アーキテクチャー商品で顧客を支援するクライア
ント・サービス・エグゼクティブのサポートを受けている。さらに、ドイツではDeutsche Oppenheim Family Offices AGが、
同族会社サービス、機密資金に関するサービスおよびアドバイザリー・ソリューションの提供を行っている。
プライベート・バンクではデジタル・チャネルに対する顧客の行動に大きな変化が見られるため、引き続き、事業全体でデ
ジタル機能の拡充に注力している。PBは、顧客に最も便利な方法で商品やサービスを提供するために、将来におけるオムニ
チャネル・ミックスの最適化を継続している。
アセット・マネジメント
コーポレート部門の概要
DWSのブランド名で事業を行うアセット・マネジメント部門は、2021年12月31日現在において9,280億ユーロの運用資産を有
し、世界の主要な資産管理機関の一つである。DWSは世界中の個人投資家や機関投資家から成る多様な顧客基盤にサービスを提
供しており、ドイツの本国市場でも強力なプレゼンスを有している。顧客には、政府機関、企業や財団、ならびに個人投資家
が含まれる。規制対象の資産運用会社として、DWSは顧客の受託者として機能し、社会への影響を認識している。責任投資は、
当行グループが20年以上にわたり築いてきた地位のうち重要な部分を占めている。
ドイツ銀行はDWSの79.49%の所有持分を保有しており、アセット・マネジメントは引き続き当行グループの中核事業であ
る。DWSの株式はフランクフルト証券取引所に上場されている。
2019年1月1日以降、重要な資本的支出または資産の処分はない。
商品およびサービス
DWSの投資商品は、株式、債券、現金資産、マルチ・アセット等すべての主要資産クラス、さらにオルタナティブ投資に及ん
でいる。オルタナティブ投資には、不動産、インフラ、プライベート・エクイティ、流動性の高い不動産、サステナブル投資
等が含まれている。また、パッシブ投資も幅広く提供している。さらに、DWSのソリューション戦略は、伝統的な資産クラスだ
けでは対応できない顧客ニーズをターゲットとしている。それらのサービスには、保険および年金ソリューション、資産・負
債管理、ポートフォリオ管理ソリューションおよび資産配分アドバイザリーが含まれる。当行グループが重視している環境・
社会・ガバナンスは、顧客向けのターゲットを絞ったソリューションを生み出す際に相互に補完し合う形で考慮されている。
販売チャネルおよびマーケティング
DWSの商品は、単一のグローバル販売ネットワークを通じて、EMEA(ヨーロッパ、中東およびアフリカ)、米州、アジア太平
洋地域で販売されている。DWSはまた、ドイツ銀行グループに属する他のメンバーを含む、第三者による販売チャネルも利用し
ている。
キャピタル・リリース・ユニット
キャピタル・リリース・ユニット(CRU)は、2019年7月に設立された。CRUの主な目的は、臨機応変に縮小することによっ
て、低リターンの資産および十分なリターンをもたらさない事業、または当行グループの戦略の中核ではなくなった事業に消
費されていた資本を解消することである。また、CRUはコスト削減にも注力している。
さらに、CRU部門は、2019年1月1日以降、以下の重要な資産の処分を報告している。
2018年3月、ドイツ銀行グループは、ポルトガルにおけるリテール・バンキング事業をABANCA Corporación Bancaria S.A.に
売却する契約を締結した。両当事者は、2019年度上半期に当該取引を完了した。
2021年度第4四半期に、当行グループは、ドイツ銀行のプライム・ファイナンスおよび電子株式トレーディングのプラット
フォームのBNPパリバへの移行を完了し、その結果、技術、顧客および従業員を移転した。これにより、2019年度第4四半期に
正式に開始した2年間の移行期間が終了した。
管理部門
管理部門は、事業部門向けの管理およびサービス業務を行っており、これには、グループ全体の部門を超えたリソース計
画、運営および管理に関連する業務、ならびにリスク、流動性および資本の管理に関連する業務が含まれる。
管理部門は、以下の当行グループの上級経営層の責任管轄下で組織されている。
- ファイナンス
- リスク
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- 法務、コンプライアンスおよび金融犯罪対策を含むチーフ・アドミニストレーション・オフィス
- 技術、データおよびイノベーション
- 改革およびグローバル・プロキュアメント
管理部門にはまた、コミュニケーションおよび企業の社会的責任、人事、グローバル不動産ならびにグループ内部監査も含
まれており、これらは最高経営責任者に報告を行う。
管理部門に起因するコストは、現在、配分計画に基づいて各コーポレート部門に配分されているが、技術開発費用は2021年
度の実際の支出に基づいて各部門に請求された。2021年度において、過年度の原価配分方法は、財務部およびリスク部につい
てはドライバーに基づく原価管理(DBCM)の枠組みに、また、技術インフラ商品については消費量に基づく原価配分に置き換
えられた。この新しい枠組みは、管理部門が提供するサービスをそれらを消費する事業部門と結びつけ、それによって、コス
ト・ドライバーに関する透明性を高め、コスト削減の余地の識別をより容易にするものである。
重要な資本的支出および資産の処分
各コーポレート部門の直近3事業年度における重要な資本的支出および資産の処分に関する情報は、上述の各コーポレート部
門の記述に含まれている。
2020年1月1日以降、第三者による当行グループ株式に対する公開買付はなく、当行グループは自社勘定において他社の株式
に対する公開買付を行っていない。
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経営成績
連結経営成績
以下の説明および分析は、連結財務諸表と併せて読むべきである。
要約連結損益計算書
2020 年度から2021年度 2019 年度から2020年度
の増加(減少) の増加(減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
純利息収益 11,155 11,526 13,749 -371 -3 -2,223 -16
515 1,792 723 -1,276 -71 1,068 148
信用損失引当金繰入額
信用損失引当金繰入額控除後の純利
10,640 9,734 13,026 906 9 -3,292 -25
息収益
1
手数料およびフィー収益
10,934 9,424 9,520 1,510 16 -96 -1
純損益を通じて公正価値で測定する
金融資産/負債に係る純利得(損
3,045 2,465 193 580 24 2,271 N/M
1
失)
その他の包括利益を通じて公正価値
で測定する金融資産に係る純利得 237 323 260 -86 -27 63 24
(損失)
償却原価で測定する金融資産に係る
1 311 3 -311 -100 308 N/M
純利得(損失)
持分法適用投資による純利益(損
98 120 110 -23 -19 10 9
失)
その他の収益(損失) -58 -141 -671 83 -59 531 -79
14,255 12,503 9,416 1,752 14 3,087 33
利息以外の収益合計
2
純収益合計
24,895 22,237 22,441 2,658 12 -205 -1
10,418 10,471 11,142 -53 -1 -671 -6
報酬および手当
10,821 10,259 12,253 561 5 -1,993 -16
一般管理費
のれんおよびその他の無形資産の減
5 0 1,037 4 N/M -1,037 -100
損
261 485 644 -224 -46 -159 -25
再構築費用
21,505 21,216 25,076 289 1 -3,860 -15
利息以外の費用合計
税引前利益(損失) 3,390 1,021 -2,634 2,369 N/M 3,655 N/M
880 397 2,630 483 122 -2,233 -85
法人所得税費用(ベネフィット)
2,510 624 -5,265 1,886 N/M 5,888 N/M
当期純利益(損失)
非支配持分に帰属する純利益(損
144 129 125 15 12 4 3
失)
ドイツ銀行株主およびその他の資本
2,365 495 -5,390 1,870 N/M 5,885 N/M
構成要素に帰属する純利益(損失)
その他の資本構成要素に帰属する
426 382 328 44 12 53 16
純利益(損失)
ドイツ銀行株主に帰属する純利益
1,940 113 -5,718 1,826 N/M 5,831 N/M
(損失)
N/M -表記するに値しない。
1 詳細は本年次報告書の注記01「重要な会計方針および重要な会計上の見積り」を参照のこと。
2 信用損失引当金繰入額認識後。
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純利息収益
2020 年度から2021年度 2019 年度から2020年度
の増加(減少) の増加(減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
16,599 17,806 25,208 -1,207 -7 -7,401 -29
利息および類似収益合計
5,444 6,280 11,458 -836 -13 -5,178 -45
利息費用合計
11,155 11,526 13,749 -371 -3 -2,223 -16
純利息収益
1
平均利付資産
937,947 920,444 956,362 17,503 2 -35,918 -4
1
平均利付負債
690,656 685,830 714,716 4,826 1 -28,886 -4
2
総利回り
1.56 % 1.82% 2.53% -0.26ppt -14 -0.72ppt -28
3
総支払金利
0.50 % 0.76% 1.47% -0.26ppt -34 -0.71ppt -48
4
純金利差
1.06 % 1.06% 1.07% -0.00ppt -0 -0.01ppt -1
5
純金利差益
1.19 % 1.25% 1.44% -0.06ppt -5 -0.19ppt -13
ppt -パーセンテージ・ポイント
1 各年度の平均残高は、一般に月末残高に基づいて計算される。
2 総利回りは、平均利付資産について稼得された平均金利である。
3 総支払金利は、平均利付負債について支払った平均金利である。
4 純金利差は、平均利付資産について稼得された平均金利と平均利付負債について支払った平均金利の差である。
5 純金利差益は、純利息収益の平均利付資産に対する割合を表したものである。
2021 年度
2021年度の純利息収益は、2020年度の115億ユーロから371百万ユーロ、率にして3%減少し、112億ユーロとなった。これ
は、金利の不利な状況によるマイナスの影響が、事業の成長による利息収益の増加、ならびに預金金利更改および貸出条件付
き長期資金供給オペレーション Ⅲ(TLTRO Ⅲ)プログラムによる恩恵の増加によって一部相殺されたためである。2020年度の
利息収益には、TLTRO Ⅲプログラムに基づく86百万ユーロと貸出条件付き長期資金供給オペレーションⅡ(TLTRO Ⅱ)プログ
ラムに基づくEU政府補助金に関連した43百万ユーロが含まれていたが、2021年度にはTLTRO Ⅲプログラムに基づく494百万ユー
ロが含まれていた。全体として、当行の2021年度の純金利差益は、前年度と比べて6ベーシス・ポイント縮小し、1.19%となっ
た。
2020 年度
2020年度の純利息収益は、2019年度の137億ユーロから22億ユーロ、率にして16%減少し、115億ユーロとなった。この減少
の主因は、主に金利低下および為替レートの不利な変動であった。これらのマイナスの影響は、インベストメント・バンクに
おける取引量およびクライアント・フローの改善ならびにコーポレート・バンクにおける預金金利更改によるプラスの影響に
よって一部相殺された。2019年度の利息収益には、貸出条件付き長期資金供給オペレーションⅡ(TLTRO Ⅱ)プログラムに基
づくEU政府補助金に関連した93百万ユーロが含まれていたが、2020年度にはこのプログラムに基づく43百万ユーロが含まれて
いた。さらに、2020年度の利息収益には、貸出条件付き長期資金供給オペレーションⅢ(TLTRO Ⅲ)プログラムに基づくEU政
府補助金に関連した86百万ユーロが含まれていた。全体として、当行の2020年度の純金利差益は、前年度と比べて19ベーシ
ス・ポイント縮小し、1.25%となった。
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純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得(損失)
2020 年度から2021年度 2019 年度から2020年度
の増加(減少) の増加(減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
1,859 2,230 197 -370 -17 2,033 N/M
トレーディング収益
強制的に純損益を通じて公正価値で
測定されるトレーディング以外の金 1,106 276 377 831 N/M -102 -27
融資産に係る純利得(損失)
純損益を通じて公正価値で測定する
79 -40 -381 119 N/M 341 -89
ものとして指定された金融資産/負
債に係る純利得(損失)
純損益を通じて公正価値で測定する
3,045 2,465 193 580 24 2,271 N/M
金融資産/負債に係る純利得(損
失)合計
N/M -表記するに値しない。
2021 年度
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得は、2020年度の25億ユーロに対して、2021年度には30億
ユーロであった。580百万ユーロ、率にして24%の増加は、C&Oにおける金利ヘッジ取引のプラスの影響、ならびに保証の公正
価値の有利な変動およびAMにおける流動性の低い商品の時価評価額の増加によるものであった。この全体的な増加は、2020年
の非常に良好な取引環境と比較して厳しい市況であったことを反映した、IBのデリバティブの時価評価のマイナスの影響に
よって一部相殺された。
2020 年度
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得は、2019年度の193百万ユーロに対して、2020年度には25億
ユーロであった。23億ユーロの増加の主因は、デリバティブの時価評価の影響、ならびにIBにおける全体的な戦略的ポジショ
ニングの再編によるプラスの影響に伴いクライアント・フローが好調であったこと、および市場ボラティリティの増加による
プラスの影響であった。この変動は、C&Oにおける金利ヘッジ取引のプラスの影響によってさらに恩恵を受けたが、純受取利息
における金利低下のマイナスの影響を完全には補うことができなかった。この全体的な増加は、キャピタル・リリース・ユ
ニット(CRU)におけるリスク圧縮のマイナスの影響によって一部相殺された。
純利息収益および純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得(損失)
当行のトレーディングおよびリスク管理業務は、金利商品およびそれに関連するデリバティブを含んでいる。IFRSにおいて
は、トレーディング金融商品および純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融商品により得た利息および
類似収益(すなわち、クーポンおよび配当収益)ならびにトレーディング・ポジション純額の資金調達コストは、純利息収益
の一部とされる。当行のトレーディング業務による収益は、リスク管理戦略を含む様々な要因によって、期ごとに純利息収益
と純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得(損失)の間を移動することがある。
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事業に焦点を当てて説明するために、以下の表は、純利息収益および純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に
係る純利得(損失)を、コーポレート部門別に表示している。
2020 年度から2021年度 2019 年度から2020年度
の増加(減少) の増加(減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
11,155 11,526 13,749 -371 -3 -2,223 -16
純利息収益
純損益を通じて公正価値で測定する
3,045 2,465 193 580 24 2,271 N/M
金融資産/負債に係る純利得(損
失)合計
純利息収益および純損益を通じて公
14,200 13,991 13,942 209 1 48 0
正価値で測定する金融資産/負債に
係る純利得(損失)合計
1
コーポレート部門別内訳:
コーポレート・バンク 2,666 2,939 2,718 -273 -9 221 8
6,891 7,193 5,442 -302 -4 1,750 32
インベストメント・バンク
4,847 4,648 4,991 198 4 -343 -7
プライベート・バンク
アセット・マネジメント 246 -98 87 345 N/M -185 N/M
-18 -33 155 15 -45 -188 N/M
キャピタル・リリース・ユニット
-432 -658 549 226 -34 -1,207 N/M
コーポレートおよびその他
純利息収益および純損益を通じて公
正価値で測定する金融資産/負債に 14,200 13,991 13,942 209 1 48 0
係る純利得(損失)合計
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
1 この内訳は、純利息収益および純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得(損失)のみを反映している。各コーポ
レート部門の商品別の収益合計に関する説明は、注記04「事業セグメントおよび関連情報」を参照のこと。
2021 年度
2021年度の純利息収益および純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得(損失)合計は、2020年度の
140億ユーロから209百万ユーロ増加し、142億ユーロとなった。これは主に、保証の公正価値の有利な変動、流動性の低い商品
の時価評価額の増加、およびAMのその他の収益において同額を相殺する連結対象の保証付ミューチュアル・ファンドの評価に
よる有利な影響に起因した。この変動は、C&Oにおける金利ヘッジ取引のプラスの影響によってさらに恩恵を受けた。プライ
ベート・バンクでは、事業の成長によるプラスの影響とTLTROによる恩恵の増加を含めて純利息収益が増加したが、金利の不利
な状況によるマイナスの影響により一部相殺された。こうした全体的なプラスの影響は、2020年の非常に良好な取引環境と比
較して厳しい市況であったことを反映した、IBのデリバティブの時価評価のマイナスの影響によって一部相殺された。CBの収
益も、主に金利の不利な状況によるマイナスの影響が、TLTRO、預金金利更改および事業の成長による恩恵を上回ったために減
少した。
2020 年度
2020年度の純利息収益および純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得(損失)合計は、2019年度の
139億ユーロから48百万ユーロ増加し、140億ユーロとなった。これは主に、デリバティブの時価評価の影響、ならびにIBの全
体的な戦略的ポジショニングの再編によるプラスの影響に伴いクライアント・フローが好調であったこと、市場ボラティリ
ティの増加、CBおよびPBにおける預金金利更改措置、ならびにPBにおける貸出残高の増加によるプラスの影響に起因した。C&O
においては、金利ヘッジ取引による時価評価の影響が金利低下のマイナスの影響を完全には補えなかった。これは、低金利環
境がPBの預金マージンに与える継続的なマイナスの影響およびCRUにおけるリスク圧縮コストによってさらに相殺された。AMの
純利息収益および純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得(損失)も、その他の収益において同額を
相殺する連結対象の保証付ミューチュアル・ファンドの評価による不利な影響を反映して、前年度と比べて減少した。
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信用損失引当金繰入額
2021 年度
2021年度の信用損失引当金繰入額は、COVID-19関連の制限緩和による良好な信用環境および好調な景気回復を反映し、2020
年度と比べて13億ユーロ、率にして71%減少し、515百万ユーロとなった。COVID-19危機下で採用されていた標準モデルの短期
的な予測の重みを減らし、より長期的な平均値を将来の情報の基準として用いるためのマネジメント・オーバーレイは、2021
年度において適用されなくなった。信用損失引当金繰入額の水準の引き下げ要因には、2020年度末時点のマクロ経済の見通し
に残る不確実性を考慮するために適用されたマネジメント・オーバーレイを予想された不確実性が実現しなかったために戻入
れたことによるプラスの影響も含まれていた。これは、IFRS第9号に基づくモデルの調整後の範囲外であるマクロ経済変数に対
応するための新しいマネジメント・オーバーレイにより、一部相殺された。信用損失引当金繰入額は、強固なバランスシート
と統制のとれたリスク管理に支えられ、貸出金に占める割合は12ベーシス・ポイントであった。貸倒引当金の詳細について
は、「セグメント別の経営成績」および「リスク・レポート」を参照のこと。
2020 年度
2020年度の信用損失引当金繰入額は、2019年度と比べて11億ユーロ、率にして148%増加し、18億ユーロとなった。この増加
の主因はCOVID-19関連の減損によるマイナスの影響であった。正常債権に係る信用損失引当金の純増加の要因には、COVID-19
危機下では標準モデルの短期的な予測の重みを減らし、より長期的な平均値を将来の情報の基準として用いるためのマネジメ
ント・オーバーレイ、およびマクロ経済の見通しに残る不確実性を考慮するための追加的なマネジメント・オーバーレイが含
まれる。信用損失引当金は、当行の貸出残高の質が高いことを反映して、平均貸出金の41ベーシス・ポイントであった。貸倒
引当金の詳細については、「セグメント別の経営成績」および「リスク・レポート」を参照のこと。
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その他の利息以外の収益
2020 年度から2021年度 2019 年度から2020年度
の増加(減少) の増加(減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
1
手数料およびフィー収益
10,934 9,424 9,520 1,510 16 -96 -1
その他の包括利益を通じて公正価値
237 323 260 -86 -27 63 24
で測定する金融資産に係る純利得
(損失)
償却原価で測定する金融資産に係る
1 311 3 -311 -100 308 N/M
純利得(損失)
持分法適用投資による純利益(損
98 120 110 -23 -19 10 9
失)
-58 -141 -671 83 -59 531 -79
その他の収益(損失)
11,210 10,038 9,222 1,172 12 816 9
その他の利息以外の収益合計
1 以下を含む:
信託業務による手数料および
フィー:
357 347 327 10 3 19 6
管理手数料
3,734 3,208 3,298 526 16 -90 -3
資産運用手数料
その他の有価証券業務からの手
398 341 317 57 17 24 7
数料
4,489 3,896 3,943 594 15 -47 -1
合計
手数料、ブローカー・フィー、有
価証券の引受に係るマークアップ
およびその他の有価証券業務から
の手数料:
引受およびアドバイザリー・
2,162 1,625 1,501 537 33 125 8
フィー
752 637 637 115 18 0 0
ブローカー・フィー
2,914 2,262 2,137 652 29 125 6
合計
その他の顧客サービスによる
3,530 3,266 3,440 264 8 -174 -5
フィー
10,934 9,424 9,520 1,510 16 -96 -1
手数料およびフィー収益合計
N/M -表記するに値しない。
過年度の比較数値は、当年度の表示に合わせて表示されている。
手数料およびフィー収益
2021 年度
2021年度の手数料およびフィー収益は、2020年度と比べて15億ユーロ、率にして16%増加し、109億ユーロとなった。この増
加は、特別目的買収会社(SPAC)の過去最高の取引高による株式オリジネーションの収益の力強い伸び、合併および買収活動
の大幅な伸びならびに当年度の取引高の増加により、引受およびアドバイザリー・フィーが537百万ユーロ増加したことに起因
している。資産運用手数料は、好調な市場からのマネジメント・フィーの増加と正味資金流入がマルチ・アセットの運用報酬
による有利な影響が重なったこと、ならびにAMの不動産に係る運用報酬および取引手数料が増加したことにより、526百万ユー
ロ増加した。その他の顧客サービスによるフィーは、レバレッジド・デット・キャピタル・マーケッツの好調な業績により264
百万ユーロ改善したが、BGHの判決後にPBの収益にマイナスの影響154百万ユーロが生じたことによって一部相殺された。ブ
ローカー・フィーは、主にPBの投資商品からの収益の大幅な増加により115百万ユーロ増加した。
2020 年度
2020年度の手数料およびフィー収益は、2019年度と比べて96百万ユーロ、率にして1%減少し、94億ユーロとなった。この減
少には、主に経済活動の減少によってコーポレート・バンクのその他の顧客サービスによるフィーが174百万ユーロ減少したこ
とが含まれている。資産運用手数料は、主に2019年度に認識されたマルチ・アセットおよびオルタナティブの運用報酬が当年
度には発生しなかったことによって、AMにおいて90百万ユーロ減少した。引受およびアドバイザリー・フィーは主に、債券市
場における取引の増加および市場シェアの拡大、ならびに世界的な手数料プールおよび株式発行の増加によって、125百万ユー
ロ増加した。ブローカー・フィーは前年比で横ばいを維持しているが、これは主に2019年7月に発表された当行の改革戦略の実
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施に伴うCRUにおける事業活動の中止によるマイナスの影響を、投資および保険商品からのPBの手数料およびフィー収益の増加
(金利更改措置によるプラスの影響を含む。)によって十分に補うことができたためである。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に係る純利得(損失)
2021 年度
2021年度のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に係る純利得(損失)は、2020年度と比べて86百万ユー
ロ、率にして27%減少し、237百万ユーロとなった。これは、流動性準備金を確保するための債券および有価証券の戦略的売却
からの利益の減少によるものであった。
2020 年度
2020年度のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に係る純利得(損失)は、2019年度と比べて63百万ユー
ロ、率にして24%増加し、323百万ユーロとなった。これは主に、流動性準備金を確保するための債券および有価証券の戦略的
売却からの利益の増加によるものであった。
償却原価で測定する金融資産に係る純利得(損失)
2021 年度
償却原価で測定する金融資産に係る純利得(損失)は、2020年度の311百万ユーロに対して2021年度は1百万ユーロであった
が、これは、回収目的保有ポートフォリオから資産を売却したことによる2020年度の利益が当年度は発生しなかったことに起
因していた。
2020 年度
償却原価で測定する金融資産に係る純利得(損失)は、2019年度には3百万ユーロ、2020年度には311百万ユーロであった
が、これはバンキング勘定における金利リスク管理のための当行の戦略の一環として2020年度に回収目的保有ポートフォリオ
から資産を売却したことによるものであった。
持分法適用投資による純利益(損失)
2021 年度
2021年度の持分法適用投資による純利益は、2020年度の120百万ユーロから23百万ユーロ、率にして19%減少し、98百万ユー
ロとなった。
2020 年度
2020年度の持分法適用投資による純利益は、2019年度の110百万ユーロから10百万ユーロ、率にして9%増加し、120百万ユー
ロとなった。
その他の収益(損失)
2021 年度
その他の収益(損失)は、2020年度の141百万ユーロの損失に対して、2021年度には58百万ユーロの損失であった。この改善
は、公正価値ヘッジ会計の調整とともに発生したヘッジの非有効性に関連したプラスの影響によるものであった。さらに、CRU
における前年度より有利な変動は、リスク圧縮の影響の減少によるものであった。これは、AMにおける保証付ミューチュア
ル・ファンドの負債に係る評価調整によるマイナスの影響(これは、前述した、純損益を通じて公正価値で測定する金融資
産/負債に係る純利得(損失)におけるプラスの影響を相殺する。)により一部相殺された。
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2020 年度
その他の収益(損失)は、2019年度の671百万ユーロの損失に対して、2020年度には141百万ユーロの損失であった。この改
善は、公正価値ヘッジ会計の調整とともに発生したヘッジの非有効性に関連したプラスの影響によるものであった。さらに、
その他の収益には、AMにおける保証付ミューチュアル・ファンドの負債に係る評価調整によるプラスの影響が含まれており、
これは純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得(損失)におけるマイナスの影響を相殺する。
利息以外の費用
2020 年度から2021年度 2019 年度から2020年度
の増加(減少) の増加(減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
10,418 10,471 11,142 -53 -1 -671 -6
報酬および手当
1
一般管理費
10,821 10,259 12,253 561 5 -1,993 -16
のれんおよびその他の無形資産の減
5 0 1,037 4 N/M -1,037 -100
損
再構築費用 261 485 644 -224 -46 -159 -25
21,505 21,216 25,076 289 1 -3,860 -15
利息以外の費用合計
N/M-表記するに値しない。
1 以下を含む:
情報技術関連費用 4,321 3,862 5,011 459 12 -1,149 -23
1,727 1,724 1,693 3 0 31 2
不動産関連費および設備費
2
規制関連費用、税金および保険
1,395 1,407 1,440 -12 -1 -33 -2
3
専門的サービス
924 977 1,142 -53 -5 -165 -14
バンキング・サービスおよび外注
946 967 969 -21 -2 -2 -0
3
業務
市場データおよびリサーチ・サー
347 376 421 -28 -8 -46 -11
ビス
46 76 256 -31 -40 -180 -70
旅費
178 174 251 3 2 -77 -31
マーケティング費用
4
その他の費用
938 697 1,070 241 35 -373 -35
10,821 10,259 12,253 561 5 -1,993 -16
一般管理費合計
2 2021 年度には553百万ユーロ、2020年度には633百万ユーロ、2019年度に622百万ユーロの銀行税が含まれている。
3 過年度の比較数値は、当年度の表示に合わせて表示されている。
4 2021 年度には466百万ユーロ、2020年度には158百万ユーロ、2019年度に473百万ユーロの訴訟関連費用が含まれている。訴訟に関する詳細
は、注記27「引当金」を参照のこと。
報酬および手当
2021 年度
2021年度の報酬および手当は、2020年度の105億ユーロから53百万ユーロ、率にして1%減少し、104億ユーロとなった。この
減少の主因は、人員削減に伴う固定報酬の減少であったが、変動報酬費用の増加により相殺された。
2020 年度
2020年度の報酬および手当は、2019年度の111億ユーロから671百万ユーロ、率にして6%減少し、105億ユーロとなった。こ
の減少の主因は、人員削減に伴う固定報酬の減少であった。
一般管理費
2021 年度
2021年度の一般管理費は、2020年度の103億ユーロから561百万ユーロ、率にして5%増加し、108億ユーロとなった。この増
加は改革費用が513百万ユーロ増加したことによるものであり、これには、契約の終了とソフトウェアの減損(当行のクラウド
技術への移行が一因となり発生したものである。)に一部関連する情報技術関連費用の増加が含まれていた。2022年度末まで
に発生すると予想されていた改革関連の影響全体の97%が、2021年度末までに既に認識されている。訴訟費用は308百万ユーロ
増加し、これは預金金利更改の取決めに対するBGHの判決に一部関連していた。これらの項目以外に、一般管理費は、専門的
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サービス費用、旅費、マーケットデータ費用およびリサーチ費用といった主要な費用カテゴリーにわたって削減されたことか
ら、前年度と比べて減少した。
2020 年度
2020年度の一般管理費は、2019年度の123億ユーロから20億ユーロ、率にして16%減少し、103億ユーロとなった。この減少
は、2019年度にはソフトウェアの減損の増加および訴訟費用の増加が含まれていたため、改革費用が655百万ユーロ減少したこ
とによるものであった。これらの項目以外に、一般管理費は、すべての主要なコスト・カテゴリーにわたって削減した規律あ
るコスト管理に伴い、前年度と比べてさらに減少した。これには、ソフトウェア償却費の減少およびITサービス費用の削減に
よるIT関連費用の削減、専門的サービス費用の削減、ならびに旅費およびマーケティング費用の削減が含まれている。
のれんおよびその他の無形資産の減損
2021 年度
2021年度において、のれんおよびその他の無形資産の減損費用がCBで5百万ユーロ発生した。2020年度に計上された減損費用
はなかった。
2020 年度
2020年度に計上された減損費用はなかった。一方で、2019年度には、のれんおよびその他の無形資産の減損10億ユーロが計
上された。2019年7月の改革戦略の発表が減損の兆候に該当したため、ドイツ銀行ののれんの減損の見直しが行われた。金利
カーブを含むマクロ経済の見通しの悪化、業界特有の市場成長の修正、および改革戦略の実施に関連した影響によって、2019
年度第2四半期において、PBではウェルス・マネジメントののれん545百万ユーロ、CBではグローバル・トランザクション・バ
ンキングおよびコーポレート・ファイナンスののれん492百万ユーロに対して全額減損を認識した。
再構築費用
2021 年度
再構築費用は、2020年度の485百万ユーロに対して、2021年度には261百万ユーロであった。この減少の主因は、PBにおける
再構築費用の減少であった。
2020 年度
再構築費用は、2019年度の644百万ユーロに対して、2020年度には485百万ユーロであった。この減少の主因は、2019年度に
おいては当行の改革戦略の実施に関連したコストが増加したためであった。
法人所得税費用
2021 年度
法人所得税費用は、2020年度の397百万ユーロに対して、2021年度には880百万ユーロであった。2021年度の実効税率は26%
であり、2021年度における米国の好業績に関連して繰延税金資産に対する評価性引当金調整がプラスの274百万ユーロとなった
ことの恩恵を受けた。
2020 年度
法人所得税費用は、2019年度の26億ユーロに対して、2020年度には397百万ユーロであった。2020年度の実効税率は39%で
あった。
当期純利益(損失)
2021 年度
当期純利益は、前年度が624百万ユーロであったのに対して、2021年度は25億ユーロであった。当期純利益の増加の主因は、
中核事業における収益の増加と、主に好調な信用環境と良質な融資案件に起因する信用損失引当金繰入額の水準の引き下げで
あった。これは、利息以外の費用の微増によって一部相殺された。
2020 年度
前年度が53億ユーロの当期純損失であったのに対して、2020年度には624百万ユーロの当期純利益を計上した。当期純利益の
増加の主因は、前述のインベストメント・バンクにおける好調な収益、2019年度の改革関連ののれんの減損が当年度には発生
しなかったこと、ならびに改革費用、訴訟費用、再構築および解雇に係る費用の減少であり、改革費用を除いた調整後費用に
おいては、人員削減、規律あるコスト管理および為替換算のプラスの影響を反映している。これらのプラスの影響は、信用損
失引当金の水準の引き上げによって一部相殺された。
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セグメント別の経営成績
以下は、事業セグメント別の業績の説明である。下記の事項に関する情報は、連結財務諸表に対する注記04「事業セグメン
トおよび関連情報」を参照のこと。
- 当行のセグメント別開示の形式の変更
- 当行の経営管理報告システムのフレームワーク
当行グループのセグメント報告は、内部のマネジメント・レポート用のシステムに反映されている組織体制に沿って行われ
ており、事業セグメントの経営成績の評価および事業セグメントへの資源配分の基礎となっている。各部門へのセグメント区
分の基準は、2021年12月31日現在の当行の組織体制である。事業部門体制の変更に伴い、過年度のセグメント情報は、現在の
体制に合わせて表示されている。
2021 年度
キャピタ
コーポレー インベスト プライベー アセット ル・リリー コーポレー
単位:百万ユーロ ト・ メント・ ト・ ス・ トおよび
・マネジメ
(別途記載のものを除く。) バンク バンク バンク ント ユニット その他 連結合計
1
純収益
5,150 9,631 8,234 2,708 26 -339 25,410
-3 104 446 5 -42 5 515
信用損失引当金繰入額
利息以外の費用
報酬および手当 1,447 2,199 2,810 822 128 3,012 10,418
2,659 3,583 4,440 840 1,306 -2,008 10,821
一般管理費
のれんおよびその他の無形資産の減
5 0 0 0 0 0 5
損
再構築費用 42 47 173 2 -2 -0 261
4,153 5,830 7,423 1,664 1,432 1,004 21,505
利息以外の費用合計
0 -17 0 223 0 -206 0
非支配持分
1,000 3,715 366 816 -1,364 -1,143 3,390
税引前利益(損失)
費用収益比率 81% 61% 90% 61% N/M N/M 85%
2
資産
245,716 615,906 310,496 10,387 131,775 9,713 1,323,993
17 6 149 32 1 1,734 1,939
非流動資産への追加
リスク・ウェイテッド・アセット 65,406 140,600 85,366 14,415 28,059 17,783 351,629
レバレッジ・エクスポージャー(完
299,892 530,361 320,692 10,678 38,830 22,761 1,124,667
3
全適用ベース)
10,301 24,181 12,663 4,815 4,473 0 56,434
平均割当済株主資本
4
税引後平均株主資本利益率
6% 10% 1% 12% -23% N/M 3%
4
税引後平均有形株主資本利益率
7% 11% 1% 30% -23% N/M 4%
1 以下を含む:
純利息収益 2,605 3,332 4,601 -5 58 564 11,155
持分法適用投資による純利益
3 -34 40 81 7 1 98
(損失)
2 以下を含む:
72 462 180 349 25 4 1,091
持分法適用投資
N/M -表記するに値しない。
3 当行グループのレバレッジ・エクスポージャーは、ECB決定事項(EU)2020/1306に基づくユーロシステムを採用している中央銀行が直面す
る特定のユーロ・ベースのエクスポージャーを除外しており、ECBの許可を得た後に表示している。セグメント別のレバレッジ・エクスポー
ジャーは、その除外をせずに表示されている。
4 当行グループ全体の税引後平均有形株主資本利益率および税引後平均株主資本利益率は、当行グループの報告実効税率(2021年12月31日終
了年度:26%)を反映している。セグメント別の税引後平均有形株主資本利益率および税引後平均株主資本利益率に関しては、セグメント
に起因しない永久差異の影響を除外するよう当行グループの実効税率が調整されたため、2021年12月31日終了年度のセグメントの税率は
28%となった。詳細については、英文Annual Report 2021の「Supplementary Information (Unaudited): Non-GAAP Financial Measures」
に記載されている。
2020 年度
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有価証券報告書
キャピタ
コーポレー インベスト プライベー アセット ル・リリー コーポレー
単位:百万ユーロ ト・ メント・ ト・ ス・ トおよび
・マネジメ
(別途記載のものを除く。) バンク バンク バンク ント ユニット その他 連結合計
1
純収益
5,146 9,286 8,126 2,229 -225 -534 24,028
信用損失引当金繰入額 364 690 711 2 29 -4 1,792
利息以外の費用
1,402 2,081 2,863 740 168 3,217 10,471
報酬および手当
2,813 3,323 4,238 763 1,774 -2,652 10,259
一般管理費
のれんおよびその他の無形資産の減
0 0 0 0 0 0 0
損
28 14 413 22 5 3 485
再構築費用
利息以外の費用合計 4,243 5,418 7,513 1,526 1,947 568 21,216
0 11 0 157 -0 -169 0
非支配持分
539 3,166 -99 544 -2,200 -929 1,021
税引前利益(損失)
82% 58% 92% 68% N/M N/M 88%
費用収益比率
2
資産
237,675 573,536 296,596 9,453 197,667 10,333 1,325,259
10 4 202 32 0 3,174 3,423
非流動資産への追加
リスク・ウェイテッド・アセット 57,483 128,292 77,074 9,997 34,415 21,690 328,951
レバレッジ・エクスポージャー(完
273,959 476,097 307,746 4,695 71,726 29,243 1,078,268
3
全適用ベース)
平均割当済株主資本 9,945 22,911 11,553 4,757 6,166 0 55,332
4
税引後平均株主資本利益率
3% 9% -1% 8% -26% N/M 0%
4
税引後平均有形株主資本利益率
3% 10% -1% 21% -27% N/M 0%
1 以下を含む:
純利息収益 2,883 3,325 4,499 1 61 756 11,526
持分法適用投資による純利益
3 22 23 63 9 1 120
(損失)
2 以下を含む:
69 399 60 304 67 4 901
持分法適用投資
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
3 当行グループのレバレッジ・エクスポージャーは、ECB決定事項(EU)2020/1306に基づくユーロシステムを採用している中央銀行が直面す
る特定のユーロ・ベースのエクスポージャーを除外しており、ECBの許可を得た後に表示している。セグメント別のレバレッジ・エクスポー
ジャーは、その除外をせずに表示されている。
4 当行グループ全体の税引後平均有形株主資本利益率および税引後平均株主資本利益率は、当行グループの報告実効税率(2020年12月31日終
了年度:39%)を反映している。セグメント別の税引後平均有形株主資本利益率および税引後平均株主資本利益率に関しては、セグメント
に起因しない永久差異の影響を除外するよう当行グループの実効税率が調整されたため、2020年12月31日終了年度のセグメントの税率は
28%となった。詳細については、英文Annual Report 2021の「Supplementary Information (Unaudited): Non-GAAP Financial Measures」
に記載されている。
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有価証券報告書
2019 年度
キャピタ
コーポレー インベスト プライベー アセット ル・リリー コーポレー
単位:百万ユーロ ト・ メント・ ト・ ス・ トおよび
・マネジメ
(別途記載のものを除く。) バンク バンク バンク ント ユニット その他 連結合計
1
純収益
5,247 7,023 8,239 2,332 217 107 23,165
284 110 344 1 -14 -0 723
信用損失引当金繰入額
利息以外の費用
報酬および手当 1,419 2,156 2,971 832 359 3,406 11,142
2,829 4,073 4,517 851 2,898 -2,916 12,253
一般管理費
のれんおよびその他の無形資産の減
492 0 545 0 0 0 1,037
損
再構築費用 137 169 125 29 143 41 644
4,877 6,397 8,159 1,711 3,400 531 25,076
利息以外の費用合計
0 20 -0 152 1 -173 0
非支配持分
86 496 -263 468 -3,170 -251 -2,634
税引前利益(損失)
費用収益比率 93% 91% 99% 73% N/M N/M 108%
2
資産
228,846 501,591 270,334 9,936 259,224 27,743 1,297,674
非流動資産への追加 9 1 167 27 0 1,117 1,322
リスク・ウェイテッド・アセット 58,993 116,367 74,032 9,527 45,874 19,223 324,015
レバレッジ・エクスポージャー(完
270,836 432,066 282,575 4,643 126,905 51,016 1,168,040
全適用ベース)
平均割当済株主資本 10,340 21,736 11,663 4,865 7,253 4,314 60,170
3
税引後平均株主資本利益率
-0% 1% -2% 7% -32% N/M -10%
3
税引後平均有形株主資本利益率
-0% 1% -2% 18% -33% N/M -11%
1 以下を含む:
純利息収益 2,635 2,709 4,838 -39 85 3,520 13,749
持分法適用投資による純利益
3 32 14 49 12 1 110
(損失)
2 以下を含む:
66 412 82 276 90 4 929
持分法適用投資
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
3 当行グループ全体の税引後平均有形株主資本利益率および税引後平均株主資本利益率は、当行グループの報告実効税率(2019年12月31日終
了年度:マイナス100%)を反映している。セグメント別の税引後平均有形株主資本利益率および税引後平均株主資本利益率に関しては、セ
グメントに起因しない永久差異の影響を除外するよう当行グループの実効税率が調整されたため、2019年12月31日終了年度のセグメントの
税率は28%となった。詳細については、英文Annual Report 2021の「Supplementary Information (Unaudited): Non-GAAP Financial
Measures」に記載されている。
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有価証券報告書
コーポレート・バンク
2020 年度から2021年度 2019 年度から2020年度
の増加(減少) の増加(減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
純収益
コーポレート・トレジャリー・サー
3,130 3,125 3,077 5 0 48 2
ビス
インスティテューショナル・クライ
1,294 1,274 1,405 20 2 -131 -9
アント・サービス
726 747 765 -21 -3 -18 -2
ビジネス・バンキング
純収益合計 5,150 5,146 5,247 4 0 -101 -2
内訳:
2,605 2,883 2,635 -278 -10 248 9
純利息収益
2,203 2,078 2,192 125 6 -114 -5
手数料およびフィー収益
その他の収益 343 185 420 158 85 -235 -56
-3 364 284 -367 N/M 80 28
信用損失引当金繰入額
利息以外の費用
1,447 1,402 1,419 46 3 -17 -1
報酬および手当
一般管理費 2,659 2,813 2,829 -154 -5 -16 -1
のれんおよびその他の無形資産の減
5 0 492 5 N/M -492 N/M
損
再構築費用 42 28 137 13 47 -108 -79
4,153 4,243 4,877 -90 -2 -634 -13
利息以外の費用合計
0 0 0 0 N/M 0 N/M
非支配持分
1,000 539 86 461 86 453 N/M
税引前利益(損失)
1
資産合計(単位: 十億ユーロ)
246 238 229 8 3 9 4
貸出金(貸倒引当金控除前、単位:
122 115 119 8 7 -5 -4
十億ユーロ)
従業員数(フルタイム換算、単位:
13,265 13,320 13,471 -55 -0 -151 -1
人)
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
1 セグメント資産は連結の観点から表示されている。すなわち、これらの金額にはセグメント間取引残高が含まれていない。
2021 年度
コーポレート・バンクの2021年度通年の税引前利益は、2020年度の539百万ユーロから増加し、10億ユーロとなった。これ
は、信用損失引当金繰入額の減少と利息以外の費用の減少に起因している。改革費用、再構築および解雇に係る費用、のれん
およびその他の無形資産の減損ならびに特定の収益項目を調整すると、税引前利益は、前年度を70%上回り、12億ユーロとな
る。この増加は主に、信用損失引当金繰入額の減少、訴訟費用の減少および調整後費用の減少に起因しているが、再構築およ
び解雇に係る費用の増加により一部相殺された。
通年の純収益は52億ユーロで、金利の不利な状況が事業の取引残高の増加と預金金利更改によって一部相殺されたため、
2020年度から横ばいであった。
コーポレート・トレジャリー・サービスの収益は、前年度と概ね横ばいの31億ユーロとなった。これは、金利の不利な状況
が預金金利更改、ECBのTLTRO Ⅲプログラムおよびその他の事業イニシアチブからの恩恵によって相殺されたためである。イン
スティテューショナル・クライアント・サービスの純収益は、基礎となる事業の業績に牽引され、前年度と比べて20百万ユー
ロ、率にして2%増加し、13億ユーロとなった。ビジネス・バンキングの純収益は、3%減少し、7億ユーロとなった。これは、
金利の不利な状況が事業の成長と預金金利更改の進展を上回ったためである。
信用損失引当金繰入額は、2020年度は364百万ユーロの繰入額であったのに対し、当年度は減損水準の低下ならびにステージ
1およびステージ2の繰入額の戻入れを反映して3百万ユーロの正味戻入れとなった。
利息以外の費用は、前年度に発生した訴訟費用が当年度は発生しなかったことを一部反映し、前年比2%減の42億ユーロと
なった。改革費用を除いた調整後 費用 は、人員削減およびその他のイニシアチブにより、前年比1%減の40億ユーロとなった。
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有価証券報告書
再構築および解雇に係る費用は、当行の改革プログラムを下支えするために人員削減を行ったことを反映し、前年比で42%増
加した。
2020 年度
コーポレート・バンクの2020年度通年の税引前利益は、前年度は86百万ユーロであったのに対し、539百万ユーロとなった。
この前年度からの増加の主因は、2019年度にのれんの減損492百万ユーロが発生したことと、2020年度には再構築費用が減少し
たことであった。改革費用、再構築および解雇に係る費用、のれんおよびその他の無形資産の減損ならびに特定の収益項目を
調整すると、2020年度の税引前利益は692百万ユーロとなる。
2020年度通年の純収益は、2019年度と比べて2%減の51億ユーロ(Postbank Systemsの売却損を除くと52億ユーロ)となっ
た。
コーポレート・トレジャリー・サービスの収益は、前年度と比べて48百万ユーロ、率にして2%増加し、31億ユーロとなっ
た。これは、低金利環境によるマイナスの影響が、預金金利更改、バランスシート管理策、ECBの階層化、およびポートフォリ
オのリバランス措置によって概ね相殺されたためである。インスティテューショナル・クライアント・サービスの純収益は、
前年度の14億ユーロから131百万ユーロ、率にして9%減少し、2020年度は13億ユーロを計上した。この減少は、主に米国およ
びアジアにおける金利引下げによってセキュリティーズ・サービスおよびトラスト・アンド・エージェンシー・サービスの収
益が大幅に減少した影響によるものであった。ビジネス・バンキングの収益は、18百万ユーロ、率にして2%減少し、7億ユー
ロとなった。これは低金利環境に起因していたが、預金金利更改の取り決めによるプラスの影響によって一部相殺された。
信用損失引当金繰入額は、COVID-19のパンデミックの影響を受け、2019年度の284百万ユーロから増加し、364百万ユーロと
なった。
2020年度の利息以外の費用は、前年度の49億ユーロから634百万ユーロ、率にして13%減少し、42億ユーロとなった。2019年
は改革戦略の実施によって、のれんの減損、再構築費用の増加、および主にITの減損に関連する改革費用が発生していた。さ
らに、2019年度に行われたセグメント変更に伴う内部費用配賦の変更によって、2019年度の費用はマイナスの影響を受けてい
た。
改革費用を除いた調整後 費用 は、前年比2%減の40億ユーロとなった。この減少は、人員削減および事業イニシアチブを反映
している。
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有価証券報告書
インベストメント・バンク
2020 年度から2021年度 2019 年度から2020年度
の増加(減少) の増加(減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
純収益
セールス/トレーディング(債券お
7,063 7,074 5,524 -11 -0 1,550 28
よび為替)
1,573 1,500 1,117 73 5 383 34
債券オリジネーション
544 369 148 174 47 221 149
株式オリジネーション
491 244 370 247 101 -126 -34
アドバイザリー
オリジネーションおよびアドバイザ
2,608 2,114 1,635 494 23 479 29
リー
-40 99 -136 -139 N/M 235 N/M
その他
純収益合計 9,631 9,286 7,023 345 4 2,263 32
104 690 110 -587 -85 581 N/M
信用損失引当金繰入額
利息以外の費用
2,199 2,081 2,156 118 6 -75 -3
報酬および手当
一般管理費 3,583 3,323 4,073 260 8 -750 -18
のれんおよびその他の無形資産の減
0 0 0 0 N/M 0 N/M
損
再構築費用 47 14 169 33 N/M -155 -92
5,830 5,418 6,397 411 8 -979 -15
利息以外の費用合計
-17 11 20 -29 N/M -8 -41
非支配持分
3,715 3,166 496 549 17 2,670 N/M
税引前利益(損失)
1
資産合計(単位: 十億ユーロ)
616 574 502 42 7 72 14
貸出金(貸倒引当金控除前、単位:
93 69 75 24 34 -6 -8
十億ユーロ)
従業員数(フルタイム換算、単位:
7,202 7,584 7,494 -382 -5 90 1
人)
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
1 セグメント資産は連結の観点から表示されている。すなわち、これらの金額にはセグメント間取引残高が含まれていない。
2021 年度
2021年度の税引前利益は、前年度と比べて549百万ユーロ増加し、37億ユーロとなった。この増加は、収益の微増ならびに信
用損失引当金繰入額の大幅な減少によるもので、利息以外の費用の増加によって一部相殺された。
2021年度の純収益は、2020年度と比べて345百万ユーロ、率にして4%増加し、96億ユーロとなった。
セールス/トレーディング(債券および為替)の収益は、前年度と概ね横ばいの71億ユーロとなった。ファイナンシングの
収益は大幅に増加したが、これは、貸付取引の増加による純利息収益の増加と、すべての事業で業績が堅調であったことによ
る。クレジット・トレーディングの収益は、ディストレスビジネスの好調により大幅に増加した。2020年の良好な取引環境と
比較して厳しい市況であったことを反映し、金利および外国為替の収益は大幅に減少した。2020年度に見られた取引量の増加
の恩恵を受けなかったアジアでの減少により、新興市場の収益は減少した。これは、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパならびに
中東およびアフリカ地域の伸びによって一部相殺され、ラテン・アメリカは概ね横ばいであった。
オリジネーションおよびアドバイザリーの純収益は、前年度と比べて494百万ユーロ、率にして23%増加し、26億ユーロと
なった。債券オリジネーションの収益は前年度を上回り16億ユーロとなったが、これは主に、レバレッジド・デット・キャピ
タル・マーケッツの業績が好調であり、正常化した投資適格債の発行を前年度よりも上回ったことによるものであった。株式
オリジネーションの収益は大幅に増加して544百万ユーロとなったが、これは第1四半期における特別目的買収会社(SPAC)の
取引からの収益が過去最高であったこと、およびその後のSPACと買収会社の合併(de-SPAC)からの年間収益を反映している。
アドバイザリーの収益は大幅に増加し491百万ユーロとなったが、これはM&A活動の伸びと、当年度に取引高が過去最高となっ
たことを反映している。
その他の収益は、2020年度には99百万ユーロの収益であったのに対して、40百万ユーロの損失であった。前年比での収益の
減少は主に、過年度に計上されたローン担保証券(CLO)のヘッジ利益の戻入れ(基礎となる信用損失引当金繰入額の戻入れの
結果として生じたものである。)に起因しているが、全体として税引前利益への正味の影響はなかった。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
信用損失引当金繰入額は、587百万ユーロ減少し、平均貸出金の14ベーシス・ポイントに相当する104百万ユーロとなった。
これは主に、前年度に発生したCOVID-19関連の減損が当年度に発生しなかったことによるものであった。
2021年度の利息以外の費用は、前年度と比べて411百万ユーロ、率にして8%増加し、58億ユーロとなった。これは、報酬費
用の増加、銀行税の増加、およびインフラサービス費用の配分を反映していた。
2020 年度
2020年度の税引前利益は、前年度と比べて27億ユーロ増加し、32億ユーロとなった。この増加は主に、収益の大幅な増加、
ならびに一般管理費および再構築費用の減少によるもので、信用損失引当金繰入額の大幅な増加によって一部相殺された。
2020年度の純収益は、2019年度と比べて23億ユーロ、率にして32%増加し、93億ユーロとなった。
セールス/トレーディング(債券および為替)の収益は、16億ユーロ、率にして28%増加し、71億ユーロとなった。金利の
収益は大幅に増加し、好調なクライアント・フローや市況に加え、事業は戦略的ポジショニングの再編によってプラスの影響
を受けた。外国為替の収益は、特に2020年度上半期における市場ボラティリティの増加およびデリバティブにおける強みに
よって大幅に増加した。クレジット・トレーディングの収益は、2020年度第1四半期の信用市場の市況悪化によって減少した
が、事業は下半期に十分回復した。新興市場の収益は大幅に増加し、3地域すべてが前年度を上回った。ファイナンシングの収
益は減少したが、これは、事業が第1四半期の信用市場の悪化によって影響を受け、さらにCOVID-19のパンデミックの影響を受
けたセクターからの収益が減少したためである。
オリジネーションおよびアドバイザリーの純収益は、前年度と比べて479百万ユーロ、率にして29%増加し、21億ユーロと
なった。債券オリジネーションの収益は前年度を大幅に上回り15億ユーロとなったが、これは主に投資適格債の取引の増加お
よび市場シェアの拡大によるものであった。株式オリジネーションの収益も大幅に増加して369百万ユーロとなったが、これは
業界の手数料プールが過去最高であったこと、および特別目的買収会社市場におけるDBの強みを反映している。アドバイザ
リーの収益は大幅に減少して244百万ユーロとなったが、これはCOVID-19のパンデミックの影響を受けた手数料プール環境の縮
小によるものであった。
その他の収益は、2019年度には136百万ユーロの損失であったのに対して、99百万ユーロの収益であった。前年比での収益の
増加は主に、以下の2つの項目によるものであった。まず、特定のデリバティブ負債に係るDVAの影響に関連して、2019年度に
は140百万ユーロの損失であったのに対して、6百万ユーロと若干の利益があった。また、2020年度においては、COIVD-19のパ
ンデミックに起因して計上された、基礎となる信用損失引当金繰入額に対応するローン担保証券(CLO)のヘッジ利益に重要性
があったがものの、全体として税引前利益への正味の影響はなかった。
信用損失引当金繰入額は、581百万ユーロ、率にして75ベーシス・ポイント増加し、平均貸出金の90ベーシス・ポイントに相
当する690百万ユーロとなった。これは主にCOVID-19関連の減損によるものであった。
2020年度の利息以外の費用は、前年度と比べて979百万ユーロ、率にして15%減少し、54億ユーロとなった。これは、調整後
費用の減少、再構築および解雇に係る費用の減少、ならびに訴訟費用の減少を反映している。改革費用を除いた調整後費用
は、規律あるコスト管理およびサービスコストの配分の減少によって、9%減少した。
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有価証券報告書
プライベート・バンク
2020 年度から2021年度 2019 年度から2020年度
の増加(減少) の増加(減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
純収益:
5,008 4,989 5,109 19 0 -120 -2
プライベート・バンク(ドイツ)
インターナショナル・プライベー
3,226 3,136 3,130 90 3 7 0
ト・バンク
1
IPBパーソナル・バンキング
908 870 905 38 4 -34 -4
2
IPBプライベート・バンキング お
2,318 2,266 2,225 52 2 41 2
よびウェルス・マネジメント
純収益合計 8,234 8,126 8,239 109 1 -113 -1
このうち:
純利息収益 4,601 4,499 4,838 102 2 -339 -7
3,207 3,052 2,866 155 5 187 7
手数料およびフィー収益
その他の収益 426 574 534 -148 -26 40 7
信用損失引当金繰入額 446 711 344 -265 -37 367 107
利息以外の費用:
2,810 2,863 2,971 -53 -2 -108 -4
報酬および手当
一般管理費 4,440 4,238 4,517 202 5 -280 -6
のれんおよびその他の無形資産の減
0 0 545 0 N/M -545 N/M
損
再構築費用 173 413 125 -240 -58 287 N/M
利息以外の費用合計 7,423 7,513 8,159 -91 -1 -645 -8
0 0 -0 -0 -87 1 N/M
非支配持分
366 -99 -263 465 N/M 164 -62
税引前利益(損失)
3
資産合計(単位: 十億ユーロ)
310 297 270 14 5 26 10
貸出金(貸倒引当金控除前、単位:
254 237 227 17 7 10 5
十億ユーロ)
4
運用資産(単位:十億ユーロ)
553 493 482 59 12 11 2
30 16 4 14 88 12 N/M
正味流入額(単位:十億ユーロ)
従業員数(フルタイム換算、単位:
28,100 29,764 31,421 -1,665 -6 -1,657 -5
人)
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
1 イタリア、スペイン、インドの小規模企業を含む。
2 イタリア、スペイン、インドの中小型株を含む。
3 セグメント資産は連結の観点から表示されている。すなわち、これらの金額にはセグメント間取引残高が含まれていない。
4 当行グループは、運用資産を(a)当行グループが顧客に代わって投資目的で保有する資産および/または(b)当行グループが運用管理する顧
客資産と定義する。当行グループは、運用資産を一任もしくはアドバイザリー・ベースで運用管理するか、または預金として預かる。預金
が投資目的で保有されている場合、運用資産とみなす。当行グループのプライベート・バンク(ドイツ)、IPBパーソナル・バンキングおよ
びIPBプライベート・バンキングにおいて、これには定期預金および貯蓄預金が含まれている。IPBウェルス・マネジメントにおいては、す
べての顧客の預金が主に投資目的で保有されているものとみなされる。
2021 年度
2021年度に、プライベート・バンクは、改革戦略の実施および事業の取引残高の増加を優先させることにおいて大きな進展
を遂げた。新規事業の正味取引残高は、運用資産および貸出全体で450億ユーロであった。2021年度の税引前利益366百万ユー
ロは、再構築および解雇に係る費用237百万ユーロならびに改革費用221百万ユーロを含む、改革関連の458百万ユーロの影響を
受けた。対する2020年度は税引前損失99百万ユーロであり、これには、Postbank Systems AGの売却によるマイナスの影響88百
万ユーロと改革関連の影響642百万ユーロが含まれていた。2021年度における改革関連の影響および特定の収益項目を調整後の
税引前利益は、BGHの判決によるマイナスの影響が284百万ユーロ生じたにもかかわらず、721百万ユーロであった。対する2020
年度の調整後の税引前利益は、518百万ユーロであった。前年比の改善は主に、信用損失引当金繰入額の減少と収益の増加を反
映している。
2021年度の純収益は、2020年度と比べて109百万ユーロ、率にして1%増加し、82億ユーロとなった。Postbank Systems AGの
売却により前年度に発生した前述の損失88百万ユーロと、BGHの判決に関連する2021年度の収益に対するマイナスの影響154百
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
万ユーロを調整すると、収益は前年比で2%増加する。市場環境が正常化に向かう中での投資商品および融資における事業の成
長は、金利の不利な状況を上回った。収益はECBのTLTRO Ⅲプログラムの恩恵も受けた。
プライベート・バンク(ドイツ)の純収益は50億ユーロであり、前年度と同水準であった。BGHの判決と、前述したPostbank
Systems AGの売却により前年度に発生したマイナスの影響を除いた収益は、前年比で2%増加した。投資商品およびモーゲージ
商品の事業が好調に成長し続けていることにより、大幅な預金マージン圧縮による影響が緩和された。収益の伸びはECBの
TLTRO Ⅲプログラムの恩恵も受けていた。
インターナショナル・プライベート・バンク(IPB)の純収益は前年度から3%増加し、32億ユーロであった。これは、市場
環境が正常化に向かう中での事業の成長を反映している。収益はECBのTLTRO Ⅲプログラムの恩恵も受けた。IPBの顧客セグメ
ントであるプライベート・バンキングおよびウェルス・マネジメントの2021年度の純収益は、前年比で2%(特定の収益項目を
除くと3%)増加し、23億ユーロとなった。これは、Sal. Oppenheimからの貢献度が2020年度よりも若干高かったためである。
リレーションシップ・マネージャーの雇用継続に下支えされ、投資商品および貸出事業の持続的成長が、金利低下による不利
な状況および為替換算によるマイナスの影響を上回った。パーソナル・バンキング顧客セグメントの2021年度の純収益は、38
百万ユーロ、率にして4%増加し、908百万ユーロとなった。投資商品事業の持続的成長と低い資金調達コストが、金利低下に
より続く不利な状況を上回った。
信用損失引当金繰入額は、2020年度の711百万ユーロに対して、2021年度には446百万ユーロであった。この前年比37%の減
少は、より良好となったマクロ経済環境、厳格なリスクの管理および良質な融資案件を反映していた。
利息以外の費用は、前年比で91百万ユーロ、率にして1%減少し、74億ユーロとなった。これは、改革関連の影響の減少を反
映しているが、BGHの判決に関連するマイナスの影響128百万ユーロを含む訴訟費用の増加により一部相殺された。
改革費用を除いた調整後費用は、前年比で42百万ユーロ、率にして1%増加し、68億ユーロとなった。改革イニシアチブによ
る追加的な節減は、テクノロジーと内部サービスへの支出の増加、預金保護スキームのコストの増加、および業績の改善によ
る変動報酬の増加によって相殺された。この増加は、年金債務に関連する前年度の一時的給付が当年度は発生しなかったこと
も反映している。
運用資産は、2020年12月31日現在と比べて590億ユーロ増加し、5,530億ユーロとなった。この増加は主に、300億ユーロの正
味資金流入、市場における評価額の230億ユーロの上昇および為替レートの変動による80億ユーロのプラスの影響によるもので
ある。2021年度の300億ユーロの正味資金流入は、主に投資商品によるものであった。
2020 年度
2020年度に、プライベート・バンクは戦略的アジェンダの実施を継続した。業績は、再構築および解雇に係る費用520百万
ユーロならびに改革費用122百万ユーロを含む、改革関連の642百万ユーロの影響を受けた。これが2020年度に99百万ユーロの
税引前損失を計上した主な理由であった。これらの改革関連の影響および特定の収益項目を調整後の税引前利益は、2019年度
の522百万ユーロに対して、2020年度には518百万ユーロであった。信用損失引当金繰入額の増加および訴訟費用の増加は、コ
スト削減によって相殺された。
2020年度の純収益は、2019年度と比べて113百万ユーロ、率にして1%減少し、81億ユーロとなった。これは主に、特定の収
益項目によるプラスの影響が減少したことを反映しており、それには2020年度のPostbank Systems AGの売却に関連した88百万
ユーロのマイナスの影響が含まれていた。特定の収益項目を除いた収益は、取引量の増加ならびに手数料およびフィー収益の
増加が、低金利環境およびCOVID-19のパンデミックによる不利な状況を補ったため、前年度から横ばいであった。
プライベート・バンク(ドイツ)の純収益は、前年比で120百万ユーロ、率にして2%減少し、50億ユーロとなった。
Postbank Systems AGに関連する影響を除いた収益は、2019年度から概ね安定的に推移した。金利低下およびCOVID-19による継
続的な逆風は、貸出金収益の増加、ならびに投資商品、保険商品、金利更改措置による手数料およびフィー収益の増加によっ
て相殺された。
インターナショナル・プライベート・バンク(IPB)の純収益は2019年度から概ね横ばいの31億ユーロであった。IPBの顧客
セグメントであるプライベート・バンキングおよびウェルス・マネジメントの2020年度の純収益は、2019年度と比べて41百万
ユーロ、率にして2%増加し、23億ユーロとなった。金利低下およびCOVID-19による不利な状況、ならびに為替換算によるマイ
ナスの影響を、投資商品および過去の雇用による効果を反映した貸出事業の成長が上回った。パーソナル・バンキング顧客セ
グメントの2020年度の純収益は、34百万ユーロ、率にして4%減少し、870百万ユーロとなった。この減少の主因は、預金マー
ジン圧縮およびCOVID-19によるマイナスの影響であった。
信用損失引当金繰入額は、2019年度の344百万ユーロに対して、2020年度には711百万ユーロであった。この増加の主因は、
COVID-19のパンデミックによるマイナスの影響、ならびに2019年度においてはポートフォリオの売却およびモデルの精緻化に
よるプラスの影響が大きかったことであった。この増加は、貸出金自体の増加にも起因している。
利息以外の費用は、2019年度と比べて645百万ユーロ、率にして8%減少し、75億ユーロとなった。2019年度ののれんの減損
545百万ユーロが当年度には発生しなかったことによる前年比でのプラスの影響は、戦略的アジェンダの実施に関連する取り組
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みを反映した再構築および解雇に係る費用の増加による改革関連費用の297百万ユーロの増加、ならびに訴訟費用の104百万
ユーロの増加によって、概ね相殺された。
改革費用を除いた調整後費用は、2019年度と比べて501百万ユーロ、率にして7%減少し、68億ユーロとなった。この減少の
主因は、コスト削減策、および人員削減を含む効率化対策によるシナジー効果であった。PBの社内労働力は2020年度末には
30,000人を割り込んだ。
運用資産は、2019年12月31日現在と比べて110億ユーロ増加し、4,930億ユーロとなった。この増加は主に、160億ユーロの正
味資金流入および市場における評価額の60億ユーロの上昇によるものであり、為替レートの変動による90億ユーロのマイナス
の影響によって一部相殺された。2020年度の160億ユーロの正味資金流入は、ほぼ全額が投資商品によるものであった。
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アセット・マネジメント
2020 年度から2021年度 2019 年度から2020年度
の増加(減少) の増加(減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
純収益
2,370 2,136 2,141 233 11 -5 -0
マネジメント・フィー
212 90 201 122 135 -111 -55
運用報酬および取引手数料
その他 126 3 -10 123 N/M 13 N/M
2,708 2,229 2,332 478 21 -103 -4
純収益合計
5 2 1 3 148 1 59
信用損失引当金繰入額
利息以外の費用
報酬および手当 822 740 832 82 11 -92 -11
840 763 851 77 10 -88 -10
一般管理費
のれんおよびその他の無形資産の減
0 0 0 -0 N/M 0 N/M
損
2 22 29 -20 -92 -6 -22
再構築費用
1,664 1,526 1,711 138 9 -185 -11
利息以外の費用合計
223 157 152 66 42 5 4
非支配持分
税引前利益(損失) 816 544 468 272 50 76 16
1
資産合計(単位: 十億ユーロ)
10 9 10 1 10 -0 -5
928 793 768 135 17 25 3
運用資産(単位:十億ユーロ)
正味流入額(単位:十億ユーロ) 48 30 25 17 N/M 5 21
従業員数(フルタイム換算、単位:
4,072 3,926 3,925 146 4 1 0
人)
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
1 セグメント資産は連結の観点から表示されている。すなわち、これらの金額にはセグメント間取引残高が含まれていない。
2021 年度
2021年度は、世界的にCOVID-19のパンデミックによる影響が続くなか、すべての主要株価指数は大幅に上昇し、米ドルは
ユーロに対して上昇した。運用資産の全体的な伸びは正味資金流入額の増加と有利な市況によるもので、これにより2020年度
に比べて収益が増加した。
2021年度のAMの税引前利益は、主に収益の大幅な増加によって、前年度の544百万ユーロから272百万ユーロ、率にして50%
増加し、816百万ユーロとなった。改革費用ならびに再構築および解雇に係る費用を調整後の税引前利益は、2020年度の586百
万ユーロに対して、2021年度には840百万ユーロであった。
純収益は、前年度と比べて478百万ユーロ、率にして21%増加し、27億ユーロとなった。
2021年度のマネジメント・フィーは、主に当年度を通じて平均運用資産が増加したことにより、前年度と比べて233百万ユー
ロ、率にして11%増加して24億ユーロとなった。
2021年度の運用報酬および取引手数料は、2020年度通年と比べて122百万ユーロ、率にして135%と大幅に増加し、212百万
ユーロとなった。これは主に、マルチ・アセットでの例外的な運用報酬の発生、ならびに不動産の運用報酬および取引手数料
の増加によるものである。
その他の収益は、2020年度と比べて123百万ユーロ増加し、126百万ユーロとなった。これは主に、保証商品の公正価値にお
ける有利な変動、流動性の低い商品における投資収益の増加、Harvest Fund Management Co. Limitedへの投資によるプラスの
影響の増加によるものであった。
利息以外の費用は、前年度と比べて138百万ユーロ、率にして9%増加し、17億ユーロとなった。これは、報酬および手当の
増加と、コア・プラットフォームの改革に起因する専門的サービスおよびIT関連費用の増加が、運用資産の増加によるサービ
ス費用の増加と相まったためである。
2021年度の改革費用を除いた調整後 費用 は、2020年度の15億ユーロから154百万ユーロ、率にして10%増加し、16億ユーロと
なった。
運用資産は、2020年12月31日現在と比べて1,350億ユーロ、率にして17%増加し、9,280億ユーロとなった。この増加は、600
億ユーロの好調な市場パフォーマンス、480億ユーロの正味資金流入の有利な変動および主に260億ユーロの為替のプラスの影
響によるものである。正味資金流入は主に、アクティブ・キャッシュ、アクティブ債券、アクティブ・マルチ・アセットおよ
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びアクティブ・システマティック・アンド・クオンタティブ・インベストメンツ(SQI)のみならず、パッシブとオルタナティ
ブの目標とする成長分野にも好調な資金流入があったことによる。環境、社会、ガバナンス(ESG)専用ファンドは引き続き好
調 な正味資金流入をもたらし、正味資金流入合計の40%を占めた。
以下の表は、2021年度における商品タイプ別の運用資産の増減およびそれぞれのマネジメント・フィー・マージンを示して
いる。
アクティ アクティ
ブ・マル ブ・
アクティ アクティ チ・ア アクティ キャッ オルタナ
単位:十億ユーロ ブ株式 ブ債券 セット ブ・SQI シュ パッシブ ティブ 運用資産
97 220 59 69 75 179 93 793
2020 年12月31日現在残高
16 47 13 14 510 95 14 708
流入
流出 -16 -43 -9 -11 -504 -69 -9 -660
-1 5 4 2 6 26 6 48
正味流入(流出)額
為替の影響 2 8 0 0 4 8 3 26
18 -4 6 5 -0 25 11 60
運用成績
その他 -0 -0 1 0 -0 -1 1 1
116 227 70 77 84 238 115 928
2021 年12月31日現在残高
マネジメント・フィー・マージ
ン(単位:ベーシス・ポイン 72 13 33 28 3 18 49 28
ト)
2020 年度
2020年の市況はCOVID-19の世界的なパンデミックによる影響を受けた。すべての主要株価指数は第2四半期において大幅に下
落したが、ほとんどの市場では年末までに回復し、また米ドルはユーロに対して下落した。全体的な正味資金流入額は、運用
資産の拡充と相まってプラスであった。
2020年度のAMの税引前利益は、主に費用の減少によって、前年度の468百万ユーロから76百万ユーロ、率にして16%増加し、
544百万ユーロとなった。改革費用ならびに再構築および解雇に係る費用を調整後の税引前利益は、2019年度の540百万ユーロ
に対して、2020年度には586百万ユーロであった。
純収益は、前年度と比べて103百万ユーロ、率にして4%減少し、22億ユーロとなった。
2020年度のマネジメント・フィーは、前年度から概ね横ばいの21億ユーロであった。これは、好調な市場パフォーマンスの
影響およびパッシブの成長が、マネジメント・フィー・マージンの低下によって一部相殺されたためである。
2020年度の運用報酬および取引手数料は、2019年度通年と比べて111百万ユーロ、率にして55%と大幅に減少し、90百万ユー
ロとなった。これは主に、2019年度に認識されたオルタナティブおよびマルチ・アセットの運用報酬が当年度には発生しな
かったためである。
その他の収益は、2019年度には10百万ユーロの損失であったのに対して、3百万ユーロの収益となった。これは両年度ともに
保証商品の公正価値によってマイナスの影響を受けたこと、また2020年度における投資収益の減少、Harvest Fund Management
Co. Limitedへの投資によるプラスの影響の増加、および財政融資手数料の減少によるものであった。
利息以外の費用は、前年度と比べて185百万ユーロ、率にして11%減少し、15億ユーロとなった。これは、変動報酬の減少お
よび効率性向上の取り組み、ならびに旅費・接待費やマーケティング費用等のパンデミックに関連したコスト削減によるもの
であった。利息以外の費用の減少は、前年度には不動産の減損に関連する改革費用が含まれていたためでもあった。
2020年度の改革費用を除いた調整後 費用 は、2019年度の16億ユーロから159百万ユーロ、率にして10%減少し、15億ユーロと
なった。これは、報酬費用の減少が報酬以外のコストの減少と相まったためである。
運用資産は、2019年12月31日現在と比べて250億ユーロ、率にして3%増加し、7,930億ユーロとなった。この増加は、300億
ユーロの正味資金流入および主に2020年度下半期に発生した有利な市場の動向に関連する240億ユーロによるものであり、為替
の260億ユーロのマイナスの影響によって一部相殺された。正味資金流入は主に、パッシブおよびキャッシュ、さらにオルタナ
ティブによるものであった。ESG専用ファンドは引き続き好調な正味資金流入をもたらした。
以下の表は、2020年度における商品タイプ別の運用資産の増減およびそれぞれのマネジメント・フィー・マージンを示して
いる。
アクティ アクティ
ブ・マル ブ・
アクティ アクティ チ・ア アクティ キャッ オルタナ
単位:十億ユーロ ブ株式 ブ債券 セット ブ・SQI シュ パッシブ ティブ 運用資産
96 234 58 71 57 156 96 768
2019 年12月31日現在残高
流入 21 47 16 19 503 85 12 703
-19 -54 -18 -22 -483 -68 -8 -673
流出
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2 -7 -2 -3 20 17 4 30
正味流入(流出)額
-2 -9 -0 -0 -4 -7 -3 -26
為替の影響
運用成績 3 7 1 1 0 13 -2 24
-1 -6 1 1 2 0 -1 -3
その他
97 220 59 69 75 179 93 793
2020 年12月31日現在残高
マネジメント・フィー・マージ
72 13 34 28 4 19 50 28
ン(単位:ベーシス・ポイン
ト)
キャピタル・リリース・ユニット
2020 年度から2021年度 2019 年度から2020年度
の増加(減少) の増加(減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
26 -225 217 251 N/M -442 N/M
純収益
-42 29 -14 -70 N/M 43 N/M
信用損失引当金繰入額
利息以外の費用
128 168 359 -40 -24 -191 -53
報酬および手当
1,306 1,774 2,898 -468 -26 -1,124 -39
一般管理費
のれんおよびその他の無形資産の減
0 0 0 0 N/M 0 N/M
損
-2 5 143 -7 N/M -139 -97
再構築費用
1,432 1,947 3,400 -515 -26 -1,453 -43
利息以外の費用合計
非支配持分 - -0 1 0 N/M -1 N/M
-1,364 -2,200 -3,170 836 -38 970 -31
税引前利益(損失)
1
資産合計(単位: 十億ユーロ)
132 198 259 -66 -33 -62 -24
従業員数(フルタイム換算、単位:
267 478 614 -211 -44 -136 -22
人)
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
1 セグメント資産は連結の観点から表示されている。すなわち、これらの金額にはセグメント間取引残高が含まれていない。
2021 年度
2021年度においてキャピタル・リリース・ユニットは、主に前年比でのコストの減少を反映して、2020年度の22億ユーロの
税引前損失から38%減となる14億ユーロの税引前損失を計上した。
純収益は、前年度は225百万ユーロの損失であったのに対し、2021年度は26百万ユーロの収益となった。これは、プライム・
ファイナンスのコスト回収からの収益と貸出金ポートフォリオからの収益が、資金調達、リスク管理およびリスク圧縮の影響
により部分的にしか相殺されなかったためである。
信用損失引当金繰入額は、2020年度の29百万ユーロの繰入れに対して、42百万ユーロの正味戻入れであった。この正味戻入
れは不動産および船舶のレガシーポートフォリオによるものであった。
利息以外の費用は、前年度と比べて26%減少し、14億ユーロとなった。この変動は主に、調整後費用が35%減少したことに
起因しており、内部サービス費用および銀行税の配分の減少、ならびに直接費の減少を反映している。
2021年度末現在のレバレッジ・エクスポージャーは、2020年度末現在の720億ユーロから減少して390億ユーロとなり、当部
門の最新の2022年度末目標である510億ユーロを上回った。この進展は、ドイツ銀行のプライム・ファイナンスおよび電子株式
事業のBNPパリバへの移転を一部反映している。当該移転は目標のスケジュールに沿って2021年度末までに成功裡に完了した。
2021年度末現在のリスク・ウェイテッド・アセットは2020年度末現在の340億ユーロから減少して280億ユーロとなり、当行
の2022年度末目標である320億ユーロを上回った。
2019年度第2四半期の後に発足して以来、CRUはレバレッジ・エクスポージャーを84%、RWAを57%削減しており、税引前損失
は2019年以降57%減少している。
2020 年度
CRUは、2019年度の32億ユーロの税引前損失に対して、2020年度には22億ユーロの税引前損失を計上した。この前年比での損
失改善の主因は、一般管理費の減少、報酬および手当の減少ならびに再構築費用の減少が、株式売買事業の撤退による収益の
減少を上回ったことであった。
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純収益は、2019年度と比べて442百万ユーロ減少し、225百万ユーロの損失となった。2020年度のマイナス収益は、通年での
資産削減戦略を実施したことにより、主にリスク圧縮、資金調達、ヘッジコストが計上されており、プライム・ファイナンス
の コスト回収によって一部相殺された。前年度にはCRU設立前の6ヶ月間の営業収益が含まれていた。
信用損失引当金繰入額は、2019年度の14百万ユーロの戻入れに対して、29百万ユーロの繰入れであった。2019年度の正味戻
入れは複数のポートフォリオにわたる少数の特定の事象が主なものであったが、2020年度にはレガシー船舶ポートフォリオに
おいて追加繰入れが行われた。
利息以外の費用は、前年度と比べて15億ユーロ、率にして43%減少し、19億ユーロとなった。当行の戦略と整合して、2020
年度の再構築費用は、前年度に発生した143百万ユーロから5百万ユーロへと大幅な減少が見られた。同様に、CRUでは改革費用
が大幅に減少し、主にソフトウェアの減損に関連して、改革費用が2019年度に510百万ユーロであったのに対して、2020年度に
は162百万ユーロを計上した。
改革費用を除いた調整後 費用 は、2019年度と比べて862百万ユーロ、率にして33%減少し、17億ユーロとなった。これは、固
定報酬と変動報酬の双方の報酬および手当に係る費用の減少、主に専門的サービス報酬ならびに通信およびデータ・サービス
の減少に起因する報酬以外の費用の減少によるものであった。
レバレッジ・エクスポージャーは720億ユーロであり、年度末目標である800億ユーロを80億ユーロ上回った。これは、2019
度末の1,270億ユーロに対して通年で43%の減少に相当する。
2020年度末現在のリスク・ウェイテッド・アセット(RWA)は340億ユーロであり、年度末目標である380億ユーロを40億ユー
ロ下回った。これは前年度から通年で110億ユーロ、率にして48%の減少に相当し、そのうち100億ユーロの減少は信用リスク
およびマーケット・リスクによるものであった。
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コーポレートおよびその他(C&O)
2020 年度から2021年度 2019 年度から2020年度
の増加(減少) の増加(減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
-339 -534 107 195 -36 -641 N/M
純収益
5 -4 -0 9 N/M -3 N/M
信用損失引当金繰入額
利息以外の費用
3,012 3,217 3,406 -206 -6 -188 -6
報酬および手当
-2,008 -2,652 -2,916 644 -24 263 -9
一般管理費
のれんおよびその他の無形資産の減
0 0 0 0 N/M 0 N/M
損
-0 3 41 -3 N/M -38 -93
再構築費用
1,004 568 531 436 77 37 7
利息以外の費用合計
-206 -169 -173 -37 22 3 -2
非支配持分
税引前利益(損失) -1,143 -929 -251 -213 23 -679 N/M
従業員数(フルタイム換算、単位:
30,064 29,587 30,672 477 2 -1,085 -4
人)
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
2021 年度
2021年度のC&Oは、2020年度は929百万ユーロの税引前損失であったのに対し、主に利息以外の費用の増加を反映して、11億
ユーロの税引前損失を計上した。
純収益は、2020年度の534百万ユーロの損失に対して、2021年度には339百万ユーロの損失であった。評価および期間差異に
関連する収益は、2020年度の85百万ユーロの損失に対して、2021年度には158百万ユーロの収益であった。この改善は、ヘッジ
会計が適用できない場合の当行の資金調達契約に関連する金利ヘッジ取引の時価評価によるプラスの影響に起因した。資金お
よび流動性に関連する純収益は、2020年度の235百万ユーロの損失に対して、2021年度には242百万ユーロの損失であった。
2021年度の利息以外の費用は、2020年度と比べて436百万ユーロ、率にして77%増加し、10億ユーロとなった。2021年度の利
息以外の費用には、一部に当行のクラウド技術への移行が一因となり発生した契約締結費用とソフトウェアの減損費用が含ま
れるC&Oで計上された改革関連費用603百万ユーロが含まれていた。OECD移転価格ガイドラインにおいて定義される株主取引に
関連し、事業部門に配分されなかった費用は、2020年度の403百万ユーロに対して、2021年度には460百万ユーロとなった。
非支配持分は、各部門の税引前利益から控除され、C&Oにおいて戻入れられる。これらは、主にDWSに関連しており、2020年
度の169百万ユーロに対して、2021年度には206百万ユーロであった。
2020 年度
2020年度のC&Oは、2019年度は251百万ユーロの税引前損失であったのに対し、929百万ユーロの税引前損失を計上した。
純収益は、2019年度の107百万ユーロの収益に対して、2020年度には534百万ユーロの損失であった。評価および期間差異に
関連する収益は、2019年度の573百万ユーロの収益に対して、2020年度には85百万ユーロの損失であった。これは、ドイツ銀行
の資金調達スプレッドの縮小が資金調達コストの低下につながったことを背景として、当行の資金調達契約に関連するヘッジ
取引の時価評価によるマイナスの影響に起因した。資金および流動性に関連する純収益は、2019年度の208百万ユーロの損失に
対して、2020年度には235百万ユーロの損失であった。
2020年度の利息以外の費用は、2019年度と比べて37百万ユーロ、率にして7%増加し、568百万ユーロとなった。利息以外の
費用には、2019年度にC&Oに留保され、計画を65百万ユーロ下回るインフラ費用が含まれていたのに対して、2020年度には計画
を168百万ユーロ上回るインフラ費用が含まれており、また主に当行保有の不動産の合理化を加速したことを反映した改革費用
が含まれていた。訴訟費用は、2019年度に238百万ユーロの費用であったのに対して、引当金の正味戻入れを反映して、2020年
度には67百万ユーロが貸方計上された。OECD移転価格ガイドラインにおいて定義される株主取引に関連し、事業部門に配分さ
れなかった費用は、2019年度と比べて15%減少し、2020年度には403百万ユーロとなった。2019年度には、残余残高の戻入れに
よるプラスの影響が認識された。
非支配持分は、各部門の税引前利益から控除され、C&Oにおいて戻入れられる。これらは、主にDWSに関連しており、2019年
度の173百万ユーロに対して、2020年度には169百万ユーロであった。
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財政状態
資産
2021 年 2020 年
12月31日 12月31日
増減率
単位:百万ユーロ(別途記載のものを除く。) 現在 現在 変動額 (%)
199,363 175,339 24,024 14
現金、中央銀行預け金およびインターバンク預け金
中央銀行ファンド貸出金および売戻条件付買入有価証券(逆レ
8,432 8,533 -101 -1
ポ)ならびに借入有価証券担保金
491,233 527,941 -36,709 -7
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
このうち:トレーディング資産 102,396 107,929 -5,532 -5
299,732 343,455 -43,723 -13
このうち:デリバティブ金融商品のプラスの時価
このうち:強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるト
88,965 76,121 12,844 17
レーディング以外の金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 28,979 55,834 -26,856 -48
償却原価で測定する貸出金 471,319 426,995 44,324 10
124,668 130,617 -5,949 -5
その他の資産
このうち:ブローカー業務および有価証券に関連する債権 71,495 74,564 -3,070 -4
資産合計 1,323,993 1,325,259 -1,266 -0
負債および資本
2021 年 2020 年
12月31日 12月31日
増減率
単位:百万ユーロ(別途記載のものを除く。) 現在 現在 変動額 (%)
603,750 568,031 35,719 6
預金
中央銀行ファンド借入金および買戻条件付売却有価証券(レポ)
1
4,023
772 -3,251 -81
ならびに貸付有価証券受入金
400,857 419,199 -18,342 -4
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
54,718 44,316 10,403 23
このうち:トレーディング負債
287,108 327,775 -40,666 -12
このうち:デリバティブ金融商品のマイナスの時価
このうち:純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定
58,468 46,582 11,886 26
された金融負債
その他の短期借入金 4,034 3,553 481 14
144,485 149,163 -4,679 -3
長期債務
1
119,094
102,066 -17,028 -14
その他の負債
このうち:ブローカー業務および有価証券に関連する債務 70,165 79,810 -9,645 -12
1,255,962 1,263,063 -7,100 -1
負債合計
68,030 62,196 5,834 9
資本合計
負債および資本合計 1,323,993 1,325,259 -1,266 -0
1 2020 年12月31日現在の数値は更新されている。
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資産および負債の変動
2021年12月31日現在の貸借対照表の総額は1.3兆ユーロであり、2020年度末から13億ユーロ(0.1%)の微減となった。
現金、中央銀行預け金およびインターバンク預け金は240億ユーロ増加したが、これは主に、市況に鑑みて戦略的流動性準備
金のリバランスの結果として行った、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の一部売却による収入269億ユー
ロによるものであった。
償却原価で測定する中央銀行ファンド貸出金および売戻条件付買入有価証券(逆レポ)ならびに借入有価証券担保金、なら
びに強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング目的以外の金融資産は、インベストメント・バンクにおい
て現在の市況下で顧客の取引活動が活発化したため、148億ユーロ増加した。これに対応する負債は、74億ユーロ増加した。
トレーディング資産は、主にプライム・ファイナンスのフランチャイズのBNPパリバへの売却の結果として負債性有価証券の
ロング・ポジションを解消したことにより、55億ユーロ減少した。トレーディング負債は、主に顧客の需要および市場機会の
増加により、104億ユーロ増加した。
デリバティブ金融商品のプラスおよびマイナスの時価は、それぞれ437億ユーロおよび407億ユーロ減少した。これは主に、
金利カーブの変化が時価評価額の変化と逆相関であったため、キャピタル・リリース・ユニットおよび金利商品においてリス
ク圧縮を行ったことに起因している。これらの減少は、取引量の増加により、インベストメント・バンクの債券および為替事
業における為替商品が増加したことによって一部相殺された。
償却原価で測定する貸出金は443億ユーロ増加したが、これは主に、インベストメント・バンクにおける根底にある力強い成
長と2022年度第1四半期に満期が見込まれる多額の一時的な資金調達、プライベート・バンクにおけるモーゲージ貸出金と担保
付貸出金の好調な伸び、ならびにコーポレート・バンクのコーポレート・トレジャリー・サービスにおける堅調な貸出需要に
起因している。預金は、主にコーポレート・バンクの目標どおりの成長、プライベート・バンクの本業の成長、および年度末
に向けた資金調達ニーズをサポートするホールセール資金での短期調達により、357億ユーロ増加した。
長期債務は47億ユーロ減少した。これは主に、債券発行の期日到来と買戻しによるものであるが、ECBのTLTRO Ⅲ資金供給プ
ログラムからの引き出しによって一部相殺された。
その他の資産は、主にプライム・ファイナンスのフランチャイズのBNPパリバへの移転により売却目的保有資産が減少したこ
とにより、59億ユーロ減少した。その他の負債は、デリバティブ・ポジションの減少に伴うブローカレッジ業務に係る債務の
減少、および前述の移転に伴う売却目的保有負債の減少により、170億ユーロ減少した。
バランスシート全体の変動には、主にユーロに対する米ドル高に起因する為替レートの変動による356億ユーロの増加が含ま
れていた。外国為替レートの変動によるこれらの影響は、本項に記載される貸借対照表の勘定科目ごとの変動に含まれてい
る。
流動性
2021年12月31日現在、委員会委任規則(EU)第2015/61号の定義(規則(EU)第2018/1620号により修正された。)による高品質
の流動資産(HQLA)の合計額は、2020年12月31日現在の2,130億ユーロから60億ユーロ減少し、2,070億ユーロとなった。当行
グループは、HQLAの要件を満たしていない、またはHQLAの定義に基づく振替制限の対象となっていない、流動性の高い中央銀
行適格資産を追加的に保有している。これらの追加的な流動資産は2021年12月31日現在で340億ユーロであり、当行グループの
流動性準備金合計は2,410億ユーロとなった。この減少は主に、貸出取引の増加と資本市場発行の期日到来によるもので、ECB
のTLTROへの追加参加と預金の増加により一部相殺された。流動性カバレッジ比率は、2020年度第4四半期末現在では145%で規
制要件を660億ユーロ上回っていたのに対し、2021年度第4四半期末現在では133%であり、規制要件を520億ユーロ上回ってい
る。
資本
2021年12月31日現在の資本合計は、2020年12月31日現在に比べて58億ユーロ増加した。この変動は複数の要因によるもので
あり、それらには、 その他の資本構成要素 (IFRSでは資本として扱われるその他Tier 1証券)を25億ユーロ(2021年5月9日と
2021年11月16日に12.5億ユーロずつ)発行したことが含まれる。また、この増加には、当期に25億ユーロの利益を計上したこ
と、ユーロに対する米ドル高を主因として為替換算によるプラスの影響が11億ユーロ(税引後)生じたこと、および確定給付
制度に係る再測定利得が592百万ユーロ(税引後)生じたことも貢献した。この増加は、その他の包括利益を通じて公正価値で
測定する金融資産に係る未実現純損失398百万ユーロ(税引後)、およびその他の資本構成要素に係るクーポン支払額363百万
ユーロにより一部相殺された。
自己資金
2021年12月31日現在の当行グループのCRR/CRDに基づく普通株式等Tier 1(CET 1)資本は、2020年12月31日現在の449億ユー
ロから16億ユーロ増加し、465億ユーロとなった。CRR/CRDに基づくリスク・ウェイテッド・アセット(RWA)は、2020年12月31
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日現在の3,290億ユーロから227億ユーロ増加し、2021年12月31日現在で3,516億ユーロとなった。CRR/CRDに基づくRWAの増加に
よって、2021年12月31日現在のCRR/CRDに基づくCET 1資本比率は、2020年12月31日現在の13.6%に対し、13.2%に減少した。
2021年12月31日現在の当行グループのCRR/CRDに基づくTier 1資本は554億ユーロであり、CRR/CRDに基づくCET 1資本465億
ユーロとCRR/CRDに基づくその他Tier 1(AT1)資本89億ユーロで構成されている。CRR/CRDに基づくTier 1資本は、2020年12月
31日現在から36億ユーロ増加した。これは、2020年度末からCRR/CRDに基づくCET 1資本が16億ユーロ増加し、CRR/CRDに基づく
AT1資本が20億ユーロ増加したことによるものであった。CRR/CRDに基づくTier 1資本比率は、2020年12月31日現在と変わら
ず、2021年12月31日現在においても15.7%であった。
当行グループのCRR/CRDに基づく規制上の自己資本合計は、2020年12月31日現在の587億ユーロに対して、2021年12月31日現
在において627億ユーロであった。CRR/CRDに基づく資本合計の増加は、2020年度末からCRR/CRDに基づくTier 1資本が36億ユー
ロ増加し、CRR/CRDに基づくTier 2資本が4億ユーロ増加したことによるものである。CRR/CRDに基づく総資本比率は、2020年12
月31日現在と変わらず、2021年12月31日現在においても17.8%であった。
流動性および資本資源
流動性リスク管理の詳細については、当行グループのリスク・レポートを参照のこと。
信用格付
ドイツ銀行は、ムーディーズ・ドイツGmbH(以下「ムーディーズ」という。)、S&Pグローバル・レーティング・UK・リミ
テッド(以下「S&P」という。)、フィッチ・レーティングス・アイルランド・リミテッドの支社であるフィッチ・レーティン
グス(以下「フィッチ」という。)およびDBRSレーティングスGmbH(以下「DBRSモーニングスター」といい、ムーディーズ、
S&Pおよびフィッチと合わせて「格付機関」と総称する。)によって格付が行われている。
ムーディーズ、フィッチおよびDBRSモーニングスターは、欧州連合内で設立され、信用格付機関に対する2009年9月16日付の
欧州議会および理事会の規則(EC)No.1060/2009(改正済)(以下「CRA規則」という。)に従い、登録されている。S&Pに関
して、信用格付は、CRA規則第4条第3項に従い、アイルランドのS&Pの事務所(S&Pグローバル・レイティングス・ヨーロッパ・
リミテッド)が承認している。
信用格付の推移
格付機関は、厳しいマクロ経済環境にもかかわらず、当行が2021年度における目標(具体的には収益性の改善および信用損
失引当金の削減)に向けて行ってきた継続的な取り組みの進展を認識している。これは、ムーディーズ、フィッチおよびS&Pに
よる信用格付の引き上げと、当年度を通じて行われたDBRSモーニングスターによるアウトルックの更新に反映された。
2021年8月4日、ムーディーズはドイツ銀行のすべての格付を1段階引き上げた。当行の長期および短期の預金格付はA3/P-2か
らA2/P-1に引き上げられ、長期のシニア無担保債(シニア優先債)の格付はA3からA2に引き上げられている。長期預金および
シニア無担保債(シニア優先債)の格付のアウトルックは、検討中からポジティブに変更された。また、当行のジュニア-シニ
ア無担保債(シニア非優先債)の格付は、Baa3からBaa2に引き上げられ、ベースライン信用格付(BCA)はba1からbaa3に引き
上げられた。ムーディーズは、ドイツ銀行が、特に収益性の改善を通じて、中期目標の達成に向けて継続的に進展している点
を強調した。ムーディーズは、当行が引き続き収益と利益を拡大するとともにコスト基盤を削減し、慎重かつ十分に管理され
たリスク選好を維持すると考えている。
この格付の引き上げは、ムーディーズが2021年5月17日にドイツ銀行の格付に関して実施した、格付引き上げに向けたレ
ビューに続くものであった。この動きは、よりバランスのとれた持続可能なビジネス・モデルおよび変わらず強固な資本と流
動性バッファーを達成するという目標に向けた、当行の迅速かつ顕著な進展を考慮に入れたものであった。
2021年9月23日、フィッチはドイツ銀行のすべての長期格付、ならびにデリバティブ・カウンターパーティ格付(DCR)およ
び存続可能性格付(VR)を1段階引き上げた。当行の長期発行体デフォルト格付(IDR)はBBBからBBB+に、VRはbbbからbbb+
に、DCRならびに長期預金およびシニア優先債の格付はBBB+からA-に引き上げられた。長期IDRのアウトルックはポジティブの
まま据え置かれた。これらの引き上げは、改革プロセスの順調な進展とそこから生じる一層管理が容易な課題を反映してお
り、フィッチは当該プロセスが2022年度も順調に進むと予想している。さらに、フィッチは、ビジネス・モデルの強化とフラ
ンチャイズの改善、健全な資産の質、資金調達および流動性に加え、適切な資本化も強調した。
この格付措置は、2021年1月25日にフィッチがドイツ銀行に関するアウトルックをネガティブからポジティブに変更したこと
に続くものであった。当該修正は、短期および長期目標の達成に必要なコスト軌道の維持、コア・バンク収益の減少を回避し
ながらの非中核事業の削減、ならびに十分で目標を上回る自己資本の維持といった、当行の再構築の進捗度を反映していた。
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2021年11月9日、S&Pはドイツ銀行の長期発行体信用格付をBBB+からA-に引き上げた。当行のシニア無担保債(シニア優先
債)の格付もBBB+からA-に引き上げられた。さらに、S&Pは、長期および短期のレゾリューション・カウンターパーティ格付を
A-/A-2からA/A-1に引き上げた。これらの引き上げは、バランスシートの回復力を維持しながら、より焦点を絞った収益性の高
い ビジネス・モデルを用いるドイツ銀行の改革プログラムが、統制のとれた方法で実行されていることを反映している。安定
的へのアウトルックの変更は、当行がその戦略実行を継続し、業績を強化するのに十分な立場にあることを示している。
これらの引き上げは、2021年2月26日にS&Pがドイツ銀行の長期発行体信用格付のアウトルックをネガティブからポジティブ
に修正したことに続くものであった。S&Pは同時に、当行のその他Tier 1ハイブリッド金融商品の発行格付をB+からBB-に引き
上げた。S&Pは、業務面の再構築における難しい段階が堅調に実行されていることが示されている点を強調し、また、再構築に
よる恩恵が今後12〜24ヶ月で現れ、それにより事業が安定し、ドイツ銀行の業績がより高格付のヨーロッパの同業他社の業績
に近づくという期待を強く主張した。
2021年7月1日、DBRSモーニングスターは、ドイツ銀行のすべての長期格付のアウトルックをネガティブから安定的に変更し
た。DBRSモーニングスターは、当行のリスク圧縮と、フランチャイズを安定させた改革計画の実行における進捗状況を反映し
た。さらに、このアウトルックの変更により、適切に管理された信用およびマーケット・リスク・プロファイル、ならびに強
固なバランスシートのファンダメンタルズを維持しながら、費用面で達成された成果が強調された。
すべての格付機関は、更なる収益性の改善に焦点を置いて、当行の2022年度の目標に向けた更なる進展を注意深く監視して
いく。また、格付機関は、慎重なリスク管理と強固な資産の質を維持しつつ2022年度以降の持続可能な収益性を実現すること
を求めている。
格付引き下げの潜在的影響
ドイツ銀行は、格付機関(ムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズおよびフィッチ)による1段階および2段階の引
き下げが流動性ポジションに与える契約上および仮定上の潜在的影響を計算しており、この影響を毎日の流動性ストレス・テ
ストおよび流動性カバレッジ比率の計算に含めている。シナリオ別のLCRテストおよび流動性ストレス・テストの結果は別途開
示されている。
契約上の債務に関して、3つの格付機関(ムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズおよびフィッチ)によって格付が
1段階引き下げられた場合のデリバティブのストレス下での流動性の流出に与える仮定上の影響額は、主に契約上のデリバティ
ブ資金および/または必要なマージンが増加するため、約2億ユーロとなる。格付が2段階引き下げられた場合の仮定上の影響
額は、主に契約上のデリバティブ資金および/または必要なマージンが増加するため、約3億ユーロとなる。
上記の分析は、3つの格付機関(ムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズおよびフィッチ)が同時に格付を引き下げ
た場合を想定しており、その場合、前述したドイツ銀行の資金能力も減少することが予想される。この特定の契約に関する分
析は、当行独自の流動性ストレス・テスト・シナリオに反映される。
格付が引き下げられた場合のドイツ銀行への実際の影響は予測できず、前述した資金および流動性への潜在的な影響とは異
なる可能性がある。
選択された格付カテゴリー
カウンター
シニア優先 シニア非優
パーティ・
1 2
債/預金 先債
リスク 短期格付
A2(cr) A2 Baa2 P-1
ムーディーズ・インベスターズ・サービス(ニューヨーク)
- A- BBB- A-2
スタンダード・アンド・プアーズ(ニューヨーク)
A-(dcr) A- BBB+ F2
フィッチ・レーティングス(ニューヨーク)
A(高) A(低) BBB(高) R-1(低)
DBRS(トロント)
1 ムーディーズではシニア無担保債で、スタンダード・アンド・プアーズではシニア無担保債で、フィッチではシニア優先債で、DBRSではシ
ニア債で格付されている。すべての格付機関は、預金と「シニア優先」債を分けて格付しているが、同じ格付レベルである。
2 ムーディーズではジュニア-シニア債で、スタンダード・アンド・プアーズではシニア劣後債で、フィッチおよびDBRSではシニア非優先債で
格付されている。
各格付は、その格付を付与した時点のみにおける格付機関の見解を反映している。各格付は別個に評価する必要があり、ま
た格付の意義の解釈については格付機関によるべきである。格付機関は、状況がこれを正当化すると判断した場合には、いつ
でも格付を変更することができる。長期信用格付は、ドイツ銀行の有価証券の購入、保有または売却を推奨するものと見るべ
きではない。
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契約上の債務の表形式による開示
2021 年12月31日現在の要現金支払額
期間別
契約上の債務
要支払額
単位:百万ユーロ
合計 1 年未満 1 -3年 3 -5年 5 年超
1
長期債務
154,068 51,378 40,028 31,278 31,383
1、2
信託優先証券
529 529 0 0 0
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定
3,809 1,225 574 1,288 722
3
された長期金融負債
リース負債の測定に反映されていない将来キャッ
6,433 10 163 376 5,884
4
シュ・アウトフロー
1
リース負債
4,515 682 875 875 2,082
購入債務 4,045 547 1,649 1,678 171
1
長期預金
22,188 0 7,733 4,462 9,994
1,467 1,101 284 2 79
その他の長期負債
合計 197,054 55,474 51,306 39,959 50,315
1 利息の支払いが含まれている。
2 契約上の支払日または最初の償還日。
3 純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された長期債務および長期預金である。
4 詳細は注記22「リース」を参照のこと。
財およびサービスの購入債務には将来の、特に情報技術サービスおよび与信枠管理に関する支払が含まれる。購入債務に関
する上記の金額は一部、契約上の最低支払額を表しており、将来の実際支払額はこれより高くなる可能性がある。長期預金か
らは期日までの残存期間が1年未満の契約は除かれている。一定の条件下では、純損益を通じて公正価値で測定するものとして
指定された一部の長期金融負債の将来の支払は、早期に発生する可能性がある。詳細な情報については連結財務諸表に対する
以下の注記を参照のこと。すなわち、注記05「純利息収益および純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純
利得(損失)」、注記22「リース」、注記26「預金」および注記30「長期債務および信託優先証券」である。
見通し
以下の項は、2022年度における当行グループおよび各事業部門の見通しの概要を提供している。以下の世界経済の見通しお
よび銀行業界の項は、将来の経済および業界の動向に関する当行グループの一般的な予想を反映している。モデルに使用され
た経済的仮定は、各項で個別に説明されている。
世界経済
世界経済の見通し
1
経済成長率(%)
2022 年² 2021 年 主な要因
世界経済 2022年は世界経済の前向きなモメンタムとともに始まり、このモメン
GDP 4.2 6.0 タムは今後1年間にわたって緩やかに続くと予想される。COVID-19のパ
インフレ率 5.7 4.1 ンデミックからの継続的な回復と財政刺激策の組み合わせにより、
2022年を通じて成長を下支えすることが期待される。2022年には、イ
ンフレ率が世界的に著しく上昇すると予想される。中央銀行は金融政
策を引き締めることが予想される。
このうち:先進国 COVID-19のオミクロン株による感染が沈静化するにつれ、先進国の経
GDP 3.6 5.1 済回復は勢いを取り戻すことが期待される。サプライチェーンの制約
インフレ率 4.7 3.2 の緩和と過剰な貯蓄の活用により、経済は2022年に堅調な世界貿易と
内需の強化から恩恵を受けるものと予想される。持続的なインフレ率
の上昇は、先進国の中央銀行に金融政策の引き締めを促す可能性があ
る。
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このうち:新興国市場 経済は堅調な輸出需要の恩恵を受けると予想され、特に中国経済の回
GDP 4.6 6.6 復が見込まれるが、新興国市場の回復は2022年にやや鈍化する可能性
インフレ率 6.4 4.6 がある。新興市場は2022年にいくつかの課題に直面すると予想されて
おり、その中には、先進国との間に広がるワクチン格差、より粘着的
なインフレ率、低い成長率、外貨建て債務の多さといったことが含ま
れる。
ユーロ圏経済 ユーロ圏経済は、サプライチェーンの制約とエネルギー価格の高騰に
GDP 3.8 5.2 より、2022年まで伸び悩んだ。しかし、高いワクチン接種率、需要の
インフレ率 4.7 2.6 積み上がり、堅調な労働市場、EU復興基金からの勢いによりパンデ
ミックの状況が正常化していることに支えられ、春以降は大幅な回復
が見込まれている。これらの要因は、インフレ率の大幅な低下を防ぐ
可能性がある。欧州中央銀行は、2022年3月末までにパンデミック緊急
購入計画に基づく純資産購入を終了し、2022年度第3四半期に政策金利
の引き上げを開始する見込みである。
このうち:ドイツ経済 ドイツ経済は、国内および外的影響をより受ける経済セクターの加速
GDP 4.0 2.8 により、2022年にはバランスの取れた成長を遂げると予想される。
インフレ率 4.3 3.2 COVID-19の感染再拡大により弱いスタートを切った後、2022年にはGDP
成長率が力強く回復すると予想される。堅調な労働市場、需要の積み
上がりおよびサプライチェーンの制約の緩和は、成長のモメンタムを
後押しするはずである。エネルギー価格の高騰によりインフレ率は高
止まりし、2022年の途中から徐々に後退すると予想される。政府は、
デジタル化とカーボンニュートラルへの移行に向けた公共投資を増や
すことを目指している。
米国経済 個人消費は引き続き、過剰貯蓄による家計の改善、サービス支出の継
GDP 3.6 5.7 続的な正常化および自動車販売の回復に支えられ、2022年の米国経済
インフレ率 5.9 4.7 の成長モメンタムの重要な原動力である。政府はさらなる財政刺激策
を講じることが期待されている。労働市場の完全雇用とさらなるイン
フレの中、連邦準備銀行は金融政策において引き締めスタンスをと
り、2022年に6回の利上げを実施すると予想される。最近の地政学的な
進展はエネルギー価格とコモディティ価格の大幅な上昇につながる可
能性がある。
日本経済 日本経済は、COVID-19ワクチン接種の広がり、サプライチェーンの制
GDP 2.3 1.7 約の緩和、および東南アジアでのCOVID-19感染率の低下に支えられ、
インフレ率 1.0 -0.2 2022年に加速すると予想されている。政策協調の面で、政府と日本銀
行の連携が一層進んだ。日本銀行は、政策の波及効果に留意しなが
ら、緩和的スタンスを維持すると予想される。
3
アジア経済 アジア経済は、輸出の堅調な伸びと内需の回復が景気を下支えするも
5.5 7.1 のと見込まれる。一部の地域ではピークに達しているものの、インフ
GDP
3.1 2.1 レ圧力は依然として高いとみられる。2022年初頭に利上げを行うアジ
インフレ率
アの中央銀行はほとんどないと予想される。
このうち:中国経済 財政および金融政策が再び支持され、COVID-19の影響も2022年に軽減
GDP 5.1 8.1 される可能性があるため、中国経済は当年度中に勢いを取り戻すと予
インフレ率 2.3 0.9 想される。また、グリーン投資への政府の支援、不動産販売の回復、
サプライチェーンの制約の緩和により、経済のモメンタムが強化され
ることが期待されている。インフレは、特に当年度下半期に回復する
と予想されている。中国人民銀行は、グリーン投資プロジェクトへの
融資を積極的に推進し、不動産セクターへの十分な融資を確保する可
能性がある。
1 年間実質GDP成長率(対前年比%)。出典:別途記載のものを除き各国の当局。
2 出典:ドイツ銀行リサーチ。
3 中国、香港、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、スリランカ、韓国、台湾、タイおよびベトナムを含む
が、日本を除く。
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当行グループの世界経済の見通しには様々なリスクがある。より深刻な変異株の出現やワクチンの効力低下による、COVID-
19に関連する進行中の課題は、経済のモメンタムを大幅に低下させる可能性がある。国債の増加による負担も、一部の経済に
影響を及ぼす可能性がある。インフレが後退しない場合、中央銀行はより積極的な引き締めスタンスをとるようになり、金融
市 場に急激なネガティブな反応を引き起こし、大幅な景気後退を引き起こす可能性が高い。貿易摩擦は世界経済の見通しに不
利な影響を及ぼす可能性がある。さらに、地政学的緊張の高まりは、さらなる不確実性をもたらす可能性がある。2022年2月24
日、ロシアはウクライナに対する大規模な軍事行動を開始した。ウクライナに対するロシアの軍事行動を受けて、西側諸国
は、ロシア(ロシアの主要銀行、その他特定の企業、ロシアの国会議員およびロシアの一部のエリートとその家族が含まれる
が、これらに限定されない。)を対象に広範な制裁を課すとともに、ソブリン債やその他特定の有価証券の発行/流通市場で
の取引も禁止した。これらの進展による副次的な結果(西ヨーロッパにおけるエネルギー供給のコストと十分性、および様々
なシナリオによる経済への影響等)は予測することが困難であり、深刻なものとなる可能性がある。予測可能な限り、また当
行グループの現時点での知見の範囲内で、ロシアへの対抗策の可能性を含むこれらの影響は当行グループのポートフォリオ戦
略において考慮されている。当行グループは進展を注視し、必要に応じてグローバルおよびリージョナル・クライシス・マネ
ジメントを含む、専用の統治構造を敷いている。
銀行業界
世界の銀行業界のパフォーマンスは、COVID-19のパンデミックの鎮静化と多くの業界における供給不足の解消を前提とし
て、2022年にさらに改善する可能性がある。マクロ経済の前向きな見通しを踏まえると、貸出金の伸びは再び持ち直し、金利
は上昇し、信用損失引当金は比較的低い水準にとどまる可能性があり、また、資本市場環境は、2021年度に比べて勢いが鈍化
するものの、総じて良好な状況が続く可能性がある。金融政策がかなり不確実であることを踏まえると、市場のボラティリ
ティが高まり、政策における予期せぬ状況が資産価格に影響を及ぼす可能性がある。銀行セクターの収益性が高ければ、株主
に多額の資本還元が行われる可能性がある。より持続可能な経済および金融システムへの移行を進めるための政治的および規
制上の措置は、銀行や資産運用会社の投融資に関する意思決定と報告をますます形作るものと期待されている。ワクチンの接
種と分配の実施状況が若干期待外れとなったことと、インフレ・リスクの上昇により、成長の見通しがやや低下する可能性が
ある。
欧州では、ECBが、特に量的緩和と金利上昇の潜在的な兆候に照らして資産購入を削減する等の危機対応から徐々に脱却する
ことにより、収益は恩恵を受けるはずである。同様に、個人消費の増加、ならびに政府支出と企業投資の堅調な持続により、
銀行の収益にプラスの影響が及ぶ可能性がある。一方、ECBのTLTRO Ⅲプログラムの下で最も有利であった資金調達条件は失効
する。
米国では、連邦準備銀行による複数回の利上げによって、2015年/2016年の最後のサイクルの開始時と同様に、純利息収益
が押し上げられる可能性がある。少なくとも当初は、金利上昇の見通しは貸出金と社債の両方に関してクレジット需要も刺激
する可能性がある。
アジアの多くの国では、銀行は、金利の上昇、ひいてはマージンの拡大、および国内消費の回復からも恩恵を受ける可能性
がある。中国では、金融政策の緩やかな緩和が足を引っ張るものの、財政拡大と全体的な経済成長の持ち直しが追い風になる
と考えられる。
英国(UK)の欧州連合(EU)からの離脱後、英国とEUの経済関係は当面の間貿易協定により統治されているが、これには、
国境を越えた金融サービスが含まれていない。当該サービスは、2つの法域における規制当局間で、現地の規制要件または特別
協定のいずれかに準拠することになる。イングランド銀行と英国金融行為監督機構(FCA)は、欧州証券市場監督機構(ESMA)
と市場インフラの監督に関する覚書(MOU)を締結した。英国とEU間の規制当局の協力および同等性評価の適用、停止、撤回の
プロセスに関する体系的な枠組みの確立のためのMOUは、原則的合意に至っているが、まだ欧州議会により批准されていない。
現在までにEUが実施した同等性評価は、2つの期間限定の評価のみである。一つめは英国の証券集中保管機関を対象とする評価
で、2021年6月30日に期限を迎えた。二つめは英国の中央清算機関を対象とする評価で、期限は2022年6月30日であるが、2021
年11月の欧州委員会(EC)の発表を受けて、さらに期限が延長される見込みである。
2021年10月27日の欧州委員会法案に関連して、欧州の政策立案者は、バーゼルⅢの最終パッケージの実行に向け、特にリス
ク・モデルに焦点を当てて健全性規制および破綻処理規制の改正についての議論を進めている。この最終パッケージに向けた
審議は数年間かかる見込みである。
ドイツ銀行グループ
2019年7月に、当行グループは、持続的な収益性の実現、および当行グループの株主に対するリターンの改善に焦点を当てた
ドイツ銀行の戦略的改革を発表した。この項に含まれている記述は、当行グループの2022年度の主要な業績評価指標に対する
業績予想を扱っている。
COVID-19のパンデミックに伴う課題とウクライナに対するロシアの軍事行動に伴う不確実性は残るものの、2022年度以降に
おいても、当行グループは費用および資本の管理を行い、コア・バンク収益を増加させることで持続的な収益性の向上に注力
し、統制の取れた方法で当行グループの戦略を引き続き実行する意向である。当行グループは、戦略の継続的な実行に支えら
れ、2022年度の財務目標に向けて努力を続けている。
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当行グループの財務目標を含む主要な業績指標について、以下の表に示す。
主要な業績指標
目標 KPI
主要な業績指標 2021 年12月31日 2022年度 2025 年度
1
当行グループ税引後平均有形株主資本利益率
3.8 % 8.0% 10%超
2
コア・バンク税引後平均有形株主資本利益率
6.4 % 9.0%超 N/A
3
2021年度から2025年度までの複合年間収益成長率
N/A N/A 3.5%~4.5%
4
費用収益比率
84.6 % 70.0% 62.5%未満
5
普通株式等Tier 1資本比率
13.2 % 12.5%超 13%以下
6
レバレッジ比率(完全適用ベース)
4.9 % 4.5%以下 4.5%超
1 ドイツ銀行株主に帰属する純利益に基づく。詳細については、英文Annual Report 2021のSupplementary Information(Unaudited)、Non-
GAAP Financial Measuresに記載されている。
2 ドイツ銀行株主に帰属するコア・バンク純利益に基づく。詳細については、英文Annual Report 2021のSupplementary Information
(Unaudited)、Non-GAAP Financial Measuresに記載されている。
3 純収益に基づく。
4 利息以外の費用の収益合計に対する割合。収益合計は、信用損失引当金繰入前の純利息収益に利息以外の収益を加えたものと定義され
る。
5 この比率の計算に関する詳細については、リスク・レポートに記載されている。
6 2020年9月17日、ECBは例外的な状況を宣言し、規制上の裁量権を行使する決定を発表した。この措置により、銀行は特定の中央銀行の適
格残高をレバレッジ・エクスポージャーの算定から除外することが認められる。銀行は、CRR2が発効する2022年3月31日まで、救済措置の
恩恵を受けることになる。2021年12月31日現在、この影響を除いたレバレッジ比率は4.5%であった。
2022年度において当行グループは、2019年度に戦略的改革を開始してから遂げてきた進化を基礎に、当行グループの財務目
標、主に税引後平均有形株主資本利益率の目標(グループで8%およびコア・バンクで9%超)達成に向けて取り組んでいる。
以下の将来の予測はすべて、2022年1月31日の為替レートに基づいている。
2022年度のグループおよびコア・バンクの収益は、前年比で若干増加する見込みである。中核事業の回復力と潜在的成長
力、および継続的な事業モメンタムに支えられ、グループ・レベルで、従前の2022年度収益目標を超える260億ユーロから270
億ユーロの収益を稼得すると予想している。インベストメント・バンクでは、業界の取引残高や手数料プールが2021年度に見
られた水準から正常化するにつれて、主にオリジネーションおよびアドバイザリーにおいて収益がやや減少すると予想してい
る。コーポレート・バンクでは、預金金利更改のさらなる展開と金利環境の改善が取引残高と手数料収入の増加を下支えする
はずである。プライベート・バンクでは、主に投資事業および貸出金商品事業の継続的な成長、BGHの判決による影響の減少、
ならびにイタリアにおける金融アドバイザーのネットワークの売却完了時に発生が見込まれる売却益により、収益の増加が予
想される。アセット・マネジメントの収益は、市場の安定化を前提として、概ね横ばいになると見込まれている。
当行グループは、費用収益比率の目標達成に向けて、当行グループのコスト基盤を管理している。当行グループは引き続
き、規律あるコスト管理と進行中のイニシアチブの実施に注力していく。2022年度の利息以外の費用は、主に改革関連の影響
が大幅に減少することにより、2021年度と比べて減少する見込みである。2019年度から2021年度にかけて、当行グループは改
革関連の影響として84億ユーロを認識した。これは、2019年度から2022年度までに発生が予想される影響の97%に相当する。
改革費用を除いた調整後費用は、2022年度にわずかに減少すると予想される。費用の変動は、IT戦略の実行、前年度の人員削
減によるランレートでのプラスの効果およびフロントオフィスとバックオフィスの連携に起因するIT効率の向上に加え、プロ
セスの最適化と自動化による管理部門における削減からも恩恵を受けると予想される。これらの影響は、統制への継続的な投
資、インフレ効果および予想される為替レート変動の影響によって相殺される可能性がある。
2022年度の信用損失引当金繰入額は、引当金繰入額の水準が一層正常化することを反映して、前年比で大幅に増加すると予
想される。2021年度の引当金繰入額が低水準であったのは、特に同年度中にパンデミック関連の様々な制限が緩和されたこ
と、戻入れやマネジメント・オーバーレイの純減等、力強い景気回復に支えられていた。そのため、当行グループは、2022年
度のマクロ経済成長が前年度の例外的に堅調であった水準から減速すると予想される中、2022年度通年の予想平均貸出金に対
する信用損失引当金繰入額の割合が20ベーシス・ポイント程度になると見込んでいる。当行グループの信用ポートフォリオの
質は引き続き良好であり、地政学的な不確実性、サプライチェーンの寸断、予想される政策の引き締め等、新たに発生するリ
スクに対応できる体制を整えている。予想信用損失(ECL)の計算に関する詳細は、本報告書の「リスク・レポート」の項を参
照のこと。
当行グループの普通株式等Tier 1資本比率(CET 1比率)は、2022年度末まで、2021年度と概ね横ばいで推移すると予想して
いる。当行グループは、モデルに関する規制上の決定が当行グループのリスク・ウェイテッド・アセット(RWA)に年間を通じ
て影響を及ぼすと見込んでおり、特に信用リスクについてはCET 1比率の変動の一部を助長すると考えている。当行グループ
は、事業の成長により当行グループのRWAが増加すると予想している。全体として、RWAはやや増加すると予想される。当行グ
ループは、2022年度も引き続き、CET 1比率を外部目標である12.5%超の水準で維持することにコミットしている。
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2022年度末までの当行グループのレバレッジ・エクスポージャーは、2021年度よりも増加する見込みである。当行グループ
がユーロシステムの中央銀行に保有する特定残高の暫定的例外措置の期限が2022年度第2四半期に到来することから、当行グ
ルー プのレバレッジ・エクスポージャーが増加する見込みである。結果的に、レバレッジ比率(完全適用ベース)は若干低下
するものの、2020年度末までの当行グループのレバレッジ比率目標である4.5%前後と予想される。2021年度における改革の進
捗状況と財務成績を受け、当行グループは2022年度に配当支払いを再開することが可能となった。当行グループは、2021年度
について、1株当たり0.20ユーロの配当金を2022年度に支払うことを提案する予定であり、また、2022年度上半期に300百万
ユーロの自社株買戻しによって株主への分配を補完する予定である。当行グループは、規制当局の承認と株主の承認を得るこ
ととドイツの会社法要件を満たすことを前提として、収益性の高い成長と今後の規制上の変更を長期的に下支えするために必
要な額を上回る自社株買戻しを通じて、現金配当の持続的な伸びを達成し、株主に余剰資本を還元することにコミットしてい
る。そのために、当行グループの戦略目標を達成することを前提として、取締役会は1株当たりの現金配当を、2021年度に係る
1株当たり0.20ユーロを手始めに、今後3年間で年間50%増やす予定である。これは、2025年度までに、2021年度から2024年度
に係る累積配当支払額を約33億ユーロにすることに相当する。2024年度に関しては、当行グループは、2025年度に行われる配
当支払いと自社株買戻しを組み合わせて50%の配当性向合計を達成する予定であり、その後の年度においても50%の配当性向
合計を維持していきたいと考えている。したがって、既に発表されている2022年度における300百万ユーロの自社株買戻しに加
え、当行グループの現行の財務目標を実現することで、2021年度から2024年度に関して合計50億ユーロの配当支払いと自社株
買戻しの形で行われる、以前に発表された株主への累積分配を下支えすることになる。さらに、2025年度までに財務および戦
略計画を計画通りに実行できれば、2021年度から2025年度に関して合計約80億ユーロの予想累積分配が達成可能となる。株主
に資本を還元するという当行グループの目標は、普通株式等Tier 1比率(CET 1)を約13%という堅調な状態に維持すること、
すなわち、当行グループが現在有効であると想定している最大分配可能額(MDA)の限界値を200ベーシス・ポイント以上上回
るCET 1比率を維持することを目標とすることにより、一層下支えされる。当行グループの事業の性質上、当行グループは、ド
イツ、および特に米国を含む、ドイツ以外の多くの法域において、訴訟、仲裁ならびに規制上の手続および調査に関わってい
る。当該事項は、多くの不確実性に左右される。当行グループは、多数の重要な法的問題を解決し、幾つかの法的問題につい
ては進展しているが、訴訟および執行環境は引き続き厳しいものとなると予想している。2022年度については、訴訟費用の予
測は多数の不確実性の影響を受けるものの、当行グループでは、訴訟費用純額は前年度の実績水準を下回ると見込んでいる。
2022年2月24日、ロシアはウクライナに対する大規模な軍事行動を開始した。これを受け、西側諸国は、ロシア(ロシアの主
要銀行、ロシア中央銀行、その他特定の企業、ロシアの国会議員およびロシアの一部のエリートとその家族が含まれるが、こ
れらに限定されない。)を対象に広範な制裁(資産凍結や取引規制を含む。)を課し、ソブリン債やその他特定の有価証券の
発行/流通市場での取引を禁止するとともに、ロシアの一部の銀行をSWIFT(国際銀行間通信協会)から切り離すことを発表し
た。個人(制裁対象者)または企業(さらにシステム上重要な企業や銀行を含む。)への追加的または新規の資産凍結や取引
規制による制裁、米ドル、ユーロ、英ポンド等へのロシア・ルーブルの換金禁止、およびロシアのSWIFTからの切り離し等、追
加的な制裁が課される可能性がある。制裁の内容は突如変わる可能性があり、また、進展によっては、米国またはその他の法
域によって、新たな直接的または間接的な二次制裁が予告なしに課される可能性もある。2月24日以降に発表された制裁につい
て、当行グループは前例のないレベルの制裁措置に対応しているが、そのすべてが法域間で完全に整合しているわけではない
ため、急速に進展する制裁環境の中で日常業務の管理における運用の複雑さとエラー発生のリスクがさらに増している。一般
的に、ロシアに対する制裁が強化されると統制環境がさらに複雑になり、影響を受けるクライアントが増えるほど、ライセン
スや許可証により規定される期間内に案件を完全に遂行することがより困難になる可能性がある。また、新たな制裁措置やロ
シア政府による対抗措置により、ドイツ銀行モスクワおよびドイツ銀行グループによる関連要件の現地での適用や実施に差異
が生じる可能性がある(ドイツ銀行モスクワは現地の法律を遵守する必要があるため。)。これは今後、法律の抵触を引き起
こし、特定の免除の適用が必要となると考えられる。さらに、ドイツ銀行はロシアにおいて内部の技術リソースを活用してお
り、当該リソースは当行の多くの重要なアプリケーションの開発に貢献している。西側諸国からの制裁、ロシアの国家主導の
行動や管理措置等により、当行グループがこうした技術リソースを活用する能力が損なわれたり失われたりするリスクがあ
る。ロシアへの対抗策を含む制裁のリスクの高まりは、当行グループのポートフォリオ戦略において考慮されている。当行グ
ループは進展を注視し、必要に応じてグローバルおよびリージョナル・クライシス・マネジメントを含む、専用の統治構造を
敷いている。また、サイバー攻撃が増加しており、当行グループにとって直接的および間接的なリスクとなる可能性がある。
現在進行中のウクライナ情勢が、金融および非金融リスクの両観点から下振れの影響を及ぼすかどうかは、現在の危機が今後
どのように展開するかにかかっており、それにより当行グループの目標を達成する能力に影響が及ぼされる可能性がある。規
制環境または課せられた制裁を含むその他の制限により、当行グループにおけるロシアに関連する事業活動が実行不能になっ
たり、当行グループの資産に対する支配が失われたりする可能性がある。事業継続方針および危機管理方針を既に整備してい
るものの、この紛争が人事関連の問題を引き起こしたり事業継続を不可能にさせたりすることで、当行グループの事業が混乱
し、重大な損失につながる可能性がある。
調整後費用、改革費用を除く調整後費用、税引後平均有形株主資本利益率、ならびにレバレッジ比率(完全適用ベース)
は、非GAAP財務指標である。非GAAP財務指標の定義および基礎となるIFRSによる指標との調整については、英文Annual Report
2021のSupplementary Information(Unaudited)、Non-GAAP Financial Measuresに記載されている。
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当行グループの事業セグメント
コーポレート・バンク
コーポレート・バンクの2022年度の収益は、当行グループの成長に向けての取組み、預金金利更改の今後の進展および金利
の追い風に支えられ、前年度よりも増加する見込みである。コーポレート・トレジャリー・サービスの収益は、貸出の延長、
流入資金の増加およびトレード・ファイナンスの仕組み商品の伸び、預金金利更改、ならびに一層有利な金利の見通しに支え
られて増加すると予想している。インスティテューショナル・クライアント・サービスについても、事業の成長と一層有利な
金利の見通しから、収益の増加を見込んでいる。ビジネス・バンキングの収益は、主に預金金利更改やその他の金利更改措置
を反映して、前年比で増加する見込みである。
2022年度のコーポレート・バンクの信用損失引当金繰入額は、COVID-19のパンデミックの影響の遅れと特定の支援プログラ
ムの展開により、2021年度は正味戻入れであったのに対し、引当金繰入額の水準が一層正常化することを反映して、大幅に増
加すると予想されている。
2022年度の利息以外の費用は減少することが予想される。改革費用を除く調整後費用は、内部勤務費用の配賦および直接費
の両方においてわずかに低くなると予想される。当行グループは、一般管理費の厳格な規律あるコスト管理、ならびに過年度
の人員削減による報酬および給付の減少から恩恵を受けると予想している。規制遵守、顧客確認(KYC)、顧客口座開設プロセ
スの強化、システムの安定性、統制および行動は、引き続き重点分野となっている。
2022年度のコーポレート・バンクのRWAは、当行グループの貸出業務の増加がモデルの有利な変更により相殺される見込みで
あるため、概ね横ばいにとどまると予想している。
当行グループの見通しに対するリスクには、COVID-19のパンデミックの継続期間やパンデミックからの回復の不確実性、な
らびにウクライナに対するロシアの軍事行動に伴う不確実性等、マクロ経済および世界的な地政学的不確実性による当行グ
ループのビジネス・モデルへの潜在的な影響が含まれる。さらに、中央銀行の政策(金利環境等)および進行中の規制の進展
(バーゼルⅢの枠組みの最終化等)、地政学的なイベント・リスク、ならびに顧客取引水準に関する不確実性も不利な影響を
及ぼす可能性がある。
インベストメント・バンク
インベストメント・バンクの2022年度の収益は、前年度と概ね横ばいになると予想される。2021年度はインベストメント・
バンクにとって非常に好調な年であった。これは、オリジネーションおよびアドバイザリーの手数料プールが過去最高となっ
たこと、ならびに主要格付機関3社による格付の引き上げに助けられて引き続き顧客との再契約がなされたことによるものであ
る。米ドル高に加えて、この恩恵は2022年度も続くと予想しているが、これはオリジネーションおよびアドバイザリーの業界
手数料プールが非常に低くなることにより相殺されるはずである。
セールス/トレーディング(FIC)の収益は、2021年度と概ね横ばいになると予想している。金利事業では、特定の事業領域
をターゲットとして構築することを計画しており、2021年度に開始した新たな機関投資家顧客向けカバレッジ・モデルからさ
らに恩恵を受けることが期待される。一方、為替事業では、2021年度第4四半期に見られた市況の改善が2022年度も続くと予想
している。当行グループのグローバル・エマージング・マーケッツ事業では、オンショア規模の拡大および顧客のワークフ
ロー・ソリューションのさらなる発展を目指している。クレジット・トレーディングでは、成長機会が存在するターゲットと
なる事業領域に投資する予定であるが、不振事業が2021年度のような非常に好調な業績を取り戻すことは期待していない。
ファイナンシング事業では引き続き、資源配分について規律ある選別的な方法を取っていく。2021年に非常に好調であったABS
取引の減少により、収益はわずかに減少する見込みである。
オリジネーションおよびアドバイザリーの2022年度の収益は、主に市場手数料プールが前年度に比べて減少すると予想され
ることから、2021年度と比べて減少すると予想している。当行グループの債券オリジネーション事業には、取引における主幹
事会社と事務代行会社の役割をさらに拡大し、顧客向けのESG機能をさらに発展させることが期待される。株式オリジネーショ
ンでは、引き続き商品全般にわたって競争力のあるサービスを提供していく。アドバイザリーでは、前年度の勢いをさらに強
固なものとし、成長が見込まれるカバレッジ領域を対象として重点的に投資することで、オリジネーションおよびアドバイザ
リー事業の拡大にも寄与するものと考えている。
インベストメント・バンクの2022年度の信用損失引当金繰入額は、引当金繰入額の水準が一層正常化することを反映して、
前年比で大幅に増加すると予想している。2021年度は、2020年度におけるCOVID-19関連引当金の繰入れについて大幅な戻入れ
が行われたことによる恩恵を受けた。当行グループは、当年度はこうした戻入れが発生しないと予想している。
インベストメント・バンクにおける2022年度の利息以外の費用は、前年度比で概ね横ばいになると予想されている。フロン
トオフィスとバックオフィス間の継続的な連携、プロセスの最適化およびアプリケーションの廃止によるコスト削減は、為替
の不利な状況、銀行課税コストの増加および人材への投資によって相殺されると予想される。改革費用を除いた調整後費用も
また、概ね横ばいになる見込みである。
2022年度は、規制上のインフレにより生じる信用リスクRWAにより、インベストメント・バンクのRWAは増加すると予想して
いる。基礎となる事業成長は、当期も概ね横ばいで推移する見通しである。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
2022年度の当行グループの見通しには幾つかのリスクがある。現在進行中のCOVID-19のパンデミックは、景気回復をさらに
阻害する可能性がある。発展途上国におけるワクチン接種の展開の相対的な成功と、新しい変異株が出現する可能性が、プラ
スまたはマイナスの影響をもたらす可能性がある。現在のウクライナに対するロシアの軍事行動が金融市場に与える影響は非
常 に不確実である。中央銀行の政策、特に資産購入と金利の漸減に関する政策はリスクを生み出し、また、進行中の規制の進
展に伴って、インフレ率が上昇する可能性もある。より広い意味では、地政学的なイベント・リスクも不利な影響を及ぼす可
能性がある。
プライベート・バンク
プライベート・バンク(PB)では、引き続き改革の取組みの仕上げを行い、貸出および投資事業の継続的な成長を支援して
いく。当行グループは、最近の金利動向を踏まえ、当行グループの事業の見通しがより良好になると予想しているが、金利圧
力は緩和されているものの、引き続き、当行グループの収益の伸びにわずかなマイナスの影響を及ぼすと考えている。ドイツ
連邦憲法裁判所(BGH)による口座手数料契約に対する2021年4月の判決の影響を受ける大多数の口座について合意に達したこ
とにより、これに対応する2022年度の収益へのマイナスの影響は、2021年度に比べてかなり減少すると予想している。
2022年度の純収益は、2021年度に比べて増加すると予想される。収益の伸びは、イタリアにおける金融アドバイザーのネッ
トワークの売却の完了により、その売却益に下支えされると予想している。この影響を除くと、投資および貸出金商品の継続
的な事業成長により、2021年度と比較して収益はわずかに増加すると予想されるが、これは低金利環境の継続の影響により一
部相殺される見込みである。また、前述のBGHの判決によるマイナスの影響も減少すると見込んでいる。
プライベート・バンク(ドイツ)の収益は、BGHの判決による収益へのマイナスの影響が減少することから、2021年度に比べ
てわずかに高くなると予想される。この影響を除くと、プライベート・バンク(ドイツ)の収益は、前年度から概ね横ばいで
推移すると予想される。これは、投資および貸出金からの収益の大幅な増加が、預金マージン圧縮による不利な状況(最近の
金利見通しがよりポジティブになっていることから、今後さらに低下することが予想される。)によって一部相殺されるため
である。
インターナショナル・プライベート・バンク(IPB)の収益は、前述のイタリアにおける金融アドバイザーのネットワークの
売却による予想売却益に支えられ、前年比で増加すると予想される。この影響を除いた場合でも、投資および貸出金商品の継
続的な伸びはECBのTLTROプログラムからの恩恵の減少により一部しか相殺されないため、収益は2021年度と比較して増加する
と予想される。
プライベート・バンクでは、運用資産(AuM)残高は2021年度から概ね横ばいで推移すると見込んでいる。継続的な正味資金
流入は、イタリアにおける金融アドバイザー売却取引完了後に生じる売却の影響により一部相殺される。
プライベート・バンクの信用損失引当金繰入額は、2021年度の水準が低かったこと、ならびに当行グループがマクロ経済の
進展と一部貸出金の継続的な成長による影響を見込んでいることを反映して、2022年度には増加すると予想されている。
2022年度においてRWAは、当行グループの貸出残高の伸びがリスク・モデルの更新の完了によるプラスの影響により一部相殺
されるため、若干増加することが見込まれている。
プライベート・バンクの利息以外の費用は、当行グループの改革の取り組みに伴うコストの減少と節減額の増加を反映し
て、2022年度は2021年度よりも減少すると予想される。後者による影響として、改革費用を除いた調整後費用も2021年度と比
較して若干減少すると予想される。さらに、訴訟引当金の減少および規律あるコスト管理の継続によるプラスの影響と、イン
フレおよび規制によるマイナスの影響も見込んでいる。
当行グループの見通しに対するリスクには、COVID-19のパンデミックの継続期間やパンデミックからの回復の不確実性、ウ
クライナに対するロシアの軍事行動に伴う不確実性、ユーロ圏における金利に関する不確実性、当行グループが営業活動を行
う主な国々の経済成長の鈍化、および顧客取引の減少といったマクロ経済の不確実性によるビジネス・モデルへの潜在的な影
響が含まれる。顧客取引は、株式および信用市場の予想を上回るボラティリティを含め、市場の不確実性の影響を受ける可能
性がある。消費者保護措置等の規制要件の実施や当行グループの戦略プロジェクトの実行の遅れがあった場合も、当行グルー
プの収益、資本消費および費用にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
アセット・マネジメント
アセット・マネジメント・セグメントは主に、ドイツ銀行AGが約80%の支配持分を保有しているDWS Group GmbH & Co. KGaA
の連結財務成績で構成されている。
DWSは、同社の歴史におけるフェーズ2の目標を達成することにコミットしている。DWSは、成長と効率化が時間の経過ととも
に株主価値の創出を促すと期待している。DWSは、2021年度初頭に中期目標を練り直した。
DWSは、規律あるコスト管理のアプローチを維持しつつ、自社を差別化し、クライアントに最高のサービスを提供できる革新
的で持続可能な商品とサービスに注力する予定である。
2022年度の正味資金流入率は、パッシブおよびオルタナティブ投資等のターゲットとなる成長分野が、戦略的提携や、ESG関
連の販売強化を含む商品イノベーションによってさらに強化されることにより、2024年度まで平均4%以上という中期目標に
沿ったものになると予想している。アセット・マネジメントでは、市場の安定化を前提として、収益は概ね横ばいとなる見通
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しである。また、成長とプラットフォームの改革に向けたさらなる投資を見込んでいるが、これは、継続中の規律あるコスト
管理によって一部相殺されることになる。2022年度のコストは、2021年度に比べてやや高くなると予想される。
先般のウクライナに対するロシアによる軍事行動によって政治および経済に関する不確実性が高まり、当行グループの将来
予測における仮定や成長の仮定に影響が及ぶ可能性がある。
キャピタル・リリース・ユニット
CRUは2019年度に設定された戦略的改革の道筋を実質的に遂行しており、プライム・ファイナンスおよび電子株式トレーディ
ングのプラットフォームの移行は完了し、大幅なリスク圧縮も既に達成している。
2022年度において、当行グループは3つの重点分野に注力する予定である。まず、内部サービスの費用配分を含め、コストを
さらに削減する。以前示したとおり、改革費用を除いた調整後費用を通年で8億ユーロにすることを目標としている。第二に、
臨機応変にリスクを軽減しながらポートフォリオのリスクを管理し続ける。全体としては、資金調達コスト、ヘッジコスト、
時価評価の影響およびポートフォリオからの撤退により、2022年度通年の収益はマイナスとなる見込みであるが、貸出ポート
フォリオからの収益により一部相殺される。第三に、アプリケーションの廃止、トレーディング勘定、既存の拠点および法人
の閉鎖を通じて、当部門のインフラストラクチャを簡素化する。
当行グループの見通しに対するリスクには、法的および規制環境が含まれるが、特にポーランドの外貨建モーゲージ・ポー
トフォリオについては、引き続き注意深くモニタリングしていく。司法または規制に不利な進展があれば、ポートフォリオが
マイナスの影響を受ける可能性がある。
コーポレートおよびその他
2022年度において、コーポレートおよびその他(以下「C&O」という。)で税引前損失が生じると見込んでいるが、前年比で
は損失が縮小する見込みである。経営成績は、経済的にヘッジされているもののヘッジ会計の要件を満たさないポジションの
評価および認識時期の相違による影響を引き続き受ける。また、当行グループの内部移転価格(以下「FTP」という。)フレー
ムワークの変更に関連して一元的に計上される一定の移転費用、ならびにDB Privat- und Firmenkundenbank AGのドイツ銀行
AGへの合併に関する過去の取引関連の費用も発生する。当行グループは、2022年度において、C&Oにこれらの資金調達コストに
関連する合計約300百万ユーロを留保する見込である。OECD移転価格ガイドラインに定義されている株主活動に関連する費用の
うち、事業部門に配賦されていないものは、前年比で減少し、約400百万ユーロになると予想される。C&Oはまた、主に当行グ
ループのITおよび金融犯罪対策の分野において、グループ全体での投資増加の影響を受けると予想される。
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リスクおよび機会
以下の項では、「見通し」の項での予想から起こり得る損失を被るリスクあるいは利益をもたらす可能性につながる将来の
傾向または事象に着目している。
当行グループの目標は、様々な外部要因および内部要因の影響を受けるが、その中には当行グループが影響力を行使できな
いものもある。当行グループの戦略的目標が適時かつ完全に達成できるかどうかは、不利なマクロ経済およびマーケット・リ
スクが顕在化した場合、当行グループの複数の中核事業の収益創出能力の低下によって不利な影響を受ける可能性がある。こ
れらのリスクには、COVID-19のパンデミックの継続的な影響、様々な業界や市場にわたるインフレ圧力とサプライチェーンの
課題、継続的な規制改革による逆風、および/または当行グループの法的手続や規制上の手続が当行グループに及ぼす影響が
含まれる。特にウクライナに対するロシアの軍事行動に関して、特定の地政学的リスクも高まっている。リスクが発生した場
合、それが個別に発生するか同時に発生するかに関わらず、(とりわけ)収益性が低下し、資本増や配当能力にマイナスの影
響を及ぼす可能性がある。反対に、マクロ経済および市場環境の改善、当行グループの点を絞った事業戦略、デジタル化によ
る継続的な恩恵は当行に機会をもたらす。
現在進行中のCOVID-19のパンデミックは、引き続きリスクと機会の両面で当行の様々な領域に影響を及ぼしており、今後も
影響を及ぼすことになる。また、当行グループの経営成績、戦略計画および目標、ならびに当行グループの株価に大幅な変動
をもたらす可能性がある。
リスク
マクロ経済および市況
経済成長の見込み、金利環境および金融サービス業界の競争が、当行グループの予想よりも悪化した場合、当行グループの
事業、経営成績または戦略的計画は不利な影響を受ける可能性がある。
ドイツ銀行の事業および経営に係るマクロ経済環境は、世界経済がパンデミック不況から力強い回復を見せたことから、
2021年度を通じて改善した。しかし、短期的な見通しは悪化し、また、インフレ圧力の一層の高まり、供給側での混乱が継続
する中、新種でより感染力が高いCOVID-19のオミクロン変異株の世界中での急速な広がりを受けて下振れリスクも増大した。
ウクライナに対するロシアの大規模な軍事行動や、ロシアに対する西側諸国の厳しい制裁措置は、ロシア経済のみならず欧州
にも重大な負の経済的帰結をもたらす可能性がある。この危機は、欧州で既にストレスが高まっているエネルギー価格の状況
を悪化させる可能性があり、その結果、経済の減速を招き、当行グループのポートフォリオにおいて損失の増加(信用引当金
繰入額の引き上げを含む。)を引き起こす可能性がある。
COVID-19のパンデミックは、当行グループの事業に、目に見える下振れリスクをもたらし続けている。感染力の高いオミク
ロン変異株に関連するCOVID-19感染例の世界的な急増は、従来の変異株よりも重症度が低いことが示されているにもかかわら
ず、多くの国で政府による制限が強化されているため、経済活動にマイナスの影響を及ぼしている。多くの新興国でワクチン
接種率が依然として低迷しており、先進国市場では引き続きかなりの母集団に対してワクチン接種への躊躇があるが、ワクチ
ン接種率が世界的に上昇し続け、重篤な病気や死亡者数を制限する新型抗ウイルス薬が利用可能になるにつれて影響は沈静化
すると見込まれている。このため、景気回復の時期および程度は、今後も国によって異なる。懸念される新しい変異株の出現
により、社会的距離の要件またはロックダウンがさらに必要となる可能性があり、これらの影響は、変異株の性質、国ごとの
パンデミックの状況および政策の方向性に応じて変わるため、完全に予測することはできない。中国を含む、ゼロCOVID-19政
策を追求してきた国は、オミクロン株の感染力の強い性質により、他の変異株と同じように首尾よくオミクロン株を封じ込め
るのに苦労する可能性がある。政策面では、一部に変化の兆候が見え始めたものの、厳格なロックダウンが必要となり、中国
経済や世界のサプライチェーンに影響を及ぼす可能性がある。
パンデミックとそれに続く需要の力強い回復に起因する世界的な生産、貿易およびロジスティクスにおけるサプライチェー
ンの圧力は2022年度まで続く可能性が高く、その結果、生産量が抑制され、製造品、中間財、エネルギーおよびその他コモ
ディティの価格インフレが加速する。消費者物価インフレ率は欧米で過去数十年における最高値に達している。また、エネル
ギー価格の高騰は企業や家計のコスト圧力を引き起こしており、特に公益事業等の直接的な影響を受けている業界で当行グ
ループのポートフォリオの質に影響を及ぼす可能性がある。その結果、特定の業種や地域において予想以上に多くの債務不履
行が発生し、与信枠の利用が増加し、市場のボラティリティが概して高くなる可能性がある。
インフレ見通しは依然として不透明である。コンセンサスと市場が示唆する予測は、サプライチェーンの制約やその他の一
時的な要因が緩やかに消滅するにつれて、インフレ圧力が継続的に上昇することを示している。主要な中央銀行は、債券の緊
急購入を段階的に廃止し、主要な政策金利を引き上げることにより、異例の金融刺激策を徐々に撤廃することが期待されてい
るが、主要先進国の消費者物価や資産価格のインフレが予想を大幅に上回るペースで加速し続け、より積極的な金融引き締め
策が必要となるリスクが残っている。これは、当行グループの事業活動や純利息収益に何らかの上方修正をもたらす可能性が
ある一方、債券利回りの無秩序な急上昇は、株式市場の下方修正や信用スプレッドの拡大を引き起こし、取引成績に不利な影
響を及ぼす可能性がある。さらに、当行グループは、デリバティブの取引相手方の信用エクスポージャーの増加、レバレッジ
の高い顧客や対外不均衡にある新興国市場の信用リスクの増加、年金基金資産のインフレ・リスクの増加につながる可能性も
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あると考えている。より広い意味では、これは当行グループの資産および負債の評価額に影響を及ぼし、貸借対照表の構成に
変化をもたらす可能性がある。
インフレ圧力が高まっているにもかかわらず、ECBの預金金利が依然としてマイナス0.50%に設定されている等、金利は現在
極めて低い水準にとどまっており、最近までドイツ国債の名目利回りはマイナスかマイナス付近で取引され、実質金利は大幅
にマイナスとなっている。低金利環境は、特にテクノロジー・セクターを含む米国株式を中心としたリスク資産全体の市場評
価の上昇を支えており、政策金利が現在の予想よりも急速かつ高い水準に上昇した場合には、大幅な価格修正が生じるリスク
を高めている。引き締めの遅れは、拡大した市場評価をさらに悪化させ、銀行の金利マージンに新たな圧力をかける可能性が
ある。さらに重要なことは、ユーロ圏での低金利がさらに長期化すると、当行グループの収益性と貸借対照表の展開に重大な
影響を及ぼす可能性があるということである。当行グループの収益は特に金利の影響を受けやすいが、ユーロ建ての貸出金お
よび預金勘定の規模を考慮すると、低金利環境は公正価値で会計処理される他の貸借対照表項目にも影響を及ぼす可能性があ
る。
中国関連のリスクは、中国における高レバレッジの不動産セクターと不動産デベロッパーが広範囲かつ持続的に悪化する可
能性に対する継続的な懸念とともに、高まっている。これまで、外部機関による多数の格付措置が見られ、格付の大幅な低下
が見られた銘柄の中には、最近、投資適格に引き上げられたものもあり、当該セクターの流動性不足が広範囲に及んでいる。
経済の安定化は2022年に中国政府の重要な優先事項となったが、不動産セクターにおける継続的な流動性の制約と一部で債務
不履行が発生するリスクは依然として高い。深刻な下振れ状況では、このリスクは弱体化した国有企業や民間企業全体に広が
る可能性があり、その結果、当行グループのポートフォリオにおいて、信用引当金繰入額の増加を含め、損失の増大を招く可
能性がある。
当行グループの貸借対照表上の資産および負債の大半は、公正価値で計上する金融商品であり、公正価値の変動は当行グ
ループの損益計算書で認識される。こうした変動の結果として、当行グループでは過去に損失が生じており、将来においてさ
らなる損失を負うこともある。当行グループは、主に米ドルおよび英ポンドに関連する外国為替レートの変動に関連するリス
クにさらされている。
同様に、高品質の流動資産(HQLA)の価値の減少および市場性の低下により流動性リスクが生じる可能性がある。これは、
ストレス事象においてキャッシュ・アウトフローをカバーするための資金調達額に影響を及ぼすためである。既に減損した資
産価値に加えて、追加的なヘアカットが生じる可能性がある。さらに、有価証券は、レポ/ホールセールの資金調達市場にお
ける価値の減少だけでなく、中央銀行との与信枠取引を行うための担保として適格でなくなる可能性もある。そのため、債務
危機が生じれば当行の流動性ポジションは直接的な影響を受けることになる。
このような外部環境の変化は、当行グループの収益力に影響を及ぼす可能性があるが、市場の下落およびボラティリティも
金融商品の価値にマイナスの影響を及ぼし、当行グループに損失を及ぼす可能性がある。
当行グループは、金利リスク、インフレ・リスク、長寿リスク等、当行グループの年金債務の測定に重大な影響を及ぼす可
能性がある年金リスクにさらされており、これは当行グループの利益に重大な影響を及ぼす可能性がある。
複数の主要な下振れリスクが同時に顕在化し、および/またはより顕著な景気減速と併せて発生した場合、当行グループの
事業環境へのマイナスの影響は、現時点の予想よりも深刻なものとなる可能性がある。
政治的リスク
経済活動の低迷、金融市場の調整、コンプライアンス・リスク、金利水準の低下等、多くの政治的および地政学的なリスク
および事象が当行グループの事業環境にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
2022年2月24日、ロシアはウクライナに対する大規模な軍事行動を開始した。これを受け、西側諸国は、ロシア(ロシアの主
要銀行、ロシア中央銀行、その他特定の企業、ロシアの国会議員およびロシアの一部のエリートとその家族が含まれるが、こ
れらに限定されない。)を対象に広範な制裁(資産凍結や取引規制を含む。)を課し、ソブリン債やその他特定の有価証券の
発行/流通市場での取引を禁止するとともに、ロシアの一部の銀行をSWIFT(国際銀行間通信協会)から切り離すことを発表し
た。個人(制裁対象者)または企業(さらにシステム上重要な企業や銀行を含む。)への追加的または新規の資産凍結や取引
規制による制裁、米ドル、ユーロ、英ポンド等へのロシア・ルーブルの換金禁止、およびロシアのSWIFTからの切り離し等、追
加的な制裁が課される可能性がある。制裁内容は突如変わる可能性があり、また、進展によっては、米国またはその他の法域
によって、新たな直接的または間接的な二次制裁が予告なしに課される可能性もある。2月24日以降に発表された制裁につい
て、当行グループは前例のないレベルの制裁措置に対応しているが、そのすべてが法域間で完全に整合しているわけではない
ため、急速に進展する制裁環境の中で日常業務の管理における運用の複雑さとエラー発生のリスクがさらに増大している。一
般的に、ロシアに対する制裁が強化されると統制環境がさらに複雑になり、影響を受けるクライアントが増えるほど、ライセ
ンスや許可証により規定される期間内に案件を完全に遂行することがより困難になる可能性がある。また、新たな制裁措置や
ロシア政府による対抗措置により、ドイツ銀行モスクワおよびドイツ銀行グループによる関連要件の現地での適用や実施に差
異が生じる可能性がある(ドイツ銀行モスクワは現地の法律を遵守する必要があるため。)。これは今後、法律の抵触を引き
起こし、特定の免除の適用が必要となると考えられる。さらに、ドイツ銀行はロシアにおいて内部の技術リソースを活用して
おり、当該リソースは当行の多くの重要なアプリケーションの開発に貢献している。西側諸国からの制裁、ロシアの国家主導
の行動や管理措置等により、当行グループがこうした技術リソースを活用する能力が損なわれたり失われたりするリスクがあ
る。ロシアへの対抗策を含む制裁のリスクの高まりは、当行グループのポートフォリオ戦略において考慮されている。当行グ
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ループは進展を注視し、必要に応じてグローバルおよびリージョナル・クライシス・マネジメントを含む、専用の統治構造を
敷いている。また、サイバー攻撃が増加しており、当行グループにとって直接的および間接的なリスクとなる可能性がある。
現 在進行中のウクライナ情勢が、金融および非金融リスクの両観点から下振れの影響を及ぼすかどうかは、現在の危機が今後
どのように展開するかにかかっており、それにより当行グループの目標を達成する能力に影響が及ぼされる可能性がある。規
制環境または課せられた制裁を含むその他の制限により、当行グループにおけるロシアに関連する事業活動が実行不能になっ
たり、当行グループの資産に対する支配が失われたりする可能性がある。事業継続方針および危機管理方針を既に整備してい
るものの、この紛争が人事関連の問題を引き起こしたり事業継続を不可能にさせたりすることで、当行グループの事業が混乱
し、重大な損失につながる可能性がある。
米国と中国の緊張関係は、貿易と技術関連の問題、香港、台湾、人権およびサイバー・セキュリティを含む幅広い領域で依
然として高まっている。米国は、中国企業や当局者に特定の制裁、輸出制限、投資制限を課しており、中国は、一部の米国企
業や当局者に制裁を課し、また、制裁の領域外適用を目的とした規制を阻止する枠組みを導入した。また、EUも人権問題に関
連して中国に制裁を課したが、中国も反対に制裁を課した。制裁が当行グループの事業または財務目標に及ぼす影響を予測す
ることはできないが、こうした措置は規制遵守および法的問題の衝突を引き起こす可能性があり、その影響は重大かつ不利な
ものとなる可能性がある。
当行グループの事業環境にマイナスの影響を及ぼす可能性のあるその他の地政学的リスクには、米国とイランが新しいJCPOA
(イランとの原子力取引)への復帰または実施について合意に達しない場合にイランの核開発計画をめぐる中東情勢の潜在的
な深刻化が含まれる。
2020年12月31日の移行期間終了時に英国がEUの単一市場と関税同盟から脱退してからの12ヶ月間、英国のEU離脱をめぐる不
確実性およびそれに伴う経済の下振れリスクは低下した。ドイツ銀行は、2020年度末までに完了したEEA(欧州経済圏)の全顧
客の勘定をドイツ銀行AGフランクフルトに移すプログラムのおかげで、EEAに拠点を置く顧客にサービスを提供し続けることが
できた。EEAの顧客に関連するすべての規制活動が英国のEU離脱後の新しいライセンス法の中で確実に実施されるようにするた
めに、販売およびカバレッジスタッフがEU27ヶ国に配置された。ただし、英国とEUの交渉は2021年も続いているため、特に既
存の取引で広範囲にカバーされていない金融サービスに関しては不確実性が残ったままである。英国のCCPS(中央清算機関)
に関して現行の一時的な同等性の取り決めの延長を認めることをEU委員会が最近発表したことにより、英国の清算機関へのア
クセスが2022年6月(従前の延長が失効した日)よりEU企業に与えられないというリスクがなくなった。EUと英国における金融
サービスの同等な体制がない場合、当行グループは英国に対しておよび英国から金融サービスを提供する能力を制限されるこ
とになる。この延長の性質と最終的な結果についての議論は2022年度も継続し、2022年度第1四半期にはさらに明確になると予
想される。当行グループは、英国で規制対象となる活動(以前は欧州のパスポートの提供に従って行われていた。)を継続す
るための承認を求める申請に関して、英国の規制当局(健全性規制機構および金融行動監督機構)からの連絡を待っていると
ころである。第三国支店としての承認を得られない場合、当行グループの事業、経営成績または戦略計画に不利な影響を及ぼ
す可能性がある。英国が北アイルランド議定書第16条を発動した場合、経済の下振れリスクが残り、最悪の場合、EUが英国の
EU離脱の貿易協定を停止する可能性がある。交渉による解決策がない場合、世界貿易機関(WTO)の規則が最終的に適用される
可能性があり、これは関税の引き上げを意味し、貿易と経済活動にさらに不利な影響を及ぼす可能性がある。
戦略
当行グループはこれまで、この「戦略」の項で様々な目標を示してきた。その一つはCET 1比率に関連するもので、CET 1比
率を12.5%超で維持することは、当行グループの戦略の重要な要素であり、規制当局に対する当行グループのコミットメント
である。当行グループの自己資本比率の推移は、特に、当行グループの中核事業の業績、当行グループの再構築費用および改
革費用の程度、潜在的な訴訟および規制当局の執行措置に関連するコスト、キャピタル・リリース・ユニットのレバレッジ解
消の進捗状況、中核事業のバランスシート利用の増加、当行グループの税金および年金勘定の変動、その他の包括利益への影
響、規制および規制上の専門的基準の変更等を反映している。
また、事業や資産を有利な価格で売却することまたは売却自体が困難となる可能性があり、市場の動向にかかわらず、これ
らの資産やその他の投資から重大な損失を被る、または契約上の取引が成立しない可能性がある。
さらに、当行グループが公表されている目標(この「戦略」の項で示されている。)を達成できない場合、さらなる減損や
引当金等の損失を被る場合、収益性の低下または当行グループの資本基盤やより広範な財政状態の崩壊が発生する場合、当行
グループの経営成績および株価は重大で不利な影響を受ける可能性がある。これには、ドイツ会計規則(HGB)に基づくドイツ
銀行AG単体の財務諸表上の配当可能利益の規程が適用されるため、当行グループが株主に対して望ましい利益の分配を行うこ
とができないリスクも含まれる。当該目標が規制当局に対するコミットメントである場合、未達成の場合は、これらの規制当
局または格付機関による措置につながる可能性がある。
当行グループは、継続中の改革および通常の事業過程の一環として、契約および基本合意書を締結する。これらが暫定的な
性質のものまたは条件付である場合、当行グループは、最終的な合意の履行または提案された合意が締結に至らず、かかる合
意に伴う便益を得ることが危うくなるリスクにさらされる。
経営環境は、著しく悪化する、または前述のいずれかの項目に関する当行グループの仮定や統制が当行グループの現在の予
想と大幅に異なる可能性がある。COVID-19のパンデミックとその世界経済への継続的影響およびその他のマクロ経済の動向
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(インフレ見通しと政策金利の不確実性を含む。)、ならびにロシア紛争を取り巻く急速に進展する状況からの潜在的な影響
を含む地政学的リスク要因は、当行グループが財務および非財務目標を達成する能力、ならびに事業および資金流入の量(DWS
に おける運用資産の計画レベル、ならびにコーポレート・バンク、インベストメント・バンクおよびプライベート・バンク全
体の貸出高を含む。)に影響を及ぼす可能性がある。当行グループは、状況の変化に応じて引き続き計画を立て対応している
が、様々な経済の特定のセクターに不利な影響を与えているドイツ国内、EU域内または世界の経済状況の長期にわたる不況
が、当行グループに著しく不利な影響を及ぼし、ひいては当行グループの中核事業に影響を及ぼす可能性があるというリスク
は依然としてある。こうした状況において、当行グループは最低自己資本の目標を確実に達成するために対策を講じる必要が
ある。これらの対策や施策は、当行グループの事業、経営成績、戦略計画および目標に不利な影響を及ぼす可能性がある。
COVID-19のパンデミックにより正規従業員の離職率が過去の水準と比較して一時的に減少したことが、当行グループの費用
目標の達成にとっての大きな課題となっており、また非自発的退職金の費用が増加している。このことによって、当行内で職
務が余剰となった有能な従業員を再配置する機会も制限された。当行グループの提供可能な報酬水準を抑えるようにという規
制当局からの要請により、当行グループは有能な従業員を惹きつけて定着させる上で不利な立場に置かれる可能性がある。し
かし、2021年度には職員の離職率はCOVID以前の水準に戻り、当行グループは特にアジア太平洋地域での進展に注目している。
現在の傾向は、第3四半期の離職率が高いという従来のパターンで推移しているが、パンデミック前の傾向に合わせて、2021年
度第4四半期には、従来は高めであった離職率が低下した。当行グループは、離職率を引き続き注視している。世界的には、非
常に競争の激しい、特に米国とインドの市場を観察している。
上記のすべてが、当行グループのCET 1比率およびその他の目標比率に重要な影響を及ぼす可能性がある。したがって、本報
告書の「戦略」の項で強調されているように、例えばCET 1の目標である12.5%超を下回るか、費用収益率の目標である70%ま
たは税引後平均株主資本利益率の目標である8%に届かない可能性がある。
流動性リスクおよび資金調達リスク
当行の信用格付は、主要格付機関3社すべてにより、2021年度に引き上げられた。直近の第4四半期における引き上げは、S&P
が、見通しが安定的であるとして、当行グループの長期発行体信用格付とシニア優先債の格付を(BBB+から)A-に引き上げた
ことによるものであった。その前の2021年8月に、ムーディーズは当行グループのカウンターパーティ格付と長期預金格付を
(A3から)A2に引き上げ、見通しをポジティブとした。2021年9月、フィッチは当行グループの長期発行体デフォルト格付
(IDR)を(BBBから)BBB+に引き上げ、見通しをポジティブとした。これらの信用格付の引き上げは、当行グループの資金調
達コストを減少させ、当行グループとの取引を継続するという顧客の意欲を支えた。
潜在的なリスクの中でも、当行グループの流動性、事業活動および収益性は、債券資本市場の利用、当行子会社からの資金
調達、または市場全体もしくは個別企業の流動性制約の期間中に資産売却を実施できないことにより、不利な影響を受けるこ
とがある。こうした状況は、当行グループの事業に関連なく、当行グループの管理が及ばない状況(金融市場の混乱等)、ま
たは当行グループ特有の状況(訴訟、規制上および類似の問題、当行グループの事業、ビジネス・モデルもしくは戦略、また
は経済状況や市況の悪化に対するレジリエンスに関する実際のもしくは潜在的な脆弱性に起因する資金流出の可能性に関する
見解により、当行グループの取引相手もしくは市場が当行グループの営業活動への資金提供に消極的になる等、当行グループ
の事業に不利な影響を及ぼす可能性がある。
外国為替市場に問題がある、または約定した取引条件に対する当行グループの履行能力に相手方が懸念を抱いているため
に、当行グループに対するエクスポージャーの制限を求めている場合には、当行グループの外国為替取引実施能力が低下する
可能性がある。さらに、為替のミスマッチの拡大は、ユーロ(当行グループの現地通貨)の価値が他の主要通貨に対して大幅
に下落する場合には、担保の流出の増加につながる可能性がある。
安定調達比率(以下「NSFR」という。)は、2021年6月から、親会社であるドイツ銀行AGを含むドイツ銀行グループにとって
規制上の要件となった。NSFRは、現地の規制要件に従い、今後、グループ内の他の子会社にも適用されることになる。この比
率を拘束力のある最低要件として導入する際に、ドイツ銀行グループとドイツ銀行AGは、NSFR水準が要件の100%を上回ってい
ることを報告した。当行グループは、NSFR要件の対象となる他の子会社も規制上の最低要件を上回ると予想している。
2021年度における当行グループの流動性カバレッジ比率は規制上の最低要件を引き続き十分に上回っていたが、COVID-19の
将来の波やそれに関連する経済的影響等のリスクが流動性の指標に圧力をかけ、流動性不足と資金流出が生じるおそれがあ
る。それに加えて、当行グループの資金調達コストに一時的な影響を及ぼし、その結果、当行グループの収益性に不利な影響
を及ぼす可能性がある。
規制監督の改革、評価および手続
COVID-19による影響の管理を軽減して実体経済へ資金提供を行うための銀行の取り組みを支援するために規制改革は選択的
に延期されたが、前回の金融危機で識別された脆弱性に対応するために実施および提案された規制改革、ならびに規制当局に
よる監視および裁量権の強化により、当行グループでは中期的に、多額の費用負担が必要となり、重要な不確実性が生じ、当
行グループの事業計画および戦略計画を実施する能力が不利な影響を受ける可能性がある。当行グループに対して資本の増加
の維持を求めるこれらの変更は、より全般的に厳しくなっている環境と同様に、当行グループのビジネス・モデル、財政状態
および経営成績に重大な影響を及ぼす可能性がある。当行グループの事業に影響を及ぼす将来の変化がいくつかある。その一
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つに、(CRR Ⅲを通じた)バーゼルⅢの最終化に関する改革の実施が挙げられる。しかし、これらの変化の実施については、
政策立案者がすべての主要な法域において依然として大きな議論を行っている。現在、当行グループは、EUにおけるバーゼル
Ⅲ の最終化の実施により、特に、リスク領域の大半で当行グループのエクスポージャーに対するリスク・ウェイトが高くなる
ことから、2025年に自己資本要件が引き上げられると予想している。また、バーゼルⅢ最終化に含まれる新しい資本フロアの
導入により、当行グループのエクスポージャーに対するリスク・ウェイトは2028年/2029年からさらに増加すると予想してい
る。破綻処理の実行可能性または破綻処理の施策に関する規制改革も、当行グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性
がある。さらに、規制変更は、主要事業体の資金調達方法にも影響を及ぼす可能性があり、これは事業の運営方法に影響を与
え、業績に不利な影響を及ぼす可能性がある。また、規制措置によっては、当行グループのビジネス・モデルの変更を余儀な
くされる、または一部の事業活動が行えなくなる可能性がある。
規制当局は、定期的な監督上の検証・評価プロセス(SREP)の結果を踏まえ、資本上乗せもしくは規制上の調整を課す場合
がある。こうした調整は、例えば、当行グループの統制環境における不備によってもたらされる追加的なリスクを反映する、
または特定の商品もしくは取引の処理に関する監督上の検査の結果を踏まえて生じる可能性がある。リスクテイクに関して欧
州中央銀行(ECB)が焦点を当てている分野の一つはレバレッジド貸出であり、ECBは単一監督メカニズムの下ですべての銀行
に期待される事項を明確にしており、これらの期待に準拠していないと評価された金融機関に対しては、将来のSREPの決定に
おいて定量的措置を検討する意向を表明している。このような潜在的な定量的措置は、重大で不利な影響をもたらす可能性が
ある。さらに広い意味では、これには、ECBが、EBAまたはECBが実施した規制上のストレス・テストを基に導き出す決定も含ま
れる。ECBの各銀行の業績評価は、第2の柱の要件のレベルを決定し通知するための定性的観点、および第2の柱のガイダンスの
レベル評価の一側面である定量的観点から行われる。ECBは、既に過去のSREPの決定でこれらの権限を行使しており、実地検査
の検出事項に対処するために権限の行使を継続する場合もある。極端な場合、当行グループに適用される規則に違反があった
場合には特定の活動や法域内で営業活動を行う認可を一時停止し、罰金を科すことができる。
また、規制当局は、マクロプルーデンス・ツールの使用を通じて、マクロ経済リスクに対処するために資本上乗せを課す場
合がある。これには、グループ全体で、または加盟国レベルでの地域活動にのみ、あるいは特定の種類のエクスポージャー
(住宅ローン等)にのみ適用できるCET 1バッファーの増加が含まれる。これらのツールの使用はEUの健全性フレームワークに
よって規定されており、通常、BaFinのような各国のマクロプルーデンス政策当局によって決定されるが、その決定はマクロ経
済リスクに関する中央銀行の分析に基づいて行われることが多い。
欧州およびその他の地域の規制当局は、意図せぬ景気循環の影響を回避するため、健全性フレームワークの要素を用いて
ターゲットを絞り暫定的に柔軟性を持たせるための措置を講じている。例えば、欧州では、レバレッジ比率の変更において、
未決済の債権債務の相殺やユーロ圏の中央銀行で保有する現金の一時的な除外が認められている。2021年6月18日、欧州中央銀
行(当行グループの主たる規制当局であり、以下「ECB」という。)は、レバレッジ比率の緩和措置を2022年3月に終了すると
発表した。
さらに、統制を強化することによって、規制遵守に係る費用が増加し、効率性向上と相殺される、もしくは効率性向上を上
回る可能性がある。当行グループの継続的な当局とのコミュニケーション時に、もしくは一連の監督当局検査において解釈の
問題が議論された際に、規制当局は、当行グループによる特定の規制要件の解釈に同意しない可能性がある。予期せぬ統制強
化の例としては、現地の規制当局がドイツ銀行の主要な法人が現地で保有する流動性の保留を要求し、結果として他の関連会
社への流動性再配分が制限されるリスクが考えられる。規制の解釈の変更は、第1の柱の規制におけるポジションの取扱いに重
大な影響を及ぼす可能性がある。同様に、欧州銀行監督局(EBA)による所要自己資本規制(CRR)の解釈が変化し続けている
ことも、当行グループの規制自己資本、レバレッジ比率または流動性比率にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
規制当局と中央銀行は、2021年まで、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)から代替的なリスク・フリー・レート(RFR)への
移行を積極的に奨励してきた。LIBORの管理者は、2021年12月31日より後に、スイスフランLIBOR、ユーロLIBOR、ならびに英ポ
ンド、日本円および米ドルの特定の設定の公表を停止した。残りの米ドルLIBORの設定の公表は、2023年6月30日より後に停止
する。EONIAの公表は2022年1月3日に停止されたが、EURIBORは引き続き利用可能である。EU、英国および米国では、リスク・
フリー・レートへの移行に関連する法的確実性と契約の継続性を向上させるための法律が制定されている。それにもかかわら
ず、契約上の不確実性と論争のリスクが残る可能性がある。
当行グループが売買する金融商品および当行グループが関与するその他の取引やサービスを含む資産および負債の大部分に
は、財務ベンチマークに連動した金利が付されている。これらのベンチマークの廃止およびRFRへの移行は、マーケット・リス
クや流動性リスクに伴う市場混乱のリスク、訴訟リスク、会計および税務リスク、オペレーショナル・リスク等、様々なリス
クを当行グループにもたらす。訴訟リスクおよびマーケット・リスクの一部は、EUおよび英国当局によって提案された厳しい
レガシー法により軽減されてきたが、その他のリスクは残っている。ベンチマーク規制の改正には、欧州委員会が法定代替
レートを指定するための新しい権限の作成、および第三国(すなわちEEA外)のベンチマーク制度の移行期間を2023年末まで延
長することが含まれていた。欧州委員会はその後、2021年10月に新しい権限を行使し、スイスフランLIBORとEONIAの法定代替
レートを指定した。法定代替レートの使用は、2022年1月3日から施行されている。英国では、クリティカル・ベンチマーク
(参照および管理者責任)法によって、関連する英国法に基づく契約におけるLIBORの参照は、シンセティックLIBORの参照を
含めて解釈されることになっている。
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さらに広い意味では、既存のベンチマークを改革する取り組み、ベンチマークの呈示への当行グループの関与、EUおよび英
国のBMR(ベンチマーク規制)に基づくベンチマークの使用、ならびにドイツ銀行のベンチマーク管理者であるドイツ銀行イン
デックス・クオンツ((Deutsche Bank Index Quant(DBIQ))を通じた管理を含む特定のベンチマークの管理によって、当行
グ ループは規制上の措置、法務リスク、風評リスク、会計リスク、税務リスクおよびその他のリスクにさらされる可能性があ
る。特に、法務リスクおよびコンプライアンス・リスク(コンダクト・リスクを含む。)は、EUおよび英国のBMRに基づく行動
規範の遵守(およびモデルの使用と潜在的に専門家としての判断の行使)が求められるパネル行の一部として、またはベンチ
マーク管理者への取引データ提供者としてベンチマークの呈示に関与するオペレーショナル・リスクによって生じる可能性が
ある。EUのBMRの違反に対する罰金は、年間売上高の最大10%に達する可能性がある。
EU圏外の中央清算の取り決めに起因するEUの潜在的な金融安定リスクは、2022年も引き続き注目される。2022年2月8日、欧
州委員会は、英国の中央清算機関に関する一時的な同等性の取り決めを2025年6月30日まで延長することを公表した。今後3年
間、一時的な同等性の取り決めが失効するまで、欧州委員会は、EUの中央清算機関の競争力とコスト効率を高めるとともにEU
レベルの監督を強化することにより、ユーロ建て商品の清算業務をEUの中央清算機関に振り向ける措置に引き続き注力する。
さらに、欧州委員会による正式な同等性の決定や欧州の証券規制当局である欧州証券市場監督局による承認がなくても、資本
配分目的の適格なCCPとして分類されることを認めている第三国CCPの現行の移行期間は、2022年6月28日に満了し、延長されな
い見込みである。これらの決定の状況と潜在的な緩和措置によっては、これらの変更は当行グループの規制自己資本にマイナ
スの影響を与え、当行グループの事業コストを増加させる可能性がある。
当行グループは気候リスクの評価および管理に対するアプローチを継続的に開発および実施し、当行グループのプラット
フォーム全体にわたって気候関連要因の統合を推進しているが、当行グループが低炭素経済への移行措置を採用または実施し
なかった場合、急速に変化する規制と利害関係者からの要求のいずれも、当行グループの事業、経営成績または戦略計画に重
大な影響を及ぼす可能性がある。
法規制執行手続および税務調査
当行グループは、複数の法規制執行手続および調査ならびに税務調査の対象となっている。かかる手続の結果を見積ること
は困難であり、当行グループの計画上の経営成績、財政状態および評判に重要で不利な影響を及ぼす可能性がある。これらの
事象が当行グループの予想よりも不利な結果で終結した場合、その費用および当行グループの事業に必要な変更に関して、ま
たは当行グループの事業および業績予測に対する否定的な認識、ならびに関連ビジネスへの影響が増加する場合、当行グルー
プは戦略的目標を達成することができない、または当該目標の変更を余儀なくされる場合がある。
コンプライアンスおよび金融犯罪防止に関するリスク
金融犯罪に対抗し、適用される法規制を遵守することは、ドイツ銀行をはじめとする銀行の安定性および国際金融システム
の統合性を確保するために不可欠である。
当行グループが法規制および関連する監督当局の期待を遵守して業務を遂行することを確実にするためには、強固で効果的
な内部統制環境と適切なインフラ(人員、方針および手続、統制テスト、ITシステムから成る。)が必要である。
当行グループのコンプライアンス統制や監視プロセス、ならびに当行グループの事業およびサービスの適切な実施を確保
し、市場の乱用、インサイダー取引および違反行為を防止するためのその他の内部統制プロセスは、随時、特定の法域の規制
当局の審査および/または調査の対象となっている。
さらに、当行グループのマネーロンダリング防止(AML)および顧客確認(KYC)のプロセスと統制は、当行グループの商品
およびサービスの悪用による金融犯罪の防止を目的としており、引き続き複数の法域において規制当局による審査、調査およ
び強制措置の対象となっている。当行グループは引き続き、内部統制環境の実効性を高め、規制要件の改訂に対応するようイ
ンフラを改善し、また当行グループおよび/または規制当局や監視当局により特定される不備を補うよう努めていく。
2018年9月に、BaFinは当行グループに対し、適切な内部セーフガード措置を講じ、マネーロンダリングやテロ資金供与を防
止するための一般的なデューデリジェンス義務を遵守するように命じた。2019年2月には、当行グループ全体のコルレス銀行業
務におけるリスク管理プロセスを見直し、必要に応じて調整することを命じ、また2021年4月には、顧客ファイルの定期的なレ
ビューに関し、より適切な内部セーフガード措置の採用とデューデリジェンス義務の遵守を命じた。こうした命令の拡大は、
コルレス関係と取引の監視にも適用される。BaFinは、命じた措置の実施状況を監視するとともに、実施の進捗状況をBaFinに
評価・報告する特別代表を任命した。
より一般的には、当行グループは、高度に規制が強化された訴訟環境で事業を行っており、法的および規制上の制裁や評判
の低下だけでなく、重要かつ金額の見積りが困難である負債やその他の費用が発生する可能性がある。当行グループは、銀行
がより速いペース、かつ、より質の高い方法で統制を改善することを期待している監督当局と定期的な対話を継続している。
当行グループは、この指摘を理解しており、これらの期待に応えることにコミットしている。
当行グループに対する法的手続のいずれかが解決された場合、または調査の結果、当行が適用される法律を遵守していな
かったと判断された場合、当行は、重大な損害、罰金、業務の制限、是正措置、刑事訴追、またはその他当行の財政状態に重
大で不利な影響を及ぼす可能性があるほか、広範なメディアの注目による当行グループの評判および事業の潜在的損失に対す
るリスクにさらされる可能性がある。刑事訴訟手続における当行グループまたはその関係会社の有罪判決、または当行グルー
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プまたはその関係会社が対象となる規制上の命令あるいは執行命令、和解または合意は、当行グループの特定の事業に不利な
影響を及ぼす可能性がある。
リスク管理の方針、手続および手法ならびにオペレーショナル・リスク
当行グループは、マーケット・リスク、信用リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスク、風評リスクおよびモデ
ル・リスクを含むリスクを管理するための方針、手続および手法を策定するのに多大なリソースを投入してきた。しかしなが
ら、すべての経済・市場環境において、または当行グループが識別もしくは予測できないリスクを含むあらゆる種類のリスク
に対して、当行グループのリスク・エクスポージャーを軽減する上で十分に効果的ではない可能性がある。当行グループが規
制目的上のリスク・ウェイテッド・アセットの算定にこれらのモデルを用いている場合、潜在的な欠陥により、規制当局がイ
ンプットのパラメータの再調整やモデルの全面的な見直しを課す場合がある。
当行グループは、内部統制環境の不備または取引処理等のプロセス実行のエラー、ならびに事業継続不能に伴うオペレー
ショナル・リスクにさらされる場合があり、これにより、当行グループの事業が混乱し、重大な損失につながる場合がある。
同時に、第三者の与信枠が合意どおりに、または当行グループの社内基準に沿って提供されない場合、当行グループは重大な
損失またはレピュテーションの毀損のリスクにも直面する可能性がある。
ドイツ銀行は、世界的銀行としてニュースで取り上げられることが多い。ドイツ銀行は、公式なチームを通じてメディアと
の対話を行っているが、一部のメディアがこうしたチャネル外でドイツ銀行の従業員に接触することがあり、機密事項を含む
ドイツ銀行の内部情報が外部のニュース報道の対象となることがあった。メディアへのリークは、特に不正確な発言、うわ
さ、憶測や未承認の意見が含まれる場合、ドイツ銀行に深刻な影響をもたらす可能性がある。これは、顧客からの信用失墜や
取引喪失といった財務的影響につながることがあり、投資家の信頼を損なうことによって当行の株価や当行グループの資本性
金融商品に影響が及ぶ可能性がある。当行グループはこれらのリスクを管理するためのプロセスを整備しているが、当行グ
ループがこれらのリスクから自らを守る能力には限界がある。
また、当行グループは、特定の顧客に適さない商品の販売、詐欺、不正トレーディングならびに適用される規制、法律およ
び内部指針の不遵守を含む、不適切な実務に関連するリスクからなるコンダクト・リスクにさらされている。例えば、従業員
の不正行為が詐欺的意図を反映するものである場合、重大な損失のみでなく、レピュテーションの毀損にもつながる場合があ
る。
オペレーションの観点では、事業継続および危機管理の方針は現在整備されているものの、COVID-19のパンデミック、ウイ
ルスの新たな変異株の出現やそれに伴う急な政府対応の変更により、当行グループの事業活動および統制環境は継続的に不利
な影響を受ける可能性がある。主要オフィスではなく自宅でビジネスを行うという世界の産業全体で続いている変化が、商慣
行の従来の傾向からの進化を加速させている。当行グループの技術インフラに対する要求およびサイバー攻撃の発生リスク
は、技術障害、セキュリティ侵害、不正アクセス、データの喪失や破壊またはサービスの停止をもたらす可能性があり、ま
た、違反行為が生じる可能性も高める。
これらの事象によって、訴訟対象となり、財務上の損失を被り、ビジネス活動が阻害され、顧客への賠償責任を負い、規制
当局の監視対象となり、政府による介入が行われ、当行グループの評判を損なう可能性がある。同時に、これらのサイバー、
情報セキュリティおよびその他のリスクを管理するための当行グループの費用は引き続き高額となっている。消費者保護措置
等の規制要件の実施や当行グループの戦略プロジェクトの実行に遅れがあった場合も、当行グループの収益および費用にマイ
ナスの影響を及ぼす可能性がある。また、ボラティリティの高い市場からのリターンによって、市場監視のモニタリングおよ
び取引処理に関する要請は増加しており、今後も増加し続ける可能性がある。当行グループのベンダーおよびサービス提供者
も、取引相手方が契約上の義務を履行できなくなるリスクを伴う同様の課題に直面しており、当行グループがこうした契約か
ら得ようとしている便益もリスクにさらされている。
COVID-19による金融および非金融リスクの影響を管理するため、ドイツ銀行は、グローバルおよびリージョナル・クライシ
ス・マネジメントを含む、専用の統治構造を敷いている。また該当がある場合は、取締役会を含む上層の利害関係者が最新の
情報を得られるよう、追加的な報告を含め、追加の統制およびプロセスが設定されている。当行グループは、リスク管理の観
点から、2022年度は厳しい年になると予想している。
第三者リスク
第三者取引は、ドイツ銀行を含むあらゆる金融サービス会社の日常業務を順調に行うために不可欠である。事業およびオペ
レーションを支援する、第三者の利用および第三者への依存度は当該セクターにおいて年々増加しており、第三者の管理能力
の向上が必要となっている。市場の金融安定性を確保するために、第三者の集中リスクや重要な第三者に対する規制当局の関
心が高まっている。さらに、金融サービス業界やその他業界における規制の動向により、組織は、第三者がもたらす幅広い影
響について検討することを求められている。
当行グループが第三者を利用する目的の性質も進化しており、現在では当行グループ自身の技術のためのクラウドの利用
等、より基幹的な側面でのサービスやインフラも含まれている。これは様々なリスクにつながるため、リスク評価の強化、適
切な契約および関連リスクに見合った継続的な監視が必要である。また、第三者の日々の管理方法だけでなく、第三者がサ
ポートする事業サービスの重要性に比例して必要となる回復力のレべルを評価するための規制や規制当局による調査が着実に
増えてきている。
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ドイツ銀行は、第三者リスクの管理において、明確な方針および手続を始め、事業が外部ベンダーと契約する際に使用する
一元化されたリスク手続に至るまで確立されたアプローチを用いている。しかしながら、第三者により提供されるサービス
は、 当行グループが自らサービスを行う場合に負う同等のリスクを当行グループにもたらすため、第三者が提供するサービス
に対しても当行グループは引き続き最終責任を負っている。当行グループは、第三者が、適用される法規制を遵守しつつ当行
グループと合意した契約条件およびサービスレベルに従ってサービスを提供することを、その第三者に依存している。当行グ
ループの第三者がこれらの基準に従ってビジネスを行わない場合、当行グループは重大な損失を被り、規制措置、訴訟または
風評被害にさらされる可能性がある。一般的には、第三者との関係が当行グループの期待に合わない場合、当該サービスを他
の第三者に移管する費用の発生による金融リスク、ならびに当該移管に関連する事業リスクおよびオペレーショナル・リスク
にさらされる可能性があり、当行グループが第三者との関係から得ようとしていた便益を受けられない可能性がある。このよ
うなリスクを軽減するために、当行グループは継続的に、内部統制環境を改善し、規制要件の改訂に対応するようインフラを
改善し、当行グループおよび/または規制当局や監視当局により特定される不備を補うよう努めている。
のれんおよびその他の無形資産の減損
のれんは、年1回、または減損の発生の兆候がある場合にはそれ以上の頻度で減損の見直しが行われる。
その他の無形資産が分離可能または契約上もしくはその他の法的権利から生じ、かつ、その公正価値を信頼性をもって測定
可能な場合、当該無形資産はのれんとは別個に認識される。これらの資産は少なくとも年1回減損テストが行われ、その耐用年
数が再確認される。これには、ソフトウェアの減損に関するテストが含まれる。
非金融資産の減損の評価における回収可能額の決定には、市場相場価格、比較可能事業の価格、現在価値もしくはその他の
評価技法またはこれらの組み合わせに基づく見積りが必要であり、経営陣が主観的な判断および仮定を行うことが要求され
る。これらの見積りおよび仮定は、基礎とした状況が変化すれば、報告金額が著しく異なる結果となる可能性がある。のれん
およびその他の無形資産の減損は、当行グループの収益性および経営成績に重大で不利な影響を及ぼしており、また今後及ぼ
す可能性がある。
年金債務
当行グループは、従業員のために多数の退職後給付制度(確定給付制度を含む。)のスポンサーとなっている。当行グルー
プの年金負債を決定付ける要因が当行グループにとって不利な方向に変動した場合、または主要な変数に関する当行グループ
の仮定が誤っていることが判明した場合、または当行グループの年金負債の資金拠出がその負債を十分にヘッジできない場
合、当行グループは年金制度に対して追加拠出を要求されるか、または年金制度に関する数理計算上または会計上の損失にさ
らされる可能性がある。
繰延税金資産
当行グループは、既存の資産および負債の財務諸表上の帳簿価額とそれぞれの税務基準額との一時差異、繰越欠損金ならび
に繰越税額控除に起因する将来の税効果について繰延税金資産を認識する。当行グループの繰延税金資産の全部もしくは一部
を利用できるだけの十分な課税所得を得られる可能性が高くなくなった場合、帳簿価額を減額する必要がある。繰延税金資産
に関連するこの会計上の見積りは、過去の税務能力や課税所得についての情報や承認された事業計画に基づく予測経営成績等
の仮定、つまり、随時変化することがある基礎となる仮定に依存しており、経営陣による重要な判断を必要とする。当行グ
ループは四半期ごとに、将来の収益性に関する仮定を含む、繰延税金資産に関連する当行グループの見積りを再評価する。見
積りの変更による繰延税金資産の減額は、当行グループの収益性、資本および財政状況に重大で不利な影響を及ぼしており、
また今後及ぼす可能性がある。
技術およびイノベーション
デジタル改革は、異業種の参加者、グローバルなハイテク企業やフィンテック企業等の新たな競合他社が市場参入する機会
を与えている。これにより、当行グループの事業では、市場シェアの潜在的損失のリスクを軽減するために、デジタル商品や
プロセスのリソースへの投資の必要性が高まると予想している。
当行は、市場の動向や顧客ニーズに迅速かつ柔軟に対応できるようにするため、Google Cloudとの戦略的パートナーシップ
を通じて、社内アプリケーションをパブリッククラウドに移行することを決定した。今回のGoogleとのパートナーシップは、
銀行のデジタル化における主要なマイルストーンであり、Google Cloudのような新しい技術を受け入れることへのコミットメ
ントを示している。目的は、商品およびサービス、システムの回復力やセキュリティの改善によって顧客体験を向上させるこ
と、また従来のプラットフォームの運用による非効率な費用を削減することである。このような大規模な技術移行には、セ
キュリティと安定性の問題に関するリスクを管理するために必要な資金配分を含む、強固なガバナンスと計画が必要である。
さらに、このプログラムは規制当局から大きな関心を集めている。また、外部のサービス提供者と同様に、当行は、顧客およ
び銀行情報の保護のために、データの機密性とセキュリティの統制について最高水準を確保しなければならない。これを達成
できなかった場合、顧客の信頼を損ない、金銭的損失が発生し、さらに深刻な場合には、規制上の罰金、訴訟および個人への
損害賠償義務が生じる可能性がある。
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当行グループは、情報セキュリティに関連する脅威の様相が絶えず変化する環境下で事業を行っている。当行グループは、
プロセスやセキュリティ統制の実行エラーを含む統制環境の不備、およびデータ損失に伴うオペレーショナル・リスクにさら
さ れる可能性があり、これにより当行グループの事業が混乱し、重大な損失につながる可能性がある。同時に、サービスが合
意どおりに、または当行グループの社内基準に沿って提供されない場合、当行グループは重大な損失またはレピュテーション
の毀損のリスクにも直面する可能性がある。サイバー攻撃は、当行グループの顧客または第三者が提供するサービスを通じ、
直接的にも間接的にも当行グループに影響を及ぼす可能性がある。
そのため、当行グループはセキュリティ・リスクの軽減に引き続き投資している。2021年度において特に重視したのは、金
融犯罪、データ開示およびサービスの中断、ならびにシステムの誤用、資産の破壊、データの破損および情報セキュリティに
関する規制の遵守とコンダクト・リスクといった主要な脅威への対応に引き続き注力することであった。当行は、多階層の防
御策を継続的に見直して(必要に応じて)修正し、新たな脅威を体系的に回避するよう取り組んでいる。当行グループは、
ID、データ、インフラ、デバイス、アプリケーション等、あらゆる技術の階層における情報セキュリティ統制の構築を目指し
ている。この多階層アプローチにより、徹底した保護と、サイバー脅威を発見、防止し、当該脅威に対応し、また当該脅威か
ら回復するための複数の機会が提供されている。
当行グループの顧客ライフサイクル管理における包括的なデータ・アプローチの欠如は、顧客体験や規制当局の審査にリス
クをもたらす可能性がある。これらの事象によって、当行グループは訴訟対象となり、または財務上の損失を被り、ビジネス
活動が阻害され、顧客への賠償責任を負い、政府による介入が行われ、当行グループの評判を損なう可能性がある。特に、顧
客受入時のKYC違反から生じるリスク、顧客のライフサイクルに存在するAFCおよびAMLの追加的リスクは、現在開発中の一貫し
たデータ・アプローチを用いることにより軽減することができる。さらに、当行グループは業界標準の情報セキュリティと顧
客体験を確保するために、既存の技術アーキテクチャとともに、新しい革新的技術を受け入れ、導入するという課題もある。
当行グループの事業領域における主要な技術革新は、専門的な取り組みを通じて実行されている。これらの取り組みによる
恩恵としては、ITおよび事業のコスト削減、統制の改善、新たな顧客機能またはターゲットを絞った顧客成長の提供による収
益の増加が挙げられる。このような取組みの一つであるUNITYは、旧ポストバンクからドイツ銀行ブランドの事業へのITシステ
ムの移行を通じてIT環境の簡素化を目指しており、2022年度初頭に重要な節目を迎える。これらの取り組みに伴う実行リスク
には、資源不足、導入スケジュールの延長、統制環境の活動を変更することによる影響、若しくはアップグレードされたアプ
リケーションまたは基礎となる技術の機能性の問題等が含まれ、これらは、期待される恩恵を完全に享受できないリスクを部
分的に軽減するために慎重に管理されている。
環境・社会・ガバナンスに係るリスク
世界的な温暖化の影響、気候変動とネット・ゼロ経済への移行に対する社会の関心の高まりにより、規制当局と銀行業界
は、新たな金融リスクおよび非金融リスクの増大にさらされている。これらには、頻度と深刻度が増している異常気象から生
じる物理的リスクに加えて、炭素集約型産業が、より高い課税、需要の減少、潜在的な金融アクセスの制限に直面するといっ
た移行リスクが含まれる。これらのリスクは、幅広い金融リスクおよび非金融リスクの種類にわたり、ドイツ銀行に影響を及
ぼす可能性がある。
気候やより広範なESG関連の課題について、政府、規制当局、株主、その他の機関からの金融機関に対する精査が強化されて
おり、当行グループが生物多様性と人権を保護するための低炭素経済への移行を支援しなければ、風評リスクにさらされるこ
とになる。また、新たな規制ガイダンスに沿ってESGリスク管理フレームワークを見直し、強化し、当行グループの活動がESG
の側面に与える影響を正確に描写することが求められている。現在、整合的かつ包括的なESGデータや手法がないため、当行グ
ループは貸借対照表に対するリスクの評価の際には代替の見積りや定性的アプローチに大きく依拠しており、気候関連の情報
開示に高い不確実性が生じているのが現状である。2022年に、ECBは最初の気候変動ストレス・テストを実施する予定である。
このテストは、新しい手法やデータソースの開発を必要とする、斬新で複雑な要素を多く含んでいる。
ドイツ銀行は、ポートフォリオに係る排出量を2050年までにネット(実質)ゼロにする等、事業活動と運営を持続可能な形
で管理する取り組みにコミットしている。当行グループは、事業活動全体にわたって環境関連要因の統合を促進するため、環
境リスクの評価と管理に関するアプローチを継続的に開発し、実施している。これには、リスクを特定、監視および管理し、
定期的にシナリオ分析やストレス・テストを実施する能力も含まれる。急速に変化する法規制とステークホルダーからの要求
は、ステークホルダーの大きな関心と相まって、当行グループがこれらの要求を採用しない場合や当行グループの戦略的計画
を適切に実施しない場合には、当行グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性がある。
機会
マクロ経済および市況
GDP成長率、失業率の水準、金利環境、金融サービス業界の競争状況等の経済状況が予測水準を上回って改善した場合、収益
が増加する可能性があり、これは、費用の増加によってのみ一部相殺される可能性はあるものの、税引前利益、純利益の両方
と費用収益比率の改善に直接的につながり、その後、CET 1比率やレバレッジ比率等の規制上の指標が改善することになる。イ
ンフレ率や金利水準の上昇は、例えば、プライベート・バンク顧客、コーポレート・バンク顧客、および機関投資家のポート
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フォリオの再配分による取引フローの増加に起因する収益増加、純利息収益の増加、貸借対照表全体での貸付マージンの増加
等、当行グループの全部門わたり多くの機会をもたらす可能性がある。
当行グループの貸借対照表上の資産および負債の大半は、公正価値で計上する金融商品であり、公正価値の変動は損益計算
書に認識されている。このような公正価値の変動により、当行グループは将来において利益が実現する可能性がある。
市況、物価水準、ボラティリティおよび投資家マインドの動向が予想を上回れば、これも当行グループの収益、利益、およ
び当行グループの貸出コストにプラスの影響を及ぼす可能性がある。同様に、顧客の需要および市場シェアの増加が予想を上
回れば、当行グループの経営成績にもプラスの影響を及ぼす可能性がある。
新興国市場を含め、世界中で効果的なワクチンが利用可能になったことは、基礎となる回復率は各国で加速的に上昇し、新
たなロックダウンや政府の厳しい対応のリスクの緩和につながる可能性がある。これにより、国境を越えた取引が活発化し、
事業活動および顧客取引が増加し、それにより潜在的な収益増加につながる可能性がある。特定の業種では、回復により受け
る恩恵がより大きい可能性があり、特にパンデミックまたは最近のサプライチェーンの制約の影響が大きかった業種について
は急速な回復がみられ、結果的には当行グループに追加的ビジネスチャンスをもたらす可能性がある。
規制変更
規制変更は、銀行による優れた商品またはサービス提供を促進する場合があり、市場における差別化の機会を与えることが
ある。例えば、報告基準が持続可能な財務を目指して継続的に発展しているため、市場は持続可能な財務イニシアチブをより
広範に受け入れるように発達していく可能性がある。顧客や市場が持続可能な財務に関連する取組みを採用しているため、当
行グループは顧客に提供するサービスの強化を図ることによって自らを差別化できる機会を得る可能性がある。
戦略
当行グループの戦略は、当行グループが株主への配当を徐々に大きく引き上げ、財務力やその他のリソースを顧客フラン
チャイズやリスク選好に整合するリターンの高い事業に配分できるようにすることである。そのため、戦略の実施程度が予想
を上回ったり、予想より有利な環境で実施されたりした場合には、さらなる機会が創出される可能性がある。これには、マク
ロ経済、市場、地政学的な状況が計画より好転することによる潜在的な利益も含まれる。業務およびプロセスの改善が当行グ
ループの計画上の仮定を上回り、費用の効率化が予想を上回る速度または程度で実現された場合には、これも当行グループの
経営成績にプラスの影響を及ぼす可能性がある。また、市場が当行グループの継続的な改革努力、ドイツ銀行の格付の引き上
げおよび持続的な収益実績に好意的に反応すれば、その進度はさらに刺激される可能性がある。これにより、資金調達コスト
の削減、さらに当行の収益性の向上につながる可能性がある。
当行グループは、中核となる強みのある分野に投資することで、目標とする成長の戦略を追求し、すべての顧客にとって最
初の窓口となり、顧客のあらゆる金融ニーズに対応する「グローバル・ハウスバンク」となることを期待している。グローバ
ルなネットワーク、市場の専門知識、包括的な商品群、そして最近Risk.netにBank risk manager of the yearとして表彰され
たような優れたリスク管理は、当行グループの進化の次の段階への準備に役立つと考えられる。コーポレート・バンクでは、
本拠地であるドイツの市場で引き続き収益を伸ばすとともに、アジア太平洋地域においても事業を拡大し、決済取引事業を活
用してバリューチェーンを捉えたいと考えている。また、マーチャント・ソリューション等の新しい商品にも成長機会がある
と考えている。インベストメント・バンクは、債券および融資商品において引き続き世界的なリーダーであり、コスト削減を
図りながら、市場における確固たる地位を守り、過去数年間に獲得した市場シェアを維持しながら、フランチャイズの安定化
に注力している。プライベート・バンクについて、当行グループは引き続き、ドイツのリテール、国際リテールおよびビジネ
ス顧客に注力しており、また主にアドバイザリーの領域での成長に注力する。ウェルス・マネジメント事業については、特に
EMEAおよびAPAC地域において成長の機会があると考えている。DWSの法人で構成されるアセット・マネジメントは、目標とする
成長戦略を策定し、特に欧州、またアジアにおいても主要な資産運用会社としての地位を確立するために、高利鞘の成長分野
および責任投資で新商品の発売を予定している。より広い意味では、資産がパッシブやオルタナティブのソリューションに移
行する傾向は、DWSの複数の部署に成長分野をもたらすと確信している。
当行グループは引き続き、当行全体を挙げて持続可能性に重点を置いており、顧客の関心が気候変動にさらに向けられるに
つれて、この分野に成長機会があることを中核事業全体で目の当たりにしてきた。2021年度には、これまでのサステナブル・
ファイナンスの進展を踏まえ、2,000億ユーロの持続可能な金融取引と投資の目標額を2年前倒しして2022年度末までに達成す
ることを発表した。これは、顧客の強い投資意欲を踏まえ、当行グループが引き続きサステナブル・ファイナンスを重要な投
資機会であり投資分野であると考えているためである。気候変動リスクを管理するためのリスク選好方針の策定に向けた幅広
い取り組みの中で、当行グループは、顧客支援、例えば、信頼性の高い脱炭素戦略の策定やその移行支援等の機会を見出して
いる。
当行グループの顧客であるかないかを問わず、個人や機関は、環境、社会、ガバナンスのリスクと機会が長期的な収益に
とって重要であるという見方を強めており、当行グループは、これが主要な差別化につながると考えている。当行グループの
事業全体において投資プロセスや取引のマンデートを与える際の意思決定プロセスにESG要因を含める等、特別なESGサービス
の配慮に関心が高まっている。そのため、当行グループは、当行グループと顧客の両方が共通のESG目標を達成し、全体的な
ESG戦略を推進できるように金融商品や投資機会を開発し、提供していく予定である。さらに、当行グループは、当行グループ
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がESG活動を推進することにより、追加的な収益機会の獲得のみならず、当行グループのブランドおよび利害関係者の認知の向
上につながる可能性があると考えている。
同時に、当行グループは、同業他社がCOVID-19のパンデミック下で撤退した顧客の支援および企業が目の前にある不確実性
を乗り切るために必要とする運転資金を確保できるよう経済支援を行うことで、コア・バンクの、特に欧州およびドイツ国内
市場の当行グループの市場シェアと顧客基盤を拡大する機会を得られる可能性がある。
COVID-19のパンデミックは当行の費用構造に影響を及ぼした。当行グループは、短期的には支店やオフィスビルに感染対策
用品を備える必要があったが、現在は、在宅勤務の水準を引き続き高く維持することにより、不動産費用を含めた持続的な費
用削減の方法に注力している。在宅勤務は、一般的に従業員から好意的に受け止められており、費用削減の取組みを加速させ
ることができる。旅行およびエンターテイメント、ならびにマーケティングおよびイベント等の特定の費用カテゴリーは、
COVID-19により一時的に削減され、プラスの影響を受けた。
その他の無形資産
のれんとは別個に認識されるその他の無形資産については、少なくとも年1回、減損のテストが行われる。減損の評価におけ
る回収可能額の決定には、市場相場価格、比較可能事業の価格、現在価値もしくはその他の評価技法またはこれらの組み合わ
せに基づく見積りが必要であり、経営陣が主観的な判断および仮定を行うことが要求される。これらの見積りおよび仮定は、
基礎とした状況が変化すれば、報告金額が異なる結果となる可能性がある。基礎となる仮定の変更により、過去に減損を認識
したその他の無形資産の回収可能価額が将来再び上昇する可能性がある。このような場合、当行グループは当該無形資産を当
初の帳簿価額まで増額して過去に計上した減損を戻し入れるが、これは利益にプラスの影響を与える可能性がある。
繰延税金資産
当行グループは、既存の資産および負債の財務諸表上の帳簿価額とそれぞれの税務基準額との一時差異、繰越欠損金ならび
に繰越税額控除に起因する将来の税効果について繰延税金資産を認識する。当行グループの繰延税金資産の全部もしくは一部
を利用できるだけの十分な課税所得を得られる可能性が高くなくなった場合、帳簿価額を減額し、評価調整を認識する必要が
ある。当行グループは四半期ごとに、過去の税金負担力および将来の収益性に関する仮定を考慮して、繰延税金資産に関連す
る当行グループの見積りを再評価する。改革に関連して、当行グループは2019年度に、英国や米国等影響を受ける法域の繰延
税金資産に関連する28億ユーロの評価調整を認識した。2019年度に改革に着手して以来、当行グループは主要なコミットメン
トを大幅に進展させ、2021年度第4四半期には、2021年度における米国での好調な業績に関連して、プラスの繰延税金資産評価
調整を274百万ユーロ認識した。影響を受ける法域での当行グループの今後の業績によっては、改革に伴って、あるいは時間の
経過とともに、それ以前に評価調整を計上していた繰延税金資産の帳簿価額が回復していく可能性がある。この結果、将来に
おいてプラスの評価調整が増加し、当行グループの実効税率が低下する可能性がある。
技術およびイノベーション
デジタル改革は、当行グループ独自の商品ポートフォリオを拡充し、第三者と商品パートナーシップを締結して市場化まで
の時間短縮から恩恵を受けることによって、既存顧客グループからの収益性を向上させ、新規顧客グループを獲得するための
様々な収益機会を提供する。内部・外部の商品と顧客の需要をマッチングし、単一の中央プラットフォームで取引を実施する
プラットフォーム経済ならびにオープン・バンキングといった市場トレンドにより、当行グループには、こうしたエコシステ
ムにおいて有力なプレイヤーとなれる明らかな機会がある。目標は、総合サービスのエコシステムを発展させることであり、
リテール預金市場、自動財務計画サービス(ロボ・アドバイザー)、ドイツ銀行のバンキング・プラットフォームを活用した
保険助言サービスといった分野向けに様々な企業が様々なコンポーネントを開発している。また当行グループは機会を利用し
て、データ機能の拡大、より良い顧客体験のための個別サービスの改善、ならびに当行グループのサービス提供構築のための
人工知能といった革新的な技術の活用を進めていく。当行グループのグローバルな展開により、様々な地域にわたり迅速かつ
効率的に商品を拡充することが可能になる。
当行は、変化を推進し、当行への技術導入を加速させ、前述の市場機会を収益化するため、テクノロジー・データ・イノ
ベーション(TDI)部門を一つ有している。一般的な「デジタル化とイノベーション」の活動は事業ライン内で行われるが、こ
の集中型アプローチにより、当行グループは、集中化された設定における主要な戦略的課題に対処し、エンジニアリングとイ
ノベーションの文化を推進し、中長期的なデジタルサービスおよび新しいビジネス・モデルへの投資を行うことが可能にな
る。
費用の面では、デジタル化によって、当行グループの各部門には著しい効率性向上の機会がもたらされる。顧客自身による
デジタル口座開設等のデジタル・アプリケーションに投資することによって、フロントからバックまでのプロセスの自動化と
生産性向上が可能となる。高度なデータ機能の開発により、顧客および市場の動向を正確に予想し、不正の低減と商品の値付
けの効率化を高め、また、最新技術を活用して規制上の義務を遵守する能力を強化できるようになると考えられる。データ使
用時のリスクを抑えるために、ドイツ銀行は内部でデータ・プライバシー・エンジニアリングの取り組みを開始した。ここで
も、TDI組織は、特定の戦略的イニシアチブを加速させ、全体的なコストを削減するための中心的な役割を果たすことが期待さ
れている。
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ドイツ銀行とGoogleは、2020年末に戦略的パートナーシップを締結した。複数年にわたるこの協力関係は、当行のクラウド
への移行を加速させ、新しい商品やサービスを共同で革新することを目的としている。このパートナーシップにより、ドイツ
銀行は、世界トップクラスのデータ・サイエンス、人工知能および機械学習能力に直接アクセスすることができるようにな
り、 その結果、顧客に関する洞察、リスク分析および高度なセキュリティ・ソリューションが向上し、顧客口座保護だけでな
く、当行のKYCを行う能力や取引のモニタリング・ソリューション等の金融犯罪対策の強化にもつながることになる。
COVID-19のパンデミックはまた、銀行が新しいデジタル接点を通じて顧客により迅速にサービス提供できるようになる等、
様々な業界のデジタル化の加速を含む潜在的な機会や、顧客のデジタル化プロジェクトおよび戦略への投資における共同開発
および支援の機会をもたらしている。これらの両方によって当行グループの顧客関係は強化され、さらなるビジネスがもたら
されている。
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リスク・レポート
はじめに
IFRS 第7号に従った開示
以下のリスク・レポートは、国際財務報告基準第7号(IFRS第7号)「金融商品:開示」の要求に従った信用リスク、マー
ケット・リスクおよびその他のリスクに関する定量的および定性的開示を提供している。また、「信用リスクの管理およびモ
デル」の項、「資産の質」の項、「信用リスクの軽減」の項、および連結財務諸表に対する注記の注記01「重要な会計方針お
よび重要な会計上の見積り」に詳述される、IFRS第9号の基礎となる分類および測定ならびに減損の要件も勘案している。財務
諸表の一部を成し、本報告書の財務諸表に参照により組み込まれる情報は、本リスク・レポートを通して、水色の網掛け(本
書では『 』で表示されている。)で印付けされている。
欧州規制(EU)第2019/876号および指令(EU)第2019/878号は、2021年6月30日に適用となった規制枠組みの様々な変更を伴う
CRR/CRDの修正、および内部モデル手法の範囲に含まれないデリバティブのエクスポージャー価値を決定するための時価評価方
式に代わるカウンターパーティ信用リスクの新たな標準化アプローチ(SA-CCR)を導入した。また、集合投資事業への銀行勘
定投資や中央清算機関へのデフォルト・ファンド拠出のリスク・ウェイトを決定するための新たな枠組みが導入された。さら
に、規制上の最低レバレッジ比率3%は、Tier 1資本と規制上のレバレッジ・エクスポージャーの比率として決定されている。
加えて、オンバランスおよびオフバランスのエクスポージャーに関連して、安定的な調達プロファイルを維持することを銀行
に要求する最低100%の安定調達比率(NSFR)が導入された。
2021年度第3四半期、当行グループは、2つのEBAガイドラインからなる債務不履行の新たな定義を導入した。1つ目のガイド
ラインは、期日を経過した信用債務の重要性の閾値に関するEBAの技術基準(ECB規制(EU)第2018/1845号で実施)で構成されて
おり、2つ目のガイドラインは債務不履行の定義の適用を対象としている。これらの新たな両要件は、2021年8月にECBの承認を
受けた後、債務不履行の新たな定義と呼ばれる。債務不履行の新たな定義は、バーゼルⅡに基づく債務不履行の定義に置き換
わるもので、IFRS第9号に基づくステージ3へのきっかけとなるものとして、年次報告書全体を通して、すべての主要なリスク
指標に適用される。
CET 1の全指標について、現行のCRR/CRDで規定されているとおり、当行グループは2020年6月30日以降IFRS第9号に関連する経
過措置を適用している。
バーゼル Ⅲ 自己資本フレームワークの第3の柱に従った開示
バーゼル Ⅲ 自己資本フレームワークの第3の柱に従った開示は、欧州連合において金融機関および投資会社に対する健全性要
件に関する規制(EU)第575/2013号(所要自己資本規制またはCRR)(最近の修正を含む。)により実施され、EBAガイドライン
「規制(EU)第575/2013号の第8部の第2編および第3編で言及される金融機関の情報の公的開示に関する技術基準の実施に関する
最終草案」ならびに第3の柱の開示に適用される関連ガイドラインによりサポートされており、当行グループのウェブサイトに
ある追加的な第3の柱の報告書において公表されている。
開示強化タスクフォース(EDTF)の原則および推奨に従った開示
2012年度において、金融安定理事会(以下「FSB」という。)の支援に基づく民間の取り組みとして、リスク開示強化のため
の基本原則を作成し、既存のリスク開示の改善を推奨することを主要な目的として、開示強化タスクフォース(以下「EDTF」
という。)が設立された。EDTFのメンバーとして、当行グループは推奨された開示を本リスク・レポートにおいて導入してお
り、追加的な第3の柱の報告書においても導入している。
リスクおよび資本の概要
主要なリスク指標
「見通し」および「リスクと機会」の各項で上述されているとおり、当行は様々な金融および非金融リスク要因にさらされ
ている。世界経済がパンデミックによる景気後退からの力強い回復を見せたことにより、2021年にかけてマクロ経済、ビジネ
ス、事業環境は改善してきたが、COVID-19の新たな変異株が検出されるとともに、サプライチェーンの課題やエネルギー価格
の高騰が中国やロシアを含む地政学的なリスクをより深刻化させ、経済活動や金融市場のダウンサイド・リスクが依然として
高まっている。
下記に記載されているものは、個別のリスク種類にわたって実施される当行グループの総括的なリスク管理から選ばれた主
要なリスク比率や対応する指標である。普通株式等Tier 1比率(CET 1)、経済的適正自己資本(ECA)比率、レバレッジ比率
(LR)、総損失吸収力(TLAC)、自己資本および適格負債に関する厳格な最低要件(MREL)、流動性カバレッジ比率(LCR)、
安定調達比率(NSFR)、ストレスのかかった正味流動性ポジション(sNLP)は、ハイレベルな指標として機能し、戦略的な計
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画や、リスク選好のフレームワーク、再建および破綻処理計画の実務に完全に組み込まれている。これらは少なくとも年に1回
は当行グループの取締役会によりレビューされ、承認されている。
普通株式等 Tier 1 比率
リスク・ウェイテッド・アセット合計
2021年12月31日現在:13.2% 2021年12月31日現在:3,516億ユーロ
2020年12月31日現在:13.6% 2020年12月31日現在:3,290億ユーロ
経済的適正自己資本比率 経済的資本合計
2021年12月31日現在:206% 2021年12月31日現在:235億ユーロ
2020年12月31日現在:179% 2020年12月31日現在:286億ユーロ
レバレッジ比率(完全適用ベース) レバレッジ・エクスポージャー
2021年12月31日現在:4.9% 2021年12月31日現在:11,250億ユーロ
2020年12月31日現在:4.7% 2020年12月31日現在:10,780億ユーロ
総損失吸収力 ( TLAC ) 自己資本および適格負債に関する厳格な最低要件( MREL )
2021年12月31日現在(リスク・ウェイテッド・アセット・
1
2021年12月31日現在 :32.7%
ベース):31.0%
2021年12月31日現在(レバレッジ・エクスポージャー・
1
2020年12月31日現在 :10.7%
ベース):9.7%
2020年12月31日現在(リスク・ウェイテッド・アセット・
ベース):32.0%
2020年12月31日現在(レバレッジ・エクスポージャー・
ストレスのかかった正味流動性ポジション( sNLP )
ベース):9.8%
2021年12月31日現在:476億ユーロ
流動性カバレッジ比率 2020年12月31日現在:430億ユーロ
2021年12月31日現在:133%
2
安定調達比率( NSFR )
2020年12月31日現在:145%
2021年12月31日現在:121%
1 2021年12月31日については、RWA(合算後のバッファー要件を含む要件)の割合として、2020年12月31日についてはTLOFの割合として。
2 NSFRはCRRの修正により2021年6月28日から新たに導入された最低比率であるため、比較情報は開示されていない。
さらに、当行グループは、リスクが貸借対照表および収益性に及ぼす潜在的影響をポートフォリオの見直しとストレス・テ
ストを通じて評価する。ストレス・テストは、ドイツ銀行の戦略計画のレジリエンス・テストにも使用される。これらのテス
トの結果は、現在利用可能な資本および流動性準備金と利用可能な軽減策を合わせて、潜在的なストレス期間に耐えうるだけ
の十分な水準にあることを示唆している。
当行グループは、事業戦略に及ぼす潜在的な影響をはじめとする、上記または以下の項に記載されているドイツ銀行がさら
されるリスクが、当行グループのリスク・プロファイルの真実かつ公正な概観を示していると結論づけている。
詳細については、「リスク・プロファイル」「リスク選好およびリスク能力」、「リスクおよび資本計画」、「ストレス・
テスト」、「再建および破綻処理計画」、「リスクおよび資本管理」、「資本、レバレッジ比率、TLACおよびMREL」(段階的
導入および完全適用による数値に関して)、「流動性カバレッジ比率」、ならびに「ストレス・テストおよびシナリオ分析」
の項を参照のこと。
リスク・プロファイル
以下の表は、信用リスク、マーケット・リスク、オペレーショナル・リスクおよび戦略リスクについて計算された経済的資
本需要額により測定された、2021年および2020年12月31日現在の当行グループの総合的リスク・ポジションを示している。当
行グループは通常、総合的な経済的リスク・ポジションを算定するために、リスク種類間の分散効果を考慮している。
リスク種類別経済的資本需要額により測定された総合的リスク・ポジション
2020 年度から
2021 年度の増加(減少)
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単位:百万ユーロ 2021 年 2020 年
単位:
(別途記載のものを除く。) 12 月31日現在 12 月31日現在
百万ユーロ 単位:%
信用リスク 11,725 11,636 90 1
マーケット・リスク 7,920 10,894 -2,974 -27
トレーディング・マーケット・リスク 2,292 2,198 94 4
トレーディング以外のマーケット・リスク 5,628 8,696 -3,068 -35
オペレーショナル・リスク 4,937 5,512 -574 -10
1
戦略リスク
5,949
3,173 -2,776 -47
2
分散効果
-5,429
-4,213 1,216 -22
経済的資本 需要 額合計 23,542 28,560 -5,018 -18
1 過年度はビジネス・リスクとして報告。このカテゴリーには、戦略的リスクおよび税務リスクに関するモデル・アウトプット、ならびに
ソフトウェア資産およびIFRSの一時差異に関する繰延税金資産に関連するリスクにかかる資本費用が含まれている。
2 信用リスク、マーケット・リスク、オペレーショナル・リスクおよび戦略リスク間の分散効果。
当行グループの2021年12月31日現在の経済的資本需要額合計は、2020年12月31日現在の286億ユーロから50億ユーロ、率にし
て18%減少し、235億ユーロとなった。
信用リスクの経済的資本使用額は、2021年12月31日現在で117億ユーロとなり、2020年度末から1億ユーロ、率にして1%増加
した。増加の主な要因は、ECBによる内部モデルの限定的レビュー(TRIM)の結果を適応させたことによるものであり、移転リ
スクや決済リスクの低下により一部相殺された。
マーケット・リスクの経済的資本需要額は、2021年12月31日現在で79億ユーロとなり、2020年度末から30億ユーロ、率にし
て27%減少した。減少の主な要因は、戦略的流動性準備債券ポートフォリオの金利エクスポージャーの減少を主因とするト
レーディング以外のマーケット・リスク、および株式投資ポートフォリオの算定手法が変更されたことによるものである。
2021年12月31日現在のオペレーショナル・リスクの経済的資本使用額は、2020年12月31日現在の55億ユーロから6億ユーロ、
率にして10%減少し、合計49億ユーロとなった。オペレーショナル・リスクRWAの変動と同様、この減少は内部損失プロファイ
ルの緩和、特に資本モデルに供給される損失頻度の低下が主な要因である。詳細については、「オペレーショナル・リスク管
理」の項を参照のこと。
戦略リスクの区分には、戦略的リスク・モデルから生じる経済的資本(風評リスクのような標準的ではないリスクも暗に含
む。)、税務リスク・モデル、ソフトウェア資産と一時差異に係るIFRSに基づく繰延税金資産に関連するリスクの自己資本賦
課が含まれている。戦略リスクの経済的資本は2021年12月31日現在で32億ユーロまで減少し、2020年12月31日現在の59億ユー
ロと比べて28億ユーロ、率にして47%減少した。これは主に、ドイツ銀行の改革の実行によって裏付けられた利益予想の改善
を反映している。
信用リスク、マーケット・リスク、オペレーショナル・リスク、戦略リスク間の経済的資本需要額のリスク分散効果は、
2021年12月31日現在で42億ユーロとなり、2020年度末と比べて12億ユーロ、率にして22%減少した。この減少は主に、基礎と
なるリスク種類プロファイルの変化を反映している。
当行グループが事業活動を組み合わせていることは、当行グループの業務部門によって多様なリスクがとられていることに
つながる。当行グループはまた、グループ・レベルでのクロス・リスクの影響考慮前の各業務部門のリスク・プロファイルを
反映している、経済的資本の測定基準を通じて、それぞれのビジネス・モデルに特有の主要なリスクを測定している。
経済的資本によって測定された当行グループの業務部門のリスク・プロファイル
2021 年12月31日現在
単位:百万
ユーロ
キャピタ
インベスト コーポレー
(別途記載の アセット・ ル・リリー
メント・ トおよび 合計
ものを除 コーポレー プライベー マネジメン ス・ユニッ
く。) ト・バンク バンク ト・バンク ト ト その他 合計 (%)
信用リスク 2,984 4,869 2,519 60 376 917 11,725 50
マーケット・
306 2,094 570 83 140 4,728 7,920 34
リスク
オペレーショ
446 2,002 602 269 1,619 0 4,937 21
ナル・リスク
1
戦略リスク
242 10 32 0 1 2,888 3,173 13
2
分散効果
-478 -1,533 -540 -145 -826 -693 -4,213 -18
EC 合計 3,500 7,442 3,183 267 1,309 7,840 23,542 100
EC合計(%) 15 32 14 1 6 33 100 N/M
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N/M -表記するに値しない。
1 過年度はビジネス・リスクとして報告。このカテゴリーには、戦略的リスクおよび税務リスクに関するモデル・アウトプット、ならびにソ
フトウェア資産およびIFRSの一時差異に関する繰延税金資産に関連するリスクにかかる資本費用が含まれている。
2 信用リスク、マーケット・リスク、オペレーショナル・リスクおよび戦略リスク間の分散効果。
3
2020 年12月31日現在
単位:百万
ユーロ
キャピタ
インベスト コーポレー
(別途記載の アセット・ ル・リリー
メント・ トおよび 合計
ものを除 コーポレー プライベー マネジメン ス・ユニッ
く。) ト・バンク バンク ト・バンク ト ト その他 合計 (%)
信用リスク 2,593 4,669 2,404 60 648 1,262 11,636 41
マーケット・
836 2,355 1,170 420 235 5,877 10,894 38
リスク
オペレーショ
482 2,169 646 284 1,930 0 5,512 19
ナル・リスク
1
戦略リスク
193 2,767 80 0 0 2,909 5,949 21
2
分散効果
-471 -2,455 -534 -180 -982 -808 -5,429 -19
EC 合計 3,634 9,506 3,766 584 1,831 9,239 28,560 100
EC合計(%) 13 33 13 2 6 32 100 N/M
N/M -表記するに値しない。
1 過年度はビジネス・リスクとして報告。このカテゴリーには、戦略的リスクおよび税務リスクに関するモデル・アウトプット、ならびにソ
フトウェア資産およびIFRSの一時差異に関する繰延税金資産に関連するリスクにかかる資本費用が含まれている。
2 信用リスク、マーケット・リスク、オペレーショナル・リスクおよび戦略リスク間の分散効果。
3 事業セグメントに配分されるリスク金額は、2021年12月31日現在の構造に従った比較数値を反映するよう修正再表示されている。
コーポレート・バンクのリスク・プロファイルは、トレード・ファイナンス、コマーシャル・バンク、キャッシュ・マネジ
メントの商品およびサービスの提供で占められている。経済的資本需要は主に信用リスクから生じており、トレード・ファイ
ナンスとコマーシャル・クライアンツ業務に起因している。コーポレート・バンクの経済的資本需要額は、信用リスクの上昇
に一部相殺されたものの、マーケット・リスクが低下した結果、2020年度末から1億ユーロ減少した。マーケット・リスクの経
済的資本需要額は、主に株式投資ポートフォリオの算定手法の変更に伴う全事業への配分に対する影響により、年間で5億ユー
ロ減少した。2021年12月31日現在の信用リスクの経済的資本需要額は、主にトレード・ファイナンスと戦略的法人貸出の増加
により、2020年度末から4億ユーロ増加した。コーポレート・バンクにおけるオペレーショナル・リスクおよび戦略リスクの経
済的資本需要額は、2020年度末とほぼ同水準であった。
インベストメント・バンクのリスク・プロファイルは、主にオリジネーション、ストラクチャリングおよびマーケット・
メーキング活動を支援するトレーディング業務から生じるあらゆる種類の主要リスクで占められる。インベストメント・バン
クの信用リスクは広く業務ユニットに跨っているが、特にグローバル・クレジット・トレーディング、金利およびレバレッジ
ド・デット・キャピタル・マーケッツにおいて顕著である。マーケット・リスクは、主にトレーディングおよびマーケット・
メーキング活動から生じている。インベストメント・バンクの残るリスク・プロファイルは、主に収益変動リスクを反映する
戦略リスクによるものである。インベストメント・バンクの経済的資本需要額は、戦略リスク、マーケット・リスクおよびオ
ペレーショナル・リスクが低下した結果、2020年度末から21億ユーロ減少した。戦略リスクの経済的資本需要額は、ドイツ銀
行の改革の実行によって裏付けられた利益予想の改善により、前年同期比で28億ユーロ減少した。マーケット・リスクの経済
的資本需要は、主に株式投資ポートフォリオの算定手法の変更に伴う全事業への配分に対する影響により、年間で3億ユーロ減
少した。オペレーショナル・リスクの経済的資本需要額は、主に内部損失プロファイルの緩和、特に損失頻度の低下により2億
ユーロ減少した。これらの減少は、2020年度末と比較して、グローバル・クレジット・トレーディングを主因として信用リス
クの経済的資本需要額が2億ユーロ増加したことと、リスク間分散効果が9億ユーロ減少したことにより一部相殺された。
プライベート・バンクのリスク・プロファイルは、ドイツのリテール顧客、インターナショナルのリテール顧客および法人
顧客ならびにウェルス・マネジメント顧客が生み出す信用リスクと、投資リスク、顧客預金のモデル化および信用スプレッ
ド・リスクからのトレーディング以外のマーケット・リスクで構成されている。プライベート・バンクの経済的資本需要額は
2020年度末から6億ユーロ減少した。この減少は主に、2021年度期首に流動性準備金ポートフォリオをコーポレートおよびその
他の業務部門に属するグループ財務部門に移管したことにより、マーケット・リスクが6億ユーロ低下したことに起因してい
る。オペレーショナル・リスクと戦略リスクの経済的資本は、他部門との分散効果の高まりにより、年間を通してわずかに減
少した。これらの減少は、ポートフォリオの成長に伴う信用リスクの増大や、債務不履行の新たな定義に関連する手法の変更
により一部相殺された。
アセット・マネジメントは、受託資産運用会社として、顧客に代わって金銭を投資する。そのため、主なリスク要因は非金
融的である。マーケット・リスクの経済的資本需要は、主にトレーディング以外のマーケット・リスク(保証商品やファンド
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への共同投資から生じるリスク)によってもたらされる。アセット・マネジメントの経済的資本需要額は、事業への配分に影
響を与えたマーケット・リスク・モデルの手法の改善とオペレーショナル・リスクのわずかな低下が主な要因となり、前年比3
億 ユーロ減少した。これは、分散効果の低下によって一部相殺された。
キャピタル・リリース・ユニットは、2021年度も非戦略的資産の清算および最終決済を継続した。年間を通じて達成された
リスク種類間のリスク圧縮は、2020年度末と比較して5億ユーロの経済的資本需要額の減少をもたらした。前述の減少は、ポー
トフォリオの規模と複雑性が縮小した結果、分散効果が低下したことで一部相殺された。
コーポレートおよびその他のリスク・プロファイルは、主に構造的外国為替リスク、年金リスクおよび株式報酬リスクによ
るトレーディング以外のマーケット・リスク、ならびに税務リスク・モデルおよびソフトウェア資産と一時差異に係るIFRSに
基づく繰延税金資産に関連する自己資本賦課に伴う戦略リスクで構成されている。コーポレートおよびその他の経済的資本需
要額は、主に市況に対応した戦略的流動性準備金のリバランスにより、2020年度末に比べ14億ユーロ減少した。
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リスクおよび資本のフレームワーク
リスク管理原則
当行グループのビジネス・モデルには固有のリスクが含まれる。リスクには金融リスクと非金融リスクがあり、オンバラン
スのリスクとオフバランスのリスクが含まれる。当行グループの目標は、株主、従業員、およびその他の当行に関係するス
テークホルダーの利益を考慮し、当行の利益のために持続可能な価値を創造することである。リスク管理フレームワークは、
当行グループが利用可能な資本および流動性の範囲内で、当行グループが予定しているリスク負担と実際のリスク負担を取締
役会が表明したリスク選好に整合させることにより、この目的に寄与している。
当行グループのリスク管理フレームワークは、様々な要素から構成されている。各要素について原則および基準が設定され
ている。
『
- 組織構造は、すべてのリスク種類について役割と責任を明確に定義した、3つの防衛線(以下「3LoD」という。)モデルに
従ったものでなければならない。
-第1の防衛線(以下「第1のLoD」という。)は、金融リスクか非金融リスクかにかかわらず、当該リスクが発生している
部門内でリスクを管理し、当該リスクについて説明責任を果たす、当行における役割を指す。第1のLoDは、所定のリス
ク選好の範囲内でこれらのリスクを管理し、適切なリスク・ガバナンスおよびリスク文化を確立し、第2の防衛線(以下
「第2のLoD」という。)により定義されたリスク種類のフレームワークを遵守している。
-第2のLoDは、特定のリスク種類に関するリスク管理フレームワークを定義する、当行における役割を指す。第2のLoD
は、リスク種類のフレームワークの実施とリスク選好の遵守を独立した立場で評価し、検証している。また、リスクの
識別、評価および管理の方法に関して第1のLoDのアドバイザーとしての役割を担っている。
-第3の防衛線(以下「第3のLoD」という。)は、グループ監査部であり、リスク管理システムおよび内部統制システムの
整備、運用の有効性および効率の妥当性に関して独立した立場で客観的な保証を行うことについて、説明責任を有して
いる。
- すべての従業員は、自身をリスク・マネジャーと見なし、当行グループのリスク選好、リスク管理基準および価値観に
従って行動しなければならない。
- 取締役会によって承認されたリスク選好は、当行グループのすべてのレベルで適用し、遵守しなければならず、違反した
場合には相応の対応を伴う。
- リスクは識別し、評価しなければならない。
- リスクは、リスクの適切な軽減や効果的な内部統制システムを通じて、積極的に管理しなければならない。
- リスクは、承認されたモデルを用いた正確、完全かつ適時なデータを使用して測定し、報告しなければならない。
- 悪化シナリオに対するストレス・テストを定期的に実施し、適切な緊急時対応プランを確立しなければならない。』
当行グループは、すべての従業員が、自身の行動から生じる可能性のあるリスクを完全に理解して全体的な視点で捉え、そ
の結果を理解し、当行グループのリスク選好に照らしてそれらを適切に管理しなければならないという、強靭なリスク文化を
促進している。当行グループは、従業員が、当行グループの行動規範に沿った、強靭なリスク文化を支えるような方法で行動
することを期待している。これを促進するために、当行グループの方針は、負担したリスク(リスク選好に照らして負担した
リスクを含む。)を当行グループの業績評価および報酬プロセスにおいて考慮することを要求している。この期待は、ドイツ
銀行の全従業員を対象としたコミュニケーション・キャンペーンや必須の研修を通じて、引き続き強化されている。さらに、
当行グループの取締役会・メンバーおよび上級管理職は、トップからの一貫した姿勢を支援するために頻繁に強靭なリスク文
化の重要性を伝えている。
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『
リスク・ガバナンス
当行グループの世界中の日々の業務は当行グループが業務を行うそれぞれの法域における関係当局によって規制および監督
されている。このような規制は、ライセンス付与、適正自己資本、流動性、リスクの集中、業務の遂行ならびに組織および報
告要求に重点を置いている。ドイツ銀行法およびその他の適用法令に当行グループが準拠していることを監視するために、共
同監督チームを通じて単一監督メカニズムに参加した、EU各国の管轄当局に関連する欧州中央銀行(以下「ECB」という。)
は、当行グループの主要な監督機関として協力して対応している。
いくつかの管理階層により団結したリスク・ガバナンスを行っている。
- 監査役会は、当行グループのリスク状況、リスク管理およびリスク統制(風評リスクに関連する項目を含む。)ならびに
重要な訴訟事件に関して、定期的に報告を受ける。監査役会は特定のトピックに対処するため様々な委員会を組織してい
る(これらの委員会に関する詳しい内容については、コーポレート・ガバナンス・レポートの「取締役会および監査役
会」の「常設委員会」の項を参照のこと。)。
-リスク委員会の会議において、取締役会は、リスク・エクスポージャーの現状および将来予測、リスク・ポートフォリ
オ、リスク選好、リスク戦略、ならびにドイツ銀行AGのリスク状況の評価および監督に関連があると思われる事項につ
いて報告する。また、法律または定款に従って監査役会の決議が必要な貸出金についても報告する。リスク委員会は、
全体的なリスク選好、集積されたリスク・ポジションおよびリスク戦略に関連する問題に関して助言を行い、監査役会
がリスク委員会の活動を常に把握しているようにする。
-公正委員会は、数ある責任の中でも特に、当行の経済的に健全かつ持続的な発展に対する経営陣のコミットメントに関
連して取締役会への助言および監視を行い、法律上の要件、当局の規制およびリスク方針を含む方針の遵守を向上させ
る取締役会の取り組みを監視している。公正委員会はまた、当行グループの業務行動・倫理規範をレビューし、要請が
あれば、リスク委員会が当行グループの法的リスクおよび風評リスクを監視および分析するための支援をする。
-監査委員会はとりわけ、リスク管理システム(特に内部統制システムおよび内部監査システム)の有効性について監視
する。
- 取締役会は、法律、定款および規約を遵守しつつ、当行グループの利益のために(すなわち株主、従業員および当行グ
ループに関連するその他のステークホルダーの利益を考慮に入れて)持続可能な価値を創造することを目的とした、ドイ
ツ銀行グループの経営に対して責任を負っている。取締役会は、適切かつ有効なリスク管理を網羅する適切な事業組織を
確立し、法律上の要件および社内のガイドラインを遵守する責任を負っている。取締役会は、重要なリスクおよび自己資
本関連の問題のレビューおよび決定を行う中心的なフォーラムとしてグループ・リスク委員会(以下「GRC」という。)を
設置した。GRCは通常、週に一度開催される。GRCは、一部の役割を個人や小委員会に委任している。GRCおよびその小委員
会については以下に詳述されている。
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ドイツ銀行グループのリスク管理ガバナンス構造』
『
以下の機能委員会がドイツ銀行のリスク管理の中核をなしている。
- グループ・リスク委員会(GRC)には様々な役割と特別な権限があり、これには、新規のまたは重要な変更が行われたリス
クおよび資本モデルの承認、ならびにリスクの一覧、ハイレベルなリスク・ポートフォリオ、リスク・エクスポージャー
の変動ならびに内部および規制上のグループ全体のストレス・テストの結果のレビューが含まれる。さらに、GRCは、主要
なリスク管理方針、グループ・リスク選好ステートメント、グループ再建計画および緊急時資金調達プラン、包括的なリ
スク選好パラメータ、ならびに再建や上申に係る指標等、取締役会の承認が必要な事項のレビューと提言も行う。GRCは、
グループ全体のリスクおよび資本計画プロセスにおける取締役会の補佐も行う。
-非金融リスク委員会(NFRC)はドイツ銀行グループの非金融リスク管理を監視、統治および調整し、当行グループの主
要な非金融リスク(倫理違反リスクや金融犯罪リスクを含む。)のリスク横断的で全体的な視点を確立している。非金
融リスクに関するリスク選好許容度のフレームワークを定義づけ、非金融リスクのオペレーティング・モデルの有効性
(業務部門と統制機能の間の相互依存を含む。)を監視およびコントロールすること、ならびに新たに発生しつつある
当行グループに関連する非金融リスクの進展を監視することを課されている。
-グループ風評リスク委員会(GRRC)は風評リスク管理の監視、統治および調整に係る責任を有し、振り返りおよび学習
のプロセスを提供している。リージョナル風評リスク委員会(RRRC)から上申されたすべての風評リスクの事案、およ
び各業務部門、管理部門または地域の管理職が不服を申し立てたRRRCの決定についてレビューし、判断をする。グルー
プ全体の風評リスク問題に関する指針を提供しており、慎重に扱うべきトピックについてはドイツ銀行グループの適切
なレベルに伝達している。GRRCの小委員会であるRRRCは、取締役会に代わり、各地域における風評リスク管理の監視、
統治および調整に係る責任を有している。
-エンタープライズ・リスク委員会(ERC)は、様々なリスク項目からリスクの専門家を集め、企業全体のリスクの傾向、
事象およびリスク横断的なポートフォリオに重点的に取り組む義務を負い設置されたものである。その義務の一環とし
て、ERCは、グループのリスク一覧、特定の国および業界の限界値の引き上げ、より厳格なグループ全体のストレス・テ
ストおよびリバース・ストレス・テストのシナリオ・デザインの概要の承認を行う。また、リスク選好度に照らしたグ
ループ全体のストレス・テストの結果、リスクの見通し、新たに発生しつつあるリスク、ならびに企業全体のリスクに
影響を及ぼすトピックについて、レビューを行う。
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-商品ガバナンス委員会は、商品のライフサイクルを通じて商品および取引に関連する主要な金融および非金融リスクの
全体的かつリスク横断的な視点を確立することにより、当行グループの商品ガバナンスにおける適切な監視、統治およ
び調整を確実に行う義務を有している。
- 財務資源管理評議会(FRMC)は、取締役会から権限を委譲された最高財務責任者と最高リスク責任者が議長を務め、当行
の金融危機管理を監督する特別ガバナンス機関である。FRMCは、緊急時資金調達プランおよびグループ再建計画の両方に
ついて実施を監督する単一の評議会を開催する。この評議会は、資本または流動性ストレスについて、新たに発生しつつ
ある、または実際に発生した際に取るべき軽減措置について提言を行う。具体的には、FRMCは、ストレス・シナリオを想
定して資本および流動性のポジションを分析し、資本および流動性に関連する事項について提言を行い、意思決定の実行
を監督している。
- グループ資産負債管理委員会は、取締役会により設置された。その任務は、取締役会が設定した包括的なリスク選好の範
囲内で、当行の貸借対照表および財務資源の調達と運用を最適化することである。
取締役会のメンバーである当行グループの最高リスク責任者(CRO)は、流動性リスク、信用リスク、マーケット・リスク、
エンタープライズ・リスク、モデル・リスクおよび非金融リスク(オペレーショナル・リスクおよび風評リスクを含む。)の
適切な識別、測定、監視、軽減、報告を伴うリスク管理フレームワークを確立するために、グループ全体かつ部門横断的な責
任を負う。ただし、特定のリスクについては、業務分掌計画に従い、他の部門で枠組みを構築している。
CROはCRO機能に対する直接的な管理責任を有している。CRO機能におけるリスク管理および統制業務は通常、以下の管理に重
点を置いた、特化したリスク管理ユニットに割り当てられている。
- 特定のリスク種類
- 特定の事業におけるリスク
- 特定の地域におけるリスク
これらの特化したリスク管理ユニットは通常、以下の中核的業務を担っている。
- 取締役会が設定し、事業部門および業務ユニットで適用されるリスク選好と整合させる。
- 各部門の業務に適切なリスクおよび資本管理の方針、手続および手法を決定し導入する。
- リスク限度枠を設定し、承認する。
- ポートフォリオを定期的に見直し、リスク・ポートフォリオが許容パラメータ範囲内に入るように維持する。
- 各部門に適切なリスクおよび資本管理基盤およびシステムを開発し導入する。
コーポレート部門の最高リスク責任者は、それぞれの業務の総体的観点から、業務部門の戦略、リスク意識および所有なら
びにリスク選好の遵守を検証して影響を及ぼす。
コンプライアンスおよび金融犯罪防止の責任は、2021年度上半期に最高リスク責任者から最高総務責任者に移管された。
当行グループの財務部とリスク部は、互いに、また当行グループの業務部門からも独立して活動しながら、当行グループが
引き受けたリスクを数値化および検証する共同責任を負っている。』
リスク選好およびリスク能力
リスク選好は、当行グループがその戦略目標を達成するために引き受ける準備のある、全体的なリスク水準およびリスク種
類を示しており、定量的指標および定性的記述の組み合わせとして定義される。リスク能力は、当行グループの資本および流
動性基盤、リスク管理および統制能力ならびに当行グループの規制上の制約に照らして当行グループが引き受け可能な最大水
準のリスクとして定義されている。
リスク選好は、当行グループのリスク戦略および計画を用いた事業計画プロセスに不可欠な要素であり、リスク、資本およ
び業績目標の適切な調整を促進し、一方で同時に金融リスクおよび非金融リスクの両方についてリスク能力およびリスク選好
の制約を考慮する。当行グループはまた、当計画が当行グループのリスク選好およびリスク能力を遵守しているかどうかにつ
いて、ストレス下の市場状況においてテストする。トップダウンによるリスク選好は、事業機能からのボトムアップによる計
画に関するリスク負担を制限する役割を果たしている。
取締役会は、当行グループのリスク選好およびリスク能力と、当行グループの戦略、事業および規制環境ならびにステーク
ホルダーの要求との整合性を確保する目的で、リスク選好およびリスク能力を年1回、またはリスク環境に予期せぬ変動が生じ
た場合にはより頻繁に、レビューのうえ承認している。
当行グループは、リスク選好およびリスク能力を決定するため、将来を考慮した基準で異なるグループ・レベルのトリガー
および限界値を設定し、追加措置のための上申要件を定めている。当行グループは、当行グループがさらされている重要なリ
スクに対し感応的で、財務健全性の指標として機能するリスク指標を指定している。これに加えて、当行グループはリスクお
よび再建管理ガバナンス・フレームワークをリスク選好フレームワークと結び付けている。
当行グループのリスク選好および戦略ならびにその監視と比較した当行グループのリスク・プロファイルに関する報告書
は、取締役会に定期的に提示される。当行グループに求められるリスク選好が違反している場合には、所定の上申ガバナン
ス・マトリックスが適用されるため、これらの違反は適切なガバナンス組織に対して明らかにされる。
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リスクおよび資本計画
戦略的および資本計画
当行グループは、グループとしてのおよび当行グループの業務分野のための将来の戦略的方向性の進展を計画する、年次の
統合された戦略的計画プロセスを実施している。戦略的計画は、リスク・リターンの検討に基づく資本、資金調達およびリス
クに関する総体的な見通しを作成することを目的としている。このプロセスは当行グループの長期戦略目標を測定可能な短中
期財務目標に落とし込み、年度中の業績の監視および管理を可能にする。そのため、当行グループは、持続可能な業績を達成
するために関連するリスクおよび利用可能な資本資源の配分を検討することによって成長のための選択肢を識別することを目
標としている。リスク特有のポートフォリオ戦略は、このフレームワークを補完し、ポートフォリオ・レベルでのリスク戦略
の詳細な実施を可能にし、リスクの集中を含むリスクの詳細に対処することを可能にする。
戦略的計画プロセスは、トップダウンの目標設定およびボトムアップの具体化の2段階で構成されている。
第1段階のトップダウンの目標設定では、当行グループの主要な損益目標(収益および費用を含む。)、資本供給、資本需要
ならびにレバレッジ、資金調達および流動性が、グループおよび主要な業務分野に関して協議される。このプロセスにおい
て、翌5年間の目標は、当行グループの世界のマクロ経済見通しおよび予想される規制上のフレームワークに基づく。その後、
当該目標は取締役会によって承認される。
第2段階では、詳細な業務ユニットの計画によるボトムアップからトップダウンの目標が具体化される。これは、初年度は月
次の事業計画で構成され、2年目および3年目は四半期ごとに計画され、4年目および5年目は年間計画となっている。提案され
たボトムアップの計画は、財務部およびリスク部によりレビューおよび説明が求められ、個別に業務リーダーと協議される。
その結果、業務の詳細が検討され、当行グループの戦略の方向性に従って具体的な目標が決定される。ボトムアップの計画に
は、地域のリスクおよび資本水準をレビューするため主要な法人の目標が含まれている。ストレスのかかった市場状況も考慮
するため、ストレス・テストが戦略的計画を補完する。
その結果作成された戦略的および資本計画は、協議および承認のために取締役会に提示される。最終的な計画は監査役会に
提示される。
戦略的および資本計画は、欧州における強い基盤と世界的なネットワークを有するドイツにおける有数の銀行になるという
当行グループのビジョンを支援するために策定され、以下を確実に行うことを目的としている。
- 全業務分野およびユニットにわたりバランスのとれたリスク調整後の業績。
- リスクの集中に重点を置く高度なリスク管理基準。
- 規制上の要件の遵守。
- 堅固な資本および流動性ポジション。
- 流動性リスク選好および規制上の要件の枠内での業務計画を可能にする、安定的な資金調達および流動性戦略。
戦略的および資本計画のプロセスにより、当行グループは以下のことが可能となる。
- 収益、主要なリスクおよび適正自己資本の目標を、当行の戦略上の焦点および事業計画を考慮して設定する。
- 内部および外部の要件に関し、当行グループの適正自己資本を評価する(すなわち、経済的資本および規制自己資本)。
- 資本需要、資本供給および流動性への影響を評価するために、適切なストレス・テスト分析を適用する。
外部に伝達されるすべての財務上の目標は適切な経営委員会において継続ベースで監視される。予測される目標からの不足
額は、当行グループの目標を達成する軌道を確実に維持できるように、戦略を緩和する可能性とともに協議される。戦略的お
よび資本計画の修正は取締役会によって承認されなければならない。対外的に明らかにしたソルベンシー目標を達成すること
は、当行グループが、国内の監督者により示されたソルベンシーに関連するグループの監督レビューおよび評価プロセス
(SREP)の要求を遵守していることも確実にする。
2019年12月9日に、ドイツ銀行はECBから、2019年度のSREPの結果を受けて2020年1月1日より適用される2020年度の健全な最
低所要自己資本に関する決定について通知を受けた。2020年1月1日より、ECBの第2の柱の要件(P2R)はRWAの2.50%に設定さ
れた。2021年12月31日現在、ドイツ銀行は連結ベースで、最低10.43%のCET 1比率、最低12.40%のTier 1資本比率および最低
15.03%の自己資本合計比率を維持する必要がある。当該CET 1所要自己資本は、4.50%の第1の柱の最低所要自己資本、1.41%
の第2の柱の要件(SREPアドオン)、2.50%の資本保全バッファー、0.03%のカウンターシクリカル資本バッファー(年間を通
じて変更される可能性がある。)、ならびに2.00%のG-SII/O-SIIバッファー(いずれか高い方)で構成される。したがって、
Tier 1所要自己資本には、1.50%のTier 1最低所要自己資本と0.47%の第2の柱の要件が追加で含まれ、総所要自己資本には、
2.00%のTier 2最低所要自己資本と0.63%の第2の柱の要件が追加で含まれる。また、ECBはドイツ銀行に対し、追加的な第2の
柱のCET 1の資本アドオン(一般に「第2の柱のガイダンス」と呼ばれる。)をドイツ銀行が維持することを期待している旨、ま
た、これはあくまでガイダンスとみなされ、少なくとも2022年度末まではこのガイダンスへの違反により資本健全化計画の提
出またはCET 1資本を再構築する方策の実行が要求されることはない旨を直接通知した。
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2022年2月、ECBは、当行グループの第2の柱の要件を変更しないという決定をし、当該決定が2022年3月1日に発効することを
当行グループに通知した。2021年、ドイツ銀行は、COVID-19のパンデミックにより2020年から延期されていたEBAストレス・テ
スト2021に参加した。ECBは、ECBの標準的な手続に従って、2021年度のSREP評価で第2の柱のガイダンスにおける水準を再検討
す る際のインプットとして悪化シナリオでの定量的なパフォーマンスを考慮し、第2の柱の要件を総体的にレビューする際の1
つの側面として定性的なパフォーマンスを考慮した。
2022年1月、BaFinは、2023年2月1日以降ドイツのカウンターシクリカルバッファーが0.75%となることを発表した。これ
は、当行グループのドイツの信用エクスポージャーの現在のシェアを考慮すると、ドイツ銀行グループの約30ベーシス・ポイ
ントのCET 1資本要件に相当する。さらに、BaFinは、2023年2月1日以降のドイツの住宅用不動産エクスポージャーについて、
2%のセクター別システミック・リスク・バッファーを検討している。検討通りに実施された場合、このセクター別バッファー
は、現在のドイツの住宅用不動産エクスポージャーを考慮すると、ドイツ銀行グループのCET 1資本要件を約20ベーシス・ポイ
ント増加させる可能性がある。
金融安定理事会は2019年に、当行のG-SIIバッファーを2021年1月1日より1.5%に引き下げると発表した。しかしながら、O-
SIIバッファーは2.0%のままであるため、この発表による当行に影響を与える資本要件の変更はない。
内部自己資本評価プロセス
ドイツ銀行の内部自己資本評価プロセス(ICAAP)は、ドイツ銀行が継続的にさらされているリスクをカバーするのに十分な
資本を維持していることを確保する、十分に確立された複数の要素から構成されている。
- リスクの識別および評価:リスク識別プロセスは、ICAAPの基礎を形成し、これにより当行グループのリスク一覧が作成さ
れる。識別されたすべてのリスクについて、その重要性が評価される。詳細は「リスクの識別および評価」の項に記載さ
れている。
- 資本需要/リスク測定:リスク測定手法およびモデルは、資本により十分に制限することができないリスク(流動性リス
ク等)を除く、すべての重要なリスクをカバーするのに必要な規制自己資本需要および経済的資本需要を定量化するため
に適用されている。詳細は「リスク・プロファイル」および「資本、レバレッジ比率、TLACおよびMREL」の項に記載され
ている。
- 資本供給:資本供給の定量化とは、予想外の損失を吸収するために利用可能な資本資源の定義を指す。詳細は「資本、レ
バレッジ比率、TLACおよびMREL」ならびに「経済的適正自己資本」の項に記載されている。
- リスク選好:ドイツ銀行は、その戦略目標を達成するために引き受ける準備のあるリスク水準を表す、一連の定性的記
述、定量的指標および限界値を設定している。限界値の違反は、適正自己資本を守る目的で管理活動を発動する、専用の
ガバナンス・フレームワークの対象となる。詳細は「リスク選好およびリスク能力」ならびに「主要なリスク指標」の項
に記載されている。
- 資本計画:適正自己資本の指標に対する当行のリスク選好の限界値は、資本計画において将来的に適正自己資本を守るた
めに満たさなければならない限界を構成している。詳細は「戦略的および資本計画」の項に記載されている。
- ストレス・テスト:当行の強靭性と全体的な実行可能性を証明するために、資本計画の数値も様々なストレス・テスト・
シナリオの下で考慮される。また、規制適正自己資本および経済的適正自己資本の指標も、仮想ストレス・シナリオでの
ドイツ銀行の資本ポジションを常に評価し、ストレス下の脆弱性を検出するために、年間を通じて定期的なストレス・テ
ストの対象となっている。詳細は「ストレス・テスト」の項に記載されている。
- 適正自己資本の評価:適正自己資本は年間を通じて継続的に監視されているものの、ICAAPは専用の年間自己資本比率の声
明(CAS)を用いて結論を出している。この評価は、特定の結論および将来的に適正自己資本を守るために取るべき管理活
動に関連付けられている、ドイツ銀行の適正自己資本に関する取締役会の声明で構成されている。
ICAAPの一環として、ドイツ銀行は規範的内部視点と経済的内部視点とを区別している。規範的内部視点とは、資本関連のす
べての法的要件および監督当局からの要求をベースラインおよび悪化シナリオにおいて継続的に達成する能力の複数年にわた
る評価を指す。経済的内部視点とは、内部経済的資本需要モデルと内部経済的資本供給の定義を用いた内部プロセスを指す。
どちらの視点も、継続的にドイツ銀行の継続性を維持することに重点を置いている。
ストレス・テスト
ドイツ銀行は、内部および外部のストレス・テスト要件および外部から課されるストレス・テスト要件を満たすためにスト
レス・テスト・フレームワークを設定している。内部のストレス・テストは、社内で開発された手法に基づいており、(リス
ク種類ごと、かつリスク横断的な)様々なリスク管理手法においてその結果が使用されている。内部のストレス・テストは、
当行グループのリスク・フレームワークの不可欠な一部をなしており、従来のリスク指標を補完している。リスク横断的なス
トレス・テストのフレームワークである、グループ全体のストレス・テスト・フレームワーク(GWST)は、様々な銀行管理プ
ロセス、特に、戦略的計画策定プロセス、ICAAP、リスク選好フレームワークや資本配分に利用されている。逆境下での当行グ
ループの資本計画の実行可能性を評価するため、ならびにリスク選好、事業戦略、資本計画およびストレス・テスト間の明確
なつながりを実証するために、資本計画のストレス・テストが実施される。規制上のストレス・テスト(例えば、EBAストレ
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ス・テスト、米国ベースのCCAR(包括的資本分析およびレビュー)ストレス・テスト)は、規制当局が定めるプロセスおよび
手法に厳格に従っている。
当行グループの内部ストレス・テストは、当行グループのリスク・プロファイルおよび財政状態に係る厳しい景気低迷なら
びに逆境下での銀行特有の事象の影響を評価するために定期的に実施されている。当行グループのストレス・テストのフレー
ムワークは、様々な重大度および地域のホットスポットに対応する、通常の感応度に基づく、シナリオ・ベースのアプローチ
で構成されている。当行グループはすべての重要なリスク種類をストレス・テスト活動に含めている。これらの分析は、ポー
トフォリオおよび国特有の下振れリスク分析ならびに年次のリバース・ストレス・テストおよびグループ・レベルまたは法人
レベルで規制当局により要求される追加のストレス・テストのような更なる規制上の要件によって補完される。当行グループ
の手法は、仮定されたストレス・シナリオの影響を正確に捕らえているか否かをレビューするため、ドイツ銀行の内部検証
チーム(モデル・リスク管理部)から定期的な調査を受ける。
当行グループのリスク横断的なストレス・テストの初期段階は、事業専門家と協力して、シナリオ設計委員会と呼ばれる公
式のフォーラムを通じて、ERMリスク・リサーチによりマクロ経済の低迷シナリオを定義することから構成される。ERMリス
ク・リサーチは世界中の政治および経済の推移を監視しており、潜在的に有害なシナリオを識別するマクロ経済ヒートマップ
を維持している。定量的モデルおよび専門家の判断に基づき、為替レート、金利、GDP成長率または失業率のような経済パラ
メータが、当行グループの事業への影響を反映するために適宜設定される。シナリオ・パラメータは、リスク・ユニットにお
いて特定分野の専門家による特定のリスク・ドライバーに置き換えられる。当行グループのストレス・テストのための内部モ
デルのフレームワークに基づき、リスク・ウェイテッド・アセット、損益への影響およびリスク種類ごとの経済的資本等の主
要な測定基準がストレス下で算定される。これらの結果はグループ・レベルで集約され、ストレス下におけるCET 1比率、ECA比
率、MREL比率およびレバレッジ比率等の主要な測定基準が算定される。流動性カバレッジ比率(LCR)や流動性準備金に対する
ストレスの影響も考慮される。内部ストレス・テストのタイム・ホライズンは、使用事例やシナリオの前提により1年から5年
の間である。エンタープライズ・リスク委員会(ERC)は最終的なストレス結果のレビューを行う。これらの結果を当行グルー
プの所定のリスク選好と比較し、一定の限度枠を超える場合には、ERCは、全体的な戦略的および資本計画と整合した、ストレ
スの影響を和らげるための特定の軽減措置も検討する。また、この結果は、危機の際の当行の回収可能性に関して重要な再建
計画に織り込まれる。この結果は、特定の業務の脆弱性に対する重要な知見を提供し、当行の全体的なリスク・プロファイル
の評価に貢献するものであることから、最高水準の注意を喚起するために取締役会以下上級管理職に提出される。
2021年度に実施されたグループ全体のストレス・テストが示唆するところによると、当行の資本はグループ再建計画に定義
される利用可能な軽減策と合わせた場合、内部で設定されたストレスの撤退水準に達している。
リスク横断的リバース・ストレス・テストは、GWSTフレームワークを活用し、通常、当行グループのビジネス・モデルに関
して、当行グループが存続不可能になるシナリオを決定することにより年次で実施される。このようなリバース・ストレス・
テストは、リスク種類別に監視されているトップ・リスクをもとに、仮想のマクロ経済シナリオとそれを補強する固有の事象
に基づくものである。当行が存続不可能になるような仮想シナリオと現在の経済環境との比較を踏まえ、当行グループはこの
ような仮想のストレス・シナリオが発生する可能性は極めて低いと考えている。このことから、当行グループの事業の継続性
はリスクにさらされていないと当行グループは考えている。
2020年度末からは、当行グループのリスク選好シナリオの頻度を月次に引き上げ、より厳格なリスク選好の監視を可能にす
ることで、枠組みをさらに強化してきた。
すべての重要なリスク種類および主要な収益の流入出を含めるGWSTに加え、当行グループは、規制上の要件に従って、すべ
ての関連リスク指標に関する個別のストレス・テスト・プログラムを整備している。関連するストレス・テスト・プログラム
については、個々のリスク管理手法を記述する項を参照のこと。
また、ドイツ銀行は、2021年に実施された欧州EBAの年2回のストレス・テストと米国ドッド=フランク法に従って実施され
た米国ベースのCCARストレス・テストの、2つの主要な規制上のストレス・テストにも参加した。
ドイツ銀行グループのGWSTフレームワーク
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リスクの測定および報告システム
当行グループのリスク測定システムは、信用リスク、マーケット・リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスク、風
評リスク、エンタープライズ・リスクおよびモデル・リスクに関し、規制上の報告および外部開示ならびに内部経営管理報告
に利用されている。リスク・インフラは、関連する法人企業および業務部門を包含し、リスク・ポジション、適正自己資本お
よび限度枠、限界値または目標値の利用について関連機能に対し定期的にまたは特別に行われる報告のための基礎を提供して
いる。CFOおよびCRO機能に設置されたユニットが、リスク関連データの十分な質および統一性を確保しながら、リスクの測
定、分析および報告を行う責任を引き受けている。当行グループのリスク管理システムは、リスクに基づく監査アプローチに
従ってグループ監査部によってレビューされている。
ドイツ銀行の報告は、ドイツ銀行のリスク管理アプローチの不可欠な部分であり、グループ・レベルおよび重要な法人企業
に関する一貫した情報、ならびにリスク種類、業務部門および重要な業務ユニット別の内訳を提供する組織設定と一致してい
る。
以下の原則は、ドイツ銀行の「リスクの測定および報告」の実務を手引きするものである。
- ドイツ銀行は、リスク選好およびリスクと経済価値に関する検討に照らして取られたリスクを、当行グループ、業務部
門、重要な業務ユニット、重要な法人企業、リスク種類、ポートフォリオおよび相手先といった当行グループ全体の様々
なレベルで監視する。
- リスク報告は正確、明確、有用かつ完全であることが求められ、重要な金融および非金融リスクに関する当行のリスク・
プロファイルが明確に理解されるような簡潔な方法で情報を伝えるために、調整された有効なリスク・データを伝達しな
ければならない。
- エンタープライズ・リスク委員会(ERC)やグループ・リスク委員会(GRC)等の上級リスク委員会、ならびにリスクおよ
び資本管理に責任を負う取締役会は、定期的に報告を受ける(必要に応じて臨時報告も受ける。)。
- ドイツ銀行の専任チームは、重要な金融および非金融リスクを積極的に管理する。また、リスクの事前識別と管理を可能
にし、特定のリスク種類における、および複数のリスクにわたる過度の集中を回避するために(クロス・リスクの観
点)、必要な経営情報が用意されていることを確保しなければならない。
前述の原則を適用するにあたり、ドイツ銀行はすべてのリスク報告の共通基盤を維持しており、ドイツ銀行が一貫した情報
(精度と利用者視点によってのみ異なる。)を提供できるようにするための分離された報告努力を最小限に抑えることを目指
している。
当行は、規制上の報告および外部開示ならびにリスクおよび重要なリスク種類に関する内部経営管理報告を支援する当行グ
ループのリスク測定システムにおいて、多くの指標を特定している。ドイツ銀行は、こうした指標のうち、当行が選好、限度
枠、限界値または目標をグループ・レベルで設定した中で最も重要なもの、および/または議論や意思決定のために上級管理
職に日常的に報告されるものを「主要なリスク指標」に指定している。特定された主要なリスク指標には、適正自己資本およ
び流動性に関する指標が含まれる。詳細は、「主要なリスク指標」の項に記載されている。
多くの報告書が当行全体で使用されているが、ドイツ銀行は、上級管理職へのリスク情報の提供を通じてドイツ銀行のリス
ク管理フレームワークを支え、関連する統治機関による当行のリスク負担業務の効果的な監視、誘導およびコントロールを可
能にするために重要なものを「主要なリスク・レポート」に指定している。主要なリスク・レポートが受領者の要求事項を満
たすよう、レポート作成機能は、主要なリスク・レポートが明瞭かつ有益であるかどうかを定期的に確認する。
ドイツ銀行の中央のガバナンス組織に当行グループのリスク・プロファイル関連の情報を提供するために用いる、リスクお
よび資本管理に関する主要な報告書は、以下のとおりである。
- 月次のリスクおよび資本プロファイル(RCP)レポートはクロス・リスクに関する報告書であり、ドイツ銀行のリスク・プ
ロファイルの包括的見解を示すものである。このレポートは、ERC、GRCおよび取締役会を経て監査役会のリスク委員会に
も提出される。RCPには、リスク種類ごとの事業別の概要および企業全体のリスク問題が含まれている。また、重要なグ
ループ・リスク選好の測定基準やその他の重要なポートフォリオのリスク種類管理の測定基準、ならびにリスクの進展に
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関する最新情報(特に注目される分野を取り上げ、対応するリスク管理戦略に関する最新情報も提供している。)も含ま
れている。
- 週次のリスク・レポート(WRR)は、主要なリスク分野全般のハイレベルかつ時局的な問題を網羅する週次の報告書であ
り、毎週金曜日にERC、GRCおよび取締役会のメンバーを経て監査役会のリスク管理委員会メンバーにも提出される。WRRは
解説が個別の項目に対応していることや、よりボラティリティの高いリスク指標に注目したテーマを対象とすることを特
徴とする。
- ドイツ銀行は、グループ全体のマクロ経済に関する複数のストレス・テストを実施している。月次のリスク選好シナリオ
は、当行グループのストレス損失選好度を設定し、定期的に監視するという目的に資するものである。さらに、テーマ別
シナリオもあり、それらは(通常四半期に一度)ERCに報告され、そこで議論され、必要と思われる場合にはGRCに上申さ
れる。ストレスのかかった重要業績評価指標は、グループ・リスク選好の限界値に対してベンチマークされる。
上記の報告書は、ドイツ銀行のリスク・プロファイルをグループ・レベルで総体的に監視およびレビューするために使用さ
れているが、リスク・プロファイルの監視およびコントロールのために使用される他の補完的な標準および特別の経営管理報
告書(リスク種類別またはフォーカス・ポートフォリオ別の報告書を含む。)もある。
再建および破綻処理計画
EUにおいて、単一破綻処理メカニズム規制(以下「SRM規制」という。)ならびに銀行再建および破綻処理指令(以下
「BRRD」という。)は、新たな金融危機の可能性の低減、ストレス下における金融機関のレジリエンス強化および最終的には
納税者の資金を毀損することなく長期的な金融制度の安定性を支えることを目的としている。
SRM規制およびBRRDの規定(これらは、ドイツ再建および破綻処理法(Sanierungs- und Abwicklungsgesetz、以下「SAG」と
いう。)によってドイツで実施された。)に従い、当行グループは、有害事象の影響を適時かつ調整された方法で特定し、管
理するために設計された再建および破綻処理計画の枠組みを維持する。
当行グループは、取締役会によって承認されたグループ再建計画を維持する。2021年の最新の計画書には、とりわけ、以下
が含まれる。
- 更新された全体的な再建能力は、2つの厳しいストレス・シナリオに対して評価されており、厳しい資本および流動性スト
レス・シナリオに十分耐えうるものである。
- すべての再建指標のレベルは、新たなグループ・リスク選好と整合しており、再建/早期警戒指標が新たに追加された。
一方で、当行グループの破綻処理計画は、銀行自身ではなく破綻処理当局により作成される。当行グループは、ドイツ銀行
のグループ破綻処理計画を策定している単一破綻処理委員会(SRB)およびドイツ連邦金融監督庁(以下「BaFin」という。)
と緊密に作業を行っている。当該計画は現在のところ、望ましい破綻処理戦略としてシングル・ポイント・オブ・エントリー
(SPE)のベイルインに基づいている。SPEのベイルイン戦略の下では、グループの安定化のため、親会社であるドイツ銀行AG
は資本性金融商品(普通株式等Tier 1、その他Tier 1、Tier 2)およびベイルインに適格なその他の負債の元本削減および/ま
たは株式への転換により増資を行うことになる。BRRD(SAGで導入済)はこうした金融機関に対し、金融機関の資本再構成のた
めにベイルインの手法を適用してから1ヶ月以内に、金融機関の長期的な存続可能性の回復を目的とする、破綻原因に対処した
事業再編計画を作成するよう要求している。破綻処理計画の目的において、当行の事業継続性を更に支え、改善するため、EU
以外の法に準拠する顧客との財務契約に解約停止条項を追加し、主要なサービス契約に継続条項を含める等の追加的な準備を
概ね完了した。EU法に準拠する財務契約およびサービス契約は既に制定法で網羅されており、破綻処理の施策のみを理由とす
る契約の終了を防止している。
BRRDはEU加盟国の銀行に対し、十分な損失吸収と資本再構成能力を確立することにより、自己資本および適格負債に関する
最低要件(以下「MREL」という。)を常に満たしているよう要求している。グローバルにシステム上重要な銀行であるドイツ
銀行は、MRELの要件とは別に、総損失吸収能力(以下「TLAC」という。)の国際的な最低要求基準の対象である。TLACは、ベ
イルインのために維持しなければならない金融商品の金額および適格性に関して厳格な要件を規定している。特に、TLAC金融
商品はその他のシニア負債に劣後すること(いわゆるシニア「非優先」債を含むが、規制上の資本性金融商品の形のものも含
む。)が義務付けられている。これにより、ベイルインがシニア優先プレーンバニラ債、「仕組み商品」である負債性金融商
品、預金およびデリバティブ等のその他のシニア(「優先」)債に影響を及ぼす前に負担をさせるべき資本およびTLAC金融商
品に対し、ベイルインが最初に適用されることが保障されている。
ドイツ銀行AGは米国において、改正後のドッド=フランク・ウォール・ストリート改革および消費者保護法(以下「ドッド
=フランク法」という。)の第1編により、情報を完全にするか対象を絞るかのいずれかの形で破綻処理および運営計画(以下
「米国の破綻処理計画」という。)を作成し、連邦準備制度理事会および連邦預金保険公社(以下「FDIC」という。)が設定
した期間内に両規制当局に提出することを要求されている。ドイツ銀行AGは米国の破綻処理計画において、ドイツ銀行AGの米
国における特定の重要なエンティティおよび事業について整然とした破綻処理を行う戦略を実行できることを実証する必要が
ある。ドイツ銀行AGのように、こうした計画を要求されている国外に拠点を置く対象会社に関しては、米国の破綻処理計画
は、子会社、支店、代理店、ならびに米国を拠点としているか業務の全体または重要部分が米国で行われている事業にのみ関
連している。
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ドイツ銀行AGは2021年12月に最新の米国の破綻処理計画を提出し、現在、規制当局の書面によるフィードバックを待ってい
る。この限定的な破綻処理計画書は、当行グループの米国における破綻処理能力を示す米国の破綻処理戦略、2018年の完全版
提 出以降の米国の破綻処理計画の重要な変更、および特定の追加情報について、詳細を提供するものである。ドイツ銀行の米
国の破綻処理計画の完全版の次回の提出は2024年である。
リスクおよび資本管理
資本管理
当行グループの財務機能は、該当がある場合、グループ・レベルおよび各地域における地域レベルでソルベンシー、自己資
本比率、レバレッジおよびベイルイン比率を管理している。財務部は、資本戦略(それ自体はグループ・リスク委員会が策定
し取締役会が承認する。)を実施する。財務部は直接的に、または当行グループの資産負債管理委員会を通じて、特に株式お
よび資本性金融商品の発行および買戻し、自己資本比率の為替相場変動に対するヘッジ、主要な金融資源のキャパシティの設
定、帳簿上の資本の配分ならびに地域別の資本計画を管理している。当行グループは、経済的および規制上の両方の観点か
ら、健全な資本の維持に全力を尽くしている。当行グループは、常におよびあらゆる観点から、経済的および規制上の考察の
適切なバランスを達成するために、当行グループの全体的な資本の需要と供給を継続的に監視および調整している。これらの
観点には、IFRSベースの会計上の資本、規制自己資本および経済的資本、ならびに格付機関による特定の所要自己資本が含ま
れている。
財務部は、資本性金融商品、すなわち普通株式等Tier 1資本、その他Tier 1およびTier 2資本性金融商品ならびにTLAC/MREL適
格負債性金融商品の発行および買戻しを管理する。財務部は、負債管理取引のため、常に、市場を監視している。当該取引
は、当行グループの発行債を額面未満で買い戻すことにより普通株式等Tier 1資本を積み増し、カウンターシクリカルバッ
ファーを創出する機会となっている。
財務部は、ユーロに対する外国為替レートの変動に対する当行グループのCET 1比率と資本の感応度を管理している。この目
的において、財務部がどの通貨をヘッジすべきかを提案し、取締役会が決定する。これに基づいて、取締役会が承認したCET 1
比率の感応度と絶対資本損失リスクに対するリスク選好の制約の範囲内で、財務部は適切なヘッジ戦略を開発および実行す
る。当行グループの在外子会社および支店に投下された資本は、外貨建ての自己資本、資本控除項目およびリスク・ウェイ
テッド・アセットによる影響のバランスを取り、ヘッジされていないか、部分的にヘッジされているか、完全にヘッジされて
いるかのいずれかである。
金融資源の上限設定
主要な金融資源の使用は、以下のガバナンス・プロセスおよびインセンティブによる影響を受ける。
目標の資源キャパシティは、CET 1およびレバレッジ比率の目標値と合わせて年次戦略計画の中で見直される。四半期プロセ
スの一環として、グループ資産負債管理委員会は、戦略的計画に基づき市況や短期的な見通しに照らして調整された資本需要
総額(リスク・ウェイテッド・アセット(RWA)とRWAに相当する特定の資本控除項目の合計と定義される。)およびレバレッ
ジ・エクスポージャーの部門別の資源の上限を承認する。これらの限度枠は、緊密な監視プロセスおよび超過計上メカニズム
により実行される。
全体的な規制上の資本要件は主に、当行グループのCET 1比率(ソルベンシー)とレバレッジ比率(レバレッジ)の要求のい
ずれか拘束力の強い方の制約に左右される。内部的な資本配分については、当行グループの普通株式等Tier 1比率、当行グルー
プのレバレッジ比率および当行グループのストレス下でのキャピタル・ロスに対する各セグメントの貢献の合計は、当行グ
ループにとっての相対的重要性と制約レベルを反映するために重みづけされている。普通株式等Tier 1比率およびレバレッジ比
率への貢献は、RWAおよびレバレッジ比率エクスポージャー(LRE)によって測定される。当行グループのストレス下でのキャ
ピタル・ロスは、定義されたストレス・シナリオにおける当行グループの全体的な経済リスク・エクスポージャーの指標であ
る。のれん、その他の無形資産および事業に関連する資本需要合計に含まれる規制上の資本控除項目は各セグメントに直接配
分され、配分された有形株主資本とそれぞれの利益率が算定される。
当行グループの子会社の大部分と多数の支店は、法律上および規制上の所要自己資本が課せられている。資本および流動性
ポジションを策定、実施、テストする際に、当行グループは、このような法律上および規制上の要件を十分に考慮に入れる。
当行グループの全世界の支店および子会社の重要な資本要件はすべて、実行前にグループ投資委員会に提出され、承認され
る。
さらに、財務部は当行グループの年金委員会のメンバーで、ドイツ銀行最大の年金基金の投資委員会のメンバーでもあり、
同委員会が当該基金の投資の指針を設定している。このことは、年金資産と年金負債の整合性を確保し、結果として当行グ
ループの資本基盤を保護することを意図している。
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『
リスクの識別および評価
当行グループは、ストレス状況下を含め、当行グループの事業部門および管理部門の業務に係るリスクを定期的に識別して
いる。この評価は第1のLoDと第2のLoDの両方からのインプットを組み込み、識別されたリスクの重要性が、その深刻度と実現
可能性に基づいて評価される。リスクの評価は、将来を見据えた視点を応用した新たに発生しつつあるリスクに対する見方に
よって補完されている。このリスクの識別および評価プロセスにより、当行グループのリスク一覧が得られ、該当する場合、
関連する事業、事業体および支店を横断する当行グループの重要なリスクが捕捉される。
リスク一覧の定期的な更新は、上級管理職に報告され、レビューされ説明が求められる。その後、当行グループの主要なリ
スク管理プロセスに通知される。これらには、ドイツ銀行のリスク・プロファイルに応じたストレス・シナリオの策定、リス
ク選好度の設定とモニタリングに関する情報提供が含まれる。また、リスク一覧のリスクは、リスク種類の分類法におけるリ
スクと紐づけられる。』
信用リスク管理および資産の質
信用リスクのフレームワーク
『
信用リスクは、当行グループが売却を計画している債権を含む、あらゆる相手先、借手、債務者または発行体(併せて以下
「相手先」という。)に対する現実的、偶発的または潜在的債権が存在するすべての取引から生じる。これらの取引は、通
常、トレーディング以外の貸付業務(貸出金および偶発負債等)、ならびに顧客との直接的トレーディング業務(OTCデリバ
ティブ等)の一部である。これらにはトレーディング債券および負債性有価証券も含まれる。また、持分投資の帳簿価額が当
行グループの「信用リスク」の項に開示されている。当行グループはマーケット・リスクおよび信用リスクのフレームワーク
の範囲内でそれぞれのポジションを管理している。
リスク種類の分類法に基づき、信用リスクは、債務不履行/格付遷移リスク、取引/決済リスク(エクスポージャー・リス
ク)、軽減策リスクおよび信用集中リスクの4つの主要カテゴリーに分けられている。これは、定期的に行われるリスク識別お
よび重要性評価により補完されている。
- 信用リスクの主要な要素である債務不履行/格付遷移リスクは、相手先が支払義務の不履行に陥る、または債務不履行の
発生可能性を増加させるような信用の質の重要な低下を経験するリスクである。
- 取引/決済リスク(エクスポージャー・リスク)は、既存の、偶発的な、または潜在的な将来の正のエクスポージャーか
ら生じるリスクである。
- 軽減策リスクは、リスク軽減策が期待どおりに進行しないことにより損失が増加するリスクである。
- 集中リスクは、特定の単一の相手先、国、業界または商品/資産クラスの状況が悪化し、それによりその相手先、国、業
界または商品/資産クラスに対するドイツ銀行の信用エクスポージャーのリスク・プロファイルが不相応に悪化するリス
クである。
当行グループは以下の原理および原則を用いて信用リスクを管理している。
- 信用リスク管理(CRM)は、DBグループの3つの防衛線モデルの第2の防衛線(第2のLoD)の一部を構成する。主要なリスク
テイカーおよびオーナーとしての事業は第1の防衛線(第1のLoD)を、グループ監査部は第3の防衛線(第3のLoD)を構成
する。
- コンプライアンスは別の取締役会のメンバーに報告されているため、信用リスク機能は取締役会レベルまでコンプライア
ンス機能から独立している。
- 当行グループの各部門において、与信意思決定の基準、プロセスおよび原則が一貫して適用される。
- 信用リスク管理の主要原則は、顧客の信用に関するデューデリジェンスである。最初の防衛線である当行グループの業務
部門の担当者と共同で、当行グループの顧客の選択が達成される。
- 当行グループは、分散された信用ポートフォリオを維持することで、過度の集中リスクおよびテール・リスク(多額の非
予想損失)を防ぐことを目指している。特定の顧客、業界、国および商品への集中は、当行グループのリスク選好に対し
て評価および管理される。
- 当行グループは、相手先およびポートフォリオ・レベルに係る大きな、過度の信用リスクを回避することを目指して、引
受基準を維持している。その関連で、当行グループは、無担保のキャッシュ・ポジションを締結し、リスク軽減目的で
ヘッジを積極的に使用する。加えて、当行グループは担保契約を通じて当行グループのデリバティブ・ポートフォリオを
担保することを目指しており、基礎となる市場の変動からの信用リスクをさらに軽減するために追加的に集中リスクを
ヘッジすることがある。
- あらゆる相手先に対する新たな与信枠および与信枠の延長(エクスポージャー制限の増加等)にはすべて、最低限必要な
与信限度額の計算に対応した、適切な権限レベルでの与信承認が必要である。当行グループは、資格、経験および研修内
容に応じて各人に与信承認権限を委譲し、これを定期的にレビューする。
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- 当行グループは、連結グループ全体にわたる各債務者に対するすべての信用エクスポージャーを(CRR第4条(1)(39)の要求
に従って)「一債務者の原則」に基づいて管理する。当該原則に基づき、相互関連のある借手グループ(例えば、ある事
業 体が他方の過半数の議決権または資本を保有する場合)に対する与信枠はすべて、一グループの下に統合される。
- 当行グループは、内部顧客格付を算出し、取引を分析および承認し、ポートフォリオを監視し、ワークアウト顧客をカ
バーするための専門チームを(必要に応じて)CRM部内に設置している。取引の承認のため、組成された信用リスク管理
チームは、それぞれの信用業務分野と連携している。
- 必要に応じて、当行グループは法人企業レベルで信用エクスポージャーを管理するプロセスを確立している。
- CRR第190条の要件を満たすため、DBグループは、求められる与信プロセスに関する様々な統制を、当該統制を実行するの
に最も適している第2のLoDユニットに割り当てている。
信用リスクの測定
信用リスクは、以下に記載されている信用格付、規制上および内部の資本需要、ならびに重要な信用測定基準によって測定
される。
信用格付は、当行の引受および与信プロセスの不可欠な部分であり、相手先およびポートフォリオ・レベルにおけるリスク
選好の決定、与信意思決定、取引価格設定だけでなく信用リスクに関する規制自己資本需要の決定のための基礎を形成する。
相手先はそれぞれ格付けされ、各格付は少なくとも年1回見直されなければならない。相手先に関する継続的な監視は、格付が
最新状態に保たれることに貢献する。信用格付なしで与信限度枠が設定されてはならない。各信用格付に関して適切な格付ア
プローチを適用しなければならず、算出された信用格付は関連システムにおいて設定されなければならない。エクスポー
ジャー・クラス(中央政府および中央銀行、機関、法人ならびにリテールを含む。)の固有の特性を最もよく反映するため
に、様々な格付アプローチが確立されている。
当行グループの同質でないポートフォリオにおける相手先は、当行グループの独立した信用リスク管理機能によって格付け
される。カントリー・リスク関連の格付は、ERMリスク・リサーチから入手される。
当行グループの格付分析は、定性的要素と定量的要素の組み合わせに基づいている。相手先を格付けする際に、当行グルー
プは行内の評価手法、スコアカードおよび相手先の信用度を評価するための当行グループの21等級に分かれた格付等級を適用
している。』
既存の信用モデルに対する変更および新規モデルの導入については、当該モデルを与信意思決定および自己資本計算に最初
に使用する前に、または当該手法を大幅に変更する前に、CRMのリーダーが委員長を務める規制信用リスク・モデル委員会
(RCRMC)、による承認を得なければならない。別途、すべての重要なモデルおよび一部の新たなモデルについては、モデル・
リスク管理部のリーダーによる承認が必要となる。適切な場合、重要ではない変更は、代理権の下で委任を受けたいずれかの
機能の者が承認することができる。影響力の大きい提案については、承認するようグループ・リスク委員会に提言が行われ
る。規制上の承認が必要な場合もある。モデルの開発から独立した立場で、モデル・リスク管理部がモデルの評価を実施す
る。内部方針で規定する定期的な検証プロセスの結果は、当該検証結果が変更につながらない場合であっても、規制信用リス
ク・モデル・フォーラム(RCRMF)およびRCRMCに報告される。
当行グループは、リスク・ウェイテッド・アセットを測定して信用リスクに関する規制自己資本需要を算定するにあたり、
「先進的」、「基礎的」および「標準的」アプローチを用いており、このうち、先進的および基礎的が当行グループの規制当
局により認められている。
先進的内部格付手法(IRBA)は、信用リスクに関する規制上のフレームワークの下で利用可能な最も洗練されたアプローチ
であり、これにより当行グループは、当行グループの内部信用格付手法に加え、特定のその他のリスク・パラメータに関する
内部の見積りを使用することができる。これらの手法およびパラメータは、内部リスク測定および管理プロセスにおける長年
使用されてきた主要な構成要素であり、与信承認手続、経済的資本および予想損失の計算、ならびに内部での信用リスクの監
視および報告を支援する。関連パラメータには、デフォルト確率(PD)、規制上のリスク・ウェイトを算出するデフォルト時
損失率(LGD)およびマチュリティ(M)、ならびに規制上のデフォルト時エクスポージャー(EAD)の見積りの一部としての与
信換算掛目(CCF)が含まれる。デリバティブの相手先エクスポージャーおよび証券金融取引(SFT)の大部分に関して、当行
グループはEADを計算するために、CRRおよびSolvVに従って内部モデル手法(IMM)を使用している。当行グループの内部格付
システムの大部分については、これらのパラメータを評価するために、7年を超える過去の情報が利用可能である。当行グルー
プの内部格付手法では、スルー・ザ・サイクル格付ではなくポイント・イン・タイム格付を目指しているが、支払能力に関す
る規制要件に従って、観察されたデフォルト率の長期平均値に基づき補正されている。
基礎的IRBAは、信用リスクに関する規制上のフレームワークの下で利用可能なアプローチであり、機関は、機関内部の格付
手法を使用し、一方で、他のすべてのリスク・パラメータについては事前に定められた規制上の数値を使用することができ
る。内部見積りの対象となるパラメータにはPDが含まれ、一方、LGDおよびCCFは規制上のフレームワークにおいて定められて
いる。基礎的IRBAは、旧ポストバンクで保有する一定のエクスポージャーに適用されている。
当行グループは、当行グループの信用リスク・エクスポージャーのサブセットに対して標準的アプローチを適用している。
標準的アプローチでは、規制当局によって事前に定められた固定のリスク・ウェイトに従って、または外部格付の適用を通じ
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て、信用リスクを測定する。当行グループは、CRR第150条に従って、一定の信用エクスポージャーを恒久的に標準的アプロー
チに割り当てている。これらは主に、ドイツ連邦共和国およびその他のドイツの公共部門事業体に対するエクスポージャーな
ら びに必要な条件を満たす他の欧州連合加盟国の中央政府に対するエクスポージャーである。これらのエクスポージャーが標
準的アプローチ内のエクスポージャーの大半を占め、その大部分は0%のリスク・ウェイトを受ける。しかし、内部目的では、
これらのエクスポージャーは内部の信用評価の対象となっており、リスク管理および経済的資本プロセスの中に完全に組み込
まれている。
上記の規制自己資本需要に加えて、当行グループでは経済的資本モデルにより信用リスクに係る内部資本需要を決定する。
当行グループは、信用リスクの要素として、債務不履行リスク、カントリー・リスクおよび決済リスクに関する経済的資本
を計算している。当行グループの経済的資本のフレームワークに沿って、信用リスクに関する経済的資本は、ある1年間の非常
に多額の非予想損失総額を99.9%の確率で吸収するレベルに設定される。当行グループの信用リスクに関する経済的資本は、
相関的格付遷移のモンテカルロ・シミュレーションを通じて、ポートフォリオの損失分布から算出される。損失分布は、2段階
でモデル化される。第1段階では、個々の信用エクスポージャーが、デフォルト確率、デフォルト時エクスポージャーおよびデ
フォルト時損失のパラメータに基づいて特定される。第2段階では、地理的地域および業界に対応した経済的要因を導入するこ
とにより、複合デフォルト確率がモデル化される。次に、内部で開発したモデルを使用してポートフォリオ損失のシミュレー
ションが行われるが、これには格付遷移および返済期限の影響が考慮される。誤方向デリバティブ・リスク(すなわち、債務
不履行の場合のデリバティブの信用エクスポージャーが、債務不履行が起こらなかったシナリオよりも高くなる。)の影響
は、CRRに基づいてデリバティブおよび証券金融取引に関するデフォルト時エクスポージャーを算出する際に当行グループ自身
のアルファ係数を適用することでモデル化される。当行グループは、予想損失、および損失分布から算出された経済的資本
を、取引レベルまで下ろして割り当てることで、取引、顧客および業務レベルの管理を可能にしている。
『
当行グループの信用ポートフォリオを管理するために当行グループが適用する主要な構成要素である信用格付(取引の承認
やリスク選好の設定を含む。)のほかに、当行グループはすべての信用エクスポージャーに対する信用限度枠を設定する。与
信限度枠は、特定期間に当行グループが積極的に引き受けられる最大の信用エクスポージャーを示す。相手先の与信限度枠を
決定する際には、当行グループは内部信用格付を参照し相手先の信用の質を検討する。与信限度枠および信用エクスポー
ジャーはともに、総額および純額ベースで測定され、純額はヘッジおよび一定の担保を各総額の数値から控除して算出され
る。デリバティブについては、当行グループは現在の時価および当行グループと相手先との法的契約に基づく関連するタイ
ム・ホライズンにわたる将来の潜在的エクスポージャーを検討する。当行グループは、個々の取引およびポートフォリオのリ
スクとリターンの特徴についても考慮に入れる。リスクとリターンの測定基準は、資本の消費だけでなく顧客収益の変動を説
明する。
IFRS 第9号の減損損失
IFRS 第9号のモデルと手法に関する記述
以下の項で、当行グループはIFRS第9号の減損フレームワークの概要を示す。このフレームワークには、重要な会計上の見積
りや判断に関連して行われた重要な意思決定の記述とともに、IFRS第9号の減損モデルで適用される手法や定義が含まれてい
る。
IFRS第9号の減損の要件は、償却原価で測定する、またはその他の包括利益を通じて公正価値で測定するすべての信用エクス
ポージャー、ならびにローン・コミットメントおよび金融保証等のオフバランスの貸出コミットメントに適用される。減損ア
プローチの目的上、これらの商品を金融資産と呼ぶ。
当行グループは、IFRS第9号に基づき、以下のとおり信用損失引当金を算定している。
- ステージ1は、当初認識後に信用リスクが著しく増加していないと想定される金融資産が分類される。
- ステージ2には、債務不履行とはなっていないが、当初認識時以降に信用リスクが著しく増加しているすべての金融資産
が含まれる。
- ステージ3は、所要自己資本規制(CRR)第178条に基づく規制上の債務不履行に関するDBの方針に従い、債務不履行と
なっている顧客の金融資産からなる。当行グループでは、こうした金融資産を減損金融資産、不履行金融資産、デフォ
ルト金融資産と定義している。
- 信用リスクの著しい増加は、当行グループの過去の実績、信用リスクの評価および将来予測的な情報に基づく定性的情
報および定量的情報を用いて決定される。
- 購入または組成した信用減損(以下「POCI」という。)の金融資産は、当初認識時に減損の客観的証拠が存在する資産
である。
IFRS第9号の減損アプローチは、当行グループの信用リスク管理手続の不可欠な一部である。予想信用損失(ECL)の見積り
は、当行グループのECLモデルを用いた、パラメータに基づく自動ECL計算によって行われるか、または信用責任者によって決
定される。どちらの場合も、各金融資産について個別に計算が行われる。同様に、ステージ間の移行が必要かどうかの決定も
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資産ごとに個別に行われる。当行グループのECLモデルは、ステージ1とステージ2のすべての金融資産、ならびに同質のポート
フォリオ(すなわち、信用リスク特性が類似したリテールおよび小規模事業に対する貸出金)内のステージ3の金融資産に対す
る 信用損失引当金の算定に用いられる。ステージ3に含まれる当行グループの同質でないポートフォリオにおける金融資産およ
びPOCI資産に対する信用損失引当金は、信用責任者により決定される。
当行グループは、ECLの測定に、デフォルト確率(PD)、デフォルト時損失率(LGD)およびデフォルト時エクスポージャー
(EAD)という3つの主要構成要素を使用している。当行グループは、ECLの算定のため、バーゼル内部格付手法に基づく資本需
要の算定および内部リスク管理の実務に使用される既存のパラメータを可能な限り活用している。これらのパラメータは、
IFRS第9号の要件(例えば、一時点における格付の使用および規制上のパラメータにおける景気後退のアドオンの除去)を満た
すために必要に応じて調整される。将来の経済状況の予測をステージ1およびステージ2の予想信用損失の測定に組み込むこと
により、各ステージの信用損失引当金への影響が生じる。全期間予想信用損失を計算するために、当行グループの計算には、
経済予測を反映した移行マトリックスから、対応する残存期間のPDを算出する。
ステージの決定と信用リスクの著しい増加
当初認識時にPOCIに該当しない金融資産はステージ1に反映される。信用リスクが著しく増加した場合、当該金融資産はス
テージ2に移される。信用リスクの著しい増加は、格付関連指標とプロセス関連指標を用いて決定される。ステージ3への金融
資産の分類は、債務者が債務不履行に陥っている場合に行われる。債務者が債務不履行に陥った場合、当該債務者のすべての
金融資産はステージ3に移される。
ステージ2の格付関連指標:当行グループは、報告日における債務者の全期間PDと、当初認識日における見積りの全期間PDを
比較し、IFRS第9号の減損の範囲において債務者のPDおよびすべての取引に重要な変化があったかどうかを判断する。過去に観
測された格付遷移情報と様々な経済シナリオのサンプリングに基づき、全期間PDの格付分布が得られる。この分布の分位点は
相手先クラスごとに定義されており、全期間PDの限界値として選択される。ある取引の現在の全期間PDが、残存期間にわた
り、この限界値を超える場合、当該金融資産は信用リスクが著しく増加しているものとしてステージ2に移される。ステージ2
の限界値の定義に使用される分位値は、専門家の判断を用いて決定され、年1回検証されており、COVID-19に起因する変更はな
されていない。適用される限界値は、借手の当初の信用の質、過去に予想された残存期間、現在の残存期間および相手先クラ
スによって異なる。経営陣は、定義されたアプローチと分位値は、金融資産の信用リスクが著しく増加したことを示す意味の
ある指標であると考えている。
ステージ2のプロセス関連指標:プロセス関連指標は従来のリスク管理指標を用いて導き出され、経営陣の見解では、金融資
産の信用リスクが著しく増加しているという状況を表す。これには、信用ウォッチリストに強制的に追加された債務者、ワー
クアウト手続に移管された債務者、支払いが30日以上延滞している、または条件が緩和された債務者(後述のCOVID-19関連の
特定の条件緩和措置を除く。)が含まれる。
1つ以上のプロセス関連指標または格付関連指標の条件が満たされ、金融資産の債務者が債務不履行の定義を満たす状態に
なっていない限り、資産はステージ2にとどまる。ステージ2の指標の条件が満たされなくなり、かつ金融資産が債務不履行に
もなっていない場合、当該金融資産はステージ1に戻される。条件が緩和された正常金融資産の場合、規制ガイダンスに基づく
猶予期間は、金融資産がステージ1に分類される前の2年間となる。
2021年度第2四半期、当行グループはステージ2への分類を生じさせるプロセス関連のトリガーの1つを精緻化した。裁量的な
理由でウォッチリストに追加された金融資産はステージ2に分類されることになったが、この変更前は、強制的な理由でウォッ
チリストに追加された資産のみがステージ2に分類されていた。見積りの変更であるこの手法の変更により、当行グループの信
用損失引当金が60百万ユーロ増加した。これは2021年12月31日現在の当行グループの経営成績に反映されている。
債務者が債務不履行に陥った場合、当該債務者のすべての取引はステージ3に分類される。債務者の債務不履行が事後的に解
消された場合、規制ガイダンスに基づく是正条件(猶予期間を含む。)が適用され、3ヶ月以上、または破綻した再構築の場合
は1年である。規制上の猶予期間または条件が満たされると、債務者はデフォルトに分類されなくなり、その資産はステージ2
またはステージ1に移される。
当行グループは、2021年度第3四半期にECBの承認を取得し、2つのEBAガイドラインからなる債務不履行の定義に関する最新
の規制ガイダンスの適用を完了した。1つ目のガイドラインは、期日を経過した信用債務の重要性の閾値に関するEBAの技術基
準(ECB規制(EU)第2018/1845号で実施)で構成されており、2つ目のガイドラインは債務不履行の定義の適用を対象としてい
る。新たな要件は共に、デフォルトの定義に関するEBAガイドラインと呼ばれている。これらのEBAガイドラインは、バーゼル
IIにおける債務不履行の定義に置き換わるもので、主にプライベート・バンクの特定のポートフォリオのECLに影響を与えた。
なお、見積りの変更による影響に重要性はない。
ステージ3の予想信用損失の計算では、同質なポートフォリオおよび同質でないポートフォリオにおける取引と、POCI金融資
産とを区別している。当行グループは、ステージ3の取引および同質なポートフォリオの取引に対する取引ごとの信用損失引当
金の決定に、パラメータに基づく自動アプローチを使用している。これらの取引について、LGDパラメータは時間に依拠するよ
う部分的にモデル化されている。すなわち、債務不履行後の時間経過に伴う回収予定額の減少を考慮している。ステージ3に含
まれる同質でないポートフォリオに対する金融の信用損失引当金は、POCI資産に対する信用損失引当金と同様に信用責任者に
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より決定される。これにより、信用責任者は、報告日現在入手可能な情報と、債務者および金融資産ごとの回収予測を検討す
ることができる。
COVID-19のパンデミックによる影響があったものの、当行グループはステージ変更を生じさせる既存のトリガーの手順や規
則を変更していない。ただし、主にCOVID-19の影響を受けた顧客に付与されたEBAに基づく支払猶予や譲歩は例外である。この
例外処理はイタリア、ドイツ、スペインにおける限られた数の顧客に適用された。2020年度末までにドイツ、2021年度末まで
にその他の国において支払猶予が失効したため、この例外処理は2021年には該当がほとんどなくなった。
主要なインプット要因の見積手法
当行グループのECLの算定における主要なインプット要因の最初の1つは、内部格付システムから導出された債務者の1年間の
PDである。当行グループは、当行グループのすべてのエクスポージャーについて21段階の格付評定基準に基づいて、関連する
債務者の信用エクスポージャーごとにPDを割り当てている。
債務者に割り当てられる格付は内部で開発された格付モデルに基づいて導出されている。このモデルは、顧客に関連する、
一貫性のある区別可能な基準を設定し、一部の顧客に与えられた特定の一連の基準に基づいて格付を付与するものである。こ
の一連の基準は、一般的な顧客行動、財務データおよび外部データを含む、各顧客セグメントに関連する情報セットから作成
される。使用される方法は、統計的スコアリング・モデルから、利用可能な関連する定量的および定性的情報を考慮に入れ
た、専門家によるモデルにまで及ぶ。専門家によるモデルは通常、「中央政府および中央銀行」、「機関」、および「法人」
のエクスポージャー・クラスにおける債務者に適用されるが、統計的スコアリング・モデルに利用可能な十分なデータ基盤が
ある「法人」セグメントは例外である。「法人」セグメントと「リテール」セグメントでは、統計的スコアリング・モデルま
たは両方のアプローチを組み合わせたハイブリッド・モデルが一般的に用いられている。定量的格付手法は、ロジスティック
回帰等の適用される統計的モデル化手法に基づいて開発されている。
1年間のPDは、スルー・ザ・サイクル(TTC)マトリックスおよびマクロ経済予測を用いて、複数年PDカーブに拡張される。
マクロ経済のベースライン予測をはじめとする経済シナリオに基づき、TTCマトリックスは初めに、通常は2年間の、ポイン
ト・イン・タイム(PIT)格付遷移マトリックスに転換される。PITマトリックスの計算は、マクロ経済変数と債務者の債務不
履行および格付行動との関連を利用し、その関連は、過去のマクロ経済変数(MEV)や回帰分析手法による格付時系列から導出
される。最後に、合理的かつ裏付可能な予測が入手可能な期間のPIT格付遷移マトリックスから複数年のPDカーブが導出され
る。それらの期間を超える部分については、TTC格付遷移マトリックスに基づいて推定される。
ECLの算定における2つ目の主要なインプットはLGDパラメータであり、これは債務者が債務不履行となった場合の損失強度と
定義される。これは、債務不履行事象が発生した際に回収できないエクスポージャーの見積りを提供するものであり、した
がって、損失強度を把握するものである。概念として、LGDの見積りは債務者のデフォルト確率とは無関係である。ステージ1
およびステージ2に適用されるLGDモデルは、規制上のLGDモデルに基づくものあるがIFRS第9号の要件(景気後退のアドオンの
除外とワークアウトの間接費の除外)について調整されており、損失の主な要因(担保のレベルや質、顧客や商品の種類、貸
出枠の優先順位等)が、リスク要因としてLGDの見積りに反映されていることを確認している。LGDモデルでは、担保付エクス
ポージャー(ヘアカット適用後の担保価値)に担保の種類別のLGDパラメータを割り当てている。債務不履行に陥った同質の
ポートフォリオに関するLGD設定は、デフォルト後の時間経過に部分的に依拠し、統計的手法を用いて当行グループの数十年間
の損失と回収実績に基づいて調整されるか、または重要性の低いポートフォリオについては、専門家の判断により特定のLGDモ
デルの入力パラメータ(キュアレート等)が決定される。
3つ目の主要なインプットは金融資産の存続期間にわたるデフォルト時エクスポージャー(EAD)であり、これは予想される
返済プロファイル(均等償却、元利均等、一括返済等)を考慮してモデル化される。期限前返済オプションに重要性はないと
考えられるため、すべてのポートフォリオについてモデル化されていない。当行グループは、EADの額を計算するために、具体
的な与信換算掛目(CCF)を適用する。概念として、EADは、債務不履行時の債務者に対する信用エクスポージャーの見込額と
定義される。取引が未使用限度額を伴うものである場合、債務者の債務不履行の場合に予想される未払額を適切に反映するた
めに、未使用限度額の割合を未払額に加算する。これは、コミットメントに関して、債務不履行時の利用率が現在の債務残高
よりも高い可能性があるという仮定を反映している。取引が追加の偶発的要素(すなわち、保証)を含む場合、債務不履行の
場合に引き出される保証額を見積るために、CCFモデルの一部として追加の割合が適用される。このようなパラメータの調整は
過去の内部データのほか、実証分析や専門家の判断に基づいており、債務者および商品の種類を考慮している。規制目的上、
監督上のCCF値を適用する必要があるのに対して、IFRS第9号では内部の見積りを適用している。
予想残存期間
IFRS第9号では全期間の予想信用損失を算定することが求められ、これは金融資産の予想残存期間が主要なインプット要因と
なる。全期間の予想信用損失は、金融資産の予想される残存期間にわたる債務不履行の事象を表す。当行グループは、当行グ
ループが信用リスクにさらされる契約上の最長期間(借手の延長オプションを含む。)にわたる債務不履行リスクを考慮し
て、予想信用損失を測定する。
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個人向け当座貸越、クレジット・カード利用枠および特定の法人向けリボルビング貸出枠は通常、貸出金と未利用のコミッ
トメントの要素の両方を含んでいる。このような要求払の貸出枠の予想残存期間は、通常は当行グループが信用リスクの増加
を認識した場合にのみ解約されることから、契約上の残存期間を超える。予想残存期間は、過去の情報、ならびに与信限度額
の 引き下げや貸出枠の解約といった当行グループの信用リスク管理部の取り組みを考慮して見積られる。このような貸出枠が
信用リスク管理部による個別審査の対象である場合、予想信用損失の計算に使用される残存期間は12ヶ月である。信用リスク
管理部による個別審査の対象ではない貸出枠については、当行グループは予想信用損失の計算に24ヶ月の残存期間を適用して
いる。
IFRS 第9号モデルで使用される金利
ECLの算定においては、当行グループはIFRS第9号に従い、実効金利(EIR)の近似値を適用する。これは通常、約定金利
(CIR)である。CIRはECLモデル、利息の認識、およびECLの割引において一貫して用いられており、EIRと大きく異なるもので
はないため、適切な近似値であるとみなされる。
IFRS 第9号の予想信用損失の計算における担保化の検討
ECLモデルは、ある金融資産の残存期間中の各時点における担保のレベルを予測するものである。報告日現在、当該モデルは
ドイツ銀行の経済的資本モデルに適用されている既存の担保分配プロセスを使用している。このモデルでは、各適格担保の清
算価値を関連する金融資産に配分し、各金融資産の担保付部分と無担保部分とを区別している。ECL算定においてその後、当行
グループは、担保付と無担保のエクスポージャーについて上記LGDを適用し、担保付と無担保のエクスポージャーについて別々
にECLを算定している。
ECLモデルでは、保証等の個人担保に関して、担保の相対的なレベルが長期的に安定していることを前提としている。償却対
象となる貸出金の場合、エクスポージャー残高と担保価値は時間の経過とともに減少する。不動産等の現物担保については、
ECLは担保の絶対価値が一定であると仮定する。償却対象となる貸出金の場合、エクスポージャーの担保付部分は時間の経過と
ともに増加し、融資比率はそれに応じて減少する。
特定の金融保証契約は、保証された金融資産にとって不可欠である。このような場合、金融保証は当該金融資産の担保とみ
なされ、保証による利益は保証された金融資産のECLを軽減するために用いられる。
将来予測的な情報
IFRS第9号では、信用損失引当金は、過去の事象、現在の状況および将来の経済状況の予測を考慮した上で、不当なコストや
労力を払うことなく入手可能な合理的かつ支持できる将来予測的な情報に基づき計上される。
将来予測的な情報を当行グループの信用損失引当金に盛り込むため、当行グループは以下の2つの主要な要素を用いている。
- 基本シナリオとして、当行グループは外部調査によるマクロ経済予測(GDPおよび失業率に関するコンセンサス等)を利
用する。さらに、ストレス・テスト用に当初開発された当行グループのシナリオ拡大モデルが、外部のコンセンサス・
データでカバーされないマクロ経済変数の予測に利用される。すべての予測は、これらの各変数の最も可能性の高い変
動を反映して予測され、少なくとも四半期ごとに更新されている。
- その後、統計的手法を適用して、基本シナリオを、マクロ経済変数の確率分布によって定義される複数のシナリオを対
象とするシナリオ分析に変換する。これらのシナリオはベースライン予測との乖離を特定する。その後、シナリオの分
布が、ステージ2の格付関連指標の箇所で前述したECLの計算や金融資産の信用の質の著しい悪化の識別に適用される、
格付別および相手先別の複数年に係るPDカーブを導出する際の基礎として用いられる。
マクロ経済要因と例外的な要因(COVID-19等)を考慮した調整を含む将来予測的な情報の通常の利用は、当行グループのリ
スクおよび経済的信用損失引当金評議会により監視される。当行グループは、少なくとも四半期ごとにマクロ経済の要因に関
する予測を更新し、また、潜在的なモデルの不正確さの側面(例えば、モデルの調整に使用された過去の範囲に含まれないMEV
パラメータ、ただしモデルにすでに含まれていない場合)をMEVの監視フレームワークの一部として見直し、オーバーレイの形
式で是正措置の必要性を評価する。
2021年に導入された当行グループのオーバーレイ手法は、特定の方法論上の仮定と制限という観点から、個々のMEVの極端な
変動に焦点を当てている。定量的なテスト手順には、(a)コンセンサス予測からのシナリオ予測と、(b)単一のMEVが過去の範囲
に収まっているかを識別するための過去のMEVの最大値の変動の間の比率を算定することが含まれる。
前述のとおり、マクロ経済変数をECL推定値の計算に織り込む当行グループのアプローチでは、8つの個別の四半期観察結果
を用いて、今後2年間の予測を反映している。当グループの8四半期後の予測については、マクロ経済変数と過去の傾向を基に
作成している。
2021年度第2四半期に、ドイツ銀行は、重要なポートフォリオにおける主要なリスク要因をより適切に反映するため、ポート
フォリオの区分をより細分化し、将来予測的な情報のモデルを改良した。この見積りの変更により、当行グループの信用損失
引当金が31百万ユーロ増加し、2021年度第2四半期より経営成績に反映された。
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以下の表は、2021年12月31日現在の、ECLモデル(2021年度第2四半期に導入されたより細分化されたアプローチを含む。)
における将来予測的な情報を組み込むMEVを示している。
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適用された将来予測的な情報
1,2
2021 年12月31日現在
1 年目 2 年目
(四半期平均) (四半期平均)
コモディティ-金 1764.58 1696.51
コモディティ-WTI 73.19 68.21
クレジット-CDX Emerging Markets
231.80 268.64
クレジット-CDX High Yield
353.42 399.62
クレジット-CDX IG
59.53 63.98
クレジット-High Yield Index
3.95 4.46
クレジット-ITX Europe 125
61.37 69.93
株式-MSCI Asia
1543 1514
株式-Nikkei 29673 30764
株式-S&P500 4777 5033
GDP-アジア開発途上国 3.78% 6.26%
GDP-新興国市場 3.72% 5.38%
GDP-ユーロ圏 4.67% 2.91%
GDP-ドイツ 3.35% 2.86%
GDP-イタリア 5.17% 2.33%
GDP-米国 4.46% 2.79%
不動産価格-米国CREインデックス 348.86 377.26
失業率-ユーロ圏 7.41% 7.07%
失業率-ドイツ 3.13% 2.83%
失業率-イタリア 9.18% 8.92%
失業率-日本 2.73% 2.53%
失業率-スペイン 14.26% 13.66%
失業率-米国 4.05% 3.68%
1 2021年12月31日現在のMEV。調整後の範囲外のMEVは、モデル内で調整されるか、後述するマネジメント・オーバーレイを通して調整され
る。
2 1年目は2021年度第4四半期から2022年度第3四半期、2年目は2022年度第4四半期から2023年度第3四半期。
経営陣の見解では、2020年におけるCOVID-19のパンデミックのピークの最中、ECLの見積りの最も代表的なアプローチは、短
期的な予測の重みを減らし、より長期的な平均値に基づいて調整されたモデルのインプットを導出することであった。このた
め、当行グループは2020年に、IFRS第9号に基づく標準モデルにオーバーレイを適用した。オーバーレイは、2020年12月31日現
在、引当金を104百万ユーロ減少させ、今後3年間のGDPおよび失業率の平均予測に基づくものであった。このオーバーレイは、
2021年1月現在適用されなくなった。これは、上述のモデルの正確性の監視プロセスを通して、残る不正確さに関して措置が講
じられるとともに、MEVの関連性が増大したためである。
1,2
2020 年12月31日現在
1 年目 2 年目 3 年目
(四半期平均) (四半期平均) (四半期平均)
− −
クレジット-ITX Europe 125
52.81
− −
為替-ユーロ/米ドル 1.20
GDP-ユーロ圏 1.38% 4.37% 2.32%
GDP-ドイツ 1.54% 4.01% 2.08%
GDP-イタリア 1.92% 3.80% 1.93%
GDP-米国 2.80% 3.35% 2.29%
− −
金利-米国2年債 0.17%
失業率-ユーロ圏 8.86% 8.35% 7.94%
失業率-ドイツ 4.30% 3.95% 3.72%
失業率-イタリア 10.65% 10.38% 9.85%
失業率-スペイン 17.89% 16.32% 15.49%
失業率-米国 6.40% 5.19% 4.46%
1 金利、為替および信用スプレッドは12月7日公表のデータによる。GDPと失業率の予測は12月16日に更新されたデータによる。
2 1年目は2020年度第4四半期から2021年度第3四半期、2年目は2021年度第4四半期から2022年度第3四半期。
マネジメント・オーバーレイ
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経営陣は、ECLの算定における主要なインプットを定期的にレビューし、潜在的なモデルの不正確性の側面について議論し、
オーバーレイの形式で是正措置の必要性を評価する。以下の表は、2020年12月31日現在のマネジメント・オーバーレイと、
2021 年12月31日までの変動について詳細を示している。
2020 年12月31日から2021年12月31日までのオーバーレイの変動
2020 年 12 月 31 2021 年 12 月 31
中止された 新たなオー
日現在のオー 日現在のオー
オーバーレイ バーレイ
バーレイ バーレイ
単位:百万ユーロ(別途記載のものを除く。)
オーバーレイの内容 以下に対する影響
ステージ1とス
特定のMEVの3年平均 -104 104 0 0
テージ2のすべての金融資
産
ステージ1とス
COVID-19に関連するダウン
130 -130 0 0
テージ2のすべての金融資
サイド・リスク
産
プライベート・
建設資材価格の上昇による
バンクのステージ1および
0 0 15 15
建設リスク
ステージ2のモーゲージ・
ポートフォリオ
ステージ1とス
モデル調整(FLIモデルの
0 0 56 56
テージ2のすべての金融資
調整済み範囲外のMEV)
産
主にプライベー
債務不履行の新たな定義に
0 0 -57 -57
ト・バンクのステージ3の
より必要となる再調整
金融資産
合計 26 -26 14 14
当行グループは、2021年12月31日および2020年12月31日現在、IFRS第9号に基づくモデルのアウトプットに以下のオーバーレ
イを適用した。
- FLIモデルのオーバーレイ:MEVの項で上述したとおり、COVID-19のパンデミックの結果、当行グループはIFRS第9号に基
づく標準モデルにオーバーレイを適用した。これにより、当行グループの信用損失引当金が減少した。オーバーレイ
は、ECLの見積りにおける今後3年間のGDPおよび失業率の平均予測に基づいていた。当行グループは2020年度末後は上述
のオーバーレイを適用せず、2021年度にIFRS第9号に基づく標準アプローチに戻した。
- COVID-19に伴う不確実性:2020年12月31日現在、当行グループは信用環境に引き続き残る高い不確実性に対応するため
に、130百万ユーロのオーバーレイを追加計上し、その結果、当行グループの信用損失引当金が増加した。特に、2020年
度末現在、COVID-19のパンデミック、関連するロックダウン措置および中央政府による経済支援措置により、債務者の
金融債務返済能力について実際の状態を評価する当行グループの能力がさらに妨げられ、また、特に支払猶予が徐々に
終了するにつれて(ただし、スペインやイタリア等では一部延長される。)予想される新たなマイナスの影響、および
2020年12月に開始された2度目のロックダウン措置も考慮に入れている。このオーバーレイは、予想された不確実性が顕
在化しなかったため、2021年度期首に戻入られた。
- 2021年に建築資材価格が高騰したことによる建設リスク:当行グループは、建築資材の不足や価格高騰による予算超過
や遅延のリスクに対応するため、15百万ユーロのオーバーレイを計上することを決定し、これにより、当行グループの
信用損失引当金が増加した。このオーバーレイは、ドイツにおける不動産の建設または改装のために申請されたモー
ゲージ貸出金(承認されたものの、未払い)に対して計上された。
- モデルの調整:当行グループは、FLIモデルの調整済み範囲外であると特定された特定のマクロ経済変数(特にGDP)の
前年度からの重要な変動に対応するために追加のオーバーレイを適用した。モデルはこのような特定のMEVの前年度から
の極端な変動に対応するように調整されていなかったため、経営陣の見解では、当該モデルが報告日に必要とされる予
想信用損失の金額を過小評価している。オーバーレイの金額の定量化は、モデルの調整目的で考慮された時間枠内で観
察された最大のMEVの変動に置き換わる、過去の範囲外の予測を用いたECLの影響額の算定に裏付けられるものであっ
た。2021年度末現在、このオーバーレイは56百万ユーロであり、当行グループの信用損失引当金を増加させた。
- 債務不履行の新たな定義により必要となる再調整:2021年度第3四半期、ドイツ銀行は債務不履行の新たな定義を導入し
た。これは、ドイツ銀行のIFRS第9号に基づくフレームワークにおいてステージ3への分類のトリガーとなるものであ
る。債務不履行の新たな定義の導入は主に、同質のポートフォリオにおいてステージ3が増加したプライベート・バンク
に影響を及ぼした。債務不履行の定義の修正は、このポートフォリオに関連する予想損失を大きく変動させるものでは
ないと考えられるため、経営陣の見解では、この変更により、報告日時点で影響を受けるポートフォリオの予想損失を
反映していないステージ3の引当金が過大計上されることになった。これは、債務不履行の新たな定義によりモデルのデ
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フォルト時損失(LGD)パラメータの再調整(今後実施される。)が必要になるためである。LGDの設定は、モデル・リ
スク管理機能によって独立した検証が行われ、年次でレビューされる。再調整は、統計的な再調整のための経験上の
デー タが入手可能となる2022年まで見込まれておらず、その結果、57百万ユーロに上ると予想されるLGDの再調整効果に
対応するオーバーレイが計上された。これにより、当行グループの信用損失引当金が減少した。
モデルの感応度
マクロ経済変数
以下の表は、主要なMEV予測の潜在的変動に対する当行グループのモデルの感応度を示しており、MEVのグループごとに適用
されたステージ1とステージ2の下方シフトと上方シフトによるECLの影響額を示している。これらのグループはそれぞれ同じカ
テゴリーのMEVで構成されている。
- GDP成長率:米国、ユーロ圏、ドイツ、イタリア、アジア開発途上国、新興国市場
- 失業率:米国、ユーロ圏、ドイツ、イタリア、日本、スペイン
- 株式:S&P500、Nikkei、MSCI Asia
- 信用スプレッド:ITX Europe 125、High Yield Index、CDX IG、CDX High Yield、CDX Emerging Markets
- 不動産:商業用不動産価格インデックス
- コモディティ:WTI原油価格、金価格
以下の表は、2021年12月31日現在の上方および下方シフトのMEVの各グループへの影響、およびECL引当金への影響を示して
いる。感応度分析には、MEVグループ合算の影響のみが含まれる(すなわち、複数のMEVグループ間の潜在的な相関関係または
マネジメント・オーバーレイの影響は考慮されていない。)。
当行グループは、2021年度に将来予測的な情報のモデルを改良し、ポートフォリオの区分をより細分化するアプローチを導
入した。2020年度は細分化する前のアプローチに基づいているため、前年度の情報は直接的には比較可能ではない。
ステージ3のECLは影響を受けず、そのモデリングはマクロ経済シナリオから独立しているため、以下の表には反映されてい
ない。
IFRS 第9号-将来予測的な情報の感応度-グループ・レベル
2021 年 12 月 31 日現在
上昇に対する感応度 下落に対する感応度
ECL への影響 ECL への影響
単位:百万ユー 単位:百万ユー
上方シフト ロ 下方シフト ロ
GDP成長率
1pp -49.4 -1pp 55.5
失業率
-0.5pp -23.8 0.5pp 25.4
不動産価格
5% -3.9 -5% 4.2
株式
10% -7.2 -10% 9.4
信用スプレッド
-40% -20.9 40% 23.5
1
コモディティ
10% -15.0 -10% 16.2
1 ここでは、シフトのプラス・マイナスは原油価格の変動に当てはまる。金価格については、プラス・マイナスが逆である。1pp(パーセン
テージ・ポイント)は、例えばGDPが3%から4%に変動する。1%(パーセンテージ・ポイント)は、例えば不動産価格が100から101に変
動する。
202 0 年 12 月 31 日現在
上昇に対する感応度 下落に対する感応度
ECL への影響 ECL への影響
単位:百万ユー 単位:百万ユー
上方シフト ロ 下方シフト ロ
GDP成長率
1pp -93.5 -1pp 99.1
失業率
-0.5pp -49.9 0.5pp 56.4
グループ・レベルでは、ECLの感応度は主にGDP成長率、失業率、信用スプレッドの変動によって決定される。また、コモ
ディティ、株式、不動産価格の変動に対しても、中程度の感応度が観察される。2020年度と比較すると、ECL引当金の減少によ
り、感応度全体による影響は2021年度はわずかに減少した。
部門レベルでは、当該分析は2021年12月31日に終了した期間についてのみ実施され、インベストメント・バンクについては
GDP成長率、信用スプレッド、コモディティ価格が支配的な要因であることが明らかになったのに対し、コーポレート・バンク
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とプライベート・バンクのモデルの感応度は主にGDP成長率と失業率の変動に関連している。プライベート・バンクのモデルの
感応度の表は、基礎となるポートフォリオに関連する主要なMEVとして、GDP成長率と失業率のみを示している。
IFRS 第9号-ステージ1およびステージ2で適用される将来予測的な情報の感応度-コーポレート・バンク
2021 年 12 月 31 日現在
上昇に対する感応度 下落に対する感応度
ECL への影響 ECL への影響
単位:百万ユー 単位:百万ユー
上方シフト ロ 下方シフト ロ
GDP成長率
1pp -12.5 -1pp 13.7
失業率
-0.5pp -8.9 0.5pp 9.6
不動産価格
5% -0.5 -5% 0.5
信用スプレッド
-40% -4.3 40% 4.9
1
コモディティ
10% -4.5 -10% 5.0
1 ここでは、シフトのプラス・マイナスは原油価格の変動に当てはまる。金価格については、プラス・マイナスが逆である。
IFRS 第9号-ステージ1およびステージ2で適用される将来予測的な情報の感応度-インベストメント・バンク
2021 年 12 月 31 日現在
上昇に対する感応度 下落に対する感応度
ECL への影響 ECL への影響
単位:百万ユー 単位:百万ユー
上方シフト ロ 下方シフト ロ
GDP成長率
1pp -24.5 -1pp 27.7
失業率
-0.5pp -3.7 0.5pp 4.2
不動産価格
5% -3.4 -5% 3.6
株式
10% -2.4 -10% 3.1
信用スプレッド
-40% -14.4 40% 15.8
1
コモディティ
10% -10.1 -10% 10.8
1 ここでは、シフトのプラス・マイナスは原油価格の変動に当てはまる。金価格については、プラス・マイナスが逆である。
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IFRS 第9号-ステージ1およびステージ2で適用される将来予測的な情報の感応度-プライベート・バンク
2021 年 12 月 31 日現在
上昇に対する感応度 下落に対する感応度
ECL への影響 ECL への影響
単位:百万ユー 単位:百万ユー
上方シフト ロ 下方シフト ロ
GDP成長率
1pp -10.0 -1pp 10.7
失業率
-0.5pp -9.7 0.5pp 9.8
ステージ1の債務者の全期間の予想信用損失の影響
前述のとおり、当行グループは、影響を受ける債務者が全期間のECL(ステージ2)への移行を必要とする信用リスクの著し
い増加を決定するために、定量的基準と定性的基準の両方を利用している。ドイツ銀行がステージ1の債務者すべてについて全
期間の予想信用損失を計上した場合、2021年12月31日現在および2020年12月31日現在の当行グループの信用損失引当金54億
ユーロは、2021年度末で約44%、2020年度末で約41%増加することとなる。
ステージ3のLGDの設定
同質なポートフォリオのステージ3における当行グループの信用損失引当金は、2021年12月31日現在で22億ユーロ、2020年12
月31日現在で19億ユーロである。ECL引当金を決定する際の主な要因は、個々のポートフォリオによって異なる、見積デフォル
ト時損失率である。デフォルト時損失率は、回収率、担保の売却による収入、およびキュアレートによる影響を受ける。ポー
トフォリオによっては、専門家の判断が要因として含まれるものもある。すべての同質なポートフォリオのLGDが1%上昇した
場合、ステージ3のECLは2021年12月31日現在および2020年12月31日現在で約20百万ユーロ増加する。
IFRS 第9号に基づくモデルの結果
上記のIFRS第9号に基づくモデルおよび適用したオーバーレイを考慮して、当行グループは2021年度において、2020年度から
18億ユーロの大幅な減少となる515百万ユーロの信用損失引当金繰入額を計上した。2021年度の信用損失引当金と2020年度比で
の大幅な減少は、良好な信用環境、COVID-19関連の制限緩和後の主要経済の力強い回復、および改善されたマクロ経済パラ
メータに基づく前向きな見通しに起因するものであった。
上述のとおり、当行グループはCOVID-19に関連するダウンサイド・リスクに対応するために2021年度と2020年度の両年度に
様々なマネジメント・オーバーレイを適用しているが、これはMEVにおける高いボラティリティによって引き起こされる潜在的
なモデルの不正確性にも対応するものでもあった。
事業部門に関して、コーポレート・バンクは、2020年度に364百万ユーロの信用損失引当金繰入額を計上したのに対し、2021
年度は3百万ユーロの信用損失引当金戻入額を計上した。前年同期比での減少は、減損が少なかったこと(ステージ3)と、ス
テージ1およびステージ2における戻入によるものである。インベストメント・バンクは、2020年度に690百万ユーロの信用損失
引当金繰入額を計上したのに対し、104百万ユーロの信用損失引当金繰入額を計上した。前年同期比での減少は、2021年度に
COVID-19関連の減損(ステージ3)が大幅に減少したことによるものである。プライベート・バンクは2020年度に711百万ユー
ロの信用損失引当金繰入額を計上したのに対して、2021年度には446百万ユーロの信用損失引当金繰入額を計上し、これは全体
的に良好なマクロ経済環境の恩恵を受けたことによるものであった。
当行グループは、気候関連リスクに係る信用リスクおよびそのリスクの集中を評価し、それらのリスクが2021年12月31日現
在、重要性がないと判断された信用損失引当金の金額にどのような影響を与えるかを評価している。
IFRS第9号の減損の要件に関連する当行グループの会計方針の詳細については、連結財務諸表に対する注記01「重要な会計方
針および重要な会計上の見積り」を参照のこと。
COVID-19 のパンデミックに関する中心的な業界
2021年度に主要国で実施されたCOVID-19ワクチン接種の進捗に伴い、世界経済の回復が加速しており、企業収益を下支えす
ることが期待されている。しかしながら、COVID-19のパンデミックの影響がより長く続いている業界もあり、また、オミクロ
ン株の世界的な流行による感染拡大から、回復の度合いには業界間で引き続き大きなばらつきが見られる。
2021年度下半期に石油・ガス価格がCOVID-19以前の水準よりも上昇したため、このセクターは中心的な業界とみなされなく
なった。
2021年度末において、中心的な業界は貸出金の約8%、ステージ3の信用損失引当金の約27%を占めている。以下の表は、内
部リスクに基づく観点で作成されており、本報告書の他の場所(「資産の質」の項等)で適用されているNACE(Nomenclature
des Activities Economiques dans la Communate Europeenne。欧州連合の経済活動の統計的分類である。)とは必ずしも一致し
ない。
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- 商業用不動産(CRE)(2021年12月31日現在の貸出金エクスポージャー310億ユーロ、2020年12月31日現在270億ユーロ):
CREエクスポージャーは貸出金の7%を占め、CREグループ(190億ユーロ)、インベストメント・バンクにおけるAPAC CREエ
クスポージャー(60億ユーロ)およびコーポレート・バンクにおけるノンリコースCREビジネス(60億ユーロ)からなる。
前 年同期比での増加は、CRE市場の緩やかな回復による貸付活動の増加と、米ドル高による為替の影響によるものである。
世界経済とCRE市場が回復を続け、米国のホスピタリティ・セクターが堅調なレジャー旅行の恩恵を受けたことから、ポー
トフォリオのリスク・プロファイルは2021年度には緩やかに改善した。新規貸付の条件変更のペースは、引き続き低下し
ている。平均約59%であった中程度の融資比率(LTV)は、担保価値下落を吸収する十分なバッファーを提供している。
- 小売業(食品/生活必需品を除く。)(2021年12月31日現在の貸出金エクスポージャー40億ユーロ、2020年12月31日現在
40億ユーロ):このセクターは、長期化していたCOVID-19関連の制限解除後の経済活動の再開による恩恵を受けている。
しかしながら、一部のセグメントは供給不足の影響を受けており、パンデミックはデジタル化によってこのセクターが直
面している構造的な課題を新たに加えている。ポートフォリオのリスクは、経営基盤の強いグローバル・ブランドに注力
することで軽減されており、正味与信限度枠の約3分の2が投資適格の格付を有する顧客に関連するものである。
- 航空(2021年12月31日現在の貸出金エクスポージャー30億ユーロ、2020年12月31日現在30億ユーロ):セクターで回復の
兆しが見られるものの、輸送量は2019年の水準を大幅に下回った。旅客輸送量のCOVID-19以前の水準までの回復は、数年
間は見込まれていない。ポートフォリオは、新型機/流動性の高い航空機に的を絞った有担保の航空機融資が大部分であ
ることから恩恵を受けている。無担保のポートフォリオは先進的な市場フラッグ・キャリアを中心としており、その多く
は確固とした政府支援パッケージの恩恵を受けている。
- 娯楽(2021年12月31日現在の貸出金エクスポージャー20億ユーロ、2020年12月31日現在20億ユーロ):当該業界は、ロッ
クダウン期間におけるビジネス出張と個人旅行の両方で急落した。取引高が短期間で危機前の水準に回復する可能性は低
い。ポートフォリオは主に米国市場におけるホテル・カジノセグメントの業界最大手に的を絞っている。
IFRS 第9号-COVID-19対策を背景とした債務不履行、条件緩和およびIFRS第9号に関するEBAガイダンスの適用
2020年3月25日に公表されたEBAの「COVID-19対策を背景とした債務不履行、条件緩和およびIFRS第9号に関する健全性フレー
ムワークの適用に関する声明」では、「機関は、一定程度の判断を用いて、長期的には現在の状況により信用状態への影響を
受けない借手と、信用力を回復する可能性が低い借手とを区別することが期待される」としている。当行は、ポートフォリオ
の見直しを実施し、主にインベストメント・バンクおよびコーポレート・バンクの多くの顧客にこの規制ガイダンスを適用し
ている。
EBAはさらに、「COVID-19のパンデミックに対応するための公的および民間主導の支払猶予は、当該猶予が借手固有でない場
合、適用される国内法、あるいは関連する信用機関により合意され、広く適用されている業界またはセクター全体の民間イニ
シアチブに基づいて、自動的に支払猶予として分類する必要はない」という見解を示している。ドイツ銀行は、内部リスク管
理プロセスにこのガイダンスを導入している。
COVID-19 のパンデミックを背景とした法的・非法的支払猶予および公的保証スキーム
2020年に、欧州銀行協会(EBA)は「COVID-19対策を背景とした債務不履行、条件緩和およびIFRS第9号に関する健全性フ
レームワークの適用に関する声明」を法的・非法的支払猶予に関するガイダンスとともに発表した。
以下の表は、2021年12月31日および2020年12月31日現在のEBAによる支払猶予の対象となる期限内および期限切れの貸出金、
COVID-19に関連する条件緩和措置の対象となる貸出金、ならびにCOVID-19のパンデミックを背景とした公的保証スキームの下
で新たに組成された貸出金の概要を示したものである。
COVID-19 のパンデミックを背景とした期限内および期限切れの支払猶予、条件緩和措置および保証スキームの概要
2021 年 12 月 31 日現在 2020 年 12 月 31 日現在
COVID-19 危機
COVID-19 危機
を背景とした
を背景とした
公的保証ス
COVID-19 に関 COVID-19 に関 公的保証ス
キームの下で
EBA による支 連する条件緩 EBA による支 連する条件緩 キームの下で
新たに組成さ
払猶予の対象 和措置の対象 払猶予の対象 和措置の対象 新たに組成さ
1
れた貸出金
単位:百万ユーロ となる貸出金 となる貸出金 となる貸出金 となる貸出金 れた貸出金
コーポレート・バンク
519 2,466 2,322 610 2,956 2,362
インベストメント・バ
108 3,501 60 107 4,353 60
ンク
プライベート・バンク
6,357 928 1,570 7,499 1,114 1,124
キャピタル・リリー
384 2 0 433 0 0
ス・ユニット
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合計
7,368 6,897 3,952 8,649 8,424 3,546
1 IFRS第9号に基づく金融商品のパス・スルー規準を満たしていることから認識中止の要件を満たす、2021年12月31日現在3億ユーロおよび
2020年12月31日現在3億ユーロの貸出金は除外されている。
COVID-19 関連措置のステージ別内訳
2021 年 12 月 31 日現在
COVID-19 に関連する
法的・非法的支払猶予 条件緩和措置 公的保証スキーム
単位:百万ユーロ 総帳簿価額 予想信用損失 総帳簿価額 予想信用損失 総帳簿価額 予想信用損失
ステージ1 5,381 -10 3,330 -6 3,079 -2
ステージ2 1,288 -30 2,602 -31 770 -9
ステージ3 698 -162 965 -122 103 -14
合計
7,368 -202 6,897 -158 3,952 -25
2020 年 1 2 月 31 日現在
COVID-19 に関連する
法的・非法的支払猶予 条件緩和措置 公的保証スキーム
単位:百万ユーロ 総帳簿価額 予想信用損失 総帳簿価額 予想信用損失 総帳簿価額 予想信用損失
ステージ1 6,464 -23 5,746 -18 3,135 -3
ステージ2 1,872 -63 1,994 -54 360 -4
ステージ3 313 -69 684 -80 51 -4
合計
8,649 -155 8,424 -152 3,546 -11
COVID-19に関連する条件緩和措置:2021年12月31日現在、69億ユーロの貸出金に対してCOVID-19の条件緩和措置が提供され
ており、これは各貸出金契約における契約条項を含む契約条件の変更、猶予期間の延長、支払延期といった幅広い範囲の救済
措置を反映している。2021年12月31日現在、84%を超えるクライアントの債権は正常債権であり、当行のECLの水準は引き続き
安定している。条件緩和措置の半分以上は、支払延期に関連しない契約条件変更であった。支払猶予貸出金はすべて、24ヶ月
間の猶予期間に達するまで、支払猶予として分類される必要がある。
EBAによる支払猶予は、政府が制定した法的支払猶予と金融機関のグループが供与する非法的支払猶予に分けられる。EBAに
よる支払猶予:イタリアにおける中小企業および大企業向けの支払猶予は当初は2020年9月30日に終了する予定であったが、
2021年12月まで延長されている。また、スペイン政府は、2021年末までスペインの中小企業・企業に対する立法モラトリアム
を延長した。非法的支払猶予:イタリアにおいて2021年1月から2021年3月末まで、消費者向け融資の顧客を支援するために開
始された非法的支払猶予はすべて終了した。
2021年度に、支払猶予の対象となる顧客の数および規模は、返済により2020年度第2四半期のピーク時の水準から大幅に減少
した。2021年12月31日現在、ほぼすべての支払猶予が終了しており、現在も該当するものは30百万ユーロを大幅に下回ってい
る。支払猶予を利用した顧客の95%超が現在、支払いを再開している。こうした移行は積極的に管理されており、ドイツ銀行
は各個人顧客に連絡を取り、支払猶予が終了する前でも支払いを再開できることを顧客に知らせていた。
公的保証スキームの下で新たに組成された貸出金:当行グループは、2021年12月31日現在、公的保証スキームの下で約42億
ユーロの貸出金を組成しており、ほとんどの場合、新たに組成された当該貸出金の期間は2年から5年の間である。貸出金のう
ちの約21億ユーロはKfWが資金提供するプログラムを通じてドイツ国内で供与されたものである。そのうち、3億ユーロは当該
貸出金および保証の条件がIFRS第9号に基づく認識中止規準を満たしていることから認識が中止され、16億ユーロはスペイン、
5億ユーロはルクセンブルグにおいてそれぞれ組成された。2021年12月31日現在、公的保証が提供された貸出金の99.4%は、引
き続き定期的に返済されている。』
資産の質
IFRS第9号に基づく「資産の質」の項では、減損会計の対象となる負債性金融商品の質について記載する。当該商品は、IFRS
第9号上、償却原価で測定される負債性商品、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融商品(FVOCI)、ならびに
ローン・コミットメントおよび金融保証等のオフバランスの貸出コミットメント(以下総称して「金融資産」という。)から
構成される。
減損会計の対象となる金融資産の概要
『
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以下の表は、IFRS第9号の要件に従い金融資産をステージ別に区分し、それぞれのエクスポージャー額および信用損失引当金
の概要を示したものである。
減損会計の対象となる金融資産の概要
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
ステー ステー
ジ3 ジ3
ステー ステー ステー ステー ステー ステー
単位:百万ユーロ ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計 ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計
1
償却原価で測定
総帳簿価額 710,271 40,653 11,326 1,297 763,548 651,941 35,372 10,655 1,729 699,697
2
信用損失引当金 544 648 3,614 139 4,946
440 532 3,740 182 4,895
うち貸出金
総帳簿価額 425,342 38,809 10,653 1,272 476,077 385,422 34,537 10,138 1,710 431,807
2
信用損失引当金 522 647 3,506 133 4,808
421 530 3,627 177 4,754
OCI を通じて公正
価値で測定
公正価値 28,609 326 44 0 28,979 55,566 163 105 0 55,834
信用損失引当金 15 10 16 0 41 12 6 2 0 20
オフバランス
想定元本 268,857 14,498 2,582 11 285,948 251,545 8,723 2,587 1 262,856
3
信用損失引当金 144 74 200 0 419
108 111 225 0 443
1 償却原価で測定する金融資産は、償却原価で測定する貸出金、現金および中央銀行預け金、インターバンク預け金(中央銀行以外)、中央
銀行ファンド貸出金および売戻条件付買入有価証券(逆レポ)、借入有価証券担保金ならびにその他の資産の特定の下位区分から構成さ
れる。
2 信用損失引当金は、2021年12月31日現在の4百万ユーロおよび2020年12月31日現在の5百万ユーロのカントリー・リスクに対する引当金を含
んでいない。
3 信用損失引当金は、2021年12月31日現在の6百万ユーロおよび2020年12月31日現在の4百万ユーロのカントリー・リスクに対する引当金を含
んでいない。
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償却原価で測定する金融資産
以下の表は、IFRS第9号の要件に従いステージ別に区分した、該当報告期間における償却原価で測定する金融資産および関連
する信用損失引当金の変動の概要を示したものである。
当報告期間におけるエクスポージャーの変動
2021 年12月31日現在
総帳簿価額
ステージ3
単位:ユーロ ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
期首残高 651,941 35,372 10,655 1,729 699,697
新規事業および信用供与を含む金融資産の変動 78,565 7,507 305 -102 86,277
信用度の変動による振替 -155 -1,109 1,264 0 0
認識中止に至らなかった変更による増減 -1 -0 -16 0 -17
モデルの変更
当期中に認識が中止された金融資産 -34,157 -1,891 -1,271 -372 -37,691
償却済債権戻入額 0 0 55 23 78
為替およびその他の変動 14,078 774 333 19 15,204
期末残高 710,271 40,653 11,326 1,297 763,548
減損の対象となる償却原価で測定する金融資産は、主にステージ1において増加し、2021年度に640億ユーロ、率にして9%増
加した。
ステージ1のエクスポージャーは、主にインベストメント・バンクおよびプライベート・バンクの償却原価で測定する貸出金
が増加したこと、また中央銀行預け金の残高の増加により、580億ユーロ、率にして9%増加した。
ステージ2のエクスポージャーは、「IFRS第9号の減損損失」の項で上述されるとおり、ステージ2のプロセス関連トリガーの
改良により主にインベストメント・バンクで増加し、50億ユーロ、率にして15%増加した。
ステージ3のエクスポージャーは、EBAによる債務不履行の新たな定義によりプライベート・バンクで増加したこと、また、
インベストメント・バンクにおける新たな債務不履行により、2021年度は240百万ユーロ、率にして2%とわずかに増加した。
これは、コーポレート・バンクおよびキャピタル・リリース・ユニットのほか、当行グループのPOCI貸出金ポートフォリオに
おける減少によって一部相殺された。
前報告期間におけるエクスポージャーの変動
2020 年12月31日現在
総帳簿価額
ステージ3
単位:ユーロ ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
期首残高 645,967 24,680 7,531 2,150 680,328
新規事業および信用供与を含む金融資産の変動 79,588 8,215 3,304 -166 90,940
信用度の変動による振替 -7,462 5,543 1,919 0 0
認識中止に至らなかった変更による増減 0 -3 -31 0 -34
モデルの変更 0 0 0 0 0
当期中に認識が中止された金融資産 -48,990 -2,268 -1,910 -263 -53,430
償却済債権戻入額 0 0 58 0 58
為替およびその他の変動 -17,162 -795 -216 7 -18,165
期末残高 651,941 35,372 10,655 1,729 699,697
減損の対象となる償却原価で測定する金融資産は、主にステージ2において増加し、2020年度に190億ユーロ、率にして3%増
加した。
ステージ1のエクスポージャーは、60億ユーロ、率にして1%の微増となった。
ステージ2のエクスポージャーは、マクロ経済見通しの更新によりプライベート・バンクおよびコーポレート・バンクの償却
原価で測定する貸出金が増加したことに起因して、110億ユーロ、率にして43%増加した。
ステージ3のエクスポージャーは、POCI貸出金ポートフォリオの減少により一部相殺されたものの、業務部門全般における新
たな債務不履行に起因して、2020年度に2,703百万ユーロ、率にして28%増加した。
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当報告期間における信用損失引当金の変動
2021 年12月31日現在
3
信用損失引当金
ステージ3
4
POCI
単位:ユーロ ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
期首残高 544 648 3,614 139 4,946
新規事業および信用供与を含む金融資産の変動 -245 85 615 26 480
信用度の変動による振替 138 -197 58 N/M 0
認識中止に至らなかった変更による増減 N/M N/M N/M N/M N/M
モデルの変更 0 0 0 0 0
2
当期中に認識が中止された金融資産
0 0 -561 -5 -566
償却済債権戻入額 0 0 55 23 78
為替およびその他の変動 3 -4 -41 -0 -43
期末残高 440 532 3,740 182 4,895
カントリー・リスクを除く、信用損失引当金
-107 -112 673 26 480
1
繰入額
1 新規事業を含む金融資産の変動、信用度の変動による振替およびモデルの変更の合計が、カントリー・リスクを除く信用損失引当金繰入額
である。
2 この項目は、信用損失引当金の信用損失償却を含んでいる。
3 信用損失引当金には、2021年12月31日現在において4百万ユーロのカントリー・リスク引当金は含まれていない。
4 報告期間中に当初認識された、購入または組成した信用減損金融資産に係る当初認識時の割引前予想信用損失の総額は、2021年度において
0百万ユーロおよび2020年度において50百万ユーロであった。
減損の対象となる償却原価で測定する金融資産に対する信用損失引当金は、主にステージ1およびステージ2に起因して、
2021年度に51百万ユーロ、率にして1%とわずかに減少した。
ステージ1の引当金は、上述のとおり、マクロ経済見通しの更新に起因して104百万ユーロ、率にして19%減少した。
ステージ2の引当金は、上述のとおり、マクロ経済見通しの更新に起因して117百万ユーロ、率にして18%減少した。
ステージ3の引当金は、プライベート・バンクとインベストメント・バンクの新たな債務不履行、ならびに既存のPOCI貸出金
ポートフォリオに対する引当金の増加により、169百万ユーロ、率にして5%増加した。これは、コーポレート・バンクとキャ
ピタル・リリース・ユニットにおける減少により一部相殺されている。
当行グループのステージ3のカバレッジ比率(ステージ3の償却原価で測定される金融資産で除したステージ3の信用損失引当
金(POCIを除く。)として定義される。)は、前年度の34%から当年度において33%となった。
マクロ経済の前向きな見通しにより、信用度の変動によるステージ1からステージ2への分類は、2021年度においては前年同
期比で減少した。それに伴い、マクロ経済のパラメータが改善されたことにより、ステージ1では正味引当金費用が増加し、ス
テージ2では、2021年度通年での信用度の変動により正味引当金戻入額が増加した。
2021年度において、ステージ3への分類は2020年度に比べて減少し、そのほとんどがステージ2からの分類によるものであっ
た。この減少は、COVID-19による影響の縮小によるものであったが、2021年度にEBAによる債務不履行の新たな定義が導入され
たことによって一部相殺された。ステージ3では、2021年度の信用度の変動により、正味引当金費用が緩やかに増加している。
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前報告期間における信用損失引当金の変動
2020 年12月31日現在
3
信用損失引当金
ステージ3
4
POCI
単位:ユーロ ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
期首残高 549 492 3,015 36 4,093
新規事業および信用供与を含む金融資産の変動 -44 309 1,348 72 1,686
信用度の変動による振替 77 -125 49 N/M 0
認識中止に至らなかった変更による増減 N/M N/M N/M N/M N/M
モデルの変更 0 0 0 0 0
2
当期中に認識が中止された金融資産
0 0 -781 0 -781
償却済債権戻入額 0 0 58 0 58
為替およびその他の変動 -38 -28 -75 31 -110
期末残高 544 648 3,614 139 4,946
カントリー・リスクを除く、信用損失引当金
33 184 1,397 72 1,686
1
繰入額
1 新規事業を含む金融資産の変動、信用度の変動による振替およびモデルの変更の合計が、カントリー・リスクを除く信用損失引当金繰入額
である。
2 この項目は、信用損失引当金の信用損失償却を含んでいる。
3 信用損失引当金には、2020年12月31日現在において5百万ユーロのカントリー・リスク引当金は含まれていない。
4 報告期間中に当初認識された、購入または組成した信用減損金融資産に係る当初認識時の割引前予想信用損失の総額は、2020年度において
50百万ユーロおよび2019年度において0百万ユーロであった。
減損の対象となる償却原価で測定する金融資産に対する信用損失引当金は、主にステージ3に起因して、2020年度に853百万
ユーロ、率にして21%増加した。
ステージ1の引当金はほぼ安定しており、5百万ユーロ、率にして1%の微減であった。
ステージ2の引当金は、マクロ経済見通しの更新に起因して156百万ユーロ、率にして32%増加した。
ステージ3の引当金は、業務部門全体の新たな債務不履行と既存のPOCI貸出金ポートフォリオに対する増加により、702百万
ユーロ、率にして23%増加した。
業務部門別償却原価で測定する金融資産
2021 年12月31日現在
総帳簿価額 信用損失引当金
ステー ステー
ジ3 ジ3
ステー ステー ステー ステー ステー ステー
単位:百万ユーロ ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計 ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計
コーポレート・バ
116,332 10,165 2,113 0 128,611 56 83 901 0 1,040
ンク
インベストメン
147,177 9,783 2,487 1,264 160,711 106 78 356 182 723
ト・バンク
プライベート・バ
235,067 19,526 6,496 33 261,122 269 365 2,383 0 3,018
ンク
アセット・マネジ
2,218 58 0 0 2,276 1 1 0 0 2
メント
キャピタル・リ
2,743 210 212 0 3,165 2 1 99 0 103
リース・ユニット
コーポレートおよ
206,734 910 18 0 207,663 6 3 1 0 10
びその他
合計 710,271 40,653 11,326 1,297 763,548 440 532 3,740 182 4,895
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2020 年12月31日現在
総帳簿価額 信用損失引当金
ステー ステー
ジ3 ジ3
ステー ステー ステー ステー ステー ステー
単位:百万ユーロ ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計 ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計
コーポレート・バ
109,484 7,747 2,305 0 119,537 85 106 1,052 0 1,244
ンク
インベストメン
134,634 5,832 2,023 1,459 143,948 139 92 290 139 659
ト・バンク
プライベート・バ
216,412 21,328 5,954 270 243,964 311 446 2,098 0 2,855
ンク
アセット・マネジ
2,131 57 0 0 2,188 1 1 0 0 1
メント
キャピタル・リ
4,463 303 372 0 5,138 4 4 174 0 182
リース・ユニット
コーポレートおよ
184,816 105 1 0 184,922 5 -0 0 0 5
びその他
合計 651,941 35,372 10,655 1,729 699,697 544 648 3,614 139 4,946
産業部門別償却原価で測定する金融資産
以下の表は、当行グループの産業別の資産の質の概観を示しており、相手先のNACEコードに基づいている。NACE
(Nomenclature des Activit és É conomiques dans la Communaut é Europ éennee)は、欧州の標準的な産業分類システムである。以
下の情報は、「COVID-19のパンデミックに関する中心的な業界」の項で適用されている内部リスクに基づく観点とは必ずしも
一致しない。
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2021 年12月31日現在
総帳簿価額 信用損失引当金
ステー ステー
ジ3 ジ3
ステー ステー ステー ステー ステー ステー
単位:百万ユーロ ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計 ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計
農業、林業および
544 73 29 0 646 1 1 11 0 12
漁業
鉱業および採石 2,771 95 63 0 2,929 3 0 13 0 17
製造 31,776 3,466 957 97 36,296 24 37 481 3 543
電気、ガス、蒸気
4,414 174 117 0 4,705 2 2 41 0 45
および空調の供給
上下水道、廃棄物
処理および修復工 580 51 50 0 680 1 2 8 0 11
事
建設 3,672 375 271 128 4,446 8 5 178 -1 190
卸売および小売、
自動車および二輪 19,582 1,355 747 32 21,717 18 19 397 3 436
車の修繕
輸送、倉庫 4,513 862 378 29 5,782 12 12 72 -0 96
宿泊、食品サービ
1,356 769 122 18 2,265 1 9 62 -2 70
ス
情報および通信 6,431 257 157 16 6,860 10 4 98 0 112
金融および保険 359,874 6,711 1,756 491 368,832 94 48 322 55 519
不動産 34,827 5,339 1,115 271 41,551 16 22 97 55 190
専門的、科学およ
6,017 751 225 34 7,027 6 9 107 0 122
び技術活動
事務サポートサー
9,477 1,767 467 24 11,736 11 21 132 4 167
ビス
行政、国防および
18,174 2,073 49 0 20,295 5 11 5 0 21
社会保障
教育 190 34 5 0 228 0 1 2 0 3
健康保険サービス
および社会福祉事 3,620 331 105 0 4,056 4 6 18 0 28
業
芸術、娯楽および
690 371 11 1 1,073 2 3 3 1 8
レクリエーション
その他のサービス
8,564 920 225 140 9,850 6 12 39 49 107
業
個人事業主の活動
および自家用製
193,159 14,880 4,477 16 212,532 218 309 1,653 16 2,196
品・サービスの製
造
地域外の組織およ
40 0 1 0 41 0 0 1 0 1
び団体
合計 710,271 40,653 11,326 1,297 763,548 440 532 3,740 182 4,895
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2020 年12月31日現在
総帳簿価額 信用損失引当金
ステー ステー
ジ3 ジ3
ステー ステー ステー ステー ステー ステー
単位:百万ユーロ ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計 ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計
農業、林業および
538 69 39 0 646 1 1 12 0 14
漁業
鉱業および採石 2,808 115 162 0 3,085 4 4 98 0 106
製造 23,245 2,518 1,024 138 26,925 32 42 479 3 557
電気、ガス、蒸気
3,268 276 117 0 3,661 3 2 35 0 40
および空調の供給
上下水道、廃棄物
処理および修復工 573 52 57 0 681 1 2 9 0 12
事
建設 3,706 304 271 169 4,450 6 7 193 6 212
卸売および小売、
自動車および二輪 19,049 1,066 830 46 20,991 21 20 516 2 558
車の修繕
輸送、倉庫 4,760 710 387 12 5,869 20 18 93 0 131
宿泊、食品サービ
1,871 445 90 24 2,429 5 8 22 0 35
ス
情報および通信 5,482 207 131 0 5,820 12 5 95 0 111
金融および保険 316,950 6,336 1,159 551 324,996 88 64 285 37 474
不動産 38,993 2,089 824 293 42,200 32 22 94 42 190
専門的、科学およ
6,295 1,049 223 198 7,765 8 15 97 5 125
び技術活動
事務サポートサー
8,966 1,365 409 47 10,787 14 22 88 1 125
ビス
行政、国防および
16,648 593 229 0 17,469 8 5 11 0 24
社会保障
教育 179 23 3 0 205 0 1 1 0 2
健康保険サービス
および社会福祉事 3,104 347 15 1 3,468 4 6 8 0 17
業
芸術、娯楽および
874 79 9 1 961 3 1 3 0 8
リクリエーション
その他のサービス
10,548 823 180 215 11,766 13 12 21 40 86
業
個人事業主の活動
および自家用製
184,031 16,906 4,496 34 205,468 270 393 1,453 2 2,120
品・サービスの製
造
地域外の組織およ
52 0 1 0 53 0 0 1 0 1
び団体
合計 651,941 35,372 10,655 1,729 699,697 544 648 3,614 139 4,946
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地域別償却原価で測定する金融資産
2021 年12月31日現在
総帳簿価額 信用損失引当金
ステー ステー
ジ3 ジ3
ステー ステー ステー ステー ステー ステー
単位:百万ユーロ ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計 ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計
ドイツ 316,467 17,941 3,581 33 338,023 191 298 1,653 14 2,156
西ヨーロッパ(ド
134,187 9,224 3,652 937 148,000 134 156 1,610 150 2,050
イツを除く。)
東ヨーロッパ 6,818 494 99 0 7,412 2 4 53 0 59
北アメリカ 174,574 8,853 2,131 145 185,703 53 55 180 16 304
中央および南アメ
3,908 206 197 7 4,318 3 0 13 2 18
リカ
アジア/太平洋 58,984 2,351 1,518 137 62,990 45 8 227 2 282
アフリカ 2,081 1,319 39 0 3,439 3 11 1 0 16
その他 13,252 263 110 38 13,664 10 0 2 -2 11
合計 710,271 40,653 11,326 1,297 763,548 440 532 3,740 182 4,895
2020 年12月31日現在
総帳簿価額 信用損失引当金
ステー ステー
ジ3 ジ3
ステー ステー ステー ステー ステー ステー
単位:百万ユーロ ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計 ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計
ドイツ 294,063 17,709 3,840 270 315,884 252 356 1,438 52 2,098
西ヨーロッパ(ド
130,592 7,639 3,188 1,103 142,522 152 215 1,603 77 2,048
イツを除く。)
東ヨーロッパ 5,175 214 90 0 5,480 7 2 42 0 51
北アメリカ 144,876 6,303 2,079 105 153,362 77 57 225 7 366
中央および南アメ
3,731 146 374 7 4,258 4 4 32 0 40
リカ
アジア/太平洋 57,197 2,691 973 219 61,081 31 13 273 2 318
アフリカ 2,617 218 11 0 2,845 5 1 1 0 7
その他 13,689 453 99 24 14,265 15 1 0 -0 16
合計 651,941 35,372 10,655 1,729 699,697 544 648 3,614 139 4,946
格付区分別償却原価で測定する金融資産
2021 年12月31日現在
総帳簿価額 信用損失引当金
ステー ステー
ジ3 ジ3
ステー ステー ステー ステー ステー ステー
単位:百万ユーロ ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計 ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計
iAAA – iAA
257,805 471 0 0 258,276 2 0 0 0 2
iA 99,418 1,325 0 9 100,753 6 1 0 0 7
iBBB 163,434 3,938 0 0 167,371 39 12 0 0 51
iBB 151,290 11,898 0 0 163,188 150 71 0 0 221
iB 33,572 17,942 0 16 51,530 205 253 0 6 463
iCCC以下 4,752 5,079 11,326 1,272 22,430 39 195 3,740 177 4,151
合計 710,271 40,653 11,326 1,297 763,548 440 532 3,740 182 4,895
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2020 年12月31日現在
総帳簿価額 信用損失引当金
ステー ステー
ジ3 ジ3
ステー ステー ステー ステー ステー ステー
単位:百万ユーロ ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計 ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計
iAAA – iAA
225,216 538 0 0 225,754 1 0 0 0 1
iA 88,250 734 0 0 88,983 5 0 0 0 5
iBBB 150,519 2,662 0 0 153,181 43 9 0 0 52
iBB 147,005 11,891 0 0 158,896 202 76 0 0 279
iB 36,178 13,674 0 0 49,851 240 251 0 0 492
iCCC以下 4,774 5,874 10,655 1,729 23,032 54 310 3,614 139 4,117
合計 651,941 35,372 10,655 1,729 699,697 544 648 3,614 139 4,946
ステージ3の償却原価で測定する金融資産を有する債務者に対する追加資金の既存の貸出コミットメントは、2021年12月31日
現在では384百万ユーロ、2020年12月31日現在では446百万ユーロであった。
ステージ3の償却原価で測定する金融資産に対して保有していた担保
1
2021 年12月31日現在
2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ 総帳簿価額 担保 保証 総帳簿価額 担保 保証
償却原価で測定する金融資産(ステージ3) 11,326 4,140 496 10,655 3,753 558
1 ステージ3は、ここではPOCI以外の資産のみで構成される。
2021年度において、ステージ3の償却原価で測定する金融資産に対して保有していた担保および保証は、主にインベストメン
ト・バンクおよびプライベート・バンクに起因して、325百万ユーロ、または率にして8%増加した。
完全に担保に供されているため、ステージ3の償却原価で測定する金融資産に対する信用損失引当金を2021年度において
1,130百万ユーロ、2020年度においては625百万ユーロ計上しなかった。
償却原価で測定する条件変更資産
契約上のキャッシュ・フローが再交渉またはその他の方法で条件変更された場合に、金融資産は条件変更されたと看做され
る。再交渉または条件変更の結果、旧金融商品の認識の中止および新金融商品の認識が生じる場合と、生じない場合とがあ
る。この項では、認識の中止が生じなかった条件変更資産について記述する。
IFRS第9号において、金融資産の条件が再交渉または変更され、その条件変更により認識が中止されない場合、当初の契約上
のキャッシュ・フローと、当初の実効金利(EIR)で割引いた条件変更後のキャッシュ・フローの差額として、利得または損失
が損益計算書に認識される。条件変更された金融資産について、当該資産の信用リスクが著しく増加しているか否かの判断に
は以下の比較が反映される。
- 変更後の条件に基づく報告日現在の残存期間のデフォルト確率(PD)
- 当初認識時のデータおよび当初の契約条件に基づき見積られた残存期間のPD
以下の表は、IFRS第9号の各ステージに区分した、報告期間における償却原価で測定する条件変更金融資産の概要を示してい
る。
償却原価で測定する条件変更資産
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
ステージ ステージ
3 3
ステージ ステージ ステージ ステージ ステージ ステージ
単位:百万ユーロ 1 2 3 POCI 合計 1 2 3 POCI 合計
条件変更前の償却
0 22 17 0 40 0 81 73 0 153
原価の帳簿価額
認識された条件変
更による利得/損 -1 0 -16 0 -16 0 2 -30 0 -29
失の純額
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2021年度に、当行グループでは、大規模な顧客関連の条件変更が発生しなかったことに起因して(2020年度には発生し
た。)、償却原価で測定する条件変更資産は113百万ユーロ、率にして74%減少した。上記の表には、COVID-19に起因する条件
変更は含まれていない。COVID-19に関連する条件変更の詳細については、「COVID-19のパンデミックを背景とした法的・非法
的支払猶予および公的保証スキーム」の項を参照のこと。
2021年度において、当行グループでは、ステージ1に改善した条件変更資産はなかった。その後ステージ2およびステージ3へ
再度悪化した資産も発生しなかった。
2020年度において、当行グループでは、ステージ1に改善した条件変更資産の額に重要性はなかった。その後ステージ2およ
びステージ3へ再度悪化した資産も発生しなかった。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
減損会計の対象となる、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値(FVOCI)は、2020年12月31日現
在では560億ユーロであったのに対し、2021年12月31日現在、290億ユーロとなった。当該資産に係る信用損失引当金は、非常
に低い水準を維持した(2021年12月31日現在は41百万ユーロであり、2020年12月31日現在は20百万ユーロ)。重要性がないこ
とを鑑み、FVOCIの金融資産に関する更なる詳細は開示していない。
オフバランスの貸出コミットメントおよび保証業務
下記の表は、IFRS第9号の要件に従い、当行グループのオフバランスの金融資産をステージ別に区分し、それぞれの想定元本
および信用損失引当金の概要を示したものである。
当報告期間における想定元本の変動
2021 年12月31日現在
想定元本
ステージ3
単位:百万ユーロ ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
期首残高 251,545 8,723 2,587 1 262,856
新規事業を含む変動 11,197 3,236 -273 10 14,170
信用度の変動による振替 -2,177 2,019 158 0 0
モデルの変更 0 0 0 0 0
為替およびその他の変動 8,292 521 110 0 8,923
期末残高 268,857 14,498 2,582 11 285,948
そのうち:金融保証 55,477 2,975 1,036 0 59,488
前報告期間における想定元本の変動
2020 年12月31日現在
想定元本
ステージ3
単位:百万ユーロ ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
期首残高 251,930 5,864 1,424 0 259,218
新規事業を含む変動 16,918 -2,786 126 1 14,259
信用度の変動による振替 -7,247 6,101 1,146 0 0
モデルの変更 0 0 0 0 0
為替およびその他の変動 -10,056 -455 -110 0 -10,622
期末残高 251,545 8,723 2,587 1 262,856
そのうち:金融保証 45,064 1,887 1,031 0 47,982
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当報告期間における信用損失引当金の変動
2021 年12月31日現在
2
信用損失引当金
ステージ3
単位:百万ユーロ ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
期首残高 144 74 200 0 419
新規事業を含む変動 -43 38 18 0 13
信用度の変動による振替 3 -5 2 0 0
モデルの変更 0 0 0 0 0
為替およびその他の変動 3 3 6 0 12
期末残高 108 111 225 0 443
そのうち:金融保証 69 64 164 0 297
カントリー・リスクを除く、信用損失引当金
-40 33 19 0 13
1
繰入額
1 上表は、新規事業を含む金融資産の変動、信用度の変動による振替およびモデルの変更が信用損失引当金繰入額に及ぼす影響の内訳を示し
ている。
2 信用損失引当 金には、2021年12月31日現在において6百万ユーロのカントリー・リスク引当金は含まれていない。
前報告期間における信用損失引当金の変動
2020 年12月31日現在
2
信用損失引当金
ステージ3
単位:百万ユーロ ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
期首残高 128 48 166 0 342
新規事業を含む変動 13 21 41 0 75
信用力の変化による振替 0 0 -1 0 0
モデルの変更 0 0 0 0 0
外国為替その他の変動 3 4 -6 0 1
期末残高 144 74 200 0 419
そのうち:金融保証 99 43 115 0 257
カントリー・リスクを除く、信用損失引当金
13 22 40 0 75
1
繰入額
1 上表は、新規事業を含む金融資産の変動、信用度の変動による振替およびモデルの変更が信用損失引当金繰入額に及ぼす影響の内訳を示し
ている。
2 信用損失引当金には、2020年12月31日現在において4百万ユーロのカントリー・リスク引当金は含まれていない。
法的請求
執行請求の対象資産は、全額または一部が償却された資産であり、当行グループが引き続き当該資産について回収努力を
行っているものから構成される。このような執行請求には、例えば、当行が引き続きリソース(当行グループの法務部門/CRM
ワークアウト・ユニット等)を法的手段または外部の回収機関を通じた回収のために投入している場合が含まれる。また、執
行請求には、金額の回収見込みおよび回収の時間枠に関わらず、当行が残高および未決済の法的請求権を保持している場合も
該当する。特定の法域によっては、回収案件が数年に及ぶことが一般的である場合もある。
報告期間中に償却され、依然として執行請求の対象である金融資産の残高は、2021年度において、主にコーポレート・バン
ク、インベストメント・バンクおよびプライベート・バンクにおける234百万ユーロとなった。2020年度において、法的請求は
295百万ユーロとなり、主にコーポレート・バンク、インベストメント・バンクおよびプライベート・バンクに関連するもので
あった。』
償却原価で測定する再交渉された資産および支払猶予資産
経済的または法的理由により、当行グループは、財政的困難に直面する、または直面する可能性のある借手との間に支払猶
予合意を締結し、一定期間に限って契約上の債務を緩和する場合がある。当行グループの法人顧客に関しては、各取引および
顧客特有の事実および状況を考慮の上、個別のアプローチが適用される。消費者貸出金に関しては、当行グループは一定期間
に限って支払猶予を提供し、残高の全部もしくは一部または将来の割賦払いの支払を後の時点まで猶予する。しかし、当該期
間中に支払われない金額(経過利息を含む。)は、後の時点で埋め合わせされなければならない。返済オプションには、残存
期間にわたる分割、一括払いまたは期日延長が含まれる。支払猶予は制限されており、顧客の経済状況、当行グループのリス
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ク管理戦略および現地の法律に依存する。支払猶予合意が締結された場合には、以下に記載する減損の測定が実施され、必要
な場合には減損損失が計上され、対象貸出金はその後減損債権として計上される。
償却原価で測定する支払猶予資産の管理および報告において、当行グループはEBAによる支払猶予および不良債権の定義(規
制(EU)第575/2013号第99条(4)に基づく、支払猶予および不履行エクスポージャーに関する監督報告についての実施技術基準
(ITS)に従っている。当行グループは、資産がITSに記載された条件を満たした時点で支払を猶予されたものとして報告し、
ITSの停止要件を満たした時点で支払猶予資産の報告から除外している(すなわち、契約は履行中と見なされ、最低2年間の猶
予期間が経過しており、猶予期間の少なくとも半分の期間にわたって総額として重要でない元本または利息を定期的に支払っ
ており、猶予期間の終了時に債務者へのエクスポージャーのいずれも30日以上経過していない。)。
2020年に、COVID-19のパンデミックの結果として供与された条件緩和措置が上記の規制に追加された。これらの措置は、EBA
ガイダンスに準拠したステージ移行を通常は引き起こさない場合でも、以下の表に含まれている。対照的に、COVID-19関連の
支払猶予は以下の表と関連性がない。詳細については、「COVID-19のパンデミックを背景とした法的・非法的支払猶予および
公的保証スキーム」の項を参照のこと。
償却原価で測定する支払猶予金融資産
2021 年12月31日現在
償却原価で測定
する支払猶予
履行 不履行 貸出金合計
単位:百万ユーロ ステージ1 ステージ2 ステージ1 ステージ2 ステージ3
ドイツ 690 1,903 0 17 1,056 3,665
ドイツ以外 2,478 3,489 135 25 3,949 10,076
合計 3,168 5,391 135 42 5,004 13,741
2020 年12月31日現在
償却原価で測定
する支払猶予
履行 不履行 貸出金合計
単位:百万ユーロ ステージ1 ステージ2 ステージ1 ステージ2 ステージ3
ドイツ 1,014 1,404 2 18 1,297 3,735
ドイツ以外 4,515 2,388 10 35 2,775 9,723
合計 5,529 3,792 12 53 4,072 13,459
償却原価で測定する支払猶予金融資産の変動
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
期首残高 13,459 4,796
期中に支払猶予貸出金に分類されたもの 4,945 10,141
期中に非支払猶予貸出金に振り替えられたもの(返済を含む。) -4,934 -1,371
信用損失償却 -43 -35
為替レートおよびその他の変動 313 -72
期末残高 13,741 13,459
償却原価で測定する支払猶予資産は、2021年度において、282百万ユーロ、率にして2%の微増であった。
償却原価で測定する支払猶予資産は、2020年度において87億ユーロ増加した。これは主に、COVID-19のパンデミックの結果
として供与された条件緩和措置が含まれているためである。
償却原価で測定する支払猶予資産は、2019年度において、45百万ユーロ、率にして1%の微減であった。
『
取得した担保
当行グループは、受入担保の所有権を得るか、または他の信用補完を要求するといういずれかの場合にのみ、担保を取得し
貸借対照表上に計上している。取得した担保は、秩序ある方法によりまたは公売を通じて売却可能となり、かかる受取金は未
返済債務の返済または削減に充てられる。当行グループは通常、取得した物件を当行グループの事業の用途に供することはな
い。2020年度に取得した住宅用不動産担保は、主に当行グループのスペインのエクスポージャーに関連している。
報告期間中に取得した担保
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2
2020 年度
単位:百万ユーロ 2021 年度
商業用不動産 0 15
1
住宅用不動産
2 43
その他 0 3
報告期間中に取得した担保合計 2 60
1 担保権が実行された住宅用不動産の帳簿価額は、2021年12月31日現在で67百万ユーロおよび2020年12月31日現在で89百万ユーロ(数値は前
年度の開示額から修正再表示されている。)であった。
2 数値は前年度の開示額から修正再表示されている。
上記の表に示された、取得した担保は、IFRS第10号に基づき証券化信託を連結した結果計上された担保を除いている。当行
グループはこれらの信託に対して2021年度において46百万ユーロ、2020年度においては54百万ユーロの担保を取得した。』
デリバティブ-信用評価調整
当行グループは、予想される信用損失をカバーするために、OTCデリバティブ取引に関する相手先の信用評価調整(CVA)を
設定している。調整金額は、保有担保、関連するネッティング契約の影響、予想デフォルト時損失率および利用可能な市場情
報(CDSスプレッドを含む。)に基づく信用リスクを考慮しながら、特定の相手先に対する潜在的信用エクスポージャーを評価
することにより決定される。
デリバティブでの債務不履行の場合の取扱い
標準的な貸出金資産の場合とは異なり、当行グループでは通常、現時点での再調達原価の動向や相手先の行為によって、当
該取引に基づく将来の支払義務が不履行となるリスクの存在が示唆された場合に、当行グループのデリバティブ取引の信用リ
スクを管理するための、より多くの選択肢を有している。これらの状況の下、当行グループでは多くの場合、関連するデリバ
ティブ契約に基づいて、追加担保の確保や、直前の通知によるデリバティブ取引の終了または清算が可能である。
顧客との間のOTCデリバティブ取引のマスター・アグリーメントおよび関連する担保契約により、通常、当行グループの信用
エクスポージャーの大部分は担保によって保証される。また、それらの契約には広範な標準的または特定の終了権も規定され
ており、これにより、当行グループは相手先の債務不履行や不履行リスクが高いことを示唆するその他の状況に迅速に対応で
きる。
当行グループの契約終了権は、相手先の債務不履行の可能性の適時な識別と対応を確実に行うための役割および責任を明確
に記載した内部の方針および手続により定められている。これらの手続には必要な清算およびトレーディング規制が含まれて
いる。デリバティブ取引の終了を決定した結果、相手先に差額債務が残った場合、当行グループでは当該債務をデリバティブ
以外の債権に組み直し、通常の特別債権管理プロセスを通じてこれを管理する。このため、会計目的上、当行グループには通
常、不履行のデリバティブは表示されない。
誤方向リスクは、相手先に対するエクスポージャーが当該相手先の信用の質と負の相関関係にある場合に発生する。CRR第
291条(2)および(4)に従って、当行グループは、いくつかの誤方向リスク階層(特定の誤方向リスクおよび国/産業/地域レベ
ルで一般的に明示的な誤方向リスクならびに一般的な潜在的誤方向リスク)を監視するための月次のプロセスを有しており、
当該プロセスによって誤方向リスクにさらされる取引により発生する関連エクスポージャーが自動的に選択され、責任ある与
信業務担当者にコメントを求めるために提示される。その後、誤方向リスク報告書は月次で信用リスク上級管理職に提出され
る。さらに、当行グループは、当行グループ自身のアルファ係数(CRR第284条(9)の定義による。)を調整するための確立され
たプロセスを利用して、当行グループのデリバティブおよび証券金融取引ポートフォリオにおける全体的な誤方向リスクを見
積っている。プライベート・バンク(ドイツ)のデリバティブのカウンターパーティ・リスクは、当行グループにとって重要
性はなく、保有担保は通常、現金の形態である。
『
信用リスクの管理および軽減
相手先レベルでの信用リスクの管理
信用関連の相手先は主に、与信チーム内の信用責任者に割り当てられる。与信チームは、相手先の種類(金融機関、会社ま
たは個人等)または経済圏(例えば、新興市場)に応じて構成されており、必要に応じて専門の格付アナリスト・チームの支
援を受ける。各信用責任者は、これらの相手先および当該相手先に関連する信用関連取引に係る信用リスクを管理するため
の、適切な専門知識および経験を有している。リテール顧客については、与信意思決定および信用監視は、効率性のため高度
に自動化されている。信用リスク管理部は、これらの高度に自動化されたリテール与信プロセスにおいて使用される各プロセ
スおよび手法を全面的に監視する。各信用責任者は、割り当てられた相手先のポートフォリオについて、継続的な信用監視を
実施する責任を負う。当行グループはまた、損失リスクが増加している可能性のある信用エクスポージャーを初期段階で識別
することを目的とした手続を整備している。
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債務不履行損失のリスクの高まりを呈する程度まで信用の質が低下したかまたは低下しそうな懸念のある相手先を識別した
場合は通常、それぞれのエクスポージャーを要注意リストに記載する。当行グループは、信用エクスポージャーを効果的に管
理 し潜在的損失を最小化するために、リスク管理手法の適用により、問題の起こる可能性が示された相手先を十分前もって識
別することを目標としている。この早期警戒システムの目的は、行動のための十分な選択肢があるうちに、潜在的な問題に対
処することである。この早期のリスク発見は当行グループの与信カルチャーの基本理念であり、このようなエクスポージャー
に対する注意を確実に強化することを意図したものである。
与信限度枠は、信用リスク管理機能が委譲された与信権限を行使することで設定される。これは、リスク選好を考慮に入
れ、対象の相手先の予想される決済のパターンを反映する方法で、信用リスク管理が事前に承認した限度枠内でなければなら
ない決済リスクに関しても同様である。与信承認は、各与信権限保有者による与信報告書への署名をもって文書化され、将来
の参考のために保管される。
与信権限は通常、各人の専門的資格、経験および研修度合いに応じて、個人の与信権限として各人に委譲される。委譲され
た与信権限はすべて、それらが権限保有者の個々の実績に照らして相応であることの確保を支援するために、定期的にレ
ビューされる。
各個人の与信権限が必要な与信限度枠を設定するのに不十分である場合、対象取引は、より上位の与信権限保有者に委ねら
れるか、必要に応じて適切な与信委員会に委ねられる。個人および委員会の権限が適切な限度枠を設定するのに不十分である
場合、当件の承認は取締役会に委ねられる。
相手先レベルでの信用リスクの軽減
相手先の信用の質および当行グループのリスク選好の決定に加えて、当行グループはまた、信用エクスポージャーを最適化
し、潜在的な信用損失を減少させるために、様々な信用リスク軽減技法を使用する。信用リスクの軽減は次の形態で適用され
る。
- 適切な条件が付された、包括的かつ法的強制力のある与信文書。
- 債務の回収を増加させることで損失を減少させる様々な形式の担保。担保管理の主要な原則には、法的効力および強制
力、慎重かつ現実的な担保評価、リスクと規制上の自己資本の削減、コストの効率性が含まれる。
- 当行グループの戦略的法人貸出(SCL)によって実行されるヘッジを含む、債務者の債務不履行リスクを第三者に対し移転
するリスクの移転。証券化といったリスク圧縮ツールを利用する可能性もある。
- デリバティブおよび証券金融取引(レポ取引等)からの信用エクスポージャーを減少させるネッティングおよび担保契
約。
- 主にカウンターパーティ・ポートフォリオ管理デスクを通じたCDS契約を用いた、CVAを含むデリバティブのカウンター
パーティ・リスクのヘッジ。
担保
当行グループは、信用リスクにさらされる顧客から担保を受け取ること、または法的効力および強制力のある契約により合
意された第三者により担保を提供されることについて定期的に合意しており、理由を付した書面による法的意見により文書化
されている。担保とは、譲渡もしくは差入資産(資金提供)または第三者の債務の形(非資金提供)での信用プロテクション
であり、相手先の債務不履行リスクの代わりとなるか、または債務不履行の際の回収を改善させることにより、エクスポー
ジャーの信用損失に係る固有のリスクを軽減する働きをする。当行グループは通常、各事業にとって価値があり、かつ適格と
認められるあらゆる種類の担保を対象としているが、特定の事業または地域においては、それぞれの市場の慣習に従い、また
は効率性の観点から、担保の種類を制限することがある。担保は、返済のための代替的資金源とはなり得るが、質の高い引受
基準や、CRR第194条(9)に従った相手先の債務返済能力の十分な評価の必要性に取って代わるものではない。
当行グループは受入担保を以下の2種類に分類している。
- 金融およびその他の担保は、相手先がその第一義的な債務を履行する能力がないか、または履行する意思のない場合に、
差入担保資産を清算することにより、当行グループがエクスポージャー残高の全部または一部を回収することを可能にす
る。現金担保、有価証券(株式、債券)、他の請求権またはトレーディング在庫の差入または譲渡担保、動産(例えば、
工場、機械、船舶および航空機)および不動産が通常この範疇に入る。すべての金融担保は、それぞれの信用エクスポー
ジャーに対して定期的に(多くの場合は毎日)再評価され、測定される。不動産を含むその他の担保の価値は、内部およ
び/または外部の専門家による定期的なレビューまたは再評価を含む確立されたプロセスに基づいて監視される。
- 保証担保は、法的契約に基づく債務を履行する相手先の能力を補完するものであり、このため相関関係にない第三者によ
り提供される。信用状、保険契約、輸出信用保険、保証、クレジット・デリバティブおよびリスク・パーティシペーショ
ンが通常この範疇に入る。相関関係にある顧客のグループメンバー(通常、親会社)が提供する保証やハードコンフォー
トレターも認められ、承認された格付スコアカードにおいてリスク移転に使用される。保証人の投資不適格債格付の保証
担保は限定されている。
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当行グループのプロセスは、当行グループがリスク軽減の目的で受け入れる担保が高品質であることの確保を目指してい
る。これには通常、実現可能および測定可能な担保資産に関する法的効力および強制力のある文書整備のためのプロセスが含
まれ、受入プロセスにおいて社内の専門鑑定人、適切な資格、スキルおよび経験を有する社内の専門チーム、または規制上の
プ ロセスで義務付けられる適切な外部鑑定人によって評価される。適用される評価は、一般に認められた評価手法またはモデ
ルに従う。担保の種類に固有の適切な頻度で、また、関連するリスク・パラメータを考慮して、事象に応じたレビューによ
り、価値の継続的な正確性がモニターされている。価値の毀損の可能性が高いかつ重要性がある場合には再評価が行われ、そ
れに応じてその後のモニタリングが調整される可能性がある。特定の取引に関する担保の適切性の評価は、与信意思決定の一
部であり、適用される担保のヘアカット含めて保守的に実施されなければならない。当行グループは、担保の種類に特有のヘ
アカットを設定しており、これは定期的にレビューおよび承認される。この点において当行グループは、相手先のリスクが担
保価値の悪化リスクと正に相関する「誤方向」リスクの特性を回避するよう努めている。保証担保については、保証人の信用
度の分析プロセスが、相手先に関する与信評価プロセスとリンクされている。
担保の評価は、清算シナリオの下で検討される。清算価値は、担保の慎重な準備と秩序ある清算を通じて公正な価格を得る
という基本ケースのシナリオにおける、担保の貨幣化または実現化による期待収益に等しい。担保は、時間の経過とともに価
値が変動する(動的価値)か、そうでない(静的価値)かのいずれかである。動的な清算価値には通常、流動性や市場性の側
面に対応するための、実現可能価額に対するセーフティ・マージンやヘアカットが考慮される。
当行グループは、特に下記の事項に基づき、適格担保に清算価値を割り当てている。
- 出発点としての担保の市場価値、および/または貸出価額、想定元本または額面価額。
- 担保の種類:担保付エクスポージャーの通貨と担保の通貨のミスマッチ(もしあれば)、満期のミスマッチ(もしあれ
ば)。
- 適用される法的環境または法域(オンショア担保対オフショア担保)。
- 合意された終了条項に関連する市場の流動性およびボラティリティ。
- 借手の株式または有価証券を担保に供した場合(この場合は一般に、完全な相関関係があることから清算価値はゼロであ
る。)等、借手のパフォーマンスと担保価値との間の相関関係。
- 物的担保の質、および訴訟リスクや環境リスクの発生可能性。
- 関連する方針により規定されている、回収リスク(すなわち、平均清算期間における価格リスク、ならびに処理/利用/
販売に係るコスト)を反映した、担保の種類ごとに決められたヘアカット(0~100%)。
担保のヘアカットの設定は通常、利用可能な過去の内部および/または外部の回収データ(適切な場合には、専門家の意見
も利用可能である。)に基づいている。当該設定は、リスク管理部の専門家から提供される回収および評価に関する予測とい
う形で、将来的な要素も組み込んでいる。異なる種類の担保の清算から予想される収益を考慮すると、それぞれの価値変動、
市場特有の清算コストおよび期間、ならびに適用されるヘアカットは、0~100%の間で変動する。データが十分に入手できな
い、または決定的でない場合は、通常よりも保守的なヘアカットを適用しなければならない。ヘアカットの設定は、少なくと
も毎年見直される。』
リスクの移転
第三者に対するリスクの移転は、当行グループの総合的リスク管理プロセスの重要な一部を形成し、完全な売却、シング
ル・ネームおよびポートフォリオのヘッジならびに証券化を含む様々な形式で行われる。リスクの移転は、個別に承認された
職務に従って、それぞれの業務ユニットおよび当行グループの戦略的法人貸出(以下「SCL」という。)によって行われる。
SCLは、CBおよびIB部門全体の機関および法人の信用ポートフォリオ、レバレッジド・ポートフォリオおよびドイツ中小企業
ポートフォリオの貸出金および貸出関連コミットメントの残余信用リスクを管理している。
集中的価格照会サービスとして、SCLは業務に対し、貸出申込のための観察または算出された資本市場相場を提供する。しか
しながら、その業務がその信用リスクを締結できるか否かの決定は依然として信用リスク管理部が一手に行う。
SCLは、リスク管理規律を強化し、リターンを改善し、より効率的に資本を使用するために、信用リスクのフレームワークの
中で2つの主要な目的に集中している。
- 信用ポートフォリオ内のシングル・ネームに対する信用リスクの集中を減少させる。
- 債権売却、ローン担保証券による証券化、債務不履行保険担保ならびにシングル・ネームおよびポートフォリオのクレ
ジット・デフォルト・スワップを含む技法を利用することにより信用エクスポージャーを管理する。
デリバティブおよび証券金融取引のネッティングおよび担保契約
ネッティングは、取引所で取引されるデリバティブとOTCデリバティブ取引の双方に適用される。ネッティングはまた、リス
ク軽減に関する文書、仕組みおよび性質により基礎となる信用リスクとのネッティングが認められる範囲で、適用法および当
行の金融契約ネッティング・担保に係る法的な方針および手続(以下総称して「ネッティング方針」という。)に従って、証
券金融取引(レポ取引、有価証券貸付取引および信用貸借取引等)にも適用される。
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取引所で取引されるデリバティブはすべて、中央清算機関(CCP)を通じて清算される。当該機関は、取引を行う各事業体の
間に入り、各事業体の相手先となる。法的に要求されている場合、または利用可能な場合、および相手先と合意した範囲で、
当 行グループはCCPクリアリングを当行グループのOTCデリバティブ取引にも利用する。
ドッド=フランク法および関連する米国先物商品取引員会(CFTC)の規則は、特定の相手先と取引する場合の限定的な例外
はあるものの、一定の標準化されたOTCデリバティブ取引(特定の金利スワップおよびインデックス・クレジット・デフォル
ト・スワップを含む。)に関する米国での強制的なCCPクリアリングを要求している。OTCデリバティブ、中央清算機関および
取引情報蓄積機関に関する欧州規則(EU)第648/2012号(EMIR)、ならびに当該規則に基づく委員会委任規則(EU)第2015/2205
号、(EU)第2015/592号および(EU)第2016/1178号は、特定の標準化されたOTCデリバティブ取引に関するEU圏内での強制的なCCP
クリアリングを導入した。EU圏内での強制的なCCPクリアリングは、一定の金利デリバティブについては2016年6月21日に、特
定のiTraxxベースのクレジット・デリバティブおよび追加金利デリバティブについては2017年2月9日に開始した。EMIRの第4条
(2)により、管轄当局にはグループ内取引について強制的なCCPクリアリングを免除する権限があるが、これは、グループ内取
引の完全連結や、適切な一元的リスク評価、測定および統制の手続の適用といった特定の要件が満たされている場合に限る。
当行は、Deutsche Bank Securities Inc.およびDeutsche Bank Luxembourg S.A.を含む複数の規制上の連結子会社について、グ
ループ内デリバティブに関するクリアリングの免除を認められており、これを利用することができる。当行は2021年12月31日
現在、グループ内における57の二者間の関係に関して、EMIRのクリアリング義務のグループ内免除を認められている。クリア
リング義務の対象となる関連取引タイプにすべてのエンティティが参加するわけではないため、免除の範囲は異なる。57の二
者間の関係のうち、14の関係は両エンティティとも完全免除が認められている欧州連合(EU)で設立されており、43の関係は
片方のエンティティが第三国で設立されている(以下「第三国関係」という。)。第三国関係では、クリアリング義務の対象
となる新しい資産クラスごとに繰り返し適用することが要求され、このプロセスは2017年度中に実施された。こうした繰り返
しの適用は、当時、39の第三国関係について提出されたが、うち複数のエンティティは既に清算された。「ブレグジット」に
伴い、一部のエンティティの地位がEUのエンティティから第三国のエンティティへと変更されている。英国の2つのエンティ
ティが影響を受けるが、これらのエンティティについてはEMIRのクリアリング義務の免除は申請していなかった。
CCPの規則および規制では通常、同日同通貨払いのすべての金額に関する二者間の相殺(以下「ペイメント・ネッティング」
という。)を規定しており、それにより当行グループの決済リスクが削減される。CCPが適用するビジネス・モデルに応じて、
このペイメント・ネッティングは、CCPによって清算される当行グループのデリバティブのすべてに対してか、または少なくと
も同じクラスを成すデリバティブに対して適用される。CCPの規則および規制の多くは、CCPの債務不履行時における清算され
たすべての取引の終了、クローズ・アウトおよびネッティング(以下「クローズ・アウト・ネッティング」という。)も規定
しており、それにより当行グループの信用リスクが削減される。リスク測定およびリスク評価のプロセスにおいて、当行グ
ループは、関連するCCPのクローズ・アウト・ネッティング規定が法的に妥当であり強制力があり、当行のネッティング方針に
従って承認されたと当行グループが確信する範囲においてのみ、クローズ・アウト・ネッティングを適用する。
『
CCPクリアリングが利用できない場合、OTCデリバティブ取引から生じる信用リスクを削減するために、当行グループは相手
先と標準的なマスター・アグリーメント(国際スワップおよびデリバティブ協会(ISDA)によって発行されたデリバティブ用
マスター・アグリーメントやドイツの金融デリバティブ取引に関するマスター・アグリーメント等)を締結することを定期的
に模索している。マスター・アグリーメントは、相手先の債務不履行時に、マスター・アグリーメントの下に締結されたデリ
バティブ取引から生じる権利と義務のクローズ・アウト・ネッティングを可能とし、当該相手先に対する純債権または純債務
に一本化する。ペイメント・ネッティングは随時、当行グループの決済リスクを軽減できるマスター・アグリーメントの条件
に基づき、同一の支払日を有する複数の取引(外国為替取引等)について、相手先と合意される場合がある。リスク測定およ
びリスク評価のプロセスにおいて、当行グループは、すべての関連法域でマスター・アグリーメントが法的に妥当であり強制
力があり、クローズ・アウト・ネッティングが当行のネッティング方針に従って承認されていると当行グループが判断する範
囲においてのみ、クローズ・アウト・ネッティングを適用する。
当行グループはさらに、マスター・アグリーメントの付随契約として信用補充条項(credit support annexes)(CSA)を締
結することで、デリバティブ関連信用リスクを一層削減している。これらの条項では通常、対象エクスポージャーの定期的
(通常は毎日)な証拠金授受を通じてのリスク軽減を規定している。CSAではまた、相手先が証拠金請求に応じられなかった場
合に関連するデリバティブ取引を終了させる権利を規定している。ネッティングと同様に、当行グループが当該条項に強制力
があると考える場合、これをエクスポージャー測定に反映する。』
マスター・アグリーメントの付随契約としてのCSAの一部においては、格付トリガーが規定されており、当事者の格付が引き
下げられた場合には追加担保の差入れが要求される。当行グループはさらに、当事者の格下げ時における追加的な契約終了事
象を規定したマスター・アグリーメントも締結している。CSAおよびマスター・アグリーメントにおけるこれらの格下げ規定
は、通常は両当事者に対して適用されるが、当行グループのみに適用されるアグリーメントもある。当行グループは、格下げ
に伴う当行の潜在的な偶発的支払債務につき、流動性リスクに関するストレス・テストおよび流動性カバレッジ比率のアプ
ローチにおいて継続的に分析および監視している。当行グループの信用格下げによる定量的影響の評価については、「流動性
リスク」の項の「ストレス・テストの結果」の表を参照のこと。
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ドッド=フランク法およびそれに基づくCFTCの規則(CFTC規則第23.504段落を含む。)、ならびにEMIRおよびそれに基づく
委員会委任規則(すなわち、委員会委任規則(EU)第2016/2251号)は、マスター・アグリーメントおよび関連するCSAの強制使
用 を導入し、クリアリングされていないOTCデリバティブ取引の締結前または締結と同時にこれらの実行を義務付けた。また、
特定の文書化は、米国の自主規制機関が採用する米国の証拠金規制により義務付けられている。米国の自主規制機関による証
拠金規制により、当行グループは、他のデリバティブ・ディーラー、ならびに(a)米国の証拠金規制で定義されている「財務情
報のエンドユーザー」であり、かつ(b)クリアリングされていないスワップ、クリアリングされていない証券派生スワップ、外
国為替予約および外国為替スワップの前歴年の6月、7月および8月における日次平均名目金額総額が80億米ドルを超える当行グ
ループの相手先に対し、当行グループのデリバティブ・エクスポージャーに関して当初証拠金を差入れ、回収することを要求
されている。米国の証拠金規制はまた、上記に該当しないデリバティブ・ディーラーおよび特定の財務情報のエンドユーザー
である相手先に対しても、当行グループのデリバティブに関して変動証拠金を差入れ、回収することを要求している。これら
の証拠金規制には、当初証拠金に関して50百万米ドルの限界値が設けられており(ただし、変動証拠金に関する限界値は設け
られていない。)、最低振替額は両証拠金を合わせて500,000米ドルである。米国の証拠金規制は大手銀行に対して2016年9月
から、また変動証拠金に関する追加要件は2017年3月1日に発効しており、当初証拠金に関する追加要件は2017年9月から2022年
9月まで段階的に発効している。
EMIRの証拠金規制を実施する委員会委任規則(EU)第2016/2251号に基づき、CSAでは、限界値をゼロ、最低振替額を500,000
ユーロ以内として、日次評価および日次の変動証拠金の授受を規定しなければならない。80億ユーロを超える大きなデリバ
ティブ・エクスポージャーの場合は、当初証拠金も差入れなければならない。EMIRにおける変動証拠金に関する要件は2017年3
月1日付けで発効しているが、当初証拠金に関する要件は当初2021年9月1日までに段階的に導入される予定であった。しかしな
がら、とりわけ、期限を2022年まで延長する法改正が2021年2月17日に公表されている。委員会委任規則(EU)第2016/2251号の
第31条に基づき、一定の要件が満たされている場合、EU加盟国は、一部のネッティング適用外の法域における相手先とは証拠
金の交換を行わないことを決定することができる。EMIRの第11条(5)から(10)に基づき、管轄当局は、特定の要件が満たされて
いる場合にグループ内取引について証拠金授受の義務を免除する権限を有する。これらの要件の一部はEMIRのクリアリングの
免除(上記参照)と同じ内容であるものの、グループ会社同士の資金の即時振替または負債の返済に関して現行の、または予
見される実務上の規制や法的規制がない場合等、追加的な要件も含まれている。当行は、この免除規定を利用している。当行
は、Deutsche Bank Securities Inc.およびDeutsche Bank Luxembourg S.A.を含む一部の規制上の連結子会社について、グループ
内デリバティブに関する担保の免除を申請し、認められた。当行は2021年12月31日現在、https://www.db.com/legal-
resources/european-market-infrastructure-regulation/intra-group-exemptions-marginingにおいて公表されている、グ
ループ内における多数の二者間の関係に関して、EMIRの担保設定義務のグループ内免除を認められている。第三国の子会社に
ついては、グループ内免除は現在のところ、2022年6月30日か、EMIRの第13条(2)に基づくEU委員会による同等の決定の公表か
ら4ヶ月後のいずれか早い方までに限定されている。ただし、同等の決定が適用可能な場合に追跡免除アプリケーションが作成
され、供与される場合はこの限りではない。当行グループはグループ内証拠金に備えており、管轄当局によってグループ内免
除が正式に撤回された時点で担保交換を実施する。いくつかの二者間の関係については、EMIRの第11条(5)に基づくEMIRの証拠
金の免除を適用することができる。すなわち、両エンティティが同じEU加盟国において設立されているため、申請を必要とし
ない。
『
信用リスク軽減内における集中
実施された信用リスク軽減内における集中は、類似する経済特性を備えた多数の保証人およびクレジット・デリバティブの
提供者が同等の業務に従事し、経済または業界の状況変化が当該保証人および提供者の契約上の債務を満たす能力に影響を及
ぼす場合に発生する可能性がある。集中リスクは、担保ポートフォリオ(第三者に対する複数の請求権や債権等)においても
発生する可能性があり、それらは、適切な場合、評価プロセスおよび/または立入検査の中で保守的に考慮される。当行グ
ループは、様々な手法および測定基準を使用して、当行グループの信用リスク軽減活動および関連する集中を監視してい
る。』
信用リスク軽減の適用および潜在的な集中の影響に関連した定性的および定量的詳細については、「最大信用リスク・エク
スポージャー」の項を参照のこと。
『
ポートフォリオ・レベルでの信用リスクの管理
エンタープライズ・リスクおよび信用リスク・ポートフォリオ管理(ER & CR PM)は、ポートフォリオ・レベルで集中リスク
を管理するための枠組みを定めている。これには、与信承認の文脈で考慮する必要のある、グループ、部門、業務ユニット、
法人、支店、資産クラス、国、産業レベルといった様々な側面において、信用リスク選好度を戦略的に設定、モニタリング、
レビューすることが含まれる。さらに、ER & CR PMは、リスク種別にみた当行のリスク・プロファイルについて包括的かつ全体
的な概観を示している。
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ポートフォリオ・レベルでは、信用リスクの著しい集中は、類似する経済特性を備えた、または同等の業務に従事する多数
の相手先に対する重要なエクスポージャーを有することから生じる可能性がある。すなわち、これらの類似性により、契約上
の 債務を満たす能力が、経済または業界の状況変化から同様の影響を受ける可能性がある。
当行グループのポートフォリオ管理のフレームワークは、集中を許容範囲内に維持するために、当行グループの信用リス
ク・ポートフォリオ内における集中の包括的な評価を支援する。
業界リスク管理
業界リスクを管理するため、当行グループは会社および金融機関の相手先を様々な業界別サブ・ポートフォリオにグループ
分けしている。ポートフォリオについては、ポートフォリオの規模、リスク・プロファイルおよびリスクの進展に応じて定期
的にレビューを行っている。より大きな/よりリスクの高いポートフォリオは、少なくとも年に1回レビューされる。このレ
ビューでは、業界動向および当行グループの信用ポートフォリオに対するリスクを強調し、クロス・リスクの集中リスクをレ
ビューし、ポートフォリオのリスク/経済価値プロファイルを分析し、景気悪化の場合のストレス・テストの結果を組み込
む。最後に、この分析は、対象とするポートフォリオに関する与信戦略を定めるために使用される。
当行グループの業界限度枠のフレームワークでは、各業界のサブ・ポートフォリオ内の相手先に対する与信限度総額の限界
値が設定されている。リスク管理の目的上、産業部門全体の限度総額は、本報告書の他の場所で適用されているNACE
(Nomenclature des Activities Economiques dans la Communate Europeenne)コードに基づく観点とは必ずしも一致しない。最
近の動向を議論し必要な場合の対応に合意するため、エンタープライズ・リスク委員会のために定期的な概略が作成される。
信用リスク以外では、当行グループの業界リスク・フレームワークは、トレーディング可能な信用ポジションに係る限界値
から構成され、重要な非金融リスクは注意深く監視されている。
カントリー・リスク管理
地域の観点からの過度の集中を回避することもまた、当行グループの信用リスク管理フレームワークの不可欠な一部であ
る。その達成のために、新興市場および特定の先進国市場(内部のカントリー・リスク格付に基づく。)にカントリー・リス
ク限界値が適用される。新興市場は地域に区分される。業界リスクと同様に、カントリー・ポートフォリオについても、ポー
トフォリオの規模、リスク・プロファイルおよびリスクの進展に応じて定期的にレビューを行っている。より大きな/よりリ
スクの高いポートフォリオは、少なくとも年に1回レビューされる。このレビューでは、主要なマクロ経済の動向および見通し
を評価し、ポートフォリオの構成と質、クロス・リスクの集中リスクをレビューし、ポートフォリオのリスク/経済価値プロ
ファイルを分析する。これに基づき、カントリー・リスクの選好および戦略が設定される。
カントリー・リスクのフレームワーク内で、限界値が、各国特有の経済的および政治的事象に左右される信用リスク総額を
管理するために、各国における相手先の信用リスク・エクスポージャーに対して設定される。これらの限界値には、国外の多
国籍企業の子会社を含む現地で設立された事業体、ならびに国外で設立されたにもかかわらず、経済的にまたは事業面で特定
の国に大きく依存している企業に対するエクスポージャーが含まれる。また、ギャップ・リスク限界値が、国内の誤方向リス
ク・エクスポージャーに起因する損失リスクを管理するために設定される。そのため、リスク管理の目的上、すべての国にお
けるエクスポージャー総額は内部リスクに基づく観点に依っており、本報告書の他の場所で適用されている地域別エクスポー
ジャーに基づく観点とは異なる場合がある。信用リスク以外では、当行グループのカントリー・リスクのフレームワークは、
信用リスク・ポジション取引の市場価値総額を測定する、新興市場および特定の先進国市場におけるトレーディング・ポジ
ションの限界値を含んでいる。新興市場については、特定の国のストレス・シナリオの下で当行のポートフォリオ全体のト
レーディング・ポジションに及ぼす損益計算書上の影響を測定する限界値も設定されている。さらに、上記の国々におけるド
イツ銀行事業体の資本やグループ内資金調達エクスポージャーに関する限界値も、これらのクロスボーダー・ポジションに固
有の移転リスクに鑑みて設定されている。重要な非金融リスクは注意深く監視されている。当行グループのカントリー・リス
ク格付は、カントリー・リスクを管理する上で主要な手法である。これらは以下を含んでいる。
- ソブリン格付(ERMにより設定および管理される。):当該国がその外国通貨または現地通貨建の各債務を履行できない確
率の指標。
- 移転リスク格付(ERMにより設定および管理される。):「移転リスク事象」(すなわち、国家の直接的介入により外貨の
入手または資産の移転ができないことに起因して、さもなければ支払能力のある債務者がその債務を履行できないリス
ク)の発生確率の指標。
すべてのソブリン格付および移転リスク格付は、少なくとも年に1回レビューされる。
商品/資産クラス特有のリスク管理
当行グループの相手先、業界およびカントリー・リスク・アプローチを補完するものとして、当行グループは商品/資産ク
ラス特有のリスク集中に重点を置き、リスク管理目的上必要な場合には限度枠または限界値を設定している。特定のリスク限
度枠は、特定の種類の取引の集中が一定の状況下で重大な損失につながる可能性がある場合に特に設定される。この点におい
て、金融市場の機能の混乱、各商品が影響を受けやすい市場パラメータの大幅な変動、マクロ経済のデフォルト・シナリオま
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たは他の要因により、相関損失が生じる可能性がある。リスクの一部を第三者に売却または販売する目的で当行グループがコ
ミットメントを引き受ける場合における、引受リスクのある取引に特に重点が置かれている。これらのコミットメントには、
借 入資本市場でのシンジケーションを目的とした銀行貸出の実行および債券発行のためのつなぎ融資提供の約束が含まれてい
る。一部の引受コミットメントはさらに信用スプレッドの拡大の形でのマーケット・リスクにもさらされているため、与信枠
の売却または債券の発行に成功しないという固有のリスクは、売却の遅延、基礎となる貸出金の資金調達および価格設定リス
クで構成される。該当する場合、当行グループは、この信用スプレッド・リスクを、承認されたマーケット・リスク限度枠の
フレームワーク内で動的にヘッジしている。
ドイツ銀行が主にレバレッジド・デット・キャピタル・マーケッツ(LDCM)の業務ユニットを通じて実行しているレバレッ
ジ貸出は、ドイツ銀行が引受を積極的に行っている主要な資産クラスである。このビジネス・モデルは、大部分が未積立の引
受コミットメントを資本市場に分配することに焦点を当てた、報酬ベースの分配アプローチである。上記の分配および信用ス
プレッドの変動に係るリスクはこの業務ユニットにも当てはまるが、特定の名目上の限度枠およびマーケット・リスク限度枠
の範囲内で管理されている。後者による管理では、事業の引受パイプラインを市場の歪みに対してもヘッジする必要がある。
LDCMの業務ユニットの報酬ベースのモデルには、ドイツ銀行の貸借対照表上にあるシングル・ネームへのリスクの集中に対す
る制限的アプローチが含まれている。その結果、著しい集中を伴うことなくポートフォリオ全体が多様化する。結果として生
じる長期のオンバランスシートのポートフォリオも、包括的な与信限度枠とヘッジのフレームワークの対象となる。
ドイツ銀行はまた、主にインベストメント・バンクの商業用不動産(CRE)の業務ユニットにおいて、商業用不動産に関連す
る引受リスクを負っている。CRE業務ユニットでは、資本市場での証券化またはシンジケーションを目的として、他の貸手に貸
出金が組成される場合がある。前述した売却の遅延や価格決定リスク等の固有の引受リスクは、名目価値の制限、マーケッ
ト・リスク限度枠および市場の歪みのリスクに対するヘッジ取引を通じて管理されている。
当行グループは引受リスクに加え、特定のリスク動向(商業用不動産に対するリスクおよび証券化ポジションによるリスク
を含む。)を伴う取引の集中にも重点を置いている。
加えて、当行グループのプライベート・バンクおよび特定のコーポレート・バンク業務は、モーゲージおよび消費者向け融
資商品のリテール・ポートフォリオならびに企業顧客向け商品等、信用リスク特性が類似したポートフォリオに関して当行グ
ループのリスク選好を設定する、商品特有の戦略を通じて管理されている。ここでは、リスク分析はポートフォリオ・レベル
で行われ、さらに業務ユニットおよび国/地域に区分される。個々の顧客に関する分析の重要性は二次的である。ウェルス・
マネジメントでは、商品および担保の種類や流動性に基づいて世界的な集中の目標レベルが設定される。
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マーケット・リスクの管理
マーケット・リスクのフレームワーク
当行グループの業務の大部分は、マーケット・リスクにさらされている。マーケット・リスクは、当行グループのトレー
ディング・ポジションおよび投資ポジションの時価が変動する可能性と定義されている。当該リスクは、金利、信用スプレッ
ド、外国為替レート、株価、コモディティ価格、ならびに市場ボラティリティおよび市場から黙示されるデフォルト確率等の
他の関連パラメータの変動から発生し得る。マーケット・リスクは、当行グループのエクスポージャーに関する会計上、経済
上および規制上の見解に影響を及ぼす可能性がある。
マーケット・リスク管理部は、当行グループの独立したリスク機能の一部であり、マーケットおよび評価リスク管理グルー
プに属している。マーケット・リスク管理部の主目的の一つは、当行グループの各業務ユニットのリスク・エクスポージャー
が、定義された戦略に見合う承認されたリスク選好の範囲内にあることを確実にすることである。この目的を達成するため
に、マーケット・リスク管理部は、リスクテイカー(以下「業務ユニット」という。)ならびに他の統制およびサポート・グ
ループと密接に連携している。
マーケット・リスクは、大きく異なる3種類のリスクに区分される。
- トレーディング・マーケット・リスクは、インベストメント・バンクおよびコーポレート・バンク部門のマーケット・
メーキングおよびクライアント促進活動から主に発生する。これには、債券、エクイティ、外国為替、その他の有価証券
およびコモディディならびに対応するデリバティブのポジション・テイキングが含まれる。
- 取引債務不履行リスクは、トレーディング金融商品に関連する債務不履行および格付遷移から発生する。
- トレーディング以外のマーケット・リスクは、当行グループのバンキング勘定における主にトレーディング・ユニットの
活動範囲外の市場の変動およびオフバランス項目から発生する。これには、金利リスク、信用スプレッド・リスク、投資
リスクおよび外国為替リスク、ならびに当行グループの年金制度、保証型ファンドおよび株式報酬から生じるマーケッ
ト・リスクが含まれる。トレーディング以外のマーケット・リスクには、顧客の預金ならびに貯蓄および貸出金商品のモ
デリングから生じるリスクも含まれる。
マーケット・リスク管理ガバナンスは、すべてのマーケット・リスクの監視、有効な意思決定および上級管理職への適時の
上申を促進するよう設計され、確立されている。
マーケット・リスク管理部は、当行グループのマーケット・リスクを体系的に識別、評価、監視および報告するためのフ
レームワークを規定し、導入している。マーケット・リスク管理者は、活発なポートフォリオの分析および業務ユニットへの
関与を通じて、マーケット・リスクを識別している。』
マーケット・リスクの測定
当行グループでは、会計上、経済上および規制上の検討事項を組み込んだ包括的な一連のリスク指標により、すべての種類
のマーケット・リスクを正確に測定することを目指している。
当行グループは、内部で開発されたいくつかの主要リスク指標や、規制により定義づけられたマーケット・リスクのアプ
ローチによってマーケット・リスクを測定している。
トレーディング・マーケット・リスク
『
トレーディング・マーケット・リスクを管理するための主な手段は、限度枠フレームワークが重要な構成要素となっている
当行グループのリスク選好フレームワークを適用することである。当行グループの取締役会は、マーケット・リスク管理部の
支援を受けて、トレーディング勘定のマーケット・リスクについて、グループ全体のバリュー・アット・リスク、経済的資本
およびポートフォリオ・ストレス・テストの限度枠を設定する。マーケット・リスク管理部は、この全体の選好を、立案およ
び合意されたビジネス・プランに基づいて、当行グループのコーポレート部門および当該部門の個々の業務ユニットに配分す
る。マーケット・リスク管理部には、限度枠をさらにその下の個々のポートフォリオ、各地域または各種マーケット・リスク
に配分することで各業務ユニットの限度枠を設定する、業務と整合したリーダーがいる。
バリュー・アット・リスク、経済的資本およびポートフォリオ・ストレス・テストの限度枠は、ポートフォリオ全体のレベ
ルで、あらゆる種類のマーケット・リスクを管理するために使用される。マーケット・リスク管理部は、一定のポートフォリ
オまたはリスクの種類を管理するための追加的および重要な補足的手法として、リスク分析および業務に特有のストレス・テ
ストを実施する。限度枠は、業務計画およびリスクとリターンの評価を考慮して、感応度および集中/流動性、エクスポー
ジャー、業務レベルのストレス・テストおよびイベント・リスク・シナリオにも設定される。
各業務ユニットが限度枠の遵守に責任を負っており、当該限度枠に照らしてエクスポージャーの監視および報告を行う。
マーケット・リスク管理部の設定したマーケット・リスク限度枠は、使用されているリスク管理手法に応じて、日次、週次お
よび月次で監視される。
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内部で開発されたマーケット・リスクのモデル
バリュー・アット・リスク(VaR)
VaRは、所定の期間および所定の信頼水準内における、市場の変動に起因する公正価値のポジションの潜在的な損失額を測る
定量的指標である。
当行グループのトレーディング業務に関するバリュー・アット・リスクは、当行グループ独自の内部モデルに基づいてい
る。1998年10月に、一般マーケット・リスクおよび特定マーケット・リスクに関する規制上のマーケット・リスク資本の計算
に、感応度に基づくモンテカルロ・アプローチによる当行グループの内部モデルを用いることが、ドイツの銀行監督当局(現
BaFin)によって認可された。2020年10月に、ECBは当行グループがVaRモデルをヒストリカル・シミュレーション・アプローチ
に大幅に変更することを承認した。そのため、現在、一部のポートフォリオは引き続き感応度に基づくアプローチに基づいて
いるものの、大部分は全面的再評価に基づくヒストリカル・シミュレーション・アプローチとなっている。この新しいアプ
ローチは、リスク管理と所要自己資本の両方に対して使用されている。
新しいアプローチは、当行グループのリスクのより正確なモデリングを提供し、分析機能を強化し、リスク管理のためのよ
り効果的なツールを提供するものである。ヒストリカル・シミュレーションVaRの導入により、マーケット・リスクのより正確
な概観を得られるだけでなく、マーケット・リスクのシステムとモデルが一日の終わりに行われる価格評価により整合するよ
う調整された。
リスク管理VaRは、99%の信頼水準および1日の保有期間に合わせて調整されている。これは、当行グループの見積りでは、
当行グループのトレーディング・ポジションからの時価評価損が報告VaR以上となる確率が1%であることを意味する。規制資
本目的では、当行グループのVaRモデルは99%の信頼水準と10日の保有期間に合わせて調整されている。
当行グループは、この計算に、過去1年の市場データをインプットとして使用するヒストリカル・シミュレーション技法を用
い、当該1年の期間中にリスク要因間の相関関係を観察している。
当行グループのVaRモデルは、すべての資産クラスにわたる一連の包括的なリスク要因を考慮に入れるよう設計されている。
重要なリスク要因は、スワップ/国債カーブ、インデックスおよび発行体固有のクレジットカーブ、単一の株価および指数、
外国為替レート、コモディティ価格、ならびにそれらのインプライド・ボラティリティである。リスク・カバレッジの網羅性
を確保する一助とするために、第2順位のリスク要因(例えば、短期金融市場のベーシス、インプライド配当、オプション調整
後スプレッドおよび貴金属リース・レート)が、VaRの計算に考慮される。VaRモデルに含まれるリスク要因のリストは定期的
に見直され、モデル・パフォーマンスの継続的なレビューの一環として改善される。
当モデルは、主に、全面的再評価アプローチによって、線形的および(特にデリバティブについては)非線形的な影響を組
み入れているが、特定のポートフォリオについては感応度に基づくアプローチも利用している。全面的再評価アプローチで
は、価格設定関数へのインプットとして、リスク要因の過去の変動を用いる。このアプローチは計算コストが高いものの、特
にストレス・シナリオでは非線形的ポジションのマーケット・リスクをより正確に把握できる。感応度に基づくアプローチ
は、基礎となるリスク要因に対する感応度を、それらのリスク要因の過去の変動と組み合わせて用いる。
各業務ユニットについて、リスク種類別(例えば、金利リスク、信用スプレッド・リスク、エクイティ・リスク、外国為替
リスクおよびコモディティ・リスク)に個別のVaRが計算される。「分散効果」とは、所与の1日におけるVaR総額が、個々のリ
スク種類に関連するVaRの合計を下回る効果をいう。個々のリスク種類のVaR数値を単純に合計してVaR総額とすることは、すべ
てのリスク種類における損失が同時に生じるという仮定を含意する。
VaRにより、公正価値エクスポージャーにわたって一貫した指標を適用することが可能となる。また、これにより、異なる業
務におけるリスクの比較が可能になることに加え、異なる資産クラス間の相関関係および相殺を反映するためにポートフォリ
オ内のポジションを合算およびネッティングする手段が提供される。さらに、これにより、マーケット・リスクの時系列での
比較および日次のトレーディング実績との比較が容易になる。
VaRの結果を使用する際には、多くの点を考慮しなければならない。これらには、以下のものを含む。
- 過去の市場データの使用は、潜在的な将来イベント(特に極端な性質のもの)のためのふさわしい指標とはならない可能
性がある。この「バックワード・ルッキング」の限界は、(2008年度のように)VaRによる将来の潜在的損失の過小評価を
引き起こす可能性もあれば、(COVID-19のパンデミックのような)重大なストレスが生じた期間の直後に過大評価を引き
起こす可能性もある。
- 保有期間を1日とすることは、1日以内にポジションを手仕舞うまたはヘッジすることができない場合、清算までの期間中
に発生するマーケット・リスクを完全には把握していない。
- VaRは、第99百分位点を超える潜在的損失を示さない。
- 日中のリスクは、エンド・オブ・デイのVaRの算定に反映されない。
- トレーディング勘定またはバンキング勘定内にはVaRモデルではすべてを把握できないリスクが存在する可能性がある(部
分的にしか把握されないか、まったく把握されない。)。』
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現在当行グループのVaRモデルでは把握されないリスクを体系的に把握し評価するプロセスは、更なる開発および改善が行わ
れている。これらのリスクの重要性のレベルを決定するための評価が行われ、重要なリスクは当行グループの内部モデルへの
組み込みが優先される。VaRに含まれないリスクは、当行グループのリスク・ノット・インVaR(RNIV)のフレームワークによ
り 定期的に監視され評価される。このフレームワークも2020年に大幅な見直しが行われた。これには、手法をヒストリカル・
シミュレーション・アプローチに合わせて調整することが含まれる。これにより、手法に不足している項目の使用や資本化の
可能性について、より正確に見積ることができる。
当行グループは、内部リスク・モデルの継続的開発に努めており、当該モデルのレビュー、検証および改善のために多くの
資源を配分している。
『
ストレスのかかったバリュー・アット・リスク
ストレスのかかったバリュー・アット・リスク(SVaR)は、ストレスのかかったバリュー・アット・リスク値を、1年間の重
大な市場ストレスに基づいて計算する。当行グループは、ストレスのかかったバリュー・アット・リスク値を、信頼水準99%
を用いて計算する。ストレスのかかったVaRは、保有期間は10日で計算される。当行グループのSVaRの計算には、バリュー・
アット・リスクの計算に用いるのと同一のシステム、取引情報およびプロセスが利用される。唯一の相違点は、重大な金融ス
トレス期(すなわち、高いボラティリティを特徴とする。)からの過去の市場データおよび観察された相関関係が、ヒストリ
カル・シミュレーションの入力値として使用される点である。』
ストレスのかかったバリュー・アット・リスクの計算のためのストレス期間の選定プロセスは、過去の期間のウインドウを
用いて計算したVaRと現在のSVaRとの比較に基づくものである。過去のウインドウにおいて、現在のSVaRよりも高いVaRが算出
される場合には、さらに調査を行い、その後SVaRのウインドウを適宜更新する。このプロセスは四半期ごとに行われる。
2021年度において、DBグループのストレス期間の選定プロセスは上記のとおり行われた。その結果、2021年度において様々
な期間で用いられたSVaRのウインドウには、2008/09年の金融危機、2011/12年の欧州ソブリン危機、直近2020年のCOVID-19
によるストレス期間が含まれた。
追加的リスクに係る自己資本賦課
『
追加的リスクに係る自己資本賦課は、トレーディング勘定における信用感応度の高いポジションについて、債務不履行リス
クおよび格付遷移リスクを捕捉する。当行グループは、コンスタント・ポジション・アプローチの下で資本ホライズンを1年、
ポートフォリオの損失分布の分位値を99.9%として行う追加的リスクに係る自己資本賦課の計算、および追加的リスクに係る
自己資本賦課貢献額の個別ポジションへの配分に、モンテカルロ・シミュレーションを使用している。』
このモデルでは債務不履行リスクおよび格付遷移リスクを、すべてのポートフォリオについて、正確かつ一貫した定量的ア
プローチにより捕捉する。追加的リスクに係る自己資本賦課計算上の重要なパラメータは、個別ポジションのエクスポー
ジャー、回収率、デフォルトおよび遷移の確率が類似している期限の格付、ならびに発行体の相関関係を特定するパラメータ
である。
マーケット・リスク標準的アプローチ
特定のマーケット・リスク標準的アプローチ(以下「MRSA」という。)は、特定の種類の投資ファンドおよびCRR/CRDに規定
される長寿リスクについて、トレーディング勘定の証券化に関する特定のマーケット・リスクに係る規制自己資本賦課を算定
するために使用される。
長寿リスクとは、寿命連動型の保険契約および取引に係る価値の損失をもたらす平均余命の不利な変動のリスクである。リ
スク管理目的では、ストレス・テストおよび経済的資本の配分もまた、長寿リスクの監視および管理に使用される。
マーケット・リスクのストレス・テスト
ストレス・テストは、極端な市場イベントおよび各リスク要因の変動の潜在的影響を評価する重要なリスク管理技法であ
る。これは、ドイツ銀行のポジションのマーケット・リスクを評価するために使用する中核的な定量的ツールの一つであり、
VaRおよび経済的資本を補完する。マーケット・リスク管理部は、多様なリスクを把握するために、複数の種類のストレス・テ
スト(ポートフォリオ・ストレス・テスト、個別の特定ストレス・テストおよびイベント・リスク・シナリオ)を実施し、さ
らにグループ全体のストレス・テストにも貢献している。これらのストレス・テストはまた、様々な重要度をカバーしてお
り、当行の収益の安定性と適正自己資本をテストするために設計されている。
トレーディング・マーケット・リスクに関する経済的資本(TMR EC)
当行グループのトレーディング・マーケット・リスクに関する経済的資本モデルであるスケーリングされたストレスのか
かったVaRに基づくEC(SVaRに基づくEC)は、2つの中核的な構成要素から成る。「共通リスク」要素は全業務にわたるリス
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ク・ドライバーをカバーし、「業務特有のリスク」要素は業務特有のストレス・テスト(BSST)一式を通じて「共通リスク」
要素を補強する。両構成要素は、過去に観察された深刻な市場のショックに対して調整されている。共通リスクはスケーリン
グ されたバージョンのSVaRフレームワークを用いて算定されるが、BSSTは、共通リスク要素において把握されない、より商
品/業務に特有のリスク(複合ベーシス・リスク等)および高順位のリスクを把握するよう設計されている。SVaRフレーム
ワークに基づくECは、モンテカルロSVaRフレームワークを用いている。
取引債務不履行リスクに関する経済的資本(TDR EC)
TDR ECは、当行グループのトレーディング勘定および公正価値バンキング勘定にわたる関連する信用エクスポージャーを把握
する。トレーディング勘定のエクスポージャーは、格付け、規模および流動性に基づいて設定したシングル・ネームへの集中
およびポートフォリオの限界値を通じてMRMにより監視される。シングル・ネームへの集中リスクの限界値は、2つの主要な測
定基準、すなわち、デフォルト・エクスポージャー(現在の回収率(RR)による瞬間的なデフォルトの損益への影響)および
債券相当時価(MV)(回収率0%によるデフォルト・エクスポージャー)である。分散効果および集中による影響を把握するた
め、当行グループは、取引債務不履行リスクに関する経済的資本と信用リスクに関する経済的資本を併せて計算する。取引債
務不履行リスクの計算に係る重要なパラメータは、エクスポージャー、回収率およびデフォルト確率ならびに期限である。格
下げおよび債務不履行が同時に起こる確率は、ポートフォリオ・モデルの債務不履行および格付の相関関係によって決定され
る。これらの相関関係は、国、地理的地域および業界の典型を表すシステマティックな要因を通じて特定される。
トレーディング・マーケット・リスクの報告
マーケット・リスク管理部の報告は、リスク・プロファイルに関する透明性を生み出し、組織の全レベルに対して中核とな
るマーケット・リスク・ドライバーの理解を促進している。取締役会および上級ガバナンス委員会は、マーケット・リスク、
規制自己資本およびストレス・テストに関して、定期的に報告を受け、必要に応じて特別な報告を受ける。上級リスク委員会
は、複数の頻度(週次または月次等)でリスク情報を受け取る。
さらに、マーケット・リスク管理部は、日次および週次でマーケット・リスクに関する個別の報告書を作成し、日次で各業
務の所有者の限度枠利用度に関する報告書を作成する。
公正価値で計上される資産の規制上の慎重な評価
CRR第34条に準拠して、金融機関は、公正価値で測定されるすべての資産に対してCRR第105条の慎重な評価の要件を適用し、
必要な追加的価値修正の金額をCET 1資本から控除しなければならない。
当行グループは追加的価値修正の金額を委員会委任規則(EU)第2016/101号に定義されている手法に基づき決定した。
2021年12月31日現在の追加的価値修正の金額は18億ユーロであった。2020年12月31日現在の金額は14億ユーロであった。こ
の増加は主に、COVID-19のパンデミックによる極端な市場変動を説明するための一時的な救済措置を定めた欧州委員会委任規
定(EU)第2020/866号の修正により、分散効果が通常の水準に戻ったことに起因する。
2021年12月31日現在の追加的価値修正を差し引いた予想損失の減少は117百万ユーロであり、これは追加的価値修正が当行グ
ループのCET 1資本に及ぼしたマイナスの影響を部分的に軽減している。
トレーディング以外のマーケット・リスク
『
トレーディング以外のマーケット・リスクは、主に当行グループのバンキング勘定におけるトレーディング・ユニットの活
動範囲外および一定のオフバランス項目から発生し、取引に係る様々な会計処理に関する検討を組み込んでいる。その分野に
おいて、当行グループがリスクにさらされていて、リスク管理グループが監視している重要なマーケット・リスク要因は以下
のとおりである。
- 金利リスク(組み込まれている選択可能性および特定の商品種類の行動パターンの変化からのリスクを含む。)、信用ス
プレッド・リスク、外国為替リスク、エクイティ・リスク(公開および非公開株式ならびに不動産、インフラおよびファ
ンド資産に対する投資を含む。)。
- 年金制度および保証等のオフバランス項目からのマーケット・リスクならびに構造的外国為替リスクおよび株式報酬リス
ク。』
トレーディング・マーケット・リスクと同様に、当行グループのリスク選好および限度枠フレームワークは、トレーディン
グ以外のマーケット・リスク・エクスポージャーを管理するためにも適用されている。グループ全体では、これらのエクス
ポージャーの把握は、取締役会が設定した、資産クラス全体のすべてのマーケット・リスクへのエクスポージャーを把握する
ためのマーケット・リスクの経済的資本の限度枠、ならびにバンキング勘定における金利リスクの収益および経済価値に基づ
く限度枠を通じて行われる。これらの限度枠は、マーケット・リスク管理部によって部門レベルまたはポートフォリオ・レベ
ルに分割される。トレーディング以外のマーケット・リスク・エクスポージャーの限度枠フレームワークをさらに捕捉するた
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め、業務ごとに一連のストレス・テストが実施され、バリュー・アット・リスクおよび感応度の限度枠が、使用されているリ
スク指標に応じて日次または月次ベースで監視される。
バンキング勘定における金利リスク
バンキング勘定における金利リスク(IRRBB)は、当行グループのバンキング勘定のエクスポージャーに影響を及ぼす金利の
変動から生じる、当行グループの資本と収益の両方に対する現在または将来のリスクである。これには、バンキング勘定の金
融商品の期間構造から生じるギャップ・リスク、異なる金利カーブを用いて価格が決定されている金融商品の金利の相対的変
動による影響を表すべーシス・リスク、ならびにオプション・デリバティブ・ポジションや金融商品に組み込まれているオプ
ション要素から生じるオプション・リスクが含まれる。
当行グループは、IRRBBのエクスポージャーを、経済価値および収益ベースの指標を用いて管理する。当行グループのグルー
プ財務部門は、フレームワークの導入とリスク選好の遵守を評価し、異議を申し立てる第2の防衛線(以下「第2のLoD」とい
う。)としての役割を担うマーケット・リスク管理部とともに、金利リスクを一元的に管理するよう義務付けられている。第3
の防衛線(以下「第3のLoD」という。)としての役割を担うグループ監査部は、リスク管理システムおよび内部統制システム
の整備、運用の有効性および効率の妥当性に関して独立した立場で客観的な保証を行うことについて、説明責任を有してい
る。グループ資産負債管理委員会(以下「ALCo」という。)は、銀行勘定のリスクおよび純利息収益の管理に特に重点を置き
ながら、当行グループの構造的な金利リスク・ポジションを監督し、指揮する。ALCoは、金利カーブ等の主要な市場パラメー
タに対する財務資源および関連する指標の感応度を監視し、部門別/事業別の財務資源の限度枠の遵守を監視する。
経済価値ベースの指標は、会計処理とは独立した、金利変動から生じた資産、負債およびオフバランスシートのエクスポー
ジャーのバンキング勘定の経済価値における変動を見るものである。これにより、当行グループは、リスク管理のための内部
ストレス・シナリオに加え、欧州銀行監督局(EBA)が定義した6つの標準シナリオの下で、バンキング勘定の経済価値の最大
減少額としてエクイティの経済価値の変動(EVEの変動)を測定する。当行グループは、内部のストレス・シナリオおよびリス
ク選好度の報告について、本開示で使用されている様々なモデリング仮定を適用している。複数の通貨にわたるEVEの変動を集
計する際、DBはプラスの変動にウェイトの要素を適用せずにEVEのマイナスとプラスの変動を合算する。さらに、金融機関から
の満期の定めのない預金だけでなく、自己資本の利率デュレーションについても、行動モデル上の仮定を用いている。
収益ベースの指標は、所定のタイム・ホライズンにわたり、金利変動から生じる純利息収益(NII)の予想変動を、所定のベ
ンチマークのシナリオと比較して見るものである。これにより、当行グループは、リスク管理のための内部ストレス・シナリ
オに加え、欧州銀行監督局(EBA)が定義した6つの標準シナリオの下で、市場で暗に示されるカーブのシナリオと比較した
12ヶ月間のNIIの最大減少額として、NIIの変動を測定する。
当行グループは、トレーディング以外のポジションから生じる金利リスクを所定の限度枠内でヘッジする技法を採用してい
る。トレーディング以外の資産および負債ポジションに起因する金利リスクは、財務マーケット・アンド・インベストメント
部門を通じて管理される。残りの金利リスク・ポジションは、IB部門内のドイツ銀行のトレーディング勘定でヘッジする。そ
のため、当行グループはデリバティブ取引を利用し、公正価値ヘッジ会計やキャッシュ・フロー・ヘッジ会計といった、複数
のヘッジ会計の手法を適用している。公正価値ヘッジの場合、当行グループは、ベンチマーク金利の変動による固定利付金融
商品の公正価値の変動を管理するために金利スワップおよびオプション契約を用いる。キャッシュ・フロー・ヘッジ会計の観
点におけるヘッジの場合は、当行グループは、ベンチマーク金利の変動による変動利付金融商品のキャッシュ・フローの変動
性に対するエクスポージャーを管理するために、金利スワップを用いる。
当行グループは、デリバティブのヘッジ手段の公正価値またはキャッシュ・フローの変動と、ヘッジ対象リスクに起因する
ヘッジ対象項目の公正価値またはキャッシュ・フローの変動の関連性に基づき、ヘッジ関係におけるヘッジの有効性の評価と
測定を行っている。
「モデル・リスク管理」機能は、すべてのマーケット・リスクのモデルに関して、ドイツ銀行のグループ全体のリスク・ガ
バナンスのフレームワークに沿ったIRRBBの測定に使用されるモデルについて、独立した検証を行う。
VaRと金利リスクの感応度の計算は日次で行われ、経済価値の金利リスクおよび収益に対するリスクの測定および報告は月次
で実施される。当行グループは通常、内部管理システムにおいて、本レポートの開示に関して適用されるものと同じ測定基準
を使用する。
ドイツ銀行の主なモデリング仮定は、当行グループのPB部門およびCB部門におけるポジションに適用されている。これらの
ポジションは、預金および貸出金商品に関する当行グループの顧客の行動が変化するリスクにさらされている。
当行グループは、ポートフォリオの平均金利更改期間を決定するために、複製ポートフォリオ・アプローチを通じて満期の
定めのない預金(NMD)の金利リスク・エクスポージャーを管理している。複製ポートフォリオを構築するため、NMDのポート
フォリオは、業務ユニット、通貨、商品および所在地といった側面によりクラスター化される。金利更改期間に影響を及ぼす
主な側面は、市場金利に対する預金金利の弾力性、預金残高のボラティリティおよび観察可能な顧客の行動に基づく。報告期
間において、こうした複製ポートフォリオすべてに割り当てられた平均金利更改日期間は2.17年であり、ドイツ銀行では最長
の金利更改期間を15年としている。
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貸出金商品および定期預金商品において、ドイツ銀行は顧客の期限前返済/引出行動を検討する。パラメータは、過去の観
察結果、統計的分析および専門家の評価に基づいている。
さらに、当行グループは通常、契約上の通貨でIRRBB関連の測定基準を計算し、結果として得られた測定基準を報告目的で集
計している。経済価値ベースの測定基準を計算する場合、純利息は貸借対照表において大部分が除外されている。
バンキング勘定における信用スプレッド・リスク
ドイツ銀行は、バンキング勘定(主に財務部の流動性準備金ポートフォリオの一部として)に保有している債券の信用スプ
レッド・リスクにさらされている。バンキング勘定における信用スプレッド・リスクは、独立した監視機能の役割を担うマー
ケット・リスク管理部門とともに、業務部門が、承認されたリスク選好の範囲内におさまるよう管理している。個々の金融商
品について認識された信用の質の変化により、基礎となる金利に対する相対的スプレッドに変動が生じる可能性があるため、
このリスク区分は、バンキング勘定における金利リスクに密接に関連している。信用スプレッドの感応度および信用スプレッ
ド・エクスポージャーのバリュー・アット・リスクの計算は、通常は日次で実行され、経済的資本およびストレス・テストの
測定と報告は月次で実行される。
外国為替リスク
外国為替リスクは、各事業体の機能通貨以外の通貨建てのトレーディング以外の資産および負債のポジションから生じる。
外国為替リスクの大部分は、内部ヘッジを通じて、インベストメント・バンク内のトレーディング勘定に移転されるため、ト
レーディング勘定のバリュー・アット・リスク数値を通じて反映および管理される。移転されていない残りの外国為替リスク
は、残余リスクのみがポートフォリオ内に残るように、同一通貨建ての投資のマッチ・ファンディングを通じて軽減されてい
る。上記のアプローチの少数の例外は、トレーディング・ポートフォリオについて要約されているように、通常のマーケッ
ト・リスク管理部の監視および報告プロセスに従っている。
トレーディング以外のオープン為替リスクの大半は、現地資本のDBグループの報告通貨への換算、および関連する資本ヘッ
ジ・ポジションから生じる。そのため、為替レートの変動に対する当行グループの資本比率の感応度を無効にするために、限
定的な関連通貨については構造的な空売りポジションをとっている。
エクイティ・リスクおよび投資リスク
トレーディング以外のエクイティ・リスクは、主にバンキング勘定の非連結投資の保有および当行グループの株式報酬制度
から生じる。
バンキング勘定の非連結投資の保有は、戦略的投資およびオルタナティブ投資資産に区分される。戦略的エクイティ投資
は、一般に、当行グループの業務フランチャイズを支援するために行った取得に関連しており、中長期的な投資ホライズンで
行われる。オルタナティブ資産は、自己勘定投資およびその他の非戦略的投資資産から成る。自己勘定投資は、プライベー
ト・エクイティ、不動産、ベンチャー・キャピタルおよびヘッジ・ファンドまたは投資信託に対する直接投資である一方、不
良債権のポジションのワークアウトにおいて回収した資産またはプライベート・エクイティおよび不動産に対する、古くから
保有しているその他の投資資産は非戦略的性質である。
戦略的投資に関する投資提案、およびコミットされた目標に対する進捗状況とパフォーマンスの監視は、グループ投資委員
会によって評価される。規模によっては、戦略的投資には、グループ投資委員会、取締役会または監査役会の承認が必要とさ
れる場合がある。
CRMプリンシパル・インベストメントは、リスク関連のガバナンスとオルタナティブ資産活動の監視に責任を有する。新規の
または増額された自己勘定投資コミットメントのレビューは、エンタープライズ・リスク委員会(ERC)によってオルタナティ
ブ資産投資のリスク管理フォーラムとして設置されたプリンシパル・インベストメント・コミットメント承認グループ
(PICAG)の担当業務である。PICAGは、その権限により投資を承認するか、その権限を超える案件については取締役会の承認
を求めて提言を行う。取締役会はまた、ERCの提言に応じて、業務部門および様々なリスク・ポートフォリオについて投資限度
枠を設定する。
保有している持分投資は、定期的に行われるグループ全体のストレス・テストおよび月次のマーケット・リスクの経済的資
本の計算に含まれている。
年金リスク
当行グループは、旧・現従業員のための多数の確定給付年金制度からのマーケット・リスクにさらされている。年金制度に
おけるマーケット・リスクは、各年金制度の制度資産の時価の潜在的低下または年金負債の現在価値の増加により実体化す
る。マーケット・リスク管理部は、確定給付年金制度に係る資産および負債のマーケット・リスクの定期的な測定、監視、報
告および管理の責任を有する。このため、年金制度におけるマーケット・リスクは、金利リスク、インフレ・リスク、信用ス
プレッド・リスク、株式リスク、長寿リスクを含むが、これらに限定されるものではない。当行グループの確定給付年金制度
債務およびその管理の詳細については、「連結財務諸表に対する注記」の項の注記33「従業員給付」を参照のこと。
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銀行勘定に関するその他のリスク
当行グループの資産管理業務におけるマーケット・リスクは主に元本保証型のファンドまたは口座から生じるが、当行グ
ループのファンドに対する共同投資からも生じる。
トレーディング以外のマーケット・リスクの経済的資本
『
トレーディング以外のマーケット・リスクに関する経済的資本は、標準的トレーディング・マーケット・リスクEC手法を適
用して、もしくは各リスク・クラスに特有であり、他の要因の中でも特に、過去に観察した市場の変動、各資産クラスの流動
性、および行動に選択可能性がある商品に関連する顧客行動の変化を考慮に入れたトレーディング以外のマーケット・リス
ク・モデルの使用を通して計算される。』
オペレーショナル・リスク管理
オペレーショナル・リスク管理フレームワーク
ドイツ銀行は、オペレーショナル・リスクに欧州銀行監督局によるシングル・ルールブックの定義、すなわち、「オペレー
ショナル・リスクは、内部プロセス・人・システムが不十分であることもしくは機能しないこと、または外部イベントに起因
した損失のリスクを意味する。オペレーショナル・リスクには法的リスクを含むが、ビジネス・リスクおよび風評リスクは含
まれず、すべての銀行商品および活動に組み込まれている。」を適用している。オペレーショナル・リスクは、当行の非金融
リスク(NFR)のサブセットを構成している。
ドイツ銀行のオペレーショナル・リスクの選好は、事業を行う結果として当行グループが受け入れる意思のあるオペレー
ショナル・リスクの程度を規定している。当行グループは、日々の業務のみならず戦略的にも意識的にオペレーショナル・リ
スクを負担している。当行は特定の種類のオペレーショナル・リスク事象(法規制の違反および不正行為等)について選好を
設定しない場合があるが、事業目標を達成するために一定程度のオペレーショナル・リスクを受け入れなければならない場合
もある。残存リスクが当行グループのリスク選好の範囲外にあると評価された場合は、リスクを是正すること、リスクに保険
を掛けること、または事業を中止することを含め、リスク削減措置を講じなければならない。
オペレーショナル・リスク管理フレームワーク(ORMF)は、当行のオペレーショナル・リスクの識別、評価、測定、監視お
よび軽減に使用される、相互に関連する一連の手法およびプロセスである。その構成要素は、当行の最も重要なオペレーショ
ナル・リスクを管理する包括的かつリスクに基づくアプローチを提供するために一緒に機能するように設計されている。ORMF
の構成要素には、オペレーショナル・リスクの選好の設定および遵守に対する当行グループのアプローチ、オペレーショナ
ル・リスクの種類および統制の分類法、オペレーショナル・リスク管理プロセス(各ツールを含む。)の最低基準、ならびに
当行のオペレーショナル・リスク資本モデルが含まれる。
組織およびガバナンス構造
日々のオペレーショナル・リスクの管理の一義的責任は該当リスクが発生する各業務部門および管理部門にある一方、非金
融リスク管理部(NFRM)は当行グループ全体のオペレーショナル・リスクを監視し、リスクの集中を識別して報告し、当行全
体にわたるORMFの一貫した適用を促進する。NFRMは、最高リスク責任者が率いるグループ・リスク機能である最高リスク・オ
フィスの一部である。
最高リスク責任者はNFRMのリーダーを任命し、リーダーはORMF(オペレーショナル・リスク資本モデルを含む。)の効果
的、効率的かつ規制に準拠した設計、監督および維持に関して説明責任がある。NFRMのリーダーは、グループ全体でのORMFの
実施を監視し、検証するとともに、全体的なリスク水準を当行のオペレーショナル・リスク選好に照らして監視する。
最高リスク責任者が議長を務める非金融リスク委員会(NFRC)は、グループの主要なオペレーショナル・リスクのリスク横
断的な視点を確立することにより、取締役会に代わり当行グループにおけるオペレーショナル・リスク管理の監視、ガバナン
スおよび調整に関して責任を有している。その意思決定の権限は、当行の業務部門および管理部門のリスク・プロファイルに
影響を与え得るすべてのオペレーショナル・リスク問題のレビュー、アドバイスおよび管理を含んでいる。第1および第2のLoD
の双方から人員が出席する複数のサブフォーラムが、NFRCを支援し、その任務を効果的に遂行する。グループ・レベルのNFRC
に加え、各業務部門でも、組織の様々なレベルのオペレーショナル・リスクについて監視と管理を行う第1のLoDのNFRフォーラ
ムを設置している。
当行グループのオペレーショナル・リスクのガバナンスは、金融リスクおよび非金融リスクのすべてのリスクを管理するた
めに、当行の3つの防衛線(3LoD)アプローチに従っている。ORMFは、オペレーショナル・リスクの管理に関する中核的な第1
およびの第2のLoDの役割とそれぞれの責任を含むオペレーショナル・リスク・ガバナンス基準を設定し、有効なリスク管理と
適切かつ独立した検証に関する役割を確実にしている。
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第1の防衛線(第1のLoD)のオペレーショナル・リスク要件:第1のLoDとして、リスク保有者はオペレーショナル・リスクに
関して全面的な説明責任を有し、定義されたリスク特有の選好に照らしてこれらを管理する。
オペレーショナル・リスク保有者とは、その活動がリスクを生じさせるような、またはオペレーショナル・リスクにさらさ
れている、当行における役割である。業務部門および管理部門のリーダーは、それぞれのオペレーショナル・リスクのプロ
ファイルの識別、組織内におけるこれらのリスクの積極的な管理、リスク選好の範囲内に維持するためのオペレーショナル・
リスクの軽減または受け入れに関する経営判断、ならびに第1のLoDの構築および維持のために、適切な組織構造を決定しなけ
ればならない。
第2の防衛線(第2のLoD)のオペレーショナル・リスク要件:リスク種類管理責任者(RTC)は、包括的なリスク種類である
「オペレーショナル・リスク」の下にあるすべてのサブ・リスク種類の第2のLoD統制機能としての役割を担う。
RTCはフレームワークを構築し、彼ら自身が統制する特定のオペレーショナル・リスクの種類に関するグループ・レベルのリ
スク選好文書を定義する。RTCは、最低限のリスク管理および統制の基準を定義し、リスク保有者による日々のプロセスにおけ
るこれらの基準の実施ならびにリスク負担およびリスク管理業務を独立した立場で監視し、検証する。RTCは、独立した立場で
オペレーショナル・リスクを監督し、集約されたリスク種類プロファイルに関する報告書を作成する。RTCはリスク選好に照ら
してリスク種類のプロファイルを監視し、予測可能なリスク選好の違反につながるリスク決定については拒否する権利を有す
る。リスク種類の専門家として、RTCはリスク種類とその分類法を定義し、第1のLoDにおけるリスク種類のフレームワークの実
施を支援し、促進する。独立性を維持するため、RTCの役割は管理部門にのみ配置されている。
RTCとしてのNFRMのオペレーショナル・リスク要件(包括的なリスク種類であるオペレーショナル・リスク):オペレーショ
ナル・リスクのRTC/リスク統制機能として、NFRMは包括的なORMFの設定と維持、および当行グループのオペレーショナル・リ
スク資本の十分な水準を決定する。
- 第2のLoDのリスク統制機能として、NFRMはオペレーショナル・リスク選好に対する当行のアプローチを定義し、その遵
守、違反および結果について監視する。NFRMは、業務ユニットの総体的なオペレーショナル・リスク・プロファイルに関
連する、第1のLoDによるリスクおよび統制の評価ならびにリスク管理活動を独立した立場でレビューし、検証する(RTC
は、特定のリスク種類に関連する活動を監視し、検証する。)。NFRMは、リスクの監視および必要に応じてリスク選好の
範囲内に当行のオペレーショナル・リスクを戻すための補完統制を提案する。また、当行のオペレーショナル・リスク・
プロファイルとトップ・リスク(すなわち、リスク選好の範囲外の当行における重要なオペレーショナル・リスク)を設
定し、定期的に報告する。
- オペレーショナル・リスクに関する特定分野の専門家として、NFRMはオペレーショナル・リスクの将来を考慮したリスク
管理を促すリスクに関する独立した見解を提供し、リスク保有者と積極的に協働し(第1のLoD)、当行全体におけるリス
ク管理基準および統制基準の実施を促進している。
- NFRMには、取締役会に提案する目的で、オペレーショナル・リスクに必要な資本について十分なレベルを決定するための
アプローチを設計、実施および維持する責任がある。これには、先進的計測手法(AMA)に基づくオペレーショナル・リス
ク資本需要および予想損失の計算および配分が含まれる。
オペレーショナル・リスク管理
オペレーショナル・リスクに内在する広範なサブ・リスクの種類を管理するため、ORMFは、当行全体におけるオペレーショ
ナル・リスクのすべての種類に適用される一連の手法およびプロセスを提供している。これらにより、当行グループのオペ
レーショナル・リスクに関するリスク選好に関係するオペレーショナル・リスク・プロファイルを決定すること、オペレー
ショナル・リスクのテーマおよび集中を系統的に識別すること、ならびにリスクを軽減する手段および優先度を明確にするこ
とが可能となる。
2021年度において、当行グループは引き続き、リスク管理プロセスのさらなる統合と簡素化、当行の中央機能による統制の
充実化、および第1のLoDと第2のLoDの双方による銀行全体の様々なレベルでの統制活動の強化を通じて、オペレーショナル・
リスクの管理の成熟化を図った。
損失データの収集:当行グループは、内部のデータ(損益計算書に10,000ユーロ以上の影響を及ぼすもの)と関連する外部
のオペレーショナル・リスク事象を適時に収集し、分類し、分析する。重要なオペレーショナル・リスク事象は、事業パート
ナー、リスク統制およびその他の管理部門の間で密接に連携して第1のLoDのおいて行われる教訓分析とリード・アクロス分析
を明確に定義するきっかけとなる。教訓レビューは、重要なオペレーショナル・リスク事象の原因を分析し、その根本的な原
因を識別し、再発の可能性を減らすための適切な是正措置を文書化する。リード・アクロス・レビューは、教訓プロセスでの
結論を得て、教訓レビューで識別された類似のリスクおよび統制の弱点が、まだ問題には発展していないとしても、当行の他
の領域に存在するかどうかを分析する。これにより、予防措置を取ることができる。2021年度に、当行グループは、強力なモ
ジュール式の請求管理テクノロジー・プラットフォームの導入に向けた複数年にわたる取り組みを継続した。第1段階では、引
き続きプラットフォームのユーザー・エクスペリエンスと利便性の最適化に取り組んでいく。
シナリオ分析:当行グループは、探索的なシナリオ分析の利用を通じて、既存のリスクに関する洞察を補完する。シナリオ
の筋書きとその結末を導くトリガーは、内部損失、エマージング・リスク・レビュー、トップ・リスクの集中度、および外部
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の同業他社または損失事象のレビューに基づくものである。そのため、実際および潜在的な将来の損失事象からの情報を体系
的に利用して、テーマ別の感応度を特定し、例えばディープ・ダイブ分析やリスク・プロファイルのレビュー、および統制保
証 計画を通して、同様のインシデントの可能性を積極的に減少させるよう努める。2021年度に、役割と責任の強化を行い、ま
た、プロセスをより直接的に日常のリスク管理活動に統合することによって、アプローチを改良した。シナリオ分析は、
COVID-19、コンダクト、ESGリスクのテーマがもたらす長期的かつ潜在的な影響を評価する上で、引き続き重要な役割を果たし
ている。
リスク・アンド・コントロール評価:リスク・アンド・コントロール評価プロセス(RCA)は、業務部門および管理部門(第
1のLoD)から生じるリスクの一連のボトムアップの評価、それらを管理するために実施されている統制の有効性、ならびにリ
スク選好の範囲内外のリスクをリスク選好に戻すために必要な是正措置から成る。これにより、第1および第2のLoDのいずれ
も、当行の重要なオペレーショナル・リスクを明確に把握することができる。2021年度は、NFRのガバナンス会議を通して、当
行グループのリスク・プロファイルを即時に見直すために、RCAに動的かつトリガーに基づくアプローチを組み込むことに重点
を置いた。当行グループは引き続き、統制の分野において、当行の中央機能の統制を改良し、銀行の様々なレベルで第1のLoD
と第2のLoDの双方で行われる統制保証活動を増やすことにより成熟化を図った。これにより、金融機関がオペレーショナル・
リスクを軽減するために依拠する統制環境が、リスク保有者にとってより透明性の高いものとなった。
トップ・リスク:当行グループは、トップ・リスクについて定期的に報告し、分析を行うことにより、これらが適切に軽減
されていることを立証している。すべてのリスク同様、トップ・リスクは、リスクが発生する可能性と、リスクが発生した場
合の当行への影響の両方の観点から評価され、当行にとって特に重要なリスクをこの評価を通じて識別している。この報告に
より、計画された是正措置および統制の強化による影響に関して、将来を見据えた視点が提供される。また、この報告には、
将来的にトップ・リスクとして発展する可能性のある、新たに発生しつつあるリスクとテーマも含まれている。トップ・リス
ク削減プログラムは、当行グループの運営に関わるトップ・リスクのテーマをリスク選好の範囲内に戻すために重要な、最も
重要なリスク削減活動を構成している。2021年度には、トップ・リスクとより細分化されたRCAのアウトプットとの間の連結性
を高めるために、ツーリングの強化と、ボトムアップRCAプロセスからのトップ・リスクをより正確に識別するための集計ロ
ジックの改善を行った。
改革リスク評価:当行内でのイニシアチブの重要な変更によるリスクを適切に識別および管理するために、改革リスク評価
(TRA)プロセスを整備し、当行のリスク・プロファイルおよび統制環境への改革の影響を評価している。このプロセスでは、
財務および非金融リスク種類の両方の影響が考慮されており、規制当局のイニシアチブ、システム移行、リスク是正プロジェ
クト、戦略的な変更、組織の変更、当行内の不動産の移転等のイニシアチブに適用される。2021年度に、オペレーショナル・
レジリエンスの側面は、取り組みから生じるプロセス、統制、または基となる資源基盤の潜在的な変更によるオペレーショナ
ル・レジリエンスへの影響を改革リスク評価の際に考慮に入れることを義務付けることで、形式化された。
NFR選好度の指標:NFR選好度は事業を行う結果として当行が受け入れる意思のある非金融リスクの程度である。NFRの選好フ
レームワークは、組織全体のリスク選好度を測定および監視するための共通のアプローチを提供する。当行の所定のリスク選
好に対するオペレーショナル・リスク・プロファイルを監視し、差し迫った問題を組織に対して適時に警告するためにNFRの選
好指標が使用されている。2021年度に、NFR選好度と資本プロセスの評価に用いられるリスク選好度の指標の質を向上させるた
め、指標の質の評価が導入された。
検出事項および危機管理:検出事項および危機管理プロセスによって、当行は、把握する統制の脆弱性および不備に関連す
るリスクを軽減し、経営陣は、追加の是正措置やリスク許容の必要性に関してリスクに基づく意思決定を行うことができる。
検出事項の管理プロセスからのアウトプットは、内部および外部のステークホルダーに対して、当行が積極的に統制の脆弱性
を識別し、リスク選好の許容レベル内で関連するリスクを管理する手段を講じていることを示すものである必要がある。2021
年度には、不備やギャップ・コントロールといった項目を識別する能力を改善した。リスク許容の基準は、ライフサイクルに
おける他の事象の基準と共に強化された。これらの測定は、組織全体にわたる持続可能な改善と、改善された統制環境の成果
に引き続き重点を置く。
オペレーショナル・リスクの種類のフレームワーク
ORMFは、すべてのオペレーショナル・サブ・リスク種類の管理に適用される包括的な基準、手法およびプロセスを提供す
る。ORMFは、各RTCが、自らがコントロールするオペレーショナル・サブ・リスク種類に関して設定したオペレーショナル・リ
スクの種類のフレームワーク、リスク管理および統制の基準および手法によって補完されている。これらのオペレーショナ
ル・サブ・リスク種類は様々な管理部門によりコントロールされは、以下が含まれる。
- コンプライアンス部は、法律の遵守を促進・強化し、当行においてコンプライアンスおよび倫理的行為の文化を推進する
ことにより、当行の銀行免許を保持するための独立した第2レベルの管理機能を遂行する。コンプライアンス部は、業務部
門を支援し、また、他の管理部門や規制当局と協力して、当行のリスク選好に応じた当行のコンプライアンス・リスクの
管理に対するリスクベースのアプローチを確立・維持し、法令違反の発見、軽減および防止が可能となるよう支援する。
コンプライアンス部は、コンプライアンス・リスクの識別、評価、軽減、監視および報告、第2レベルでの統制の実施とテ
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スト、規制対応や管理といった規制関連の支援を行い、信頼されるアドバイザーとしての役割を担う。これらの評価およ
び管理の結果は取締役会および監査役会に定期的に報告される。
- 金融犯罪リスクは、金融犯罪対策(AFC)機能が、専門プログラムのメンテナンスおよび開発を通じて管理する。AFCのプ
ログラムは、規制要件および監督要件に基づいている。AFCは、役割および責任を定義し、マネーロンダリング、テロの資
金調達、制裁措置および禁輸措置の不遵守、ならびにその他の犯罪行為(不正、賄賂の授受、汚職、その他の犯罪等)か
ら生じる金融犯罪リスクの識別と管理を行う専属の機能を設置している。AFCは、内部の方針、プロセスおよび統制の定期
的な策定、機関特有のリスク評価および従業員研修により、金融犯罪防止に関する戦略を更新している。
- 法務部(グループ・ガバナンスおよびグループ・データ・プライバシーを含む。)は独立した管理部門であり、取締役
会、監査役会(利害の対立が発生しない範囲において)、業務部門や管理部門に対しても法的助言を提供すること、なら
びに当行の法的リスク、内部コーポレート・ガバナンス・リスクおよびデータの機密性に係るリスクに関連する当行グ
ループのガバナンス・フレームワークの設定と維持のために取締役会を支援することが義務付けられている。これには、
特に以下の内容が含まれるが、これらに限定されない。
- 取締役会および監査役会に対し、両ボードの活動の法的側面に関して助言を提供する。
- 各活動に関係する法的および規制上の要件の遵守のために、規制当局対応支援を含め、ドイツ銀行のすべての部門に
助言を提供する。
- ドイツ銀行グループが利用する外部弁護士と契約し、管理する。
- ドイツ銀行グループの訴訟および係争中の規制上の事項(係争中の人事問題を含む。)を管理し、外部の規制当局の
執行調査に対するドイツ銀行グループの対応を管理する。
- 内部調査の法的側面に関して助言を提供する。
- ドイツ銀行グループのグローバル・ガバナンス・フレームワークを設定し、業務ユニットの枠を越えた適用を促進
し、その実施状況を評価する。
- 明確で一貫性のある役割と責任に基づき、リスクと説明責任を整合させるために、効率的な意思決定の支援に適した
効率的なコーポレート・ガバナンス構造を策定し、保護する。
- ドイツ銀行グループの方針、手続およびフレームワークに関する文書を維持し、当行グループの方針、手続およびフ
レームワークに関する文書を保管する役割を果たす。
- データ・プライバシーに関する法律、規則、規制に関する助言、DBグループのデータ・プライバシーに関するリスク
と統制のフレームワークを維持する。
- 上記に関し、適切な品質保証を確保する。
- NFRM商品ガバナンス部は、新商品承認(NPA)部およびシステマティック・プロダクト・レビュー(SPR)部のリスク横断
的なプロセスを監督する。このプロセスは、新商品・サービスの発売および商品・サービスの変更のライフサイクルに関
連するリスク、ならびにそれらを体系的にレビューするプロセスを管理するように設計された統制のフレームワークを形
成している。当行全体に適用されるリスク横断的なプロセスは、商品ライフサイクルの様々な段階をカバーしており、NPA
部は発売前、またSPR部は発売後に焦点を当てている。発売前のNPAプロセスの主な目的は、NPAに関連する商品やサービ
ス、ならびに関連するプロセスおよびインフラにおけるすべてのリスク(金融リスクおよび非金融リスクの両方)が適切
に評価されることを確実にすることである。発売後のSPRプロセスは、商品をそのまま発売し続けるか、変更や発売中止の
必要があるかを判断するため、すべての商品を定期的にレビューすることに焦点を当てている。
- NFRMは、複数のオペレーショナル・レジリエンス・リスクのRTCである。その権限には、取引処理業務およびインフラ・リ
スクに対する統制の二次的な監督が含まれる。これらの統制の目的は、技術やプロセスの中断を阻止すること、データ、
記録および情報セキュリティの信頼性、完全性および利用可能性を維持すること、ならびに技術的な停止、建物の停電、
サイバー攻撃、自然災害、物理的セキュリティ・リスクまたは安全性リスクに起因する中断時に重要な業務プロセスおよ
び機能を復旧するための強固な計画を各業務部門および管理部門において確実に整備することである。NFRM RTCはまた、包
括的な第三者リスク管理フレームワークを提供することにより、当行の内部および外部のベンダー契約から生じるリスク
も管理する。
オペレーショナル・リスクの測定
当行グループは、先進的計測手法(AMA)に基づく技法を用いて、オペレーショナル・リスクに関する所要規制自己資本およ
び経済的資本の計算および測定を行う。当行グループのAMAによる資本計算は、損失分布アプローチに基づいている。過去の内
部損失データおよび外部損失データ(オペレーショナル・リスクデータ・エクスチェンジ・アソシエーション協会のデータ)
からの総損失ならびに内部シナリオ・データで補完された公開データベース(IBM OpData)からの外部シナリオを使用して、リ
スク・プロファイル(すなわち、損失頻度および損失強度の分布)の見積りが行われる。当行グループの損失分布アプロー
チ・モデルは、複数年にわたって発生する事象に関する損失をヒストリカル損失プロファイルでは単年度の事象として認識す
ることにより保守的に測定している。
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損失分布アプローチ・モデルの中で、損失頻度および損失強度の分布は、モンテカルロ・シミュレーションにおいて組み合
わされ、1年のタイム・ホライズンにわたる潜在的な損失額が算定される。最後に、モンテカルロ・シミュレーションにおいて
算定された各損失額に対して、保険によるリスク削減効果が適用される。相関関係および分散による効果が(規制上の要件に
適 合した方法で)純損失額に対して適用され、予想損失および非予想損失をカバーするグループ・レベルの純損失分布が導出
される。その結果、資本は質的調整および予想損失を考慮した後、各業務部門に割り当てられる。
オペレーショナル・リスクに係る所要規制自己資本および経済的資本は、99.9%分位値から算出される。詳細については
「内部適正自己資本」の項を参照のこと。所要規制自己資本および経済的資本はいずれも、1年のタイム・ホライズンに関して
計算される。
規制自己資本および経済的資本の需要に関する計算は、四半期ベースで行われる。NFRMは、資本需要の定量化のアプローチ
を確立して維持し、ガバナンス・プロセスが適切に策定、検証および変更されることを確実にすること目的としている。検証
は、独立の検証機能により、当行グループのモデル・リスク管理プロセスに従って行われる。
オペレーショナル・リスク資本の変動の要因
2021年度において、当行グループのオペレーショナル・リスク損失合計は、前年同期比で172百万ユーロ、率にして43%増加
した。これは主に、民事訴訟および規制執行から生じる損失および引当金に起因している。こうした損失は、依然としてオペ
レーショナル・リスク損失の89%を占め、オペレーショナル・リスクの規制自己資本需要および経済的資本需要の大半も占め
ており、当行グループの長期にわたる損失の実績に一層大きく依存している。当行グループの現行の規制上の手続の説明およ
び連結財務諸表の要約については、「現在の個別の訴訟」の項、注記29「引当金」を参照のこと。民事訴訟および規制執行事
項により生じたオペレーショナル・リスク損失は225百万ユーロ、率にして44%増加した。また、当行グループの法律外のオペ
レーショナル・リスク損失は、主にCOVID-19関連費用が2021年度は発生しなかったことにより2020年度と比べて53百万ユー
ロ、率にして46%減少した。
当行グループは、当行グループのオペレーショナル・リスク・プロファイルの範囲内の法的リスクとの関連性に鑑み、当行
が、当行だけでなく銀行業界全体に影響を及ぼすような法的事項の進展を内部および外部のデータソースからの情報に依拠し
て検討する場合における、現在係属中の民事訴訟および規制執行事項の管理および測定に特に注目した。複数年にわたる訴訟
手続の性質を反映し、これらのリスクの測定ではさらに、法的事項のライフサイクルを通じて様々な段階でリスクを把握する
ことによって、確実性のレベルの変化も考慮に入れている。
概念的には、当行は、所定の確率で超過しない最大損失を決定することにより、法的リスクを含むオペレーショナル・リス
クを測定する。この最大損失額には、IFRSの基準により当行グループの財務諸表に反映されている要素と、当行グループの財
務諸表で引当金として反映されている金額を超える、規制自己資本需要または経済的資本需要として表示されている要素が含
まれる。
当行が50%以上の発生可能性があると予想する法的損失は、IFRSに基づく当行グループの財務諸表に既に反映されている。
これらの損失には、損失の発生可能性が高いと見なされ、IAS第37号に従って確実に測定可能な特定の期間における、既存およ
び新規の訴訟に係る引当金の純変動が含まれる。当行グループの民事訴訟および規制執行の法務的引当の変動については、連
結財務諸表に対する注記29「引当金」に詳述されている。
IAS第37号に基づく認識基準を満たさないため当行グループの財務諸表に引当金として反映されていない、不確実な法務的損
失は、「規制自己資本需要または経済的資本需要」として表示されている。
訴訟損失をAMAモデルで数値化するため、当行は過去の損失、引当金、偶発債務および法務的予測を考慮する。法的な予測は
通常、発生可能性が低いと見なされるものの合理的に発生し得る法的事項から発生する可能性のある潜在的損失の範囲で構成
される。合理的に発生し得る損失は、現在係属中の法的手続および新たな法的手続により生じる可能性があり、これらは訴訟
事項に対応する弁護士により、少なくとも四半期ごとに見直される。
当行グループは、当行グループのAMAモデルで使用される「関連する損失データ」に法務的予測を含めている。法務的予測の
予測範囲は1年に限定されず、1年を超える資本タイム・ホライズンとなっており、また、基礎となる損失が報告期間内に早期
に解消されるものと保守的に仮定する(したがって、複数年にわたる訴訟事項の性質を勘案する。)。
『
流動性リスク管理
流動性リスクは、支払義務を期日に履行できない、または過剰な費用を負わなければそうした義務を遂行することがでない
潜在的可能性から生じる。グループの流動性リスク管理フレームワークは、DBグループが常に支払義務を履行し(日中を含
む。)、流動性リスクおよび資金調達リスクをMBが承認したリスク選好の範囲内で管理することができるよう、ガイダンスと
統制が整備されていることを確認しなければならない。当該フレームワークは、関連性があり重要な流動性リスク要因を、オ
ンバランスもしくはオフバランスで考慮している。
流動性リスク管理フレームワーク
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当行の流動性リスク管理の原則は、グローバルで適用される「流動性リスク管理方針」(LRMP)に文書化されており、8つの
主要なリスク管理慣行(リスク・ガバナンス、リスク組織(3つのLoD)、リスク文化、リスク選好と戦略、リスクの識別と評
価、 軽減と管理、リスクの測定と報告、ストレス計画立案と実行)を遵守している。流動性リスク管理機能が発行する追加的
な方針および手続はすべて(グローバルおよびローカルの両方)は、流動性リスクに係る慣行に特有の要求事項をさらに定義
している。それらは、この方針の下位にあるものであり、方針が定める基準に従う。流動性管理機能は、「リスク管理方針-
ドイツ銀行グループ」に定められている3つの防衛線に従って組織されている。事業ラインと財務部は、当行の流動性ポジショ
ンを管理するために必要なステップを遂行する第1の防衛線(以下「第1のLoD」という。)から構成されている。リスク機能は
第2の防衛線(以下「第2のLoD」)で構成され、リスク選好および当行グループ・レベルの管理基準の設定を含む第1のLoDに
よって実施される活動に対して、独立したリスク監視、異議申し立ておよび検証を行う責任を負う。グループ監査部は、第1の
LoDと第2のLoDの両方の活動を監督する第3の防衛線(以下「第3のLoD」という。)で構成されており、流動性リスク管理フ
レームワークにおける役割と責任は、関係するすべての利害関係者に明確さと透明性を提供するように設計されたグローバ
ル・レスポンシビリティ・マトリクスの中で策定され、文書化されている。
ECBのSREP(2018年11月に発行された修正ILAAPの要件を含む。)に従って、ドイツ銀行は内部適性流動性評価プロセス
(ILAAP)を実施している。当該プロセスは取締役会により少なくとも年に1回レビューされ承認されている。流動性リスク管
理(LRM)は、財務流動性管理(TSY-LM)の義務の範囲内で行われる活動に対して継続的な監視を行い、銀行のリスク選好の遵
守を確保しつつ、グループの流動性を最も効果的に管理し、事業活動の舵取りを行う。ILAAPは当行の流動性リスク管理フレー
ムワークの包括的な文書化および評価を提供しており、これには、グループがさらされている主要な流動性リスクおよび資金
調達リスクの識別、これらのリスクがどのように識別、監視および測定されているかについての記載、これらのリスクを管理
および軽減するために用いた技術やリソースに関する記載が含まれている。
取締役会は、当行グループの資産負債管理委員会(ALCO)およびリスク委員会(GRC)による提言に基づいたリスク選好だけ
でなく、当行の流動性リスクおよび資金調達リスクの戦略を定めている。取締役会は、少なくとも年に1回、リスク選好のレ
ビューおよび承認を行う。リスク選好は、流動性リスクならびに当行の長期資金調達および発行計画を監視および統制するた
めに、当行グループと主要な流動性事業体(KLE)(ドイツ銀行AGを含む。)に適用されている。
当行の流動性リスク選好は、定性的原則やそれを裏付ける定量的指標を通じて、「リスク選好ステートメント-DBグルー
プ」に示されており、「リスク選好方針-DBグループ」で定められた基準に準拠している。このリスク選好ステートメントは
さらに、流動性リスク管理方針に定められるリスク選好の上限、非リスク選好の上限、閾値、早期警戒指標(EWI)から構成さ
れる流動性リスク管理フレームワークによって支えられている。
ドイツ銀行にはLRMにより設定された専用のストレス・テストおよびリスク選好フレームワークがあり、これにより、当行の
流動性ポジションが当行グループと主要なKLE全体、および通貨間でのバランスを維持している。
財務部は、取締役会の承認した関連測定基準にわたるリスク選好に従い流動性および資金調達を管理しており、コンプライ
アンスを確実にするために、事業レベルの上限を含む多くの手段を実施している。そのため、財務部は、業務ポートフォリオ
内の流動性の基礎となるリスク特性を識別、分析および監視するために、LRMおよび業務部門と密接に連携している。これらの
部門は、業務活動および市場環境から生じる当行の流動性ポジションの変化に関して、定期的に協議している。
さらに、当行は、地域の流動性指標のすべてが、定義されたリスク選好に準拠して管理されることを流動性に関連する各エ
ンティティレベルで確認している。ローカルレベルでの余剰流動性は、DB AGのハブ拠点においてプールされ、ローカルレベル
の流動性不足はDB AGのハブ拠点からの支援によって補うことができる。企業間の流動性の移転は、当行グループの流動性運営
機能のほか、LCR、NSFR(第1の柱)およびsNLP(第2の柱)を考慮したローカルレベルの流動性管理者が関与する「関係会社間
の資金調達方針」に概説されている承認のフレームワークの対象となり、規制上の貸付要件等により他のグループ企業への流
動性移転が制限されている企業の余剰流動性は、移転不可とみなされ、連結グループ余剰流動性の計算には含まれない。
取締役会は、週次の流動性ダッシュボードを通して、リスク選好や内部および市場の指標といった主要な流動性指標に対す
る当行の実績について報告を受ける。流動性および財務報告・分析部(LTRA)は、DBグループにおいて、規制上の流動性に関
する対外報告および流動性リスクに関するマネジメントへの内部報告の両方を正確かつ適時に行う全体的な責任を負う。さら
に、LTRAは、財務部およびLRMの双方の流動性リスク・フレームワークとそのガバナンスを支援するために必要な、管理情報シ
ステム(MIS)とそれに関連する分析の開発に関する責任を負う。
年次の戦略的計画策定プロセスの一環として、戦略計画が当行のリスク選好に引き続き従っていることを確実にするため、
財務部は予想される取引水準に基づき、米ドルの通貨エクスポージャーを含む主要な流動性および資金調達の測定基準の推移
を予測している。
ドイツ銀行は、リテール預金、機関預金、無担保および担保付ホールセール資金調達、資本市場における債券発行を含む幅
広い資金調達源泉を有している。グループ資産負債管理委員会は、取締役会のリスク選好および戦略に沿って、当行の貸借対
照表および財務資源の調達と運用を最適化することを取締役会から委任されている、意思決定が可能な当行のガバナンス機関
である。そのため、同委員会は、当行の資金調達戦略を定義、承認、最適化するという包括的な責任を有する。
ドイツ銀行のグループ緊急時資金調達プラン(CFP)は、実際の、または予想される流動性ストレス事象に銀行がどのように
対応するかを概説している。これには、資金を調達し、ストレス下で銀行の主要な流動性指標を回復するためにとり得る、意
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思決定を伴う一連の行動が含まれる。CFPには、明確なガバナンス構造および明確に定義された流動性リスク指標が含まれてお
り、流動性ストレス事象時に迅速かつ効果的な意思決定、コミュニケーションおよび調整が行われるようになっている。ドイ
ツ 銀行は、危機的状況下における偶発事象、回復、および破綻のシナリオにわたって資本および流動性の監督責任を負う、財
務資源管理評議会(FRMC)を設置している。
短期流動性およびホールセール資金調達
ドイツ銀行は、12ヶ月間のタイム・ホライズンにわたり日次でホールセール資金調達源泉からのすべての契約上のキャッ
シュ・フローを追跡している。この目的上、当行は、主に財務マーケット・プール部門が調達する無担保負債および主にイン
ベストメント・バンク部門が調達する担保付負債がホールセール資金調達に含まれると考えている。ホールセール資金調達の
相手先には、通常、企業、銀行およびその他の金融機関、政府および国家が含まれている。
当行グループは、市場ストレスの影響を最も受けやすいことが歴史的に明らかになっているホールセール資金調達の相手先
に対する当行のエクスポージャーを制限するために、一連の限度枠を設定している。ホールセール資金調達限度枠は、日次で
監視され、期間ごとの限度枠を設けた担保付および無担保の全通貨によるホールセール資金調達の現在の合計残高に対して適
用される。流動性準備金は、短期の潜在的なストレスに対する主要な緩和剤となる。
「流動性リスク・エクスポージャー:資金調達の分散」の項にある表は、当行の短期のホールセール資金調達および資本市
場発行の契約上の満期日を示している。
流動性ストレス・テストおよびシナリオ分析
グローバルの内部流動性ストレス・テストおよびシナリオ分析は、流動性フレームワーク内で流動性リスクを測定し当行グ
ループの短期流動性ポジションを評価するために用いられている。これは日々のオペレーショナルキャッシュ管理プロセスを
補完するものである。契約上および行動上のモデル化されたキャッシュ・フロー情報に基づく長期流動性戦略は、資金調達マ
トリクスとして知られる長期的指標に示されている(以下の「資金調達リスク管理」を参照。)。
グローバル流動性ストレス・テストのプロセスは、取締役会の承認したリスク選好に従い財務部により管理される。財務部
は全体の手法の設計、流動性リスク・ドライバーの選択、および入力値をストレス・テストの結果に変換するための適切な仮
定(パラメータ)の決定に責任がある。LRMは、ストレス・シナリオを定義する責任がある。モデル・リスク管理が定める原則
に基づき、LRMは、流動性リスク・モデルによる見積りとモデルによらない見積りに対して独立した検証を実施する。LTRAは、
財務部、LRMおよびITと連携してこれらの手法を実施し、ストレス・テストの計算を行う責任がある。
当行グループの流動性ポジションに対する突然かつ重大なストレス事象の影響を評価するために、ストレス・テストおよび
シナリオ分析が使用される。ドイツ銀行は、当行グループのストレスのかかった正味流動性ポジション(以下「sNLP」とい
う。)を計算するための厳選された4つのシナリオを有している。これらのシナリオは、ドイツ銀行固有のストレスおよび/ま
たは市場全体のストレスがかかった期間においてドイツ銀行が経験し得る潜在的な結果を把握するよう、また、当行グループ
の流動性ポジションへの重大な影響に関しては妥当かつ十分厳格なものとなるよう設計されている。最も重大なシナリオは、
市場全体の事象および固有のストレス事象(当行グループの格付引き下げを含む。)の組み合わせから生じる潜在的な結果を
評価することである。この各シナリオの下で、異なったタイム・ホライズンおよび複数の流動性リスク・ドライバーにおける
流動性ストレス事象の影響が、すべての事業ライン、商品分野および貸借対照表に与える影響を含めて検討される。シナリオ
分析からのアウトプットは、シナリオがすべてのリスク種類に及ぼす影響を検討するグループ全体のストレス・テストに織り
込まれる。
さらに分析には、与信枠の利用、デリバティブ契約に基づく担保要求の増加および格付関連トリガーが契約で定められてい
る預金からのアウトフローといった、ストレス下で発生する恐れのある偶発的な流動性リスクからの潜在的な資金調達要求が
含まれる。次いで、対策(ストレス事象下において発生したアウトフローを埋め合わせるために当行グループが取る措置)が
検討される。この対策には、当行のビジネス・モデルに重要な影響を与えることのない、当行の流動性準備金の利用、および
その他の制約を受けない市場性のあるその他の資産からの流動性の創出が含まれる。
ストレス・テストは、グローバルおよび定義された主要な流動性事業体のレベルで実施され、8週間のストレス・ホライズン
をカバーする。この期間は流動性危機に最も重要な期間と考えられ、グループ・レベルで流動性が積極的に誘導および評価さ
れる期間である。すべての通貨を総合したストレス・テストに加え、重要な通貨(ユーロ、米ドルおよび英ポンド)ごとのス
トレス・テストが実施される。COVID-19のパンデミック等、当行に影響を及ぼす可能性のある潜在的な下振れ事象の影響を反
映するため、特別な分析が実施される場合もある。リスク・ドライバーならびにオンバランスおよびオフバランスの商品から
の流動性フローを反映するために関連するストレスの仮定が適用される。一連のストレス・テストのシナリオおよび仮定は定
期的にレビューされ、ストレス・テストの手法が改善された場合に更新される。
当行は、日次の流動性ストレス・テストを補完するものとして、エンタープライズ・リスク・マネジメント部(ERM)が実行
を担当する定期的なグループ全体のストレス・テスト(GWST)も実施している。GWSTは、定義されている他のリスク種類と合
わせて流動性リスクを分析し、資本ポジションと流動性ポジションの両方への影響や相互作用を評価するものである(「スト
レス・テストに基づくリスクおよび資本のフレームワーク」を参照。)。
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「流動性リスク・エクスポージャー:ストレス・テストおよびシナリオ分析」の項にある表は、多様なシナリオ下での内部
グローバル流動性ストレス・テストの結果を示している。』
流動性カバレッジ比率
内部的なストレス・テストの結果に加え、当行グループは、取締役会が承認した流動性カバレッジ比率(LCR)に関するリス
ク選好を有している。LCRは、30日間のストレス・シナリオにわたる当行の流動性リスク・プロファイルの短期的な耐性を促進
することを意図している。当該比率は、正味キャッシュ・アウトフロー合計(30日間にわたって契約上のエクスポージャーと
モデル化されたエクスポージャーの両方から発生する。)に対する、ストレスのかかったシナリオにおける流動性の調達に使
用できる高品質の流動資産(HQLA)の金額として定義されている。
LCRは、内部的なストレス・テストのフレームワークを補完するものである。最低規制要件を上回る比率を維持することによ
り、LCRは、当行グループが短期的な流動性ストレスを軽減するための十分な流動性リソースを有していることを確保すること
を目指している。
内部流動性ストレス・テストとLCRの主な相違点には、タイム・ホライズン(8週間対30日)、流動性準備金とLCRのHQLAの区
分やヘアカットの違い、様々な資金調達カテゴリーに関する流出率、ならびに様々な資産に関する流入の仮定(例えば、貸出
金の返済)が含まれる。当行グループの内部流動性ストレス・テストには、日中の流動性の仮定に関連する流出も含まれる
が、LCRに明確に反映されていない。
資金調達リスク管理
『
ドイツ銀行の、長期資金調達リスクの監視および管理のための内部の第1の手段は、資金調達マトリクスである。資金調達マ
トリスクでは、タイム・ホライズンが1年を超えるものに関する当行グループの構造的資金調達プロファイルを評価する。資金
調達マトリスクを作成するため、すべての資金調達関連資産および負債をその契約上の期限またはモデル化された期限に対応
するタイム・バケット単位でマッピングしている。これにより当行グループは、負債に対する資産の超過または不足額をタイ
ム・バケットごとに識別することができ、未手当の流動性エクスポージャーの管理が容易となっている。
流動性プロファイルは、契約上のキャッシュ・フローの情報に基づく。商品の契約上の期限プロファイルが流動性プロファ
イルを適切に反映していない場合は、仮定のモデリングによって置き換えられる。貸借対照表の流動項目(1年以内)または一
致する調達済の構造(資産と負債が直接的に一致し、流動性リスクがないもの)は、期限分析に含まれない場合がある。
当行グループのIFRSに基づく貸借対照表を背景として、事業ライン別のボトムアップの評価をトップダウンの調整と組み合
わせている。1年を超える資産および負債の累積期間プロファイルにより、当行グループの期限構造における長期的な調達余剰
または短期的な調達不足が識別可能となっている。そのため、累積プロファイルは、10年超のバケットから1年超のバケットま
で作成されている。
業務ユニット全体の資金調達の需要と供給の変動を盛り込む戦略的流動性計画プロセスは、当行が目標とする主要な流動性
および資金調達の測定基準とともに、当行グループの資本市場の年間発行計画の主要入力パラメータを提供する。取締役会の
承認を受けて、資本市場発行計画は、期間別、数量別、通貨別および証券別に、有価証券の発行目標を設定する。』
安定調達比率
安定調達比率(NSFR)は、当行の構造的資金調達プロファイルを評価するための規制上の指標である。NSFRは、オンバラン
スおよびオフバランスの活動に関して安定的な調達プロファイルを維持することを銀行に要求することで、中・長期的な資金
調達リスクを低減することを意図している。当該比率は、所要安定調達額(様々な保有資産の流動性の特性の関数)に対す
る、利用可能な安定調達額(資本および負債のうち、安定的な調達源と見込まれる部分)の金額として定義されている。
NFSRの最低水準は、規制上の要件に準拠するよう、ドイツ銀行AGのほか、当行グループに対しても設定されている。NSFRが
2021年6月28日に発効したため、当行は100%の最低所要比率を維持しなければならない。NSFRのリスク選好の水準は、2021年6
月28日までの閾値として扱われていたが、その後は、規制上の要件を反映するためにより厳しい制限が課されている。
資本市場発行
債券発行は、資本証券だけでなくシニア無担保債やカバード・ボンドを含んでおり、当行の重要な資金調達源泉であり財務
部により直接管理されている。財務部は、少なくとも年に1回、資産負債管理委員会での承認を受けた後、年次の長期資金調達
計画をGRCが提言を行えるよう提出し、その後取締役会から承認を受ける。この計画は、業務展開の予想に基づいた世界的なお
よび各国の資金調達需要および流動性要件により決定されるものである。当行グループの資本市場発行は、満期が集中するこ
とを避けるため年次の発行計画を通して動的に管理される。
『
資金調達の分散
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投資家タイプ、地域および商品の面から見た当行グループの資金調達プロファイルの分散は、流動性リスク管理フレーム
ワークにおいて重要な要素である。当行は、資本市場発行およびエクイティ、ならびにリテールおよびトランザクション・バ
ン キング顧客から生じる最も安定した資金調達源泉のリスク選好の最低水準を設定している。その他の顧客預金、担保付資金
調達およびショート・ポジションは、追加的な資金調達源泉である。無担保ホールセール資金調達は、主に財務プール管理
チームからの無担保ホールセール負債を表す。これらの負債は、比較的短期的な性質であることを考慮して、主に流動性のあ
るトレーディング資産を賄うために使用される。
ドイツ銀行は、借換業務の分散のため、抵当ファンドブリーフ債(Pfandbriefe)を発行できるライセンスを有しており、仕
組みカバード・ボンドを発行するプログラムを維持している。また、当行グループは引き続き、スペイン法(Cedulas)に基づ
きカバード・ボンドを発行するためのプログラムを運用している。DBグループはECBのTLTRO Ⅲ プログラムにも加入している。
グリーン・ファイナンス・フレームワークの下、ドイツ銀行は、世界的な大手銀行で初めて、シニア優先グリーン(800百万米
ドル)とグリーン・フォルモサ債(総額400百万米ドル)を台湾の投資家に発行した。さらに、複数の仕組みグリーン債、初め
てのグリーン預金とグリーン買戻契約(レポ)が実施された。
「流動性リスク・エクスポージャー:資金調達の分散」のグラフは、流動性リスク・ポジションに貢献する外部資金調達源
泉の構成を、十億ユーロ単位で、および外部資金調達源泉総額に対する割合で示している。』
資金移転価格
すべての業務や地域には移転価格決定フレームワークが適用され、( ⅰ )基礎となる流動性リスクに従った資産の価格決定、
( ⅱ )流動性価値に従った負債の価格決定、および( ⅲ )適切な流動性準備金を提供するための費用に従った偶発流動性エクス
ポージャーの価格決定を促進している。
このフレームワーク内で、資金調達および流動性リスクの費用および便益は、ドイツ銀行の流動性に関する経済的コストを
反映する市場価格に基づいて当行の業務ユニットに配分される。財務部は、当行の流動性リスク・ガイドラインに従って、追
加的な財務上のインセンティブを設定する可能性がある。当該フレームワークは、当行の資金調達コストの流動性ユーザーへ
のグループ全体の綿密な配分を確保する一方で、各業務が安定的、長期的、かつストレス準拠の資金調達を生み出すためのイ
ンセンティブに基づくフレームワークも提供している。
2021年度を通じて、当行は、資金調達コストの最適化をさらに支援するとともに、管理ツールとしての有効性を高めること
を目的として2019年度に開始された内部のFTPフレームワークの変更の改善に対して、引き続き一定の効果を上げた。追加情報
については、連結財務諸表に対する注記05「事業セグメントおよび関連情報」を参照のこと。
流動性準備金
『
流動性準備金は、利用可能な現金および現金同等物、制約を受けない流動性の高い有価証券(国債、政府機関債および政府
保証債を含む。)、ならびにその他の制約を受けない中央銀行適格資産から成っている。流動性準備金の計算においては、日
中の特定の要件および強制的な最低準備預金が直接控除されるが、その他の日中の流出は当行グループの内部流動性モデルに
おいて表される。』
主要な通貨にわたる流動性準備金の大部分は、親会社および当行グループが活動を行う重要な拠点の在外支店の中央銀行口
座、ならびにストレスのかかった期間に緩和剤とするためだけに設定された、財務部が管理する専用の戦略的流動性準備金
(SLR)で集中的に保有される。すべての資産クラスにおける流動性準備金構成の健全性を確保するために、重要な通貨につい
て現金最低水準が維持されている。今後は、市場との対話を踏まえ、業界内の比較可能性を高める観点から、流動性準備金に
代わる、高品質の流動資産への注力を図っていく。
資産の制約
制約を受ける資産は主に、担保付資金調達、コラテラル・スワップおよびその他の担保付債務の担保として差入れられてい
るオンバランス資産およびオフバランスの資産から構成されている。通常、カバード・ボンドまたはその他の自己証券化によ
るストラクチャー商品等の長期資本市場の担保付発行を支援する目的で貸出金に制約が課されるが、その一方で、債務および
株式ポートフォリオに担保付ベースで融資を行うのはインベストメント・バンク業務部門の通常の活動である。さらに、規制
上の資産の制約の報告に関するEBAのテクニカル・スタンダードに従って、決済システムに供された資産(デフォルト・ファン
ドおよび当初証拠金を含む。)、ならびに自由に引き出すことができないその他の預託資産(中央銀行に対する強制的な最低
準備預金等)は制約を受ける資産と見なされる。また、当該EBAガイドラインに従って、デリバティブの未収委託証拠金資産も
制約を受ける資産に含められる。
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エンタープライズ・リスク・マネジメント
エンタープライズ・リスク・マネジメント(ERM)は、銀行の包括的なリスク管理フレームワークとポートフォリオ管理の責
任を有するクロス・リスクの機能である。ERMは、リスク選好度を設定、配分、監視し、銀行の戦略の指針となる分析と提言を
提供する。ERMは以下のことを行う権限を有する。
- すべてのリスクが確実に識別され、所有され、評価されることを目指し、銀行のリスク管理フレームワークを設定する。
- エンタープライズ・リスク選好(リスク種類、部門、事業および法人全体に対する選好の適用方法に関する枠組みおよび
手法を含む。)を管理する。
- 意思決定の支援として企業全体のリスクの透明性を高めるため、リスクを統合し集約する。
- 将来を見据えたストレス・テストを実施し、グループの再建計画を管理する。
さらに、ERMは、戦略リスク、資本不足、ポートフォリオの集中、環境、社会およびガバナンスの各リスクから生じる潜在的
な損失や悪影響に関連する、エンタープライズ・リスクに対する第2のLoDとして機能する。これには特に、適切なリスク・ガ
バナンスの確立、リスク選好の設定、リスクの測定および報告が含まれる。これらリスクの管理はまた、内部資本および流動
性の適切性に関する銀行の全体的な戦略およびプロセスに綿密に統合されている。
戦略リスク
戦略リスクは、(仮定の欠陥による)誤った事業計画、事業計画の効果的ではない実行、または計画の重要な乖離への対応
の欠如に起因して収益(その他の重要なリスクを除く。)が不足するリスクである。戦略リスクは、マクロ経済環境に対する
当行のエクスポージャー、競争環境の変更、および規制や技術面での進展から生じる。また、戦略リスクは、戦略的ポジショ
ニングのミス、当行による計画された戦略実行の失敗および/または計画目標より低いパフォーマンスに対する効果的な対策
実施の失敗からも生じる可能性がある。
戦略計画は毎年策定され、協議および承認のために取締役会に提示される。最終的な計画は監査役会に提示される。計画
は、その仮定、信頼性、整合性の観点から繰り返し見直しが行われる。当年度において、事業戦略の実行は、目標に対する実
績を評価するために、定期的に監視されている。このプロセスに関するさらに包括的な説明は、「戦略的および資本計画」の
項に詳述されている。
戦略リスクは、極端であるが現実的な市況下における12ヶ月間のコスト削減では相殺しきれない、税引前利益の予期せぬ未
達によって引き起こされる潜在的損失を定量化する専用のリスク・モデルによって測定される。
戦略リスクの第2のLoD機能はERMである。財務部は、各業務部門とともに、第1のLoDであり、関連するリスクの主要なリスク
管理者となっている。
資本リスク
資本リスクは、ドイツ銀行が、平常時およびストレス状況下において、既存および計画中の事業活動ならびに関連リスクを
支えるのに十分な水準のまたは構成の資本供給ができないリスクと定義される。
銀行の資本リスク・フレームワークは、ドイツ銀行がさらされているリスクをカバーするのに十分な資本を継続的に維持す
ることを目的とする複数の要素から構成されている。このフレームワークは、銀行全体の戦略計画プロセスに強固に統合され
ており、ドイツ銀行の内部自己資本評価プロセスと密接に結びついている(詳細は、「内部自己資本評価プロセス」の項を参
照のこと。)。財務部は、各業務部門とともに、関連するリスクの主要なリスク管理者となっており、第1のLoDとされる。ERM
は、資本リスクに対して第2のLoDとして機能する。
当行グループの財務機能は、資本リスクをグループ・レベルで、また、ローカルレベルにおいて適宜管理している。これに
は、資本性金融商品の発行および買戻しの管理が含まれる(詳細は、「資本管理」の項を参照のこと。)。さらに、当行グ
ループの主要な資本資源に関する部門別の上限は、当行グループの資本リスク選好との整合性を確保するよう、グループ資産
負債管理委員会によって承認される(詳細は、「金融資源の上限設定」の項を参照のこと。)。
ERMは資本リスク・フレームワークを設定し、資本リスク・プロファイルを評価し、独立した見直しを行う。これには、主要
な自己資本比率に関するリスク選好の閾値の設定が含まれる。閾値の違反は、ドイツ銀行の再建計画の遂行に至るまで、管理
活動を発動する、専用のガバナンス・フレームワークの対象となる。閾値はまた、資本計画に限界値を定め、ストレス・シナ
リオ下での資本リスクの定期的な評価に完全に組み込まれている。
ポートフォリオの集中リスク
『
リスクの集中は、特定のリスク種類内(すなわち信用リスク、マーケット・リスク、オペレーショナル・リスクおよび戦略
リスク項目内の集中)および異なるリスク種類間(リスク間の集中)の同一または類似のリスク要因の集合を示している。リ
スクの集中は、相手先、事業、地域/国、業界および商品の中でおよびこれらに横断的に起こる。リスクの集中の管理および
監視は、以下の定量的および定性的アプローチを通じて達成される。
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- リスク項目内の集中は、個別のリスク機能(信用リスク、マーケット・リスク、オペレーショナル・リスク、流動性リス
クおよび戦略的リスク管理)別に評価、監視および軽減される。これは、各リスク種類に応じた異なる水準の上限を設定
および/または管理することによって支援される。
- リスク間の集中は、定量的なトップダウンのストレス・テストならびに他のリスク種類から独立したリスクのテーマを識
別および評価し銀行全体の総体的観点から行われる定性的なボトムアップのレビューを通じて管理される。信用リスク、
マーケット・リスク、オペレーショナル・リスクおよび戦略リスク間の分散効果は、これらのリスク種類間の不完全な相
関関係から生じる分散効果を定量化する専用のリスク・モデルによって測定される。リスク種類の分散効果の計算は、個
別のリスク種類に関する独立した経済的資本の数値が、経済的に合理的な方法で確実に集計されることを目的としてい
る。
リスクの集中の監視に関する最上位のガバナンス組織は、2021年度を通じて、グループ・リスク委員会(GRC)であった。
』
環境、社会、ガバナンスに関するリスク
世界的な温暖化の影響、気候変動とネット・ゼロ経済への移行に対する社会の関心の高まりにより、規制当局と銀行業界
は、新たな金融リスクおよび非金融リスクの増大にさらされている。これらには、頻度と深刻度が増している異常気象から生
じる物理的リスクに加えて、炭素集約型産業が、より高い課税、需要の減少、潜在的な金融アクセスの制限に直面するといっ
た移行リスクが含まれる。これらのリスクは、幅広い金融リスクおよび非金融リスクの種類にわたり、ドイツ銀行に影響を及
ぼす可能性がある。
気候やより広範なESG関連の課題について、政府、規制当局、株主、その他の機関からの金融機関に対する精査が強化されて
おり、当行グループが生物多様性と人権を保護するための低炭素経済への移行を支援しなければ、風評リスクにさらされるこ
とになる。また、グリーンウォッシュを防止するために、新たな規制ガイダンスに沿ってESGリスク管理フレームワークを見直
し、強化することが求められている。現在利用可能な整合的かつ包括的なESGデータと手法が不足しているということは、当行
グループが貸借対照表に対するリスクを評価し、気候関連の開示に高度な不確実性を取り込む際には、代替の見積りや定性的
アプローチに大きく依拠するということを意味している。2022年、ECBは最初の気候ストレス・テストを実施する予定である。
このテストは、学習エクササイズとしては非常に価値があるものの、新たな手法やデータソースの開発を必要とする新たな複
雑な要素を多数含んでいる。
ドイツ銀行は、ポートフォリオを2050年までに排出量ネット・ゼロに沿ったものにすることを含め、事業活動と運営を持続
可能な形で管理することにコミットしている。ドイツ銀行では、最高経営責任者が議長を務める取締役会のグループ・サステ
ナビリティ委員会が、すべての重要なサステナビリティに関する取り組みを決定する。同委員会は、各事業部門の幹部と管理
部門の幹部で構成されるサステナビリティ評議会の諮問を受けている。リスク、資本、流動性に関する項目のレビューおよび
意思決定の中心的な場として、最高リスク責任者(CRO)を委員長とするグループ・リスク委員会(GRC)を設置している。こ
れには、当行の気候および広範なESGリスク・フレームワークの策定に関する責任が含まれている。専任のESGリスク・フォー
ラムが、ESGリスクの銀行の既存の金融リスクおよび非金融リスク管理フレームワークへの統合を監督している。
気候リスクやその他のESGリスクは、当行グループのリスク分類法に個別のリスク種類として組み込まれている。当行グルー
プの事業活動は、リスク選好の定性的原則、リスク選好の定量的指標とともに、役割、責任をまとめた、専用の気候および環
境リスク方針に準拠している。また、当行グループの環境および社会の方針では、特定のセクターに対する具体的な規制の概
要が示されている。当行グループは、グループのリスク識別プロセス、内部の気候リスク分類法、およびポートフォリオ資金
による排出量と集約度の定期的な内部報告を含む、多くの補完的なツールを用いてリスクを識別し、評価している。さらに、
当行グループの業界別および国別ポートフォリオ戦略に関するリスク主導の年次レビューには、気候リスクの脆弱性の評価が
含まれている。
モデル・リスク管理
はじめに
モデル・リスクは、不正確または誤使用されたモデル・アウトプットに基づく決定から悪影響が生じる可能性をいう。モデ
ル・リスクは、財務上の損失や不十分なビジネスまたは戦略上の意思決定につながる、または当行グループの評判を損なう可
能性がある。ドイツ銀行は、モデルの使用が他のリスク種類に影響を与え得ること、また、モデル・リスクは他のリスク種類
全体の総リスクを変動させることができる個別のリスクであることを認識している。
ドイツ銀行は、与信引受、エクスポージャー評価、商品およびポジション、リスク測定、顧客資産の管理および保護、なら
びに適正資本および引当金等の幅広い分野でモデルを用いている。「モデル」という用語は、入力データを加工して定量的見
積りを作成するために統計、経済、金融または数学的理論、技法および仮定を適用する定量的手法、システムまたはアプロー
チを指す。モデルは現実の世界の関係性を簡略化して表現するものであり、仮定と判断に基づいている。したがって、当行は
モデル・リスクにさらされており、当該リスクの識別、測定および適切な管理が必要である。
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モデル・リスク管理は、取締役会を含むすべての経営陣が監督する。モデルのライフサイクル全般の構成要素を含むモデ
ル・リスクの管理は、第2の防衛線による設計および監視フレームワークが支えている。
モデル・リスク管理フレームワークとガバナンス
モデル・リスクは、当行のレベル1のリスクの1つであり、定量的および定性的なリスク選好ステートメントの設定ならびに
以下の事項の管理を通じて、最高リスク責任者により監督されている。
- リスク選好、規制要件および業界のベストプラクティスに整合しており、ステークホルダーに対して明確な役割と責任を
定めた、モデル・リスクの方針および手続、ならびにそれらの裏付けとなる主要な業務文書(KOD)。
- 継続中のモデル・リスクのフレームワークの構成要素(リスク評価および検証を含む。)を支援する、すべてのモデルの
一覧。
- 検証、承認、展開、監視を含む、開発から撤去に至るすべてのモデルの主要な統制。
- モデルが意図した対象と目的のために適切に設計され、実施されていること、また、モデルの利用において期待した
とおりに機能し続けるよう統制が整備されていることを検証する、独立検証、およびその後の第2のLoDによる承認。
- モデルの限界と脆弱性を識別し、その結果、調整やオーバーレイ等の使用条件となる指摘事項や補完的統制が導かれ
る統制。
- モデル・リスクに関連するトピックの監視と上申を行う上級管理職によるフォーラムを含む、モデル・リスク・ガバナン
ス、ならびにモデル・リスク選好指標の更新に関する取締役会への月次報告およびモデル・リスクの更新に関する監査役
会への定期報告。
報告期間における進展:
モデル・リスクは、企業にとってのモデル・リスクの範囲と重要性を反映した銀行のグループ・リスク分類法においてレベ
ル1にまで引き上げられた。これは、以前はオペレーショナル・リスクの下でレベル3のリスクに該当していた(以下「モデル
悪用のリスク」という。)。また、モデル・リスク方針への非準拠の影響が拡大した。
2021年度初めには、モデル・リスク・フレームワークのあらゆる側面を刷新し、モデル・リスクの識別、測定、監視、報
告、管理、軽減等、銀行全体の慣行との整合性をもたらす戦略的取り組みが進行中であった。この新しいフレームワークは、
強化されたモデル・インベントリ・システムの開発によって支えられている。第1段階の実施は、米国における業務に重点を置
いており、2022年には銀行全体での実施が予定されている。
風評リスク管理
当行グループのリスク管理プロセスでは、風評リスクは、ステークホルダーが不適切または非倫理的である、あるいはドイ
ツ銀行の価値や信念と一致していないと受け取る可能性がある関係、行動または行動の欠如により、ドイツ銀行のブランドお
よび評判がダメージを受けるリスク、ならびに損益、資本または流動性に対する関連するリスクとして定義されている。
ドイツ銀行は、風評リスクを合理的に実行可能な範囲におさえることを目指している。風評リスクは、様々なステークホル
ダー(例えば、国民、顧客、株主および規制当局等)の当行グループのプラクティスに対する認識が、予測不可能に変化する
可能性があるため、排除することは不可能である。ドイツ銀行は、収益性を強化し、風評リスクを最小限におさえるための持
続可能な基準を推進することに務めている。
風評リスクをもたらす可能性のある事項について、事前に積極的な意思決定を行うことによって可能な限りドイツ銀行の風
評被害を防ぐプロセスを管理するために、風評リスク・フレームワーク(以下「本フレームワーク」という。)が整備されて
いる。本フレームワークは、風評リスク問題の識別、評価および管理のための一貫した基準を規定している。別のリスク種
類、統制またはプロセスにおける障害から生じる可能性がある風評リスクは、関連するリスク種類のフレームワークを介して
別途対処されるため、この項では扱わない。風評リスクは、相手先のプロファイル、取引あるいは商品の事業目的/経済的実
体、高リスク産業、環境および社会に関する考慮、ならびに取引あるいは商品の性質またはその構造および条件に関する潜在
的な問題を含む(これらに限定されない。)複数の原因から発生する可能性がある。
風評リスクの内部自己資本のモデリングおよび定量的測定は、当行グループの経済的資本フレームワークにおいて、主に戦
略リスク内で非明示的にカバーされている。
ガバナンスと組織体制
本フレームワークは、すべての業務部門および地域に適用される。DWS固有の問題はDWS専属の風評リスク委員会がレビュー
し、必要に応じてDWSのエグゼクティブ・ボードに上申される。
当行グループの評判を守る責任は個々の従業員にあるが、風評リスク問題を識別、評価、管理、監視および必要に応じて上
申または報告する一義的な責任は、一義的なリスク所有者であるドイツ銀行の各業務部門にある。各業務部門は、中程度また
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は重大な風評リスクとみなされる問題を評価するプロセスである、各部門の風評リスク評価手続(部門RRAP)を確立してい
る。
当該部門RRAPは、重大な風評リスク問題を各リージョナル風評リスク委員会(RRRC)に上申しなければならない。本フレー
ムワークはまた、風評リスクの観点から本質的にリスクが高くなっているとみなされ、RRRCへの上申を義務づける複数の問題
を設定している。第2のLoD委員会であるRRRCは、ドイツ銀行の各地域における風評リスク管理の監視、統治および調整を確実
に行う責任を有している。RRRCは少なくとも四半期に1回、必要に応じて特別会議を開催する。グループ風評リスク委員会
(GRRC)は、グループ・リスク委員会および取締役会を代表してドイツ銀行の風評リスクに対する監視、管理調整の責任を
負っている。GRRCはまた、グループ全体に影響を及ぼし、特別な状況においては、地域レベルで解決できない可能性のある事
例をレビューする。
リスクおよび資本のパフォーマンス
資本、レバレッジ比率、TLACおよびMREL
自己資本
当行グループの自己資本の計算は、金融機関および投資会社に対する健全性要件に関する規制(EU)第575/2013号(所要自己
資本規制(以下「CRR」という。))ならびに金融機関の業務に対するアクセスならびに金融機関および投資会社の健全性の監
督に関するEU指令第2013/36号(所要自己資本指令(以下「CRD」という。))(その後の規制および指令に伴い更なる修正が
加えられている。)に基づいた自己資本水準に立脚している。CRDは、ドイツの法律に導入されている。本項および「リスク・
ウェイテッド・アセットの変動」の項における情報は、規制上の連結の原則に基づいている。
この項では、CRRおよびドイツ銀行法(Kreditwesengesetz(以下「KWG」という。))に従って、銀行規制目的上の連結ベー
スでの適正自己資本について言及している。したがってグループ内の保険会社および金融部門以外の事業体はここに含まれて
いない。
2021年度末現在有効であった規制に基づく自己資本合計は、Tier 1資本およびTier 2(T2)資本から構成されている。Tier 1
資本は、普通株式等Tier 1(CET 1)資本およびその他Tier 1(AT1)資本に細分化される。
普通株式等Tier 1(CET 1)資本は、主に、規制上の調整(すなわち、プルデンシャル・フィルターおよび控除)の対象とな
る(保有株式を控除した)普通株式資本(関連する株式プレミアム勘定を含む。)、利益剰余金(事業年度における損失があ
る場合、それらを含む。)およびその他の包括利益累計額、ならびに連結CET 1資本への組み入れに適格な少数株主持分から構
成されている。CRR第32条から第35条に基づくCET 1資本のプルデンシャル・フィルターには、( ⅰ )証券化売却益、( ⅱ )
キャッシュ・フロー・ヘッジおよび自己の負債の価値の変動、ならびに( ⅲ )追加評価調整が含まれる。CET 1資本控除には、
例えば( ⅰ )無形資産(プルデンシャルバリューを超える部分)、( ⅱ )将来の収益性に依存する繰延税金資産、( ⅲ )予想
損失の算定結果として得られたマイナスの金額、( ⅳ )確定給付年金基金資産正味額、(v)金融部門事業体との資本の相互持
合い、および(vi)一定の基準を上回る金融部門事業体の資本(CET 1、AT1、T2)に対する重要な投資および重要でない投資が
含まれる。控除されなかったすべての項目(すなわち、基準を下回る金額)は、リスク・ウェイトの対象となる。
その他Tier 1(AT1)資本は、AT1資本性金融商品および関連する株式プレミアム勘定、ならびに連結AT1資本への算入に適格
な非支配持分から構成されている。CRR/CRDのもとAT1資本として適格であるためには、金融商品は普通株式への転換または元
本削減メカニズムを通じてトリガー・ポイントで損失を配分する第一次損失吸収力を有していなければならず、更なる要件
(早期償還インセンティブを有さない永久的なもの、機関は常に配当/クーポンに関する完全な裁量を有していなければなら
ない等)の充足も必要とされる。
Tier 2(T2)資本は、適格な資本性金融商品、関連する株式プレミアム勘定、ならびに劣後長期債務、一定の信用損失引当金
および連結T2資本への算入に適格な非支配持分から構成されている。T2資本として適格であるためには、資本性金融商品また
は劣後債は、当初満期が5年以上でなければならない。さらに、適格な資本性金融商品は特に、早期償還インセンティブ、投資
家の早期返済の権利、または信用に連動した配当条項を含んではならない。
本報告書において、当行グループは特定の数値を、自己資本金融商品に関するCRRの定義(Tier 1、資本合計およびレバレッ
ジ比率を含む、その他Tier 1(AT1)資本およびTier 2(T2)資本ならびにこれらに基づく数値に適用される。)に基づき、
「完全適用ベース」で表示している。
当行グループは、かかる「完全適用ベース」の数値を、現在適用されているCRR/CRDで規定される自己資本金融商品の経過措
置を除外して計算している。
当行グループのCET 1およびRWAには「完全適用ベース」に基づくIFRS第9号の経過措置による加算の影響額が重要な差異では
ないため、含まれている。
AT1およびT2金融商品には経過措置が適用される。2011年12月31日以前に発行された、現在適用される完全適用ベースの
CRR/CRDの下でAT1またはT2資本として適格でなくなった資本性金融商品は、移行期間中にグランド・ファーザー規定が適用さ
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れ、2013年から2022年の間に段階的に除外される。(2012年12月31日時点で引き続き流通している、グランド・ファーザー規
定が適用されるポートフォリオに関して)その認識の上限は2020年度に20%、2021年度に10%である。グランド・ファーザー
規 定は段階的に廃止され、2022年1月1日以降は完全に廃止される。
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2019年6月27日から適用されている現在のCRRは、2019年6月27日より前に発行されたAT1およびT2金融商品について更なるグ
ランド・ファーザー規定を定めている。これに基づき、特別目的事業体を通じて発行されたAT1およびT2金融商品は2021年12月
31日までグランド・ファーザー規定の対象となる。2021年以降、経過措置はAT1およびT2金融商品のみに適用され、2019年6月
27日以降に適用される特定の新たな要件を満たしていない場合でも、2025年6月26日までは引き続き適用の対象となる。2021年
度末時点で、かかる金融商品の残高に重要性はない。したがって、2022年1月1日以降、「完全適用ベース」と「経過措置」の
AT1およびT2金融商品との間に実質的に差異はないことになる。
「完全適用ベース」の計算は既知の将来の規制上の資本に係る基準に対する当行グループの進展度合いを反映するものであ
ることから、当行グループは、こうした計算が投資家に有意な情報を提供していると考えている。当行グループの多くの競合
他社が「完全適用ベース」の計算について説明しているが、競合他社の「完全適用ベース」の計算に関する仮定および見積り
は様々であることから、当行グループの「完全適用ベース」の指標は、競合他社が使用している同様の指標とは比較可能でな
い場合がある。
資本性金融商品
当行グループの取締役会は、2025年4月末までに206.7百万株を上限に自己株式を買い戻すことにつき、2020年度年次株主総
会から承認を取得済みである。そのうち103.3百万株はデリバティブを用いて買い戻すことができる。これには、満期が18ヶ月
超の41.3百万のデリバティブを含む。2020年度年次株主総会から2021年度年次株主総会(2021年5月27日)までの間に、28.7百
万株が買い戻された。買い戻された株式は、同期間において株式報酬のために使用され、次の期間においても使用される予定
である。その結果、2021年度年次株主総会の開催日現在、買戻しによる保有自己株式数は3.7百万株であった。
2021年度年次株主総会において、2026年4月末までに206.7百万株を上限に自己株式を買い戻す権限が当行グループの取締役
会に付与された。そのうち103.3百万株はデリバティブを用いて買い戻すことができる。これには、満期が18ヶ月超の41.3百万
のデリバティブを含む。この権限は、前年度年次株主総会により付与された権限に取って代わるものである。2021年度年次株
主総会から2021年12月31日までの間に、4.0百万株と24.0百万個のコール・オプションが買い戻された。保有中の株式は、株式
報酬のために当期または次の期間において使用される予定である。その結果、2021年12月31日現在、買戻しによる保有自己株
式数は0.7百万株であった。コール・オプションは、株式報酬のために次の期間において使用される予定である。
2017年度年次株主総会以降、2021年度年次株主総会での更新を経て、2021年12月31日現在、取締役会が利用可能な授権資本
は2,560百万ユーロ(1,000百万株)であった。2021年12月31日現在、現金を対価とする条件付資本は512百万ユーロ(200百万
株)であった。取締役会はこの条件付資本を利用しないことを決定している。株式報酬を要因とする追加的な条件付資本は、
51.2百万ユーロ(20百万株)であった。さらに、2018年度年次株主総会では、参加証券およびその他Tier 1資本として適格とな
る規制要件を満たすその他のハイブリッド負債性有価証券の80億ユーロ相当の発行を認めた。
当行グループの旧ハイブリッドTier 1資本性金融商品(ほぼすべてが非累積的信託優先証券)は、元本削減または株式転換条
項がないことを主因として、CRR/CRD完全適用規則の下では、その他Tier 1資本として認識されていない。段階的廃止の移行期
間中に、2012年12月31日現在のバーゼル2.5に準拠した発行によるその他Tier 1金融商品の認識可能な最大金額は、2022年度ま
で各会計年度の期首において10%(13億ユーロ)減少する予定である。これにより、2021年12月31日に関しては、適格なその
他Tier 1金融商品は89億ユーロ(すなわち、CRR/CRD完全適用規則に基づき認識されたAT1ノート83億ユーロおよび移行期間中に
認識可能な旧ハイブリッドTier 1金融商品6億ユーロで、後者は最終的に2021年12月現在、規制自己資本として認識されてい
る。)となった。2021年度に、当行は25億ユーロのAT1ノートを発行した。さらに、当行は名目金額が5億ユーロの旧ハイブ
リッドTier 1金融商品を償還した。
2021年12月31日現在、CRR/CRDに基づく移行期間中に認識された当行グループのTier 2資本性金融商品は、合計74億ユーロ
(名目金額88億ユーロ)であった。CRR/CRD完全適用規則の下で認識されたTier 2金融商品は、73億ユーロ(名目金額87億ユー
ロ)であった。2021年度に、当行は名目金額12.5億米ドル(11億ユーロ相当)のTier 2資本性金融商品を発行した。また、名目
金額3億ユーロのTier 2資本性金融商品が償還された。
最低所要自己資本と追加的自己資本バッファー
当行グループに適用される第1の柱のCET 1資本に関する最低所要自己資本は、リスク・ウェイテッド・アセット(RWA)の
4.50%である。8.00%の第1の柱の総所要自己資本には、その他Tier 1資本を最大1.50%およびTier 2資本を最大2.00%充当で
きる追加のリソースが要求される。
最低所要自己資本を満たさなかった場合、利益分配の制限または貸付といった特定の業務の制限等の監督措置が発せられる
ことがある。2021年度において当行は規制上の自己資本の最低要件を遵守していた。
これらの最低所要自己資本に加えて、以下の組み合わされた資本バッファーの要件が、2021年以降、全面的に施行された。
第1の柱の最低所要自己資本に加えて、これら資本バッファーの要件を満たさなければならないが、経済的ストレス期に取崩し
可能である。
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資本保全バッファーは、CRD第129条に基づきドイツ銀行法第10c条に導入され、2021年以降、RWAに対するCET 1資本比率
2.50%の要件に相当する。
カウンターシクリカル資本バッファーは、過度な信用拡大が法域のシステム全体のリスクの増加と関連する時に設定され
る。当該バッファーは、2022年までRWAに対するCET 1資本比率が0%から2.50%の間で様々である。例外的に、2.50%よりも高
くなり得る。当行に適用される機関特有のカウンターシクリカル資本バッファーは、当行の関連する信用エクスポージャーが
所在する法域に適用されるカウンターシクリカル資本バッファーの加重平均である。2021年12月31日現在、機関特有のカウン
ターシクリカル資本バッファーは、0.03%であった。
上記のバッファーに加えて、BaFin等の各国の当局が、CRRによってカバーされていない長期的な非シクリカル・システミッ
ク・リスクおよびマクロ・プルデンシャル・リスクを回避および軽減するためのシステミック・リスク・バッファーを要求す
る可能性がある。当局は、最大でRWAに対するCET 1資本比率5.00%の追加的なバッファーを要求する可能性がある。2021年度末
現在、システミック・リスク・バッファーは当行には適用されていなかった。
当行は、ドイツ連邦銀行と合意のうえ、ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)によって引き続きグローバルにシステム上重要な金
融機関(G-SII)に指名された。その結果、G-SIIバッファーとして、2019年に公表された指標に基づき2021年にRWAに対する
CET 1資本比率1.50%が要求されている。この評価は2020年および2021年にFSBにより確認された。当行は、引き続き当行の指標
をウェブサイト上で公開する。
加えて、ドイツ銀行AGは、ドイツ連邦銀行と合意のうえ、BaFinによって「その他のシステム上重要な金融機関」(O-SII)
として分類されており、2021年には2.00%の追加的な資本バッファーの要件を連結ベースで満たさなければならない。した
がって、ドイツ銀行の場合、2021年のO-SIIバッファーは2.00%となる。システム上重要な金融機関のバッファー(G-SIIバッ
ファーまたはO-SIIバッファー)のいずれか高い方を適用しなければならない。
加えて、第2の柱の監督上の検証・評価プロセス(SREP)に従って、欧州中央銀行(ECB)は、法令の要件(いわゆる、第2の
柱の要件)よりも厳格な所要自己資本を個々の銀行に課す可能性がある。
2019年12月9日に、ドイツ銀行はECBから、2019年度のSREPの結果を受けて2020年1月1日より適用される2020年度の健全な最
低所要自己資本に関する決定について通知を受けた。2020年1月1日より、ECBの第2の柱の要件(P2R)はRWAの2.50%に設定さ
れた。2021年12月31日現在、ドイツ銀行は連結ベースで、最低10.43%のCET 1比率、最低12.40%のTier 1資本比率および最低
15.03%の自己資本合計比率を維持する必要がある。当該CET 1所要自己資本は、4.50%の第1の柱の最低所要自己資本、1.41%
の第2の柱の要件(SREPアドオン)、2.50%の資本保全バッファー、0.03%のカウンターシクリカル資本バッファー(年間を通
じて変更される可能性がある。)、ならびに2.00%のG-SII/O-SIIバッファー(いずれか高い方)で構成される。したがって、
Tier 1所要自己資本には、1.50%のTier 1最低所要自己資本と0.47%の第2の柱の要件が追加で含まれ、総所要自己資本には、
2.00%のTier 2最低所要自己資本と0.63%の第2の柱の要件が追加で含まれる。また、ECBはドイツ銀行に対し、追加的な第2の
柱のCET 1の資本アドオン(一般に「第2の柱のガイダンス」と呼ばれる。)をドイツ銀行が維持することを期待している旨、ま
た、これはあくまでガイダンスとみなされ、少なくとも2022年度末まではこのガイダンスへの違反により資本健全化計画の提
出またはCET 1資本を再構築する方策の実行が要求されることはない旨を直接通知した。
2022年2月、ECBは、当行グループの第2の柱の要件を変更しないという決定をし、当該決定が2022年3月1日に発効することを
当行グループに通知した。2021年、ドイツ銀行は、COVID-19のパンデミックにより2020年から延期されていたEBAストレス・テ
スト2021に参加した。ECBは、ECBの標準的な手続に従って、2021年度のSREP評価で第2の柱のガイダンスにおける水準を再検討
する際のインプットとして悪化シナリオでの定量的なパフォーマンスを考慮し、第2の柱の要件を総体的にレビューする際の1
つの側面として定性的なパフォーマンスを考慮した。
2022年1月、BaFinは、2023年2月1日以降ドイツのカウンターシクリカル資本バッファーが0.75%となることを発表した。こ
れは、当行グループのドイツの信用エクスポージャーの現在のシェアを考慮すると、ドイツ銀行グループの約30ベーシス・ポ
イントのCET 1資本要件に相当する。さらに、BaFinは、2023年2月1日以降のドイツの住宅用不動産エクスポージャーについて、
2%のセクター別システミック・リスク・バッファーを検討している。検討通りに実施された場合、このセクター別バッファー
は、現在のドイツの住宅用不動産エクスポージャーを考慮すると、ドイツ銀行グループのCET 1資本要件を約20ベーシス・ポイ
ント増加させる可能性がある。
下表は、2021年と2022年にドイツ銀行に適用される、第1の柱と第2の柱(「第2の柱のガイダンス」を除く。)の異なる最低
所要自己資本および資本バッファーの要件の概要を示している。
総所要自己資本および資本バッファーの概要
2021 年 2022 年
第1の柱
CET 1最低所要自己資本
4.50 % 4.50%
合算後のバッファーの要件 4.53 % 4.53%
資本保全バッファー 2.50 % 2.50%
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1
0.03%
カウンターシクリカル資本バッファー 0.03 %
2
0.00%
システミック・リスク・バッファー 0.00 %
以下の最大要件: 2.00 % 2.00%
G-SIIバッファー 1.50 % 1.50%
O-SIIバッファー 2.00 % 2.00%
第2の柱
第2の柱のCET 1資本のSREPアドオン(「第2の柱のガイダンス」を除く。)
2.50 % 2.50%
うち、CET 1資本によりカバーされる部分
1.41 % 1.41%
うち、Tier 1資本によりカバーされる部分
1.88 % 1.88%
うち、Tier 2資本によりカバーされる部分
0.63 % 0.63%
3
第1の柱および第2の柱のCET 1所要自己資本合計
10.43 % 10.43 %
第1の柱および第2の柱のTier 1所要自己資本合計
12.40 % 12.40 %
第1の柱および第2の柱の総所要自己資本 15.03 % 15.03 %
1 ドイツ銀行のカウンターシクリカル資本バッファーの要件は、各報告日時点のEBAおよびバーゼル銀行監督委員会(BCBS)によって定めら
れた各国ごとのバッファー率ならびにドイツ銀行の関連する信用エクスポージャーも算定の基礎となる。2022年度のカウンターシクリカル
資本バッファー率は、2022年度期首現在、0.03%と仮定している。カウンターシクリカル資本バッファーは、その構成要素に応じ、年度を
通じて変更されることがある。
2 システミック・リスク・バッファーは、2022年度の予想では引き続き0%であると仮定している。ただし、追加的な指令によって変更され
る可能性がある。
3 第1の柱と第2の柱(「第2の柱のガイダンス」を除く。)のCET 1総所要自己資本は、SREPに基づく所要自己資本、システミック・リスク・
バッファーの所要自己資本、資本保全バッファーの所要自己資本、カウンターシクリカル資本バッファーの所要自己資本、G-SIIとO-SIIの
いずれか高い方を合計することによって算出される。
自己資本の変動
2021年12月31日現在の当行グループの規制自己資本合計は、2020年12月31日現在の587億ユーロに対して、627億ユーロで
あった。2021年12月31日現在の当行グループのTier 1資本は554億ユーロであり、465億ユーロの普通株式等Tier 1(CET 1)資本
と89億ユーロのその他Tier 1(AT1)資本で構成されている。Tier 1資本は、2020年12月31日現在と比べて36億ユーロ増加し
た。これは、2020年度末からCET 1資本が16億ユーロ増加したこととAT1資本が20億ユーロ増加したことによるものである。
CET 1資本の16億ユーロの増加は、2021年12月31日現在の24億ユーロのプラスの純利益を主因とするものであったが、将来の
普通株式配当の規制上の控除額とAT1クーポン支払額の合計10億ユーロによって一部相殺された。これは、規制(EU)第575/2013
号(ECB/2015/4)の第26条(2)に従い中間または通年の利益をCET 1資本で認識するというECBの決定(EU)第2015/656号に則った
ものである。増加は他に、為替換算調整額によるプラスの影響11億ユーロ(資本控除項目における為替レートによる反対効果
控除後)によるものである。さらに、CET 1資本の7億ユーロの増加は、2021年度第4四半期の評価統制フレームワークの改善を
受けた規制上の自己資本控除額の戻入れを主因とするものであった。
これらのプラスの影響は、危機前の手法の再導入および慎重な評価の規則集の変更に関連するモデルの変更による4億ユーロ
のプルデンシャル・フィルターによる規制上の調整の増加(追加的価値調整)、5億ユーロの予想損失額の計算によるマイナス
の金額からの資本控除の増加、損益計算書における利益の実現、金利の上昇および信用スプレッドの拡大を主因とするその他
の包括利益を通じて公正価値で測定する金融商品に係る4億ユーロの未実現損失、ならびに預金保証制度および単一破綻処理基
金に関連する取消不能の支払コミットメントによる2億ユーロの定期的な拠出によるマイナスの影響により一部相殺された。
AT1資本の20億ユーロの増加は、2021年度第2四半期および第4四半期に累計名目金額25億ユーロの2つのAT1資本性金融商品が
新規発行されたことが主因であり、これは、名目金額5億ユーロの1つの旧ハイブリッドTier 1金融商品(移行期間中にAT1資本
として認識可能であったもの)が2021年度第4四半期に繰上償還および償還されたことにより一部相殺された。
2021年12月31日現在の当行グループの完全適用による規制自己資本合計は、2020年12月31日現在の573億ユーロに対して、
621億ユーロであった。2021年12月31日現在の当行グループの完全適用によるTier 1資本は、2020年12月31日現在の506億ユーロ
に対して、548億ユーロであった。2021年12月31日現在の当行グループの完全適用によるAT1資本は、上述の25億ユーロの発行
により、2020年12月31日現在の57億ユーロから増加し、83億ユーロであった。当行グループのCET 1資本は、2020年12月31日現
在の449億ユーロに対し、2021年12月31日現在では465億ユーロであった。
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自己資本テンプレート(RWAおよび自己資本比率を含む。)
3
2020 年12月31日現在
2021 年12月31日現在
CRR/CRD CRR/CRD
完全適用 完全適用
単位:百万ユーロ ベース CRR/CRD ベース CRR/CRD
普通株式等 Tier 1 ( CET 1 )資本:金融商品および準
備金
資本性金融商品、関連する株式プレミアム勘定およ
45,864 45,864 45,890 45,890
びその他の準備金
利益剰余金 10,506 10,506 9,784 9,784
その他の包括利益(損失)累計額、税引後 -444 -444 -1,118 -1,118
独立してレビューされた中間利益(予測可能な費用
1,379 1,379 253 253
または配当を控除後) 1
その他 910 910 805 805
規制上の調整前の普通株式等 Tier 1 ( CET 1 )資本
58,215 58,215 55,613 55,613
普通株式等 Tier 1 ( CET 1 )資本:規制上の調整
追加評価調整(マイナスの金額) -1,812 -1,812 -1,430 -1,430
その他のプルデンシャル・フィルター(追加評価調
-14 -14 -112 -112
整を除く。)
のれんおよびその他の無形資産(関連する税金負債
-4,897 -4,897 -4,635 -4,635
を控除後)(マイナスの金額)
一時差異から発生するものを除く、将来の収益性に
依存する繰延税金資産(CRR第38条(3)の条件が満た
-1,466 -1,466 -1,353 -1,353
される場合には、関連する税金負債を控除後)(マ
イナスの金額)
予想損失額の計算の結果生じたマイナスの金額 -573 -573 -99 -99
確定給付年金基金資産(関連する税金負債を控除
-991 -991 -772 -772
後)(マイナスの金額)
機関による自己のCET 1金融商品の直接的、間接的お
0 0 0 0
よびシンセティックな保有(マイナスの金額)
機関が金融部門事業体に対する重要な投資を有して
いる場合における、機関による当該事業体のCET 1金
0 0 0 0
融商品の直接的、間接的およびシンセティックな保
有(10%/15%基準超過額、適格なショート・ポジ
ションを相殺後)(マイナスの金額)
一時差異から生じた繰延税金資産(CRR第38条(3)の
条件が満たされる場合には、関連する税金負債を控
-151 -151 -75 -75
除後)(10%/15%基準超過額)(マイナスの金
額)
その他の規制上の調整 2
-1,805 -1,805 -2,252 -2,252
普通株式等 Tier 1 ( CET 1 )資本に対する規制上の調
-11,709 -11,709 -10,728 -10,728
整合計
普通株式等 Tier 1 ( CET 1 ) 資本
46,506 46,506 44,885 44,885
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2020 年12月31日現在 3
2021 年12月31日現在
CRR/CRD CRR/CRD
完全適用 完全適用
単位:百万ユーロ ベース CRR/CRD ベース CRR/CRD
その他 Tier 1 ( AT1 )資本:金融商品
資本性金融商品および関連する株式プレミアム勘定 8,328 8,328 5,828 5,828
AT1からの段階的除外の対象となる、CRR第484条(4)
に言及されている適格項目の金額および関連する株 N/M 600 N/M 1,100
式プレミアム勘定
規制上の調整前のその他 Tier 1 ( AT1 )資本
8,328 8,928 5,828 6,928
その他 Tier 1 ( AT1 )資本:規制上の調整
機関による自己のAT1金融商品の直接的、間接的およ
-60 -60 -80 -80
びシンセティックな保有(マイナスの金額)
CRR第472条に従って移行期間中にCET 1資本からの控
N/M N/M
除に関連してAT1資本から控除される残存金額
その他の規制上の調整 0 0 0 0
その他 Tier 1 ( AT1 )資本に対する規制上の調整合計
-60 -60 -80 -80
その他 Tier 1 ( AT1 )資本
8,268 8,868 5,748 6,848
Tier 1 資本( T1 = CET 1 + AT1 )
54,775 55,375 50,634 51,734
Tier 2 ( T2 )資本
7,328 7,358 6,623 6,944
自己資本合計 ( TC = T1 + T2 )
62,102 62,732 57,257 58,677
リスク・ウェイテッド・アセット合計 351,629 351,629 328,951 328,951
自己資本比率
普通株式等Tier 1資本比率(リスク・ウェイテッド・
13.2 13.2 13.6 13.6
アセットに対する比率)
Tier 1資本比率(リスク・ウェイテッド・アセットに
15.6 15.7 15.4 15.7
対する比率)
自己資本合計比率(リスク・ウェイテッド・アセット
17.7 17.8 17.4 17.8
に対する比率)
N/M -表記するに値しない。
1 通年の利益は、規制(EU)第575/2013号(ECB/2015/4)の第26条(2)に則ったECBの決定(EU)第2015/656号に基づく承認を前提として認識され
る。
2 単一破綻処理基金および預金保険制度に関連した取消不能の支払コミットメントに関するECBのガイダンスに基づく11億ユーロの資本控除
(2020年12月:9億ユーロ)、不履行エクスポージャーに対する慎重な引当に関するECBの監督勧告に基づく7億ユーロの資本控除(2020年
12月:7億ユーロ)、2021年6月30日に発効したCRR第36条(1)(n)に基づく最低価額コミットメントから生じた17百万ユーロの資本控除、な
らびにCRR第473a条に基づくIFRS第9号の移行規定による39百万ユーロのCET 1の増加(2020年12月:54百万ユーロ)が含まれている。2020
年12月に含まれるECBの定期レビューに基づく7億ユーロの資本控除は、2021年12月31日現在戻入れられている。
3 2020年12月31日現在の普通株式等Tier 1資本は、2020年度の配当支払額ゼロを反映するよう更新されている。
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株主持分の自己資本への調整
CRR/CRD
2020 年12月31日
2021 年12月31日
現在 3
現在
単位:百万ユーロ
会計上の貸借対照表による株主持分合計 58,027 54,786
事業体の連結除外/連結 265 265
そのうち:
資本剰余金 0 0
利益剰余金 265 265
その他の包括利益(損失)累計額、税引後 0 0
規制上の貸借対照表による株主持分合計 58,292 55,050
少数株主持分(連結CET 1に含めることが認められている額)
910 805
AT1クーポンおよび株主配当控除 1
-987
-242
規制上の調整前の普通株式等 Tier 1 ( CET 1 )資本
58,215
55,613
追加評価調整 -1,812 -1,430
その他のプルデンシャル・フィルター(追加評価調整を除く。) -14 -112
のれんおよびその他の無形資産(関連する税金負債を控除後)(マイナスの金
額) -4,897 -4,635
将来の収益性に依拠する繰延税金資産 -1,617 -1,428
確定給付年金基金資産(関連する税金負債を控除後)(マイナスの金額) -991 -772
機関が金融部門事業体に対する重要な投資を有している場合における、機関に
よる当該事業体のCET 1金融商品の直接的、間接的およびシンセティックな保有
0 0
その他の規制上の調整 2
-2,378 -2,351
普通株式等 Tier 1 資本
46,506 44,885
1 通年の利益は、規制(EU)第575/2013号(ECB/2015/4)の第26条(2)に則ったECBの決定(EU)第2015/656号に基づく承認を前提として認識され
る。
2 単一破綻処理基金および預金保険制度に関連した取消不能の支払コミットメントに関するECBのガイダンスに基づく11億ユーロの資本控除
(2020年12月:9億ユーロ)、不履行エクスポージャーに対する慎重な引当に関するECBの監督勧告に基づく7億ユーロの資本控除(2020年
12月:7億ユーロ)、予想損失額の計算の結果生じた6億ユーロのマイナスの金額による資本控除(2020年12月:1億ユーロ)、2021年6月
30日に発効したCRR第36条(1)(n)に基づく最低価額コミットメントから生じた17百万ユーロの資本控除、ならびにCRR第473a条に基づく
IFRS第9号の移行規定による39百万ユーロのCET 1の増加(2020年12月:54百万ユーロ)が含まれている。2020年12月に含まれるECBの定期
レビューに基づく7億ユーロの資本控除は、2021年12月31日現在戻入れられている。
3 2020年12月31日現在の普通株式等Tier 1資本は、2020年度の配当支払額ゼロを反映するよう更新されている。
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自己資本の変動
CRR/CRD
2020 年12月31日に終了
2021 年12月31日に終了
した12ヶ月間 2
した12ヶ月間
単位:百万ユーロ
普通株式等 Tier 1 ( CET 1 ) 資本 - 期首残高
44,885 44,148
普通株式(純額) 0 0
資本剰余金 -26 113
利益剰余金 2,834 854
自己普通株式、売却(+)および購入(-)の純影響 1 -3
その他の包括利益累計額の増減 675 -1,655
AT1クーポンおよび株主配当控除 1
-987 -242
追加評価調整 -381 308
のれんおよびその他の無形資産(関連する税金負債を控除後)(マ
-262 1,880
イナスの金額)
将来の収益性に依存する繰延税金資産(一時差異から発生するもの
-113 -227
を除く。)
予想損失額の計算の結果生じたマイナスの金額 -474 160
確定給付年金基金資産(関連する税金負債を控除後)(マイナスの
-219 119
金額)
機関が金融部門事業体に対する重要な投資を有している場合におけ
る、機関による当該事業体のCET 1金融商品の直接的、間接的および
0 0
シンセティックな保有
一時差異から生じた繰延税金資産(10%および15%基準超過額、CRR
第38条(3)の条件が満たされる場合には、関連する税金負債を控除 -77 244
後)
その他(規制上の調整を含む。) 650 -814
普通株式等 Tier 1 ( CET 1 ) 資本 - 期末残高
46,506 44,885
その他 Tier 1 ( AT1 )資本-期首残高
6,848 6,397
その他Tier 1に適格な資本の新規発行
2,487 1,134
満期到来したおよび償還された金融商品 -500 -713
その他(規制上の調整を含む。) 33 30
その他 Tier 1 ( AT1 )資本-期末残高
8,868 6,848
Tier 1 資本
55,375 51,734
Tier 2 ( T2 ) 資本 - 期末残高
7,358 6,944
規制自己資本合計 62,732 58,677
1 通年の利益は、規制(EU)第575/2013号(ECB/2015/4)の第26条(2)に則ったECBの決定(EU)第2015/656号に基づく承認を前提として認識され
る。
2 2020年12月31日現在の普通株式等Tier 1資本は、2020年度の配当支払額ゼロを反映するよう更新されている。
不履行エクスポージャー(NPE)の最低損失カバレッジ
2019年4月、EUは、不履行エクスポージャー(NPE)のプルデンシャル・バック・ストップ準備金に関するCRR(規制(EU)第
575/2013号)を修正する要件規制(EU)第2019/630号を公表した。この規制により、最低損失カバレッジ要求額が満たされない
場合は、第1の柱はCET 1資本から控除されることになる。この規制は、2019年4月25日より後に組成され、債務不履行となった
エクスポージャーに適用される。
さらに、ECBは、2018年3月に「銀行の不良債権処理に関するECBガイダンス補足版:不履行エクスポージャーに対する慎重な
引当に対する監督上の期待」を、また2019年8月に「不履行エクスポージャーのカバレッジに対する監督上の期待に関するコ
ミュニケーション」を公表した。
公表されたECBのガイダンスは、2018年4月1日より後に新たに債務不履行に陥ったすべての貸出金に適用され(ECB-NPE-
Flow)、EU規制と同様に、各銀行に対して最低減損カバレッジ要求額が満たされない場合に措置を講じるよう求めている。各
銀行が講じる措置についてECBが満足しない場合、ECBは年に一度のSREPの議論の中で、銀行に第2の柱に係る措置を課す可能性
がある。
前述のECBのガイダンスとSREP勧告により要求されているとおり、当行グループは2020年度末に、第2の柱に係る措置として
不履行エクスポージャーに対する慎重な引当額を決定するためのフレームワークを導入した。
2018年4月1日より前に債務不履行に陥った顧客から生じる不履行エクスポージャーに関する期待最低損失カバレッジ(ECB –
NPE Stock)については、年率10%の増加を前提に100%の期待カバレッジの段階的導入が想定された。最初のステップとして、
2017年度末現在の銀行の正味不良債権比率に基づいて銀行を3つの比較可能なグループに割り当て、次のステップで、潜在的な
影響に関する各銀行の2026年度末までの返済能力の評価を行った。ドイツ銀行はグループ1に割り当てられており、グループ1
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では、担保付貸出金については2024年末までに、無担保貸出金については2023年末までに100%の最低損失カバレッジを完全適
用することが求められている。
不履行エクスポージャーの最低損失カバレッジ要求額と、債務不履行となった(ステージ3の)資産についてIFRS第9号に
従って計上されたリスク準備金との間の不足額は、2021年12月31日現在748百万ユーロであり、これはCET 1から控除された。こ
のCET 1に関する追加費用は追加的な損失準備金とみなされ、これによりRWAが384百万ユーロ軽減されている。
不履行エクスポージャーの損失カバレッジ
2021 年12月31日現在
最低損失 適用される
カバレッジ カバレッジ カバレッジ
単位:百万ユーロ エクスポー
(別途記載のものを除く。) ジャーの額 要求額合計 利用可能額 不足額
コーポレート・バンク 3,746 626 1,109 119
インベストメント・バンク 14,671 7,823 10,155 273
プライベート・バンク 7,119 1,263 2,449 311
アセット・マネジメント 0 0 0 0
キャピタル・リリース・ユニット 253 120 102 42
コーポレートおよびその他 22 3 0 3
合計 25,811 9,835 13,816 748
2020 年12月31日現在
最低損失 適用される
カバレッジ カバレッジ カバレッジ
単位:百万ユーロ エクスポー
(別途記載のものを除く。) ジャーの額 要求額合計 利用可能額 不足額
コーポレート・バンク 2,852 377 1,058 63
インベストメント・バンク 13,510 7,816 10,574 255
プライベート・バンク 6,123 1,269 2,011 361
アセット・マネジメント 0 0 0 0
キャピタル・リリース・ユニット 422 183 182 60
コーポレートおよびその他 1 1 0 1
合計 22,907 9,646 13,825 740
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リスク・ウェイテッド・アセットの変動
以下の表は、リスク・ウェイテッド・アセット(RWA)の概要を、リスク種別および業務部門別に示している。これらは、イ
ンフラストラクチャ関連ポジションのセグメント別の再配分(該当がある場合)の影響の合計およびセグメント間の再配分の
影響の合計を含んでいる。
リスク種別および業務部門別のリスク・ウェイテッド・アセット
2021 年12月31日現在
キャピタ
インベスト アセット・ ル・リリー コーポレー
コーポレー メント・バ プライベー マネジメン ス・ユニッ トおよびそ
単位:百万ユーロ ト・バンク ンク ト・バンク ト ト の他 合計
信用リスク 59,588 93,125 77,632 11,017 5,426 16,964 263,752
決済リスク 0 1 0 0 10 49 60
信用評価調整
120 4,879 167 9 1,098 55 6,327
(CVA)
マーケット・リスク 128 17,565 40 33 1,293 715 19,773
オペレーショナ
5,571 25,031 7,527 3,357 20,232 0 61,718
ル・リスク
合計 65,406 140,600 85,366 14,415 28,059 17,783 351,629
2020 年12月31日現在 1
キャピタ
インベスト アセット・ ル・リリー コーポレー
コーポレー メント・バ プライベー マネジメン ス・ユニッ トおよびそ
単位:百万ユーロ ト・バンク ンク ト・バンク ト ト の他 合計
信用リスク 50,995 70,550 68,353 6,224 7,214 19,371 222,708
決済リスク 0 0 0 0 1 54 56
信用評価調整
75 6,302 92 198 1,599 125 8,392
(CVA)
マーケット・リスク 385 24,323 548 31 1,470 2,139 28,897
オペレーショナ
6,029 27,115 8,081 3,544 24,130 0 68,899
ル・リスク
合計 57,483 128,292 77,074 9,997 34,415 21,690 328,951
1 2020年12月31日の部門間の分配は、現行の部門構成を反映するため、従来の開示から更新されている。
当行グループのRWAは、2020年度末現在の3,290億ユーロに対し、2021年12月31日現在では3,516億ユーロであった。227億
ユーロの増加は、マーケット・リスク、信用評価調整(CVA)リスクおよびオペレーショナル・リスクのRWAにより一部相殺さ
れたものの、信用リスクRWAが増加したことが主因である。信用リスクRWAの410億ユーロの増加は、大企業、銀行/金融機関の
モデルの精緻化のきっかけとなった欧州中央銀行による内部モデルの限定的レビュー(TRIM)から生じたRWAのインフレ、レバ
レッジド貸出による155億ユーロ、2021年6月28日に適用されたCRRの修正による63億ユーロ、債務不履行の新たな定義に関する
EBAガイドラインの導入による81億ユーロ、および当行グループの中核事業の成長が主因である。また、当行グループの信用リ
スクRWAは為替の変動により64億ユーロ増加したが、グローバル・プライム・ファイナンスおよび電子株式トレーディングのプ
ラットフォームのBNPパリバS.A.とコーポレートおよびその他への移転の成功によるキャピタル・リリース・ユニットにおける
RWAの減少、ならびに格付遷移の影響により一部相殺された。マーケット・リスクRWAは、COVID-19のボラティリティの段階的
消滅およびVaR/SVaRモデルの更新に起因するVaR要素により91億ユーロ減少した。さらに、追加的リスクに係る自己資本賦課に
関するRWAの減少は欧州のソブリン債のエクスポージャーの減少を示している。これらの減少は、COVID-19シナリオによるSVaR
の増加、ならびにマーケット・リスク標準的アプローチ(証券化、長寿、および特定の集合投資事業(CIU)を対象とする。)
の増加によって一部相殺された。COVID-19のボラティリティが段階的に消滅したことも、過去1年間でCVA RWAが21億ユーロ減少
したことに寄与した。オペレーショナル・リスクRWAが72億ユーロ減少したのは、資本モデルに織り込まれる内部損失のプロ
ファイルの改善によるもので、モデル関連の更新により一部相殺された。
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下表は、報告期間における信用リスク、信用評価調整、マーケット・リスクおよびオペレーショナル・リスクに関して観察
されたリスク・ウェイテッド・アセットの変動の主要な要因の分析を提供している。また、RWAから算出される所要自己資本の
変動を8%の自己資本比率で示している。
カウンターパーティ信用リスクを含む、信用リスクに係るリスク・ウェイテッド・アセットの変動
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ 信用リスクRWA 所要自己資本 信用リスクRWA 所要自己資本
信用リスクRWA期首残高 222,708 17,817 221,060 17,685
勘定の規模 4,719 378 4,659 373
勘定の質 -899 -72 1,160 93
モデル更新 -97 -8 -2,072 -166
手法および方針 30,172 2,414 6,542 523
取得および処分 131 10 -1,672 -134
外国為替変動 6,431 514 -7,237 -579
その他 587 47 268 21
信用リスクRWA期末残高 263,752 21,100 222,708 17,817
うち、カウンターパーティ信用リスクに係るリスク・ウェイテッド・アセットの変動
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
カウンター カウンター
パーティ パーティ
単位:百万ユーロ 信用リスクRWA 所要自己資本 信用リスクRWA 所要自己資本
カウンターパーティ信用リスクRWA期首残高 23,814 1,905 23,698 1,896
勘定の規模 -4,527 -362 1,784 143
勘定の質 -422 -34 -594 -48
モデル更新 125 10 -643 -51
手法および方針 4,805 384 669 54
取得および処分 0 0 0 0
外国為替変動 986 79 -1,100 -88
その他 0 0 0 0
カウンターパーティ信用リスクRWA期末残高 24,780 1,982 23,814 1,905
信用リスクRWAの変動の表における主な要因の分類は、開示強化タスクフォース(EDTF)の推奨に完全に則ったものである。
当行グループのポートフォリオの規模および構成の自律的変化は、「勘定の規模」の区分において考慮されている。「勘定の
質」の区分は主に、ポートフォリオの格付遷移、デフォルト時損失率、モデル・パラメータの再調整ならびに担保および相殺
に関する範囲の変更による影響を示している。「モデル更新」の区分には、モデルの高度化および先進的モデルの拡張が含ま
れている。外部要因ないし規制上の変更(新規制の適用等)に起因して生じるRWAの変動は、「手法および方針」の項において
考慮されている。「取得および処分」の区分は、新規事業や処分関連業務に明確に割り当てられる重大なエクスポージャーの
変動を表示するためのものである。上記区分に該当しない変動は、「その他」の区分に含まれている。
2020年12月31日以降の信用リスクRWAの18.4%(410億ユーロ)の増加は、主として「手法および方針」の区分、「勘定の規
模」の区分および外国為替関連の変動、ならびに「その他」の区分および「取得および処分」の区分のわずかな増加によるも
のであり、「勘定の質」の区分および「モデル更新」の区分の変動により一部相殺されている。「手法および方針」の区分は
主に、ECBの定期レビューから生じる「内部モデルの限定的レビュー(TRIM)」による影響155億ユーロ、ならびに債務不履行
の新たな定義に関するEBAガイドラインの導入に伴う更新の影響81億ユーロと2021年6月28日に適用されたCRRの修正に伴う更新
の影響63億ユーロを反映している。「勘定の規模」の区分における増加は、当行グループの中核事業セグメントの事業成長を
反映しており、当行グループのキャピタル・リリース・ユニットのコスト削減策により一部相殺されている。「勘定の質」の
区分における減少は、カウンターパーティの格付の改善、ならびに順調なパラメータ開発およびデータ強化を反映している。
カウンターパーティ信用リスクの増加は、主に、TRIMの追加に伴うECBの定期レビュー、および外国為替関連の変動による
「手法および方針」の区分における増加によるものである。さらに、「モデル更新」の区分における増加は当行グループの内
部モデルの改善を反映しており、現在の市場のボラティリティを反映した「勘定の規模」の区分における変動、および特に格
付の変更の影響から生じた「勘定の質」の区分における変動により相殺されている。
CRR/CRDの規制枠組みに基づき、当行グループは、カウンターパーティの信用度を考慮に入れたCVAを用いてRWAを算出するこ
とが要求される。CVAに係るRWAには、OTCデリバティブ・エクスポージャーに関連した予想されるカウンターパーティ・リスク
からの時価評価損のリスクが含まれる。当行グループは、CVAの大半を、BaFinによって認可された当行グループ独自の内部モ
デルに基づき算出している。
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信用評価調整に係るリスク・ウェイテッド・アセットの変動
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
所要 所要
CVA RWA CVA RWA
単位:百万ユーロ 自己資本 自己資本
CVA RWA 期首残高
8,392 671 4,683 374
リスク水準の変動 -449 -36 -3,338 -267
市場データの変動および再調整 -1,581 -126 0 0
モデル更新 0 0 5,787 463
手法および方針 0 0 1,260 101
取得および処分 -33 3 0 0
外国為替変動 0 0 0 0
CVA RWA 期末残高
6,329 506 8,392 671
CVA RWAの変動は、幾つかの区分に細分化される。「リスク水準の変動」には、ポートフォリオの規模および構成の変化が含
まれる。「市場データの変動および再調整」には、市場データの水準の変動、ボラティリティの変動、再調整が含まれる。
「モデル更新」は、CVA RWAに用いられるIMM信用エクスポージャー・モデルまたはバリュー・アット・リスク・モデルのいずれ
かの変更である。「手法および方針」は、規制の改正に関連する。重要な事業取得または処分は、該当する名称の区分に表示
される。
2021年12月31日現在のCVAに係るRWAは63億ユーロであり、2020年12月31日現在と比較すると、21億ユーロ、率にして25%の
減少となっている。全体的な減少は主に、2020年3月と4月のボラティリティがCVA RWAの計算から除外されたことに伴い、第2四
半期のVaRの期間が変更されたことに関連する市場データの変更に起因している。市場データの変更には、VaR期間の変更後の
ヘッジ戦略の再調整によるヘッジ活動の改善も含まれる。リスク表示の強化により計算データの精度が向上したことが、追加
の減少につながった。
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マーケット・リスクに係るリスク・ウェイテッド・アセットの変動
2021 年12月31日現在
総所要
単位:百万ユーロ VaR SVaR IRC その他 RWA 合計 自己資本
マーケット・リスクRWA期首残高 12,109 6,983 7,005 2,799 28,897 2,312
リスク水準の変動 -1,067 537 -3,349 28 -3,850 -308
市場データの変動および再調整 -4,943 0 0 334 -4,609 -369
モデル更新/変更 -2,196 2,675 0 0 479 38
手法および方針 -366 -835 0 0 -1,201 -96
取得および処分 0 0 0 0 0 0
外国為替変動 0 0 0 57 57 5
その他 0 0 0 0 0 0
マーケット・リスクRWA期末残高 3,538 9,360 3,657 3,219 19,773 1,582
2020 年12月31日現在
総所要
単位:百万ユーロ VaR SVaR IRC その他 RWA 合計 自己資本
マーケット・リスクRWA期首残高 4,273 13,734 4,868 2,493 25,368 2,029
リスク水準の変動 -4,775 -2,397 2,698 570 -3,902 -311
市場データの変動および再調整 4,237 0 0 -131 4,105 328
モデル更新/変更 -107 547 -561 0 -121 -10
手法および方針 8,481 -4,901 0 -15 3,565 285
取得および処分 0 0 0 0 0 0
外国為替変動 0 0 0 -118 -118 -9
その他 0 0 0 0 0 0
マーケット・リスクRWA期末残高 12,109 6,983 7,005 2,799 28,897 2,312
マーケット・リスクの分析は、バリュー・アット・リスク(VaR)、ストレスのかかったバリュー・アット・リスク(SVaR)
および追加的リスク資本賦課(IRC)に係る当行グループの内部モデルにおける変動、ならびに上表の「その他」の区分に含ま
れるマーケット・リスク標準的アプローチ(MRSA)の結果を対象としている。MRSAは、特定の種類の投資ファンドおよび
CRR/CRDに規定される長寿リスクについて、トレーディング勘定の証券化に関する特定のマーケット・リスクに係る規制自己資
本賦課を算定するために使用される。
市場データの水準、ボラティリティ、相関関係、流動性および格付の変動によるマーケット・リスクRWAの変動は、「市場
データの変動および再調整」の区分に含まれている。手法の高度化またはリスクの範囲の拡大等、マーケット・リスクRWAの内
部モデルに対する変更は、「モデル更新」の区分に含まれている。「手法および方針」の区分には、規制の改正によるマー
ケット・リスクRWAモデルおよび算定の変更が反映されている。重要な新規事業および処分は、「取得および処分」の区分に配
分される。「外国為替変動」の影響は、CRMおよび標準的アプローチの手法についてのみ算定されている。
2021年12月31日現在、マーケット・リスクに係るRWAは、2020年12月31日に比べて91億ユーロ(マイナス31%)減少し、198
億ユーロとなった。この減少は、バリュー・アット・リスク全体の「市場データの変動および再調整」の区分(バリュー・
アット・リスクの期間から除外されたCOVID-19関連の市場のボラティリティに起因する。)と、「手法および方針」の区分
(ヒストリカル・シミュレーション・バリュー・アット・リスクに関する共同監督チームの監査指摘事項の解消に基づく資本
乗数の4.5から4への低下に起因する。)によるものである。追加的リスクに係る自己資本賦課の減少は、欧州のソブリン債の
エクスポージャーの減少によるものである。
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オペレーショナル・リスクに係るリスク・ウェイテッド・アセットの変動
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
オペレーショ オペレーショ
ナル・リスク 所要 ナル・リスク 所要
単位:百万ユーロ RWA 自己資本 RWA 自己資本
オペレーショナル・リスクRWA期首残高 68,899 5,512 72,662 5,813
損失プロファイルの変動(内部および外部) -8,000 -640 -4,677 -374
予想損失の変動 -113 -9 1,164 93
フォワード・ルッキングなリスク構成要素 -278 -22 533 43
モデル更新 1,210 97 -784 -63
手法および方針 0 0 0 0
取得および処分 0 0 0 0
オペレーショナル・リスクRWA期末残高 61,718 4,937 68,899 5,512
内外の損失事象の変動は、「損失プロファイルの変動」の区分に反映されている。「予想損失の変動」の区分は、部門別事
業計画および過去の損失に基づき、特定の制約に従い、AMA自己資本の計数から控除されている。「フォワード・ルッキングな
リスク構成要素」の区分には定性的調整が反映されており、事業環境および内部統制要因に重点を置いた、非金融リスク
(NFR)選好の指標およびRCAスコアを通じたオペレーショナル・リスクの日常的管理活動の実効性と実績が反映されている。
「モデル更新」の区分には、モデルの変更の実施といったモデルの高度化が含まれる。「手法および方針」の区分には、規制
上のアドオン等、外部による変更が反映されている。「取得および処分」には、新規事業または処分された事業に明確に配分
することができる重要なエクスポージャーの変動が含まれる。
全体的なRWAの72億ユーロの減少は、主に内部損失プロファイルの緩和、特に資本モデルに供給される損失頻度の低下による
ものであった。これらの損失プロファイルの変動により、オペレーショナル・リスクRWAは80億ユーロ減少した。
控除可能な損失のわずかな増加がRWAの1億ユーロの減少につながり、フォワード・ルッキングな構成要素がNFR選好の指標お
よびRCAスコアがやや上昇したことによる影響を受けたため、RWAが3億ユーロ減少した。
モデル更新によるRWAの12億ユーロの増加は、2つの変更によるものであった。1つ目に、主要なリスク指標としてのNFR選好
の指標の幅広い使用により、フォワード・ルッキングなリスク構成要素の精度が高くなったことが挙げられる。2つ目のモデル
改善として、内部損失がほとんどないタイプのリスク事象についてモデルがより強化されたことが挙げられる。
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経済的資本
経済的適正自己資本
当行グループの内部自己資本評価プロセス(ICAAP)は、ドイツ銀行の継続性を維持することを目的としている。当行グルー
プは経済的観点から、内部適正自己資本を、以下の表に示すとおり、経済的資本供給を内部経済的資本需要で除した比率とし
て評価している。
経済的資本供給および需要の合計
単位:百万ユーロ
(別途記載のものを除く。) 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
経済的資本供給の構成要素
株主持分 58,027 54,786
非支配持分 1
858 880
AT1クーポン控除 -298 -242
証券化売却益、キャッシュ・フロー・ヘッジに係る利得 42 -11
自己の信用リスクの対象となる、自己債務に係る公正価値利
-56 -100
得および債務評価調整
追加評価調整 -1,812 -1,430
無形資産 -3,583 -3,463
一時差異から発生するものを除く、IFRSに基づく繰延税金資
-1,653 -1,503
産
予想損失ショートフォール -573 -99
確定給付年金基金資産 - 991 -772
その他の調整 2
-1,492 -1,566
その他Tier 1資本性金融商品 3
0 4,659
経済的資本供給 48,470 51,138
経済的資本需要の構成要素
信用リスク 11,725 11,636
マーケット・リスク 7,920 10,894
オペレーショナル・リスク 4,937 5,512
戦略リスク 4
3,173 5,949
分散効果 - 4,213 -5,429
経済的資本需要合計 23,542 28,560
経済的適正自己資本比率 206 % 179 %
1 各子会社の所要経済的資本を上限とした非支配持分を含む。
2 単一破綻処理基金および預金保険制度に関連した取消不能の支払コミットメントに関するECBのガイダンスに基づく11億ユーロの資本控除
が含まれている。ECBの定期レビューに基づく7億ユーロの資本控除は、是正に伴い2021年12月以降戻入れられている。
3 その他Tier 1資本性金融商品は、2021年12月以降、経済的資本供給から完全に認識が中止された。
4 過年度はビジネス・リスクとして報告。この区分には、戦略リスクと税務リスクのモデル・アウトプット、ならびに一時差異に係るIFRSに
基づく繰延税金資産とソフトウェア資産に関連するリスクの自己資本賦課が含まれる。
経済的適正自己資本比率は、2020年12月31日現在の179%と比べ、2021年12月31日現在では206%であった。この比率の変動
は主に資本需要の減少によるものであり、資本供給の減少により一部相殺された。経済的資本供給は27億ユーロ減少し、主に
経済的資本供給から47億ユーロのその他Tier 1資本性金融商品の認識を完全に中止する決定、予想損失ショートフォールの増加
を主因とする5億ユーロの資本控除の増加、4億ユーロのプルデンシャル・フィルター(追加的な価値調整)、ならびに単一破
綻処理基金および預金保険制度に関連する2億ユーロの取消不能の支払コミットメントによるものである。これらの減少は、24
億ユーロのプラスの純利益、7億ユーロの規制上の資本控除の戻入れ、およびその他の相殺項目によって一部相殺された。資本
需要の減少は、「リスク・プロファイル」の項で説明しているとおり、経済的資本需要が減少したことによるものである。
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レバレッジ比率
当行グループは、グループ・レベルで、および該当する場合には各地域における地域レベルで、貸借対照表を管理してい
る。財務資源の配分において、当行グループは収益性および株主価値に最も高いプラスの影響を与える事業ポートフォリオを
優遇する。当行グループは、貸借対照表の動向を監視および分析し、市場で観測される一定の貸借対照表比率を追跡する。こ
れに基づき、当行グループは、グループ・リスク委員会(GRC)による議論および管理活動を発動する。
CRR/CRD フレームワークに従ったレバレッジ比率
リスク以外に基づくレバレッジ比率は、リスクに基づく所要自己資本に対する補足的指標としての役割を果たすことを目的
としたものである。その目的は、銀行セクターにおけるレバレッジ増大の抑制、広範な財務システムおよび経済に損害を与え
得るレバレッジ解消プロセスの不安定化回避の支援、および簡素でリスク以外に基づく「バック・ストップ」指標を伴う、リ
スクに基づく要求事項の強化である。
2021年6月28日より、3%の最低レバレッジ比率要件が導入された。2023年1月1日より、追加的なレバレッジ比率のバッ
ファーの要件である50%のG-SIIバッファーが適用されることになる。現在、ドイツ銀行の追加的要件は0.75%に相当する見込
みである。
当行グループのレバレッジ比率エクスポージャーは、CRR第429条から429g条に従い計算されている。
当行グループのレバレッジ比率のエクスポージャーの合計額は、デリバティブ、証券金融取引(SFT)、オフバランスシート
のエクスポージャーおよびその他のオンバランスシートのエクスポージャー(デリバティブとSFT以外)を含む。
デリバティブのレバレッジ・エクスポージャーは、カウンターパーティ信用リスクの標準的アプローチの修正版(SA-CCR)
を使用して算出され、将来の潜在的エクスポージャーに対する現在の再構築コストと規制上定義されたアドオンからなる。売
建クレジット・デリバティブの実質想定元本、すなわち、Tier 1資本に組み入れられた公正価値のマイナスの変動をすべて控除
した想定元本は、レバレッジ比率エクスポージャーの額に含まれる。その結果生じるエクスポージャーの額は、一定の条件を
満たす場合、同一の参照ネームに係る購入クレジット・デリバティブ・プロテクションの実質想定元本分がさらに減額され
る。
証券金融取引(SFT)の構成要素には、SFTに係る債権総額が含まれ、これは一定の条件を満たす場合、SFT未払金と相殺され
る。エクスポージャー総額に加えて、カウンターパーティ信用リスクに係る規制上のアドオンが含まれる。
オフバランスシートのエクスポージャーの構成要素は、信用リスクに係る標準的アプローチの信用リスク換算掛目(CCF)
(0%、20%、50%、または100%)に従うが、10%を下限とするリスク区分に依拠する。
オンバランスシートのエクスポージャー(デリバティブとSFT以外)の構成要素は、資産(デリバティブ、SFTと決済待ちの
通常の方法での売買以外)の会計上の価値およびTier 1資本を算定するに当たって控除される資産の額に対する規制上の調整を
反映する。決済待ちの通常の方法での売買に係るエクスポージャーの値は、通常の方法での関連する売買がいずれもデリバ
リー・バーサス・ペイメント方式で決済される場合に売掛金と買掛金を相殺して決定される。
ユーロシステムを構成する中央銀行に対する特定のユーロ建てエクスポージャーは、欧州中央銀行からの許可を条件として
レバレッジ・エクスポージャーから除外することができる。欧州中央銀行の決定(EU)第2020/1306号に基づき、当行グループは
2020年9月30日よりこれらのエクスポージャーをレバレッジ・エクスポージャーから除外して報告することを許可された。除外
は2021年6月27日まで適用された。欧州中央銀行の決定(EU)第2021/1074号は、ユーロシステムを構成する中央銀行に対する特
定のユーロ建てエクスポージャーの除外を2022年3月31日まで延長した。
以下の表は、レバレッジ比率エクスポージャーとレバレッジ比率を表している。レバレッジ比率の共通開示の表では、完全
適用ベースと段階的導入ベースのレバレッジ比率と、分子における完全適用ベースと段階的導入ベースのTier 1資本をそれぞれ
提供している。Tier 1資本の詳細については、本報告書の「自己資本の変動」の項を参照のこと。
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会計上の資産およびレバレッジ比率エクスポージャーの調整の要約
単位:十億ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
公表された財務諸表における資産合計 1,324 1,325
会計目的上連結されたが、規制上の連結範囲には含まれない企業に関す
1 1
る調整
デリバティブ金融商品に関する調整 -163 -206
証券金融取引(SFT)に関する調整 2 10
オフバランス項目に関する調整(すなわち、オフバランスシートのエク
115 101
スポージャーの信用相当額への転換)
その他の調整 -154 -153
レバレッジ比率エクスポージャーの総額 1,125 1,078
レバレッジ比率の共通開示
単位:十億ユーロ
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
2 1,2
(別途記載のものを除く。)
デリバティブ・エクスポージャー合計 138 141
証券金融取引エクスポージャー合計 91 83
オフバランスシートのエクスポージャー合計 115 101
その他の資産 791 761
Tier 1資本の算定上控除された資産額
-8
-9
Tier 1資本(完全適用ベース)
50.6
54.8
レバレッジ比率エクスポージャーの総額 1,125 1,078
レバレッジ比率(完全適用ベース、%) 4.9 4.7
Tier 1資本(段階的導入ベース)
51.7
55.4
レバレッジ比率エクスポージャーの総額
1,078
1,125
レバレッジ比率(段階的導入ベース、%) 4.9 4.8
1 2020年12月31日現在のTier 1資本および関連する比率は、配当支払額ゼロを反映するよう更新されている。
2 EBAの追加ガイダンスに従い、デリバティブ取引で提供された現金変動証拠金の債権資産の控除額は、「デリバティブ・エクスポージャー
合計」から「その他の資産」に振り替えられた。
2021 年度のレバレッジ比率に影響を与えた要素の説明
2021年12月31日現在の、当行グループの完全適用ベースによるレバレッジ比率は4.9%であった(2020年12月31日現在では
4.7%)。これは、2021年12月31日現在の完全適用ベースのTier 1資本548億ユーロの、適用されるエクスポージャーの額11,250
億ユーロに対する比率である(2020年12月31日現在では、それぞれ506億ユーロおよび10,780億ユーロ)。
2021年度に、当行グループのレバレッジ・エクスポージャーは460億ユーロ増加して11,250億ユーロとなった。これは主に、
残りの資産項目のレバレッジ・エクスポージャーが300億ユーロ増加したことによるものである。これは、当行グループの貸借
対照表残高の変動(本報告書の「資産および負債の変動」の項を参照のこと。)と2021年6月28日に発効したCRRの修正による
一定の影響を反映している。貸借対照表の貸出金残高の増加とCRRの修正の影響により520億ユーロの増加が見られ、現金およ
び中央銀行預け金/インターバンク預け金の残高は110億ユーロ増加した。未決済残高は純額ベースで20億ユーロ増加し、総額
ベースでは60億ユーロ増加した。これらの増加は、OCIを通じて公正価値で測定する金融資産の270億ユーロの減少および非デ
リバティブトレーディング資産の60億ユーロの減少によって一部相殺された。オフバランスのレバレッジ・エクスポージャー
は、取消不能貸出コミットメントの想定元本額の増加とCRRの修正の影響に対応して130億ユーロ増加した。さらに、SFT関連項
目(売戻条件付買入有価証券、借入有価証券担保金およびプライム・ブローカレッジ業務に係る債権)は、貸借対照表残高の
変動と一致して80億ユーロ増加した。また、デリバティブ関連のレバレッジ・エクスポージャーが30億ユーロ減少した。
2021年度におけるレバレッジ・エクスポージャーの増加には、為替レートのプラスの動き(主に、米ドルの対ユーロでの上
昇)の影響による350億ユーロが含まれている。外国為替レートの変動によるこれらの影響は、本項に記載されるレバレッジ・
エクスポージャーごとの変動に含まれている。
2021年12月31日現在、経過規定による当行グループのレバレッジ比率は4.9%であり(2020年12月31日現在では4.8%)、
Tier 1資本554億ユーロの、経過規定により適用されるエクスポージャーの額11,250億ユーロに対する比率として算定された
(2020年12月31日現在では、それぞれ517億ユーロおよび10,780億ユーロ)。
CRR第429a条(1)(n)およびECBの決定第2021/1074号に基づき、当行グループは2021年12月31日現在で990億ユーロの特定の中
央銀行のエクスポージャーを除外している。当行グループがこの免除を適用するにあたり、CRR第429a条(7)は、該当する最低
レバレッジ比率を3.2%に引き上げなければならないと規定している。2021年度第1四半期までは、CRR第500b条に基づく同様の
免除が適用されていた。特定の中央銀行のエクスポージャーを一時的に除外しない場合、当行グループのレバレッジ・エクス
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ポージャーは2021年12月31日現在で12,230億ユーロとなり、完全適用ベースおよび段階的導入ベースのレバレッジ比率は4.5%
となる。
Tier 1資本の変動の主な要因については、本報告書の「自己資本の変動」の項を参照のこと。
自己資本および適格負債に関する厳格な最低要件(以下「MREL」という。)および総損失吸収力(以下「TLAC」という。)
MREL の要件
自己資本および適格負債に関する厳格な最低要件(以下「MREL」という。)の要件は、信用機関の破綻処理に係る統一的な
ルールおよび統一的な手続(単一破綻処理メカニズム規制、以下「SRMR」という。)を定めた欧州連合の規制、ならびにドイ
ツ再建および破綻処理法によりドイツの法律に組み込まれた、信用機関の再建および破綻処理の枠組みを定めた欧州連合の指
令(銀行再建および破綻処理指令、以下「BRRD」という。)により導入された。
現在要求されているMRELの水準は、それぞれの望ましい破綻処理方針に応じて、監督対象の銀行ごとに管轄破綻処理機関に
より個別に決定される。ドイツ銀行AGの場合、MRELは単一破綻処理委員会(以下「SRB」という。)により決定される。MRELに
関して法定の最低水準はないが、SRMR、BRRDおよび委任規則により、要求されるMRELの水準を決定する際に破綻処理機関が考
慮しなければならない基準が規定されている。ガイダンスは、SRBによって毎年発行されるMRELの方針を通じて提供される。
SRBが決定する拘束力のあるMREL比率は、ドイツ連邦金融監督公社(BaFin)を通じてドイツ銀行に伝達される。
2019年度第4四半期において、拘束力のあるドイツ銀行AG連結ベースのMREL比率要件は、負債合計および自己資本(以下
「TLOF」という。)の8.58%に設定され、ただちに適用された。そのうちTLOFの6.11%は、追加要件として自己資本および劣
後金融商品について満たしていなければならない。TLOFは基本的に、デリバティブ・ネッティング考慮後の負債合計と自己資
本(すなわち、規制自己資本)から構成されている。
年次の定期レビューの結果、SRBは、拘束力のあるドイツ銀行AGのMREL比率要件を2021年度第4四半期に改定し、これはただ
ちに適用された。これらの新たな要件は、2019年6月のSRMRおよびBRRDの修正と規制(EU)第2019/877号および指令(EU)第
2019/879号の公表を通じて、銀行改革パッケージの法的変更を初めて反映している。その結果、MRELおよび劣後MRELの要件
は、TLOFに対する割合としてではなく、リスク・ウェイテッド・アセット(以下「RWA」という。)とレバレッジ比率エクス
ポージャー(以下「LRE」という。)に対する割合として表されることになる。連結ベースのMREL比率要件はRWAの24.05%およ
びLREの6.88%である。そのうちRWAの20.27%およびLREの6.88%は、自己資本および劣後金融商品について満たしていなけれ
ばならない。RWAベースのMRELおよび劣後MREL要件に加えて、2021年12月31日現在、4.53%の合算後のバッファーの要件を満た
す必要がある。
TLAC の要件
2019年6月27日より、グローバルにシステム上重要な銀行であるドイツ銀行は、総損失吸収能力(以下「TLAC」という。)の
国際的な最低要求基準の対象となっている。TLACの要件は、2019年6月の自己資本要求規則および自己資本要求指令の修正と規
制(EU)第2019/876号および指令(EU)第2019/878号の公表を通じて導入された。
このTLACの要件はリスクに基づく分母とリスク以外に基づく分母の両方に基づいており、2021年12月31日までの移行期間に
おいて、RWAの16%に合算後のバッファーの要件を加えたものとLREの6.00%のうちいずれか高い方に設定されている。2022年1
月1日以降は、RWAの18%に合算後のバッファーの要件を加えたものとLREの6.75%のうちいずれか高い方に設定されている。
MREL 比率の変動
2021年12月31日現在、利用可能なMRELは1,149億ユーロであり、これはRWAの32.66%に相当する。これは、ドイツ銀行がMREL
の要件1,005億ユーロを144億ユーロ上回る十分な余剰MRELを有していることを意味する(すなわち、合算後のバッファーの要
件を加えたRWAの28.58%)。利用可能なMRELの1,091億ユーロは自己資本および劣後負債であり、対応するMRELの劣後比率は
RWAの31.03%、バッファーは当行グループの劣後性要件872億ユーロに対し、219億ユーロとなる(すなわち、合算後のバッ
ファーの要件を加えたRWAの24.79%)。2020年12月31日現在と比較して、MRELの要件と劣後MRELの要件の両方を上回る余剰
は、主に上記のMREL要件設定に係る法律と手法の変更により減少した。これは、自己資本と適格負債の新規発行によるMRELの
返済能力の上昇によって一部相殺され、測定基準におけるロールオフと手法の変更を上回って相殺した。これらの変動は、当
行グループのTLAC比率にも影響を及ぼした。
TLAC 比率の変動
2021年12月31日現在、TLACは1,091億ユーロであり、対応するTLAC比率は、RWAの31.03%、LREの9.70%であった。これは、
ドイツ銀行がTLACの要件722億ユーロ(合算後のバッファーの要件を加えたRWAの20.53%)に対し、369億ユーロの十分な余剰
TLACを有していることを意味する。
MREL およびTLACの開示
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単位:百万ユーロ
(別途記載のものを除く。) 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
TLAC / MREL に含まれる規制自己資本の要素
普通株式等Tier 1(CET 1)資本
44,885
46,506
TLAC / MRELにおいて適格なその他Tier 1(AT1)資本性金融商品
6,848
8,868
TLAC / MRELにおいて適格なTier 2(T2)資本性金融商品
TLAC / MRELに係る調整前のTier 2(T2)資本性金融商品
6,944
7,358
Tier 2(T2)資本性金融商品のTLAC / MRELに係る調整
518
1,208
TLAC / MRELにおいて適格なTier 2(T2)資本性金融商品
7,462
8,566
TLAC / MREL に含まれる規制自己資本の要素合計 63,941 59,195
TLAC / MREL に含まれるその他の要素
シニア非優先プレーンバニラ債 45,153 46,048
他のG-SIIの適格な負債性金融商品の保有(TLACのみ) 0 0
総損失吸収力 ( TLAC ) 109,094 105,243
他のG-SIIの適格な負債性金融商品の保有の戻入れ(TLACのみ) 0 0
利用可能な自己資本および劣後適格負債(劣後 MREL ) 109,094 105,243
シニア優先プレーンバニラ債 5,759 3,658
利用可能な自己資本および適格負債に関する厳格な最低要件( MREL ) 114,853 108,901
リスク・ウェイテッド・アセット(RWA) 351,629 328,951
レバレッジ比率エクスポージャー(LRE) 1,124,667 1,078,277
プルデンシャル・ネッティング後の負債および自己資本合計(TLOF) - 1,018,744
TLAC 比率
TLAC比率(RWAに対する割合) 31.03 31.99
TLACの要件(RWAに対する割合) 20.53 20.52
TLAC比率(レバレッジ・エクスポージャーに対する割合) 9.70 9.76
TLACの要件(レバレッジ・エクスポージャーに対する割合) 6.00 6.00
RWAの要件に対する余剰TLAC 36,919 37,747
LREの要件に対する余剰TLAC 41,614 40,547
MREL の劣後性
MRELの劣後比率(%) 1
10.33
31.03
MRELの劣後性要件(%) 1
6.11
24.79
MRELの劣後性要件を上回る余剰 21,909 42,998
MREL 比率
MREL比率(%) 1
32.66 10.69
MRELの要件(%) 1
28.58 8.58
要件に対する余剰MREL 14,372 21,493
1 2021年12月31日については、RWA(合算後のバッファーの要件を含む要件)の割合として、2020年12月31日についてはTLOFの割合として。
自己資本および適格負債
MRELおよびTLACの要件を満たすために、ドイツ銀行は、十分な額の適格負債性金融商品を確実に維持する必要がある。MREL
およびTLACにおいて適格な金融商品は、規制上の資本性金融商品(以下「自己資本」という。)と、適格負債と呼ばれる一定
の基準を満たしている負債である。
MRELおよびTLACの文脈で言及される自己資本は、残存期間が1年超5年未満であり、規制自己資本に比例配分ベースでのみ反
映されているTier 2資本性金融商品の全額を含んでいる。
適格負債とは、損失吸収資本としての適切な構造を確保するとされる適格基準を満たしている、破綻処理対象会社であるド
イツ銀行AGが発行した負債である。その結果、適格負債からは、保険預金保護制度の対象である預金、またはドイツの破綻処
理法の下で優先される預金(例えば、個人および中小企業顧客からの預金)が除外されている。とりわけ、担保付負債および
デリバティブ負債は一般的に除外されている。組込デリバティブを伴う負債性金融商品は、特定の条件下で含めることができ
る(すなわち、既知の固定または増加元本)。さらに、適格負債は、少なくとも1年の満期までの残存期間を有していなければ
ならず、また、償却または転換を有効にするためには、欧州連合加盟国の法律に基づいて発行されているか、または契約条件
にベイルイン条項が含まれていなければならない。SRBは、2018年11月15日以前に英国法に基づいて発行された負債について移
行期間を定めた。これには、法的強制力のある有効なベイルイン条項は含まれていないが、英国のEU離脱後も2025年6月28日ま
では適格負債に含めることができる。
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また、適格負債は、TLACおよびMRELの劣後性要件を満たすために劣後していなければならない。2017年1月1日より、ドイツ
銀行法では、銀行の他のシニア債の中でも「上位で非優先」と位置付けられている法的に劣後する負債性有価証券について、
新たなクラスを規定している(ただし、Tier 2金融商品として適格なもの等、銀行の契約上の劣後負債には優先する。)。2018
年 7月21日にドイツで実施された欧州連合による調和化の取り組みを受けて、銀行は現在、適格シニア債の特定の発行を非優先
と優先のいずれに区分するかを決定することが認められている。こうしたルールの下でドイツ銀行AGが発行した「上位で非優
先」の負債性金融商品は、従来のルールにより「上位で非優先」として分類された発行済の負債性金融商品と同順位である。
これらの「上位で非優先」の発行はすべて、TLACおよびMRELの劣後基準を満たしている。
信用リスク・エクスポージャー
当行グループでは、「信用リスクのフレームワーク」で定義される相手先が契約上の支払義務を履行できないという事実に
よって損失の生じる可能性があるすべての取引を考慮して、信用エクスポージャーを定義している。
最大信用リスク・エクスポージャー
『
最大信用リスク・エクスポージャーの表は、表示期間の当行グループの財務諸表において相殺の対象とならない関連保有担
保およびその他の信用補完(ネッティングおよびヘッジ)を考慮前の直接的エクスポージャーを示している。信用補完のネッ
ティングの構成要素は、法的強制力のあるネッティング・アグリーメントの影響、および差入現金担保に対するデリバティブ
のマイナスの時価評価による相殺を含む。信用補完の担保の構成要素は主に、不動産、現金の形態による担保、および有価証
券関連の担保を含む。担保に関して当行グループは、内部で決定したヘアカットを適用し、加えて、すべての担保価値につ
き、それぞれの担保付エクスポージャー・レベルを上限としている。
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最大信用リスク・エクスポージャー
2021 年12月31日現在
信用補完
保証および
最大信用リス クレジッ
ク・エクス ト・デリバ
減損評価
ネッティン 信用補完
1 2
ポージャー ティブ
単位:百万ユーロ 対象 グ 担保 合計
3
償却原価で測定する金融資産
− −
現金および中央銀行預け金 192,025 192,025 0 0
インターバンク預け金(中央銀行以
−
7,345 7,345 0 0 0
外)
中央銀行ファンド貸出金および売戻
− −
8,370 8,370 8,070 8,070
条件付買入有価証券
− −
借入有価証券担保金 63 63 63 63
−
貸出金 476,077 476,077 247,109 33,353 280,462
信用リスクにさらされるその他の
83,314 79,361 30,639 709 206 31,555
4,5
資産
3
償却原価で測定する金融資産合計
767,193 763,240 30,639 255,951 33,559 320,150
純損益を通じて公正価値で測定する
6
金融資産
− −
トレーディング資産 97,080 2,217 1,091 3,308
−
デリバティブ金融商品のプラスの時価 299,732 238,411 41,692 37 280,140
強制的に純損益を通じて公正価値で測
−
定されるトレーディング以外の金融資 87,873 2,176 75,960 187 78,324
産
内訳:
−
売戻条件付買入有価証券 59,931 2,176 57,755 0 59,931
− −
借入有価証券担保金 18,355 17,978 0 17,978
− −
貸出金 895 190 187 378
純損益を通じて公正価値で測定する
− −
140 0 82 82
ものとして指定された金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する
484,825 − 240,587 119,869 1,398 361,854
金融資産合計
その他の包括利益を通じて公正価値で
28,979 28,979 0 1,480 891 2,371
測定する金融資産
内訳:
−
売戻条件付買入有価証券 1,231 1,231 0 0 0
−
借入有価証券担保金 0 0 0 0 0
−
貸出金 4,370 4,370 1,480 891 2,371
その他の包括利益を通じて公正価値で
28,979 28,979 − 1,480 891 2,371
測定する金融資産合計
金融保証およびその他の信用関連偶発負
−
59,394 59,394 3,077 6,857 9,934
7
債
取消可能または取消不能貸出コミットメ
ントおよびその他の信用関連コミットメ −
227,132 226,454 18,545 5,888 24,433
7
ント
オフバランスシート合計 286,525 285,848 − 21,622 12,746 34,368
最大信用リスク・エクスポージャー 1,567,522 1,078,067 271,227 398,922 48,593 718,742
1 クレジット・デリバティブの売却プロテクションの名目金額(491,407百万ユーロ)および購入プロテクションの名目金額は含まない。
2 購入した信用プロテクションは基礎となるポジションの名目金額で反映されている。
3 いずれも信用損失引当金控除前の総額である。
4 いずれも償却原価による総額である。ただし、適格ヘッジ・デリバティブは純損益を通じて公正価値で反映されている。
5 会計上の分類にかかわらず、売却目的保有資産を含んでいる。
6 エクイティ、その他の資本持分およびコモディティを除く。
7 数値は名目金額で反映されている。
2020 年12月31日現在
信用補完
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保証および
最大信用リス クレジッ
ク・エクス ト・デリバ
減損評価
ネッティン 信用補完
1 2
ポージャー ティブ
単位:百万ユーロ 対象 グ 担保 合計
3
償却原価で測定する金融資産
− −
現金および中央銀行預け金 166,211 166,211 0 0
インターバンク預け金(中央銀行以
−
9,132 9,132 0 0 0
外)
中央銀行ファンド貸出金および売戻
− −
8,535 8,535 8,173 8,173
条件付買入有価証券
− −
借入有価証券担保金 0 0 0 0
−
貸出金 431,807 431,807 228,513 30,119 258,632
信用リスクにさらされるその他の
96,394 85,106 43,316 902 55 44,273
4,5
資産
3
償却原価で測定する金融資産合計
712,078 700,790 43,316 237,588 30,174 311,078
純損益を通じて公正価値で測定する
6
金融資産
− −
トレーディング資産 94,757 2,998 1,248 4,246
−
デリバティブ金融商品のプラスの時価 343,455 262,486 52,329 83 314,898
強制的に純損益を通じて公正価値で測
−
定されるトレーディング以外の金融資 75,116 993 62,036 244 63,273
産
内訳:
−
売戻条件付買入有価証券 46,057 993 44,967 0 45,961
− −
借入有価証券担保金 17,009 16,730 0 16,730
− −
貸出金 2,192 272 244 516
純損益を通じて公正価値で測定する
− −
437 0 0 0
ものとして指定された金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する
513,764 − 263,479 117,364 1,575 382,418
金融資産合計
その他の包括利益を通じて公正価値で
55,834 55,834 0 1,581 1,153 2,734
測定する金融資産
内訳:
−
売戻条件付買入有価証券 1,543 1,543 0 0 0
−
借入有価証券担保金 0 0 0 0 0
−
貸出金 4,635 4,635 1,581 1,153 2,734
その他の包括利益を通じて公正価値で
−
55,834 55,834 1,581 1,153 2,734
測定する金融資産合計
金融保証およびその他の信用関連偶発負
−
47,978 47,978 2,327 6,157 8,484
7
債
取消可能または取消不能貸出コミットメ
ントおよびその他の信用関連コミットメ −
215,877 214,898 15,345 5,779 21,124
7
ント
−
オフバランスシート合計 263,854 262,876 17,672 11,936 29,608
最大信用リスク・エクスポージャー 1,545,531 1,019,501 306,795 374,205 44,838 725,838
1 クレジット・デリバティブの売却プロテクションの名目金額(395,636百万ユーロ)および購入プロテクションの名目金額は含まない。
2 購入した信用プロテクションは基礎となるポジションの名目金額で反映されている。
3 いずれも信用損失引当金控除前の総額である。
4 いずれも償却原価による総額である。ただし、適格ヘッジ・デリバティブは純損益を通じて公正価値で反映されている。
5 会計上の分類にかかわらず、売却目的保有資産を含んでいる。
6 エクイティ、その他の資本持分およびコモディティを除く。
7 数値は名目金額で反映されている。 』
2021年12月31日現在の最大信用リスク・エクスポージャーの全般的な増加は220億ユーロであった。これは主に、償却原価で
測定する貸出金の443億ユーロ、現金および中央銀行預け金ならびにインターバンク預け金の240億ユーロ、該当するすべての
測定区分にわたる中央銀行ファンド貸出金、売戻条件付買入有価証券および貸付有価証券受入金の148億ユーロ、取消不能コ
ミットメントおよび金融保証の227億ユーロの増加によるものである。これらの増加は、デリバティブ金融商品のプラスの時価
の437億ユーロ、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(主に負債性有価証券)の269億ユーロ、信用リスク
にさらされるその他の資産の130億ユーロの減少により相殺された。
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『
2021年12月31日現在、トレーディング資産の区分には、トレーディング債券855億ユーロ(2020年12月31日現在835億ユー
ロ)が含まれており、そのうち83%超(2020年12月31日現在84%超)が投資適格であった。
信用補完は、3つの区分(ネッティング、担保および保証/クレジット・デリバティブ)に分けられる。市場動向が無担保エ
クスポージャーの積み上げにつながらないように、ヘアカット、定期的な証拠金請求に関するパラメータの設定、および担保
評価に関する専門家の判断が採用されている。すべての区分は、定期的に監視およびレビューされる。受入れ信用補完の全体
は、分散されており、適切な質であり、大部分が現金、高格付の国債ならびに主に高格付の銀行および保険会社からの第三者
保証である。これらの金融機関は主に欧州諸国および米国に所在している。さらに当行グループは、同質のリテール・ポート
フォリオに関して、流動性の高い資産およびモーゲージ(主にドイツにおける住宅用不動産から主に構成される。)の担保
プールを有している。』
主要な信用エクスポージャーの区分
以下の表は、当行グループの主要な信用エクスポージャーの区分の一部、すなわち貸出金、取消可能または取消不能貸出コ
ミットメント、偶発負債、店頭(以下「OTC」という。)デリバティブ、負債性有価証券ならびにレポおよびレポ形式の取引に
ついての詳細を示している。
- 「貸出金」は、貸借対照表に償却原価で測定する貸出金、純損益を通じて公正価値で測定する貸出金またはその他の包括
利益を通じて公正価値で測定する貸出金の総額(信用損失引当金控除前)である。「貸出金」には、短期の売却を目的と
して購入および保有する、またはその重要なリスクがすべてヘッジまたは売却されている「トレーディング債権」も含ま
れる。規制上の観点からは、「トレーディング債権」の区分は主にトレーディング勘定ポジションをカバーする。
- 「取消可能または取消不能貸出コミットメント」は、取消可能または取消不能の貸出関連コミットメントの未利用部分か
ら成っている。
- 「偶発負債」は、金融保証、履行保証、スタンドバイ信用状および他の同様の取決め(主に補償契約)から成っている。
- 「OTCデリバティブ」は、ネッティングおよび受入現金担保考慮後の、当行グループが締結した店頭デリバティブ取引から
生じる信用エクスポージャーである。貸借対照表上、これらは純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に含められ、
ヘッジ会計に適格なデリバティブについてはその他の資産に含められるが、いずれの場合も、受入現金担保およびIFRSの
下で認められる範囲内のネッティングを考慮している。
- 「負債性有価証券」は、債務証書、債券、預金、ノートまたはコマーシャル・ペーパーを含んでいる。これらは、期限付
きで発行され、発行体により償還可能であり、また、貸借対照表に償却原価またはその他の包括利益を通じて公正価値で
測定(いずれの場合も信用損失引当金控除前)のいずれかの会計区分で計上されており、損益を通じて公正価値で測定の
区分も含む。「負債性有価証券」には、短期の売却を目的として購入および保有する債券、預金、ノートまたはコマー
シャル・ペーパーである「トレーディング債券」が含まれる。規制上の観点からは、「トレーディング債券」の区分は主
にトレーディング勘定ポジションをカバーする。
- 「レポおよびレポ形式の取引」は、逆レポ取引ならびに有価証券またはコモディティの借入取引(受入担保およびIFRSの
下で認められる範囲内のネッティングを考慮後)から成っている。
ブローカー業務および有価証券に関連する債権、現金および中央銀行預け金、インターバンク預け金(中央銀行以外)、売
却目的保有資産、未収利息、ならびに伝統的な証券化ポジションは、最大信用エクスポージャーの監視においては考慮されて
いるが、主要な信用エクスポージャーの詳細には含まれていない。
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業務部門別の主要な信用エクスポージャーの区分
2021 年12月31日現在
OTC デリバ
貸出金 オフバランスシート ティブ
純損益を通
トレーディ じて公正価
取消可能 純損益を
ング-純損 値で測定す
OCI を通じ または取 通じて公
益を通じて るものとし
償却原価で て公正価値 消不能貸 正価値で
公正価値で て指定・要
測定するも で測定する 出コミッ 測定する
測定するも 求されたも
1 2 3 4
の もの トメント もの
の の 偶発負債
単位:百万ユーロ
コーポレート・バンク
122,310 255 311 4,169 135,944 55,560 190
インベストメント・バンク
92,966 8,590 702 202 50,768 1,764 17,415
プライベート・バンク
254,439 0 7 0 39,660 1,883 524
アセット・マネジメント
23 0 1 0 110 9 0
キャピタル・リリース・ユ
2,222 344 15 0 41 31 5,813
ニット
コーポレートおよびその他
4,117 0 0 0 608 146 203
合計 476,077 9,189 1,035 4,370 227,132 59,394 24,146
2021 年12月31日現在
7
レポおよびレポ形式の取引
負債性有価証券 合計
純損益を
OCI を通じ
純損益を通 通じて公 OCI を通じ
償却原価で て公正価値
じて公正価 償却原価で 正価値で て公正価
測定するも で測定する
値で測定す 測定するも 測定する 値で測定
5 6
の もの
るもの の もの するもの
単位:百万ユーロ
コーポレート・バンク
839 15 0 862 0 0 320,454
インベストメント・バンク
3,332 88,692 1,045 6,692 74,441 0 346,608
プライベート・バンク
525 1 2 0 0 0 297,041
アセット・マネジメント
0 3,582 154 0 0 0 3,879
キャピタル・リリース・ユ
0 625 0 0 3,397 0 12,489
ニット
コーポレートおよびその他
10,154 2,452 22,177 879 448 1,231 42,415
合計 14,849 95,367 23,377 8,433 78,286 1,231 1,022,886
1 2021年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI の償却原価で測定する貸出金124億ユーロを含む。
2 2021年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のOCIを通じて公正価値で測定する貸出金28.1百万ユーロを含む。
3 2021年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のオフバランスシート・エクスポージャー26億ユーロを含む。
4 適用あるネッティング・アグリーメントおよび受入現金担保の影響を含む。ヘッジ会計に適格なデリバティブを除く。
5 2021年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI の償却原価で測定する負債性有価証券368.2百万ユーロを含む。
6 2021年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のOCIを通じて公正価値で測定する負債性有価証券15.8百万ユーロを含む。
7 担保の反映前。売戻条件付買入有価証券および借入有価証券担保金に限定される。
241/763
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有価証券報告書
2020 年12月31日現在
OTC デリバ
貸出金 オフバランスシート ティブ
純損益を通
トレーディ じて公正価
取消可能 純損益を
ング-純損 値で測定す
OCI を通じ または取 通じて公
益を通じて るものとし
償却原価で て公正価値 消不能貸 正価値で
公正価値で て指定・要
測定するも で測定する 出コミッ 測定する
測定するも 求されたも
1 2 3 4
の もの トメント もの
の の 偶発負債
単位:百万ユーロ
コーポレート・バンク
114,491 621 784 4,393 130,690 44,293 299
インベストメント・バンク
69,309 6,366 1,618 220 45,053 1,889 22,533
プライベート・バンク
237,194 0 7 0 37,315 1,625 440
アセット・マネジメント
20 0 0 0 121 9 0
キャピタル・リリース・ユ
2,807 1,352 220 22 1,592 38 9,388
ニット
コーポレートおよびその他
7,986 0 0 0 1,106 123 268
合計 431,807 8,339 2,629 4,635 215,877 47,978 32,928
2020 年12月31日現在
7
レポおよびレポ形式の取引
負債性有価証券 合計
純損益を
OCI を通じ
純損益を通 通じて公 OCI を通じ
償却原価で て公正価値
じて公正価 償却原価で 正価値で て公正価
測定するも で測定する
値で測定す 測定するも 測定する 値で測定
5 6
の もの
るもの の もの するもの
単位:百万ユーロ
コーポレート・バンク
733 68 0 345 0 0 296,717
インベストメント・バンク
2,078 86,579 980 7,356 59,974 0 303,956
プライベート・バンク
521 2 1 10 0 0 277,115
アセット・マネジメント
0 2,850 198 0 0 0 3,198
キャピタル・リリース・ユ
0 1,404 0 1 3,091 0 19,915
ニット
コーポレートおよびその他
9,294 4,443 48,476 824 0 1,543 74,063
合計 12,625 95,347 49,656 8,535 63,066 1,543 974,964
1 2020年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI の償却原価で測定する貸出金119億ユーロを含む。
2 2020年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のOCIを通じて公正価値で測定する貸出金90.3百万ユーロを含む。
3 2020年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のオフバランスシート・エクスポージャー26億ユーロを含む。
4 適用あるネッティング・アグリーメントおよび受入現金担保の影響を含む。ヘッジ会計に適格なデリバティブを除く。
5 2020年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI の償却原価で測定する負債性有価証券360.4百万ユーロを含む。
6 2020年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のOCIを通じて公正価値で測定する負債性有価証券15.1百万ユーロを含む。
7 担保の反映前。売戻条件付買入有価証券および借入有価証券担保金に限定される。
当行グループの主要な信用エクスポージャー合計は、前年度から479億ユーロ増加した。
- 事業部門別では、主要な信用エクスポージャー合計は、インベストメント・バンクで427億ユーロ(2022年度第1四半期に
満期が見込まれる多額の一時的な資金調達を含む。)、コーポレート・バンクで237億ユーロ、プライベート・バンクで
199億ユーロおよびアセット・マネジメントで7億ユーロの増加であったが、コーポレートおよびその他における316億ユー
ロおよびキャピタル・リリース・ユニットにおける74億ユーロの減少で一部相殺された。コーポレートおよびその他の事
業部門には主に、財務部のエクスポージャーが含まれている。
- 商品別では、貸出金、オフバランスシートのポジション、ならびにレポおよびレポ形式の取引はエクスポージャーの増加
が見られたが、負債性有価証券およびOTCデリバティブにおいては減少が見られた。
『
産業部門別の主要な信用エクスポージャーの区分
242/763
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以下の表は、当行グループの産業別の信用エクスポージャーの概観を示しており、相手先のNACEコードに基づいて割り当て
られている。NACE(Nomenclature des Activit és É conomiques dans la Communaut é Europ éenne)は、欧州の標準的な産業分類シ
ステムであり、本報告書の他の場所で適用されている内部リスクに基づく観点とは必ずしも一致しない。
2021 年12月31日現在
OTC デリバ
貸出金 オフバランスシート ティブ
純損益を通
トレーディ じて公正価
取消可能 純損益を
ング-純損 値で測定す
OCI を通じ または取 通じて公
益を通じて るものとし
償却原価で て公正価値 消不能貸 正価値で
公正価値で て指定・要
測定するも で測定する 出コミッ 測定する
測定するも 求されたも
1 2 3 4
の もの トメント もの
の の 偶発負債
単位:百万ユーロ
農業、林業および漁業
645 2 0 0 593 36 3
鉱業および採石
2,783 190 0 33 5,220 1,893 32
製造
35,404 348 26 1,042 51,706 11,612 5,034
電気、ガス、蒸気および空
4,548 226 46 0 5,068 2,807 360
調の供給
上下水道、廃棄物処理およ
681 0 0 0 484 175 67
び修復工事
建設
4,374 234 2 40 2,939 2,714 256
卸売および小売、自動車お
21,285 196 34 930 16,368 7,135 298
よび二輪車の修繕
輸送、倉庫
5,330 334 87 316 5,729 947 515
宿泊、食品サービス
2,259 5 0 8 1,308 136 7
情報および通信
6,363 286 80 658 13,837 2,896 924
金融および保険
106,343 3,219 578 1,099 65,114 24,361 13,369
不動産
40,629 2,478 30 83 6,486 208 822
専門的、科学および技術活
6,959 63 0 0 5,245 2,147 85
動
事務サポートサービス
9,759 472 71 22 5,114 816 496
行政、国防および社会保障
6,183 757 12 124 2,519 105 1,037
教育
225 0 0 0 132 56 255
健康保険サービスおよび社
3,869 111 25 0 1,646 141 157
会福祉事業
芸術、娯楽およびリクリ
1,062 6 0 0 1,899 88 56
エーション
その他のサービス業
4,941 262 44 14 4,790 810 91
個人事業主の活動および自
212,434 0 0 1 30,934 311 253
家用製品・サービスの製造
地域外の組織および団体
1 0 0 0 0 2 31
合計 476,077 9,189 1,035 4,370 227,132 59,394 24,146
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2021 年12月31日現在
7
レポおよびレポ形式の取引
負債性有価証券 合計
純損益を
OCI を通じ
純損益を通 通じて公 OCI を通じ
償却原価で て公正価値
じて公正価 償却原価で 正価値で て公正価
測定するも で測定する
値で測定す 測定するも 測定する 値で測定
5 6
の もの
るもの の もの するもの
単位:百万ユーロ
農業、林業および漁業
0 12 0 0 0 0 1,291
鉱業および採石
4 371 2 0 0 0 10,529
製造
4 1,746 37 0 0 0 106,960
電気、ガス、蒸気および空
15 601 1 0 0 0 13,669
調の供給
上下水道、廃棄物処理およ
0 22 0 0 0 0 1,429
び修復工事
建設
60 456 10 0 0 0 11,086
卸売および小売、自動車お
6 335 2 0 0 0 46,589
よび二輪車の修繕
輸送、倉庫
306 888 1 0 0 0 14,452
宿泊、食品サービス
0 91 0 0 0 0 3,814
情報および通信
78 1,007 9 0 0 0 26,137
金融および保険
3,542 18,588 4,511 8,428 76,317 1,231 326,701
不動産
381 2,405 129 0 0 0 53,650
専門的、科学および技術活
28 176 157 0 0 0 14,860
動
事務サポートサービス
27 323 3 0 0 0 17,103
行政、国防および社会保障
10,185 63,108 18,216 0 1,957 0 104,203
教育
0 275 0 0 0 0 942
健康保険サービスおよび社
0 468 0 0 0 0 6,417
会福祉事業
芸術、娯楽およびリクリ
0 131 0 0 0 0 3,241
エーション
その他のサービス業
174 2,693 14 5 12 0 13,849
個人事業主の活動および自
0 0 0 0 0 0 243,933
家用製品・サービスの製造
地域外の組織および団体
40 1,671 287 0 0 0 2,032
合計 14,849 95,367 23,377 8,433 78,286 1,231 1,022,886
1 2021年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI の償却原価で測定する貸出金124億ユーロを含む。
2 2021年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のOCIを通じて公正価値で測定する貸出金28.1百万ユーロを含む。
3 2021年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のオフバランスシート・エクスポージャー26億ユーロを含む。
4 適用あるネッティング・アグリーメントおよび受入現金担保の影響を含む。ヘッジ会計に適格なデリバティブを除く。
5 2021年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI の償却原価で測定する負債性有価証券368.2百万ユーロを含む。
6 2021年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のOCIを通じて公正価値で測定する負債性有価証券15.8百万ユーロを含む。
7 担保の反映前。売戻条件付買入有価証券および借入有価証券担保金に限定される。
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2020 年12月31日現在
OTC デリバ
貸出金 オフバランスシート ティブ
純損益を通
トレーディ じて公正価
取消可能 純損益を
ング-純損 値で測定す
OCI を通じ または取 通じて公
益を通じて るものとし
償却原価で て公正価値 消不能貸 正価値で
公正価値で て指定・要
測定するも で測定する 出コミッ 測定する
測定するも 求されたも
1 2 3 4
の もの トメント もの
の の 偶発負債
単位:百万ユーロ
農業、林業および漁業
637 0 0 0 544 40 3
鉱業および採石
2,871 250 8 15 5,148 1,370 34
製造
26,050 525 354 1,111 52,722 10,314 4,677
電気、ガス、蒸気および空
3,419 295 51 0 5,080 1,783 614
調の供給
上下水道、廃棄物処理およ
681 0 0 0 396 156 80
び修復工事
建設
4,440 243 2 22 2,672 2,490 438
卸売および小売、自動車お
20,697 330 83 913 15,672 5,025 614
よび二輪車の修繕
輸送、倉庫
5,575 427 69 312 5,235 978 715
宿泊、食品サービス
2,427 60 0 27 1,203 158 27
情報および通信
5,525 308 3 404 14,030 2,072 887
金融および保険
84,724 2,860 1,823 813 56,024 19,467 18,042
不動産
36,571 989 46 339 5,776 312 1,401
専門的、科学および技術活
7,707 228 0 12 4,919 1,915 147
動
事務サポートサービス
9,112 333 66 56 4,266 453 672
行政、国防および社会保障
6,139 828 13 433 2,983 93 3,094
教育
205 0 0 0 126 14 459
健康保険サービスおよび社
3,436 68 26 0 2,373 127 484
会福祉事業
芸術、娯楽およびリクリ
929 22 0 0 1,105 59 30
エーション
その他のサービス業
5,353 551 84 177 4,305 877 131
個人事業主の活動および自
205,308 22 0 2 31,298 272 325
家用製品・サービスの製造
地域外の組織および団体
1 0 0 0 0 2 54
合計 431,807 8,339 2,629 4,635 215,877 47,978 32,928
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2020 年12月31日現在
7
レポおよびレポ形式の取引
負債性有価証券 合計
純損益を
OCI を通じ
純損益を通 通じて公 OCI を通じ
償却原価で て公正価値
じて公正価 償却原価で 正価値で て公正価
測定するも で測定する
値で測定す 測定するも 測定する 値で測定
5 6
の もの
るもの の もの するもの
単位:百万ユーロ
農業、林業および漁業
0 6 0 0 0 0 1,230
鉱業および採石
0 354 2 0 0 0 10,053
製造
0 995 39 0 0 0 96,788
電気、ガス、蒸気および空
0 437 1 0 0 0 11,679
調の供給
上下水道、廃棄物処理およ
0 40 0 0 0 0 1,354
び修復工事
建設
0 565 70 0 0 0 10,944
卸売および小売、自動車お
0 213 2 0 0 0 43,548
よび二輪車の修繕
輸送、倉庫
203 811 26 0 0 0 14,351
宿泊、食品サービス
0 63 0 0 0 0 3,964
情報および通信
8 514 5 0 0 0 23,756
金融および保険
3,167 20,866 8,114 8,428 61,801 1,543 287,672
不動産
333 3,047 109 0 0 0 48,924
専門的、科学および技術活
25 105 25 8 0 0 15,091
動
事務サポートサービス
36 270 3 99 0 0 15,367
行政、国防および社会保障
8,670 61,459 40,574 0 1,089 0 125,374
教育
0 120 21 0 0 0 945
健康保険サービスおよび社
0 473 0 0 0 0 6,987
会福祉事業
芸術、娯楽およびリクリ
31 83 0 0 0 0 2,258
エーション
その他のサービス業
110 3,654 162 0 176 0 15,580
個人事業主の活動および自
0 0 0 0 0 0 237,226
家用製品・サービスの製造
地域外の組織および団体
40 1,272 503 0 0 0 1,873
合計 12,625 95,347 49,656 8,535 63,066 1,543 974,965
1 2020年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI の償却原価で測定する貸出金119億ユーロを含む。
2 2020年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のOCIを通じて公正価値で測定する貸出金90.3百万ユーロを含む。
3 2020年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のオフバランスシート・エクスポージャー26億ユーロを含む。
4 適用あるネッティング・アグリーメントおよび受入現金担保の影響を含む。ヘッジ会計に適格なデリバティブを除く。
5 2020年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI の償却原価で測定する負債性有価証券360.4百万ユーロを含む。
6 2020年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のOCIを通じて公正価値で測定する負債性有価証券15.1百万ユーロを含む。
7 担保の反映前。売戻条件付買入有価証券および借入有価証券担保金に限定される。 』
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当該ポートフォリオは、当行グループの「信用リスク管理原則」に規定された同一の与信引受要件に従っており、それに
は、シングル・ネーム、国、業界および商品/資産クラス特有の集中に応じた多様な統制が含まれている。
リスクの一部を第三者に売却または販売する目的での貸出金の引受等の重要な取引は、上級信用リスク管理専門家、ならび
に(規模に応じて)引受委員会および/または取締役会のレビューと承認を受ける。こうした取引の組成および価格決定は、
リスク圧縮が適時に達成できるよう、また(ドイツ銀行が市場価格リスクを取る場合には)こうしたマーケット・リスクが軽
減されるよう、極めて重要視されている。
上記の区分に含まれている当行グループの償却原価で測定する貸出金のエクスポージャーは、大半が良質の借手に対するも
のである。また、コーポレート・バンクおよびインベストメント・バンクを中心に、貸出金エクスポージャーは当行グループ
の戦略的法人貸出(以下「SCL」という。)を通じた更なるリスク軽減の対象になっている。
当行グループの個人の貸出金エクスポージャーは、当行グループのプライベート・バンクのポートフォリオに主に関連して
いる。
上表の不動産に対する当行グループの償却原価で測定する貸出金のエクスポージャー406億ユーロは、NACEコード分類に基づ
いている。また、商業用不動産グループ、投資銀行のAPAC CREエクスポージャーおよびコーポレート・バンクのノンリコース
CREビジネスにわたる、当行グループの商業用不動産のエクスポージャーについても説明している。商業用不動産のエクスポー
ジャーの詳細については、「COVID-19のパンデミックに関する中心的な業界」の章を参照のこと。
主に米国および欧州において組成された当行グループの商業用不動産貸出金は通常、基礎となる不動産に対する第一順位の
モーゲージにより担保されている。ドイツ銀行は、固定および変動金利の貸出金を組成しており、金融機関が販売する準不履
行および不履行の貸出金を(通常は大幅に割引いて)厳選して取得している。これらのための引受プロセスは厳格であり、当
該エクスポージャーは個別のポートフォリオ限度枠に基づいて管理される。与信引受要件の政策ガイドラインにより、通常
75%未満のLTV比率を維持することが規定されている。さらに、基礎となる担保の重要性に鑑み、評価チーム(独立の信用リス
ク管理機能の一部)が、すべての担保付貸出金について、独立した外部の鑑定を依頼する。評価チームは、報告された不動産
価格を定期的にレビューし、批判的に検討することに責任を負う。ドイツ銀行は、銀行市場または証券化による分配のための
貸出金を組成している。これに関連して、ドイツ銀行はシンジケート・ローンの一部は頻繁に留保しているが、証券化された
ポジションは完全に売却する場合がある(規制上、経済的リスクの留保が求められる場合を除く。)。例外的な場合にのみ、
メザニン債またはその他の債務の劣後トランシェを留保している。当行はまた、資本の充実した不動産投資信託およびその他
の不動産会社を対象とした、保守的に引き受ける無担保信用枠にも関与している。
商業用不動産の評価額および賃貸料収入は、基礎となる不動産に影響を及ぼすようなマクロ経済の状況や固有イベントによ
り、著しい影響を受ける可能性がある。したがって、当該ポートフォリオは高リスクとして分類され、そのため、集中に関し
て、上述の厳重な制約が課されている。
2021年12月31日現在、当行グループの相手先上位10件に対する信用エクスポージャーは、これらの区分における当行グルー
プの信用エクスポージャー総額のうち8%(2020年12月31日現在9%)を占めていた。当行グループの相手先上位10件のエクス
ポージャーは、格付の高い相手先とのものであるか、または、そうでない場合は、高いリスク軽減レベルを示す仕組み取引に
関連するものであった。
金融および保険の産業部門に対する信用エクスポージャー合計は、主に投資適格のエクスポージャーで構成されていた。
2021年12月31日現在、すべての該当する測定区分にわたる貸出金の合計1,112億ユーロ、すべての該当する測定区分にわたるレ
ポおよびレポ形式の取引の合計860億ユーロ、ならびにオフバランスシート活動895億ユーロは、主に、インベストメント・バ
ンクおよびコーポレート・バンクのポートフォリオに関連しており、これらの大部分は北アメリカおよび欧州の地域で保有さ
れていた。
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『
地域別の主要な信用エクスポージャーの区分
2021 年12月31日現在
OTC デリバ
貸出金 オフバランスシート ティブ
純損益を通
トレーディ じて公正価
取消可能 純損益を
ング-純損 値で測定す
OCI を通じ または取 通じて公
益を通じて るものとし
償却原価で て公正価値 消不能貸 正価値で
公正価値で て指定・要
測定するも で測定する 出コミッ 測定する
測定するも 求されたも
1 2 3 4
の もの トメント もの
の の 偶発負債
単位:百万ユーロ
欧州
341,429 3,411 702 1,365 129,396 35,814 13,525
内訳:
ドイツ
235,389 407 20 173 73,087 14,388 1,535
英国
6,331 529 243 297 8,851 2,796 4,480
フランス
3,581 59 2 55 6,840 2,179 925
ルクセンブルグ
14,195 517 82 53 7,393 713 646
イタリア
24,316 227 9 0 3,484 4,510 398
オランダ
9,383 137 102 384 8,391 2,237 1,226
スペイン
16,283 246 0 43 3,215 3,464 668
アイルランド
4,652 262 234 72 2,687 210 549
スイス
13,083 34 0 110 6,156 2,710 145
ポーランド
2,293 0 0 16 401 116 14
ベルギー
1,426 5 0 76 1,724 578 212
8
ロシア連邦
806 54 0 51 629 209 27
8
9
ウクライナ
441
109 0 0 3 22 0
8,10
その他の欧州
9,583 492 10 37 6,535 1,683 2,700
北アメリカ
87,628 3,904 132 2,060 87,172 9,411 7,853
内訳:
米国
73,007 3,156 91 1,836 82,800 8,685 6,839
ケイマン諸島
5,709 157 3 0 1,555 80 396
カナダ
935 291 0 200 1,977 419 218
その他の北アメリカ
7,976 301 37 24 839 227 401
アジア/太平洋
40,093 944 185 874 9,151 12,786 2,605
内訳:
日本 1,921 62 108 48 608 519 656
オーストラリア 2,112 264 25 0 2,248 532 257
インド 7,948 4 6 18 920 3,440 95
中国 5,606 9 0 42 480 1,913 554
シンガポール 5,750 127 23 135 1,157 1,566 157
香港 3,146 89 0 51 1,258 752 181
その他のアジア/太平洋 13,610 390 23 581 2,480 4,064 706
その他の地域 6,926 931 16 71 1,414 1,383 163
合計 476,077 9,189 1,035 4,370 227,132 59,394 24,146
248/763
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
2021 年12月31日現在
7
レポおよびレポ形式の取引
負債性有価証券 合計
純損益を
OCI を通じ
純損益を通 通じて公 OCI を通じ
償却原価で て公正価値
じて公正価 償却原価で 正価値で て公正価
測定するも で測定する
値で測定す 測定するも 測定する 値で測定
5 6
の もの
るもの の もの するもの
単位:百万ユーロ
欧州
3,464 45,063 7,578 2,745 32,525 484 617,500
内訳:
ドイツ
548 7,152 932 274 3,301 32 337,236
英国
951 8,604 1,151 571 8,824 0 43,628
フランス
0 6,482 1,411 5 12,910 0 34,448
ルクセンブルグ
57 2,471 497 0 971 0 27,594
イタリア
314 3,655 315 85 729 0 38,042
オランダ
212 2,157 51 29 38 0 24,347
スペイン
74 7,193 199 1,126 500 0 33,012
アイルランド
1,143 1,264 3 2 3,158 0 14,237
スイス
3 583 4 0 140 0 22,968
ポーランド
0 73 1,870 0 76 0 4,859
ベルギー
33 1,932 805 0 7 0 6,798
8
ロシア連邦
0 14 36 0 0 0 1,826
8
ウクライナ
0 2 29 0 0 0 606
8,10
その他の欧州
130 3,481 274 653 1,870 452 27,900
北アメリカ
8,618 26,899 10,363 2,551 38,688 0 285,278
内訳:
米国
8,600 25,959 10,059 517 26,173 0 247,722
ケイマン諸島
0 238 0 2,034 11,679 0 21,851
カナダ
0 476 235 0 834 0 5,586
その他の北アメリカ
18 225 69 0 3 0 10,119
アジア/太平洋
2,718 21,369 5,053 2,868 7,000 508 106,154
内訳:
日本 25 2,951 556 0 3,672 0 11,127
オーストラリア 1,597 1,726 510 0 515 0 9,787
インド 617 5,067 944 0 253 360 19,670
中国 16 1,576 560 0 594 0 11,349
シンガポール 9 860 246 0 107 0 10,136
香港 213 742 246 0 184 0 6,861
その他のアジア/太平洋 242 8,447 1,990 2,868 1,675 147 37,224
その他の地域 49 2,037 384 268 72 240 13,954
合計 14,849 95,367 23,377 8,433 78,286 1,231 1,022,886
1 2021年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI の償却原価で測定する貸出金124億ユーロ含む。
2 2021年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のOCIを通じて公正価値で測定する貸出金28.1百万ユーロを含む。
3 2021年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のオフバランスシート・エクスポージャー26億ユーロを含む。
4 適用あるネッティング・アグリーメントおよび受入現金担保の影響を含む。ヘッジ会計に適格なデリバティブを除く。
5 2021年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI の償却原価で測定する負債性有価証券368.2百万ユーロを含む。
6 2021年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のOCIを通じて公正価値で測定する負債性有価証券15.8百万ユーロを含む。
7 担保の反映前。売戻条件付買入有価証券および借入有価証券担保金に限定される。
8 現在進行中のロシア連邦とウクライナの間の国境紛争を背景とした、項目の追加。
9 融資に起因するウクライナのトレーディング貸出金に対するエクスポージャーは、国際的な開発銀行によって実質的に保証されている。よ
り広範なリスク軽減の仕組みを考慮すると、正味エクスポージャーに重要性はない。
10 その他の欧州には、エクスポージャー合計が2百万ユーロ未満のベラルーシが含まれている。
249/763
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
2020 年12月31日現在
OTC デリバ
貸出金 オフバランスシート ティブ
純損益を通
トレーディ じて公正価
取消可能 純損益を
ング-純損 値で測定す
OCI を通じ または取 通じて公
益を通じて るものとし
償却原価で て公正価値 消不能貸 正価値で
公正価値で て指定・要
測定するも で測定する 出コミッ 測定する
測定するも 求されたも
1 2 3 4
の もの トメント もの
の の 偶発負債
単位:百万ユーロ
欧州
317,584 3,092 1,519 1,615 128,440 29,529 20,283
内訳:
ドイツ
224,577 340 57 347 75,531 12,195 1,715
英国
5,796 160 341 64 9,820 2,327 7,102
フランス
3,460 65 33 187 6,103 1,383 1,331
ルクセンブルグ
10,097 546 252 0 4,839 1,251 701
イタリア
23,442 340 66 0 3,600 3,888 1,854
オランダ
9,679 79 222 554 9,890 1,727 1,942
スペイン
17,134 304 0 28 3,755 2,763 1,094
アイルランド
4,173 190 200 127 2,023 200 465
スイス
6,817 39 19 150 4,518 1,762 268
ポーランド
2,421 0 1 0 374 128 17
ベルギー
1,133 4 0 53 1,566 679 295
8
ロシア連邦
665 74 0 57 382 239 17
8
ウクライナ
280 425 0 0 17 11 0
8
その他の欧州
7,910 527 327 46 6,021 976 3,480
北アメリカ
73,742 3,266 841 1,896 78,079 7,430 9,420
内訳:
米国
61,137 2,926 784 1,792 73,215 7,033 8,496
ケイマン諸島
3,790 113 3 0 2,131 25 246
カナダ
887 37 0 91 1,790 47 303
その他の北アメリカ
7,928 191 54 13 943 326 374
アジア/太平洋
34,194 1,248 237 992 7,813 9,960 2,766
内訳:
日本 1,385 17 0 89 415 483 312
オーストラリア 1,525 258 36 35 1,785 367 542
インド 6,355 54 21 32 1,110 2,253 149
中国 4,764 6 149 46 684 1,780 658
シンガポール 5,309 210 30 28 918 685 248
香港 2,872 109 0 61 986 671 186
その他のアジア/太平洋 11,984 593 0 702 1,914 3,721 670
その他の地域 6,286 734 31 133 1,545 1,059 460
合計 431,807 8,339 2,629 4,635 215,877 47,978 32,928
250/763
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有価証券報告書
2020 年12月31日現在
レポおよび
7
レポ形式の取引
負債性有価証券 合計
純損益を
OCI を通じ
純損益を通 通じて公 OCI を通じ
償却原価で て公正価値
じて公正価 償却原価で 正価値で て公正価
測定するも で測定する
値で測定す 測定するも 測定する 値で測定
5 6
の もの
るもの の もの するもの
単位:百万ユーロ
欧州
2,468 46,446 31,902 2,180 21,696 498 607,251
内訳:
ドイツ
544 8,252 10,467 263 1,078 10 335,377
英国
890 7,980 2,776 0 11,352 0 48,607
フランス
2 8,136 5,216 0 5,981 0 31,898
ルクセンブルグ
41 2,509 1,412 0 819 0 22,466
イタリア
117 5,908 1,496 108 478 0 41,297
オランダ
112 3,486 118 0 33 0 27,843
スペイン
0 3,053 3,088 1,077 500 0 32,796
アイルランド
680 1,415 136 0 396 0 10,004
スイス
4 637 4 0 79 0 14,299
ポーランド
0 112 1,993 0 0 0 5,047
ベルギー
40 1,575 1,616 0 5 0 6,966
8
ロシア連邦
0 42 34 0 0 0 1,510
8
ウクライナ
0 8 17 0 0 0 758
8
その他の欧州
38 3,334 3,529 731 975 488 28,381
北アメリカ
7,727 27,547 11,798 2,780 31,907 0 256,433
内訳:
米国
7,351 26,408 11,197 1,814 29,370 0 231,523
ケイマン諸島
359 567 0 885 2,086 0 10,206
カナダ
0 417 543 0 451 0 4,567
その他の北アメリカ
16 155 58 81 0 0 10,137
アジア/太平洋
2,431 19,246 5,740 3,353 9,426 646 98,052
内訳:
日本 64 2,807 25 0 6,283 0 11,881
オーストラリア 1,545 2,535 860 0 659 0 10,149
インド 349 3,284 2,047 0 128 396 16,177
中国 0 3,012 309 0 421 0 11,830
シンガポール 78 2,067 472 0 105 0 10,152
香港 207 725 286 60 12 0 6,175
その他のアジア/太平洋 188 4,816 1,740 3,293 1,817 250 31,689
その他の地域 0 2,107 216 223 37 399 13,229
合計 12,625 95,347 49,656 8,535 63,066 1,543 974,965
1 2020年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI の償却原価で測定する貸出金119億ユーロ含む。
2 2020年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のOCIを通じて公正価値で測定する貸出金90.3百万ユーロを含む。
3 2020年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のオフバランスシート・エクスポージャー26億ユーロを含む。
4 適用あるネッティング・アグリーメントおよび受入現金担保の影響を含む。ヘッジ会計に適格なデリバティブを除く。
5 2020年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI の償却原価で測定する負債性有価証券360.4百万ユーロを含む。
6 2020年12月31日現在、ステージ3およびステージ3 POCI のOCIを通じて公正価値で測定する負債性有価証券15.1百万ユーロを含む。
7 担保の反映前。売戻条件付買入有価証券および借入有価証券担保金に限定される。
8 現在進行中のロシア連邦とウクライナの間の国境紛争を背景とした、項目の追加。
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有価証券報告書
上記の表は、当行グループの地域別の信用エクスポージャーの概観を示しており、相手先の所在国に基づいて割り当てられ
ている。上述の所在地の観点は、本報告書の他の場所で適用されている内部リスクに基づく観点とは必ずしも一致しない。
当行グループの貸出金における信用リスクの地域の観点からの最大の集中は、当行グループの本国市場であるドイツ(個人
向け貸出金が重要部分を占めていた。)にあり、これには当行グループのモーゲージ貸出および住宅ローン業務の大部分が含
まれている。
OTCデリバティブ、トレーディング資産ならびにレポおよびレポ形式の取引内においては、地域の観点からの最大の集中は、
欧州および北アメリカにあった。』
信用エクスポージャーの分類
当行グループはまた、事業部門ごとに調整された最高リスク責任者の権限に合わせ、事業部門に基づいて信用エクスポー
ジャーを分類している。以下の項において、当行グループは、コーポレート・バンクとインベストメント・バンクの信用エク
スポージャーを併せて示している。その次の項では、プライベート・バンクの信用エクスポージャーについて説明している。
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252/763
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有価証券報告書
コーポレート・バンクおよびインベストメント・バンクの信用エクスポージャー
下記の表は、当行グループの主要なコーポレート・バンクおよびインベストメント・バンクの信用エクスポージャーを商品
の種類別および内部格付区分別に示している。当行グループの内部格付に関する詳細については、「信用リスクの測定」の項
を参照のこと。
相手先に関する内部信用格付区分別の主要なコーポレート・バンクおよびインベストメント・バンクの信用エクスポージャー
区分-総額
2021 年12月31日現在
単位:百万ユーロ(別途記載 OTC デリバ
のものを除く。)
貸出金 オフバランスシート ティブ
純損益を通
トレーディ
じて公正価
純損益を
ング - 純
値で測定す 取消可能
通じて公
損益を通じ るものとし OCI を通じ または取
正価値で
償却原価で て公正価値 て指定・要 て公正価値 消不能貸
デフォルト
測定する
測定するも で測定する 求されたも で測定する 出コミッ
1 2
確率 もの
格付区分 の もの の もの トメント 偶発負債
0.00%超
iAAA-iAA 23,066 130 13 159 26,153 3,545 4,008
0.04%以下
0.04%超
iA 41,041 138 202 1,151 53,557 27,267 4,502
0.11%以下
0.11%超
iBBB 61,562 789 192 1,967 54,600 14,362 2,710
0.5%以下
0.5%超
iBB 51,617 4,058 296 857 26,794 6,799 5,923
2.27%以下
2.27%超
iB 29,606 2,333 111 207 22,360 3,479 373
10.22%以下
10.22%超
iCCC以下 8,385 1,397 198 29 3,247 1,872 90
100%以下
合計 215,276 8,845 1,013 4,370 186,711 57,324 17,606
2021 年12月31日現在
単位:百万ユーロ(別途記載
負債性有価証券 レポおよびレポ形式の取引
のものを除く。)
純損益を
純損益を通 OCI を通じ 通じて公 OCI を通じ
償却原価で じて公正価 て公正価値 償却原価で 正価値で て公正価
デフォルト
測定するも 値で測定す で測定する 測定するも 測定する 値で測定
1
確率
格付区分 の るもの もの の もの するもの 合計
0.00%超
−
iAAA-iAA 1,253 49,214 0 473 35,615 143,629
0.04%以下
0.04%超
−
iA 1,433 11,698 108 1,127 17,831 160,055
0.11%以下
0.11%超
−
iBBB 439 11,786 90 2,035 9,144 159,678
0.5%以下
0.5%超
−
iBB 265 13,621 225 1,844 11,363 123,659
2.27%以下
2.27%超
−
iB 357 1,745 590 1,475 361 62,995
10.22%以下
10.22%超
−
iCCC以下 423 643 32 600 128 17,045
100%以下
合計 4,171 88,707 1,045 7,554 74,441 − 667,062
1 ある1年のタイム・ホライズンでのデフォルト確率を反映。
2 適用あるネッティング・アグリーメントおよび受入現金担保の影響を含む。
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相手先に関する内部信用格付区分別の主要なコーポレート・バンクおよびインベストメント・バンクの信用エクスポージャー
区分-純額
1
2021 年12月31日現在
単位:百万ユーロ(別途記
OTC デリバ
載のものを除く。)
貸出金 オフバランスシート ティブ
純損益を通
トレーディ
じて公正価
ング - 純
値で測定す 取消可能 純損益を
損益を通じ るものとし OCI を通じ または取 通じて公
償却原価で て公正価値 て指定・要 て公正価値 消不能貸 正価値で
デフォルト
測定するも で測定する 求されたも で測定する 出コミッ 測定する
2
確率
格付区分 の もの の もの トメント 偶発負債 もの
0.00%超
iAAA-iAA 16,959 130 13 45 24,962 2,664 2,518
0.04%以下
0.04%超
iA 31,570 53 202 998 51,421 24,751 3,087
0.11%以下
0.11%超
iBBB 32,646 633 89 1,752 51,426 12,207 2,287
0.5%以下
0.5%超
iBB 26,315 2,451 208 435 24,316 5,343 5,843
2.27%以下
2.27%超
iB 10,221 1,551 45 167 21,138 2,236 370
10.22%以下
10.22%超
iCCC以下 4,336 961 67 29 3,079 1,095 90
100%以下
合計 122,047 5,779 624 3,427 176,342 48,295 14,195
1
2021 年12月31日現在
単位:百万ユーロ(別途記
負債性有価証券 レポおよびレポ形式の取引
載のものを除く。)
純損益を
純損益を通 OCI を通じ 通じて公 OCI を通じ
償却原価で じて公正価 て公正価値 償却原価で 正価値で て公正価
デフォルト
測定するも 値で測定す で測定する 測定するも 測定する 値で測定
2
確率
格付区分 の るもの もの の もの するもの 合計
0.00%超
−
iAAA-iAA 1,253 49,214 0 16 0 97,775
0.04%以下
0.04%超
−
iA 1,433 11,698 108 0 22 125,344
0.11%以下
0.11%超
−
iBBB 439 11,773 90 67 22 113,430
0.5%以下
0.5%超
−
iBB 260 13,583 225 14 259 79,252
2.27%以下
2.27%超
−
iB 334 1,745 590 0 0 38,397
10.22%以下
10.22%超
−
iCCC以下 361 621 32 0 0 10,672
100%以下
合計 4,080 88,635 1,045 97 304 − 464,869
1 IFRSの規定に基づいて適格な担保、保証およびヘッジを控除後。
2 ある1年のタイム・ホライズンでのデフォルト確率を反映。
254/763
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下記の表は、2020年度における当行グループの主要なコーポレート・バンクおよびインベストメント・バンクの信用エクス
ポージャーを商品の種類別および内部格付区分別に示している。
相手先に関する内部信用格付区分別の主要なコーポレート・バンクおよびインベストメント・バンクの信用エクスポージャー
区分-総額
2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ(別途記
OTC デリバ
載のものを除く。)
貸出金 オフバランスシート ティブ
純損益を通
トレーディ
じて公正価
純損益を
ング - 純
値で測定す 取消可能
通じて公
損益を通じ るものとし OCI を通じ または取
正価値で
償却原価で て公正価値 て指定・要 て公正価値 消不能貸
デフォルト
測定する
測定するも で測定する 求されたも で測定する 出コミッ
1 2
確率 もの
格付区分 の もの の もの トメント 偶発負債
0.00%超
iAAA-iAA 13,679 44 446 114 20,168 1,911 4,230
0.04%以下
0.04%超
iA 29,365 436 347 641 47,835 11,794 6,414
0.11%以下
0.11%超
iBBB 55,845 1,047 672 2,149 57,941 22,069 4,395
0.5%以下
0.5%超
iBB 48,063 2,470 500 1,458 26,476 5,566 3,202
2.27%以下
2.27%超
iB 26,885 1,813 76 160 18,789 2,864 4,477
10.22%以下
10.22%超
iCCC以下 9,962 1,177 361 92 4,535 1,978 113
100%以下
合計 183,800 6,987 2,401 4,614 175,743 46,182 22,831
2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ(別途記
負債性有価証券 レポおよびレポ形式の取引
載のものを除く。)
純損益を
純損益を通 OCI を通じ 通じて公 OCI を通じ
償却原価で じて公正価 て公正価値 償却原価で 正価値で て公正価
デフォルト
測定するも 値で測定す で測定する 測定するも 測定する 値で測定
1
確率
格付区分 の るもの もの の もの するもの 合計
0.00%超
−
iAAA-iAA 1,183 50,886 103 298 27,745 120,806
0.04%以下
0.04%超
−
iA 527 7,762 82 827 8,504 114,533
0.11%以下
0.11%超
−
iBBB 307 12,569 87 1,425 8,346 166,851
0.5%以下
0.5%超
−
iBB 174 13,062 400 2,239 15,004 118,616
2.27%以下
2.27%超
−
iB 239 1,607 293 2,311 375 59,889
10.22%以下
10.22%超
−
iCCC以下 382 762 15 600 0 19,978
100%以下
合計 2,811 86,647 980 7,700 59,974 − 600,672
1 ある1年のタイム・ホライズンでのデフォルト確率を反映。
2 適用あるネッティング・アグリーメントおよび受入現金担保の影響を含む。
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相手先に関する内部信用格付区分別の主要なコーポレート・バンクおよびインベストメント・バンクの信用エクスポージャー
区分-純額
1
2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ(別途記
OTC デリバ
載のものを除く。)
貸出金 オフバランスシート ティブ
純損益を通
トレーディ
じて公正価
ング - 純
値で測定す 取消可能 純損益を
損益を通じ るものとし OCI を通じ または取 通じて公
償却原価で て公正価値 て指定・要 て公正価値 消不能貸 正価値で
デフォルト
測定するも で測定する 求されたも で測定する 出コミッ 測定する
2
確率
格付区分 の もの の もの トメント 偶発負債 もの
0.00%超
iAAA-iAA 8,684 44 446 0 19,088 1,618 3,381
0.04%以下
0.04%超
iA 22,618 131 347 621 46,384 9,837 4,957
0.11%以下
0.11%超
iBBB 31,266 889 625 1,602 54,626 19,365 4,190
0.5%以下
0.5%超
iBB 22,984 1,887 407 955 23,947 3,995 3,100
2.27%以下
2.27%超
iB 8,853 824 6 140 17,614 2,244 4,432
10.22%以下
10.22%超
iCCC以下 4,823 759 207 92 4,263 1,269 113
100%以下
合計 99,228 4,534 2,038 3,410 165,922 38,330 20,174
1
2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ(別途記
負債性有価証券 レポおよびレポ形式の取引
載のものを除く。)
純損益を
純損益を通 OCI を通じ 通じて公 OCI を通じ
償却原価で じて公正価 て公正価値 償却原価で 正価値で て公正価
デフォルト
測定するも 値で測定す で測定する 測定するも 測定する 値で測定
2
確率
格付区分 の るもの もの の もの するもの 合計
0.00%超
−
iAAA-iAA 1,183 50,886 103 0 27 85,460
0.04%以下
0.04%超
−
iA 527 7,762 82 0 1 93,268
0.11%以下
0.11%超
−
iBBB 307 12,569 87 23 3 125,551
0.5%以下
0.5%超
−
iBB 171 13,017 400 71 3 70,939
2.27%以下
2.27%超
−
iB 239 1,607 293 0 0 36,253
10.22%以下
10.22%超
−
iCCC以下 311 727 15 0 0 12,579
100%以下
合計 2,737 86,567 980 95 34 − 424,049
1 IFRSの規定に基づいて適格な担保、保証およびヘッジを控除後。
2 ある1年のタイム・ホライズンでのデフォルト確率を反映。
上記の表は、2021年度における当行グループのコーポレート・バンクおよびインベストメント・バンクのエクスポージャー
総額が全体として664億ユーロ、率にして11%増加したことを示している。償却原価で測定する貸出金は、主に複数の事業にわ
たる成長および2022年度第1四半期に満期が見込まれる多額の一時的な資金調達により、315億ユーロ増加した。オフバランス
シートのポジションは、主に期中に発行された新規のコミットメントおよび保証により、221億ユーロ増加した。レポおよびレ
ポ形式の取引は、主に顧客取引の増加によりインベストメント・バンクで143億ユーロ増加し、負債性有価証券は35億ユーロ増
加した。地域の観点から見ると、これらの増加は主に米国、ドイツ、スイス、ケイマン諸島およびフランスに所在する取引相
手に起因していた。これらの増加は、主に金利商品を起因とするOTCデリバティブ52億ユーロの減少により、一部相殺された。
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当行グループは、上記のリスク軽減手法を用いて当行グループのコーポレート・バンクおよびインベストメント・バンクの
信用エクスポージャーを最適化し、潜在的な信用損失を削減している。「正味」エクスポージャーを示した表は、当行グルー
プのコーポレート・バンクおよびインベストメント・バンクの信用エクスポージャーの変動(担保、保証およびヘッジを控除
後) を開示している。
信用エクスポージャーに関するSCLのリスク軽減
当行グループの戦略的法人貸出(以下「SCL」という。)ユニットは、当行グループの法人信用エクスポージャーのリスク軽
減を支援している。SCLのリスク削減活動の名目金額は、2020年12月31日現在の340億ユーロから2021年12月31日現在の317億
ユーロに減少した。
SCLは、2021年度末現在、金融保証により大部分を裏付けられているシンセティック・ローン担保証券により、貸出金および
貸出関連コミットメント270億ユーロの信用リスクを軽減した。2020年12月31日現在、このポジションの総額は309億ユーロで
あった。
また、2021年12月31日現在、SCLは基礎となる名目金額が47億ユーロのクレジット・デリバティブを保有していた。2020年12
月31日現在、このポジションの総額は31億ユーロであった。ポートフォリオ管理活動のために使用されたクレジット・デリバ
ティブは公正価値で会計処理されている。
プライベート・バンクの信用エクスポージャー
プライベート・バンクの信用エクスポージャー、ステージ3の信用エクスポージャーおよび純信用コスト
エクスポージャー
ステージ3の信用
純信用コスト
総額
うち、貸出金 エクスポージャー
(エクスポージャー
(単位: (単位: (単位:
1
総額に対する%)
百万ユーロ) 百万ユーロ) 百万ユーロ)
2021 年 2020 年 2021 年 2020 年 2021 年 2020 年 2021 年 2020 年
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
現在 現在 現在 現在 現在 現在 現在 現在
PBドイツ 194,486 185,959 169,639 160,683 2,668 2,798 0.12 % 0.17%
消費者向け融資 29,638 29,352 15,360 15,240 1,446 1,277 0.77 % 0.77%
モーゲージ 159,825 153,165 150,082 143,368 1,187 1,481 0.00 % 0.06%
企業向け融資 1,310 1,246 905 870 7 6 0.07 % 0.15%
その他 3,713 2,196 3,291 1,206 27 35 0.01 % 0.05%
インターナショナル・プ
102,556 91,156 84,800 76,511 4,037 3,484 0.21 % 0.43%
ライベート・バンク
消費者向け融資 11,007 11,162 8,940 8,937 435 350 0.71 % 1.50%
モーゲージ 12,950 13,611 12,889 13,520 701 668 0.21 % -0.08%
企業向け融資 13,226 12,151 11,320 9,914 968 728 0.83 % 1.16%
ウェルス・マネジメン
64,553 53,928 51,570 44,072 1,933 1,739 0.00 % 0.17%
ト
その他 819 303 81 68 0 0 -0.01 % 1.41%
総額 297,041 277,115 254,439 237,194 6,705 6,282 0.15 % 0.26%
1 各貸借対照表の日付に終了した12ヶ月間における純信用コストを当該貸借対照表日現在におけるエクスポージャー総額で除した割合。
2 2020年度のインターナショナル・プライベート・バンクの「その他」のエクスポージャー総額に対する純信用コストの比率は更新されて
いる。
消費者向け融資は、個人向け分割返済ローン、信用枠およびクレジット・カードに区分される。消費者向け融資業務は無担
保であり、貸出金のリスクは、顧客の質に依存する。多様な貸出要件(顧客の格付、最大貸出金額および最長期限を含むが、
これに限定されない。)が規定されており、これを地域の状況および/または借手の環境に適合させる(すなわち、消費者貸
出金については、最大貸出金額は顧客の正味所得を考慮する。)。当該ポートフォリオのほぼ均質な性質に鑑み、相手先の信
用度および格付は主に自動判定エンジンを用いて導き出される。
モーゲージ業務は住宅用不動産(主に所有者占有である。)に関する融資であり、欧州(主にドイツだが、スペインおよび
イタリアにもある。)における多様な業務チャネルにより販売される。モーゲージ貸出金ポートフォリオの信用リスク水準
は、顧客の質および基礎となる担保を評価することにより決定される。貸出金額は一般に、消費者向け融資貸出金よりも大口
であり、より長期のタイム・ホライズンで供与される。当行グループの引受基準およびプロセスならびに、それぞれの担保の
分散されたポートフォリオ(顧客/不動産)に基づき、モーゲージ・ポートフォリオは低リスクとして、また消費者向け融資
は高リスクとして分類されている。
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企業向け融資は、小規模事業、中小企業および大企業向けの信用商品を指す。商品の範囲には、当座預金、信用枠、投資貸
付またはリボルビング貸出枠、ファクタリング、リースおよびデリバティブが含まれる。売上高が2.5百万ユーロを下回る小規
模 顧客は、当座預金および貸出金に限定される。顧客は主にイタリアおよびスペインに所在しているが、信用供与は主に欧州
を中心とする海外の子会社にも及ぶ。
ウェルス・マネジメントは、富裕層、高額個人資産家(HNW)および超高額個人資産家(UHNW)の個人およびファミリー事務
所向けに、オーダーメイドの資産管理ソリューションおよびプライベート・バンキング・サービスを提供している。これら
は、一任勘定のポートフォリオ管理、ならびに従来型および代替的な投資ソリューションも含み、計画的リスク管理、資産形
成プランニング、融資および家族事務所向けサービスにより補完されている。ウェルス・マネジメントのエクスポージャー総
額は、(容易に換金可能な流動性のある担保/有価証券に対する)ロンバード貸付と、(流動性の低い担保に対する)ストラ
クチャード貸付に分けられる。ロンバード・ポートフォリオの信用リスク水準は基礎となる担保の質の評価により決定される
が、ストラクチャード・ポートフォリオの信用リスク水準は、顧客の質と担保の両方の評価により決定される。商品の範囲に
は、担保付ロンバード貸付およびモーゲージ貸付、当座預金(欧州のみ)、信用枠およびその他の貸出金が含まれ、これらよ
り少ないが、デリバティブや保証商品も含まれる。顧客は世界中に所在している。
1
PB モーゲージの融資比率(LTV)
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
50%以下 64 % 65%
50%超70%以下 17 % 16%
70%超90%以下 10 % 10%
90%超100%以下 3 % 3%
100%超110%以下 2 % 2%
110%超130%以下 2 % 2%
130%超 2 % 1%
1 エクスポージャーを該当するLTVバケットに割り当てる際、エクスポージャー金額は基礎となる不動産評価額の相対的割合に従って割り当
てられる。
LTV比率は、エクスポージャー金額を基礎となる不動産の評価額に対する比率として表現する。
当行グループのLTV比率は、エクスポージャー総額を各不動産の現在の評価額で除して計算される。これらの評価額は、監視
され、必要に応じて定期的に更新される。流動性の高い担保により追加担保される取引に関するエクスポージャーは、各担保
価値の分が減額され、一方、先順位担保権がある場合は対応するエクスポージャー総額を増額する。LTVの計算には、不動産担
保によって担保されたエクスポージャーが含まれている。それ以外の種類の担保のみによって担保されたモーゲージ貸出エク
スポージャーは、LTVの計算には含まれていない。
貸出金を組成する際ならびに当行グループの信用リスクを監視および管理する際において、債権者の信用度、LTVおよび担保
の質は、当行グループのリスク管理の不可欠な部分である。当行グループは通常、債権者の信用度が高いほど、より高いLTVを
受け入れる準備がある。しかし、経済見通しがマイナスまたは不動産価格の下落が見込まれる諸国については、LTVの制約が適
用される。
2021年12月31日現在、当行グループのモーゲージ貸出ポートフォリオに関連するエクスポージャーの64%はLTV比率が50%以
下であり、前年度より若干低下した。
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デリバティブによる信用エクスポージャー
すべての取引所売買デリバティブ取引は、中央清算機関(以下「CCP」という。)を通じて決済されている。これらの機関の
規則および規制では、こうした取引から生じる現在および将来のすべての信用リスク・ポジションにつき日次の証拠金規制を
規定している。当行グループは、可能な範囲で、CCPのサービスをOTCデリバティブ取引にも使用しており(以下「OTCクリアリ
ング」という。)、これによりCCPの決済システムを通じて達成される信用リスク軽減から恩恵を受けている。
ドッド=フランク法は、OTCデリバティブの規制(特定のOTCデリバティブの強制的なクリアリング、プラットフォーム・ト
レーディングおよび取引報告を含む。)に関する広範なフレームワークと、スワップ・ディーラー、証券派生スワップの
ディーラー、主要なスワップ参加者および主要な証券派生スワップの参加者の登録、自己資本、証拠金、業務遂行基準、帳簿
記録管理およびその他の要件に関する規則を規定している。ドッド=フランク法および関連するCFTCの規則は、一定の標準化
されたOTCデリバティブ取引(特定の金利スワップおよびインデックス・クレジット・デフォルト・スワップを含む。)に関す
る米国でのOTCクリアリングを義務付けている。米国内のクリアリングされていないデリバティブ取引に対する証拠金規制は、
2016年9月に開始された。OTCデリバティブ、中央清算機関および取引情報蓄積機関に関する欧州規則(EU)第648/2012号(以下
「EMIR」という。)は、中央清算されないOTCデリバティブに関する多数のリスク軽減技法を2013年に、またOTCおよび取引所
売買デリバティブに関する報告を2014年に導入した。一定の標準化されたOTCデリバティブ取引に関するEU圏内での強制的なク
リアリングは、2016年6月に開始し、クリアリングされていないOTCデリバティブ取引に関するEU圏内での証拠金規制は、2017
年2月に開始された。ドイツ銀行は、クリアリングされていないデリバティブの要件に関してEMIRの証拠金の対象となる第1カ
テゴリーのカウンターパーティに対し、2017年2月からEU圏内において当初証拠金と変動証拠金の両方の授受を実施した。
CFTCはドッド=フランク法の最も重要な規定を導入する規則を採用した。さらに最近では、2020年9月に、CFTCは、2013年か
らのCFTCによるクロスボーダー・ガイダンスと関連するノー・アクション・リリーフ・レターに基づく米国のスワップ規則
を、クロスボーダーで適用する(当該ガイダンスを置き換える場合もある。)最終規則を公表した。同じくドッド=フランク
法に従い、CFTCは2020年10月に、特定のコモディティおよび経済的に同等のスワップ、先物ならびにオプションに関してポジ
ション限界値を課す規制を最終決定した。
SECも、証券派生スワップ・ディーラーおよび主要な証券派生スワップ参加者の登録、取引報告、自己資本、証拠金、リスク
軽減手法、業務遂行基準、取引の確認および検証、帳簿記録管理および財務報告、ならびにクロスボーダーの要件に関する規
則を最終決定している。2021年11月より、一般的にこれらの要件に準拠することが義務付けられた。
最後に、米国の健全性規制当局(連邦準備制度理事会、FDIC、米国通貨監督庁、農業信用管理機構および米国連邦住宅金融
局)は、CFTCおよびSECの証拠金規則の代わりに米国の健全性規制の対象となっているスワップ・ディーラーおよび証券派生ス
ワップのディーラー(ドイツ銀行等)に適用される、クリアリングされていないスワップおよび証券派生スワップに関して証
拠金規制を設ける最終規則を採用した。ドイツ銀行は2016年9月より、米国の自主規制機関による証拠金規制の対象となる第1
カテゴリーのカウンターパーティに対し、米国内のクリアリングされていないデリバティブに対する当初証拠金と変動証拠金
の両方の授受を実施した。それよりも規模の小さいカウンターパーティに対する当初証拠金に関する追加要件は、2017年9月か
ら2022年9月までの間に段階的に発効している最中である。関連する適用開始日は、当事者およびその関連会社の取引量に応じ
てそれぞれに異なる。米国の健全性規制当局は、COVID-19による影響を鑑み、取引量の水準が低い一部のカウンターパーティ
とのスワップに関して当初証拠金遵守の開始日を2020年9月から2021年9月または2022年9月に延期した。
以下の表は、取引所売買デリバティブおよびOTCデリバティブの資産・負債について、名目金額および時価総額をクリアリン
グ・チャネル別に示している。
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クリアリング・チャネルおよびデリバティブの種類別のデリバティブの名目金額
2021 年12月31日現在
名目金額の
期限別分類
プラスの
1 年超 マイナスの
単位:百万ユーロ 正味時価
1 年以内 5 年超 合計
時価
時価
5年以内
金利関連:
OTC 13,625,153 10,672,998 6,717,198 31,015,349 167,037 154,392 12,645
二者間(額) 1,541,797 1,976,392 1,542,479 5,060,668 156,247 143,526 12,721
CCP(額) 12,083,356 8,696,606 5,174,718 25,954,681 10,790 10,865 -76
取引所売買 730,798 286,032 514 1,017,344 174 131 43
金利関連合計 14,355,951 10,959,030 6,717,712 32,032,693 167,211 154,523 12,688
通貨関連:
OTC 5,323,845 847,188 420,701 6,591,734 108,030 108,282 -252
二者間(額) 5,220,578 843,099 420,511 6,484,189 107,244 107,347 -103
CCP(額) 103,267 4,088 190 107,545 786 934 -148
取引所売買 20,765 0 0 20,765 2 8 -6
通貨関連合計 5,344,610 847,188 420,701 6,612,499 108,032 108,289 -258
エクイティ/指数関連:
OTC 25,341 9,272 2,881 37,493 5,595 3,666 1,929
二者間(額) 25,341 9,272 2,881 37,493 5,595 3,666 1,929
CCP(額) 0 0 0 0 0 0 0
取引所売買 184,194 44,141 2,286 230,621 3,455 4,723 -1,267
エクイティ/指数関連合計 209,535 53,413 5,167 268,115 9,050 8,388 661
クレジット・デリバティブ関
連:
OTC 129,185 823,005 85,102 1,037,292 15,611 16,359 -748
二者間(額) 78,553 71,414 34,561 184,529 2,102 2,466 -364
CCP(額) 50,632 751,591 50,540 852,763 13,509 13,892 -384
取引所売買 0 0 0 0 0 0 0
クレジット・デリバティブ関
129,185 823,005 85,102 1,037,292 15,611 16,359 -748
連合計
コモディティ関連:
OTC 2,764 3,419 1,421 7,605 105 107 -2
二者間(額) 2,764 3,419 1,421 7,605 105 107 -2
CCP(額) 0 0 0 0 0 0 0
取引所売買 27,241 1,356 0 28,598 218 225 -6
コモディティ関連合計 30,006 4,776 1,421 36,203 323 332 -8
その他:
OTC 40,047 3,565 157 43,769 606 675 -69
二者間(額) 40,047 3,565 157 43,769 606 675 -69
CCP(額) 0 0 0 0 0 0 0
取引所売買 8,786 186 0 8,971 5 9 -5
その他合計 48,832 3,751 157 52,741 610 684 -74
OTC 業務合計 19,146,335 12,359,447 7,227,460 38,733,243 296,983 283,480 13,503
二者間業務合計 6,909,080 2,907,161 2,002,011 11,818,253 271,899 257,787 14,111
CCP業務合計 12,237,255 9,452,286 5,225,448 26,914,990 25,084 25,692 -608
取引所売買業務合計 971,784 331,716 2,800 1,306,300 3,854 5,095 -1,241
総計 20,118,119 12,691,163 7,230,260 40,039,542 300,837 288,575 12,262
プラスの時価(ネッティング
− − − − 25,518 − −
および受入現金担保考慮後)
260/763
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
2020 年12月31日現在
名目金額の
期限別分類
プラスの
1 年超 マイナスの
単位:百万ユーロ 正味時価
1 年以内 5 年超 合計
時価
時価
5年以内
金利関連:
OTC 11,299,988 8,076,426 5,241,008 24,617,422 230,512 215,795 14,717
二者間(額) 1,476,276 1,977,542 1,598,819 5,052,637 220,704 206,192 14,512
CCP(額) 9,823,712 6,098,884 3,642,189 19,564,785 9,808 9,602 206
取引所売買 605,924 215,611 66 821,601 347 154 193
金利関連合計 11,905,912 8,292,037 5,241,074 25,439,023 230,859 215,948 14,911
通貨関連:
OTC 4,351,809 791,671 401,111 5,544,590 91,241 87,177 4,063
二者間(額) 4,255,560 788,132 401,012 5,444,704 90,297 85,830 4,466
CCP(額) 96,249 3,539 98 99,886 944 1,347 -403
取引所売買 43,601 8 0 43,608 5 24 -19
通貨関連合計 4,395,409 791,679 401,111 5,588,199 91,246 87,202 4,044
エクイティ/指数関連:
OTC 28,938 32,164 7,186 68,288 5,700 5,692 8
二者間(額) 28,938 32,164 7,186 68,288 5,700 5,692 8
CCP(額) 0 0 0 0 0 0 0
取引所売買 126,825 36,818 1,634 165,277 3,772 4,902 -1,130
エクイティ/指数関連合計 155,763 68,982 8,821 233,565 9,473 10,594 -1,122
クレジット・デリバティブ関
連:
OTC 61,552 689,031 86,593 837,176 13,557 13,272 285
二者間(額) 23,672 124,373 32,647 180,692 3,043 2,628 415
CCP(額) 37,880 564,658 53,947 656,484 10,515 10,645 -130
取引所売買 0 0 0 0 0 0 0
クレジット・デリバティブ関
61,552 689,031 86,593 837,176 13,557 13,272 285
連合計
コモディティ関連:
OTC 3,716 2,857 1,341 7,913 142 993 -851
二者間(額) 3,716 2,857 1,341 7,913 138 661 -522
CCP(額) 0 0 0 0 4 332 -328
取引所売買 15,446 744 0 16,190 409 55 353
コモディティ関連合計 19,162 3,600 1,341 24,103 551 1,048 -497
その他:
OTC 119,254 3,438 154 122,846 1,043 936 108
二者間(額) 119,254 3,438 154 122,846 1,043 936 108
CCP(額) 0 0 0 0 0 0 0
取引所売買 9,411 0 0 9,411 29 53 -24
その他合計 128,665 3,438 154 132,258 1,072 989 84
OTC 業務合計 15,865,257 9,595,586 5,737,393 31,198,236 342,196 323,866 18,331
二者間業務合計 5,907,416 2,928,505 2,041,159 10,877,080 320,925 301,939 18,986
CCP業務合計 9,957,840 6,667,081 3,696,234 20,321,155 21,271 21,926 -656
取引所売買業務合計 801,207 253,181 1,701 1,056,088 4,562 5,188 -626
総計 16,666,463 9,848,767 5,739,094 32,254,324 346,758 329,054 17,704
プラスの時価(ネッティング
− − − − 35,161 − −
および受入現金担保考慮後)
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
株式エクスポージャー
下記の表は、IFRSの定義に基づく当行グループの持分投資の各報告日における帳簿価額をトレーディングとトレーディング
以外に分けて表示している。当行グループは、各ポジションを当行グループのマーケット・リスクおよび他の適切なリスクの
フレームワーク内で管理している。
株式エクスポージャーの構成
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
トレーディング株式 5,094 11,769
1
トレーディング以外の株式
2,644 2,375
株式エクスポージャー合計 7,739 14,145
1 2021年12月31日現在87百万ユーロおよび2020年12月31日現在291百万ユーロの持分投資ファンドを含む。
2021年12月31日現在、当行グループのトレーディング株式エクスポージャーは主に、インベストメント・バンクからの43億
ユーロおよびキャピタル・リリース・ユニット業務からの5億ユーロから構成されていた。トレーディング株式全体は、主にエ
クイティ業務における取引低下に起因して、前年度から67億ユーロ減少した。
トレーディング・マーケット・リスク・エクスポージャー
ドイツ銀行グループのトレーディング・ユニットのバリュー・アット・リスクの額
『
以下の表およびグラフは、信頼水準99%および保有期間1日として計算された、当行グループのトレーディング・ユニットの
バリュー・アット・リスクの額をヒストリカル・シミュレーションに基づき示している。』
1
トレーディング・ユニットのバリュー・アット・リスク(リスク種類別)
信用スプ
外国為替
コモディティ
レッド・
2
リスク
合計 分散効果 金利リスク リスク 株価リスク 価格リスク
単位:
2021 2020 2021 2020 2021 2020 2021 2020 2021 2020 2021 2020 2021 2020
百万ユーロ 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度
平均 37.5 58.9 -37.2 -44.0 23.1 17.9 27.9 53.6 13.0 15.5 9.5 13.3 1.1 2.7
最大 69.0 133.3 -21.0 -10.2 38.5 36.3 60.3 117.1 20.1 30.8 25.2 32.3 7.9 8.8
最小 27.7 25.6 -76.9 -84.4 11.3 8.1 17.5 17.9 6.8 5.3 4.4 4.5 0.3 0.4
』
『期末 31.1 48.1 -27.0 -72.2 16.6 27.1 24.1 55.4 8.3 13.5 8.1 22.5 1.0 1.8
1 2021年度の数値は2021年12月31日現在。2020年度の数値は2020年12月31日現在。
2 金およびその他の貴金属のポジションからのバリュー・アット・リスクを含む。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
ヒストリカル・シミュレーションに基づく2021年度のリスク種類別バリュー・アット・リスクの推移
2021年度の平均バリュー・アット・リスクは37.5百万ユーロであり、2020年度の平均と比較して21百万ユーロ、率にしてマ
イナス36%減少した。この減少は、COVID-19関連の市場のボラティリティの影響がバリュー・アット・リスクの計算の対象外
になったことにより、複数の リスク・クラス にわたり減少したことに起因している。
『
規制報告目的では、各報告日の追加的リスクに係る自己資本賦課は、報告日におけるスポットの価額と、その報告日に先立
つ12週間の平均値のいずれか大きい方を表している。』
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
1,2,3
トレーディング・ユニットの追加的リスクに係る平均、最大、最小自己資本賦課(信頼水準99.9%、資本ホライズン1年)
クレジット・ エマージング・
4
その他
合計 トレーディング コア金利 マーケット
2021 2020 2021 2020 2021 2020 2021 2020 2021 2020
単位:百万ユーロ
年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度
平均 436.6 591.4 118.1 100.2 211.4 347.4 188.3 242.6 -81.2 -98.7
最大 604.1 688.8 154.6 147.4 574.5 631.6 267.9 324.9 59.1 -70.0
最小 292.5 537.3 62.5 50.0 60.1 263.1 84.4 62.8 -224.9 -147.6
』
『期末 292.5 560.4 85.4 124.8 78.0 283.6 133.1 250.4 -4.0 -98.5
1 金額はそれぞれ、2021年12月31日および2020年12月31日に先立つ12週間の当該数値の変動幅を示している。
2 ビジネスラインの内訳は、現在のビジネス構造をより良く反映するために2021年度の報告で更新されている。
3 流動性ホライズンはすべて12ヶ月に設定されている。
4 その他には、キャピタル・リリース・ユニットが含まれる。
2021年度末の追加的リスクに係る自己資本賦課は293百万ユーロであり、2020年度末から268百万ユーロ、率にしてマイナス
48%減少した。2021年度末時点の追加的リスクに係る自己資本賦課の平均は437百万ユーロであり、2020年12月31日に終了した
期間の平均から155百万ユーロ、率にしてマイナス26%減少した。この追加的リスクに係る自己資本賦課額の2021年度における
減少は、欧州のソブリン債エクスポージャーが2020年度より減少したことに起因していた。
トレーディング・マーケット・リスクの規制上のバックテスティングの結果
2020年度は7回の異常値という結果であったが、2021年度に当行グループは、ヒストリカル・シミュレーション・モデルの下
で、長期保有による損失が当行グループのトレーディング勘定のバリュー・アット・リスクを超過するというグローバルな異
常値を1回観察した。これらの異常値は、中国の不動産エクスポージャーに関する重大な市場ストレスに起因していた。また、
2021年度には実際のバックテスティングによる異常値が2回あり、これらはVaRをフィーおよび手数料を控除した収益合計と比
較している。実際のバックテスティングによる異常値のうち1回は中国の不動産エクスポージャーに関する市場ストレスに起因
しており、もう1回の異常値はバリュー・アット・リスクの範囲外のイベント・リスクから生じたインベストメント・バンクに
おける損失によるものであった。
バックテスティングの結果、異常値の基礎となる理由の当行の分析、当行グループのバリュー・アット・リスク・モデル手
法に含まれる補完により、当行グループは、当行グループのバリュー・アット・リスク・モデルは正常な市況下におけるト
レーディング・マーケット・リスクに関する適切な指標を維持していると引き続き考えている。以下のグラフは、トレーディ
ング・ユニットについて、日次長期保有収益を報告期間中の取引日の前営業日終了時点のバリュー・アット・リスクと比較し
たものである。当行グループのトレーディング・ポジションの予想される潜在的な損失を長期保有収益と視覚的に比較するた
めに、バリュー・アット・リスクはマイナスの金額で示されている。数値は百万ユーロ単位で表示されている。このグラフ
は、当行グループのトレーディング・ユニットが、2021年度の取引日の48%においてプラスの長期保有収益を達成し(2020年
度:60%)、2021年度においてグローバルな異常値が発生したことを示している。
バックテスティング結果がここに示されているバリュー・アット・リスク・モデルの所要自己資本は、当行グループの所要
自己資本合計の5.6%を占めている。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
EU MR4 -VAR見積りと損益の比較
トレーディング・ユニットの日次収益
以下の棒グラフは、当行グループのトレーディング・ユニットの日次収益の分布を示している。日次収益は、新しい取引、
フィーおよび手数料、長期保有収益、引当金、キャリーおよびその他の収益から成る収益の合計として定義される。これは、
百万ユーロ単位で横軸に示される各トレーディング収益水準を達成した取引日数を表示している。
2021 年度のトレーディング・ユニットの日次収益の分布
当行グループのトレーディング・ユニットは、2020年度通年の90%と比較して、2021年度は取引日の84%においてプラスの
収益を達成した。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
トレーディング以外のマーケット・リスク・エクスポージャー
トレーディング以外のマーケット・リスクの経済的資本使用額
『
以下の表は、トレーディング以外のマーケット・リスクの経済的資本使用額のリスク種類別内訳を示している。
経済的資本使用額のリスク種類別内訳
経済的資本使用額
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
金利リスク 1,853 4,062
信用スプレッド・リスク 21 92
エクイティ・リスクおよび投資リスク 1,031 1,885
外国為替リスク 1,509 1,682
年金リスク 1,128 934
保証型ファンド・リスク 85 41
トレーディング以外のマーケット・リスク・ポートフォリオ合計 5,628 8,696
経済的資本の数値においては、様々なリスク種類間の分散効果が考慮されている。
2021年12月31日現在のトレーディング以外のマーケット・リスクの経済的資本使用額は56億ユーロであり、2020年度末の当
行グループの経済的資本使用額を31億ユーロ下回った。
- 金利リスク:ギャップ・リスク、ベーシス・リスクおよびオプション・リスク(モデル化された、満期の定めのない預金
に組み込まれた顧客の行動が変化するリスクや前払いリスク等)を含む、バンキング勘定の金利リスクに関する経済的資
本賦課。2021年12月31日現在の経済的資本使用額は合計で1,853百万ユーロであり、これに対して2020年12月31日現在では
4,062百万ユーロであった。経済的資本貢献額の減少は主に、リスク集計方法の変更に伴い他のリスク種類との分散効果が
向上したこと、ならびに戦略的流動性準備金の有価証券における金利リスク・エクスポージャーのレベルが低下したこと
に起因していた。
- 信用スプレッド・リスク:信用スプレッド・リスクにさらされているバンキング勘定のポートフォリオに関する経済的資
本賦課。2021年12月31日現在の経済的資本使用額は21百万ユーロであり、これに対して2020年12月31日現在では92百万
ユーロであった。
- エクイティ・リスクおよび投資リスク:当行グループによる非連結投資の保有(戦略的投資およびオルタナティブ投資資
産等)から発生する、ならびに当行グループの株式報酬制度から生じる当行グループの株価への構造的なショート・ポジ
ションから発生するエクイティ・リスクの経済的資本賦課。2021年12月31日現在の経済的資本使用額は1,031百万ユーロで
あり、これに対して2020年12月31日現在では1,885百万ユーロであった。経済的資本貢献の減少は、主に株式投資ポート
フォリオの計算方法の変更に起因していた。
- 外国為替リスク:外国為替リスクは主に、当行グループの自己資本比率が為替レートの変動に対して影響を受けにくくす
るための当行グループの構造的ポジションから生じる。2021年12月31日現在の経済的資本使用額は1,509百万ユーロであ
り、これに対して2020年12月31日現在では1,682百万ユーロであった。この減少は計算方法の変更に起因していた。
- 年金リスク:このリスクは、金利リスクおよびインフレ・リスク、信用スプレッド・リスク、エクイティ・リスクおよび
長寿リスクを含む、当行グループの確定給付制度債務から生じる。経済的資本使用額は、2021年12月31日および2020年12
月31日現在、それぞれ1,128百万ユーロおよび934百万ユーロであった。経済的資本使用額の増加は主に、金利リスク・ポ
ジションの変動に起因していた。
- 保証型ファンド・リスク:2021年12月31日現在の経済的資本使用額は85百万ユーロであり、これに対して2020年12月31日
現在では41百万ユーロであった。』
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ドイツ銀行(E05792)
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バンキング勘定における金利リスク
以下の表は、欧州銀行監督局(EBA)が定義した6つの標準シナリオの下でバンキング勘定における当行グループの純利息収
益への影響額および金利変動によるバンキング勘定ポジションの経済価値の変動を示している。
EBA シナリオによるバンキング勘定における経済価値および純利息収益の金利リスク
1
NII の変動
EVE の変動
2021 年 2020 年 2021 年 2020 年
単位:十億ユーロ
12月31日現在 12月31日現在 12月31日現在 12月31日現在
平行上昇 -3.5 -5.2 1.4 2.3
平行低下 0.1 0.5 -0.9 -1.1
スティープ化 -0.0 -0.6 -0.7 -0.9
フラット化 -1.3 -0.6 1.1 2.1
短期金利上昇 -1.7 -1.7 1.7 2.7
短期金利低下 0.4 0.4 -0.9 -1.1
最大 -3.5 -5.2 -0.9 -1.1
2021 年 2020 年
単位:十億ユーロ
12月31日現在 12月31日現在
Tier 1 資本 55.4 51.7
1 純利息収益(NII)の変動は、各シナリオの予測NIIにおける、変更された金利と市場で暗に示された金利との差異を反映している。感応度
は、トレーディング・ポジションとDWSを除外した、一定の為替レートで固定された貸借対照表額に基づいている。これらの数値には、
ヘッジ会計に不適格な一元管理されたポジションに対する時価評価損益(MtM)/その他の包括利益(OCI)の影響は含まれていない。
2021年12月現在の純資産の経済価値(EVE)の最大損失額はマイナス35億ユーロであり、これに対して2020年12月現在ではマ
イナス52億ユーロであった。2021年12月現在、EVEの最大損失額はTier 1資本の6.3%に相当する。
BaFinの定義による、全通貨にわたるイールドカーブのプラス200ベーシス・ポイントの平行シフトにより生じる純資産の経
済価値(EVE)の最大損失額は、2021年12月現在においてマイナス34億ユーロであり、これは自己資本合計の5.4%に相当す
る。
「平行上昇」の金利シナリオにおける純資産の経済価値の最大損失額の減少は、当社のリスク測定の向上に一部起因してい
た。特に、マイナス金利環境下で予想される行動との整合性を高めるために、満期の定めのない預金およびTLTROについてのモ
デル化の仮定を拡充した。こうした変更は、ドイツ銀行のリスクおよびモデル検証機能によって管理されており、リスクをよ
り適切に反映させ、管理することが可能となっている。
さらに、ドイツ銀行の年金基金におけるリスク・ポジションの変更および「戦略的流動性準備金」は、このシナリオの純資
産の経済価値(EVE)の最大損失額を減少させた。これらのリスクは、IRRBBの枠組みの一部であるが、別の定義されたリスク
管理戦略によって管理されている。
2021年12月現在の純利益収益(NII)の1年間の最大損失額はマイナス9億ユーロであり、これに対して2020年12月現在ではマ
イナス11億ユーロであった。
金利低下シナリオにおける12ヶ月間の純利息収益の最大損失額は約2億ユーロ減少した。
ドイツ銀行は、利息収益の安定化および最適化を目指してNIIの感応度を管理している。当行グループの預金基盤の再評価を
目的に複数の事業部門が2021年度に実施した追加措置および積極的なリスク管理戦略は、利益の増大およびNIIリスクの低減に
貢献し、それと同時に、上昇の可能性を維持した。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
以下の表は、金利の下落および上昇ショックから生じた、ドイツ銀行のバンキング勘定ポジションに係る経済価値の変動を
通貨別に示している。
通貨別のバンキング勘定における経済価値の金利リスク
2021 年12月31日現在
単位:十億ユーロ
平行上昇 平行低下
ユーロ -2.4 -0.2
米ドル -1.0 0.4
その他 -0.1 -0.1
合計 -3.5 0.1
オペレーショナル・リスク・エクスポージャー
オペレーショナル・リスク-リスク・プロファイル
イベント・タイプ別のオペレーショナル・リスク損失(損益の観点)
1
2020 年度
単位:百万ユーロ 2021 年度
顧客、商品および商慣行 402 232
内部不正行為 72 44
決済、販売およびプロセス管理 52 55
その他 28 8
外部不正行為 12 16
自然災害および公衆安全 7 47
合計 573 401
1 2020年度の損失の数値は、事後的な損失の計上および組替に起因して、前年度の表示から修正された。
2021年12月31日現在のオペレーショナル損失は、主に「顧客、商品および商慣行」の増加により、前年度比で172百万ユー
ロ、率にして43%増加した。これは主に民事訴訟および規制執行から生じる引当金が貢献したものであったが、主因は顧客に
対する標準契約の特定の条件の適用可能性に関連する裁判所の決定から生じており、業界にもより広範な影響を与える。「内
部不正行為」に関連する損失も、前年度比で28百万ユーロ、率にして64%増加した。COVID-19関連費用は2021年度には再度発
生せず、これが「自然災害および公衆安全」の費用が減少した理由である。それ以外のイベント・タイプの損失は、前年度比
でほぼ変わらず推移した。
1
2021 年度(2016年度から2020年度)に発生したイベント・タイプ別のオペレーショナル損失
1 括弧内の比率は、2016年度から2020年度の期間に発生した損失に係る損失の頻度および損失の金額にそれぞれ対応している。頻度および金額は後に
変更 される 可能性がある。
「オペレーショナル損失の分布」(左上のグラフ)は、2021年度の純損益の数値を用いたイベント・タイプ別のオペレー
ショナル・リスク損失の計上割合を要約している(2016年度から2020年度までの5年間の比較期間の平均を括弧内に表示)。
「顧客、商品および商慣行」イベント・タイプがオペレーショナル損失の大部分(70%の割合)を占めており、主に訴訟、調
査および執行行為に関連したアウトフローで構成されている(上述の通り)。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
「オペレーショナル損失の頻度」(右上のグラフ)は、イベント・タイプ別のオペレーショナル・リスク事象の割合を(損
失が2021年度に最初に認識されたイベントの数に基づいて)要約している(2016年度から2020年度までの5年間の比較期間の平
均 を括弧内に比較表示)。最も頻度が高い「外部不正行為」イベント・タイプは、観察されたすべての損失事象の75%を占め
た。このイベント・タイプは2021年度のイベント損失の頻度の分布に有意に貢献したものの、2021年度の損失事象全体の財務
価値への影響は僅少であった。
当行グループは、純損益に10,000ユーロ以上の影響を及ぼすすべてのオペレーショナル・リスク損失事象を包括的に網羅す
ることを目指しているが、この項に示されている合計は、損失事象の検出や計上の遅れにより過小評価されている可能性があ
る。
流動性リスク・エクスポージャー
『
資金調達市場および資本市場発行
2021年度においては、COVID-19のパンデミックが引き続き焦点となり、市場はパンデミック関連ニュースに敏感に反応し続
けた。こうしたマクロ経済の不確実性にもかかわらず、当行は独自の引き締めを継続し、当初の満期が1年超の債券発行で構成
される150億から200億ユーロの2021年度発行計画を成功裏に実施した。
当行の信用実績を見ると、シニア非優先債は2021年度を通じて競合他社を大幅に上回った。ムーディーズ、フィッチ、S&Pの
格付引上げに支えられて、当行の信用は回復し、継続的に欧州の競合他社に追い付いていった。年度末には、当行のシニア非
優先債の信用スプレッドは、2021年度のどの時点よりも競合他社の類似の発行スプレッドに近付いた。
当行グループは、ターム・ファンディングで197億ユーロを調達して2021年度を締めくくった。この資金調達の源泉は、AT 1
債(25億ユーロ)、Tier 2債(11億ユーロ)、シニア非優先プレーンバニラ債(96億ユーロ)、シニア優先プレーンバニラ債
(40億ユーロ)、およびその他のシニア優先仕組み債(25億ユーロ)と多岐にわたった。合計額197億ユーロの内訳は、ユーロ
(68億ユーロ)、米ドル(113億ユーロ)、英ポンド(7億ユーロ)およびその他の通貨合計(9億ユーロ)であった。
2021年度の発行に係る当行グループの投資家基盤は、資産運用会社および年金基金(60%)、リテール顧客(5%)、銀行
(7%)、政府および政府機関(0%)、保険会社(6%)ならびにその他の機関投資家(21%)で構成されていた。地理的分布
の内訳は、ドイツ(12%)、それ以外の欧州(33%)、米国(36%)、アジア/太平洋(16%)およびその他(3%)であっ
た。3ヶ月物Euribor/Libor/リスク・フリー利子率に対する発行の平均スプレッドは、通年で161ベーシス・ポイントであっ
た。平均残存期間は5.7年であった。第4四半期における発行活動の増加にもかかわらず、発行合計は下半期より上半期の方が
多かった。当行グループは、第1四半期から第4四半期の各四半期において、それぞれ70億ユーロ、50億ユーロ、13億ユーロお
よび63億ユーロを発行した。』
2022年度における当行グループの発行計画は、150億から200億ユーロであり、資本性金融商品、シニア非優先債、シニア優
先債およびカバード・ボンドで構成される。さらに、当行グループはこの資金調達の一部を米ドル建てで行う予定であり、ク
ロスカレンシー・スワップ契約を締結して残りの需要を管理することがある。当行グループでは、2022年度に、資本市場発行
の合計約120億ユーロ(法的に行使可能なコール・オプションを除く。)の返済期限が到来する。
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『
資金調達の分散
2021年度において、外部資金調達総額は、2020年12月31日現在の8,862億ユーロから515億ユーロ増加し、2021年12月31日現
在では9,377億ユーロとなった。この増加は主に、コーポレート・バンク(預金が178億ユーロ増加)へのインフローによるも
のであった。プライベート・バンクにおける当行グループの最も安定した預金は、主にインターナショナル・プライベート・
バンクにおいて127億ユーロ増加した。また、顧客需要および市場機会の増加ならびにECBのTLTRO Ⅲプログラムへの当行グルー
プの参加によって、担保付資金調達およびショート・ポジションは250億ユーロ増加した。さらに、目標とした預金の59億ユー
ロのインフローによって、無担保ホールセール資金調達が増加した。資本市場およびエクイティの取引残高の99億ユーロの減
少は、主に満期を迎えた発行分が新規発行を上回ったことによる長期債の減少に関連しており、株式およびAT 1債の追加発行の
増加によって一部相殺された。
規制上の安定調達比率(NSFR)の開示に伴い、当行グループは内部の最も安定的な資金調達比率(MSFR)の開示を中止し
た。
外部資金調達源泉の構成
1 その他の顧客には、信託預金、X-marketsノートおよび委託証拠金/プライム・ブローカレッジ業務に係る現金残高(純額ベースで表示)
が含まれる。
参考:貸借対照表合計1兆3,240億ユーロ(1兆3,253億ユーロ)に対する調整:2021年12月31日および2020年12月31日現在それぞれ、デリ
バティブおよび決済残高3,068億ユーロ(3,482億ユーロ)、委託証拠金およびプライム・ブローカレッジ業務に係る現金残高(純額ベース
で表示)のネッティングの影響に関する加算490億ユーロ(634億ユーロ)、その他の非資金調達負債305億ユーロ(274億ユーロ)。 』
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1
無担保ホールセール資金調達、資産担保CPおよび資本市場発行債券の返済期限
2021 年12月31日現在
1 ヶ月超 3 ヶ月超 6 ヶ月超 小計 1 年超
単位:百万ユーロ
1 ヶ月以内 3ヶ月以内 6ヶ月以内 1 年以内 1 年以内 2 年以内 2 年超 合計
銀行からの預金 1,556 572 447 490 3,065 63 52 3,180
その他のホールセール顧客
4,577 3,944 1,178 2,276 11,975 617 957 13,549
からの預金
CDおよびCP 242 288 1,009 1,014 2,553 0 0 2,553
資産担保CP 0 0 0 0 0 0 0 0
シニア非優先プレーンバニラ
1,375 2,932 1,836 2,590 8,733 6,259 37,858 52,850
債
シニア優先プレーン
3 39 38 9 89 3,394 2,520 6,003
バニラ債
シニア仕組み債 105 487 546 1,471 2,610 2,325 10,162 15,096
カバード・ボンド/ABS 110 151 723 361 1,345 1,509 11,356 14,210
劣後負債 0 0 2,016 280 2,296 1,336 13,949 17,581
その他 213 0 0 0 213 0 0 213
合計 8,180 8,413 7,794 8,491 32,878 15,503 76,854 125,234
内訳:
担保付きのもの 110 151 723 361 1,345 1,509 11,356 14,210
無担保のもの 8,070 8,262 7,070 8,130 31,533 13,994 65,497 111,024
1 財務諸表上その他の資本構成要素として報告されているその他Tier 1ノートが含まれている。コール・オプションを伴う負債は、コール・
オプションを法的に行使可能な一番早い日で表示されている。コール・オプションが行使されるか否かについての仮定は加味されていな
い。
担保付資金調達の取引額は、自己債務との相殺消去後の金額で報告されている。
1年以内に満期が到来する無担保ホールセール負債、資産担保CPおよび資本市場発行債券の合計金額は2021年12月31日現在
310億ユーロであり、流動性準備金合計の2,410億ユーロと比較して読まれたい。
2020 年12月31日現在
1 ヶ月超 3 ヶ月超 6 ヶ月超 小計 1 年超
単位:百万ユーロ
1 ヶ月以内 3ヶ月以内 6ヶ月以内 1 年以内 1 年以内 2 年以内 2 年超 合計
銀行からの預金 964 1,063 779 547 3,354 162 78 3,594
その他のホールセール顧客
1,626 1,326 407 986 4,344 409 1,162 5,914
からの預金
CDおよびCP 693 466 887 753 2,800 0 21 2,821
資産担保CP 0 0 0 0 0 0 0 0
シニア非優先プレーンバニラ
3,689 3,970 2,349 8,291 18,298 8,235 34,106 60,639
債
シニア優先プレーン
15 0 5 1,698 1,718 85 1,955 3,759
バニラ債
シニア仕組み債 544 416 917 1,465 3,343 2,310 12,021 17,674
カバード・ボンド/ABS 70 1,179 786 1,966 4,001 1,337 17,303 22,641
劣後負債 0 0 538 531 1,069 1,765 11,437 14,271
その他 137 0 0 0 137 0 695 832
合計 7,738 8,420 6,668 16,237 39,063 14,303 78,779 132,145
内訳:
担保付きのもの 70 1,179 786 1,966 4,001 1,337 17,303 22,641
無担保のもの 7,668 7,241 5,882 14,271 35,063 12,966 61,476 109,505
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以下の表は、短期の無担保ホールセール資金調達、資産担保CP資金調達および資本市場発行債券の通貨別内訳を示してい
る。
無担保ホールセール資金調達、資産担保CPおよび資本市場発行(通貨別内訳)
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
その他の その他の
単位:百万ユーロ
ユーロ 米ドル 英ポンド 通貨 合計 ユーロ 米ドル 英ポンド 通貨 合計
銀行からの預金 986 797 414 984 3,180 963 2,222 149 261 3,594
その他のホールセール
3,346 7,946 201 2,055 13,549 4,474 989 90 361 5,914
顧客からの預金
CDおよびCP 1,370 837 0 345 2,553 1,082 715 365 658 2,821
資産担保CP 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
シニア非優先プレーン
25,583 21,244 2,297 3,726 52,850 29,700 25,122 1,833 3,984 60,639
バニラ債
シニア優先プレーン
1,989 3,838 0 176 6,003 1,894 1,635 0 230 3,759
バニラ債
シニア仕組み債 6,720 6,395 12 1,970 15,096 7,725 7,972 14 1,963 17,674
カバード・ボンド/ABS 14,210 0 0 0 14,210 22,641 0 0 0 22,641
劣後負債 8,396 8,216 774 195 17,581 4,693 3,577 0 6,001 14,271
その他 213 0 0 0 213 832 0 0 0 832
合計 62,813 49,272 3,698 9,451 125,234 74,004 42,232 2,451 13,458 132,145
内訳:
担保付きのもの 14,210 0 0 0 14,210 22,641 0 0 0 22,641
無担保のもの 48,603 49,272 3,698 9,451 111,024 51,363 42,232 2,451 13,458 109,505
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流動性準備金
親会社(支店を含む。)および子会社別の流動性準備金の構成
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
単位:十億ユーロ
帳簿価額 流動性価値 帳簿価額 流動性価値
利用可能な現金および現金同等物(主に中央銀行
181 181 155 155
保有)
親会社(在外支店を含む。) 144 144 130 130
子会社 37 37 25 25
流動性の高い有価証券
40 40 62 62
(国債、政府保証債および政府機関債を含む。)
親会社(在外支店を含む。) 20 20 42 41
子会社 20 20 20 20
その他の制約を受けない中央銀行適格有価証券 20 18 26 24
親会社(在外支店を含む。) 15 13 21 19
子会社 5 5 5 5
流動性準備金合計 241 239 243 241
親会社(在外支店を含む。) 179 177 192 191
子会社 62 62 51 50
2021年12月31日現在の当行グループの流動性準備金は2,410億ユーロであり、これに対して2020年12月31日現在では2,430億
ユーロであった。20億ユーロの減少の内訳は、現金および現金同等物の増加約260億ユーロが、流動性の高い有価証券の減少
220億ユーロおよびその他の制約を受けない有価証券の増加60億ユーロにより相殺されたものである。この変動は主に、一部に
は貸出活動の増加および資本市場発行債券の満期に起因しており、ECBのTLTROへの追加参加および預金の増加により相殺され
た。当年度の当行グループの四半期平均流動性準備金は2,470億ユーロであり、これに対して2020年度では2,330億ユーロで
あった。上記の表において、帳簿価額は、当行グループの流動性準備金の時価を表し、一方、流動性価値は、主に担保付資金
調達を通じて獲得できるであろう価値に関する当行グループの仮定を反映しており、ストレス時に担保付資金調達市場で観察
された実績を考慮に入れている。
流動性カバレッジ比率
2021年12月31日現在の年度末LCRは133.1%であり、これに対して2020年12月31日現在では144.8%であった。
当行グループの12ヶ月間の加重平均LCRは引き続き142%であった。これは委員会委任規則(EU)第2015/61号、およびCRR第435
条に基づく流動性リスク管理に関する開示を補完するLCRの開示に関するEBAガイドラインに従って算定されている。
LCR 構成要素
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
単位:十億ユーロ 調整後加重値合計 調整後加重値合計
(別途記載のものを除く。) (平均) (平均)
平均値計算用データ数 12 12
高品質の流動資産 220 207
純資金流出額合計 155 146
流動性カバレッジ比率(LCR)(%) 142% 142%
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資金調達リスク管理
構造上の資金調達
資金調達の指標はすべて(通貨合算、米ドル建ておよび英ポンド建ての資金調達指標)、2021年度末および2020年度末現在
で、それぞれのリスク選好に沿っていた。
ストレス・テストおよびシナリオ分析
2021年度末時点において、当行グループのストレスのかかった正味流動性ポジションは480億ユーロであり、これに対して
2020年度末時点においては430億ユーロであった。増加の主因は、流動性の移転に限定的な制約のある当行グループ内の支店お
よび子会社において維持されている利用可能な過剰流動性の表示方法を変更したことである。以前には、超過残高は当行グ
ループのNLPの測定基準には表示されていなかったが、現在では反映されている。この表示変更の影響は160億ユーロであり、
手法の変更および事業活動により一部相殺された。表示変更がなければ、2021年度末現在のSNLPは320億ユーロになっていたと
考えられる。
全通貨の世界的な日次のストレス・テストの結果
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
ギャップ ギャップ
資金調達 資金調達
正味流動性 正味流動性
1 2 1 2
ギャップ 解消 ギャップ 解消
単位:十億ユーロ ポジション ポジション
システミック・マーケット・
100 220 119 82 189 107
リスク
1段階の格下げ(DB独自) 78 220 141 17 145 128
重大な格下げ(DB独自) 152 240 88 157 216 59
3
複合シナリオ
195 243 48 177 220 43
1 負債の借換失敗および予測される他のアウトフローによる資金調達ギャップ。
2 流動性準備金およびその他の事業軽減対策を通じた流動性創出可能額に基づく。
3 システミック・マーケット・リスクと重大な格下げによる複合的影響。
ユーロの世界的な日次のストレス・テストの結果
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
ギャップ ギャップ
資金調達 資金調達
正味流動性 正味流動性
1 2 1 2
ギャップ 解消 ギャップ 解消
単位:十億ユーロ ポジション ポジション
3
複合シナリオ
91 112 21 86 104 18
1 負債の借換失敗および予測される他のアウトフローによる資金調達ギャップ。
2 流動性準備金およびその他の事業軽減対策を通じた流動性創出可能額に基づく。
3 システミック・マーケット・リスクと重大な格下げによる複合的影響。
米ドルの世界的な日次のストレス・テストの結果
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
ギャップ ギャップ
資金調達 資金調達
正味流動性 正味流動性
1 2 1 2
ギャップ 解消 ギャップ 解消
単位:十億ユーロ ポジション ポジション
3
複合シナリオ
78 88 10 60 64 4
1 負債の借換失敗および予測される他のアウトフローによる資金調達ギャップ。
2 流動性準備金およびその他の事業軽減対策を通じた流動性創出可能額に基づく。
3 システミック・マーケット・リスクと重大な格下げによる複合的影響。
英ポンドの世界的な日次のストレス・テストの結果
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
ギャップ
資金調達
正味流動性
ギャップ 正味流動性
資金調達
1 2
ギャップ 解消
ポジション
単位:十億ユーロ ギャップ 解消 ポジション
3
複合シナリオ
4 8 4 4 10 6
1 負債の借換失敗および予測される他のアウトフローによる資金調達ギャップ。
2 流動性準備金およびその他の事業軽減対策を通じた流動性創出可能額に基づく。
3 システミック・マーケット・リスクと重大な格下げによる複合的影響。
以下の表は、全通貨に関する格付機関による1段階または2段階の格下げが発生した場合に契約上の義務により追加で要求さ
れる担保の金額を表示している。
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契約上の義務
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ
1 段階の格下げ 2 段階の格下げ 1 段階の格下げ 2 段階の格下げ
デリバティブ契約による積立または委託証拠金の要求 205 294 354 439
その他の契約による積立または委託証拠金の要求 0 0 0 0
安定調達比率
NSFRでは、銀行が、オンバランスシートおよびオフバランスシート活動に関連した安定調達プロファイルを維持することを
求めている。この比率は、所要安定調達額(保有する様々な資産の流動性の特徴によって異なる。)に対する利用可能定調達
額(資本および負債のうち安定調達源として期待される部分)として定義される。
EUのNSFRを定義し、実施する規則である資本要求規則Ⅱ(以下「CRR2」という。)は、2019年6月に最終決定され、2021年6
月28日から適用される。
CRR2に従って計算された2021年12月31日現在のNSFRは121%であり、1,050億ユーロが安定調達比率の規制上の最低水準であ
る100%を超過している。
2021 年12月31日現在
単位:十億ユーロ
調整後加重値合計
利用可能な安定調達額(ASF) 602
所要安定調達額(RSF) 498
安定調達比率(NSFR)(単位:%) 121%
資産の制約
この項では、ドイツ銀行法に従って、銀行規制目的上の連結機関グループにおける資産の制約について言及している。ここ
には、保険会社および金融部門以外の会社は除外されている。当行グループの保険子会社が担保に差入れた資産については連
結財務諸表に対する注記20「担保に差入れたおよび担保として受け取った資産」に、保険会社の保険契約者に対する債務を履
行するために保有する制約を受ける資産については連結財務諸表に対する注記37「子会社に関する情報」に記載されている。
制約を受ける資産は主に、担保付資金調達、コラテラル・スワップおよびその他の担保付債務の担保として差入れられてい
るオンバランスおよびオフバランスの資産から構成されている。また、規制上の資産の制約の報告に関するEBAのテクニカル・
スタンダードに従って、決済システムに預託された資産(デフォルト・ファンドおよび当初証拠金を含む。)、ならびに自由
に引き出すことができないその他の預託資産(中央銀行に対して預け入れることが要求される最低準備預金等)は制約を受け
る資産と見なされている。当行グループはまた、当該EBAガイドラインに従って、デリバティブの未収委託証拠金資産も制約を
受ける資産に含めている。
すぐに利用可能な資産とは、それ以外の制約を受けず、かつ自由に移転可能な形態のオンバランスおよびオフバランスの資
産のことである。公正価値で測定する金融資産(借入有価証券担保金、売戻条件付買入有価証券およびデリバティブ金融商品
のプラスの時価を除く。)および売却可能投資のうち制約を受けないものはすべて、すぐに利用可能であると見なされる。
すぐに利用可能な価値は、何らかのストレスのかかった流動性価値(流動性ストレス・シナリオの下で利用可能な制約を受
けない流動資産の分析については、「流動性準備金」の項を参照のこと。)ではなく、オンバランスおよびオフバランスの貸
借対照表上の帳簿価額または公正価値を表す。制約を受けないその他のオンバランスおよびオフバランスの資産は、担保付資
金調達およびその他の担保付債務の担保として差入れられていない資産、またはそれ以外ですぐに利用可能とは見なされない
資産である。この区分には、借入有価証券担保金、売戻条件付買入有価証券およびデリバティブ金融商品のプラスの時価が含
まれる。同様に、顧客に対する貸出金は、既に移転可能な形態に事前にパッケージされており、かつ、未だ資金調達の創出に
利用されていない範囲でのみ、すぐに利用可能と見なされる。現在その他の資産に表示されているそうした貸出金の要素が資
金創出の利用に適した形態へとパッケージされ得ることを考えると、これは最も保守的な見方である。
制約を受ける資産および受けない資産
2021 年12月31日現在
帳簿価額
制約を受けない資産
制約を
受ける すぐに利用
単位:百万ユーロ(別途記載のものを除く。) 資産 資産 可能 その他
負債性有価証券 131 66 65 0
資本性金融商品 6 1 5 0
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有価証券報告書
その他の資産:
現金および銀行預け金ならびに利付銀行預け金 199 14 186 0
借入有価証券担保金および売戻条件付買入
8 0 0 8
1
有価証券
2
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
トレーディング資産 10 0 10 0
デリバティブ金融商品のプラスの時価 300 0 0 300
借入有価証券担保金および売戻条件付買入
78 0 0 78
1
有価証券
純損益を通じて公正価値で測定するその他の
1 0 1 0
金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融
6 0 4 1
2
資産
貸出金 513 86 6 420
その他の資産 73 45 0 29
合計 1,325 212 277 836
1 借入有価証券担保金および売戻条件付買入有価証券はすべて、制約を受けない資産-その他として表示されている。担保の利用について
は、下記のオフバランスの表において別途捕捉されている。
2 負債性有価証券および資本性金融商品を除外している(上記に別途開示されている。)。
2021 年12月31日現在
受入担保の公正価値
制約を受けない資産
制約を受ける すぐに利用
単位:百万ユーロ(別途記載のものを除く。) 資産 資産 可能 その他
受入担保:
260 223 35 2
負債性有価証券
254 219 35 0
資本性金融商品
4 4 0 0
その他の受入担保
2 0 0 2
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
2020 年12月31日現在
帳簿価額
制約を受けない資産
制約を
受ける すぐに利用
単位:百万ユーロ(別途記載のものを除く。) 資産 資産 可能 その他
負債性有価証券
156 61 95 0
資本性金融商品
13 6 7 0
その他の資産:
現金および銀行預け金ならびに利付銀行預け金
175 13 162 0
借入有価証券担保金および売戻条件付買入
9 0 0 9
1
有価証券
2
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
トレーディング資産
9 0 9 0
デリバティブ金融商品のプラスの時価
344 0 0 344
借入有価証券担保金および売戻条件付買入
63 0 0 63
1
有価証券
純損益を通じて公正価値で測定するその他の
3 0 3 0
金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融
6 0 5 2
2
資産
貸出金
459 83 3 373
その他の資産
90 55 0 35
合計
1,326 218 282 825
1 借入有価証券担保金および売戻条件付買入有価証券はすべて、制約を受けない資産-その他として表示されている。担保の利用について
は、下記のオフバランスの表において別途捕捉されている。
2 負債性有価証券および資本性金融商品を除外している(上記に別途開示されている。)。
2020 年12月31日現在
受入担保の公正価値
制約を受けない資産
制約を受ける すぐに利用
単位:百万ユーロ(別途記載のものを除く。) 資産 資産 可能 その他
受入担保: 237 199 36 2
負債性有価証券 193 159 34 0
資本性金融商品 42 40 2 0
その他の受入担保 2 0 0 2
資産および金融負債の期限分析
財務部は資産および負債の期限分析を管理している。資産および負債のモデリングは、契約上の期限が流動性リスク・ポジ
ションを適切に反映していない場合に必要となる。これに関連する最も重要な例は、リテールおよびトランザクション・バン
キング顧客からのすぐに返済可能な預金であり、これらは最も深刻な金融危機を通じても一貫して高い安定性を示している。
モデリング・プロファイルは、全般的な流動性リスク管理のフレームワーク(1年以内の短期流動性ポジションについては
「流動性ストレス・テストおよびシナリオ分析」の項を、1年超の長期流動性ポジションについては「構造的資金調達」の項を
参照のこと。)の一部であり、取締役会により定められ承認される。
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有価証券報告書
以下の表は、それぞれ2021年および2020年12月31日現在の、法的に行使可能な最も早い期限に基づく、帳簿価額での当行グ
ループの資産合計の期限分析を示している。
最も早い契約上の期限に基づく資産の分析
2021 年12月31日現在
要求払
(オーバー
ナイトおよ
び1日前通 1 ヶ月超 3 ヶ月超 6 ヶ月超
知を含 1 ヶ月 3 ヶ月 6 ヶ月 9 ヶ月 9 ヶ月超 1 年超 2 年超
単位:百万ユーロ む。) 以内 以内 以内 以内 1 年以内 2 年以内 5 年以内 5 年超 合計
1
現金および中央銀行預け金
186,020 5,513 488 0 0 0 0 0 0 192,021
インターバンク預け金(中
6,153 641 191 120 119 114 0 0 4 7,342
1
央銀行以外)
中央銀行ファンド貸出金 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
売戻条件付買入有価証券
178 1,979 2,042 569 992 144 831 1,633 0 8,368
対銀行 168 1,375 740 303 277 8 629 1,611 0 5,111
対顧客 10 604 1,302 266 715 136 202 23 0 3,257
借入有価証券担保金 0 63 0 0 0 0 0 0 0 63
対銀行 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
対顧客 0 63 0 0 0 0 0 0 0 63
純損益を通じて公正価値で
420,971 47,776 7,155 2,514 1,190 3,577 747 1,966 5,336 491,233
測定する金融資産
トレーディング資産 100,079 0 76 0 0 1,815 0 4 423 102,396
固定利付有価証券およ
94,607 0 0 0 0 0 0 0 130 94,737
び貸出金
持分証券およびその他
4,801 0 76 0 0 1,815 0 4 293 6,989
の変動利付有価証券
その他のトレーディン
671 0 0 0 0 0 0 0 0 671
グ資産
デリバティブ金融商品の
299,732 0 0 0 0 0 0 0 0 299,732
プラスの時価
強制的に純損益を通じて
公正価値で測定されるト
21,155 47,776 7,079 2,514 1,142 1,762 663 1,962 4,912 88,965
レーディング以外の金融
資産
売戻条件付買入有価証
6,373 44,027 5,850 1,934 895 202 56 594 0 59,931
券
借入有価証券担保金 14,777 2,829 663 86 0 0 0 0 0 18,355
固定利付有価証券およ
5 198 374 415 242 726 437 1,228 4,125 7,750
び貸出金
強制的に純損益を通じ
て公正価値で測定され
0 722 193 79 4 834 170 140 787 2,929
るトレーディング以外
のその他の金融資産
純損益を通じて公正価値
で測定するものとして指 6 0 0 0 48 0 84 1 1 140
定された金融資産
ヘッジ会計に適格なデリバ
ティブ金融商品のプラスの 0 124 57 103 11 92 25 223 469 1,106
時価
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資 0 2,188 1,897 1,281 890 738 2,236 5,970 13,778 28,979
産
売戻条件付買入有価証券 0 1,231 0 0 0 0 0 0 0 1,231
借入有価証券担保金 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
負債性有価証券 0 502 950 689 532 626 1,772 4,560 13,746 23,377
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貸出金 0 455 947 593 358 112 464 1,410 32 4,370
その他 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
貸出金 16,962 39,291 27,993 23,939 11,882 12,449 29,518 89,735 219,550 471,319
対銀行 282 885 899 503 274 183 441 3,387 753 7,607
対顧客 16,680 38,406 27,095 23,436 11,609 12,265 29,077 86,348 218,796 463,712
リテール 2,782 5,143 4,262 2,092 1,071 2,209 4,337 16,256 171,602 209,754
法人およびその他の顧
13,898 33,263 22,833 21,343 10,537 10,056 24,740 70,093 47,195 253,958
客
その他の金融資産 65,378 7,742 1,223 1,206 1,322 3,306 4,879 3,968 8,022 97,046
金融資産合計 695,661 105,317 41,047 29,732 16,406 20,420 38,237 103,496 247,160 1,297,477
その他の資産 8,445 1,258 1 2,118 31 2,576 130 1,372 10,585 26,516
資産合計 704,106 106,575 41,048 31,851 16,437 22,996 38,367 104,868 257,744 1,323,993
1 「現金および中央銀行預け金」ならびに「インターバンク預け金(中央銀行以外)」のポジションには、ロシアの銀行(主にロシア中央銀
行)に預け入れられている526百万ユーロが含まれている。
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2020 年12月31日現在
要求払
(オーバー
ナイトおよ
び1日前通 1 ヶ月超 3 ヶ月超 6 ヶ月超
知を含 1 ヶ月 3 ヶ月 6 ヶ月 9 ヶ月 9 ヶ月超 1 年超 2 年超
単位:百万ユーロ む。) 以内 以内 以内 以内 1 年以内 2 年以内 5 年以内 5 年超 合計
現金および中央銀行預け金 163,953 2,165 32 39 13 6 0 0 0 166,208
インターバンク預け金(中
7,106 1,239 470 138 95 71 0 0 11 9,130
央銀行以外)
中央銀行ファンド貸出金 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
売戻条件付買入有価証券
151 2,111 1,378 765 84 237 2,212 1,593 0 8,533
対銀行 137 1,578 206 508 64 0 1,529 1,505 0 5,527
対顧客 14 533 1,172 257 20 237 683 88 0 3,005
借入有価証券担保金 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
対銀行 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
対顧客 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
純損益を通じて公正価値で
462,636 39,834 6,189 2,971 593 3,391 1,898 4,063 6,366 527,941
測定する金融資産
トレーディング資産 104,766 291 0 0 0 2,480 83 0 309 107,929
固定利付有価証券およ
91,353 291 0 0 0 2,480 83 0 119 94,326
1
び貸出金
持分証券およびその他
11,579 0 0 0 0 0 0 0 190 11,769
1
の変動利付有価証券
その他のトレーディン
1,833 0 0 0 0 0 0 0 0 1,833
グ資産
デリバティブ金融商品の
343,455 0 0 0 0 0 0 0 0 343,455
プラスの時価
強制的に純損益を通じて
公正価値で測定されるト
14,415 39,543 6,189 2,971 593 912 1,461 3,980 6,057 76,121
レーディング以外の金融
資産
売戻条件付買入有価証
3,649 32,309 5,052 2,848 560 97 373 1,169 0 46,057
券
借入有価証券担保金 10,532 5,752 721 0 0 0 4 0 0 17,009
固定利付有価証券およ
198 1,188 399 117 6 278 997 2,691 5,678 11,553
1
び貸出金
強制的に純損益を通じ
て公正価値で測定され
36 294 16 6 27 536 88 121 378 1,503
るトレーディング以外
1
のその他の金融資産
純損益を通じて公正価値
で測定するものとして指 0 0 0 0 0 0 353 83 1 437
定された金融資産
ヘッジ会計に適格なデリバ
ティブ金融商品のプラスの 0 528 622 350 131 71 215 258 1,129 3,303
時価
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資 5 3,013 3,182 3,059 3,304 1,831 8,436 11,271 21,735 55,834
産
売戻条件付買入有価証券 0 1,543 0 0 0 0 0 0 0 1,543
借入有価証券担保金 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
負債性有価証券 0 1,167 2,621 2,684 2,963 1,653 7,633 9,252 21,683 49,656
貸出金 5 303 561 374 341 179 803 2,019 52 4,635
その他 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
貸出金 13,792 41,904 19,375 15,763 9,482 11,575 28,140 75,957 211,005 426,995
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有価証券報告書
対銀行 270 693 744 577 235 384 258 1,602 751 5,514
対顧客 13,522 41,210 18,632 15,186 9,247 11,191 27,882 74,355 210,255 421,480
リテール 2,288 8,222 3,226 1,817 1,100 1,262 4,955 16,034 164,343 203,246
法人およびその他の顧
11,234 32,988 15,406 13,369 8,148 9,929 22,927 58,321 45,912 218,234
客
その他の金融資産 73,415 7,766 1,362 1,112 430 2,207 2,073 6,867 1,560 96,791
金融資産合計 721,057 98,560 32,611 24,197 14,133 19,390 42,975 100,008 241,806 1,294,736
その他の資産 13,892 1,599 1 1,672 9 1,983 211 1,406 9,749 30,523
資産合計 734,950 100,159 32,612 25,869 14,142 21,373 43,186 101,414 251,555 1,325,259
1 一部の投資証書が、トレーディング資産の一部として「固定利付有価証券および貸出金」から「持分証券およびその他の変動利付有価証
券」に、また強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以外の金融資産の一部として「固定利付有価証券および貸出
金」から「強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以外のその他の金融資産」に組替えられたことを反映して、数値
は修正再表示されており、その組替額はそれぞれ25億ユーロおよび12億ユーロである。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
以下の表は、それぞれ2021年および2020年12月31日現在の、法的に行使可能な最も早い期限に基づく、帳簿価額での当行の
負債合計の期限分析を示している。
最も早い契約上の期限に基づく負債の分析
2021 年12月31日現在
要求払
(オーバー
ナイトおよ
び1日前 1 ヶ月超 3 ヶ月超 6 ヶ月超
通知を含 1 ヶ月 3 ヶ月 6 ヶ月 9 ヶ月 9 ヶ月超 1 年超 2 年超
単位:百万ユーロ む。) 以内 以内 以内 以内 1 年以内 2 年以内 5 年以内 5 年超 合計
預金 393,371 23,033 95,474 49,687 10,775 9,937 4,726 7,095 9,652 603,750
対銀行 42,195 2,312 8,091 9,328 5,619 1,637 2,374 5,105 7,652 84,315
対顧客 351,176 20,721 87,383 40,359 5,156 8,299 2,352 1,989 1,999 519,435
リテール 158,038 3,040 59,964 28,293 889 745 416 495 127 252,006
法人およびその他の
193,138 17,681 27,419 12,066 4,267 7,555 1,936 1,494 1,873 267,429
顧客
トレーディング負債 341,827 0 0 0 0 0 0 0 0 341,827
トレーディング証券 54,235 0 0 0 0 0 0 0 0 54,235
その他のトレーディン
483 0 0 0 0 0 0 0 0 483
グ負債
デリバティブ金融商品
287,108 0 0 0 0 0 0 0 0 287,108
のマイナスの時価
純損益を通じて公正価値
で測定するものとして指 12,038 22,809 4,219 648 13,987 2,114 376 1,497 780 58,468
定された金融負債
買戻条件付売却有価証
10,802 22,069 4,077 548 13,855 1,950 1 3 58 53,364
券
長期債務 1,008 0 35 36 87 59 368 1,439 667 3,699
純損益を通じて公正価
値で測定するものとし
228 740 106 64 44 105 7 54 56 1,404
て指定されたその他の
金融負債
投資契約負債 0 0 0 0 0 562 0 0 0 562
ヘッジ会計に適格なデリ
バティブ金融商品のマイ 0 317 362 187 188 48 34 252 79 1,467
ナスの時価
中央銀行ファンド借入金 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
買戻条件付売却有価証券 226 2 30 39 1 0 440 2 8 747
対銀行 218 1 28 37 1 0 440 0 3 727
対顧客 8 2 2 2 0 0 0 2 5 21
貸付有価証券受入金 24 0 0 0 0 0 0 0 0 24
対銀行 6 0 0 0 0 0 0 0 0 6
対顧客 18 0 0 0 0 0 0 0 0 18
その他の短期借入金 2,676 639 114 536 2 67 0 0 0 4,034
長期債務 0 1,838 31,616 10,889 1,452 3,637 17,832 48,166 29,054 144,485
負債性有価証券-優先 0 1,772 3,287 2,934 1,344 2,849 12,901 34,760 21,780 81,629
負債性有価証券-劣後 0 0 14 0 0 0 1,231 4,879 2,479 8,603
その他の長期債務-優
0 66 28,315 7,955 93 788 3,597 8,397 4,749 53,960
先
その他の長期債務-劣
0 0 0 0 15 0 103 130 46 293
後
信託優先証券 0 0 0 264 0 264 0 0 0 528
その他の金融負債 78,320 1,358 1,988 329 171 284 762 1,235 1,828 86,274
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
金融負債合計 828,483 49,996 133,803 62,580 26,576 16,912 24,169 58,245 41,401 1,242,165
その他の負債 13,797 0 0 0 0 0 0 0 0 13,797
資本合計 0 0 0 0 0 0 0 0 68,030 68,030
負債および資本合計 842,280 49,996 133,803 62,580 26,576 16,912 24,169 58,245 109,432 1,323,993
オフバランスのコミット
42,737 11,379 13,969 15,500 8,712 24,010 32,770 99,808 37,641 286,525
メントの付与
銀行 1,243 1,538 2,018 1,765 1,502 2,555 2,180 3,167 4,592 20,560
リテール 16,057 783 683 163 165 2,058 257 822 10,258 31,244
法人およびその他の
25,437 9,058 11,267 13,573 7,045 19,397 30,334 95,819 22,790 234,720
顧客
283/763
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
2020 年12月31日現在
要求払
(オーバー
ナイトおよ
び1日前 1 ヶ月超 3 ヶ月超 6 ヶ月超
通知を含 1 ヶ月 3 ヶ月 6 ヶ月 9 ヶ月 9 ヶ月超 1 年超 2 年超
単位:百万ユーロ む。) 以内 以内 以内 以内 1 年以内 2 年以内 5 年以内 5 年超 合計
預金 375,436 20,323 85,104 47,290 10,005 6,510 5,362 8,053 9,948 568,031
対銀行 34,818 1,364 7,860 7,969 5,353 1,354 2,961 5,853 7,901 75,432
対顧客 340,618 18,959 77,244 39,322 4,653 5,156 2,401 2,199 2,047 492,599
リテール 151,438 3,660 57,516 28,093 992 714 605 490 150 243,656
法人およびその他の
189,180 15,300 19,728 11,229 3,661 4,442 1,796 1,709 1,898 248,943
顧客
トレーディング負債 372,090 0 0 0 0 0 0 0 0 372,090
トレーディング証券 43,882 0 0 0 0 0 0 0 0 43,882
その他のトレーディン
434 0 0 0 0 0 0 0 0 434
グ負債
デリバティブ金融商品
327,775 0 0 0 0 0 0 0 0 327,775
のマイナスの時価
純損益を通じて公正価値
で測定するものとして指 12,658 18,594 9,961 2,101 86 26 347 1,494 1,316 46,582
定された金融負債
買戻条件付売却有価証
11,258 18,511 9,780 2,065 0 1 11 10 0 41,636
券
長期債務 84 36 164 34 24 25 317 1,450 1,240 3,374
純損益を通じて公正価
値で測定するものとし
1,316 47 17 1 62 0 18 34 77 1,572
て指定されたその他の
金融負債
投資契約負債 0 0 0 0 0 526 0 0 0 526
ヘッジ会計に適格なデリ
バティブ金融商品のマイ 0 108 245 46 11 9 65 254 541 1,279
ナスの時価
中央銀行ファンド借入金 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
買戻条件付売却有価証券 1,815 14 1 0 0 0 9 485 1 2,325
対銀行 1,814 13 0 0 0 0 9 409 0 2,246
対顧客 1 0 1 0 0 0 0 76 1 79
貸付有価証券受入金 1,697 0 0 0 0 0 0 0 0 1,698
対銀行 426 0 0 0 0 0 0 0 0 427
対顧客 1,271 0 0 0 0 0 0 0 0 1,271
その他の短期借入金 1,385 282 366 647 400 474 0 0 0 3,553
長期債務 0 4,307 5,579 13,873 25,273 10,595 13,751 47,489 28,297 149,163
負債性有価証券-優先 0 4,143 5,229 3,643 5,093 7,356 12,462 35,199 20,266 93,391
負債性有価証券-劣後 0 0 14 4 0 0 0 3,948 3,386 7,352
その他の長期債務-優
0 164 335 10,202 20,180 3,239 1,274 8,156 4,552 48,103
先
その他の長期債務-劣
0 0 0 24 0 0 15 185 93 316
後
信託優先証券 0 0 0 524 269 528 0 0 0 1,321
その他の金融負債 86,658 942 1,735 272 188 230 875 1,211 1,784 93,894
金融負債合計 851,738 44,569 102,991 64,753 36,232 18,898 20,410 58,985 41,888 1,240,463
その他の負債 22,599 0 0 0 0 0 0 0 0 22,599
資本合計 0 0 0 0 0 0 0 0 62,196 62,196
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負債および資本合計 874,337 44,569 102,991 64,753 36,232 18,898 20,410 58,985 104,084 1,325,259
オフバランスのコミット
41,744 8,996 11,000 18,109 8,285 21,379 36,149 84,924 33,269 263,854
メントの付与
銀行 576 1,356 1,268 2,137 1,453 1,532 2,008 2,401 2,704 15,437
リテール 16,654 802 950 333 225 1,529 349 468 10,262 31,570
法人およびその他の
24,514 6,838 8,783 15,639 6,607 18,318 33,792 82,054 20,303 216,847
顧客
サステナビリティ
当行グループは、グローバル金融機関として、環境的に健全で、社会的に包含され、より良いガバナンスのとれた世界に向
けた変革を支援する重要な役割を担っている。そのため、サステナビリティは、当行グループの「勝つための競争」戦略の中
心的要素となる。2021年度において、当行グループは以下4つを重点項目とし、サステナビリティ戦略の実行を進めた。サステ
ナブル・ファイナンス、方針およびコミットメント、人材と事業運営、ソート・リーダーシップおよびステークホルダー・エ
ンゲージメント戦略推進の原動力の1つは、サステナビリティ活動を運営、測定、管理するためのガバナンスである。このガバ
ナンスには、グループ・サステナビリティ委員会とサステナビリティ評議会が含まれ、この2つのフォーラムがサステナビリ
ティに全面的に取り組んでいる。銀行の中央機能のサステナビリティ・チームであるグループ・サステナビリティが、当行グ
ループのサステナビリティ戦略の実施を牽引している。サステナビリティの重要性に応えるため、当行グループは2021年度に
チーム拡大への取り組みを開始した。さらに、ESG専門家の数も事業にわたって増えている。これらの専門家は、事業戦略、リ
スク管理からESGデータへのアプローチに至るまで、幅広いテーマをカバーする一連の業務において、組織の境界を越えて協力
している。これら一連の業務には、測定可能な目標と詳細な実施計画がある。その進捗状況は、定期的にグループ・サステナ
ビリティ委員会に報告される。ESG目標の達成度は、当行グループの上級経営幹部の業績連動報酬の算定基準の中に含まれてい
る。2021年度には、サステナブル・ファイナンスと投資の金額、当行ビルの電力消費量の削減、および格付機関であるCDP、
ISS ESG、MSCI ESGレーティングス、S&Pグローバル、サステナリティクスから付与されたスコアで構成される金融機関サステ
ナビリティ格付等、新たなESG目標が追加された。
サステナブル・ファイナンス
2020年5月に、2025年までに2,000億ユーロのサステナブル融資と投資を行うという目標を発表した。当行グループのアセッ
ト・マネジメントが運用するESG資産は、この数値には含まれていない。進捗状況を踏まえ、この目標を2年前倒して2023年度
末までに達成することを決定し、現在は、2022年度末までの達成を見込んでいる。銀行のサステナブル・ファイナンス・フ
レームワークの下で取引と検証を行う立場にある人々の意思決定を支援するため、2021年度にサステナブル・ファイナンスの
定義と商品ガバナンス・フォーラムを設立した。このフォーラムは、サステナブル・ファイナンス・フレームワークの定義と
商品分類に関する提言を行い、当行グループの総合的なサステナビリティ・ガバナンスの一部となっている。サステナブル・
ファイナンスに関して強調されるべき事項には、以下が含まれる。
- 2021年度に、ESG負債(ディールロジック、手数料別)のアレンジャーとして5番手の地位を確立し、2020年度の8位から上
昇した。強調すべき取引には、英国のグリーン債100億ポンドと欧州連合のグリーン債120億ユーロが含まれる。どちらの
取引においても、ドイツ銀行は共同幹事としての役割を担った。
- 当行グループ初のグリーン・レポ取引を実施し20百万ポンドを調達したほか、トルコのアクバンクとのESG連動型レポ取引
を全世界で実施した。200百万米ドルの取引は、ESGおよびサステナビリティの目標に関連する、中東欧、中東、アフリカ
における最初の銀行間レポ取引であった。
- 2件のグリーン・フォルモサ債を発行し、それぞれ200百万米ドルを調達した。
- 法人顧客を対象に、定期預金でのグリーン預金を開始した。
- 緑の気候基金と共に、サブサハラ・アフリカの脱炭素化に対するソリューションに投資することをCOP26で合意した。
- 2021年の目標を上回る、ドイツ銀行の143の支店にESGアドバイザリー・コンセプトを展開した。
方針およびコミットメント
2021年度において、当行グループは、気候関連財務情報開示タスクフォースの勧告に従い、包括的な気候関連リスク・フ
レームワークの策定および導入を継続した。このフレームワークにより、気候変動による潜在的なマイナスの影響を理解し、
管理するとともに、銀行をその影響から守ることが可能となる。2021年4月、当行グループはネットゼロ・バンキング・アライ
アンスの創設メンバーとなり、2050年までに貸出金ポートフォリオから業務上のおよび帰属する温室効果ガスの排出量をネッ
ト・ゼロにすることにコミットしている。これは、当行が2020年にドイツの金融セクターの気候変動対策に関する共同誓約に
署名したことと、当行グループの貸出金ポートフォリオの温室効果ガス排出量を2022年末までに公表するというドイツ銀行の
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コミットメントを補完するものである。ネットゼロ・バンキング・アライアンスへの取り組みに続き、当行グループは、顧客
のサステナビリティの取り組みを加速し、信頼できる移行計画を策定するための意見交換を開始した。その他、2021年度にお
い て以下の取り組みを行った。
- COP26において、ワールド・リーダーズ・サミットのフォレスト・デーに、フォレスト・インベスター・クラブに創設メン
バーとして参加した。
- 銀行で初めて、オーシャン・リスク・アンド・レジリエンス・アクション・アライアンスに正会員として加盟した。
- 世界経済フォーラムのCEO気候リーダー・アライアンスに加盟した。
- アラベスクS-RayのESGブックの賛助会員となる。
人材と事業運営
2012年以降、また、2021年度においても当行グループは事業運営や出張においてカーボンニュートラルを維持した。さら
に、2025年までに再生可能電力を100%使用するというコミットメントを導入した。また、当行グループはサプライヤーの行動
規範(改訂)を導入し、国際的に認められた基準に従って、倫理的および専門的な期待値を明確に定めた。2022年以降、年間
500,000ユーロを超える新規または長期契約のすべての前提条件は、そのベンダーがエコバディスまたは他の格付機関からサス
テナビリティ格付を取得していることとなる。同規範の遵守は、当行グループのサステナビリティの影響を、銀行の枠を超え
て倍増させるのに役立つ。
ソート・リーダーシップおよびステークホルダー・エンゲージメント
2021年度、ドイツ銀行の代表が国連気候変動会議に初めて出席した。スコットランドのグラスゴーで開催されたCOP26では、
当行グループのサステナビリティの専門家が、サステナビリティに関する問題についてクライアントやその他の利害関係者と
対話を行った。当行は、海洋保全、低炭素経済への移行管理、グリーン・ファイナンスが果たし得る役割といった幅広いテー
マについて、学界、政策立案者、クライアントと共にいくつかのイベントを主催した。その他、2021年度において以下の取り
組みを行った。
- シンガポール通貨庁と協力して、ESGセンター・オブ・エクセレンスを設立した。
- ヨーロッパ・スクール・オブ・マネジメント・アンド・テクノロジー・ベルリンにおいて新たに創設されたサスティナブ
ル・ビジネス・トランスフォーメーション・イニシアチブにおいて、サステナブル・ファイナンスの創設理事となった。
- 海洋保全と沿岸の回復を目的とした世界的な慈善基金である、ドイツ・バンク・オーシャン・レジリエンス・フィランソ
ロピー・ファンドを設立した。
当行グループの包括的なサステナビリティのアプローチにより、パリ協定と国連の持続可能な開発目標に対する貢献を最大
化することを目指す。2021年度において、複数のESG格付機関が、当行グループの取り組みを評価した。CDPが当行の気候変動
スコアをCからBに引き上げたほか、S&Pグローバルはドイツ銀行に60ポイント(S&PグローバルCSA評価)をつけ、ダウ・ジョー
ンズ・サステナビリティ・ヨーロッパ・インデックスに再選定し、サステナリティクスのスコアは30.0(高リスク)から27.4
(中リスク)に改善した。
サステナビリティに関するより詳細な情報は、当行グループの2021年度の非財務報告書において公表されている。これに
は、ドイツ商法第315条第3項に準拠したドイツ銀行の非財務諸表が含まれている。非財務報告書のPDFは、当行グループのイン
ベスター・リレーションズのウェブサイト(db.com/annual-reports)で公表されている。
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従業員
当行グループの従業員数
2021年12月31日現在、雇用従業員数は合計82,969名であった(2020年12月31日現在:84,659名)。当行グループは従業員数
をフルタイム換算で計算している。これは、パートタイム従業員数を労働時間の比に応じて含むことを意味する。
以下の表は、2021年、2020年および2019年12月31日現在におけるフルタイム換算の従業員数を示している。
従業員数 1
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
ドイツ 35,741 37,315 40,491
欧州(ドイツ以外)、中東およびアフリ
19,311 19,617 19,672
カ
アジア/太平洋 20,215 19,430 18,874
2
北アメリカ
7,556 8,149 8,399
ラテン・アメリカ 145 148 162
従業員合計 82,969 84,659 87,597
1 フルタイム換算の従業員数。四捨五入の関係上、合計は合わない場合がある。
2 主に米国。
当行グループの従業員数は、2019年7月に公表した改革の取り組みに起因して、2021年度において1,690名(2.0%)減少し
た。
- ドイツでは、主にプライベート・バンクおよび管理部門における再構築施策により、従業員が1,574名(4.2%)減少し
た。
- 北アメリカでは、すべての部門および関連する管理部門での減少により、従業員が592名(7.3%)減少した。
- ラテン・アメリカでは、当行グループの拠点戦略の実施の結果としてブラジル等での減少により、従業員が3名(2.0%)
減少した。
- ドイツを除く欧州、中東およびアフリカでは主に、テクノロジー・データおよびイノベーションでの増加に一部相殺され
たものの、プライベート・バンクおよびコーポレート・バンクでの減少により従業員が306名(1.6%)減少した。
- アジア/太平洋では、主にテクノロジー・データおよびイノベーションでの増加により、従業員が785名(4.0%)増加し
た。
以下の表は、2021年、2020年および2019年12月31日現在における部門別のフルタイム換算の従業員数の占める割合を示して
いる。
従業員 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
コーポレート・バンク(CB) 16.0 % 15.7% 15.4%
インベストメント・バンク(IB) 8.7 % 9.0% 8.5%
プライベート・バンク(PB) 33.9 % 35.2% 35.9%
アセット・マネジメント(AM) 4.9 % 4.6% 4.5%
キャピタル・リリース・ユニット(CRU) 0.3 % 0.6% 0.7%
管理部門 36.2 % 34.9% 35.0%
- コーポレート・バンクでは、主にアジア/太平洋での増加により一部相殺されたものの、米州と英国での減少を主因とし
て、従業員が55名(0.4%)減少した。
- インベストメント・バンクでは、オペレーション機能での減少を主因として、従業員が382名(5.0%)減少した。
- プライベート・バンクでは、ドイツならびにドイツを除く欧州、中東およびアフリカにおける減少を主因として、従業員
が1,665名(5.6%)減少した。
- アセット・マネジメントでは、ドイツ、英国およびアジア/太平洋での増加を主因として、従業員が146名(3.7%)増加
した。
- キャピタル・リリース・ユニットでは、グローバル・プライム・ファイナンスおよび電子株式トレーディングのプラット
フォームの売却に伴う減少を主因として、従業員が211名(44.2%)減少した。
- 管理部門では、ほぼすべての管理部門で従業員数が減少したことにより一部相殺されたものの、事業上重要な外部委託を
行っていた役職の内部化を主な要因とするテクノロジー・データおよびイノベーション(1,040名)での増加を主因とし
て、従業員が477名(1.6%)増加した。
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退職後給付制度
当行グループは、従業員のために多数の退職後給付制度(確定拠出制度および確定給付制度の両方)のスポンサーとなって
いる。
確定給付制度債務が2百万ユーロを超える確定給付制度をカバーしている当行グループの世界的に調整された会計処理におい
て、当行グループのグローバル保険数理士が、各国で任命された保険数理士が行った評価をレビューしている。
当行グループのグローバルな原則を適用して財務上および人口統計上の仮定を決定することにより、当行グループはそれら
の仮定が最善の見積りであり、不偏で相互に矛盾しないこと、および世界的に一貫性があることを確実にする。
従業員給付制度の詳細については、連結財務諸表に対する注記33「従業員給付」を参照のこと。
再構築
2021年12月31日現在、ドイツ銀行の従業員数は1,690名(2.0%)削減され、82,969名となった。COVID-19のパンデミック
は、2021年度におけるドイツ銀行の削減目標に影響を及ぼした。ドイツ銀行は、2021年度において効率性および管理部門の改
善に引き続き取り組み、2022年度末までに一層の人員削減を行う予定である。
主にドイツにおける従業員の削減は、主としてプライベート・バンクでの1,529名削減によるものである。
人材の採用
2020年度は、主にCOVID-19のパンデミックにより、従業員の自己都合退職率が低下した。2021年度の自己都合退職率は、
COVID-19のパンデミック前の水準まで戻り、7.9%(2020年度:5.9%、2019年度:8.0%)となった。自己都合退職率が前年度
比で2.0%上昇したのは主に、アジア/太平洋での退職率上昇(2021年度:14.6%、2020年度:11.3%)、米州での退職率上昇
(2021年度:17.0%、2020年度:10.1%)およびドイツを除く欧州、中東およびアフリカでの退職率上昇(2021年度:7.9%、
2020年度:5.6%)によるものであるが、ドイツでの自己都合退職率は減少した(2021年度:2.2%、2020年度:2.6%)。
上述の再構築施策の中においても、人材採用は当行にとって引き続き重要な最優先事項である。2021年度においては、主
に、成長分野(インターナショナル・プライベート・バンクおよびアセット・マネジメント等)のフロントオフィスの補充に
注力した。また、自己都合で退職した営業拠点の従業員の後任補充と規制関連の役割(クライアント・ライフサイクル・マネ
ジメントや金融犯罪対応等)の需要の高まりに応じた人材の採用に注力した。
当行グループは、改革アジェンダの推進支援を行う大卒者の採用を戦略的優先事項として引き続き取り組んでいる。当行グ
ループは2021年度に890名の大卒者を採用した(2020年度:717名)。当行はまた、ITを中心に、外部委託をしていた1,697名
(2020年度:1,498名)の役割を内部で創出した。
内部キャリア・モビリティの促進
内部モビリティは、資格要件を満たす有能な従業員を育成して維持し、その専門知識と経験による恩恵を当行が享受し続け
る上で重要な役割を果たす。当行グループは、従業員がスキルや経験を拡げられるよう、部門間のモビリティを推進してい
る。さらに、内部モビリティは、当行の余剰人員および採用コストの削減を手助けしている。
ドイツ銀行は2021年度、当行の内部モビリティ戦略の実行を継続し、組織内の適切な内部の候補者で欠員全体の3分の1を補
充することを約束している。欠員(マネジング・ディレクターを除く。)は通常、まず、2週間以上グループ内で公示される。
内部候補者に高い優先順位を付すことで、再構築の影響を受けた従業員が当行で新たな役割を見つける手助けをしている。
2021年度には、欠員全体の31.0%(2020年度:35.9%)が内部で補充された(ポストバンクを除く。)。欠員補充にかかっ
た期間は平均81日間(2020年度:74日間)である。
ダイバーシティーおよびインクルージョン
ダイバーシティーは当行の企業文化に不可欠である。当行グループは、すべての文化、国、人種、民族、性別、性的指向、
障害、信仰、背景および経験から有能な従業員を引きつけ、育成し、維持することを目指している。当行グループは、すべて
の従業員が歓迎され、受け入れられ、尊敬され、支えられていると感じて欲しいと考えている。当行グループのリーダーたち
は、様々なスキル、スタイルそしてアプローチを有する人材が最適な仕事で貢献することができ、スピークアップできる、イ
ンクルーシブなチームを構築することを期待される。
2021年度を通して、当行グループは、女性、および過小評価されているその他グループのメンバーの昇進を支援することに
より、ダイバーシティーおよびインクルージョンを当行グループの文化と従業員の慣行に組み入れることに取り組んできた。
取り組みには、人材の招致と採用の目標達成、より強固なキャリア計画、リーダーシップの育成、視野を広げる機会、および
上級管理職によるサポートが含まれる。当行グループは引き続き、当行グループの人材に、インクルージョンの実践と人材関
連の意思決定における無意識の偏見の回避を浸透させるよう努める。
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2021年度末現在、監査役会メンバーのうち6名、割合で30%(2020年度:30%)が女性であった。これは、2015年にドイツで
発効した性別クオータ制に関する法律に基づき、共同決定制度の上場ドイツ企業に対する新たな法定要件である30%を満たし
ている。
2017年度に設定した監査役会の目標は、2022年6月30日までに、取締役会に少なくとも20%の女性メンバーを置くことであ
る。当該目標を達成するためには、8名から12名の取締役会において2名の女性メンバーが必要となる。2021年5月に、当行の改
革担当にRebecca Short氏が任命されたことにより、Rebecca Short氏と、当行の米国事業を担当するChristiana Riley氏の2名の
女性が取締役となったことで、2022年度の目標は2021年度末で達成された。
改善されたものの、2019年度に設定したより広範なジェンダーの多様性に関する目標には届いていない。そのため、当行グ
ループにおけるジェンダーの多様性推進の取り組みを強化し、新たな目標の達成を目指す。当行グループの35 by 25コミット
メントの一環として、2025年までに当行グループのマネジング・ディレクター、ディレクター、ヴァイス・プレジデントに占
める女性の割合を最低35%にするという目標を設定している(DWSを除く。)。また、取締役会の1階層か2階層下の階層に占め
る女性の割合を最低30%にすることも計画している(DWSを除く。)。
当行は、組織全体で上級管理職に占める女性の割合を増やすことにコミットしているが、このコミットメントを達成するの
は当行グループの個々の事業である。国や業態によって文化や社会的課題が異なるため、各地域や事業には、それぞれ独自の
ダイバーシティーおよびインクルージョンの取り組みがある。しかし、取締役会は引き続きこれらの目標にコミットし、当行
は変化を加速化するために焦点を絞った取り組みを行っている。こうした取り組みは、人材の採用から、育成、定着、昇進に
至るまで、従業員のライフサイクル全体にわたって実施されている。
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主要従業員指数
以下は、従業員指数およびKPIの抜粋である。ドイツ銀行グループの人口統計、戦略的な人事の優先順位と業績に関する詳細
は、当行の2021年度人事報告書を参照のこと。
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
女性従業員数(%、人数) 1
女性マネジング・ディレクター 19.3 % 18.4% 18.3%
女性ディレクター 25.7 % 25.1% 25.1%
女性ヴァイス・プレジデント 32.8 % 32.4% 31.4%
女性アシスタント・ヴァイス・プレジデ
41.3 % 40.6% 40.6%
ントおよびアソシエイツ
女性非管理職 60.4 % 59.9% 59.6%
女性従業員数 合計 46.6 % 46.4 % 46.3 %
年齢(%、人数) 2
29歳以下 14.7 % 14.9% 15.1%
30-39歳 28.1 % 28.4% 28.6%
40-49歳 27.1 % 27.1% 27.1%
50-59歳 25.7 % 25.2% 25.0%
59歳超 4.5 % 4.4% 4.2%
パートタイム従業員(全従業員における割
合)
ドイツ 26.8 % 27.2% 24.1%
欧州(ドイツ以外)、中東およびアフリ
5.6 % 5.8% 6.1%
カ
米州 0.3 % 0.2% 0.3%
アジア/太平洋 0.2 % 0.1% 0.2%
パートタイム従業員合計 13.8 % 14.3 % 13.3 %
ドイツでの研修生割合 4.1 % 4.2% 3.6%
2021 年度 2020年度 2019 年度
コミットメント指標 71 % 69% 58%
イネーブルメント指標 73 % 76% 66%
自己都合退職率
ドイツ 2.2 % 2.6% 2.5%
欧州(ドイツ以外)、中東およびアフリ
7.9 % 5.6% 7.7%
カ
米州 17.0 % 10.1% 14.4%
アジア/太平洋 14.6 % 11.3% 17.0%
自己都合退職率合計 7.9 % 5.9 % 8.0 %
健康割合(%) 3
93.1 % 92.7% 92.2%
1 ポストバンク(子会社を含む。)の企業内で使用される役職名は、唯一の選択肢として名目上表示されているものであり、契約の上で定
義されているものでも合意されているものでもない。
2 四捨五入の関係上、合計は合わない場合がある。
3 健康割合:100-((病欠日総数x100)/総勤務日数)。
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財務報告に係る内部統制
全般的事項
ドイツ銀行およびその連結子会社の経営陣は、適切な「財務報告に係る内部統制(ICOFR)」を確立し、維持する責任を負っ
ている。当行グループの財務報告に係る内部統制は、財務報告の信頼性および国際会計基準審議会(IASB)が公表し、欧州連
合(EU)が承認した国際財務報告基準(IFRS)に準拠した外部報告目的の連結財務諸表の作成について合理的な保証を提供す
る目的で、当行グループの監査役会議長および最高財務責任者の監督の下に整備されたプロセスである。当行グループの財務
報告に係る内部統制には、虚偽表示を防止するために整備された開示統制および手続も含まれる。
財務報告におけるリスク
財務報告における主要なリスクは、過失もしくは故意による誤謬(不正)により財務諸表が適正に表示されないリスク、ま
たは財務諸表が適時に公表されないリスクのいずれかである。これらのリスクは、投資家の信頼低下や風評被害を引き起こす
恐れがあり、また銀行規制当局の介入を含む法的な結果を招く恐れがある。適正に表示されない状態とは、一つまたは複数の
財務諸表計上額または開示事項に、重要な虚偽表示(または脱漏)があった場合に生じる。虚偽表示は、それらが個々にまた
は合計で、財務諸表が原因で利用者が行う経済的な意思決定に対して影響を及ぼす場合に、重要とみなされる。
こうした財務報告におけるリスクを限定するため、当行グループの経営陣は、重要な虚偽表示に対して合理的だが絶対では
ない保証を提供する目的で財務報告に係る内部統制を確立している。さらに、当行グループの財務報告に係る内部統制の有効
性の評価を行っている。これは、トレッドウェイ委員会支援組織委員会(COSO)が公表した「内部統制 - 統合的フレーム
ワーク(2013年)」に基づいて、COSOは、統制システムの整備を促進し、その妥当性を評価するために、個別目標を設定する
ことを推奨している。これを受け、財務報告に係る内部統制の確立に当たって経営陣は、以下の財務諸表目標を採用してい
る。
- 実在性 - 資産および負債は実在し、取引は発生している。
- 網羅性 - すべての取引が記録され、すべての勘定残高が財務諸表に含まれている。
- 評価 - 資産、負債および取引は、適切な金額で財務報告に記録されている。
- 権利および義務ならびに所有権 - 権利および義務ならびに所有権は、資産および負債として適切に記録されている。
- 表示および開示 - 財務報告の分類、開示および表示は、適切である。
- 資産の保全 - 資産の未承認の取得、使用または処分は、防止または適時に発見される。
ただし、財務報告に係る内部統制も含め、いかなる内部統制システムも、それが如何に良好に着想され運用されようとも、
当該統制システムの目標が達成されていることの、合理的だが絶対ではない保証を提供し得るに過ぎない。そのため、財務報
告に係る内部統制のための開示統制および手続またはシステムは、すべての誤謬、過失もしくは故意による誤謬(不正)を完
全には防止できない可能性がある。また、将来期間の有効性評価に関しては条件の変化により統制が不十分になる、または方
針もしくは手続きの遵守の程度が時間の経過とともに低下するリスクがあると予想される。さらに、統制システムの整備は、
資源に制約があるという事実を反映しなければならず、統制の便益はそのコストとの相対的な関係において検討しなければな
らない。
財務報告の虚偽表示リスク最小化のための統制
財務報告に係る内部統制制度には、以下の方針および手続きが含まれる。
- 合理的な範囲で詳細、正確かつ公正に、当行の資産の取引および処分を反映する会計記録を行うこと。
- 一般的に公正妥当な会計原則に従って財務諸表を作成するために必要な取引が記録され、入金・出金取引については経営
陣の承認のみにより行われていることを合理的に保証する。
- 財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある当行資産の未承認の購入、使用もしくは処分を防止するまたは随時に検知す
ることを合理的に保証する。
内部統制の有効性の測定
当行グループの経営陣は年度ごとに、財務報告に係る内部統制制度の妥当性および有効性について正式な評価を実行する。
この評価は、統制環境のほか、財務報告に係る内部統制制度を構成する個々の統制の有効性に関する評価を伴い、その際には
以下を勘案した。
- 財務諸表科目の財務上の虚偽表示リスク。その際、重要性および財務諸表科目の虚偽表示に対する脆弱性といった要因を
考慮する。
- 識別された統制の欠陥に対する脆弱性。その際、自動化の程度、複雑度、および経営陣による無効化のリスク、従業員の
能力および必要とされる判断レベルといった要因を考慮する。
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これらの要因全体から、HGB第315条で要求される証拠の種類および範囲が決まる。かかる証拠は、経営陣が財務報告に係る
内部統制が有効に設置されているか評価する上で必要とするものである。証拠自体は、従業員の日常担当業務に組み込まれた
手 続または財務報告に係る内部統制評価を目的として特に実施される手続から入手される。他の情報源からの情報もまた、そ
の証拠によって、経営陣が更なる統制問題に気付く場合や、発見事項を確証する場合があることから、評価の重要な一要素を
形成する。そうした情報源には以下が含まれる場合がある。
- 規制当局により、またはそれに代わり実施された監査に係る報告書
- 外部監査人の報告書
- 第三者に外部委託したプロセスの有効性評価の委任に係る報告書
さらに、グループ監査部は、定期的な監査およびリスクに基づく特別監査を実施することにより、財務報告に係る内部統制
の整備および運用の有効性について評価する。監査ごとに、その結果を要約した報告書が作成され、関連する活動の管理責任
者に配布される。これらの報告書は、財務報告に係る内部統制の全体的な運用の有効性に関する経営陣の年次評価を裏付ける
ための証拠にもなる。
評価の結果、経営陣は2021年12月31日時点で財務報告に係る内部統制は適切に整備され有効に運用されていると結論付け
た。
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ドイツ商法第315a条第1項に基づく情報および説明報告書
授権および条件付資本を含む株式資本の構成
ドイツ銀行の株式資本に関しては、連結財務諸表注記32「普通株式」を参照のこと。
議決権または株式譲渡に関する制限
ドイツ株式会社法第136条に基づき、影響を受ける株式の議決権は法的に排除される。当行またはその子会社は、2021年度に
おいてポートフォリオ内に自己株式を所有している場合、ドイツ株式会社法第71b条に基づき、議決権を行使することができな
い。当行は、他に議決権または株式譲渡に関する制限はないものと認識している。
全議決権の10%を超過する株式の保有
ドイツ証券取引法(Wertpapierhandelsgesetz)は、株式の購入、処分その他によって、議決権の保有割合が一定の基準値に
達し、超過し、または基準値を下回る場合、投資家が当行およびドイツ連邦金融監督公社(BaFin)に通知しなければならない
旨を定めている。基準値の最低値は3%である。当行は、直接的または間接的に10%以上の議決権を保有する株主を認識してい
ない。
特別議決権を有する株式
特別議決権が付与された株式は発行されていない。
従業員によって議決権が直接行使されない従業員シェア・スキームの統制システム
ドイツ銀行株式を保有する従業員は、準拠法および定款(Satzung)に従い、所有する議決権を、他の株主と同様に行使す
る。
取締役の選任および交代に関する規則
ドイツ株式会社法(第84条)およびドイツ銀行定款(第6条)により、取締役は、監査役会によって選任される。取締役の員
数も監査役会によって決定される。定款により、取締役会は3人以上のメンバーで構成される。監査役会は、取締役の1人また
は2人を取締役会会長に選任することができる。取締役は、1任期最長5年までで選任することができる。また、再任もしくは、
最長5年までの任期を1期以上、延ばすことができる。ドイツ共同決定法(Mitbestimmungsgesetz、第31条)は、取締役の選任
については、監査役会の3分の2以上の多数決によることを要求している。当該多数に達しない場合、調停委員会が取締役会に
対し、1ヶ月以内に取締役の選任に関する提言を行う。その後監査役会は、過半数により取締役を選任する。選任できなかった
場合には、監査役会会長は再度の議決において議決権2票を与えられる。必要な数の取締役が選任されていない場合、至急の場
合にはフランクフルト・アム・マイン地方裁判所(Amtsgericht)が、関係者からの申請に基づき、必要な選任を行う(ドイツ
株式会社法第85条)。
ドイツ銀行法(Kreditwesengesetz)および欧州中央銀行の規制(EU)第468/2014号(SSMフレームワーク規制)により、取締
役の選任前に、当該メンバーが経営経験とともに、当行の業務における十分な理論的・実務的経験を有する証明を、欧州中央
銀行(ECB)、ドイツ連邦金融監督公社(BaFin)およびドイツ連邦銀行に対して提出しなければならない(銀行法第24条第1項
第1号および第25c条第1項、SSMフレームワーク規制第93条)。
監査役会は、正当な理由があれば、取締役または取締役会会長としての選任を取り消すことができる。そのような理由に
は、とくに、重大な職務違反、当行を適切に経営する能力の欠如、または不信任決議が明らかに恣意的な理由により行われた
場合を除き、株主総会(Hauptversammlung)による不信任決議がなされた場合が含まれる。
個々の取締役が信頼できない、もしくは要求される能力を有していない場合、または金融機関が取締役の必要員数を満たし
ていない場合に、ECBまたはBaFinは、特別な代表者を任命し、当該代表者に、個々の取締役の責任および権限を委譲すること
ができる。そのような場合、関係する取締役の責任および権限は停止される(銀行法第45c条第1項から第3項、SSMフレーム
ワーク規制第93条第2項)。
銀行の債権者に対する債務の履行が危険にさらされた場合、または効果的な銀行監督が可能でないという妥当な懸念がある
場合には、BaFinはそのリスクを回避するための暫定措置をとることができる。BaFinはまた、取締役の業務遂行を禁止するこ
と、またはそのような業務に制限を課すことができる(銀行法第46条第1項)。そのような場合で、当該禁止の結果として、取
締役会にもはや業務を遂行するために必要な数のメンバーがいなくなった場合には、フランクフルト・アム・マイン地方裁判
所が、BaFinの要請により、必要な数の取締役を選任する(銀行法第46条第2項)。
定款変更に関する規則
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定款は、株主総会決議によってのみ変更できる(株式会社法第179条)。授権資本からの発行の結果、株式資本が変更された
場合等の軽微な字句の修正に限り、定款を変更する権限は、ドイツ銀行定款(第20条第3項)によって、監査役会に付与されて
いる。定款によれば、株主総会の決議は、法または定款に別段の定めがない限り、議決権の単純多数決により採択されるが、
発 行済株式総数の過半数が要求される場合には、発行済株式総数の単純過半数により採択される(第20条第1項)。定款変更は
商業登記簿への登録により、効力を有する(株式会社法第181条第3項)。
取締役会の株式発行または買戻権限
株式会社法第71条第1項第7号に従い、2021年5月27日の年次株主総会において、取締役会は、2022年4月30日まで、ドイツ銀
行AG自己株式をトレーディング目的で売買する権限を与えられた。この場合、株式の取引価格は、各直前3取引日の平均株価
(フランクフルト証券取引所のXetra取引システムおよび/または同等の後継システムにおけるドイツ銀行株式の取引終値)の
+10%を超えても-10%を下回ってもならない。これに関連して当該目的で購入される株式は、いかなる日の終了時点におい
てもドイツ銀行AG株式資本の5%を超えてはならない。
株式会社法第71条第1項第8号に従い、2021年5月27日の年次株主総会において、取締役会は、2026年4月30日まで、決議がな
された時点、もしくは価格がより低い場合、当該権限が行使された時点における株式資本合計の10%まで、ドイツ銀行AG自己
株式を購入する権限を与えられた。トレーディング目的および/またはその他の理由で購入され、随時、株式会社法第71a条以
下に従って当行が所有するかまたは当行に帰属する自己株式と合わせて、当該授権に基づき購入される自己株式は、いかなる
時もそれぞれ適用される当行株式資本の10%を超えてはならない。当該自己株式は、証券取引所を通じて、または全株主に対
する公開買付により購入することができる。証券取引所を通じて購入する株式の対価(購入付随費用を除く。)は、購入義務
が発生する直前3取引日の平均株価(フランクフルト証券取引所のXetra取引システムおよび/または同等の後継システムにお
けるドイツ銀行株式の取引終値)の+10%を超えても-20%を下回ってもならない。公開買付により購入する場合には、買付
公表日の直前3取引日の平均株価(フランクフルト証券取引所のXetra取引システムおよび/または同等の後継システムにおけ
るドイツ銀行株式の取引終値)の+10%を超えても-20%を下回ってもならない。公開買付時に申込株式数が計画買戻株式数
を超えた場合には、各々の場合の申込株式数に比例して買付の引受をしなければならない。買付対象当行株式につき1株主当た
り最高50株までの少数株式について、優先的引受を定めることができる。
取締役会はまた、上記の購入株式および、株式会社法第71条第1項第8号に従った事前の授権に基づき証券取引所を通すかま
たは全株主に対する公開買付により購入した株式について、これを処分する権限が与えられている。取締役会は、会社、持分
または会社の営業活動を支えるその他の資産の取得目的で株主の新株引受権を除く現物を対価として購入した株式について、
これを処分する権限が与えられている。このほか取締役会は、上記の自己株式を全株主への申し出により処分する場合に、当
行および関係会社の発行したオプション権、転換社債および転換権付利益参加権の保有者に、そのオプションおよび/または
転換権を行使して資格を得た限りにおいて、株式の新株引受権を付与する権限が与えられている。これらの場合、当該部分に
ついては、株主の新株引受権は除外される。
取締役会はまた、株主の新株引受権を除外して、株式会社法第71条第1項第8号に従って購入した株式を、従業員株式として
当行および関係会社の従業員および退職従業員に対して発行するために使用する権限、ならびに当行および関係会社の従業員
または執行・非執行の経営組織構成員に対して付与された当行株式に係るオプション権および/または当行株式に係る購入権
もしくは購入義務を実行するために使用する権限が与えられている。
このほか取締役会は、売却時の証券取引所の株価に対して株式の購入価格が著しく低くない限り、株主の新株引受権を除外
して、第三者に現金を対価として上記の自己株式を売却する権限が与えられている。当該授権は、当該授権に基づいて売却さ
れる株式の数が、当該授権が有効となる時点の当行株式資本の10%を超えないことが確実である場合、つまり当該授権の行使
時点で金額がそれより低い場合にのみ、利用することができる。株式会社法第186条第3項第4文の直接適用または準用により、
当該授権の有効期間中に株主の新株引受権を除外して発行または売却される株式は、当該株式資本の10%の枠内に含まれるも
のとする。同様に、転換社債、新株予約権付社債、転換権付利益参加権または利益参加権によるオプション権および/または
転換権を実行するために発行される株式も、当該社債または利益参加権が、株式会社法第186条第3項第4文の対応する適用によ
り、当該授権の有効期間中に株主の新株引受権を除外して発行される場合には、当該枠内に含まれる。
取締役会はまた、当該または既存の授権に基づいて取得した株式を、その消却プロセスの実行について株主総会による追加
決議を受けることなく、消却する権限も与えられている。
2021年5月27日の年次株主総会は、株式会社法第71条第1項第8号に従い、取締役会に、同様に決議された授権に基づいてプッ
トおよびコール・オプションまたは先渡購入契約を用いて株式の購入を行う権限を与えた。したがって当行は、平等取扱の原
則に準拠して取得された株式でのみオプションが履行されるということがオプション条件によって確実となる場合には、現物
引渡に基づいてプット・オプションを第三者に売り渡し、第三者からコール・オプションを買い取ることができる。プットま
たはコール・オプションに基づくすべての株式購入は、当該授権に関する株主総会の決議が行われた時点の実際の株式資本の
最大5%分の株式に制限される。これらのオプションの期間は、オプションの行使による株式購入が遅くとも2026年4月30日ま
でに行われるように選択されなければならない。
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有価証券報告書
プット・オプションの行使時または先渡購入の満期時に株式に対して支払われる購入価格は、購入付随費用を除くが受取ま
たは支払オプション・プレミアムを算入した上で、それぞれのケースにおいて各取引締結直前3取引日の平均株価(フランクフ
ルト証券取引所のXetra取引システムおよび/または同等の後継システムにおけるドイツ銀行株式の取引終値)の+10%を超え
て も-10%を下回ってもならない。コール・オプションは、支払われる購入価格が、株式取得直前3取引日の平均株価(フラン
クフルト証券取引所のXetra取引システムおよび/または同等の後継システムにおけるドイツ銀行株式の取引終値)の+10%を
超えても-10%を下回ってもいない場合にのみ行使できる。
デリバティブを用いて取得した株式の売却および消却に対しては、株主総会で定められた一般規則が適用される。
自己株式は引き続き既存のデリバティブを用いて購入することができるが、これは事前の授権に基づいて当該授権の有効期
間中に合意されている。
株式公開買付により会社の支配が変更された場合に発効、変更または終了する重要な契約
株式公開買付により会社の支配が変更された場合に発効、変更または終了する重要な契約は締結されていない。
株式公開買付に際しての報酬に関する契約
取締役が支配の変更の枠内で当行を退行する場合、報酬報告書で詳述されているとおり、退職一時金を受け取る。
ドイツ商法第289f条および第315d条に基づくコーポレート・ガバナンス・ステートメント
ドイツ商法第289f条および第315d条に基づくコーポレート・ガバナンス・ステートメントの全文は、当行のウェブサイト
(https://www.db.com/ir/en/reports.htm)および第3章「Corporate Governance Statement according to Sections 289f, 315d
of the German Commercial Code / Corporate Governance Report」から入手可能である。
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有価証券報告書
単体親会社の情報(HGB)
はじめに
ドイツ銀行AG(DB AG)はドイツ銀行グループの親会社であり、その最も重要な構成要素である。ドイツ銀行グループの管理
は、IFRSによる当行グループのコーポレート部門の実績に基づいている。ドイツ銀行AGは、ドイツ銀行グループの取り組みお
よび目標設定に完全に組み込まれている。当行グループの業績は、最終的にはドイツ銀行AGの業績に影響している。さらに、
当行は規制自己資本に関してドイツ銀行法(KWG)第2a条に基づくオプションを適用しているため、規制自己資本比率はグルー
プ・レベルにおいてのみ適用される。
このため、この統合マネジメント・レポートに記載されているドイツ銀行グループに関する情報は、通常ドイツ銀行AGにつ
いても関連し、該当するものである。ドイツ銀行AGの理解を促す追加情報は、本項に含まれている。本項に含まれる財務情報
は、特に明記しない限り、ドイツ商法(「Handelsgesetzbuch」、HGB)に準拠して作成されている。HGBに準拠して作成された
財務情報に関する詳細については、別個の報告書に含まれるドイツ銀行AGの財務諸表に対する注記に記載されている。
ドイツ銀行AGの業績
当行グループの業績を評価するパラメータの1つに、株主に対して配当を行う能力がある。この能力は、HGBに従い決定され
るドイツ銀行AGの配当可能利益に依存する。その上、HGBに準拠して作成されたドイツ銀行AGの財務情報は通常、上記の「はじ
めに」に記載されている事情により、当行グループの財務成績の評価または管理について概して関連性が低い。
ドイツ銀行AGは、2020年度に純損失18億ユーロを計上したのに対し、2021年度には純利益19億ユーロを計上した。前年度の
損失は主にCOVID-19に起因するものであり、営業利益はマイナスとなり、経常利益もマイナスとなった。当年度は、COVID-19
の制限緩和により回復基調に転じたことから、信用損失引当金が全体的に戻入れられた。当行グループの経営成績と同様、事
業活動も全体的に増加し、その両方の効果により、純営業利益は10億ユーロ増加した。
営業利益以外では、一般的銀行業リスクのための資金の戻入れ22億ユーロにより、特別損益の減少が924百万ユーロ過大に補
填された。この減少は主に、前年度のDB AGとDB PFK AGの合併に伴う利益が、当年度は計上されなかったことによるものであ
る。最後に、前年度の894百万ユーロの法人所得税費用に対して、当年度の400百万ユーロの法人所得税ベネフィットが、19億
ユーロの純利益に寄与した。
取締役会および監査役会は、1株当たり0.20ユーロの配当を支払い、残りの分配可能利益を繰り越すことを年次株主総会で提
案する予定である。
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損益計算書
要約損益計算書
増 減
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度
百万ユーロ %
利息収益 1
12,959 15,079 -2,119 -14
配当等収益 2
1,443 1,254 188 15
総利息収益 14,402 16,333 -1,931 -12
利息費用 5,369 7,808 -2,439 -31
純利息収益 9,033 8,525 508 6
手数料収益 9,052 7,841 1,210 15
手数料費用 2,240 2,487 -247 -10
純手数料収益 6,811 5,354 1,457 27
トレーディング純損益 1,266 1,328 -62 -5
このうち、ドイツ商法第340e条に基づく
0 0 0 N/M
トレーディング関連特別準備金戻入益
収益合計 17,110 15,207 1,903 13
賃金および給料 4,758 4,679 80 2
強制社会保険拠出金 3
1,246 1,294 -47 -4
人件費 6,005 5,972 32 1
その他の管理費用 4
10,419 10,002 418 4
管理費用 16,424 15,974 450 3
その他の営業収益/費用の差額 -560 835 -1,396 N/M
リスク引当金 4 971 -966 -100
営業利益 121 -902 1,023 N/M
その他の収益/費用の差額 -658 -752 94 -12
特別損益 -145 779 -924 N/M
一般的銀行業リスクのための資金への取
2,200 0 2,200 N/M
崩/(繰入)
税引前純利益 1,518 -875 2,393 N/M
税金 -400 894 -1,295 N/M
純利益(損失) 1,919 -1,769 3,688 N/M
前期繰越利益 0 0 0 N/M
資本準備金の取崩 0 1,769 -1,769 N/M
利益剰余金への繰入 950 0 950 N/M
-その他の利益剰余金 950 0 950 N/M
配当可能利益 969 0 969 N/M
N/M -表記するに値しない。
1 貸出および短期金融市場業務、固定利付有価証券ならびに政府登録債による収益。
2 株式およびその他の変動利付有価証券、参加持分ならびに関係会社に対する投資(利益移転契約を含む。)による収益。
3 年金およびその他の従業員給付費用を含む。
4 有形固定資産および無形資産の減価償却を含む。
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ドイツ銀行(E05792)
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純利息収益は、508百万ユーロ減少増加して2021年度は90億ユーロとなった。配当等収益は、関連会社からの拠出により188
百万ユーロ増加した。子会社に対する投資からの収益は、164百万ユーロ減少したプロフィット・プールからの収益により一部
相殺されたものの、339百万ユーロ増加した。利息費用控除後の貸出および有価証券からの純利息収益は320百万ユーロ増加
し、ドイツ銀行の信用格付の改善を反映した、預金の金利更改の取り決めと資金調達コストの低下によるものである。
純手数料収益は、グループ会社に提供されたサービスによる収益525百万ユーロ、証券事業からの純手数料収益392百万ユー
ロ、および貸付事業からの純手数料収益362百万ユーロにより、前年度比で15億ユーロ増加し、68億ユーロとなった。
ドイツ銀行AGの2021年度のトレーディング純損益は13億ユーロで、前年度から62百万ユーロの減少となった。
人件費は60億ユーロとほぼ横ばいである。2020年度比32百万ユーロの微増は、主に賃金と給与の上昇によるものである。
従業員の地理的内訳(フルタイム換算)
従業員数(フルタイム換算) 1
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在 増減
ドイツ 21,589 22,305 -716
欧州(ドイツを除く) 7,703 8,144 -441
米州 454 560 -106
アフリカ/アジア/オーストラリア 5,113 5,331 -218
合計 34,859 36,341 -1,482
1 従業員数(フルタイム換算)=パートタイム従業員(見習生および研修生を除く。)数を労働時間の比に応じて調整した後の合計人数。
従業員数の減少は、主にドイツ銀行の戦略的改革の実施によるものである。ドイツでは、主にプライベート・バンクに関連
して減少した。ドイツを除く欧州では主に、英国で従業員数が減少した。従業員数は米州において減少したが、これは主に、
コーポレート・バンクおよび管理部門において従業員数が減少したことによるものである。アフリカ/アジア/オーストラリ
ア地域では主に、香港およびシンガポールで従業員数が減少した。
その他の管理費用は418百万ユーロ増加し、104億ユーロとなった。その他の管理費用(有形固定資産および無形資産の減価
償却および償却を除く。)は387百万ユーロ増加し92億ユーロとなった。この推移は、一般営業費用、建物およびマーケティン
グ費用の減少により一部相殺されたものの、IT機器に係る費用が612百万ユーロ増加したことによるものである。2021年度の有
形固定資産および無形資産の定期的な減価償却および償却はほぼ横ばいで、31百万ユーロ増の12億ユーロとなった。
その他の営業収益/費用の差額は、2020年度の835百万ユーロの収益から、2021年度は560百万ユーロの費用となった。費用
合計は、銀行勘定の金融商品からの純損益が735百万ユーロ減少したことに加え、従業員関連引当金の純利息費用が569百万
ユーロ増加したこと、民事上の損害賠償に係る違約金および罰金の費用が200百万ユーロ増加したことにより、14億ユーロと
なった。
2021年度において、信用関連リスク引当金の変動および流動性準備金において保有する有価証券の純損益からなるリスク引
当金の純額の合計は4百万ユーロとなり、2020年度と比べて967百万ユーロ改善した。この推移は、売却益の減少を主因として
流動性準備金において保有する有価証券の純利益が242百万ユーロ減少したことにより一部相殺されたものの、貸出業務におけ
るリスク引当金の減少12億ユーロに起因するものである。2021年度の貸出業務におけるリスク引当金は、2021年のCOVID-19関
連の制限緩和による景気回復を背景とした、好調な信用環境、良質な融資案件、厳格なリスク統制の継続の恩恵を受け、全体
として信用損失引当金の戻入れにつながった。さらに、前年度のリスク引当金は、手法の変更により249百万ユーロ増加した。
これは、信用減損はしていないがデフォルト確率が上昇している金融資産の信用損失引当金の算定方法の変更に関連するもの
であった。
その他の収益/費用の差額は、関係会社に対する投資の評価調整、損失引受による有形固定資産および無形資産の評価減お
よび臨時償却費により、658百万ユーロの費用(2020年度:752百万ユーロの費用)となった。
関係会社に対する投資の評価調整は298百万ユーロ(2020年度:613百万ユーロ)となり、主に1件の投資に関連している。前
年度の評価調整はとりわけ、COVID-19による経済見通しの悪化と予想される金利の動向を反映している。
さらに、2021年度の有形固定資産および無形資産の評価減および臨時償却費は216百万ユーロ(2020年度:38百万ユーロ)で
あった。当年度の減損は、主に自社開発したソフトウェアに関連するものである。
2021年度のその他の収益および費用にも表示されている、損失引受による費用は、145百万ユーロ(2020年度:100百万ユー
ロ)であった。
特別利益および特別損失の純額は、特別損失145百万ユーロとなった(2020年度:特別利益779百万ユーロ)。前年度の金額
には、DB PFK AGとの合併に伴う一度限りの利益12億ユーロが含まれている。
2021年度、当行は、当行グループの戦略的再編後、リスク・プロファイルが大幅に改善したとの評価に基づき、ドイツ商法
第340g条に従い一般的銀行業リスクのための資金22億ユーロを戻し入れた。
当行は、前年度において法人所得税費用894百万ユーロを計上したのに対し、2021年度においては法人所得税ベネフィットを
400百万ユーロ計上した。当年度の法人所得税ベネフィットは、主に非課税所得と繰延税金資産の再測定によるものである。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
ドイツ銀行AGは、前年度は純損失18億ユーロを計上したのに対し、2021年度は純利益19億ユーロを計上した。
利益剰余金が950百万ユーロ増加し、2021年度の配当可能利益は10億ユーロとなった。当行は、1株当たり0.20ユーロの配当
を年次株主総会で提案する。これにより、基準日における発行済株式数に応じて、配当可能利益が413百万ユーロ減少すること
になる。また、残りの配当可能利益の繰越も提案される。
貸借対照表
増減
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ
百万ユーロ %
資産
銀行および顧客に対する債権
(中央銀行預け金および公共部
666,732 610,390 56,342 9
門事業体の負債性金融商品を含
む。)
関係会社に対する参加持分およ
26,519 28,190 -1,670 -6
び投資
債券、その他の有価証券および
60,479 89,519 -29,040 -32
株式
トレーディング資産 246,705 241,390 5,315 2
その他の資産 19,673 23,803 -4,130 -17
資産合計 1,020,109 993,292 26,817 3
負債および株主資本合計
銀行および顧客に対する負債 644,803 609,701 35,102 6
証券形態の負債 79,681 87,002 -7,321 -8
トレーディング負債 197,069 203,986 -6,917 -3
引当金 5,972 5,670 302 5
株主資本 34,913 32,959 1,953 6
劣後負債、資本参加権、その他
Tier 1規制上の自己資本に係る
21,333 20,179 1,154 6
金融商品、一般的銀行業リスク
のための資金
その他の負債 36,338 33,794 2,544 8
負債および株主資本合計 1,020,109 993,292 26,817 3
ドイツ銀行AGの総資産は、2021年12月31日現在10,201億ユーロとなった。2020年12月31日現在から3%の微増は主に、銀行お
よび顧客に対する債権(中央銀行預け金および公共部門事業体の負債性金融商品を含む。)によるものであるが、その一部は
債券、その他の有価証券および株式の減少により相殺された。正味の増加は主に、銀行および顧客に対する負債の増加による
ものである。
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ドイツ銀行(E05792)
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貸出金総額(逆レポおよび有価証券スポット取引を除く。)
増減
2021 年12月31日 2020 年12月31日
単位:十億ユーロ
十億ユーロ %
現在 現在
顧客に対する債権 421 380 41 11
残存期間:
5年以内 1
305 272 33 12
5年超 116 107 9 8
銀行に対する貸出金 43 38 5 13
残存期間:
5年以内 1
34 32 2 6
5年超 9 6 3 51
合計 463 417 46 11
1 要求払および無期限のものを含む。
貸出金総額(逆レポおよび有価証券スポット取引を除く。)は、461億ユーロ(11%)増加し4,634億ユーロとなった。この
推移は主に、顧客に対する債権が411億ユーロ(11%)増加し4,206億ユーロとなったこと、貸出金総額で報告される銀行に対
する貸出金が50億ユーロ(13%)増加し427億ユーロとなったことによるものである。
トレーディング以外の銀行に対する債権(貸出金を除く。)は、2020年12月31日現在から8億ユーロ減少して794億ユーロと
なった。
当行グループの有価証券ポートフォリオ(トレーディング資産を除く。)は、主に債券の減少に起因して、290億ユーロ減少
し605億ユーロとなった。
トレーディング資産は2,467億ユーロであり、2020年12月31日現在と比較して53億ユーロ(2%)増加した。これは主に、ト
レーディング証券が46億ユーロ(6%)減少し、トレーディング・デリバティブ金融商品のプラスの時価が49億ユーロ(6%)
減少して779億ユーロとなったことにより一部相殺されたものの、トレーディング債権が160億ユーロ(20%)増加し945億ユー
ロとなったことに起因している。
関係会社に対する投資は、16億ユーロ減少して263億ユーロとなった。この減少は、20億ユーロの資本返済と3億ユーロの評
価減によるものであるが、4億ユーロの増資と為替換算による4億ユーロのプラス影響により一部相殺された。
銀行に対する負債、顧客に対する負債および証券形態の負債に関する詳細は以下の表に示されている。
負債の内訳
増減
単位:十億ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
十億ユーロ %
銀行に対する負債 152 142 9 6
要求払 58 59 -1 -2
契約期限または通知期限付 94 83 11 13
顧客に対する負債 493 467 26 6
貯蓄預金 62 61 2 3
その他の負債
要求払 334 327 6 2
契約期限または通知期限付 97 79 18 22
証券形態の負債 80 87 -7 -8
発行債券 77 84 -6 -8
証券形態のその他の負債 3 4 -1 -28
このうち:短期金融市場証
2 3 -1 -40
券
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
トレーディング負債は2020年12月31日現在と比較して69億ユーロ(3%)減少し、1,971億ユーロとなった。これは、有価証
券(ショート・ポジション)が101億ユーロ(29%)増加し452億ユーロとなったことにより一部相殺されたものの、トレー
ディング・デリバティブ金融商品のマイナスの時価が147億ユーロ(16%)減少し748億ユーロとなったことに起因している。
前年度の57億ユーロに対し、その他Tier 1規制自己資本に関する商品は86億ユーロとなった。対前年比の変動は、2021年度に
新たに発行されたAT1商品および外国為替の影響に関連している。
ドイツ銀行AGの株主資本は、349億ユーロとなった。19億ユーロの増加は主に、2021年度の配当可能利益によるものである。
過年度と同様、当行は、規制自己資本に関して、ドイツ銀行法(KWG)第2a条のもとで利用可能なオプションを利用してお
り、ドイツ銀行グループのためにのみ自己資本要件を表示している。
要約:銀行は安定的な資金調達、高い流動性基盤および当行グループ資本の基盤となる強固な規制自己資本を維持した。詳
細については、リスク・レポートの「流動性リスクおよび資本規制」の項を参照のこと。
グループの中でのドイツ銀行AGの管理
本章の内容は当行グループのこの年次報告書のグループに係る各項、特に「リスク・レポート」、「見通し」、「リスクお
よび機会」および「財務報告に係る内部統制」と併せて読むべきものである。
リスク管理
ドイツ銀行AGに対するリスクの影響は、ドイツ銀行の他の法人企業に対する影響と切り離せない。主に以下の理由による。
- コーポレート部門を含め、当行グループの管理構造は、顧客のニーズに沿ったものになっている。法的な構造は現地の法
令によって決定されるため、当該管理構造に沿ったものになるとは限らない。例えば、ある国におけるグループの業務が
ドイツ銀行AGの支店として扱われるか別個の子会社として扱われるかが、現地の法令によって決まることがある。しかし
経営陣は、それが支店扱いとなるか子会社扱いとなるかに関わりなく、当行の業務におけるリスクを監視しなければなら
ない。
- 適切なリスク監視とリスク管理のためには、グループの利益状況が一定のリスク要因、例えば、個々の顧客や証券発行体
の信用度あるいは市場価格の変動に、どの程度まで依存しているかに関する知識が必要である。したがって、各エクス
ポージャーの分析は、法人企業を超えて行う必要がある。特に、ある借手についての信用リスクに関しては、ある会社へ
の信用エクスポージャーがいくつかのグループ会社にまたがっているかドイツ銀行AG一行に集中しているかは、意味を持
たない。ドイツ銀行AGに影響するリスクのみを別途監視すれば、その会社が支払不能に陥った場合にグループの直面す
る、また間接的には親会社であるドイツ銀行AGの直面する潜在的エクスポージャーを見逃すことになる。
- 個々のリスク要因は、相関関係を有する場合もあれば、互いに独立している場合もある。この相関関係の性質や範囲を推
定できれば、グループ経営陣は、各顧客グループ、各発行体、各国にわたって業務を分散することにより、全体的なリス
クを大幅に削減することができる。このリスク相関関係もまた、グループの法的構造および部門構造とは無関係である。
したがって経営陣は、グループ全体にわたり法人企業を超えてリスク管理をしなければ、分散によるリスク軽減効果を最
大限に生かすことはできない。
上に述べた理由から、ドイツ銀行AGのすべてのリスクの識別、監視および管理は、グループ全体のリスク管理プロセスに統
合されている。グループの方針により、ドイツ銀行AGは、法令上および規制上の要件をすべて遵守している。
ドイツ銀行AG内の適切な流動性レベルを確保するために別個に算出されている流動性カバレッジ比率(LCR)は、2020年12月
31日現在では136%であったのに対し、2021年12月31日現在は121%である。
見通しおよび戦略
ドイツ銀行AGは、当行グループの親会社として、個々のグループ部門の戦略および計画を定めている。ドイツ銀行AGは、自
己の業務および子会社からの利益配分を通じてグループ部門の業績に関与している。したがって、当行グループの見通しはす
べてのグループ部門を包含しており、親会社に限定されていない。加えて、主要な財務指標はグループ・レベルでのみ定めら
れている(配当可能利益の金額を除く。)。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
リスクおよび機会
リスク
ドイツ銀行AGは、HGBに従って報告を行う単体企業として、グループと比較して、追加的なリスク、すなわち、ある年度の特
定の取引が、IFRSに基づくグループ財務諸表よりも大きな損失となるリスクに直面している。これに関して、以下の項目は重
大なリスクを伴う。
- 地域の政治・経済環境、地域の規制要件の増加、再編または上場株式の株価の変動によってもたらされる、関係会社への
投資の潜在的な評価調整
- ドイツ商法第253条第2項に基づき平均金利で割り引くことによって金利水準が上昇したにもかかわらず、長期引当金(と
りわけ年金債務)の増加。
- 特に、金利水準が上昇している環境下での制度資産のマイナスの評価調整。上記の評価手法のために、金利が上昇した場
合、年金債務の減少による相殺効果がない可能性があることによる。
- 利付銀行勘定が予想される信用リスクのコストと管理費用をカバーするのに十分な金利マージンを生じさせない場合、ド
イツ会計基準書IDW RS BFA 3に基づき引当金を設定する潜在的な要件。長引く低金利環境とHGBに基づくAT 1商品に係るクー
ポンの支払いの調整に伴う費用によって、当該リスクが増加する。
さらに、関係会社からの収益または利益剰余金により、ドイツ銀行AGが予定したとおりの十分な配当金支払ができない可能
性があるというリスクがある。
機会
ドイツ銀行AGは、HGBに従って報告を行う単体企業として、グループと比較して、追加的な機会、すなわち、過年度にIFRSに
基づく損益計算書において認識し得る実現利益のように、ある年度の特定の取引が、IFRSに基づくグループよりも利益が得ら
れるような方法で報告される場合がある。
加えて、親会社としてのドイツ銀行AGは、関係会社からの分配される利益が増加することにより、ある年度で当行グループ
の純利益への貢献より高い収益を示す可能性がある。
財務報告に係る内部統制
IFRSに基づく当行グループの年次報告書に関して実行される統制は、HGBに基づく当行の財務諸表にも同様に適用されてい
る。これらの統制に加え、以下を含む特定のHGB関連の統制が実施される。
- HGB特有の残高について実施される、支店間の調整および消去。
- 国外の支店およびドイツの本社レベルのIFRSとHGBとの間の再評価および再分類項目の分析的レビュー。
ドイツ銀行AGの非財務諸表
ドイツ商法(HGB)の第340a条第1a項および第289b条第3項に基づく詳細は、https://www.db.com/ir/en/annual-reports.htm
に開示されている統合非財務報告書に記載されている。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
報酬報告書
はじめに
2021年度 の報酬報告書において、ドイツ銀行グループの詳細な報酬情報を提供している。
取締役会および監査役会の報酬報告書
2021年度の取締役会および監査役会の報酬報告書は、ドイツ株式会社法(AktG)第162条に基づき、ドイツ銀行アクツィエン
ゲゼルシャフト(以下「ドイツ銀行AG」または「当行」という。)の取締役会ならびに監査役会が共同で作成したものであ
る。報酬報告書は、ドイツ銀行の取締役会および監査役会の報酬制度の基本的な特徴を記述し、2021年度にドイツ銀行が取締
役会および監査役会の現職または元メンバーにそれぞれ付与した報酬に関する情報を提供している。
本報酬報告書は、特に、ドイツ株式会社法(AktG)第162条および銀行の報酬制度監督要件に関する規則(InstitutsVergV)
の現行の法規制要件を満たし、ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード(GCGC)に規定される勧告が考慮されている。ま
た、資本市場志向の企業の会計規則(ドイツ商法(HGB)、国際財務報告基準(IFRS))の適用要件や、持続可能な取締役会報
酬制度のワーキンググループが公表したガイドラインにも準拠している。
従業員の報酬報告書
本報酬報告書の本項目は、ドイツ銀行グループ(DWSグループを含む。)の従業員に適用される報酬制度および報酬構造に関
する情報を開示している。本報酬報告書は、グループの報酬フレームワークの詳細な情報を提供しており、2021年度の変動報
酬の決定について記載している。さらに、銀行の 報酬制度監督要件に関する規制 ( Institutsvergütungsverordnung -
InstVV)に基づき特に重要なリスク・テイカー(MRT)として識別された従業員の報酬に関する定量的情報開示も含まれる。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
取締役会の報酬
取締役会の報酬 原則
取締役会の報酬の設定および見直しに関する責任および手続
監査役会は、その全体として、報酬制度の設計に関する意思決定、ならびに各取締役の報酬額および報酬手続の設定に対する
責任を有する。報酬統制委員会は、監査役会の任務である当該制度の実行に係る設計および監視を支援し、監査役会の決議案
を作成する。必要に応じて、報酬統制委員会は、当該制度を調整するよう監査役会に提言する。重要な変更があった場合、ま
たは少なくとも4年ごとに、ドイツ株式会社法(AktG)第120a条第1項に従い、取締役の報酬制度に対する承認を得るために株
主総会に提案される。当該報酬制度は、直近では2021年度株主総会において過半数の97.76%で承認された。
承認された報酬制度に基づき、監査役会は、各取締役の職務責任の範囲と複雑性、取締役会での取締役としての就任期間なら
びに当行の財務状況を考慮し、各事業年度における各取締役の目標報酬総額を設定する。その過程で、監査役会は、従来の市
場報酬を考慮し、また水平比較と垂直比較の双方に基づき、報酬総額(最大報酬)の上限を設定する(追加情報は「取締役会
の報酬の適切性および設定された最高報酬額の遵守状況」の項に記載されている。)。
指針原則:取締役会の報酬の企業戦略との調整
ドイツ銀行は、経済成長と社会的発展を促進することにより、顧客、従業員、投資家および社会全般に積極的に貢献すること
を目指している。ドイツ銀行は、顧客にソリューションを提供し、顧客による価値創造の促進に積極的に貢献したいと考えて
いる。このアプローチは、ドイツ銀行の競争力、収益性、強固な資本および流動性ポジションに基づく業務遂行を確保するこ
とも意図している。ドイツ銀行は、リスクと収益を適切に連動させる企業文化にコミットしている。
ドイツ銀行は、2022年度までの当行グループの高い目標を設定している。これらには、当行をさらに安定化させること、当行
グループの改革を成功裏に完了させること、および持続可能な収益性を確保することが含まれる。これらの目標の達成は、取
締役会から伝達された(1)当行グループの収益目標約244億ユーロ、(2)継続的なコスト削減、(3)普通株式等Tier 1比率
(CET 1比率)12.5%超、および(4)株主資本利益率(RoTE)8%という主要数値により具体的に測定することができる。
株主の利益のために、取締役会の報酬制度は、ドイツ銀行の事業戦略および持続可能かつ長期的な発展に沿ったものであり、
設定された目標を一貫して達成するための適切なインセンティブを提供する。業績非連動(固定)および業績連動(変動)報
酬項目からなる報酬総額の構成、短期および長期的期間にわたる業績の評価、ならびに関連する挑戦的な業績パラメータの検
討を通じて、グループ戦略の実行およびグループの持続可能かつ長期的な業績との整合性について、明確かつ理解しやすい方
法で報酬が付与される。したがって、目標と目的の構造は、財務的および非財務的パラメータと指標のバランスのとれた組み
合わせからなる。
報酬制度の構造を通じて、取締役は、過度のリスクを負うことなく、ドイツ銀行の戦略と結びついた目標と目的を達成し、
個々に、またチームとして、ドイツ銀行の長期的かつ前向きな発展に向けて邁進するよう動機づけられている。したがって、
監査役会は、株主の利益に沿った報酬と業績との間に常に強い関連性(以下「成果報酬」という。)があることを確認してい
る。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
報酬原則
報酬制度の設計および個々の報酬額の評価は、以下に要約される報酬原則に基づいている。この観点から、決議を採択する
際には、監査役会はこれらを考慮する。
企業戦略 取締役の報酬制度はドイツ銀行の戦略と密接に結び付いており、その結
果、不均衡なリスクをとることなく、戦略の遂行と当行グループの長期的
かつ前向きな発展に取り組むことに重点を置いている。
株主の利益 報酬制度の具体的構造を策定し、各報酬額を決定し、また報酬の配分およ
び付与の方法を構築する際には、株主の利益が常に考慮される。
個人および全体の目標 個人、部門および全体の目標の設定は、取締役が責任を負うそれぞれの事
業部門、管理分野または地域の持続的かつ長期的な発展のみならず、集合
的な経営体としての取締役会のパフォーマンスを促進する。
長期的な観点 ドイツ銀行の業績との長期的な結び付きは、短期目標に比べて長期目標の
割合を大きく設定し、変動報酬を繰延形式でのみ付与し、そのほとんどを
最長7年間の権利確定および保有期間を有する株式に基づく報酬として付与
することによって確保されている。
持続可能性 ドイツ銀行のESG(環境、社会およびガバナンス)戦略に従った経済的、社
会的および環境的目標は、責任ある行動をとるインセンティブとなり、持
続可能性の観点からも、ドイツ銀行の長期的な業績に重要な貢献を果た
す。
適切性および上限(キャップ) 報酬額の適切性は、同業他社との水平比較および従業員間の垂直比較に基
づく報酬の見直しならびに達成可能な変動報酬および最高報酬額に対する
適切な上限設定によって確保されている。
透明性 組織における不必要な複雑さを回避し、また、明確かつ理解しやすい報告
を通じて、報酬制度の透明性は投資家や社会からの期待と規制要件に従っ
て向上する。
ガバナンス 報酬制度の構築および個々の報酬を決定するための評価は、規制および法
令要件のフレームワークの範囲内で行われる。
2021 年度の報酬関連の進展
2021 年1月1日以降の報酬制度の調整
取締役の報酬制度は、直近では2021年1月1日付で調整された。報酬制度の見直しにおいて、監査役会は特に以下の目的を追
求した。
- 分かりやすさと透明性を高める報酬構造の簡素化
- 類似の金融機関(同業他社)の現行の市場慣行の考慮
- 直近の法規制動向の実行
見直しの結果、監査役会は、アクションが必要な3つの分野を特定し、関連する調整を行うことを決定した。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
株式所有義務のより迅速な遵守を促進 監査役会は、取締役と合意した株式所有義務が履行されるまで、株式に基
する選択肢 づく変動報酬の割合を最大100%まで引き上げることを決議することができ
る。これは全体的な変動報酬の増加ではなく、株式に基づいて付与される
割合の増加のみにつながる。
構造の調整による報酬制度内の一貫性 一貫した重み付けとより明確な構造は、報酬項目の透明性をより高める。
向上 - 変動報酬部分は、異なる重み付けではなく、全取締役に対して同じ方
法で重み付けされるようになった。
- 個人の目標と部門の目標はすべて短期項目に束ねられ、全体として達
成すべき目標は長期項目に反映される。
- 短期項目と長期項目の最大目標達成度は150%(従前は短期項目を
200%としていた。)で統一されている。
ドイツ銀行のESG戦略と密接に結びつい 報酬体系は、ドイツ銀行のESG戦略から導き出された持続可能性の目標とよ
た取締役会の報酬 り強く結びついている。
- ESG目標は、短期項目の一部として、バランス・スコアカードに含まれ
ている。ESG目標は個人目標に含めることもできる。
- 長期項目では、環境、社会およびガバナンスの各分野において、全体
的に達成すべき目標を定めたESGマトリクスがある。この結果、変動報
酬総額の20%がESG要因となる。
以下の概要は、過年度の報酬制度と比較して、2021年度以降に適用された報酬構造の変更を示したものである。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
2021 年度年次株主総会における新たな報酬制度の承認
2021年1月1日付で調整されたドイツ銀行取締役の報酬制度は、ドイツ株式会社法(AktG)第120a条第1項に従い、2021年5月
27日の定時株主総会の承認を求めて提案された。当該報酬制度は株主総会で97.76%の過半数で承認された。
調整された報酬制度の実施は、取締役会の役務契約の枠組みの中で、取締役の必要な契約改定に対する任意の合意を通じて
行われ、2021年度中に現職の全取締役に適用された。
2021 年度における取締役会の変更
Frank Kuhnke氏は、2021年4月30日付で取締役兼最高執行責任者を退任した。Rebecca Short氏は、2021年5月1日付で、任期3
年間で取締役に任命された。監査役会は、2021年5月1日付で、各取締役に割り当てられた職務責任の変更を決議した。取締役
会は2021年度を通じて10名で構成された。取締役会に占める女性の割合は、2021年5月1日以降20%となっている。
2021 年度における事業展開および取締役会の報酬と企業戦略の調整
取締役会の報酬は、ドイツ銀行の戦略目標と密接に連動している。取締役と合意した個人目標および全体目標ならびに2021
年度の評価パラメータはすべて、期首に報酬統制委員会で議論され、その後、監査役会で決議された。これらの目標は、当行
グループの戦略的改革を全体的に推進している。2021年度の目標に関連して2022年度期首に決定された達成度は、個人目標が
どの程度達成され、ひいては当行の業績に貢献したかを反映している。
厳しい経済環境が続いたうえ、COVID-19のパンデミックの2年目の期間であったにもかかわらず、ドイツ銀行は改革に成功
し、10年間で最高の純利益を生み出した。2021年度、ドイツ銀行は、大幅なコスト削減と持続可能な収益性の回復を図りなが
ら、事業モデルの再編を継続した。計画された改革費用の97%は、2021年度末までにすでに認識されている。
税引前利益は34億ユーロに達し、純利益は25億ユーロに増加し、これは2020年度に達成した金額の4倍超である。2021年度は
すべての事業セグメントで利益を計上し、収益は6%増加して254億ユーロとなった。これは、新規事業の力強い成長と市場
シェアの拡大によるものである。コーポレート・バンクの貸出残高は2021年度に80億ユーロ増加した。インベストメント・バ
ンクの収益は、既に好調であった前年度からさらに4%増加した。プライベート・バンクは230億ユーロの投資商品への正味資
金流入と150億ユーロ(純額)の新規顧客への貸出金を計上した一方で、預金は70億ユーロ増加した。アセット・マネジメント
の正味資金流入額は480億ユーロ、運用資産残高は9,280億ユーロとなり、いずれも過去最高水準となった。
ドイツ銀行のすべての事業分野において、環境、社会およびガバナンス(ESG)の側面を考慮した商品に対する顧客の需要が
大きく伸びた。2021年度末までに、サステナブル投融資商品の提供は1,570億ユーロに達した。したがって、当初2025年度まで
の達成を見込んでいた2,000億ユーロの目標は、このような流れの中で、2022年度にはおそらく達成されると見込まれる。2019
年度以降の経営の最重要課題のひとつであるサステナビリティは、ドイツ銀行の取り組みにおいてますます中心的な位置を占
めるようになっている。
個人目標は短期項目(短期報奨(STA))にまとめられており、変動報酬総額の40%を占めている。監査役会は、2021年度に
おけるこれらの項目の達成度を130%から142%に決定した。全体の組織としての取締役会の業績は、変動報酬総額の60%を占
める長期項目(長期報奨(LTA))に反映される。全体として、2021年度のみに基づく全体目標の達成度は71.21%であった。
この達成度は、2021年度の長期報奨の60%を占めており、30%は2022年度、10%は2023年度となる。過年度における達成度
(2020年度から30%、2019年度から10%)も2021年度の長期報奨に影響し、2021年度における同項目の達成度は、3事業年度の
加重達成度に基づき66.27%となった。個人の達成度の詳細については、「事業年度における報酬制度の適用」の項で本報告書
の概要として記載している。
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報酬決定の原則
2021 年度における取締役会の報酬制度の構造
報酬制度は、非業績連動(固定)項目と業績連動(変動)項目で構成される。固定報酬と変動報酬を合わせて、取締役の報
酬総額を形成する。監査役会は、すべての報酬項目についての目標額と最高額(上限)を定める。
2021 年度における取締役会の報酬
項目 目標 実施項目
業績非連動報酬
基本報酬は、各取締役が担う役割と責任に報いる - 毎月の支払で、年間2.4百万ユーロから3.6百万
ものである。固定報酬は、公正かつ市場志向の収 ユーロの基本報酬
基本給
益を確保し、過度のリスクを回避することを目的 - 社用車および運転手サービス、該当する場合、
としている。さらに、取締役には、経常的なその 引越費用、家賃補助金、保険料および事業代表
付加給付
他の給付金および年金給付のための拠出金が付与 としての費用
される。 - 適切な額の年金を提供するため、650,000ユーロ
年金
の単一かつ契約上合意された年間拠出金または
手当
業績連動報酬
STAは、企業戦略に沿った短期および中期的な企 - 個人の業績に関連する3つの要素を含む、変動報
業目標を達成するために、各取締役が果たす個々 酬総額の40%
の価値貢献に報いるものである。3つの要素から (1)個人目標(20%)
構成されており、各取締役の役割と責任に応じて (2)個人別バランス・スコアカード(10%)
設定され、各取締役の達成度合いによる影響を個
(3)年次優先事項(10%)
別に受ける場合がある。
短期報奨 - 最大目標達成度150%
(STA) - 1年の評価期間
- 4つのトランシェによる現金での支払い(制限付
奨励報奨)- 最短で付与から1年後、3年後、5年
後および7年後
- 達成度100%の目標拠出額は1.640百万ユーロか
ら2.160百万ユーロ
変動報酬の算定は、戦略と結びついた長期的な目 - 4つのグループ目標を含む、変動報酬総額の60%
標を達成することに焦点が置かれる。これを強調 (1)ESG要因(20%)
するため、監査役会は、LTAが変動報酬総額に占 (2)相対的総株主利益率(15%)
める割合を60%として、この項目に重点を置いて (3)本業の資本の成長(15%)
いる。LTAについては、監査役会は各取締役に共 (4)グループ項目(10%):コア資本比率、レバ
通の目標を設定する。2021年度以降、ESG要因は レッジ比率、調整後コスト、有形株主資本利益
LTAの重要な部分を占めている。ドイツ銀行のサ 率
ステナビリティ戦略は、その実行と発展に伴い、 - 最大目標達成度150%
長期報奨
取締役会の報酬と体系的に連動している。 - 重み付け60%(FY)、30%(FY+1)および10%
(LTA)
(FY+2)による3年の評価期間
- 4つのトランシェによる株式のみでの支払い(制
限付株式報奨)- 付与後1年間の保有期間を伴
い、最短で2年後、3年後、4年後および5年後の
支払い
- 達成度100%の目標拠出額は2.460百万ユーロか
ら3.240百万ユーロ
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概要
ドイツ銀行AGの取締役の報酬制度に関する詳細は、当行グループのウェブサイト「2021年1月以降の取締役の報酬制度」に掲
載されている。
目標報酬総額と最高報酬額の構成
監査役会は各取締役に対し、株主総会で承認された報酬制度に基づく目標(参照)報酬総額を決定する。また、ドイツ・
コーポレート・ガバナンス・コードの勧告に従い、固定報酬と短期および長期的な変動報酬が目標報酬総額に占める相対的な
割合も決定する。これに関連して、監査役会は、特に、長期目標の達成に連動する業績連動報酬が、短期目標に連動する業績
連動報酬部分を上回ることを確認している。
各取締役の目標報酬総額を設定する際に、監査役会は、各取締役の職務責任の範囲と複雑性、ならびに各取締役の実績と就
任年数を考慮する。さらに、適切な同業他社の市場データに基づき、報酬額の適切性を見直す。 監査役会は、 これらの基準に
基づき、目標報酬総額に占める報酬項目の割合を以下のように設定した。
各報酬項目に配分された年間目標報酬総額の相対的割合(%)
報酬項目 報酬総額に対する相対的割合(%)
基本給 33-37%
定期的な付加給付 1%
年金勤務費用/年金手当 7-9%
短期報奨 22-23%
長期報奨 33-34%
参照報酬総額 100 %
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取締役の報酬は、複数の方法で制限(上限が設定)されている(最大報酬額)。
ドイツ銀行法(Kreditwesengesetz – KWG)第25a条第5項に従い、変動報酬に対する固定報酬の比率は通常1:1(上限規
制)、すなわち、変動報酬額は固定報酬額を超えてはならないが、当行の株主が1:2まで比率を引き上げることを決議した場
合はこの限りではない。2014年5月の株主総会において、この選択肢を活用し比率を1:2に引き上げた。
監査役会は追加的に、短期目標(STA)および長期目標(LTA)の最大達成度を、目標変動報酬の150%に統一して限定した。
さらに、基本給、STAおよびLTAの合計額に対する9.85百万ユーロの制限(上限)を追加的に明記した。これは、報酬額の増加
につながるような目標達成度であっても、報酬額は9.85百万ユーロを超えてはならないことを意味する。目標達成度を評価し
た後、変動報酬または報酬総額の算定結果が特定の上限を超えた場合には、変動報酬を減額することとしている。これは、STA
とLTAを按分して減額することによって行われる。
基本給および変動報酬の目標額ならびに最大額
2021 年度 2020 年度
2 2
報酬総額 報酬総額
単位:ユーロ 基本給 短期報奨 長期報奨
CEO
目標値 3,600,000 2,160,000 3,240,000 9,000,000 8,700,000
最大値 3,600,000 3,240,000 4,860,000 9,850,000 9,850,000
1
プレジデントおよびPB/AM 担当取締役
目標値 3,000,000 1,760,000 2,640,000 7,400,000 7,400,000
最大値 3,000,000 2,640,000 3,960,000 9,600,000 9,850,000
財務(CFO)およびリスクマネジメント(CRO)
担当取締役
目標値 2,800,000 1,680,000 2,520,000 7,000,000 6,700,000
最大値 2,800,000 2,520,000 3,780,000 9,100,000 9,400,000
その他取締役
目標値 2,400,000 1,640,000 2,460,000 6,500,000 6,500,000
最大値 2,400,000 2,460,000 3,690,000 8,550,000 9,200,000
1 PB = プライベート・バンク/AM = アセット・マネジメント
2 基本給および変動報酬の総額の上限は、監査役会が設定した上限とする。
また、ドイツ株式会社法(AktG)第87a条第1項第2文第1号に基づき、各取締役の報酬総額の上限を12百万ユーロ(最高報酬
額)としている。最高報酬額は、すべての取締役に一律に設定されている。最高報酬額は、該当する事業年度のすべての報酬
項目の合計である。これは、基本給、STAおよびLTAのみならず、企業年金制度または年金手当の付加給付ならびに勤務費用か
ら構成される。
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事業年度における報酬制度の適用
業績非連動項目(固定報酬)
基本給、付加給付および年金制度への拠出または年金手当による固定報酬部分は、業績非連動報酬として役務契約における
個別契約に従い、事業年度内に付与された。
付加給付費用および年金勤務費用の支出額の年額は変動する。ドイツ銀行の年金制度への拠出額は、すべての取締役に対し
て一律に設定されているが、拠出が行われる年度にドイツ銀行が負担する勤務費用の金額は、事業年度内における取締役とし
ての就任年数、取締役の年齢および保険数理上の数値に基づいて変動する(追加情報は「通常の契約終了時の給付」の項に記
載されている。)。
業績連動項目(変動報酬)
監査役会は、報酬統制委員会の提案に基づき、2021年度の取締役の変動報酬を決定した。変動報酬は、目標変動報酬に対す
る重み付けを40%とする短期項目(短期報奨(STA))と、重み付けを60%とする長期項目(長期報奨(LTA))の2つの項目で
構成される。
2021年度の業績評価に使用されたすべての目標、測定および評価基準は、ドイツ銀行の戦略に基づくものであり、株主総会
で承認された報酬制度に沿ったものである。目標は、取締役に適切なインセンティブを設定し、ドイツ銀行の収益拡大と株主
の利益との整合性を促進し、サステナビリティの側面と気候保護を包含することによってドイツ銀行の社会的責任を果たすこ
とを目的として選定された。高い目標は、当行の野心を反映している。目標が達成されない場合、達成度はゼロとなる可能性
もあり、目標を上回る達成をした場合、最大達成度は目標値の150%に制限される。
財務的目標と非財務的目標のバランス
財務的目標および非財務的目標は、目標を設定する際にバランスのとれた方法で考慮される。2021年度の財務的目標が変動
報酬総額に占める割合は約54%であった。財務的目標も非財務的目標も、事業年度末に定量的または定性的に測定可能な方法
で選ばれている。目標の約73%は定量的に測定可能であり、約27%は定性的に測定可能である。
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短期報奨(STA)
2021年度の 短期報奨 額は、短期および中期的な個人および部門目標の達成度に基づいている。STAは以下の3つの要素から構
成され、以下に示すようにSTA内での重み付けがなされている。
- 個人目標(50%)
- 個人別バランス・スコアカード(25%)
- 年次優先事項(25%)
これらの各要素について、監査役会は、前年度中の成果に対する評価を翌年度期首に行い、達成度を決定する。3つの項目の
達成度が各取締役の達成度を決定し、これにより、前年度の短期項目の金額が決定される。
短期報奨の現金価値の判定
* 100 %を基準としている。当期中の就任または退任時期によって按分 。
STAのすべての目標は、1年間にわたって評価される。STA目標の達成度は最大150%とすることができる。目標が達成されな
い場合、達成度はゼロとなる可能性もある。事業年度について決定されるSTAは、通常、現金報酬(制限付奨励報奨)の形式で
付与される。支払いは1年後、3年後、5年後および7年後の4つのトランシェ、すなわち業績期間終了後の7年間の権利確定期間
にわたって、25%ずつ行われる。すべてのトランシェは、この保有期間中において特定の業績および失効条件の対象となる。
監査役会は、取締役と合意した株式保有要件をより迅速に満たすため、現金報酬の代わりに制限付株式報奨の形式でSTAを付与
することを決議することができる。
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個人目標
監査役会は期首に、各取締役の個人および部門目標を設定し、これらの目標それぞれに関する重み付け、および評価のため
の定量的または定性的に測定可能な業績基準を設定する。これに関連して、目標は、業績と報酬の適切な整合性を確保し、
「成果主義」の原則を考慮に入れるために、挑戦的、野心的、かつ十分に具体的なものとなるよう選択される。
個人および部門の目標は、企業戦略から導き出され、その実行を促進するものである。これらは、取締役それぞれの責任分
野およびドイツ銀行の全体的な戦略を推進する上での各自の責任範囲における貢献を考慮して、取締役ごとに設定される。個
人目標は、プロジェクトまたは地域目標として定義することもできる。業務上の施策に加え、戦略的プロジェクトや取組みの
実行が、例えばドイツ銀行の構造、組織、および長期的な発展に寄与することにより戦略の実行に直接的に役立つ場合、目標
として合意することもできる。
2021年度期首に、4つから6つの個人目標が異なる重み付けで、各取締役に設定された。2021年5月1日付の取締役会の変更を
踏まえ、当該年度中に業務分掌計画の調整が行われた。そのため、これらの目標は、新たな職務責任の分野を反映するよう調
整された。したがって、取締役には、当年度の特定期間のみに適用されたものを含め、最大で8つの目標が設定された。当年度
中に適用されたすべての目標は、重み付けと適用される期間に応じた按分に従い、年度末評価において考慮された。以下の概
要は、監査役会で決議された取締役に対する目標を、その目標カテゴリーおよび通年に対して按分された重み付けごとに示し
たものである。
重み付け
取締役 期間 (%) 個人目標
Christian Sewing 1月-12月 21.67% ドイツ銀行の文化とビジョンを引き続き発展させる
20.00% ドイツ銀行グループの戦略実行およびグループ目標の達成
15.00% 誠実性と行動を重視し、ドイツ銀行の文化をさらに進化させる
10.00% 銀行全体におけるESGとサステナブル・バンキング戦略を実行
10.00% 主要な政治的利害関係者とのポジショニングを強化
1月-4月 コーポレート・バンクとインベストメント・バンクが持続可能な
6.67% 収益性を達成するための戦略を実行
3.33% 金融犯罪分野における重要な改善活動の確実な実施
5月-12月 13.33% 人事部門と不動産部門の改革の監督
Karl von Rohr 1月-12月 40.00% プライベート・バンクの戦略遂行
20.00% ドイツおよびEMEA地域を監視
15.00% DWSの会長としてDWS戦略の遂行を支援
10.00% 金融犯罪分野における重要な改善活動の確実な実施
10.00% 誠実性と行動を重視し、ドイツ銀行の文化をさらに進化させる
5.00% グループ全体の2021年度財務目標を達成
Fabrizio Campelli 1月-4月 16.67% ドイツ銀行の改革議題の推進
8.33% 人事部門の改革を管理
5.00% ドイツ銀行全体での取締役会の優先事項を推進
1月-12月 10.00% 誠実性と行動を重視し、ドイツ銀行の文化をさらに進化させる
5月-12月 コーポレート・バンクとインベストメント・バンクが持続可能な
24.58% 収益性を達成するための戦略を実行
16.67% 金融犯罪分野における重要な改善活動の確実な実施
コーポレート・バンクとインベストメント・バンクのフロントオ
14.58% フィスとバックオフィスの連携を強化
8月-12月 4.17% 英国・アイルランド地域の監督
Bernd Leukert 1月-12月 36.67% テクノロジー、データおよびイノベーションの戦略実行
20.00% テクノロジー:IT構造を引き続き改善
16.67% データ:品質向上の推進
イノベーション:顧客中心のテクノロジー・アプローチを当行全
15.00% 体で推進
5.00% 誠実性と行動を重視し、ドイツ銀行の文化をさらに進化させる
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5月-12月 6.67% 前COOの担当下に特定の領域を統合
Stuart Lewis 1月-12月 30.00% 当行全体に強固なリスク・リターン文化を醸成
23.75% リスク組織を引き続き整備・強化
22.08% 規制および内部監査の指摘事項への対応
8.33% 誠実性と行動を重視し、ドイツ銀行の文化をさらに進化させる
1月-4月 10.00% 金融犯罪分野における重要な改善活動の確実な実施
1月-7月 5.83% 英国・アイルランド地域の監督
1月-12月 40.00% グループ業績管理によるグループ財務計画の確実な実行
James von Moltke
25.00% 投資家や格付機関とのエンゲージメント強化
15.00% バランスシートと流動性の最適化
15.00% 財務およびアナリティクス強化を含めたグループ財務戦略の実行
5.00% 誠実性と行動を重視し、ドイツ銀行の文化をさらに進化させる
Alexander von zur 1月-12月 40.00% APAC地域の戦略実行
Mühlen
30.00% APACフランチャイズと顧客重視の強化
20.00% 金融犯罪分野における重要な改善活動の確実な実施
10.00% 誠実性と行動を重視し、ドイツ銀行の文化をさらに進化させる
Christiana Riley 1月-12月 30.00% 北米・南米地域戦略の実行
25.00% 米国当局との連携強化
20.00% 金融犯罪分野における重要な改善活動の確実な実施
20.00% 顧客エンゲージメントの強化
5.00% 誠実性と行動を重視し、ドイツ銀行の文化をさらに進化させる
Rebecca Short 5月-12月 30.00% キャピタル・リリース・ユニットでのコスト削減を推進
30.00% ドイツ銀行の改革議題の推進
30.00% 直接費削減を推進
10.00% 誠実性と行動を重視し、ドイツ銀行の文化をさらに進化させる
1月-12月 26.67% 銀行全体の訴訟ポートフォリオのさらなる減少
Prof. Dr. Stefan
Simon 25.00% 規制当局との戦略的連携の強化
13.33% 設定および実行を含む方針の見直しを推進
8.33% 誠実性と行動を重視し、ドイツ銀行の文化をさらに進化させる
5月-12月 26.67% 金融犯罪分野における重要な改善活動の確実な実施
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定性的目標については、監査役会は、期首(および2021年5月1日付の目標再調整時)に期待値ならびに財務および/または
非財務的業績基準を設定した。これにより、監査役会は、対象年度の翌年度期首に評価される、目標の具体的な実行に対する
各取締役の貢献度を客観的に評価することができる。個人目標に沿って決定された達成度は、予め定義された重み付けに従っ
て合算され、各取締役の平均値が算出される。決定された達成度にSTAの変動報酬目標額の50%を乗じた金額が、個人目標を構
成する項目について計算された支払額となる。
個人目標の達成度は、2021年度において123%から146%であった。当年度における取締役の個人別業績貢献度の全体的な達
成度の概要は、このサブセクションの終わりに記載されている。
個人別バランス・スコアカード
個人目標に加えて、短期報奨(STA)は、取締役の個人別バランス・スコアカードの結果にも基づいている。バランス・スコ
アカードにより、具体的な行動を通じて、戦略的目標を業務における実務に落とし込むことが可能となる。バランス・スコア
カードにより、当行は、重要業績評価指標を推進および管理する適切なツールを有している。重要業績評価指標は、財務目標
および非財務目標の達成度を予め定義された測定パラメータと照らし合わせて確認し、また、対象年度の業績を翌年度期首に
透明性をもって測定するために使用できる。同時に、バランス・スコアカードは、グループ全体の各部門の優先事項を概観す
るものである。各取締役の職務責任は、予め定められた主要な財務数値および様々なカテゴリーの非財務目標に紐づいてい
る。合計53の重要業績評価指標(KPI)がこれらのカテゴリーに割り当てられており、そのうち10から28が、職務責任の領域と
それぞれのスコアカードの数に応じて、各取締役に関連している。以下の図は、特に一般的に適用される、それらのカテゴ
リーと一部のKPIを示している。
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バランス・スコアカードの手法は、導入以来継続的に改良され、変化する要件に合わせて調整されている。環境、社会およ
びガバナンス(ESG)の側面とサステナビリティを報酬制度とより密接に関連づけるために、2021年度にはこれらのトピックを
さらに考慮するようになった。
個々のカテゴリー内の目標は、取締役ごとに期首に設定され、それに対応する重要業績評価指標またはパラメータが割り当
てられる。さらに、各カテゴリーに比率の重み付けが設定されている。全体的なバランス・スコアカードにおける個々のカテ
ゴリーの重み付けは、取締役の職務責任に応じて最大65%とすることができる。バランス・スコアカード内の目標は、個人目
標が複数回にわたって検討され評価されることを回避するために、サブ項目である「個人目標」と同じ目標にすることはでき
ない。
バランス・スコアカードの重要業績評価指標は年間を通じて継続的に測定され、全体的な評価は期末に行われる。各個人目
標について、バランス・スコアカードは、定められた業績基準に基づいて、達成されたまたはそれを超えた(「緑」)、100%
未満の達成であった(「アンバー」)、または達成されなかった(「赤」)かを示す。カテゴリーのすべての目標を超える
と、達成度は最大150%となる。しかし、カテゴリーの目標が達成されていない場合は、達成度は0%である。3つのカテゴリー
の全体的な達成度とその重み付けから、個々のバランス・スコアカードの全体的な達成度が導き出される。
1 KPIカテゴリーの結果のレンジ:緑(100-150%)、緑からアンバー(75-125%)、緑から赤(50-100%)、アンバーから赤(25-75%)、
赤(0%)。
2021年度の個人別バランス・スコアカードの達成度は100%から147%であった。2021年度における取締役の個人別業績貢献
度の全体的な達成度の概要は、このサブセクションの終わりに記載されている
年次優先事項
監査役会は、年次優先事項を用いて、各取締役に予め一貫して定義された年度の重点トピックに対する収益性および各取締
役の業績貢献度を評価する。これらの重点トピックは、ドイツ銀行の戦略から導き出されたものであり、戦略をさらに支援す
ることを目的としている。重点トピックは、同じ目標が複数回にわたって検討または評価されることを回避するために、個人
目標やバランス・スコアカードとは異なるものとする。これにより、現在の優先事項や戦略実行の段階に応じて、業務上の重
点項目を年次で設定することが可能となる。評価に用いられる業績基準は、財務的および非財務的な性質の両方を有すること
ができる。
2021年度について、監査役会は、以下の領域に関連する年次優先事項として、重点トピックを特定した。
- 企業戦略/改革
- リスク管理
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企業戦略/改革分野においては、監査役会は、各取締役に割り当てられ、年間を通じて測定される「ブック・オブ・ワー
ク」における企業戦略および改革戦略に係るプロジェクト関連活動の達成度を評価する。各活動はさらに、定量的な測定を可
能にする測定基準と結びついている。これに基づいて、各取締役の業績達成度を事業年度末に導き出すことができる。
リスク管理に関しては、監査役会は、特にリスク管理の観点から、事業年度中に発生した特定事象、また、時には予期せぬ
事象や進展に対して、各取締役がどのように対応したかを評価する。その達成度は期末に定性的に評価される。
年次優先事項の達成度は、2021年度において125%から150%であった。事業年度における取締役の個人別業績貢献度の全体
的な達成度の概要は、このサブセクションの終わりに記載されている。
短期報奨の全体的な達成
2021年度について、監査役会が特定した短期報奨の3つの項目の目標に関連する達成度に基づいて、以下の全体的な達成度が
取締役に対して決定されている。
短期報奨全体の実績
目標値 目標達成度 STA 全体の達成度
(単位:ユーロ) (単位:%) (単位:ユーロ)
Christian Sewing 2,160,000 142% 3,065,400
Karl von Rohr 1,760,000 136% 2,393,600
Fabrizio Campelli 1,640,000 135% 2,218,783
Bernd Leukert 1,640,000 132% 2,161,383
Stuart Lewis 1,680,000 134% 2,258,200
James von Moltke 1,680,000 136% 2,278,500
Alexander von zur Mühlen 1,640,000 130% 2,132,000
Christiana Riley 1,640,000 132% 2,162,750
1
Rebecca Short 1,093,333 132% 1,440,467
Prof. Dr. Stefan Simon 1,640,000 130% 2,134,050
2
Frank Kuhnke 546,667 116% 634,133
1 2021年5月1日就任。
2 2021年4月30日退任。退任に伴い目標達成度が決定された。
長期報奨(LTA)
各報酬額を決定する際には、ドイツ銀行の戦略と結び付いた長期目標の達成が重視される。この点を強調するため、監査役
会は、LTAの目標変動報酬総額に占める割合を60%とすることを決定した。各事業年度の期首に、監査役会は、LTAに係る取締
役の長期全体目標を定める。2021年度のLTAにおける目標および重み付けは以下のとおりである。
- ESG要因(33.33%)
- ドイツ銀行株式の相対的総株主利益率(25%)
- 本業の資本の成長(25%)
- グループ項目(16.67%)
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ドイツ銀行株式の相対的総株主利益率(RTSR)および本業の資本の成長は、2017年度年次株主総会で報酬制度が承認されて
以降、すでにLTA評価の基礎となっており、LTAの測定に用いられている。取締役会の報酬と当行のサステナビリティ戦略との
整合性を保つため、2020年度まで適用された顧客および文化要因は、2021年度から新たに導入されたESG要因に移管された。
ESG要因の重要性は、変動報酬総額に対する重み付けが20%であることに加え、LTA内で最も高い33.33%の重み付けであること
によって特に強調される。コア資本、レバレッジ比率、費用および株主資本利益率といったグループ項目の基礎となる目標を
継続することにより、ドイツ銀行の資本、リスク、費用および収益プロファイルに関するこれらの測定指標の長期的なトラッ
キングが確実に実施される。グループ項目をSTAからLTAに移管することにより、長期項目における取締役のすべての全体目標
がまとめられ、取締役全員の報酬に関連する側面として、サステナビリティへの貢献が強調される。
LTAのすべての目標は3年間にわたって評価される。各事業年度末に、監査役会は前年度の全体目標の各達成度を決定する。
LTAの各目標の目標額の60%に、決定された達成度を乗じた金額が、前事業年度の変動報酬となる。翌年度に、目標額の30%に
それぞれの達成度を乗じ、翌々年度は10%とする。これにより、3事業年度の達成度の加重結果が、各年度に決定されるLTAの
金額に反映される。
LTA目標の達成度は最大150%とすることができる。目標が達成されなければ、達成度はゼロになる可能性がある。一事業年
度について決定されたLTAは、制限付株式報奨の形式で付与され、5年間の繰延期間にわたり、2年後、3年後、4年後および5年
後の4つのトランシェで権利が確定し、当該期間の株価のパフォーマンスによって変動する。権利確定する各トランシェには、
さらに1年間の保有期間が設定される。これにより、取締役は、最初のLTAトランシェについては最短で3年後に、全額について
は6年後のみに処分できる。繰延期間および保有期間中、トランシェは特定の業績および失効条件の対象となる。
ESG 要因
ドイツ銀行は、金融セクターにおけるサステナビリティ関連のイニシアティブを率先して主導し、より環境的に、社会的
に、そして財務的に十分にガバナンスがとれた経済に貢献することを目指している。当行グループのサステナビリティ戦略と
取締役会の報酬を緊密かつ一貫性をもって結びつけるため、監査役会は、当行グループの戦略的サステナビリティ目標を環
境、社会およびガバナンス・マトリクス(ESGマトリクス)に統合し、その結果を全体目標の1つであるESG要因としてLTA内で
実行することを決議した。
この目的で、コーポレート・ガバナンス、統制環境および金融犯罪防止の改善策に関連する目標および目的は、2020年度ま
で適用されていた顧客および文化要因にまとめられ、環境および社会の側面を含めるまでに拡大し、新たに導入されたESGマト
リクスに統合された。
ESG要因はLTAの33.33%で、最も大きな割合を占めている。これは変動報酬総額の20%に相当し、ドイツ銀行にとってのESG
アジェンダの重要性を強調している。各事業年度の期首に、監査役会は、ESGマトリクスにまとめられたすべての目標につい
て、目標値ならびに上限および下限を設定する。これらの固定の基準値をもとに、前年実績の評価を遡及して行う。下図は、
2021年度の目標値、期末実績およびその達成度を示したものである。
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2021年度において、ESGマトリクスの業績数値は、予め定めた目標値ならびに上限および下限を基準として、以下のとおり策
定された。
- 2020年度末までのサステナブル投融資の総額460億ユーロに基づき設定した、2021年度の310億ユーロの増加目標について
は、総額1,570億ユーロに達する1,110億ユーロの増加と、実績は目標を明らかに上回った。これは目標値が最大150%の達
成度に達したことを意味する。監査役会は、この変動が、2022年度についてより野心的な目標を設定する根拠となると考
え、この目標が取締役にとってより強力なインセンティブとなる。(「2022年度の見通し」の項を参照のこと。)。
- 環境における2つ目の目標、すなわち当行グループの事業は、期末現在、当行のエネルギー消費の87%が再生可能エネル
ギーで占められている。目標を80%、上限を90%とした場合のこの目標の達成度は135%であった。
- 建物関連のエネルギー総消費量は、2021年度は2019年度比で19.2%と順調に削減された。目標値の15%削減を上回ったた
め150%の達成度となった。
- 社会面では、直近の従業員調査に基づいて「従業員のフィードバック文化」の目標を測定し、通年で70%を達成したこと
を決定した。この結果、2021年度の達成度は100%となった。
- しかしながら、ジェンダーの多様性に関しては、目標値を下回る状況が続いている。この分野での達成度は80%であっ
た。
- ガバナンス分野においてこれまでの顧客および文化要因から引き継いだ2つの業績指標は、いわゆる統制環境評価グレード
では50%、経済犯罪対策、マネーロンダリング対策および規制要件の遵守では42%の達成度となった。
個人目標の加重達成度から、2021年度のESG要因の全体的な達成度を89.38%と算出した。ESG要因に帰属する目標変動報酬の
60%に、2021年度の全体的な目標達成度を乗じることにより、2021年度について付与される変動報酬の最大部分を決定する。
目標報酬額の30%は、2020年度に適用された顧客および文化要因の達成度に応じて37.5%とし、10%は、2019年度の達成度に
基づき50%とした。この結果、LTAのうちESG要因に帰属する部分を付与するための全体的な加重目標達成度は69.88%となる。
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相対的総株主利益率(RTSR)
当行の主要な戦略目標は、競合他社の株式のパフォーマンスと比較したドイツ銀行株式のパフォーマンス(相対的総株主利
益率(RTSR))である。ドイツ銀行株式のRTSRの目標は、選定された金融機関と比較して、ドイツ銀行株式の持続的パフォー
マンスを強化することを意図している。RTSRは、取締役の利益と株主の利益を結びつける。さらに、RTSRはパフォーマンスを
相対的に測定し、関連する同業他社を上回るためのインセンティブを生み出している。
RTSRは、選定された同業他社グループの平均総株主利益率に対して、ドイツ銀行株式の総株主利益率を算出したものであ
る。総株主利益率は、株価パフォーマンスに、理論的に再投資された総配当額を加算したものとして定義される。RTSRは、同
業他社グループの平均総株主利益率に対して、ドイツ銀行株式の総株主利益率に基づいてパーセンテージで算出される。RTSR
平均が100%を超える場合には、目標達成度は目標値の上限150%まで比例して増加する。すなわち、100%を超えてからは、1
パーセンテージ・ポイント増加するごとに目標達成度は1%増加する。RTSR平均が100%未満の場合には、目標達成度は不均等
に減少する。RTSRが80%から100%未満の範囲においては、1パーセンテージ・ポイント減少するごとに目標達成度は2パーセン
テージ・ポイント減少する。60%未満から80%未満の範囲においては、1パーセンテージ・ポイント減少するごとに目標達成度
が3パーセンテージ・ポイント減少する。RTSRが評価期間全体で60%を超えない場合は、目標達成度はゼロとなる。
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RTSRの計算の基礎として使用される同業他社グループは、基本的に類似の事業活動ならびに類似の規模および国際的存在を
有する会社から選定される。監査役会は、同業他社グループ構成の見直しを定期的に行う。2021年度におけるRTSRの同業他社
グループは、Banco Santander、BNP Paribas、HSBC、UBS、Bank of America、Citigroup、JP Morgan Chase、UniCredit、
Barclays、Credit SuisseおよびSociété Généraleの11行で構成される。
2021年度、ドイツ銀行の株価は123.1%上昇し、同業他社グループの11行中(平均株価プラス130.6%)、4行の株価を上回る
水準で推移したが、同業他社グループの平均株価を下回ったまま推移した。その結果、2021年度の達成度は88%となった。
RTSRに帰属する目標変動報酬の60%に、2021年度の全体的な達成度を乗じる。目標報酬の30%は2020年度の達成度160%に、
10%は2019年度の達成度60%に基づき決定される。この結果、LTAのうちRTSRに帰属する部分を付与するための全体的な加重目
標達成度は106.8%となる。
本業の資本の成長
ドイツ銀行のもう一つの重要な目標は、その成長である。監査役会は、取締役が成長を促進するインセンティブとして、純
額ベースでの本業の資本の成長をLTAの長期目標と定義した。
本業の資本の成長は、以下に列挙した当事業年度中に発生した残額変動額(連結持分変動計算書に記載されている。)を前
事業年度の12月31日現在の株主持分合計で除したものと定義される。
- 税引後包括利益合計
- 税引後追加資本項目のクーポン
- 税引後確定給付年金制度の再測定利益(損失)
- オプションプレミアムおよびドイツ銀行株式に対するオプションのその他影響
- 自己株式売却純利益(損失)
これらに基づき、「本業とは関係のない」株主資本変動額、特に配当金の支払いまたは増資は目標達成には含まれない。
目標達成度は、本業の資本の成長率の平均2.5%(下限)から始まり、0.05%の成長ごとに1%増加し、上限は150%(本業の
資本の成長率が10%以上(上限)となった場合がこれに該当する。)である。資本の成長率が2.5%を超えない場合、目標達成
度はゼロである。
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本業の資本の成長と達成度
上記の定義に基づく本業の資本の成長は、2021年度に3.83%とプラスに推移し、3年ぶりに下限の2.5%を上回り、これによ
り達成度は26%となった。本業の資本の成長に帰属する目標変動報酬の60%に、2021年度の全体的な達成度を乗じる。目標報
酬の30%は2020年度の達成度0%に、10%は2019年度の達成度0%に基づき決定される。この結果、LTAのうち本業の資本の成長
に帰属する部分を付与するための全体的な加重達成度は15.6%となる。
グループ項目
グループ項目を通じ、監査役会は、企業戦略を支える主要な財務数値を取締役会の報酬と結びつけることにより、当行の資
本、リスク、費用および利益プロファイルを持続的に促進するインセンティブを確立する。また、グループ項目は、従業員の
報酬制度の項目であるため、従業員の報酬を結び付けるものでもある。
監査役会は、グループ項目をSTAから除外し、LTAに4つ目の目標として統合することを決議した。その結果、全体として達成
すべき目標はすべて長期的な項目にまとめられている。3年間にわたる測定は、これらの目標を長期的に監視するものである。
グループ項目の主要財務数値について、2017年度以降変更はない。
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LTAグループ項目
コア資本比率 当行グループのリスク・ウェイテッド・アセットに対する当行グループの
普通株式等Tier 1資本比率
レバレッジ比率 自己資本規制/所要自己資本指令4の定義に従ったレバレッジ・エクスポー
ジャー総額に対する当行グループのコア資本の比率
調整後費用(改革費用を除く。) 利息以外の費用合計(改革費用、再構築、解雇および訴訟費用、ならびに
のれんおよびその他の無形資産の減損を除く。)
有形株主資本利益率 平均有形株主資本に対する株主に帰属する当期純利益(または当期純損
失)の比率。後者は、株主資本からのれんおよびその他の無形資産を控除
して決定される。
上記の4つの目標は、均等に重み付けされている。評価期間中に業績評価基準に基づく目標が達成されない場合、監査役会は
グループ項目について付与しない旨を決定する可能性がある。
2021年度において、LTAのグループ項目の4つの業績指標は次のとおり推移した。普通株式等Tier 1資本比率(CET 1)および
レバレッジ比率(追加情報はリスク報告書の「レバレッジ比率」の項に記載されている。)の目標達成度は100%、調整後利息
以外の費用の目標達成度は20%となった。当行グループの有形株主資本利益率の目標の達成度は、2021年度に90%に達した。
グループ項目の4つの目標すべてに均等に重み付けされた全体的な達成度は77.5%であった。グループ項目に帰属する目標変
動報酬の60%に、2021年度の全体的な達成度を乗じる。目標報酬額の30%は2020年度の達成度72.5%に、10%は2019年度の達
成度60%に基づき決定された。この結果、LTAのうちグループ項目に帰属する部分を付与するための全体的な加重達成度は
74.25%となる。
長期報奨の 全体的な達成度
LTA の
単位:% 目標 相対的部分 目標達成度 全体的な達成度
ESG要因 33.33% 69.88% 66.27%
長期報奨( 3 年間累計)
相対的総株主利益率 25.00% 106.80% 0.00%
本業の資本の成長 25.00% 15.60% 0.00%
グループ項目 16.67% 74.25% 0.00%
取締役会の報酬の適切性および設定された最高報酬額の遵守状況
監査役会は、個々の報酬項目の適切性および報酬総額を定期的に見直す。取締役会の報酬の適切性の見直しにおいて、2021
年度の達成度に基づく取締役会の報酬は適切であると結論付けた。
水平的な適切性
水平比較を通じて、監査役会は、目標とする報酬総額が、取締役会の責務および成果ならびに当行の状況および市場慣行に
照らして適切であることを確認する。これに関連して、特に、類似する企業(同業他社グループ)における報酬の水準と構造
が検討される。ドイツ銀行の市場ポジション(とりわけ、事業セクター、規模および国)を考慮した適切な会社が比較対象と
して使用される。水平的な適切性の評価は、以下の3つの同業他社グループと比較して行われる。
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取締役会の報酬の水平的な適切性は、監査役会により毎年見直される。監査役会は、水平的な適切性の見直しに外部の報酬
顧問を定期的に従事させ、また、これらの顧問が取締役会およびドイツ銀行から独立していることを確認する。監査役会は、
取締役の報酬総額の目標設定にあたり、見直しの結果を考慮する。
垂直的 な適切性
水平比較に加えて、監査役会は、取締役の報酬と従業員の報酬を比較する垂直比較を検討する。垂直比較においては、監査
役会は、特に、ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コードに従い、一定期間における報酬の推移を検討する。これには、取
締役会の報酬と2つの従業員グループの報酬を比較することが含まれる。検討されるのは、上級経営陣の報酬であり、取締役会
より1つ下のレベルの管理職、各部門の上級幹部委員会メンバー、ドイツ銀行グループ内の重要な機関の取締役、経営責任を有
する取締役会・レベル1の役員で構成される。一方、上級経営陣の報酬は、世界中のドイツ銀行グループのその他のすべての従
業員(労働協約適用対象従業員および労働協約適用対象外の従業員)の報酬と比較される。
設定された最高報酬額(上限)の遵守状況
最高報酬限度額(上限)は、各取締役に対して12百万ユーロに設定されている。これは、事業年度に付与された報酬の実際
の費用および/または実際の支出に基づいている。基本給は固定額である。付加給付の費用は、各年度において取締役によっ
て異なる。ドイツ銀行の年金制度への拠出額または年金手当は、すべての取締役に対して同額に設定されている。しかしなが
ら、ドイツ銀行の年金勤務費用について期中に当行が認識すべき金額は、保険数理上の変数に基づいて変動する。STAおよび
LTAの複数年の変動報酬項目の費用額は、繰延期間のため最長7年までは確定しないため、2021年度に設定された最高報酬限度
額の遵守は、最長2029年度までの事業年度の報酬報告書の枠組みでしか決定できない。しかしながら、ドイツ株式会社法
(AktG)第87a条に規定されている最高報酬限度額の遵守は、2021年度においては既に保証されている。
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繰延および保有期間
銀行の報酬制度監督要件に関する規制(InstitutsVergV)は、取締役の変動報酬の決定について3年の評価期間を設けること
が一般的であると規定している。ドイツ銀行は、この要件に従い、LTAの各目標を3年間にわたって評価している。取締役が当
行グループに最近加わったばかりであるため、関連する3年間を当該取締役に帰属させられない場合は、目標達成度は当該取締
役に帰属させることが可能な期間について決定する。LTAの繰延期間は、原則5年である。評価期間が所定の最短期間に満たな
い場合、付与される変動報酬の繰延期間は、評価期間に満たない年数分、延長される。STAの評価期間は1年である。STAの繰延
期間は原則7年である。
LTAは、株式に基づく商品(制限付株式報奨(以下「REA」という。)の形式で付与される。支払いは、4つのトランシェで5
年間の繰延期間にわたって、業績期間終了後の2年目に40%のトランシェ、業績期間終了後3年目、4年目および5年目に各20%
の3つのトランシェで行われる。繰延期間後は、各トランシェのREAにも1年間の追加の保有期間が適用される。したがって、取
締役は、REAの原資産である株式を最短で3年後、またそのすべてを6年後まで処分できない。繰延期間および保有期間中、REA
の価値はドイツ銀行株式のパフォーマンスに連動するため、当行の長期的な業績に連動し、その結果、取締役のインセンティ
ブとドイツ銀行の業績との整合性が強化される。
STAは通常、繰延現金報酬(制限付奨励報奨、以下「RIA」という。)の形式で付与される。評価期間終了後1年目、3年目、5
年目および7年目の合計7年間にわたり、各25%ずつ4つのトランシェで支払われる。しかし、STAが変動報酬総額の50%を超え
る場合、50%を超える部分も制限付株式報奨の形式で付与される。これは、規制要件に従い、変動報酬総額の最低50%は株式
に基づく報酬の形式で付与されるようにするためである。50%を超える部分については、LTAからの株式報酬と同様の繰延規則
が適用される。
ドイツ銀行の米国における一部の事業体で特定機能を担う者については、適用される規制により、上述の制限付株式報奨と
制限付奨励報奨ではなく、別の制度に基づき報酬を受け取ることが要求される。これらの者への制限付報酬は、制限付株式報
奨と制限付現金報奨で構成される。当該受給者は報奨日から当該報奨の実質的受益者となり、当該報奨は受給者のために保持
される。これらの報奨は、(業績条件と失効規定を含む、適用される制度規則および報奨ステートメントに従い)一定期間の
制限付である。この制限期間は、ドイツ銀行に適用される通常の繰延報酬の保有期間と整合している。ドイツ銀行AGの取締役
会でこれらの規則が適用されるのは、ドイツ銀行USA Corp.のCEOとしての役割からChristiana Riley氏である。
RIAおよびREAには、繰延および保有期間中に特定の失効条件が適用される(追加情報は「バックテスト、マルスおよびク
ローバック」の項に記載されている。)。
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バックテスト、マルスおよびクローバック
報酬項目を複数年にわたって繰延形式で付与することにより、長期的なインセンティブが生み出される。さらに、個々のト
ランシェは、権利が確定するまで特定の失効条件の対象となる。
監査役会は、取締役が過去に達成した結果が持続可能であるかを定期的に見直している(バックテスト)。変動報奨の付与
によって報いた成果がサステナブルでないことが判明した場合、当該報奨の一部または全部が失効する場合がある。
また、当行グループの業績がマイナスとなった場合、以前に付与された変動報奨の全部または一部が失効することを繰延期
間中に宣言される場合がある。さらに、特定のソルベンシーまたは流動性の条件を満たしていない場合には、当該報奨の全部
または一部が失効する場合がある。さらに、報奨は、個人の不正行為(規制の違反を含む。)、正当な理由のある解雇、また
は個人が業績にマイナスの貢献をすることによっても全部または一部が失効する場合がある(マルス)。
さらに、銀行の報酬制度監督要件に関する規制第18条第5項および第20条第6項(InstitutsVergV)の規定に従い、取締役の
契約は、特定の取締役個人が業績にマイナスの貢献をした場合に、監査役会が既に支払われた、または交付された報酬の返還
を要求することも認めている(クローバック)。クローバックは、各事業年度に関して繰延形式で付与された報酬項目の最後
のトランシェの繰延期間終了から最長2年間、当該事業年度の変動報酬全体について可能である。
監査役会は、各支払期日の前に適宜、取締役会の変動報酬項目の全額または一部の失効(マルス)または返済要求(クロー
バック)の可能性を定期的に見直している。2021年度に、監査役会は、変動報酬の失効を部分的に宣言することができるとい
う選択肢を活用し、2021年2月3日の当該会議において、2019年3月1日付で元取締役に制限付奨励報奨の形式で付与された変動
報酬の一部を失効させることを決議した。
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株式に関する情報および株式所有義務の履行状況 (株式保有ガイドライン)
すべての取締役は一定数のドイツ銀行株式を相当数取得し、長期保有しなければならない。この要件は取締役本人とドイツ
銀行および株主との一体化を促進し、ドイツ銀行の事業の発展に長期的な結び付きを確保することを目的とする。
最高経営責任者については、保有する株式数は年間基本給の総額の200%に相当し、その他の取締役については、年間基本給
の100%に相当する。株式所有義務の要件は、まず、取締役に任命以降(待機期間)に付与された株式に基づく変動報酬の合計
が、株式所有義務の1.33倍に相当した日に履行されなければならない。要件の遵守状況は半期ごとに見直される。株式の必要
数を満たしてない場合、取締役は次回の見直しまでに不足を是正しなければならない。
変動報酬の付与に関連して、監査役会は、株式所有義務が履行されるまで、LTAのみならず、STAの一部またはSTAの全体を株
式で付与することを個別に決議することができる。これにより、株式所有義務のより迅速な遵守が保証される。
取締役
以下の表は、2021年2月19日および2022年2月11日現在において現取締役が保有している発行済株式報奨の数ならびに当該期
間中に新たに付与、交付または失効した株式報奨の数を示している。
2021 年2月19日 2022 年2月11日
取締役 現在の残高 付与数 交付数 失効数 現在の残高
Christian Sewing
485,115 208,115 - - 693,230
Karl von Rohr
392,851 153,343 26,356 - 519,839
Fabrizio Campelli
278,603 145,836 85,540 - 338,899
Bernd Leukert
25,309 136,115 10,124 - 151,300
Stuart Lewis
348,142 134,859 – - 483,001
James von Moltke
430,513 145,836 11,884 - 564,465
Alexander von zur Mühlen
251,256 103,422 76,397 - 278,282
1 2 3
134,859 102,354 248,345
Christiana Riley
215,841 -
4
Rebecca Short
- - - - 92,754
Prof. Dr. Stefan Simon
31,740 130,329 12,696 - 149,373
1 基礎となる制度に基づき、当初付与された制限付株式134,859株は付与時に課税され、70,917株は税引後ベースとして残る。 「繰延および
保有期間」の項にある対応する図を参照のこと。
2 関連する制度に基づき支払うべき課税額をカバーするために付与された株式報奨63,942株が含まれる(脚注1参照)。
3 基礎となる制度に基づく正味70,917株の権利を含む(脚注1参照)。
4 2021年5月1日就任。
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以下の表は、2021年2月19日および2022年2月11日の報告日現在において、現取締役が保有しているドイツ銀行株式総数なら
びに株式に基づく報奨および株式所有義務の充足度を示している。
2022 年2月11日現在
うち、株式所
義務の対象と
なる制限付株 株式所義務の
制限付株式
式報奨/ 対象となるド
2021 年 報奨/
発行済株式 イツ銀行株式 株式保有義
必要な株式
発行済株式数
2月19日現在 数の75% および制限付 務を
所有義務の
ドイツ銀行 ドイツ銀行 (追加の保有 株式報奨/発 履行しなけ
(追加の保有
水準
株式数 株式数 期間で繰延) 行済株式数 れば
期間で繰延)
(単位:
ならない 充足率
(単位: (単位: (単位: (単位: (単位:
1
ユニット)
取締役 ユニット) ユニット) ユニット) ユニット) ユニット) 有/無 (単位:%)
Christian
163,665 192,000 693,230 519,923 711,923 無 500,069 142%
Sewing
Karl von
17,283 30,058 519,839 389,879 419,937 有 208,362 202%
Rohr
Fabrizio
86,303 132,010 338,899 254,174 386,184 無 166,690 232%
Campelli
Bernd
1,500 7,882 151,300 113,475 121,357 無 166,690 73%
Leukert
Stuart
174,434 174,434 483,001 362,251 536,685 有 194,471 276%
Lewis
James von
68,486 74,753 564,465 423,349 498,102 有 194,471 256%
Moltke
Alexander
von zur 270,333 320,829 278,282 208,712 529,541 無 166,690 318%
Mühlen
Christiana
55,082 82,504 248,345 186,259 268,763 無 166,690 161%
Riley
Rebecca
0 36,451 92,754 69,566 106,017 無 166,690 64%
2
Short
Prof. Dr.
Stefan 0 0 149,373 112,030 112,030 無 166,690 67%
Simon
合計 837,086 1,050,921 3,519,488 2,639,616 3,690,537
1 株式所有義務の対象となるドイツ銀行株式および株式報奨/発行済株式総額の算定は、14.3980ユーロ(2022年2月11日のXetraの終値)の
株価に基づいている。
2 2021年5月1日就任。
すべての取締役は、2021年度における株式所有義務を履行しているか、または現在、待機期間中にある。
取締役会会長であるSewing氏は、同氏の月次給与純額の15%をドイツ銀行株式に2019年9月から2022年12月末まで投資するこ
とに自発的にコミットしている。いずれの場合にも、毎月22日またはその取引日の翌日に購入される。
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マンデート終了時点の給付
通常の契約終了時の給付
監査役会は、取締役に年金制度給付の受給権を配分する。これらの受給権は確定拠出年金制度に関連するものである。この
年金制度では、取締役就任時点で、参加する取締役に個人の年金口座が設定される。
取締役会会長を含む取締役は一律、契約上確定した固定金額に基づく650,000ユーロの年間拠出金を受け取る。拠出金には、
年齢関連要因によって60歳まで利息が事前に発生する。初選任に伴う受給権または2021年度以降の再任に伴う受給権について
は、利息は年平均2%で発生し、従来の受給権については4%となる。61歳以降は、前年12月31日現在の年金口座残高に対し、
上記金利を適用したことにより生じる額と同額の拠出金が年金口座に振り込まれる。年間拠出額は、合算で、(退職年齢、障
害または死亡)の年金事象が発生した場合に将来の年金給付を行うために利用可能な年金資本額を構成している。年金口座残高
は当初から権利確定している。
取締役がドイツ以外の所得税を課されている場合、年額650,000ユーロの年金手当を確定拠出年金の受給権の代替として選択
することができる。これには、慣例的な年金制度の拠出金を受け取ることは、年金手当を受け取ることよりも、取締役にとっ
て、税務上重要な不利ではないという前提条件が付されている。このオプションは、取締役の任期にわたって行使することが
できる。
以下の表は、2021年度および2020年度の年間拠出額、利息、勘定残高、および年間勤務費用、ならびに2021年度に在任中の
各取締役の2020年12月31日および2021年12月31日現在の確定給付制度債務を示している。残高の差異は、取締役会での在任期
間の相違、各人の年齢的要因および拠出率の相違によるものである。
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取締役 確定給付制度債務
年間拠出額 利息 勘定残高 勤務費用(IFRS) の現在価値(IFRS)
(各年度) (各年度) (年度末) (各年度) (年度末)
単位:ユー
2021 年 2020 年
ロ
2021 年度 2020 年度 度 度 2021 年度 2020 年度 2021 年度 2020 年度 2021 年度 2020 年度
Christian
773,500 936,000 0 0 6,516,000 5,742,500 701,494 936,063 6,263,328 5,816,960
Sewing
Karl von
754,000 786,500 0 0 4,721,001 3,967,001 772,131 831,427 4,866,754 4,205,087
Rohr
Fabrizio
1,007,500 1,046,500 0 0 2,234,918 1,227,418 906,767 1,008,742 2,091,609 1,224,209
Campelli
Bernd
812,500 1,135,334 0 0 1,947,834 1,135,334 785,526 851,694 1,957,432 1,181,299
Leukert
Stuart
754,000 786,500 0 0 6,411,938 5,657,938 756,618 818,838 6,919,079 6,358,878
Lewis
James von
871,000 903,500 0 0 4,189,250 3,318,250 820,820 895,972 4,095,605 3,385,498
Moltke
Alexander
von zur
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
1
Mühlen
Christiana
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
1
Riley
Rebecca
554,668 0 0 0 554,668 0 476,303 0 496,829 0
2
Short
Prof. Dr.
Stefan 871,000 1,293,501 0 0 2,164,501 1,293,501 824,015 903,039 2,128,664 1,335,674
Simon
Frank
812,500 845,000 0 0 2,528,500 1,716,000 799,956 867,588 2,500,385 1,759,798
3
Kuhnke
1 取締役は「付与された報酬および未払いの報酬(支給額の表)」の項に示される年金手当を受け取る。
2 2021年5月1日就任。
3 2021年4月30日退任。
期限前解約時の給付
正当な理由により選任の取消しまたは解雇通告を行う権利が当行グループにない場合、当行グループの都合により任用契約
を期限前に解約する場合には、取締役は原則的に退職金を受け取る権利を有する。ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コー
ドの勧告に従い、退職金の支払額は、最大で年間報酬の2倍までであり、役務契約残存期間に対する報酬として支払うであろう
金額を超えてはならない。退職金の算定は、前事業年度の年間報酬と、該当する場合は当事業年度の予想年間報酬に基づいて
行われる。退職金は、とりわけ銀行の報酬制度監督要件に関する規制(InstitutsVergV)の規定に基づき、規制および法令要件
従って決定および付与される。
Frank Kuhnke氏は2021年4月30日付で取締役を退任した。同氏の役務契約で想定されたとおりに、退職給付について同氏と合
意された。退職合意では、競業避止条項(「Karenzentschädigung」)に対する補償として役務契約に従い1,560,000ユーロ、役
務契約の期限前解約に対する補償として1,902,111.33ユーロを規定した。2021年4月には、第一回目の分割支給である20%が現
金で支払われた。20%に相当する分割支給は株式でなされ、2022年6月1日に支給される予定である。さらに30%に相当する分
割支給が、2026年6月1日までの保有期間を有する繰延現金報酬としてなされた。30%に相当する最終分割支給が、2027年6月1
日まで保有期間を有する株式での繰延報酬としてなされた。退職金は、変動報酬のクローバックの可能性を含む、契約上合意
された変動報酬項目に係るすべての規定に従う。
支配権の変更があった場合、取締役は役務契約を終了する特別な権利を有している。しかし、そのような場合には、退職金
を受け取る権利を有さない。
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その他の役務契約
役務契約期間
取締役会の役務契約期間は就任期間に連動しており、ドイツ株式会社法第84条(AktG)に従い、最長5年である。監査役会
は、少なくとも任期満了の6ヶ月前までに、再任について決定するものとする。取締役再任の場合、役務契約は更新された就任
期間分、延長される。
初選任については、契約期間は3年を超えない。取締役会の役務契約は、明示的な終了通知を必要とせず、任期満了とともに
自動的に終了する。
その他のマンデートによる報酬に係る基本給の減額
取締役の雇用契約には、株式会社法第18条に基づき、いかなる企業体(特に、当行の監査役会、アドバイザリー・ボードま
たは当行のグループ企業の類似する機関)のメンバーとしての各自の立場において与えられる報酬を受領しないことを確認す
る義務が含まれている。したがって、取締役はドイツ銀行子会社のボードでのマンデートに関する報酬は受け取らない。
取締役の基本給は、ドイツ銀行グループに属さない会社において、(特に、監査役会またはアドバイザリー・ボード)のマ
ンデートからの報酬の50%に相当する額が減額される。マンデートおよび暦年当たり100,000ユーロを超えない報酬について
は、そのような減額は行われない。
2021年度において、取締役1名について、ドイツ銀行グループに属さない会社におけるマンデートからの報酬額が基準値を超
過したため、基本給が当該報酬分、減額された。
契約終了後競業避止条項
取締役退任後、取締役には原則として1年間の競合避止条項が付されている。競合避止期間中、ドイツ銀行は、取締役の年間
基本給の65%に相当する報酬(待機手当「Karenzentschädigung」)を取締役に支払う。待機手当は退職金に対する請求に対し
て払い込まれるものとする。さらに、待機手当は、取締役が競合避止中に、自営業、給与またはその他の支払いを有する活動
により稼得したいかなる収入によっても減額される。ドイツ銀行は、取締役の契約終了後競業避止条項の遵守を免除すること
ができる。そのような免除が認められた場合、ドイツ銀行は待機手当(「Karenzentschädigung」)を支払う義務が終了する。
報酬制度からの逸脱
2021年度は、報酬制度からの逸脱はなかった。
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2021 年度における取締役会の報酬
現取締役
2021 年度報酬総額
監査役会は、前述の2021年度および2020年度の報酬を個人別に次のように決定した。
2021 年度 2020 年度
目標に対する
1 2
基本給 報酬総額
単位:ユーロ 短期報奨 長期報奨 報酬総額 目標報酬総額 比率
Christian Sewing
3,600,000 3,065,400 2,147,048 8,812,448 9,000,000 98% 7,368,045
Karl von Rohr
3,000,000 2,393,600 1,749,447 7,143,047 7,400,000 97% 5,882,495
Fabrizio Campelli
2,400,000 2,218,783 1,630,166 6,248,949 6,500,000 96% 5,179,137
Bernd Leukert
2,400,000 2,161,383 1,630,166 6,191,549 6,500,000 95% 4,909,270
Stuart Lewis
2,800,000 2,258,200 1,669,926 6,728,126 7,000,000 96% 4,979,403
James von Moltke
2,800,000 2,278,500 1,669,926 6,748,426 7,000,000 96% 5,262,470
Alexander von
2,400,000 2,132,000 1,630,166 6,162,166 6,500,000 95% 2,094,333
zur Mühlen
Christiana Riley
2,400,000 2,162,750 1,630,166 6,192,916 6,500,000 95% 4,779,103
3
Rebecca Short
1,600,000 1,440,467 1,086,777 4,127,244 4,333,333 95% -
Prof. Dr.
2,400,000 2,134,050 1,630,166 6,164,216 6,500,000 95% 2,124,126
Stefan Simon
4
Frank Kuhnke
800,000 634,133 543,389 1,977,522 2,166,667 4,760,403
91%
合計 26,600,000 22,879,266 17,017,343 66,496,609 69,400,000 96 % 47, 338 ,785
1 「基本給」の列には、監査役会が設定した目標値が、比較可能性の観点からユーロで示されている。実際の支給額は、取締役である
Alexander von zur Mühlen氏およびChristiana Riley氏は為替変動、Bernd Leukert氏はマンデートからの報酬の相殺により、この目標値
とは異なる。支給額は「付与された報酬および未払いの報酬(支給額の表)」の項に示されている。
2 取締役であるAlexander von zur Mühlen氏およびChristiana Riley氏 については、比較可能性の観点から為替変動は除外された。
3 2021年5月1日就任。
4 2021年4月30日退任。
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制限付株式報奨(REA)の形で2022年度に取締役に付与された2021年度の株式報奨数は、それぞれのユーロ建て金額を2022年2
月の最終10取引日におけるXetraのドイツ銀行株式終値の平均または2022年2月28日のXetraの終値(12.8930ユーロ)のいずれ
か高い方の金額で除して計算された。
制限付株式報奨
(追加の保有期間を含む繰延)
1
( 単位:ユニット )
取締役
Christian Sewing
202,143
Karl von Rohr
160,670
Fabrizio Campelli
149,265
Bernd Leukert
147,039
Stuart Lewis
152,336
James von Moltke
153,123
Alexander von zur Mühlen
145,900
Christiana Riley
147,092
2
Rebecca Short
98,008
Prof. Dr. Stefan Simon
145,979
3
Frank Kuhnke
45,665
合計 1,547,220
1 制限付株式報奨は、表示目的のために数値は四捨五入されている。
2 2021年5月1日就任。
3 2021年4月30日退任。
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付与された報酬および未払いの報酬(支給額の表)
以下の表は、ドイツ株式会社法(AktG)第162条第1項第1文に従い、2021年度の取締役に対して、2021年度および2020年度中
に支払われた報酬および未払いとなっている報酬を示したものである。これには、報告期間中に各取締役に実際に支払われた
か、もしくは支給された(「支払われた」)報酬項目、または報告期間中にすでに法的な支払期限が到来していたが支給されて
いない(「未払い」)報酬項目が含まれる。
報酬額のほかに、ドイツ株式会社法(AktG)第162条第1項第2文に基づく報酬総額の固定報酬および変動報酬の相対的比率も
表に示している。
Christian Sewing Karl von Rohr
2021 年度 2020 年度 2021 年度 2020 年度
単位: 単位: 単位: 単位:
単位: 単位: 単位: 単位:
% % % %
千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ
固定報酬項目
基本給 3,600 93% 3,117 93% 3,000 93% 2,750 94%
年金手当 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
1
-8
付加給付
0% 4 0% 24 1% 11 0%
固定報酬合計 3,592 93 % 3,120 93 % 3,024 93 % 2,761 94 %
変動報酬項目:
繰延変動報酬
このうち制限付奨励報奨:
2017年度の制限付奨励報奨:
早期退職割増報奨金 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
2017年度の制限付奨励報奨:
サインオン 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
2018年度に対する2019年度の
制限付奨励報奨 232 6% 232 7% 169 5% 169 6%
2019年度に対する2020年度の
制限付奨励報奨 43 1% 0 0% 43 1% 0 0%
このうち株式報奨:
2017年度の制限付株式報奨:
早期退職割増報奨金 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
2014年度に対する2015年度の
DBエクイティ・プラン 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
付加給付 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
変動報酬合計 275 7 % 232 7 % 211 7 % 169 6 %
報酬総額 3,867 100 % 3,352 100 % 3,235 100 % 2,930 100 %
1 経済活動に係る社用車の費用がその他の付加給付費用を上回るため、2021年度はマイナスの残高となる。
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Fabrizio Campelli Bernd Leukert
2021 年度 2020 年度 2021 年度 2020 年度
単位: 単位: 単位: 単位:
単位: 単位: 単位: 単位:
% % % %
千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ
固定報酬項目
1
2,394
基本給
2,400 99% 2,200 99% 99% 2,200 99%
年金手当 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
付加給付 12 0% 22 1% 25 1% 22 1%
固定報酬合計 2,412 100 % 2,222 100 % 2,419 100 % 2,222 100 %
変動報酬項目:
繰延変動報酬
このうち制限付奨励報奨:
2017年度の制限付奨励報奨:
早期退職割増報奨金 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
2017年度の制限付奨励報奨:
サインオン 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
2018年度に対する2019年度の
制限付奨励報奨 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
2019年度に対する2020年度の
制限付奨励報奨 7 0% 0 0% 0 0% 0 0%
このうち株式報奨:
2017年度の制限付株式報奨:
早期退職割増報奨金 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
2014年度に対する2015年度の
DBエクイティ・プラン 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
付加給付 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
変動報酬合計 7 0 % 0 0 % 0 0 % 0 0 %
報酬総額 2,420 100 % 2,222 100 % 2,419 100 % 2,222 100 %
1 表示されている固定報酬には、マンデートからの報酬が含まれている。
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Stuart Lewis James von Moltke
2021 年度 2020 年度 2021 年度 2020 年度
単位: 単位: 単位: 単位:
単位: 単位: 単位: 単位:
% % % %
千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ
固定報酬項目
基本給 2,800 91% 2,283 78% 2,800 70% 2,283 63%
年金手当 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
付加給付 80 3% 29 1% 52 1% 43 1%
固定報酬合計 2,880 94 % 2,312 79 % 2,852 71 % 2,326 64 %
変動報酬項目:
繰延変動報酬
このうち制限付奨励報奨:
2017年度の制限付奨励報奨:
早期退職割増報奨金 0 0% 0 0% 140 3% 280 8%
2017年度の制限付奨励報奨:
サインオン 0 0% 0 0% 67 2% 67 2%
2018年度に対する2019年度の
制限付奨励報奨 156 5% 156 5% 169 4% 169 5%
2019年度に対する2020年度の
制限付奨励報奨 43 1% 0 0% 43 1% 0 0%
このうち株式報奨:
2017年度の制限付株式報奨:
早期退職割増報奨金 0 0% 0 0% 124 3% 177 5%
2014年度に対する2015年度の
DBエクイティ・プラン 0 0% 443 15% 0 0% 0 0%
付加給付 0 0% 0 0% 616 15% 616 17%
変動報酬合計 199 6 % 599 21 % 1,157 29 % 1,309 36 %
報酬総額 3,079 100 % 2,912 100 % 4,009 100 % 3,635 100 %
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有価証券報告書
Alexander von zur Mühlen Christiana Riley
2021 年度 2020 年度 2021 年度 2020 年度
単位: 単位: 単位: 単位:
単位: 単位: 単位: 単位:
% % % %
千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ
固定報酬項目
1 1 1 1
2,345 963 2,328 2,194
基本給
74% 75% 76% 72%
年金手当 650 21% 271 21% 650 21% 650 21%
付加給付 64 2% 15 1% 85 3% 95 3%
固定報酬合計 3,059 97 % 1,249 97 % 3,063 99 % 2,938 97 %
変動報酬項目:
繰延変動報酬
このうち制限付奨励報奨:
2017年度の制限付奨励報奨:
早期退職割増報奨金 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
2017年度の制限付奨励報奨:
サインオン 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
2018年度に対する2019年度の
制限付奨励報奨 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
2019年度に対する2020年度の
制限付奨励報奨 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
このうち株式報奨:
2017年度の制限付株式報奨:
早期退職割増報奨金 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
2014年度に対する2015年度の
DBエクイティ・プラン 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
付加給付 98 3% 33 3% 17 1% 96 3%
変動報酬合計 98 3 % 33 3 % 17 1 % 96 3 %
報酬総額 3,157 100 % 1,282 100 % 3,079 100 % 3,034 100 %
1 固定報酬は現地通貨で付与されるため、為替レート変動の影響を受ける。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
Rebecca Short(2021年5月1日就任) Prof. Dr. Stefan Simon
2021 年度 2020 年度 2021 年度 2020 年度
単位: 単位: 単位: 単位:
単位: 単位: 単位: 単位:
% % % %
千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ
固定報酬項目
基本給 1,600 100% - - 2,400 98% 1,000 99%
年金手当 0 0% - - 0 0% 0 0%
付加給付 6 0% - - 46 2% 7 1%
固定報酬合計 1,606 100 % - - 2,446 100 % 1,007 100 %
変動報酬項目:
繰延変動報酬
このうち制限付奨励報奨:
2017年度の制限付奨励報奨:
早期退職割増報奨金 0 0% - - 0 0% 0 0%
2017年度の制限付奨励報奨:
サインオン 0 0% - - 0 0% 0 0%
2018年度に対する2019年度の
制限付奨励報奨 0 0% - - 0 0% 0 0%
2019年度に対する2020年度の
制限付奨励報奨 0 0% - - 0 0% 0 0%
このうち株式報奨:
2017年度の制限付株式報奨:
早期退職割増報奨金 0 0% - - 0 0% 0 0%
2014年度に対する2015年度の
DBエクイティ・プラン 0 0% - - 0 0% 0 0%
付加給付 0 0% - - 0 0% 0 0%
変動報酬合計 0 0 % - - 0 0 % 0 0 %
報酬総額 1,606 100 % - - 2,446 100 % 1,007 100 %
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
Frank Kuhnke(2021年4月30日退任)
2021 年度 2020 年度
単位: 単位:
単位: 単位:
% %
千ユーロ 千ユーロ
固定報酬項目
基本給 800 35% 2,200 100%
1
退職給付
1,420 63% 0 -
年金手当 0 0% 0 0%
付加給付 1 0% 7 0%
固定報酬合計 2,221 98 % 2,207 100 %
変動報酬項目:
繰延変動報酬
このうち制限付奨励報奨:
2017年度の制限付奨励報奨:
早期退職割増報奨金 0 0% 0 0%
2017年度の制限付奨励報奨:
サインオン 0 0% 0 0%
2018年度に対する2019年度の
制限付奨励報奨 0 0% 0 0%
2019年度に対する2020年度の
制限付奨励報奨 43 2% 0 0%
このうち株式報奨:
2017年度の制限付株式報奨:
早期退職割増報奨金 0 0% 0 0%
2014年度に対する2015年度の
DBエクイティ・プラン 0 0% 0 0%
付加給付 0 0% 0 0%
変動報酬合計 43 2 % 0 0 %
報酬総額 2,264 100 % 2,207 100 %
1 退職給付の詳細については、「期限前解約時の給付」の項を参照のこと。
監査役会は、報告年度に承認された過年度の繰延報酬部分について、それぞれの業績条件が満たされていることを確認し
た。
元取締役
付与された報酬および未払いの報酬(支給額の表)
以下の表は、ドイツ株式会社法(AktG)第162条第1項第1文に従い、2021年度に元取締役に支払われた報酬および未払いの報
酬を示したものである。これには、報告期間中に元取締役に実際に支給された(「支払われた」)報酬項目、または報告期間中
にすでに法的な支払期限が到来していたが支給されていない(「未払い」)報酬項目が含まれる。ドイツ株式会社法(AktG)
第162条第5項に従い、2011年12月31日より前に取締役会の役務を終了した元取締役の個人データは提供されていない。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
Werner Steinmüller Sylvie Matherat Garth Ritchie Frank Strauß
2020年7月31日退任 2019年7月31日退任 2019年7月31日退任 2019年7月31日退任
2021 年度 2021 年度 2021 年度 2021 年度
単位: 単位: 単位: 単位:
単位:% 単位:% 単位:% 単位:%
千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ
退職給付 130 4 % 0 0 % 1,639 79 % 0 0 %
繰延変動報酬
制限付奨励報奨 191 6% 186 88% 432 21% 326 100%
株式報奨 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
付加給付 130 4% 26 12% 0 0% 0 0%
1
2,666
年金給付
86% 0 0% 0 0% 0 0%
報酬総額 3,117 100 % 211 100 % 2,071 100 % 326 100 %
1 表示された値は、資本の支払いを表している。
Nicolas Moreau
2018年12月31日退任
2021 年度
単位: 単位: 単位:
単位:%
千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ
繰延変動報酬
制限付奨励報奨 79 90 169 57%
1
株式報奨
0 130 130 43%
付加給付 0 0 0 0%
年金給付 0 0 0 0%
報酬総額 79 220 299 100 %
1 表示された株式報奨は、DWS Management GmbHにより付与された株式に基づく商品である。これらの商品の詳細はDWSの年次報告書に記載
されている。
Hermann-Josef
Kimberly Hammonds Dr. Marcus Schenck John Cryan Lamberti
2018年5月24日退任 2018年5月24日退任 2018年4月8日退任 2012年5月31日退任
2021 年度 2021 年度 2021 年度 2021 年度
単位: 単位: 単位: 単位:
単位:% 単位:% 単位:% 単位:%
千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ 千ユーロ
繰延変動報酬
制限付奨励報奨 52 42% 65 100% 47 100% 0 0%
株式報奨 0 0% 0 0% 0 0% 0 0%
付加給付 73 59% 0 0% 0 0% 0 0%
年金給付 0 0% 0 0% 0 0% 1,414 100%
報酬総額 124 100 % 65 100 % 47 100 % 1,414 100 %
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
Josef Ackermann
2012年5月31日退任
2021 年度
単位:
単位:%
千ユーロ
繰延変動報酬
制限付奨励報奨 0 0%
株式報奨 0 0%
付加給付 0 0%
年金給付 924 100%
報酬総額 924 100 %
2022 年度の見通し
今後予定される取締役会の変更
Stuart Lewis氏は、株主総会開催日である2022年5月18日付で、取締役および最高リスク責任者を退任する。同氏の後任の
Olivier Vigneron氏の選任は、2022年5月19日に発効する。Olivier Vigneron氏は、2022年3月1日から、初めはシニア・グルー
プ・ディレクター(Generalbevollmächtigter)としてドイツ銀行での勤務を開始する。これにより、最高リスク責任者の任務
と責任の円滑な移行が確保できる。取締役会は引き続き10名で構成される。
目標報酬総額と最大報酬額
監査役会は、2022年度の目標報酬総額を2021年度から原則変更しないことを決定している。新たな取締役であるOlivier
Vigneron氏の将来の責任における目標報酬総額は、管理分野を担当する他の取締役(CFOと現CROを除く。)の報酬に合わせて
6,500,000ユーロとなる。この合計額は、総額2,400,000ユーロの基本給および総額4,100,000ユーロの目標変動報酬で構成され
る。最大変動報酬は、総額6,150,000ユーロである。
取締役の報酬の上限は、2021年度から変更はない。これは、変動報酬の最大達成度を150%とすることを意味し、基本給、
STAおよびLTAの合計額は9.85百万ユーロを上限とする。さらに、ドイツ株式会社法(AktG)第87a条第1項第2文第1号に従い、
報酬総額について設定された制限は、事業年度に基づく上限として、すべての取締役に対して12百万ユーロに据え置かれる。
2022 年度の目標および目的
2022年度に適用された目標および目的の構造、ならびに取締役会の報酬の個別項目は、株主総会で承認された報酬制度に
沿ったものである。
短期報奨
2021年度に引き続き、2022年度の短期報奨の金額は、短期および中期的な個人および部門目標の達成度に基づいて決定され
る。これは、異なる重み付けの3つの要素から構成される。
- 個人目標(50%)
- 個人別バランス・スコアカード(25%)
- 年次優先事項(25%)
これらの各要素については、業績年度の期首に監査役会が設定した測定および業績基準に基づく評価により、当該業績年度
の達成度が翌年度の期首に決定される。達成度は、前事業年度の短期報奨の金額を計算するための要因を決定する。
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有価証券報告書
長期報奨
2022年度においても、変動報酬を決定する際には、戦略と結びついた長期目標の達成に再度焦点が置かれる。2022年度の目
標とLTA内での重み付けは、2021年度から引き続き変更はない。
- ESG要因(33.33%)
- 相対的総株主利益率(25%)
- 本業の資本の成長(25%)
- グループ項目(16.67%)
ESGマトリクスは、サステナビリティ戦略に沿って、長期にわたって継続的かつ一貫性をもって策定される。2021年度の新た
な報酬制度の発表に伴い公表されたとおり、気候リスク管理の分野における重要な目標が追加された。ネットゼロ・バンキン
グ・アライアンスのコミットメントに沿って、企業の貸出金に係る温室効果ガス排出量に関する開示と主要産業の炭素集約度
削減の目標設定に2022年度末までに取り組む。金融機関のサステナビリティ戦略にとって、この目標の重要性が高いことは、
マトリクス内での対応する重み付けに反映されている。また、当行グループの事業については、目標を定めて削減を図り、建
物の恒久的なエネルギー削減に集中して取り組んでいる。2025年度までにヴァイス・プレジデントからマネジング・ディレク
ターの役職の35%を女性にするという野心的なロードマップの重要性は、マトリクス内の重み付けの高さに反映されている。
コーポレート・ガバナンスに関する2つの目標は、ESG要因の50%を占める高い比率を維持している。これは、規制要件の遵守
とともに、経済犯罪対策およびマネーロンダリング行為の防止策の重要性を強調するものである。
したがって、2022年度のESGマトリクスの目標は以下となる。
選定された同業他社グループの平均株主利益率に対する相対的総株主利益率の目標値および本業の資本の成長の目標値につ
いて、2022年度も引き続き変更はない。
グループ項目は、2022年度も引き続き4つのサブ目標から構成される。そのうち、「コア資本比率(CET 1比率)」と「有形
株主資本利益率(RoTE)」の2つについては、2021年度から変更はない。新たな目標は「費用収益比率」とサステナブル融資取
引高指標である。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
監査役の報酬
監査役会の報酬は定款第14条に定められており、必要に応じて株主総会において改定することができる。2013年度に再設計
された直近の報酬規定の改定は2021年5月27日の株主総会で決議され、2021年7月23日に発効した。その結果、以下の規定が適
用される。
監査役は、年間固定報酬(以下「監査役会の報酬」という。)を受け取る。年間基本報酬額は各監査役につき100,000ユーロ
である。監査役会会長は、当該金額の2倍を受け取り、副会長は当該金額の1.5倍を受け取る。
監査役会の委員会の委員および委員長には、以下のとおり追加の年間固定報酬が支払われる。
2021 年12月31日現在
委員会
単位:ユーロ
委員長 委員
監査委員会 200,000 100,000
リスク委員会 200,000 100,000
任命委員会 100,000 50,000
調停委員会 0 0
公正委員会 200,000 100,000
会長委員会 100,000 50,000
報酬統制委員会 100,000 50,000
戦略委員会 100,000 50,000
テクノロジー、データおよびイノベーション委員会 200,000 10,000
* 2021年7月23日の定款変更の商業登記簿への登録から開始。これ以前は、テクノロジー、データおよびイノベーション委員会の2021年度の
業務に対して支払われた追加の年次固定報酬額は、委員長は100,000ユーロ、委員は50,000ユーロであった。
決定された報酬の75%は、翌年の年初3ヶ月間に明細を提出した後で各監査役に支給される。同時に残りの25%は、当行によ
り直前の1月の最終10取引日におけるフランクフルト証券取引所(Xetraまたは後継システム)の終値の平均(小数第3位まで計
算)に基づき当行株式に転換される。その株式数の株価が、監査役会からの退任後または任期満了後の翌年2月に、直前の1月
の最終10取引日におけるフランクフルト証券取引所(Xetraまたは後継システム)の終値の平均に基づき各監査役に支払われ
る。ただし、当該監査役が、解任を正当化する重大な理由により監査役会から退任しないことを条件とする(失効規定)。
年度中に監査役の交代があった場合、当該事業年度の報酬は、1ヶ月未満の端数を1ヶ月に切上げて、または切下げて、按分
により支払われる。退任する年度については、報酬全額が現金で支払われ、当該事業年度の報酬の25%に失効規定が適用され
る。
当行は監査役に対し、その業務に関連して負担した現金費用(報酬および費用の払戻しに係る付加価値税(VAT)を含む。)
を払戻す。さらに、監査役会の業務に対して外国法上適用可能な社会保障制度への雇用者の拠出額が、対象となる各監査役に
支払われる。最後に、監査役会会長は、その機能による代表的業務を行う際に負担した旅費およびその機能に基づき必要とさ
れるセキュリティ措置の費用の適切な払戻しを受ける。
当行の利益において、監査役は、適切な金額(免責額を含む。)において、当行が付保した金融賠償責任保険契約の対象と
なる。その保険料は、当行が負担する。
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2021 年度および2020年度の監査役会の報酬
各監査役は2021年度および2020年度に関して以下の報酬(付加価値税を除く。)を受け取った。以下の2つの表は、ドイツ株
式会社法(AktG)第162条第1項第1文に従い、2021年度および2020年度に監査役に支払われた報酬および未払いの報酬を示して
いる。
2021 年度報酬
うち、2022年度
1
委員会の報酬
基本給 報酬総額 第1四半期に支払
監査役
単位:ユーロ 単位: % 単位:ユーロ 単位: % 単位:ユーロ 単位:ユーロ 単位: %
Dr. Paul Achleitner
200,000 23% 670,833 77% 870,833 653,125 75%
Detlef Polaschek
150,000 33% 300,000 67% 450,000 337,500 75%
Ludwig Blomeyer-
100,000 33% 200,000 67% 300,000 225,000 75%
Bartenstein
2
Frank Bsirske
83,333 33% 166,667 67% 250,000 250,000 100%
Mayree Clark
100,000 22% 350,000 78% 450,000 337,500 75%
Jan Duscheck
100,000 37% 170,833 63% 270,833 203,125 75%
Dr. Gerhard
100,000 46% 116,667 54% 216,667 162,500 75%
Eschelbeck
Sigmar Gabriel
100,000 50% 100,000 50% 200,000 150,000 75%
Timo Heider
100,000 34% 191,667 66% 291,667 218,750 75%
Martina Klee
100,000 59% 70,833 41% 170,833 128,125 75%
Henriette Mark
100,000 40% 150,000 60% 250,000 187,500 75%
Gabriele Platscher
100,000 33% 200,000 67% 300,000 225,000 75%
Bernd Rose
100,000 31% 220,833 69% 320,833 240,625 75%
Gerd Alexander
41,667 83% 8,333 17% 50,000 50,000 100%
3
Schütz
John Alexander
100,000 50% 100,000 50% 200,000 150,000 75%
Thain
Michele Trogni
100,000 26% 291,667 74% 391,667 293,750 75%
Dr. Dagmar
100,000 22% 350,000 78% 450,000 337,500 75%
Valcárcel
Stefan Viertel
100,000 41% 141,667 59% 241,667 181,250 75%
Dr. Theodor Weimer
100,000 50% 100,000 50% 200,000 150,000 75%
4
Frank Werneke
8,333 100% 0 0% 8,333 6,250 75%
Prof. Dr. Norbert
100,000 20% 395,833 80% 495,833 371,875 75%
Winkeljohann
5
Frank Witter
58,333 41% 83,333 59% 141,667 106,250 75%
合計 2,141,666 33 % 4,379,166 67 % 6,520,833 4,965,625 76 %
1 2021年度における監査役会の委員会の各メンバーは、「3 コーポレート・ガバナンスの状況等-(2) 役員の状況」に表示されている。
2 2021年10月27日監査役退任。
3 2021年5月27日監査役退任。
4 2021年11月25日監査役就任。
5 2021年5月27日監査役就任。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
2020 年度報酬
うち、2021年度
1
委員会の報酬
基本給 報酬総額 第1四半期に支払
監査役
単位:ユーロ 単位: % 単位:ユーロ 単位: % 単位:ユーロ 単位:ユーロ 単位: %
2
Dr. Paul Achleitner
183,333 23% 618,750 77% 802,083 601,563 75%
Detlef Polaschek 67%
150,000 33% 300,000 450,000 337,500 75%
Ludwig Blomeyer-
100,000 33% 200,000 67% 300,000 225,000 75%
Bartenstein
Frank Bsirske
100,000 33% 200,000 67% 300,000 225,000 75%
Mayree Clark
100,000 24% 325,000 76% 425,000 318,750 75%
Jan Duscheck
100,000 40% 150,000 60% 250,000 187,500 75%
Dr. Gerhard
100,000 67% 50,000 33% 150,000 112,500 75%
Eschelbeck
3
Sigmar Gabriel
83,333 50% 83,333 50% 166,667 125,000 75%
Katherine Garrett-
41,667 42% 58,333 58% 100,000 100,000 100%
4
Cox
Timo Heider
100,000 40% 150,000 60% 250,000 187,500 75%
Martina Klee
100,000 67% 50,000 33% 150,000 112,500 75%
Henriette Mark
100,000 40% 150,000 60% 250,000 187,500 75%
Gabriele Platscher
100,000 33% 200,000 67% 300,000 225,000 75%
Bernd Rose
100,000 36% 175,000 64% 275,000 206,250 75%
Gerd Alexander
100,000 57% 75,000 43% 175,000 131,250 75%
Schütz
5
Stephan Szukalski
100,000 50% 100,000 50% 200,000 200,000 100%
John Alexander
100,000 50% 100,000 50% 200,000 150,000 75%
Thain
Michele Trogni
100,000 29% 250,000 71% 350,000 262,500 75%
Dr. Dagmar
100,000 24% 325,000 76% 425,000 318,750 75%
Valcárcel
6
Dr. Theodor Weimer
58,333 54% 50,000 46% 108,333 81,250 75%
Prof. Dr. Norbert
100,000 22% 350,000 78% 450,000 337,500 75%
Winkeljohann
合計 2,116,666 35 % 3,960,416 65 % 6,077,083 4,632,813 76 %
1 2021年度における監査役会の委員会の各メンバーは、「3 コーポレート・ガバナンスの状況等-(2) 役員の状況」に表示されている。
2 当行の上級管理職による一部の報酬請求の自発的な権利放棄に関する話し合いにおいて、Achleitner博士は、定款に基づき、2020年度の
報酬の12分の1(72,917ユーロ)に相当する将来の報酬請求権を放棄することを申し出た。取締役会はこの申し出を受け入れた。
3 2020年3月11日監査役就任。
4 2020年5月20日監査役退任。
5 2020年12月31日監査役退任。
6 2020年5月20日監査役就任。
明細を提出した後、2021年度の各監査役について決定された報酬の25%は、11.620ユーロ(2022年1月の最終10取引日におけ
るフランクフルト証券取引所(Xetra)の終値の平均)の株価に基づき当行の仮想株式に転換された。2021年度に退任した監査
役は報酬全額を現金で支払われた。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
以下の表は、2021年度の報酬の一部として2022年度の年初3ヶ月間に転換された仮想株式数(小数第3位まで)、前年度から
の変動、報酬の一部として見越し計上された仮想株式数、ならびに監査役就任期間中に累積した仮想株式総数、前年度からの
変動、および退任した監査役に対して2022年2月に支払われた金額を示している。
仮想株式数
2021 年度の報
2022 年2月に
対前年比 対前年比
酬の一部とし 現在の任期中
支払
て2022年2月に 変動率 に発生した 変動率
1
単位:ユーロ
監査役 転換 単位:% 総数 合計(累積) 単位:%
Dr. Paul Achleitner
18,735.657 -17% 85,709.128 104,444.785 22% 0
Detlef Polaschek
9,681.583 -23% 35,228.225 44,909.808 27% 0
Ludwig Blomeyer-
6,454.389 -23% 23,485.483 29,939.872 27% 0
Bartenstein
2
Frank Bsirske
0 N/A 23,485.483 23,485.483 0% 272,901
Mayree Clark
9,681.583 -19% 30,167.795 39,849.378 32% 0
Jan Duscheck
5,826.879 -17% 19,571.236 25,398.115 30% 0
Dr. Gerhard Eschelbeck
4,661.503 11% 13,992.360 18,653.863 33% 0
Sigmar Gabriel
4,302.926 -8% 4,671.099 8,974.025 92% 0
Timo Heider
6,275.100 -10% 19,571.236 25,846.336 32% 0
Martina Klee
3,675.416 -13% 11,742.742 15,418.158 31% 0
Henriette Mark
5,378.657 -23% 19,571.236 24,949.893 27% 0
Gabriele Platscher
6,454.389 -23% 23,485.483 29,939.872 27% 0
Bernd Rose
6,902.610 -10% 20,271.901 27,174.511 34% 0
3
Gerd Alexander Schütz
0 N/A 12,443.407 12,443.407 0% 144,592
John Alexander Thain
4,302.926 -23% 15,656.989 19,959.915 27% 0
Michele Trogni
8,426.583 -14% 25,552.883 33,979.446 33% 0
Dr. Dagmar Valcárcel
9,681.583 -19% 17,239.860 26,921.443 56% 0
4
Stefan Viertel
5,199.369 N/A 0 5,199.369 N/A 0
Dr. Theodor Weimer
4,302.926 42% 3,036.214 7,339.140 142% 0
5
Frank Werneke
179.289 N/A 0 179.289 N/A 0
Prof. Dr. Norbert
10,667.671 -15% 27,895.277 38,562.948 38% 0
Winkeljohann
6
Frank Witter
3,047.906 N/A 0 3,047.906 N/A 0
合計 133,838.925 -17 % 432,778.037 566,616.962 31 % 417,493
1 2022年1月の最終10取引日におけるフランクフルト証券取引所(Xetraまたは後継のシステム)の終値の平均株価 11.620 ユーロに基づく。
2 2021年10月27日退任。
3 2021年5月27日退任。
4 2021年1月1日就任。
5 2021年11月25日就任。
6 2021年5月27日就任。
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従業員より選出された監査役(Frank Bsirske氏(2021年10月27日退任)、Jan Duscheck氏およびFrank Werneke氏(2021年
11月25日就任)を除く。)は全員、当行グループにより雇用されている。2021年度において、当行グループは当該メンバーに
対し、監査役会の報酬に加えて、給与、退職金および年金報酬の形で総額1.29百万ユーロを支払った。
当行グループに雇用されているかまたは雇用されていた従業員にはその雇用の終了に伴う給付を受け取る権利が与えられて
いるが、当行グループは、監査役に対しては、その監査役会からの退任後にはいかなる給付も行わない。2021年度において、
当行グループに雇用されているかまたは雇用されていた監査役に対する年金、退職金または類似の給付として0.06百万ユーロ
を確保した。
当行グループの取締役会の合意により、Paul Achleitner博士は無償で様々な態様の当行グループの代表職務を果たし、当行
グループの事業機会の創出に関わる。これらの任務は、ドイツ銀行AGの監査役会会長の職務責任に関連する。この点につい
て、費用の払戻しが定款に規定されている。個別の契約に基づき、当行グループはPaul Achleitner博士に対し、当行グループ
の利益において当該業務に関して無料で管理および支援サービスを提供している。したがって、Paul Achleitner博士は、これ
らの活動の準備および実行のために内部資源を利用する権利がある。Paul Achleitner博士は、これらの任務のために無料で当
行グループのセキュリティおよび車両サービスを利用可能である。当行グループはまた、旅費および参加費を払戻し、提供さ
れた現金以外の給付に係る税金を負担する。2012年9月24日、会長委員会はこの契約の締結を承認した。規定はPaul
Achleitner博士の監査役会会長としての在任期間中に適用され、適切性について毎年見直される。ドイツ銀行とAchleitner博
士との間のこの契約に基づき、2021年度において95,000ユーロ(2020年度:135,000ユーロ)に相当する支援サービスが提供さ
れ、209,589ユーロ(2020年度:150,290ユーロ)の費用が払戻された。
報酬および利益の推移の比較表示
以下の表は、当行および当行グループの年ごとの利益および報酬の推移ならびにフルタイム換算の従業員の平均報酬の比較
表示を示したものである。ドイツ株式会社法(AktG)第162条第1項第2文第2号に従って提供される情報は、5年の報告期間に達
するまで、1事業年度の過年度からの変動を含むよう継続的に拡大される。2025年度からは、過去5年間の年次の変動を示すこ
とになる。
現取締役および元取締役の報酬に関する情報は、ドイツ株式会社法(AktG)第162条第1項第2文第1号に基づき、報酬計算書
における支払われた報酬または未払いの報酬に関する個別の計算書を反映している。当行の利益の推移に関する表示は、法的
要件に従い、独立した上場会社、すなわち、ドイツ銀行AGの利益の推移を反映している。したがって、ドイツ銀行AGの純利益
(純損失)を用いて、ドイツ株式会社法(AktG)第162条第1項第2文第2号が意味する利益を表示する。取締役会の報酬は、グ
ループの数値に基づいて測定されるため、比較表示のため、当行グループの利益数値を追加的に示している。これらのグルー
プの利益数値は、当期純利益(当期純損失)、費用収益比率および有形株主資本利益率(RoTE)である。比較の対象となる従業
員グループについては、ドイツ銀行グループのグローバルな従業員を鑑み、ドイツ銀行グループに関連するデータを使用し
た。比較の対象となる従業員グループは、ドイツ銀行グループの全世界の従業員で構成される。
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2020 年度
からの変動
2021 年度 2020 年度 単位:%
1. 当行の利益推移
ドイツ銀行AGの純利益(純損失)(単位:億ユーロ) 1,961 -1,769 N/M
ドイツ銀行グループの純利益(純損失)(単位:億ユーロ) 2,365 495 N/M
ドイツ銀行グループの費用収益比率(%) 84.6% 88.3% -4
ドイツ銀行グループの有形株主資本利益率(RoTE)(%) 3.8% 0.2% N/M
2. 従業員の平均的な報酬
1
全世界のフルタイム換算 118,477 118,765 -0
3. 取締役会の報酬(単位:千ユーロ)
現取締役
Christian Sewing 3,867 3,352 15
Karl von Rohr 3,235 2,930 10
Fabrizio Campelli 2,420 2,222 9
Bernd Leukert 2,419 2,222 9
Stuart Lewis 3,079 2,912 6
James von Moltke 4,009 3,635 10
Alexander von zur Mühlen (2020年8月1日就任) 3,157 1,282 146
Christiana Riley 3,079 3,034 1
Rebecca Short(2021年5月1日就任) 1,606 - N/M
Stefan Simon(2020年8月1日就任) 2,446 1,007 143
当事業年度中に退任した取締役
Frank Kuhnke(2021年4月30日退任) 2,264 2,207 3
当事業年度より前に退任した取締役
Werner Steinmüller(2020年7月31日退任) 3,117 2,436 28
Sylvie Matherat (2019年7月31日退任) 211 910 -77
Garth Ritchie (2019年7月31日退任) 2,071 2,809 -26
Frank Strauß (2019年7月31日退任) 326 2,168 -85
Nicolas Moreau (2018年12月31日退任) 299 1,826 -84
Kimberly Hammonds (2018年5月24日退任) 124 52 138
Dr. Marcus Schenck (2018年5月24日退任) 65 65 −
John Cryan (2018年4月8日退任) 47 47 −
Hermann-Josef Lamberti (2012年5月31日退任) 1,414 1,450 -2
Josef Ackermann (2012年5月31日退任) 924 911 1
4. 監査役会の報酬(単位:千ユーロ)
現監査役
Dr. Paul Achleitner 871 802 9
Detlef Polaschek 450 450 −
Ludwig Blomeyer-Bartenstein 300 300 −
Mayree Clark 450 425 6
Jan Duscheck 271 250 8
Dr. Gerhard Eschelbeck 217 150 44
Sigmar Gabriel (2020年3月11日就任) 200 167 20
Timo Heider 292 250 17
Martina Klee 171 150 14
Henriette Mark 250 250 −
Gabriele Platscher 300 300 −
Bernd Rose 321 275 17
John Alexander Thain 200 200 −
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
Michele Trogni 392 350 12
Dr. Dagmar Valcárcel 450 425 6
Stefan Viertel (2021年1月1日就任) 242 - N/M
Dr. Theodor Weimer (2020年5月20日就任) 200 108 85
Frank Werneke (2021年11月25日就任) 8 - N/M
Prof. Dr. Norbert Winkeljohann 496 450 10
Frank Witter (2021年5月27日就任) 142 - N/M
元監査役
Frank Bsirske (2021年10月27日退任) 250 300 -17
Gerd Alexander Schütz (2021年5月27日退任) 50 175 -71
Stephan Szukalski (2020年12月31日退任) - 200 N/M
Katherine Garrett-Cox (2020年5月20日退任) - 100 N/M
1 従業員の平均報酬は、年間報酬総額を従業員数(フルタイム換算)で除したものである。
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有価証券報告書
独立監査人の監査報告書
ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフト、フランクフルト・アム・マイン御中
私たちは、ドイツ株式会社法(AktG)第162条に準拠して作成された、2021年1月1日から2021年12月31日までの事業年度にお
けるドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフト(フランクフルト・アム・マイン)の添付の報酬報告書およびそれに関連する開
示について監査を行った。
業務執行取締役と監査役会の責任
ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフトの業務執行取締役および監査役会は、AktG第162条の要求事項に準拠して本報酬報告
書および関連する開示を作成する責任を負っている。また、業務執行取締役および監査役会は、不正または誤謬による重要な
虚偽表示のない報酬報告書および関連する開示を作成する責任を負っている。
監査人の責任
私たちの責任は、私たちが実施した監査に基づいて、本報酬報告書および関連する開示について意見を表明することにあ
る。私たちは、ドイツ経済監査士協会(以下「IDW」という。)が公布した一般に公正妥当と認められるドイツ財務諸表監査基
準に準拠して、監査を行った。これらの基準は、私たちが倫理上の要求事項を遵守し、報酬報告書および関連する開示に重要
な虚偽表示がないことの合理的な保証を得るための監査を計画および実行することを要求する。
監査においては、報酬報告書および関連する開示において報告される金額に関する監査証拠を入手する手続が実施される。
監査手続は、監査人の判断により、不正又は誤謬による報酬報告書および関連する開示の重要な虚偽表示のリスクの評価に基
づいて選択される。これらのリスク評価を行うにあたり、監査人は、状況に応じて適切な監査手続を立案および実行するため
に、報酬報告書および関連する開示の作成に係る内部統制を検討するが、これは企業の内部統制の有効性について意見を表明
するためのものではない。また、監査には、業務執行取締役および監査役会が採用した会計方針および会計上の見積りの合理
性を評価するとともに、報酬報告書および関連する開示の全体的な表示を評価することも含まれている。
私たちは、私たちが入手した証拠が、意見の基礎を提供するのに十分かつ適切と判断している。
意見
私たちの監査の結果得られた情報に基づく意見では、2021年1月1日から2021年12月31日までの事業年度における報酬報告書
および関連する開示は、すべての重要な点において、AktG第162条の財務報告規定に準拠している。
その他の事項 - 報酬報告書の正式な監査
本監査報告書に記載されている報酬報告書の監査には、AktG第162条第3項で要求される報酬報告書の正式な監査および監査
報告書の発行が含まれる。私たちの監査では、報酬報告書の内容に対し無限定適正意見を表明しているが、これには、報酬報
告書の開示がすべての重要な点においてAktG第162条第1項および第2項に基づき行われていることに関する意見も含まれてい
る。
責任制限
本報告書に添付の2017年1月1日にIDWによって発行された「経済監査士および経済監査士事務所の一般エンゲージメント条
件」は、本エンゲージメントに適用され、本エンゲージメントの文脈における私たちの責任および第三者に対する責任も規定
している。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
エシュボルン/フランクフルト・アム・マイン、2022年3月7日
アーンスト・アンド・ヤング・ゲーエムベーハー
監査法人
レシュケン マイ
経済監査士 経済監査士
[ドイツ公認会計監査人] [ドイツ公認会計監査人]
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従業員の報酬(無監査)
2021年度の従業員の報酬報告書の内容は、自己資本要求規則(CRR)第450条第1項(a)から(j)、および銀行の報酬制度監
督要件に関する規制( Institutsvergütungsverordnung 、以下「InstVV」という。)第16条に規定される報酬に係る定性的およ
び定量的開示要件に基づく。
本報酬報告書はグループ全体の視点で作成されており、ドイツ銀行グループのすべての連結会社を対象としている。規制要
件に従い、 ドイツ銀行 グループ内の次に掲げる「重要な金融機関」について、2021年度に係る同様の報告書が作成されてい
る。「重要な金融機関」とは、BHW Bausparkasse AG(ドイツ)、Deutsche Bank Luxembourg S.A.(ルクセンブルク)、
Deutsche Bank S.p.A.(イタリア)、Deutsche Bank Mutui S.p.A.(イタリア)およびDeutsche Bank S.A.E.(スペイン)を
指す。
規制環境
規制要件の遵守を確保することは、当行グループのグループ報酬の戦略において優先的な検討事項である。当行グループ
は、報酬に関する規制要件を率先して適用するよう努めている。そして、今後も既存および新たな要件をすべて遵守するため
に、当行グループの健全性監督機関である欧州中央銀行(ECB)と緊密に連携していく。
EUに本社を置く金融機関として、ドイツ銀行は、グループ・レベルで自己資本要求規則/指令(以下「CRR/CRD」という。)
の対象となる。CRR/CRDは、ドイツ銀行法の下でドイツ国内法およびInstVVに置き換えられている。当行グループは、InstVV第
27条で要求された範囲で、世界中のすべての子会社と支店に現行の当該規則であるInstVV4.0(2021年9月25日発効)を既に包
括的に採用している。InstVVの意味において「重要な金融機関」であるため、当行グループは、ドイツ銀行法および委員会委
任規則第2021/923号において定められた最新の基準に従い、リスク・プロファイル全体に重大な影響を及ぼすとみなされる業
務を行うすべての従業員(以下「重要なリスク・テイカー」または「MRT」という。)を識別している。MRTは、過去数年間と
同様に、グループ・レベルおよび「重要な金融機関」のレベルで識別される。さらに、2021年度に施行された要件およびドイ
ツ銀行法に従い、ドイツ銀行は、すべてのCRR機関のMRTを単独レベルでも特定している。
業界特有の規制を考慮に入れ、また、InstVVに従い、当行グループの一部の(特にDWSグループ内の)子会社には、各地で国
内法化されたオルタナティブ投資ファンド運用者指令(以下「AIFMD」という。)または譲渡可能証券の集団投資事業指令(以
下「UCITS」という。)が適用されている。当行グループはこれらの子会社のMRTも識別している。識別された従業員には、欧
州証券市場監督機構(以下「ESMA」という。)が公表したAIFMD/CITSに基づく健全な報酬方針に関するガイドラインに記載の
報酬規定が適用される。
当行グループは、当行グループの顧客と直接または間接的に関わっている従業員を対象とした規制(国内法化された金融商
品市場指令Ⅱ(MiFID Ⅱ)等)についても考慮している。したがって、当行グループは、これらの従業員が当行グループの顧
客の利益を最大化すべく行動していることを確保するために、「関係者」と見なされる従業員のための特定の規定を導入して
いる。
必要に応じて、ドイツ銀行には、現地の規制当局によって施行されている特定の規則および規制も適用される。これらの要
件の多くはInstVVと一致しているが、差異が明らかである場合、当行グループは規制当局との積極的かつオープンな議論に
よって、影響を受ける従業員や拠点を当行グループの全体的なグループ報酬フレームワークに留めながら、現地の規制に遵守
している。この例として、連邦準備制度理事会の要件に基づき米国の「対象となる従業員」に適用される報酬構造が挙げられ
る。いかなる場合にも、当行グループは世界中でInstVVの要件を最低基準として適用する。
報酬ガバナンス
ドイツ銀行が強固なガバナンス構造を有することによって、当行グループの報酬戦略および方針の明確なパラメータ内での
運用が可能となっている。ドイツ・ツー・ティアー・ボード構造に従い、監査役会は取締役の報酬を管理し、当行グループの
その他すべての従業員の報酬事項を監督する。監査役会と取締役会の双方は、報酬統制委員会(以下「CCC」という。)報酬責
任者や上級管理職報酬委員会(以下「SECC」という。)等の特定の委員会や機能によって支えられている。
当行グループの統制部門は、各々の役割に従って、当行グループの報酬制度の設計および適用、MRTの識別ならびに変動報酬
の総額の決定に関与している。これには、従業員の行動や事業関連リスクによる影響、業績基準、報酬および退職金の付与な
らびに事後リスク調整の評価が含まれる。
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報酬ガバナンス構造
報酬統制委員会(CCC)
監査役会は、ドイツ銀行AGの取締役の報酬制度の構造を構築および監視することを支援するCCCを設立した。さらに、CCCは
取締役会とSECCが構築したドイツ銀行グループの従業員の報酬制度の適切性を監視する。CCCは、変動報酬の総額が妥当であ
り、リスク、資本および流動性の状況、ならびに事業戦略およびリスク戦略と整合しているかを見直す。さらに、CCCは、監査
役会によるMRTの識別プロセスの監視を支援する。
CCCは、監査役会会長および5名の監査役(うち3名は従業員の代表者)で構成されている。同委員会は2021暦年において6回
の会合を開いた。リスク委員会のメンバーが2回の会合にゲストとして出席した。詳細は、年次報告書の監査役会の報告書に記
載されている。
報酬責任者
取締役会はCCCと共同で、ドイツ銀行AGおよび当行のドイツにおける「重要な金融機関」の監査役会が報酬制度に関連する任
務を遂行することを支援する報酬責任者を任命した。報酬責任者は、従業員の報酬制度の概念レビュー、進展、監視および適
用、MRTの識別および報酬開示に継続的に関与する。報酬責任者は、すべての関連する監視の責任を単独で遂行し、従業員の報
酬制度の設計と実務の適切性に係る評価を少なくとも年1回提供し、定期的にCCCを支援し、助言を行う。
上級管理職報酬委員会(SECC)
SECCは、取締役会によって設置された権限を付与された委員会であり、持続的報酬に係る原則の策定、報酬総額の水準に関
する提言の作成および適切な報酬ガバナンスと監督を確保する義務を負う。SECCは報酬および給付の戦略および方針を構築す
る。さらに、SECCは、当行グループおよび部門の業績を報酬に関連した決定の根拠として評価するための定量的・定性的要素
を使用し、年間の変動報酬の総額およびそれを事業部門や管理部門全体へに配分することに関して、取締役会に適切な提言を
行う。
独立性を維持するために、管理部門および統制部門に属しており、当行グループの事業部門に所属していない代表者のみが
SECCのメンバーとなる。2021年度は、SECCメンバーは人事のグローバル・リーダーおよび最高財務責任者を共同委員長とし、
最高リスク責任者(後者2名は取締役でもある。)、コンプライアンスのグローバル・リーダー、評価および報酬のグローバ
ル・リーダー、さらに投票メンバーとしての財務担当者およびリスク担当者で構成されている。報酬責任者、報酬副責任者お
よび財務部から参加するもう1名の代表は、投票メンバーではない。SECCは通常、会合を毎月開催するが、報酬プロセスの期間
はより高い頻度で開催する。2021業績年度においては報酬プロセスに関連した会合が合計16回開かれた。
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ドイツ銀行(E05792)
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報酬戦略
ドイツ銀行は、当行グループ自身の報酬フレームワークが、ドイツ銀行の戦略目標を支える重要な役割を果たすことを認識
している。報酬制度によって、当行グループは、当行グループの目標の達成に必要な人物を惹きつけるまたは定着させること
ができる。報酬および給付の戦略は、以下に要約されるとおり、ドイツ銀行の事業戦略、リスク戦略および企業の価値観や信
念と整合している。
グループ報酬フレームワーク
当行グループの報酬フレームワークは通常、すべての地域および事業ラインにおいて全世界で適用可能であり、固定報酬
(以下「FP」という。)と変動報酬(以下「VC」という。)の適切なバランスを重視している。なお、2つの報酬を合わせて、
以下「総報酬(以下「TC」という。)」を形成している。この報酬フレームワークは、当行グループのすべてのレベルの持続
的業績に対する報奨と整合するものであると同時に、報酬決定の透明性および株主および従業員への影響を高めるものであ
る。当行グループの報酬フレームワークの基礎となる原則は、年功序列、勤続年数、性別または民族の違いに関係なく、全従
業員に等しく適用される。
CRDおよびその後採用されたドイツ銀行法の規定に従い、ドイツ銀行は変動報酬項目に対する固定報酬項目の比率を1:1にす
る必要があるが、2014年5月22日に株主の承認を得て1:2に増加させた。年次株主総会出席者の株式資本の27.68%に相当する有
効投票数に基づいた賛成率は95.27%であった。しかし、当行グループは、InstVVにより定義された統制部門の比率が2:1であ
る一方、特定の管理部門に属する従業員については最低限1:1に据え置くべきであると判断した。
当行は、各従業員の役割に対する参照価額を定めた「参照総報酬(RTC)」を適格従業員に割り当てている。この参照価額
は、当行グループの従業員にFPとVCに関する方向付けを示すものである。各個人の実際のTCは、VCの決定に応じて、「参照総
報酬」と同額、もしくはそれ以上またはそれ以下になる可能性がある。
固定報酬 は、業務の要件、規模および範囲に合致した従業員の技術、経験および能力に対する報酬に使用される。FPの適切
な水準は、それぞれの役割、内部での比較および適用される規制上の要件において一般的な相場を参照して決定される。FP
は、適切な人材を惹きつけ定着させることによって、当行グループが戦略目標を達成する上で重要な役割を果たす。従業員の
大半にとって、FPは主要な報酬項目である。
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ドイツ銀行(E05792)
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変動報酬 は、グループ、部門および個人レベルでの負担能力および業績を反映している。この報酬には、文化に影響を与え
る適切な奨励を通して個人の業績を区別し、行動の原動力となることができるという利点がある。また、コスト・ベースに柔
軟性をもたらす。VCは、一般的に2つの要素から成る。すなわち、「グループVC項目」と「個人別VC項目」である。
グループVC項目 は、報酬フレームワークの包括的目標の一つであり、VCとグループの業績の間の明確な結び付きを確保する
ものである。当行グループの戦略目標の1年間における達成度を評価するため、2021年度のグループVC項目を決定する基礎とし
て活用された4つの重要業績評価指標(KPI)は、普通株式等Tier 1(CET 1)資本比率、レバレッジ比率、調整後費用および税
引後平均有形株主資本利益率(RoTE)である。これらの4つのKPIは、当行グループの自己資本、レバレッジ、収益性および費
用目標を示すものでもある。
個人別VC項目 は、「個人別VC」(一般的にはヴァイス・プレジデント(VP)以上の従業員に適用される。)または「特別報
奨」(一般的にはアシスタント・ヴァイス・プレジデント(AVP)以下の従業員に適用される。)の形で付与される。業績への
マイナスの貢献または不正行為があった場合は、従業員のVCは減額されるか、ゼロになる可能性がある。VCの付与および支給
は当行グループの負担能力に左右される。当行グループの報酬フレームワークでは、既存の雇用関係において、引き続きVCは
保証されない。このような取決めは、雇用初年度にある新規採用者等極めて限定的にのみ行われ、当行グループの標準的な繰
延要件の対象となる。
報酬フレームワークの主な項目
個人別VC は複数の財務および非財務要素を考慮に入れる。これらには、該当する部門別の業績、従業員の個々の業績やおよ
び行動、価値や信念の固持、ならびに当行の戦略的決定およびリテンションの考慮等の追加的要因を含む。
特別報奨 は、下層の従業員による優れた貢献を適時に透明性が高い方法によって認識し、報奨を付与する機会を与える。一
般的に、特別報奨の予算の全体的規模は、対象範囲に含まれる従業員数に対して設定されたFPの割合と直接結び付いており、
部門レベルで管理されるプロセスにおける推薦および貢献へのレビューに基づいて、年に2回支給される。
InstVVでは、 退職金 は変動報酬とみなされる。当行グループの退職金に係るフレームワークは、InstVVの各要件との完全合
致を確実にするものである。
従業員給付 は「総報酬」を補完するものであり、規制上の観点からはFPとみなされる。これは、当該給付が業績または裁量
とは直接的に関係しないためである。これらの給付は、それぞれの市場慣行および要件に従い付与される。年金費用は、世界
各地で当行グループの給付ポートフォリオの主要素となっている。
特定の報酬構造を持つ従業員グループ
当行グループの一部の領域では、規制の範囲内で上述のグループ報酬フレームワークと一部異なる報酬構造が適用されてい
る。
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ポストバンク部門
通常、旧ポストバンクの幹部社員はドイツ銀行の報酬構造に従っているが、ポストバンク部門のその他の社員の報酬は、労
働組合またはそれぞれの労働者評議会と合意された特定のフレームワークに基づいている。労働協約が存在しない場合、報酬
は個別契約に従う。通常、ポストバンク部門の非幹部社員および協約従業員はVCを受け取るが、VCの構造と割合は会社ごとに
異なる場合がある。
DWS
DWSの資産運用会社および従業員の大半はAIFMDまたはUCITSに該当するが、限られた一部の従業員は当行グループのグループ
報酬フレームワークおよびInstVVの適用範囲に留まっている。DWSは、AIFMD/UCITSの要件に沿った独自の報酬ガバナンス、報
酬方針、報酬構造およびリスク・テイカーの識別プロセスを構築している。こうした構造やプロセスは、必要に応じてInstVV
と整合しているが、アセット・マネジメント事業に合うように調整されている。ESMAガイドラインに従い、DWSの報酬戦略は、
固定報酬と変動報酬の適切な比率を確保するように設計されている。
通常、DWSは当行グループのアプローチと同等の報酬規則を適用しているが、可能な場合はDWSグループに関連したパラメー
タを使用している。グループ報酬フレームワークとの顕著な相違点として、DWS株式およびファンド連動型金融商品と結び付け
られた株式に基づく金融商品の使用が挙げられる。これは、従業員の報酬とDWSの株主および投資家の利益との連携の向上につ
ながる。
統制部門
InstVVに従って、当行グループは、特別な規制要件の適用を受ける統制部門を定義した。統制部門は、リスク、コンプライ
アンス、金融犯罪防止、グループ監査、人事の一部、ならびに報酬責任者および報酬副責任者から構成される。利害の対立を
防ぐため、これらの統制部門の個人別VC項目を決定するのに使用されるパラメータは、同機能が監督する事業で使用されるパ
ラメータと異なる。リスク・プロファイルをもとに、これらの機能は、変動報酬に対する固定報酬の比率が2:1に設定されてい
る。
また、内部統制の役割を果たす一部の全社機能(法務、グループ財務、グループ税務、規制、および人事のその他機能等)
について、当行グループは変動報酬に対する固定報酬の比率を1:1とすることを決定した。
労働協約適用対象従業員(協約従業員)
ドイツ銀行グループには、ドイツにおいて15,667名(フルタイム換算)の協約従業員がいる。協約従業員は、労働組合と使
用者団体の間で締結された労働協約( Tarifvertrag für das private Bankgewerbe und die öffentlichen Banken )の適用、
または各労働組合と直接交渉された協約の適用を受ける。協約従業員の報酬は本報酬報告書の定量的開示に含まれている。
業績連動型変動報酬の決定
2021年度、当行グループは報酬に関する意思決定プロセスのガバナンスに引き続き注力した。緊密に事業および個人双方の
業績に結び付いた報酬決定のための規則に基づく強固な一連の原則が適用された。
VCの総額はいずれの業績年度においても、当行の収益性、支払能力および流動性ポジションを考慮してグループ・レベルで
当初決定され、その後、当行の戦略的目標の達成を支える業績に基づき、各部門および管理部門に配分される。
最初のステップで、ドイツ銀行は、リスク選好フレームワークに沿った当行の収益性、ソルベンシーおよび流動性ポジショ
ンを評価する。これは、規制要件に沿って当行が何を与えることが「できる」か(すなわち、当行グループの負担能力)を決
定するために、当行の複数年の戦略的計画を全体的な視点で見直すことを含む。次のステップで、当行は部門別のリスク調整
後の業績(すなわち、当行が当行の成功への貢献に対して適切な報酬を提供するために何を与える「べき」か)を評価する。
部門別の業績評価の際、様々な事項が考慮される。業績は、財務および(バランス・スコアカードに基づいた)非財務目標
に照らして評価される。フロント・オフィス部門の財務目標は、特に当行グループが将来晒される可能性のあるリスクの度合
いを参照すること、およびこれらのリスクから生じる重要な予想外の損失を吸収するために必要な資本額によって、適切にリ
スク調整される。管理部門については、財務業績評価は主にコスト目標に基づいている。管理部門(特に統制部門)のVC配分
は、当行グループ全体の業績に応じて決定されるが、これらの部門が監督する部門の業績によっては決定されない。
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当行グループは、変動報酬指針原則を個々の従業員レベルで策定しており、個人別VCを決定する際に検討すべき要素および
指標を詳細に定めている。管理職は、VC配分のバランスが図られ、リスク・テイクが不当に奨励されていないことを確保する
ために、個人のリスク・テイク活動を絶対的および相対的な面から十分に評価しなければならない。検討すべき要素および指
標には、(ⅰ)事業の成果(「何を」)、すなわち定量的および定性的な財務的、リスク調整済みおよび非財務的な業績指標、
ならびに(ⅱ)行動(「どのように」)、すなわち統制部門または懲戒処分からの定性的インプットといった文化、行動および
統制の検討等が含まれるが、これらに限定されるものではない。通常、業績は1年間で評価されるが、「重要な金融機関」の取
締役については、3年間の業績が考慮される。
変動報酬構造
当行グループの報酬構造は、当行グループの従業員および当行グループの長期業績を促進および支援するメカニズムが働く
ように設計されている。VCの一部がアップフロント報奨によって支払われる一方で、当該構造はVCの適切な一部を繰り延べる
ことによって、グループの持続可能な業績に連動させる必要がある。VCの両方の部分について、当行グループは、ドイツ銀行
株式を金融商品および効果的な方法として使用し、報酬を当行グループの持続可能な業績および株主の利益と連動させてい
る。
当行グループは引き続き、特定の従業員グループのVCの範囲および繰延額に係る規制要件および当行グループの最低繰延期
間を超えている。繰延率と期間は、従業員、部門および業務ユニットのリスク区分に基づいて決定される。該当する場合、当
行グループは、VCが50,000ユーロ以上に設定されている、またはVCがTCの3分の1を超えるMRTの変動報酬について、一部繰延を
開始する。MRT以外の者についての繰延は、より高額なVC額から開始される。InstVVに規定されるとおり、MRTについては、平
均して少なくともVCの40%(上級経営陣については60%)を超える部分が繰延率の適用対象となる。重要な業務ユニット
(MBU)のMRTについては、当行グループは最低50%の繰延率を適用している。最低60%以上の繰延が必要なMRTのVCの基準額
は、500,000ユーロに設定されている。
さらに、コーポレート・バンク(CB)、インベストメント・バンク(IB)またはキャピタル・リリース・ユニット(CRU)の
ディレクターおよびマネジング・ディレクターは、500,000ユーロを超えるVCについて、100%のVC繰延率の適用対象となる。
さらに、これらの従業員で固定報酬が500,000ユーロを超える場合、すべてのVCが繰り延べられる。
以下の表に詳述されているように、繰延期間は、従業員グループによって3年から5年の間である。MRTに関しては、2021年度
時点で適用可能なInstVV 4.0の要件に従い、最低繰延期間を3年から4年に延長した。
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2021 年度の報奨の種類別概要(DWSグループを除く。)
報奨の種類 概要 対象者 繰延期間 保有期間 割合
アップフロン アップフロント報奨の現 適格な従業員 N/A N/A VCが50,000ユー
ト: 金部分 ロ以上またはVC
現金VC がTCの1/3を超
えるMRT:アップ
フロントVCの
50%
2021年度のTCが
500,000ユーロ
以上のMRT以
外:アップフロ
ントVCの100%
アップフロン アップフロント報奨の株 VCが50,000 N/A 12ヶ月 アップフロントVC
ト: 式部分(保有期間にわ ユーロ以上ま の50%
株式アップフ たってドイツ銀行の株価 たはVCがTCの
ロント報奨 に連動) 1/3を超える全
(EUA) MRT
2021年度のTC
が500,000ユー
ロ以上の全従
業員
繰延: 繰延現金部分 繰延VCを有す 段階的均等権利確 N/A 繰延VCの50%
制限付奨励報 る全従業員 定:
奨(RIA) MRT:4年
1
上級経営陣 :5年
その他:3年
繰延: 繰延株式部分(権利確定 繰延VCを有す 段階的均等権利確 MRTの場合は 繰延VCの50%
制限付株式報 期間および保有期間にわ る全従業員 定: 12ヶ月
奨(REA) たるドイツ銀行の株価に MRT:4年
1
連動) 上級経営陣 :5年
その他:3年
N/A -該当なし
1 2021業績年度の年間報酬の目的上、「上級経営陣」は、「ドイツ銀行AGのMB-1ポジション」、「事業部門上級幹部委員会」の投票メン
バー、「重要な金融機関」の取締役および管理責任を有するそれぞれのMB-1ポジションと定義される。ドイツ銀行AGの取締役会の特定の
繰延規則については、取締役会の報酬報告書を参照のこと。
当行グループの従業員には、繰延報酬または報奨に関する権利を売却、担保供与すること、譲渡または付与することが認め
られない。変動報酬をヘッジする経済効果を有する取引、例えば、株式を基礎とする報奨に係る価格変動リスクを相殺するこ
とができない。当行グループの人事およびコンプライアンス部門は、報酬責任者による監視の下、一丸となって従業員のト
レーディング活動を監視し、当行グループの全従業員がこの要件を遵守していることを確保する。
変動報酬の事後リスク調整
変動報酬の事後リスク調整に関連する規制要件に従い、当行グループは、当行グループの従業員の行動および業績に係る長
期的な見解が繰延VCの重要な要素であると考えている。その結果、以下のとおり繰延報奨が業績条件および失効規定の対象と
なる。
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2021 業績年度に付与されたドイツ銀行グループの変動報酬の業績条件および失効規定の概要
規定 説明 失効
リスク選好の限界値およびグループ/
権利確定前および交付前の四半期末に当
部門税引前利益の条件の範囲を満たし
行グループのCET 1資本比率または流動性
ソルベンシーおよび流動性 たかによって、今後交付予定の繰延報
カバレッジ比率が一定の基準値を下回っ
奨のトランシェ/株式アップフロント
た場合
報酬の10%から100%
ソルベンシーと流動性の状況の範囲を
満たし、部門税引前利益を満たしたか
調整後のグループ税引前利益が交付日前
グループ税引前利益 (該当する場合)によって、今後交付
1
の事業年度にマイナスである場合
予定の繰延報奨のトランシェの10%か
ら100%
ソルベンシーと流動性の状況の範囲を
調整後の部門税引前利益が交付日前にマ
満たし、グループ税引前利益を満たし
部門税引前利益
1
イナスである場合
たかによって、今後交付予定の繰延報
奨のトランシェの10%から100%
- 内部方針および手続の違反または該
2
失効規定
当する法令の違反あるいは統制の欠
陥があった場合
- 報奨が、著しく不正確であるとみな
された業績の測定または仮定にもと
づいていることが判明した場合
交付予定の報奨の100%まで
- 著しい悪影響が発生し、参加者が十
分に影響を受けると考えられる場合
- 失効が現行の規制要件を遵守するこ
とが要求されている場合
InstVVに基づくMRTが重大な損失もしくは
規制上の制裁/監督措置を招く行為に関
交付された報奨の100%、報奨の最後
クローバック 与した場合、または適正な行動基準に関
の権利確定日から2年後の応当日まで
する外部もしくは内部の関連規則を遵守
しなかった場合
1 明確に定義および規定される関連する損益項目の調整(事業再構築、のれんまたは無形資産の減損等)を考慮している。
2 各制度規則に定められているとおり、他の規定が適用される場合がある。
2021 年度の報酬の決定
2021 年度の期末における検討および決定
報酬に関するすべての決定は、規制要件の範囲内で行っている。これらの要件は、ドイツ銀行の報酬を決定するための包括
的かつ制限的な原則を形成している。特に、報酬に関する決定が当行の健全な資本基盤と流動性資源の維持に弊害をもたらさ
ないことを経営陣は保証しなければならない。
当行グループの戦略への継続的な注力と従業員の貢献により、2021年度は大変良好な年となった。特に、継続するCOVID-19
のパンデミックと当行の進行中の改革を考慮すると、当行グループの全事業が好調に推移し、予測された改革費用のほぼすべ
てが認識されている。その結果、税引前利益34億ユーロ、純利益25億ユーロとなり、当行グループの収益性はかなり向上して
いる。また、さらなる進展を遂げ、コストについても十分な規律を保っている。これにより、持続可能な収益性を実現するた
めの強固な基盤を構築し、発表した改革の最終段階への道筋を定めている。
2021年度はドイツ銀行にとって非常に明るい年であったが、当行グループは、2021年度の変動報酬と繰延構造を決定する際
に、従業員に公平に報いる必要があることを見失うことなく、慎重かつ将来予測的なアプローチを再度適用した。これらの決
定は、業績および市況に沿って、また、当然ながら負担能力の範囲内で行われた。ここでも、年度末業績に基づくVCの額を決
定する際には、グループおよび部門レベルで本来必要な額よりも控えめな結果とした。過年度と同様、SECCは、当社の資本お
よび流動性の基盤のみならず、当行グループの野心的なコスト目標を考慮に入れて、潜在的なVC報奨の影響を継続的に監視
し、見直しを行ってきた。
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有価証券報告書
上記の検討の中で、取締役会は、当行は2021年度の期末における業績に基づくVCプール20.99億ユーロを含む変動報酬を付与
することができることを確認した。ドイツ銀行AGの取締役会のVCは、監査役会により別個のプロセスで決定された。ただし、
これは、以下の表および図に含まれている。
2022年3月に付与された2021年度全体のVC報奨の一環として、グループVC項目は、「グループ報酬フレームワーク」の項に記
載されるとおり、設定された4つのKPIの評価に従って、すべての適格な従業員に付与された。取締役会は、2021年度における
グループVC項目の支払率を77.5%と決定した(2020年度:72.5%)。
2020年度と比較した2021年度のVC報奨の増加は、様々な要因の組み合わせによるものである。ドイツ銀行の業績改善が一端
を担っており、戦略の効果的な実行に不可欠な主要な上級職の追加による従業員の母集団構成や特定の為替の影響もVC報奨の
相対的な規模に影響している。
2021 年度の報酬費用-全従業員
2021 年度 2020 年度
単位:百万ユー
ロ(別途記載の 監査役 取締役 統制部 全社
グループ グループ
1 2 3 3 3 3 3
3 3 3
ものを除く) 会 会 IB CB PB AM CRU 門 機能
合計 合計
従業員数
22 11 7,202 13,265 28,100 4,072 267 5,936 24,117 82,969 84,659
(フルタイム換
算)
7 79 2,215 1,280 2,471 762 100 662 2,342 9,912 10,119
報酬総額
基本給および
7 27 1,098 929 1,889 422 64 568 1,813 6,811 6,940
手当
0 8 63 80 154 39 5 49 139 537 554
年金費用
InstVV第2条に
7 35 1,161 1,009 2,044 461 69 617 1,952 7,348 7,494
よる固定報酬
年度末業績に
0 40 1,018 188 249 230 23 37 315 2,099 1,857
4
基づくVC
4
0 1 5 7 45 57 0 2 19 135 286
その他のVC
0 3 31 77 133 15 8 7 57 330 482
退職金
InstVV第2条に
0 44 1,054 271 427 301 31 46 390 2,564 2,625
よる変動報酬
1 表は四捨五入による差異を含む場合がある。2021年12月31日現在のFTE(フルタイム換算)。
2 「監査役会」には、ドイツ銀行AGの監査役が含まれる。当該監査役は従業員数のグループ合計においては考慮されていない。従業員の代
表者については、監査役会での役割に対する報酬のみが考慮されている(従業員としての報酬は該当する部門の欄に含められてい
る。)。ドイツ銀行AGの監査役の報酬は、「グループ合計」に反映されていない。
3 「取締役会」には、ドイツ銀行AGの取締役が含まれる。「IB」 = インベストメント・バンク、「CB」 = コーポレート・バンク、「PB」
= プライベート・バンク、「AM」 = アセット・マネジメント、「CRU」 = キャピタル・リリース・ユニット。「統制部門」には、最高
リスク・オフィス、グループ監査、コンプライアンスおよび金融犯罪防止の領域が含まれる。「全社機能」は、統制部門にも、その他
いずれの部門にも含まれていない管理部門が含まれる。従業員の通年の報酬は、年度末時点の役割に基づく欄に配分されている。
4 「年度末業績に基づくVC」には、個人別VCおよびグループVCが含まれる。「その他のVC」には、サインオン報奨やリテンション報奨、特
別報奨、 DWS パフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)報奨および 協約従業員および公務員に関する特定のVC項目も含まれる。また、
ドイツ銀行AGの取締役に付与される付加給付(変動報酬として分類される。)も含まれる。本表には前任雇用者からの権利失効に代わ
る新規雇用者への報奨(早期退職割増報奨金)は含まれない。
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ドイツ銀行(E05792)
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各年に報告された年度末業績に基づく変動報酬および繰延率-全従業員
ドイツ銀行は、規制上の最低要件を超えた繰延構造を引き続き適用しており、2021年度には全体的な繰延率(非MRT母集団を
含む全従業員)は48%となった。MRT母集団のみに関しては、繰延率は92%に達する。
重要なリスク・テイカーの報酬の開示
グローバル・ベースで、2020年度の2,298人に対して、2021年度においては1,263名の従業員がInstVVのMRTとして識別され
た。この減少は、2021年度の規制変更に伴い、新たに適用される報酬基準として、定量的なMRT数が減少(報酬に起因)したこ
とによるものである。2021年度のグループMRT数は1,005名にのぼる。さらに、181名が「重要な金融機関」により、129名がそ
の他のCRR機関により識別された。すべてのグループMRTに対する報酬項目(2020年度とは異なり、「重要な金融機関」により
識別されたグループMRTおよびMRTの双方(それぞれの機関によっても報告される)が含まれている。)の詳細は、InstVV第16条
およびCRR第450条に従い、以下の表に示されている。
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ドイツ銀行(E05792)
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重要なリスク・テイカーの2021年度の報酬(REM 1)
2021 年度
その他の重要
単位:百万ユーロ
なリスク・
1 2 3 4
(別途記載のものを除く) 監査役会 取締役会 上級経営陣
テイカー グループ合計
5
MRTの数
22 11 118 807 958
固定報酬総額 7 35 134 529 704
うち:現金に基づく
5 27 128 503 664
うち:株式または相当する所
2 0 0 0 2
固定報酬
有持分
うち:株式連動型商品または
0 0 0 0 0
相当する現金以外の商品
うち:その他の商品
0 0 0 0 0
うち:その他の形式
0 8 6 26 39
5
MRTの数
0 11 114 803 928
6
変動報酬総額
0 44 130 526 699
うち:現金に基づく 0 23 62 266 351
うち:繰延 0 21 50 221 292
うち:株式または相当する所
0 21 56 254 330
有持分
うち:繰延 0 21 47 219 287
変動報酬
うち:株式連動型商品または
0 0 11 7 18
相当する現金以外の商品
うち:繰延 0 0 9 5 14
うち:その他の商品 0 0 1 0 1
うち:繰延 0 0 1 0 1
うち:その他の形式 0 0 0 0 0
うち:繰延 0 0 0 0 0
報酬総額 7 79 263 1,055 1,404
1 表は四捨五入による差異を含む場合がある。
2 「監査役会」には、ドイツ銀行AGの監査役が含まれる。
3 「取締役会」には、ドイツ銀行AGの取締役が含まれる。
4 「上級経営陣」は、ドイツ銀行AGの「MB-1ポジション」および「事業部門上級幹部委員会」の投票メンバーと定義される。
5 対象者のみ(監査役会および取締役会については人数、残りの部分についてはフルタイム換算の人数)。したがって合計は、グループMRT
として識別された個人の合計1,005名とならない。
6 「変動報酬」には、ドイツ銀行の2021年度の年度末業績に基づくVC報奨、その他のVCおよび退職金が含まれる。ドイツ銀行AGの取締役に
付与される付加給付(変動報酬として分類される。)も含まれる。本表には、前任雇用者からの権利失効に代わる新規雇用者への報奨
(早期退職割増報奨金)は含まれない。
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重要なリスク・テイカーの保証付変動報酬および退職金(REM 2)
2021 年度
その他の重要
単位:百万ユーロ
なリスク・ グループ
1 2 3
4
(別途記載のものを除く) 監査役会 取締役会 上級経営陣
テイカー 合計
保証付変動報酬
MRTの数
0 0 1 3 4
総額
0 0 0 3 3
うち:事業年度中に支払われ、賞与上
限には考慮されないもの
0 0 0 0 0
過年度に付与された退職金のうち、事業
年度中に支払われたもの
5
MRTの数
0 0 0 0 0
総額
0 0 0 0 0
事業年度中に支払われた退職金
5
MRTの数
0 1 6 28 35
6
総額
0 3 4 8 16
うち:事業年度中に支払われたもの
0 2 3 8 13
うち:繰延
0 2 2 0 3
うち:事業年度中に支払われ、賞与上
限には考慮されないもの 0 3 4 8 16
1 表は四捨五入による差異を含む場合がある。
2 「監査役会」には、ドイツ銀行AGの監査役が含まれる。
3 「取締役会」には、ドイツ銀行AGの取締役が含まれる。
4 「上級経営陣」は、ドイツ銀行AGの「MB-1ポジション」および「事業部門上級幹部委員会」の投票メンバーと定義される。
5 退職金は通常、賞与上限を考慮しない。2021年度に一括で支払われた退職金の最高額は3,462,111ユーロである。
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ドイツ銀行(E05792)
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重要なリスク・テイカーの繰延報酬(REM 3)
2021 年度
事後的な 当事業年度に
過去の業 当事業年度に 将来の業績年 過去の業績期
非明示的 実際に支払わ
うち翌
績期間に 権利確定する 度に権利確定 間について付
調整によ れた当事業年
事業年
ついて付 繰延報酬に対 する繰延報酬 与されたが保
単位:百万ユー る当事業 度以前に付与
度に
与された うち当事 する当事業年 に対する当事 有期間が適用
ロ(別途記載の 年度の調 された繰延報
繰延報酬 業年度に 権利確 度の業績調整 業年度の業績 される繰延報
1 5 6
ものを除く) 整総額 酬総額
総額 権利確定 定 額 調整額 酬総額
2
監査役会
0 0 0 0 0 0 0 0
現金に基づく 0 0 0 0 0 0 0 0
株式または同
0 0 0 0 0 0 0 0
等の所有持分
株式連動型商
品または同等
0 0 0 0 0 0 0 0
の現金以外の
商品
その他の商品 0 0 0 0 0 0 0 0
その他の形式
0 0 0 0 0 0 0 0
3
取締役会
62 5 57 0 0 6 5 1
現金に基づく
25 4 22 0 0 0 4 0
株式または同
37 1 36 0 0 6 1 1
等の所有持分
株式連動型商
品または同等
0 0 0 0 0 0 0 0
の現金以外の
商品
その他の商品
0 0 0 0 0 0 0 0
その他の形式 0 0 0 0 0 0 0 0
4
上級経営陣
336 58 278 0 0 30 58 15
現金に基づく
172 38 134 0 0 0 38 0
株式または同
150 19 131 0 0 29 19 15
等の所有持分
株式連動型商
品または同等
12 1 11 0 0 0 1 1
の現金以外の
商品
その他の商品 1 0 1 0 0 0 0 0
その他の形式 0 0 0 0 0 0 0 0
その他の重要な
リスク・テイ 1,319 292 1,027 1 2 111 289 67
カー
現金に基づく 712 175 537 0 1 0 173 0
株式または同
599 117 482 0 1 110 115 67
等の所有持分
株式連動型商
品または同等
7 1 6 0 0 0 1 1
の現金以外の
商品
その他の商品 1 0 0 0 0 0 0 0
その他の形式 0 0 0 0 0 0 0 0
総額 1,717 355 1,362 1 2 147 352 84
1 表は四捨五入による差異を含む場合がある。
2 「監査役会」には、ドイツ銀行AGの監査役が含まれる。
3 「取締役会」には、ドイツ銀行AGの取締役が含まれる。
4 「上級経営陣」は、ドイツ銀行AGの「MB-1ポジション」および「事業部門上級幹部委員会」の投票メンバーと定義される。
5 金融商品価格の変動による繰延報酬額の変動。
6 当事業年度に権利確定した、当事業年度以前に付与された報酬と定義される(保有期間が適用される場合を含む。)。
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重要なリスク・テイカーの高所得者の報酬(REM 4)
2021 年度
1
単位:ユーロ
従業員数
2
報酬総額
1,000,000以上1,499,999以下 234
1,500,000以上1,999,999以下 115
2,000,000以上2,499,999以下 56
2,500,000以上2,999,999以下 33
3,000,000以上3,499,999以下 19
3,500,000以上3,999,999以下 19
4,000,000以上4,499,999以下 9
4,500,000以上4,999,999以下 4
5,000,000以上5,999,999以下 10
6,000,000以上6,999,999以下 6
7,000,000以上7,999,999以下 8
8,000,000以上8,999,999以下 3
9,000,000以上9,999,999以下 3
10,000,000以上10,999,999以下 1
合計 520
1 MRTのみで構成される(2021年度の離職者を含む。 )。
2 FP およびVCの全項目を含む(退職金を含む。)。 早期退職割増報奨金は含まれていない。
2021年度には合計520名のMRTが1百万ユーロ以上の報酬総額を受け取った(2020年度は614名のMRT)。この減少は主に、リテ
ンション数および退職金の付与が減少したことによるものである。
重要なリスク・テイカーの報酬報奨(REM 5)
経営体の報酬 事業分野
単位:百万ユーロ
独立した内
(別途記載のものを
経営体 部統制部門
1 2 2 2 2 2 2 2 2 2
除く) 監査役会 取締役会 IB CB PB AM CRU 統制部門
合計 合計
重要なリスク・テイ
958
3
カーの総数
うち:経営体 22 11 33 N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A
4
うち:上級経営陣
N/A N/A N/A 20 18 7 5 5 55 8 118
うち:その他の重
要なリスク・テイ
N/A N/A N/A 465 73 76 15 20 117 41 807
カー
重要なリスク・テイ
7 79 86 861 87 98 41 25 169 36 1,404
カーの報酬総額
5
うち:変動報酬
- 44 44 462 41 44 27 9 64 9 699
うち:固定報酬 7 35 42 399 46 54 15 16 105 27 704
1 表は四捨五入による差異を含む場合がある。
2 「監査役会」には、ドイツ銀行AGの監査役が含まれる。「取締役会」には、ドイツ銀行AGの取締役が含まれる。「IB」 = インベストメン
ト・バンク、「CB」 = コーポレート・バンク、「PB」 = プライベート・バンク、「AM」= アセット・マネジメント、「CRU」 = キャピ
タル・リリース・ユニット。「統制部門」には、最高リスク・オフィス、グループ監査、コンプライアンスおよび金融犯罪防止の領域が
含まれる。「全社機能」は、統制部門にも、その他いずれの部門にも含まれていない管理部門が含まれる。
3 監査役会および取締役会については人数、残りの部分についてはフルタイム換算の人数。したがって合計は、グループMRTとして識別され
た個人の合計1,005名とならない。
4 「上級経営陣」は、ドイツ銀行AGの「MB-1ポジション」および「事業部門上級幹部委員会」の投票メンバーと定義される。
5 「変動報酬」には、ドイツ銀行の2021年度の年度末業績に基づくVC報奨、その他のVCおよび退職金が含まれる。ドイツ銀行AGの取締役に
付与される付加給付(変動報酬として分類される。)も含まれる。本表には、前任雇用者からの権利失効に代わる新規雇用者への報奨
(早期退職割増報奨金)は含まれない。
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② 連結損益計算書
単位:百万ユーロ(億円) 注記 2021 年度 2020 年度 2019 年度
1
利息および類似収益
5 16,599 17,806 25,208
利息費用 5 5,444 6,280 11,458
純利息収益 5 11,155 11,526 13,749
(\15,367) (\15,878) (\18,941)
信用損失引当金繰入額 19 515 1,792 723
信用損失引当金繰入額控除後の純利息収益 10,640 9,734 13,026
(\14,658) (\13,410) (\17,945)
手数料およびフィー収益 6 10,934 9,424 9,520
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負
5 3,045 2,465 193
債に係る純利得(損失)
償却原価で測定する金融資産の認識の中止に係る
7 1 311 3
純利得(損失)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金
237 323 260
融資産に係る純利得(損失)
持分法適用投資による純利益(損失) 16 98 120 110
その他の収益(損失) 8 -58 -141 -671
利息以外の収益合計 14,255 12,503 9,416
(\19,638) (\17,224) (\12,971)
報酬および手当 33 10,418 10,471 11,142
一般管理費 9 10,821 10,259 12,253
のれんおよびその他の無形資産の減損 23 5 0 1,037
再構築費用 10 261 485 644
利息以外の費用合計 21,505 21,216 25,076
(\29,625) (\29,227) (\34,545)
税引前利益 (損失) 3,390 1,021 -2,634
(\4,670) (\1,407) (\ △3,629 )
法人所得税費用(ベネフィット) 34 880 397 2,630
当期純利益(損失) 2,510 624 -5,265
(\3,458) (\860) ( \ △7,253)
非支配持分に帰属する純利益(損失) 144 129 125
ドイツ銀行株主およびその他の資本構成要素に帰
2,365 495 -5,390
属する純利益(損失)
1 2021年、2020年および2019年12月31日終了年度における利息および類似収益には、実効金利法に基づいて算定されたそれぞれ132億ユー
ロ、139億ユーロおよび180億ユーロが含まれている。
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株式1株当たり利益
単位:ユーロ(円) 注記 2021 年度 2020 年度 2019 年度
1
株式1株当たり利益:
11
基本的 0.96 0.07 -2.71
(\132) (\10) (\△373)
希薄化後 0.93 0.07 -2.71
(\128) (\10) (\△373)
株式数 単位:百万株
基本的1株当たり利益計算上の分母
2,096.5 2,108.2 2,110.0
-加重平均社外流通株式数
希薄化後1株当たり利益計算上の分母
2,143.2 2,170.1 2,110.0
2
-転換想定後の修正加重平均株式数
1 2021年4月、2020年4月および2019年4月にその他Tier 1ノートについて支払ったクーポンに関して363百万ユーロ(税引前)、349百万ユー
ロ(税引前)および330百万ユーロ(税引前)の利益からマイナスの修正が加えられている。その他Tier 1ノートについて支払ったクー
ポンは、ドイツ銀行株主に帰属しないため、IAS第33号に基づく計算において控除する必要がある。
2 2019年度における1株当たり利益の計算においては、当期純損失を計上したため、通常、1株当たり利益の計算に際して潜在的に希薄化効
果を有する株式は計算に考慮されない。これを考慮に入れると1株当たり純損失が減少するためである。仮に当期純利益を計上していた
場合には、2019年度において、転換想定後の修正加重平均株式数は60百万株増加する。
添付の注記は、連結財務諸表の不可欠な一部である。
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③ 連結包括利益計算書
単位:百万ユーロ(億円) 2021 年度 2020 年度 2019 年度
2,510 624 -5,265
損益計算書に認識された純利益(損失)
(\3,458) (\860) (\ △7,253 )
その他の包括利益
純損益に振り替えられない項目
確定給付制度に係る再測定利得(損失)、税引前 804 149 -1,396
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負
-15 -24 -3
債に係る信用リスクに起因する公正価値純利得(損失)、税引前
純損益に振り替えられない項目に係る法人所得税の合計 -202 82 403
純損益に振り替えられた、または振り替えられる可能性のある項目
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
期中未実現純利得(損失)、税引前 -344 676 309
(純損益に振り替えられた)期中実現純(利得)損失、税引前 -237 -323 -260
キャッシュ・フロー・ヘッジ目的のデリバティブ
期中未実現純利得(損失)、税引前 1 -14 -2
(純損益に振り替えられた)期中実現純(利得)損失、税引前 -54 4 -2
売却目的保有として分類された資産
期中未実現純利得(損失)、税引前 0 0 0
(純損益に振り替えられた)期中実現純(利得)損失、税引前 0 0 0
外貨換算調整勘定
期中未実現純利得(損失)、税引前 1,117 -1,819 -20
(純損益に振り替えられた)期中実現純(利得)損失、税引前 -14 6 -9
持分法適用投資
期中純利得(損失) -5 1 -22
純損益に振り替えられた、または振り替えられる可能性のある項目 285 -122 193
に係る法人所得税の合計 (\393) (\△168) (\266)
1,334 -1,385 -809
その他の包括利益(損失)、税引後
(\1,838) (\ △1,908) (\ △1,114 )
3,844 -762 -6,073
包括利益(損失)合計、税引後
(\5,295) (\ △1,050) (\ △8,366 )
以下に帰属:
非支配持分 212 59 136
ドイツ銀行株主およびその他の資本構成要素 3,632 -821 -6,209
添付の注記は、連結財務諸表の不可欠な一部である。
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④ 連結貸借対照表
2021 年 2020 年
単位:百万ユーロ(億円) 注記 12 月31日現在 12 月31日現在
資産:
現金および中央銀行預け金 192,021 166,208
インターバンク預け金(中央銀行以外) 7,342 9,130
中央銀行ファンド貸出金および売戻条件付買入有価証券(逆レポ) 20 8,368 8,533
借入有価証券担保金 20 63 0
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
トレーディング資産 102,396 107,929
デリバティブ金融商品のプラスの時価 299,732 343,455
強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以
88,965 76,121
外の金融資産
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資
140 437
産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産合計 12,13,20,35 491,233 527,941
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 15 28,979 55,834
持分法適用投資 16 1,091 901
償却原価で測定する貸出金 18,19,20 471,319 426,995
土地建物および設備 21,22 5,536 5,549
のれんおよびその他の無形資産 23 6,824 6,725
1
その他の資産
24,25 103,785 110,399
当期税金資産 1,214 986
繰延税金資産 34 6,218 6,058
資産合計 1,323,993 1,325,259
(\1,823,933) ( \1,825,677 )
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2021 年 2020 年
単位:百万ユーロ(億円) 注記 12 月31日現在 12 月31日現在
負債および資本:
預金 26 603,750 568,031
中央銀行ファンド借入金および買戻条件付売却有価証券(レポ) 20 747 2,325
貸付有価証券受入金 20 24 1,697
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
トレーディング負債 54,718 44,316
デリバティブ金融商品のマイナスの時価 287,108 327,775
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融
58,468 46,582
負債
投資契約負債 562 526
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債合計 12,13,20,35 400,857 419,199
その他の短期借入金 29 4,034 3,553
1
その他の負債
22,24,25 97,796 114,208
引当金 19,27 2,641 2,430
当期税金負債 600 574
繰延税金負債 34 501 561
長期債務 30 144,485 149,163
信託優先証券 30 528 1,321
負債合計 1,255,962 1,263,063
(\1,730,213) (\1,739,996)
普通株式、無額面、名目価額2.56ユーロ 32 5,291 5,291
資本剰余金 40,580 40,606
利益剰余金 12,607 10,014
自己普通株式、取得原価 32 -6 -7
その他の包括利益(損失)累計額、税引後 -444 -1,118
株主持分合計 58,027 54,786
(\79,938) (\75,473)
その他の資本構成要素 8,305 5,824
非支配持分 1,698 1,587
資本合計 68,030 62,196
(\93,718) (\85,681)
負債および資本合計 1,323,993 1,325,259
(\1,823,933) (\1,825,677)
1 売却目的保有の非流動資産および処分グループが含まれる。
添付の注記は、連結財務諸表の不可欠な一部である。
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⑤ 連結持分変動計算書
普通株式 自己普通株
単位:百万ユーロ(億円) (無額面) 資本剰余金 利益剰余金 式、取得原価
2018 年12月31日現在残高 5,291 40,252 16,714 -15
(\7,289) (\55,451) (\23,025) (\ △21)
IFRS第16号への移行に伴う影響 0 0 -136 0
2019 年1月1日現在残高(IFRS第16号) 5,291 40,252 16,578 -15
( \7,289 ) ( \55,451 ) ( \22,838 ) ( \ △ 21)
1
包括利益(損失)合計、税引後
0 0 -5,390 0
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
ものとして指定された資本性金融商品に起因す 0 0 0 0
る利得(損失)、税引後
純損益を通じて公正価値で測定するものとして
指定された金融負債の自己の信用リスクの変動
0 0 0 0
に起因する早期償還に係る利得(損失)、税引
後
現金配当の支払 0 0 -227 0
その他の資本構成要素に係るクーポン、税引前 0 0 -330 0
確定給付制度に係る再測定利得(損失)、税引
0 0 -987 0
後
報告期間中の株式報奨の純変動 0 118 0 0
株式を基礎とした報酬制度に基づく自己株式の
0 0 0 185
分配
株式を基礎とした報酬制度に係るタックス・ベ
0 0 0 0
ネフィット
オプション・プレミアムおよび普通株式に係る
0 0 0 0
オプションによるその他の影響
自己株式の購入 0 0 0 -1,359
自己株式の売却 0 0 0 1,185
自己株式売却に係る純利得(損失) 0 3 0 0
その他 0 133 0 0
2019 年12月31日現在残高 5,291 40,505 9,644 -4
( \7,289 ) ( \55,800 ) ( \13,286 ) ( \ △6 )
1
包括利益(損失)合計、税引後
0 0 495 0
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
ものとして指定された資本性金融商品に起因す 0 0 0 0
る利得(損失)、税引後
純損益を通じて公正価値で測定するものとして
指定された金融負債の自己の信用リスクの変動
0 0 0 0
に起因する早期償還に係る利得(損失)、税引
後
現金配当の支払 0 0 0 0
その他の資本構成要素に係るクーポン、税引前 0 0 -349 0
確定給付制度に係る再測定利得(損失)、税引
0 0 223 0
後
報告期間中の株式報奨の純変動 0 -131 0 0
株式を基礎とした報酬制度に基づく自己株式の
0 0 0 208
分配
株式を基礎とした報酬制度に係るタックス・ベ
0 11 0 0
ネフィット
オプション・プレミアムおよび普通株式に係る
0 0 0 0
オプションによるその他の影響
自己株式の購入 0 0 0 -279
自己株式の売却 0 0 0 68
自己株式売却に係る純利得(損失) 0 0 0 0
その他 0 221 0 0
2020 年12月31日現在残高 5,291 40,606 10,014 -7
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( \7,289 ) ( \55,939 ) ( \13,795 ) ( \ △10 )
1
包括利益(損失)合計、税引後
0 0 2,365 0
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
ものとして指定された資本性金融商品に起因す 0 0 0 0
る利得(損失)、税引後
純損益を通じて公正価値で測定するものとして
指定された金融負債の自己の信用リスクの変動
0 0 -2 0
に起因する早期償還に係る利得(損失)、税引
後
現金配当の支払 0 0 0 0
その他の資本構成要素に係るクーポン、税引前 0 0 -363 0
確定給付制度に係る再測定利得(損失)、税引
0 0 592 0
後
報告期間中の株式報奨の純変動 0 -99 0 0
株式を基礎とした報酬制度に基づく自己株式の
0 0 0 312
分配
株式を基礎とした報酬制度に係るタックス・ベ
0 29 0 0
ネフィット
オプション・プレミアムおよび普通株式に係る
0 -50 0 0
オプションによるその他の影響
自己株式の購入 0 0 0 -346
自己株式の売却 0 0 0 35
自己株式売却に係る純利得(損失) 0 0 0 0
その他 0 94 0 0
2021 年12月31日現在残高 5,291 40,580 12,607 -6
( \7,289 ) ( \55,903 ) ( \17,367 ) ( \ △8 )
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未実現純利得(損失)
純損益を通じて
公正価値で測定
その他の包括利 するものとして
益を通じて公正 指定された金融 キャッシュ・フ
価値で測定する 負債の自己の信 ロー・ヘッジ目 売却目的保有と
金融資産、税引 用リスクの変動 的のデリバティ して分類された
2 2 2 2
後 に起因、税引後 ブ 、税引後 資産、税引後
単位:百万ユーロ(億円)
2018 年12月31日現在残高 -34 28 17 0
( \ △47) ( \39 ) ( \23 ) ( \ 0)
IFRS第16号への移行に伴う影響 0 0 0 0
2019 年1月1日現在残高(IFRS第16号) -34 28 17 0
(\ △47) (\ 39 ) (\ 23 ) (\0)
1
包括利益(損失)合計、税引後
79 -2 -3 0
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
するものとして指定された資本性金融商品 0 0 0 0
に起因する利得(損失)、税引後
純損益を通じて公正価値で測定するものと
して指定された金融負債の自己の信用リス
0 0 0 0
クの変動に起因する早期償還に係る利得
(損失)、税引後
現金配当の支払 0 0 0 0
その他の資本構成要素に係るクーポン、税
0 0 0 0
引前
確定給付制度に係る再測定利得(損失)、
0 0 0 0
税引後
報告期間中の株式報奨の純変動 0 0 0 0
株式を基礎とした報酬制度に基づく自己株
0 0 0 0
式の分配
株式を基礎とした報酬制度に係るタック
0 0 0 0
ス・ベネフィット
オプション・プレミアムおよび普通株式に
0 0 0 0
係るオプションによるその他の影響
自己株式の購入 0 0 0 0
自己株式の売却 0 0 0 0
自己株式売却に係る純利得(損失) 0 0 0 0
その他 0 0 0 0
2019 年12月31日現在残高 45 25 14 0
( \62 ) ( \34 ) ( \19 ) ( \0 )
1
包括利益(損失)合計、税引後
233 -18 -7 0
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
するものとして指定された資本性金融商品 0 0 0 0
に起因する利得(損失)、税引後
純損益を通じて公正価値で測定するものと
して指定された金融負債の自己の信用リス
0 0 0 0
クの変動に起因する早期償還に係る利得
(損失)、税引後
現金配当の支払 0 0 0 0
その他の資本構成要素に係るクーポン、税
0 0 0 0
引前
確定給付制度に係る再測定利得(損失)、
0 0 0 0
税引後
報告期間中の株式報奨の純変動 0 0 0 0
株式を基礎とした報酬制度に基づく自己株
0 0 0 0
式の分配
株式を基礎とした報酬制度に係るタック
0 0 0 0
ス・ベネフィット
オプション・プレミアムおよび普通株式に
0 0 0 0
係るオプションによるその他の影響
自己株式の購入 0 0 0 0
自己株式の売却 0 0 0 0
自己株式売却に係る純利得(損失) 0 0 0 0
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その他 0 0 0 0
2020 年12月31日現在残高 278 7 7 0
( \383 ) ( \10 ) ( \10 ) ( \0 )
1
包括利益(損失)合計、税引後
-398 -13 -40 0
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
するものとして指定された資本性金融商品 0 0 0 0
に起因する利得(損失)、税引後
純損益を通じて公正価値で測定するものと
して指定された金融負債の自己の信用リス
0 2 0 0
クの変動に起因する早期償還に係る利得
(損失)、税引後
現金配当の支払 0 0 0 0
その他の資本構成要素に係るクーポン、税
0 0 0 0
引前
確定給付制度に係る再測定利得(損失)、
0 0 0 0
税引後
報告期間中の株式報奨の純変動 0 0 0 0
株式を基礎とした報酬制度に基づく自己株
0 0 0 0
式の分配
株式を基礎とした報酬制度に係るタック
0 0 0 0
ス・ベネフィット
オプション・プレミアムおよび普通株式に
0 0 0 0
係るオプションによるその他の影響
自己株式の購入 0 0 0 0
自己株式の売却 0 0 0 0
自己株式売却に係る純利得(損失) 0 0 0 0
その他 0 0 0 0
2021 年12月31日現在残高 -120 -3 -33 0
( \ △165 ) ( \ △4 ) ( \ △45 ) ( \0 )
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その他の包括利
持分法適用投資
外貨換算調整勘 益累計額、税引
による未実現純
2 1
定、税引後 後
単位:百万ユーロ(億円) 利得(損失)
2018 年12月31日現在残高 228 15 253
( \314 ) ( \21 ) ( \349 )
IFRS第16号への移行に伴う影響 0 0 0
2019 年1月1日現在残高(IFRS第16号) 228 15 253
( \314 ) ( \21 ) ( \349 )
1
包括利益(損失)合計、税引後
108 -15 168
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指
0 0 0
定された資本性金融商品に起因する利得(損失)、税引後
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金
融負債の自己の信用リスクの変動に起因する早期償還に係る 0 0 0
利得(損失)、税引後
現金配当の支払 0 0 0
その他の資本構成要素に係るクーポン、税引前 0 0 0
確定給付制度に係る再測定利得(損失)、税引後 0 0 0
報告期間中の株式報奨の純変動 0 0 0
株式を基礎とした報酬制度に基づく自己株式の分配 0 0 0
株式を基礎とした報酬制度に係るタックス・ベネフィット 0 0 0
オプション・プレミアムおよび普通株式に係るオプションに
0 0 0
よるその他の影響
自己株式の購入 0 0 0
自己株式の売却 0 0 0
自己株式売却に係る純利得(損失) 0 0 0
その他 0 0 0
2019 年12月31日現在残高 336 0 421
( \463 ) ( \0 ) ( \580 )
1
包括利益(損失)合計、税引後
-1,747 -1 -1,539
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指
0 0 0
定された資本性金融商品に起因する利得(損失)、税引後
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金
融負債の自己の信用リスクの変動に起因する早期償還に係る 0 0 0
利得(損失)、税引後
現金配当の支払 0 0 0
その他の資本構成要素に係るクーポン、税引前 0 0 0
確定給付制度に係る再測定利得(損失)、税引後 0 0 0
報告期間中の株式報奨の純変動 0 0 0
株式を基礎とした報酬制度に基づく自己株式の分配 0 0 0
株式を基礎とした報酬制度に係るタックス・ベネフィット 0 0 0
オプション・プレミアムおよび普通株式に係るオプションに
0 0 0
よるその他の影響
自己株式の購入 0 0 0
自己株式の売却 0 0 0
自己株式売却に係る純利得(損失) 0 0 0
その他 0 0 0
2020 年12月31日現在残高 -1,411 -1 -1,118
( \ △1,944 ) ( \ △1 ) ( \ △1,540 )
1
包括利益(損失)合計、税引後
1,129 -5 672
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指
0 0 0
定された資本性金融商品に起因する利得(損失)、税引後
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金
融負債の自己の信用リスクの変動に起因する早期償還に係る 0 0 2
利得(損失)、税引後
現金配当の支払 0 0 0
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その他の資本構成要素に係るクーポン、税引前 0 0 0
確定給付制度に係る再測定利得(損失)、税引後 0 0 0
報告期間中の株式報奨の純変動 0 0 0
株式を基礎とした報酬制度に基づく自己株式の分配 0 0 0
株式を基礎とした報酬制度に係るタックス・ベネフィット 0 0 0
オプション・プレミアムおよび普通株式に係るオプションに
0 0 0
よるその他の影響
自己株式の購入 0 0 0
自己株式の売却 0 0 0
自己株式売却に係る純利得(損失) 0 0 0
その他 0 0 0
2021 年12月31日現在残高 -282 -6 -444
( \ △388 ) ( \ △8 ) ( \ △612 )
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その他の資本
株主持分
3
構成要素
単位:百万ユーロ(億円) 合計 非支配持分 資本合計
2018 年12月31日現在残高 62,495 4,675 1,568 68,737
(\86,093) (\6,440) (\2,160) (\94,692)
IFRS第16号への移行に伴う影響 -136 0 0 -137
2019 年1月1日現在残高(IFRS第16号) 62,358 4,675 1,568 68,601
( \85,904 ) ( \6,440 ) ( \2,160 ) ( \94,505 )
1
包括利益(損失)合計、税引後
-5,222 0 142 -5,079
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するも
のとして指定された資本性金融商品に起因する利 0 0 0 0
得(損失)、税引後
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指
定された金融負債の自己の信用リスクの変動に起 0 0 0 0
因する早期償還に係る利得(損失)、税引後
現金配当の支払 -227 0 -59 -286
その他の資本構成要素に係るクーポン、税引前 -330 0 0 -330
確定給付制度に係る再測定利得(損失)、税引後 -987 0 -7 -994
報告期間中の株式報奨の純変動 118 0 2 119
株式を基礎とした報酬制度に基づく自己株式の分
185 0 0 185
配
株式を基礎とした報酬制度に係るタックス・ベネ
0 0 0 0
フィット
オプション・プレミアムおよび普通株式に係るオ
0 0 0 0
プションによるその他の影響
自己株式の購入 -1,359 0 0 -1,359
自己株式の売却 1,185 0 0 1,185
自己株式売却に係る純利得(損失) 3 0 0 3
4
-10
その他 133 -9 114
2019 年12月31日現在残高 55,857 4,665 1,638 62,160
( \76,949 ) ( \6,427 ) ( \2,257 ) ( \85,632 )
1
包括利益(損失)合計、税引後
-1,044 0 57 -987
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するも
のとして指定された資本性金融商品に起因する利 0 0 0 0
得(損失)、税引後
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指
定された金融負債の自己の信用リスクの変動に起 0 0 0 0
因する早期償還に係る利得(損失)、税引後
現金配当の支払 0 0 -77 -77
その他の資本構成要素に係るクーポン、税引前 -349 0 0 -349
確定給付制度に係る再測定利得(損失)、税引後 223 0 2 225
報告期間中の株式報奨の純変動 -131 0 -4 -135
株式を基礎とした報酬制度に基づく自己株式の分
208 0 0 208
配
株式を基礎とした報酬制度に係るタックス・ベネ
11 0 0 11
フィット
オプション・プレミアムおよび普通株式に係るオ
0 0 0 0
プションによるその他の影響
自己株式の購入 -279 0 0 -279
自己株式の売却 68 0 0 68
自己株式売却に係る純利得(損失) 0 0 0 0
4
1,159
その他 221 -28 1,352
2020 年12月31日現在残高 54,786 5,824 1,587 62,196
( \75,473 ) ( \8,023 ) ( \2,186 ) ( \85,681 )
1
包括利益(損失)合計、税引後
3,038 0 207 3,245
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その他の包括利益を通じて公正価値で測定するも
のとして指定された資本性金融商品に起因する利 0 0 0 0
得(損失)、税引後
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指
定された金融負債の自己の信用リスクの変動に起 0 0 0 0
因する早期償還に係る利得(損失)、税引後
現金配当の支払 0 0 -85 -85
その他の資本構成要素に係るクーポン、税引前 -363 0 0 -363
確定給付制度に係る再測定利得(損失)、税引後 592 0 4 597
報告期間中の株式報奨の純変動 -99 0 -2 -101
株式を基礎とした報酬制度に基づく自己株式の分
312 0 0 312
配
株式を基礎とした報酬制度に係るタックス・ベネ
29 0 0 29
フィット
オプション・プレミアムおよび普通株式に係るオ
-50 0 0 -50
プションによるその他の影響
自己株式の購入 -346 0 0 -346
自己株式の売却 35 0 0 35
自己株式売却に係る純利得(損失) 0 0 0 0
4
2,481
その他 94 -13 2,562
2021 年12月31日現在残高 58,027 8,305 1,698 68,030
( \79,938 ) ( \11,441 ) ( \2,339 ) ( \93,718 )
1 確定給付制度に係る再測定利得(損失)、税引後を除く。
2 持分法適用投資による未実現純利得(損失)を除く。
3 ドイツ銀行の無担保劣後債で構成され、IFRSに準拠して資本に分類されるその他Tier 1ノートを含む。
4 その他の資本構成要素の発行、購入および売却による収入(純額)を含む。
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⑥ 連結キャッシュ・フロー計算書
単位:百万ユーロ(億円) 2021 年度 2020 年度 2019 年度
当期純利益(損失) 2,510 624 -5,265
(\3,458) (\860) (\ △7,253 )
営業活動によるキャッシュ・フロー:
当期純利益(損失)を営業活動によるキャッシュ・フローに調整す
るための修正:
信用損失引当金繰入額 515 1,792 723
再構築費用 261 485 644
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、持分法適
-276 -665 -277
用投資およびその他の売却益
繰延法人所得税、純額 19 -296 1,868
減損、減価償却およびその他の償却、および評価増 3,568 2,192 3,993
持分法適用投資の純利益(損失)に対する持分 -197 -103 -104
非資金損益項目等調整後利益(損失) 6,400 4,030 1,582
(\8,817) (\5,552) (\2,179)
営業資産および負債の純変動に関する調整:
中央銀行および銀行への利付定期預金 97 -1,202 -1,203
中央銀行ファンド貸出金および売戻条件付買入有価証券(逆レ
102 5,688 -2,529
ポ)ならびに借入有価証券担保金
強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以
-12,124 8,597 11,403
外の金融資産
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資
309 -430 101
産
償却原価で測定する貸出金 -41,628 -1,098 -27,335
その他の資産 8,046 -11,743 7,464
預金 33,269 -2,154 6,432
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負
11,144 -3,233 -3,766
1
債および投資契約負債
中央銀行ファンド借入金および買戻条件付売却有価証券(レポ)
-3,249 678 -4,871
ならびに貸付有価証券受入金
その他の短期借入金 477 -1,638 -8,954
その他の負債 -17,823 7,030 -16,563
2
優先長期債務
-6,191 13,282 -16,112
トレーディング資産および負債、デリバティブ金融商品のプラス
19,559 9,892 22,559
およびマイナスの時価、純額
その他、純額 -1,341 3,036 -8,657
営業活動によるキャッシュ・フロー -2,952 30,736 -40,449
(\ △4,067 ) (\42,342) (\ △55,723 )
投資活動によるキャッシュ・フロー:
収入:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却 52,131 38,325 23,721
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の満期償
21,424 32,964 40,806
還
償却原価で測定する回収のために保有する負債性有価証券の売却 67 10,110 390
償却原価で測定する回収のために保有する負債性有価証券の満期
5,468 4,890 964
償還
持分法適用投資の売却 23 69 9
土地建物および設備の売却 114 24 92
購入:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 -46,801 -82,709 -56,568
償却原価で測定する回収のために保有する負債性有価証券 -7,166 -4,011 -20,134
持分法適用投資 -100 -3 -17
土地建物および設備 -550 -512 -327
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企業結合/事業売却による純資金受取(支出)額 -5 5 1,762
その他、純額 -1,010 -1,045 -978
投資活動によるキャッシュ・フロー 23,595 -1,892 -10,280
(\32,504) (\ △2,606 ) (\ △14,162 )
財務活動によるキャッシュ・フロー:
3
1,146
劣後長期債務の発行 1,684 47
3
-42
劣後長期債務の返済および償還 -1,168 -152
4
0
信託優先証券の発行 0 0
4
-504
信託優先証券の返済および償還 -676 -1,235
リース債務の元本部分 -679 -653 -659
普通株式の発行 0 0 0
自己株式の購入 -346 -279 -1,359
自己株式の売却 35 76 1,191
その他の資本構成要素(AT1)の発行 2,500 1,153 0
その他の資本構成要素(AT1)の購入 -2,662 -792 -131
その他の資本構成要素(AT1)の売却 2,642 798 121
その他の資本構成要素に係るクーポン、税引前 -363 -349 -330
非支配持分への配当の支払 -85 -77 -59
非支配持分の純変動 -13 -28 -9
ドイツ銀行株主に対する現金配当の支払 0 0 -227
その他、純額 0 0 0
財務活動によるキャッシュ・フロー 1,630 -311 -2,802
(\2,245) (\ △428 ) (\ △3,860 )
現金および現金同等物に対する為替レート変動の純影響 1,345 -1,074 1,578
(\1,853) (\ △1,480 ) (\2,174)
現金および現金同等物の純増加(減少) 23,618 27,459 -51,953
現金および現金同等物、期首残高 156,328 128,869 180,822
現金および現金同等物、期末残高 179,946 156,328 128,869
営業活動によるキャッシュ・フローは以下を含む。
法人所得税支払(受取)額、純額 1,031 805 945
利息支払額 5,557 6,937 11,493
利息受取額 15,807 18,498 23,748
配当受取額 364 307 1,309
現金および現金同等物の構成要素
現金および中央銀行預け金(2021年12月31日現在179億ユーロ、
2020年12月31日現在169億ユーロおよび2019年12月31日現在162億 174,089 149,323 121,412
ユーロの中央銀行への利付定期預金を含んでいない。)
インターバンク預け金(中央銀行以外)(2021年12月31日現在15
億ユーロ、2020年12月31日現在21億ユーロおよび2019年12月31日 5,857 7,006 7,457
現在22億ユーロの銀行への利付定期預金を含んでいない。)
合計 179,946 156,328 128,869
(\247,894) (\215,357) (\177,530)
1 2021年12月31日および2020年12月31日終了年度において、優先長期債務の発行がそれぞれ13億ユーロおよび23億ユーロ、返済および償還
がそれぞれ10億ユーロおよび35億ユーロ含まれている。
2 2021年12月31日および2020年12月31日終了年度において、発行がそれぞれ336億ユーロおよび674億ユーロ、返済および償還がそれぞれ395
億ユーロおよび514億ユーロ含まれている。
3 劣後長期債務における現金以外の変動は合計で123百万ユーロであり、主に外国為替の変動293百万ユーロおよび公正価値の変動マイナス
179百万ユーロによるものである。
4 信託優先証券における現金以外の変動は合計でマイナス289百万ユーロであり、公正価値の変動マイナス267百万ユーロによるものであ
る。
添付の注記は、連結財務諸表の不可欠な一部である。
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有価証券報告書
⑦ 連結財務諸表に対する注記
01 -
重要な 会計 方針および重要な会計上の見積り
会計の基本的事項
ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフト(フランクフルト・アム・マイン)(以下「ドイツ銀行」または「親会社」とい
う。)はドイツ連邦共和国の法律に基づいて設立された株式会社である。ドイツ銀行およびドイツ銀行が支配的財務持分を有
するすべての事業体(以下総称して「当行グループ」、「ドイツ銀行」または「DB」という。)は、あらゆる範囲の法人・機
関投資家向けバンキング、個人顧客向けおよび資産運用の商品およびサービスを世界的規模で提供している。
添付の連結財務諸表は当行グループの表示通貨であるユーロで表示されている。百万ユーロ単位で表示されているすべての
財務情報は、百万単位未満を四捨五入している。当連結財務諸表は、国際会計基準審議会(以下「IASB」という。)が公表
し、欧州連合(以下「EU」という。)が承認した国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成されている。
EU カーブアウト
当行グループは、IAS第39号のEUカーブアウト版に準拠して金利リスクのポートフォリオ・ヘッジ(公正価値マクロ・ヘッ
ジ)に公正価値ヘッジ会計を適用している。IAS第39号のEUカーブアウト版を適用した目的は、当行グループのヘッジ会計アプ
ローチを当行グループのリスク管理実務および欧州の主要競合他社の会計慣行と整合させることにある。IAS第39号のEUカーブ
アウト版では、コア預金に公正価値マクロ・ヘッジ会計を適用することができ、ヘッジの非有効性は、予定されたタイム・バ
ケットにおける修正後のキャッシュ・フロー見積額が当該期間の当初の指定額を下回った場合にのみ認識される。予定された
タイム・バケットにおける修正後のキャッシュ・フロー額が当初の指定額を上回った場合には、ヘッジ関係が非有効とはみな
されない。IASBが公表したIFRSでは、公正価値マクロ・ヘッジのヘッジ会計をコア預金に適用することはできない。さらに
IASBが公表したIFRSでは、ヘッジの非有効性は、公正価値マクロ・ヘッジのすべてのヘッジ関係について、予定されたタイ
ム・バケットにおける修正後のキャッシュ・フロー見積額が当該期間の当初の指定額を上回った場合と下回った場合のいずれ
であっても認識される。
2021年12月31日に終了した事業年度において、IAS第39号のEUカーブアウト版の適用により、税引前利益には128百万ユー
ロ、税引後利益には85百万ユーロのプラスの影響が生じた。2020年12月31日に終了した事業年度において、EUカーブアウト版
の適用により、税引前利益には18百万ユーロ、税引後利益には12百万ユーロのプラスの影響が生じた。
当行グループの規制自己資本およびその比率も、IAS第39号のEUカーブアウト版に基づいて報告されている。利益への影響は
CET 1資本比率の計算にも影響している。EUカーブアウト版の適用により、CET 1資本比率には2021年12月31日に終了した事業
年度に約2ベーシス・ポイントのマイナスの影響、2020年12月31日に終了した事業年度に1ベーシス・ポイント未満のプラスの
影響が生じた。
IFRS 第7号による開示
IFRS第7号「金融商品:開示」で要求される金融商品から生じるリスクの性質および範囲に関する開示はマネジメント・レ
ポートのリスク・レポートの項に記載されており、連結財務諸表の不可欠な一部である。監査済の開示は、リスク・レポート
において水色で(本書では『 』で表示されている。)記載されている。
COVID-19 および気候リスク関連の開示
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる当行グループの財務諸表への影響は、以下の通り反映されて
いる。
- マネジメント・レポートの「戦略」、「見通し」ならびに「リスクおよび機会」の章にはそれぞれ、COVID-19が当行グ
ループの財務目標および顧客フランチャイズ、「世界経済」、ならびに「マクロ経済および市況」に及ぼす影響が含まれ
ている。
- リスク・レポートの「リスクおよび資本管理」の章の「IFRS第9号の減損損失」の項には、特に「将来予測的な情報」、
「IFRS第9号-COVID-19対策を背景とした債務不履行、条件緩和に関するEBAガイダンスの適用」、「COVID-19のパンデ
ミックに関する法的・非法的支払猶予および公的保証スキーム」、「ECLモデルの結果」ならびに「COVID-19のパンデミッ
クに関する中心的な業界」の項目において、COVID-19のパンデミックへの言及が含まれている。「リスクおよび資本のパ
フォーマンス」の章の「最低所要自己資本と追加的自己資本バッファー」の項には、COVID-19のパンデミックに対応した
監督措置の影響が含まれている。
- 添付の連結財務諸表の注記05「純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利息収益および純損益」、注
記13「公正価値で測定する金融商品」、注記23「のれんおよびその他の無形資産」ならびに注記33「従業員給付」には、
COVID-19関連の開示が含まれている。
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- 英文Annual Report 2021の「Supplementary Information (Unaudited)」の「Non-GAAP Financial Measures」の章には、
COVID-19が当行グループの改革費用に及ぼす影響が記載されている。
気候リスクによる当行グループの財務諸表への影響は、以下のとおり反映されている。
- マネジメント・レポートの「リスクおよび機会」および「サステナビリティ」の章にはそれぞれ、気候リスクが当行グ
ループの財務目標および顧客フランチャイズ、「世界経済」、ならびに「マクロ経済および市況」に及ぼす影響が含まれ
ている。
- リスク・レポートの「リスクおよび資本フレームワーク」の章、「リスクおよび資本管理」の章(「信用リスク管理およ
び資産の質」の項の「IFRS第9号の減損損失」)および「エンタープライズ・リスク管理」の章(「環境、社会およびガバ
ナンス・リスク」の項)において、気候リスクへの言及が含まれている。
会計上の見積りの変更
2021年度第2四半期において、当行グループは、ECLモデルにおけるステージ2への分類を生じさせるプロセス関連のトリガー
の一つを精緻化した。裁量的な理由でウォッチリストに追加された金融資産はステージ2に分類されることになったが、この変
更前は、強制的な理由でウォッチリストに追加された資産のみがステージ2に分類されていた。この手法の変更により、2021年
12月31日に終了した事業年度において当行グループの信用損失引当金が60百万ユーロ増加した。
2021年度第3四半期において、当行グループは規制上の債務不履行の新たな定義を反映するため、IFRS第9号の予想信用損失
(ECL)モデルの精緻化を行った。この債務不履行の新たな定義により、取引はステージ3に分類されることになる。基礎とな
る取引に対する予想損失に大幅な変動はないと見られるため、ECLモデルにおけるデフォルト時損失率(LGD)の要素に対する
再調整が必要となる。当行グループは、2022年度に実施予定のECLモデルにおける予想LGDの再調整の影響を反映するため、
2021年度第3四半期よりマネジメント・オーバーレイを計上した。そのため、債務不履行の新たな定義の導入により見積りの変
更が生じるものの、マネジメント・オーバーレイと合わせて考慮した場合の全体的な影響は軽微である。詳細についてはリス
ク・レポートおよび「IFRS第9号の減損損失」の項を参照のこと。
2021年度第4四半期において、基礎となる社債ユニバースを決定するデータの質を向上させる修正割引カーブの手法の利用
が、英国で承認された。当行グループの当該手法の適用により、約45百万ユーロの数理計算上の純利得がその他の包括利益を
通じて認識された。この結果、年金制度資産と確定給付債務の純額表示により、全般的な年金の積立超過額および確定給付資
産の純額において、対応する金額が増加した。
重要な会計上の見積り
IFRSに基づく財務諸表の作成には、一定の種類の資産および負債に関して、経営陣による見積りおよび仮定が必要である。
これらの見積りおよび仮定は、貸借対照表日現在の資産・負債の報告金額および偶発資産・偶発負債の開示内容ならびに報告
期間中の収益・費用の金額に影響を与える。特にCOVID-19のパンデミックに関連して、実際の結果は経営陣の見積りとは異な
ることがある。当行グループの重要な会計方針は「重要な会計方針」に記載されている。
当行グループの会計方針の一部は、複雑で主観的な判断および仮定の使用を要する重要な会計上の見積りを必要としてお
り、その中には本質的に不確実で変更が生じやすい事項を対象とするものもある。このような重要な会計上の見積りは、毎期
変動し、当行グループの財政状態、財政状態の変動または経営成績に重要な影響を及ぼす可能性がある。また、重要な会計上
の見積りには、当期において経営陣が別の見積りを用いることが合理的に可能であったものも含まれる。当行グループが識別
した、重要な会計上の見積りを含む重要な会計方針は以下のとおりである。
- 関連会社の減損(以下の「関連会社」を参照。)
- その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の減損(以下の「貸出金の減損およびオフバランス信用損失引当
金繰入額」を参照。)
- 公正価値の決定(以下の「公正価値の決定」を参照。)
- 取引日利益の認識(以下の「取引日利益の認識」を参照。)
- 貸出金の減損およびオフバランス信用損失引当金繰入額(以下の「貸出金の減損およびオフバランス信用損失引当金繰入
額」を参照。)
- のれんおよびその他の無形資産の減損(以下の「のれんおよびその他の無形資産」を参照。)
- 繰延税金資産の認識および測定(以下の「法人所得税」を参照。)
- 法律上/規制上の偶発事象および不確実な税務ポジションに関する会計処理(以下の「引当金」を参照。)
重要な会計方針
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当行グループの重要な会計方針は以下に記載するとおりである。前述および後述の会計方針の変更および会計上の見積りの
変更を除き、これらの方針は、2019年度、2020年度および2021年度に一貫して適用されている。
連結の原則
当連結財務諸表の財務情報は、親会社であるドイツ銀行AGと、一定のストラクチャード・エンティティを含むその連結対象
の子会社とを併せ、単一の経済単位として表示した財務情報を含んでいる。
子会社
当行グループの子会社は、当行グループが直接的または間接的に支配している事業体である。事業体に対する支配は、事業
体への関与により当行グループがさらされる変動リターンに影響を及ぼすようにパワーを用いる当行グループの能力によって
証明される。
当行グループは、様々な動機のために、ストラクチャード・エンティティのスポンサーとなったり、第三者がスポンサーの
ストラクチャード・エンティティと関わりを持ったりしている。その動機には、顧客に別個の法的事業体への投資保有を可能
とするため、顧客にオルタナティブ資産への共同投資を可能とするため、資産証券化取引のため、信用保全商品の売買のため
等が含まれる。
当行グループは、事業体の連結の要否を判断するに当たり、以下の様々な支配要因を評価する。
- 事業体の目的および設計
- 関連性のある活動およびこれらがどのように決定されるか
- 当行グループの権利により関連性のある活動を指図する能力が生じるか否か
- 当行グループが変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有しているか否か
- 当行グループがそのリターンの額に影響を及ぼすようにそのパワーを用いる能力を有しているか否か
議決権が実質的なものであり、当行グループが直接的または間接的に事業体の議決権の過半数を保有している場合、支配を
有しているとみなされる。ただし、他の投資者が単独で関連性のある活動を指図する実質的な能力を有している証拠がある場
合を除く。
実質的とみなされる潜在的な議決権も支配を評価する際に検討される。
また、同様に当行グループは、議決権の過半数を支配していないが単独で関連性のある活動を指図する実質的な能力を有し
ている場合の支配の存在を評価している。これは、株式の保有の規模および分散により、当行グループが投資先の活動を指図
する能力を有する状況において生じる可能性がある。
当行グループは、少なくともすべての四半期報告日において連結の状況を再評価する。したがって、一つ以上の支配要因の
変動につながるすべての構造変動の発生時に再評価が要求される。これは、意思決定権の変更、契約上の取決めの変更、財務
上、所有権または資本構造の変更および当初の文書化において予想されていたトリガー事象に伴う変更を含んでいる。
連結会社間の取引高、残高、およびグループ会社間の取引に係る未実現利得はすべて、連結に当たり相殺消去されている。
また、連結目的上、全グループを通じて一貫した会計方針が適用されている。子会社株式の第三者に対する発行は、非支配
持分として扱われている。非支配持分に帰属する利益または損失は、連結損益計算書および連結包括利益計算書上、区分して
報告されている。
当行グループは子会社の支配の喪失日に:a)当該子会社の資産(帰属するのれんを含む。)および負債につき、その帳簿価
額で認識の中止を行い、b)元子会社に対する非支配持分の帳簿価額について認識の中止を行い、c)受取対価の公正価値および
子会社株式の分配を認識し、d)元子会社に対する残存投資をその公正価値で認識し、e)上記項目の結果として生じた差額を利
得または損失として損益計算書に認識する。当該子会社に関連して過去の期間にその他の包括利益に認識された金額はすべ
て、連結損益計算書に組み替えられるか、または他のIFRSの基準で要求される場合は利益剰余金に直接振り替えられる。
関連会社
関連会社に対する投資は、持分法により会計処理される。関連会社は、企業の経営および財務の方針に関する経営管理上の
意思決定に対して、当行グループが重要な影響力を有するが、支配的持分は有しない企業である。一般的に、当行グループが
議決権の20%から50%を保有する場合には重要な影響力があると推定される。現時点で行使可能または転換可能となっている
潜在的議決権の存在および影響は、当行グループが重要な影響力を有しているか否かの評価に当たり考慮される。当行グルー
プが重要な影響力を有しているか否かの評価に当たり考慮されるその他の要因には、取締役会(ドイツの株式会社の場合は監
査役会)への役員の派遣および重要な会社間取引がある。これらの要因が存在する場合には、特定の投資について、当行グ
ループの投資が議決権株式の20%未満であったとしても持分法による会計処理の適用が要求されることがある。
持分法による会計処理では、関連会社および共同支配企業に対する当行グループの投資は、当初、取得原価(関連会社の取
得において発生した、直接関連する取引コストを含む。)で計上され、その後、取得後の関連会社または共同支配企業の純利
益(または損失)および関連会社または共同支配企業の資本に直接計上されたその他の変動の両方に対する当行グループの比
例按分持分を反映して、増額(または減額)される。関連会社の経営成績に対する当行グループの持分は、当行グループの会
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計方針と整合するよう修正され、連結損益計算書において持分法適用投資による純利益(損失)として報告されている。連結
会社間の売上から生じる関連会社の純損益に対する当行グループの持分は、連結に当たり相殺消去される。関連会社または共
同 支配企業の取得に伴い生じたのれんは、当該投資の帳簿価額(減損損失累計額を控除後)に含められる。のれんは個別に報
告されないため、特に減損テストは行われない。しかし、持分法適用投資全体に関しては各貸借対照表日に減損テストが行わ
れる。
減損の客観的証拠がある場合、投資の回収可能価額(使用価値と売却コスト控除後の公正価値の高い方)と帳簿価額を比較
することにより、減損テストが行われる。過去の期間に認識された減損損失は、最後に減損損失が認識された以後、投資の回
収可能価額の決定に使用された見積りの変更があった場合にのみ戻し入れられる。その場合、投資の帳簿価額が高い方の回収
可能価額に増額される。減損損失の戻入れにより増額する関連会社に対する投資の帳簿価額は、過年度に当該投資に対し減損
損失が認識されていなかったと仮定した場合の帳簿価額を超過しないものとする。
当行グループは、関連会社または共同支配企業に対する重要な影響力を喪失した日に、当該持分法適用投資の処分に係る利
得または損失(残存投資の公正価値および関連会社の処分による収入の合計金額と当該投資の帳簿価額との差額に相当す
る。)を認識する。当該関連会社に関連して過去の期間にその他の包括利益に認識された金額は、投資先が関連資産または負
債を直接処分した場合に要求されるのと同じ基準で会計処理される。
重要な会計上の見積り: 減損の客観的証拠が存在するか否かの評価には、経営陣による重要な判断が要求され、減損の見積り
は、発生が不確かな将来の事象を基礎として毎期変動する可能性があるため、当行グループではこれを、重要な会計上の見積
りと考えている。
外貨換算
当連結財務諸表は、当行グループの表示通貨であるユーロで作成されている。当行グループでは多様な事業体が異なる機能
通貨を用いている。機能通貨とは、その事業体が営業活動を行う主たる経済環境の通貨である。
個々の事業体は、外貨建ての収益、費用、利得および損失を、認識日の為替レートを用いて、機能通貨で計上する。
個々の事業体の機能通貨以外の通貨建ての貨幣性資産および負債は、期末の決算日レートにより換算される。これらの項目
の換算および決済の結果生じる外国為替差損益は、換算金額を当該貨幣性資産および負債をヘッジする外貨関連取引(デリバ
ティブ)から認識される金額と紐付けするために、連結損益計算書上、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に
係る純利得(損失)として認識される。
取得原価で測定される非貨幣性項目は、過去の取引日レートにより換算される。純損益を通じて公正価値で計上する非貨幣
性項目に係る換算差額は、純損益に認識される。
表示通貨への換算目的上、在外営業活動体の資産および負債は期末の決算日レートで換算され、損益項目は取引日レート
で、または実際レートに近似していれば平均為替レートでユーロに換算される。在外営業活動体の換算に伴い生じる為替差額
は、その他の包括利益に含められる。在外子会社に関しては、為替差額のうち非支配持分に帰属する部分は、非支配持分に認
識される。
(その営業に対する支配または重要な影響力の喪失を伴う)在外子会社および在外関連会社の処分時に、その他の包括利益
に認識されていた累積為替差額の全額は、純損益に組み替えられる。
支配の喪失を伴わない在外子会社の部分的な処分においては、当該処分が所有者との取引とみなされることから、累積為替
差額の比例持分はその他の包括利益から非支配持分に組み替えられる。重要な影響力の喪失を伴わない関連会社の部分的な処
分においては、累積為替差額の比例持分はその他の包括利益から純損益に組み替えられる。
利息、手数料およびフィー
純利息収益 -すべての利付資産および負債からの利息収益および費用は、実効金利法を用いて、純利息収益として認識され
る。実効金利(EIR)法とは、将来キャッシュ・フローの見積額を使用して、金融資産または金融負債の償却原価を計算し、利
息収益または費用を適切な期間にわたり配分する方法である。
実効金利の計算に使用される将来キャッシュ・フローの見積額には、当該資産または負債に関するすべての契約条件により
決定されるキャッシュ・フロー、その実効金利の不可欠な一部と判断されたすべてのフィー(手数料を含む。)、直接的増分
取引コスト、およびその他のすべてのプレミアムまたはディスカウントが含められる。ただし、純損益を通じて公正価値で計
上される金融商品の場合は、公正価値の決定に重要な観察不能なインプットが使用されていないことを条件として、関連する
すべてのフィーが当該金融商品の当初認識時にトレーディング収益に認識される。
金融資産が信用減損している場合、利息収益は償却原価に実効金利を適用して計算される。金融資産の償却原価は、減損引
当金による調整後の金融資産の総帳簿価額である。購入したまたは信用減損しているものとして当初認識された資産の利息収
益は、予想信用損失を考慮に入れた信用調整後の実効金利を用いて計算される。
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当行グループは、マイナス金利の利付資産に係る支払利息を利息費用に含め、また、マイナス金利の利付負債に係る受取利
息を利息収益に含めて表示している。
当行グループは、実効金利法を用いて算出した利息収益および利息費用を、当行グループの連結損益計算書において個別に
表示している。
手数料およびフィー収益 -当行グループはIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の5段階の収益認識モデルを手数料およ
びフィー収益の認識に適用している。当該モデルに基づき、財およびサービスの支配が移転した時点、つまり、契約上の履行
義務が充足された時点で収益を認識しなければならない。
したがって、第1段階で顧客との契約を識別した後、第2段階では顧客に提供する履行義務または一連の別個の履行義務を識
別する。当行グループは、サービスが別個のものとなり得るか、契約の観点において別個のものであるかを検証しなければな
らない。約束しているサービスが別個のものであるのは、顧客がそのサービスからの便益を、それ単独でまたは顧客にとって
容易に利用可能な他の資源と組み合わせて得ることができ、かつ、サービスを顧客に移転するという約束が、契約の中の他の
約束と区分して識別可能な場合である。収益の額は、契約で規定された履行義務に関して契約上合意された取引価格に基づき
測定される。契約に変動対価が含まれる場合、当行グループは、顧客に約束した財またはサービスを移転するのと引き換えに
受け取ることのできる金額で当該対価を見積もる。収益は、識別された履行義務が充足された時点で利益または損失に認識さ
れる。当行グループは、残存する履行義務の情報を、それが当初の予想期間が1年以内の契約の一部である場合は開示していな
い。
当行グループは、契約における各履行義務の基礎となる別個のサービスの契約開始時に独立販売価格を決定し、これらの独
立販売価格に応じて取引価格全体を配分している。独立販売価格は、ドイツ銀行が、約束しているサービスを単体で個別に顧
客に販売する価格である。独立販売価格の最良の証拠となるのは、当行グループが類似の状況において類似の顧客に対して個
別にサービスを販売する場合の、当該サービスの観察可能な価格である。当行グループによるサービスの販売が個別の顧客に
対するものではない場合、適切な手法を用いて独立販売価格を見積る。例えばローンのシンジケート取引において、当行グ
ループは取引日利益の認識要件を適用し、他の市場参加者が同様の単体のサービスを提供する際の価格を考慮する。このよう
に、独立販売価格を見積る際、当行グループは合理的に入手可能なすべての情報(市況を含む。)を考慮する。その場合、当
行グループは観察可能なインプットを最大限に利用し、類似の状況と整合する見積りの手法を適用する。
当行グループは、資産運用手数料およびパフォーマンス・フィーが発生する、単一の履行義務を構成する資産運用サービス
を提供している。資産運用手数料およびパフォーマンス・フィーの構成要素は変動対価であるため、当行グループは各報告日
に、顧客に約束したサービスの移転と引き換えに受け取ることのできるフィーの金額を見積もっている。当該資産運用サービ
スから生じる便益は、一定期間にわたり顧客が同時に受け取って消費する。当行グループはその履行義務の完全な充足に向け
ての進捗度を測定し、収益を一定期間にわたり認識する。その際、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が
非常に高いかどうかの不確実性を解消しなければならない。管理手数料の構成要素の場合、これは月次または四半期ごとの
サービス期間の終了時であり、パフォーマンス・フィーの場合は、履行の要素に関連する不確実性がすべて解消された日であ
る。
オフバランス・シートで会計処理されないコミットメントに関連する貸出コミットメント・フィーは、当行グループが個別
の貸出契約を締結する可能性が低い場合には、当該コミットメントの期間にわたり、手数料およびフィー収益に認識される。
当行グループが個別の貸出契約を締結する可能性が高い場合には、当該貸出コミットメント・フィーは貸出開始時まで繰り延
べられ、当該貸出金の実効金利の調整額として認識される。
手数料およびフィー収益は、その大部分が、一定期間にわたり顧客が受け取って消費するサービスにより稼得される:管
理、資産運用、国外のコマーシャル・ビジネス、貸出金の処理および保証ならびにその他各種顧客サービス。当行グループは
その履行義務の完全な充足に向けての進捗度を測定し、これらのサービスからの収益を一定期間にわたり認識する。その際、
認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高いかどうかの不確実性を解消しなければならない。
その大部分がある時点でのサービス提供または取引タイプのサービスの提供により稼得される手数料およびフィー収益に
は、その他の有価証券業務、引受およびアドバイザリー・フィー、ブローカー・フィー、国内決済、外国通貨/為替事業およ
び仲介手数料が含まれる。
手数料およびフィー収益の創出に直接関連する増分費用は、連結損益計算書の手数料およびフィー収益に純額で表示され
る。この中には、収益と関連費用が発生するサービスに関して当行グループが契約上(つまり、本人として)履行義務を負う
場合の収益および関連費用が含まれるが、当行グループが契約上の履行義務を負わず、代理人として行動する場合は含まな
い。当行グループが本人であるか代理人であるかの決定は、基礎となるサービス契約の契約条件に基づく。手数料および
フィーの収益および費用の総額は「注記06-手数料およびフィー収益」に開示されている。
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当行グループはIFRS第9号の分類および測定要件に従い、金融資産の管理に使用されるビジネス・モデルと金融資産の契約上
のキャッシュ・フローの特性(「元本および利息の支払のみ(以下「SPPI」という。)」とも呼ばれる。)の両方に基づき金
融資産を分類している。3つのビジネス・モデルがある。
-回収のために保有-契約上のキャッシュ・フローを回収する目的で保有する金融資産。これはその後償却原価で測定さ
れ、当行グループの連結貸借対照表上の複数の勘定科目に計上される。
-回収し、売却するために保有-契約上のキャッシュ・フローを回収し、かつ、金融資産を売却することを目的として保有
する金融資産。これは当行グループの連結貸借対照表上のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に計上
される。
-その他-「回収のために保有」もしくは「回収し、売却するために保有」のいずれの基準も満たさない金融資産。これは
当行グループの貸借対照表上の純損益を通じて公正価値で測定する金融資産として計上される。
ビジネス・モデルの評価は、当初認識時の事実および状況に基づいて判断する必要がある。本評価の一環として、当行グ
ループは、定量的要因(例えば、予想される頻度および売却の数量)および定性的要因を考慮しており、定性的要因として
は、ビジネス・モデルおよび当該ビジネス・モデルの中で保有されている金融資産の業績が、どのように評価され当行グルー
プの主要経営幹部に報告されているか、ビジネス・モデルおよび当該ビジネス・モデルの中で保有されている金融資産の業績
に影響を与えるリスクと、特に、マーケット・リスクおよび信用リスクが管理されている方法、当該ビジネスの管理者にどの
ように報酬が与えられるのか(例えば、報酬の基礎となるのは管理している資産の公正価値なのか、回収した契約上のキャッ
シュ・フローなのか)が挙げられる。この測定により、資産は「回収のために保有」、「回収し、売却するために保有」また
は「その他」のビジネス・モデルのいずれかに分類される。
当行グループが「回収のために保有」、「回収し、売却するために保有」または「その他」のビジネス・モデルのいずれか
の金融資産を保有する場合、ビジネス・モデルの分類を決定するために、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローが当初
認識時に元本残高に対する元本および利息の支払のみであるかどうかを判断する評価が必要となる。
元本残高に係るSPPIである契約上のキャッシュ・フローは、基本的な融資の取決めと整合的である。基本的な融資の取決め
における利息は、特定の期間中に残存していた元本金額に関する貨幣の時間価値と信用リスクへの対価である。利息には、他
の基本的な融資リスク(例えば、流動性リスク)や金融資産を特定の期間にわたって保有することに関連したコスト(例え
ば、管理コスト)への対価および基本的な融資の取決めと整合的な利益マージンも含まれる場合がある。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
トレーディング目的で保有する金融資産、もしくは「回収のために保有」または「回収し、売却するために保有」の基準を
満たしていない金融資産は、その他のビジネス・モデルに割り当てられ、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類
される。さらに、当該金融資産には、「回収のために保有」または「回収し、売却するために保有」のビジネス・モデルの基
準を満たしているものの、SPPIではない、または当行グループが公正価値オプションに基づき指定した金融資産が含まれる。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産として分類される金融資産は公正価値で測定され、実現および未実現損益が純
損益を通じて公正価値で測定する資産/負債に係る純利得(損失)に含まれる。トレーディング貸出金および負債性有価証券
などの利付資産に係る利息ならびに資本性金融商品に係る配当金は、利息および類似収益に表示される。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類される金融資産は、取引日に認識または認識中止される。取引日とは、
当行グループが資産の購入または売却を確約した日である。
トレーディング資産 -金融資産は、短期の売却または買戻しを主な目的として組成、取得または負担された場合、または識別
された金融商品から成るポートフォリオの一部を構成し、当該ポートフォリオが一体として運用管理され、かつ最近の実績と
して短期利益獲得パターンを示す証拠がある場合に、トレーディング目的保有として分類される。トレーディング資産には、
負債性有価証券および資本性有価証券、トレーディング目的で保有するデリバティブならびにトレーディング貸出金が含まれ
ている。この中には「その他」のビジネス・モデルに割り当てられ、トレーディング目的で保有するデリバティブとして表示
された貸出コミットメントが含まれる。
強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以外の金融資産 -当行グループは「回収のために保有」または
「回収し、売却するために保有」のいずれのビジネス・モデルにも該当しないトレーディング以外の金融資産を「その他」の
ビジネス・モデルに割り当て、強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以外の金融資産として分類して
いる。当該金融資産には、主として公正価値で管理される売戻契約が含まれる。さらに当行グループは、「回収のために保
有」または「回収し、売却するために保有」のビジネス・モデルに該当する、契約上のキャッシュ・フローの特性がSPPIでは
ない金融資産を強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以外の金融資産として分類している。
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産 -指定しなかった場合には後に償却原価またはその他の包
括利益を通じて公正価値で測定することになる一部の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定するこ
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とができる。ただし、その指定が測定または認識の不整合性を除去または大幅に低減する場合に限る。IFRS第9号に基づく公正
価値オプションの利用範囲は限定的である。当行グループは公正価値オプションの指定を、信頼性の高い公正価値の見積りが
可 能な金融商品のみに認めている。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
金融資産は、当該金融資産が「回収し、売却するために保有」のビジネス・モデルで保有され、契約上のキャッシュ・フ
ローがSPPIである場合、公正価値オプションで指定されない限り、その他の包括利益を通じて公正価値(以下「FVOCI」とい
う。)で分類され、測定される。
FVOCIでは、金融資産はその公正価値で測定され、変動があればその他の包括利益(以下「OCI」という。)に認識され、
IFRS第9号の予想信用損失モデルのもとで減損の評価が行われる。このモデルでは、将来の予想信用損失に基づき純損益を通じ
て引当金が計上される。当行グループの減損に関する方針の詳細は、「貸出金の減損およびオフバランス信用損失引当金繰入
額(IFRS第9号)」の項に記載されている。FVOCI資産の外貨換算影響額は、実効金利法による利息の要素と同様に純損益に認
識される。プレミアムおよびディスカウントの償却は純利息収益に計上される。実現損益は、FVOCIの金融資産に係る純利得
(損失)に計上される。通常、FVOCI金融資産の原価を算定するには、加重平均原価法が用いられる。
FVOCIに分類される金融資産は取引日に認識または認識中止される。取引日とは、当行グループが資産の購入または売却を確
約した日である。
トレーディング以外の資本性金融商品をFVOCIとして指定することは可能である。ただし、当行グループによるこの区分の使
用は限定的になる見込みであり、現在まで使用されていない。
償却原価で測定する金融資産
金融資産が「回収のために保有」のビジネス・モデルで保有され、契約上のキャッシュ・フローがSPPIである場合、金融資
産は、償却原価で測定に分類され、その後償却原価で測定される。
この測定区分では、金融資産は、当初認識時に公正価値で測定される。その後、帳簿価額から元本の返済を控除し、実効金
利法による償却累計額を加減する。当該金融資産は、IFRS第9号の予想信用損失モデルに基づき減損の評価が行われる。このモ
デルでは、将来の予想信用損失に基づき引当金が認識される。当行グループの金融商品の減損に関する方針の詳細は、「貸出
金の減損およびオフバランス信用損失引当金繰入額(IFRS第9号)」の項に記載されている。償却原価で測定する金融資産は決
済日ベースで認識される。
償却原価で測定される金融資産には主に、償却原価で測定する貸出金、中央銀行ファンド貸出金および売戻条件付買入有価
証券、借入有価証券および「その他の資産」に表示される一部の債権が含まれる。
金融資産および金融負債の条件変更
金融資産の条件が再交渉または変更され、その条件変更により認識が中止されない場合、当初の契約上のキャッシュ・フ
ローと当初の実効金利で割り引いた条件変更後のキャッシュ・フローの差額として、利得または損失が損益計算書に認識され
る。条件変更された当該金融資産は、引き続き当初の実効金利で利息が発生する。条件変更により認識が中止される場合、 当
初の商品の認識が中止され、新たな商品が公正価値で認識される。
組成以降、信用リスクの著しい増大を経験しておらず、その金融資産を早期に解約するための容易に行使可能な権利を有し
ている債務者と非信用関連または商業的な再交渉が行われた場合は、当初の取決めの認識が中止され、新たに交渉された取引
条件に基づく新規の金融資産が認識される。
信用関連の条件変更(すなわち、当初認識以降の信用リスクの著しい増大による条件変更)または債務者が早期に解約する
ための容易に行使可能な権利を有していない条件変更に関して、当行グループは、その条件変更によって金融資産に重大な条
件変更がなされたかと、そのために認識が中止されるかどうかについて評価する。この評価には、契約条件変更に係るキャッ
シュ・フロー変動による影響の定量的評価と、さらに必要な場合、契約条件変更による影響の定性的評価が含まれる。これら
の条件変更が重要でないと判断された場合、その金融資産の認識は中止されず、上述の認識が中止されない条件変更として会
計処理される。
変更が重要であると判断された場合、旧商品の認識が中止され、新たな商品が認識される。当行グループはその後、12ヶ月
間の予想信用損失に基づく信用損失引当金を認識する。ただし、条件変更により当初の金融資産の認識が中止され、その後、
新たな金融資産が当初認識時に信用減損していたことを示す証拠がある場合、新たな金融資産は組成時に信用減損している金
融資産として認識され、当初認識時にステージ3に分類される(後述の「貸出金の減損およびオフバランス信用損失引当金繰入
額」の項を参照のこと。)。
金融負債の条件が再交渉または条件変更された場合、当行グループは、その条件変更によって金融負債に重大な条件変更が
なされたかと、そのために認識が中止されるかどうかについて評価する。この評価には、契約条件変更に係るキャッシュ・フ
ロー変動による影響の定量的評価と、さらに必要な場合、契約条件変更による影響の定性的評価が含まれる。これらの条件変
更が重要でないと判断された場合、その金融負債の認識は中止されず、当初の契約上のキャッシュ・フローと、当初の実効金
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利で割引いた条件変更後のキャッシュ・フローの差額として、利得または損失が損益計算書に認識される。認識中止の場合
は、当初の金融負債の認識が中止され、新たな負債が公正価値で認識される。
貸出コミットメント
貸出コミットメントは、その他のビジネス・モデルに割り当てられ、トレーディング目的で保有するデリバティブとして表
示されている場合を除き、オフバランス項目のままである。当行グループは、オフバランスの貸出コミットメントに関して、
市場金利または信用スプレッドの変動から生じる公正価値の変動を認識および測定していない。しかし、後述の「貸出金の減
損およびオフバランス信用損失引当金繰入額」の項に明示されているように、これらのオフバランスの貸出コミットメントは
IFRS第9号の減損モデルの範囲に含まれる。
金融負債
IFRS第9号の下で、金融負債は実効金利法を用いて償却原価で測定されるが、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に
ついては異なる。
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債には、トレーディング負債、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指
定された金融負債および非参加型投資契約(以下「投資契約」という。)が含まれる。IFRS第9号に基づき、これらは公正価値
で計上され、実現および未実現損益は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得(損失)に計上され
る。純損益を通じて公正価値で測定する金融負債について、当行グループ自身の信用の要素に起因する公正価値の変動は、そ
の他の包括利益に認識する。
純損益を通じて公正価値で測定するものとして分類された金融負債は、取引日に認識または認識中止される。取引日とは、
当行グループが金融負債の発行または買戻しを確約した日である。
利付負債に係る利息は、純損益を通じて公正価値で測定する金融商品に対する利息費用として表示されている。
トレーディング負債 -発行債務から生じる金融負債は、短期の買戻しを主な目的として組成または負担された場合、トレー
ディング目的保有に分類される。トレーディング負債は主にデリバティブ負債(一部の貸出コミットメントを含む。)および
ショート・ポジションから成る。また、この中には、資金調達によって生じた貸出金がその他のビジネス・モデルに割り当て
られることから、未利用の貸出コミットメントがトレーディング目的で保有するデリバティブに分類される貸出コミットメン
トも含まれる。
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債- トレーディング負債の定義を満たさない一定の金融負債
は、公正価値オプションを利用し、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定されている。純損益を通じて公正価値
で測定するものとして指定されるには、金融負債が、以下の基準のうちの一つを満たしていなくてはならない。(1)その指定に
より、測定上または認識上の不一致が解消または著しく減少する、(2)金融負債から成るグループの運用管理および実績評価
が、文書化されたリスク管理または投資戦略に従って、公正価値に基づいて行われている、あるいは(3)その商品が一つまたは
複数の組込デリバティブを含んでいる(ただし、以下の場合は除く。(a)当該組込デリバティブが、そうでなければ契約で要求
されていたであろうキャッシュ・フローを大きく修正しない場合、あるいは(b)ほとんど、または全く分析しなくても、分離が
禁じられていることが明らかな場合。)。さらに、当行グループは、信頼できる公正価値の見積りが入手可能な金融商品につ
いてのみ、公正価値オプションを指定することを認めている。公正価値オプションに基づき純損益を通じて公正価値で測定す
るものとして指定された金融負債には、レポ、貸出コミットメントおよび仕組債が含まれている。
投資契約 -当行グループの投資契約はすべて、当行グループが保有する特定の資産に対応するユニット・リンク契約である。
当行グループは、こうした契約により契約負債の決済にこれらの資産を使用することを義務付けられている。投資契約には、
重要な保険リスクまたは任意の参加権という特徴が含まれていない。これらの契約に係る負債は、現在のユニット価格に貸借
対照表日現在の契約保有者に帰属するユニット数を乗じて決定される。この金額は公正価値を表しているため、当該負債は純
損益を通じて公正価値で測定する金融負債として分類されている。投資契約に基づき集められた預金は、投資契約負債の調整
として会計処理される。投資契約に帰属可能な投資収益は連結損益計算書に含まれている。投資契約の請求金額は、公表され
た勘定残高に対する支払金額の超過額を反映している。投資契約の保険契約者は、保険証書の管理、投資運用、解約またはそ
の他の契約サービスに関してフィーが課される。
組込デリバティブ
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ハイブリッド金融負債契約の中にはデリバティブ部分とデリバティブ以外の部分の両方を含むものがある。このような場
合、デリバティブ部分は、組込デリバティブと呼ばれ、デリバティブ以外の部分は金融負債の主契約を表している。組込デリ
バ ティブの経済的特性およびリスクが、金融負債の主契約のそれと密接に関連していない場合で、かつ、ハイブリッド金融負
債契約自体が純損益を通じて公正価値で測定するものとして計上されていない場合には、当該組込デリバティブは区分して公
正価値で計上され、その利得および損失は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得(損失)に認識
される。金融負債の主契約については引続き、適切な会計基準に従って会計処理される。組込デリバティブの帳簿価額は、金
融負債の主契約と同一の連結貸借対照表科目に計上される。一定のハイブリッド金融負債商品は、公正価値オプションを使用
して、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定されている。
償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債には、発行した長期および短期の債務が含まれ、当初、公正価値すなわち受け取った対価から
負担した取引コストを控除した額で測定される。発行債務の市場での買戻しは消滅として取り扱われ、関連する利得または損
失が連結損益計算書に計上される。自己社債の後日における市場での売却は、債務の再発行として取り扱われる。償却原価で
測定する金融負債は決済日ベースで認識される。
金融商品の相殺
現時点で、認識された金額を相殺する法的に強制力のある権利を当行グループが有しており、かつ、純額で決済するかまた
は資産の回収と負債の決済を同時に実行する意思を有する場合にのみ、金融資産と金融負債は相殺され、純額で連結貸借対照
表に表示される。認識された金額を相殺する法的権利は、通常の事業過程ならびに当行グループおよびその相手先の債務不履
行、支払不能および破産が生じた場合の両方において法的強制力がなければならない。他のすべての場合には総額で表示され
る。金融資産と金融負債が連結貸借対照表上相殺される場合、適用される会計基準により特に禁止されていない限り、関連す
る収益および費用項目もまた連結損益計算書上相殺される。
当行グループが適用した相殺の大部分は、デリバティブならびにレポおよび逆レポに関連している。相殺の大部分は、金利
デリバティブおよび関連する委託証拠金残高に適用される。これらは、中央清算機関を通じて清算されている。詳細な情報に
ついては注記17「金融資産と金融負債の相殺」を参照のこと。
公正価値の決定
公正価値は、測定日時点で、市場参加者間の独立第三者間取引において、資産を売却するために受け取るであろう価格また
は負債を移転するために支払うであろう価格として定義されている。活発な市場で取引されている商品の公正価値は、相場価
格が定期的にかつ最近生じた取引の価格を示している場合には、その相場価格を使用して決定される。
当行グループは、以下の条件を満たした場合に、正味リスク・エクスポージャーに基づき金融資産および金融負債の一定の
ポートフォリオを測定している。
- 金融資産および金融負債のグループが、文書化されたリスク管理戦略に従って、特定のマーケット・リスク(または複数
のマーケット・リスク)または特定のカウンターパーティ信用リスクに対する正味エクスポージャーに基づき管理されて
いる。
- 公正価値が経営幹部に対して提供されている。
- 金融資産および金融負債が純損益を通じて公正価値で測定されている。
このポートフォリオの評価アプローチは、当行グループがマーケット・リスクおよびカウンターパーティ信用リスクに対す
る正味エクスポージャーを管理する方法と整合している。
重要な会計上の見積り -活発な市場における相場価格が入手不可能な場合、当行グループは評価技法を使用して商品の公正価
値を設定している。このため、評価技法へのパラメータ入力値は、可能な場合には、活発な市場で取引される関連のある商品
の価格から算出された観察可能なデータに基づく。これらの評価技法は、ある程度の経営陣の見積りおよび判断を必要として
おり、その程度は商品または市場の価格の透明性および商品の複雑性に左右される。
公正価値を見積る際に、経営陣の判断が下される必要がある。経営陣の重要な判断が要求される分野は、識別、文書化さ
れ、評価統制プロセスおよび標準的な月次報告サイクルの一環として上級経営者に対して報告される。専門家モデル検証およ
び評価統制グループは、主観および判断の分野に注意を払っている。
活発な市場における相場がある金融商品の公正価値の設定に要求される経営陣の判断の度合いは僅かである。同様に、業界
全体で標準的であり、かつ、すべてのパラメータ入力値が活発な市場において相場がある場合の評価モデルを使用して評価さ
れる商品については、主観または判断はほとんど要求されない。
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要求される主観レベルおよび経営陣の判断の程度は、専門的で洗練されたモデルを使用して評価される金融商品および一部
または全部のパラメータ入力値の流動性が低いまたは観察可能性が低い金融商品については、より重要である。経営陣の判断
は、適切なパラメータ、仮定およびモデリング技法の選択および適用において要求される。特に、データが頻度の低い市場取
引 から入手される場合、外挿法および内挿法が適用されなければならない。特定の商品に関する市場データが入手不可能であ
る場合、価格決定のための入力値は、過去のデータ、取引の経済性に関するファンダメンタル分析および類似取引からの代用
情報等の、その他の関連する情報源を評価すること、ならびに評価対象の実際の金融商品および現在の市況を反映させるため
の適切な調整を行うことにより決定される。異なる評価技法により金融商品の公正価値に幅が生じる可能性がある場合、経営
陣は、公正価値を適切に表す当該見積りの範囲内のポイントを決定しなければならない。さらに、一定の評価調整は、公正価
値を決定するために経営陣の判断を要求する場合がある。
公正価値で計上される金融資産および負債は、その公正価値の決定に用いた評価方法への入力値に従って開示することが要
求される。具体的には、活発な市場における相場価格(レベル1)を用いて評価したもの、観察可能なパラメータに基づく評価
技法(レベル2)を用いて評価したもの、および重大な観察可能でないパラメータを使用した評価技法(レベル3)を用いて評
価したものに区分することが要求される。経営陣の判断は、一定の金融商品をどの分類に割当てるべきかの判定において要求
される。これは特に、評価が多数のパラメータにより決定され、その一部は観察可能だがその他は観察不能な場合に生じる。
さらに、金融商品の分類は、市場の流動性およびそれによる価格の透明性の変化を反映するために、時間の経過とともに変更
される可能性がある。
当行グループは、観察不能なパラメータに代えて合理的に考え得る代替値を使用することによりレベル3の金融商品に与える
影響についての感応度分析を提供している。合理的に考え得る代替値の決定には、経営陣の重要な判断が要求される。
償却原価で測定する金融商品(貸出金、預金および長短期の発行債務を含む。)について、当行グループは公正価値を開示
している。一般に、これらの金融商品についてはトレーディング活動が限定的かまたは存在しないため、その公正価値の決定
には経営陣の重要な判断が要求される。
公正価値の決定に関する評価手法および評価統制ならびに定量的開示の詳細については、注記13「公正価値で計上される金
融商品」および注記14「公正価値で計上されない金融商品の公正価値」を参照のこと。
取引日利益の認識
純損益を通じて公正価値で測定される金融商品の公正価値が、活発な市場における市場相場価格から入手される場合、また
は他の観察可能な現在の市場取引との比較により裏付けられる場合、あるいは観察可能な市場データを組み込んだ評価手法に
基づいている場合に、取引日利益が認識される。評価技法で使用された重要な入力値に観察不能なものがある場合、金融商品
は取引価格で認識され、評価技法により示された取引日現在の利益は繰り延べられる。
繰延金額は、取引日から市場が観察可能となると見込まれる日までの期間または取引の約定期間(いずれか短い方)にわた
り、系統的な方法を用いて認識される。市場の推移または商品自体が満期に近づくにつれて変動する商品の経済的プロファイ
ルおよびリスク・プロファイルを反映するため、このような手法が使用される。取引日繰延利益の残額は、取引が観察可能と
なった時に連結損益計算書に認識される。取引日損失が生じる稀な状況では、損失が発生した可能性が高く、かつ損失金額を
信頼性をもって見積ることが可能な範囲に限って、取引開始時に損失が認識される。
重要な会計上の見積り -経営陣の判断は、基礎となる金融商品の評価技法に重要で観察不能な入力値があるか否かの判定にお
いて要求される(金融商品の公正価値の決定の際に要求される経営陣の判断については、「公正価値の決定」の項を参照のこ
と。)。繰り延べ後に当該取引日利益の認識を決定する際には、パラメータの観察可能性および/またはリスクの軽減を裏付
ける、その時点での最新の事実および状況に関する慎重な評価が要求される。
デリバティブおよびヘッジ会計
デリバティブは、金利リスク、為替リスク、信用リスクおよびその他の市場価格リスクに対するエクスポージャー(予定取
引から生じるエクスポージャーを含む。)を管理するために使用されている。会計目的上デリバティブとみなされるすべての
独立した契約は、トレーディングまたはトレーディング以外のいずれの目的で保有されているかにかかわらず、公正価値で連
結貸借対照表に計上される。
トレーディング目的で保有するデリバティブに係る公正価値の変動は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債
に係る純利得(損失)に含まれる。
ヘッジ会計
IFRS第9号には、IFRS第9号のヘッジ会計の適用を延期してIAS第39号のヘッジ会計を引き続き適用するという会計方針の選択
が含まれている。当行グループは、この会計方針を選択することを決定したため、2018年1月1日現在、IFRS第9号のヘッジ会計
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を適用していない。当行グループは、IAS第39号のEUカーブアウト版に準拠し、金利リスクのポートフォリオ・ヘッジ(公正価
値マクロ・ヘッジ)に公正価値ヘッジ会計を適用している。IAS第39号のEUカーブアウトでは、コア預金に公正価値マクロ・
ヘッ ジ会計を適用することができ、ヘッジの非有効性は、適用するすべての公正価値マクロ・ヘッジ会計について、予定され
たタイム・バケットにおける修正後のキャッシュ・フロー見積額が当該期間の当初の指定額を下回った場合にのみ認識され
る。予定されたタイム・バケットにおける修正後のキャッシュ・フロー額が当初の指定額を上回った場合には認識されない。
会計目的上、ヘッジには3種類ある。それは(1)資産、負債または未認識の確定コミットメントの公正価値変動のヘッジ(公
正価値ヘッジ)、(2)可能性が非常に高い予定取引および変動利付資産・負債からの将来キャッシュ・フロー変動のヘッジ
(キャッシュ・フロー・ヘッジ)および(3)在外営業活動体の機能通貨による財務諸表を親会社の表示通貨へ換算した結果生じ
る外貨換算調整のヘッジ(在外営業活動体に対する純投資のヘッジ)である。
ヘッジ会計が適用される場合、当行グループは、ヘッジ手段とヘッジ対象項目との関係、ヘッジ取引実行のリスク管理目的
および戦略ならびにヘッジされるリスクの性質を指定し文書化する。この文書化には、ヘッジされたリスクに起因するヘッジ
対象項目の公正価値またはキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺するヘッジ手段の有効性を、当行グ
ループがどのように評価するかに関する記述が含まれる。ヘッジの有効性は、ヘッジの開始時および各ヘッジ関係の期間全体
を通じて評価される。デリバティブおよびヘッジ対象項目の契約条件が一致している場合でも、ヘッジの有効性を常に評価す
る。
公正価値変動のヘッジについては、ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象資産、負債もしくは未認識の確定コミットメ
ントまたはそれらの一部分の公正価値の変動は、当該デリバティブのすべての公正価値の変動とともに連結損益計算書に認識
される。金利リスクをヘッジする場合、デリバティブおよびヘッジ対象項目の両方に係る発生したまたは支払われた利息は、
利息収益または利息費用に計上され、ヘッジ会計の公正価値の修正による未実現損益は、その他の収益に報告される。ヘッジ
の非有効部分はその他の収益に計上され、ヘッジ手段の公正価値の変動と、ヘッジされたリスクに関連した市場金利または価
格の変動によるヘッジ対象項目の公正価値の変動の純影響額として測定される。
デリバティブが終了したか、またはヘッジ関係が指定解除されたために、負債性金融商品の公正価値ヘッジが当該商品の満
期到来前に中止された場合、当該負債性金融商品の帳簿価額になされた金利関連の公正価値修正(ベーシス・アジャストメン
ト)の残額は、当初ヘッジ関係の残存期間にわたり償却され、利息収益または利息費用に計上される。その他の種類の公正価
値修正については、また、公正価値ヘッジ対象資産または負債が売却されるかまたは売却以外で認識が中止される場合にはい
つでも、あらゆるベーシス・アジャストメントが認識の中止に係る損益の計算に含められる。
将来のキャッシュ・フロー変動のヘッジについては、ヘッジ対象項目に対する会計処理に変更はなく、デリバティブは公正
価値で計上され、公正価値の変動は当初、ヘッジが有効である限り、その他の包括利益に報告される。その他の包括利益に当
初計上されたこれらの金額は、その後、予定取引が連結損益計算書に影響を与える期間と同一の期間に連結損益計算書に組み
替えられる。したがって、金利リスク・ヘッジについては、その金額は、ヘッジ対象取引に係る発生利息の計上と同一の期間
に償却され、利息収益または利息費用に計上される。
ヘッジの非有効部分は、その他の収益に計上され、実際のヘッジ手段であるデリバティブの公正価値の絶対的な累積的変動
が、仮想の最適ヘッジの公正価値の絶対的な累積的変動を超過する部分がある場合に、その超過部分の変動として測定され
る。
金利リスクに起因するキャッシュ・フロー変動のヘッジが中止された場合、その他の包括利益累計額に残存する金額は、当
初ヘッジ関係の残存期間にわたり償却され、利息収益または利息費用に計上される。ただし、ヘッジ取引が今後発生する見込
みがなくなった場合には、この金額は即時にその他の収益に組み替えられる。その他のリスクに起因するキャッシュ・フロー
変動のヘッジが中止された場合、その他の包括利益累計額の関連する金額は、予定取引からの利益もしくは損失と同一の連結
損益計算書の項目および期間に組み替えられるか、または予定取引が今後発生する見込みがなくなった場合にはその他の収益
に組み替えられる。
在外営業活動体の機能通貨による財務諸表を親会社の機能通貨に換算した結果生じる外貨換算調整のヘッジ(在外営業活動
体に対する純投資のヘッジ)について、直物外国為替レートの変動によるデリバティブの公正価値の変動部分は、ヘッジが有
効である限り、外貨換算調整勘定としてその他の包括利益に計上され、残額はその他の収益として連結損益計算書に計上され
る。
ヘッジの有効部分に関連するヘッジ手段の公正価値の変動はその後、在外営業活動体の処分時に純損益に認識される。
ヘッジ手段であるデリバティブは、その他の資産およびその他の負債として計上される。デリバティブがその後ヘッジ関係
から指定解除された場合は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に振り替えられる。
貸出金の減損およびオフバランス信用損失引当金繰入額
IFRS第9号の減損の要件は、償却原価またはFVOCIで測定されるすべての信用エクスポージャーならびに貸出コミットメント
および金融保証等のオフバランスの貸出コミットメントに適用される。下記の減損方針において、これらの金融商品は「金融
資産」と呼ばれる。
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IFRS第9号の下での減損損失の決定には、潜在的な信用損失の予想に基づき金融資産の当初認識時に引当金を計上する予想信
用損失(以下「ECL」という。)モデルが使用される。
予想信用損失決定への段階アプローチ
IFRS第9号は、組成日または購入日時点では信用減損していない金融資産の減損について3段階のアプローチを定めている。
このアプローチは、以下のとおり要約される。
- ステージ1:当行グループは、すべての金融資産について12ヶ月間の予想信用損失に相当する額の信用損失引当金を認識す
る。これは、信用リスクが当初認識時以降に著しく増加していないと仮定した場合に、報告日から12ヶ月以内に予想され
る債務不履行事象による全期間の予想信用損失の一部を表す。
- ステージ2:当行グループは、信用リスクが当初認識以降に著しく増加したとみなされる金融資産について、全期間の予想
信用損失に相当する額の信用損失引当金を認識する。これには、金融資産の残存期間にわたって債務不履行が発生する確
率を示す、全期間のデフォルト発生確率、全期間のデフォルト時損失率およびデフォルト時エクスポージャーに基づくECL
の計算が必要となる。この段階では、組成または購入時からの信用リスクの増大と、ステージ1の12ヶ月と比べて期間が長
期になることの影響が考慮されることから、信用損失引当金は高くなる。
- ステージ3:当行グループは、信用減損している金融資産について、当該資産の回収可能な予想キャッシュ・フローを通じ
てデフォルト確率が100%であることを反映し、全期間の予想信用損失に相当する額の損失引当金を認識する。当行グルー
プの債務不履行の定義は、規制上の定義と整合している。当初認識時の信用減損金融資産はステージ3に分類され、帳簿価
額には全期間の予想信用損失が直ちに反映される。これらの購入または組成した信用減損(以下「POCI」という。)資産
の会計処理については、以下で詳述する。
信用リスクの著しい増加
金融商品の信用リスク(すなわち、債務不履行リスク)が当初認識時以降に著しく増加しているか否かを決定する際に、当
行グループは、関連性があり、かつ過度の費用および努力なしに入手できる、合理的で裏付け可能な情報を考慮する。これに
は、当行グループの過去の実績、信用リスクの評価および将来予測的な情報(マクロ経済要因を含む。)に基づく定性的情報
および定量的情報が含まれる。著しい信用悪化の評価は、12ヶ月間のECLに基づく引当金の測定から全期間のECLに基づく引当
金(すなわち、ステージ1からステージ2)への移行を決定する上で重要である。
信用リスクの著しい増大があったかどうかを判断するための当行グループの枠組みは、内部の信用リスク管理(以下「CRM」
という。)プロセスと整合しており、以下を利用している。
- 格付関連指標-報告日現在の全期間のPDと当初認識日現在の全期間の予想PDを比較するモデルに基づき、その後は分位点
アプローチを適用して金融資産がステージ2へ移行するトリガー・ポイントを定義するための閾値を決定する。
- プロセス関連指標-既存のリスク管理指標を使用したもので、経営陣の見解では金融資産の信用リスクが著しく増加した
状況を表す。この中には、信用ウォッチリストに追加された債務者、強制的にワークアウト手続きに移管された債務者、
支払が30日以上延滞している債務者、または支払猶予となった債務者が含まれる。
これらの指標は、リスク・レポートの「IFRS第9号の減損アプローチ」の項で詳述されている。
ステージ3の信用減損金融資産
当行グループはIFRS第9号に基づき、信用減損の定義を、自己資本規制178項に基づき規制目的上で債務不履行となった金融
資産と整合させている。
金融資産が信用減損しているためにステージ3にあるか否かの判断では債務不履行リスクのみに焦点を当て、担保または保証
などの信用リスク軽減策の影響を考慮しない。特に以下の場合に金融資産は信用減損し、ステージ3にあるとする。
- 当行グループが、債務者が当行グループに対する信用債務を支払う可能性は低いと考えている。判断には、経済的または
法的理由から、信用減損の定性的指標である譲歩を借手に与える支払猶予が含まれる場合がある。
- 債務者による契約上の元本または利息の支払いが90日以上延滞している。
信用減損したとみなされる金融資産について、ECL引当金は当行グループが被ると予想される損失額をカバーする。ECLの
見積りは、同質でないポートフォリオの場合は個別に、同質のポートフォリオの場合は当行グループのECLモデルを通じて、
ポートフォリオに基づくパラメータをこれらのポートフォリオの個々の金融資産に適用することによって行われる。この見積
りではシナリオに応じて調整した割引キャッシュ・フローが使用されている。
ECLの算定時に、将来の経済状況の予測が考慮される。全期間の予想損失は、契約に基づき当行グループに支払われるべき契
約上のキャッシュ・フローと、当行グループが受け取る見込みであるキャッシュ・フローとの差額に確率加重した現在価値に
基づいて見積もられる。
金融資産は、信用損失引当金を計上しない(すなわち、減損損失が発生する見込みがない)ものの信用減損しておりステー
ジ3にあると分類される場合がある。これは、担保の価値による。当行グループの自動化されたECLの算定は月次で行われる
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が、当行グループの同質のポートフォリオについて、ステージ3のECLの個別の評価は、少なくとも四半期ごとに実施しなけれ
ばならない。
ステージ3の購入または組成時の信用減損金融資産
金融資産は、当初認識時に減損の客観的証拠がある場合、購入または組成時に信用減損しているとみなされる。このような
信用減損した金融資産はPOCI金融資産と呼ばれる。POCI金融資産は全期間予想信用損失を反映して測定され、全期間予想信用
損失のその後の変動はすべて、プラスかマイナスかにかかわらず、信用損失引当金の構成要素として損益計算書に認識され
る。POCI金融資産はその金融資産の全期間にわたりステージ3にのみ分類可能である。
償却
当行グループは、回収の合理的な見込みがない金融資産の総帳簿価額を減額する。償却は、金融資産全体に関連する場合
も、その一部分に関連する場合もあり、認識中止の事象に該当する。当行グループはこの決定に際し、以下を含むがこれらに
限定されないあらゆる関連情報を考慮している。
- 当行グループによる担保権実行によっても回収ができない、または回収できない確率が高い。
- 相当の額が回収されていない、または今後回収されない担保権の抹消。
- 今後の回収が合理的に予想されない状況がある。
債権回収のために借手に対して起こした法的手続が決着する前に償却することは可能であり、債権を回収する当行グループ
の法的権利が償却によって喪失することはない。
IFRS 第9号モデルで使用される金利
ECLの算定においては、当行グループはIFRS第9号に従い、実効金利の近似値を適用する。これは通常、約定金利である。約
定金利は、ECLモデル、利息の認識およびECLの割引において一貫して用いられており、実効金利と大きく異なるものではない
ため、適切な近似値であるとみなされる。
減損分析において考慮される金融資産の担保
IFRS第9号は、担保およびその他の信用補完から予想されるキャッシュ・フローをECLの計算に反映させるよう求めている。
担保および保障に関する主要な点は以下のとおりである。
- 担保の適格性。つまり、どの担保をECLの計算に考慮すべきか。
- 担保の評価。つまりどの担保(清算)価値を使うべきか。
- 取引期間にわたり利用可能な担保の金額の予想。
これらの概念の概要はリスク・レポートの「IFRS第9号の減損アプローチ」の項に詳述されている。
重要な会計上の見積り -金融資産の減損に関連する会計上の見積りおよび判断は重要な会計上の見積りである。というのは、
使用される基礎となる仮定は、毎期変動する可能性があり、かつ、当行グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があ
るからである。
資産の減損評価を行う際には、経営陣の判断が要求される。これはとりわけ、経済および金融が不確実な状況と、予想
キャッシュ・フローの進展および変更がより急速に、かつより予測困難な状態で起こり得る状況下で将来予測的な情報および
シナリオを推定する際に、特に必要となる。将来キャッシュ・フローの実際の金額およびその時期は、経営陣によって使用さ
れた見積りと異なる場合がある。その結果、計上された引当金と異なる実際の損失が発生する場合がある。
ステージ3の同質ではない貸出金に関して、減損引当金の決定には、地域の経済状況、相手先の財務上の実績、および容易に
利用可能な市場がない可能性のある保有担保の価値等の事項に関連して、相当量の経営陣の判断の使用が要求される。
ステージ1およびステージ2の予想信用損失およびステージ3のうち同質である貸出金の減損引当金の決定は、当行グループの
ECLモデルを使用して算定される。当該統計モデルは、多数の見積りおよび判断を織り込んでいる。当行グループは、当該モデ
ルならびに基礎となるデータおよび仮定について定期的なレビューを実施している。債務不履行の発生可能性、損失回収率、
および外国の借手が債務の返済を履行するために必要な外国通貨の移転能力に関する判断等が特に、このレビューにおいて織
り込まれる。COVID-19のパンデミックの影響を受け、2020年初頭から以下の重要な会計上の見積りに関する経営陣の判断の範
囲は拡大している。
-将来予測的な情報:将来予測的な情報は、マクロ経済予測に基づく複数年のPDカーブに対する調整として、当行グループの
信用損失引当金の測定に織り込まれている。主要なマクロ経済変数(MEV)は、定量的および定性的判断のバランスを反映し
て識別される。MEVの精度を評価するためにバックテストやモデルの感応度といった統計分析が実施される一方で、信用管理
部門の専門家によるインプットを使用することで、経営陣はモデルの全般的な動きに対する確証を得ることができる。最終
的なモデルのパラメータ化は、内部ガバナンス・フォーラムにおける影響のレビューおよび検証、ならびにモデル・リスク
管理機能により独立して実施された検証に基づき行われる。さらに、予想信用損失の算定において経営陣の最善の見積りが
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ECL引当金に反映されるように、モデル変更の一環として行われたモデルテスト分析および継続的なモニタリング・フレーム
ワークによって見積アプローチの概念的な健全性が確保されている。
-信用リスクの著しい増加:リスク・レポートの「IFRS第9号の減損アプローチ」の項に記載のとおり、当行グループは金融資
産の信用リスクが当初認識後に著しく増加したかを決定するために、格付関連指標を使用している。同質でないポートフォ
リオ内の金融資産については、格付けは信用管理部門の専門家の判断に基づき取引相手ごとに個別に決定される。同質の
ポートフォリオ内の金融資産については(顧客関係が多いため)格付けプロセスは大部分が自動化され、信用責任者が個別
の取引相手に対する判断を要求することは少なくなっている。同質のポートフォリオと同質でないポートフォリオのいずれ
も、金融資産の信用リスクが著しく増加したかを決定するための格付関連指標は、報告日現在の全期間のPDと当初認識日現
在の全期間の予想PDを比較するモデルに基づき、その後は分位点アプローチを適用して金融資産がステージ2へ移行するトリ
ガー・ポイントを定義するための閾値を決定する。ステージ2の閾値を定義するための分位点は、当行グループのリスク機能
の特定分野の専門家によって決定される。これは当行グループのIFRS第9号のフレームワークにおける重要な判断の一つであ
り、年に1回詳細なステージ移動分析、過去の動きとのベンチマーク調査および同業他社との比較を基に検証される。
-同質のポートフォリオに対するステージ3のLGDの設定:当行グループの同質のポートフォリオについて、時間経過に部分的
に依拠したLGD(回収の見込みが低いほど顧客の債務不履行期間が長いことを反映し、それによって担保付と無担保のエクス
ポージャーを区別している。)に基づく自動化プロセスにより、ステージ3の信用損失引当金が決定される。LGDは、当行グ
ループが過去数十年間で蓄積してきた損失の実績、売却された不良債権のポートフォリオの市場価格の実績および専門家の
判断を用いて調整される。重要性の低いポートフォリオの場合、経験に基づくLGDの調整、特に主要インプットの一つである
顧客のキュアレートの決定は、部分的に信用管理部門の専門家の判断により裏付けられる。LGDの設定は年1回検証され、通
常、モデル・リスク管理機能の一環である当行グループの独立したモデル検証プロセスによるレビューが行われる。
定量的開示は、注記18「貸出金」および注記19「信用損失引当金」に記載されている。
金融資産および負債の認識の中止
金融資産の認識の中止
金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合、または当行グループが同資産からのキャッ
シュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡したか、もしくは一定の基準を条件として一件または複数件の受領者に対し当該
キャッシュ・フローを支払う義務を引き受けた場合、金融資産の認識の中止が検討される。
当行グループは、所有に関する実質上すべてのリスクおよび経済価値を移転した場合に、譲渡した金融資産の認識の中止を
行う。
当行グループは、既に認識済の金融資産を譲渡する一方で当該資産に関連する実質上すべてのリスクおよび経済価値を留保
する取引を締結する(例えば、第三者に対する売却で、当行グループが同一の相手先とトータル・リターン・スワップを同時
に締結する場合)。これらの種類の取引は、担保付資金調達取引として会計処理される。
金融資産の所有に関する実質上すべてのリスクおよび経済価値が留保も移転もされない取引では、同資産に対する支配が留
保されない場合(すなわち、譲受人が譲渡資産を売却できる実際上の能力を有する場合)に、当行グループは譲渡資産の認識
を中止する。譲渡において留保される権利および義務は、適宜資産および負債に区分して認識される。資産に対する支配が留
保されている場合には、その継続的関与を有する範囲において、当行グループは資産の認識を継続する。この継続的関与の範
囲は、当行グループが依然として譲渡資産の価値の変動リスクにさらされる範囲によって決定される。
認識中止の基準は、資産全体ではなく資産の一部の譲渡や、適用可能な場合には類似した金融資産のグループ全体に対して
も適用される。資産の一部を譲渡する場合には、当該一部は、個別に識別したキャッシュ・フロー、資産の完全比例配分額、
または個別に識別したキャッシュ・フローの完全比例配分額でなければならない。
既存の金融資産が同一の相手先による実質上異なる条件の他の資産と交換された場合、または既存の金融資産の条件が実質
上変更された場合(支払猶予の措置またはその他の理由により)、既存の金融資産の認識が中止され、新たな資産が認識され
る。各帳簿価額の差額は連結損益計算書に認識される。
証券化
当行グループは、様々な消費者金融資産および商業用金融資産を証券化している。これは当該資産をストラクチャード・エ
ンティティに譲渡し、ストラクチャード・エンティティが当該資産の取得に出資する投資家に証券を発行することによって達
成される。証券化を控えている金融資産は、適宜「金融資産および負債」の項の方針に基づき分類および測定される。ストラ
クチャード・エンティティが連結されない場合、譲渡資産は、金融資産の認識の中止に係る方針に基づき、全部または一部の
認識中止の要件を満たすことがある。シンセティック証券化ストラクチャーには通常、「デリバティブおよびヘッジ会計」の
項の方針が適用されるデリバティブ金融商品が含まれる。認識中止の要件を満たさない譲渡は、担保付資金調達として報告さ
れるか、または継続的関与に係る負債の認識を生じさせる場合がある。投資家および証券化ビークルは通常、金融資産の発行
体が当該資産の当初条件の履行を怠った場合に、当行グループの他の資産に対する償還請求権をもたない。
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証券化金融資産に対する持分は、優先または劣後トランシェ、利息のみのストリップス債またはその他の留保持分(以下、
合わせて「留保持分」という。)の形式で留保することができる。当行グループの留保持分によりストラクチャード・エン
ティ ティの連結が行われず、また譲渡資産の継続的認識も行われない場合、当該持分は通常、純損益を通じて公正価値で測定
する金融資産に、公正価値で計上される。類似金融商品の評価と同様に、留保トランシェまたは金融資産の当初およびその後
の公正価値の決定は、入手可能な場合には市場相場価格を使用して、またはイールド・カーブ、期限前償還率、デフォルト
率、損失強度、金利のボラティリティおよびスプレッドといった変数を利用した内部の価格決定モデルを使用して行われる。
価格決定に使用する仮定は、類似証券の観察可能な取引に基づいており、入手可能な場合には外部の価格決定ソースにより確
認される。類似証券の観察可能な取引およびその他の外部の価格決定ソースが入手できない場合、公正価値の決定には経営陣
の判断が要求される。また、当行グループは定期的に証券化された金融資産に対する持分を保有する場合があり、これを償却
原価で計上している。
当行グループが、非連結の証券化事業体に対する財務的支援を提供する現在の債務(法的または契約上のいずれか)を有し
ている場合、当該債務が信頼性をもって測定可能であり、債務の決済のために経済的資源の流出が生じる可能性が高い場合に
は引当金が設定される。
資産の認識が中止される場合、受取対価と譲渡資産の帳簿価額の差額と等しい損益が計上される。資産の一部の認識が中止
される場合、証券化に係る損益は、譲渡金融資産の帳簿価額に部分的に依拠し、その帳簿価額は、譲渡日現在の相対的公正価
値に基づいて、認識が中止された金融資産と留保持分に割り当てられる。
金融負債の認識の中止
金融負債は、負債に基づく義務が免責もしくは取消されるか、または失効した時に認識が中止される。既存の金融負債が同
一の貸手による実質上異なる条件の他の負債と交換された場合、または既存負債の条件が実質上変更された場合、このような
交換または変更は、当初負債の認識の中止および新負債の認識として扱われ、各帳簿価額の差額は連結損益計算書に認識され
る。
売戻条件付買入有価証券および買戻条件付売却有価証券
売戻条件付買入有価証券(以下「逆レポ」という。)および買戻条件付売却有価証券(以下「レポ」という。)は担保付融
資として扱われ、それぞれ現金支払額および受取額を公正価値として当初認識される。現金を支払う当事者は、融資の担保と
しての役目を果たす、融資した元本以上の市場価額を有する有価証券を占有する。逆レポに基づく受入有価証券は、所有によ
るリスクおよび経済価値を取得しないため貸借対照表に認識されず、レポに基づく差入有価証券は、所有によるリスクおよび
経済価値を放棄しないため貸借対照表から認識を中止されない。貸借対照表から認識を中止されない、レポに基づく差入有価
証券のうち、相手先が契約または慣行により担保を売却または再担保に差入れる権利を有するものについては、注記20「担保
に差入れたおよび担保として受け取った資産」に開示されている。
IFRS第9号に基づき、当行グループは公正価値ベースで管理される逆レポのポートフォリオをその他のビジネス・モデルに割
り当て、これを「強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以外の金融資産」として分類している。
逆レポに係る利息収益およびレポに係る利息費用は、それぞれ利息収益および利息費用として報告される。
借入有価証券および貸付有価証券
有価証券借入取引は通常、当行グループが有価証券の貸手に対し現金を預託することを要求している。有価証券貸付取引の
場合、当行グループは通常、貸付有価証券の市場価額以上の額相当の現金または有価証券で担保を受け取る。当行グループ
は、借入有価証券および貸付有価証券の公正価値を監視しており、必要な場合には追加の担保を支払うかまたは受け取ってい
る。
借入れた有価証券自体は財務諸表に認識されない。これらが第三者に売却された場合には、当該有価証券を返還する義務
が、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債として計上され、その後の損益は連結損益計算書において、純損益を通じて
公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得(損失)に計上される。相手先に貸出された有価証券も連結貸借対照表に引
き続き計上される。
当行グループは現金貸出額または現金受取額を連結貸借対照表上それぞれ借入有価証券および貸付有価証券として計上して
いる。
受取または支払フィーは、それぞれ利息収益および利息費用に報告される。連結貸借対照表から認識を中止されない、相手
先に貸付けた有価証券のうち、相手先が契約または慣行により担保を売却または再担保に差入れる権利を有するものについて
は、注記20「金融資産の譲渡、担保に差入れたおよび担保として受け取った資産」に開示されている。
のれんおよびその他の無形資産
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のれんは子会社および関連会社の取得時に発生する。のれんは、取得原価および被取得企業に対する非支配持分の総額が、
取得した識別可能な純資産の取得日における公正価値を超過する額を表している。
のれんの計算目的上、取得資産、負債および偶発負債の公正価値は、市場価額を参照するかまたは予想将来キャッシュ・フ
ローを現在価値に割引くことにより決定される。この割引は、市場利子率を使用するか、またはリスク・フリー利子率とリス
ク調整後の予想将来キャッシュ・フローを使用するかのいずれかにより行われる。被取得企業に対する非支配持分は、公正価
値または被取得企業の識別可能純資産に対する非支配持分の比例持分のいずれかで測定される(これは、企業結合ごとに決定
される。)。
子会社の取得に係るのれんは資産計上され、年1回または減損が生じている兆候がある場合にはそれ以上の頻度で減損のレ
ビューが行われる。減損テストの目的上、企業結合で取得したのれんは、資金生成単位(以下「CGU」という。)(他の資産ま
たは資産グループからのキャッシュ・インフローとはおおむね独立したキャッシュ・インフローを生成させるものとして識別
される資産グループの最小単位)であり、かつ、企業結合のシナジーから便益を得ることが期待されるものに配分されるが、
これには内部経営管理目的でのれんが監視される事業レベルが考慮される。資産(または資産グループ)からのキャッシュ・
インフローが、他の資産(または資産グループ)からのキャッシュ・インフローからおおむね独立しているか否かを識別する
際には、種々の要因が考慮される。それには、経営陣が企業の事業をどのように監視しているかや、経営陣が企業の資産およ
び事業を継続するか処分するかについてどのように決断するかが含まれる。
のれんがCGUに配分されており、当該単位内の事業が処分される場合、処分損益を決定する際に、これに帰属するのれんが当
該事業の帳簿価額に含められる。
コーポレートの資産は、合理的かつ一貫して配分可能な場合、CGUに配分される。それが不可能な場合、コーポレート資産を
含めずに個別のCGUの評価が行われる。その後、合理的かつ一貫して配分可能な最小限のCGUのグループごとに評価が行われ
る。
無形資産が分離可能または契約上もしくはその他の法的権利から生じ、かつ、その公正価値を信頼性をもって測定可能な場
合、当該無形資産はのれんとは別個に認識される。耐用年数を確定できる無形資産は、償却累計額および減損損失累計額控除
後の取得原価で計上される。耐用年数を確定できる顧客関連無形資産は、その見積耐用年数に基づき1年から20年の期間にわた
り定額法で償却される。これらの資産は少なくとも年1回減損テストが行われ、その耐用年数が再確認される。
一定の無形資産は耐用年数を確定できないため償却されないが、少なくとも年1回、事象または状況の変化が減損発生の可能
性を示唆している場合にはそれ以上の頻度で、減損テストが行われる。
社内利用目的のために開発または取得されたソフトウェアに関する原価は、将来の経済的便益が当行グループに流入する可
能性が高く、かつその原価を信頼性をもって測定可能な場合に、資産計上される。資産計上された原価は、当該資産の耐用年
数(3年、5年または10年のいずれかとみなされている。)にわたり定額法を用いて償却される。適格原価には、材料および
サービスの外部直接費ならびに社内利用目的ソフトウェア計画に直接関係した従業員の給与および給与関連費が含まれる。間
接経費ならびに研究段階またはソフトウェアの使用準備完了後に発生した費用は、発生時に費用計上される。資産計上された
ソフトウェア原価は、ソフトウェアが未だ開発段階にある場合は年1回、使用に供されてからは減損の兆候がある場合は随時、
減損テストが行われる。
重要な会計上の見積り -非金融資産の減損の評価における回収可能価額の決定には、市場相場価格、比較可能事業の価格、現
在価値もしくはその他の評価技法(コスト・アプローチ等)またはその組み合わせに基づいた見積りが必要であり、経営陣が
主観的な判断および仮定を行うことが要求される。これらの見積りおよび仮定は、基礎とした状況が変化すれば、報告金額が
著しく異なる結果となる可能性があるため、当行グループではこの見積りを非常に重要と考えている。
定量的開示は、注記23「のれんおよびその他の無形資産」に記載されている。
引当金
引当金は、当行グループが過去の事象の結果として現在、法的または推定的な債務を有しており、当該債務を決済するため
に資源の流出が必要となる可能性が高く、かつ当該債務の金額を信頼性をもって見積ることが可能な場合に認識される。
引当金として認識された金額は、債務を取り巻くリスクと不確実性を考慮した、貸借対照表日現在の債務の決済に必要とさ
れる対価の最善の見積りである。
貨幣の時間価値の影響が重要な場合、引当金は、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価および当該債務に固有のリスクを
反映した税引前割引率を使用して割引かれ、債務の決済に必要と予想される支出額の現在価値で測定される。時間の経過によ
る引当金の増加は利息費用として認識される。
引当金の決済に必要とされる一部または全部の経済的便益が第三者から回収されると見込まれている場合(例えば、保険契
約によって債務が保証されているため)で、補償を受け取ることが事実上確実な場合には、資産が認識される。
当行グループが不利な契約を有している場合、当該契約に基づく現在の債務は引当金として認識、測定される。不利な契約
とは、契約の債務を履行するために不可避なコストが、当該契約により受領が見込まれる経済的便益を上回る契約を言う。
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重要な会計上の見積り -訴訟および規制上の手続から発生する可能性のある潜在的損失に係る引当金の決定においては、見積
りの使用が重要である。当行グループは、訴訟および規制上の手続から発生する可能性のある潜在的損失について、IAS第37号
「引当金、偶発負債および偶発資産」に準拠して、そうした損失の発生する可能性が高く、かつ見積可能な範囲内で、これら
を見積り、引当金を計上している。これらの見積りを行う際には重要な判断が要求され、当行グループの最終的な負債は最後
には著しく異なる可能性がある。
法的問題に関する偶発事象は、多くの不確実性に左右され、個々の問題の結果について確信を持って予測することは不可能
である。重要な判断は、偶発事象に関して発生可能性を評価し見積りを行う際に要求され、当行グループの最終的な負債は最
後には著しく異なる可能性がある。当行グループの訴訟、仲裁および規制上の手続に関する負債の総額は、案件ごとに決定さ
れ、他の要素の中でも特に、各案件の進捗、類似の案件における当行グループの経験と他社の経験、および弁護士の意見と見
解を考慮した上で、発生可能性の高い損失の見積額を示している。当行グループの訴訟問題の結果を予測することは、原告が
実質的または算定不可能な損害賠償を求めている場合には特に、本質的に困難である。当行グループの訴訟、規制上の手続お
よび仲裁手続に伴う不確実性に関する追加情報については、注記27「引当金」を参照のこと。
法人所得税
当行グループは、各管轄区の税法の規定に従って、連結財務諸表に含まれた取引の当期および繰延の税効果を認識してい
る。当期税金および繰延税金は、純損益に認識される。ただし、税金が資本またはその他の包括利益に直接認識される項目に
関連する場合には、関連する税金は資本またはその他の包括利益に直接認識される。
繰延税金資産および負債は、既存の資産および負債の財務諸表上の帳簿価額とそれぞれの税務基準額との一時差異、繰越欠
損金ならびに繰越税額控除に起因する将来の税効果について認識される。繰延税金資産は、これらの繰越欠損金、繰越税額控
除および将来減算一時差異を利用できるだけの十分な課税所得を得られる可能性が高い範囲内でのみ認識される。
繰延税金資産および負債は、貸借対照表日現在施行されているまたは実質上施行されている税率および税法に基づき、資産
が実現または負債が決済される期間に適用されると見込まれる税率に基づき測定される。
当期税金資産および負債は、(1)それらが同一の税務申告事業体または税務申告事業体グループから発生し、(2)相殺する法
的強制力のある権利が存在し、かつ(3)それらを純額で決済または同時に実現する意思がある場合に相殺される。
繰延税金資産および負債は、当期税金資産と負債を相殺する法的強制力のある権利が存在し、かつ、繰延税金資産および負
債が、同一の税務申告事業体または税務申告事業体グループに対して、同一の税務当局によって課される法人所得税に関連す
る場合に相殺される。
繰延税金負債は、当行グループによって一時差異の解消の時期がコントロールされ、かつ予見可能な将来に一時差異が解消
されない可能性が高い場合を除き、子会社、支店および関連会社に対する投資ならびに共同支配企業に対する持分から生じた
将来加算一時差異に関して計上される。繰延税金資産は、予見可能な将来に一時差異が解消され、一時差異が利用可能な十分
な課税所得が得られる可能性が高い範囲内でのみ、このような投資から生じた将来減算一時差異に関して計上される。
その他の包括利益に直接借方計上または貸方計上される、金融資産(FVTOCIに分類される。)の公正価値の再測定、キャッ
シュ・フロー・ヘッジおよびその他の項目に関連する繰延税金は、同じくその他の包括利益に直接貸方計上または借方計上さ
れ、その後繰延税金に関連する基礎となる取引または事象が連結損益計算書に認識された時点で連結損益計算書に認識され
る。
株式報酬取引について、当行グループは、株式で支払われた報酬に関連して税額控除を認められることがある。税務目的上
減算可能な金額は、計上された報酬費用の累積額とは異なる可能性がある。当行グループは、各報告日において、現在の株価
に基づき予想される将来の税額控除額を見積らなければならない。関連する当期および繰延の税効果は、当該期間の連結損益
計算書に収益または費用として認識される。税務目的上減算可能または減算可能と見積った金額が、報酬費用の累積額を超過
する場合、超過タックス・ベネフィットが資本に直接認識される。
重要な会計上の見積り -繰延税金資産の金額の決定に際して、当行グループは、過去の税金負担力および収益性の情報ならび
に、関連性があれば承認された事業計画に基づく予測経営成績を、税法上の繰越期間、タックス・プランニングの利用可能性
およびその他の関連する検討事項のレビューも含めて利用する。過去の税金負担力の分析には、報告日現在の直近で欠損金を
計上しているかどうかも含まれる。直近の損失の実績は、税引前損益から永久差異を調整した金額に基づき決定され、通常、
当期および直前の2事業年度をカバーする。四半期ごとに当行グループは、繰延税金資産に関連する見積りを、将来の収益性に
関する仮定も含めて再評価する。
当行グループは、繰延税金資産に関連する会計上の見積りを、その基礎となる仮定が毎期変動する可能性があり、経営陣の
重要な判断が要求されることから、重要な会計上の見積りと考えている。例えば、税法の改正や、将来の計画上の経営成績に
差異が生じることにより、繰延税金資産が変更される可能性がある。当行グループが将来において、繰延税金資産純額の全部
または一部を実現できなかった場合には、繰延税金資産の修正額が、その決定を下した期の法人所得税費用または直接資本に
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借方計上されることとなる。当行グループが将来において、過去に未認識とした繰延税金資産を認識した場合には、繰延税金
資産の修正額が、その決定を下した期の法人所得税費用または直接資本に貸方計上されることとなる。
また、見積りの使用は、不確実な法人所得税ポジションから生じる可能性のある潜在的損失に係る引当金の算定においても
重要である。当行グループは、IAS第12号「法人所得税」およびIFRIC第23号「法人所得税の税務処理に関する不確実性」に基
づき、不確実な法人所得税ポジションから生じる可能性のある潜在的損失に係る引当金を見積り、計上している。これらの見
積りを行う上で重要な判断が要求されており、それによって当行グループの最終的な負債が大きく異なる可能性がある。
当行グループの繰延税金に関する更なる情報(認識した繰延税金資産に関する定量的開示を含む。)については、注記34
「法人所得税」を参照のこと。
企業結合および非支配持分
当行グループは、取得法を使用して企業結合を会計処理している。当行グループが子会社に対する支配を獲得した日現在
で、取得原価が、受取対価(移転された現金および現金以外の対価(資本性金融商品)を含む。)、条件付対価、被取得企業
に対して以前に保有していた資本持分、および発生したかまたは引き受けた負債の公正価値として測定される。取得原価およ
び被取得企業に対する非支配持分の総額が、取得した識別可能な純資産の公正価値に対する当行グループの持分を上回る場
合、その超過額は、のれんとして計上される。取得原価および非支配持分の総額が、識別可能な純資産の公正価値を下回る場
合には(負ののれん)、その他の収益に利得が計上される。取得関連コストは発生した期間に費用として認識される。
段階的に達成される企業結合(以下「段階的取得」という。)の場合、以前に保有していた被取得企業の資本持分は取得日
公正価値で再測定され、それにより利得または損失が生じる場合には純損益に認識される。以前に保有していた投資に関連し
て過去の期間にその他の包括利益に認識された金額は、当行グループが以前に保有していた資本持分を直接処分した場合に要
求されるのと同様の基準で認識される。
非支配持分は、連結貸借対照表において、資本の独立項目として、当行グループの株主持分と明確に区分して表示されてい
る。非支配持分に帰属する純利益は、連結損益計算書上に、区分して開示されている。子会社に対する所有持分の変動のう
ち、支配の変更とならないものは、所有者間の取引として処理され、資本剰余金に報告される。
売却目的保有の非流動資産
個々の非流動資産(および処分グループ)は、当該資産(および処分グループ)の慣例的な売却条件のみを基に、現況で直
ちに売却することが可能であり、かつ、その売却の可能性が非常に高いとみなされる場合に、売却目的保有として分類され
る。売却の可能性が非常に高いと言えるためには、経営陣が売却計画の実行を確約し、買手を積極的に探していなければなら
ず、実質的に規制当局の承認待ちのものがない状態である必要がある。さらに、資産(および処分グループ)は現在の公正価
値との関係において合理的な販売価格をもって積極的に売り込まれており、かつ、売却が1年以内に完了する見込みでなければ
ならない。売却目的保有として分類するための基準を満たす非流動非金融資産(および処分グループ)は、その帳簿価額と処
分コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定され、貸借対照表の「その他の資産」および「その他の負債」に表示さ
れる。基準を満たす金融資産および負債は、引き続きIFRS第9号に準拠して測定される。非流動資産(および処分グループ)が
売却目的保有に分類される際、比較数値は表示されない。処分グループに金融商品が含まれる場合、当該商品の帳簿価額の修
正は認められない。
土地建物および設備
土地建物および設備は、自己使用不動産、リース資産改良費、設備およびソフトウェア(オペレーティング・システムの
み)を含んでいる。使用権資産は、当行グループの連結貸借対照表上、土地建物および設備に含めて表示されている。自己使
用不動産は、減価償却累計額および減損損失累計額控除後の取得原価で計上される。減価償却費は通常、資産の見積耐用年数
にわたり定額法を用いて認識される。建物の見積耐用年数は、25年から50年であり、設備(購入した建物の初期改良費を含
む。)については3年から10年である。リース資産改良費は資産計上され、その後リース期間か当該改良費の見積耐用年数(通
常は3年から25年)のいずれか短い期間にわたり定額法で減価償却される。建物および設備の減価償却費は一般管理費に含めら
れる。維持修繕費も一般管理費に計上される。処分損益は、その他の収益に含められる。
土地建物および設備は、各四半期報告日に、減損の兆候の有無について評価される。かかる兆候が存在する場合、回収可能
価額(処分コスト控除後の公正価値または使用価値の高い方)を見積らなければならず、回収可能価額が帳簿価額を下回る額
につき減損損失が計上される。使用価値は、資産から生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値である。ある資
産の減損の認識後は、当該資産の修正後の帳簿価額を反映するよう将来期間の減価償却費が修正される。減損がその後戻入れ
られた場合には、減価償却費は将来に向かって修正される。
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金融保証
金融保証契約は、特定の債務者がある負債性金融商品の条件に従った支払を期日に履行できなかった場合に保有者が被る損
失を補填するために、保証発行者が所定の支払を行うことを要求する契約である。
供与された金融保証
当行グループは、公正価値ベースで管理される一定の供与された金融保証に対して公正価値オプションを適用することを選
択している。当行グループが公正価値で測定するものとして指定していない金融保証は、保証が供与された日の公正価値で当
初認識される。当初認識の後、このような保証に基づく当行グループの負債は、償却累計額控除後の当初認識額と、貸借対照
表日現在の金融債務を決済するのに必要な支出の最善の見積額のいずれか高い方で測定される。これらの見積りは、類似取引
の実績および過去の損失の実績ならびに経営陣が決定した最善の見積りに基づき決定される。
保証に関連する負債が増加した場合は、信用損失引当金繰入額として連結損益計算書に計上される。
購入した金融保証
購入した金融保証は、その金融保証が、回収のために保有(HTC)または回収し、売却するために保有(HTC&S)のビジネ
ス・モデルを伴う負債性金融商品からの信用エクスポージャーを軽減する目的で締結したものである場合、IAS第37号に基づく
補填が生じるとみなされる。その結果、購入した金融保証により当行グループが被った損失の補填を受けることがほぼ確実で
ある場合には、予想信用損失のその後の増加に関して補填資産を認識する。したがって、借手の信用リスクが著しく低下した
場合、全期間の予想信用損失と同額の補填資産が認識され、当行グループの連結貸借対照表のその他の資産に表示される。こ
れに対応する補填利得は、当行グループの連結損益計算書に信用損失引当金の減少として認識される。
HTCまたはHTC&Sのビジネス・モデルに割り当てられる負債性金融商品からの信用エクスポージャーを軽減する目的で締結し
た購入金融保証は、当行グループが発行するローン担保証券(CLO)に組み込まれる場合がある。こうした組み込まれた保証
は、補填資産として個別に会計処理されず、償却原価で保有するCLOの負債の一部として会計処理される。当行グループは、
CLOに組み込まれた金融保証の対象となる借手の信用リスクが著しく増大した場合、当該CLOからの契約上の払戻額(このよう
な組み込まれた保証からの便益を含む。)の見積りを定期的に修正する。この修正は、(CLOによる保証の範囲内で)当該負債
性金融商品の全期間の予想信用損失に基づいている。
その他のビジネス・モデルに含まれる負債性金融商品からの信用エクスポージャーを軽減する目的で締結した購入金融保証
は、純損益を通じて公正価値で会計処理される。
リース取引
当行グループは、主に土地建物に関するリース契約を、借手として締結している。その他のカテゴリーは社用車および技
術・IT機器である。
当行グループは契約開始時に、契約がリースまたはリースを含んだものであるかどうかを評価する。契約が特定された資産
の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合がこれに該当する。
当行グループは、基礎となる資産が少額である場合を除き、期間が12ヶ月を超えるすべてのリースについて単一の認識およ
び評価アプローチを適用している。当行グループは借手としてリース開始日に、基礎となるリース資産の使用権を表す使用権
資産およびリースの支払債務を表すリース債務を認識する。
使用権資産は、減価償却累計額および減損損失累計額控除後の取得原価で測定され、リース債務の再測定に応じて調整され
る。使用権資産のコストには、リース債務の金額にリース開始日以前に支払ったリース料を調整し、当初発生した直接費を加
えた金額、ならびに基礎となる資産の解体および除却または原資産の敷地の原状回復にかかる費用の見積りから受領したリー
ス・インセンティブを控除した金額が含まれる。使用権資産はリース期間にわたり定額法で減価償却される。
リース債務は、リース期間にわたり支払われるリース料の現在価値で測定される。リース料には、固定リース料(実質上の
固定リース料を含む。)から受け取るリース・インセンティブを控除した金額と、変動リース料のうち指数またはレートに応
じて決まる金額が含まれる。指数またはレートに応じて決まるものでない変動リース料は、当該リース料が発生する契機と
なった事象または状況が生じた期間に費用として認識される。
当行グループはリース料の現在価値の計算において、リースの計算利子率が容易に算定できないため、リース開始日現在の
追加借入利子率を使用している。リース開始日後のリース債務の金額は、利息の増加を反映して増加し、リース料の支払いに
伴い減少する。さらに、条件変更、つまりリース期間の変更またはリース料の変更(リース料の算定に使用される指数または
レートの変更による将来のリース料の変更等)があった場合、リース債務の帳簿価額は再測定される。
使用権資産は、各四半期報告日に、減損の兆候の有無について評価される。かかる兆候が存在する場合、回収可能価額(処
分コスト控除後の公正価値)を見積らなければならず、回収可能価額が帳簿価額を下回る額につき減損損失が計上される。使
用権資産は個別のキャッシュ・フローを生み出さないため、使用価値の算定にあたり、当行グループは合理的に得ることので
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きるサブリースの収益を考慮する。ある資産の減損の認識後は、当該資産の修正後の帳簿価額を反映するよう将来期間の減価
償却費が修正される。減損がその後戻入れられた場合には、減価償却費は将来に向かって修正される。
当行グループは使用権資産を「土地建物および設備」に、リース債務を「その他の負債」として計上している。
当行グループは、当行グループの短期リース(開始日からのリース期間が12ヶ月以内であるリース)に、短期リース関する
認識の免除を適用している。また、少額とみなされる技術・IT設備のリースに、少額資産のリースに関する認識の免除を適用
している。短期リースおよび少額資産のリースに係るリース料は、リース期間にわたり定額法で費用として認識される。
従業員給付
年金給付
当行グループは、多数の年金制度を提供している。確定拠出制度に加え、確定給付制度として会計処理される退職給付制度
も存在する。当行グループのすべての確定拠出制度の資産は、独立して管理されているファンドにおいて保有されている。拠
出額は通常、給与の一定割合として決定され、従業員の提供するサービスに基づき、通常、拠出年度に費用計上される。
確定給付制度として会計処理されるすべての退職給付制度は、確定給付制度債務の現在価値および関連する勤務費用を決定
するため予測単位積増方式を用いて評価される。この方法においては、人口統計、昇給、金利およびインフレ率に関する仮定
を含む数理計算に基づき決定が行われる。数理計算上の差異は、発生した期間にその他の包括利益に認識され、資本に表示さ
れる。当行グループの給付制度の大部分は、積立式である。
主要国における当行グループの最も重要な年金制度に関して、各測定日に使用した割引率は優良社債のイールド・カーブ
(信頼性の高い第三者のインデックス・データの提供業者や格付機関から入手した社債の全世界の情報から算出)を基に設定
されており、関連する制度の将来の給付支払いが予測される時期、金額および通貨を反映したものとなっている。
その他の退職後給付
さらに、当行グループは、主に米国に居住している多数の現従業員および退職従業員に対し、非積立式拠出制の退職後医療
制度を維持している。これらの制度は、退職者の適格医療費および歯科治療費が所定の免責額を超えた後にその所定の割合を
支払うものである。当行グループは、これらの制度に対し、給付の支払期日に現金で資金を供給している。退職給付制度と同
様に、これらの制度は、予測単位積増方式を用いて評価される。数理計算上の差異は、全額が発生した期間にその他の包括利
益に認識され、資本に表示される。
年金給付およびその他の退職後給付の会計処理に関する更なる情報については、注記33「従業員給付」を参照のこと。
解雇給付
解雇給付は、当行グループが通常の退職日前に雇用を終了させた場合や、従業員が当該給付を見返りに自発的退職を受け入
れた場合に発生する。当行グループが詳細で正式な計画を明確に確約しており、撤回する現実的な可能性がない場合に、当行
グループは解雇給付を負債および費用として認識する。自発的退職を勧奨するために行った募集の場合、かかる解雇給付は当
該募集を受け入れると予想される従業員数に基づいて測定される。給付の期日が報告期間終了後12ヶ月より後に到来する場
合、当該給付は現在価値に割り引かれる。その割引率は、優良社債の市場利回りを参照して決定される。
株式を基礎とした報酬
資本性金融商品として分類された報奨に関する報酬費用は、付与日において株式を基礎とした報奨の公正価値に基づき測定
される。株式報奨については、公正価値は当該株式の市場相場価格から当該従業員の受け取らない予想配当金の現在価値を減
額した上で、権利確定日後に何らかの制約があればその影響を調整する。修正直後の公正価値が修正直前の公正価値を超過す
るよう報奨が修正された場合、再測定が行われ、それによる公正価値の増加は追加の報酬費用として認識される。
当行グループは、認識済報酬費用に対応する金額を資本剰余金(以下「APIC」という。)に計上する。報酬費用は、従業員
の当該報奨に関連する勤務の期間にわたり、または分割で交付される報奨に関しては当該部分の期間にわたり、定額法に基づ
き計上される。見込まれる失効の見積りは、実際の失効があった場合または見込みの変更について、定期的に調整される。早
期退職規定により名目的であるが非実体的な勤務期間を含む付与に関しては、費用認識の時期は、費用の償却期間を付与日か
ら(権利確定日ではなく)従業員が報奨の適格基準を満たす日までに短縮することで早められる。分割で交付される報奨に関
しては、各部分が別個の報奨とみなされ別個に償却される。
現金決済型の株式を基礎とした報奨の報酬費用は、各貸借対照表日ごとに公正価値で再測定され、関連する従業員の勤務が
提供される権利確定期間にわたり認識される。関連する債務は支払時までその他の負債に含まれる。
政府補助金
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当行グループは、当該補助金を受領し、また、当該補助金に付随する条件を満たすという合理的な確証がある場合に政府補
助金を認識する。便益は、当行グループが補助金により関連するコストの補填を受ける予定の期間にわたり、認識され、関連
費用の減少として表示される。
当行グループはIAS第20号の観点から欧州中央銀行(ECB)を政府または類似の機関とみなしている。ECBの貸出条件付き長期
資金供給オペレーションⅢ(以下「TLTRO Ⅲ」という。)資金供給プログラムの下での借入金の実効金利は、TLTRO Ⅲ以外で
適用可能なECBの資金供給レートに基づき決定される。当行グループは便益を政府補助金として会計処理している。TLTRO Ⅲ資
金供給プログラムは、参加銀行による貸出を奨励することによりユーロ圏における非金融事業会社および個人への信用創造の
強化を図ることを目的としている。便益の規模は借入額や、様々な貸出実績の基準値の達成度合いに基づく。2021年度におい
て、IFRS解釈指針委員会(IFRS IC)はTLTRO Ⅲの会計処理方法を明確化するよう要請を受けたが、当財務諸表日現在、本件に
関する最終的な見解を公表していない。当行グループはIFRS ICによる本件の検討および当行グループのTLTRO Ⅲの評価を注意
深く監視している。この点において、ドイツ銀行はIFRS ICによる検討に伴う最終決定待ちの状態であるが、当該決定により重
大な影響を受けるとは予想されていない。
当行グループがTLTRO Ⅲ資金供給プログラムに関して認識する便益についての詳細は、注記05「純損益を通じて公正価値で
測定する金融資産/負債に係る純利息収益および純損益」を参照のこと。
自己普通株式購入義務
ドイツ銀行株式の先渡購入契約およびドイツ銀行株式を基礎数値とする売建プット・オプションは、株式数が固定され、固
定額の現金による現物決済が必要とされる場合、自己普通株式購入義務として報告される。契約開始時に、この義務は先渡契
約またはオプションの決済金額の現在価値で計上される。ドイツ銀行株式の先渡購入契約および売建プット・オプションにつ
いては、対応する額が株主持分に借方計上され、自己普通株式購入義務振替額として報告される。
負債は発生主義により会計処理され、当該負債に係る利息コスト(貨幣の時間価値および配当から成る。)は、利息費用と
して報告される。このような先渡購入契約および売建プット・オプションの決済時には、負債が消滅し、株主持分の借方計上
額は自己普通株式に組み替えられる。
このような先渡契約の対象となっているドイツ銀行普通株式は、基本的1株当たり利益計算目的では社外流通とみなされない
が、希薄化後1株当たり利益計算目的では、実際に希薄化している範囲で社外流通とみなされる。
ドイツ銀行株式に係るオプションおよび先渡契約で、株式数が固定され、現物決済が必要とされる場合は資本として分類さ
れる。ドイツ銀行株式を基礎数値とするその他のすべての契約は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産または負債と
して計上される。
連結キャッシュ・フロー計算書
連結キャッシュ・フロー計算書目的では、当行グループの現金および現金同等物は、重要な価値変動リスクがない、容易に
換金可能な流動性の高い投資を含む。当該投資は現金および中央銀行預け金ならびに要求払銀行預け金を含んでいる。
当行グループは、ビジネス・モデルに依拠して、キャッシュ・フローを営業活動、投資活動および財務活動の各区分に分類
している(以下「マネジメント・アプローチ」という。)。当行グループにとって主たる営業活動は、金融資産および金融負
債を運用管理することである。このため、長期借入金の発行および運用管理は、中核的な営業活動である。この点は、借入が
主要な収益創出活動ではないために財務活動の一部となる非金融企業とは異なる。
当行グループは、優先長期債務の発行を営業活動とみなしている。優先長期債務の構成要素は、仕組み債および資産担保証
券(コーポレート・バンクおよびインベストメント・バンクの事業セグメントによって設計および実行され、収益創出活動で
ある。)、ならびに財務部が発行する債務(他の資金源と交換可能であるとみなされている。)である。資金調達コストはす
べて、収益性を判断するために各事業活動に配賦されている。
劣後長期債務および信託優先証券に関連したキャッシュ・フローは、当行グループの資本の不可欠な一部として、主に所要
規制自己資本を満たす目的で管理されているため、優先長期債務に関連したキャッシュ・フローとは異なるものととらえられ
る。このため、劣後長期債務および信託優先証券は他の営業負債とは交換不能であり、資本とのみ交換可能であることから、
財務活動の一部であるとみなされている。
連結キャッシュ・フロー計算書に記載されている金額は、外貨換算による変動や連結会社グループの変動による変動といっ
た非資金項目を除外しているため、各期間ごとの連結貸借対照表における変動とは厳密には一致しない。
純損益を通じて公正価値で計上する項目の残高の変動は、帳簿価額に影響を及ぼすすべての変動を示す。これには、市場の
変動および資金の流出入による影響が含まれている。公正価値で計上する項目の残高の変動は通常、営業活動によるキャッ
シュ・フローに表示されている。
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02 -
最近適用された会計基準書および新しい会計基準書
最近適用された会計基準書
2021年度に当連結財務諸表の作成上適用された、当行グループに関係がある会計基準書は以下のとおりである。
金利ベンチマーク改革(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号およびIFRS第16号に対する修正)
2021年1月1日、当行グループはロンドン銀行間取引金利(以下「LIBOR」という。)およびEONIA(以下総称して「IBOR」と
いう。)の改革が財務報告に及ぼす潜在的影響に対応するIASBのプロジェクトの第2段階として、IFRS第9号「金融商品」、IAS
第39号「金融商品:認識および測定」、IFRS第7号「金融商品:開示」、IFRS第4号「保険契約」およびIFRS第16号「リース」
に対する修正を適用した。当行グループは2019年1月1日に第1段階の要件を適用した。第1段階は、2023年6月まで公表停止に
ならない特定の米ドルLIBORのテナーに引き続き適用される。
第2段階の修正は、置き換えの問題を扱っており、既存の金利ベンチマークが置き換えられる際に財務報告に影響を及ぼす可
能性のある問題に対応している。この中には、金融資産、金融負債およびリース債務、ならびに特定のヘッジ会計要件の変更
が含まれる。当該修正は、改革により求められる条件変更(IBOR改革の直接的な結果として求められる、経済的に同等の条件
変更)に関する実務上の便法を導入するものである。これらの条件変更は、実効金利を更新することにより会計処理される。
その他の条件変更はすべて、現行のIFRS要件を用いて会計処理される。類似の実務上の便法が、IFRS第16号の適用による貸手
の会計処理に導入されている。これにより、IBOR改革によるリースの条件変更を評価する際に変更後のリース債務の帳簿価額
の計算に使用される割引率は、ベンチマーク金利の変更に対してのみ修正される。さらに、当該修正の下で、IBOR改革のみを
理由としてヘッジ会計が中止されることはない。ヘッジ関係(および関連する文書化)は、ヘッジ対象項目、ヘッジ手段およ
びヘッジ対象リスクに対する条件変更を反映するように修正する必要がある。修正されたヘッジ関係は、有効性に関する要件
を含め、ヘッジ会計を適用するためのすべての適格基準を満たしていなければならない。当該修正はまた、企業がさらされて
いる、IBOR改革により生じるリスクの性質および範囲、企業によるこれらのリスクの管理方法を財務諸表の利用者が理解でき
るよう、追加の開示を求めている。また、IBORからの代替ベンチマーク金利への移行、ならびに企業による当該移行の管理方
法にも開示が必要とされる。
当行グループはIBORから新リスク・フリー利子率(以下「RFR」という。)への円滑な移行の管理を目指し、グループ全体の
IBORおよびEUベンチマーク規制移行プログラムを2018年に策定した。当該プログラムは当行グループの最高財務責任者がスポ
ンサーとなり、各部門、地域および管理部門に上級担当者を置いている。当該プログラムは、様々な金利指標に対するエクス
ポージャーの特定および数値化に焦点を当て、代替となるRFR参照商品の取引力の提供と、IBORを参照する既存契約の評価を
行っている。進捗に関するアップデートは、当行グループのIBOR移行運営委員会およびCFOへ月次で提供される。移行に向けた
準備として、プログラムの監視は、3つの防衛線のすべてにわたる活動とともに、顧客および金融市場へのリスクおよび混乱を
最小限にするための重要な焦点となっている。
当行グループは主に金融商品においてIBORへの重要なエクスポージャーを有しており、これらの契約の多くが各ベンチマー
クの公表停止日以降に期限を迎える。当行グループのデリバティブからのエクスポージャーは、顧客のための利益の獲得およ
びリスクのヘッジを目的として行った取引、ならびに貸出金および預金、債券および株式によるものであった。当行グループ
は、詳細な計画、プロセスおよび手続きを整備し、予定された利用中止日までに移行できるよう支援している。
当該プログラムの一環として、当行グループは統制環境を改善するため、定期的に更新される包括的な移行リスク評価を行
い、主要な固有リスクおよび軽減策を識別した。主要リスクには、事業戦略リスク、法務およびコンプライアンス・リスク、
コンダクト・リスク、流動性リスク、マーケット・リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスク、移行リスク、モデル・
リスク、会計、財務報告および税務リスク、情報セキュリティおよび技術革新リスクが含まれる。
当行グループは引き続き、予想されるIBOR参照ベンチマーク金利の中止に関連した残存リスクの軽減を目指し、計画を実施
していく。この点において、当行グループは、以下の状況にある。
- 移行が難しいポジション(「タフ・レガシー」と称される。)による潜在的な影響を定量化するために導入された新たな
フレームワークの開発を含め、IBOR関連商品のフォールバックの文言について検討した。
- 2020年初めに、IBOR移行に関連するあらゆる種類のコンダクト・リスク(新たなリスクおよび現行の計画を含む。)を協
議し検討することを目的に、コンダクト・リスク・アドバイザリー・フォーラムが立ち上げられた。
- 現在公表中の米ドルLIBORを除き、金利リスクのヘッジ会計プログラムのリスク・フリー利子率への移行を実施した。
- 金融商品の新たなRFRへの移行を促進、支援するため、積極的に顧客と協働した。
当行グループは主に金融商品においてIBORへの重要なエクスポージャーを有しているものの、当該修正は、この移行に際し
て当行グループの連結財務諸表に重大な影響を与えなかった。
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2021年度において、当行グループは特に2022年1月3日に公表が停止されたIBORについて、移行作業を積極的に進めている。
特にこれらのIBORに関して、当行グループは、
- 大部分の商品をRFRと同等の基準で顧客に提供することが可能になる。
- 当行グループの大部分の二者間のデリバティブ取引に関して、フォールバック文言を導入した。
- IBORに基づく新規取引を実行する際に入手可能な、効果的なフォールバック文言を積極的に利用している。
- 既存の全契約の大部分を、顧客とともにIBORからRFRに積極的に移行した。
- 当行グループの資本計算を含む、リスクおよび価格決定のアーキテクチャを英ポンド、スイスフラン、日本円および米ド
ルLIBORから、SONIA、SARON、TONARおよびSOFRへそれぞれ移行した。
- 英ポンドLIBOR、スイスフランLIBOR、日本円LIBOR、米ドルLIBORおよびEONIAから、それぞれSONIA、SARON、TONARおよび
ESTRへの移行に関して、ヘッジ会計の関係におけるヘッジの文書化およびヘッジリスクを修正した。
業界がIBORからRFRへ移行するにつれ、IBORに基づく金融商品では市場の流動性が下がり、RFRに基づく金融商品では上がる
と予想される。これに伴い、金融商品の評価額はRFRを参照して導出されると見込まれる。このことは当行グループの連結財務
諸表に重大な影響を与えない見込みである。一部の管轄区域および通貨では、特定の金融商品に適用される参照レートが複数
存在する場合がある。当行グループは引き続きこれらの参照レートを精査し、長期的に市場の進展を観察していく。
IFRS 第4号 保険契約
2021年1月1日、当行グループはIFRS第4号「保険契約」の修正を適用し、IFRS第9号適用の一時的免除を2023年1月1日以後開
始事業年度まで延長した。当該修正は当行グループの連結財務諸表に重大な影響を与えなかった。
IFRS 第16号 リース
2021年8月30日、当行グループはIFRS第16号「リース」の修正を適用した。これは、以前に借手に認めていたCOVID-19に関連
する賃料の譲歩がリースの条件変更にあたるかどうかの評価の免除を、2022年6月30日以前(2021年6月30日以前ではなく)に
当初の支払期日が到来する支払いに限りリース料を減額するという賃料の譲歩にまで拡大するものである。当該修正は当行グ
ループの連結財務諸表に重大な影響を与えなかった。
新しい会計基準書
2021年12月31日現在では適用時期が到来していなかったために当連結財務諸表の作成上は適用されなかった会計基準書は以
下のとおりである。
IFRS 第17号 保険契約
2017年5月に、IASBはIFRS第17号「保険契約」を公表した。これは、当該基準の範囲内における保険契約の認識、測定、表示
および開示の原則を確立するものである。IFRS第17号は、企業が各国の会計基準を用いて保険契約を会計処理することを許容
していたがために数多くの異なるアプローチが生じていたIFRS第4号を置き換えている。IFRS第17号は、すべての保険契約につ
いて一貫した方法での会計処理を求めることにより、IFRS第4号によって生じていた比較可能性の問題を解決して投資家と保険
会社の双方に利益をもたらすものである。保険負債は、取得原価ではなく現在価値を用いて会計処理されることになる。この
情報は定期的に更新され、より有用な情報を財務諸表の利用者に提供することになる。IFRS第17号は、2023年1月1日以後開始
事業年度から適用される。当行グループの現在の事業活動に基づき、IFRS第17号が当行グループの連結財務諸表に重要な影響
を及ぼすことはない見込みである。
2020年6月に、IASBはIFRS第17号「保険契約」の修正を公表し、2017年のIFRS第17号公表後に特定された懸念事項と適用に関
する課題に対応している。当該修正は2023年1月1日以後開始事業年度から適用され、早期適用が認められている。
2021年12月に、IASBはIFRS第17号「保険契約」の修正を公表した。これはIFRS第17号およびIFRS第9号を同時に初度適用した
企業に対して、IFRS第17号の移行要件を狭い範囲で修正したものである。当該修正は(選択した場合)、IFRS第17号を初度適
用した際に適用される。当該修正は、EUの承認をまだ受けていない。
IAS 第37号 引当金、偶発負債および偶発資産
2020年5月に、IASBはIAS第37号「引当金、偶発負債および偶発資産」の修正を公表し、契約が不利な契約であるかどうかの
評価にあたり、企業がどのような費用を検討すべきか明確化した。当該修正には、契約を「履行するためのコスト」が「当該
契約に直接的に関連するコスト」から構成されることが明記されている。契約に直接的に関連するコストは、当該契約を履行
するための増分コストまたは契約の履行に直接的に関連するその他のコストの配分のいずれかとなりうる。当該修正は2022年1
月1日以後開始事業年度から適用され、早期適用が認められている。当該修正は当行グループの連結財務諸表に重大な影響を与
えない見込みである。
IAS 第12号 法人所得税
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2021年5月、IASBはIAS第12号「法人所得税」の修正を公表した。当該修正は、単一の取引における資産および負債に関連し
た繰延税金の取り扱いを変更し、IAS第12号15項(b)およびIAS第12号24項に規定された当初認識の免除の適用除外を導入する
も のである。これにより、当初認識時に将来減算一時差異と将来加算一時差異の両方が発生し、その結果同額の繰延税金資産
および負債が認識されるような取引には当初認識の免除は適用されない。当該修正は2023年1月1日以後開始事業年度から適用
され、早期適用が認められている。当該修正は当行グループの連結財務諸表に重大な影響を与えない見込みである。当該修正
は、EUの承認をまだ受けていない。
IAS 第1号 財務諸表の表示
2020年1月および2020年7月に、IASBはIAS第1号「財務諸表の表示:負債の流動・非流動の分類」の修正を公表した。当該修
正は、負債の流動・非流動の分類は報告期間末時点で存在する権利に基づくことを明確化している。また、当該修正は企業が
負債の決済を延期する権利を行使するかどうかについての見込みにより分類が影響を受けないことを明確化しており、決済が
現金、資本性金融商品、その他の資産またはサービスの相手方への移転を指すことを明確化している。当該修正は2023年1月1
日以降開始事業年度から適用され、早期適用が認められている。当該修正は当行グループの連結財務諸表に重大な影響を与え
ない見込みである。当該修正は、EUの承認をまだ受けていない。
IFRS の2018-2020年サイクルの改善
2020年5月に、IASBは、2018-2020年サイクルに関するIASBの年次改善プロジェクトの一環として、複数のIFRS基準の修正を
公表した。これらには、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」、IFRS第9号「金融商品」、IFRS第16号「リース」および
IAS第41号「農業」に関連する、表示、認識または測定に関する会計上の変更を伴う修正、ならびに用語または編集上の修正が
含まれる。IFRS第9号の修正は、企業が金融負債の認識を中止するかどうかの評価を行う際にどのような報酬を含めるかについ
て明確化している。当該修正は2022年1月1日以降開始事業年度から適用され、早期適用が認められている。当該修正は当行グ
ループの連結財務諸表に重大な影響を与えない見込みである。
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03 -
取得および処分
企業結合
2021 年度第3四半期において、当行グループはベルリンを拠点とする新興の決済サービス・プロバイダーであるBetter
Payment Germany GmbHの100%の株式取得を完了した。当該取得を通じて、当行グループは決済処理および決済承認の市場シェ
アの拡大を目指している。当該取得の対価としての公正価値は、現金5百万ユーロと、取得後3年以内にいくつかのKPIを達成す
ることを条件にしたアーンアウトの対価3百万ユーロから成る。暫定的な取得原価の配分を実施した結果、当行グループはコー
ポレート・バンクの資金生成単位(CB CGU )に割り当てられるのれん5百万ユーロを計上した。当該資金生成単位の特定の評価
により、CBに新たに計上されたのれんは減損しているとみなされ、2021年度にただちに償却された(注記23「のれんおよびそ
の他の無形資産」を参照のこと。)。
2020 年度および2019年度において、当行グループは企業結合として会計処理される取得は行わなかった。
処分
2021年度、2020年度および2019年度において、当行グループはいくつかの子会社/事業の処分を完了した。これらの処分は
主に、当行グループが以前に売却目的保有として分類していた事業である。2021年度にはグローバル・プライム・ファイナン
スおよび電子株式のプラットフォームのBNPパリバへの移転完了、2020年度にはPostbank Systems AGの売却、2019年度にはポル
トガルのプライベート・アンド・コマーシャル・クライアンツ事業の売却が含まれていた。詳細については、注記24「売却目
的保有の非流動資産および処分グループ」を参照のこと。2021年度、2020年度および2019年度においてこれらの処分に対して
受け取った対価総額(このうち現金)は、それぞれ34百万ユーロ(現金0百万ユーロ)、7百万ユーロ(現金7百万ユーロ)およ
び18億ユーロ(現金18億ユーロ)であった。以下の表は、これらの処分に含まれていた資産および負債を示している。2021年
度の金額は、2021年度第3四半期末現在、BNPパリバの2021年度の移転完了前のグローバル・プライム・ファイナンスおよび電
子株式事業における売却目的保有の資産および負債を表している。
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度 2019 年度
現金および現金同等物 0 2 0
残りの全資産 3,507 7 2,713
処分資産合計 3,507 9 2,714
処分負債合計 8,102 79 1,003
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有価証券報告書
04 -
事業セグメントおよび関連情報
当行グループのセグメント情報は、「マネジメント・アプローチ」に従って作成されている。これは、最高業務意思決定者
(ドイツ銀行取締役会)が、セグメントに資源を配分し経営成績を評価するために日常的に検討を行う、企業の内部経営管理
報告を基礎としたセグメントを表示することを要求している。
事業セグメント
当行グループのセグメント報告は、内部経営管理報告システムに反映されている組織体制に沿って行われており、事業セグ
メントの経営成績の評価および事業セグメントへの資源配分の基礎となっている。
当行グループの事業運営は、以下のセグメントから成る部門構造に基づき編成された。
- コーポレート・バンク(以下「CB」という。)
- インベストメント・バンク(以下「IB」という。)
- プライベート・バンク(以下「PB」という。)
- アセット・マネジメント(以下「AM」という。)
- コーポレート・リリース・ユニット(以下「CRU」という。)
- コーポレートおよびその他(以下「C&O」という。)
PB、AM、CRUおよびC&Oのコーポレート部門に関するセグメント情報は、その範囲に変更はなく、関連するセグメント情報の
概要は以下のとおりである。以下の項に詳述のとおり、CBおよびIBに関して過年度の表示から変更があった。
2021年第1四半期の報告から、コーポレート・バンクは収益をインスティテューショナル・クライアント・サービス、コーポ
レート・トレジャリー・サービス、ビジネス・バンキングの区分で報告している。インスティテューショナル・クライアン
ト・サービスは、機関投資家顧客向けのキャッシュ・マネジメント、トラスト・アンド・エージェンシー・サービス、および
セキュリティーズ・サービスで構成されている。これらはすべて、過年度において「グローバル・トランザクション・バンキ
ング」の下で報告されていた。コーポレート・トレジャリー・サービスは、トレード・ファイナンス・アンド・レンディング
の一連のサービスならびに多国籍やドイツの大企業および中堅企業顧客向けのコーポレート・キャッシュ・マネジメントを提
供しており、過年度においては「グローバル・トランザクション・バンキング」および「コマーシャル・バンキング(ドイ
ツ)」の下で報告されていた。ビジネス・バンキング(過年度には「コマーシャル・バンキング(ドイツ)」の下で報告され
ていた)は、ドイツの小規模企業および起業家の顧客を対象としており、総体的な、概ね標準化された一連の商品を提供して
いる。過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
インベストメント・バンクは、ドイツ銀行のセールス/トレーディング(債券および為替)、オリジネーションおよびアド
バイザリー、ならびにドイツ銀行リサーチから構成される。 2021年度第2四半期から、インベストメント・バンクは、CLOの回
収による利益および損失を「その他」の収益カテゴリーに表示している。以前は、これらの利益および損失は「セールス/ト
レーディング(債券および為替)」ならびに「オリジネーションおよびアドバイザリー」に表示されていた。過年度のセグメ
ント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
プライベート・バンクはプライベート・バンク(ドイツ)およびインターナショナル・プライベート・バンクを含む。この
部門は個人顧客、富裕層の個人顧客、起業家およびファミリー顧客を対象としている。また、国際事業では商業顧客へのサー
ビスを提供している。
アセット・マネジメントはDWSのブランド名で運営されている。アセット・マネジメントは、アクティブ、パッシブおよびオ
ルタナティブの多様な資産運用商品およびサービスによって、個人投資家および機関投資家に投資ソリューションを提供す
る。
キャピタル・リリース・ユニットは、セールス/トレーディング(株式)事業から移転された残りの資産、特に低利回りの
債券ポジション、旧CIBの非戦略的ポートフォリオ、ならびにポーランドにおける旧プライベート・アンド・コマーシャル・バ
ンクの残存する貸出金ポートフォリオが含まれる。2021年度第4四半期において、当行はグローバル・プライム・ファイナンス
および電子株式のプラットフォームのBNPパリバへの移転を完了した。
コーポレートおよびその他には、個人向けの事業セグメントに配分されていない、一元的に計上される収益、費用および資
源ならびに管理報告目的で使用する会計手法とIFRSの相違から生じる評価および期間差異が含まれる。
さらに、当該報告期間中の経営陣の決定に基づき、さらなる部門変更が導入された。過年度のセグメント情報は、現在の体
制に合わせて表示されている。
セグメント純損益の測定
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セグメント報告は、セグメント別の経営成績を管理報告上の区分方法を基に表示すること(事業セグメントの経営成績と連
結財務諸表の経営成績との調整を含む。)を要求している。当該調整は、本注記中の「セグメント別の経営成績」の項に表示
されている。各セグメントについて提供される情報は、最高経営意思決定者により定期的に検討されているセグメント純損
益、 資産およびその他の情報に関する内部経営管理報告に基づいている。当行グループの内部経営管理報告では、セグメント
資産は連結の観点から表示されている。すなわち、これらの金額にはセグメント間残高が含まれていない。当行グループの内
部管理報告は、セグメント負債または利息費用を個別に考慮していない。同様に、減価償却および償却、税金費用ならびにそ
の他の包括費用は内部で個別に表示されないため、ここには開示されていない。
当行グループの経営管理報告において使用されている、IFRSに準拠しない会計処理方法は、評価の相違または分類の相違の
いずれかである。最大の評価の相違は、経営管理報告上は公正価値で測定するのに対し、IFRSでは償却原価で測定すること、
および自己株式に係るトレーディング損益を経営管理報告上は収益に認識する(IB)のに対し、IFRSでは資本に認識すること
に関連している。主要な分類の相違は、非支配持分に関連している。これは、収益、信用損失引当金繰入額、利息以外の費用
および法人所得税費用に対する少数株主の正味持分である。非支配持分は、経営管理報告上は事業の税引前利益の構成要素と
して報告(コーポレートおよびその他(C&O)で戻入)され、IFRSでは純利益の配分先の一つの構成要素として報告される。
当行グループの事業活動はその性質が多岐にわたり、かつその営業活動は統合されているため、収益および費用項目を各事
業セグメントへ配分するために一定の見積りおよび判断がなされている。
経営管理報告システムは、各事業セグメントの活動により使用または提供される資金の価値に従い、当行グループの内部資
金移転価格(以下「FTP」という。)のフレームワークに基づき、当行グループ外部からの純利息収益を配分している。さら
に、自己株式による資金調達を行う法的に独立した事業単位を保有する競合他社との比較可能性を保つため、当行グループ
は、各事業セグメントの平均株主資本の割合に応じて、当行グループ連結資本に係る名目上の正味利息収益を配分している。
経営陣は、資本および関連比率に関する一定の指標が各事業セグメントの財務成績に関するより有用な指標を提供すると考
えているため、これらを内部経営管理報告システムの一環として利用している。当行グループは、投資家およびアナリスト
が、当行グループ経営陣の事業経営について洞察を深め、当行グループの経営成績をよりよく理解できるように、これらの指
標を開示している。これらの指標は、平均株主資本の配分を含んでいる。
資金移転価格
2019年度第3四半期に、管理ツールとしての有効性を高め、資金調達コストの最適化をさらに進めるためにFTPのフレーム
ワークが変更された。新たなFTPのフレームワークは、リスク調整後かつ当行グループ全体に共通した方法で、資金調達コスト
および便益をより正確に当行グループの事業部門に配分することを目的としたものである。この手法の変更は当行グループの
全体的な資金調達コストに影響を及ぼすものではないが、当該フレームワークによってセグメント間でコストと便益の再配分
が行われる。従来の手法と比較すると、この再配分によってトレーディング事業で便益が生じたが、プライベート・バンク
(PB)およびコマーシャル・バンク(CB)での資金調達の便益の減少によって一部相殺された。新フレームワーク導入の一環
として、一部の移行費用はコーポレートおよびその他(C&O)に計上することが決定された。これらは負債が長期的な性質であ
ることから、長期にわたり償却される。
FTPの新フレームワークが導入されていた場合の2019年度上半期への影響は、IBおよびCRUの損益についてはそれぞれ約140百
万ユーロおよび30百万ユーロのプラスの効果、CB、PBおよびC&Oの損益についてはそれぞれ約20百万ユーロ、30百万ユーロおよ
び120百万ユーロの減少と考えられる。
平均株主資本の配分
株主資本は各セグメントの所要規制自己資本に基づき当行グループのセグメントに全額配分される。所要規制自己資本は、
当行グループの普通株式等Tier 1資本比率、当行グループのレバレッジ比率および当行グループのストレス下でのキャピタ
ル・ロスに対する各セグメントの総合的な貢献を反映している。3つの要素それぞれへの貢献は、その相対的な重要性と当行グ
ループに対する制約を反映して加重計算される。普通株式等Tier 1資本比率およびレバレッジ比率に対する貢献は、リスク・
ウェイテッド・アセット(RWA)およびレバレッジ比率エクスポージャーを通じて測定される。当行グループのストレス下での
キャピタル・ロスは、定義されたストレス・シナリオにおける当行グループの全体的な経済リスク・エクスポージャーの指標
である。のれんおよびその他の無形資産は、配分された有形株主資本および各リターンの算定を可能にするために、当行グ
ループのセグメントに直接帰属する。株主資本および有形株主資本は月次で配分され、四半期および通年にわたる平均値が算
出される。
米国非課税有価証券
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純収益、税引前利益(損失)および関連比率の構成要素としての純利息収益は、インベストメント・バンクの米国非課税有
価証券について、完全な課税対象ベースで表示されている。これにより、経営陣は、課税対象有価証券と非課税有価証券のパ
フォーマンスを比較可能な形で測定することができる。この表示により、インベストメント・バンクの純利息収益は、2021年
度 通年において40百万ユーロ、2020年度通年において45百万ユーロ、2019年度通年において35百万ユーロ増加した。この増加
は、C&Oにおける戻入を通じて、当行グループの連結数値において相殺されている。大部分の米国非課税有価証券に関して完全
な課税対象ベースの純利息収益の算定に使用した税率は、2021年度、2020年度および2019年度において21%である。
管理部門におけるフルタイム従業員の再編
2021年度第3四半期における決定により、最高執行責任者(COO)の取締役会における独立した役職が廃止されたため、約
9,000名のフルタイム換算の従業員がC&Oから事業セグメントに異動した。それにより、COO業務のうち、以前は管理部門で実施
されていたインベスト・バンクおよびコーポレート・バンク支援事業に関連する部分が、これらの部門に移管された。この結
果、セグメント別の比較財務情報は修正再表示されている。コストは、C&Oから各管理部門のサービスを利用している事業セグ
メントに配賦されるが、この移管によってC&Oからの配賦ではなく各部門の直接負担として表示されるようになったものであ
り、この変更によるセグメントレベルの重要な財務上の影響はない。
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セグメント別の経営成績
以下の表は、当行グループの事業セグメント別の業績(IFRSに基づく連結 経営 成績への調整を含む。)を示すものである。
2021 年度
キャピタ
インベスト アセット・ コーポレー
コーポレー プライベー ル・リリー
メント・バ マネジメン トおよびそ 連結合計
単位:百万ユーロ
ト・バンク ト・バンク ス・ユニッ
ンク ト の他
(別途記載のものを除く。) ト
1
25,410
純収益
5,150 9,631 8,234 2,708 26 -339
515
-3 104 446 5 -42 5
信用損失引当金繰入額
利息以外の費用
10,418
1,447 2,199 2,810 822 128 3,012
報酬および手当
10,821
一般管理費 2,659 3,583 4,440 840 1,306 -2,008
のれんおよびその他の無形資
5 0 0 0 0 0 5
産の減損
261
再構築費用 42 47 173 2 -2 -0
21,505
4,153 5,830 7,423 1,664 1,432 1,004
利息以外の費用合計
0
0 -17 0 223 0 -206
非支配持分
3,390
税引前利益(損失) 1,000 3,715 366 816 -1,364 -1,143
85%
費用収益比率 81% 61% 90% 61% N/M N/M
2
1,323,993
資産
245,716 615,906 310,496 10,387 131,775 9,713
17 6 149 32 1 1,734 1,939
非流動資産への追加
リスク・ウェイテッド・ア
65,406 140,600 85,366 14,415 28,059 17,783 351,629
セット
レバレッジ・エクスポー
ジャー算定値(完全適用ベー
299,892 530,361 320,692 10,678 38,830 22,761 1,124,667
3
ス)
10,301 24,181 12,663 4,815 4,473 0 56,434
平均割当株主資本
4
税引後平均株主資本利益率
6% 10% 1% 12% -23% N/M 3%
税引後平均有形株主資本利益
7% 11% 1% 30% -23% N/M 4%
4
率
1
以下を含む:
純利息収益 2,605 3,332 4,601 -5 58 564 11,155
持分法適用投資による純利益
3 -34 40 81 7 1 98
(損失)
2
以下を含む:
持分法適用投資 72 462 180 349 25 4 1,091
N/M -表記するに値しない。
3 当行グループのレバレッジ・エクスポージャーは、規制(EU)第2020/1306号に基づくユーロシステムの中央銀行に対応し、かつECBの認可
を得た特定のユーロ建エクスポージャーを除いて表示されている。セグメント別のレバレッジ・エクスポージャーは、こうした控除を除
いて表示されている。
4 当行グループ全体の税引後平均有形株主資本利益率および税引後平均株主資本利益率は、当行グループの報告実効税率(2021年12月31日
終了年度:26%)を反映している。セグメントの税引後平均有形株主資本利益率および税引後平均株主資本利益率に関しては、セグメン
トに起因しない永久差異の影響を除外するよう当行グループの実効税率が調整されたため、2021年12月31日終了年度のセグメントの税率
は28%となった。詳細は、英文Annual Report 2021 の「Supplementary Information (Unaudited): Non-GAAP Financial Measures」を参照
のこと。
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2020 年度
キャピタ
インベスト アセット・ コーポレー
コーポレー プライベー ル・リリー
メント・バ マネジメン トおよびそ 連結合計
単位:百万ユーロ
ト・バンク ト・バンク ス・ユニッ
ンク ト の他
(別途記載のものを除く。) ト
1
24,028
純収益
5,146 9,286 8,126 2,229 -225 -534
1,792
364 690 711 2 29 -4
信用損失引当金繰入額
利息以外の費用
10,471
報酬および手当 1,402 2,081 2,863 740 168 3,217
10,259
2,813 3,323 4,238 763 1,774 -2,652
一般管理費
のれんおよびその他の無形資
0 0 0 0 0 0 0
産の減損
485
28 14 413 22 5 3
再構築費用
21,216
4,243 5,418 7,513 1,526 1,947 568
利息以外の費用合計
0
非支配持分 0 11 0 157 -0 -169
1,021
税引前利益(損失) 539 3,166 -99 544 -2,200 -929
88%
82% 58% 92% 68% N/M N/M
費用収益比率
2
資産 1,325,259
237,675 573,536 296,596 9,453 197,667 10,333
非流動資産への追加 10 4 202 32 0 3,174 3,423
リスク・ウェイテッド・ア
57,483 128,292 77,074 9,997 34,415 21,690 328,951
セット
レバレッジ・エクスポー
ジャー算定値(完全適用ベー
273,959 476,097 307,746 4,695 71,726 29,243 1,078,268
3
ス)
平均割当株主資本 9,945 22,911 11,553 4,757 6,166 0 55,332
4
税引後平均株主資本利益率
3% 9% -1% 8% -26% N/M 0%
税引後平均有形株主資本利益
3% 10% -1% 21% -27% N/M 0%
4
率
1
以下を含む:
純利息収益 2,883 3,325 4,499 1 61 756 11,526
持分法適用投資による純利益
3 22 23 63 9 1 120
(損失)
2
以下を含む:
持分法適用投資 69 399 60 304 67 4 901
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
3 当行グループのレバレッジ・エクスポージャーは、規制(EU)第2020/1306号に基づくユーロシステムの中央銀行に対応し、かつECBの認可
を得た特定のユーロ建エクスポージャーを除いて表示されている。セグメント別のレバレッジ・エクスポージャーは、こうした控除を除
いて表示されている。
4 当行グループ全体の税引後平均有形株主資本利益率および税引後平均株主資本利益率は、当行グループの報告実効税率(2020年12月31日
終了年度:39%)を反映している。セグメントの税引後平均有形株主資本利益率および税引後平均株主資本利益率に関しては、セグメン
トに起因しない永久差異の影響を除外するよう当行グループの実効税率が調整されたため、2020年12月31日終了年度のセグメントの税率
は28%となった。詳細は、英文Annual Report 2021 の「Supplementary Information (Unaudited): Non-GAAP Financial Measures」を参照
のこと。
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有価証券報告書
2019 年度
キャピタ
インベスト アセット・ コーポレー
コーポレー プライベー ル・リリー
メント・バ マネジメン トおよびそ 連結合計
単位:百万ユーロ
ト・バンク ト・バンク ス・ユニッ
ンク ト の他
(別途記載のものを除く。) ト
1
23,165
純収益
5,247 7,023 8,239 2,332 217 107
723
284 110 344 1 -14 0
信用損失引当金繰入額
利息以外の費用
11,142
報酬および手当 1,419 2,156 2,971 832 359 3,406
12,253
2,829 4,073 4,517 851 2,898 -2,916
一般管理費
のれんおよびその他の無形資
492 0 545 0 0 0 1,037
産の減損
644
137 169 125 29 143 41
再構築費用
25,076
4,877 6,397 8,159 1,711 3,400 531
利息以外の費用合計
0
非支配持分 0 20 -0 152 1 -173
-2,634
税引前利益(損失) 86 496 -263 468 -3,170 -251
108%
93% 91% 99% 73% N/M N/M
費用収益比率
2
資産 1,297,674
228,846 501,591 270,334 9,936 259,224 27,743
非流動資産への追加 9 1 167 27 0 1,117 1,322
リスク・ウェイテッド・ア
58,993 116,367 74,032 9,527 45,874 19,223 324,015
セット
レバレッジ・エクスポー
270,836 432,066 282,575 4,643 126,905 51,016 1,168,040
ジャー算定値(完全適用ベー
ス)
10,340 21,736 11,663 4,865 7,253 4,314 60,170
平均割当株主資本
3
税引後平均株主資本利益率
-0% 1% -2% 7% -32% N/M -10%
税引後平均有形株主資本利益
-0% 1% -2% 18% -33% N/M -11%
3
率
1
以下を含む:
純利息収益 2,635 2,709 4,838 -39 85 3,520 13,749
持分法適用投資による純利益
3 32 14 49 12 1 110
(損失)
2
以下を含む:
持分法適用投資 66 412 82 276 90 4 929
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
3 当行グループ全体の税引後平均有形株主資本利益率および税引後平均株主資本利益率は、当行グループの報告実効税率(2019年12月31日
終了年度:マイナス100%)を反映している。セグメントの税引後平均有形株主資本利益率および税引後平均株主資本利益率に関して
は、セグメントに起因しない永久差異の影響を除外するよう当行グループの実効税率が調整されたため、2019年12月31日終了年度のセグ
メントの税率は28%となった。詳細は、英文Annual Report 2021の「Supplementary Information (Unaudited): Non-GAAP Financial
Measures」を参照のこと。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
コーポレート・バンク
2020 年度から 2019 年度から
2021 年度の増加 2020 年度の増加
(減少) (減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
純収益
コーポレート・トレジャリー・
3,077 5 2
3,130 3,125 0 48
サービス
インスティテューショナル・クラ
1,294 1,274 1,405 20 2 -131 -9
イアント・サービス
765 -21 -2
ビジネス・バンキング 726 747 -3 -18
5,150 5,146 5,247 4 0 -101 -2
純収益合計
このうち:
2,605
純利息収益 2,883 2,635 -278 -10 248 9
2,203
手数料およびフィー収益 2,078 2,192 125 6 -114 -5
その他の収益 343 185 420 158 85 -235 -56
信用損失引当金繰入額 -3 364 284 -367 N/M 80 28
利息以外の費用
1,447 1,402 1,419 46 3 -17 -1
報酬および手当
2,659 2,813 2,829 -154 -5 -16 -1
一般管理費
のれんおよびその他の無形資産の
5 0 492 5 N/M -492 N/M
減損
42 28 137 13 47 -108 -79
再構築費用
利息以外の費用合計 4,153 4,243 4,877 -90 -2 -634 -13
0 0 0 0 N/M 0 N/M
非支配持分
1,000 539 86 461 86 453 N/M
税引前利益(損失)
1
資産合計(単位:十億ユーロ)
246 238 229 8 3 9 4
貸出金(貸倒引当金総額を含む、
122 115 119 8 7 -5 -4
単位:十億ユーロ)
13,265 13,320 13,471 -55 -0 -151 -1
従業員数(フルタイム換算)
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
1 セグメント資産は連結の観点から表示されている。すなわち、これらの金額にはセグメント間取引残高が含まれていない。
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有価証券報告書
インベストメント・バンク
2020 年度から 2019 年度から
2021 年度の増加 2020 年度の増加
(減少) (減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
純収益
セールス/トレーディング(債券
7,063 7,074 5,524 -11 -0 1,550 28
および為替)
1,117 73
債券オリジネーション 1,573 1,500 5 383 34
株式オリジネーション 544 369 148 174 47 221 149
370 247 101 -126 -34
アドバイザリー 491 244
オリジネーションおよびアドバイ
1,635 494 23 479 29
2,608 2,114
ザリー
-40 99 -136 -139 N/M 235 N/M
その他
9,631 9,286 7,023 345 4 2,263 32
純収益合計
信用損失引当金繰入額 104 690 110 -587 -85 581 N/M
利息以外の費用
2,081 2,156 6 -75 -3
報酬および手当 2,199 118
3,323 4,073 260 8 -750 -18
一般管理費 3,583
のれんおよびその他の無形資産の
0 0 0 0 N/M 0 N/M
減損
14 169 33 N/M -155 -92
再構築費用 47
5,830 5,418 6,397 411 8 -979 -15
利息以外の費用合計
非支配持分 -17 11 20 -29 N/M -8 -41
3,715 3,166 496 549 17 2,670 N/M
税引前利益(損失)
1
資産合計(単位:十億ユーロ)
616 574 502 42 7 72 14
貸出金(貸倒引当金総額を含む、
93 69 75 24 34 -6 -8
単位:十億ユーロ)
7,202 7,584 7,494 -382 -5 90 1
従業員数(フルタイム換算)
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
1 セグメント資産は連結の観点から表示されている。すなわち、これらの金額にはセグメント間取引残高が含まれていない。
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有価証券報告書
プライベート・バンク
2020 年度から 2019 年度から
2021 年度の増加 2020 年度の増加
(減少) (減少)
単位:百万ユーロ
比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額 比率(%)
(別途記載のものを除く。)
(%)
純収益
5,008 4,989 5,109 19 0 -120 -2
プライベート・バンク(ドイツ)
インターナショナル・プライベー
3,226 3,136 3,130 90 3 7 0
ト・バンク
1
IPBパーソナル・バンキング
908 870 905 38 4 -34 -4
IPBプライベート・バンキング
2,318 2,266 2,225 52 2 41 2
2
およびウェルス・マネジメント
純収益合計 8,234 8,126 8,239 109 1 -113 -1
このうち:
4,601 4,499 4,838 102 2 -339 -7
純利息収益
3,207 3,052 2,866 155 5 187 7
手数料およびフィー収益
426 574 534 -148 -26 40 7
その他の収益
446 711 344 -265 -37 367 107
信用損失引当金繰入額
利息以外の費用
2,810 2,863 2,971 -53 -2 -108 -4
報酬および手当
一般管理費 4,440 4,238 4,517 202 5 -280 -6
のれんおよびその他の無形資産の
0 0 545 0 N/M -545 N/M
減損
再構築費用 173 413 125 -240 -58 287 N/M
7,423 7,513 8,159 -91 -1 -645 -8
利息以外の費用合計
0 0 -0 -0 -87 1 N/M
非支配持分
366 -99 -263 465 N/M 164 -62
税引前利益(損失)
3
資産合計(単位:十億ユーロ)
310 297 270 14 5 26 10
貸出金(貸倒引当金総額を含む、
254 237 227 17 7 10 5
単位:十億ユーロ)
4
運用資産(単位:十億ユーロ)
553 493 482 59 12 11 2
30 16 4 14 88 12 N/M
正味流入額(単位:十億ユーロ)
28,100 29,764 31,421 -1,665 -6 -1,657 -5
従業員数(フルタイム換算)
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
1 イタリア、スペインおよびインドの小規模事業を含む。
2 イタリア、スペインおよびインドの中小企業を含む。
3 セグメント資産は連結の観点から表示されている。すなわち、これらの金額にはセグメント間取引残高が含まれていない。
4 当行グループは、運用資産を(a)当行グループが顧客に代わって投資目的で保有する資産および/または(b)当行グループが 運用 管理する
顧客資産と定義する。当行グループは、運用資産を一任もしくはアドバイザリー・ベースで運用管理するか、または預金として預かる。
預金が投資目的で保有されている場合、運用資産とみなす。プライベート・バンク(ドイツ)、IPBパーソナル・バンキングおよびIPBプ
ライベート・バンキングにおいて、これはすべての期間における預金および貯蓄預金を含む。IPBウェルス・マネジメントにおいては、当
行グループはすべての顧客の預金が主に投資目的で保有されているものとみなしている。
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有価証券報告書
アセット・マネジメント
2020 年度から 2019 年度から
2021 年度の増加 2020 年度の増加
(減少) (減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
純収益
2,370 2,136 2,141 233 11 -5 -0
マネジメント・フィー
212 90 201 122 135 -111 -55
運用報酬および取引手数料
その他 126 3 -10 123 N/M 13 N/M
2,708 2,229 2,332 478 21 -103 -4
純収益合計
5 2 1 3 148 1 59
信用損失引当金繰入額
利息以外の費用
報酬および手当 822 740 832 82 11 -92 -11
840 763 851 77 10 -88 -10
一般管理費
のれんおよびその他の無形資産の
0 0 0 -0 N/M 0 N/M
減損
2 22 29 -20 -92 -6 -22
再構築費用
1,664 1,526 1,711 138 9 -185 -11
利息以外の費用合計
223 157 152 66 42 5 4
非支配持分
税引前利益(損失) 816 544 468 272 50 76 16
1
資産合計(単位:十億ユーロ)
10 9 10 1 10 -0 -5
928 793 768 135 17 25 3
運用資産(単位:十億ユーロ)
48 30 25 17 N/M 5 N/M
正味流入額(単位:十億ユーロ)
従業員数(フルタイム換算) 4,072 3,926 3,925 146 4 1 0
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
1 セグメント資産は連結の観点から表示されている。すなわち、これらの金額にはセグメント間取引残高が含まれていない。
キャピタル・リリース・ユニット
2020 年度から 2019 年度から
2021 年度の増加 2020 年度の増加
(減少) (減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
純収益 26 -225 217 251 N/M -442 N/M
-42 29 -14 -70 43 N/M
信用損失引当金繰入額 N/M
利息以外の費用
128 168 359 -40 -24 -191 -53
報酬および手当
一般管理費 1,306 1,774 2,898 -468 -26 -1,124 -39
のれんおよびその他の無形資産の
0 0 0 0 N/M 0 N/M
減損
再構築費用 -2 5 143 -7 N/M -139 -97
1,432 1,947 3,400 -515 -26 -1,453 -43
利息以外の費用合計
- -0 1 0 N/M -1 N/M
非支配持分
-1,364 -2,200 -3,170 836 -38 970 -31
税引前利益(損失)
1
資産合計(単位:十億ユーロ)
132 198 259 -66 -33 -62 -24
267 478 614 -211 -44 -136 -22
従業員数(フルタイム換算)
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
1 セグメント資産は連結の観点から表示されている。すなわち、これらの金額にはセグメント間取引残高が含まれ ていない。
コーポレートおよびその他(C&O)
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有価証券報告書
2020 年度から 2019 年度から
2021 年度の増加 2020 年度の増加
(減少) (減少)
単位:百万ユーロ
比率 比率
2021 年度 2020 年度 2019 年度
金額 金額
(別途記載のものを除く。)
(%) (%)
-339 -534 107 195 -36 -641 N/M
純収益
信用損失引当金繰入額 5 -4 -0 9 N/M -3 N/M
利息以外の費用
3,012 3,217 3,406 -206 -6 -188 -6
報酬および手当
一般管理費 -2,008 -2,652 -2,916 644 -24 263 -9
のれんおよびその他の無形資産の
0 0 0 0 N/M 0 N/M
減損
-0 3 41 -3 N/M -38 -93
再構築費用
利息以外の費用合計 1,004 568 531 436 77 37 7
-206 -169 -173 -37 22 3 -2
非支配持分
-1,143 -929 -251 -213 23 -679 N/M
税引前利益(損失)
30,064 29,587 30,672 477 2 -1,085 -4
従業員数(フルタイム換算)
N/M -表記するに値しない。
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
全社的開示
当行グループの全社的開示には、内部および外部の相手先からの純収益が含まれる。内部相手先からの収益の除外は、過度
なIT投資を要し、また、当行のマネジメント・アプローチに合致しない。当行グループの純収益の構成要素の詳細について
は、「マネジメント・レポート:経営および財務の概況:経営成績:コーポレート部門」を参照のこと。
以下の表は、2021年、2020年および2019年12月31日終了年度における地域別の純収益合計(信用損失引当金繰入額控除前)
を示している。CB、IB、PB、AMおよびCRUについて示された情報は、主に収益が計上される当行グループの事務所の所在地に基
づき分類されている。C&Oに関する情報は、C&Oの管理責任が本部にあるため、全世界レベルでのみ表示されている。
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有価証券報告書
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度 2019 年度
ドイツ:
コーポレート・バンク 2,593 2,538 2,444
インベストメント・バンク 450 431 364
プライベート・バンク 5,481 5,456 5,562
アセット・マネジメント 1,385 992 1,054
キャピタル・リリース・ユニット 4 23 80
ドイツ合計 9,914 9,441 9,504
英国:
コーポレート・バンク 144 110 207
インベストメント・バンク 3,642 3,552 2,244
プライベート・バンク -2 31 29
アセット・マネジメント 336 292 345
キャピタル・リリース・ユニット -122 -383 -181
英国合計 3,997 3,602 2,645
その他の欧州、中東およびアフリカ:
コーポレート・バンク 900 934 846
インベストメント・バンク 255 358 292
プライベート・バンク 1,783 1,682 1,676
アセット・マネジメント 286 344 380
キャピタル・リリース・ユニット 26 35 99
その他の欧州、中東およびアフリカ合計 3,249 3,355 3,293
米州(主に米国):
コーポレート・バンク 750 768 951
インベストメント・バンク 3,904 3,285 2,701
プライベート・バンク 364 362 379
アセット・マネジメント 537 465 437
キャピタル・リリース・ユニット 41 50 88
米州合計 5,596 4,929 4,556
アジア/太平洋:
コーポレート・バンク 764 796 798
インベストメント・バンク 1,381 1,660 1,421
プライベート・バンク 608 594 593
アセット・マネジメント 163 136 116
キャピタル・リリース・ユニット 77 49 130
アジア/太平洋合計 2,993 3,236 3,059
コーポレートおよびその他 -339 -534 107
1
連結純収益
25,410 24,028 23,165
1 連結純収益は、利息および類似収益、利息費用および利息以外の収益合計(手数料およびフィー純収益を含む。)から成っている。収益
は、当行グループの会計記録を行っている事業所の所在地に基づいて、各国に帰属させている。当行グループの帳簿上の取引場所は、顧
客の本社または他の事業所の所在地と異なることがあり、また、取引を締結または促進した当行グループの職員の所在地と異なることが
ある。所在地の異なる職員および顧客ならびに他の第三者の関与する取引を当行グループが計上する場所は、しばしば取引の性質、規制
上の検討事項および取引処理上の検討事項等の他の検討事項により左右される。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
連結損益計算書に対する注記
05 -
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利息収益および純利得(損失)
純利息収益
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度 2019 年度
利息および類似収益:
現金および中央銀行預け金に係る利息収益 160 321 1,762
インターバンク預け金(中央銀行以外)に係る利息
67 325 293
収益
中央銀行ファンド貸出金および売戻条件付買入有価
273 318 340
証券
貸出金 10,477 11,439 13,760
1
その他
1,747 896 824
償却原価で測定する資産からの利息および類似収益
12,724 13,298 16,979
合計
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資
501 635 1,023
産に係る利息収益
実効金利法を用いて算出した利息および類似収益合計 13,225 13,933 18,002
1
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
3,374 3,873 7,205
利息および類似収益合計 16,599 17,806 25,208
このうち:金融負債に係るマイナスの利息費用 1,217 636 372
利息費用:
利付預金 1,244 1,941 3,643
中央銀行ファンド借入金および買戻条件付売却有価
148 169 367
証券
その他の短期借入金 71 62 163
長期債務 1,484 1,612 2,002
信託優先証券 3 42 187
その他 876 807 1,667
償却原価で測定する利息費用合計 3,825 4,633 8,030
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 1,619 1,648 3,429
利息費用合計 5,444 6,280 11,458
このうち:金融資産に係るマイナスの利息収益 786 582 743
純利息収益 11,155 11,526 13,749
1 過年度の比較数値は、当年度の表示に合わせている。
2021年、2020年および2019年12月31日終了年度におけるその他の利息収益には、貸出条件付の長期資金供給オペレーション
Ⅱ(以下「TLTRO Ⅱ」という。)プログラムに基づく政府助成金に関連する0百万ユーロ、43百万ユーロおよび93百万ユーロが
それぞれ含まれていた。
ECB の貸出条件付き長期資金供給オペレーション(TLTRO Ⅲ)の影響
ECBの政策審議会は、COVID-19のパンデミックによる現在の経済の混乱や不確実性の高まりに直面している世帯および企業に
対する信用供与の支援を強化するため、貸出条件付き長期資金供給オペレーションⅢ(TLTRO Ⅲ)の資金供給プログラムの条
件に複数の修正を加えることを決定した。
TLTRO Ⅲ資金供給プログラムに基づく基準金利は、主要な資金供給オペレーションの平均金利である。ただし、50ベーシ
ス・ポイントの割引(以下「基準金利の割引」という。)が適用される2020年6月24日から2022年6月23日の期間を除く。TLTRO
Ⅲ資金供給プログラムの下で適用可能な金利は、特定の正味貸付の基準値を満たす場合に適用される「新規貸付割引」によっ
てさらに低下する可能性がある。したがって、2020年3月1日から2021年3月31日の間に適格正味貸付が0%を超える銀行は、
2020年6月24日から2021年6月23日 までの借入金について平均預金金利を0.5%下回る金利を支払うことになる。2020年6月24日
から2021年6月23日の期間以外の金利は、平均預金金利(現在マイナス0.5%)となる。ただし、2020年10月1日から2021年12月
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
31日の間の適格正味貸付が0%を超える場合に、銀行が借入金について平均預金金利を0.5%下回る金利を支払う2021年6月24日
から2022年6月23日の間は例外として除外される。
2021年12月31日現在、当行グループはTLTRO Ⅲ資金供給プログラムの下で447億ユーロを借り入れている(2020年12月31日現
在:375億ユーロ)。当行グループは、基準金利の割引および新規貸付割引をIAS第20号に基づく政府補助金として会計処理し
ている。政府補助金による収益は、その他の利息収入に含まれる。該当する貸出の基準値を満たすという合理的な確証を得た
場合に、当行グループが補助金により関連する借入コストの補填を受ける予定の期間、TLTRO Ⅲ資金供給プログラムによる便
益を認識する。2021年12月31日現在、当行グループは2020年6月24日から2021年6月23日までと2021年6月24日から2022年6月23
日までの間の基準金利の割引および新規貸付割引の認識条件を満たしている。これにより、2021年12月31日終了年度において
当行グループはマイナス1%の総合レートを適用し、その結果、2020年度下半期のTLTROへの参加に関して、より有利なインセ
ンティブ金利のキャッチアップ認識の影響を含む494百万ユーロの利息収益が認識された。一方、2020年12月31日終了年度にお
いて当行グループは基準金利を適用できる合理的な確証を得ていなかったため、86百万ユーロの利息収益のみが認識されてい
る。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得(損失)
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度 2019 年度
トレーディング収益:
セールス/トレーディング(債券および為替) 2,780 3,457 2,563
その他のトレーディング収益(損失) -921 -1,228 -2,366
トレーディング収益合計(損失) 1,859 2,230 197
強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレー
ディング以外の金融資産に係る純利得(損失):
金融資産の種類別内訳:
負債性有価証券 95 5 72
資本性有価証券 812 114 271
貸出金および貸出コミットメント 18 -38 28
預金 2 -9 -19
強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるその他
180 203 25
のトレーディング以外の金融資産
強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレー
1,106 276 377
ディング以外の金融資産に係る純利得(損失)合計:
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定さ
れた金融資産/負債に係る純利得(損失):
金融資産/負債の種類別内訳:
貸出金および貸出コミットメント 11 15 -9
預金 5 -1 -0
長期債務 48 -71 -386
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定さ
15 16 15
れたその他の金融資産/負債
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定され
79 -40 -381
た金融資産/負債に係る純利得(損失)合計
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係
3,045 2,465 193
る純利得(損失)合計
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合算ベースの純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利息収益および純利得(損失)
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度 2019 年度
純利息収益 11,155 11,526 13,749
1
トレーディング収益(損失)
1,859 2,230 197
強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレー
1,106 276 377
ディング以外の金融資産に係る純利得(損失)
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定さ
79 -40 -381
れた金融資産/負債に係る純利得(損失)
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係
3,045 2,465 193
る純利得(損失)合計
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係
14,200 13,991 13,942
2
る純利息収益および純利得(損失)合計
コーポレート・トレジャリー・サービス 1,814 2,073 1,757
インスティテューショナル・クライアント・サービス 326 311 405
ビジネス・バンキング 526 555 556
コーポレート・バンク 2,666 2,939 2,718
セールス/トレーディング(債券および為替) 6,917 6,991 5,696
その他の商品 -26 202 -253
インベストメント・バンク 6,891 7,193 5,442
プライベート・バンク(ドイツ) 3,114 2,956 3,292
インターナショナル・プライベート・バンク 1,733 1,693 1,699
プライベート・バンク 4,847 4,648 4,991
アセット・マネジメント 246 -98 87
キャピタル・リリース・ユニット -18 -33 155
コーポレートおよびその他 -432 -658 549
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係
14,200 13,991 13,942
る純利息収益および純利得(損失)合計
1 トレーディング収益にはヘッジ会計の要件を満たさないデリバティブによる利得および損失が含まれる。
2 過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
当行グループのトレーディングおよびリスク管理業務は、金利金融商品およびそれに関連するデリバティブの重要な業務を
含む。IFRSにおいては、トレーディング金融商品および純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融商品に
より得た利息および類似収益(すなわち、クーポンおよび配当収益)ならびにトレーディング・ポジション純額の資金調達コ
ストは、純利息収益の一部とされる。当行グループのトレーディング業務による収益は、リスク管理戦略等様々な要因に応じ
て、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利息収益または純利得(損失)のいずれかの区分に期ごとに
組み替えることができる。上記の表は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利息収益および純利得
(損失)を業務部門別にまとめたものである。
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06 -
手数料およびフィー収益
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度 2019 年度
手数料およびフィーの収益および費用:
手数料およびフィー収益 13,730 12,044 12,283
手数料およびフィー費用 2,796 2,620 2,763
純手数料およびフィー収益 10,934 9,424 9,520
商品種類別、事業セグメント別収益の内訳
2021 年 12 月31日現在
インベス キャピタ コーポ
コーポ プライ アセッ
トメン ル・リ レートお
レート・ ベート・ ト・マネ 連結合計
ト・バン リース・ よびその
単位:百万ユーロ
バンク バンク ジメント
(別途記載のものを除く。) ク ユニット 他
主要な業務:
管理手数料 231 27 259 21 4 -2 539
資産運用手数料 16 1 369 3,570 -0 0 3,956
その他の有価証券業務からの手数料 423 -0 43 1 0 0 467
引受およびアドバイザリー・フィー 35 2,258 12 0 -0 -41 2,264
ブローカー・フィー 22 246 1,302 96 118 -0 1,784
国内決済に係る手数料 441 4 864 0 0 10 1,320
海外取引に係る手数料 456 23 95 0 -0 -2 572
外国通貨/為替事業に係る手数料 11 0 5 0 0 -0 16
貸出金の処理および保証に係る手数料 564 279 305 0 5 5 1,157
仲介手数料 12 3 617 0 0 11 644
その他の顧客サービスからのフィー
282 562 40 121 4 2 1,011
手数料およびフィー収益合計 2,494 3,403 3,910 3,809 132 -18 13,730
総費用 -2,796
手数料およびフィー純額 10,934
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2020 年 12 月31日現在
インベス キャピタ コーポ
コーポ プライ アセッ
トメン ル・リ レートお
レート・ ベート・ ト・マネ 連結合計
単位:百万ユーロ ト・バン リース・ よびその
バンク バンク ジメント
(別途記載のものを除く。) ク ユニット 他
主要な業務:
管理手数料 245 17 235 23 1 -3 518
資産運用手数料 19 1 319 3,090 -0 0 3,429
その他の有価証券業務からの手数料 365 0 35 0 0 0 401
引受およびアドバイザリー・フィー 29 1,688 13 0 1 -42 1,688
ブローカー・フィー 21 357 1,103 72 113 -1 1,665
国内決済に係る手数料 436 -2 951 -0 0 8 1,394
海外取引に係る手数料 409 25 104 0 0 -3 536
外国通貨/為替事業に係る手数料 4 0 6 0 0 -0 11
貸出金の処理および保証に係る手数料 529 210 305 0 7 7 1,058
仲介手数料 9 2 579 1 1 12 604
その他の顧客サービスからのフィー
276 289 39 131 4 1 741
手数料およびフィー収益合計 2,344 2,588 3,689 3,317 127 -20 12,044
総費用 -2,620
手数料およびフィー純額 9,424
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。2020年度の手数料およびフィー収益ならびに総費用は、それぞれ182百万
ユーロ修正再表示されている。この変更による手数料およびフィー収益純額への影響はない。
2019 年 12 月31日現在
インベス キャピタ コーポ
コーポ プライ アセッ
トメン ル・リ レートお
レート・ ベート・ ト・マネ 連結合計
ト・バン リース・ よびその
単位:百万ユーロ
バンク バンク ジメント
(別途記載のものを除く。) ク ユニット 他
主要な業務:
管理手数料 251 8 234 23 5 -0 521
資産運用手数料 22 1 304 3,219 1 1 3,547
その他の有価証券業務からの手数料 330 -0 28 1 1 0 359
引受およびアドバイザリー・フィー 29 1,568 15 0 61 -17 1,656
ブローカー・フィー 13 253 930 81 470 4 1,751
国内決済に係る手数料 497 0 974 -0 1 2 1,474
海外取引に係る手数料 455 26 106 0 0 -1 586
外国通貨/為替事業に係る手数料 7 0 7 0 0 0 15
貸出金の処理および保証に係る手数料 497 189 281 0 16 5 989
仲介手数料 35 2 486 0 1 11 535
その他の顧客サービスからのフィー
297 349 54 127 23 0 850
手数料およびフィー収益合計 2,433 2,395 3,419 3,451 578 7 12,283
総費用 -2,763
手数料およびフィー純額 9,520
過年度のセグメント情報は、現在の体制に合わせて表示されている。
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収益は履行義務が充足された時点で認識される。履行義務は、ファンドの実績がハードルレート(投資家に提供される、合
意された最低年間利回り)を超えた場合に充足される。2021年12月31日現在、オルタナティブファンドにより充足すべき履行
義務は244百万ユーロ、期間は2023年から2027年までの5年間であった(2020年12月31日現在、66百万ユーロ、期間は2022年か
ら2028年までの7年間)。充足すべき履行義務の増加は、主にパフォーマンス・フィーを将来生じさせると予想される追加の
ファンドによるものである。
2021年12月31日および2020年12月31日現在、当行グループの手数料およびフィー収益の未収残高はそれぞれ834百万ユーロお
よび876百万ユーロであった。2021年12月31日および2020年12月31日現在、当行グループの手数料およびフィー収益に関連する
契約負債残高はそれぞれ70百万ユーロおよび65百万ユーロであった。契約負債は、サービスの完了前に対価を受取っている顧
客に対して将来のサービスを提供する当行グループの義務から生じる。受取債権と契約負債の残高が毎期著しく異なっていな
いことは、これらが主に、月次の当座預金サービスや四半期ごとの資産運用サービスなどの1年未満のサービス期間に係る経常
的なサービス契約に関連しているという事実を反映している。その結果、過年度の契約債務残高は通常、翌期の収益に認識さ
れる。提供されるサービスと引き換えに顧客が行う支払は通常、特定のサービス期間にわたり当行グループがサービスを履行
することを条件とするため、当行グループが支払を受ける権利は、当該履行義務が完全に完了したサービス期間の終了時に発
生する。したがって、計上されている契約資産残高は重要性がない。
07 -
償却原価で測定する金融資産の認識の中止による利得および損失
2021年12月31日に終了した12ヶ月間において、当行グループは償却原価で測定する金融資産539百万ユーロ(2020年12月31
日:100億ユーロおよび2019年12月31日:390百万ユーロ)を売却した。比較期間における売却は主に、ポストバンクにおける
回収のために保有する金融資産ポートフォリオおよびトレジャリー部門における回収のために保有する金融資産ポートフォリ
オからの売却に関連していた。ポストバンクの当行グループへの統合の一環として、ポストバンクの債券ポートフォリオを売
却する決定がなされた。トレジャリー部門の売却は、バンキング勘定における金利リスクを管理する戦略の再編の一環として
行われた。売却の結果、回収のために保有するビジネス・モデルは、当該ポートフォリオにおける将来の資産取得に利用する
ことができなくなった。
これらの有価証券の認識の中止により生じた利得(損失)は以下の表のとおりである。
1 1
2020 年度 2019 年度
単位:百万ユーロ 2021 年度
利得 15 344 5
損失 -15 -33 -2
償却原価で測定する有価証券の認識の中止による純利得
1 311 3
(損失)
1 過年度の比較数値は、当年度の表示に合わせている。
08 -
その他の収益(損失)
1 2
2020 年度 2019 年度
単位:百万ユーロ 2021 年度
その他の収益(損失):
保険料 3 3 3
ヘッジ会計に適格なヘッジ関係による純利得(損失) 124 -306 -635
1
残りのその他の収益(損失)
-185 163 -40
その他の収益(損失)合計 -58 -141 -671
1 2021年、2020年および2019年12月31日終了年度において、売却目的保有の非流動資産および処分グループに関連する純利得(損失)をそ
れぞれ10百万ユーロ、マイナス59百万ユーロおよび4百万ユーロ含んでいる。
2 過年度の比較数値は、当年度の表示に合わせている。
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09 -
一般管理費
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度 2019 年度
一般管理費:
情報技術関連費用 4,321 3,862 5,011
不動産関連費および設備費 1,727 1,724 1,693
1
規制関連費用、税金および保険
1,395 1,407 1,440
2
専門的サービス報酬
924 977 1,142
2
バンキング・サービスおよび外注業務
946 967 969
市場データおよびリサーチ・サービス 347 376 421
旅費 46 76 256
マーケティング費用 178 174 251
3
その他の費用
938 697 1,070
一般管理費合計
10,821 10,259 12,253
1 2021年度には553百万ユーロ、2020年度に633百万ユーロおよび2019年度に622百万ユーロの銀行税が含まれている。
2 過年度の比較数値は、当年度の表示に合わせている。
3 2021年度には466百万ユーロ、2020年度に158百万ユーロおよび2019年度に473百万ユーロの訴訟関連費用が含まれている。訴訟に関する詳
細は、注記27「引当金」を参照のこと。
10 -
再構築
再構築は、主として2019年度第3四半期に公表した当行グループの戦略の変更によるものである。当行グループは当行をさら
に強化し、成長に向けて位置付け、組織構造を簡略化することを目指す明確な施策を有しており、これを実施中である。また
この施策は、プロセスの最適化および合理化、ならびにシナジーの活用により効率化を進めることで、調整後費用を削減する
ことを目標としている。
再構築費用は、解雇給付、雇用の打ち切りによる未償却の繰延報酬報奨の加速償却を補填するための追加費用、および不動
産に関連する契約解除費用から成る。
部門別の再構築費用純額
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度 2019 年度
コーポレート・バンク 42 28 137
インベストメント・バンク 47 14 169
プライベート・バンク 173 413 125
アセット・マネジメント 2 22 29
キャピタル・リリース・ユニット -2 5 143
コーポレートおよびその他 -0 3 41
再構築費用純額合計 261 485 644
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種類別の再構築費用純額
2021 年度 2020 年度 2019 年度
単位:百万ユーロ
再構築-従業員関連 241 479 641
このうち:
解雇給付 224 441 476
繰延報酬の加速償却 16 36 156
社会保障 1 1 9
再構築-従業員関連以外 21 6 2
再構築費用純額合計 261 485 644
2021 年12月31日、2020年12月31日および2019年12月31日現在の再構築引当金は、それぞれ582百万ユーロ、676百万ユーロお
よび684百万ユーロであった。現在の再構築引当金の大部分は、今後2年の間に使用される見込みである。
2021 年度において、再構築を通じてフルタイム換算で1,362名の職員が削減された(2020年度:1,447名および2019年度:
2,564名)。
組織変更
フルタイム換算の職員数 2021 年度 2020 年度 2019 年度
コーポレート・バンク 228 303 138
インベストメント・バンク 149 100 626
プライベート・バンク 776 630 731
アセット・マネジメント 10 48 136
キャピタル・リリース・ユニット 13 69 514
インフラストラクチャ 186 297 419
フルタイム換算の職員数合計 1,362 1,447 2,564
11 -
1 株当たり利益
基本的1株当たり利益の金額は、ドイツ銀行株主に帰属する当期純利益(損失)を期中平均社外流通普通株式数で除して計算
する。平均社外流通普通株式数は、平均発行普通株式数から平均自己株式数および現物決済先渡購入契約に基づき取得される
平均株式数を控除し、繰延株式制度における未分配の権利確定済株式報奨を加算することにより算定される。
希薄化後1株当たり利益は、ストック・オプション、転換社債、権利未確定の繰延株式報奨および先渡契約等、普通株式を発
行することになる発行済証券またはその他の契約について普通株式への転換を想定したものである。上記の金融商品は、各報
告期間において希薄化効果がある場合にのみ、希薄化後1株当たり利益の計算に含まれる。
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基本的および希薄化後1株当たり利益の計算
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度 2019 年度
ドイツ銀行株主およびその他の資本構成要素
2,365 495 -5,390
に帰属する純利益(損失)
その他の資本構成要素について支払ったクー
-363 -349 -330
ポン
ドイツ銀行株主に帰属する当期純利益(損
2,002 146 -5,719
失)-基本的1株当たり利益計算上の分子
希薄化証券の影響 0 0 0
転換想定後のドイツ銀行株主に帰属する
2,002 146 -5,719
当期純利益(損失)-希薄化後1株当たり利益
計算上の分子
株式数(単位:百万株)
加重平均社外流通株式数-基本的1株当たり
2,096.5 2,108.2 2,110.0
利益計算上の分母
希薄化証券の影響:
先渡契約 0.0 0.0 0.0
従業員株式報酬オプション 0.0 0.0 0.0
繰延株式 46.6 62.0 0.0
その他(トレーディング・オプションを含
0.0 0.0 0.0
む。)
希薄化性潜在的普通株式 0.0 0.0 0.0
転換想定後の修正加重平均株式数-希薄化後
2,143.2 2,170.1 2,110.0
1株当たり利益計算上の分母
1 株当たり利益
単位:ユーロ 2021 年度 2020 年度 2019 年度
基本的1株当たり利益 0.96 0.07 -2.71
希薄化後1株当たり利益 0.93 0.07 -2.71
2019年度は純損失の状態であるため、希薄化性潜在的株式は、通常は1株当たり利益の計算に考慮されない。これは、考慮す
ることにより逆希薄化となり、1株当たり純損失の額を引き下げることになるためである。
1
社外流通しているが、希薄化後1株当たり利益の計算に含まれなかった金融商品
株式数(単位:百万株) 2021 年度 2020 年度 2019 年度
売建コール・オプション 0.0 0.0 0.0
従業員株式報酬オプション 0.0 0.0 0.0
繰延株式 0.0 0.0 117.6
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連結貸借対照表に対する注記
12 -
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債
2021 年 2020 年
12 月31日現在 12 月31日現在
単位:百万ユーロ
トレーディング目的保有として分類された金融資産:
トレーディング資産:
トレーディング証券 92,536 97,756
1
その他のトレーディング資産
9,860 10,173
トレーディング資産合計 102,396 107,929
デリバティブ金融商品のプラスの時価 299,732 343,455
トレーディング目的保有として分類された金融資産合計 402,128 451,383
強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以外の金融資
産:
売 戻条件付 買入 有価証券 (逆レポ) 59,931 46,057
借入有価証券担保金 18,355 17,009
貸出金 895 2,192
強制的に 純損益を通じて公正価値で測定 される その他の金融 資産 9,784 10,864
強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以外の金融資産
88,965 76,121
合計
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産:
貸出金 139 437
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定されたその他の金融資産 0 0
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産合計 140 437
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産合計 491,233 527,941
1 2021年および2020年12月31日現在、それぞれ92億ユーロおよび83億ユーロの売買可能貸出金が含まれている。
2021 年 2020 年
12 月31日現在 12 月31日現在
単位:百万ユーロ
トレーディング目的保有として分類された金融負債:
トレーディング負債:
トレーディング証券 54,235 43,882
その他のトレーディング負債 483 434
トレーディング負債合計 54,718 44,316
デリバティブ金融商品のマイナスの時価 287,108 327,775
トレーディング目的保有として分類された金融負債合計 341,827 372,090
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債:
買戻条件付売却有価証券 (レポ) 53,364 41,636
貸出コミットメント 7 2
長期債務 3,699 3,374
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定されたその他の金融負債 1,397 1,570
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債合計 58,468 46,582
投資契約負債 562 526
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債合計 400,857 419,199
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産および金融負債
当行グループは、様々な貸出関係を純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した。貸出枠は、引き出された貸出
資産および未利用の取消不能貸出コミットメントから構成される。引き出された貸出金に係る信用リスクに対する最大エクス
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ポージャーはその公正価値である。引き出された貸出金に係る信用リスクに対する当行グループの最大エクスポージャーは、
2021年および2020年12月31日現在それぞれ139百万ユーロおよび437百万ユーロであった。信用リスクに対するエクスポー
ジャー は、未利用の取消不能貸出コミットメントについても存在し、主にカウンターパーティ信用リスクである。
公正価値オプションに基づき指定された売戻条件付買入有価証券および借入有価証券担保金に係る信用リスクは、担保を保
有することで軽減されている。これらの金融商品の評価は、受け取った担保の形態による信用補完を考慮している。このた
め、当期においても累積的にも、これらの金融商品に係るカウンターパーティ信用リスクの変動に起因する重要な変動はな
い。
カウンターパーティ信用リスクの変動に起因する金融資産の公正価値の変動
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
信用リスクにさらされている金融資産の名目金額 136 439
損益計算書に反映された公正価値の年次の変動 1 -8
公正価値の累積的変動 0 -8
信用リスクを軽減するために使用されたクレジット・デリバ
98 166
ティブの名目金額
損益計算書に反映された公正価値の年次の変動 0 8
公正価値の累積的変動 0 8
1
当行グループの信用リスクの変動に起因する金融負債の公正価値の変動
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
その他の包括利益に表示
公正価値の累積的変動 7 -12
損益計算書に表示
損益計算書に反映された公正価値の年次の変動 0 0
公正価値の累積的変動 0 0
1 金融負債の公正価値は、当該金融負債の信用リスクを組み込んでいる。連結対象のストラクチャード・エンティティが発行した金融負債
の公正価値の変動は除かれている。これは、当該変動は当行グループの信用リスクには関連しないが、法律上分離されたストラクチャー
ド・エンティティの信用リスク(ストラクチャード・エンティティが保有する担保に左右される。)に関連するためである。
期中の資本の利得または損失の累計額の振替
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
期中の資本の利得または損失の累計額 0 0
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された負債の認識中止時に認識された額
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
認識の中止時に認識されたその他の包括利益に表示される額 0 0
1
金融負債の契約上の満期時の返済額が帳簿価額を超過する額
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
2
未利用の貸出コミットメントを含む
2,943 963
未利用の貸出コミットメントを除く 607 159
1 当行グループが返済を要求される可能性のある最も早い契約上の満期日に負債が償還されると仮定している。支払額が確定していない場
合、報告日現在存在する条件を参照して決定される。
2 未利用の貸出コミットメントに対する満期時の契約上のキャッシュ・フローは融資枠をすべて利用するものと仮定している。
13 -
公正価値で計上される金融商品
評価方法および統制
当行グループは、評価プロセスに対する内部統制基準、手法および手続を管理する確立した評価統制のフレームワークを有
している。
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活発な市場における相場価格- 活発な市場において取引されている金融商品の公正価値は、相場価格が定期的にかつ最近生じ
た取引発生時の価格を示している場合、その相場価格を使用して決定される。
評価技法- 当行グループは、活発な市場における相場価格が入手不可能な場合、金融商品の公正価値を設定するために評価技
法を使用する。金融商品に使用される評価技法には、モデリング技法、代用金融商品の気配値の利用、最近のあまり定期的で
ない取引の価格、およびブローカーの気配値が含まれる。
一部の金融商品については、価格よりも相場またはその他のパラメータが引用される。この場合には、市場相場または市場
パラメータが、公正価値を決定するための評価モデルへの入力値として使用される。一部の金融商品については、モデリング
技法は、業界標準モデル(例えば、割引キャッシュ・フロー分析および標準的なオプション価格決定モデル)に従っている。
これらのモデルは、見積将来キャッシュ・フロー、割引ファクターおよびボラティリティ・レベルに左右される。より複雑な
または固有の金融商品については、より洗練されたモデリング技法が要求され、仮定やより複雑なパラメータ(相関性、期限
前償還率、デフォルト確率および損失強度等)に依拠する場合がある。
評価モデルは、複数のパラメータ入力値を要求することが多い。パラメータ入力値は、可能な限り、観察可能なデータに基
づいているか、または活発な市場で取引される関連金融商品の価格から得られている。パラメータ入力値について観察可能な
データが入手可能でない場合、その他の市場の情報が考慮される。例えば、入手可能である場合、ブローカーの気配値および
コンセンサス・プライシングの情報がパラメータ入力値を裏付けるために使用される。パラメータ入力値を裏付けるための観
察可能な情報が入手可能でない場合、パラメータ入力値は、その他の関連する情報源(類似取引の価格、過去のデータ、経済
指標およびリサーチ情報等)に基づいており、それらには評価対象の実際の金融商品の条件および現在の市況を反映させるた
めの適切な調整がなされる。
評価調整- 評価調整は、評価プロセスの不可欠な一部である。適切な評価調整を行う際に、当行グループは、買呼値/売呼値
スプレッド、相手先/自己の信用および資金調達リスク等の要因を考慮する手法に従う。買呼値/売呼値スプレッドの評価調
整は、仲値の評価を適切な買呼値または売呼値の評価に調整するために要求される。買呼値または売呼値の評価は金融商品の
公正価値を最良に表しているため、その公正価値とされる。ロング・ポジションの帳簿価額は仲値から買呼値へ調整され、
ショート・ポジションの帳簿価額は仲値から売呼値へ調整される。買呼値/売呼値の評価調整は、関連する取引活動において
観察される買呼値/売呼値、およびその他のブローカー・ディーラー、またはその他の取引知識のある相手先の気配値により
決定される。金融商品の相場価格がすでに買呼値/売呼値である場合には、買呼値/売呼値の追加の評価調整は不要である。
金融商品の公正価値がモデリング技法により得られる場合、当該モデルへのパラメータ入力値は通常仲値の水準である。当該
金融商品は一般的にポートフォリオ・ベースで管理され、一定の要件を満たす場合には、評価調整は、当行が有する純エクス
ポージャーの手仕舞いコストを個々の市場またはカウンターパーティ・リスクに反映するために行われる。これらの調整は関
連する取引活動において観察される買呼値/売呼値およびその他のブローカー・ディーラーの気配値から決定される。
複雑な評価モデルを使用する場合や、流動性の比較的低いポジションが評価対象である場合には、これらのポジションに係
る買呼値/売呼値の水準を市場から直接入手することができない可能性がある。このため、これらのポジションの手仕舞いコ
ストについては、モデルおよびパラメータの見積りを行わなければならない。これらの調整が策定される場合、当行グループ
は、ポジション自体に加え、モデルに関連した評価リスクを綿密に調査し、結果として生じた調整は継続ベースで厳密に監視
される。
相手先の信用評価調整(CVA)は、評価技法に既に相手先の債務不履行リスクに関連する予想信用損失ファクターが含まれて
いない場合に限り、予想信用損失を補填するために要求される。CVAの金額は、関連するすべての店頭(OTC)デリバティブに
適用され、入手可能な市場の情報(クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドを含む。)に基づき、保有担保、関
連するネッティングの取決めの影響、予想デフォルト時損失率およびデフォルト確率を考慮しながら、特定の相手先に対する
潜在的信用エクスポージャーを評価することにより決定される。相手先のCDSスプレッドが入手不可能な場合には、関連する代
用品が使用される。
当行グループの純損益を通じて公正価値で測定する金融負債(すなわち、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指
定されたOTCデリバティブ負債および発行済ノートの負債)の公正価値には、当行グループの自己の信用リスクの変動を測定す
るため評価調整(すなわち、デリバティブの債務評価調整(DVA)および仕組み債の自己信用調整(OCA))が織り込まれる。デ
リバティブ負債については、当行グループは、すべての相手先の当行グループに対する予想される将来エクスポージャーを評
価することにより、自己の信用度を考慮する。その際には、破綻処理中のデリバティブ債権の優先順位(法定劣後)を考慮し
た、当行グループの市場でのCDS水準および予想デフォルト時損失率に基づいて、当行グループが差し入れた担保、関連する
ネッティングの取決めの影響、当行グループの予想デフォルト時損失率およびデフォルト確率を勘案する。発行済ノートの負
債は、資産として同一項目を保有する市場参加者の観点からの価値を反映することから、測定日現在で類似の金融商品の発行
または買い戻しが行われると仮定した場合のスプレッドを用いて割り引かれる。当該スプレッドはさらに、市場レベルでの資
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金調達の要素や固有の自己の信用要素にまでパラメータ化される。IFRS第9号に基づき、自己の信用要素はその他の包括利益
(OCI)で報告される。
CVAおよびDVAを決定する場合には、必要に応じて公正価値の算定に追加の調整が行われる。この調整は、特定の取決めの予
想損失の見積りに起因するか、または評価対象の信用リスクが入手可能なCDS金融商品によって表される信用リスクと性質上異
なる場合に行われる。
調達評価調整(FVA)は、デリバティブ・ポジションの公正価値に市場で暗に示された資金調達コストを取り入れるために要
求される。FVAは、無担保および部分的に担保に付されているデリバティブに適用される割引スプレッドを反映しており、資産
および負債の両方に関する市場で暗に示された資金調達コストを評価することにより決定される。
モデリング技法で使用される仮定に不確実性がある場合、モデル価格を金融商品の予想市場価格に調整するために追加調整
が行われる。通常、そうした取引の買呼値/売呼値の水準は観察可能性が比較的低く、これらの調整は当該取引に関連した流
動性プレミアムを計算することにより買呼値/売呼値を見積ることを目的としている。金融商品が十分に複雑なため、取引を
手仕舞いするコストがそのコンポーネント・リスクを手仕舞いするコストよりも高くなる場合には、これを反映させるために
追加調整が行われる。
IFRSの要求事項により、当行グループは資産または負債の価格設定の際に市場参加者が利用する仮定を利用しなければなら
ない。該当する場合、これらの仮定には気候変動に関する仮定が含まれる可能性がある。当行グループは、市場インプットに
織り込み済みの部分を超える気候変動について、公正価値に対する重要な調整を行っていない。
評価統制- 当行グループは、評価統制のフレームワークを管理および開発し、ならびに評価統制プロセスを管理する、リスク
機能内の独立した専門的な評価統制のグループを有している。当該専門家機能の権限には、正式な評価統制方針のフレーム
ワークの考案および管理に加え、すべての業務に対する独立した評価統制プロセスの実行、評価統制手法および技法の継続的
な開発が含まれる。経営者の判断が評価プロセスの一部を形成する領域に、当該独立した評価統制のグループの特別な注意が
向けられている。
評価統制プロセスの結果は、標準的な月次報告サイクルの一環として回収および分析がなされる。予め設定および承認され
た許容度を超える差異は、財務機能および上級経営管理職の両方に上げられ、レビュー、解消され、また、必要に応じて調整
される。
公正価値が評価モデルにより決定される場合の金融商品については、モデル内で使用される仮定および技法は、当行グルー
プのリスク管理機能の一部である独立した専門家モデル検証グループによって独立して検証される。
相場価格およびパラメータ入力値は、取引所、プライシング・サービス提供者、ブローカーの確定呼値およびコンセンサ
ス・プライシング・サービスを含む多数の第三者情報源から入手される。価格情報源は、それらが示す公正価値の情報の質を
決定するために検証および評価されるが、評価の確実性および関連性がより高いものが、より重要視される。その結果は、モ
デル評価が市場価格に調整されることを確保するために、市場における実際の取引と比較される。
モデルへの価格およびパラメータ入力値、仮定ならびに評価調整は、独立した情報源に対する検証が行われる。観察可能な
情報の不足のためにこれらを独立した情報源に対して検証できない場合、公正価値の見積りは、その妥当性を評価する手続の
対象となる。このような手続には、独立生成モデル(既存のモデルが独立して再調整される場合を含む。)を使用する再評価
の実施、適切な代用金融商品およびその他のベンチマークに対する評価の査定、外挿法の実施が含まれている。可能な場合に
は、市場取引に対して評価モデルの結果を調整することにより、評価技法によって市場の水準を反映した公正価値の見積りが
算出されるか否かに関する評価が行われる。
公正価値ヒエラルキー
公正価値で計上される金融商品は、以下のとおり、IFRSの公正価値ヒエラルキーの3つのレベルに分類されている。
レベル1-活発な市場における相場価格を使用して評価される金融商品 は、活発で流動性のある市場における相場価格から直
接、公正価値を決定でき、かつ、市場で観察される金融商品が当行グループの手許有高内の価格決定される金融商品の代表的
なものである場合の金融商品である。
これらには、活発かつ流動性の高い取引所で取引されている国債、デリバティブおよび資本性有価証券が含まれている。
レベル2-観察可能な市場データを使用した評価技法により評価される金融商品 は、活発な市場で取引される類似商品を参照す
ることにより公正価値を決定できる金融商品か、または評価技法によりその評価額を導き出すが、評価技法に使用される入力
値がすべて観察可能である金融商品である。
これらには、多くのOTCデリバティブ、多くの投資適格の上場クレジット債、一部のCDS、多くの債務担保証券(CDO)、およ
び多くの流動性の比較的低い株式が含まれている。
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レベル3-直接観察可能でない市場データを使用した評価技法により評価される金融商品 は、市場の観察可能な情報を参照する
ことにより直接公正価値を決定することができず、他の何らかの価格決定技法の使用を要する金融商品である。この区分に分
類 される金融商品は、観察不能で、かつ、公正価値に重要な影響を及ぼす要素を有する。
これらには、より複雑なOTCデリバティブ、ディストレスト債、高度な仕組み債、流動性の低い資産担保証券(ABS)、流動
性の低いCDO(現金およびシンセティック)、第三者割当増資、多くの商業用不動産(CRE)貸出金、流動性の低い貸出金およ
び一部の地方債が含まれている。
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1
公正価値で保有する金融商品の帳簿価額
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
観察可能な 観察不能な 観察可能な 観察不能な
活発な市場 パラメータ パラメータ 活発な市場 パラメータ パラメータ
における による による における による による
相場価格 評価技法 評価技法 相場価格 評価技法 評価技法
単位:百万ユーロ
(レベル1) (レベル2) (レベル3) (レベル1) (レベル2) (レベル3)
公正価値で保有する金融資産:
トレーディング資産 51,020 42,561 8,815 44,525 55,220 8,183
トレーディング証券 50,814 38,108 3,614 44,349 50,340 3,066
その他のトレーディング資産 206 4,453 5,201 176 4,880 5,117
デリバティブ金融商品のプラス
4,347 286,343 9,042 4,208 330,522 8,725
の時価
強制的に純損益を通じて公正価
値で測定されるトレーディング 2,764 81,304 4,896 2,992 68,511 4,618
以外の金融資産
純損益を通じて公正価値で測定
するものとして指定された金融 0 91 49 0 436 0
資産
その他の包括利益を通じて公正
13,375 13,302 2,302 28,057 25,741 2,037
価値で測定する金融資産
公正価値で測定するその他の金
2 2
922 9,277
105 78 93 20
融資産
公正価値で保有する金融資産合計 71,611 424,524 25,182 79,875 489,707 23,583
公正価値で保有する金融負債:
トレーディング負債 48,364 6,272 83 36,699 7,615 2
トレーディング証券 48,363 5,838 33 36,674 7,206 2
その他のトレーディング負債 0 434 49 25 409 0
デリバティブ金融商品のマイナ
5,208 272,120 9,781 4,430 315,145 8,200
スの時価
純損益を通じて公正価値で測定
するものとして指定された金融 0 56,728 1,740 0 45,622 960
負債
投資契約負債 0 562 0 0 526 0
公正価値で測定するその他の金
2 3 2 3
3,026 -179 3,573 -294
5 799
融負債
公正価値で保有する金融負債合計 53,576 338,707 11,424 41,929 372,480 8,867
1 注記01-「重要な会計方針および重要な会計上の見積り」に記載されているように、金融商品の相殺に関する当行グループの 会計 方針に
従って、この表中の金額は通常総額ベースで表示されている。
2 ヘッジ会計に適格なデリバティブに主に関連している。
3 主契約が償却原価で保有されている契約に組み込まれているが、組込デリバティブが分離されているデリバティブに関連している。分離
された組込デリバティブは、プラスまたはマイナスの公正価値を有する可能性があるが、この表においては主契約の分類と整合させて表
示されている。分離された組込デリバティブは、経常的に公正価値で保有されており、公正価値ヒエラルキーの分類間で分割されてい
る。
2021年度第1四半期において、当行グループはレベリング手法の精緻化を実施し、これにより、取引日利益が繰り延べられた
特定の取引については、当該取引日に存在した状況ではなく現在の状況に基づいて公正価値ヒエラルキー分類を行うことに
なった。これらの変更により、デリバティブ金融商品のプラスの時価約10億ユーロおよびデリバティブ金融商品のマイナスの
時価約200百万ユーロがレベル3からレベル2へ振り替えられた。
2021年第4四半期において、当行グループは、より信頼できる情報を提供するため、特定の貸出金ポートフォリオに関するレ
ベリング手法を精緻化した。この変更により、レベル3の「その他のトレーディング資産」および「強制的に純損益を通じて公
正価値で測定されるトレーディング以外の金融資産」が約20億ユーロ増加した。
こうしたレベリング手法の精緻化は会計上の見積り手法の変更に該当するため、2020年度の比較数値は修正再表示されてい
ない。
2021年12月31日までに、レベル2からレベル1へのトレーディング証券(50億ユーロの資産)の振替が行われた。レベル1とレ
ベル2の割り当ては流動性テストの手続に基づいている。
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評価技法
当行グループは、評価プロセスおよび公正価値測定に対する内部統制基準、手法、評価技法および手続を管理する確立した
評価統制のフレームワークを有している。 以下は、当行グループが取引している様々な種類の金融商品の公正価値を設定する
際に使用される評価技法の説明である。
ソブリン債、準ソブリン債および社債ならびに持分証券- 最近の取引がない場合、公正価値は、直近の市場価格(直近日以後
のすべてのリスク変動および情報を調整したもの)から決定される場合がある。近い代用金融商品が活発な市場で取引されて
いる場合、公正価値は、金融商品のリスク・プロファイルの相違に関して代用金融商品の価値を調整することにより決定され
る。近い代用金融商品が入手不可能な場合には、公正価値は、より複雑なモデリング技法を使用して見積られる。これらの技
法には、信用、金利、流動性およびその他のリスクの現在の市場相場を使用する割引キャッシュ・フロー・モデルが含まれ
る。持分証券については、モデリング技法には株価収益率に基づくものも含まれることがある。
モーゲージ担保証券およびその他の資産担保証券(MBS/ABS) には、住宅用・商業用MBSおよびその他のABS(CDOを含む。)が
含まれる。ABSは、それらが様々な基礎となる資産を有し、また発行事業体が様々な資本構成を有するため、固有の特性を有し
ている。多くのCDO金融商品と同様に、基礎となる資産がそれ自体ABSである場合には、複雑度はさらに上昇する。
信頼できる外部価格が入手不可能な場合、ABSは、適用可能であれば、市場において観察可能な類似取引に基づき行われる相
対的価値分析、または入手可能で観察可能な入力値を最大限に活かした業界標準の評価モデルを使用して評価される。業界標
準モデルは、独立した価格テストが可能な仮定に基づき、一定の取引の元本および利息の支払を計算する。入力値には期限前
償還率、損失仮定(タイミングおよび深刻度)および割引率(スプレッド、利回りまたはディスカウント・マージン)が含ま
れる。これらの入力値/仮定は、適切な場合、実際の取引、外部市場調査および市場インデックスから得られる。
貸出金- 特定の貸出金については、公正価値は、最近生じた取引の市場価格(同取引日より後のすべてのリスク変動および情
報を調整したもの)から決定されることがある。最近の市場取引がない場合、公正価値を決定するため、ブローカーの気配
値、コンセンサス・プライシング、代用金融商品または割引キャッシュ・フロー・モデルが使用される。割引キャッシュ・フ
ロー・モデルは、必要に応じて、信用リスク、金利リスク、為替リスク、予想デフォルト時損失率およびデフォルト時利用金
額のパラメータ入力値を組み込んでいる。信用リスク、デフォルト時損失率およびデフォルト時利用率のパラメータは、入手
可能かつ適切な場合、貸出金市場またはその他の信用市場からの情報を使用して決定される。
レバレッジ貸出金は、取引固有の特性を有する場合があり、それにより市場で観察される取引の関連性が限定される可能性
がある。外部プライシング・サービスから観察可能な価格が入手可能な類似の取引が存在する場合、この情報は、取引の相違
を反映させるための適切な調整をした上で使用される。類似の取引が存在しない場合、割引キャッシュ・フロー評価技法が、
適切なレバレッジ貸出金インデックス(産業分類、貸出金の劣後化ならびに貸出金および貸出相手先のその他の関連情報を組
み込んでいる。)から得られた信用スプレッドとともに使用される。
店頭デリバティブ金融商品- 流動性の高い取引市場における市場標準取引(金利スワップ、G7通貨による外国為替予約および
オプション契約、ならびに上場証券またはインデックスに係るエクイティ・スワップおよびオプション契約等)は、市場標準
モデルおよび公表パラメータ入力値を使用して評価される。パラメータ入力値は、可能な限り、プライシング・サービス、コ
ンセンサス・プライシング・サービスおよび活発な市場において最近生じた取引から入手される。
より複雑な金融商品は、その金融商品に特有のより洗練されたモデリング技法を使用してモデル化され、入手可能な市場価
格に調整される。モデルから出力された価値が関連する市場参照値に調整されない場合、モデルから出力された価値に対して
差異を調整するための評価調整が行われる。比較的活発でない市場では、データは頻度の少ない市場取引、ブローカーの気配
値から、また外挿法および内挿法を通して得られる。観察可能な価格または入力値が入手不可能な場合、過去のデータ、取引
の経済性に関するファンダメンタル分析および類似取引からの代用情報等、その他の関連する情報源を評価することにより公
正価値を決定するために経営陣の判断が要求される。
公正価値オプションに基づき純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債- 公正価値オプションに基づ
き純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債の公正価値は、その金融負債に関連する当行グループの
信用リスクの測定を含む、すべてのマーケット・リスク要因を組み込んでいる。金融負債には、仕組み債の発行、仕組み預金
および連結ビークルが発行するその他の仕組み証券が含まれ、これらは活発な市場で取引されていないことがある。これらの
金融負債の公正価値は、関連する信用度調整後のイールド・カーブを使用して、契約上のキャッシュ・フローを割引くことに
よって決定される。マーケット・リスク・パラメータは、資産として保有する類似金融商品と整合する手法で評価される。例
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えば、仕組み債に組み込まれたデリバティブは、上記の「店頭デリバティブ金融商品」の項に記載された同様の手法を使用し
て評価される。
公正価値オプションに基づき純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債に担保が付されている場合
(貸付有価証券受入金および買戻条件付売却有価証券等)、当該信用補完は負債の公正価値の評価に考慮される。
投資契約負債- 投資契約負債に関連する資産は当行グループが所有する。当行グループは、投資契約によりこれらの負債の決
済にこれらの資産を使用することを義務付けられている。そのため、投資契約負債の公正価値は、基礎となる資産(すなわ
ち、保険契約の解約時に支払われる金額)の公正価値によって決定される。
重要で観察不能なパラメータを含む評価技法から得られた公正価値で計上された金融商品の分析(レベル3)
公正価値ヒエラルキーのレベル3の金融資産および金融負債の一部は、観察不能な入力値に対して、相殺関係にある同一また
は類似するエクスポージャーを有している。しかし、これらはIFRSに従って、総額で表示することを要求されている。
トレーディング証券 - 特定 の流動性の低い新興市場における社債および流動性の低い高度な仕組み社債は、ヒエラルキーのこ
のレベルに含まれている。さらに、証券化事業体が発行したノート、商業用・住宅用MBS、債務担保証券およびその他のABSの
一部の保有はここで報告されている。当期の増加は主に、購入およびこれらの金融商品の評価に使用される入力パラメータの
観察可能性の変動によるレベル2とレベル3の間の振替純額によるものであり、売却、決済、損失および連結除外によって一部
相殺された。
公正価値ヒエラルキーのこのレベルに分類される デリバティブ金融商品のプラスおよびマイナスの時価 は、一つまたは複数の
重要で観察不能なパラメータに基づき評価される。観察不能なパラメータは、特定の相関関係、特定のより長期的なボラティ
リティ、特定の期限前償還率、信用スプレッドおよびその他の取引に特有のパラメータを含む場合がある。
レベル3のデリバティブには、ボラティリティが観察不能な 特定 のオプション、参照される基礎となる資産間の相関関係が観
察不能な 特定 のバスケット・オプション、より長期的な金利オプション・デリバティブ、複数通貨の外国為替デリバティブ、
および信用スプレッドが観察不能な 特定 のクレジット・デフォルト・スワップが含まれている。
当期における資産の増加は、利得およびこれらの金融商品の評価に使用される入力パラメータの観察可能性の変動によるレ
ベル2とレベル3の間での振替によるものであり、決済によって一部相殺されている。当期における負債の増加は、損失および
これらの金融商品の評価に使用される入力パラメータの観察可能性の変動によるレベル2とレベル3の間での振替によるもので
あり、その一部は決済によって相殺されている。
公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類される その他のトレーディング金融商品 は、主に一つまたは複数の重要で観察不能な
パラメータに基づく評価モデルを使用して評価されるトレーディング債権から構成される。レベル3の貸出金は、流動性の低い
レバレッジ貸出金および流動性の低い住宅用・商業用モーゲージ貸出金から構成される。当期における増加は、購入、発行、
利得およびこれらの金融商品の評価に使用される入力パラメータの観察可能性の変動によるレベル2とレベル3の間での振替に
よるものであり、売却および決済によって一部相殺されている。
公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類される 強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以外の金融資産
は、回収のために保有するものにも、回収して売却するために保有するものにも分類されない、トレーディング以外の金融資
産のビジネス・モデルから構成される。これは主に、公正価値ベースで管理される逆レポ契約を含む。さらに、この分類に
は、契約上のキャッシュ・フローの特性がSPPIではない、回収のために保有するもの、または回収して売却するために保有す
るものに分類されるトレーディング以外の金融資産モデルも含まれる。当期における増加は、購入、発行、利得およびこれら
の金融商品の評価に使用される入力パラメータの観察可能性の変動によるレベル2とレベル3の間での振替によるものであり、
売却および決済によって一部相殺されている。
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産/負債 - 公正価値オプションに基づき純損益を通じて公正
価値で測定するものとして指定された 特定 の企業向け貸出金および仕組み債は、公正価値ヒエラルキーのこのレベルに分類さ
れている。企業向け貸出金は、観察可能な信用スプレッド、回収率および観察不能な利用率のパラメータを組み込んだ評価技
法を使用して評価されている。リボルビング貸出枠は、デフォルト時の利用率パラメータが重要で観察不能であるため、ヒエ
ラルキーのレベル3において報告されている。
さらに、組込デリバティブを含む、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された 特定 のハイブリッド債の発行
は、重要で観察不能なパラメータに基づき評価される。これらの観察不能なパラメータは、単一の株式のボラティリティの相
関関係を含んでいる。当期における資産の増加は、決済によるものである。当期における負債の増加は、発行、損失およびこ
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れらの金融商品の評価に使用される入力パラメータの観察可能性の変動によるレベル2とレベル3の間の振替純額によるもので
あり、決済によって一部相殺されている。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 には、トレーディング目的でなく、市場の流動性が非常に低い場合の
不良債権のポートフォリオが含まれている。当期における増加は、購入、発行およびこれらの金融商品の評価に使用される入
力パラメータの観察可能性の変動によるレベル2とレベル3の間での振替純額によるものであり、売却および決済によって一部
相殺されている。
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レベル3に分類された金融商品の調整
レベル3に分類された金融商品の調整
2021 年12月31日現在
レベル3か
連結会社
利得/ らの
レベル3へ
単位: グループの
1 2 3 4 4
損失合計 発行 決済 の振替 振替
百万ユーロ 期首残高 変動 購入 売却 期末残高
公正価値で保有
する金融資産:
トレーディング
3,066 -2 -263 3,183 -2,445 0 -106 766 -585 3,614
証券
デリバティブ金
融商品のプラス 8,725 0 890 0 0 0 -727 2,938 -2,783 9,042
の時価
その他のトレー
5,117 0 237 500 -2,194 2,868 -1,635 714 -406 5,201
ディング資産
強制的に純損益
を通じて公正価
値で測定される 4,618 0 425 493 -288 243 -733 1,064 -926 4,896
トレーディング
以外の金融資産
純損益を通じて
公正価値で測定
するものとして 0 0 -0 0 0 48 0 0 0 49
指定された金融
資産
その他の包括利
益を通じて公正
5
61
2,037 0 53 -150 662 -560 350 -150 2,302
価値で測定する
金融資産
公正価値で測定
するその他の金 20 0 2 0 0 0 -17 0 74 78
融資産
公正価値で保有
6,7
1,351
する金融資産合 23,583 -2 4,229 -5,076 3,821 -3,777 5,831 -4,777 25,182
計
公正価値で保有
する金融負債:
トレーディング
2 0 0 0 0 0 -0 33 -2 33
証券
デリバティブ金
融商品のマイナ 8,200 0 509 0 0 0 -367 3,059 -1,620 9,781
スの時価
その他のトレー
0 0 -15 0 0 0 0 64 0 49
ディング負債
純損益を通じて
公正価値で測定
するものとして 960 0 911 0 0 96 -314 198 -112 1,740
指定された金融
負債
公正価値で測定
するその他の金 -294 0 -12 0 0 0 33 13 81 -179
融負債
公正価値で保有
6,7
1,393
する金融負債合 8,867 0 0 0 96 -647 3,367 -1,652 11,424
計
1 利得および損失合計は主に、連結損益計算書において報告された純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得(損
失)に関連している。当該残高にはまた、連結損益計算書において報告されたその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に
係る純利得(損失)、ならびにその他の包括利益、税引後において報告された、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
に係る未実現純利得(損失)および為替レートの変動が含まれている。なお、特定の金融商品はレベル1またはレベル2の金融商品により
ヘッジされているが、上記の表にはこれらのヘッジ手段に係る利得および損失が含まれていない。また、観察可能なパラメータと観察不
能なパラメータの両方が、公正価値ヒエラルキーのレベル3において分類された金融商品の公正価値を決定するために使用される場合が
ある。表中の利得および損失は、観察可能なパラメータと観察不能なパラメータの両方の変動に起因している。
2 発行は、負債の発行に係る現金受取額および借手に対する貸出金の新規発行に係る現金支払額に関連している。
3 決済は、資産または負債を決済するためのキャッシュ・フローを表している。負債性および貸出金の金融商品については、これには満期
時の元本、元本の償却および元本の返済が含まれている。デリバティブについては、すべてのキャッシュ・フローが決済に表示されてい
る。
4 レベル3への振替およびレベル3からの振替は、入力パラメータの観察可能性の変動に関連している。当期において、それらは期首の公正
価値で計上されている。同表は、レベル3へ振り替えられた金融商品について、期首時点で当該金融商品の振替が行われたかのように当
該金融商品に係る利得および損失ならびにキャッシュ・フローを示している。同様にレベル3から振り替えられた金融商品については、
同表は、当期における当該金融商品に係る利得および損失ならびにキャッシュ・フローを示していない。これは、同表が、期首時点で当
該金融商品の振替が行われたかのように表示しているためである。
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5 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る利得および損失合計には、その他の包括利益、税引後において認識され
た損失13百万ユーロが含まれている。
6 この金額には為替レート変動の影響が含まれている。公正価値で保有する金融資産合計については、この影響は447百万ユーロの利得であ
り、公正価値で保有する金融負債合計については、この影響は44百万ユーロの損失である。
7 資産については、プラスの残高は利得を、マイナスの残高は損失を表している。負債については、プラスの残高は損失を、マイナスの残
高は利得を表している。
2020 年12月31日現在
レベル3か
連結会社
利得/ らの
レベル3へ
単位: グループの
1 2 3 4 4
損失合計 発行 決済 の振替 振替
百万ユーロ 期首残高 変動 購入 売却 期末残高
公正価値で保有
する金融資産:
トレーディング
3,430 -79 -101 2,134 -1,628 11 -423 333 -612 3,066
証券
デリバティブ金
融商品のプラス 8,167 -1 1,422 0 0 0 -833 1,541 -1,572 8,725
の時価
その他のトレー
6,137 0 -423 1,188 -2,712 1,855 -1,207 710 -433 5,117
ディング資産
強制的に純損益
を通じて公正価
値で測定される 5,278 0 -256 389 -394 347 -811 852 -786 4,618
トレーディング
以外の金融資産
純損益を通じて
公正価値で測定
するものとして 7 0 -1 0 0 6 -12 0 0 0
指定された金融
資産
その他の包括利
益を通じて公正
5
-66
1,050 0 127 -50 718 -182 618 -177 2,037
価値で測定する
金融資産
公正価値で測定
するその他の金 363 0 -9 0 0 0 4 -147 -191 20
融資産
公正価値で保有
6,7
567
する金融資産合 24,431 -79 3,839 -4,784 2,937 -3,463 3,906 -3,771 23,583
計
公正価値で保有
する金融負債:
トレーディング
2 0 -2 0 0 0 1 0 -0 2
証券
デリバティブ金
融商品のマイナ 6,652 0 2,108 0 0 0 -365 1,420 -1,615 8,200
スの時価
その他のトレー
38 0 -1 0 0 0 -9 0 -28 0
ディング負債
純損益を通じて
公正価値で測定
するものとして 1,954 0 55 0 0 186 -763 215 -687 960
指定された金融
負債
公正価値で測定
するその他の金 -34 0 26 0 0 0 -16 -187 -83 -294
融負債
公正価値で保有
6,7
2,185
する金融負債合 8,612 0 0 0 186 -1,151 1,448 -2,413 8,867
計
1 利得および損失合計は主に、連結損益計算書において報告された純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得(損
失)に関連している。当該残高にはまた、連結損益計算書において報告されたその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に
係る純利得(損失)、ならびにその他の包括利益、税引後において報告された、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
に係る未実現純利得(損失)および為替レートの変動が含まれている。なお、特定の金融商品はレベル1またはレベル2の金融商品により
ヘッジされているが、上記の表にはこれらのヘッジ手段に係る利得および損失が含まれていない。また、観察可能なパラメータと観察不
能なパラメータの両方が、公正価値ヒエラルキーのレベル3において分類された金融商品の公正価値を決定するために使用される場合が
ある。表中の利得および損失は、観察可能なパラメータと観察不能なパラメータの両方の変動に起因している。
2 発行は、負債の発行に係る現金受取額および借手に対する貸出金の新規発行に係る現金支払額に関連している。
3 決済は、資産または負債を決済するためのキャッシュ・フローを表している。負債性および貸出金の金融商品については、これには満期
時の元本、元本の償却および元本の返済が含まれている。デリバティブについては、すべてのキャッシュ・フローが決済に表示されてい
る。
4 レベル3への振替およびレベル3からの振替は、入力パラメータの観察可能性の変動に関連している。当期において、それらは期首の公正
価値で計上されている。同表は、レベル3へ振り替えられた金融商品について、期首時点で当該金融商品の振替が行われたかのように当
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該金融商品に係る利得および損失ならびにキャッシュ・フローを示している。同様にレベル3から振り替えられた金融商品については、
同表は、当期における当該金融商品に係る利得および損失ならびにキャッシュ・フローを示していない。これは、同表が、期首時点で当
該 金融商品の振替が行われたかのように表示しているためである。
5 強制的にその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る利得および損失合計には、その他の包括利益、税引後において
認識された利得11百万ユーロが含まれている。
6 この金額には為替レート変動の影響が含まれている。公正価値で保有する金融資産合計については、この影響は495百万ユーロの損失であ
り、公正価値で保有する金融負債合計については、この影響は66百万ユーロの利得である。
7 資産については、プラスの残高は利得を、マイナスの残高は損失を表している。負債については、プラスの残高は損失を、マイナスの残
高は利得を表している。
観察不能なパラメータの感応度分析
金融商品の価値が観察不能なパラメータ入力値に左右される場合、貸借対照表日現在のこれらのパラメータの正確な水準
は、合理的に可能性のある代替値の範囲から得られる場合がある。財務諸表を作成する際に、これらの観察不能な入力パラ
メータの適切な水準は、現行の市場の証拠と整合し、また、上述の当行グループの評価統制に対するアプローチに沿うように
選択される。当行グループが関連する金融商品を合理的に可能性のある代替値の範囲の両極から得られるパラメータ価値を使
用して評価した場合、2021年12月31日現在では、公正価値は最大で17億ユーロ増加または12億ユーロ減少した可能性がある。
2020年12月31日現在では、公正価値は最大で18億ユーロ増加または14億ユーロ減少した可能性がある。
2020年12月31日から2021年12月31日までの感応度を示す金額の変動は、プラスの公正価値変動が90百万ユーロの減少、マイ
ナスの公正価値変動が152百万ユーロの減少となった。同期間において、当行グループのレベル3の資産は16億ユーロ増加し、
レベル3の負債は26億ユーロ増加した。2021年度において広範な特有の要因によりレベル3資産の増加が計上されたにも関わら
ず、レベル3の資産および負債に関する感応度は同期間を通じて下落した。観察不能な入力パラメータに対する感応度が比較的
高いとみなされる項目において特定のレベル3資産のエクスポージャーが減少した正味の影響が、観察不能な入力パラメータに
対する感応度が比較的低いとみなされる項目においてレベル3資産のエクスポージャーが増加した影響を上回ったためである。
当行グループによるレベル3の観測不能なパラメータの感応度の計算は、慎重性に基づく評価の目的上、評価の不確実性の測
定に使用されるアプローチと一致している。慎重性に基づく評価とは、公正価値で保有する資産に対する資本要件である。こ
れは、欧州委員会委任規則(EU)第2016/101号(規則(EU)第2019/876号(CRR)第34条を補完する。)に準拠し、評価の不
確実性を定量化して資産計上する仕組みを提供するものであり、第105(14)条に準拠し算定された公正価値で測定するすべて
の資産に係る追加の評価調整額を、CET 1資本からの減額として適用するよう金融機関に求めている。この計算では、慎重性に
基づく評価において、関連する資産および負債に対して実施される出口価格分析が使用される。公正価値が慎重に測定されて
いることがすでに明らかな場合、感応度の下落が限定される可能性がある。
この開示は、評価を観察不能な入力パラメータに依拠している金融商品の公正価値に係る、相対的な不確実性の潜在的な影
響を説明することを目的としている。しかしながら、実際には、すべての観察不能なパラメータが同時に合理的に可能性のあ
る代替値の範囲の両極となる可能性は低い。このため上記に開示された見積りは貸借対照表日現在における公正価値の真の不
確実性より大きくなる可能性がある。さらに、当該開示は公正価値の将来の変動を予測または暗示するものではない。
ここで考慮される金融商品の多く(特にデリバティブ)については、観察不能な入力パラメータは、金融商品の価格決定に
要求されるパラメータの一部のみを表しており、残りは観察可能なパラメータである。このため、これらの金融商品について
は、観察不能な入力パラメータをこれらの範囲の両極に変動させることの全体的な影響は、金融商品の公正価値合計と比較し
て相対的に小さい可能性がある。その他の金融商品については、公正価値は全体の金融商品価格に基づいて、例えば、合理的
な代用金融商品の公正価値を調整することにより決定される。また、すべての金融商品は、当該金融商品を手仕舞いするコス
トの評価調整を含めた公正価値で既に計上されており、したがって、不確実性それ自体を市場の価格決定に反映させるために
不確実性を既に織り込み済みである。このため、この開示において計算される不確実性のマイナスの影響は、財務諸表上の公
正価値に既に織り込み済みの不確実性のマイナスの影響を超える部分である。
1
金融商品の種類別の感応度分析の内訳
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
合理的に可 合理的に可 合理的に可 合理的に可
能性のある 能性のある 能性のある 能性のある
代替値の使 代替値の使 代替値の使 代替値の使
用によるプ 用によるマ 用によるプ 用によるマ
ラスの公正 イナスの公 ラスの公正 イナスの公
単位:百万ユーロ 価値変動 正価値変動 価値変動 正価値変動
有価証券:
2
負債性有価証券
201
267 256 287
商業用モーゲージ担保証券
18 15 9 22
モーゲージ担保証券およびその他の資産担保証券
13 9 20 12
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2
社債、ソブリン債およびその他の負債性有価証券
167
236 233 259
2
資本性有価証券 57
94 65 83
デリバティブ:
信用 163 109 283 185
エクイティ 105 100 257 238
金利関連 409 232 306 266
外国為替 34 31 37 32
その他 98 82 93 82
貸出金:
貸出金
570 340 483 306
その他 0 0 0 0
合計 1,739 1,215 1,829 1,367
1 観察不能なパラメータに対するエクスポージャーが異なる金融商品の間で相殺される場合には、純影響額のみがこの表で開示されてい
る。
2 取引の再評価の結果、合理的に可能性のある代替値の使用によるプラスおよびマイナスの公正価値の変動が「資本性有価証券」から「社
債、ソブリン債およびその他の負債性有価証券」へと組み替えられた。
重要で観察不能な入力値の感応度に関する定量的情報
レベル3の公正価値測定に係る観察不能なパラメータの動向は、必ずしも独立したものではなく、多くの場合、他の観察不能
なパラメータおよび観察可能なパラメータの双方との間に動的な関係が存在する。こうした関係は、ある金融商品の公正価値
にとって重要である場合には、相関関係パラメータを通じて明確に捕捉されるか、または価格決定モデルもしくは評価技法を
通じて別の方法で管理される。評価技法が複数の入力値を使用する場合、特定の入力値の選択が他の入力値の可能値の範囲を
限定することが多い。さらに、広範な市場要素(金利、株価指数、信用指数、コモディティ指数、外国為替レート等)も影響
し得る。
下記の値の範囲は、レベル3内の重要なエクスポージャーの評価に使用された入力値の最大値および最小値を示している。開
示を構成する金融商品の多様性は重要であることから、特定のパラメータの範囲は広くなる場合がある。例えば、モーゲージ
担保証券に係る信用スプレッドの範囲は、より狭いスプレッドを伴う流動性の比較的高い正常ポジションから、より広い信用
スプレッドを有する流動性の比較的低い不良ポジションまでを表している。レベル3には流動性の比較的低い公正価値金融商品
が含まれていることから、関連する市場力学を捕捉するための各エクスポージャーの種類内の価格決定の分化の度合いが高い
ため、広範なパラメータが見られると予想される。その次に、主要な各パラメータの種類の簡単な説明が、当該パラメータ間
の重要な相互関係に関するコメントとともに記載されている。
信用パラメータは、デフォルト確率およびデフォルトの結果生じる損失の表示を可能にすることにより、エクスポージャー
の信用度の評価に使用される。信用スプレッドは、信用度を反映する最たるものであり、発行体と参照ベンチマークとの信用
の質の違いを許容するために債券保有者が要求するであろう、ベンチマーク参照金融商品(評価対象の資産に応じて通常は
LIBORまたは関連する財務省証券)を上回るプレミアムまたは利回りを示す。信用スプレッドが大きいほど、信用の質が低いこ
とを意味し、結果として特定の債券または借手によって保有者または貸手に返済される他の貸出金資産の価値は下がる。回収
率は、貸出金の債務不履行時に貸手が受け取るであろう金額、または債券の債務不履行時に債券保有者が受け取るであろう金
額の見積りを示す。他のパラメータを一定にした場合、回収率が高いほど、特定の債券ポジションの評価額は高くなる。年率
換算デフォルト率(Constant Default Rate (CDR))および年率換算期限前償還率(Constant Prepayment Rate (CPR))は、こ
れらのパラメータが予定された返済および利払時に発生している進行中の債務不履行や、借手が追加の(通常は自主的な)繰
上返済を行うか否か見積ることから、より複雑な貸出金および負債性資産の評価を可能にする。これらのパラメータは、借手
による返済が長期にわたって行われる場合や、借手が貸出金を繰上返済できる場合(例えば一部の住宅用モーゲージに見られ
る。)における、モーゲージやその他の種類の貸出の公正価値に関する意見の形成の際に特に関連性が高い。CDRが高いほど、
貸手が最終的に受け取る現金が少なくなることから、特定の貸出金またはモーゲージの評価額は低くなる。
金利、信用スプレッド、インフレ率、外国為替レートおよび株価は、一部のオプション金融商品やその他の複雑なデリバ
ティブ(デリバティブ保有者が受け取るペイオフがこれらの参照基礎数値の長期にわたる動向に左右される場合)において参
照される。ボラティリティ・パラメータは、基礎となる金融商品に係るリターンの変動性の評価を可能にすることにより、オ
プションの動向の主要な属性を表す。このボラティリティは確率の指標であり、ボラティリティが高いほど特定の結果が生じ
る確率が高まることを意味する。参照基礎数値(金利、信用スプレッド等)は、オプションから期待できるリターンの大きさ
を表すことにより、オプションの評価額に影響を及ぼす。このため、特定のオプションの評価額は、基礎となる金融商品の価
値および当該金融商品のボラティリティ(ペイオフの大きさを示す。)、ならびに当該ペイオフが発生する確率に左右され
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る。ボラティリティが高いと、プラスのリターンの確率が高まることから、オプション保有者のオプションの価値は高くな
る。オプションによって表されるペイオフが重要である場合にも、オプションの価値は高くなる。
相関関係は、デリバティブまたは他の金融商品に複数の参照基礎数値が存在する場合に、参照基礎数値間の影響力のある関
係を表すために使用される。こうした関係(例えばコモディティ相関関係や金利・為替相関関係)の一部の背後には通常、世
界的需要によるコモディティ群への影響や金利平価による外国為替レートへの影響といったマクロ経済的要因が存在する。ク
レジット・デリバティブや株式バスケット・デリバティブといった場合には、信用参照数値間や株式間により具体的な関係が
存在し得る。信用相関関係は、様々な信用商品の信用パフォーマンス間の関係の見積りに使用され、株式相関関係は様々な株
式のリターン間の関係の見積りに使用される。相関関係エクスポージャーを有するデリバティブは、ロングまたはショートの
相関関係のいずれかである。高い相関関係は、参照基礎数値間に強い関係が存在することを示唆し、このことはロングの相関
関係デリバティブの価値の上昇につながる。負の相関関係は、参照基礎数値間の関係が反対であることを意味する(すなわ
ち、ある参照基礎数値の価格の上昇が他の参照基礎数値の価格の下落につながる。)。
流動性の比較的低い有価証券の評価にはEBITDA(利息、税金、減価償却費および償却費前利益)倍率法が使用され得る。こ
の方法の下では、企業の企業価値(以下「EV」という。)は、観察可能な類似企業のEV/EBITDA倍率を識別し、評価見積りの
対象である企業のEBITDAにこの倍率を適用することにより見積ることができる。この方法の下では、使用される一般に上場し
た類似企業と評価対象企業との流動性の差に起因した流動性の調整が頻繁に適用される。EV/EBITDA倍率が高いほど、公正価
値は上昇する。
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レベル3に分類された金融商品および観察不能な入力値に関する定量的情報
2021 年12月31日現在
公正価値
単位:百万ユーロ
重要で観察不能な入
1
評価技法
(別途記載のものを除く。) 資産 負債 力値(レベル3) 範囲
公正価値で保有する金融商品-公
正価値で保有するデリバティブ以
外の金融商品:
トレーディング目的で保有する
モーゲージ担保証券およびその他
の資産担保証券:
商業用モーゲージ担保証券 47 0 価格に基づく技法 価格 0% 114%
信用スプレッド(ベー
割引キャッシュ・フロー 81 1,235
シス・ポイント)
モーゲージ担保証券および
81 0 価格に基づく技法 価格 0% 112%
その他の資産担保証券
信用スプレッド(ベー
割引キャッシュ・フロー 85 1,495
シス・ポイント)
回収率 0% 85%
年率換算デフォルト率 0% 2%
年率換算期限前償還率 0% 27%
モーゲージ担保証券およびその他
128 0
の資産担保証券合計
負債性有価証券およびその他の債
5,074 1,654 価格に基づく技法 価格 0% 212%
務証券
信用スプレッド(ベー
トレーディング目的保有 3,383 33 割引キャッシュ・フロー 12 571
シス・ポイント)
社債、ソブリン債およびその
3,383
他の負債性有価証券
強制的に純損益を通じて公正価
値で測定されるトレーディング 1,568
以外の金融資産
純損益を通じて公正価値で測定
0 1,621
するものとして指定
その他の包括利益を通じて公正
123
価値で測定する金融資産
資本性有価証券 660 0 マーケット・アプローチ 価格/純資産価額 0% 101%
企業価値/EBITDA(倍
トレーディング目的保有 103 0 5 17
率)
強制的に純損益を通じて公正価
値で測定されるトレーディング 557 割引キャッシュ・フロー 加重平均資本コスト 6% 20%
以外の金融資産
純損益を通じて公正価値で測定
0 価格に基づく技法 価格 0% 139%
するものとして指定
貸出金 8,184 49 価格に基づく技法 価格 0% 275%
信用スプレッド(ベー
トレーディング目的保有 5,188 49 割引キャッシュ・フロー 34 2,117
シス・ポイント)
強制的に純損益を通じて公正価
値で測定されるトレーディング 769
以外の金融資産
純損益を通じて公正価値で測定
48 0 回収率 40% 85%
するものとして指定
その他の包括利益を通じて公正
2,179
価値で測定する金融資産
信用スプレッド(ベー
貸出コミットメント 0 7 割引キャッシュ・フロー 128 906
シス・ポイント)
回収率 40% 75%
ローン価格決定モデル 利用率 0% 100%
2 3
2,016 112
その他の金融商品 割引キャッシュ・フロー IRR 7% 16%
レポ・レート(ベーシ
-27 400
ス・ポイント)
公正価値で保有するデリバティブ
16,062 1,823
以外の金融商品合計
1 評価技法および続く重要な観察不能な入力値は、各ポジション合計に関連している。
2 その他の金融資産には、その他のトレーディング資産13百万ユーロおよび強制的に公正価値で測定されるトレーディング以外のその他の
金融資産20億ユーロが含まれている。
3 その他の金融負債には、公正価値で測定するものとして指定された買戻条件付売却有価証券112百万ユーロが含まれている。
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2021 年12月31日現在
公正価値
単位:百万ユーロ
重要で観察不能な
(別途記載のものを除く。) 資産 負債 評価技法 入力値(レベル3) 範囲
公正価値で保有する金融
商品:
デリバティブ金融商品の
時価:
スワップ・レート
割引キャッシュ・
金利デリバティブ 4,725 4,724 (ベーシス・ポイン -80 817
フロー
ト)
インフレ・スワッ
1% 5%
プ・レート
年率換算デフォルト
0% 20%
率
年率換算期限前償還
4% 24%
率
オプション価格決定 インフレ・ボラティ
0% 9%
モデル リティ
金利ボラティリティ 0% 31%
金利間の相関関係 -1% 99%
ハイブリッド相関関
-70% 100%
係
信用スプレッド
割引キャッシュ・フ
クレジット・デリバティブ 686 827 (ベーシス・ポイン 2 6,630
ロー
ト)
回収率 0% 40%
相関関係価格決定モ
信用相関関係 30% 63%
デル
オプション価格決定
エクイティ・デリバティブ 766 1,749 株式ボラティリティ 25% 68%
モデル
インデックス・ボラ
11% 80%
ティリティ
インデックス間の相
88% 91%
関関係
株式間の相関関係 0% 0%
株式先渡 0% 9%
インデックス先渡 0% 5%
オプション価格決定
FXデリバティブ 1,816 1,913 ボラティリティ -33% 59%
モデル
相場ボラティリティ 0% 0%
信用スプレッド
割引キャッシュ・フ
1
388
その他のデリバティブ 1,127 (ベーシス・ポイン - -
ロー
ト)
オプション価格決定 インデックス・ボラ
0% 131%
モデル ティリティ
コモディティ相関関
15% 86%
係
デリバティブ金融商品の時価
9,120 9,601
合計
1 主契約が償却原価で保有されている契約に組み込まれているが、組込デリバティブが分離されているデリバティブが含まれている。
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公正価値
単位:百万ユーロ
重要で観察不能な入
1
評価技法
(別途記載のものを除く。) 資産 負債 力値(レベル3) 範囲
公正価値で保有する金融商品-公
正価値で保有するデリバティブ以
外の金融商品:
トレーディング目的で保有する
モーゲージ担保証券およびその他
の資産担保証券:
商業用モーゲージ担保証券 28 0 価格に基づく技法 価格 0% 114%
信用スプレッド(ベー
割引キャッシュ・フロー 133 1,270
シス・ポイント)
モーゲージ担保証券および
155 0 価格に基づく技法 価格 0% 106%
その他の資産担保証券
信用スプレッド(ベー
割引キャッシュ・フロー 109 1,295
シス・ポイント)
回収率 10% 90%
年率換算デフォルト率 1% 2%
年率換算期限前償還率 1% 25%
モーゲージ担保証券およびその他
183 0
の資産担保証券合計
負債性有価証券およびその他の債
4,625 769 価格に基づく技法 価格 0% 200%
務証券
信用スプレッド(ベー
トレーディング目的保有 2,813 2 割引キャッシュ・フロー 21 544
シス・ポイント)
社債、ソブリン債およびその
2,813
他の負債性有価証券
強制的に純損益を通じて公正価
値で測定されるトレーディング 1,652
以外の金融資産
純損益を通じて公正価値で測定
0 768
するものとして指定
その他の包括利益を通じて公正
160
価値で測定する金融資産
資本性有価証券 727 0 マーケット・アプローチ 価格/純資産価額 42% 100%
企業価値/EBITDA(倍
トレーディング目的保有 70 0 5 23
率)
強制的に純損益を通じて公正価
値で測定されるトレーディング 657 割引キャッシュ・フロー 加重平均資本コスト 8% 20%
以外の金融資産
純損益を通じて公正価値で測定
0 価格に基づく技法 価格 0% 108%
するものとして指定
貸出金 7,888 0 価格に基づく技法 価格 0% 373%
信用スプレッド(ベー
トレーディング目的保有 5,101 0 割引キャッシュ・フロー 51 2,233
シス・ポイント)
強制的に純損益を通じて公正価
値で測定されるトレーディング 910
以外の金融資産
純損益を通じて公正価値で測定
0 0 回収率 20% 85%
するものとして指定
その他の包括利益を通じて公正
1,877
価値で測定する金融資産
信用スプレッド(ベー
貸出コミットメント 0 1 割引キャッシュ・フロー 6 2,444
シス・ポイント)
回収率 25% 100%
ローン価格決定モデル 利用率 0% 100%
2 3
1,432 198
その他の金融商品 割引キャッシュ・フロー IRR 7% 16%
レポ・レート(ベーシ
0 75
ス・ポイント)
公正価値で保有するデリバティブ
14,854 968
以外の金融商品合計
1 評価技法および続く重要な観察不能な入力値は、各ポジション合計に関連している。
2 その他の金融資産には、その他のトレーディング資産16百万ユーロおよび強制的に公正価値で測定されるその他の金融資産14億ユーロが
含まれている。
3 その他の金融負債には、公正価値で測定するものとして指定された買戻条件付売却有価証券192百万ユーロおよび公正価値で測定するもの
として指定されたその他の金融負債6百万ユーロが含まれている。
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2020 年12月31日現在
公正価値
単位:百万ユーロ
重要で観察不能な
(別途記載のものを除く。) 資産 負債 評価技法 入力値(レベル3) 範囲
公正価値で保有する金融
商品:
デリバティブ金融商品の
時価:
スワップ・レート
割引キャッシュ・
金利デリバティブ 4,708 4,025 (ベーシス・ポイン -77 787
フロー
ト)
インフレ・スワッ
1% 3%
プ・レート
年率換算デフォルト
0% 10%
率
年率換算期限前償還
2% 30%
率
オプション価格決定 インフレ・ボラティ
0% 8%
モデル リティ
金利ボラティリティ 0% 19%
金利間の相関関係 -25% 97%
ハイブリッド相関関
-70% 100%
係
信用スプレッド
割引キャッシュ・フ
クレジット・デリバティブ 575 585 (ベーシス・ポイン 0 1,759
ロー
ト)
回収率 0% 77%
相関関係価格決定モ
信用相関関係 31% 63%
デル
オプション価格決定
エクイティ・デリバティブ 800 1,916 株式ボラティリティ 4% 85%
モデル
インデックス・ボラ
17% 75%
ティリティ
インデックス間の相
68% 96%
関関係
株式間の相関関係 41% 67%
株式先渡 0% 5%
インデックス先渡 0% 4%
オプション価格決定
FXデリバティブ 1,749 1,427 ボラティリティ -16% 42%
モデル
相場ボラティリティ 0% 0%
信用スプレッド
割引キャッシュ・フ
1
-54
その他のデリバティブ 898 (ベーシス・ポイン - -
ロー
ト)
オプション価格決定 インデックス・ボラ
0% 113%
モデル ティリティ
コモディティ相関関
16% 52%
係
デリバティブ金融商品の時価
8,729 7,899
合計
1 主契約が償却原価で保有されている契約に組み込まれているが、組込デリバティブが分離されているデリバティブが含まれている。
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報告日現在において保有されるまたは発行済のレベル3の金融商品に係る未実現利得または損失
レベル3の金融商品に係る未実現利得または損失は観察不能なパラメータのみによるものではない。ヒエラルキーの当該レベ
ルにおける金融商品の評価に対するパラメータ入力値の多くは観察可能であり、利得または損失は、当該期間にわたるこれら
の観察可能なパラメータの変動が一因となっている。ヒエラルキーの当該レベルにおけるポジションの多くは、公正価値ヒエ
ラルキーの他のレベルに分類されている金融商品によって経済的にヘッジされている。当該ヘッジのすべてに係る、計上され
た相殺関係にある利得または損失は以下の表には含まれていない。同表は、IFRS第13号に従って報告日において保有されてい
るレベル3に分類された金融商品それ自体に関連する利得および損失のみを示している。レベル3の金融商品に係る未実現利得
および損失は、連結損益計算書において、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利息収益および純利益
のいずれにも含まれる。
2021 年12月31日現在
単位:百万ユーロ 2020 年12月31日現在
公正価値で保有する金融資産:
トレーディング証券 -332 38
デリバティブ金融商品のプラスの時価 1,556 2,589
その他のトレーディング資産 93 -248
強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以外
241 -14
の金融資産
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産 -0 0
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 -0 20
公正価値で測定するその他の金融資産 3 4
公正価値で保有する金融資産合計 1,560 2,389
公正価値で保有する金融負債:
トレーディング証券 -0 -0
デリバティブ金融商品のマイナスの時価 -1,292 -2,536
その他のトレーディング負債 15 0
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債 -895 53
公正価値で測定するその他の金融負債 8 -26
公正価値で保有する金融負債合計 -2,165 -2,510
合計 -604 -121
取引日利益の認識
評価技法で使用された入力値に重要で観察不能なものがある場合、金融商品は取引価格で認識され、取引日利益は繰延べら
れる。以下の表は、純損益を通じて公正価値で測定に分類された金融商品に関して、重要で観察不能なパラメータにより繰延
べられた取引日利益の期中の変動を示している。当該残高は主にデリバティブ金融商品に関連している。
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度
期首残高 454 441
期中の新規取引 212 308
償却 -142 -140
満期取引 -61 -130
その後の観察可能性の変動 -4 -22
為替レートの変動 2 -4
期末残高 462 454
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14 -
公正価値で計上されない金融商品の公正価値
公正価値で計上されない金融商品は、公正価値ベースで管理されていない。これらの金融商品については、公正価値は開示
目的で計算されるのみであり、当行グループの貸借対照表および損益計算書に影響を及ぼさない。さらに、当該金融商品は通
常取引されないため、これらの公正価値の決定には経営陣の重要な判断が要求される。
以下の金融商品は主として短期であり、その帳簿価額は公正価値の合理的な見積りを表している。
資産 負債
現金および中央銀行預け金 預金
インターバンク預け金(中央銀行以外) 中央銀行ファンド借入金および買戻条件付売却有価証券
中央銀行ファンド貸出金および売戻条件付買入有価証券 貸付有価証券受入金
借入有価証券担保金 その他の短期借入金
その他の資産 その他の負債
多数の均質貸出金による小口貸出ポートフォリオ(住宅用モーゲージ等)の場合、公正価値は、信用の質が同等の発行体へ
の貸出について、当行グループの新しい貸出金利を使用して、ポートフォリオの契約上のキャッシュ・フローを割引くことに
より、商品の種類ごとに計算される。小口ポートフォリオの主要インプットは、過去と現在の商品マージンの差異および予想
期限前償還率である。帳簿価額に含まれる資本計上されたブローカー・フィーも、公正価値とみなされる。
法人貸出ポートフォリオは、貸出金固有の信用スプレッドおよび当行グループの資金調達コストを基に、満期までの貸出金
を割引くことにより見積もられる。
長期債務および信託優先証券の場合、公正価値は、入手可能な場合には市場相場価格により決定される。市場相場価格が入
手可能でない場合、公正価値は、類似の特性を有する金融商品が市場で取引される場合の金利で残存する契約上のキャッシュ
を割引く評価技法を使用して見積られる。
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1
貸借対照表において公正価値で計上されない金融商品の見積公正価値
2021 年12月31日現在
観察可能な 観察不能な
活発な市場
パラメータ パラメータ
における
による評価 による評価
相場価格 技法 技法
単位:百万ユーロ 帳簿価額 公正価値 (レベル1) (レベル2) (レベル3)
金融資産:
現金および中央銀行預け金 192,021 192,021 192,021 0 0
インターバンク預け金(中央銀行以外) 7,342 7,342 0 7,342 0
中央銀行ファンド貸出金および売戻条件付買
8,368 8,429 0 7,651 778
入有価証券
借入有価証券担保金 63 63 0 63 0
貸出金 471,319 476,674 0 13,682 462,991
その他の金融資産 94,588 94,732 9,048 85,335 349
金融負債:
預金 603,750 604,645 307 604,338 0
中央銀行ファンド借入金および買戻条件付売
747 745 0 745 0
却有価証券
貸付有価証券受入金 24 24 0 24 0
その他の短期借入金 4,034 4,035 0 4,010 25
その他の金融負債 81,047 81,047 2,023 79,023 0
長期債務 144,485 146,871 0 141,189 5,683
信託優先証券 528 587 0 587 0
2020 年12月31日現在
観察可能な 観察不能な
活発な市場
パラメータ パラメータ
における
による評価 による評価
相場価格 技法 技法
単位:百万ユーロ 帳簿価額 公正価値 (レベル1) (レベル2) (レベル3)
金融資産:
現金および中央銀行預け金 166,208 166,208 166,208 0 0
インターバンク預け金(中央銀行以外) 9,130 9,132 866 8,266 0
中央銀行ファンド貸出金および売戻条件付買
8,533 8,519 0 7,694 825
入有価証券
借入有価証券担保金 0 0 0 0 0
貸出金 426,995 434,442 0 13,253 421,189
その他の金融資産 94,069 94,393 7,714 86,049 629
金融負債:
預金 568,031 568,172 66 568,105 0
中央銀行ファンド借入金および買戻条件付売
2,325 2,328 0 2,328 0
却有価証券
貸付有価証券受入金 1,697 1,697 0 1,697 0
その他の短期借入金 3,553 3,556 0 3,540 15
その他の金融負債 96,602 96,602 1,902 94,700 0
長期債務 149,163 150,691 0 144,130 6,560
信託優先証券 1,321 1,069 0 1,069 0
1 注記01-「重要な会計方針および重要な会計上の見積り」に記載されているように、金融商品の相殺に関する当行グループの会計方針に
従って、金額は通常総額ベースで表示されている。
貸出金の場合、公正価値と帳簿価額との差額は、当初認識後に商品マージンが変動した影響によるものである。
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長期債務および信託優先証券の場合、公正価値と帳簿価額との差額は、当行グループが貸借対照表日現在において類似の期限
および劣後の債務を発行した場合の金利が、当該金融商品が発行された時の金利と比較して変動したことによる影響に起因し
ている。
次へ
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15 -
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
売戻条件付買入有価証券(逆レポ) 1,231 1,543
負債性有価証券:
ドイツ政府 876 10,245
米国財務省および米国政府機関 8,770 9,221
米国地方自治体 253 251
その他の外国政府 10,965 26,308
企業 604 2,272
その他の資産担保証券 0 31
モーゲージ担保証券(米国連邦機関債を含む。) 714 636
その他の負債性有価証券 1,194 692
負債性有価証券合計 23,377 49,656
貸出金 4,370 4,635
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する 金融資産合計
28,979 55,834
16 -
持分法適用投資
関連会社および共同支配企業に対する投資は、持分法により会計処理されている。
当行グループは関連会社59社(2020年度:60社)および共同支配企業10社(2020年度:11社)に対する持分を保有してい
る。関連会社2社は当行グループにとって重要性があるとみなされている。
1
2021 年12月31日現在における重要な投資
投資 主たる事業地 関係の性質 保有割合
Huarong Rongde Asset Management Company Limited
中国、北京市 戦略的投資
40.7%
Harvest Fund Management Co., Ltd.
中国、上海市 戦略的投資
30.0%
1 当行グループは、これらの被投資会社に対して、保有割合および取締役会の議決権行使により重要な影響力を有している。
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1
Huarong Rongde Asset Management Company Limited の要約財務情報
単位:百万ユーロ 2020 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
純収益合計
76 97
当期純利益
54 62
その他の包括利益
0 54
2
包括利益合計
54 116
単位:百万ユーロ 2020 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
流動資産
2,979 2,323
非流動資産
247 804
資産合計
3,226 3,127
流動負債
1,273 1,157
非流動負債
1,180 1,274
負債合計
2,453 2,431
非支配持分
0 -3
持分法適用被投資会社の純資産
773 699
1 当行グループとHuarong Rongde Asset Management Company Limited の報告期限が異なるため、持分法による取り込み数値は2021年12月にお
いては2020年12月の中国GAAPによる監査済財務数値に基づいており、2020年12月においては2019年12月の中国GAAPによる監査済財務数値
に基づいている。
2 当行グループはHuarong Rongde Asset Management Company Limited から、2021年度の報告期間中に0百万ユーロ(2020年度: 9百万ユーロ)
の配当金を受領した。
1
Huarong Rongde Asset Management Company Limited の純資産合計と当行グループの帳簿価額の調整
単位:百万ユーロ 2020 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
持分法適用被投資会社の純資産
773 699
被投資会社の株主資本に対する当行グループの保有割合
40.7 % 40.7%
純資産に対する当行グループの持分
315 284
のれん
0 0
無形資産
0 0
その他の調整
-97 -9
2
帳簿価額
218 275
1 当行グループとHuarong Rongde Asset Management Company Limited の報告期限が異なるため、持分法による取り込み数値は2021年12月にお
いては2020年12月の中国GAAPによる監査済財務数値に基づいており、2020年12月においては2019年12月の中国GAAPによる監査済財務数値
に基づいている。
2 2021年度の減損損失は97百万ユーロ(2020年度は0百万ユーロ)である。この損失は、2021年度における中国の不動産セクターの低迷によ
る信用評価額の下落により減損を実施したためである。
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Harvest Fund Management Co., Ltd. の要約財務情報
1 2
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ
純収益合計
1,147 842
当期純利益
295 224
その他の包括利益
-1 -5
3
包括利益合計
294 219
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
流動資産
1,291 1,015
非流動資産
966 804
資産合計
2,257 1,819
流動負債
1,006 760
非流動負債
192 169
負債合計
1,197 929
非支配持分
35 23
持分法適用被投資会社の純資産
1,024 867
1 2021年12月の数値は2021年度の非監査財務数値に基づいている。
2 2020 年12月の数値は2020年度の監査済財務数値に基づいている。
3 当行グループはHarvest Fund Management Co., Ltd. から、2021年度の報告期間中に68百万ユーロ(2020年度:21百万ユーロ)の配当金を受
領し、2020年度に計上された6百万ユーロの未収特別配当金を2021年度に受領した。
Harvest Fund Management Co., Ltd. の純資産合計と当行グループの帳簿価額の調整
1 2
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ
持分法適用被投資会社の純資産
1,024 867
被投資会社の株主資本に対する当行グループの保有割合
30 % 30%
純資産に対する当行グループの持分
307 260
のれん
17 16
無形資産
15 14
その他の調整
1 0
3
帳簿価額
341 290
1 2021年12月の数値は2021年度の非監査財務数値に基づいている。
2 2020 年12月の数値は2020年度の監査済財務数値に基づいている。
3 2021 年度において減損損失はない(2020年度は0百万ユーロ)。
個々には重要性のない当行グループの関連会社および共同支配企業に対する持分に関する財務情報(合算ベース)
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
当行グループにとって個々には重要性のないすべての関連会社の帳簿
532 337
価額
継続事業からの利益(損失)のうち当行グループの持分の合算額
87 20
非継続事業からの税引後利益(損失)のうち当行グループの持分の合
0 0
算額
その他の包括利益のうち当行グループの持分の合算額
- 6 -10
包括利益合計のうち当行グループの持分の合算額
81 10
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17 -
金融資産と金融負債の相殺
当行グループは、注記01「重要な会計方針 および重要な会計上の見積り :金融商品の相殺」に記載された基準に従って、貸
借対照表上純額ベースで一定の金融資産と金融負債を表示することができる。
下表は、相殺による連結貸借対照表への影響、および強制力のあるマスター・ネッティング契約または類似契約の対象とな
る金融商品のネッティングによる財務上の影響、ならびに利用可能な現金担保および金融商品担保に関する情報を示してい
る。
資産
2021 年12月31日現在
貸借対照表上、相殺されない金額
貸借対照
表上で表 マスター・
貸借対照表 示される ネッティン
金融商品
金融資産 上、相殺さ 金融資産 グ契約の影
1
担保
単位:百万ユーロ の総額 れる総額 の純額 響 現金担保 純額
中央銀行ファンド貸出金および売
戻条件付買入有価証券(逆レポ) 14,449 -8,532 5,917 0 0 -5,667 251
(強制力あり)
中央銀行ファンド貸出金および売
戻条件付買入有価証券(逆レポ) 2,451 0 2,451 0 0 -2,403 48
(強制力なし)
借入有価証券担保金(強制力あ
63 0 63 0 0 -63 0
り)
借入有価証券担保金(強制力な
0 0 0 0 0 0 0
し)
純損益を通じて公正価値で測定す
471,122 -117,007 354,115 -240,587 -33,953 -71,766 7,808
る金融資産(強制力あり)
このうち:デリバティブ金融商
品のプラスの時価(強制力あ 296,520 -11,959 284,561 -238,411 -33,950 -4,516 7,685
り)
純損益を通じて公正価値で測定す
137,118 0 137,118 0 -2,026 -12,124 122,968
る金融資産(強制力なし)
このうち:デリバティブ金融
商品のプラスの時価(強制力な 15,170 0 15,170 0 -1,963 -1,263 11,944
し)
純損益を通じて公正価値で測定す
608,240 -117,007 491,233 -240,587 -35,978 -83,890 130,777
る金融資産合計
償却原価で測定する貸出金 471,319 0 471,319 0 -12,271 -60,794 398,254
その他の資産 109,182 -5,398 103,785 -30,639 -101 -63 72,981
このうち:ヘッジ会計に適格な
デリバティブのプラスの時価 1,211 -106 1,106 -881 -101 -63 61
(強制力あり)
ネッティングの対象となる残りの
1,231 0 1,231 0 0 0 1,231
資産
ネッティングの対象とならない残
247,994 0 247,994 0 -141 -2,320 245,532
りの資産
資産合計 1,454,930 -130,937 1,323,993 -271,227 -48,492 -155,200 849,074
1 不動産およびその他の非金融商品担保を除く。
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負債
2021 年12月31日現在
貸借対照表上、相殺されない金額
貸借対照
表上で表 マスター・
貸借対照表 示される ネッティン
金融負債 上、相殺さ 金融負債 グ契約の影 金融商品
単位:百万ユーロ の総額 れる総額 の純額 響 現金担保 担保 純額
預金 603,750 0 603,750 0 0 0 603,750
中央銀行ファンド借入金および買
戻条件付売却有価証券(レポ) 9,275 -8,532 743 0 0 -743 0
(強制力あり)
中央銀行ファンド借入金および買
戻条件付売却有価証券(レポ) 4 0 4 0 0 0 4
(強制力なし)
貸付有価証券受入金(強制力あ
22 0 22 0 0 -22 0
り)
貸付有価証券受入金(強制力な
2 0 2 0 0 -2 0
し)
純損益を通じて公正価値で測定す
497,045 -117,101 379,944 -240,380 -27,607 -50,690 61,267
る金融負債(強制力あり)
このうち:デリバティブ金融商
品のマイナスの時価(強制力あ 288,685 -12,551 276,134 -237,915 -27,607 -4,063 6,549
り)
純損益を通じて公正価値で測定す
20,913 0 20,913 0 -1,261 -4,658 14,994
る金融負債(強制力なし)
このうち:デリバティブ金融商
品のマイナスの時価(強制力な 10,975 0 10,975 0 -1,261 -157 9,556
し)
純損益を通じて公正価値で測定す
517,958 -117,101 400,857 -240,380 -28,868 -55,347 76,261
る金融負債合計
その他の負債 103,100 -5,304 97,796 -38,678 -49 -2 59,067
このうち:ヘッジ会計に適格な
デリバティブのマイナスの時価 2,174 -708 1,467 -1,378 -49 -2 37
(強制力あり)
ネッティングの対象とならない残
152,788 0 152,788 0 0 0 152,788
りの負債
負債合計 1,386,900 -130,937 1,255,962 -279,058 -28,918 -56,117 891,870
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資産
2020 年12月31日現在
貸借対照表上、相殺されない金額
貸借対照
表上で表 マスター・
貸借対照表 示される ネッティン
金融商品
金融資産 上、相殺さ 金融資産 グ契約の影
1
担保
単位:百万ユーロ の総額 れる総額 の純額 響 現金担保 純額
中央銀行ファンド貸出金および売
戻条件付買入有価証券(逆レポ) 8,234 -2,863 5,371 0 0 -5,319 53
(強制力あり)
中央銀行ファンド貸出金および売
戻条件付買入有価証券(逆レポ) 3,161 0 3,161 0 0 -2,855 307
(強制力なし)
借入有価証券担保金(強制力あ
0 0 0 0 0 0 0
り)
借入有価証券担保金(強制力な
0 0 0 0 0 0 0
し)
純損益を通じて公正価値で測定す
463,354 -84,550 378,804 -263,479 -45,066 -58,410 11,849
る金融資産(強制力あり)
このうち:デリバティブ金融商
品のプラスの時価(強制力あ 336,933 -12,552 324,380 -262,486 -45,048 -5,162 11,684
り)
純損益を通じて公正価値で測定す
149,137 0 149,137 0 -1,098 -12,790 135,249
る金融資産(強制力なし)
このうち:デリバティブ金融
商品のプラスの時価(強制力な 19,074 0 19,074 0 -1,003 -1,116 16,955
し)
純損益を通じて公正価値で測定す
612,491 -84,550 527,941 -263,479 -46,164 -71,200 147,098
る金融資産合計
償却原価で測定する貸出金 426,995 0 426,995 0 -12,129 -52,571 362,294
その他の資産 120,574 -10,175 110,399 -43,316 -412 -90 66,581
このうち:ヘッジ会計に適格な
デリバティブのプラスの時価 3,329 -26 3,303 -2,646 -411 -90 156
(強制力あり)
ネッティングの対象となる残りの
1,543 0 1,543 0 0 0 1,543
資産
ネッティングの対象とならない残
249,848 0 249,848 0 -384 -2,768 246,697
りの資産
資産合計 1,422,846 -97,587 1,325,259 -306,795 -59,089 -134,803 824,573
1 不動産およびその他の非金融商品担保を除く。
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負債
2020 年12月31日現在
貸借対照表上、相殺されない金額
貸借対照
表上で表 マスター・
貸借対照表 示される ネッティン
金融負債 上、相殺さ 金融負債 グ契約の影 金融商品
単位:百万ユーロ の総額 れる総額 の純額 響 現金担保 担保 純額
預金 568,031 0 568,031 0 0 0 568,031
中央銀行ファンド借入金および買
戻条件付売却有価証券(レポ) 4,586 -2,263 2,323 0 0 -2,323 0
(強制力あり)
中央銀行ファンド借入金および買
戻条件付売却有価証券(レポ) 3 0 3 0 0 -2 1
(強制力なし)
貸付有価証券受入金(強制力あ
1,686 0 1,686 0 0 -1,686 0
り)
貸付有価証券受入金(強制力な
11 0 11 0 0 -2 9
し)
純損益を通じて公正価値で測定す
478,541 -85,315 393,226 -265,150 -34,846 -41,642 51,588
る金融負債(強制力あり)
このうち:デリバティブ金融商
品のマイナスの時価(強制力あ 325,203 -13,227 311,976 -264,042 -34,846 -5,816 7,273
り)
純損益を通じて公正価値で測定す
25,972 0 25,972 0 -1,875 -6,184 17,914
る金融負債(強制力なし)
このうち:デリバティブ金融商
品のマイナスの時価(強制力な 15,798 0 15,798 0 -1,875 -166 13,757
し)
純損益を通じて公正価値で測定す
504,513 -85,315 419,199 -265,150 -36,721 -47,826 69,502
る金融負債合計
その他の負債 124,218 -10,010 114,208 -49,534 -121 -6 64,547
このうち:ヘッジ会計に適格な
デリバティブのマイナスの時価 2,803 -1,524 1,279 -1,090 -121 -6 62
(強制力あり)
ネッティングの対象とならない残
157,602 0 157,602 0 -2 -1 157,599
りの負債
負債合計 1,360,650 -97,587 1,263,063 -314,684 -36,844 -51,845 859,689
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2020年度のその他の資産には、プライム・ファイナンスのプラットフォームのBNPパリバへの移転に関連して売却目的保有資
産に組み替えられたデリバティブ金融商品と、これに伴うマスター・ネッティング契約および担保化の影響に関するプラスの
市場価格14億ユーロが含まれる。同じ理由から、その他の負債には、売却目的保有負債に組み替えられたデリバティブ金融商
品と、これに伴うマスター・ネッティング契約および担保化の影響に関するマイナスの市場価格19億ユーロが含まれる。詳細
については、連結財務諸表に対する注記24「売却目的保有の非流動資産および処分グループ」を参照のこと。
「貸借対照表上、相殺される総額」の欄は、注記01「重要な会計方針 および重要な会計上の見積り :金融商品の相殺」に記
載されたすべての基準に従って相殺される金額を開示している。
「マスター・ネッティング契約の影響」の欄は、マスター・ネッティング契約の対象であるが、純額決済/同時決済の基準
を満たさなかったため、または相殺に係る権利が相手先の債務不履行のみを条件としているために相殺されなかった金額を開
示している。その他の資産およびその他の負債に係る表示金額には、それぞれ未収委託証拠金および未払委託証拠金が含まれ
ている。
「現金担保」および「金融商品担保」の欄は、資産および負債の合計金額(相殺されなかったものを含む。)に関連して受
け取ったまたは差入れた現金担保および金融商品担保の金額を開示している。
強制力のないマスター・ネッティング契約または類似契約とは、現地の破産法の下で相殺に係る権利が支持されない可能性
のある法域において履行される契約を言う。
デリバティブのプラスの時価に対して受け取った現金担保およびデリバティブのマイナスの時価に対して差入れた現金担保
は、それぞれ「その他の負債」および「その他の資産」内の残高に計上されている。
開示されている現金担保および金融商品担保の金額は、その公正価値を反映している。現金担保および金融商品担保に関す
る相殺に係る権利は、相手先の債務不履行を条件としている。
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18 -
貸出金
表示されている貸出金全体には、償却原価で測定に分類された貸出金、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する貸出
金および純損益を通じて公正価値で測定する貸出金が含まれる。
以下の表は、当行グループの産業別の信用エクスポージャーの概観を示しており、相手先のNACEコードに基づいている。
NACE(Nomenclature des Activités Économiques dans la Communauté Européenne)は、欧州の標準的な産業分類システムで
ある。
産業別分類による貸出金
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
農業、林業および漁業 647 637
鉱業および採石 3,006 3,145
製造 36,820 28,040
電気、ガス、蒸気および空調の供給 4,819 3,765
上下水道、廃棄物処理および修復工事 681 681
建設 4,651 4,708
卸売および小売、自動車および二輪車の修繕 22,444 22,023
輸送、倉庫 6,067 6,382
宿泊、食品サービス 2,272 2,514
情報および通信 7,387 6,240
金融および保険 111,239 90,220
不動産 43,220 37,946
専門的、科学および技術活動 7,022 7,946
事務サポートサービス 10,324 9,568
行政、国防および社会保障 7,076 7,413
教育 225 205
健康保険サービスおよび社会福祉事業 4,005 3,530
芸術、娯楽およびレクリエーション 1,068 951
その他のサービス業 5,261 6,165
個人事業主の活動および自家用製品・サービスの製造 212,436 205,331
地域外の組織および団体 1 1
貸出金総額 490,671 447,410
(繰延費用)/前受収益 227 394
(繰延費用)/前受収益控除後貸出金 490,444 447,016
控除:信用損失引当金 4,779 4,823
貸出金合計 485,665 442,193
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19 -
信用損失引当金
信用損失引当金には、償却原価で測定する金融資産、OCIを通じて公正価値で測定する金融資産、ならびにオフバランスの貸
出コミットメントおよび保証業務に係る引当金が含まれる。
償却原価で測定する金融資産に係る信用損失引当金の増減
2021 年12月31日現在
3
信用損失引当金
ステージ3
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
4
POCI
単位:百万ユーロ
期首残高 544 648 3,614 139 4,946
新規事業および信用期間延長を含む金融資産の変動 -245 85 615 26 480
信用度の変動による振替 138 -197 58 N/M 0
認識中止に至らなかった変更による増減 N/M N/M N/M N/M N/M
モデルの変更 0 0 0 0 0
2
当期中に認識が中止された金融資産
0 0 -561 -5 -566
償却済債権戻入額 0 0 55 23 78
為替およびその他の変動 3 -4 -41 -0 -43
期末残高 440 532 3,740 182 4,895
1
カントリー・リスクを除く信用損失引当金繰入額
-107 -112 673 26 480
1 新規事業を含む金融資産の変動、信用度の変動による振替およびモデルの変更の合計が、カントリー・リスクを除く信用損失引当金繰入
額である。
2 この項目は、信用損失引当金の信用損失償却を含んでいる。
3 信用損失引当金には、2021年12月31日現在において4百万ユーロのカントリー・リスク引当金は含まれていない。
4 報告期間中に当初認識された、購入または組成した信用減損金融資産に係る当初認識時の割引前予想信用損失の総額は、2021年度におい
て0百万ユーロおよび2020年度において50百万ユーロであった。
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償却原価で測定する金融資産に係る信用損失引当金の増減
2020 年12月31日現在
3
信用損失引当金
ステージ3
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
4
POCI
単位:百万ユーロ
期首残高 549 492 3,015 36 4,093
新規事業および信用期間延長を含む金融資産の変動 -44 309 1,348 72 1,686
信用度の変動による振替 77 -125 49 N/M 0
認識中止に至らなかった変更による増減 N/M N/M N/M N/M N/M
モデルの変更 0 0 0 0 0
2
当期中に認識が中止された金融資産
0 0 -781 0 -781
償却済債権戻入額 0 0 58 0 58
為替およびその他の変動 -38 -28 -75 31 -110
期末残高 544 648 3,614 139 4,946
1
カントリー・リスクを除く信用損失引当金繰入額
33 184 1,397 72 1,686
1 新規事業を含む金融資産の変動、信用度の変動による振替およびモデルの変更の合計が、カントリー・リスクを除く信用損失引当金繰入
額である。
2 この項目は、信用損失引当金の信用損失償却を含んでいる。
3 信用損失引当金には、2020年12月31日現在において5百万ユーロのカントリー・リスク引当金は含まれていない。
4 報告期間中に当初認識された、購入または組成した信用減損金融資産に係る当初認識時の割引前予想信用損失の総額は、2020年度におい
て50百万ユーロおよび2019年度において0百万ユーロであった。
償却原価で測定する金融資産に係る信用損失引当金の増減
2019 年12月31日現在
3
信用損失引当金
ステージ3
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
4
POCI
単位:百万ユーロ
期首残高 509 501 3,247 3 4,259
新規事業および信用期間延長を含む金融資産の変動 -57 102 550 40 636
信用度の変動による振替 120 -106 -14 0
認識中止に至らなかった変更による増減 N/M N/M N/M N/M N/M
モデルの変更 0 0 0 0 0
2
当期中に認識が中止された金融資産
0 0 -872 -26 -898
償却済債権戻入額 0 0 96 0 96
為替およびその他の変動 -22 -4 8 18 0
期末残高 549 492 3,015 36 4,093
1
カントリー・リスクを除く信用損失引当金繰入額
62 -4 536 40 636
1 新規事業を含む金融資産の変動、信用度の変動による振替およびモデルの変更の合計が、カントリー・リスクを除く信用損失引当金繰入
額である。
2 この項目は、信用損失引当金の信用損失償却を含んでいる。
3 信用損失引当金には、2019年12月31日現在において3百万ユーロのカントリー・リスク引当金は含まれていない。
4 報告期間中に当初認識された、購入または組成した信用減損金融資産に係る当初認識時の割引前予想信用損失の総額は、2019年度におい
て0百万ユーロであった。
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1
OCI を通じて公正価値で測定する金融資産の信用損失引当金
2021 年12月31日現在
信用損失引当金
ステージ3
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
単位:百万ユーロ POCI
OCIを通じて公正価値で測定 15 10 16 0 41
1 OCIを通じて公正価値で測定する金融資産に係る信用損失引当金は、非常に低い水準で推移した(2020年12月31日現在20百万ユーロであ
り、2021年12月31日現在は41百万ユーロ)。重要性がないことを鑑み、当行グループは前年比の変動に関する詳細を提供しない。
2020 年12月31日現在
信用損失引当金
ステージ3
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
単位:百万ユーロ POCI
OCIを通じて公正価値で測定 12 6 2 0 20
1 OCIを通じて公正価値で測定する金融資産に係る信用損失引当金は、非常に低い水準を維持し、ほぼ横ばいであった(2019年12月31日現在
35百万ユーロであり、2020年12月31日現在は20百万ユーロ)。重要性がないことを鑑み、当行グループは前年比の変動に関する詳細を提
供しない。
2019 年12月31日現在
信用損失引当金
ステージ3
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
単位:百万ユーロ POCI
OCIを通じて公正価値で測定 16 9 10 0 35
1 OCIを通じて公正価値で測定する金融資産に係る信用損失引当金は、非常に低い水準を維持し、ほぼ横ばいであった(2019年度期首現在13
百万ユーロであり、2019年12月31日現在は35百万ユーロ)。重要性がないことを鑑み、当行グループは前年比の変動に関する詳細を提供
しない。
オフバランスのポジションに係る信用損失引当金の増減
2021 年12月31日現在
2
信用損失引当金
ステージ3
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
単位:百万ユーロ POCI
期首残高 144 74 200 0 419
新規事業を含む変動 -43 38 18 0 13
信用度の変動による振替 3 -5 2 0 0
モデルの変更 0 0 0 0 0
為替およびその他の変動 3 3 6 0 12
期末残高 108 111 225 0 443
そのうち:金融保証 69 64 164 0 297
1
カントリー・リスクを除く信用損失引当金繰入額
0
-40 33 19 13
1 上表は、新規事業を含む金融資産の変動、信用度の変動による振替およびモデルの変更が信用損失引当金繰入額に及ぼす影響の内訳を示し
ている。
2 信用損失引当金には、2021年12月31日現在において6百万ユーロのカントリー・リスク引当金は含まれていない。
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オフバランスのポジションに係る信用損失引当金の増減
2020 年12月31日現在
2
信用損失引当金
ステージ3
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
単位:百万ユーロ POCI
期首残高 128 48 166 0 342
新規事業を含む変動 13 21 41 0 75
信用度の変動による振替 0 0 -1 0 0
モデルの変更 0 0 0 0 0
為替およびその他の変動 3 4 -6 0 1
期末残高 144 74 200 0 419
そのうち:金融保証 99 43 115 0 257
1
カントリー・リスクを除く信用損失引当金繰入額
0
13 22 40 75
1 上表は、新規事業を含む金融資産の変動、信用度の変動による振替およびモデルの変更が信用損失引当金繰入額に及ぼす影響の内訳を示し
ている。
2 信用損失引当金には、2020年12月31日現在において4百万ユーロのカントリー・リスク引当金は含まれていない。
オフバランスのポジションに係る信用損失引当金の増減
2019 年12月31日現在
2
信用損失引当金
ステージ3
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
単位:百万ユーロ POCI
期首残高 132 73 84 0 289
新規事業を含む変動 -13 -5 88 0 70
信用度の変動による振替 9 -12 3 0 0
モデルの変更 0 0 0 0 0
為替およびその他の変動 -1 -7 -9 0 -17
期末残高 128 48 166 0 342
そのうち:金融保証 89 30 143 0 262
1
カントリー・リスクを除く信用損失引当金繰入額
0
-4 -17 90 70
1 上表は、新規事業を含む金融資産の変動、信用度の変動による振替およびモデルの変更が信用損失引当金繰入額に及ぼす影響の内訳を示し
ている。
2 信用損失引当金には、2019年12月31日現在において4百万ユーロのカントリー・リスク引当金は含まれていない。
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20 -
金融資産の譲渡、担保に差入れたおよび担保として受け取った資産
当行グループは、貸借対照表上の金融資産を譲渡する取引を締結しており、その結果、一定の基準に応じて、譲渡された資
産全体の認識を中止するのに適格である場合もあれば、継続的関与を有する範囲において、譲渡された資産を引き続き認識し
なければならない場合もある。これらの基準は、注記01「重要な会計方針および重要な会計上の見積り」に記載されている。
金融資産が認識中止に適格でない場合、当該譲渡は担保付資金調達取引としてみなされ、受け取った対価により対応する負
債が生じる。当行グループはその他の目的でこれらの金融資産を使用する権限を有していない。当行グループが締結するこの
性質の最も一般的な取引は、当行グループが実質的にすべての関連する信用リスク、株価リスク、金利リスクおよび外国為替
リスクならびに資産および関連する収益の流出入に関する経済価値を留保する、買戻契約、有価証券貸付契約およびトータ
ル・リターン・スワップである。
認識中止の要件を満たさなかった資産の種類および関連取引に関する情報
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
譲渡資産の帳簿価額
以下の取引により認識を中止されなかったトレーディング証券:
買戻契約 44,898 40,654
有価証券貸付契約 5,444 8,951
トータル・リターン・スワップ 1,766 1,319
その他
4,028 5,028
トレーディング証券合計 56,136 55,953
2
215
その他のトレーディング資産 244
強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以外
760 666
の金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 5,642 5,951
1
償却原価で測定する貸出金
13 210
その他
481 72
2
合計 63,066
63,276
関連負債の帳簿価額 57,522 53,348
1 関連負債が譲渡資産に対してのみ償還請求権がある貸出金の帳簿価額および公正価値は、2021年12月31日および2020年12月31日現在にお
いてゼロであった。関連負債の帳簿価額および公正価値は同額で、正味ポジションが0となった。
2 過年度の数値は特定の一取引の再評価を受けて修正再表示されている。
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当行グループがその継続的関与を有する範囲の資産の会計処理を引き続き行う譲渡資産の帳簿価額
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
当初譲渡資産の帳簿価額
トレーディング証券
1,050 1,039
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産
0 0
強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以外
308 673
の金融資産
認識継続資産の帳簿価額
1
トレーディング証券
64
61
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産
0 0
強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以外
15 17
の金融資産
1
122
関連負債の帳簿価額 102
1 過年度の数値は特定の一取引の再評価を受けて修正再表示されている。
当行グループは、新規または既存の契約上の権利および義務のいずれかを通じて譲渡資産の将来のパフォーマンスに対して
一定のエクスポージャーを留保しており、当該資産の認識中止に適格となる可能性がある。この継続中の関与は新規の金融商
品として認識される予定で、譲渡された当初の金融資産とは異なる場合がある。代表的な取引には、組成された貸出金が譲渡
された非連結の証券化事業体による優先債券の留保、当行グループが資産のポートフォリオを売却したストラクチャード・エ
ンティティとの融資の取決め、またはクレジット・コンティンジェント・スワップ付き資産の売却が含まれる。当行グループ
の当該取引に対するエクスポージャーは重要でないとみなされている。これは、譲渡資産に関連するリスクの実質的な留保に
より、認識中止の要件を当初満たさないためである。結果的に継続中の関与とみなされない取引には、訴訟の場合に譲渡が無
効になる可能性がある詐欺的行為に係る通常の保証、適格なパス・スルーの取決め、およびパフォーマンスに連動しない標準
的な信託または管理報酬が含まれる。
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完全に認識が中止された譲渡資産に関連する継続中の関与の当行グループ貸借対照表への影響
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
損失に対する 損失に対する
最大エクス 最大エクス
帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
1 1
ポージャー ポージャー
単位:百万ユーロ
償却原価で測定する貸出金
証券化債券 283 302 302 254 271 271
その他 0 0 0 7 7 7
償却原価で測定する貸出金合計 283 302 302 261 279 279
純損益を通じて公正価値で測定する保有
金融資産
証券化債券 29 29 29 28 28 28
基準外金利、クロスカレンシーまたは
465 465 465 0 0 0
インフレ連動スワップ
純損益を通じて公正価値で測定する保有
494 494 494 28 28 28
金融資産合計
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定する金融資産:
証券化債券 709 713 713 624 645 645
その他 0 0 0 0 0 0
その他の包括利益を通じて公正価値で測
709 713 713 624 645 645
定する金融資産合計
継続中の関与を示す金融資産合計 1,486 1,509 1,509 913 951 951
純損益を通じて公正価値で測定する保有
金融負債
基準外金利、クロスカレンシーまたは
8 8 0 11 11 0
インフレ連動スワップ
継続中の関与を示す金融負債合計 8 8 0 11 11 0
1 損失に対する最大エクスポージャーは、帳簿価額に負債として認識されない未利用の貸出コミットメントの名目価額を加えたものとして
定義されている。
完全に認識が中止された譲渡資産に関連する継続中の関与の当行グループ損益計算書への影響
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
損益 損益 処分による 損益 損益 処分による
単位:百万ユーロ
( 年度累計) ( 累積) 利得(損失) ( 年度累計) ( 累積) 利得(損失)
証券化債券 31 81 48 22 49 99
基準外金利、クロスカレンシーまたは
41 41 0 -1 -1 0
インフレ連動スワップ
認識中止資産への継続中の関与により認
72 123 48 21 48 99
識された純利得(損失)
当行グループは主に、担保付融資の担保として、また、買戻契約、有価証券借入契約およびその他の借入契約のために、あ
るいはOTCデリバティブ負債の証拠金の提供目的で、資産を担保に差入れる。担保差入れは基本的に、標準的な証券化借入契約
およびその他の下記の取引に関して通常の慣習的な条件に基づき行われる。
1
当行グループが負債または偶発負債の担保として差入れた資産の帳簿価額
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 51,165 47,553
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 6,395 7,858
貸出金 79,485 77,433
その他 611 1,257
合計 137,656 134,101
1 負債または偶発負債が生じない取引から担保として差入れられた資産を除く。
1
債権者に担保として差入れた、売却または再担保差入れ可能な資産合計
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 48,426 44,210
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その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 5,252 4,911
貸出金 2,073 2,232
その他 481 72
合計 56,233 51,426
1 負債または偶発負債が生じない取引から担保として差入れられた資産を含む。
当行グループは主に、逆レポ契約、有価証券貸付契約、デリバティブ取引、顧客有価証券担保貸出金およびその他の取引に
おいて担保を受け入れている。これらの取引は一般的に、標準的な担保付融資活動およびその他の上記の取引に関して通常の
慣習的な条件に基づき行われる。当行グループは、取引完了時に同等の有価証券を返還することを条件に、担保権者として当
該担保を売却または再担保差入れする権利を有している。当該権利は主に空売り、貸付有価証券受入金および買戻条件付売却
有価証券をカバーするために使用される。
受入担保の公正価値
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
担保として受け取った有価証券およびその他の金融資産 260,003 237,157
このうち:
売却または再担保差入れした担保 222,232 199,346
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21 -
土地建物および設備
所有する
土地建物 リース資
所有者 リース および設 産の使用
占有不 資産改 建設仮 備(IAS 権(IFRS
単位:百万ユーロ
動産 設備 良費 勘定 第16号) 第16号) 合計
取得原価:
2020 年1月1日現在残高 656 2,380 2,961 155 6,153 3,533 9,686
連結会社グループの変動 0 -1 0 0 -1 -1 -3
増加 2 128 47 335 512 1,806 2,317
振替 8 173 43 -97 127 -388 -261
「売却目的保有」(への)/からの分類変更 -73 -65 0 -1 -139 0 -139
処分 2 223 96 0 321 41 362
為替レートの変動 -4 -50 -58 -5 -117 -64 -181
2020 年12月31日現在残高
587 2,343 2,897 387 6,214 4,844 11,058
連結会社グループの変動 -1 0 0 0 -1 0 -1
増加 0 113 46 391 550 254 804
振替 58 -8 354 -321 83 367 451
「売却目的保有」(への)/からの分類変更 -131 -16 -94 -1 -241 0 -241
処分 0 187 146 79 412 165 578
為替レートの変動 1 38 45 21 105 139 244
2021 年12月31日現在残高
514 2,283 3,102 398 6,297 5,439 11,737
減価償却および減損累計額:
2020 年1月1日現在残高
325 1,841 1,927 0 4,093 663 4,756
連結会社グループの変動 0 -1 0 0 -1 0 -1
減価償却費 16 171 187 0 373 648 1,021
減損損失 5 2 8 0 16 77 93
減損損失の戻入 3 0 0 0 3 10 12
振替 2 145 2 0 149 5 153
「売却目的保有」(への)/からの分類変更 -25 -53 0 0 -78 0 -78
処分 1 206 89 0 296 11 307
為替レートの変動 -3 -42 -45 0 -90 -24 -114
2020 年12月31日現在残高
317 1,856 1,989 0 4,163 1,347 5,510
連結会社グループの変動 -1 0 0 0 -1 0 -1
減価償却費 16 140 204 0 360 631 991
減損損失 12 7 39 1 59 99 158
減損損失の戻入 0 0 0 0 0 18 18
振替 57 16 10 0 84 2 85
「売却目的保有」(への)/からの分類変更 -115 -15 -62 0 -191 0 -191
処分 0 178 125 0 303 133 436
為替レートの変動 1 34 39 0 74 29 103
2021 年12月31日現在残高
288 1,860 2,095 1 4,244 1,957 6,201
帳簿価額:
2020 年12月31日現在残高
270 487 908 387 2,051 3,497 5,549
2021 年12月31日現在残高
226 423 1,007 398 2,054 3,482 5,536
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土地建物および設備に係る減価償却費、減損損失および減損損失の戻入は、損益計算書の一般管理費に計上されている。
売却制限付の土地建物および設備の項目の帳簿価額は、2021年12月31日現在および2020年12月31日現在において、それぞれ
22百万ユーロおよび23百万ユーロであった。
土地建物および設備の取得のコミットメントは、2021年度末現在において35百万ユーロおよび2020年度末現在において27百
万ユーロであった。
当行グループは土地建物、車両およびIT機器を含む多くの資産をリースし、これらについて使用権資産を計上している。
2021年度における使用権資産の増加は254百万ユーロであり、主として新規の不動産リースを反映している。2021年度に認識さ
れた631百万ユーロの減価償却費は、主として不動産リースに係る使用権資産を、契約期間にわたり予定どおりに使用したこと
によるものであった。2021年12月31日現在、土地建物および設備合計に含まれる使用権資産の帳簿価額35億ユーロは、主に35
億ユーロのリース不動産および11百万ユーロの車両リースである。当行グループのリース資産の詳細およびIFRS第16号に基づ
き要求される関連する開示については、注記22「リース」を参照のこと。
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22 -
リース
当行グループは、土地建物および設備を対象とするリース契約の下で借手として開示を行っている。当行グループは、財務
成績および財政状態を最も適切に説明する方法で、IFRS第16号に基づく関連情報の表示についての判断を行っている。
当行グループは、土地建物、車両およびIT機器を含む多くの資産をリースしている。当行グループは大部分のオフィスおよ
び支店について、長期賃貸契約に基づく借手となっている。リース契約の大部分は、リースを一定期間延長する選択権、価格
調整条項、および一般的なオフィス賃貸市場の条件に合わせたエスカレーション条項を含む通常の諸条件に基づいて行われて
いる。しかし、このようなリース契約には、当行グループの配当支払能力、負債による資金調達取引への参画、または更なる
リース契約の締結に対して制限を課すような条項は含まれていない。
2021年12月31日(2020年12月31日)現在、当行グループは、帳簿価額35億ユーロ(35億ユーロ)の使用権資産を貸借対照表
の土地建物および設備に計上した。主な使用権資産は、リース資産35億ユーロ(35億ユーロ)および車両リース11百万ユーロ
(12百万ユーロ)である。使用権資産の当年度の変動に関する詳細については、注記21「土地建物および設備」を参照のこ
と。
使用権資産の認識に対応して、2021年12月31日(2020年12月31日)現在、当行グループは、帳簿価額40億ユーロ(40億ユー
ロ)のリース債務を貸借対照表のその他の負債に計上した。2021年12月31日現在、当該リース債務には、2011年12月1日にセー
ル・アンド・リースバックを実施したフランクフルト・アム・マインにあるグループ本社に関する将来のリース料の割引価額
495百万ユーロが含まれている。当該契約は、2021年度第4四半期に、2036年度末までの期限付で延長され、2つのリース延長選
択権(2つの期間は2046年度末までさらに5年)が含まれる。
2021年度および2020年度に、リース債務の合計に関して計上された利息費用は、それぞれ86百万ユーロおよび79百万ユーロ
である。これらの債務による割引前キャッシュ・フローの契約上の期限は、注記31「金融負債の契約上最も早い割引前キャッ
シュ・フローの期限分析」に記載されている。
2021年度(2020年度)に、当行グループがIFRS第16号に基づく認識の免除を適用することを決定した(これに伴い使用権資
産および対応するリース債務は貸借対照表に計上しない)短期リースおよび少額資産のリースに関連して、それぞれ2百万ユー
ロ(7百万ユーロ)および0百万ユーロ(2百万ユーロ)の費用が認識された。
2021年度(2020年度)に使用権資産のサブリースによって計上した収益は、合計34百万ユーロ(24百万ユーロ)である。
2021年度(2020年度)のリースに係るキャッシュ・アウトフローの合計は767百万ユーロ(729百万ユーロ)であり、主とし
て不動産賃貸に関する費用754百万ユーロ(708百万ユーロ)である。このキャッシュ・アウトフロー合計額のうち、679百万
ユーロ(653百万ユーロ)はリース債務の元本部分に対する支払額であり、87百万ユーロ(77百万ユーロ)は利息部分に対する
ものであった。
当行グループが借手として負担する可能性のある将来のキャッシュ・アウトフローの合計は、リース債務の測定に反映され
ておらず、主に延長オプションから生じる潜在的支払エクスポージャー(2021年度:53億ユーロ)および開始前であるが当行
が確約している将来のリース料(2021年度:11億ユーロ)を含んでいる。これらの予想残存期間は、以下の表に記載されてい
る。
リース債務の測定に反映されていない、当行グループが負担する可能性のある将来のキャッシュ・アウトフロー
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
リース債務に反映されていない将来のキャッシュ・アウト
フロー:
1年以内 10 50
1年超5年以内 539 791
5年超 5,849 5,097
リース債務に反映されていない将来のキャッシュ・アウト
6,398 5,938
フロー
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23 -
のれんおよびその他の無形資産
のれん
のれんの変動
2021年12月31日および2020年12月31日終了年度におけるのれんの帳簿価額の変動ならびにのれんの総額および減損損失累計
額を資金生成単位(以下「CGU」という。)別に以下に示している。
当行グループの事業活動は以下の部門構成で編成されている。コーポレート・バンク(以下「CB」という。)、コーポレー
ト部門であるインベストメント・バンク(以下「IB」という。)、プライベート・バンク(以下「PB」という。)およびア
セット・マネジメント(以下「AM」という。)を含むコア・バンクと、キャピタル・リリース・ユニット(以下「CRU」とい
う。)である。CB、IB、PBおよびAMの各コーポレート部門ならびにCRUはそれぞれ現金生成単位(CGU)とみなされる。
表示およびセグメント開示の変更に関する詳細については、注記04「事業セグメントおよび関連情報」を参照のこと。
資金生成単位に配分されたのれん
インベスト アセット・
メント・バ コーポレー マネジメン プライベー
単位:百万ユーロ
ンク ト・バンク ト ト・バンク 合計
2020 年1月1日現在残高 0 0 2,881 0 2,881
期中に取得したのれん 0 0 0 0 0
パーチェス法による会計処理の調整額 0 0 0 0 0
振替 0 0 0 0 0
「売却目的保有」からの/(への)分類変更 0 0 0 0 0
「売却目的保有」に分類されない処分に関連する
0 0 0 0 0
のれん
1
減損損失
0 0 0 0 0
為替レートの変動/その他 0 0 -142 0 -142
2020 年12月31日現在残高 0 0 2,739 0 2,739
のれんの総額 3,608 569 3,197 3,698 11,073
減損損失累計額 -3,608 -569 -458 -3,698 -8,334
2021 年1月1日現在残高 0 0 2,739 0 2,739
期中に取得したのれん 0 5 0 0 5
パーチェス法による会計処理の調整額 0 0 0 0 0
振替 0 0 0 0 0
「売却目的保有」からの/(への)分類変更 0 0 -56 0 -56
「売却目的保有」に分類されない処分に関連する
0 0 0 0 0
のれん
1
減損損失
0 -5 0 0 -5
為替レートの変動/その他 0 0 123 0 123
2021 年12月31日現在残高 0 0 2,806 0 2,806
のれんの総額 3,854 602 3,295 3,716 11,467
減損損失累計額 -3,854 -602 -489 -3,716 -8,662
1 のれんの減損損失は、損益計算書においてのれんおよびその他の無形資産の減損として計上されている。
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2021年度におけるのれんの変動は主に、DWSのデジタル投資プラットフォームをBlackFinとの合弁事業に指定売却したことに
伴う、AMののれん56百万ユーロの売却目的保有資産への分類変更が含まれている(注記24を参照のこと)。決済サービス・プ
ロバイダー(Better Payment Germany GmbH)を2021年9月に取得したことに伴い、取得原価の配分を実施した結果、当行グ
ループはCBのCGUに配分された5百万ユーロののれんを当初認識した(注記03を参照のこと)。その後、CBのCGUの帳簿価額に対
する回収可能価額の継続的な不足額を個別に評価した結果、新たに認識したのれんは減損しているとみなされ、2021年度中に
全額償却された。
2020年度におけるのれんの変動は、当行グループの通貨以外の通貨で保有されているAMののれんの外国為替レートの変動のみ
に関連している。
2019年度におけるのれんの変動は、主に当行グループの事業およびその再編に関する改革の施策によるものである。マクロ経
済の要因に対する調整および前述の改革の準備における戦略的決定の影響の両方により、事業計画の見通しが引き下げられた
影響を受けて、2019年度第2四半期に、当行グループは当時の組織体制におけるCGUの回収可能価額の見直しを実施した。この
見直しによって、旧プライベート・アンド・コマーシャル・バンク(以下「PCB」という。) コーポレート部門 内のWMおよび旧
コーポレート・アンド・インベストメント・バンク(以下「CIB」という。)コーポレート部門内のGTB & CFの当時の各CGUの
帳簿価額について、回収可能価額が減少した。
WM事業の回収可能価額は約19億ユーロであったが、金利カーブを含むマクロ経済の仮定が悪化し、全世界のWM事業で業界固有
の市場成長が修正されたことを主因として、旧CGUのWMののれん(545百万ユーロ)が減損し、全額を一括償却すべきという結
論となった。旧CGUのGTB & CF事業の回収可能価額は約102億ユーロであり、割り当てられたのれん(491百万ユーロ)が全額減
損処理された。これは主にコーポレート・ファイナンスにおける業界の不利な流れと、金利カーブを含むマクロ経済の仮定に
対する調整によるものである。2019年度第2四半期において、のれんおよびその他の無形資産に関する減損費用が合計で10億
ユーロ計上され、セグメント別経営成績としては、プライベート・バンク(ここではWMのCGUに545百万ユーロ)およびコーポ
レート・バンク(491百万ユーロ)にそれぞれ計上された。
のれんの減損テスト
減損テストの目的上、企業結合で取得したのれんはCGUに配分される。注記01「重要な会計方針および重要な会計上の見積
り」の記載に基づき、当行グループの主要なCGUは、前述のとおりとなる。のれんについては年に1度、第4四半期に、のれんが
計上された各CGUの回収可能価額と帳簿価額を比較することにより減損テストを行う。加えて、当行グループは、トリガー・イ
ベントを識別した場合にはいつでも、IAS第36号に従ってのれんをテストする。回収可能価額は、CGUの処分コスト控除後の公
正価値と使用価値のいずれか高い方の金額である。
2019年度第2四半期に前述の旧GTB & CFのCGUののれんが償却されたことと、2019年度第3四半期に計上された非統合の子会社
の売却に伴い売却目的に分離したのれんの認識が中止されたことに伴い、のれんが計上されたCGUのうち、2019年度、2020年度
および2021年度に年に1度の減損テストが実施されたのはAMのCGUのみであった。これらの期間におけるのれんの年次減損テス
トの結果、AMのCGUの回収可能価額がそれぞれの帳簿価額を上回っていたため、当行グループの主要なCGUののれんの減損損失
は発生しなかった。
当行グループの戦略または銀行業界における一部の政治リスクもしくはグローバル・リスク、既に採択されている規制の実
施および既に議論されている法律の導入に関する不確実性に関するレビューにより将来のれんの減損が生じる可能性がある。
帳簿価額
主要なCGUの帳簿価額は、当行グループの株主資本配分フレームワークに基づく資本配分モデルを使用して算出される(詳細
については注記04「事業セグメントおよび関連情報」を参照。)。この配分では、評価日時点の当行グループの資本合計が用
いられる。これには、ドイツ銀行の無担保劣後債で構成され、IFRSに準拠して追加的な資本の構成要素に分類されるその他
Tier 1ノート(以下「AT1ノート」という。)が含まれる。資本合計は、非支配持分に帰属するのれんの追加調整について修正
される。
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回収可能価額
当行グループは、使用価値と売却コスト控除後の公正価値(公正価値のヒエラルキーのレベル3)の高い方に基づき主要な
CGUの回収可能価額を決定している。当行グループは、銀行業務およびその規制環境の特性を反映する割引キャッシュ・フロー
(DCF)モデルを用いている。このモデルでは、それぞれの所要規制自己資本を満たした後に株主に分配される見積将来収益の
現在価値を計算する。当該回収可能価額は、AT1ノートの公正価値も含んでおり、帳簿価額の処理と一貫して主要なCGUに配分
されている。
DCFモデルは、財務5ヶ年計画に基づく収益予測およびそれぞれの資本化の仮定、ならびに規制の展開による影響に関するよ
り長期間な予想を使用するが、これらは現在価値に割引かれる。将来の収益および所要自己資本の見積りには、過去および現
在の業績ならびに各市場、マクロ経済および規制環境全体における発展予想の判断および検討が含まれる。当初の5年間を超え
る収益予測は、適宜、持続可能な水準を算定するために修正される。継続企業の場合、AMのCGUの資本に対するキャッシュ・フ
ローは、2.7%を上限(2020年度:3.1%を上限)とする一定の長期成長率により増加するか、またはそれへ収斂すると仮定さ
れる。これは、CGUの収益見通し、ならびに国内総生産およびインフレ率の推移予想に基づくもので、残存価値に取り込まれ
る。
主要な仮定および感応度
主要な仮定: CGUのDCF価値は、損益予測、適用される割引率(資本コスト)、また、比較的に範囲は少ないが、長期成長率の
影響を受ける。適用される割引率は、資本資産価格決定モデルに基づき決定され、リスク・フリー利子率、マーケット・リス
ク・プレミアムおよびシステマティック・マーケット・リスクをカバーする値(ベータ値)で構成される。リスク・フリー利
子率、マーケット・リスク・プレミアムおよびベータ値の値は、外部の情報源を使用して決定される。CGUに特有のベータ値
は、それぞれの同業他社グループに基づき決定される。これらのすべての構成要素の変動は、割引率の計算に影響を与える可
能性がある。AMのCGUに関して、2021年度および2020年度に適用された割引率(税引後)は、それぞれ9.1%および9.8%であっ
た。
経営陣は、内部分析および外部分析の組合せに基づき以下の表の主要な仮定における値を決定した。効率化およびコスト削減
プログラムに関する見積りは、現在までの進捗ならびに予定されている将来のプロジェクトおよびイニシアチブに基づいてい
る。
のれんを含む主な
主要な仮定に関連した不確実性およびマイナ
資金生成単位 主要な仮定の説明 スの影響を及ぼし得る潜在的な事象/状況
-投資商品の好調な業績の達成。 -当行グループの投資戦略にとって不利な厳
-非中核事業戦略を統合しつつ、成長分野 しい市場環境とボラティリティ。
(オルタナティブ、マルチ・アセット、 -主要な市場および商品における不利なマー
パッシブ投資、ESG投資スキーム等)にお ジンの変動と、予想を超える不利な競争水
いて商品構成を拡大する。 準。
-ドイツおよび欧州諸国における市場シェア -ビジネス・リスク/実行リスク(例えば、
のリーダーシップを利用して資金フロー 市場の不確実性による資金フロー(純額)
(純額)を着実に増加させつつ、アジア/ 目標の未達成、優秀な顧客対応スタッフの
アセット・マネジメ
太平洋における拡大と米州における成長に 喪失、不利な投資パフォーマンス、効率化
注力。 が予想を下回ること)。
ント
-仲介業務の資産を高成長チャネルへ分散化 -規制を取り巻く不確実性、および未だ予測
し、新チャネルに利用するためデジタル・ されていない、当該不確実性による潜在的
ソリューションを取り入れる。 な影響。
-中核となる業務プロセスの改善、プラット
フォーム最適化および商品の合理化を通じ
た更なる効率化。
-規制環境の変化が資産運用業界への一層の
逆風となる予想。
感応度 :回収可能価額の回復力を測るため、DCFモデルに使用される主要な仮定(割引率および収益予想等)の感応度が測定さ
れる。経営陣は合理的かつ可能性のある主要な仮定の変更がAMに減損損失を発生させる可能性があると考えている。現在、AM
の回収可能価額は帳簿価額を32%(21億ユーロ)超過している。
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回収可能価額を帳簿価額に合わせるための特定の主要な仮定の変更
主要な仮定の変更 AM
割引率(税引後)の上昇
変更前 9.1%
変更後 11.3%
各期間に予想される将来の収益の変更 21.1%
長期成長率 N/M
N/M -0%の率は帳簿価額を超える回収可能価額となる可能性があるため、表記するに値しない。
その他の無形資産
2021 年12月31日および2020年12月31日終了年度におけるその他の無形資産の資産クラス別の変動
その他の
内部生成
購入した無形資産 無形資産
無形資産
合計
償却対象
償却対象とならない 償却対象となる
となる
償却対象 償却対象
ソフト
とならな となる
契約に ウェア
い購入し
購入した
た無形 基づく および
小口投資 顧客関連 無形資産 ソフト
単位:百万ユーロ 運用契約 その他 資産合計 無形資産 無形資産 その他 合計 ウェア
取得原価/製造原価:
2020 年1月1日現在残高 1,030 442 1,472 1,403 70 625 2,098 7,512 11,082
増加 0 0 0 5 0 138 143 911 1,054
連結会社グループの変動 0 0 0 0 0 0 0 0 0
処分 0 0 0 0 0 5 5 390 394
「売却目的保有」からの
0 0 0 0 0 -37 -37 -9 -46
(への)分類変更
振替 0 0 0 0 0 60 60 21 81
為替レートの変動 -85 -1 -86 -53 0 -2 -55 -136 -277
2020 年12月31日現在残高 945 441 1,386 1,356 70 778 2,204 7,910 11,499
増加 0 0 0 13 0 22 35 1,106 1,141
連結会社グループの変動 0 0 0 0 0 0 0 5 4
処分 0 0 0 0 0 12 12 86 98
「売却目的保有」からの
0 0 0 0 0 0 0 -40 -40
(への)分類変更
振替 0 0 0 -5 0 0 -5 -1 -6
為替レートの変動 71 1 72 34 0 1 35 125 231
2021 年12月31日現在残高 1,017 440 1,457 1,398 70 789 2,257 9,018 12,732
償却および減損累計額:
2020 年1月1日現在残高 260 440 700 1,384 70 528 1,982 4,254 6,935
1
1,040
当期の償却 0 0 0 8 0 37 45 994
連結会社グループの変動 0 0 0 0 0 0 0 0 0
処分 0 0 0 0 0 3 3 385 388
「売却目的保有」からの
0 0 0 0 0 -33 -33 -8 -41
(への)分類変更
2
51
減損損失 0 0 0 0 0 0 0 50
3
2
減損損失の戻入 0 0 0 0 0 0 0 2
振替 0 0 0 0 0 106 106 -22 84
為替レートの変動 -22 0 -22 -52 0 -2 -54 -88 -165
2020 年12月31日現在残高 239 439 678 1,340 70 633 2,043 4,793 7,513
4
1,017
当期の償却 0 0 0 6 0 37 43 974
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連結会社グループの変動 0 0 0 0 0 0 0 0 -1
処分 0 0 0 0 0 12 12 85 97
「売却目的保有」からの
0 0 0 0 0 0 0 -9 -9
(への)分類変更
5
152
減損損失 0 0 0 3 0 0 3 149
減損損失の戻入 0 0 0 0 0 0 0 0 0
振替 0 0 0 0 0 3 3 0 2
為替レートの変動 18 0 18 34 0 1 35 83 136
2021 年12月31日現在残高 257 439 696 1,383 70 662 2,115 5,904 8,714
帳簿価額:
2020 年12月31日現在残高 706 2 708 16 0 145 161 3,117 3,986
2021 年12月31日現在残高 760 1 761 15 0 128 143 3,114 4,018
1 10億ユーロは、一般管理費に含まれていた。
2 51百万ユーロは、主に内部開発したソフトウェアの減損から成り、一般管理費に計上されていた。
3 2百万ユーロは、内部開発したソフトウェアの減損の戻入から成り、一般管理費に計上されていた。
4 10億ユーロは、一般管理費に含まれていた。
5 152百万ユーロは、内部開発したソフトウェアの減損(149百万ユーロ)および顧客関連無形資産の減損(3百万ユーロ)から成り、いずれ
も一般管理費に計上される。
償却対象となる無形資産
2021年度において、償却対象となるその他の無形資産はほぼ変動はなく、若干の減少で21百万ユーロ減少した。これは、10億
ユーロの償却費によるものであり、その多くが資産計上されたソフトウェアに関する予定された使用(10億ユーロ)と、現在
の基盤ソフトウェアおよび構築中のソフトウェアの減損(149百万ユーロ)を反映している。改革戦略に関する影響についての
詳細は、注記45「ドイツ銀行の改革の影響」に記載されている。当行グループが内部利用目的のソフトウェアの開発に伴って
発生した費用を内部開発無形資産として資産計上したことによる11億ユーロのプラスで純帳簿価額の減少が相殺された。ユー
ロの為替レートが主要通貨に対して下落したことに伴い、42百万ユーロの為替レートのプラスの変動が生じた。
2020年度において、償却対象となるその他の無形資産は161百万ユーロ減少した。これは、10億ユーロの償却費によるもので
あり、その多くが資産計上されたソフトウェアに関する予定された使用(10億ユーロ)と、現在の基盤ソフトウェアおよび構
築中のソフトウェアの減損(50百万ユーロ)であった。当行グループが内部利用目的のソフトウェアの開発に伴って発生した
費用を内部開発無形資産として資産計上したことによる11億ユーロのプラスで純帳簿価額の減少が相殺された。ユーロの為替
レートが主要通貨に対して上昇したことに伴い、112百万ユーロの為替レートのマイナスの変動が生じた。
2019年度において、償却対象となるその他の無形資産は純額で11億ユーロ減少した。これは主に、13億ユーロの償却費による
ものであり、その多くが資産計上されたソフトウェアに関する予定された使用(12億ユーロ)と、現在の基盤ソフトウェアお
よび構築中のソフトウェアの減損(937百万ユーロ)であった。これらは、当行グループが内部利用目的のソフトウェアの開発
に伴って発生した費用を内部開発無形資産として資産計上したことによる10億ユーロのプラスで相殺された。さらに、ユーロ
が主要通貨に対して弱くなったことに伴い、26百万ユーロの為替レートのプラスの変動が生じた。
耐用年数を確定できるその他の無形資産は通常、その耐用年数にわたり定額法によって償却される。
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資産クラス別のその他の償却対象となる無形資産の耐用年数
耐用年数
内部生成無形資産:
ソフトウェア 10年以内
購入した無形資産:
顧客関連無形資産 20年以内
その他 10年以内
償却対象とならない無形資産
当行グループは、この資産クラス内に、耐用年数が確定できないとみなされている、特定の契約に基づく無形資産および
マーケティング関連の無形資産を認識している。
具体的には、当該資産クラスは小口投資信託に関連する投資運用契約(詳細は以下に記載。)および特定の商標権から構成
されている。これらの無形資産に特有の性質により、市場価格は通常観察可能でないため、当行グループはこれらの資産をイ
ンカム・アプローチに基づき、税引後DCF法を使用して評価している。
小口投資運用契約: 当該資産は、合計760百万ユーロであり、当行グループの米国の小口投資信託業務に関連しており、AMの
CGUに配分されている。小口投資運用契約は、特定期間において様々な投資信託を管理する独占権をAMに与える契約である。こ
れらの契約は容易に更新可能であり、更新費用が少額であり、更新を行ってきた長い歴史があるため、これらの契約は予見可
能な契約期間の制限を有すると見込まれていない。そのため、管理下の関連資産を管理する権利は、無期限にキャッシュ・フ
ローを生成すると見込まれている。この無形資産は、2002年度におけるZurich Scudder Investments, Inc.の取得日現在の第
三者による評価に基づく公正価値で計上された。
回収可能価額は、複数期間超過収益法を使用して処分コスト控除後の公正価値として計算され、公正価値測定は公正価値ヒ
エラルキーのレベル3に分類された。当該回収可能価額は、基本的に帳簿価額と同じである。処分コスト控除後の公正価値を決
定する上での主要な仮定には、資産ミックス、フロー予測、実効手数料率、割引率および残存価額成長率が含まれる。算出に
適用された割引率(資本コスト)は、2021年度において9.8%(2020年度において10.3%)であった。2021年度に適用された残
存価額成長率は、4.1%(2020年度:4.1%)であった。2021年度および2020年度において、評価の見直しの結果、減損も過年
度の減損の戻入も生じなかった。
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24 -
売却目的保有の非流動資産および処分グループ
売却目的保有の非流動資産および処分グループは、貸借対照表上のその他の資産およびその他の負債に含まれている。
2021 年 2020 年
単位:百万ユーロ 12 月31日現在 12 月31日現在
現金および銀行預け金 6 0
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 0 6,086
土地建物および設備 9 11
のれんおよびその他の無形資産 88 0
その他の資産 296 0
売却目的保有に分類された資産合計 398 6,097
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 0 2,000
その他の負債 252 7,850
売却目的保有に分類された負債合計 252 9,850
2021年12月31日および2020年12月31日現在、売却目的保有として分類される非流動資産に関連して、その他の包括利益(損
失)累計額(税引後)に直接認識された未実現利得(損失)はなかった。
デジタル投資プラットフォームIKSの最大の可能性を解き放つためのDWSとBlackFinの提携
2021年9月、DWS Group(以下「DWS」という。)とBlackFin Capital Partners(以下「BlackFin」という。)は、包括的なデ
ジタル投資ソリューションとサービスを販売パートナー、機関投資家およびリテール顧客に提供するデジタル投資プラット
フォームをプラットフォーム・エコシステムへと共同で展開するための長期的な戦略パートナーシップに合意した。DWSはデジ
タル投資プラットフォームをBlackFinとの共同支配企業に移転し、30%の持分を保有することに合意した。2021年12月31日現
在、当行グループは、当該パートナーシップに関連する資産および負債を、アセット・マネジメントにおける売却目的保有の
処分グループとして分類した。これらの資産および負債の帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で再測
定することによる減損損失は認識されなかった。当該取引は2022年度下半期に完了する見込みである。
グローバル・プライム・ファイナンスおよび電子株式トレーディングのプラットフォームのBNPパリバへの移転完了
2019年7月7日に発表された当行グループの戦略的変革および再編計画の一環として、ドイツ銀行の取締役会は、セールス/ト
レーディング(株式)業務から撤退することについて発表した。これに関連して、ドイツ銀行は、プライム・ファイナンスお
よび株式電子トレーディングの顧客に対するサービスを継続するため、テクノロジーおよび従業員を今後移転していくことを
視野に、BNPパリバS.A.(以下「BNPパリバ」という。)との間で契約を締結し、顧客がBNPパリバに移管されるまで、当該プ
ラットフォームの運用を継続することとなり、収益はBNPパリバに移転され、一部の費用はドイツ銀行に返金される。2019年11
月14日、BNPパリバおよびドイツ銀行は、各事業からBNPパリバへ顧客を移し、テクノロジーおよび主要な従業員を移転する契
約に必要な承認を取得したことから、契約の効力が発生したとみなされると発表した。収益の移転および費用の払戻しに関す
る契約は2019年12月1日付で効力が発生した。その結果、2019年度第4四半期において、取引の事業基盤を形成する資産(50億
ユーロ)および負債(96億ユーロ)は、キャピタル・リリース・ユニット(CRU)の売却目的保有の資産および負債に分類され
た。2020年12月31日現在、処分グループは、それぞれ61億ユーロおよび99億ユーロの資産および負債から成る。
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当行グループとBNPパリバは2022年1月5日に、ドイツ銀行のグローバル・プライム・ファイナンスおよび電子株式トレーディ
ング事業の顧客、テクノロジーおよび主要な従業員のBNPパリバへの移転が、目標としていたスケジュール通りの2021年度末ま
でに成功裏に完了したことを発表した。これにより、ドイツ銀行は継続中の改革における重要なマイルストーンを達成した。
イタリアの金融アドバイザー・ネットワークのZurich Italyへの売却の合意
2021年8月、ドイツ銀行とZurich Insurance Group Italy(以下「Zurich Italy」という。)は、Zurich Italyによるイタリ
アのドイツ銀行の金融アドバイザー・ネットワークの取得に合意した。当該取引は、実質的に規制当局の承認待ちであるた
め、2021年度末現在において売却目的保有の処分グループとして分類されていない。完了は2022年度下半期に見込まれてい
る。
2020 年度における処分
1
財務上の影響
部門 処分 処分日
インフラストラクチャ 2020年11月9日、ドイツ銀行は、その子会社であ 税引前の影響額マイナス120百 2020年度
るPostbank Systems AG(同社の約1,500名の従業 万ユーロが2020年度第4四半期 第4四半期
にその他の収益(マイナス104
員を含む。)のTata Consultancy Services
百万ユーロ)および利息以外の
(TCS)への売却を発表した。2020年度第4四半期
費用(マイナス16百万ユーロ)
に、すべての完了条件を充足したことを受けて、
に計上された。
TCSはPostbank Systems AGを取得し、これによ
り、当該子会社は2020年度末に連結対象から除外
された。
1 減損損失およびその戻入は、その他の収益に含まれている。
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25 -
その他の資産およびその他の負債
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
ブローカー業務および有価証券に関連する債権
未収金/未収委託証拠金 48,675 58,714
プライム・ブローカレッジ業務に係る債権 5 41
決済日経過の未決済有価証券取引 3,579 2,752
未決済の通常取引に係る受取債権 19,236 13,057
ブローカー業務および有価証券に関連する債権合計 71,495 74,564
回収のために保有する負債性有価証券 14,800 12,587
未収利息 2,084 1,656
売却目的保有資産 398 6,097
その他 15,008 15,495
その他の資産合計 103,785 110,399
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
ブローカー業務および有価証券に関連する債務
未払金/未払委託証拠金 52,875 66,259
プライム・ブローカレッジ業務に係る債務 583 271
決済日経過の未決済有価証券取引 1,549 1,612
未決済の通常取引に係る支払債務 15,158 11,668
ブローカー業務および有価証券に関連する債務合計 70,165 79,810
未払利息 1,625 1,740
売却目的保有負債 252 9,850
リース負債 3,965 3,974
その他 21,789 18,834
その他の負債合計 97,796 114,208
売却目的保有資産および負債に関する更なる詳細については、注記24「売却目的保有の非流動資産および処分グループ」を
参照のこと。
26 -
預金
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
無利息要求払預金 225,782 220,646
利付預金
要求払預金 167,590 154,790
定期預金 122,478 106,551
貯蓄預金 87,901 86,044
利付預金合計 377,969 347,385
預金合計 603,750 568,031
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27 -
引当金
引当金の種類別の変動
オペレー
ショナル・
1
合計
単位:百万ユーロ リスク 民事訴訟 規制執行 再構築 その他
2020 年1月1日現在残高 119 544 543 684 384 2,276
連結会社グループの変動 0 0 -0 -0 -3 -4
新規繰入額 20 107 183 553 505 1,368
取崩額 11 182 165 641 401 1,400
戻入額 39 106 27 105 84 361
為替レート変動の影響/割引の解消 0 -9 -41 4 -15 -60
振替 -0 0 -1 181 8 189
2020 年12月31日現在残高 89 355 492 676 396 2,007
連結会社グループの変動 0 0 0 0 2 2
新規繰入額 62 475 110 302 641 1,590
取崩額 2 112 113 339 470 1,036
戻入額 106 78 40 58 151 434
為替レート変動の影響/割引の解消 0 6 26 1 7 40
振替 -0 -1 0 -0 24 22
2021 年12月31日現在残高 42 644 475 582 448 2,192
1 連結貸借対照表に開示されている引当金の残りの部分に関しては、オフバランス信用損失引当金が開示されている注記19「信用損失引当
金」を参照のこと。
引当金の種類
オペレーショナル・リスク 引当金は、オペレーショナル・リスクから発生するが、引当金として独立掲記される民事訴訟引当
金および規制執行引当金は除かれる。オペレーショナル・リスクは、内部手続、人員およびシステムが不十分である、もしく
は機能していないこと、または外部の事象によって生じる損失のリスクである。オペレーショナル・リスク引当金を算定する
目的で使用される定義は、民事訴訟および規制執行案件により発生する損失リスクが除外されることからリスク管理の定義と
は異なる。リスク管理目的上のオペレーショナル・リスクには、民事訴訟または規制執行案件における顧客、相手先および規
制機関への支払いが営業上の欠陥に係る損失事象に相当する場合は法的リスクが含まれるが、ビジネス・リスクおよび風評リ
スクは含まれない。
民事訴訟 引当金は、民事訴訟において顧客、相手先またはその他の当事者からの請求が生じている、またはその可能性がある
ような、契約不履行または他の法的もしくは規制上の責任の不履行を主張する現在または潜在的な請求や手続から発生する。
規制執行 引当金は、政府規制当局、自主規制機関またはその他の執行機関による罰金または違約金の査定が生じている、また
はその可能性があるような、法的または規制上の責任の不履行を主張する現在または潜在的な請求や手続から発生する。
再構築 引当金は、再構築活動から発生する。当行グループは、今後数年にわたり、コスト、重複および複雑性の大幅な削減を
進めることで、長期的な競争力の強化を目指している。詳細については注記10「再構築」を参照のこと。
その他 の引当金には、貸出手数料の払戻しに対する引当金、繰延販売手数料、銀行税に対する引当金およびモーゲージ買戻し
請求を含む、様々な異なる環境から発生するいくつかの特定の項目が含まれている。
引当金および偶発負債
当行グループは、過去の事象から発生した現在の債務が存在し、当該債務により経済的流出が発生する可能性が高く、か
つ、当該債務を信頼性をもって見積ることが可能な場合にのみ、潜在的損失に対する引当金を認識する。かかる債務を信頼性
をもって見積ることが不可能な場合、引当金は認識されず、当該債務は偶発負債とみなされる。偶発負債はまた、将来の経済
的流出の可能性が「ほとんどない」よりも高いが「高い」よりも低い、潜在的債務を含んでいる。特定の請求に対して引当金
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が設定されている場合、偶発負債は計上されない。ただし、複数の請求から成る案件もしくは一連の案件については、請求に
対して引当金が計上される場合もあれば、偶発負債が計上される場合もある(または引当金も偶発負債も計上されない場合も
あ る。)。
当行グループは、当行グループを重要な訴訟リスクにさらす法的および規制環境において営業活動を行っている。このた
め、当行グループは、ドイツおよび、米国を含むドイツ以外の多くの法域において、訴訟、仲裁ならびに規制上の手続および
調査に関わっている。近年、多くの地域で規制と監督が強化され、規制機関、政府機関およびその他は金融サービス提供者に
対し、強化された監督および調査に従うことを求めている。このことから追加的な規制上の調査および執行措置が発生し、民
事訴訟が提起されることも多い。
どの請求が損失の可能性が「高い」、または「高い」よりも低いが「ほとんどない」よりも高いかを判断し、次に、そうし
た請求に関して発生する可能性のある損失を見積るに当たり、当行グループは複数の要素を考慮する。これらの要素には、請
求の性質およびその基礎となる事実、個々の問題の判決に至るまでの経過および訴訟経緯、裁判所や他の裁決機関による判
決、類似の案件における当行グループの経験および他社の経験(当行グループが把握している範囲で)、過去の和解協議、類
似の案件における他社による和解(当行グループが把握している範囲で)、利用可能な補償、ならびに弁護士およびその他の
専門家の意見および見解が含まれるが、これらに限定されない。
2021年12月31日および2020年12月31日現在、当行グループが民事訴訟および規制執行案件について認識している引当金は、
上表に記載されている。当行グループが資金の流出の可能性が高いと考える一部の案件について、当行グループは潜在的な流
出の金額を信頼性をもって見積ることが不可能であったため、引当金を認識していない。
信頼性の高い見積りが可能な案件について、当行グループは、2021年12月31日現在、可能性が「ほとんどない」よりは高い
が「高い」よりも低い将来損失の合計は、民事訴訟案件については約17億ユーロ(2020年12月31日:21億ユーロ)、規制執行
案件については1億ユーロ(2020年12月31日:2億ユーロ)になると見積っている。これらの数値は、当行グループの潜在的負
債が連帯負債である案件、およびかかる負債が第三者によって支払われると当行グループが予想する案件を含んでいる。その
他の重要な民事訴訟および規制執行案件について、当行グループは、資金の流出の可能性が「ほとんどない」より高いが「高
い」よりも低いものの、その金額を信頼性をもって見積ることは不可能であると考えており、このため、かかる案件を偶発負
債の見積りに含めていない。さらに、その他の重要な民事訴訟および規制執行案件について、当行グループは、資金の流出の
可能性は「ほとんどない」と考えており、そのため、引当金を認識しておらず、偶発負債の見積りにも含めてもいない。
当該発生可能性のある損失の見積額、および引当金額は、現在入手可能な情報に基づいており、重要な判断ならびに様々な
仮定、変数および既知/未知の不確実性に左右される。こうした不確実性には、(特に問題の初期段階において)当行グルー
プが入手可能な情報の不正確性や不完全性が含まれ、裁判所や他の裁決機関による将来の判決または規制機関や訴訟相手によ
る可能性の高い訴訟や見解に関する当行グループの仮定が誤りである可能性がある。さらに、これらの問題に関する可能性の
ある損失の見積りには、判断および見積りを行う際によく使用される統計的または他の定量的な分析ツールの使用を適用でき
ない場合が多く、当行グループの判断および見積りを要する他の多くの領域と比較してより一層大きな不確実性にさらされて
いる。可能性のある損失の見積額は、設定される引当金と同様に、規制当局または訴訟相手により当初求められる金額よりも
大幅に少なくなる可能性があり、また少なくなることが多い。あるいは、発生する可能性のある潜在的最大損失は、当行グ
ループに不利な最終判決をもたらす案件に関するものであった。さらに、当行グループが事業を行ういくつかの法域におい
て、訴訟相手は求める金額を表明するよう要求されないことが多く、要求される場合でも、金額には通常の申立における事実
の主張または法的請求に適用される同様の要件が適用されない可能性がある。
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将来損失の可能性が「ほとんどない」よりも高いと当行グループが判断する問題、ならびに信頼性の高い見積りが可能な問
題およびそうした問題に関する可能性のある損失の見積額は、時々変化する。そうした見積りが行われた問題において、実際
の結果は、可能性のある損失の見積額と大幅に異なる場合がある。加えて、損失の可能性は「ほとんどない」と当行グループ
が考えていた問題において、損失が発生する可能性もある。とりわけ、可能性のある損失の見積総額は、それらの問題に関す
る当行グループの潜在的最大損失エクスポージャーを表していない。
当行グループは、最終判決や法的責任の決定の前に訴訟や規制上の手続または調査を解決する場合がある。当行グループ
は、(当行グループが法的責任に対する有効な抗弁を有すると信じる場合であっても)法的責任に係る争いを継続することに
よるコスト、経営努力、またはビジネス上、規制上もしくは評判上のマイナスの結果を回避する目的で、そうする場合があ
る。さらに、勝利できないことによる潜在的な結果が解決コストとは不釣合いな場合に、そうする場合がある。当行グループ
は、同様の理由により、法的にそうせざるを得ない状況ではないと当行グループが信じる状況においても、相手先に損失を払
い戻しすることがある。
現在の個別の訴訟
以下は、当行グループが重要な引当金を計上している、または重大な偶発負債の可能性が「ほとんどない」よりも高い、ま
たは重要な事業リスクもしくは評判リスクの可能性がある民事訴訟および規制執行案件(または一連の案件)に関する記載で
あり、類似した案件は統合され、一部の案件は数件の訴訟または請求から成る。開示された案件には、損失の可能性が「ほと
んどない」よりも高いが、当行グループが可能性のある損失を信頼性をもって見積ることができない案件が含まれる。一連の
案件は、当行グループがそれぞれについて使用している表題に基づき、英語のアルファベット順に表示されている。
過去のコルレス銀行関係を含むマネーロンダリング防止事項
ドイツ銀行は、Danske Bankを含む特定の過去のコルレス銀行関係に関して、政府当局から情報要請を受け取っている。ドイ
ツ銀行は捜査当局に対し、情報提供または協力を行っている。当行は法律、規制または方針の違反が発生していたか否か、お
よび関連する内部統制環境の有効性を含め、2015年にDanske Bankエストニア支店とのコルレス銀行関係を停止する以前に当行
が同支店の顧客のために行った過去の処理に注力した内部調査も完了している。
さらに、2019年9月24日および25日に、フランクフルトの区裁判所(Amtsgericht)が発行した捜査令状に基づき、フランク
フルトの検察庁(FPP)はDanske Bankのマネーロンダリングに関する疑わしい取引の報告に関連する調査を行った。2020年10
月13日、FPPは、マネーロンダリング疑惑を立証する十分な証拠が検出されなかったため、当該犯罪調査を終了した。しかしな
がら、当行はドイツで疑わしい取引の報告(SAR)を適時に提出しなかったことに関してFPPに13.5百万ユーロの過料を支払う
ことに合意し、ドイツ銀行はこれを2020年度第4四半期に支払った。
2020年7月7日、ニューヨーク州金融サービス局(DFS)は、ドイツ銀行の元3顧客であるDanske Bankエストニア支店、ジェフ
リー・エプスタインおよびFBME Bankとの関係に関連してドイツ銀行がニューヨーク州の銀行法に違反したと判断し、これら3
顧客との過去の関係に関連して150百万米ドルの民事制裁金を科すとの同意命令を出した。ドイツ銀行は2020年度第3四半期に
当該金額を支払った。
その他の調査は継続中である。
2020年7月15日、ドイツ銀行は、ニュージャージー州連邦地方裁判所に提訴された、当行がマネーロンダリング防止(AML)
統制の有効性と関連する是正措置に関して重要な虚偽記載を行ったと主張する証券集団訴訟の被告に指名された。訴状では、
当行とDanske Bankエストニア支店、ジェフリー・エプスタインおよびFBME Bankの関係に関連する、DFS同意命令で提起された
統制の不備に関する主張に言及している。2020年9月30日、原告は、当行によるAML統制の有効性に関する追加の主張を含む修
正訴状を提出した。2020年12月28日、裁判所は原告代表および主任弁護士を任命した。原告代表は2021年3月1日に第二修正訴
状を提出した。2021年4月23日、当行は当該訴訟を移送、または別の方法として、第二修正訴状を棄却する申立を行った。当該
申立の概要説明は2021年7月1日に完了した。
当行グループは、その他の調査および民事訴訟に関する引当金または偶発負債を設定していない。
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BGH 2021年4月27日、ドイツ連邦憲法裁判所(BGH)は、通知後、一定期間にわたり異議申立がない場合は顧客が同意したもの
とみなす当行の一般条件で使用されている特定の条項は、顧客( Verbraucher )との関係において無効であるとの判決を下し
た。当行グループは、2021年5月27日に当該判決の根拠書面を受領した。問題の条項は、ドイツの銀行業界では広く用いられて
いた。BGHは、いずれも消費者保護協会が提起した請求を却下した、ケルンの地方裁判所と高等地方裁判所の両者による以前の
判決を覆した。この判決の結果、この手数料変更条項に基づいて2018年以降に導入または増額された手数料は有効でない可能
性があり、顧客は各銀行手数料の返済を請求することができる。当行グループは本件に関し、2021年度第2四半期に訴訟損失引
当金として合計ベースで130百万ユーロを設定した。
Cum-ex に関する調査および訴訟 ドイツ銀行は顧客のCum-ex取引に関連して、法執行機関から情報および文書請求を含む照会
を受けている。「Cum-ex」とは、配当金に課される源泉所得税に関してドイツの税額控除または還付を得る目的で、配当金権
利確定日前後(配当金権利確定日前の取引日および権利確定日後の決済日)にドイツの株式を取引する活動を指す。この中に
は特に、同一の配当金支払いに関して、かかる控除または還付を請求する市場参加者が複数発生した取引構造が含まれる。ド
イツ銀行はこれらの案件について法執行機関に協力している。
2017年8月以降、ケルンの検察庁( Staatsanwaltschaft Köln 、以下「CPP」という。)は当行の特定の元顧客のCum-ex取引に
関連して、ドイツ銀行の2名の元従業員に関する犯罪調査を行っている。当該手続において、ドイツ銀行はドイツ行政犯罪法第
30条に基づく潜在的な二次的参加者となっている。当該手続により、不当利得の返還および罰金が発生する可能性がある。ド
イツ銀行はCPPに協力している。2019年5月末から6月初旬にかけて、CPPはドイツ銀行の現従業員および元従業員ならびに元取
締役5名に対して追加の犯罪調査を開始した。2020年7月に、CPPの調査資料の閲覧の過程において、ドイツ銀行は、CPPが2019
年6月に調査をさらに拡大し、元取締役1名と現取締役1名を含むドイツ銀行の現職員および元職員を調査対象に加えたことを
知った。この資料に記録されたこれらの個人に関する情報は極めて限定的であった。調査はまだ初期段階にあり、調査範囲が
さらに拡大する可能性がある。
2021年5月、ドイツ銀行は、Sal. Oppenheim jr. & Cie. AG & Co. KGaA(以下「Sal. Oppenheim」という。)の法的継続会
社であるDeutsche Oppenheim Family Office AG(以下「DOAG」という。)が受領した情報要請を通じて、CPPが特定されてい
ないSal. Oppenheimの元従業員に対するCum-ex取引に関連する犯罪調査を2021年度に開始したことを知った。DOAGは2021年9月
13日および10月15日に請求された情報を提供した。
ドイツ銀行は参加者であり、特に元カストディ顧客2社のCum-ex取引に関連し、これらの顧客の代理として電子還付手続
( elektronisches Datenträgerverfahren )を通じた源泉所得税の還付請求を申請していた。2018年2月、ドイツ銀行はドイツ
の連邦国税庁( Bundeszentralamt für Steuern 、以下「FTO」という。)から、元カストディ顧客1社に対して支払われた税還
付に関して約49百万ユーロの請求を受けた。ドイツ銀行は同額の正式な通知を受領する見込みである。2019年12月20日、ドイ
ツ銀行は、別の元カストディ顧客の代理で申請した税還付請求に関連して、2020年1月20日までに2.1百万ユーロを支払うよう
求める責任通知をFTOから受け取った。2020年、ドイツ銀行は請求された支払いを行い、当該責任通知に対して異議を申し立て
た。2020年12月3日、ドイツ銀行は2.1百万ユーロの責任通知に関する審理に関する別の書簡をFTOから受け取り、ドイツ銀行は
2021年4月16日に回答した。2021年7月28日、ドイツ銀行は、2016年に既に清算されていたドイツ銀行の顧客に対して送達され
ない可能性があるため、2019年12月付の修正された租税査定に関する通知は妥当な管理行為ではないとする書簡をFTOから受け
取った。同日、FTOはドイツ銀行に対し、別の責任通知を発行し、誤った納税証明書を発行したと主張した。第一回目の責任通
知に基づきドイツ銀行が支払った2.1百万ユーロは第二回目の責任通知でFTOにより相殺された。したがって、ドイツ銀行によ
るさらなる支払いは行われなかった。ドイツ銀行は2021年8月31日に第二回目の責任通知に異議を申し立て、2021年10月14日に
根拠を提出した。2021年11月9日、ドイツ銀行は本件に関するさらなる概要説明を提出した。
2018年2月26日付の書簡により、The Bank of New York Mellon SA/NV(以下「BNY」という。)は、BHF Asset Servicing
GmbH(以下「BAS」という。)および/またはFrankfurter Service Kapitalanlage-GmbH(現在の名称はBNY Mellon Service
Kapitalanlage-Gesellschaft mbH、以下「Service KAG」という。)に関して発生したCum-exに関連する可能性がある税金負債
について、ドイツ銀行に補償を求める意図があることを通知した。ドイツ銀行は、2010年度のSal. Oppenheim取得の一環とし
てBASおよびService KAGを取得し、同年BNYに売却していた。BNYは、潜在的な税金負債を120百万ユーロと見積もっている。
2020年11月および12月に、BNYの弁護士は、BNYおよび/または(特に)Service KAGが、2009年および2010年の特定の投資ファ
ンドによるCum-ex関連取引に関する見積額について、税務当局から通知を受け取ったことをドイツ銀行に通達した。BNYは当該
通知に意義を申し立てている。
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2019年2月6日、フランクフルト・アム・マインの地方裁判所( Landgericht )において、2007年から2011年の間に
M.M.Warburg & CO Gruppe GmbHおよびM.M. Warburg & CO (AG & Co.) KGaA(総称して「Warburg」という。)がドイツ銀行の
カストディ顧客との間で行ったCum-ex取引に関連して、Warburgによる請求がドイツ銀行に送達された。Warburgは2007年から
2011年にかけて行われた取引に関連するドイツの税金について、ドイツ銀行による補償を求めた。さらに、Warburgは、これら
の取引に関連する金額不確定の損害賠償を求めてた。2007年から2011年の間に受領した租税査定に関する通知に基づき、
Warburgは総額250百万ユーロ(うち、166百万ユーロは税金に関連し、84百万ユーロは利息に関連している。)を求めた。2020
年3月20日、同じ取引に関するCum-exの刑事裁判で2020年3月18日にボン地方裁判所が発行した刑事没収命令176百万ユーロ(う
ち、166百万ユーロは税金に関連し、10百万ユーロは利息に関連している。)に関連し、Warburgはドイツ銀行に対し、Warburg
に補償するよう請求した。2021年7月28日、ドイツ連邦通常裁判所(BGH)は、刑事没収を認めた。2020年9月23日、フランクフ
ルト地方裁判所は、Warburgには税債務者( Steuerschuldner )としての主たる責任があり、ドイツ銀行からの支払いを要求す
ることはできないという理由で、ドイツ銀行に対するWarburgの請求を完全に却下した。裁判所はさらに、すべての請求は時効
であるとした。2020年10月29日、Warburgは当該判決についてフランクフルト・アム・マイン高等裁判所
( Oberlandesgericht )に上訴した。Warburgおよびドイツ銀行による準備書面を受けて、2021年11月3日に上訴手続の審理が行
われた。2021年12月1日、Warburgは第一審の手続から請求を減額した。Warburgは現在、86百万ユーロ(うち、63百万ユーロは
税金に関連し、23百万ユーロは利息に関連している。)を請求している。さらに、Warburgは刑事没収に関連する54百万ユーロ
を請求している。さらなる審理が2022年1月26日に行われた。2022年3月2日付の判決で、フランクフルト・アム・マイン高等裁
判所( Oberlandesgericht )は、Warburgの上訴を完全に却下した。裁判所はドイツ連邦通常裁判所(BGH)に対する当該判決の
上訴を認めなかった。Warburgは当該否認( Nichtzulassungsbeschwerde )対して上訴する可能性がある。
2021年1月25日、ハンブルグの地方裁判所( Landgericht )において、2009年および2010年における2つの投資ファンドの取引
にそれぞれ関連し、Warburg Invest Kapitalanlagegesellschaft mbH(以下「Warburg Invest」という。)による請求がドイ
ツ銀行に送達された。Warburg Investは両ファンドのファンド・マネージャーであった。Warburg Investは、当該2ファンドに
より行われたCum-ex取引に関連するドイツの税金について、ドイツ銀行および連帯債務者(共同および個別)としての他の複
数の当事者による補償を求めている。さらに、Warburg Investは、これらの取引に関連する金額不確定の損害賠償を求めてい
る。2020年11月、当該ファンドのうちの1つについて、Warburg Investは税務当局から61百万ユーロの納税義務通知を受け取っ
た。公表されている情報に基づき、ドイツ銀行は、もう一方のファンドへの課税額は約49百万ユーロになると見積もってい
る。Warburg Investは、特に、公共政策に反する国際的損害(ドイツ民法第826条)に関する主張およびドイツ銀行が公共政策に
反するビジネス・モデルに参加した( sittenwidriges Geschäftsmodell )との告発に基づき、ドイツ銀行を含む複数の当事者
に対して請求を提起した。2021年7月5日、ドイツ銀行は裁判所に抗弁の意見書を提出した。2021年12月31日、当該手続の他の2
被告はドイツ銀行を含む複数の当事者に控訴通知( Streitverkündung )を送達した。
2021年2月26日、フランクフルト・アム・マインの地方裁判所( Landgericht ))はドイツ銀行にSeriva
Vermögensverwaltungs GmbH(以下「Seriva」という。)による請求を送達した。Serivaは、ドイツ銀行がSerivaのCum-ex取引
の観点から2017年4月に取下げた特定の納税証明書( Steuerbescheinigungen )をドイツ銀行が再発行することを要請してい
る。ドイツ銀行は2021年4月6日にSerivaによる請求の意見書に回答した。2021年7月5日、ドイツ銀行はSerivaから概要説明の
回答を受け取った。ドイツ銀行は2021年8月17日に回答した。当該審理は2022年2月7日に行われた。2022年2月28日付の判決
で、裁判所はSerivaの請求を却下した。Serivaは当該判決に上訴する可能性がある。
当行グループは、開示することがこれらの結果を著しく不利にする可能性があると結論付けたため、これらの案件に関して
引当金または偶発負債を設定したかどうかについて開示していない。
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外国為替調査および訴訟 ドイツ銀行は、外国為替市場の取引および様々なその他の側面の調査を行った世界中の特定の規制
当局および法執行機関から情報要請を受け取っている。ドイツ銀行はこれらの調査に協力した。これに関連して、ドイツ銀行
は、外国為替取引および外国為替ビジネスのその他の側面について内部グローバル調査を行った。
2016年10月19日、米国商品先物取引委員会(CFTC)の執行部は、「ドイツ銀行の外国為替に関する調査は終了しており、
CFTCの執行部が現時点で更なる行動を起こす予定はない」と通知する内容のドイツ銀行に対する書簡(以下「CFTCレター」と
いう。)を発行した。慣例により、CFTCレターは、CFTCの執行部が「将来いつでも調査の再開を決定する裁量を維持してい
る。」と言明している。CFTCレターは、ドイツ銀行の外国為替の取引および慣行に関するその他の規制当局および法執行機関
による調査に拘束力のある影響を及ぼさない。
2016年12月7日、ドイツ銀行がCADE(ブラジルの反トラスト法執行機関)と、ブラジルを拠点としたドイツ銀行の元トレー
ダーによる行為に関する調査を解決するための合意に達したことが発表された。この合意の一環として、ドイツ銀行は罰金51
百万ブラジルレアルを支払い、最終的解決に至るまでCADEの行政手続に引き続き従うことに合意した。これにより、ドイツ銀
行が継続的に解決のための条件を満たすことを条件として、ドイツ銀行に関連するCADEの行政手続は完了する。
2017年2月13日、米国司法省(DOJ)の犯罪部門不正セクションは、「外国為替市場に関連する連邦犯罪法違反の可能性に関
する」犯罪調査をDOJが終了していることをドイツ銀行に対して通知する書簡(以下「DOJレター」という。)を発行した。慣
例により、DOJレターは、DOJが調査に関して追加の情報または証拠を得た場合には、調査を再開する可能性があることを言明
している。DOJレターは、ドイツ銀行の外国為替の取引および慣行に関するその他の規制当局および法執行機関による調査に拘
束力のある影響を及ぼさない。
2017年4月20日、ドイツ銀行AG、DB USA Corporationおよびドイツ銀行AGニューヨーク支店が連邦準備制度理事会と、ドイツ
銀行の外国為替の取引および慣行に関する調査を解決するための合意に達したことが発表された。当該合意の条件に従い、ド
イツ銀行は差し止め命令に従い、137百万米ドルの民事制裁金を支払うことに合意した。さらに、連邦準備制度理事会はドイツ
銀行に対し、外国為替事業およびその他同様の商品に関する「監視、内部統制、コンプライアンス、リスク管理および調査プ
ログラムの更なる改善を継続的に実施」し、その進捗について連邦準備制度理事会へ定期的に報告するよう命じた。
2018年6月20日、ドイツ銀行AGおよびドイツ銀行AGニューヨーク支店がニューヨーク州金融サービス局(DFS)と、ドイツ銀
行の外国為替の取引および販売慣行に関する調査を解決するための合意に達したことが発表された。当該合意の条件に従い、
ドイツ銀行は同意審決に従い、205百万米ドルの民事制裁金を支払うことに合意した。さらに、DFSはドイツ銀行に対し、外国
為替事業に関する監視、内部統制、コンプライアンス、リスク管理および調査プログラムの更なる改善を継続的に実施し、そ
の進捗についてDFSへ定期的に報告するよう命じた。
一部のその他の規制当局による調査は進行中であり、ドイツ銀行はこれらの調査に協力している。
2020年2月25日、ニューヨーク州南部地区米国連邦地方裁判所で係属中の「間接購入者」訴訟( Contant他 対 Bank of
America Corp.他 )の原告は、ドイツ銀行を含む、当該訴訟の残りの全11被告と全世界で、合計10百万米ドルで和解に至ったこ
とを当該裁判所に通知した。ドイツ銀行を含む各被告による拠出額は公開されていない。裁判所は2020年11月19日に和解を承
認し、ドイツ銀行に対して提起されたすべての請求は、再訴不能の形で取り下げられた。2018年11月7日に提訴された Allianz
他 対 Bank of America Corporation他 は、併合された訴訟(外国為替ベンチマーク・レート反トラスト訴訟)における和解に
参加しなかった資産運用会社グループにより個別に提起されたものである。被告による棄却申立は2020年5月28日に認められ、
一部が却下された。原告は、2020年7月28日に第三修正訴状を提出した。開示手続は進行中である。
ドイツ銀行はまた、オンタリオ州およびケベック州において提起された2件のカナダの集団訴訟において被告として指名され
ている。2015年9月10日に提訴されたこれらの集団訴訟は、米国の併合訴訟と同様の事実を主張しており、カナダ競争法および
その他の訴因に基づき、損害賠償を請求している。オンタリオの訴訟における原告の集団認定を求める申立は2020年4月14日に
認められた、2021年7月2日、ドイツ銀行はカナダの集団訴訟について和解することに合意した。当該和解契約はオンタリオ州
上級裁判所により2021年9月23日に、ケベック州上級裁判所により2021年10月20日に承認された。
ドイツ銀行はまた、イスラエルにおいて提起された併合修正訴訟において被告として指名されている。当該訴訟は、米国の
併合訴訟と同様の事実を主張しており、イスラエルの競争法およびその他の訴因に基づき、損害賠償を請求している。当該訴
訟は初期段階にある。
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ドイツ銀行(E05792)
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2020年11月10日、ドイツ銀行は、ECU Group PLCが英国高等法院(商事裁判所)において提起した訴訟において指名された。
当該訴訟は機密の条件で現在和解している。
2020年11月11日、ドイツ銀行は、上述の Allianz他 対 Bank of America Corporation他 を提起したのと同一の原告の多くが
英国高等法院(商事裁判所)において提起した訴訟において指名された。当該請求は Allianz他 対 Bank of America
Corporation他 と同様の事実の主張に基づくものである。当該訴訟は 訴答の 段階にある 。
2021年5月4日、Deutsche Bank S.A. – Banco Alemaoは、ブラジル輸出者協会(AEB)がブラジルにおける特定の為替ディーラー
および関係する金融機関に対し、サンパウロ中央法域民事裁判所において提起した反トラスト民事訴訟において指名された。
当該訴訟はCADEにより調査された行為に基づく事実を主張しており、ブラジルの競争法に基づく損害賠償を請求している。ド
イツ銀行にはまだ訴状が送達されていない。
当行グループは、開示することがこれらの問題の結果を著しく不利にする可能性があると結論付けたため、これらの案件に
関して引当金または偶発負債を設定しているか否かを開示していない。
銀行間取引金利事項 規制および法執行案件 ドイツ銀行は、様々な規制当局および法執行機関に対し、ロンドン銀行間取引
金利(LIBOR)、欧州銀行連盟の銀行間取引金利(EURIBOR)、東京銀行間取引金利(TIBOR)およびその他の銀行間取引金利の
設定に関する業界全体の調査に関連した情報要請に回答し、協力している。
以前に報告したとおり、ドイツ銀行は、金利デリバティブの取引における反競争行為に関連して、2013年12月4日付の和解契
約に従って欧州委員会に725百万ユーロを支払った。
また、以前に報告したとおり、2015年4月23日、ドイツ銀行は、LIBOR、EURIBORおよびTIBORの設定に関する不正行為に対す
る調査を解決するため、DOJ、CFTC、英国金融行為監督機構(FCA)およびニューヨーク州金融サービス局(DFS)と個別の和解
を締結した。これらの契約の条件に基づいて、ドイツ銀行はDOJ、CFTCおよびDFSに対し罰金21.75億米ドル、ならびにFCAに対
し罰金226.8百万英ポンドを支払った。DOJとの問題解決の一環として、DB Group Services (UK) Limited(ドイツ銀行の間接
保有完全子会社)はコネチカット州地区米国連邦地方裁判所において、1件の有線通信不正行為の有罪を主張し、ドイツ銀行は
3年の起訴猶予契約を締結した。これに従い、ドイツ銀行は(特に)1件は有線通信不正行為、もう1件は価格操作に関してドイ
ツ銀行がシャーマン法に違反しているとする情報をコネチカット州地区米国連邦地方裁判所に提出することに同意した。2018
年4月23日に起訴猶予契約が失効し、その後、コネチカット州地区米国連邦地方裁判所はドイツ銀行に対するこの犯罪情報を却
下した。
また、以前に報告したとおり、2017年3月20日、ドイツ銀行は、円LIBOR関連の和解決定に従ってスイスの競争委員会
(WEKO)に5.4百万スイスフランを支払った。
2017年10月25日、ドイツ銀行は、銀行間取引金利に係る調査の解決に向けて、米国の州の検事総長による作業部会との和解
に至った。他にも条件はあるが、ドイツ銀行は和解金220百万米ドルを支払った。
様々な銀行間取引金利の設定に関するドイツ銀行のその他の調査は引き続き進行中である。
当行グループは、開示することがこれらの結果を著しく不利にする可能性があると結論付けたため、残りの調査に関して引
当金または偶発負債を設定したか否かを開示していない。
民事訴訟の概要 ドイツ銀行は、以下の段落において説明される、様々な銀行間取引金利の設定に関する不正とされる操作に
関連する米国における27件の民事訴訟ならびに英国、イスラエル、アルゼンチンおよびスペインにおける各1件の継続中の訴訟
の当事者となっている。ドイツ銀行および他の多数の被告に対する、推定上の集団訴訟を含む民事訴訟の大部分が、ニュー
ヨーク州南部地区米国連邦地方裁判所(SDNY)において係属中である。3件を除く米国のすべての民事訴訟が、米ドルLIBORの
設定に関する操作の結果、損失が発生したと主張する当事者を代表して提起された。また、ドイツ銀行に対する、米ドルLIBOR
に関連しない3件の米国における民事訴訟がSDNYに提起され、このうち、1件の併合訴訟が英ポンド(GBP)LIBORに、1件がスイ
スフラン(CHF)LIBORに、そして1件が2つのシンガポールドル(SGD)ベンチマーク・レート、シンガポール銀行間取引金利
(SIBOR)およびスワップ・オファー・レート(SOR)に関連している。
上述の米国における27件の民事訴訟のすべてに対する損害賠償請求が、米国商品取引法、連邦および州反トラスト法、米国
威力脅迫および腐敗組織に関する連邦法ならびにその他の連邦法および州法の違反を含む、様々な法的理論を根拠に主張され
ている。当行グループは、開示することがこれらの結果を著しく不利にする可能性があると結論付けたため、これらの訴訟に
関して引当金または偶発負債を設定したか否かを開示していない。
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ドイツ銀行(E05792)
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米ドルLIBOR 2件を除き、これらの米ドルLIBORに関する米国の民事訴訟はすべて、SDNYにおいて広域係属訴訟(以下「米ドル
LIBOR MDL」という。)の一部として併合されている。ドイツ銀行に対して係属中の多数の個別訴訟およびそれらの類似性を鑑
み、米ドルLIBOR MDLに併合されている民事訴訟は、該当する訴訟すべてに関する下記の概要に含まれている。個別訴訟の状況
または判決がドイツ銀行に対して重要である場合を除き、個別の訴訟の開示はされていない。
2013年3月から2019年3月の、請求範囲を限定する一連の米ドルLIBOR MDLについての判決を受けて、原告は現在、反トラスト
法に基づく請求、米国商品取引法および米国証券取引所法に基づく請求ならびに州法の不正、契約、不当利得およびその他の
不法行為に係る請求を主張している。裁判所はまた、対人管轄権の欠如および時効を過ぎていることを根拠として一部の原告
の請求を却下する判決を下している。
2016年12月20日、地方裁判所は、反トラスト法に基づく一部の請求を却下する判決を下したが、その他については請求を認
めた。複数の原告が2016年12月20日付の地方裁判所の判決について米国第二巡回控訴裁判所に控訴しており、これらの控訴は
地方裁判所で進行中の訴訟と並行して手続が行われた。2021年12月30日、第二控訴裁判所は地方裁判所の反トラスト法におけ
る当事者適格の根拠とする判決を認めたが、裁判所の対人管轄権を根拠とする判決を破棄し、これらの訴訟を今後の手続のた
め地方裁判所に差し戻した。
2020年7月29日、ドイツ銀行は、米ドルLIBORに関係する貸出金を組成した、アウトライトで購入した、または利息への参加
権を購入した米国に本社を置く貸出機関を代表した請求を主張する米ドルLIBOR MDLの一部として係属中の推定上の集団訴訟
( The Berkshire Bank 対 Bank of America )を解決するため、原告と425,000米ドルの和解契約を締結した。裁判所は2021年3月
15日に和解の最終承認を与え、ドイツ銀行に対するすべての請求を却下した。したがって、当該訴訟は上述の訴訟総数には含
まれていない。ドイツ銀行が支払った和解金額は、ドイツ銀行の訴訟引当金に現在は反映されていない。
2021年3月5日、ドイツ銀行と原告は、米ドルLIBOR MDLの一部として係属中の非集団訴訟( Amabile 対 Bank of America
Corporation )において、原告によるドイツ銀行に対する請求の却下を求めた。裁判所は原告の請求を2021年3月8日に却下し
た。
2021年12月8日、ドイツ銀行と原告は、米ドルLIBOR MDLの一部として係属中の4件の非集団訴訟(Schwab訴訟)において、原
告によるドイツ銀行に対する請求の却下を求めた。裁判所は原告の請求を2021年12月10日に却下した。2022年2月3日、ドイツ
銀行と原告は、米ドルLIBOR MDLの一部として係属中の2件の非集団訴訟(Philadelphia訴訟)において、原告によるドイツ銀
行に対する請求の却下を求めた。裁判所は原告の請求を2022年2月4日に却下した。
原告は2019年1月および3月に、被告、米ドルLIBORを提示した銀行パネルのメンバー、LIBORを管理する機関およびその関係
会社が2014年2月1日から現在まで共謀して米ドルLIBORの提示を抑制していると主張して、SDNYにおいて複数の金融機関に対す
る3件の推定上の集団訴訟を提起した。これらの訴訟は後に ICE LIBOR反トラスト訴訟 として併合され、2019年7月1日に原告は併
合修正訴状を提出した。2020年3月26日、裁判所は、被告による当該訴訟の却下申立を認め、ドイツ銀行に対するすべての請求
を却下した。原告はこの判決に対して、米国第二巡回控訴裁判所に上訴した。控訴の概要説明は完了している。2020年12月28
日、DYJ Holdings, LLCは、当初指名された原告のうちの1名が請求を取り下げて放棄し、その他2名の指名された原告が本訴訟
取り下げの希望を表明しているため、指名された原告および提案された集団訴訟の代表として、上訴の介入申立を行った。
2021年1月7日、事物管轄の欠如のため、被告は当該控訴の却下を求める申立を行った。2021年4月6日、裁判所は当該介入申立
を認め、被告の却下申立を却下した。2021年11月29日に口頭審理が行われた。当該訴訟は米ドルLIBOR MDLの一部ではない。
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ドイツ銀行(E05792)
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2020年8月、原告は、米ドルLIBORが今日まで下落していると主張し、カリフォルニア州北部地区米国連邦地方裁判所におい
て複数の金融機関に対する非集団訴訟を提起した。2020年11月10日、原告は裁判所に、暫定的および恒久的差止命令の申立を
行い、当該申立の概要説明は完了している。2020年11月11日、一部の被告は訴訟をSDNYに移管する申立を行い、当該申立の概
要説明は完了している。2021年5月24日、原告は、原告が以前に請求した差止命令を裁判所が下さない正当な理由を示す命令の
申立を行った。被告は当該申立の無効を申し立てた。2021年6月3日、裁判所は(ⅰ)訴訟をSDNYに移送する原告の申立を却
下、(ⅱ)5月24日の原告の申立の無効を求める被告の申立を却下、および(ⅲ)2021年9月9日に差止命令の申立のための審理
を設定する命令を下した。2021年12月23日、裁判所は差止命令の申立を却下する文書による判決を下した。2021年9月9日、裁
判所は差止命令の申立に関する審理を開催し、暫定的に申立を却下した。2021年9月30日、被告は当該訴状の却下を申し立て
た。当該却下は現在十分な概要説明が行われている。当該訴訟は米ドルLIBOR MDLの一部ではない。
さらに、米国連邦預金保険公社(FDIC)によって提起された米ドルLIBORに関する英国の民事訴訟が1件あり、欧州連合の機
能に関する条約第101条、1998年英国競争法第1章第2項および米国の州法に基づく損害賠償請求が主張されている。2022年1
月、米ドルLIBORに関する反トラスト法に基づく請求に対する米国第二巡回控訴裁判所の判決を受けて、FDICは被告の銀行に対
し、米国における訴訟の一部またはすべての再開の申請が解決するまで、英国LIBOR訴訟を当面延期するよう要請した。
LIBORに基づく金利のアルゼンチン国債の保有者が被ったとされる損害の賠償を求める、LIBORに関する別の集団訴訟がアル
ゼンチンで提起された。ドイツ銀行はこの訴訟について抗弁している。
SIBOR およびSOR シンガポール銀行間取引金利(SIBOR)およびスワップ・オファー・レート(SOR)を操作したとする原告の
推定上の集団訴訟が依然として係属中である。2019年7月26日、SDNYは被告による当該訴訟の却下申立を認め、ドイツ銀行に対
するすべての請求を却下し、第四修正訴状の提出許可を求める原告の申立を却下した。原告はこの判決に対して、米国第二巡
回控訴裁判所に上訴した。2021年3月17日、裁判所はSDNYの判決を破棄し、当該訴訟を地方裁判所に差し戻した。2021年10月1
日、原告(ドイツ銀行を含む。)は2021年3月17日の控訴判決所の判決をレビューするよう米国最高裁判所に事件移送命令書に
対する許可を求める申立を行った。当該上訴は2022年1月10日に却下された。2021年10月25日、原告は第四修正訴状を提出し、
これに対し被告は2021年11月24日に却下を申し立てた。
GBP LIBOR 英ポンド(GBP)LIBORを操作したとして、推定上の集団訴訟が依然として係属中である。2018年12月21日、SDNYは
当該訴訟の棄却を求める被告の申立を一部認め、ドイツ銀行に対するすべての請求を却下した。原告は上訴申立を行った。
SIBORおよびSOR集団訴訟の上訴に関する裁判所の判決を待つ間、米国第二巡回控訴裁判所は上訴を一時停止するよう命じた。
SIBORおよびSOR集団訴訟の2021年3月17日の裁判所の判決を受けて、当該上訴は継続している。原告は最初の準備書面を2021年
10月21日に提出し、ドイツ銀行を除くすべての被告(被控訴人)は概要説明を2022年1月20日に提出した。また、2022年1月20
日、原告は(1)ドイツ銀行に関する上訴の分離、(2)ドイツ銀行に関する分離された上訴の停止、および(3)原告とドイツ
銀行との間の和解提案の承認を審議するためにドイツ銀行に関する本件の該当部分を限定的に地方裁判所に差し戻す申立を
行った。第二巡回裁判所は2022年1月26日に原告の申立を認めた。
CHF LIBOR スイスフラン(CHF)LIBORを操作したとする原告の推定上の集団訴訟は依然として係属中である。2019年9月16
日、SDNYは被告による当該訴訟の却下申立を認め、ドイツ銀行に対するすべての請求を却下した。原告は上訴申立を行った。
SIBORおよびSOR集団訴訟の上訴に関する裁判所の判決を待つ間、米国第二巡回控訴裁判所は上訴を一時停止するよう命じた。
2021年3月17日のSIBORおよびSOR集団訴訟に関する裁判所の判決を受けて、CHF LIBOR訴訟は今後の手続のために地方裁判所に差
し戻された。
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ドイツ銀行(E05792)
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スペインEURIBORに関する請求 スペインにおいて、銀行およびその他の金融機関からのモーゲージ貸出金を保有する原告が、
欧州委員会による決定を受けてドイツ銀行による共謀行動に起因する損害賠償を主張し、68件の請求が申し立てられた。68件
の請求のうち、49件の請求に関する裁判所の手続が開始されている。現在の請求総額は約1百万ユーロであるが、更なる請求が
提起される可能性がある。既に開始されている手続のうち、21件の判決が下されている。これらの判決のうち10件の請求は却
下されている。残りの11件の判決では、EU損害賠償指令の適用を支持したが、このうち6件の損害賠償は裁定されず、残りの5
件の損害賠償は10%にまで減額された。当行は、EU損害賠償指令が適用されたすべての判決に対して上訴している。
紹介雇用慣行および一定のビジネス関係ならびに貴金属についての調査 2019年8月22日、ドイツ銀行は米国証券取引委員会
(SEC)との間で、顧客、潜在的な顧客および政府職員から紹介された候補者に関する当行の雇用慣行に対する調査を解決する
ための和解に達した。和解の一環として、当行は16百万米ドルの支払いに合意した。米国司法省(DOJ)は、当行の雇用慣行に
関する調査を終了した。また、ドイツ銀行は、DOJおよびSECとの間でそれぞれ、仲介者およびコンサルタントの契約に関し
て、米国海外腐敗行為防止法(FCPA)およびその他の法令への当行の法令遵守の調査に関する和解に達した。2021年1月8日、
ドイツ銀行は、仲介者およびコンサルタントの過去の契約に関して、DOJと起訴猶予契約(DPA)を締結し、当該行為に関連し
てDPAの義務の一部として約80百万米ドルを支払うことに合意した。DOJとのDPAには、貴金属におけるスプーフィングに関する
和解も含まれていた。貴金属に関するDPAの義務の一部として、ドイツ銀行は約8百万米ドルを支払うことに合意し、そのうち
約6百万米ドルは2018年度のドイツ銀行によるCFTCとの和解として計上されることになる。同日、ドイツ銀行は、当行の仲介者
およびコンサルタントの契約に関連して、SECとの間で、FCPAへの遵守に関する行為の調査を解決するための和解にも合意し
た。当行は、このSECとの和解において約43百万米ドルを支払うことに合意した。2022年2月28日、当行の子会社であるDWS
Group GmbH & Co. KGaAにおける環境、社会およびガバナンス(ESG)関連の情報の当行による報告が適時ではなかったとする
一部の主張に基づき、当行が2021年度のDPAに違反したとのDOJによる調査結果を受けて、当行は、既存のモニターシップを延
長し、以前の起訴猶予契約の条件を2023年2月まで遵守し、当行による関連する内部統制の実施を証明するための監視対象とな
ることをDOJと合意した。DOJは必要に応じて、2021年度のDPAに関連して追加措置を講じるすべての権利を留保している。
ジェフリー・エプスタインに関する調査 ドイツ銀行は、当行とジェフリー・エプスタインとのかつての顧客関係(個人とし
て、および関連当事者や事業体を通じて)について、規制当局および法執行機関から情報要請を受けている。2018年12月、ド
イツ銀行は、2013年8月に開始したエプスタインとの関係終了に向けた手続を開始した。ドイツ銀行は捜査当局に対し、情報提
供または協力を行っている。当行はエプスタインとの関係に関する内部調査を完了した。
2020年7月7日、ニューヨーク州金融サービス局(DFS)は、ドイツ銀行の元3顧客であるDanske Bankエストニア支店、ジェフ
リー・エプスタインおよびFBME Bankとの関係に関連してドイツ銀行がニューヨーク州の銀行法に違反したと判断し、これら3
顧客との関係に関連して150百万米ドルの民事制裁金を科すとの同意命令を出した。ドイツ銀行は2020年度第3四半期に当該金
額を支払った。上記の通り、当行は、ニュージャージー州連邦地方裁判所で係属中の当行とジェフリー・エプスタインおよび
その他の事業体との関係に関連する主張を含む証券集団訴訟の被告に指名されている。
当行グループは、ジェフリー・エプスタインの調査および民事訴訟に関する引当金または偶発負債を設定していない。ジェ
フリー・エプスタインに関するその他の調査は継続中である。
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ドイツ銀行(E05792)
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モーゲージ関連および資産担保証券事項ならびに調査 規制当局および政府案件 ドイツ銀行および一部の関係会社(これら
の段落において、合わせて「ドイツ銀行」という。)は、米国金融詐欺対策タスク・フォースの住宅用モーゲージ担保証券
ワーキング・グループのメンバーを含む一定の規制当局および政府機関から、モーゲージ貸出金、住宅用モーゲージ担保証券
(RMBS)、商業モーゲージ担保証券(CMBS)、債務担保証券(CDO)、その他の資産担保証券およびクレジット・デリバティブ
の発行、購入、証券化、販売、評価および/または取引に関する活動についての召喚状および情報要請を受け取っている。ド
イツ銀行は、これらの召喚状および情報要請に応えて、全面的に協力した。
2016年12月23日、ドイツ銀行は、2005年度から2007年度に行われたRMBS事業に関する潜在的な請求を解決するためにDOJと基
本合意に達したと発表した。2017年1月17日、当該和解が確定し、DOJにより発表された。和解に基づき、ドイツ銀行は、31億
米ドルの民事制裁金を支払い、消費者救済に41億米ドルを提供した。DOJは消費者救済の提供について監視し、検証するための
独立した監督官を任命した。
2016年9月、ドイツ銀行は、メリーランド州の検事総長から、2002年度から2009年度のドイツ銀行のRMBSおよびCDO事業に関
する情報要請の行政召喚状を受け取った。2017年6月1日、ドイツ銀行とメリーランド州の検事総長は、本件を解決するために
15百万米ドルの現金および80百万米ドルの消費者救済で合意に達した(ドイツ銀行がDOJとの和解の一部として合意した総額41
億米ドルの消費者救済から配分される。)。
2020年7月8日、DOJが任命した監督官は、ドイツ銀行がメリーランド州に対する80百万米ドルのコミットメントを含め、41億
米ドルの消費者救済義務をすべて履行したことを認める最終報告書を提出した。
当行グループは一部の規制当局による進行中の調査に関して引当金を計上しているが、その他については設定していない。
当行グループは、開示することがこれらの案件の結果を著しく不利にする可能性があると結論付けたため、これらの引当金の
金額を開示していない。
発行人および引受人としての民事訴訟 ドイツ銀行は、RMBSおよびその他の資産担保証券の売出しにおける発行人または引受
人としての様々な役割について、民間の当事者により提起された多数の民事訴訟において被告として指名されている。下記に
記載のこれらの訴訟には、売出書類に重要な虚偽記載および脱漏(基礎となるモーゲージ貸出金の発行において準拠した引受
基準に関するものを含む。)があったと主張しているか、または発行時点において貸出金に関連した様々な表明または保証の
違反があったと主張している。当行グループはこれらの民事訴訟のいくつかに関して引当金を計上しているが、すべてについ
ては計上していない。当行グループは、開示することがこれらの案件の結果を著しく不利にする可能性があると結論付けたた
め、これらの引当金の金額を開示していない。
ドイツ銀行は、Novastar Mortgage Corporationが発行した6件のRMBS売出しの引受人の1社としての役割に関連して、集団訴
訟の被告となっている。当該訴状において、特定の損害賠償は主張されていない。当該訴訟は、かかる売出しにおいて証券を
購入した投資家集団を代表する原告により提起された。当事者は、総額165百万米ドルで解決する合意に達し、かかる金額の一
部は当行によって支払われた。2017年8月30日、FHFA/Freddie Macは、和解に対して異議を申立て、その後すぐに、和解承認
手続の継続要請を地方裁判所が却下したことに対して上訴申立を行ったが、当該申立はFHFA/Freddie Macにとって不利な内容
で解決した。裁判所は2019年3月7日に、FHFA/Freddie Macの異議申立に対して和解を承認した。FHFAは2019年6月28日に上訴
を申し立て、現在係属中である。
ドイツ銀行は、過去または現在において、RMBSの売出しに関連して、Citizens National BankとStrategic Capital Bank(す
べての被告に対して、明らかにされていない金額の損害賠償を主張している。)の管財人として米国連邦預金保険公社
(FDIC)によって提起された1件の訴訟において被告となっている。この訴訟において、控訴裁判所は、出訴期限を理由に過去
に却下された請求を再開させ、米国最高裁判所への再審理および移送命令の申請は棄却された。2017年7月31日、FDICは第二修
正訴状を提出し、それに対して被告は2017年9月14日に棄却申立を行った。2019年10月18日、被告による棄却申立は却下され
た。開示手続は進行中である。
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ドイツ銀行(E05792)
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2014年6月、受託者としてのHSBCは、ACE Securities Corp.の2006-SL2 RMBS売出しのモーゲージ貸出金に関してドイツ銀行が
買戻しを行っていないと主張して、過去の訴訟について再審理を行うよう、ニューヨーク州裁判所にドイツ銀行に対する訴訟
を提起した。同売出しにおけるモーゲージ貸出金に関してドイツ銀行が提供した表明・保証の違反を主張し、受託者としての
HSBCがドイツ銀行に対して提起した別の訴訟の却下を申立てる上訴の結果が出るまで、当該再訴は保留されている。2016年3月
29日、裁判所は再訴を却下した。原告は上訴し、2019年7月8日、原告は上訴の最初の準備書面を提出した。2019年11月19日、
控訴裁判所はこの却下を支持した。2019年12月19日、原告は ニューヨーク州控訴裁判所 に上訴申立を行ったが、2020年2月13日
に却下された。2020年3月16日、原告はニューヨーク州控訴裁判所に上訴の許可を求める申請を行い、2020年9月1日に認められ
た。当該上訴は十分な概要説明が行われており、依然として係属中である。
ドイツ銀行は、当初はRMBSの投資家により、その後は受託者としてのHSBCによりニューヨーク州裁判所に提起された2件の
RMBS信託に関する訴訟において被告となっている。当該訴訟はACE Securities Corp.の2006-FM1およびACE Securities Corp.
の2007-ASAP1 RMBSの売出しのそれぞれにおいて、貸出金水準について表明・保証違反があったと主張している。両訴訟は2018
年3月28日、出訴期限を理由に第一審裁判所により却下された。原告は却下に対して上訴した。2019年4月25日、第一控訴部は
表明・保証違反および誠実・公正な取扱いという黙示の契約義務違反に関する請求の却下を支持したが、表明・保証違反の疑
いを受託者に通知するのを怠ったとして、修正訴状の提出許可を求める申立の却下を破棄した。HSBCは2019年4月30日に修正訴
状を提出し、ドイツ銀行は2019年6月3日に回答を提出した。開示手続は進行中である。ACE 2006-FM1に関連する訴訟において
どの却下が支持されたかについて、原告は2019年10月25日、ニューヨーク州民事訴訟法および規則第205(a)条に基づき、表
明・保証違反の請求の再審理を求める2つの訴状を提出した。2019年12月16日、ドイツ銀行はこれらの訴訟の棄却申立を行っ
た。
他の発行体によるRMBSの売出しの引受人としてのみのドイツ銀行に対する訴訟においては、ドイツ銀行は発行体から補償を
受ける契約上の権利を有している。しかし、これらの補償を受ける権利は、発行体が現在破産もしくはそれ以外で破綻してい
るか、または将来破産もしくはそれ以外で破綻する可能性がある場合、その全部または一部が事実上行使不能となっている可
能性がある。
受託者としての民事訴訟 特定のRMBS信託の受託者として、Deutsche Bank National Trust Company(以下「DBNTC」という。)
およびDeutsche Bank Trust Company Americas(以下「DBTCA」という。)(総称して「受託者」という。)は3件の個別の民事
訴訟ならびにDBNTCは4件目の民事訴訟において、受託者の役割に関して、投資家によって提起された訴訟の被告となってい
る。これらの訴訟は概ね、受託者が当該信託の受託者としての一定の義務の適切な履行を怠ったとして、契約違反、信認義務
違反、利益相反を回避する義務の違反、過失および/または米国の1939年信託証書法の違反に関する請求を主張するものであ
る。
4件の訴訟には以下の訴訟が含まれる。(a)National Credit Union Administration Board(以下「NCUA」という。)は、
18件の信託に対する投資家として、総額37億米ドルを超える実現損失が担保に生じたと主張している。(b)43件のRMBS信託に
より発行されたRMBS証券を保有する一定のCDO(総称して「Phoenix Light」という。)および「数億米ドルの損害賠償」の請
求。(c)50件のRMBS信託に対する投資家として、Commerzbank AGは「数億米ドルの損失」を求めている。(d)IKB
International, S.A.(清算中)およびIKB Deutsche Industriebank A.G.(総称して「IKB」という。)は、22件のRMBS信託の
投資家として、268百万米ドルを超える損害賠償を請求している。NCUA訴訟では、修正訴状の却下を求めるDBNTCの申立は一部
が認められて一部が却下され、NCUAの不法行為は却下されたが、その契約違反の請求は続けられることとなった。2021年1月27
日、裁判所はIKB訴訟において、受託者の却下申立を一部認めて一部を退け、IKBによる請求の一部を却下したが、契約違反お
よび不法行為については大部分を継続することを認め 、2021年5月10日、受託者は当該命令の特定の事項に関連して上訴申立を
行い、2021年5月20日、IKBは当該命令のその他の事項に関連する交差上訴申立を行った。 開示手続は進行中である。2022年2月
8日、裁判所はPhoenix Light訴訟において、DBNTCおよびDBTCAによる略式判決の申立を認め、Phoenix Lightによる略式判決の
申立を却下し、この訴訟を却下した。2022年2月8日、裁判所はCommerzbank訴訟において、DBNTCおよびDBTCAによる略式判決の
申立の一部を認め、一部を退け、不法行為のすべてを却下し、当該信託の多くに関する契約違反を却下し、Commerzbankによる
略式判決の申立をすべて却下した。
当行グループはこれらの訴訟の一部に関して偶発負債および引当金を設定しているが、かかる開示がこれら訴訟の結果を著
しく不利にする可能性があると結論付けたため、当該偶発負債の金額を開示していない。
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ドイツ銀行(E05792)
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ポーランドのモーゲージ事項 2016年以降、Deutsche Bank Polska S.A.の特定の顧客は、同行の外貨建て貸出金契約には不当な
条項が含まれており、無効であると主張してDeutsche Bank Polska S.A.に対して訴えを起こした。これらの顧客は、総額250百
万ユーロを超える当該契約に基づく過払分とされる金額の払戻を要求しており、2,000件以上の民事請求がポーランドの裁判所
で開始されている。このような訴訟はポーランドにおける業界全体の問題であり、他行も同様の請求を受けている。Deutsche
Bank Polska S.A.は、自行を防御し、裁判でのこのような請求に抗弁するために必要な法的手続を有しており、今後も対応を講
じる。
当行グループは、外貨建て貸出金に関連する既存および潜在的な訴訟からの潜在的損失をカバーするためのポートフォリオ
引当金を設定している。ポートフォリオ引当金の額は約165百万ユーロであり、特に、現地の裁判所および欧州連合司法裁判所
により、将来において見積りの変更の対象となり得る。
ポストバンク任意的公開買付 2010年9月12日、ドイツ銀行は、ドイツ・ポストバンクAG(ポストバンク)の全株式の取得を目
的とした任意的公開買付を実施する決定を発表した。2010年10月7日、当行は正式な公開買付書類を発行し、ポストバンクの株
主に対してポストバンク株式1株当たり25ユーロの対価を提示した。当該買付では、ポストバンクの株式合計約48.2百万株を取
得した。
2010年11月、ポストバンクの元株主で公開買付を受け入れたEffecten-Spiegel AGが、提示価格は余りにも低く、適用される
ドイツ法を遵守して決定されなかったと主張する請求をドイツ銀行に対して提起した。原告は、ドイツ買収法第30条に従っ
て、Deutsche Post AGが保有していたポストバンクの議決権をドイツ銀行に帰属させるべきであったため、ドイツ銀行が、遅く
とも2009年には、ポストバンクの全株式を対象とした強制的公開買付を行うべきであったと主張している。これに基づき、原
告は2010年の任意的公開買付でポストバンクの株式についてドイツ銀行が提示した対価は、1株当たり57.25ユーロに引き上げ
られるべきであったと主張している。
ケルン地方裁判所( Landgericht )は、2011年に当該請求を却下し、ケルン控訴裁判所は2012年に上訴を却下した。連邦裁判
所は、この判決を棄却し、原告による一部の主張の証拠を得るよう、ケルン高等裁判所に当該案件を差し戻した。
2010年の公開買付を受け入れたポストバンクの別の元株主も、2014年以降、ケルン地方裁判所およびケルン高等裁判所でそ
れぞれ係属中のEffecten-Spiegel AGがドイツ銀行に対して提起した請求と同様の請求を提起している。2017年10月20日、ケル
ン地方裁判所は、1件の手続にまとめられた合計14件の訴訟の請求を認める判決を下した。ケルン地方裁判所は、ドイツ銀行が
2008年に既に強制的公開買付を行うべきであり、その場合には公開買付において提示すべき適切な対価はポストバンク株式1株
当たり(25ユーロではなく)57.25ユーロとなるはずであったとの見解を示した。公開買付を受け入れた株主に対しては追加で
1株当たり32.25ユーロの対価を支払うことになる。ドイツ銀行はこの判決に対して控訴し、Effecten-Spiegel AGの控訴に係る
審理も行ったケルン高等裁判所第13委員会が担当となった。
2019年および2020年に、ケルン高等裁判所は、両訴訟における複数の承認を召喚した。聴取を受けた個人には、ドイツ銀
行、Deutsche Post AGおよびポストバンクの現および元ボード・メンバー、ならびにポストバンク取引に関与したその他の個人
が含まれていた。ケルン高等裁判所はさらに、ドイツ銀行とDeutsche Post AGが2008年および2009年に締結した該当する書類の
提出を命じた。そのためドイツ銀行は、2019年にこれらの取引書類の原本を裁判所に提出した。
2020年12月16日、ケルン高等裁判所は判決を下し、Effecten-Spiegel AGの請求を完全に却下した。さらに、2020年12月16日
に下された判決において、ケルン高等裁判所は、ケルン地方裁判所による2017年10月20日付の判決に対するドイツ銀行の控訴
を認め、関連する原告によるすべての請求を却下した。ケルン高等裁判所は両判決に関する申立をドイツ連邦憲法裁判所
( Bundesgerichtshof )に求めることを認め、関連するすべての原告はそれぞれの申立を、2021年1月末および2月初旬にそれぞ
れ提出した。原告は当該申立の根拠を、2021年10月15日までにドイツ連邦憲法裁判所に提出した。
ドイツ銀行は、2017年度末直前にさらに多くの訴訟を提起され、これらのほとんどはケルン地方裁判所で現在係属中であ
る。新たな原告の一部は、2010年のポストバンク株式の任意的公開買付においてドイツ銀行AGが提示した対価は1株当たり
64.25ユーロまで引き上げられるべきであったと主張している。
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これらの案件に関連してドイツ銀行に対して求められている支払請求は、合計で約700百万ユーロ(利息を除く。)である。
当行グループは、これらの訴訟に関して偶発負債を設定しているが、開示することがこれらの結果を著しく不利にする可能
性があると結論付けたため、当該偶発負債の金額を開示しない。
ポストバンク買付に関連する今後の手続 2015年9月、ポストバンクの元株主は、2015年8月のポストバンクの株主総会で採択
されたスクイーズアウトの決議を取り消すために、ケルン地方裁判所でポストバンクに対して株主訴訟(無効確認訴訟)を提
起した。とりわけ、原告は、ドイツ銀行が強制的公開買付を実施しなかったという主張に基づき、ドイツ銀行により保有され
るポストバンク株式の議決権は停止の状態であったと主張した。スクイーズアウトは完了しており、当該手続自体には逆転効
果はないが、賠償金の支払いが発生する可能性がある。原告は上記のEffecten-Spiegelの手続で主張されたものと類似の法律
的主張を参照している。2017年10月20日に下された判決において、ケルン地方裁判所は、スクイーズアウトの決議は無効であ
ると宣言した。しかし、裁判所はドイツ銀行が強制的公開買付を行わなかったという主張に基づいて議決権の停止に依拠しな
かったが、2015年8月のポストバンクの株主総会において、ポストバンクがポストバンク株主の情報に係る権利を侵害していた
と主張した。ポストバンクはこの判決に対して上訴した。2020年5月15日、DB Privat- und Firmenkundenbank AG(2018年の合併
によるポストバンクの法的後継会社)はドイツ銀行AGと合併した。2020年7月3日、ドイツ銀行AGは2015年のスクイーズアウト
を覆すことができないことを考慮し、この訴訟に残るわずかな経済的重要性に当該上訴を続けるための努力とコストが見合わ
なくなったとの理由により、無効確認訴訟に係る上訴を取り下げた。その結果、ポストバンクの株主総会において、ポストバ
ンクが株主の情報に係る権利を侵害したと判断した第一審の判決が確定した。
2010年の任意的公開買付より前にポストバンク全株式の強制的公開買付を行う義務をドイツ銀行が負っていたか否かという
法律上の問題も、係属中の2件の審査手続( Spruchverfahren )に影響を及ぼす可能性がある。これらの手続は、2015年に行わ
れたポストバンク株主のスクイーズアウトに関連して提示した補償額ならびに2012年にDB Finanz-Holding AG(現在のDB
Beteiligungs-Holding GmbH)とポストバンクの間で締結された支配の行使および損益の移転に係る合意( Beherrschungs- und
Gewinnabführungsvertrag )に関連して提示した補償額および年間報酬支払額の増額を求めて、ポストバンクの元株主が開始し
たものである。
審査手続の申請者は、審査手続における適切な補償額を決定する際に、提示価格1株当たり57.25ユーロでポストバンクの強
制的公開買付を実施するドイツ銀行の潜在的義務は明白であると主張した。ケルン地方裁判所は当初、2件の判決において申請
者の法律上の見解に従っていた。2019年6月の決定で、ケルン高等裁判所は、支配および損益移転契約の実施に関する審査手続
において、この法律上の見解を明らかに断念する立場を取った。この決定によれば、2010年の任意的公開買付の前にドイツ銀
行がすべてのポストバンク株の強制的公開買付を実施する義務を負っていたかどうかは、適切な補償額の決定には無関係であ
る。ケルン地方裁判所がこのスクイーズアウトに関する審査手続において同じ法的立場を取る可能性は高い。2020年10月1日、
ケルン地方裁判所は、支配および損益移転契約に関する審査手続(2012年12月5日付)において、ドイツ株式会社法第304条
( jährliche Ausgleichszahlung )に基づく年次報酬をポストバンク株1株当たり0.12ユーロから1.78ユーロに引き上げ、ドイ
ツ株式会社法第305条( Abfindungsbetrag )に基づく和解額をポストバンク株1株当たり4.56ユーロから29.74ユーロに引き上げ
るとする判決を下した。和解額の増加は約492,000ユーロの旧ポストバンク株に関連し、年次報酬の増加は約7百万ユーロの旧
ポストバンク株に関連する。ドイツ銀行および申請者は当該判決に対する上訴の申立を行っている。
当行グループは、開示することがこれらの結果を著しく不利にする可能性があると結論付けたため、これらの案件に関して
引当金または偶発負債を設定したか否かを開示しない。
ロシア/英国の株式売買に係る調査 ドイツ銀行は、モスクワとロンドンで特定のクライアントがドイツ銀行と締結した、株
式売買の状況について調査している。調査対象取引の総額は重要である。ドイツ銀行による法律、規制または方針の違反の可
能性および関連する内部統制環境についての内部調査は完了しており、ドイツ銀行は調査により特定された結果を評価した。
現在までに、一部のドイツ銀行の方針に対する違反およびドイツ銀行の統制環境の欠陥が特定されている。ドイツ銀行は、当
該調査のいくつかの法域(ドイツ、ロシア、英国および米国を含む。)の規制当局および法執行機関に助言を行っている。ド
イツ銀行は、本件において特定の個人に関して懲戒処分を行っている。
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2017年1月30日、DFSおよびFCAは、本件の調査に関連して当行と和解したと発表した。当該和解により、上記の株式売買関連
の調査も含めた当行の投資銀行部門のAML管理機能に関するDFSおよびFCAの調査は終了した。和解契約の条件に基づいて、DFS
は同意命令を発し、これに従い、ドイツ銀行は425百万米ドルの民事制裁金を支払うこと、および最長2年間にわたり独立した
監視人を設置することに合意した。FCAとの和解契約の条件に基づき、ドイツ銀行は約163百万英ポンドの民事制裁金を支払う
ことに合意した。2017年5月30日、連邦準備制度理事会は、当案件および連邦準備制度理事会が識別した他のAMLに係る問題を
解決して当行と和解したと発表した。ドイツ銀行は罰金41百万米ドルを支払った。ドイツ銀行はまた、独立の第三者を雇い、
銀行秘密法/AMLプログラムを評価し、ドイツ銀行の子会社であるDeutsche Bank Trust Company Americasの特定の外国コルレス
銀行業を見直すことに合意した。当行は書面による改善計画およびプログラムの提出を求められた。
ドイツ銀行は、DOJ(当該証券売買について独自の調査を継続中である。)を含む規制当局および法執行機関に引き続き協力
している。当行グループは、残りの調査に関する引当金を計上している。当行グループは、開示することがこれらの案件の結
果を著しく不利にする可能性があると結論付けたため、当該引当金の金額を開示していない。
ソブリン債、国際機関債および政府関係機関債(SSA債)に関する調査および訴訟 ドイツ銀行は、一定の規制当局および法執
行機関から、SSA債取引に関連する情報および書類提出等の要請を受け取っている。ドイツ銀行はこれらの調査に協力してい
る。
2018年12月20日、欧州委員会はドイツ銀行に対し、米ドル建SSA債の流通市場取引に関連して欧州連合の競争法に違反してい
る可能性があるとする反対意見書を送付し、ドイツ銀行は本案件について欧州委員会に積極的に協力し、その結果、追訴を免
じられた。2020年4月28日、欧州委員会は、ドイツ銀行および他の3行は欧州連合の競争法に違反したとの判断を下した。しか
しながら、欧州委員会の指針に従い、追訴免除の状況から、ドイツ銀行に罰金は科されなかった。
ドイツ銀行は、ニューヨーク州南部地区米国連邦地方裁判所において直接的および間接的な市場参加者により提起された複
数の推定上の集団訴訟において被告となっている。当該訴訟は、SSA債の流通市場を操作した疑いに関して、反トラスト法およ
びコモン・ローの違反があったと主張している。ドイツ銀行は、48.5百万米ドルで直接的市場参加者による本訴訟について和
解する合意に達し、同額の引当金を計上した。当該和解は2021年4月2日に裁判所の最終承認を得た。間接的市場参加者を代表
して申立てられた訴訟は、原告により自発的に取り下げられた。
ドイツ銀行はまた、オンタリオ州上級裁判所およびカナダ連邦裁判所においてそれぞれ2017年11月7日および2017年12月5日
に提起された推定上の集団訴訟においても被告となっており、これらの訴訟はSSA債の流通市場を操作した疑いに関して、反ト
ラスト法およびコモン・ローの違反を主張している。これらの訴状は、SSA債取引に関する米国での集団訴訟における同様の主
張に依拠しており、補償的および懲罰的損害賠償を求めている。これらの訴訟は初期段階にある。
ドイツ銀行は、ニューヨーク州南部地区米国連邦地方裁判所において提起され併合された推定上の集団訴訟において被告と
して指名されており、当該訴訟は米国反トラスト法の違反とメキシコ国債の取引に関する不当利得を主張している。2019年10
月に裁判所は、原告の併合修正訴状を却下するよう求める被告の申立を、再訴可能な形で認めた。2019年12月、原告は第二修
正訴状を提出し、それに対して裁判所は、2020年11月30日に再訴可能な形で棄却した。2021年5月20日、原告は再審議を求める
申立を行った。2021年1月22日、ドイツ銀行は、メキシコ公正取引委員会(COFECE)が、DB Mexicoおよび元トレーダー2名、な
らびに他の金融機関6社および他のトレーダー9名がメキシコ国債流通市場における独占的な実務に関与していたとして罰金を
課すことで和解に達したと報告された。DB Mexicoは上訴した。DB Mexicoに対する罰金は約427,000米ドルであった。
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ドイツ銀行(E05792)
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ドイツ銀行は、ニューヨーク州南部地区米国連邦地方裁判所において提起された数件の推定上の集団訴訟においても被告と
して指名されており、これらの訴訟は米国政府機関債の流通市場を操作した疑いに関して、反トラスト法およびコモン・ロー
の違反を主張している。2019年9月3日、裁判所は当該訴状の却下を求める申立を斥けた。ドイツ銀行は集団訴訟について15百
万米ドルで和解する合意に達した。この金額はすでに全額が既存の訴訟引当金に反映されており、この和解費用について追加
の引当金は設定されていない。裁判所は2019年10月29日に当該和解に対して予備承認を与え、この承認は2019年11月8日に出さ
れた意見により支持された。裁判所は最終審理を2020年6月9日に開催した。2020年6月18日、裁判所はドイツ銀行との集団訴訟
の和解と、別途、他のすべての被告との集団訴訟の和解を認める最終判決を下し、合計386.5百万米ドルが和解する集団に支払
われることになる。2019年9月23日、別の訴訟がルイジアナ州中部地区米国連邦地方裁判所に提起されたが、2019年10月30日の
当事者の約定により、ドイツ銀行については再訴不能な形で却下された。
上記の他に、当行グループは、こうした開示が結果に著しく不利な影響を及ぼしうると結論付けたため、上記案件に関して
引当金または偶発負債を設定しているか否かを開示していない。
米国財務省証券に関する調査 ドイツ銀行は、一定の規制当局および法執行機関から、米国財務省証券の入札、取引および関
連する市場活動に関する情報および書類提出等の要請を受け取っている。ドイツ銀行はこれらの調査に協力している。
ドイツ銀行の子会社であるDeutsche Bank Securities Inc.(DBSI)は複数の推定上の集団訴訟において被告となっていた。当
該訴訟は、米国財務省証券市場を操作した疑いに関して、米国反トラスト法、米国商品取引法およびコモン・ローの違反が
あったと主張している。これらの訴訟はニューヨーク州南部地区に併合されている。2017年11月16日、原告は併合修正訴状を
提出したが、DBSIを被告としなかった。2017年12月11日、裁判所は再訴可能な形でDBSIを集団訴訟から外した。2021年3月31
日、裁判所は、被告による当該訴訟の却下申立を認めた。2021年5月14日、原告は第二修正訴状を提出したが、それにもDBSIを
被告としなかった。
2020年6月18日、CFTCは、2013年1月から12月にかけて東京を拠点とするトレーダー2社によるスプーフィングの疑いに関して
DBSIとの和解に基づく命令を下した。ドイツ銀行は、当該事案における調査結果または結論を認めることも否定することもせ
ず、民事制裁金1.25百万米ドルを含む当該命令に合意した。
米国財務省スプーフィング訴訟 当行によるCFTCとの和解を受けて、ドイツ銀行AGおよびDBSIに対する5件の個別の推定上の集
団訴訟がイリノイ州北部地区で提起された。当該訴訟は、ドイツ銀行と名前が公表されていないその他の事業体が、2013年1月
から12月にかけて、米国財務省証券の先物およびオプション契約ならびにユーロドル先物およびオプション契約市場をスプー
フィングするスキームに関与していたと主張している。原告は2020年11月13日に併合訴状を提出した。ドイツ銀行AGおよび
DBSIは、2021年1月15日に棄却を求める申立を提出し、棄却申立の概要説明は2021年4月16日に完了した。2021年9月20日、裁判
官は、第3条の問題に関する当事者適格および対人管轄権の発見事項に関する補足的概要説明を命じた。原告は2021年10月11日
に最初の準備書面を提出し、概要説明は2021年11月1日に完了した。
当行グループは、開示することがこれらの結果を著しく不利にする可能性があると結論付けたため、これらの案件に関して
引当金または偶発負債を設定しているか否かを開示しない。
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信用関連コミットメントおよび偶発負債
取消不能貸出コミットメントおよび貸出関連偶発負債
通常の事業活動の過程において、当行グループは、フロンティング・コミットメントを含む取消不能貸出コミットメントお
よび偶発負債(金融保証および履行保証、スタンドバイ信用状ならびに顧客のための補償契約から構成されている。)を定期
的に締結している。これらの契約に基づいて、当行グループは、債務契約に基づく履行や、第三者の債務不履行に基づく受益
者に対する支払いを要求される。これらの商品に関して、当行グループは、請求が行われるか否か、および行われる場合に
は、いつ、どの程度行われるかについて、詳細には把握していない。当行グループがフロンティング・コミットメントに関連
して現金を支払わなければならない場合、当行グループは即時にその他のシンジケート貸主に返済を求めるであろう。当行グ
ループは信用エクスポージャーの監視の際に上記すべての金融商品を検討し、固有の信用リスクを軽減するために担保を要求
する場合がある。信用リスクの監視により、予想される請求から損失の発生する可能性が高いと考えられた場合、引当金が設
定され、貸借対照表に計上される。
以下の表は、当行グループの取消可能貸出コミットメント、取消不能貸出コミットメントおよび貸出関連偶発負債を示して
おり、担保および引当金は考慮されていない。この表は、締結したこれらすべての負債を履行しなければならない場合の、当
行グループの潜在的な最大利用額を示している。このため、この表はこれらの負債に係る予想将来キャッシュ・フローを表す
ものではない。それは、これらの負債の多くが引き出されることなく期限切れとなるため、および発生する請求が顧客によっ
て履行されるかまたは取り決めた担保からの受取金により回収される可能性があるためである。
取消不能貸出コミットメントおよび貸出関連偶発負債
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
取消不能貸出コミットメント 177,334 165,643
取消可能貸出コミットメント 49,798 50,233
偶発負債 59,394 47,978
合計 286,525 263,854
その他のコミットメントおよびその他の偶発負債
以下の表は、当行グループのその他の取消不能貸出コミットメントおよびその他の偶発負債を示しており、担保および引当
金は考慮されていない。この表は、締結したこれらすべての負債を履行しなければならない場合の、当行グループの潜在的な
最大利用額を示している。このため、この表はこれらの負債に係る予想将来キャッシュ・フローを表すものではない。それ
は、これらの負債の多くが引き出されることなく期限切れとなるため、および発生する請求が顧客によって履行されるかまた
は取り決めた担保からの受取金により回収される可能性があるためである。
その他のコミットメントおよびその他の偶発負債
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
その他のコミットメント 163 144
その他の偶発負債 77 73
合計 240 217
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政府援助
当行グループは、事業活動の過程において、輸出信用機関(以下「ECA」という。)による保証を通じての政府支援を、定期
的に申請および受領している。この保証は、貿易関連ストラクチャード・ファイナンスおよび短中期トレード・ファイナンス
事業において、新興市場および程度はより少ないが先進国市場への輸出および投資に係る融資に関連した移転リスクおよび債
務不履行リスクをカバーする。輸出指向の国々のほぼすべてが、こうしたECAを設置して、自国の輸出業者を支援している。
ECAは、各国政府の名の下にその代理として活動を行っており、政府機関として直接設置されているものと、民間企業として組
織され政府の代理として行動する公式な権限を政府から付与されているものとがある。こうしたECA保証の諸条件は、ECAのほ
とんどが経済協力開発機構(以下「OECD」という。)のコンセンサス・ルールの範囲内で活動を行っていることから、大体似
通っている。OECDのコンセンサス・ルールは、OECD加盟国の政府間合意の一つであるが、様々な輸出国間で公正な競争が行わ
れることを確保することを意図した基準を定義している。
一部の諸国では、ECA保証付融資に関して、政府支援による専用の資金提供プログラムが提供されている。当行グループは、
輸出される商品およびサービスに係る融資において顧客支援にこうしたプログラムを利用している。当行グループはまた、一
定の融資において、国内および国際政府機関から、各政府の利益のために、融資を支援するための政府保証を、担保として受
けている。当行グループが受けるこうしたECA保証の大部分は、韓国の代理として行動する韓国輸出信用機関(Korea Trade
Insurance CorporationおよびThe Export-Import Bank of Korea)、ドイツ連邦共和国の代理人として行動するEuler-Hermes
Kreditversicherungs-AG、グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国の代理人として行動する英国輸出信用保証局、
またはイタリア共和国の代理人として行動するイタリア輸出信用保険会社(SACE S.p.A.)により発行されたものであった。
税金に係る取消不能支払コミットメント
銀行再建・破綻処理指令(BRRD)、単一破綻処理基金(SRF)およびドイツ預金保護制度に基づく銀行税に関連する取消不能
支払コミットメントは、2021年12月31日現在において1,078.8百万ユーロ、2020年12月31日現在において915.6百万ユーロで
あった。
29 -
その他の短期借入金
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
その他の短期借入金:
コマーシャル・ペーパー 1,840 1,748
その他 2,194 1,804
その他の短期借入金合計 4,034 3,553
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30 -
長期債務および信託優先証券
最も早い契約期限別の長期債務
2026 年度 2021 年 2020 年
2022 年 2023 年 2024 年 2025 年 2026 年 より後の 12 月31日 12 月31日
単位:百万ユーロ
度期限 度期限 度期限 度期限 度期限 期限 現在合計 現在合計
優先債務:
債券およびノート:
1
66,402
固定利付 9,053 11,529 10,179 5,791 9,986 16,909 63,446
1
26,990
変動利付 3,134 1,373 2,327 3,243 3,234 4,871 18,182
その他 37,217 3,597 6,853 791 752 4,749 53,960 48,103
劣後債務:
債券およびノート:
固定利付 14 33 74 2,623 1,967 2,479 7,191 6,049
変動利付 0 1,197 21 194 0 0 1,412 1,303
その他 15 103 88 0 42 46 293 316
長期債務合計 49,434 17,832 19,542 12,643 15,980 29,054 144,485 149,163
1 過年度の比較数値は、当年度の表示に合わせている。
当行グループには、2021年度および2020年度の債務に関して、元本および利息の債務不履行またはその他の違反はなかっ
た。
1
信託優先証券
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
固定利付 0 269
変動利付 528 1,052
信託優先証券合計 528 1,321
1 無期限の金融商品であり、当行グループの選択により将来の特定の日に償還可能である。
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有価証券報告書
31 -
金融負債の契約上最も早い割引前キャッシュ・フローの期限分析
2021 年12月31日現在
期限
3 ヶ月超
期限 期限 期限
単位:百万ユーロ 要求払 3 ヶ月以内 12ヶ月以内 1 年超5年以内 5 年超
無利息預金 225,782 0 0 0 0
利付預金 168,927 118,909 70,899 12,195 10,015
1
トレーディング負債
54,676 0 0 0 0
デリバティブ金融商品のマイナスの
287,108 0 0 0 0
1
時価
純損益を通じて公正価値で測定する
30,911 7,582 16,764 2,249 2,438
ものとして指定された金融負債
2
投資契約負債
0 0 562 0 0
ヘッジ会計に適格なデリバティブ金
0 678 423 286 79
3
融商品のマイナスの時価
中央銀行ファンド借入金 0 0 0 0 0
買戻条件付売却有価証券 227 33 40 448 8
貸付有価証券受入金 24 0 0 0 0
その他の短期借入金 2,676 953 607 0 0
長期債務 0 36,692 14,770 71,239 31,449
信託優先証券 0 0 529 0 0
リース負債 37 142 503 1,750 2,082
その他の金融負債 78,311 3,225 337 456 12
オフバランスの貸出コミットメント 175,114 0 0 0 0
金融保証 24,024 0 0 0 0
4
合計
1,047,818 168,213 105,435 88,624 46,084
1 トレーディング負債およびヘッジ会計に不適格なデリバティブの残高は公正価値で計上される。当行グループは、これが、これらのポジ
ションを手仕舞わなければならない場合に支払うべきキャッシュ・フローを最も良く示すと考えている。トレーディング負債およびヘッ
ジ会計に不適格なデリバティブの残高は「要求払」に含まれており、当行グループの経営陣は、これが、トレーディング業務の短期的な
性質を最も正確に反映すると考えている。しかし、各金融商品の契約上の期限は、大幅に延長される可能性がある。
2 これらは、保険の諸条件により公正価値と等しい償還価額となる投資契約である。
3 ヘッジ会計に指定されたデリバティブは、公正価値で計上されており、ヘッジ関係が終了すると予想されるタイム・バケットに示されて
いる。
4 当表における残高は、表中のキャッシュ・フローが割引前ベースであるため、当行グループの貸借対照表の数値とは一致しない。この分
析は、すべての負債を予定よりも早く返済するよう要求された場合の当行グループの最悪事例のシナリオを示している。当行グループ
は、こうした事象が発生する可能性はほとんどないと考えている。
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2020 年12月31日現在
期限
3 ヶ月超
期限 期限 期限
単位:百万ユーロ 要求払 3 ヶ月以内 12ヶ月以内 1 年超5年以内 5 年超
無利息預金 220,646 0 0 0 0
利付預金 154,863 105,566 64,784 13,815 10,230
1
トレーディング負債
44,289 0 0 0 0
デリバティブ金融商品のマイナスの
327,775 0 0 0 0
1
時価
純損益を通じて公正価値で測定する
23,692 16,204 3,451 2,127 2,095
ものとして指定された金融負債
2
投資契約負債
0 0 526 0 0
ヘッジ会計に適格なデリバティブ金
0 354 66 319 541
3
融商品のマイナスの時価
中央銀行ファンド借入金 0 0 0 0 0
買戻条件付売却有価証券 1,815 17 0 504 1
貸付有価証券受入金 1,697 1 0 0 0
その他の短期借入金 1,385 919 1,530 0 0
長期債務 1 14,430 48,164 68,130 31,637
信託優先証券 0 0 1,345 0 0
リース負債 49 128 522 1,804 2,064
その他の金融負債 86,618 2,565 225 501 16
オフバランスの貸出コミットメント 164,843 0 0 0 0
金融保証 20,337 0 0 0 0
4
合計
1,048,009 140,182 120,611 87,200 46,584
1 トレーディング負債およびヘッジ会計に不適格なデリバティブの残高は公正価値で計上される。当行グループは、これが、これらのポジ
ションを手仕舞わなければならない場合に支払うべきキャッシュ・フローを最も良く示すと考えている。トレーディング負債およびヘッ
ジ会計に不適格なデリバティブの残高は「要求払」に含まれており、当行グループの経営陣は、これが、トレーディング業務の短期的な
性質を最も正確に反映すると考えている。しかし、各金融商品の契約上の期限は、大幅に延長される可能性がある。
2 これらは、保険の諸条件により公正価値と等しい償還価額となる投資契約である。
3 ヘッジ会計に指定されたデリバティブは、公正価値で計上されており、ヘッジ関係が終了すると予想されるタイム・バケットに示されて
いる。
4 当表における残高は、表中のキャッシュ・フローが割引前ベースであるため、当行グループの貸借対照表の数値とは一致しない。この分
析は、すべての負債を予定よりも早く返済するよう要求された場合の当行グループの最悪事例のシナリオを示している。当行グループ
は、こうした事象が発生する可能性はほとんどないと考えている。
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追加的注記
32 -
普通株式
普通株式
ドイツ銀行の株式資本は、記名式無額面普通株式から成る。ドイツの法律では、各株式は引受済資本に対する均等な持分を
表している。したがって、株式1株の名目価値は2.56ユーロであり、株式資本合計額を株式数で除することにより算定されてい
る。
発行済かつ
株式数 自己株式 社外流通
全額払込済
2020 年1月1日現在の普通株式 2,066,773,131 -671,357 2,066,101,774
株式報酬制度に基づく株式の発行 0 0 0
増資 0 0 0
自己株式の購入 0 -35,058,705 -35,058,705
自己株式の売却または割当 0 34,383,896 34,383,896
2020 年12月31日現在の普通株式 2,066,773,131 -1,346,166 2,065,426,965
株式報酬制度に基づく株式の発行 0 0 0
増資 0 0 0
自己株式の購入 0 -35,979,884 -35,979,884
自己株式の売却または割当 0 36,647,102 36,647,102
2021 年12月31日現在の普通株式 2,066,773,131 -678,948 2,066,094,183
全額払込まれていない発行済普通株式はない。
自己株式の購入は、主に短期で再売却する意図で購入した株式および一時的に当行グループが保有する株式から成る。さら
に、当行グループは、株式報酬のために株式の買戻しを行った。当該取引はすべて株主持分に計上され、これらの活動に関し
て収益および費用は計上されなかった。年度末現在保有の自己株式は、主に今後の株式報酬に充当の予定である。
授権資本
取締役会は、現金払込に対する新株発行による増資を行う権限を付与されている。2021年12月31日現在、ドイツ銀行AGは、
2026年4月30日までにその全部または一部を発行できる、付与されたが未使用の授権資本枠2,560,000,000ユーロを有してい
た。詳細は定款第4条に規定されている。
授権資本 対価 新株予約権 失効日
株式会社法第186条第3項第4号に従って除外され
ることがあり、また、オプション権、転換社債
512,000,000ユーロ 現金 2026年4月30日
および転換可能参加権の保有者への新株予約権
の付与に必要な場合、除外されることがある。
オプション権、転換社債および転換可能参加権
2,048,000,000ユーロ 現金 の保有者への新株予約権の付与に必要な場合、 2026年4月30日
除外されることがある。
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条件付資本
取締役会は、転換権またはオプション権付の参加証券および/または転換社債および/または新株予約権付社債を一度にま
たは数回に分けて発行する権限を付与されている。参加証券、転換社債または新株予約権付社債は、ドイツ銀行AGの関係会社
によって発行される場合もある。この目的のために、株式資本は、これらの転換権および/または交換権の行使時または強制
転換時という条件付で増加された。
条件付資本 条件付資本の目的 失効日
参加証券、転換社債もしくは新株予約権付社債に連動する転換権もし
くはオプション権の保有者がその転換権またはオプション権を行使す
512,000,000ユーロ 2022年4月30日
る場合、または転換権付参加証券もしくは転換社債に係る転換義務の
保有者がその転換義務を履行する場合に使用することができる。
失効日以前に付与されたオプション権を行使するために使用すること
ができる。また、発行済オプション権の保有者が株式を受領する権利
51,200,000ユーロ 2022年4月30日
を行使し、株式の引渡しに自己株式が用いられない場合にのみ使用さ
れる。
配当
以下の表は、2021年、2020年および2019年12月31日終了年度の提案または宣言された配当金額をそれぞれ示している。
2021 年度(提案) 2020 年度 2019 年度
宣言現金配当(単位:ユーロ) 413,000,000 0 0
普通株式1株当たり宣言現金配当(単位:ユーロ) 0.20 0.00 0.00
貸借対照表日以降に宣言された配当はない。
3 3 -
従業員給付
株式報酬制度
当行グループは、DBエクイティ・プランに基づき株式報酬を付与した。このプランは、一定期間後にドイツ銀行普通株式を
受け取る条件付権利を表している。報奨の受給者は報奨の権利確定期間の間は配当を受け取る権利を有していない。
DBエクイティ・プランの諸条件に従い付与された株式報奨は、受給者が該当する権利確定期間(またはアップフロント報奨
のリリース期間)終了前に自己都合で離職した場合には、全部または一部が失効することがある。解雇または退職等の場合に
は、権利確定は通常、離職後も継続する。繰延株式報奨は、リリースまで失効規定および業績条件の対象となる。
法律上またはその他の制限により株式の受渡しに支障がある国では、報奨を付与するためにDBエクイティ・プランの変形で
あるキャッシュ・プランが使用され、一部の法人の従業員については、現地の規制要件により、繰延株式の代わりに制限付株
式が用いられる。
この表には取締役会に付与された報奨は含まれておらず、また、表中の2018年度以降の数値には、AIFMD/UCITS MRTまたは
DWS株式に基づく報酬制度による支払は含まれていない。当該報酬制度に基づく付与に関しては、DWSの項を別途参照のこと。
以下の表は、これらのシェア・プランの基本条件を示している。
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ドイツ銀行 権利確定
付与された年度 エクイティ・プラン スケジュール 適格者
1
2019年-2021年 年次報奨 1/4:12ヶ月 年次業績連動報奨に選ばれた従業員
1
(CB/IB/CRUおよびMBUにおける
1/4:24ヶ月
2
InstVV MRT)
1
1/4:36ヶ月
1
1/4:48ヶ月
1
年次報奨 1/3:12ヶ月 年次業績連動報奨に選ばれた従業員
2
1
(CB/IB/CRU以外)
1/3:24ヶ月
1
1/3:36ヶ月
1
年次報奨 1/5:12ヶ月 年次業績連動報奨に選ばれた従業員
1
(上級経営者)
1/5:24ヶ月
1
1/5:36ヶ月
1
1/5:48ヶ月
1
1/5:60ヶ月
リテンション/新規雇用 個別に設定 最も優秀な人材を引き付けるまたは
引き留めるために選ばれた従業員
年次報奨-アップフロント 付与時に直ちに権 規制従業員
3
利確定
1
2017年-2018年 年次報奨 1/4:12ヶ月 年次業績連動報奨に選ばれた従業員
1
1/4:24ヶ月
1
1/4:36ヶ月
1
1/4:48ヶ月
または、54ヶ月後 上級管理職グループのメンバー
1
に一括で権利確定
リテンション/新規雇用 個別に設定 最も優秀な人材を引き付けるまたは
引き留めるために選ばれた従業員
3
キーリテンション制度 1/2:50ヶ月 重要なリスク・テーカー(MRT)
4
3
(KRP)
1/2:62ヶ月
または、43ヶ月後 重要ではないリスク・テーカー(MRT
に一括で権利確定 以外)
2016年 キーポジション報奨 4年後に一括で権利 年次リテンション報奨に選ばれた従
5 3
(KPA) 確定 業員
1 InstVVの規制従業員(および上級経営者)については、さらに12ヶ月(2017年度から2018年度に付与された報奨は6ヶ月)のリテンション
期間が適用される。
2 2019年度付与時は、これらの部門はCIBと呼ばれていた。2020年度および2021年度付与時には、CIBはCBとIBとCRUに分かれている。
3 株式受渡しはさらに12ヶ月のリテンション期間後に行われる。
4 当該制度に基づき2017年1月に付与された株式報奨には、株価水準に関する追加条件が付されており、当該条件が満たされず失効した。
5 個人のKPAの所定の割合については、株価水準についての追加条件があり、当該条件が満たされず失効した。
さらに、当行グループは、グローバル・シェア・パーチェス・プラン(以下「GSPP」という。)という名称の包括的な従業
員株式所有制度を提供している。GSPPは、特定の国の従業員に、ドイツ銀行の株式を1年間にわたり毎月払いで購入する機会を
提供している。当行グループはその購入期間の終わりに、従業員がもう1年ドイツ銀行グループに在籍することを条件に、獲得
株式1株につき1株(最大10株)の無償株式を割り当てる。2021年11月から始まった第12期には、18ヶ国の従業員計約11,838名
が当該制度に加入していた。
当行グループはその他現地の株式報酬制度を有しているが、個別でも総額でも連結財務諸表にとって重要なものはない。
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以下の表は、株式報奨ユニットの変動を示している。また、DBエクイティ・プランの変形であるキャッシュ・プランに基づ
く付与も含まれている。
1
2020 年度
株式ユニット(単位:千) 2021 年度
1 月1日現在残高 119,206 169,590
付与 50,554 45,269
リリース -43,206 -32,693
失効 -4,537 -62,518
その他の変動 -200 -441
12 月31日現在残高 121,818 119,206
1 2020年度の株式ユニットは修正再表示されている。
DBエクイティ・プランは、キーポジション報奨およびキーリテンション制度の双方において、株価に関する条件付きの報奨
を含んでいる。両制度の株価に関する条件について2020年度に測定が行われたが、条件は満たされなかった。その結果、約56
百万株式ユニットが失効した。IFRS第2号に準拠して、市場に関する業績条件が満たされないことによる失効に際して、計上済
み費用の戻し入れは行われなかった。
以下の表は、当年度における報奨の付与、リリースおよび残高に関する主要な情報を示したものである。
2021 年度 2020 年度
期中に付与された 期中に付与された
報奨1ユニット 報奨1ユニット
当たりの 期中のリリース時 契約上の加重平均 当たりの 期中のリリース時 契約上の加重平均
加重平均公正価値 の加重平均株価 残存期間 加重平均公正価値 の加重平均株価 残存期間
DB エクイティ・プラン 9.25 ユーロ 10.58 ユーロ 2年 7.20 ユーロ 7.79 ユーロ 2年
現金の支払いを伴う株式に基づく報酬取引により負債が生じ、それは2021年および2020年12月31日終了年度において、それ
ぞれ合計約8百万ユーロおよび8百万ユーロであった。
発行済株式報奨の付与総額は、2021年および2020年12月31日現在、それぞれ約9億ユーロおよび9億ユーロであった。このう
ち約7億ユーロおよび7億ユーロが、報酬費用として当該報告年度またはそれ以前に認識された。このため、2021年および2020
年12月31日現在、繰延株式報酬に関する未認識の報酬費用は、それぞれ約2億ユーロおよび2億ユーロであった。
DWS 株式に基づく報酬制度
DWSグループは、DWSエクイティ・プランに基づき株式報酬を付与した。このプランは、指定された期間におけるDWS株式の価
額を参照して現金支払を受け取る条件付権利を付与するものである。
2018年9月、DWS株式評価益権(SAR)プランに基づき、IPO関連の一度限りの報奨がDWSグループ従業員全員に付与された。限
られた数のDWSの上級管理職には、代わりにDWSエクイティ・プランに基づくIPO関連の一度限りのパフォーマンス・シェア・ユ
ニット(PSU)が付与された。取締役会メンバーに対しては、DWSエクイティ・プランに基づくIPO関連の一度限りの報奨が、
2019年1月に付与された。
DWS SARプランは、特定の条件下で、一定期間における一定数の名目上のDWS株式の価額の上昇(または利得)と同等の現金
支払を受け取る権利を表している。この報奨は、DWS株式、議決権またはこれらに関連する配当金を受け取る権利を付与するも
のではない。
DWSエクイティ・プランは、特定の条件下で、指定された期間におけるDWS株式の価額を参照して現金支払を受け取る権利を
付与する架空の株式制度である。
株式報酬制度の報奨の受給者は、当該報奨の権利確定期間中は配当を受け取る権利がない。
任意の株式報酬制度の諸条件に従って付与された株式報奨は、該当する権利確定期間(またはアップフロント報奨のリリー
ス期間)の終了前に受給者が自己都合で離職した場合には、全部または一部が失効する。解雇または退職等の場合は、権利確
定期間は通常、離職後も継続する。
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以下の表は、DWSの株式報酬制度の基本条件を示している。
付与された年度 報奨の種類 権利確定スケジュール 適格者
1
2021 年 年次報奨 1/4: 12ヶ月 年次業績連動報奨に選ばれた従業員
1
(InstVV MRT)
1/4: 24ヶ月
1
1/4: 36ヶ月
1
1/4: 48ヶ月
1
年次報奨 1/3: 12ヶ月 年次業績連動報奨に選ばれた従業員
1
(InstVV MRT以外)
1/3: 24ヶ月
1
1/3: 36ヶ月
1
年次報奨(上級経営者) 1/5: 12ヶ月 取締役会のメンバー
1
1/5: 24ヶ月
1
1/5: 36ヶ月
1
1/5: 48ヶ月
1
1/5: 60ヶ月
年次報奨-アップフロント 付与時に直ちに権利確 規制従業員
1
定
リテンション/新規雇用 個別に設定 最も優秀な人材を引き付けるまたは
引き留めるために選ばれた従業員
1
2019年-2020年 年次報奨 1/3: 12ヶ月 年次業績連動報奨に選ばれた従業員
1
1/3: 24ヶ月
1
1/3: 36ヶ月
1
年次報奨(上級経営者) 1/5: 12ヶ月 取締役会のメンバー
1
1/5: 24ヶ月
1
1/5: 36ヶ月
1
1/5: 48ヶ月
1
1/5: 60ヶ月
年次報奨-アップフロント 付与時に直ちに権利確 規制従業員
1
定
リテンション/新規雇用 個別に設定 最も優秀な人材を引き付けるまたは
引き留めるために選ばれた従業員
1
パフォーマンス・シェア・ 1/3: 2022年3月 取締役会のメンバー
1
ユニット(PSU)報奨(IPO
1/3: 2023年3月
に関連する2019年に付与さ
1
1/3: 2024年3月
れた一度限りの報奨)
2018年 リテンション/新規雇用 個別に設定 最も優秀な人材を引き付けるまたは
引き留めるために選ばれた従業員
1
パフォーマンス・シェア・ 1/3: 2022年3月 選ばれた上級管理職
1
ユニット(PSU)報奨(IPO
1/3: 2023年3月
に関連する一度限りの報
1
1/3: 2024年3月
1
奨)
3 2
SAR報奨(IPOに関連する MRT以外:2021年6月1日 全DWS従業員
1, 3
一度限りの報奨)
MRT: 2023年3月1日
1 個々の規制状況により、6ヶ月間のリテンション期間(AIFMD/UCITS MRT)または12ヶ月間のリテンション期間(InstVV MRT)が権利確定
後に適用される。
2 従業員がPSU報奨を受け取った場合を除く。
3 2020年度において、報奨取得時の早期の権利確定および行使が可能となる2つの早期行使期間が、MRT以外の従業員に提示された。付与済
報奨については、権利確定/リテンション期間の経過後、4年の行使期間が適用される。
以下の表は、株式報奨ユニットの変動を示している。
DWS SAR プラン
DWS エクイティ・プラン
2021 年度 2020 年度 2021 年度 2020 年度
加重平均行使価格 加重平均行使価格
株式ユニット(単位:千) 報奨数 報奨数 報奨数 (単位: ユーロ ) 報奨数 (単位:ユーロ)
期首残高 2,418 2,040 1,254 24.65 2,087 24.65
付与 709 805 0 - 0 -
発行または行使 -583 -368 -256 24.65 -766 24.65
失効 -110 -54 -14 24.65 -52 24.65
期日到来 0 0 -36 24.65 0 -
その他の変動 -18 -6 0 24.65 -14 24.65
期末残高 2,415 2,418 948 24.65 1,254 24.65
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このうち行使可能なもの 0 0 739 - 0 -
以下の表は、当年度における報奨の付与、リリースおよび残高に関する主要な情報を示したものである。
2021 年度 2020 年度
期中に付与された 期中に付与された
報奨1ユニット 報奨1ユニット
期中のリリース/ 期中のリリース/
当たりの 行使時の加重平均 契約上の加重平均 当たりの 行使時の加重平均 契約上の加重平均
加重平均公正価値 株価 残存期間 加重平均公正価値 株価 残存期間
DWS エクイティ・プラン
30.44 ユーロ 37.24 ユーロ 2年 29.07 ユーロ 34.88 ユーロ 2年
DWS SARプラン
N/A 39.59 ユーロ 4年 N/A 31.95 ユーロ 5年
2021年および2020年12月31日現在、付与済の株式に基づく報奨の公正価値はそれぞれ約83百万ユーロおよび85百万ユーロで
あった。当該報奨のうち約69百万ユーロおよび61百万ユーロは、それぞれ2021年度末および2020年度末までに損益計算書に認
識され、このうち2021年および2020年12月31日現在の約29百万ユーロおよび21百万ユーロは完全に権利が確定した報奨に関連
するものであった。2021年および2020年12月31日現在、株式に基づく報酬制度に関する未認識費用合計はそれぞれ約14百万
ユーロおよび25百万ユーロであり、これは将来の株価の動きに左右される。
2020年度において、適格な従業員は付与された2つの異なる早期行使オファーの一環として自身のSAR報奨を行使することを
推奨された。行使されなかったSAR報奨は、引き続きDWS SARプランの制度規定(条件を満たした場合の失効規定を含む。)の
対象となる。
当該DWS SARプランの報奨の公正価値は一般化されたブラック-ショールズ・モデルを用いて測定されている。発生した負債
は、決済されるまで各報告期間末に再測定される。主なインプットは報告日の市場価値であり、報奨の保有期間にわたる過去
の配当金がある場合は割り引き、当行グループを離職する適格従業員数および早期退職の適格従業員数の見積りを含む権利確
定の予想水準と実績水準の調整を行う。当該DWS SARプランの報奨付与日および測定日における公正価値の測定に用いられたイ
ンプットは以下のとおりである。
測定日 測定日
2021 年12月31日 2020 年12月31日
ユニット(単位:千)
948 1,254
公正価値
10.99 ユーロ 10.68ユーロ
株価
35.48 ユーロ 34.80ユーロ
行使価格
24.65 ユーロ 24.65ユーロ
予想ボラティリティ(加重平均)
32 % 33%
予想残存期間(加重平均)の年数
4 5
予想配当額(収益に対する%)
65 % 65%
DWSの株価のインプライド・ボラティリティについて市場での取引が限定的であることから、DWSの株価の予想ボラティリ
ティは、先の5年間における競合他社グループの過去のボラティリティの評価に基づいている。予想配当額の水準は、直近の
DWSグループのコミュニケーションに連動している。
退職後給付制度
制度の特性
当行グループは、従業員のために、確定拠出制度および確定給付制度双方の複数の退職後給付制度に資金を提供している。
当行グループの制度は、制度の特性および実体に基づいて会計処理が行われている。一般的に確定給付制度の場合には、加入
者の発生給付額は、各従業員の報酬と勤続期間に基づいた金額となる。確定拠出制度への拠出額は通常、各従業員報酬の一定
割合に基づいたものとなる。この注記の残りは、主に当行グループの確定給付制度に重点を置いている。
当行グループの確定給付制度は、給付の性質およびリスクの違いや、各規制環境の違いを反映して、主に地域別に記載され
ている。特に、現地の規制当局の定める要件が大幅に異なる場合があり、それにより給付制度の設計や資金調達がある程度決
定される。主要な情報は加入者の状況別でも表示されており、当行グループの債務の期日に関する広範な指標を提供してい
る。
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2021 年12月31日現在
単位:百万ユーロ
ドイツ 英国 米国 その他 合計
以下に関連する確定給付制度
債務
在職中の制度加入者 4,626 632 243 635 6,136
受給待機中の加入者 2,535 3,020 564 118 6,237
受給中の加入者 5,936 1,277 544 274 8,031
確定給付制度債務合計 13,097 4,929 1,351 1,027 20,404
制度資産の公正価値 12,642 6,019 1,148 1,079 20,888
1
85 %
積立率(%) 97 % 122 % 105 % 102 %
1 米国の確定給付制度債務合計は、確定給付年金制度に加え、未積立の米国メディケア・プラン(170百万ユーロ)を含む。メディケアを除
いた米国の確定給付年金の積立率は97%である。
2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ
ドイツ 英国 米国 その他 合計
以下に関連する確定給付制度
債務
在職中の制度加入者 4,950 706 236 648 6,540
受給待機中の加入者 2,639 2,876 561 111 6,187
受給中の加入者 5,943 1,335 530 272 8,080
確定給付制度債務合計 13,532 4,917 1,327 1,031 20,807
制度資産の公正価値 12,658 5,705 1,107 987 20,457
1
83 %
積立率(%) 94 % 116 % 96 % 98 %
1 米国の確定給付制度債務合計は、確定給付年金制度に加え、未積立の米国メディケア・プラン(168百万ユーロ)を含む。メディケアを除
いた米国の確定給付年金の積立率は96%である。
当行グループの確定給付制度債務の大半はドイツ、英国および米国に関連するものである。それ以外の国では、スイスにお
ける債務が最大となっている。ドイツおよび一部の欧州大陸諸国では、退職後給付は通常、各労使協議会、労働組合およびそ
の同等組織と団体ベースで合意される。当行グループの主な年金制度は、被信託者、受託者、またはそれらと同等の人物に
よって管理されている。
退職後給付は従業員の報酬全体の中で重要な部分を占めている場合がある。当該制度の設計が、それぞれの市場で従業員に
とって魅力的なものである一方、当行グループにとってより長期的に提供できる持続可能なものでなければならない、という
のが当行グループのアプローチである。同時に、当行グループでは当該給付の支給に係るリスクを制限しようと努めている。
その結果当行グループでは、近年多くの地域で、確定拠出制度の提供に移行している。
これまで当行グループでは通常、退職前の最終給与に基づいて年金制度を提供してきた。こうした種類の給付が依然とし
て、受給待機中および受給中の加入者に関する年金債務の重要部分を占めている。現在、ドイツおよび米国では、在職中の従
業員のための主要な確定給付年金制度はキャッシュ・バランス制度であり、当該制度では当行グループは従業員の現在の報酬
に基づいて年間の金額を個人の勘定に拠出する。制度規定に応じて、当該勘定は、固定金利でまたは当行グループの投資リス
クを制限するために一定の基礎となる投資の市場変動に参加することにより、増額される。特にドイツでは、制度規定内に保
証給付額(例えば、最低でも拠出された金額の支払い)を定めている場合がある。受益者は通常、退職時に、累積勘定残高を
一括で受け取るか、固定数の年賦払いで受け取るか、また終身年金に変換して受け取るかを選択することができる。この変換
は多くの場合、退職時の市況および推定死亡率に基づいて行われる。
当行グループではまた、一部の国において退職および解雇手当制度に、ならびに主に米国では多数の在職中の従業員および
退職従業員向けのいくつかの退職後医療制度に資金を提供している。退職後医療制度は通常、適格退職者の医療費が所定の免
責額を超えた後に、所定の割合を支払うものである。米国では、退職者がメディケアとして適格になった時点で、当行グルー
プが医療費払戻口座に対する拠出を行い、当該退職者は当行グループの医療プログラムに基づく資格を喪失する。当行グルー
プの2021年12月31日および2020年12月31日現在の退職後医療制度の確定給付制度債務はそれぞれ合計201百万ユーロおよび202
百万ユーロであった。給付構造と組み合わせて、当該退職後医療制度負債の性質および規模を2021年度末の当行グループの貸
借対照表の規模と比較して考慮すると、これらの制度は当行グループに関する限定的なリスクを表している。
以下に示す当行グループの確定給付制度からの給付支払予定額には、従業員の過去および予想される将来の勤務に帰属する
給付が含まれており、また当行グループの外部の年金信託より支払われる額と、非積立式制度について当行グループから直接
支払われる額の双方が含まれている。
単位:百万ユーロ ドイツ 英国 米国 その他 合計
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2021年度の実際の給付支払額 477 134 87 67 765
2022年度の給付支払予定額 515 235 78 66 894
2023年度の給付支払予定額 523 133 79 64 799
2024年度の給付支払予定額 542 143 80 67 832
2025年度の給付支払予定額 560 161 81 63 865
2026年度の給付支払予定額 577 165 83 63 888
2027年度から2031年度の給付支払予定額 3,119 961 410 323 4,813
確定給付制度債務の加重平均期間(年) 14 20 11 12 15
複数事業主制度
当行グループは、ドイツにおいて他の金融機関とともにBVV Versicherungsverein des Bankgewerbes a.G.(BVV)のメン
バーである。BVVは、ドイツにおける適格従業員に対し、当行グループの退職後給付保証を補完するものとして、退職給付を提
供している。事業主と従業員の双方が、定期的にBVVへの拠出を行う。BVVは、退職する個人に対して固定額の年金を提供し、
制度内において余剰資産が発生した場合には、その固定額が増額される。ドイツの法律では、従業員に当該給付を支給する最
終責任は事業主にある。インフレの影響で退職者に対する給付債務が増加することで給付が増額する場合もある。BVVは複数事
業主確定給付制度であるが、業界の慣例に従い、当行グループでは、当行グループの現従業員および元従業員に関連する資産
および負債を識別するのに十分な情報が入手可能でないことから、当該制度を確定拠出制度として会計処理している。この処
理は主に、BVVが制度資産の全額を受益者にも加入企業にも配分しないことによるものである。
ガバナンスおよびリスク
当行グループでは、当行グループの年金および関連リスクを世界的に監視するため、年金委員会を維持している。当該委員
会は、四半期毎に開催され、上級管理職報酬委員会に直接報告を行い、年金運営委員会による支援を受けている。
この一環として、当行グループでは、ガバナンスおよびリスク管理(積立、資産配分および数理計算上の仮定の設定等)に
関するガイドラインを策定し、維持している。
取得の際および取得後や、外部環境(法令、税制等)の変化がある場合に、一般的な制度の設計や制度改訂の可能性等のト
ピックが検討される。制度へのいかなる変更も、グループ人事部(一定の基準を上回る場合は年金委員会も)の承認を要する
プロセスを経た上で行われる。
年金リスク管理は当行グループのリスク管理制度に組み込まれており、制度資産および負債の価値、IFRSおよび所要規制自
己資本に関して、資本市場の動き(金利、信用スプレッド、物価インフレ等)の重要性を考慮してマーケット・リスクを重視
している。このためリスク管理は、特定の測定基準およびリスク管理フレームワーク(該当する場合にはリスク限度枠または
基準値を設定する等)による定期的な測定、監視および報告を含んでいる。リスク管理業務には、人口統計上の仮定および他
の数理計算上の仮定(寿命リスク等)のような他の金融リスクの検討、見直しおよび測定だけでなく、モデル、バリュエー
ションおよび他の非金融リスクの評価も含まれている。
当行グループの主要な年金諸国において、当行グループの最大の退職後給付制度リスク・エクスポージャーは、信用スプ
レッド、金利、物価インフレおよび寿命の潜在的変化に関連しているが、これらは採用した投資戦略を通じて一部緩和されて
いる。年金制度が積立てられている範囲で、保有資産は負債リスクの一部を緩和するが、投資リスクを取り込むこととなる。
全体的に当行グループは、退職後給付の資金調達、規制自己資本および各地域の積立または会計処理の要件による制約に関
わるトレードオフのバランスを保ちつつ、当行グループの財政状態に対する市場の変動からの年金の影響の最小化を図ってい
る。
積立
当行グループは、確定給付制度債務の大半の資金を積み立てるため、様々な外部の年金信託を継続的に利用している。当行
グループの積立原則は、現地の法的要件をすべて満たすことを条件として、確定給付制度債務の積立について、債務の90%か
ら100%の範囲の制度資産を維持することである。また当行グループでは、一部の制度については積立を行わないことを決定し
ているが、その積立アプローチは定期的なレビュー(現地の規制や慣行に変更があった場合等)の対象となる。当行グループ
の非積立式制度の債務は、貸借対照表に未払計上されている。
外部積立されている確定給付制度の多くには、現地の最低積立要件が定められている。当行グループは、当行グループの積
立原則に基づいて、追加的な制度拠出を決定することができる。英国等、受託者と当行グループが共同で拠出水準に合意して
いる地域もある。ほとんどの国において、当行グループは、確定給付制度債務に対する制度資産の積立超過からの経済的便益
を、主に将来の拠出額の減額の形で得られると見込んでいる。当行グループの主要な積立式確定給付制度において比較的高水
準の積立水準および採用された投資戦略を考えると、適用され得る最低積立要件が短期的に当行グループを重大で不利な現金
逼迫の状況下に置くことはないと予想している。当行グループは当行グループの積立原則に基づいて、当行グループの資産か
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ら支払われた給付の返還を求めないことは、当期において外部の年金信託に対して現金の拠出を行うことと同じであると考え
ている。
退職後医療制度については、当行グループは雇用期間にわたって債務を未払計上し、支払期日到来時に当行グループの資産
から給付を行っている。
数理計算の手法および仮定
すべての制度の測定日は12月31日である。すべての制度は、独立した適格保険数理士により予測単位積増方式を用いて評価
されている。世界規模での一貫性を確保するために、当行グループの方針において数理計算上の仮定の設定についてのガイダ
ンスを提供している。これは当行グループの年金委員会により最終決定されるものである。当行グループの上級経営者は、主
要な数理計算上の仮定の変動や変更に関する情報を定期的に受け取っている。
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12月31日現在の確定給付制度債務を算定する上で適用される主要な数理計算上の仮定が、加重平均の形式で以下に示されて
いる。
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
1 1
米国 米国
ドイツ 英国 その他 ドイツ 英国 その他
割引率(%)
1.10 % 1.86 % 2.73 % 1.92 % 0.60 % 1.26 % 2.31 % 1.51 %
物価インフレ率(%)
2.19 % 3.73 % 2.30 % 1.88 % 1.29 % 3.22 % 2.10 % 1.54 %
将来給与水準の名目上昇率(%)
2.42 % 4.23 % 2.40 % 2.69 % 1.79 % 3.72 % 2.20 % 2.57 %
年金支給額の名目上昇率(%)
2.10 % 3.49 % 2.30 % 1.05 % 1.19 % 3.08 % 2.10 % 0.86 %
65 歳時の余命の仮定
測定日現在65歳の男性 21.3 23.5 21.9 22.0 21.2 23.5 21.8 22.0
測定日現在65歳の女性 23.5 25.1 23.3 24.0 23.5 25.0 23.2 24.2
測定日現在45歳の男性 22.6 24.6 23.3 23.4 22.5 24.5 23.2 23.3
測定日現在45歳の女性 24.6 26.5 24.7 25.4 24.6 26.4 24.5 25.6
SAPS(S3)
SAPS(S3)
修正 修正
PRI2012
Light/Very
Light/Very PRI2012 年
Richttafeln Richttafeln
各国特有 年と 各国特有
適用した死亡率表 とMP2021年
Light 表と
Light表と
Heubeck Heubeck
の表 MP2020年 の表
の予測
CMIの2019
CMIの2020
の予測
2018 G 2018 G
年予測
年予測
1 キャッシュ・バランス制度の付与利率は、米国30年物国債の利回りと一致している。
主要国における当行グループの最も重要な年金制度に関して、各測定日に使用した割引率は優良社債のイールド・カーブ
(信頼性の高い第三者の市場データの提供業者から入手した社債ユニバースの情報を用いて算出されている。)を基に設定さ
れており、関連する制度の将来の給付支払いが予測される時期、金額および通貨を反映したものとなっている。2021年度第4四
半期において、基礎となる社債を決定するためのデータの質を向上させる修正割引カーブ手法の使用が英国で承認された。当
該手法の適用により約45百万ユーロの数理計算上の純利得が発生し、その他の包括利益を通じて認識された。この結果、年金
制度資産および確定給付債務の純額表示に伴い、全般的な年金の積立超過額および確定給付制度資産純額において対応する金
額が増加することとなった。
ユーロ圏および英国における物価インフレの仮定は、各測定日現在のこれらの市場におけるインフレ・スワップ率に基づ
く、市場のインフレ指標を参照して設定されている。その他の国における物価インフレの仮定は、通常、Consensus Economics
Inc.の長期予測に基づいている。
将来の給与水準の上昇率および年金支給額の上昇率に関する仮定は、必要に応じて、制度ごとに策定される。各制度は、物
価インフレの仮定に基づいて、および当行グループの報奨構造または市場ごとの方針ならびに関連する現地の法律および制度
特有の要件を反映させることにより、設定される。
その他の仮定としては、死亡率の仮定は、確定給付制度に基づく当行グループの債務を測定する上で重要となる場合があ
る。これらの仮定は、それぞれの国における現時点での最善の見積りに従い設定されている。将来の潜在的な寿命の改善は考
慮され、また必要に応じて含められる。死亡率の仮定が長期にわたること、およびパンデミックが健康状態に及ぼす長期的な
影響が明確ではないことから、いずれの地域においても、年次評価プロセスの一環として捕捉された最新のデータのほかに、
COVID-19の影響に対する具体的な仮定は設定されていない。
2020年12月31日に終了した事業年度において、当行グループは主にプライベート・バンキング部門においてドイツでの退職
給付に関する取り決めの一つに一括払いのオプションを導入したことに伴い、過去勤務収益48百万ユーロを計上した。この確
定給付制度債務の減額は、報酬および手当の一部として連結損益計算書に計上された。
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負債および資産の増減の調整表-財務諸表に与える影響
2021 年度
単位:百万ユーロ
ドイツ 英国 米国 その他 合計
確定給付制度債務の現在価値の増減:
期首残高 13,532 4,917 1,327 1,031 20,807
純損益で認識された確定給付費用
当期勤務費用 177 23 10 40 250
利息費用 80 63 31 16 190
過去勤務費用および決済により生じた利得ま
28 -15 0 -1 12
たは損失
その他の包括利益で認識された確定給付費用
財務上の仮定の変更により生じた
数理計算上の差異 -319 -220 -50 -21 -610
人口統計上の仮定の変更により生じた
0 -5 3 -14 -16
数理計算上の差異
実績により生じた数理計算上の差異 75 -16 20 1 80
キャッシュ・フローおよびその他の変動
制度加入者による拠出額 1 0 0 14 15
給付の支払 -477 -134 -87 -67 -765
決済に係る支払 0 0 0 0 0
取得/売却 0 0 0 0 0
為替レートの変動 0 316 97 28 441
その他 0 0 0 0 0
期末残高 13,097 4,929 1,351 1,027 20,404
このうち:
非積立式 0 14 197 90 301
積立式 13,097 4,915 1,154 937 20,103
制度資産の公正価値の増減:
期首残高 12,658 5,705 1,107 987 20,457
純損益で認識された確定給付費用
利息収益 76 74 26 14 190
その他の包括利益で認識された確定給付費用
制度資産からの運用収益(利息収益控除後) 243 5 7 46 301
キャッシュ・フローおよびその他の変動
制度加入者による拠出額 1 0 0 14 15
事業主による拠出額 141 0 4 32 177
1
給付の支払
-477 -134 -75 -52 -738
決済に係る支払 0 0 0 0 0
取得/売却 0 0 0 0 0
為替レートの変動 0 374 82 39 495
その他 0 0 0 0 0
制度管理費用 0 -5 -3 -1 -9
期末残高 12,642 6,019 1,148 1,079 20,888
期末現在の積立状況 -455 1,090 -203 52 484
回収不能な積立超過額の増減(資産上限額)
期首残高 0 0 0 -38 -38
利息費用 0 0 0 0 0
回収不能な積立超過額の増減 0 0 0 -48 -48
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為替レートの変動 0 0 0 -4 -4
期末残高 0 0 0 -90 -90
2
394
認識された純資産(負債) -455 1,090 -203 -38
1 積立式制度のみ。
2 このうち1,207百万ユーロはその他の資産に、813百万ユーロはその他の負債に認識された。
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2020 年度
単位:百万ユーロ
ドイツ 英国 米国 その他 合計
確定給付制度債務の現在価値の増減:
期首残高 13,270 4,687 1,418 1,043 20,418
純損益で認識された確定給付費用
当期勤務費用 200 28 12 42 282
利息費用 122 85 43 18 268
過去勤務費用および決済により生じた利得ま
1
-22
11 0 0 -11
たは損失
その他の包括利益で認識された確定給付費用
財務上の仮定の変更により生じた
数理計算上の差異 536 600 75 39 1,250
人口統計上の仮定の変更により生じた
110 -11 -9 2 92
数理計算上の差異
実績により生じた数理計算上の差異 -73 -68 3 -14 -152
キャッシュ・フローおよびその他の変動
制度加入者による拠出額 4 0 0 15 19
給付の支払 -456 -160 -96 -80 -792
決済に係る支払 0 0 0 0 0
2
-158
取得/売却 0 0 0 -158
為替レートの変動 0 -255 -119 -36 -410
その他 -1 0 0 2 1
期末残高 13,532 4,917 1,327 1,031 20,807
このうち:
非積立式 0 15 195 105 315
積立式 13,532 4,902 1,132 926 20,492
制度資産の公正価値の増減:
期首残高 11,915 5,615 1,143 982 19,655
純損益で認識された確定給付費用
利息収益 111 101 34 17 263
その他の包括利益で認識された確定給付費用
制度資産からの運用収益(利息収益控除後) 777 456 60 42 1,335
キャッシュ・フローおよびその他の変動
制度加入者による拠出額 4 0 0 15 19
事業主による拠出額 444 0 56 28 528
3
給付の支払
-456 -159 -84 -65 -764
決済に係る支払 0 0 0 0 0
2
-137
取得/売却 0 0 0 -137
為替レートの変動 0 -303 -99 -31 -433
その他 0 0 0 0 0
制度管理費用 0 -5 -3 -1 -9
期末残高 12,658 5,705 1,107 987 20,457
期末現在の積立状況 -874 788 -220 -44 -350
回収不能な積立超過額の増減(資産上限額)
期首残高 0 0 0 -40 -40
利息費用 0 0 0 0 0
回収不能な積立超過額の増減 0 0 0 2 2
為替レートの変動 0 0 0 0 0
期末残高 0 0 0 -38 -38
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4
-388
認識された純資産(負債) -874 788 -220 -82
1 旧ポストバンクがスポンサーとなっている特定の制度に資本オプションが導入されたことによる過去勤務収益48百万ユーロが含まれる。
2 Postbank Systems AGの数値。
3 積立式制度のみ。
4 このうち877百万ユーロはその他の資産に、1,265百万ユーロはその他の負債に認識された。
当行グループに係る補填の権利はない。
投資戦略
当行グループの投資目標は、確定給付年金制度が主要な財務指標に及ぼす不利な影響から当行グループを保護することであ
る。市況が不利な状況において当該制度のIFRSに基づく積立状況を保持することを主眼としている。2021年度において、競合
する主要な財務指標のバランスを図るために、特定の市場における投資戦略が変化している。投資マネージャーは、年金制度
の受託者および投資委員会と合意したとおりに、投資権限またはガイドラインに従って年金資産を運用している。
主要な確定給付制度のIFRSに基づく積立状況を保持するために、当行グループは年金負債対応投資(LDI)アプローチを適用
している。関連するトレードオフのバランスを保つことで、資本市場の変動による確定給付制度債務の現在価値の変動と制度
資産の変動のミスマッチから生じるリスクが最小化される。これは、制度負債の金利、信用スプレッドおよびインフレに対す
るマーケット・リスク・ファクター・エクスポージャーと密接にマッチするよう制度資産を配分することで達成される。これ
により、制度資産は年金債務の基礎となるリスク・プロファイルおよび通貨を広く反映したものになる。
マーケット・リスクに関する望ましいヘッジ・レベルが現物金融商品(すなわち社債や国債)で達成できない場合には、デ
リバティブが用いられる。デリバティブ・オーバーレイには、主に金利、インフレ・スワップおよびクレジット・デフォル
ト・スワップが含まれる。また、金利先物およびオプション等の他の商品も用いられる。実際には、完全にヘッジされたアプ
ローチは、例えば超長期の社債は市場の厚みが不十分であること、ならびに流動性およびコストの検討から、現実的ではな
い。そのため制度資産には、長期価値を生み分散効果を得るため、エクイティ、不動産、高利回り債または新興市場債といっ
た、更なるリターンを求める資産区分が含まれている。
2020年度に、当行グループは第三者の保険会社と2件のバイ・イン取引を締結した。当該取引は、既存の資産を資金源とする
英国の確定給付年金制度に対する12億ユーロのエクスポージャーのリスク圧縮を意図したものであり、事業主による追加拠出
は要求されない。これらの保険契約を第1四半期および第4四半期に適格制度資産として認識したことにより、当行グループの
財務諸表のその他の包括利益にそれぞれ約115百万ユーロおよび60百万ユーロのマイナスの影響が生じた。
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主要資産クラスへの制度資産の配分
以下の表では、主要資産クラスに対する当行グループの積立式確定給付制度の資産配分を示している(すなわち、エクス
ポージャーには個々に管理されたポートフォリオ内の現物有価証券および制度資産の投資に使用された合同運用ファンドの基
礎となる資産配分が含まれる。)。
以下の表の資産の金額は、「相場価格のある」資産(すなわち、IFRS第13号に基づくレベル1の資産。活発で流動性の高い市
場における相場価格から公正価値が直接決定できる市場への投資額)および「その他」の資産(すなわち、IFRS第13号に基づ
くレベル2およびレベル3の資産)の双方を含んでいる。
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ
ドイツ 英国 米国 その他 合計 ドイツ 英国 米国 その他 合計
現金および現金同等物 930 321 56 78 1,385 290 504 67 57 918
1
資本性金融商品
1,220 348 151 209 1,928 899 609 126 57 1,691
2
投資適格債
国債 2,524 1,918 436 207 5,085 2,829 1,048 422 167 4,466
民間債 5,386 1,894 379 336 7,995 6,144 2,034 387 258 8,823
投資不適格債
国債 137 1 1 1 140 99 2 1 18 120
民間債 423 142 33 55 653 236 107 37 28 408
証券化投資およびその他の負
839 124 79 7 1,049 1 122 73 0 196
債性投資
保険 1 1,256 0 10 1,267 1 1,248 0 13 1,262
オルタナティブ
不動産 528 0 0 98 626 443 37 0 79 559
コモディティ 25 0 0 5 30 24 0 0 0 24
プライベート・エクイティ 0 0 0 2 2 72 0 0 23 95
3
その他
46 0 0 50 96 1,406 0 0 271 1,677
デリバティブ(時価)
金利 518 42 9 2 571 78 -18 -3 0 57
クレジット 65 -87 16 1 -5 115 -107 15 1 24
インフレ 0 -62 0 14 -48 0 -109 0 11 -98
為替 -1 4 0 4 7 20 3 0 4 27
その他 1 118 -12 0 107 1 225 -18 0 208
制度資産の公正価値合計 12,642 6,019 1,148 1,079 20,888 12,658 5,705 1,107 987 20,457
1 株式エクスポージャーの配分は、各市場における代表的な指数に概ね沿っている(例:英国の退職給付制度の株式ポートフォリオのベン
チマークはMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス)。
2 投資適格とはBBB以上を指す。当行グループの主要制度における平均信用格付エクスポージャーはA格付程度である。
3 このポジションには、その他の資産区分に分類できない合同運用ファンドが含まれている。
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以下の表は、「相場価格のある」資産(すなわち、IFRS第13号に基づくレベル1の資産)に限定して投資された、当行グルー
プの積立式確定給付制度資産を示したものである。
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ
ドイツ 英国 米国 その他 合計 ドイツ 英国 米国 その他 合計
現金および現金同等物 756 317 48 34 1,155 226 504 63 26 819
1
資本性金融商品
983 348 151 53 1,535 760 609 126 45 1,540
2
投資適格債
国債 902 1,902 431 77 3,312 1,107 989 417 56 2,569
民間債 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
投資不適格債
国債 0 0 0 0 0 0 0 0 5 5
民間債 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
証券化投資およびその他の負
0 118 0 0 118 0 0 0 0 0
債性投資
保険 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
オルタナティブ
不動産 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
コモディティ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
プライベート・エクイティ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
デリバティブ(時価)
金利 0 0 -16 0 -16 0 1 -15 0 -14
クレジット 0 1 0 0 1 0 -107 0 0 -107
インフレ 0 0 0 14 14 0 0 0 11 11
為替 0 2 0 0 2 0 4 0 0 4
その他 1 0 0 0 1 1 0 0 0 1
相場価格のある制度資産の
2,642 2,688 614 178 6,122 2,094 2,000 591 143 4,828
公正価値合計
1 株式エクスポージャーの配分は、各市場における代表的な指数に概ね沿っている(例:英国の退職給付制度の株式ポートフォリオのベン
チマークはMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス)。
2 投資適格とはBBB以上を指す。当行グループの主要制度における平均信用格付エクスポージャーはA格付程度である。
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以下の表は、確定給付制度の「相場価格のある」資産と「その他」の資産への資産配分を、投資された主要地域別に示した
ものである。
2021 年12月31日現在
その他 その他
単位:百万ユーロ
ドイツ 英国 米国 ユーロ圏 先進国 新興市場 合計
現金および現金同等物 3 174 88 1,039 45 37 1,386
資本性金融商品 36 61 1,182 304 258 87 1,928
国債(投資適格以上) 860 1,799 500 1,153 222 551 5,085
国債(投資不適格) 0 0 0 4 2 134 140
民間債(投資適格以上) 500 1,546 2,437 2,873 539 100 7,995
民間債(投資不適格) 46 61 92 438 9 7 653
証券化投資およびその他の負
23 97 86 31 809 3 1,049
債性投資
小計 1,468 3,738 4,385 5,842 1,884 919 18,236
割合(%) 8% 20% 24% 32% 10% 5% 100%
その他の資産区分 2,652
制度資産の公正価値 20,888
2020 年12月31日現在
その他 その他
単位:百万ユーロ
ドイツ 英国 米国 ユーロ圏 先進国 新興市場 合計
現金および現金同等物 -7 396 170 308 20 31 918
資本性金融商品 209 70 703 270 336 103 1,691
国債(投資適格以上) 1,018 979 470 1,150 292 557 4,466
国債(投資不適格) 2 0 0 7 11 100 120
民間債(投資適格以上) 639 1,601 2,685 3,265 554 79 8,823
民間債(投資不適格) 1 52 46 292 8 8 407
証券化投資およびその他の負
1 99 82 12 0 2 196
債性投資
小計 1,863 3,197 4,156 5,304 1,221 880 16,621
割合(%) 11% 19% 25% 32% 7% 5% 100%
その他の資産区分 3,836
制度資産の公正価値 20,457
制度資産には、2021年12月31日現在および2020年12月31日現在それぞれ、プラスの時価約553百万ユーロとプラスの時価約
210百万ユーロのグループ企業とのデリバティブ取引が含まれている。制度資産の公正価値には、当行グループが発行した重要
な金額の有価証券も、当行グループの資産に対するその他の債権も含まれていない。制度資産には、当行グループで使用して
いる不動産は一切含まれていない。
2021年3月に、ドイツの連邦財政裁判所(Bundesfinanzhof)より2010年の課税年度に関して有利な判決を受けたことに伴
い、ドイツの税務当局は、2011年から2013年の課税年度に関連する当行グループの年金制度資産の税務上の取り扱いについ
て、2010年の課税年度に関する裁判所の有利な判決に従うとの結論を下した。
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主要なリスク感応度
当行グループの確定給付制度債務は、資本市場の状況や数理計算上の仮定の変更による影響を受けやすい。資本市場の変動
および主要な仮定の変更への感応度が以下の表に示されている。各マーケット・リスク要素や仮定は単独で変更されている。
確定給付制度債務の感応度は、各仮定に関する制度のデュレーションに基づき、幾何学的な外挿法を用いて概算されている。
デュレーションは、基礎となる仮定の変更に対する債務の幅広い感応度を示し、それらの仮定における小規模から中規模の変
更に関する合理的な近似値を表すリスク指標の一つである。
例えば、利率デュレーションは、各制度の現地の保険数理士から提供された情報に基づき、利率の変更に対する確定給付制
度債務の変動より得られる。結果として得られたデュレーションは、利率の変更によって生じる負債の再測定損失または利得
の見積りに用いられる。他の仮定に関しても、各感応度の結果を得るために類似のアプローチが用いられる。
確定給付年金制度では、資本市場の状況の変動が数理計算上の仮定(割引率や物価インフレ率等)を通して制度債務および
制度資産の公正価値に影響を及ぼす。当行グループがLDIアプローチを適用する場合や英国のように債務の一部に保険を掛ける
場合には、かかる変動に対する当行グループの全体的なエクスポージャーは軽減される。主要な資本市場の変動に対する当行
グループのリスク・エクスポージャーに関する読者の更なる理解を助けるため、関連するマーケット・リスク要素または基礎
となる数理計算上の仮定の変動による確定給付制度債務および制度資産の変動の純影響額が示されている。数理計算上の仮定
の変更が制度資産に影響しない場合、確定給付制度債務への影響のみが表示されている。
当行グループの主要制度の資産関連の感応度は、当行グループのマーケット・リスク管理機能が決定したリスク感応度要因
を用いて算出される。これらの感応度は、当該制度の投資マネージャーから提供された情報に基づいて計算され、基礎となる
リスク要素が変動した場合の、制度資産の時価の予想変動額を反映させるために線形外挿される。
感応度は、資本市場の変動や主要な数理計算上の仮定における長期間にわたる妥当で起こり得る変動を示している。当行グ
ループはこうした資本市場または仮定の変動の可能性について見解を示す立場にはない。これらの感応度は、表示されている
変動に関する積立状況への全般的な影響を示してはいるが、その影響の重要性や合理的に可能な代替的仮定値の範囲は、総計
の結果を構成する様々な制度の間で異なる場合がある。制度資産や制度債務は類似のリスク要素に影響を受けやすいものの、
市場のリスク要素と数理計算上の仮定の相関関係が不完全であるために、実際の制度資産と制度債務の変動が完全にお互いを
相殺しない可能性がある。資本市場の状況や主要な数理計算上の仮定の変更が積立状況全般に及ぼし得る非線形の影響から、
これら感応度を外挿する場合には注意が必要である。退職後確定給付制度における固有のリスクを軽減するために取り得る経
営陣の措置は、これら感応度に反映されていない。
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2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ
ドイツ 英国 米国 その他 ドイツ 英国 米国 その他
利率(-50bp):
DBOの増加額(-) -915 -520 -40 -60 -970 -520 -45 -60
1
制度資産の予想増加額(+)
595 350 35 20 895 400 35 25
積立状況への予想純影響額
-320 -170 -5 -40 -75 -120 -10 -35
(増加(+)/減少(-))
利率(+50bp):
DBOの減少額(+) 855 470 40 55 900 470 40 55
1
制度資産の予想減少額(-)
-595 -350 -35 -20 -895 -400 -35 -25
積立状況への予想純影響額
260 120 5 35 5 70 5 30
(増加(+)/減少(-))
信用スプレッド(-50bp):
DBOの増加額(-) -915 -520 -75 -60 -970 -520 -75 -65
1
制度資産の予想増加額(+)
595 125 15 10 760 120 15 10
積立状況への予想純影響額
-320 -395 -60 -50 -210 -400 -60 -55
(増加(+)/減少(-))
信用スプレッド(+50bp):
DBOの減少額(+) 855 470 70 55 900 470 70 60
1
制度資産の予想減少額(-)
-595 -125 -15 -10 -760 -120 -15 -10
積立状況への予想純影響額
260 345 55 45 140 350 55 50
(増加(+)/減少(-))
2
物価インフレ率(-50bp):
DBOの減少額(+) 370 365 0 20 320 390 0 20
1
制度資産の予想減少額(-)
-290 -270 0 -10 -235 -255 0 -10
積立状況への予想純影響額
80 95 0 10 85 135 0 10
(増加(+)/減少(-))
2
物価インフレ率(+50bp):
DBOの増加額(-) -385 -365 0 -25 -330 -425 0 -20
1
制度資産の予想増加額(+)
290 270 0 10 235 255 0 10
積立状況への予想純影響額
-95 -95 0 -15 -95 -170 0 -10
(増加(+)/減少(-))
将来給与水準の実質上昇率(-50bp):
DBOの減少額(+)
55 5 0 15 60 10 0 15
積立状況への純影響額
将来給与水準の実質上昇率(+50bp):
DBOの増加額(-)
-55 -5 0 -15 -60 -10 0 -15
積立状況への純影響額
3
寿命の10%の改善:
DBOの増加額(-)
4 4
-160 -160
-335 -30 -15 -325 -30 -15
積立状況への純影響額
1 制度資産の公正価値において予想される変動には、制度資産の公正価値合計額の99%超をカバーするドイツ、英国、米国、チャンネル諸
島、スイスおよびベルギー内の最大規模の制度からのシミュレートされた影響額が含まれている。この表示においては、それ以外の制度
の制度資産の公正価値には変動がないと仮定している。
2 物価インフレの仮定にリンクする範囲で年金給付額の変動への感応度を組み込んでいる。
3 全体的な平均余命が約1年増加したのと同等と見積られている。
4 バイ・イン取引により制度資産において利得が予想されるため、積立状況への純影響額は45百万ユーロ減少している。
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予想キャッシュ・フロー
以下の表は、積立式制度に関する当行グループの外部の年金信託への拠出、非積立式制度に関する受益者への直接支払い、
および確定拠出制度への拠出を含む、2022年度の退職後給付に関する予想キャッシュ・フローを示している。
2022 年 度
単位:百万ユーロ
合計
以下に対する予想拠出額
確定給付制度資産 220
BVV 60
その他の確定拠出制度 245
非積立式確定給付制度に関する予想給付支払額 25
退職後給付に関連する予想キャッシュ・フロー合計 550
従業員給付費用
以下の表は、IAS第19号およびIFRS第2号の規定に基づく特定の費用の内訳を示している。
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度 2019 年度
確定給付制度費用:
1
勤務費用
234 246 272
純利息費用(収益) 0 5 2
確定給付制度費用合計 234 251 274
確定拠出制度費用:
BVV 58 60 63
その他の確定拠出制度 244 243 244
確定拠出制度費用合計 302 303 307
退職後給付制度費用合計 536 554 581
強制加入の州の年金制度に対する事業主の拠出額
ドイツにおける年金関連社会保障の支払い 221 233 231
ポストバンクの郵便局公務員向け年金基金への拠出額 66 79 85
強制加入の州の年金制度に対するその他の拠出額 217 245 249
強制加入の州の年金制度に対する事業主の拠出額合計 504 557 565
株式に基づく報酬費用:
2
株式に基づく報酬費用(持分決済型)
455 318 549
2
株式に基づく報酬費用(現金決済型)
35 49 39
2
現金定着制度に関する費用
398 329 516
3
退職金の支払いに関する費用
184 184 92
1 勤務費用のうち、退職金に関連する項目については、退職金の支払いに関する費用に組替えられた。
2 新規雇用報奨に関する費用および当行グループの再構築費用の一部として認識された金額を含む雇用終了による未償却の費用の加速償却
を含む。
3 未償却の繰延報酬報奨に関する費用の加速償却を除く。勤務費用のうち、退職金に関連する項目については、退職金の支払いに関する費
用に組替えられた。
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34 -
法人所得税
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度 2019 年度
当期税金費用(ベネフィット):
当年度税金費用(ベネフィット) 847 739 757
過年度修正 14 -46 5
当期税金費用(ベネフィット)合計 861 693 762
繰延税金費用(ベネフィット):
一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除の発生
65 -218 -71
および解消
税法および/または税率改正の影響 -26 -11 -9
過年度修正 -20 -67 1,948
繰延税金費用(ベネフィット)合計 19 -296 1,868
法人所得税費用(ベネフィット)合計 880 397 2,630
繰延税金費用合計には、過年度において未認識であった欠損金(税額控除/将来減算一時差異)からのベネフィット、過年
度に行われた繰延税金資産の取り崩しの戻入および繰延税金資産の取り崩しから生じる費用が含まれており、これによって繰
延税金費用が2021年度に242百万ユーロ減少し、繰延税金ベネフィットが2020年度に96百万ユーロ減少し、繰延税金費用が2019
年度に2,785百万ユーロ増加した。
ドイツ法定(内国)法人所得税率を適用する場合の金額と実際の法人所得税費用/(ベネフィット)との差異
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度 2019 年度
内国法人所得税率31.3%(2020年度:31.3%および
2019年度:31.3%)による予想税金費用(ベネ 1,061 319 -825
フィット)
外国税率差異 -92 -38 170
有価証券およびその他の収益に係る非課税所得 -183 -181 -191
持分法適用投資による損失(利益) -11 -18 -19
減算不能費用 287 293 326
のれんの減損 1 0 269
1
繰延税金資産の認識および測定の変更
-227 96 2,785
税法および/または税率改正の影響 -26 -11 -9
株式に基づく報酬に関連する影響 1 -29 54
1
その他
69 -34 70
実際の法人所得税費用(ベネフィット) 880 397 2,630
1 過年度に関連した当期および繰延税金費用/(ベネフィット)については、主に「繰延税金資産の認識および測定の変更」および「その
他」の項目に反映されている。
当行グループは、引き続き様々な管轄区域の税務当局による調査を受けている。上表の「その他」は、税務当局によるこれ
らの調査の影響が含まれている。
繰延税金資産・負債の計算に用いられた法人税、連帯付加税および営業税を含む内国法人所得税率は、2021年度、2020年度
および2019年度においては31.3%であった。
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資本(その他の包括利益/資本剰余金)に借方計上または貸方計上された法人所得税
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度 2019 年度
確定給付制度に関連する数理計算上の差異 -207 76 402
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定され
た金融負債に係る信用リスクに起因する公正価値純利得 5 6 1
(損失)
強制的にその他の包括利益を通じて公正価値で測定され
る金融資産:
期中未実現純利得/(損失) 109 -204 -42
(純損益に振り替えられた)期中実現純利得/(損
68 84 71
失)
キャッシュ・フロー・ヘッジ目的のデリバティブ:
期中未実現純利得/(損失) -2 4 1
純損益に振り替えられた純利得/(損失) 15 -1 1
その他の資本の変動:
期中未実現純利得/(損失) 88 -19 162
純損益に振り替えられた純利得/(損失) 7 14 0
その他の包括利益に貸方計上(借方計上)された法人所
83 -40 596
得税
資本に貸方計上(借方計上)されたその他の法人所得税 45 11 -11
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当行グループの繰延税金資産・負債(総額)の主要な内訳
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
繰延税金資産:
繰越欠損金 1,653 1,476
繰越税額控除 2 0
将来減算一時差異:
トレーディング業務(デリバティブを含む。) 2,105 2,994
従業員給付(持分決済型の株式に基づく報酬を含
2,533 2,457
む。)
未収利息費用 1,428 1,122
貸出金および借入金(信用損失引当金を含む。) 892 1,069
リース 857 806
無形資産 52 214
公正価値OCI(IFRS第9号) 53 1
その他の資産 515 560
その他の引当金 110 122
その他の負債 10 4
繰延税金資産合計(相殺前) 10,210 10,825
繰延税金負債:
将来加算一時差異:
トレーディング業務(デリバティブを含む。) 1,958 2,752
従業員給付(持分決済型の株式に基づく報酬を含
296 183
む。)
貸出金および借入金(信用損失引当金を含む。) 538 501
リース 774 712
無形資産 501 560
公正価値OCI(IFRS第9号) 76 144
その他の資産 214 350
その他の引当金 82 79
その他の負債 54 47
繰延税金負債合計(相殺前) 4,493 5,328
繰延税金資産および負債(相殺後)
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
繰延税金資産として表示 6,218 6,058
繰延税金負債として表示 501 561
繰延税金資産純額 5,717 5,497
繰延税金資産および繰延税金負債の残高の変動は、繰延税金費用/(ベネフィット)と一致しない場合がある。通常、これ
は、(1)資本に直接計上された繰延税金、(2)ユーロ以外の通貨建税金資産および負債に対する為替レート変動の影響、
(3)通常の活動の一環としての企業の取得および処分、ならびに(4)その他の資産および負債の一項目として貸借対照表に
表示されている繰延税金資産および負債の分類の変更に起因している。
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繰延税金資産が認識されなかった項目
1 1
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ
将来減算一時差異 -988 -2,204
無期限 -10,331 -9,982
翌期に期限到来 0 -138
翌期後に期限到来 -5,811 -4,702
繰越欠損金 -16,142 -14,822
翌期後に期限到来 -20 -56
繰越税額控除 -21 -58
1 表中の金額は、連邦法人所得税目的の将来減算一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除を参照している。
繰越欠損金、繰越税額控除および将来減算一時差異を解消できるだけの将来課税所得を稼得する可能性が低いため、これら
の項目について繰延税金資産は認識されなかった。
2021年12月31日および2020年12月31日現在、当行グループは、当期または前期に損失に陥った企業において、繰延税金負債
を超過した繰延税金資産をそれぞれ54億ユーロおよび51億ユーロ認識した。これは、各企業が繰越欠損金、繰越税額控除およ
び将来減算一時差異を解消できるだけの課税所得を稼得する可能性が高いとする経営陣の評価に基づいている。一般的に、繰
延税金資産として認識する金額を決定する際に、経営陣は、過去の収益性に関する情報、および、関連があれば、承認された
事業計画(税法上の繰越期間、タックス・プランニングの実現可能性およびその他の関連検討事項のレビューを含む。)に基
づく営業成績の見通しを用いている。
当行グループは、2021年12月31日および2020年12月31日現在、当行グループの親会社による子会社、支店および関連会社に
対する投資ならびに共同支配企業に対する持分に関連する一時差異をそれぞれ242百万ユーロおよび254百万ユーロ有しており
(過年度の比較数値は当期の表示に合わせている。)、これらに関して繰延税金負債は認識されなかった。
35 -
デリバティブ
デリバティブ金融商品およびヘッジ活動
当行グループが利用するデリバティブ契約には、スワップ、先物、先渡、オプションおよびその他類似のタイプの契約が含
まれる。通常の事業活動の過程において、当行グループは、セールス、マーケット・メーキングおよびリスク管理目的で多様
なデリバティブ取引を締結している。デリバティブ商品の利用における当行グループの目的は、顧客のリスク管理ニーズを満
たすことおよび当行グループのリスクに対するエクスポージャーを管理することである。
注記01「重要な会計方針および重要な会計上の見積り」に記載された当行グループのデリバティブおよびヘッジ会計に関連
する会計方針に従い、すべてのデリバティブは、トレーディングまたはトレーディング以外のいずれの目的で保有されている
かにかかわらず、公正価値で貸借対照表に計上されている。
セールス および マーケット・メーキング目的で保有するデリバティブ
セールスおよびマーケット・メーキング
当行グループのデリバティブ取引の大半は、セールスおよびマーケット・メーキング活動に関連している。セールス活動に
は、顧客が現在または将来のリスクを負担、移転、変更または減少させるためのデリバティブ商品の構築およびマーケティン
グが含まれる。マーケット・メーキングには、スプレッドおよび出来高に基づく収益を生み出すための、他の市場参加者に対
する買呼値および売呼値の提示が含まれる。
リスク管理
当行グループは、資産負債管理の一環として、マーケット・リスクに対するエクスポージャーを減少させるためにデリバ
ティブを利用する。これは、固定利付金融商品の特定ポートフォリオおよび予定取引をヘッジするデリバティブの締結、なら
びに貸借対照表全体のエクスポージャーに対する戦略的ヘッジにより達成される。当行グループは金利リスクを、とりわけデ
リバティブ契約を利用することにより積極的に管理している。デリバティブ金融商品の利用度は、所定の限度枠内で、市況の
変化や関連する資産および負債の特性および組み合わせの変化に対応して、随時変更される。
ヘッジ会計に適格なデリバティブ
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デリバティブが注記01「重要な会計方針および重要な会計上の見積り」に記載された特定の基準を満たす場合、当行グルー
プはヘッジ会計を適用している。
公正価値ヘッジ関係において、当行グループは、市場金利の変動による固定利付金融商品の公正価値の変動に備えるため、
主に金利スワップおよびオプションを用いている。キャッシュ・フロー・ヘッジ関係において、当行グループは、金利の変動
に対するエクスポージャーに備えるため、金利スワップを用いている。当行グループは、外国為替予約および外国為替スワッ
プを用いて、在外営業活動体に対する純投資の財務諸表を期末の直物相場で親会社の報告通貨に換算した結果生じる外貨換算
調整に対して、ヘッジを行っている。
金利リスク
当行グループは、既存の、および/または予定されている資産および負債の価格が改定される特性(資金調達や投資活動を
含む。)を修正することにより、金利リスクに対するエクスポージャーを管理するために金利スワップとオプションを用いて
いる。金利スワップとオプションは、公正価値ヘッジまたはキャッシュ・フロー・ヘッジのいずれかに指定される。公正価値
ヘッジの場合、当行グループは、ベンチマーク金利の変動による固定利付金融商品の公正価値の変動を管理するために金利ス
ワップおよびオプション契約を用いる。キャッシュ・フロー・ヘッジの場合は、当行グループは、ベンチマーク金利の変動に
よる変動利付金融商品のキャッシュ・フローの変動性に対するエクスポージャーを管理するために、金利スワップを用いる。
当行グループは、貸出金および債券の新規組成、既存の貸出金および債券の返済、資金調達債務の新規発行ならびに既存の
資金調達債務の返済によるポートフォリオにおける頻繁な変動について、金利リスクに対するエクスポージャーをポートフォ
リオ毎に管理している。したがって、ポートフォリオにはダイナミックなヘッジ会計アプローチが適用され、個々のヘッジ関
係の指定や指定解除をより頻繁に行っている(月次ベース等)。
当行グループは、デリバティブのヘッジ手段の公正価値またはキャッシュ・フローの変動と、ヘッジ対象リスクに起因する
ヘッジ対象項目の公正価値またはキャッシュ・フローの変動の関連性に基づき、ヘッジ関係におけるヘッジの有効性の評価と
測定を行っている。非有効性の原因として考えられるものは、ヘッジ手段とヘッジ対象項目との間における以下の差異に起因
している可能性がある。
- ヘッジ対象項目とヘッジ手段の観点からのミスマッチ(金利更改の頻度や時期、返済頻度や償還条項等)。
- ヘッジ対象項目とヘッジ手段の再設定の頻度の違いを考慮した、ヘッジ対象項目とヘッジ手段に適用される割引率の差
異。
- ヘッジ手段として用いられるデリバティブの公正価値がヘッジ関係の開始日においてゼロではないことによる、ヘッジ対
象項目の観点からのミスマッチ。
外国為替リスク
当行グループは、外国為替予約とスワップを組み合わせてヘッジ手段として用いることにより、在外営業活動体に対する投
資からの外国為替リスク(米ドルおよび英ポンドを含む。)を純投資ヘッジを通じて管理している。
在外営業活動体に対する投資はヘッジ手段のデリバティブ金融商品の名目金額の範囲でのみヘッジされているため、当行グ
ループは通常、重要な額の非有効性が発生するとは予想していない。非有効性の潜在的な発生原因は、ヘッジ関係の開始日に
おいて公正価値がゼロではないデリバティブがヘッジ手段として用いられている場合、結果としてヘッジ対象項目とのミス
マッチが生じる場合に限定される。
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ヘッジ会計および金利指標改革
以下の表は、IASBによる指標改革の修正の影響を受ける当行グループのヘッジ会計の関係、当行グループがさらされている
重要なベンチマーク金利(予想される将来の改革の対象となる。)ならびに2021年12月31日および2020年12月31日現在のデリ
バティブヘッジ商品の名目価額を示している。2021年12月31日現在、ヘッジ手段、ヘッジ対象項目またはヘッジ対象リスク
(2022年の年初に参照停止となったIBORベンチマーク)との間にヘッジ関係はなかった。デリバティブヘッジ商品は、ヘッジ
会計の関係を通じて当行グループが管理するリスク・エクスポージャーの程度の近似値を示す。
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ
名目価額 名目価額
公正価値ヘッジ
CHF LIBOR
0 493
GBP LIBOR
0 2,073
JPY LIBOR
0 1,383
USD LIBOR
20,298 20,877
公正価値ヘッジ会計
公正価値ヘッジとして保有するデリバティブ
2021 年12月31日現在 2021 年度 2020 年12月31日現在 2020 年度
ヘッジの ヘッジの
有効部分 有効部分
に用いら に用いら
れる れる
公正価値 公正価値
単位:百万ユーロ 資産 負債 名目価額 の変動 資産 負債 名目価額 の変動
公正価値ヘッジとし
て保有するデリバ 4,591 1,928 156,553 -1,424 7,015 2,835 143,047 757
ティブ
2021 年度 2020 年度
ヘッジの ヘッジの
単位:百万ユーロ 非有効部分 非有効部分
公正価値ヘッジの結果 448 14
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公正価値ヘッジとして指定された金融商品
2021 年12月31日現在 2021 年度
ヘッジの有
効部分に用
公正価値ヘッジ調整の 公正価値ヘッジ調整の
公正価値ヘッジとして いられる
累計額 累計額
指定された金融商品の 公正価値の
帳簿価額 -合計 -終了したヘッジ関係 変動
単位:百万ユーロ 資産 負債 資産 負債 資産 負債
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資 12,397 0 -221 0 4 0 -724
産
償却原価で測定する債券
582 0 5 0 2 0 -12
長期債務
0 62,294 0 1,595 0 302 2,329
預金
0 57,893 0 -646 0 0 1,357
償却原価で測定する貸出金
16,949 0 -751 0 0 0 -1,078
2020 年12月31日現在 2020 年度
ヘッジの有
効部分に用
公正価値ヘッジ調整の 公正価値ヘッジ調整の
公正価値ヘッジとして いられる
累計額 累計額
指定された金融商品の 公正価値の
帳簿価額 -合計 -終了したヘッジ関係 変動
単位:百万ユーロ 資産 負債 資産 負債 資産 負債
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資 25,568 0 100 0 2 0 12
産
償却原価で測定する債券
831 0 22 0 4 0 63
長期債務
0 57,883 0 4,196 0 629 -1,132
預金
0 54,730 0 265 0 21 -4
償却原価で測定する貸出金
16,354 0 303 0 0 0 318
キャッシュ・フロー・ヘッジ会計
キャッシュ・フロー・ヘッジとして保有するデリバティブ
2021 年12月31日現在 2021 年度 2020 年12月31日現在 2020 年度
ヘッジの ヘッジの
有効部分 有効部分
に用いら に用いら
れる れる
公正価値 公正価値
単位:百万ユーロ 資産 負債 名目価額 の変動 資産 負債 名目価額 の変動
キャッシュ・フ
ロー・ヘッジとして
49 43 7,451 -75 79 0 6,171 -14
保有する
デリバティブ
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キャッシュ・フロー・ヘッジ残高
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
1
資本への計上額
-42 11 21
このうち、終了したプログラム関連 0 0 0
当該終了年度に資本に計上された利得(損失) 1 -14 -2
当該終了年度に資本から除かれた利得(損失) -54 4 -2
このうち、終了したプログラム関連 0 0 0
ヘッジの有効部分に用いられたヘッジ対象項目の
66 -7 0
価値の変動
純損益に計上された非有効部分 25 -12 0
1 「資本への計上額」は、連結貸借対照表に表示されているその他の包括利益累計額に含まれている。
IAS第39号第96項に従い、資本のキャッシュ・フロー・ヘッジ関係に計上された利得および損失は、ヘッジ手段に係る利得ま
たは損失のヘッジ開始日からの累積額とヘッジ対象項目に係る予想将来キャッシュ・フローの公正価値のヘッジ開始日からの
変動累積額のうち、少ない方の額である。結果として、ヘッジの有効部分に用いられたヘッジ対象項目の価値の変動は、これ
がヘッジの有効部分に用いられたヘッジ手段の公正価値の変動を超過する場合には、全額が資本に計上されるわけではない。
したがって、損益に計上されるヘッジの非有効部分は、ヘッジの有効部分に用いられたヘッジ対象項目の価値の変動とヘッジ
の有効部分に用いられたヘッジ手段の公正価値の変動との差額と一致するように必ずしも調整されない。
2021年12月31日現在、キャッシュ・フロー・ヘッジの最長期日は2025年である。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定された金融商品は、当行グループの連結貸借対照表において、償却原価で測定する
貸出金として認識されている。
純投資ヘッジ会計
純投資ヘッジとして保有するデリバティブ
2021 年12月31日現在 2021 年度 2020 年12月31日現在 2020 年度
ヘッジの ヘッジの
有効部分 有効部分
に用いら に用いら
れる れる
公正価値 公正価値
単位:百万ユーロ 資産 負債 名目価額 の変動 資産 負債 名目価額 の変動
純投資ヘッジとして
保有するデリバティ 227 1,093 39,087 -1,707 1,617 408 40,277 1,933
ブ
2021 年度 2020 年度
資本に認識され 資本に認識され
る公正価値の変 る公正価値の変
ヘッジの ヘッジの
1 1
動 動
単位:百万ユーロ 非有効部分 非有効部分
純投資ヘッジの結果 1,892 -179 -1,415 -186
1 「資本に認識される公正価値の変動」は、連結貸借対照表に表示されているその他の包括利益累計額に含まれている。
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純投資ヘッジとして保有するデリバティブのプロファイル
単位:百万ユーロ 1 年以内 1 年-3年以内 3 年超-5年以内 5 年超
2021 年12月31日現在
外国為替予約の名目価額
38,965 103 16 3
外国為替スワップの名目価額
0 0 0 0
合計
38,965 103 16 3
2020 年12月31日現在
外国為替予約の名目価額
40,217 60 0 0
外国為替スワップの名目価額
0 0 0 0
合計
40,217 60 0 0
当行グループは外国為替予約を戦略的に使用している。上表に示すとおり、先渡契約の大部分は期中に期限を迎える。期限
が1年を超える契約金額は重要ではないため、当行グループは平均為替レートの算出を行っていない。
36 -
関連当事者との取引
一方の当事者が、他方の当事者を直接もしくは間接的に支配しているか、または他方の当事者の財務もしくは営業上の決定
に重要な影響力を有する場合、両者は関連当事者とみなされる。当行グループの関連当事者には、以下が含まれる。
- 経営幹部およびその近親者、ならびに経営幹部またはその近親者が支配しているか、重要な影響力を有しているか、また
は重要な議決権を有している企業
- 子会社、共同支配企業および関連会社ならびにこれらの各子会社
- ドイツ銀行の従業員を対象とした退職後給付制度
経営幹部との取引
経営幹部とは、ドイツ銀行の活動の計画、指揮および管理を直接的または間接的に行う権限および責任を有する者のことで
ある。当行グループは、取締役会のメンバーおよび親会社の監査役会のメンバーが、IAS第24号でいう「経営幹部」を構成する
と考えている。
経営幹部の報酬費用
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度 2019 年度
短期従業員給付 36 30 32
退職後給付 7 7 6
その他の長期給付 10 2 6
解雇給付 6 0 34
株式に基づく報酬 15 8 21
合計 74 47 99
上記の表には、従業員から選任された監査役および元監査役が受け取った報酬は含まれていない。ドイツ銀行の従業員とし
ての業務、または元従業員としての身分(退職、年金および繰延報酬)に関して、これらのメンバーに支払われた報酬総額
は、2021年12月31日現在では1百万ユーロ、2020年12月31日現在では1百万ユーロおよび2019年12月31日現在では1百万ユーロで
あった。
2021年12月31日現在の当行グループと経営幹部との取引には、貸出金およびコミットメント8百万ユーロ、ならびに預金13百
万ユーロが含まれていた。2020年12月31日現在、当行グループと経営幹部との取引には、貸出金およびコミットメント8百万
ユーロならびに預金21百万ユーロが含まれていた。
加えて、当行グループは決済および口座サービスや投資相談といった銀行サービスを、経営幹部に提供している。
子会社、共同支配企業および関連会社との取引
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ドイツ銀行AGとその子会社との取引は、関連当事者間取引の定義を満たしている。これらの取引が連結上消去されている場
合、それらは関連当事者間取引として開示されていない。当行グループとその関連会社および共同支配企業ならびにそれぞれ
の子会社との取引も関連当事者間取引としての条件を満たしている。
子会社、共同支配企業および関連会社との取引は、個々に重要ではないため、以下の表においてまとめて表示されている。
貸出金
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度
貸出金残高、期首現在 214 228
期中の貸出金の変動 159 -19
連結会社グループの変動 0 0
為替レートの変動/その他 -193 5
1
貸出金残高、期末現在
181 214
その他の信用リスク関連取引:
信用損失引当金 0 0
信用損失引当金繰入額 0 0
保証およびコミットメント 28 42
1 延滞貸出金は、2021年12月31日現在では0百万ユーロ、2020年12月31日現在では0百万ユーロであった。2021年12月31日現在および2020年
12月31日現在、当行グループは上記の貸出金に対してそれぞれ0百万ユーロおよび5百万ユーロの担保を保有していた。
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預金
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度
預金残高、期首現在 49 58
期中の預金の変動(純額) 14 -8
連結会社グループの変動 0 0
為替レートの変動/その他 0 -0
預金残高、期末現在 63 49
その他の取引
関連会社とのトレーディング資産およびデリバティブ金融取引のプラスの時価は、2021年12月31日現在では2百万ユーロ、
2020年12月31日現在では1百万ユーロであった。関連会社とのトレーディング負債およびデリバティブ金融取引のマイナスの時
価は、2021年12月31日現在では0百万ユーロ、2020年12月31日現在では0百万ユーロであった。
関連会社との取引に係るその他の資産は、2021年12月31日現在では42百万ユーロ、2020年12月31日現在では55百万ユーロで
あった。関連会社との取引に係るその他の負債は、2021年12月31日現在では1百万ユーロ、2020年12月31日現在では2百万ユー
ロであった。
年金制度との取引
IFRSに基づき、退職後給付制度は関係当事者とみなされている。当行グループは、多数の年金制度と取引関係がある。これ
に従って、当行グループは、これらの制度に対して、投資運用管理サービスを含む金融サービスを提供している。当行グルー
プの年金基金は、ドイツ銀行の株式または有価証券を保有または売買することができる。
関連当事者である年金制度との取引
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度
制度資産内に保有されている当行グループが発行した株式 23 1
その他の資産 17 24
制度資産から当行グループの資産運用管理会社に支払われたフィー 22 24
当行グループが相手先であるデリバティブの時価 765 306
当行グループが相手先であるデリバティブの名目金額 12,309 14,623
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37 -
子会社に関する情報
当行グループの構成
ドイツ銀行AGは、当行グループの子会社の直接的または間接的な持株会社である。
当行グループは563(2020年度:628)の連結された事業体から構成されており、このうち225(2020年度:242)は連結対象
のストラクチャード・エンティティである。当行グループが支配する376(2020年度:420)の事業体については、当行グルー
プが直接的または間接的に100%の所有持分(資本持分)を保有している。187(2020年度:208)の連結された事業体について
は、第三者もその所有持分(非支配持分)を保有している。2021年および2020年12月31日現在、子会社1社は重要な非支配持分
を有している。その他すべての子会社に対する非支配持分は個別でも総額でも当行グループにとって重要ではない。
重要な非支配持分を有する子会社
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
DWS Group GmbH & Co. KGaA
非支配持分が保有する所有持分と議決権の割合 20.51 % 20.51%
事業地 グローバル グローバル
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
非支配持分に帰属する純利益
161 117
子会社の非支配持分累計額
1,545 1,412
非支配持分への配当の支払
74 69
要約財務情報:
資産合計
11,611 10,448
負債合計
4,166 3,685
純収益合計
2,720 2,237
当期純利益(損失)
782 558
包括利益(損失)合計、税引後
1,064 259
当行グループの資産へのアクセスまたはその使用に対する重要な制約
法律上、契約上および規制上の要件ならびに非支配持分に対する保護権により、当行グループが資産にアクセスし、それを
グループ内の他の事業体との間で自由に移転する能力、および当行グループの負債を決済する能力が制限される場合がある。
資産を使用する当行グループの能力に影響を及ぼす制約は以下のとおりである。
- 当行グループは、買戻契約、証券金融取引、ローン担保証券における債務を担保するため、およびOTCデリバティブ負債の
証拠金の提供目的で、担保を差入れている。
- 連結のストラクチャード・エンティティの資産は、これらの企業が発行した債券を購入した当事者の利益のために保有され
る。
- 規制上の要件や中央銀行からの要求または現地の会社法により、特定の法域において、当行グループ内の他の事業体との間
で資産を移転する当行グループの能力が制限される場合がある。
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制約を受ける資産
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ
資産合計 制約を受ける資産 資産合計 制約を受ける資産
利付銀行預け金 180,942 196 152,143 153
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 491,233 55,325 527,941 52,494
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
28,979 6,648 55,834 8,110
金融資産
償却原価で測定する貸出金 471,319 79,764 426,995 78,144
その他 151,521 3,233 162,346 3,316
合計 1,323,993 145,166 1,325,259 142,217
上記の表では、個々の事業体レベルでは制約を受けないが、グループ内での移転可能性の点で制約の対象となり得る資産を
除外している。こうした制約は、現地の関連する貸出要件に基づく場合もあれば、同様の規制上の制約による場合もある。こ
の状況では、移転不能な個々のオンバランス項目を識別することは不可能である。これは規制上の最低流動性要件についても
同様である。当行グループは現地のストレス時の流動性アウトフローを超える流動性準備金の額を識別する。そうした流動性
準備金で、この目的で制約を受けるとみなされる総額は、2021年12月31日現在において255億ユーロ(2020年12月31日現在:
435億ユーロ)である。
38 -
ストラクチャード・エンティティ
ストラクチャード・エンティティへの当行グループの関与の性質、目的および範囲
当行グループは、特定の事業目的を達成するために設計されたストラクチャード・エンティティと、様々な事業活動に従事
している。ストラクチャード・エンティティとは、誰が企業を支配しているのかの決定に際して、議決権または類似の権利が
決定的な要因とならないように設計された企業のことである。例としては、議決権が管理業務のみに関係しており、その関連
性のある活動が契約上の取決めによって指図される場合が挙げられる。
ストラクチャード・エンティティは、以下の特徴または属性の一部または全部を有していることが多い。
- 制限された活動。
- 狭義かつ十分に明確化された目的。
- ストラクチャード・エンティティが劣後的な財務的支援なしに活動資金を調達するには不十分な資本。
- 信用リスクまたはその他のリスクの集中(トランシェ)を生み出す、投資家への複数の契約上関連した金融商品の形態での
資金調達。
ストラクチャード・エンティティの主な用途は、特定の資産のポートフォリオの利用を顧客に提供し、金融資産の証券化を
通じた市場の流動性を顧客に提供することである。ストラクチャード・エンティティは法人、信託またはパートナーシップと
して設立されることがある。ストラクチャード・エンティティは通常、当該企業が保有する資産に担保されたおよび/または
インデックスされた負債性有価証券および資本性有価証券の発行により、資産購入の資金を調達する。ストラクチャード・エ
ンティティが発行する負債性有価証券および資本性有価証券には、様々な優先劣後水準のトランシェが含まれる場合がある。
注記01「重要な会計方針および重要な会計上の見積り」に記載のとおり、ストラクチャード・エンティティは、当行グルー
プとストラクチャード・エンティティとの関係の実質が、当行グループが当該企業を支配していることを示唆する場合に連結
される。
連結対象のストラクチャード・エンティティ
当行グループは、次のような種類の連結対象のストラクチャード・エンティティに財務的支援を提供することを当行グルー
プが要求される可能性のある契約上の取決めを有している。
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証券化ビークル
当行グループは、多様な資産プールの購入の資金調達のために証券化ビークルを利用している。当行グループはこれらの事
業体に対して流動性与信枠の形態で財務的支援を提供している。2021年12月31日および2020年12月31日現在、これらの事業体
に対する貸出コミットメント残高はなかった。
ファンド
当行グループは、当行グループに連結されたファンドに対して、資金提供や流動性与信枠または保証を提供することがあ
る。2021年12月31日および2020年12月31日現在、当行グループが当該ファンドに提供した流動性与信枠および保証の名目価額
はそれぞれ12億ユーロおよび10億ユーロであった。
当期中にドイツ銀行は、連結のストラクチャード・エンティティに対して契約に基づかない支援を提供しなかった。
非連結のストラクチャード・エンティティ
非連結のストラクチャード・エンティティは、議決権、契約、資金提供契約またはその他の手段を通じて当行グループが当
該企業を支配していないため連結されていない。非連結のストラクチャード・エンティティに対する当行グループの関与の範
囲はストラクチャード・エンティティの種類によって異なる。
以下は、非連結のストラクチャード・エンティティへの当行グループの関与を種類別に説明している。
リパッケージおよび投資企業
リパッケージおよび投資企業は、有価証券とデリバティブの組み合わせを通じて顧客の投資ニーズに応えるために設立され
る。当行グループはリパッケージおよび投資企業から獲得されるリターンに影響を及ぼすパワーを有していないため、リパッ
ケージおよび投資企業は当行グループによって連結されない。一般的に、これらの企業は投資家との間で事前に合意した特定
の投資リターンを提供するために設立されるものであり、取引期間中に当行グループがその投資戦略やリターンに変更を加え
ることはできない。
第三者資金提供企業
当行グループでは、様々な資産を保有するストラクチャード・エンティティに対して資金を提供している。これらの企業
は、資金提供企業、信託および民間投資企業の形態を取る場合がある。当該資金提供は、ストラクチャード・エンティティの
資産によって担保される。当行グループの関与は主に、貸出および貸出コミットメントの両方に関係している。
当該取引で使用されるビークルは、借手が融資に係る追加証拠金または担保を拠出するか否かを決定する能力を有している
場合には当該借手によって支配されている。借手が融資を継続するか終了するかを決定することができるような場合には、借
手が当該ビークルを連結する。
証券化ビークル
当行グループでは、固定利付有価証券、法人貸出金、および資産担保証券(ほとんどが商業用モーゲージ担保証券、住宅用
モーゲージ担保証券およびクレジット・カード債権)を含む多様な資産プールを購入する証券化ビークルを設立している。そ
れらのビークルは、負債性有価証券および資本性有価証券の複数トランシェを発行することによりこれらの購入に資金を提供
しており、その償還はビークル内の資産のパフォーマンスに連動している。
当行グループは、これらの証券化ビークルに資産を移転し、流動性与信枠の形態でこれらの企業へ財務支援を行うことがで
きる。
当行グループではさらに第三者をスポンサーとする証券化ビークルに対して、投資および流動性与信枠の提供を行ってい
る。
証券化ビークルの活動に対する委任されたパワーを有するサービサーまたはスペシャル・サービサーを一方的に解任するパ
ワーまたは能力を当行グループが有していない場合には、当該証券化ビークルは当行グループに連結されない。
ファンド
当行グループでは、特定の資産への投資保有に対する顧客からの要求に対応するため、ストラクチャード・エンティティを
設立している。当行グループではまた、第三者がスポンサーとなっているファンドに投資している。グループ企業は、ファン
ド・マネージャー、証券保管機関およびその他の役割を担い、グループがスポンサーとなっているファンドおよび第三者の
ファンドの双方に対して資金や流動性与信枠を提供することがある。提供した資金は、ファンドが保有する基礎となる資産に
よって担保されている。
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ドイツ銀行が代理人とみなされる場合、または他の第三者投資家がファンドの活動を指図する能力を有している場合には、
当行グループは当該ファンドを連結しない。
その他
これらは、ドイツ銀行または第三者がスポンサーとなっているストラクチャード・エンティティで、上記のいずれの基準に
も該当しないものである。当行グループがこれらの企業の意思決定に対してパワーを有していない場合には、これらの企業は
当行グループによって連結されない。
ストラクチャード・エンティティへの関与により生じた収益
当行グループはファンドに関連した投資運用サービスに対して、マネジメント・フィーのほかに、パフォーマンスに基づく
フィーを稼得することがある。ストラクチャード・エンティティに対して提供した資金に関して、利息収益が認識される。ス
トラクチャード・エンティティとのデリバティブの結果として生じたおよびこれら企業で保有される債券の価値の変動から生
じたトレーディング収益は、「純損益を通じて公正価値で保有する金融資産/負債に係る純利得/(損失)」に認識される。
非連結のストラクチャード・エンティティへの関与
非連結のストラクチャード・エンティティへの当行グループの関与とは、当行グループをストラクチャード・エンティティ
の業績からのリターンの変動性に晒す契約上および非契約上の関与を指す。非連結のストラクチャード・エンティティへの関
与の例としては、当行グループがストラクチャード・エンティティからのリターンの変動性を吸収する負債または持分投資、
流動性与信枠、保証および特定のデリバティブ商品がある。
非連結のストラクチャード・エンティティへの関与には、ストラクチャード・エンティティにリターンの変動性をもたらす
金融商品は含まれない。例えば、その目的および設計が信用リスクを投資家にパス・スルーすることである非連結のストラク
チャード・エンティティから当行グループが信用プロテクションを購入した場合、当行グループは、変動性を吸収しているの
ではなく、当該企業に対してリターンの変動性を提供している。そのため、購入した信用プロテクションは、下記の表の目的
上、関与とはみなされていない。
非連結のストラクチャード・エンティティへの最大エクスポージャー
損失に対する最大エクスポージャーは、非連結のストラクチャード・エンティティへの関与の性質を考慮して判断される。
貸出金およびトレーディング金融商品に関する最大エクスポージャーは、その帳簿価額で連結貸借対照表に反映される。当行
グループの解釈に従い、デリバティブおよびオフバランスのコミットメント(保証、流動性与信枠および貸出コミットメント
等)に関する最大エクスポージャーは、IFRS第12号に基づき名目金額で反映される。当該金額またはそれらの変動は、担保や
ヘッジによる影響も、そうした損失が発生する可能性も考慮していないため、当行グループが直面する経済的リスクを反映す
るものではない。2021年12月31日現在、デリバティブのプラスおよびマイナスの再調達価値ならびにオフバランスのコミット
メントに関連する名目金額は、それぞれ1,040億ユーロ、2,960億ユーロおよび220億ユーロであった。2020年12月31日現在、デ
リバティブのプラスおよびマイナスの再調達価値ならびにオフバランスのコミットメントに関連する名目金額は、それぞれ780
億ユーロ、2,380億ユーロおよび160億ユーロであった。
ストラクチャード・エンティティの規模
当行グループでは、ストラクチャード・エンティティの規模に関して異なる指標をその種類に応じて規定している。ストラ
クチャード・エンティティの規模を評価する上で、以下の指標が適切な指標だと考えられている。
- ファンド-当行グループがファンド・ユニットを保有している場合には純資産価額または運用資産の金額。当行グループの
関与がデリバティブから構成されている場合には、デリバティブの名目金額。
- 証券化-当行グループの関与が保有する債券を通じて生じている場合には、発行債券の名目金額(利息のみの有価証券およ
び余剰債券(該当がある場合)を除く。)。当行グループの関与がデリバティブの形態である場合には、当該デリバティブ
の名目価額。
- 第三者資金提供企業-当該企業における総資産。
- リパッケージおよび投資企業-発行債券の公正価値。
第三者資金提供企業については規模に関する情報が公表されていないため、当行グループでは当行グループが受け取った/
差し入れた担保または当行グループの当該企業に対するエクスポージャーの名目金額のいずれか大きい方を開示している。
上記の定義に基づき、ストラクチャード・エンティティの規模は総額で2兆1,680億ユーロであり、このうち、大部分の1兆
2,510億ユーロはファンドからのものである。2020年度は、それぞれ1兆8,780億ユーロおよび1兆880億ユーロであった。
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以下の表は、連結財政状態計算書で認識されている当行グループの関与の帳簿価額、およびこうした関与から生じる損失に
対する最大エクスポージャーを、ストラクチャード・エンティティの種類ごとに示している。下記の帳簿価額は、担保および
ヘッジによる影響を考慮していないため、当行グループが直面するリターンの真の変動性を反映していない。
ドイツ銀行の関与に関連した帳簿価額および規模
2021 年12月31日現在
リパッケージ
および 第三者
単位:百万ユーロ 投資企業 資金提供企業 証券化 ファンド 合計
資産
現金および中央銀行預け金 0 0 0 0 0
インターバンク預け金(中央銀行以外) 1 0 0 11 12
中央銀行ファンド貸出金および売戻条件
0 0 82 1,593 1,675
付買入有価証券
借入有価証券担保金 0 0 0 0 0
純損益を通じて公正価値で測定する金融
328 7,860 4,923 44,192 57,303
資産合計
トレーディング資産 172 4,825 3,243 3,980 12,220
プラスの時価(デリバティブ金融商品) 156 300 9 2,671 3,135
強制的に純損益を通じて公正価値で測定
0 2,735 1,671 37,542 41,948
されるトレーディング以外の金融資産
純損益を通じて公正価値で測定するもの
0 0 0 0 0
として指定された金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測
0 298 1,043 530 1,871
定する金融資産
償却原価で測定する貸出金 1,089 60,338 26,406 15,245 103,079
その他の資産 4 575 3,333 12,202 16,114
資産合計 1,422 69,072 35,787 73,773 180,054
負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融
74 185 20 8,721 9,000
負債合計
マイナスの時価
74 185 20 8,721 9,000
(デリバティブ金融商品)
その他の短期借入金 0 0 0 0 0
その他の負債 0 0 0 13 13
負債合計 74 185 20 8,734 9,013
オフバランスのエクスポージャー 0 7,765 10,093 3,683 21,541
合計 1,348 76,652 45,861 68,722 192,582
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2020 年12月31日現在
リパッケージ
および 第三者
単位:百万ユーロ 投資企業 資金提供企業 証券化 ファンド 合計
資産
現金および中央銀行預け金 0 0 0 0 0
インターバンク預け金(中央銀行以外) 1 0 0 12 13
中央銀行ファンド貸出金および売戻条件
0 126 0 1,901 2,027
付買入有価証券
借入有価証券担保金 0 0 0 0 0
純損益を通じて公正価値で測定する金融
340 6,368 4,428 50,316 61,452
資産合計
トレーディング資産 181 4,134 2,408 4,304 11,027
プラスの時価(デリバティブ金融商品) 158 154 31 3,635 3,977
強制的に純損益を通じて公正価値で測定
0 2,080 1,990 42,377 46,448
されるトレーディング以外の金融資産
純損益を通じて公正価値で測定するもの
0 0 0 0 0
として指定された金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測
0 333 457 270 1,060
定する金融資産
償却原価で測定する貸出金 165 46,867 27,638 10,270 84,939
その他の資産 51 400 3,065 20,499 24,015
資産合計 557 54,096 35,587 83,267 173,508
負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融
92 58 10 11,191 11,351
負債合計
マイナスの時価
92 58 10 11,191 11,351
(デリバティブ金融商品)
その他の短期借入金 0 0 0 0 0
その他の負債 0 0 0 1,815 1,815
負債合計 92 58 10 13,006 13,166
オフバランスのエクスポージャー 0 5,889 8,279 1,944 16,112
合計 466 59,927 43,856 72,205 176,453
トレーディング資産-2021年12月31日および2020年12月31日現在のトレーディング資産合計はそれぞれ122億ユーロおよび110
億ユーロであった。これは主に、証券化に対する投資32億ユーロおよび24億ユーロならびにファンドのストラクチャード・エ
ンティティに対する投資40億ユーロおよび43億ユーロからそれぞれ構成されている。当行グループの証券化への関与は、これ
らの企業に含まれる資産によって担保されている。当行グループがファンド・ユニットを保有している場合、これらは主に信
託におけるマーケット・メーキングに関するものであるか、それ以外の場合には顧客に対する発行債券のヘッジとしての機能
を果たす。また、組成された第三者資金提供企業への貸出金により生じる信用リスクは、受け取った担保により軽減されてい
る。
強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以外の金融資産-この区分における関与の大半はファンドへの
逆レポ契約が占めており、これらは基礎となる有価証券によって担保されている。
貸出金-2021年12月31日および2020年12月31日現在の貸出金は、それぞれ1,031億ユーロおよび849億ユーロの証券化トラン
シェに対する投資および第三者資金提供企業への融資から構成されている。当行グループによる第三者資金提供企業への融資
は、当該ストラクチャード・エンティティにおける資産によって担保されている。
その他の資産-2021年12月31日および2020年12月31日現在のその他の資産それぞれ161億ユーロおよび240億ユーロは、主にプ
ライム・ブローカレッジ業務に係る債権および委託証拠金残高から構成されている。
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未決済債権-未決済債権の残高は、仲介業務等による典型的な顧客とサプライヤーとの関係から生じるものであり、内在する
ボラティリティは、財務諸表の利用者にストラクチャード・エンティティに対するドイツ銀行のエクスポージャーに関する有
効な情報を提供しないため、本開示注記には含まれていない。
財政支援
当期中にドイツ銀行は、非連結のストラクチャード・エンティティに対して契約に基づかない支援を提供しなかった。
スポンサーとなっている非連結のストラクチャード・エンティティで、2021年12月31日および2020年12月31日現在当行グルー
プが関与を有していない企業
当行グループはスポンサーとして、企業の法的な立ち上げおよびマーケティングに関与し、以下の様々な形で企業を支援し
ている。
- 企業への資産の移転
- 企業への元手資本の提供
- 企業の継続運営を確保するための運営支援の提供
- ストラクチャード・エンティティへの履行保証の提供
市場参加者がストラクチャード・エンティティを当行グループと合理的に関連付ける場合にも、当行グループは当該企業の
スポンサーとみなされる。さらに、ストラクチャード・エンティティのためにドイツ銀行の名称を用いることは、当行グルー
プがスポンサーの役割を果たしていることを示唆する。
スポンサーとなっている企業で、2021年12月31日および2020年12月31日現在当行グループが関与を有していなかった企業か
らの総収益は、それぞれ254百万ユーロおよびマイナス134百万ユーロであった。当行グループがスポンサーとなっている非連
結のストラクチャード・エンティティへの関与を有していない例には、当該ストラクチャード・エンティティへの元手資本ま
たは資金提供が当期中に当行グループに対して既に全額返済されている場合が含まれる。この金額は、ヘッジの影響を考慮し
ておらず、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産/負債に係る純利得(損失)に認識されている。2021年度において、
スポンサーとなっている非連結のストラクチャード・エンティティに移転した資産の帳簿価額累計は、証券化に対して32億
ユーロ、リパッケージおよび投資企業に対して14億ユーロであった。2020年度においては、証券化に対して14億ユーロ、リ
パッケージおよび投資企業に対して12億ユーロであった。
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39 -
流動および非流動の資産および負債
1 年以内または1年を超えて回収または決済される金額の資産および負債の科目別の内訳
2021 年12月31日現在の資産科目
回収または決済される金額 合計
2021 年
単位:百万ユーロ
1 年以内 1 年超 12月31日現在
現金および中央銀行預け金 192,012 9 192,021
インターバンク預け金(中央銀行以外) 7,318 24 7,342
中央銀行ファンド貸出金および売戻条件付買入有価証券 5,904 2,465 8,368
借入有価証券担保金 63 0 63
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 483,183 8,050 491,233
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 6,995 21,984 28,979
持分法適用投資 0 1,091 1,091
償却原価で測定する貸出金 132,516 338,803 471,319
土地建物および設備 0 5,536 5,536
のれんおよびその他の無形資産 0 6,824 6,824
その他の資産 87,654 16,131 103,785
当期税金資産 717 497 1,214
繰延税金資産考慮前の資産合計 916,360 401,415 1,317,775
繰延税金資産 6,218
資産合計 1,323,993
2021 年12月31日現在の負債科目
回収または決済される金額 合計
2021 年
単位:百万ユーロ
1 年以内 1 年超 12月31日現在
預金 582,278 21,472 603,750
中央銀行ファンド借入金および買戻条件付売却有価証券 297 450 747
貸付有価証券担保金 24 0 24
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 398,203 2,653 400,857
その他の短期借入金 4,034 0 4,034
その他の負債 96,138 1,658 97,796
引当金 2,641 0 2,641
当期税金負債 411 189 600
長期債務 49,434 95,051 144,485
信託優先証券 528 0 528
繰延税金負債考慮前の負債合計 1,133,988 121,474 1,255,462
繰延税金負債 501
負債合計 1,255,962
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2020 年12月31日現在の資産科目
回収または決済される金額 合計
2020 年
単位:百万ユーロ
1 年以内 1 年超 12月31日現在
現金および中央銀行預け金 166,208 0 166,208
インターバンク預け金(中央銀行以外) 9,120 11 9,130
中央銀行ファンド貸出金および売戻条件付買入有価証券 4,728 3,805 8,533
借入有価証券担保金 0 0 0
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 515,614 12,327 527,941
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 14,393 41,441 55,834
持分法適用投資 0 901 901
償却原価で測定する貸出金 111,892 315,103 426,995
土地建物および設備 0 5,549 5,549
のれんおよびその他の無形資産 0 6,725 6,725
その他の資産 94,685 15,714 110,399
当期税金資産 300 686 986
繰延税金資産考慮前の資産合計 916,939 402,262 1,319,201
繰延税金資産 6,058
資産合計 1,325,259
2020 年12月31日現在の負債科目
回収または決済される金額 合計
2020 年
単位:百万ユーロ
1 年以内 1 年超 12月31日現在
預金 544,669 23,362 568,031
中央銀行ファンド借入金および買戻条件付売却有価証券 1,830 495 2,325
貸付有価証券担保金 1,698 0 1,698
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 416,042 3,157 419,199
その他の短期借入金 3,553 0 3,553
その他の負債 112,617 1,592 114,208
引当金 2,430 0 2,430
当期税金負債 328 246 574
長期債務 59,626 89,537 149,163
信託優先証券 1,321 0 1,321
繰延税金負債考慮前の負債合計 1,144,113 118,389 1,262,502
繰延税金負債 561
負債合計 1,263,063
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40 -後発事象
2022年2月24日、ロシアはウクライナに対する大規模な侵攻を開始した。これを受け、西側諸国は、ロシア(特定のロシアの
銀行、ロシアの中央銀行、企業、国会議員ならびにロシアのエリートとその家族が含まれるが、これらに限定されない。)を
対象に広範な制裁を課す動きに乗り出している。将来的に、追加的な制裁やその他の措置が課される可能性がある。軍事衝突
に関する展開は急速であり、当行グループの財務的および非財務的な影響の範囲は現在のところ未知である。
2021年12月31日現在、当行グループがロシアで事業を行う子会社であるOOO「ドイツ銀行」(以下「DB Moscow」という。)
の資産は、2022年1月現在、2億ユーロであり、外国為替リスクは積極的に管理され完全にヘッジされている。DB Moscowの資産
合計額は15億ユーロであり、うち約5億ユーロ(ロシアルーブル相当)はロシアの中央銀行に預け入れられている。当行グルー
プは、ロシアにおける技術サービスセンターであるOOO「ドイツ銀行TechCentre」(以下「DBTC」という。)も運営しており、
2021年度末現在、1,600名近い従業員(当行グループの技術従業員の約5%)を有する世界有数の技術センターの一つとなって
いる。当行グループはDBTCの運営上の構造を継続的に評価しており、将来的に当行グループのコスト基盤に追加の費用が発生
する可能性がある。
2021年12月31日現在、ロシアに対する当行グループの貸出金エクスポージャーは総額ベースで14億ユーロであり、貸出金残
高合計の約0.3%に相当する。純額ベースでは、貸出金エクスポージャーは保証および資産担保を考慮後で6億ユーロとなる。
当該貸出金エクスポージャーの大部分は、ロシア国外に重要な事業活動とキャッシュ・フローを有するロシアの大企業に関連
している。貸出金はDB Moscowによりオンショアで、またはロシア国外の他の企業体によりオフショアで提供される可能性があ
る。さらに、ウェルスマネジメント事業には、ロシアと関連のある相手先へのオフショアの貸出金があり、当行グループの方
針に沿って担保が付されている。2021年12月31日現在、当行グループはロシアに対するデリバティブ・エクスポージャーも有
している。当行グループにとって正味の負債ポジションであるこれらのポジションの大部分は、現在解消中である。したがっ
て、追加的な重要な信用リスクは存在しないが、伝播的なマーケット・リスクおよび決済リスクが発生する可能性がある。ま
た、2021年12月31日現在、未利用のコミットメントに関連するエクスポージャーは10億ユーロ、供与された金融保証および取
引保証に関連するエクスポージャーは5億ユーロである。
当行グループは、ロシアに対するマーケット・リスクを、リスク・ポートフォリオを定期的に評価することにより管理して
いる。広範な伝播リスクを軽減するために、事象が拡大する前および直後の直接的なエクスポージャーを軽減する措置が講じ
られた。これは追加的なヘッジと一部のリスク圧縮で達成された。当行グループは、様々なシナリオに対してさらなる伝播的
なストレス・テストを実施することにより、ロシアの中央銀行の潜在的な反応に主に焦点をあて、引き続き状況を注意深く監
視する。
当行グループのウクライナに対する金融および非金融エクスポージャーに重要性はないが注視している。
全体として、当社グループにおける進行中の状況の財務的および非財務的な潜在的影響は、この危機がどのように展開する
かによる。当該危機ならびにそれが地域および世界の経済状況に与える影響は、当行グループが収益を生み出すまたは財務目
標を達成する能力への影響、コストの増加、特定のポートフォリオへのマイナスの影響、予想より高い信用損失または潜在的
な資産の減損、ならびにロシアまたはウクライナにおける当行グループの事業活動へのマイナスの影響につながる可能性があ
る。現状況が不確実であることから、現時点で将来の財務諸表への影響を見積もることは不可能である。
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41 -規制自己資本に関する情報
一般的な定義
当行グループの自己資本の計算は、金融機関および投資会社に対する健全性要件に関する規制(EU)第575/2013号(所要自己
資本規制(以下「CRR」という。))ならびに金融機関の業務に対するアクセスならびに金融機関および投資会社の健全性の監
督に関するEU指令第2013/36号(所要自己資本指令(以下「CRD」という。))(その後の規制および指令に伴い更なる修正が
加えられている。)に基づいた自己資本水準に立脚している。CRDは、ドイツの法律に導入されている。本項および「リスク・
ウェイテッド・アセットの変動」の項における情報は、規制上の連結の原則に基づいている。
この項では、CRRおよびドイツ銀行法(Kreditwesengesetz(以下「KWG」という。))に従って、銀行規制目的上の連結ベー
スでの適正自己資本について言及している。したがってグループ内の保険会社および金融部門以外の事業体はここに含まれて
いない。
2021年度末現在有効であった規制に基づく自己資本合計は、Tier 1資本およびTier 2(T2)資本から構成されている。Tier
1資本は、普通株式等Tier 1(CET 1)資本およびその他Tier 1(AT1)資本に細分化される。
普通株式等Tier 1(CET 1)資本は、主に、規制上の調整(すなわち、プルデンシャル・フィルターおよび控除)の対象とな
る(保有株式を控除した)普通株式資本(関連する株式プレミアム勘定を含む。)、利益剰余金(事業年度における損失があ
る場合、それらを含む。)およびその他の包括利益累計額、ならびに連結CET 1資本への組み入れに適格な少数株主持分から構
成されている。CRR第32条から第35条に基づくCET 1資本のプルデンシャル・フィルターには、(ⅰ)証券化売却益、(ⅱ)
キャッシュ・フロー・ヘッジおよび自己の負債の価値の変動、ならびに(ⅲ)追加評価調整が含まれる。CET 1資本控除には、
例えば(ⅰ)無形資産(プルデンシャルバリューを超える部分)、(ⅱ)将来の収益性に依存する繰延税金資産、(ⅲ)予想
損失の算定結果として得られたマイナスの金額、(ⅳ)確定給付年金基金資産正味額、(v)金融部門事業体との資本の相互持
合い、ならびに(vi)一定の基準を上回る金融部門事業体の資本(CET 1、AT1、T2)に対する重要な投資および重要でない投
資が含まれる。控除されなかったすべての項目(すなわち、基準を下回る金額)は、リスク・ウェイトの対象となる。
その他Tier 1(AT1)資本は、AT1資本性金融商品および関連する株式プレミアム勘定ならびに連結AT1資本への算入に適格な
非支配持分から構成されている。CRR/CRDのもとAT1資本として適格であるためには、金融商品は普通株式への転換または元本
削減メカニズムを通じてトリガー・ポイントで損失を配分する第一次損失吸収力を有していなければならず、更なる要件(早
期償還インセンティブを有さない永久的なもの、機関は常に配当/クーポンに関する完全な裁量を有していなければならない
等)の充足も必要とされる。
Tier 2(T2)資本は、適格な資本性金融商品、関連する株式プレミアム勘定、ならびに劣後長期債務、一定の信用損失引当
金および連結T2資本への算入に適格な非支配持分から構成されている。T2資本として適格であるためには、資本性金融商品ま
たは劣後債は、当初満期が5年以上でなければならない。さらに、適格な資本性金融商品は特に、早期償還インセンティブ、投
資家の早期返済の権利、または信用に連動した配当条項を含んではならない。
本報告書において、当行グループは特定の数値を、自己資本金融商品に関するCRRの定義(Tier 1、資本合計およびレバレッ
ジ比率を含む、その他Tier 1(AT1)資本およびTier 2(T2)資本ならびにこれらに基づく数値に適用される。)に基づき、
「完全適用ベース」で表示している。当行グループは、かかる「完全適用ベース」の数値を、現在適用されているCRR/CRDで規
定される自己資本金融商品の経過措置を除外して計算している。
当行グループのCET 1およびRWAには「完全適用ベース」に基づくIFRS第9号の経過措置による加算の影響額が重要な差異では
ないため、含まれている。
AT1およびT2金融商品には経過措置が適用される。2011年12月31日以前に発行された、現在適用される完全適用ベースの
CRR/CRDの下でAT1またはT2資本として適格でなくなった資本性金融商品は、移行期間中にグランド・ファーザー規定が適用さ
れ、2013年から2022年の間に段階的に除外される。(2012年12月31日時点で引き続き流通している、グランド・ファーザー規
定が適用されるポートフォリオに関して)その認識の上限は2020年度に20%、2021年度に10%である。グランド・ファーザー
規定は段階的に廃止され、2022年1月1日以降は完全に廃止される。
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2019年6月27日から適用されている現在のCRRは、2019年6月27日より前に発行されたAT1およびT2金融商品について更なるグ
ランド・ファーザー規定を定めている。これに基づき、特別目的事業体を通じて発行されたAT1およびT2金融商品は2021年12月
31日までグランド・ファーザー規定の対象となる。2021年度以降、経過措置はAT1およびT2金融商品のみに適用され、2019年6
月27日以降に適用される特定の新たな要件を満たしていない場合でも、2025年6月26日までは引き続き適用の対象となる。2021
年度末時点で、当行グループにおけるそれらの金融商品の残高に重要性はない。したがって、2022年1月1日以降、「完全適用
ベース」と「経過措置」のAT1およびT2金融商品との間に実質的に差異はないことになる。
「完全適用ベース」の計算は既知の将来の規制上の資本に係る基準に対する当行グループの進展度合いを反映するものであ
ることから、当行グループは、こうした計算が投資家に有意な情報を提供していると考えている。当行グループの多くの競合
他社が「完全適用ベース」の計算について説明しているが、競合他社の「完全適用ベース」の計算に関する仮定および見積り
は様々であることから、当行グループの「完全適用ベース」の指標は、競合他社が使用している同様の指標とは比較可能でな
い場合がある。
資本性金融商品
当行グループの取締役会は、2025年4月末までに206.7百万株を上限に自己株式を買い戻すことにつき、2020年度年次株主総
会から承認を取得済みである。そのうち103.3百万株はデリバティブを用いて買い戻すことができる。これには、満期が18ヶ月
超の41.3百万のデリバティブを含む。2020年度年次株主総会から2021年度年次株主総会(2021年5月27日)までの間に、28.7百
万株が買い戻された。買い戻された株式は、同期間において株式報酬のために使用され、次の期間においても使用される予定
である。その結果、2021年度年次株主総会の開催日現在、買戻しによる保有自己株式数は3.7百万株であった。
2021年度年次株主総会において、2026年4月末までに206.7百万株を上限に自己株式を買い戻す権限が当行グループの取締役
会に付与された。そのうち103.3百万株はデリバティブを用いて買い戻すことができる。これには、満期が18ヶ月超の41.3百万
のデリバティブを含む。この権限は、前年度年次株主総会により付与された権限に取って代わるものである。2021年度年次株
主総会から2021年12月31日までの間に、4.0百万株と24.0百万個のコール・オプションが買い戻された。保有中の株式は、株式
報酬のために当期または次の期間において使用される予定である。その結果、2021年12月31日現在、買戻しによる保有自己株
式数は0.7百万株であった。コール・オプションは、株式報酬のためにも次の期間において使用される予定である。
2017年度年次株主総会以降、2021年度年次株主総会での更新を経て、2021年12月31日現在、取締役会が利用可能な授権資本
は2,560百万ユーロ(1,000百万株)であった。2021年12月31日現在、現金を対価とする条件付資本は512百万ユーロ(200百万
株)であった。取締役会はこの条件付資本を利用しないことを決定している。株式報酬を要因とする追加的な条件付資本は、
51.2百万ユーロ(20百万株)であった。さらに、2018年度年次株主総会では、参加証券およびその他Tier 1資本として適格と
なる規制要件を満たすその他のハイブリッド負債性有価証券の80億ユーロ相当の発行を認めた。
当行グループの旧ハイブリッドTier 1資本性金融商品(ほぼすべてが非累積的信託優先証券)は、元本削減または株式転換
条項がないことを主因として、CRR/CRD完全適用規則の下では、その他Tier 1資本として認識されていない。段階的廃止の移行
期間中に、2012年12月31日現在のバーゼル2.5に準拠した発行によるその他Tier 1金融商品の認識可能な最大金額は、2022年度
まで各会計年度の期首において10%(13億ユーロ)減少する予定である。これにより、2021年12月31日に関しては、適格なそ
の他Tier 1金融商品は89億ユーロ(すなわち、CRR/CRD完全適用規則に基づき認識されたAT1ノート83億ユーロおよび移行期間
中に認識可能な旧ハイブリッドTier 1金融商品6億ユーロで、後者は最終的に2021年12月31日現在、規制自己資本として認識さ
れている。)となった。2021年度に、当行は25億ユーロのAT1ノートを発行した。さらに、当行は名目金額が5億ユーロの旧ハ
イブリッドTier 1金融商品を償還した。
2021年12月31日現在、CRR/CRDに基づく移行期間中に認識された当行グループのTier 2資本性金融商品は、合計74億ユーロ
(名目金額88億ユーロ)であった。CRR/CRD完全適用規則の下で認識されたTier 2金融商品は、73億ユーロ(名目金額87億ユー
ロ)であった。2021年度に、当行は名目金額12.5億米ドル(11億ユーロ相当)のTier 2資本性金融商品を発行した。また、名
目金額3億ユーロのTier 2資本性金融商品が償還された。
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最低所要自己資本と追加的自己資本バッファー
最低所要自己資本を満たさなかった場合、利益分配の制限または貸付等の特定の業務の制限等の監督措置が発せられること
がある。2021年度において当行は自己資本規制に従っていた。
規制自己資本の内訳
自己資本テンプレート(RWAおよび自己資本比率を含む。)
3
2020 年12月31日現在
2021 年12月31日現在
CRR/CRD CRR/CRD
完全適用 完全適用
単位:百万ユーロ ベース CRR/CRD ベース CRR/CRD
普通株式等Tier 1(CET 1)資本:金融商品および準備金
資本性金融商品、関連する株式プレミアム勘定およびその他の準
45,864 45,864 45,890 45,890
備金
利益剰余金 10,506 10,506 9,784 9,784
その他の包括利益(損失)累計額、税引後 -444 -444 -1,118 -1,118
独立してレビューされた中間利益(予測可能な費用または配当を
1,379 1,379 253 253
1
控除後)
その他 910 910 805 805
規制上の調整前の普通株式等Tier 1(CET 1)資本
58,215 58,215 55,613 55,613
普通株式等Tier 1(CET 1)資本:規制上の調整
追加評価調整(マイナスの金額) -1,812 -1,812 -1,430 -1,430
その他のプルデンシャル・フィルター(追加評価調整を除く。) -14 -14 -112 -112
のれんおよびその他の無形資産(関連する税金負債を控除後)
-4,897 -4,897 -4,635 -4,635
(マイナスの金額)
一時差異から発生するものを除く、将来の収益性に依存する繰延
税金資産(CRR第38条(3)の条件が満たされる場合には、関連する -1,466 -1,466 -1,353 -1,353
税金負債を控除後)(マイナスの金額)
予想損失額の計算の結果生じたマイナスの金額 -573 -573 -99 -99
確定給付年金基金資産(関連する税金負債を控除後)(マイナス
-991 -991 -772 -772
の金額)
機関による自己のCET 1金融商品の直接的、間接的およびシンセ
0 0 0 0
ティックな保有(マイナスの金額)
機関が金融部門事業体に対する重要な投資を有している場合にお
ける、機関による当該事業体のCET 1金融商品の直接的、間接的
0 0 0 0
およびシンセティックな保有(10%/15%基準超過額、適格な
ショート・ポジションを相殺後)(マイナスの金額)
一時差異から生じた繰延税金資産(CRR第38条(3)の条件が満たさ
れる場合には、関連する税金負債を控除後)(10%/15%基準超 -151 -151 -75 -75
過額)(マイナスの金額)
2
その他の規制上の調整
-1,805 -1,805 -2,252 -2,252
普通株式等Tier 1(CET 1)資本に対する規制上の調整合計
-11,709 -11,709 -10,728 -10,728
普通株式等Tier 1(CET 1)資本
46,506 46,506 44,885 44,885
その他Tier 1(AT1)資本:金融商品
資本性金融商品および関連する株式プレミアム勘定 8,328 8,328 5,828 5,828
AT1からの段階的除外の対象となる、CRR第484条(4)に言及されて
N/M 600 N/M 1,100
いる適格項目の金額および関連する株式プレミアム勘定
規制上の調整前のその他Tier 1(AT1)資本
8,328 8,928 5,828 6,928
その他Tier 1(AT1)資本:規制上の調整
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機関による自己のAT1金融商品の直接的、間接的およびシンセ
-60 -60 -80 -80
ティックな保有(マイナスの金額)
CRR第472条に従って移行期間中にCET 1資本からの控除に関連し
N/M N/M
てAT1資本から控除される残存金額
その他の規制上の調整 0 0 0 0
その他Tier 1(AT1)資本に対する規制上の調整合計
-60 -60 -80 -80
その他Tier 1(AT1)資本
8,268 8,868 5,748 6,848
Tier 1資本(T1 = CET 1 + AT1)
54,775 55,375 50,634 51,734
Tier 2(T2)資本
7,328 7,358 6,623 6,944
自己資本合計 (TC = T1 + T2)
62,102 62,732 57,257 58,677
リスク・ウェイテッド・アセット合計 351,629 351,629 328,951 328,951
自己資本比率
普通株式等Tier 1資本比率(リスク・ウェイテッド・アセットに対
13.2 13.2 13.6 13.6
する比率)
Tier 1資本比率(リスク・ウェイテッド・アセットに対する比率)
15.6 15.7 15.4 15.7
自己資本合計比率(リスク・ウェイテッド・アセットに対する比
17.7 17.8 17.4 17.8
率)
N/M -表記するに値しない。
1 通年の利益は、 規制(EU)第575/2013号(ECB/2015/4)の第26条(2)に則ったECBの決定(EU)第2015/656号に基づき認識される。
2 単一破綻処理基金および預金保険制度に関連した取消不能の支払コミットメントに関するECBのガイダンスに基づく11億ユーロの資本控除
(2020年12月31日現在:9億ユーロ)、不履行エクスポージャーに対する慎重な引当に関するECBの監督勧告に基づく7億ユーロの資本控除
(2020年12月31日現在:7億ユーロ)、2021年6月30日に発効したCRR第36条(1)(n)に基づく最低価額コミットメントから生じた17百万ユー
ロの資本控除、ならびにCRR第473a条に基づくIFRS第9号の移行規定による39百万ユーロのCET 1の増加(2020年12月31日現在:54百万ユー
ロ)が含まれている。2020年12月31日現在含まれるECBの定期レビューに基づく7億ユーロの資本控除は、2021年12月31日現在戻入れられ
ている。
3 2020 年12月31日現在の普通株式等Tier 1資本は、2020年度の配当支払額ゼロを反映するよう更新されている。
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株主持分の自己資本への調整
CRR/CRD
2020 年12月31日
2021 年12月31日
3
現在
現在
単位:百万ユーロ
会計上の貸借対照表による株主持分合計 58,027 54,786
事業体の連結除外/連結 265 265
このうち:
資本剰余金 0 0
利益剰余金 265 265
その他の包括利益(損失)累計額、税引後 0 0
規制上の貸借対照表による株主持分合計 58,292 55,050
少数株主持分(連結CET 1に含めることが認められている額)
910 805
1
AT1クーポンおよび株主配当控除
-987 -242
規制上の調整前の普通株式等Tier 1(CET 1)資本
58,215 55,613
追加評価調整 -1,812 -1,430
その他のプルデンシャル・フィルター(追加評価調整を除く。) -14 -112
のれんおよびその他の無形資産(関連する税金負債を控除後)(マイナスの金
-4,897 -4,635
額)
将来の収益性に依存する繰延税金資産 -1,617 -1,428
確定給付年金基金資産(関連する税金負債を控除後)(マイナスの金額) -991 -772
機関が金融部門事業体に対する重要な投資を有している場合における、機関によ
0 0
る当該事業体のCET 1金融商品の直接的、間接的およびシンセティックな保有
2
その他の規制上の調整
-2,378 -2,351
普通株式等Tier 1資本
46,506 44,885
1 通年の利益は、規制(EU)第575/2013号(ECB/2015/4)の第26条(2)に則ったECBの決定(EU)第2015/656号に基づき認識される。
2 単一破綻処理基金および預金保険制度に関連した取消不能の支払コミットメントに関するECBのガイダンスに基づく11億ユーロの資本控除
(2020年12月31日現在:9億ユーロ)、不履行エクスポージャーに対する慎重な引当に関するECBの監督勧告に基づく7億ユーロの資本控除
(2020年12月31日現在:7億ユーロ)、予想損失額の計算の結果生じたマイナスの金額6億ユーロ(2020年12月31日現在:1億ユーロ)、
2021年6月30日に発効したCRR第36条(1)(n)に基づく最低価額コミットメントから生じた17百万ユーロの資本控除、ならびにCRR第473a条に
基づくIFRS第9号の移行規定による39百万ユーロのCET 1の増加(2020年12月31日現在:54百万ユーロ)が含まれている。2020年12月31日
現在含まれるECBの定期レビューに基づく7億ユーロの資本控除は、2021年12月31日現在戻入れられている。
3 2020年12月31日現在の普通株式等Tier 1資本は、2020年度の配当支払額ゼロを反映するよう更新されている。
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資本管理
当行グループの財務機能は、該当がある場合、グループ・レベルおよび各地域における地域レベルでソルベンシー、自己資
本比率、レバレッジおよびベイルイン比率を管理している。財務部は、資本戦略(それ自体はグループ・リスク委員会が策定
し取締役会が承認する。)を実施する。財務部は直接的に、または当行グループの資産負債管理委員会を通じて、特に株式お
よび資本性金融商品の発行および買戻し、自己資本比率の為替相場変動に対するヘッジ、主要な金融資源のキャパシティの設
定、帳簿上の資本の配分ならびに地域別の資本計画を管理している。当行グループは、経済的および規制上の両方の観点か
ら、健全な資本の維持に全力を尽くしている。当行グループは、常におよびあらゆる観点から、経済的および規制上の考察の
適切なバランスを達成するために、当行グループの全体的な資本の需要と供給を継続的に監視および調整している。これらの
観点には、IFRSベースの会計上の資本、規制自己資本および経済的資本、ならびに格付機関による特定の所要自己資本が含ま
れている。
財務部は、資本性金融商品、すなわち普通株式等Tier 1資本、その他Tier 1およびTier 2資本性金融商品ならびにTLAC/MREL
適格負債性金融商品の発行および買戻しを管理する。財務部は、負債管理取引のため、常に、市場を監視している。当該取引
は、当行グループの発行債を額面未満で買い戻すことにより普通株式等Tier 1資本を積み増し、カウンターシクリカルバッ
ファーを創出する機会となっている。
財務部は、通貨の変動に対する当行の自己資本比率の感応度を管理している。この目的において、財務部は、どの通貨を
ヘッジすべきかを決定し、 リスク管理部と緊密に連 携して適切なヘッジ戦略を策定し、最終的にこれらのヘッジを実行する。
当行グループのコア通貨であるユーロ、米ドル、中国人民元および英ポンド建てで当行グループの在外子会社および支店に投
下された資本は、資本控除項目およびリスク・ウェイテッド・アセットの変動によるそれぞれの影響のバランスを取るため、
ヘッジされていない。コア以外の通貨建てで投下された資本は、資本需要を考慮して部分的にヘッジされているか、完全に
ヘッジされているかのいずれかである。
金融資源の上限設定
主要な金融資源の使用は、以下のガバナンス・プロセスおよびインセンティブによる影響を受ける。
目標の資源キャパシティは、CET 1およびレバレッジ比率の目標値と合わせて年次戦略計画の中で見直される。四半期プロセ
スの一環として、グループ資産負債管理委員会は、戦略的計画に基づき市況や短期的な見通しに照らして調整された資本需要
総額(リスク・ウェイテッド・アセット(RWA)とRWAに相当する特定の資本控除項目の合計と定義される。)およびレバレッ
ジ・エクスポージャーの部門別の資源の上限を承認する。これらの限度枠は、緊密な監視プロセスおよび超過計上メカニズム
により実行される。
全体的な規制上の資本要件は主に、当行グループのCET 1比率(ソルベンシー)とレバレッジ比率(レバレッジ)の要求のい
ずれか拘束力の強い方の制約に左右される。内部的な資本配分については、当行グループの普通株式等Tier 1比率、当行グ
ループのレバレッジ比率および当行グループのストレス下でのキャピタル・ロスに対する各セグメントの貢献の合計は、当行
グループにとっての相対的重要性と制約レベルを反映するために重みづけされている。普通株式等Tier 1比率およびレバレッ
ジ比率への貢献は、RWAおよびレバレッジ比率エクスポージャー(LRE)によって測定される。当行グループのストレス下の
キャピタル・ロスは、定義されたストレス・シナリオにおける当行グループの全体的な経済的リスク・エクスポージャーの指
標である。のれんおよびその他の無形資産は各セグメントに直接配分され、配分された有形株主資本とそれぞれの利益率が算
定される。
当行グループの子会社の大部分と多数の支店は、法律上および規制上の所要自己資本が課せられている。資本および流動性
を策定、実施、テストする際に、当行グループは、このような法律上および規制上の要件を十分に考慮に入れる。当行グルー
プの全世界の支店および子会社の重要な資本要件はすべて、実行前にグループ投資委員会に提出され、承認される。
さらに、財務部は、ドイツ銀行最大の年金基金の投資委員会のメンバーとなっており、同委員会が当該基金の投資の指針を
設定している。このことは、年金資産と年金負債の整合性を確保し、結果として当行グループの資本基盤を保護することを意
図している。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
42 -ドイツ商法第297-1a条/第315a条に準拠した連結財務諸表およびドイツ銀行法第26a条に準拠した総資産
利益率に対する補足的情報
人件費
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度
人件費:
賃金および給料 8,551 8,526
社会保障費 1,867 1,945
このうち:年金に関するもの 1,038 1,111
合計 10,418 10,471
従業員
2021年度の平均実働従業員数は84,298名(2020年度:86,756名)で、このうち女性は37,359名(2020年度:38,193名)で
あった。これらの数値には、パートタイム従業員が労働時間に応じて含まれている。国外従業員数は平均47,460名(2020年
度:46,948名)であった。
取締役会および監査役会の報酬
ドイツ会計基準第17号の規定に従って、取締役は、2021事業年度の報酬として総額49,984,668ユーロ(2020年度:
40,119,062ユーロ)を受け取った。このうち、26,467,225ユーロ(2020年度:22,473,664ユーロ)が固定報酬、1,300,000ユー
ロ(2020年度:920,833ユーロ)が固定手当、1,115,438ユーロ(2020年度:1,353,072ユーロ)が付加給付 、 21,102,005ユーロ
(2020年度:15,371,493ユーロ)が業績連動項目であった。
ドイツ銀行AGの元取締役またはその遺族には、2021年および2020年12月31日終了年度において、それぞれ38,737,800ユーロ
および31,929,318ユーロが支払われた。
元取締役およびその遺族のための年金債務引当金は、2021年および2020年12月31日現在それぞれ184,815,849ユーロおよび
198,577,478ユーロであった(過年度の比較数値は、当年度の表示に合わせている。)。
監査役の報酬の原則は当行の定款に定められている。報酬規定は、2013年度に新たに策定され、2021年5月27日の年次株主総
会の決議で最終改定が行われ、2021年7月23日に発効した。監査役には固定の年間報酬が支払われる。各監査役の年間基本報酬
は100,000ユーロである。監査役会会長には基本報酬の2倍、副会長には1.5倍の報酬が支払われる。監査役会の委員会の委員お
よび会長には、更なる固定の年間報酬が支払われる。決められた報酬のうち75%は、翌年の最初の3ヶ月の間にインボイスを提
出後、各監査役に対して支払われる。残りの25%については、同時に、定款の規定に従って当行によって当行株式(仮想株
式)へと転換される。この株式数の株式の価値が、監査役会からの退任または定款に定める任期満了の翌年の2月に各監査役に
対して支払われるが、メンバーが解雇を正当化したであろう重大な原因によって退任しないことを条件とする。期中に監査役
会のメンバーに変更があった場合には、当該事業年度に関する報酬は按分して(一月未満の端数は四捨五入)で支払われる。
退任する年度については、報酬の全額が現金で支払われ、当該年度の報酬のうち25%には失効規定が適用される。2021事業年
度に関して、監査役は総額6,520,833ユーロ(2020年度:6,007,083ユーロ)の報酬を受け取り、そのうち4,965,625ユーロは定
款の規定に従って2022年の春に支払われる(2021年度:4,632,813ユーロ)。
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取締役および監査役のために実行した貸出金および負担した偶発負債は、2021年および2020年12月31日終了年度において、
それぞれ、取締役に対して6,476,340ユーロおよび6,516,181ユーロ、監査役に対して1,559,179ユーロおよび1,546,839ユーロ
であった。監査役は2021年度に貸出金93,771ユーロを返済した。
総資産利益率
ドイツ銀行法第26a条において、総資産利益率は、当期純利益を平均総資産で除した数値と定義されている。2021年および
2020年12月31日終了年度の当該定義に準拠した総資産利益率は、それぞれ0.18%および0.04%であった。
親会社についての情報
ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフトは、ドイツ銀行グループの親会社である。フランクフルト・アム・マインで設立さ
れ、フランクフルト・アム・マイン地方裁判所において登録番号HRB 30000で商業登記されている。
コーポレート・ガバナンス
ドイツ銀行AGは、ドイツ株式会社法(AktG)第161条に準拠した適合宣言を承認した。当該宣言はドイツ銀行のホームページ
(www.db.com/ir/en/documents.htm)で公表されている。
主要な会計報酬およびサービス
アーンスト・アンド・ヤング・ゲーエムベーハー監査法人(以下「EYゲーエムベーハー」という。)およびその他のEYメン
バー・ファームに対する報酬の内訳
報酬区分 (単位:百万ユーロ) 2021 年度 2020 年度
監査報酬 54 53
このうちEYゲーエムベーハー 42 40
監査関連報酬 8 5
このうちEYゲーエムベーハー 6 4
税務関連報酬 1 0
このうちEYゲーエムベーハー 0 0
その他すべての報酬 1 0
このうちEYゲーエムベーハー 0 0
報酬合計 64 58
監査報酬には、ドイツ銀行AGの年次財務諸表および連結財務諸表の監査に対する職業的専門家によるサービスの報酬が含ま
れるが、EYによる監査の対象外であるDWSおよびその子会社に対する監査報酬は含まれない。監査関連報酬には、法令によって
要求されるその他の保証業務に対する報酬、特に財務諸表に係る特定の監査以外の保証業務、四半期レビュー、事業分割時お
よび合併時の監査、ならびに内部管理目的およびコンフォートレター発行のための任意監査等の任意の保証業務に対する報酬
が含まれる。税務関連報酬には、納税申告書の作成およびレビューと関連する法令遵守に係る支援および助言、当行グループ
の税務計画戦略およびイニシアチブに関連する税務相談業務および助言、ならびに税法遵守の評価支援に対する報酬が含まれ
る。
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43 -国別の報告
ドイツ銀行法第26a条は、特定の情報を各国別に年次開示することを要求している。開示されている情報は、ドイツ銀行の
IFRSグループ勘定に基づいている。しかし、当該情報は本報告書のその他の財務情報と照合できない。これは、2014年12月16
日にドイツ連邦銀行より公表された、海外グループ内部取引相殺消去前の各国別情報を開示する規定を含む特定の要件による
ものである。これらのドイツ連邦銀行の規定に従って、同じ国におけるグループ内部取引は相殺消去されている。これらの相
殺消去は各国の内部経営管理報告において適用される相殺消去と同一である。
子会社および支店の所在地は、設立国または住所および関連する税務管轄区域を考慮して決定される。子会社や支店の会社
名、事業の特性、所在地は、注記44「保有株式」を参照のこと。また、ドイツ銀行AGおよびその子会社は、ドイツおよびロン
ドン、ニューヨーク、シンガポールといった海外に支店を有している。純収益は、純利息収益および利息以外の収益から構成
されている。
2021 年12月31日
法人所得税
従業員(フル
純収益 税引前利益
(費用)/
1
タイム換算)
(売上高) (損失)
ベネフィット
単位:百万ユーロ(別途記載のものを除く。)
オーストラリア 292 267 102 -41
オーストリア 12 72 -2 -0
ベルギー 183 488 20 -5
ブラジル 61 122 36 -18
カナダ 8 12 4 -2
ケイマン諸島 3 0 2 0
中国 202 553 89 -21
チェコ共和国 14 40 3 -1
フランス 71 193 -7 -2
ドイツ 10,257 35,741 1,266 -261
英国 3,862 7,341 46 -44
ギリシャ -0 10 0 -0
香港 675 844 121 -20
ハンガリー 17 50 5 -1
インド 680 14,114 459 -175
インドネシア 90 190 30 -16
アイルランド 11 217 -2 -1
イスラエル -1 10 -1 0
イタリア 1,007 3,269 40 -0
日本 265 391 29 -26
ジャージー島 -0 0 -4 -0
ルクセンブルク 951 520 565 -95
マレーシア 67 180 34 -8
モーリシャス -76 0 -75 -0
メキシコ 4 23 -7 0
オランダ 221 541 45 -9
パキスタン 13 84 5 -2
ペルー 2 0 0 0
フィリピン 21 1,333 3 4
ポーランド 64 347 -173 3
ポルトガル 11 42 -5 -2
カタール -0 2 1 -0
ルーマニア 0 1,035 6 -1
ロシア連邦 51 1,722 26 -6
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サウジアラビア 8 51 -12 4
シンガポール 909 1,794 153 -24
南アフリカ 7 43 -14 -1
韓国 90 187 16 -5
スペイン 546 2,273 30 -11
スリランカ 14 61 6 -1
スウェーデン 2 27 4 -1
スイス 259 595 23 -5
台湾 37 124 1 1
タイ 31 107 -6 1
トルコ 40 108 22 -6
UAE 10 199 6 0
ウクライナ 5 32 1 -0
米国 5,475 7,545 1,542 -102
ベトナム 20 71 8 -2
1 2021年12月31日現在のフルタイム換算の従業員数。
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44 -
保有株式
335 子会社(訳注:行頭の数字は英文Annual Report 2021のページ。以下同様)
341 連結ストラクチャード・エンティティ
345 持分法により会計処理されている会社
347 20%超を保有するその他の会社
351 議決権の5%超を保有する大企業に対する持分
ドイツ商法第313条第2項に従って、以下のページはドイツ銀行グループの保有株式を示している。
脚注:
1 支配されている。
2 ドイツ商法第313条第2項第6号に従って、無限責任の株主としての立場
3 ゼネラル・パートナーシップ
4 当事業体の特定の資産および関連負債(サイロ)のみが連結された。
5 共同支配企業
6 重要な影響力があるため持分法により会計処理されている。
7 支配されていない。
8 IFRSでは持分法により会計処理されないストラクチャード・エンティティとして分類されている。
9 IFRSでは連結されないストラクチャード・エンティティとして分類されている。
10 暫定自己資本7,720.4百万ユーロ/暫定損益333.2百万ユーロ(2021事業年度)
11 暫定自己資本9,679.2百万ユーロ/暫定損益155.7百万ユーロ(2021事業年度)
12 強制的に純損益を通じて公正価値で測定されるトレーディング以外の金融資産として分類されたため、連結されておらず、持分法により
会計処理されてもいない。
13 自己資本17.4百万ユーロ/損益1.8百万ユーロ(2020事業年度)
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
子会社
1 ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフト フランクフルト・ 信用機関
アム・マイン
2 ABFS I Incorporated ルーザービル= 金融機関 100.0
ティモニアム
3 ABS MB Ltd. ルーザービル= 金融機関 100.0
ティモニアム
4 Alex. Brown Financial Services ルーザービル= 金融機関 100.0
ティモニアム
Incorporated
5 Alex. Brown Investments Incorporated ルーザービル= 金融機関 100.0
ティモニアム
6 Alfred Herrhausen Gesellschaft mbH ベルリン その他の企業 100.0
7 Ambidexter GmbH i.L. フランクフルト 支払機関 100.0
8 Argent Incorporated ルーザービル= 金融機関 100.0
ティモニアム
9 Bainpro Nominees Pty Ltd シドニー 付随サービス事業 100.0
10 Baldur Mortgages Limited ロンドン 金融機関 100.0
11 Bankers Trust Investments Limited (in ロンドン その他の企業 100.0
members' voluntary liquidation)
12 Bayan Delinquent Loan Recovery 1 (SPV- マカティ・シティ 金融機関 100.0
AMC), Inc.
13 Betriebs-Center für Banken AG フランクフルト 付随サービス事業 100.0
14 Better Financial Services GmbH 付随サービス事業 100.0
ベルリン
15 Better Payment Germany GmbH 付随サービス事業 100.0
ベルリン
16 BHW - Gesellschaft für Wohnungswirtschaft ハーメルン 金融機関 100.0
mbH
17 BHW Bausparkasse Aktiengesellschaft ハーメルン 信用機関 100.0
18 BHW Holding GmbH ハーメルン 金融持株会社 100.0
19 Borfield Sociedad Anonima モンテビデオ その他の企業 100.0
20 Breaking Wave DB Limited ロンドン 付随サービス事業 100.0
21 BT Globenet Nominees Limited ロンドン その他の企業 100.0
22 Cardales UK Limited (in members' voluntary ロンドン その他の企業 100.0
liquidation)
23 Cardea Real Estate S.r.l. ミラノ 付随サービス事業
100.0
24 Caribbean Resort Holdings, Inc. ニューヨーク 1 金融機関
0.0
25 Cathay Advisory (Beijing) Co., Ltd. 北京 その他の企業
100.0
26 Cathay Asset Management Company Limited エベヌ 金融機関
100.0
27 Cathay Capital Company (No 2) Limited エベヌ 金融機関
67.6
28 Cedar (Luxembourg) S.à r.l. ルクセンブルグ その他の企業
100.0
29 China Recovery Fund, LLC ウィルミントン 金融機関
85.0
30 Cinda - DB NPL Securitization Trust 2003-1 ウィルミントン 1 金融機関
10.0
31 Consumo Srl in Liquidazione ミラノ 金融機関 100.0
32 D B Investments (GB) Limited ロンドン 金融持株会社 100.0
33 D&M Turnaround Partners Godo Kaisha 東京 金融機関 100.0
34 DB (Barbados) SRL クライストチャー 付随サービス事業 100.0
チ
35 DB (Malaysia) Nominee (Asing) Sdn. Bhd. クアラルンプール その他の企業 100.0
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シリアル 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
番号 分(%)
DB (Malaysia) Nominee (Tempatan) クアラルンプール その他の企業 100.0
36
Sendirian Berhad
DB Alex. Brown Holdings Incorporated ウィルミントン 金融機関 100.0
37
DB Aotearoa Investments Limited ジョージタウン 付随サービス事業 100.0
38
DB Beteiligungs-Holding GmbH フランクフルト 金融持株会社 100.0
39
DB Boracay LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
40
DB Capital Markets (Deutschland) GmbH フランクフルト 金融持株会社 100.0
41
DB Cartera de Inmuebles 1, S.A.U. マドリッド 付随サービス事業 100.0
42
DB Chestnut Holdings Limited ジョージタウン 付随サービス事業 100.0
43
DB Corporate Advisory (Malaysia) Sdn. クアラルンプール 金融機関 100.0
44
Bhd.
DB Delaware Holdings (Europe) Limited ジョージタウン 金融機関 100.0
45
DB Direkt GmbH フランクフルト 付随サービス事業 100.0
46
DB Elara LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
47
DB Energy Trading LLC ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
48
DB Equipment Leasing, Inc. ニューヨーク 金融機関 100.0
49
DB Equity Limited ロンドン 金融機関 100.0
50
DB Finance (Delaware), LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
51
DB Global Technology SRL ブカレスト 付随サービス事業 100.0
52
DB Global Technology, Inc. ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
53
DB Group Services (UK) Limited ロンドン 付随サービス事業 100.0
54
DB Holdings (New York), Inc. ニューヨーク 金融機関 100.0
55
DB HR Solutions GmbH エシュボルン 付随サービス事業 100.0
56
DB Immobilienfonds 5 Wieland KG i.L. フランクフルト その他の企業 93.6
57
DB Impact Investment Fund I, L.P. エディンバラ 金融機関 100.0
58 2
DB Industrial Holdings Beteiligungs リュッツェン 金融機関 100.0
59 2
GmbH & Co. KG
DB Industrial Holdings GmbH リュッツェン 金融機関 100.0
60
DB Intermezzo LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
61
DB International (Asia) Limited シンガポール 信用機関 100.0
62
DB International Investments Limited ロンドン 金融機関 100.0
63
DB International Trust (Singapore) シンガポール その他の企業 100.0
64
Limited
DB Investment Managers, Inc. ウィルミントン 金融機関 100.0
65
DB Investment Partners Limited ロンドン 金融機関 100.0
66
DB Investment Partners, Inc. ウィルミントン 金融機関 100.0
67
DB Investment Resources (US) ウィルミントン 金融機関 100.0
68
Corporation
DB Investment Resources Holdings Corp. ウィルミントン 金融機関 100.0
69
DB Investment Services GmbH フランクフルト 付随サービス事業 100.0
70
DB Io LP ウィルミントン 2 金融機関 100.0
71
DB IROC Leasing Corp. ニューヨーク 金融機関 100.0
72
DB London (Investor Services) Nominees ロンドン 金融機関 100.0
73
Limited
DB Management Support GmbH フランクフルト 付随サービス事業 100.0
74
DB Nominees (Hong Kong) Limited 香港 付随サービス事業 100.0
75
DB Nominees (Jersey) Limited セントヘリア その他の企業 100.0
76
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シリア 会社名 会社所在地 脚注 業務内容 資本持
ル番号 分(%)
DB Nominees (Singapore) Pte Ltd シンガポール その他の企業 100.0
77
DB Omega BTV S.C.S. ルクセンブルグ 2 金融機関 100.0
78
DB Omega Holdings LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
79
DB Omega Ltd. ジョージタウン 金融機関 100.0
80
DB Omega S.C.S. ルクセンブルグ 2 金融機関 100.0
81
DB Operaciones y Servicios Interactivos マドリッド 付随サービス事業 99.9
82
Agrupación de Interés Económico
DB Overseas Finance Delaware, Inc. ウィルミントン 金融機関 100.0
83
DB Overseas Holdings Limited ロンドン 金融機関 100.0
84
DB Print GmbH フランクフルト 付随サービス事業 100.0
85
DB Private Clients Corp. ウィルミントン 金融機関 100.0
86
DB Private Wealth Mortgage Ltd. ニューヨーク 金融機関 100.0
87
DB Re S.A. ルクセンブルグ 再保険事業 100.0
88
DB Service Centre Limited ダブリン 付随サービス事業 100.0
89
DB Service Uruguay S.A. モンテビデオ 金融機関 100.0
90
DB Services (Jersey) Limited セントヘリア 付随サービス事業 100.0
91
DB Services Americas, Inc. ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
92
DB Servizi Amministrativi S.r.l. ミラノ 付随サービス事業 100.0
93
DB Strategic Advisors, Inc. マカティ・シティ 付随サービス事業 100.0
94
DB Structured Derivative Products, LLC ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
95
DB Structured Products, Inc. ウィルミントン 金融機関 100.0
96
DB Trustee Services Limited ロンドン その他の企業 100.0
97
DB Trustees (Hong Kong) Limited 香港 その他の企業 100.0
98
DB U.S. Financial Markets Holding ウィルミントン 金融持株会社 100.0
99
Corporation
DB UK Bank Limited ロンドン 信用機関 100.0
100
DB UK Holdings Limited ロンドン 金融機関 100.0
101
DB UK PCAM Holdings Limited ロンドン 金融機関 100.0
102
DB USA Core Corporation ウエストトレント 付随サービス事業 100.0
103
ン
DB USA Corporation ウィルミントン 金融機関 100.0
104
DB Valoren S.à r.l. ルクセンブルグ 金融持株会社 100.0
105
DB Value S.à r.l. ルクセンブルグ 金融機関 100.0
106
DB VersicherungsManager GmbH フランクフルト その他の企業 100.0
107
DB Vita S.A. ルクセンブルグ 保険事業 75.0
108
DBAH Capital, LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
109
110 DBCIBZ1 ジョージタウン 金融機関 100.0
DBFIC, Inc. ウィルミントン 金融機関 100.0
111
DBNZ Overseas Investments (No.1) ジョージタウン 金融機関 100.0
112
Limited
DBOI Global Services (UK) Limited ロンドン 付随サービス事業 100.0
113
DBR Investments Co. Limited ジョージタウン 金融機関 100.0
114
DBRE Global Real Estate Management IB, ジョージタウン 資産運用会社 100.0
115
Ltd.
DBRMS4 ジョージタウン 2, 3 金融機関 100.0
116
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
DBRMSGP1 ジョージタウン 2, 3 金融機関 100.0
117
118 DBUK PCAM Limited ロンドン 金融持株会社 100.0
119 DBUKH No. 2 Limited (in members' voluntary ロンドン 1 金融機関 0.0
liquidation)
120 DBUSBZ1, LLC ウィルミントン その他の企業 100.0
121 DBUSBZ2, S.à r.l. ルクセンブルグ 金融機関 100.0
122 DBX Advisors LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
123 DEBEKO Immobilien GmbH & Co Grundbesitz エシュボルン 2 付随サービス事業 100.0
OHG
124 DEE Deutsche Erneuerbare Energien GmbH フランクフルト 金融機関 100.0
125 DEUKONA Versicherungs-Vermittlungs-GmbH フランクフルト 付随サービス事業 100.0
126 Deutsche (Aotearoa) Capital Holdings New オークランド 金融機関 100.0
Zealand
127 Deutsche (Aotearoa) Foreign Investments オークランド 金融機関 100.0
New Zealand
128 Deutsche (New Munster) Holdings New オークランド 金融機関 100.0
Zealand Limited
129 Deutsche Access Investments Limited シドニー 付随サービス事業 100.0
130 Deutsche Aeolia Power Production Société アテネ その他の企業 95.6
Anonyme
131 Deutsche Alternative Asset Management (UK) ロンドン 資産運用会社 100.0
Limited
132 Deutsche Asia Pacific Holdings Pte Ltd シンガポール 金融持株会社 100.0
133 Deutsche Asset Management (India) Private ムンバイ 付随サービス事業 100.0
Limited
134 Deutsche Australia Limited シドニー 金融機関 100.0
135 Deutsche Bank (Cayman) Limited ジョージタウン その他の企業 100.0
136 Deutsche Bank (China) Co., Ltd. 北京 信用機関 100.0
137 Deutsche Bank (Malaysia) Berhad クアラルンプール 信用機関 100.0
138 Deutsche Bank (Suisse) SA ジュネーブ 信用機関 100.0
139 Deutsche Bank (Uruguay) Sociedad Anónima モンテビデオ 信用機関 100.0
Institución Financiera Externa
140 DEUTSCHE BANK A.S. イスタンブール 信用機関 100.0
141 Deutsche Bank Americas Holding Corp. ウィルミントン 金融持株会社 100.0
142 Deutsche Bank Europe GmbH フランクフルト 信用機関 100.0
143 Deutsche Bank Financial Company ジョージタウン 金融機関 100.0
144 Deutsche Bank Holdings, Inc. ウィルミントン 金融機関 100.0
145 Deutsche Bank Insurance Agency ウィルミントン その他の企業 100.0
Incorporated
146 Deutsche Bank Luxembourg S.A. ルクセンブルグ 信用機関 100.0
147 Deutsche Bank Mutui S.p.A. ミラノ 信用機関 100.0
148 Deutsche Bank México, S.A., Institución de メキシコシティ 信用機関 100.0
Banca Múltiple
149 Deutsche Bank National Trust Company ロサンゼルス 金融機関 100.0
150 Deutsche Bank Polska Spólka Akcyjna ワルシャワ 信用機関 100.0
151 Deutsche Bank Representative Office ラゴス 付随サービス事業 100.0
Nigeria Limited
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
152 Deutsche Bank S.A. - Banco Alemão サンパウロ 信用機関 100.0
153 Deutsche Bank Securities Inc. ウィルミントン 金融機関 100.0
154 Deutsche Bank Securities Limited トロント 金融機関 100.0
155 Deutsche Bank Società per Azioni ミラノ 信用機関 99.9
156 Deutsche Bank Trust Company Americas ニューヨーク 信用機関 100.0
157 Deutsche Bank Trust Company Delaware ウィルミントン 信用機関 100.0
158 Deutsche Bank Trust Company, National ニューヨーク 金融機関 100.0
Association
159 Deutsche Bank Trust Corporation ニューヨーク 金融持株会社 100.0
160 Deutsche Bank, Sociedad Anónima Española マドリッド 信用機関 100.0
161 Deutsche Capital Finance (2000) Limited ジョージタウン 金融機関 100.0
162 Deutsche Capital Hong Kong Limited 香港 金融機関 100.0
163 Deutsche Capital Markets Australia Limited シドニー 金融機関 100.0
164 Deutsche Capital Partners China Limited カマーナ・ベイ 金融機関 100.0
165 Deutsche Cayman Ltd. カマーナ・ベイ その他の企業 100.0
166 Deutsche CIB Centre Private Limited ムンバイ 付随サービス事業 100.0
167 Deutsche Custody N.V. アムステルダム 金融機関 100.0
168 Deutsche Domus New Zealand Limited オークランド 金融機関 100.0
169 Deutsche Equities India Private Limited ムンバイ 金融機関 100.0
170 Deutsche Finance No. 2 Limited ジョージタウン 金融機関 100.0
171 Deutsche Foras New Zealand Limited オークランド 金融機関 100.0
172 Deutsche Gesellschaft für Immobilien- デュッセルドルフ 金融機関 100.0
Leasing mit beschränkter Haftung
173 Deutsche Global Markets Limited テルアビブ 付随サービス事業 100.0
174 Deutsche Group Holdings (SA) Proprietary ヨハネスブルグ 金融機関 100.0
Limited
175 Deutsche Group Services Pty Limited シドニー 付随サービス事業 100.0
176 Deutsche Grundbesitz エシュボルン 金融機関 100.0
Beteiligungsgesellschaft mbH i.L.
177 Deutsche Grundbesitz-Anlagegesellschaft フランクフルト その他の企業 99.8
mit beschränkter Haftung
178 Deutsche Holdings (BTI) Limited (in ロンドン 金融機関 100.0
members' voluntary liquidation)
179 Deutsche Holdings (Grand Duchy) ルクセンブルグ 金融持株会社 100.0
180 Deutsche Holdings (Luxembourg) S.à r.l. ルクセンブルグ 金融持株会社 100.0
181 Deutsche Holdings Limited ロンドン 金融持株会社 100.0
182 Deutsche Holdings No. 2 Limited ロンドン 金融機関 100.0
183 Deutsche Holdings No. 3 Limited ロンドン 金融機関 100.0
184 Deutsche Holdings No. 4 Limited ロンドン 金融機関 100.0
185 Deutsche Immobilien Leasing GmbH デュッセルドルフ 金融機関 100.0
186 Deutsche India Holdings Private Limited ムンバイ 金融持株会社 100.0
187 Deutsche India Private Limited ムンバイ 付随サービス事業 100.0
188 Deutsche International Corporate Services ダブリン 金融機関 100.0
(Ireland) Limited
189 Deutsche International Corporate Services セントヘリア その他の企業 100.0
Limited
555/763
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
190 Deutsche International Custodial Services セントヘリア その他の企業 100.0
Limited
191 Deutsche Investments (Netherlands) N.V. アムステルダム 金融機関 100.0
192 Deutsche Investments India Private Limited ムンバイ 金融機関 100.0
193 Deutsche Investor Services Private Limited ムンバイ その他の企業 100.0
194 Deutsche Knowledge Services Pte. Ltd. シンガポール 付随サービス事業 100.0
195 Deutsche Leasing New York Corp. ニューヨーク 付随サービス事業 100.0
196 Deutsche Mexico Holdings S.à r.l. ルクセンブルグ 金融持株会社 100.0
197 Deutsche Morgan Grenfell Group Limited ロンドン 金融機関 100.0
198 Deutsche Mortgage & Asset Receiving ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
Corporation
199 Deutsche Nederland N.V. アムステルダム 付随サービス事業 100.0
200 Deutsche New Zealand Limited オークランド 金融機関 100.0
201 Deutsche Nominees Limited ロンドン 金融機関 100.0
202 Deutsche Oppenheim Family Office AG ケルン 信用機関 100.0
203 Deutsche Overseas Issuance New Zealand オークランド 付随サービス事業 100.0
Limited
204 Deutsche Postbank Finance Center Objekt シュットリンゲン 付随サービス事業 100.0
GmbH
205 Deutsche Private Asset Management Limited ロンドン その他の企業 100.0
(in members' voluntary liquidation)
206 Deutsche Securities (India) Private ニューデリー 金融機関 100.0
Limited
207 Deutsche Securities (Proprietary) Limited ヨハネスブルグ 金融機関 100.0
208 Deutsche Securities (SA) (Proprietary) ヨハネスブルグ 金融機関 100.0
Limited
209 Deutsche Securities Asia Limited 香港 金融機関 100.0
210 Deutsche Securities Australia Limited シドニー 金融機関 100.0
211 Deutsche Securities Inc. 東京 金融機関 100.0
212 Deutsche Securities Israel Ltd. テルアビブ 金融機関 100.0
213 Deutsche Securities Korea Co. ソウル 金融機関 100.0
214 Deutsche Securities Mauritius Limited エベヌ 金融機関 100.0
215 Deutsche Securities Saudi Arabia (a closed リヤド 金融機関 100.0
joint stock company)
216 Deutsche Securities, S.A. de C.V., Casa de メキシコシティ 金融機関 100.0
Bolsa
217 Deutsche Services (CI) Limited セントヘリア 金融機関 100.0
218 Deutsche Services Polska Sp. z o.o. ワルシャワ 付随サービス事業 100.0
219 Deutsche StiftungsTrust GmbH フランクフルト その他の企業 100.0
220 Deutsche Strategic Investment Holdings 東京 金融機関 100.0
Yugen Kaisha
221 Deutsche Trustee Company Limited ロンドン その他の企業 100.0
222 Deutsche Trustee Services (India) Private ムンバイ その他の企業 100.0
Limited
223 Deutsche Trustees Malaysia Berhad クアラルンプール その他の企業 100.0
224 Deutsche Wealth Management S.G.I.I.C., マドリッド 資産運用会社 100.0
S.A.
556/763
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
225 Deutsches Institut für Altersvorsorge GmbH フランクフルト その他の企業 78.0
226 DI Deutsche Immobilien フランクフルト その他の企業 100.0
Treuhandgesellschaft mbH
227 DISCA Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 金融機関 100.0
228 Durian (Luxembourg) S.à r.l. ルクセンブルグ その他の企業 100.0
229 DWS Alternatives France パリ その他の企業 100.0
230 DWS Alternatives Global Limited ロンドン 資産運用会社 100.0
231 DWS Alternatives GmbH フランクフルト 資産運用会社 100.0
232 DWS Asset Management (Korea) Company ソウル 資産運用会社 100.0
Limited
233 DWS Beteiligungs GmbH フランクフルト 金融機関 98.9
234 DWS CH AG チューリッヒ 金融機関 100.0
235 DWS Distributors, Inc. ウィルミントン 金融機関 100.0
236 DWS Far Eastern Investments Limited 台北 金融機関 60.0
237 DWS Group GmbH & Co. KGaA フランクフルト 2 金融持株会社 79.5
238 DWS Group Services UK Limited ロンドン 付随サービス事業 100.0
239 DWS Grundbesitz GmbH フランクフルト 資産運用会社 99.9
240 DWS International GmbH フランクフルト 投資会社 100.0
241 DWS Investment GmbH フランクフルト 資産運用会社 100.0
242 DWS Investment Management Americas, Inc. ウィルミントン 金融機関 100.0
243 DWS Investment S.A. ルクセンブルグ 資産運用会社 100.0
244 DWS Investments Australia Limited シドニー 金融機関 100.0
245 DWS Investments Hong Kong Limited 香港 金融機関 100.0
246 DWS Investments Japan Limited 東京 金融機関 100.0
247 DWS Investments Shanghai Limited 上海 金融機関 100.0
248 DWS Investments Singapore Limited シンガポール 金融機関 100.0
249 DWS Investments UK Limited ロンドン 資産運用会社 100.0
250 DWS Management GmbH フランクフルト 金融機関 100.0
251 DWS Real Estate GmbH フランクフルト 金融機関 99.9
252 DWS Service Company ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
253 DWS Shanghai Private Equity Fund 上海 金融機関 100.0
Management Limited
金融機関
254 DWS Trust Company コンコード 100.0
255 DWS USA Corporation ウィルミントン 金融持株会社 100.0
256 EC EUROPA IMMOBILIEN FONDS NR. 3 GmbH & ハンブルク その他の企業 65.2
CO. KG i.I.
257 Elizabethan Holdings Limited ジョージタウン 金融機関 100.0
258 Elizabethan Management Limited ジョージタウン その他の企業 100.0
259 European Value Added I (Alternate G.P.) ロンドン 金融機関 100.0
LLP
260 Fiduciaria Sant' Andrea S.r.l. ミラノ その他の企業 100.0
261 Finanzberatungsgesellschaft mbH der ベルリン 付随サービス事業 100.0
Deutschen Bank
262 Franz Urbig- und Oscar Schlitter-Stiftung フランクフルト 付随サービス事業 100.0
Gesellschaft mit beschränkter Haftung
557/763
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
263 Fünfte SAB Treuhand und Verwaltung GmbH & バート ホンブルク その他の企業 74.9
Co. Suhl "Rimbachzentrum" KG
264 G Finance Holding Corp. ウィルミントン 金融機関 100.0
265 German American Capital Corporation ルーザービル= 金融機関 100.0
ティモニアム
266 Greenwood Properties Corp. ニューヨーク 1 金融機関 0.0
267 Grundstücksgesellschaft Frankfurt トロイスドルフ 2 その他の企業 96.6
Bockenheimer Landstraße GbR
268 Grundstücksgesellschaft Kerpen-Sindorf トロイスドルフ 1, 2 その他の企業 44.0
Vogelrutherfeld GbR
269 Grundstücksgesellschaft Köln トロイスドルフ 2 付随サービス事業 68.8
Oppenheimstraße GbR
270 Grundstücksgesellschaft Wiesbaden トロイスドルフ 2 その他の企業 71.2
Luisenstraße/Kirchgasse GbR
271 Immobilienfonds Büro-Center Erfurt am トロイスドルフ 2 その他の企業 65.0
Flughafen Bindersleben I GbR
272 Immobilienfonds Büro-Center Erfurt am トロイスドルフ 2 その他の企業 99.0
Flughafen Bindersleben II GbR
273 Immobilienfonds Wohn- und Geschäftshaus トロイスドルフ 2 その他の企業 59.5
Köln-Blumenberg V GbR
274 ISTRON Beteiligungs- und Verwaltungs-GmbH ケルン 付随サービス事業 100.0
275 IVAF I Manager, S.à r.l. ルクセンブルグ 金融機関 100.0
276 J R Nominees (Pty) Ltd ヨハネスブルグ その他の企業 100.0
277 Joint Stock Company Deutsche Bank DBU キーウ 信用機関 100.0
278 Jyogashima Godo Kaisha 東京 金融機関 100.0
279 KEBA Gesellschaft für interne Services mbH フランクフルト 付随サービス事業 100.0
280 Kidson Pte Ltd シンガポール 金融機関 100.0
281 Konsul Inkasso GmbH エッセン 付随サービス事業 100.0
282 LA Water Holdings Limited ジョージタウン 金融機関 75.0
283 LAWL Pte. Ltd. シンガポール 金融機関 100.0
284 Leasing Verwaltungsgesellschaft シェーネフェルト 金融機関 100.0
Waltersdorf mbH
285 Leonardo III Initial GP Limited ロンドン 金融機関 100.0
286 Maher Terminals Holdings (Toronto) Limited バンクーバー 金融機関 100.0
287 MEF I Manager, S. à r.l. ルクセンブルグ 金融機関 100.0
288 MIT Holdings, Inc. ボルチモア 金融機関 100.0
289 MortgageIT Securities Corp. ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
290 MortgageIT, Inc. ニューヨーク 金融機関 100.0
291 norisbank GmbH ボン 信用機関 100.0
292 OOO "Deutsche Bank TechCentre" モスクワ 付随サービス事業 100.0
293 OOO "Deutsche Bank" モスクワ 信用機関 100.0
294 OPB Verwaltungs- und Treuhand GmbH ケルン 金融機関 100.0
295 OPB-Oktava GmbH ケルン 金融機関 100.0
296 OPB-Quarta GmbH ケルン 金融機関 100.0
297 OPPENHEIM Capital Advisory GmbH ケルン 金融機関 100.0
298 OPPENHEIM PRIVATE EQUITY Manager GmbH ケルン 金融機関 100.0
558/763
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
299 OPPENHEIM PRIVATE EQUITY ケルン 金融機関 100.0
Verwaltungsgesellschaft mbH
300 PADUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 金融機関 100.0
mbH
301 Pan Australian Nominees Pty Ltd シドニー 付随サービス事業 100.0
302 PB Factoring GmbH ボン 金融機関 100.0
303 PB Spezial-Investmentaktiengesellschaft ボン 付随サービス事業 100.0
mit Teilgesellschaftsvermögen
304 PCC Services GmbH der Deutschen Bank エッセン 付随サービス事業 100.0
305 Plantation Bay, Inc. セント・トーマス その他の企業 100.0
島
306 Postbank Akademie und Service GmbH ハーメルン その他の企業 100.0
307 Postbank Beteiligungen GmbH ボン 金融機関 100.0
308 Postbank Direkt GmbH ボン 金融機関 100.0
309 Postbank Filialvertrieb AG ボン 金融機関 100.0
310 Postbank Finanzberatung AG ハーメルン その他の企業 100.0
311 Postbank Immobilien GmbH ハーメルン その他の企業 100.0
312 Postbank Leasing GmbH ボン 金融機関 100.0
313 PT Deutsche Sekuritas Indonesia ジャカルタ 金融機関 99.0
314 R.B.M. Nominees Pty Ltd シドニー 付随サービス事業 100.0
315 RoPro U.S. Holding, Inc. ウィルミントン 金融機関 100.0
316 Route 28 Receivables, LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
317 RREEF America L.L.C. ウィルミントン 金融機関 100.0
318 RREEF China REIT Management Limited 香港 その他の企業 100.0
319 RREEF European Value Added I (G.P.) ロンドン 金融機関 100.0
Limited
320 RREEF Fund Holding Co. ジョージタウン 金融機関 100.0
321 RREEF India Advisors Private Limited ムンバイ その他の企業 100.0
322 RREEF Management L.L.C. ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
323 SAB Real Estate Verwaltungs GmbH ハーメルン 金融機関 100.0
324 SAGITA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 金融機関 100.0
mbH
325 Sal. Oppenheim jr. & Cie. Beteiligungs ケルン 金融機関 100.0
GmbH
326 SAPIO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 金融機関 100.0
mbH
327 Sharps SP I LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
328 Stelvio Immobiliare S.r.l. ボルツァーノ その他の企業 100.0
329 Süddeutsche Vermögensverwaltung フランクフルト 金融機関 100.0
Gesellschaft mit beschränkter Haftung
330 TELO Beteiligungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 金融機関 100.0
331 Tempurrite Leasing Limited ロンドン 金融機関 100.0
332 Thai Asset Enforcement and Recovery Asset バンコク 金融機関 100.0
Management Company Limited
333 Treuinvest Service GmbH フランクフルト その他の企業 100.0
334 Triplereason Limited ロンドン 金融機関 100.0
335 VÖB-ZVD Processing GmbH ボン 支払機関 100.0
559/763
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
336 Wealthspur Investment Ltd. ラブアン 金融機関 100.0
337 WEPLA Beteiligungsgesellschaft mbH フランクフルト 金融機関 100.0
338 World Trading (Delaware) Inc. ウィルミントン 金融機関 100.0
560/763
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シリア 資本持
会社所在地
会社名 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
連結ストラクチャード・エンティティ
339 Alguer Inversiones Designated Activity ダブリン 付随サービス事業
Company
340 Alixville Invest, S.L. マドリッド その他の企業
341 Altersvorsorge Fonds Hamburg Alter Wall フランクフルト その他の企業
Dr. Juncker KG
342 Amber Investments S.à r.l. ルクセンブルグ 付随サービス事業 100.0
343 Asset Repackaging Trust Five B.V. アムステルダム 4 その他の企業
344 Atena SPV S.r.l. in liquidazione コネリアノ 付随サービス事業 60.0
345 Atlas Investment Company 1 S.à r.l. ルクセンブルグ 金融機関
346 Atlas Investment Company 2 S.à r.l. ルクセンブルグ 金融機関
347 Atlas Investment Company 3 S.à r.l. ルクセンブルグ 金融機関
348 Atlas Investment Company 4 S.à r.l. ルクセンブルグ 金融機関
349 Atlas Portfolio Select SPC ジョージタウン 金融機関 0.0
350 Atlas SICAV - FIS ルクセンブルグ 4 その他の企業
351 Australian Secured Personal Loans Trust メルボルン その他の企業 100.0
352 Axia Insurance, Ltd. ハミルトン 4 その他の企業
353 Carpathian Investments Designated Activity ダブリン 金融機関 100.0
Company
354 Cathay Capital (Labuan) Company Limited ラブアン その他の企業
355 Cathay Capital Company Limited エベヌ 金融機関 9.5
356 Cathay Strategic Investment Company 香港 金融機関
Limited
357 Cathay Strategic Investment Company No. 2 ジョージタウン 金融機関
Limited
358 Cayman Reference Fund Holdings Limited ジョージタウン 付随サービス事業
359 Ceto S.à r.l. ルクセンブルグ 金融機関
360 Charitable Luxembourg Four S.à r.l. ルクセンブルグ 金融機関
361 Charitable Luxembourg Three S.à r.l. ルクセンブルグ 金融機関
362 Charitable Luxembourg Two S.à r.l. ルクセンブルグ 金融機関
363 City Leasing (Thameside) Limited ロンドン 金融機関 100.0
364 City Leasing Limited ロンドン 金融機関 100.0
365 CLASS Limited セントヘリア 4 その他の企業
366 Collins Capital Low Volatility Performance ロードタウン 金融機関
II Special Investments, Ltd.
367 Crofton Invest, S.L. マドリッド その他の企業
368 Danube Properties S.à r.l., en faillite ルクセンブルグ その他の企業 25.0
369 Dariconic Designated Activity Company ダブリン 付随サービス事業
370 DB Asset Finance I S.à r.l. ルクセンブルグ 金融機関 95.0
371 DB Asset Finance II S.à r.l. ルクセンブルグ 金融機関 95.0
372 DB Aster II, LLC ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
373 DB Aster III, LLC ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
374 DB Aster, Inc. ウィルミントン 金融機関 100.0
375 DB Aster, LLC ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
561/763
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
376 DB Covered Bond S.r.l. コネリアノ 金融機関 90.0
377 DB Credit Investments S.à r.l. ルクセンブルグ 金融機関 100.0
378 DB Finance International GmbH フランクフルト 金融機関 100.0
379 DB Holding Fundo de Investimento サンパウロ 金融機関 100.0
Multimercado Investimento no Exterior
Crédito Privado
380 DB Immobilienfonds 1 Wieland KG フランクフルト その他の企業
381 DB Immobilienfonds 2 KG i.L. フランクフルト 金融機関 74.0
382 DB Impact Investment (GP) Limited ロンドン 金融機関 100.0
383 DB Litigation Fee LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
384 DB Municipal Holdings LLC ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
385 db PBC ルクセンブルグ 4 その他の企業
386 DB RC Holdings, LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
387 DB SPEARs/LIFERs, Series DB-8074 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
388 DB SPEARs/LIFERs, Series DB-8075 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.1
389 DB SPEARs/LIFERs, Series DB-8076 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
390 DB SPEARs/LIFERs, Series DB-8077 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
391 DB SPEARs/LIFERs, Series DB-8080 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
392 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8052 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
393 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8054 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
394 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8055 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
395 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8056 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
396 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8057 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
397 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8059 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
398 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8060 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
399 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8061 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
400 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8062 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
401 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8063 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
402 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8064 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
403 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8065 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
404 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8066 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
405 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8067 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
406 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8068 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
407 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8069 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
408 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8070 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
409 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8071 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
410 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8073 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
411 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8081 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
412 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8082 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
413 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8083 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
414 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8084 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 0.5
415 DB SPEARs/LIFERs, Series DBE-8901 Trust ウィルミントン 付随サービス事業 5.0
416 DB Structured Holdings Luxembourg S.à r.l. ルクセンブルグ 金融機関 100.0
562/763
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有価証券報告書
シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
417 DBRE Global Real Estate Management US IB, ウィルミントン 金融機関 100.0
L.L.C.
418 DBX ETF Trust ウィルミントン 4 その他の企業
419 De Heng Asset Management Company Limited 北京 金融機関
420 Deloraine Spain, S.L. マドリッド 付随サービス事業
その他の企業
421 Deutsche Bank Luxembourg S.A. - Fiduciary ルクセンブルグ 4
Deposits
422 Deutsche Bank Luxembourg S.A. - Fiduciary ルクセンブルグ 4 その他の企業
Note Programme
423 Deutsche Bank SPEARs/LIFERs, Series DBE-8011 ウィルミントン 付随サービス事業 0.0
Trust
424 Deutsche Colombia S.A.S. ボゴタ 金融機関 100.0
425 Deutsche Postbank Funding LLC I ウィルミントン 金融機関 100.0
426 Deutsche Postbank Funding LLC II ウィルミントン 金融機関 100.0
427 Deutsche Postbank Funding LLC III ウィルミントン 金融機関 100.0
428 Deutsche Postbank Funding Trust I ウィルミントン 1 金融機関 0.0
429 Deutsche Postbank Funding Trust II ウィルミントン 金融機関 100.0
430 Deutsche Postbank Funding Trust III ウィルミントン 1 金融機関 0.0
431 DWS Access S.A. ルクセンブルグ 4 その他の企業
432 DWS Alternatives (IE) ICAV ダブリン その他の企業
433 DWS Funds ルクセンブルグ 4 その他の企業
434 DWS Garant ルクセンブルグ 4 その他の企業
435 DWS Invest (IE) ICAV ダブリン その他の企業
436 DWS Noor Islamic Funds Public Limited Company ダブリン その他の企業 100.0
(in liquidation)
437 DWS Zeitwert Protect ルクセンブルグ その他の企業
438 DWS-Fonds Treasury Liquidity (EUR) フランクフルト その他の企業 100.0
439 Dynamic Infrastructure Securities Fund LP ウィルミントン 金融機関
440 Earls Four Limited ジョージタウン 4 その他の企業
441 EARLS Trading Limited ジョージタウン 金融機関
442 Einkaufszentrum "HVD Dresden" S.à.r.l & Co. ケルン その他の企業
KG i.I.
443 Eirles Three Designated Activity Company ダブリン 4 その他の企業
444 Eirles Two Designated Activity Company ダブリン 4 その他の企業
445 Emerald Asset Repackaging Designated ダブリン 金融機関 100.0
Activity Company
446 Emerging Markets Capital Protected ジョージタウン 4 その他の企業
Investments Limited
447 Emeris ジョージタウン 金融機関
448 Encina Property Finance Designated Activity ダブリン 金融機関
Company
449 Epicuro SPV S.r.l. コネリアノ 付随サービス事業
450 Erste Frankfurter Hoist GmbH フランクフルト 金融機関 100.0
451 Fondo Privado de Titulizacion Activos Reales アムステルダム その他の企業
1 B.V.
452 Fondo Privado de Titulizaci ó n PYMES I ダブリン 付随サービス事業
Designated Activity Company
563/763
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
453 Freddie Mac Class A Taxable Multifamily M マクリーン 付随サービス事業 100.0
Certificates Series M-037
454 Freddie Mac Class A Taxable Multifamily M マクリーン 付随サービス事業 100.0
Certificates Series M-039
455 Freddie Mac Class A Taxable Multifamily M マクリーン 付随サービス事業 100.0
Certificates Series M-040
456 Freddie Mac Class A Taxable Multifamily M マクリーン 付随サービス事業 100.0
Certificates Series M-041
457 Freddie Mac Class A Taxable Multifamily M マクリーン 付随サービス事業 100.0
Certificates Series M-043
458 Freddie Mac Class A Taxable Multifamily M マクリーン 付随サービス事業 100.0
Certificates Series M-044
459 Freddie Mac Class A Taxable Multifamily M マクリーン 付随サービス事業 100.0
Certificates Series M-047
460 G.O. IB-US Management, L.L.C. ウィルミントン 金融機関 100.0
461 GAC-HEL, Inc. ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
462 Galene S.à r.l. ルクセンブルグ その他の企業
463 Gladyr Spain, S.L. マドリッド 付随サービス事業
464 Global Opportunities Co-Investment Feeder, ウィルミントン 金融機関
LLC
465 Global Opportunities Co-Investment, LLC ジョージタウン 金融機関
466 Groton Invest, S.L. マドリッド 金融機関
467 GWC-GAC Corp. ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
468 Hamildak Designated Activity Company ダブリン 付随サービス事業
469 Havbell Designated Activity Company ダブリン 付随サービス事業
470 Histria Inversiones Designated Activity ダブリン 金融機関
Company
471 Iberia Inversiones Designated Activity ダブリン その他の企業
Company (in liquidation)
472 Iberia Inversiones II Designated Activity ダブリン 付随サービス事業
Company
473 Infrastructure Debt Fund S.C.Sp. SICAV-RAIF ルクセンブルグ その他の企業
474 Infrastructure Holdings (Cayman) SPC ジョージタウン 金融機関
475 Inn Properties S.à r.l., en faillite ルクセンブルグ その他の企業 25.0
476 Investor Solutions Limited セントヘリア 4 その他の企業
477 Isar Properties S.à r.l., en faillite ルクセンブルグ その他の企業 25.0
478 IVAF (Jersey) Limited セントヘリア 付随サービス事業
564/763
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
479 Kelona Invest, S.L. マドリッド その他の企業
480 Kelsey Street LLC ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
481 KH Kitty Hall Holdings Limited ゴールウェイ 金融機関
482 Kratus Inversiones Designated Activity ダブリン 金融機関
Company
483 Ledyard, S.L. マドリッド その他の企業
484 87 Leonard Development LLC ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
485 Leonardo Charitable 1 Limited ジョージタウン 付随サービス事業
486 Lerma Investments 2018, Sociedad Limitada マドリッド 金融機関
487 Life Mortgage S.r.l. コネリアノ 付随サービス事業
488 Lindsell Finance Limited セント ジュリアン 付随サービス事業 100.0
ズ
489 Lockwood Invest, S.L. マドリッド 金融機関
490 London Industrial Leasing Limited ロンドン 金融機関 100.0
491 Lunashadow Limited ダブリン 金融機関
492 2755 LVB I LLC ウィルミントン その他の企業 100.0
493 Malabo Holdings Designated Activity Company ダブリン 金融機関
494 Merlin XI ジョージタウン 金融機関
495 Meseta Inversiones Designated Activity ダブリン 付随サービス事業
Company
496 Micro-E Finance S.r.l. in liquidazione ローマ 付随サービス事業
497 Motion Picture Productions One GmbH & Co. KG フランクフルト 2 金融機関 100.0
498 MPP Beteiligungsgesellschaft mbH フランクフルト 金融機関 100.0
499 Navegator - SGFTC, S.A. リスボン 付随サービス事業 100.0
500 NCW Holding Inc. バンクーバー 金融機関 100.0
501 New 87 Leonard, LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
502 Oasis Securitisation S.r.l. コネリアノ 1 付随サービス事業 0.0
503 Oder Properties S.à r.l., en faillite ルクセンブルグ その他の企業 25.0
504 OPAL, en liquidation volontaire ルクセンブルグ 4 その他の企業
505 Opus Niestandaryzowany Sekurytyzacyjny ワルシャワ 付随サービス事業
Fundusz Inwestycyjny Zamkniety
506 OTTAM Mexican Capital Trust Designated ダブリン 4 その他の企業
Activity Company
507 Palladium Global Investments S.A. ルクセンブルグ 4 その他の企業
508 Palladium Securities 1 S.A. ルクセンブルグ 4 その他の企業
509 PanAsia Funds Investments Ltd. ジョージタウン 4 金融機関
510 PARTS Funding, LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
511 PEIF II SLP Feeder, L.P. エディンバラ 金融機関 0.7
512 PEIF III SLP Feeder GP, S.à r.l. セニンガーベルク 金融機関
513 PEIF III SLP Feeder, SCSp セニンガーベルク 2 その他の企業 55.1
514 Peruda Leasing Limited ロンドン 金融機関 100.0
515 PERUS 1 S.à r.l., en liquidation ルクセンブルグ 金融機関
volontaire
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会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
516 PES Carry and Employee Co-Investment ルクセンブルグ 金融機関 1.1
Feeder SCSp
517 PES Carry and Employee Co-Investment GP ルクセンブルグ 金融機関
S.à r.l.
518 Philippine Opportunities for Growth and マカティ・シティ 金融機関 95.0
Income (SPV-AMC), INC.
519 Property Debt Fund S.C.Sp. SICAV-RAIF ルクセンブルグ その他の企業
520 QR Tower 2, LLC ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
521 Quartz No. 1 S.A. ルクセンブルグ 付随サービス事業
522 Radical Properties Unlimited Company ダブリン 金融機関
523 Reference Capital Investments Limited (in ロンドン 金融機関 100.0
members' voluntary liquidation)
524 REO Properties Corporation II ウィルミントン 1 付随サービス事業 0.0
525 Residential Mortgage Funding Trust トロント 金融機関
526 Rhine Properties S.à r.l., en faillite ルクセンブルグ その他の企業 25.0
527 Riviera Real Estate パリ その他の企業 100.0
528 ROCKY 2021-1 SPV S.r.l. コネリアノ 付随サービス事業
529 Romareda Holdings Designated Activity ダブリン 金融機関
Company
530 RREEF DCH, L.L.C. ウィルミントン 金融機関 100.0
531 Samburg Invest, S.L. マドリッド その他の企業
532 Sanne Trust Company Limited Japan (Trust 東京 その他の企業
Account Project Narita 7303)
533 SCB Alpspitze UG (haftungsbeschränkt) フランクフルト 金融機関
534 Seaconview Designated Activity Company ダブリン 付随サービス事業
535 Singer Island Tower Suite LLC ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
536 SOLIDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 金融機関 100.0
mbH i.L.
537 Somkid Immobiliare S.r.l. コネリアノ その他の企業 100.0
538 SP Mortgage Trust ウィルミントン その他の企業 100.0
539 SPV I Sociedad Anónima Cerrada リマ 金融機関 99.9
540 SPV II Sociedad Anónima Cerrada リマ 付随サービス事業 99.8
541 Style City Limited ダブリン 金融機関
542 Swabia 1 Designated Activity Company ダブリン 付随サービス事業
543 Swabia 1. Vermögensbesitz-GmbH フランクフルト 金融機関 100.0
544 Tagus - Sociedade de Titularização de リスボン 付随サービス事業 100.0
Creditos, S.A.
545 Tasman NZ Residential Mortgage Trust オークランド その他の企業
546 Tender Option Bond Series 2019-BAML3502AB ウィルミントン 付随サービス事業 15.0
Trust
547 Tender Option Bond Series 2019-BAML3503AB ウィルミントン 付随サービス事業 15.0
Trust
548 Trave Properties S.à r.l., en faillite ルクセンブルグ その他の企業 25.0
549 TRS Aria LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
550 TRS Leda LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
566/763
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
551 TRS Oak II LTD ジョージタウン 金融機関 100.0
552 TRS Scorpio LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
553 TRS SVCO LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
554 TRS Venor LLC ウィルミントン 金融機関 100.0
555 VCJ Lease S.à r.l. ルクセンブルグ その他の企業 100.0
556 Vermögensfondmandat Flexible (80 % ルクセンブルグ その他の企業
teilgeschützt)
557 Waltzfire Limited ダブリン 金融機関
558 Wedverville Spain, S.L. マドリッド その他の企業
559 Wendelstein 2017-1 UG (haftungsbeschränkt) フランクフルト 付随サービス事業
560 5353 WHMR LLC ウィルミントン その他の企業 100.0
561 Xtrackers (IE) Public Limited Company ダブリン 4 その他の企業 0.0
562 Xtrackers ETC Public Limited Company ダブリン その他の企業
563 Zumirez Drive LLC ウィルミントン 付随サービス事業 100.0
567/763
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会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
持分法により会計処理されている会社
564 A.C.N. 603 303 126 Pty Ltd メルボルン 金融機関 19.4
565 AKA Ausfuhrkredit-Gesellschaft mit 26.9
フランクフルト 信用機関
beschränkter Haftung
566 Arabesque AI Ltd 24.9
ロンドン 金融機関
567 BANKPOWER GmbH Personaldienstleistungen フランクフルト その他の企業 30.0
568 Bestra Gesellschaft für デュッセルドルフ 金融機関 49.0
Vermögensverwaltung mit beschränkter
Haftung
569 Cyber Defence Alliance Limited ロンドン 5, 6 その他の企業 0.0
570 DBG Eastern Europe II L.P. セントヘリア 金融機関 25.9
571 Deutsche Börse Commodities GmbH エシュボルン その他の企業 16.2
572 Deutsche Gulf Finance リヤド 5 金融機関 29.1
573 Deutsche Zurich Pensiones Entidad Gestora バルセロナ その他の企業 50.0
de Fondos de Pensiones, S.A.
574 Deutscher Pensionsfonds Aktiengesellschaft ケルン その他の企業 25.1
575 DIL Internationale Leasinggesellschaft mbH デュッセルドルフ 金融機関 50.0
576 Domus Beteiligungsgesellschaft der ベルリン 金融持株会社 21.1
Privaten Bausparkassen mbH
577 dwins GmbH フランクフルト その他の企業 18.7
578 Elbe Properties S.à r.l., en faillite ルクセンブルグ その他の企業 25.0
clôturée
579 Evroenergeiaki Anonymi Etaireia アテネ 5 その他の企業 40.0
580 Fünfte SAB Treuhand und Verwaltung GmbH & バート ホンブルク その他の企業 41.2
Co. "Leipzig-Magdeburg" KG
581 Fünfte SAB Treuhand und Verwaltung GmbH & バート ホンブルク その他の企業 30.6
Co. Dresden "Louisenstraße" KG
582 G.O. IB-SIV Feeder, L.L.C. ウィルミントン 金融機関 15.7
583 German Public Sector Finance B.V. アムステルダム 金融機関 50.0
584 Gesellschaft für Kreditsicherung mit ベルリン その他の企業 36.7
beschränkter Haftung
585 gixyz Abwicklungs GmbH i.L. フランクフルト その他の企業 33.3
586 Grundstücksgesellschaft Bürohäuser Köln トロイスドルフ 2 その他の企業 36.6
Rheinhallen GbR
587 Grundstücksgesellschaft Karlsruhe トロイスドルフ 2 その他の企業 22.9
Kaiserstraße GbR
588 Grundstücksgesellschaft Köln-Merheim トロイスドルフ 2 その他の企業 20.8
Winterberger Straße GbR
589 Grundstücksgesellschaft Leipzig トロイスドルフ 2 その他の企業 49.9
Petersstraße GbR
590 Grundstücksgesellschaft Mietwohnhäuser トロイスドルフ 6 その他の企業 0.0
Leipzig-Gohlis GbR
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
591 Grundstücksgesellschaft München トロイスドルフ 2 その他の企業 16.2
Synagogenplatz GbR
592 Harvest Fund Management Co., Ltd. 上海 金融機関 30.0
593 Huarong Rongde Asset Management Company 北京 金融機関 40.7
Limited
594 ILV Immobilien-Leasing デュッセルドルフ 5 金融機関 50.0
Verwaltungsgesellschaft Düsseldorf mbH
595 Immobilienfonds Büro Center Erfurt am ケムニッツ 2 その他の企業 11.4
Flughafen Bindersleben III GbR
596 Immobilienfonds Bürohaus Düsseldorf トロイスドルフ 2 その他の企業 28.5
Grafenberg GbR
597 Immobilienfonds Bürohaus Düsseldorf ケルン 2 その他の企業 20.5
Parsevalstraße GbR
598 Immobilienfonds Köln-Deutz Arena und トロイスドルフ 2 その他の企業 21.4
Mantelbebauung GbR
599 Immobilienfonds Köln-Ossendorf II GbR トロイスドルフ 2 その他の企業 20.1
600 Ingrid S.à r.l. マンスバッハ 5 その他の企業 23.8
601 iSwap Limited ロンドン 金融機関 14.0
602 IZI Düsseldorf Informations-Zentrum デュッセルドルフ 金融機関 22.9
Immobilien Gesellschaft mit beschränkter
Haftung
603 IZI Düsseldorf Informations-Zentrum デュッセルドルフ その他の企業 22.9
Immobilien GmbH & Co.
Kommanditgesellschaft
604 Krockow Esch GbR トロイスドルフ 6 その他の企業 0.0
605 KVD Singapore Pte. Ltd. シンガポール 金融機関 25.6
606 Lion Residential Holdings S.à r.l., en ルクセンブルグ 金融機関 17.4
liquidation volontaire
607 North Coast Wind Energy Corp. バンクーバー 5, 7 その他の企業 96.7
608 P.F.A.B. Passage Frankfurter Allee ベルリン その他の企業 22.2
Betriebsgesellschaft mbH
609 PERILLA Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 金融機関 50.0
610 Prestipay S.p.A. ウーディネ 5 金融機関 40.0
611 REDUS DTHG, LLC ウィルミントン その他の企業 49.9
612 Relax Holding S.à r.l. ルクセンブルグ その他の企業 20.0
613 Robuterra AG in Liquidation チューリッヒ 6 その他の企業 0.0
614 SRC Security Research & Consulting GmbH ボン その他の企業 22.5
615 Starpool Finanz GmbH ベルリン その他の企業 49.9
616 Teesside Gas Transportation Limited (in ロンドン その他の企業 48.0
members' voluntary liquidation)
617 Trade Information Network Limited ロンドン 5 その他の企業 16.7
618 TRAXPAY GmbH フランクフルト その他の企業 2.4
619 Triton Beteiligungs GmbH i.L. フランクフルト その他の企業 33.1
620 U.S.A. ITCF XCI L.P. ニューヨーク 7 その他の企業 99.9
621 UKEM Motoryacht Medici Mangusta GbR トロイスドルフ 6 その他の企業 0.0
622 Ullmann Krockow Esch GbR トロイスドルフ 6 その他の企業 0.0
569/763
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
623 Ullmann, Krockow, Esch トロイスドルフ 6 その他の企業 0.0
Luftverkehrsgesellschaft bürgerlichen
Rechts
624 Volbroker.com Limited ロンドン 金融機関 22.5
625 Weser Properties S.à r.l., en faillite ルクセンブルグ その他の企業 25.0
clôturée
626 WIS JV LLC ウィルミントン 5 その他の企業 50.0
627 Wood NewCo S.à r.l. ルクセンブルグ 7 その他の企業 52.1
628 zeitinvest-Service GmbH エシュボルン その他の企業 25.0
629 Zhong De Securities Co., Ltd 北京 5 金融機関 33.3
630 ZINDUS Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 金融機関 50.0
631 ZYRUS Beteiligungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 金融機関 25.0
632 ZYRUS Beteiligungsgesellschaft mbH & Co. シェーネフェルト その他の企業 20.4
Patente I KG i.L.
570/763
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
20%超を保有するその他の会社
633 ABATE Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
634 ABRI Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
635 ACHTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
636 ACHTUNDZWANZIGSTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH i.L.
637 ACHTZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
638 ACIS Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
639 ACTIO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
640 ADEO Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
641 ADLAT Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
642 ADMANU Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
643 AGLOM Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
644 AGUM Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
645 ALANUM Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
646 ALMO Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
647 ALTA Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
648 ANDOT Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
649 APUR Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
650 ATAUT Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
651 AVOC Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
652 BAKTU Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
653 BALIT Beteiligungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
654 Banks Island General Partner Inc. トロント 8 金融機関 50.0
655 Benefit Trust GmbH リュッツェン 9, 10 金融機関 100.0
656 BIMES Beteiligungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
657 BLI Beteiligungsgesellschaft für デュッセルドルフ 8 金融機関 33.2
Leasinginvestitionen mbH
658 BLI Internationale デュッセルドルフ 8 金融機関 32.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
659 DB Advisors SICAV ルクセンブルグ 9, 11 その他の企業 95.3
660 DB Fund (Mauritius) Limited エベン・サイバー 9 その他の企業 100.0
シティ
661 DB Placement, LLC ウィルミントン 7, 9 その他の企業 100.0
662 DB RC Investments II, LLC ウィルミントン 7, 9 その他の企業 99.9
571/763
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会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
663 DB Real Estate Global Opportunities IB カマーナ・ベイ 8 金融機関 33.6
(Offshore), L.P.
664 Deutsche River Investment Management ルクセンブルグ 8 金融機関 49.0
Company S.à r.l., en faillite clôturée
665 DONARUM Holding GmbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
666 DREIUNDZWANZIGSTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH i.L.
667 DREIZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
668 DRITTE Fonds-Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
669 DRITTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
670 DWS Offshore Infrastructure Debt ジョージタウン 8 金融機関 26.3
Opportunities Feeder LP
671 EINUNDZWANZIGSTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
672 Eisler Capital (TA) Ltd ロンドン 12 その他の企業 34.7
673 ELC Logistik-Centrum Verwaltungs-GmbH エアフルト 8 金融機関 50.0
674 ELFTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
675 FÜNFTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
676 FÜNFZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
677 Glor Music Production GmbH & Co. KG ロットアッハ・ 12 その他の企業 29.0
エーガーン
678 GLOR Music Production II GmbH & Co. KG ロットアッハ・ 12 その他の企業 28.2
エーガーン
679 HR "Simone" GmbH & Co. KG i.I. ヨルク 12 その他の企業 24.3
680 Immobilien-Vermietungsgesellschaft ベルリン 8 金融機関 20.5
Schumacher GmbH & Co. Objekt Rolandufer KG
i.L.
681 Intermodal Finance I Ltd. ジョージタウン 8 その他の企業 49.0
682 IOG Denali Upton, LLC ドーバー 12 その他の企業 23.0
683 IOG NOD I, LLC ドーバー 12 その他の企業 22.5
684 Isaac Newton S.A. カペレン 7, 9 その他の企業 95.0
685 Kinneil Leasing Company ロンドン 8 金融機関 35.0
686 KOMPASS 3 Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
i.L.
687 M Cap Finance Mittelstandsfonds GmbH & Co. フランクフルト 7, 12, 金融機関 77.1
KG 13
688 M Cap Finance Mittelstandsfonds III GmbH & フランクフルト 12 金融機関 35.7
Co. KG
689 MCT Südafrika 3 GmbH & Co. KG i.I. ハンブルク 12 その他の企業 37.9
690 Metro plus Grundstücks- デュッセルドルフ 8 金融機関 40.0
Vermietungsgesellschaft mbH i.L.
572/763
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
691 MT "CAPE BEALE" Tankschiffahrts GmbH & Co. ハンブルク 12 その他の企業 34.0
KG i.I.
692 MT "KING DANIEL" Tankschiffahrts UG ハンブルク 12 その他の企業 32.8
(haftungsbeschränkt) & Co. KG i.L.
693 MT "KING DOUGLAS" Tankschiffahrts UG ハンブルク 12 その他の企業 33.0
(haftungsbeschränkt) & Co. KG
694 MT "KING EDWARD" Tankschiffahrts GmbH & ハンブルク 12 その他の企業 35.3
Co. KG
695 MT "KING ERIC" Tankschiffahrts GmbH & Co. ハンブルク 12 その他の企業 34.5
KG i.I.
696 NBG Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
697 NEUNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
698 NEUNZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
699 Nexus Infrastruktur デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
700 NOFA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
701 OPPENHEIM Buy Out GmbH & Co. KG i.L. ケルン 1, 2, 8 金融機関 27.7
702 PADEM Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
703 PAGUS Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
704 PALDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
705 PANTUR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH i.L.
706 PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
707 PEDIS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH i.L.
708 PEDUM Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
709 PENDIS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
710 PENTUM Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
711 PERGOS Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
712 PERGUM Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
713 PERLIT Mobilien-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
714 PERLU Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
715 PERNIO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
716 PERXIS Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
573/763
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有価証券報告書
シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
717 PETA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
718 PONTUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
719 PRADUM Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
720 PRASEM Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
721 PRATES Grundstücks-Vermietungsgesellschaft シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
mbH i.L.
722 PRISON Grundstücks-Vermietungsgesellschaft シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
mbH
723 Private Equity Invest Beteiligungs GmbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
724 Private Equity Life Sciences デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
725 PUDU Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
726 PURIM Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
727 QUANTIS Grundstücks- シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
Vermietungsgesellschaft mbH
728 QUELLUM Grundstücks- デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
Vermietungsgesellschaft mbH
729 QUOTAS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
730 SABIS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
731 SALIX Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
732 SALUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
733 SALUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 9 金融機関 58.5
mbH & Co. Objekt Dresden KG i.L.
734 SANCTOR Grundstücks- デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
Vermietungsgesellschaft mbH
735 SANDIX Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
736 SANO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH i.L.
737 SARIO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
738 SATINA Mobilien-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
i.L.
739 SCANDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
740 Schumacher Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 33.2
741 SCITOR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
574/763
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
742 SCITOR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 9 金融機関 71.1
mbH & Co. Objekt Heiligenstadt KG i.L.
743 SCUDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 9 金融機関 100.0
mbH i.L.
744 SECHSTE Fonds-Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
745 SECHSTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
746 SECHZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
747 SEDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 9 金融機関 100.0
mbH i.L.
748 SEGES Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
749 SEGU Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
750 SELEKTA Grundstücksverwaltungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
751 SENA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
752 SENA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 7, 9 金融機関 100.0
mbH & Co. Objekt Kamenz KG
753 SERICA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
754 SIDA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
755 SIEBTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
756 SIEBZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
757 SIFA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 9 金融機関 100.0
mbH
758 SILANUS Grundstücks- デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
Vermietungsgesellschaft mbH i.L.
759 SILEX Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
760 SILIGO Mobilien-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
i.L.
761 SILUR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
762 SIMILA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH i.L.
763 SOLATOR Grundstücks- デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
Vermietungsgesellschaft mbH
764 SOLON Grundstücks-Vermietungsgesellschaft シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
mbH
575/763
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
765 SOLUM Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
766 SOMA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
767 SOREX Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
768 SOSPITA Grundstücks- デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
Vermietungsgesellschaft mbH
769 SPINO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 9 金融機関 100.0
mbH i.L.
770 SPLENDOR Grundstücks- シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
Vermietungsgesellschaft mbH
771 STAGIRA Grundstücks- デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
Vermietungsgesellschaft mbH
772 STATOR Heizkraftwerk Frankfurt (Oder) シェーネフェルト 9 金融機関 100.0
Beteiligungsgesellschaft mbH i.L.
773 SUBLICA Grundstücks- デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
Vermietungsgesellschaft mbH i.L.
774 SUBU Mobilien-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
i.L.
775 SULPUR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
mbH i.L.
776 SUPERA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
777 SUPLION Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
778 SUSA Mobilien-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
i.L.
779 SUSIK Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH i.L.
780 TABA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
mbH
781 TACET Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
782 TAGO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
783 TAGUS Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
784 TAKIR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 9 金融機関 100.0
mbH
785 TEBOR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH i.L.
786 TEMATIS Grundstücks- デュッセルドルフ 9 金融機関 100.0
Vermietungsgesellschaft mbH i.L.
787 TERRUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 9 金融機関 100.0
mbH i.L.
576/763
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
788 TESATUR Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
789 TESATUR Beteiligungsgesellschaft mbH & Co. デュッセルドルフ 9 金融機関 100.0
Objekt Halle I KG i.L.
790 TESATUR Beteiligungsgesellschaft mbH & Co. デュッセルドルフ 9 金融機関 100.0
Objekt Nordhausen I KG i.L.
791 TIEDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
792 TIEDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 25.0
mbH & Co. Objekt Lager Nord KG i.L.
793 TOSSA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 9 金融機関 100.0
mbH
794 TRAGO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
795 TREMA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft ベルリン 8 金融機関 50.0
mbH
796 TRENTO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
797 TRINTO Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
798 TRIPLA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 9 金融機関 100.0
mbH
799 TUDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH i.L.
800 TUGA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH i.L.
801 TYRAS Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
802 VARIS Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
803 VIERTE Fonds-Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
804 VIERTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
805 VIERUNDZWANZIGSTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
806 VIERZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
807 Wohnungs-Verwaltungsgesellschaft Moers mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
i.L.
808 XARUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
mbH i.L.
809 XELLUM Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
810 XENTIS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
811 XERA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
812 ZABATUS Grundstücks- デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
Vermietungsgesellschaft mbH
813 ZAKATUR Grundstücks- デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
Vermietungsgesellschaft mbH i.L.
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
814 ZALLUS Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
815 ZARAT Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
816 ZARGUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
817 ZEA Beteiligungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 8 金融機関 25.0
818 ZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
819 ZELAS Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
820 ZENO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
821 ZEREVIS Grundstücks- デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
Vermietungsgesellschaft mbH
822 ZERGUM Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
823 ZIDES Grundstücks-Vermietungsgesellschaft シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
mbH
824 ZIMBEL Grundstücks-Vermietungsgesellschaft シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
mbH
825 ZINUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
mbH
826 ZIRAS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
mbH
827 ZITON Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
828 ZITUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft シェーネフェルト 8 金融機関 50.0
mbH
829 ZONTUM Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH
830 ZORUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
mbH i.L.
831 ZURET Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
832 ZWANZIGSTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
833 ZWEITE Fonds-Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 8 金融機関 50.0
834 ZWEITE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
835 ZWEIUNDZWANZIGSTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH i.L.
836 ZWÖLFTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 8 その他の企業 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
837 ZYLUM Beteiligungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 8 金融機関 25.0
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シリア 資本持
会社名 会社所在地 脚注 業務内容
ル番号 分(%)
議決権の5%超を保有する大企業に対する持分
838 ABRAAJ Holdings (in official liquidation) ジョージタウン 金融機関 8.8
839 BÜRGSCHAFTSBANK BRANDENBURG GmbH ポツダム 金融機関 8.5
840 Bürgschaftsbank Mecklenburg-Vorpommern GmbH シュベリーン 金融機関 8.4
841 Bürgschaftsbank Sachsen GmbH ドレスデン 金融機関 6.3
842 Bürgschaftsbank Sachsen-Anhalt GmbH マクデブルク 金融機関 8.2
843 Bürgschaftsbank Schleswig-Holstein キール 金融機関 5.6
Gesellschaft mit beschränkter Haftung
844 Bürgschaftsbank Thüringen GmbH エアフルト 金融機関 8.7
845 Bürgschaftsgemeinschaft Hamburg GmbH ハンブルク 金融機関 8.7
846 MTS S.p.A. ローマ その他の企業 5.0
847 Prader Bank S.p.A. ボルツァーノ 信用機関 9.0
848 Private Export Funding Corporation ウィルミントン 金融機関 6.0
849 Saarländische Investitionskreditbank ザールブリュッケ 信用機関 11.8
ン
Aktiengesellschaft
850 Yensai.com Co., Ltd. 東京 金融機関 6.9
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45 -
ドイツ銀行の改革の影響
本注記中に示された情報は、2019年7月7日にドイツ銀行が発表した、当行グループの事業と組織に関する複数の改革施策に
ついて言及している。これらの施策が当行グループの経営成績および財政状態に与える直接的および二次的な影響は以下のと
おりである。
内部開発したソフトウェアの減損および償却ならびに関連するその他の影響
改革の発表をふまえて、当行グループは改革戦略の対象事業に割り当てられた現行のプラットフォーム・ソフトウェアおよ
び構築中のソフトウェアの見直しを行った 。 これに伴う各回収可能価額の再評価により、2021年および2020年12月31日に終了
した事業年度において自社開発ソフトウェアの減損それぞれ131百万ユーロおよび36百万ユーロを認識した。ソフトウェアの減
損131百万ユーロの大部分は、クラウド・コンピューティングの実施に関連している。
さらに、当行グループは、2021年および2020年12月31日に終了した事業年度において、改革戦略の対象となるソフトウェア
の償却費ならびにその他の関連する影響は、それぞれ451百万ユーロおよび178百万ユーロを計上した。ソフトウェアの償却費
および関連するその他の影響451百万ユーロには、2021年9月のITサービス契約の決済に関連する350百万ユーロが含まれてい
る。当該減損計上額およびソフトウェア償却費は、当行グループの2021年度および2020年度の経営成績に「一般管理費」とし
てそれぞれ計上されている。
使用権資産の減損および関連するその他の影響
当行グループは、2021年および2020年12月31日に終了した事業年度において、使用権(RoU)資産の減損、加速償却または減
価償却の増加、リース資産改良費および設備に係る資産評価減および加速償却、不利な契約に係る非リース費用の引当金、資
産計上された原状回復費用の減価償却、ならびにその他の一時的な移転費用それぞれ269百万ユーロおよび201百万ユーロを計
上した。追加費用または加速償却の判断に関連するこれらの費用の一部は、COVID-19パンデミックによって見込まれる当行グ
ループの事業活動の変更に起因するものである。
繰延税金資産に対する評価性引当金調整
当行グループは、将来の収益性に関する仮定を含め、繰延税金資産に関連する見積りを四半期毎に再評価している。改革に
関連して、当行グループは、英国や米国など、影響を受ける管轄区域の繰延税金資産に関連する見積りを調整し、2021年およ
び2020年12月31日に終了した事業年度においてそれぞれ0百万ユーロおよび37百万ユーロの評価性引当金調整を認識した。
再構築および退職費用
2019年7月7日のドイツ銀行の改革の発表以降、当行グループはすべての再構築費用を発表された改革に関連するものと指定
し、その後の事業再編成および関連する変更に伴い、2021年および2020年12月31日に終了した事業年度においてそれぞれ261百
万ユーロおよび485百万ユーロの再構築費用を計上した。これらの費用は、解雇給付、雇用の打ち切りによる未償却の繰延報酬
報奨の加速償却を補填するための追加費用、および不動産に関連する契約解除費用から成る。2021年度および2020年度中に、
フルタイム換算の従業員(FTE)それぞれ1,362名および1,447名が事業再編成および変更による影響を受けた。
2021年および2020年12月31日に終了した事業年度において、これらの再構築費用に加えて、改革の発表に関連する退職費用
それぞれ209百万ユーロおよび203百万ユーロが計上された。
その他の改革関連費用
戦略的改革の結果、当行グループは、2021年および2020年12月31日に終了した事業年度において、監査、会計および税務、
コンサルティング報酬およびITコンサルティング報酬を含む、その他の改革関連費用それぞれ152百万ユーロおよび75百万ユー
ロを計上した。
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46 -
金利ベンチマーク改革
近年、IBOR金利ベンチマークによる測定が意図された無担保短期金融市場における取引が大幅に減少した。その結果、金融
安定理事会(FSB)および中央銀行によるワーキング・グループの指揮の下、IBOR改革プロジェクトが立ち上げられた。これは
頑健な代替のベンチマーク金利、いわゆるリスク・フリー利子率(以下「RFR」という。)の策定を目的としている。
多くの改革は現在実施されており、その他の改革は順調に進んでいる。2019年にEURIBORがEU金融ベンチマーク規制に合わせ
て改正されたが、引き続き利用可能である。EONIAは2022年1月3日をもって終了し、ユーロ短期レートに置き換えられた。英ポ
ンドLIBOR、スイスフランLIBOR、ユーロLIBORおよび日本円LIBORの全テナーについて、IBORの公表は、2022年1月3日をもって
終了した。3つの日本円LIBORベンチマークと3つの英ポンドLIBORベンチマークは、一定期間に限って「シンセティックな」形
式で継続されるが、新商品には利用できない。米ドルLIBORについては、1週間物および2ヶ月物の米ドルLIBORの公表は、2021
年12月31日をもって終了した。残りの5つの米ドルLIBORの公表は2023年6月末まで継続されるが、それらは通常、新商品には利
用できない。当該米ドルLIBORのいずれかを「シンセティックな」、すなわち市場を表していない形式で継続するか否かの判断
は、2023年6月末が近づいた時期に行われる。
以下の表は当行グループ外の金融商品の名目価額を示しており、当該名目価額は、レート提示義務の廃止が予想されている
IBORを参照している。この表には、レート提示義務が廃止されると予想されている日よりも後に満期日が到来する金融商品が
含まれている。以下に開示したIBORレートについては、金融商品の満期日は2021年12月31日以後に到来する。ただし、テナー
が1週間物または2ヶ月物ではない、米ドルLIBORを参照している契約については、2023年6月30日以後に満期が到来する。
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金利ベンチマーク(IBOR)改革
2021 年現在
マルチプ
ル・ベー
その他の
スイスフラン 日本円
1
シス
単位:百万ユーロ 米ドル L IBOR 英ポン ドL IBOR L IBOR L IBOR EONIA IBOR
デリバティブ以外の金融資産:
債券(変動利付債) 400 - - - - - -
証券化 98 37 - - - - -
シンジケート・ローン 35,312 552 11 1 - 71 -
レポ/その他の担保付融資 308 - - - - - -
貸出金(トータル・リミット) 27,091 4,926 171 58 363 398 -
小口/商業用モーゲージ 395 - - - - - -
その他 982 90 - 7 173 - -
2
デリバティブ金融資産:
金利デリバティブ-取引所売買 80,264 - - - - - -
金利デリバティブ-OTC 2,546,602 345,222 44,657 521,581 9,042 40,493 5
その他のOTCデリバティブ 202,554 6,080 2,408 1,946 0 10 167,045
金融資産合計 2,894,005 356,907 47,246 523,593 9,578 40,971 167,050
デリバティブ以外の金融負債:
債券(変動利付債) 6,561 - - - - - -
レポ/その他の担保付融資 6 - - - 2 - -
預金 10,809 - - - 664 - -
その他 26 41 - - 22 - -
2
デリバティブ金融負債:
- -
金利デリバティブ-取引所売買 3,374 - - - - - -
金利デリバティブ-OTC 2,469,906 315,253 44,058 498,993 7,150 38,569 2
その他のOTCデリバティブ 196,083 6,177 1,384 3,578 0 81 144,215
金融負債合計 2,686,766 321,471 45,442 502,571 7,840 38,650 144,217
オフバランス・シート :
貸出コミットメント 73,152 498 40 95 1,954 33 -
その他のコミットメント 13 - - - - - -
その他 - - - - 9 - -
オフバランス・シート合計 73,166 498 40 95 1,963 33 -
1 マルチプル・ベーシスは、改革対象の複数のベンチマークを用いた原契約(英ポンドIBORと米ドルIBORのキャッシュ・フローがある、変
動金利と変動金利のスワップ等)に関連している。
2 当行グループは、信用補充条項の契約の一部に係る現金担保残高に関して、金利ベンチマーク改革に対するエクスポージャーも有してい
る。このエクスポージャーは短期的な性質であるため、この表では表示していない。
上記の表は、契約上の条件および現在適用されている参照レートに基づくレガシーIBORに対するエクスポージャーを示して
いる。英ポンドLIBOR、スイスフランLIBOR、日本円LIBOR、ユーロLIBOR、EONIAおよび2022年の年初に廃止される米ドルLIBOR
を参照するすべてのポジションには、有効なフォールバック条項がある。これにより、各IBORが2022年3月に廃止された際に、
これらの商品のベンチマーク金利を代替参照金利に変更することになるか、または2022年に移行措置が完了した際に、英ポン
ドと日本円のシンセティックLIBORを使用することが予想される。当行グループのIBORプログラムは、2022年に英ポンドと日本
円のシンセティックLIBORを使用することが予想される契約の実績をトラックしている。これらのポジションの名目価額は、限
られた数の顧客および商品にわたり総額約11.5億ドルであり、それらの大半は貸付商品で、残りはデリバティブの顧客であ
る。2022年度第1四半期において、これらのポジションの大半が新たなベンチマーク金利に移行すると予想される。
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(2 )個別財務 書類
① マネジメント・レポート
統合マネジメント・レポート
ドイツ商法(「Handelsgesetzbuch」、以下「HGB」という。)第315条第5項およびHGB第298条第2項の規定に準拠して、ドイ
ツ銀行AGのマネジメント・レポートは、ドイツ銀行グループのマネジメント・レポートに含まれている。統合マネジメント・
レポートは、ドイツ銀行グループの2021年度の年次報告書において公表されている。また、統合マネジメント・レポートはド
イツ連邦官報に提出され、その後、同官報においても公表されている。
年次報告書は、https://www.db.com/ir/en/annual-reports.htmから入手することができる。
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② 2021年12月31日現在の貸借対照表
2020 年
2021 年
12 月31日
資産 単位:百万ユーロ(億円) 12月31日
現在
現在
現金および預け金
a)現金 1,628 1,869
b)中央銀行預け金 151,543 135,883
77,207
このうち:ドイツ連邦銀行 88,738
153,171
137,752
(\211,008) (\189,767)
公共部門事業体負債性金融商品および中央銀行借入適格為替手形
a)政府短期証券、割引政府債および類似の公共部門事業体負債性金融
648 1,414
商品
このうち:ドイツ連邦銀行借入適格 153 250
21 0
b)為替手形
669
1,415
(\922) (\1,949)
銀行に対する債権
a)モーゲージ貸出金 0 0
b)公共部門事業体への貸出金または保証 124 167
79,230 79,963
c)その他の債権
79,354
80,131
(\109,318) (\110,388)
このうち:要求払
20,057 25,968
有価証券担保付債権 6,419 4,665
顧客に対する債権
a)モーゲージ貸出金 94,726 91,138
b)公共部門事業体への貸出金または保証 6,193 6,697
334,247 295,127
c)その他の債権
435,166
392,962
(\599,485) (\541,344)
このうち:有価証券担保付債権
10 ,438 8,962
公社債およびその他の固定利付有価証券
a)短期金融市場証券
aa)公共部門発行体 280 344
このうち:ドイツ連邦銀行担保適格 0 0
ab)その他の発行体 356
469
0
このうち:ドイツ連邦銀行担保適格 0
750
700
(\964)
b)公社債
ba)公共部門発行体 26,977 47,418
このうち:ドイツ連邦銀行担保適格 24,600
4,351
bb)その他の発行体 32,355 36,898
26,086
このうち:ドイツ連邦銀行担保適格
24,690
59,333
84,316
(\116,154)
c)自己負債性金融商品 0 4,217
4,260
額面金額 0
60,083
89,233
(\82,770) (\122,927)
株式およびその他の変動利付有価証券 396 286
(\546) (\394)
トレーディング資産 246,705 241,390
(\339,861) (\332,539)
参加持分 176 242
(\242) (\333)
このうち:対銀行 11 11
対金融サービス機関 43 81
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関係会社に対する投資 26,343 27,948
(\36,290) (\38,501)
このうち:対銀行 5,438 5,408
対金融サービス機関 204 222
信託資産 2,161 2,409
(\2,977) (\3,319)
このうち:信託貸出金 444 456
無形資産
a)自己開発無形資産 2,551
2,641
b)購入した無形資産 612
435
c)のれん 17 20
0 0
d)無形資産に係る頭金
3,092
3,183
(\4,260) (\4,385)
有形固定資産 1,208 1,200
(\1,664) (\1,653)
その他の資産 6,862 10,318
(\9,453) (\14,214)
前払費用
a)発行および貸出金業務関連 2 65
862 620
b)その他
864
685
(\1,190) (\944)
繰延税金資産 3,304 2,638
(\4,552) (\3,634)
積立超過の制度資産 553 1,503
(\762) (\2,071)
資産合計 1,020,109 993,292
(\1,405,302) (\1,368,359)
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2021 年 2020 年
12 月31日 12 月31日
負債および株主持分 単位:百万ユーロ(億円)
現在 現在
銀行に対する負債
a)記名発行抵当ファンドブリーフ債 88 103
b)記名発行公共部門ファンドブリーフ債 0 0
151,514 142,249
c)その他の負債
151,602
142,352
(\208,847) (\196,104)
このうち:要求払 57,923 59,168
DSLB移行法に基づく記名式カバード・ボンド 380 205
顧客に対する負債
a)記名発行抵当ファンドブリーフ債 2,271 2,519
b)記名発行公共部門ファンドブリーフ債 93 93
c)貯蓄預金
ca)3ヶ月の契約通知期限付 59,352 57,131
3,009 3,534
cb)3ヶ月超の契約通知期限付
62,361
60,664
428,476 404,073
d)その他の負債
493,201
467,349
(\679,434) (\643,820)
このうち:要求払 333,746 327,270
DSLB移行法に基づく記名式カバード・ボンド 2,909 4,757
証券形態の負債
a)発行債券
aa)抵当ファンドブリーフ債 5,737 7,005
ab)公共部門ファンドブリーフ債 0 0
71,431 76,496
ac)その他の債券
77,168
83,501
2,512 3,501
b)証券形態のその他の負債
79,681
87,002
(\109,769) (\119,854)
このうち:短期金融市場証券 1,841 3,063
未決済自行引受手形および約束手形 105 51
トレーディング負債 197,069 203,986
(\271,482) (\281,011)
信託負債 2,161 2,409
(\2,977) (\3,319)
このうち:信託貸出預り金 444 456
その他の負債 33,201 30,713
(\45,738) (\42,310)
繰延収益
a)発行および貸出金業務関連 250 120
725 553
b)その他
976
673
(\1,345) (\927)
引当金
a)年金および類似の債務に対する引当金 50 48
b)税金引当金 577 447
5,345 5,175
c)その他の引当金
5,972
5,670
(\8,227) (\7,811)
劣後負債 9,762 9,235
(\13,448) (\12,722)
資本参加権 30 54
このうち:2年以内に期日到来 24
10
その他Tier 1規制上の自己資本に係る金融商品
8,597 5,746
(\11,843) (\7,916)
一般的銀行業リスクのための資金 2,944 5,144
(\4,056) (\7,086)
このうち:ドイツ商法第340e条第4項に基づく
1,476 1,476
トレーディング関連特別準備金
株主資本
a)引受済資本金 5,291 5,291
2 3
控除:自己株式の名目額面価額
5,289 5,288
条件付資本金563百万ユーロ
(2020年12月31日現在:563百万ユーロ)
b)資本剰余金 20,938 20,904
c)利益剰余金
ca)法定準備金 13 13
7,704 6,755
cd)その他の利益剰余金
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7,717
6,768
0
d)配当可能利益(損失) 969
34,913
32,959
(\48,096) (\45,404)
負債および株主持分合計 1,020,109 993,292
(\1,405,302) (\1,368,359)
偶発負債
a)再割引為替手形による偶発負債 0 0
b)保証および補償契約による負債 56,181 46,196
0 0
c)第三者負債の担保提供により生じる負債
56,181
46,196
(\77,395) (\63,640)
その他の契約債務
b)募集および引受に係る債務 1 0
131,613 122,213
c)取消不能貸出コミットメント
131,613
122,213
(\181,310) (\168,361)
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③ 2021年1月1日から2021年12月31日までの期間に係る損益計算書
単位:百万ユーロ(億円) 2021 年度 2020 年度
利息収益
a)貸出および短期金融市場業務 11,447 13,072
このうち:貸出および短期金融市場業務からのマイナスの利息収益 404
716
1,512 2,007
b)固定利付有価証券および政府登録債
12,959
15,079
(\20,773)
利息費用 5,369 7,808
1,066 561
このうち:マイナスの利息費用
7,590
7,271
(\10,456) (\10,017)
配当等収益
a)株式およびその他の変動利付有価証券 338 325
b)参加持分 9 9
742 403
c)関係会社に対する投資
1,089
737
(\1,500) (\1,015)
利益共同体契約、利益移転契約および部分利益移転契約による収益 354 518
(\488) (\714)
手数料収益 9,052 7,841
2,240 2,487
手数料費用
6,811
5,354
(\9,383) (\7,376)
トレーディング純損益 1,266 1,328
このうち:ドイツ商法第340e条第4項に基づくトレーディング関連
0 0
特別準備金の戻入
その他の営業収益 1,532 2,012
管理費用
a)人件費
aa)賃金および給料 4,758 4,679
ab)強制社会保険拠出金ならびに年金およびその他の従業員
1,246 1,294
給付費用
6,005
5,972
このうち:年金費用570百万ユーロ(2020年度:
569百万ユーロ)
b)その他の管理費用 8,794
9,181
15,185
14,766
(\20,919) (\20,342)
有形固定資産および無形資産の減価償却、償却、評価減および価値修正 1,455 1,247
(\2,004) (\1,718)
その他の営業費用 2,092 1,176
債権および一定の有価証券の評価減および価値修正ならびに信用損失引当金繰
4 971
入額
参加持分、関係会社に対する投資および固定資産として取り扱われる有価証券
298 613
の評価減および価値修正
(\411) (\844)
損失引受による費用 145 100
(\200) (\138)
一般的銀行業リスクのための資金からの戻入/への繰入(-) 2,200 0
(\3,031) (\0)
経常利益 1,663 -1,654
(\2,291) (\△2,279)
特別利益 36 1,252
(\50) (\1,725)
特別損失 181 473
(\249)
(\652)
特別損益 -145 779
(\ △200) (\1,073)
法人所得税 -485 814
(\ △668) (\1,121)
このうち:繰延税金プラス643百万ユーロ
(2020年度:マイナス925百万ユーロ)
「その他の営業費用」として計上されないその他の税金 85 80
(\117) (\110)
-400
894
(\ △551) (\1,232)
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純利益(損失) 1,919 -1,769
(\2,644) (\△2,437)
前期繰越利益 0 0
(\0) (\0)
1,919 -1,769
(\2,644) (\△2,437)
資本剰余金の取崩し 0 1,769
利益剰余金への繰入
950 0
-その他の利益剰余金への繰入
950
0
(\1,309) (\0)
配当可能利益 969 0
(\1,335) (\0)
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④ 年次 財務諸表に対する注記
一般的な情報
ドイツ銀行AGの登録名はドイチェ・バンク・アクティエンゲセルシャフトであり、フランクフルト・アム・マインにおいて
法人化されている。フランクフルト・アム・マイン地方裁判所において登録番号HRB 30000で商業登記されている。
ドイツ銀行AGの2021年度の年次財務諸表は、ドイツ商法(以下「HGB」という。)、ならびに銀行および金融サービス機関財
務諸表指令法(以下「RechKredV」という。)に従って作成されたものである。会社法の規定は遵守されている。明瞭性のため
数値は百万ユーロ単位で記載してある。
作成の基礎
会計方針:
債権
トレーディング目的で保有する債権は、「トレーディング業務」の段落に記載のとおり会計処理される。
銀行および顧客に対する債権のうちトレーディング資産として適格でないものは通常、額面金額または取得原価(必要な減
損を控除後)で計上される。その後の報告期間に減損損失の金額が減少し、客観的にその減損の減少が減損認識後に発生した
事象に関連している場合には、以前に認識された減損は損益計算書を通じて戻入れられる。
リスク引当金
信用損失引当金は、減損ならびにすべての識別可能な信用リスクおよびカントリー・リスク引当金、固有の債務不履行リス
ク引当金および一般的銀行業リスク引当金で構成される。信用損失引当金は、慎重性の原則に従い、予想損失額で反映され
る。
外国の貸出先への融資に関する移転リスク(カントリー・リスク)は、経済、政治および地域情勢を考慮に入れた格付シス
テムを用いて評価される。特定の諸外国への国境を越えたエクスポージャーに関する引当金を認識する際には慎重性の原則が
適用される。
固有の信用リスクに関する引当金は、商法の原則に従い包括的価値修正の形で反映される。このほか、一般的銀行業リスク
に係る引当金は、HGB第340f条に従って計上される。HGB第340f条第3項に基づく相殺オプションが利用されている。
予想損失の計算は、デフォルト確率(PD)、デフォルト時損失率(LGD)およびデフォルト時エクスポージャー(EAD)とい
うパラメータに完全に準拠している。最後のパラメータにはすべてのリスクのある契約が含まれる。保証および貸出コミット
メントを含むオフバランスのエクスポージャーに関する信用リスクは、引当金として表示されている。ポートフォリオのリス
クがより反映されるように、信用リスクの予測は、マクロ経済要素(欧州および米国のGDP成長率および失業率など)により補
完されている。
当行は、12ヶ月間の予想信用損失に相当する額の信用損失引当金を認識する。これは、信用リスクが減損を引き起こすほど
増大していないと仮定した場合に、債務不履行事象による全期間の予想信用損失のうち報告日から12ヶ月以内に予想される部
分を表す。当行グループは、信用リスクが増大したエクスポージャーについて、全期間の予想信用損失に相当する額の信用損
失引当金を認識している。
当行は、信用リスクが当初認識以降に著しく増大したとみなされる金融資産について、追加の信用損失引当金を認識する。
IFRS第9号の手法を使用するにあたり、金融資産の残存期間にわたって債務不履行が発生する確率を示す、全期間のPD、全期間
のLGDおよび全期間のEADに基づく予想信用損失の計算が必要となる。
当行は、信用が減損している金融資産について、当該資産の回収可能な予想キャッシュ・フローを通じてデフォルト確率が
100%であることを反映し、全期間の予想信用損失に相当する額の損失引当金を認識する。
有価証券
トレーディング目的で保有する公社債およびその他の固定利付有価証券ならびに株式およびその他の変動利付有価証券は、
「トレーディング業務」の段落に記載のとおり会計処理される。
予見可能な将来までの保有を目的とする一定の公社債およびその他の固定利付有価証券の保有分は非流動資産として分類さ
れ、厳密でない低価法を用いて会計処理される。これは、各有価証券が、一時的でない減損控除後の取得原価で計上されるこ
とを意味する。
公社債およびその他の固定利付有価証券が予見可能な将来まで保有するものでもトレーディング・ポートフォリオの一部を
構成するものでもない場合には、それらは流動資産として分類され、厳密な低価法を用いて会計処理される。これは、当該有
価証券が、取得原価またはそれぞれ帰属可能な市場価額のいずれか低い金額で計上されることを意味する。
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有価証券報告書
これは、トレーディング・ポートフォリオの一部でない場合に通常流動資産として会計処理される株式およびその他の変動
利付有価証券についても同様である。
有価証券は、客観的に評価増の原因が評価減認識後に発生した事象に関連している場合には、当初価値回復要件に従って評
価増が行われる。
組込デリバティブ
ハイブリッド契約の中にはデリバティブ部分およびデリバティブ以外の部分の両方を含むものがある。このような場合、デ
リバティブ部分は、組込デリバティブと呼ばれ、デリバティブ以外の部分は主契約を表している。組込デリバティブの経済的
特性およびリスクが、主契約のそれと密接に関連していない場合で、かつ、ハイブリッド契約自体がトレーディング業務とし
て純損益を通じて公正価値で計上されるものではない場合には、当該組込デリバティブはデリバティブ会計の一般原則に従っ
て区分処理される。主契約は償却原価または決済金額で会計処理される。
クレジット・デリバティブ
トレーディング目的で保有するまたは発生したクレジット・デリバティブは、「トレーディング業務」の段落に記載のとお
り会計処理される。
発生した信用リスクの担保として適格なその他のクレジット・デリバティブは個別で会計処理されず、その基礎となる取引
に関するリスク引当金において考慮される。
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トレーディング業務
トレーディング目的で保有するまたは発生した金融商品(デリバティブ金融商品のプラスおよびマイナスの時価を含む。)
および貴金属は、リスク調整を控除後の公正価値で認識される。バリュー・アット・リスク調整に加え、トレーディング純損
益の利益配当には事実上の制限が存在する。これは、各年度にトレーディング純収益の一部を一般的銀行業リスクのための資
金の一部であるトレーディング関連特別準備金に割り当てる必要があるためである。
公正価値は、金融商品が強制または清算による売却以外で、取引知識のある自発的な非関連当事者との間の現在の取引で交
換され得る金額として定義されている。入手可能な場合には、公正価値は、観察可能な市場価格およびパラメータに基づく
か、または当該価格もしくはパラメータから算出される。観察可能なデータの入手可能性は、商品や市場によって異なり、時
間の経過により変動する可能性がある。観察可能な価格または入力値が入手可能でない場合、特定の商品に適合する評価技法
が適用される。
公正価値が評価技法を用いて見積られるか、または観察可能な価格もしくはパラメータから算出される場合、重要な判断が
要求される可能性がある。このような見積りは本質的に不確実で変更が生じやすい。そのため、実際の経営成績および財政状
態は、これらの見積りと異なる可能性がある。
金融商品の公正価値による評価には、手仕舞いコスト、流動性リスクおよびカウンターパーティ・リスク、ならびに無担保
のトレーディング・デリバティブに対する資金調達対価に関する評価調整が含まれている。
未実現利得についての残存する実現リスクを反映するため、公正価値の測定結果はリスク調整によって減額され、それはト
レーディング資産から控除される。リスク調整は、保有期間10日および信頼水準99%を用いて計算されたバリュー・アット・
リスクに基づいている。
トレーディング関連特別準備金は、トレーディング純収益(リスク調整後)の最低10%(ただし、各事業年度のトレーディ
ング純収益の合計金額を超えてはならない。)を繰入れることにより設定されている。トレーディング関連特別準備金は、当
該準備金がトレーディング純収益(リスク調整後)の5年平均の50%に達するまで、繰入れる必要がある。
当該準備金は、50%の上限を超える金額の戻入れのため、またはトレーディング純損失を補填するためのみに取崩しが可能
である。
トレーディング目的で保有する金融商品および貴金属は、「トレーディング資産」または「トレーディング負債」として貸
借対照表上で独立表示されている。コモディティを購入または売却する先渡契約は、基本的に金融商品として適格でないた
め、トレーディング資産に分類できない。
トレーディング目的で保有する金融商品に係るリスク調整後の公正価値の変動ならびに利息収益および利息費用はすべて、
「トレーディング純損益」として認識される。
特定の条件の下で、トレーディング・デリバティブと相手先が差入れた現金担保が相殺される。これらのデリバティブは、
個別の相手先ごとに、信用補完条項(以下「CSA」という。)および日次の現金担保交換が規定されたマスター契約に基づき相
殺することができる。個別の相手先ごとの相殺金額には、デリバティブのプラスおよびマイナスの時価ならびに差入または受
入担保額が含まれる。
当事業年度において、ロンドン・クリアリング・ハウス(LCH)、EUREXおよびシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)を通じ
て一元的に清算されるユーロ建て金利デリバティブの割引方法が、ユーロ圏翌日物平均金利(EONIA)からユーロ短期金利(€
STR)に変更された。これにより、デリバティブの公正価値が変動したが現金の授受が相殺されることから、価値の移転は生じ
なかった。同様に、一元的に清算される米ドル建て金利デリバティブについても、割引方法がフェデラル・ファンド・レート
から担保付翌日物調達金利(SOFR)に変更された。参照金利の変更により貸借対象日までに評価調整が生じた場合、これらは
損益計算書において認識されている。現金支払も損益計算書において認識されることから、変更による影響はほぼ完全に相殺
される。
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評価単位(ヘッジ会計)
会計上、資産、負債、未履行の取引または極めて可能性の高い予定取引(ヘッジ対象項目)および金融商品(ヘッジ手段)
が、ヘッジ対象リスクに起因する公正価値またはキャッシュ・フローの変動の相殺を達成するために評価単位内において指定
される場合には、通常の測定規則は適用されない。当行は通常、価値凍結法を利用しており、これはヘッジ対象リスクに関連
した価値変動の相殺は計上されないことを意味する。結果として、差し迫った損失に対する引当金として認識される純損失
(すなわち、マイナスの非有効部分)が発生しない限り、同じ種類のリスクに関連した公正価値のマイナスの変動は当該ヘッ
ジ期間中に認識されない。
ヘッジ手段に係る利息収益および利息費用(金利スワップ等)は通常、ヘッジ対象項目に係る利息収益/利息費用を控除後
の純額で損益計算書上に表示される。これにより、評価単位全体のヘッジ損益を考慮して当該収益/費用を表示することにな
る。
ヘッジ会計上、コモディティを購入または売却する先渡契約は金融商品として取り扱われる。
分類変更
債権および有価証券は当初、トレーディング業務、流動性準備金または非流動投資として分類されなければならない。
当初認識後のトレーディング業務への分類変更は認められておらず、トレーディング業務からの分類変更は例外的な市況
(特に、取引する能力に悪影響を及ぼす状況)により意思の変更があった場合にのみ認められている。さらに、トレーディン
グ目的で保有する金融商品は当初認識後、ヘッジ手段として評価単位へと指定することができる。
流動性準備金区分と非流動投資区分の間の分類変更は、当初認識後、経営陣の意思に明確な変更があったときに行われ、文
書化される。
当該分類変更は、当該意思に変更があったときに、分類変更日現在の公正価値で行われる。
参加持分および関係会社に対する投資
参加持分は、取得原価、またはHGB第253条に基づくオプションを利用してそれより低い公正価値のいずれかで認識される。
関係会社に対する投資は厳密でない低価法により会計処理されている。これは、減損が一時的でないとみなされる場合にの
み評価減が認識されることを意味する。
関係会社の公正価値を決定するために、割引キャッシュ・フロー・モデルが適用される。当該モデルは、リスク調整後の金
利を用いて5年間の予想フリー・キャッシュ・フローを割引くものである。5年間の後については、残存価値を決定するために
持続可能な計画の策定が予測されている。当該評価には、特定の関係会社に関する測定可能なシナジーが含まれる。
参加持分および関係会社に対する投資は、客観的に評価増の原因が評価減認識後に発生した事象に関連している場合に、当
初価値回復要件に従って評価増が行われる。HGB第340c条第2項に基づく相殺オプションが利用されている。
有形固定資産および無形資産
有形固定資産および無形資産は、取得原価または製造原価から減価償却累計額または償却累計額を控除した金額で計上され
る。自己開発のブランド、題字、出版表題、顧客名簿およびこれらに類似する無形資産は認識されない。
永久的と思われる減損については、評価減が行われる。
有形固定資産および無形資産は、客観的に価値の増加が評価減認識後に発生した事象に関連している場合には評価増が行わ
れなければならない。
少額資産は、取得年度に償却される。
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資産の認識の中止
資産は通常、法的所有権が移転した時点で認識が中止される。
しかし、当該資産の法的な移転にかかわらず売手が所有に関するリスクおよび経済価値の大部分を留保する場合には、当該
資産の認識は中止されない。
有価証券の貸付/借入取引は、HGB第246条第1項第2文に従って、譲渡人の貸借対照表において引き続き認識される。その結
果、譲渡人は所有に関するリスクおよび経済価値の大部分に引き続きさらされるため、貸付有価証券の認識は中止されない。
負債
負債は決済金額または額面金額で認識される。割引発行されるゼロ・クーポン債は、当初の実効金利を用いた現在価値で報
告される。
その他Tier 1資本として適格な金融商品
発行された金融商品で負債として適格なものは、決済金額または額面金額で認識される。利息は、金融商品を保有する投資
家への支払いが見込まれる額に基づき認識される。
引当金
年金および類似の債務に対する引当金は、保険数理原則に従って認識される。年金引当金は、予測単位積立方式により、ド
イツ連邦銀行公表による残存期間を15年と仮定した平均市場金利を使用して計算される(ただし、年金制度の残存期間がそれ
より短い場合を除く。)。
当行はドイツの確定給付型年金制度の確定給付債務の算定に独自の死亡率の仮定を適用している。「Richttafeln Heubeck
2018G」による死亡率の仮定は、ドイツ銀行独自の従業員および年金受給者の死亡率の実績に応じて調整されている。
年金および類似の債務の決済のためのみに使用される資産で、かつ、ドイツ銀行AGにもいずれの債権者にも支配されていな
いもの(制度資産)は、公正価値で評価され、各引当金と相殺される。積立超過の制度資産は貸借対照表上、引当金と相殺後
で純資産として認識される。積立不足の年金債務および当行内部で資金供給される制度に係る債務については、関連する引当
金が設定される。
年金および類似の債務の決済金額が非流動金融資産として保有する有価証券の公正価値のみに基づく場合、当該有価証券の
公正価値が最低保証額を上回る場合には引当金は当該公正価値で測定される。
未確定債務や有償契約(トレーディング業務を除く。)に関するその他の引当金は、慎重な商業上の判断原則に従ってその
予定決済金額で認識される。未確定債務に関する引当金は、関連するキャッシュ・アウトフローの発生が貸借対照表日後12ヶ
月以内に見込まれない場合には、割引かれる。
未履行取引から生じる差し迫った損失に対する引当金を認識するか否かについての評価は、トレーディング目的で保有する
わけではないすべての利付資産および負債のそれぞれについて、すなわち、報告日現在で存在するバンキング勘定の内のすべ
てのポジションについて、純損失が発生する可能性が高いかについての評価からなる。
純損失がバンキング勘定内の利付ポジションに発生する可能性が高いかについての評価には、予想将来純利息収益および予
想将来直接帰属費用を、報告日現在の利付ポジションと関連する将来予想管理費用とだけでなく、予想将来資金調達および信
用リスク費用とも比較することが必要となる。
潜在的引当金の評価は、バンキング勘定における金利関連ポジションの内部管理と整合している。バンキング勘定における
金利関連ポジションには、現在価値に基づくアプローチが用いられ、リスクの取得原価による範囲ならびに金利リスクに対し
てヘッジされたポジションに関する純利息超過額による管理費用の分析により補完されている。
繰延税金
資産、負債および経過勘定の会計上の帳簿価額と税務基準額との一時差異に係る繰延税金資産および繰延税金負債は互いに
相殺され、貸借対照表上、繰延税金資産または繰延税金負債のいずれかとして純額で表示される。繰延税金資産の算定に当た
り未使用の繰越欠損金が考慮されるが、考慮されるのは今後5年以内に利用できる範囲のみである。
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自己株式
ドイツ銀行AGが自己の株式(自己株式)を取得する場合、これらは貸借対照表上、独立項目として取得原価で株主資本から
直接控除され、損益計算書には利得も損失も認識されない。
自己株式がその後売却される場合には、上述の控除の戻入れが行われ、当初の取得原価を超過する金額は資本剰余金に認識
される。一方、その後の売却により発生した損失は利益剰余金に認識される。
通貨の換算
通貨の換算は、HGB第256a条および第340h条に規定された原則に従って行われる。
固定資産として取り扱われる外貨建資産であって、当該通貨によるカバーが個別にとられていないものは取得原価で計上さ
れる(ただし、外国為替相場の変動が一時的でない場合には、当該資産の評価減が必要となる。)。その他の外貨建資産およ
び負債ならびに未決済の現金取引は貸借対照表日現在の直物相場仲値で、為替予約取引は貸借対照表日現在の先渡相場で換算
される。
当行がHGB第340h条に従い特別なカバレッジ法を適用している外貨建てポジションの定義は、内部リスク管理手続を反映して
いる。
通貨の換算から生じる利得および損失の会計処理は、それらがどの外貨ポジションに関係しているかに左右される。トレー
ディング資産およびトレーディング負債の通貨の換算から生じる利得および損失、ならびに個別にカバーがとられているポジ
ションの換算から生じる利得および損失は、損益計算書において認識される。同じことが、個別にカバーはとられていないが
残存期間が1年以内である外貨ポジションにも適用される。一方、個別にカバーがとられておらず、かつ、残存期間が1年超で
ある外貨ポジションについては、不平等性の原則に従って、通貨の換算から生じる損失のみが認識される。通貨の換算による
損益は、トレーディング純損益およびその他の営業収益/費用に含められている。
国外支店の貸借対照表および損益計算書の諸科目はそれぞれの貸借対照表日現在の仲値でユーロに換算される(報告日
法)。貸借対照表科目の直物相場仲値での換算から生じる差額、損益計算書科目の(加重)平均為替レートでの換算から生じ
る差額は、損益計算書のその他の営業収益または営業費用に反映される。
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貸借対照表注記
債権の期限別内訳
2021 年12月31日 2020 年12月31日
単位:百万ユーロ
現在 現在
銀行に対するその他の債権(要求払の債権を除く) 59,063 54,351
残存期間
3 ヶ月以内 19,434 15,091
3 ヶ月超1年以内 10,417 16,966
1 年超5年以内 18,383 14,095
5 年超 10,829 8,199
顧客に対する債権 435,166 392,962
残存期間
3 ヶ月以内 150,984 137,290
3 ヶ月超1年以内 52,825 45,650
1 年超5年以内 108,543 98,109
5 年超 115,995 107,435
期限を確定できないもの 6,818 4,476
有価証券
以下の表は、記載の貸借対照表科目中に含まれる市場性のある有価証券の内訳を示している。
上場 非上場
2021 年 2020 年 2021 年 2020 年
単位:百万ユーロ
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
現在 現在 現在 現在
公社債およびその他の固定利付有価証券 30,152 57,556 29,931 31,677
株式およびその他の変動利付有価証券 143 180 10 2
参加持分 0 0 0 38
関係会社に対する投資 0 0 0 0
公社債およびその他の固定利付有価証券601億ユーロには、2022年度に期限を迎えるものが54億ユーロ含まれている。
固定資産として保有する公社債およびその他の固定利付有価証券は、ドイツ銀行がこれら有価証券を予見可能な将来まで保
有する意図があるため、償却原価で計上されている。報告日現在の帳簿価額合計は344,630億ユーロであり、当行グループの財
務部が管理する戦略的流動性準備金に関連するものである。当該有価証券には、高格付の国債、国際機関債および政府関係機
関債が含まれている。2021年12月31日現在、このポートフォリオは、帳簿価額が90百万ユーロの資産を含み、その現在の時価
は合計4百万ユーロ帳簿価額を下回っている。
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投資ファンドに対する投資
以下の表は、10%を超えて保有する受益証券について、ドイツ国内外の投資ファンドに対する投資の内訳を保有目的別に示
している。
2021 年12月31日現在
公正価値と 2021 年度
単位:百万ユーロ 帳簿価額 公正価値 帳簿価額との差額 における分配
株式ファンド 0 0 0 0
公社債ファンド 115 115 0 0
混合ファンド 403 403 0 0
合計 517 517 0 0
ファンドに対する投資はトレーディング資産に分類されており、その帳簿価額はその公正価値に相当していた。当該ファン
ドの大部分は、ドイツ銀行が設定した取引所売買ファンドであった。
受益証券の償還を延期するための条件はファンドごとに異なり、最低資産価額に基づく場合もあれば、ファンド・ディレク
ターに一任される場合もある。受益証券の日々の償還に関する制限は、ある一時点であまりにも多くの投資家が償還を試みる
ケースに関連している。こうした場合、ファンドは、償還請求を履行できるようになるまで償還を延期する可能性がある。
売却および買戻契約に基づく取引
貸借対照表に計上され、買戻契約に基づいて売却された資産の帳簿価額は449億ユーロであった。これはすべてレポ契約に基
づいて売却された有価証券に関連するものであった。
トレーディング資産および負債
トレーディング目的で保有する金融商品
以下の表は、トレーディング資産およびトレーディング負債の内訳を示している。
2021 年12月31日現在
単位:百万ユーロ トレーディング資産 単位:百万ユーロ トレーディング負債
デリバティブ金融商品 77,900 デリバティブ金融商品 74,823
債権 94,466 負債 122,246
公社債およびその他の固定利付有
66,465
価証券
株式およびその他の変動利付有価
7,356
証券
その他の資産 648
リスク調整 -130
合計 246,705 合計 197,069
認められている評価方法を使用して公正価値を決定するための基礎的な仮定は「作成の基礎」の項に詳述されている。
マスター・ネッティング契約および日次の担保交換を認める信用補完条項に基づき取引される、トレーディング目的で保有
するデリバティブは、貸借対照表においてドイツ銀行AGの外部の相手先ごとに相殺される。各相手先の相殺にはデリバティブ
および差入担保の帳簿価額の両方が含まれる。この中には、トレーディング目的で保有するデリバティブに係るプラスの公正
価値2,211億ユーロ(2020年:2,429億ユーロ)およびマイナスの公正価値2,136億ユーロ(2020年:2,597億ユーロ)、また差
入担保に関連する債権(312億ユーロ、2020年:257億ユーロ)および負債(237億ユーロ、2020年:425億ユーロ)の相殺が含
まれる。相殺に関しては作成の基礎を参照のこと。
次の表は、トレーディング・デリバティブに該当する公正価値で評価されるデリバティブの内訳を、種類および数量別に示
している。
2021 年12月31日現在
単位:百万ユーロ 想定元本
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OTC 商品 38,356,948
金利関連取引 30,728,880
為替レート関連取引 6,511,057
クレジット・デリバティブ 1,030,820
株式および指数関連取引 33,408
その他の取引 52,783
取引所売買商品 1,337,283
金利関連取引 1,049,327
株式および指数関連取引 232,385
為替レート関連取引 22,157
その他の取引 33,414
合計 39,694,231
将来キャッシュ・フローの金額、時期および信頼性は、金利環境、株式および債券市場の動向、ならびに信用スプレッドお
よび債務不履行による影響を受ける。
方法および仮定ならびにリスク調整額
リスク調整の計算は、トレーディング目的で保有するまたは発生した金融商品を組み込んだ規制上のバリュー・アット・リ
スクを計算するためのモデルに基づいている。トレーディング資産の評価には、様々な評価調整(例えば流動性リスクに関す
る評価調整。「作成の基礎」の「トレーディング業務」の項にさらに詳しく説明されている。)が必要となる場合がある。
バリュー・アット・リスク調整(以下「VaR調整」という。)の計算は、保有期間10日および信頼水準99%に基づいている。
観察期間は261取引日である。
リスク調整は、規制上のVaR調整に加え、VaR計算ではカバーされないドイツ銀行の自己の信用リスクに関連した追加のリス
ク数値によって補完された。
リスク調整の絶対額は130百万ユーロである。
金融商品をトレーディングとして分類するための基準の変更
2021 年度において、金融商品のトレーディング資産および負債への分類に関する基準に変更はなかった。
劣後資産
以下の表は、各貸借対照表ポジションに含まれる劣後資産の概要を表している。
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
銀行に対する債権 645 545
顧客に対する債権 0 0
公社債およびその他の固定利付有価証券 1,955 1,243
トレーディング資産 2,354 4,066
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デリバティブ金融商品
先渡/先物取引
貸借対照表日現在で未決済の先渡/先物取引は主として次の種類のものであった。
- 金利関連取引:負債性金融商品関連先渡取引、先渡金利契約、金利スワップ、金利先物、証券形態オプション権、金利お
よび指数関連オプション取引およびオプション契約
- 為替レート関連取引:外国為替および貴金属先渡、クロスカレンシー・スワップ、証券形態オプション権、外国為替およ
び貴金属関連オプション取引およびオプション契約、外国為替および貴金属先物
- 株式/インデックス関連取引:株式先渡/先物、指数先物、証券形態オプション権、株式および指数関連オプション取引
およびオプション契約
- クレジット・デリバティブ:クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)、トータル・リターン・スワップ(TRS)、クレ
ジットリンク債(CLN)。
上記の種類の取引は、ほとんど例外なくトレーディング業務において金利、為替レートおよび市場価格の変動をヘッジする
ために締結されている。
公正価値で会計処理されないデリバティブ
次の表は、通常は公正価値で会計処理されない、バンキング勘定デリバティブとして計上されるデリバティブ金融商品を示
している。
2021 年12月31日現在
帳簿価額 公正価値
単位:百万ユーロ 想定元本
プラス マイナス プラス マイナス
OTC 商品
金利関連取引 491,723 2,462 436 5,753 4,617
為替レート関連取引 45,290 17,532 17,577 17,784 19,475
クレジット・デリバティブ 4,142 1 82 11 82
その他の取引 43 0 0 0 12
合計 541,198 19,995 18,095 23,547 24,187
通常は公正価値で計上されないデリバティブの帳簿価額は、「その他の資産」および「その他の負債」に計上されている。
評価単位(ヘッジ会計)
ドイツ銀行AGは、公正価値ヘッジを通じて評価単位を形成し、基本的に金利スワップおよびオプションを通じて市場金利の
変動から生じる固定利付有価証券の公正価値の変動をヘッジしている。
バンキング勘定におけるクレジット・デリバティブが貸出担保として処理するのに適格でない場合、公告IDW RS BFA 1に
沿ってヘッジ会計が適用される。
ハイブリッド金融商品に組み込まれた分離可能なデリバティブから生じる追加リスクについても、ミクロ・ヘッジ関係を通
じてヘッジされている。
上述のケースに加えて、ドイツ銀行はコモディティ・リスクをミクロ・ヘッジ関係およびポートフォリオ・ヘッジ関係を通
じてヘッジしている。
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次の表は、評価単位内のヘッジ対象項目の概要(ヘッジ対象リスクの金額を含む。)を示している。ヘッジ対象資産および
ヘッジ対象負債については、その帳簿価額も表示されている。
2021 年12月31日現在
単位:百万ユーロ
帳簿価額 ヘッジ対象リスクの金額
ヘッジ対象資産、合計 6,969 94
ヘッジ対象負債、合計 79,878 -1,043
名目金額 ヘッジ対象リスクの金額
未履行取引 24,794 176
ヘッジ対象リスクの金額がマイナスである場合にはそれぞれ、資産についてはヘッジ関係開始以降の公正価値の累積的減少
額、負債については公正価値の累積的増加額のうち、純損益に認識されなかったもの(ヘッジを考慮後)を意味する。ヘッジ
対象リスクのプラスの金額は、資産については公正価値の累積的増加額、負債については公正価値の累積的減少額のうち、純
損益に認識されなかったもの(ヘッジを考慮後)に相当する。
ドイツ銀行AGは、為替予約およびスワップを使用して、為替リスクにさらされる純資産価値を表す支店の拠出資本金および繰
越損益に係る為替リスクの公正価値ヘッジを締結している。ヘッジ対象の純ポジションの帳簿価額は110億ユーロである。ヘッ
ジ対象リスクの金額はプラス655百万ユーロである。反対方向の直物相場の変動は、最終的に拠出資本金の償還時に相殺され
る。
ヘッジ対象項目およびヘッジ手段の契約条件が完全に相殺関係にある場合、評価単位に係る有効性の将来に向かっての評価
および非有効性の遡及的測定はともに、重要な条件の照合に基づき行われている。加えて、当行は将来の有効性の評価のため
に統計的手法および回帰分析を利用する場合がある。ドイツ銀行AGは、ヘッジ対象項目とヘッジ手段の公正価値の変動額を比
較している(ダラーオフセット法)。評価単位は通常、ヘッジ対象項目の満期までの残存期間にわたり設定される。
関係会社および参加関係のある会社に関する情報
関係会社 参加関係のある会社
2021 年12月 2020 年12月 2021 年12月 2020 年12月
単位:百万ユーロ 31 日現在 31 日現在 31 日現在 31 日現在
銀行に対する債権 49,786 44,942 0 0
顧客に対する債権 86,466 75,936 50 12
公社債および
27,308 27,528 2 2
その他の固定利付有価証券
銀行に対する負債 27,579 23,084 6 2
顧客に対する負債 21,867 21,828 22 12
証券形態の負債 0 0 0 0
劣後負債 1,055 1,913 0 0
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ドイツ銀行AGの保有株式(20%以上の持分を保有する会社および大企業に関しては議決権の5%超を保有する会社を含む。)
の完全なリストは「保有株式」に関する注記に記載されている。
信託業務
信託資産 信託負債
2021 年 2020 年 2021 年 2020 年
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
単位:百万ユーロ 現在 現在 単位:百万ユーロ 現在 現在
銀行に対する債権 1,953 銀行に対する負債 260
1,717 282
顧客に対する債権 456 顧客に対する負債 2,148
444 1,880
公社債およびその他の固
0 0
定利付有価証券
株式およびその他の変動
0 0
利付有価証券
参加持分 0
0
その他の資産 0 0
合計 2,409 合計 2,409
2,161 2,161
銀行に対する債権は主に、顧客の代理として第三者の銀行に預けた、顧客からの預金に関連している。顧客に対する債権は
主に、開発銀行または特別目的公共機関が資金提供した貸出金であり、COVID-19のパンデミック下において顧客を支援するた
めの貸出金が含まれている。
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固定資産
以下の表は固定資産の変動を示している。
減価償却/償却、評価減
取得/製造原価 帳簿価額
および価値修正
2021 年
2021 年 2020 年
1月1日 このうち このうち
12月31日 12月31日
単位:百万ユーロ 現在 増加 処分 累計額 当年度 処分 現在 現在
無形資産 8,415 1,020 74 6,268 1,147 59 3,092 3,183
1
999
自己開発無形資産 6,230 17 4,572 948 3 2,641 2,551
購入した無形資産 1,468 20 57 997 196 56 435 612
のれん 716 0 0 700 3 0 17 20
頭金 0 0 0 0 0 0 0 0
有形固定資産 4,206 394 265 3,126 317 181 1,208 1,200
2
95
土地および建物 302 3 70 140 15 23 153
事務所用什器備品 3,889 391 180 2,986 302 145 1,114 1,042
リース資産 16 0 16 0 0 14 0 5
0
参加持分 -66 176 242
3
-1,605
関係会社に対する投資 26,343 27,948
短期金融市場商品 0 0 0
公社債およびその他の固
1,258 34,463 33,205
定利付有価証券
このうち:HGB第254条
に従って評価単位に含 0 0 0
められているもの
株式およびその他の変動
0 0 0
利付有価証券
このうち:HGB第254条
に従って評価単位に含 0 0 0
められているもの
RechKredV 第34条第3項に基づく金融資産の合算オプションが利用されている。在外支店における貸借対照表日レートによる
通貨換算から生じる為替レート変動は、取得/製造原価(2020年1月1日現在残高)と減価償却/償却、評価減および価値修正
の累計額に認識されている。
1 自己開発ソフトウェアに関連する自己開発無形資産の増加。
2 帳簿価額合計57百万ユーロの土地および建物が当行の自己の活動の一部として使用された。
3 関係会社に対する投資は、16億ユーロ減少して263億ユーロとなった。この減少は、資本の返済20億ユーロおよび評価減3億ユーロによる
ものであった。この減少は、増資4億ユーロおよび外国為替換算によるプラスの影響4億ユーロにより部分的に相殺された。
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無形資産
無形資産に計上されているのれんは、見積耐用年数である5年から15年にわたって償却される。その決定は、経済的要因およ
び組織的要因(例えば、被取得事業に係る将来の成長見込みおよび利益見込み、予想シナジー効果の様態および期間、顧客基
盤の活用ならびに労働力の集約)に基づいている。無形資産に分類されたソフトウェアは、その耐用年数(最長10年)にわ
たって償却される。
その他の資産
「その他の資産」69億ユーロは、主に、未収担保金(27億ユーロ)、スワップによるバルーン方式の支払いに関連する債権
(17億ユーロ)および税額控除(10億ユーロ)から構成されている。
前払費用および繰延収益
前払費用は、13百万ユーロの負債に関する発行額と償還額の差額の割引を含む。
繰延収益は、47百万ユーロのHGB第340e条第2項に基づく割引を含む。
繰延税金
繰延税金は、資産、負債および経過勘定のHGB規定の会計処理に基づく帳簿価額とその税務基準額との一時差異につき、当該
一時差異が後の報告期間に解消することが見込まれる場合に算定されている。これに関連して、ドイツ銀行AGが株主/パート
ナーである連結税務グループ子会社/パートナーシップの一時差異も、ドイツ銀行AGの繰延税金の算定に含められる。加え
て、繰延税金資産の算定に当たり、未使用の繰越欠損金が今後5年以内に利用が見込まれる範囲で考慮される。繰延税金の測定
は、ドイツ銀行AGの税務グループの合算ベースの法人所得税率(現在は31.3%)に基づいている。当該合算ベースの法人所得
税率には、法人税、営業税および連帯付加税が含まれている。
一方、パートナーシップ形態のドイツの投資における一時差異から生じる繰延税金は、法人税および連帯付加税のみを含ん
だ合算ベースの法人所得税率に基づいて測定されており、これは現在15.83%である。
在外支店の繰延税金は、適用される法定税率を使用して測定されており、これは主に20%から33%の範囲内にある。
当報告期間において、合計33億ユーロの繰延税金資産が貸借対照表に表示された。これは主に、ドイツ銀行AGの「国内の銀
行」(連結税務グループ子会社の繰延税金を含む。)およびドイツ銀行AGのニューヨーク支店によるものであった。これらは
主に未使用の繰越欠損金および一時差異に基づいており、後者は主に従業員関連の債務ならびに貸出金ポートフォリオおよび
トレーディング勘定の公正価値測定に関連している。
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負債の期限別内訳
2021 年 2020 年
単位:百万ユーロ 12月31日現在 12月31日現在
銀行に対する負債(契約期限または通知期限付) 93,677 83,176
残存期間
3 ヶ月以内 44,499 11,894
3 ヶ月超1年以内 29,011 49,438
1 年超5年以内 9,904 10,738
5 年超 10,263 11,107
貯蓄預金(3ヶ月超の契約通知期限付) 3,009 3,534
残存期間
3 ヶ月以内 1,342 1,590
3 ヶ月超1年以内 1,598 1,861
1 年超5年以内 69 82
5 年超 0 0
顧客に対するその他の負債(契約期限または通知期限付) 97,060 79,274
残存期間
3 ヶ月以内 52,985 36,675
3 ヶ月超1年以内 29,531 22,720
1 年超5年以内 6,872 10,471
5 年超 7,671 9,408
証券形態のその他の負債 2,512 3,501
残存期間
3 ヶ月以内 1,445 765
3 ヶ月超1年以内 1,063 2,732
1 年超5年以内 4 4
5 年超 0 0
発行債券772億ユーロには、2021年度に期限を迎えるものが128億ユーロ含まれている。
資産が担保に供されている負債
以下の負債に関して、表中に記載された金額の資産が担保に供されている。
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
銀行に対する負債 19,180 21,984
顧客に対する負債 1,252 1,225
トレーディング負債 2,073 2,365
その他の負債 0 1,994
その他の負債
「その他の負債」332億ユーロには、主に、認識中止されなかった負債(278億ユーロ)、HGB340h条に基づき特にカバーされ
たFXポジションに関する負債(14億ユーロ)、支払予定の営業費用(12億ユーロ)、拠出資本金および繰越損益に係るFX再評
価による影響(11億ユーロ)、AT1資本性金融商品(3億ユーロ)およびその他の負債(14億ユーロ)が含まれている。
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年金および類似の債務
ドイツ銀行AGは、従業員を対象とした退職後給付制度(年金制度)のスポンサーとなっており、当該制度には確定給付制度
だけでなく確定拠出制度も含まれている。
これらの年金制度の受給者の大部分は、ドイツに在住している。加入者の発生給付の価値は、主に各従業員の報酬および勤
続年数に基づいている。
12 月31日がすべての確定給付制度の測定日となっている。すべての制度は予測単位積増方式を使用して評価されている。当
該評価には、人口統計の推移、在職中の従業員の昇給、年金の増加およびインフレ率といった一定の数理計算上の仮定の適用
が必要となる。割引率はHGB第253条第2項の規則に従って決定されている。
2021 年12月31日 2020 年12月31日
年金制度に関して使用された仮定
現在 現在
割引率 1.76 % 2.25 %
インフレ率 2.27 % 1.23 %
将来給与水準の名目上昇率 2.50 % 1.73 %
年金支給額の名目上昇率 2.17 % 1.13 %
修正後Richttafeln 修正後Richttafeln
死亡表/障害表
Heubeck 2018 G Heubeck 2018 G
これらの確定給付制度の年金給付に係る債務の大部分は、外部積立されている。積立超過の制度資産は貸借対照表上、引当
金と相殺後で純資産として認識される。積立不足の年金債務および当行内部で資金供給される制度に係る債務については、関
連する引当金が認識される。
ドイツ銀行AGおよびその他金融機関がBVVのメンバーであるドイツの確定拠出制度において、事業主の補助的負債には支払給
付およびその法的に要求される増加分が含まれる。
さらに、主にドイツにおいて、例えば勤続年数や早期退職制度に関連したその他の類似の長期債務に対して引当金が認識さ
れている。当行はこれらの制度に対して、キャッシュ・ベースで、給付の支払期限到来時に資金を供給している。
年金制度
2021 年12月31日 2020 年12月31日
単位:百万ユーロ
現在 現在
年金債務 ( 財務諸表認識額 ) 9,768 8,869
7 年平均割引率に基づく名目年金債務 10,424 9,667
割引率の差異により認識される利益 656 799
制度資産の公正価値 10,271 10,324
このうち:
制度資産の取得原価 9,711 8,893
制度資産内の未実現利得合計 560 1,431
期末現在の積立超過額(純額) 502 1,455
制度資産(純額) 502 1,455
このうち:
「積立超過の制度資産」認識額 553 1,503
「年金および類似の債務に対する引当金」認識額 50 48
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前年度と同様にHGB第253条第6項に従い評価原則を適用したことで、財務諸表において認識される確定給付債務に関して、10
年平均割引率を用いた場合と、7年平均割引率を用いた場合との差異が生じた。この656百万ユーロの差異は、配当制限条項の
対象となっている。
年金制度
2021 年度 2020 年度
単位:百万ユーロ
制度資産からの運用収益 282 696
年金債務の割引の解消に係る利息費用 764 613
純利息収益(費用) -482 83
このうち:「その他の営業収益」認識額 0 84
このうち:「その他の営業費用」認識額 -482 1
その他の引当金
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在
信用損失引当金 541
差し迫った損失に対する引当金 254
残りのその他の引当金 4,550
その他の引当金合計 5,345
以下の(主要な)リスクの種類に対して、残りのその他の引当金が設定されている。
従業員関連引当金は、従業員に対する追加の給与手当を反映するために設定された。これらは変動報酬および繰延報酬、株式
報酬、早期退職債務ならびにその他に関連している。2021年度末現在、引当金の総額は28億ユーロであった。
再構築引当金は、再構築活動から発生する。当行グループの戦略的改革は、当行グループの中核事業に重きを置き、調整後
コストを削減し、より迅速な意思決定と実行を可能とすることで、株主に対する持続可能なリターンの大幅な改善を目指して
いる。2021度末現在、これらの活動に対する引当金は413百万ユーロであった。
規制執行引当金は、政府規制当局、自主規制機関またはその他の執行機関による罰金または違約金が科されている、または
その可能性があるような、法的または規制上の責任の不履行を主張する現在または潜在的な請求や手続から発生する。2021年
度末現在、このリスクに対する引当金は409百万ユーロである。
民事訴訟引当金は、民事訴訟において顧客、相手先およびその他の当事者からの請求が生じている、またはその可能性があ
るような、契約不履行または他の法的もしくは規制上の責任の不履行を主張する現在または潜在的な請求や手続から発生す
る。2021年度末現在、このリスクに対する引当金は381百万ユーロである。
オペレーショナル・リスク引当金は、オペレーショナル・リスクから発生するが、引当金として独立掲記される民事訴訟引
当金および規制執行引当金は除かれる。2021年度末現在、このリスクに対する引当金は22百万ユーロである。オペレーショナ
ル・リスクは、内部手続、人員およびシステムが不十分である、もしくは機能していないこと、または外部の事象によって生
じる損失を含む。
2021 年度末現在、その他の諸引当金519百万ユーロが設定されている。
劣後負債
契約上の劣後負債は、固定利付および変動利付有価証券、記名および無記名社債ならびに約束手形の形態で発行され、その
当初の償還期限は主に10年から20年の間である。
ドイツ銀行AGには劣後負債を所定の償還期限前に償還する義務はないが、場合によっては発行体の選択により早期償還が可
能である。清算または支払不能の場合には、これらの負債から生じる債権および利息債権は、ドイツ銀行AGの全債権者の非劣
後債権に対して劣後する。社債の条件に基づき、これらの資金の資本または他の形態の債務への転換は見込まれていない。こ
れらの条件は、個々に明記されていない劣後負債にも適用される。
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10 億ユーロ超の重要な劣後負債
償還期限/次回繰上
金額
通貨 種類 発行年度 表面金利
償還日 1
単位:百万
米ドル 1,500 記名社債 2013 年 4.296 % 2023 年5月24日
ユーロ 1,250 無記名社債 2015 年 2.750 % 2025 年2月17日
米ドル 1,500 無記名社債 2015 年 4.500 % 2025 年4月1日
ユーロ 1,250 無記名社債 2020 年 5.625 % 2026 年2月19日
米ドル 1,250 無記名社債 2021 年 3.729 % 2030 年10月14日
1 社債の償還期限。社債には、規制当局による承認または税法の改正を条件とする一定の臨時繰上償還条項が付されている。
すべての契約上の劣後負債(98億ユーロ)に係る費用は総額224百万ユーロであった。これにはデリバティブ・ヘッジに係る
損益が含まれる。この数値に含まれる支払期限前の未払利息165百万ユーロは「その他の負債」に報告されている。
さらに、当初の償還期限が1年を超え、かつ発行時の償還額または利息額が不確定な事象に依拠していない場合、一部の負債
はドイツ銀行法第46f条第6項に基づき、法的に劣後している。2021年12月現在、これらの非優先負債の額は522億ユーロであっ
た。
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資本参加権
金額(単
通貨 位:百万) 種類 発行年度 表面金利 最初の繰上償還日
Dt. Postbank Namensgenussschein
ユーロ 20 2007 年3月5日 5.250 % 2026 年12月31日
Nr. 032
Dt. Postbank Namensgenussschein
ユーロ 10 2007 年5月3日 5.500 % 2022 年12月31日
Nr. 038
その他Tier 1規制上の自己資本に係る金融商品
2021 年12月31日現在、その他Tier 1ノート(以下「AT1ノート」または「ノート」という。)は、前年度が57億ユーロであっ
たのに対して86億ユーロであった。2021年度における当該ノートに係る利息費用は合計419百万ユーロであり、これには、その
他の負債に計上されている2021年度末現在の未払利息298百万ユーロが含まれていた。
AT1 ノートは、ドイツ銀行の無担保劣後債である。当該ノートには、発行日から次の金利再設定日までの間、その額面金額に
対して固定の年率で利息が付されている。その後金利は5年ごとに再設定される。当該ノートは、いかなる時も理由を問わず利
息の支払いを停止できる絶対裁量権をドイツ銀行に要求する場合があり、これをドイツ銀行に認める特徴を含んでいる。停止
された場合には、利息の支払いは累積されず、利息の支払いが過年度の不足分を補填するために増額されることはない。当該
ノートは永久債であり、ドイツ銀行が、その自由裁量で、それぞれの次回繰上償還日およびその後定められた繰上償還日にま
たは他の限られた状況において償還することができる。いずれの場合にも、当該ノートは契約条件に記載された制約および条
件の対象となる。例えば、ドイツ銀行は、一定の規制上または税務上の理由により、その自由裁量で、当該ノートの全部(但
し一部は不可)を償還することができる。いずれの償還にも、管轄の監督当局による事前の同意が必要となる。当該ノートの
償還金額および額面価額は、トリガー事象の発生時に減額される可能性がある。トリガー事象は、連結ベースで算定されたド
イツ銀行グループの普通株式等Tier 1資本比率が5.125%を下回ると引き起こされる。当該ノートは、トリガー事象後、一定の
条件を満たすことを条件に増額される場合もある。
2021 年12月31日現在のAT1ノートの残高
金額
通貨 種類 発行年度 表面金利 最初の繰上償還日
(単位:百万)
無期限非累積型固定/その他Tier 1ノート
ユーロ 1,750 2014 年 6.000 % 2022 年4月30日
無期限非累積型固定/その他Tier 1ノート
米ドル 1,250 2014 年 4.789 % 2025 年4月30日
無期限非累積型固定/その他Tier 1ノート
英ポンド 650 2014 年 7.125 % 2026 年4月30日
無期限非累積型固定/その他Tier 1ノート
米ドル 1,500 2014 年 7.500 % 2025 年4月30日
無期限非累積型固定/その他Tier 1ノート
米ドル 1,250 2020 年 6.000 % 2025 年10月30日
無期限非累積型固定/その他Tier 1ノート
ユーロ 1,250 2021 年 4.625 % 2027 年10月30日
無期限非累積型固定/その他Tier 1ノート
ユーロ 1,250 2021 年 4.500 % 2026 年11月30日
外貨
外貨建資産総額は貸借対照表日現在で4,520億ユーロ相当額、負債総額は3,450億ユーロ相当額であった。
株主資本
自己株式
当行または当行の関係会社は、2021年度中にトレーディング目的で、ドイツ銀行株式3,279,884株を実勢市場価格で購入し、
同数のドイツ銀行株式を実勢市場価格で売却した。この自己株式の購入は、ドイツ株式会社法第71条第1項第7号による2020年5
月20日の株主総会の授権に基づいたものであり、各株式売買取引についてその制限が遵守されていた。平均売買価格は1株当た
り10.36ユーロであった。その損益は資本剰余金において認識された。
2021 年度中にトレーディング目的で売買された当行の自己株式は当行株式資本の約0.2%に相当した。自己株式保有高が最大
となった日の保有率は当行株式資本の約0.00%、1日当たり平均保有率は約0.00%であった。
さらに、当行は、ドイツ株式会社法第71条第1項第8号による2021年5月27日および2020年5月20日の株主総会により、自己株
式を購入する権限を付与された。各売買取引についてそれぞれの制限が遵守されていた。2020年5月20日の株主総会で付与さ
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れ、2025年4月30日まで有効であった当行が自己株式を購入する権限は、2021年5月27日の授権の発効とともに取消された。こ
の新たな授権は2026年4月30日を期限として承認された。
加えて、2021年5月27日の年次株主総会は、ドイツ株式会社法第71条第1項第8号に従い、取締役会、同様に決議された授権に
基づいてプットおよびコール・オプションまたは先渡購入契約を用いて株式の購入を行う権限を与えた。各売買取引につい
て、こうしたデリバティブの使用に関する制限が遵守されていた。
2021 年度末現在、ドイツ銀行AGおよびその関係会社は、ドイツ株式会社法第71条第1項第7号による自己株式を保有していな
かった。ドイツ株式会社法第71条第1項第8号による保有高は678,948株であり、それは株式資本の0.03%に相当した。2021年12
月31日現在で、ドイツ銀行およびその関係会社は、ドイツ銀行株式6,509,667株(2020年度末:7,416,731株)、すなわち、株
式資本の0.31%(2020年度末:0.36%)を担保として差し入れていた。
引受済、授権および条件付資本金の変動
当行の引受済資本金は記名式無額面株式2,066,773,131株に分割されており、1株当たりの名目価値は2.56ユーロである。
2021年12月31日現在の当行の自己株式保有高を除いた社外流通株式数は2,066,094,183株(2020年度末:2,065,426,965株)と
なった。当報告期間の平均社外流通株式数は2,062,924,837株であった。
条件付資本金
単位:ユーロ 引受済資本金 授権資本金 (未利用)
2020 年12月31日現在残高 5,290,939,215.36 2,560,000,000.00 563,200,000.00
2021 年12月31日現在残高 5,290,939,215.36 2,560,000,000.00 563,200,000.00
1 自己株式の名目価値を含む。
授権資本金および未利用の条件付資本金に関する詳細は本書に含まれる統合マネジメント・レポート「ドイツ商法第315a条
第1項に基づく情報」に記載されている。
株主資本の変動
単位:百万ユーロ
2020 年12月31日現在 32,959
2021 年度中の配当 0
前期繰越利益 0
自己株式
-自己株式の名目価値の変動 2
-取得原価の変動 -1
-実現純利得(トレーディング以外) 34
-実現損益(トレーディング) 0
0
-実現純損失(トレーディング以外) 35
利益剰余金の増加 950
2021 年度の配当可能利益(損失) 969
2021 年12月31日現在残高 34,913
利益剰余金の増加950百万ユーロを考慮した2021年12月31日現在の残りの配当可能利益は969百万ユーロであった。当行は株
主に対し、1株当たり20セントの配当金を支払い、残りの配当可能利益を次期へ繰越す旨提案する予定である。
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オフバランス取引
当行は、偶発負債および取消不能貸出コミットメントについて、引当金が設定されていない限り、オフバランス取引として
開示している。偶発負債および取消不能貸出コミットメントの開示をオフバランス表示または引当金としての認識のいずれに
よって行うかの判断は、信用リスクに関する評価結果を基に行われている。偶発負債および取消不能貸出コミットメントはま
た、担保金を受け入れた場合にその金額分減少し、受入担保金は貸借対照表上負債として計上されている。
偶発負債に基づく請求が行われた場合に生じる損失リスクは、それぞれの顧客に対する求償の可能性により低減する。した
がって、当該リスクの大半は顧客の信用リスクに基づいている。
顧客に関する信用リスク評価の一環として、または顧客の基本的義務の履行見込に関する評価を用いて、当行は、取消不能
の義務を締結する前に、偶発負債および取消不能貸出コミットメントに基づく請求により生じる損失リスクについて評価を
行っている。さらに当行は、偶発負債および取消不能貸出コミットメントに基づく請求により損失が予想されるかどうかにつ
いて、契約期間内に定期的に評価を行っている。一定の状況において、当行は、請求による損失リスクを低減させるため、担
保の提供を求めている。当該評価によって見積られた損失額は、貸借対照表上引当金として計上されている。
取消不能貸出コミットメント
2021 年12月31日現在における取消不能貸出コミットメントは1,316億ユーロであり、ノンバンクへの貸出および手形割引の契
約債務1,300億ユーロを含んでいた。
ドイツ銀行AGは、顧客の資金調達ニーズを満たすために取消不能貸出コミットメントを締結している。取消不能貸出コミッ
トメントは、ドイツ銀行が取り消しできない同行の貸出義務の未引出部分を表している。これらの契約は、受入担保金および
貸借対照表に計上済みの引当金を考慮した後の契約金額で示されている。上記の金額は、これらの契約の多くが引き出されず
に期限切れとなるため、予想将来キャッシュ・フローを表していない。取消不能貸出コミットメントは貸借対照表に認識され
ていないが、ドイツ銀行AGは信用エクスポージャーを監視する際にこれらを考慮している。信用リスクの監視を行った結果、
引き出しが予想され損失の発生が十分に見込まれる場合には、引当金を設定する。
ドイツ銀行AGは、特別な業務目的を達成することを目的とした特別目的事業体(以下「SPE」という。)として知られる特定
の事業体と様々な事業活動に従事している。SPEの主な用途は、特定の資産およびリスクのポートフォリオへのアクセスを顧客
に提供し、金融資産の証券化を通じた市場の流動性を顧客に提供することである。通常、ドイツ銀行AGは、SPEの創設に対し
て、または同行が投資運用会社、保管機関としての役割、もしくは他の何らかの機能を果たすことでサービス・フィーおよび
手数料を受け取ることにより利益を得ている。SPEは法人、信託またはパートナーシップとして設立される。当行は、多くの異
なった形態でこれらの事業体に関与することが可能であるが、この関与は主に流動性与信枠(貸借対照表科目の下に記載され
るオフバランス項目の中の「その他の契約債務」のうち取消不能貸出コミットメントとして開示される。)により構成される。
ドイツ銀行AGは、コマーシャル・ペーパー・コンジット・プログラム、資産証券化、投資信託および不動産リース・ファンド
に関連して、SPEに財務的支援を提供している。当該ビークルは、いくつかの重要な投資家市場(モーゲージ担保証券市場およ
びその他の資産担保証券市場を含む。)が機能する上で不可欠である。これは当該ビークルが、証券化プロセスを通じて生み出
される特定のキャッシュ・フローおよびリスクへのアクセスを投資家に提供するためである。2021年12月31日現在、ドイツ銀
行AGのエクスポージャーは、当行の借入条項、自己資本比率、信用格付および配当に重要な影響を及ぼさなかった。
偶発負債
通常の事業活動の過程において、ドイツ銀行AGは、顧客に代わり定期的に保証、信用状および信用負債に関する契約を締結
している。これらの契約の下、ドイツ銀行AGは、第三者がその義務を果たさなかった場合または契約に基づく義務を履行しな
かった場合、受益者に対する支払義務が生じる。このような偶発事象に関して、当行は、いつ、どの程度の請求が行われるこ
とになるかについて詳細を知ることはできない。信用リスクの監視を行った結果、引き出しが予想され損失の発生が十分に見
込まれる場合には、引当金を認識する。
以下の表は、保証、信用状および信用負債に基づく潜在的支払額(担保金および貸借対照表計上済引当金控除後)の合計を
表している。この表は、締結した義務すべてを履行すると同時に顧客に対する求償権がすべて実現しなかった場合に、ドイツ
銀行AGが負担する可能性のある最大金額を表している。かかる契約の大半は引き出されずに期限切れとなるか、顧客に対する
求償によって引き出しが相殺されるため、当該表はかかる契約から生じる予想将来キャッシュ・フローを表している訳ではな
い。
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
保証 43,840 34,497
信用状 4,938 3,579
信用負債 7,403 8,120
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ドイツ銀行(E05792)
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その他の契約債務
購入契約債務は、所定の条件(例えば、最低数量または最低価格)で商品またはサービスを購入するための法的に強制可能
な拘束力のある契約である。ドイツ銀行AGが当該契約を締結する場合、契約の諸条件が商品またはサービスの引渡時の諸条件
よりも不利になる、または関連費用が受け取った経済的便益よりも高くなる潜在的リスクがある。損失が予想される場合、ド
イツ銀行AGは、不利な契約に対する引当金を設定する場合がある。
商品およびサービス購入契約債務は、2021年12月31日現在合計34億ユーロであり、これには、特に情報技術サービスおよび
与信枠管理サービス等に関する将来の支払が含まれている。
リースとは、資産の所有者(貸手)が、定期的な支払いと引き換えに、当該資産を一定期間使用する権利を別の当事者(借
手)に付与する契約である。リース契約が借手側の条件付または無条件の解約権を含む場合、当該契約はオペレーティング・
リースとして分類される。当該資産の所有に関連する主なリスクおよび便益のすべてが貸手に留保され、貸手は経済的所有者
であり続ける。オペレーティング・リースは、借手が当該資産に資源を投資しないことを可能にするような所有の代替手段を
提供している。ドイツ銀行AGのオペレーティング・リースから生じた既存の契約債務は、建物および事務所用什器備品に関す
る賃貸借契約およびリース契約を含んでいる。これらの大部分は、ドイツ銀行AGが借手である建物に関するリース契約であ
る。2021年12月31日現在、賃貸借契約およびリースから生じる支払債務は49億ユーロ(うち36百万ユーロは子会社に関連して
いた。)であり、契約満了までの残存期間は最長5年となっていた。
2021 年12月31日現在、未償却の繰延変動報酬費用の総額は3億ユーロであった。
株式会社および有限会社に対する出資ならびにその他の出資の未払込分に関する将来の払込義務は、2021年度末現在で17百
万ユーロとなり、うち15百万ユーロは子会社に関連するものであった。
その他の出資に関する将来の払込義務は2021年12月31日現在総額0.1百万ユーロであった。
預金保護基金規定第5条第10項に基づき、ドイツ銀行AGは、ドイツ銀行AGが過半数を保有または支配している銀行のために
とった措置によりドイツ連邦銀行協会e.V.(ベルリン)が何らかの損害を被った場合、同協会に対し補償を行う義務を負って
いる。
単一破綻処理基金(SFR)およびドイツ預金保護に関連した銀行税に伴う取消不能支払コミットメントは、1,031百万ユーロ
であった。
先物およびオプション取引所での取引による債務および有価証券が担保として供されている清算機関に対する債務は、2021
年12月31日現在で合計51億ユーロであった。
上記以外のその他の偶発負債は合計77百万ユーロである。
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損益計算書注記
市場地域別収益
利息収益、株式およびその他の変動利付有価証券、参加持分および関係会社に対する投資からの配当等収益、手数料収益、
トレーディング純損益ならびにその他の営業収益の合計額は様々な地域から発生しており、RechKredV第34条第2項に従った内
訳は以下のとおりである。
単位:百万ユーロ 2021 年度 2020 年度
ドイツ 13,810 14,517
欧州(ドイツを除く) 6,131 6,595
米州 3,060 2,981
アフリカ/アジア/オーストラリア 2,884 2,897
合計 25,885 26,990
ドイツにおける収益の減少は主に、銀行勘定デリバティブからの収益の減少および利息収益の減少に起因し、手数料収益お
よびトレーディング純収益の増加により部分的に相殺されている。欧州(ドイツを除く)における収益の減少は主に、トレー
ディング純収益の減少および利息収益の減少によるもので、手数料収益およびその他の営業収益の増加により部分的に相殺さ
れている。
利息収益および利息費用
貸出およびマネー・マーケット・ビジネスからの利息収益には、主として銀行に対する債権およびトレーディング資産に関
連するマイナス金利(すなわち債権に係る利息費用)による716百万ユーロが含まれていた。利息費用には、主として銀行に対
する債務に関連するマイナス金利(すなわち債務に係る利息収益)による1,066百万ユーロが含まれていた。
第三者のための管理および代理業務
次の管理および代理業務が第三者に対して提供された:保管サービス、モーゲージ、保険契約および住宅取得貯蓄契約の委
託、信託資産管理ならびに資産運用。
その他の営業収益および費用
「その他の営業収益」15億ユーロは、トレーディング以外のデリバティブによる損益535百万ユーロ、資産および負債の為替
換算から生じた利益241百万ユーロならびに引当金の戻入197百万ユーロからなっている。
「その他の営業費用」21億ユーロには主に、トレーディング以外のデリバティブによる損益691百万ユーロ、資産および負債
の為替換算から生じた費用164百万ユーロならびに従業員関連引当金の割引の振戻しから生じた純利息費用488百万ユーロが含
まれる。
特別損益
特別利益36.0百万ユーロは再構築活動に関連している(2020年度:DB PFK AGの合併により生じた利益12億ユーロ)。特別損
失の180.6百万ユーロは再構築活動を反映している(2020年度:472.9百万ユーロの損失)。
特別利益および特別損失の純額である特別損益はマイナス144.6百万ユーロであった(2020年度:779.1百万ユーロ)。
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HGB 第253条第6項および同法第268条第8項に基づく制限金額に関する情報
以下の表は、HGB第268条第8項およびHGB第253条第6項に基づく、利益分配に関して考慮すべき金額を示している。配当可能
な剰余金の合計額に配当可能利益を加算した金額は、2021年12月31日現在の制限金額の範囲内である。以下の個々のポジショ
ンには該当する場合には繰延税金負債が含まれているため、以下の表の金額は対応する貸借対照表のポジションと相違する可
能性がある。
2021 年12月31日 2020 年12月31日
単位:百万ユーロ
現在 現在
繰延税金資産 3,853 3,343
自己開発無形資産 2,317 2,275
年金債務引当金の割引に関連する評価の相違 451 549
制度資産に係る未実現利得 540 1,252
配当不能な金額合計 7,162 7,419
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保有株式
29 -20%超を保有する会社(訳注:行頭の数字は英文Annual Report 2021のページ。以下同様)
39 -議決権の5%超を保有する大企業に対する持分
ドイツ商法第285条第11号に従って、下記はドイツ銀行AGの保有株式(ドイツ商法第285条第11a号に従った情報を含む。)を示
している。ドイツ商法286条第3項第1文第1号に従って、ドイツ銀行AGは、ドイツ銀行AGの資産および負債、財政状態ならびに
経営成績の表示にとって個々の保有持分の自己資本および年次損益の開示が重要でない限り、それらを開示していない。
脚注:
1 損益移転契約。 年次損益は開示されていない。
2 2020事業年度の自己資本および年次損益。2021事業年度の現地で一般に公正妥当と認められている会計原則による数値は未入手である。
3 サブグループの自己資本および年次損益。-で始まる以下の会社はサブグループの一部であり、それらの自己資本および年次損益は、サ
ブグループのデータに織り込まれている。
4 ドイツ商法第285条第11a号に従って無限責任の株主としての立場
5 ゼネラル・パートナーシップ
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自己
損益
シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
20%超を保有する会社
1 ABATE Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
2 ABRI Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
3 ACHTE PAXAS Treuhand- und Beteiligungsgesellschaft デュッセルドルフ 50.0
mbH
4 ACHTUNDZWANZIGSTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH i.L.
5 ACHTZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
6 ACIS Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
7 ACTIO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
8 ADEO Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
9 ADLAT Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
10 ADMANU Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
11 AGLOM Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
12 AGUM Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
13 AKA Ausfuhrkredit-Gesellschaft mit beschränkter フランクフルト 26.9 261.6 8.4
Haftung
14 ALANUM Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
15 Alfred Herrhausen Gesellschaft mbH ベルリン 100.0
16 ALMO Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
17 ALTA Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
18 Amber Investments S.à r.l. ルクセンブルグ 100.0
19 Ambidexter GmbH i.L. フランクフルト 100.0 59.9 59.9
20 ANDOT Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
21 APUR Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
22 Arabesque AI Ltd ロンドン 24.9 4.6 (3.9)
23 ATAUT Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
24 Atena SPV S.r.l. in liquidazione コネリアノ 60.0
25 AVOC Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
26 BAKTU Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. シェーネフェルト 50.0
27 Baldur Mortgages Limited ロンドン 100.0
28 BALIT Beteiligungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 50.0
29 Bankers Trust Investments Limited (in members' ロンドン 100.0
voluntary liquidation)
30 BANKPOWER GmbH Personaldienstleistungen フランクフルト 30.0 5.6 3.3
31 Banks Island General Partner Inc. トロント 50.0
32 Bayan Delinquent Loan Recovery 1 (SPV-AMC), Inc. マカティ・シティ 100.0
33 Benefit Trust GmbH リュッツェン 100.0 7,720.4 333.2
34 Bestra Gesellschaft für Vermögensverwaltung mit デュッセルドルフ 49.0
beschränkter Haftung
35 Betriebs-Center für Banken AG フランクフルト 100.0 172.3 (20.6)
36 Better Financial Services GmbH ベルリン 100.0
37 Better Payment Germany GmbH ベルリン 100.0
38 BHW - Gesellschaft für Wohnungswirtschaft mbH ハーメルン 1 100.0 1,161.3 0.0
39 BHW Bausparkasse Aktiengesellschaft ハーメルン 100.0 1,800.6 32.1
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損益
シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
40 BHW Holding GmbH ハーメルン 1 100.0 727.5 0.0
41 BIMES Beteiligungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 50.0
42 BLI Beteiligungsgesellschaft für デュッセルドルフ 33.2
Leasinginvestitionen mbH
43 BLI Internationale Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 32.0
44 Borfield Sociedad Anonima モンテビデオ 100.0
45 Breaking Wave DB Limited ロンドン 100.0
46 BT Globenet Nominees Limited ロンドン 100.0
47 Cardales UK Limited (in members' voluntary ロンドン 100.0
liquidation)
48 Cardea Real Estate S.r.l. ミラノ 100.0
49 Carpathian Investments Designated Activity Company ダブリン 100.0
50 Cathay Advisory (Beijing) Co., Ltd. 北京 100.0
51 Cathay Asset Management Company Limited エベヌ 100.0
52 Cathay Capital Company (No 2) Limited エベヌ 67.6 225.4 (77.4)
53 Cedar (Luxembourg) S.à r.l. ルクセンブルグ 100.0
54 City Leasing (Thameside) Limited ロンドン 100.0
55 City Leasing Limited ロンドン 100.0
56 Consumo Srl in Liquidazione ミラノ 100.0
57 D B Investments (GB) Limited ロンドン 2 100.0 527.5 (151.1)
58 D&M Turnaround Partners Godo Kaisha 東京 100.0 0.0 2.5
59 Danube Properties S.à r.l., en faillite ルクセンブルグ 25.0
60 DB (Barbados) SRL クライストチャーチ 100.0
61 DB (Malaysia) Nominee (Asing) Sdn. Bhd. クアラルンプール 100.0
62 DB (Malaysia) Nominee (Tempatan) Sendirian Berhad クアラルンプール 100.0
63 DB Advisors SICAV ルクセンブルグ 95.3 9,679.2 155.7
64 DB Aotearoa Investments Limited ジョージタウン 100.0
65 DB Asset Finance I S.à r.l. ルクセンブルグ 2 95.0 5.4 12.6
66 DB Asset Finance II S.à r.l. ルクセンブルグ 95.0
67 DB Beteiligungs-Holding GmbH フランクフルト 1 100.0 6,303.9 0.0
68 DB Capital Markets (Deutschland) GmbH フランクフルト 1 100.0 580.2 0.0
69 DB Cartera de Inmuebles 1, S.A.U. マドリッド 100.0 8.0 2.2
70 DB Chestnut Holdings Limited ジョージタウン 100.0
71 DB Corporate Advisory (Malaysia) Sdn. Bhd. クアラルンプール 100.0
72 DB Covered Bond S.r.l. コネリアノ 90.0
73 DB Credit Investments S.à r.l. ルクセンブルグ 2 100.0 1.1 6.0
74 DB Delaware Holdings (Europe) Limited ジョージタウン 100.0
75 DB Direkt GmbH フランクフルト 1 100.0
76 DB Equity Limited ロンドン 2 100.0 22.9 0.0
77 DB Finance International GmbH フランクフルト 100.0
78 DB Fund (Mauritius) Limited エベヌ サイバーシ 100.0
ティ
79 DB Global Technology SRL ブカレスト 100.0 52.8 5.5
80 DB Group Services (UK) Limited ロンドン 100.0
81 DB HR Solutions GmbH エシュボルン 100.0
82 DB Immobilienfonds 2 KG i.L. フランクフルト 74.0
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損益
シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
83 DB Immobilienfonds 5 Wieland KG i.L. フランクフルト 93.6
84 DB Impact Investment (GP) Limited ロンドン 100.0
85 DB Impact Investment Fund I, L.P. エジンバラ 100.0
86 DB Industrial Holdings Beteiligungs GmbH & Co. KG リュッツェン 100.0 1,655.8 (1.3)
87 DB Industrial Holdings GmbH リュッツェン 100.0 1,583.0 (1.7)
88 DB International (Asia) Limited シンガポール 100.0 403.6 (38.2)
89 DB International Investments Limited ロンドン 2 100.0 72.6 71.9
90 DB International Trust (Singapore) Limited シンガポール 100.0
91 DB Investment Partners Limited ロンドン 100.0
92 DB Investment Services GmbH フランクフルト 1 100.0 47.7 0.0
93 DB London (Investor Services) Nominees Limited ロンドン 100.0
94 DB Management Support GmbH フランクフルト 100.0
95 DB Municipal Holdings LLC ウィルミントン 100.0 62.1 18.8
96 DB Nominees (Hong Kong) Limited 香港 100.0
97 DB Nominees (Jersey) Limited セントヘリア 100.0
98 DB Nominees (Singapore) Pte Ltd シンガポール 100.0
99 DB Operaciones y Servicios Interactivos Agrupación マドリッド 99.9
de Interés Económico
100 DB Overseas Holdings Limited ロンドン 2 100.0 64.6 7.5
101 DB Placement, LLC ウィルミントン 100.0
102 DB Print GmbH フランクフルト 1 100.0
103 DB RC Investments II, LLC ウィルミントン 99.9
104 DB Re S.A. ルクセンブルグ 100.0
105 DB Real Estate Global Opportunities IB (Offshore), カマーナ・ベイ 33.6
L.P.
106 DB Service Centre Limited ダブリン 2 100.0 24.1 3.2
107 DB Service Uruguay S.A. モンテビデオ 100.0
108 DB Services (Jersey) Limited セントヘリア 100.0
109 DB Servizi Amministrativi S.r.l. ミラノ 100.0
110 DB Strategic Advisors, Inc. マカティ・シティ 100.0
111 DB Structured Holdings Luxembourg S.à r.l. ルクセンブルグ 100.0 6.4 35.3
112 DB Trustee Services Limited ロンドン 100.0
113 DB Trustees (Hong Kong) Limited 香港 100.0
114 DB UK Bank Limited ロンドン 2 100.0 686.2 (12.3)
115 DB UK Holdings Limited ロンドン 2 100.0 399.9 16.0
116 DB UK PCAM Holdings Limited ロンドン 100.0 10.9 0.0
117 DB USA Corporation (Sub-group) ウィルミントン 3 100.0 12,082.4 632.3
118 -ABFS I Incorporated ルーザービル=ティモ 100.0
ニアム
119 -ABS MB Ltd. ルーザービル=ティモ 100.0
ニアム
120 -Alex. Brown Financial Services Incorporated ルーザービル=ティモ 100.0
ニアム
121 -Alex. Brown Investments Incorporated ルーザービル=ティモ 100.0
ニアム
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損益
シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
122 -Argent Incorporated ルーザービル=ティモ 100.0
ニアム
123 -China Recovery Fund, LLC ウィルミントン 85.0
124 -DB Alex. Brown Holdings Incorporated ウィルミントン 100.0
125 -DB Aster II, LLC ウィルミントン 100.0
126 -DB Aster III, LLC ウィルミントン 100.0
127 -DB Aster, Inc. ウィルミントン 100.0
128 -DB Aster, LLC ウィルミントン 100.0
129 -DB Boracay LLC ウィルミントン 100.0
130 -DB Elara LLC ウィルミントン 100.0
131 -DB Energy Trading LLC ウィルミントン 100.0
132 -DB Equipment Leasing, Inc. ニューヨーク 100.0
133 -DB Finance (Delaware), LLC ウィルミントン 100.0
134 -DB Global Technology, Inc. ウィルミントン 100.0
135 -DB Holdings (New York), Inc. ニューヨーク 100.0
136 -DB Intermezzo LLC ウィルミントン 100.0
137 -DB Investment Managers, Inc. ウィルミントン 100.0
138 -DB Investment Partners, Inc. ウィルミントン 100.0
139 -DB Investment Resources (US) Corporation ウィルミントン 100.0
140 -DB Investment Resources Holdings Corp. ウィルミントン 100.0
141 -DB Io LP ウィルミントン 100.0
142 -DB IROC Leasing Corp. ニューヨーク 100.0
143 -DB Litigation Fee LLC ウィルミントン 100.0
144 -DB Omega BTV S.C.S. ルクセンブルグ 100.0
145 -DB Omega Holdings LLC ウィルミントン 100.0
146 -DB Omega Ltd. ジョージタウン 100.0
147 -DB Omega S.C.S. ルクセンブルグ 100.0
148 -DB Overseas Finance Delaware, Inc. ウィルミントン 100.0
149 -DB Private Clients Corp. ウィルミントン 100.0
150 -DB Private Wealth Mortgage Ltd. ニューヨーク 100.0
151 -DB RC Holdings, LLC ウィルミントン 100.0
152 -DB Services Americas, Inc. ウィルミントン 100.0
153 -DB Structured Derivative Products, LLC ウィルミントン 100.0
154 -DB Structured Products, Inc. ウィルミントン 100.0
155 -DB U.S. Financial Markets Holding Corporation ウィルミントン 100.0
156 -DB USA Core Corporation ウエストトレントン 100.0
157 -DBAH Capital, LLC ウィルミントン 100.0
158 -DBFIC, Inc. ウィルミントン 100.0
159 -DBNZ Overseas Investments (No.1) Limited ジョージタウン 100.0
160 -DBUSBZ1, LLC ウィルミントン 100.0
161 -Deutsche Bank Americas Holding Corp. ウィルミントン 100.0
162 -Deutsche Bank Holdings, Inc. ウィルミントン 100.0
163 -Deutsche Bank Insurance Agency Incorporated ウィルミントン 100.0
164 -Deutsche Bank National Trust Company ロサンゼルス 100.0
165 -Deutsche Bank Securities Inc. ウィルミントン 100.0
166 -Deutsche Bank Trust Company Americas ニューヨーク 100.0
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自己
損益
シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
167 -Deutsche Bank Trust Company Delaware ウィルミントン 100.0
168 -Deutsche Bank Trust Company, National Association ニューヨーク 100.0
169 -Deutsche Bank Trust Corporation ニューヨーク 100.0
170 -Deutsche Leasing New York Corp. ニューヨーク 100.0
171 -Deutsche Mortgage & Asset Receiving Corporation ウィルミントン 100.0
172 -G Finance Holding Corp. ウィルミントン 100.0
173 -GAC-HEL, Inc. ウィルミントン 100.0
174 -German American Capital Corporation ルーザービル=ティモ 100.0
ニアム
175 -GWC-GAC Corp. ウィルミントン 100.0
176 -Kelsey Street LLC ウィルミントン 100.0
177 -87 Leonard Development LLC ウィルミントン 100.0
178 -MIT Holdings, Inc. ボルチモア 100.0
179 -MortgageIT Securities Corp. ウィルミントン 100.0
180 -MortgageIT, Inc. ニューヨーク 100.0
181 -New 87 Leonard, LLC ウィルミントン 100.0
182 -PARTS Funding, LLC ウィルミントン 100.0
183 -QR Tower 2, LLC ウィルミントン 100.0
184 -Route 28 Receivables, LLC ウィルミントン 100.0
185 -Sharps SP I LLC ウィルミントン 100.0
186 -Singer Island Tower Suite LLC ウィルミントン 100.0
187 -World Trading (Delaware) Inc. ウィルミントン 100.0
188 -Zumirez Drive LLC ウィルミントン 100.0
189 DB Valoren S.à r.l. ルクセンブルグ 100.0 583.7 67.8
190 DB Value S.à r.l. ルクセンブルグ 100.0 42.6 (0.8)
191 DB VersicherungsManager GmbH フランクフルト 1 100.0
192 DB Vita S.A. ルクセンブルグ 75.0 27.9 2.0
193 DBCIBZ1 ジョージタウン 100.0
194 DBG Eastern Europe II L.P. セントヘリア 25.9
195 DBOI Global Services (UK) Limited ロンドン 2 100.0 12.6 6.9
196 DBR Investments Co. Limited ジョージタウン 100.0 313.6 9.3
197 DBRE Global Real Estate Management IB, Ltd. ジョージタウン 100.0
198 DBRE Global Real Estate Management US IB, L.L.C. ウィルミントン 100.0
199 DBRMS4 ジョージタウン 100.0 347.1 2.4
200 DBRMSGP1 ジョージタウン 4, 5 100.0 347.1 2.4
201 DBUK PCAM Limited ロンドン 100.0
202 DBUSBZ2, S.à r.l. ルクセンブルグ 100.0 6.7 15.1
203 DBX Advisors LLC ウィルミントン 100.0 12.5 4.5
204 DEBEKO Immobilien GmbH & Co Grundbesitz OHG エシュボルン 4 100.0 94.8 (4.1)
205 DEE Deutsche Erneuerbare Energien GmbH フランクフルト 100.0
206 DEUKONA Versicherungs-Vermittlungs-GmbH フランクフルト 100.0 3.2 2.4
207 Deutsche (Aotearoa) Capital Holdings New Zealand オークランド 100.0
208 Deutsche (Aotearoa) Foreign Investments New オークランド 100.0
Zealand
209 Deutsche Aeolia Power Production Société Anonyme アテネ 95.6
210 Deutsche Alternative Asset Management (UK) Limited ロンドン 100.0 16.5 (1.5)
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自己
損益
シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
211 Deutsche Asia Pacific Holdings Pte Ltd シンガポール 100.0 268.0 5.1
212 Deutsche Asset Management (India) Private Limited ムンバイ 100.0 10.5 0.2
213 Deutsche Australia Limited (Sub-group) シドニー 2, 3 100.0 208.5 26.5
214 -Bainpro Nominees Pty Ltd シドニー 100.0
215 -Deutsche Access Investments Limited シドニー 100.0
216 -Deutsche Capital Markets Australia Limited シドニー 100.0
217 -Deutsche Group Services Pty Limited シドニー 100.0
218 -Deutsche Securities Australia Limited シドニー 100.0
219 -Pan Australian Nominees Pty Ltd シドニー 100.0
220 -R.B.M. Nominees Pty Ltd シドニー 100.0
221 Deutsche Bank (Cayman) Limited ジョージタウン 100.0 63.7 (0.4)
222 Deutsche Bank (China) Co., Ltd. 北京 100.0 1,314.6 69.6
223 Deutsche Bank (Malaysia) Berhad クアラルンプール 100.0 376.4 23.1
224 Deutsche Bank (Suisse) SA ジュネーブ 100.0 563.3 (0.9)
225 Deutsche Bank (Uruguay) Sociedad Anónima モンテビデオ 100.0
Institución Financiera Externa
226 DEUTSCHE BANK A.S. イスタンブール 100.0 65.5 12.0
227 Deutsche Bank Europe GmbH フランクフルト 1 100.0 10.0 0.0
228 Deutsche Bank Financial Company ジョージタウン 100.0 27.1 (0.8)
229 Deutsche Bank Luxembourg S.A. ルクセンブルグ 100.0 4,899.3 201.3
230 Deutsche Bank Mutui S.p.A. ミラノ 100.0 27.9 (2.4)
231 Deutsche Bank México, S.A., Institución de Banca メキシコシティ 100.0 59.8 (3.2)
Múltiple
232 Deutsche Bank Polska Spólka Akcyjna ワルシャワ 100.0 345.8 (95.1)
233 Deutsche Bank Representative Office Nigeria ラゴス 100.0
Limited
234 Deutsche Bank S.A. - Banco Alemão サンパウロ 100.0 345.6 15.6
235 Deutsche Bank Securities Limited トロント 100.0 99.0 0.0
236 Deutsche Bank Società per Azioni ミラノ 99.9 2,097.8 31.5
237 Deutsche Bank, Sociedad Anónima Española マドリッド 100.0 1,121.8 (11.9)
238 Deutsche Capital Finance (2000) Limited ジョージタウン 100.0
239 Deutsche Capital Hong Kong Limited 香港 100.0
240 Deutsche Capital Partners China Limited カマーナ・ベイ 100.0
241 Deutsche Cayman Ltd. カマーナ・ベイ 100.0
242 Deutsche CIB Centre Private Limited ムンバイ 100.0 47.1 9.3
243 Deutsche Colombia S.A.S. ボゴタ 100.0
244 Deutsche Custody N.V. アムステルダム 100.0
245 Deutsche Equities India Private Limited ムンバイ 100.0 46.6 16.0
246 Deutsche Finance No. 2 Limited ジョージタウン 2 100.0 11.4 0.1
247 Deutsche Gesellschaft für Immobilien-Leasing mit デュッセルドルフ 100.0
beschränkter Haftung
248 Deutsche Global Markets Limited テルアビブ 100.0 13.8 0.2
249 Deutsche Group Holdings (SA) Proprietary Limited ヨハネスブルグ 100.0 17.6 0.0
250 Deutsche Grundbesitz Beteiligungsgesellschaft mbH エシュボルン 100.0
i.L.
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損益
シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
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ユーロ)
251 Deutsche Grundbesitz-Anlagegesellschaft mit フランクフルト 1 99.8
beschränkter Haftung
252 Deutsche Gulf Finance リヤド 29.1 149.0 13.0
253 Deutsche Holdings (BTI) Limited (in members' ロンドン 100.0
voluntary liquidation)
254 Deutsche Holdings (Grand Duchy) ルクセンブルグ 100.0 160.4 28.9
255 Deutsche Holdings (Luxembourg) S.à r.l. ルクセンブルグ 100.0 1,611.0 43.9
256 Deutsche Holdings Limited ロンドン 2 100.0 415.7 0.0
257 Deutsche Holdings No. 2 Limited ロンドン 2 100.0 249.3 54.1
258 Deutsche Holdings No. 3 Limited ロンドン 2 100.0 180.4 0.4
259 Deutsche Holdings No. 4 Limited ロンドン 100.0 122.6 0.4
260 Deutsche Immobilien Leasing GmbH デュッセルドルフ 1 100.0 26.5 0.0
261 Deutsche India Holdings Private Limited ムンバイ 100.0 89.2 20.6
262 Deutsche India Private Limited ムンバイ 100.0 1,712.9 35.3
263 Deutsche International Corporate Services ダブリン 100.0 10.4 0.0
(Ireland) Limited
264 Deutsche International Corporate Services Limited セントヘリア 100.0
265 Deutsche International Custodial Services Limited セントヘリア 100.0
266 Deutsche Investments (Netherlands) N.V. アムステルダム 100.0
267 Deutsche Investments India Private Limited ムンバイ 100.0 106.0 2.9
268 Deutsche Investor Services Private Limited ムンバイ 100.0
269 Deutsche Knowledge Services Pte. Ltd. シンガポール 100.0 122.6 37.7
270 Deutsche Mexico Holdings S.à r.l. ルクセンブルグ 100.0 150.2 0.0
271 Deutsche Morgan Grenfell Group Limited ロンドン 2 100.0 38.5 (0.2)
272 Deutsche Nederland N.V. アムステルダム 100.0
273 Deutsche New Zealand Limited (Sub-group) オークランド 3 100.0 1.2 (0.5)
274 -Deutsche (New Munster) Holdings New Zealand オークランド 100.0
Limited
275 -Deutsche Domus New Zealand Limited オークランド 100.0
276 -Deutsche Foras New Zealand Limited オークランド 100.0
277 -Deutsche Overseas Issuance New Zealand Limited オークランド 100.0
278 Deutsche Nominees Limited ロンドン 100.0
279 Deutsche Oppenheim Family Office AG ケルン 1 100.0 512.4 0.0
280 Deutsche Postbank Finance Center Objekt GmbH シュットリンゲン 100.0
281 Deutsche Postbank Funding LLC I ウィルミントン 100.0
282 Deutsche Postbank Funding LLC II ウィルミントン 100.0
283 Deutsche Postbank Funding LLC III ウィルミントン 100.0
284 Deutsche Postbank Funding Trust II ウィルミントン 100.0
285 Deutsche Private Asset Management Limited (in ロンドン 100.0
members' voluntary liquidation)
286 Deutsche River Investment Management Company S.à ルクセンブルグ 49.0
r.l., en faillite clôturée
287 Deutsche Securities (India) Private Limited ニューデリー 100.0 10.8 0.4
288 Deutsche Securities (Proprietary) Limited ヨハネスブルグ 100.0 24.2 (0.4)
289 Deutsche Securities (SA) (Proprietary) Limited ヨハネスブルグ 100.0
290 Deutsche Securities Asia Limited 香港 100.0 110.7 2.1
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シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
291 Deutsche Securities Inc. 東京 100.0 721.6 45.2
292 Deutsche Securities Israel Ltd. テルアビブ 100.0
293 Deutsche Securities Korea Co. ソウル 100.0 112.1 (2.9)
294 Deutsche Securities Mauritius Limited エベヌ 100.0
295 Deutsche Securities Saudi Arabia (a closed joint リヤド 100.0 81.4 (2.9)
stock company)
296 Deutsche Securities, S.A. de C.V., Casa de Bolsa メキシコシティ 100.0 23.5 (4.4)
297 Deutsche Services (CI) Limited セントヘリア 100.0 172.9 (3.5)
298 Deutsche Services Polska Sp. z o.o. ワルシャワ 100.0
299 Deutsche StiftungsTrust GmbH フランクフルト 1 100.0
300 Deutsche Strategic Investment Holdings Yugen 東京 100.0
Kaisha
301 Deutsche Trustee Company Limited ロンドン 100.0 20.7 2.6
302 Deutsche Trustee Services (India) Private Limited ムンバイ 100.0
303 Deutsche Trustees Malaysia Berhad クアラルンプール 100.0
304 Deutsche Wealth Management S.G.I.I.C., S.A. マドリッド 100.0
305 Deutsche Zurich Pensiones Entidad Gestora de バルセロナ 50.0
Fondos de Pensiones, S.A.
306 Deutscher Pensionsfonds Aktiengesellschaft ケルン 25.1 11.2 0.8
307 Deutsches Institut für Altersvorsorge GmbH フランクフルト 78.0
308 DI Deutsche Immobilien Treuhandgesellschaft mbH フランクフルト 1 100.0
309 DIL Internationale Leasinggesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
310 DISCA Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 1 100.0
311 Domus Beteiligungsgesellschaft der Privaten ベルリン 21.1
Bausparkassen mbH
312 DONARUM Holding GmbH デュッセルドルフ 50.0
313 DREIUNDZWANZIGSTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH i.L.
314 DREIZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
315 DRITTE Fonds-Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
316 DRITTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
317 Durian (Luxembourg) S.à r.l. ルクセンブルグ 100.0
318 DWS Alternatives France パリ 100.0
319 DWS Alternatives Global Limited ロンドン 100.0 176.4 (1.8)
320 DWS Alternatives GmbH フランクフルト 1 100.0 19.5 0.0
321 DWS Asset Management (Korea) Company Limited ソウル 100.0 16.9 1.2
322 DWS Beteiligungs GmbH フランクフルト 1 98.9 336.4 0.0
323 DWS CH AG チューリッヒ 100.0 18.6 5.7
324 DWS Distributors, Inc. ウィルミントン 100.0 42.2 14.4
325 DWS Far Eastern Investments Limited 台北 60.0 11.5 1.2
326 DWS Group GmbH & Co. KGaA フランクフルト 79.5 8,297.7 532.0
327 DWS Group Services UK Limited ロンドン 100.0 40.5 3.9
328 DWS Grundbesitz GmbH フランクフルト 1 99.9 23.7 0.0
329 DWS International GmbH フランクフルト 1 100.0 82.3 0.0
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シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
330 DWS Investment GmbH フランクフルト 1 100.0 393.6 0.0
331 DWS Investment Management Americas, Inc. ウィルミントン 100.0 864.7 3.0
332 DWS Investment S.A. ルクセンブルグ 100.0 386.5 31.3
333 DWS Investments Australia Limited シドニー 100.0
334 DWS Investments Hong Kong Limited 香港 100.0 34.9 8.9
335 DWS Investments Japan Limited 東京 100.0 21.7 (8.4)
336 DWS Investments Shanghai Limited 上海 100.0
337 DWS Investments Singapore Limited シンガポール 100.0 399.6 81.0
338 DWS Investments UK Limited ロンドン 100.0 181.0 49.8
339 DWS Management GmbH フランクフルト 100.0
340 DWS Noor Islamic Funds Public Limited Company (in ダブリン 100.0
liquidation)
341 DWS Offshore Infrastructure Debt Opportunities ジョージタウン 26.3 17.9 1.5
Feeder LP
342 DWS Real Estate GmbH フランクフルト 1 99.9 52.2 0.0
343 DWS Service Company ウィルミントン 100.0 1.3 (5.9)
344 DWS Shanghai Private Equity Fund Management 上海 100.0
Limited
345 DWS Trust Company コンコード 100.0 23.8 0.7
346 DWS USA Corporation ウィルミントン 100.0 1,478.4 98.8
347 EC EUROPA IMMOBILIEN FONDS NR. 3 GmbH & CO. KG ハンブルク 65.2
i.I.
348 EINUNDZWANZIGSTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
349 Eisler Capital (TA) Ltd ロンドン 34.7
350 Elbe Properties S.à r.l., en faillite clôturée ルクセンブルグ 25.0
351 ELC Logistik-Centrum Verwaltungs-GmbH エアフルト 50.0
352 ELFTE PAXAS Treuhand- und Beteiligungsgesellschaft デュッセルドルフ 50.0
mbH
353 Elizabethan Holdings Limited ジョージタウン 100.0
354 Elizabethan Management Limited ジョージタウン 100.0
355 Emerald Asset Repackaging Designated Activity ダブリン 100.0
Company
356 Erste Frankfurter Hoist GmbH フランクフルト 100.0
357 European Value Added I (Alternate G.P.) LLP ロンドン 100.0
358 Evroenergeiaki Anonymi Etaireia アテネ 40.0
359 Fiduciaria Sant' Andrea S.r.l. ミラノ 100.0
360 Finanzberatungsgesellschaft mbH der Deutschen Bank ベルリン 100.0
361 Franz Urbig- und Oscar Schlitter-Stiftung フランクフルト 100.0
Gesellschaft mit beschränkter Haftung
362 FÜNFTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
363 Fünfte SAB Treuhand und Verwaltung GmbH & Co. バート ホンブルク 41.2
"Leipzig-Magdeburg " KG
364 Fünfte SAB Treuhand und Verwaltung GmbH & Co. バート ホンブルク 30.6
Dresden "Louisenstraße" KG
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損益
シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
365 Fünfte SAB Treuhand und Verwaltung GmbH & Co. Suhl バート ホンブルク 74.9
"Rimbachzentrum" KG
366 FÜNFZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
367 G.O. IB-US Management, L.L.C. ウィルミントン 100.0
368 German Public Sector Finance B.V. アムステルダム 50.0
369 Gesellschaft für Kreditsicherung mit beschränkter ベルリン 36.7 7.3 5.2
Haftung
370 gixyz Abwicklungs GmbH i.L. フランクフルト 33.3 0.2 3.3
371 Glor Music Production GmbH & Co. KG ロットアッハ=エー 29.0
ガーン
372 GLOR Music Production II GmbH & Co. KG ロットアッハ=エー 28.2
ガーン
373 Grundstücksgesellschaft Bürohäuser Köln トロイスドルフ 36.6
Rheinhallen GbR
374 Grundstücksgesellschaft Frankfurt Bockenheimer トロイスドルフ 96.6
Landstraße GbR
375 Grundstücksgesellschaft Karlsruhe Kaiserstraße GbR トロイスドルフ 22.9
376 Grundstücksgesellschaft Kerpen-Sindorf トロイスドルフ 44.0
Vogelrutherfeld GbR
377 Grundstücksgesellschaft Köln Oppenheimstraße GbR トロイスドルフ 68.8
378 Grundstücksgesellschaft Köln-Merheim Winterberger トロイスドルフ 20.8
Straße GbR
379 Grundstücksgesellschaft Leipzig Petersstraße GbR トロイスドルフ 49.9
380 Grundstücksgesellschaft Wiesbaden トロイスドルフ 71.2
Luisenstraße/Kirchgasse GbR
381 Harvest Fund Management Co., Ltd. 上海 30.0 889.9 221.4
382 HR "Simone" GmbH & Co. KG i.I. ヨルク 24.3
383 Huarong Rongde Asset Management Company Limited 北京 40.7 730.1 51.5
384 ILV Immobilien-Leasing Verwaltungsgesellschaft デュッセルドルフ 50.0
Düsseldorf mbH
385 Immobilien-Vermietungsgesellschaft Schumacher GmbH ベルリン 20.5
& Co. Objekt Rolandufer KG i.L.
386 Immobilienfonds Büro-Center Erfurt am Flughafen トロイスドルフ 65.0
Bindersleben I GbR
387 Immobilienfonds Büro-Center Erfurt am Flughafen トロイスドルフ 99.0
Bindersleben II GbR
388 Immobilienfonds Bürohaus Düsseldorf Grafenberg GbR トロイスドルフ 28.5
389 Immobilienfonds Bürohaus Düsseldorf Parsevalstraße ケルン 20.5
GbR
390 Immobilienfonds Köln-Deutz Arena und トロイスドルフ 21.4
Mantelbebauung GbR
391 Immobilienfonds Köln-Ossendorf II GbR トロイスドルフ 20.1
392 Immobilienfonds Wohn- und Geschäftshaus Köln- トロイスドルフ 59.5
Blumenberg V GbR
393 Ingrid S.à r.l. マンスバッハ 23.8
394 Inn Properties S.à r.l., en faillite ルクセンブルグ 25.0
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シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
395 Intermodal Finance I Ltd. ジョージタウン 49.0
396 IOG Denali Upton, LLC ドーバー 23.0
397 IOG NOD I, LLC ドーバー 22.5
398 Isaac Newton S.A. カペレン 95.0
399 Isar Properties S.à r.l., en faillite ルクセンブルグ 25.0
400 ISTRON Beteiligungs- und Verwaltungs-GmbH ケルン 100.0
401 IVAF I Manager, S.à r.l. ルクセンブルグ 100.0
402 IZI Düsseldorf Informations-Zentrum Immobilien デュッセルドルフ 22.9
Gesellschaft mit beschränkter Haftung
403 IZI Düsseldorf Informations-Zentrum Immobilien デュッセルドルフ 22.9
GmbH & Co. Kommanditgesellschaft
404 J R Nominees (Pty) Ltd ヨハネスブルグ 100.0
405 Joint Stock Company Deutsche Bank DBU キエフ 100.0 10.8 0.2
406 Jyogashima Godo Kaisha 東京 100.0 0.1 13.1
407 KEBA Gesellschaft für interne Services mbH フランクフルト 1 100.0
408 Kidson Pte Ltd シンガポール 100.0 16.4 0.1
409 Kinneil Leasing Company ロンドン 35.0
410 KOMPASS 3 Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
411 Konsul Inkasso GmbH エッセン 1 100.0
412 KVD Singapore Pte. Ltd. シンガポール 25.6 1,023.9 245.8
413 LA Water Holdings Limited ジョージタウン 75.0
414 LAWL Pte. Ltd. シンガポール 100.0 24.7 1.4
415 Leasing Verwaltungsgesellschaft Waltersdorf mbH シェーネフェルト 100.0
416 Leonardo III Initial GP Limited ロンドン 100.0
417 Lindsell Finance Limited セント ジュリアンズ 100.0
418 London Industrial Leasing Limited ロンドン 100.0
419 2755 LVB I LLC ウィルミントン 100.0
420 M Cap Finance Mittelstandsfonds GmbH & Co. KG フランクフルト 77.1 17.4 1.8
421 M Cap Finance Mittelstandsfonds III GmbH & Co. KG フランクフルト 35.7
422 Maher Terminals Holdings (Toronto) Limited バンクーバー 100.0 279.9 0.1
423 MCT Südafrika 3 GmbH & Co. KG i.I. ハンブルク 37.9
424 MEF I Manager, S. à r.l. ルクセンブルグ 100.0
425 Metro plus Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 40.0
i.L.
426 Motion Picture Productions One GmbH & Co. KG フランクフルト 100.0 1.9 6.3
427 MPP Beteiligungsgesellschaft mbH フランクフルト 100.0
428 MT "CAPE BEALE" Tankschiffahrts GmbH & Co. KG i.I. ハンブルク 34.0
429 MT "KING DANIEL" Tankschiffahrts UG ハンブルク 32.8
(haftungsbeschränkt) & Co. KG i.L.
430 MT "KING DOUGLAS" Tankschiffahrts UG ハンブルク 33.0
(haftungsbeschränkt) & Co. KG i.L.
431 MT "KING EDWARD" Tankschiffahrts GmbH & Co. KG ハンブルク 35.3
432 MT "KING ERIC" Tankschiffahrts GmbH & Co. KG i.I. ハンブルク 34.5
433 Navegator - SGFTC, S.A. リスボン 100.0
434 NBG Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
435 NCW Holding Inc. バンクーバー 100.0
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損益
シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
436 NEUNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
437 NEUNZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
438 Nexus Infrastruktur Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
439 NOFA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
440 norisbank GmbH ボン 1 100.0 433.9 0.0
441 North Coast Wind Energy Corp. バンクーバー 96.7
442 Oder Properties S.à r.l., en faillite ルクセンブルグ 25.0
443 OOO "Deutsche Bank TechCentre" モスクワ 100.0 46.5 10.3
444 OOO "Deutsche Bank" モスクワ 100.0 203.2 11.2
445 OPB Verwaltungs- und Treuhand GmbH ケルン 100.0
446 OPB-Oktava GmbH ケルン 100.0
447 OPB-Quarta GmbH ケルン 100.0
448 OPPENHEIM Buy Out GmbH & Co. KG i.L. ケルン 27.7
449 OPPENHEIM Capital Advisory GmbH ケルン 100.0
450 OPPENHEIM PRIVATE EQUITY Manager GmbH ケルン 100.0
451 OPPENHEIM PRIVATE EQUITY Verwaltungsgesellschaft ケルン 100.0
mbH
452 P.F.A.B. Passage Frankfurter Allee ベルリン 22.2
Betriebsgesellschaft mbH
453 PADEM Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
454 PADUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 100.0
455 PAGUS Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
456 PALDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
457 PANTUR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
i.L.
458 PAXAS Treuhand- und Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
459 PB Factoring GmbH ボン 1 100.0 32.6 0.0
460 PB Spezial-Investmentaktiengesellschaft mit ボン 100.0
Teilgesellschaftsvermögen
461 PCC Services GmbH der Deutschen Bank エッセン 1 100.0 32.4 0.0
462 PEDIS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
463 PEDUM Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
464 PEIF III SLP Feeder, SCSp セニンガーベルク 55.1
465 PENDIS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
466 PENTUM Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
467 PERGOS Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
468 PERGUM Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
469 PERILLA Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
470 PERLIT Mobilien-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
471 PERLU Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
472 PERNIO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
473 Peruda Leasing Limited ロンドン 100.0
474 PERXIS Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
475 PETA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
626/763
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有価証券報告書
自己
損益
シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
476 Philippine Opportunities for Growth and Income マカティ・シティ 95.0
(SPV-AMC), INC.
477 Plantation Bay, Inc. セント・トーマス島 100.0
478 PONTUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
479 Postbank Akademie und Service GmbH ハーメルン 100.0
480 Postbank Beteiligungen GmbH ボン 1 100.0 782.0 0.0
481 Postbank Direkt GmbH ボン 1 100.0 15.9 0.0
482 Postbank Filialvertrieb AG ボン 1 100.0 37.1 0.0
483 Postbank Finanzberatung AG ハーメルン 1 100.0 85.8 0.0
484 Postbank Immobilien GmbH ハーメルン 1 100.0
485 Postbank Leasing GmbH ボン 1 100.0
486 PRADUM Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
487 PRASEM Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
488 PRATES Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 50.0
i.L.
489 Prestipay S.p.A. ウーディネ 40.0
490 PRISON Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 50.0
491 Private Equity Invest Beteiligungs GmbH デュッセルドルフ 50.0
492 Private Equity Life Sciences デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
493 PT Deutsche Sekuritas Indonesia ジャカルタ 99.0 21.2 0.1
494 PUDU Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
495 PURIM Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
496 QUANTIS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 50.0
497 QUELLUM Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
498 QUOTAS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
499 REDUS DTHG, LLC ウィルミントン 49.9
500 Reference Capital Investments Limited (in members' ロンドン 100.0
voluntary liquidation)
501 Rhine Properties S.à r.l., en faillite ルクセンブルグ 25.0
502 Riviera Real Estate パリ 100.0
503 RoPro U.S. Holding, Inc. ウィルミントン 100.0 290.8 90.4
504 RREEF America L.L.C. ウィルミントン 100.0 279.6 102.3
505 RREEF China REIT Management Limited 香港 100.0
506 RREEF DCH, L.L.C. ウィルミントン 100.0
507 RREEF European Value Added I (G.P.) Limited ロンドン 100.0
508 RREEF Fund Holding Co. ジョージタウン 100.0 52.3 12.1
509 RREEF India Advisors Private Limited ムンバイ 100.0
510 RREEF Management L.L.C. ウィルミントン 100.0 (13.7) 6.5
511 SAB Real Estate Verwaltungs GmbH ハーメルン 1 100.0
512 SABIS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
513 SAGITA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 100.0
514 Sal. Oppenheim jr. & Cie. Beteiligungs GmbH ケルン 100.0 48.9 3.3
515 SALIX Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
516 SALUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
627/763
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自己
損益
シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
517 SALUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH & デュッセルドルフ 58.5
Co. Objekt Dresden KG i.L.
518 SANCTOR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
519 SANDIX Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
520 SANO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
521 SAPIO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 100.0
522 SARIO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
523 SATINA Mobilien-Vermietungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
524 SCANDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
525 Schumacher Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 33.2
526 SCITOR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
527 SCITOR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH & デュッセルドルフ 71.1
Co. Objekt Heiligenstadt KG i.L.
528 SCUDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 100.0
529 SECHSTE Fonds-Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
530 SECHSTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
531 SECHZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
532 SEDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 100.0
533 SEGES Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
534 SEGU Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
535 SELEKTA Grundstücksverwaltungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
536 SENA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
537 SENA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH & Co. デュッセルドルフ 100.0
Objekt Kamenz KG
538 SERICA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
539 SIDA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
540 SIEBTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
541 SIEBZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
542 SIFA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 100.0
543 SILANUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
i.L.
544 SILEX Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
545 SILIGO Mobilien-Vermietungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
546 SILUR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
547 SIMILA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
i.L.
548 SOLATOR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
549 SOLIDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 100.0
i.L.
550 SOLON Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 50.0
551 SOLUM Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
552 SOMA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
628/763
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自己
損益
シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
553 Somkid Immobiliare S.r.l. コネリアノ 100.0
554 SOREX Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
555 SOSPITA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
556 SPINO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 100.0
557 SPLENDOR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 50.0
558 SPV I Sociedad Anónima Cerrada リマ 99.9
559 SPV II Sociedad Anónima Cerrada リマ 99.8
560 SRC Security Research & Consulting GmbH ボン 22.5
561 STAGIRA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
562 Starpool Finanz GmbH ベルリン 49.9
563 STATOR Heizkraftwerk Frankfurt (Oder) シェーネフェルト 100.0
Beteiligungsgesellschaft mbH i.L.
564 Stelvio Immobiliare S.r.l. ボルツァーノ 100.0
565 SUBLICA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
i.L.
566 SUBU Mobilien-Vermietungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
567 SULPUR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 50.0
i.L.
568 SUPERA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
569 SUPLION Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
570 SUSA Mobilien-Vermietungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
571 SUSIK Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
572 Swabia 1. Vermögensbesitz-GmbH フランクフルト 100.0
573 Süddeutsche Vermögensverwaltung Gesellschaft mit フランクフルト 100.0
beschränkter Haftung
574 TABA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 50.0
575 TACET Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
576 TAGO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
577 Tagus - Sociedade de Titularização de Creditos, リスボン 100.0
S.A.
578 TAGUS Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
579 TAKIR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 100.0
580 TEBOR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
581 Teesside Gas Transportation Limited (in members' ロンドン 48.0
voluntary liquidation)
582 TELO Beteiligungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 100.0
583 TEMATIS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 100.0
i.L.
584 Tempurrite Leasing Limited ロンドン 100.0
585 TERRUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 100.0
i.L.
586 TESATUR Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
587 TESATUR Beteiligungsgesellschaft mbH & Co. Objekt デュッセルドルフ 100.0
Halle I KG i.L.
588 TESATUR Beteiligungsgesellschaft mbH & Co. Objekt デュッセルドルフ 100.0
Nordhausen I KG i.L.
629/763
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損益
シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
589 Thai Asset Enforcement and Recovery Asset バンコク 100.0
Management Company Limited
590 TIEDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
591 TIEDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH & デュッセルドルフ 25.0
Co. Objekt Lager Nord KG i.L.
592 TOSSA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 100.0
593 TRAGO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
594 Trave Properties S.à r.l., en faillite ルクセンブルグ 25.0
595 TREMA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH ベルリン 50.0
596 TRENTO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
597 Treuinvest Service GmbH フランクフルト 100.0
598 TRINTO Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. シェーネフェルト 50.0
599 TRIPLA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 100.0
600 Triplereason Limited ロンドン 100.0 329.4 (0.6)
601 Triton Beteiligungs GmbH i.L. フランクフルト 33.1
602 TRS Aria LLC ウィルミントン 100.0
603 TRS Leda LLC ウィルミントン 100.0
604 TRS Oak II LTD ジョージタウン 100.0
605 TRS Scorpio LLC ウィルミントン 100.0
606 TRS SVCO LLC ウィルミントン 100.0
607 TRS Venor LLC ウィルミントン 100.0
608 TUDO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
609 TUGA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
610 TYRAS Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
611 U.S.A. ITCF XCI L.P. ニューヨーク 99.9
612 VARIS Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
613 VCJ Lease S.à r.l. ルクセンブルグ 100.0
614 VIERTE Fonds-Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
615 VIERTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
616 VIERUNDZWANZIGSTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
617 VIERZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
618 Volbroker.com Limited ロンドン 22.5 10.9 1.0
619 VÖB-ZVD Processing GmbH ボン 1 100.0 28.6 0.0
620 Wealthspur Investment Ltd. ラブアン 100.0
621 WEPLA Beteiligungsgesellschaft mbH フランクフルト 100.0 128.5 5.3
622 Weser Properties S.à r.l., en faillite clôturée ルクセンブルグ 25.0
623 5353 WHMR LLC ウィルミントン 100.0
624 WIS JV LLC ウィルミントン 50.0
625 Wohnungs-Verwaltungsgesellschaft Moers mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
626 Wood NewCo S.à r.l. ルクセンブルグ 52.1
627 XARUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH i.L. シェーネフェルト 50.0
628 XELLUM Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
629 XENTIS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
630/763
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損益
シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
630 XERA Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
631 ZABATUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
632 ZAKATUR Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
i.L.
633 ZALLUS Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
634 ZARAT Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
635 ZARGUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
636 ZEA Beteiligungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 25.0
637 ZEHNTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
638 zeitinvest-Service GmbH エシュボルン 25.0
639 ZELAS Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
640 ZENO Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
641 ZEREVIS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
642 ZERGUM Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
643 Zhong De Securities Co., Ltd 北京 33.3 152.8 5.2
644 ZIDES Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 50.0
645 ZIMBEL Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 50.0
646 ZINDUS Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
647 ZINUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 50.0
648 ZIRAS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 50.0
649 ZITON Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
650 ZITUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 50.0
651 ZONTUM Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
652 ZORUS Grundstücks-Vermietungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
653 ZURET Beteiligungsgesellschaft mbH i.L. デュッセルドルフ 50.0
654 ZWANZIGSTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
655 ZWEITE Fonds-Beteiligungsgesellschaft mbH デュッセルドルフ 50.0
656 ZWEITE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
657 ZWEIUNDZWANZIGSTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH i.L.
658 ZWÖLFTE PAXAS Treuhand- und デュッセルドルフ 50.0
Beteiligungsgesellschaft mbH
659 ZYLUM Beteiligungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 25.0
660 ZYRUS Beteiligungsgesellschaft mbH シェーネフェルト 25.0
661 ZYRUS Beteiligungsgesellschaft mbH & Co. Patente I シェーネフェルト 20.4
KG i.L.
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損益
シリア 資本持 資本
会社名 会社所在地 脚注 (百万
ル番号 分(%) (百万
ユーロ)
ユーロ)
議決権の5%超を保有する大企業に対する持分
662 A.C.N. 603 303 126 Pty Ltd メルボルン 19.4
663 ABRAAJ Holdings (in official liquidation) ジョージタウン 8.8
664 B Ü RGSCHAFTSBANK BRANDENBURG GmbH ポツダム 8.5
665 B ü rgschaftsbank Mecklenburg-Vorpommern GmbH シュベリーン 8.4
666 B ü rgschaftsbank Sachsen GmbH ドレスデン 6.3
667 B ü rgschaftsbank Sachsen-Anhalt GmbH マクデブルク 8.2
668 B ü rgschaftsbank Schleswig-Holstein Gesellschaft mit キール 5.6
beschr änkter Haftung
669 B ü rgschaftsbank Th ü ringen GmbH エアフルト 8.7
670 B ü rgschaftsgemeinschaft Hamburg GmbH ハンブルク 8.7
671 MTS S.p.A. ローマ 5.0
672 Prader Bank S.p.A. ボルツァーノ 9.0
673 Private Export Funding Corporation ウィルミントン 6.0
674 Saarl ändische Investitionskreditbank ザールブリュッケン 11.8
Aktiengesellschaft
675 Yensai.com Co., Ltd. 東京 6.9
次へ
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その他の情報
支援宣言
次に掲げる子会社に関して、ドイツ銀行AGは、政治リスクの場合を除き、これらの子会社がそれぞれの契約負債を履行でき
ることを保証する。
D B Investments (GB) Limited (ロンドン) Deutsche Bank Trust Company Americas (ニューヨーク)
DB International (Asia) Limited (シンガポール) Deutsche Holdings (Grand Duchy)( 旧 Deutsche Holdings
(Malta) S. à r.l.) (ルクセンブルグ)
Deutsche Australia Limited (シドニー) Deutsche Immobilien Leasing GmbH (デュッセルドルフ)
DEUTSCHE BANK A. . (イスタンブール) Deutsche Morgan Grenfell Group Limited( 旧Deutsche Morgan
Grenfell Group Public Limited Company) (ロンドン)
Deutsche Bank Americas Holding Corp. (ウィルミント ドイツ証券株式会社(東京)
ン)
Deutsche Bank (China) Co., Ltd. (北京) Deutsche Securities Asia Limited (香港)
Deutsche Bank Europe GmbH (フランクフルト・アム・マ Deutsche Securities Saudi Arabia (非公開株式会社)(リ
イン) ヤド)
Deutsche Bank Luxembourg S.A. (ルクセンブルグ) norisbank GmbH (ボン)
Deutsche Bank (Malaysia) Berhad (クアラルンプール) Joint Stock Company Deutsche Bank DBU (キーウ)
Deutsche Bank Polska Sp ół ka Akcyjna (ワルシャワ) OOO “Deutsche Bank ”(モスクワ)
Deutsche Bank S.A. – Banco Alem ã o (サンパウロ) Deutsche Oppenheim Family Office AG (ケルン)
Deutsche Bank, Sociedad An ó nima Espa ñ ola (マドリッ BHW Bausparkasse Aktiengesellschaft (ハーメルン)
ド)
Deutsche Bank Societ à per Azioni (ミラノ) PB Factoring GmbH (ボン)
Deutsche Bank (Suisse) SA (ジュネーブ)
633/763
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ファンドブリーフ法第28条に基づく開示
以下の表は、ファンドブリーフ法第28条により要求される開示事項を示している。これらの開示には、2021年12月31日現
在、ドイツ銀行AGが既に保有している抵当ファンドブリーフ債の情報の他、公共ファンドブリーフ債に関する開示が含まれて
いる。当該公共ファンドブリーフ債は、DB Privat- und Firmenkundenbank AGのみが保有するものであり、ドイツ銀行AGでは、
2020年1月1日付の合併に伴い遡及的に開示されている。
総合的エクスポージャー(ファンドブリーフ法第28条第1項第1号)
抵当ファンドブリーフ債
2021 年12月31日現在
現在価値-
現在価値- 現在価値-
最悪の金利および
高金利ストレ 低金利ストレ FXレートのストレ
単位:百万ユーロ 名目価値 現在価値 ス・シナリオ ス・シナリオ ス・シナリオ
抵当ファンドブリーフ債 13,112.0 13,853.6 12,749.6 15,629.4 12,749.6
担保資産
15,709.4 17,631.5 15,049.5 21,053.2 15,056.5
ファンドブリーフ法第12条第1項による担保
15,111.9 17,031.7 14,555.8 20,302.9 14,562.8
資産
ファンドブリーフ法第19条第1項第1号によ
0 0 0 0 0
る担保資産
ファンドブリーフ法第19条第1項第2号によ
0 0 0 0 0
1
る担保資産
抵当ファンドブリーフ債残高に対する割
0 0 0 0 0
合(%)
ファンドブリーフ法第19条第1項第3号によ
597.5 599.8 493.7 750.3 493.7
2
る担保資産
抵当ファンドブリーフ債残高に対する割
4.6 4.3 3.9 4.8 3.9
合(%)
ファンドブリーフ法第19条第1項第4号によ
0 0 0 0 0
る担保資産(債権)
担保資産合計に対する割合(%)
0 0 0 0 0
ファンドブリーフ法第19条第1項第4号によ
0 0 0 0 0
る担保資産(負債)
抵当ファンドブリーフ債残高に対する割
0 0 0 0 0
合(%)
担保超過額
2,597.4 3,777.9 2,299.9 5,423.8 2,306.9
抵当ファンドブリーフ債残高に対する割合
19.8 27.3 18.0 34.7 18.1
(%)
PfandBarwertV 第5条第1項第1号および第6条第2項第1号によるスタティック・アプローチ
1 ファンドブリーフ法第4条第1項第2文第1号および第2号における担保資産を除く。
2 ファンドブリーフ法第19条第1項第2号における担保資産ならびにファンドブリーフ法第4条第1項第2文第1号および第2号における担保資産
を含む。
634/763
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2020 年12月31日現在
現在価値-
現在価値- 現在価値-
最悪の金利および
高金利ストレ 低金利ストレ FXレートのストレ
単位:百万ユーロ 名目価値 現在価値 ス・シナリオ ス・シナリオ ス・シナリオ
抵当ファンドブリーフ債 11,972.0 12,966.3 11,661.6 14,953.0 11,661.6
担保資産
15,980.6 18,711.2 16,001.6 22,289.8 16,001.6
ファンドブリーフ法第12条第1項による担保
14,834.6 17,520.1 14,950.9 20,927.1 14,950.9
資産
ファンドブリーフ法第19条第1項第1号によ
0 0 0 0 0
る担保資産
ファンドブリーフ法第19条第1項第2号によ
0 0 0 0 0
1
る担保資産
抵当ファンドブリーフ債残高に対する割
0 0 0 0 0
合(%)
ファンドブリーフ法第19条第1項第3号によ
1,146.0 1,191.1 1,050.6 1,362.7 1,050.6
2
る担保資産
抵当ファンドブリーフ債残高に対する割
9.6 9.2 9.0 9.1 9.0
合(%)
ファンドブリーフ法第19条第1項第4号によ
0 0 0 0 0
る担保資産(債権)
担保資産合計に対する割合(%)
0 0 0 0 0
ファンドブリーフ法第19条第1項第4号によ
0 0 0 0 0
る担保資産(負債)
抵当ファンドブリーフ債残高に対する割
0 0 0 0 0
合(%)
担保超過額
4,008.6 5,744.9 4,340.0 7,336.8 4,340.0
抵当ファンドブリーフ債残高に対する割合
33.5 44.3 37.2 49.1 37.2
(%)
PfandBarwertV 第5条第1項第1号および第6条第2項第1号によるスタティック・アプローチ
1 ファンドブリーフ法第4条第1項第2文第1号および第2号における担保資産を除く。
2 ファンドブリーフ法第19条第1項第2号における担保資産ならびにファンドブリーフ法第4条第1項第2文第1号および第2号における担保資産
を含む。
担保資産は、モーゲージにより担保されている顧客に対する債権である。その他の担保資産は、ファンドブリーフ法に従
い、公社債およびその他の固定利付有価証券である。
公共ファンドブリーフ債
リスク調整 リスク調整
後の正味 後の正味
1 1
現在価値 現在価値
名目価値 名目価値 正味現在価値 正味現在価値
2021 年 2020 年 2021 年 2020 年 2021 年 2020 年
単位:百万ユーロ 12 月31日現在 12 月31日現在 12 月31日現在 12 月31日現在 12 月31日現在 12 月31日現在
2
担保資産
131.0 149.0 136.6 156.6 136.6 161.4
このうち、デリバティ
0 0 0 0 0 0
ブ
公共ファンドブリーフ債
90.0 90.0 119.1 119.2 119.1 128.0
超過担保(%)
45.6 65.6 14.7 31.4 14.7 26.1
1 ダイナミック法。
2 ファンドブリーフ法第20条第2項におけるその他の担保資産を含む。
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期限プロファイル(ファンドブリーフ法第28条第1項第2号)
抵当ファンドブリーフ債
ファンドブリーフ債残高の期限内訳 担保プールの固定金利期間
期限プロファイル
2021 年 2020 年 2021 年 2020 年
単位:百万ユーロ 12 月31日現在 12 月31日現在 12 月31日現在 12 月31日現在
6ヶ月未満 555.0 1,185.0 562.8 580.0
6ヶ月から12ヶ月 0 175.0 307.2 488.5
12ヶ月から18ヶ月 533.0 555.0 361.6 572.5
18ヶ月から2年 160.0 0 548.0 336.9
2年から3年 2,264.5 693.0 1,106.6 1,031.0
3年から4年
1,207.0 2,264.5 955.7 1,381.3
4年から5年
2,656.0 1,207.0 922.1 1,062.3
5年から10年
4,634.0 4,698.0 5,962.8 5,872.9
10年超
1,102.5 1,194.5 4,982.5 4,655.2
合計
13,112.0 11,972.0 15,709.4 15,980.6
公共ファンドブリーフ債
公共ファンド 公共ファンド
1 1
担保資産 担保資産
ブリーフ債 ブリーフ債
期限プロファイル
2021 年 2020 年 2021 年 2020 年
単位:百万ユーロ 12 月31日現在 12 月31日現在 12 月31日現在 12 月31日現在
6ヶ月未満 30.0 20.0 0 0
6ヶ月から12ヶ月 25.0 0 0 0
12ヶ月から18ヶ月 0 30.0 0 0
18ヶ月から2年 0 25.0 0 0
2年から3年 37.0 19.0 0 0
3年から4年
33.5 20.0 50.0 0
4年から5年
0 0 0 50.0
5年から10年
0 35.0 25.0 25.0
10年超
5.5 0 15.0 15.0
合計
131.0 149.0 90.0 90.0
担保プールに含まれるデリバティブの割合(ファンドブリーフ法第28条第1項第3号)
2021年12月31日および2020年12月31日現在、担保プールにデリバティブは含まれていなかった。
名目価値による担保資産(ファンドブリーフ法第28条第2項第1a号)
抵当ファンドブリーフ債
総額151億ユーロ(2020年度:160億ユーロ)のうち、単独で名目価値が0.3百万ユーロ未満の担保資産は121億ユーロ(2020
年度:120億ユーロ)、名目価値が0.3百万ユーロから1百万ユーロの担保資産は22億ユーロ(2020年度:21億ユーロ)、名目価
値が1百万ユーロから10百ユーロの担保資産は796百万ユーロ(2020年度:722百万ユーロ)および名目価値が10百万ユーロ超の
担保資産は0百万ユーロ(2020年度:0百万ユーロ)であった。
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ファンドブリーフ債の国/登記上の本社所在地別の追加的担保資産(名目価値)(ファンドブリーフ法第28条第1項第4号およ
び第5号)
公共ファンドブリーフ債
単位:百万ユーロ 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
ドイツ 0.0 0.0
ファンドブリーフ法第20条第2項第1号による均等化債権
0.0 0.0
ファンドブリーフ法第20条第2項第2号による資産
0.0 0.0
このうち、規則(EU)第575/2013号の第129条による債権(カバード・
0.0 0.0
ボンド)
ドイツ合計
0.0 0.0
合計
0.0 0.0
抵当ファンドブリーフ債の担保資産として用いた貸出金の、モーゲージ設定不動産の国別および用途別の内訳(ファンドブ
リーフ法第28条第2項第1b号および第1c号)
抵当ファンドブリーフ債
2021 年
住宅用 商業用
12 月31日
現在
その他
集合
戸建 小売用 工業用
単位:百万 複数世 事務所 の商業 建物用
ユーロ 住宅 住宅 帯住宅 その他 合計 用建物 建物 建物 用建物 合計 の土地 合計
ドイツ 2,843.6 8,322.5 2,821.6 0 13,987.8 565.2 172.3 162.1 224.4 1,124.1 0 15,111.9
英国 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
スイス 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
フランス 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
ベルギー 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
オランダ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
合計 2,843.6 8,322.5 2,821.6 0 13,987.8 565.2 172.3 162.1 224.4 1,124.1 0 15,111.9
2020 年
住宅用 商業用
12 月31日
現在
その他
集合
戸建 小売用 工業用
単位:百万 複数世 事務所 の商業 建物用
ユーロ 住宅 住宅 帯住宅 その他 合計 用建物 建物 建物 用建物 合計 の土地 合計
ドイツ 2,577.7 8,258.6 2,845.7 0 13,682.0 565.7 175.4 158.7 252.9 1,152.6 0 14,834.6
英国 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
スイス 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
フランス 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
ベルギー 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
オランダ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
合計 2,577.7 8,258.6 2,845.7 0 13,682.0 565.7 175.4 158.7 252.9 1,152.6 0 14,834.6
抵当ファンドブリーフ債の担保資産として用いたモーゲージ貸出金に係る支払の延滞(ファンドブリーフ法第28条第2項第2
号)
抵当ファンドブリーフ債の担保資産として用いたモーゲージ貸出金について、90日以上延滞の支払は、2021年12月31日現在
および2020年12月31日現在はなしであった。
モーゲージ貸出金に係る追加情報(ファンドブリーフ法第28条第2項第4号)
2021年度および2020年度末現在、担保権実行の手続中のものはなかった。2021年度および2020年度において担保権の実行は
なく、ドイツ銀行AGがモーゲージに係る損失を防ぐために資産を獲得することはなかった。また、モーゲージ設定者による利
息の支払遅延はなかった。
固定金利割合の比較(ファンドブリーフ法第28条第1項第9号)
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ドイツ銀行(E05792)
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抵当ファンドブリーフ債
名目価値
単位:百万ユーロ
(別途記載のものを除く。) 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
固定金利抵当ファンドブリーフ債 7,862 9,222
抵当ファンドブリーフ債残高に対する割合(%) 60 77
固定金利担保資産 15,597 15,856
担保資産合計に対する割合(%) 99 99
通貨ごとの正味現在価値(ファンドブリーフ法第28条第1項第10号)
正味現在価値
通貨 単位:百万ユーロ
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
ユーロ 2,307 4,340
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
その他の特徴的な要因(ファンドブリーフ法第28条第1項第7号、同法第28条第1項第11号、同法第28条第2項第3号)
単位:百万ユーロ
(別途記載のものを除く。) 2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
1
モーゲージ貸出額を用いて加重した平均LTV比率 (%)
54 54
2
モーゲージ貸出金の平均経過年数
5 5
ファンドブリーフ法第13条第1項による制限を超過する債権合計(優
0 0
3
先権のない国)
1 ファンドブリーフ法第28条第2項第3号に基づく。
2 ファンドブリーフ法第28条第1項第11号に基づく。
3 ファンドブリーフ法第28条第1項第7号に基づく。
発行済公共ファンドブリーフ債の担保資産の金額別内訳(名目価値)(ファンドブリーフ法第28条第3項第1号)
単位:百万ユーロ
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
10 百万ユーロ以下 0.0 0.0
10百万ユーロから100百万ユーロ 125.50 149.00
100百万ユーロ超 0.0 0.0
合計 125.50 149.00
発行済公共ファンドブリーフ債の担保資産(名目価値)の発行者別種類およびその登記上の所在地(国)(ファンドブリーフ
法第28条第3項第2号)
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
単位:百万ユーロ 所有 保証 所有 保証
ドイツ
国 0 0 0 0
公共機関(regional) 92.0 0 114.0 0
公共機関(local) 0 0 0 0
その他の債務者 0 0 0 0
ドイツ合計
92.0 0 114.0 0
輸出促進のために供された保証
0 0 0 0
EU の機関
国 0 0 0 0
公共機関(regional) 0 0 0 0
公共機関(local) 0 0 0 0
その他の債務者 0 0 0 0
EUの機関合計
0 0 0 0
輸出促進のために供された保証
0 0 0 0
オランダ
国 33.5 0 35.0 0
公共機関(regional) 0 0 0 0
公共機関(local) 0 0 0 0
その他の債務者 0 0 0 0
フィンランド合計
33.5 0 35.0 0
輸出促進のために供された保証
0 0 0 0
所有/保証の合計
0 0 149.0 0
合計
125.5 0 149.0 0
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ドイツ銀行(E05792)
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発行済公共ファンドブリーフ債および担保資産の特性(ファンドブリーフ法第28条第1項第9号から第10号)
単位:百万ユーロ
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
ファンドブリーフ法第28条第1項第9号による固定金利の割合
固定金利の公共ファンドブリーフ債(%) 100.00 100.00
固定金利の担保資産(%) 100.00 100.00
ファンドブリーフ法第6条による正味現在価値-外貨による現在価
値の規則による正味現在価値(百万ユーロ)(ファンドブリーフ法 17.50 0.0
第28条第1項第10号)
ドイツ株式会社法第160条第1項第8号による情報
2021年12月31日現在、ドイツ証券取引法(Wertpapierhandelsgesetz)第33条に従い各議決権が3%以上の持分を報告した株
主として、当行は以下の株主を認識している。
BlackRock, Inc.(ウィルミントン、デラウェア州)は、2020年12月31日現在、当行株式の5.23%を保有していると報告し
た。当行は、2021年12月31日までにBlackRock, Inc.(ウィルミントン、デラウェア州)からの更なる報告は受けていない。
The Capital Group Companies, Inc.(ロサンゼルス、カリフォルニア州)は、2021年11月23日現在、当行株式の5.20%を保有
していると報告した。当行は、2021年12月31日までにThe Capital Group Companies, Inc.(ロサンゼルス、カリフォルニア州)
からの更なる報告は受けていない。
Douglas L. Braunstein(Hudson Executive Capital LP)は、2020年11月20日現在、当行株式の3.18%を保有していると報告し
た。当行は2021年12月31日までにDouglas L. Braunstein(Hudson Executive Capital LP)からの更なる報告は受けていない。
Paramount Services Holdings Ltd.(英領ヴァージン諸島)は、2015年8月20日現在、当行株式の3.05%を保有していると報告
した。当行は、2021年12月31日までにParamount Services Holdings Ltd.(英領ヴァージン諸島)からの更なる報告は受けてい
ない。
Supreme Universal Holdings Ltd.(ケイマン諸島)は、2015年8月20日現在、当行株式の3.05%を保有していると報告し
た。当行は、2021年12月31日までにSupreme Universal Holdings Ltd.(ケイマン諸島)からの更なる報告は受けていない。
Stephen A. Feinberg(Cerberus)は、2017年11月14日現在、当行株式の3.001%を保有していると報告した。当行は、2021年
12月31日までにStephen A. Feinberg(Cerberus)からの更なる報告は受けていない。
取締役会および監査役会
取締役会のメンバーは2021事業年度に、報酬総額をまとめて49,984,668ユーロ(2020年度:40,119,062ユーロ)受領した。
2021年および2020年12月31日終了年度において、ドイツ銀行AGの取締役会の元メンバーまたはその遺族にそれぞれ38,737,800
ユーロおよび31,929,318ユーロが支払われた。
取締役会の元メンバーおよびその遺族のための年金債務引当金は、2021年および2020年12月31日現在それぞれ173,184,590
ユーロおよび167,503,588ユーロであった。
監査役会のメンバー向けの報酬の原則は当行の定款に定められている。監査役会の各メンバーには固定の年間報酬が支払わ
れる。監査役会のメンバーの年間基本報酬は100,000ユーロである。監査役会の会長には基本報酬の2倍、副会長には1.5倍の報
酬が支払われる。監査役会の委員会の委員および委員長には、更なる固定の年間報酬が支払われる。決められた報酬のうち
75%は、翌年の最初の3ヶ月の間にインボイスを提出後、監査役会の各メンバーに対して支払われる。残りの25%については、
同時に、定款の規定に従って当行によって当行株式(仮想株式)へと転換される。この株式数の株式の価値が、監査役会の退
任または定款に定める任期満了の翌年の2月に監査役会の各メンバーに対して支払われるが、同メンバーが、解雇を正当化した
であろう重大な原因によって退任していないことを条件とする。期中に監査役会のメンバーに変更があった場合には、当該事
業年度に関する報酬は按分して(1ヶ月未満の端数は四捨五入)で支払われる。退任する年度については、報酬の全額が現金で
支払われ、当該年度の報酬のうち25%には失効規定が適用される。2021事業年度に関して、監査役会のメンバーは総額
6,520,833ユーロ(2020年度:6,077,083ユーロ)の報酬を受け取り、そのうち4,965,625ユーロは定款の規定に従って2022年度
第1四半期に支払われる(2021年度第1四半期:4,632,813ユーロ)。
ドイツ銀行AGの取締役会のメンバーおよび監査役会のメンバーのために実行した貸出金および負担した偶発負債は、2021年
および2020年12月31日終了年度において、それぞれ、取締役会のメンバーに対して6,476,340ユーロおよび6,516,181ユーロ、
監査役会のメンバーに対して 1,559,179 ユーロおよび1,546,839ユーロであった。監査役会のメンバーは2021年度に貸出金
93,771ユーロを返済した。
取締役会および監査役会のメンバーは、下記「取締役会」および「監査役会」の項に記載されている。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
従業員
当年度のフルタイム換算の平均従業員数は35,848名(2020年度:32,132名)で、このうち女性は15,369名(2020年度:
13,384名)であった。これらの数値には、パートタイム従業員が労働時間に応じて含まれている。ドイツ国外の支店に勤務す
る従業員は、平均13,736名(2020年度:14,029名)であった。当該平均従業員数には、2020年5月以降、旧DB Privat- und
Firmenkundenbank AGの従業員が含まれている。
コーポレート・ガバナンス
ドイツ銀行AGの取締役会および監査役会は、2021年10月にドイツ株式会社法(AktG)第161条に基づくドイツ・コーポレー
ト・ガバナンス・コードの遵守を宣言し、これをウェブサイト(www.db.com/ir/en/documents.htm)上で永久的にアクセスで
きるようにした。
DWS Group GmbH & Co. KGaAのゼネラル・パートナーのマネジング・ディレクターおよび監査役会も、ドイツ株式会社法
(AktG)第161条に基づくドイツ・コーポレート・ガバナンス・コードの遵守を宣言し、これをウェブサイト
(group.dws.com/corporate-governance/declaration-of-conformity-pursuant-to-ss161-german-stock-corporation-act-
aktg/)上で永久的にアクセスできるようにした。
監査人が提供する監査以外の業務
ドイツ銀行AGおよびその子会社は、ドイツ銀行AGの年次財務諸表の監査人であるアーンスト・アンド・ヤング・ゲーエム
ベーハー監査法人(以下「EY」という。)から一定の監査関連業務および税務関連業務の提供を受けている。
監査報酬は、当行の年次財務諸表および連結財務諸表の監査に対する監査報酬であるが、EYが監査していないDWSおよびその
子会社の2020年度の監査報酬は含まれていない。監査関連報酬には、法令上または規制上要求されるその他の保証業務であ
る、財務諸表に係る特定の監査以外の保証業務、四半期レビューのほか、内部管理目的の任意監査およびコンフォートレター
の発行業務などの任意で実施される保証に係る報酬が含まれる。当行の税務関連報酬には、納税申告書の作成およびレビュー
とその関連法令遵守に係る支援および助言、当行グループの税務計画戦略およびイニシアチブに関連する税務相談業務および
助言ならびに税法遵守の評価支援に係る報酬が含まれる。
ドイツ銀行AGの監査人に対して支払った報酬に関する情報については、当行グループの年次報告書を参照のこと。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
後発事象
2022年2月24日、ロシアはウクライナに対する大規模な侵攻を開始した。これを受け、西側諸国は、ロシア(特定のロシアの
銀行、ロシアの中央銀行、企業、国会議員ならびにロシアのエリートとその家族が含まれるが、これらに限定されない。)を
対象に広範な制裁を課す動きに乗り出している。将来的に、追加的な制裁やその他の措置が課される可能性がある。軍事衝突
に関する展開は急速であり、ドイツ銀行AGの財務的および非財務的な影響の範囲は現在のところ未知である。
ドイツ銀行AG(以下「DB AG」という。)はドイツ銀行グループの親会社であり、最も重要な企業である。したがって、ドイ
ツ銀行グループ(IFRS適用)に関する以下の情報も一般的にドイツ銀行AGに関連し適用されている。
2021年12月31日現在、当行グループがロシアで事業を行う子会社であるOOO「ドイツ銀行」(以下「DB Moscow」という。)
の資本は、2022年1月現在、2億ユーロであり、外国為替リスクは積極的に管理され完全にヘッジされている。DB Moscowの資産
合計額は15億ユーロであり、うち約5億ユーロ(ロシアルーブル相当)はロシアの中央銀行に預け入れられている。当行グルー
プは、ロシアにおける技術サービスセンターであるOOO「ドイツ銀行TechCentre」(以下「DBTC」という。)も運営しており、
2021年度末現在、1,600名近い従業員(当行グループの技術従業員の約5%)を有する世界有数の技術センターの一つとなって
いる。当行グループはDBTCの運営上の構造を継続的に評価しており、将来的に当行グループのコスト基盤に追加の費用が発生
する可能性がある。
2021年12月31日現在、ロシアに対する当行グループの貸出金エクスポージャーは総額ベースで14億ユーロであり、貸出金残
高合計の約0.3%に相当する。純額ベースでは、貸出金エクスポージャーは保証および資産担保を考慮後で6億ユーロとなる。
当該貸出金エクスポージャーの大部分は、ロシア国外に重要な事業活動とキャッシュ・フローを有するロシアの大企業に関連
している。貸出金はオンショアではDB Moscowにより、またはオフショアではロシア国外の他の企業体により提供される可能性
がある。さらに、ウェルスマネジメント事業には、ロシアと関連のある相手先へのオフショアの貸出金があり、当行グループ
の方針に沿って担保が付されている。2021年12月31日現在、当行グループはロシアに対するデリバティブ・エクスポージャー
も有している。当行グループにとって正味の負債ポジションであるこれらのポジションの大部分は、現在解消中である。した
がって、追加的な重要な信用リスクは存在しないが、伝播的なマーケット・リスクおよび決済リスクが発生する可能性があ
る。また、2021年12月31日現在、未利用のコミットメントに関連するエクスポージャーは10億ユーロ、供与された金融保証お
よび取引保証に関連するエクスポージャーは5億ユーロである。
当行グループは、ロシアに対するマーケット・リスクを、リスク・ポートフォリオを定期的に評価することにより管理して
いる。広範な伝播リスクを軽減するために、事象が拡大する前および直後の直接的なエクスポージャーを軽減する措置が講じ
られた。これは追加的なヘッジと一部のリスク圧縮で達成された。当行グループは、様々なシナリオに対してさらなる伝播的
なストレス・テストを実施することにより、ロシアの中央銀行の潜在的な反応に主に焦点をあて、引き続き状況を注意深く監
視する。
当行グループのウクライナに対する金融および非金融エクスポージャーに重要性はないが注視している。
全体として、当社グループにおける進行中の状況の財務的および非財務的な潜在的影響は、この危機がどのように展開する
かによる。当該危機ならびにそれが地域および世界の経済状況に与える影響は、当行グループが収益を生み出すまたは財務目
標を達成する能力への影響、コストの増加、特定のポートフォリオへのマイナスの影響、予想より高い信用損失または潜在的
な資産の減損、ならびにロシアまたはウクライナにおける当行グループの事業活動へのマイナスの影響につながる可能性があ
る。現状況が不確実性であることから、現時点で将来の財務諸表への影響を見積もることは不可能である。
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
経営組織
取締役会
2021年度における取締役会のメンバーは以下の通りである。
Christian Sewing
会長
Karl von Rohr
プレジデント
Fabrizio Campelli
Frank Kuhnke
(2021年4月30日退任)
Bernd Leukert
Stuart Lewis
James von Moltke
Alexander von zur Mühlen
Christiana Riley
Rebecca Short
(2021年5月1日就任)
Prof. Dr. Stefan Simon
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
監査役会
2021年度における監査役会のメンバーは以下の通りである。加えて、監査役会のメンバーの居住地を記載している。
Dr. Paul Achleitner Gabriele Platscher*
-会長 ブラウンシュワイク
ミュンヘン ドイツ
ドイツ
Bernd Rose*
Detlef Polaschek*
メンデン
-副会長 ドイツ
エッセン
ドイツ
Gerd Alexander Schütz
(2021年5月27日退任)
Ludwig Blomeyer-Bartenstein*
ウィーン
ブレーメン
オーストリア
ドイツ
John Alexander Thain
Frank Bsirske*
ライ
(2021年10月27日退任)
米国
ベルリン
ドイツ
Michele Trogni
リバーサイド
Mayree Clark
米国
ニュー・キャナン
米国
Dr. Dagmar Valcárcel
マドリッド
Jan Duscheck*
スペイン
ベルリン
ドイツ
Stefan Viertel*
ケルクハイム(タウヌス)
Dr. Gerhard Eschelbeck
ドイツ
クパチーノ
米国
Dr. Theodor Weimer
ヴィースバーデン
Sigmar Gabriel
ドイツ
ゴスラー
ドイツ
Frank Werneke
(2021年11月25日就任)
Timo Heider*
ベルリン
エンマータール
ドイツ
ドイツ
Professor Dr. Norbert Winkeljohann
Martina Klee*
オスナブリュック
フランクフルト・アム・マイン
ドイツ
ドイツ
Frank Witter
Henriette Mark*
(2021年5月27日就任)
ミュンヘン
ブラウンシュワイク
ドイツ
ドイツ
* 従業員代表
644/763
EDINET提出書類
ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
委員会
会長委員会
Dr. Paul Achleitner、委員長
Frank Bsirske*(2021年9月26日退任)、Detlef Polaschek*、Frank Werneke(2021年12月16日就任)、Professor
Dr. Norbert Winkeljohann
任命委員会
Mayree Clark、委員長
Dr. Paul Achleitner、Frank Bsirske*(2021年9月26日退任)、Detlef Polaschek*、Gerd Alexander Schütz
(2021年1月28日退任)、Frank Werneke(2021年12月16日就任)、Professor Dr. Norbert Winkeljohann(2021年2
月3日就任)
監査委員会
Prof. Dr. Norbert Winkeljohann、委員長
Dr. Paul Achleitner、Henriette Mark*、Gabriele Platscher*、Detlef Polaschek*、Bernd Rose*、Dr. Dagmar
Valcárcel、Stefan Viertel(2021年7月29日就任)、Dr. Theodor Weimer、Frank Witter(2021年7月29日就任)
リスク委員会
Mayree Clark、委員長
Dr. Paul Achleitner、Ludwig Blomeyer-Bartenstein*、Jan Duscheck*、Michele Trogni、Stefan Viertel*、
Professor Dr. Norbert Winkeljohann
公正委員会
Dr. Dagmar Valcárcel、委員長
Dr. Paul Achleitner、Ludwig Blomeyer-Bartenstein*、Sigmar Gabriel、Timo Heider*、Gabriele Platscher*
報酬統制委員会
Dr. Paul Achleitner、委員長
Frank Bsirske*(2021年9月26日退任)、Dr. Gerhard Eschelbeck(2021年2月3日就任)、Detlef Polaschek*、
Bernd Rose*、Gerd Alexander Schütz(2021年2月1日退任)、Dr. Dagmar Valcárcel、Frank Werneke(2021年12月
16日就任)
戦略委員会
John Alexander Thain、委員長
Dr. Paul Achleitner、Frank Bsirske*(2021年9月26日退任)、Mayree Clark、Timo Heider*、Henriette
Mark*、Detlef Polaschek*、Michele Trogni、Frank Werneke(2021年12月16日就任)
テクノロジー、データおよびイノベーション委員会
Michele Trogni、委員長
Dr. Paul Achleitner、Jan Duscheck*、Dr. Gerhard Eschelbeck、Timo Heider*(2021年7月29日就任)、Martina
Klee*、Bernd Rose*、Frank Witter(2021年7月29日就任)
調停委員会
Dr. Paul Achleitner、委員長
Frank Bsirske*(2021年9月26日退任)、Detlef Polaschek*、Frank Werneke (2021年12月16日就任)、Professor
Dr. Norbert Winkeljohann
* 従業員代表
645/763
EDINET提出書類
ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
マンデイト・リスト
監査役会
ドイツ商法(HGB)第285条第10号ならびにドイツ株式会社法(AktG)第125条第1項第5文に基づく職務
ドイツ企業における法定の監査役会ならびにドイツおよび国外の事業会社における類似の監督機関のメンバー。当年度内の
メンバーの変更については、就任または退任の日付を合わせて記載している。
2022年2月現在
2022年2月より前に退任した監査役会のメンバーについては、退任日現在の職務が記載されている。新たに就任した監査役会
のメンバーについては、就任日現在の職務が記載されている。
監査役会のメンバー
職務担当者 役職 会社名 職務
Dr. Paul Achleitner ドイツ銀行AG 当行グループ外における職務
監査役会会長
Bayer AG 監査役会のメン
バー
Ludwig Blomeyer- スタッフ・カウンシル 当行グループ外における職務
のメンバー
Bartenstein
Bürgschaftsbank Bremen GmbH 取締役会のメンバー
Frowein & Co. Beteiligungs AG 監査役会のメン
バー
Frank Bsirske 当行グループ外における職務
(2021年10月27日退任)
innogy SE 監査役会副会長
RWE AG 監査役会副会長
Mayree Clark 監査役会のメンバー 当行グループ外における職務
Ally Financial, Inc. 取締役会のメンバー
Allvue Systems Holdings, Inc. 取締役会のメンバー
(2021年8月就任)
トレード・ユニオン
Jan Duscheck 開示の対象となるメンバーや管理職に就
任していない。
ver.di (Vereinte
Dienstleistungs-
gewerkschaft)
National Working
Group Bankingリーダー
Dr. Gerhard Aurora Innovation, 当行グループ外における職務
Eschelbeck Inc.
Onapsis Inc. 取締役会のメンバー
チーフ・インフォメー
ション・セキュリ
WootCloud Inc. 取締役会のメンバー
ティ・オフィサー
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
監査役会のメンバー
職務担当者 役職 会社名 職務
当行グループ外における職務
Sigmar Gabriel 旧連邦大臣
GP Günter Papenburg AG
監査役会のメンバー
Siemens Energy AG
監査役会のメンバー
スタッフ・カウンシル
Timo Heider 当行グループにおける職務
のメンバー
BHW Bausparkasse AG 監査役会副会長
PCC Services GmbH der Deutschen Bank 監査役会副会長
Pensionskasse der BHW Bausparkasse AG 監査役会副会長
VVaG
スタッフ・カウンシル
Martina Klee 当行グループ外における職務
のメンバー
Sterbekasse für die Angestellten der 監査役会のメン
バー
Deutsche Bank-Gruppe VVaG
Henriette Mark
開示の対象となるメンバーや管理職に就
スタッフ・カウンシル
任していない。
のメンバー
Gabriele Platscher
当行グループ外における職務
スタッフ・カウンシル
のメンバー
監査役会副会長
BVV Pensionsfonds des Bankgewerbes AG
BVV Versicherungsverein des
Bankgewerbes a.G.
BVV Versorgungskasse des Bankgewerbes
e.V.
Detlef Polaschek
開示の対象となるメンバーや管理職に就
監査役会副会長;ス
任していない。
タッフ・カウンシルの
メンバー
Bernd Rose
当行グループ外における職務
スタッフ・カウンシル
のメンバー
監査役会副会長
ver.di Vermögensverwaltungs-
gesellschaft m.b.H.
当行グループにおける職務
監査役会のメン
Postbank Filialvertrieb AG
バー
Gerd Alexander
当行グループ外における職務
C-QUADRAT Investment
Schütz
AG取締役会会長
監査役会会長
cyan AG
(2021年5月27日退任)
(2021年1月就任)
John Alexander Thain
当行グループ外における職務
監査役会のメンバー
取締役会のメンバー
Aperture Investors LLC
取締役会会長
Pine Island Acquisition Corp.
(2021年1月就任)
会長
Pine Island Capital Partners LLC
取締役会のメンバー
Uber Technologies, Inc.
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
監査役会のメンバー
職務担当者 役職 会社名 職務
Michele Trogni 当行グループ外における職務
Eldridgeオペレーティ
ング・パートナー
Horizon Acquisition Corporation 取締役会のメンバー
(2021年10月退任)
SE2 LLC
取締役会会長
Dr. Dagmar Valcárcel 当行グループ外における職務
監査役会のメンバー
amedes Holding GmbH 監査役会のメンバー
Antin Infrastructure Partners S.A. 取締役会のメンバー
(2021年9月就任)
Stefan Viertel スタッフ・カウンシル 開示の対象となるメンバーや管理職に就
のメンバー 任していない。
Dr. Theodor Weimer Deutsche Börse AG 当行グループ外における職務
最高経営責任者
Knorr Bremse AG
監査役会のメン
バー
Frank Werneke 当行グループ外における職務
トレード・ユニオン
ver.di (Vereinte
(2021年11月25日就任)
Zweites Deutsches Fernsehen (ZDF)のテ メンバー
Dienstleistungsgewerksc レビジョン・カウンシル
haft)会長
ver.di 監査役会のメンバー
Vermögensverwaltungsgesellschaft
m.b.H.
ZDF Enterprises GmbH 監査役会のメンバー
Professor Dr. 当行グループ外における職務
監査役会のメンバー
Norbert Winkeljohann
Bayer AG 監査役会会長
Bohnenkamp AG 監査役会会長
Georgsmarienhütte Holding GmbH 監査役会のメンバー
Heristo AG 監査役会会長
(2021年1月退任)
Sievert AG 監査役会会長
当行グループ外における職務
Frank Witter
監査役会のメンバー
取締役会のメンバー
CGI Inc.
(2021年5月27日就任)
(2021年7月就任)
NorthVolt AB 監査役会のメンバー
Traton SE 監査役会のメンバー
VfL Wolfsburg-Fußball GmbH 監査役会会長
648/763
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
取締役会
ドイツ商法(HGB)第285条第10号ならびにドイツ株式会社法(AktG)第125条第1項第5文に基づく職務
ドイツ企業における法定の監査役会ならびにドイツおよび国外の事業会社における類似の監督機関のメンバー。当年度内の
メンバーの変更については、就任または退任の日付を合わせて記載している。
ドイツ商法(HGB)第340a条第4項第1号に基づくドイツおよび国外の大会社の法定の監督機関メンバーには*の印が付されて
いる。
2022年2月現在
2022年2月より前に退任した取締役会のメンバーについては、退任日現在の職務が記載されている。新たに就任した取締役会
のメンバーについては、就任日現在の職務が記載されている。
取締役会のメンバー
職務担当者 役職 会社名 職務
Christian Sewing 取締役会会長 開示の対象となるメンバーや管理職に就任し
ていない。
Karl von Rohr プレジデント 当行グループにおける職務
DWS Group GmbH & Co. KGaA* 監査役会会長
Fabrizio Campelli 取締役会のメンバー 当行グループ外における職務
BVV Versicherungsverein des Bankgewerbes 監査役会のメンバー
a.G.
BVV Versorgungskasse des Bankgewerbes e.V. 監査役会のメンバー
Frank Kuhnke 取締役会のメンバー 開示の対象となるメンバーや管理職に就任し
ていない。
(2021年4月30日退任)
Bernd Leukert 取締役会のメンバー 当行グループ外における職務
Bertelsmann SE & Co.KGaA* 監査役会のメンバー
当行グループにおける職務
DWS Group GmbH & Co. KGaA* 監査役会のメンバー
Stuart Lewis 取締役会のメンバー 開示の対象となるメンバーや管理職に就任し
ていない。
James von Moltke 取締役会のメンバー 開示の対象となるメンバーや管理職に就任し
ていない。
Alexander von zur 取締役会のメンバー 開示の対象となるメンバーや管理職に就任し
ていない。
Mühlen
Christiana Riley 取締役会のメンバー 当行グループ外における職務
The Clearing House Payments Company LLC 監査役会のメン
バー
当行グループにおける職務
DB USA Corporation 最高経営責任者
Rebecca Short 取締役会のメンバー 開示の対象となるメンバーや管理職に就任し
ていない。
(2021年5月1日就任)
Professor Dr. Stefan 取締役会のメンバー 当行グループ外における職務
Simon
Leop.Krawinkel GmbH & Co. KG アドバイザリー・
カウンシル会長
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
ドイツ銀行AGの従業員
ドイツ商法(HGB)第340a条第4項第1号に基づく職務
ドイツおよび国外の大会社の法定の監督機関のメンバーである。
2021年12月31日現在
ドイツ銀行AGの従業員
職務担当者 会社名 職務
Martin Ball 当行グループにおける職務
norisbank GmbH 監査役会のメンバー
Ina Bandemer 当行グループにおける職務
Deutsche Bank Polska Spólka Akcyjna 監査役会のメンバー
Selda Baran 当行グループにおける職務
PB Spezial-Investmentaktiengesellschaft mit 監査役会のメンバー
Teilgesellschaftsvermögen i. L.
Thomas Beemelmann 当行グループにおける職務
DB Investment Services GmbH 監査役会会長
Guido Behrendt 当行グループにおける職務
PB Spezial-Investmentaktiengesellschaft mit 監査役会会長
Teilgesellschaftsvermögen i. L.
Jörg Bongartz 当行グループにおける職務
Deutsche Bank Polska Spólka Akcyjna 監査役会会長
OOO “Deutsche Bank “ 監査役会会長
Sigrid Bowenkamp 当行グループにおける職務
BHW Bausparkasse AG 監査役会のメンバー
DB Direkt GmbH 監査役会のメンバー
Rüdiger Bronn 当行グループにおける職務
Deutsche Bank Luxembourg S.A. 監査役会のメンバー
Petra Crull 当行グループにおける職務
DB Investment Services GmbH 監査役会のメンバー
Anita Dierickx 当行グループ外における職務
FRB – Fonds Minie-Laura-Chipie 監査役会のメンバー
Boudewijn Dornseiffen 当行グループにおける職務
OOO “Deutsche Bank “ 監査役会のメンバー
Sameen Farooqui 当行グループにおける職務
OOO “Deutsche Bank “ 監査役会のメンバー
Jürgen Feil 当行グループにおける職務
PB Factoring GmbH 監査役会のメンバー
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ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
ドイツ銀行AGの従業員
職務担当者 会社名 職務
David Feldmann 当行グループ外における職務
Eurex Clearing AG 監査役会のメンバー
Eva Frank 当行グループにおける職務
PB Factoring GmbH 監査役会のメンバー
David Gary 当行グループ外における職務
CLS Group Holdings AG 非執行役員
Philipp Gossow 当行グループ外における職務
Schufa Holding AG 監査役会のメンバー
当行グループにおける職務
norisbank GmbH 監査役会のメンバー
Postbank Filialvertrieb AG 監査役会のメンバー
Postbank Finanzberatung AG 監査役会のメンバー
Britta Hercher 当行グループ外における職務
Bankpower GmbH Personaldienstleistungen 監査役会のメンバー
Jutta Herzog 当行グループにおける職務
Postbank Filialvertrieb AG 監査役会のメンバー
Jennifer Hörl 当行グループにおける職務
Postbank Finanzberatung AG 監査役会のメンバー
Alexander Ilgen 当行グループにおける職務
Deutsche Bank Luxembourg S.A. 監査役会会長
DWS Investment GmbH 監査役会のメンバー
Angelika Kaever-Schroeder 当行グループにおける職務
norisbank GmbH 監査役会のメンバー
Thomas Keller 当行グループ外における職務
GEZE GmbH 監査役会会長
Anke Kirn 当行グループにおける職務
Betriebs-Center für Banken AG 監査役会のメンバー
PCC Services GmbH der Deutschen Bank 監査役会のメンバー
Stefan Knoll 当行グループにおける職務
DWS Grundbesitz GmbH 監査役会のメンバー
Ulrike Krieger 当行グループにおける職務
DB Direkt GmbH 監査役会のメンバー
651/763
EDINET提出書類
ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
ドイツ銀行AGの従業員
職務担当者 会社名 職務
Frank Krings 当行グループにおける職務
Deutsche Bank (Suisse) SA 取締役会のメンバー
Deutsche Bank Luxembourg S.A. 監査役会のメンバー
Dr. Karen Kuder 当行グループにおける職務
Deutsche Bank Luxembourg S.A. 監査役会のメンバー
Achim Kuhn 当行グループにおける職務
BHW Bausparkasse AG 監査役会副会長
Postbank Filialvertrieb AG 監査役会のメンバー
Postbank Finanzberatung AG 監査役会のメンバー
Manuel Loos 当行グループにおける職務
Betriebs-Center für Banken AG 監査役会会長
PCC Services GmbH der Deutschen Bank 監査役会会長
Anna Lucarelli 当行グループ外における職務
MTS Spa Mercato Telematico dei Titoli di Stato 非執行役員
David Lynne 当行グループにおける職務
Deutsche Bank (China) Co., Ltd 取締役会のメンバー
Chandra Mallika 当行グループにおける職務
Deutsche CIB Centre Private Limited 取締役会のメンバー
Deutsche India Private Limited 取締役会のメンバー
Bas Marteijn 当行グループにおける職務
Deutsche Bank Luxembourg S.A. 監査役会のメンバー
Ole Matthiessen 当行グループ外における職務
S.W.I.F.T. SC 取締役会のメンバー
Karin Mensching 当行グループにおける職務
PCC Services GmbH der Deutschen Bank 監査役会のメンバー
Leonhard Felix Müller 当行グループにおける職務
norisbank GmbH 監査役会のメンバー
Henning Oldenburg 当行グループ外における職務
Beutin AG 監査役会のメンバー
Kirsten Oppenländer 当行グループにおける職務
Deutsche Bank, Sociedad Anónima Española 非執行役員
Beaux Pontak 当行グループ外における職務
Latitude Financial Group Limited 非執行役員
Reiner Ramacher 当行グループにおける職務
Betriebs-Center für Banken AG 監査役会のメンバー
Andreas Riess 当行グループにおける職務
DB Investment Services GmbH 監査役会のメンバー
Barbara Roerig 当行グループ外における職務
AGR Abfallentsorgungs-Gesellschaft Ruhrgebiet mbH 監査役会のメンバー
Theater + Philharmonie Essen GmbH 監査役会会長
Karsten Rusch 当行グループにおける職務
DB Investment Services GmbH 監査役会のメンバー
Roland Sahr 当行グループ外における職務
Investitionsbank Sachsen-Anhalt – Anstalt der 取締役会のメンバー
Norddeutschen Landesbank Girozentrale
Alexandre Sallavuard 当行グループにおける職務
Deutsche Bank (China) Co., Ltd. 取締役会のメンバー
652/763
EDINET提出書類
ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
ドイツ銀行AGの従業員
職務担当者 会社名 職務
Torsten Sauer 当行グループにおける職務
PCC Services GmbH der Deutschen Bank 監査役会のメンバー
Nicole Scheidt 当行グループにおける職務
Betriebs-Center für Banken AG 監査役会のメンバー
Jacob Schellenberg 当行グループにおける職務
PCC Services GmbH der Deutschen Bank 監査役会のメンバー
Dr. Tatjana Schierack 当行グループにおける職務
Postbank Direkt GmbH 監査役会のメンバー
Daniel Schmand 当行グループにおける職務
PB Factoring GmbH 監査役会会長
Werner Schmidt 当行グループ外における職務
AKA Ausfuhrkredit-Gesellschaft mbH 監査役会副会長
Frank Schütz 当行グループ外における職務
AKA Ausfuhrkredit-Gesellschaft mbH 監査役会のメンバー
Kaushik Shaparia 当行グループにおける職務
Deutsche CIB Centre Private Limited 取締役会のメンバー
Deutsche India Private Limited 取締役会のメンバー
Eric-M Smith 当行グループにおける職務
Deutsche Bank Americas Holding Corp. 取締役会のメンバー
Deutsche Bank Trust Company Americas 取締役会のメンバー
Dr. Anke Steenbock 当行グループにおける職務
Betriebs-Center für Banken AG 監査役会のメンバー
norisbank GmbH 監査役会のメンバー
PCC Services GmbH der Deutschen Bank 監査役会のメンバー
Fabian Steinhoff 当行グループにおける職務
PCC Services GmbH der Deutschen Bank 監査役会のメンバー
Alexa Pia Stettner 当行グループにおける職務
Postbank Direkt GmbH 監査役会のメンバー
Lars Stoy 当行グループにおける職務
BHW Bausparkasse AG 監査役会会長
Deutsche Bank Società per Azioni 監査役会のメンバー
Postbank Direkt GmbH 監査役会会長
Knut Straeter 当行グループにおける職務
DB Direkt GmbH 監査役会会長
Gülabatin Sun 当行グループにおける職務
Betriebs-Center für Banken AG 監査役会のメンバー
PCC Services GmbH der Deutschen Bank 監査役会のメンバー
Markus Wägner 当行グループにおける職務
DB Direkt GmbH 監査役会のメンバー
Meike Webler 当行グループにおける職務
Postbank Filialvertrieb AG 監査役会のメンバー
Kay Wolf 当行グループにおける職務
Deutsche Bank Luxembourg S.A. 監査役会のメンバー
PB Spezial-Investmentaktiengesellschaft mit 監査役会のメンバー
Teilgesellschaftsvermögen i. L.
653/763
EDINET提出書類
ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
フランクフルト・アム・マイン、2022年3月2日
ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフト
取締役会
Christian Sewing Karl von Rohr Fabrizio Campelli
Bernd Leukert Stuart Lewis James von Moltke
Alexander von zur M ü hlen Christiana Riley Rebecca Short
Stefan Simon
654/763
EDINET提出書類
ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
取締役会による責任に関するステートメント
当行が知る限りにおいて、かつ適用される報告原則に従って、ドイツ銀行AGの財務諸表は、ドイツ銀行AGの資産、負債、財
政状態および経営成績につき真実かつ公正な概観を示しており、当行グループのマネジメント・レポートに統合されたドイツ
銀行AGのマネジメント・レポートは、ドイツ銀行AGの予想される展開に関連する主な機会とリスクに係る記述と併せて、ドイ
ツ銀行AGのその展望を含めた経営成績および財政状態に対する公正な評価を含むものである。
フランクフルト・アム・マイン、2022年3月2日
Christian Sewing Karl von Rohr Fabrizio Campelli
Bernd Leukert Stuart Lewis James von Moltke
Alexander von zur M ü hlen Christiana Riley Rebecca Short
Stefan Simon
655/763
EDINET提出書類
ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
2【主な資産・負債及び収支の内容】
連結財務諸表に対する注記および年次財務諸表に対する注記を参照のこと。
3【その他】
(1) 後発事象
該当なし。
(2) 訴 訟
連結財務諸表に対する注記27を参照のこと。
656/763
EDINET提出書類
ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
4【日本とドイツ連邦共和国との会計原則の相違】
ドイツの銀行は、銀行会計指令法の規則(ドイツ商法(HGB)第340条以下、銀行会計に関する法定規則(RechKredV))に準
拠して財務諸表を作成しなければならない。
日本とドイツ連邦共和国との会計原則の相違は、これらの会計規則に基づいて記載されている。
(1) 一般原則
ドイツでは、銀行が保有するトレーディング資産および負債として適格な金融商品を除き、会計処理および評価は保守的に
行われる。ドイツ商法によれば、会社(銀行を含む。)は以下の原則に従わなければならない。
1) 「低価主義の原則」に基づき、無形資産、有形固定資産および投資等については、時価が原価より下落し、将来回復しな
いと認められる場合に貸借対照表および損益計算書において簿価の切下げを行い損失を認識しなければならない。流動資
産については、時価が原価より下落した場合には、単に一時的なものと見込まれる場合であっても簿価を切り下げ損失を
認識しなければならない。
銀行が適用することになっている一般的原則は以下の通りである。
a.銀行は、永久的に事業の用に供することを目的とする場合、固定資産の評価に関する一般的規則に従って、次の資産
を評価しなければならない。関係会社持分、参加持分、諸認可権、事業用等の権利および資産ならびに当該権利および
資産に対する特許権、土地、第三者の土地に存する建物を含む土地に係る権利および諸建物、工業用設備および機械、
その他の設備、工場および事務所設備ならびに建設仮勘定。
b.トレーディング資産以外のその他の資産、特に債権および有価証券は、永久的に事業の用に供することを目的とする
場合(上記a.に従って評価される場合)を除き、流動資産の評価に関する規則に従って評価される。
c. 資産および債権は、文書化されたリスクについて有効にヘッジする意思と能力がある場合、評価単位に指定すること
ができる。ヘッジされたリスクによる評価利得は、文書化された評価単位における評価損失によって相殺される額を限
度として認識することができる。そうした場合、通常は資産も負債も再測定されない(いわゆる「価値凍結法」を使
用)。
2) 「保守主義の原則」に従い、期末日以前に発生した損失は、実現していない場合でも認識しなければならない。
3) 「実現主義の原則」に従い、トレーディング・ポジションまたは上記の評価単位以外の利益はそれが売却または償還に
よって実現するまで認識してはならない。
日本においては、「低価主義の原則」は、一般的に棚卸資産の評価において適用が認められている。棚卸資産の収益性が低
下した場合には、帳簿価額は正味売却価額(売価から見積追加製造原価および見積販売直接経費を控除したものと定義され
る。)まで切り下げることが要求される。 また、固定資産においては 「固定資産の減損に係る会計基準」に従い、資産または
資産グループの減損の兆候が認められ、かつ割引前将来キャッシュ・フローの総額(20年以内の合理的な期間に基づく)が帳
簿価額を下回ると見積られた場合に、回収可能価額(資産または資産グループの正味売却価額と使用価値(資産または資産グ
ループの継続的使用と使用後の処分によって生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い方の金
額)と帳簿価額の差額につき減損損失を認識する。減損損失の戻入は認められない。 「保守主義の原則」および「実現主義の
原則」は、「一般に公正妥当と認められる会計原則」の一部である。一定の金融商品は時価で評価し、評価差額を損益または
純資産の部に計上しなければならない。
(2) 貸借対照表
配 列
貸借対照表の配列法はドイツ商法によって規定されている。一般の配列法とは異なり、銀行に対しては、RechKredVに従って
特別な配列法が与えられた。銀行の資産および負債は、厳密な流動性配列法によって列挙されなければならない。これは、銀
行以外の会社に対する要件とは全く対照的である。銀行の資産側は、現金およびその他の流動資産から始まり、最後に投資、
無形資産、有形固定資産の順に記載される。負債側の最初の科目は「銀行に対する債務」であり、続いてその他の負債、最後
に資本金の順に記載される。
日本においては、銀行に対して銀行法施行規則により定められた特別な配列法が適用されており、銀行の貸借対照表には流
動資産・非流動資産および流動負債・非流動負債の分類は使用されない。
評価および分類
銀行会計指令法に準拠して、銀行は全て、ドイツ商法第340条fに従って、固定資産としてもトレーディング資産の一部とし
ても取り扱われていない債権および有価証券に対して秘密剰余金を設定することが認められている。銀行は、かかる債権およ
び有価証券を、ドイツ商法第253条1項1文および3項により銀行以外の会社に対して要求または認可される価額より低い価額で
評価することを選択できるが、これは、この低い価額が、銀行業に関連する特殊なリスクから銀行を保護するという慎重な企
業判断に従って必要と認められる場合に限られている。秘密剰余金は、当該資産の価額の4%を超えてはならない。
657/763
EDINET提出書類
ドイツ銀行(E05792)
有価証券報告書
日本においては、秘密剰余金の設定は認められていない。
ドイツにおいては、トレーディング資産を除く流動資産はすべて低価基準で評価しなければならない。当該評価基準はドイ
ツ税法でも採用されている。
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従い、金融資産および金融負債は以下のように計上され
る。
・売買目的有価証券は、時価で測定し、時価の変動は純損益に認識される。
・個別財務諸表においては、子会社株式および関連会社株式は、取得原価で計上される。
・満期保有目的の債券は、取得原価または償却原価で測定される。
・売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式および関連会社株式以外の有価証券(「その他有価証券」)は、
時価で測定し、時価の変動額は
a) 純資産に計上され、売却、減損あるいは回収時に損益計算書に計上されるか、または
b) 個々の証券について、時価が原価を上回る場合には純資産に計上し、下回る場合には損益計算書に計上する。
・ 時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券については、それぞれ次の方法による。
a) 社債その他の債券の貸借対照表価額は、債権の貸借対照表価額に準ずる。
b) 社債その他の債券以外の有価証券は、取得原価をもって貸借対照表価額とする。
・ 貸付金および債権は、取得原価または償却原価で測定される。
・ 金融負債は債務額で測定される。ただし、社債については、社債金額よりも低い価格または高い価格で発行した場合
など、収入に基づく金額と債務額とが異なる場合には、償却原価法に基づいて算定された価額で評価しなければならな
い。
ドイツにおいては、1987年1月1日以降におけるすべての年金契約に基づき年金引当金を積み立てなければならない。年金引
当金が計上されていない従前の年金契約については財務諸表に注記されなければならない。評価は予測単位積増方式を使用
し、ドイツ連邦銀行(ドイツの中央銀行)公表の残存期間に関連する割引率を適用して実施される。年金債務は制度資産との
純額ベースで表示される。制度資産は公正価値で測定されなければならない。
日本においては、一定の数理計算に基づいて退職給付引当金を計上しなければならない。
(3) 損益計算書
ドイツにおいては、損益計算書の作成にあたり、総原価法と売上原価法の選択適用ができる製造会社とは対照的に、銀行
は、RechKredVにより規定された配列法を使用しなければならないが、損益計算書の勘定式と報告式は選択適用ができる。
日本においては、銀行に対して銀行法施行規則により定められた特別な配列法が適用されており、銀行の損益計算書では、
経常損益と特別損益に計算区分を分けているが、営業損益の部と営業外損益の部の区分はない。
ドイツの法律に従って、以下の全部相殺が、「相殺」規則に基づいて容認されている。
- 一部または全部が貸倒処理された債権からの現金受取額の評価益ならびに有価証券の評価益および売却益と当該資産の評
価減および償却から生じる費用
- 投資、関係会社出資および固定資産として取り扱われる有価証券の評価減から生じる費用と当該資産の評価増から生じる
収益
- トレーディング損益
日本においては、一部の例外を除き、一般に収益および費用は総額主義に従って表示されねばならない。
(4) トレーディング以外の通貨換算
固定資産として取り扱われる外貨建資産は、同通貨によってカバーされていない限り、取得時の為替レートでユーロに換算
されるものとする。外貨建てのその他の資産および負債ならびに貸借対照表日現在で決済されていない現金取引は、貸借対照
表日現在の直物レートでユーロに換算されるものとする。先渡契約は、貸借対照表日現在の先渡レートで換算される。
このような通貨換算から生じる費用は、損益計算書に含まれるものとする。このような通貨換算から生じる収益は、当該資
産、債務または先物取引が同通貨建ての資産、債務またはその他の先物取引によって特別にカバーされている場合に限り、ま
たはポジションの残存期間が1年未満の場合に、損益計算書に含まれるものとする。その他全ての場合、通貨換算による収益は
計上されない。また、通貨換算による費用と相殺もされない。
日本では、「外貨建取引等会計処理基準」に基づき、外貨建取引は、原則として、当該取引発生時の為替相場による円換算
額をもって記録する。金融商品は、原則として、決算時の為替相場で円換算額を付す。外貨建金銭債権債務の決済および換算
に伴って生じた損益は、原則として、当期の為替差損益として処理する。
(5) 財務諸表注記
財務諸表注記は、詳細な説明、特に貸借対照表および損益計算書の詳細な説明を含んでいる。
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これらの注記に含まれる情報は、日本における貸借対照表注記、損益計算書注記および附属明細表で開示が要求されている
情報と、少なくとも同等の内容を含んでいる。
(6) 連結財務諸表
当行グループは、ドイツ商法(HGB)第315条の求めるところに従い、その年次連結財務諸表および中間連結財務諸表を、国
際会計基準審議会(IASB)が公表し、欧州連合(EU)が支持した国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成
することが要求されている。IFRSと日本において一般に公正妥当と認められる会計原則(以下「日本の会計原則」という。)
との主要な相違は、以下のとおりである。
1 )統一的な会計方針
IFRS では、連結財務諸表は、同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、統一的な会計方針を用いて作成さ
れる。グループ会社が、同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、連結財務諸表において採用されているも
の以外の会計方針を使用している場合、連結財務諸表の作成時に、その財務諸表に対して適切な修正が行われる。関連
会社および共同支配事業体の経営成績に対する当行グループの持分は、当行グループの会計方針と整合するよう修正さ
れる。
日本では、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、連結財務諸表を作成する場合、同一環
境下で行われた同一の性質の取引等について、親会社および子会社が採用する会計処理の原則および手続は、原則とし
て統一しなければならない。ただし、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関す
る当面の取扱い」(以下、「実務対応報告第18号」という。)により、在外子会社等の財務諸表がIFRSまたは米国会計
基準に準拠して作成されている場合には、一定の項目(のれんの償却、退職給付会計における数理計算上の差異の費用
処理、研究開発費の支出時費用処理など)の修正を条件に、これを連結決算手続上利用することができる。
関連会社についても、企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」に従い、同一環境下で行われた同一の性質の
取引等について、投資会社(その子会社を含む)および持分法を適用する被投資会社が採用する会計処理の原則および
手続は、原則として統一することとされた。ただし、実務対応報告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当
面の取扱い」により、在外関連会社については、当面の間、実務対応報告第18号で規定される在外子会社に対する当面
の取扱いに準じて行うことができる。
2 )連結の原則
IFRS では、IFRS第10号「連結財務諸表」に基づき、当行グループは当行グループが支配しているすべての投資先を連
結している。投資者が、関連性のある活動におけるパワーおよび投資先への関与により生じる変動リターンに対するエ
クスポージャーを有し、かつ、投資先に対するパワーを通じて当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に
は、投資先を支配していることになる。支配の評価はすべての事実および状況に基づいて行われ、事実および状況に変
更が生じた兆候が存在する場合にはその結論は再評価される。これは、事業体と新たに実行されたものを含め、当行グ
ループが有する契約上の取決めの変更を含んでおり、所有持分の変動のみに限定されない。
日本では、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、実質支配力基準により連結の範囲が決
定され、支配の及ぶ会社(子会社)は連結の範囲に含まれる。ただし、子会社のうち支配が一時的であると認められる
企業、または連結することにより利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれのある企業については、連結の範囲に含め
ないこととされている。また、非連結子会社および重要な影響力を与えることができる会社(関連会社)については、
持分法の適用範囲に含める。なお、日本でも、IFRSの共同支配企業に該当するものには持分法が適用される。
また、日本では、特別目的会社については、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」および企業会計
基準適用指針第22号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」に基づき、特別目的
会社が適正な価額で譲り受けた資産から生ずる収益を当該特別目的会社が発行する証券の所有者に享受させることを目
的として設立され、当該特別目的会社の事業がその目的に従い適切に遂行されているときは、当該特別目的会社に資産
を譲渡した会社から独立しているものと認め、当該特別目的会社に資産を譲渡した会社の子会社に該当しないものと推
定される。したがって、当該要件を満たす特別目的会社は、連結の範囲に含まれないことになる。ただし、このように
連結の範囲に含まれない特別目的会社については、企業会計基準適用指針第15号「一定の特別目的会社に係る開示に関
する適用指針」に基づき、当該特別目的会社の概要、当該特別目的会社を利用した取引の概要、当期に行った当該特別
目的会社との取引金額または当該取引の期末残高等の一定の開示を行うことが、当該特別目的会社に資産を譲渡した会
社に求められている。
3)企業結合
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IFRS では、IFRS第3号「企業結合」に基づき、すべての企業結合(共同支配企業の設立、共通支配下の企業または事業
の結合等を除く。)に取得法が適用されている。取得法では、取得日において、取得企業は識別可能な取得した資産お
よび引き受けた負債を、原則として、取得日時点の公正価値で認識する。
日本でも、企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」に基づき、すべての企業結合(共同支配企業の形成お
よび共通支配下の取引を除く。)はパーチェス法(取得法に類似する方法)で会計処理されている。
日本基準とIFRSの間には、主に以下の差異が存在する。
a) 取得関連コスト(企業結合に直接起因する費用)の処理
IFRS では、IAS第32号およびIFRS第9号にそれぞれ準拠して認識される負債性証券または持分証券の発行コストを除
き、当該費用が発生してサービスの提供を受けた期間の費用として処理する。
日本では、取得関連費用は発生した事業年度の費用として処理される。
b) 条件付対価の処理
IFRS では、取得企業は条件付対価を、被取得企業との交換で移転した対価に含め、取得日時点の公正価値で認識し
なければならない。また、条件付対価の公正価値に事後的な変動があった場合でも、一定の場合を除き、のれんの修
正は行わない。
日本では、条件付取得対価の交付または引渡しが確実となり、その時価が合理的に決定可能となった時点で、支払
対価を取得原価として追加的に認識するとともに、のれんの修正を行う。
c) のれんの当初認識および非支配持分の測定
IFRS では、企業結合ごとに以下のいずれかの方法を選択できる。
・ 非支配持分も含めた被取得企業全体を公正価値で測定し、のれんは非支配持分に帰属する部分も含めて測定す
る方法(全部のれん方式)
・ 非支配持分のうち、現在の所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な取り分を保有者に与えて
いるものは、被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する比例持分相当額として測定し、のれんは取得企
業の持分相当額についてのみ認識する方法(購入のれん方式)
日本では、非支配持分自体を時価評価する処理(全部のれん方式)は認められておらず、のれんは、取得原価が、
取得した資産および引き受けた負債に配分された純額を超過する額として算定される(購入のれん方式)。
d) のれんの償却
IFRS では、のれんの償却は行わず、のれんは、IAS第36号「資産の減損」に従い、毎期および減損の兆候がある場合
はその都度、減損テストの対象になる。
日本では、原則として、のれんの計上後20年以内に、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却する。ただ
し、金額に重要性が乏しい場合には、当該のれんが生じた事業年度の費用として処理することができる。
4 )非支配持分
IFRS では、IFRS第3号「企業結合」に基づき、取得企業は、企業結合ごとに被取得企業に対する非支配持分のうち、現
在の所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な取り分を保有者に与えているものを、以下のいずれかに
より測定しなければならない。
a) 取得日における非支配持分の公正価値
b) 取得日における被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する現在の所有権金融商品の比例的な取り分
非支配持分の他のすべての内訳項目は、他の測定基礎がIFRSで要求されている場合を除き、取得日の公正価値で測定
しなければならない。
また、子会社に対する親会社の所有持分の変動(非支配持分との取引)で支配の喪失とならない場合には資本取引と
して会計処理される。
日本では、非支配持分自体を公正価値で測定する方法は認められておらず、非支配持分は取得日における被取得企業
の識別可能純資産に対する現在の持分で測定される。
また、支配を喪失しない子会社に対する親会社持分の変動額と投資の増減額との差額は、資本剰余金として会計処理
される。
5 )他の企業への関与の開示
IFRS では、IFRS第12号「他の企業への関与の開示」に従い、 子会社、共同支配の取決め、関連会社および非連結の組
成された企業への関与の内容、関連するリスク、および財務上の影響を毎年開示しなければならない 。
日本では、上記に関して包括的に規定する会計基準はないが、連結の範囲に含まれない特別目的会社に関する開示
や、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、連結の範囲に含めた子会社、非連結子会社に関
する事項その他連結の方針に関する重要な事項およびこれらに重要な変更があったときは、その旨およびその理由につ
いて開示することが要求されている。
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6 )金融商品の分類および測定
IFRS 第9号では、金融資産の管理に使用されるビジネス・モデルと金融資産の契約上のキャッシュ・フロー特性(SPPI
とも呼ばれる)の両方に基づいて金融資産の分類を決定することが要求される。
ビジネス・モデル
IFRS 第9号では3つのビジネス・モデルを使用する。
-回収のために保有-契約上のキャッシュ・フローを回収する目的で保有する金融資産
-回収し、売却するために保有-契約上のキャッシュ・フローを回収し、かつ、金融資産を売却することを目的とし
て保有する金融資産
-その他-トレーディング目的で保有、または「回収のために保有」もしくは「回収し、売却するために保有」のい
ずれの基準も満たさない金融資産
元本および利息のみの支払(Solely Payments of Principal and Interest 、SPPI)
金融資産が「回収のために保有」または「回収し、売却するために保有」のいずれかのビジネス・モデルで保有され
ている場合、分類を決定するために、契約上のキャッシュ・フローが、当初認識時に元本残高に対する元本および利息
の支払のみであるかどうかを判断する評価が必要となる。
償却原価で測定する金融資産:
金融資産が「回収のために保有」のビジネス・モデルで保有され、契約上のキャッシュ・フローがSPPIである場合、
金融資産は、公正価値オプションで指定されない限り、償却原価で測定に分類され、その後償却原価で測定される。
この測定区分では、金融資産は、当初認識時の公正価値から、元本の返済を控除し、当初の金額と満期金額との差額
の実効金利法による償却累計額を加減し、減損引当金を調整した金額で測定する。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産:
金融資産は、当該金融資産が「回収し、売却するために保有」のビジネス・モデルで保有され、契約上のキャッ
シュ・フローがSPPIである場合、公正価値オプションで指定されない限り、その他の包括利益を通じて公正価値
(FVOCI)で分類され、測定される。
FVOCI では、金融資産はその公正価値で測定され、変動があればその他の包括利益(OCI)に認識され、下記7)で説明
されている新たなECLモデルのもとで減損の評価が行われる。FVOCI資産の外貨換算影響額は、実効金利法による利息の
要素と同様に純損益に認識される。プレミアムおよびディスカウントの償却は純利息収益に計上される。実現損益は、
FVOCIの金融資産に係る純利得(損失)に計上される。通常、FVOCI金融資産の原価を算定するには、加重平均原価法が
用いられる。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産:
トレーディング目的で保有する金融資産、もしくは「回収のために保有」または「回収し、売却するために保有」の
ビジネス・モデルに該当しない金融資産は、その他のビジネス・モデルに割り当てられ、純損益を通じて公正価値
(FVTPL)で測定される。さらに、契約上のキャッシュ・フローの特性がSPPIではない商品は、「回収のために保有」ま
たは「回収し、売却するために保有」のビジネス・モデルで保有されていた場合であっても、FVTPLで測定しなければな
らない。
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産:
企業は、当初認識時に、指定しなかった場合には後に償却原価またはFVOCIで測定されるであろう金融資産を、FVTPL
で測定するものとして取消不能の指定をすることができるが、この指定が認められるのは、指定しない場合に資産また
は負債の測定もしくはそれらに係る利得または損失の認識を異なる基礎で行うことから生じるであろう認識または測定
の不整合(すなわち会計上のミスマッチ)を、その指定が除去または大幅に低減する場合である。
公正価値の変動をその他の包括利益に表示するものして指定された資本性金融商品:
資本性金融商品に対する投資は純損益を通じて公正価値で測定される。しかし、当初認識時に、売買目的で保有され
ていない資本性金融商品の公正価値の変動を、その他の包括利益に表示するという取消不能な選択をすることができ
る。その他の包括利益に表示された金額を事後的に純損益に振り替えてはならない。しかし、企業が利得または損失の
累計額を資本の中で振り替えることはできる。当行グループによるこの区分の利用は限定的となる見込みであり、これ
まで利用されていない。
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金融負債:
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債を除き、金融負債は、実効金利法を用いて償却原価で測定される。金融
負債には、発行した長期および短期の債務が含まれ、当初、公正価値すなわち受け取った対価から、負担した取引費用
を控除した額で測定される。発行債務の市場での買戻しは消滅として取り扱われ、関連する利得または損失が連結損益
計算書に計上される。自己社債の後日における市場での売却は、債務の再発行として取り扱われる。
金融資産の分類変更:
IFRS では、企業は、金融資産の管理に関する事業モデルを変更した場合にのみ、影響を受けるすべての金融資産を分
類変更しなければならない。
金融資産を分類変更する場合には、企業は分類変更日から将来に向かって分類変更を適用しなければならない。
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従い、金融資産および金融負債は以下のように測定
される。
・ 売買目的有価証券は、時価で測定し、時価の変動は純損益に認識される。
・ 個別財務諸表においては、子会社株式および関連会社株式は、取得原価で計上される。
・ 満期保有目的の債券は、取得原価または償却原価で測定される。
・ 売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式および関連会社株式以外の有価証券(「その他有価証券」)
は、時価で測定し、時価の変動額は
a) 純資産に計上され、売却、減損あるいは回収時に損益計算書に計上されるか、または
b) 個々の証券について、時価が原価を上回る場合には純資産に計上し、下回る場合には損益計算書に計上する。
・ 時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券については、それぞれ次の方法による。
a) 社債その他の債券の貸借対照表価額は、債権の貸借対照表価額に準ずる(すなわち、取得原価または償却原価
で測定される)。
b) 社債その他の債券以外の有価証券は、取得原価をもって貸借対照表価額とする。
・ 貸付金および債権は、取得原価または償却原価で測定される。
・ 金融負債は債務額で測定される。ただし、社債については、社債金額よりも低い価格または高い価格で発行した場
合など、収入に基づく金額と債務額とが異なる場合には、償却原価法に基づいて算定された価額で評価しなければな
らない。
日本では、IFRSで認められている公正価値オプションに関する規定はない。
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従い、売買目的または売却可能(その他有価証券)
から満期保有目的への分類変更は認められず、売買目的から売却可能(その他有価証券)への分類変更については、正
当な理由がある限られた状況(トレーディング業務の廃止を決定した場合に、売買目的として分類していた有価証券を
すべて売却可能(その他有価証券)に分類変更することができる。)においてのみ認められている。
7 )資産の減損
非金融資産の減損:
IFRS では、非流動資産の減損の兆候が認められ、その回収可能価額が帳簿価額を下回ると見積られる場合には、その
差額を減損損失として認識する。回収可能価額は、非流動資産の売却費用控除後の公正価値と使用価値(当該資産から
生じると予想される将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い金額である。減損損失が最後に認識されてか
ら、当該資産の回収可能価額の算定に用いられた見積りに変更があった場合には、のれんの減損を除き、減損損失の戻
入が要求される。なお、耐用年数を確定できない無形資産やのれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年
減損テストを実施しなければならない。
日本では、「固定資産の減損に係る会計基準」に従い、資産または資産グループの減損の兆候が認められ、かつ割引
前将来キャッシュ・フローの総額(20年以内の合理的な期間に基づく)が帳簿価額を下回ると見積られた場合に、その
資産または資産グループの回収可能価額(正味売却価額と使用価値(資産または資産グループの継続的使用と使用後の
処分によって生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い方の金額)と帳簿価額の差額に
つき減損損失を認識する。減損損失の戻入は認められない。
金融資産の減損:
IFRS 第9号において、減損の要求事項は、償却原価またはFVOCIで測定されるすべての負債性金融商品、ならびにロー
ン・コミットメントおよび金融保証などのオフバランスの貸出コミットメントに適用される。FVPLおよびFVOCIオプショ
ンを選択した資本性金融商品には減損(損失評価引当金)の要求事項は適用されない。
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IFRS 第9号は、組成日または購入日時点では正常債権である金融資産の減損について3段階アプローチを導入してい
る。このアプローチは、以下のとおり要約される。
-第1段階:12ヶ月間の予想信用損失に相当する額の信用損失引当金を認識する。これは、信用リスクが当初認識時以降
に著しく増加していないと仮定した場合に、報告日から12ヶ月以内に予想される債務不履行事象による全期間の予想
信用損失の一部を表す。
-第2段階: 信用リスクが当初認識以降に著しく増加したとみなされる金融資産について、全期間の予想信用損失
(LTECL)に相当する額の信用損失引当金を認識する。これには、金融資産の残存期間にわたって債務不履行が発生
する確率を示す、全期間の債務不履行の発生確率(LTPD)に基づくECLの計算が必要となる。この段階では、信用リ
スクの増大と、第1段階の12ヶ月と比べて期間が長期になることの影響が考慮されることから、信用損失引当金は高
くなる。
-第3段階: 信用が減損している金融資産について、当該資産の回収可能なキャッシュ・フローを通じてデフォルト確
率(PD)が100%であることを反映し、全期間の予想信用損失に相当する額の損失引当金を認識する。
当初認識時の信用減損金融資産は第3段階に分類され、帳簿価額には全期間の予想信用損失が直ちに反映される。
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従って、満期保有目的の債券、子会社株式および関
連会社株式ならびにその他有価証券のうち、時価を把握することが極めて困難と認められる金融商品以外のものについ
て時価が著しく下落したときは、回復する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とし、評
価差額は当期の損失として処理しなければならない。時価を把握することが極めて困難と認められる株式については、
発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、相当の減額をし、評価差額は当期の損失として
処理する。また、営業債権・貸付金等の債権については、債務者の財政状態および経営成績等に応じて債権を3つ(一般
債権、貸倒懸念債権および破産更生債権等)(金融機関では5つ)に区分し、区分ごとに定められた方法に従い貸倒見積
高を算定する。
また日本では、減損の戻入は、株式について禁止されているだけでなく、満期目的保有の債券およびその他の有価証
券に分類されている債券についても原則として認められていない。貸付金および債権についても、直接減額を行った場
合には、減損の戻入益の計上は認められていない。
8 )ヘッジ会計
IAS 第39号「金融商品:認識および測定」を置き換えるIFRS第9号「金融商品」は、ヘッジ会計の要件を修正している
が、IFRS第9号のヘッジ会計の適用を延期してIAS第39号のヘッジ会計を引き続き適用するという会計方針の選択も含ま
れている。当行グループは、この会計方針を選択することを決定し、2018年1月1日にIFRS第9号のヘッジ会計を適用しな
かった。
IAS 第39号では、公正価値変動のヘッジについては、ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象資産または負債の公正
価値の変動またはその一部は、当該デリバティブのすべての公正価値の変動とともに損益計算書に認識される。ヘッジ
の非有効部分はその他の収益に計上され、ヘッジされたリスクに関連した市場レートまたは価格の変動によりデリバ
ティブおよびヘッジ対象項目に対して行われた公正価値修正の純影響額として測定される。キャッシュ・フロー変動の
ヘッジについては、ヘッジ対象項目に対する会計処理に変更はなく、デリバティブは公正価値で計上され、公正価値の
変動は当初、ヘッジが有効である限り、損益計算書に認識されていない純利得(損失)に計上される。その他の包括利
益に当初計上されたこれらの金額は、その後、予定取引が損益計算書に影響を与える期間と同一の期間に損益計算書に
組み替えられる。ヘッジの非有効部分は、その他の収益に計上され、通常、実際のヘッジ手段であるデリバティブと仮
想の最適ヘッジの公正価値変動の差額として測定される。
2020 年度上半期より、当行グループは、IAS第39号のEUカーブアウト版に準拠して金利リスクのポートフォリオ・ヘッ
ジ(公正価値マクロ・ヘッジ)に公正価値ヘッジ会計を適用している。IAS第39号のEUカーブアウト版を適用した目的
は、当行グループのヘッジ会計アプローチを当行グループのリスク管理実務および欧州の主要競合他社の会計慣行と整
合させることにある。IAS第39号のEUカーブアウトでは、コア預金に公正価値マクロ・ヘッジ会計を適用することがで
き、ヘッジの非有効性は、適用するすべての公正価値マクロ・ヘッジ会計について、予定されたタイム・バケットにお
ける修正後のキャッシュ・フロー見積額が当該期間の当初の指定額を下回った場合にのみ認識される。予定されたタイ
ム・バケットにおける修正後のキャッシュ・フロー額が当初の指定額を上回った場合には認識されない。IASBが公表し
たIFRSでは、公正価値マクロ・ヘッジのヘッジ会計をコア預金に適用することはできない。さらに、ヘッジの非有効性
は、公正価値マクロ・ヘッジのすべてのヘッジ関係について、予定されたタイム・バケットにおける修正後のキャッ
シュ・フロー見積額が当該期間の当初の指定額を上回った場合と下回った場合のいずれであっても認識される。
日本では企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従って、原則として、時価評価されているヘッジ手段
に係る損益または評価差額を、ヘッジ対象に係る損益が認識されるまで純資産の部において繰延べる方法(繰延ヘッ
ジ)による。ただし、その他有価証券の場合等の一定の要件を満たす場合、ヘッジ対象に係る相場変動等を損益に反映
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させることにより、その損益とヘッジ手段に係る損益とを同一の会計期間に認識する方法(時価ヘッジ)も認められて
いる。
また、ヘッジ全体が有効と判定され、ヘッジ会計の要件が満たされている場合には、ヘッジ手段に生じた損益のうち
結果的に非有効となった部分についても、ヘッジ会計の対象として繰延処理を行うことができる。なお、非有効部分を
合理的に区分できる場合には、非有効部分を繰延処理の対象とせずに当期の純損益に計上する方法を採用することがで
きる。
資産または負債に係る金利の受払条件を変換することを目的として利用されている金利スワップが、金利変換の対象
となる資産または負債とヘッジ会計の要件を充たしており、かつ、その想定元本、利息の受払条件および契約期間が当
該資産または負債とほぼ同一である場合には、金利スワップを時価評価せず、その金銭の受払の純額等を当該資産また
は負債に係る利息に加減する「特例処理」が認められている。また、ヘッジ会計の要件を満たす為替予約等について
は、当分の間、為替予約等により確定する決済時における円貨額により外貨建取引および金銭債権債務等を換算し直物
為替相場との差額を期間配分する方法(「振当処理」)によることができる。
9 )金融資産の認識の中止
IFRS では、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合、または、当該資産からの
キャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡したか、もしくは一定の基準を条件として一または複数の受領者に
対し当該キャッシュ・フローを支払う義務を引き受けた場合に、金融資産の認識の中止が検討される。譲渡した金融資
産については、所有に関する実質上すべてのリスクおよび経済価値を移転した場合に、認識の中止を行う。
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従い、譲渡金融資産の財務構成要素ごとに、支配が
第三者に移転しているかどうかの判断に基づいて、当該金融資産の認識の中止がなされる。
10 )株式を基礎とした報酬
IFRS では、資本性金融商品として分類された報奨に関する報酬費用は、付与日において株式を基礎とした報奨の公正
価値に基づき測定される。報酬費用は、従業員の当該報奨に関連する勤務の期間にわたり、または分割で交付される報
奨に関しては当該部分の期間にわたり、定額法に基づき計上される。対応する金額は資本剰余金に計上される。
日本でも、企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」に基づき、ストック・オプションの付与
日から権利確定日までの期間にわたり、付与日現在のストック・オプションの公正な評価額に基づいて報酬費用が認識
され、対応する金額は資本(純資産の部の新株予約権)に計上される。
ただし、同基準の適用範囲は持分決済型株式報酬に限定されており、現金決済型取引等については特段規定がなく、
実務上は発生時に費用(引当)処理される。また持分決済型取引について、日本では、権利確定後に失効した場合には
失効に対応する新株予約権につき利益計上(戻入)を行う等、IFRSと異なる処理が行われている。
11 )退職後給付(確定給付制度)
a) 確定給付制度債務の期間配分方法
IFRS では、IAS第19号「従業員給付」に従い、制度の給付算定式に基づいて勤務期間に給付を帰属させる方法(給付算
定式基準)が原則とされている。
日本では、企業会計基準第26号「退職給付に関する会計基準」に基づき、期間定額基準と給付算定式基準のいずれか
を選択適用できる。
b) 数理計算上の仮定
・ 割引率
IFRS では、報告期間の末日時点の優良社債の市場利回りを参照して決定しなければならない。そのような債券に
ついて厚みのある市場が存在しない国では、国債の市場利回り(報告期間の末日時点)を使用しなければならな
い。また割引率は、各報告日に見直さなければならない。
日本では、安全性の高い債券の利回りを基礎として決定するが、これには、期末における国債、政府機関債およ
び優良社債の利回りが含まれ、いずれも選択可能である。また、割引率等の計算基礎に一定の重要な変動が生じて
いない場合には、割引率を見直さないことが認められている。
・ 制度資産に係る利息収益(長期期待運用収益)
IFRS では、年次報告期間の開始日時点で、制度資産の公正価値に上記の割引率を乗じて算定する。なお、制度資
産に係る利息収益は、確定給付制度債務に係る利息費用と相殺の上、確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額
に含める。
日本では、期首の年金資産の額に合理的に予想される収益率(長期期待運用収益率)を乗じて算定する。
c) 数理計算上の差異(再測定)および過去勤務費用
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IFRS では、数理計算上の差異を含む確定給付負債(資産)の純額は、発生時にその全額をその他の包括利益に認識す
る。その他の包括利益から純損益への振替(リサイクル)は、禁止されている。また、過去勤務費用は、純損益に即時
認識する。
日本では、数理計算上の差異は、原則として各期の発生額について、平均残存勤務期間以内の一定の年数で按分した
額を毎期費用処理する。数理計算上の差異の当期発生額のうち費用処理されない部分(未認識数理計算上の差異)およ
び過去勤務費用の当期発生額のうち費用処理されない部分(未認識過去勤務費用)についてはいずれも、その他の包括
利益に計上する。また、その他の包括利益累計額に計上された未認識数理計算上の差異および未認識過去勤務費用のう
ち、当期に費用処理された部分については、その他の包括利益の組替調整(リサイクル)を行う。
d) 確定給付資産の上限
IFRS では、確定給付制度が積立超過の場合には、確定給付資産の純額を次のいずれか低い方で測定する。
・ 当該確定給付制度の積立超過
・ 制度からの返還または制度への将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値(資産上限額)
日本では、そのような確定給付資産の上限はない。
12 )金融保証契約
IFRS では、金融保証契約について、保証提供者が当初、公正価値で負債に計上することが要求され、以後は、純損益
を通じて公正価値で測定する場合または保険契約として処理する場合を除き、「IFRS第9号の減損の定めに従って算定し
た損失評価引当金の金額」と「当初認識額からIFRS第15号の原則に従って収益に認識された累計額を控除した金額」の
いずれか大きい額で測定される。
日本では、金融資産または金融負債の消滅の認識の結果生じる債務保証を除いて、保証を当初より公正価値で貸借対
照表に計上することは求められていない。銀行の場合には、第三者に負う保証債務は偶発債務として額面金額を支払承
諾勘定に計上し、同時に銀行が顧客から得る求償権を偶発債権として支払承諾見返勘定に計上する。保証に起因して、
将来の損失が発生する可能性が高く、かつその金額を合理的に見積ることができる場合には、債務保証損失引当金を計
上する。
13 )投資不動産
IFRS では、投資不動産の当初認識後の評価方法として、事業体は以下のいずれかを選択できる。
a )公正価値モデル。投資不動産は公正価値で測定され、公正価値の変動は損益計算書において認識される。
b )原価モデル。原価モデルでは、投資不動産を減価償却後の簿価(減損損失累計額控除後)で測定することが要求さ
れる。原価モデルを選択した事業体は、投資不動産の公正価値情報を開示する。
日本では、投資不動産についても、通常の有形固定資産と同様に取得原価に基づく会計処理を行う(原価モデルを適
用)。また、企業会計基準第20号「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」に従い、賃貸等不動産を保有して
いる企業は以下の事項を注記することが求められている。
a) 賃貸等不動産の概要
b) 賃貸等不動産の貸借対照表計上額および期中における主な変動
c) 賃貸等不動産の当期末における時価およびその算定方法
d) 賃貸等不動産に関する損益
14 )リース取引
IFRS 第16号「リース」では、基礎となる資産の価値が低い場合を除き、期間が12ヶ月を超えるすべてのリースに関し
て資産および負債を認識するよう借手に求めている。借手は、基礎となるリース資産の使用権を表す使用権資産および
リース料の支払債務を表すリース債務を認識するよう求められる。
日本では、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」に従い、ファイナンス・リース取引とは、解約不能
かつフルペイアウトの要件を満たすものをいい、ファイナンス・リース取引に該当するかどうかについてはその経済的
実質に基づいて判断すべきものであるとしている。ただし、解約不能リース期間がリース物件の経済的耐用年数の概ね
75%以上、または解約不能のリース期間中のリース料総額の現在価値がリース物件を借手が現金で購入するものと仮定
した場合の合理的見積金額の概ね90%以上のいずれかに該当する場合は、ファイナンス・リースと判定され、借手の財
務諸表に資産計上し、対応するリース債務を負債に計上する。オペレーティング・リースは借手によりオフバランス
シートで会計処理され、リース料はリース期間にわたり費用として認識される。なお、少額(リース契約1件当たりの
リース料総額が300万円以下の所有権移転外ファイナンス・リース)または短期(1年以内)のファイナンス・リースに
ついては、オペレーティング・リースの処理と同様に、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことがで
きる。
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15 )金融商品の公正価値の開示
IFRS では、事業体の財政状態および業績に対する金融商品の重要性、金融商品から生じる信用リスク、流動性リスク
およびマーケット・リスクに関する定性的および定量的情報ならびに事業体のリスク管理方法について開示することが
要求されている。
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」および企業会計基準適用指針第19号「金融商品の時価
等の開示に関する適用指針」に基づき、時価等の開示がすべての金融商品に求められ、かつ金融商品から生じるリスク
についての開示も求められている。ただし、金融商品から生じるリスクのうちマーケット・リスクに関する定量的開示
が求められているのは、金融商品から生じるリスクが重要な企業(銀行・証券会社等)が想定されている。また、マー
ケット・リスク以外のリスク(流動性リスク・信用リスク)に関する定量的開示については明確な規定がない。
16 )公正価値測定
IFRS では、IFRS第13号「公正価値測定」は、一定の場合を除き、他のIFRSが公正価値測定または公正価値測定に関す
る開示(および、売却コスト控除後の公正価値のような、公正価値を基礎とする測定または当該測定に関する開示)を
要求または許容している場合に適用される。IFRS第13号では、公正価値を「測定日時点で、市場参加者間の秩序ある取
引において、資産を売却するために受け取るであろう価格または負債を移転するために支払うであろう価格」と定義し
ている。また、IFRS第13号は、公正価値の測定に用いたインプットの性質に基づき3つのヒエラルキーに分類し、公正価
値測定を当該ヒエラルキー別に開示することを求めている。
日本では、各会計基準において時価の算定方法が個別に定められている。金融商品の時価については、企業会計基準
第10号「金融商品に関する会計基準」において、時価とは公正な評価額をいい、市場価格に基づく価額、市場価格がな
い場合には合理的に算定された価額と定義されている。
2019 年7月4日に、ASBJは、企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」および企業会計基準適用指針第31号
「時価の算定に関する会計基準の適用指針」、ならびに改正企業会計基準第10号を公表した。この基準は、2021年4月
1日以後開始する事業年度の期首から適用されるが、2020年3月31日以後終了する事業年度における年度末からの早期
適用も認められている。これらの改正により、金融商品の時価の算定方法の詳細なガイダンスについて国際的な会計基
準との整合性が図られることになる。なお、当会計原則の相違における日本基準の記載については、改正前の基準を前
提としている。
17 )顧客との契約から生じる収益
IFRS では、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」が、収益認識の方法および時期について規定している。当基
準はIFRS第9号の適用対象である金融商品に関連した収益認識には影響を及ぼさない。IFRS第15号は、すべての顧客との
契約に適用される単一の、原則主義の、5つのステップから成るモデルを規定している。
日本においては出荷基準、検収基準等の収益認識基準があるが、当中間連結会計期間末において適用可能なIFRS第15
号のような包括的な規定はない。
2018 年3月30日に、IFRSにおける収益認識基準と大部分において類似している「収益認識に関する会計基準」がASBJ
より公表されており、2021年4月1日以後開始する事業年度から適用され、2018年4月1日以後開始する事業年度から
早期適用も認められている。
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第7【外国為替相場の推移】
ユーロから円への為替相場は、国内において時事に関する事項を掲載する2以上の日刊新聞紙に最近5年間の事業年度にお
いて掲載されているので、記載を省略する。
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第8【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
1.日本における株式事務等の概要
(1)株式の名義書換取扱場所および株主名簿管理人
当行は、無額面記名式株式を発行している。日本においては当行株式の名義書換取扱場所または株主名簿管理人は存在
しない。
普通株式の取得者(以下「実質株主」という。)は、その取得窓口となった証券会社(以下「窓口証券会社」とい
う。)からあらかじめ外国証券取引口座約款の交付を受け、同約款に基づき外国証券取引口座(以下「取引口座」とい
う。)を開設する必要がある。売買の執行、代金の決済、証券の保管およびその他株式の取引に関する事項はすべてこの
取引口座により処理される。
普通株式は、窓口証券会社を代理するドイツにおける保管機関(以下「現地保管機関」という。)又はその名義人の名
義で当行に登録され、当該普通株券は現地保管機関に保管される。各窓口証券会社は自社に取引口座を持つ全実質株主の
明細表(以下「実質株主明細表」という。)を作成する。実質株主明細表には各実質株主の氏名及び普通株式持株数が記
載される。
(2)株主に対する特典…………なし
(3)株式の譲渡制限……………なし
(4)その他の株式事務に関する事項
決算期 ……………毎年12月31日
定時株主総会 ……………株主総会は、デュッセルドルフ、フランクフルト・アム・マインもしくは人口25万以上のドイ
ツの都市において営業年度の開始後8か月以内に開催される。
(新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック危機に対応するため、法律により
2020年から2022年8月31日までにおける定時株主総会に関して一定の適用除外が設けられてい
る。)
基準日 ……………当行の株式に対する配当を当行から受領する権利を有する実質株主は、通常、ドイツにおける
配当支払日(通常、利益処分案についての株主総会決議が行われた日の翌銀行営業日)に応当
する日本での同一の暦日現在で作成された実質株主明細表上の名義人である。
株券の種類 ……………無額面株式の1券種
株券に関する手数料………実質株主は、窓口証券会社に外国証券取引口座を開設、維持するにあたり、外国証券取引口座
約款に従って年間口座管理料の支払をする必要がある。この管理料は現地保管機関の手数料そ
の他の費用を含む。
通知 ……………当行が株主に対して行う通知及び通信は、普通株式の登録所持人たる現地保管機関又はその名
義人に対してなされる。現地保管機関はこれを窓口証券会社に送付し、窓口証券会社はこれを
さらに外国証券取引口座約款の規定に従い各実質株主に通知する措置をとる。実費は実質株主
に請求される。
公告 ……………日本においては公告は行わない。
2.日本における実質株主の権利行使に関する手続
(1)実質株主の議決権の行使に関する手続
議決権の行使は実質株主が窓口証券会社を通じて行う指示に基づき、現地保管機関又はその名義人が行う。しかし、実
質株主が特に指示しない場合、現地保管機関又はその名義人は議決権の行使を行わない。
(2)剰余金の配当請求に関する手続
外国証券取引口座約款に従い、配当金は、窓口証券会社が現地保管機関又はその名義人から一括受領し、取引口座を通
じて実質株主に交付される。
株式配当により割り当てられた普通株式は、実質株主が特に要請した場合を除き、窓口証券会社を代理する現地保管機
関によりドイツで売却され、その売却代金は窓口証券会社が現地保管機関又はその名義人から一括受領し、取引口座を通
じて実質株主に支払われる。
無償交付の方法により発行される普通株式は、原則として窓口証券会社を代理する現地保管機関又はその名義人の名義
で登録され、当該株券は現地保管機関が保管し、実質株主に係る窓口証券会社の残高が変更される。
普通株式について新株引受権が付与される場合には、新株引受権は、原則として窓口証券会社を代理する現地保管機関
によりドイツで売却され、その売却代金は窓口証券会社が現地保管機関又はその名義人から一括受領し、取引口座を通じ
て実質株主に支払われる。
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(3)株式の移転に関する手続
実質株主は窓口証券会社を通じてその持株の保管替え又は売却注文をなすことができる。実質株主と窓口証券会社との
間の決済は原則として円貨によるほか、外国証券取引口座約款の規定に従う。
(4)配当等に関する課税上の取扱い
(イ)配当 ……実質株主に対する配当は、日本の税法上配当所得となる。
本書提出日現在、配当に関する日本の課税上の取扱いの概要は次のとおりである。日本の居住者たる個
人が日本国内の支払の取扱者を通じて支払を受ける配当については、ドイツにおいて当該配当の支払の
際に徴収されたドイツの国または地方公共団体の源泉徴収税額があるときは、この額を控除した後の金
額に対して、平成26年1月1日から令和19年12月31日までに支払を受ける配当については、20.315%
(所得税15.315%、住民税5%)、令和20年1月1日以後に支払を受ける配当については、20%(所得
税15%、住民税5%)の税率による源泉徴収(地方税については特別徴収)が行われる。総合課税また
は申告分離課税のいずれかを選択して確定申告をすることができるが(申告分離課税を選択した場合の
税率は、源泉徴収税率と同一である)、日本国内の支払の取扱者を通じて支払を受ける配当について確
定申告不要を選択した場合は源泉徴収および特別徴収された税額のみで課税関係は終了する。なお、日
本の居住者たる個人は、上場株式等への少額の投資に関し、平成26年1月1日から令和10年12月31日ま
での間に非課税口座を開設することにより、当該上場株式等に係る配当について5年間の非課税措置を
受けることができる。日本の法人が日本国内の支払の取扱者を通じて支払を受ける配当については、所
得税のみ、平成26年1月1日から令和19年12月31日までに支払を受ける配当については、15.315%、令
和20年1月1日以後に支払を受ける配当については、15%の税率による源泉徴収が行われる。
ドイツにおいて徴収された税金は、日本の税法の規定に従い、外国税額控除の対象となる。
(ロ)売買損益……当行株式の日本における売買に基づく損益についての課税は、日本の会社の株式の売買損益課税と同
様である。なお、日本の居住者たる個人は、上場株式等への少額の投資に関し、平成26年1月1日か
ら令和10年12月31日までの間に非課税口座を開設することにより、当該上場株式等に係る譲渡益につ
いて5年間の非課税措置を受けることができる。
(ハ)相続税 ……当行株式を相続しまたは遺贈を受けた日本の実質株主には、日本の相続税法に基づき相続税が課せら
れるが、外国税額控除が認められる場合がある。
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第9【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
該当事項なし
2【その他の参考情報】
提出書類 提出年月日
有価証券報告書 令和3年6月29日
訂正有価証券報告書 令和3年6月29日
訂正発行登録書 令和3年6月29日
訂正発行登録書 令和3年6月29日
臨時報告書(企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第1項及び第2 令和3年8月20日
項第1号規定に基づく)
訂正発行登録書 令和3年8月20日
訂正発行登録書 令和3年8月20日
半期報告書 令和3年9月29日
臨時報告書(企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第1項及び第2 令和3年11月10日
項第1号規定に基づく)
訂正発行登録書 令和3年11月10日
訂正発行登録書 令和3年11月10日
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項なし
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(訳文)
独立監査人の監査報告書
ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフト、フランクフルト・アム・マイン御中
連結財務諸表およびグループ・ マネジメント・レポート に関する監査報告書
意見
私たちは、添付のドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフト(フランクフルト・アム・マイン)およびその子会社
(グループ)の2020年12月31日現在の連結貸借対照表、ならびに2020年1月1日から2020年12月31日までの事業年度に
係る連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書および連結キャッシュ・フロー計算書、ならびに連
結財務諸表に対する注記(重要な会計方針の要約を含む。)から成る連結財務諸表について監査を行った。さらに私
たちは、ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフト(フランクフルト・アム・マイン)の2020年1月1日から2020年12月
31日までの事業年度に係る銀行のマネジメント・レポートと組み合わされたグループ・マネジメント・レポートにつ
いて監査を行った。ドイツの法的要件に準拠し、私たちは、ドイツ商法第315d条に基づく統合コーポレート・ガバナ
ンス・ステートメントの内容については監査を行っていない。当該ステートメントは、グループ・マネジメント・レ
ポートに記載のウェブサイトで公開されており、当該マネジメント・レポートの一部である。
私たちの監査の結果得られた合理的基礎に基づく意見では、
-添付の連結財務諸表は、すべての重要な点について、EUによって採用されたIFRSおよびドイツ商法第315e条第1
項に従ったドイツの法律による追加的要件に準拠し、これらの求めるところに従って、グループの2020年12月31
日現在の資産、負債および財政状態ならびに2020年1月1日から2020年12月31日までの事業年度に係る財務成績に
つき真実かつ公正な概観を示している。
-添付のグループ・マネジメント・レポートは、全体としてグループの状況に関する適切な概観を示している。本
グループ・マネジメント・レポートは、すべての重要な点について、連結財務諸表と整合性があり、ドイツの法
的要件を遵守し、将来の発展の機会とリスクを適切に表示している。グループ・マネジメント・レポートに対す
る私たちの意見は、上述の統合コーポレート・ガバナンス・ステートメントの内容は対象としていない。
ドイツ商法第322条第3項第1文に従って、私たちは監査により、連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レ
ポートの法令遵守に関するいかなる検出事項も発見されなかったことを宣言する。
意見表明の根拠
私たちは、ドイツ商法第317条およびEU監査規則(No 537/2014、以下「EU監査規則」という。)に準拠し、またド
イツ経済監査士協会(IDW)が公布した一般に公正妥当と認められるドイツ財務諸表監査基準に準拠して、連結財務
諸表およびグループ・マネジメント・レポートの監査を行った。これらの要件および原則に基づく私たちの責任の詳
細は、私たちの監査報告書の「連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートの監査に関する監査人の責
任」の項に記述されている。私たちは、欧州法およびドイツの商業上および職業的専門家に係る法律の要件に従い、
グループ事業体から独立しており、これらの要件に従い、ドイツのその他の職業的専門家としての責任を果たしてい
る。加えて、EU監査規則第10条第2項f)に従って、私たちは、EU監査規則第5条第1項で禁止されている非監査業務を
提供していないことを宣言する。私たちは、私たちが入手した監査証拠が、連結財務諸表およびグループ・マネジメ
ント・レポートに対する私たちの意見の基礎を提供するのに十分かつ適切と判断している。
連結財務諸表監査における監査上の主要な事項
監査上の主要な事項とは2020年1月1日から2020年12月31日までの事業年度に係る連結財務諸表監査において、私た
ちの職業的専門家としての判断において、最も重要な項目をいう。当該事項は、全体としての連結財務諸表監査の過
程および監査意見の形成において対応した事項であり、私たちは、当該事項に対して個別の意見を表明するものでは
ない。
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以下に、私たちが監査上の重要な事項であると判断したものについて記す。
1. 活発な市場における相場価格のないレベル3の金融商品および関連するインプットの評価
当該事項が監査上の重要な事項であると判断した理由
銀行は、活発な市場における相場価格のないレベル3の金融商品および関連するインプットの公正価値を設定する
ために評価技法を使用している。2020年12月31日現在、銀行は、レベル3の公正価値で測定する金融資産を23,583百
万ユーロ、金融負債を8,867百万ユーロ保有していた。関連する金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定する金
融資産および金融負債に計上されている。
活発な市場における取引価格がない金融商品および関連するインプットには、複雑なモデルを使用して評価される
ストラクチャード・デリバティブ、担保契約が標準的でないデリバティブ、より複雑なOTCデリバティブ、ディスト
レスト債、高度な仕組み債、第三者割当増資、商業用不動産貸出金、流動性の低い貸出金、および地方債、評価調整
(信用評価調整および調達評価調整)を算定するために使用される信用スプレッドおよび調達スプレッド、ならびに
満期までの期間が長い金融商品に関する観察不能なその他のインプットが含まれている。
活発な市場における相場価格のないレベル3の金融商品および関連するインプットの評価は、使用される評価技法
およびモデルの性質が複雑であることと使用される重要なインプットが観察不能であるために経営陣の仮定および判
断に基づく度合いが高いことから、これは監査上の重要な事項である。
監査人の対応
私たちは、経営陣による金融商品の公正価値決定プロセスおよびそれに含まれる重要な観察不能なインプットの決
定に関する統制を理解し、その整備状況を評価し、運用状況の有効性をテストした。これには、独立した価格検証、
モデルの限界の評価を含む評価モデルの独立した検証、不適切な可能性のある評価モデルの使用に関するモニタリン
グ、公正価値調整の計算に関連する統制、ならびに関連するITシステム統制が含まれる。
私たちは、評価技法、モデルおよび手法を評価し、これらのモデルで使用されたインプットをテストした。私たち
は、独立したモデルおよびインプットが使用された、公正価値で測定するデリバティブおよびその他の金融商品のサ
ンプルについて独立した再評価を実施した。私たちはまた、使用された代用インプットのサンプルの妥当性を独立し
て評価した。
さらに、私たちは、IFRS第13号の要件に対して公正価値調整の算定に経営陣が使用した手法およびインプットを評
価し、独自の独立したデータおよび手法を用いてこれらの評価調整のサンプルの再計算を実施した。
私たちは、金融商品評価の領域に特化した専門性を有する内部の専門家を利用した。
手続の結果、活発な市場における相場価格のないレベル3の金融商品および関連するインプットの評価に関してい
かなる検出事項も発見されなかった。
関連する開示の参照先
公正価値測定に使用された評価技法、モデルおよび手法に関する情報は、連結財務諸表に対する注記の注記1およ
び13に記載されている。
2. 将来的な情報をモデルベースの予想信用損失の計算に含めること
当該事項が監査上の重要な事項であると判断した理由
2020 年12月31日現在、グループは5,385百万ユーロの信用損失引当金を認識した。
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非デフォルト金融商品(IFRS第9号のステージ1およびステージ2)に係るモデルベースの予想信用損失の計算に使
用されたデフォルト確率の見積りは、現在の経済動向および将来的なマクロ経済予測(国内総生産および失業率な
ど)を組み込んだ過去の情報に基づいている。その後、統計的手法を適用して基本シナリオを複数のシナリオ分析に
変換する。これらのシナリオはベースライン予測との乖離を特定する。これらはその後、予想信用損失の計算や金融
資産の信用の質の著しい悪化の識別に適用される、格付別および相手先別の複数年に係るPDカーブを導出する際の基
礎として用いられる。
当事業年度におけるCOVID-19パンデミックによって生じた経済の不確実性、それによる将来的な情報の見積りの不
確実性、およびリスクの早期検出に係る政府の支援制度の影響を考慮し、銀行は、従来型の信用リスク・モデルと予
測手法を用いて、計算された予想信用損失に調整を加えた。
保有する非デフォルト金融商品の重要性ならびにCOVID-19パンデミックを含む不確実性および判断の増加の観点か
ら、私たちは、モデルベースの予想信用損失の計算に将来的な情報(国内総生産および失業率など)を含めることは
監査上の重要な事項であると考える。
監査人の対応
監査の過程において、私たちは銀行が実行したプロセスを理解し、IFRS第9号の要件に関する将来的な情報の選
定、決定および検証に係る統制の整備状況を評価し、その運用状況の有効性をテストした。
予測手法の見直しについては、銀行のモデル検証レポートに基づき評価した。さらに、私たちは選定された変数を
基本シナリオに含めるために使用された手法および複数のシナリオ分析の結果を評価した。
私たちは、銀行が使用した報告日現在のマクロ経済予測を、外部ソースが生成したマクロ経済予測と比較すること
によって評価した。
また、銀行が調整にあたって適用した手法についても評価した。その際、私たち独自のベンチマーク分析から得た
知見を活かして、銀行の感応度分析結果の評価を行った。また、経営陣の手法に従い、予想信用損失の計算にあたっ
て調整が考慮されていることを検証した。
将来的な情報をモデルベースの予想信用損失の計算に含めることの監査にあたり、私たちは信用リスク・モデリン
グの領域に特化した専門性を有する内部の専門家を利用した。
手続の結果、将来的な情報をモデルベースの予想信用損失の計算に含めることに関していかなる検出事項も発見さ
れなかった。
関連する開示の参照先
将来的な情報をモデルベースの予想信用損失の計算に含めることに関する情報は、連結財務諸表に対する注記の注
記1および19に記載されている。
3. アセット・マネジメントの現金生成単位ののれんの測定
当該事項が監査上の重要な事項であると判断した理由
2020 年12月31日現在、グループは2,739百万ユーロののれんを計上し、これはほとんどがアセット・マネジメント
の現金生成単位(CGU)に計上されたものである。
減損テストの目的上、アセット・マネジメントの現金生成単位の回収可能価額は割引キャッシュ・フロー・モデル
を使用して計算される。これに関連して、利益予測、長期成長率および割引率に関する仮定を置かなければならな
い。割引率は、資本資産価格モデルを用いて算出される。
アセット・マネジメントの現金生成単位ののれんの測定は高度な判断に基づくものであるため、これは監査上の重
要な事項である。
監査人の対応
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監査手続の過程において、私たちは複数年計画の策定プロセスおよびアセット・マネジメントの現金生成単位に関
するのれんの回収可能価額の計算について理解した。これに関して、私たちはまた、利益予測、適用された割引率お
よび長期成長率に関する経営陣の統制を理解し、当該統制の整備状況を評価し、その有効性をテストした。
さらに、前年度と比較した計画に関する仮定の重要な変更に焦点を当てて、上述の重要な仮定の分析を行った。こ
の点について、私たちは、複数年計画に使用された重要な仮定の整合性および検証可能性を評価し、また、外部の市
場予想との比較を行った。
アセット・マネジメントの現金生成単位の予想将来キャッシュ・フローの分析にあたり、私たちは、事業計画を前
事業年度の計画および達成した実績と比較し、重要な乖離について評価した。さらに、 詳細な計画期間および終身
年金の経済動向に関する仮定が外部から入手可能な予測の範囲内にあるかどうかを検討した。割引率および長期成長
率の見積りといった、回収可能価額の見積りに使用された評価パラメータを、外部から入手可能なパラメータとの比
較によって検討した。
また、使用された評価モデルの計算の正確性について再計算を行った。
のれんの回収可能性の監査にあたり、私たちは、事業評価の領域に特化した専門性を有する内部の専門家を利用し
た。
手続の結果、アセット・マネジメントの現金生成単位ののれんの測定に関していかなる検出事項も発見されなかっ
た。
関連する開示の参照先
のれんの測定に関する情報は、連結財務諸表に対する注記の注記1および23に記載されている。
4. 米国におけるリテール投資運用契約(以下「Scudder」という。)による償却対象とならない無形資産の測定
当該事項が監査上の重要な事項であると判断した理由
2020 年12月31日現在、グループは、米国における様々なリテール向けミューチュアル・ファンドの運用契約に起因
する706百万ユーロの無形資産を計上している。当該契約は、2002年に取得したZurich Scudder Investments, Inc.
(Scudder)の一部として取得したものである。
減損テストの目的上、回収可能価額は、当該契約によって生じる利益の複数年計画およびリテール向けミューチュ
アル・ファンドの運用に係る予想コストに基づき、多期間超過収益法を用いた、売却コスト控除後の公正価値として
計算される。売却コスト控除後の公正価値を決定する際の主要な仮定には、資産構成、フロー予測、実効報酬率およ
び割引率ならびに長期成長率が含まれる。
「Scudder」の償却対象とならない無形資産の測定は高度な判断に基づくものであるため、これは監査上の重要な
事項である。
監査人の対応
監査では、複数年計画の策定および「Scudder」の無形資産の回収可能価額の更なる計算プロセスを評価し、経営
陣による統制を理解し、資産構成、フロー予測、実効報酬率および割引率ならびに長期成長率に関する当該統制の整
備状況および運用状況の有効性を評価した。
さらに、前年度と比較した計画に関する仮定の重要な変更に焦点を当てて、上述の重要な仮定の分析を行った。こ
の点について、私たちは、複数年計画に使用された重要な仮定の整合性および検証可能性を評価し、また、外部の市
場予想との比較を行った。
投資運用契約による予想利益の分析にあたり、私たちは、事業計画を前事業年度の計画および達成した実績と比較
し、重要な乖離について評価した。さらに、 詳細な計画期間および終身年金の経済動向に関する仮定が外部から入
手可能な予測の範囲内にあるかどうかを検討した。割引率および長期成長率の見積りといった、回収可能価額の見積
りに使用された評価パラメータを、外部から入手可能なパラメータとの比較によって検討した。
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「Scudder」の償却対象とならない無形資産の減損の監査にあたり、私たちは、事業評価の領域に特化した専門性
を有する内部の専門家を利用した。
手続の結果、「Scudder」の償却対象とならない無形資産の測定に関していかなる検出事項も発見されなかった。
関連する開示の参照先
「Scudder」の償却対象とならない無形資産の測定に関する情報は、連結財務諸表に対する注記の注記1および23に
記載されている。
5. 繰延税金資産の認識および測定
当該事項が監査上の重要な事項であると判断した理由
2020 年12月31日現在、グループは5,497百万ユーロの繰延税金資産純額を計上している。
当該資産の将来の回収可能性に関する見積りは、潜在的な将来の課税所得に依存する。これは見積りの不確実性の
対象となり、予想される主要な仮定の変動に依存する。これは、承認された事業計画(税法上の繰越期間、タック
ス・プランニングの実現可能性およびその他の関連検討事項のレビューを含む。)に基づく営業成績の見通しに関す
る仮定を含むが、これらに限定されない。
将来の課税所得ならびに繰越欠損金および過年度に請求されなかった繰越税額控除の利用可能性に関する様々な見
積りには重要性があり判断を用いることから、繰延税金資産の認識および測定は監査上の重要な事項である。
監査人の対応
私たちは、控除可能な一時差異および繰越営業純損失が税法の規定およびIAS第12号に基づく繰延税金の会計処理
規則に準拠して識別され、測定されているかどうかを判断するために繰延税金資産の認識および測定のプロセスを理
解し、統制の整備状況を評価し、その運用状況の有効性をテストした。
これは、関連するグループ会社および税務申告グループの将来の課税所得を見積る基礎として、承認された事業計
画の要素を策定し、配分するために使用される仮定を含むが、これらに限定されない。
さらに、私たちは、将来の課税所得の見積りにおける仮定を分析することにより、繰延税金資産の認識手法を検証
した。私たちは、将来の課税所得予測の基礎となる主要な仮定を外部から入手可能な過去および将来のデータと比較
することにより、将来の課税所得の見積りに使用するデータの正確性を評価した。また、承認された事業計画に適用
されるパラメータを評価し、基礎となる仮定の感応度分析を実施した。さらに、過去の予測を実績と比較した。
繰延税金の回収可能性に関する上記の仮定の監査にあたり、私たちは、事業評価の領域に特化した専門性を有する
私たちの税務の専門家および内部の専門家を利用した。
手続の結果、繰延税金資産の認識および測定に関していかなる検出事項も発見されなかった。
関連する開示の参照先
繰延税金資産の認識および測定に関する情報は、連結財務諸表に対する注記の注記1および34に記載されている。
6. 財務報告におけるITアクセスおよび変更管理
当該事項が監査上の重要な事項であると判断した理由
銀行のグループ財務報告の正確性は、日々処理される取引が相当数あるため、使用されるITの信頼性および継続性
に大きく依存している。
当事業年度において銀行は、ITシステムおよびプロセスの一元化を強化し、IT処理およびアクセスならびに変更管
理の信頼性および継続性を高め、ITの複雑性を軽減する取り組みを継続した。
信頼性が高く継続的なデータ処理への依存度が高いこと、また、IT統制が内部統制システムの広範囲にわたること
を踏まえ、私たちは、財務報告におけるITアクセスおよび変更管理を監査上の重要な事項であると考える。
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監査人の対応
私たちは、IT全般統制および財務報告に関連するIT業務処理統制を含むIT統制環境を評価した。私たちの手続で
は、進行中の一元化の取り組みによる現在のIT統制環境に対する当年度中の変更も範囲に含まれる。
さらに、アプリケーション、データベースおよびオペレーティング・システムにわたるユーザー・アクセス管理お
よび変更管理に関するIT全般統制の運用状況の有効性をテストした。また、自動化されたデータ処理、データフィー
ドおよびインターフェースに関するIT業務処理統制をテストした。ITアクセス管理に関連する監査手続には、ユー
ザー・アクセスのプロビジョニングおよび取り消し、特権ユーザー・アクセス、定期的なアクセス権の更新、システ
ムのセキュリティ設定およびユーザー認証に係る統制が含まれるが、これらに限定されない。IT変更管理に関連する
監査手続には、変更が導入前にテストされ承認されていたかどうか、また、ユーザー管理の変更が認可されたユー
ザーに限定されていたかどうかの評価が含まれるが、これらに限定されない。
さらに、プログラム開発者が、本稼働システムにおける変更の承認権を有していたどうか、また、責任範囲が機能
的に分離されていたかどうかを評価するために、アプリケーション、データベースおよびオペレーティング・システ
ムそれぞれについて、アプリケーションの本稼働バージョンのアクセス権に基づいて修正を実行することができたか
どうかをテストした。
財務報告プロセスにおけるITアクセスおよび変更管理の監査にあたり、私たちは、IT監査の領域に特化した専門性
を有する内部の専門家を利用した。
手続の結果、財務報告におけるITアクセスおよび変更管理に関していかなる検出事項も発見されなかった。
関連する開示の参照先
財務報告に係る内部統制の一般的な説明については、統合マネジメント・レポートの「財務報告に係る内部統制」
の項を参照のこと。
その他の情報
監査役会は、監査役会の報告書について責任を負っている。業務執行取締役および監査役会は、ドイツ・コーポ
レート・ガバナンス・コードにより、ドイツ株式会社法第161条に基づく宣言について責任を負っている。当該宣言
は、統合コーポレート・ガバナンス・ステートメントの一部である。業務執行取締役は、その他すべての点につい
て、その他の情報の責任を負っている。その他の情報は、以下で構成される。
-グループ・マネジメント・レポートで言及するウェブサイトで公開されている、ドイツ商法第315d条に基づく統
合コーポレート・ガバナンス・ステートメント
および本監査報告書発行前に入手した版の年次報告書に含まれる、その他の特に以下の項目。
-非財務諸表
-ドイツ商法第297条第2項第4文およびドイツ商法第315条第1項第6文に基づく責任に関するステートメント
-「ドイツ銀行-財務の概要」の項
-「ドイツ銀行グループ」の項
-「コーポレート・ガバナンス・ステートメント/コーポレート・ガバナンス・レポート」の項
-「補足的情報」の項
ただし、連結財務諸表、一部が監査対象となっているグループ・マネジメント・レポートおよび私たちの監査報告
書は含まれない。
年次財務諸表およびマネジメント・レポートに対する私たちの意見は、その他の情報を対象としておらず、した
がって私たちは、その他の情報に対する意見またはその他のいかなる形式の保証に関する結論も表明しない。
監査に関連する私たちの責任は、上記のその他の情報を通読し、その際に、当該その他の情報について以下を検討
することにある。
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-連結財務諸表、一部が監査対象となっているグループ・マネジメント・レポートにおける開示内容または私たち
が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるか
-上記に該当しない場合、重要な虚偽表示の兆候があるか
私たちが実施した手続に基づき、その他の情報に重要な虚偽表示があった場合、私たちはその事実を報告すること
が求められている。これに関して、私たちが報告すべきものはない。
連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートに関する業務執行取締役および監査役会の
責任
業務執行取締役は、すべての重要な点について、EUによって採用されたIFRSおよびドイツ商法第315e条第1項に
従ったドイツの法律による追加的要求に準拠し、これらの求めるところに従って、グループの資産、負債および財政
状態ならびに財務成績につき真実かつ公正な概観を示す連結財務諸表を作成する責任を負っている。さらに、業務執
行取締役は、不正または誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成するために、業務執行取締役が必要と
判断した内部統制に対する責任を負っている。
連結財務諸表を作成するにあたり、業務執行取締役は、グループが継続企業として存続する能力があるかを評価す
る責任がある。また、必要がある場合には当該継続企業の前提に関する事項を開示する責任を負っている。また、業
務執行取締役がグループの清算または事業停止の意図があるか、もしくはそうする以外に現実的な代替案がない場合
を除き、継続企業の前提に基づいて財務報告を行う責任を負っている。
さらに、業務執行取締役は、全体としてグループの状況に関する適切な概観を有し、またすべての重要な点におい
て、連結財務諸表と整合性があり、ドイツの法的要件を遵守し、将来の動向に関する機会およびリスクを適切に表示
するグループ・マネジメント・レポートを作成する責任を負っている。また、適用されるドイツの法的要件に準拠し
たグループ・マネジメント・レポートを作成し、グループ・マネジメント・レポートにおける監査要点についての十
分かつ適切な証拠を提供するために、業務執行取締役が必要と判断した取り決めおよび措置(システム)について責
任を負っている。
監査役会は、連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートの作成に関するグループの財務報告プロセス
を監督する責任を負っている。
連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートの監査に関する監査人の責任
私たちの目的は、連結財務諸表に、全体として不正または誤謬による重要な虚偽表示がないか、ならびにグルー
プ・マネジメント・レポートが、全体としてグループの状況に関する適切な概観を提供しているか、またすべての重
要な点において、監査において得た知識および連結財務諸表と整合性があるか、ドイツの法的要件を遵守している
か、および将来の発展の機会とリスクを適切に表示しているか関する合理的な保証を得ること、ならびに連結財務諸
表およびグループ・マネジメント・レポートに対する私たちの意見を含む監査報告書を発行することにある。
合理的な保証は、高い水準の保証であるが、ドイツ商法第317条およびEU監査規則に準拠し、またドイツ経済監査
士協会(IDW)が公布した一般に公正妥当と認められるドイツ財務諸表監査基準に準拠して行った監査が、重要な虚
偽表示を常に発見することを保証するものではない。虚偽表示は、不正または誤謬から発生する可能性があり、個別
にまたは集計すると、当該連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートに基づく利用者の意思決定に影響
を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
私たちは、エンゲージメントを通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持している。また、
以下を実施する。
-不正または誤謬による連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートの重要な虚偽表示リスクを識別、
評価し、当該リスクに対応した監査手続を策定、実施し、監査意見の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手
する。不正による重要な虚偽表示リスクを発見できないリスクは、誤謬による重要な虚偽表示を発見できないリ
スクよりも高くなる。これは、不正には、共謀、文書の偽造、意図的な除外、虚偽の陳述、および内部統制の無
効化が伴うためである。
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-状況に応じて適切な監査手続を策定するために、年次財務諸表監査に関連する内部統制およびグループ・マネジ
メント・レポート監査に関連する取決めおよび基準(体制)について理解する。ただし、これは、これらの体制
自体の有効性に対する意見を表明するためではない。
-業務執行取締役が使用した会計方針の適切性および業務執行取締役によって行われた見積りの合理性ならびに関
連する開示について評価する。
-業務執行取締役が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるか、また、入手した監査証拠に基
づき、グループの継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況に関して重要な不確実性が存
在しているかについて結論付ける。重要な不確実性が存在すると結論を付した場合は、監査報告書において連結
財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートの関連する開示に注意を喚起すること、または当該開示が適
切でない場合は、除外事項付意見を表明することが求められている。私たちの結論は、監査報告書日までに入手
した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、グループは継続企業として存続できなくなる可能性
がある。
-関連する開示を含めた全体としての連結財務諸表の表示、構成および内容を検討し、連結財務諸表が、EUによっ
て採用されたIFRSおよびドイツ商法第315e条第1項に従ったドイツの法律による追加的要求に準拠してグループ
の資産、負債、財政状態および財務成績につき真実かつ公正な概観を示すように、基礎となる取引や事象を表示
しているかを評価する。
-連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートに対する意見を表明するため、グループ内の事業体の財
務情報および事業活動に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。私たちは、グループ監査の指示、監督およ
び実施について責任を負っている。私たちは、私たちの監査意見に単独で責任を負っている。
-グループ・マネジメント・レポートに係る連結財務諸表との整合性、ドイツ法への準拠、グループの状況に関す
る概観について評価する。
-業務執行取締役がグループ・マネジメント・レポートにおいて表示した将来的な情報について監査手続を実施す
る。十分かつ適切な監査証拠に基づいて、特に業務執行取締役が将来的な情報の基礎として使用した重要な仮定
について評価し、将来的な情報がこれらの仮定から適切に導出されているかについて評価する。私たちは、将来
的な情報および基礎として使用された仮定に対して個別の意見を表明するものではない。また、将来事象が将来
的な情報と大きく異なるという重大な不可避リスクが存在する。
私たちは、特に計画した監査の範囲とその実施時期、ならびに監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を
含むおよび監査上の重要な検出事項について、統治責任者に対して報告を行っている。
また私たちは、統治責任者に、関連する独立性の要件を遵守している旨宣言しており、私たちの独立性に影響を与
えると合理的に考えられるすべての関係性およびその他の事項、また該当する場合は関連するセーフガードについて
報告を行っている。
私たちは、統治責任者に報告した事項のうち、当年度の連結財務諸表監査で最も重要な事項を、監査上の主要な事
項と決定する。私たちは、法規制により当該事項の公表が禁止されている場合を除き、これらの事項を監査報告書に
おいて記載する。
その他の法規制要件
公表目的で作成される連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートの電子的複製に関するドイツ商法第
317条第3b項に準拠した保証に係る報告
意見
私たちは、添付の電子ファイル[Deutsche_Bank_AG_KA+KLB_ESEF-2020-12-31.zip]に含まれる、公表目的で作
成された連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートの複製(以下「ESEF文書」という。)が、すべての
重要な点において、電子報告様式(以下「ESEFフォーマット」という。)に関するドイツ商法第328条第1項の要件を
遵守しているかどうかについて合理的な保証を得るために、ドイツ商法第317条第3b項に準拠した保証手続を実施し
た。ドイツの法的要件に従い、この保証の範囲は、連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートに含まれ
る情報をESEFフォーマットに変換することに限定される。したがって、当該保証はこの複製に含まれる情報または上
述の電子ファイルに含まれる他の情報のいずれにも関連するものではない。
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私たちは、上述の添付の電子ファイルに含まれる、公表目的で作成された連結財務諸表およびグループ・マネジメ
ント・レポートの複製が、すべての重要な点において、電子報告様式に関するドイツ商法第328条第1項の要件を遵守
しているものと認める。私たちは、当該複製に含まれる情報および上述のファイルに含まれるその他の情報のいずれ
についても、この合理的な保証意見および上記の「連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートに関する
監査報告書」に含まれる2020年1月1日から2020年12月31日までの事業年度に係る添付の連結財務諸表および添付のグ
ループ・マネジメント・レポートに対する監査意見を超えて、意見を表明するものではない。
意見表明の根拠
私たちは、ドイツ商法第317条第3b項およびIDW保証基準の公開草案:「公表目的で作成された財務諸表およびマネ
ジメント・レポートの電子的複製に関するドイツ商法第317条第3b項に準拠した保証」(ED IDW AsS 410)に準拠
し、上述の添付の電子ファイルに含まれる連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートの複製について保
証手続を実施した。当該基準に基づく私たちの責任については、「ESEF文書の保証手続に関するグループ監査人の責
任」の項に詳述されている。私たち監査人の実務では、品質管理システムに関して、IDW品質管理基準:「公認会計
士の実務における品質管理の要件」(IDW QS 1)に記載された要件を適用している。
ESEF 文書に関する業務執行取締役および監査役会の責任
銀行の業務執行取締役は、ドイツ商法第328条第1項第4文第1号に準拠して連結財務諸表およびグループ・マネジメ
ント・レポートの電子的複製を含むESEF文書を作成する責任、ならびにドイツ商法第328条第1項第4文第2号に準拠し
て連結財務諸表にタグ付けする責任を負っている。
さらに、銀行の業務執行取締役は、不正または誤謬による、電子報告様式に関するドイツ商法第328条第1項の要件
の重要な不遵守のないESEF文書を作成するために、業務執行取締役が必要と判断した内部統制に対する責任を負って
いる。
銀行の業務執行取締役は、ESEF文書を、監査報告書、添付の監査済連結財務諸表およびグループ・マネジメント・
レポートならびに公表予定のその他の文書と合わせて、ドイツ連邦官報の担当官に提出する責任も負っている。
監査役会は、財務報告プロセスの一環として、ESEF文書の作成を監督する責任を負っている。
ESEF 文書の保証手続に関するグループ監査人の責任
私たちの目的は、ESEF文書に、不正または誤謬によるドイツ商法第328条第1項の要件の重要な不遵守がないかどう
かについて、合理的な保証を得ることにある。私たちは、エンゲージメントを通じて、職業的専門家としての判断を
行い、職業的懐疑心を保持している。また、以下を実施する。
-不正または誤謬によるドイツ商法第328条第1項の要件の重要な不遵守リスクを識別、評価し、当該リスクに対応
した監査手続を策定、実施し、保証意見の基礎となる十分かつ適切な保証の証拠を入手する。
-状況に応じて適切な保証手続を策定するために、ESEF文書の保証に関連する内部統制について理解する。ただ
し、これは、これらの統制の有効性に対する保証意見を表明するためではない。
-ESEF文書の技術的妥当性、すなわち、ESEF文書を含む電子ファイルが、報告日時点で有効な版で、この電子ファ
イルの技術仕様に関する委任規則(EU)第2019/815号の要件を満たしているかどうかを評価する。
-ESEF文書により、監査済連結財務諸表および監査済グループ・マネジメント・レポートと同等の内容でXHTMLを
複製できるかどうかを評価する。
-インラインXBRL技術(iXBRL)によるESEF文書のタグ付けにより、適切かつ完全で機械読み取り可能なXHTML複製
のXBRLコピーが可能かどうかを評価する。
EU 監査規則第10条に基づく追加情報
私たちは、2020年5月20日付定時株主総会において、グループ監査人に選任された。私たちは、2020年6月5日付監
査役会に出席した。私たちは、2020年度よりドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフトのグループ監査人を務めてい
る。
私たちは、本監査報告書において表明された意見が、EU監査規則第11条に準拠して、監査委員会への追加報告書
(長分式監査報告書)と整合的であることを宣言する。
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エンゲージメントに対する責任を負っているドイツ公認会計監査人
エンゲージメントに対する責任を負っているドイツ公認会計監査人は、ホルガー・レシュケン氏である。
エシュボルン/フランクフルト・アム・マイン、2021年3月8日
アーンスト・アンド・ヤング・ゲーエムベーハー
監査法人
バース レシュケン
経済監査士 経済監査士
[ドイツ公認会計監査人] [ドイツ公認会計監査人]
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Bestätigungsvermerk des unabhängigen Abschlussprüfers
An die Deutsche Bank Aktiengesellschaft, Frankfurt am Main
Vermerk über die Prüfung des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts
Prüfungsurteile
Wir haben den Konzernabschluss der Deutsche Bank Aktiengesellschaft, Frankfurt am Main, und
ihrer Tochtergesellschaften (der Konzern) - bestehend aus der Konzernbilanz zum 31. Dezember
2020, der Konzern-Gewinn- und Verlustrechnung, Konzern-Gesamtergebnisrechnung, Konzern-
Eigenkapitalveränderungsrechnung und der Konzern-Kapitalflussrechnung für das Geschäftsjahr
vom 1. Januar 2020 bis zum 31. Dezember 2020 sowie dem Konzernanhang, einschließlich einer
Zusammenfassung bedeutsamer Rechnungslegungsmethoden - geprüft. Darüber hinaus haben wir den
Konzernlagebericht der Deutsche Bank Aktiengesellschaft, Frankfurt am Main, der mit dem
Lagebericht der Gesellschaft zusammengefasst wurde, für das Geschäftsjahr vom 1. Januar 2020
bis zum 31. Dezember 2020 geprüft. Die auf der im Konzernlagebericht angegebenen
Internetseite veröffentlichte zusammengefasste Erklärung zur Unternehmensführung nach § 315d
HGB, die Bestandteil des Konzernlageberichts ist, haben wir in Einklang mit den deutschen
gesetzlichen Vorschriften nicht inhaltlich geprüft.
Nach unserer Beurteilung aufgrund der bei der Prüfung gewonnenen Erkenntnisse
・ entspricht der beigefügte Konzernabschluss in allen wesentlichen Belangen den IFRS, wie
sie in der EU anzuwenden sind, und den ergänzend nach § 315e Abs. 1 HGB anzuwendenden
deutschen gesetzlichen Vorschriften und vermittelt unter Beachtung dieser Vorschriften
ein den tatsächlichen Verhältnissen entsprechendes Bild der Vermögens- und Finanzlage des
Konzerns zum 31. Dezember 2020 sowie seiner Ertragslage für das Geschäftsjahr vom 1.
Januar 2020 bis zum 31. Dezember 2020 und
・ vermittelt der beigefügte Konzernlagebericht insgesamt ein zutreffendes Bild von der Lage
des Konzerns. In allen wesentlichen Belangen steht dieser Konzernlagebericht in Einklang
mit dem Konzernabschluss, entspricht den deutschen gesetzlichen Vorschriften und stellt
die Chancen und Risiken der zukünftigen Entwicklung zutreffend dar. Unser Prüfungsurteil
zum Konzernlagebericht erstreckt sich nicht auf den Inhalt der oben genannten
zusammengefasste Konzernerklärung zur Unternehmensführung.
Gemäß § 322 Abs. 3 Satz 1 HGB erklären wir, dass unsere Prüfung zu keinen Einwendungen gegen
die Ordnungsmäßigkeit des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts geführt hat.
Grundlage für die Prüfungsurteile
Wir haben unsere Prüfung des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts in
Übereinstimmung mit § 317 HGB und der EU-Abschlussprüferverordnung (Nr. 537/2014; im
Folgenden "EU-APrVO") unter Beachtung der vom Institut der Wirtschaftsprüfer (IDW)
festgestellten deutschen Grundsätze ordnungsmäßiger Abschlussprüfung durchgeführt. Unsere
Verantwortung nach diesen Vorschriften und Grundsätzen ist im Abschnitt "Verantwortung des
Abschlussprüfers für die Prüfung des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts" unseres
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Bestätigungsvermerks weitergehend beschrieben. Wir sind von den Konzernunternehmen unabhängig
in Übereinstimmung mit den europarechtlichen sowie den deutschen handelsrechtlichen und
berufsrechtlichen Vorschriften und haben unsere sonstigen deutschen Berufspflichten in
Übereinstimmung mit diesen Anforderungen erfüllt. Darüber hinaus erklären wir gemäß Artikel
10 Abs. 2 Buchst. f) EU-APrVO, dass wir keine verbotenen Nichtprüfungsleistungen nach Artikel
5 Abs. 1 EU-APrVO erbracht haben. Wir sind der Auffassung, dass die von uns erlangten
Prüfungsnachweise ausreichend und geeignet sind, um als Grundlage für unsere Prüfungsurteile
zum Konzernabschluss und zum Konzernlagebericht zu dienen.
Besonders wichtige Prüfungssachverhalte in der Prüfung des Konzernabschlusses
Besonders wichtige Prüfungssachverhalte sind solche Sachverhalte, die nach unserem
pflichtgemäßen Ermessen am bedeutsamsten in unserer Prüfung des Konzernabschlusses für das
Geschäftsjahr vom 1. Januar 2020 bis zum 31. Dezember 2020 waren. Diese Sachverhalte wurden
im Zusammenhang mit unserer Prüfung des Konzernabschlusses als Ganzem und bei der Bildung
unseres Prüfungsurteils hierzu berücksichtigt; wir geben kein gesondertes Prüfungsurteil zu
diesen Sachverhalten ab.
Nachfolgend beschreiben wir die aus unserer Sicht besonders wichtigen Prüfungssachverhalte:
1. Bewertung von Level-3-Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren
Eingangsparametern
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Die Bank verwendet Bewertungsverfahren zur Bestimmung des beizulegenden Zeitwerts von Level-
3-Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren Eingangsparametern. Zum
31. Dezember 2020 hielt die Bank zum beizulegenden Zeitwert bewertete finanzielle
Vermögenswerte und finanzielle Verpflichtungen der Level-3-Kategorie in Höhe von EUR 23.583
Mio. bzw. EUR 8.867 Mio. Solche Finanzinstrumente werden im Bilanzposten Zum beizulegenden
Zeitwert bewertete finanzielle Vermögenswerte/Verpflichtungen erfasst.
Zu den betreffenden Finanzinstrumenten und den nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren
Eingangsparametern zählen insbesondere strukturierte Derivate, die anhand komplexer Modelle
bewertet werden, Derivate mit nicht standardisierten Sicherheitenvereinbarungen, komplexere
OTC-Derivate, notleidende Kredite, hochgradig strukturierte Anleihen, Private-Equity-
Beteiligungen, gewerbliche Immobilienkredite, illiquide Kredite, Kommunalanleihen, für die
Ermittlung von Bewertungsanpassungen (insbesondere Credit Valuation Adjustment und Funding
Valuation Adjustment) verwendete Credit und Funding Spreads sowie weitere Eingangsparameter
die sich vor allem bei Instrumenten mit längeren Laufzeiten nicht beobachten lassen.
Da die Bewertung von Level-3-Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt
beobachtbaren Eingangsparametern aufgrund der hohen Komplexität der angewandten
Bewertungsverfahren und -modelle in hohem Maße von Annahmen und Ermessensentscheidungen des
Managements abhängig ist, haben wir diesen Sachverhalt als besonders wichtigen
Prüfungssachverhalt bestimmt.
Prüferisches Vorgehen
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Wir haben uns ein Verständnis der Kontrollen für die vom Management angewandten Prozesse zur
Bewertung von Level-3-Finanzinstrumenten und der Ermittlung von nicht in einem aktiven Markt
beobachtbaren Eingangsparametern verschafft, die Ausgestaltung dieser Kontrollen beurteilt
und ihre operative Wirksamkeit geprüft. Dies betraf insbesondere die Kontrollen im Rahmen der
unabhängigen Preisverifizierung, der unabhängigen Validierung von Bewertungsmodellen,
einschließlich der Beurteilung von Modellbeschränkungen, der Überwachung einer potenziell
unsachgemäßen Verwendung von Bewertungsmodellen und der Berechnung von Fair-Value-Anpassungen
sowie die zugehörigen Kontrollen in Bezug auf die relevanten IT-Systeme.
Wir haben die Bewertungsverfahren, -modelle und -methoden beurteilt und die ausgewählten
Eingangsparameter, die in den Modellen verwendet wurden, nachvollzogen. Wir haben unter
Verwendung unabhängiger Modelle und Eingangsparameter die unabhängige Neubewertung einer
Stichprobe von zum beizulegenden Zeitwert bewerteten Derivaten und sonstigen
Finanzinstrumenten vorgenommen. Darüber hinaus erfolgte auf Stichprobenbasis eine unabhängige
Beurteilung der Angemessenheit der verwendeten Näherungsparameter.
Weiterhin haben wir die vom Management zur Ermittlung der Fair-Value-Anpassungen verwendeten
Methoden und Eingangsparameter mit den Anforderungen des IFRS 13 verglichen und beurteilt.
Für stichprobenhaft ausgewählte Bewertungsanpassungen haben wir unter Verwendung unserer
eigenen unabhängigen Daten und Methoden Neuberechnungen durchgeführt.
Wir haben interne Spezialisten mit besonderen Fachkenntnissen in der Bewertung von
Finanzinstrumenten hinzugezogen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen die Bewertung von Level-3-
Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren Eingangsparametern ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zu den Bewertungsverfahren, -modellen und -methoden für die Bemessung des
beizulegenden Zeitwerts sind in den Anhangangaben 1 und 13 des Anhangs zum Konzernabschluss.
2. Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte Ermittlung der
Risikovorsorge
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Zum 31. Dezember 2020 belief sich die Risikovorsorge im Kreditgeschäft des Konzerns auf EUR
5.385 Mio.
Die der modellbasierten Berechnung der Risikovorsorge für nicht ausgefallene
Finanzinstrumente (Stufe 1 und Stufe 2 gemäß IFRS 9) zugrunde gelegte Schätzung der
Ausfallwahrscheinlichkeiten basiert zum einen auf historischen Informationen. Zum anderen
fließen aktuelle wirtschaftliche Entwicklungen sowie zukunftsorientierte makroökonomische
Prognosen (z.B. Bruttoinlandsprodukt und Arbeitslosenquoten) ein. Das so ermittelte
Basisszenario wird durch die Nutzung statistischer Methoden in eine Multi-Szenario-Analyse
übertragen. Die Szenarien spezifizieren Abweichungen vom Basisszenario. Diese dienen als
Grundlage für die Ableitung von Mehrjahreskurven für die Ausfallwahrscheinlichkeiten
verschiedener Rating- und Kontrahentenklassen, die bei der Berechnung der erwarteten
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Kreditausfälle und bei der Identifizierung einer signifikanten Verschlechterung der
Kreditqualität von finanziellen Vermögenswerten verwendet werden.
Vor dem Hintergrund der im Geschäftsjahr aufgetretenen wirtschaftlichen Verwerfungen aufgrund
der COVID-19-Pandemie, der sich daraus ergebenden Unsicherheiten bei der Schätzung
zukunftsgerichteter Informationen und der Auswirkung staatlicher Stabilisierungsmaßnahmen auf
die Risikofrüherkennung hat die Bank Anpassungen der anhand der herkömmlichen
Kreditrisikomodelle und Prognoseverfahren ermittelten Risikovorsorge vorgenommen.
Vor dem Hintergrund des signifikanten Volumens der Bestände der nicht ausgefallenen
Finanzinstrumente sowie der erhöhten Unsicherheiten und Ermessensspielräume, auch aufgrund
der COVID-19-Pandemie, erachten wir die Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen (z.B.
Bruttoinlandsprodukt und Arbeitslosenraten) in die modellbasierte Ermittlung der
Risikovorsorge als besonders wichtigen Prüfungssachverhalt.
Prüferisches Vorgehen
Im Rahmen unserer Prüfung haben wir uns ein Verständnis der von der Bank implementierten
Prozesse verschafft und die Ausgestaltung der Kontrollen zur Auswahl, Ermittlung und
Validierung zukunftsgerichteter Informationen im Hinblick auf die sich ergebenden
Anforderungen des IFRS 9 beurteilt sowie deren Wirksamkeit getestet.
Wir haben die Überprüfung der Prognoseverfahren auf Basis der Validierungsberichte der Bank
nachvollzogen. Darüber hinaus haben wir die Methoden zur Einbeziehung der ausgewählten
Variablen in das Basisszenario sowie die Durchführung der Multi-Szenario-Analyse
nachvollzogen.
Die von der Bank zum Stichtag verwendeten makroökonomischen Prognosen haben wir mit externen
Quellen verglichen.
Weiterhin haben wir die von der Bank vorgenommenen Anpassungen methodisch nachvollzogen.
Hierbei haben wir die Ergebnisse der von der Bank durchgeführten Sensitivitätsanalysen anhand
unserer Erkenntnisse aus eigenen Benchmarkanalysen gewürdigt. Zudem haben wir uns davon
überzeugt, dass die Anpassungen in der Risikovorsorgeermittlung entsprechend der Methodik der
Bank berücksichtigt wurden.
Für die Prüfung der Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte
Ermittlung der Risikovorsorge haben wir Spezialisten hinzugezogen, die über besondere
Fachkenntnisse auf dem Gebiet der Kreditrisikomodellierung verfügen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen hinsichtlich der Einbeziehung
zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte Ermittlung der Risikovorsorge
ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zur Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte Ermittlung
der Risikovorsorge und deren Anpassung sind in den Anhangangaben 1 und 19 des Anhangs zum
Konzernabschluss.
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3. Bewertung des Geschäfts- oder Firmenwerts für die zahlungsmittelgenerierende Einheit
Asset Management
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Zum 31. Dezember 2020 weist der Konzern einen Geschäfts- oder Firmenwert in Höhe von EUR
2.739 Mio. aus, der ausschließlich der zahlungsmittelgenerierenden Einheit Asset Management
zugeordnet ist.
Die Ermittlung des erzielbaren Betrags der zahlungsmittelgenerierende Einheit Asset
Management im Rahmen der Werthaltigkeitsprüfung des Geschäfts- oder Firmenwerts erfolgt unter
Anwendung der Discounted-Cashflow-Methode. Diesbezüglich sind Annahmen bezüglich der
Ergebnisprognosen, der langfristigen Wachstumsrate und des Diskontierungssatzes zu treffen.
Der Diskontierungssatz wird unter Zugrundelegung des Capital Asset Pricing Model abgeleitet.
Da die Bewertung des Geschäfts- oder Firmenwerts für die zahlungsmittelgenerierende Einheit
Asset Management in einem hohen Maße auf Ermessensentscheidungen beruht ist dies ein
besonders wichtiger Prüfungssachverhalt.
Prüferisches Vorgehen
Im Rahmen unserer Prüfungshandlungen haben wir uns ein Verständnis des Prozesses zur
Erstellung der Mehrjahresplanung sowie zur Ermittlung des erzielbaren Betrages des Geschäfts-
oder Firmenwerts für die zahlungsmittelgenerierende Einheit Asset Management verschafft. Wir
haben uns diesbezüglich auch ein Verständnis der implementierten Kontrollen in Bezug auf
Ergebnisprognosen, des Diskontierungssatzes und der langfristigen Wachstumsrate verschafft,
die Ausgestaltung dieser Kontrollen beurteilt und ihre Wirksamkeit getestet.
Weiterhin haben wir die vorstehend beschriebenen wesentlichen Annahmen mit besonderem Fokus
auf wesentliche Veränderungen der Planannahmen im Vergleich zum Vorjahr analysiert. Hierbei
haben wir die Konsistenz und Nachvollziehbarkeit der wesentlichen Annahmen bei der
Mehrjahresplanung beurteilt und diese zusätzlich mit externen Markterwartungen verglichen.
Bei der Analyse der erwarteten künftigen Zahlungsmittelzuflüsse der
zahlungsmittelgenerierenden Einheit Asset Management haben wir die Geschäftsplanung mit der
Planung des vorherigen Geschäftsjahres und den tatsächlich realisierten Ergebnissen
verglichen und Abweichungen untersucht. Weiterhin haben wir untersucht, inwieweit die
Annahmen zur volkswirtschaftlichen Entwicklung im Detailplanungszeitraum und in der ewigen
Rente innerhalb von Bandbreiten extern verfügbarer Prognosen liegen. Die im Rahmen der
Schätzung des erzielbaren Betrags verwendeten Bewertungsparameter, wie beispielsweise
geschätztem Diskontierungssatz und langfristiger Wachstumsrate, haben wir mit extern
verfügbaren Parametern abgeglichen.
Darüber hinaus haben wir die rechnerische Richtigkeit des verwendeten Bewertungsmodells
nachvollzogen.
Für die Prüfung der Werthaltigkeit des Geschäfts- oder Firmenwerts haben wir interne
Spezialisten hinzugezogen, die über besondere Fachkenntnisse auf dem Gebiet der
Unternehmensbewertung verfügen.
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Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen die Bewertung des der
zahlungsmittelgenerierenden Einheit Asset Management zugeordneten Geschäfts- oder Firmenwerts
ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zur Bewertung des Geschäfts- oder Firmenwerts sind in den Anhangangaben 1 und 23 des
Anhangs zum Konzernabschluss.
4. Bewertung des nicht planmäßig abzuschreibenden immateriellen Vermögenswerts aus
Vermögensverwaltungsverträgen im Publikumsfondsgeschäft in den USA ("Scudder")
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Zum 31. Dezember 2020 weist der Konzern Immaterielle Vermögensgegenstände in Höhe von EUR 706
Mio. aus, die aus Verträgen zur Verwaltung einer Vielzahl von Publikums-Investmentvermögen in
den USA bestehen. Diese wurden im Rahmen der 2002 erfolgten Akquisition der Zurich Scudder
Investments, Inc. ("Scudder") erworben.
Die Ermittlung des erzielbaren Betrages als beizulegender Zeitwert abzüglich Kosten der
Veräußerung im Rahmen der Überprüfung der Werthaltigkeit erfolgt anhand der
Residualwertmethode und basiert auf einer Mehrjahresplanung für die aus den Verträgen
resultierenden Erträge sowie den für die Verwaltung der Publikums-Investmentvermögen
erwarteten Kosten. Die der Ermittlung des beizulegenden Zeitwerts abzüglich der Kosten der
Veräußerung zugrunde gelegten wesentlichen Annahmen umfassen den Asset-Mix, erwartete
Cashflows, die effektive Gebührenrate und Diskontierungsfaktoren sowie die langfristige
Wachstumsrate.
Da die Bewertung des nicht planmäßig abzuschreibenden immateriellen Vermögenswerts "Scudder"
in einem hohen Maße auf Ermessensentscheidungen beruht ist dies ein besonders wichtiger
Prüfungssachverhalt.
Prüferisches Vorgehen
Die Prüfung umfasste zum einen eine Beurteilung des Prozesses zur Erstellung der
Mehrjahresplanung sowie zur weiteren Ermittlung des erzielbaren Betrages des immateriellen
Vermögenswertes "Scudder", zum anderen das Erlangen eines Verständnisses der vom Management
durchgeführten Kontrollen sowie die Beurteilung der Ausgestaltung und Wirksamkeit dieser
Kontrollen in Bezug auf den Asset-Mix, die erwarteten Cashflows, die effektive Gebührenrate
und Diskontierungsfaktoren sowie die langfristige Wachstumsrate.
Weiterhin wurden die vorstehend beschriebenen wesentlichen Annahmen mit besonderem Fokus auf
wesentliche Veränderungen der Planannahmen im Vergleich zum Vorjahr analysiert. Hierbei
wurden die Konsistenz und Nachvollziehbarkeit der wesentlichen Annahmen bei der
Mehrjahresplanung beurteilt und diese zusätzlich mit externen Markterwartungen verglichen.
Bei der Analyse der erwarteten Erträge aus den Vermögensverwaltungsverträgen wurden die
Geschäftsplanung mit der Planung des vorherigen Geschäftsjahres und den tatsächlich
realisierten Ergebnissen verglichen und wesentliche Abweichungen nachvollzogen. Weiterhin
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wurde untersucht, inwieweit die Annahmen zur volkswirtschaftlichen Entwicklung im
Detailplanungszeitraum und in der ewigen Rente innerhalb von Bandbreiten extern verfügbarer
Prognosen liegen. Die im Rahmen der Schätzung des erzielbaren Betrags verwendeten
Bewertungsparameter, wie beispielsweise Diskontierungssatz und langfristiger Wachstumsrate,
wurden mit extern verfügbaren Parametern abgeglichen.
Für die Prüfung der Werthaltigkeit des nicht abzuschreibenden Immateriellen Vermögenswerts
"Scudder" haben wir interne Spezialisten hinzugezogen, die über besondere Fachkenntnisse auf
dem Gebiet der Unternehmensbewertung verfügen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen die Bewertung des keiner
planmäßigen Abschreibung unterliegenden Immateriellen Vermögenswerts "Scudder" ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zur Bewertung des keiner planmäßigen Abschreibung unterliegenden immateriellen
Vermögenswerts "Scudder" sind in den Anhangangaben 1 und 23 des Anhangs zum Konzernabschluss.
5. Ansatz und Bewertung latenter Steueransprüche
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Zum 31. Dezember 2020 weist der Konzern latente Steueransprüche in Höhe von netto EUR 5.497
Mio. aus.
Die Einschätzung der Nutzbarkeit der Ansprüche erfolgt auf Basis des zukünftigen steuerlichen
Ertragspotenzials. Diese ist mit Schätzunsicherheiten behaftet und abhängig von der
voraussichtlichen Entwicklung wesentlicher Annahmen. Hierzu zählen insbesondere die Annahmen
über prognostizierte Geschäftsergebnisse auf Basis genehmigter Geschäftspläne einschließlich
einer Aufstellung über die Vortragsperioden, Steuerplanungsmöglichkeiten sowie sonstiger
maßgeblicher Überlegungen.
Aufgrund der materiellen Bedeutung und der bestehenden Ermessensspielräume bei zahlreichen
Schätzungen über die zukünftige steuerliche Ertragssituation sowie die Nutzbarkeit
steuerlicher Verluste und bisher ungenutzter Steuergutschriften ist die Beurteilung des
Ansatzes und der Bewertung latenter Steueransprüche ein besonders wichtiger
Prüfungssachverhalt.
Prüferisches Vorgehen
Wir haben uns ein Verständnis des Prozesses zum Ansatz und zur Bewertung von latenten
Steueransprüchen dahingehend verschafft, ob eine Identifizierung von abzugsfähigen temporären
Differenzen und von Nettobetriebsverlusten (NOLs) und deren Bewertung in Übereinstimmung mit
den steuerrechtlichen Regelungen und Vorschriften zur Bilanzierung latenter Steuern nach IAS
12 erfolgt, die Ausgestaltung der Kontrollen beurteilt und deren operative Wirksamkeit
getestet.
Dies umfasste insbesondere die Annahmen, die bei der Entwicklung und Zuweisung der
verabschiedeten Unternehmensplanung als Grundlage für die Schätzung des künftigen
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steuerpflichtigen Einkommens der relevanten Konzerngesellschaften und Steuergruppen verwendet
wurden.
Darüber hinaus haben wir die Konzernmethode zur Erfassung latenter Steueransprüche
nachvollzogen, indem wir die Annahmen analysiert haben, die zur Schätzung künftiger
steuerpflichtiger Gewinne getroffen wurden. Wir haben diese hinsichtlich der
Nachvollziehbarkeit der Daten beurteilt, die für die Schätzung des künftigen zu versteuernden
Einkommens verwendet wurden, indem wir die wesentlichen Annahmen für die Prognose des
künftigen zu versteuernden Einkommens mit extern verfügbaren historischen und prospektiven
Daten verglichen haben. Darüber hinaus haben wir die in den verabschiedeten
Unternehmensplanung berücksichtigten Parameter beurteilt und Sensitivitätsanalysen der
getroffenen Annahmen durchgeführt. Des Weiteren haben wir die historische Planung mit den
tatsächlichen Ergebnissen verglichen.
Für die Prüfung der Werthaltigkeit der latenten Steuern haben wir unsere Steuerexperten sowie
interne Spezialisten, die über besondere Kenntnisse auf dem Gebiet der Unternehmensbewertung
verfügen, hinzugezogen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen den Ansatz und die
Bewertung der latenten Steueransprüche ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zum Ansatz und zur Bewertung der latenten Steueransprüche sind in den Anhangangaben 1
und 34 des Anhangs zum Konzernabschluss.
6. IT-Zugriffs- und Änderungsmanagement in der Konzernrechnungslegung
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Die Ordnungsmäßigkeit der Konzernrechnungslegung der Bank ist aufgrund der signifikanten
Anzahl von Transaktionen, die täglich automatisiert verarbeitet werden, in hohem Maße von der
Zuverlässigkeit und vom störungsfreien Betrieb der eingesetzten Informationstechnologie
abhängig.
Die Bank hat im Geschäftsjahr weitere Schritte zur stärkeren Zentralisierung ihrer IT-Systeme
und -Prozesse vorgenommen, um so die zuverlässige und kontinuierliche Verarbeitung der Daten
sowie des Zugriffs- und Änderungsmanagements zu erhöhen und die Komplexität zu reduzieren.
Da eine hohe Abhängigkeit von der zuverlässigen und kontinuierlichen Verarbeitung der Daten
besteht und die IT-Kontrollen wesentlicher Bestandteil des rechnungslegungsbezogenen internen
Kontrollsystems (IKS) sind, sind das IT-Zugriffs- und Änderungsmanagement in der
Konzernrechnungslegung ein besonders wichtiger Prüfungssachverhalt.
Prüferisches Vorgehen
Wir haben die Ausgestaltung des rechnungslegungsbezogenen IT-Umfelds inklusive der generellen
und anwendungsbezogenen IT-Kontrollen des Konzerns beurteilt. Dies beinhaltete auch die
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Auswirkungen von Änderungen im Geschäftsjahr aufgrund der Zentralisierungsmaßnahmen der
bestehenden IT-Systeme und -Prozesse.
Des Weiteren haben wir die operative Wirksamkeit der generellen IT-Kontrollen in Bezug auf
das Zugriffs- und Änderungsmanagement in verschiedenen IT-Anwendungen, Datenbanken und
Betriebssystemen getestet. Zudem haben wir die IT-Anwendungskontrollen für die automatisierte
Datenverarbeitung, Datenzulieferungen und Schnittstellen getestet. Unsere Prüfungshandlungen
in Bezug auf das IT-Zugriffsmanagement umfassten insbesondere Prüfungen der Vergabe und des
Entzugs von Nutzerrechten, der privilegierten Zugriffsrechte, der periodischen
Rezertifizierung von Zugriffsrechten, der systemseitigen Sicherheitseinstellungen und der
Nutzerauthentifizierungskontrollen. Hinsichtlich des IT-Änderungsmanagements umfassten unsere
Prüfungshandlungen vor allem die Beurteilung, ob Änderungen vor ihrer Umsetzung getestet und
genehmigt wurden und die Änderungen der Benutzerberichtigungen ausschließlich von
autorisierten Mitarbeitern durchgeführt wurden.
Ferner haben wir geprüft, ob Programmentwickler Freigaberechte für Änderungen haben und
gleichzeitig über ihre Zugriffsrechte die Möglichkeit besitzen, Änderungen in den
Produktivsystemen (Anwendungen, Datenbanken und Betriebssysteme) durchzuführen bzw. ob diese
Berechtigungen funktional getrennt sind.
Wir haben interne Experten hinzugezogen, die über besondere Fachkenntnisse in Bezug auf IT-
Prüfungen verfügen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen das IT-Zugriffs- und
Änderungsmanagements in der Konzernrechnungslegung ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Eine Beschreibung des internen Kontrollsystems in der Konzernrechnungslegung einschließlich
der IT-Zugriffsberechtigungen findet sich im zusammengefassten Lagebericht im Abschnitt
"Internes Kontrollsystem bezogen auf die Rechnungslegung".
Sonstige Informationen
Der Aufsichtsrat ist für den Bericht des Aufsichtsrats verantwortlich. Für die Erklärung nach
§ 161 AktG zum Deutschen Corporate Governance Kodex, die Bestandteil der zusammengefassten
Erklärung zur Unternehmensführung ist, sind die gesetzlichen Vertreter und der Aufsichtsrat
verantwortlich. Im Übrigen sind die gesetzlichen Vertreter für die sonstigen Informationen
verantwortlich. Die sonstigen Informationen umfassen
・ die auf der im Konzernlagebericht angegebenen Internetseite veröffentlichte
zusammengefasste Erklärung zur Unternehmensführung nach § 315d HGB,
ferner weitere, für den Geschäftsbericht vorgesehene Bestandteile, von denen wir eine Fassung
bis zur Erteilung dieses Bestätigungsvermerks erlangt haben, insbesondere:
・ Nichtfinanzielle Erklärung
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・ Versicherung der gesetzlichen Vertreter gemäß § 297 Abs. 2 Satz 4 HGB i.V.m. § 315 Abs.
1 S. 6 HGB,
・ den Abschnitt "Deutsche Bank - Zusammenfassung der Konzernergebnisse",
・ den Abschnitt "Konzern Deutsche Bank",
・ den Abschnitt "Erklärung zur Unternehmensführung/Corporate-Governance Bericht" und
・ den Abschnitt "Ergänzende Informationen"
aber nicht den Konzernabschluss, nicht die in die inhaltliche Prüfung einbezogenen
Konzernlageberichtsangaben und nicht unseren dazugehörigen Bestätigungsvermerk.
Unsere Prüfungsurteile zum Konzernabschluss und Konzernlagebericht erstrecken sich nicht auf
die sonstigen Informationen und dementsprechend geben wir weder ein Prüfungsurteil noch
irgendeine andere Form von Prüfungsschlussfolgerung hierzu ab.
Im Zusammenhang mit unserer Prüfung haben wir die Verantwortung, die oben genannten sonstigen
Informationen zu lesen und dabei zu würdigen, ob die sonstigen Informationen
・ wesentliche Unstimmigkeiten zum Konzernabschluss, zu den inhaltlich geprüften
Konzernlageberichtsangaben oder unseren bei der Prüfung erlangten Kenntnissen aufweisen
oder
・ anderweitig wesentlich falsch dargestellt erscheinen.
Falls wir auf Grundlage der von uns durchgeführten Arbeiten den Schluss ziehen, dass eine
wesentliche falsche Darstellung dieser sonstigen Informationen vorliegt, sind wir
verpflichtet, über diese Tatsache zu berichten. Wir haben in diesem Zusammenhang nichts zu
berichten.
Verantwortung der gesetzlichen Vertreter und des Aufsichtsrats für den Konzernabschluss und
den Konzernlagebericht
Die gesetzlichen Vertreter sind verantwortlich für die Aufstellung des Konzernabschlusses,
der den IFRS, wie sie in der EU anzuwenden sind, und den ergänzend nach § 315e Abs. 1 HGB
anzuwendenden deutschen gesetzlichen Vorschriften in allen wesentlichen Belangen entspricht ,
und dafür, dass der Konzernabschluss unter Beachtung dieser Vorschriften ein den
tatsächlichen Verhältnissen entsprechendes Bild der Vermögens‑, Finanz- und Ertragslage des
Konzerns vermittelt. Ferner sind die gesetzlichen Vertreter verantwortlich für die internen
Kontrollen, die sie als notwendig bestimmt haben, um die Aufstellung eines Konzernabschlusses
zu ermöglichen, der frei von wesentlichen – beabsichtigten oder unbeabsichtigten – falschen
Darstellungen ist.
Bei der Aufstellung des Konzernabschlusses sind die gesetzlichen Vertreter dafür
verantwortlich, die Fähigkeit des Konzerns zur Fortführung der Unternehmenstätigkeit zu
beurteilen. Des Weiteren haben sie die Verantwortung, Sachverhalte in Zusammenhang mit der
Fortführung der Unternehmenstätigkeit, sofern einschlägig, anzugeben. Darüber hinaus sind sie
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dafür verantwortlich, auf der Grundlage des Rechnungslegungsgrundsatzes der Fortführung der
Unternehmenstätigkeit zu bilanzieren, es sei denn, es besteht die Absicht den Konzern zu
liquidieren oder der Einstellung des Geschäftsbetriebs oder es besteht keine realistische
Alternative dazu.
Außerdem sind die gesetzlichen Vertreter verantwortlich für die Aufstellung des
Konzernlageberichts, der insgesamt ein zutreffendes Bild von der Lage des Konzerns vermittelt
sowie in allen wesentlichen Belangen mit dem Konzernabschluss in Einklang steht, den
deutschen gesetzlichen Vorschriften entspricht und die Chancen und Risiken der zukünftigen
Entwicklung zutreffend darstellt. Ferner sind die gesetzlichen Vertreter verantwortlich für
die Vorkehrungen und Maßnahmen (Systeme), die sie als notwendig erachtet haben, um die
Aufstellung eines Konzernlageberichts in Übereinstimmung mit den anzuwendenden deutschen
gesetzlichen Vorschriften zu ermöglichen, und um ausreichende geeignete Nachweise für die
Aussagen im Konzernlagebericht erbringen zu können.
Der Aufsichtsrat ist verantwortlich für die Überwachung des Rechnungslegungsprozesses des
Konzerns zur Aufstellung des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts.
Verantwortung des Abschlussprüfers für die Prüfung des Konzernabschlusses und des
Konzernlageberichts
Unsere Zielsetzung ist, hinreichende Sicherheit darüber zu erlangen, ob der Konzernabschluss
als Ganzes frei von wesentlichen – beabsichtigten oder unbeabsichtigten – falschen
Darstellungen ist, und ob der Konzernlagebericht insgesamt ein zutreffendes Bild von der Lage
des Konzerns vermittelt sowie in allen wesentlichen Belangen mit dem Konzernabschluss sowie
mit den bei der Prüfung gewonnenen Erkenntnissen in Einklang steht, den deutschen
gesetzlichen Vorschriften entspricht und die Chancen und Risiken der zukünftigen Entwicklung
zutreffend darstellt, sowie einen Bestätigungsvermerk zu erteilen, der unsere Prüfungsurteile
zum Konzernabschluss und zum Konzernlagebericht beinhaltet.
Hinreichende Sicherheit ist ein hohes Maß an Sicherheit, aber keine Garantie dafür, dass eine
in Übereinstimmung mit § 317 HGB und der EU-APrVO unter Beachtung der vom Institut der
Wirtschaftsprüfer (IDW) festgestellten deutschen Grundsätze ordnungsmäßiger Abschlussprüfung
durchgeführte Prüfung eine wesentliche falsche Darstellung stets aufdeckt. Falsche
Darstellungen können aus Verstößen oder Unrichtigkeiten resultieren und werden als wesentlich
angesehen, wenn vernünftigerweise erwartet werden könnte, dass sie einzeln oder insgesamt die
auf der Grundlage dieses Konzernabschlusses und Konzernlageberichts getroffenen
wirtschaftlichen Entscheidungen von Adressaten beeinflussen.
Während der Prüfung üben wir pflichtgemäßes Ermessen aus und bewahren eine kritische
Grundhaltung. Darüber hinaus
・ identifizieren und beurteilen wir die Risiken wesentlicher – beabsichtigter oder
unbeabsichtigter – falscher Darstellungen im Konzernabschluss und im Konzernlagebericht,
planen und führen Prüfungshandlungen als Reaktion auf diese Risiken durch sowie erlangen
Prüfungsnachweise, die ausreichend und geeignet sind, um als Grundlage für unsere
Prüfungsurteile zu dienen. Das Risiko, dass wesentliche falsche Darstellungen nicht
aufgedeckt werden, ist bei Verstößen höher als bei Unrichtigkeiten, da Verstöße
betrügerisches Zusammenwirken, Fälschungen, beabsichtigte Unvollständigkeiten,
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irreführende Darstellungen bzw. das Außerkraftsetzen interner Kontrollen beinhalten
können;
・ gewinnen wir ein Verständnis von dem für die Prüfung des Konzernabschlusses relevanten
internen Kontrollsystem und den für die Prüfung des Konzernlageberichts relevanten
Vorkehrungen und Maßnahmen, um Prüfungshandlungen zu planen, die unter den gegebenen
Umständen angemessen sind, jedoch nicht mit dem Ziel, ein Prüfungsurteil zur Wirksamkeit
dieser Systeme abzugeben;
・ beurteilen wir die Angemessenheit der von den gesetzlichen Vertretern angewandten
Rechnungslegungsmethoden sowie die Vertretbarkeit der von den gesetzlichen Vertretern
dargestellten geschätzten Werte und damit zusammenhängenden Angaben;
・ ziehen wir Schlussfolgerungen über die Angemessenheit des von den gesetzlichen Vertretern
angewandten Rechnungslegungsgrundsatzes der Fortführung der Unternehmenstätigkeit sowie,
auf der Grundlage der erlangten Prüfungsnachweise, ob eine wesentliche Unsicherheit im
Zusammenhang mit Ereignissen oder Gegebenheiten besteht, die bedeutsame Zweifel an der
Fähigkeit des Konzerns zur Fortführung der Unternehmenstätigkeit aufwerfen können. Falls
wir zu dem Schluss kommen, dass eine wesentliche Unsicherheit besteht, sind wir
verpflichtet, im Bestätigungsvermerk auf die dazugehörigen Angaben im Konzernabschluss
und im Konzernlagebericht aufmerksam zu machen oder, falls diese Angaben unangemessen
sind, unser jeweiliges Prüfungsurteil zu modifizieren. Wir ziehen unsere
Schlussfolgerungen auf der Grundlage der bis zum Datum unseres Bestätigungsvermerks
erlangten Prüfungsnachweise. Zukünftige Ereignisse oder Gegebenheiten können jedoch dazu
führen, dass der Konzern seine Unternehmenstätigkeit nicht mehr fortführen kann;
・ beurteilen wir die Gesamtdarstellung, den Aufbau und den Inhalt des Konzernabschlusses
einschließlich der Angaben sowie ob der Konzernabschluss die zugrunde liegenden
Geschäftsvorfälle und Ereignisse so darstellt, dass der Konzernabschluss unter Beachtung
der IFRS, wie sie in der EU anzuwenden sind, und der ergänzend nach § 315e Abs. 1 HGB
anzuwendenden deutschen gesetzlichen Vorschriften ein den tatsächlichen Verhältnissen
entsprechendes Bild der Vermögens‑, Finanz- und Ertragslage des Konzerns vermittelt;
・ holen wir ausreichende, geeignete Prüfungsnachweise für die Rechnungslegungsinformationen
der Unternehmen oder Geschäftstätigkeiten innerhalb des Konzerns ein, um Prüfungsurteile
zum Konzernabschluss und zum Konzernlagebericht abzugeben. Wir sind verantwortlich für
die Anleitung, Überwachung und Durchführung der Konzernabschlussprüfung. Wir tragen die
alleinige Verantwortung für unsere Prüfungsurteile;
・ beurteilen wir den Einklang des Konzernlageberichts mit dem Konzernabschluss, seine
Gesetzesentsprechung und das von ihm vermittelte Bild von der Lage des Konzerns;
・ führen wir Prüfungshandlungen zu den von den gesetzlichen Vertretern dargestellten
zukunftsorientierten Angaben im Konzernlagebericht durch. Auf Basis ausreichender
geeigneter Prüfungsnachweise vollziehen wir dabei insbesondere die den
zukunftsorientierten Angaben von den gesetzlichen Vertretern zugrunde gelegten
bedeutsamen Annahmen nach und beurteilen die sachgerechte Ableitung der
zukunftsorientierten Angaben aus diesen Annahmen. Ein eigenständiges Prüfungsurteil zu
den zukunftsorientierten Angaben sowie zu den zugrunde liegenden Annahmen geben wir nicht
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ab. Es besteht ein erhebliches unvermeidbares Risiko, dass künftige Ereignisse wesentlich
von den zukunftsorientierten Angaben abweichen.
Wir erörtern mit den für die Überwachung Verantwortlichen unter anderem den geplanten Umfang
und die Zeitplanung der Prüfung sowie bedeutsame Prüfungsfeststellungen, einschließlich
etwaiger Mängel im internen Kontrollsystem, die wir während unserer Prüfung feststellen.
Wir geben gegenüber den für die Überwachung Verantwortlichen eine Erklärung ab, dass wir die
relevanten Unabhängigkeitsanforderungen eingehalten haben, und erörtern mit ihnen alle
Beziehungen und sonstigen Sachverhalte, von denen vernünftigerweise angenommen werden kann,
dass sie sich auf unsere Unabhängigkeit auswirken, und die hierzu getroffenen
Schutzmaßnahmen.
Wir bestimmen von den Sachverhalten, die wir mit den für die Überwachung Verantwortlichen
erörtert haben, diejenigen Sachverhalte, die in der Prüfung des Konzernabschlusses für den
aktuellen Berichtszeitraum am bedeutsamsten waren und daher die besonders wichtigen
Prüfungssachverhalte sind. Wir beschreiben diese Sachverhalte im Bestätigungsvermerk, es sei
denn, Gesetze oder andere Rechtsvorschriften schließen die öffentliche Angabe des
Sachverhalts aus.
Sonstige gesetzliche und andere rechtliche Anforderungen
Vermerk über die Prüfung der für Zwecke der Offenlegung erstellten elektronischen Wiedergaben
des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts nach § 317 Abs. 3b HGB
Prüfungsurteil
Wir haben gemäß § 317 Abs. 3b HGB eine Prüfung mit hinreichender Sicherheit durchgeführt, ob
die in der beigefügten Datei [Deutsche_Bank_AG_KA+KLB_ESEF-2020-12-31.zip] enthaltenen
und für Zwecke der Offenlegung erstellten Wiedergaben des Konzernabschlusses und des
Konzernlageberichts (im Folgenden auch als "ESEF-Unterlagen" bezeichnet) den Vorgaben des §
328 Abs. 1 HGB an das elektronische Berichtsformat ("ESEF-Format") in allen wesentlichen
Belangen entsprechen. In Einklang mit den deutschen gesetzlichen Vorschriften erstreckt sich
diese Prüfung nur auf die Überführung der Informationen des Konzernabschlusses und des
Konzernlageberichts in das ESEF-Format und daher weder auf die in diesen Wiedergaben
enthaltenen noch auf andere in der oben genannten Datei enthaltene Informationen.
Nach unserer Beurteilung entsprechen die in der oben genannten beigefügten Datei enthaltenen
und für Zwecke der Offenlegung erstellten Wiedergaben des Konzernabschlusses und des
Konzernlageberichts in allen wesentlichen Belangen den Vorgaben des § 328 Abs. 1 HGB an das
elektronische Berichtsformat. Über dieses Prüfungsurteil sowie unsere im voranstehenden
"Vermerk über die Prüfung des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts" enthaltenen
Prüfungsurteile zum beigefügten Konzernabschluss und zum beigefügten Konzernlagebericht für
das Geschäftsjahr vom 1. Januar 2020 bis zum 31. Dezember 2020 hinaus geben wir keinerlei
Prüfungsurteil zu den in diesen Wiedergaben enthaltenen Informationen sowie zu den anderen in
der oben genannten Datei enthaltenen Informationen ab.
Grundlage für das Prüfungsurteil
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Wir haben unsere Prüfung der in der oben genannten beigefügten Datei enthaltenen Wiedergaben
des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts in Übereinstimmung mit § 317 Abs. 3b HGB
unter Beachtung des Entwurfs des IDW Prüfungsstandards: Prüfung der für Zwecke der
Offenlegung erstellten elektronischen Wiedergaben von Abschlüssen und Lageberichten nach §
317 Abs. 3b HGB (IDW EPS 410) und durchgeführt. Unsere Verantwortung danach ist im Abschnitt
"Verantwortung des Konzernabschlussprüfers für die Prüfung der ESEF-Unterlagen" weitergehend
beschrieben. Unsere Wirtschaftsprüferpraxis hat die Anforderungen an das
Qualitätssicherungssystem des IDW Qualitätssicherungsstandards: Anforderungen an die
Qualitätssicherung in der Wirtschaftsprüferpraxis (IDW QS 1) angewendet.
Verantwortung der gesetzlichen Vertreter und des Aufsichtsrats für die ESEF-Unterlagen
Die gesetzlichen Vertreter der Gesellschaft sind verantwortlich für die Erstellung der ESEF-
Unterlagen mit den elektronischen Wiedergaben des Konzernabschlusses und des
Konzernlageberichts nach Maßgabe des § 328 Abs. 1 Satz 4 Nr. 1 HGB und für die Auszeichnung
des Konzernabschlusses nach Maßgabe des § 328 Abs. 1 Satz 4 Nr. 2 HGB.
Ferner sind die gesetzlichen Vertreter der Gesellschaft verantwortlich für die internen
Kontrollen, die sie als notwendig erachten, um die Erstellung der ESEF-Unterlagen zu
ermöglichen, die frei von wesentlichen – beabsichtigten oder unbeabsichtigten – Verstößen
gegen die Vorgaben des § 328 Abs. 1 HGB an das elektronische Berichtsformat sind.
Die gesetzlichen Vertreter der Gesellschaft sind zudem verantwortlich für die Einreichung der
ESEF-Unterlagen zusammen mit dem Bestätigungsvermerk und dem beigefügten geprüften
Konzernabschluss und Konzernlagebericht sowie weiteren offenzulegenden Unterlagen beim
Betreiber des Bundesanzeigers.
Der Aufsichtsrat ist verantwortlich für die Überwachung der Erstellung der ESEF-Unterlagen
als Teil des Rechnungslegungsprozesses.
Verantwortung des Konzernabschlussprüfers für die Prüfung der ESEF-Unterlagen
Unsere Zielsetzung ist, hinreichende Sicherheit darüber zu erlangen, ob die ESEF-Unterlagen
frei von wesentlichen – beabsichtigten oder unbeabsichtigten – Verstößen gegen die
Anforderungen des § 328 Abs. 1 HGB sind. Während der Prüfung üben wir pflichtgemäßes
Ermessen aus und bewahren eine kritische Grundhaltung. Darüber hinaus
・ identifizieren und beurteilen wir die Risiken wesentlicher – beabsichtigter oder
unbeabsichtigter – Verstöße gegen die Anforderungen des § 328 Abs. 1 HGB, planen und
führen Prüfungshandlungen als Reaktion auf diese Risiken durch sowie erlangen
Prüfungsnachweise, die ausreichend und geeignet sind, um als Grundlage für unser
Prüfungsurteil zu dienen;
・ gewinnen wir ein Verständnis von den für die Prüfung der ESEF-Unterlagen relevanten
internen Kontrollen, um Prüfungshandlungen zu planen, die unter den gegebenen Umständen
angemessen sind, jedoch nicht mit dem Ziel, ein Prüfungsurteil zur Wirksamkeit dieser
Kontrollen abzugeben;
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・ beurteilen wir die technische Gültigkeit der ESEF-Unterlagen, d.h. ob die die ESEF-
Unterlagen enthaltende Datei die Vorgaben der Delegierten Verordnung (EU) 2019/815 in der
zum Abschlussstichtag geltenden Fassung an die technische Spezifikation für diese Datei
erfüllt;
・ beurteilen wir, ob die ESEF-Unterlagen eine inhaltsgleiche XHTML-Wiedergabe des geprüften
Konzernabschlusses und des geprüften Konzernlageberichts ermöglichen;
・ beurteilen wir, ob die Auszeichnung der ESEF-Unterlagen mit Inline XBRL-Technologie
(iXBRL) eine angemessene und vollständige maschinenlesbare XBRL-Kopie der XHTML-
Wiedergabe ermöglicht.
Übrige Angaben gemäß Artikel 10 EU-APrVO
Wir wurden von der Hauptversammlung am 20. Mai 2020 als Konzernabschlussprüfer gewählt. Wir
wurden am 5. Juni 2020 vom Aufsichtsrat beauftragt. Wir sind seit dem Geschäftsjahr 2020 als
Konzernabschlussprüfer der Deutsche Bank Aktiengesellschaft tätig.
Wir erklären, dass die in diesem Bestätigungsvermerk enthaltenen Prüfungsurteile mit dem
zusätzlichen Bericht an den Prüfungsausschuss nach Artikel 11 EU-APrVO (Prüfungsbericht) in
Einklang stehen.
Verantwortlicher Wirtschaftsprüfer
Der für die Prüfung verantwortliche Wirtschaftsprüfer ist Herr Holger Lösken.
Eschborn/Frankfurt am Main, 8. März 2021
Ernst & Young GmbH
Wirtschaftsprüfungsgesellschaft
Barth Lösken
Wirtschaftsprüfer Wirtschaftsprüfer
(※)上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は本書提出代理
人が別途保管している。
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(訳文)
独立監査人の監査報告書
ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフト、フランクフルト・アム・マイン御中
連結財務諸表およびグループ・ マネジメント・レポート に関する監査報告書
意見
私たちは、添付のドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフト(フランクフルト・アム・マイン)およびその子会社
(グループ)の2021年12月31日現在の連結貸借対照表、ならびに2021年1月1日から2021年12月31日までの事業年度に
係る連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書および連結キャッシュ・フロー計算書、ならびに連
結財務諸表に対する注記(重要な会計方針の要約を含む。)から成る連結財務諸表について監査を行った。さらに私
たちは、ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフト(フランクフルト・アム・マイン)の2021年1月1日から2021年12月
31日までの事業年度に係る銀行のマネジメント・レポートと組み合わされたグループ・マネジメント・レポートにつ
いて監査を行った。ドイツの法的要件に準拠し、私たちは、ドイツ商法第315d条に基づく統合コーポレート・ガバナ
ンス・ステートメントの内容については監査を行っていない。当該ステートメントは、グループ・マネジメント・レ
ポートに記載のウェブサイトで公開されており、当該グループ・マネジメント・レポートの一部である。
私たちの監査の結果得られた合理的基礎に基づく意見では、
-添付の連結財務諸表は、すべての重要な点について、EUによって採用されたIFRSおよびドイツ商法第315e条第1
項に従ったドイツの法律による追加的要件に準拠し、これらの求めるところに従って、グループの2021年12月31
日現在の資産、負債および財政状態ならびに2021年1月1日から2021年12月31日までの事業年度に係る財務成績に
つき真実かつ公正な概観を示している。
-添付のグループ・マネジメント・レポートは、全体としてグループの状況に関する適切な概観を示している。本
グループ・マネジメント・レポートは、すべての重要な点について、連結財務諸表と整合性があり、ドイツの法
的要件を遵守し、将来の発展の機会とリスクを適切に表示している。グループ・マネジメント・レポートに対す
る私たちの意見は、上述の統合コーポレート・ガバナンス・ステートメントの内容は対象としていない。
ドイツ商法第322条第3項第1文に従って、私たちは監査により、連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レ
ポートの法令遵守に関するいかなる検出事項も発見されなかったことを宣言する。
意見表明の根拠
私たちは、ドイツ商法第317条およびEU監査規則(No 537/2014、以下「EU監査規則」という。)に準拠し、またド
イツ経済監査士協会(IDW)が公布した一般に公正妥当と認められるドイツ財務諸表監査基準に準拠して、連結財務
諸表およびグループ・マネジメント・レポートの監査を行った。これらの要件および原則に基づく私たちの責任の詳
細は、私たちの監査報告書の「連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートの監査に関する監査人の責
任」の項に記述されている。私たちは、欧州法およびドイツの商業上および職業的専門家に係る法律の要件に従い、
グループ事業体から独立しており、これらの要件に従い、ドイツのその他の職業的専門家としての責任を果たしてい
る。加えて、EU監査規則第10条第2項f)に従って、私たちは、EU監査規則第5条第1項で禁止されている非監査業務を
提供していないことを宣言する。私たちは、私たちが入手した監査証拠が、連結財務諸表およびグループ・マネジメ
ント・レポートに対する私たちの意見の基礎を提供するのに十分かつ適切と判断している。
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連結財務諸表監査における監査上の主要な事項
監査上の主要な事項とは2021年1月1日から2021年12月31日までの事業年度に係る連結財務諸表監査において、私た
ちの職業的専門家としての判断において、最も重要な項目をいう。当該事項は、全体としての連結財務諸表監査の過
程および監査意見の形成において対応した事項であり、私たちは、当該事項に対して個別の意見を表明するものでは
ない。
以下に、私たちが監査上の主要な事項であると判断したものについて記す。
1. 活発な市場における相場価格のないレベル3の金融商品および関連するインプットの評価
当該事項が監査上の主要な事項であると判断した理由
経営陣 は、活発な市場における相場価格のないレベル3の金融商品および関連するインプットの公正価値を設定す
るために評価技法を使用している。2021年12月31日現在、銀行は、レベル3の公正価値で測定する金融資産を25,182
百万ユーロ、金融負債を11,424百万ユーロ保有していた。関連する金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定する
金融資産および金融負債に計上されている。
活発な市場における取引価格がない金融商品および関連するインプットには、複雑なモデルを使用して評価される
ストラクチャード・デリバティブ、担保契約が標準的でないデリバティブ、より複雑なOTCデリバティブ、ディスト
レスト債、高度な仕組み債、流動性の低い貸出金、評価調整(信用評価調整)を算定するために使用される信用スプ
レッド、および満期までの期間が長い金融商品に関する観察不能なその他の重要なインプットが含まれている。
活発な市場における相場価格のないレベル3の金融商品および関連するインプットの評価は、使用される評価技法
およびモデルの性質が複雑であることと、使用される重要なインプットが観察不能であるために経営陣の仮定および
判断に基づく度合いが高いことから、これは監査上の主要な事項である。
監査人の対応
私たちは、経営陣による金融商品の公正価値決定プロセスおよびそれに含まれる重要な観察不能なインプットの決
定に関する統制を理解し、その整備状況を評価し、運用状況の有効性をテストした。これには、独立した価格検証、
モデルの限界の評価を含む評価モデルの独立した検証、評価モデルの使用に関するモニタリング、ならびに公正価値
調整の計算に関連する統制が含まれる。
私たちは、評価技法、モデルおよび手法を評価し、これらのモデルで使用された重要なインプットをテストした。
私たちは、独立したモデルおよびインプットを使用し、公正価値で測定するデリバティブおよび活発な市場における
相場価格のないその他の金融商品のサンプルについて独立した再評価を実施した。私たちはまた、使用された代用イ
ンプットのサンプルの妥当性を、市場データソースとの比較によって独立して評価した。
さらに、私たちは、IFRS第13号の要件に対して公正価値調整の算定に経営陣が使用した手法およびインプットを評
価し、独自の独立したデータおよび手法を用いてこれらの評価調整のサンプルの再計算を実施した。
私たちは、評価モデル、独立した再評価および公正価値調整に関連する手続において、金融商品評価の専門家を利
用した。
手続の結果、活発な市場における相場価格のないレベル3の金融商品および関連するインプットの評価に関してい
かなる検出事項も発見されなかった。
関連する開示の参照先
公正価値測定に使用された評価技法、モデルおよび手法に関する情報は、連結財務諸表に対する注記の注記1およ
び13に記載されている。
2. 将来予測的な情報をモデルベースの予想信用損失の計算に含めること
当該事項が監査上の主要な事項であると判断した理由
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2021 年12月31日現在、グループは5,379百万ユーロの信用損失引当金を認識し、このうち1,216百万ユーロはステー
ジ1およびステージ2の引当金に関連していた。
非デフォルト金融商品(IFRS第9号のステージ1およびステージ2)に係るモデルベースの予想信用損失の計算に使
用されたデフォルト確率(PD)の見積りは、現在の経済動向および将来的なマクロ経済予測(国内総生産および失業
率など)を組み込んだ過去の情報に基づいている。将来のマクロ経済の動向に関する基本シナリオを複数のシナリオ
に変換する際に、統計的手法が使用されている。これらのシナリオは、予想信用損失の計算に使用される、格付別お
よび相手先別の複数年に係るPDカーブを導出する際の基礎となっている。
進行中のCOVID-19パンデミックに起因する経済の不確実性とそれに関連する世界経済へのリスクを考慮すると、将
来予測的な情報の見積りには重要な判断が要求される。これらの不確実性を反映するために、経営陣は、マクロ経済
変数を調整するかマネジメント・オーバーレイを含めるかのいずれかにより、マクロ経済変数を予想信用損失モデル
と予測手法に含めるための標準プロセスを調整するかどうかを評価する必要がある。
保有する非デフォルト金融商品の重要性、経済の不確実性、および多くの判断が用いられているという観点から、
私たちは、モデルベースの予想信用損失およびそれに関連する調整の計算に将来予測的な情報を含めることは監査上
の主要な事項であると考える。
監査人の対応
私たちは経営陣が実行したプロセスを理解し、IFRS第9号の要件に関する将来予測的な情報の選定、決定、モニタ
リングおよび検証に係る統制の整備状況を評価し、その運用状況の有効性をテストした。
私たちは、モデル検証プロセスを通じて行われる、経営陣による予想信用損失モデルおよび予測手法の見直しを評
価した。さらに、私たちは選定された変数を基本シナリオに含めるために使用された方法および複数のシナリオの結
果を評価した。
私たちは、基本シナリオのマクロ経済予測を、外部ソースが公表したマクロ経済予測と比較することによって評価
した。
また、経営陣がマクロ経済変数を含めるために標準プロセスを調整するかどうか、またはマネジメント・オーバー
レイを通じてモデルの結果を調整するかどうかを決定するにあたって適用した手法についても評価した。その際、経
営陣の感応度分析の結果を評価し、使用されたマクロ経済変数を私たち独自のベンチマーク分析と比較した。また、
経営陣の手法に従い、予想信用損失の計算にあたって調整が考慮されていることを評価した。
将来予測的な情報をモデルベースの予想信用損失の計算に含めることの評価にあたり、私たちは信用リスク・モデ
リングの専門家の支援を受けた。
手続の結果、将来予測的な情報をモデルベースの予想信用損失の計算に含めることに関していかなる検出事項も発
見されなかった。
関連する開示の参照先
将来予測的な情報をモデルベースの予想信用損失ならびにステージ1およびステージ2に関する調整の計算に含める
ことに関する情報は、連結財務諸表に対する注記の注記1および19に記載されている。
3. アセット・マネジメントの現金生成単位ののれんの測定
当該事項が監査上の主要な事項であると判断した理由
2021 年12月31日現在、グループは2,806百万ユーロののれんを計上し、これはほとんどがアセット・マネジメント
の現金生成単位(CGU)に計上されたものである。
減損テストの目的上、アセット・マネジメントCGUの回収可能価額は割引キャッシュ・フロー・モデルを使用して
計算される。これに関連して、利益予測、割引率および長期成長率に関する重要な仮定が置かれている。割引率は、
資本資産価格モデルを用いて算出される。
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アセット・マネジメントCGUののれんの測定は、割引キャッシュ・フロー・モデルに含まれる利益予測、割引率お
よび長期成長率による高度な判断に基づくものであるため、これは監査上の主要な事項である。
監査人の対応
私たちは 利益予測 の策定プロセスおよびアセット・マネジメント CGU に関するのれんの回収可能価額の計算プロセ
スについて理解した。これに関して、私たちはまた、利益予測、割引率および長期成長率に関する経営陣の統制を理
解し、当該統制の整備状況を評価し、その運用状況の有効性をテストした。
さらに、前年度からの重要な変更に焦点を当てて、上述の重要な仮定の分析を行った。この点について、私たち
は、外部の市場予想との比較により、割引キャッシュ・フロー・モデルに使用された重要な仮定の整合性および妥当
性を評価した。
アセット・マネジメント CGU の予想将来キャッシュ・フローの分析にあたり、私たちは、 利益予測 を前事業年度の
予測 および達成した実績と比較し、重要な乖離について評価した。さらに、割引率および長期成長率といった、回収
可能価額の見積りに使用された重要な評価パラメータを、外部から入手可能な様々な予測の範囲内で評価した。
また、使用された割引キャッシュ・フロー・モデルの計算の正確性について再計算を行った。
のれんの回収可能性に関して置かれた上記の仮定の評価にあたり、私たちは、事業評価の専門家を利用した。
手続の結果、アセット・マネジメントCGUののれんの測定に関していかなる検出事項も発見されなかった。
関連する開示の参照先
のれんの測定に関する情報は、連結財務諸表に対する注記の注記1および23に記載されている。
4. 繰延税金資産の認識および測定
当該事項が監査上の主要な事項であると判断した理由
2021 年12月31日現在、グループは5,717百万ユーロの繰延税金資産純額を計上している。
繰延税金資産の認識および測定は、潜在的な将来の課税所得に対する繰越欠損金および控除可能な一時差異の利用
可能性の見積りに基づいている。この見積りは、とりわけ、承認された事業計画に基づく経営成績の予測に関する仮
定に基づいている。
将来の課税所得ならびに繰越欠損金の利用可能性に関する見積りには判断を用いることから、繰延税金資産の認識
および測定は監査上の主要な事項である。
監査人の対応
私たちは、控除可能な一時差異および繰越欠損金が税法の規定およびIAS第12号に基づく繰延税金の会計処理規則
に準拠して、それぞれの課税管轄において識別され、測定されているかどうかを判断するためのプロセスを理解し、
関連する統制の整備状況を評価し、その運用状況の有効性をテストした。
私たちは、関連するグループ会社および税務申告グループの将来の課税所得を見積る基礎として、承認された事業
計画の要素を策定し、配分するために使用される仮定をテストした。
さらに、私たちは、将来の課税所得の見積りにおける主要な仮定を分析することにより、繰延税金資産の認識を評
価した。私たちは、基礎となる主要な仮定を外部から入手可能な過去および将来のデータと比較することにより、経
営成績の予測に際して行われた見積りを評価した。また、過去の予測を実績と比較した。さらに、税額調整の見積り
を評価し、それぞれの繰延税金資産の利用期間について感応度分析を実施した。
繰延税金の回収可能性に関して使用された仮定の評価にあたり、私たちは、私たちの税務の専門家および内部の事
業評価の専門家を利用した。
手続の結果、繰延税金資産の認識および測定に関していかなる検出事項も発見されなかった。
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関連する開示の参照先
繰延税金資産の認識および測定に関する情報は、連結財務諸表に対する注記の注記1および34に記載されている。
5. 財務報告におけるITアクセスおよび変更管理
当該事項が監査上の主要な事項であると判断した理由
銀行のグループ財務報告の正確性は、日々処理される取引が相当数あるため、使用されるITの信頼性および継続性
に大きく依存している。
信頼性が高く継続的なデータ処理への依存度が高いこと、また、IT統制が内部統制システムの広範囲にわたること
を踏まえ、私たちは、グループの財務報告におけるITアクセスおよび変更管理を監査上の主要な事項であると考え
る。
監査人の対応
私たちは、IT全般統制およびグループの財務報告に関連するIT業務処理統制を含むIT統制環境を評価した。私たち
の手続では、現在のIT統制環境に対する当年度中の変更も範囲に含まれる。
さらに、私たちは、アプリケーション、データベースおよびオペレーティング・システムにわたるユーザー・アク
セス管理および変更管理に関連して、エラーの防止および検出のためのIT全般統制の運用状況の有効性をテストし
た。また、私たちは、自動化されたデータ処理、データフィードおよびインターフェースに関するIT業務処理統制を
テストした。ITアクセス管理に関連する監査手続には、ユーザー・アクセスのプロビジョニングおよび削除、特権
ユーザー・アクセス、定期的なアクセス権の更新、システムのセキュリティ設定およびユーザー認証に係る統制が含
まれるが、これらに限定されない。IT変更管理に関連する監査手続には、本稼働バージョンにおける変更が導入前に
テストされ承認されていたかどうか、また、変更を実行する機能が認可されたユーザーに限定されていたかどうかの
評価が含まれるが、これらに限定されない。
さらに、プログラム開発者が、本稼働システムにおける変更の承認権を有していたどうか、また、責任範囲が機能
的に分離されていたかどうかを評価するために、アプリケーション、データベースおよびオペレーティング・システ
ムそれぞれについて、アプリケーションの本稼働バージョンのアクセス権に基づいて修正を実行することができたか
どうかをテストした。
グループの財務報告プロセスにおけるITアクセスおよび変更管理の評価にあたり、私たちは、IT監査の領域に特化
した専門性を有する内部の専門家を利用した。
手続の結果、グループの財務報告におけるITアクセスおよび変更管理に関していかなる検出事項も発見されなかっ
た。
関連する開示の参照先
財務報告に係る内部統制の一般的な説明については、統合マネジメント・レポートの「財務報告に係る内部統制」
の項を参照のこと。
その他の情報
監査役会は、監査役会の報告書について責任を負っている。業務執行取締役および監査役会は、ドイツ・コーポ
レート・ガバナンス・コードにより、ドイツ株式会社法第161条に基づく宣言について責任を負っている。当該宣言
は、統合コーポレート・ガバナンス・ステートメントならびにドイツ株式会社法第162条に準拠した報酬報告書の一
部である。業務執行取締役は、その他すべての点について、その他の情報の責任を負っている。その他の情報は、以
下で構成される。
-グループ・マネジメント・レポートで言及するウェブサイトで公開されている、ドイツ商法第315d条に基づく統
合コーポレート・ガバナンス・ステートメント
および本監査報告書発行前に入手した版の年次報告書に含まれる、その他の特に以下の項目。
-非財務報告書
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-ドイツ商法第297条第2項第4文およびドイツ商法第315条第1項第6文に基づく責任に関するステートメント
-「ドイツ銀行-財務の概要」の項
-「ドイツ銀行グループ」の項
-報酬報告書
-「コーポレート・ガバナンス・ステートメント/コーポレート・ガバナンス・レポート」の項
-「補足的情報」の項
ただし、連結財務諸表、一部が監査対象となっているグループ・マネジメント・レポートおよび私たちの監査報告
書は含まれない。
年次財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートに対する私たちの意見は、その他の情報を対象としておら
ず、したがって私たちは、その他の情報に対する意見またはその他のいかなる形式の保証に関する結論も表明しな
い。
監査に関連する私たちの責任は、上記のその他の情報を通読し、その際に、当該その他の情報について以下を検討
することにある。
-連結財務諸表、一部が監査対象となっているグループ・マネジメント・レポートにおける開示内容または私たち
が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるか
-上記に該当しない場合、重要な虚偽表示の兆候があるか
私たちが実施した手続に基づき、その他の情報に重要な虚偽表示があった場合、私たちはその事実を報告すること
が求められている。これに関して、私たちが報告すべきものはない。
連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートに関する業務執行取締役および監査役会の
責任
業務執行取締役は、すべての重要な点について、EUによって採用されたIFRSおよびドイツ商法第315e条第1項に
従ったドイツの法律による追加的要求に準拠し、これらの求めるところに従って、グループの資産、負債および財政
状態ならびに財務成績につき真実かつ公正な概観を示す連結財務諸表を作成する責任を負っている。さらに、業務執
行取締役は、不正または誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成するために、業務執行取締役が必要と
判断した内部統制に対する責任を負っている。
連結財務諸表を作成するにあたり、業務執行取締役は、グループが継続企業として存続する能力があるかを評価す
る責任がある。また、必要がある場合には当該継続企業の前提に関する事項を開示する責任を負っている。また、業
務執行取締役がグループの清算または事業停止の意図があるか、もしくはそうする以外に現実的な代替案がない場合
を除き、継続企業の前提に基づいて財務報告を行う責任を負っている。
さらに、業務執行取締役は、全体としてグループの状況に関する適切な概観を有し、またすべての重要な点におい
て、連結財務諸表と整合性があり、ドイツの法的要件を遵守し、将来の動向に関する機会およびリスクを適切に表示
するグループ・マネジメント・レポートを作成する責任を負っている。また、適用されるドイツの法的要件に準拠し
たグループ・マネジメント・レポートを作成し、グループ・マネジメント・レポートにおける監査要点についての十
分かつ適切な証拠を提供するために、業務執行取締役が必要と判断した取り決めおよび措置(システム)について責
任を負っている。
監査役会は、連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートの作成に関するグループの財務報告プロセス
を監督する責任を負っている。
連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートの監査に関する監査人の責任
私たちの目的は、連結財務諸表に、全体として不正または誤謬による重要な虚偽表示がないか、ならびにグルー
プ・マネジメント・レポートが、全体としてグループの状況に関する適切な概観を提供しているか、またすべての重
要な点において、監査において得た知識および連結財務諸表と整合性があるか、ドイツの法的要件を遵守している
か、および将来の発展の機会とリスクを適切に表示しているか関する合理的な保証を得ること、ならびに連結財務諸
表およびグループ・マネジメント・レポートに対する私たちの意見を含む監査報告書を発行することにある。
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有価証券報告書
合理的な保証は、高い水準の保証であるが、ドイツ商法第317条およびEU監査規則に準拠し、またドイツ経済監査
士協会(IDW)が公布した一般に公正妥当と認められるドイツ財務諸表監査基準に準拠して行った監査が、重要な虚
偽表示を常に発見することを保証するものではない。虚偽表示は、不正または誤謬から発生する可能性があり、個別
にまたは集計すると、当該連結財務諸表および本グループ・マネジメント・レポートに基づく利用者の意思決定に影
響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
私たちは、エンゲージメントを通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持している。また、
以下を実施する。
-不正または誤謬による連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートの重要な虚偽表示リスクを識別、
評価し、当該リスクに対応した監査手続を策定、実施し、監査意見の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手
する。不正による重要な虚偽表示リスクを発見できないリスクは、誤謬による重要な虚偽表示を発見できないリ
スクよりも高くなる。これは、不正には、共謀、文書の偽造、意図的な除外、虚偽の陳述、および内部統制の無
効化が伴うためである。
-状況に応じて適切な監査手続を策定するために、連結財務諸表監査に関連する内部統制およびグループ・マネジ
メント・レポート監査に関連する取決めおよび基準(システム)について理解する。ただし、これは、これらの
体制自体の有効性に対する意見を表明するためではない。
-業務執行取締役が使用した会計方針の適切性および業務執行取締役によって行われた見積りの合理性ならびに関
連する開示について評価する。
-業務執行取締役が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるか、また、入手した監査証拠に基
づき、グループの継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況に関して重要な不確実性が存
在しているかについて結論付ける。重要な不確実性が存在すると結論を付した場合は、監査報告書において連結
財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートの関連する開示に注意を喚起すること、または当該開示が適
切でない場合は、除外事項付意見を表明することが求められている。私たちの結論は、監査報告書日までに入手
した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、グループは継続企業として存続できなくなる可能性
がある。
-関連する開示を含めた全体としての連結財務諸表の表示、構成および内容を検討し、連結財務諸表が、EUによっ
て採用されたIFRSおよびドイツ商法第315e条第1項に従ったドイツの法律による追加的要求に準拠してグループ
の資産、負債、財政状態および財務成績につき真実かつ公正な概観を示すように、基礎となる取引や事象を表示
しているかを評価する。
-連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートに対する意見を表明するため、グループ内の事業体の財
務情報および事業活動に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。私たちは、グループ監査の指示、監督およ
び実施について責任を負っている。私たちは、私たちの監査意見に単独で責任を負っている。
-グループ・マネジメント・レポートに係る連結財務諸表との整合性、ドイツ法への準拠、グループの状況に関す
る概観について評価する。
-業務執行取締役がグループ・マネジメント・レポートにおいて表示した将来予測的な情報について監査手続を実
施する。十分かつ適切な監査証拠に基づいて、特に業務執行取締役が将来予測的な情報の基礎として使用した重
要な仮定について評価し、将来予測的な情報がこれらの仮定から適切に導出されているかについて評価する。私
たちは、将来予測的な情報および基礎として使用された仮定に対して個別の意見を表明するものではない。ま
た、将来事象が将来予測的な情報と大きく異なるという重大な不可避リスクが存在する。
私たちは、特に計画した監査の範囲とその実施時期、ならびに監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を
含むおよび監査上の主要な検出事項について、統治責任者に対して報告を行っている。
また私たちは、統治責任者に、関連する独立性の要件を遵守している旨宣言しており、私たちの独立性に影響を与
えると合理的に考えられるすべての関係性およびその他の事項、また該当する場合は関連するセーフガードについて
報告を行っている。
私たちは、統治責任者に報告した事項のうち、当年度の連結財務諸表監査で最も重要な事項を、監査上の主要な事
項と決定する。私たちは、法規制により当該事項の公表が禁止されている場合を除き、これらの事項を監査報告書に
おいて記載する。
その他の法規制要件
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有価証券報告書
公表目的で作成された連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートの電子的複製に関するドイツ商法第
317条第3a項に準拠した保証に係る報告
意見
私たちは、添付の電子ファイル[Deutsche_Bank_AG_KA+KLB_ESEF-2021-12-31.zip](SHA-256-Checksum:
d315173142404f74c92438266ceed86b827e7184027b68bc95487ac7bff636e6 )に含まれる、公表目的で作成された連結財
務諸表およびグループ・マネジメント・レポートの複製(以下「ESEF文書」という。)が、すべての重要な点におい
て、電子報告様式(以下「ESEFフォーマット」という。)に関するドイツ商法第328条第1項の要件を遵守しているか
どうかについて合理的な保証を得るために、ドイツ商法第317条第3a項に準拠した保証手続を実施した。ドイツの法
的要件に従い、この保証手続の範囲は、連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートに含まれる情報を
ESEFフォーマットに変換することに限定される。したがって、当該保証はこれらの複製に含まれる情報または上述の
ファイルに含まれる他の情報のいずれにも関連するものではない。
私たちは、上述のファイルに含まれる、公表目的で作成された連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レ
ポートの複製が、すべての重要な点において、電子報告様式に関するドイツ商法第328条第1項の要件を遵守している
ものと認める。私たちは、当該複製に含まれる情報および上述のファイルに含まれるその他の情報のいずれについて
も、この保証意見および上記の「連結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートに関する監査報告書」に含
まれる2021年1月1日から2021年12月31日までの事業年度に係る添付の連結財務諸表および添付のグループ・マネジメ
ント・レポートに対する監査意見を超えて、保証意見を表明するものではない。
意見表明の根拠
私たちは、ドイツ商法第317条第3a項およびIDW保証基準:「公表目的で作成された財務諸表およびマネジメント・
レポートの電子的複製に関するドイツ商法第317条第3a項に準拠した保証」(IDW AsS 410)(2021年10月)ならびに
国際保証業務基準第3000号(改訂)に準拠し、上述のファイルに含まれる連結財務諸表およびグループ・マネジメン
ト・レポートの複製について保証手続を実施した。これらの基準に基づく私たちの責任については、「ESEF文書の保
証手続に関するグループ監査人の責任」の項に詳述されている。私たちの監査事務所では、IDW品質管理基準第1号
「監査事務所における品質管理の要件」(IDW QS 1)を適用している。
ESEF 文書に関する業務執行取締役および監査役会の責任
会社の業務執行取締役は、ドイツ商法第328条第1項第4文第1号に準拠して連結財務諸表およびグループ・マネジメ
ント・レポートの電子的複製を含むESEF文書を作成する責任、ならびにドイツ商法第328条第1項第4文第2号に準拠し
て連結財務諸表にタグ付けする責任を負っている。
さらに、会社の業務執行取締役は、電子報告様式に関するドイツ商法第328条第1項の要件の重要な、意図的または
意図的でない不遵守のないESEF文書を作成するために、業務執行取締役が必要と判断した内部統制に対する責任を
負っている。
監査役会は、財務報告プロセスの一環として、ESEF文書の作成を監督する責任を負っている。
ESEF 文書の保証手続に関するグループ監査人の責任
私たちの目的は、ESEF文書にドイツ商法第328条第1項の要件の重要な、意図的または意図的でない不遵守がないか
どうかについて、合理的な保証を得ることにある。私たちは、保証手続を通じて、職業的専門家としての判断を行
い、職業的懐疑心を保持している。また、以下を実施する。
-ドイツ商法第328条第1項の要件の重要な、意図的または意図的でない不遵守リスクを識別、評価し、当該リスク
に対応した保証手続を策定、実施し、保証意見の基礎となる十分かつ適切な保証の証拠を入手する。
-状況に応じて適切な保証手続を策定するために、ESEF文書の保証に関連する内部統制について理解する。ただ
し、これは、これらの統制の有効性に対する保証意見を表明するためではない。
-ESEF文書の技術的妥当性、すなわち、ESEF文書を含むファイルが、決算日時点で有効な版で、このファイルの技
術仕様に関する欧州委員会委任規則(EU)第2019/815号の要件を満たしているかどうかを評価する。
-ESEF文書により、監査済連結財務諸表および監査済グループ・マネジメント・レポートと同等の内容でXHTMLを
複製できるかどうかを評価する。
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-決算日時点で有効な版における、欧州委員会委任規則(EU)第2019/815号の第4条および第6条の要件に準拠したイ
ンラインXBRL技術(iXBRL)によるESEF文書のタグ付けにより、適切かつ完全で機械読み取り可能なXHTML複製の
XBRLコピーが可能かどうかを評価する。
EU 監査規則第10条に基づく追加情報
私たちは、2021年5月27日付定時株主総会において、グループ監査人に選任された。私たちは、2021年7月21日付監
査役会に出席した。私たちは、2020年度より連続でドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフトのグループ監査人を務め
ている。
私たちは、本監査報告書において表明された意見が、EU監査規則第11条に準拠して、監査委員会への追加報告書
(長分式監査報告書)と整合的であることを宣言する。
その他の事項-監査報告書の使用
私たちの監査報告書は常に、監査済連結財務諸表および監査済グループ・マネジメント・レポートならびに保証さ
れたESEF文書と併読されなければならない。ドイツ連邦官報において公表される版を含む、ESEF形式に変換された連
結財務諸表およびグループ・マネジメント・レポートは、監査済連結財務諸表および監査済グループ・マネジメン
ト・レポートの電子的複製にすぎず、代替するものではない。特に、ESEF形式の監査報告書およびそこに含まれる私
たちの保証意見は、電子形式で提供される保証されたESEF文書と併せた形でのみ使用される。
エンゲージメントに対する責任を負っているドイツ公認会計監査人
エンゲージメントに対する責任を負っているドイツ公認会計監査人は、ホルガー・レシュケン氏である。
エシュボルン/フランクフルト・アム・マイン、2022年3月7日
アーンスト・アンド・ヤング・ゲーエムベーハー
監査法人
レシュケン マイ
経済監査士 経済監査士
[ドイツ公認会計監査人] [ドイツ公認会計監査人]
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Bestätigungsvermerk des unabhängigen Abschlussprüfers
An die Deutsche Bank Aktiengesellschaft, Frankfurt am Main
Vermerk über die Prüfung des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts
Prüfungsurteile
Wir haben den Konzernabschluss der Deutsche Bank Aktiengesellschaft, Frankfurt am Main, und
ihrer Tochtergesellschaften (der Konzern) - bestehend aus der Konzernbilanz zum 31. Dezember
2021, der Konzern-Gewinn- und Verlustrechnung, Konzern-Gesamtergebnisrechnung, Konzern-
Eigenkapitalveränderungsrechnung und der Konzern-Kapitalflussrechnung für das Geschäftsjahr
vom 1. Januar 2021 bis zum 31. Dezember 2021 sowie dem Konzernanhang, einschließlich einer
Zusammenfassung bedeutsamer Rechnungslegungsmethoden - geprüft. Darüber hinaus haben wir den
Konzernlagebericht der Deutsche Bank Aktiengesellschaft, Frankfurt am Main, der mit dem
Lagebericht der Gesellschaft zusammengefasst wurde, für das Geschäftsjahr vom 1. Januar 2021
bis zum 31. Dezember 2021 geprüft. Die auf der im Konzernlagebericht angegebenen
Internetseite veröffentlichte zusammengefasste Erklärung zur Unternehmensführung nach § 315d
HGB, die Bestandteil des Konzernlageberichts ist, haben wir in Einklang mit den deutschen
gesetzlichen Vorschriften nicht inhaltlich geprüft.
Nach unserer Beurteilung aufgrund der bei der Prüfung gewonnenen Erkenntnisse
・ entspricht der beigefügte Konzernabschluss in allen wesentlichen Belangen den IFRS, wie
sie in der EU anzuwenden sind, und den ergänzend nach § 315e Abs. 1 HGB anzuwendenden
deutschen gesetzlichen Vorschriften und vermittelt unter Beachtung dieser Vorschriften
ein den tatsächlichen Verhältnissen entsprechendes Bild der Vermögens- und Finanzlage des
Konzerns zum 31. Dezember 2021 sowie seiner Ertragslage für das Geschäftsjahr vom 1.
Januar 2021 bis zum 31. Dezember 2021 und
・ vermittelt der beigefügte Konzernlagebericht insgesamt ein zutreffendes Bild von der Lage
des Konzerns. In allen wesentlichen Belangen steht dieser Konzernlagebericht in Einklang
mit dem Konzernabschluss, entspricht den deutschen gesetzlichen Vorschriften und stellt
die Chancen und Risiken der zukünftigen Entwicklung zutreffend dar. Unser Prüfungsurteil
zum Konzernlagebericht erstreckt sich nicht auf den Inhalt der oben genannten
zusammengefassten Konzernerklärung zur Unternehmensführung.
Gemäß § 322 Abs. 3 Satz 1 HGB erklären wir, dass unsere Prüfung zu keinen Einwendungen gegen
die Ordnungsmäßigkeit des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts geführt hat.
Grundlage für die Prüfungsurteile
Wir haben unsere Prüfung des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts in
Übereinstimmung mit § 317 HGB und der EU-Abschlussprüferverordnung (Nr. 537/2014; im
Folgenden "EU-APrVO") unter Beachtung der vom Institut der Wirtschaftsprüfer (IDW)
festgestellten deutschen Grundsätze ordnungsmäßiger Abschlussprüfung durchgeführt. Unsere
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Verant- wortung nach diesen Vorschriften und Grundsätzen ist im Abschnitt "Verantwortung des
Abschlussprüfers für die Prüfung des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts" unseres
Bestätigungsvermerks weitergehend beschrieben. Wir sind von den Konzernunternehmen unabhängig
in Übereinstimmung mit den europarechtlichen sowie den deutschen handelsrechtlichen und
berufsrechtlichen Vorschriften und haben unsere sonstigen deutschen Berufspflichten in
Übereinstimmung mit diesen Anforderungen erfüllt. Darüber hinaus erklären wir gemäß Artikel
10 Abs. 2 Buchst. f) EU-APrVO, dass wir keine verbotenen Nichtprüfungsleistungen nach Artikel
5 Abs. 1 EU-APrVO erbracht haben. Wir sind der Auffassung, dass die von uns erlangten
Prüfungsnachweise ausreichend und geeignet sind, um als Grundlage für unsere Prüfungsurteile
zum Konzernabschluss und zum Konzernlagebericht zu dienen.
Besonders wichtige Prüfungssachverhalte in der Prüfung des Konzernabschlusses
Besonders wichtige Prüfungssachverhalte sind solche Sachverhalte, die nach unserem
pflichtgemäßen Ermessen am bedeutsamsten in unserer Prüfung des Konzernabschlusses für das
Geschäftsjahr vom 1. Januar 2021 bis zum 31. Dezember 2021 waren. Diese Sachverhalte wurden
im Zusammenhang mit unserer Prüfung des Konzernabschlusses als Ganzem und bei der Bildung
unseres Prüfungsurteils hierzu berücksichtigt; wir geben kein gesondertes Prüfungsurteil zu
diesen Sachverhalten ab.
Nachfolgend beschreiben wir die aus unserer Sicht besonders wichtigen Prüfungssachverhalte:
1. Bewertung von Level-3-Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren
Eingangsparametern
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Das Management verwendet Bewertungsverfahren zur Bestimmung des beizulegenden Zeitwerts von
Level-3-Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren Eingangsparametern.
Zum 31. Dezember 2021 hielt die Bank zum beizulegenden Zeitwert bewertete finanzielle
Vermögenswerte und finanzielle Verpflichtungen (Level-3) in Höhe von EUR 25.182 Mio. bzw. EUR
11.424 Mio. Die entsprechenden Finanzinstrumente werden im Bilanzposten „Zum beizulegenden
Zeitwert bewertete finanzielle Vermögenswerte/Verpflichtungen“ erfasst.
Zu den betreffenden Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren
Eingangsparametern zählen insbesondere strukturierte Derivate, die anhand komplexer Modelle
bewertet werden, Derivate mit nicht standardisierten Sicherheitenvereinbarungen, komplexe
OTC-Derivate, notleidende Kredite, hochgradig strukturierte Anleihen, illiquide Kredite, für
die Ermittlung von Bewertungsanpassungen (Credit Valuation Adjustment) verwendete Credit
Spreads sowie weitere wesentliche Eingangsparameter, die sich vor allem bei Instrumenten mit
längeren Laufzeiten nicht beobachten lassen.
Da die Bewertung von Level-3-Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt
beobachtbaren Eingangsparametern aufgrund der hohen Komplexität der angewandten
Bewertungsverfahren und -modelle in hohem Maße von Annahmen und Ermessensentscheidungen des
Managements abhängig ist, haben wir diesen Sachverhalt als besonders wichtigen
Prüfungssachverhalt bestimmt
Prüferisches Vorgehen
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有価証券報告書
Wir haben uns ein Verständnis über die vom Management angewandten Prozesse zur Bewertung von
Level-3-Finanzinstrumenten und die Ermittlung von nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren
Eingangsparametern verschafft sowie die Angemessenheit und Wirksamkeit der diesbezüglich
implementierten Kontrollen beurteilt. Dies betraf insbesondere die Kontrollen im Rahmen der
unabhängigen Preisverifizierung, der unabhängigen Validierung von Bewertungsmodellen,
einschließlich der Beurteilung von Modellbeschränkungen, der Überwachung der verwendeten
Bewertungsmodelle und der Berechnung von - Anpassungen des beizulegenden Zeitwerts.
Wir haben die Bewertungsverfahren, -modelle und -methoden beurteilt und die wesentlichen
Eingangsparameter, die in den Modellen verwendet wurden, nachvollzogen. Wir haben unter
Verwendung eigener Modelle und Eingangsparameter eine unabhängige Bewertung einer Stichprobe
von zum beizulegenden Zeitwert bewerteten Derivaten und sonstigen Finanzinstrumenten, mit
nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren Parametern vorgenommen. Darüber hinaus erfolgte
auf Stichprobenbasis eine unabhängige Beurteilung der Angemessenheit von verwendeten
Schätzparametern durch einen Abgleich mit Marktdaten.
Weiterhin haben wir die vom Management zur Ermittlung der Anpassungen des beizulegenden
Zeitwerts verwendeten Methoden und Eingangsparameter auf Basis der Anforderungen des IFRS 13
beurteilt. Für stichprobenhaft ausgewählte Bewertungsanpassungen haben wir unter Verwendung
unserer eigenen unabhängigen Daten und Methoden Nachberechnungen durchgeführt.
Wir haben bei unseren Prüfungshandlungen in Bezug auf die Bewertungsmodelle, die unabhängige
Bewertung und die Anpassungen des beizulegenden Zeitwerts interne Spezialisten mit besonderen
Fachkenntnissen in der Bewertung von Finanzinstrumenten hinzugezogen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen die Bewertung von Level-3-
Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren Eingangsparametern ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zu den Bewertungsverfahren, -modellen und -methoden für die Bemessung des
beizulegenden Zeitwerts sind in den Anhangangaben 1 und 13 des Anhangs zum Konzernabschluss
enthalten.
2. Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte Ermittlung der
Risikovorsorge
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Zum 31. Dezember 2021 belief sich die Risikovorsorge im Kreditgeschäft des Konzerns auf EUR
5.379 Mio., wovon sich EUR 1.216 Mio. auf die Risikovorsorge der Stufen 1 und 2 bezogen.
Die der modellbasierten Berechnung der Risikovorsorge für nicht ausgefallene
Finanzinstrumente (Stufe 1 und Stufe 2 gemäß IFRS 9) zugrunde gelegte Schätzung der
Ausfallwahrscheinlichkeiten basiert zum einen auf historischen Informationen. Zum anderen
fließen aktuelle wirtschaftliche Entwicklungen sowie zukunftsorientierte makroökonomische
Prognosen (z.B. Bruttoinlandsprodukt und Arbeitslosenquoten) in das Berechnungsmodell ein.
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Das so ermittelte Basisszenario wird durch die Nutzung statistischer Methoden in
unterschiedliche Szenarien überführt. Diese dienen als Grundlage für die Ableitung von
Mehrjahreskurven für die Ausfallwahrscheinlichkeiten verschiedener Rating- und
Kontrahentenklassen, die in die Berechnung der erwarteten Kreditverluste einfließen.
Angesichts der wirtschaftlichen Unsicherheiten im Zuge der fortdauernden COVID-19-Pandemie
und der damit verbundenen Risiken für die Weltwirtschaft erfordert die Schätzung
zukunftsgerichteter Informationen in erheblichem Maße Ermessensentscheidungen. Zur
Berücksichtigung dieser Unsicherheiten muss das Management beurteilen, ob Anpassungen an den
Standardprozessen zur Einbeziehung makroökonomischer Variablen in das Modell zur Ermittlung
der erwarteten Kreditverluste und an den Prognosemethoden entweder in Form einer Anpassung
der makroökonomischen Variablen oder durch Management Overlays erforderlich sind.
Vor dem Hintergrund des signifikanten Volumens der Bestände der nicht ausgefallenen
Finanzinstrumente sowie der wirtschaftlichen Unsicherheiten und der erheblichen
Ermessensspielräume erachten wir die Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen in die
modellbasierte Ermittlung der Risikovorsorge, inklusive etwaiger Anpassungen, als besonders
wichtigen Prüfungssachverhalt.
Prüferisches Vorgehen
Wir haben uns ein Verständnis der durch das Management implementierten Prozesse zur Auswahl,
Ermittlung, Überwachung und Validierung zukunftsgerichteter Informationen verschafft und die
Angemessenheit der diesbezüglich implementierten Kontrollen im Hinblick auf die Anforderungen
des IFRS 9 beurteilt sowie deren Wirksamkeit getestet.
Wir haben die Überprüfung des Modells zur Ermittlung der erwarteten Kreditverluste sowie der
Prognoseverfahren im Rahmen des Validierungsprozesses durch das Management nachvollzogen.
Darüber hinaus haben wir die Methoden zur Einbeziehung der ausgewählten Variablen in das
Basisszenario sowie die Ableitung der unterschiedlichen Szenarien nachvollzogen.
Die von der Bank verwendeten makroökonomischen Prognosen im Basisszenario haben wir mit
makroökonomischen Prognosen aus externen Quellen verglichen.
Weiterhin haben wir die vom Management verwendete Methode zur Beurteilung, ob der
Standardprozess zur Einbeziehung makroökonomischer Variablen oder die Modellergebnisse durch
Management Overlays angepasst werden müssen, nachvollzogen. Hierbei haben wir die Ergebnisse
der vom Management durchgeführten Sensitivitätsanalyse beurteilt und die dabei verwendeten
makroökonomischen Variablen mit unserer eigenen Benchmarkanalyse verglichen. Zudem haben wir
uns davon überzeugt, dass die erforderlichen Anpassungen entsprechend der Methodik des
Managements in der Risikovorsorgeermittlung berücksichtigt wurden.
Für die Beurteilung der Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte
Ermittlung der Risikovorsorge haben wir interne Spezialisten hinzugezogen, die über besondere
Fachkenntnisse auf dem Gebiet der Kreditrisikomodellierung verfügen.
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Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen hinsichtlich der Einbeziehung
zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte Ermittlung der Risikovorsorge
ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zur Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte Ermittlung
der Risikovorsorge und deren Anpassungen in Bezug auf die Stufen 1 und 2 sind in den
Anhangangaben 1 und 19 des Anhangs zum Konzernabschluss enthalten.
3. Bewertung des Geschäfts- oder Firmenwerts für die zahlungsmittelgenerierende Einheit Asset
Management
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Zum 31. Dezember 2021 weist der Konzern einen Geschäfts- oder Firmenwert in Höhe von EUR
2.806 Mio. aus, der ausschließlich der zahlungsmittelgenerierenden Einheit (ZGE) Asset
Management zugeordnet ist.
Die Ermittlung des erzielbaren Betrags der ZGE Asset Management im Rahmen der
Werthaltigkeitsprüfung des Geschäftsoder Firmenwerts erfolgt unter Anwendung des Discounted-
Cash-Flow Modells. Diesbezüglich werden wesentliche Annahmen bezüglich der Ergebnisprognosen,
des Diskontierungssatzes und der langfristigen Wachstumsrate getroffen. Der
Diskontierungssatz wird unter Zugrundelegung des Capital Asset Pricing Model abgeleitet.
Da die Bewertung des Geschäfts- oder Firmenwerts für die ZGE Asset Management in einem hohen
Maße auf Ermessensentscheidungen in Bezug auf die Ergebnis¬prognosen, den Diskontierungssatz
und die langfristige Wachstumsrate innerhalb des Discounted-Cash-Flows Modells beruht, ist
dies ein besonders wichtiger Prüfungssachverhalt..
Prüferisches Vorgehen
Wir haben uns ein Verständnis des Prozesses zur Erstellung der Ergebnisprognosen sowie zur
Ermittlung des erzielbaren Betrags des Geschäfts- oder Firmenwerts für die ZGE Asset
Management verschafft. Wir haben uns diesbezüglich auch ein Verständnis der vom Management
implementierten Kontrollen in Bezug auf die Ergebnisprognosen, den Diskontierungssatz und die
langfristige Wachstumsrate verschafft und die Angemessenheit dieser Kontrollen beurteilt
sowie deren Wirksamkeit getestet.
Wir haben die vorstehend beschriebenen wesentlichen Annahmen mit besonderem Fokus auf
wesentliche Veränderungen im Vergleich zum Vorjahr analysiert. Hierbei haben wir die
Konsistenz und Nachvollziehbarkeit der wesentlichen Annahmen im Discounted-Cash-Flow Modell
beurteilt, indem wir diese mit externen Markterwartungen verglichen haben.
Bei der Analyse der erwarteten künftigen Zahlungsmittelzuflüsse der ZGE Asset Management
haben wir die Ergebnisprognosen mit denen des Vorjahres sowie mit den tatsächlich
realisierten Ergebnissen verglichen und etwaige wesentliche Abweichungen untersucht.
Weiterhin haben wir untersucht, inwieweit die wesentlichen Bewertungsparameter, die im Rahmen
der Ermittlung des erzielbaren Betrags verwendet wurden, wie beispielsweise der
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Diskontierungssatz und die langfristige Wachstumsrate, innerhalb von Bandbreiten extern
verfügbarer Prognosen liegen.
Darüber hinaus haben wir die rechnerische Richtigkeit des verwendeten Discounted-Cash-Flow
Modells nachvollzogen.
Für die Beurteilung der im Rahmen der Werthaltigkeitsprüfung des Geschäfts- oder Firmenwerts
zugrunde gelegten, vorstehend beschriebenen Annahmen haben wir interne Spezialisten
hinzugezogen, die über besondere Fachkenntnisse auf dem Gebiet der Unternehmensbewertung
verfügen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen die Bewertung des der ZGE
Asset Management zugeordneten Geschäfts- oder Firmenwerts ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zur Bewertung des Geschäfts- oder Firmenwerts sind in den Anhangangaben 1 und 23 des
Anhangs zum Konzernabschluss enthalten.
4. Ansatz und Bewertung latenter Steueransprüche
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Zum 31. Dezember 2021 weist der Konzern latente Steueransprüche in Höhe von netto EUR 5.717
Mio. aus.
Ansatz und Bewertung latenter Steueransprüche basieren auf einer Einschätzung, inwieweit
diese mit noch nicht genutzten steuerlichen Verlustvorträgen und abzugsfähigen temporären
Differenzen verrechnet werden können. Diese Einschätzung basiert insbesondere auf Annahmen
über zukünftige Geschäftsergebnisse, welche auf dem verabschiedeten Unternehmensplan beruhen.
Aufgrund der bestehenden Ermessensspielräume bei der Einschätzung der künftigen zu
versteuernden Einkommen sowie der Nutzbarkeit steuerlicher Verlustvorträge sind Ansatz und
Bewertung latenter Steueransprüche ein besonders wichtiger Prüfungssachverhalt.
Prüferisches Vorgehen
Wir haben uns ein Verständnis des Prozesses dahingehend verschafft, ob abzugsfähige temporäre
Differenzen und noch nicht genutzte steuerliche Verlustvorträge in unterschiedlichen
Jurisdiktionen identifiziert und gemäß den steuerrechtlichen Regelungen und Vorschriften zur
Bilanzierung latenter Steuern nach IAS 12 bewertet wurden, sowie die Angemessenheit der
entsprechenden Kontrollen beurteilt und deren Wirksamkeit getestet.
Wir haben dabei die Annahmen und deren Zuordnung im verabschiedeten Unternehmensplan, der als
Grundlage für die Schätzung der künftigen zu versteuernden Einkommen der relevanten
Konzerngesellschaften und Steuergruppen dient, beurteilt.
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Darüber hinaus haben wir die Aktivierung latenter Steueransprüche beurteilt, indem wir die
wesentlichen Annahmen analysiert haben, die zur Schätzung künftiger zu versteuernder
Einkommen getroffen wurden. Wir haben die im Rahmen der Ergebnisprognose verwendeten
Schätzungen beurteilt, indem wir die zugrunde liegenden wesentlichen Annahmen mit extern
verfügbaren historischen Daten und Prognosen verglichen haben. Wir haben die historische
Planung mit den tatsächlichen Ergebnissen verglichen. Darüber hinaus haben wir die
geschätzten künftigen steuerlichen Anpassungen beurteilt und Sensitivitätsanalysen bezüglich
der zeitlichen Nutzbarkeit der entsprechenden latenten Steueransprüche durchgeführt.
Bei der Beurteilung der den latenten Steueransprüchen zugrunde liegenden Annahmen im Rahmen
der Werthaltigkeitsprüfung haben wir unsere Steuerexperten sowie interne Spezialisten, die
über besondere Kenntnisse auf dem Gebiet der Unternehmensbewertung verfügen, hinzugezogen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen den Ansatz und die
Bewertung der latenten Steueransprüche ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zum Ansatz und zur Bewertung der latenten Steueransprüche sind in den Anhangangaben 1
und 34 des Anhangs zum Konzernabschluss enthalten.
5. IT-Zugriffs- und Änderungsmanagement in der Konzernrechnungslegung
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Die Ordnungsmäßigkeit der Konzernrechnungslegung der Bank ist aufgrund der signifikanten
Anzahl von Transaktionen, die täglich automatisiert verarbeitet werden, in hohem Maße von der
Zuverlässigkeit und vom störungsfreien Betrieb der eingesetzten Informationstechnologie
abhängig.
Aufgrund der hohen Abhängigkeit von der zuverlässigen und kontinuierlichen Verarbeitung der
Daten und der Tatsache, dass die IT-Kontrollen ein wesentlicher Bestandteil des
rechnungslegungsbezogenen internen Kontrollsystems sind, erachten wir das IT-Zugriffs- und
Änderungsmanagement in der Konzernrechnungslegung als einen besonders wichtigen
Prüfungssachverhalt.
Prüferisches Vorgehen
Wir haben die Angemessenheit der für die Konzernrechnungslegung relevanten IT-
Kontrollumgebung inklusive der generellen und anwendungsbezogenen IT-Kontrollen beurteilt.
Unsere Prüfungshandlungen erstreckten sich auch auf unterjährige Änderungen der IT-
Kontrollumgebung.
Des Weiteren haben wir die Wirksamkeit von fehlervermeidenden und fehleraufdeckenden
generellen IT-Kontrollen in Bezug auf das Zugriffs- und Änderungsmanagement in verschiedenen
IT-Anwendungen, Datenbanken und Betriebssystemen getestet. Zudem haben wir die IT-
Anwendungskontrollen für die automatisierte Datenverarbeitung, Datenzulieferungen und
Schnittstellen getestet. Unsere Prüfungshandlungen in Bezug auf das IT-Zugriffsmanagement
umfassten insbesondere Prüfungen der Vergabe und des Entzugs von Zugriffsrechten, der
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privilegierten Zugriffsrechte, der periodischen Rezertifizierung von Zugriffsrechten, der
systemseitigen Sicherheitseinstellungen und der Nutzerauthentifizierungskontrollen.
Hinsichtlich des IT-Änderungsmanagements umfassten unsere Prüfungshandlungen vor allem die
Beurteilung, ob Änderungen in den Produktivsystemen vor ihrer Umsetzung getestet und
genehmigt wurden und ausschließlich von autorisierten Mitarbeitern durchgeführt werden
konnten.
Ferner haben wir geprüft, ob Programmentwickler Freigaberechte für Änderungen in den
Produktivsystemen haben und gleichzeitig über ihre Zugriffsrechte die Möglichkeit besitzen,
Änderungen in den Produktivsystemen (Anwendungen, Datenbanken und Betriebssysteme)
durchzuführen, um uns zu vergewissern, dass diese Berechtigungen funktional getrennt sind.
Bei der Beurteilung des IT-Zugriffs- und Änderungsmanagements in der Konzernrechnungslegung
haben wir interne Experten hinzugezogen, die über besondere Fachkenntnisse in Bezug auf IT-
Prüfungen verfügen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen das IT-Zugriffs- und
Änderungsmanagement in der Konzernrechnungslegung ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Eine Beschreibung des internen Kontrollsystems in der Konzernrechnungslegung findet sich im
Konzernlagebericht im Abschnitt "Internes Kontrollsystem bezogen auf die Rechnungslegung".
Sonstige Informationen
Der Aufsichtsrat ist für den Bericht des Aufsichtsrats verantwortlich. Für die Erklärung nach
§ 161 AktG zum Deutschen Corporate Governance Kodex, die Bestandteil der zusammengefassten
Erklärung zur Unternehmensführung ist, sowie für den Vergütungsbericht nach § 162 AktG sind
die gesetzlichen Vertreter und der Aufsichtsrat verantwortlich. Im Übrigen sind die
gesetzlichen Vertreter für die sonstigen Informationen verantwortlich. Die sonstigen
Informationen umfassen
・ die auf der im Konzernlagebericht angegebenen Internetseite veröffentlichte
zusammengefasste Erklärung zur Unternehmensführung nach § 315d HGB,
ferner weitere, für den Geschäftsbericht vorgesehene Bestandteile, von denen wir eine Fassung
bis zur Erteilung dieses Bestätigungsvermerks erlangt haben, insbesondere:
・ Nichtfinanzielle Bericht
・ Versicherung der gesetzlichen Vertreter gemäß § 297 Abs. 2 Satz 4 HGB i.V.m. § 315 Abs.
1 S. 6 HGB,
・ den Abschnitt "Deutsche Bank - Zusammenfassung der Konzernergebnisse",
・ den Abschnitt "Konzern Deutsche Bank",
・ Vergütungsbericht,
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・ den Abschnitt "Erklärung zur Unternehmensführung/Corporate-Governance Bericht" und
・ den Abschnitt "Ergänzende Informationen"
aber nicht den Konzernabschluss, nicht die in die inhaltliche Prüfung einbezogenen
Konzernlageberichtsangaben und nicht unseren dazugehörigen Bestätigungsvermerk.
Unsere Prüfungsurteile zum Konzernabschluss und Konzernlagebericht erstrecken sich nicht auf
die sonstigen Informationen und dementsprechend geben wir weder ein Prüfungsurteil noch
irgendeine andere Form von Prüfungsschlussfolgerung hierzu ab.
Im Zusammenhang mit unserer Prüfung haben wir die Verantwortung, die oben genannten sonstigen
Informationen zu lesen und dabei zu würdigen, ob die sonstigen Informationen
・ wesentliche Unstimmigkeiten zum Konzernabschluss, zu den inhaltlich geprüften
Konzernlageberichtsangaben oder unseren bei der Prüfung erlangten Kenntnissen aufweisen
oder
・ anderweitig wesentlich falsch dargestellt erscheinen.
Falls wir auf Grundlage der von uns durchgeführten Arbeiten den Schluss ziehen, dass eine
wesentliche falsche Darstellung dieser sonstigen Informationen vorliegt, sind wir
verpflichtet, über diese Tatsache zu berichten. Wir haben in diesem Zusammenhang nichts zu
berichten.
Verantwortung der gesetzlichen Vertreter und des Aufsichtsrats für den Konzernabschluss und
den Konzernlagebericht
Die gesetzlichen Vertreter sind verantwortlich für die Aufstellung des Konzernabschlusses,
der den IFRS, wie sie in der EU anzuwenden sind, und den ergänzend nach § 315e Abs. 1 HGB
anzuwendenden deutschen gesetzlichen Vorschriften in allen wesentlichen Belangen entspricht,
und dafür, dass der Konzernabschluss unter Beachtung dieser Vorschriften ein den
tatsächlichen Verhältnissen entsprechendes Bild der Vermögens-, Finanz- und Ertragslage des
Konzerns vermittelt. Ferner sind die gesetzlichen Vertreter verantwortlich für die internen
Kontrollen, die sie als notwendig bestimmt haben, um die Aufstellung eines Konzernabschlusses
zu ermöglichen, der frei von wesentlichen – beabsichtigten oder unbeabsichtigten – falschen
Darstellungen ist.
Bei der Aufstellung des Konzernabschlusses sind die gesetzlichen Vertreter dafür
verantwortlich, die Fähigkeit des Konzerns zur Fortführung der Unternehmenstätigkeit zu
beurteilen. Des Weiteren haben sie die Verantwortung, Sachverhalte in Zusammenhang mit der
Fortführung der Unternehmenstätigkeit, sofern einschlägig, anzugeben. Darüber hinaus sind sie
dafür verantwortlich, auf der Grundlage des Rechnungslegungsgrundsatzes der Fortführung der
Unternehmenstätigkeit zu bilanzieren, es sei denn, es besteht die Absicht den Konzern zu
liquidieren oder der Einstellung des Geschäftsbetriebs oder es besteht keine realistische
Alternative dazu.
Außerdem sind die gesetzlichen Vertreter verantwortlich für die Aufstellung des
Konzernlageberichts, der insgesamt ein zutreffendes Bild von der Lage des Konzerns vermittelt
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sowie in allen wesentlichen Belangen mit dem Konzernabschluss in Einklang steht, den
deutschen gesetzlichen Vorschriften entspricht und die Chancen und Risiken der zukünftigen
Entwicklung zutreffend darstellt. Ferner sind die gesetzlichen Vertreter verantwortlich für
die Vorkehrungen und Maßnahmen (Systeme), die sie als notwendig erachtet haben, um die
Aufstellung eines Konzernlageberichts in Übereinstimmung mit den anzuwendenden deutschen
gesetzlichen Vorschriften zu ermöglichen, und um ausreichende geeignete Nachweise für die
Aussagen im Konzernlagebericht erbringen zu können.
Der Aufsichtsrat ist verantwortlich für die Überwachung des Rechnungslegungsprozesses des
Konzerns zur Aufstellung des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts.
Verantwortung des Abschlussprüfers für die Prüfung des Konzernabschlusses und des
Konzernlageberichts
Unsere Zielsetzung ist, hinreichende Sicherheit darüber zu erlangen, ob der Konzernabschluss
als Ganzes frei von wesentlichen – beabsichtigten oder unbeabsichtigten – falschen
Darstellungen ist, und ob der Konzernlagebericht insgesamt ein zutreffendes Bild von der Lage
des Konzerns vermittelt sowie in allen wesentlichen Belangen mit dem Konzernabschluss sowie
mit den bei der Prüfung gewonnenen Erkenntnissen in Einklang steht, den deutschen
gesetzlichen Vorschriften entspricht und die Chancen und Risiken der zukünftigen Entwicklung
zutreffend darstellt, sowie einen Bestätigungsvermerk zu erteilen, der unsere Prüfungsurteile
zum Konzernabschluss und zum Konzernlagebericht beinhaltet.
Hinreichende Sicherheit ist ein hohes Maß an Sicherheit, aber keine Garantie dafür, dass eine
in Übereinstimmung mit § 317 HGB und der EU-APrVO unter Beachtung der vom Institut der
Wirtschaftsprüfer (IDW) festgestellten deutschen Grundsätze ordnungsmäßiger Abschlussprüfung
durchgeführte Prüfung eine wesentliche falsche Darstellung stets aufdeckt. Falsche
Darstellungen können aus Verstößen oder Unrichtigkeiten resultieren und werden als wesentlich
angesehen, wenn vernünftigerweise erwartet werden könnte, dass sie einzeln oder insgesamt die
auf der Grundlage dieses Konzernabschlusses und Konzernlageberichts getroffenen
wirtschaftlichen Entscheidungen von Adressaten beeinflussen.
Während der Prüfung üben wir pflichtgemäßes Ermessen aus und bewahren eine kritische
Grundhaltung. Darüber hinaus
・ identifizieren und beurteilen wir die Risiken wesentlicher – beabsichtigter oder
unbeabsichtigter – falscher Darstellungen im Konzernabschluss und im Konzernlagebericht,
planen und führen Prüfungshandlungen als Reaktion auf diese Risiken durch sowie erlangen
Prüfungsnachweise, die ausreichend und geeignet sind, um als Grundlage für unsere
Prüfungsurteile zu dienen. Das Risiko, dass wesentliche falsche Darstellungen nicht
aufgedeckt werden, ist bei Verstößen höher als bei Unrichtigkeiten, da Verstöße
betrügerisches Zusammenwirken, Fälschungen, beabsichtigte Unvollständigkeiten,
irreführende Darstellungen bzw. das Außerkraftsetzen interner Kontrollen beinhalten
können;
・ gewinnen wir ein Verständnis von dem für die Prüfung des Konzernabschlusses relevanten
internen Kontrollsystem und den für die Prüfung des Konzernlageberichts relevanten
Vorkehrungen und Maßnahmen, um Prüfungshandlungen zu planen, die unter den gegebenen
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Umständen angemessen sind, jedoch nicht mit dem Ziel, ein Prüfungsurteil zur Wirksamkeit
dieser Systeme abzugeben;
・ beurteilen wir die Angemessenheit der von den gesetzlichen Vertretern angewandten
Rechnungslegungsmethoden sowie die Vertretbarkeit der von den gesetzlichen Vertretern
dargestellten geschätzten Werte und damit zusammenhängenden Angaben;
・ ziehen wir Schlussfolgerungen über die Angemessenheit des von den gesetzlichen Vertretern
angewandten Rechnungslegungsgrundsatzes der Fortführung der Unternehmenstätigkeit sowie,
auf der Grundlage der erlangten Prüfungsnach- weise, ob eine wesentliche Unsicherheit im
Zusammenhang mit Ereignissen oder Gegebenheiten besteht, die bedeutsame Zweifel an der
Fähigkeit des Konzerns zur Fortführung der Unternehmenstätigkeit aufwerfen können. Falls
wir zu dem Schluss kommen, dass eine wesentliche Unsicherheit besteht, sind wir
verpflichtet, im Bestätigungsvermerk auf die dazugehörigen Angaben im Konzernabschluss
und im Konzernlagebericht aufmerksam zu machen oder, falls diese Angaben unangemessen
sind, unser jeweiliges Prüfungsurteil zu modifizieren. Wir ziehen unsere
Schlussfolgerungen auf der Grundlage der bis zum Datum unseres Bestätigungsvermerks
erlangten Prüfungsnachweise. Zukünftige Ereignisse oder Gegebenheiten können jedoch dazu
führen, dass der Konzern seine Unternehmenstätigkeit nicht mehr fortführen kann;
・ beurteilen wir die Gesamtdarstellung, den Aufbau und den Inhalt des Konzernabschlusses
einschließlich der Angaben sowie ob der Konzernabschluss die zugrunde liegenden
Geschäftsvorfälle und Ereignisse so darstellt, dass der Konzernabschluss unter Beachtung
der IFRS, wie sie in der EU anzuwenden sind, und der ergänzend nach § 315e Abs. 1 HGB
anzuwendenden deutschen gesetzlichen Vorschriften ein den tatsächlichen Verhältnissen
entsprechendes Bild der Vermögens-, Finanz- und Ertragslage des Konzerns vermittelt;
・ holen wir ausreichende, geeignete Prüfungsnachweise für die Rechnungslegungsinformationen
der Unternehmen oder Geschäftstätigkeiten innerhalb des Konzerns ein, um Prüfungsurteile
zum Konzernabschluss und zum Konzernlagebericht abzugeben. Wir sind verantwortlich für
die Anleitung, Überwachung und Durchführung der Konzernabschlussprüfung. Wir tragen die
alleinige Verantwortung für unsere Prüfungsurteile;
・ beurteilen wir den Einklang des Konzernlageberichts mit dem Konzernabschluss, seine
Gesetzesentsprechung und das von ihm vermittelte Bild von der Lage des Konzerns;
・ führen wir Prüfungshandlungen zu den von den gesetzlichen Vertretern dargestellten
zukunftsorientierten Angaben im Konzernlagebericht durch. Auf Basis ausreichender
geeigneter Prüfungsnachweise vollziehen wir dabei insbesondere die den
zukunftsorientierten Angaben von den gesetzlichen Vertretern zugrunde gelegten
bedeutsamen Annahmen nach und beurteilen die sachgerechte Ableitung der
zukunftsorientierten Angaben aus diesen Annahmen. Ein eigenständiges Prüfungsurteil zu
den zukunftsorientierten Angaben sowie zu den zugrunde liegenden Annahmen geben wir nicht
ab. Es besteht ein erhebliches unvermeidbares Risiko, dass künftige Ereignisse wesentlich
von den zukunftsorientierten Angaben abweichen.
Wir erörtern mit den für die Überwachung Verantwortlichen unter anderem den geplanten Umfang
und die Zeitplanung der Prüfung sowie bedeutsame Prüfungsfeststellungen, einschließlich
etwaiger Mängel im internen Kontrollsystem, die wir während unserer Prüfung feststellen.
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Wir geben gegenüber den für die Überwachung Verantwortlichen eine Erklärung ab, dass wir die
relevanten Unabhängigkeitsanforderungen eingehalten haben, und erörtern mit ihnen alle
Beziehungen und sonstigen Sachverhalte, von denen ver- nünftigerweise angenommen werden kann,
dass sie sich auf unsere Unabhängigkeit auswirken, und die hierzu getroffenen
Schutzmaßnahmen.
Wir bestimmen von den Sachverhalten, die wir mit den für die Überwachung Verantwortlichen
erörtert haben, diejenigen Sachverhalte, die in der Prüfung des Konzernabschlusses für den
aktuellen Berichtszeitraum am bedeutsamsten waren und daher die besonders wichtigen
Prüfungssachverhalte sind. Wir beschreiben diese Sachverhalte im Bestätigungsvermerk, es sei
denn, Gesetze oder andere Rechtsvorschriften schließen die öffentliche Angabe des
Sachverhalts aus.
Sonstige gesetzliche und andere rechtliche Anforderungen
Vermerk über die Prüfung der für Zwecke der Offenlegung erstellten elektronischen Wiedergaben
des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts nach § 317 Abs. 3a HGB
Prüfungsurteil
Wir haben gemäß § 317 Abs. 3a HGB eine Prüfung mit hinreichender Sicherheit durchgeführt, ob
die in der Deutsche_Bank_AG_KA+KLB_ESEF-2021-12-31.zip (SHA-256-Prüfsumme:
d315173142404f74c92438266ceed86b827e718402 7b68bc95487ac7bff636e6) enthaltenen und für Zwecke
der Offenlegung erstellten Wiedergaben des Konzernabschlusses und des Konzern-lageberichts
(im Folgenden auch als „ESEF-Unterlagen“ bezeichnet) den Vorgaben des § 328 Abs. 1 HGB an
das elektronische Berichtsformat („ESEF-Format“) in allen wesentlichen Belangen entsprechen.
In Einklang mit den deutschen gesetzlichen Vorschriften erstreckt sich diese Prüfung nur auf
die Überführung der Informationen des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts in das
ESEF-Format und daher weder auf die in diesen Wiedergaben enthaltenen noch auf andere in der
oben genannten Datei enthaltene Informationen.
Nach unserer Beurteilung entsprechen die in der oben genannten Datei enthaltenen und für
Zwecke der Offenlegung erstellten Wiedergaben des Konzernabschlusses und des
Konzernlageberichts in allen wesentlichen Belangen den Vorgaben des § 328 Abs. 1 HGB an das
elektronische Berichtsformat. Über dieses Prüfungsurteil sowie unsere im voranstehenden
„Vermerk über die Prüfung des Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts“ enthaltenen
Prüfungsurteile zum beigefügten Konzernabschluss und zum beigefügten Konzernlagebericht für
das Geschäftsjahr vom 1. Januar 2021 bis zum 31. Dezember 2021 hinaus geben wir keinerlei
Prüfungsurteil zu den in diesen Wiedergaben enthaltenen Informationen sowie zu den anderen in
der oben genannten Datei enthaltenen Informationen ab.
Grundlage für das Prüfungsurteil
Wir haben unsere Prüfung der in der oben genannten Datei enthaltenen Wiedergaben des
Konzernabschlusses und des Konzernlageberichts in Übereinstimmung mit § 317 Abs. 3a HGB
unter Beachtung des IDW Prüfungsstandards: Prüfung der für Zwecke der Offenlegung erstellten
elektronischen Wiedergaben von Abschlüssen und Lageberichten nach § 317 Abs. 3 a HGB (IDW PS
410 (10.2021)) und des International Standard on Assurance Engagements 3000 (Revised)
durchgeführt. Unsere Verantwortung danach ist im Abschnitt „Verantwortung des
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Konzernabschlussprüfers für die Prüfung der ESEF-Unterlagen“ weitergehend beschrieben.
Unsere Wirtschaftsprüferpraxis hat die Anforderungen an das Qualitätssicherungssystem des IDW
Qualitätssicherungsstandards: Anforderungen an die Qualitätssicherung in der
Wirtschaftsprüferpraxis (IDW QS 1) angewendet.
Verantwortung der gesetzlichen Vertreter und des Aufsichtsrats für die ESEF- Unterlagen
Die gesetzlichen Vertreter der Gesellschaft sind verantwortlich für die Erstellung der ESEF-
Unterlagen mit den elektronischen Wiedergaben des Konzernabschlusses und des
Konzernlageberichts nach Maßgabe des § 328 Abs. 1 Satz 4 Nr. 1 HGB und für die Auszeichnung
des Konzernabschlusses nach Maßgabe des § 328 Abs. 1 Satz 4 Nr. 2 HGB.
Ferner sind die gesetzlichen Vertreter der Gesellschaft verantwortlich für die internen
Kontrollen, die sie als notwendig erach- ten, um die Erstellung der ESEF-Unterlagen zu
ermöglichen, die frei von wesentlichen – beabsichtigten oder unbeabsichtigten– Verstößen
gegen die Vorgaben des § 328 Abs. 1 HGB an das elektronische Berichtsformat sind.
Der Aufsichtsrat ist verantwortlich für die Überwachung des Prozesses der Erstellung der
ESEF-Unterlagen als Teil des Rech- nungslegungsprozesses.
Verantwortung des Konzernabschlussprüfers für die Prüfung der ESEF- Unterlagen
Unsere Zielsetzung ist, hinreichende Sicherheit darüber zu erlangen, ob die ESEF-Unterlagen
frei von wesentlichen – beabsichtigten oder unbeabsichtigten – Verstößen gegen die
Anforderungen des § 328 Abs. 1 HGB sind. Während der Prüfung üben wir pflichtgemäßes
Ermessen aus und bewahren eine kritische Grundhaltung. Darüber hinaus
・ identifizieren und beurteilen wir die Risiken wesentlicher – beabsichtigter oder
unbeabsichtigter – Verstöße gegen die Anforderungen des § 328 Abs. 1 HGB, planen und
führen Prüfungshandlungen als Reaktion auf diese Risiken durch sowie erlangen
Prüfungsnachweise, die ausreichend und geeignet sind, um als Grundlage für unser
Prüfungsurteil zu dienen.
・ gewinnen wir ein Verständnis von den für die Prüfung der ESEF-Unterlagen relevanten
internen Kontrollen, um Prüfungshandlungen zu planen, die unter den gegebenen Umständen
angemessen sind, jedoch nicht mit dem Ziel, ein Prüfungsurteil zur Wirksamkeit dieser
Kontrollen abzugeben.
・ beurteilen wir die technische Gültigkeit der ESEF-Unterlagen, d.h. ob die die ESEF-
Unterlagen enthaltende Datei die Vorgaben der Delegierten Verordnung (EU) 2019/815 in der
zum Abschlussstichtag geltenden Fassung an die technische Spezifikation für diese Datei
erfüllt.
・ beurteilen wir, ob die ESEF-Unterlagen eine inhaltsgleiche XHTML-Wiedergabe des geprüften
Konzernabschlusses und des geprüften Konzernlageberichts ermöglichen.
・ beurteilen wir, ob die Auszeichnung der ESEF-Unterlagen mit Inline XBRL-Technologie
(iXBRL) nach Maßgabe der Artikel 4 und 6 der Delegierten Verordnung (EU) 2019/815 in der
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am Abschlussstichtag geltenden Fassung eine angemessene und vollständige maschinenlesbare
XBRL-Kopie der XHTML-Wiedergabe ermöglicht.
Übrige Angaben gemäß Artikel 10 EU-APrVO
Wir wurden von der Hauptversammlung am 27. Mai 2021 als Konzernabschlussprüfer gewählt. Wir
wurden am 21. Juli 2021 vom Aufsichtsrat beauftragt. Wir sind ununterbrochen seit dem
Geschäftsjahr 2020 als Konzernabschlussprüfer der Deutsche Bank Aktiengesellschaft tätig.
Wir erklären, dass die in diesem Bestätigungsvermerk enthaltenen Prüfungsurteile mit dem
zusätzlichen Bericht an den Prü- fungsausschuss nach Artikel 11 EU-APrVO (Prüfungsbericht) in
Einklang stehen.
Übrige Sachverhalte – Verwendung des Bestätigungsvermerks
Unser Bestätigungsvermerk ist stets im Zusammenhang mit dem geprüften Konzernabschluss und
dem geprüften Konzern- lagebericht sowie den geprüften ESEF-Unterlagen zu lesen. Der in das
ESEF-Format überführte Konzernabschluss und Kon- zernlagebericht – auch die im Bundesanzeiger
bekanntzumachenden Fassungen – sind lediglich elektronische Wiedergaben des geprüften
Konzernabschlusses und des geprüften Konzernlageberichts und treten nicht an deren Stelle.
Insbesondere ist der ESEF-Vermerk und unser darin enthaltenes Prüfungsurteil nur in
Verbindung mit den in elektronischer Form bereitgestell- ten geprüften ESEF-Unterlagen
verwendbar.
Verantwortlicher Wirtschaftsprüfer
Der für die Prüfung verantwortliche Wirtschaftsprüfer ist Herr Holger Lösken.
Eschborn/Frankfurt am Main, 7. März 2022
Ernst & Young GmbH
Wirtschaftsprüfungsgesellschaft
Lösken Mai
Wirtschaftsprüfer Wirtschaftsprüfer
(※)上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は本書提出代理
人が別途保管している。
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(訳文)
独立監査人の監査報告書
ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフト、フランクフルト・アム・マイン御中
年次財務諸表および マネジメント ・レポート に関する監査報告書
意見
私たちは、ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフト(フランクフルト・アム・マイン)の2020年12月31日現在の貸
借対照表および2020年1月1日から2020年12月31日までの事業年度に係る損益計算書、ならびに財務諸表に対する注記
(注記に表示される認識および測定に係る方針を含む。)から成る年次財務諸表について監査を行った。さらに私た
ちは、ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフトの2020年1月1日から2020年12月31日までの事業年度に係る、グルー
プ・マネジメント・レポートと組み合わされたマネジメント・レポートについて監査を行った。ドイツの法的要件に
準拠し、私たちは、ドイツ商法第289f条に基づく統合コーポレート・ガバナンス・ステートメントの内容について
監査を行っていない。当該ステートメントは、マネジメント・レポートに記載のウェブサイトで公開されており、当
該マネジメント・レポートの一部である。
私たちの監査の結果得られた合理的基礎に基づく意見では、
-添付の年次財務諸表は、すべての重要な点について、機関に適用されるドイツの法律による要件に準拠し、法的
に要求されるドイツ会計原則に従って、機関の2020年12月31日現在の資産、負債および財政状態ならびに2020年
1月1日から2020年12月31日までの事業年度に係る経営成績につき真実かつ公正な概観を示している。
-添付のマネジメント・レポートは、全体として機関の状況に関する適切な概観を示している。本マネジメント・
レポートは、すべての重要な点について、年次財務諸表と整合性があり、ドイツの法的要件を遵守し、将来の発
展の機会とリスクを適切に表示している。本マネジメント・レポートに対する私たちの意見は、上述の統合コー
ポレート・ガバナンス・ステートメントの内容は対象としていない。
ドイツ商法第322条第3項第1文に従って、私たちは監査により、年次財務諸表およびマネジメント・レポートの法
令遵守に関するいかなる限定事項も発見されなかったことを宣言する。
意見表明の根拠
私たちは、ドイツ商法第317条およびEU監査規則(No 537/2014、以下「EU監査規則」という。)に準拠し、またド
イツ経済監査士協会(IDW)が公布した一般に公正妥当と認められるドイツ財務諸表監査基準に準拠して、年次財務
諸表およびマネジメント・レポートの監査を行った。これらの要件、原則および基準に基づく私たちの責任の詳細
は、私たちの監査報告書の「年次財務諸表およびマネジメント・レポートの監査に関する監査人の責任」の項に記述
されている。私たちは、欧州法およびドイツの商業上および職業的専門家に係る法律の要件に従い、機関から独立し
ており、これらの要件に従い、ドイツのその他の職業的専門家としての責任を果たしている。加えて、EU監査規則第
10条第2項f)に従って、私たちは、EU監査規則第5条第1項で禁止されている非監査業務を提供していないことを宣言
する。私たちは、私たちが入手した監査証拠が、年次財務諸表およびマネジメント・レポートに対する私たちの意見
の基礎を提供するのに十分かつ適切と判断している。
年次財務諸表監査における監査上の主要な事項
監査上の主要な事項とは2020年1月1日から2020年12月31日までの事業年度に係る年次財務諸表監査において、私た
ちの職業的専門家としての判断において、最も重要な項目をいう。当該事項は、全体としての年次財務諸表監査の過
程および監査意見の形成において対応した事項であり、私たちは、当該事項に対して個別の意見を表明するものでは
ない。
以下に、私たちが監査上の重要な事項であると判断したものについて記す。
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1. 観察不能なインプットを伴う金融商品の評価
当該事項が監査上の重要な事項であると判断した理由
2020 年12月31日現在、銀行はトレーディング資産241,390百万ユーロおよびトレーディング負債203,986百万ユーロ
を計上している。いずれの残高にも、評価が観察不能なインプットに基づく金融商品が含まれている。
これらの金融商品の評価に関して、市場価格は観察不能である。したがって、公正価値は広く認められている評価
技法を使用して決定されなければならない。これらの評価技法は、複雑なモデルに基づく場合があり、また、割引
キャッシュ・フロー、ボラティリティ、相関関係、信用スプレッドおよび流動性スプレッドなど、判断を要する観察
不能なインプットに関連する仮定や推測を含むことがある。
観察不能なインプットを伴う金融商品の評価は、使用される評価技法およびモデルの性質が複雑なために仮定およ
び判断に基づく度合いが高いことから、これは監査上の重要な事項である。
監査人の対応
私たちは、経営陣による金融商品の公正価値決定プロセスおよびそれに含まれる重要な観察不能なインプットの決
定について理解し、統制の整備状況を評価し、その運用状況の有効性をテストした。
これには特に、独立した価格検証、モデルの限界の評価を含む評価モデルの独立した検証、不適切な可能性のある
評価モデルの使用に関するモニタリング、公正価値調整の計算に関連する統制、ならびに関連するITシステム統制が
含まれる。
私たちは、評価技法、モデルおよび手法を評価し、これらのモデルで使用されたインプットを分析した。私たち
は、独立したデータおよび手法を用いてこれらの評価調整のサンプルの再計算を実施した。私たちは、独立したモデ
ルおよびインプットが使用された、公正価値で測定する金融商品のサンプルについて独立した再評価を実施した。私
たちはまた、使用された代用インプットのサンプルの妥当性を独立して評価した。
私たちは、金融商品評価の領域に特化した専門性を有する内部の専門家を利用した。
手続の結果、観察不能なインプットを伴う金融商品の評価に関していかなる限定事項も発見されなかった。
関連する開示の参照先
公正価値測定に使用された評価技法、モデルおよび手法に関する情報は、年次財務諸表に対する注記の「一般的な
情報、作成の基礎」および「貸借対照表注記、トレーディング資産および負債」の項に記載されている。
2. 将来的な情報をモデルベースの予想信用損失の計算に含めること
当該事項が監査上の重要な事項であると判断した理由
2020 年12月31日現在、銀行は2,888百万ユーロの信用損失引当金を認識した。非デフォルト顧客貸出金に係るモデ
ルベースの予想信用損失の計算に使用されたデフォルト確率の見積りは、現在の経済動向および将来的なマクロ経済
予測(国内総生産および失業率など)を組み込んだ過去の情報に基づいている。このように決定された基本シナリオ
は、統計的手法を用いて複数のシナリオ分析に変換される。これらのシナリオは基本との乖離を特定するものであ
り、様々な格付別および相手先別のデフォルト確率を表す、複数年に係るカーブを決定する際の基礎となる。これら
のデフォルト確率は、予想信用損失の計算および顧客貸出金の信用リスクの著しい増大の特定に使用される。
当事業年度におけるCOVID-19パンデミックによって生じた経済の不確実性、それによる将来的な情報の見積りの不
確実性、およびリスクの早期検出に係る政府の支援制度の影響を考慮し、銀行は、従来型の信用リスク・モデルと予
測手法を用いて、計算された予想信用損失に調整を加えた。
保有する非デフォルト貸出金の重要性ならびにCOVID-19パンデミックを含む不確実性および判断の増加の観点か
ら、私たちは、モデルベースの予想信用損失の計算およびその調整に将来的な情報を含めることは監査上の重要な事
項であると考える。
監査人の対応
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監査手続の一環として、私たちは実行されたプロセスを理解し、将来的な情報の選定、決定および検証に係る統制
の整備状況を評価し、その有効性をテストした。
予測手法の見直しについては、銀行の検証レポートに基づき評価した。さらに、私たちは選定された変数を基本シ
ナリオに含めるために使用された手法および複数のシナリオ分析のパフォーマンスを検証した。
私たちは、銀行が使用した報告日現在のマクロ経済予測を、外部ソースと比較することによって分析した。
また、銀行が調整にあたって適用した手法についても検証した。その際、私たち独自のベンチマーク分析から得た
知見を活かして、銀行の感応度分析結果の評価を行った。また、銀行の手法に従い、予想信用損失の計算にあたって
調整が適切に考慮されていることを検証した。
将来的な情報をモデルベースの予想信用損失の計算に含めることの監査にあたり、私たちは信用リスク・モデリン
グの領域に特化した専門性を有する内部の専門家を利用した。
手続の結果、将来的な情報をモデルベースの予想信用損失の計算に含めることに関していかなる限定事項も発見さ
れなかった。
関連する開示の参照先
将来的な情報をモデルベースの予想信用損失の計算に含めることに関する情報は、年次財務諸表に対する注記の
「一般的な情報、作成の基礎」の項に記載されている。
3. 関係会社に対する投資の評価
当該事項が監査上の重要な事項であると判断した理由
2020 年12月31日現在、銀行は27,948百万ユーロの関係会社に対する投資を計上している。
関係会社に対する投資は、取得価額、あるいは減損の回復可能性がない場合は取得原価または公正価値のいずれか
低い金額で計上される。公正価値は、各関係会社の複数年計画に基づいて決定される。これに関連して、特に、資本
要件との乖離、年間の損益、キャッシュ・フロー、資本コストおよび割引率に関する仮定を置かなければならない。
さらに、減損が永久的なものかどうかの見積りが要求される。
関係会社に対する投資の測定は高度な判断を要することと、この項目の金額的重要性が高いことから、これは監査
上の重要な事項である。
監査人の対応
監査手続の一環として、私たちは実行されたプロセスを理解し、関係会社に対する投資の評価に係る統制の整備状
況を評価し、その有効性をテストした。
私たちは、重要な仮定および計画に関する仮定のバリュー・ドライバーを評価した。その際、私たちは、複数年計
画に使用された重要な仮定の整合性を評価し、また、外部から入手可能な市場予想との比較を行った。
関係会社の予想将来キャッシュ・フローの分析にあたり、私たちは、事業計画を前事業年度の計画および達成した
実績と比較し、乖離について評価した。さらに、詳細な計画期間および終身年金の経済動向に関する仮定が外部から
入手可能な予測の範囲内にあるかどうかを検討した。成長率、資本コスト率および税率の見積りといった、公正価値
の見積りに使用された評価パラメータを、外部から入手可能なパラメータとの比較によって検討した。
また、使用された評価モデルの計算の正確性について確認した。
関連会社に対する投資の評価の監査にあたり、私たちは、事業評価の領域に特化した専門性を有する内部の専門家
を利用した。
手続の結果、関係会社に対する投資の評価に関していかなる限定事項も発見されなかった。
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関連する開示の参照先
関係会社に対する投資の評価に関する情報は、年次財務諸表に対する注記の「一般的な情報、作成の基礎」および
「貸借対照表注記、関係会社および参加関係のある会社に関する情報」の項に記載されている。
4. 繰延税金の認識および測定
当該事項が監査上の重要な事項であると判断した理由
2020 年12月31日現在、銀行は2,638百万ユーロの繰延税金を計上している。
当該資産の将来の利用可能性に関する見積りは、潜在的な将来の課税所得に依存する。これは見積りの不確実性の
対象となり、予想される主要な仮定の変動に依存する。これは、承認された事業計画(税法上の繰越期間、タック
ス・プランニングの実現可能性およびその他の関連検討事項のレビューを含む。)に基づく営業成績の見通しに関す
る仮定を含むが、これらに限定されない。
将来の課税所得ならびに繰越欠損金および過年度に請求されなかった繰越税額控除の利用可能性に関する様々な見
積りには重要性があり判断を用いることから、繰延税金資産の認識および測定の評価は監査上の重要な事項である。
監査人の対応
私たちは、控除可能な一時差異および繰越営業純損失が税法の規定およびドイツの法律に基づく繰延税金の会計処
理規則に準拠して識別され、測定されているかどうかを判断するために繰延税金資産の認識および測定のプロセスを
理解し、統制の整備状況を評価し、その運用状況の有効性をテストした。
これは、関連する支店の将来の課税所得を見積る基礎として、承認された事業計画の要素を策定し、配分するため
に使用される仮定を含むが、これらに限定されない。
さらに、私たちは、将来の課税所得の見積りにおける仮定を分析することにより、銀行の繰延税金資産の認識手法
を検証した。私たちは、将来の課税所得の見積りに使用するデータの網羅性および正確性を検証し、将来の課税所得
予測の基礎となる重要な仮定を外部から入手可能な過去および将来のデータと比較した。また、承認された事業計画
に適用されるパラメータを評価し、基礎となる仮定の感応度分析を実施した。さらに、過去の予測の正確性を実績と
比較した。
繰延税金の回収可能性に関する上記の仮定の監査にあたり、私たちは、事業評価の領域に特化した専門性を有する
私たちの税務の専門家および内部の専門家を利用した。
手続の結果、繰延税金の認識および測定に関していかなる限定事項も発見されなかった。
関連する開示の参照先
繰延税金の認識および測定に関する情報は、年次財務諸表に対する注記の「一般的な情報、作成の基礎」および
「貸借対照表注記、繰延税金」の項に記載されている。
5. 財務報告におけるITアクセスおよび変更管理
当該事項が監査上の重要な事項であると判断した理由
銀行の財務報告の正確性は、日々処理される取引が相当数あるため、使用されるITの信頼性および継続性に大きく
依存している。 当事業年度において銀行は、ITシステムおよびプロセスの一元化を強化し、IT処理およびアクセスな
らびに変更管理の信頼性および継続性を高め、ITの複雑性を軽減する取り組みを継続した。
信頼性が高く継続的なデータ処理への依存度が高いこと、また、IT統制が内部統制システムの広範囲にわたること
を踏まえ、私たちは、財務報告におけるITアクセスおよび変更管理を監査上の重要な事項であると考える。
監査人の対応
私たちは、IT全般統制および財務報告に関連するIT業務処理統制を含むIT統制環境を評価した。私たちの手続で
は、進行中の一元化の取り組みによる現在のIT統制環境に対する当年度中の変更も範囲に含まれる。
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さらに、アプリケーション、データベースおよびオペレーティング・システムにわたるユーザー・アクセス管理お
よび変更管理に関するIT全般統制の運用状況の有効性をテストした。また、自動化されたデータ処理、データフィー
ドおよびインターフェースに関するIT業務処理統制をテストした。ITアクセス管理に関連する監査手続には、ユー
ザー・アクセスのプロビジョニングおよび取り消し、特権ユーザー・アクセス、定期的なアクセス権の更新、システ
ムのセキュリティ設定およびユーザー認証に係る統制が含まれるが、これらに限定されない。IT変更管理に関連する
監査手続には、変更が導入前にテストされ承認されていたかどうか、また、ユーザー管理の変更が認可されたユー
ザーに限定されていたかどうかの評価が含まれるが、これらに限定されない。
さらに、プログラム開発者が、本稼働システムにおける変更の承認権を有していたどうか、また、責任範囲が機能
的に分離されていたかどうかを評価するために、アプリケーション、データベースおよびオペレーティング・システ
ムそれぞれについて、アプリケーションの本稼働バージョンのアクセス権に基づいて修正を実行することができたか
どうかをテストした。
財務報告プロセスにおけるITアクセスおよび変更管理の監査にあたり、私たちは、IT監査の領域に特化した専門性
を有する内部の専門家を利用した。
手続の結果、財務報告におけるITアクセスおよび変更管理に関していかなる限定事項も発見されなかった。
関連する開示の参照先
財務報告に係る内部統制の一般的な説明については、統合マネジメント・レポートの「財務報告に係る内部統制」
の項を参照のこと。
その他の情報
業務執行取締役は、その他の情報の責任を負っている。その他の情報は、以下で構成される。
-マネジメント・レポートで言及するウェブサイトで公開されている、ドイツ商法第289f条に基づく統合コーポ
レート・ガバナンス・ステートメント
および本監査報告書発行前に入手した版の年次報告書に含まれる、その他の以下の項目。
-非財務諸表
-ドイツ商法第264条第2項第3文およびドイツ商法第289条第1項第5文に基づく責任に関するステートメント
ただし、年次財務諸表、一部が監査対象となっているマネジメント・レポートおよび私たちの監査報告書は含ま
れない。
年次財務諸表およびマネジメント・レポートに対する私たちの意見は、その他の情報を対象としておらず、した
がって私たちは、その他の情報に対する意見またはその他のいかなる形式の保証に関する結論も表明しない。
監査に関連する私たちの責任は、その他の情報を通読し、その際に、当該その他の情報について以下を検討するこ
とにある。
-年次財務諸表、マネジメント・レポートまたは私たちが監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるか
-上記に該当しない場合、重要な虚偽表示の兆候があるか
私たちが実施した手続に基づき、その他の情報に重要な虚偽表示があった場合、私たちはその事実を報告すること
が求められている。これに関して、私たちが報告すべきものはない。
年次財務諸表およびマネジメント・レポートに関する業務執行取締役および監査役会の責任
業務執行取締役は、すべての重要な点について、機関に適用されるドイツの法律に準拠し、法的に要求されるドイ
ツ会計原則に従って、機関の資産、負債および財政状態ならびに財務成績につき真実かつ公正な概観を示す年次財務
諸表を作成する責任を負っている。さらに、業務執行取締役は、法的に要求されるドイツ会計原則に従って、不正ま
たは誤謬による重要な虚偽表示のない年次財務諸表を作成するために、業務執行取締役が必要と判断した内部統制に
対する責任を負っている。
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年次財務諸表を作成するにあたり、業務執行取締役は、機関が継続企業として存続する能力があるかを評価する責
任がある。また、必要がある場合には当該継続企業の前提に関する事項を開示する責任を負っている。また、継続企
業の前提に基づいて財務報告を行うことについて実際のまたは法的な状況の矛盾がない場合、継続企業の前提に基づ
いて財務報告を行う責任を負っている。
さらに、業務執行取締役は、全体として機関の状況に関する適切な概観を有し、またすべての重要な点において、
年次財務諸表と整合性があり、ドイツの法的要件を遵守し、将来の動向に関する機会およびリスクを適切に表示する
マネジメント・レポートを作成する責任を負っている。また、適用されるドイツの法的要件に準拠したマネジメン
ト・レポートを作成し、マネジメント・レポートにおける監査要点についての十分かつ適切な証拠を提供するため
に、業務執行取締役が必要と判断した取り決めおよび措置(システム)について責任を負っている。
監査役会は、年次財務諸表およびマネジメント・レポートの作成に関する機関の財務報告プロセスを監督する責任
を負っている。
年次財務諸表およびマネジメント・レポートの監査に関する監査人の責任
私たちの監査の目的は、年次財務諸表に、全体として不正または誤謬による重要な虚偽表示がないか、ならびにマ
ネジメント・レポートが、全体として機関の状況に関する適切な概観を提供しているか、またすべての重要な点にお
いて、監査において得た知識および年次財務諸表と整合性があるか、ドイツの法的要件を遵守しているか、および将
来の発展の機会とリスクを適切に表示しているか関する合理的な保証を得ること、ならびに年次財務諸表およびマネ
ジメント・レポートに対する私たちの意見を含む監査報告書を発行することにある。
合理的な保証は、高い水準の保証であるが、ドイツ商法第317条およびEU監査規則に準拠し、またドイツ経済監査
士協会(IDW)が公布した一般に公正妥当と認められるドイツ財務諸表監査基準に準拠して行った監査が、重要な虚
偽表示を常に発見することを保証するものではない。虚偽表示は、不正または誤謬から発生する可能性があり、個別
にまたは集計すると、当該年次財務諸表およびマネジメント・レポートに基づく利用者の意思決定に影響を与えると
合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
私たちは、エンゲージメントを通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持している。また、
以下を実施する。
-不正または誤謬による年次財務諸表およびマネジメント・レポートの重要な虚偽表示リスクを識別、評価し、当
該リスクに対応した監査手続を策定、実施し、監査意見の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。不正
による重要な虚偽表示リスクを発見できないリスクは、誤謬による重要な虚偽表示を発見できないリスクよりも
高くなる。これは、不正には、共謀、文書の偽造、意図的な除外、虚偽の陳述、および内部統制の無効化が伴う
ためである。
-状況に応じて適切な監査手続を策定するために、年次財務諸表監査に関連する内部統制およびマネジメント・レ
ポート監査に関連する取決めおよび基準(体制)について理解する。ただし、これは、機関のこれら内部統制や
体制自体の有効性に対する意見を表明するためではない。
-業務執行取締役が使用した会計方針の適切性および業務執行取締役によって行われた見積りの合理性ならびに関
連する開示について評価する。
-業務執行取締役が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるか、また、入手した監査証拠に基
づき、機関の継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況に関して重要な不確実性が存在し
ているかについて結論付ける。重要な不確実性が存在すると結論を付した場合は、監査報告書において年次財務
諸表およびマネジメント・レポートの関連する開示に注意を喚起すること、または当該開示が適切でない場合
は、除外事項付意見を表明することが求められている。私たちの結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠
に基づいているが、将来の事象や状況により、機関は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
-関連する開示を含めた全体としての年次財務諸表の表示、構成および内容を検討し、年次財務諸表が、法的に要
求されるドイツ会計原則に準拠して機関の資産、負債、財政状態および財務成績につき真実かつ公正な概観を示
すように、基礎となる取引や事象を表示しているかを評価する。
-マネジメント・レポートに係る年次財務諸表との整合性、ドイツ法への準拠、機関の状況に関する概観について
評価する。
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-業務執行取締役がマネジメント・レポートにおいて表示した将来的な情報について監査手続を実施する。十分か
つ適切な監査証拠に基づいて、特に業務執行取締役が将来的な情報の基礎として使用した重要な仮定について評
価し、将来的な情報がこれらの仮定から適切に導出されているかについて評価する。私たちは、将来的な情報お
よび基礎として使用された仮定に対して個別の意見を表明するものではない。また、将来事象が将来的な情報と
大きく異なるという重大な不可避リスクが存在する。
私たちは、特に計画した監査の範囲とその実施時期、ならびに監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を
含むおよび監査上の重要な検出事項について、統治責任者に対して報告を行っている。
また私たちは、統治責任者に、関連する独立性の要件を遵守している旨宣言しており、私たちの独立性に影響を与
えると合理的に考えられるすべての関係性およびその他の事項、また該当する場合は関連するセーフガードについて
報告を行っている。
私たちは、統治責任者に報告した事項のうち、当年度の年次財務諸表監査で最も重要な事項を、監査上の主要な事
項と決定する。私たちは、法規制により当該事項の公表が禁止されている場合を除き、これらの事項を監査報告書に
おいて記載する。
その他の法規制要件
公表目的で作成される年次財務諸表およびマネジメント・レポートの電子的複製に関するドイツ商法第317条第3b項
に準拠した保証に係る報告
意見
私たちは、添付の電子ファイル[Deutsche_Bank_AG_JA+LB_ESEF-2020-12-31.zip]に含まれる、公表目的で作成
された年次財務諸表およびマネジメント・レポートの複製(以下「ESEF文書」という。)が、すべての重要な点にお
いて、電子報告様式(以下「ESEFフォーマット」という。)に関するドイツ商法第328条第1項の要件を遵守している
かどうかについて合理的な保証を得るために、ドイツ商法第317条第3b項に準拠した保証手続を実施した。ドイツの
法的要件に従い、この保証の範囲は、年次財務諸表およびマネジメント・レポートに含まれる情報をESEFフォーマッ
トに変換することに限定される。したがって、当該保証はこの複製に含まれる情報または上述の電子ファイルに含ま
れる他の情報のいずれにも関連するものではない。
私たちは、上述の添付の電子ファイルに含まれる、公表目的で作成された年次財務諸表およびマネジメント・レ
ポートの複製が、すべての重要な点において、電子報告様式に関するドイツ商法第328条第1項の要件を遵守している
ものと認める。私たちは、当該複製に含まれる情報および上述のファイルに含まれるその他の情報のいずれについて
も、この合理的な保証意見および上記の「年次財務諸表およびマネジメント・レポートに関する監査報告書」に含ま
れる2020年1月1日から2020年12月31日までの事業年度に係る添付の年次財務諸表および添付のマネジメント・レポー
トに対する監査意見を超えて、意見を表明するものではない。
意見表明の根拠
私たちは、ドイツ商法第317条第3b項およびIDW保証基準の公開草案:「公表目的で作成された財務諸表およびマネ
ジメント・レポートの電子的複製に関するドイツ商法第317条第3b項に準拠した保証」(ED IDW AsS 410)に準拠
し、上述の添付の電子ファイルに含まれる年次財務諸表およびマネジメント・レポートの複製について保証手続を実
施した。当該基準に基づく私たちの責任については、「ESEF文書の保証手続に関する監査人の責任」の項に詳述され
ている。私たち監査人の実務では、品質管理システムに関して、IDW品質管理基準:「公認会計士の実務における品
質管理の要件」(IDW QS 1)に記載された要件を適用している。
ESEF 文書に関する業務執行取締役および監査役会の責任
機関の業務執行取締役は、ドイツ商法第328条第1項第4文第1号に準拠して年次財務諸表およびマネジメント・レ
ポートの電子的複製を含むESEF文書を作成する責任を負っている。
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さらに、機関の業務執行取締役は、不正または誤謬による、電子報告様式に関するドイツ商法第328条第1項の要件
の重要な不遵守のないESEF文書を作成するために、業務執行取締役が必要と判断した内部統制に対する責任を負って
いる。
機関の業務執行取締役は、ESEF文書を、監査報告書、添付の監査済年次財務諸表および監査済マネジメント・レ
ポートならびに公表予定のその他の文書と合わせて、ドイツ連邦官報の担当官に提出する責任も負っている。
監査役会は、財務報告プロセスの一環として、ESEF文書の作成を監督する責任を負っている。
ESEF 文書の保証手続に関する監査人の責任
私たちの目的は、ESEF文書に、不正または誤謬によるドイツ商法第328条第1項の要件の重要な不遵守がないかどう
かについて、合理的な保証を得ることにある。私たちは、エンゲージメントを通じて、職業的専門家としての判断を
行い、職業的懐疑心を保持している。また、以下を実施する。
-不正または誤謬によるドイツ商法第328条第1項の要件の重要な不遵守リスクを識別、評価し、当該リスクに対応
した監査手続を策定、実施し、保証意見の基礎となる十分かつ適切な保証の証拠を入手する。
-状況に応じて適切な保証手続を策定するために、ESEF文書の保証に関連する内部統制について理解する。ただ
し、これは、これらの統制の有効性に対する保証意見を表明するためではない。
-ESEF文書の技術的妥当性、すなわち、ESEF文書を含む電子ファイルが、報告日時点で有効な版で、この電子ファ
イルの技術仕様に関する委任規則(EU)第2019/815号の要件を満たしているかどうかを評価する。
-ESEF文書により、監査済年次財務諸表および監査済マネジメント・レポートと同等の内容でXHTMLを複製できる
かどうかを評価する。
EU 監査規則第10条に基づく追加情報
私たちは、2020年5月20日付定時株主総会において、監査人に選任された。私たちは、2020年6月5日付監査役会に
出席した。私たちは、2020年度よりドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフトの監査人を務めている。
私たちは、本監査報告書において表明された意見が、EU監査規則第11条に準拠して、監査委員会への追加報告書
(長分式監査報告書)と整合的であることを宣言する。
エンゲージメントに対する責任を負っているドイツ公認会計監査人
エンゲージメントに対する責任を負っているドイツ公認会計監査人は、ホルガー・レシュケン氏である。
エシュボルン/フランクフルト・アム・マイン、2021年3月8日
アーンスト・アンド・ヤング・ゲーエムベーハー
監査法人
バース レシュケン
経済監査士 経済監査士
[ドイツ公認会計監査人] [ドイツ公認会計監査人]
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Bestätigungsvermerk des unabhängigen Abschlussprüfers
An die Deutsche Bank Aktiengesellschaft, Frankfurt am Main
Vermerk über die Prüfung des Jahresabschlusses und des Lageberichts
Prüfungsurteile
Wir haben den Jahresabschluss der Deutsche Bank Aktiengesellschaft, Frankfurt am Main, –
bestehend aus der Bilanz zum 31. Dezember 2020 und der Gewinn- und Verlustrechnung für das
Geschäftsjahr vom 1. Januar 2020 bis zum 31. Dezember 2020 sowie dem Anhang, einschließlich
der Darstellung der Bilanzierungs- und Bewertungsmethoden – geprüft. Darüber hinaus haben wir
den Lagebericht der Deutsche Bank Aktiengesellschaft, der mit den Konzernlagebericht
zusammengefasst ist, für das Geschäftsjahr vom 1. Januar 2020 bis zum 31. Dezember 2020
geprüft. Die auf der im Lagebericht angegebenen Internetseite veröffentlichte
zusammengefasste Erklärung zur Unternehmensführung nach § 289f HGB, die Bestandteil des
Lageberichts ist, haben wir in Einklang mit den deutschen gesetzlichen Vorschriften nicht
inhaltlich geprüft.
Nach unserer Beurteilung aufgrund der bei der Prüfung gewonnenen Erkenntnisse
・ entspricht der beigefügte Jahresabschluss in allen wesentlichen Belangen den deutschen,
für Institute geltenden handelsrechtlichen Vorschriften und vermittelt unter Beachtung
der deutschen Grundsätze ordnungsmäßiger Buchführung ein den tatsächlichen Verhältnissen
entsprechendes Bild der Vermögens- und Finanzlage der Gesellschaft zum 31. Dezember 2020
sowie ihrer Ertragslage für das Geschäftsjahr vom 1. Januar 2020 bis zum 31. Dezember
2020 und
・ vermittelt der beigefügte Lagebericht insgesamt ein zutreffendes Bild von der Lage der
Gesellschaft. In allen wesentlichen Belangen steht dieser Lagebericht in Einklang mit dem
Jahresabschluss, entspricht den deutschen gesetzlichen Vorschriften und stellt die
Chancen und Risiken der zukünftigen Entwicklung zutreffend dar. Unser Prüfungsurteil zum
Lagebericht erstreckt sich nicht auf den Inhalt der oben genannten zusammengefassten
Erklärung zur Unternehmensführung.
Gemäß § 322 Abs. 3 Satz 1 HGB erklären wir, dass unsere Prüfung zu keinen Einwendungen gegen
die Ordnungsmäßigkeit des Jahresabschlusses und des Lageberichts geführt hat.
Grundlage für die Prüfungsurteile
Wir haben unsere Prüfung des Jahresabschlusses und des Lageberichts in Übereinstimmung mit §
317 HGB und der EU-Abschlussprüferverordnung (Nr. 537/2014; im Folgenden "EU-APrVO") unter
Beachtung der vom Institut der Wirtschaftsprüfer (IDW) festgestellten deutschen Grundsätze
ordnungsmäßiger Abschlussprüfung durchgeführt. Unsere Verantwortung nach diesen Vorschriften,
Grundsätzen und Standards ist im Abschnitt "Verantwortung des Abschlussprüfers für die
Prüfung des Jahresabschlusses und des Lageberichts" unseres Bestätigungsvermerks weitergehend
beschrieben. Wir sind von dem Unternehmen unabhängig in Übereinstimmung mit den
europarechtlichen sowie den deutschen handelsrechtlichen und berufsrechtlichen Vorschriften
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und haben unsere sonstigen deutschen Berufspflichten in Übereinstimmung mit diesen
Anforderungen erfüllt. Darüber hinaus erklären wir gemäß Artikel 10 Abs. 2 Buchstabe f) EU-
APrVO, dass wir keine verbotenen Nichtprüfungsleistungen nach Artikel 5 Abs. 1 EU-APrVO
erbracht haben. Wir sind der Auffassung, dass die von uns erlangten Prüfungsnachweise
ausreichend und geeignet sind, um als Grundlage für unsere Prüfungsurteile zum
Jahresabschluss und zum Lagebericht zu dienen.
Besonders wichtige Prüfungssachverhalte in der Prüfung des Jahresabschlusses
Besonders wichtige Prüfungssachverhalte sind solche Sachverhalte, die nach unserem
pflichtgemäßen Ermessen am bedeutsamsten in unserer Prüfung des Jahresabschlusses für das
Geschäftsjahr vom 1. Januar 2020 bis zum 31. Dezember 2020 waren. Diese Sachverhalte wurden
im Zusammenhang mit unserer Prüfung des Jahresabschlusses als Ganzem und bei der Bildung
unseres Prüfungsurteils hierzu berücksichtigt; wir geben kein gesondertes Prüfungsurteil zu
diesen Sachverhalten ab.
Nachfolgend beschreiben wir die aus unserer Sicht besonders wichtigen Prüfungssachverhalte:
1. Bewertung von Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren
Eingangsparametern
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Zum 31. Dezember 2020 weist die Bank Handelsaktiva in Höhe von EUR 241.390 Mio. und
Handelspassiva in Höhe von EUR 203.986 Mio. aus. In diesen sind auch Finanzinstrumente
enthalten, deren Bewertung auf nicht beobachtbaren Parametern basiert.
Für die Bewertung dieser Finanzinstrumente sind keine Marktpreise beobachtbar. Die
beizulegenden Zeitwerte sind daher auf Basis anerkannter Bewertungsverfahren zu ermitteln.
Diese Bewertungsverfahren können auf komplexen Modellen beruhen und ermessensbehaftete
Annahmen und Schätzungen für nicht beobachtbare Parameter wie diskontierte Zahlungsströme,
Volatilitätsniveaus, Korrelationen sowie Kredit- und Liquiditätsspreads beinhalten.
Da die Bewertung von Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren
Eingangsparametern aufgrund der Komplexität der angewandten Bewertungsverfahren und -modelle
in hohem Maße von Annahmen und Ermessensentscheidungen abhängig ist, haben wir diesen
Sachverhalt als besonders wichtigen Prüfungssachverhalt bestimmt.
Prüferisches Vorgehen
Wir haben uns ein Verständnis der Kontrollen für die vom Management angewandten Prozesse zur
Ermittlung des beizulegenden Zeitwerts von Finanzinstrumenten und der Ermittlung von nicht in
einem aktiven Markt beobachtbaren Eingangsparametern verschafft, die Ausgestaltung dieser
Kontrollen beurteilt und ihre operative Wirksamkeit geprüft.
Dies betraf insbesondere die Kontrollen im Rahmen der unabhängigen Preisverifizierung, der
unabhängigen Validierung von Bewertungsmodellen, einschließlich der Beurteilung von
Modellbeschränkungen, der Überwachung einer potenziell unsachgemäßen Verwendung von
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Bewertungsmodellen und der Berechnung von Marktpreisanpassungen sowie die zugehörigen
Kontrollen in Bezug auf die relevanten IT-Systeme.
Wir haben die Bewertungsverfahren, -modelle und -methoden nachvollzogen und die ausgewählten
Eingangsparameter, die in den Modellen verwendet wurden, analysiert. Wir haben unter
Verwendung unabhängiger Modelle und Eingangsparameter die unabhängige Neubewertung einer
Stichprobe von zum beizulegenden Zeitwert bewerteten Finanzinstrumenten vorgenommen. Darüber
hinaus erfolgte auf Stichprobenbasis eine unabhängige Beurteilung der Angemessenheit der
verwendeten Näherungsparameter.
Wir haben interne Spezialisten mit besonderen Fachkenntnissen in der Bewertung von
Finanzinstrumenten hinzugezogen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen die Bewertung von
Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren Eingangsparametern ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Erläuterungen der Bewertungsverfahren, -modelle und -methoden für die Bemessung des
beizulegenden Zeitwerts sind in den Abschnitten Allgemeine Angaben "Grundlagen und Methoden"
und Erläuterung zur Bilanz "Handelsbestand" des Anhangs zum Jahresabschluss enthalten.
2. Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte Ermittlung der
Risikovorsorge
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Die der modellbasierten Berechnung der Risikovorsorge für nicht ausgefallene Kundenkredite
zugrunde gelegte Schätzung der Ausfallwahrscheinlichkeiten basiert zum einen auf historischen
Informationen. Zum anderen fließen aktuelle wirtschaftliche Entwicklungen sowie
zukunftsorientierte makroökonomische Prognosen (z.B. Bruttoinlandsprodukt und
Arbeitslosenraten) ein. Das so ermittelte Basisszenario wird durch die Nutzung statistischer
Methoden in eine Multi-Szenario-Analyse übertragen. Die Szenarien spezifizieren Abweichungen
vom Basisszenario. Diese dienen als Grundlage für die Ableitung von Mehrjahreskurven für die
Ausfallwahrscheinlichkeiten verschiedener Rating- und Kontrahentenklassen, die bei der
Berechnung der erwarteten Kreditausfälle und bei der Identifizierung einer signifikanten
Verschlechterung der Kreditqualität von Kundenkrediten verwendet werden.
Vor dem Hintergrund der im Geschäftsjahr aufgetretenen wirtschaftlichen Verwerfungen aufgrund
der COVID-19-Pandemie, der sich daraus ergebenden Unsicherheiten bei der Schätzung
zukunftsgerichteter Informationen, und der Auswirkung staatlicher Stabilisierungsmaßnahmen
auf die Risikofrüherkennung hat die Bank Anpassungen der anhand der herkömmlichen
Kreditrisikomodelle und Prognoseverfahren ermittelten Risikovorsorge vorgenommen.
Vor dem Hintergrund des signifikanten Volumens der Bestände der nicht ausgefallenen Kredite
sowie der auch aufgrund der COVID-19-Pandemie erhöhten Unsicherheiten und Ermessensspielräume
erachten wir die Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte
Ermittlung der Risikovorsorge und deren Anpassung als besonders wichtigen
Prüfungssachverhalt.
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Prüferisches Vorgehen
Im Rahmen unserer Prüfungshandlungen haben wir uns ein Verständnis der bestehenden Prozesse
verschafft und die Ausgestaltung der Kontrollen zur Auswahl, Ermittlung und Validierung
zukunftsgerichteter Informationen beurteilt und ihre Wirksamkeit getestet.
Wir haben die Überprüfung der Prognoseverfahren auf Basis der Validierungsberichte der Bank
nachvollzogen. Darüber hinaus haben wir die Methoden zur Einbeziehung der ausgewählten
Variablen in das Basisszenario sowie die Durchführung der Multi-Szenario-Analyse
nachvollzogen.
Die von der Bank zum Stichtag verwendeten makroökonomischen Prognosen haben wir mit externen
Quellen verglichen.
Weiterhin haben wir die von der Bank vorgenommenen Anpassungen methodisch nachvollzogen.
Hierbei haben wir die Ergebnisse der von der Bank durchgeführten Sensitivitätsanalysen anhand
unserer Erkenntnisse aus eigenen Benchmarkanalysen gewürdigt. Zudem haben wir uns davon
überzeugt, dass die Anpassungen in der Risikovorsorgeermittlung entsprechend der Methodik der
Bank sachgerecht berücksichtigt wurden.
Für die Prüfung der Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte
Ermittlung der Risikovorsorge haben wir interne Spezialisten hinzugezogen, die über besondere
Fachkenntnisse auf dem Gebiet der Kreditrisikomodellierung verfügen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen hinsichtlich der Einbeziehung
zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte Ermittlung der Risikovorsorge
ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zur Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte Ermittlung
der Risikovorsorge sind in dem Abschnitt Allgemeine Angaben "Grundlagen und Methoden" des
Anhangs zum Jahressabschluss enthalten.
3. Bewertung von Anteilen an verbundenen Unternehmen
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Zum 31. Dezember 2020 weist die Bank Anteile an verbundenen Unternehmen in Höhe von EUR
27.948 Mio. aus.
Die Anteile an verbundenen Unternehmen werden zu Anschaffungskosten bzw. bei voraussichtlich
dauernder Wertminderung zum niedrigeren beizulegenden Wert bilanziert. Die Ermittlung des
beizulegenden Werts basiert auf einer Mehrjahresplanung für das jeweilige verbundene
Unternehmen. Diesbezüglich sind Annahmen, insbesondere zur Herleitung von
Eigenkapitalanforderungen, von Jahresergebnissen, von Cashflows sowie zu Kapitalkosten und zu
Diskontierungssätzen zu treffen. Weiterhin sind Einschätzungen zur Dauerhaftigkeit etwaiger
Wertminderungen vorzunehmen.
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Da die Bewertung von Anteilen an verbundenen Unternehmen in einem hohen Maße
Ermessensentscheidungen beinhalten und dieser Posten einen wesentlichen Betrag aufweist, ist
dies ein besonders wichtiger Prüfungssachverhalt.
Prüferisches Vorgehen
Im Rahmen unserer Prüfungshandlungen haben wir uns ein Verständnis der bestehenden Prozesse
zur Ermittlung zur Bewertung von Anteilen an verbundenen Unternehmen verschafft, die
Ausgestaltung der zugehörigen Kontrollen beurteilt und ihre Wirksamkeit getestet.
Die wesentlichen Prämissen und Werttreiber der Planannahmen haben wir nachvollzogen. Hierbei
haben wir die Konsistenz der wesentlichen Annahmen der Mehrjahresplanung beurteilt und diese
zusätzlich mit extern verfügbaren Markterwartungen verglichen.
Bei der Analyse der erwarteten künftigen Zahlungsmittelzuflüsse der verbundenen Unternehmen
haben wir die Geschäftsplanung mit der Planung des vorherigen Geschäftsjahres und den
tatsächlich realisierten Ergebnissen verglichen und Abweichungen nachvollzogen. Weiterhin
haben wir untersucht, inwieweit die Annahmen zur volkswirtschaftlichen Entwicklung im
Detailplanungszeitraum und in der ewigen Rente innerhalb von Bandbreiten extern verfügbarer
Prognosen liegen. Die im Rahmen der Schätzung des beizulegenden Werts verwendeten
Bewertungsparameter, wie beispielsweise geschätzte Wachstumsraten, Kapitalkostensätze und
Steuersätze, haben wir mit intern und extern verfügbaren Parametern abgeglichen.
Darüber hinaus haben wir die rechnerische Richtigkeit des verwendeten Bewertungsmodells
nachvollzogen.
Für die Prüfung der Bewertung von Anteilen an verbundenen Unternehmen haben wir interne
Spezialisten hinzugezogen, die über besondere Fachkenntnisse auf dem Gebiet der
Unternehmensbewertung verfügen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen die Bewertung von Anteilen
an verbundenen Unternehmen ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zur Bewertung von Anteilen an verbundenen Unternehmen sind im Anhang in den
Abschnitten Allgemeine Angaben "Grundlagen und Methoden" und Erläuterungen zur Bilanz
"Angaben zu verbundenen Unternehmen und Unternehmen mit denen ein Beteiligungsverhältnis
besteht" des Anhangs zum Jahresabschlusses enthalten.
4. Ansatz und Bewertung latenter Steuern
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Zum 31. Dezember 2020 weist die Bank latente Steuern in Höhe von EUR 2.638 Mio. aus.
Die Einschätzung der Nutzbarkeit der Ansprüche erfolgt auf Basis des zukünftigen steuerlichen
Ertragspotenzials. Diese ist mit Schätzunsicherheiten behaftet und abhängig von der
voraussichtlichen Entwicklung wesentlicher Annahmen. Hierzu zählen insbesondere die Annahmen
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über prognostizierte Geschäftsergebnisse auf Basis genehmigter Geschäftspläne einschließlich
einer Aufstellung über die Vortragsperioden, Steuerplanungsmöglichkeiten sowie sonstiger
maßgeblicher Überlegungen.
Aufgrund der materiellen Bedeutung und der bestehenden Ermessensspielräume bei zahlreichen
Schätzungen über die zukünftige steuerliche Ertragssituation sowie die Nutzbarkeit
steuerlicher Verluste und bisher ungenutzter Steuergutschriften ist die Beurteilung des
Ansatzes und der Bewertung von aktiven latenten Steuern ein besonders wichtiger
Prüfungssachverhalt.
Prüferisches Vorgehen
Wir haben uns ein Verständnis des Prozesses zum Ansatz und zur Bewertung von latenten Steuern
dahingehend verschafft, ob eine Identifizierung von abzugsfähigen temporären Differenzen und
von Nettobetriebsverlusten und deren Bewertung in Übereinstimmung mit den steuerrechtlichen
Regelungen und Vorschriften zur Bilanzierung latenter Steuern nach deutschem Handelsrecht
erfolgt, die Ausgestaltung der Kontrollen beurteilt und der Kontrollen deren operative
Wirksamkeit getestet.
Dies umfasste insbesondere die Annahmen, die bei der Entwicklung und Zuweisung der
verabschiedeten Unternehmensplanung als Grundlage für die Schätzung des künftigen
steuerpflichtigen Einkommens der relevanten Niederlassungen verwendet wurden.
Darüber hinaus haben wir die Methode der Bank zur Erfassung latenter Steueransprüche
nachvollzogen, indem wir die Annahmen analysiert haben, die zur Schätzung künftiger
steuerpflichtiger Gewinne getroffen wurden. Wir haben diese hinsichtlich der
Nachvollziehbarkeit der Daten beurteilt, die für die Schätzung des künftigen zu versteuernden
Einkommens verwendet wurden, indem wir die wesentlichen Annahmen für die Prognose des
künftigen zu versteuernden Einkommens mit extern verfügbaren historischen und prospektiven
Daten verglichen haben. Darüber hinaus haben wir die in der verabschiedeten
Unternehmensplanung berücksichtigten Parameter beurteilt und Sensitivitätsanalysen der
getroffenen Annahmen durchgeführt. Des Weiteren haben wir die historische Planung mit den
tatsächlichen Ergebnissen verglichen.
Für die Prüfung der Werthaltigkeit der latenten Steuern haben wir unsere Steuerexperten sowie
interne Spezialisten, die über besondere Kenntnisse auf dem Gebiet der Unternehmensbewertung
verfügen, hinzugezogen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen den Ansatz und die
Bewertung der latenten Steuern ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zum Ansatz und zur Bewertung der latenten Steuern sind in den Abschnitten Allgemeine
Angaben "Grundlagen und Methoden" und Erläuterungen zur Bilanz "Latente Steuern" des Anhangs
des Jahresabschlusses enthalten.
5. IT-Zugriffs- und Änderungsmanagement in der Rechnungslegung
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Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Die Ordnungsmäßigkeit der Rechnungslegung der Bank ist aufgrund der signifikanten Anzahl von
Transaktionen, die täglich automatisiert verarbeitet werden, in hohem Maße von der
Zuverlässigkeit und vom störungsfreien Betrieb der eingesetzten Informationstechnologie
abhängig. Die Bank hat im Geschäftsjahr weitere Schritte zur stärkeren Zentralisierung ihrer
IT-Systeme und -Prozesse vorgenommen, um so die zuverlässige und kontinuierliche Verarbeitung
der Daten sowie des Zugriffs- und Änderungsmanagements zu erhöhen und die Komplexität zu
reduzieren.
Da eine hohe Abhängigkeit von der zuverlässigen und kontinuierlichen Verarbeitung der Daten
besteht und die IT-Kontrollen wesentlicher Bestandteil des rechnungslegungsbezogenen internen
Kontrollsystems (IKS) sind, sind das IT-Zugriffs- und Änderungsmanagement in der
Rechnungslegung ein besonders wichtiger Prüfungssachverhalt.
Prüferisches Vorgehen
Wir haben die Ausgestaltung des rechnungslegungsbezogenen IT-Umfelds inklusive der generellen
und anwendungsbezogenen IT-Kontrollen der Bank beurteilt. Dies beinhaltete auch die
Auswirkungen von Änderungen im Geschäftsjahr aufgrund der Zentralisierungsmaßnahmen der
bestehenden IT-Systeme und -Prozesse.
Des Weiteren haben wir die operative Wirksamkeit der generellen IT-Kontrollen in Bezug auf
das Zugriffs- und Änderungsmanagement in verschiedenen IT-Anwendungen, Datenbanken und
Betriebssystemen getestet. Zudem haben wir die IT-Anwendungskontrollen für die automatisierte
Datenverarbeitung, Datenzulieferungen und Schnittstellen getestet.
Unsere Prüfungshandlungen in Bezug auf das IT-Zugriffsmanagement umfassten insbesondere
Prüfungen der Vergabe und des Entzugs von Nutzerrechten, der privilegierten Zugriffsrechte,
der periodischen Rezertifizierung von Zugriffsrechten, der systemseitigen
Sicherheitseinstellungen und der Nutzerauthentifizierungs-kontrollen. Hinsichtlich des IT-
Änderungsmanagements umfassten unsere Prüfungshandlungen vor allem die Beurteilung, ob
Änderungen vor ihrer Umsetzung getestet und genehmigt wurden und die Änderungen der
Benutzerberichtigungen ausschließlich von autorisierten Mitarbeitern durchgeführt wurden.
Ferner haben wir geprüft, ob Programmentwickler Freigaberechte für Änderungen haben und
gleichzeitig über ihre Zugriffsrechte die Möglichkeit besitzen, Änderungen in den
Produktivsystemen (Anwendungen, Datenbanken und Betriebssysteme) durchzuführen bzw. ob diese
Berechtigungen funktional getrennt sind.
Wir haben interne Experten hinzugezogen, die über besondere Fachkenntnisse in Bezug auf IT-
Prüfungen verfügen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen das IT-Zugriffs- und
Änderungsmanagements in der Rechnungslegung ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
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Eine Beschreibung des internen Kontrollsystems in der Rechnungslegung einschließlich der IT-
Zugriffsberechtigungen findet sich im zusammengefassten Lagebericht im Abschnitt "Internes
Kontrollsystem bezogen auf die Rechnungslegung".
Sonstige Informationen
D ie gesetzlichen Vertreter sind für die sonstigen Informationen verantwortlich. Die sonstigen
Informationen umfassen
・ die auf der im Lagebericht angegebenen Internetseite veröffentlichte zusammengefasste
Erklärung zur Unternehmensführung nach § 289f HGB,
ferner folgende weiteren, für den Geschäftsbericht vorgesehene Bestandteile, von denen wir
eine Fassung bis zur Erteilung dieses Bestätigungsvermerks erlangt haben:
・ Nichtfinanzielle Erklärung
・ Versicherung der gesetzlichen Vertreter gemäß § 264 Abs. 2 Satz 3 HGB i.V.m. § 289 Abs.
1 Satz 5 HGB,
aber nicht den Jahresabschluss, nicht die in die inhaltliche Prüfung einbezogenen
Lageberichtsangaben und nicht unseren dazugehörigen Bestätigungsvermerk.
Unsere Prüfungsurteile zum Jahresabschluss und Lagebericht erstrecken sich nicht auf die
sonstigen Informationen, und dementsprechend geben wir weder ein Prüfungsurteil noch
irgendeine andere Form von Prüfungsschlussfolgerung hierzu ab.
Im Zusammenhang mit unserer Prüfung haben wir die Verantwortung, die sonstigen Informationen
zu lesen und dabei zu würdigen, ob die sonstigen Informationen
・ wesentliche Unstimmigkeiten zum Jahresabschluss, Lagebericht oder unseren bei der Prüfung
erlangten Kenntnissen aufweisen oder
・ anderweitig wesentlich falsch dargestellt erscheinen.
Falls wir auf Grundlage der von uns durchgeführten Arbeiten den Schluss ziehen, dass eine
wesentliche falsche Darstellung dieser sonstigen Informationen vorliegt, sind wir
verpflichtet, über diese Tatsache zu berichten. Wir haben in diesem Zusammenhang nichts zu
berichten .
Verantwortung der gesetzlichen Vertreter und des Aufsichtsrats für den Jahresabschluss und
den Lagebericht
Die gesetzlichen Vertreter sind verantwortlich für die Aufstellung des Jahresabschlusses, der
den deutschen, für Institute geltenden handelsrechtlichen Vorschriften in allen wesentlichen
Belangen entspricht, und dafür, dass der Jahresabschluss unter Beachtung der deutschen
Grundsätze ordnungsmäßiger Buchführung ein den tatsächlichen Verhältnissen entsprechendes
Bild der Vermögens‑, Finanz- und Ertragslage der Gesellschaft vermittelt. Ferner sind die
gesetzlichen Vertreter verantwortlich für die internen Kontrollen, die sie in Übereinstimmung
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mit den deutschen Grundsätzen ordnungsmäßiger Buchführung als notwendig bestimmt haben, um
die Aufstellung eines Jahresabschlusses zu ermöglichen, der frei von wesentlichen –
beabsichtigten oder unbeabsichtigten – falschen Darstellungen ist.
Bei der Aufstellung des Jahresabschlusses sind die gesetzlichen Vertreter dafür
verantwortlich, die Fähigkeit der Gesellschaft zur Fortführung der Unternehmenstätigkeit zu
beurteilen. Des Weiteren haben sie die Verantwortung, Sachverhalte in Zusammenhang mit der
Fortführung der Unternehmenstätigkeit, sofern einschlägig, anzugeben. Darüber hinaus sind sie
dafür verantwortlich, auf der Grundlage des Rechnungslegungsgrundsatzes der Fortführung der
Unternehmenstätigkeit zu bilanzieren, sofern dem nicht tatsächliche oder rechtliche
Gegebenheiten entgegenstehen.
Außerdem sind die gesetzlichen Vertreter verantwortlich für die Aufstellung des Lageberichts,
der insgesamt ein zutreffendes Bild von der Lage der Gesellschaft vermittelt sowie in allen
wesentlichen Belangen mit dem Jahresabschluss in Einklang steht, den deutschen gesetzlichen
Vorschriften entspricht und die Chancen und Risiken der zukünftigen Entwicklung zutreffend
darstellt. Ferner sind die gesetzlichen Vertreter verantwortlich für die Vorkehrungen und
Maßnahmen (Systeme), die sie als notwendig erachtet haben, um die Aufstellung eines
Lageberichts in Übereinstimmung mit den anzuwendenden deutschen gesetzlichen Vorschriften zu
ermöglichen und um ausreichende geeignete Nachweise für die Aussagen im Lagebericht erbringen
zu können.
Der Aufsichtsrat ist verantwortlich für die Überwachung des Rechnungslegungsprozesses der
Gesellschaft zur Aufstellung des Jahresabschlusses und des Lageberichts.
Verantwortung des Abschlussprüfers für die Prüfung des Jahresabschlusses und des Lageberichts
Unsere Zielsetzung ist, hinreichende Sicherheit darüber zu erlangen, ob der Jahresabschluss
als Ganzes frei von wesentlichen – beabsichtigten oder unbeabsichtigten – falschen
Darstellungen ist, und ob der Lagebericht insgesamt ein zutreffendes Bild von der Lage der
Gesellschaft vermittelt sowie in allen wesentlichen Belangen mit dem Jahresabschluss sowie
mit den bei der Prüfung gewonnenen Erkenntnissen in Einklang steht, den deutschen
gesetzlichen Vorschriften entspricht und die Chancen und Risiken der zukünftigen Entwicklung
zutreffend darstellt, sowie einen Bestätigungsvermerk zu erteilen, der unsere Prüfungsurteile
zum Jahresabschluss und zum Lagebericht beinhaltet.
Hinreichende Sicherheit ist ein hohes Maß an Sicherheit, aber keine Garantie dafür, dass eine
in Übereinstimmung mit § 317 HGB und der EU-APrVO unter Beachtung der vom Institut der
Wirtschaftsprüfer (IDW) festgestellten deutschen Grundsätze ordnungsmäßiger Abschlussprüfung
durchgeführte Prüfung eine wesentliche falsche Darstellung stets aufdeckt. Falsche
Darstellungen können aus Verstößen oder Unrichtigkeiten resultieren und werden als wesentlich
angesehen, wenn vernünftigerweise erwartet werden könnte, dass sie einzeln oder insgesamt die
auf der Grundlage dieses Jahresabschlusses und Lageberichts getroffenen wirtschaftlichen
Entscheidungen von Adressaten beeinflussen.
Während der Prüfung üben wir pflichtgemäßes Ermessen aus und bewahren eine kritische
Grundhaltung. Darüber hinaus
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・ identifizieren und beurteilen wir die Risiken wesentlicher – beabsichtigter oder
unbeabsichtigter – falscher Darstellungen im Jahresabschluss und im Lagebericht, planen
und führen Prüfungshandlungen als Reaktion auf diese Risiken durch sowie erlangen
Prüfungsnachweise, die ausreichend und geeignet sind, um als Grundlage für unsere
Prüfungsurteile zu dienen. Das Risiko, dass wesentliche falsche Darstellungen nicht
aufgedeckt werden, ist bei Verstößen höher als bei Unrichtigkeiten, da Verstöße
betrügerisches Zusammenwirken, Fälschungen, beabsichtigte Unvollständigkeiten,
irreführende Darstellungen bzw. das Außerkraftsetzen interner Kontrollen beinhalten
können;
・ gewinnen wir ein Verständnis von dem für die Prüfung des Jahresabschlusses relevanten
internen Kontrollsystem und den für die Prüfung des Lageberichts relevanten Vorkehrungen
und Maßnahmen, um Prüfungshandlungen zu planen, die unter den gegebenen Umständen
angemessen sind, jedoch nicht mit dem Ziel, ein Prüfungsurteil zur Wirksamkeit dieser
Systeme der Gesellschaft abzugeben;
・ beurteilen wir die Angemessenheit der von den gesetzlichen Vertretern angewandten
Rechnungslegungsmethoden sowie die Vertretbarkeit der von den gesetzlichen Vertretern
dargestellten geschätzten Werte und damit zusammenhängenden Angaben;
・ ziehen wir Schlussfolgerungen über die Angemessenheit des von den gesetzlichen Vertretern
angewandten Rechnungslegungsgrundsatzes der Fortführung der Unternehmenstätigkeit sowie,
auf der Grundlage der erlangten Prüfungsnachweise, ob eine wesentliche Unsicherheit im
Zusammenhang mit Ereignissen oder Gegebenheiten besteht, die bedeutsame Zweifel an der
Fähigkeit der Gesellschaft zur Fortführung der Unternehmenstätigkeit aufwerfen können.
Falls wir zu dem Schluss kommen, dass eine wesentliche Unsicherheit besteht, sind wir
verpflichtet, im Bestätigungsvermerk auf die dazugehörigen Angaben im Jahresabschluss und
im Lagebericht aufmerksam zu machen oder, falls diese Angaben unangemessen sind, unser
jeweiliges Prüfungsurteil zu modifizieren. Wir ziehen unsere Schlussfolgerungen auf der
Grundlage der bis zum Datum unseres Bestätigungsvermerks erlangten Prüfungsnachweise.
Zukünftige Ereignisse oder Gegebenheiten können jedoch dazu führen, dass die Gesellschaft
ihre Unternehmenstätigkeit nicht mehr fortführen kann;
・ beurteilen wir die Gesamtdarstellung, den Aufbau und den Inhalt des Jahresabschlusses
einschließlich der Angaben sowie ob der Jahresabschluss die zugrunde liegenden
Geschäftsvorfälle und Ereignisse so darstellt, dass der Jahresabschluss unter Beachtung
der deutschen Grundsätze ordnungsmäßiger Buchführung ein den tatsächlichen Verhältnissen
entsprechendes Bild der Vermögens-, Finanz- und Ertragslage des Unternehmens vermittelt;
・ beurteilen wir den Einklang des Lageberichts mit dem Jahresabschluss, seine
Gesetzesentsprechung und das von ihm vermittelte Bild von der Lage des Unternehmens;
・ führen wir Prüfungshandlungen zu den von den gesetzlichen Vertretern dargestellten
zukunftsorientierten Angaben im Lagebericht durch. Auf Basis ausreichender geeigneter
Prüfungsnachweise vollziehen wir dabei insbesondere die den zukunftsorientierten Angaben
von den gesetzlichen Vertretern zugrunde gelegten bedeutsamen Annahmen nach und
beurteilen die sachgerechte Ableitung der zukunftsorientierten Angaben aus diesen
Annahmen. Ein eigenständiges Prüfungsurteil zu den zukunftsorientierten Angaben sowie zu
den zugrunde liegenden Annahmen geben wir nicht ab. Es besteht ein erhebliches
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unvermeidbares Risiko, dass künftige Ereignisse wesentlich von den zukunftsorientierten
Angaben abweichen.
Wir erörtern mit den für die Überwachung Verantwortlichen unter anderem den geplanten Umfang
und die Zeitplanung der Prüfung sowie bedeutsame Prüfungsfeststellungen, einschließlich
etwaiger Mängel im internen Kontrollsystem, die wir während unserer Prüfung feststellen.
Wir geben gegenüber den für die Überwachung Verantwortlichen eine Erklärung ab, dass wir die
relevanten Unabhängigkeitsanforderungen eingehalten haben, und erörtern mit ihnen alle
Beziehungen und sonstigen Sachverhalte, von denen vernünftigerweise angenommen werden kann,
dass sie sich auf unsere Unabhängigkeit auswirken, und die hierzu getroffenen
Schutzmaßnahmen.
Wir bestimmen von den Sachverhalten, die wir mit den für die Überwachung Verantwortlichen
erörtert haben, diejenigen Sachverhalte, die in der Prüfung des Jahresabschlusses für den
aktuellen Berichtszeitraum am bedeutsamsten waren und daher die besonders wichtigen
Prüfungssachverhalte sind. Wir beschreiben diese Sachverhalte im Bestätigungsvermerk, es sei
denn, Gesetze oder andere Rechtsvorschriften schließen die öffentliche Angabe des
Sachverhalts aus.
Sonstige gesetzliche und andere rechtliche Anforderungen
Vermerk über die Prüfung der für Zwecke der Offenlegung erstellten elektronischen Wiedergaben
des Jahresabschlusses und des Lageberichts nach § 317 Abs. 3b HGB
Prüfungsurteil
Wir haben gemäß § 317 Abs. 3b HGB eine Prüfung mit hinreichender Sicherheit durchgeführt, ob
die in der beigefügten Datei [Deutsche_Bank_AG_JA+LB_ESEF-2020-12-31.zip] enthaltenen und
für Zwecke der Offenlegung erstellten Wiedergaben des Jahresabschlusses und des Lageberichts
(im Folgenden auch als "ESEF-Unterlagen" bezeichnet) den Vorgaben des § 328 Abs. 1 HGB an
das elektronische Berichtsformat ("ESEF-Format") in allen wesentlichen Belangen entsprechen.
In Einklang mit den deutschen gesetzlichen Vorschriften erstreckt sich diese Prüfung nur auf
die Überführung der Informationen des Jahresabschlusses und des Lageberichts in das ESEF-
Format und daher weder auf die in diesen Wiedergaben enthaltenen noch auf andere in der oben
genannten Datei enthaltene Informationen.
Nach unserer Beurteilung entsprechen die in der oben genannten beigefügten Datei enthaltenen
und für Zwecke der Offenlegung erstellten Wiedergaben des Jahresabschlusses und des
Lageberichts in allen wesentlichen Belangen den Vorgaben des § 328 Abs. 1 HGB an das
elektronische Berichtsformat. Über dieses Prüfungsurteil sowie unsere im voranstehenden
"Vermerk über die Prüfung des Jahresabschlusses und des Lageberichts" enthaltenen
Prüfungsurteile zum beigefügten Jahresabschluss und zum beigefügten Lagebericht für das
Geschäftsjahr vom 1. Januar 2020 bis zum 31. Dezember 2020 hinaus geben wir keinerlei
Prüfungsurteil zu den in diesen Wiedergaben enthaltenen Informationen sowie zu den anderen in
der oben genannten Datei enthaltenen Informationen ab.
Grundlage für das Prüfungsurteil
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Wir haben unsere Prüfung der in der oben genannten beigefügten Datei enthaltenen Wiedergaben
des Jahresabschlusses und des Lageberichts in Übereinstimmung mit § 317 Abs. 3b HGB unter
Beachtung des Entwurfs des IDW Prüfungsstandards: Prüfung der für Zwecke der Offenlegung
erstellten elektronischen Wiedergaben von Abschlüssen und Lageberichten nach § 317 Abs. 3b
HGB (IDW EPS 410) durchgeführt. Unsere Verantwortung danach ist im Abschnitt "Verantwortung
des Abschlussprüfers für die Prüfung der ESEF-Unterlagen" weitergehend beschrieben. Unsere
Wirtschaftsprüferpraxis hat die Anforderungen an das Qualitätssicherungssystem des IDW
Qualitätssicherungsstandards: Anforderungen an die Qualitätssicherung in der
Wirtschaftsprüferpraxis (IDW QS 1) angewendet.
Verantwortung der gesetzlichen Vertreter und des Aufsichtsrats für die ESEF-Unterlagen
Die gesetzlichen Vertreter der Gesellschaft sind verantwortlich für die Erstellung der ESEF-
Unterlagen mit den elektronischen Wiedergaben des Jahresabschlusses und des Lageberichts nach
Maßgabe des § 328 Abs. 1 Satz 4 Nr. 1 HGB.
Ferner sind die gesetzlichen Vertreter der Gesellschaft verantwortlich für die internen
Kontrollen, die sie als notwendig erachten, um die Erstellung der ESEF-Unterlagen zu
ermöglichen, die frei von wesentlichen – beabsichtigten oder unbeabsichtigten – Verstößen
gegen die Vorgaben des § 328 Abs. 1 HGB an das elektronische Berichtsformat sind.
Die gesetzlichen Vertreter der Gesellschaft sind zudem verantwortlich für die Einreichung der
ESEF-Unterlagen zusammen mit dem Bestätigungsvermerk und dem beigefügten geprüften
Jahresabschluss und geprüften Lagebericht sowie weiteren offenzulegenden Unterlagen beim
Betreiber des Bundesanzeigers.
Der Aufsichtsrat ist verantwortlich für die Überwachung der Er4stellung der ESEF-Unterlagen
als Teil des Rechnungslegungsprozesses.
Verantwortung des Abschlussprüfers für die Prüfung der ESEF-Unterlagen
Unsere Zielsetzung ist, hinreichende Sicherheit darüber zu erlangen, ob die ESEF-Unterlagen
frei von wesentlichen – beabsichtigten oder unbeabsichtigten – Verstößen gegen die
Anforderungen des § 328 Abs. 1 HGB sind. Während der Prüfung üben wir pflichtgemäßes
Ermessen aus und bewahren eine kritische Grundhaltung. Darüber hinaus
・ identifizieren und beurteilen wir die Risiken wesentlicher – beabsichtigter oder
unbeabsichtigter – Verstöße gegen die Anforderungen des § 328 Abs. 1 HGB, planen und
führen Prüfungshandlungen als Reaktion auf diese Risiken durch sowie erlangen
Prüfungsnachweise, die ausreichend und geeignet sind, um als Grundlage für unser
Prüfungsurteil zu dienen;
・ gewinnen wir ein Verständnis von den für die Prüfung der ESEF-Unterlagen relevanten
internen Kontrollen, um Prüfungshandlungen zu planen, die unter den gegebenen Umständen
angemessen sind, jedoch nicht mit dem Ziel, ein Prüfungsurteil zur Wirksamkeit dieser
Kontrollen abzugeben;
・ beurteilen wir die technische Gültigkeit der ESEF-Unterlagen, d.h. ob die die ESEF-
Unterlagen enthaltende Datei die Vorgaben der Delegierten Verordnung (EU) 2019/815 in der
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zum Abschlussstichtag geltenden Fassung an die technische Spezifikation für diese Datei
erfüllt;
・ beurteilen wir, ob die ESEF-Unterlagen eine inhaltsgleiche XHTML-Wiedergabe des geprüften
Jahresabschlusses und des geprüften Lageberichts ermöglichen.
Übrige Angaben gemäß Artikel 10 EU-APrVO
Wir wurden von der Hauptversammlung am 20. Mai 2020 als Abschlussprüfer gewählt. Wir wurden
am 5. Juni 2020 vom Aufsichtsrat beauftragt. Wir sind seit dem Geschäftsjahr 2020 als
Abschlussprüfer der Deutsche Bank Aktiengesellschaft tätig.
Wir erklären, dass die in diesem Bestätigungsvermerk enthaltenen Prüfungsurteile mit dem
zusätzlichen Bericht an den Prüfungsausschuss nach Artikel 11 EU-APrVO (Prüfungsbericht) in
Einklang stehen.
Verantwortlicher Wirtschaftsprüfer
Der für die Prüfung verantwortliche Wirtschaftsprüfer ist Herr Holger Lösken.
Eschborn/Frankfurt am Main, 8. März 2021
Ernst & Young GmbH
Wirtschaftsprüfungsgesellschaft
Barth Lösken
Wirtschaftsprüfer Wirtschaftsprüfer
(※)上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は本書提出代理
人が別途保管している。
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(訳文)
独立監査人の監査報告書
ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフト、フランクフルト・アム・マイン御中
年次財務諸表および マネジメント ・レポート に関する監査報告書
意見
私たちは、ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフト(フランクフルト・アム・マイン)の2021年12月31日現在の貸
借対照表および2021年1月1日から2021年12月31日までの事業年度に係る損益計算書、ならびに財務諸表に対する注記
(注記に表示される認識および測定に係る方針を含む。)から成る年次財務諸表について監査を行った。さらに私た
ちは、ドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフトの2021年1月1日から2021年12月31日までの事業年度に係る、グルー
プ・マネジメント・レポートと組み合わされたマネジメント・レポートについて監査を行った。ドイツの法的要件に
準拠し、私たちは、ドイツ商法第289f条に基づく統合コーポレート・ガバナンス・ステートメントの内容について監
査を行っていない。当該ステートメントは、マネジメント・レポートに記載のウェブサイトで公開されており、当該
マネジメント・レポートの一部である。
私たちの監査の結果得られた合理的基礎に基づく意見では、
-添付の年次財務諸表は、すべての重要な点について、機関に適用されるドイツの法律による要件に準拠し、法的
に要求されるドイツ会計原則に従って、機関の2021年12月31日現在の資産、負債および財政状態ならびに2021年
1月1日から2021年12月31日までの事業年度に係る経営成績につき真実かつ公正な概観を示している。
-添付のマネジメント・レポートは、全体として機関の状況に関する適切な概観を示している。本マネジメント・
レポートは、すべての重要な点について、年次財務諸表と整合性があり、ドイツの法的要件を遵守し、将来の発
展の機会とリスクを適切に表示している。本マネジメント・レポートに対する私たちの意見は、上述の統合コー
ポレート・ガバナンス・ステートメントの内容は対象としていない。
ドイツ商法第322条第3項第1文に従って、私たちは監査により、年次財務諸表およびマネジメント・レポートの法
令遵守に関するいかなる限定事項も発見されなかったことを宣言する。
意見表明の根拠
私たちは、ドイツ商法第317条およびEU監査規則(No 537/2014、以下「EU監査規則」という。)に準拠し、またド
イツ経済監査士協会(IDW)が公布した一般に公正妥当と認められるドイツ財務諸表監査基準に準拠して、年次財務
諸表およびマネジメント・レポートの監査を行った。これらの要件、原則および基準に基づく私たちの責任の詳細
は、私たちの監査報告書の「年次財務諸表およびマネジメント・レポートの監査に関する監査人の責任」の項に記述
されている。私たちは、欧州法およびドイツの商業上および職業的専門家に係る法律の要件に従い、機関から独立し
ており、これらの要件に従い、ドイツのその他の職業的専門家としての責任を果たしている。加えて、EU監査規則第
10条第2項f)に従って、私たちは、EU監査規則第5条第1項で禁止されている非監査業務を提供していないことを宣言
する。私たちは、私たちが入手した監査証拠が、年次財務諸表およびマネジメント・レポートに対する私たちの意見
の基礎を提供するのに十分かつ適切と判断している。
年次財務諸表監査における監査上の主要な事項
監査上の主要な事項とは2021年1月1日から2021年12月31日までの事業年度に係る年次財務諸表監査において、私た
ちの職業的専門家としての判断において、最も重要な項目をいう。当該事項は、全体としての年次財務諸表監査の過
程および監査意見の形成において対応した事項であり、私たちは、当該事項に対して個別の意見を表明するものでは
ない。
以下に、私たちが監査上の主要な事項であると判断したものについて記す。
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1. 観察不能なインプットを伴う金融商品の評価
当該事項が監査上の主要な事項であると判断した理由
経営陣 は、活発な市場における相場価格のない金融商品および関連するインプットの公正価値を設定するために評
価技法を使用している。2021年12月31日現在、銀行は、トレーディング資産を246,705百万ユーロ、トレーディング
負債を197,069百万ユーロ保有していた。いずれの科目にも、評価が観察不能なインプットに基づく金融商品が含ま
れている。
活発な市場における取引価格がない金融商品および関連するインプットには、複雑なモデルを使用して評価される
ストラクチャード・デリバティブ、担保契約が標準的でないデリバティブ、より複雑なOTCデリバティブ、ディスト
レスト債、高度な仕組み債、流動性の低い貸出金、評価調整(信用評価調整)を算定するために使用される信用スプ
レッド、および満期までの期間が長い金融商品に関する観察不能なその他の重要なインプットが含まれている。
活発な市場における相場価格のない金融商品および関連するインプットの評価は、使用される評価技法およびモデ
ルの性質が複雑であることと使用される重要なインプットが観察不能であるために経営陣の仮定および判断に基づく
度合いが高いことから、これは監査上の主要な事項である。
監査人の対応
私たちは、経営陣による金融商品の公正価値決定プロセスおよびそれに含まれる重要な観察不能なインプットの決
定に関する統制を理解し、その整備状況を評価し、運用状況の有効性をテストした。これには、独立した価格検証、
モデルの限界の評価を含む評価モデルの独立した検証、評価モデルの使用に関するモニタリング、ならびに公正価値
調整の計算に関連する統制が含まれる。
私たちは、評価技法、モデルおよび手法を評価し、これらのモデルで使用された重要なインプットをテストした。
私たちは、独立したモデルおよびインプットを使用し、公正価値で測定するデリバティブおよび活発な市場における
相場価格のないその他の金融商品のサンプルについて独立した再評価を実施した。私たちはまた、使用された代用イ
ンプットのサンプルの妥当性を、市場データソースとの比較によって独立して評価した。
さらに、私たちは、ドイツ商法第340e条の要件に対して公正価値調整の算定に経営陣が使用した手法およびイン
プットを評価し、独自の独立したデータおよび手法を用いてこれらの評価調整のサンプルの再計算を実施した。
私たちは、評価モデル、独立した再評価および公正価値調整に関連する手続において、内部の金融商品評価の専門
家を利用した。
手続の結果、活発な市場における相場価格のない金融商品および関連するインプットの評価に関していかなる検出
事項も発見されなかった。
関連する開示の参照先
公正価値測定に使用された評価技法、モデルおよび手法に関する情報は、年次財務諸表に対する注記の「一般的な
情報、作成の基礎」および「貸借対照表注記、トレーディング資産および負債」の項に記載されている。
2. 将来予測的な情報をモデルベースの予想信用損失の計算に含めること
当該事項が監査上の主要な事項であると判断した理由
経営陣は、IDW AcP BFA 7の要件を早期適用し、当初認識以降に信用リスクが著しく増大したとみなされる金融資
産について、IFRS第9号に従って信用損失引当金を認識している。
非デフォルト金融商品(IFRS第9号のステージ1およびステージ2)に係るモデルベースの予想信用損失の計算に使
用されたデフォルト確率(PD)の見積りは、現在の経済動向および将来的なマクロ経済予測(国内総生産および失業
率など)を組み込んだ過去の情報に基づいている。将来のマクロ経済の動向に関する基本シナリオを複数のシナリオ
に変換する際に、統計的手法が使用されている。これらのシナリオは、予想信用損失の計算に使用される、格付別お
よび相手先別の複数年に係るPDカーブを導出する際の基礎となっている。
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進行中のCOVID-19パンデミックに起因する経済の不確実性とそれに関連する世界経済へのリスクを考慮すると、将
来予測的な情報の見積りには重要な判断が要求される。これらの不確実性を反映するために、経営陣は、マクロ経済
変数を調整するかマネジメント・オーバーレイを含めるかのいずれかにより、マクロ経済変数を予想信用損失モデル
と予測手法に含めるための標準プロセスを調整するかどうかを評価する必要がある。
保有する非デフォルト金融商品の重要性、経済の不確実性、および多くの判断が用いられているという観点から、
私たちは、モデルベースの予想信用損失およびそれに関連する調整の計算に将来予測的な情報を含めることは監査上
の主要な事項であると考える。
監査人の対応
私たちは経営陣が実行したプロセスを理解し、IFRS第9号の要件に関する将来予測的な情報の選定、決定、モニタ
リングおよび検証に係る統制の整備状況を評価し、その運用状況の有効性をテストした。
私たちは、モデル検証プロセスを通じて行われる、経営陣による予想信用損失モデルおよび予測手法の見直しを評
価した。さらに、私たちは選定された変数を基本シナリオに含めるために使用された方法および複数のシナリオの結
果を評価した。
私たちは、基本シナリオのマクロ経済予測を、外部ソースが公表したマクロ経済予測と比較することによって評価
した。
また、経営陣がマクロ経済変数を含めるために標準プロセスを調整するかどうか、またはマネジメント・オーバー
レイを通じてモデルの結果を調整するかどうかを決定するにあたって適用した手法についても評価した。その際、経
営陣の感応度分析の結果を評価し、使用されたマクロ経済変数を私たち独自のベンチマーク分析と比較した。また、
経営陣の手法に従い、予想信用損失の計算にあたって調整が考慮されていることを評価した。
将来予測的な情報をモデルベースの予想信用損失の計算に含めることの評価にあたり、私たちは信用リスク・モデ
リングの専門家の支援を受けた。
手続の結果、将来予測的な情報をモデルベースの予想信用損失の計算に含めることに関していかなる検出事項も発
見されなかった。
関連する開示の参照先
将来予測的な情報をモデルベースの予想信用損失の計算に含めることに関する情報は、年次財務諸表に対する注記
の「一般的な情報、作成の基礎」の項に記載されている。
3. 関係会社に対する投資の評価
当該事項が監査上の主要な事項であると判断した理由
2021 年12月31日現在、銀行は26,343百万ユーロの関係会社に対する投資を計上している。
関係会社に対する投資は、取得価額、あるいは減損の回復可能性がない場合は取得原価または公正価値のいずれか
低い方の金額で計上される。公正価値は、各関係会社の割引キャッシュ・フロー・モデルに基づいて決定される。こ
れに関連して、利益予測、割引率および長期成長率に関する重要な仮定が置かれている。割引率は、資本資産価格モ
デルを用いて算出される。
関係会社に対する投資の測定は、割引キャッシュ・フロー・モデルに含まれる利益予測、割引率および長期成長率
による高度な判断に基づくものであるため、これは監査上の主要な事項である。
監査人の対応
私たちは、利益予測の策定プロセスおよび関係会社に対する投資の公正価値の計算プロセスについて理解した。こ
れに関して、私たちはまた、利益予測、割引率および長期成長率に関する経営陣の統制を理解し、当該統制の整備状
況を評価し、その運用状況の有効性をテストした。
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さらに、前年度からの重要な変更に焦点を当てて、上述の重要な仮定の分析を行った。この点について、私たち
は、外部の市場予想との比較により、割引キャッシュ・フロー・モデルに使用された重要な仮定の整合性および妥当
性を評価した。
関係会社に対する投資の予想将来キャッシュ・フローの分析にあたり、私たちは、利益予測を前事業年度の予測お
よび達成した実績と比較し、重要な乖離について評価した。さらに、割引率および長期成長率といった公正価値の見
積りに使用された重要な評価パラメータを、外部から入手可能な様々な予測 の範囲内で 評価した。
また、使用された割引キャッシュ・フロー・モデルの計算の正確性について再計算を行った。
関連会社に対する投資の回収可能性に関して置かれた上記の仮定の評価にあたり、私たちは、事業評価の専門家を
利用した。
手続の結果、関係会社に対する投資の評価に関していかなる検出事項も発見されなかった。
関連する開示の参照先
関係会社に対する投資の評価に関する情報は、年次財務諸表に対する注記の「一般的な情報、作成の基礎」および
「貸借対照表注記、関係会社および参加関係のある会社に関する情報」の項に記載されている。
4. 繰延税金の認識および測定
当該事項が監査上の主要な事項であると判断した理由
2021 年12月31日現在、銀行は3,304百万ユーロの繰延税金資産純額を計上している。
繰延税金資産の認識および測定は、繰越欠損金および控除可能な一時差異の利用可能性の見積りに基づいている。
この見積りは、とりわけ、承認された事業計画に基づく経営成績の予測に関する仮定に基づいている。
将来の課税所得ならびに繰越欠損金の利用可能性に関する見積りには判断を用いることから、繰延税金資産の認識
および測定は監査上の主要な事項である。
監査人の対応
私たちは、控除可能な一時差異および繰越欠損金が税法の規定およびドイツ商法第274条に基づく繰延税金の会計
処理規則に準拠して、それぞれの法域において識別され、測定されているかどうかを判断するためのプロセスを理解
し、関連する統制の整備状況を評価し、その運用状況の有効性をテストした。
私たちは、関連する被支配会社および税務申告グループの将来の課税所得を見積る基礎として、承認された事業計
画の要素を策定し、配分するために使用される仮定をテストした。
さらに、私たちは、将来の課税所得の見積りにおける主要な仮定を分析することにより、繰延税金資産の認識を評
価した。私たちは、基礎となる主要な仮定を外部から入手可能な過去および将来のデータと比較することにより、経
営成績の予測に際して行われた見積りを評価した。また、過去の予測を実績と比較した。さらに、税額調整の見積り
を評価し、それぞれの繰延税金資産の利用期間について感応度分析を実施した。
繰延税金資産の回収可能性に関して使用された仮定の評価にあたり、私たちは、私たちの税務の専門家および内部
の事業評価の専門家を利用した。
手続の結果、繰延税金資産の認識および測定に関していかなる検出事項も発見されなかった。
関連する開示の参照先
繰延税金の認識および測定に関する情報は、年次財務諸表に対する注記の「一般的な情報、作成の基礎」および
「貸借対照表注記、繰延税金」の項に記載されている。
5. 財務報告におけるITアクセスおよび変更管理
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当該事項が監査上の主要な事項であると判断した理由
銀行の財務報告の正確性は、日々処理される取引が相当数あるため、使用されるITの信頼性および継続性に大きく
依存している。
信頼性が高く継続的なデータ処理への依存度が高いこと、また、IT統制が内部統制システムの広範囲にわたること
を踏まえ、私たちは、財務報告におけるITアクセスおよび変更管理を監査上の主要な事項であると考える。
監査人の対応
私たちは、IT全般統制および財務報告に関連するIT業務処理統制を含むIT統制環境を評価した。私たちの手続で
は、現在のIT統制環境に対する当年度中の変更も範囲に含まれる。
さらに、私たちは、アプリケーション、データベースおよびオペレーティング・システムにわたるユーザー・アク
セス管理および変更管理に関連して、エラーの防止および検出のためのIT全般統制の運用状況の有効性をテストし
た。また、私たちは、自動化されたデータ処理、データフィードおよびインターフェースに関するIT業務処理統制を
テストした。ITアクセス管理に関連する監査手続には、ユーザー・アクセスのプロビジョニングおよび削除、特権
ユーザー・アクセス、定期的なアクセス権の更新、システムのセキュリティ設定およびユーザー認証に係る統制が含
まれるが、これらに限定されない。IT変更管理に関連する監査手続には、本稼働バージョンにおける変更が導入前に
テストされ承認されていたかどうか、また、変更を実行する機能が認可されたユーザーに限定されていたかどうかの
評価が含まれるが、これらに限定されない。
さらに、プログラム開発者が、本稼働システムにおける変更の承認権を有していたどうか、また、責任範囲が機能
的に分離されていたかどうかを評価するために、アプリケーション、データベースおよびオペレーティング・システ
ムそれぞれについて、アプリケーションの本稼働バージョンのアクセス権に基づいて修正を実行することができたか
どうかをテストした。
財務報告プロセスにおけるITアクセスおよび変更管理の評価にあたり、私たちは、IT監査の領域に特化した専門性
を有する内部の専門家を利用した。
手続の結果、財務報告におけるITアクセスおよび変更管理に関していかなる検出事項も発見されなかった。
関連する開示の参照先
財務報告に係る内部統制の一般的な説明については、マネジメント・レポートの「財務報告に係る内部統制」の項
を参照のこと。
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その他の情報
業務執行取締役は、その他の情報の責任を負っている。その他の情報は、以下で構成される。
-マネジメント・レポートで言及するウェブサイトで公開されている、ドイツ商法第289f条に基づく統合コーポ
レート・ガバナンス・ステートメント
および本監査報告書発行前に入手した版の年次報告書に含まれる、その他の以下の項目。
-非財務報告書
-ドイツ商法第264条第2項第3文およびドイツ商法第289条第1項第5文に基づく責任に関するステートメント
ただし、年次財務諸表、一部が監査対象となっているマネジメント・レポートおよび私たちの監査報告書は含ま
れない。
年次財務諸表およびマネジメント・レポートに対する私たちの意見は、その他の情報を対象としておらず、した
がって私たちは、その他の情報に対する意見またはその他のいかなる形式の保証に関する結論も表明しない。
監査に関連する私たちの責任は、その他の情報を通読し、その際に、当該その他の情報について以下を検討するこ
とにある。
-年次財務諸表、マネジメント・レポートまたは私たちが監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるか
-上記に該当しない場合、重要な虚偽表示の兆候があるか
私たちが実施した手続に基づき、その他の情報に重要な虚偽表示があった場合、私たちはその事実を報告すること
が求められている。これに関して、私たちが報告すべきものはない。
年次財務諸表およびマネジメント・レポートに関する業務執行取締役および監査役会の責任
業務執行取締役は、すべての重要な点について、機関に適用されるドイツの法律に準拠し、法的に要求されるドイ
ツ会計原則に従って、機関の資産、負債および財政状態ならびに財務成績につき真実かつ公正な概観を示す年次財務
諸表を作成する責任を負っている。さらに、業務執行取締役は、法的に要求されるドイツ会計原則に従って、不正ま
たは誤謬による重要な虚偽表示のない年次財務諸表を作成するために、業務執行取締役が必要と判断した内部統制に
対する責任を負っている。
年次財務諸表を作成するにあたり、業務執行取締役は、機関が継続企業として存続する能力があるかを評価する責
任がある。また、必要がある場合には当該継続企業の前提に関する事項を開示する責任を負っている。また、継続企
業の前提に基づいて財務報告を行うことについて実際のまたは法的な状況の矛盾がない場合、継続企業の前提に基づ
いて財務報告を行う責任を負っている。
さらに、業務執行取締役は、全体として機関の状況に関する適切な概観を有し、またすべての重要な点において、
年次財務諸表と整合性があり、ドイツの法的要件を遵守し、将来の動向に関する機会およびリスクを適切に表示する
マネジメント・レポートを作成する責任を負っている。また、適用されるドイツの法的要件に準拠したマネジメン
ト・レポートを作成し、マネジメント・レポートにおける監査要点についての十分かつ適切な証拠を提供するため
に、業務執行取締役が必要と判断した取り決めおよび措置(システム)について責任を負っている。
監査役会は、年次財務諸表およびマネジメント・レポートの作成に関する機関の財務報告プロセスを監督する責任
を負っている。
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年次財務諸表およびマネジメント・レポートの監査に関する監査人の責任
私たちの監査の目的は、年次財務諸表に、全体として不正または誤謬による重要な虚偽表示がないか、ならびにマ
ネジメント・レポートが、全体として機関の状況に関する適切な概観を提供しているか、またすべての重要な点にお
いて、監査において得た知識および年次財務諸表と整合性があるか、ドイツの法的要件を遵守しているか、および将
来の発展の機会とリスクを適切に表示しているか関する合理的な保証を得ること、ならびに年次財務諸表およびマネ
ジメント・レポートに対する私たちの意見を含む監査報告書を発行することにある。
合理的な保証は、高い水準の保証であるが、ドイツ商法第317条およびEU監査規則に準拠し、またドイツ経済監査
士協会(IDW)が公布した一般に公正妥当と認められるドイツ財務諸表監査基準に準拠して行った監査が、重要な虚
偽表示を常に発見することを保証するものではない。虚偽表示は、不正または誤謬から発生する可能性があり、個別
にまたは集計すると、当該年次財務諸表および本マネジメント・レポートに基づく利用者の意思決定に影響を与える
と合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
私たちは、エンゲージメントを通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持している。また、
以下を実施する。
-不正または誤謬による年次財務諸表およびマネジメント・レポートの重要な虚偽表示リスクを識別、評価し、当
該リスクに対応した監査手続を策定、実施し、監査意見の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。不正
による重要な虚偽表示リスクを発見できないリスクは、誤謬による重要な虚偽表示を発見できないリスクよりも
高くなる。これは、不正には、共謀、文書の偽造、意図的な除外、虚偽の陳述、および内部統制の無効化が伴う
ためである。
-状況に応じて適切な監査手続を策定するために、年次財務諸表監査に関連する内部統制およびマネジメント・レ
ポート監査に関連する取決めおよび基準(システム)について理解する。ただし、これは、機関のこれら内部統
制や体制自体の有効性に対する意見を表明するためではない。
-業務執行取締役が使用した会計方針の適切性および業務執行取締役によって行われた見積りの合理性ならびに関
連する開示について評価する。
-業務執行取締役が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるか、また、入手した監査証拠に基
づき、機関の継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況に関して重要な不確実性が存在し
ているかについて結論付ける。重要な不確実性が存在すると結論を付した場合は、監査報告書において年次財務
諸表およびマネジメント・レポートの関連する開示に注意を喚起すること、または当該開示が適切でない場合
は、除外事項付意見を表明することが求められている。私たちの結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠
に基づいているが、将来の事象や状況により、機関は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
-関連する開示を含めた全体としての年次財務諸表の表示、構成および内容を検討し、年次財務諸表が、法的に要
求されるドイツ会計原則に準拠して機関の資産、負債、財政状態および財務成績につき真実かつ公正な概観を示
すように、基礎となる取引や事象を表示しているかを評価する。
-マネジメント・レポートに係る年次財務諸表との整合性、ドイツ法への準拠、機関の状況に関する概観について
評価する。
-業務執行取締役がマネジメント・レポートにおいて表示した将来予測的な情報について監査手続を実施する。十
分かつ適切な監査証拠に基づいて、特に業務執行取締役が将来予測的な情報の基礎として使用した重要な仮定に
ついて評価し、将来予測的な情報がこれらの仮定から適切に導出されているかについて評価する。私たちは、将
来予測的な情報および基礎として使用された仮定に対して個別の意見を表明するものではない。また、将来事象
が将来予測的な情報と大きく異なるという重大な不可避リスクが存在する。
私たちは、特に計画した監査の範囲とその実施時期、ならびに監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を
含むおよび監査上の主要な検出事項について、統治責任者に対して報告を行っている。
また私たちは、統治責任者に、関連する独立性の要件を遵守している旨宣言しており、私たちの独立性に影響を与
えると合理的に考えられるすべての関係性およびその他の事項、また該当する場合は関連するセーフガードについて
報告を行っている。
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私たちは、統治責任者に報告した事項のうち、当年度の年次財務諸表監査で最も重要な事項を、監査上の主要な事
項と決定する。私たちは、法規制により当該事項の公表が禁止されている場合を除き、これらの事項を監査報告書に
おいて記載する。
その他の法規制要件
公表目的で作成された年次財務諸表およびマネジメント・レポートの電子的複製に関するドイツ商法第317条第3b項
に準拠した保証に係る報告
意見
私たちは、添付の電子ファイル[Deutsche_Bank_AG_JA+LB_ESEF-2021-12-31.zip](SHA-256-Checksum:
8d935986b2a4aa45d0b966335a6d0649749cf5bef6dc7157a415e3 9f9a7bb381 )に含まれる、公表目的で作成された年次
財務諸表およびマネジメント・レポートの複製(以下「ESEF文書」という。)が、すべての重要な点において、電子
報告様式(以下「ESEFフォーマット」という。)に関するドイツ商法第328条第1項の要件を遵守しているかどうかに
ついて合理的な保証を得るために、ドイツ商法第317条第3a項に準拠した保証手続を実施した。ドイツの法的要件に
従い、この保証手続の範囲は、年次財務諸表およびマネジメント・レポートに含まれる情報をESEFフォーマットに変
換することに限定される。したがって、当該保証はこれらの複製に含まれる情報または上述のファイルに含まれる他
の情報のいずれにも関連するものではない。
私たちは、上述のファイルに含まれる、公表目的で作成された年次財務諸表およびマネジメント・レポートの複製
が、すべての重要な点において、電子報告様式に関するドイツ商法第328条第1項の要件を遵守しているものと認め
る。私たちは、当該複製に含まれる情報および上述のファイルに含まれるその他の情報のいずれについても、この保
証意見および上記の「年次財務諸表およびマネジメント・レポートに関する監査報告書」に含まれる2021年1月1日か
ら2021年12月31日までの事業年度に係る添付の年次財務諸表および添付のマネジメント・レポートに対する監査意見
を超えて、保証意見を表明するものではない。
意見表明の根拠
私たちは、ドイツ商法第317条第3a項およびIDW保証基準:「公表目的で作成された財務諸表およびマネジメント・
レポートの電子的複製に関するドイツ商法第317条第3a項に準拠した保証」(IDW AsS 410)(2021年10月)ならびに
国際保証業務基準第3000号(改訂)に準拠し、上述のファイルに含まれる年次財務諸表およびマネジメント・レポー
トの複製について保証手続を実施した。これらの基準に基づく私たちの責任については、「ESEF文書の保証手続に関
する監査人の責任」の項に詳述されている。私たちの監査事務所では、IDW品質管理基準第1号「監査事務所における
品質管理の要件」(IDW QS 1)を適用している。
ESEF 文書に関する業務執行取締役および監査役会の責任
会社の業務執行取締役は、ドイツ商法第328条第1項第4文第1号に準拠して 年次 財務諸表およびマネジメント・レ
ポートの電子的複製を含むESEF文書を作成する責任を負っている。
さらに、会社の業務執行取締役は、電子報告様式に関するドイツ商法第328条第1項の要件の重要な、意図的または
意図的でない不遵守のないESEF文書を作成するために、業務執行取締役が必要と判断した内部統制に対する責任を
負っている。
監査役会は、財務報告プロセスの一環として、ESEF文書の作成プロセスを監督する責任を負っている。
ESEF 文書の保証手続に関する監査人の責任
私たちの目的は、ESEF文書にドイツ商法第328条第1項の要件の重要な、意図的または意図的でない不遵守がないか
どうかについて、合理的な保証を得ることにある。私たちは、保証手続を通じて、職業的専門家としての判断を行
い、職業的懐疑心を保持している。また、以下を実施する。
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-ドイツ商法第328条第1項の要件の重要な、意図的または意図的でない不遵守リスクを識別、評価し、当該リスク
に対応した保証手続を策定、実施し、保証意見の基礎となる十分かつ適切な保証の証拠を入手する。
-状況に応じて適切な保証手続を策定するために、ESEF文書の保証に関連する内部統制について理解する。ただ
し、これは、これらの統制の有効性に対する保証意見を表明するためではない。
-ESEF文書の技術的妥当性、すなわち、ESEF文書を含むファイルが、決算日時点で有効な版で、このファイルの技
術仕様に関する欧州委員会委任規則(EU)第2019/815号の要件を満たしているかどうかを評価する。
-ESEF文書により、監査済年次財務諸表および監査済マネジメント・レポートと同等の内容でXHTMLを複製できる
かどうかを評価する。
EU 監査規則第10条に基づく追加情報
私たちは、2021年5月27日付定時株主総会において、監査人に選任された。私たちは、2021年7月21日付監査役会に
出席した。私たちは、2020年度より連続でドイツ銀行アクツィエンゲゼルシャフトの監査人を務めている。
私たちは、本監査報告書において表明された意見が、EU監査規則第11条に準拠して、監査委員会への追加報告書
(長分式監査報告書)と整合的であることを宣言する。
その他の事項-監査報告書の使用
私たちの監査報告書は常に、監査済 年次 財務諸表および監査済マネジメント・レポートならびに保証されたESEF文
書と併読されなければならない。ドイツ連邦官報において公表される版を含む、ESEF形式に変換された 年次 財務諸表
およびマネジメント・レポートは、監査済 年次 財務諸表および監査済マネジメント・レポートの電子的複製にすぎ
ず、代替するものではない。特に、ESEF形式の監査報告書およびそこに含まれる私たちの保証意見は、電子形式で提
供される保証されたESEF文書と併せた形でのみ使用される。
エンゲージメントに対する責任を負っているドイツ公認会計監査人
エンゲージメントに対する責任を負っているドイツ公認会計監査人は、ホルガー・レシュケン氏である。
エシュボルン/フランクフルト・アム・マイン、2022年3月7日
アーンスト・アンド・ヤング・ゲーエムベーハー
監査法人
レシュケン マイ
経済監査士 経済監査士
[ドイツ公認会計監査人] [ドイツ公認会計監査人]
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Bestätigungsvermerk des unabhängigen Abschlussprüfers
An die Deutsche Bank Aktiengesellschaft, Frankfurt am Main
Vermerk über die Prüfung des Jahresabschlusses und des Lageberichts
Prüfungsurteile
Wir haben den Jahresabschluss der Deutsche Bank Aktiengesellschaft, Frankfurt am Main, –
bestehend aus der Bilanz zum 31. Dezember 2021 und der Gewinn- und Verlustrechnung für das
Geschäftsjahr vom 1. Januar 2021 bis zum 31. Dezember 2021 sowie dem Anhang, einschließlich
der Darstellung der Bilanzierungs- und Bewertungsmethoden – geprüft. Darüber hinaus haben wir
den Lagebericht der Deutsche Bank Aktiengesellschaft, der mit den Konzernlagebericht
zusammengefasst ist, für das Geschäftsjahr vom 1. Januar 2021 bis zum 31. Dezember 2021
geprüft. Die auf der im Lagebericht angegebenen Internetseite veröffentlichte
zusammengefasste Erklärung zur Unternehmensführung nach § 289f HGB, die Bestandteil des
Lageberichts ist, haben wir in Einklang mit den deutschen gesetzlichen Vorschriften nicht
inhaltlich geprüft.
Nach unserer Beurteilung aufgrund der bei der Prüfung gewonnenen Erkenntnisse
・ Nach unserer Beurteilung aufgrund der bei der Prüfung gewonnenen Erkenntnisse entspricht
der beigefügte Jahresabschluss in allen wesentlichen Belangen den deutschen, für
Institute geltenden handelsrechtlichen Vorschriften und vermittelt unter Beachtung der
deutschen Grundsätze ordnungsmäßiger Buchführung ein den tatsächlichen Verhältnissen
entsprechendes Bild der Vermögens- und Finanzlage der Gesellschaft zum 31. Dezember 2021
sowie ihrer Ertragslage für das Geschäftsjahr vom 1. Januar 2021 bis zum 31. Dezember
2021 und
・ vermittelt der beigefügte Lagebericht insgesamt ein zutreffendes Bild von der Lage der
Gesellschaft. In allen wesentlichen Belangen steht dieser Lagebericht in Einklang mit dem
Jahresabschluss, entspricht den deutschen gesetzlichen Vorschriften und stellt die
Chancen und Risiken der zukünftigen Entwicklung zutreffend dar. Unser Prüfungsurteil zum
Lagebericht erstreckt sich nicht auf den Inhalt der oben genannten zusammengefassten
Erklärung zur Unternehmensführung.
Gemäß § 322 Abs. 3 Satz 1 HGB erklären wir, dass unsere Prüfung zu keinen Einwendungen gegen
die Ordnungsmäßigkeit des Jahresabschlusses und des Lageberichts geführt hat.
Grundlage für die Prüfungsurteile
Wir haben unsere Prüfung des Jahresabschlusses und des Lageberichts in Überein-stimmung mit
§ 317 HGB und der EUAbschlussprüferverordnung (Nr. 537/2014; im Folgenden "EU-APrVO") unter
Beachtung der vom Institut der Wirtschaftsprüfer (IDW) festgestellten deutschen Grundsätze
ordnungsmäßiger Abschlussprüfung durchgeführt. Unsere Verantwortung nach diesen Vorschriften
und Grundsätzen ist im Abschnitt "Verantwortung des Abschlussprüfers für die Prüfung des
Jahresabschlusses und des Lageberichts" unseres Bestätigungsvermerks weitergehend
beschrieben. Wir sind von dem Unternehmen unabhängig in Übereinstimmung mit den
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europarechtlichen sowie den deutschen handelsrechtlichen und berufsrechtlichen Vorschriften
und haben unsere sonstigen deutschen Berufspflichten in Übereinstimmung mit diesen
Anforderungen erfüllt. Darüber hinaus erklären wir gemäß Artikel 10 Abs. 2 Buchstabe f) EU-
APrVO, dass wir keine verbotenen Nichtprüfungsleistungen nach Artikel 5 Abs. 1 EU-APrVO
erbracht haben. Wir sind der Auffassung, dass die von uns erlangten Prüfungsnachweise
ausreichend und geeignet sind, um als Grundlage für unsere Prüfungsurteile zum
Jahresabschluss und zum Lagebericht zu dienen.
Besonders wichtige Prüfungssachverhalte in der Prüfung des Jahresabschlusses
Besonders wichtige Prüfungssachverhalte sind solche Sachverhalte, die nach unserem
pflichtgemäßen Ermessen am bedeutsamsten in unserer Prüfung des Jahresabschlusses für das
Geschäftsjahr vom 1. Januar 2021 bis zum 31. Dezember 2021 waren. Diese Sachverhalte wurden
im Zusammenhang mit unserer Prüfung des Jahres-abschlusses als Ganzem und bei der Bildung
unseres Prüfungsurteils hierzu berücksichtigt; wir geben kein gesondertes Prüfungsurteil zu
diesen Sachverhalten ab.
Nachfolgend beschreiben wir die aus unserer Sicht besonders wichtigen Prüfungssachverhalte:
1. Bewertung von Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren
Eingangsparametern
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Das Management verwendet Bewertungsverfahren zur Bestimmung des beizulegenden Zeitwerts von
Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren Eingangsparametern. Zum 31.
Dezember 2021 weist die Bank Handelsaktiva in Höhe von EUR 246.705 Mio. und Handelspassiva in
Höhe von EUR 197.069 Mio. aus. In diesen sind auch Finanzinstrumente enthalten, deren
Bewertung auf nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren Parametern basiert.
Zu den betreffenden Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren
Eingangsparametern zählen insbesondere strukturierte Derivate, die anhand komplexer Modelle
bewertet werden, Derivate mit nicht standardisierten Sicherheitenvereinbarungen, komplexe
OTC-Derivate, notleidende Kredite, hochgradig strukturierte Anleihen, illiquide Kredite, für
die Ermittlung von Bewertungsanpassungen (Credit Valuation Adjustment) verwendete Credit
Spreads sowie weitere wesentliche Eingangsparameter, die sich vor allem bei Instrumenten mit
längeren Laufzeiten nicht beobachten lassen.
Da die Bewertung von Finanzinstrumenten mit nicht in einem Markt beobachtbaren
Eingangsparametern aufgrund der hohen Komplexität der angewandten Bewertungsverfahren und -
modelle in hohem Maße von Annahmen und Ermessensentscheidungen des Managements abhängig ist,
haben wir diesen Sachverhalt als besonders wichtigen Prüfungssachverhalt bestimmt.
Prüferisches Vorgehen
Wir haben uns ein Verständnis über die vom Management angewandten Prozesse zur Bewertung von
Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren Eingangsparametern
verschafft sowie die Angemessenheit und Wirksamkeit der diesbezüglich implementierten
Kontrollen beurteilt. Dies betraf insbesondere die Kontrollen im Rahmen der unabhängigen
Preisverifizierung, der unabhängigen Validierung von Bewertungsmodellen, einschließlich der
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Beurteilung von Modellbeschränkungen, der Überwachung der Verwendung von Bewertungsmodellen
und der Berechnung von Anpassungen des beizulegenden Zeitwerts.
Wir haben die Bewertungsverfahren, -modelle und -methoden beurteilt und die wesentlichen
Eingangsparameter, die in den Modellen verwendet wurden, nachvollzogen. Wir haben unter
Verwendung eigener Modelle und Eingangsparameter eine unabhängige Bewertung einer Stichprobe
von zum beizulegenden Zeitwert bewerteten Derivaten und sonstigen Finanzinstrumenten mit
nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren Parametern vorgenommen. Darüber hinaus erfolgte
auf Stichprobenbasis eine unabhängige Beurteilung der Angemessenheit von verwendeten
Schätzparametern durch einen Abgleich mit Marktdaten.
Weiterhin haben wir die vom Management zur Ermittlung der Anpassungen des beizulegenden
Zeitwerts verwendeten Methoden und Eingangsparameter auf Basis der Anforderungen des § 340e
HGB beurteilt. Für stichprobenhaft ausgewählte Bewertungsanpassungen haben wir unter
Verwendung unserer eigenen unabhängigen Daten und Methoden Nachberechnungen durchgeführt.
Wir haben bei unseren Prüfungshandlungen in Bezug auf die Bewertungsmodelle, die unabhängige
Bewertung und die Anpassungen des beizulegenden Zeitwerts interne Spezialisten mit besonderen
Fachkenntnissen in der Bewertung von Finanzinstrumenten hinzugezogen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen die Bewertung von
Finanzinstrumenten mit nicht in einem aktiven Markt beobachtbaren Eingangsparametern ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zu den Bewertungsverfahren, -modellen und -methoden für die Bemessung des
beizulegenden Zeitwerts sind in den Abschnitten Allgemeine Angaben "Grundlagen und Methoden"
und Erläuterung zur Bilanz "Handelsbestand" des Anhangs zum Jahresabschluss enthalten.
2. Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte Ermittlung der
Risikovorsorge
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Das Management hat die Anforderungen gemäß Verlautbarung IDW RS BFA 7 bereits umgesetzt und
bildet unter Nutzung der Methodik von IFRS 9 eine Wertberichtigung in Höhe der erwarteten
Kreditverluste über die Restlaufzeit für jene finanziellen Vermögenswerte, bei denen seit der
erstmaligen Erfassung eine signifikante Erhöhung des Kreditrisikos angenommen wird.
Die der modellbasierten Berechnung der Risikovorsorge für nicht ausgefallene
Finanzinstrumente (Stufe 1 und Stufe 2 gemäß IFRS 9) zugrunde gelegte Schätzung der
Ausfallwahrscheinlichkeiten basiert zum einen auf historischen Informationen. Zum anderen
fließen aktuelle wirtschaftliche Entwicklungen sowie zukunftsorientierte makroökonomische
Prognosen (z.B. Bruttoinlandsprodukt und Arbeitslosenquoten) in das Berechnungsmodell ein.
Das so ermittelte Basisszenario wird durch die Nutzung statistischer Methoden in
unterschiedliche Szenarien überführt. Diese dienen als Grundlage für die Ableitung von
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Mehrjahreskurven für die Ausfallwahrscheinlichkeiten verschiedener Rating- und
Kontrahentenklassen, die in die Berechnung der erwarteten Kreditverluste einfließen.
Angesichts der wirtschaftlichen Unsicherheiten im Zuge der fortdauernden COVID-19-Pandemie
und der damit verbundenen Risiken für die Weltwirtschaft erfordert die Schätzung
zukunftsgerichteter Informationen in erheblichem Maße Ermessensentscheidungen. Zur
Berücksichtigung dieser Unsicherheiten muss das Management beurteilen, ob Anpassungen an den
Standardprozessen zur Einbeziehung makroökonomischer Variablen in das Modell zur Ermittlung
der erwarteten Kreditverluste und an den Prognosemethoden entweder in Form einer Anpassung
der makroökonomischen Variablen oder durch Management Overlays erforderlich sind.
Vor dem Hintergrund des signifikanten Volumens der Bestände der nicht ausgefallenen
Finanzinstrumente sowie der wirtschaftlichen Unsicherheiten und der erheblichen
Ermessensspielräume erachten wir die Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen in die
modellbasierte Ermittlung der Risikovorsorge, inklusive etwaiger Anpassungen, als besonders
wichtigen Prüfungssachverhalt.
Prüferisches Vorgehen
Wir haben uns ein Verständnis der durch das Management implementierten Prozesse zur Auswahl,
Ermittlung, Überwachung und Validierung zukunftsgerichteter Informationen verschafft und die
Angemessenheit der diesbezüglich implementierten Kontrollen im Hinblick auf die Anforderungen
des IFRS 9 in Verbindung mit den Anforderungen der Verlautbarung IDW RS BFA 7 beurteilt sowie
deren Wirksamkeit getestet.
Wir haben die Überprüfung des Modells zur Ermittlung der erwarteten Kreditverluste sowie der
Prognoseverfahren im Rahmen des Validierungsprozesses durch das Management nachvollzogen.
Darüber hinaus haben wir die Methoden zur Einbeziehung der ausgewählten Variablen in das
Basisszenario sowie die Ableitung der unterschiedlichen Szenarien nachvollzogen.
Die von der Bank verwendeten makroökonomischen Prognosen im Basisszenario haben wir mit
makroökonomischen Prognosen aus externen Quellen verglichen.
Weiterhin haben wir die vom Management verwendete Methode zur Beurteilung, ob der
Standardprozess zur Einbeziehung makroökonomischer Variablen oder die Modellergebnisse durch
Management Overlays angepasst werden müssen, nachvollzogen. Hierbei haben wir die Ergebnisse
der vom Management durchgeführten Sensitivitätsanalyse beurteilt und die dabei verwendeten
makroökonomischen Variablen mit unserer eigenen Benchmarkanalyse verglichen. Zudem haben wir
uns davon überzeugt, dass die erforderlichen Anpassungen entsprechend der Methodik des
Managements in der Risikovorsorgeermittlung berücksichtigt wurden.
Für die Beurteilung der Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte
Ermittlung der Risikovorsorge haben wir interne Spezialisten hinzugezogen, die über besondere
Fachkenntnisse auf dem Gebiet der Kreditrisikomodellierung verfügen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen hinsichtlich der Einbeziehung
zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte Ermittlung der Risikovorsorge
ergeben.
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Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zur Einbeziehung zukunftsgerichteter Informationen in die modellbasierte Ermittlung
der Risikovorsorge sind in dem Abschnitt Allgemeine Angaben "Grundlagen und Methoden" des
Anhangs zum Jahressabschluss enthalten.
3. Bewertung von Anteilen an verbundenen Unternehmen
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Zum 31. Dezember 2021 weist die Bank Anteile an verbundenen Unternehmen in Höhe von EUR
26.343 Mio. aus.
Die Anteile an verbundenen Unternehmen werden zu Anschaffungskosten bzw. bei voraussichtlich
dauernder Wertminderung zum niedrigeren beizulegenden Wert bilanziert. Die Ermittlung des
beizulegenden Werts basiert auf einem Discounted-Cash-Flow Modell für das jeweilige
verbundene Unternehmen. Diesbezüglich werden wesentliche Annahmen bezüglich der
Ergebnisprognosen, des Diskontierungssatzes und der langfristigen Wachstumsrate getroffen.
Der Diskontierungssatz wird unter Zugrundelegung des Capital Asset Pricing Model abgeleitet.
Da die Bewertung von Anteilen an verbundenen Unternehmen in einem hohen Maße auf
Ermessensentscheidungen in Bezug auf die Ergebnisprognosen, den Diskontierungssatz und die
langfristige Wachstumsrate innerhalb des Discounted-Cash-Flow Modells beruht, ist dies ein
besonders wichtiger Prüfungssachverhalt.
Prüferisches Vorgehen
Wir haben uns ein Verständnis der Prozesse zur Erstellung der Ergebnisprognosen sowie zur
Bewertung von Anteilen an verbundenen Unternehmen verschafft. Wir haben uns diesbezüglich
auch ein Verständnis der vom Management implementierten Kontrollen in Bezug auf die
Ergebnisprognosen, den Diskontierungssatz und die langfristige Wachstumsrate verschafft und
die Angemessenheit dieser Kontrollen beurteilt sowie deren Wirksamkeit getestet.
Wir haben die vorstehend beschriebenen wesentlichen Annahmen mit besonderem Fokus auf
wesentliche Veränderungen im Vergleich zum Vorjahr analysiert. Hierbei haben wir die
Konsistenz und Nachvollziehbarkeit der wesentlichen Annahmen im Discounted-Cash-Flow Modell
beurteilt, indem wir diese mit externen Markterwartungen verglichen haben.
Bei der Analyse der erwarteten künftigen Zahlungsmittelzuflüsse aus den Anteilen an
verbundenen Unternehmen haben wir die Ergebnisprognosen mit denen des Vorjahres und die
Ergebnisprognosen des Vorjahres mit den tatsächlich realisierten Ergebnissen verglichen und
etwaige wesentliche Abweichungen untersucht. Weiterhin haben wir untersucht, inwieweit die
wesentlichen Bewertungsparameter, die im Rahmen der Ermittlung des beizulegenden Werts
verwendet wurden, wie beispielsweise der Diskontierungssatz und die langfristige
Wachstumsrate, innerhalb von Bandbreiten extern verfügbarer Prognosen liegen.
Darüber hinaus haben wir die rechnerische Richtigkeit des verwendeten Discounted-Cash-Flow
Modells nachvollzogen.
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Für die Beurteilung der im Rahmen der Bewertung von Anteilen an verbundenen Unternehmen
zugrunde gelegten, vorstehend beschriebenen Annahmen haben wir interne Spezialisten
hinzugezogen, die über besondere Fachkenntnisse auf dem Gebiet der Unternehmensbewertung
verfügen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen die Bewertung von Anteilen
an verbundenen Unternehmen ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zur Bewertung von Anteilen an verbundenen Unternehmen sind im Anhang in den
Abschnitten Allgemeine Angaben "Grundlagen und Methoden" und Erläuterungen zur Bilanz
"Angaben zu verbundenen Unternehmen und Unternehmen, mit denen ein Beteiligungsverhältnis
besteht" des Anhangs zum Jahresabschlusses enthalten.
4. Ansatz und Bewertung latenter Steueransprüche
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Zum 31. Dezember 2021 weist die Bank latente Steueransprüche in Höhe von netto EUR 3.304 Mio.
aus.
Ansatz und Bewertung latenter Steueransprüche basieren auf einer Einschätzung, inwieweit
diese mit noch nicht genutzten steuerlichen Verlustvorträgen und abzugsfähigen temporären
Differenzen verrechnet werden können. Diese Einschätzung basiert insbesondere auf Annahmen
über zukünftige Geschäftsergebnisse, welche auf dem verabschiedetem Unternehmensplan beruhen.
Aufgrund der bestehenden Ermessensspielräume bei der Einschätzung der künftigen zu
versteuernden Einkommen sowie der Nutzbarkeit steuerlicher Verlustvorträge sind Ansatz und
Bewertung latenter Steueransprüche ein besonders wichtiger Prüfungssachverhalt.
Prüferisches Vorgehen
Wir haben uns ein Verständnis des Prozesses dahingehend verschafft, ob abzugsfähige temporäre
Differenzen und noch nicht genutzte steuerliche Verlustvorträge in unterschiedlichen
Jurisdiktionen identifiziert und gemäß den steuerrechtlichen Regelungen und Vorschriften zur
Bilanzierung latenter Steuern nach § 274 HGB bewertet wurden, sowie die Angemessenheit der
entsprechenden Kontrollen beurteilt und deren Wirksamkeit getestet.
Wir haben dabei die Annahmen und deren Zuordnung im verabschiedeten Unternehmensplan, der als
Grundlage für die Schätzung der künftigen zu versteuernden Einkommen der relevanten
Organgesellschaften und Steuergruppen dient, beurteilt.
Darüber hinaus haben wir die Aktivierung latenter Steueransprüche beurteilt, indem wir die
wesentlichen Annahmen analysiert haben, die zur Schätzung künftiger zu versteuernder
Einkommen getroffen wurden. Wir haben die im Rahmen der Ergebnisprognose verwendeten
Schätzungen beurteilt, indem wir die zugrunde liegenden wesentlichen Annahmen mit extern
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verfügbaren historischen Daten und Prognosen verglichen haben. Wir haben die historische
Planung mit den tatsächlichen Ergebnissen verglichen. Darüber hinaus haben wir die
geschätzten künftigen steuerlichen Anpassungen beurteilt und Sensitivitätsanalysen bezüglich
der zeitlichen Nutzbarkeit der entsprechenden latenten Steueransprüche durchgeführt.
Bei der Beurteilung der den latenten Steueransprüchen zugrunde liegenden Annahmen im Rahmen
der Werthaltigkeitsprüfung haben wir unsere Steuerexperten sowie interne Spezialisten, die
über besondere Kenntnisse auf dem Gebiet der Unternehmensbewertung verfügen, hinzugezogen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen den Ansatz und die
Bewertung der latenten Steueransprüche ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Angaben zum Ansatz und zur Bewertung der latenten Steuern sind in den Abschnitten Allgemeine
Angaben "Grundlagen und Methoden" und Erläuterungen zur Bilanz "Latente Steuern" des Anhangs
des Jahresabschlusses enthalten.
5. IT-Zugriffs- und Änderungsmanagement in der Rechnungslegung
Gründe für die Bestimmung als besonders wichtiger Prüfungssachverhalt
Die Ordnungsmäßigkeit der Rechnungslegung der Bank ist aufgrund der signifikanten Anzahl von
Transaktionen, die täglich automatisiert verarbeitet werden, in hohem Maße von der
Zuverlässigkeit und vom störungsfreien Betrieb der eingesetzten Informationstechnologie
abhängig.
Aufgrund der hohen Abhängigkeit von der zuverlässigen und kontinuierlichen Verarbeitung der
Daten und der Tatsache, dass die IT-Kontrollen ein wesentlicher Bestandteil des
rechnungslegungsbezogenen internen Kontrollsystems sind, erachten wir das IT-Zugriffs- und
Änderungsmanagement in der Rechnungslegung als einen besonders wichtigen Prüfungssachverhalt.
Prüferisches Vorgehen
Wir haben die Angemessenheit der für die Rechnungslegung relevanten IT-Kontrollumgebung
inklusive der generellen und anwendungsbezogenen IT-Kontrollen beurteilt. Unsere
Prüfungshandlungen erstreckten sich auch auf unterjährige Änderungen der IT-Kontrollumgebung.
Des Weiteren haben wir die Wirksamkeit von fehlervermeidenden und fehleraufdeckenden
generellen IT-Kontrollen in Bezug auf das Zugriffs- und Änderungsmanagement in verschiedenen
IT-Anwendungen, Datenbanken und Betriebssystemen getestet. Zudem haben wir die IT-
Anwendungskontrollen für die automatisierte Datenverarbeitung, Datenzulieferungen und
Schnittstellen getestet. Unsere Prüfungshandlungen in Bezug auf das IT-Zugriffsmanagement
umfassten insbesondere Prüfungen der Vergabe und des Entzugs von Zugriffsrechten, der
privilegierten Zugriffsrechte, der periodischen Rezertifizierung von Zugriffsrechten, der
systemseitigen Sicherheitseinstellungen und der Nutzerauthentifizierungskontrollen.
Hinsichtlich des IT-Änderungsmanagements umfassten unsere Prüfungshandlungen vor allem die
Beurteilung, ob Änderungen in den Produktivsystemen vor ihrer Umsetzung getestet und
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genehmigt wurden und ausschließlich von autorisierten Mitarbeitern durchgeführt werden
konnten.
Ferner haben wir geprüft, ob Programmentwickler Freigaberechte für Änderungen in den
Produktivsystemen haben und gleichzeitig über ihre Zugriffsrechte die Möglichkeit besitzen,
Änderungen in den Produktivsystemen (Anwendungen, Datenbanken und Betriebssysteme)
durchzuführen, um uns zu vergewissern, dass diese Berechtigungen funktional getrennt sind.
Bei der Beurteilung des IT-Zugriffs- und Änderungsmanagements in der Rechnungslegung haben
wir interne Experten hinzugezogen, die über besondere Fachkenntnisse in Bezug auf IT-
Prüfungen verfügen.
Aus unseren Prüfungshandlungen haben sich keine Einwendungen gegen das IT-Zugriffs- und
Änderungsmanagement in der Rechnungslegung ergeben.
Verweis auf zugehörige Angaben
Eine Beschreibung des internen Kontrollsystems in der Rechnungslegung findet sich im
Lagebericht im Abschnitt "Internes Kontrollsystem bezogen auf die Rechnungslegung".
Sonstige Informationen
Die gesetzlichen Vertreter sind für die sonstigen Informationen verantwortlich. Die sonstigen
Informationen umfassen
・ die auf der im Lagebericht angegebenen Internetseite veröffentlichte zusammengefasste
Erklärung zur Unternehmensführung nach § 289f HGB,
ferner folgende weiteren, für den Geschäftsbericht vorgesehene Bestandteile, von denen wir
eine Fassung bis zur Erteilung dieses Bestätigungsvermerks erlangt haben:
・ Nichtfinanzieller Bericht
・ Versicherung der gesetzlichen Vertreter gemäß § 264 Abs. 2 Satz 3 HGB i.V.m. § 289
Abs. 1 Satz 5 HGB, aber nicht den Jahresabschluss, nicht die in die inhaltliche
Prüfung einbezogenen Lageberichtsangaben und nicht unseren dazugehörigen
Bestätigungsvermerk.
Unsere Prüfungsurteile zum Jahresabschluss und Lagebericht erstrecken sich nicht auf die
sonstigen Informationen, und dementsprechend geben wir weder ein Prüfungsurteil noch
irgendeine andere Form von Prüfungsschlussfolgerung hierzu ab.
Im Zusammenhang mit unserer Prüfung haben wir die Verantwortung, die sonstigen Informationen
zu lesen und dabei zu würdigen, ob die sonstigen Informationen
・ wesentliche Unstimmigkeiten zum Jahresabschluss, Lagebericht oder unseren bei der Prüfung
erlangten Kenntnissen aufweisen oder
・ anderweitig wesentlich falsch dargestellt erscheinen.
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Falls wir auf Grundlage der von uns durchgeführten Arbeiten den Schluss ziehen, dass eine
wesentliche falsche Darstellung dieser sonstigen Informationen vorliegt, sind wir
verpflichtet, über diese Tatsache zu berichten. Wir haben in diesem Zusammenhang nichts zu
berichten.
Verantwortung der gesetzlichen Vertreter und des Aufsichtsrats für den Jahresabschluss und
den Lagebericht
Die gesetzlichen Vertreter sind verantwortlich für die Aufstellung des Jahresabschlusses, der
den deutschen, für Institute geltenden handelsrechtlichen Vorschriften in allen wesentlichen
Belangen entspricht, und dafür, dass der Jahresabschluss unter Beachtung der deutschen
Grundsätze ordnungsmäßiger Buchführung ein den tatsächlichen Verhältnissen entsprechendes
Bild der Vermögens , Finanz- und Ertragslage der Gesellschaft vermittelt. Ferner sind die
gesetzlichen Vertreter verantwortlich für die internen Kontrollen, die sie in Übereinstimmung
mit den deutschen Grundsätzen ordnungsmäßiger Buchführung als notwendig bestimmt haben, um
die Aufstellung eines Jahresabschlusses zu ermöglichen, der frei von wesentlichen –
beabsichtigten oder unbeabsichtigten – falschen Darstellungen ist.
Bei der Aufstellung des Jahresabschlusses sind die gesetzlichen Vertreter dafür
verantwortlich, die Fähigkeit der Gesellschaft zur Fortführung der Unternehmenstätigkeit zu
beurteilen. Des Weiteren haben sie die Verantwortung, Sachverhalte in Zusammenhang mit der
Fortführung der Unternehmenstätigkeit, sofern einschlägig, anzugeben. Darüber hinaus sind sie
dafür verantwortlich, auf der Grundlage des Rechnungslegungsgrundsatzes der Fortführung der
Unternehmenstätigkeit zu bilanzieren, sofern dem nicht tatsächliche oder rechtliche
Gegebenheiten entgegen-stehen.
Außerdem sind die gesetzlichen Vertreter verantwortlich für die Aufstellung des Lageberichts,
der insgesamt ein zutreffendes Bild von der Lage der Gesellschaft vermittelt sowie in allen
wesentlichen Belangen mit dem Jahresabschluss in Einklang steht, den deutschen gesetzlichen
Vorschriften entspricht und die Chancen und Risiken der zukünftigen Entwicklung zutreffend
darstellt. Ferner sind die gesetzlichen Vertreter verantwortlich für die Vorkehrungen und
Maßnahmen (Systeme), die sie als notwendig erachtet haben, um die Aufstellung eines
Lageberichts in Übereinstimmung mit den anzuwendenden deutschen gesetzlichen Vorschriften zu
ermöglichen und um ausreichende geeignete Nachweise für die Aussagen im Lagebericht erbringen
zu können.
Der Aufsichtsrat ist verantwortlich für die Überwachung des Rechnungslegungs-prozesses der
Gesellschaft zur Aufstellung des Jahresabschlusses und des Lage-berichts.
Verantwortung des Abschlussprüfers für die Prüfung des Jahresabschlusses und des Lageberichts
Unsere Zielsetzung ist, hinreichende Sicherheit darüber zu erlangen, ob der Jahres-abschluss
als Ganzes frei von wesentlichen – beabsichtigten oder unbeabsichtigten – falschen
Darstellungen ist, und ob der Lagebericht insgesamt ein zutreffendes Bild von der Lage der
Gesellschaft vermittelt sowie in allen wesentlichen Belangen mit dem Jahresabschluss sowie
mit den bei der Prüfung gewonnenen Erkenntnissen in Einklang steht, den deutschen
gesetzlichen Vorschriften entspricht und die Chancen und Risiken der zukünftigen Entwicklung
zutreffend darstellt, sowie einen Bestätigungsvermerk zu erteilen, der unsere Prüfungsurteile
zum Jahresabschluss und zum Lagebericht beinhaltet.
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Hinreichende Sicherheit ist ein hohes Maß an Sicherheit, aber keine Garantie dafür, dass eine
in Übereinstimmung mit § 317 HGB und der EU-APrVO unter Beachtung der vom Institut der
Wirtschaftsprüfer (IDW) festgestellten deutschen Grundsätze ordnungsmäßiger Abschlussprüfung
durchgeführte Prüfung eine wesentliche falsche Darstellung stets aufdeckt. Falsche
Darstellungen können aus Verstößen oder Unrichtigkeiten resultieren und werden als wesentlich
angesehen, wenn vernünftigerweise erwartet werden könnte, dass sie einzeln oder insgesamt die
auf der Grundlage dieses Jahresabschlusses und Lageberichts getroffenen wirtschaftlichen
Entscheidungen von Adressaten beeinflussen.
Während der Prüfung üben wir pflichtgemäßes Ermessen aus und bewahren eine kritische
Grundhaltung. Darüber hinaus
・ identifizieren und beurteilen wir die Risiken wesentlicher – beabsichtigter oder
unbeabsichtigter – falscher Darstellungen im Jahresabschluss und im Lagebericht, planen
und führen Prüfungshandlungen als Reaktion auf diese Risiken durch sowie erlangen
Prüfungsnachweise, die ausreichend und geeignet sind, um als Grundlage für unsere
Prüfungsurteile zu dienen. Das Risiko, dass wesentliche falsche Darstellungen nicht
aufgedeckt werden, ist bei Verstößen höher als bei Unrichtigkeiten, da Verstöße
betrügerisches Zusammenwirken, Fälschungen, beabsichtigte Unvollständigkeiten,
irreführende Darstellungen bzw. das Außerkraftsetzen interner Kontrollen beinhalten
können;
・ gewinnen wir ein Verständnis von dem für die Prüfung des Jahresabschlusses relevanten
internen Kontrollsystem und den für die Prüfung des Lageberichts relevanten Vorkehrungen
und Maßnahmen, um Prüfungshandlungen zu planen, die unter den gegebenen Umständen
angemessen sind, jedoch nicht mit dem Ziel, ein Prüfungsurteil zur Wirksamkeit dieser
Systeme der Gesellschaft abzugeben;
・ beurteilen wir die Angemessenheit der von den gesetzlichen Vertretern angewandten
Rechnungslegungsmethoden sowie die Vertretbarkeit der von den gesetzlichen Vertretern
dargestellten geschätzten Werte und damit zusammen-hängenden Angaben;
・ ziehen wir Schlussfolgerungen über die Angemessenheit des von den gesetzlichen Vertretern
angewandten Rechnungslegungsgrundsatzes der Fortführung der Unternehmenstätigkeit sowie,
auf der Grundlage der erlangten Prüfungs-nachweise, ob eine wesentliche Unsicherheit im
Zusammenhang mit Ereignissen oder Gegebenheiten besteht, die bedeutsame Zweifel an der
Fähigkeit der Gesellschaft zur Fortführung der Unternehmenstätigkeit aufwerfen können.
Falls wir zu dem Schluss kommen, dass eine wesentliche Unsicherheit besteht, sind wir
verpflichtet, im Bestätigungsvermerk auf die dazugehörigen Angaben im Jahresabschluss und
im Lagebericht aufmerksam zu machen oder, falls diese Angaben unangemessen sind, unser
jeweiliges Prüfungsurteil zu modifizieren. Wir ziehen unsere Schlussfolgerungen auf der
Grundlage der bis zum Datum unseres Bestätigungsvermerks erlangten Prüfungsnachweise.
Zukünftige Ereignisse oder Gegebenheiten können jedoch dazu führen, dass die Gesellschaft
ihre Unternehmenstätigkeit nicht mehr fortführen kann;
・ beurteilen wir die Gesamtdarstellung, den Aufbau und den Inhalt des Jahresabschlusses
einschließlich der Angaben sowie ob der Jahresabschluss die zugrunde liegenden
Geschäftsvorfälle und Ereignisse so darstellt, dass der Jahresabschluss unter Beachtung
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der deutschen Grundsätze ordnungsmäßiger Buchführung ein den tatsächlichen Verhältnissen
entsprechendes Bild der Vermögens-, Finanz- und Ertragslage des Unternehmens vermittelt;
・ beurteilen wir den Einklang des Lageberichts mit dem Jahresabschluss, seine
Gesetzesentsprechung und das von ihm vermittelte Bild von der Lage des Unternehmens;
・ führen wir Prüfungshandlungen zu den von den gesetzlichen Vertretern dar-gestellten
zukunftsorientierten Angaben im Lagebericht durch. Auf Basis ausreichender geeigneter
Prüfungsnachweise vollziehen wir dabei insbesondere die den zukunftsorientierten Angaben
von den gesetzlichen Vertretern zugrunde gelegten bedeutsamen Annahmen nach und
beurteilen die sachgerechte Ableitung der zukunftsorientierten Angaben aus diesen
Annahmen. Ein eigen-ständiges Prüfungsurteil zu den zukunftsorientierten Angaben sowie zu
den zugrunde liegenden Annahmen geben wir nicht ab. Es besteht ein erhebliches
unvermeidbares Risiko, dass künftige Ereignisse wesentlich von den zukunfts-orientierten
Angaben abweichen.
Wir erörtern mit den für die Überwachung Verantwortlichen unter anderem den geplanten Umfang
und die Zeitplanung der Prüfung sowie bedeutsame Prüfungs-feststellungen, einschließlich
etwaiger Mängel im internen Kontrollsystem, die wir während unserer Prüfung feststellen.
Wir geben gegenüber den für die Überwachung Verantwortlichen eine Erklärung ab, dass wir die
relevanten Unabhängigkeitsanforderungen eingehalten haben, und erörtern mit ihnen alle
Beziehungen und sonstigen Sachverhalte, von denen vernünftigerweise angenommen werden kann,
dass sie sich auf unsere Unabhängigkeit auswirken, und die hierzu getroffenen
Schutzmaßnahmen.
Wir bestimmen von den Sachverhalten, die wir mit den für die Überwachung Verantwortlichen
erörtert haben, diejenigen Sachverhalte, die in der Prüfung des Jahres-abschlusses für den
aktuellen Berichtszeitraum am bedeutsamsten waren und daher die besonders wichtigen
Prüfungssachverhalte sind. Wir beschreiben diese Sachverhalte im Bestätigungsvermerk, es sei
denn, Gesetze oder andere Rechtsvorschriften schließen die öffentliche Angabe des
Sachverhalts aus.
Sonstige gesetzliche und andere rechtliche Anforderungen
Vermerk über die Prüfung der für Zwecke der Offenlegung erstellten elektronischen Wiedergaben
des Jahresabschlusses und des Lageberichts nach § 317 Abs. 3b HGB
Prüfungsurteil
Wir haben gemäß § 317 Abs. 3a HGB eine Prüfung mit hinreichender Sicherheit durchgeführt, ob
die in der Deutsche_ Bank_AG_JA+LB_ESEF-2021-12-31.zip (SHA-256-Prüfsumme:
8d935986b2a4aa45d0b966335a6d0649749cf5bef6dc 7157a415e39f9a7bb381) enthaltenen und für Zwecke
der Offenlegung erstellten Wiedergaben des Jahresabschlusses und des Lageberichts (im
Folgenden auch als „ESEF-Unterlagen“ bezeichnet) den Vorgaben des § 328 Abs. 1 HGB an das
elektronische Berichtsformat („ESEF-Format“) in allen wesentlichen Belangen entsprechen. In
Einklang mit den deutschen gesetzlichen Vorschriften erstreckt sich diese Prüfung nur auf die
Überführung der Informationen des Jahresabschlusses und des Lageberichts in das ESEF-Format
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und daher weder auf die in diesen Wiedergaben enthaltenen noch auf andere in der oben
genannten Datei enthaltene Informationen.
Nach unserer Beurteilung entsprechen die in der oben genannten Datei enthaltenen und für
Zwecke der Offenlegung erstellten Wiedergaben des Jahresabschlusses und des Lageberichts in
allen wesentlichen Belangen den Vorgaben des § 328 Abs. 1 HGB an das elektronische
Berichtsformat. Über dieses Prüfungsurteil sowie unsere im voranstehenden „Vermerk über die
Prüfung des Jahresabschlusses und des Lageberichts“ enthaltenen Prüfungsurteile zum
beigefügten Jahresabschluss und zum beigefügten Lagebericht für das Geschäftsjahr vom 1.
Januar 2021 bis zum 31. Dezember 2021 hinaus geben wir keinerlei Prüfungsurteil zu den in
diesen Wiedergaben enthaltenen Informationen sowie zu den anderen in der oben genannten Datei
enthaltenen Informationen ab.
Grundlage für das Prüfungsurteil
Wir haben unsere Prüfung der in der oben genannten Datei enthaltenen Wiedergaben des
Jahresabschlusses und des Lageberichts in Übereinstimmung mit § 317 Abs. 3a HGB unter
Beachtung des IDW Prüfungsstandards: Prüfung der für Zwecke der Offenlegung erstellten
elektronischen Wiedergaben von Abschlüssen und Lageberichten nach § 317 Abs. 3a HGB (IDW PS
410 (10.2021)) und des International Standard on Assurance Engagements 3000 (Revised)
durchgeführt. Unsere Verantwortung danach ist im Abschnitt „Verantwortung des
Abschlussprüfers für die Prüfung der ESEF-Unterlagen“ weitergehend beschrieben. Unsere
Wirtschaftsprüferpraxis hat die Anforderungen an das Qualitätssicherungssystem des IDW
Qualitätssicherungsstandards: Anforderungen an die Qualitätssicherung in der
Wirtschaftsprüferpraxis (IDW QS 1) angewendet.
Verantwortung der gesetzlichen Vertreter und des Aufsichtsrats für die ESEF-Unterlagen
Die gesetzlichen Vertreter der Gesellschaft sind verantwortlich für die Erstellung der ESEF-
Unterlagen mit den elektronischen Wiedergaben des Jahresabschlusses und des Lageberichts nach
Maßgabe des § 328 Abs. 1 Satz 4 Nr. 1 HGB.
Ferner sind die gesetzlichen Vertreter der Gesellschaft verantwortlich für die internen
Kontrollen, die sie als notwendig erachten, um die Erstellung der ESEF-Unterlagen zu
ermöglichen, die frei von wesentlichen – beabsichtigten oder unbeabsichtigten – Verstößen
gegen die Vorgaben des § 328 Abs. 1 HGB an das elektronische Berichtsformat sind.
Der Aufsichtsrat ist verantwortlich für die Überwachung des Prozesses der Erstellung der
ESEF-Unterlagen als Teil des Rechnungslegungsprozesses.
Verantwortung des Abschlussprüfers für die Prüfung der ESEF-Unterlagen
Unsere Zielsetzung ist, hinreichende Sicherheit darüber zu erlangen, ob die ESEF-Unterlagen
frei von wesentlichen – beabsichtigten oder unbeabsichtigten – Verstößen gegen die
Anforderungen des § 328 Abs. 1 HGB sind. Während der Prüfung üben wir pflichtgemäßes
Ermessen aus und bewahren eine kritische Grundhaltung. Darüber hinaus
・ identifizieren und beurteilen wir die Risiken wesentlicher – beabsichtigter oder
unbeabsichtigter – Verstöße gegen die Anforderungen des § 328 Abs. 1 HGB, planen und
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führen Prüfungshandlungen als Reaktion auf diese Risiken durch sowie erlangen
Prüfungsnachweise, die ausreichend und geeignet sind, um als Grundlage für unser
Prüfungsurteil zu dienen.
・ gewinnen wir ein Verständnis von den für die Prüfung der ESEF-Unterlagen relevanten
internen Kontrollen, um Prüfungshandlungen zu planen, die unter den gegebenen Umständen
angemessen sind, jedoch nicht mit dem Ziel, ein Prüfungsurteil zur Wirksamkeit dieser
Kontrollen abzugeben.
・ beurteilen wir die technische Gültigkeit der ESEF-Unterlagen, d.h. ob die die ESEF-
Unterlagen enthaltende Datei die Vorgaben der Delegierten Verordnung (EU) 2019/815 in der
zum Abschlussstichtag geltenden Fassung an die technische Spezifikation für diese Datei
erfüllt
・ beurteilen wir, ob die ESEF-Unterlagen eine inhaltsgleiche XHTML-Wiedergabe des geprüften
Jahresabschlusses und des geprüften Lageberichts ermöglichen.
Übrige Angaben gemäß Artikel 10 EU-APrVO
Wir wurden von der Hauptversammlung am 27. Mai 2021 als Jahresabschlussprüfer gewählt. Wir
wurden am 21. Juli 2021 vom Aufsichtsrat beauftragt. Wir sind ununterbrochen seit dem
Geschäftsjahr 2020 als Jahresabschlussprüfer der Deutsche Bank Aktiengesellschaft tätig.
Wir erklären, dass die in diesem Bestätigungsvermerk enthaltenen Prüfungsurteile mit dem
zusätzlichen Bericht an den Prüfungsausschuss nach Artikel 11 EU-APrVO (Prüfungsbericht) in
Einklang stehen.
Übriger Sachverhalt – Verwendung des Bestätigungsvermerks
Unser Bestätigungsvermerk ist stets im Zusammenhang mit dem geprüften Jahresabschluss und dem
geprüften Lagebericht sowie den geprüften ESEF-Unterlagen zu lesen. Der in das ESEF-Format
überführte Jahresabschluss und Lagebericht – auch die im Bundesanzeiger bekanntzumachenden
Fassungen – sind lediglich elektronische Wiedergaben des geprüften Jahresabschlusses und des
geprüften Lageberichts und treten nicht an deren Stelle. Insbesondere ist der ESEF-Vermerk
und unser darin enthaltenes Prüfungsurteil nur in Verbindung mit den in elektronischer Form
bereitgestellten geprüften ESEFUnterlagen verwendbar.
Verantwortlicher Wirtschaftsprüfer
Der für die Prüfung verantwortliche Wirtschaftsprüfer ist Herr Holger Lösken.
Eschborn/Frankfurt am Main, 7. März 2022
Ernst & Young GmbH
Wirtschaftsprüfungsgesellschaft
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Lösken Mai
Wirtschaftsprüfer Wirtschaftsprüfer
(※)上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は本書提出代理
人が別途保管している。
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