セイコーエプソン株式会社 有価証券報告書 第80期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
提出書類 | 有価証券報告書-第80期(令和3年4月1日-令和4年3月31日) |
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提出日 | |
提出者 | セイコーエプソン株式会社 |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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セイコーエプソン株式会社(E01873)
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【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2022年6月29日
【事業年度】 第80期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
【会社名】 セイコーエプソン株式会社
【英訳名】 SEIKO EPSON CORPORATION
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 小川 恭範
【本店の所在の場所】 東京都新宿区新宿四丁目1番6号
(同所は登記上の本店所在地であり、主な業務は「最寄りの連絡場所」で
行っております。)
【電話番号】 該当事項はありません。
【事務連絡者氏名】 該当事項はありません。
【最寄りの連絡場所】 長野県諏訪市大和三丁目3番5号
【電話番号】 0266(52)3131(代表)
【事務連絡者氏名】 広報IR部長 小林 洋介
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
決算年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
決算年月 2018年3月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月
1,102,116 1,089,676 1,043,600 995,940 1,128,914
売上収益 (百万円)
62,663 72,040 39,713 44,933 97,162
税引前利益 (百万円)
親会社の所有者に
41,836 53,710 7,733 30,922 92,288
(百万円)
帰属する当期利益
41,581 49,542 68,818 136,226
当期包括利益合計 (百万円) △ 3,869
親会社の所有者に
512,727 540,181 503,746 550,924 665,628
(百万円)
帰属する持分
1,033,350 1,038,389 1,040,910 1,161,314 1,266,420
総資産額 (百万円)
1株当たり親会社
1,455.67 1,533.57 1,456.20 1,592.36 1,923.68
(円)
所有者帰属持分
基本的1株当たり
118.78 152.49 22.26 89.38 266.73
(円)
当期利益
希薄化後1株当たり
118.75 152.44 22.25 89.35 266.64
(円)
当期利益
親会社所有者帰属
49.62 52.02 48.39 47.44 52.56
(%)
持分比率
親会社所有者帰属
8.33 10.20 1.48 5.86 15.17
(%)
持分当期利益率
15.92 11.12 52.56 20.14 6.90
株価収益率 (倍)
営業活動による
84,279 76,961 102,324 133,222 110,801
(百万円)
キャッシュ・フロー
投資活動による
(百万円) △ 74,661 △ 82,738 △ 76,131 △ 57,448 △ 44,083
キャッシュ・フロー
財務活動による
37 23,150
(百万円) △ 49,430 △ 283 △ 51,771
キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物
229,678 175,238 196,245 304,007 335,239
(百万円)
の期末残高
76,391 76,647 75,608 79,944 77,642
従業員数 (人)
(注)2013年度より国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
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(2)提出会社の経営指標等
回次 第76期 第77期 第78期 第79期 第80期
決算年月 2018年3月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月
816,898 790,424 715,768 714,821 823,448
売上高 (百万円)
経常利益又は
43,272 33,896 123,515
(百万円) △ 8,370 △ 2,422
経常損失(△)
当期純利益又は
41,220 30,629 115,569
(百万円) △ 17,240 △ 1,293
当期純損失(△)
53,204 53,204 53,204 53,204 53,204
資本金 (百万円)
399,634,778 399,634,778 399,634,778 399,634,778 399,634,778
発行済株式総数 (株)
373,873 380,400 331,393 308,904 401,950
純資産額 (百万円)
736,995 694,487 678,957 733,553 824,898
総資産額 (百万円)
1,061.45 1,079.96 957.97 892.84 1,161.64
1株当たり純資産額 (円)
1株当たり配当額
62.00 62.00 62.00 62.00 62.00
(うち1株当たり中間 (円)
( 30.00 ) ( 31.00 ) ( 31.00 ) ( 31.00 ) ( 31.00 )
配当額)
1株当たり当期純利益
117.03 86.96 334.01
又は1株当たり当期純 (円) △ 49.63 △ 3.74
損失(△)
潜在株式調整後
(円) - - - - -
1株当たり当期純利益
50.7 54.8 48.8 42.1 48.7
自己資本比率 (%)
11.3 8.1 32.5
自己資本利益率 (%) △ 4.8 △ 0.4
16.16 19.49 5.51
株価収益率 (倍) - -
53.0 71.3 18.6
配当性向 (%) - -
12,502 12,713 12,813 12,676 12,630
従業員数 (人)
83.3 77.6 57.8 87.4 91.8
株主総利回り (%)
(比較指標:TOPIX
(%) ( 115.9 ) ( 110.0 ) ( 99.6 ) ( 141.5 ) ( 144.3 )
(配当込み))
最高株価 (円) 2,976 2,099 1,807 1,977 2,355
最低株価 (円) 1,810 1,465 945 960 1,586
(注)1.提出会社の財務諸表は日本基準に基づいて作成しております。
2.第76期、第77期および第80期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、潜在株式が存在しないため記載し
ておりません。また、第78期および第79期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、1株当たり当期純損
失であり、かつ、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3.最高株価および最低株価は、東京証券取引所(市場第一部)におけるものであります。
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2【沿革】
年月 沿革
1942年5月 時計部品の加工などを目的として有限会社大和工業設立、ウオッチ事業開始
1959年5月 株式会社第二精工舎(現 セイコーインスツル株式会社)諏訪工場より営業譲受、有限会社諏訪精工
舎に商号変更
1959年9月 株式会社諏訪精工舎に組織変更
1961年12月 国内製造会社信州精器株式会社(後のエプソン株式会社)設立
1968年8月 シンガポールに製造会社Tenryu(Singapore)Pte.Ltd.(現 Singapore Epson Industrial Pte.
Ltd.)設立
1968年9月 ミニプリンター事業開始
1973年11月 半導体事業開始
1974年2月 香港に製造会社Suwa Overseas Ltd.(現 Epson Precision(Hong Kong)Ltd.)設立
1975年4月 アメリカに販売会社Epson America, Inc.設立
眼鏡レンズ事業開始(2013年2月に事業譲渡)
1975年6月 非時計分野のカンパニーブランドとして「EPSON」ブランド制定
液晶表示体事業開始
1976年7月 水晶デバイス事業開始
1978年12月 コンピュータ用プリンター事業開始
1979年11月 ドイツに販売会社Epson Deutschland GmbH設立
1980年10月 香港に販売会社Epson Electronics Trading Ltd.(現 Epson Hong Kong Ltd.)設立
1982年11月 シンガポールに販売会社Epson Electronics(Singapore)Pte.Ltd.(現 Epson Singapore Pte.
Ltd.)設立
1983年5月 国内販売会社エプソン販売株式会社設立
1985年1月 国内製造会社庄内電子工業株式会社(現 東北エプソン株式会社)設立
1985年2月 アメリカに製造会社Epson Portland Inc.設立
1985年11月 エプソン株式会社を吸収合併、セイコーエプソン株式会社に商号変更
1987年1月 イギリスに製造会社Epson Telford Ltd.設立
1989年1月 液晶プロジェクター事業開始
1989年9月 ドイツに販売会社Epson Semiconductor GmbH(現 Epson Europe Electronics GmbH)設立
1990年1月 オランダに地域統括会社Epson Europe B.V.設立
1993年1月 アメリカに持株会社U.S. Epson, Inc.設立
1993年11月 国内販売会社エプソンダイレクト株式会社設立
1994年7月 インドネシアに製造会社P.T. Indonesia Epson Industry設立
1996年2月 中国に製造会社Suzhou Epson Quartz Devices Co., Ltd.(後のSuzhou Epson Co., Ltd.)設立
(2011年7月に全持分譲渡)
1996年11月 アメリカに販売会社Epson Electronics America, Inc.設立(2018年4月にEpson America, Inc.によ
り吸収合併)
1998年4月 中国に地域統括会社Epson(China)Co., Ltd.設立
2001年3月 オリエント時計株式会社を子会社化
2003年6月 東京証券取引所市場第一部に株式上場
2004年10月 液晶ディスプレイ事業を会社分割し、三洋エプソンイメージングデバイス株式会社として営業開始
2005年10月 水晶デバイス事業を会社分割し、エプソントヨコム株式会社(現 宮崎エプソン株式会社)として営
業開始
2006年12月 三洋エプソンイメージングデバイス株式会社を株式の追加取得により完全子会社化し、エプソンイ
メージングデバイス株式会社に商号変更(2010年4月に中・小型液晶ディスプレイ事業に関する事業
資産の一部を譲渡。2017年2月に当社を存続会社とする吸収合併により解散)
2008年11月 オリエント時計株式会社の株式を公開買付けにより追加取得
2009年3月 オリエント時計株式会社を株式交換により完全子会社化(2017年4月に時計販売事業を吸収分割によ
り当社およびエプソン販売株式会社が承継)
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年月 沿革
2009年4月 エプソントヨコム株式会社(現 宮崎エプソン株式会社)の株式を公開買付けにより追加取得
2009年6月
エプソントヨコム株式会社(現 宮崎エプソン株式会社)を株式交換により完全子会社化(2012年4
月に水晶デバイス事業に関する営業機能などを吸収分割により当社が承継)
2015年4月 普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施
2016年6月 監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行
2017年7月 インクジェットプリンターおよびプロジェクターの生産能力強化を目的としてフィリピンの製造子会
社 Epson Precision (Philippines), Inc.に新工場竣工
2018年6月
インクジェットプリントヘッドの生産能力拡大を目的として長野県広丘事業所内に新工場竣工
2020年3月
商業・産業印刷分野における研究開発力・生産能力の強化などを目的として長野県広丘事業所内に新
棟竣工
2022年4月
東京証券取引所の市場区分見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行
3【事業の内容】
当社および当社の関係会社(以下「エプソン」という。)は、プリンティングソリューションズ事業、ビジュアル
コミュニケーション事業およびマニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業などに係る各製品の開発、製造、販
売およびこれらに付帯するサービスの提供を主な事業としております。
エプソンでは、事業部制による世界連結マネジメントのもと、開発活動については先行研究開発や製品開発を主に
当社(本社研究開発部門および事業部研究開発部門)で行い、生産活動および販売活動については国内外の製造・販
売関係会社を中心に展開しております。
各事業の内容と事業に携わる主要な関係会社は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」(2021年3月策定)に基づき報告セグメントの区
分を変更し、「プリンティングソリューションズ事業」、「ビジュアルコミュニケーション事業」および「マニュ
ファクチャリング関連・ウエアラブル事業」の3つを報告セグメントとしております。各報告セグメントは、「第
5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 7.セグメント情報」に掲げるセ
グメントの区分と同一です。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
当セグメントは、オフィス・ホームプリンティング事業、商業・産業プリンティング事業から構成されており、独
自のマイクロピエゾ技術のほか、ドライファイバーテクノロジーなどの強みを生かし、各製品の開発、製造、販売お
よびこれらに付帯するサービスの提供を行っております。
各事業の主な内容は、次のとおりです。
<オフィス・ホームプリンティング事業>
当事業では、オフィス・ホーム向けのインクジェットプリンター、シリアルインパクトドットマトリクスプリン
ター、ページプリンター、カラーイメージスキャナー、乾式オフィス製紙機、およびこれらの消耗品などを取り
扱っております。
<商業・産業プリンティング事業>
当事業では、商業・産業向けのインクジェットプリンター、インクジェットプリントヘッド、POSシステム関連
製品、ラベルプリンター、およびこれらの消耗品などを取り扱っております。
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なお、前記各事業に携わる主要な関係会社は、次のとおりです。
主要な関係会社
事業領域 主要製品等
製造会社 販売会社
エプソン販売㈱
Epson America, Inc.
オフィス・ホーム用インク
Epson do Brasil Industria e
ジェットプリンター、シリ
Comercio Ltda.
アルインパクトドットマト
Epson Europe B.V.
東北エプソン㈱
オフィス・ホーム
リクスプリンター、ページ
Epson (U.K.) Ltd.
秋田エプソン㈱
プリンティング事
プリンター、カラーイメー
Epson Portland Inc.
Epson Deutschland GmbH
業
ジスキャナー、乾式オフィ
Epson do Brasil Industria e
Epson France S.A.S.
ス製紙機、およびこれらの
Comercio Ltda.
Epson Italia S.p.A.
消耗品 等
Epson Telford Ltd.
Epson Como Printing
Epson Como Printing
Technologies S.r.l.
Technologies S.r.l.
Epson Iberica, S.A.U.
Epson Engineering
Epson (China) Co., Ltd.
(Shenzhen) Ltd.
Epson Singapore Pte. Ltd.
Tianjin Epson Co., Ltd.
Epson Korea Co., Ltd.
商業・産業用インクジェッ
PT. Epson Batam
Epson Hong Kong Ltd.
トプリンター、インク
PT. Indonesia Epson Industry
Epson Taiwan Technology
ジェットプリントヘッド、
商業・産業プリン
Epson Precision
& Trading Ltd.
POSシステム関連製品、ラ
ティング事業
(Philippines), Inc.
PT. Epson Indonesia
ベルプリンター、およびこ
Epson (Thailand) Co., Ltd.
れらの消耗品 等
Epson Philippines Corporation
Epson Australia Pty. Ltd.
Epson India Pvt. Ltd.
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(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
当セグメントは、独自のマイクロディスプレイ技術やプロジェクション技術などの強みを生かし、ビジネス・教
育・ホーム・イベント向けなどの液晶プロジェクターのほか、スマートグラスなどの開発、製造、販売およびこれら
に付帯するサービスの提供を行っております。
なお、当事業に携わる主要な関係会社は、次のとおりです。
主要な関係会社
事業領域 主要製品等
製造会社 販売会社
エプソン販売㈱
Epson America, Inc.
Epson do Brasil Industria e
Comercio Ltda.
Epson Europe B.V.
Epson (U.K.) Ltd.
Epson Deutschland GmbH
Epson France S.A.S.
Epson Italia S.p.A.
Epson Engineering
Epson Iberica, S.A.U.
(Shenzhen) Ltd.
液晶プロジェクター、ス
ビジュアルコミュ
Epson (China) Co., Ltd.
マートグラス 等
ニケーション事業 Epson Precision
Epson Singapore Pte. Ltd.
(Philippines), Inc.
Epson Korea Co., Ltd.
Epson Hong Kong Ltd.
Epson Taiwan Technology
& Trading Ltd.
PT. Epson Indonesia
Epson (Thailand) Co., Ltd.
Epson Philippines Corporation
Epson Australia Pty. Ltd.
Epson India Pvt. Ltd.
(マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント)
当セグメントは、マニュファクチャリングソリューションズ事業、ウエアラブル機器事業、マイクロデバイス事業
他、PC事業から構成されており、以下の各製品の開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提供を行って
おります。
各事業の主な内容は、次のとおりです。
<マニュファクチャリングソリューションズ事業>
当事業では、高度な精密メカトロニクス技術のほか、高精度のセンシング技術やソフトウェア技術などの強みを
生かし、生産性を革新する産業用ロボット、小型射出成形機などの開発、製造、販売などを行っております。
<ウエアラブル機器事業>
当事業では、超微細・超精密加工技術や高密度実装技術のほか、高精度のセンシング技術などの強みを生かし、
ウオッチ、ウオッチムーブメントなどの開発、製造、販売などを行っております。
<マイクロデバイス事業他>
当事業では、小型化・高精度化や低消費電力を特長とする各種デバイスを取り扱うほか、グループ内各事業の
ニーズに対応したデバイスの開発および製造を行っております。また、金属粉末事業や表面処理加工事業を展開し
ております。
[水晶デバイス]
民生機器・車載・産業機器向けなどに水晶振動子、水晶発振器、水晶センサーなどを提供しております。
[半導体]
民生機器・車載向けなどにCMOS LSIなどを提供しております。
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[その他]
電子部品などの原材料として使用されるさまざまな高機能金属粉末の開発、製造、販売などを行っておりま
す。また、幅広い産業分野向けに高付加価値の表面処理加工を提供しております。
<PC事業>
当事業では、国内市場において子会社を通じてPCなどの販売を行っております。
なお、前記各事業に携わる主要な関係会社は、次のとおりです。
主要な関係会社
事業領域 主要製品等
製造会社 販売会社
エプソン販売㈱
Epson America, Inc.
Epson Deutschland GmbH
マニュファクチャ
Epson (China) Co., Ltd.
Epson Engineering
産業用ロボット、小型射出
リングソリュー
成形機 等 Epson Korea Co., Ltd.
(Shenzhen) Ltd.
ションズ事業
Epson Hong Kong Ltd.
Epson Taiwan Technology
& Trading Ltd.
秋田エプソン㈱
Orient Watch (Shenzhen) Ltd.
エプソン販売㈱
Epson Precision (Thailand)
ウオッチ、ウオッチムーブ
ウエアラブル機器
Epson (China) Co., Ltd.
メント 等
事業 Ltd.
Epson Hong Kong Ltd.
Epson Precision (Johor)
Sdn. Bhd.
宮崎エプソン㈱
Epson America, Inc.
Epson Precision (Thailand)
[水晶デバイス]
Epson Europe Electronics GmbH
水晶振動子、水晶発振器、 Ltd.
Epson Singapore Pte. Ltd.
水晶センサー 等 Epson Precision Malaysia
Epson Korea Co., Ltd.
Sdn. Bhd.
マイクロデバイス
Epson Hong Kong Ltd.
東北エプソン㈱
事業 他
[半導体] Epson Taiwan Technology
Singapore Epson Industrial
CMOS LSI 等
& Trading Ltd.
Pte. Ltd.
エプソンアトミックス㈱
[その他]
Singapore Epson Industrial Pte. Ltd.
金属粉末、表面処理加工
エプソン販売㈱
PC 等
PC事業 ―
エプソンダイレクト㈱
※ICハンドラーは2021年4月に事業譲渡いたしました。
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以上の事項を事業系統図によって示すと、おおむね次のとおりです。
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4【関係会社の状況】
議決権に対す
資本金又は る提出会社の 提出会社と関係会社
名称 住所 主要な事業の内容
出資金 所有割合 との関係内容
(%)
(連結子会社)
プリンティングソ
リューションズ
当社製品の販売
ビジュアルコミュニ
エプソン販売㈱ 百万円 役員の兼任あり
東京都新宿区 ケーション 100.0
※ 4,000 資産の賃貸借あり
マニュファクチャリ
資金貸付あり
ング関連・ウエアラ
ブル
マニュファクチャリ
エプソンダイレクト 百万円 100.0 PC等の販売
長野県塩尻市 ング関連・ウエアラ
㈱ 150 (100.0) 資産の賃貸あり
ブル
マニュファクチャリ
百万円
宮崎エプソン㈱ 宮崎県宮崎市 ング関連・ウエアラ 100.0 水晶デバイスの製造
100
ブル
プリンティングソ
リューションズ プリンター部品、半
百万円
東北エプソン㈱ 山形県酒田市 マニュファクチャリ 100.0 導体の製造
100
ング関連・ウエアラ 資金貸付あり
ブル
プリンティングソ
プリンター部品、ウ
リューションズ
百万円 オッチムーブメント
秋田エプソン㈱ 秋田県湯沢市 マニュファクチャリ 100.0
80 の製造
ング関連・ウエアラ
資金貸付あり
ブル
マニュファクチャリ 金属粉末、水晶原石
エプソンアトミック 百万円
青森県八戸市 ング関連・ウエアラ 100.0 等の製造、販売
ス㈱ 450
ブル 資産の賃貸借あり
投資事業会社
エプソンクロスイン 百万円 その他(ベンチャー
東京都千代田区 100.0 役員の兼任あり
ベストメント㈱ 100 投資・育成)
資金貸付あり
米州における持株会
U.S. Epson, Inc.
アメリカ 千米ドル
持株会社 100.0 社
ロスアラミトス 126,941
※
役員の兼任あり
地域統括会社
米州における地域統
プリンティングソ
括会社
リューションズ
Epson America,
プリンター、液晶プ
アメリカ 千米ドル ビジュアルコミュニ 100.0
ロジェクター、FA機
Inc.
ロスアラミトス 40,000 ケーション (100.0)
器、電子デバイス等
※
マニュファクチャリ
の販売
ング関連・ウエアラ
役員の兼任あり
ブル
プリンティングソ
Epson do Brasil
プリンター等の製
ブラジル 千米ドル リューションズ 100.0
Industria e
造・販売、液晶プロ
サンパウロ 25,773 ビジュアルコミュニ (100.0)
ジェクター等の販売
Comercio Ltda.
ケーション
Epson Portland
アメリカ 千米ドル プリンティングソ 100.0 プリンター消耗品等
ヒルズボロ 31,150 リューションズ (100.0) の製造
Inc.
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議決権に対す
資本金又は る提出会社の 提出会社と関係会社
名称 住所 主要な事業の内容
出資金 所有割合 との関係内容
(%)
欧州における地域統
地域統括会社
括会社
プリンティングソ
Epson Europe B.V.
オランダ 千ユーロ プリンター、液晶プ
リューションズ 100.0
アムステルダム 95,000 ロジェクター等の販
※
ビジュアルコミュニ
売
ケーション
役員の兼任あり
プリンティングソ プリンター、液晶プ
イギリス
千英ポンド リューションズ 100.0 ロジェクター等の販
Epson (U.K.) Ltd.
ヘメルヘムス
1,600 ビジュアルコミュニ (100.0) 売
テッド
ケーション 債務保証あり
プリンティングソ
リューションズ
ビジュアルコミュニ プリンター、液晶プ
Epson Deutschland
ドイツ 千ユーロ 100.0
ケーション ロジェクター、FA機
メーアブッシュ 5,200 (100.0)
GmbH
マニュファクチャリ 器等の販売
ング関連・ウエアラ
ブル
マニュファクチャリ
Epson Europe
ドイツ 千ユーロ 100.0 電子デバイスの販売
ング関連・ウエアラ
Electronics GmbH ミュンヘン 2,000 (100.0) 役員の兼任あり
ブル
プリンティングソ
プリンター、液晶プ
Epson France
フランス 千ユーロ リューションズ 100.0
ロジェクター等の販
ルバロワペレ 4,000 ビジュアルコミュニ (100.0)
S.A.S.
売
ケーション
プリンティングソ
プリンター、液晶プ
Epson Italia
イタリア 千ユーロ リューションズ 100.0
ロジェクター等の販
ミラノ 3,000 ビジュアルコミュニ (100.0)
S.p.A.
売
ケーション
Epson Como
Printing
イタリア 千ユーロ プリンティングソ 100.0 プリンター等の開
コモ 170 リューションズ (100.0) 発・製造・販売
Technologies
S.r.l.
プリンティングソ
プリンター、液晶プ
Epson Iberica,
スペイン 千ユーロ リューションズ 100.0
ロジェクター等の販
バルセロナ 1,900 ビジュアルコミュニ (100.0)
S.A.U.
売
ケーション
イギリス 千英ポンド プリンティングソ 100.0 プリンター消耗品の
Epson Telford Ltd.
テルフォード 8,000 リューションズ (100.0) 製造
地域統括会社
中国における地域統
プリンティングソ
括会社
リューションズ
Epson (China) Co.,
プリンター、液晶プ
中国 百万人民元 ビジュアルコミュニ
100.0 ロジェクター、FA機
Ltd.
北京市 1,211 ケーション
器、電子デバイス等
※
マニュファクチャリ
の販売
ング関連・ウエアラ
役員の兼任あり
ブル
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セイコーエプソン株式会社(E01873)
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議決権に対す
資本金又は る提出会社の 提出会社と関係会社
名称 住所 主要な事業の内容
出資金 所有割合 との関係内容
(%)
地域統括会社
プリンティングソ 東南アジア地域にお
リューションズ ける地域統括会社
千シンガ
Epson Singapore
ビジュアルコミュニ プリンター、液晶プ
シンガポール ポールドル 100.0
Pte. Ltd. ケーション ロジェクター、電子
200
マニュファクチャリ デバイス等の販売
ング関連・ウエアラ 役員の兼任あり
ブル
プリンティングソ
リューションズ
プリンター、液晶プ
百万韓国 ビジュアルコミュニ
Epson Korea Co.,
韓国 ロジェクター、FA機
ウォン ケーション 100.0
ソウル特別市 器、電子デバイス等
Ltd.
1,466 マニュファクチャリ
の販売
ング関連・ウエアラ
ブル
プリンティングソ
リューションズ プリンター、液晶プ
ビジュアルコミュニ ロジェクター、ウ
Epson Hong Kong
中国 千香港ドル
ケーション 100.0 オッチムーブメン
香港 2,000
Ltd.
マニュファクチャリ ト、FA機器、電子デ
ング関連・ウエアラ バイス等の販売
ブル
プリンティングソ
リューションズ プリンター、液晶プ
Epson Taiwan
ビジュアルコミュニ ロジェクター、FA機
台湾 千台湾ドル
Technology
ケーション 100.0 器、電子デバイス等
台北市 25,000
マニュファクチャリ の販売
& Trading Ltd.
ング関連・ウエアラ 資金貸付あり
ブル
プリンティングソ
千インドネ プリンター、液晶プ
PT. Epson
インドネシア リューションズ 100.0
シアルピア ロジェクター等の販
ジャカルタ ビジュアルコミュニ (100.0)
Indonesia
918,000 売
ケーション
プリンティングソ
千タイバー プリンター、液晶プ
Epson (Thailand)
タイ リューションズ 100.0
ツ ロジェクター等の販
Co., Ltd. バンコク ビジュアルコミュニ (100.0)
215,308 売
ケーション
プリンティングソ
千フィリピ プリンター、液晶プ
Epson Philippines
フィリピン リューションズ 100.0
ンペソ ロジェクター等の販
パシッグ ビジュアルコミュニ (100.0)
Corporation
50,000 売
ケーション
プリンティングソ
プリンター、液晶プ
Epson Australia
オーストラリア 千豪ドル リューションズ
100.0 ロジェクター等の販
Pty. Ltd. ノースライド 1,000 ビジュアルコミュニ
売
ケーション
プリンティングソ
千インドル プリンター、液晶プ
Epson India
インド リューションズ 100.0
ピー ロジェクター等の販
Pvt. Ltd. バンガロール ビジュアルコミュニ (100.0)
108,628 売
ケーション
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議決権に対す
資本金又は る提出会社の 提出会社と関係会社
名称 住所 主要な事業の内容
出資金 所有割合 との関係内容
(%)
プリンティングソ プリンター、液晶プ
Epson Precision
中国 千米ドル リューションズ ロジェクター等のア
(Hong Kong) Ltd. 100.0
香港 81,602 ビジュアルコミュニ フターサービス部品
※
ケーション 管理
プリンティングソ
リューションズ
Epson Engineering
ビジュアルコミュニ プリンター、液晶プ
中国 千米ドル 100.0
(Shenzhen) Ltd. ケーション ロジェクター、FA機
深圳市 56,641 (100.0)
マニュファクチャリ 器等の製造
※
ング関連・ウエアラ
ブル
マニュファクチャリ
Orient Watch
中国 千人民元 100.0
ング関連・ウエアラ ウオッチ等の製造
(Shenzhen) Ltd. 深圳市 37,748 (100.0)
ブル
Tianjin Epson
中国 千人民元 プリンティングソ 100.0 プリンター消耗品等
Co., Ltd. 天津市 172,083 リューションズ (100.0) の製造
Singapore Epson
千シンガ マニュファクチャリ
半導体の製造、表面
Industrial
シンガポール ポールドル ング関連・ウエアラ 100.0
処理加工等
71,700 ブル
Pte. Ltd.
プリンター消耗品等
インドネシア 千米ドル プリンティングソ 100.0
PT. Epson Batam
の製造
バタム 7,000 リューションズ (100.0)
債務保証あり
PT. Indonesia
インドネシア 千米ドル プリンティングソ プリンターの製造
Epson Industry 100.0
ブカシ 23,000 リューションズ 役員の兼任あり
※
Epson Precision
千タイバー マニュファクチャリ ウオッチ、水晶デバ
タイ
(Thailand) Ltd. ツ ング関連・ウエアラ 100.0 イスの製造
チャチェンサオ
3,250,000 ブル 資金貸付あり
※
Epson Precision
プリンティングソ
プリンター、液晶プ
(Philippines), フィリピン 千米ドル リューションズ
100.0 ロジェクターの製造
リパ 157,533 ビジュアルコミュニ
Inc.
資金貸付あり
ケーション
※
千マレーシ
マレーシア マニュファクチャリ
Epson Precision
アリンギッ
クアラルンプー ング関連・ウエアラ 100.0 水晶デバイスの製造
Malaysia Sdn. Bhd. ト
ル ブル
16,800
千マレーシ
マニュファクチャリ
Epson Precision
マレーシア アリンギッ 100.0
ング関連・ウエアラ ウオッチ部品の製造
(Johor) Sdn. Bhd. ジョホール ト (100.0)
ブル
52,800
その他36社 - - - - -
(持分法適用関連会
社)
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議決権に対す
資本金又は る提出会社の 提出会社と関係会社
名称 住所 主要な事業の内容
出資金 所有割合 との関係内容
(%)
2社
(注)1.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合を内書しております。
2.※は特定子会社に該当しております。
3.エプソン販売㈱、Epson America, Inc.およびEpson (China) Co.,Ltd.は、連結売上収益に占める売上収益
(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の割合が10%を超えております。主要な損益情報等は、次のとお
りであります。
売上収益 税引前利益 当期利益 資本合計 資産合計
名称
(百万円) (百万円) (百万円) (百万円) (百万円)
エプソン販売㈱ 168,311 5,277 3,828 20,662 71,386
Epson America, Inc.
330,517 13,146 9,514 64,998 191,171
Epson (China)
129,917 7,167 5,788 38,200 67,174
Co.,Ltd.
Epson America, Inc.の数値は連結決算数値です。
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5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2022年3月31日現在
セグメントの名称 従業員数(人)
52,842
プリンティングソリューションズ事業
9,473
ビジュアルコミュニケーション事業
11,269
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業
73,584
報告セグメント計
399
その他
3,659
全社(共通)
77,642
合計
(注)1.従業員数は、就業人員数です。
2.全社(共通)として記載している従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているも
のです。
(2)提出会社の状況
2022年3月31日現在
従業員数(人) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(千円)
12,630 43.8 19.3 7,673
セグメントの名称 従業員数(人)
5,890
プリンティングソリューションズ事業
1,505
ビジュアルコミュニケーション事業
2,122
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業
9,517
報告セグメント計
その他 -
3,113
全社(共通)
12,630
合計
(注)1.従業員数は、就業人員数です。
2.平均年齢、平均勤続年数および平均年間給与は、提出会社の正規従業員を基に計算しております。
3.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
4.全社(共通)として記載している従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているも
のです。
5.当期より、報告セグメントの区分を変更しております。なお、マニュファクチャリング関連・ウエアラブル
事業は前期に比べ300人増加しましたが、これは主として成長領域などでの事業強化によるものです。
(3)労働組合の状況
当社および一部の連結子会社において労働組合が組織されております。
当社および一部の連結子会社における労使関係は良好であり、特に記載すべき事項はありません。
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第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在における予想や一定の前提に基づくものであり、これ
らの記載は実際の結果と異なる可能性があるとともに、その達成を保証するものではありません。
(1)経営の基本方針
エプソンは、創業当時からの独自の強みである「省・小・精の技術」を基盤として、自らの常識やビジョンを超
えて果敢に挑戦しイノベーションを生むことにより、画期的なお客様価値を継続的に創造し、より良い社会の実現
に「なくてはならない会社」として中心的な役割を果たすことを目指しています。
そして、以下の経営理念およびグローバルタグラインのもと、お客様の期待を超える価値の創出に向けて、全社
員が価値観を共有のうえ総合力を発揮し自律的に行動することにより、目指す姿の実現に努めてまいります。
経営理念
お客様を大切に、地球を友に、
個性を尊重し、総合力を発揮して
世界の人々に信頼され、社会とともに発展する
開かれた、なくてはならない会社でありたい。
そして社員が自信を持ち、
常に創造し挑戦していることを誇りとしたい。
EXCEED YOUR VISION
私たちエプソン社員は、
常に自らの常識やビジョンを超えて挑戦し、
お客様に驚きや感動をもたらす
成果を生み出します。
(2)「ありたい姿」と長期ビジョン「Epson 25 Renewed」の考え方
エプソンは、将来にわたって追求する「ありたい姿」として設定した「持続可能でこころ豊かな社会の実現」に
向け、2021年3月に長期ビジョンを見直し、「Epson 25 Renewed」を策定しました。
①エプソンが将来にわたって追求する「ありたい姿」
現在、気候変動や新型コロナウイルスをはじめ、人類はさまざまな社会課題に直面しています。また、物質
的、経済的な豊かさだけでなく、もっと精神的な豊かさ、文化的な豊かさ、そういったさまざまな豊かさを含め
た「こころの豊かさ」こそが望まれる時代となったと考えています。そのためには、持続可能な社会であること
が大前提になります。このような背景のもと、エプソンは、常に社会課題を起点として、その解決に向けて私た
ちに何ができるか、私たちの技術を使ってどう課題解決し、社会に貢献できるか、という発想でビジネスを展開
していきます。これにより、今後、上述のエプソンが将来にわたって追求する「ありたい姿」の実現に取り組ん
でまいります。
②「Epson 25 Renewed」ビジョンステートメント
「Epson 25 Renewed」のビジョンステートメントとして、『「省・小・精の技術」とデジタル技術で人・モ
ノ・情報がつながる、持続可能でこころ豊かな社会を共創する』と定めています。
人・モノ・情報をスマートにつなげるソリューションを、個人の生活や、産業や製造の現場にまで広く社会
へ提供し、ありたい姿の実現のために取り組みます。そこで重要となるのは、「環境」「DX」「共創」の3つ
の取り組みです。
(環境への取り組み)
●「脱炭素」と「資源循環」に取り組むとともに、環境負荷低減を実現する商品・サービスの提供、環境技術
の開発を推進する
(DXへの取り組み)
●強固なデジタルプラットフォームを構築し、人・モノ・情報をつなげ、お客様のニーズに寄り添い続けるソ
リューションを共創し、カスタマーサクセスに貢献する
(共創への取り組み)
●技術、製品群をベースとし、共創の場・人材交流、コアデバイスの提供、協業・出資を通して、さまざまな
パートナーと社会課題の解決につなげる
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③「Epson 25 Renewed」方針
不透明な社会環境の継続が予想されるなか、取り組みにメリハリをつけることにより、収益性を確保しながら
将来成長を目指します。そして、すべての領域に必要な環境、DX、共創への取り組みも継続的に強化していきま
す。
領域区分 対象事業 方針
成長領域 オフィスプリンティング、商業・産業プリンティング、 環境変化を機会と捉えて経営資源投下
プリントヘッド外販、生産システム
成熟領域 ホームプリンティング、プロジェクション、ウオッチ、 構造改革や効率化などにより、収益性重視
マイクロデバイス
新領域 センシング、環境ビジネス 新たな技術・ビジネス開発に取り組む
(3)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
①イノベーション戦略の方針と進捗、今後の取り組み
目指す姿の実現に向けた戦略を実行するために、お客様価値や社会課題の軸でイノベーション領域を設定して
います。以下の5つのイノベーションを支えるマイクロデバイス事業においては、「省・小・精の技術」を極め
た水晶・半導体ソリューションにより、スマート化する社会の実現に貢献していきます。そして、持続可能な社
会実現に向けて、環境への貢献を重要課題に据え、材料技術の融合により、環境ソリューションビジネスを創出
し、脱炭素と資源循環に貢献します。
<オフィス・ホームプリンティングイノベーション>
当領域では、インクジェット技術・紙再生技術とオープンなソリューションにより、環境負荷低減・生産性向
上を実現し、分散化に対応した印刷の進化を主導することを目指しています。オフィスプリンティングにおいて
は、認証、課金システムなどのソリューション連携により、獲得案件が継続的に増加しました。今後、需要の多
い中速帯の製品を投入すると同時に、各地域での販売網強化・価値訴求活動の強化に取り組み、成長を加速させ
ていきます。ホームプリンティングにおいては、北米に加え、欧州、中国、豪州でブランドアンバサダーなどを
起用した大容量インクタンクモデルの認知度向上活動が効果を上げています。今後は、サブスクリプションサー
ビスを拡大するとともに、製品の長期使用を可能にするビジネスモデルを創出し、環境負荷低減にも貢献してい
きます。
<商業・産業プリンティングイノベーション>
当領域では、インクジェット技術と多様なソリューションにより、印刷のデジタル化を主導し、環境負荷低
減・生産性向上の実現を目指しています。完成品ビジネスは、2021年度はプラットフォーム設計による効率的な
製品開発やラインアップ拡充に取り組みました。今後もこの取り組みを継続するとともに、お客様とエプソンを
つなぎ、印刷の現場をトータルでサポートする「Epson Cloud Solution PORT」の契約数拡大も進め、将来的な
収益の複層化を目指します。プリントヘッド外販ビジネスは、主要市場である中国での販売が順調に拡大してい
ます。今後は、欧州に設立した拠点なども活用し、さらに販売を拡大すると同時に、オープンイノベーションに
より新たな用途を開拓していきます。
<マニュファクチャリングイノベーション>
当領域では、環境負荷に配慮した「生産性・柔軟性が高い生産システム」を共創し、ものづくりを革新するこ
とを目指しています。2021年度は、スカラロボットを中心とした拡販により売上伸長が継続しました。今後は新
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製品を拡充するとともに、世界各地での販売体制強化と拡販に取り組んでいきます。また、ロボット単体に加
え、3Dプリンターや小型射出成形機なども組み合わせ、新しい生産システムを提案していきます。
<ビジュアルイノベーション>
当領域では、感動の映像体験と快適なビジュアルコミュニケーションで人・モノ・情報・サービスをつなぎ、
「学び・働き・暮らし」を支援することを目指しています。2020年度から進めている事業構造改革により、収益
構造は大きく改善しています。今後は、スタンダードモデルなどの既存市場では効率的な事業運営を続けると同
時に、大画面の特長を最大限に生かせる高光束プロジェクターと、市場が拡大しているスマートプロジェクター
のビジネスを強化していきます。
<ライフスタイルイノベーション>
当領域は、匠の技能、センシング技術を活用したソリューションを共創し、お客様の多様なライフスタイルを
彩ることを目指しています。ウオッチ事業では、事業構造改革に取り組んだことに加え、需要回復と高価格品比
率を向上させたこともあり、収益性が改善しています。今後もこの改革を継続していきます。また、センシング
事業では、中長期を見据え、共創による新規ビジネスの育成に取り組んでいきます。
②経営基盤強化の取り組み
上述の各イノベーションの実現に向けて、以下のとおり経営基盤強化に取り組んでいます。
<営業戦略>
●デジタルを活用した顧客支援型営業
成長領域への取り組みを加速するため、CRM(顧客関係管理)を強化しています。製品本体の販売最大化を
前提とした活動から、顧客価値提供(コンサルティング・付加価値ソリューションや保守サービスなど)やサ
ブスクリプション化を強く意識した活動へと転換していきます。
●地域別、領域別の重点的な組織強化
営業推進とサービスサポートの連携強化に向けた組織再編を推進していきます。
<生産戦略>
●COVID-19拡大を契機に従来戦略を加速
部材調達については、電子部品などの調達難が続くなか、部品の先行確保や商品設計変更、複数拠点での生
産による対応を継続します。物流確保については、船会社との積載量契約による関係強化や、代替輸送ルート
の探索を進めます。生産の自動化では、生産拠点における人材の補強・育成に課題があるものの、ハードウェ
アとデータ活用技術の開発により生産装置のデジタル化、自動化ラインの立ち上げを進めていきます。
<技術開発戦略>
●イノベーションを支える技術の進化
特に材料・AI・デジタル技術を強化します。AI・デジタル技術では、全社のソフトウェアプラットフォーム
化に向けたアルゴリズム開発を加速・強化し、データ活用ビジネスを創出していきます。材料技術では、ドラ
イファイバーテクノロジー(※1)、金属リサイクル、CO2分離・吸収の技術開発等を進めるほか、共創パー
トナーとともに環境ビジネスを具体化していきます。
※1 水を使わず(適度な湿度は必要)衝撃力で繊維化するエプソンの技術
<人材戦略>
●強化領域への人材重点配置
成長領域を牽引する人材等確保のため、中途採用を強化します。
●人材育成強化
既存の教育研修体系を再整理し、機能軸・事業軸に加え、役割や職務の変化に対する育成体系を構築しま
す。
●組織活性化
女性向け研修の運用、男性育休の促進のほか、働く場所の選択肢拡充など多様な働き方を実現する環境を整
備していくことで、ダイバーシティを推進していきます。
③財務目標
「Epson 25 Renewed」の実現に向けて、収益性重視の経営へとシフトし、過度な売上成長を追わず、取り組み
にメリハリをつけ、収益性の確保と将来成長を目指します。この方針に則り、ROIC、ROEおよびROSを財務目標と
して設定しています。
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全社業績目標 2020年度(実績) 2021年度(実績) 2023年度(目標) 2025年度(目標)
ROIC(※2) 5.6% 7.3% 8%以上 11%以上
ROE 5.9% 15.2% 10%以上 13%以上
ROS 6.2% 7.9% 8%以上 10%以上
※2 ROIC=税引後事業利益/(親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債)
ROICを財務目標のひとつとして設定したことで、より資本効率の高い経営が求められます。そのためエプソン
は収益性と自社成長性の位置づけを明確にした事業ポートフォリオ管理を導入し、効率的な資本循環を実現し、
経営効率性を上げていきます。エプソンのビジネス領域を上述のとおり「成長領域」「成熟領域」「新領域」に
大別し、位置づけに合わせた資本配分および目標設定を行い、それらを定期的に見直すというサイクルを回すな
かで、事業の方向性も判断していきます。
④キャッシュ・アロケーション
創出したキャッシュは、成長・新領域や環境関連を中心とした投資へ重点配分しつつ、継続的・安定的に株主
還元を実施し、資金需要などを総合的に勘案しながら有利子負債の返済などの財務体質強化を実現します。
(4)サステナビリティ課題への取り組み
ESG投資の拡大や各国・地域のサステナビリティ関連政策の策定など、世界中でサステナビリティをめぐる動き
が一気に加速しています。このようななか、企業はサステナビリティ活動を踏まえた持続・成長戦略を通じて、社
会が抱える課題にどう対応していくかという姿勢をますます問われるようになっています。エプソンは、商品・
サービスの提供を通じ、さまざまな社会課題の解決に貢献してきました。今後も、経営理念に基づき長期的な視点
からお客様やパートナーの皆様と「持続可能でこころ豊かな社会」を実現するため、社会的責任の遂行と社会共通
価値の創出に取り組みます。
①マテリアリティとサステナビリティ重要テーマ、KPI
エプソンは、国際的な社会規範などで定められた社会課題やメガトレンドを参考として、自社視点・社会視点
による評価を行い、社会課題解決に向けエプソンが取り組むべき重要度の高い課題である4つのマテリアリティ
(「循環型経済の牽引」「産業構造の革新」「生活の質向上」「社会的責任の遂行」)を特定しています。ま
た、マテリアリティへの取り組みを実効性のあるものにするため、12のサステナビリティ重要テーマを設定し、
取り組み目標(KPI)を定め、中期活動計画に反映し着実に推進しています。なお、サステナビリティ課題への
取り組みにおいては、すべてのマテリアリティに対してKPI検討を行ってまいりましたが、まずは企業の持続性
に重点を置き、ESGに関連する2つのマテリアリティ(「循環型経済の牽引」「社会的責任の遂行」)のKPI開示
を先行しました。「産業構造の革新」「生活の質向上」におけるKPIについては、2023年度以降に開示を行う予
定です。
■ESGに関連するサステナビリティ重要テーマ目標と実績
ESG サステナビリティ 目標指標 2021年度
取り組みテーマ
マテリアリティ 重要テーマ (KPI) 実績
環境(E)
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・Scope1,2 GHG排出量
2050年「カーボンマイナス」に
・2017年度比41%
向けた、設備の省エネ、温室効 (総量)削減率
削減
果ガス除去、サプライヤーエン ・Scope3 GHG排出量
・2017年度比38%
ゲージメント、脱炭素ロジス
(事業利益原単位)削減
削減
脱炭素の取り組み
ティクス
率
・国内100%達成
RE100達成に向けた再生可能エ ・再生可能エネルギー
(2021年11月か
ネルギーの活用 導入率
ら)
・(※5)
・エコタンク搭載
2050年「地下資源(※3)消費
・循環資源利用率 モデルでリサイク
ゼロ」に向けた
ル素材(再生プ
資源循環の取り組 ・小型軽量化/再生材活用など
ラ)使用開始
み の資源の有効活用
・(※5)
循環型経済の ・生産ロスを極小化する循環型
・最終埋立率 ・グループ内での
牽引 生産システムの構築
(※4) 金属リサイクル拡
大
環境負荷低減に資する商品・
お客様のもとでの ・商品・サービスによ
サービスによる削減貢献量の最 ・(※5)
環境負荷低減 る削減貢献量
大化(※6)
ドライファイバーテクノロジー
を応用した再生材/天然素材に
よる脱プラスチック・資源循環 ・開発プロセスの進捗 ・素材候補を選定
の実現 状況 し試作
環境技術開発
・梱包材(従来材の置き換え)
・外装材(従来材の置き換え)
スクラップ金属の高付加価値リ ・開発プロセスの進捗 ・廃ウェハー再利
サイクル技術確立 状況 用の開始
社会(S)・ガバナンス(G)
・2022-2025年度目
・社会支援活動 支援
標値の決定(売上
金額
収益の0.1%以上)
ステークホルダー ステークホルダーとの対話強化
・株主・投資家との対
エンゲージメント よるニーズ・社会要請への対応
話回数ならびに経営へ ・239回
の向上
の意見反映
・外部評価機関の評価 ・高評価(※7)
指数 を獲得
・サプライチェーン途 ・COVID-19影響に
社会的責任の
絶・停滞によるお客様 よる部品調達難・
サプライチェーンBCM強化
遂行
への影響(2024年度販 物流機能停滞によ
売影響なし) り販売影響が発生
・主要サプライ
責任あるサプライ 責任あるサプライチェーンの実 ・サプライヤーにおけ ヤー(直接材)の
チェーンの実現 現 るCSRリスクレベル CSRリスクランク:
ハイリスク0%
・製品のコンフリクト
フリー(CF)率 ・3TG(※9)調査
責任ある鉱物調達の実現
・調査回答率 回答回収率99%
(※8)
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ESG サステナビリティ 目標指標 2021年度
取り組みテーマ
マテリアリティ 重要テーマ (KPI) 実績
社会(S)・ガバナンス(G)
・組織風土アセスメン
ト「チームで働く力」 ・3.68
スコア
・こころの健康診断
「総合健康リスク」ハ ・全職場数の2.7%
イリスク職場数
自由闊達で風通しのよい組織風
・教育・研修、事
土づくり
・ハラスメント防止施 案共有、任用プロ
策の実施(教育・研 セスにおける
修、事案共有、任用プ チェックを計画通
ロセス等)、事案の本 り実施
社報告の徹底 ・重要事案の本社
人権の尊重とダイ
報告漏れ0件
バーシティの推進
・人権尊重のコミット
メント、人権デューデ ・2022年4月1日
新「人権方針」のグループ内浸
リジェンス(DD)、救 付で人権方針の改
透による人権の尊重
済メカニズムの定着・ 定完了
改善
・管理職女性比率
社会的責任の ・女性管理職比率(当 4.1%(2022年4月
遂行 社) 1日時点)
ダイバーシティを尊重した人材
・女性執行役員数2025 ・ダイバーシティ
の活用
年度までに1名以上 マネジメント研修
(国内) を必須化、選抜研
修女性受講促進
・重大なコンプライア ・重大なコンプラ
コンプライアンス経営の基盤強
ンス違反事案(※10) イアンス事案の発
化
の発生件数 生なし
・グループ社員全員
グループコンプライアンスレベ (※11)へのコンプラ ・グループ全社で
ルの引き上げ イアンス教育(e-ラー の実施率100%
ニング)実施率
ガバナンスの強化
•取締役会の社外取
・取締役会の社外取締
透明・公正かつ迅速・果断な意 締役比率50%
役比率
思決定を実現するガバナンス体 •選考/報酬審議会
・選考/報酬審議会の
制の維持・強化 の社外取締役比率
社外取締役比率
83%
・重大な情報セキュリ
情報セキュリティーの強化 ティーインシデント発 ・0件
生件数
※3 原油、金属などの枯渇性資源
※4 資源投入量に対する生産系埋立量の比率
※5 2021年度実績数値は集計がまとまり次第当社ウェブサイトで開示予定
※6 商品・サービスが社会のGHG排出量の削減に資する量を定量化したもの
※7 Sustainalytics:Low、FTSE:4点以上、東洋経済新報社「CSR企業ランキング」トップ50以上
※8 調査の網羅率を示す
※9 スズ(Tin)、タンタル(Tantalum)、タングステン(Tungsten)、金(Gold)の頭文字をとった紛争鉱物の略称
※10 重大なコンプライアンス違反事案:適時開示事由に該当するような違反事案
※11 対象:当社および国内・海外子会社
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②「環境ビジョン2050」
エプソンは、以下のとおり持続可能な社会の前提である環境への取り組みに関するビジョン「環境ビジョン
2050」を改定し、2050年に達成する目標と、その実現に向けた取り組みを定めています。
項目 内容
ビジョン 2050年に「カーボンマイナス」と「地下資源消費ゼロ」を達成し、持続可能でこころ豊かな
ステートメント 社会を実現する
達成目標
2030年:1.5℃シナリオ(※12)に沿った総排出量削減
2050年:「カーボンマイナス」、「地下資源消費ゼロ」
アクション
●商品・サービスやサプライチェーンにおける環境負荷の低減
●オープンで独創的なイノベーションによる循環型経済の牽引と産業構造の革新
●国際的な環境保全活動への貢献
※12 SBTイニシアチブ(Science Based Targets initiative)のクライテリアに基づく科学的な知見と整合した温室
効果ガスの削減目標
③気候変動への取り組みとTCFD
気候変動が社会に与える影響は大きく、エプソンとしても取り組むべき重要な社会課題だと捉えています。パ
リ協定の目指す脱炭素社会(世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑え
る努力をする)の実現に向け、エプソンは2030年に「1.5℃シナリオに沿った総排出量削減」の目標達成を目指
しています。また、「Epson 25 Renewed」の公表に合わせ「環境ビジョン2050」を改定し、その目標として掲げ
る2050年の「カーボンマイナス」「地下資源(※13)消費ゼロ」に向け、脱炭素と資源循環に取り組むととも
に、環境負荷低減を実現する商品・サービスの提供、環境技術の開発を推進しています。
エプソンは2019年10月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明して以降、株
主・投資家をはじめとする幅広いステークホルダーとの良好なコミュニケーションがとれるように、TCFDのフ
レームワークに基づき、情報開示(ガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標)を進めています。2021年には
財務影響度をエプソンとして初めて定量的に開示することにしました。さらに、2022年はTCFD提言の改訂を受け
て、GHG排出量の削減を目的とした具体的な取り組み実績などの開示を強化しました。
※13 原油、金属などの枯渇性資源
■ シナリオ分析の結果
TCFDのフレームワークに基づいて、シナリオ分析を実施し、気候関連リスク・機会がエプソンの戦略に与える
財務影響度を定量的に評価しました。その結果、脱炭素社会へ急速に進んだ1.5℃シナリオの場合、市場の変
化・政策・法規制による操業コスト増加の移行リスクはあるものの、インクジェット技術・紙再生技術に基づく
商品・サービスの強化により財務影響へのインパクトは限定的と予想しています。
エプソンは、2021-30年までの10年間で約1,000億円(2021-25年は約250億円、2026-30年は約750億円)を投入
し、脱炭素・資源循環・環境技術開発への取り組みを加速します。また、気候関連リスクへの解決は、私たちが
設定したマテリアリティである「循環型経済の牽引」「産業構造の革新」に合致し、エプソンの強みである低環
境負荷(消費電力・廃棄物など)の商品・サービスで、事業拡大の機会につながります。この機会の拡大は、お
客様のもとでの環境負荷低減や気候変動の抑制に貢献するものです。
こうした評価結果から、エプソンは社会にとっても自社にとっても合理的であるパリ協定の目指す脱炭素社会
の実現に向け、認識したリスクに対処しながら、機会を最大化するための取り組みを継続的に進めています。
なお、世界が現状を上回る対策をとらずに温暖化が進んだ4℃シナリオの場合でも、異常気象にともなう災害
の激甚化による国内外の拠点に対する物理リスクの影響は、小さいことが確認されています。
a.ガバナンス
気候変動に係る重要事項は、社長の諮問機関としてグループ全体のサステナビリティ活動の中長期戦略を策
定・実践状況のレビューを行う「サステナビリティ戦略会議」で議論のうえ、定期的に(年に1回以上)取締
役会に報告することで、取締役会の監督が適切に図られる体制をとっています。
また、気候関連問題に対する最高責任と権限を有する代表取締役社長は、サステナビリティ推進室長(取締
役専務執行役員)を気候関連問題の責任者に任命し、サステナビリティ推進室長は、TCFDを含む気候変動に関
する取り組みを管理・推進しています。
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■ 推進体制
b.戦略
エプソンは、「循環型経済の牽引」「産業構造の革新」をマテリアリティとして設定しています。これを達
成するために、エプソンの技術の源泉である「省・小・精の技術」を基盤に、イノベーションを起こし、さら
なる温室効果ガス(GHG)排出量削減に取り組んでいます。さらに、ビジネスモデルの進化や、気候変動に対
するレジリエンスの強化を図るため、「環境ビジョン2050」の実現に向け、2021年に環境戦略定例会の新設お
よび下部組織として各分科会を整備し、取り組みを推進しています。
■ 気候関連のリスク・機会に関するシナリオ分析
エプソンは、気候関連のリスク・機会の重要性評価に向け、「移行リスク」「物理リスク」「機会」の区分
でシナリオ特定と評価を実施し、7つの評価項目を選定しました。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)と
国際エネルギー機関(IEA)が提示する気温上昇1.5℃に相当するシナリオと社内外の情報に基づき、事業イン
パクトと財務影響度を評価しました。
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■ 1.5℃シナリオにおける気候関連リスク・機会
シナリオ分析に基づいた気候関連リスク・機会の評価結果は以下のとおりです。
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エプソンは、脱炭素、資源循環、環境技術開発、お客様のもとでの環境負荷低減に向けた取り組みを進めて
います。2021年度の取り組み実績は以下のとおりです。
c.リスク管理
企業を取り巻く環境が複雑かつ不確実性を増すなか、企業活動に重大な影響を及ぼすリスクに的確に対処す
ることが、経営戦略や事業目的を遂行していくうえでは不可欠です。
エプソンは、気候関連問題を経営上の重大な影響を及ぼすリスクとして位置付け、適切に管理しています。
■ 気候関連リスクの識別・評価・管理プロセス
1 調査 2 識別・評価 3 管理
・IPCC第6次評価報告書の変化点を加 ・「Epson 25 Renewed」「環境ビジョ ・サステナビリティ戦略会議と取締役
味して、国内外の主要拠点を対象 会を通じて、適切に管理
ン2050」の方針や施策からリスク・
に、気候変動に起因した自然災害リ
機会を洗い出し
スクに関する調査を実施
・サステナビリティ戦略会議と取締役
・社会動向を調査
会を通じて、シナリオ分析を評価
d.指標と目標
エプソンは、「環境ビジョン2050」の実現に向け、中長期的な温室効果ガス(GHG)の排出削減目標の達成
を目指します。そのため、エプソンの技術の源泉である「省・小・精の技術」を基盤に、商品の環境性能向上
や再生可能エネルギーの活用、事業活動などバリューチェーンを通じた環境負荷低減に積極的に取り組んでい
ます。
■ GHG削減目標(「1.5℃シナリオ」に沿った野心的な排出総量削減目標の目安)
スコープ1、2、3(※16) 2030年度までに2017年度比でGHG排出量を55%削減
※16 スコープ1:燃料などの使用による直接排出
スコープ2:購入電力などのエネルギー起源の間接排出
スコープ3:自社バリューチェーン全体からの間接的な排出
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④人材に関する取り組み
エプソンが持続可能でこころ豊かな社会を実現するには、世界各地でさまざまな役割を担う社員が世界中の
パートナーと力を合わせ、社会課題の解決に取り組むことが必要です。エプソンは、共通の価値観を持って現場
で的確・迅速な意思決定ができるグローバル人材、リーダー人材を育成するとともに、多様な人材が活躍でき
る、働きやすい環境を整備し、そこで働く人々がチーム力を最大限発揮することができるよう、自由闊達で風通
しの良い組織風土づくりを進めています。
人材育成においては、社員一人ひとりがエプソンというチームの一員として自分の役割や期待を理解して課題
に挑戦し、仕事を通じて成長し、期待される役割を果たせるように、チーム内コミュニケーションの質向上、お
よび問題解決・課題達成のための思考力向上につながるさまざまな教育を実施しています。また、事業戦略・環
境変化に適応した最適フォーメーションを構築するとともに、スペシャリストの獲得や成長領域への重点配置、
国内外の各組織においてビジネスを牽引しうるリーダーの育成をグローバル視点で進めています。年1回、事業
別・機能別・会社別に、重要ポストや組織の各職務において求められる役割や要件を評価・見直し、その役割を
果たすことのできる人材のレビューを行い、後継計画を策定するとともに、将来の経営層・管理職層、グローバ
ル人材の候補者をリストアップし、育成・養成のための研修・教育や知識・経験の幅を広げるローテーションを
実施しています。
ダイバーシティ推進においては、性別などの属性によらず、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる会社
を目指しています。エプソンは、なかでも女性活躍推進を最大の課題と認識し、ジェンダー・ギャップの解消に
取り組んでいます。ジェンダー平等を実現し、管理職層や経営層といった各階層に、自然に、満遍なく女性がい
て、管理職の女性比率が全社員の女性比率と同率という状態にできるだけ早くしていきたいと考えています。そ
の実現のために、女性採用を増やし、係長級やリーダーを担える女性を増やし、女性管理職を増やすというよう
に段階的に改善するとともに、女性の働きやすい職場づくりにも取り組んでいます。また、取締役会および経営
会議体において推進計画や実施状況、関連指標の確認を行うとともに、方向性の議論を行っています。
健康経営の推進においては、会社は社員の健康が最重要と考え、経営理念とエプソングループ労働安全衛生基
本方針に基づき、社員の健康状態が向上するとともに、社員が仕事にやりがいを感じ、活き活きと働いている状
態の実現を目指しています。その結果、業績向上や企業価値向上にもつながります。活動推進にあたり、健康経
営の責任者である社長のもと、推進主体として「健康経営推進室」を設置しました。その室長は、執行役員とし
て経営会議に参画するとともに、人事本部長・健康保険組合の理事長・統括安全衛生管理者を兼任し、健康経営
を総合的にマネジメントします。会社と健康保険組合で共同運営をしている「健康経営推進会議」は、健康経営
に関する情報分析や施策の立案・評価・改善を担い、各事業所の「健康づくり推進委員会」活動と連携して取り
組んでいます。「健康づくり推進委員会」の委員長は各事業所の総務部長が、副委員長は労組役員が務め、産業
保健の立場から産業医・保健師がアドバイザリーを担っています。これらの活動が評価され、2022年3月に「健
康経営銘柄2022」に初選定されました。
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2【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす
可能性のある主要なリスクは次のとおりです。これらのリスクについては、リスク要因になる可能性があると考えら
れる事項を記載していますが、すべてのリスクを網羅したものではなく、有価証券報告書提出日現在では想定してい
ないリスクや重要性が低いと考えられるリスクも、今後、エプソンの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー
の状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、エプソンは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避および発生した場合の対応に努め
る方針ですが、かかる施策などが成功する保証はなく、効果的に対応できない場合には、エプソンの財政状態、経営
成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在においてエプソンが判断したものです。
(1)リスク管理体制
エプソンは、子会社を含むグループ全体のリスク管理の総括責任者を社長とし、グループ共通のリスク管理につ
いては本社主管部門が各事業部門および子会社と協働してグローバルに推進し、各事業固有のリスク管理について
は事業部長が担当事業に関する子会社を含めて推進する体制としています。また、リスク管理統括部門は、グルー
プ全体のリスク管理全般をモニタリングおよび是正・調整し、リスク管理活動の実効性を確保しています。これら
のリスク管理体制は、エプソングループリスク管理基本規程で定めています。
会社に著しい影響を与え得る重要なリスクについては、グループ経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク
を「全社重要リスク」、事業オペレーションに重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを「事業重要リスク」、ま
た子会社の経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを「関係会社重要リスク」として特定し、それぞれ制御
計画を立案・実行し、その進捗状況をモニタリングするとともに、制御活動の有効性について、「全社重要リス
ク」は四半期ごとに、「事業重要リスク」、「関係会社重要リスク」は半期ごとに評価し、必要に応じて制御計画
の見直し、実効性の確保に努めています。また、社長はリスク管理に関する重要事項を四半期ごとに取締役会に報
告しています。
(2)事業等のリスク
①プリンターの売上変動による経営成績などへの影響について
2022年3月期におけるプリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益7,799億円は、エプソンの連
結売上収益1兆1,289億円の約7割を占めており、そのなかでもオフィス・ホーム市場向けのほか、商業・産業向
けのインクジェットプリンターを中心とする各種プリンターと、これらの消耗品が売上収益および利益の多くを占
めています。したがって、これらのプリンターおよび消耗品の売上収益が変動した場合には、エプソンの経営成績
などに重大な影響を及ぼす可能性があります。
②他社との競合について
(販売における影響)
エプソンの主力製品であるプリンターやプロジェクターをはじめとする製品全般について、他社との競合の激化
により、販売価格の低下や低価格品への需要のシフトおよび販売数量の減少などの影響を受けることがあります。
エプソンでは、これらの状況に対して、各市場での顧客ニーズに対応した製品や高付加価値製品およびサービス
の提供に取り組むとともに、設計・開発の効率化やコストダウンなどにより製造コストの削減に努め、かかる販売
価格の低下や低価格品への需要のシフトおよび販売数量の減少などに対処していく方針です。
しかしながら、今後、これらの施策が成功する保証はなく、エプソンがかかる販売価格の低下などに効果的に対
応できない場合には、エプソンの経営成績などに影響を及ぼす可能性があります。
(テクノロジーにおける影響)
エプソンの販売する一部の製品については、他社のテクノロジーと競合しており、例えば、次のような事例があ
ります。
・インクジェットプリンターにおけるエプソンのマイクロピエゾ方式(※1)と他社のサーマルインクジェット方
式(※2)との競合
・プロジェクターにおけるエプソンの3LCD(三板透過型液晶)方式(※3)と他社のDLP方式(※4)などとの競
合ならびにエプソンのプロジェクターと他社のFPD(フラットパネルディスプレイ)(※5)との競合
エプソンは、これらのエプソンの製品において採用している方式について、現時点では競合他社の方式に対する
技術的な競争優位性があると考えていますが、消費者によるエプソンの技術に対する評価が変化した場合や、エプ
ソンの技術と競合するほかの革新的な技術が出現した場合などには、エプソンの技術的な競争優位性が損なわれ、
エプソンの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
※1 マイクロピエゾ方式とは、ピエゾと呼ぶ圧電素子を伸縮させて、インク滴をノズルから噴射させるエプソ
ン独自のインクジェット技術をいいます。
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※2 サーマルインクジェット方式とは、インクに熱を加えることで発生する気泡の圧力により、インク滴を噴
射する技術をいいます。なお、バブルジェット方式といわれることもあります。
※3 3LCD(三板透過型液晶)方式とは、ライトバルブに高温ポリシリコンTFT液晶パネルを用いる方式であ
り、光源から出射された光を特殊な鏡を使って赤・緑・青の3原色に分離し、各色専用のLCDで映像を
作った後、無駄なく再合成し投影します。
※4 DLP方式とは、表示デバイスにDMD(Digital Micromirror Device)を用いる方式です。DMDとは、ミクロ
ンサイズの微極小な鏡が多数並んだ半導体で、ひとつの鏡が1画素に対応し光源からの光を反射すること
で映像を投影します。なお、DLPおよびDMDは、米国テキサス・インスツルメンツ社の登録商標です。
※5 FPDとは、薄型・平坦な画面の薄型映像表示装置の総称です。
(新たな競合の発生)
エプソンは、現在、高度な技術力、豊富な資金力または強固な財務基盤を有する大企業あるいは市場における認
知度、供給力または価格競争力を有する国内外の企業との間で競合関係にありますが、これらに加え、将来、ほか
の企業が、ブランド力、技術力、資金調達力、マーケティング力、販売力および低コストの生産能力などを生かし
てエプソンの事業領域へ新規参入してくる可能性もあります。
③経営環境の急激な変化などについて
エプソンは、現在、自社として取り組む社会課題の解決に向けて、「オフィス・ホームプリンティングイノベー
ション」「商業・産業プリンティングイノベーション」「マニュファクチャリングイノベーション」「ビジュアル
イノベーション」「ライフスタイルイノベーション」という5つのイノベーション領域において、それぞれのイノ
ベーションを起こすことによりお客様が真に求める価値を創出し、各事業領域のビジョンを実現することに取り組
んでいます。この実現に向けて、エプソンでは、長期ビジョン Epson 25 Renewed や各事業戦略などに基づく諸施
策を展開していますが、技術的な競争優位性を確立することが競争力を高めるために重要な要素であると考えてお
り、創業当時からの独自の強みである「省・小・精の技術」を源泉とする「マイクロピエゾ」「マイクロディスプ
レイ」「センシング」「ロボティクス」などの独自のコア技術とデジタル技術などの製品技術およびこれらを支え
る基盤技術を進化させることにより、顧客ニーズに対応した製品の開発・製造・販売およびサービスの提供を行っ
ています。
しかしながら、エプソンが経営資源を集中しているこれらの事業領域における製品の属する市場は、一般的に技
術革新の速度が速いとともに製品ライフサイクルが短く、また、世界景気の変動やデジタル化の進展などにともな
うエプソンの主要市場における需要・投資動向が、エプソンの製品の販売に影響を及ぼす可能性があるほか、現在
推進している長期ビジョンや事業戦略およびこれらで定められた各種の施策が必ずしも実現または成功する保証は
ありません。
このような事業環境のもと、エプソンでは、引き続き各市場や顧客のニーズの把握に努め、製品市場予測による
中・長期的な研究開発や投資を行うほか、開発・設計のプラットフォーム化などにより、既存製品から新製品への
迅速かつ円滑な移行などにも取り組んでいく方針です。
しかしながら、今後、市場でのニーズや技術革新の変化に適切に対応できない場合、他社との競争が激化した場
合、景気後退などにより需要が回復しない場合および主要市場における急激な需要変動に適切に対応できない場合
などには、エプソンの経営成績などに影響を及ぼす可能性があります。
④第三者によるインクジェットプリンター用消耗品の販売について
インクジェットプリンターの主な消耗品であるインクカートリッジなどは、エプソンの売上収益および利益に
とって重要なものとなっています。インクカートリッジなどのインクジェットプリンター用消耗品については、第
三者によりエプソンのプリンター本体で使用することができる代替品が供給されています。これらの第三者からの
代替品は、一般的にエプソンの純正品よりも廉価で販売されており、また、先進国市場と比較して新興国市場にお
いてより流通している状況にあります。
エプソンは、こうした第三者によるインクジェットプリンター用消耗品の販売について、純正品としての高い品
質の訴求のほか、大容量インクタンクを搭載したモデルの販売など、各市場における顧客ニーズに的確に対応した
インクジェットプリンターを提供し、顧客の利便性をさらに高めることにより、引き続きお客様価値の実現を図っ
ていく方針です。また、エプソンが保有するインクカートリッジに関する特許権および商標権の侵害に対しては、
適宜、法的措置を講じていく方針です。
しかしながら、これらの施策が必ずしも有効である保証はなく、将来において第三者による代替品の販売が拡大
し、純正品のシェア低下にともなう販売数量の減少や、これに対応するための販売価格の引下げなどにより、イン
クカートリッジなどの売上収益および利益が減少した場合には、エプソンの経営成績などに影響を及ぼす可能性が
あります。
⑤海外での事業展開について
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エプソンは、グローバルに事業を展開しており、2022年3月期の連結売上収益のうち4分の3以上は海外におけ
る売上収益が占めています。エプソンは、中国、インドネシア、シンガポール、マレーシアおよびフィリピンなど
のアジア地域をはじめ、アメリカやイギリスなどにも生産拠点を有し、販売会社も世界各地域に設立しています。
ま た、2022年3月末における海外従業員数はエプソンの全従業員数の約4分の3を占めています。
エプソンでは、こうしたグローバルな事業展開は地域ごとの市場ニーズを的確に捉えたマーケティング活動を可
能とし、また、製造コストの削減およびリードタイムの短縮によるコスト競争力の確保など、事業上の多くのメ
リットがあると考えています。一方で、海外における製造・販売に関しては、各国政府の製造・販売に関する諸法
令・規制、社会・政治および経済状況の変化、輸送の遅延、電力・通信などのインフラの障害、為替制限、熟練労
働力の不足、地域的な労働環境の変化、各国における税制改正および税務当局による税務執行の不確実性、保護貿
易諸規制、各種地政学的リスク、そのほかエプソンの製品の輸出入に対する諸法令・規制など、海外事業展開に不
可避のリスクがあります。
⑥特定の仕入先からの部品などの調達について
エプソンは、第三者から一部の部品などを調達していますが、一般的に長期仕入契約を締結することなく継続的
な取引関係を維持しています。また、エプソンは、部品などに関して複数社からの調達を原則としていますが、特
定の部品などについては、他社からの代替調達が困難であるため、1社のみからの調達となる場合があります。エ
プソンでは、品質の維持・改善やコスト低減活動などに調達先と協同で取り組むことなどにより、安定的かつ効率
的な調達活動を展開していく方針ですが、仮にこれらの調達先からの供給の不足や供給された部品などの品質不良
などにより、製造・販売活動に支障をきたした場合には、エプソンの経営成績などに影響を及ぼす可能性がありま
す。
⑦品質問題について
エプソンの製品保証の有無および内容は顧客との個別の契約により異なります。エプソンの製品に不良品または
規格に適合しないものがあった場合には、エプソンは当該製品の無償での交換または修理など、不良品を補償する
コストを負担し、また、当該製品が人的被害または物的損害を生じさせた場合には、製造物責任などの責任を負う
可能性があります。
このほか、エプソンの製品の性能に関し適切な表示または説明がなされなかったことを理由として、顧客などに
対し責任を負う場合や、改良のためのコストが発生する可能性があります。さらに、エプソンの製品にこのような
品質問題が発生した場合には、エプソンの製品への信頼性を損ない、顧客の喪失または当該製品への需要の減少な
どにより、エプソンの経営成績などに影響を及ぼす可能性があります。
⑧知的財産権について
エプソンにとって、特許権およびそのほかの知的財産権は競争力維持のために非常に重要です。エプソンは、自
らが必要とする多くの技術を自社開発してきており、それを国内外において特許権、商標権およびそのほかの知的
財産権として、あるいは他社と契約を締結することにより、製品および技術上の知的財産権を設定し保持していま
す。また、知的財産権の管理業務に人員を重点的に配置し、知的財産権の強化を図っています。
しかしながら、次に想定されるような知的財産権に関する問題が発生した場合には、エプソンの経営成績などに
影響を及ぼす可能性があります。
・エプソンが保有する知的財産権に対して異議申立や無効請求などがなされる可能性、その結果、当該知的財産権
が無効と認められる可能性
・第三者間での合併または買収の結果、従来、エプソンがライセンスを付与していない第三者がライセンスを保有
し、その結果、エプソンが知的財産権の競争優位性を失う可能性
・第三者との合併または買収の結果、従来、エプソンの事業に課せられなかった新たな制約が課せられる可能性お
よびこれらを解決するために支出を強いられる可能性
・エプソンが保有する知的財産権が競争優位性をもたらさない、またはその知的財産権を有効に行使できない可能
性
・エプソンまたはその顧客が第三者から知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多くの時間とコストを費
やし、または経営資源などの集中が妨げられることになる可能性
・第三者からの侵害の主張が認められた場合に多額の賠償金やロイヤリティの支払い、該当技術の使用差し止めな
どの損害が発生する可能性
・エプソンの従業員などにより発明などに対する報酬に関する訴訟が提起され、その解決のために多くの時間とコ
ストを強いられる可能性、その結果、多額の報酬の支払いが決定される可能性
⑨環境問題について
エプソンは、国内外において製造過程で発生する廃棄物および大気中への排出物などについて、さまざまな環境
規制を受けています。さらに、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)にて採択されたパリ協定によ
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り、世界的な気候変動への対応に関心が高まるなか、企業としてもより高い削減目標を掲げて取り組む必要性が増
しています。
かかる状況のもと、エプソンは、2050年に「カーボンマイナス」と「地下資源(※6)消費ゼロ」の達成を目指
す「環境ビジョン2050」に基づき、環境負荷を低減した製品の開発・製造、環境技術の開発、使用エネルギー量の
削減、使用済み製品の回収・リサイクル・再生利用の推進、国際的な化学物質規制(主に欧州のRoHS指令やREACH
規則)への対応および環境管理システムの改善など、多くの側面から環境保全活動に取り組んでいます。GHGの排
出削減目標に関しては、SBTi(Science Based Targets initiative)の承認を受けるとともに、2023年のグローバ
ルRE100達成に向けて、再生可能エネルギーの導入拡大を含め、中長期に向けた削減活動を推進しています。
こうした活動の結果、エプソンの2021年度のGHG排出量(スコープ1、2)は35万トンとなり、基準年度である
2017年度比で41%削減となりました。2021年11月より国内拠点で使用する電力の再生可能エネルギーへの転換を完
了し、これによりグローバルでの再生可能エネルギー利用比率を約49%まで高めています(電力ベース)。
エプソンでは、これまで重大な環境問題が発生したことはありませんが、将来において環境問題が発生し、損害
の賠償や浄化などの費用負担、罰金または生産中止などの影響を受ける可能性、あるいは新しい規制が施行され多
額の費用負担が必要となる可能性があり、このような事態が実現した場合には、エプソンの経営成績などに影響を
及ぼす可能性があります。
一方で、エプソンは環境への対応を機会と捉えた取り組みを進めています。特にお客様のもとでの環境負低減に
貢献できる商品・サービスで事業拡大の機会があると確認しており、機会を最大化する経営を継続していきます。
具体的には、環境負荷低減・生産性向上・印刷コスト低減を実現するインクジェット技術によるプリンティング、
商業・産業プリンティング、プリントヘッド外販と、環境負荷低減を実現する新生産装置の拡充による生産システ
ムの提供により、売上収益成長を見込みます。加えて、地球温暖化対策やサーキュラーエコノミーへのシフトに有
効なソリューションとして、ドライファイバーテクノロジー応用や原料リサイクル技術確立などによる環境ビジネ
スの展開を見込んでおります。
※6 原油・金属などの枯渇性資源
⑩人材の確保について
エプソンの高度な新技術・新製品の開発・製造には、国内外における優秀な人材の確保が重要ですが、これらの
人材の獲得競争は激しいものとなっています。エプソンは、役割に基づいた処遇制度の導入、人材育成、ダイバー
シティの取り組み、働き方改革と健康経営の推進および現地人材の積極的な登用などにより、多様な人材がその能
力を発揮できる風土づくりや働きやすい環境づくりを推進し優秀な人材の確保に努めていますが、仮にこれらの人
材を十分に採用または雇用し続けることができない場合や、技術などの継承が適切にできない場合には、エプソン
の事業計画の遂行などに影響を及ぼす可能性があります。
⑪為替変動について
エプソンの売上収益の相当部分は、米ドルおよびユーロなどの外貨建てとなっています。エプソンは、海外調達
の拡大および生産拠点の海外移転などを進めたことにより、現状、米ドル建ての費用は米ドル建ての売上収益を上
回る状況となっていますが、一方でユーロ建ての売上収益は依然としてユーロ建ての費用よりもかなり多い状況に
あります。また、これら以外の外国通貨についても、全般的に売上収益が費用をかなり上回っています。エプソン
は、為替変動リスクをヘッジするために為替予約取引などを行っていますが、米ドル、ユーロおよびこれら以外の
外国通貨の日本円に対する為替変動は、エプソンの財政状態および経営成績などに影響を及ぼす可能性がありま
す。
⑫年金制度について
エプソンの設けている確定給付型の制度として、確定給付企業年金制度および退職一時金制度があります。
エプソンは、確定給付型の退職年金制度について、年金資産の運用収益率の低下や受給権者の増加といった状況
を踏まえ、今後の環境変化に適応するとともに、将来にわたり安定的に維持運営することを目的として2014年4月
に制度改定を実施しましたが、年金資産の運用成績の変動および退職給付債務の数理計算の基礎となる割引率の見
積数値の変動などが発生した場合には、エプソンの財政状態および経営成績などに影響を及ぼす可能性がありま
す。
⑬法規制および関係当局などによる調査について
エプソンは、グローバルに事業を展開しており、各国・各地域および各事業におけるさまざまな法規制や関係当
局などによる調査の対象になる場合があります。例えば、エプソンは、現在、私的独占の禁止および公正取引の確
保に関する法律など、国内外の独占禁止法令に基づく手続の対象となっているほか、今後、公的機関などを含む新
規顧客への営業活動の強化にあたり、これらの活動に関係する各種の法規制やコンプライアンス(法令遵守)への
対応が一層求められることがあります。
このような状況を踏まえ、エプソンでは、従来より、コンプライアンスを重要な経営方針のひとつとして位置付
け、適宜、未然防止・制御活動(RBA(Responsible Business Alliance)加盟による労働者保護や環境保全活動の
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さらなる促進を含む)を展開していますが、今後も海外の競争法関係当局が特定の業界などを対象に調査または情
報収集を行うことがあり、その一環としてエプソンも市場状況および販売方法一般に関する調査などを受けること
が あります。また、腐敗防止法規制、広告・表示規制、個人情報保護・プライバシー規制のほか、安全保障貿易管
理などにおいて、関係法令などへの抵触またはそのおそれが生じることや、より厳格な法規制の導入や関係当局に
よる法令運用の強化が行われることがあります。
これらの関連法規の違反があった場合や関係当局による調査・手続が実施された場合には、エプソンの販売活動
に支障が生じ、またはエプソンの社会的信用を損なうこと、もしくは多額の制裁金が課されることがあるほか、事
業活動に制約が生じるおそれがあるとともに、かかる法規制を遵守するための費用が増加することなどにより、エ
プソンの経営成績や今後の事業展開などに影響を及ぼす可能性があります。
有価証券報告書提出日現在、エプソンに対する法規制などに基づく調査は、次のとおりです。
フランスにおいて販売されるインクジェットプリンター製品に関し、2017年に同国の消費者団体による消費者保
護法に基づく申し立てがなされ、当局による調査が開始されています。なお、同消費者団体が主張するような製品
の寿命を短くしているという意図はなく、エプソンは、今後とも品質や環境をもっとも重視し、お客様のニーズに
合わせた設計をしてまいります。
現時点においてかかる調査の進展、結果および終結の時期ならびにそのエプソンの経営成績および今後の事業展
開などへの影響を予測することは困難です。
⑭重要な訴訟について
エプソンは、プリンティングソリューションズ事業、ビジュアルコミュニケーション事業およびマニュファク
チャリング関連・ウエアラブル事業などに関する各製品の開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提
供を主な事業として、国内外においてさまざまな事業活動を展開していますが、その事業の特性上、知的財産権、
製造物責任、独占禁止法、環境規制などに関連して訴訟が提起される場合や、法的手続が開始される可能性があり
ます。
有価証券報告書提出日現在、エプソンに係争している重要な訴訟は、次のとおりです。
当社の連結子会社であるEpson Europe B.V.(以下「EEB」という。)は、2010年にベルギーにおける著作権料徴
収団体であるLa SCRL REPROBEL(以下「REPROBEL」という。)に対して、マルチファンクションプリンターに関す
る著作権料の返還などを求める民事訴訟を提起しました。その後、REPROBELがEEBを提訴したことにより、これら
二つの訴訟は併合され、かかる訴訟の第1審ではEEBの主張を棄却する判決がなされましたが、EEBは、これを不服
として上訴する方針です。
現時点において上記の訴訟の結果および終結の時期を予測することは困難ですが、訴訟または法的手続の結果に
よっては、エプソンの経営成績や今後の事業展開などに影響を及ぼす可能性があります。
⑮財務報告に関する内部統制について
エプソンは、財務報告の信頼性に関する内部統制の構築および運用を重要な経営課題のひとつとして位置付け、
グループを挙げて関係会社の管理体制などの点検・改善などに取り組んでいます。しかしながら、常に有効な内部
統制システムを構築および運用できる保証はなく、また、内部統制システムに本質的に内在する固有の限界がある
ため、今後、上記の対応が有効に機能しなかった場合や、財務報告に関する内部統制の不備または開示すべき重要
な不備が発生した場合には、エプソンの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。
⑯他社との提携について
エプソンは、事業戦略の選択肢のひとつとして、他社と業務提携などを行うことがあります。しかしながら、当
事者間における提携などの見直しにともない、提携関係が解消される可能性があるほか、提携内容の一部変更が行
われる可能性があります。また、提携などによる事業戦略が必ずしも想定どおり成功し、エプソンの経営成績など
に寄与する保証はありません。
⑰自然災害・感染症などについて
エプソンは、研究開発、調達、製造、物流、販売およびサービスの拠点を世界に展開していますが、これらの地
域において予測不可能な自然災害、新型コロナウイルス感染症などの新興感染症の流行、部品調達先などでの罹災
などによるサプライチェーン上の混乱、戦争・テロなどが発生した場合には、エプソンの経営成績や事業展開など
に影響を及ぼす可能性があります。
これらのうち、特にエプソンの主要な事業拠点が所在する長野県中部は、糸魚川静岡構造線に沿った活断層帯が
あるなど、地震発生リスクが比較的高い地域であるため、エプソンでは、設備の耐震構造強化のほか、防災訓練な
どの地震防災計画や事業継続計画の策定などにより、かかる災害にともなう影響の軽減に向けた対応を可能な範囲
において行っています。
しかしながら、長野県中部に大規模な地震が発生した場合には、これらの施策にも関わらず、エプソンが受ける
影響は甚大なものになる可能性があります。なお、エプソンは、地震により発生する損害に対しては地震保険を付
保しているものの、その補償範囲は限定されています。
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このほか、新型コロナウイルス感染拡大によるエプソンへの影響については、各国政府などからの移動制限や操
業自粛などの措置による、調達・生産・出荷・物流の停滞または大幅な遅延、国内外での個人消費・設備投資需要
の 落込みやBtoBビジネス・入札案件遅れなどが長期化または拡大した場合には、エプソンの財政状態および経営成
績に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況を踏まえ、エプソンでは、従業員とその家族、お客様・株主様を含めたすべてのステークホル
ダーの皆様の安全・健康を最優先に取り組むとともに、生産・販売活動の正常化に向けた対応を迅速に進め、これ
らの混乱からより早期に脱却を図ります。また、現時点において財務の健全性は十分保たれていますが、金融機関
とのコミットメントライン契約などにより、資金手当てに万全を期しております。
新型コロナウイルス感染拡大による影響が継続する間はもとより、沈静化した後の社会においても、例えば移動
や人との接触・対面などを必ずしも必要としない生活様式への変容など、さまざまな大きな社会の変化が進むこと
が予想されます。エプソンは、こうした社会の大きな変容に対して、長期ビジョン Epson 25 Renewedや各事業戦
略に基づく取り組みをより一層加速し、予想される社会課題の解決による事業機会に積極的に取り組むことによ
り、かかるリスクの最小化を図っていく方針です。
⑱情報セキュリティーについて
エプソンでは、情報システムにおいてネットワークの利用範囲の拡大や利用頻度の増加が続いており、その重要
性が増しています。また、グローバルな事業活動を通じて顧客の個人情報や取引先の機密データを扱っています。
セキュリティー上の脅威が年々増しているなか、コンピュータウイルスの感染、顧客データの漏洩、社内重要基幹
システムの障害発生、サイバー攻撃、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)における風評被害などが
発生した場合には、エプソンの経営成績や事業展開などに影響を及ぼす可能性があります。
これに対しエプソンでは、全従業員に情報セキュリティー教育を実施しているほか、サイバーセキュリティー対
策に関する方針を定めたグランドデザインを策定・制定し、各種施策を実施し対策を講じています。また、グロー
バルでのセキュリティー事故への対応体制の確立、サイバーセキュリティー対策についての対応計画の策定と対策
の実施、製品セキュリティーの強化などに取り組んでいく方針です。
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3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境を顧みますと、世界経済は多くの国でロックダウン解除による需要回復が進む
なか、前年マイナス成長からの反動で高水準の経済成長となりました。但し、世界経済がコロナ禍から立ち直りつ
つある中、半導体を中心とした部品不足、物流遅延による世界的なサプライチェーンの混乱は継続・長期化してい
ます。さらに、中国でのゼロコロナ政策(ロックダウン)やロシアのウクライナ侵攻により、今後もサプライ
チェーンの混乱は拡大・長期化するリスクが高まっている状況にあります。また、インフレ圧力の拡大・長期化に
より、多くの国で金融政策を引き締めに転じる等、世界経済の回復は減速となる見通しにありますので、今後の動
向をさらに注視していきます。
当連結会計年度の米ドルおよびユーロの平均為替レートはそれぞれ112.37円および130.55円と前期に比べ、米ド
ルは6%の円安、ユーロは6%の円安に推移しました。また、中国や南米など新興国の通貨については円安に推移
しました。
こうした経営環境の下、当連結会計年度の経営成績につきましては、以下のとおりとなりました。
(億円)
前連結 当連結
増減金額 増減率 主な増減理由
会計年度 会計年度
[売上収益]
売上収益 9,959 11,289 1,329 13.4%
プリンティングソリューションズ事業セグメント +887
ビジュアルコミュニケーション事業セグメント +175
売上原価 △6,435 △7,104 △668 -
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメ
ント +265
売上総利益 3,523 4,184 660 18.8%
[事業利益]
プリンティングソリューションズ事業セグメント +2
販売費及び
△2,907 △3,288 △380 -
ビジュアルコミュニケーション事業セグメント +140
一般管理費
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメ
事業利益(※) 616 896 279 45.4%
ント +177
その他の営業収益・
為替差益等の増加
△139 48 188 -
その他の営業費用
営業利益 476 944 468 98.3%
為替差益等の増加
金融収益・金融費用 △28 25 53 -
税引前利益 449 971 522 116.2%
繰延税金資産の積み増し等により費用減少
法人所得税費用 △139 △48 90 -
当期利益 309 923 613 197.8%
親会社の所有者に
309 922 613 198.4%
帰属する当期利益
※事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。
報告セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。なお、当連結会計年度より、長期ビジョン「Epson 25
Renewed」(2021年3月策定)に基づき報告セグメントの区分を変更し、「プリンティングソリューションズ事
業」、「ビジュアルコミュニケーション事業」および「マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業」の3つ
を報告セグメントとしております。各報告セグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結
財務諸表 連結財務諸表注記 7.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
オフィス・ホームプリンティング事業の売上収益は増加となりました。大容量インクタンクモデルおよびインク
カートリッジモデル本体は、在宅勤務・在宅学習需要が昨年度からは落ち着きつつあるものの、当年度も継続して
おり、物流遅延や部品調達難に伴う製品供給不足による影響は受けつつも、北米等で大容量インクタンクモデル本
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体の販売数量を伸ばし、また値上げによる価格対応も継続していることから、大幅な売上増となりました。なお、
消耗品売上につきましては、在宅印刷特需により大幅な売上増となった前期に対し、減少となりました。
商業・産業プリンティング事業の売上収益は大幅な増加となりました。大判インクジェットプリンター本体は、
製品供給不足に加え、中国では景気減速によるサイン市場の減速があったものの、欧米を中心に需要の回復と新製
品投入効果により売上増となりました。消耗品は、欧米や中国を中心に売上増となりました。小型プリンターは、
部品調達難による製品供給不足の影響を大きく受けましたが、欧米や中国を中心に小売店や飲食店向けの需要増に
対応し、売上増となりました。また、プリントヘッド外販ビジネスは、中国向けを中心に好調な販売を継続し、売
上増となりました。
プリンティングソリューションズ事業セグメントのセグメント利益は、インクカートリッジモデル消耗品売上の
減少、輸送費・部品価格の高騰等による採算悪化があったものの、大容量インクタンクモデルおよび大判インク
ジェットプリンター・小型プリンターでの増収、需給バランスに応じた価格対応、広告販促費を中心とした固定費
抑制の継続、さらに為替のプラス影響があり、前期並みとなりました。
以上の結果、プリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益は7,799億円(前期比12.8%増)、セ
グメント利益は1,064億円(同0.2%増)となりました。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
ビジュアルコミュニケーション事業の売上収益は、製品供給不足により、旺盛な需要に対応しきれない状況とな
りましたが、価格対応およびモデルミックスの良化などにより、増加となりました。
ビジュアルコミュニケーション事業のセグメント利益は、増収影響に加えて、事業構造改革に伴う費用抑制の継
続および為替のプラス影響などにより、大幅な増加となりました。
以上の結果、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は1,590億円(前期比12.4%増)、セグ
メント利益は153億円(同1,038.4%増)となりました。
(マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント)
マニュファクチャリングソリューションズ事業の売上収益は、ICテストハンドラー事業の事業譲渡に伴う売上減
があるものの、中国でのリチウムイオン電池関連顧客向け等の売上増や欧州での自動車関連向けの需要回復、米州
での医療向け需要等の獲得もあり、増加となりました。
ウエアラブル機器事業の売上収益は、好調な高級品の販売に加え、ムーブメントは回復した需要を取り込み、増
加となりました。
マイクロデバイス事業の売上収益のうち、水晶デバイスは、車載向け、および幅広い用途向けでの需要増が継続
しており、大幅な売上増となりました。また、半導体も旺盛な需要で売上増となり、事業全体で大幅な増加となり
ました。
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントのセグメント利益は、増収影響に加え、ウエアラブ
ル機器事業では事業構造改革に伴う費用抑制を進め、大幅な増加となりました。
以上の結果、マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントの売上収益は1,919億円(前期比
16.0%増)、セグメント利益は230億円(同336.0%増)となりました。
(調整額)
報告セグメントに帰属しない基礎研究に関する研究開発費や新規事業・本社機能に係る収益、費用の計上などに
より、報告セグメントの利益の合計額との調整額が△552億円(前期の調整額は△512億円)となりました。
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②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは1,108億円の収入(前期は1,332億円の収入)となりまし
た。これは当期利益が923億円であったのに対し、棚卸資産の増加282億円、法人所得税の支払額224億円などによ
る減少要因があった一方で、減価償却費及び償却費の計上645億円などの増加要因があったことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および無形資産の取得による支出438億円などがあったこ
とにより、440億円の支出(前期は574億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い214億円、社債の償還による支出200億円などがあったこ
とにより、517億円の支出(前期は231億円の収入)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、3,352億円(前期は3,040億円)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
当連結会計年度
セグメントの名称 (自 2021年4月1日 前期比(%)
至 2022年3月31日)
プリンティングソリューションズ事業(百万円) 808,200 110.1
ビジュアルコミュニケーション事業(百万円) 160,687 112.1
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業
184,338 118.3
(百万円)
報告セグメント計(百万円) 1,153,227 111.6
その他(百万円) - -
合計(百万円) 1,153,227 111.6
(注)1.上記金額は、販売価格により示しており、セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には、外注製品仕入高等が含まれております。
b.受注実績
エプソンでは、製品の性質上、原則として見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
当連結会計年度
セグメントの名称 (自 2021年4月1日 前期比(%)
至 2022年3月31日)
プリンティングソリューションズ事業(百万円) 779,920 112.8
ビジュアルコミュニケーション事業(百万円) 159,034 112.4
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業
182,586 116.2
(百万円)
報告セグメント計(百万円) 1,121,540 113.3
その他(百万円) 7,373 120.6
合計(百万円) 1,128,914 113.4
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
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(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるエプソンの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在における予想や一定の前提に基づくものであ
り、これらの記載は実際の結果と異なる可能性があるとともに、その達成を保証するものではありません。
①経営成績等
(財政状態)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に対して1,051億円増加し、1兆2,664億円となりま
した。これは主に、棚卸資産の増加520億円、現金及び現金同等物の増加312億円、繰延税金資産の増加109億円
があったことなどによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に対して76億円減少し、6,006億円となりました。これは主に、仕入債務及び
その他の債務が120億円増加した一方で、社債、借入金及びリース負債が227億円減少したことなどによるもので
す。
なお、親会社の所有者に帰属する持分合計は、前連結会計年度末に対して1,147億円増加し、6,656億円となり
ました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益922億円の計上、および在外営業活動体の換算差額を
主因としたその他の包括利益439億円の計上があった一方で、配当金の支払い214億円があったことなどによるも
のです。
運転資本(流動資産から流動負債を差し引いた金額)は、前連結会計年度末と比較して683億円増加し、5,024
億円となりました。
(経営成績)
経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状
況」に記載のとおりです。
②資金の源泉および流動性
当連結会計年度後1年間の設備投資計画金額は710億円であり、所要資金につきましては、内部資金によりま
かなう予定です。セグメントごとの設備投資計画金額につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、
除却等の計画」に記載のとおりです。なお、上記設備投資計画金額には、リースによる設備投資を含めておりま
す。
エプソンでは、設備投資等の事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用および金融機関
からの借入と社債の発行により資金を調達しております。
有利子負債の当連結会計年度末残高は、社債の償還などにより前連結会計年度と比較して227億円減少し、
2,431億円となりました。現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度と比較して312億円増
加し、3,352億円となりました。手元流動性は十分に確保しております。
また、コロナ禍による先行きが不透明な中、有事に備えた財務基盤強化の一環として、2020年5月に主要行と
の間で、環境評価融資商品のコミットメントライン契約を締結しました。なお、当連結会計年度末における当該
コミットメントライン契約に基づく借入実行残高はありません。
なお、エプソンは、株式会社格付投資情報センターから信用格付を取得しており、当連結会計年度末におい
て、A(シングルA)となっております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
エプソンは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、社会課
題の解決のために、創業当時からの独自の強みである「省・小・精の技術」を基盤として、自らの常識やビジョ
ンを超えて果敢に挑戦し、イノベーションを起こすことに取り組んでいます。そして、全社員が価値観を共有の
うえ総合力を発揮しつつ、自律的に行動するように努めています。これにより、画期的なお客様価値を継続的か
つタイムリーに創造・提供し、より良い社会の構築に「なくてはならない会社」として中心的な役割を果たすと
ともに、持続的成長および中長期的な企業価値向上を実現してまいります。
エプソンは、将来にわたって追求する「ありたい姿」として設定した「持続可能でこころ豊かな社会の実現」
に向け、2021年3月に長期ビジョンを見直し、「Epson 25 Renewed」を策定しました。また、エプソンとして重
視している環境問題への対応では、「環境ビジョン2050」を改定し、2050年に「カーボンマイナス」と「地下資
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源(※)消費ゼロ」の達成を目指すこととしました。
※ 原油、金属などの枯渇性資源
なお、当該長期ビジョンの実現に向けて設定した財務目標の進捗状況は「第2 事業の状況 1 経営方針、
経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
④重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
エプソンの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により
IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基
準に基づいて実施しております。
なお、エプソンの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針
4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載しております。
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4【経営上の重要な契約等】
相互技術援助契約
契約会社名 相手方の名称 国名 契約内容 契約期間
2018年3月28日から許
情報関連機器に関する
HP Inc.
当社 アメリカ 諾特許の権利満了日ま
特許実施権の許諾
で
2006年4月1日から許
International Business Machines
情報関連機器に関する
当社 アメリカ 諾特許の権利満了日ま
特許実施権の許諾
Corporation
で
情報関連機器およびこ
2006年9月29日から許
れに用いるソフトウェ
Microsoft Corporation
当社 アメリカ 諾特許の権利満了日ま
アに関する特許実施権
で
の許諾
2006年10月1日から許
情報関連機器に関する
Eastman Kodak Company
当社 アメリカ 諾特許の権利満了日ま
特許実施権の許諾
で
電子写真およびインク
2008年3月31日から許
ジェットプリンターに
Xerox Corporation
当社 アメリカ 諾特許の権利満了日ま
関する特許実施権の許
で
諾
2008年8月22日から許
情報関連機器に関する
当社 キヤノン株式会社 日本 諾特許の権利満了日ま
特許実施権の許諾
で
2018年6月28日から許
情報関連機器に関する
当社 ブラザー工業株式会社 日本 諾特許の権利満了日ま
特許実施権の許諾
で
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5【研究開発活動】
エプソンは、創業当時からの独自の強みである「省・小・精の技術」に加え、デジタル技術により、人・モノ・情
報がつながる、持続可能でこころ豊かな社会を共創することを目指しています。そのための経営基盤強化の取り組み
のひとつとして研究開発活動を位置づけ、イノベーションを実現するための基盤技術、コア技術、製品技術の進化を
推し進めています。なかでも今後は材料、AI、デジタル技術を特に強化していくこととし、成長領域や新領域を中心
に、ものづくり基盤の強化に加え、新規事業創出や事業強化などのための技術基盤の構築のほか、各事業における製
品の競争力向上などに本社開発部門および事業部開発部門が連携のうえ取り組んでいます。技術開発においては「共
創」を重要なファクターとし、開発の初期段階となる試行錯誤のプロセスから多くの知見ある方々の参画により、検
証をしっかり行いながら開発を進めていくという「開発のフロントローディング化」を進めていきます。これによ
り、課題を解決するサイクルを早く回して開発の質を高めることで、商品化・事業化までのスピードアップを図って
いきます。
当連結会計年度の研究開発費総額は 460 億円であり、各セグメントの内訳は、プリンティングソリューションズ事
業が 183 億円、ビジュアルコミュニケーション事業が 55 億円、マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業が 59
億円、その他および全社が161億円です。
各セグメントの主な開発成果は、次のとおりです。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
商業・産業プリンティング事業においては、SureColorシリーズ初の6色機として、ポスター出力に適した大判イ
ンクジェットプリンター2機種を発売しました。「SC-T7750D」は鮮やかな赤を含むPOPポスターに適したレッドイン
ク搭載B0プラス対応モデル、「SC-P8550D」は人肌など階調性重視の高品位ポスターに適したグレーインク搭載B0プ
ラス対応モデルです。新エンジン搭載のPSユニット(※1)標準搭載で、透明・特色レイヤー、オーバープリント処
理など特殊な加工を持つPDFファイル印刷に対しての印刷処理を速く正確に実現しました。両機種の本体は、奥行き
50センチの薄い箱型形状で、設置面積を従来機から約25%削減(※2)しました。
捺染市場向けには、インクジェットデジタル捺染機Monna Lisa(モナリザ)シリーズの新商品として、「ML-
64000」を発売しました。アパレルやファッション業界では環境負荷を考慮したサステナブルなファッションへの取
り組みが急速に拡がっています。捺染市場においても、持続可能な社会の実現に向けて、環境負荷を軽減する生産工
程の実現と作業負担の低減に貢献するデジタル捺染へのシフトが進んでいます。「ML-64000」は、最新の
PrecisionCoreプリントヘッドを64個搭載し、標準モードで毎時774平方メートル(600x600dpi–2Pass)の高速印刷
で、高い生産性を実現しました。各プリントヘッドチップの波形を個別に制御する「Dynamic Alignment Stabilizer
(DAS)」技術により、高精度かつ高密度のドット配置を行い安定した印捺品質を提供します。
プリントヘッドでは、高画質・高速印刷をより簡単に実装できるサイネージ向けプリントヘッド「T3200」発売し
ました。ひとつのプリントヘッドでCMYK4色インクによる高速・高画質印刷の実現が可能です。さらにプリントヘッ
ドにヒーターを内蔵することで、さまざまな粘度のUVインクに対応し、特にサイネージや商品パッケージの印刷に対
して最適なデジタル印刷環境を提供することができます。
また、広くデザインに関わる業務において色合わせの課題解決を目指す商品として、分光測色方式の測色器「SD-
10」を発売しました。同商品は、環状に並んだ9つの光源を使って、早く正確に色を測定します。メディア表面の凹
凸の形を拾わず、一度で正確な数値が出せるため、色合わせにかかる時間を削減できます。これまで正確に色合わせ
を行う作業は、経験や勘など、特定オペレーターに依存するケースが多く見られました。測色器を使うことで、誰で
も簡単に専門的な知識がなくても色を測り数値化できるため、業務を標準化することができます。
※1 Adobe ® PostScript ® 対応。PSユニットとSSDの両方装着できます。PSユニット単体の場合、本体での再印刷
はできません
※2 「SC-P8050」との比較において
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
ビジネスプロジェクターでは、高コントラストな映像投写を実現するレーザー光源搭載の6機種8モデルを発売し
ました。企業や学校の中~大会議室・講堂など広い空間の後ろからでも見やすく、明るく鮮やかな大画面投写が可能
です。スタンダードモデルは、上下(50%)左右(20%)のレンズシフト機能搭載で、設置場所の自由度が広がりま
す。高輝モデルは、1画素を斜めに0.5画素シフトさせる「4Kエンハンスメントテクノロジー」により、4K相当のス
クリーン解像度を実現しました。大空間にふさわしい高精細な高画質映像を投写します。
ホームプロジェクターでは、3LCD方式のホームプロジェクター「dreamio(ドリーミオ)シリーズ」の新商品2機
種を発売しました。「EH-LS12000」は、4K対応(※3)で、圧倒的な高画質映像を大画面で楽しめます。2,700lmの
明るい映像と、レーザー光源による高コントラストを実現しました。また新たに、コントラストを自動で調整し、映
像の一部分を鮮やかでメリハリのある映像にする「自動コントラスト強調」や、シーンに応じて階調表現を最適化
し、メリハリのある映像を実現する「シーン適応ガンマ補正」を搭載しました。「EH-TW5825」は、気軽に動画配信
サービスなどを大画面でお楽しみいただきたい方をターゲットにした、明るさ2,700lm・Full HDの映像投写が可能な
モデルです。
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※3 2軸シフトテクノロジーを採用したスクリーン上の解像度
(マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント)
マニュファクチャリングソリューションズ事業においては、汎用材料が使用できる新しい産業用3Dプリンターを開
発しました。エプソンの小型射出成形機に搭載されているフラットスクリュ(※4)による独自の材料押出方式を採
用したことで、一般的に価格が安く入手しやすいペレット材(樹脂・金属)、環境に配慮したバイオマスペレット
材、高い耐熱性を実現できるPEEK材など、さまざまな汎用的な材料を使用できることが特長です。さらにヘッド内の
圧力制御や造形速度と連動したバルブ調整により、材料の射出量を精密に制御するとともに、部品の強度を出す際に
課題となる造形面の温度制御も独自機構により繊細に管理することで、造形部品の精度と強度の両立を実現しまし
た。汎用材料で造形物の精度と強度を両立したことで、最終製品向けの工業部品への展開が実現しやすい仕様とな
り、お客様の個々のニーズに合わせた多品種部品をより高品質・短納期・低コストで生産するマスカスタマイゼー
ションの推進に貢献します。
マイクロデバイス他においては、高性能な6軸センサーを搭載した慣性計測ユニット(IMU)(※5)「M-
G370PDS0」を開発しました。近年、空中・海中など無人機による映像撮影・測量など利活用分野が広がり、より正確
な位置・姿勢制御のニーズが増大しています。それにともないIMUには姿勢制御において重要とされる精度、特にノ
イズ性能への要求が高まっています。同製品は、機器やシステムに発生するわずかな姿勢変化をセンサーノイズに埋
もれさせることなく、より正確に検知することが可能となります。さらに、小型・軽量・低消費電力の特長により、
お客様製品の小型化、軽量化にも貢献します。
※4 インラインスクリュをフラット化した技術
※5 IMU:Inertial Measurement Unit 3軸の角速度センサーと3軸の加速度センサーからなる慣性運動量を検
出する装置
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第3【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資については、重点戦略分野へ経営資源を集中し、将来の事業の育成と今後の成長の実現
に向けて、新製品対応や生産能力増強のほか、合理化・維持更新などを中心に設備投資を実施しました。また、安定
的な資金創出の観点から、引き続き投資の厳選と既存設備の効率的な活用などにも取り組みました。
この結果、当連結会計年度における設備投資総額(有形固定資産およびソフトウェア)は 482 億円となりました。
なお、生産能力に重要な影響を及ぼす設備の売却、撤去などはありません。
セグメントごとの設備投資の概要は、次のとおりです。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
プリンターなどの新製品対応、生産能力増強および合理化・維持更新などに係る投資を行った結果、当連結会計年
度の設備投資金額は 284 億円となりました。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
液晶プロジェクターなどの新製品対応、生産能力増強および合理化・維持更新などに係る投資を行った結果、当連
結会計年度の設備投資金額は 41 億円となりました。
(マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント)
FA機器、ウオッチ、水晶デバイス、半導体などの新製品対応、生産能力増強および合理化・維持更新などに係る投
資を行った結果、当連結会計年度の設備投資金額は 113 億円となりました。
(その他および全社)
研究開発体制強化およびグローバル経営データベース化・システム統一化などに係る投資を行った結果、当連結会
計年度の設備投資金額は43億円となりました。
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2【主要な設備の状況】
エプソンにおける主要な設備は、次のとおりです。
(1)提出会社
(2022年3月31日現在)
帳簿価額(百万円)
セグメントの 従業員数
事業所名(所在地) 設備の内容
名称
建物及び構 機械装置及 土地 (人)
その他 合計
築物 び運搬具 (面積㎡)
1,200
本社 管理全般及び
その他設備
1,297 248 (42,353) 124 2,870 448
その他
(長野県諏訪市)
[2,136]
新宿事業所(本店) 管理全般及び -
その他設備 3,436 - 41 3,477 215
その他
(東京都新宿区) (-)
3,764
松本南事業所
その他 その他設備
986 18 (179,759) 137 4,906 571
(長野県松本市)
[1,758]
プリンティン プリンター開
6,921
広丘事業所
グソリュー 発・設計及び部
48,533 20,255 (217,655) 3,543 79,255 6,237
(長野県塩尻市) ションズ 品生産設備
[14,413]
その他 研究開発設備
ビジュアルコ
ミュニケー 液晶プロジェク
876
ション ター、スマート
豊科事業所
マニュファク グラス及びFA機 2,908 1,105 (75,912) 1,066 5,957 1,659
(長野県安曇野市)
チャリング関 器開発・設計設
[33,981]
連・ウエアラ 備
ブル
プリンティン
グソリュー
プリンター部品
ションズ 1,443
諏訪南事業所 及び液晶パネル
ビジュアルコ
5,712 6,756 (113,082) 361 14,274 902
(長野県諏訪郡富士見町) 生産設備
ミュニケー
[28,909]
研究開発設備
ション
その他
ビジュアルコ
千歳事業所
液晶パネル生産 1,375
ミュニケー 2,678 4,733 96 8,883 208
(北海道千歳市) 設備
(160,528)
ション
マニュファク
1,078
ウオッチ開発・
塩尻事業所
チャリング関
設計及び生産設 1,281 233 (43,060) 58 2,651 525
(長野県塩尻市) 連・ウエアラ
備
[6,066]
ブル
マニュファク
129
伊那事業所 チャリング関 水晶デバイス開
1,588 2,732 (39,943) 187 4,638 496
連・ウエアラ 発・設計設備
(長野県上伊那郡箕輪町)
[1,502]
ブル
マニュファク
チャリング関 半導体開発・設
富士見事業所 1,996
連・ウエアラ 計設備 5,911 2,201 1,105 11,215 821
(長野県諏訪郡富士見町) (247,143)
ブル 研究開発設備
その他
マニュファク
酒田事業所
チャリング関 半導体生産設備 2,177
7,856 3,207 282 13,524 27
(山形県酒田市) 連・ウエアラ 等
(538,828)
ブル
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帳簿価額(百万円)
セグメントの 従業員数
事業所名(所在地) 設備の内容
名称
建物及び構 機械装置及 土地 (人)
その他 合計
築物 び運搬具
(面積㎡)
マニュファク
日野事業所
チャリング関 3,221
その他設備 2,070 0 36 5,328 120
(東京都日野市) 連・ウエアラ (15,681)
ブル
(2)国内子会社
(2022年3月31日現在)
帳簿価額(百万円)
従業員数
セグメントの
設備の内容
会社名(所在地)
名称 土地 (人)
建物及び構 機械装置及
その他 合計
築物 び運搬具 (面積㎡)
プリンティン
グソリュー
ションズ プリンター部品
東北エプソン㈱ -
マニュファク 及び半導体生産 2 12 314 330 2,165
(山形県酒田市) (-)
チャリング関 設備
連・ウエアラ
ブル
プリンティン
グソリュー
プリンター部品
ションズ
秋田エプソン㈱ 及びウオッチ 711
マニュファク 4,236 67 244 5,259 1,120
ムーブメント生
(秋田県湯沢市) (89,011)
チャリング関
産設備
連・ウエアラ
ブル
マニュファク
859
エプソンアトミックス㈱ チャリング関 金属粉末等生産
3,956 2,846 (30,653) 281 7,943 343
(青森県八戸市) 連・ウエアラ 設備
[33,991]
ブル
(3)在外子会社
(2022年3月31日現在)
帳簿価額(百万円)
セグメントの 従業員数
設備の内容
会社名(所在地)
名称 土地 (人)
建物及び構 機械装置及
その他 合計
築物 び運搬具 (面積㎡)
プリンティン
グソリュー
ションズ
ビジュアルコ プリンター、液
Epson Engineering
353
ミュニケー 晶プロジェク
(Shenzhen) Ltd. 3,694 3,884 (-) 3,840 11,772 7,178
ション ター及びFA機器
[64,104]
(中国・深圳市)
マニュファク 生産設備
チャリング関
連・ウエアラ
ブル
マニュファク ウオッチ部品、
Singapore Epson
1,044
チャリング関 半導体生産設備
Industrial Pte. Ltd. 3,622 1,296 (-) 376 6,340 635
連・ウエアラ 及び表面処理加
[41,567]
(シンガポール)
ブル 工設備
2
プリンティン
PT. Epson Batam
プリンター消耗
グソリュー 804 3,383 (-) 299 4,489 3,453
品生産設備
(インドネシア・バタム)
ションズ
[13,233]
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帳簿価額(百万円)
セグメントの 従業員数
会社名(所在地) 設備の内容
名称
建物及び構 機械装置及 土地 (人)
その他 合計
築物 び運搬具
(面積㎡)
PT. Indonesia Epson
プリンティン 1,984
プリンター生産
グソリュー 7,239 5,949 (-) 6,278 21,451 12,788
Industry
設備
ションズ
[254,871]
(インドネシア・ブカシ)
マニュファク
Epson Precision
ウオッチ及び水
チャリング関 650
(Thailand) Ltd. 晶デバイス生産 7,092 3,654 188 11,587 1,924
連・ウエアラ
(97,435)
設備
(タイ・チャチェンサオ)
ブル
プリンティン
グソリュー
Epson Precision
プリンター及び 1,763
ションズ
(Philippines), Inc. 液晶プロジェク 27,238 8,770 (117,489) 3,832 41,605 18,637
ビジュアルコ
ター生産設備 [130,000]
(フィリピン・リパ)
ミュニケー
ション
Epson Precision
マニュファク
Malaysia Sdn. Bhd. チャリング関 水晶デバイス生 340
349 3,135 23 3,849 1,624
連・ウエアラ 産設備
(32,437)
(マレーシア・クアラルン
ブル
プール)
(注)1.上記金額には、使用権資産を含めております。
2.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、その他有形固定資産であり、建設仮勘定は含んでおり
ません。
3.土地の一部を連結会社以外から賃借しております。賃借している土地の面積については、[ ]で外書きし
ております。
4.東北エプソン㈱は、酒田事業所の設備の一部を使用しております。
5.Epson Precision (Philippines), Inc.の各数値は連結決算数値です。
6.上記帳簿価額は、連結調整後の金額です。
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3【設備の新設、除却等の計画】
エプソンの当連結会計年度後1年間の設備投資計画金額は710億円であり、セグメントごとの内訳は次のとおりで
す。
セグメントの名称 設備投資計画金額(億円) 設備等の主な内容・目的
プリンティングソリュー
400 新製品対応、自動化・維持更新 等
ションズ事業
ビジュアルコミュニケー
60 新製品対応、自動化・維持更新 等
ション事業
マニュファクチャリング関
170 新製品対応、自動化・維持更新 等
連・ウエアラブル事業
その他および全社 80 研究開発、環境投資、自動化・維持更新 等
合計 710 -
(注)1.上記金額には、リースによる設備投資を含めております。
2.所要資金につきましては、内部資金によりまかなう予定です。
3.経常的な設備の更新のための除却・売却を除き、重要な設備の除却・売却の計画はありません。
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第4【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
種類 発行可能株式総数(株)
普通株式 1,214,916,736
計 1,214,916,736
②【発行済株式】
上場金融商品取引所名又
事業年度末現在発行数(株) 提出日現在発行数(株)
種類 は登録認可金融商品取引 内容
(2022年3月31日) (2022年6月29日)
業協会名
権利内容に何ら
東京証券取引所
限定のない当社
市場第一部
における標準と
399,634,778 399,634,778
普通株式 (事業年度末現在)
なる株式であ
プライム市場
り、単元株式数
(提出日現在)
は100株です。
399,634,778 399,634,778
計 - -
(2)【新株予約権等の状況】
①【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
発行済株式 発行済株式 資本準備金 資本準備金
資本金増減額 資本金残高
年月日 総数増減数 総数残高 増減額 残高
(百万円) (百万円)
(株) (株) (百万円) (百万円)
2015年4月1日
199,817,389 399,634,778 - 53,204 - 84,321
(注)
(注)普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行ったことによるものです。
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(5)【所有者別状況】
2022年3月31日現在
株式の状況(1単元の株式数 100 株)
単元未満株
区分 外国法人等 式の状況
政府及び地 金融商品取 その他の法
金融機関 個人その他 計 (株)
方公共団体 引業者 人
個人以外 個人
株主数(人) - 61 39 356 693 34 38,154 39,337 -
所有株式数
- 1,466,980 123,765 492,443 831,521 153 1,080,348 3,995,210 113,778
(単元)
所有株式数の
- 36.71 3.10 12.32 20.81 0.00 27.06 100.00 -
割合(%)
(注)1.自己株式53,445,399株は、「個人その他」に534,453単元および「単元未満株式の状況」に99株を含めて記
載しております。なお、自己株式には役員報酬BIP信託が所有する当社株式(170,607株)を含んでおりませ
ん。
2.「その他の法人」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が6単元含まれております。
(6)【大株主の状況】
2022年3月31日現在
発行済株式(自己
株式を除く。)の
氏名又は名称 住所 所有株式数(株) 総数に対する所有
株式数の割合
(%)
日本マスタートラスト信託銀行株式
東京都港区浜松町2-11-3 78,047,300 22.54
会社(信託口)
株式会社日本カストディ銀行(信託
東京都中央区晴海1-8-12 25,447,000 7.35
口)
東京都中央区銀座5-6-1 20,000,000 5.77
三光起業株式会社
東京都中央区銀座4-5-11 12,000,000 3.46
セイコーホールディングス株式会社
みずほ信託銀行株式会社 退職給付
東京都中央区晴海1-8-12 8,153,800 2.35
信託 みずほ銀行口 再信託受託者
株式会社日本カストディ銀行
長野県諏訪市大和3-3-5 7,421,350 2.14
エプソングループ従業員持株会
6,855,302 1.98
城戸崎 美紀子 東京都港区
株式会社日本カストディ銀行(証券
東京都中央区晴海1-8-12 6,285,800 1.81
投資信託口)
第一生命保険株式会社
東京都千代田区有楽町1-13-1
6,115,200 1.76
(常任代理人 株式会社日本カスト
(東京都中央区晴海1-8-12)
ディ銀行)
STATE STREET BANK WEST CLIENT -
1776 HERITAGE DRIVE, NORTH
TREATY 505234
4,686,577 1.35
QUINCY, MA 02171, U.S.A.
(常任代理人 株式会社みずほ銀
(東京都港区港南2-15-1)
行)
175,012,329 50.55
計 -
(注)1.当社は、自己株式53,445,399株を所有しておりますが、上記大株主の状況から除外しております(発行済株
式総数に対する所有株式数の割合13.37%)。なお、自己株式には役員報酬BIP信託が所有する当社株式
(170,607株)を含んでおりません。
2.みずほ信託銀行株式会社 退職給付信託 みずほ銀行口 再信託受託者 株式会社日本カストディ銀行の所
有株式は、株式会社みずほ銀行が退職給付信託の信託財産に拠出したものです。
3.野村證券株式会社およびその共同保有者から2021年5月12日付で関東財務局長に提出された変更報告書によ
り、2021年4月30日現在でそれぞれ以下のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社と
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して議決権行使基準日における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めており
ません。
保有株券等の数 株券等保有割合
氏名又は名称 住所
(株) (%)
ノムラ インターナショナ
1 Angel Lane, London EC4R 3AB,
ル ピーエルシー(NOMURA
473,033 0.12
United Kingdom
INTERNATIONAL PLC)
野村アセットマネジメント
東京都江東区豊洲2-2-1 35,016,800 8.76
株式会社
計 - 35,489,833 8.88
4.三井住友信託銀行株式会社およびその共同保有者から2021年12月6日付で関東財務局長に提出された変更報
告書により、2021年11月30日現在でそれぞれ以下のとおり株式を保有している旨の報告を受けております
が、当社として議決権行使基準日における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には
含めておりません。
保有株券等の数 株券等保有割合
氏名又は名称 住所
(株) (%)
三井住友トラスト・アセッ
東京都港区芝公園1-1-1 9,337,100 2.34
トマネジメント株式会社
日興アセットマネジメント
東京都港区赤坂9-7-1 14,108,300 3.53
株式会社
計 - 23,445,400 5.87
5.株式会社みずほ銀行およびその共同保有者から2021年12月7日付で関東財務局長に提出された変更報告書に
より、2021年11月30日現在でそれぞれ以下のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社
として議決権行使基準日における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めてお
りません。
保有株券等の数 株券等保有割合
氏名又は名称 住所
(株) (%)
株式会社みずほ銀行 東京都千代田区大手町1-5-5 12,172,000 3.05
みずほ信託銀行株式会社 東京都千代田区丸の内1-3-3 400,000 0.10
アセットマネジメントOne
東京都千代田区丸の内1-8-2 10,342,306 2.59
株式会社
計 - 22,914,306 5.73
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(7)【議決権の状況】
①【発行済株式】
2022年3月31日現在
区分 株式数(株) 議決権の数(個) 内容
無議決権株式 - - -
議決権制限株式(自己株式等) - - -
議決権制限株式(その他) - - -
53,445,300
完全議決権株式(自己株式等) 普通株式 - -
346,075,700 3,460,757
完全議決権株式(その他) 普通株式 -
113,778
単元未満株式 普通株式 - -
399,634,778
発行済株式総数 - -
3,460,757
総株主の議決権 - -
(注)「完全議決権株式(その他)」欄には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式170,607株(議決権の数1,706個)
および証券保管振替機構名義の株式600株(議決権の数6個)が含まれております。
②【自己株式等】
2022年3月31日現在
発行済株式総数に
所有者の氏名又は 自己名義所有株 他人名義所有株 所有株式数の合
所有者の住所 対する所有株式数
名称 式数(株) 式数(株) 計(株)
の割合(%)
東京都新宿区新宿
セイコーエプソン
53,445,300 53,445,300 13.37
-
4-1-6
株式会社
53,445,300 53,445,300 13.37
計 - -
(注)上記のほか、役員報酬BIP信託が所有する当社株式170,607株を連結財務諸表上および財務諸表上、自己株式とし
て処理しております。
(8)【役員・従業員株式所有制度の内容】
(業績連動型株式報酬制度)
当社は、当社取締役および当社と委任契約を締結している執行役員(社外取締役および監査等委員である取締
役などの業務執行から独立した立場にある者ならびに海外居住者を除く。以下、「本制度対象役員」という。)
を対象に、株主の皆様との利益共有意識を強化するとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値向上へのコ
ミットメントを示すことを目的として、2017年3月31日で終了する事業年度より、透明性・公平性の高い業績連
動型株式報酬制度(以下「本制度」という。)を導入しています。2019年5月16日開催の取締役会において、
2020年3月31日で終了する事業年度から2022年3月31日で終了する事業年度までの3年間を対象期間として、本
制度を継続することを決議しております。
なお、当社は、2022年6月28日開催の第80回定時株主総会において、本制度に替えて譲渡制限付株式報酬制度
を導入しております。これにより本制度は今後追加拠出を行わないものとし、既に付与済みのポイントに係る当
社普通株式および当該普通株式の換価処分金相当額の金銭の交付および給付が完了次第、終了することといたし
ます。
1.制度の概要
本制度については、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」という。)と称される仕組
みを採用しており、当社の事業利益、ROSおよびROEなどの中長期的な業績目標の達成度等に応じて、本制度対象
役員に交付される株数が変動する設計としています。BIP信託とは、米国の業績連動型株式報酬(Performance
Share)制度および譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)制度と同様に、役位や業績目標の達成度等に応じ
て、当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付および給付する役員向けの株式報酬制度です。
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① 当社は2019年5月16日開催の取締役会において本制度の継続を決議いたしました。
② 当社は2016年株主総会の決議により承認を受けた範囲内で金銭の追加信託を行い、受益者要件を満たす本
制度対象役員を受益者とする信託(以下、「本信託」という。)の期間を延長しております。
③ 本信託は、信託管理人の指図に従い、信託契約の変更時に信託財産内に残存する金銭および上記②で信託
された金銭を原資として、当社株式を株式市場から取得します。
④ 本信託内の当社株式に対する剰余金の分配は、他の当社株式と同様に行われ、本制度に必要な費用などに
充当されます。
⑤ 本信託内の当社株式については、信託期間を通じて、議決権を行使しないものとします。
⑥ 信託期間中、本制度対象役員は、株式交付規程に従い、毎年、役位などに応じた一定のポイント数の付与
を受け、当該ポイントが当社の中長期的な業績目標の達成度等に応じて変動します。また、本制度対象役
員は、原則としてポイントの付与から3年経過後に、かかるポイントの一定割合に相当する当社株式の交
付を受け、残りのポイントに相当する株数の当社株式については、信託契約の定めに従い、信託内で換価
した上で、換価処分金相当額の金銭を受領します。
⑦ 信託期間中の業績目標の未達成などにより、信託期間の満了時に残余株式が生じた場合、信託契約の変更
および追加信託を行うことにより本信託を継続利用するか、または、本信託から当社に当該残余株式を無
償譲渡し、当社はこれを無償で取得した上で、取締役会決議によりその消却を行う予定です。
⑧ 本信託の終了時に、受益者に分配された後の残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準
備金の範囲内で当社に帰属する予定です。また、信託費用準備金を超過する部分については、当社および
当社役員と利害関係のない団体への寄附を行う予定です。
2.信託契約の内容
① 信託の種類 特定単独運用の金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
② 信託の目的 本制度対象役員に対するインセンティブの付与
③ 委託者 当社
④ 受託者 三菱UFJ信託銀行株式会社
(共同受託者 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)
⑤ 受益者 本制度対象役員のうち受益者要件を充足する者
※一定の非違行為等があった者は、受益者要件を充足しません。
⑥ 信託管理人 専門実務家であって、当社と利害関係のない第三者
⑦ 信託契約日 2016年8月2日
⑧ 信託期間 2016年8月2日~2019年8月31日(信託契約の変更により、2022年8月31日まで
延長)
⑨ 制度開始日 2016年10月1日
⑩ 議決権行使 議決権は行使しないものとします。
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⑪ 取得株式の種類 当社普通株式
⑫ 信託金上限額 5億円(信託報酬・信託費用を含む。)
⑬ 株式の取得方法 株式市場より取得
⑭ 帰属権利者 当社
⑮ 残余財産 帰属権利者である当社が受領できる残余財産は、信託金から株式取得資金を控除
した信託費用準備金の範囲内とします。
3.信託・株式関連事務の内容
① 信託関連事務 三菱UFJ信託銀行株式会社および日本マスタートラスト信託銀行株式会社がBIP信託の受託
者となり信託関連事務を行います。
② 株式関連事務 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社が事務委託契約書に基づき受益者への当社株
式の交付事務を行います。
4.本制度対象役員に取得させる予定の株式の総数または総額
190,305株
5.本制度による受益者その他の権利を受けることができる者の範囲
本制度対象役員のうち受益者要件を充足する者
※一定の非違行為等があった者は、受益者要件を充足しません。
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2【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】 会社法第155条第3号に該当する普通株式の取得および会社法第155条第7号に該当する普通
株式の取得
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
区分 株式数(株) 価額の総額(円)
取締役会(2022年5月19日)での決議状況
33,000,000 30,000,000,000
(取得期間 2022年5月20日~2023年5月19日)
当事業年度前における取得自己株式 - -
当事業年度における取得自己株式 - -
残存決議株式の総数及び価額の総額 - -
当事業年度の末日現在の未行使割合(%) - -
当期間における取得自己株式 - -
提出日現在の未行使割合(%) 100.00 100.00
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分 株式数(株) 価額の総額(千円)
当事業年度における取得自己株式 502 1,021
当期間における取得自己株式 - -
(注)1.当期間における取得自己株式には、2022年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買
取りによる株式は含まれておりません。
2.取得自己株式には、役員報酬BIP信託が取得した当社株式は含まれておりません。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
当事業年度 当期間
区分
処分価額の総額 処分価額の総額
株式数(株) 株式数(株)
(千円) (千円)
引き受ける者の募集を行った取得自己株式 - - - -
消却の処分を行った取得自己株式 - - - -
合併、株式交換、株式交付、会社分割に係る
- - - -
移転を行った取得自己株式
その他
- - - -
( - )
保有自己株式数 53,445,399 - 53,445,399 -
(注)1.当期間における保有自己株式数には、2022年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の
買取りによる株式は含まれておりません。
2.保有自己株式数には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式(170,607株)を含んでおりません。
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3【配当政策】
当社は、お客様価値の創造を通じて持続的な事業成長を実現し、収益性の向上と経営資源の効率化などにより安定
的な資金創出に努め、成長戦略に基づく投資を最優先に行ったうえで、経営環境の変化などに耐え得る強固な財務構
造の構築と積極的な利益還元に並行して取り組むことを配当政策の基本方針としています。
この方針にしたがい、当社の本業による利益を示す事業利益(日本基準の営業利益とほぼ同じ概念の利益)から法
定実効税率相当額を控除した利益に基づき、中期的には連結配当性向40%程度を目標としたうえで、株価水準や資金
の状況などを総合的に勘案し、必要に応じて機動的に自己株式の取得を行い、より積極的な株主還元を図っていきま
す。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、これらの剰余金の配当の
決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会です。
当期の配当につきましては、当社の配当方針および安定的な配当の観点を踏まえ、1株当たり年間配当は62円とさ
せていただきました。
当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定
めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は、以下のとおりです。
決議年月日 配当金の総額(百万円) 1株当たり配当額(円)
2021年10月29日
10,731 31
取締役会決議
2022年6月28日
10,731 31
定時株主総会決議
(注)1.2021年10月29日取締役会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式に対する配当
金5百万円が含まれております。
2.2022年6月28日定時株主総会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式に対する
配当金5百万円が含まれております。
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4【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社のコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方は次のとおりです。
・株主の権利を尊重し、平等性を確保する。
・株主、お客様、地域社会、ビジネスパートナー、従業員を含むさまざまなステークホルダーの利益を考慮し、
それらステークホルダーと適切に協働する。
・会社情報を適切に開示し、透明性を確保する。
・取締役、執行役員および監査等特命役員は、その受託者責任を認識し、求められる役割・責務を果たす。
・株主との間で建設的な対話を行う。
なお、当社は、経営理念に掲げられた目指す姿を実現し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るた
め、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を実現するコーポレートガバナンスの充実・強化に継続的に取り組ん
でおります。引き続き、監査等委員会設置会社のもと、取締役会の監督機能のさらなる向上、審議の一層の充実
および経営の意思決定の迅速化を図り、コーポレートガバナンスの実効性をより一層高めてまいります。
②企業統治の体制の概要およびその体制を採用する理由
当社は機関設計として監査等委員会設置会社を採用しており、取締役会、監査等委員会および会計監査人を設
置しております。また、役員の指名・報酬などに係る任意の審議会を設置しております。
これは、経営の監視・監督機能の強化を図るとともに、取締役会における審議の一層の充実および経営陣によ
る迅速な意思決定ができる体制を構築することにより、コーポレートガバナンスの実効性をより一層高めること
を目的としております。
主な経営会議体およびその設置目的は、次のとおりです。
<取締役会>
取締役会は、株主からの委託を受け、効率的かつ実効的なコーポレートガバナンスを実現し、それを通じて、
当社が社会的使命を果たし持続的な成長と中長期的な企業価値の最大化を図ることについて責任を負っておりま
す。取締役会は、当該責任を果たすため、経営全般に対する監督機能を発揮して経営の公正性・透明性を確保す
るとともに、経営計画および事業計画の策定ならびに一定金額以上の投資案件等、重要な業務執行の決定等を通
じて、意思決定を行います。
取締役会は、後掲の「(2)役員の状況」に記載の社外取締役5名を含む10名の取締役で構成し、原則として
毎月1回および必要に応じ随時開催しております。2021年度は13回開催され、出席率は、重本氏(※1)が
87.5%、それ以外の取締役は100%となっております。なお、取締役会の議長については、非業務執行取締役で
ある取締役会長が務めております。
取締役会では、経営の基本方針、重要な業務執行に関わる事項など社内規程に定めた取締役会が決定すべき事
項について意思決定を行い、取締役会が決定すべき事項以外の業務の執行およびその決定については、業務執行
側へ委任を行い、それらの職務執行状況を監督いたします。当社は、監査等委員会設置会社のもと、経営判断の
迅速化を図り、事業推進における機動性を高めるため、一定金額以下の設備投資の決定などを中心に取締役会か
ら業務執行側への委任範囲を拡大し、取締役会の審議事項はガバナンス、資本政策、コンプライアンス、リスク
管理、メガトレンドと中長期的な戦略の審議などをはじめとした重要性の高い議案に限定しています。また、社
外取締役の構成比率を3分の1以上とすることを原則とする旨をコーポレートガバナンス基本方針に定めており
ます。
※1重本氏は2022年1月31日をもって、辞任により取締役執行役員を退任しました。
<監査等委員会>
監査等委員会は、株主からの委託を受け、独立した客観的な立場において、取締役の職務の執行を監査・監督
し、当社の健全で持続的な成長を確保する責任を負っております。また、監査等委員会は、内部統制システムの
有効性を確認し、内部監査部門等および会計監査人と連携して監査を実施しております。そして、監査等委員会
は、外部会計監査人の選任等にあたっては基本方針を定め、一定の基準に基づき外部会計監査人の独立性と監査
品質等を評価するとともに、当該方針に基づき会計監査人の選任等に関する株主総会へ提出する議案の内容を決
定いたします。さらに、監査等委員でない取締役の選任・解任・辞任および報酬等に関して検討し、株主総会に
おける意見表明の内容を決定いたします。
監査等委員会は、社外取締役である監査等委員3名を含む監査等委員4名で構成し、委員長は常勤の監査等委
員が務め、毎月1回および必要に応じて随時開催しております。
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<経営戦略会議>
経営戦略会議は、業務執行側の多様な意見を踏まえた適切な意思決定を行うことを目的とした社長の諮問機関
です。エプソングループ全体に係る重要経営テーマおよび取締役会上程事項等に関し、取締役、執行役員および
監査等特命役員が十分に審議を尽くす場として設置しております。
<コンプライアンス委員会>
コンプライアンス委員会は、コンプライアンス活動が業務執行ラインにおいて適切に執行されることを監督す
るために、コンプライアンス活動の重要事項について報告を受け審議し、その結果を取締役会へ報告・意見具申
することを機能としております。
コンプライアンス委員会は、取締役会の諮問機関として社外取締役および監査等委員である取締役から構成
し、委員長は常勤の監査等委員が務め、半期ごとおよび必要に応じて随時開催しております。また、会計監査人
および内部監査統括部門の長はオブザーバーとして出席しています。
なお、取締役会において、コンプライアンス担当役員(CCO)を選任し、コンプライアンスにおける業務執行
全般を監督・監視する体制とし、CCOは、コンプライアンス委員会に対して、コンプライアンスにおける業務執
行の状況を定期的に報告することとしております。
<取締役選考審議会・取締役報酬審議会>
当社は任意の審議機関として、取締役、執行役員および監査等特命役員の選考および報酬に関して、その透明
性および客観性を確保することを目的として、社外取締役を委員長とし、委員の過半数を社外取締役で構成する
取締役選考審議会および取締役報酬審議会をそれぞれ設置しております。なお、当該審議会は人事部門が事務局
を担当しております。
各審議会の概要は以下のとおりです。
〔構成〕
取締役選考審議会および取締役報酬審議会は、いずれの審議会とも、すべての社外取締役および代表取締役社
長により構成されております。なお、常勤の監査等委員である取締役はオブザーバーとして出席することが可能
となっております。
また、2021年6月の取締役会決議により、委員長は、委員の互選により社外取締役の中から選任する運用とし
ております。
〔取締役選考審議会の活動状況〕
2021年4月から2022年6月の定時株主総会までの期間に15回開催され、代表取締役社長の後継者計画、役員
(取締役・執行役員・監査等特命役員)の選考方針および候補者案、社外取締役選任プロセスの見直し、取締役
選考審議会の委員長の人選等について審議を行いました。
〔取締役報酬審議会の活動状況〕
2021年4月から2022年6月の定時株主総会までの期間に11回開催され、基本報酬・賞与の個別支給額、役員報
酬制度の見直し、役員報酬決定プロセスの変更、取締役報酬審議会の委員長の人選、取締役選考審議会および取
締役報酬審議会の委員長の報酬、株式報酬の業績係数、会社補償制度等について審議を行いました。
③取締役選任の考え方
当社は、取締役会の審議が多面的かつ適切に行われるためには、取締役会の多様性を確保することが有用であ
ると考えております。そのため、取締役選任については、性別、人種・民族性、出身国・国籍・文化的背景、年
齢等の区別なく、また、個々の知識・経験・能力を踏まえ、多様な人材によりバランスよく取締役会を構成する
ことを基本方針としております。
現在の取締役会はこの方針に基づき構成されており、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向け
て、経営理念、長期ビジョンを実現するための経営体制を明確にしております。当社が各取締役に対して特に期
待する分野・スキルは次のとおりです。
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※特に期待する分野を3つまで記載しております。
当社のコーポレートガバナンス体制の模式図は、次のとおりです。
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④内部統制システムの整備の状況
当社は、内部統制システム(企業集団における業務の適正を確保するための体制)の基本方針について以下の
とおりの内容を取締役会で決議し、この決議に基づき内部統制システムを適切に整備・運用しております。
当社は、経営理念を経営上の最上位概念として捉え、これを実現するために「企業行動原則」を定め、子会
社を含むグループ全体で共有するよう努めている。内部統制システム(企業集団における業務の適正を確保す
るための体制)の基本方針を以下のとおり定め、グループ全体の内部統制システムを整備する。
(1)コンプライアンス
① 「経営理念」の実践原則として「企業行動原則」を定め、その基本骨格であるコンプライアンスの基本事
項を定める規程を制定し、組織体制等を定める。
② 取締役会の諮問機関として、常勤の監査等委員を委員長とし、社外取締役および監査等委員により構成す
る「コンプライアンス委員会」を設置し、コンプライアンス活動の重要事項について随時および定期的に
報告を受け審議し、その結果を取締役会へ報告・意見具申する。また、会計監査人および内部監査統括部
門の長は、オブザーバーとしてコンプライアンス委員会に出席することができる。
③ コンプライアンス担当役員(CCO)を選任し、コンプライアンスにおける業務執行全般を監督・監視する体
制とする。また、CCOは、コンプライアンス委員会に対して、コンプライアンスにおける業務執行の状況を
定期的に報告する。
④ コンプライアンスの推進・徹底は社長指揮のもと、グループ共通のテーマについては本社各主管部門が各
事業部門および子会社と協働してグローバルに推進し、各事業の個別のテーマについては、事業部長が担
当事業に関する子会社を含めた活動を推進する体制とする。また、コンプライアンス統括部門がコンプラ
イアンス推進全般をモニタリングおよび是正・調整することにより、コンプライアンス活動の網羅性・実
効性を高める。
⑤ 子会社を含むグループ全体のコンプライアンス推進・徹底上の重要事項については、社長の諮問機関であ
り取締役等で構成する経営戦略会議において法令・社内規程・企業倫理遵守に関する活動の推進状況、重
点領域の取り組み状況等について多面的に審議することにより、コンプライアンスの実効性の確保に努め
る。
⑥ 子会社を含め、実効性の高い通報制度の整備・運用に努める。従業員がコンプライアンスに反する行為を
発見した時は、通報窓口をはじめ、その他の各種相談窓口に通報する。また、通報した者が、通報したこ
とを理由として、不利な取り扱いを受けない体制とし、相談・通報事案は、通報者が特定されない形で当
社の取締役会、監査等委員会、コンプライアンス委員会および経営戦略会議に報告する。
⑦ 社員向けWeb研修等の各種社内教育を、子会社従業員を含めて実施することにより、コンプライアンス意識
の浸透に努める。
⑧ 社長は、定期的に取締役会にコンプライアンスの執行状況に関する重要事項を報告するとともに、必要に
応じ対策を講ずる。
⑨ 「反社会的勢力」とは一切関わらない旨を「企業行動原則」に定め、社会の秩序や安全に脅威を与える反
社会的勢力に対し毅然とした行動をとることにより関係排除に取り組む。
(2)財務報告の適正性を確保するための体制
① 適正な財務報告の作成を重要な課題と認識し、社長の指示のもと、金融商品取引法の要請する評価・報告
の範囲に限定することなく、経営として整備が必要と判断した範囲も含め、財務報告に係る内部統制を適
切に整備・運用および評価できる体制を構築する。
② 財務報告内部統制の基本規程やその他の規程・基準類を整備し、グループ全体にその遵守を義務づける。
③ 財務報告に係る内部統制の構築・整備およびその運用が有効かつ適切に機能していることを継続的に評価
し、必要な是正を行う。
(3)業務執行体制
① 長期ビジョンおよび中期経営計画を策定し、グループ全体の中長期的な目標を明確にする。
② 組織管理・職務権限・業務分掌ならびに関係会社管理に関する規程を制定し、グループ全体の権限配分を
網羅的に定め、適正かつ効率的に職務の執行が行われる体制を構築する。
③ 執行に携わる者は、取締役会に対して、3ヶ月に1回以上、以下に定める事項について報告を行う。
イ.業績の状況および今後の業績見通しに関する事項
ロ.リスク管理の対応状況
ハ.重要な業務執行の状況
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(4)リスクマネジメント
① 子会社を含むグループ全体のリスク管理体制を定めるリスク管理基本規程を制定し、組織体制、リスク管
理の方法等の基本事項を定める。
② 子会社を含むグループ全体のリスク管理の総括責任者を社長とし、グループ共通のリスク管理については
本社主管部門が各事業部門および子会社と協働してグローバルに推進し、各事業固有のリスク管理につい
ては事業部長が担当事業に関する子会社を含めて推進する体制とする。さらにリスク管理統括部門を設置
し、グループ全体のリスク管理全般をモニタリングおよび是正・調整し、リスク管理活動の実効性を確保
する。
③ 会社に著しい影響を与え得る重要なリスクについては、経営戦略会議においてリスクの抽出・特定・制御
活動等について機動的・多面的に審議することにより、リスク管理の実効性の確保に努める。また、重要
リスク発現時には、所定の危機管理プログラムにしたがい社長の指揮下で全社的に速やかな初動対応をと
る体制とする。
④ 社長は、定期的に取締役会にリスク管理に関する重要事項を報告するとともに、必要に応じ対策を講ず
る。
(5)企業集団における業務の適正性確保
① グループマネジメントの基本を「商品別事業部制による事業部長の世界連結責任体制と、本社主管機能の
グローバル責任体制」とし、事業オペレーション機能を担う子会社の業務執行体制の整備に関する責任は
各事業部門の責任者が負い、グループ共通のコーポレート機能等については本社の各主管部門の責任者が
責任を負うことにより、子会社を含めた企業集団における業務の適正化に努める。
② 関係会社管理規程において、子会社の業務執行の一部について親会社である当社への事前承認または報告
事項を定めて義務付けるとともに、一定基準を満たすものについては、当社の取締役会付議事項とするこ
とにより、グループとして統制のとれた業務執行が行える体制とする。また、特定の地域においては、複
数の子会社を統括する地域統括会社を定めることにより、グループ全体における業務執行の適正化・効率
化に努める。
③ 内部監査基本規程に基づき、内部監査部門は、各事業部門および本社の各主管部門による管理・監督機能
から独立したモニタリング組織として、子会社を含むグループ全体における内部統制の体制と運用状況に
関する監査を実施し、その結果を監査対象先の責任者に通知し、改善を求めるとともに、社長および監査
等委員会に対してその内容を適時に報告することにより、グループ全体における業務の適正化に努める。
(6)職務の執行に関する情報の保存および管理
① 職務の執行に係る情報の保存および管理については、文書管理規程、稟議規程、契約書管理規程、その他
関連規程にしたがって行い、すべての取締役はこれらの文書等を常時閲覧できる体制とする。
② 情報セキュリティー基本規程に基づき子会社も含めた社内情報について機密度に応じて適切に管理するこ
とにより、情報漏洩の防止に努める。
(7)監査体制
① 監査等委員会は監査等委員会監査等規程に基づき、職務の遂行上必要と判断した場合は、監査等委員でな
い取締役、執行役員および従業員からヒアリング等を実施することができる。
② 監査等委員は経営戦略会議、経営会議などの執行サイドの重要会議に出席することができ、監査等委員で
ない取締役と同レベルの情報に基づいた監査が実施できる体制とする。また、監査等委員会に対し重要決
裁書類を定期的に回付する。
③ 監査等委員会の職務を補助するため監査等委員会室を設置する。監査等委員会室長は監査等特命役員とす
るとともに、監査等委員会室に専属の従業員を配置する。また、監査等委員会室長および監査等委員会室
に属する者は、監査等委員会を補助する職務に関し、監査等委員会の指揮命令にのみ服し、監査等委員で
ない取締役からの指揮命令を受けないものとし、その人事に関する事項は、監査等委員会の事前の同意を
得なければならない。
④ 監査等委員会による監査を組織的かつ効率的なものにするため、内部監査部門等と監査等委員会との密接
な連携を確保する体制とし、内部監査統括部門の長の任免は、監査等委員会の事前の同意を得なければな
らない。
⑤ 監査等委員会は、監査等委員会室の体制および内部監査部門等との連携体制等に関し、監査等委員会によ
る監査の実効性を妨げる事情が認められる場合、代表取締役あるいは取締役会に対してその是正を求める
ことができる。
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⑥ 監査等委員会は、内部監査部門から監査結果等について報告を受け、また必要に応じて、内部監査部門に
対して具体的指示を行うことができる。なお、内部監査部門に対する監査等委員会と社長の指示が齟齬を
きたす場合には、監査等委員会による指示が優先する。
⑦ 監査等委員会は監査等委員会監査等規程に基づき、監査等委員でない取締役、コンプライアンス統括部門
およびリスク管理統括部門等から、子会社を含めたグループ全体の管理の状況について報告または説明を
受け、関係資料を閲覧することができる。また、監査等委員会は必要に応じて、子会社の取締役、監査役
および内部監査部門等に対し、当該子会社の管理の状況について報告を求めることができる。なお、報告
した者が、報告をしたことを理由として不利な取り扱いを受けない体制とし、報告に基づき代表取締役あ
るいは取締役会等へ是正等を求める場合であっても、報告者が特定されない形とする。
⑧ 監査等委員会は会計監査人との協議を定期的に行い、監査の実効性を高めるよう努める。
⑨ 監査等委員会と代表取締役との定期的な会合を持つことにより、監査等委員会が業務執行の状況を直接把
握できる体制とする。
⑩ 監査等委員の職務執行に必要な費用は、あらかじめ適切に予算を計上する。ただし、緊急または臨時に生
じる監査等委員の職務執行に必要な費用については、都度速やかに前払または償還する。
以上
⑤取締役の定数
当社は、監査等委員でない取締役は9名以内、監査等委員である取締役は5名以内とする旨を定款に定めてお
ります。
⑥取締役の選任および解任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株
主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨および累積投票によらないものとする旨を定款に定めておりま
す。
なお、解任決議については、会社法と異なる別段の定めはしておりません。
⑦株主総会決議事項を取締役会で決議できるとした事項
(自己の株式の取得)
当社は、自己の株式の取得について、今後の経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とする
ため、取締役会の決議によって、市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めておりま
す。
(中間配当)
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として、中
間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
(取締役の責任免除)
当社は、取締役の責任免除について、取締役(業務執行取締役を除く)が期待される役割を十分に発揮できる
よう、取締役会の決議によって、会社法第423条第1項の損害賠償責任について、会社法第426条第1項に規定す
る要件に該当する場合には、賠償責任額から法令に定める最低責任限度額を控除して得た額を限度として免除す
ることができる旨を定款に定めております。
⑧責任限定契約の内容の概要
当社は非業務執行取締役である大宮英明氏、松永真理氏、川名政幸氏、白井芳夫氏、村越進氏および大塚美智
子氏との間で、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結
しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が定める額を上限としております。当該責任限
定が認められるのは、当該非業務執行取締役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失が
ない場合に限られます。
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⑨役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、以下の内容を概要とする役員等賠償責任保険契約を締結しております。
1)被保険者の範囲
a.当社の取締役、執行役員、専門役員および監査等特命役員
b.国内子会社の取締役および監査役
c.当社および国内子会社の管理職従業員
d.会社の要請または指示に基づき、当社および国内子会社以外の法人において役員の地位にある個人
e.当社および国内子会社
2)被保険者の実質的な保険料負担割合
保険料は当社負担としており、被保険者の実質的な負担割合はありません。
3)填補の対象となる保険事故の概要
被保険者の業務の遂行に起因して損害賠償請求がなされたことによって被る損害(法律上の損害賠償金お
よび訴訟費用等)について填補されます。
4)役員等の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置
違法な私的利益供与、犯罪行為等に起因する損害について填補されない旨の免責条項が付されております。
⑩会社補償契約の内容の概要
当社は、監査等委員でない取締役碓井稔氏、小川恭範氏、久保田孝一氏、瀬木達明氏、大宮英明氏および松永
真理氏ならびに監査等委員である取締役川名政幸氏、白井芳夫氏、村越進氏および大塚美智子氏と会社法第430
条の2第1項に規定する補償契約を締結しており、同項第1号の費用および同項第2号の損失を法令の定める範
囲内において当社が補償することができることとしております。
また、補償の要否およびその範囲等については、職務の適正性が損なわれないようにするための措置として取
締役会が判断を行うこととしております。
⑪株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株
主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めてお
ります。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うこと
を目的とするものです。
⑫会社の支配に関する基本方針
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」とい
う。)を次のとおり定めております。
1)基本方針の概要
当社は、創業当時からの独自の強みである「省・小・精の技術」を基盤として、自らの常識やビジョンを超え
て果敢に挑戦しイノベーションを生むことにより、画期的なお客様価値を継続的に創造し、より良い社会の実現
に「なくてはならない会社」として中心的な役割を果たすことを目指してまいります。
当社は、当社の株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えます。したがって、当社の財務および事
業の方針の決定を支配することが可能な数の株式を取得する買付提案(以下「大量取得行為」といいます。)に
応じるか否かの判断は、最終的には株主の皆様のご意思に委ねられるべきものと考えております。
もっとも、当社株式の大量取得行為に応じるか否かの株主の皆様のご判断は、適切に行われる必要があり、そ
のためには、当社株式の大量取得行為を行おうとする者および当社取締役会の双方から、株主の皆様に必要な情
報や意見等が提供されるとともに、それらを検討するために必要な時間が確保される必要があると考えておりま
す。
なお、当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の事業内容や企業価値の源泉を十分
に理解するとともに、役職員が一体となって価値創造にむけて取り組むこと、創業以来の風土を大切にしながら
創造と挑戦を続けていくこと、お客様の信頼を維持・獲得していくことの重要性を理解する者であることが必要
と考えております。
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2)基本方針の実現に資する取り組みの概要
a.基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社は、将来にわたって追求する「ありたい姿」として設定した「持続可能でこころ豊かな社会の実現」に
向け、2021年3月に長期ビジョンを見直し、「Epson 25 Renewed」を策定しました。
「ありたい姿」の実現のため、人・モノ・情報をスマートにつなげるソリューションを、個人の生活や、産
業や製造の現場にまで広く社会へ提供し、お客様価値を継続的に創造してまいります。
b.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するため
の取り組み
当社は、当社株式の大量取得行為を行おうとする者に対しては、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・
向上する観点から、当該大量取得行為の是非を適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求めたうえ
で、当該大量取得行為に対する当社取締役会の意見等を開示することで、株主の皆様が当該大量取得行為の是
非を検討するために必要な期間および情報の確保に努めるほか、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基
づき、適切な措置を講じてまいります。
3)具体的取り組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
上記の取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するためのものであり、当社の株主共
同の利益を損なうものではなく、また、上記の基本方針に沿うものであります。さらに、これらの取り組みは、
当社の取締役の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
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(2)【役員の状況】
①役員一覧
男性 8 名 女性 2 名(役員のうち女性の比率 20.0 %)
所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1979年11月 信州精器株式会社(現 当社)入社
1997年4月 当社情報画像事業本部IJ開発設計部
長
2002年4月 当社情報画像事業本部副事業本部長
2002年6月 当社取締役
2004年11月 当社研究開発本部副本部長
2005年11月 当社生産技術開発本部長
取締役会長 碓井 稔 1955年4月22日 生 ※1 199,000
2007年7月 当社研究開発本部長
2007年10月 当社常務取締役
2008年6月 当社代表取締役社長
2020年4月 当社取締役会長(現任)
2021年6月 株式会社IHI 社外取締役(現任)
住友ファーマ株式会社 社外取締役
(現任)
1988年4月 当社入社
2008年4月 当社VI事業推進部長
2008年10月 当社VI企画設計部長
2017年4月 当社ビジュアルプロダクツ事業部長
2017年6月 当社執行役員
2018年6月 当社取締役 執行役員
代表取締役社長 小川 恭範 1962年4月11日 生 ※1 32,000
2018年10月 当社技術開発本部長
2019年6月 当社取締役 常務執行役員
当社ウエアラブル・産業プロダクツ
事業セグメント担当
2020年4月 当社代表取締役社長(現任)
1983年4月 エプソン株式会社(現 当社)入社
1999年11月 当社TP営業企画推進部長
2008年7月 当社映像機器事業部長
2010年6月 当社業務執行役員
2011年10月 当社ビジュアルプロダクツ事業部長
2012年6月 当社取締役
2013年6月 当社プリンター事業部長
2015年6月 当社常務取締役
代表取締役 専務執行役員
久保田 孝一 1959年4月3日 生 ※1 42,200
2016年4月 当社経営企画本部副本部長
営業本部長
2016年6月 当社取締役 常務執行役員
2017年4月
当社プリンティングソリューション
ズ事業部長
2017年6月
当社取締役 専務執行役員
2018年10月 当社代表取締役 専務執行役員(現
任)
2021年4月 当社営業本部長(現任)
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所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1983年4月 エプソン株式会社(現 当社)入社
2005年11月 当社BS事業管理部長
2014年10月 当社財務経理部長
2015年10月 当社経営管理本部副本部長
2016年6月 当社取締役 執行役員
取締役 専務執行役員
当社コンプライアンス担当役員(現
瀬木 達明 1960年12月26日 生
※1 17,800
経営戦略・管理本部長 兼
任)
サステナビリティ推進室長
当社経営管理本部長
2019年6月 当社取締役 常務執行役員
2020年10月
当社経営戦略・管理本部長(現任)
当社サステナビリティ推進室長(現
任)
2022年4月
当社取締役 専務執行役員(現任)
1969年6月 三菱重工業株式会社入社
2002年6月 同社取締役
2005年6月 同社取締役 常務執行役員
2007年4月 同社取締役 副社長執行役員
2008年4月 同社取締役社長
2013年4月 同社取締役会長
社外取締役 大宮 英明 1946年7月25日 生 ※1 17,300
2014年6月
当社社外取締役(現任)
2016年6月 三菱商事株式会社 社外取締役
2018年6月 株式会社野村総合研究所 社外取締役
(現任)
2019年4月 三菱重工業株式会社取締役相談役
2019年6月 同社相談役(現任)
1977年4月 株式会社日本リクルートセンター
(現 株式会社リクルートホールディ
ングス)入社
1986年7月 同社「就職ジャーナル」編集長
1988年7月 同社「とらばーゆ」編集長
1997年7月 エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会
社(現 株式会社NTTドコモ)ゲート
社外取締役 松永 真理 1954年11月13日 生 ※1 11,100
ウェイビジネス部企画室長
2000年4月 株式会社松永真理事務所 取締役社長
2012年6月 MS&ADインシュアランスグループホー
ルディングス株式会社 社外取締役
テルモ株式会社 社外取締役
2014年6月 ロート製薬株式会社 社外取締役
2016年6月
当社社外取締役(現任)
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所有株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(株)
1988年4月 セイコーエプソン生活協同組合入社
1999年3月 当社入社
2008年10月 当社人事部長
2014年6月 当社取締役
当社人事本部長
2015年6月 オリエント時計株式会社 代表取締役
取締役 常勤監査等委員
川名 政幸 1964年7月27日 生
※2 19,200
社長
2016年6月 当社取締役 執行役員
2016年10月 当社CSR推進室長
2018年6月 エプソン販売株式会社 取締役会長
2020年4月 当社健康経営推進室長
2021年6月
当社取締役 常勤監査等委員(現任)
2001年6月 トヨタ自動車株式会社 取締役
2003年6月 同社常務役員
2005年6月 同社専務取締役
2007年6月 日野自動車株式会社 取締役副社長
2008年6月 同社取締役社長
2013年6月 同社相談役
社外取締役 監査等委員
白井 芳夫 1948年5月1日 生 ※2 18,000
豊田通商株式会社 取締役副会長
2015年6月 同社顧問
2016年6月 当社社外取締役 監査等委員(現任)
2017年6月 日野自動車株式会社 顧問
株式会社フジクラ 社外取締役 監査
等委員(現任)
1976年4月 弁護士登録
1984年4月 村越進法律事務所 弁護士
1988年3月 新千代田総合法律事務所 弁護士(現
在に至る)
2001年5月 日本弁護士連合会 人権擁護委員会委
員長
2008年4月 日本弁護士連合会副会長
社外取締役 監査等委員
村越 進 1950年9月1日 生 ※2 1,100
第一東京弁護士会会長
2014年4月 日本弁護士連合会会長
2017年5月 日本弁護士政治連盟理事長
2019年4月 文部科学省 コンプライアンスチーム
委員(主査)(現任)
2020年6月 当社社外取締役 監査等委員(現任)
1981年4月 住友商事株式会社入社
1986年10月 監査法人朝日新和会計社(現 有限責
任あずさ監査法人)入社
1990年8月 公認会計士登録
2013年5月 大塚公認会計士事務所 公認会計士
(現在に至る)
2014年4月 独立行政法人医薬品医療機器総合機
社外取締役 監査等委員
大塚 美智子 1958年11月26日 生 ※2 1,100
構監事(非常勤)
2015年4月 独立行政法人国際観光振興機構監事
(非常勤)(現任)
2015年6月 富士興産株式会社 社外監査役
2016年6月 同社社外取締役 監査等委員
2020年6月
当社社外取締役 監査等委員(現任)
計 358,800
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(注)1.大宮英明、松永真理、白井芳夫、村越進、大塚美智子は、社外取締役です。
2.当社の監査等委員会については、次のとおりです。
委員長 川名政幸、委員 白井芳夫、委員 村越進、委員 大塚美智子
なお、川名政幸は常勤監査等委員です。
3.※1の任期は、2022年6月28日開催の定時株主総会での選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のも
のに関する定時株主総会の終結の時までです。
4.※2の任期は、2022年6月28日開催の定時株主総会での選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のも
のに関する定時株主総会の終結の時までです。
5.当社は、迅速な意思決定に基づく事業運営を行うために、執行役員制度を導入しています。なお、有価証券
報告書提出日現在における執行役員(取締役による兼務を除く)は、次のとおりです。
常務執行役員 渡辺 潤一
常務執行役員 島田 英輝
執行役員 深石 明宏
執行役員 森山 佳行
執行役員 下斗米 信行
執行役員 五十嵐 人志
執行役員 Keith Kratzberg
執行役員 大塚 勇
執行役員 阿部 栄一
執行役員 市川 和弘
執行役員 内藤 恵二郎
執行役員 吉田 佳史
執行役員 Andrea Zoeckler
執行役員 永房 義朗
執行役員 細野 聡
執行役員 鈴村 文徳
執行役員 武井 昭文
執行役員 吉田 潤吉
執行役員 Samba Moorthy
執行役員 山田 陽一
執行役員 髙相 知郎
執行役員 吉野 泰徳
執行役員 宮坂 敏明
専門役員 村田 すなお
専門役員 北原 強
6.当社は、監査等委員会を支援する役割を担う監査等特命役員を選任しています。なお、有価証券報告書提出
日現在における監査等特命役員は、次のとおりです。
監査等特命役員 溝口 芳弘
②社外役員の状況
(社外取締役の役割)
社内の経営陣から独立した立場で、客観的かつ大局的な観点から当社経営の重要な意思決定に対する監督を行
うため、当社は、コーポレートガバナンス基本方針において、社外取締役の役割を次のとおり定め、当社取締役
会における員数の3分の1以上を独立社外取締役とすることを原則としております。
イ.経営全般の監督機能
・経営全般の評価に基づき、役員の選任プロセスおよび報酬の決定プロセスに関与することを通じて経営陣を
監督する機能
・取締役会が決定すべき事項とされている重要な業務執行の決定に関して議決権を行使することなどを通じて
経営全般を監督する機能
ロ.経営効率の向上のための助言を行う機能
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ハ.利益相反の監督機能
・当社と取締役および執行役員との間の利益相反を監督する機能
・当社と関連当事者との間の利益相反を監督する機能
(独立性に関する考え方)
当社は、取締役会において「社外取締役の独立性判断基準」を制定し、社外取締役の候補者選定にあたって
は、本基準に準拠し、一般株主と利益相反を生じるおそれのない者を選任しております。現体制のすべての社外
取締役は、本基準の独立性の要件を満たしております。
〔社外取締役の独立性判断基準〕
当社は、社外取締役の独立性を客観的に判断するため、以下に掲げる基準を定める。
1.以下のいずれにも該当しない場合、当社に対する独立性を有しているものと判断する。
(1) 当社を主要な取引先とする者(注1)または、その者が会社である場合は最近5年間においてその業務執
行者(注2)だった者
(2) 当社の主要な取引先である者(注3)または、その者が会社である場合は最近5年間においてその業務執
行者だった者
(3) 当社から役員報酬以外に多額の金銭(注4)その他の財産を得ているコンサルタント、公認会計士等の会
計専門家、弁護士等の法律専門家(当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合には、最近3
年間において当該団体に所属し、業務執行者に準じる職務を行っていた者)
(4) 当社の大株主(注5)または、その者が会社である場合は最近5年間においてその業務執行者もしくは監
査役だった者
(5) 当社が現在大株主となっている会社等の業務執行者または監査役である者
(6) 当社の主要な借入先である者(注6)または、その者が会社である場合は最近5年間においてその業務執
行者だった者
(7) 最近5年間において、当社の法定監査を行う監査法人に所属していた者
(8) 最近5年間において、当社の主幹事証券会社に所属していた者
(9) 当社から多額の寄付(注7)を受けている者(当該寄付を受けている者が法人、組合等の団体である場合
には、最近3年間において当該団体に所属し、業務執行者に準じる職務を行っていた者)
(10)当社との間で、社外役員の相互就任(注8)の関係が生じる会社の出身者
(11)上記(1)~(9)に該当する者の配偶者または2親等以内の親族
2.前項のいずれかに該当する場合であっても、会社法に定める社外取締役の要件を満たし、かつ当該人物の人
格、見識、経験等に照らして当社の社外取締役としてふさわしいと考える人材については、その理由を説明
および開示したうえで社外取締役として選任することができる。
(注)1:「当社を主要な取引先とする者」とは、最近3年間のいずれかの事業年度において、取引先の連結売
上高(連結売上収益)の2%以上の支払を当社から受けた者(主に仕入先)をいう
2:「業務執行者」とは、執行役もしくは業務執行取締役または執行役員もしくは部長格以上の上級管理
職にある使用人をいう
3:「当社の主要な取引先である者」とは、最近3年間のいずれかの事業年度において、当社の連結売上
収益の2%以上の支払を当社に行った者(主に販売先)をいう
4:「多額の金銭」とは、その価額の総額が、過去3年間の平均で、個人の場合は年間1,000万円以上、団
体の場合は当該団体の総収入の2%以上の額の金銭をいう
5:「大株主」とは、総議決権の10%以上の議決権を直接または間接的に保有している者をいう
6:「主要な借入先」とは、最近3年間のいずれかの事業年度において、当社の資金調達において必要不
可欠であり、代替性がない程度に依存している金融機関その他の大口債権者をいう
7:「多額の寄付」とは、その価額の総額が、過去3年間の平均で、年間1,000万円または当該団体の年間
総費用の30%のいずれか大きい額を超える寄付をいう
8:「社外役員の相互就任」とは、当社の出身者が現任の社外役員を務めている会社から社外役員を迎え
入れることをいう
以上
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(社外取締役の員数および選任状況の考え方ならびに社外取締役との人的関係、資本的関係または取引関係その
他利害関係)
有価証券報告書提出日時点における当社の社外取締役は5名(うち、監査等委員である取締役3名)です。
イ.大宮 英明氏
同氏は、三菱重工業株式会社の取締役社長および取締役会長を歴任し、経営者・技術者としての豊富な経験
と高い見識を有しております。当社社外取締役として、グローバルかつ重工業という別業種の企業経営に精通
した経営者の観点から、経営全般にわたる課題の指摘や提言など積極的な発言を行うことで、経営を適切に監
督いただいております。
引き続き、同氏の有する豊富な経験と高い見識を生かし、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上
に向けて、経営の監督を適切に行っていただくことが期待できるものと判断しております。
同氏は、三菱重工業株式会社の業務執行者でありました。最近3年間において、当社と同社との間に取引関
係はありません。
また、同氏は当社株式を保有しておりますが、僅少であり、当社との人的関係、資本的関係または取引関係
その他特別の利害関係はありません。
なお、当社は、同氏を東京証券取引所が定める独立役員として同取引所に届け出ております。
ロ.松永 真理氏
同氏は、新規ビジネスモデルの構築等の実績および複数の企業における社外役員としての豊富な経験と高い
見識を有しております。当社社外取締役として、オープンイノベーションの促進などの観点から、経営上の課
題の指摘や提言など積極的な発言を行うことで、経営を適切に監督いただいております。
引き続き、同氏の有する豊富な経験と高い見識を生かし、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上
に向けて、経営の監督を適切に行っていただくことが期待できるものと判断しております。
最近3年間において、当社と同氏との間に取引関係はありません。
また、同氏は当社株式を保有しておりますが、僅少であり、当社との人的関係、資本的関係または取引関係
その他特別の利害関係はありません。
なお、当社は、同氏を東京証券取引所が定める独立役員として同取引所に届け出ております。
ハ.白井 芳夫氏(監査等委員である社外取締役)
同氏は、トヨタ自動車株式会社、日野自動車株式会社および豊田通商株式会社の取締役を歴任し、経営者と
しての豊富な経験と高い見識を有していることや、当社における監査等委員である社外取締役としてのこれま
での実績から、引き続き、同氏の有する豊富な経験と高い見識を生かし、当社の持続的な成長と中長期的な企
業価値向上に向けた経営の適切な監督および経営の健全性確保に貢献いただくことが期待できるものと判断し
ております。
また、同氏は当社株式を保有しておりますが、僅少であり、当社との人的関係、資本的関係または取引関係
その他特別の利害関係はありません。
なお、当社は、同氏を東京証券取引所が定める独立役員として同取引所に届け出ております。
ニ.村越 進氏(監査等委員である社外取締役)
同氏は、弁護士としての高度な専門的知見を有しております。また、日本弁護士連合会の会長や日本弁護士
政治連盟の理事長を歴任するなど法曹界における豊富な経験を有していることから、引き続き、同氏の有する
豊富な経験と高い見識を生かし、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた経営の適切な監督
および経営の健全性確保に貢献いただくことが期待できるものと判断しております。なお、同氏は、社外役員
となること以外の方法で会社の経営に関与した経験はありませんが、上記の理由から、監査等委員である社外
取締役としての職務を適切に遂行することができるものと判断しております。
当社は、弁護士である同氏およびその所属する法律事務所との間に、顧問契約、その他個別契約に基づく業
務の委任を行ったことがなく、取引関係はありません。
また、同氏は当社株式を保有しておりますが、僅少であり、当社との人的関係、資本的関係または取引関係
その他特別の利害関係はありません。
なお、当社は、同氏を東京証券取引所が定める独立役員として同取引所に届け出ております。
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ホ.大塚 美智子氏(監査等委員である社外取締役)
同氏は、公認会計士としての高度な専門的知見を有しております。また、上場企業における社外役員として
の経験と高い見識を有していることから、引き続き、同氏の有する豊富な経験と高い見識を生かし、当社の持
続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた経営の適切な監督および経営の健全性確保に貢献いただくこ
とが期待できるものと判断しております。なお、同氏は、社外役員となること以外の方法で会社の経営に関与
した経験はありませんが、上記の理由から、監査等委員である社外取締役としての職務を適切に遂行できるも
のと判断しております。
当社は、公認会計士である同氏との間に、顧問契約、その他個別契約に基づく業務の委任を行ったことがな
く、取引関係はありません。
また、同氏は当社株式を保有しておりますが、僅少であり、当社との人的関係、資本的関係または取引関係
その他特別の利害関係はありません。
なお、当社は、同氏を東京証券取引所が定める独立役員として同取引所に届け出ております。
③社外取締役による監督又は監査と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門と
の関係
(監査等委員会監査、内部監査、会計監査の相互連携ならびにこれらの監査と内部統制部門との関係)
当社は、監査等委員会による監査を組織的かつ効率的なものにするため、内部監査部門等と監査等委員会との
密接な連携を確保する体制としており、監査等委員会は、監査等委員会室の体制および内部監査部門等との連携
体制等に関し、監査等委員会による監査の実効性を妨げる事情が認められる場合、代表取締役あるいは取締役会
に対してその是正を求めることができます。また、内部監査統括部門の長の任免は、監査等委員会の事前の同意
を得ることとしています。監査等委員会と内部監査部門等の連携強化の維持・改善を継続的に追求できる体制と
する一環として、内部監査統括部門の長は、社外取締役および監査等委員である取締役により構成するコンプラ
イアンス委員会に、オブザーバーとして出席することができる体制としています。
当社の内部監査部門は、監査計画、監査結果および監査対象会社の監査指摘改善計画について定期的に監査等
委員会に対して報告しています。これを受け、監査等委員会は、必要があると認めた場合は、内部監査部門に対
して調査を要請し、またその職務の執行について具体的な指示を行うことができます。これらにより、監査等委
員会の組織的監査の実効性を担保しています。
内部監査部門は、社長を中心とした業務執行部門が構築する内部統制機能の要として位置付けられる一方、監
査等委員会および内部監査部門による監査の実効性と独立性を確保する観点から、監査等委員会と社長の指示が
齟齬をきたす場合には、監査等委員会による指示を優先することとしています。
監査等委員会は、内部通報部門より定期的に内部通報の報告を受けています。とりわけ、重大な事案について
は、受付後速やかに詳細な報告を受け、対処の妥当性について確認しています。また、通報した者が、通報した
ことを理由として、不利な取り扱いを受けない体制とし、相談・通報事案は、通報者が特定されることなく当社
の取締役会、監査等委員会、社外取締役を主要な構成員とするコンプライアンス委員会および経営戦略会議に報
告され、報告に基づき代表取締役あるいは取締役会等へ是正等を求める場合であっても、報告者が特定されない
仕組みとしています。
監査等委員会と会計監査人とは、期初においてリスク評価を共有したうえで会計監査人の監査計画を確認し、
期中においても定期的に協議を行うことにより、監査の実効性を高めています。また、会計監査人は、社外取締
役および監査等委員である取締役により構成するコンプライアンス委員会に、オブザーバーとして出席すること
ができる体制としています。
(社外取締役と内部統制機能との連携)
監査等委員である社外取締役と監査等委員でない社外取締役は協働して、コンプライアンス委員会、取締役会
議長・代表取締役との定期的な会合、社外取締役だけのミーティングに出席し、また国内・海外の子会社の往
査・視察などを行うことにより、社外取締役による監督または監査と内部統制機能との連携強化を図っていま
す。
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(3)【監査の状況】
①監査等委員会監査の状況
(監査等委員会の体制)
当社の監査等委員会は、社外取締役3名を含む取締役4名で構成されております。社外取締役監査等委員3名
は、弁護士、公認会計士、企業経営経験者であり、それぞれ高度な専門的知見、豊富な経験、高い見識を有して
おり、監査等委員会としてバランスのとれた監査・監督活動を遂行しております。また、監査等委員会による活
動の実効性を確保するためには、監査等の環境の整備や重要社内会議への出席等による円滑な社内の情報収集、
内部監査部門等との緊密な連携および内部統制システムの日常的な監視が必要と判断し、川名政幸氏を常勤監査
等委員として選定しております。
なお、監査等委員である大塚美智子氏は公認会計士であり、財務および会計に関する相当程度の知見を有して
おります。
また、監査等委員会を支援する専任組織として、監査等特命役員を長とする監査等委員会室を設置していま
す。監査等委員会室は、業務執行側からの独立性を有しており、監査等委員会からの直接の指示・命令系統のも
と、監査等委員会の支援を行います。
(監査等委員会の活動状況)
全監査等委員は取締役会、取締役選考審議会、取締役報酬審議会等の重要会議に出席するほか、取締役会議
長・代表取締役との定期的な懇談等を行うことにより、取締役会の機能発揮の状況、経営戦略やコーポレートガ
バナンス等の重要事項の意思決定や経営執行状況の適切なチェック・監視を行っています。さらに、取締役・執
行役員各人に対する定期ヒアリングや職務執行確認書を通じて、遵法状況や業務執行成果に対する監査・監督を
行っております。
また、内部監査部門・内部統制主管部門・本社主管部門・グループ子会社監査役等からの定期ヒアリングによ
る内部統制システムの整備・運用の状況等(コンプライアンス体制、リスク管理体制、財務報告に係る内部統制
を含む)の確認を行っております。加えて、監査等委員会もしくは個別の監査等委員として国内海外の事業所や
子会社を往査あるいはリモートでのヒアリングを実施し、必要があると認めた場合は、内部監査部門や会計監査
人に対して調査を要請するとともに、その職務の執行について具体的な指示を行っています。これらにより、監
査等委員会の組織的監査の実効性を担保しています。
会計監査人の監査の相当性については、期初においてリスク評価を相互に共有したうえで監査等委員会として
会計監査人の監査計画を確認し、期中においても定期的に協議を行うことにより監査の実施状況を確認するとと
もに、両者の監査の実効性を高めています。また毎年、現任の会計監査人を含め、海外ネットワークを有する複
数の監査法人を対象に、監査品質、ガバナンス体制、グローバル監査体制などの多岐にわたる項目に基づき評価
を行っております。
なお、監査等委員会設置会社移行後の2017年度より毎年実施している監査等委員会実効性評価について、2019
年度より取締役会への報告・共有を定例化しました。2021年度は、監査等委員会の実効性が確保されているとの
評価結果を取締役会にて共有するとともに、監査等委員会の実効性評価で抽出された会社の内部統制やガバナン
ス体制の向上に関する取締役会への提言を実施しております。
(監査等委員会の開催と出席状況)
2021年度は、内部監査部門、内部統制部門、本社主管部門の一体的な連携と自律分散型の内部統制に向けた取
り組みの状況、監査法人を取り巻く環境変化や監査のデジタル化等への適切な対応、社会課題解決に向き合う高
い志と自由闊達で風通しの良いコミュニケーション環境実現に向けた組織風土改革への取り組み状況、取締役会
のモニタリング機能強化に対する見守り、適正な経営継承に向けたサクセッションプランの確実な実行および新
しいマネジメントサイクルの導入とそれによるEpson 25 Renewedの重要施策の具体化と進捗等を監査等委員会の
重要監査・監督項目として、年度を通じて審議・検討いたしました。
監査等委員会は、2021年4月から2022年6月の定時株主総会までの期間に22回開催されました。各監査等委員
の出席状況は下表のとおりです。
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氏名 役職 出席回数(出席率)
重本 太郎 取締役常勤監査等委員 4回/4回 (100%)
川名 政幸 取締役常勤監査等委員 18回/18回 (100%)
白井 芳夫 社外取締役監査等委員 22回/22回 (100%)
村越 進 社外取締役監査等委員 22回/22回 (100%)
大塚 美智子 社外取締役監査等委員 22回/22回 (100%)
(注)重本太郎氏の監査等委員会への出席回数は、2021年6月25日の定時株主総会終結の時をもって辞任により退任
するまでに開催された4回、川名政幸氏の監査等委員会への出席回数は、2021年6月25日の定時株主総会での選
任以降に開催された18回について集計しております。
②内部監査の状況
当社では、各執行部門の業務執行が法令や社内規程に違反することがないように内部牽制体制を構築しており
ます。内部監査部門は、各事業部門および本社の各主管部門による管理・監督機能から独立したモニタリング組
織として、子会社を含むグループ全体における内部統制の体制と運用状況に関する監査を実施いたします。
内部監査部門は年度監査計画に基づき、内部監査を実施するとともに、内部監査実施後は、事実に基づき要改
善事項の指摘を含む監査結果を社長および監査等委員会へ適時に報告いたします。また、内部監査の実施状況を
定期的に社長および監査等委員会へ報告いたします 。 2021年度も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大にとも
ない監査活動が限定される中で、期首に計画した監査対象先や実施時期の見直しを行ったうえで、オンラインで
のコミュニケーション活用や監査プロセスの見直しなどにより監査を実施しました。
③監査等委員会監査、内部監査、会計監査の相互連携ならびにこれらの監査と内部統制部門との関係
当社は、監査等委員会による監査を組織的かつ効率的なものにするため、内部監査部門等と監査等委員会との
密接な連携を確保する体制としており、監査等委員会は、監査等委員会室の体制および内部監査部門等との連携
体制等に関し、監査等委員会による監査の実効性を妨げる事情が認められる場合、代表取締役あるいは取締役会
に対してその是正を求めることができます。また、内部監査統括部門の長の任免は、監査等委員会の事前の同意
を得ることとしています。監査等委員会と内部監査部門等の連携強化の維持・改善を継続的に追求できる体制と
する一環として、内部監査統括部門の長は、社外取締役および監査等委員である取締役により構成するコンプラ
イアンス委員会に、オブザーバーとして出席することができる体制としています。
当社の内部監査部門は、監査計画、監査結果および監査対象会社の監査指摘改善計画について定期的に監査等
委員会に対して報告しています。これを受け、監査等委員会は、必要があると認めた場合は、内部監査部門に対
して調査を要請し、またその職務の執行について具体的な指示を行うことができます。これらにより、監査等委
員会の組織的監査の実効性を担保しています。
内部監査部門は、社長を中心とした業務執行部門が構築する内部統制機能の要として位置付けられる一方、監
査等委員会および内部監査部門による監査の実効性と独立性を確保する観点から、監査等委員会と社長の指示が
齟齬をきたす場合には、監査等委員会による指示を優先することとしています。
監査等委員会は、内部通報部門より定期的に内部通報の報告を受けています。とりわけ、重大な事案について
は、受付後速やかに詳細な報告を受け、対処の妥当性について確認しています。また、通報した者が、通報した
ことを理由として、不利な取り扱いを受けない体制とし、相談・通報事案は、通報者が特定されることなく当社
の取締役会、監査等委員会、社外取締役を主要な構成員とするコンプライアンス委員会および経営戦略会議に報
告され、報告に基づき代表取締役あるいは取締役会等へ是正等を求める場合であっても、報告者が特定されない
仕組みとしています。
監査等委員会と会計監査人とは、期初においてリスク評価を共有したうえで会計監査人の監査計画を確認し、
期中においても定期的に協議を行うことにより、監査の実効性を高めています。また、会計監査人は、社外取締
役および監査等委員である取締役により構成するコンプライアンス委員会に、オブザーバーとして出席すること
ができる体制としています。
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④会計監査の状況
a.監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
b.継続監査期間
38年間
(注)当社は1984年から2007年までみすず監査法人(当時は監査法人中央会計事務所)と監査契約を締結してお
り(2006年7月1日から2006年8月31日まで、みすず監査法人(当時は中央青山監査法人)に代えて、一
時会計監査人を選任していた期間を含む。)、みすず監査法人解散にともない、2007年からEY新日本有限
責任監査法人(当時は新日本監査法人)と監査契約を締結しております。ただし、当社の監査業務を執行
していた公認会計士もEY新日本有限責任監査法人(当時は新日本監査法人)へ異動し、異動後も継続して
当社の監査業務を執行していたことから、同一の監査法人が当社の監査業務を継続して執行していると考
えられるため、当該公認会計士の異動前の監査法人の監査期間を合わせて記載しております。
c.業務を執行した公認会計士
公認会計士の氏名等 継続監査年数(年)
指定有限責任社員
薄井 誠 3
業務執行社員
指定有限責任社員
佐久間 佳之 6
業務執行社員
指定有限責任社員
見並 隆一 2
業務執行社員
d.監査業務に係る補助者の構成
公認会計士12名、会計士試験合格者等7名、その他の監査従事者28名、計47名
e.監査法人の選定方針と理由
監査等委員会は、最適な会計監査体制を維持・強化するため、「会計監査人の選任・不再任の決定方針」およ
びその具体的手続きを規定した「会計監査人の選任に関する実施基準」を定めております。
当該実施基準による評価を踏まえ、監査等委員会は、EY新日本有限責任監査法人について、監査品質の管理体
制とそれを支えるガバナンス体制およびグローバルな監査体制などに優位性があると判断し、会計監査人として
選任しました。
なお、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当し、解任が適当と監査等委員会が判断する
場合は、監査等委員会は監査等委員全員の同意に基づき、会計監査人を解任します。
また、監査等委員会が、会計監査人の監査品質、品質管理、独立性等の観点から適正な監査の遂行に支障を及
ぼすと判断する場合、監査法人を交代することにより当社にとってより適切な監査体制整備が可能であると判断
する場合、またはその他必要と判断する場合には、監査等委員会はその決議により、会計監査人の解任または不
再任の議案を株主総会に提出することを決定します。
f.監査等委員会による会計監査人の評価
監査等委員会は、上記の実施基準に基づき、毎年、現任の会計監査人を含め、海外ネットワークを有する複数
の監査法人を対象に、監査品質、ガバナンス体制、グローバル監査体制などの多岐にわたる項目に基づき評価を
行っております。これらの内容を総合的に分析・検討した結果、EY新日本有限責任監査法人については、相対的
に優位性があると評価しました。
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⑤監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報 監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報
報酬(百万円) 酬(百万円) 報酬(百万円) 酬(百万円)
160 2 159 0
提出会社
43 39
連結子会社 - -
203 2 198 0
計
当社における非監査業務の内容は、各種アドバイザリー業務などです。
b.監査公認会計士等と同一のネットワーク(Ernst & Young)に対する報酬(a.を除く)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報 監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報
報酬(百万円) 酬(百万円) 報酬(百万円) 酬(百万円)
9 7
提出会社 - -
485 176 547 184
連結子会社
485 186 547 191
計
当社および連結子会社における非監査業務の内容は、税務をはじめとする各種アドバイザリー業務などです。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
上記 a.および b.に該当するもののほか、前連結会計年度および当連結会計年度において、当社および連結
子会社の監査証明業務に基づく報酬として重要なものはありません。
d.監査報酬の決定方針及び監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査等委員会は、日本監査役協会が公表する「会計監査人との連携に関する実務指針」を踏まえ、会計監査人
の報酬の前提となっている監査計画の方針・内容、監査時間および監査報酬の推移ならびに過年度の監査計画と
監査実績の状況を確認し、報酬額の見積もりの妥当性を検討した結果、適切であると判断したため、会計監査人
の報酬等につき、会社法第399条第1項の同意を行っております。
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(4)【役員の報酬等】
当社は、2022年4月28日および5月19日取締役会決議ならびに2022年6月28日定時株主総会決議に基づき、役員
報酬制度を改定いたしました。新制度は2022年度(譲渡制限付株式報酬については2022年6月28日)から適用され
ます。2021年度に支払われた報酬額は旧制度にしたがって決定されております。以下の内容は新制度に関するもの
ですが、旧制度からの主な違いは、基本報酬の固定報酬化、譲渡制限付株式報酬の導入および役員賞与の評価指標
の変更等です。
①役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
役員報酬については、その透明性および客観性を確保することを目的として、社外取締役を委員長とし、委員
の過半数を社外取締役で構成する取締役報酬審議会における公正、透明かつ厳格な答申を経たうえで、監査等委
員でない取締役については株主総会および取締役会の決議により決定し、監査等委員である取締役については株
主総会の決議および監査等委員の協議により決定することとしております。
なお、監査等委員でない取締役の報酬については、取締役報酬審議会において確認された内容を、監査等委員
会において共有・協議し、株主総会で陳述すべき事項の有無を確認することとしております。
監査等委員でない取締役の報酬額などについては、これまで、代表取締役社長が、取締役会からの一任を受け
て、取締役報酬審議会において審議・了承された内容に基づき決定しておりましたが、コーポレートガバナンス
の充実・強化を目的として、2022年2月25日の取締役会の決議によりコーポレートガバナンス基本方針を改定
し、現在は、取締役報酬審議会に一任しております。
取締役報酬審議会の概要は以下のとおりです。
〔構成〕
すべての社外取締役および代表取締役社長により構成されております。なお、常勤の監査等委員である取締役
はオブザーバーとして出席することが可能となっております。
また、2021年6月2日の取締役会決議により、委員長は社外取締役の中から互選により選任する運用としてお
ります。
〔取締役報酬審議会の活動状況〕
2021年4月から2022年6月の定時株主総会までの期間に11回開催され、基本報酬、賞与の個別支給額、役員報
酬制度の見直し、役員報酬決定プロセスの変更、取締役報酬審議会の委員長の人選、取締役選考審議会および取
締役報酬審議会の委員長の報酬、株式報酬の業績係数、会社補償制度等について審議を行いました。
<方針>
(1)監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方針等
当社は、監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方針を定めております。
<決定方針の内容の概要>
①基本的な考え方
当社の役員報酬は、固定報酬である「基本報酬」、業績連動報酬等である「賞与」および非金銭報酬等であ
る「株式報酬」から構成されます。なお、業務執行を担当しない役員については、業務執行より独立した立場
から、経営全般の監督機能等を果たすという役割に鑑み、「基本報酬」のみを支給しており、「賞与」および
「株式報酬」は支給しておりません。
〔業務執行を担当する役員の報酬〕
(a)当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るために、業績向上への意欲を高め、その
コミットメントを示せるものであること
(b)社内外から優秀な人材の確保およびリテンションが可能な水準設定であること
(c)在任期間中にもてる経営能力を最大限発揮しうるよう、期間業績に対応した処遇であること
(d)役員報酬と当社株式価値との連動性を明確にし、株主との利益共有意識を強化できるものであること
(e)不正を抑制するための仕組みが組み込まれていること
(f)報酬の決定プロセスは、透明性・客観性・公正性の高いものであること
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〔業務執行を担当しない役員の報酬〕
(a)経営全般の監督機能等を適切に発揮できるよう、独立性を担保できる報酬構成であること
(b)社内外から優秀な人材の確保およびリテンションが可能な水準設定であること
②監査等委員でない取締役の個人別の基本報酬に係る決定方針
◆基本報酬
役位および業務委嘱・業務委任内容等の役割の大きさに応じて決定される固定の金銭報酬です。在任期間
中、毎月定期的に支給されます。会社の業績、その他の理由により、取締役会において増額または減額措置を
講ずることがあります。
③監査等委員でない取締役の業績連動報酬等に係る決定方針
◆賞与
業務執行を担当する役員を対象とし、年1回支給される単年度の業績指標や個人目標の達成度に基づき変動
する業績連動の金銭報酬です。
《業績指標の内容および選定理由》
短期インセンティブとしての賞与の性質を考慮し、単年度の全社ROE等を業績指標とし、個人目標の達成度
などを加味しております。
《算定方法》
賞与の支給額は、役位および業務委嘱・業務委任内容等により算出される年間総報酬に役位ごとの賞与比率
(25%~30%)を乗じた金額を賞与基準額とし、その賞与基準額に全社ROEの目標等の指標値に対する達成度
に応じた係数(0%~200%)および個人目標の達成度に応じた係数(±40%)を乗じて算出しております。
《業績指標の実績》
当事業年度の全社ROEは、15.2%となりました。
ただし、2022年6月に支給する賞与(2021年度業績に対する賞与)は旧制度に基づき算定しております。
◆業績連動型株式報酬(役員報酬BIP信託)
詳細は、「④監査等委員でない取締役の非金銭報酬等に係る決定方針」のとおりです。なお、役員報酬BIP
信託は、今後、追加拠出は行わないものとし、すでに付与済みのポイントに係る当社普通株式および当社普通
株式の換価処分金相当額の金銭の交付および給付が完了次第、終了を予定しております。
④監査等委員でない取締役の非金銭報酬等に係る決定方針
◆譲渡制限付株式報酬
当社は、2022年6月28日の定時株主総会において、業績連動型株式報酬(役員報酬BIP信託)に替えて譲渡
制限付株式報酬を導入しております。
譲渡制限付株式報酬は、株主との一層の価値共有を進め、株価上昇および持続的な成長と中長期的な企業価
値向上へのインセンティブを従来以上に高めることを目的とした株式報酬です。業務執行を担当する取締役に
対して年1回支給されます。
当社は対象取締役に対し、取締役会決議に基づき、譲渡制限付株式に関する報酬等として年額2億円の範囲
内で金銭報酬債権を支給し、各対象取締役は、当該金銭報酬債権の全部を現物出資の方法で給付することによ
り、譲渡制限付株式の割当てを受けるものといたします。上記金銭報酬債権は、対象取締役が、上記の現物出
資に同意していることおよび譲渡制限付株式割当契約を締結していることを条件として支給するものといたし
ます。
なお、対象取締役に対して割当てる譲渡制限付株式の総数20万株を、各事業年度において割当てる譲渡制限
付株式の数の上限といたします。
譲渡制限付株式割当契約には以下の内容を含むものといたします。
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(ⅰ)譲渡制限の内容
対象取締役は、譲渡制限付株式の交付日から当社の取締役、執行役員および使用人のいずれの地位からも退
任または退職する日までの間、譲渡制限付株式(以下「本割当株式」)につき、第三者に対して譲渡、質権の
設定、譲渡担保権の設定、生前贈与、遺贈その他一切の処分行為はできないものといたします。
(ⅱ)譲渡制限付株式の無償取得
対象取締役が、期間途中に当社の取締役、執行役員および使用人のいずれの地位からも退任または退職した
場合には、当社取締役会が正当と認める理由がある場合を除き、本割当株式を当然に無償で取得するものとい
たします。
(ⅲ)譲渡制限の解除
対象取締役が、譲渡制限期間の開始日以降、最初に到来する当社の定時株主総会の開催日まで継続して、当
社の取締役、執行役員または使用人のいずれかの地位にあったことを条件として、割当株式の全部につき、譲
渡制限期間の末日の終了をもって譲渡制限を解除するものといたします。
(ⅳ)マルス・クローバック条項
当社は、譲渡制限期間中および譲渡制限の解除後において、対象取締役が法令または社内規程等に重要な点
で違反したと当社取締役会が認めた場合および重大な不正会計や巨額損失等を含む当社取締役会が定める一定
の事由が生じた場合、対象取締役に割当てられた本割当株式または譲渡制限が解除された当社普通株式の全部
または一部を無償取得することや、本割当株式または譲渡制限が解除された当社普通株式の相当額を支払わせ
る条項を定めるものといたします。
(ⅴ)組織再編等における取り扱い
譲渡制限期間中に、当社の組織再編等に関する事項が当社の株主総会で承認された場合には、当社取締役会
決議により、譲渡制限期間の開始日から当該組織再編等の承認の日までの期間を踏まえて合理的に定める数の
本割当株式につき、当該組織再編等の効力発生日に先立ち、譲渡制限を解除するものといたします。
※当社は、上記の譲渡制限付株式と同様の譲渡制限付株式を、当社の取締役を兼務しない執行役員に対して
も、割当てる予定です。
《業績指標の内容および選定理由》
株価変動のメリットとリスクを株主の皆様と共有し、株価上昇および持続的な成長と中長期的な企業価値向
上へのインセンティブを高めることを目的として、全社ROICおよびサステナビリティ目標等の指標に対する達
成度を指標としております。
《算定方法》
各取締役の役位および業務委嘱・業務委任内容等により算出される年間総報酬額に、役位に応じた株式報酬
比率(20%~25%)ならびに全社ROICおよびサステナビリティ目標等の指標に対する達成度による係数(いず
れも80%~120%)を乗じて得た報酬基礎額を、取締役会が定める1株当たりの譲渡制限付株式の価格で除し
て対象期間の割当株式数を算出します。
なお、各取締役に対する譲渡制限付株式に関する報酬等として支給する金銭報酬債権の額は、割当株式数に
発行又は処分に係る取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社普通株式の終値を乗じ
て算出します。
《業績指標の実績》
制度導入初年度である2022年度の割当てとなる譲渡制限付株式報酬の係数については、取締役会決議に基づ
き、旧制度である業績連動型株式報酬(役員報酬BIP信託)の業績係数を使用いたします。
◆業績連動型株式報酬(役員報酬BIP信託)
役員報酬BIP信託は、今後、追加拠出は行わないものとし、すでに付与済みのポイントに係る当社普通株式
および当社普通株式の換価処分金相当額の金銭の交付および給付が完了次第、終了を予定しております。
業務執行を担当する役員に対して、信託スキームを用いて当社株式交付の形で支給がなされる株式報酬で
す。本制度は、連続する3事業年度を対象期間とし、当社は、対象期間ごとに合計500百万円を上限とする金
員を、本制度の対象の役員への報酬として信託に拠出します。当該信託は、信託された金員を原資として、対
象期間ごとに300,000株を上限(株式分割・株式併合等が生じた場合には、比率に合わせて当該上限株数が変
動する。)に当社普通株式を株式市場または当社(自己株式処分)から取得します。信託期間中の毎年7月に
役位などに応じた基本ポイントが付与され、当社の中長期的な業績目標の達成度に応じた業績係数を当該基本
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ポイントに乗じることで、ポイント数が変動します(ポイント数の1年あたりの総数の上限は100,000ポイン
トであり、1ポイント1株です。)。原則として、基本ポイントの付与日から3年経過後に、当社の事業利
益、 ROSおよびROEなどの中期的な業績目標の達成度等に応じた業績係数を乗じた後のポイント数に相当する当
社普通株式の約50%について信託から交付され、また残りについては、源泉所得税等の納税資金に充当するこ
とを目的として、当社普通株式の換価処分金相当額の金銭等が支給されております。
なお、基本報酬に対する株式報酬の割合は、役位に応じて10%から22%となることを基本としつつ、交付さ
れる株式数が対象期間(3年)中の業績指標の達成度に連動して増減する仕組みとしております。株式報酬制
度において、役員に法令・社内規程等の違反があった場合に、株式交付を受ける権利を喪失させることや、当
社がすでに交付した株式相当額の返還を請求できること等ができる仕組み(マルス・クローバック条項)を設
けております。
《業績指標の内容および選定理由》
当社は、業績指標に基づく業績連動報酬等が取締役に対する適切なインセンティブの付与となるようにする
ため、また、持続的な成長と中長期的な企業価値向上へのコミットメントを示すことを目的として、定量的評
価(事業利益、ROS、ROE、営業キャッシュ・フロー)および定性的評価を指標としております。
《算定方法》
役位などに応じて付与された基本ポイントに、以下の算定式に基づき算定された業績係数を乗じ、1ポイン
トを当社普通株式1株として算定いたします。
業績係数={(事業利益係数)+(ROS係数)+(ROE係数)+(営業キャッシュ・フロー係数)+(定性的評
価係数×2)}÷6
定量的評価 定性的評価(※)
2019年度から
2019年度から
2021年度の
2021年度終了時 2021年度の
業績係数
3年間通して
2021年度終了時
3年間累計
の平均値
事業利益 ROS ROE 営業CF
期待を
1,160億円以上 10%以上 12%以上 3,900億円以上 1.20倍
大きく上回る
1,060億円以上 9%以上 11%以上 3,800億円以上 期待を上回る 1.10倍
960億円以上 8%以上 10%以上 3,700億円以上 期待どおり 1.00倍
860億円以上 7%以上 9%以上 3,600億円以上 期待を下回る 0.90倍
期待を
860億円未満 7%未満 9%未満 3,600億円未満 0.80倍
大きく下回る
※定性的評価の評価項目と方法
前中期経営計画における業績目標達成に向けた戦略の進捗、為替変動の影響額、ESG経営の進捗状況(環境評価、CSR
調査ランク、取締役会の実効性評価など)、その他の評価項目に基づき、取締役報酬審議会において定性的評価を行
う。
(2016~2018年度からの変更点)
● 業績係数の変動幅を「0.90~1.10倍」から「0.80~1.20倍」に拡大
● 定性的評価項目に「ESG経営の進捗状況」を追加
《業績指標の実績》
上記の算定式および判定テーブルにしたがい算出した結果、2019~2021年度の業績係数は、0.90倍となりま
した。
⑤監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の額に対する割合の決定方針
監査等委員でない取締役(代表権を有さない取締役会長および社外取締役を除く。)の報酬等の種類ごとの
割合の決定に関する方針は、年間総報酬をベースとして、「賞与」はその25%~30%となる賞与基準額に、業
績指標等の達成度に応じた係数を乗じて算出し、また、「株式報酬」は年間総報酬に株式報酬比率として
20%~25%を乗じて得た額に全社ROICおよびサステナビリティ目標等の達成度に応じた係数を乗じて算出して
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おります。役位に応じて「賞与」および「株式報酬」の割合が高くなることとしております。なお、監査等委
員でない取締役(代表権を有さない取締役会長および社外取締役を除く。)の2021年度における報酬総額の構
成 比率は、基本報酬が約66%、賞与が約23%、株式報酬が約11%となりました。
⑥監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の決定の委任に関する事項
当事業年度の報酬額の決定について、代表取締役社長 小川恭範氏が、当社全体の業績を俯瞰する立場にあ
るため、監査等委員でない取締役の個人別報酬額の決定などについて取締役会により一任されております。当
該権限が適切に行使されるよう、同氏は、社外取締役を委員長とし、委員の過半数を社外取締役で構成する取
締役報酬審議会において審議・了承された内容に基づき、当該報酬額を決定しております。
なお、2022年4月以降の報酬額の決定について、透明性および客観性が確保されたプロセスを経て公正に審
査するため、取締役会の決議により、取締役報酬審議会(社外取締役全員:委員長 大宮英明氏、松永真理
氏、白井芳夫氏、村越進氏、大塚美智子氏、および代表取締役社長 小川恭範氏の6名で構成)に一任してお
ります。当該権限が適切に行使されるよう、取締役報酬審議会は委員の過半数を社外取締役とし、委員長は委
員の互選により社外取締役の中から選任しております。
⑦監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関するその他の重要な事項
当社は、譲渡制限付株式報酬において、対象取締役が法令または社内規程等に重要な点で違反したと当社取
締役会が認めた場合および重大な不正会計や巨額損失等を含む当社取締役会が定める一定の事由が生じた場
合、対象取締役に割当てられた割当株式または譲渡制限が解除された当社普通株式の全部または一部を無償取
得することや、割当株式または譲渡制限が解除された当社普通株式の相当額を支払わせる条項(マルス・ク
ローバック条項)を定めております。
<当事業年度の監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の内容が当該決定方針に沿うものであると取締役会が
判断した理由>
取締役会は以下の点を確認し、当事業年度の監査等委員でない取締役の報酬が当該方針に沿うものである
と判断しております。
・社外取締役を委員長とし、委員の過半数を社外取締役で構成する取締役報酬審議会において、公正、透明か
つ厳格な答申を経たこと
・監査等委員会において、取締役報酬審議会で審議された内容を共有・協議し、株主総会で陳述すべき事項が
ないとの報告を受けたこと
(2)監査等委員である取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方針等
当社は、監査等委員である取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方針を定めております。
<決定方針の決定方法>
決定方針については、監査等委員会において決定しております。
<決定方針の内容の概要>
当社の監査等委員である取締役の個人別の報酬等は、常勤・非常勤の別、監査業務の分担の状況、監査等委員
でない取締役の報酬等の内容および水準等を考慮して決定することとしております。
なお、監査等委員である取締役の報酬等は、業務執行から独立した立場で経営全般の監督機能等を果たすとい
う役割に鑑み、固定報酬のみの支給としております。また、当該固定報酬の基本的な考え方は、「〔業務執行を
担当しない役員の報酬〕」に記載のとおりであり、社外取締役を委員長とし、委員の過半数を社外取締役で構成
する取締役報酬審議会においてその内容を審議したうえで、取締役会において決定しております。
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(3)取締役の報酬等についての株主総会決議
◆基本報酬
2016年6月28日開催の定時株主総会の決議により、監査等委員でない取締役の基本報酬の月額は、62百万円
以内(うち社外取締役分は月額10百万円以内)とされております。当該定時株主総会終結時点の監査等委員で
ない取締役の員数は8名(うち、社外取締役は2名)です。
また、当該定時株主総会の決議により、監査等委員である取締役の基本報酬の月額は20百万円以内とされて
おります。当該定時株主総会終結時点の監査等委員である取締役の員数は4名です。
◆譲渡制限付株式報酬
2022年6月28日開催の定時株主総会の決議により、監査等委員でない取締役(社外取締役などの業務執行か
ら独立した立場にある者および海外居住者は除く。)の譲渡制限付株式報酬は、上記の取締役の報酬額(基本
報酬)、および業績連動型株式報酬(役員報酬BIP信託)と別枠として、譲渡制限付株式に関する報酬等とし
て支給する金銭報酬債権の総額を、年額200百万円以内として設定することとされております。当該定時株主
総会終結時点の監査等委員でない取締役の員数は3名です。
◆業績連動型株式報酬(役員報酬BIP信託)
2016年6月28日開催の定時株主総会の決議により、監査等委員でない取締役(社外取締役などの業務執行か
ら独立した立場にある者および海外居住者は除く。)の業績連動型株式報酬は、3事業年度を対象として合計
500百万円以内、1年あたりの付与ポイント総数の上限は100,000ポイント(1ポイントは当社株式1株)とさ
れており、2019年5月16日開催の取締役会の決議により、これを継続するものとされております。当該定時株
主総会終結時点の監査等委員でない取締役の員数は6名です。なお、役員報酬BIP信託は、今後、追加拠出は
行わないものとし、すでに付与済みのポイントに係る当社普通株式および当社普通株式の換価処分金相当額の
金銭の交付および給付が完了次第、終了を予定しております。
②役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
報酬等の種類別の総額(百万円)
対象となる
報酬等の総額
基本報酬 業績連動報酬
役員区分 役員の員数
(百万円)
(人)
固定 変動 賞与 株式報酬
(金銭) (金銭) (金銭) (非金銭)
369 264 11 64 29 9
監査等委員でない取締役
(うち社外取締役)
( 29 ) ( 29 ) ( -) ( -) ( -) ( 2 )
81 81 5
監査等委員である取締役 - - -
(うち社外取締役) ( -) ( -) ( -)
( 48 ) ( 48 ) ( 3 )
合計 451 346 11 64 29 14
(注)1.報酬と株主価値との連動性を高める観点から役員持株会制度を導入しており、任意で基本報酬の一部を当社
株式の取得に充てております。なお、取締役会において決定する内規により、自社株式の保有基準を定め、
株主の皆様に対して経営への責任姿勢を示すこととしています。
2.上記の支給額には、2022年6月28日開催の定時株主総会において決議された取締役賞与64百万円(代表権を
有さない取締役会長、社外取締役および監査等委員である取締役を除く取締役3名に対する支払予定額)を
含めております。
3.当社は、株主の皆様との利益共有意識を強化するとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値向上へのコ
ミットメントを示すことを目的として、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託と称される仕組みによ
る業績連動型株式報酬制度(株式報酬)を導入しております。上記の株式報酬には、当期に付与された株式
交付ポイントに係る日本基準による費用計上額を記載しております。なお、役員報酬BIP信託は、今後、追
加拠出は行わないものとし、すでに付与済みのポイントに係る当社普通株式および当社普通株式の換価処分
金相当額の金銭の交付および給付が完了次第、終了を予定しております。
4.上記の支給人員数には、2021年6月25日開催の定時株主総会終結の時をもって退任した監査等委員でない取
締役2名および監査等委員である取締役1名ならびに2022年1月31日をもって退任した監査等委員でない取
締役1名を含めております。
5.ストックオプションは付与しておりません。
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③連結報酬等の総額が1億円以上である者の連結報酬等の総額等
連結報酬等の種類別の総額(百万円)
連結報酬等
基本報酬 業績連動報酬
氏名 の総額 役員区分
(百万円)
固定 変動 賞与 株式報酬
(金銭) (金銭) (金銭) (非金銭)
監査等委員で
112
小川 恭範 60 6 28 16
ない取締役
(注)上記の株式報酬には、日本基準により当期に費用計上した金額を記載しています。
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(5)【株式の保有状況】
①投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、投資株式について、キャピタルゲインまたはインカムゲイン目的のみで保有する場合は純投資とし、
それ以外の目的で保有する場合は政策保有投資として区分しております。
なお、当社は、保有目的が純投資である投資株式は保有しておりません。
②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の
内容
当社は、重要な部品等の調達先、当社商品等の主要な販売先、主要な資金調達先又はその他の金融サービス等
の提供元等との安定的・長期的な取引関係の維持・強化等により、当社の中長期的な企業価値向上に資すると判
断される場合、当該取引先の信用力・安全性等を検証したうえで、その株式を取得・保有します(この方針に基
づき保有する株式を以下「政策保有株式」という。)。
取締役会は、毎年、個別の政策保有株式について、そのリスクと取引関係の維持・強化等によって得られる利
益等を資本コストを踏まえて設定した社内のハードル・レートと比較したうえで定量的かつ総合的に勘案し、中
長期的な観点から政策保有株式を保有することの合理性を検証しています。また、政策保有株式として保有する
ことの合理性が認められない場合は、当該株式を縮減することとしております。
b.投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額
銘柄数 貸借対照表計上額の
(銘柄) 合計額(百万円)
8 1,623
非上場株式
11 7,132
非上場株式以外の株式
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
銘柄数 株式数の増加に係る取得
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
非上場株式 - -
非上場株式以外の株式 - -
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
銘柄数 株式数の減少に係る売却
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
非上場株式 - -
非上場株式以外の株式 - -
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c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
当事業年度 前事業年度
株式数(株) 株式数(株) 保有目的、定量的な保有効果 当社の株式の
銘柄
及び株式数が増加した理由 保有の有無
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
当社の安定的な資金調達先および金融
サービスの提供元であり、取引関係の維
1,500,888 1,500,888
持・強化を目的として保有しています。
保有効果については、取締役会(2022年
㈱みずほフィナン
4月開催)において上記②a.の方法に 有
シャルグループ
基づき検証しましたが、その定量的な結
果などは事業運営上の内部情報に該当す
2,351 2,399
るため、記載しておりません(以下同
じ。)。
当社製品における重要な部品の調達先で
1,257,000 1,257,000
あり、取引関係の維持・強化を目的とし
て保有しています。
日本碍子㈱
有
取引関係がある事業セグメントは、主に
2,203 2,544
マニュファクチャリング関連・ウエアラ
ブル事業セグメントです。
当社製品の主要な販売先であり、取引関
328,816 328,816
係の維持・強化を目的として保有してい
セイコーホールディ
ます。
有
ングス㈱
取引関係がある事業セグメントは、主に
754 617 マニュファクチャリング関連・ウエアラ
ブル事業セグメントです。
当社製品の主要な販売先であり、取引関
120,000 120,000
係の維持・強化を目的として保有してい
ます。
㈱大塚商会 無
取引関係がある事業セグメントは、主に
521 621 プリンティングソリューションズ事業セ
グメントです。
当社製品の主要な販売先であり、取引関
190,000 190,000
係の維持・強化を目的として保有してい
ます。
伯東㈱
有
取引関係がある事業セグメントは、主に
465 243 マニュファクチャリング関連・ウエアラ
ブル事業セグメントです。
当社製品の主要な販売先であり、取引関
332,640 332,640
係の維持・強化を目的として保有してい
ます。
丸文㈱
有
取引関係がある事業セグメントは、主に
237 176 マニュファクチャリング関連・ウエアラ
ブル事業セグメントです。
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当事業年度 前事業年度
株式数(株) 株式数(株) 保有目的、定量的な保有効果 当社の株式の
銘柄
及び株式数が増加した理由 保有の有無
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
当社製品の主要な販売先であり、取引関
221,980 221,980
係の維持・強化を目的として保有してい
ます。
㈱キングジム 無
取引関係がある事業セグメントは、主に
203 211
プリンティングソリューションズ事業セ
グメントです。
当社の安定的な資金調達先および金融
489,500 489,500
㈱八十二銀行 サービスの提供元であり、取引関係の維 有
199 197
持・強化を目的として保有しています。
当社製品の主要な販売先であり、取引関
65,000 65,000
係の維持・強化を目的として保有してい
ます。
上新電機㈱
無
取引関係がある事業セグメントは、主に
124 205 プリンティングソリューションズ事業セ
グメントです。
当社製品における重要な部品の調達先で
100,000 100,000
あり、取引関係の維持・強化を目的とし
て保有しています。
Pixelworks, Inc.
無
取引関係がある事業セグメントは、主に
36 36 ビジュアルコミュニケーション事業セグ
メントです。
同社の親会社が当社製品の主要な販売先
33,200 33,200
であり、取引関係の維持・強化を目的と
して保有しています。
日本BS放送㈱
無
取引関係がある事業セグメントは、主に
34 36 プリンティングソリューションズ事業セ
グメントです。
③保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
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第5【経理の状況】
1.連結財務諸表および財務諸表の作成方法について
(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28
号。以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠
して作成しております。
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下
「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成してお
ります。
(3)連結財務諸表および財務諸表は、百万円未満の端数を切り捨てて表示しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日
まで)の連結財務諸表ならびに事業年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)の財務諸表について、EY新日本
有限責任監査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みおよびIFRSに基づいて連結財務諸表等を
適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みおよびIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作
成することができる体制の整備を行っております。その内容は、以下のとおりであります。
(1)会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応できる体制を整備するため、公益
財団法人財務会計基準機構へ加入し、会計基準に関する情報を入手しております。また、同機構および監査法人
等が主催するセミナー等に参加しております。
(2)IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の
把握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠したグループ
基準を作成し、これに基づきグループ全体で統一的な会計処理を行っております。
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1【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結財政状態計算書】
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
注記
百万円 百万円
資産
流動資産
304,007 335,239
現金及び現金同等物 8,35
161,332 168,221
売上債権及びその他の債権 9,35
256,366 308,385
棚卸資産 10
3,518 5,057
未収法人所得税
1,156 769
その他の金融資産 11,35
13,160 16,797
その他の流動資産 12
739,540 834,469
小計
457
-
売却目的で保有する資産
流動資産合計 739,997 834,469
非流動資産
344,637 343,172
有形固定資産 13,16,21
27,976 24,218
無形資産 14
1,246 1,108
投資不動産 15
1,718 2,040
持分法で会計処理されている投資
140 2,278
退職給付に係る資産 23
20,213 20,192
その他の金融資産 11,35
1,614 4,181
その他の非流動資産 12
23,770 34,757
繰延税金資産 17
非流動資産合計 421,317 431,950
1,161,314 1,266,420
資産合計
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前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
注記
百万円 百万円
負債及び資本
負債
流動負債
134,149 146,201
仕入債務及びその他の債務 18,35
7,305 12,233
未払法人所得税
28,127 26,297
社債、借入金及びリース負債 19,35
2,361 4,497
その他の金融負債 35
11,014 10,993
引当金 20
122,973 131,817
その他の流動負債 22
305,931 332,040
小計
12
-
売却目的で保有する資産に直接関連する負債
流動負債合計 305,943 332,040
非流動負債
237,780 216,853
社債、借入金及びリース負債 19,35
2,730 3,788
その他の金融負債 35
33,087 24,210
退職給付に係る負債 23
7,757 8,042
引当金 20
13,483 13,680
その他の非流動負債 22
7,582 2,064
繰延税金負債 17
302,421 268,640
非流動負債合計
負債合計 608,365 600,680
資本
53,204 53,204
資本金 24
84,418 84,010
資本剰余金 24
自己株式 24 △ 40,874 △ 40,808
54,869 89,068
その他の資本の構成要素 24
399,306 480,154
利益剰余金
親会社の所有者に帰属する持分合計 550,924 665,628
2,025 112
非支配持分
552,949 665,740
資本合計
1,161,314 1,266,420
負債及び資本合計
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②【連結包括利益計算書】
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
注記
百万円 百万円
995,940 1,128,914
売上収益 7,26
△ 643,563 △ 710,462
売上原価 10,13,14,28
売上総利益 352,377 418,451
販売費及び一般管理費 13,14,27,28 △ 290,735 △ 328,814
3,225 10,214
その他の営業収益 29
△ 17,213 △ 5,372
その他の営業費用 13,16,30
営業利益 47,654 94,479
1,317 4,698
金融収益 31
金融費用 31 △ 4,137 △ 2,128
99 113
持分法による投資利益
税引前利益 44,933 97,162
△ 13,937 △ 4,859
法人所得税費用 17
30,995 92,302
当期利益
当期利益の帰属
30,922 92,288
親会社の所有者
73 14
非支配持分
30,995 92,302
当期利益
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前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
注記
百万円 百万円
その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
20,220 10,541
確定給付制度の再測定 32
1,505
△ 199
資本性金融商品の公正価値の純変動 32
純損益に振り替えられることのない項目合計 21,726 10,341
純損益に振り替えられる可能性のある項目
17,172 34,573
在外営業活動体の換算差額 32
キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分 32 △ 1,130 △ 1,085
54 95
持分法適用会社に対する持分相当額 32
16,096 33,582
純損益に振り替えられる可能性のある項目合計
37,822 43,924
税引後その他の包括利益合計
68,818 136,226
当期包括利益合計
当期包括利益の帰属
68,564 136,206
親会社の所有者
254 20
非支配持分
68,818 136,226
当期包括利益合計
1株当たり当期利益
89.38 266.73
基本的1株当たり当期利益(円) 33
89.35 266.64
希薄化後1株当たり当期利益(円) 33
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③【連結持分変動計算書】
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
資本金 資本剰余金 自己株式 資本性金融商
確定給付制度 在外営業活動
品の公正価値
の再測定 体の換算差額
の純変動
注記
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
2020年4月1日 残高
53,204 84,434 △ 40,953 - 1,729 35,144
当期利益 - - - - - -
- - - 20,220 1,503 17,047
その他の包括利益
当期包括利益合計
- - - 20,220 1,503 17,047
自己株式の取得 24 - - △ 1 - - -
配当金 25 - - - - - -
株式報酬取引 34 - △ 16 80 - - -
支配継続子会社に対する
- - - - - -
持分変動
その他の資本の構成要素
- - - △ 20,220 △ 3 -
から利益剰余金への振替
所有者との取引額等合計 - △ 16 78 △ 20,220 △ 3 -
2021年3月31日 残高
53,204 84,418 △ 40,874 - 3,229 52,192
当期利益
- - - - - -
- - - 10,541 △ 199 34,662
その他の包括利益
当期包括利益合計
- - - 10,541 △ 199 34,662
自己株式の取得 24 - - △ 1 - - -
配当金
25 - - - - - -
株式報酬取引 34 - △ 6 66 - - -
支配継続子会社に対する
- △ 401 - - - 291
持分変動
その他の資本の構成要素
- - - △ 10,541 530 -
から利益剰余金への振替
所有者との取引額等合計 - △ 408 65 △ 10,541 530 291
2022年3月31日 残高
53,204 84,010 △ 40,808 - 3,560 87,146
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親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
非支配持分 資本合計
キャッシュ・ 利益剰余金 合計
フロー・ヘッ 合計
ジの有効部分
注記
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
2020年4月1日 残高
577 37,451 369,609 503,746 2,290 506,037
当期利益 - - 30,922 30,922 73 30,995
△ 1,130 37,641 - 37,641 181 37,822
その他の包括利益
当期包括利益合計
△ 1,130 37,641 30,922 68,564 254 68,818
自己株式の取得 24 - - - △ 1 - △ 1
配当金 25 - - △ 21,449 △ 21,449 △ 519 △ 21,968
株式報酬取引 34 - - - 63 - 63
支配継続子会社に対する
- - - - - -
持分変動
その他の資本の構成要素
- △ 20,224 20,224 - - -
から利益剰余金への振替
所有者との取引額等合計 - △ 20,224 △ 1,225 △ 21,386 △ 519 △ 21,906
2021年3月31日 残高
△ 552 54,869 399,306 550,924 2,025 552,949
当期利益
- - 92,288 92,288 14 92,302
△ 1,085 43,918 - 43,918 6 43,924
その他の包括利益
当期包括利益合計
△ 1,085 43,918 92,288 136,206 20 136,226
自己株式の取得 24 - - - △ 1 - △ 1
配当金
25 - - △ 21,451 △ 21,451 △ 394 △ 21,846
株式報酬取引 34 - - - 59 - 59
支配継続子会社に対する
- 291 - △ 109 △ 1,539 △ 1,648
持分変動
その他の資本の構成要素
- △ 10,010 10,010 - - -
から利益剰余金への振替
所有者との取引額等合計 - △ 9,719 △ 11,440 △ 21,502 △ 1,933 △ 23,436
2022年3月31日 残高
△ 1,638 89,068 480,154 665,628 112 665,740
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④【連結キャッシュ・フロー計算書】
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
注記
百万円 百万円
営業活動によるキャッシュ・フロー
30,995 92,302
当期利益
69,852 64,595
減価償却費及び償却費
7,823 1,460
減損損失及び減損損失戻入益(△は益)
2,820
金融収益及び金融費用(△は益) △ 2,569
持分法による投資損益(△は益) △ 99 △ 113
316 232
固定資産除売却損益(△は益)
13,937 4,859
法人所得税費用
3,006
売上債権の増減額(△は増加) △ 1,004
棚卸資産の増減額(△は増加) △ 12,865 △ 28,230
13,151 2,175
仕入債務の増減額(△は減少)
2,888 1,532
退職給付に係る負債の増減額(△は減少)
15,119
△ 6,428
その他
小計 142,935 132,823
1,365 1,470
利息及び配当金の受取額
利息の支払額 △ 1,111 △ 1,071
△ 9,966 △ 22,420
法人所得税の支払額
133,222 110,801
営業活動によるキャッシュ・フロー
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前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
注記
百万円 百万円
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資有価証券の取得による支出 △ 297 △ 747
26 622
投資有価証券の売却による収入
有形固定資産の取得による支出 △ 47,504 △ 38,602
467 245
有形固定資産の売却による収入
無形資産の取得による支出 △ 8,371 △ 5,242
21 33
無形資産の売却による収入
352
投資不動産の売却による収入 -
△ 1,790 △ 746
その他
投資活動によるキャッシュ・フロー △ 57,448 △ 44,083
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の純増減額(△は減少) 19 △ 889 -
500
長期借入れによる収入 19 -
長期借入金の返済による支出 19 △ 14,000 △ 500
69,676
社債の発行による収入 19 -
社債の償還による支出 19 - △ 20,000
リース負債の返済による支出 19 △ 9,667 △ 8,275
配当金の支払額 25 △ 21,449 △ 21,451
非支配持分への配当金の支払額 △ 519 △ 394
非支配持分からの子会社持分取得による支出 - △ 1,648
△ 1 △ 1
自己株式の取得による支出 24
23,150
財務活動によるキャッシュ・フロー △ 51,771
8,837 16,285
現金及び現金同等物に係る為替変動による影響
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 107,761 31,232
196,245 304,007
現金及び現金同等物の期首残高 8
304,007 335,239
現金及び現金同等物の期末残高 8
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【連結財務諸表注記】
1.報告企業
セイコーエプソン株式会社(以下「当社」という。)は日本国にある株式会社であります。当社の登記されている
本店および主要な事業所の住所は、当社ウェブサイト(www.epson.jp)で開示しております。
当社および当社の関係会社(以下「エプソン」という。)の事業内容および主要な活動は、「7.セグメント情
報」に記載しております。
2.作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
エプソンの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満た
すことから、同第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
(2) 測定の基礎
エプソンの連結財務諸表は、「3.重要な会計方針」に記載している金融商品等を除き、取得原価を基礎として
作成しております。
(3) 機能通貨および表示通貨
エプソンの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に注釈の無い限り単位を百
万円としております。また、百万円未満の端数は切り捨てて表示しております。
(4) 子会社の報告期間
一部の在外連結子会社の決算日は12月31日であり、連結財務諸表作成にあたっては連結決算日現在で実施した仮
決算に基づく財務諸表を使用しております。
3.重要な会計方針
(1) 連結の基礎
エプソンの連結財務諸表は、当社および子会社の財務諸表ならびに関連会社およびジョイント・ベンチャー(共
同支配企業)の持分相当額を含んでおります。
① 子会社
子会社とは、エプソンにより支配されている企業をいいます。エプソンが投資先に対するパワー、投資先への
関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利、および投資先に対するパワーにより当該
リターンに影響を及ぼす能力のすべてを有している場合、エプソンが当該投資先を支配していると判断しており
ます。子会社については、エプソンが支配を獲得した日を取得日とし、その日よりエプソンが支配を喪失する日
まで連結しております。
グループ内の債権債務残高および取引、ならびにグループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸
表の作成に際して消去しております。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に
帰属させております。
② 関連会社
関連会社とは、エプソンが当該企業の財務および営業の方針に重要な影響力を有している企業をいいます。関
連会社については、エプソンが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分
法によって処理しております。
③ ジョイント・ベンチャー(共同支配企業)
ジョイント・ベンチャー(共同支配企業)とは、投資先の重要な事業活動に関する意思決定に際して、支配を
共有している当事者の全員一致の合意を必要とする事業体であり、かつ、エプソンが取決めに対する契約上合意
された支配を共有している当事者として、当該事業体にかかる純資産に対する権利を有しているジョイント・ア
レンジメント(共同支配の取決め)をいいます。ジョイント・ベンチャーについては、持分法によって処理して
おります。
(2) 企業結合
企業結合は、取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引
き受けた負債およびエプソンが発行する資本性金融商品の取得日公正価値の合計として測定されます。取得対価が
識別可能な資産および負債の公正価値を超過する場合は、のれんとして計上しております。反対に下回る場合に
は、直ちに純損益として認識しております。発生した取得関連費用は、負債性金融商品および資本性金融商品の発
行に関連する費用を除いて、純損益として認識しております。
(3) 外貨換算
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エプソンの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。また、グループ内の各企業はそ
れぞれ独自の機能通貨を定めており、各企業の取引はその機能通貨により測定しております。
外貨建取引は、取引日における直物為替相場またはそれに近似するレートにより機能通貨に換算しております。
外貨建の貨幣性資産および負債は、連結会計年度末日の直物為替相場により機能通貨に換算しております。当該換
算および決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、在外営業活動体(海外子会社等)
に対する純投資のヘッジ手段として指定された金融商品、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資
産、およびキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しておりま
す。
在外営業活動体の資産および負債は連結会計年度末日の直物為替相場により、収益および費用は取引日の直物為
替相場またはそれに近似するレートにより、それぞれ円貨に換算しており、その換算差額はその他の包括利益とし
て認識しております。在外営業活動体が処分された場合には、その他の包括利益として認識していた当該在外営業
活動体に関連する累積換算差額を、処分した期の純損益として認識しております。
(4) 金融商品
① 金融資産
(i)当初認識および測定
金融資産は、公正価値に当該金融資産の取得に直接起因する取引費用を加算した金額で当初認識しておりま
す。ただし、当初認識後の測定(事後測定)において純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の当該取引
費用は、純損益として認識しております。
金融資産は、当該金融商品の契約条項の当事者になった取引日に当初認識しております。
(ⅱ)分類および事後測定
金融資産は、当初認識時に、事後測定において償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公
正価値で測定する金融資産および純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のいずれかに分類しておりま
す。
(a) 次の条件がともに満たされる金融資産は、償却原価で測定するものに分類しております。
1)当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事
業モデルの中で保有されている。
2)金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所
定の日に生じる。
(b) 次の条件がともに満たされる金融資産は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものに分類して
おります。
1)当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデル
の中で保有されている。
2)金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所
定の日に生じる。
(c) 上記を除く金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定するものに分類しております。
ただし、資本性金融商品のうち、売買目的保有でないなど特定の投資でその他の包括利益を通じて公正価値
で測定すると指定したものについては、公正価値の変動はその他の包括利益として認識し、認識を中止した場
合あるいは公正価値が著しく下落した場合にはその他の包括利益累計額に累積された評価損益を利益剰余金に
振り替えております。なお、当該金融資産からの配当金については各連結会計年度の純損益として認識してお
ります。
(ⅲ)認識の中止
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合または当該金融資産
の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合に認識を中止しております。
(ⅳ)減損
金融資産に係る減損については、予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。
エプソンは、各報告日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評
価しております。
金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当
金を12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。一方で、金融商品に係る信用リスクが当初認識
以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で
測定しております。
ただし、営業債権、契約資産およびリース債権については、貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金
額で測定しております。
金融商品の予想信用損失は、次のものを反映する方法で見積っております。
(a) 一定範囲の生じうる結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
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(b) 貨幣の時間価値
(c) 過去の事象、現在の状況および将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を
掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
減損が認識された金融資産の帳簿価額は貸倒引当金を通じて減額し、減損損失を純損益として認識しており
ます。減損認識後に生じた事象により減損損失が減少する場合は、当該減少額を貸倒引当金を通じて純損益に
戻入れております。
② 金融負債
(i)当初認識および測定
金融負債は、当初認識時に公正価値で測定しております。事後測定において償却原価で測定する金融負債に
ついては、当初認識時に当該金融負債の発行に直接起因する取引費用を控除した金額で測定しております。
金融負債は、当該金融商品の契約条項の当事者になった取引日に当初認識しております。
(ⅱ)分類および事後測定
金融負債は、当初認識時に、事後測定において純損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測
定する金融負債のいずれかに分類しております。金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のと
おり測定しております。
(a)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、公正価値で測定しております。当初認識時に純損益を通
じて公正価値で測定すると指定した金融負債を含んでおります。
(b)償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、実効金利法による償却原価で測定しております。
(ⅲ)認識の中止
金融負債は、契約上の義務が履行されたか、債務が免除されたかまたは失効した場合に認識を中止しており
ます。
③ 金融資産と金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、かつ純額で決済
するかまたは資産の実現と負債の決済を同時に実行しようとする場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書におい
て純額で表示しております。
④ デリバティブ
エプソンは、為替リスクや金利リスクをそれぞれヘッジするために、為替予約取引および直物為替先渡取引
(NDF)等のデリバティブを利用しております。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で
当初認識され、その後も公正価値で事後測定しております。
デリバティブの利得または損失は、純損益として認識しております。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジお
よび在外営業活動体の純投資ヘッジの有効な部分は、その他の包括利益として認識しております。
⑤ ヘッジ会計
エプソンは、ヘッジ開始時に、ヘッジ関係ならびにヘッジを実施するにあたってのリスク管理目的および戦略
を公式に指定し、文書化を行っております。当該文書は、具体的なヘッジ手段、ヘッジ対象となる項目または取
引、ヘッジされるリスクの性質およびヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値またはキャッシュ・
フローの変動に対するエクスポージャーを相殺するに際してのヘッジ手段の有効性の評価方法等を含んでおりま
す。これらのヘッジは、公正価値またはキャッシュ・フローの変動を相殺する上で非常に有効であることが見込
まれますが、指定した財務報告期間にわたって実際に非常に有効であったか否かを判断するために、継続的に評
価しております。
エプソンは、ヘッジ会計の要件を満たすヘッジ関係を以下の様に分類し、会計処理しております。
(i)公正価値ヘッジ
デリバティブの利得または損失は、純損益として認識しております。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ
対象に係る利得または損失は、ヘッジ対象の帳簿価額を修正して、純損益として認識しております。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得または損失のうち、ヘッジ対象に対して有効なヘッジと判定される部分は、その他の
包括利益として認識し、有効でない部分は、純損益として認識しております。その他の包括利益に計上された
ヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えておりま
す。ヘッジ対象が非金融資産または非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益と
して認識されている金額は、非金融資産または非金融負債の当初の帳簿価額の修正として振り替えておりま
す。
予定取引または確定約定の発生がもはや見込まれない場合には、従来その他の包括利益を通じてその他の資
本の構成要素として認識していた累積損益を純損益に振り替えております。ヘッジ手段が失効、売却、または
他のヘッジ手段への入替えや更新が行われずに終了または行使された場合もしくはヘッジ指定を取り消された
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場合には、従来その他の包括利益を通じてその他の資本の構成要素として認識されていた金額は、予定取引ま
たは確定約定が発生するまで引き続きその他の資本の構成要素に計上しております。
(ⅲ)在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資のヘッジについては、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様の方法で会計処理
しております。ヘッジ手段に係る利得または損失のうち、ヘッジ対象に対して有効なヘッジと判定される部分
は、その他の包括利益として認識し、有効でない部分は、純損益として認識しております。在外営業活動体の
処分時には、その他の包括利益として認識していた累積損益を純損益に振り替えております。
⑥ 金融商品の公正価値
各連結会計年度末日現在、活発な市場が存在する金融商品の公正価値は、市場における公表価格またはディー
ラー価格を参照しております。
活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を使用して算定しております。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能でありかつ価値の変動につい
て僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費、および棚卸資産が現在の場所および状態に至るまでに発生したそ
の他のコストのすべてを含んでおります。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定し、原価の算定にあたっては、主として総
平均法を使用しております。また、正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成までに要す
る見積原価および販売に要する見積費用を控除して算定しております。
(7) 有形固定資産
エプソンは、有形固定資産の取得原価に、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去および原状回復費用なら
びに資産計上の要件を満たす借入費用を含めております。
有形固定資産の認識後の測定において原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額
を控除した価額で計上しております。
土地等の減価償却を行わない資産を除き、各資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって定額法で減価償却を行っ
ております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・建物及び構築物:10~35年
・機械装置及び運搬具:2~17年
なお、見積耐用年数、減価償却方法および残存価額は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合
は、会計上の見積りの変更の影響は将来に向かって認識しております。
(8) 無形資産
① のれん
企業結合により取得したのれんは、取得日時点で認識し、減損損失累計額を控除した価額で計上しておりま
す。
のれんは、償却を行わず、事業の種類に基づいて識別された資金生成単位に配分し、毎年および減損の兆候が
ある場合にはその時点で減損テストを実施しております。のれんについて認識した減損損失は、純損益として認
識し、以降の期間において戻入れを行っておりません。
② 無形資産
個別に取得した無形資産は、取得原価で当初測定しております。企業結合において取得した無形資産の取得原
価は、取得日現在における公正価値で測定しております。自己創設の無形資産の取得原価は、無形資産が認識規
準を最初に満たした日以降に発生した支出の合計額で測定しております。
無形資産の認識後の測定において原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除
した価額で計上しております。
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却を行っております。耐用
年数を確定できる無形資産の主な見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・ソフトウェア:3~10年
なお、見積耐用年数および償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見
積りの変更の影響は将来に向かって認識しております。
耐用年数を確定できない無形資産および未だ使用可能でない無形資産は償却を行わず、各連結会計年度ごとお
よび減損の兆候がある場合はその時点で減損テストを実施しております。
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(9) リース
エプソンは、契約時に、特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたって対価と交換に移転する場合
には、当該契約はリースである(またはリースを含んでいる)と判定し、リース開始日にリース負債と使用権資産
を認識しております。
リース負債は、リース開始日において支払われていないリース料を、リースの計算利子率または当該利子率を容
易に算定できない場合には借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しております。使用権資産
は、リース負債の当初測定額に、当初直接コスト、前払リース料および原状回復費用等を加えた額で測定しており
ます。使用権資産は、通常、リース期間にわたって定額法で減価償却を行っております。リース負債に係る金融費
用は、連結包括利益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。また、使用権資産は、
連結財政状態計算書において、「有形固定資産」に含めて表示しております。
なお、リース期間が12か月以内の短期リースおよび少額資産のリースについては、リース負債と使用権資産を認
識せず、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたって定額法により純損益として認識しております。
(10) 投資不動産
投資不動産は、賃貸収益もしくは資本増価またはその両方を目的として保有する不動産であります。
投資不動産の認識後の測定において原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を
控除した価額で計上しております。
投資不動産は、土地等の減価償却を行わない資産を除き、見積耐用年数にわたって定額法で減価償却を行ってお
ります。減価償却を行う投資不動産のうち主要な投資不動産の見積耐用年数は35年であります。
なお、見積耐用年数、減価償却方法および残存価額は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合
は、会計上の見積りの変更の影響は将来に向かって認識しております。
(11) 非金融資産の減損
エプソンは、有形固定資産、のれん、無形資産、投資不動産および使用権資産(以下「資産」という。)につい
て減損の兆候の有無の判定を行い、何らかの兆候がある場合または減損の兆候の有無を問わず減損テストが要求さ
れている場合、当該資産の回収可能価額を見積っております。個々の資産について回収可能価額を見積ることがで
きない場合は、その資産の属する資金生成単位の回収可能価額を見積っております。回収可能価額は、資産または
資金生成単位の処分費用控除後の公正価値または使用価値のいずれか高い金額で算定しております。資産または資
金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合は、その資産について減損を認識し、当該帳簿価額を回収可能
価額まで減額し、減損損失を純損益として認識しております。資産の使用価値は、資産から得られると期待される
キャッシュ・フローを、貨幣の時間価値および当該資産に固有のリスク等に関する現在の市場評価を反映した税引
前割引率で現在価値まで割引いて見積っております。
のれんについて認識した減損損失は、純損益として認識し、以降の期間において戻入れを行っておりません。の
れん以外の資産については、過年度に認識した減損損失がもはや存在しないかまたは減少している可能性を示す兆
候があるか否かを評価しております。そのような兆候がある場合は、当該資産の回収可能価額の見積りを行い、そ
の回収可能価額が当該資産の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度において減損損失を認識しな
かった場合の償却または減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い金額を上限として、減損損失を戻入れており
ます。
(12) 売却目的で保有する非流動資産および非継続事業
エプソンは、非流動資産または処分グループの帳簿価額が継続的使用よりも主として売却取引により回収される
場合は、当該資産または処分グループを売却目的保有に分類しております。売却目的保有に該当する非流動資産ま
たは処分グループは、現在の状態で直ちに売却可能で、エプソンの経営者が売却を確約しているなどその売却の可
能性が非常に高い非流動資産または処分グループであります。売却目的保有に分類した非流動資産または処分グ
ループは、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しております。非流動資産が売却目的
保有に分類されている間または売却目的保有に分類されている処分グループの一部である間は、当該非流動資産は
減価償却または償却を行っておりません。
非継続事業は、すでに処分されたかまたは売却目的保有に分類された企業の構成単位すなわち単一の資金生成単
位または資金生成単位のグループであります。企業の構成単位が次のいずれかに該当する場合、非継続事業として
認識しております。
・独立の主要な事業分野または営業地域
・独立の主要な事業分野または営業地域を処分する統一された計画の一部
・転売のみのために取得した子会社
(13) 退職後給付
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エプソンは、従業員の退職後給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を有しております。エプソンは、確定
給付制度債務の現在価値および関連する当期勤務費用ならびに過去勤務費用を、予測単位積増方式を用いて各制度
ごとに個別に算定しております。割引率は、将来の毎連結会計年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を
設 定し、割引期間に対応した連結会計年度末日時点の優良社債の市場利回りを参照して決定しております。確定給
付負債(資産)の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値(必要な場合には、確定給付資
産の純額を資産上限額に制限することによる影響の調整を含む)を控除して算定しております。確定給付負債(資
産)の純額に係る利息純額は、純損益として認識しております。
確定給付負債(資産)の純額の再測定は、発生した期においてその他の包括利益として認識しており、直ちに利
益剰余金に振り替えております。過去勤務費用は、制度改訂または縮小が発生した時、あるいは関連するリストラ
クチャリング費用または解雇給付を認識した時のいずれか早い期において、純損益として認識しております。
確定拠出制度に支払うべき掛金は、純損益として認識しております。
(14) 株式に基づく報酬
当社は、役員に対する業績連動型株式報酬制度として、持分決済型の役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託
を採用しております。同信託が所有する当社株式は自己株式として処理しております。受領したサービスの対価
は、付与日における当社株式の公正価値で測定しており、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同
額を資本の増加として認識しております。
(15) 引当金
エプソンは、過去の事象の結果として現在の法的債務または推定的債務を有しており、当該債務を決済するため
に経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高くかつ当該債務の金額について信頼性のある見積りがで
きる場合に引当金を認識しております。
貨幣の時間価値の影響に重要性がある場合には、債務を決済するために要すると見積られた支出の現在価値で測
定しております。
(16) 収益
エプソンは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に収益を認識する。
エプソンは、プリンティングソリューションズ事業、ビジュアルコミュニケーション事業、マニュファクチャリ
ング関連・ウエアラブル事業に係る製品の製造、販売を主な事業としており、こうした製品の販売については、通
常は製品の引渡時点において当該製品に対する支配が顧客に移転し、エプソンの履行義務が充足されるため、当該
製品の引渡時点で収益を認識しております。また、収益は、顧客との契約において約束された対価の金額から、値
引、割戻等を控除した金額で測定しております。なお、顧客との契約において複数の履行義務が含まれる場合にお
いては、個々の製品の独立販売価格に基づいて取引価格を配分しております。独立販売価格が直接的に観察可能で
ない場合は、個々に販売された場合における販売価格を見積り、それらに基づき取引価格を配分しております。
(17) 政府補助金
エプソンは、政府補助金について補助金交付のための付帯条件を満たしかつ補助金を受領するという合理的な保
証が得られた時に公正価値で認識しております。
資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しております。収益に関する政府補助
金は、補助金で補償することを意図している関連費用を認識する期間にわたって規則的に収益認識しております。
(18) 借入費用
借入費用は、資金の借入れに関連して発生する利息およびその他の費用であります。意図した使用または販売が
可能となるまでに相当の期間を要する資産(適格資産)の取得、建設または生産に直接起因する借入費用は、当該
資産の取得原価の一部として資産化しております。その他の借入費用は発生した期間の純損益として認識しており
ます。
(19) 法人所得税
法人所得税費用は、当期税金費用と繰延税金費用の合計として表示しております。
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当期税金費用は、納付または還付が予想される税額であり、その他の包括利益または資本において直接認識され
る項目から生じる税金および企業結合から生じる税金を除き、純損益として認識しております。税額の算定に使用
する税率および税法は、連結会計年度末日までに制定されたまたは実質的に制定されているものであります。
繰延税金費用は、資産および負債の連結財務諸表上の帳簿価額と税務基準額との一時差異に基づいて算定してお
ります。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除および繰越欠損金について、それらを利用で
きる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識し、繰延税金負債は、将来加算一時差異について認識しておりま
す。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産または負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる場合
・企業結合ではなく、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えない取引における資産ま
たは負債の当初認識から生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資およびジョイント・ベンチャーに対する持分に関連して生じる将来減算一時差異
に関しては、予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合または当該一時差異を活用できる
課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資およびジョイント・ベンチャーに対する持分に関連して生じる将来加算一時差異
に関しては、当該一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、かつ予測可能な期間内に当該一時差異
が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産および負債は、連結会計年度末日における法定税率または実質的法定税率および税法に基づいて、
当該資産が実現される期または負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定しております。
税法の解釈等に基づき、法人所得税の不確実な税務ポジションが発生する可能性が高い場合には、合理的な見積
額を資産または負債として認識しております。
(20) 自己株式
自己株式は、取得原価で評価し、資本から控除しております。自己株式の購入、売却または消却において利得ま
たは損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本として認識しております。
(21) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済
普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。計算においては、役員報酬BIP信託が所有する当社株式を
自己株式として処理していることから、当該株式数を控除しております。
なお、希薄化後1株当たり当期利益の計算においては、同信託が所有する自己株式のうち、役員が受け取る権利
について調整しております。
(22) 配当金
当社の株主に対する配当のうち、期末配当は当社の株主総会により承認された日、中間配当は取締役会により承
認された日の属する期間の負債として認識しております。
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4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断
エプソンの連結財務諸表は、収益および費用、資産および負債の測定ならびに連結会計年度末日現在の偶発事象の
開示等に関する経営者の見積りおよび仮定を含んでおります。これらの見積りおよび仮定は新型コロナウイルスの感
染拡大に伴う影響を含め、過去の実績および連結会計年度末日において合理的であると考えられる様々な要素を勘案
した経営者の最善の判断に基づいております。しかし、その性質上、将来において、これらの見積りおよび仮定とは
異なる結果となる可能性があります。
見積りおよび仮定は経営者により継続して見直されております。これらの見積りおよび仮定の見直しによる影響
は、その見積りおよび仮定を見直した期間およびそれ以降の期間において認識しております。
見積りおよび仮定のうち、エプソンの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積りおよび仮定は、以
下のとおりであります。
(1) 非金融資産の減損
エプソンは、有形固定資産、のれん、無形資産、投資不動産および使用権資産(以下「資産」という。)につい
て、回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合または資産の減損テストを毎年行う必要がある場合、減損テ
ストを実施しております。
減損テストは、資産または資金生成単位の帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額
が帳簿価額を下回る場合には減損損失を計上することとなります。回収可能価額は、資産または資金生成単位の処
分費用控除後の公正価値または使用価値のいずれか高い金額で算定しており、その算定に際しては、資産の耐用年
数や将来キャッシュ・フロー、割引率、長期成長率等について一定の仮定を設定しております。使用価値は、見積
り将来キャッシュ・フローの割引現在価値として算定しており、将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、
売上収益の成長見込み等の仮定を含めた、経営者によって承認された事業計画等を基礎としております。事業計画
等の策定以降の期間において見積りを要する場合には、将来の不確実性を考慮しております。なお、当該将来
キャッシュ・フローには、資産または資金生成単位の処分により受け取る正味のキャッシュ・フローも含めており
ます。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動
の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表にお
いて認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
非金融資産の減損に関連する内容および金額については「13.有形固定資産」、「14.無形資産」、「15.投資
不動産」、「16.非金融資産の減損」および「21.リース」に記載しております。
(2) 退職後給付
エプソンは、確定給付型を含む様々な退職後給付制度を有しております。
これらの各制度に係る確定給付制度債務の現在価値および関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて
算定されております。数理計算上の仮定には、割引率など様々な変数についての見積りおよび判断が求められま
す。
数理計算上の仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動
の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表にお
いて認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
これらの数理計算上の仮定およびそれに関連する感応度については「23.退職後給付」に記載しております。
(3) 引当金
エプソンは、製品保証引当金や資産除去債務等、種々の引当金を計上しております。
これらの引当金は、連結会計年度末日における債務に関するリスクおよび不確実性を考慮に入れた、債務の決済
に要する支出の最善の見積りに基づいて計上されております。
債務の決済に要する支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しておりますが、予想しえない事
象の発生や状況の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連
結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
計上している引当金の性質および金額については「20.引当金」に記載しております。
(4) 法人所得税
エプソンは、世界各国において事業活動を展開しており、各国の税務当局に納付することになると予想される金
額を、法令等に従って合理的に見積り、未払法人所得税および当期税金費用を計上しております。
未払法人所得税および当期税金費用の算定に際しては、課税対象企業および管轄税務当局による税法規定の解釈
や過去の税務調査の経緯等、様々な要素を勘案した見積りおよび判断が必要となります。
そのため、計上された未払法人所得税および当期税金費用と、実際に納付する法人所得税の金額が異なる可能性
があり、その場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があり
ます。
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また、繰延税金資産は、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しておりま
す。
繰延税金資産の認識に際しては、課税所得が生じる可能性の判断において、売上収益の成長見込み等の仮定を含
めた事業計画等に基づいて将来獲得しうる課税所得の時期およびその金額を合理的に見積り、金額を算定しており
ます。
課税所得が生じる時期および金額は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、実際
に生じた時期および金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重
要な影響を与える可能性があります。
法人所得税に関連する内容および金額については「17.法人所得税」に記載しております。
(5) 偶発事象
偶発事象は、連結会計年度末日におけるすべての利用可能な証拠を勘案し、その発生可能性および金額的影響を
考慮した上で、将来の事業に重要な影響を及ぼしうる項目を開示しております。
偶発事象の内容については「39.偶発事象」に記載しております。
5.会計上の見積りの変更
(耐用年数の変更)
当連結会計年度より、ビジュアルコミュニケーション事業の機械装置について、事業構造改革に伴う生産戦略の見
直し等を踏まえ、使用実態に即した耐用年数に見直しております。
この変更により、従来の方法と比べて、当連結会計年度の営業利益および税引前利益はそれぞれ2,567百万円増加
しております。
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6.未適用の新基準書
連結財務諸表の承認日までに新設または改訂が行われた新基準書および新解釈指針のうち、エプソンが早期適用し
ていない主なものは以下のとおりであります。なお、以下の基準書等を適用することによる連結財務諸表への影響は
検討中であります。
強制適用時期
IFRS エプソン適用時期 新設・改訂の概要
(以降開始年度)
リースおよび廃棄義務に係る繰延税金
IAS第12号 法人所得税 2023年1月1日 2024年3月期
の会計処理を明確化
7.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
エプソンの報告セグメントは、エプソンの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経
営資源の配分の決定および業績の評価をするために定期的に検討を行う対象となっている事業セグメントを基礎に
決定されております。
当連結会計年度より、管理体制の見直しによりセグメント区分方法を変更し、製品の種類、性質、販売市場等か
ら総合的に区分されたセグメントから構成される「プリンティングソリューションズ事業」、「ビジュアルコミュ
ニケーション事業」および「マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業」の3つを報告セグメントとしてお
ります。
前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメント区分に基づき作成しております。
なお、報告セグメントに属する主要な製品等は次のとおりであります。
報告セグメント 主要な製品等
オフィス・ホーム用インクジェットプリンター、シリアルインパクトドットマトリクスプリ
プリンティングソリュー ンター、ページプリンター、カラーイメージスキャナー、乾式オフィス製紙機、商業・産業
ションズ事業 用インクジェットプリンター、インクジェットプリントヘッド、POSシステム関連製品、ラ
ベルプリンター、およびこれらの消耗品 等
ビジュアルコミュニケー
液晶プロジェクター、スマートグラス 等
ション事業
マニュファクチャリング 産業用ロボット、小型射出成形機、ウオッチ、ウオッチムーブメント、水晶デバイス、半導
関連・ウエアラブル事業 体、金属粉末、表面処理加工、PC 等
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(2) セグメント収益および業績
エプソンの報告セグメントによる収益および業績は、以下のとおりであります。セグメント間の取引はおおむね
市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
報告セグメント
調整額
プリンティングソ マニュファクチャ 連結
ビジュアルコミュ
(注2)
リューションズ事 リング関連・ウエ 計
ニケーション事業
業 アラブル事業
売上収益
外部収益 691,201 141,468 157,157 989,827 6,113 995,940
セグメント間収益 △ 4 1 8,298 8,294 △ 8,294 -
収益合計
691,196 141,469 165,455 998,121 △ 2,180 995,940
セグメント損益
106,226 1,348 5,281 112,856 △ 51,214 61,642
(事業利益)(注1)
その他の営業損益 △ 13,988
営業利益 47,654
金融収益及び金融費用 △ 2,820
持分法による投資利益
99
税引前利益 44,933
その他の項目
報告セグメント
調整額
プリンティングソ マニュファクチャ 連結
ビジュアルコミュ
(注3)
リューションズ事 リング関連・ウエ 計
ニケーション事業
業 アラブル事業
減価償却費及び償却費 △ 38,065 △ 13,062 △ 10,335 △ 61,462 △ 7,973 △ 69,436
減損損失(非金融資産) △ 0 △ 60 (注4)△ 7,763 △ 7,823 △ 0 △ 7,823
報告セグメント資産
447,846 121,029 142,327 711,203 450,111 1,161,314
資本的支出 27,266 8,078 10,534 45,878 6,999 52,878
(注1)セグメント損益(事業利益)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
(注2)セグメント損益(事業利益)の「調整額」△51,214百万円には、セグメント間取引消去616百万円および全社費
用・その他△51,830百万円が含まれております。全社費用・その他は、主に基礎研究に関する研究開発費および
報告セグメントに帰属しない新規事業・本社機能に係る収益、費用であります。
(注3)報告セグメント資産の「調整額」450,111百万円には、セグメント間の内部取引に係る消去額△15,128百万円の
ほか、報告セグメントに帰属しない全社資産などが含まれております。
(注4)マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントに含まれるウエアラブル機器事業の事業用資産につ
いて、同事業の収益性低下をふまえ事業戦略の見直しを行ったことにより、期中において認識済みの金額を含
め、減損損失△7,516百万円を計上しております。
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当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
報告セグメント
調整額
プリンティングソ マニュファクチャ 連結
ビジュアルコミュ
(注2)
リューションズ事 リング関連・ウエ 計
ニケーション事業
業 アラブル事業
売上収益
外部収益 779,920 159,034 182,586 1,121,540 7,373 1,128,914
セグメント間収益 27 0 9,398 9,426 △ 9,426 -
収益合計 779,947 159,034 191,984 1,130,966 △ 2,052 1,128,914
セグメント損益
106,471 15,354 23,026 144,851 △ 55,214 89,637
(事業利益)(注1)
その他の営業損益 4,842
営業利益 94,479
金融収益及び金融費用
2,569
持分法による投資利益 113
税引前利益 97,162
その他の項目
報告セグメント
調整額
プリンティングソ マニュファクチャ 連結
ビジュアルコミュ
(注3)
リューションズ事 リング関連・ウエ 計
ニケーション事業
業 アラブル事業
減価償却費及び償却費 △ 37,732 △ 10,321 △ 8,717 △ 56,771 △ 7,696 △ 64,468
減損損失(非金融資産) △ 137 △ 1 △ 26 △ 165 △ 1,295 △ 1,460
報告セグメント資産 503,833 131,538 159,030 794,401 472,018 1,266,420
資本的支出 28,443 4,183 11,314 43,941 4,344 48,285
(注1)セグメント損益(事業利益)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
(注2)セグメント損益(事業利益)の「調整額」△55,214百万円には、セグメント間取引消去581百万円および全社費
用・その他△55,796百万円が含まれております。全社費用・その他は、主に基礎研究に関する研究開発費および
報告セグメントに帰属しない新規事業・本社機能に係る収益、費用であります。
(注3)報告セグメント資産の「調整額」472,018百万円には、セグメント間の内部取引に係る消去額△6,815百万円のほ
か、報告セグメントに帰属しない全社資産などが含まれております。
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(3) 地域別に関する情報
各連結会計年度の非流動資産および外部顧客からの売上収益の地域別内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
非流動資産
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
日本 223,430 207,846
フィリピン 42,698 43,289
インドネシア 29,351 31,894
中華人民共和国 23,589 27,244
その他 56,405 62,407
合計 375,474 372,681
(注)非流動資産は資産の所在地によっており、持分法で会計処理されている投資、その他の金融資産、繰延税金資産
および退職給付に係る資産を含んでおりません。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
外部顧客からの売上収益 (自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
日本 221,285 229,100
米国 209,641 238,361
中華人民共和国 144,821 171,437
その他 420,192 490,015
合計 995,940 1,128,914
(注)売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国に分類しております。
(4) 主要な顧客に関する情報
エプソンの収益全体の10%を超える単一の外部顧客との取引はありません。
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8.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
現金及び預金 252,218 241,137
短期投資 51,788 94,101
合計 304,007 335,239
9.売上債権及びその他の債権
売上債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
受取手形及び売掛金 147,093 152,295
未収入金 15,349 17,086
貸倒引当金 △1,110 △1,161
合計 161,332 168,221
連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しております。
売上債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
10.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
147,978 166,036
商品及び製品
61,301 76,157
仕掛品
34,230 52,376
原材料
12,855 13,814
貯蔵品
256,366 308,385
合計
前連結会計年度および当連結会計年度において費用認識され、売上原価に含まれている棚卸資産の金額は、それぞ
れ△607,252百万円および△684,536百万円であります。
前連結会計年度および当連結会計年度において、売上原価には、それぞれ△28,602百万円および△32,760百万円の
棚卸資産の評価減が含まれております。なお、担保に差し入れている棚卸資産はありません。
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11.その他の金融資産
(1) その他の金融資産の内訳
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
デリバティブ資産 356 212
株式 13,171 13,051
債券 602 -
定期預金 1 0
その他 7,292 7,744
貸倒引当金 △54 △48
合計 21,370 20,961
流動資産 1,156 769
非流動資産 20,213 20,192
合計 21,370 20,961
デリバティブ資産は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(ヘッジ会計が適用されているものを除く)、
株式はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、債券は主に純損益を通じて公正価値で測定する金
融資産、定期預金は償却原価で測定する金融資産にそれぞれ分類しております。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性の金融資産の主な銘柄および公正価値等は、以下のとおり
であります。
(単位:百万円)
公正価値 受取配当金
前連結会計年度 当連結会計年度
銘柄
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
(株)みずほフィナンシャルグループ 2,399 2,351 112 116
日本碍子(株) 2,544 2,203 43 62
株式は主に政策投資目的で保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定し
ております。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性の金融資産の公正価値が著しく下落した場合に、そ
の他の包括利益として認識されていた損失の累計額を利益剰余金に振り替えており、当連結会計年度において、
363百万円(税引後)を振り替えております。前連結会計年度における振替額はありません。
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12.その他の資産
その他の資産の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
前払費用 10,628 12,650
前渡金 972 1,390
その他 3,174 6,938
合計 14,774 20,979
流動資産 13,160 16,797
非流動資産 1,614 4,181
合計 14,774 20,979
13.有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額の増減、ならびに帳簿価額は、以下のとおりであ
ります。
(単位:百万円)
土地、建物 機械装置及 工具、器具
取得原価 建設仮勘定 その他 合計
及び構築物 び運搬具 及び備品
2020年4月1日 残高 571,807 513,104 208,749 7,125 85 1,300,873
取得 12,933 1,882 4,098 30,826 1 49,742
投資不動産との振替 △2,562 - - - - △2,562
売却目的で保有する資産との振替 △61 △133 △540 - - △735
売却又は処分 △4,943 △11,938 △13,573 △218 △13 △30,687
在外営業活動体の換算差額 6,163 5,875 3,778 379 6 16,203
建設仮勘定からの振替 6,748 12,204 10,025 △28,979 - -
その他の増減 △234 313 △159 △863 - △943
589,853 521,308 212,378 8,269 81 1,331,890
2021年3月31日 残高
取得 4,957 3,162 3,781 31,960 1 43,862
投資不動産との振替 - - - - - -
売却目的で保有する資産との振替 - - - - - -
売却又は処分 △4,324 △12,904 △11,684 △18 △17 △28,949
在外営業活動体の換算差額 13,357 13,836 14,779 975 3 42,953
建設仮勘定からの振替 6,603 12,056 8,764 △27,424 - -
その他の増減 △58 △519 △247 △114 △0 △940
610,389 536,940 227,770 13,647 68 1,388,816
2022年3月31日 残高
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(単位:百万円)
減価償却累計額および減損損失累 土地、建物 機械装置及 工具、器具
建設仮勘定 その他 合計
計額 及び構築物 び運搬具 及び備品
2020年4月1日 残高 △352,888 △413,900 △173,440 △42 △84 △940,355
減価償却費(注) △19,099 △24,435 △17,912 - △2 △61,450
減損損失 △1,214 △4,362 △937 △599 - △7,112
投資不動産との振替 2,342 - - - - 2,342
売却目的で保有する資産との振替 37 133 427 - - 599
売却又は処分 4,049 11,197 13,323 42 13 28,626
在外営業活動体の換算差額 △2,719 △4,447 △3,266 △7 △6 △10,446
建設仮勘定からの振替 - - - - - -
その他の増減 △38 527 160 △105 △0 543
2021年3月31日 残高 △ 369,529 △ 435,286 △ 181,644 △ 712 △ 80 △ 987,253
減価償却費(注) △19,115 △20,030 △16,879 - △1 △56,027
減損損失 △1,316 △79 △54 △9 - △1,459
投資不動産との振替 - - - - - -
売却目的で保有する資産との振替 - - - - - -
売却又は処分 3,469 12,501 11,571 5 17 27,563
在外営業活動体の換算差額 △5,990 △10,312 △12,952 5 △3 △29,252
建設仮勘定からの振替 - △392 △55 447 - -
その他の増減 21 469 260 33 0 785
2022年3月31日 残高 △ 392,460 △ 453,131 △ 199,754 △ 229 △ 68 △ 1,045,643
(注)有形固定資産の減価償却費は、連結包括利益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「その他
の営業費用」に含まれております。
(単位:百万円)
土地、建物 機械装置及 工具、器具
帳簿価額 建設仮勘定 その他 合計
及び構築物 び運搬具 及び備品
2020年4月1日 残高 218,919 99,204 35,308 7,083 1 360,517
220,323 86,022 30,734 7,557 0 344,637
2021年3月31日 残高
217,929 83,809 28,016 13,417 0 343,172
2022年3月31日 残高
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14.無形資産
無形資産の取得原価、償却累計額および減損損失累計額の増減、ならびに帳簿価額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
ソフトウェ 製品開発資
取得原価 特許権 のれん その他 合計
ア 産
2020年4月1日 残高 49,774 10,683 16,416 4,738 5,486 87,099
取得 4,173 5 3,084 - 389 7,652
売却又は処分 △2,804 △1,005 △1,653 - △153 △5,617
在外営業活動体の換算差額 755 - 3 224 80 1,064
その他の増減 △66 8 - - - △58
51,832 9,692 17,850 4,963 5,802 90,140
2021年3月31日 残高
取得 4,532 40 525 - 61 5,160
売却又は処分 △1,738 △251 △955 - △149 △3,094
在外営業活動体の換算差額 1,649 - 18 200 183 2,051
その他の増減 △1,130 8 - - △1 △1,123
55,145 9,490 17,439 5,163 5,896 93,135
2022年3月31日 残高
(単位:百万円)
ソフトウェ 製品開発資
償却累計額および減損損失累計額 特許権 のれん その他 合計
ア 産
2020年4月1日 残高 △36,441 △8,178 △10,596 - △2,830 △58,046
償却費(注) △4,479 △470 △2,891 - △558 △8,400
減損損失 △143 - △162 - △405 △711
売却又は処分 2,801 1,005 1,653 - 144 5,604
在外営業活動体の換算差額 △608 - △3 - △48 △660
その他の増減 57 △8 - - - 48
2021年3月31日 残高 △ 38,814 △ 7,652 △ 12,000 - △ 3,698 △ 62,164
償却費(注) △4,357 △471 △3,203 - △535 △8,567
減損損失 △1 - - - - △1
売却又は処分 1,726 251 955 - 119 3,053
在外営業活動体の換算差額 △1,257 - △18 - △158 △1,434
その他の増減 206 △8 - - 1 198
2022年3月31日 残高 △ 42,497 △ 7,881 △ 14,266 - △ 4,270 △ 68,916
(注)無形資産の償却費は、連結包括利益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に含まれておりま
す。
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(単位:百万円)
ソフトウェ 製品開発資
帳簿価額 特許権 のれん その他 合計
ア 産
2020年4月1日 残高 13,332 2,505 5,819 4,738 2,656 29,052
13,017 2,040 5,850 4,963 2,104 27,976
2021年3月31日 残高
12,648 1,608 3,172 5,163 1,625 24,218
2022年3月31日 残高
15.投資不動産
(1) 増減表
投資不動産の帳簿価額の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
期首残高 1,043 1,246
有形固定資産との振替 219 -
減価償却費 △1 △0
売却又は処分 △17 △138
在外営業活動体の換算差額 2 0
期末残高 1,246 1,108
期首残高内訳
取得原価 1,669 4,192
減価償却累計額および減損損失累計額 △625 △2,945
合計 1,043 1,246
期末残高内訳
取得原価 4,192 3,148
減価償却累計額および減損損失累計額 △2,945 △2,040
合計 1,246 1,108
(2) 公正価値
投資不動産の帳簿価額と公正価値は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
投資不動産 1,246 1,836 1,108 2,507
投資不動産の公正価値については、将来キャッシュ・フロー等のレベル3のインプットを用いて収益還元法に
より評価した不動産鑑定価額等を参照して算定しております。
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16.非金融資産の減損
エプソンは、原則として、資産に対応して継続的に収支の把握を実施している管理会計上の事業区分を基準に、資
金生成単位をグルーピングしております。処分予定資産(廃棄・売却による処分等が予定されている資産)および遊
休資産については、個別に減損の要否を検討しております。
前連結会計年度に計上した減損損失の総額は7,823百万円であり、その主な内訳は機械装置4,362百万円、建物及び
構築物1,214百万円、工具、器具及び備品937百万円であります。
当該減損損失は、主としてウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメント(現:マニュファクチャリング関連・ウ
エアラブル事業セグメント)に含まれるウエアラブル機器事業の事業用資産に係るものであります。これは、同事業
の収益性低下をふまえ、前連結会計年度末において事業戦略の見直しを行ったことによるものであり、前連結会計年
度の期中において認識済みの金額を含め、減損損失7,516百万円を計上しております。回収可能価額(9,704百万円)
は使用価値により算定しており、その算定にあたっては、マネジメントが承認した事業計画等ならびに資産の処分に
より受け取る正味のキャッシュ・フローを基礎として5年の将来キャッシュ・フローを見積り、当該将来キャッ
シュ・フローを税引前割引率(7.5%)により現在価値に割引いて算定しております。
当連結会計年度に計上した減損損失の総額は1,460百万円であり、その主な内訳は土地、建物及び構築物1,316百万
円、機械装置79百万円であります。
当該減損損失は、将来の使用見込が無くなった処分予定資産および遊休資産について、帳簿価額を回収可能価額ま
で減額したものであり、回収可能価額は使用価値または処分コスト控除後の公正価値に基づいて測定しております。
処分コスト控除後の公正価値は売却見込額等に基づいており、公正価値のヒエラルキーはレベル3であります。
なお、減損損失は、連結包括利益計算書の「その他の営業費用」に計上しております。
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17.法人所得税
(1) 繰延税金資産および繰延税金負債
繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
繰延税金資産
棚卸資産(未実現利益および評価減) 17,470 20,911
未払賞与 5,322 7,969
固定資産(減損損失および償却超過) 3,469 6,678
退職後給付 3,349 6,155
繰越欠損金 1,485 3,294
その他 13,697 21,792
合計 44,794 66,802
繰延税金負債
在外連結子会社等未分配利益 △16,290 △18,631
退職後給付 △4,164 △7,539
固定資産(償却不足) △5,340 △4,981
その他 △2,810 △2,957
合計 △28,606 △34,109
繰延税金資産の純額(注) 16,188 32,692
(注)当連結会計年度および前連結会計年度に認識された繰延税金資産の純額の差額から、資本にて直接認識された繰
延税金資産および負債、その他の包括利益で認識される繰延税金資産および負債を控除した金額と、繰延税金費
用の差額は、主として為替の変動による影響であります。
エプソンは、取締役会で承認された中期計画および業績見通しに基づき、税務上の繰越欠損金を将来利用できる
可能性を毎期定期的に評価しております。この評価に際しては、エプソンの中長期的な戦略および業績計画、なら
びに将来の経済見通しを考慮しております。また、将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金に対する繰延税金
資産の認識にあたり、重要な税務調整項目、将来課税所得計画および繰越欠損金の期限が到来する時期についても
考慮しております。認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準および繰延税金資産が認識できる期
間における将来課税所得の予測に基づき、税務便益が実現する可能性は高いと判断しております。
エプソンは、一部の税務上の繰越欠損金および将来減算一時差異について、繰延税金資産を認識しておりませ
ん。こうした繰延税金資産の回収可能性を評価するため、該当する会社を個別に分析し、税務便益が実現する可能
性が低くなった部分について減額しております。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金および将来減算一時差異は、それぞれ9,419百万円(前連結
会計年度26,954百万円)、82,847百万円(前連結会計年度135,980百万円)であります。将来減算一時差異は現行
の税法上失効することはありません。なお、税務上の繰越欠損金の失効予定は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
1年目 7,323 -
2年目 - -
3年目 - -
4年目 - -
5年目以降および無期限 19,631 9,419
合計 26,954 9,419
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前連結会計年度および当連結会計年度において繰延税金負債として認識されていない子会社の投資に係る将来加
算一時差異はありません。
(2) 法人所得税費用
純損益として認識された法人所得税費用は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
当期税金費用 △15,099 △25,101
繰延税金費用 1,162 20,241
合計 △13,937 △4,859
前連結会計年度および当連結会計年度における税率変更の影響による繰延税金費用の増減額は、それぞれ149百
万円(減少)および44百万円(減少)であります。
当期税金費用および繰延税金費用には、以前は認識されていなかった税務上の欠損金または過去の期の一時差異
から生じた便益の金額と、繰延税金資産の評価減または以前に計上した評価減の戻入による金額が含まれておりま
す。これにともなう前連結会計年度および当連結会計年度における当期税金費用および繰延税金費用の増減額は、
それぞれ769百万円(増加)および19,748百万円(減少)であります。
(3) 実効税率の調整
法定実効税率と実際負担税率との差異について、原因となった主要な項目の内訳は、以下のとおりであります。
前連結会計年度および当連結会計年度において、エプソンは、主に法人税、住民税および事業税を課されてお
り、これらを基礎として計算した法定実効税率はいずれも30.5%となっております。ただし、海外子会社について
はその所在地における法人税等が課されております。
(単位:%)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
法定実効税率 30.5 30.5
海外連結子会社の税率差異 △3.2 △2.4
一時差異に該当しない項目 1.9 1.3
繰延税金資産の回収可能性の評価による影響 1.9 △20.3
税率変更による影響 △0.4 △0.1
その他 0.3 △3.9
実際負担税率 31.0 5.0
18.仕入債務及びその他の債務
仕入債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
支払手形及び買掛金 78,495 85,864
未払金 55,654 60,336
合計 134,149 146,201
仕入債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
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19.社債、借入金及びリース負債
(1) 社債、借入金及びリース負債の内訳
社債、借入金及びリース負債の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度 平均利率(%)
返済期限
(2021年3月31日) (2022年3月31日) (注1)
1年内返済予定の長期借入金 500 17,997 0.42 -
1年内償還予定の社債(注2) 19,991 - (注2) (注2)
長期借入金 65,936 48,455 0.38 2027年
社債(注2) 149,472 149,580 (注2) (注2)
リース負債 30,007 27,117 1.16 2022年~2068年
合計 265,907 243,151
流動負債 28,127 26,297
非流動負債 237,780 216,853
合計 265,907 243,151
(注1)平均利率については、当連結会計年度末残高に対する加重平均利率を記載しております。
(注2)社債の発行条件の要約は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
会社名 銘柄 発行年月日 担保 償還期限
利率(%)
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
第13回無担保社債(社債 2016年 20,000 2021年
当社 なし
0.10
-
9月21日 9月21日
間限定同順位特約付) (20,000)
第14回無担保社債(社債 2016年 2023年
当社 なし
20,000 20,000 0.27
間限定同順位特約付) 9月21日 9月21日
第15回無担保社債(社債 2016年 2026年
当社 なし
10,000 10,000 0.34
9月21日 9月18日
間限定同順位特約付)
第16回無担保社債(社債 2017年 2024年
当社 10,000 10,000 0.26 なし
9月6日 9月6日
間限定同順位特約付)
第17回無担保社債(社債 2017年 2027年
当社 10,000 10,000 0.36 なし
間限定同順位特約付) 9月6日 9月6日
第18回無担保社債(社債
2019年 2026年
当社 10,000 10,000 0.20 なし
間限定同順位特約付) 7月19日 7月17日
第19回無担保社債(社債
2019年 2029年
当社 20,000 20,000 0.30 なし
間限定同順位特約付) 7月19日 7月19日
第20回無担保社債(社債
2020年 2023年
当社 間限定同順位特約付) 10,000 10,000 0.02 なし
7月16日 7月14日
(グリーンボンド)
第21回無担保社債(社債
2020年 2025年
当社 間限定同順位特約付) 40,000 40,000 0.23 なし
7月16日 7月16日
(グリーンボンド)
第22回無担保社債(社債
2020年 2030年
当社 間限定同順位特約付) なし
20,000 20,000 0.45
7月16日 7月16日
(グリーンボンド)
170,000
合計 150,000
(20,000)
※残高の( )内は内書きで、1年内償還予定の金額であります。
社債、借入金及びリース負債は償却原価で測定する金融負債に分類しております。
社債および借入金に関し、エプソンの財務活動に重大な影響を及ぼす財務制限条項は付されておりません。
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(2) 財務活動から生じた負債の調整表
財務活動から生じた負債の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
短期借入金 長期借入金 社債 リース負債 合計
2020年4月1日 残高 1,267 80,411 99,677 28,326 209,682
キャッシュ・フローを伴う変動 △889 △14,000 69,676 △9,667 45,120
キャッシュ・フローを伴わない変動
新規リース - - - 9,290 9,290
為替変動による換算差額 △384 - - 1,504 1,119
その他 6 24 109 553 694
2021年3月31日 残高 - 66,436 169,463 30,007 265,907
キャッシュ・フローを伴う変動 - - △20,000 △8,275 △28,275
キャッシュ・フローを伴わない変動
新規リース - - - 4,383 4,383
為替変動による換算差額 - - - 1,688 1,688
その他 - 16 116 △687 △553
2022年3月31日 残高 - 66,452 149,580 27,117 243,151
長期借入金、社債には1年内返済予定または償還予定の残高および変動を含めて表示しております。
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20.引当金
引当金の内訳および増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) (単位:百万円)
製品保証引当 訴訟損失引当
資産除去債務 その他引当金 合計
金 金
2020年4月1日残高 11,666 3,895 651 2,777 18,992
期中増加額 10,540 128 265 854 11,788
目的使用による減少 △10,628 △134 △349 △1,238 △12,351
戻入による減少 △293 - - △144 △438
在外営業活動体の換算差額 580 57 46 96 780
2021年3月31日残高 11,865 3,947 614 2,345 18,772
流動負債 9,489 27 479 1,018 11,014
非流動負債 2,376 3,919 134 1,326 7,757
合計 11,865 3,947 614 2,345 18,772
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) (単位:百万円)
製品保証引当 訴訟損失引当
資産除去債務 その他引当金 合計
金 金
2021年4月1日残高 11,865 3,947 614 2,345 18,772
期中増加額 2,401 119 92 942 3,554
目的使用による減少 △2,196 △52 △171 △1,365 △3,786
戻入による減少 △400 - - △117 △517
在外営業活動体の換算差額 819 59 29 104 1,013
2022年3月31日残高 12,489 4,073 564 1,908 19,035
流動負債 9,762 239 417 574 10,993
非流動負債 2,726 3,833 146 1,334 8,042
合計 12,489 4,073 564 1,908 19,035
製品保証引当金
将来の製品保証にともなう支出にそなえ、過年度のアフターサービス費の売上高に対する発生率による見積額の
ほか、支出が具体的に見積り可能な特定事業について、当該見積額を計上しております。これらの支出のほとんど
は翌連結会計年度に支払われることが見込まれております。
資産除去債務
有形固定資産の取得、建設、開発または通常の使用によって生じ、エプソンによる当該有形固定資産の除去費用
の支出が要求されているものにそなえ、過去の実績に基づき将来支払うと見込まれる金額を計上しております。こ
れらの支出は主に5年以上経過した後に支払われることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を
受けます。
訴訟損失引当金
訴訟中または訴訟のおそれがある案件等の支出にそなえ、損害賠償金・訴訟費用等について、各連結会計年度末
において必要と認めた合理的な見積額を計上しております。これらの支出のほとんどは翌連結会計年度に支払われ
ることが見込まれております。
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21.リース
(1) リース活動
エプソンは、借手として、主に事務所や倉庫等の不動産について、リース契約を締結しております。延長オプ
ションおよび解約オプションは、主としてこれら不動産に係るリースに含まれており、リース契約主体が不動産を
事業に活用する上で、必要に応じて使用されております。
(2) 使用権資産
使用権資産の帳簿価額の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
土地、建物及び構 機械装置及び運搬 工具、器具及び備
合計
築物 具 品
2020年4月1日 残高 29,265 1,642 367 31,275
取得 10,092 864 323 11,281
減価償却費 △7,340 △828 △172 △8,342
減損損失 - - - -
在外営業活動体の換算差額 1,355 84 3 1,443
その他の増減 △1,029 △97 △0 △1,127
2021年3月31日 残高 32,343 1,666 521 34,530
取得 3,503 795 116 4,414
減価償却費 △7,410 △832 △255 △8,498
減損損失 △548 - - △548
在外営業活動体の換算差額 2,017 93 3 2,114
その他の増減 △709 △33 △4 △747
2022年3月31日 残高 29,195 1,688 382 31,265
(3) リース取引に係る損益の内訳
リース取引に係る損益の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
リース負債に係る支払利息 △347 △330
短期リース料 △5,075 △5,255
少額リース料 △74 △49
変動リース料 △438 △637
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22.その他の負債
その他の負債の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
未払費用 23,472 24,731
未払賞与 29,531 34,276
未払有給休暇 26,599 27,491
契約負債 21,705 23,743
返金負債 21,652 22,220
その他 13,495 13,034
合計 136,456 145,498
流動負債 122,973 131,817
非流動負債 13,483 13,680
合計 136,456 145,498
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23.退職後給付
当社および一部の国内連結子会社は、確定給付型の制度として確定給付企業年金制度および退職一時金制度、なら
びに確定拠出年金制度を設けております。また、一部の海外連結子会社は、確定給付型の制度および確定拠出年金制
度を設けております。
エプソンの主要な確定給付制度は、確定給付企業年金法(平成13年法律第50号)に基づき、企業年金基金によって
運営されております。
確定給付制度における給付額は、勤続年数、基準給与の額(在職中の平均標準給与月額または最終退職金基礎給)
を基にした給与比例方式と資格等に応じたポイントを基にした掛金積立方式、およびその他の条件に基づき設定され
ております。
企業年金基金は、企業年金基金規約に則って代議員会を置いており、会社の代表と加入者の代表から構成されてお
ります。代議員会は、規約の変更、給付に充てるべき積立金の管理および運用に関する基金の業務を執行する理事を
含む役員の解任、毎事業年度の事業報告および決算等の議決を行っております。
(1) 確定給付制度債務の調整表
確定給付制度債務の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
期首残高 323,837 327,755
勤務費用 10,147 9,915
利息費用 2,857 3,292
再測定
人口統計上の仮定の変化より生じた
121 △1,647
数理計算上の差異の当期発生額
財務上の仮定の変化により生じた
△1,891 △10,089
数理計算上の差異の当期発生額
過去勤務費用及び清算損益 15 -
在外営業活動体の換算差額 4,120 2,421
給付の支払額 △11,452 △11,749
期末残高 327,755 319,899
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(2) 制度資産の調整表
制度資産の増減は、以下のとおりであります。
エプソンの主要な確定給付制度におきましては、将来の拠出に影響を与える企業年金資産の積立てについて、財
政検証を通じ、年金債務に対して制度資産が一定の積立水準を確保するよう規制しております。
なお、エプソンは2023年3月期に6,789百万円の掛金を拠出する予定であります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
期首残高 270,906 294,808
利息収益 1,990 2,461
再測定
制度資産に係る収益 22,667 2,778
在外営業活動体の換算差額 2,635 1,494
事業主からの拠出額 6,750 6,730
制度加入者からの拠出額 1,110 1,097
給付の支払額 △11,251 △11,405
期末残高 294,808 297,966
(3) 補填の権利の調整表
エプソンの主要な確定給付制度は企業年金基金制度であるため、第三者からの拠出はありません。
(4) 資産上限額の影響
資産上限額の影響はありません。
(5) 確定給付制度債務および制度資産の調整表
確定給付制度債務および制度資産と連結財政状態計算書に計上された退職給付に係る負債および資産との関係
は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
積立型の確定給付制度債務 320,141 311,464
制度資産 △294,808 △297,966
小計 25,332 13,497
非積立型の確定給付制度債務 7,614 8,434
連結財政状態計算書に計上された退職給
32,947 21,932
付に係る負債(資産)の純額
退職給付に係る負債 33,087 24,210
退職給付に係る資産 △140 △2,278
連結財政状態計算書に計上された退職給
32,947 21,932
付に係る負債(資産)の純額
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(6) 制度資産の主な内訳
制度資産合計に対する主な分類ごとの内訳は、以下のとおりであります。制度資産として保有しているエプソン
自身の譲渡可能な金融商品、および制度資産のうちエプソンが保有している不動産または使用している他の資産は
ありません。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
活発な市場における公表市場価格がある
もの
株式 17,016 17,039
債券 3,283 2,850
代替投資(注1) 4,700 4,989
現金及び預金 3,433 2,052
その他 4,489 4,158
合計 32,923 31,089
活発な市場における公表市場価格がない
もの
合同運用信託(株式) 32,464 37,863
合同運用信託(債券) 50,553 46,538
生保一般勘定(注2) 136,770 139,671
代替投資(注1) 41,555 41,984
その他 540 819
合計 261,885 266,877
(注1)代替投資は、ヘッジファンド、マルチアセット、証券化商品等の投資ファンドを通じて運用されている投資で
あります。
(注2)生保一般勘定は、生命保険会社により一定の予定利率と元本が保証されております。
エプソンの主要な制度に係る資産運用方針は、以下のとおりであります。
エプソンの主要な確定給付制度に係る制度資産の運用方針は、企業年金基金規約に従い、将来にわたる確定給付
制度債務の支払を確実に行うために、中長期的に安定的な収益を確保することを目的としております。その目的を
達成するため、外部機関が実施する年金ALM(資産・負債の総合管理)を踏まえて政策アセットミックス(資産
構成割合)を策定し、その割合を維持することにより資産運用を行っております。
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(7) 数理計算上の仮定に関する事項
主要な数理計算上の仮定は、以下のとおりであります。
(単位:%)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
割引率 1.0 1.2
確定給付制度債務の評価は、将来の不確実な事象への判断を含んでおります。割引率が1%変化した場合の当連
結会計年度における確定給付制度債務に与える感応度は、以下のとおりであります。この分析は、他のすべての変
数が一定であると仮定しております。なお、マイナスは確定給付制度債務の減少を、プラスは確定給付制度債務の
増加を表しております。
(単位:百万円)
当連結会計年度
(2022年3月31日)
割引率(1%の上昇) △44,864
割引率(1%の低下) 53,239
なお、当連結会計年度における主要な確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、15.1年であります。
(8) 確定拠出年金制度
確定拠出年金への要拠出額等に係る費用は、前連結会計年度において18,852百万円、当連結会計年度において
21,392百万円であります。
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24.資本およびその他の資本項目
(1) 資本金および資本剰余金
① 授権株式数
前連結会計年度末および当連結会計年度末における授権株式数は、普通株式1,214,916,736株であります。
② 全額払込済みの発行済株式
株式発行数および資本金等の残高の増減は、以下のとおりであります。
発行済普通株式数(株)
資本金(百万円) 資本剰余金(百万円)
(注)
2020年4月1日 残高 399,634,778 53,204 84,434
増減 - - △16
2021年3月31日 残高 399,634,778 53,204 84,418
増減 - - △408
2022年3月31日 残高 399,634,778 53,204 84,010
(注)当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であります。
(2) 自己株式
自己株式数および残高の増減は、以下のとおりであります。
株式数(株) 金額(百万円)
2020年4月1日 残高 53,703,521 40,953
増減(注1) △47,696 △78
2021年3月31日 残高(注3) 53,655,825 40,874
増減(注2) △39,819 △65
2022年3月31日 残高(注4) 53,616,006 40,808
(注1)前連結会計年度における自己株式の増減は、役員報酬BIP信託の受益者に対する交付にともなう減少48,540
株、単元未満株式の買取請求による増加844株から生じたものであります。
(注2)当連結会計年度における自己株式の増減は、役員報酬BIP信託の受益者に対する交付にともなう減少40,321
株、単元未満株式の買取請求による増加502株から生じたものであります。
(注3)2021年3月31日残高の株式数には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式210,928株が含まれております。
(注4)2022年3月31日残高の株式数には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式170,607株が含まれております。
(3) その他の資本の構成要素
① 確定給付制度の再測定
確定給付制度債務の現在価値に係る数理計算上の差異および制度資産に係る収益(利息の純額に含まれる金額
を除く)であります。これについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益
剰余金に直ちに振り替えております。
② 資本性金融商品の公正価値の純変動
資本性金融商品の公正価値の評価差額であります。
③ 在外営業活動体の換算差額
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額であります。
④ キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分
エプソンは、将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジを行っており、キャッシュ・フ
ロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動のうち有効と認められる部分であります。
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25.配当金
配当金の支払額は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
1株当たり
配当金の総額
(決議) 株式の種類 配当額 基準日 効力発生日
(百万円)
(円)
2020年6月25日
普通株式 (注1)10,731 31 2020年3月31日 2020年6月26日
定時株主総会
2020年10月29日
普通株式 (注2)10,731 31 2020年9月30日 2020年11月30日
取締役会
(注1)配当金の総額には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式に対する配当金8百万円が含まれております。
(注2)配当金の総額には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式に対する配当金6百万円が含まれております。
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
1株当たり
配当金の総額
(決議) 株式の種類 配当額 基準日 効力発生日
(百万円)
(円)
2021年6月25日
普通株式 (注1)10,731 31 2021年3月31日 2021年6月28日
定時株主総会
2021年10月29日
普通株式 (注2)10,731 31 2021年9月30日 2021年11月30日
取締役会
(注1)配当金の総額には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式に対する配当金6百万円が含まれております。
(注2)配当金の総額には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式に対する配当金5百万円が含まれております。
また、基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは、以下のと
おりであります。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
1株当たり
配当金の総額
(決議) 株式の種類 配当額 基準日 効力発生日
(百万円)
(円)
2021年6月25日
普通株式 (注)10,731 31 2021年3月31日 2021年6月28日
定時株主総会
(注)配当金の総額には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式に対する配当金6百万円が含まれております。
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
1株当たり
配当金の総額
(決議) 株式の種類 配当額 基準日 効力発生日
(百万円)
(円)
2022年6月28日
普通株式 (注)10,731 31 2022年3月31日 2022年6月29日
定時株主総会
(注)配当金の総額には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式に対する配当金5百万円が含まれております。
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26.売上収益
(1) 収益の分解
「7.セグメント情報」で記載しているセグメント別の売上収益を、事業別に分解しています。これらの分解し
た売上収益とセグメント別の売上収益との関連は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
プリンティングソリューションズ事業セグメント 691,196 779,947
オフィス・ホームプリンティング事業 511,792 566,348
商業・産業プリンティング事業 179,515 213,652
事業間売上収益 △111 △53
ビジュアルコミュニケーション事業セグメント 141,469 159,034
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業
165,455 191,984
セグメント
マニュファクチャリングソリューションズ事
28,665 30,506
業
ウエアラブル機器事業 28,157 34,659
マイクロデバイス事業 他 94,395 110,901
PC事業 16,558 18,996
事業間売上収益 △2,321 △3,078
その他(注1) △2,180 △2,052
合計 995,940 1,128,914
顧客との契約から認識した収益 992,436 1,125,578
その他の源泉から認識した収益(注2) 3,504 3,335
(注1)「その他」には、セグメントに帰属しない売上収益およびセグメント間取引消去が含まれております。
(注2)「その他の源泉から認識した収益」には、IFRS第16号に基づくリース収益等が含まれております。
エプソンは、プリンティングソリューションズ事業、ビジュアルコミュニケーション事業、マニュファクチャリ
ング関連・ウエアラブル事業に係る製品の製造、販売を主な事業としており、こうした製品の販売については、通
常は製品の引渡時点において当該製品に対する支配が顧客に移転し、エプソンの履行義務が充足されるため、当該
製品の引渡時点で収益を認識しております。一部の製品において機器の設置や据付等の作業を伴う場合があります
が、そうした場合は当該作業が完了し顧客の受け入れが得られた時点で、エプソンの履行義務が充足されると判断
し、当該時点で収益を認識しております。
また、エプソンは、製品販売時に延長保証等の保守に関するオプションを提供しております。こうした保守契約
については、履行義務が時の経過につれて充足されると判断しており、顧客との契約において約束された対価の金
額を契約期間にわたり均等に収益認識しております。
なお、当該製品の販売にかかる取引の対価を製品の引渡前に前受金として受領する場合や当該保守契約にかかる
取引の対価を締結時に一括で前受けにより受領している場合等について、履行義務が充足するまで契約負債を認識
しております。
エプソンは、顧客である販売代理店等に対し、所定の目標の達成等を条件としたリベート等を付けて販売する場
合がありますが、その場合の取引価格は、顧客との契約において約束された対価からリベート等の見積りを控除し
た金額で算定しております。なお、リベート等の見積りは、過去の傾向や直近の情報などに基づく合理的な方法に
より算定しており、収益は重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しております。
取引の対価は、履行義務の充足後、主として1年以内に、顧客ごとに定める条件に応じ受領しており、重大な金
融要素は含んでおりません。
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(2) 契約残高
顧客との契約から生じた債権および契約負債の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 期首 前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年4月1日) (2021年3月31日) (2022年3月31日)
顧客との契約から生じた債権 157,782 161,332 168,221
契約負債 19,126 21,705 23,743
流動負債 9,408 10,766 12,289
非流動負債 9,717 10,938 11,454
連結財政状態計算書において、契約負債は、「その他の流動負債」および「その他の非流動負債」に含まれてお
ります。
前連結会計年度および当連結会計年度において、過去の期間に充足(または部分的に充足)した履行義務から認識
した収益の額に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
当初の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を適用し、残存履行義務に関する情報
は記載しておりません。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はあり
ません。
27.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
従業員給付費用 △ 110,450 △ 121,886
研究開発費 △ 46,479 △ 46,083
販売促進費 △ 23,500 △ 26,270
運送費 △ 17,680 △ 23,899
広告宣伝費 △ 11,844 △ 21,362
アフターサービス費 △ 15,197 △ 15,521
減価償却費及び償却費 △ 14,504 △ 14,779
その他 △ 51,077 △ 59,010
合計 △ 290,735 △ 328,814
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28.従業員給付費用
連結包括利益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の内訳は、以下の
とおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
給与手当 △216,183 △231,465
法定福利費 △20,067 △21,780
福利厚生費 △10,219 △10,926
退職後給付制度に係る費用
確定拠出制度に係る費用 △18,852 △21,392
確定給付制度に係る費用 △9,603 △9,642
合計 △274,925 △295,207
29.その他の営業収益
その他の営業収益の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
4,785
為替差益 -
2,190
過年度社会負担金還付額(注) -
3,225 3,238
その他
3,225 10,214
合計
(注)ブラジルにおいて同国の企業が負担する社会負担金(PIS/COFINS)に関し、当社連結子会社がその算定方法をめ
ぐり係争していた案件につき、当社連結子会社の主張が認められることが確実となったため、過払いとなってい
た社会負担金および利息相当額につき、債権として認められる金額を見積り、その他の営業収益として計上して
おります。
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30.その他の営業費用
その他の営業費用の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
減損損失 △ 7,823 △ 1,460
新型コロナウイルス感染症による操業
△ 2,396 △ 1,123
休止等に伴う損失(注)
固定資産廃却損 △ 383 △ 598
為替差損 △ 4,272 -
その他 △ 2,336 △ 2,188
合計 △ 17,213 △ 5,372
(注)新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために出された各国政府等からの要請や声明等を受け、操業を中止した
海外製造子会社の製造固定費等であります。
31.金融収益および金融費用
金融収益および金融費用の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
金融収益 (自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
3,256
為替差益(注1) -
1,058 975
受取利息
259 462
受取配当金
3
その他 -
1,317 4,698
合計
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
金融費用 (自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
支払利息 △ 1,199 △ 1,234
従業員給付費用(注2) △ 866 △ 830
為替差損(注1) △ 1,829 -
その他 △ 242 △ 63
合計 △ 4,137 △ 2,128
(注1)通貨デリバティブの公正価値の変動は、為替差損益に含めております。
(注2)従業員給付費用は、従業員給付に関連する損益のうち、利息費用および利息収益の純額であります。
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32.その他の包括利益
その他の包括利益に含まれている各内訳項目の当期発生額、純損益への組替調整額、および税効果の影響は、以下
のとおりであります。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) (単位:百万円)
当期発生額 組替調整額 税効果調整前 税効果額 税効果調整後
-
確定給付制度の再測定 24,415 24,415 △4,195 20,220
-
資本性金融商品の公正価値の純変動 1,831 1,831 △325 1,505
- -
在外営業活動体の換算差額 17,172 17,172 17,172
キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分
△5,587 3,962 △1,625 494 △1,130
(注)
- -
持分法適用会社に対する持分相当額 54 54 54
合計 37,887 3,962 41,849 △4,026 37,822
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) (単位:百万円)
当期発生額 組替調整額 税効果調整前 税効果額 税効果調整後
-
確定給付制度の再測定 14,486 14,486 △3,945 10,541
-
資本性金融商品の公正価値の純変動 △255 △255 55 △199
- -
在外営業活動体の換算差額 34,573 34,573 34,573
キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分
△3,874 2,313 △1,561 475 △1,085
(注)
- -
持分法適用会社に対する持分相当額 95 95 95
合計 45,025 2,313 47,338 △3,414 43,924
(注)組替調整額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与えたことにより振り替えた金額であり、連結包括利益計算書におい
て主に「売上収益」として認識しております。
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33.1株当たり利益
(1)基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 30,922 92,288
親会社の普通株主に帰属しない当期利益(百万円) - -
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益
30,922 92,288
(百万円)
期中平均普通株式数(千株) 345,968 346,006
基本的1株当たり当期利益(円) 89.38 266.73
(2) 希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益
30,922 92,288
(百万円)
損益調整額(百万円) - -
希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する当期利
30,922 92,288
益(百万円)
期中平均普通株式数(千株) 345,968 346,006
希薄化性潜在的普通株式の影響
役員報酬BIP信託(千株) 110 105
希薄化後の期中平均普通株式数(千株) 346,078 346,112
希薄化後1株当たり当期利益(円) 89.35 266.64
(注)基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益の算定において、役員報酬BIP信託が所有する当
社株式を自己株式として処理していることから、期中平均普通株式数から当該株式数を控除しております。
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34.株式に基づく報酬
(1) 業績連動型株式報酬制度の概要
当社は、当社取締役および当社と委任契約を締結している執行役員(社外取締役および監査等委員である取締役
などの業務執行から独立した立場にある者ならびに海外居住者を除く。以下、「本制度対象役員」という。)を対
象に、株主の皆様との利益共有意識を強化するとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値向上へのコミットメ
ントを示すことを目的とし、業績連動型株式報酬制度として、持分決済型の役員報酬BIP(Board Incentive
Plan)信託を採用しております。
本制度対象役員は、毎年、役位などに応じた一定のポイント数(1ポイント=1株)の付与を受け、当該ポイン
トが当社の中長期的な業績目標の達成度等に応じて変動します。権利確定条件は、原則として、ポイントの付与日
から3年経過後の権利確定日まで勤続していることとなっております。
(2) 期中に付与されたポイント数とポイントの加重平均公正価値
ポイントの付与日における公正価値は、当社株式の市場価値を、予想配当利回りを考慮に入れて修正し、算定し
ております。期中に付与されたポイント数とポイントの加重平均公正価値は、以下のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
期中に付与されたポイント数 46,430 45,869
加重平均公正価値 1,023円 1,755円
(3) 株式報酬費用
業績連動型株式報酬制度により認識した費用の総額は、前連結会計年度において63百万円、当連結会計年度にお
いて59百万円であります。
35.金融商品
(1) 資本管理
エプソンは、資金運用については資金の保全を前提とした上で、安全性および流動性を考慮し、資金効率を最も
高められる運用手段を適宜選択しております。また資金調達については、現在、銀行借入および社債等によって
行っております。デリバティブは後述するリスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針で
あります。
エプソンは、有利子負債から現金及び現金同等物を控除した純有利子負債、および資本(親会社の所有者に帰属
する持分)を管理対象としており、各残高は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
有利子負債 265,907 243,151
現金及び現金同等物 △304,007 △335,239
純有利子負債 △38,099 △92,088
資本(親会社の所有者に帰属する持分) 550,924 665,628
エプソンは、財務の健全性・柔軟性および資本収益性のバランスある資本構成を維持するため財務指標のモニタ
リングを行っております。財務の健全性・柔軟性については格付け、資本収益性についてはROE(親会社所有者帰
属持分当期利益率)ならびにROIC(投下資本利益率)を内外環境の変化を注視しながら適宜モニタリングしており
ます。
(2) リスク管理に関する事項
エプソンは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・金利リ
スク・市場価格の変動リスク)に晒されており、当該リスクを回避または低減するために、一定の方針に基づきリ
スク管理を行っております。また、当社財務部門は、主要な財務上のリスク管理の状況について、定期的に当社の
経営会議に報告しております。
また、エプソンの方針として、デリバティブは、実需取引のリスク緩和を目的とした取引に限定しており、投機
目的やトレーディング目的の取引は行っておりません。
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(3) 信用リスク
エプソンの営業活動から生ずる債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。
また、主に、余資運用のためまたは政策的な目的のため保有している株式・債券等は、発行体の信用リスクに晒
されております。
さらに、エプソンが為替変動リスクおよび金利変動リスクをヘッジする目的で行っているデリバティブ取引につ
いては、これら取引の相手方である金融機関の信用リスクに晒されております。
エプソンは、債権管理規程に基づき、営業債権について、取引先の信用リスクの発生を未然に防止すべく、与信
限度額または取引条件を定めることを原則としております。また、回収懸念の軽減を図るべく日常的に取引先ごと
の残高管理を行うとともに、当社財務部門は、定期的に、不良債権の発生とその回収状況を把握し、集約した結果
を当社の経営会議に報告しております。
エプソンは、余資運用・デリバティブ取引について、信用リスクの発生を未然に防止すべく、資金管理規程に基
づき、一定の格付基準を満たす債券等での運用、あるいは高い格付を有する金融機関との取引を基本としておりま
す。また、当社財務部門は、定期的に、これらの取引の実績を把握し、集約した結果を当社の経営会議に報告して
おります。
連結財政状態計算書に表示されている金融資産の帳簿価額は、エプソンの金融資産の信用リスクに係るエクス
ポージャーの最大値であります。また、特定の取引先について、重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特
段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。なお、信用リスクに係るエクスポージャーに関し、担保
として保有する物件およびその他の信用補完するものはありません。
金融資産に係る減損については、予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。予想信用損失の見積り
にあたっては、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。信用リ
スクが著しく増大しているか否かについては、債務不履行発生のリスクの変動に基づいて判断しており、その判断
にあたっては、内部信用格付や、取引先の財政状況、期日経過等の契約違反の有無等を考慮しております。
エプソンの金融資産の大部分を占める営業債権等に対する貸倒引当金の計上にあたっては、全期間の予想信用損
失を過去の実績率等に基づき集合的に測定しておりますが、取引先が深刻な財政困難にある場合や破産、著しい延
滞等の客観的証拠がある場合は、当該金融資産に信用減損が発生しているものと判断し、個別に予想信用損失を測
定しております。なお、ある金融資産の全部または一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合に
は、当該金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しております。
これらの金融資産に係る貸倒引当金は、連結財政状態計算書上、売上債権及びその他の債権およびその他の金融
資産に含まれております。
売上債権及びその他の債権およびその他の金融資産の貸倒引当金の増減は、以下のとおりであります。なお、前
連結会計年度および当連結会計年度において、貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい
増減はありません。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
期首残高 1,255 1,164
期中増加額 288 234
期中減少額(目的使用) △203 △111
期中減少額(戻入) △230 △214
その他の増減 55 137
期末残高 1,164 1,209
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(4) 流動性リスク
エプソンは、借入金、社債等により資金を調達しておりますが、それら負債は、資金調達環境の悪化などにより
支払期日にその支払を実行できなくなる流動性リスクに晒されております。
エプソンは、年度事業計画に基づく資金調達計画を策定するとともに、当社財務部門は、定期的に、手許流動性
および有利子負債の状況等を把握・集約し、当社の経営会議に報告しております。エプソンは、適時に資金繰計画
を作成・更新することにより、手許流動性を適正に維持し、さらに外部金融環境等も勘案したうえで、流動性リス
クを管理しております。
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2021年3月31日) (単位:百万円)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
キャッ
帳簿価額 1年以内 5年超
シュ・フ
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
ロー
非デリバティブ金融負債
仕入債務及びその他の債務 134,149 134,149 134,149 - - - - -
借入金 66,436 66,500 500 18,000 - 9,000 30,000 9,000
社債 169,463 170,000 20,000 - 30,000 10,000 40,000 70,000
リース負債
30,007 31,420 7,811 6,797 4,346 3,101 2,215 7,147
その他
2,759 2,759 28 107 34 99 0 2,489
合計 402,817 404,829 162,490 24,904 34,380 22,201 72,215 88,637
デリバティブ金融負債
為替予約取引
1,890 1,890 1,890 - - - - -
通貨オプション取引 441 441 441 - - - - -
合計 2,332 2,332 2,332 - - - - -
当連結会計年度(2022年3月31日) (単位:百万円)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
キャッ
帳簿価額 1年以内 5年超
シュ・フ
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
ロー
非デリバティブ金融負債
仕入債務及びその他の債務
146,201 146,201 146,201 - - - - -
借入金 66,452 66,500 18,000 - 9,000 30,000 - 9,500
社債 149,580 150,000 - 30,000 10,000 40,000 20,000 50,000
リース負債
27,117 28,441 8,459 5,370 3,848 2,590 1,469 6,703
その他
4,130 4,118 342 630 119 401 266 2,357
合計 393,482 395,261 173,002 36,001 22,968 72,991 21,736 68,560
デリバティブ金融負債
為替予約取引
2,973 2,973 2,973 - - - - -
通貨オプション取引
1,181 1,181 1,181 - - - - -
合計 4,154 4,154 4,154 - - - - -
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(5) 為替リスク
エプソンは、グローバルに事業を展開していることから、為替変動を起因として、主に以下のリスクに晒されて
おります。
① エプソンの各機能通貨とは異なる通貨による外部取引および、配当の受け渡しを含むグループ内取引の結果、
エプソンの各機能通貨建ての損益およびキャッシュ・フローが為替変動の影響を受けるリスク
② エプソンの各機能通貨建ての資本を日本円に換算し連結する際に、エプソンの資本が為替変動の影響を受ける
リスク
③ エプソンの各機能通貨建ての損益を日本円に換算し連結する際に、エプソンの損益が為替変動の影響を受ける
リスク
①のリスクに対しては、将来キャッシュ・フローを予測した時点または債権債務確定時点において、デリバティ
ブ等を利用したヘッジを行っております。原則として外貨建て営業債権債務をネットしたポジションについて主に
為替予約を利用してヘッジしております。②および③のリスクに対しては、原則としてヘッジは行っておりませ
ん。
エプソンは、為替変動を起因とする上記リスクを緩和すべく、為替管理規程に基づき、為替相場の現状および見
通しに基づいて外国為替ヘッジ方針を策定し、当社の為替管理委員会の管理監督の下で上記ヘッジを実行し、当社
財務部門は、定期的にその実績を当社の経営会議に報告しております。
通貨デリバティブの詳細は、以下のとおりであります。
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ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
前連結会計年度(2021年3月31日) (単位:百万円)
帳簿価額
契約額等 うち1年超 平均レート
資産 負債
為替予約取引
売建
ユーロ(円買) 9,769 - - 350 125.27 円/ユーロ
豪ドル(円買) 3,157 - - 239 78.26 円/豪ドル
人民元(米ドル買) 10,695 - - 330 0.15 米ドル/人民元
直物為替先渡取引(NDF)
売建
インド・ルピー(米ドル買) 1,752 - - 43 0.01 米ドル/インド・ルピー
台湾ドル(米ドル買) 1,862 - 24 - 0.04 米ドル/台湾ドル
韓国ウォン(米ドル買) 699 - - 8 0.00 米ドル/韓国ウォン
通貨オプション取引(注)
売建・買建
ユーロ(円買) 3,730 - - 101 124.35 円/ユーロ
合計 31,667 - 24 1,073
当連結会計年度(2022年3月31日) (単位:百万円)
帳簿価額
契約額等 うち1年超 平均レート
資産 負債
為替予約取引
売建
円/ユーロ
ユーロ(円買) 9,749 - - 493 130.11
円/豪ドル
豪ドル(円買) 3,519 - - 423 81.92
人民元(米ドル買) 11,353 - - 335 0.15 米ドル/人民元
直物為替先渡取引(NDF)
売建
インド・ルピー(米ドル買) 3,255 - - 16 0.01 米ドル/インド・ルピー
台湾ドル(米ドル買) 1,640 - 53 - 0.04 米ドル/台湾ドル
韓国ウォン(米ドル買) 405 - 7 - 0.00 米ドル/韓国ウォン
通貨オプション取引(注)
売建・買建
ユーロ(円買) 9,774 - - 288 130.49 円/ユーロ
合計 39,699 - 61 1,558
(注)通貨オプション取引はゼロコストオプションであり、コールオプションおよびプットオプションが一体の契約の
ため、一括して記載しております。
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ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
前連結会計年度(2021年3月31日) (単位:百万円)
帳簿価額(注1)
契約額等 うち1年超 平均レート
資産 負債
為替予約取引
売建
ユーロ(円買) 16,474 - - 521 125.93 円/ユーロ
豪ドル(円買) 3,932 - - 191 80.19 円/豪ドル
人民元(米ドル買) 22,592 - 30 - 0.15 米ドル/人民元
直物為替先渡取引(NDF)
売建
インド・ルピー(米ドル買) 5,607 - - 30 0.01 米ドル/インド・ルピー
台湾ドル(米ドル買) 3,006 - 79 - 0.04 米ドル/台湾ドル
韓国ウォン(米ドル買) 3,135 - 46 - 0.00 米ドル/韓国ウォン
通貨オプション取引(注2)
売建・買建
ユーロ(円買) 16,438 - - 340 124.21 円/ユーロ
合計 71,187 - 157 1,083
当連結会計年度(2022年3月31日) (単位:百万円)
帳簿価額(注1)
契約額等 うち1年超 平均レート
資産 負債
為替予約取引
売建
円/ユーロ
ユーロ(円買) 24,360 - - 975 131.54
円/豪ドル
豪ドル(円買) 4,463 - - 372 84.41
人民元(米ドル買) 30,419 - - 291 0.15 米ドル/人民元
直物為替先渡取引(NDF)
売建
インド・ルピー(米ドル買) 8,254 - - 15 0.01 米ドル/インド・ルピー
台湾ドル(米ドル買) 3,185 - 81 - 0.04 米ドル/台湾ドル
韓国ウォン(米ドル買) 3,768 - 20 - 0.00 米ドル/韓国ウォン
通貨オプション取引(注2)
売建・買建
ユーロ(円買) 24,101 - - 892 130.14 円/ユーロ
合計 98,553 - 102 2,547
(注1)キャッシュ・フロー・ヘッジの適用により、連結財政状態計算書において「その他の金融資産」または「その
他の金融負債」に公正価値で計上しております。
(注2)通貨オプション取引はゼロコストオプションであり、コールオプションおよびプットオプションが一体の契約
のため、一括して記載しております。
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為替感応度分析
エプソンが当連結会計年度末において保有する金融商品において、機能通貨に対して、機能通貨以外の各通貨
が10%増価した場合の連結包括利益計算書の税引前利益に与える影響は、以下のとおりであります。
なお、機能通貨建ての金融商品、在外営業活動体の資産および負債、ならびに収益および費用を円貨に換算す
る際の影響は含んでおりません。また、算定に使用した各通貨以外の通貨は変動しないことを前提としておりま
す。
(単位:百万円)
当連結会計年度
(2022年3月31日)
税引前利益 14,297
(6) 金利リスク
エプソンの金利リスクは、現金同等物等および有利子負債から生じます。借入金および社債のうち、変動金利に
よるものは、市場金利の変動による将来キャッシュ・フローの変動の影響を受ける可能性があります。固定金利に
よるものは、市場金利の変動による公正価値の変動の影響を受ける可能性があります。
エプソンは、市場金利の変動に対応して、金利スワップ取引の利用や、資金調達の変動金利・固定金利の適切な
割合調整を行うことで、金利リスクを抑制しております。なお、金利スワップ取引等につきましては、資金管理規
程に基づき、財務担当役員による承認を受けたうえで、実行しております。
金利感応度分析
エプソンが当連結会計年度末において保有する金融商品において、金利が100bp上昇した場合の連結包括利益計
算書の税引前利益に与える影響は、以下のとおりであります。
金利変動の影響を受ける金融商品を対象としており、為替変動の影響等その他の要因は一定であることを前提と
しております。
(単位:百万円)
当連結会計年度
(2022年3月31日)
税引前利益 940
(7) 市場価格の変動リスク
エプソンは、投資有価証券について、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、また取引先
企業との関係を勘案して、保有状況を継続的に見直しております。なお、短期売買目的で保有する資本性金融商品
はなく、政策投資目的で保有しているため、活発に売却することはしておりません。
エプソンは、株価変動リスクについて当連結会計年度末の資本性金融商品の価格を基礎に計算しております。株
価が5%上昇または下落した場合には、その他の包括利益(税効果考慮前)は、公正価値の変動により2022年3月
31日現在の金額から652百万円増減いたします。
(8) 公正価値
① 公正価値の算定方法
金融商品の公正価値は、以下のとおり算定しております。
(デリバティブ)
取引先金融機関等から提示された価格等に基づき算定しております。
(株式および債券)
市場価格が入手できる場合は、市場価格を用いております。市場価格が入手できない金融商品の公正価値は、
入手可能なデータ等を勘案し、類似企業の直近取引価格および将来キャッシュ・フローを割り引く方法等の評価
方法により見積っております。
(借入金)
短期借入金は、短期間で決済されるため公正価値は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によって
おります。長期借入金のうち変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映し、また、エプソンの信用状態は
実行後大きく異なっていないことから、公正価値は帳簿価額と近似していると考えられるため、当該帳簿価額に
よっております。なお、固定金利によるものは、当該長期借入金の元利金の合計額を新規に同様の借入を行った
場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
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(社債)
当社の発行する社債の公正価値は、取引先金融機関から提示された価格等に基づき算定しております。
② 公正価値ヒエラルキー
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを以下のように分類しております。
レベル1: 活発な市場における公表価格により測定された公正価値
レベル2: レベル1以外の、観察可能な価格を直接または間接的に使用して算出された公正価値
レベル3: 観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
エプソンは、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を、各連結会計年度の末日に発生したものとして認識して
おります。
(ⅰ) 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーに基づくレベル別分類は、以下のとおりで
あります。なお、以下の表に表示されていない償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は近似して
おります。
前連結会計年度(2021年3月31日) (単位:百万円)
公正価値
帳簿価額
レベル1 レベル2 レベル3 合計
償却原価で測定する金融負債
借入金 66,436 - 66,742 - 66,742
社債 169,463 - 170,017 - 170,017
合計 235,899 - 236,759 - 236,759
当連結会計年度(2022年3月31日) (単位:百万円)
公正価値
帳簿価額
レベル1 レベル2 レベル3 合計
償却原価で測定する金融負債
借入金 66,452 - 66,617 - 66,617
社債 149,580 - 149,472 - 149,472
合計 216,033 - 216,089 - 216,089
借入金、社債には1年以内返済予定または償還予定の残高を含めて表示しております。
前連結会計年度および当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替が行われた金融商品はありませ
ん。
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(ⅱ) 公正価値で測定する金融商品
公正価値で測定する金融商品の公正価値のヒエラルキーに基づくレベル別分類は、以下のとおりでありま
す。
前連結会計年度(2021年3月31日) (単位:百万円)
公正価値
レベル1 レベル2 レベル3 合計
公正価値で測定する金融資産
デリバティブ資産 - 356 - 356
株式 9,782 - 3,388 13,171
債券 - - 586 586
合計 9,782 356 3,974 14,114
公正価値で測定する金融負債
デリバティブ負債 - 2,332 - 2,332
合計 - 2,332 - 2,332
当連結会計年度(2022年3月31日) (単位:百万円)
公正価値
レベル1 レベル2 レベル3 合計
公正価値で測定する金融資産
デリバティブ資産 - 212 - 212
株式 9,256 - 3,795 13,051
債券 - - - -
合計 9,256 212 3,795 13,264
公正価値で測定する金融負債
デリバティブ負債 - 4,154 - 4,154
合計 - 4,154 - 4,154
前連結会計年度および当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替が行われた金融商品はありま
せん。
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レベル3に分類された金融商品の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
期首残高 3,617 3,974
利得及び損失
純損益(注) - △586
その他の包括利益 79 10
購入 297 397
売却 △20 -
その他 - △0
期末残高 3,974 3,795
(注)連結包括利益計算書の 「 その他の営業収益 」 および 「 その他の営業費用 」 に含まれております 。
36.重要な子会社
重要な子会社については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりであります。
37.関連当事者
当社グループの子会社は当社の関連当事者でありますが、子会社との取引は連結財務諸表上消去されているため、
開示しておりません。当社および当社の連結子会社とそのほかの関連当事者との間に重要な取引はありません。
主要な経営幹部に対する報酬は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
短期報酬 458 422
株式報酬 34 25
合計 493 447
(注)報酬と株主価値との連動性を高める観点から役員持株会制度を導入しており、任意で短期報酬の一部を当社株
式の取得に充てております。
38.コミットメント
決算日以降の資産の取得に係るコミットメントは、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
有形固定資産の取得 6,424 15,168
無形資産の取得 737 1,428
合計 7,161 16,596
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39.偶発事象
重要な訴訟
訴訟については、一般的に不確実性を含んでおり、経済的便益の流出可能性についての信頼に足る財務上の影響
額の見積りは困難です。経済的便益の流出可能性が高くない、または財務上の影響額の見積りが不可能な場合には
引当金は計上しておりません。
エプソンに係争している重要な訴訟は、以下のとおりであります。
(インクジェットプリンターの著作権料に関する民事訴訟)
当社の連結子会社であるEpson Europe B.V.(以下「EEB」という。)は、2010年6月にベルギーにおける著作
権料徴収団体であるLa SCRL REPROBELに対して、マルチファンクションプリンターに関する著作権料の返還など
を求める民事訴訟を提起しました。その後、La SCRL REPROBELがEEBを提訴したことにより、これら二つの訴訟
は併合され、かかる訴訟の第1審ではEEBの主張を棄却する判決がなされましたが、EEBは、これを不服として上
訴する方針です。
40.後発事象
自己株式の取得
当社は、2022年5月19日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同
法第156条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項を決議いたしました。
① 自己株式の取得を行う理由
積極的な株主還元
② 取得対象株式の種類
当社普通株式
③ 取得し得る株式の総数
33,000,000株(上限)
(発行済株式総数(自己株式除く)に対する割合:9.53%)
④ 株式の取得価額の総額
30,000百万円(上限)
⑤ 取得期間
2022年5月20日~2023年5月19日
⑥ 取得方法
東京証券取引所における市場買付け(証券会社による取引一任方式)
なお、今回新たに取得する自己株式につきましては、今後、全株式を消却する方針であります。
41.連結財務諸表の承認
連結財務諸表は、2022年6月28日に当社代表取締役社長 小川 恭範および取締役 専務執行役員 経営戦略・管
理本部長 瀬木 達明によって承認されております。
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(2)【その他】
1.当連結会計年度における四半期情報等
(累計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 当連結会計年度
売上収益 (百万円)
282,159 550,597 846,743 1,128,914
税引前四半期利益又は税引前利
益 23,469 47,838 79,018 97,162
(百万円)
親会社の所有者に帰属する
四半期(当期)利益 17,493 36,499 61,515 92,288
(百万円)
基本的1株当たり四半期(当期)
50.56 105.49 177.79 266.73
利益 (円)
(会計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
基本的1株当たり四半期利益
50.56 54.93 72.30 88.94
(円)
2.重要な訴訟事件等
エプソンに関する重要な訴訟事件等については、「(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 39.偶発事象」
に記載のとおりであります。
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2【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
資産の部
流動資産
65,037 60,214
現金及び預金
161 132
受取手形
159,491 192,468
売掛金
51,000 94,000
有価証券
5,032 5,102
商品及び製品
15,401 19,286
仕掛品
20,799 21,457
原材料及び貯蔵品
15,060 35,839
短期貸付金
28,954 28,110
未収入金
6,380 7,755
その他
367,319 464,367
流動資産合計
固定資産
有形固定資産
※2 87,964 ※2 83,966
建物
※2 3,492 ※2 3,265
構築物
※2 46,558 ※2 41,708
機械及び装置
※2 50 ※2 39
車両運搬具
※2 7,608 ※2 6,907
工具、器具及び備品
※2 28,340 ※2 28,232
土地
245 1,356
建設仮勘定
174,260 165,477
有形固定資産合計
無形固定資産
6,862 6,946
ソフトウエア
2,958 2,497
その他
9,820 9,443
無形固定資産合計
投資その他の資産
9,870 8,762
投資有価証券
131,953 131,580
関係会社株式
2,657 2,739
長期前払費用
36,127 40,997
繰延税金資産
1,560 1,544
その他
△ 16 △ 15
貸倒引当金
182,153 185,609
投資その他の資産合計
366,233 360,531
固定資産合計
733,553 824,898
資産合計
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(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
負債の部
流動負債
3,208 3,316
支払手形
79,432 87,942
買掛金
20,000
1年内償還予定の社債 -
500 18,000
1年内返済予定の長期借入金
89 90
リース債務
32,973 37,786
未払金
7,302 7,924
未払費用
1,182 8,099
未払法人税等
6,797 5,458
預り金
13,241 14,800
賞与引当金
70 57
役員賞与引当金
1,437 1,053
製品保証引当金
199
資産除去債務 -
2,550 4,501
その他
168,786 189,230
流動負債合計
固定負債
150,000 150,000
社債
66,000 48,500
長期借入金
1,189 1,103
リース債務
34,262 30,004
退職給付引当金
235 171
製品保証引当金
3,153 2,915
資産除去債務
1,020 1,023
その他
255,862 233,718
固定負債合計
424,649 422,948
負債合計
純資産の部
株主資本
53,204 53,204
資本金
資本剰余金
84,321 84,321
資本準備金
84,321 84,321
資本剰余金合計
利益剰余金
3,132 3,132
利益準備金
その他利益剰余金
206,583 300,689
繰越利益剰余金
209,716 303,821
利益剰余金合計
自己株式 △ 40,814 △ 40,748
306,426 400,598
株主資本合計
評価・換算差額等
3,016 2,977
その他有価証券評価差額金
△ 539 △ 1,625
繰延ヘッジ損益
2,477 1,352
評価・換算差額等合計
308,904 401,950
純資産合計
733,553 824,898
負債純資産合計
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②【損益計算書】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
714,821 823,448
売上高
643,644 687,515
売上原価
71,176 135,933
売上総利益
※2 71,705 ※2 79,049
販売費及び一般管理費
56,883
営業利益又は営業損失(△) △ 528
営業外収益
317 58,081
受取利息及び配当金
9,256
為替差益 -
2,724 2,926
その他
3,041 70,264
営業外収益合計
営業外費用
688 707
支払利息
625
為替差損 -
3,621 2,924
その他
4,935 3,631
営業外費用合計
123,515
経常利益又は経常損失(△) △ 2,422
特別利益
※3 70 ※3 218
固定資産売却益
3 0
その他
73 218
特別利益合計
特別損失
※4 - ※4 1
固定資産売却損
※5 170 ※5 344
固定資産除却損
2,947 733
減損損失
980
投資有価証券評価損 -
476 373
子会社株式評価損
258
-
その他
3,595 2,691
特別損失合計
121,043
税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) △ 5,943
法人税、住民税及び事業税 9,776
△ 1,403
△ 3,246 △ 4,302
法人税等調整額
5,473
法人税等合計 △ 4,649
115,569
当期純利益又は当期純損失(△) △ 1,293
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③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益
資本金 自己株式 株主資本合計
剰余金
利益剰余金
資本準備金 利益準備金
合計
繰越利益
剰余金
当期首残高 53,204 84,321 3,132 229,341 232,473 △ 40,893 329,105
当期変動額
剰余金の配当
- - - △ 21,463 △ 21,463 - △ 21,463
当期純損失(△) - - - △ 1,293 △ 1,293 - △ 1,293
自己株式の取得 - - - - - △ 1 △ 1
自己株式の処分 - - - - - 80 80
株主資本以外の項目の
- - - - - - -
当期変動額(純額)
当期変動額合計 - - - △ 22,757 △ 22,757 78 △ 22,678
当期末残高 53,204 84,321 3,132 206,583 209,716 △ 40,814 306,426
評価・換算差額等
純資産合計
その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ損益 評価・換算差額等合計
当期首残高 1,696 590 2,287 331,393
当期変動額
剰余金の配当 - - - △ 21,463
当期純損失(△) - - - △ 1,293
自己株式の取得 - - - △ 1
自己株式の処分 - - - 80
株主資本以外の項目の
1,320 △ 1,130 189 189
当期変動額(純額)
当期変動額合計 1,320 △ 1,130 189 △ 22,488
当期末残高 3,016 △ 539 2,477 308,904
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当事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益
資本金 自己株式 株主資本合計
剰余金
利益剰余金
資本準備金 利益準備金
合計
繰越利益
剰余金
当期首残高
53,204 84,321 3,132 206,583 209,716 △ 40,814 306,426
当期変動額
剰余金の配当 - - - △ 21,463 △ 21,463 - △ 21,463
当期純利益
- - - 115,569 115,569 - 115,569
自己株式の取得 - - - - - △ 1 △ 1
自己株式の処分 - - - - - 66 66
株主資本以外の項目の
- - - - - - -
当期変動額(純額)
当期変動額合計
- - - 94,105 94,105 65 94,171
当期末残高 53,204 84,321 3,132 300,689 303,821 △ 40,748 400,598
評価・換算差額等
純資産合計
その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ損益 評価・換算差額等合計
当期首残高
3,016 △ 539 2,477 308,904
当期変動額
剰余金の配当 - - - △ 21,463
当期純利益 - - - 115,569
自己株式の取得
- - - △ 1
自己株式の処分 - - - 66
株主資本以外の項目の
△ 39 △ 1,085 △ 1,125 △ 1,125
当期変動額(純額)
当期変動額合計 △ 39 △ 1,085 △ 1,125 93,046
当期末残高
2,977 △ 1,625 1,352 401,950
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【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準および評価方法
(1)有価証券
満期保有目的の債券
…償却原価法(定額法)
子会社株式および関連会社株式
…移動平均法による原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
…当事業年度末日の市場価格等による時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、取得原価は移動平均
法により算定)
市場価格のない株式等
…主として移動平均法による原価法
(2)デリバティブ
時価法
(3)棚卸資産
主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
2.固定資産の減価償却の方法
(1)有形固定資産(リース資産を除く)
定額法
なお、主な耐用年数は次のとおりであります。
建物 10~35年
機械及び装置 7~17年
(2)無形固定資産(リース資産を除く)
定額法
なお、主な耐用年数は次のとおりであります。
ソフトウェア 3~5年
(3)リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額をゼロとする定額法を採用しております。
3.引当金の計上基準
(1)貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒れにそなえ、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権について
は個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
(2)賞与引当金
従業員賞与の支給にそなえ、支給見込額の当事業年度負担額を計上しております。
(3)役員賞与引当金
役員賞与の支給にそなえ、支給見込額を計上しております。
(4)製品保証引当金
将来の製品保証にともなう支出にそなえ、過年度のアフターサービス費の売上高に対する発生率による額のほか、支
出が具体的に見積り可能な特定事業について、当該発生見積額を計上しております。
(5)訴訟損失引当金
訴訟中または訴訟のおそれがある案件等の支出にそなえ、損害賠償金・訴訟費用等について、当事業年度末において
必要と認めた合理的な見積額を計上しております。
(6)退職給付引当金
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従業員の退職給付にそなえ、当事業年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき計上しておりま
す。
過去勤務費用は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(5年)による定額法に
より按分した額をそれぞれ発生時より損益処理しております。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(5年)による定額
法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から損益処理することとしております。
4.収益の計上基準
当社は、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に収益を認識する。
当社は、プリンティングソリューションズ事業、ビジュアルコミュニケーション事業、マニュファクチャリング関
連・ウエアラブル事業に係る製品の製造、販売を主な事業としており、こうした製品の販売については、通常は製品の
引渡時点において当該製品に対する支配が顧客に移転し、当社の履行義務が充足されると判断しており、当該製品の引
渡時点で収益を認識しております。なお、顧客との契約において複数の履行義務が含まれる場合においては、個々の製
品の独立販売価格に基づいて取引価格を配分しております。独立販売価格が直接的に観察可能でない場合は、個々に販
売された場合における販売価格を見積り、それらに基づき取引価格を配分しております。
5.外貨建の資産および負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、当事業年度末日の為替相場により円貨に換算し、換算差額は当事業年度の損益として処理し
ております。
6.ヘッジ会計の方法
(1)ヘッジ会計の方法
原則として時価評価によるヘッジ手段に係る損益を、ヘッジ対象に係る損益が認識されるまで純資産の部における繰
延ヘッジ損益として繰り延べております。
(2)ヘッジ手段とヘッジ対象
為替予約取引および直物為替先渡取引(NDF)等
…入出金外貨額
(3)ヘッジ方針
通貨関連については、ネッティング等の利用によりヘッジ対象外貨額を最小にした上で、主として外貨建売上に関
わる為替の市場変動リスクを抑えるために行っております。
(4)ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ手段とヘッジ対象の変動率が同一であることから、ヘッジ開始時およびその後も継続して双方の相場変動が
相殺されるため、ヘッジ有効性の評価は省略しております。
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(重要な会計上の見積り)
当社の財務諸表は、収益および費用、資産および負債の測定ならびに事業年度末日現在の偶発事象の開示等に関
する経営者の見積りおよび仮定を含んでおります。これらの見積りおよび仮定は新型コロナウイルスの感染拡大に
伴う影響を含め、過去の実績および事業年度末日において合理的であると考えられる様々な要素を勘案した経営者
の最善の判断に基づいております。しかし、その性質上、将来において、これらの見積りおよび仮定とは異なる結
果となる可能性があります。
見積りおよび仮定は経営者により継続して見直されております。これらの見積りおよび仮定の見直しによる影響
は、その見積りおよび仮定を見直した期間およびそれ以降の期間において認識しております。
見積りおよび仮定のうち、当社の財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積りおよび仮定は、以下のと
おりであります。
(1)固定資産の減損
当事業年度において計上した有形固定資産、無形固定資産の金額は、それぞれ165,477百万円、9,443百万円(前
事業年度は、それぞれ174,260百万円、9,820百万円)であり、減損損失の金額は733百万円(前事業年度は2,947百
万円)であります。
見積りおよび仮定に関する内容については、「連結財務諸表注記4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴
う判断(1)非金融資産の減損」に記載した内容と同一であります。
(2)退職後給付
当事業年度において計上した退職給付引当金の金額は30,004百万円(前事業年度は34,262百万円)であります。
見積りおよび仮定に関する内容については、「連結財務諸表注記4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴
う判断(2)退職後給付」に記載した内容と同一であります。
(3)引当金
当事業年度末において製品保証引当金1,225百万円(前事業年度末は1,673百万円)を計上しております。
見積りおよび仮定に関する内容については、「連結財務諸表注記4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴
う判断(3)引当金」に記載した内容と同一であります。
(4)法人税等
当事業年度において計上した法人税等の金額は5,473百万円(前事業年度は△4,649百万円)、繰延税金資産の金
額は40,997百万円(前事業年度は36,127百万円)であります。
見積りおよび仮定に関する内容については、「連結財務諸表注記4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴
う判断(4)法人所得税」に記載した内容と同一であります。
(5)偶発事象
「連結財務諸表注記4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断(5)偶発事象」に記載した内容と同
一であります。
(会計上の見積りの変更)
(耐用年数の変更)
当事業年度より、ビジュアルコミュニケーション事業の機械装置について、事業構造改革に伴う生産戦略の見直し等
を踏まえ、使用実態に即した耐用年数に見直しております。
この変更により、従来の方法と比べて、当事業年度の営業利益および税引前当期純利益はそれぞれ1,763百万円増加
しております。
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(追加情報)
業績連動型株式報酬制度について
当社は、役員報酬BIP信託を導入しております。
(1)取引の概要
連結財務諸表(注記34.株式に基づく報酬)に記載しております。
(2)信託に残存する自社の株式
役員報酬BIP信託の会計処理については、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取
扱い」(実務対応報告第30号 平成27年3月26日)を適用し、信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額(付
随費用の金額を除く)により、純資産の部に自己株式として計上しております。
当該自己株式の帳簿価額および株式数は、2021年3月31日および2022年3月31日現在、それぞれ348百万円、
210,928株および281百万円、170,607株であります。
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(貸借対照表関係)
1.関係会社に対する金銭債権および金銭債務(区分表示したものを除く)
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
短期金銭債権 188,654百万円 238,284百万円
長期金銭債権 0 0
短期金銭債務 73,352 83,686
長期金銭債務 817 818
※2.圧縮記帳
当事業年度において、国庫補助金等の受入れによる圧縮記帳は行っておりません。
なお、有形固定資産に係る国庫補助金等の受入れによる圧縮記帳累計額は、次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
建物 1,005百万円 1,005百万円
構築物 73 73
機械及び装置 1,880 1,880
車両運搬具 0 0
工具、器具及び備品 25 23
土地 102 102
計 3,087 3,084
3.保証債務
関係会社の借入債務に対して次のとおり保証を行っております。
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
PT. Epson Batam 1,770百万円 PT. Epson Batam 1,834百万円
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(損益計算書関係)
1.関係会社との取引高
前事業年度 当事業年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
売上高 659,824百万円 761,115百万円
仕入高 364,838 417,216
その他の営業取引 30,854 35,149
営業取引以外の取引 3,132 59,490
※2.販売費及び一般管理費
販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度9%、当事業年度13%、一般管理費に属する費用のおおよ
その割合は前事業年度91%、当事業年度87%であります。
販売費及び一般管理費のうち主要な費用および金額は、次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
製品保証引当金繰入額 461 百万円 343 百万円
70 63
役員賞与引当金繰入額
14,677 15,293
給料手当
2,908 3,665
賞与引当金繰入額
2,303 2,637
減価償却費
20,643 21,562
研究開発費
※3.固定資産売却益の内訳は、次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
機械及び装置 4百万円 5百万円
工具、器具及び備品 0 2
土地 4 209
その他 60 -
ソフトウェア 0 0
計 70 218
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※4.固定資産売却損の内訳は、次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
機械及び装置 -百万円 1百万円
工具、器具及び備品 - 0
計 - 1
※5.固定資産除却損の内訳は、次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
建物 44百万円 56百万円
構築物 9 13
機械及び装置 35 231
車両運搬具 0 0
工具、器具及び備品 72 38
建設仮勘定 7 -
ソフトウェア 1 4
無形固定資産その他 0 0
長期前払費用 1 0
計 170 344
(有価証券関係)
子会社株式および関連会社株式(当事業年度の貸借対照表計上額は子会社株式131,517百万円、関連会社株式63百万
円、前事業年度の貸借対照表計上額は子会社株式131,890百万円、関連会社株式63百万円)は、市場価格のない株式等の
ため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載しておりません。
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(税効果会計関係)
1.繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
繰延税金資産
固定資産(減損および償却超過) 18,611百万円 17,420百万円
退職給付引当金 10,433 9,136
株式評価減 5,212 5,408
賞与引当金 3,493 4,524
棚卸資産評価減 4,004 3,563
繰越欠損金 7,984 1,970
6,375 7,876
その他
繰延税金資産小計
56,115 49,899
将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額 △10,657 △7,278
税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額 △7,984 △505
△18,642 △7,783
評価性引当額小計
繰延税金資産合計
37,473 42,115
繰延税金負債
その他有価証券評価差額金 △683 △591
資産除去債務に対応する除去費用 △567 △481
△94 △45
その他
繰延税金負債合計 △1,345 △1,118
繰延税金資産の純額 36,127 40,997
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主要な項目別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
-% 30.5%
法定実効税率
(調整)
受取配当金等永久に益金に算入されない項目 - △14.2
評価性引当額 - △8.9
試験研究費等の税額控除 - △2.7
- △0.1
その他
税効果会計適用後の法人税等の負担率 -% 4.5%
(注) 前事業年度は、税引前当期純損失のため記載を省略しております。
(収益認識に関する注記)
収益を理解するための基礎となる情報
「重要な会計方針 4.収益の計上基準」に記載しております。
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(重要な後発事象)
自己株式の取得
当社は、2022年5月19日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同
法第156条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項を決議いたしました。
① 自己株式の取得を行う理由
積極的な株主還元
② 取得対象株式の種類
当社普通株式
③ 取得し得る株式の総数
33,000,000株(上限)
(発行済株式総数(自己株式除く)に対する割合:9.53%)
④ 株式の取得価額の総額
30,000百万円(上限)
⑤ 取得期間
2022年5月20日~2023年5月19日
⑥ 取得方法
東京証券取引所における市場買付け(証券会社による取引一任方式)
なお、今回新たに取得する自己株式につきましては、今後、全株式を消却する方針であります。
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④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
区分 資産の種類 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期償却額 当期末残高 減価償却累計額
2,654
建物 344,123 2,828 6,177 344,297 260,330
(592)
89
構築物
19,795 71 266 19,776 16,511
(17)
6,776
機械及び装置 360,419 6,380 10,526 360,023 318,314
(69)
車両運搬具 297 11 4 22 303 264
有形固定資産
4,232
工具、器具及び備品
59,782 2,765 3,251 58,316 51,408
(53)
土地 28,340 - 108 - 28,232 -
※2 9,632 ※3 8,521
建設仮勘定 245 - 1,356 -
22,386
計 813,003 21,689 20,243 812,306 646,829
(733)
ソフトウェア 28,721 4,934 3,854 2,389 29,801 22,855
その他 15,162 47 249 508 14,961 12,463
無形固定資産
計 43,883 4,982 4,104 2,897 44,762 35,318
(注) 1.当期減少額欄の( )内は内書きで、減損損失の計上額であります。
※2.建設仮勘定の当期増加額9,632百万円の内訳は、①機械及び装置(5,306百万円)、
②広丘事業所建物(809百万円)、③酒田事業所建物(704百万円)、その他であります。
※3.建設仮勘定の当期減少額8,521百万円の内訳は、本科目への振替(機械及び装置 4,394百万円、
広丘事業所建物 821百万円、酒田事業所建物 715百万円)、その他であります。
4.当期首残高および当期末残高は、取得価額により記載しております。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
科目 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高
貸倒引当金 16 1 2 15
賞与引当金 13,241 14,800 13,241 14,800
役員賞与引当金 70 57 70 57
製品保証引当金 1,673 343 791 1,225
(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3)【その他】
該当事項はありません。
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第6【提出会社の株式事務の概要】
事業年度 4月1日から3月31日まで
定時株主総会 6月中
基準日 3月31日
9月30日
剰余金の配当の基準日
3月31日
1単元の株式数 100株
単元未満株式の買取り
取扱場所
(特別口座)
東京都千代田区丸の内一丁目3番3号
みずほ信託銀行株式会社
株主名簿管理人
東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
三菱UFJ信託銀行株式会社
取次所
-
買取手数料 株式の売買の委託に係る手数料相当額として別途定める金額
当会社の公告方法は、電子公告とする。ただし、事故その他やむを得ない事由
によって電子公告による公告をすることができない場合は、日本経済新聞に掲
載して行う。
公告掲載方法
公告掲載URL
https://kmasterplus.pronexus.co.jp/main/corp/6/7/6724/index.html
株主に対する特典 該当事項はありません。
(注)当社定款の定めにより、単元未満株主は、会社法第189条第2項各号に掲げる権利、同第166条第1項の規定によ
る請求をする権利、株主の有する株式数に応じて募集株式の割当ておよび募集新株予約権の割当てを受ける権利
以外の権利を有しておりません。
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第7【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社は、親会社等はありません。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書およびその添付書類ならびに確認書 2021年6月28日
関東財務局長に提出
事業年度(第79期)(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(2) 内部統制報告書 2021年6月28日
関東財務局長に提出
事業年度(第79期)(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(3) 臨時報告書 2021年6月30日
関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における決議事項)の規定に基づく臨時
報告書
(4) 四半期報告書および確認書 2021年8月3日
関東財務局長に提出
第1四半期(第80期)(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)
(5) 四半期報告書および確認書 2021年11月2日
関東財務局長に提出
第2四半期(第80期)(自 2021年7月1日 至 2021年9月30日)
(6) 四半期報告書および確認書 2022年2月1日
関東財務局長に提出
第3四半期(第80期)(自 2021年10月1日 至 2021年12月31日)
(7) 自己株券買付状況報告書 2022年6月13日
関東財務局長に提出
2022年5月度(自 2022年5月1日 至 2022年5月31日)
(8) 有価証券届出書(譲渡制限付株式報酬としての自己株式の 2022年6月28日
処分)及びその添付書類 関東財務局長に提出
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
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独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書
2022年6月28日
セイコーエプソン株式会社
取締役会 御中
EY新日本有限責任監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
公認会計士
薄 井 誠
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
佐久間 佳之
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
見 並 隆 一
業務執行社員
<財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いるセイコーエプソン株式会社の2021年4月1日から2022年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連
結財政状態計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務諸表注記に
ついて監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定さ
れた国際会計基準に準拠して、セイコーエプソン株式会社及び連結子会社の2022年3月31日現在の財政状態並びに同日を
もって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示している
ものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職
業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果
たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要
であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形
成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
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有価証券報告書
繰延税金資産の回収可能性
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
会社は当連結会計年度末に、連結財政状態計算書上、繰 当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性を検討するに
延税金資産34,757百万円(総資産の3%)を計上してお 当たり、主として以下の監査手続を実施した。
り、 連結財務諸表注記17.法人所得税 に記載のとおり、当 ・将来課税所得の見積りの基礎となる事業計画の策定プロ
該繰延税金資産の繰延税金負債との相殺前の金額は66,802 セスを理解、評価した。また、事業計画における仮定
百万円である。 と、他の見積りに使用された仮定の整合性を検討すると
会社は、重要な税務調整項目、将来課税所得計画及び税 ともに、過年度の将来課税所得の見積数値と実績数値を
務上の繰越欠損金の期限が到来する時期を考慮し、将来減 比較し、趨勢分析を実施することにより、当連結会計年
算一時差異及び税務上の繰越欠損金を将来利用できる可能 度末における将来課税所得計画の精度を評価した。
性が高いと判断した範囲内で、繰延税金資産を認識してい ・将来の事業計画に含まれる重要な仮定である成長領域に
る。 おける売上収益の成長見込み、成熟領域における売上収
繰延税金資産の回収可能性は、主に経営者による将来課 益の維持・向上が合理的なものであるかどうかを確認す
税所得の見積りに基づいている。当該見積りは、長期ビ るため、それぞれの事業領域の基礎となる市況推移及び
ジョンである「Epson 25 Renewed」の方針のもと、「成長 会社の市場占有率の推移と、第三者機関による市場予測
レポートなどの利用可能な外部データの比較を実施し
領域」「成熟領域」「新領域」に区分した事業領域ごとの
た。
事業計画を前提としており、主として以下の重要な仮定が
・成熟領域における構造改革の実現可能性及び各事業領域
使用されている。
における費用抑制・削減施策の実行可能性が合理的であ
・成長領域(オフィスプリンティング、商業・産業プリン
るかどうかを確認するため、具体的な施策の内容を経営
ティング、プリントヘッド外販、生産システム)におけ
者に質問するとともに、根拠資料の閲覧を実施した。
る売上収益の成長見込み
・一時差異及び税務上の繰越欠損金の残高について、当監
・成熟領域(ホームプリンティング、プロジェクション、
査法人が所属するネットワークファームの税務の専門家
ウオッチ、マイクロデバイス)における構造改革の実現
を関与させ再計算を実施するとともに、その解消スケ
可能性及び売上収益の維持・向上
ジュールについて計算の正確性及び関連基礎資料との一
上記に加え、事業計画には各事業領域における費用抑制・
致を確認した。
削減施策が反映されている。
これらは、同業他社との競合のみならず、不安定な世界
情勢や自然災害、新型コロナウイルス感染症拡大を受けた
社会の変容やサプライチェーンの混乱など、外部環境に大
きく左右される不確実性を含み、経営者の主観により影響
を受けるものである。このため、当監査法人は当該事項を
監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以
外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その
他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記
載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容
と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのよ
うな重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告す
ることが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任
経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬
による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運
用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかど
うかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任が
ある。
監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
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有価証券報告書
連結財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示
がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明する
ことにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の
意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を
立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監
査証拠を入手する。
・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価
の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び
関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づ
き、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論
付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に
注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対し
て除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づい
ているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連
結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを
評価する。
・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入
手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見
に対して責任を負う。
監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な
不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監
査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じて
いる場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事
項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止され
ている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると
合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、セイコーエプソン株式会社の
2022年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、セイコーエプソン株式会社が2022年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上
記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、
財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制
監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責
任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立し
ており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適
切な監査証拠を入手したと判断している。
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セイコーエプソン株式会社(E01873)
有価証券報告書
内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任
経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に
係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があ
る。
内部統制監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについ
て合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにあ
る。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を
通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施す
る。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適
用される。
・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部
統制報告書の表示を検討する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人
は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任
を負う。
監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した
内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報
告を行う。
監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監
査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じて
いる場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はな
い。
以 上
(※)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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セイコーエプソン株式会社(E01873)
有価証券報告書
独立監査人の監査報告書
2022年6月28日
セイコーエプソン株式会社
取締役会 御中
EY新日本有限責任監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
公認会計士
薄 井 誠
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
佐久間 佳之
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
見 並 隆 一
業務執行社員
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いるセイコーエプソン株式会社の2021年4月1日から2022年3月31日までの第80期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借
対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、セイコー
エプソン株式会社の2022年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点に
おいて適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫
理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査
法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると
判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対
応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
繰延税金資産の回収可能性
連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(繰延税金資産の回収可能性)と同一内容であ
るため、記載を省略している。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以
外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その
他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内
容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財
務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要
な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告す
ることが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示
することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が
必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
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セイコーエプソン株式会社(E01873)
有価証券報告書
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評
価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要があ
る 場合には当該事項を開示する責任がある。
監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がな
いかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにあ
る。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影
響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を
立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監
査証拠を入手する。
・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実
施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び
関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、
継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付け
る。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚
起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見
を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の
事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどう
かとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象
を適正に表示しているかどうかを評価する。
・ 財務諸表に対する意見を表明するために、財務諸表に含まれる構成単位の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠
を入手する。監査人は、構成単位の財務情報に関する監査の指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独
で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な
不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監
査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じて
いる場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査
上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場
合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に
見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
利害関係
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
(※)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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