韓国輸出入銀行 有価証券報告書
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第 24 条第１項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2022 年６月 24 日
【事業年度】 自 2021 年１月１日 至 2021 年 12 月 31 日
【発行者の名称】 韓国輸出入銀行（ The Export-Import Bank of Korea ）
【代表者の役職氏名】 權 祐奭（ Woo-Seog Kwon ）
副銀行長兼最高執行責任者（ Vice Chairman and Chief
Operating Officer ）
【事務連絡者氏名】 弁護士 島崎文彰
【住所】 東京都千代田区神田小川町一丁目７番地
小川町メセナビル４階
島崎法律事務所
【電話番号】 (03) 5843-9631
【縦覧に供する場所】 該当なし
注 (1) 本書中、「発行者」または「当行」とあるのは、韓国輸出入銀行を指すものとし、「韓国」とあるのは大韓民
国を指すものとする。
(2) 特に記載のあるものを除き、本書中の金額の記載は大韓民国ウォン建で表示されている。参考までに、 2022 年
６月 10 日現在株式会社三菱ＵＦＪ銀行が建値した日本円のウォンに対する対顧客電信売相場は 10.83 円＝ 100 ウォ
ンであった。
(3) 当行の会計年度および韓国の会計年度は、暦年と一致する。
(4) 別段の記載がない限り、本書に記載する当行の財務情報およびその他の情報は、韓国版国際財務報告基準（以
下「 K-IFRS 」という。）に準拠して個別基準で示されており、子会社に関する情報は含まれていない。
(5) 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがある。
1/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
第１ 【募集（売出）債券の状況】
募集債券
上場金融商品取引所
会計年度末の
債券の名称 発行年月 券面総額 償還額 名又は登録認可金融
未償還額
商品取引業協会名
第 18 回韓国輸出入銀行
円貨債券（ 2018 ） ( 注 2018 年６月 500 億円 500 億円 － 該当なし
1)
(注 1 ) この債券は 2021 年 ６ 月 28 日に満期一括償還された。
2/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
売出債券
上場金融商品
取引所名又は
会計年度末の
債券の名称 発行年月 券面総額 償還額 登録認可金融
未償還額
商品取引業協
会名
韓国輸出入銀行 2022 年
131,400,000 131,400,000
８月３日満期ブラジ
2018 年７月 ブラジル・ － ブラジル・ 該当なし
ル・レアル建債券
レアル レアル
（円貨売買型）
韓国輸出入銀行 2022 年
1,400,000 1,400,000
７月 21 日満期米ドル建 2018 年７月 － 該当なし
米ドル 米ドル
債券
韓国輸出入銀行 2023 年
91,800,000 91,800,000
11 月８日満期豪ドル建 2018 年 11 月 － 該当なし
豪ドル 豪ドル
債券
韓国輸出入銀行 2023 年
30,200,000 30,200,000
11 月８日満期米ドル建 2018 年 11 月 － 該当なし
米ドル 米ドル
債券
韓国輸出入銀行 2021 年
150,000,000 150,000,000
11 月８日満期メキシコ 2018 年 11 月 － 該当なし
メキシコペソ メキシコペソ
ペソ建債券 ( 注 1)
韓国輸出入銀行 2024 年
33,800,000 33,800,000
２月 22 日満期豪ドル建
2019 年２月 － 該当なし
債券（グリーンボン
豪ドル 豪ドル
ド）
韓国輸出入銀行 2024 年
21,900,000 21,900,000
２月 22 日満期米ドル建
2019 年２月 － 該当なし
債券（グリーンボン
米ドル 米ドル
ド）
韓国輸出入銀行 2024 年
34,100,000 34,100,000
８月 28 日満期豪ドル建 2019 年８月 － 該当なし
豪ドル 豪ドル
債券
韓国輸出入銀行 2024 年
21,200,000 21,200,000
８月 28 日満期米ドル建 2019 年８月 － 該当なし
米ドル 米ドル
債券
( 注 1) この債券は 2021 年 11 月８日に満期一括償還された。
本会計年度中に、各債券の所有者の権利等に重要な影響を与える事実は発生しなかった。
なお、当該会計年度末以降、日本において 債券の募集または売出しは行われていない。
3/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
第２ 【外国為替相場の推移】
本邦において 募集または売出しが行われた 債券の表示通貨である ブラジル・レアル、米ドル、 豪ドル およ
び メキシコペソと本邦通貨との間の為替相場が、国内において時事に関する事項を掲載する２以上の日刊新
聞紙に当行の最近５年間の会計年度において掲載されているため、記載を省略。
(1) 【最近５年間の会計年度（又は事業年度）別為替相場の推移】
該当事項なし。
(2) 【当会計年度（又は事業年度）中最近６月間の月別為替相場の推移】
該当事項なし。
(3) 【最近日の為替相場】
該当事項なし。
4/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
第３ 【発行者の概況】
１ 【発行者が国である場合】
該当事項なし 。
２ 【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし 。
３ 【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1) 【設立】
① 設立の根拠、設立年月日および沿革
当行は、韓国輸出入銀行法（その後の改正を含む。以下「輸銀法」という。）に従って、1976年に政
府特殊金融機関として設立された。設立以来、当行は、韓国の財およびサービスの輸出ならびにその国
際市場における競争力を促進してきた。この目的のため、当行は、韓国の輸出業者のニーズに対応した
融資手段を導入し、貸付方針を実施してきた。
当行の主要な目的は 、 輸銀法に記載されるとおり、「輸出入取引、海外投資および海外における天然
資源開発に必要な資金援助を供与することにより国家経済の健全な発展および対外経済協力を促進す
る」ことである。長年にわたり、当行は、大韓民国政府（以下「政府」という。）の総合的な経済政策
に合致したさまざまな融資手段と貸付方針を展開してきた。1980年代後半、貿易の状況が変化し、韓国
経済の国際化が進んだ結果、海外投資信用および輸入信用が奨励され、当行の事業の重要な部分を占め
るようになってきた。近年、当行は、船舶 向け のストラクチャード・ファイナンスならびに産業プラン
トの建設および海外での天然資源の開発のためのプロジェクト・ファイナンスを含む、新たな融資手段
の開発に注力してきた。
当行の本社は、韓国 、 07242ソウル市永登浦区ウンヘン路38に所在し、9,110平方メートルの敷地に床
面積45,715平方メートルの建物を自社で所有している。本社のほか、ソウル近郊の47,881平方メートル
の土地に職員研修センター、釜山の556平方メートルの土地に 床面積 4,423平方メートルの建物をもつ海
洋金融センターを所有 してい る。当行はまた、釜山、光州、大邱、昌原、大田、水原、仁川、蔚山、 忠
州 、全州、亀尾、麗水および原州に13支店を置いている。当行の国内支店と海外事務所は、長期リース
に基づいて保有する施設内にある。
② 目的および権限
当行は、輸銀法に従って、1976年に政府特殊金融機関として設立された。輸銀法、輸銀法施行令（以
下「輸銀法施行令」という。）および当行の定款（以下「定款」という。）は、当行の権能および権限
を規定し、規制している。当行は、韓国法に基づき特殊法人としての取扱 い を受け、商業銀行の業務を
規制する一定の法律の適用を受けない。
当行は、輸銀法に定めるとおり、 「輸出入取引、海外投資および海外における天然資源開発に必要な
資金援助を供与することにより国家経済の健全な発展および対外経済協力を促進する」 ために設立され
た。政府の公共政策目的のために務める機関として、当行は、その利益の最大化を追求するものではな
く、当行の拡大する業務量を支えるために、その資本基盤を強化するための適正水準の収益性を維持す
ることに務めている。
当行の主たる目的は、韓国企業の輸出ならびに海外投資およびプロジェクトを促進するために貸付金
および保証を提供することである。当行の活動の大半はこの権限に基づいて行われている。
当行は、広範な融資業務を行う権限を有している。これらは主に以下の４つに該当する。
・輸出信用
・海外投資信用
・輸入信用
・保証の供与
輸出信用には、韓国の資本財および非資本財ならびに技術サービスおよび非技術サービスの輸出を促
進するための貸 付 が含まれる。海外投資信用は、韓国からの海外投資およびプロジェクトの資金を賄う
5/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
ための貸付からなる。輸入信用には、必需品および天然資源の韓国による輸入の資金を賄うための貸付
の 供与 が含まれる。保証の供与は、韓国の輸出入業者の債務を支援するために利用することができる。
当行は、政府に代って、政府の対外経済協力基金および南北協力基金を管理する権限も有している。
当行は、通貨および金利スワップ取引など、上記に付随するその他の事業活動を行うこともできる。
③ 政府の支援および監督
当行に対する金融支援の額に関する会計年度ごとの政府の決定は、当行の貸付能力の決定において重
要な役割を果たしている。かかる支援には資本出資、貸付および当行の利益準備金への振替が含まれ
る。
政府が1969年に輸銀法を制定した時点での当行の授権資本は30十億ウォンであった。国会は輸銀法を
改正し、当行の授権資本を1974年に150十億ウォンに増額し、1977年に500十億ウォン、1986年に1,000十
億ウォン、1998年１月に2,000十億ウォン、1998年９月に4,000十億ウォン、2009年１月に8,000十億ウォ
ンに増額した。2014年１月、政府はさらに当行の授権資本を15,000十億ウォンに増額した。
1996年12月31日 時点で 、政府からの資本出資は約686十億ウォンで、全額が金銭であった。1997年以
降、政府は金銭のみでなく、政府関係機関の普通株式の形でも資本出資を行ってきた。最近では、(i)
2016年７月、2016年９月、2016年10月 、 2016年11月 、 2019 年５月、 2019 年８月、 2020 年７月、 2021 年３
月、 2021 年４月および 2021 年６月 に、金銭によりそれぞれ10十億ウォン、935十億ウォン、10十億ウォ
ン 、 65十億ウォン 、 26 十億ウォン、 30 十億ウォン、 578 十億ウォン、 110 十億ウォン、 29 十億ウォンおよ
び 160 十億ウォン の、 また (ii) 2016年６月に韓国 航空 宇宙産業の株式の形で500十億ウォ ン、 2017 年５月
に麗水光陽港湾公社の株式の形で 125 十億ウォン、 2017 年５月に仁川港湾公社の株式の形で 125 十億ウォ
ンおよび 2017 年６月に 韓国 航空 宇宙産業の株式の形で 1,167 十億ウォ ンの、政府から当行資本への出資が
あった。これらは大規模な海 外開発プロジェクト等のプロジェクトへの当行の融資能力を高めるために
行われたものである。これらの出資を考慮すると、 2021 年12月31日現在、当行の資本の総額は、 12,748
十億ウォンであった。
輸銀法によれば、政府、韓国産業銀行（以下「KDB」という。）、韓国銀行（以下「BOK」とい
う。）、一定の指定国内銀行組織、輸出業協会および国際金融機関のみが当行の資本に出資することが
できる。 2021 年12月31日現在、政府は当行の資本の 69 ％を直接有しており、BOKおよびKDBを通じてそれ
ぞれ当行の資本の ９ ％および 22 ％を間接的に有していた。「(5) 経理の状況」の「 2021 年および 2020 年
12月31日現在ならびに同日に終了した年度に係る個別財務書類注記－注１」を参照のこと。
当行の資本金への出資のほか、政府は、当行の財務活動に対して資金を提供している。政府は、当行
がその貸付業務のために利用できる資金を貸付けている。「(4)-③-( i ) 資金調達源」を参照のこと。
政府はまた、輸銀法第36条および第37条に従って当行の業務を支援している。輸銀法第36条および定
款には、当行が各会計年度にかかる減価償却費控除後の当該会計年度の純利益を以下の方法および順序
で充当することが規定されている。
・まず、利益準備金が資本総額相当に達するまで当該純利益の少なくとも10％を利益準備金に積立て
る。
・第二に、企画財政部長官がかかる分配を認める場合には、利益準備金繰入れ後の当該純利益の残額
を当行の資本に出資している政府以外の機関に分配する（15％の年間配当率を上限とする。）。
・第三に、当該純利益の残額は、当行の任意積立金への積増しなど、当行の運営委員会が決定し、企
画財政部長官が承認する方法により分配する。
輸銀法第37条は、「韓国輸出入銀行の年次純損失は、毎年準備金によりこれを補填し、準備金が不足
するときは、政府が損失補填のための資金を提供する。」と規定している。輸銀法により、政府は当行
の事業について全般的に責任を負い、当行の準備金が当行の年次純損失を補填するのに十分でない場
合、生じた損失を補充する法的な義務を負う。この規定に照らして、当行の義務に基づく支払を行うた
めに十分な資金がない場合には、政府は、資本出資、資金の配分その他の措置をとることによって、期
限における当行による当該支払の履行を可能にするために適切な手段を講じる。ただし、第37条の規定
は、当行の義務に対する政府による直接の保証を構成するものではなく、第37条を含む輸銀法の規定
は、韓国国会の決議によりいつでも改正することができる。
政府は、以下の方法を含め、当行の業務を緊密に監督している。
・韓国大統領は、企画財政部長官の推薦に基づき、当行の銀行長を任命する。
6/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
・企画財政部長官は、当行の銀行長の推薦に基づき、当行の副銀行長および 上席 執行理事を任命す
る。
・企画財政部長官は、当行の監事を任命する。
・各会計年度が開始する１カ月前に、当行は当該年度にかかる業務計画案および予算を企画財政部長
官に提出し、その承認を求めなければならず、また企画財政部長官の承認が得られた後直ちに当該
計画を国会に報告しなければならない。
・企画財政部長官は、認められた資金調達の範囲を含むすべての主だった業務事項にかかる指針を規
定した当行の業務方法書を承認しなければならない。
・政府の一部局である監査院は、毎年当行の会計決算書を検査する。
・企画財政部長官および金融委員会は、それぞれ当行の事項に関して当行からの報告を求め、また当
行の帳簿、記録およびその他の文書を検査する広範な権限を有する。かかる報告および検査に基づ
き、企画財政部長官は、輸銀法の履行に必要とみなされる命令を発し、または金融委員会に対して
検査を付託することができる。
・金融委員会は、輸銀法施行令および金融委員会の銀行業務監督規則に基づく健全な経営を確保する
ため、当行の事業を監督することができ、また当該監督に必要とみなされる命令を発することがで
きる。
・当行は、各会計年度終了後 ３ カ月以内に企画財政部に、また 年次監査期間中に国会から要請があっ
た場合にはかかる要請があった日から 10 日以内に 国会に、当該会計年度中の事業の概要および事業
活動の分析を記載した年次報告書を提出しなければならない。
・当行は、企画財政部長官の承認をもってのみ、その定款および業務方法書を改正することができ
る。
④ 日本との関係
当行は、1979年６月19日以来日本に東京事務所を置いている。
7/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(2) 【資本構成】
① 資本構成
2021 年12月31日現在、当行の授権資本は15,000十億ウォンで、資本構成は以下のとおりである。
（単位：十億ウォン）
(1)
2021 年 12 月 31 日現在
(2)(3)(4)(5)(6)
長期負債：
ウォン建借入金 -
外貨建借入金 1,500
63,281
輸出入金融債券
64,781
長期負債合計
資本および準備金：
(7)
資本金 12,748
払込剰余金 -
資本修正 (134)
利益剰余金 1,856
(8)
446
利益準備金
(8)
713
任意積立金
(9)
149
規制上の貸倒引当金
未処分利益剰余金 548
(10)
883
資本のその他の構成要素
15,353
資本および準備金合計
80,134
長期負債および資本合計
注 (1) 本書に記載されているものを除き、 2021 年 12 月 31 日以降、当行の資本構成に重大な悪化はない。
(2) 期日まで残り１年超の借入金および債券からなる。
(3) 当行は、 2021 年 12 月 31 日現在の外貨建借入金を、 2021 年 12 月 31 日にソウル・マネー・ブローカレッジ・
サービシズ・リミテッドが公表した市場平均為替レートである 1.00 米ドル＝ 1,185.50 ウォンでウォンに換
算している。
(4) 2021 年 12 月 31 日現在、当行は、総額 40,231 十億ウォンの偶発債務があり、これは保証および手形引受残高
30,069 十億ウォンならびに当行顧客のために発行された偶発保証および手形引受による 10,163 十億ウォン
からなっていた。 2021 年 12 月 31 日現在の保証残高に基づく当行の偶発債務に関連する詳しい情報について
は「 (5) 経理の状況」の「 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在ならびに同日に終了した年度に係る個別財務
書類注記－注 36 」を参照のこと。
(5) 2021 年 12 月 31 日現在、当行は、金利および通貨リスクをヘッジするという当行の方針に沿って、想定元本
総額 47,235 十億ウォンの金利関連デリバティブ契約 342 件、想定元本額 31,984 十億ウォンの通貨関連デリバ
ティブ契約 509 件を締結していた。「 (5) 経理の状況」の「 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在ならびに同日
に終了した年度に係る個別財務書類注記－注 20 」を参照のこと。
(6) これらの資金源の説明については「 (4)- ③ -(i) 資金調達源」を参照のこと。当行の借入金は、国内外を問
わずすべて無担保、無保証である。
(7) 2021 年 12 月 31 日現在、授権資本は 15,000 十億ウォンであり、発行済全額払込済の資本金は 12,748 十億ウォ
ンであった。「 (1) －③ 政府の支援および監督」を参照のこと。
(8) 当期純利益の利益準備金および任意積立金への繰入れ方法については、「 (1) －③ 政府の支援および監
督」を参照のこと。
(9) 会計目的上 K-IFRS によって決定された見積貸倒引当金が銀行業務監督規則により義務づけられる規制目的
上の貸倒引当金を下回る場合には、当行はかかる差額を規制上の貸倒引当金として計上する。「 (5) 経理
の状況」の「 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在ならびに同日に終了した年度に係る個別財務書類注記－注
23 」を参照のこと。
(10) 「 (5) 経理の状況」の「 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在ならびに同日に終了した年度に係る個別財務
書類注記－注 22 」を参照のこと。
8/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
② 保有
2021 年12月31日現在、当行の資本 金 は 12,748,254 百万ウォンであった。当行は、 2021 年12月31日現
在、政府、BOKおよび KDB により、それぞれ 68.74 ％、 9.14 ％および 22.12 ％保有されていた。
(3) 【組織】
① 経営陣
当行の理事会は、当行の統治と経営に責任を負い、当行の業務に関する重要事項を決定する権限を有
する。理事会は、当行の銀行長が議長となり、銀行長、副銀行長 兼最高執行責任者 、執行理事および非
執行理事 ４ 名からなる ７ 名の理事をもって構成される。監事は、理事会の会議に出席し、その意見を述
べることができる。韓国大統領は、企画財政部長官の推薦に基づき、当行の銀行長を任命する。企画財
政部長官は、当行の銀行長の推薦に基づき、当行の副銀行長 兼最高執行責任者 および執行理事全員を任
命する。企画財政部長官は、監事を任命する。理事会構成員および監事は、いずれも３年を任期とし、
連続して再任される資格がある。
当行理事会のすべての構成員の業務上の住所は、当行の登記上の住所である、大韓民国07242 ソウル
特別市永登浦区ウンヘン 路 38である。
当行の 2021 年12月31日現在の理事会のメンバーは以下のとおりである：
氏名 年齢 理事就任日 役職名
(1)
59 2019 年 10 月 30 日 銀行長
方 文圭
（ Moon-Kyu Bang ）
權 祐奭 58 2021 年５月 15 日 副銀行長兼最高執行責
任者
（ Woo-Seog Kwon ）
金 兌洙 58 2021 年５月 15 日 執行理事
（ Tae-soo Kim ）
柳 ト煥 62 2020 年１月６日 非執行理事
（ Bok-hwan Yu ）
鄭 多美 60 2020 年１月６日 非執行理事
（ Tammy Chung ）
李 載民 67 2021 年９月 18 日 非執行理事
（ Jaimin Lee ）
尹 兌鎬 56 2021 年９月 18 日 非執行理事
（ Tae-ho Yun ）
注 (1) 方 文圭（ Moon-Kyu Bang ）は、 2022 年６月７日付で当行の銀行長の職を辞任した。銀行長職は現在空席で
ある。
当行の業務に関する基本方針ガイドラインは、運営委員会が設定する。定款に従い、運営委員会は指
名された以下の役員をもって構成 され る。
・当行の銀行長
・企画財政部長官が指名する企画財政部の職員
・外交部長官が指名する外交部の職員
・産業通商資源部長官が指名する産業通商資源部の職員
・国土交通部長官が指名する国土交通部の職員
・海洋水産部長官が指名する海洋水産部の職員
・金融委員長が指名する金融委員会の職員
・BOK総裁が指名するBOKの執行理事
・韓国銀行協会会長が指名する韓国銀行協会の執行理事
・企画財政部長官が産業通商資源部長官と協議のうえ指名する輸出業協会（韓国貿易協会）の代表者
・貿易保険法に基づき設立された韓国貿易保険公社の会長兼総裁が指名する韓国貿易保険公社の 執行
理事
・当行の銀行長が推薦し、企画財政部長官が任命する国際経済協力事業に豊富な知識と経験を有する
２名以内の者
9/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
2021 年12月31日現在の運営委員会の構成員は、以下のとおりである。
氏名 運営委員就任日 役職名
(1)
2019 年 10 月 30 日 当行の銀行長
方 文圭
（ Bang, Moon-Kyu ）
(2)
2020 年 10 月 27 日 企画財政部国際問題担当次官
尹 泰植
（ T ae Sik Yoon ）
(3)
2020 年５月８日 外交部経済問題担当次官
李 誠浩
（ Seong Ho Lee ）
文 東玟 2021 年３月 26 日 産業通商資源部国際貿易投資担当次官
（ Dong-min Moon ）
權 赫震 2020 年７月 14 日 国土交通部建設政策室補佐官
（ Hyuk Jin Kwon ）
全 宰佑 2021 年２月９日 海洋水産部海運流通室長
（ Jae-Woo Jun ）
李 世訓 2021 年７月 30 日 金融委員会事務局長
（ Se-Hoon Lee ）
李 尙 衡 2021 年７月 22 日 BOK 副総裁
（ SangHyeong Lee ）
虎炯 2020 年３月９日 韓国銀行協会上席執行理事
（ Ho Hyoung Lee ）
李 官燮 2021 年２月 26 日 韓国貿易協会執行副会長
（ Kwan Sup Lee ）
(4)
2019 年３月 18 日 韓国貿易保険公社副総裁
李 度烈
（ Do Yeol Lee ）
成 太胤 2021 年５月４日 延世大学校教授
（ Taeyoon Sung ）
朴 海宣 2022 年２月 16 日 建国大学校教授
（ Hae Sun Park ）
注 (1) 方 文圭（ Moon-Kyu Bang ）は、 2022 年６月７日付で当行の銀行長の職を辞任した。銀行長職は現在空席で
ある。
(2) 2022 年２月 23 日付で、尹 泰植氏の後任として 朴 一泳 （ Il Young Park ）氏（企画財政部国際経済問題担
当次官）が運営委員会の構成員に任命された。
(3) 2022 年２月 28 日付で、李 誠浩氏の後任として 尹 聖德 （ Seong-Deok Yun ）氏（外交部経済問題担当次官）
が運営委員会の構成員に任命された。
(4) 2022 年３月 22 日付で、李 度烈氏の後任として 金 虎一 （ Ho Ill Kim ）氏（韓国貿易保険公社副総裁）が運
営委員会の構成員に任命された。
企画財政部長官は、当行の財務活動を調査し、財務書類および会計記録を監査することにつき責任を
負う内部監事を任命する。 現在の内部監事は 金 種哲 （ Jong-cheol Kim ）氏で 、 2021 年 １ 月 25 日 付で ３年
の任期で任命された。
10/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
② 従業員
2021 年12月31日現在、当行は 1,194 名の従業員を擁しており、このうち 966 名が当行の労働組合に属し
ていた。当行では、これまで深刻な就労停止は起きていない。２年ごとに、経営陣と労働組合は、団体
交渉を行って労働協定を締結する。最近の団体労働協約は、 2020 年 ９ 月に締結されたものである。
③ 組織
次の図は当行の組織図である。
11/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(4) 【業務の概況】
① 財務書類データの抜粋
本書において別段の記載がない限り、ウォン建および外貨建の貸付金（いずれも貸倒引当金控除前）
は、総称して「貸付金」という。買入手形、買入外国為替、顧客前渡金、コールローンおよび外貨建銀
行間貸付金（いずれも貸倒引当金控除前）は、総称して「その他の貸付」という。貸付金およびその他
の貸付は、総称して「貸付与信」という。確認保証および手形引受は、総称して「保証」という。貸付
与信および保証は、総称して「クレジット・エクスポージャー」という。
以下の抜粋財務書類情報については、本書に掲げる当行の個別財務書類および注記と併せて読まれた
い。
（十億ウォン）
12 月 31 日に終了した年度
2019 年 2020 年 2021 年
( 監査済 )
損益計算書データ
受取利息合計 3,095 2,289 1,746
支払利息合計 2,217 1,408 841
純利息収益 879 881 904
営業収益 896 271 743
税引前利益 470 140 746
法人税費用 169 38 199
当期純利益 302 102 548
（十億ウォン）
12 月 31 日現在
2020 年 2021 年
( 監査済 )
貸借対照表データ
(1)
貸付与信合計 76,288 79,995
(2)
借入金合計 78,718 82,063
資産合計 97,590 101,452
負債合計 83,121 86,099
株主資本合計 14,469 15,353
注 (1) 国内ユーザンス手形、買入外貨建手形、手形引受および保証に係る前払金、コールローン、外貨建銀行間
貸付金、私募ウォン建社債ならびにその他を含む総額で、貸倒引当金および正味繰延貸付組成手数料の評
価調整前。「 (5) 経理の状況」の「 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在ならびに同日に終了した年度に係る
個別財務書類注記」の注 10 を参照のこと。
(2) 債券を含む。
12/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
2021 年
当行は、 2020 年に 102 十億ウォンの当期純利益を計上したのに対して、 2021 年には 548 十億ウォンの当
期純利益を計上した。当期純利益が増加した主な要因には以下のものが含まれる。
・主として当行の貸付ポートフォリオの資産の質が全般的に改善したことと、 2021 年には繰返されな
かった 2020 年における COVID-19 のパンデミックに起因する当行の貸付ポートフォリオの全体的な資
産の質の悪化に起因しうる予想減損損失の潜在的な増加を会計処理するための予防的措置を反映し
て、信用減損損失が 2020 年の 838 十億ウォンから 2021 年には 368 十億ウォンへと 56 ％減少したこと。
・主として 2021 年には繰返されなかった 2020 年における韓国航空宇宙産業への投資に関連して減損損
失が認識された結果、子会社および関連会社への投資に係る純損益が 2020 年の 125 十億ウォンの純
損失から 2021 年には 11 十億ウォンの純利益に転じたこと。
これらの要因は、主として税引前利益が 2020 年の 140 十億ウォンから 2021 年には 746 十億ウォンへと増
加したことから法人税費用が 2020 年の 38 十億ウォンから 2021 年には 199 十億ウォンへと４倍強に増加し
たことにより一部相殺された。
2021 年 12 月 31 日現在、当行の資産合計は 101,452 十億ウォンで、 2020 年 12 月 31 日現在の 97,590 十億
ウォンより４％増加した。これは主として、償却原価による貸付金が 2020 年 12 月 31 日現在の 73,407 十億
ウォンから 2021 年 12 月 31 日現在では 77,458 十億ウォンへと６％増加したこと、および金融投資が 2020 年
12 月 31 日現在の 11,042 十億ウォンから 2021 年 12 月 31 日現在では 12,745 十億ウォンへと 15 ％増加したこと
によるものであるが、その効果はヘッジ目的デリバティブ資産が 2020 年 12 月 31 日現在の 1,500 十億ウォ
ンから 2021 年 12 月 31 日現在では 562 十億ウォンへと 63 ％減少したこと、ならびに損益を通じて公正価値
で測定される金融資産が 2020 年 12 月 31 日現在の 3,478 十億ウォンから 2021 年 12 月 31 日現在では 2,598 十億
ウォンへと 25 ％減少したことにより、一部相殺された。
2021 年 12 月 31 日現在、当行の負債合計は 86,099 十億ウォンで、 2020 年 12 月 31 日現在の 83,121 十億ウォ
ンより４％増加した。これは主として、債券が 2020 年 12 月 31 日現在の 72,642 十億ウォンから 2021 年 12 月
31 日現在では 76,486 十億ウォンへと５％増加したことによるものであるが、その効果はその他の資産が
2020 年 12 月 31 日現在の 2,603 十億ウォンから 2021 年 12 月 31 日現在では 1,985 十億ウォンへと 24 ％減少した
こと、ならびに借入金が 2020 年 12 月 31 日現在の 6,077 十億ウォンから 2021 年 12 月 31 日現在では 5,577 十億
ウォンへと８％減少したことにより、一部相殺された。
2021 年 12 月 31 日現在の当行の株主資本合計は、 2020 年 12 月 31 日現在の 14,469 十億ウォンから６％増加
して 15,353 十億ウォンとなった。これは主として、利益剰余金および資本金が増加したことによるもの
である。
2020 年
当行は、 2019 年には 302 十億ウォンの当期純利益を計上したのに対して、 2020 年には 102 十億ウォンの
当期純利益を計上した。当期純利益が減少したのは、主に COVID-19 のパンデミックによって為替レート
のボラティリティが増大した結果、外国為替取引に係る純損失が 2019 年の 456 十億ウォンから 2020 年に
は 1,069 十億ウォンへと 134 ％拡大したこと、ならびに主に COVID-19 のパンデミックに照らして融資を必
要とする借り手に提供された貸付与信が増加した結果、信用減損損失が 2019 年の 323 十億ウォンから
2020 年には 838 十億ウォンへと 160 ％増加したことが主な要因である。かかる要因は、主として為替レー
トおよび金利のボラティリティが増大したためにヘッジ目的デリバティブ資産に係る純利益が 2019 年の
1,406 十億ウォンから 2020 年には 1,794 十億ウォンへと 28 ％増加したこと、主に韓国航空宇宙産業への投
資に関連して認識された当行の減損損失が減少した結果、子会社および関連会社への投資に係る純損失
が 2019 年の 415 十億ウォンから 2020 年には 125 十億ウォンへと 70 ％減少したこと、ならびに主に為替レー
トおよび金利のボラティリティの増大に関連して公正価値ヘッジ対象に係る純損失が減少したことから
その他の正味営業損失が 2019 年の 956 十億ウォンから 2020 年には 798 十億ウォンへと 17 ％減少したことに
より一部相殺された。
2020 年 12 月 31 日現在、当行の資産合計は 97,590 十億ウォンで、 2019 年 12 月 31 日現在の 92,254 十億ウォ
ンより６％増加した。これは主として、償却原価による貸付金が 2019 年 12 月 31 日現在の 71,577 十億ウォ
13/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
ンから 2020 年 12 月 31 日現在では 73,407 十億ウォンへと３％増加したこと、金融投資が 2019 年 12 月 31 日現
在の 9,314 十億ウォンから 2020 年 12 月 31 日現在では 11,042 十億ウォンへと 19 ％増加したこと、ならびに
損 益を通じて公正価値で測定される金融資産が 2019 年 12 月 31 日現在の 1,834 十億ウォンから 2020 年 12 月
31 日現在では 3,478 十億ウォンへと 90 ％増加したことによる。
2020 年 12 月 31 日現在、当行の負債合計は 83,121 十億ウォンで、 2019 年 12 月 31 日現在の 78,562 十億ウォ
ンより６％増加した。これは主として、債券が 2019 年 12 月 31 日現在の 67,138 十億ウォンから 2020 年 12 月
31 日現在では 72,642 十億ウォンへと８％増加したことによる。
2020 年 12 月 31 日現在の当行の株主資本合計は、 2019 年 12 月 31 日現在の 13,692 十億ウォンから６％増加
して 14,469 十億ウォンとなった。これは主として、 2020 年７月に政府の金銭による 578 十億ウォンの資
本出資により資本金が増加したことによるものである。
② 業務
(a) 貸付業務
設立以来の当行の主たる目的は、輸出を促進し、国際市場における韓国の財およびサービスの競争
力を高めることである。この目的のために当行は、さまざまな融資手段を導入し、韓国の輸出業者お
よび外国の輸入業者のニーズに対応した貸付方針を実施してきた。また、当行は長年にわたって政府
の総合的経済政策と整合した融資手段と貸付方針を策定してきた。 1980 年代後半には、貿易状況が変
化し、韓国経済の国際化が進展した結果、海外投資信用および輸入信用が奨励され、当行の業務の重
要な部分を占め始めた。当行の貸付プログラムには、（１）韓国の輸出業者または韓国の財および
サービスの外国人バイヤーに対する輸出信用、（２）韓国企業に対する海外投資信用、ならびに
（３）韓国の輸入業者に対する輸入信用が含まれる。
与信承認に先立って当行は以下を考慮する。
・韓国にとっての経済的便益
・政府の輸出入政策で定められている優先順位の中でのその業界の順位
・貸付供与に関連する信用リスク
・当行の貸付業務の多様化という目標
輸銀法および定款によれば、当行は、返済が「確実であると考えられる」場合にのみ信用を供与す
ることができると規定されている。したがって、当行は、各借手候補の財政状態ならびに融資対象の
プロジェクトの技術的および資金的側面を慎重に調査し、返済の合理的な保証が存在すると当行が考
えた場合にのみ貸付が行われる。下記「⑤ 与信政策、与信承認およびリスク管理 － (b) 与信承
認」を参照のこと。
2021 年には、当行は前年に比べて５％減の 60,413 十億ウォンの貸付を行い、貸付金約定は前年に比
べて８％減の 60,359 十億ウォンであった。貸付金の実行額および約定額の減少は、主として産業プラ
ント関連産業からの需要の減少によるものである。
14/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
次の表は、与信の種類別に分類した貸付与信残高の合計額を示している。
（十億ウォン）
12 月 31 日現在
2021 年の合計に占
2020 年 2021 年 める割合
輸出信用
産業プラント 14,270 13,480 17 ％
造船 8,475 6,517 8 ％
鉄および非鉄金属製品 2,210 2,492 3 ％
石油化学製品 1,981 2,732 3 ％
自動車 2,560 2,568 3 ％
電子機械 2,688 3,218 4 ％
(1)
6,302 7,631 10 ％
その他
小計 38,487 38,638 48 ％
海外投資信用 28,617 32,830 41 ％
輸入信用 5,332 6,122 8 ％
(2)
その他
3,845 2,399 3 ％
7 6 0 ％
現在価値プレミアム / 割引
76,288 79,995 100 ％
貸付与信合計
注 (1) 一般機械、サービス部門等を含む。
(2) コールローン、外貨建銀行間貸付、顧客前渡金等を含む。
出所：内部会計記録
次の表は、与信の種類別に分類した新規貸付約定を示している。
与信の種類別新規貸付与信約定
（十億ウォン）
12 月 31 日に終了した年度
2021 年の合計に占
2020 年 2021 年 める割合
輸出信用
産業プラント 4,406 576 1 ％
造船 6,094 3,960 7 ％
鉄および非鉄金属製品 2,826 2,427 4 ％
石油化学製品 5,490 4,941 8 ％
自動車 5,066 3,449 6 ％
電子機械 4,125 4,959 8 ％
(1)
9,540 9,775 16 ％
その他
小計 37,547 30,088 50 ％
海外投資信用 18,837 18,003 30 ％
輸入信用 9,043 12,198 20 ％
その他 - 70 0
65,427 60,359 100 ％
合計
注 (1) 一般機械、サービス部門等を含む。
出所：内部会計記録
15/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
輸出信用
当行は、国内供給業者または外国人バイヤーに、輸出取引のための資金を供給する輸出信用を提供
している。
国内供給業者向け輸出信用には、以下が含まれる。
・船舶、産業プラントおよび機械などの資本財を輸出する韓国の輸出業者への輸出融資
・韓国の輸出業者または輸出製品を生産している製造業者への船積与信
・海外建設プロジェクトを含む海外技術サービス輸出を行っている韓国企業への技術サービス与信
・短期輸出契約の下で輸出品を製造している韓国の輸出業者向けの短期貿易金融
・輸出品を製造し、または一次輸出業者が必要とする材料を供給している中小企業向けの中小企業
輸出信用
・輸出業者のための国内商業銀行宛て輸出手形の再割引
・与信のユーザンス・ラインに基づく輸出取引からの輸出手形をノンリコース・ベースで割引くこ
とにより、韓国の輸出業者の債権を買取る。
・輸出取引精算勘定から発生する売上債権をノンリコース・ベースで割引くことにより、韓国の輸
出業者の回収を代行する。
外国人バイヤーに対する輸出信用には、以下が含まれる。
・韓国の財およびサービスを購入する外国人バイヤーに対する直接融資
・大型プロジェクトのために韓国からの産業プラント、設備および技術サービスの輸入を意図して
いる外国企業に対するプロジェクト・ファイナンス。この場合、そのようなプロジェクトから生
み出されるキャッシュフローが返済の主な資金源である。
・韓国の造船所から船舶を購入する外国の海運会社へのストラクチャード・ファイナンス。この場
合、返済は通常、船舶の運航によって発生するキャッシュフローに依存する。
・外国人バイヤーが韓国原産の財およびサービスを購入するための信用を取得するのを手助けする
ための、外国の信用力のある銀行への銀行間輸出融資
2021 年 12 月 31 日現在、輸出信用額は 38,638 十億ウォンで、当行の貸付与信残高の合計額の 48 ％を占
めた。 2021 年の輸出信用の実行額は、主として産業プラント関連産業からの需要が減少したため、前
年から 12 ％減の 33,224 十億ウォンであった。 2021 年における当行の輸出信用の約定額は、前年から
20 ％減の 30,088 十億ウォンであった。
当行は、資本財および非資本財の製造または建設ならびに当行の業務方法書に指定されている技術
サービスの輸出に向けた準備に必要な資金を供給するため、韓国企業に輸出信用を提供している。輸
出信用融資について適格な資本財には、現在のところ船舶、産業プラント、産業用機械および海外建
設プロジェクトが含まれる。当行の輸出信用の支援を受ける資格のある品目に関しては、船舶ならび
に産業プラントが伝統的に当行の輸出信用業務の最大部分の一部を占めている。
16/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
当行は、国内供給事業者に対して輸出融資および技術サービス与信を、固定利率（ OECD 輸出信用ア
レンジメント（以下に定義する。）に基づく市場貸出基準金利以上）または変動利率で、船舶の場合
は 12 年以内、他の適格品目の融資の場合は２～ 18 年の弁済期限で提供している。当行は一般に、船舶
輸出融資の場合は契約額の 20 ％の最低前払金、その他の適格品目の融資の場合は 15 ％の最低前払金を
要求する。借手候補の信用格付が当行の内部格付基準を満たしていない場合は、これらの輸出信用
は、関連取引に関して発行された約束手形、または信用力のある国際銀行または輸入業者の国の政府
もしくは中央銀行が発行しまたは確認した保証状もしくは信用状によって保証される。このような輸
出信用の下での他の条件は、経済協力開発機構（ OECD ）による政府支援を受ける輸出信用ガイドライ
ンに関する取決め（以下「 OECD 輸出信用アレンジメント」という。）に従う。当行は、国内供給業者
に対する輸出信用融資と同様の条件で外国人バイヤーに対する直接貸付、プロジェクト会社に対する
プロジェクト・ファイナンスおよび外国の海運会社に対する船舶のためのストラクチャード・ファイ
ナンスを行っている。当行は、外国の輸入業者による韓国製品の輸入を促進するために海外の銀行に
対して銀行間輸出融資を提供している。銀行間輸出融資は、固定金利または変動金利で、期間 10 年以
内で提供される。
海外投資信用
当行は、韓国企業または韓国企業が株式を所有している外国企業に海外投資信用を供与し、適格な
海外事業およびプロジェクトへの投資に融資している。このような融資プログラムには以下が含まれ
る。
・出資、株式取得および長期貸付の形で海外に投資する韓国企業への海外投資与信
・韓国外での事業に従事する韓国企業またはその海外子会社への海外プロジェクト与信
・韓国企業の海外での天然資源開発および採掘権取得のための主要資源開発与信
・韓国企業が株式持分を所有する外国企業向けの、機器購入または運転資本のための資金の形によ
る海外ビジネス与信
2021 年 12 月 31 日現在、海外投資信用は 32,830 十億ウォンで、これは当行の貸付与信残高の合計額の
41 ％を占めた。 2021 年における当行の海外投資信用の約定額は 18,003 十億ウォンで、前年比で４％の
減少であった。 2021 年における当行の海外投資信用の実行額は 16,799 十億ウォンで、前年比で３％の
減少であった。海外投資信用の新規約定額および実行額の減少は、主として海外投資およびプロジェ
クト信用に対する需要の落込みによる。
政府が判断する韓国経済にとって重要な資材の取得または天然資源開発に融資する海外投資信用の
提案は、韓国の財およびサービスの輸出を推進するプロジェクトとともに、優先権を与えられる。そ
の結果、当行の海外投資信用プログラムによって融資を受けるプロジェクトは、主として製造業およ
び天然資源開発の分野のものである。
当行は、固定金利または変動金利のいずれかで、期間 30 年以内で海外投資信用を提供している。こ
のようなファシリティは、銀行保証、借手の現地資産に基づいた質権または抵当権の形による担保を
必要とする場合がある。当行は、借手の規模に応じて、海外投資プロジェクトに必要な資金を、最大
で全額提供する。
17/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
輸入信用
当行は、その安定した適時の供給が韓国経済にとって不可欠である資材、天然資源およびハイテク
資材を直接輸入する韓国企業向けに、または海外で開発した後にその品目を輸入する韓国企業向け
に、輸入信用を提供する。輸入信用は、核燃料、航空機、鉱石、原油、木材、木材パルプ、穀物、綿
花、砂糖ならびに研究開発用および高度技術産業用機器を含む適格品目の輸入に対して行われてい
る。
2021 年 12 月 31 日現在、輸入信用額は 6,122 十億ウォンで、これは当行の貸付与信残高の合計額の
８％を占めた。 2021 年における輸入信用の実行額および新規約定額は、それぞれ 10,390 十億ウォンお
よび 12,198 十億ウォンで、前年比でそれぞれ 17 ％および 35 ％の増加であった。これは、主として輸出
および国内消費向けに使用される原材料のための融資需要が増加したことによるものである。
当行は、固定金利または変動金利で、機器および機械の場合は期間 10 年以内、またその他の品目の
場合はより短期の期間２年以内で輸入信用を提供している。この場合、銀行保証、借手の現地資産に
基づいた質権または抵当権の形による担保を必要とする場合がある。当行は、一般的には輸入契約額
の最大 80 ％の融資を提供するが、中小企業向けの場合には輸入契約額の最大 90 ％、銀行が開設した信
用状が付された取引の場合には最大 100 ％の融資を提供する。
(b) 保証業務
当行は、輸出および輸入金融を促進するために、韓国の輸出業者の債務について韓国の商業銀行お
よび外国銀行または外国の輸入業者のために保証を提供している。韓国の輸出業者および輸入業者の
ためのこのような保証プログラムには、（１）当行の適格性要件を満たす取引に貸付を行う協調融資
銀行に対する融資保証、ならびに（２）適格プロジェクトに関する韓国の輸出業者の履行についての
入札保証証券、前払金保証、履行保証および留保金保証の形での外国輸入業者に対するプロジェクト
関連保証が含まれる。 2021 年 12 月 31 日現在の保証約定額は、 2020 年 12 月 31 日現在の 34,703 十億ウォン
から 40,231 十億ウォンに増加した。 2021 年 12 月 31 日現在の当行の確認保証は、 2020 年 12 月 31 日現在の
27,961 十億ウォンから 30,069 十億ウォンに増加した。
当行は、主としてプロジェクト関連保証を発行しているが、これには以下が含まれる。
・輸出品を引渡せなかった場合に韓国の輸出業者に対して課される前払金返還義務を支援するため
の、韓国の財およびサービスの外国輸入業者に対して発行される前払金保証
・韓国の輸出業者によるその契約義務履行を支援するための、外国輸入業者に対して発行される履
行保証
2021 年には、当行は前年に比べて 49 ％増の 8,314 十億ウォンのプロジェクト関連の確認保証を発行
した。
当行はまた、輸入信用貸付に関連して承認されたプロジェクトへの融資を支援するために外国輸出
業者に対して、また輸出信用貸付に関連して承認されたプロジェクトへの融資を支援するために韓国
の輸出業者に対して、信用状を発行している。
当行の保証業務および信用状業務に関する詳細については、「 (5) 経理の状況」の「 2021 年および
2020 年 12 月 31 日現在ならびに同日に終了した年度に係る個別財務書類注記」の注 36 を参照のこと。
18/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(c) 政府勘定の業務
対外経済協力基金
1987 年に、政府は、開発途上国の産業育成または経済安定化に寄与するプロジェクトのために開発
途上国の政府または機関に対して優遇金利で貸付を行う対外経済協力基金（以下「 EDCF 」という。）
を設立した。当行は、政府に代わって EDCF を管理しており、 EDCF 貸付に関するプロジェクト評価、文
書化および管理作業について責任を負っている。 EDCF 業務勘定は、政府のために、当行自体の勘定と
は別個に維持されており、 EDCF 業務の当行による運営から当行には別途収入または支出は発生してい
ない。政府の拠出金が EDCF の主要資金源を構成している。 2021 年の EDCF による貸付実行額は、 34 カ国
の 102 件のプロジェクトに対して 1,227 十億ウォンで、前年に比べて 36 ％増加した。 2021 年 12 月 31 日現
在、 EDCF が供与した貸付残高の合計額は 9,760 十億ウォンで、前年に比べて 13 ％の増加であった。
南北協力基金
政府は 1991 年に、南北協力基金（以下「 IKCF 」という。）を設立した。これは、韓国と北朝鮮間の
離散家族の相互訪問、文化事業、学術会議、貿易および経済協力を支援するための資金調達および融
資業務を行うことにより、両国間の交流と協力を推進するためのものである。当行は、統一部のイニ
シアティブと政策協調の下で IKCF を管理している。 IKCF 勘定は、政府に代って、当行自体の勘定とは
別個に維持されている。政府の拠出金が IKCF の主要資金源である。 2021 年の IKCF の実行額は、 43 件の
プロジェクトに対して 31 十億ウォンで、 2021 年 12 月 31 日現在の累積実行総額は 7,107 十億ウォンであ
り、 2020 年 12 月 31 日現在の 7,076 十億ウォンから 0.4 ％増加した。
(d) その他の業務
当行は、当行の融資活動に関連するその他さまざまな活動に従事している。
当行が現在従事している活動には、以下が含まれる。
・海外経済研究所が行う国家情報サービス。これは、当行の財源の効率的活用を支援するために国
家研究およびカントリー・リスク評価を行うものである。
・輸出信用助言サービス。これは、入札プロセスまたは契約交渉の早期の段階において輸入国に関
する国、産業、市場および財政事情についての広範な知識を韓国の輸出業者に提供することによ
り海外入札でより大きなシェアを獲得することを目的とするものである。
・国際取引に関するコンサルティングを行う弁護士、会計士および地域専門家を含む社内専門家に
よるコンサルティング・サービス
・韓国の外国直接投資データベースの管理
19/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
③ 資産および負債の内容
(a) クレジット・エクスポージャー合計
当行は、輸出および輸入取引、海外投資プロジェクトならびにその他の関連商品を支援するため
に、貸付および保証を含むさまざまな形態の与信を提供している。
次の表は、 2020 年および 2021 年の 12 月 31 日現在のクレジット・エクスポージャーを、提供されたエ
クスポージャーの種類別に示している。
（比率を除き、十億ウォン）
12 月 31 日現在
2020 年 2021 年
A ウォン建貸付金
23,643 23 ％ 24,238 22 ％
46,840 46 ％ 51,613 48 ％
B 外貨建貸付金
C 貸付金（ A+B ）
70,483 69 ％ 75,851 70 ％
5,805 6 ％ 4,144 4 ％
D その他の貸付金
E 貸付与信（ C+D ） 76,288 75 ％ 79,995 74 ％
(2,501) (2) ％ (2,166) (2) ％
F 貸倒引当金
G 貸倒引当金を含む貸付与信（ E-F ）
73,787 73 ％ 77,829 72 ％
27,961 27 ％ 30,069 28 ％
H 保証
101,748 100 ％ 107,898 100 ％
I クレジット・エクスポージャー（ G+H ）
(b) 地域別貸付与信
(1)
次の表は、 2020 年および 2021 年の 12 月 31 日現在の貸付与信残高の総額を地域別 に示している。
12 月 31 日に終了した年度
2021 年の合計に占
2020 年 2021 年 める割合
(2)
60,933 61,373 77 ％
アジア
ヨーロッパ 6,606 9,625 12 ％
アメリカ 6,648 7,288 9 ％
アフリカ 2,101 1,708 2 ％
76,288 79,995 100 ％
合計
注 (1) 本表では、輸出信用は、韓国からの輸出の外国人バイヤーが所在する地理上の区域に振分けられている。
海外投資信用は、融資対象の海外投資が所在する地理上の区域に振分けられている。輸入信用は、輸入品の
売主が所在する地理上の区域に振分けられている。
(2) オーストラリアを含む。
出所：内部会計記録
20/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(c) 経済制裁
米国財務省の外国資産管理局（ OFAC ）を含む米国政府は、米国の法域内で行われる一定の指定国お
よび領土、政府、法人および個人ならびにかかる当事者により過半数所有されている事業体との取引
またはこれらと関わり合う取引を禁止または制限する一定の法令（以下「米国の直接制裁」とい
う。）を管理、執行している。米国の直接制裁には、特定の国や法域をターゲットとする領域制裁、
米国人が制裁対象の個人との取引もしくはその他の売買または制裁対象の個人の財産もしくは財産の
持分に関わる取引その他の売買に従事することを一般に禁止するブロッキング制裁、および例えば一
定の日以降に発行された一定の指定当事者発行に係る債券もしくはエクイティの取引を含む特定の種
類の取引を対象とする非ブロック的な禁止および制限が含まれる。例えば、イランは現在もこれまで
も米国の包括的な制裁対象であった。また、進行中のウクライナとロシアの紛争の結果、米国は、欧
州連合、英国、韓国、シンガポールおよびその他の主要な法域とともに、ロシアに対して新規の、追
加的なおよび / または強化された経済・貿易制裁を採用した。米国の直接制裁は一般に非米国人には
適用されない（ただし、一定の米国の直接制裁プログラムは米国企業の非米国子会社には適用され
る）が、非米国人は（例えば米国の財、サービスもしくは技術、米国人または米国の金融制度を通じ
て決済される米ドルによる支払等に関与した結果として）米国法域において禁止取引に参加する限り
において米国の直接制裁の 違反について責任を問われることがある。 米国の直接制裁に違反した場
合、民事上または刑事上の重大な罰則が科されることがある。
米国の直接 制裁 に加えて、米国は、当該取引が米国の法域内におけるものであるか否かにかかわら
ず、イランおよびロシアに関連した一定の取引に従事する外国人当事者ならびに米国のその他の制裁
対象 / 対象活動に対して様々な制裁を科す権限を米国政府当局に与える多くの二次的制裁プログラム
を維持している。米国の二次的制裁は、自動的に科されるものではなく、米国政府による特定の行為
を要する。実際、米国の二次的制裁はきわめて裁量的であり、政治的配慮の影響を強く受けることが
あるため、予測することは難しい。制裁対象となりうる活動に従事する非米国人は、とりわけ制裁対
象当事者が利害関係を有している米国の法域内の財産（米国人による所有または支配を含む。）の封
鎖を含む複数の二次的制裁の対象となる可能性があり、これには制裁対象当事者の有価証券に関わる
米国法域内における取引または売買を禁止され、あるいは金融機関の場合は米国内にコルレス勘定を
維持することを禁止または制限されることが含まれる。例えば当行の活動または当行のいずれかの取
引相手の活動が米国の二次的制裁の下で制裁対象となる活動に関与していると米国政府によって判断
された場合、当行の事業および評判は悪影響を受けることがある。
また、欧州連合、英国、韓国、シンガポールおよびその他の主要な法域は、様々な点において、当
行もしくは当行の特定の取引が対象となりうる特定の国および領域、政府、事業体ならびに個人を対
象とする独自の制裁プログラムを管理し、実施している。
さらに、当行は、イランを含む一定の制裁対象国とビジネスを行っている事業体との取引もしくは
当該事業体への投資を禁止し、あるいは投資の回収を義務づける法律、規則または方針を採用すると
いう一定の政府事業体ならびに大学および年金基金といった米国内の機関のイニシアティブを、新聞
報道その他の手段を通じて承知している。以下に記載する理由から、このようなイニシアティブは、
そのような禁止の対象となる事業体を当行の顧客または当行の債務証券への投資家として獲得または
保持することができない結果をもたらす可能性がある。さらに、当行のイランやロシアとの関係のた
めに当行の評判に傷がつく可能性がある。このような結果は、当行の事業または当行の債務証券の価
格に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
当行の事業には、これまで韓国の財およびサービスのイラン向け輸出に関連して提供された与信お
よび融資ならびに韓国の供給業者または輸出業者に対するイラン関連の直接的な与信の実行のみから
なるイラン関連の活動が含まれていた。こうした活動は、イラン政府が間接的に所有または支配して
いることなどを理由として、米国の制裁の対象となりうるイラン企業およびイランの金融機関向けに
財およびサービスを供給する韓国の輸出業者の輸出契約に融資する輸出関連信用に関わっていた。こ
れらの取引のいずれも、米国人に関わるものではなく、米ドル建で行われておらず、米国原産の財も
しくはサービスまたはその他米国法域との結び付きに関わるものではなかった。またかかる取引は適
21/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
用ある韓国の法律および規則の遵守を確保するよう策定された方針および手続きに従っていた。当行
は現在、イランに関連する活発な取引を行っていない。当行は、 2019 年、 2020 年および 2021 年の各 12
月 31 日現在、イラン関連のいかなる与信および融資の取決めも有しておらず、 2019 年、 2020 年および
2021 年に、イランとの、イランが関与するかまたはイラン関連の取引からいかなる営業収益も上げて
いない。
当行は、ロシア関連の事業に従事しており、これにはロシア連邦政府との限定的な取引および最近
米国（ただし、シンガポールではない。）の制裁対象に指定されたロシアの金融機関２行（そのうち
１行は米国のブロッキング制裁対象に指定され、他の１行は米国の非ブロッキング制裁対象に指定さ
れている。）に対する信用供与が含まれている。当行は、ロシア連邦政府またはロシア連邦政府保有
の法人、 VTB バンク・パブリック・ジョイント・ストック・カンパニー、旧対外経済協力銀行のヴネ
シュエコノムバンク、プロムスヴャジバンク・パブリック・ジョイント・ストック・カンパニーもし
くはバンク・ロシアとの間でその他取引は行っていない。
2021 年 12 月 31 日現在、ロシア連邦政府は既存のローン契約に基づいて当行に対して約 50 十億ウォン
の債務があった。これは、旧ソ連の旧対外経済協力銀行であり、現在はロシア連邦の国家開発公社と
なっているヴネシュエコノムバンクに 1990 年代初めに供与されたコモディティ・ローンを受け継いだ
取決めである。ローンには当初ソビエト連邦政府による保証が付されていた。この保証はその後ロシ
ア連邦政府に引き継がれた。現在までにロシア連邦はローン金額の 85.9 ％を返済済みである。当行の
取引は、正式にはロシア連邦の財務省とのもので、同省は米国を含む各種制裁当局による制裁の対象
となっている。このローンは、資産の質の観点から（これまでの返済状況に基づき）要注意に分類さ
れており、当行はこのクレジット・エクスポージャーについて 0.2 ％の引当金レベルを設定してい
る。ロシア連邦政府とのこれらの取引は、これまで米国の金融機関を通じて米ドル建で行われた取引
を含んでいた。ロシア連邦政府との当行の取引は、常に適用ある制裁を全面的に遵守して行われてき
た。最近の動向を踏まえて、当行はロシア連邦政府との取引をすべて中断しており、すなわち当行は
2022 年２月以降ロシア連邦政府との間で追加的な取引を行っていない。当行は、最近の動向に照らし
てロシア連邦政府との取決めを引続き評価しており、ロシア連邦政府が適用ある制裁を全面的に遵守
した場合にのみ同政府との追加的な取引を行うこととしている。
信用供与を伴い、歴史的に米国の金融機関を通じて米ドル建で行われてきた取引を含むロシアの金
融機関２行との取決めは、いずれも最近のロシア関連の制裁の動きより前に行われたものである。
2021 年 12 月 31 日現在、ロシアの金融機関２行は、当行に対して約 200 百万米ドルの債務があった。ロ
シアの金融機関との当行の取引は、常に適用ある制裁を全面的に遵守して行われてきた。最近の動向
を踏まえて、当行はロシアの金融機関との取引をすべて中断しており、すなわち当行は（予定された
取引が適用ある制裁によって禁止または制限されないものであっても） 2022 年２月以降ロシアの金融
機関との間で追加的な取引を行っていない。当行は、最近の動向に照らしてロシアの金融機関との取
決めを引続き評価しており、ロシアの金融機関が適用ある制裁を全面的に遵守した場合にのみかかる
金融機関との追加的な取引を行うこととしている。
(d) 個別エクスポージャー
輸銀法施行令は、単一の個人または事業グループに対する当行の与信合計額に限度を課しており、
本書の日付現在、当行はこのような要件を遵守している。しかし、当行が韓国内の様々な事業グルー
プに多額のエクスポージャーを抱えていることは、とりわけ韓国内および国際的な経済情勢が悪化し
ていることから、当行の借手が経験する資金難に当行もさらされていることを意味している。例え
ば、韓国経済に対する進行中の COVID-19 のパンデミックの影響、ロシアによるウクライナ侵攻、なら
びに米国およびその他諸国がとったその後の措置は、これまでにもまた今後も大手事業グループを含
む多くの当行の借手の事業、活動および経営に悪影響を及ぼす可能性があり、そのことが当行に対す
る既存の支払債務またはその他の義務を履行する当行の借手の能力に悪影響を及ぼす可能性がある。
「 (7) 発行者の属する国等の概況－③ 経済－ (b) 世界の経済および金融危機」を参照のこと。当行
の借手の財政状態が引続き悪化すると、当行の貸付ポートフォリオの質の悪化につながる可能性があ
り、そのことは延滞率の上昇、貸倒償却の増加および引当金繰入れの増加ならびに当該貸付金に係る
22/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
減損損失の増加につながる可能性があり、ひいては当行の事業、財政状態または経営成績に重大な悪
影響が及ぶ可能性がある。
2021 年 12 月 31 日現在、当行の最大クレジット・エクスポージャーは、大宇造船海洋（以下「 DSME 」
という。）向けで、その額は 3,379 十億ウォンであった。 2021 年 12 月 31 日現在、２番目および３番目
に大きなクレジット・エクスポージャーは、それぞれ三星重工業向けの 2,268 十億ウォンおよび現代
重工業（以下「 HHI 」という。）向けの 2,054 十億ウォンであった。
(1)
次の表は、 2021 年 12 月 31 日現在の上位５つのクレジット・エクスポージャーを示している 。
（十億ウォン）
順位 借手の名称 貸付与信 保証 合計
1 大宇造船海洋 557 2,822 3,379
2 三星重工業 355 1,913 2,268
3 現代重工業 91 1,963 2,054
4 SK ハイニックス 1,845 0 1,845
5 GS エンジニアリング・アンド・
コンストラクション 719 797 1,516
注 (1) 関連会社向けの貸付金および保証を除く。
出所：内部会計記録
23/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
近年、韓国最大手の造船海洋建設会社の一つである DSME は、主として世界の造船業界における長引
く不況により海外プラントの建設に関連して多額の損失が生じたため、経営難に陥った。 2015 年 10
月、当行は、 KDB とともに、 DSME に対する金融支援の提供（最大 4.2 兆ウォンの流動性支援の提供を含
む。）を計画していることを発表した。 2016 年 12 月、 DSME の資本構成を立て直すための入札におい
て、当行は当行が DSME に提供した１兆ウォンのタームローンを DSME が新たに発行した永久社債と交換
し、一方 KDB は 1.8 兆ウォンに上るデット・エクイティ・スワップを行った。 2017 年３月、当行と KDB
は、 DSME に対して 2.9 兆ウォンの追加的金融支援を行うための第二次共同計画を発表し、これは 2017
年４月に他の債権者の承認を受けた。かかる計画に基づき、当行は、当行が DSME に提供した 1.28 兆
ウォンのタームローンを DSME 発行の永久社債と交換し、 KDB は、 2017 年６月に 0.3 兆ウォンの追加的
デット・エクイティ・スワップを行った。他の債権者も、自身の債権の 80 ％を上限として DSME との間
でデット・エクイティ・スワップを行い、かつ残額の期限についてリスケジュールを行った。 2019 年
３月、 HHI による DSME の買収計画の一環として、 KDB は、 HHI の造船会社を支配するため HHI から分社化
された新設の中間持株会社である韓国造船海洋（以下「 KSOE 」という。）における持分と交換に DSME
における支配持分のすべてを KSOE に譲渡する契約を締結した。しかし、 2022 年１月、欧州委員会は、
液化天然ガス輸送船にかかる独禁法抵触の懸念から当該買収を承認しないことを発表し、これに対し
て HHI は不服を申立てており、譲渡契約は 2022 年３月に終了した。
HHI が KDB から買い取る内容の条件付契約を締結した。この契約に基づき、 HHI はその造船事業を支
配する中間持株会社である韓国造船海洋（以下「 KSOE 」という。）を設立し、 KDB は KSOE における持
分と交換に DSME における普通株式持分すべてを当該持株会社に譲渡することとなって年１月いる。こ
の取引は、デュー・ディリジェンスならびに 欧州連合および該当する諸国の独占禁止法当局からの承
認を含むさまざまな条件に従うものであり、現在のところ未成立である。当行では、 KDB と HHI の間の
かかる取引の結果として、 DSME に対する当行のエクスポージャーは変わるものではないと予想してい
る。
24/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(e) 資産の質
金融委員会が定めた銀行業務監督規則（以下「監督規則」という。）では、当行を含む銀行は、与
信を分析し、借手の返済能力ならびに関連する借手の財政状態、収益性、取引履歴、および与信供与
の保証としてとられた担保もしくは保証の価値を含むいくつかの他の要因を考慮して、正常、要注
意、固定、回収疑問または推定損失の５つの分類のひとつに分類しなければならない。この分類は、
正常に分類されるコールローンおよび銀行間貸付を除くすべての貸付に適用される。与信分類は以下
のとおりである。
正常： 業務および経営、財政状態ならびに将来のキャッシュフローを考慮したとこ
ろ、融資の返済能力に特段の問題がない顧客に対する与信。
要注意： （１）業務および経営、財政状態ならびに将来のキャッシュフローを考慮した
ところ、融資の将来の返済能力に関して潜在的リスクがあると判断されるが、
返済不履行の差し迫ったリスクは発生していないか、または（２）１カ月以上
３カ月未満の延滞がある顧客に対する与信。
固定： （１）業務および経営、財政状態ならびに将来のキャッシュフローを考慮した
ところ、顧客の返済能力が悪化しており、かなりの返済不履行のリスクがある
と判断される顧客に対する与信、あるいは（２）（ a ）３カ月以上の延滞がある
顧客に対する与信、（ b ）約束手形の支払拒絶通知、清算もしくは破産手続き、
または事業の閉鎖の発生による重大なリスクがあると判断される顧客に対する
与信、または（ c ）「回収疑問先」または「推定損失顧客」（それぞれ以下に定
義する。）に対する総与信額のうち、回収が予想される部分。
回収疑問： （１）業務および経営、財政状態ならびに将来のキャッシュフローを考慮した
ところ、返済能力の顕著な悪化のために返済不履行の重大なリスクがあると判
断される顧客（以下「回収疑問先」という。）、または（２）３カ月以上 12 カ
月未満の延滞がある顧客に対する総与信額のうち、回収が予想される部分を超
える与信部分。
推定損失： （１）業務および経営、財政状態ならびに将来のキャッシュフローを考慮した
ところ、返済能力の深刻な悪化のために返済不能が確実になったので損失に算
入しなければならないと判断される顧客（以下「推定損失顧客」という。）、
（２） 12 カ月以上の延滞がある顧客、または（３）約束手形の支払拒絶通知、
清算ないし破産手続き、もしくは事業の閉鎖の発生による返済不履行の重大な
リスクがあると判断される顧客に対する総与信額のうち、回収が予想される部
分を超える与信部分。
K-IFRS の下で、当行は、個別アプローチまたは集合的アプローチのいずれかを用いて貸付金に関す
る貸倒引当金を設定している。当行は、重要な貸付金については個別に評価し、その他の貸付金につ
いては集合的に評価する。また、貸付金について減損の客観的証拠が存在しないと当行が判断する場
合には、かかる貸付金は類似の信用リスク特性を持つ貸付金のグループに含め、かかる貸付金が重要
であるか否かに関わらず減損についてこれらを集合的に評価する。個別に重要な貸付金について減損
損失が発生しているとの客観的証拠が存在する場合には、損失額は、金融資産の帳簿価額と当該資産
の当初の実効金利で割引かれた見積将来キャッシュフローの現在価値との差額として測定される。将
来キャッシュフローは、保証またはその他の保有担保のベネフィットを考慮した、個別に評価された
資産の個別的分析を通じて見積もられる。将来受取キャッシュフローの価額および時期は、検討時に
入手可能な事実と併せて入手可能な見積に基づいて評価され、新しい情報が入手可能となったときに
定期的に再評価される。集合的に評価される貸付金については、当行は、各ポートフォリオに含まれ
る資産の均質性に照らしたポートフォリオ基準に基づいて貸倒引当金の水準を設定する。引当金は、
延滞の水準、担保があればその価値ならびに回復期における歴史的および今後の現金回収動向といっ
25/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
た要因を考慮して、関連するポートフォリオの量的検討に基づいて決定される。当行の貸倒引当金繰
入方針の詳細については、「 (5) 経理の状況」の「 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在ならびに同日に
終 了した年度に係る個別財務書類注記」の注３ (7) を参照のこと。
資産分類
次の表は当行の貸倒引当金に関する情報を示している。
（十億ウォン）
2020 年 12 月 31 日現在 2021 年 12 月 31 日現在
(1) (2)(3) (1) (2)(3)
貸付額 貸倒引当金 貸付額 貸倒引当金
正常 122,165 1,006 138,298 779
要注意 9,367 1,270 9,667 797
固定 102 58 263 140
回収疑問 1,099 920 1,074 855
429 313 621 579
推定損失
133,162 3,568 149,923 3,151
合計
注 (1) これらの金額には、貸付金（銀行間貸付金およびコールローンを除く。）、国内ユーザンス手形、買
入手形、買入ノート、顧客前渡金、確認および無確認の手形引受および保証ならびに未使用のローン・
コミットメント等が含まれる。
(2) ( ⅰ ) 貸倒引当金、 ( ⅱ ) 確認および無確認の手形引受および保証引当金、ならびに ( ⅲ ) 一定の金融保証
契約負債からなる。
(3) 現在価値割引を含む金額である。
26/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
貸倒引当金
不良資産（以下「 NPA 」ということがある。）とは、固定以下に分類される資産として定義され
る。
次の表は、 2021 年 12 月 31 日現在の上位 10 件の不良資産を示している。
（十億ウォン）
借手 貸付金 保証 合計
エジプシャン・リファイニング・カンパニー
S.A.E. 652 193 846
Acwa Guc Elektrik Isletme Ve Yonetim
Sanayi Ve Ticaret Anonim Sirketi
104 49 153
シードリル・ジュピター・リミテッド 120 - 120
シードリル・サターン・リミテッド 120 - 120
シードリル・ネプチューン・ハンガリー KFT 120 - 120
シードリル・テルース・リミテッド 89 - 89
ダイナテック・マダガスカル S.A. - 88 88
GAZIANTEP HASTANE SAGLIK HIZMETLERI
ISLETME YATIRIM A.S.
45 43 87
リカウド・ボゴタ S.A.S. 30 - 30
ELK コーポレーション 15 - 15
1,295 373 1,668
合計
当行は、不良資産の現在のエクスポージャー・レベルが将来も続くこと、または当行の借手の一部
（上述の大口借手を含む。）が重大な財政難に現在直面していないこと、もしくは将来直面しないこ
とを保証することはできない。
2021 年 12 月 31 日現在、当行の不良資産の額は 1,958 十億ウォンで、 2020 年 12 月 31 日現在の 1,631 十億
ウォンに比べて 20 ％増加した。 2020 年 12 月 31 日現在の当行の不良資産比率が 1.2 ％であったのに対
し、 2021 年 12 月 31 日現在の当行の不良資産比率は 1.3 ％であった。
次の表は、 2020 年および 2021 年 12 月 31 日現在の貸倒の可能性に対する引当金を示している。
（比率を除き、十億ウォン）
12 月 31 日現在
2020 年 2021 年
(1)
貸倒引当金 (A)
3,568 3,151
(2)
NPA （不良資産） (B) 1,631 1,958
株主資本合計 (C) 14,469 15,353
NPA に対する引当率 (A/B)
219 ％ 161 ％
エクイティ・アット・リスク（ (B-A)/C ） - -
注 (1) 貸倒損失引当金ならびに手形引受および保証引当金からなり、貸付および保証に対する規制上の引当
金は含まれない。
(2) 固定以下に分類される資産として定義される不良資産。
出所：内部会計記録
27/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
次の表は、 2020 年および 2021 年 12 月 31 日現在の実際の貸倒引当率を示している。
実際の貸倒引当率
貸付金の分類 2020 年 12 月 31 日 2021 年 12 月 31 日
正常 0.8 ％ 0.6 ％
要注意 13.6 ％ 8.2 ％
固定 57.2 ％ 53.3 ％
回収疑問 83.7 ％ 79.6 ％
推定損失 73.0 ％ 93.2 ％
(f) 投資
輸銀法施行令の下で、当行は、自己資本の 60 ％を超える株式または期間３年超の有価証券を保有す
ることを認められていない。ただし、以下の有価証券への投資はこの制約を受けない。
・国債
・韓国銀行通貨安定債券
・政府による出資により取得された有価証券
・当行の業務に関連する研究もしくは当行の融資のために、または韓国制定法に従って、企画財政
部によって承認された投資を通じて取得された有価証券
2021 年 12 月 31 日現在、有価証券への投資総額は 14,310 十億ウォンで、当行資産合計の 14 ％を占め
た。当行の証券ポートフォリオは、主としてその他の包括利益を通じた公正価値（以下「 FVOCI 」と
いう。）による金融資産で構成されている。 FVOCI による金融資産は主として、市場性のある有価証
券（当行を通じて政府により資本再編が行われた中小企業銀行の持分証券を含む。）ならびに市場性
のない有価証券（韓国道路公社および韓国土地住宅公社の株式を含む。）からなる。 2019 年から 2021
年までの間に、当行は、 KG 東部製鉄（旧東部製鉄）において保有する普通株式合計 2,363,685 株を総
額 32 十億ウォンで売却した。
次の表は、 2020 年および 2021 年 12 月 31 日現在の当行の証券構成を示している。
（比率を除き、十億ウォン）
2020 年 12 月 31 日現在 2021 年 12 月 31 日現在
投資有価証券の種類 金額 比率 金額 比率
FVOCI による金融資産 10,537 81 ％ 11,814 83 ％
償却原価による金融資産 506 4 ％ 931 7 ％
1,919 15 ％ 1,565 11 ％
関連会社および子会社投資
12,962 100 ％ 14,310 100 ％
合計
当行が保有する金融商品（有価証券を含む。）の分類ガイドラインおよび評価方法の詳細について
は、「 (5) 経理の状況」の「 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在ならびに同日に終了した年度に係る個
別財務書類注記」の注３および注５を参照のこと。
28/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(g) 保証および手形引受ならびに偶発債務
当行には、貸借対照表に反映されない信用リスク要因がある。これには、保証および手形引受に関
連するリスクが含まれる。保証および手形引受は貸借対照表上には現れず、財務書類注記の中で簿外
項目として計上される。保証および手形引受には、融資保証、入札保証、前払金保証、履行保証もし
くは留保金保証のようなプロジェクト関連保証、ならびに信用状もしくは輸入貨物通知状のような貿
易金融に関連する手形引受と前渡しが含まれる。保証額が最終決定できない偶発債務は、無確認保証
および手形引受として、簿外項目として財務書類注記の中に現れる。
当行は 2021 年 12 月 31 日現在、合計 30,069 十億ウォンの確認保証および手形引受を発行しており、そ
のうちの 89 ％に相当する 26,696 十億ウォンは正常に分類され、 10 ％に相当する 2,983 十億ウォンは要
注意に分類され、１％に相当する 390 十億ウォンは固定以下に分類された。
(h) デリバティブ
デリバティブに関する当行の戦略および方針の目的は、為替リスクおよび金利リスクを積極的に管
理し、最小化することである。可能な場合は、すべての為替リスクおよび金利リスクを（ヘッジの費
用を考慮に入れて）ヘッジするというのが当行の方針である。当行は、為替先渡およびオプション、
金利スワップおよびクロス・カレンシー・スワップを含むさまざまなヘッジ手段を使用する。
金融監督院に提出済みの当行の内部取引規則の下で、当行は、主として当行自身のポジションを
ヘッジするためにデリバティブ取引を行うことをその方針としている。当行の総合的エクスポー
ジャー管理システムの一環として、当行はデリバティブに対する当行のエクスポージャーを監視し、
リアルタイム調査を行う場合がある。これによって、当行のリスク管理部は定期的に当行のエクス
ポージャーをチェックすることができる。金融監督院が設定したガイドラインの下で、当行は、四半
期ごとにデリバティブ・エクスポージャーに関する報告書を金融監督院に提出することが規定されて
いる。意図的な操作や誤りのリスクを低減する措置として、当行は、組成、授権、承認、記録、監視
および金融監督院への報告などのさまざまな機能の責任を分割している。リスク管理部は、デリバ
ティブ取引の定期的な審査を行い、関連する規制要件の遵守違反がないか監視している。
2021 年 12 月 31 日現在、変動金利で行われた貸付残高合計額は 53,308 十億ウォンであるのに対し、変
動金利で行われた借入残高合計額は 56,752 十億ウォンであった。これには、豪ドル建、ユーロ建、英
ポンド建およびブラジル・レアル建で調達され、米ドル建変動金利借入にスワップされたものが含ま
れる。この結果、当行は、当行の変動金利で行われた借入額が変動金利で行われた貸付額を上回って
いる程度に応じて、潜在的な金利リスクにさらされている。為替リスクは、当行の資産および負債の
大部分がウォン以外の通貨建であるために生じる。当行の通貨および金利構造を適合させるために、
当行は一般にスワップ取引を行っている。
29/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
次の表は、表示日現在当行が保有していたデリバティブの未決済想定元本額および見積公正価値を
示したものである。
（十億ウォン）
12 月 31 日現在
2020 年 2021 年
資産の 負債の 資産の 負債の
未決済想定 未決済想定
元本額 公正価値 公正価値 元本額 公正価値 公正価値
通貨先渡 5,111 96 157 5,872 58 41
通貨スワップ 27,596 1,249 722 26,113 604 873
39,330 1,166 291 47,235 854 514
金利スワップ
72,037 2,511 1,170 79,220 1,516 1,428
合計
2021 年 12 月 31 日現在、当行は、想定元本額 31,984 十億ウォンの 509 件の通貨関連デリバティブ契約
を結んでおり、また想定元本額 47,235 十億ウォンの 342 件の金利関連デリバティブ契約を結んでい
た。「 (5) 経理の状況」の「 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在ならびに同日に終了した年度に係る個
別財務書類注記」の注 20 を参照のこと。
(i) 資金調達源
当行は、主として国内および国際資本市場における債券の発行、国内および外国金融機関からの借
入、資本拠出ならびに内部生成資金を通じて資金を取得している。内部生成資金は、当行が行ってい
るさまざまな活動から生じ、これには当行の貸付の元利支払、保証業務および他のサービスの手数
料、ならびに当行が保有する市場性のある有価証券からの収益が含まれる。
当行は、 2021 年には前年の 73,168 十億ウォンに対して８％減の正味合計額（新規借入額プラス顧客
による貸付返済額マイナス当行の既存負債の返済額） 67,611 十億ウォンを調達した。顧客による期限
前弁済を含む 2021 年中の貸付返済合計額は 59,912 十億ウォンで、 2020 年の 59,649 十億ウォンに比べて
0.4 ％増加した。
当行の設立以来、政府は、韓国の輸出業者に対する当行の貸付を支援し、また当行に流動性を提供
するため、当行に対して随時貸付を行ってきた。 2021 年 12 月 31 日現在、当行の政府からの借入残高は
947 十億ウォンであった。また、当行は 2019 年、 2020 年および 2021 年にそれぞれ合計 11,310 十億ウォ
ン、 22,370 十億ウォンおよび 17,170 十億ウォンのウォン建国内債券を発行した。
当行は、さまざまな海外資金源から借入を行い、国際資本市場において長期の変動利付債および固
定利付債を発行することにより、資金調達源を分散化させてきた。これらの発行は、米ドル、タイ・
バーツ、豪ドル、ユーロ、香港ドル、シンガポール・ドル、スイス・フラン、ブラジル・レアル、メ
キシコ・ペソ、ペルー・ソル、インド・ルピー、インドネシア・ルピア、人民元、ニュージーラン
ド・ドル、フィリピン・ペソ、南アフリカ・ランド、デンマーク・クローネ、スウェーデン・クロー
ナ、チェコ・コルナ、ノルウェー・クローネ、英ポンド、カナダ・ドルおよびポーランド・ズロチを
含む外貨建であり、当初期間は１～ 30 年である。
当行は 2021 年中に、既存のミディアム・ターム・ノート・プログラムの下でさまざまな種類の通貨
建の額面総額 5,280 百万米ドルのユーロ債を発行したが、これは 2020 年の 4,574 百万米ドルに比べて
15 ％の増加であった。これらの債券発行の構成は、 2,930 百万米ドル、 3,745 百万香港ドル、 3,796 百
万ブラジル・レアル、 2,611 百万人民元、 180 百万豪ドルおよび 715 百万南アフリカ・ランドであっ
た。さらに、当行は、米国の発行登録書（以下「米国発行登録プログラム」という。）の下で、 2020
年の 500 百万ユーロおよび 1,400 百万米ドルに対して、 2021 年には総額 3,500 百万米ドルのグローバル
債券を発行した。 2021 年 12 月 31 日現在、当行のノートおよび債券の発行残高は、 30,463 百万米ドル、
7,538 百万香港ドル、 3,907 百万ブラジル・レアル、 4,739 百万ユーロ、 7,880 百万タイ・バーツ、
1,250 百万スイス・フラン、 3,776 百万豪ドル、 37,604 百万インド・ルピー、 6,373 百万人民元、
10,733,000 百万インドネシア・ルピア、 574 百万ニュージーランド・ドル、 2,615 百万南アフリカ・ラ
ンド、 2,250 百万ノルウェー・クローネ、 35 百万英ポンド、 65 百万カナダ・ドル、 250 百万スウェーデ
30/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
ン・クローナ、 12,000 百万メキシコ・ペソ、 200 百万シンガポール・ドル、 3,420 百万チェコ・コルナ
および 194 百万ポーランド・ズロチであった。
当行はまた、外国金融機関から、主として商業銀行のシンジケート団による変動金利または固定金
利、外貨建、当初期間が１～５年のローンの形で借入を行っている。 2021 年 12 月 31 日現在の外国金融
機関からのこのような借入の残高は 400 百万米ドルであった。
当行の資本は、設立以来随時増額されてきた。 1998 年１月から 2021 年 12 月までに、政府は当行の資
本に 11,878 十億ウォンを拠出した。 2021 年 12 月 31 日現在、当行の資本の合計額は 12,748 十億ウォン
で、政府、 BOK および KDB がそれぞれ資本の 69 ％、９％および 22 ％を有していた。
当行の資金調達活動に関連して、当行は随時、輸出信用金融に関連する担保として取得した関連保
証を含む約束手形を第三者に売却してきた。
輸銀法は、輸銀法施行令に従って発行された輸出入金融債券の残高合計を含む当行のすべての借入
の元本残高の合計額が、資本プラス準備金の合計額の 30 倍を超えてはならないことを規定している。
2021 年 12 月 31 日現在、当行の借入（輸出入金融債券を含む。）の元本残高合計は 80,694 十億ウォン
で、これは授権額 394,980 十億ウォンの 20.4 ％に相当する。
当行は、要求払預金または定期預金を受入れることを認められていない。
当行は毎年、政府の承認を受けるために、さまざまな種類の資金調達の目標レベルを含む業務計画
を政府に提出しなければならない。次の表は、 2022 年の資金調達に関する業務計画の一部を示してい
る。
（十億ウォン）
資金源
出資 -
借入金 31,015
貸付金の回収純額 24,985
貸付金の回収 54,382
(29,397)
債務の返済
-
その他
56,000
合計
31/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
④ 債務
(a) 債務返済計画
次の表は、 2021 年 12 月 31 日現在の当行の債務残高（借入金および債券から構成される。）について
の元本返済計画を示している。
債務の元本返済計画
（十億ウォン）
12 月 31 日までの期日到来額
(1)
通貨 2022 年 2023 年 2024 年 2025 年 それより後
ウォン 18,010 7,500 1,780 320 1,610
(2)
16,366 10,084 10,473 7,381 14,840
外貨
合計ウォン換算
34,376 17,584 12,253 7,701 16,450
額
注 (1) 外貨建の借入金および債券は、 2021 年 12 月 31 日にソウル・マネー・ブローカレッジ・サービシズ・リ
ミテッドが公表した市場平均為替レートによりウォンに換算されている。
(2) この数字には、債券、銀行借入金、コマーシャル・ペーパーおよびレポ取引が含まれている。
当行は通常、いつでも、次の２～３カ月に行う貸付実行総額の見積に基づいて、外貨準備のレベル
を決定する。 2020 年および 2021 年における当行の平均外貨準備資金は、それぞれ約 5,434 百万米ドル
および 3,882 百万米ドルであった。
当行は現在、このような準備資金は、拘束されない短期バックアップ与信枠およびコマーシャル・
ペーパー・プログラムの下で利用可能な追加借入とともに、債務残高の期限が到来したときの返済に
十分であると考えているが、このような与信枠の下で借入を継続できる保証は存在せず、また、将来
においてもウォンの下落が外貨建負債を返済するのに十分な資金を利用する当行の能力に悪影響を与
えないという保証も存在しない。十分な外貨準備資金を維持することのほかに、期限が到来する当行
の負債に対応する十分な満期到来資産が存在することを確実にできるように、当行は外貨建資産およ
び負債の満期構成を監視している。
2021 年 12 月 31 日現在、３カ月、６カ月および１年以内に満期を迎える当行の外貨建資産は、同じ期
間に期限が到来する当行の外貨建負債を、それぞれ 2,751 百万米ドル、 3,317 百万米ドルおよび 3,042
百万米ドル超過していた。 2021 年 12 月 31 日現在、当行の外貨建負債合計は、当行の外貨建資産合計を
271 百万米ドル超過していた。
(b) 国内債務および海外債務
次の表は、表示された各年の 12 月 31 日現在の当行の国内債務残高の概要を示している。
国内債務
（十億ウォン）
2017 年 14,120
2018 年 14,665
2019 年 15,405
2020 年 22,805
2021 年 22,910
32/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
次の表は、 2021 年 12 月 31 日現在の当行の対外債務の通貨別残高および米ドル相当額を示している。
海外債務
( 十億 )
米ドル相当額
(1)
当初通貨建の金額
米ドル 34.0 米ドル 34.0
ユーロ 4.8 ユーロ 5.4
ブラジル・レアル 4.3 ブラジル・レアル 0.8
豪ドル 3.8 豪ドル 2.7
英ポンド 0.0 英ポンド 0.0
タイ・バーツ 7.9 タイ・バーツ 0.2
香港ドル 7.5 香港ドル 1.0
スイス・フラン 1.3 スイス・フラン 1.4
スウェーデン・クローナ 0.3 スウェーデン・クローナ 0.0
インドネシア・ルピア 10,733.0 インドネシア・ルピア 0.8
人民元 6.4 人民元 1.0
ノルウェー・クローネ 2.3 ノルウェー・クローネ 0.3
メキシコ・ペソ 12.0 メキシコ・ペソ 0.6
ニュージーランド・ドル 0.6 ニュージーランド・ドル 0.4
インド・ルピー 37.6 インド・ルピー 0.5
南アフリカ・ランド 2.6 南アフリカ・ランド 0.2
ペルー・ソル 0.5 ペルー・ソル 0.1
カナダ・ドル 0.1 カナダ・ドル 0.1
シンガポール・ドル 0.2 シンガポール・ドル 0.2
チェコ・コルナ 3.4 チェコ・コルナ 0.2
0.0
ポーランド・ズロチ 0.2 ポーランド・ズロチ
49.8
注 (1) 米ドル以外の外貨建の金額は、 2021 年 12 月 31 日付でソウル・マネー・ブローカレッジ・サービシズ・
リミテッドが公表した為替レートまたは 2021 年 12 月 31 日現在の実勢市場レートにより米ドルに換算され
ている。
次の表は、表示された各年の 12 月 31 日現在の当行の対外債務残高の概要を示している。
対外債務
（十億ウォン）
2017 年 52,710
2018 年 56,594
2019 年 57,899
2020 年 54,677
2021 年 59,144
(c) 債務記録
当行は、当行の債務のいずれについても、これまでにその元本または利息の支払の履行を怠ったこ
とはない。
33/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
⑤ 与信政策、与信承認およびリスク管理
(a) 与信政策
与信政策部は、当行の貸付業務に関して、中央に一元化した政策決定・立案部門の機能を果たして
いる。与信政策部は、貸付計画に関する内規の作成や見直しを行い、国別の基本貸付ガイドラインを
設定し、さまざまな事業部門から情報を収集し、内部用および外部向けの各種報告書を作成する。
(b) 与信承認
当行には、貸付額のほか、信用の性質、取引の条件および担保の有無など他の要因により、複数の
段階の貸付承認権限がある。当行の理事会は、あらゆる額の貸付を承認できる。執行役員与信委員
会、与信委員会、貸付担当者委員会、局長および部長は、それぞれ一定額までの貸付を承認する権限
を有する。金額は、貸付の種類や他の一定の要因（たとえば貸付が担保や保証を得られるか）によっ
て異なる。
貸付の申請は、権限の各段階で、回収可能性の評価に加えて、技術、資金および経済的観点から見
たプロジェクトの実行可能性をもとに審査される。審査の際には、以下の要因が検討される。
・当行の融資基準に基づく取引の適格性
・借手の国および関連プロジェクトの立地国のカントリー・リスク
・借手の信用リスク
・関連供給契約に基づく供給事業者の履行能力
・関連プロジェクトや供給契約をめぐる法律上の争い
・担保の入手可能性
借手候補の信用格付が当行の内部格付基準に合わない場合、貸付が確実に保証を受けるか、または
一部もしくは全部に担保を差し出させるのが当行の方針である。 2021 年 12 月 31 日現在、当行の貸付残
高全体の約８％が、保証を受けるか、または一部もしくは全部に担保が差し入れられている。
(c) リスク管理
当行の全体的なリスク管理政策は、リスク管理委員会が定める。同委員会は四半期ごとおよび適宜
会合を開き、各種エクスポージャーの許容限度を設定する。一方、リスク管理全般はリスク管理部が
統括し、リスク・エクスポージャーの監視に責任を負う。
リスク管理部は、四半期ごとに当行の貸付ポートフォリオを金融監督院に報告する。リスク管理部
はまた、内部のガイドラインや手順に対する事業部門の遵守状況を監視する。流動性リスクを管理す
るために、当行は資金の調達先と活用の戦略を見直し、各部門が財務グループに調達先と活用の見通
しを提出する。リスク管理部と財務グループは、当行全体の流動性を継続的に監視し、財務グループ
は週単位および月単位のキャッシュフロー予測を作成する。当行の方針は、向う２～３カ月の貸付を
賄うことができる流動性水準を保つことである。当行は、十分な量の流動資産を維持し、短期借入枠
で追加的に補うことで、潜在的な流動性不足から自衛している。
当行の中核の貸付業務は、もっぱら金利と外国為替のリスクの形で当行に市場変動リスクを与え
る。リスク管理部は四半期ごとに、金利や外国為替のギャップ・ポジションをリスク管理委員会に報
告する。当行はまた、為替変動から受けるリスクを減らすために、外貨建の資産と負債の変化や釣合
いを注視している。最近、進行中の COVID-19 のパンデミックならびにウクライナとロシアをめぐる紛
争および米国、欧州連合、英国、韓国、シンガポールおよびその他の主要な法域による関連する経
済・貿易制裁および制限を踏まえて、当行は、主要外国通貨（米ドルを含む。）に対するウォンの下
落から生じうる為替リスク（これにより、当行の外貨建債務の返済コストが上昇し、為替損失が発生
する可能性がある。）を緊密に監視してきた。
リスク管理部は、外貨流動性に関連する各種の市場指標を定期的に監視しており、ウクライナとロ
シアをめぐる紛争に関連しうる潜在的な流動性リスクに効果的に対処するため、財務グループを含む
他部署と協力している。
34/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
当行の資金調達の取組みにも影響を及ぼす当行のリスク管理方針の重要な要素のひとつは、資産の
満期と負債の満期の釣合いを監視することである。 2021 年 12 月 31 日現在の平均満期は、当行のウォン
建と外貨建の貸付がそれぞれ 18 カ月と 47 カ月、ウォン建と外貨建の負債がそれぞれ 12 カ月と 34 カ月で
あっ た。
当行のリスク管理部は、当行が随時直面するさまざまなオペレーショナル・リスクをも監視し、管
理している。例えば、進行中の COVID-19 のパンデミックを考慮して、当行は現在、従業員が COVID-19
に感染することによる潜在的な収縮に起因する当行の通常業務の混乱（従業員の検疫や当行オフィス
の一時的閉鎖が必要となる可能性がある。）、または社会的距離をとる必要性による混乱（従業員に
リモート勤務を求める仕事の手配の一時的な調整の実施を含む。）に関連するリスクの監視および管
理に焦点を当てているが、これらは労働生産性の低下をもたらす可能性がある。
当行のリスク管理にあたって、当行は、以下の全体的なリスク管理手続きを取る。
・リスク管理目標を決定する。
・重要なエクスポージャーを特定する。
・重要なリスクを測定する。
・リスク管理結果を監視する。
当行のリスク管理体制は、継続的に高い頻度で評価と更新が行われる連続的体制である。
⑥ 自己資本
国際決済銀行が設定した基準を考慮して導入されたリスク調整後資本に関する金融監督院のガイド
ラインに基づき、当行を含む韓国のすべての銀行は、自己資本比率（ Tier Ⅰおよび Tier Ⅱ）を連結
ベースで８％以上に保つように義務づけられている。韓国の規制当局は、当行がこの比率を維持でき
ない程度に応じて、経営改善勧告から資産処分などの緊急措置に至るまで、是正措置を要求すること
ができる。
金融委員会の現在の自己資本比率規制は、バーゼル銀行監督委員会が当初 2009 年に導入し、 2013 年
から段階的に導入されているバーゼルⅢと呼ばれる新たな一連の銀行資本規制に依っている。 2013 年
７月から、金融委員会はバーゼルⅢを実施するための一連の改正規則を公布し、当行を含む韓国の銀
行はこれに従って、 2013 年 12 月１日からリスク加重資産に対する Tier Ⅰ普通株式資本（主として資
本、資本剰余金および利益剰余金を含み、信用損失準備金を控除する。）の最低比率を 3.5 ％に、ま
たリスク加重資産に対する Tier Ⅰ資本の最低比率を 4.5 ％に維持することを義務づけられ、かかる最
低比率は 2014 年１月１日からはそれぞれ 4.0 ％および 5.5 ％に、 2015 年１月１日からはさらにそれぞれ
4.5 ％および 6.0 ％に引上げられた。かかる要件は、リスク加重資産に対する Tier Ⅰ資本および Tier Ⅱ
資本（減資があればこれを控除）の最低比率を 8.0 ％とする従前からの要件（かかる比率に変更はな
い。）に加えて要求されるものである。改正規則はまた、 2021 年および 2022 年には 2.5 ％の追加的な
資本保全バッファーを義務づけるほか、金融委員会により四半期ごとに決定される 2.5 ％を上限とす
る潜在的なカウンターシクリカル資本バッファーを義務づけている。現在、金融委員会はカウンター
シクリカル資本バッファーを０％としている。 2021 年 12 月 31 日現在、当行の連結ベースでの自己資本
比率は 14.8 ％で、 2020 年 12 月 31 日現在の 15.1 ％から低下した。これは主として、信用リスク加重資産
の増加によるものである。
下記の表は、 2020 年および 2021 年 12 月 31 日現在の連結ベースの当行の自己資本と自己資本比率を示
している。
（比率を除き、十億ウォン）
12 月 31 日現在
2020 年 2021 年
Tier Ⅰ資本 14,482 15,185
資本（資本剰余金および資本修正を含む。） 12,317 12,615
(1)
1,472 1,919
利益剰余金
その他包括利益累計額 760 878
その他 2 2
35/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
Tier Ⅰ資本からの控除 (69) (229)
資本修正 - -
繰延税金資産 - -
その他 (69) (229)
Tier Ⅱ資本（一般貸倒引当金） 1,821 1,788
資本合計 16,303 16,973
リスク調整後資産 108,052 114,401
自己資本比率
Tier Ⅰ普通株式資本 13.4 ％ 13.3 ％
Tier Ⅰ資本 13.4 ％ 13.3 ％
Tier Ｉ資本および Tier Ⅱ資本 15.1 ％ 14.8 ％
注 (1) 規制上の貸倒引当金控除後の純額。
出所：内部会計記録
36/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
⑦ 海外業務
当行は、ニューヨーク市、東京、北京、サンパウロ、パリ、ワシントン DC 、上海、ニューデリー、ド
バイ、モスクワ、メキシコシティ、タシケント、ハノイ、マニラ、ジャカルタ、ヤンゴン、ボゴタ、イ
スタンブール、ダルエスサラーム、ダッカ、アクラ、プノンペン、アジスアベバおよびコロンボの 24 カ
所の海外駐在員事務所を通じて国際的なプレゼンスを維持している。
当行はまた、ロンドンの KEXIM バンク（ UK ）リミテッド、香港の KEXIM （アジア）リミテッドおよび
ホーチミン市の KEXIM ベトナム・リーシング・カンパニー・リミテッドの３社の全額出資子会社を有し
ている。これら子会社は、マーチャント・バンキングおよびリース金融業務に携わっており、海外での
資金調達において当行を支援する。当行はさらに、ジャカルタの子会社である P.T. Koexim マンディ
リ・ファイナンスの 85 ％を所有している。同社は主に、リース金融を手掛けている。
次の表は、 2021 年 12 月 31 日現在の子会社の概要を示している。
主たる 当行の
事業の場所 業種 帳簿価額 所有比率
( 十億ウォン )
KEXIM バンク (UK) リミテッド 英国 商業銀行
138 100 ％
KEXIM （アジア）リミテッド 香港 商業銀行 168 100 ％
P.T. Koexim マンディリ・ インドネシア リースおよび
ファイナンス ファクタリング 25 85 ％
KEXIM ベトナム・リーシン ベトナム リースおよび
グ・
貸付
カンパニー・リミテッド 58 100 ％
⑧ 不動産
当行の本社は、韓国 07242 、ソウル市永登浦区ウンヘン路 38 に所在し、 9,110 平方メートルの敷地に床
面積 45,715 平方メートルの建物を自社で所有している。本社のほか、ソウル近郊の 47,881 平方メートル
の土地に職員研修センター、釜山の 556 平方メートルの土地に床面積 4,423 平方メートルの建物をもつ海
洋金融センターを所有する。当行はまた、釜山、光州、大邱、昌原、大田、水原、仁川、蔚山、忠州、
全州、亀尾、麗水および原州に 13 支店を置いている。当行の国内支店と海外駐在員事務所は、長期リー
スに基づいて保有する施設内にある。
37/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(5) 【経理の状況】
当行の会計年度は、毎年１月１日に始まり、12月31日に終了する。
当行の定款第 42 条は、以下のとおり規定している。
( 1) 当行は、毎会計年度経過後３カ月以内に決算をし、財政状態計算書、包括利益計算書およ
び利益剰余金処分計算書など決算に係る財務書類、業務計画実績評価報告書、財務書類の付
属書類ならびにこれらの裏づけとなる書類を作成し、企画財政部長官に提出しなければなら
ない。
(2) 当行は上記の書類を提出した後、公告をし、その原本および／または写しを本店、全支
店、出張所および代理店に備置するものとする。
当行は、その財務書類を毎年作成し、監査人の意見書を添付のうえ、企画財政部長官に提出して
いる。 当行は、法律上、外部監査人による財務書類の監査を義務づけられていないが、1983年 以
降 、独立の公認会計士事務所が当行の個別財務書類の監査を行っている。本書日付現在、当行の
外部監査人は、韓国 06236 、 ソウル市 江南区テヘラン路 152 、江南ファイナンスセンター 27 階 所在
の KPMG サムジョン 会計法人であり、同法人は本書に含まれる 2021 年および 2020 年 12月31日 現在な
らびに同日 に終了した年度に 係る 当行の 個別 財務書類を監査している 。
本書に記載される当行の財務書類 および情報 は、 K-IFRS に 基づいて 作成され た 。 財務書類の作成
および重要な会計方針の要約については、 以下の 2021 年および 2020 年 12月31日現在 ならびに同日
に終了した年度 の個別財務書類注記の注２ を参照されたい。 かかる原則および手続 き は、日本に
おいて一般に認められた会計原則とは一定の重要な点で異なる。
38/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
独立会計監査法人の報告書
韓国輸出入銀行
理事会 および株主 御中
意見
我々は、 2021 年および 2020 年 12月31日現在の個別財政状態計算書ならびに 同日 に終了した年度 に係る 個別
包括利 益計算書、 個別 株主資本変動計算書および 個別 キャッシュフロー計算書 ならびに重要な会計方針およ
びその他の説明的情報 を もって構成される注記からなる 添付の韓国輸出入銀行（以下「当行」という。）の
個別財務書類を監査した。
我々は、 添付の 個別財務書類 が 、 韓国版国際財務報告基準（以下「 K-IFRS 」という。）に準拠して、 2021
年および 2020 年 12月31日現在の 当行の個別財政状態、ならびに同日に終了した年度のその個別経営成績およ
び個別キャッシュフロー を 、 すべての重要な点において適正に表示している ものと認める 。
意見の基礎
我々は、韓国監査基準（以下「 KSA 」という。）に従って監査を実施した。かかる基準に基づく我々の責任
については、我々の報告書中の「個別財務書類の監査に関する監査人の責任」に詳述する。我々は、大韓民
国における個別財務書類の我々による監査に関連する倫理要件に従って、当行から独立しており、我々は、
かかる要件に従ってその他の倫理的責任を果たしている。我々は、我々が入手した監査の証左が我々の意見
の基礎をなすのに十分かつ適切であると考えている。
強調事項
我々の監査意見に影響を及ぼさない事項として、以下の事項に留意されたい。
個別財務書類注記の注 36(8) に記載するとおり、 COVID-19 の蔓延は世界経済に悪影響を及ぼしており、これ
が特定のポートフォリオ中の資産に係る予想信用損失および潜在的な資産の減損よりも大きな影響を及ぼ
し、当行の利益創出能力に悪影響を及ぼすことがある。我々の意見はかかる事項に関して修正されない。
その他の事項
かかる個別財務書類を監査するために大韓民国において用いられる手続きおよび実務は、諸外国において
一般に公正妥当と認められ、適用される手続きおよび実務と異なる可能性がある。
個別財務書類についての経営陣および統制の責任者の責任
経営陣は、 K-IFRS に準拠した 個別財務書類の作成および公正な表示 、ならびに不正または誤謬によるもの
であるか否かにかかわらず重大な虚偽記載がない個別財務書類の作成を可能にするために必要であると経営
陣が判断した内部統制 について責任を負って いる。
個別財務書類の作成にあたって、経営陣は、経営陣に当行を清算しもしくは業務を停止する意図があり、
またはその現実的な代替手段がある場合を除き、継続企業として存続する当行の能力を評価し、継続企業に
関連する事項を適宜開示し、継続企業を前提とした会計基準を用いることにつき、責任を負っている。
統制の責任者は、当行の財務報告のプロセスを監督する責任を負っている。
39/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
個別財務書類の監査に関する監査人の責任
我々の 目的 は、 個別財務書類全体に 不正 また は誤謬による ものであるか否かにかかわらず 重大な虚偽記載
がない こと について合理的な 確 証を得る こと、および我々の監査意見を含む監査報告書を発行することであ
る。合理的な確証とはレベルの高い確証ではあるが、 KSA に従って実施される監査が存在する重大な虚偽記載
を常に発見すると保証するものではない。虚偽記載は、不正または誤謬により発生しうるものであり、それ
らが個別にまたは全体として本個別財務書類に基づく読者の経済的判断に影響を及ぼすことが合理的に予想
される場合、重大であるとみなされる。
KSA に従って実施される監査の一環として、我々は、監査全体において、職業的判断をし、職業的懐疑心を
保持する。我々はまた以下を行う。
・ 不正または誤謬によるか否かにかかわらず、個別財務書類の重大な虚偽記載のリスクを特定し、これを
評価し、これらリスクに対応する監査手続きを策定し、これを実施し、我々の意見の基礎をなすのに十
分かつ適切な監査の証左を得ること。不正には、共謀、偽造、意図的な省略、虚偽の表示または内部統
制の無効化が関わることがあるため、不正による重大な虚偽記載が発見されないリスクは、誤謬による
場合のリスクより高い。
・ 当行の内部統制の有効性について意見を述べる目的ではなく、状況において適切な監査手続きを策定す
るために監査に関係する内部統制の理解を深めること。
・ 個別財務書類の作成にあたって使用した会計方針の適切性ならびに経営陣が行った会計上の見積りおよ
び関連する開示の妥当性を評価すること。
・ 継続企業を前提とした会計基準を経営陣が使用することの適切性について、また入手した監査の証左に
基づき継続企業として存続する当行の能力に重大な疑念を投げかける可能性のある事象または状況に関
連して重大な不確実性があるかどうかについて、判断すること。重大な不確実性があると我々が判断し
た場合、我々は、我々の監査報告書において個別財務書類における関連する開示について注意を惹くこ
とを求められ、また当該開示が十分でない場合は意見の修正を求められる。我々の結論は、監査報告書
の日付までに得られた監査の証左に基づくものであるが、将来の事象または状況により当行が継続企業
としての存続を停止することがある。
・ 開示を含む個別財務書類の全体的な表示、構成および内容、ならびに個別財務書類が基礎となる取引お
よび事象を公正な表示を実現できる方法で表示しているかどうかを評価すること。
我々はまた、とりわけ、監査の計画範囲および時期、ならびに監査中に特定した内部統制の重大な不備を
含む重要な監査結果について、統制の担当者と連絡を取 っている 。
KPMG サムジョン 会計法人
韓国ソウル市
2022 年４月１日
本報告書は、監査報告書の日付である 2022 年４月１日 現在で有効である。監査報告書 の 日付と監
査報告書が読まれるまでの期間に発生 する 可能性がある一定の後発事象または状況 は、 添付の個別
財務書類 およびその注記に 重大な影響を 及ぼす 可能性があ る。したがって 、 本監査報告書の読者
は、上記の監査報告書は、かかる後発事象または状況（もしあれば）の影響を反映するために更新
されていないことを承知されたい 。
40/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
韓国輸出入銀行
個別 財政状態計算書
2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在
注記 2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
（百万ウォン）
資産：
現金および対金融機関債権 ４、５、７ 4,462,685 4,025,737
損益を通じて公正価値で測定される
（ FVTPL による）金融資産 ４、５、８、 20 2,598,204 3,478,402
ヘッジ目的デリバティブ資産 ４、５、 20 561,911 1,499,766
償却原価による貸付金 ４、５、 10 、 37 77,458,119 73,407,381
金融投資 ４、５、９ 12,745,359 11,042,411
関連会社および子会社投資 11 1,565,153 1,919,212
有形固定資産純額 12 270,367 263,087
無形資産純額 13 34,452 28,082
繰延税金資産 34 875,099 1,107,370
退職給付資産純額 18 13,605 4,801
866,698 813,786
その他の資産 ４、５、 14 、 37
101,451,652 97,590,035
負債および資本
負債：
FVTPL による金融負債 ４、５、 20 768,115 753,442
ヘッジ目的デリバティブ負債 ４、５、 20 661,057 418,970
借入金 ４、５、 15 5,576,909 6,076,631
債券 ４、５、 16 76,486,053 72,641,777
引当金 17 621,467 626,611
1,985,120 2,603,158
その他の負債 ４、５、 19 、 37
86,098,721 83,120,589
株主資本：
資本金 １、 21 12,748,254 12,449,456
資本修正 (133,716) (132,271)
資本のその他の構成要素 20 、 22 882,669 803,317
利益剰余金 23
（ 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の
規制上の貸倒引当金： 149,219 百万
1,855,724 1,348,944
ウォンおよび 338,574 百万ウォン）
15,352,931 14,469,446
101,451,652 97,590,035
添付の個別財務書類注記を参照のこと。
41/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
韓国輸出入銀行
個別 包括利益 計算書
2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した年度
注記 2021 年 2020 年
（百万ウォン）
営業収益 :
純利息収益 24 、 37
受取利息 1,745,510 2,288,725
(841,107) (1,408,010)
支払利息
904,403 880,715
純手数料収益 25 、 37
手数料収入 309,947 375,494
(21,105) (13,935)
手数料費用
288,842 361,559
受取配当金 26 49,889 47,184
FVTPL による金融資産に係る利益（損失）純額 27 126,987 123,455
ヘッジ目的デリバティブ資産に係る利益（損
(1,556,271) 1,793,681
失）純額 20 、 28
金融投資に係る利益（損失）純額 29 3,381 984
外国為替取引 利 益（損 失 ） 純額 355,702 (1,068,897)
その他の営業収益（費用）純額 30 1,191,183 (797,524)
信用減損損失戻入れ（繰入れ） 31 、 37 (368,469) (838,485)
(252,846) (232,078)
一般管理費 32
742,801 270,594
営業収益合計
営業外収益（費用）： 33
関連会社および子会社投資に係る純利益（損
(125,334)
失）純額 10,931
(7,608) (5,128)
その他の営業外純収益（費用）純額
3,323 (130,462)
税引前利益 746,124 140,132
(198,585) (37,722)
法人税費用 34
547,539 102,410
当期純利益 23
（ 2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した年度の
規制上の貸倒引当金繰入れ調整後利益：
457,048 百万ウォンおよび 291,765 百万ウォン）
その他の包括利益（損失） 22
後に損益に振替えられない項目：
FVOCI による持分証券に係る利益（損失）純
91,968 263,872
額
確定給付負債純額の再測定 9,248 (4,272)
(24,495) (62,823)
税効果
後に損益に振替えられるまたは振替えられうる
項目：
FVOCI による債務証券に係る利益（損失）純
(442) 16,001
額
キャッシュフロー・ヘッジの評価益（損）純
3,913 4
額
(840) (3,873)
税効果
79,352 208,909
626,891 311,319
包括利益合計
42/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
添付の個別財務書類注記を参照のこと。
43/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
韓国輸出入銀行
個別株主資本変動計算書
2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した年度
資本のその他の構成要素
キャッ
シュフ
FVOCI に
ロー・
よる金融
FVOCI によ 確定給付
ヘッジの 商品の 利益
る金融商品 負債純額
資本金 資本修正 の評価損益 評価損益 の再測定 処分損益 剰余金 合計
（百万ウォン）
11,871,143 (129,487) 642,729 - 15,094 (63,415) 1,355,571 13,691,635
2020 年１月１日
配当金 - - - - - - (109,037) (109,037)
払込資本の増加 578,313 (2,784) - - - - - 575,529
包括利益合計 311,319
当期純利益 - - - - - - 102,410 102,410
その他の包括利益
（損失）： 208,909
FVOCI による金融商品評
価益 （税引後） - - 210,834 - - - - 210,834
キャッシュフロー・
ヘッジ評価損純額
（税引後） - - - 3 - - - 3
確定給付制度の再測定
要素（税引後） - - - - (3,239) - - (3,239)
FVOCI による金融商品の
- - - - - 1,311 - 1,311
処分損（税引後）
12,449,456 (132,271) 853,563 3 11,855 (62,104) 1,348,944 14,469,446
2020 年 12 月 31 日現在
44/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
資本のその他の構成要素
キャッ
シュフ
FVOCI に
ロー・
よる金融
FVOCI によ 確定給付
ヘッジの 商品の 利益
る金融商品 負債純額
資本金 資本修正 の評価損益 評価損益 の再測定 処分損益 剰余金 合計
（百万ウォン）
2021 年１月１日現在 12,449,456 (132,271) 853,563 3 11,855 (62,104) 1,348,944 14,469,446
配当金 - - - - - - (40,759) (40,759)
払込資本の増加 298,798 (1,445) - - - - - 297,353
包括利益合計 626,891
当期純利益 - - - - - - 547,539 547,539
その他の包括利益
（損失）： 79,352
FVOCI による金融商品評
価損（税引後） - - 77,213 - - - - 77,213
キャッシュフロー・
ヘッジ評価損純額
（税引後） - - - 2,965 - - - 2,965
確定給付制度の再測定
要素（税引後） - - - - 7,010 - - 7,010
FVOCI による金融商品の
- - - - - (7,836) - (7,836)
処分損（税引後）
12,748,254 (133,716) 930,776 2,968 18,865 (69,940) 1,855,724 15,352,931
2021 年 12 月 31 日現在
添付の個別財務書類注記を参照のこと。
45/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
韓国輸出入銀行
個別キャッシュフロー計算書
2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した年度
2021 年 2020 年
（百万ウォン）
営業活動によるキャッシュフロー：
547,539 102,410
当期純利益
調整：
法人税費用 198,585 37,722
受取利息 (1,745,510) (2,288,725)
支払利息 841,107 1,408,010
受取配当金および分配金 (65,705) (62,516)
子会社および関連会社からの受取配当金 (10,931) (16,913)
FVTPL による金融資産に係る損失 12,951 4,892
FVOCI による金融資産に係る損失 - 6
デリバティブの信用リスク引当金への振替え 13,863 19,600
外国為替取引損 1,020,030 2,767,309
信用減損損失 368,469 838,485
子会社および関連会社投資に係る損失 - 142,246
公正価値ヘッジ対象に係る損失 10,284 939,102
減価償却費および償却費 17,814 18,853
有形固定資産、無形資産およびその他の資産の処分損 51 1
債券の償還に係る損失 64
-
売買目的デリバティブ資産評価損 996,182 715,444
ヘッジ目的デリバティブ資産評価損 1,248,226 156,940
退職給付 20,940 11,178
FVTPL による金融資産に係る利益 (19,351) (15,134)
FVOCI による金融資産に係る利益 (3,381) (990)
デリバティブの信用リスク引当金の戻入れ (11,958) (2,741)
外国為替取引益 (1,376,405) (1,699,123)
公正価値ヘッジ対象に係る利益 (1,242,036) (164,126)
売買目的デリバティブ資産評価益 (856,142) (834,315)
ヘッジ目的デリバティブ資産評価益 (32,458) (1,423,598)
有形固定資産、無形資産およびその他の資産の処分益 (119) (119)
(615,494) 551,552
46/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
営業資産および負債の変動：
対金融機関債権 (352,285) 1,009,258
FVTPL による金融資産および金融負債 774,772 (1,457,288)
ヘッジ目的デリバティブ資産の純額 (31,913) (222,276)
償却原価による貸付金 (55,232) (5,402,682)
その他の資産 (18,940) 345,231
引当金 (399,031) 28,115
退職給付支払額 (20,497) (15,968)
(624,198) 411,342
その他の負債
(727,324) (5,304,268)
法人税支払額 (1,560) (400,397)
利息受取額 1,675,762 2,304,547
利息支払額 (698,358) (1,297,711)
76,636 79,429
配当金受取額
257,201 (3,964,438)
営業活動による（使用された）正味キャッシュフロー
投資活動によるキャッシュフロー：
金融投資商品の処分 1,292,634 730,990
子会社および関連会社に対する投資の処分 - 7,614
有形固定資産の処分 44 121
金融投資の取得 (2,350,334) (2,565,665)
関連会社および子会社および関連会社に対する投資の取得 (26,461) (284,171)
有形固定資産の取得 (14,021) (5,407)
(17,128) (5,120)
無形資産の取得
(1,115,266) (2,121,638)
投資活動に使用された正味キャッシュフロー
財務活動によるキャッシュフロー：
コールマネーの増加 774,120 -
借入金による収入 3,521,006 13,246,426
債券による収入 15,724,020 31,315,417
払込資本の増加 298,798 578,313
預金の増加 192 2
コールマネーの返済 - (179,967)
借入金の返済 (5,300,930) (13,181,831)
債券の償還 (14,138,292) (24,453,497)
払込資本増加関連費用 (1,445) (2,784)
配当金支払額 (40,759) (109,037)
- (2)
預金の減少
836,710 7,213,040
財務活動による（使用された）正味キャッシュフロー
現金および現金同等物の純増 (21,355) 1,126,964
期首における現金および現金同等物 3,071,235 2,913,676
外貨建現金および現金同等物残高に対する為替レートの変動の
97,077 (969,405)
影響
3,146,957 3,071,235
期末における現金および現金同等物（注７および注 35 ）
添付の個別財務書類注記を参照のこと。
47/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
韓国輸出入銀行
個別財務書類注記
2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在
ならびに同日に終了した年度
１．一般情報
（１）韓国輸出入銀行の概要
韓国輸出入銀行（以下「当行」という。）は、海外貿易（輸出入）、海外投資および海外資源開発活動のための金
融ファシリティを提供することを目的として、韓国輸出入銀行法（以下「輸銀法」という。）に基づく特殊金融機関
として1976年に設立された。当行は、 2021 年 12 月 31 日現在、 ソウルの本店、釜山の海洋金融センター、国内子会社１
社、 10の国内支店、 ３の国内事務所、４ の海外子会社および 24 の海外事務所 で業務を行っている 。
当行の授権資本は 15 ,000,000百万ウォンであり、設立以来 幾多 の増資を通じて、払込資本は 2021 年 12 月 31 日現在、
12,748,254 百万ウォンである。 2021 年 12 月 31 日現在、 韓国 政府（以下「政府」という。）、韓国銀行および韓国 産業
銀行 は、当行株式 の それぞれ 68.74 ％、 9.14 ％および 22.12 ％を有している。
当行は、政府の受託機関として、1987年６月以降は 対外 経済協力基金 （以下「 EDCF 」という。）を 、また1991年３
月以降は南北協力基金 （以下「 IKCF 」という。） を管理している。 これらの 基金は 区別して 会計処理されており、当
行の個別財務書類には含まれていない。当行は、受託サービスについて政府から手数料を受領している。
48/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（２）子会社および関連会社の概要
１） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の当行の子会社は以下のとおりである。
（ 2021 年12月31日）
財務
持分比率
子会社 所在地 資本金 主な事業 所有株式数 （％） 書類日
KEXIM バンク UK リ 英国 81 百万英ポン 金融業 81,283,897 100.00 2021 年
ミテッド ド
12 月 31 日
KEXIM ベトナム・ ベトナム 53 百万米ドル 金融業 - 100.00 2021 年
リーシング・コ
12 月 31 日
(*1)
PT. KOEXIM マン インドネシ 52,000 百万 金融業 442 85.00 2021 年
ア
ディリ・ファイナ インドネシア・ 12 月 31 日
ンス ルピア
KEXIM アジア・リ 香港 130 百万米ドル 金融業 130,000,000 100.00 2021 年
ミテッド
12 月 31 日
EXIM プラス・カン 韓国 950 百万ウォン サービス業 190,000 100.00 2021 年
パニー・リミテッ
12 月 31 日
ド
(* 1) 当該事業体は株券を発行していない。
（ 2020 年12月31日）
財務
持分比率
子会社 所在地 資本金 主な事業 所有株式数 （％） 書類日
KEXIM バンク UK リ 英国 81 百万英ポン 金融業 81,283,897 100.00 2020 年
ミテッド ド
12 月 31 日
KEXIM ベトナム・ ベトナム 53 百万米ドル 金融業 - 100.00 2020 年
リーシング・コ
12 月 31 日
(*1)
PT. KOEXIM マン インドネシ 52,000 百万 金融業 442 85.00 2020 年
ア
ディリ・ファイナ インドネシア・ 12 月 31 日
ンス ルピア
KEXIM アジア・リ 香港 130 百万米ドル 金融業 130,000,000 100.00 2020 年
ミテッド
12 月 31 日
EXIM プラス・カン 韓国 950 百万ウォン サービス業 190,000 100.00 2020 年
パニー・リミテッ
12 月 31 日
ド
(* 1) 当該事業体は株券を発行していない。
49/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
２） 2021 年および 2020 年 12 月3 1 日現在の当行の関連会社は以下のとおりである。
（ 2021 年12月31日）
持分比率
関連会社 所在地 資本金 主な事業 所有株式数 （％） 財務書類日
クレジット・ギャラ フィリピン 1,137 百万 金融 171,400,000 15.07 2021 年
ンティ・アンド・イ
米ドル サービス 12 月 31 日
ンベストメント・
ファンド
KTB ニューレイク・ 韓国 33,850 金融 8,462,558,125 25.00 2021 年
グローバル・ヘルス
百万ウォン サービス 12 月 31 日
ケア PEF
韓国航空宇宙産業 韓国 487,376 製造業 25,745,964 26.41 2021 年
百万ウォン 12 月 31 日
大宇造船海洋 韓国 541,453 造船業 - - 2021 年
百万ウォン 12 月 31 日
（ 2020 年12月31日）
持分比率
関連会社 所在地 資本金 主な事業 所有株式数 （％） 財務書類日
コリア・アセット・ 韓国 949,566 金融 44,482,396 23.41 2020 年
マネジメント・コー
百万ウォン サービス 12 月 31 日
ポレーション
クレジット・ギャラ フィリピン 1,102 百万 金融 147,600,000 13.39 2020 年
ンティ・アンド・イ
米ドル サービス 12 月 31 日
ンベストメント・
ファンド
大鮮造船 韓国 6,262 造船業 1,040,000 83.03 2020 年
百万ウォン 12 月 31 日
KTB ニューレイク・ 韓国 33,850 金融 8,462,558,125 25.00 2020 年
グローバル・ヘルス
百万ウォン サービス 12 月 31 日
ケア PEF
韓国航空宇宙産業 韓国 487,376 製造業 25,745,964 26.41 2020 年
百万ウォン 12 月 31 日
大宇造船海洋 韓国 541,453 造船業 - - 2020 年
百万ウォン 12 月 31 日
50/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
２．表示の基礎および重要な会計方針
（１） 財務書類の表示の基礎
当行の 個別 財務書類は、K-IFRSに従 って 作成されている。
（ ２ ） 測定の基準
個別財務書類は、財政状態計算書中の以下の重要な科目を除き、歴史的原価基準に基づいて作成されている。
・ 公正価値で測定されるデリバティブ金融商品
・ 損益を通じて公正価値で測定される金融資産
・ その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
・ 公正価値ヘッジ会計におけるヘッジ対象として指定される金融資産および金融負債（ヘッジされたリスクに起因
するその公正価値の変動は損益において認識される。）
・ 確定給付制度に係る負債（確定給付債務の現在価値合計から制度資産の公正価値を差し引いた純額で認識され
る。）
（ ３ ）機能通貨 および表示通貨
本個別財務書類は、当行が事業を行う主たる経済環境の通貨である韓国ウォンで表示されている。
（ ４ ）重要な見積りおよび判断
個別財務書類の作成には会計方針の適用 を要し、 一定の重要な会計上の見積りおよび仮定 は 資産（負債）および収
益（費用）に重大な影響を及ぼしうる。報告日現在における最善の判断に基づく経営陣の見積りおよび仮定が実際の
環境と異なる場合には、経営陣による見積りは実際の業績と異なることがある。
見積りおよび仮定は 継続的に 評価され、会計上の見積りの変更がその期のみに影響する場合には、かかる変更はそ
の期の損益にこれを含むことにより、また変更のあった期およびそれ以降の期に影響する場合には、それぞれの期の
損益にこれを含めることにより、将来にわたって認識される。
重要な調整を引 き 起すような重大なリスクを伴う見積りおよび仮定における不確実性は、以下のとおりである。
１） 金融商品の公正価値
活発な市場が存在しないか、または 相場 価格が別の方法で入手できない場合の金融商品の公正価値は、評価技法
を用いて決定される。市場で活発に取引されておらず、かつ市場価格の透明性が低い金融商品の公正価値は客観性
が低くなり、流動性、集中、市場要因の不確実性および価格決定における仮定ならびにその他のリスクについて判
断を要することになる。
重要な会計方針の「金融商品の認識および測定」に記載されるように、金融商品の公正価値の決定には、一般市
場において容認されている評価モデルからさまざまな種類の仮定および変数を 組込んだ 内部開発の評価モデルに至
るまで、多様な評価技法が用いられている。
２） 信用損失引当金（貸倒引当金、 手形 引受および保証引当金、金融保証契約 ならびに 未使用ローン・コミットメン
ト）
当行は、 K-IFRS 第 1109 号「金融商品」に従って、負債性金融商品、償却原価で測定される貸付金および債権、
ローン・ コミットメント ならびに金融保証契約に係る予想信用損失について信用損失引当金を認識している。引当
金は、当行が 個々の 金融商品 の予想キャッシュフローの見積り の測定 ならびに集団的 方法による予想信用損失の測
定に 使用 する 方法 、 仮定 および入力変数 によって決定される。
３）確定給付債務
確定給付債務の現在価値は、予測単位積立方式を用いて独立 した 保険数理士によって測定される。これは将来の
昇給、退職率および割引率などの保険数理上の仮定 および変数 によって決定される。
51/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
４）法人税
当行は、 報告期間末に、当行がその資産および負債の帳簿価額を回収または決済すると 見込まれる 最善の見積り
に基づき、税効果を反映した当期および繰延税金を認識している。ただし、将来の実際の法人税は、認識された繰
延税金資産および負債 に一致しないこと があり、この差額は最終的な税効果が確定した 期における当期 および繰延
税金に影響を及ぼす可能性があ る 。
５）ヘッジ関係
当行は、ヘッジ関係を指定する際にヘッジ期間を通じて高いヘッジ有効性を見込んでおり、ヘッジ 対象 取引 は
キャッシュフロ ー・ヘッジにおいて 極めて 可能性が高いと考えられる 。
（ ５ ） 会計方針の変更
当行は、以下に説明する 2021 年１月１日付で効力を生じた改訂基準の初度適用を除き、 2020 年 12 月 31 日現在および
同日に終了した年度の個別財務書類に適用されたものと同じ会計方針を採用している。
１） K-IFRS 第 1109 号「金融商品 」、 K-IFRS 第 1039 号「金融商品－認識および測定」、 K-IFRS 第 1107 号「金融商品：
開示」、 K-IFRS 第 1104 号「保険契約」および K-IFRS 第 1116 号「リース－金利指標改革」の改訂
金利指標改革については、金利指標がヘッジ関係において置き換えられているものの、改訂により法人が帳簿
価額を変更する代わりに実効金利を変更することを認める実務上の便宜が提供され、ヘッジ会計は中断されるこ
となく適用される。かかる改訂は財務書類に重大な影響を及ぼしていない。
52/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
３．重要な会計方針の要約
（１）概要
K-IFRSへの移行後 の 本個別財務書類の作成に適用された重要な会計方針は、以下に記載されている。
（２） 子会社および関連会社に対する投資
添付の個別財務書類は、K-IFRS第1027号「個別財務書類」に従って、個別ベースで作成されている。子会社および
関連会社に対する当行の投資は、K-IFRS第1027号に従って原価で計上されている。子会社および関連会社からの受取
配当金 は、当行が配当金を受取る権利を有した時点で損益において認識される。
（ ３ ）外貨
１）外貨建取引
当行の個別財務書類の作成にあたり、当行の機能通貨以外の通貨（外貨）による取引は、取引日現在の為替
レート を適用して計上される。
各報告期間末に、外貨建貨幣性項目は報告期間末の直物為替レートである決算日レートを用いて換算される。
外貨建の公正価値で測定される非貨幣性項目は、公正価値が決定された日現在の直物為替レートを用いて換算さ
れ、 外貨建の歴史的原価で測定される非貨幣性項目は、取引日現在の直物為替レートを用いて換算される。貨幣
性項目の決済、または貨幣性項目を当期中の当初認識時もしくは以前の財務書類において換算したレートと異な
るレートで換算することにより生じる換算差額は、それが発生する期の損益に認識される。非貨幣性項目に係る
損益がその他の包括利益において認識される場合、当該損益の為替部分はその他の包括利益において認識され
る。一方で、非貨幣性項目に係る損益が損益において認識される場合は、当該損益の為替部分は損益において認
識される。
２）海外事業
機能通貨が当行の表示通貨と異なるすべての海外事業の業績および財政状態は、以下の手続きによって当行の
表 示通貨に換算される。
提示された各財政状態計算書の資産および負債は、財政状態計算書日現在の決算日レートで換算される。提示
された包括利益計算書の収益および費用は、期中の平均為替レートで換算される。
海外事業の取得により生じる資産および負債の帳簿価額への公正価値調整は、海外事業の資産および負債とし
て処理される。よって、これらは海外事業の機能通貨で表示され、決算日レートで表示通貨に換算される。
海外事業の処分に際して、その他の包括利益において認識され、資本の個別項目において累積された当該海外
事業に関連する換算差額の累計額は、処分損益が認識されたときに資本から損益に（組替調整額として）振り替
え られる。海外事業を含む子会社の部分的な処分に際しては、当行は、その他の包括利益において認識された換
算差額累計額の比例持分を当該海外事業の非支配持分に再帰属させる。海外事業のその他一部処分においては、
当行は、その他の包括利益において認識された換算差額累計額の比例持分のみを損益に振替える。
（ ４ ）現金および現金同等物
現金および現金同等物には、手許現金、外貨、および価値の変動リスクの小さい既知額の現金に容易に転換可能な
流動性の高い短期投資が含まれる。
53/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ ５ ） 非デリバティブ 金融資産
金融資産は、当行が商品の契約条項の当事者となった時点で認識される。また、通常の方法での売買（関係する市
場における規制または慣行によって一般的に定められた期間内に資産を引渡すことを条件とする契約に基づく金融資
産の売買）は取引日に認識される。
金融資産は、その 公正価値に、損益を通じて公正価値（以下「FVTPL」という。）で測定されない項目について
は、金融資産の取得に直接起因する取引費用 を 加算 して、当初測定される。取得 に直接 起因 するFVTPL による 金融資
産の取引費用は、発生時に損益で認識 される 。
１） FVTPL により指定される金融資産
金融資産は、そうすることで、 そうでなければ異なる基準での資産もしくは負債の測定またはそれらに係る損
益の認識から生じるであろう 会計上の不一致が消去されまたは大幅に削減される場合には、以下に記載する分類
基準に関わらず、 FVTPL により測定されるものとして取消不能の形で指定されうる。
２）資本性金融商品
売買目的で保有されてい るので ない 資本性金融商品 については、当初認識時に、当行は、その後の公正価値の
変動をその他の包括利益に表示することを取消不能 の形で 選択することが でき る。その他の包括利益を通じて公
正価値（以下「FVOCI」という。）で測定する金融資産に分類されない 資本性金融商品 は、FVTPL に よる金融資産
として分類される。
当行は、その後、すべての持分投資を公正価値で測定する。以前にその他の包括利益として認識されていた
FVOCIによる金融資産として分類され る 資本性金融商品の評価損益は、認識中止に際して損益として再分類される
ことはない。当行は、配当金の支払を受領する当行の権利が確定した時点で、配当金を損益において認識する。
FVTPLによる金融資産の公正価値の変動による評価損益は、FVTPLによる金融資産に係る損益として認識され
る。FVOCIによ る資本性金融商品に係る減損損失（戻入れ）は、個別に認識されない。
３）負債性金融商品
その後の 負債性金融商品 の測定は、資産が管理されている当行のビジネス ・ モデルおよびその資産の契約上の
キャッシュフローの特性に左右される。負債 性金融 商品は 、 償却原価、FVOCIまたはFVTPL による 金融資産として
分類され る 。 負債性金融 商品は、当行のビジネス ・ モデルが変化したときにのみ再分類される。
① 償却原価による金融資産
その目的が契約上のキャッシュフローを回収するために資産を保有することを目的としている ビジネス・ モデ
ル内で保有されている資産であって、それらのキャッシュフローが元本および利息の支払のみを表す資産は 、 償
却原価で測定される。減損損失および償却原価 による 金融資産の認識中止に 係る 損益は、損益 において認識され
る 。実効金利法による受取利息は 、個別 包括利益計算書の「受取利息」に含まれている。
54/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
② FVOCI による金融資産
契約上のキャッシュフローの回収と金融資産の売却の両方によって目的が達成される ビジネス・ モデル内で保
有される資産 であって、 資産のキャッシュフロー が 元 本 と利息の支払のみを表す 資産 は、FVOCIで測定され る 。
減損損失、実効金利法を用いて償却され る 受取利息および外国為替差額 を除き 、FVOCIに よ る金融資産 に係る 損
益は、 資本において その他の包括利益として認識され る 。認識を中止した場合、その他の包括利益に累積された
損益は 、 純損益に振替えられ る 。実効金利法による受取利息は、 個別 包括利益計算書の「受取利息」に含まれ
る。為替差額および減損損失は、それぞれ 個別 包括利益計算書の「 外国為替取引 利 益（損 失 ） 」および「 信用 減
損損失」に含まれる。
③ FVTPL による金融資産
償却原価またはFVOCI による 金融資産以外の 債務 証券は 、 FVTPLに より 分類され る 。ヘッジ会計が適用されない
限り、FVTPL による 金融資産からの損益は損益として認識され、 個別 包括利益計算書の「損益を通じて公正価値
で測定 され る金融資産 に係る 純利益」に含まれる。
４）組込みデリバティブ
組込 み デリバティブを有する金融資産は 、 ハイブリッド （複合） 契約全体に関して分類され、組込 み デリバ
ティブは個別に認識されない。ハイブリッド契約全体は、契約上のキャッシュフローが元本と利息の支払のみを
表しているかどうかを判断する際に考慮され る 。
５）金融資産の認識中止
当行は、資産からのキャッシュフローに対する契約上の権利が失効したとき、または金融資産の所有に伴う概
ねすべてのリスクおよび経済価値が譲渡される取引において金融資産に係る契約上のキャッシュフローを受取る
権利を譲渡した場合、金融資産の認識を中止する。当行が創設または保持する譲渡金融資産に対する持分は、個
別の資産または負債として認識される。当行が譲渡金融資産の所有に伴う概ねすべてのリスクおよび経済価値を
保持している場合、当行は引続き譲渡金融資産を認識し、受取った対価について金融負債を認識する。
６）相殺
当行が、認識されている金額を相殺する法的に強制力のある権利を現に有しており、かつ純額ベースで決済す
るか、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意思がある場合に限り、金融資産および金融負債は相殺さ
れ、個別財政状態計算書に純額が表示される。
55/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ ６ ） デリバティブ 金融 商品
デリバティブは 、 当初公正価値で認識され る 。当初認識後、デリバティブは公正価値で測定され、その変動は 以下
のとおり 会計処理される。
１）ヘッジ会計
当行は、金利リスクおよび為替リスクを管理するため 、先物 為替予約、金利スワップ、通貨スワップおよびそ
の他のデリバティブ契約を保有している。当行は、資産、負債または 確定コミットメント の公正価値の変動リス
ク をヘッジし （公正価値ヘッジ） 、また 蓋然性の高い予定取引または 確定コミットメント の為替リスクをヘッジ
する（キャッシュフロー・ヘッジ）ためのヘッジ手段としてデリバティブを指定した。
ヘッジの当初の指定時に、当行は、リスク管理目的およびヘッジ取引の実施における戦略を含む、ヘッジ手段
とヘッジ対象の間の関係を、 ヘッジ関係の有効性の 評価に使用される方法とともに正式に文書化する。
① 公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとして指定されたデリバティブ ・ ヘッジ 手段 の公正価値の変動は 、 損益に おいて 認識される。
デリバティブ・ヘッジ 手段 について公正価値でヘッジ 手段 を再測定したことによる損益およびヘッジされたリス
クに起因するヘッジ対象 に係る 損益は、 個別 包括利益計算書の同じ科目の損益 において 認識される。
ヘッジ手段が失効するか、売却され、終了しもしくは行使された場合、あるいはヘッジがもはや基準を満たさ
ない場合、当行は公正価値ヘッジ会計を中止する。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象に係るG/Lから生
じる調整は、ヘッジ会計が中止された日から損益として償却される。
② キャッシュフロー・ヘッジ
認識された資産または負債、あるいは損益に影響を与え う る 蓋然性 の高い予定取引に関連する特定のリスクに
起因するキャッシュフローの変動 性 をヘッジする ために デリバティブが指定されている場合、デリバティブの公
正価値の変動の有効部分は 、 その他の包括利益 （税引後）において 認識され、ヘッジ準備金として資本に計上さ
れる。デリバティブの公正価値の変動の 非有効 部分は、直ちに損益に おいて 認識され る 。
ヘッジ手段がヘッジ会計の基準を満たさなくな り、失効し 、売却 され 、終了 し 、行使され、または指定が取消
された場合、ヘッジ会計は将来にわたって中止される。その他の包括利益 において 認識され た ヘッジ 手段に係る
累積損益は、予定取引が発生した期の損益に振替え られる 。予定取引の発生が見込まれなくなった場合、その他
の包括利益の残高は直ちに損益に おいて 認識され る。
③ 純投資ヘッジ
ヘッジ手段として指定された金融商品の公正価値の変動のうち、海外事業への純投資のヘッジ会計の要件を満
たす部分は、その他の包括利益において認識され、ヘッジの 非有効 部分は、損益において認識される。ヘッジと
して有効なその他の包括利益として認識された部分は、海外事業または海外事業の一部を処分した時点で、K-
IFRS第1021号「為替レートの変動による影響」に従った組替調整の結果、包括利益計算書において認識される。
２）その他のデリバティブ金融商品
ヘッジ手段として指定されていないその他のデリバティブ金融商品の公正価値の変動は、直ちに損益において
認識される。
56/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
３）当初認識における観察不能な評価差額
当初認識時における店頭デリバティブの公正価値と、評価が観察不能なパラメータ ー に依 拠 している状況にお
いて評価手法を用いてその日に決定される金額との差額は、損益において は 認識されず、商品の 期間にわたっ
て、または 公正価値が観察可能になった 時点で直ちに、定額法で認識され る。
（ ７ ） 減損：金融資産
当行は、損益を通じて公正価値で測定される金融資産を除き、償却原価およびその他の包括利益を通じて公正価値
で測定される金融資産について、予想信用損失を測定し、報告期間末日に損失引当金を認識する。
予想信用損失は、金融商品の予想期間にわたる信用損失（すなわち、すべての現金不足額の現在価値）の確率加重
推定である。当行は、過度の費用または努力を要することなく報告日現在において合理的に入手可能な、合理的かつ
裏付け可能な情報（過去の事象、現在の状況および将来の経済状況の予測に関する情報を含む。）を反映することに
より予想信用損失を測定する。
当行は、 K-IFRS に従って、以下の３つの測定手法を用いている。
・一般的アプローチ： 以下の２つのアプローチが適用されない 金融資産とオフバランスシートの未使用クレ
ジットライン について
・信用減損アプローチ： 購入または組成した信用減損金融資産について
信用リスクの大幅な増加に応じて、異なる測定アプローチが適用され る 。当初認識以降、信用リスク の 著し い増大
が ない場合、12 カ 月の予想信用損失が認識される。当初認識以降信用リスクが著しく 増大 した場合には、 残存 期間予
想信用損失に 相当する 金額の損失引当金が認識される。耐用年数は、金融資産の契約上の満期日までの期間（金融資
産の予想耐用年数）であると推定される。
以下の項目の１つ以上が信用リスクの著しい増大とみなされる。 金融資産 の契約上のキャッシュフローが再交渉さ
れるか、またはその他の方法で修正される場合、当 行 は以下の情報を使用して当初認識以降信用リスクが著しく増大
したかどうかを判断する。
・ 30 日超の延滞があった場合
・当初認識時との比較で、期末現在における信用格付が一定ノッチを超えて低下した場合
・資産の健全性が韓国 金融監督院（FSS） による格付表の要注意を下回った場合
当行は、一般に以下の １つ以上 を信用の減損とみなしている。
・ 9 0 日以上の延滞
・回収に関連した訴訟
・韓国信用情報サービスから信用の警告を受けた借手
・減損（内部格付で S 、 D または F ）とみなされる法人借手
・外部監査人の限定意見または免責の意見が述べられた借手
・負の資本
・債務再編
57/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
１）将来の見通し情報
当行は、予想信用損失を測定する際に、将来の見通し情報を用いている。
当行は、リスク要素のひとつである「デフォルト確率」（ PD ）は景気循環と一定の相関関係があると考えてお
り、将来の見通し情報をマクロ経済変数とともに測定入力に反映させることにより予想信用損失を計算してい
る。
２）償却原価による金融資産に係る予想信用損失の測定
償却原価による金融資産に係る損失額は、資産の帳簿価額と金融資産の当初の実効金利で割引いた将来の見積
キャッシュフローの現在価値との差額として測定される。
当行は、個別に重要な金融資産の予想将来キャッシュフローを見積もっている（減損の個別評価）。
個別に重要ではない金融資産については、当行は、貸付を同種の信用リスク特性を有するグループに分類する
ことにより予想信用損失を一括して見積もっている（減損の集合的評価）。
① 減損の個別評価
減損損失の個別評価は、予想将来キャッシュフローの現在価値に関する経営陣の最善の見積りを用いて計算さ
れている。当行は、借手の営業キャッシュフローおよび保有担保の正味実現可能価額を含むすべての入手可能な
情報を使用している。
② 減損の集合的評価
損失引当金の集合的評価には、過去の損失実績とともに将来の見通し情報が含まれる。このようなプロセスに
は、担保、商品および借手の種類、信用格付、ポートフォリオの規模ならびに回収期間などの要素が組み込まれ
ており、資産のグループには「デフォルト確率」（ PD ）が、また回収方法の種類により「デフォルト時損失率」
（ LGD ）が適用される。また、予想信用損失モデルには、損失実績および将来の見通し情報に基づいてインプッ
トを決定するための一定の仮定が含まれる。これらのモデルおよび仮定は、損失推定額と実際の損失実績との差
を小さくするために定期的に見直される。
報告期間末日現在の 残存期間 予想信用損失は、予想返済額を控除した帳簿価額、各期間のPDおよび帳簿価額の
変動により調整されたLGDに基づいて商品ごとに計算される。
３） その他 の包括利益を通じた公正価値による金融資産に係る予想信用損失の測定
その他の包括利益を通じ た 公正価値 による 金融資産 に係る 予想信用損失の測定方法は、その他の包括利益とし
て認識される損失引当金を除き、償却原価 による 金融資産 の 測定方法と 同一である 。その他の包括利益を通じ た
公正価値 による 金融資産の売却または返済 についてその 他の包括利益に おいて 認識された金額は損益に振替えら
れる。
58/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ ８ ）有形固定資産
１）認識および測定
資産としての認識に適格なすべての有形固定資産は、取得原価で測定され、その後は取得原価から減価償却累
計額 および減損損失累計額を控除して計上される。
有形固定資産の取得原価には、当該資産を経営陣が意図する方法での稼働を可能にするのに必要な場所および
状態にするための直接付随費用、ならびにかかる資産の解体および除去ならびに設置場所の原状回復費用の当初
見積額が含まれる。
その後 の支出は、それによって耐用年数が長期化し、または資産の価値が高まる場合に限り、資産計上される
が、修繕・維持費といった日々の資産の保守費用は発生時に損益において認識される。資産項目の一部の耐用年
数が資産全体のそれと異なる場合には、別個の資産として認識される。
２）減価償却
土地は減価償却されないが、その他の有形固定資産は、資産の将来における経済的便益が当行により消費され
る予想パターンを反映した方法を用いて減価償却される。資産の減価償却可能額は、その残存価額を控除後に決
定 される 。
償却方法 は定額法であり、資産の見積耐用年数は以下のとおりである。
有形固定資産 見積耐用年数
建物および構築物 10 － 60 年
リース物件改良 ５年
車両 ４年
工具、器具および備品 ４－ 20 年
資産に適用される残存価額、耐用年数および償却方法は、少なくとも各会計年度末に見直され、予想が以前の
見積りと異なる場合または当該資産に係る将来の経済的便益の予想消費パターンに大きな変更がある場合、かか
る変更は会計上の見積りの変更として会計処理される。
（ ９ ）無形資産
無形資産は、取得原価で当初測定され、その後は取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除して計上さ
れる 。
無形資産 は、当該資産が使用可能となってから見積耐用年数にわたって、残存価額をゼロとして定額法により償却
される。
無形資産 見積耐用年数
ソフトウェア ５年
システム開発費 ５年
耐用年数が確定している無形資産の償却期間および償却方法は、少なくとも各会計年度末に見直される。償却され
ない無形資産の耐用年数は、事象および状況が 当該資産について 耐用年数 を 確定できないという評価を引続き裏付け
るかどうか判断するため、各期に見直しが行われる。変化がある場合には、会計上の見積りの変更として会計処理さ
れる。
59/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ 10 ）非金融資産の減損
当行は、各報告期間末において、非金融資産（繰延税金資産、従業員給付 から 生じる資産および売却目的保有とし
て分類される非流動資産（または売却 予定の 資産グループ）を除く。）が減損している兆候があるか否かを評価す
る。かかる兆候が存在する場合には、当行は資産の回収可能価額を見積る。ただし、減損の兆候の有無に関わらず、
当行は、企業結合により取得されたのれん、耐用年数が確定できない無形資産およびまだ使用可能となっていない無
形資産について は、 その帳簿価額と回収可能価額を比較することにより、毎年減損テストを行う。
回収可能価額は、個々の資産に つい て見積もられる。個々の資産の回収可能価額を見積もることが不可能な場合
は、当行は当該資産が属する資金生成単位（資産の資金生成単位）の回収可能価額を算定する。
資産の回収可能価額は、当該資産の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額となる。資産の回収
可能価額がその帳簿価額を下回る と見積もられる 場合、当該資産の帳簿価額はその回収可能価額まで減額され 、 かか
る減損損失 は 損益において直ちに認識される。
（ 11 ） FVTPL による 金融負債
FVTPL による 金融負債には、 K-IFRS 第 1103 号「企業結合」の適用対象となる企業結合の一環として取得者により支
払われる条件付対価、 短期金融負債および FVTPL による 金融負債として当初認識された金融負債が含まれる。 FVTPL に
よる 金融負債は公正価値で計上され、再測定より生じる損益 は 損益において 認識され る。その他、 取引 費用は当期の
損益において認識される。
（ 12 ）引当金
当行が過去の事象の結果として現在の債務（法的または推定的）を有し、経済的便益をもつ資源の流出が債務の決
済に必要となる可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性のある見積りを行うことができる場合に、引当金
が認識される。引当金の最善の見積りを導く際に、多くの事象および状況を必然的に取り巻くリスクおよび不確実性
が考慮され、貨幣の時間的価値の影響が重要である場合には、引当金の額は債務の決済に要すると見込まれる支出の
現在価値とする。
確認および無確認の 手形 引受および保証、法人向け貸付の未使用与信枠に 係る 引当金は、 クレジット 換算 係数 、デ
フォルト率およびデフォルト時損失率を適用する評価モデルを用いて認識される。引当金は、各報告期間末に見直さ
れ、現在の最善の見積りを反映するように調整がなされる。経済的便益をもつ資源の流出が債務を決済するために必
要となる可能性がなくなった場合に、引当金は戻入れられる。
（ 13 ）金融保証契約
金融保証契約は、特定の債務者が期日に債務証券の当初の条項または修正条項に従った支払を怠ったことにより 保
証 契約保有者が被った損失を弁済するために一定の支払を発行者（当行）に対して義務づける契約であ る。
金融保証契約は、公正価値で当初認識され、契約の期間にわたって償却される。当初認識後、金融保証契約は以下
のいずれか高い金額で測定される：
－K-IFRS第 1109 号「 金融商品 」に従って決定される金額、および
－当初認識額から、K-IFRS第 1115 号「 顧客との契約から生じる 収益」に従って認識された累積償却額を適宜控除し
た金額 。
60/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ 14 ）資本および準備金
資本および準備金は、すべての負債を控除後の事業体の資産の残余持分を証する契約または取決めである。
（ 15 ）受取利息および支払利息
受取利息および支払利息は、実効金利法を用いて認識される。実効金利法は、金融資産もしくは金融負債（または
金融資産もしくは金融負債のグループ）の償却原価を計算し、受取利息または支払利息を該当する期 間に割当てる方
法である。
実効金利法は、将来の見積現金受取額または支払額を金融商品の見積残存期間、または場合によってはこれより短
い期間にわたって、当該金融資産または金融負債の正味帳簿価額まで正確に割引く率である。実効金利の計算に際し
て、当行は金融商品のすべての契約上の条件を考慮してキャッシュフローの見積りを行うが、将来の 信用 損失は考慮
しない。計算には、実効金利の不可分の一部である契約当事者間で受払いされるすべての手数料およびポイント、取
引費用ならびにその他すべてのプレミアムまたはディスカウントが含まれる。金融商品（または金融商品グループ）
のキャッシュフローまたは見積残存期間が信頼性をもって見積ることができないという稀な場合には、当行は、金融
商品（または金融商品グループ）の契約全期間にわたる契約上のキャッシュフローを用いる。
減損した金融資産に 係る 利息は、減損損失を測定する目的で将来キャッシュフローを割引くために使用する金利を
用いて認識される。
（ 16 ）手数料収益
当行は、稼得した手数料に関連した金融商品の会計基準に従って、金融サービス手数料を認識する。
１）金融商品の実効金利の不可分の一部である手数料
かかる手数料は、一般に実効金利の調整として会計処理される。かかる手数料には、借手の財政状態の評価、
保証、担保およびその他の担保取決めの評価および記録、商品の条件交渉、文書の作成および処理ならびに取引
の成立などの業務に係る報酬、ならびに償却原価で測定される金融負債の発行に際しての受取組成手数料が含ま
れることがある。ただし、FVTPLによる金融資産の創出または取得に関連する手数料は、収益として直ちに認識さ
れる。
２）役務提供時に得られる手数料
かかる手数料は、役務提供時に収益として認識される。
３）重要な行為の実行時に得られる手数料
かかる手数料は、重要な行為が完了したときに収益として認識される。
（ 17 ）受取配当金
受取配当金は、支払を受ける権利が確定したときに損益において認識される。 FVTPL による 金融資産および金融投
資からの受取配当金は、個別包括利益計算書の受取配当金の一部として損益に認 識される。
61/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ 18 ）従業員報酬および給付
１）確定拠出制度
従業員が確定拠出制度に関連する役務を提供する場合、従業員の役務に関連する拠出金は、資産の取得原価に
拠出金を含むことなく、当期損益に認識される。支払われると想定される拠出金は、既に支払済の金額を控除
後、 未払費用 に認識される。また、既に支払済の拠出金が期末現在に支払われるであろう拠出金を超過する場
合、その超過額は前払費用において認識される。
２）確定給付制度
確定給付制度にかかる当 行 の純債務は、従業員が当期および過去の期において獲得した将来の給付金額を見積
り、当該金額を割引き、すべての制度資産の公正価値を控除することにより、各制度について個別に計算され
る。
確定給付債務は、予測単位積立方式を用いて、適格な保険数理士により毎年計算される。計算の結果、当行に
潜在的な資産が生じる場合、制度からの将来の返還または制度への将来の拠出金の減額の形で利用可能な経済的
便益の現在価値を限度として資産を認識している。経済的便益の現在価値の計算にあたり、該当する最低積立要
件が考慮される。
保険数理上の差異、制度資産の運用収益（利息を除く。）および資産上限額の影響（もしあれば利息を除
く。）からなる確定給付負債の純額の再測定は、その他の包括利益において直ちに認識される。当行は、拠出金
および給付金の支払いによる当期中の確定給付負債（資産）の純額の変動を考慮し、その時点における確定給付
負債（資産）の純額に期首時点の確定給付債務を測定するために使用される割引率を適用することにより、当期
における確定給付負債（資産）の純額に係る支払利息（受取利息）の純額を算定する。確定給付制度に関連する
支払利息の純額およびその他の費用は損益に認識される。
制度の給付額が変更された場合、または制度が縮小された場合、その結果生じる過去の勤務に関連した給付額
の変更または縮小に係る損益は、損益に直ちに認識される。当行は、清算の発生時に、確定給付制度の清算に係
る損益を認識する。
３）短期従業員給付
短期従業員給付とは、従業員が関連する役務を提供した期間末から12カ月以内に決済されるべき従業員給付で
あ る。
短期従業員給付は、従業員が関連する役務を提供したときに当期損益において認識される。短期従業員給付は
割り引かれない。
62/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ 19 ） 法人税
法人税費用は、当期税金費用および繰延税金費用の合計からな り、資本もしくはその他の包括損益において直接調
整される税金および企業結合から生じる税金を除き、損益にとして認識され る。
１）当期法人税
当期法人税は、当期の課税所得（税務上の欠損金）について支払われるべき（還付されるべき）法人税の額で
ある。収益または費用が ある 期において会計上の利益に含まれているが、別の期においては課税所得に含まれて
おり、かつ課税免除の収益があり、課税所得（税務上の欠損金）の決定に際して控除されない費用がある場合に
は 、 課税所 得と会計上の利益との間に差額が生じることがある。当期および過去の期に係る当期税金負債（資
産）は、報告期間末までに施行または実質的に施行されている税率（および税法）を用いて税務当局に支払われ
る（または税務当局から還付を受ける）予定の金額で測定される。
当行は、認識された金額を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ純額ベースで決済するか、ま
たは資産の実現と負債の決済を同時に行う意思がある場合に限って、当期税金資産と当期税金負債を相殺する。
２）繰延法人税
繰延法人税は、資産および負債の課税基準額とそれらの財務書類上の帳簿価額の間に生じる一時差異について
資産負債法により認識される。繰延税金負債は、すべての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産
は、将来減算一時差異を利用できる課税所得が 生じる 可能性が高い 範囲 において、すべての将来減算一時差異に
ついて認識される。ただし、繰延税金負債がのれんの当初認識から生じる場合には、繰延税金負債は認識されな
い。繰延法人税が、取引時に会計上も税務上も損益に影響を及ぼさない企業結合以外の取引における資産または
負債 の当初認識から生じる場合には、繰延法人税は計上されない。
繰延法人税は、子会社、関連会社およびジョイント・ベンチャーへの投資により生じる一時差異に対して計上
される。ただし、当行が一時差異解消の時期をコントロールし、予測可能な将来に一時差異が解消されない可能
性が高い繰延税金負債を除く。
繰延税金資産の帳簿価額は、各報告期間末に見直される。当行は、繰延税金資産の一部または全部の便益が活
用されるのに十分な課税所得が得られる見込みがない限りにおいて、繰延税金資産の帳簿価額を引下げる。
繰延税金資産および負債は、報告期間末までに施行または実質的に施行されている税率（および税法）に基づ
き、資産が実現されるかまたは負債が決済される期に適用があると見込まれる税率で測定される。繰延税金負債
および繰延税金資産の測定には、当行が、報告期間末にその資産および負債の帳簿価額を回収または決済すると
見込まれる方法から生じる税務上の影響が反映される。
当行が当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的に強制力のある権利を有している場合、ならびに繰延税金
資産および繰延税金負債が同一の課税当局により同一の課税対象法人に対して、または重要な金額の繰延税金負
債もしくは繰延税金資産が決済もしくは回収されると見込まれる将来の各期において、当期税金負債と当期税金
資産を純額ベースで決済するか、もしくは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図する異なる課税対象
法人に対して課される法人税に関連する場合には、当行は繰延税金資産と繰延税金負債を相殺する。
63/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ 20 ）まだ適用されていない新基準および解釈指針
以下の新基準および現行基準に対する改訂が公表されており、 2022 年１月１日以降に開始する年次期間について当
行は適用を義務づけられており、当行はそれらを早期適用していない。
以下の新基準および現行基準に対する改訂は、当行に重大な影響を及ぼすとは予想されない。
１） K-IFRS 第 1116 号 「リース－ 2021年 ６ 月30日より後のCOVID-19に関連した賃料減免 」の改訂
借手は COVID-19 のパンデミックの直接的な影響として発生した賃料減免がリースの変更であるかを評価しない
選択をすることができるという実務上の便法は、 2022 年６月 30 日以前に当初の期限を迎えるリース料の支払に適
用される。借手は、類似の性質を有し、かつ類似の状況にある適格な契約に一貫して実務上の便法を適用する。
この改訂は、 2021 年４月１日以降に開始する年次報告期間について適用があり、早期適用が認められている。当
行は、これらの改訂が財務書類に重大な影響を及ぼすことはないと考えている。
２） K-IFRS 第 1016 号 「有形固定資産－意図した使用前の収入」の改訂
この改訂は、事業体が、その意図した使用のために資産を準備している間に生産された物品の販売による収入
を有形固定資産項目の取得原価から控除することを禁じている。その代わりに、事業体はかかる項目の販売に よ
る 収入およびそれら項目の生産原価を損益として認識することになる。この改訂は、 2022 年１月１日以降に開始
する年次報告期間について適用があり、早期適用が認められている。当行は、これらの改訂が財務書類に重大な
影響を及ぼすことはないと考えている。
３） K-IFRS 第 1103 号 「企業結合－概念フレームワークへの参照」の改訂
この改訂は、改訂後の財務報告に関する概念フレームワークにおいて資産および負債の定義が認識に適格とな
るように更新するものである。ただし、これらの改訂によって、 K-IFRS 第 1037 号「引当金、偶発負債および偶発
資産」および K-IFRS 第 2121 号「賦課金」の範囲内における負債および偶発負債の認識について例外規定が加えら
れる。この改訂では、偶発資産が取得日に認識されるべきではないことも確認されている。この改訂は、 2022 年
１月１日以降に開始する年次報告期間について適用があり、早期適用が認められている。当行は、これらの改訂
が財務書類に重大な影響を及ぼすことはないと考えている。
４） K-IFRS 第 1037 号 「 引当金、偶発負債および偶発資産 －不利な契約：契約履行のコスト」の改訂
この改訂は、契約履行の直接コストに契約履行のためのコストの増分と、契約が不利であるかどうかの評価に
際して契約履行に直接関係するその他のコストの割当て分の双方が含まれることを明確にしている。この改訂
は、 2022 年１月１日以降に開始する年次報告期間について適用があり、早期適用が認められている。当行は、こ
れらの改訂が財務書類に重大な影響を及ぼすことはないと考えている。
64/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
４．リスク管理
４ - １．要約
（１）リスク管理方針の概要
当行がさらされている財務リスクは、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスク、金利
リスク、信用集中リスク、戦略／風評リスク、アウトソーシング・リスク、決済リスク等である。信用リスク、市場
リスク、流動性リスクおよびオペレーショナル・リスクは、当行の主要リスクとして認識されている。
当行のリスク管理システムは、当行の長期的戦略および経営上の意思決定を効率的にサポートするため、透明性の
向上、リスク管理環境の整備および財務環境の急速な変化によるリスクに対する予防策に重点を置いている。
財務リスク管理に関する注記は、当行がさらされるリスクについての情報、リスク管理の目的、方針およびプロセ
ス、リスクの測定方法ならびに自己資本の適切性についての情報を提供する。追加の定量的情報は個別財務書類全体
を通じて開示される。
（２）リスク管理グループ
１）リスク管理委員会
リスク管理委員会は、最高の意思決定機関として 、 理事会の指示に従ってリスク管理の戦略を構築し、当行の目
標リスク選好度を決定し、重要なリスク事項を承認し、当行がさらされているリスクレベルおよび当行のリスク管
理業務の妥当性を検討する。
２）リスク管理評議会
リスク管理評議会は、リスク管理委員会から委任される事項を検討し決定する諮問委員会であり、当行のリスク
管理に関する詳細な問題点を協議する。
３）リスク管理実務委員会
リスク管理実務委員会は、リスク管理委員会およびリスク管理評議会を補佐 す る。当該委員会は、 目標とする国
際決済銀行（以下「 BIS 」という。）の比率を含む リスク管理計画、リスク管理戦略、リスク測定、リスク分析、経
済資本制限等に関する実務を行う。
65/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
４ - ２．信用リスク
（１）信用リスクの概要
信用リスクは、 取引 相手の債務不履行、契約違反および 取引 相手の信用の質の低下が発生した場合の資産ポート
フォリオにおける潜在的損失 という リスクである。リスク管理報告の目的上、個々の借 手 の債務不履行リスク、カン
トリー ・ リスク、固有リスクおよびその他の信用リスク・エクスポージャーの構成 要素 は 総合的に 検討される。
（２）信用リスク管理
当行は、特定の産業および 特定の 借 手 に対する過剰なリスクの集中を回避するため、エクスポージャー限度の合計
を適用し、管理することにより 、 信用集中リスク・エクスポージャーをコントロールしている。当行は、信用リスク
を管理するため、貸付金および債権の信用リスクに関連する貸倒引当金を 計上 している。
（３）信用リスクの最大エクスポージャー
2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の信用リスクに対する当行の金融商品の最大エクスポージャーは、以下のとおり
である。 （単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
現金および対金融機関債権 4,462,685 4,025,737
FVTPL による金融資産 (*1) 2,450,817 3,351,187
ヘッジ目的デリバティブ資産 561,911 1,499,766
償却原価による貸付金 (*2) 77,460,842 73,421,763
金融投資 (*3) 3,707,673 2,440,468
その他の金融資産 846,679 792,202
手形引受および保証契約 40,231,483 34,702,514
32,101,482 26,024,757
コミットメント (*4)
161,823,572 146,258,394
合計
(* 1) FVTPL による金融資産には、債務証券に分類される払込資本金 は含まれない。
(* 2) 償却原価による貸付金には、公正価値ヘッジに関連した貸付金評価調整 額 および貸倒引当金 は含まれない。
(*3) 償却原価による有価証券に係る貸倒引当金は含まれない。
(* 4) コミットメントには、注 36 のその他のコミットメントに含まれる受益証券の購入に係るコミットメントは含まれな
い。
66/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（４）貸付金の信用リスク
当行は、信用リスクを管理するため、貸付金の信用リスクに関連する貸倒引当金を 計上 している。 貸付金に係る減
損損失は、資産の帳簿価額から直接計上されるか、または引当金勘定を用いて控除される。
当行は、貸付金として分類される金融資産に内在する信用リスクを測定し、これを資産の帳簿価額から控除する形
で貸倒引当金として財務書類において表示する。 当行は、不良債権、回収不能貸付金、資産の質の分類に より 推定損
失 として 分類された貸付金、金融監督院（FSS）により償却を求められた貸付金 およびその他の債権 を貸付金管理委
員会の承認に基づき償却する。
2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の 貸付金分類 は以下のとおりである 。 （単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
12 カ月 残存期間 信用減損
予想信用損失 予想信用損失 金融資産 合計
集合的評価：
最良 25,780,685 1,846 10,011 25,792,542
優良 27,937,616 - 5,000 27,942,616
良好 21,359,536 1,590,455 63,234 23,013,225
- 385,669 81,028 466,697
正常以下
75,077,837 1,977,970 159,273 77,215,080
小計
個別評価：
最良 - - 3,991 3,991
優良 - - - -
良好 - 709,590 7,406 716,996
- 757,796 1,300,691 2,058,487
正常以下
- 1,467,386 1,312,088 2,779,474
小計
75,077,837 3,445,356 1,471,361 79,994,554
合計
正味繰延貸付金組成
手数料および費用 (368,209)
(2,165,503)
引当金
77,460,842
合計
（ 2020 年 12 月 31 日）
12 カ月 残存期間 信用減損
予想信用損失 予想信用損失 金融資産 合計
集合的評価：
最良 22,586,463 4,534 4,601 22,595,598
優良 22,639,881 - - 22,639,881
良好 24,329,178 1,713,345 4,894 26,047,417
- 516,491 86,999 603,490
正常以下
69,555,522 2,234,370 96,494 71,886,386
小計
個別評価：
最良 - - 3,663 3,663
優良 - - - -
良好 - 2,062,518 25,677 2,088,195
- 1,116,284 1,193,484 2,309,768
正常以下
- 3,178,802 1,222,824 4,401,626
小計
69,555,522 5,413,172 1,319,318 76,288,012
合計
正味繰延貸付金組成
手数料および費用 (364,854)
(2,501,395)
引当金
合計 73,421,763
67/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
上記の帳簿価額には、 2021 年および 2020 年12月31日現在 の それぞれ (2,723) 百万ウォンおよび (14,382) 百万ウォン
の公正価値ヘッジに関連 した 貸付金評価調整額は含まれない。
（５） 金融投資 （債務証券）の信用の質
１） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の信用リスクにさらされている 金融投資 （債務証券）は以下のとおりであ
る。 （単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日 ）
12 カ月 残存期間 信用減損
予想信用損失 予想信用損失 金融資産 合計
等級１ 3,707,673 - - 3,707,673
等級２ - - - -
等級３ - - - -
等級４ - - - -
- - - -
等級５
3,707,673 - - 3,707,673
合計
（ 2020 年 12 月 31 日 ）
12 カ月 残存期間 信用減損
予想信用損失 予想信用損失 金融資産 合計
等級１ 2,440,468 - - 2,440,468
等級２ - - - -
等級３ - - - -
等級４ - - - -
- - - -
等級５
2,440,468 - - 2,440,468
合計
68/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（６）信用リスクの集中
以下に開示する金額には、 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在のそれぞれ (2,723) 百万ウォンおよび (14,382) 百万
ウォンの 公正価値ヘッジに関連 した 貸付金評価調整 額 は含まれない。
１） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の信用リスク を伴う貸付金の国別の内訳 は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日 ）
ウォン建 外貨建
繰延貸付金
貸付金 貸付金 その他 合計 比率 (％ ) 組成手数料 引当金
アジア：
韓国 24,210,953 7,741,888 2,038,511 33,991,352 42.49 (22,202) (713,282)
中国 - 2,324,587 411,263 2,735,850 3.42 (1,531) (35,833)
サウジアラビ
ア - 2,190,841 7,930 2,198,771 2.75 (24,914) (13,240)
インド - 2,322,922 20,219 2,343,141 2.93 (16,348) (3,099)
インドネシア 15,000 2,986,511 13,892 3,015,403 3.77 (42,164) (6,304)
ウズベキスタ
ン - 4,068,879 161,045 4,229,924 5.29 (26,414) (46,057)
ベトナム - 281,279 481 281,760 0.35 (16,307) (2,744)
オーストラリ
ア - 15,458 - 15,458 0.02 (1) (637)
フィリピン - 509,196 - 509,196 0.64 (1,727) (2,914)
カタール - 579,042 23,013 602,055 0.75 (3,845) (520)
シンガポール - 1,170,554 - 1,170,554 1.46 (13,101) (14,849)
オマーン - 262,030 245,927 507,957 0.63 - (1,024)
香港 - 4,597,422 9,904 4,607,326 5.76 (19,130) (2,329)
アラブ首長国
連邦 - 1,134,276 - 1,134,276 1.42 (8,870) (30,918)
その他 11,400 3,209,925 808,949 4,030,274 5.04 (83,450) (88,289)
24,237,353 33,394,810 3,741,134 61,373,297 76.72 (280,004) (962,039)
小計
欧州：
ロシア - 348,174 - 348,174 0.44 (324) (1,074)
英国 - 1,778,473 164,964 1,943,437 2.43 (10,402) (427,599)
フランス - 84,899 6,597 91,496 0.11 (630) (78)
オランダ - - 15,396 15,396 0.02 - (88)
ギリシャ - 1,937,778 - 1,937,778 2.42 (9,648) (2,844)
アイルランド - 53,802 - 53,802 0.07 (254) (117)
トルコ - 1,343,317 16,570 1,359,887 1.70 (12,448) (118,579)
ドイツ - 299,618 16,770 316,388 0.40 (343) (983)
ウクライナ - 60,128 - 60,128 0.08 (79) (116)
ハンガリー - 1,333,943 - 1,333,943 1.67 (1,746) (1,929)
その他 - 2,025,612 139,083 2,164,695 2.69 (6,634) (18,829)
- 9,265,744 359,380 9,625,124 12.03 (42,508) (572,236)
小計
アメリカ：
パナマ - 1,054,208 27,034 1,081,242 1.35 (5,834) (1,740)
米国 - 2,743,778 16,404 2,760,182 3.45 (3,521) (15,001)
英領ヴァージ
ン諸島 - 14,054 - 14,054 0.02 - -
メキシコ - 337,718 - 337,718 0.42 (3,194) (1,912)
ブラジル - 1,713,043 - 1,713,043 2.14 (3,683) (5,718)
- 1,381,962 - 1,381,962 1.73 (7,076) (14,117)
その他
- 7,244,763 43,438 7,288,201 9.11 (23,308) (38,488)
小計
アフリカ：
マーシャル
諸島 - 546,075 - 546,075 0.68 (2,577) (1,313)
リベリア - 18,095 - 18,095 0.02 (324) (69)
ナイジェリ
ア - 348,377 - 348,377 0.44 (6,017) (6,443)
モロッコ - 96,955 - 96,955 0.12 (943) (127)
- 698,430 - 698,430 0.88 (12,528) (584,788)
その他
- 1,707,932 - 1,707,932 2.14 (22,389) (592,740)
小計
24,237,353 51,613,249 4,143,952 79,994,554 100.00 (368,209) (2,165,503)
合計
69/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ 2020 年 12 月 31 日 ）
ウォン建 外貨建
繰延貸付金
貸付金 貸付金 その他 合計 比率 (％ ) 組成手数料 引当金
アジア：
韓国 23,613,174 7,168,916 2,481,756 33,263,846 43.60 (11,881) (1,235,386)
中国 - 2,054,071 389,330 2,443,401 3.20 (2,121) (27,196)
サウジアラビ
ア - 2,373,563 315,958 2,689,521 3.53 (28,597) (10,531)
インド - 2,337,629 94,826 2,432,455 3.19 (17,974) (3,171)
インドネシア 17,000 3,069,737 6,217 3,092,954 4.05 (51,141) (12,867)
ウズベキスタ
ン - 3,510,539 81,247 3,591,786 4.71 (24,260) (34,211)
ベトナム - 325,312 524 325,836 0.43 - (144)
オーストラリ
ア - 63,299 - 63,299 0.08 (21) (763)
フィリピン - 550,527 - 550,527 0.72 (2,003) (3,028)
カタール - 504,408 292 504,700 0.66 (2,083) (792)
シンガポール - 1,005,790 52 1,005,842 1.32 (14,130) (8,464)
オマーン - 270,700 1,051,401 1,322,101 1.73 (107) (9,845)
香港 - 4,159,300 5,734 4,165,034 5.46 (19,862) (1,874)
アラブ首長国
連邦 - 1,062,147 - 1,062,147 1.39 (9,929) (29,620)
その他 13,000 3,174,857 1,231,313 4,419,170 5.80 (92,654) (89,988)
23,643,174 31,630,795 5,658,650 60,932,619 79.87 (276,763) (1,467,880)
小計
欧州：
ロシア - 114,835 - 114,835 0.15 - (506)
英国 - 997,553 831 998,384 1.31 (8,941) (262,805)
フランス - 87,201 5,384 92,585 0.12 (712) (147)
オランダ - - 9,199 9,199 0.01 - (53)
マルタ - 1,517,733 2,513 1,520,246 1.99 (10,349) (2,432)
ギリシャ - 46,710 - 46,710 0.06 (272) (102)
トルコ - 1,043,559 8,087 1,051,646 1.38 (13,513) (54,237)
ドイツ - 167,815 22,297 190,112 0.25 (265) (1,041)
ウクライナ - 30,464 - 30,464 0.04 - (32)
ハンガリー - 605,948 - 605,948 0.79 (390) (608)
その他 - 1,868,075 78,157 1,946,232 2.56 (7,294) (12,032)
- 6,479,893 126,468 6,606,361 8.66 (41,736) (333,995)
小計
アメリカ：
パナマ - 803,007 - 803,007 1.05 (3,656) (51,223)
米国 - 2,303,389 19,275 2,322,664 3.04 (4,065) (12,171)
英領ヴァージ
ン諸島 - 29,865 - 29,865 0.04 (124) (14))
メキシコ - 459,154 - 459,154 0.60 (3,616) (1,944)
バミューダ - 88,499 - 88,499 0.12 (652) -
ブラジル - 1,842,203 - 1,842,203 2.41 (4,074) (4,672)
- 1,102,916 - 1,102,916 1.45 (4,106) (15,947)
その他
- 6,629,033 19,275 6,648,308 8.71 (20,293) (85,971)
小計
アフリカ：
マーシャル
諸島 - 549,415 - 549,415 0.72 (2,848) (9,384)
マダガスカ
ル - 377,443 - 377,443 0.49 (1,123) (376,320)
ナイジェリ
ア - 392,252 - 392,252 0.51 (6,926) (7,395)
モロッコ - 114,195 - 114,195 0.15 (1,090) (150)
- 667,294 125 667,419 0.89 (14,075) (220,300)
その他
- 2,100,599 125 2,100,724 2.76 (26,062) (613,549)
小計
23,643,174 46,840,320 5,804,518 76,288,012 100.00 (364,854) (2,501,395)
合計
70/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
２） 2021 年および 2020 年 12月31日現在の産業別の貸付金は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
（2021年 12 月 31 日 ）
貸付金
ウォン建 外貨建
繰延貸付金
貸付金 貸付金 その他 合計 比率 (％ ) 組成手数料 引当金
製造業 12,800,359 24,571,341 791,091 38,162,791 47.71 (176,107) (1,401,287)
運輸業 1,295,966 6,976,031 245,434 8,517,431 10.65 (37,475) (137,338)
金融機
関 8,289,003 5,583,824 2,845,411 16,718,238 20.90 (8,171) (23,955)
卸売お
よび小
売業 887,494 830,269 66,748 1,784,511 2.23 (2,303) (14,175)
不動産
業 - 331,210 527 331,737 0.41 (1,927) (44,164)
建設業 365,842 1,534,289 2,371 1,902,502 2.38 (26,505) (15,492)
公共部
門等 598,689 11,786,285 192,370 12,577,344 15.72 (115,721) (529,092)
24,237,353 51,613,249 4,143,952 79,994,554 100.00 (368,209) (2,165,503)
合計
（ 2020 年 12 月 31 日 ）
貸付金
ウォン建 外貨建
繰延貸付金
貸付金 貸付金 その他 合計 比率 (％ ) 組成手数料 引当金
製造業 14,910,922 22,265,933 812,594 37,989,449 49.79 (191,945) (1,856,758)
運輸業 1,479,886 5,929,875 282,513 7,692,274 10.08 (32,280) (218,842)
金融機
関 5,898,046 5,254,076 4,632,890 15,785,012 20.69 (3,227) (14,095)
卸売お
よび小
売業 594,874 808,517 44,806 1,448,197 1.90 (1,942) (26,336)
不動産
業 - 149,666 - 149,666 0.20 (1,680) (1,868)
建設業 240,814 965,852 12,463 1,219,129 1.60 (11,652) (46,831)
公共部
門等 518,632 11,466,401 19,252 12,004,285 15.74 (122,128) (336,665)
23,643,174 46,840,320 5,804,518 76,288,012 100.00 (364,854) (2,501,395)
合計
71/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
３） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日 現在の FVTPL による金融資産および金融投資 （債務証券）の産業別の信用リスクの
集中は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
金額 比率 ( ％ ) 金額 比率 ( ％ )
FVTPL による金融資産
政府および政府系機関 36,186 1.48 14,192 0.42
銀行および保険 2,104,501 85.87 2,866,739 85.54
310,130 12.65 470,256 14.04
その他
2,450,817 100.00 3,351,187 100.00
小計
FVOCI による金融資産
政府および政府系機関 1,766,442 63.63 1,097,762 56.75
銀行および保険 607,725 21.89 375,565 19.41
402,059 14.48 461,170 23.84
その他
2,776,226 100.00 1,934,497 100.00
小計
償却原価による有価証券
政府および政府系機関 594,569 63.83 331,116 65.44
銀行および保険 124,797 13.40 133,108 26.31
212,081 22.77 41,747 8.25
その他
931,447 100.00 505,971 100.00
小計
ヘッジ目的デリバティブ資産
561,911 100.00 1,499,766 100.00
銀行および保険
6,720,401 7,291,421
合計
４） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の FVTPL による金融資産および金融投資（債務証券）の国別の信用リスクの集
中は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
金額 比率 ( ％ ) 金額 比率 ( ％ )
FVTPL による金融資産
韓国 1,927,706 78.66 2,629,890 78.48
523,111 21.34 721,297 21.52
その他
2,450,817 100.00 3,351,187 100.00
小計
FVOCI による金融資産
韓国 1,377,709 49.63 1,230,720 63.62
1,398,517 50.37 703,777 36.38
その他
2,776,226 100.00 1,934,497 100.00
小計
償却原価による有価証券
韓国 295,671 31.74 213,250 42.15
635,776 68.26 292,721 57.85
その他
931,447 100.00 505,971 100.00
小計
ヘッジ目的デリバティブ資産
韓国 180,630 32.15 451,793 30.12
381,281 67.85 1,047,973 69.88
その他
561,911 100.00 1,499,766 100.00
小計
6,720,401 7,291,421
合計
72/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
５） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の信用補完および その 財務上の影響額は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日 ）
未使用ロー
手形引受
ン・コミット
貸付金 (*1) および保証 メント 合計 比率 ( ％ )
信用リスクに対する
最大エクスポー
77,460,842 40,231,483 32,101,482 149,793,807 100.00
ジャー
信用補完：
預貯金 370,372 92,230 20,650 483,252 0.32
輸出保証保険 377,225 - 2,270 379,495 0.25
保証 1,869,125 2,438,289 79,876 4,387,290 2.93
有価証券 116,172 54,379 3,000 173,551 0.12
不動産 2,340,034 520,125 458,278 3,318,437 2.22
船舶 761,363 137,849 - 899,212 0.60
その他 42,743 - - 42,743 0.02
5,877,034 3,242,872 564,074 9,683,980 6.46
小計
信用補完控除後の信
用リスクに対するエ
71,583,808 36,988,611 31,537,408 140,109,827 93.54
クスポージャー
（ 2020 年 12 月 31 日 ）
未使用ロー
手形引受
ン・コミット
貸付金 (*1) および保証 メント 合計 比率 ( ％ )
信用リスクに対する
最大エクスポー
73,421,763 34,702,514 26,024,757 134,149,034 100.00
ジャー
信用補完：
預貯金 167,339 43,175 39,025 249,539 0.19
輸出保証保険 - 947,590 7,818 955,408 0.71
保証 1,846,556 1,699,941 353,972 3,900,469 2.91
有価証券 227,473 433,001 - 660,474 0.49
不動産 2,632,355 476,773 19,210 3,128,338 2.33
船舶 697,744 175,893 41,237 914,874 0.68
その他 388,607 - 2,859 391,466 0.29
5,960,074 3,776,373 464,121 10,200,568 7.60
小計
信用補完控除後の信
用リスクに対するエ
67,461,689 30,926,141 25,560,636 123,948,466 92.40
クスポージャー
(* 1) 貸付金は、 公正価値ヘッジに関連した 貸付金 評価調整額を含んでいない 。
73/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
４ - ３．流動性リスク
（１）流動性リスクの概要
流動性リスクは、当行が金融負債から生じた支払義務をその期限到来時に履行することができないというリスクで
ある。当行は、すべての金融資産、金融負債 、 およびローン・コミットメント などの オフバランスシート項目ならび
に流動性リスクに関連する契約上の満期分析を７つのカテゴリーに分けて開示している。満期分析において開示され
るキャッシュフローは、元金および将来の利息を含む割り引かれない契約上の金額であり、これは個別財政状態計算
書上の割り引かれたキャッシュフローの金額とは異なる。ただし、デリバティブについては、現在の公正価値からな
る各割引キャッシュフローが表示されている。
（２）流動性リスク管理 の 原則
１ ) 流動性リスクは 統一的に 管理されている。当行は、合理的な方法で定量化することにより流動性リスクを測
定、報告およびコントロールしている。
２） 流動性リスクは資金調達計画および 資金使途 計画を反映しており、当行は適宜、一貫性をもって詳細な流動
性リスクの報告を行う。
３） 当行は、流動性満期、流動性ギャップ 構造 および市場環境の分析により流動性リスク管理戦略を構築する。
（３）流動性リスク管理
リスク管理部は、流動性リスク要因 による 変化およびリスク限度の遵守を監視する。リスク管理部は、測定された
流動性リスクがリスク限度に近づいている場合に は 、関連部 署 に対策を準備するよう通知する。また、危機的状況お
よびその危機的状況 の 影響を分析し、定期的にリスク管理委員会に報告する。各関連部署は、流動性リスク要因の変
化および 自らの リスク限度の遵守を監視し、新たなリスクにさらされることが予想される場合 には 、リスク管理部長
と当該事項について協議する。
（４）流動性リスクの測定
当行は、ウォンおよび外貨に関する流動性比率、流動性ギャップ比率等を測定し、市場環境、商品特性および当行
の戦略を反映した シミュレーション 分析を 行う 。
74/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（５）金融負債 およびオフバランスシート項目 の契約上の満期 までの残余期間 分析
2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の金融負債 およびオフバランスシート項目 の契約上の満期 までの残余期間 および
金額は以下のとおりである。 （単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
１カ月超 ３カ月超 ６カ月超 １年超
要求払い １カ月以内 ３カ月以内 ６カ月以内 12 カ月以内 ５年以内 ５年超 合計
金融負債：
FVTPL によ
る
金融負債 768,115 - - - - - - 768,115
ヘッジ目的
デリバティ
ブ負債 - - 23,753 8,085 85,607 369,482 174,130 661,057
借入金 - 1,141,327 1,729,423 1,210,033 878,151 629,597 - 5,588,531
債券 - 2,726,529 4,083,166 6,716,159 14,114,830 43,283,095 11,094,508 82,018,287
その他の金
- 684,629 1,695 161 8,305 94,195 1,036,295 1,825,280
融負債
768,115 4,552,485 5,838,037 7,934,438 15,086,893 44,376,369 12,304,933 90,861,270
合計
オフバラン
ス
シート項目
(*1) ：
コミットメ
ント 32,101,482 - - - - - - 32,101,482
金融保証契
12,126,814 - - - - - - 12,126,814
約
44,228,296 - - - - - - 44,228,296
合計
（ 2020 年 12 月 31 日）
１カ月超 ３カ月超 ６カ月超 １年超
要求払い １カ月以内 ３カ月以内 ６カ月以内 12 カ月以内 ５年以内 ５年超 合計
金融負債：
FVTPL によ
る
金融負債 753,442 - - - - - - 753,442
ヘッジ目的
デリバティ
ブ負債 - 24,087 23,878 56,425 41,361 188,486 84,733 418,970
借入金 - 337,469 524,406 2,529,342 1,395,729 1,317,114 - 6,104,060
債券 - 2,530,630 5,546,667 6,642,817 12,260,797 37,380,189 12,202,465 76,563,565
その他の金
- 1,190,104 - 72 49,835 197,447 934,544 2,372,002
融負債
753,442 4,082,290 6,094,951 9,228,656 13,747,722 39,083,236 13,221,742 86,212,039
合計
オフバラン
ス
シート項目
(*1) ：
コミットメ
ント 26,024,757 - - - - - - 26,024,757
金融保証契
12,097,063 - - - - - - 12,097,063
約
38,121,820 - - - - - - 38,121,820
合計
(*1) 当行が提供した金融保証およびローン・コミットメントには満期があるが、取引相手が支払を要求する場合は、当行は
直ちに義務を履行しなければならない。
75/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
４ - ４．市場リスク
（１）市場リスクの概要
１）市場リスクの定義
市場リスクは、金利、株価、為替レート、 コモディティ価格といった市場要因 の変化により生じる潜在的損失のリ
スクである。当行は、市場リスクに対するエクスポージャーを為替リスクまたは金利リスクのいずれかに分類する。
為替リスクは、為替レートの変動による外貨建資産および負債に係る潜在的損失のリスクである。金利リスクは、金
利の変動による資産および負債に係る潜在的損失のリスクである。
２）市場リスク管理グループ
当行は、リスクおよびリスク限度の管理のため、リスク管理委員会およびリスク管理評議会を運営している。リス
ク管理実務委員会は、為替リスク、金利リスク、流動性リスクおよび新商品導入による影響 を 分析 すること による資
産および負債の適正な管理 等の 実務上の問題に関して、リスク管理委員会およびリスク管理評議会を補佐している。
市場リスクは、為替、金利および有価証券の価格の変動にさらされるセグメントを最小限に抑えるために商品別およ
び通貨別に管理されている。為替リスクは、決定論的手法により測定されて いる。金利リスクは、 IRRBB （銀行勘定
の金利リスク）基準、決定論的手法および確率論的手法により測定されており、 決定論的手法は限度管理に用いられ
る。一方で、当行は、潜在的 脆弱性 を評価するため、例外的 ではある が 起こりうる 事象を 想 定して金融危機分析を行
う。当該分析は、リスク緩和、緊急時計画の策定および限度の設定等の重要な意思決定に用いられる。分析の結果
は、四半期毎に理事会および経営陣に報告される。
（２）為替リスク
１）為替リスクの管理
為替リスク管理には限度が設定されている。リスク管理部門長は、リスク要因 別の為替リスクの変動 およびリスク
限度の遵守を定期的に監視している。また、財務部門長もリスク要因 別の為替リスクの変動 およびリスク限度の遵守
を監視している。財務部門長は、当行が新たなリスクにさらされることが予想される場合に、リスク管理部門長と連
携する必要がある。リスク管理部門長は、為替リスクがリスク限度を超過する恐れがある場合に、関連部門に対策を
準備するよう命令する。為替リスクがリスク限度を超過する場合、リスク管理部門長は関連部門に対策を準備するよ
う命令し、限度超過問題を解決後、リスク管理委員会に報告する。
２）為替リスクの測定
為替リスクは、為替VaRおよび為替ポジションにより管理されている。為替VaRは毎月測定され、為替ポジションは
毎日測定されている。外貨建 の 資産および負債の合計の５％を超える外貨建 の 資産および負債について、通貨別に個
別 に 測定される。
３）測定方法
① VaR （バリュー・アット・リスク）
当行は、 市場リスクの測定に 年間VaRを 利用 している。年間VaRは、財務変数の正規分布のもとで１年間に発生する
可能性のある統計上の予想最大損失額である。当行は、市場金利、市場価格および市場の変動性の過去５年間におけ
る変動実績のデータに基づき、均等加重平均法を用いてVaRを算出し、片側99％の信頼区間でVaRを測定する。VaRは
市場リスク管理手法として一般に使用されているが、 欠点 もある。
VaRは、過去の市場変動データを用いて特定の信頼水準で一定期間における潜在的損失を見積もる。ただし、当該
モデルが 想定 しない条件および状況が将来起こりうるため、過去の市場変動は将来の事象に対して必ずしも良い指標
とは限らない。その結果、実際の損失の時期および規模は、計算を行った時期の仮定によって異なることがある。ま
た、当該モデルに使用される期間（一般に１日または10日）は、関連する基礎となるポジションを売却する前の十分
な保有期間であると推定される。かかる保有期間が十分でない、または長すぎる場合、VaRの結果により潜在的損失
が過小評価または過大評価される可能性がある。
76/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
② ストレステスト
ストレステストは、ポートフォリオの価値に重 大 な影響を及ぼす為替の 本質的 変動性を反映した市場の異常事態を
分析するために実施される。
③ 測定の結果
2021 年および 2020 年 12 月 31 日 現在 の為替VaRの結果は以下のとおりである。 （単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
平均 最小 最大 期末 平均 最小 最大 期末
為替リ
スク 30,800 11,568 56,546 11,568 55,957 10,811 91,200 10,811
（３）金利リスク
１）金利リスクの管理
金利リスク管理には限度が設定され、これは内部資本管理の限度に含まれ てい る。リスク管理部門長は、リスク要
因 別の 金利リスクの変動およびリスク限度の遵守を定期的に監視している。また、財務部門長もリスク要因 別の 金利
リスクの変動およびリスク限度の遵守を監視している。財務部門長は、当行が新たなリスクにさらされることが予想
される場合に、リスク管理部門長と連携する必要がある。リスク管理部門長は、金利リスクがリスク限度を超過する
恐れがある場合に、関連部門に対策を準備するよう命令する。金利リスクがリスク限度を超過する場合、リスク管理
部門長は関連部門に対策を準備するよう命令し、限度超過問題を解決後、リスク管理委員会に報告する。
２）金利リスクの測定
金利リスクは、⊿NII（ 金利収益の変動）および ⊿ EVE （自己資本の経済的価値の変動） を測定することにより管理
され、補助指数として金利感応度ギャップおよびデュレーション・ギャップを用いる。⊿NII および ⊿ EVE は毎月測定
され、金利感応度ギャップおよびデュレーション・ギャップは毎日測定されている。当行は、市場環境、商品特性お
よび当行の戦略を反映した シミュレーション 分析を 行う 。
３）測定方法
① 自己資本の経済的価値の変動（ ⊿ EVE ）
当行は、 金利リスクの測定に ⊿ EVE を 利用 している。年間 ⊿ EVE は、財務変数の 正規分布のもとで １ 年間に発生する
可能性のある最大損失額である。当行は、均等加重平均法を用い た 過去５年間のデータに基づき、片側99％の信頼区
間で 分散共分散法を用いて年間 ⊿ EVE を算出 する。
⊿ EVE は、過去の市場変動データを用いて特定の信頼水準で一定期間における潜在的損失を見積もる。ただし、当
該モデルが 想定 しない条件および状況が将来起こりうるため、過去の市場変動は将来の事象に対して必ずしも良い指
標とは限らない。 その 結果、実際の損失の時期および規模は、計算を行った時期の仮定によって異なることがある。
② ストレステスト
ストレステストは、ポートフォリオの価値に重 大 な影響を及ぼす金利の 本質的 変動性を反映した市場の異常事態を
分析するために実施され 、 少なくとも四半期に一度行われる。
77/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
③ 測定の結果
2021 年および 2020 年 12 月 31 日 現在 の 金利 VaRの結果は以下のとおりである。 （単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
平均 最小 最大 期末 平均 最小 最大 期末
金利リス
ク 29,584 9,393 75,882 36,540 29,669 15,452 47,859 38,356
（４） 金利リスク管理
当行は、各種産業グループ、および代替金利への移行に関する IBOR の規制当局や様々な諮問機関による発表を含む
新たな金利指標への移行を管理する市場の発表を注視している。これらの発表に対して、当行は、金融、会計、税
務、法務、 IT およびリスクといった主要な事業分野からなる IBOR 移行プログラムおよび計画に従って移行および置換
を概ね完了している。このプログラムは最高財務責任者の支配下にあり、関連事項は理事会に報告される。計画の目
的は、事業内における指数金利指標改革に関連した影響およびリスクを特定し、代替指標金利への移行を円滑に進め
るための行動計画を作成し、実行することである。当行は、 2022 年までに対応計画を完成させることを目指してい
る。
2021 年 12 月 31 日現在、代替指標金利に転換されていない金融商品の帳簿価額は 以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
エクスポージャー額 (*1)
内訳 米ドル ユーロ 英ポンド その他
デリバティブ目的でない金融
資産
FVTPL による有価証券 100,422 - - -
FVOCI による有価証券 3,580 - - -
償却原価による貸付金 27,837,151 - - -
手形引受および保証契約
(*2) 9,783,391 - - -
デリバティブ (*2) 43,657,624 - 523,226 -
デリバティブ目的でない金融
負債
償却原価による金融負債
借入金 341,424 - - -
(*1) エクスポージャー額には、代替指標金利への転換前に消滅する金融商品は含まれていない。
(*2) 保証およびデリバティブは名目金額に基づいている。
４ - ５．キャピタル・リスク
当行は、金融 委員会が設定した 適正資本要件を遵守している。 当該基準は BIS のバーゼル銀行監督委員会が設定し
たバーゼルⅢに基づくものである。韓国では、 2013 年 12 月からこの基準に従ってきた。この基準に従って、当行はリ
スク加重資産について８ ％ 以上 の BIS 自己資本比率を維持 し、四半期ごとに BIS 自己資本比率を FSS に報告しなければ
ならない。
韓国の銀行業務監督規則に従って、当行の資本は主に２つのカテゴリーに分類される。
１）Tier Ⅰ 資本（ 基本 的資本 項目 ）： 基本 的資本 項目 は、 普通株式資本およびその他の基本的資本からなる。普通
株式資本には、条件を満たした普通株式、資本剰余金、利益剰余金、その他の包括利益累計額、その他の準備
金および連結子会社普通株式における非支配持分が含まれる。その他の基本的資本項目には、条件を満たした
有価証券および資本剰余金が含まれる。
２）Tier Ⅱ 資本（補完的資本 項目 ）：補完的資本 項目 は、 条件を満たした有価証券および資本剰余金、連結子会社
の有価証券における非支配持分ならびに 正常または要注意に分類される 与信 に関する信用損失引当金 のような
信用リスク加重資産の 1.25 ％未満の金額からなる。
リスク加重資産 に は、 資産合計に内在するリスク、内部オペレーション・プロセスの過失および外部事象による損
失リスクが含まれる。リスク加重資産は、当行が負担するリスクのレベルを反映した資産の規模を示している。当行
は、 リスク（信用リスク、市場リスク および オペレーショナル・リスク） ごとに リスク加重資産を計算 し、これを
BIS 自己資本比率の計算に用いている 。
78/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
５．金融資産および金融負債：
５ - １．分類および公正価値
(１) 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の金融商品の帳簿価額および公正価値は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
金融資産：
現金および対金融機関債権 4,462,685 4,462,685 4,025,737 4,025,686
FVTPL による金融資産 2,598,204 2,598,204 3,478,402 3,478,402
ヘッジ目的デリバティブ資産 561,911 561,911 1,499,766 1,499,766
償却原価による貸付金 77,458,119 77,458,119 73,407,381 74,065,894
FVOCI による金融資産 11,814,063 11,814,063 10,536,535 10,536,535
償却原価による有価証券 931,296 946,507 505,876 515,610
その他の金融資産 838,645 838,645 792,202 792,202
合計 98,664,923 98,680,134 94,245,899 94,914,095
金融負債：
FVTPL による金融負債 768,115 768,115 753,442 753,442
ヘッジ目的デリバティブ負債 661,057 661,057 418,970 418,970
借入金 5,576,909 5,583,498 6,076,631 6,071,603
債券 76,486,053 77,379,590 72,641,777 73,332,650
その他の金融負債 1,825,280 1,825,280 2,372,002 2,372,002
合計 85,317,414 86,217,540 82,262,822 82,948,667
79/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
公正価値は、 知識豊富で自発的な独立当事者間の 取引において、資産が交換可能となるかまたは負債が決済可能と
なる金額 である。当行は、金融資産および金融負債の種類ごとに、その種類の資産および負債の公正価値を、各報告
期間末におけるその帳簿価額との比較を可能にする方法で開示する。 最善の見積公正価値は、 活発な市場における 公
表 市場価格である。
金融商品の公正価値の測定方法は以下のとおりである。
金融商品 公正価値の測定方法
貸付金および債権 要求払預金および譲渡性預金は満期がなく、現金に容易に転換できるため、かかる
預け金の帳簿価額は、公正価値に近似している。満期１年超の預け金の公正価値
は、割引キャッシュフロー・モデル（以下「 DCF モデル」という。）により決定され
る。
DCF モデルは、貸付金の公正価値を決定するためにも用いられる。公正価値は、各契
約期間から予想されるキャッシュフローを各期間にかかる割引率を適用して割り引
くことにより算出される。
投資有価証券 FVTPL による金融資産および負債ならびに FVOCI による金融資産は、活発な市場にお
ける市場価格を用いて公正価値で測定される。市場価格が入手できない場合は、価
格決定機関もしくはブローカー等の第三者により建値された価格を用いるか、また
は DCF モデルを用いて測定される。
デリバティブ 取引所売買のデリバティブについては、公正価値の決定には活発な市場における市
場価格が使用され、店頭デリバティブについては、公正価値は主として評価手法を
用いて決定される。当行は、観察可能な市場パラメーターに基づくオプション、金
利スワップおよび通貨スワップを含む通常の店頭（ OTC ）デリバティブの公正価値の
決定には、市場参加者が一般に利用する評価手法を用いた内部開発評価モデルを用
いるが、一部の複雑な金融商品については、独立の第三者価格決定機関の算定結果
を用いて評価される（その場合、一部または全部のインプットは市場で観察可能で
はない。）。
借入金 公正価値は、契約上の将来キャッシュフローを適切な割引率で割り引いた DCF モデル
法を用いて決定される。
債券 ウォン建債券の公正価値は、活発な市場で建値された市場価格に基づき、独立の第
三者価格決定機関の評価により決定される。
外貨建債券の公正価値は、 DCF モデルにより決定される。
公正価値ヒエラルキーの公正価値レベル３に分類される金融資産および金融負債の公正価値は、独立の第三者価格
決定機関の評価により決定される。一方で、その他の金融資産および金融負債の帳簿価額は、公正価値の近似値とさ
れている。
80/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(２) 公正価値ヒエラルキー
１ ） 当行は、金融商品を以下の３つの レベルの 公正価値ヒエラルキーに分類している。
レベル１：活発な市場からの市場価格で測定される金融商品は、公正価値レベル１として分類される。当該レベ
ルには、活発な取引市場で取引される上場持分証券、デリバティブおよび政府債が含まれる。
レベル２：すべての重要なインプットが観察可能な市場データである評価技法を用いて測定される金融商品は、
レベル２として分類される。当該レベルには、債務の大部分ならびにスワップ、先物およびオプショ
ン等の一般的な店頭デリバティブが含まれる。
レベル３：一つ以上の重要なインプットが観察可能な市場データに基づ かない 評価技法を用いて測定される金融
商品は、レベル３として分類される。当該レベルには、非上場持分証券、仕組み債券および店頭デリ
バティブが含まれる。
２） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の公正価値で測定され ない 金融資産および負債の公正価値ヒエラルキーは以
下のとおりである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日 ）
レベル３ 合計
レベル１ レベル２
金融資産：
現金および対金融機関債権 3,146,957 - 1,315,728 4,462,685
償却原価による貸付金 - - 77,458,119 77,458,119
償却原価による有価証券 - 946,507 - 946,507
- - 838,645 838,645
その他の金融資産
3,146,957 946,507 79,612,492 83,705,956
合計
金融負債：
借入金 - 5,583,498 - 5,583,498
債券 - 77,379,590 - 77,379,590
- - 1,825,280 1,825,280
その他の金融負債
- 82,963,088 1,825,280 84,788,368
合計
（ 2020 年 12 月 31 日 ）
レベル３ 合計
レベル１ レベル２
金融資産：
現金および対金融機関債権 2,299,935 - 1,725,751 4,025,686
償却原価による貸付金 - - 74,065,894 74,065,894
償却原価による有価証券 - 515,610 - 515,610
- - 792,202 792,202
その他の金融資産
2,299,935 515,610 76,583,847 79,399,392
合計
金融負債：
借入金 - 6,071,603 - 6,071,603
債券 - 73,332,650 - 73,332,650
- - 2,372,002 2,372,002
その他の金融負債
- 79,404,253 2,372,002 81,776,255
合計
81/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
３） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の公正価値で測定される金融資産および負債の公正価値ヒエラルキーは以下
のとおりである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日 ）
レベル３ 合計
レベル１ レベル２
金融資産：
FVTPL による金融資産 - 1,745,970 852,234 2,598,204
ヘッジ目的デリバティブ資産 - 546,296 15,615 561,911
125,625 2,776,225 8,912,213 11,814,063
FVOCI による金融資産
125,625 5,068,491 9,780,062 14,974,178
金融負債：
FVTPL による金融負債 - 516,985 251,130 768,115
- 527,610 133,447 661,057
ヘッジ目的デリバティブ負債
- 1,044,595 384,577 1,429,172
（20 20 年 12 月 31 日 ）
レベル３ 合計
レベル１ レベル２
金融資産：
FVTPL による金融資産 - 2,954,301 524,101 3,478,402
ヘッジ目的デリバティブ資産 - 1,425,219 74,547 1,499,766
168,171 1,934,498 8,433,866 10,536,535
FVOCI による金融資産
168,171 6,314,018 9,032,514 15,514,703
金融負債：
FVTPL による金融負債 - 687,389 66,053 753,442
- 366,212 52,758 418,970
ヘッジ目的デリバティブ負債
- 1,053,601 118,811 1,172,412
82/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
４） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在 の、後に公正価値測定がなされないレベル２の金融商品の評価 技法 および入
力変数は 以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日 ）
公正価値 評価技法 入力変数
金融資産
償却原価による金融資産
債務証券 946,507 DCF モデル 割引率
金融負債
借入金 5,583,498 DCF モデル 割引率
債券 77,379,590 DCF モデル 割引率
（ 2020 年 12 月 31 日 ）
公正価値 評価技法 入力変数
金融資産
償却原価による金融資産
債務証券 515,610 DCF モデル 割引率
金融負債
借入金 6,071,603 DCF モデル 割引率
債券 73,332,650 DCF モデル 割引率
５） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の、後に公正価値測定がなされないレベル３の金融商品の評価 技法 および入
力変数は 以下 のとおりである 。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日 ）
公正価値 評価技法 入力変数
金融資産
現金および対金融機関債権 1,315,718 DCF モデル 割引率
償却原価による貸付金 77,458,119 DCF モデル 割引率
その他の金融資産 838,645 DCF モデル 割引率
金融負債
その他の金融負債 1,825,280 DCF モデル 割引率
（ 2020 年 12 月 31 日 ）
公正価値 評価技法 入力変数
金融資産
現金および対金融機関債権 1,725,751 DCF モデル 割引率
償却原価による貸付金 74,065,894 DCF モデル 割引率
その他の金融資産 792,202 DCF モデル 割引率
金融負債
その他の金融負債 2,372,002 DCF モデル 割引率
83/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
６） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在 、当初認識後に公正価値で測定されたレベル２の金融商品の評価 技法 および
入力変数は 以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日 ）
公正価値 評価技法 入力変数
金融資産
FVTPL による金融資産：
債務証券 1,042,384 DCF モデル 割引率
売買目的デリバティブ資産 703,586 DCF モデル 割引率
ヘッジ目的デリバティブ資産 546,296 DCF モデル 割引率
FVOCI による金融資産：
債務証券 2,776,225 DCF モデル 割引率
金融負債
FVTPL による金融負債：
売買目的デリバティブ負債 516,985 DCF モデル 割引率
ヘッジ目的デリバティブ負債 527,610 DCF モデル 割引率
（ 2020 年 12 月 31 日 ）
公正価値 評価技法 入力変数
金融資産
FVTPL による金融資産：
債務証券 2,019,807 DCF モデル 割引率
売買目的デリバティブ資産 934,494 DCF モデル 割引率
ヘッジ目的デリバティブ資産 1,425,219 DCF モデル 割引率
FVOCI による金融資産：
債務証券 1,934,498 DCF モデル 割引率
金融負債
FVTPL による金融負債：
売買目的デリバティブ負債 687,389 DCF モデル 割引率
ヘッジ目的デリバティブ負債 366,212 DCF モデル 割引率
84/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
７） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在 、当初認識後に公正価値で測定されたレベル３の金融商品の評価 技法 および
重要であるが観察不能の入力変数は 以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
重要であるが
観察不能のインプット
公正価値 観察不能の
因子と見積公正価値と
( 百万ウォン ) 評価技法 インプット因子 範囲 の関係
FVTPL による金融資産：
非上場株式
7,957
純資産価額法
受益証券 - - -
448,477
（ NAV 法）
払込資本 139,430
ボラティリティが上
LSMC シミュレー 昇（低下）すると、
貸付金 5,505 ボラティリティ 17.54 ％
ション 公正価値は上昇（低
下）する。
ボラティリティが上
昇（低下）するか、
二項モデル
ボラティリティ 22.62 ％
相関関係が上昇（低
デリバティブ 250,865
ハルホワイト・
下）すると、公正価
相関関係 -0.8 ～ 1.0
モデル
値は上昇（低下）す
る。
ヘッジ目的デリバティブ資産：
相関関係が上昇（低
ハルホワイト・ 下）すると、公正価
デリバティブ 15,615 相関関係 -0.8 ～ 1.0
モデル 値は上昇（低下）す
る。
FVOCI による金融資産：
割引率が低下（上
7.69 ％～
割引率
昇）するか、成長率
DCF モデル
15.41 ％
が上昇（低下）する
二項モデル
か、またはボラティ
非上場株式
8,886,980 成長率 １％
類似会社比較法
リティが上昇（低
（ CCA 法）
下）すると、公正価
22.62 ％～
NAV 法
値は上昇（低下）す
ボラティリティ
25.09 ％
る。
払込資本 25,233 NAV 法 - - -
FVTPL による金融負債：
ボラティリティが上
昇（低下）するか、
二項モデル
ボラティリティ 22.62 ％
相関関係が上昇（低
デリバティブ 251,130
ハルホワイト・
下）すると、公正価
相関関係 -0.8 ～ 1.0
モデル
値は上昇（低下）す
る。
ヘッジ目的デリバティブ負債：
相関関係が上昇（低
ハルホワイト・ 下）すると、公正価
デリバティブ 133,447 相関関係 -0.8 ～ 1.0
モデル 値は上昇（低下）す
る。
85/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ 2020 年 12 月 31 日）
重要であるが
観察不能のインプット
公正価値 観察不能の
因子と見積公正価値と
( 百万ウォン ) 評価技法 インプット因子 範囲 の関係
FVTPL による金融資産：
非上場株式 8,669
受益証券 308,468 NAV 法 - - -
払込資本 118,546
ボラティリティが上
LSMC シミュレー 昇（低下）すると、
貸付金 10,423 ボラティリティ 22.64 ％
ション 公正価値は上昇（低
下）する。
ボラティリティが上
昇（低下）するか、
二項モデル
ボラティリティ 22.84 ％
相関関係が上昇（低
デリバティブ 77,995
ハルホワイト・
下）すると、公正価
相関関係 -0.8 ～ 1.0
モデル
値は上昇（低下）す
る。
ヘッジ目的デリバティブ資産：
相関関係が上昇（低
ハルホワイト・ 下）すると、公正価
デリバティブ 74,547 相関関係 -0.8 ～ 1.0
モデル 値は上昇（低下）す
る。
FVOCI による金融資産：
割引率が低下（上
7.82 ％～
割引率
昇）するか、成長率
15.29 ％
DCF モデル
が上昇（低下）する
二項モデル
か、「またはボラ
非上場株式 8,412,404
成長率 １％
ティリティが上昇
CCA 法
（低下）すると、公
NAV 法
22.84 ％～
正価値は上昇（低
ボラティリティ
32.60 ％
下）する。
払込資本 21,463 NAV 法 - - -
FVTPL による金融負債：
ボラティリティが上
昇（低下）するか、
二項モデル
ボラティリティ 22.84 ％
相関関係が上昇（低
デリバティブ 66,053
ハルホワイト・
下）すると、公正価
相関関係 -0.8 ～ 1.0
モデル
値は上昇（低下）す
る。
ヘッジ目的デリバティブ負債：
相関関係が上昇（低
ハルホワイト・ 下）すると、公正価
デリバティブ 52,758 相関関係 -0.8 ～ 1.0
モデル 値は上昇（低下）す
る。
86/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
① 2021 年および 2020 年 12月31日に終了 した 年度 における 公正価値で測定されたレベル３ の 金融資産の変動は以下の
とおりである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年）
その他の
レベル３
購入／ 売却／
包括利益 への／か
利益
（損失） 発行 決済 らの組替 期末残高
期首残高 （損失）
金融資産
FVTPL による
有価証券 435,683 23,294 - 174,683 (37,796) - 595,864
FVTPL による
貸付金 10,423 505 - 5,000 (10,423) - 5,505
売買目的デリ
バティブ資産 77,995 84,501 - 89,495 (1,126) - 250,865
ヘッジ目的デ
リバティブ資
産 74,547 (45,424) - - (13,508) - 15,615
FVOCI による
8,433,866 - 170,286 380,521 (72,460) - 8,912,213
金融資産
9,032,514 62,876 170,286 649,699 (135,313) - 9,780,062
合計
金融負債
売買目的デリ
バティブ負債 66,053 96,708 - 89,495 (1,126) - 251,130
ヘッジ目的デ
リバティブ負
52,758 58,888 - 21,801 - - 133,447
債
118,811 155,596 - 111,296 (1,126) - 384,577
合計
（ 2020 年）
レベル３
その他の 購入／ 売却／
への／か
利益
包括利益 発行 決済 らの組替 期末残高
期首残高 （損失）
金融資産
FVTPL による
有価証券 329,105 1,474 - 157,057 (51,953) - 435,683
FVTPL による
貸付金 11,074 191 - - (842) - 10,423
売買目的デリ
バティブ資産 195,338 (52,212) - 18,250 (83,381) - 77,995
ヘッジ目的デ
リバティブ資
産 22,686 51,861 - - 74,547
FVOCI による
7,957,930 - 267,138 208,798 - - 8,433,866
金融資産
8,516,133 1,314 267,138 384,105 (136,176) - 9,032,514
合計
金融負債
売買目的デリ
190,902 (59,718) - 18,250 (83,381) - 66,053
バティブ負債
ヘッジ目的デ
リバティブ負
58,298 (5,945) - 14,976 (14,571) - 52,758
債
249,200 (65,663) - 33,226 (97,952) - 118,811
合計
87/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
② 公正価値ヒエラルキーのレベル３の変動に関連して、 202 1 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した年度 に係る 個別包
括利益計算書において当期損益に認識された損益合計および報告期間末現在保有する金融商品に係る損益合計は以
下のとおりである。（単位：百万ウォン）
金融投資からの純利益（損失）
2021 年 2020 年
報告期間末現在保有する金融資産に係る損益合計 62,876 1,314
155,596 (65,663)
報告期間末現在保有する金融負債に係る損益合計
218,472 (64,349)
当期損益に含まれる損益合計
③ レベル３の金融商品に係る公正価値分析の感応度
当行は、レベル３の金融商品について感応度分析を行っているが、これは、合理的に利用可能な代替的仮定に基づ
いて別様に公正価値を測定するものである。当行は、代替的仮定に基づく変動の効果をプラスの効果とマイナスの効
果に分類し、最もプラスの効果または最もマイナスの効果を以下の表に示している。株式は、感応度分析の対象とな
るレベル３に分類される金融商品であり、その公正価値の変動はその他の包括利益として認識される。一方、金融商
品のうち費用として認識され、レベル３に分類される持分商品は、感応度分析の対象から外れている。
2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在保有され、公正価値で測定されるレベル３の各金融商品の市場リスク変動ごとの
感応度分析の詳細は、以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
（20 21 年 12 月 31 日 ）
利益（損失） その他の包括利益（損失）
内訳 (*1) マイナス効果 プラス効果 マイナス効果
プラス効果
金融資産：
FVTPL による貸付金 (*2)
- - - -
売買目的デリバティブ資産 (*2) 53 (57) - -
- - 24,258 (21,722)
FVOCI による金融資産 (*2 、 3)
53 (57) 24,258 (21,722)
合計
金融負債：
売買目的デリバティブ負債 (*2) 15 (14) - -
（20 20 年 12 月 31 日 ）
利益（損失） その他の包括利益（損失）
内訳 (*1) マイナス効果 プラス効果 マイナス効果
プラス効果
金融資産：
FVTPL による貸付金 (*2)
43 (30) - -
売買目的デリバティブ資産 (*2) 4 (4) - -
- - 32,469 (28,467)
FVOCI による金融資産 (*2 、 3)
47 (34) 32,469 (28,467)
合計
金融負債：
売買目的デリバティブ負債 (*2) 257 (254) - -
(*1) 上記のレベル３の金融商品には、 インプット変数 によって実行される 感度分析を 実務上実施できないもの（ 2021年
およ び2020年12月31日現在、それぞれ (649,942 )百万ウォン および 267,920百万ウォン ）は含まれていない。
(*2) 公正価値の変動は、原資産のボラティリティの 10 ％の増減（観察不能なインプット）に従って計算される。
(*3) 株式の公正価値の変動は、いずれも 観察不能なインプットである 、 0.5 ％の 成長率の増減 と１％の 割引率の増減に
従って計算される。
88/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
５ - ２．金融商品のカテゴリーによる分類
2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の 各カテゴリーの 金融 資産および金融負債 の帳簿価額は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
ヘッジ目的
FVTPL による 償却原価によ FVOCI による金 デリバティブ
金融資産 る金融資産 融資産 資産 合計
金融資産：
現金および
対金融機関債権 - 4,462,685 - - 4,462,685
FVTPL による金融
資産 2,598,204 - - - 2,598,204
ヘッジ目的
デリバティブ資
産 - - - 561,911 561,911
償却原価による
貸付金 - 77,458,119 - - 77,458,119
金融投資 - 931,296 11,814,063 - 12,745,359
その他の金融資
- 838,645 - - 838,645
産
2,598,204 83,690,745 11,814,063 561,911 98,664,923
合計
FVTPL による
償却原価による ヘッジ目的デリ
金融負債 金融負債 バティブ負債 合計
金融負債：
FVTPL による金融負債 768,115 - - 768,115
ヘッジ目的デリバティブ
負債 - - 661,057 661,057
借入金 - 5,576,909 - 5,576,909
債券 - 76,486,053 - 76,486,053
- 1,825,280 - 1,825,280
その他の金融負債
768,115 83,888,242 661,057 85,317,414
合計
（ 2020 年 12 月 31 日）
ヘッジ目的
FVTPL による 償却原価によ FVOCI による金 デリバティブ
金融資産 る金融資産 融資産 資産 合計
金融資産：
現金および
対金融機関債権 - 4,025,737 - - 4,025,737
FVTPL による金融
資産 3,478,402 - - - 3,478,402
ヘッジ目的
デリバティブ資
産 - - - 1,499,766 1,499,766
償却原価による
貸付金 - 73,407,381 - - 73,407,381
金融投資 - 505,876 10,536,535 - 11,042,411
その他の金融資
- 792,202 - - 792,202
産
3,478,402 78,731,196 10,536,535 1,499,766 94,245,899
合計
FVTPL による
償却原価による ヘッジ目的デリ
金融負債 金融負債 バティブ負債 合計
金融負債：
FVTPL による金融負債 753,442 - - 753,442
ヘッジ目的デリバティブ負
債 - - 418,970 418,970
借入金 - 6,076,631 - 6,076,631
債券 - 72,641,777 - 72,641,777
その他の金融負債 - 2,372,002 - 2,372,002
89/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
合計 753,442 81,090,410 418,970 82,262,822
90/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
５ - ３．金融商品の相殺
当行は、K-IFRS第1032号 に定める 相殺基準を満た していないが、取引相手の債務不履行、支払不能または破産の場
合に相殺する権利を当行に付与する金融商品、直物為替債権・債務を保有 している。現金担保は、K-IFRS第1032号の
相殺基準を満たさないが、 金融商品直物為替債権・債務 の純額と相殺することができる。
2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の相殺契約による影響は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
個別財政状
認識済の
態計算書上
金融負債
に示される
認識済の
個別財政状態計算書上
（資産）総
金融資産
金融資産
相殺されない金額
額のうち
（負債）の
（負債）の
相殺予定額 純額 金融商品 現金担保 純額
総額
金融資産：
デリバティブ 1,515,937 - 1,515,937 (551,646) (267,064) 697,227
619,798 - 619,798 (590,003) - 29,795
直物為替債権
2,135,735 - 2,135,735 (1,141,649) (267,064) 727,022
合計
金融負債：
デリバティブ 1,428,482 - 1,428,482 (551,646) (261,248) 615,588
590,003 - 590,003 (590,003) - -
直物為替債務
2,018,485 - 2,018,485 (1,141,649) (261,248) 615,588
合計
（ 2020 年 12 月 31 日）
個別財政状
認識済の
態計算書上
金融負債
に示される
認識済の
個別財政状態計算書上
（資産）総
金融資産
金融資産
相殺されない金額
額のうち
（負債）の
（負債）の
相殺予定額 純額 金融商品 現金担保 純額
総額
金融資産：
デリバティブ 2,510,945 - 2,510,945 (699,981) (878,186) 932,778
10,860 - 10,860 (10,860) - -
直物為替債権
2,521,805 - 2,521,805 (710,841) (878,186) 932,778
合計
金融負債：
デリバティブ 1,170,290 - 1,170,290 (699,981) (115,544) 354,765
10,860 - 10,860 (10,860) - -
直物為替債務
1,181,150 - 1,181,150 (710,841) (115,544) 354,765
合計
５ - ４．金融資産の移転
当行は、買戻契約に関連した金融資産を引続き財政状態計算書上で認識しているが、これは、当行が金融資産を移
転しても、かかる取引が認識中止の条件を満たしていないためである。金融資産は、何らかの資産を固定価格で買戻
すための買戻契約に基づいて売却される。よって、当行は金融資産の所有に伴うリスクと経済価値の大部分を保持す
る。 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在 、移転した資産および関連する負債の帳簿価額は以下のとおりである。 （単
位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
移転した資産の 関連する負債の 移転した資産の 関連する負債の
帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額
買戻契約に基づいて売却さ
れた有価証券 619,798 590,003 - -
91/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
６．事業セグメント
当行は、輸銀法等の関連法令に従い、金融サービスに関連した事業活動を行っているが、経営陣は当行が一つの中
核事業のもとで運営を行っていると考えているため、個別のセグメント情報は報告されていない。当行のすべての取
引の発生地は韓国に所在するため、収益および非流動資産に関する地理的情報は除外されている。
７．現金および対金融機関債権
( １ ) 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の現金および現金同等物は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
内訳 2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
ウォン建対金融機関債権 550,348 1,176,870
3,912,337 2,848,867
外貨建対金融機関債権
4,462,685 4,025,737
小計
制限付対金融機関債権 (770,103) (554,502)
(545,625) (400,000)
取得日現在の当初満期が３カ月超の対金融機関債権
(1,315,728) (954,502)
小計
3,146,957 3,071,235
合計 (*1)
(*1) 合計は、個別キャッシュフロー計算書 上に示される現金および現金同等物 と同額である。
( ２ ) 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の対金融機関債権の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
内訳 金額 利率（％）
金額 利率（％）
ウォン建対金融機関債権：
要求払預金 1,076 - 1,061 -
定期預金 490,000 0.89 ～ 2.08 948,301 0.72 ～ 0.94
譲渡性預金 55,625 1.10 223,000 0.84
その他 3,500 0.85 3,500 0.35
147 1,008
- -
デリバティブ取引に係る証拠金
550,348 1,176,870
小計
外貨建対金融機関債権：
要求払預金 463,732 0.10 ～ 3.00 250,863 0.00 ～ 3.00
要求払い 2,570,107 1.50 ～ 4.50 1,928,442 1.00 ～ 7.80
オフショア要求払預金 108,542 - 116,068 -
その他 302,748 - 190,940 -
467,208 362,554
- -
デリバティブ取引に係る証拠金
3,912,337 2,848,867
小計
4,462,685 4,025,737
合計
( ３ ) 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の制限付対金融機関債権の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
内訳 金融機関 12 月 31 日 12 月 31 日 制限事由
その他 ドイチェ・バンク・ 770,103 554,502 デリバティブ取引に対
トラスト・カンパ するクレジット・サ
ニー・アメリカズほ ポート・アネックス
か （ CSA ）
92/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
８． FVTPL による金融資産
2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の FVTPL による金融資産の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
ウォン建債務証券
払込資本 128,230 107,377
1,264,654 2,133,661
受益証券
小計 1,392,884 2,241,038
外貨建債務証券
債券 - 5,314
払込資本 11,200 11,169
受益証券 226,207 189,300
237,407 205,783
小計
外貨建持分証券
株式 7,957 8,669
FVTPL による貸付金
私募社債 5,505 10,423
売買目的のデリバティブ資産
株式関連 425 1,310
金利関連 578,475 529,715
外貨関連 375,551 481,464
954,451 1,012,489
小計
2,598,204 3,478,402
合計
９．金融投資
2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の金融投資の内訳は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
FVOCI による金融資産
ウォン建債務証券
国債 1,043,724 1,052,310
ウォン建持分証券
株式 9,012,604 8,580,575
25,233 21,463
払込資本
9,037,837 8,602,038
小計
外貨建債務証券
1,732,502 882,187
社債等 (*1)
償却原価による有価証券
ウォン建債務証券
国債 100,349 100,732
外貨建債務証券
830,947 405,144
社債等 (*1)
12,745,359 11,042,411
合計
(* 1) 2021 年および 2020 年および 12月31日現在 のそれぞれ 796,269 百万ウォンおよび 125,457 百万ウォンの担保として差し
入れられている債務証券が含まれている 。
93/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
10 ．償却原価による貸付金
以下に示す貸付金には、 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在のそれぞれ (2,723) 百万ウォンおよび (14,382) 百万ウォ
ンの公正価値ヘッジに関連した貸付金評価調整額は含まれない。
( １ ) 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の貸付金の内訳は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
内訳 2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
ウォン建貸付金 輸出向け貸付金 15,845,235 14,961,693
海外投資向け貸付金 2,684,185 2,648,893
輸入向け貸付金 4,704,973 3,929,944
不良債権再編 838,370 1,812,100
164,590 290,544
その他
24,237,353 23,643,174
小計
外貨建貸付金 輸出向け貸付金 23,126,917 22,022,802
海外投資向け貸付金 26,718,798 22,624,489
貿易手形再割引貸付金 71,130 467,840
輸入向け貸付 1,074,175 1,206,460
海外ファンディング・ローン 595,170 492,471
27,059 26,258
その他
51,613,249 46,840,320
小計
その他 国内ユーザンス手形 342,594 195,732
買入外貨建手形 966,183 1,407,927
手形引受および保証に係る
前渡金 190,325 42,266
コールローン 1,337,100 2,649,600
外貨建銀行間貸付金 1,066,950 1,206,593
ウォン建私募社債 240,800 302,400
4,143,952 5,804,518
小計
合計 79,994,554 76,288,012
正味繰延貸付金組成手数料および費用 (368,209) (364,854)
(2,165,503) (2,501,395)
貸倒引当金
77,460,842 73,421,763
合計
94/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(２) 2021 年および 2020 年 12月31日現在の貸付金の顧客別内訳は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
ウォン建 外貨建
比率
内訳 貸付金 貸付金 その他 合計 （％）
顧客 大企業 9,260,632 32,241,314 898,326 42,400,272 61.73
中小企業 6,722,318 6,074,773 249,534 13,046,625 18.99
19.28
公共部門等 4,099,434 8,996,424 150,681 13,246,539
20,082,384 47,312,511 1,298,541 68,693,436 100.00
小計
正味繰延貸付金
組成手数料およ
び費用 (7,812) (358,586) - (366,398)
(514,718) (1,447,794) (190,211) (2,152,723)
貸倒引当金
19,559,854 45,506,131 1,108,330 66,174,315
小計
金融機
関 銀行 4,154,969 1,395,090 1,613,104 7,163,163 63.38
36.62
その他 - 2,905,648 1,232,307 4,137,955
4,154,969 4,300,738 2,845,411 11,301,118 100.00
小計
正味繰延貸付金
組成手数料およ
び費用 - (1,811) - (1,811)
(334) (11,685) (761) (12,780)
貸倒引当金
4,154,635 4,287,242 2,844,650 11,286,527
小計
23,714,489 49,793,373 3,952,980 77,460,842
合計
（ 2020 年 12 月 31 日）
ウォン建 外貨建
比率
内訳 貸付金 貸付金 その他 合計 （％）
顧客 大企業 11,187,035 28,144,549 919,613 40,251,197 62.18
中小企業 6,892,693 5,269,741 243,374 12,405,808 19.17
18.65
公共部門等 2,738,841 9,320,521 8,641 12,068,003
20,818,569 42,734,811 1,171,628 64,725,008 100.00
小計
正味繰延貸付金
組成手数料およ
び費用 (7,075) (356,206) - (363,281)
(1,041,301) (1,404,259) (45,460) (2,491,020)
貸倒引当金
19,770,193 40,974,346 1,126,168 61,870,707
小計
金融機
関 銀行 2,824,605 1,742,053 3,223,937 7,790,595 67.38
32.62
その他 - 2,363,456 1,408,953 3,772,409
2,824,605 4,105,509 4,632,890 11,563,004 100.00
小計
正味繰延貸付金
組成手数料およ
び費用 - (1,573) - (1,573)
(248) (9,595) (532) (10,375)
貸倒引当金
2,824,357 4,094,341 4,632,358 11,551,056
小計
22,594,550 45,068,687 5,758,526 73,421,763
合計
95/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(３) 2021 年および 2020 年 12月31日に終了した年度 における 貸倒引当金の変動は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年）
12 カ月 残存期間 信用減損
予想信用損失 予想信用損失 金融資産 合計
期首残高 321,298 1,116,426 1,063,671 2,501,395
－ 12 カ月予想信用損失への振替え 60,430 (657) (59,773) -
－残存期間予想信用損失への振替え (9,586) 59,601 (50,015) -
－信用減損金融資産への振替え (3,255) (212,903) 216,158 -
償却 - - (13,459) (13,459)
償却済貸付金の回収 - - 13,711 13,711
ローン・エクイティ・スワップ - - (463,894) (463,894)
その他 (28,201) (398,336) - (426,537)
アンワインディング効果 - - (9,775) (9,775)
為替換算差額 10,049 40,174 25,167 75,390
貸倒引当金繰入 れ (20,717) (6,420) 515,809 488,672
330,018 597,885 1,237,600 2,165,503
期末残高
（ 2020 年）
12 カ月 残存期間 信用減損
予想信用損失 予想信用損失 金融資産 合計
期首残高 286,290 758,393 1,131,277 2,175,960
－ 12 カ月予想信用損失への振替え 4,272 (4,272) - -
－残存期間予想信用損失への振替え (12,303) 27,636 (15,333) -
－信用減損金融資産への振替え (1,826) (80,629) 82,455 -
償却 - - (218,764) (218,764)
償却済貸付金の回収 51,904 - 207 52,111
ローン・エクイティ・スワップ - - (8,403) (8,403)
その他 (26,808) - - (26,808)
(69) (582) (13,198) (13,849)
アンワインディング効果
為替換算差額 (5,684) (37,818) (13,259) (56,761)
貸倒引当金繰入 れ 25,522 453,698 118,689 597,909
321,298 1,116,426 1,063,671 2,501,395
期末残高
96/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
11 ．関連会社および子会社投資
(１) 2021 年および 2020 年 12月31日現在の関連会社および子会社投資の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
持分比率
会社名 内訳 所在地 事業内容 期末 ( ％ ) 純資産 (*1) 帳簿価額
12 月 100.00 152,401 138,312
KEXIM バンク UK リミ 子会社 英国 金融
テッド
サービス
12 月 100.00 70,499 57,755
KEXIM ベトナム・リー 子会社 ベトナム 金融
シング・コ
サービス
12 月 85.00 22,338 25,270
PT. KOEXIM マンディ 子会社 インドネシア 金融
リ・ファイナンス サービス
12 月 100.00 198,150 167,839
KEXIM アジア・リミ 子会社 香港 金融
テッド
サービス
12 月 100.00 1,180 950
EXIM プラス・カンパ 子会社 韓国 サービス
ニー・リミテッド
12 月 15.07 230,767 197,820
クレジット・ギャラン 関連会社 フィリピン 金融
ティ・アンド・インベ
サービス
ストメント・ファンド
(*2)
12 月 25.00 7,677 8,463
KTB ニューレイク・グ 関連会社 韓国 金融
ローバル・ヘルスケア
サービス
PEF
12 月 26.41 335,227 968,744
韓国航空宇宙産業 関連会社 韓国 製造業
12 月 - - -
大宇造船海洋 (*4) 関連会社 韓国 造船業
1,565,153
合計
97/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ 2020 年 12 月 31 日）
持分比率
会社名 内訳 所在地 事業内容 期末 ( ％ ) 純資産 (*1) 帳簿価額
12 月 100.00 144,182 138,312
KEXIM バンク UK リミ 子会社 英国 金融
テッド
サービス
12 月 100.00 63,446 57,755
KEXIM ベトナム・リー 子会社 ベトナム 金融
シング・コ
サービス
12 月 85.00 20,890 25,270
PT. KOEXIM マンディ 子会社 インドネシア 金融
リ・ファイナンス サービス
12 月 100.00 180,097 167,839
KEXIM アジア・リミ 子会社 香港 金融
テッド
サービス
12 月 100.00 1,016 950
EXIM プラス・カンパ 子会社 韓国 サービス
ニー・リミテッド
12 月 23.41 473,327 380,520
コリア・アセット・マ 関連会社 韓国 金融
ネジメント・コーポ
サービス
レーション
12 月 13.39 184,173 171,359
クレジット・ギャラン 関連会社 フィリピン 金融
ティ・アンド・インベ
サービス
ストメント・ファンド
(*2)
12 月 83.03 (333,211) -
大鮮造船 (*3) 関連会社 韓国 造船業
12 月 25.00 7,992 8,463
KTB ニューレイク・グ 関連会社 韓国 金融
ローバル・ヘルスケア
サービス
PEF
12 月 26.41 315,473 968,744
韓国航空宇宙産業 関連会社 韓国 製造業
12 月 - - -
大宇造船海洋 (*4) 関連会社 韓国 造船業
1,919,212
合計
(*1) 関連会社の場合、金額は持分比率を考慮後の純資産を示している。
(* 2) 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在、 この法人 は、当行が投資先の取締役会またはそれに相当する統治機関 へ の 役員派
遣という形で 重要な影響力を有するため、関連会社に分類されている。
(*3) この法人は、債権者主導による更生計画の対象となっていた。債権者の合意に基づく実質的な支配力を有するために
は、当行は債権者の有する債権合計の少なくとも 75 ％を保有しなければならない。当行は、債権者の有する債権合計の
70.60 ％しか有していなかったため、この法人は関連会社に分類されていた。
(*4) この法人は、現在の所有では関連会社ではない。ただし、潜在的議決権を考慮して、当行はこの法人を関連会社とし
て分類している。当行は、この法人が発行した転換社債 2,332,832 百万ウォンを保有している。
98/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(２) 2021 年および 2020 年12月31日に終了した年度 における 関連会社および子会社投資の変動は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年）
会社名 内訳 期首残高 取得 処分 (*1) 減損損失 期末残高
KEXIM バンク UK リミテッド 子会社 138,312 - - - 138,312
KEXIM ベトナム・リーシン
グ・コ 子会社 57,755 - - - 57,755
PT. KOEXIM マンディリ・
ファイナンス 子会社 25,270 - - - 25,270
KEXIM アジア・リミテッド 子会社 167,839 - - - 167,839
EXIM プラス・カンパニー・
リミテッド 子会社 950 - - - 950
コリア・アセット・マネジ
メント・コーポレーション 関連会社 380,520 - (380,520) - -
クレジット・ギャラン
ティ・アンド・インベスト
メント・ファンド 関連会社 171,359 26,461 - - 197,820
KTB ニューレイク・グローバ
ル・ヘルスケア PEF 関連会社 8,463 - - - 8,463
韓国航空宇宙産業 関連会社 968,744 - - - 968,744
- - - - -
大宇造船海洋 関連会社
1,919,212 26,461 (380,520) - 1,565,153
合計
(*1) 当行は、 コリア・アセット・マネジメント・コーポレーション の払込資本の増資に参加しておらず、そのた
め 2021 年 12 月 31 日に終了した年度については コリア・アセット・マネジメント・コーポレーション に対する
重要な影響力が失われたため、同社は関連会社投資から FVOCI による金融資産に分類変更された 。
99/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ 2020 年）
会社名 内訳 期首残高 取得 処分 減損損失 期末残高
KEXIM バンク UK リミテッド 子会社 48,460 89,852 - - 138,312
KEXIM ベトナム・リーシン
グ・コ 子会社 10,275 47,480 - - 57,755
PT. KOEXIM マンディリ・
ファイナンス 子会社 25,270 - - - 25,270
KEXIM アジア・リミテッド 子会社 49,139 118,700 - - 167,839
EXIM プラス・カンパニー・
リミテッド 子会社 950 - - - 950
コリア・アセット・マネジ
メント・コーポレーション 関連会社 380,520 - - - 380,520
クレジット・ギャラン
ティ・アンド・インベスト
メント・ファンド 関連会社 143,220 28,139 - - 171,359
大鮮造船 関連会社 - - - - -
KTB ニューレイク・グロー
バル・ヘルスケア PEF 関連会社 10,045 - (1,582) - 8,463
KBS-KDB プライベート・エ
クイティ・ファンド 関連会社 6,032 - (6,032) - -
韓国航空宇宙産業 関連会社 1,110,990 - - (142,246) 968,744
- - - - -
大宇造船海洋 関連会社
1,784,901 284,171 (7,614) (142,246) 1,919,212
合計
100/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(３) 2021 年および 2020 年12月31日現在ならびに同日に終了した年度の関連会社および子会社の要約財務情報は以下の
とおりである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
営業利益 純利益 包括利益
会社名 資産 負債 （損失） （損失） （損失）
KEXIM バンク UK リミテッド 616,064 463,664 2,651 (22) 8,281
KEXIM ベトナム・リーシン
グ・コ 252,008 181,509 1,614 1,400 7,133
PT. KOEXIM マンディリ・
ファイナンス 167,815 145,477 590 (86) 1,449
KEXIM アジア・リミテッド 735,531 537,381 5,756 4,515 18,221
EXIM プラス・カンパ
ニー・リミテッド 2,004 824 179 164 164
クレジット・ギャラン
ティ・アンド・インベス
トメント・ファンド 1,646,972 115,668 35,749 33,329 116,076
KTB ニューレイク・グロー
バル・ヘルスケア PEF 30,806 97 (99) (99) (99)
韓国航空宇宙産業 5,866,555 4,569,344 57,795 53,040 82,427
大宇造船海洋 10,623,210 8,405,626 (1,754,651) (1,699,829) (1,699,829)
（ 2020 年 12 月 31 日）
営業利益 純利益 包括利益
会社名 資産 負債 （損失） （損失） （損失）
KEXIM バンク UK リミテッド 499,074 354,892 1,805 2,748 3,647
KEXIM ベトナム・リーシン
グ・コ 204,020 140,574 1,841 1,962 (3,314)
PT. KOEXIM マンディリ・
ファイナンス 160,964 140,074 (1,437) (5,948) (7,623)
KEXIM アジア・リミテッド 544,995 364,898 4,224 3,547 (10,741)
EXIM プラス・カンパニー・
リミテッド 1,950 934 166 162 162
コリア・アセット・マネジ
メント・コーポレーション 5,844,961 3,823,061 53,888 60,496 66,506
クレジット・ギャラン
ティ・アンド・インベスト
メント・ファンド 1,470,605 95,156 27,655 7,367 (38,711)
大鮮造船 385,557 786,871 (14,586) (21,702) (21,702)
KTB ニューレイク・グローバ
ル・ヘルスケア PEF 32,273 305 1,334 1,334 1,334
韓国航空宇宙産業 5,137,550 3,904,310 141,988 71,274 88,098
大宇造船海洋 10,320,775 6,451,804 153,437 86,573 114,107
次へ
101/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
12 ．有形固定資産
(１) 2021 年および 2020 年12月31日現在の有形固定資産の内訳は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
内訳 取得原価 減価償却累計額 政府交付金 帳簿価額
土地 190,807 - - 190,807
建物 100,778 (42,116) (17) 58,645
リース物件改良 1,409 (261) - 1,148
車両 4,251 (3,118) (4) 1,129
器具および備品 56,296 (39,200) - 17,096
建設仮勘定 1,542 - - 1,542
355,083 (84,695) (21) 270,367
合計
（ 2020 年 12 月 31 日）
内訳 取得原価 減価償却累計額 政府交付金 帳簿価額
土地 190,807 - - 190,807
建物 100,778 (40,191) (17) 60,570
リース物件改良 218 (46) - 172
車両 4,535 (3,277) - 1,258
器具および備品 45,448 (35,623) - 9,825
建設仮勘定 455 - - 455
342,241 (79,137) (17) 263,087
合計
(２) 2021 年および 2020 年12月31日に終了した年度 における 有形固定資産の変動は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年）
内訳 期首残高 取得 処分 減価償却費 その他 期末残高
土地 190,807 - - - - 190,807
建物 60,570 - - (1,925) - 58,645
リース物件改良 172 1,192 - (216) - 1,148
車両 1,258 323 0 (447) (5) 1,129
器具および備品 9,825 11,793 (54) (4,468) - 17,096
建設仮勘定 455 1,087 - - - 1,542
263,087 14,395 (54) (7,056) (5) 270,367
合計
（ 2020 年）
内訳 期首残高 取得 処分 減価償却費 期末残高
土地 190,807 - - - 190,807
建物 62,496 - - (1,926) 60,570
リース物件改良費 145 60 - (33) 172
車両 783 858 - (383) 1,258
器具および備品 10,885 4,034 (2) (5,092) 9,825
建設仮勘定 - 455 - - 455
265,116 5,407 (2) (7,434) 263,087
合計
102/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
13 ．無形資産
(１) 2021 年および 2020 年12月31日現在の無形資産の内訳は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
減損損失
内訳 取得原価 償却累計額 累計額 帳簿価額
コンピューター・ソフトウェ
ア 34,750 (23,361) - 11,389
システム開発費 65,192 (45,785) - 19,407
会員権 3,822 - (166) 3,656
103,764 (69,146) (166) 34,452
合計
（ 2020 年 12 月 31 日）
減損損失
内訳 取得原価 償却累計額 累計額 帳簿価額
コンピューター・ソフトウェ
ア 28,084 (19,600) - 8,484
システム開発費 54,729 (38,787) - 15,942
会員権 3,822 - (166) 3,656
86,635 (58,387) (166) 28,082
合計
(２) 2021 年および 2020 年12月31日に終了した年度 における 無形資産の変動は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年）
減損の戻入
内訳 期首残高 取得 処分 償却費 れ（追加） 期末残高
コンピューター・
ソフトウェア 8,484 6,665 - (3,760) - 11,389
システム開発費 15,942 10,463 - (6,998) - 19,407
会員権 3,656 - - - - 3,656
28,082 17,128 - (10,758) - 34,452
合計
（ 2020 年）
減損の戻入
内訳 期首残高 取得 処分 償却費 れ（追加） 期末残高
コンピューター・
ソフトウェア 10,756 1,632 (1) (3,903) - 8,484
システム開発費 19,970 3,488 - (7,516) - 15,942
会員権 3,656 - - - - 3,656
34,382 5,120 (1) (11,419) - 28,082
合計
103/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
14 ．その他の資産
(１) 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在のその他の資産の内訳は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
その他の金融資産：
保証預託金 47,909 39,874
未収金 34,738 53,102
未収収益 763,984 728,740
直物為替債権 48 78
(8,034) (29,592)
その他の資産に係る貸倒引当金
838,645 792,202
小計
その他の資産：
前渡金 57 -
前払費用 9,863 11,440
当期法人税資産 8,782 2,570
9,351 7,574
雑資産
28,053 21,584
小計
866,698 813,786
合計
(２) 2021 年および 2020 年 12月31日に終了した年度 における その他の資産に係る貸倒引当金の変動は以下のとおりであ
る。（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
期首残高 29,592 7,888
回収 71 116
引当金繰入れ（戻入れ） (22,356) 21,980
727 (392)
その他
8,034 29,592
期末残高
104/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
15 ．借入金
(１) 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の借入金の内訳は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
内訳 貸手 金利 ( ％ ) 金額
コールマネー：
外貨建コールマネー ウリィ銀行ほか 0.19 ～ 0.25 652,025
外貨建オフショア・コールマ KEB ハナバンク 0.27 118,550
ネー
小計
770,575
買戻契約の売却：
買戻契約の売却 スタンダード・チャーター 0.11 590,003
ド・バンク ( 香港 ) リミテッ
ド
外貨建借入金：
政府からの借入金 企画財政部 LIBOR 3M+0.64 ～ 947,309
LIBOR 3M+0.78
外国金融機関からの長期借入金 バンク・オブ・アメリカ LIBOR 3M+0.47 ～ 474,200
N.A. 、ソウル支店（米国）
LIBOR 3M+0.55
ほか
借入金に係る割引
外貨建コマーシャル・ペーパー シティバンク N.A. 香港支店 0.21 ～ 0.35 1,689,338
（米国）ほか
外貨建オフショア・コマーシャ シティバンク N.A. 香港支店 (-)0.57 ～ 0.25 305,785
ル・ペーパー （米国）ほか
その他（外国の銀行） DBS バンク・リミテッドほか 0.05 ～ 0.35 342,594
その他（ CSA ） バンク・オブ・アメリカ 0.07 457,105
（ VM ）ほか
小計 4,216,331
合計 5,576,909
（ 2020 年 12 月 31 日）
内訳 貸手 金利 ( ％ ) 金額
外貨建借入金：
政府からの借入金 企画財政部 LIBOR 3M+0.64 ～ 1,176,216
LIBOR 3M+0.78
外国金融機関からの短期借入金 三菱ＵＦＪ銀行ソウル支店 LIBOR 3M+0.38 537,252
外国金融機関からの長期借入金 クレディ・アグリコル CIB ほ LIBOR 3M+0.32 ～ 1,686,400
か
LIBOR 3M+0.85
借入金に係る割引 (131)
外貨建コマーシャル・ペーパー みずほ証券アジアほか 0.21 ～ 2.33 911,744
外貨建オフショア・コマーシャ シティバンク N.A., 香港支店 (-)0.46 ～ 0.28 225,107
ル・ペーパー ほか
その他（外国の銀行） DBS バンク・リミテッドほか 0.06 ～ 0.20 195,732
その他（ CSA ） バンク・オブ・アメリカ 0.09 1,344,311
（ VM ）ほか
合計
6,076,631
105/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(２) 2021 年および 2020 年 12 月3 1 日 現在の他の金融機関からの借入金の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
内訳 コールマネー 買戻契約の売却 外貨建借入金 合計
商業銀行 770,575 590,003 3,269,022 4,629,600
（ 2020 年 12 月 31 日）
内訳 コールマネー 外貨建借入金 合計
商業銀行 - 4,900,546 4,900,546
上記の借入金には、現在価値割引効果は含まれない。
16 ．債券
2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の債券の内訳は以下のとおりである。 （単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
内訳 年利率（％） 金額 年利率（％） 金額
ウォン建：
変動利付債券 31 日 +CD0.06 ～ 3,100,000 31 日 CD-0.01 ～ 1,340,000
31 日 CD+0.12 31 日 CD+0.12
固定利付債券 0.75 ～ 4.70 19,810,000 0.67 ～ 4.70 21,465,000
小計 22,910,000 22,805,000
公正価値ヘッジ調整 (63,620) (31,803)
債券発行ディスカウント (47,322) (47,141)
小計 22,799,058 22,726,056
外貨建：
変動利付債券 Libor3M+0.20 ～ 9,766,115 Libor3M+0.30 ～ 10,543,268
Libor3M+1.35 Libor3M+1.35
固定利付債券 0.00 ～ 11.09 43,801,187 0.00 ～ 8.50 38,057,286
小計 53,567,302 48,600,554
公正価値ヘッジ調整 205,544 1,393,009
債券発行ディスカウント (85,851) (77,842)
小計 53,686,995 49,915,721
合計 76,486,053 72,641,777
17 ．引当金
(１) 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の引当金の内訳は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
手形引受および保証引当金 380,983 387,027
未使用ローン・コミットメント引当金 239,482 239,584
1,002 -
その他引当金
621,467 626,611
合計
106/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(２) 2021 年および 2020 年 12月31日に終了した年度 における 引当金の変動は以下のとおりである。
（単位：百万 ウォン ）
（ 2021 年）
手形引受および保証
12 カ月 残存期間 信用減損
予想信用損失 予想信用損失 金融資産 合計
期首残高 42,507 272,431 72,089 387,027
－ 12 カ月予想信用損失への振替え 11,480 -
(6,935) (4,545)
－残存期間予想信用損失への振替
え 10 - -
(10)
－信用減損金融資産への振替え - 717 -
(717)
為替換算差額 2,349 12,463 626 15,438
33,322
(2,625) (52,179) (21,482)
引当金繰入れ（戻入れ）
52,984 311,291 16,708 380,983
期末残高
未使用ローン・コミットメント
12 カ月 残存期間 信用減損
予想信用損失 予想信用損失 金融資産 合計
期首残高 34,073 188,718 16,793 239,584
－ 12 カ月予想信用損失への振替え 15,000 - -
(15,000)
－残存期間予想信用損失への振替
え - - - -
－信用減損金融資産への振替え - 2 -
(2)
為替換算差額 1,026 - 41 1,067
11,071 217
(12,457) (1,169)
引当金繰入れ（戻入れ）
37,640 199,789 2,053 239,482
期末残高
（ 2020 年）
手形引受および保証
12 カ月 残存期間 信用減損
予想信用損失 予想信用損失 金融資産 合計
期首残高 48,514 209,840 48,087 306,441
－ 12 カ月予想信用損失への振替え 187 - -
(187)
－残存期間予想信用損失への振替
え 4,107 - -
(4,107)
－信用減損金融資産への振替え - 40 -
(40)
為替換算差額
(1,369) (10,113) (997) (12,479)
68,784 24,959 93,065
(678)
引当金繰入れ（戻入れ）
42,507 272,431 72,089 387,027
期末残高
未使用ローン・コミットメント
12 カ月 残存期間 信用減損
予想信用損失 予想信用損失 金融資産 合計
期首残高 23,771 200,695 8,474 232,940
－ 12 カ月予想信用損失への振替え 2,268 - -
(2,268)
－残存期間予想信用損失への振替
え 474 -
(45) (429)
－信用減損金融資産への振替え - 1 -
(1)
為替換算差額
(382) (28) (38) (448)
8,462 (10,155) 8,785 7,092
引当金繰入れ（戻入れ）
34,073 188,718 16,793 239,584
期末残高
107/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
18 ．退職給付制度
当行は、確定給付制度および確定拠出制度の双方を運営している。
（１）確定給付制度
当行は以下の特性を有する確定給付制度を運営している。
－事業体が、その現在および過去の従業員すべてに対して、合意した給付を支払う義務を有する。
－事業体が、保険数理上のリスク（見積金額に対する実際の支払額の超過）および投資リスクを負う。
個別財政状態計算書に認識される確定給付債務の現在価値は、保険数理上の評価方法に従い、独立した保険数理士
により毎年計算される。確定給付債務の現在価値は、予測単位積立方式（以下「PUC」という。）を用いて計算され
る。金利、将来昇給率、死亡率、消費者物価指数および制度資産の期待収益等のPUCに用いられるデータは、観察可
能な市場データおよび過去のデータに基づいており、これらは毎年更新される。
保険数理上の仮定は、確定給付負債および将来の支払額に影響を及ぼす可能性のある、市場動向、景気動向および
死亡傾向の変化により実際の結果とは異なることがある。保険数理上の仮定の変更による保険数理上の差異は、発生
した期にその他の包括損益を通じて認識される。
（２） 2021 年および 2020 年12月31日現在の確定給付債務の内訳は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
確定給付債務の現在価値 119,697 111,011
(133,302) (115,812)
制度資産の公正価値
(13,605) (4,801)
確定給付負債（資産）純額
108/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（３） 2021 年および 2020 年12月31日に終了した年度 における 確定給付債務純額の変動は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年）
確定給付債務の 確定給付負債
現在価値 制度資産 （資産）純額
期首残高 111,011 (115,812) (4,801)
雇用主からの拠出金 - (20,500) (20,500)
当期勤務費用 11,407 - 11,407
支払利息（受取利息） 3,465 (3,640) (175)
人口統計上の仮定の変更による保険数理上の差異 512 - 512
財務上の仮定の変更による保険数理上の差異 (8,839) 1,603 (7,236)
実績による修正から生じる保険数理上の差異 (2,524) - (2,524)
過去勤務費用 9,502 - 9,502
制度資産に係る運用手数料 - 206 206
(4,837) 4,841 4
支払給付金
119,697 (133,302) (13,605)
期末残高
（ 2020 年）
確定給付債務の
確定給付負債
現在価値 制度資産 （資産）純額
期首残高 100,628 (103,871) (3,243)
雇用主からの拠出金 - (14,700) (14,700)
当期勤務費用 11,100 - 11,100
支払利息（受取利息） 3,045 (3,156) (111)
人口統計上の仮定の変更による保険数理上の差異 1,945 - 1,945
財務上の仮定の変更による保険数理上の差異 (834) 1,235 401
実績による修正から生じる保険数理上の差異 885 - 885
制度資産に係る運用手数料 - 190 190
(5,758) 4,490 (1,268)
支払給付金
111,011 (115,812) (4,801)
期末残高
（４） 2021 年および 2020 年12月31日現在の制度資産の 公正価値の 内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
現金および現金同等物 49,707 14,600
83,595 101,212
その他
133,302 115,812
合計
（５） 2021 年および 2020 年12月31日現在の退職給付債務の評価に用いられる保険数理上の仮定は以下のとおりである。
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
割引率 3.64 ％ 3.19 ％
予想賃金上昇率 1.40 ％ 1.63 ％
109/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（６）他のすべての仮定が変わらないとした場合の、合理的な限度でなされ た 重要な保険数理上の仮定の変更の 2021 年お
よび 2020 年12月31日現在の退職給付債務に対 する 影響は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
１％の上昇 １％の低下
割引率の変更 (11,774) 13,924
将来昇給率の変更 14,036 (11,162)
（ 2020 年 12 月 31 日）
１％の上昇 １％の低下
割引率の変更 (11,748) 13,979
将来昇給率の変更 14,009 (12,032)
仮定間の相関関係により独立して行われる保険数理上の仮定の変更はないため、上記の感応度分析は、退職給付債務
の実際の変化を示すものではない。また、感応度分析における約束された退職給付の保険数理上の現在価値は、個別財
務書類における退職給付債務の計算に使用される予測単位積立方式により決定される。
（７） 2021 年および 2020 年12月31日に終了した年度の確定拠出制度による退職給付費用は以下のとおりである。（単位：
百万ウォン）
2021 年 2020 年
退職給付費用 2,977 753
19 ．その他の負債
（１） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の その他の負債 の 内訳 は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
その他の金融負債：
金融保証契約負債 1,140,299 1,182,101
未払外国為替 8 543,678
未払金 23,806 24,639
未払費用 660,814 621,424
353 160
受入 保証預託金
1,825,280 2,372,002
小計
その他の負債：
デリバティブにおける信用損失引当金 39,670 37,765
前受収益 101,831 148,608
当期税金債務 - 11,426
18,339 33,357
雑負債
159,840 231,156
小計
1,985,120 2,603,158
合計
110/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（２） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日 に終了した年度 における金融保証契約負債の 変動は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
期首残高 1,182,101 1,109,018
為替換算差額 58,185 (39,192)
金融保証契約負債の追加
（金融保証契約負債の戻入れ） (75,587) 117,983
(24,400) (5,708)
その他 (*1)
1,140,299 1,182,101
期末残高
(*1) その他は 、初めて公正価値で評価された金融保証契約の新規発生および満期到来ならびに割引率の変動による変動
効果である。
20 ．デリバティブ
当行は、売買目的 およびヘッジ目的で デリバティブを運用している。売買目的 で保有する デリバティブは、 FVTPL に
よる 金融資産および金融負債に含まれる。
（１） 公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジは、認識された資産もしくは負債または未認識の確定コミットメント、あるいはかかる資産、負債
もしく は確定コミットメントのうち、特定のリスクに起因し、損益に影響を及ぼす可能性 が ある と 識別された一部分
の公正価値の変動リスクをヘッジするものである。公正価値ヘッジを適用する場合、ヘッジ された リスクに起因する
ヘッジ対象に係る損益は、ヘッジ対象の帳簿価額を調整し、損益に認識しなければならない。
ヘッジ手段が失効 し 、売却 され 、終了 しもしく は行使された場合、ヘッジがもはやヘッジ会計の基準を満たさない
場合、または当行が指定を取消した場合には、当行は、将来にわたり公正価値ヘッジを中止する。実効金利法が使用
されるヘッジ対象金融商品の帳簿価額に対するヘッジ された リスクに起因するヘッジ対象に係る損益により生じる調
整はすべて、損益を通じて償却しなければならない。
当行は、金利の変動により生じるヘッジ対象の公正価値変動をヘッジするために金利スワップを用い てい る。ま
た、当行は、為替レートの変動により生じるヘッジ対象の公正価値変動をヘッジするために通貨スワップも用いてい
る。
（２）キャッシュフロー・ヘッジ
キャッシュフロー・ヘッジは、キャッシュフローの変動 性 リスクのうち、認識された資産もしくは負債（変動利付
債の将来の金利支払の全部または一部等）または 蓋然性 の高い予定取引に関連する特定のリスクに起因し、損益に影
響を及ぼす可能性のあるリスクをヘッジするものである。キャッシュフロー・ヘッジを適用する場合、ヘッジ手段に
係る損益のうち有効なヘッジであると判断される部分は、その他の包括利益において認識され、ヘッジ手段に係る損
益のうち非有効部分は損益に おいて 認識される。その後、予定取引のヘッジが、金融資産または金融負債の認識につ
ながる場合、その他の包括利益において認識された関連する損益は、同じ期または当該ヘッジされた予定キャッシュ
フローが損益に影響を及ぼす期に 、 組替調整額として資本から損益に振替えられる。
ヘッジ手段が失効 し 、売却 され 、終了 しもしく は行使された場合、ヘッジがもはやヘッジ会計の基準を満たさない
場合、または当行が指定を取消した場合には、当行は将来にわたりキャッシュフロー・ヘッジを中止する。予定取引
がもはや発生する見込みがな い場合 、当該ヘッジが有効であった期からその他の包括利益に おいて 認識されて き た
ヘッジ手段に係る関連する累積損益はすべて、組替調整額として資本から損益に振替えられる。
当行は、金利の変動により生じるヘッジ対象 における キャッシュフローの変動をヘッジするために金利スワップを
用いている。また、当行は、為替の変動により生じるヘッジ対象 における キャッシュフローの変動をヘッジするため
に通貨スワップも用いている。
111/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ ３ ） 2021 年および 2020 年12月31日現在のデリバティブ資産および負債の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
デリバティブ資産
キャッシュ
公正価値
フロー・
内訳 想定元本 ヘッジ ヘッジ 売買 合計
金利：
金利スワップ 47,235,133 275,487 - 578,475 853,962
通貨：
通貨先渡 5,871,649 - - 57,739 57,739
通貨スワップ 26,112,779 282,508 3,916 317,812 604,236
31,984,428 282,508 3,916 375,551 661,975
小計
株式：
ストック・オプショ
ン 46,952 - - 425 425
79,266,513 557,995 3,916 954,451 1,516,362
合計
デリバティブ負債
キャッシュ
公正価値
フロー・
内訳 想定元本 ヘッジ ヘッジ 売買 合計
金利：
金利スワップ 47,235,133 147,373 - 367,018 514,391
通貨：
通貨先渡 5,871,649 - - 40,909 40,909
通貨スワップ 26,112,779 513,684 - 359,498 873,182
31,984,428 513,684 - 400,407 914,091
小計
株式：
ストック・オプショ
ン 46,952 - - 690 690
79,266,513 661,057 - 768,115 1,429,172
合計
112/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ 2020 年 12 月 31 日）
デリバティブ資産
キャッシュ
公正価値
フロー・
内訳 想定元本 ヘッジ ヘッジ 売買 合計
金利：
金利スワップ 39,330,211 636,346 - 529,715 1,166,061
通貨：
通貨先渡 5,110,583 - - 96,037 96,037
通貨スワップ 27,596,486 863,420 - 385,427 1,248,847
32,707,069 863,420 - 481,464 1,344,884
小計
株式：
ストック・オプ
ション 46,952 - - 1,310 1,310
72,084,232 1,499,766 - 1,012,489 2,512,255
合計
デリバティブ負債
キャッシュ
公正価値
フロー・
内訳 想定元本 ヘッジ ヘッジ 売買 合計
金利：
金利スワップ 39,330,211 54,003 - 237,316 291,319
通貨：
通貨先渡 5,110,583 - - 157,331 157,331
通貨スワップ 27,596,486 364,967 - 356,672 721,639
32,707,069 364,967 - 514,003 878,970
小計
株式：
ストック・オプショ
ン 46,952 - - 2,123 2,123
その他：
その他のデリバティ
ブ - - - - -
72,084,232 418,970 - 753,442 1,172,412
合計
（ ４ ） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した 年度 のヘッジ された リスクに起因する公正価値ヘッジ手段およびヘッジ
対象からの損益は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
公正価値ヘッジ－ヘッジ対象 1,231,752 (774,976)
公正価値ヘッジ－ヘッジ手段 (1,556,335) 1,793,684
（ ５ ） キャッシュフロー・ヘッジの結果、 当行は、 2021 年および 2020 年 12月31日に終了した年度 に、 その他の包括利益
（ 損失 ）（税効果調整前） として 3,913 百万ウォンおよび４百万ウォンを 認識し 、 2021 年および 2020 年 12月31日に終
了した年度 に キャッシュフロー・ヘッジ に関連して認識された 非有効部分 はなかった 。
113/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（６）ヘッジ会計
１）ヘッジ会計の目的および戦略
当行は、当行の資産および負債から生じる金利リスクおよび為替リスクをヘッジするため、デリバティブ金融
商品の取引を行っている。当行は、ウォン建および外貨建の金融債券ならびに外貨建貸付金の市場金利の変動に
ついては公正価値ヘッジ会計を適用し、ウォン建債券の金利によるキャッシュフロー・リスクをヘッジするため
の金利スワップについてはキャッシュフロー・ヘッジ会計を適用している。
２） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在のデリバティブに係る名目価値および平均ヘッジ率は、以下のとおりであ
る。 （単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
１年超 ２年超 ３年超 ４年超
１年以内 ２年以内 ３年以内 ４年以内 ５年以内 ５年超 合計
公正価値ヘッジ
ヘッジ対象の
名目価値 6,662,420 6,872,921 9,069,369 7,143,818 5,552,558 7,382,156 42,683,242
ヘッジ手段の
名目価値 6,649,848 6,872,921 9,072,215 6,254,693 5,552,558 7,433,170 41,835,405
平均ヘッジ率 99.81 ％ 100.00 ％ 100.00 ％ 87.55 ％ 100.00 ％ 100.00 ％ 98.01 ％
キャッシュフ
ロー・ヘッジ
ヘッジ対象の
名目価値 59,275 - - - - - 59,275
ヘッジ手段の
名目価値 59,275 - - - - - 59,275
平均ヘッジ率 100.00 ％ - - - - - 100.00 ％
（ 2020 年 12 月 31 日）
１年超 ２年超 ３年超 ４年超
１年以内 ２年以内 ３年以内 ４年以内 ５年以内 ５年超 合計
公正価値ヘッジ
ヘッジ対象の
名目価値 9,451,404 5,781,962 5,665,046 5,243,700 6,531,111 9,246,375 41,919,598
ヘッジ手段の
名目価値 9,038,034 5,770,424 5,662,797 5,243,700 5,727,209 9,288,553 40,730,717
平均ヘッジ率 95.63 ％ 99.80 ％ 99.96 ％ 100.00 ％ 87.69 ％ 100.46 ％ 97.16 ％
キャッシュフ
ロー・ヘッジ
ヘッジ対象の
名目価値 80,000 - - - - - 80,000
ヘッジ手段の
名目価値 80,000 - - - - - 80,000
平均ヘッジ率 100.00 ％ - - - - - 100.00 ％
114/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
３）財政状態計算書、包括利益計算書および株主資本変動計算書に対するヘッジ会計の影響
① 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の財政状態計算書、包括利益計算書および株主資本変動計算書に対する
ヘッジ手段の影響 （単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
期中における
名目金額 資産の帳簿価額 負債の帳簿価額 公正価値の変動
公正価値ヘッジ
金利スワップ 28,537,438 275,487 147,373 (797,378)
13,297,967 282,508 513,684 (791,844)
通貨スワップ
41,835,405 557,995 661,057 (1,589,222)
小計
キャッシュフロー・ヘッ
59,275 3,916 - 3,916
ジ
41,894,680 561,911 661,057 (1,585,306)
合計
（ 2020 年 12 月 31 日）
期中における
名目金額 資産の帳簿価額 負債の帳簿価額 公正価値の変動
公正価値ヘッジ
金利スワップ 26,354,678 636,346 54,003 704,102
14,376,039 863,420 364,967 853,656
通貨スワップ
40,730,717 1,499,766 418,970 1,557,758
小計
キャッシュフロー・ヘッ
80,000 - - 4
ジ
40,810,717 1,499,766 418,970 1,557,762
合計
115/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
② 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の財政状態計算書、包括利益計算書および株主資本変動計算書に対する公
正ヘッジ対象の影響 （単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
財政状態計算書 公正価値ヘッジの累積調整額
期中における
貸付 債券 資産 負債 公正価値の変動
金利：
リスクヘッジの中
止
外貨建貸付金 32,243 - 1,533 - (1,268)
ウォン建債券 - 680,000 - (63,620) 31,817
外貨建債券 - 28,930,459 - 215,758 816,305
小計 32,243 29,610,459 1,533 152,138 846,854
通貨：
外貨建貸付金 148,898 - (4,156) - (4,156)
リスクヘッジの中止
外貨建貸付金 14,402 - (100) - (16)
外貨建債券 - 12,923,885 - (8,277) 287,476
リスクヘッジの中
止
- 16,190 - (1,937) (98)
外貨建債券
163,300 12,940,075 (4,256) (10,214) 283,206
小計
195,543 42,550,534 (2,723) 141,924 1,130,060
合計
（ 2020 年 12 月 31 日）
財政状態計算書 公正価値ヘッジの累積調整額
期中における
貸付 債券 資産 負債 公正価値の変動
金利：
外貨建貸付金 39,281 - 1,589 - (1,213)
リスクヘッジの中止
外貨建貸付金 24,605 - 1,578 - (661)
ウォン建債券 - 650,000 - (31,803) 8,756
- 26,903,460 - 1,094,920 (663,846)
外貨建債券
63,886 27,553,460 3,167 1,063,117 (656,964)
小計
通貨：
外貨建貸付金 439,992 - (17,549) - (17,549)
外貨建債券 - 13,886,865 - 299,833 (122,052)
リスクヘッジの中
止
外貨建債券 - 55,555 - (1,744) 242
小計 439,992 13,942,420 (17,549) 298,089 (139,359)
合計 503,878 41,495,880 (14,382) 1,361,206 (796,323)
116/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
③ 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の財政状態計算書、包括利益計算書および株主資本変動計算書に対する
キャッシュフロー・ヘッジ対象の影響 （単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
キャッシュフロー・ヘッジ
財政状態計算書 の累積調整額 当年度中の公正価値の変動
通貨：
外貨建貸付金 59,275 2,968 (4,024)
（ 2020 年 12 月 31 日）
キャッシュフロー・ヘッジ
財政状態計算書 の累積調整額 当年度中の公正価値の変動
通貨：
外貨建貸付金 80,000 3 (6)
４） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した年度に係る ヘッジされた非有効部分に起因するヘッジ 対象 およびヘッ
ジ 手段 に係る損益 は、以下のとおりである。 （単位：百万ウォン）
（ 2021 年）
損益において認識さ
れたヘッジの非有効
ヘッジ対象に係る損失 ヘッジ手段に係る利益 部分
公正価値ヘッジ 1,131,161 (1,091,127) 40,034
(4,024) 3,916 -
キャッシュフロー・ヘッジ
1,127,137 (1,087,211) 40,034
合計
（ 2020 年）
損益において認識され
ヘッジ対象に係る損失 ヘッジ手段に係る利益 たヘッジの非有効部分
公正価値ヘッジ (795,904) 845,556 49,652
(6) 4 -
キャッシュフロー・ヘッジ
(795,910) 845,560 49,652
合計
117/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（７）金利指標改革
当行が公正価値ヘッジおよびキャッシュフロー・ヘッジを適用するヘッジ関係は、金利指標改革の影響を受ける。
ヘッジ関係がさらされる金利指標は以下のとおりである。 （単位：百万ウォン）
ヘッジ手段の
ヘッジ対象（資産） ヘッジ対象（負債）
金利指標 の帳簿価額 の帳簿価額 名目金額
ウォン建３カ月譲渡性預金 - 119,500 130,000
ウォン建 10 年コンスタント・マ
チュリティ・スワップ（ CMS ） - 98,603 110,000
米ドル３カ月 LIBOR(*1) 144,741 22,926,839 21,942,709
米ドル６カ月 LIBOR(*1) - 4,958,508 5,035,344
ユーロ３カ月 LIBOR - 200,851 201,351
ユーロ６カ月 LIBOR - 4,261,367 4,027,020
ユーロ 20 年 CMS - 229,920 250,000
ユーロ 30 年 CMS - 168,357 190,000
英ポンド６カ月 LIBOR フォール
バック - 102,022 122,735
３カ月オーストラリア銀行間取引
金利（ BBSW ） - 1,198,117 1,202,446
香港ドル３カ月 LIBOR - 111,011 110,982
合計 144,741 34,375,095 33,322,587
(*1) LIBOR 金利が公表されなくなる 2023 年６月 30 日までに期限が到来するヘッジ対象およびヘッジ手段は、除外されてい
る。
21 ．資本金
2021 年 12 月 31 日現在、当行の授権資本および払込資本はそれぞれ 15 ,000,000百万ウォンおよび 12,748,254 百万ウォン
である。当行は、株券を発行していない。
2021 年および 2020 年 12月31日に終了した年度 における 資本金の変動は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
期首残高 12,449,456 11,871,143
298,798 578,313
払込資本の増加
12,748,254 12,449,456
期末残高
118/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
22 ．資本のその他の構成要素
（１） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の 資本のその他の 構成要素 の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
FVOCI による持分証券に係る利益（損失） 842,816 773,104
FVOCI による債務証券に係る利益（損失） 18,020 18,355
キャッシュフロー・ヘッジ評価益（損） 2,968 3
18,865 11,855
確定給付負債純額の再測定
882,669 803,317
合計
（２） 2021 年および 2020 年 12月31日 に終了した年度におけるその他の構成要素 の変動は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年）
期首残高 増加（減少） 税効果 期末残高
FVOCI による持分証券に係る利益（損
失） 773,104 91,968 (22,256) 842,816
FVOCI による債務証券に係る利益（損
失） 18,355 (442) 107 18,020
キャッシュフロー・ヘッジ評価益
（損） 3 3,913 (948) 2,968
11,855 9,248 (2,238) 18,865
確定給付負債純額の再測定
803,317 104,687 (25,335) 882,669
合計
（ 2020 年）
期首残高 増加（減少） 税効果 期末残高
FVOCI による持分証券に係る利益（損
失） 573,088 263,872 (63,856) 773,104
FVOCI による債務証券に係る利益（損
失） 6,226 16,001 (3,872) 18,355
キャッシュフロー・ヘッジ評価益
（損） - 4 (1) 3
15,094 (4,272) 1,033 11,855
確定給付負債純額の再測定
594,408 275,605 (66,696) 803,317
合計
119/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
23 ．利益剰余金
（１） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在の利益剰余金の内訳は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
利益準備金 (*1) 446,237 435,996
任意積立金 (*2) 712,729 471,964
規制上の貸倒引当金 149,219 338,574
547,539 102,410
未処分利益剰余金
1,855,724 1,348,944
合計
(*1) 輸銀法に従い、当行は、累積積立金が払込資本に等しくなるまで各会計期間の個別純利益の 10 ％を利益準備金とし
て積み立てている。
(*2) 当行は、規制上の貸倒引当金および配当金控除後の当期純利益を任意積立金に充当している。
（２） 2021 年および 2020 年 12月31日に終了した年度 における 利益剰余金の変動は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
期首残高 1,348,944 1,355,571
当期純利益 547,539 102,410
(40,759) (109,037)
配当金
1,855,724 1,348,944
期末残高
（３） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した 年度 の配当金の 内訳 は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
韓国政府 27,711 72,430
韓国銀行 3,814 10,701
9,234 25,906
韓国産業銀行
40,759 109,037
合計
（ ４ ） 2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した 年度 の 利益剰余金処分計算書 は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
（利益処分予定日： （利益処分日：
2022 年３月 31 日） 2021 年３月 31 日）
Ⅰ．利益処分前利益剰余金 547,539 102,410
1. 過年度からの繰越未処分利益剰余金
- -
2. 当期純利益
547,539 102,410
Ⅱ．その他の準備金からの振替え - 189,355
Ⅲ．利益処分 547,539 291,765
1. 利益準備金
54,754 10,241
2. 配当金
191,256 40,759
3. その他の準備金
211,038 240,765
4. 規制上の貸倒引当金
90,491 -
Ⅳ．期末現在未処分利益剰余金 - -
120/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（５）規制上の貸倒引当金
規制上の 貸倒引当金は、銀行業務監督規則第29条第(1)項および第(2)項に従って計算され、 開示 される。 銀行業務監
督規則等に従って、 K-IFRS によって決定された会計上の信用損失引当金の見積額が銀行業務監督規則により求められる
規制上の信用損失引当金を下回る場合、当行は、かかる差額を規制上の貸倒引当金として計上しなければならない。規
制上の貸倒引当金は任意積立金であることから、期末現在の強制的貸倒引当金を上回る既存の規制上の貸倒引当金の金
額は、利益に留保される。累積損失がある場合、当行は累積損失がなくなった時点から規制上の貸倒引当金への繰入 れ
を再開しなければならない。
１）規制上の貸倒引当金
2021 年および 2020 年12月31日現在の 規制上の 貸倒引当金の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
規制上の貸倒引当金累計額 149,219 338,574
90,491 (189,355)
規制上の 貸倒引当金 （戻入れ） 見積額
239,710 149,219
規制上の貸倒引当金
２）規制上の貸倒引当金への繰入れ額および規制上の貸倒引当金調整後の純利益
2021 年および 2020 年12月31日に終了した年度の 規制上の 貸倒引当金および貸倒引当金調整後の純利益の内訳は以下の
とおりである。（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
当期純利益 547,539 102,410
90,491 (189,355)
規制上の 貸倒引当金 への繰入れ（戻入れ）額
457,048 291,765
規制上の貸倒引当金調整後の純利益 (*1)
(*1) 上記のとおり貸倒引当金を考慮した調整後の純利益は、税引前規制上の貸倒引当金への繰入れが当期純利益に反映
されていることを前提として計算されている。
121/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
24 ．純利息収益
純利息収益は、受取利息から支払利息を控除後の金額であり、内訳は以下のとおりである。
(１) 2021 年 および 2020 年12月31日に終了した年度の受取利息の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
対金融機関債権利息：
ウォン建対金融機関債権 7,519 9,674
6,537 24,779
外貨建対金融機関債権
14,056 34,453
小計
FVTPL による金融資産に係る利息：
FVTPL による有価証券に係る利息 82 96
565 150
FVTPL による貸付金に係る利息
647 246
小計
金融投資に係る利息：
FVOCI による有価証券に係る利息 33,932 22,274
12,292 14,516
償却原価による有価証券に係る利息
46,224 36,790
小計
償却原価による貸付金に係る利息：
ウォン建貸付金利息 537,619 578,214
外貨建貸付金利息 1,128,663 1,599,940
買入手形利息 11,961 13,671
顧客前渡金利息 987 215
コールローン利息 2,291 19,820
2,658 4,533
銀行間貸付金利息
1,684,179 2,216,393
小計
404 843
その他の受取利息
1,745,510 2,288,725
合計
(２) 2021 年および 2020 年12月31日に終了した年度の支払利息の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
借入金利息：
外貨建借入金 27,742 117,040
買戻し契約の売却 582 -
28,324 117,040
小計
コールマネー利息 744 4,954
債券利息：
ウォン建債券利息 268,912 296,331
外貨建債券利息 542,099 986,040
811,011 1,282,371
小計
1,028 3,645
その他の支払利息
841,107 1,408,010
合計
122/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
25 ．純手数料収益
純手数料収益は、手数料収 入 から手数料費用を控除後の金額であり、内訳は以下のとおりである。
(１) 2021 年および 2020 年12月31日に終了した年度の手数料収入の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
ウォン建手数料収入：
EDCF 管理手数料収入 20,820 20,243
IKCF 管理手数料収入 2,200 2,250
1,973 894
その他のウォン建手数料収入
24,993 23,387
小計
外貨建手数料収入：
信用状に係る手数料収入 2,669 2,137
輸出信用状の確認に係る手数料収入 13 256
ローン・コミットメントに係る手数料収入 28,242 24,863
運用手数料 71 991
アレンジメント手数料 2,399 2,353
顧問手数料 220 55
期限前返済手数料 4,503 14,980
為替に係る雑手数料収入 313 119
組成手数料 50 34,561
外国為替資金仲介手数料 176 498
5,443 1,371
その他の外貨建手数料収入
44,099 82,184
小計
その他：
その他の手数料収入 10,896 11,421
外貨建保証手数料：
外貨建保証手数料 129,926 145,200
100,033 113,302
保証保険料
229,959 258,502
小計
309,947 375,494
合計
123/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(２) 2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した 年度 の手数料費用の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
ウォン建手数料費用：
519
国内取引に係る手数料費用 481
外貨建手数料費用：
信用格付機関に支払われたサービス手数料 3,312 2,698
3,975 4,315
為替に係る手数料雑費用
7,287 7,013
小計
その他：
その他の手数料費用 13,299 6,441
21,105 13,935
合計
26 ．受取配当金
2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した 年度 の受取配当金の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
FVOCI による金融資産 49,889 47,184
27 ． FVTPL による金融資産に係る利益（損失）
2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した 年度 の FVTPL による 金融資産に 係る利益（損失） の内訳は以下のとおりであ
る。（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
FVTPL による有価証券：
評価益 18,846 14,943
評価損 (12,951) (4,892)
処分益 9,885 12,924
処分損 (1,936) (5,288)
15,816 15,332
その他
29,660 33,019
小計
FVTPL による貸付金：
評価益 505 191
処分損 (423) (30)
小計 82 161
売買目的デリバティブ：
評価益 856,142 834,315
評価損 (996,182) (715,444)
取引益 909,941 917,389
(672,656) (945,985)
取引損
97,245 90,275
小計
126,987 123,455
合計
124/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
28 ．ヘッジ目的デリバティブに係る利益（損失）
2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した 年度 のヘッジ 目的デリバティブ に係る 利益（ 損 失） の内訳は以下のとおりで
ある。（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
ヘッジ目的デリバティブに係る利益 189,053 1,996,002
(1,745,324) (202,321)
ヘッジ目的デリバティブに係る損失
(1,556,271) 1,793,681
合計
29 ．金融投資に係る利益（損失）
2021 年および 2020 年12月31日に終了した年度の金融投資に係る利益（損失）の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
FVOCI による金融資産：
処分益 3,381 990
-
処分損 (6)
3,381 984
合計
30 ．その他の営業収益（費用）
2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した 年度 のその他の営業 収益（費用） の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
その他の営業収益：
償却原価による貸付金の売却益 2,709 -
償却原価による貸付金の償還益 337 18
公正価値ヘッジ対象に係る利益 1,242,036 164,126
- 18
その他
1,245,082 164,162
小計
その他の営業費用：
公正価値ヘッジ対象に係る損失 (10,284) (939,102)
諸基金への拠出金 (4,751) (5,053)
債券の償還に係る損失 - (64)
その他引当金の振替え (28,917) -
(9,947) (17,467)
その他
(53,899) (961,686)
小計
1,191,183 (797,524)
合計
125/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
31 ．信用減損損失（戻入れ）
2021 年および 2020 年 12月31日に終了した年度の信用減損損失（戻入 れ ）の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 (*1) 2020 年 (*1)
償却原価による貸付金 488,672 597,909
その他の金融資産 (22,356) 21,980
保証 (21,482) 93,065
未使用ローン・コミットメント (1,169) 7,092
金融保証契約 (75,587) 117,981
FVOCI による金融資産 340 452
51 6
償却原価による有価証券
368,469 838,485
合計
(* 1) 2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した年度について、 COVID-19 の感染拡大による景気後退に対処するための追
加的な信用減損損失として、それぞれ 69,178 百万ウォンおよび 16,008 百万ウォンを含む。
32 ．一般管理費
2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した年度の一般管理費の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
内訳 2021 年 2020 年
一般管理費 短期給与 116,996 113,029
73,592 63,187
財務部におけるその他費用 事務費
190,588 176,216
小計
EDCF の事務費 1,331 1,038
一般管理費－その他 退職給付（確定拠出） 2,977 753
退職給付（確定給付） 20,940 11,178
有形固定資産の減価償却
費 7,056 7,434
無形資産の償却費 10,759 11,419
公租公課 17,195 21,040
寄付金および拠出金 2,000 3,000
60,927 54,824
小計
252,846 232,078
合計
126/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
33 ．営業外収益（費用）
2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した 年度 の営業外 収益（費用） の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
内訳 2021 年 2020 年
関連会社および子会社
投資に係る利益（損
失） 受取配当金 10,931 16,913
減損損失 - (142,246)
- (1)
処分益（損）
10,931 (125,334)
小計
その他収益 有形固定資産の処分益 119 119
賃料収入 129 138
契約違反について支払われた補償
金 - 79
その他の貸付金利息 75 109
調査プロジェクトに係る収益 6,602 6,466
450 1,230
その他の雑収入
7,375 8,141
小計
その他費用 有形固定資産の処分損 (51) (1)
寄付金および 拠出 金 (7,159) (6,173)
訴訟費用 (1,018) (814)
調査プロジェクトに係る費用 (6,320) (6,074)
(435) (207)
その他 の雑費用
(14,983) (13,269)
小計
(7,608) (5,128)
合計
127/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
34 ．法人税費用
(１) 2021 年および 2020 年12月31日に終了した年度の法人税費用の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
未払当期法人税 (5,776) 9,220
過年度税金債務について当期に認識した調整額 (74) (9,308)
一時差異による繰延法人税の変動 232,271 104,893
(27,836) (67,083)
資本に直接認識された繰延法人税の変動
198,585 37,722
法人税費用
(２) 2021 年および 2020 年12月31日に終了した年度 における 一時差異の変動および繰延税金資産（負債）は以下のとお
りである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年）
繰延税金資産
一時差異
（負債）の
内訳 期首残高 増加（減少） 期末残高 期末残高
減価償却費 106 6 112 27
公正価値ヘッジ利益（損失） 1,375,588 (1,230,942) 144,646 35,004
金融保証契約負債 1,050,102 (78,906) 971,196 235,030
貸付金 (42,621) 35,876 (6,745) (1,632)
貸倒引当金 984,662 (527,601) 457,061 110,609
未使用コミットメント引当金 239,584 (102) 239,482 57,955
正味繰延貸付金組成手数料および費用 364,854 3,355 368,209 89,107
長期前受収益 (2,689) - (2,689) (651)
手形引受および保証引当金 387,027 (6,044) 380,983 92,198
ローン・エクイティ・スワップ 1,176,609 57,705 1,234,314 298,704
デリバティブ評価損 142,212 (395,619) (253,407) (61,324)
デリバティブ評価益 (1,352,817) 1,258,619 (94,198) (22,796)
確定給付負債 - (6,492) (6,492) (1,571)
スワップ取引に関連する未収利息およ
び
未払利息 (316,122) 11,132 (304,990) (73,808)
有形固定資産 (173,653) (1,440) (175,093) (42,372)
その他 1,882,441 25,578 1,908,019 461,739
5,715,283 (854,875) 4,860,408 1,176,219
小計
資本において直接調整される繰延税金
(301,120)
資産（負債）
875,099
合計
128/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ 2020 年）
繰延税金資産
一時差異
（負債）の
内訳 期首残高 増加（減少） 期末残高 期末残高
減価償却費 107 (1) 106 26
公正価値ヘッジ利益（損失） 597,679 777,909 1,375,588 332,892
金融保証契約負債 989,685 60,417 1,050,102 254,125
貸付金 (69,322) 26,701 (42,621) (10,314)
貸倒引当金 605,777 378,885 984,662 238,288
未使用コミットメント引当金 232,940 6,644 239,584 57,979
正味繰延貸付金組成手数料および費用 399,621 (34,767) 364,854 88,295
長期前受収益 (3,528) 839 (2,689) (651)
手形引受および保証引当金 306,441 80,586 387,027 93,661
ローン・エクイティ・スワップ 2,031,381 (854,772) 1,176,609 284,739
デリバティブ評価損 (787,945) 930,157 142,212 34,415
デリバティブ評価益 384,594 (1,737,411) (1,352,817) (327,382)
確定給付負債 19,492 (19,492) - -
スワップ取引に関連する未収利息およ
び
未払利息 (331,176) 15,054 (316,122) (76,502)
有形固定資産 (175,296) 1,643 (173,653) (42,024)
1,882,441 456,118
その他 1,675,440 207,001
5,875,890 (160,607) 5,715,283 1,383,665
小計
資本において直接調整される繰延税金
(276,295)
資産（負債）
1,107,370
合計
(３) 2021 年および 2020 年12月31日に終了した年度の税引前純利益と法人税費用（便益）の間の調整の内訳は、以下の
とおりである。（単位：百万ウォン）
2021 年 2020 年
税引前純利益 746,124 140,132
法定税率（ 200 百万ウォンまでが 11 ％、 200 百万ウォン
超 20 十億ウォンまでが 22 ％、 20 十億ウォン超 300 十億
ウォンまでが 24.2 ％、 300 十億ウォン超が 27.5 ％）で計
算された法人税 194,822 33,450
調整：
非課税所得に対する影響 (27,471) (23,566)
損金不算入費用に対する影響 24,516 20,210
減税に対する影響 - (3,514)
6,792 20,451
その他
3,837 13,581
小計
(74) (9,309)
過年度当期法人税として認識された調整
198,585 37,722
法人税費用
実効税率 26.62 ％ 26.92 ％
129/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(４) 2021 年および 2020 年12月31日現在の資本に直接認識された項目に関連する繰延法人税の内訳は以下のとおりであ
る。（単位：百万ウォン）
内訳 2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
金融投資評価損 (297,161) (272,509)
キャッシュフロー・ヘッジ評価益 (948) (1)
(6,023) (3,785)
確定給付負債純額の再測定
(304,132) (276,295)
合計
(５) 未認識の繰延税金資産および負債
当行は、当行が一時差異の戻入れの時期をコントロールすることができ、かつ予見しうる将来において一時差異の戻入
れがなされる見込みがないため、 2021 年 12 月 31 日現在の関連会社および子会社投資に関連する 52,608 百万ウォンの将来加
算一時差異に対する繰延税金負債を認識していない。
また当行は、実現可能な期がすでに経過していたため、 2021 年 12 月 31 日の現在金融投資の減損損失に関連する 4,469 百万
ウォンの将来減算一時差異に対する繰延税金資産を認識していない。
35 ．キャッシュフロー計算書
( １ ) 2021 年および 2020 年 12 月 31 日に終了した年度のキャッシュフローを伴わない取引の内訳は以下のとおりで ある。
（単位：百万ウォン）
内訳 2021 年 2020 年
償却 13,459 218,764
関連会社投資から金融投資への振替え 380,520 -
現物出資 101,864 -
確定給付負債純額の再測定 9,248 4,272
( ２ ) 2021 年および 2020 年 12月31日に終了した年度 における財務活動により生じる負債の変動 は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年）
内訳 借入金 債券 合計
期首残高 6,076,631 72,641,777 78,718,408
キャッシュフローの変動 (1,005,804) 1,585,728 579,924
償却費 135 119,042 119,177
外国為替取引 505,947 3,275,006 3,780,953
- (1,135,500) (1,135,500)
公正価値ヘッジ対象の変動
5,576,909 76,486,053 82,062,962
期末残高
（ 2020 年）
内訳 借入金 債券 合計
期首残高 6,796,372 67,137,591 73,933,963
キャッシュフローの変動 (115,372) 6,861,920 6,746,548
債券の償還に係る損失 - 64 64
償却費 268 201,079 201,347
外国為替取引 (604,637) (2,315,090) (2,919,727)
- 756,213 756,213
公正価値ヘッジ対象の変動
6,076,631 72,641,777 78,718,408
期末残高
130/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
36 ．偶発債務およびコミットメント
(１) 2021 年および 2020 年12月31日現在の偶発債務およびコミットメントの内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
内訳 2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
保証 確認 30,068,697 27,960,939
10,162,786 6,741,575
無確認
40,231,483 34,702,514
小計
ローン・コミットメント ウォン建および外貨建ロー
ン・コミットメント 30,217,694 24,247,153
2,399,537 2,184,291
その他
32,617,231 26,431,444
小計
72,848,714 61,133,958
合計
(２) 2021 年および 2020 年12月31日現在、他者に提供されている保証の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
内訳 2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
確認保証 ウォン建：
契約履行 75,088 75,088
債務弁済 76,183 88,958
38,742 49,814
その他
190,013 213,860
小計
外貨建：
契約履行 7,214,218 7,065,461
債務弁済 9,117,665 6,882,321
輸入財貨の引受 1,902 1,005
未払輸入信用状の受入 237,980 217,388
対外負債 10,009,388 9,580,093
3,297,531 4,000,811
その他
29,878,684 27,747,079
小計
無確認保証 対外負債 1,040,401 1,401,148
債務弁済 9,047,096 5,126,848
契約履行 75,254 207,315
輸入信用の引受 - 6,229
35 35
その他
10,162,786 6,741,575
小計
40,231,483 34,702,514
合計
131/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(３) 2021 年および 2020 年12月31日現在の保証の国別の内訳は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
確認保証 無確認保証 合計
比率 比率 比率
内訳 金額 （％） 金額 （％） 金額 （％）
アジア：
韓国 18,382,248 61.13 9,121,271 89.75 27,503,519 68.36
中国 174,668 0.58 - - 174,668 0.43
サウジアラビ
ア 1,226,580 4.08 - - 1,226,580 3.05
インド 587,733 1.95 - - 587,733 1.46
インドネシア 716,448 2.38 304,695 3.00 1,021,143 2.54
ベトナム 1,100,647 3.66 433,889 4.27 1,534,536 3.81
オーストラリ
ア 207,027 0.69 - - 207,027 0.51
カタール 218,227 0.73 - - 218,227 0.54
シンガポール 135,957 0.45 - - 135,957 0.34
オマーン 506,487 1.68 37,498 0.37 543,985 1.35
ウズベキスタ
ン 330,123 1.10 - - 330,123 0.82
その他 1,694,809 5.65 134,339 1.32 1,829,148 4.56
25,280,954 84.08 10,031,692 98.71 35,312,646 87.77
小計
ヨーロッパ：
英国 57,793 0.19 - - 57,793 0.14
フランス 249,712 0.83 - - 249,712 0.62
その他 1,816,658 6.04 77,274 0.76 1,893,932 4.71
2,124,163 7.06 77,274 0.76 2,201,437 5.47
小計
アメリカ：
米国 966,069 3.22 13,041 0.13 979,110 2.43
ブラジル 400,481 1.33 - - 400,481 1.00
メキシコ 406,125 1.35 - - 406,125 1.01
バミューダ - - - - - -
509,126 1.69 40,779 0.40 549,905 1.37
その他
2,281,801 7.59 53,820 0.53 2,335,621 5.81
小計
アフリカ：
マダガスカル 87,636 0.29 - - 87,636 0.22
294,143 0.98 - - 294,143 0.73
その他
381,779 1.27 - - 381,779 0.95
小計
30,068,697 100.00 10,162,786 100.00 40,231,483 100.00
合計
132/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
（ 2020 年 12 月 31 日）
確認保証 無確認保証 合計
比率 比率 比率
内訳 金額 （％） 金額 （％） 金額 （％）
アジア：
韓国 16,207,650 57.97 5,330,002 79.06 21,537,652 62.06
中国 200,663 0.72 - - 200,663 0.58
サウジアラビ
ア 1,283,479 4.59 - - 1,283,479 3.70
インド 554,211 1.98 - - 554,211 1.60
インドネシア 715,347 2.56 332,780 4.94 1,048,127 3.02
ベトナム 988,464 3.53 405,658 6.02 1,394,122 4.02
オーストラリ
ア 226,478 0.81 - - 226,478 0.65
カタール 225,804 0.81 - - 225,804 0.65
シンガポール 127,444 0.46 - - 127,444 0.37
オマーン 439,393 1.57 88,691 1.31 528,084 1.52
ウズベキスタ
ン 330,221 1.18 18,033 0.27 348,254 1.00
その他 1,444,279 5.16 243,038 3.60 1,687,317 4.86
22,743,433 81.34 6,418,202 95.20 29,161,635 84.03
小計
ヨーロッパ：
英国 485,635 1.74 - - 485,635 1.40
フランス 281,363 1.00 - - 281,363 0.81
その他 1,510,303 5.40 184,871 2.74 1,695,174 4.89
2,277,301 8.14 184,871 2.74 2,462,172 7.10
小計
アメリカ：
米国 1,166,979 4.18 11,968 0.18 1,178,947 3.40
ブラジル 371,831 1.33 - - 371,831 1.07
メキシコ 397,508 1.42 - - 397,508 1.14
バミューダ 259,434 0.93 - - 259,434 0.75
288,838 1.03 126,534 1.88 415,372 1.20
その他
2,484,590 8.89 138,502 2.06 2,623,092 7.56
小計
アフリカ：
マダガスカル 161,761 0.58 - - 161,761 0.46
293,854 1.05 - - 293,854 0.85
その他
455,615 1.63 - - 455,615 1.31
小計
27,960,939 100.00 6,741,575 100.00 34,702,514 100.00
合計
133/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(４) 2021 年および 2020 年12月31日現在の保証の産業別内訳は以下のとおりである。（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
確認保証 無確認保証 合計
比率 比率
比率
内訳 金額 （％） 金額 （％） 金額 （％）
製造業 15,695,679 52.20 8,938,321 87.95 24,634,000 61.22
運輸業 2,226,005 7.40 - - 2,226,005 5.53
金融機関 904,286 3.01 1,114 0.01 905,400 2.25
卸売および小売業 734,150 2.44 43,915 0.43 778,065 1.93
不動産関連業 42,562 0.14 48,556 0.48 91,118 0.23
建設業 5,250,974 17.46 78,279 0.77 5,329,253 13.25
5,215,041 17.35 1,052,601 10.36 6,267,642 15.59
公共部門等
30,068,697 100.00 10,162,786 100.00 40,231,483 100.00
合計
（ 2020 年 12 月 31 日）
確認保証 無確認保証 合計
比率 比率
比率
内訳 金額 （％） 金額 （％） 金額 （％）
製造業 13,914,707 49.76 5,388,964 79.94 19,303,671 55.63
運輸業 2,004,642 7.17 42,821 0.64 2,047,463 5.90
金融機関 1,412,167 5.05 13,033 0.19 1,425,200 4.11
卸売および小売業 514,662 1.84 31,114 0.46 545,776 1.57
不動産関連業 43,962 0.16 48,408 0.72 92,370 0.27
建設業 5,270,863 18.85 377,321 5.60 5,648,184 16.28
4,799,936 17.17 839,914 12.45 5,639,850 16.24
公共部門等
27,960,939 100.00 6,741,575 100.00 34,702,514 100.00
合計
(５) グローバル・ミディアム・ターム・ノート・プログラムおよびコマーシャル・ペーパー ・ プログラム
当行は、外貨建債券およびCPの発行に関して、以下のプログラムを設定している。
１）1991年８月１日に当初設定され、毎年更新されている、発行上限を 55 十億米ドルと する 米国証券取引委員会
規則に基づいて外債を発行するための 米国の発行登録書
２）1997年５月14日および1997年５月16日に当初設定され、毎年更新されている、発行上限をそれぞれ ６ 十億米
ドルおよび２十億米ドルと する CPを発行するためのCPプログラム
３）1997年11月６日に当初設定され、毎年更新されている、発行上限を 27.5 十億米ドルと する 外貨建中長期債券
を発行するための グローバル ・ミディアム ・ターム ・ノート・プログラム
４）2012年２月２日に当初設定され、毎年更新されている、発行上限を １ 十億マレーシア・リンギット とする マ
レーシア・リンギット建債を発行するためのマレーシア・リンギットMTNプログラム
５） 1995 年に当初設定され、 ２年ごとに更新されている発行上限を 5 ,000億円と する サムライ債を発行するための
日本の 発行登録書
６）2010年５月31日に設定され、発行上限を ６ 十億豪ドルと する カンガルー債を発行するためのオーストラリア
国内債券発行プログラム
７）2011年１月17日に設定され、 ２年ごとに更新されている発行上限を 5,000億円と する 債券売出しのための 日本
の 発行登録書
134/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(６) 訴訟
2021 年12月31日現在、当行は、 原告として 10 件の訴訟（訴額合計： 68,302 百万ウォン）を提起し、被告として 11 件の
訴訟（訴額合計： 44,121 百万ウォン）が係争中であった。当行の経営陣は、これら訴訟により財務書類に対して大きな
影響はないと予想しているが、将来の訴訟の結果によって当行に追加的損失が生じる可能性がある。
(７) 償却 済 貸付金
当行は、時効により債務者に対する 請求 権を有する償却済貸付金および償却後未回収となっている償却済貸付金等を
管理している。 2021 年および 2020 年12月31日現在の償却済貸付金は、それぞれ 2,053,343 百万ウォンおよび 1,982,456 百
万ウォン である。
( ８ ) 新型コロナウイルス（ COVID-19 ）
COVID-19 の蔓延は世界経済に悪影響を及ぼしており、これが特定のポートフォリオ中の資産に係る予想信用損失およ
び潜在的な資産の減損に対してより大きな影響を及ぼし、以下のとおり当行の利益創出能力に悪影響を及ぼすことがあ
る。
・ COVID-19 の影響を受ける可能性のある借手の信用リスクについて不確実性が生じることがある。
・予想信用損失に関連した将来のマクロ経済情報について不確実性が生じることがある。
・韓国ウォンは主要外国通貨に対して下落することがあり、その結果、外貨建負債に対する元利金の支払が増加し、
外国為替取引について損失が生じることがある。
・ COVID-19 のパンデミックの影響を受けた、当行の投資先である事業体の公正価値が著しく低下する可能性がある。
なお、予想信用損失に対する COVID-19 の影響については注 31 「信用減損損失 ( 戻入れ ) 」に記載がある。
( ９ ) 2022 年２月に発生したウクライナ危機に関連して、ロシアに対して国際的な制裁が科されている。制裁は、ロシ
アと直接または間接的に事業を行う企業、産業または経済に影響を及ぼすことがあるが、当行の財政状態および経
営に対する影響はまだ観察されていない。当行はウクライナ危機の影響を一貫して監視し、制御している。
37 ．関連当事者との取引および残高
関連当事者は、当行、退職後給付、主要な経営陣および 係る 者の近親者 に 関連のある事業体、被支配事業体または被
共同支配事業体ならびに重要な影響を受ける事業体からなる。
(１) 2021 年 12 月 31 日現在の当行の関連当事者の内訳は以下のとおりである。
内訳 関係 所有比率 ( ％ )
親会社：
韓国政府 親会社 68.74
子会社および関連会社：
KEXIM バンク UK リミテッド 子会社 100.00
PT. KOEXIM マンディリ・ファイナンス
子会社 85.00
KEXIM ベトナム・リーシング・コ 子会社 100.00
KEXIM アジア・リミテッド 子会社 100.00
EXIM プラス・カンパニー・リミテッド 子会社 100.00
クレジット・ギャランティ・アンド・インベストメント・ファンド 関連会社 15.07
KTB ニューレイク・グローバル・ヘルスケア PEF 関連会社 25.00
韓国航空宇宙産業 関連会社 26.41
大宇造船海洋 関連会社 -
135/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(２) 関連当事者との債権、債務および保証の重要な残高
１） 2021 年および 2020 年12月31日現在の関連当事者との債権および債務の重要な残高は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
内訳 債権 引当金 債務
子会社：
KEXIM バンク UK リミテッド 177,709 - -
PT. KOEXIM マンディリ・ファイナンス
143,543 267 -
KEXIM ベトナム・リーシング・コ 144,256 315 1
129,953 81 -
KEXIM アジア・リミテッド
595,461 663 1
小計
関連会社：
大宇造船海洋 2,524,098 433,756 -
3,119,559 434,419 1
合計
（ 2020 年 12 月 31 日）
内訳 債権 引当金 債務
子会社：
KEXIM バンク UK リミテッド 133,159 - -
PT. KOEXIM マンディリ・ファイナンス
137,198 250 -
KEXIM ベトナム・リーシング・コ 108,059 263 14
124,126 156 -
KEXIM アジア・リミテッド
502,542 669 14
小計
関連会社：
大鮮造船 522,111 515,596 44
大宇造船海洋 2,518,836 370,637 1,838
3,040,947 886,233 1,882
小計
3,543,489 886,902 1,896
合計
136/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
２） 2021 年および 2020 年12月31日現在の関連当事者に提供された保証は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年 12 月 31 日）
ローン・ その他の
内訳 確認保証 無確認保証 コミットメント コミットメント
子会社：
KEXIM バンク UK リミテッド - - 232,365 -
PT. KOEXIM マンディリ・
ファイナンス - - 34,380 -
KEXIM ベトナム・リーシン
グ・コ - 1,114 89,888 -
- - 192,153 -
KEXIM アジア・リミテッド
- 1,114 548,786 -
小計
関連会社：
大宇造船海洋 2,822,425 2,379,492 1,450,000 1,665,958
2,822,425 2,380,606 1,998,786 1,665,958
合計
（ 2020 年 12 月 31 日）
その他の
ローン・
コミットメン
内訳 確認保証 無確認保証 コミットメント ト
子会社：
KEXIM バンク UK リミテッド - - 210,800 -
PT. KOEXIM マンディリ・
ファイナンス - - 26,112 -
KEXIM ベトナム・リーシン
グ・コ - 4,195 107,829 -
- - 132,192 -
KEXIM アジア・リミテッド
- 4,195 476,933 -
小計
関連会社：
大鮮造船 65,010 75,574 15,000 -
大宇造船海洋 2,795,481 1,615,016 1,450,000 -
2,860,491 1,690,590 1,465,000 -
小計
2,860,491 1,694,785 1,941,933 -
合計
137/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(３) 関連当事者との取引に 係る 損益
2021 年および 2020 年12月31日に終了した年度の関連当事者との取引に係る損益は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年）
内訳 収益 引当金繰入 れ 費用
子会社：
KEXIM バンク UK リミテッド 395 - -
PT. KOEXIM マンディリ・ファイナンス
598 17 -
KEXIM ベトナム・リーシング・コ 561 49 -
KEXIM アジア・リミテッド 810 (76) -
- - -
EXIM プラス・カンパニー・リミテッド
小計 2,364 (10) -
関連会社：
大鮮造船 (*1) 6,489 (114,648) 228
50,092 45,260 -
大宇造船海洋
小計 56,581 (69,388) 228
58,945 (69,398) 228
合計
(* 1) 2021 年 12 月 31 日に終了した年度について、関連当事者から除外される前の取引に係る損益。
（ 2020 年）
内訳 収益 引当金繰入 れ 費用
子会社：
KEXIM バンク UK リミテッド 1,686 - 45
PT. KOEXIM マンディリ・ファイナンス
2,367 (22) 1
KEXIM ベトナム・リーシング・コ 1,804 11 1
KEXIM アジア・リミテッド 2,005 82 1
- - 5,879
EXIM プラス・カンパニー・リミテッド
小計 7,862 71 5,927
関連会社：
HSG 城東造船海洋 - - -
大鮮造船 7,012 92,185 16
31,604 60,595 14,458
大宇造船海洋
小計 38,616 152,780 14,474
46,478 152,851 20,401
合計
138/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(４) 関連当事者との資金取引
2021 年および 2020 年12月31日に終了した年度の関連当事者との資金取引は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
（ 2021 年）
資金取引
内訳 貸付金 回収
子会社：
KEXIM バンク UK リミテッド 353,591 354,388
PT. KOEXIM マンディリ・ファイナンス
288,237 294,080
KEXIM ベトナム・リーシング・コ 273,001 252,213
KEXIM アジア・リミテッド 110,055 153,988
関連会社：
大鮮造船 (*1) 84,259 506,111
1,109,143 1,560,780
合計
(* 1) 2021 年 12 月 31 日に終了した年度について、関連当事者から除外される前の貸付取引。
（ 2020 年）
資金取引
内訳 貸付金 回収
子会社：
KEXIM バンク UK リミテッド 366,724 381,663
PT. KOEXIM マンディリ・ファイナンス
558,838 567,054
KEXIM ベトナム・リーシング・コ 567,377 590,328
KEXIM アジア・リミテッド 415,372 451,482
関連会社：
HSG 城東造船海洋 18,290 189,052
41,500 37,500
大鮮造船
1,968,101 2,217,079
合計
(５) 2021 年および 2020 年12月31日に終了した年度の主要な経営陣に対する報酬の内訳は以下のとおりである。
（単位：百万ウォン）
内訳 2021 年 2020 年
給与 3,562 3,106
404 314
離職・退職給付金
3,966 3,420
合計
38 ．財務書類の承認
当行の財務書類は、 2022 年３月 15 日に理事会の承認を受け、最終的 に 2022 年３月 29 日に運営委員会の承認を受けた。
139/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(6) 【その他】
当行は、当行の債務のいずれについても、これまでにその元金または利息の支払の履行を怠ったこと
はない。
140/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(7) 【発行者の属する国等の概況】
① 位置・面積・人口等
韓国は、朝鮮半島の北緯 38 度線のほぼ南側に位置し、国土面積約 38,000 平方マイルを有する。国土の
約４分の１は耕地である。韓国の人口は約 51 百万人である。韓国最大の都市である首都ソウルは、約 10
百万の人口を有する。
② 政治・外交
(a) 政治の変遷
1948 年の建国後、韓国は、 1948 年、 1952 年、 1956 年および 1960 年に選出された李承晩大統領によっ
て統治された。 1960 年に学生主導のデモに応じて李大統領は辞任したが、その直後に朴正煕氏が率い
る軍指導者グループがクーデターによって政権を掌握した。軍指導者グループは文民政権を確立し、
朴氏は 1963 年 10 月に大統領に選出された。朴大統領は、政府と反政府勢力の間の闘争が高揚した後、
1979 年に暗殺されるまで大統領職にあった。政府は戒厳令を発令し、次の大統領となった崔圭夏首相
の下に暫定政権が形成された。政府と反政府勢力の一連の衝突の後に崔大統領は辞任し、韓国軍部の
権力を掌握した全斗煥将軍が 1980 年に大統領に就任した。
1980 年後半、大統領選挙人団による間接的な大統領選挙といくつかの民主主義改革を規定する新憲
法が国民投票で承認され、その直後の 1981 年初頭、全大統領は大統領に再選された。
1987 年には、大衆デモに応えて、立法府は大統領の直接選挙を規定するように憲法を改正した。
1987 年 12 月に、金泳三氏と金大中氏の率いる野党が統一候補者を立てることができなかったため、盧
泰愚氏が僅差で大統領に選ばれた。 1990 年２月に、金泳三氏が率いる政党を含む野党２党が盧大統領
の率いる与党民自党に合流した。
1992 年 12 月に、金泳三氏は大統領に選出された。文民で前野党党首の大統領選出により、政治制度
の正統性をめぐる議論は大幅に減少した。金大統領政権は、政治改革を行い、韓国経済の規制緩和と
国際化を進めた。
1997 年 12 月、韓国国民は金大中氏を大統領に選出した。金大統領が率いる新千年民主党（旧新政治
国民会議）は金鍾泌氏の率いる自由民主連合と連立し、金鍾泌氏は金大中政権最初の国務総理となっ
た。この連立は 2000 年４月の総選挙直前に一時的に解消したが、 2000 年６月に自由民主連合の李漢東
氏が国務総理に任命されたことで継続した。この連立は、 2001 年９月に再び終了した。
2002 年 12 月、韓国国民は盧武鉉氏を大統領に選出した。盧大統領およびその支持者は 2003 年に千年
民主党を離脱し、 2003 年 11 月に新党のウリ党を結成した。 2007 年８月 15 日、それまでウリ党（民主
党）に所属していた 85 名の国会議員は、大統合民主新党（ UNDP ）を結成した。ウリ党は 2007 年８月 20
日に大統合民主新党に吸収合併された。 2008 年２月、大統合民主新党は民主党と統合した。 2011 年 12
月、民主党は市民統合党と統合し、民主統合党を結成し、 2013 年５月に民主党に党名を改称した。
2007 年 12 月、韓国国民は、李明博氏を大統領に選出した。李氏は、 2008 年２月 25 日に就任した。
2018 年４月、韓国の検察当局は、収賄、権力の濫用、横領およびその他の違法行為を含む 16 件の汚職
により李元大統領を起訴した。 2018 年 10 月、ソウル地方裁判所は李氏に懲役 15 年を言い渡し、李氏は
この判決に対して控訴した。 2020 年 10 月、大法院はかかる控訴に対して反対の裁定を下し、李氏に 17
年の懲役刑を言い渡し、現在服役中である。
2012 年 12 月、朴槿恵氏が大統領に選任され、 2013 年２月 25 日に就任した。 2017 年３月、憲法裁判所
は、国会による朴大統領の弾劾決議を全員一致で支持し、朴大統領は、憲法違反、ならびに側近によ
る国政への影響力行使および大統領上級補佐官による企業献金の強要の援助を許容することによる権
力の濫用を含む複数の憲法上および刑法上の違反により、直ちに罷免された。一連の審理を経て、朴
前大統領は合計 22 年の懲役刑と 21.5 十億ウォンの罰金刑を言い渡された。しかし、朴前大統領の健康
状態が悪化したことから、同氏は後任の文大統領から恩赦を受け、 2021 年 12 月 31 日に釈放された。
2017 年５月９日に朴前大統領の後任を選出する特別選挙が実施され、文在寅氏が大統領に選出され
た。文大統領の任期は 2017 年５月 10 日に開始し、 2022 年５月９日までとなっている。
141/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
2022 年３月、尹錫悦氏が大統領に選出された。同大統領の任期は 2022 年５月 10 日に開始する。尹政
権の主要な政策目標には以下のものが含まれる。
・小規模企業および自営業者の支援のための救済策の提供などを通じて、進行中の COVID-19 のパンデ
ミックの韓国経済に対する悪影響を緩和すること。
・新築住宅の供給の増加や不動産関連税制の改革により住宅市場を安定させること。
・民間部門の成長を促進し、半導体、人工知能、バッテリーおよびその他の戦略的産業を支援するこ
とにより、経済の繁栄を追求すること。
・朝鮮半島の非核化を追求し、韓国の中核的な軍事能力を強化し、外交関係および国家安全保障を改
善すること。
・前政権の原子力の段階的廃止政策を転換し、再生可能エネルギーと原子力発電を組み合わせること
により、カーボン・ニュートラルを実現する取組み等を通じて環境、社会および企業統治管理の強
化を追求すること。
・デジタル・プラットフォームの構築や大統領府の移転を含む様々な措置を通じて、政府の効率的な
運営を追求すること。 7
(b) 政府および行政組織
韓国の国家権力は、中央集権化されており、大統領に強力な権限が集中している。大統領は国民投
票により選出され、任期は１期のみの５年である。大統領は、大統領、首相、副首相、政府省庁の長
および国務大臣で構成される国務会議（内閣）の議長である。大統領は、国務会議の構成員を選任す
ることができ、また、選挙を通じて選ばれた地方公務員を除き、他のすべての政府公務員を任免する
ことができる。
大統領は新法案に対する拒否権を有する。さらに大統領は自然災害、重大な財政もしくは経済危
機、戦争状態またはそれに類する事態の場合には緊急措置を講ずることができる。ただし、大統領は
実施した緊急措置について遅滞なく国会の同意を得なければならず、かかる同意が得られない場合、
緊急措置は自動的に無効となる。戒厳令の場合、大統領は国会の同意を得ることなく戒厳令を発令す
ることができる。ただし、国会は、大統領に戒厳令の取消しを要請することができる。
国会は、立法権を行使する。憲法および公職選挙法は、国会議員の約 84 ％の直接選挙と、残りの議
席が直接選挙で５議席超を獲得したかまたは３％超を得票した政党の間で比例配分されることを規定
している。国会議員の任期は４年である。国会は法律を制定し、条約を批准し、国家予算を承認す
る。大部分の法律は行政部門によって起案され、承認のため国会に提出される。
司法機関は、大法院、憲法裁判所およびその他下級裁判所をもって構成される。大法院長は大統領
により任命され、その他の大法院判事（大法官）は、大法院長の推薦に基づき大統領により任命され
る。大法院判事の任命には国会の同意が必要である。大法院長は、大法官の同意を得て、韓国の他の
裁判官すべてを任命する。大法院判事の任期は６年であり、それ以外の裁判官の任期は 10 年である。
大法院長を除く大法院判事および裁判官は継続して再任されることができる。
大統領は、憲法裁判所の９名の裁判官全員を正式に任命するが、そのうち３名は国会により、３名
は大法院長により、指名されなければならない。憲法裁判所の裁判官の任期は６年であり、継続して
再任されることができる。
行政区域として、韓国は８つの道、１つの特別自治道（済州）、１つの特別市（ソウル）、６つの
広域市（釜山、大邱、仁川、光州、大田および蔚山）ならびに１つの特別自治市（世宋）に分かれて
いる。 1961 年から 1995 年までは、中央政府が道を統治しており、道の公務員は大統領により任命され
ていた。 1995 年６月、道の公務員の選挙を含む完全地方自治が再開した。
(c) 政党
第 21 回総選挙が 2020 年４月 15 日に実施され、同選挙において選出された国会議員の任期は 2020 年５
月 30 日に開始した。現在、共に民主党（ DPK ）、国民の力党（ PPP ）および正義党（ JP ）の三大政党が
ある。
2022 年５月４日現在、各政党は、国会において以下の議席数を有している。
142/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
議席数
共に民主党（ DPK ） 168
国民の力党（ PPP ） 109
正義党（ JP ） 6
10
その他
293
合計
(d) 南北関係
韓国と北朝鮮の関係は、韓国の歴史の大部分にわたり緊張状態にあった。朝鮮戦争は、 1950 年の韓
国に対する北朝鮮からの共産主義軍による侵略とともに始まったが、かかる侵攻は韓国軍と米軍が主
導する国連軍によって阻止された。軍事的膠着状態の後、 1953 年に北緯 38 度線付近に国連により監視
される非武装地帯が置かれ、停戦となった。
北朝鮮は、 100 万人超と推定される正規兵力および約 7.6 百万人の予備役軍人を維持しており、正規
兵力の大多数は、非武装地帯の北側の境界の近くに集中している。約 555,000 人の正規兵力および 3.1
百万人の予備役軍人からなる韓国軍は、非武装地帯の南側の境界に沿って 軍事的準備態勢 を維持して
いる。また、米国は停戦協定の締結以降韓国内に軍事的拠点を維持しており、現在は約 28,500 人の兵
力が韓国に駐留している。韓国と米国は、韓国内での米韓共同指揮体制を有している。 2014 年 10 月、
米国および韓国は将来の適切な時点での米韓共同指揮体制の解除に向けて条件付提案を行うことで合
意した。これによって韓国は朝鮮半島での有事の際には自国軍の指揮権を行使できるようになる。長
年にわたって、韓国と米国は、韓国内における米軍駐留経費負担を定めた一連の韓米防衛費分担特別
協定（以下「 SMA 」という。）を締結してきた。 2021 年３月、韓国と米国は、在韓米軍駐留経費の韓
国の負担比率を引上げることとなる新たな６年間の SMA を締結することで合意した。この合意は、韓
国は、国会の承認を受けて 2021 年９月に効力を生じた。
南北朝鮮間の緊張度合は不安定で、現在および今後の事象によって急に緊張が高まることがある。
とりわけ、 2011 年 12 月の金正日氏の死去以後、北朝鮮の政治的指導層の将来に関する不透明性ならび
に同地域の政治的および経済的安定に関する懸念が高まっている。金正日氏の第三男である金正恩氏
が父親の指名した後継者として権力を承継した。
また、北朝鮮の核兵器および弾道弾ミサイル計画ならびに韓国に対する敵対的軍事行動およびその
他の行動によって、近年安全保障に関する懸念が高まっている。近年の重大な事件の一部を以下に挙
げる。
・北朝鮮は、随時弾道弾ミサイルの発射実験を実施してきた。 2016 年２月、北朝鮮は、米国との合意
ならびに弾道弾ミサイル技術を利用した発射を妨げる国連の制裁に違反して、長距離ロケットを発
射した。国際的な非難にもかかわらず、北朝鮮はロケット発射計画を続ける意向であるとの声明を
発表し、 2016 年から 2017 年にかけて一連の弾道弾ミサイルの発射実験を行った。これに対して、国
連安全保障理事会は北朝鮮を非難し、状況の厳重な監視を続け、さらなる重大な措置をとることに
合意する内容の全会一致の声明を発表し、 2017 年 12 月には北朝鮮に課されていた既存の制裁を拡大
する決議を全会一致で可決した。
・北朝鮮は、 2003 年１月に核拡散防止条約に基づく義務を放棄し、 2006 年 10 月から 2013 年２月までに
３回にわたって核実験を実施した。 2016 年１月、北朝鮮は、４回目の核実験を行い、これが初の水
爆実験を含むものであったことを宣言した。 2016 年９月、北朝鮮は、５回目の核実験を実施し、弾
道弾ミサイルに搭載可能な核弾頭の爆発実験に成功したと発表した。 2017 年９月、北朝鮮は、大陸
間弾道弾ミサイルに搭載されるように設計された水爆の爆発により６回目の核実験に成功したこと
を発表し、その結果、周辺地域の緊張が高まり、世界中からの強い反発を浴びた。かかる実験（お
よび北朝鮮の長距離弾道弾ミサイル計画）に対して、国連安全保障理事会は、北朝鮮の行為を非難
し、北朝鮮に適用される制裁の範囲を大幅に拡大する決議を数回にわたって全会一致で採択し、米
国および EU も北朝鮮に対して追加制裁を加えた。
143/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
・ 2015 年８月、韓国の兵士２名が非武装地帯近くで地雷の爆発によって負傷した。韓国軍は、地雷が
北朝鮮によって埋められたものであると主張し、非武装地帯の近くで拡声器を利用して北朝鮮に向
けたプロパガンダ計画を再開した。報復として、北朝鮮軍は拡声器に対して砲撃を行い、その結果
両 国ともに最高レベルの軍事即応態勢を敷いた。
・ 2010 年３月、韓国海軍の軍艦が海中爆発により破壊され、多数の乗組員が死亡した。政府は、かか
る沈没を引起こしたとして北朝鮮を公式に非難したが、北朝鮮はかかる沈没についての責任を否定
した。さらに、 2010 年 11 月、北朝鮮は百発を超える砲撃を行い、これが朝鮮半島西岸の南北間の事
実上の海上国境となる北方限界線近くの韓国の延坪島に着弾し、複数の負傷者と著しい財産上の損
害が生じた。政府はこの攻撃について北朝鮮を非難し、さらなる挑発行為があった場合には断固と
した報復措置に出ることを明言した。
北朝鮮の経済は、厳しい課題にも直面しており、これは北朝鮮における社会的政治的圧力をさらに
悪化させる可能性がある。 2018 年４月および５月に南北首脳会談が開催され、また 2018 年６月、 2019
年２月および 2019 年６月には米朝首脳会談が開催されたものの、今後、朝鮮半島における緊張が高ま
ることはないと、あるいはかかる緊張によって韓国経済および当行が重大な悪影響を受けることがな
いと、保証することはできない。たとえば、北朝鮮において指導者の重大局面を迎えた場合、南北朝
鮮間の高官レベルの接触が失敗に終わった場合、または一層の軍事的な対立が生じた場合など、さら
に緊張が高まった場合に、韓国経済および当行に重大な悪影響が及ぶ可能性がある。長期的には、南
北朝鮮が統一される可能性はある。統一には、韓国が重要な経済的責務を果たすことが必要となるで
あろう。
144/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(e) 外交関係および国際機関
韓国は、世界のほとんどの国との外交関係を維持している。韓国と最も緊密な関係のある国は米国
であり、同国との間で相互防衛条約および経済関連諸協定を締結している。米国とともに最大の貿易
相手国である日本および中国との関係もまた重要である。
韓国は、以下を含む多くの国際機関に加盟している。
・国際連合
・国際通貨基金（ IMF ）
・世界銀行
・アジア開発銀行（ ADB ）
・多数国間投資保証機関
・国際金融公社
・国際開発協会
・アフリカ開発銀行
・欧州復興開発銀行
・国際決済銀行
・世界保健機関（ WHO)
・世界貿易機関（ WTO ）
・国際原子力機関（ IAEA ）
・米州開発銀行（ IDB ）
・経済協力開発機構（ OECD ）
・アジアインフラ投資銀行
145/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
③ 経済
(a) 主な経済指標
次の表は表示された各期間における韓国の主な経済指標のいくつかに関する情報を示したものであ
る。
（比率を除き、十億米ドルおよび兆ウォン）
12 月 31 日現在または 12 月 31 日に終了した年度
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
国内総生産成長率（現行価
(7)
格） 5.5 ％ 3.1 ％ 1.3 ％ 0.7 ％ 6.4 ％
国内総生産成長率
(7)
（ 2015 年基準連鎖価格） 3.2 ％ 2.7 ％ 2.3 ％ (0.7) ％ 4.0 ％
(1)
インフレ率 1.9 ％ 1.5 ％ 0.4 ％ 0.5 ％ 2.5 ％
(2)
失業率 3.7 ％ 3.8 ％ 3.8 ％ 4.0 ％ 3.7 ％
(3)
貿易黒字 （十億米ドル） 95.2 69.7 38.9 44.9 29.4
外貨準備高 （十億米ドル） 389.3 403.7 408.8 443.1 463.1
(4) (7)
対外負債 （十億米ドル） 412.0 441.2 470.7 544.9 628.5
(7)
財政収支 （兆ウォン） 24.0 31.2 (12.0) (71.2) (30.4)
(5)
政府の直接対内債務
(6) (8)
（対 GDP 比 ) 35.2 ％ 35.6 ％ 37.4 ％ 44.2 ％ N/A
(5)
政府の直接対外債務
(6) (8)
（対 GDP 比 ) 0.4 ％ 0.4 ％ 0.4 ％ 0.5 ％ N/A
注 (1) 韓国銀行の発表による、 2020 年を基準年とする消費者物価指数の年間変動により測定。
(2) 年間平均
(3) CIF 基準（すなわち、商品価格に保険料および運賃が含まれる k ）に基づく通関統計による。
(4) 2010 年 12 月に国際通貨基金が発行した国際収支マニュアル第６版の基準に基づいて算出されている。
(5) 韓国政府による保証は含まれていない。
(6) 2015 年基準連鎖価格による。
(7) 暫定値。
(8) 未入手。
出所：韓国銀行
146/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(b) 世界の経済および金融危機
近年、世界の金融市場は、とりわけ以下の事象の結果、大幅なボラティリティを経験してきた。
・新型コロナウイルスによる進行中の COVID-19 のパンデミック。以下に詳述する。
・ロシアをめぐる敵対、政治的または社会的緊張（ロシアによるウクライナ侵攻およびそれに伴って
米国および諸外国がとったあるいは今後取りうる対ロシア制裁などの措置を含む。）ならびにその
結果としての石油およびその他の天然資源の世界的な供給および世界の金融市場に対する悪影響。
・財およびサービスのコストの値上がりならびに購買力の低下をもたらすインフレ圧力の上昇。
・金利の変動ならびに米国の連邦準備制度理事会およびその他の中央銀行による政策金利またはその
他の通貨金融政策の認識されたもしくは実際の変更。
・原材料、天然資源、消費財、レアアース鉱物、部品およびその他の供給物の世界のサプライ・
チェーンの混乱（進行中の COVID-19 のパンデミック、政府政策および労働力不足によるものを含
む。）。
・米国と、中国を含むその主要貿易相手国との間の経済および貿易関係の悪化。
・英国の欧州連合からの離脱による不確実性の高まり。
・中南米およびヨーロッパ諸国をはじめとする世界の多くの政府に影響を及ぼした財政的および社会
的困難。
・世界的な貿易保護主義ならびに東アジアおよび中東における地政学的な緊張の高まり。
・中国およびその他主要な新興市場経済における経済成長の減速。
・イラク、シリアおよびイエメンをはじめとする中東諸国における政治的社会的不安定。
・石油価格およびコモディティ価格の変動。
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス２によって引起こされた感染症である COVID-19 は、世界中に
感染拡大し、 2020 年３月に WHO によって「パンデミック」の宣言がなされた。進行中の COVID-19 のパ
ンデミックは、国際貿易および事業活動への悪影響を含む世界の経済および金融の重大な混乱を引起
した。 COVID-19 のワクチン接種が可能となり、また事業活動が次第に正常化することから世界経済回
復の様々な兆しがあるものの、 COVID-19 のパンデミックが引続き世界経済にどの程度影響を及ぼすか
は、進行中の COVID-19 のパンデミックの範囲および期間を含む今後の展開、ならびに COVID-19 の影響
を抑え込み、軽減するために世界中の政府当局、中央銀行、医療提供者およびその他の第三者が取っ
た措置の適時性および有効性にかかっている。
ワクチンの接種率の食違い、消費者信用の継続的な低下および対面サービスに対する需要の弱体化
を含む COVID-19 の影響による主要市場における世界的な景気後退の可能性は、世界の経済および金融
システムに大きなボラティリティをもたらすであろう。
COVID-19 が世界的に発生して以来、またより最近ではロシアによるウクライナ侵攻およびそれに伴
う対ロシア制裁により、世界の金融市場は大きく変動してきた。「⑤ -(a) 金融制度‐証券市場」を参
照のこと。株価指数が下落し、外国人投資家が多額の韓国の有価証券を売却し、その後かかる売却に
よる手取金を本国に送金すれば、ウォンの価値、韓国の金融機関が保有する外貨準備高および韓国の
企業や銀行の資金調達力に悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、主要外貨全般およびとりわけ米ド
ルに対するウォンの価値が大きく変動してきた。ウォンの下落によって、輸入財貨およびサービスの
コストならびに韓国企業による外貨建債務の返済のためのウォン建の収益の所要額が全般的に増加し
ている。
世界経済の相互依存が高まるなかで、上記のいずれかの展開によっては韓国の経済および金融市場
に重大な悪影響が及ぶ可能性がある。また、世界の信用市場の厳しい状況または将来世界経済が悪化
した場合、韓国経済は悪影響を受け、韓国の銀行はより高いコストでの営業資金の調達を強いられる
ことになるか、貸付およびその他の業務を支えるだけの十分な資金の調達ができなくなる可能性があ
る。
世界における展開のほか、韓国経済に重大な悪影響をもたらすか、またはその一因となりうる国内
の展開には、とりわけ、以下の事象が含まれている。
147/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
・上述した進行中の COVID-19 のパンデミックといった感染症の発生、ならびに数百名の乗客を死に
至らしめた 2014 年４月のセウォル号沈没といった国家的悲劇を原因とする消費者支出の低迷およ
び消費者心理の落込み。
・進行中の COVID-19 のパンデミックの影響などが原因で発生する可能性のある、消費者および中小
企業の借手による支払遅延および信用デフォルトの増加。
・主として抵当ローンの増加およびクレジット・カード利用による購買増加によって、住宅ローン
および商品クレジットからなる家計債務が着実に増加しており、 2010 年 12 月 31 日現在の 843.2 兆
ウォンから 2021 年 12 月 31 日現在の約 1,862.1 兆ウォンへと増加したこと。
・領土紛争もしくは貿易紛争または外交政策の不一致を原因とする韓国と諸外国との間の経済関係
または外交関係の悪化。
・ ( ⅰ ) 家計向けの緊急助成金および COVID-19 のパンデミックにより資金を必要とする企業向けの緊
急融資を行う財政刺激策、ならびに ( ⅱ ) 年金および社会福祉政策に対する韓国政府による支出の
大幅増加。後者は、一部には韓国の総人口に占める老年人口 (65 歳以上の人口 ) の割合が、 2000 年
12 月 31 日現在の 7.2 ％から 2021 年 12 月 31 日現在には約 16.5 ％に上昇したことによるものであるが、
この割合は 2025 年には 20.3 ％超となる見込みであり、これらを合わせると政府の財政赤字につな
がる可能性がある。
・韓国の不動産市場価格の下落。
・畜産業に影響を与える深刻な伝染病の発生。
韓国において最初に COVID-19 の感染例の確認が公表されたのは 2020 年１月であり、その後の感染症
拡大の結果、 2022 年５月４日現在、韓国では 17.4 百万件を超える感染例が確認され、 23,000 名を超え
る死者が出ている。これに対応して、政府は、 COVID-19 の感染拡大を抑えるための多くの措置を実施
しており、これには全国規模での社会的距離をとる命令、感染した可能性のある者または感染の可能
性が高い者に対する厳格な自己隔離および検疫措置の実施、ならびにさらなる感染の可能性が十分に
収まるまでのすべての公共施設の閉鎖などが含まれる。さらに、政府は、 COVID-19 のパンデミックの
韓国経済への悪影響を緩和し、金融市場を安定させるため、とりわけ以下の措置を講じた。
・韓国銀行の政策金利を 2020 年３月に 1.25 ％から 0.75 ％に引下げ、その後 2020 年５月には 0.5 ％に引
下げた（これはその後 2021 年８月に 0.75 ％、 2021 年 11 月に 1.00 ％、 2022 年１月に 1.25 ％、 2022 年
４月に 1.50 ％にそれぞれ引上げられた。）（「⑤ -(b) 金融政策－金利」を参照のこと。）。
・韓国のウォン建トレジャリー・ボンドと交換に 60 十億米ドルの提供を受ける、米国連邦準備制度
との二国間通貨スワップ協定を 2020 年３月に締結。この協定は 2020 年および 2021 年に３回にわ
たって更新された後、 2021 年 12 月に失効した。
・ COVID-19 のパンデミックの韓国経済に対する悪影響を緩和するための様々な対策にかかる支出に
つき多くの補正予算が執行された。これには、 ( ⅰ ) 流動性危機に直面している、適格な銀行およ
び金融機関、中小企業、小規模事業者および自営業者向けに、貸付金、保証および満期の延長と
いった形で企業および金融市場に資金を投入すること、ならびに ( ⅱ ) COVID-19 のパンデミックの
影響を受けた者（十分なサービスを受けていないコミュニティおよび失業者を含む。）に緊急助
成金の支払および社会保障拠出金支援の拡大を提供することが含まれていた。
ポスト COVID-19 時代に備える取組みの一環として、政府は、 2020 年７月に「韓国版ニューディー
ル」政策を進める計画を正式に公表した。このイニシアティブの下で、政府は COVID-19 のパンデミッ
クからの韓国の復興を迅速に行い、韓国経済のデジタル化およびグリーン化への移行を進め、 2025 年
までの総投資額 160 兆ウォンと 1.9 百万の新規雇用の創出を通じて雇用および社会のセーフティネット
の強化を図ることを目指している。 COVID-19 のさらなる感染拡大を抑制し、将来における類似の感染
症の発生を防ぐため、政府はかかる発生と闘うためのさまざまな対策を開発し、実施する地域的およ
び国際的な取組みに引続き積極的に協力してきた。
2021 年２月、政府は COVID-19 のワクチン接種のキャンペーンを開始し、 2022 年５月４日現在、韓国
国民の 86 ％超が完全なワクチン接種を受けていた。 2021 年 12 月に出現し 2022 年２月中旬以降さらに進
行した COVID-19 の新たなオミクロン変異種、ならびに日々の COVID-19 の新規感染件数が急激に増加し
て 2022 年３月に１日当たり 600,000 件を超えるピークに達したことを踏まえて、国を通常の生活に戻
148/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
そうとする政府の計画はここ数カ月保留とされた。その後、感染確認件数は大幅に減少し、 2022 年４
月には政府はパンデミック関連の制限のほとんどを撤廃することを発表したが、これには私的な集ま
り に対する制限を撤廃すること、および屋内でのマスク着用義務を維持する一方でレストランの営業
時間を延長することが含まれる。
COVID-19 のパンデミックからの回復の兆しがみられるものの、韓国および世界の経済および金融市
場に対する COVID-19 のパンデミックの継続的な影響、ならびに石油およびコモディティ価格、金利お
よび為替相場の変動、インフレ圧力の上昇、失業率の上昇、消費者信用の低下、株式市場のボラティ
リティ、金融通貨政策の変更、ロシアとウクライナをめぐる軍事紛争の継続、ならびに北朝鮮との緊
張の継続といった要因により、 2022 年およびそれ以降の予見可能な将来における韓国の経済および金
融サービス部門の見通しは、依然として不透明である。
149/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(c) 国内総生産
GDP とは、一定期間に一国において生産された最終財およびサービスすべての市場価値の尺度であ
り、時間の経過による国の生産高の増減を示すものである。 GDP は、現行市場価格と「実質」または
「インフレ調整」の用語の双方により表示される。 2009 年３月、韓国は GDP 算出方法として、国連の
1993 年国民経済計算体系の勧告を受けて、従来の固定方式（または「実質」方式）に代えて、経済活
動総計の実質成長を示すことができる「連鎖」方式を適用した。現行市場価格で表示される GDP で
は、各年の実際の価格を用いて国の生産高が評価される。「連鎖」方式による GDP では、連続した期
間の量的成長とリンクする「連鎖指数」を用いて算出される。 2014 年３月、韓国は、韓国の国民経済
計算統計を国民経済計算編纂の新しい国際基準の勧告に合わせ、かつ諸外国の国民経済計算との比較
可能性を維持するため、 2008 年国民経済計算体系を実施し、基準年度を 2005 年から 2010 年に更新する
ことにより、改訂 GDP 計算方法を公表した。これらの改訂の骨子には、 (i) 研究開発ならびに娯楽、文
芸および芸術作品の創作活動にかかる支出を固定投資として認識すること、 (ii) 韓国経済の構成にか
かる網羅的かつ詳細な情報を提供する、経済基礎調査、人口および住宅基礎調査ならびに 2010 年基準
投入産出表といった多様な新しい原資料および改訂原資料を取り入れること、 (iii) 生産、支出およ
び収入からの GDP 測定のアプローチ相互の整合性を確保するための統計ツールを提供する供給・使用
表を作成すること、ならびに (iv) 国境を越えた財貨の移動よりも所有権の変更に基づいて商品貿易取
引を記録すること、などが含まれる。韓国は、韓国の国民経済計算統計を以前実施された 2008 年国民
経済計算体系の勧告によりよく沿わせ、諸外国の計算との比較可能性を維持するため、 2019 年７月に
基準年を 2010 年から 2015 年に更新した。
150/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
次の表は現行市場価格および 2015 年基準連鎖価格による韓国の GDP の内訳ならびに韓国の GDP の平均
年間成長率を示したものである。
国内総生産
（単位：十億ウォン）
2021 年
GDP 構成比
(1) (1) (1)
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 （％）
国内総生産 ( 現行市場価
格 ) ：
民間部門 872,791.4 908,273.7 931,669.5 897,449.2 952,529.9 46.3
政府部門 283,045.8 305,513.0 329,295.5 349,122.5 374,682.7 18.2
総資本形成 592,711.4 592,858.4 601,581.4 615,921.9 654,616.9 31.8
財およびサービスの輸出 751,428.5 788,279.0 766,602.0 704,554.0 858,424.8 41.7
控除：財およびサービス
の輸入 (664,278.8) (701,150.7) (710,990.2) (633,487.5) (782,697.7) (38.0)
0.0 (276.4) 881.5 (407.7) (108.8) 0.0
誤差脱漏
国内総生産に対する支出 1,835,698.2 1,893,497.0 1,919,039.9 1,933,152.4 2,057,447.8 100.0
7,482.6 4,955.7 16,675.3 14,868.3 25,128.7 1.2
海外からの純要素所得
(2)
1,843,180.9 1,898,452.7 1,935,715.2 1,948,020.7 2,082,576.5 101.2
国民総所得
国内総生産
（ 2015 年基準連鎖価
格）：
民間部門 848,589.3 872,304.4 890,167.7 849,072.1 879,770.0 46.0
政府部門 271,428.7 286,644.8 304,760.3 319,321.3 336,971.2 17.6
総資本形成 576,996.7 566,376.1 555,494.6 561,440.4 569,644.5 29.8
財およびサービスの輸出 747,783.5 773,752.6 790,874.0 765,015.6 840,601.8 44.0
控除：財およびサービス
の輸入 (686,089.2) (691,374.1) (693,412.8) (661,725.2) (718,301.5) (37.6)
(1,130.3) (2,511.7) (1,429.8) 199.6 1,686.4 0.1
誤差脱漏
国内総生産に対する支出
(3)
1,760,811.5 1,807,735.9 1,848,958.5 1,836,881.1 1,910,745.0 100.0
交易条件による海外から
の
純要素所得 7,084.6 4,519.5 15,335.4 13,772.4 22,679.4 1.2
交易条件の変化による
25,915.5 3,272.8 (40,224.9) (26,407.1) (46,122.6) (2.4)
交易利得・損失
(4)
1,793,818.4 1,815,558.4 1,824,136.5 1,824,242.5 1,887,369.0 98.8
国民総所得
国内総生産の
前年比増加（減少）率：
現行価格 5.5 3.1 1.3 0.7 6.4
3.2 2.7 2.3 (0.7) 4.0
2015 年基準連鎖価格
注 (1) 暫定値。
(2) GDP に海外からの純要素所得を加えた値が韓国の国民総所得に相当する。
(3) 「連鎖」方式に基づく GDP では、 GDP の各構成項目の計は、必ずしも GDP の合計値となるわけではない。
(4) 「連鎖」方式に基づく国民総所得では、国民総所得の各構成項目の計は、必ずしも国民総所得の合計値とな
るわけではない。
出所：韓国銀行
151/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
次の表は現行市場価格による韓国の経済部門別の GDP を示したものである。
経済部門別国内総生産
（現行市場価格）
（単位：十億ウォン）
2021 年
GDP 構成比
(1) (1) (1)
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 （％）
産業部門： 672,178.8 680,553.1 661,196.9 665,292.9 706,020.9 34.3
農林水産業 33,974.3 34,528.9 31,134.9 35,421.0 37,827.3 1.8
製造業、鉱業および採石業： 496,993.7 506,854.7 487,889.2 481,573.6 524,339.4 25.5
鉱業および採石業 2,348.8 2,247.7 1,943.6 1,945.1 2,008.2 0.1
製造業 494,644.9 504,607.0 485,945.6 479,628.5 522,331.2 25.4
電気・ガス・水道業 40,014.2 36,813.2 36,580.7 43,118.7 37,934.2 1.8
建設業 101,196.6 102,356.3 105,592.1 105,179.6 105,920.0 5.1
サービス： 1,006,839.9 1,049,864.7 1,095,424.2 1,104,240.8 1,178,235.4 57.3
卸売・小売業、
宿泊・飲食サービス業 175,124.9 180,661.0 180,358.0 172,245.3 180,741.4 8.8
運輸・倉庫業 58,283.7 57,088.1 59,949.6 56,077.8 67,546.2 3.3
金融・保険業 96,983.7 104,336.2 104,718.6 110,441.3 122,654.6 6.0
不動産業 133,152.6 135,890.3 142,735.8 145,464.2 146,657.5 7.1
情報・通信業 76,712.2 79,242.9 82,602.9 87,500.1 97,715.8 4.7
事業活動 154,495.4 161,832.1 175,225.1 179,476.6 190,842.6 9.3
行政、国防および社会保障 107,325.6 115,086.1 122,162.4 128,647.1 135,669.1 6.6
教育 87,880.4 90,933.2 93,717.9 92,681.0 98,113.1 4.8
医療・福祉 74,706.8 80,937.0 88,588.1 93,245.6 98,383.3 4.8
文化およびその他サービス 42,174.6 43,857.8 45,365.8 38,461.8 39,911.8 1.9
156,679.6 163,079.3 162,418.6 163,618.9 173,191.5 8.4
製品助成金控除後公租公課
国内総生産 ( 現行市場価格 ) 1,835,698.2 1,893,497.0 1,919,039.9 1,933,152.4 2,057,447.8 100.0
7,482.6 4,955.7 16,675.3 14,868.3 25,128.7 1.2
海外からの純要素所得
1,843,180.9 1,898,452.7 1,935,715.1 1,948,020.7 2,082,576.5 101.2
国民総所得（現行市場価格）
注 (1) 暫定値。
出所：韓国銀行
次の表は韓国の１人当りの国内総生産（ GDP ）を示したものである。
１人当り国内総生産
（現行市場価格）
(1) (1)
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
１人当り GDP （千ウォン） 35,740 36,782 37,218 37,334 39,761
１人当り GDP （米ドル） 31,605 33,429 31,929 31,637 34,744
平均為替レート（１米ドル当りウォン） 1,130.8 1,100.3 1,165.7 1,180.1 1,144.4
注 (1) 暫定値。
出所：韓国銀行
152/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
次の表は韓国の１人当りの国民総所得（ GNI ）を示したものである。
１人当り国民総所得
（現行市場価格）
(1) (1)
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
１人当り GNI （千ウォン） 35,886 36,930 37,539 37,621 40,247
１人当り GNI （米ドル） 31,734 33,564 32,204 31,881 35,168
平均為替レート（１米ドル当りウォン） 1,130.8 1,100.3 1,165.7 1,180.1 1,144.4
注 (1) 暫定値。
出所：韓国銀行
次の表は 2015 年基準連鎖価格による韓国の経済部門別の GDP を示したものである。
経済部門別国内総生産
（ 2015 年基準連鎖価格）
（単位：十億ウォン）
2021 年
GDP 構成比
(1) (1) (1)
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 （％）
産業部門： 640,516.9 654,072.8 658,741.5 653,510.5 686,758.2 35.9
農林水産業 32,059.8 32,540.4 32,859.2 32,054.3 32,931.8 1.7
製造業、鉱業および採石
業： 470,274.80 485,854.0 491,476.4 486,556.9 518,476.5 27.1
鉱業および採石業 2,204.5 2,030.9 1,863.6 1,908.1 2,005.4 0.1
製造業 468,070.3 483,823.1 489,612.8 484,648.8 516,471.1 27.0
電気・ガス・水道業 43,813.8 45,116.2 44,921.8 46,810.9 49,102.3 2.6
建設業 94,368.5 90,562.2 89,484.1 88,088.4 86,247.6 4.5
サービス： 973,106.40 1,003,834.7 1,039,879.8 1,033,780.7 1,072,521.4 56.1
卸売・小売業、
宿泊・飲食サービス業 167,746.5 171,599.5 174,419.9 168,483.3 174,084.3 9.1
運輸・倉庫業 60,289.1 61,888.5 62,746.9 53,954.4 56,762.3 3.0
金融・保険業 93,709.2 98,999.7 103,386.2 111,653.9 118,422.9 6.2
不動産業 129,307.2 132,057.6 136,593.8 137,650.2 138,306.8 7.2
情報・通信業 75,814.3 78,941.7 82,473.3 85,520.8 90,643.7 4.7
事業活動 147,949.8 150,522.3 157,790.8 156,898.3 161,333.0 8.4
行政、国防および社会保
障 100,722.8 104,100.3 108,219.5 112,395.7 116,698.8 6.1
教育 84,806.1 86,440.9 87,493.6 85,465.3 89,481.3 4.7
医療・福祉 72,330.1 78,160.0 85,046.7 87,053.5 91,231.0 4.8
文化およびその他サービ
ス 40,495.8 41,218.1 41,709.1 34,705.3 35,557.3 1.9
147,105.4 149,966.5 150,812.7 150,084.3 153,948.7 8.1
製品助成金控除後公租公課
(2)
1,760,811.5 1,807,735.9 1,848,958.5 1,836,881.1 1,910,745.0 100.0
国内総生産
注 (1) 暫定値。
(2) 連鎖方式に基づく GDP では、 GDP の各構成項目の計は、必ずしも GDP の合計値となるわけではない。
出所：韓国銀行
153/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
2017 年における 2015 年基準連鎖価格による GDP 成長率は 3.2 ％であった。これは、 2016 年と比較し
て、民間および一般政府消費総支出が 3.1 ％、国内総固定資本形成が 9.8 ％、財およびサービスの輸出
が 2.5 ％、それぞれ増加し、これらが財およびサービスの輸入の 8.9 ％増加を十分に相殺したことによ
る。
2018 年における 2015 年基準連鎖価格による GDP 成長率は 2.7 ％であった。これは、 2017 年と比較し
て、民間および一般政府消費総支出が 3.5 ％、財およびサービスの輸出が 3.5 ％、それぞれ増加し、こ
れらが国内総固定資本形成の 2.4 ％減少ならびに財およびサービスの輸入の 0.8 ％増加を十分に相殺し
たことによる。
2019 年における 2015 年基準連鎖価格による GDP 成長率は 2.3 ％であった。これは、 2018 年と比較し
て、民間および一般政府消費総支出が 3.1 ％、財およびサービスの輸出が 2.2 ％、それぞれ増加し、財
およびサービスの輸入が 0.3 ％減少し、これらが国内総固定資本形成の 2.9 ％減少を十分に相殺したこ
とによる。
暫定データによると、 2020 年における 2015 年基準連鎖価格による GDP は 0.7 ％縮小した。これは主と
して、 2019 年と比較して、民間消費支出が 4.6 ％、財およびサービスの輸出が 3.3 ％、それぞれ減少し
たことによるもので、その一部は一般政府消費支出の 4.8 ％増加、国内総固定資本形成の 2.6 ％増加な
らびに財およびサービスの輸入の 3.3 ％減少によって相殺された。 2020 年に韓国の GDP が縮小したの
は、主として進行中の COVID-19 のパンデミックによるものである。
暫定データによると、 2021 年における 2015 年基準連鎖価格による GDP 成長率は 4.0 ％であった。これ
は主として、 2020 年と比較して、財およびサービスの輸出が 9.9 ％、民間および一般政府消費総支出
が 4.2 ％、国内総固定資本形成が 2.6 ％、それぞれ増加し、これらが財およびサービスの輸入の 8.5 ％
増加を十分に相殺したことによる。
進行中の COVID-19 のパンデミックによる悪影響が長引くと、韓国の GDP は 2022 年にも悪影響を受け
る可能性がある。
154/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(d) 主要産業
工業部門
次の表は、韓国の主要工業製品の工業生産指数および総工業生産に占める割合の推移を示したもの
である。
工業生産
（ 2015 年＝ 100 ）
(1) (2)
指数加重値 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
全産業 10,000.0 104.8 106.3 106.7 106.3 114.3
鉱業および製造業 9,521.5 104.6 106.1 106.5 106.2 114.4
鉱業 32.0 100.2 89.5 85.4 84.1 81.4
製造業 9,489.5 104.7 106.1 106.6 106.3 114.5
食料品 585.7 102.9 104.1 108.0 109.4 110.9
飲料 141.0 105.7 105.4 103.8 100.3 99.4
タバコ 67.7 122.7 111.1 121.1 126.5 122.3
繊維製品 129.8 95.2 88.7 83.5 74.7 78.9
衣服・装身具・毛皮製品 93.2 95.9 93.6 87.4 70.1 73.0
皮革なめし・装飾製品・
鞄・靴 24.2 82.0 82.8 71.5 49.4 48.6
木材および木・コルク製品
( 家具を除く ) 36.6 103.7 95.3 87.0 85.5 86.1
パルプ・紙・紙製品 161.8 97.5 97.0 95.6 93.7 96.9
印刷・記録媒体複製 54.0 102.0 100.4 95.3 95.4 96.0
コークス・無煙炭・褐炭固
形燃料・石油精製品 139.0 114.8 117.0 115.0 107.8 109.1
化学薬品・化学製品 845.3 109.1 111.6 110.1 106.8 114.7
医薬品・植物性薬品 305.5 118.5 128.1 131.6 142.8 148.6
ゴム・プラスチック製品 497.3 99.9 95.1 93.3 87.5 90.8
非金属鉱物製品 246.5 111.2 107.2 104.3 96.7 100.1
卑金属 594.9 102.9 100.1 97.8 91.7 97.0
金属加工製品 550.4 96.6 88.9 87.5 80.3 75.8
電子部品・コンピュータ・ラジ
オ・テレビ・通信機器・電気器
具 1,963.8 112.6 125.9 132.0 147.7 177.7
医療用精密光学器械・時計 368.6 119.5 136.1 121.1 125.8 149.0
電気機器 517.6 106.6 106.5 109.6 108.7 115.1
その他機械設備 843.8 115.4 111.8 105.2 109.0 120.8
自動車・トレーラー・セミ
トレーラー 927.2 95.1 93.9 93.4 84.1 88.2
その他輸送機器 285.4 68.0 61.6 72.3 70.1 61.3
家具 63.2 109.5 101.9 99.9 106.8 110.7
その他の製品 47.0 108.2 102.7 108.0 101.7 103.7
電気・ガス 478.5 106.3 110.3 108.6 106.6 111.5
指数総計 10,000.0 104.8 106.3 106.7 106.3 114.3
注 (1) 指数加重値は 2015 年工業国勢調査に基づいて設定され、その年の鉱業、製造業および電気・ガス産業の総付加
価値に対する割合で表された表示分類それぞれの製品の年間の付加価値の平均値を反映している。
(2) 暫定値。
出所：韓国銀行、韓国統計庁
155/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
2017 年には、主に国内消費および輸出が増加したことにより、工業生産は 2.5 ％増加した。 2018 年
には、主に国内消費および輸出が増加したことにより、工業生産は 1.4 ％増加した。 2019 年には、主
に国内消費が増加したことにより、工業生産は 0.4 ％増加した。 2020 年には、主に COVID-19 のパンデ
ミックにより国内消費および輸出が減少したことから、工業生産は 0.4 ％減少した。暫定データによ
ると、 2021 年には、主に輸出および国内消費が増加したことにより、工業生産は 7.5 ％増加した。
製造業
製造業部門の生産量は、主として消費者向けエレクトロニクス製品、電子部品（半導体を含
む。）、通信機器および化学製品に対する需要が増加し、これらが自動車・トレーラー・セミトレー
ラーに対する需要の低下を十分に相殺したことにより、 2017 年には 2.3 ％、それぞれ増加した。 2018
年には、主として消費者向けエレクトロニクス製品および電子部品（半導体を含む。）に対する需要
が増加したことにより、製造業部門の生産量は 1.3 ％増加した。 2019 年には、主として消費者向けエ
レクトロニクス製品および電子部品（半導体を含む。）に対する需要が増加したことにより、製造業
部門の生産量は 0.5 ％増加した。 2020 年には、主として自動車に対する需要が減少したことにより、
製造業部門の生産量は 0.3 ％減少した。暫定データによると、 2021 年には、主として消費者向けエレ
クトロニクス製品、電子部品（半導体を含む。）および機械に対する需要が増加したことにより、製
造業部門の生産量は 7.7 ％増加した。
自動車 2017 年には、主として自動車メーカーの組合員労働者による時限ストライキによる自動
車の国内生産の減少、海外生産の増加ならびに米国および中国向け輸出の減少を主因として、 2016 年
と比較して、自動車生産高は 2.7 ％減少し、国内販売高は 2.5 ％減少し、輸出販売高は 3.5 ％減少し
た。 2018 年には、主として自動車メーカーの組合員労働者による時限ストライキおよび GM コリアの生
産部門の再編から生じた自動車の国内生産の減少、ならびに南米および中東諸国への輸出の減少を主
因として、 2017 年と比較して、自動車生産高は 2.1 ％減少し、国内販売高は 0.5 ％減少し、輸出販売高
は 3.2 ％減少した。 2019 年には、主として自動車メーカーの組合員労働者による時限ストライキによ
る自動車の国内生産の減少、海外生産の増加、自動車に対する国内需要の減少および中国における自
動車需要の減少を主因として、 2018 年と比較して、自動車生産高は 1.9 ％減少し、国内販売高は 1.8 ％
減少し、輸出販売高は 2.0 ％減少した。 2020 年には、主として COVID-19 のパンデミックによる自動車
に対する世界需要の全般的な落込みにより、 2019 年と比較して、自動車生産高は 11.2 ％減少し、輸出
販売高は 21.4 ％減少した。これは、自動車に対する国内需要の高まりを主因として、国内販売高が
2019 年から 2020 年に 4.7 ％増加したペースを上回った。暫定データによると、 2021 年には、主として
COVID-19 のパンデミックが続く中での世界的な半導体の不足により、 2020 年と比較して、自動車生産
高は 1.3 ％、国内販売高は 8.5 ％、それぞれ減少したが、輸出販売高は、世界の自動車市場における国
内自動車メーカーの市場シェアが上昇したことから、 2020 年と比較して 8.6 ％増加した。
エレクトロニクス 2017 年には、主として半導体、有機発光ダイオード（ OLED ）、ディスプレ
イ・パネルおよびコンピュータに対する需要の増加により、エレクトロニクスの生産は前年より
10.9 ％増加して 342,755 十億ウォンとなり、輸出は前年より 21.6 ％増加して 197.6 十億米ドルとなっ
た。 2017 年、半導体メモリー・チップの輸出販売は、韓国の総輸出の約 17.4 ％を占めた。 2018 年に
は、主として半導体およびリチウムイオン電池に対する需要の増加により、エレクトロニクスの生産
は前年より 6.6 ％増加して 365,548 十億ウォンとなり、輸出は前年より 11.5 ％増加して 220.3 十億米ド
ルとなった。 2018 年、半導体メモリー・チップの輸出販売は、韓国の総輸出の約 21.2 ％を占めた。
2019 年には、主として半導体価格が大幅に値下がりしたことから、エレクトロニクスの生産は前年よ
り 11.7 ％減少して 322,729 十億ウォンとなり、輸出は前年より 19.7 ％減少して 176.9 十億米ドルとなっ
た。 2019 年、半導体メモリー・チップの輸出販売は、韓国の総輸出の約 17.6 ％を占めた。 2020 年に
は、主として半導体、コンピュータおよびその他の電子機器に対する需要が増加したことから、エレ
クトロニクスの生産は前年より 2.9 ％増加して 332,084 十億ウォンとなり、輸出は前年より 3.7 ％増加
して 183.5 十億米ドルとなった。 2020 年、半導体メモリー・チップの輸出販売は、韓国の総輸出の約
19.5 ％を占めた。暫定データによると、 2021 年には、主として半導体、ディスプレイ・パネル、モバ
イル機器、ソリッド・ステート・ドライブおよび蓄電池に対する需要が増加したことから、エレクト
156/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
ロニクスの生産は前年より 10.9 ％増加して 368,407 十億ウォンとなり、輸出は前年より 24.0 ％増加し
て 227.6 十億米ドルとなった。 2021 年には、半導体メモリー・チップの輸出販売は、韓国の総輸出の
約 20.0 ％を占めた。
鉄鋼 2017 年には、粗鋼生産量は 2016 年より 3.7 ％増加して 71.0 百万トンとなり、主として粗鋼
製品に対する世界からの需要の増加により鉄および鉄鋼製品の輸出販売量は 2.3 ％増加したが、主に
国内の造船および自動車産業の不振から鉄および鉄鋼製品の国内販売量は 1.2 ％減少した。 2018 年に
は、主として国内造船業の回復により、粗鋼生産量は 2017 年より 1.9 ％増加して 72.5 百万トンとなっ
たが、米国、カナダおよび欧州連合による鉄鋼製品の輸入制限を主な理由として、鉄鋼製品の輸出販
売量は 3.9 ％減少した。 2019 年には、主として建設業および造船業の不振により、粗鋼生産量は 2018
年より 1.5 ％減少して 71.4 百万トンとなり、また米国、カナダおよび欧州連合による鉄鋼製品の輸入
制限が継続したことを主な理由として、鉄鋼製品の輸出販売量は 0.2 ％減少した。 2020 年には、
COVID-19 のパンデミックに照らして主に建設業および造船業の不振により、粗鋼生産量は 2019 年より
6.0 ％減少して 67.1 百万トンとなり、また主として COVID-19 のパンデミックによって粗鋼製品に対す
る世界需要が減少したことから鉄および鉄鋼製品の輸出販売量は 4.9 ％減少した。暫定データによる
と、 2021 年には、主として COVID-19 のパンデミックからの経済の段階的な回復を受けて粗鋼製品に対
する国内需要が増加したことから、粗鋼生産量は 2020 年より 4.9 ％増加して 70.4 百万トンとなった
が、主として COVID-19 のパンデミックの継続により粗鋼製品に対する世界的な需要が減少したことに
加えて鉄鋼製品の価格上昇により、鉄および鉄鋼製品の輸出販売量は 6.1 ％減少した。
造船 2017 年には、主として液化天然ガス運搬船、ばら積み貨物船およびコンテナ運搬船に対す
る需要の伸びを受けて、韓国の造船受注は 2016 年と比較して 300 ％増の約８百万補整総トンとなっ
た。 2018 年には、主として液化天然ガス運搬船、石油タンカーおよびコンテナ運搬船に対する需要の
伸びを受けて、韓国の造船受注は 2017 年と比較して 62.5 ％増の約 13 百万補整総トンとなった。 2019 年
には、主としてコンテナ運搬船およびばら積み貨物船に対する需要の減少が液化天然ガス運搬船に対
する需要の伸びを上回ったことを受けて、韓国の造船受注は 2018 年と比較して 23.1 ％減少して約９百
万補整総トンとなった。 2020 年には、主として COVID-19 のパンデミックによる国内外の造船業の不振
から、韓国の造船受注は 2019 年と比較して 20.0 ％減少して約８百万補整総トンとなった。暫定データ
によると、 2021 年には、主としてコンテナ船および液化天然ガス運搬船に対する需要の伸びを受け
て、韓国の造船受注は 2020 年と比較して 112.5 ％増加して約 17 百万補整総トンとなった。
157/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
農林水産業
政府の農業政策は、伝統的に以下に重点を置くこととしている。
・穀物生産
・灌漑システムの整備
・土地の整理および造成
・種子の改良
・旱魃および洪水の被害対策の機械化
・農業所得の増加
しかし、最近政府は、国内の農業市場の開設が続いた結果、収益力のある穀物の栽培と国際競争力
の強化に力を入れてきている。
2017 年には、米の生産高は、 2016 年より 5.3 ％減少して 4.0 百万トンとなった。 2018 年には、米の生
産高は 2017 年より 2.5 ％減少して 3.9 百万トンとなり、 2019 年には 2018 年より 5.1 ％減少して 3.7 百万ト
ンとなった。 2020 年には、米の生産高は 2019 年より 5.4 ％減少して 3.5 百万トンとなった。 2021 年に
は、米の生産高は 2020 年より 11.4 ％増加して 3.9 百万トンとなった。地理的および物理的制約から穀
物の収穫量には限りがあるため、韓国は特定の基本的食糧を輸入に依存している。
政府は、大型漁船の建造ならびに漁業設備、マーケティング技術および販路の近代化を奨励するこ
とにより、漁業の発展を進めている。
2017 年には、主として養殖業生産の増加により、農林水産業の生産高は、 2016 年より 2.3 ％増加し
た。 2018 年には、主として家畜生産の増加により、農林水産業の生産高は、 2017 年と比較して 0.2 ％
増加した。 2019 年には、主として農場経営および家畜生産の増加により、農林水産業の生産高は、
2018 年と比較して 3.9 ％増加した。 2020 年には、主として農業経営および家畜生産の減少により、農
林水産業の生産高は、 2019 年と比較して 4.0 ％減少した。暫定データによると、 2021 年には、主とし
て農場経営および漁業生産の増加により、農林水産業の生産高は、 2020 年と比較して 2.7 ％増加し
た。
建設業
2017 年には、主として住宅建設および商業ビル建設が増加したことから、建設業の生産高は 2016 年
より 5.9 ％増加した。 2018 年には、主として住宅建設および商業ビル建設が減少したことから、建設
業の生産高は 2017 年より 2.8 ％減少した。 2019 年には、主として住宅建設の減少が続いたことから、
建設業の生産高は 2018 年より 2.6 ％減少した。 2020 年には、主として住宅建設が減少したことから、
建設業の生産高は 2019 年より 1.4 ％減少した。暫定データによると、 2021 年には、主として住宅建設
が減少したことから、建設業の生産高は 2020 年より 2.1 ％減少した。
158/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
電力およびガス
次の表は、韓国のエネルギー消費量における輸入依存度を示している。
エネルギー消費量における輸入依存度
(1)
（比率を除き、石油換算百万トン ）
エネルギー総供給量 輸入 輸入依存度（％）
2017 年 302.5 284.4 94.0
2018 年 307.6 288.1 93.7
2019 年 303.1 283.4 93.5
2020 年 292.1 271.1 92.8
(2)
2021 年 305.2 283.2 92.8
注 (1) 石油換算トンへの変換は、 2017 年７月に改訂されたエネルギー法施行令に基づくエネルギー変換係数に
基づいて計算されている。
(2) 暫定値。
出所：韓国エネルギー経済研究所、韓国統計庁
韓国は、国内で石油またはガスの産出をほとんど行っておらず、そのエネルギー需要を満たすため
に輸入石油および輸入ガスに依存している。したがって、石油およびガスの国際価格が韓国経済に大
きく影響する。石油およびガスの長期的な価格高騰は、韓国においてインフレ圧力を高め、韓国の貿
易収支に悪影響を及ぼすであろう。
石油およびガスの輸入依存度を下げるために、政府は、省エネおよび原子力エネルギーに力を入れ
たエネルギー資源の分散化を奨励してきた。次の表は、韓国における供給エネルギーの主な一次資源
を、石油換算量およびエネルギー総消費量に対する比率で示している。
エネルギー供給の資源別内訳
(2)
（比率を除き、石油換算百万トン ）
(1)
石炭 原油 原子力 その他 合計
量 ％ 量 ％ 量 ％ 量 ％ 量 ％
2017 年 86,177 28.5 119,824 39.6 31,615 10.5 64,874 21.4 302,490 100.0
2018 年 86,707 28.2 118,521 38.5 28,437 9.2 73,892 24.0 307,557 100.0
2019 年 82,147 27.1 117,314 38.7 31,079 10.3 72,553 23.9 303,092 100.0
2020 年 72,241 24.7 110,240 37.7 34,119 11.7 75,476 25.8 292,076 100.0
(3)
2021 年 72,520 23.8 117,764 38.6 33,657 11.0 81,251 26.6 305,191 100.0
注 (1) 天然ガス、水力発電および再生可能エネルギーを含む。
(2) 石油換算トンへの変換は、 2017 年７月に改訂されたエネルギー法施行令に基づくエネルギー変換係数に
基づいて計算されている。
(3) 暫定値。
出所：韓国エネルギー経済研究所、韓国銀行
韓国初の原子力発電所は 1978 年にフル稼働し、発電設備容量は 587 メガワットであった。 2021 年 12
月 31 日現在、韓国には原子力発電による総推定発電設備容量が 23,250 メガワットの 24 の原子力発電所
があり、４つの原子力発電所が建設中であった。 2020 年 12 月、政府は、 2020 年から 2034 年までの期間
にかかる「第９次基本計画」を発表した。これは、とりわけ、 ( ⅰ ) 石炭および原子力発電を減らし、
再生可能エネルギーを増やすことにより、安全でクリーンなエネルギー構成へとエネルギー政策を転
換し、 ( ⅱ ) 温室効果ガスのさらなる削減のための実施措置を準備し、 ( ⅲ ) 再生可能エネルギーへの投
資を加速し、低炭素経済 / 社会への移行に向けてインフラを拡張し、 ( ⅳ ) 公正な競争を促進し、環境
にやさしいエネルギーの拡大のための基礎を築くために電力市場システムを改良することに重点を置
いている。さらに、第９次基本計画には、次の実施措置が盛り込まれている： ( ⅰ )2022 年までに６つ
159/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
の石炭火力発電所を閉鎖すること、 ( ⅱ ) その他 24 の石炭火力発電所を 2034 年までに閉鎖し、 LNG 燃料
利用に転換すること、 ( ⅲ ) 第３次国家エネルギー基本計画に定めた目標を達成するため、国内の再生
可 能エネルギーによる発電容量を 2034 年までに 77.8 ギガワットにまで拡大すること、ならびに ( ⅳ )11
の原子力発電所の運転期間の延長は認められず、かかる発電所は 2034 年までに廃炉とすること。
サービス部門
2017 年には、サービス産業は 2016 年と比べて 2.6 ％増加したが、これはそれぞれ 2016 年と比べて医
療・福祉部門が 6.4 ％、金融・保険業部門が 4.2 ％、行政・国防部門が 2.8 ％、それぞれ増加したこと
による。 2018 年には、サービス産業は 2017 年と比べて 3.8 ％増加したが、これはそれぞれ 2017 年と比
べて医療・福祉部門が 8.2 ％、金融・保険業部門が 5.6 ％、行政・国防部門が 3.4 ％、それぞれ増加し
たことによる。 2019 年には、サービス産業は 2018 年と比べて 3.4 ％増加したが、これはそれぞれ 2018
年と比べて医療・福祉部門が 8.7 ％、行政・国防部門が 4.0 ％、金融・保険業部門が 4.4 ％、それぞれ
増加したことによる。 2020 年には、サービス産業は 2019 年と比べて 1.0 ％減少したが、これはそれぞ
れ 2019 年と比べて卸売・小売業および飲食・宿泊業部門が 5.7 ％、運輸・倉庫業部門が 15.1 ％、文化
およびその他サービスが 18.7 ％、それぞれ減少したことによる。暫定データによると、 2021 年には、
サービス産業は 2020 年と比べて 3.7 ％増加したが、これはそれぞれ 2020 年と比べて金融・保険業部門
が 6.1 ％、卸売・小売業および飲食・宿泊業部門が 3.3 ％、情報・通信業部門が 6.0 ％、それぞれ増加
したことによる。
(e) 物価、賃金および雇用
次の表は表示された各期間における物価および賃金の代表的指数ならびに失業率を示したものであ
る。
前年比 前年比 前年比
生産者 消費者
賃金指数
上昇 上昇 上昇
(1) (1) (1)(3)
(1)(2)
物価指数 ( 低下 ) 率 物価指数 ( 低下 ) 率 ( 低下 ) 率 失業率
(2015 年 =100) （％） (2015 年 =100) （％） (2015 年 =100) （％） （％）
2017 年 101.6 3.5 97.6 1.9 106.4 2.1 3.7
2018 年 103.5 1.9 99.1 1.5 113.6 6.8 3.8
2019 年 103.5 0.0 99.5 0.4 116.2 2.3 3.8
2020 年 103.0 (0.5) 100.0 0.5 115.5 (0.6) 4.0
(4) (4)
2021 年 109.6 6.4 102.5 2.5 N/A N/A 3.7
注 (1) 年間平均。
(2) 製造業における平均名目賃金指数。
(3) 経済活動人口に対する割合。
(4) 未入手。
出所：韓国銀行、韓国統計庁
2017 年のインフレ率は 1.9 ％に上昇したが、これは主として農産品および畜産品ならびに石油の価
格値上がりによるものである。 2018 年のインフレ率は 1.5 ％に低下したが、これは主として農産品お
よび石油価格の伸び率の減速によるものである。 2019 年のインフレ率は 0.4 ％に低下したが、これは
主として農産品および畜産品ならびに石油の価格の値下がりによるものである。 2020 年のインフレ率
は 0.5 ％に上昇したが、これは主として農産品および畜産品の価格の値上がりによるものである。
2021 年のインフレ率は 2.5 ％に上昇したが、これは主として農産品および畜産品の価格の値上がりに
よるものである。
2017 年の失業率は 3.7 ％と横這いであった。 2018 年の失業率は 3.8 ％に上昇したが、これは主として
国内経済の低迷が続いたことによる。 2019 年の失業率は 3.8 ％と横這いであった。 2020 年の失業率
は、主として COVID-19 のパンデミックにより、 4.0 ％に上昇した。韓国経済が COVID-19 のパンデミッ
クから段階的に回復してきたことを反映して、 2021 年の失業率は 3.7 ％に低下した。
160/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
1992 年から 2009 年までの期間、韓国の経済活動人口が約 24.8 ％増加して 24.3 百万人となった一方、
韓国の雇用者数は約 23.7 ％増加して 23.5 百万人となった。 15 歳以上の全体の人口に対する 15 歳以上の
経済活動人口の割合は、過去 10 年間に 61 ％から 63 ％の間で安定している。 50 歳以下の労働者のほぼ全
員 に識字能力がある。 2021 年 12 月 31 日現在、韓国の経済活動人口は 28.3 百万人であり、雇用者数は
27.3 百万人であった。
次の表は、産業別および性別による雇用情報を抜粋したものである。
（別段の表示がある場合を除き、比率）
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
労働力（千人） 26,725 26,822 27,123 26,904 27,273
産業別雇用：
農林水産業 4.8 5.0 5.1 5.4 5.3
鉱業および製造業 17.2 16.9 16.4 16.3 16.1
社会資本およびサービス 78.0 78.1 78.5 78.3 78.6
電気、運輸、通信および金融 11.4 11.8 11.7 11.8 12.3
事業サービス、民間・公共サー
ビスおよびその他のサービス 36.4 36.5 37.4 38.0 38.6
建設業 7.4 7.6 7.4 7.5 7.7
22.8 22.2 22.0 21.0 20.0
卸売・小売業、宿泊・飲食業
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
雇用合計
性別雇用 :
男性 57.5 57.3 57.0 57.2 57.0
42.5 42.7 43.0 42.8 43.0
女性
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
雇用合計
出所：韓国銀行
2018 年７月１日付で施行された勤労基準法の一部改正により、従業員の労働時間の上限は週 68 時間
から週 52 時間に短縮されつつあり、また労働時間の上限制限の免除対象となる特例業種の数は大幅に
削減されることになっている。改正勤労基準法に基づくこの新しい労働時間の上限は、 2018 年７月１
日から従業員 300 人以上の事業所に適用され、 2020 年１月１日からは 50 人以上 300 人未満の事業所に拡
大されており、さらに 2021 年７月１日からは５人以上 50 人未満の事業所に拡大された。
韓国においては、組合員労働者による報酬と労働条件の改善およびより広範な雇用保障を求める要
求に関する労働争議がその時々に発生している。近年の重要な出来事のいくつかには以下が含まれ
る。
・ 2017 年９月、韓国の２大テレビ・ラジオ放送局である KBS および MBC の組合員労働者数千人は、
ニュース報道への経営陣の介入および不当労働行為があったとしてこれに抗議して、数カ月に及
ぶストライキを行った。
・ 2017 年、現代自動車の組合員労働者は、賃金および賞与の引上げを要求して、一連の時限ストライ
キを行った。
・ 2018 年７月、現代重工業の組合員労働者は、賃金の引上げを要求して全面ストライキを行った。
・ 2019 年５月、組合員であるバスの運転手は、賃金の引上げと、 2019 年７月に実施される週 52 時間の
労働時間に合わせた増員を求めて全国規模のストライキを行った。
・ 2019 年９月、 GM コリアの組合員労働者は、賃金引上げの要求と GM コリアの再編計画に対する抗議と
して、 20 年振りの全面ストライキを行った。
・ 2019 年 10 月および 11 月、全国鉄道労働組合の数千人の組合員は、賃金の正常化および人員の追加雇
用を求めて全面ストライキを行った。
・ 2020 年 10 月、 11 月および 12 月、 GM コリアの組合員労働者は、賃金および労働協約の交渉期間中に時
限ストライキを行った。
161/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
・ 2020 年 11 月および 12 月、起亜の組合員労働者は、賃金引上げ、業績報酬およびその他の給付を求め
て時限ストライキを行った。
・ 2021 年 11 月および 12 月、韓国の最大手タイヤ・メーカーの１社であるハンコック・タイヤ・アン
ド・テクノロジー社の組合員労働者は、賃金引上げおよび業績報酬の支払を求めて全面ストライキ
を行った。
・ 2021 年、韓国の最大手貨物輸送会社の１社である CJ ロジスティクス社の組合員労働者は、小包配達
手数料の引上げに見合った賃上げを求めて時限ストライキおよびデモを行った。
労働組合員によるこうした行動は、労働改革の実施の妨げとなり、より柔軟性のある労働市場を構
築しようとする政府の計画を妨害する可能性がある。平和的な方法で労働争議を解決するため多大な
努力がなされているが、今後さらなる労働争議が起きないとの保証はない。韓国の主要産業における
継続的な労働争議は、経済に悪影響を及ぼすことがある。
1997 年、韓国民主労働組合総連盟は政治同盟を結成し、これが 2000 年１月の民主労働党結党につな
がった。民主労働党は、新国民参与党と統合し、 2011 年 12 月に名称を統合進歩党（ UPP ）に変更し
た。 2012 年 10 月、 UPP は分裂し、 UPP 所属の国会議員７名およびその支持者は進歩正義党という新たな
政党を作り、 2013 年７月に名称を正義党に変更した。 2014 年 12 月、その一部の議員が武力暴動を扇動
しようとした罪および北朝鮮を支援した罪で有罪判決を受けた後、憲法裁判所は UPP の解散および韓
国憲法違反で同党の５人の議員の国会からの除名を命じた。 2016 年４月 13 日に実施された総選挙にお
いて、正義党は国会において６議席を獲得した。当選者の４年の任期は 2016 年５月 30 日に開始した。
2021 年 12 月 31 日現在、正義党は国会において６議席を有していた。
162/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
④ 貿易および国際収支
(a) 貿易収支
貿易収支の数値は、その国の輸出と輸入との差額を測定したものである。輸出が輸入を上回る場合
には、国は貿易収支の黒字を計上し、輸入が輸出を上回る場合には国は赤字を計上する。赤字とは、
その国が外国に対して支払う金額よりも外国からの受領金額が少なく、ファイナンスされる必要があ
る状態を表し、当該国は債務国となる。黒字とは、当該国の対外支払額を外国からの受領額が上回る
場合で、黒字額の範囲内で貿易相手国の正味赤字の補填のためファイナンスすることができる状態を
表し、その国は債権国となる。
下表は、表示期間中における韓国の貿易収支を示したものである。
貿易収支
（比率を除き、十億米ドル）
輸入に対する
(2) (2)
GDP 構成比 GDP 構成比 輸出の割合
(1) (1)
輸出 （％） 輸入 （％） 貿易収支 （％）
2017 年 573.7 35.3 ％ 478.5 29.5 ％ 95.2 119.9
2018 年 604.9 35.2 ％ 535.2 31.1 ％ 69.7 113.0
2019 年 542.2 33.0 ％ 503.3 30.7 ％ 38.9 107.7
2020 年 512.5 31.3 ％ 467.6 28.5 ％ 44.9 109.6
(3)
2021 年 644.4 35.8 ％ 615.1 34.2 ％ 29.3 104.8
注 (1) これらの項目は、 CIF 基準（すなわち、商品価格に保険料および運賃が含まれる。）に基づく通関統計に
よる。
(2) 現行市場価格による。
(3) 暫定値。
出所：韓国銀行、韓国関税庁
韓国は天然資源がないため、成長のために広範な貿易活動に頼っている。国内で必要な石油、木材
およびゴムのほとんど全部ならびに石炭と鉄の大部分は輸入で賄っている。輸出は、一貫して GDP 比
で高い割合を占めており、したがって国際経済環境が韓国経済にとって決定的に重要である。「③
経済 -(b) 世界の経済および金融危機」を参照のこと。
163/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
下表は、韓国の輸出入の主要商品別分布を示したものである。
(1)
主要商品別輸出（ CIF 基準）
（比率を除き、十億米ドル）
2021 年
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年
総額に
総額に 総額に 総額に 総額に
占める
占める 占める 占める 占める
(2)
2021 年
比率 比率 比率 比率 比率
(2)
2017 年 （％） 2018 年 （％） 2019 年 （％） 2020 年 （％） （％）
食品および消費
財 7.8 1.4 7.9 1.3 8.2 1.5 8.6 1.7 9.8 1.5
原材料および燃
料 43.1 7.5 55.1 9.1 48.8 9.0 32.1 6.3 51.4 8.0
石油および石
油製品 35.4 6.2 47.0 7.8 41.3 7.6 24.7 4.8 38.8 6.0
その他 7.7 1.3 8.1 1.3 7.5 1.4 7.4 1.4 12.6 2.0
軽工業品 36.0 6.3 35.8 5.9 34.2 6.3 32.4 6.3 35.3 5.5
重化学工業品 486.8 84.9 506.1 83.7 451.0 83.2 439.3 85.7 548.0 85.0
電子および電
子製品 192.0 33.5 214.8 35.5 171.4 31.6 178.5 34.8 221.8 34.4
化学薬品およ
び化学製品 65.7 11.5 74.0 12.2 67.4 12.4 66.6 13.0 91.9 14.3
金属製品 46.9 8.2 48.1 8.0 44.1 8.1 39.6 7.7 52.6 8.2
機械および精
密機器 63.3 11.0 69.4 11.5 67.6 12.5 63.4 12.4 70.9 11.0
輸送機器 108.8 19.0 87.4 14.4 87.7 16.2 77.6 15.1 94.2 14.6
乗用車 38.8 6.8 38.2 6.3 40.5 7.5 35.6 6.9 44.3 6.9
船舶および
ボート 41.4 7.2 20.7 3.4 19.5 3.6 19.2 3.7 22.4 3.5
その他 28.6 5.0 28.4 4.7 27.7 5.1 22.8 4.4 27.5 4.3
10.1 1.8 12.5 2.1 12.7 2.3 13.6 2.7 16.6 2.6
その他
573.7 100.0 604.9 100.0 542.2 100.0 512.5 100.0 644.4 100.0
合計
注 (1) これらの項目は、通関統計によるものである。 CIF とは、商品価格に保険料および運賃が含まれることを意味
している。
(2) 暫定値。
出所：韓国銀行 、韓国関税庁
164/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(1)
主要商品別輸入（ CIF 基準）
（比率を除き、十億米ドル）
2021 年
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年
総額に
総額に 総額に 総額に 総額に
占める
占める 占める 占める 占める
(2)
2021 年
比率 比率 比率 比率 比率
(2)
2017 年 （％） 2018 年 （％） 2019 年 （％） 2020 年 （％） （％）
工業材料および
燃料 233.1 48.7 279.0 52.1 254.0 50.5 206.3 44.1 302.6 49.2
原油 59.6 12.5 80.4 15.0 70.3 14.0 44.5 9.5 67.0 10.9
鉱物 20.3 4.2 22.0 4.1 21.7 4.3 21.4 4.6 33.3 5.4
化学薬品 44.0 9.2 50.0 9.3 47.0 9.3 46.4 9.9 60.4 9.8
鉄・鉄鋼製品 20.3 4.2 19.7 3.7 19.8 3.9 15.2 3.3 22.2 3.6
非鉄金属 12.1 2.5 12.8 2.4 12.0 2.4 11.7 2.5 18.4 3.0
その他 76.8 16.1 94.1 17.6 83.2 16.5 67.1 14.3 101.3 16.5
資本財 171.8 35.9 174.6 32.6 164.9 32.8 177.1 37.9 212.8 34.6
機械および精密
機器 63.1 13.2 60.5 11.3 50.7 10.1 57.9 12.4 70.0 11.4
電気機械および
電子機械 95.8 20.0 100.4 18.8 100.4 20.0 105.1 22.5 127.6 20.7
輸送機器 10.8 2.3 11.5 2.1 11.6 2.3 11.9 2.5 13.0 2.1
その他 2.1 0.4 2.2 0.4 2.1 0.4 2.3 0.5 2.2 0.4
消費財 73.6 15.4 81.6 15.2 84.5 16.8 84.2 18.0 99.6 16.2
穀物 6.0 1.3 6.8 1.3 6.9 1.4 7.1 1.5 8.9 1.4
直接消費財 19.7 4.1 22.3 4.2 22.2 4.4 22.3 4.8 25.7 4.2
耐久消費財 30.0 6.3 32.2 6.0 34.5 6.9 34.9 7.5 42.2 6.9
非耐久消費財 17.9 3.7 20.3 3.8 20.9 4.2 20.0 4.3 22.8 3.7
478.5 100.0 535.2 100.0 503.3 100.0 467.6 100.0 615.0 100.0
合計
注 (1) これらの項目は、通関統計によるものである。 CIF とは、商品価格に保険料および運賃が含まれることを意味
している。
(2) 暫定値。
出所：韓国銀行 、韓国関税庁
2017 年に韓国は 95.2 十億米ドルの貿易黒字を計上した。輸出は、 2016 年の 495.4 十億米ドルから
15.8 ％増加して 573.7 十億米ドルとなったが、これは主として、半導体および鉄鋼製品に対する需要
が増加したことによるものであった。輸入は、 2016 年の 406.2 十億米ドルから 17.8 ％増加して 478.5 十
億米ドルとなったが、これは主として、石油価格の値上がりにより他の主な原材料の単価が値上がり
したこと、ならびに機械、精密機器および電子機械の輸入が増加したことによる。
2018 年に韓国は 69.7 十億米ドルの貿易黒字を計上した。輸出は、 2017 年の 573.7 十億米ドルから
5.4 ％増加して 604.9 十億米ドルとなったが、これは主として、半導体および石油製品に対する需要の
増加によるものであった。輸入は、 2017 年の 478.5 十億米ドルから 11.8 ％増加して 535.2 十億米ドルと
なったが、これは主として、石油価格の値上がりにより他の主な原材料の単価が値上がりしたことに
よる。
2019 年に韓国は 38.9 十億米ドルの貿易黒字を計上した。輸出は、 2018 年の 604.9 十億米ドルから
10.4 ％減少して 542.2 十億米ドルとなったが、これは主として、半導体価格の大幅な値下がりによる
ものであった。輸入は、 2018 年の 535.2 十億米ドルから 6.0 ％減少して 503.3 十億米ドルとなったが、
これは主として石油価格の値下がりにより他の主な原材料の単価も値下がりしたことによる。
2020 年に韓国は 44.9 十億米ドルの貿易黒字を計上した。輸出は、 2019 年の 542.2 十億米ドルから
5.5 ％減少して 512.5 十億米ドルとなったが、これは主として、 COVID-19 のパンデミックによって世界
165/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
経済が減速したことによるものであった。輸入は、 2019 年の 503.3 十億米ドルから 7.1 ％減少して
467.6 十億米ドルとなったが、これは主として石油価格の値下がりにより他の主な原材料の単価も値
下 がりしたこと、および COVID-19 のパンデミックの継続を主因とする国内消費の減少によるものであ
る。
暫定データによると、韓国は 2021 年に 29.4 十億米ドルの貿易黒字を計上した。輸出は、 2020 年の
512.5 十億ウォンから 25.7 ％増加して 644.4 十億米ドルとなったが、これは主として世界経済が COVID-
19 のパンデミックから回復したことによるものであった。輸入は、 2020 年の 467.6 十億米ドルから
31.5 ％増加して 615.0 十億米ドルとなったが、これは主として国内消費の増加、ならびに石油価格の
値下がりにより他の主な原材料の単価も値下がりしたことによるものであった。
166/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
下表は、韓国の貿易相手国を示している。
輸出
（単位：比率を除き、百万米ドル）
2021 年
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年
総額に
総額に 総額に 総額に 総額に
占める
占める 占める 占める 占める
(1)
比率 比率 比率 比率 比率
(1)
2017 年 （％） 2018 年 （％） 2019 年 （％） 2020 年 （％） 2021 年 （％）
中国 142,120.0 24.8 162,125.1 26.8 136,202.5 25.1 132,565.4 25.9 162,913.0 25.3
米国 68,609.7 12.0 72,719.9 12.0 73,343.9 13.5 74,115.8 14.5 95,902.0 14.9
日本 26,816.1 4.7 30,528.6 5.0 28,420.2 5.2 25,097.7 4.9 30,061.8 4.7
香港 39,112.3 6.8 45,996.4 7.6 31,912.9 5.9 30,653.8 6.0 37,467.1 5.8
シンガポール 11,651.9 2.0 11,782.2 1.9 12,768.0 2.4 9,828.4 1.9 14,148.5 2.2
ベトナム 47,753.8 8.3 48,622.1 8.0 48,177.7 8.9 48,510.6 9.5 56,728.5 8.8
台湾 14,898.4 2.6 20,783.5 3.4 15,666.3 2.9 16,465.4 3.2 24,285.3 3.8
インド 15,055.5 2.6 15,606.2 2.6 15,096.3 2.8 11,937.3 2.3 15,603.3 2.4
インドネシア 8,403.7 1.5 8,833.2 1.5 7,650.1 1.4 6,312.9 1.2 8,550.3 1.3
メキシコ 10,932.6 1.9 11,458.2 1.9 10,927.0 2.0 8,241.0 1.6 11,290.2 1.8
オーストラリ
ア 19,861.6 3.5 9,610.4 1.6 7,890.6 1.5 6,188.5 1.2 9,750.5 1.5
ロシア 6,906.6 1.2 7,320.9 1.2 7,774.1 1.4 6,900.0 1.3 9,979.5 1.5
ドイツ 8,483.8 1.5 9,372.7 1.5 8,685.7 1.6 9,576.1 1.9 11,109.9 1.7
(2)
153,088.4 26.7 150,100.2 24.8 137,717.3 25.4 126,395.8 24.6 156,610.5 24.3
その他
573,694.4 100.0 604,859.7 100.0 542,232.6 100.0 512,788.7 100.0 644,400.4 100.0
合計
注 (1) 暫定値。
(2) 200 を超える国と地域を含む。
出所：韓国銀行、韓国関税庁
167/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
輸入
（単位：比率を除き、百万米ドル）
2021 年
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年
総額に
総額に 総額に 総額に 総額に
占める
占める 占める 占める 占める
(1)
比率 比率 比率 比率 比率
(1)
2017 年 （％） 2018 年 （％） 2019 年 （％） 2020 年 （％） 2021 年 （％）
中国 97,860.1 20.5 106,488.6 19.9 107,228.7 21.3 108,884.6 23.3 138,628.1 22.5
日本 55,124.7 11.5 54,603.7 10.2 47,580.9 9.5 46,023.0 9.8 54,642.2 8.9
米国 50,749.4 10.6 58,868.3 11.0 61,878.6 12.3 57,492.2 12.3 73,213.4 11.9
サウジアラビア 19,590.5 4.1 26,335.8 4.9 21,840.6 4.3 15,979.6 3.4 24,271.3 3.9
カタール 11,267.1 2.4 16,293.6 3.0 13,036.6 2.6 7,562.1 1.6 11,611.1 1.9
オーストラリア 19,159.7 4.0 20,718.6 3.9 20,608.2 4.1 18,707.1 4.0 32,918.0 5.4
ドイツ 19,748.7 4.1 20,854.0 3.9 19,936.9 4.0 20,680.9 4.4 21,996.3 3.6
クウェート 9,594.0 2.0 12,794.3 2.4 10,771.1 2.1 5,827.9 1.2 8,253.9 1.3
台湾 18,073.0 3.8 16,738.4 3.1 15,717.7 3.1 17,837.0 3.8 23,485.8 3.8
アラブ首長国連
邦 9,557.1 2.0 9,287.4 1.7 8,991.1 1.8 5,692.7 1.2 7,318.7 1.2
インドネシア 9,571.0 2.0 11,161.2 2.1 8,819.8 1.8 7,594.7 1.6 10,725.1 1.7
マレーシア 8,714.7 1.8 10,205.7 1.9 9,279.9 1.8 8,892.6 1.9 10,456.2 1.7
(2)
149,468.3 31.2 170,852.9 31.9 157,652.8 31.3 146,458.4 31.3 215,214.6 35.0
その他
478,478.3 100.0 535,202.4 100.0 503,342.9 100.0 467,632.8 100.0 615,093.4 100.0
合計
注 (1) 暫定値。
(2) 200 を超える国と地域を含む。
出所：韓国銀行、 韓国関税庁
COVID-19 のパンデミックの継続を含め、韓国および世界各地における深刻な感染症の発生は、国際
貿易および影響を受けた諸国の経済成長の見通しならびに世界経済の全般的な見通しについて深刻な
不安をもたらしている。 COVID-19 に関連する世界経済の不確実性は、とりわけ広範な管理措置やワク
チン接種プログラムの範囲および有効性による不確実性を含め、 2022 年にも続くものと予想される。
COVID-19 のワクチン接種が可能となり、また事業活動が次第に正常化することから国内外の経済には
様々な回復の兆しがあるものの、 COVID-19 のパンデミックが引続き国際貿易にどの程度影響を及ぼす
かはきわめて不透明で、予測困難である。こうした感染症のさらなる拡大を抑え、今後類似の感染症
の発生を防止するため、政府は、感染症発生と闘うためのさまざまな措置を展開し、実施する地域的
および国際的な取組みに引続き積極的に協力している。「③ 経済 -(b) 世界の経済および金融危機」
を参照のこと。
2020 年、 2021 年からここ数カ月では、特に COVID-19 のパンデミックの継続の影響により、米ドルお
よび日本円に対してウォンの価値は大きく変動している。「③ 経済 -(b) 世界の経済および金融危
機」を参照のこと。米ドルおよび日本円に対するウォン高により、韓国の輸出売上高のウォン価は上
昇し、それぞれ米ドル建および日本円建での海外市場における輸出品の価格競争力は低下する。しか
し、ウォン高によりウォン建での輸入原材料の原価も低下し、米ドル建および日本円建の韓国の債務
のウォン建での返済費用も減少する。一般に、ウォン高の場合には、自動車、エレクトロニクスおよ
び造船をはじめとする韓国経済の輸出依存部門は、ウォン高の結果としての輸出品の価格競争力への
圧力に悩まされ、そのことが利益率の低下と市場占有率の低下につながる可能性があり、輸入原材料
の原価の低下を十分に相殺するであろう。韓国経済の輸出依存部門が利益率の低下または純損失を被
れば、韓国経済に重大な悪影響をもたらすことになりうる。
2003 年に政府が自由貿易協定（ FTA ）を目指す予定であることを公表して以来、韓国は主な貿易相
手国と FTA を締結している。韓国は、 2004 年よりチリ、 2006 年よりシンガポール、 2010 年よりイン
168/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
ド、 2011 年よりペルー、 2012 年より米国、 2013 年よりトルコ、 2014 年よりオーストラリア、 2015 年よ
りカナダ、 中国、ニュージーランドおよびベトナム、 2016 年７月よりコロンビア、また 2021 年１月
よ り英国との間で、それぞれ二国間 FTA を実施している。韓国は現在、その他多くの主要な貿易相手
国との間で交渉を行っている。また、韓国は、 2006 年より欧州自由貿易連合と、 2009 年より東南アジ
ア諸国連合と、 2011 年より欧州連合と、 2021 年よりパナマ、コスタリカ、グアテマラ、ホンジュラ
ス、エルサルバドルおよびニカラグアの各国と、また 2022 年より地域的な包括的経済連携との間で地
域 FTA を実施しており、現在追加的な地域 FTA について交渉を進めている。韓国とトルコは、二国間
FTA の見直しを完了し、これは 2018 年８月に発効した。韓国と米国も、二国間 FTA の見直しを完了し、
これは 2019 年１月に発効した。
(b) 非商品貿易収支
韓国は、 2017 年には 38.4 十億米ドル、 2018 年には 32.6 十億米ドル、 2019 年には 20.1 十億米ドル、
2020 年には 4.7 十億米ドルの非商品貿易赤字を計上した。暫定データによると、韓国は 2021 年には
12.1 十億米ドルの非商品貿易黒字を計上した。
169/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(c) 国際収支
国際収支は、経常収支および資本収支により表される国内外への財、サービスおよび資本の相対的
な流れの尺度となる。経常収支は、国の財およびサービスの貿易ならびに支払移転を追跡するもので
あり、国が貿易および投資による所得の範囲内に支出を抑えられているかどうかの尺度となる。資本
収支は、国内外への資本移転が絡むすべての取引（借入および投資を含む。）をカバーする。総合収
支は、経常収支および資本収支の合計額を表す。総合収支黒字は外貨の純流入を示し、その結果現地
通貨に対する需要は増大し、その価値は上昇する。総合収支赤字は外貨の純流出を意味し、現地通貨
に対する需要は減少し、その価値は低下する。金融勘定は総合収支を反映する。総合収支がプラスで
あれば、その国の貯蓄を表す黒字がその国の貿易相手国の総合赤字を埋めることとなる。したがっ
て、金融勘定は総合収支黒字に等しい現金の流出を示すこととなる。しかしながら、総合収支がマイ
ナスの場合には、その国はファイナンスされるべき国際収支赤字を有していることになる。したがっ
て、金融勘定は総合収支赤字に等しい現金流入を示すこととなる。
次の表は韓国の国際収支に関する一定の情報を示したものである。
(1)
国際収支
（単位：百万米ドル）
(4)
分類 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
経常収支 75,230.9 77,466.5 59,676.1 75,902.2 88,302.2
商品貿易収支 113,592.9 110,086.8 79,812.1 80,604.8 76,207.2
(2)
輸出 580,310.2 626,266.5 556,667.9 517,909.3 650,014.6
(2)
輸入 466,717.3 516,179.7 476,855.8 437,304.5 573,807.4
サービス収支 (36,734.1) (29,369.4) (26,845.3) (14,670.1) (3,108.3)
所得収支 5,336.9 4,901.9 12,856.0 13,486.9 19,328.2
経常移転収支 (6,964.8) (8,152.8) (6,146.7) (3,519.4) (4,124.9)
資本および金融収支 84,489.6 76,790.1 58,857.6 80,996.4 76,626.1
資本収支 (26.8) 316.7 (169.3) (386.3) (154.3)
(3)
金融収支 84,516.4 76,473.4 59,026.9 81,382.7 76,780.4
正味誤差脱漏 9,312.3 (1,309.8) (479.9) 5,866.8 (11,367.5)
注 (1) これらの数値は、 2010 年 12 月に国際通貨基金が発行し、 2013 年 12 月に政府によって実施された国際収支マ
ニュアル第６版に基づいて作成されている。 2018 年 12 月、韓国銀行は、新たな経済活動を把握し、原データ
の変化を反映するため、韓国の国際収支情報を修正した。
(2) これらの項目は貿易統計によるもので、 FOB 基準（すなわち保険料および運賃を除いたもの）により評価
されている。
(3) IMF 借款、シンジケート・ローンおよび短期借入を含む。
(4) 暫定値。
出所：韓国銀行
2020 年の経常収支黒字は、 2019 年の 59.7 十億米ドルから 75.9 十億米ドルに拡大したが、これは主と
してサービス収支の赤字縮小と、小幅ではあるが経常移転収支の赤字縮小および商品貿易収支の黒字
拡大によるものである。暫定データによると、 2021 年の経常収支黒字は、 2020 年の 75.9 十億米ドルか
ら 88.3 十億米ドルに拡大したが、これは主としてサービス収支の赤字縮小と所得収支の黒字拡大によ
るもので、その効果は商品貿易収支の黒字縮小により一部相殺された。
170/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(d) 外国人直接投資
1960 年以降、政府は、外国人の投資活動の実施および規制についての枠組みを定めた広範な関連法
および行政諸規則を採択してきた。 1998 年９月、政府は、外国人へのインセンティブの提供および外
国人による韓国内への投資活動の円滑化によって外国人による対内投資を促進することを目的とし
て、従前の外国人直接投資の関連法令に代わる外国人投資促進法（以下「 FIPA 」という。）を公布し
た。 FIPA は、とりわけ、対内外国投資の手続要件、外国人投資に対する減税などのインセンティブな
らびに外国人投資の対象地域の指定および開発に関連する要件を規定している。政府は、外国人直接
投資に対して安定的かつ柔軟な環境を提供することで、外国の資本、技術および経営手法の流入が加
速されるものと考えている。
下表は、表示期間中における年間の韓国への外国人直接投資に関する情報を示している。
外国人直接投資
（単位：十億米ドル）
(2)
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
契約・報告済投資
(1)
新規事業への投資 15.7 20.0 15.9 14.5 18.1
7.2 6.9 7.4 6.2 11.4
M&A
22.9 26.9 23.3 20.7 29.5
合計
実際の投資 13.8 17.3 13.4 11.4 18.0
注 (1) 新たな工場および操業施設の建設を含む。
(2) 暫定値。
出所：産業通商資源部
2020 年、契約・報告済みである韓国への外国人直接投資額は、 2019 年の 23.3 十億米ドルから 20.7 十
億米ドルに減少した。これは主として、製造業部門に対する外国人投資が 2019 年の 8.2 十億米ドルか
ら 2020 年には 5.9 十億米ドルに減少したことによる。
暫定データによると、 2021 年、契約・報告済みである韓国への外国人直接投資額は、 2020 年の 20.7
十億米ドルから 29.5 十億米ドルに増加した。これは主として、サービス部門に対する外国人投資が
2020 年の 14.4 十億米ドルから 2021 年には 23.6 十億米ドルに増加したことによる。
171/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
下表は、表示期間中における外国人直接投資元に関する情報を地域別および国別に示している。
外国人直接投資の地域別および国別内訳
（単位：十億米ドル）
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
北米
米国 4.7 5.9 6.8 5.3 5.3
1.6 1.9 1.7 3.5 1.6
その他
6.3 7.8 8.6 8.8 6.9
アジア
日本 1.8 1.3 1.4 0.8 1.2
香港 1.8 1.5 1.9 1.1 0.6
シンガポール 1.8 1.5 1.3 2.3 4.2
中国 0.8 2.7 1.0 2.0 1.9
2.0 2.4 1.0 0.4 1.2
その他
8.2 9.4 6.6 6.6 9.1
欧州連合
オランダ 1.7 1.4 1.7 0.6 1.0
英国 2.2 1.2 2.1 0.7 0.8
ドイツ 0.7 0.5 0.4 0.5 2.8
フランス 0.3 0.7 0.1 0.2 0.2
2.4 5.2 3.1 2.8 8.0
その他
7.3 9.0 7.4 4.8 12.8
1.1 0.6 0.7 0.5 0.7
その他の地域および諸国
22.9 26.9 23.3 20.7 29.5
合計
出所：産業通商資源部
172/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
(e) 外貨準備高
外貨準備高とは、国際収支の資金調達の必要性を満たす目的およびその他関連目的のために金融当
局によって容易に入手可能かつ管理されている対外資産である。次の表は、韓国の公的外貨準備高合
計を示したものである。
公的準備高合計
（単位：百万米ドル）
12 月 31 日現在
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
金 4,794.8 4,794.8 4,794.8 4,794.8 4,794.8
(1)
379,476.6 393,332.5 397,876.1 430,117.2 438,319.2
外貨
金および外貨合計 384,271.3 398,127.2 402,670.9 434,912.0 443,114.0
IMF 準備ポジション 1,621.1 2,140.4 2,792.9 4,815.3 4,634.9
3,374.3 3,426.6 3,352.4 3,370.8 15,369.5
特別引出権
389,266.7 403,694.3 408,816.1 443,098.1 463,118.4
公的準備高合計
注 (1) 韓国の外貨準備高の 95 ％超は、換金可能な外貨で占められている。
出所：韓国銀行、国際通貨基金
政府の外貨準備高は、主として貿易収支の黒字および資本の流入が続いたため、 1997 年 12 月 31 日現
在の 8.9 十億米ドルから 2007 年 12 月 31 日現在には 262.2 十億米ドルに増加した。 2008 年には、政府の外
貨準備高は減少し、 2008 年 12 月 31 日現在 201.2 十億米ドルまで落込んだ。これは、韓国の金融機関に
外貨流動性を提供するために、政府が外貨準備金を使用したことなどによるものである。政府の外貨
準備高は、主として貿易収支の黒字および資本の流入が続いたため、 2017 年 12 月 31 日現在 389.3 十億
米ドル、 2018 年 12 月 31 日現在 403.7 十億米ドル、 2019 年 12 月 31 日現在 408.8 十億米ドル、 2020 年 12 月 31
日現在 443.1 十億米ドル、 2021 年 12 日 31 日現在 463.1 十億米ドルへと増加した。 2022 年４月 29 日現在の
政府の外貨準備高は 449.3 十億米ドルであった。
173/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
⑤ 金融制度および通貨政策
(a) 金融制度
金融部門の構造
韓国の金融部門には、以下に分類される金融機関が含まれる。
・韓国銀行
・商業銀行
・ノンバンク金融機関
・その他の金融機関（以下を含む。）
- 金融投資会社
- 信用保証機関
- ベンチャー・キャピタル企業
- その他
金融取引における透明性を強化するためおよび金融市場の統一性と効率性を高めるために、韓国の
法律は金融機関に対し取引業務を行う際に顧客が実名を使用していることを確認することを義務づけ
ている。政府はまた、民間金融取引の秘密保護を強化させた。
韓国国会は、 2007 年７月に金融投資サービスおよび資本市場法（ FSCMA ）を採択した。 FSCMA に基づ
き、様々な業界ごとの縦割りの資本市場規制制度は、単一の規制制度に統合された。 2009 年２月に施
行された FSCMA により、投資家保護および開示要件の強化のみならず、金融商品の定義の拡大、およ
び金融投資会社によるさらに広範な金融サービスの提供を可能にする機能に基づく規則によって、認
可された投資関連金融商品および活動の範囲が拡大する。
FSCMA の施行日より前には、金融機関の種類（たとえば、証券会社、先物業者、信託業者および資
産運用会社）に応じて個々の法律が当該金融機関を規制し、金融機関別に個別の免許および規制要件
（たとえば、証券取引法、先物取引法および間接投資資産運用業法に基づくもの）に服していた。同
一の経済的機能を有する金融業に対して一つの統一規則を適用することによって、 FSCMA は、資本市
場関連事業に関する同一の経済的機能が複数の規制に服していた従来の規制制度から生じる問題点を
改善し対処することを目指している。この目的のために、 FSCMA は資本市場関連業務を以下の６つの
異なる機能に分類している。
・投資取引 ( 金融投資商品の売買および引受 )
・投資仲介（金融投資商品の仲介）
・集団投資（集団投資スキームの設定およびその管理）
・投資助言
・投資一任
・信託（上記５つの業務と併せて「金融投資業務」という。）
したがって、金融投資商品に関連するすべての金融業務が上記の一つまたは複数の金融投資業務に
再分類され、金融機関の種類にかかわらず、その関係金融投資業務に適用される規則に従うこととな
る。たとえば、 FSCMA に基づいて、証券会社および先物業者が行うデリバティブ業務は、少なくとも
原則的には、 FSCMA に基づいて同一規則に従うことになる。
銀行業と保険業には、 FSCMA は適用されず、引続き個別の法律の規定が適用される。ただし、銀行
業と保険業が、 FSCMA に基づく免許を必要とする金融投資業務を行う場合には、 FSCMA の適用を受ける
ことになる。
174/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
銀行業界
韓国銀行業界は商業銀行と特殊銀行よりなる。商業銀行は一般大衆と企業セクターを対象とし、全
国規模の銀行、地方銀行、および外国銀行の支店が含まれる。地方銀行は全国規模の銀行と類似の
サービスを行うが、地理的に限定された地域で営業する。外国銀行の支店は 1967 年より韓国において
営業しているが、韓国の銀行サービス全体に対して相対的に低い比率のサービスしか行っていない。
2021 年 12 月 31 日現在、全国規模の銀行が６行、地方銀行が６行、インターネット銀行が３行、また韓
国内で営業を行う支店を有する外国銀行 35 行があった。
特殊銀行は政府の政策に従い、特定の経済部門のニーズを満たしている。それらは、特別法によっ
て組織され、または認可されている。特殊銀行には、 (i) 韓国産業銀行、 (ii) 韓国輸出入銀行、 (iii)
中小企業銀行、 (iv) 水協銀行および (v)NH 農協銀行が含まれる。政府は、特殊銀行のうち３行に対し
て以下のとおり資本出資を行っている。
・韓国産業銀行： 政府は、払込資本金全額を直接保有しており、 1954 年の同行設立以来資本出資
を行ってきた。最近の事例では、政府は 2017 年に 395 十億ウォン、 2018 年に 170 十億ウォン、 2019
年に 555 十億ウォン、 2020 年に 2,103 十億ウォン、 2021 年に 1,121 十億ウォンの資本出資を行っ
た。これらの出資を考慮すると、 2021 年 12 月 31 日現在の同行の払込資本金の総額は 21,887 十億
ウォンであった。
・韓国輸出入銀行： 政府は、同行の払込資本金全額を直接または間接的に保有しており、 1976 年
の同行設立以来資本出資を行ってきた。最近の事例では、政府は 2017 年に 1,417 十億ウォン、
2019 年に 56 十億ウォン、 2020 年に 578 十億ウォン、 2021 年に 299 十億ウォンの資本出資を行った。
これらの出資を考慮すると、 2021 年 12 月 31 日現在の同行の払込資本金の総額は 12,748 十億ウォン
であった。
・中小企業銀行： 政府は、 2021 年 12 月 31 日現在、同行株式の 59.5 ％（普通株式および優先株式を
含む。）を直接保有していた。政府は、 1994 年まで中小企業銀行の発行済株式資本のすべてを保
有していたが、政府の最低株式保有要件が 1997 年に撤廃され、それ以来政府は中小企業銀行普通
株式の売買取引を通じて同行株式の保有比率を定期的に調整してきた。 2019 年、中小企業銀行
は、合計 17,178,164 株の普通株式を総額 225 十億ウォンの金銭で政府に対して新規発行した。
2020 年、中小企業銀行は、合計 161,507,381 株の普通株式を総額 1,266 十億ウォンの金銭で政府に
対して新規発行した。 2020 年 11 月には、中小企業銀行は、かつて政府に対して発行した合計
44,847,038 株の永久優先株式を政府から取得し、これを消却した。 2021 年５月、中小企業銀行
は、 5,636,227 株の普通株式を総額 49 十億ウォンの金銭で政府に対して新規発行した。これらの
取引を考慮すると、 2021 年 12 月 31 日現在の同行に対する政府の払込資本金は 4,211 十億ウォンで
あった。
1997 年および 1998 年の経済危機は、韓国の銀行の不良債権資産の増加をもたらし、韓国の銀行の自
己資本比率は低下した。 1998 年から 2002 年にかけて、金融委員会は、数回にわたって銀行業規則を改
正し、不良債権資産についていっそう厳しい基準を採用して、より国際基準に即したものとした。
175/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
次の表は、表示日現在における韓国の銀行の貸付総額（ウォン建貸付および外貨建貸付を含む。）
および不良債権資産を示している。
(1)
貸付総額 比率
不良債権資産
（兆ウォン） （％）
2017 年 12 月 31 日 1,775.9 21.1 1.2
2018 年 12 月 31 日 1,872.6 18.2 1.0
2019 年 12 月 31 日 1,980.6 15.3 0.8
2020 年 12 月 31 日 2,171.7 13.9 0.6
(2)
2021 年 12 月 31 日 2,371.9 11.8 0.5
注 (1) 固定以下に分類される資産。
(2) 暫定値。
出所：金融監督院
2017 年には、これらの銀行は 2016 年の 3.0 兆ウォンの純利益合計額に対して、 11.2 兆ウォンの純利
益合計額を計上した。これは主に貸倒引当金繰入額が減少したことと、正味受取利息が増加したこと
による。 2018 年には、これらの銀行は 2017 年の 11.2 兆ウォンの純利益合計額に対して、 15.6 兆ウォン
の純利益合計額を計上した。これは主に、正味受取利息が増加したことと貸倒引当金繰入額が減少し
たことによるものであるが、これらは正味非利息利益の減少分を上回った。 2019 年には、これらの銀
行は 2018 年の 15.6 兆ウォンの純利益合計額に対して、 13.9 兆ウォンの純利益合計額を計上した。これ
は主に、子会社および関連会社への投資について 2018 年には利益を計上したのに対して、 2019 年には
損失を計上したことによるもので、これは貸倒引当金の減少分を上回った。 2020 年には、これらの銀
行は 2019 年の 13.9 兆ウォンの純利益合計額に対して、 12.1 兆ウォンの純利益合計額を計上した。これ
は主に、貸倒引当金繰入額が増加したことによるものである。暫定データによれば、 2021 年には、こ
れらの銀行は 2020 年の 12.1 兆ウォンの純利益合計額に対して、 16.9 兆ウォンの純利益合計額を計上し
た。これは主に、 HMM カンパニー・リミテッドが発行した転換社債を同社普通株式に転換する権利の
行使（ 2021 年６月に行われた。）に関連して、韓国産業銀行が多額の利益を認識したこと、またより
小幅ではあるが正味受取利息が増加したことと、貸倒引当金繰入額が減少したことによるものであ
る。
ノンバンク金融機関
ノンバンクの金融機関は、以下のものからなる。
・銀行の信託勘定、相互銀行、信用組合、相互信用ファシリティ、地域信用協同組合および郵便貯
金を含む貯蓄機関
・生命保険会社
・クレジット・カード会社
2021 年 12 月 31 日現在、相互銀行が 79 行、合弁生命保険会社および外資系生命保険会社の完全所有子
会社を含む生命保険会社が 23 社、また韓国において営業を行うクレジット・カード会社が８社あっ
た。
176/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
金融市場
韓国の金融市場は、コール市場ならびに短期国債、通貨安定社債、譲渡性預金証書、現先取引およ
びコマーシャル・ペーパーを含むその他の広範な短期金融商品の市場からなっている。
証券市場
2005 年１月 27 日、現在では廃止されている韓国証券先物取引所法に基づき、韓国証券取引所、韓国
先物取引所、 KOSDAQ 株式市場（ KOSDAQ ）および以前 KOSDAQ を運営していた韓国証券業協会の KOSDAQ 委
員会が統合され、韓国取引所が設立された。韓国取引所は、３つの主な市場（ KRX KOSPI 市場、 KRX
KOSDAQ 市場および KRX デリバティブ市場）を運営している。韓国取引所は、ソウルに２つの立会所
（一つは KRX KOSPI 市場向け、もう一つは KRX KOSDAQ 市場向け）を、釜山には KRX デリバティブ市場向
けに１つの立会所を有している。韓国取引所は有限責任株式会社であり、その株式は (i) 以前韓国先
物取引所または韓国証券取引所の会員であった金融投資会社および (ii)KOSDAQ の株主が保有してい
る。現在、韓国取引所は韓国唯一の証券取引所で、その会員によって運営されており、韓国の金融投
資会社および外国の金融投資会社の韓国支店数社が会員となっている。
韓国取引所では、韓国取引所に上場されているすべての持分有価証券の指数である韓国総合株価指
数を 10 秒毎に公表している。韓国総合株価指数は、合計価額法により計算されている。この方法は、
すべての上場企業の時価総額を一定の調整をしたうえ合計し、この総額を、 1980 年１月４日を基準日
とするすべての上場企業の時価総額に対する百分率で示すものである。
次の表は、表示日現在の韓国総合株価指数の価値を示している。
2017 年 12 月 28 日 2,467.5
2018 年 12 月 28 日 2,041.0
2019 年 12 月 30 日 2,197.7
2020 年 12 月 30 日 2,873.5
2021 年１月 29 日 2,976.2
2021 年２月 26 日 3,013.0
2021 年３月 31 日 3,061.4
2021 年４月 30 日 3,147.9
2021 年５月 31 日 3,203.9
2021 年６月 30 日 3,296.7
2021 年７月 30 日 3,202.3
2021 年８月 31 日 3,199.3
2021 年９月 30 日 3,068.8
2021 年 10 月 29 日 2,970.7
2021 年 11 月 30 日 2,839.0
2021 年 12 月 30 日 2,977.7
2022 年１月 28 日 2,663.3
2022 年２月 28 日 2,699.2
2022 年３月 31 日 2,757.7
2022 年４月 29 日 2,695.1
177/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
長年にわたり、流動性および信用に対する不安ならびに世界の金融市場のボラティリティは、韓国
企業の株価の変動を招いた。近年では、 COVID-19 のパンデミックの継続により、国内外の市場状況が
悪化したため、韓国企業の株価は大きく変動した。 2022 年５月４日現在の指数は、 2,677.6 であっ
た。
監督制度
銀行監督院、証券監督院、保険監督院およびその他すべての金融業規制当局は、 1999 年１月に統合
され、金融監督院が設置された。金融委員会は、金融監督院の執行機関の役割を果たす。金融委員会
は総理室の監督下にあるが、総理室からは独立して業務を行っている。
企画財政部は、金融政策および外貨規制を担当している。韓国銀行は物価安定を目標にして通貨政
策を管理している。
預金保険制度
韓国の預金保険制度は、銀行、ノンバンク金融機関、証券会社および生命保険会社への預金額を保
証している。
2001 年１月以降、各金融機関について、預金額に関係なく保証額の上限が１人当たり 50 百万ウォン
となった。
政府はレポ取引等の一部の預金を保険制度から排除した。また、保険制度が適用される経営不振の
金融機関の定義を拡大して、被保険金融機関が支払う保険料を段階的に増額した。
(b) 通貨政策
韓国銀行
韓国銀行は、韓国の中央銀行兼韓国で唯一の通貨発行銀行として 1950 年に設立された。韓国銀行の
通貨信用政策は、７名の委員からなり、韓国銀行総裁が委員長を務める金融通貨委員会によって決定
され、管理されている。
インフレ目標の設定が、韓国の通貨政策の運営の基本である。消費者物価指数が韓国銀行の目標指
数として用いられている。設定されたインフレ目標を達成するために、韓国銀行の金融通貨委員会
は、韓国銀行と相手方金融機関との買戻契約などの取引に適用する参照レートである「韓国銀行基準
金利」を決定し公表する。韓国銀行は、金融通貨委員会の目標レートに沿ってコール・レートを維持
するための主要な手段として公開市場操作を行っている。さらに、韓国銀行は、韓国の銀行に対する
貸付および支払準備要件に関する政策を確立することができる。
金利
2010 年７月９日、韓国銀行は、インフレ圧力の兆候および国内経済の継続的な成長を受けて政策金
利を 2.0 ％から 2.25 ％に引上げ、 2010 年 11 月 16 日にはさらに 2.5 ％に引上げた。 2011 年１月 13 日、韓国
銀行は、主として石油製品および農産物の価格上昇によって牽引されたインフレ圧力を受けて、政策
金利を 2.75 ％に引上げた。この金利は 2011 年３月 10 日に 3.0 ％に、同年６月 10 日には 3.25 ％にさらに
引上げられた。韓国銀行は、世界および国内経済の停滞に対処するために、政策金利を 2012 年７月 12
日に 3.25 ％から 3.0 ％に引下げ、さらに 2012 年 10 月 11 日に 2.75 ％に、 2013 年５月９日に 2.5 ％に、 2014
年８月 14 日に 2.25 ％に、 2014 年 10 月 15 日に 2.0 ％に、 2015 年３月 12 日に 1.75 ％に、 2015 年６月 11 日に
1.5 ％に、 2016 年６月９日に 1.25 ％に引下げた。韓国銀行は、インフレ圧力の兆しならびに世界およ
び国内経済の継続的な成長に対応して、 2017 年 11 月 30 日に政策金利を 1.25 ％から 1.5 ％に引上げ、
2018 年 11 月 30 日にはさらに 1.75 ％に引上げた。韓国銀行は、世界および国内経済の停滞に対処するた
めに、政策金利を 2019 年７月 18 日に 1.75 ％から 1.5 ％に引下げ、また 2019 年 10 月 16 日には 1.5 ％から
1.25 ％に引下げた。 2020 年３月 16 日、韓国銀行は、 COVID-19 のパンデミックによる経済情勢の悪化に
対応して、政策金利をさらに 1.25 ％から 0.75 ％に引下げ、 2020 年５月 28 日にはさらに 0.5 ％にまで引
下げた。韓国銀行は、家計負債水準の上昇およびインフレ圧力に対応して、政策金利を 2021 年８月 26
178/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
日に 0.50 ％から 0.75 ％に、 2021 年 11 月 25 日に 1.00 ％に、 2022 年１月 14 日に 1.25 ％に、また 2022 年４月
14 日に 1.50 ％に引上げた。
2004 年２月２日の銀行の要求払預金に対する金利の規制撤廃によって、韓国銀行は、 1991 年に公表
された「４段階金利自由化計画」に基づく金利の規制撤廃を完了した。しかし、普通当座預金につい
ての利払禁止は維持された。
マネーサプライ
下表は、韓国のマネーサプライを表している。
（単位：十億ウォン）
12 月 31 日現在の残高
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
(1)
マネーサプライ (M1) 849,862.4 865,851.8 952,922.8 1,197,828.9 1,372,336.6
(2)
1,680,491.2 1,834,510.6 1,960,686.8 2,002,006.8 2,241,351.0
準貨幣
(3)
2,530,353.6 2,700,362.4 2,913,609.6 3,199,835.7 3,613,687.6
マネーサプライ (M2)
前年比増加率 5.1 ％ 6.7 ％ 7.9 ％ 9.8 ％ 12.9 ％
注 (1) 流通通貨ならびに金融機関における要求払預金および普通預金からなる。
(2) 定期預金および積立預金、市場性商品、実績配当型商品ならびに金融債を含む。ただし、２年超の期限を
有する金融商品を除く。
(3) マネーサプライ（ M2 ）はマネーサプライ（ M1 ）と準貨幣の合計である。
出所：韓国銀行
外国為替管理
企画財政部に登録された認可外国為替銀行は、外国為替取引を行う。企画財政部は、その他の種類
の金融機関を指定し、これに限られた範囲での外国為替取引の取扱いを認めている。
韓国の法令により、一般的に、国際債券およびその他証券の発行、対外投資ならびに外国為替支払
を伴う一定のその他取引を行う際には、企画財政部、韓国銀行あるいは認可外国為替銀行のいずれか
の該当機関に対する報告が必要とされる。
1994 年および 1995 年、政府は外為ポジションの上限規制および外為取引管理に要求される書類の規
制を緩和し、非居住者が韓国の外国為替銀行で開設することができる自由ウォン口座を創設した。自
由ウォン口座に預入れられたウォン貨の資金は、政府の承認を要することなく外貨に転換され、韓国
国外に送金されることができる。 1996 年 12 月の韓国の OECD への加盟後、韓国では投資資金、配当金お
よび利益の本国送金のほか、貸付返済金や利息支払金の本国送金を自由に行うことが可能になった。
政府は、かかる外国為替の改革が韓国の競争力を強化し、国内外の主体間の戦略的提携を推進するも
のと期待して、 WTO のもとでの新たな貿易体制を含む世界経済の変化に対応して為替管理の縮小を継
続して実施している。
179/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
1998 年９月、国会は外国為替取引法を制定した。同法は 1999 年４月より施行され、その後何度も改
正された。原則として大半の通貨および資本取引は自由化された。かかる取引に含まれるのは、
・韓国の企業および金融機関による海外に所在する不動産への投資、
・韓国の企業および金融機関による海外支店および子会社の設立、
・非居住者による年限が１年超の預金および信託商品への投資、ならびに
・韓国市場における非居住者による社債の発行である。
韓国資本市場のさらなる開放による弊害を最小限に抑えるため、企画財政部は短期の投機的資金の
流入を制限する可変的な預金義務システムを導入した。
また、政府は、 2001 年１月から第２段階の自由化構想を実施した。かかる構想のもとで、海外渡航
費、外国相続財産送金および海外移住費用を含む韓国居住者の対外決済限度が廃止された。居住者に
よる海外預金、信託、外国有価証券の取得およびその他の外国資本取引ならびに非居住者による韓国
通貨建の預金もまた自由化された。かかる自由化に即して、非合法な外国為替取引を抑止し、外国為
替市場を安定化するための措置が講じられる予定である。
2006 年１月１日付で、政府は、「資本取引」に適用ある規則を自由化した。かかる規則の規定によ
れば、資本取引について何ら規制上の承認は必要ではない。資本取引は以前、承認要件に服していた
が、現在は報告要件に服するのみとなっている。
2010 年１月、金融監督院は、法人投資家による外国為替リスクのオーバー・ヘッジを防ぐために、
FX デリバティブ取引リスク管理ガイドラインを発表した。 2014 年 12 月に改訂されたこのガイドライン
によると、金融機関または公的企業以外の法人投資家が、銀行との間で通貨先渡、通貨オプション、
為替スワップまたは通貨スワップの契約を締結しようとする場合、銀行は当該法人投資家の資産、負
債または契約が、通貨先渡、通貨オプション、為替スワップまたは通貨スワップの契約によって軽減
できる可能性のある為替リスクを抱えているかどうかについて確認しなければならない。また、銀行
は、法人投資家のリスクヘッジ比率（リスク総額に対する想定元本総額の割合）が 100 ％を超えてい
ないことを確保しなければならない。
180/181
EDINET提出書類
韓国輸出入銀行(E06045)
有価証券報告書
為替相場制度
下表は、表示日現在におけるソウル・マネー・ブローカレッジ・サービシズ・リミテッドが発表し
たウォン・米ドル（１米ドルに対するウォン）間の為替レートを表している。
為替レート
１米ドル当りウォン
2017 年 12 月 29 日
1,071.4
2018 年 12 月 31 日 1,118.1
2019 年 12 月 31 日 1,157.8
2020 年 12 月 31 日 1,088.0
2021 年１月 29 日 1,114.6
2021 年２月 26 日 1,108.4
2021 年３月 31 日 1,133.5
2021 年４月 30 日 1,119.4
2021 年５月 31 日 1,116.0
2021 年６月 30 日 1,130.0
2021 年７月 30 日 1,147.4
2021 年８月 31 日 1,164.4
2021 年９月 30 日 1,184.9
2021 年 10 月 29 日 1,171.7
2021 年 11 月 30 日 1,193.4
2021 年 12 月 31 日 1,185.5
2022 年１月 28 日 1,202.4
2022 年２月 28 日 1,202.7
2022 年３月 31 日 1,210.8
2022 年４月 29 日 1,269.4
2008 年１月２日から 2009 年４月 16 日までの間に、米ドルに対するウォンの価値は約 29.9 ％下落し
た。これは主に、流動性および信用に対する不安ならびに世界の信用・金融市場のボラティリティに
よる経済情勢の悪化、ならびに外国投資家が韓国株式市場からその投資を引揚げ本国送金したことに
よるものである。ウォンと米ドルの間の為替レートは、それ以降変動してきた。 2020 年、 2021 年から
ここ数カ月では、主として COVID-19 のパンデミックの継続の影響により、米ドルに対するウォンの価
値は大きく変動した。 2022 年５月４日現在の１米ドルに対するウォンの平均為替レートは、１米ドル
＝ 1,265.7 ウォンであった。
181/181
