北欧投資銀行 有価証券報告書
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北欧投資銀行(E06042)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第 24 条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2022 年6月 23 日
【会計年度(又は事業年度)】 自 2021 年1月1日 至 2021 年 12 月 31 日
北欧投資銀行 ( Nordic Investment Bank )
【発行者の名称】
【代表者の役職氏名】 アンドレ・クースベック(総裁兼最高経営責任者)
André Küüsvek
(President and Chief Executive Officer)
弁護士 島崎 文彰
【事務連絡者氏名】
【住所】 東京都千代田区神田小川町一丁目7番地
小川町メセナビル4階
島崎法律事務所
【電話番号】 (03)5843-9631
【縦覧に供する場所】 該当なし
注 (1) 本書中、別段の記載がない限り、すべての金額はユーロで表示されている。「ユーロ」とは、欧州共
同体の設立条約(その後の改正を含む。)に従って単一通貨を採用した欧州連合加盟国の法定通貨を
指すものとする。 2022 年6月 10 日現在のユーロの日本円に対する対顧客電信直物売買相場の仲値は1
ユーロにつき、 142.54 円であった。
(2) 北欧投資銀行の会計年度は暦年である。
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第1【募集(売出)債券の状況】
募集債券
該当なし。
売出債券
上場金融商品取
会計年度末の未 引所名または登
債券の名称 発行年月 券面総額 償還額
償還額 録認可金融商品
取引業協会名
北欧投資銀行 2021 年2月 24 日
5,500,000 5,500,000
満期ブラジルレアル建債券
2017 年2月 ブラジル ブラジル - 該当なし
(円貨決済型)(環境債)
レアル レアル
(1)
北欧投資銀行 2021 年2月満期 88,200,000 88,200,000
2018 年2月 - 該当なし
メキシコペソ建債券 (2) メキシコペソ メキシコペソ
北欧投資銀行 2021 年2月満期 54,660,000 54,660,000
ブラジルレアル建債券 2018 年2月 ブラジル ブラジル - 該当なし
(円貨決済型) (3) レアル レアル
北欧投資銀行 2021 年2月満期
1,000,000,000 1,000,000,000
インドルピー建債券 (4) 2018 年2月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型)
北欧投資銀行 2021 年9月満期 87,010,000 87,010,000
ブラジルレアル建債券 2018 年9月 ブラジル ブラジル - 該当なし
(円貨決済型) (5) レアル レアル
北欧投資銀行 2021 年9月満期
1,031,300,000 1,031,300,000
インドルピー建債券 2018 年9月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型) (6)
北欧投資銀行 2022 年3月満期 36,010,000 36,010,000
ブラジルレアル建債券 2019 年3月 ブラジル - ブラジル 該当なし
(円貨決済型) (7) レアル レアル
北欧投資銀行 2022 年3月満期
1,303,400,000 1,303,400,000
インドルピー建債券 2019 年3月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型) (8)
北欧投資銀行 2022 年 12 月満期 156,700,000 156,700,000
2019 年 12 月 - 該当なし
メキシコペソ建債券 メキシコペソ メキシコペソ
北欧投資銀行 2022 年 12 月満期 27,570,000 27,570,000
ブラジルレアル建債券 2019 年 12 月 ブラジル - ブラジル 該当なし
(円貨決済型) レアル レアル
北欧投資銀行 2022 年 12 月満期
2,120,500,000 2,120,500,000
インドルピー建債券 2019 年 12 月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型)
北欧投資銀行 2023 年7月満期 14,110,000 14,110,000
ブラジルレアル建債券 2020 年7月 ブラジル - ブラジル 該当なし
(円貨決済型) レアル レアル
北欧投資銀行 2023 年7月満期
370,200,000 370,200,000
インドルピー建債券 2020 年7月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型)
北欧投資銀行 2024 年8月満期 15,940,000 15,940,000
ブラジルレアル建債券 2021 年8月 ブラジル - ブラジル 該当なし
(円貨決済型) レアル レアル
北欧投資銀行 2024 年8月満期
206,500,000 206,500,000
インドルピー建債券 2021 年8月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型)
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注 (1) この債券は 2021 年2月 24 日に満期一括償還された。
(2) この債券は 2021 年2月 26 日に満期一括償還された。
(3) この債券は 2021 年2月 26 日に満期一括償還された。
(4) この債券は 2021 年2月 26 日に満期一括償還された。
(5) この債券は 2021 年9月 16 日に満期一括償還された。
(6) この債券は 2021 年9月 16 日に満期一括償還された。
(7) 当該会計年度終了後、この債券は 2022 年3月 24 日に満期一括償還された。
(8) 当該会計年度終了後、この債券は 2022 年3月 24 日に満期一括償還された。
当該会計年度中に、上記各債券の所有者の権利等に重要な影響を与える事実は発生しなかった。
当該会計年度末以降、日本において債券の募集は行われていないが、以下の債券の売出しが行われた。
売出債券
上場金融商品取引
会計年度末の 所名または登録認
債券の名称 発行年月 券面総額 償還額
未償還額 可金融商品取引業
協会名
北欧投資銀行 2025 年1月満期
353,200,000
インドルピー建債券 2022 年1月 - - 該当なし
インドルピー
(円貨決済型)
第2【外国為替相場の推移】
本邦において売出しが行われた債券の表示通貨であるブラジルレアル、メキシコペソおよびインドルピー
と本邦通貨との間の為替相場が、国内において時事に関する事項を掲載する2以上の日刊新聞紙に北欧投資
銀行の最近5年間の会計年度において掲載されているため、記載を省略。
(1) 【最近5年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
該当事項なし。
(2) 【当会計年度(又は事業年度)中最近6月間の月別為替相場の推移】
該当事項なし。
(3) 【最近日の為替相場】
該当事項なし。
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第3【発行者の概況】
1【発行者が国である場合】
該当事項なし
2【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
3【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1) 【設立】
① 設立の目的・根拠および設立年月日
1975 年 12 月4日、北欧投資銀行(以下「 NIB 」または「当行」という。)は、中期および長期の貸出お
よび債務保証を行う国際金融機関として、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェーおよび
スウェーデン(以下「北欧諸国」という。)の間の国際協定によって設立された。当行は、 1976 年8月2
日に業務を開始した。 2005 年1月1日に効力を生じた北欧諸国、エストニア、ラトビアおよびリトアニア
(以下「加盟国」という。)の間の契約(以下「 2004 年契約」という。)を通じて、エストニア、ラトビ
アおよびリトアニアは同等の条件で当行の加盟国となった。
当行は、その設立文書に準拠している。現在有効な設立文書は以下のとおりである。
・ 2004 年契約および関連する定款( 2020 年7月 29 日付で効力を生じた、 2020 年2月 28 日付の加盟国間の
改正契約(以下「改正契約」という。)により補足されたもの);ならびに
・ 2011 年2月 16 日付で効力を生じた、フィンランド政府と当行の間の 2010 年 10 月 20 日付の受入国協定
(以下「受入国協定」という。)
当行は、豊かで持続可能な加盟国地域をサポートするため、北欧諸国およびバルト海諸国のために生産
性の向上および環境面の利益を促進するプロジェクトに対して融資を行う。当行の貸出金の内訳について
は、「 (4)- ① 貸出業務」を参照。当行がその貸出業務において従っている与信方針を含む当行の使命お
よび負託については、「 (4)- ① 貸出業務」を参照。
2004 年契約は、当行にその施設の不可侵性、不動産および資産の捜索・押収からの免責、判決前の保全
執行からの保護ならびに広範な免税など、国際金融機関(以下「 IFI 」という。)に共通の特権および免
責を規定している。詳細については、下記「③ 法的地位と特権」を参照。
当行の本店は、フィンランド、ヘルシンキ 00100 、ファビアニンカツ 34 に所在する(宛先: P.O.Box
249, FI-00171 Helsinki, Finland )。電話番号は、+ 358 - 10 - 618001 、インターネット上のアドレス
は、 https://www.nib.int/ である(かかる URL は、情報提供のみを目的とした文言の参照として言及され
ている。当ウェブサイト上の情報が引用によって本報告書に組み込まれることはない。)。
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法律上の目的
2004 年契約および定款によると、当行の目的は、サウンド・バンキング原則に従って社会経済的な配
慮をしたうえで利用可能な融資を行い、加盟国および当行から融資を受けるその他の諸国の利益となる
投資プロジェクトを実現させることである。当行は、準備金の積立てと払込済資本金に対する合理的収
益を得るため、その業務活動から利益を上げることを義務づけられているが、利益の最大化を目指す主
体ではない。当行の業務上の資金は、加盟国による払込済資本金、利益剰余金および国際資本市場にお
ける借入により賄われる。詳細については、「 (2)- ① 資本構成」、「 (2)- ④ 準備金・基金」、「 (4)-
⑤ 長期負債」および「 (4)- ② 財務活動」を参照。
② 沿革
加盟国の協力
組織化された北欧協力
北欧諸国間の協力は、経済政策、工業技術開発、情報伝達および法制の調和を含む多岐にわたる活動
からなっている。
北欧協力の最も重要かつ正式な根拠となっているのは、 1962 年ヘルシンキ条約である。この条約には
北欧諸国の協力の目的が述べられており、北欧評議会に関する規定、およびその後の改正による北欧閣
僚評議会に関する規定が掲げられている。
北欧評議会は、北欧諸国が共通の利害を有する問題について議会レベルで協議と議論を行う場となっ
ている。北欧閣僚評議会には、北欧諸国政府に対して拘束力を有するとみなされる協力案件に関して決
定を行う権限が与えられている。
1992 年以降、エストニア、ラトビアおよびリトアニアのバルト3国は、北欧バルト8カ国(以下
「 NB8 」という。)の枠組みの下で、北欧諸国と緊密に協力してきた。 NB8 の下で、地域の関心事および
国際問題について協議するため、北欧諸国とバルト諸国の首相および外相の間で定期的な会合がもたれ
ている。
EFTA および EU
北欧諸国は、相互の商業取引関係を着実に広げてきた。こうした進展は、 1960 年の欧州自由貿易連合
(以下「 EFTA 」という。)の創設により促進されたもので、これにより、 1960 年代から 1970 年代にかけ
て北欧諸国間の貿易の発展の枠組みが確立された。
1973 年にデンマークが欧州共同体(欧州連合の前身)に加盟したのに続いて、他の北欧4カ国が、北
欧地域内での自由貿易の促進を目的として欧州共同体と相互自由貿易協定を結んだ。
スイスを除く EFTA 加盟国および欧州連合(以下「 EU 」という。)は、 1994 年1月1日付で欧州におけ
る自由貿易圏である欧州経済領域( EEA )を創設した。
フィンランドおよびスウェーデンは 1995 年1月1日付で EU に加盟した。北欧諸国で現在 EFTA に加盟し
ているのは、ノルウェーとアイスランドのみとなっている。 1999 年1月1日のユーロ導入時、北欧では
フィンランドが EU の経済通貨同盟(以下「 EMU 」という。)に参加した唯一の国であった。
2004 年5月1日、エストニア、ラトビアおよびリトアニアが EU 加盟国となり、その後 EMU の加盟国と
なった。エストニアは 2011 年1月1日付、ラトビアは 2014 年1月1日付、リトアニアは 2015 年1月1日
付で、それぞれ EMU に加盟した。
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その他の協力形態
北欧バルト諸国の協力には、国際機関における政策上の意見調整も含まれている。国連および国連貿
易開発会議で発生する問題について定期的に協議がなされている。加盟国は、国際通貨基金、国際復興
開発銀行およびその他の国際機関へ共同で代表者を送っている。
北欧投資銀行の設立
北欧評議会および北欧閣僚評議会での長年にわたる議論が、北欧投資銀行の設立につながった。当行
の法的基礎をなすのが、 1975 年 12 月4日に締結された「設立契約」である。設立契約の締結国は、デン
マーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェーおよびスウェーデンであった。
設立契約および当行の定款は 1976 年6月1日に発効し、当行は同年8月2日に業務を開始した。
1981 年9月 15 日に、北欧閣僚評議会は、開発途上国向けを主とするプロジェクト輸出における北欧協
力の促進計画を承認した。 1982 年2月 28 日に修正されたこの決定には、この計画の重要な要素のひとつ
として、貸出および債務保証を行う共同融資(以下「プロジェクト投資貸出」という。)ファシリティ
の創設が含まれている。このファシリティは 1982 年7月1日に発効し、加盟国以外における当行の貸出
業務の主要な部分を形成してきた。「 (5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の注 12 を参照。
1996 年8月、北欧諸国の首脳は、北欧諸国に隣接する地域における環境投資に対する融資を行う特別
環境貸出ファシリティ(以下「環境投資貸出ファシリティ」という。)の設定を決定した。このファシ
リティは 1997 年1月 25 日に北欧閣僚評議会で承認され、 1997 年8月 28 日に効力を生じた。このファシリ
ティは、当行の貸出業務の一部をなすもので、加盟国に隣接する地域における環境の保護および国境を
越えた公害の減少を目指す投資に対する融資を行う目的で、公的・民間両部門に対する貸出および債務
保証を行ってきた。「 (5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の注 12 を参照。
プロジェクト投資貸出および環境投資貸出のプログラムは、 2020 年7月 29 日に効力を生じた定款改正
(以下に記載する。)の一環として当行の通常の貸出業務に組込まれた。
1997 年 11 月、北欧閣僚評議会は、当行ならびにその姉妹機関である NEFCO および NDF (それぞれ以下に
定義する。)の法的枠組みを、その国際機関としての地位を反映させるため、改訂すべきであるとの決
定を行った。 NIB に関しては、これにより 1998 年 10 月 23 日に 1998 年契約が締結される運びとなった。
1998 年 10 月 23 日、北欧諸国は新設立契約(以下「 1998 年契約」という。)を締結した。この 1998 年契
約は 1999 年7月 18 日に発効し、設立契約は同日失効した。
2003 年6月の北欧諸国の首脳による政策決定を受けて、 2005 年1月1日付で、エストニア、ラトビア
およびリトアニアは、原加盟国と同等の条件で当行の加盟国となった。新規加盟国は、原加盟国と同一
の権利および義務を有する。
2004 年契約は、当行を統治するための新しい組織を規定しており、これは 2005 年1月1日付で完全に
実施された。当行はまったく新しい機関である統治委員会を取り入れた。統治委員会は、当行のそれま
での法的枠組みにおける北欧閣僚評議会に代るもので、その役割を継承した。 2004 年契約は、当行の業
務を変更するものではなかった。
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統治委員会は、 2019 年5月 24 日のその年次会議において、定款の大幅な改正を承認し、 2004 年契約の
改正は 2020 年2月 28 日に合意、締結された。この改正契約および定款の改正は 2020 年7月 29 日付で効力
を生じた。改正の内容は以下のとおりである:
・サウンド・バンキング原則に従って、現行の法定ギアリング制限を資本および流動性管理のリスクに
基づく包括的な枠組みに代えること、ならびに資本、流動性およびレバレッジについて最低要件を
導入すること。
・プロジェクト投資貸出( PIL )および環境投資貸出( MIL )のための特別貸出ファシリティを廃止する
こと。 PIL および MIL ファシリティに基づく貸出金は、当行の通常貸出の一部となり、この種の新た
な貸出も今後通常貸出を構成することとなる。また、 PIL のための特別信用リスク基金は払込済資本
金に、また加盟国の PIL 保証は払込請求可能資本に、転換されている。 MIL は転換されていない。
・組織統治を改善し、監査委員会および外部監査人の役割を明確化し、当行監査委員会の委員長の役割
を強化すること。
・理事会の全会一致の承認により、貸出および保証に加えて、限定的な資本参加を当行による資金援助
の新たな形態として認めること。
当行の関連当事者 / 姉妹機関について
1988 年5月 19 日、北欧閣僚評議会は、優遇的な条件で開発途上国における北欧の利益になるプロジェ
クト向けに融資するために、国際金融機関である北欧開発基金(以下「 NDF 」という。)の設立を決定し
た。 NDF の設立に関する契約は、 1988 年 11 月3日に北欧5カ国(以下「 NDF 加盟国」という。)によって
署名され、同基金は 1989 年2月1日にその業務を開始した。 NDF は、独自の理事会を持ち、 NDF 加盟国に
よって資本基盤を供与されている独立した法人である。
1990 年3月2日に北欧閣僚評議会は、北欧諸国の環境面で利益になる東欧および中欧での投資の促進
を目的として、国際金融機関である北欧環境金融公社(以下「 NEFCO 」という。)の設立を決定した。
NEFCO は、独自の理事会を持ち、 NEFCO の加盟国によって資本基盤を供与されている独立した法人であ
る。
NDF および NEFCO の設立文書によると、それらの主たる事務所は当行の主たる事務所に置かれている。
さらに、 NDF および NEFCO の定款は、北欧評議会により任命されたそれらの監査委員は同評議会が任命し
た当行の監査委員と同じメンバーとすることを規定している。また、 NDF および NEFCO の定款は、それぞ
れの理事会に与えられる権限を、適宜、各組織の総裁および / または当行に委ねることができる旨を規定
している。当行は、 NDF および NEFCO に対して管理運営サービスを提供しており、その報酬は「 (5) 経理
の状況」の財務書類に対する注記の注8において開示されている。
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③ 法的地位と特権
2004 年契約の下で、 当行は完全な法主体性を有する国際法人格の地位を有している。とりわけ当行は、
契約締結、動産および不動産の取得および処分、ならびに裁判所および他の機関における法的手続きの当
事者となる権利を有する。 2004 年契約はさらに、当行が加盟国に共通の国際金融機関として、加盟国の内
外で同様の業務を行っている他の法人と同じ地位を有することを規定している。
2004 年契約はまた、とりわけ一定の免責特権に関する条項も規定している。これらの条項によると、加
盟国は、当行が事務所を設置しているか、もしくは送達受領の目的で代理人を指名している国の領域内の
管轄権ある裁判所において、または当行が明示的に管轄権を承認した場合のみ、当行に対して訴えを提起
することができる ことにつき同意している。ただし、訴えは、加盟国、加盟国の代理人または加盟国に由
来する請求権を有する者により、当行がこれに対して明示的同意を表明した場合のみ、提起することがで
きる。
さらに、 2004 年契約は、当行の財産および資産(所在地または所有者を問わない。)は、これらに対す
る司法機関または行政機関による判決または命令が確定するまで、その執行を免除される旨を規定してい
る。当行の財産および資産(所在地または所有者を問わない。)はさらに、行政または立法行為による捜
索、徴用、没収および収用を免除される。当行、その財産および資産はまた、差押のような手続的制約を
も免除される。
2004 年契約は、当行の土地建物および公文書ならびに当行に帰属しまたは当行が保管するすべての文書
が不可侵である旨を規定している。
2004 年契約はまた、 当行がその義務の履行をいかなる方法でも制限しまたは妨げるような支払制限や信
用政策措置の適用も受けないこと、ならびに当行、その収益、資産および財産が関連条項に規定されてい
るすべての課税を免除されていることも規定している。したがって、当行は、当行の正式業務に関連した
不動産および有価証券の購入および譲渡ならびに財・サービスの調達に対する課税を免除されている。当
行による貸出および借入も、類似の性質の一切の課税および賦課金を免除されている。
2010 年 10 月 20 日、 当行とフィンランド政府との間の改訂受入国協定が締結された。この協定は、国際機
関としての当行の地位を確認し、当行およびその職員に関する一定の特権および免責ならびに職員の社会
保障についてさらに規制するものである。この協定はフィンランドにおいて制定され、 2011 年1月 16 日付
で施行された。
④ 日本との関係
該当事項なし。
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(2) 【資本構成】
① 資本構成
次の表は、 2021 年および 2020 年の 12 月 31 日現在の 当行の資本構成を示す。この表は、「 (5) 経理の状
況」に記載されている 2021 年 12 月 31 日終了年度の財務書類およびその注記とともに読まれなければならな
い。
2021 年 12 月 31 日現在の残高 2020 年 12 月 31 日現在の残高
(百万ユーロ)
資本:
授権・応募済資本金 8,369 8,369
-7,523 -7,523
うち払込請求可能資本金
払込済資本金 846 846
利益準備金 837 686
一般信用リスク基金 2,154 2,140
ヘッジ準備金 6 28
公正価値による負債に係る
自己信用リスクの変動 -3 -3
159 165
当期利益
3,999 3,861
資本合計
証券負債 31,526 29,072
35,525 32,932
長期負債および資本合計
② 授権資本金
統治委員会は、 当行の理事会の提案に基づき、当行の授権資本金の増額を決定することができる。かか
る決定が効力を生じるには、通常、加盟国の議会による批准を要する。
当行の授権資本金は設立時に約 510 百万ユーロであったが、数回にわたって増額されており、最近では
当行が定款を改正した 2020 年に増額された。当行は、これまで通常貸出および特別プログラムに基づく貸
出という2つの主要な貸出分類を有していた。特別プログラムに基づく貸出は、プロジェクト投資貸出
( PIL )および環境投資貸出( MIL )で構成されていた。 2020 年に効力を生じた新しい定款の下で、これら
2つの特別プログラムは廃止された。 PIL および MIL ファシリティに基づく貸出金は当行の通常貸出の一部
となった。 1,800 百万ユーロの PIL 貸出に関連した所有者である諸国の保証は、払込請求可能資本金に転換
され、 PIL に割当てられていた資本準備金は払込済資本金に転換された。その結果、当行の授権資本金は
8,369 百万ユーロとなった。当行の授権資本金のうち、払込済部分と払込請求可能部分の内訳について
は、下記「③ 払込済資本金および払込請求可能資本金」に記載される。
当行の定款に規定するとおり、授権資本金の増額は、統治委員会が随時定める市場価格による国民総所
得(以下「 GNI 」という。)に基づいて加盟国間に割当てられる。 1975 年の当行の設立から、バルト諸国
が当行に加盟した 2005 年1月1日まで、 GNI は、入手可能な直近2年間のデータの平均として北欧諸国の
要素価格で計算されていた。 2005 年1月1日以降、 GNI 統計は IMF の国際金融統計の公刊物を出典としてい
る。加盟国間での新たな応募済資本金の割当ては増額の都度固定され、すでに応募済の資本金に関して調
整または均等化のための支払が行われたことはない。したがって、加盟国間の GNI が年ごとに変化してき
たため、加盟国の授権資本金と払込済部分は同一ではない。
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2016 年、 当行の統治委員会は、払込済資本金および払込請求可能資本金における各加盟国の比率が授権
資本金の各加盟国の比率と等しくなるように、当行の授権資本金を調整および変更することを決定した。
各加盟国における承認手続きの完了を経て、かかる変更は効力を生じ、実施されている。
2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在、授権資本金の加盟国別内訳は以下のとおりであった。
(百万ユーロ) 2021 年 比率(%) 2020 年 比率(%)
加盟国
デンマーク 21.1 % 21.1 %
1,763 1,763
エストニア 77 0.9 % 77 0.9 %
フィンランド 1,483 17.7 % 1,483 17.7 %
アイスランド 79 0.9 % 79 0.9 %
ラトビア 112 1.3 % 112 1.3 %
リトアニア 163 2.0 % 163 2.0 %
ノルウェー 1,800 21.5 % 1,800 21.5 %
スウェーデン 2,893 34.6 % 2,893 34.6 %
合 計 8,369 100.0 % 8,369 100.0 %
③ 払込済資本金および払込請求可能資本金
定款は、 当行の授権資本金は払込済分と払込請求可能分からなることを規定している。当行の現在の総
授権資本金 8,369 百万ユーロのうち、払込済分は、当行の授権資本金総額の約 10 %に相当する 846 百万ユー
ロである。応募済資本金のうちの未払込分はすべて、当行の債務の返済のため理事会が必要と認めた限り
において、理事会により払込請求することができることになっている。このような払込請求が按分比例し
てなされなければならないとする定款の規定はないが、払込請求を行うときはまず按分比例により行われ
ることが予想される。払込請求に対し、加盟国のいずれかが払込を怠った場合でも他の加盟国はそれぞれ
の払込義務を免れることはできない。かかる払込請求に際して、いかなる加盟国も、法的には応募済資本
金のうちの払込請求可能額以上の払込をなすことを要しない。これまでそのような払込請求は行われてい
ない。
当行が地域協力機関としての使命を帯びていることから、さらに加盟国を追加することを認める条項は
2004 年契約には存在しない。加盟国が 2004 年契約の規定に定める通知を行うことによって脱退することは
可能であるが、 2004 年契約は、脱退しようとする国が脱退のときに効力を有している当行の債務について
引続き脱退直前までと同じ範囲で責任を負うことも規定している。
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2021 年および 2020 年 12 月 31 日現在、払込済資本金の加盟国別内訳 は以下のとおりである。
(百万ユーロ) 2021 年 比率(%) 2020 年 比率(%)
加盟国
デンマーク 178 21.1 % 178 21.1 %
エストニア 8 0.9 % 8 0.9 %
フィンランド 150 17.7 % 150 17.7 %
アイスランド 8 0.9 % 8 0.9 %
ラトビア 11 1.3 % 11 1.3 %
リトアニア 17 2.0 % 17 2.0 %
ノルウェー 182 21.5 % 182 21.5 %
スウェーデン 293 34.6 % 293 34.6 %
合 計 846 100.0 % 846 100.0 %
④ 準備金・基金
当行の年間純利益は、定款のもとで、利益準備金(以下「利益準備金」という。)が当行の授権資本金
の 10 %に達するまで同準備金へ繰入れられることになっている。その後、統治委員会は当行の理事会の提
案を受けて利益準備金および一般信用リスク基金への追加繰入れと加盟国に対する配当支払との間での純
利益の配分を決定する。
2021 年 12 月 31 日現在、 当行の利益準備金は、当行の授権資本金の 10 %に相当する 837 百万ユーロであっ
た。当行は、その業務における特定できないリスクのために各年度の利益の一部を一般信用リスク基金
(以下「一般信用リスク基金」という。)として毎年積立てている。 2021 年 12 月 31 日現在の一般信用リス
ク基金は 2,154 百万ユーロであった。一般信用リスク基金は、当行の貸出ポートフォリオから発生する損
失ならびに当行がその財務部の業務などの事業活動において引受けるその他のリスクをカバーするために
利用することができる。財務活動に関連するリスクには、市場リスクのほか、取引相手リスクが含まれ
る。これについてのさらなる情報は、 「 (5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の「注 2:リスク管
理」 を参照。
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(3) 【組織】
当行の統治構造は、改正契約により補足された 2004 年契約および定款に規定されている。定款は、当行
の統治機関である統治委員会、理事会および監査委員会の関係およびそれらの任務を定めている。定款に
従って、当行は総裁および業務遂行のために必要な職員を有している。
当行は、良好な統治を強化および促進する一般原則として、高潔性、透明性、予測可能性、説明責任、
責任および開示を促進している。当行は、企業統治の分野における最善の慣行に従うことを目指してい
る。
当行の統治機関
当行の統治機関は 2004 年契約および定款に従って設置されており、それぞれの手続き規則に従ってその
機能を果たしている。
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統治委員会
統治委員会は、定款第 13 項において付与された権限を有する。統治委員会は、8名の統治委員をもって
構成される。統治委員として指名された大臣は、各加盟国を代表する。統治委員会は、その採択した交替
制に従って1年の任期で委員長を任命する。統治委員会は、年次会議およびその他適宜会議を開催する。
2021 年5月 31 日までは、リトアニアの統治委員が委員長を務めた。この役割は 2021 年1月 12 日までは同
国財務大臣のヴィリュス・シャポカが担っていたが、その後リトアニアの新しい財務大臣であるギンター
レ・スカイステが任命された。 2021 年6月1日以降は、デンマークの統治委員であるシモン・コレラップ
同国産業・ビジネス・金融大臣が議長を務めている。
統治委員会は、 2021 年3月 26 日に書面手続きにより年次会議を開催した。
2021 年 12 月 31 日現在の当行の統治委員は次のとおりであった。
統治委員
デンマーク シモン・コレラップ 産業・ビジネス・金融大臣
エストニア ケイト・ペントゥス=ロシマヌス 財務大臣
フィンランド アンニカ・サーリッコ 財務大臣
アイスランド ビャルニ・ベネディクトソン 財務経済大臣
ラトビア ヤニス・レイルス 財務大臣
リトアニア ギンターレ・スカイステ 財務大臣
ノルウェー トリグヴェ・シュラーグスヴォル・ 財務大臣
ヴェードゥム
スウェーデン ミカエル・ダンベリ 財務大臣
理事会
統治委員会に付与されていない 当行のすべての権限は理事会に属する。理事会は、当行の融資対象とな
るプロジェクトを承認し、当行の業務、とりわけ融資、借入および財務活動のための一般的な枠組みなら
びにその管理についての政策決定を採択する。理事会は、その権限を適切と考える範囲で総裁に委ねるこ
とができる。理事会は各加盟国が任命する8名の理事と8名の理事代理をもって構成される。理事会は、
統治委員会が採択した交替制に従って、2年の任期で理事会の会長および副会長を互選する。
理事会は 2021 年に 11 回開催された。パンデミックが継続していることから、会議はすべてオンラインま
たは複合形式(一部の理事は出席し、その他は安全なビデオ電話を通じてリモートで出席した)で開催さ
れた。エステル・フィンボガドッティール(アイスランド)が、レイキャビクで開催された複合形式の会
議( 2021 年8月 26 日の 2021 年第8回会議)を含む理事会のすべての会議の議長を務めた。理事会の個別セ
ミナーが4回開催された。
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2021 年 12 月 31 日現在の 当行の理事および理事代理は次のとおりであった。
理事
デンマーク ジュリー・ゾンネ 産業・ビジネス・金融省局長
エストニア マディス・ウーリケ 財務省顧問
フィンランド ペッカ・モレン 財務省局長
アイスランド エスター・フィンボガドッティール 財務経済省局長
(理事会会長)
ラトビア リーガ・クラヴィーナ 財務省金融政策問題担当国務副長官
リトアニア ユルギッタ・ウジエリエネ 財務省 EU 国際関係局副局長
ノルウェー オーレ・ホブラン 財務省上席顧問
(理事会副会長)
スウェーデン カロリナ・エコーム 教授
理事代理
デンマーク ヘッレ・ダム - ソレンセン 産業・ビジネス・金融省首席特別顧問
エストニア メルレ・ウィルキンソン 財務省国庫局顧問
フィンランド ペトリ・ペルトネン 経済雇用省政務次官
アイスランド ヨン・グンナール・ヴィルヘルムソン 財務経済省局長
ラトビア イネッサ・スダレ 財務省金融資源局副局長
リトアニア ドヴィール・ヤサイティエンネ 財務省国際関係局部長
ノルウェー クリスティン・ランゲラント・エルヴィック ノルウェー財務省局次長代行
スウェーデン サスキア・ボディン 財務省長官
上述の各理事の業務上の住所は、フィンランド、ヘルシンキ、 FI-00171 、私書箱 249 番、ファビアニン
カツ 34 である。
総裁
総裁は、当行の現在の業務遂行について責任を負い、1期5年の任期をもって理事会により任命され
る。
ヘンリック・ノーマンは、 2012 年4月1日から 2021 年3月 31 日まで当行の総裁兼最高経営責任者を務め
た。理事会は、 2021 年4月1日付でアンドレ・クースベックを総裁兼最高経営責任者に任命した。
総裁は、執行委員会、マンデート・与信・コンプライアンス委員会、資産・負債委員会および財務委員
会の補佐および助言を受けるが、これら委員会はいずれもそれぞれの手続き規則に従って運営されてい
る。
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上級経営陣
2021 年 12 月 31 日現在の当行の上級経営陣およびその役職は次のとおりであった。
氏名 当行における役職
アンドレ・クースベック 総裁兼最高経営責任者
ヘイッキ・カンテル 法律顧問、法務部長
ヒルデ・キェルスベルグ 筆頭副総裁、リスク・コンプライアンス部長
ソレン・モルテンセン 副総裁、貸出部長
グンナール・オック 副総裁、 IT およびビジネス・サービス部長
キム・スコフ・イェンセン 副総裁、最高財務責任者兼財務・金融部長
ルカ・デ・ロレンツォ 上級理事、サステナビリティおよびマンデート部長
監査委員会
監査委員会は、当行の業務がその定款に従って確実に運営されることを確実にするために設置された監
督機関である。監査委員会は、 10 名以上 12 名以内の委員をもって構成される。北欧評議会ならびにエスト
ニア、ラトビアおよびリトアニアの各国会が、各国から1名の委員を任命し、統治委員会が正副委員長を
含む2名ないし4名の委員を任命する。統治委員会が任命した委員は委員長職とされ、委員会全体の責任
および職務を管理し、当行の財政状態、リスク水準、資本および流動性ポジションを監視し、外部監査人
によって行われた当行の財務書類の監査の実施を監督する。委員会全体は、当行の目的およびとりわけ負
託と使命の遂行の監視に注力している。委員会全体と委員長職は、それぞれ手続き規則に定めるその監視
任務について毎年統治委員会に報告書を提出する。監査委員会は、当行の財務書類の監査を行う外部監査
人を任命する。
統治を強化するため、監査委員会は財務および監査事項について委員長職を補佐する外部の専門家を任
命することができる。
2021 年 12 月 31 日現在、当行の監査委員会の構成員は次のとおりであった。
監査委員会委員
ピーター・エングベルグ・イェンセン -
監査委員会委員長
トマス・ヴァッパー 財務省起業家・会計政策局長
監査委員会副委員長
デンマーク シュウルル・スカーレ 国会議員
エストニア アイヴァル・コック 国会議員
フィンランド ヴィレ・リードマン 国会議員
アイスランド ヴィリャルムール・アルナソン 国会議員
ラトビア イルゼ・インドリクソン 国会議員
リトアニア アルギルダス・ブトケヴィチュース
ノルウェー マイケル・テツシュナー 国会議員
スウェーデン ヨハン・アンデルソン 国会議員
2021 年 12 月 31 日現在、当行の正規の従業員および期間契約従業員は合計 221 名であった。
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(4) 【業務の概況】
① 貸出業務
使命および負託
現在の定義による当行の使命は、生産性を高め、環境を改善するプロジェクトに対して、サウンド・バ
ンキング原則に基づいて長期的な補完的融資を提供することにより、加盟国の持続可能な成長を促進する
ことである。当行は、当行が価値を付加し、他の資金源を補完することができる事業活動に対して、貸出
および債務保証の形で資金を提供することにより、この負託を果たしている。さらに、当行は、あらゆる
融資の環境的側面の評価を行っている。
加盟国外における当行の貸出に関しては、受入国が当行を国際公法に基づく法人として、また当該国の
法律に基づく権利能力を有しているものとして認識し、かつ IFI としての当行の地位を認識していること
についての合意が一般に必要となる。当行は、借手の債務返済義務について他の国際金融機関のそれと類
似した方針を採っている。よって、当行は、いかなるソブリン債務のリスケジュールにも関与していな
い。
貸出は、公的部門および民間のプロジェクトの双方を対象として行われる。関係するプロジェクトが立
地する国の政府の反対があれば、貸出もしくは債務保証は行われない。当行は、プロジェクトの適格性を
査定するためにいくつかのプロセスを利用している。当行は、負託の評価ツールならびに当行の融資が当
行の目的および使命を果たすことを保証するためのサステナビリティ方針を適用している。また、当行
は、貸出の承認に関連して顧客デューディリジェンス手続きを有している。
貸出の分類
当行は、これまで通常貸出および特別プログラムに基づく貸出という2つの主要な貸出分類を有してい
た。特別プログラムに基づく貸出は、プロジェクト投資貸出( PIL )および環境投資貸出( MIL )で構成さ
れていた。 2020 年に効力を生じた新定款の下で、これらの特別プログラムは廃止された。 PIL および MIL
ファシリティに基づく貸出金は当行の通常貸出の一部となり、定款変更後のこの種の新規貸出は現在通常
貸出を構成している。
当行は、当行の加盟国内の企業または地方自治体が発行するグリーンボンド、ソーシャルボンド、サス
テナビリティボンドおよびサステナビリティ・リンク・ボンドへの投資に 500 百万ユーロを割当ててい
る。投資資金は、気候変動の緩和に貢献し、北欧バルト海地域においてプラスの社会的成果を実現できる
環境面で持続可能なプロジェクトへの融資に充当される。 2021 年末現在、当行は 330 百万ユーロ(前年:
172 百万ユーロ)のテーマ債およびコマーシャル・ペーパーを債務証券において公正価値で保有してい
た。 詳細情報については、「 (5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の「注 12 :貸出金および保証約
定」を参照のこと。
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② 財務活動
資産負債管理
流動性管理
当行の流動性方針は、ストレス・テストに基づいており、バーゼルⅢの勧告(バーゼル銀行監督委員会
が公表したもの)、 EU 指令および格付機関が用いる格付の手法が盛り込まれている。この方針には、当行
が、厳しいストレス・シナリオにおいて、継続中の事業活動から生じるすべての支払債務をどのくらいの
期間にわたって履行することができるかを測定するサバイバル・ホライズンが含まれる。目標は、サバイ
バル・ホライズンを少なくとも 12 カ月に維持することである。 2021 年末現在、当行はそのサバイバル・ホ
ライズンを 450 日(前年: 418 日)と計算していた。
流動性リスクを軽減するため、当行は、流動性バッファーを維持している。流動性バッファーは、主と
してユーロに投資されているが、米ドルおよび北欧通貨にも投資されている。 2021 年末現在、取引相手の
信用リスクを軽減するためにスワップの取引相手から受領した現金および有価証券をも含む流動性バッ
ファーは、 13,299 百万ユーロ(前年: 11,317 百万ユーロ)であった。このうち、 5,279 百万ユーロ(前
年: 3,701 百万ユーロ)は現金および短期金融市場商品として保有され( 40 %(前年: 33 %))、 8,021 百
万ユーロ(前年: 7,616 百万ユーロ)は有価証券により保有されていた( 60 %(前年: 67 %))。厳しい
市場環境において市場価値のボラティリティおよび流動性リスクを最小限にするため、流動性バッファー
は流動性方針に定められた質の要件を満たしていなければならない。 2021 年末現在、流動性バッファーの
89 %(前年: 85 %)は適格流動性資産( HQLA )に投資されており、 88 %(前年: 87 %)は一または複数の
中央銀行において有価証券買戻取引(レポ)の担保として適格であり、資産の 93 %(前年: 89 %)は当行
の内部格付において上位4つのカテゴリーに属していた。また、当行は、欧州連合の資本要件規制で規定
されている流動性カバレッジ比率( LCR )要件および安定調達比率( NSFR )要件を満たしている。追加収
益を実現するという目的のもとで、流動性の一部は、より長期の質の高い有価証券に投資されている。詳
細については、「 (5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の「注2:リスク管理」を参照。
担保管理
当行は、デリバティブ取引から生じる取引相手リスクを軽減するため、取引相手から担保を受取ってい
る。当行は、そのデリバティブの取引相手とのクレジット・サポート・アグリーメントを一方向から双方
向に移行した。この双方向のアグリーメントでは、スワップの取引相手に主としてユーロの現金保有によ
る担保を差入れる必要があるため、より高い流動性バッファーが求められる。これに関する詳細について
は、「 (5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の「注2:リスク管理」を参照。 2021 年末現在保有して
いた現金担保の金額は 752 百万ユーロ(前年: 724 百万ユーロ)、差入れられた現金担保の金額は 400 百万
ユーロ(前年: 523 百万ユーロ)であった。年度末現在の受取り担保にかかる情報については「 (5) 経理
の状況」の財務書類に対する注記の「注 19 :担保および契約義務」を参照。
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資金調達業務
当行の主な資金調達源は、世界の主要な金融市場における債券発行であり、当行の顧客のために好条件
の資金を調達することを目的としている。当行は、有利な市場条件を利用し、その借入業務を通貨、満
期、流動性および仕組みの面で投資家の選好に合わせることを目指している。この戦略に沿って、多様な
資金調達基盤ならびに個別の取引の仕組みおよび複雑さにかかわるリスクを考慮しつつ、可能な限り低コ
ストで資金を調達することを目的としている。
さらに、資金調達と貸出取引の条件が合わない可能性も考慮する。この限りにおいて、当行の為替、金
利および借換えのリスクの管理を最もうまく行うために、発行手取金はデリバティブ市場において交換さ
れる。
当行の中長期借入の大部分は、その借入プログラムのもとで行われている。 2021 年末現在、当行は以下
のプログラムを活用していた。
・ユーロ・ミディアム・ターム・ノート・プログラム(以下「 EMTN プログラム」という。)。このプロ
グラムの金額は、同プログラムに基づいて発行可能な額面総額合計またはあらゆる時点における残
高を無制限とするように 2021 年に変更された。
・ 20 十億米ドルを上限とし、米国証券取引委員会に登録された US ミディアム・ターム・ノート・シリー
ズDプログラム(以下「米国 MTN プログラム」という。)
・8十億豪ドルを現在の上限とする豪ドル・ニュージーランドドル国内ミディアム・ターム・ノート・
プログラム。
2021 年、当行は 71 件の取引において、 11 の異なる通貨建で 7,028 百万ユーロ(前年: 7,540 百万ユーロ)
の借入を行った。この総額のうち、 4,158 百万ユーロ(前年: 4,555 百万ユーロ)は、 EMTN プログラムの下
で行われた 59 件の取引によるものである。米国 MTN プログラムのもとでは、当行は3本の発行を行い、こ
れらはそれぞれ 1.0 十億米ドルおよび 1.25 十億米ドルのグローバル・ベンチマーク債券と、 700 百万米ドル
の初の SOFR (担保付翌日物調達金利)指数連動債であった。 2020 年には、 EMTN プログラムの下で 33 件、米
国 MTN プログラムの下で2本の取引(いずれも 1.5 十億米ドルのグローバル・ベンチマーク債券の発行)を
行った。
2021 年における当行の借入取引の加重平均償還年数は、 2020 年の 3.6 年に対し 4.4 年であった。債務証券
残高のうち、 2,039 百万ユーロ(前年: 1,302 百万ユーロ)は変動利付、 29,194 百万ユーロ(前年: 26,749
百万ユーロ)は固定利付であり、これは主に変動利付にスワップされる。
2020 年、当行は、 NIB レスポンス・ボンド・フレームワークを立ち上げた。このフレームワークの下
で、当行はレスポンス・ボンドを発行することができ、その手取金は COVID-19 のパンデミックの社会経済
的影響を軽減するプロジェクトへの融資に使用される。 2021 年末現在、当行は総額 1,390 百万ユーロ(前
年: 1,399 百万ユーロ)の NIB レスポンス・ボンド残高を有していた。
当行は、 NIB の環境債(以下「 NEB 」という。)プログラムの一環として債券を発行することができる。
当行は、 NEB の発行を通じて調達された資金が NIB の加盟国および EU 諸国における環境貸出に向けられるよ
うな内部の枠組みを構築した。
貸出プロジェクトは、内部の厳格な環境基準を満たした場合に、この枠組みに基づいて適格となる。か
かる債券の元利金の支払は、単一機関としての当行の信用状況に基づいてのみ行われ、環境貸出プロジェ
クトの実施状況に直接連動することはない。したがって、かかる債券は「アセットバック」証券を構成す
ることも、 NIB の環境貸出プロジェクトのいずれかにクレジット・リンクすることもない。 NIB の環境債
は、当行のいずれかの債券発行プログラムの下で発行することができる。
2021 年末現在、当行の NIB 環境債の発行残高は合計 4,819 百万ユーロ(前年: 4,455 百万ユーロ)であっ
た。 2021 年、当行はその環境債の枠組みの下で総額 898 百万ユーロの3本の NIB 環境債を発行した。 2021 年
3月、当行は同年初の NIB 環境債を発行し、その 2027 年満期 NEB の残高をさらに 500 百万ユーロ増加した。
2021 年 10 月、当行は5年満期 3.0 十億スウェーデン・クローナの環境債と、6年満期 1.0 十億ノルウェー・
クローネの初のグリーンボンドを発行した。 2020 年には、当行はその環境債の枠組みの下で総額 643 百万
ユーロの2本の NIB 環境債を発行した。その内訳は、 500 百万ユーロの環境債1本と 1.5 十億スウェーデ
ン・クローナの北欧バルト・ブルーボンド1本である。
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2021 年および 2020 年については、当行理事会は、当行がそれぞれ総額 8.0 十億ユーロを上限とする中期
および長期借入を行うことを承認した。
当行は、上限2十億ユーロのユーロ・コマーシャル・ペーパー・プログラム(以下「 ECP プログラム」
という。)を有している。このプログラムに基づく借入および EMTN プログラムに基づく短期取引による借
入のほか、当行は、マネー・マーケット・ローンおよびレポ取引を通じて銀行間市場において短期資金を
調達することができる。これらの取引は、「 (5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の「注 16 :証券負
債およびスワップ」に記載のほとんどの通貨により行われている。
理事会は 2021 年および 2020 年について、当行が短期資金調達を行うことを認めたが、残高は各年のいか
なる時点においても 3.0 十億ユーロを超えないものとされている。
当行は、 2021 年および 2020 年の年末現在、 ECP プログラムに基づくコマーシャル・ペーパーの残高はな
かった。
ポートフォリオ管理
当行のポートフォリオ管理は、当行の流動性のうち、より長期の有価証券に投資されている部分の管理
を扱っている。2つのポートフォリオ、すなわち、 (1) 高格付の発行体が発行した償却原価で測定される
証券投資ポートフォリオおよび (2) 公正価値で測定される活発に運用されるポートフォリオが設定されて
いる。流動性リスクを軽減することが主な目的であるが、環境、社会およびガバナンスの側面の一部が投
資判断に組込まれる。ポートフォリオからのリターンは引続き当行の業績全体に貢献しているが、利回り
が極めて低い環境にあるため貢献度は低下しつつある。当行は、国連の責任投資原則( PRI )に署名して
おり、これにおいて当行は環境、社会およびガバナンスのファクターをその投資および保有の意思決定に
組込むことを約束している。 2021 年、当行は、責任投資フレームワークを完成させ、公表した。このフ
レームワークでは、内部の ESG スコアを財務投資に割当てるために、外部の ESG (環境、社会、ガバナン
ス)格付データが用いられる。
活発に運用されるポートフォリオは、固定利付デリバティブを利用したアクティブなイールドカーブお
よびデュレーションの管理戦略ならびに証券投資を通じて当行の業績に貢献している。当行は外部のマ
ネージャー1社と契約を結んでいたが、この取り決めは 2021 年に終了した。
2021 年 12 月 31 日現在の当行の金融投資の会計処理および数量にかかる情報については「 (5) 経理の状
況」の財務書類に対する注記の「注 11 :債務証券」を参照。 2021 年 12 月 31 日現在のデリバティブ残高の数
量については「 (5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の「注 15 :その他の資産」に記載する。
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③ 営業および財務レビュー
(a) ハイライト
2021 年、当行は 2,440 百万ユーロの貸出を実行したが、これに対して 2020 年には 4,853 百万ユーロで
あった。同年には COVID-19 の危機に対応して歴史的に高い金額の貸出実行となっていた。
当行は、堅固な資本比率と流動性比率を備えた強力な財政状態にある。資産合計は、 2020 年の 35,422
百万ユーロから 2021 年 12 月 31 日現在では 37,553 百万ユーロまで増加し、資本合計は 3,861 百万ユーロから
3,999 百万ユーロに増加した。当期純利益は、金融商品に係る含み損の増加分が正味貸倒損失引当金の減
少によって相殺されたため、 2020 年の 165 百万ユーロに対して、 159 百万ユーロであった。
(b) 主要な数値および比率
別段の記載がない限り、百万ユーロ 2021 年 2020 年
利息収入純額 201 206
貸倒損失控除前利益 133 221
当期純利益 159 165
貸出実行額 2,440 4,853
貸出約定額 1,852 5,666
優良以上を実現した貸出の比率 97 % 98 %
貸出金 22,313 21,727
資産合計 37,553 35,422
債券の新規発行 7,028 7,540
証券負債 31,526 29,072
資本合計 3,999 3,861
資本 / 資産合計(%) 10.6 % 10.9 %
利益 / 平均資本(%) 4.1 % 4.4 %
費用対収益比率(%) 27.9 % 19.1 %
従業員数(期末現在) 221 222
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(c) 包括利益合計
当期純利益
当期純利益は、前年を 5.5 百万ユーロ下回る 159.2 百万ユーロであった。営業収益合計は 273.9 百万
ユーロから 184.8 百万ユーロに減少したが、その主な要因は金融取引純利益が 82.5 百万ユーロ減少した
ことである。利息収入純額は 4.1 百万ユーロ減少し、手数料収入純額は 2.3 百万ユーロ減少した。営業
費用合計は 51.5 百万ユーロで、 2020 年より 0.9 百万ユーロ減少した。当行は、予想信用損失引当金を減
額し、その結果、正味貸倒損失は 25.9 百万ユーロとなった。当年度中に貸倒損失の実現はなかった。
当期純利益
(百万ユーロ)
利息収入純額
当期の利息収入純額は、 2020 年より 4.1 百万ユーロ減の 201.4 百万ユーロであった。貸出業務にかか
る利息収入純額は、貸出金が増加したため、 2020 年より 7.1 百万ユーロ増加した。財務活動にかかる利
息収入純額は、低利回りの環境が継続したため、 11.2 百万ユーロ減少した。
利息収入純額
(百万ユーロ)
貸出業務
財務活動
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手数料収入純額
手数料収入純額は、約定済・実行済の貸出金が減少したため、 2020 年の 9.3 百万ユーロに対して 7.0
百万ユーロであった。
手数料収入純額
(百万ユーロ)
金融取引純利益 / 損失
金融取引純利益 / 損失は、 2020 年には 58.8 百万ユーロの利益であったのに対して、 23.7 百万ユーロの
損失であった。この業績には、 4.8 百万ユーロの実現純利益と 28.5 百万ユーロの未実現純損失が含まれ
ているが、これに対して 2020 年には 5.0 百万ユーロの実現純損失と 63.8 百万ユーロの未実現純利益が含
まれていた。 2020 年および 2021 年には、 COVID-19 の発生により金融市場は大きな変動を経験した。こ
れにより当行が金利リスクをヘッジするためにその流動性ポートフォリオにおいて保有する金融商品
について計上された含み損益のボラティリティが大幅に高まった。
金利ヘッジに係る含み損益は、主に当行の資金調達および貸出取引に内在する金利スプレッドの変
動から生じる。当行が固定金利で資金を調達するか、または借手に固定金利の貸出を提供する場合、
当行は結果として生じる金利リスクをスワップを用いてヘッジする。スワップにおいては、固定金利
が IBORS と呼ばれる短期金融市場の変動金利(例えば、 LIBOR 、 EURIBOR 、 STIBOR 、 NIBOR など)に交換
される。当行が業界のベスト・プラクティスであると考えるものに沿って、これらスワップは、 OIS
(翌日物金利スワップ)と呼ばれるリスクフリーの割引率に基づいて評価される。リスクフリー・
レート( OIS レート)と、当該スワップに適用ある関連 IBOR との間のスプレッドの変動から含み損益が
生じる。ただし、当行はこれらの取引を満期まで保有することを意図していることから、これらの取
引が市場売却価格に基づく価格で売却されることはなく、かかる取引は額面金額で決済されるため、
かかる損益は実現しないことに留意すべきである。
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当行の流動性ポートフォリオ中の資産に係る含み損益は、信用スプレッドの変動から生じるもので
ある。当行は、質の高い債券に投資を行う大きな流動性ポートフォリオを維持している。金利リスク
はスワップを用いてヘッジすることができるが、信用スプレッドが拡大したときは、債券に係る評価
はマイナスとなる。金融混乱の時期には、信用スプレッドが拡大する傾向にあり、そのことが当行の
質の高い債券にも影響を及ぼす。ただし、当行は債券を満期まで保有することを意図していることか
ら、債券が実勢の市場売却価格に基づいて売却されることはなく、債券は額面金額で決済されるた
め、含み損益は解消されることとなる。
金融取引純利益 / 損失
(百万ユーロ)
未実現
実現
営業費用合計
営業費用合計は 51.5 百万ユーロで、その内訳は人件費 29.2 百万ユーロ、一般管理費 12.8 百万ユーロ
および減価償却費 9.5 百万ユーロであった。主な一般管理費は、 IT 、事務所設備、旅費およびプロジェ
クト顧問料であるが、 COVID-19 により旅費およびプロジェクト顧問料は例年より少なかった。人件費
は、配置転換および COVID-19 による活動の減少を主な原因として、 2.1 百万ユーロ減少した。
営業費用合計
(百万ユーロ)
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正味貸倒損失
2020 年の新型コロナウイルスの感染拡大後、世界の事業環境は急速に悪化し、その結果、当行は予
想信用損失( ECL )引当金の計算に用いられるマクロ金融シナリオを調整した。 2020 年には予想信用損
失引当金は増加し、 2019 年 12 月 31 日現在の 122.3 百万ユーロから 2020 年 12 月 31 日現在には 172.6 百万
ユーロになった。 2021 年には、マクロ金融シナリオが改善し、その結果、 2021 年 12 月 31 日現在の予想
信用損失引当金は 152.4 百万ユーロに減少した。
貸出ポートフォリオ全体の信用の質に大きな変化は見られず、当期中に新たな不良債権はなく、実
現損失もなかった。正味貸倒損失について損益計算書において認識された 25.9 百万ユーロの利益のう
ち、 0.5 百万ユーロは不良債権に係る回収額に関連しており、 25.4 百万ユーロは正常債権に係る予想信
用損失の変動に関連している。
正味貸倒損失
(百万ユーロ)
その他の包括利益
当行は、公正価値ヘッジ会計に用いられる金融商品から外貨ベーシス・スプレッドを区分してお
り、区分された金額は「その他の包括利益」( OCI )に計上される。この金額は、 2020 年には 9.1 百万
ユーロの利益であったのに対して、当期は 21.6 百万ユーロの損失であった。
かかる損失の計上は、クロスカレンシー・ベーシス・スプレッドの拡大によるもので、かかるスプ
レッドの拡大は資金調達通貨を貸出通貨に転換する際に用いられるベーシス・スワップの評価に悪影
響を及ぼす。
損益を通じて公正価値で計上される金融負債については、自己の信用スプレッドの変動による評価
の変動は、その他の包括利益に計上しなければならない。 2021 年には、その影響は軽微であった。結
果として、包括利益合計は、 2020 年の 170.4 百万ユーロに対して、当期は 137.9 百万ユーロであった。
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(d) 財政状態
貸出金
貸出金合計は 22,313 百万ユーロで、その内訳は、 21,975 百万ユーロが貸出金、 338 百万ユーロがテー
マ債およびコマーシャル・ペーパーへの投資であった。 2021 年における貸出実行額合計は 2,440 百万
ユーロであった。 貸出約定に関する詳細については、 当行のウェブサイトの「 Agreed Loans 」
( https://www.nib.int/what-we-offer/agreed-loans?tags=&years=&countries= )に掲載されてい
る。
為替レートおよび評価の影響を除いた貸出金合計は、 2020 年 12 月 31 日現在の 21,727 百万ユーロから
22,215 百万ユーロに増加した。帳簿価額は 22,313 百万ユーロとなったが、これは 249 百万ユーロの為替
変動および -151 百万ユーロの公正価値評価 / ヘッジ会計効果によるものであった。
2021 年における貸出金の推移
(百万ユーロ)
使命の遂行
当行は、北欧バルト海地域が豊かで持続可能なものとなることをビジョンとしている。融資が提案
されたすべてのプロジェクトは、加盟国地域の生産性や環境に与える潜在的な影響について評価され
る。かかる使命の達成度は、「ネガティブ」から「エクセレント」までの5段階で評価される。
COVID-19 のパンデミックに対応して、当行はかかる危機の経済的および社会的影響を緩和するための
「レスポンス貸出」を提供した。かかる「レスポンス貸出」は個別に追跡され、標準的なマンデート
評価からは除外されている。 2021 年には、「グッド」または「エクセレント」というマンデート評価
を達成したプロジェクトが、レスポンス貸出を除く貸出約定額合計の 97 %を占め、目標であった 90 %
を上回った。
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資金調達
当行は、 2021 年に平均年限 4.4 年の 11 通貨による 71 件の発行取引を通じて名目価額 6.9 十億ユーロの
新規資金調達を行った。
当行は、当年度中に2本の米ドル建 グローバル・ベンチマーク債券を発行し、その他公募および私
募による取引によってこれを補完し、その結果グローバルな投資家基盤と多様な通貨ポートフォリオ
を維持した。当行は、 NIB 環境債( NEB )を発行することによって持続可能な債券市場における強固な
プレゼンスを維持した。当年度、当行はグリーンボンドおよびブルーボンドの発行体として 10 周年を
迎えた。
1月7日、当行は 600 百万英ポンドの5年債発行の条件決定を行った。この取引は 、当行の英ポンド
建ベンチマーク債券として過去最大であり、最終的には 800 百万英ポンド以上の申込があった。
1月 13 日、当行は 2021 年最初の米ドル建グローバル・ベンチマーク債券を発行した。 1.25 十億米ド
ルのこの5年物ベンチマーク取引は 2026 年1月 21 日を満期とし、投資家から強い支持を受けた。
3月 25 日、当行は 2021 年最初の NEB を発行した。 500 百万ユーロのこの取引は、 2027 年4月満期の NEB
を増額するものであり、新たな発行残高は1十億ユーロとなった。かかる再開によって、当行の環境
債の発行総額は5十億ユーロを超えた。
5月6日、当行は SOFR (担保付翌日物調達金利)指数に連動した初の 700 百万米ドルの5年物ベンチ
マーク債券を発行した。
9月 14 日、当行は 2021 年2回目の米ドル建ベンチマーク債となる1十億米ドルの3年物ベンチマー
ク債券の条件決定を行った。この取引には 1.9 十億米ドルを上回る申込があり、 50 名以上の世界中の投
資家から強い支持を受けた。
10 月 13 日、当行は2本の環境債( NEB )、すなわち3十億スウェーデン・クローナの5年環境債およ
び当行初のノルウェー・クローネ建でのグリーンボンドとなる1十億ノルウェー・クローネの6年債
を発行した。これら2本の債券発行により、当行はグリーンボンドの発行体として 10 周年を迎えた。
当行は現在では 5.8 十億ユーロの環境債を発行し、その手取金によって 130 件以上の持続可能なプロ
ジェクトに融資している。
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すべての資金調達取引の一覧は、当行のウェブサイトの「 Funding Transactions 」
( https://www.nib.int/investors/funding/funding-transactions )に掲載されている。
2021 年における債務の推移
(百万ユーロ)
④ その他の活動
当行の加盟国、北部欧州環境パートナーシップおよび北部欧州輸送および物流パートナーシップは、当
行が運用する信託基金を通じて技術的支援および投資補助金を加盟国に隣接する地域におけるプロジェク
トに割当てるためのチャネルのひとつとして当行を利用している。
当行は、バレンツ海および白海を含む北極圏および亜北極圏からバルト海の南岸までのヨーロッパ北西
部をカバーする北部地域における優先順位の高い環境プロジェクトに共同で融資するため、欧州連合およ
びロシアを含む資金提供国政府からプールされた交付資金を提供する北部欧州環境パートナーシップ(以
下「 NDEP 」という。)に参加している。 NDEP は、核および非核という環境問題に特化しているが、当行の
NDEP 活動は、非核部門のみに限定されている。核の問題は、全額交付金で賄われ、旧ソビエト北方艦隊が
生み出した有害廃棄物を取扱う。非核面での NDEP の目的は、融資がなければ財政的に成り立ち得ないよう
なプロジェクトに対する IFI からの長期貸出をてこ入れするために、資金提供者からの交付資金を活用す
ることである。環境プロジェクトは、いずれも主な国際的汚染源である上下水処理の改良、地方自治体お
よび農業固形廃棄物の管理ならびにエネルギー効率に主に関わっている。 NDEP の活動は運営グループが主
導しており、運営グループはプロジェクトを選別し、各プロジェクトについての主要実施代理機関を欧州
復興開発銀行(以下「 EBRD 」という。)、欧州投資銀行(以下「 EIB 」という。)、当行、世界銀行、
NEFCO またはドイツ復興金融公庫( KfW )の中から任命する。パートナーシップは、プロジェクトへの十分
な融資を確保するため、資金提供国からの約束を取付ける支援基金を有している。 2021 年末現在、かかる
基金には、 EU 、ロシア連邦および 11 カ国の資金提供国政府からの拠出金からなる 352.9 百万ユーロの資金
が利用可能であった。拠出金のうち 181.7 百万ユーロは、非核関係プロジェクトに特に指定された。 2009
年には、ベラルーシが同国北部における下水処理施設再建への投資を募る 1.0 百万ユーロの約束をもって
NDEP 支援基金に参加した。このことは、バルト海の生態系に好影響を及ぼすであろう。 NDEP の環境プロ
ジェクトには、目下ロシア北西部およびベラルーシにおいてさまざまな実施段階にある 26 件のプロジェク
トが含まれており、これらのための見積投資所要額は 3.3 十億ユーロである。当行は現在、 25 百万ユーロ
の NIB 融資により、ベラルーシにおける2件の NDEP プロジェクトの実施代理機関となっている。現在ロシ
ア共和国に制裁が課されているため、当行はロシアにおいて新規の貸出業務を行っていない。
北部欧州輸送および物流パートナーシップ(以下「 NDPTL 」という。)は、地域の輸送インフラおよび
物流プロジェクトにかかる協力および実施を促進することを目的として、 2009 年に設立された。 NDPTL の
事務局は、当行内に所在している。プロジェクトの準備、開発および実施のための補助金を付与するた
め、 2012 年後半に NDPTL の支援基金が設立され、 2013 年に運用が開始された。この基金は、資金提供国3
カ国の政府および EU から拠出金を受取っている。
2006 年5月 30 日、 当行は、プロジェクト融資に関連した環境原則、実務および基準の一層の調和推進に
呼応して出された構想である、欧州環境原則に署名した。同原則は、プロジェクト融資に関連した環境管
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理への共通のアプローチを確立することを目的としている。かかる文書は、 EU 、欧州経済領域および EU 加
盟候補国内のプロジェクトの基準となっている。当行のほかに、 NEFCO 、 EIB 、 EBRD および欧州評議会開発
銀 行がこの原則を採用している。
バルト海海洋環境保護委員会( Helcom )の加盟国により、 2007 年にバルト海行動計画(以下「 BSAP 」と
いう。)が採択された。 BSAP は、バルト海の海洋環境の良好な生態系を復活させることを目的としてい
る。この計画の実施を加速させるため、 2009 年に BSAP 基金が設立された。 NIB および NEFCO により共同管理
される BSAP 基金は、スウェーデン政府およびフィンランド政府からの拠出を受け、業務を継続している。
同基金は現在、そのポートフォリオ中に約 45 件の実現プロジェクトならびに継続中または契約段階のいず
れかにある約 25 件のプロジェクトを有している。プロジェクトはすべてバルト海を対象としている。助成
金により、
2001 年以降、当行はファンド・オブ・ファンズの貸出人としてメザニン・ファンドを通じて資金を提供
してきた。 2021 年 12 月 31 日現在、当行は3つのかかるファンドに参加していた。
⑤ 長期負債
当行の借入取引は、多くの場合、ヘッジ会計に関する国際財務報告基準( IFRS )第9号の原則に従って
貸借対照表に償却原価で認識されている。当行はまた、ヘッジ会計を適用しており、その場合は金利リス
クが公正価値評価される。当行の長期負債残高に関する詳細情報については、「 (5) 経理の状況」の財務
書類に対する注記の「注 16 :証券負債および関連スワップ」を参照。
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2021 年 12 月 31 日現在の長期負債残高の年次返済計画の要約は下表に示すとおりである。当行は、今後
様々な通貨建または通貨単位建の債務証券を随時発行することがある。
2021 年 12 月 31 日現在の長期債務残高の要約明細表
2021 年 12 月 31 日現
当初金額 在の残高
通貨 発行数 利率(%) 満期 借入通貨 米ドル相当額 米ドル相当額
(千) (千) (千)
豪ドル 43 0.1200- 2022-2029 3,550,000 2,572,738 2,572,738
5.0000
ブラジル・レアル 5 2.5500- 2022-2024 141,407 25,382 29,339
9.9500
スイス・フラン 2 1.3817- 2024- 永久 58,427 64,072 64,072
3.2700
中国人民元 2 2.3000- 2023-2024 800,000 125,777 125,777
2.8800
デンマーク・ 1 0.3750 2039 1,000,000 152,303 152,303
クローネ
ユーロ 74 0.0000- 2022-2065 6,212,072 7,035,606 7,178,258
4.7000
英ポンド 23 0.1250- 2022-2032 2,637,974 3,556,478 3,677,734
5.2000
香港ドル 16 0.1350- 2022-2026 4,730,000 606,483 606,483
1.8900
インド・ルピー 4 3.5500- 2022-2024 4,000,600 53,794 53,794
5.2000
日本円 9 0.0610- 2022-2041 11,500,000 99,877 99,877
3.8175
メキシコ・ペソ 13 0.5000- 2022-2023 2,656,700 129,950 129,950
5.4000
ノルウェー・ 52 1.3750- 2022-2038 36,450,000 4,133,790 4,133,790
クローネ 4.0000
ニュージーランド・ 7 0.7500- 2023-2025 1,375,000 938,767 938,767
ドル 3.8750
ポーランド・ズロチ 1 5.5000 2022 100,000 24,637 24,637
ルーマニア・レイ 4 1.9400- 2022-2025 672,000 153,784 153,784
3.2200
スウェーデン・ 37 0.1000- 2022-2048 30,100,000 3,324,387 3,324,387
クローナ 2.9400
トルコ・リラ 6 9.0677- 2022-2028 1,219,486 90,568 127,986
16.8971
米ドル 26 0.1250- 2022-2047 11,865,000 11,865,000 11,900,763
7.6403
1 13.9331 2027 76,581 4,799 9,208
南アフリカ・ランド
35,303,645
合計
* 変動利付債を含む。
本表に含まれる数値は、プレミアム、ディスカウントおよびヘッジ会計関連の調整等の項目をも含んで
いる貸借対照表中の金額とは直接一致しない。
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2021 年 12 月 31 日現在の長期債務残高の年次返済明細表
(百万ユーロ)
2026 年
通貨 2022 年 2023 年 2024 年 2025 年 2026 年 より後 合計
豪ドル 639.9 160.0 1,014.2 0.0 243.2 214.4 2,271.6
ブラジル・レアル 10.1 13.3 2.5 0.0 0.0 0.0 25.9
英ポンド 1,428.5 595.2 267.4 13.1 892.8 50.3 3,247.2
中国人民元 0.0 41.6 69.4 0.0 0.0 0.0 111.1
デンマーク・クローネ 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 134.5 134.5
ユーロ 500.0 1,000.0 1,000.0 617.6 500.0 2,720.5 6,338.0
香港ドル 135.9 150.6 203.8 0.0 45.3 0.0 535.5
インド・ルピー 40.7 4.4 2.5 0.0 0.0 0.0 47.5
日本円 38.3 0.0 0.0 0.0 0.0 49.8 88.2
メキシコ・ペソ 24.5 90.3 0.0 0.0 0.0 0.0 114.7
トルコ・リラ 93.5 9.7 0.0 0.0 0.0 9.7 113.0
ニュージーランド・
ドル 0.0 467.2 0.0 361.7 0.0 0.0 828.9
ノルウェー・クローネ 700.9 751.0 600.8 550.7 695.9 350.5 3,649.9
ポーランド・ズロチ 21.8 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 21.8
ルーマニア・レイ 64.7 0.0 50.5 20.6 0.0 0.0 135.8
南アフリカ・ランド 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 8.1 8.1
スウェーデン・
クローナ 633.9 1,023.9 195.0 277.9 292.6 512.0 2,935.3
スイス・フラン 0.0 0.0 48.4 0.0 8.2 0.0 56.6
2,648.8 2,295.7 1,986.6 1,501.0 1,765.9 309.7 10,507.8
米ドル
6,981.3 6,602.9 5,441.2 3,342.6 4,443.8 4,359.5 31,171.3
合計
本表に含まれる数値は、プレミアム、ディスカウントおよびヘッジ会計関連の調整等の項目をも含んで
いる貸借対照表中の金額とは直接一致しない。
証券負債および関連スワップ
( 百万ユーロ ) 2021 年 2020 年
期首残高 29,072 26,674
新規発行 7,028 7,540
分割返済 -4,764 -3,980
コールおよび買戻し -299 -164
為替変動 1,222 -1,325
損益を通じた公正価値( FVTPL ) による債務にかかる公正価値調整 -8 1
ヘッジ会計調整 -720 323
-4 1
その他
期末残高 31,526 29,072
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年末現在の当行の証券負債の通貨別内訳は以下のとおりである。下表はまた、関連スワップ後の名目
ベースの借入の通貨別内訳をも示している。
スワップ契約
負債 債務/債権 正味残高
2021 年 2020 年 2021 年 2020 年 2021 年 2020 年
(百万ユーロ)
通貨
米ドル 10,516 9,637 399 1,364 10,915 11,001
ユーロ 6,338 5,670 7,250 6,079 13,588 11,748
英ポンド 3,247 3,165 -3,247 -3,165 - -
ノルウェー・クローネ 3,650 2,579 122 116 3,772 2,695
豪ドル 2,272 1,772 -2,272 -1,772 - -
スウェーデン・クローナ 2,935 2,822 64 66 3,000 2,888
ニュージーランド・ドル 829 1,134 -829 -1,134 - -
香港ドル 535 426 -535 -426 - -
トルコ・リラ 113 173 -113 -173 - -
メキシコ・ペソ 115 112 -115 -112 - -
ブラジル・レアル 26 45 -26 -45 - -
インド・ルピー 47 65 -47 -65 - -
デンマーク・クローネ 134 134 - - 134 134
日本円 88 93 -88 -93 - -
その他の通貨 325 212 -325 -212 - -
小 計 31,171 28,039 239 427 31,409 28,467
公正価値調整 70 78 -70 -81 0 -3
ヘッジ会計調整 222 943 -224 -1,029 -2 -86
63 11 - -10 63 1
その他
合計 31,526 29,072 -55 -692 31,471 28,380
いかなる債務についてもその元利金の支払において当行による債務不履行が発生したことはない。
⑥ 日本との関係
該当事項なし。
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有価証券報告書
(5) 【経理の状況】
NIB の会計年度は暦年である。当行理事会の年次報告書および監査済財務書類は統治委員会に提出され、そ
の承認を求める。
NIB の財務書類は、国際会計基準審議会( IASB )が設定した国際財務報告基準( IFRS )に準拠して作成され
ている。 1999 年1月1日以降、 NIB の勘定はユーロで表示されている。監査人は、国際会計士連盟が設定する
国際監査基準に従って監査を行っている。
2021 年 12 月 31 日に終了した年度に関する監査報告書は本報告書に添付されている。
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有価証券報告書
包括利益計算書
(千ユーロ) 注 2021 年 2020 年
償却原価で保有する金融資産からの受取利息 197,089 254,355
公正価値で保有する金融資産からの受取利息 4,159 18,160
支払利息 145 -66,973
利息収入純額 (3)(4) 201,393 205,543
受取手数料 (5) 9,199 12,485
支払手数料 -2,165 -3,145
手数料収入純額 7,034 9,340
金融取引純利益 / 損失 (6) -23,663 58,810
為替差損益 13 183
営業収益合計 184,777 273,876
費用
一般管理費
人件費 (7) -29,182 -31,327
その他の一般管理費 (8) -12,766 -13,563
減価償却費 (14) -9,545 -7,546
営業費用合計 -51,493 -52,437
貸倒損失控除前利益 133,284 221,439
正味貸倒損失 (9) 25,874 -56,744
当期純利益 159,158 164,695
その他の包括利益
後に損益に振替えられる項目
公正価値ヘッジ -21,612 9,120
-クロスカレンシー・ベーシス・スプレッドの評価額
後に損益に振替えられない項目
公正価値により計上された負債にかかる 329 -3,376
自己の信用リスクの変動
その他の包括利益合計 -21,283 5,744
包括利益合計 137,876 170,439
添付の注記は、本財務書類の不可分の一部である。
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財政状態計算書
(千ユーロ) 注 2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
資 産
現金および現金同等物 (26) 1,826,451 2,270,386
金融投資
金融機関投資 3,881,023 1,968,836
債務証券 (11) 8,291,062 7,912,255
その他 8,661 8,907
12,180,747 9,889,998
21,975,146 21,554,808
貸出金 (12)
無形資産 (13) 7,524 12,018
有形固定資産 (13) 35,632 37,256
その他の資産
デリバティブ (15)(24) 1,254,828 1,405,770
その他の資産 (15) 31,916 19,614
1,286,744 1,425,384
未収利息・手数料 241,145 232,197
資産合計 37,553,390 35,422,047
(千ユーロ) 注 2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
負債および資本
負 債
金融機関債務
短期金融機関債務 (19)(26) 751,697 723,795
長期金融機関債務 - -
751,697 723,795
31,525,985 29,071,696
証券負債 (16)
その他の負債
デリバティブ (17)(24) 1,052,474 1,362,269
その他の負債 (17) 39,426 227,905
1,091,900 1,590,174
185,171 175,620
未払利息・手数料
負債合計 33,554,753 31,561,285
資本 (18) 3,998,637 3,860,761
負債および資本合計 37,553,390 35,422,047
添付の注記は、本財務書類の不可分の一部である。
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有価証券報告書
持分変動計算書
公正価値により
計上された
負債にかかる
一般信用 PIL 特別信用 利益処分可能 自己の信用
(千ユーロ)
払込済資本金 利益準備金 リスク基金 リスク基金 資金 リスクの変動 ヘッジ準備金 合計
2019 年 12 月 31 日現在の資本 418,602 686,325 2,002,562 426,941 181,982 0 18,910 3,735,323
当期利益 - - - - 164,695 - - 164,695
その他の包括利益 - - - - - -3,376 9,120 5,744
包括利益合計 0 0 0 0 164,695 -3,376 9,120 170,439
所有者の資格における所有者と
の取引
利益処分 - - 136,982 - -136,982 - - 0
- - - - -45,000 - - -45,000
配当金
定款改正(注 18 ) 426,941 - - -426,941 - - - 0
2020 年 12 月 31 日現在の資本 845,543 686,325 2,139,544 0 164,695 -3,376 28,030 3,860,761
当期利益 - - - - 159,158 - - 159,158
その他の包括利益 - - - - - 329 -21,612 -21,283
包括利益合計 0 0 0 0 159,158 329 -21,612 137,876
所有者の資格における所有者と
の取引
利益処分 - 150,559 14,136 - -164,695 - - 0
2021 年 12 月 31 日現在の資本 845,543 836,884 2,153,680 0 159,159 -3,047 6,418 3,998,637
添付の注記は、本財務書類の不可分の一部である。
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キャッシュフロー計算書
(千ユーロ) 注 2021 年 2020 年
営業活動からのキャッシュフロー
当期純利益 159,158 164,695
調整:
公正価値で保有する金融資産にかかる未実現利益 / 損
失 -9,169 -12,900
予想信用損失( ECL )非貸出業務 -323 301
有形資産および無形資産の減価償却費および評価減 9,545 7,546
未収利息・手数料(資産)の増減 -8,948 42,646
未払利息・手数料(負債)の増減 10,584 -46,184
正味貸倒損失( ECL 貸出業務) -25,874 56,744
ヘッジ会計調整 37,966 -51,157
当期利益に対するその他の調整 -104 3,023
調整合計 13,676 18
貸出金
貸出実行 -2,270,722 -4,818,897
貸出金の回収 1,975,518 1,867,353
資本化、通貨単位の変更、指標調整等 1,390 430
貸出金合計 -293,815 -2,951,115
営業活動からのキャッシュフロー合計 -120,980 -2,786,402
投資活動からのキャッシュフロー
投資および債務証券
債務証券の購入 -2,191,647 -1,090,285
債務証券の売却および / または満期到来 1,645,287 786,599
金融機関投資 -2,002,565 1,335,090
その他の金融投資 51 5,379
投資および債務証券合計 -2,548,873 1,036,783
その他の項目
無形資産の取得 -1,617 -4,872
有形資産の取得 -1,810 -4,296
その他の資産の増減 -1,431 1,684
その他の項目合計 -4,858 -7,484
投資活動からのキャッシュフロー合計 -2,553,732 1,029,299
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有価証券報告書
財務活動からのキャッシュフロー
証券負債
債券の新規発行 7,027,535 7,540,409
償還 -5,073,812 -4,142,020
証券負債合計 1,953,722 3,398,389
その他の項目
長期金融機関債務 - -8,435
スワップ債権の増減(公正価値の増減を除く。) 92,626 -274,019
スワップ債務の増減(公正価値の増減を除く。) 147,890 -248,028
その他の負債の増減 -2,491 -3,808
配当金の支払額 - -45,000
その他の項目合計 238,025 -579,290
財務活動からのキャッシュフロー合計 (26) 2,191,747 2,819,099
現金および現金同等物の増減(純額) (26) -482,964 1,061,996
現金および現金同等物の期首残高(純額) 1,546,591 471,700
為替レート調整 11,127 12,895
現金および現金同等物の期末残高(純額) 1,074,754 1,546,591
キャッシュフロー計算書に関する追加情報
受取利息 192,300 315,144
支払利息 9,696 -113,157
添付の注記は、本財務書類の不可分の一部である。
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注1:会計方針
報告主体 - NIB の沿革
加盟国の協力
組織化された北欧協力
北欧諸国間の協力は、経済政策、工業技術開発、情報伝達および法制の調和を含む多岐にわたる活動に及
んでいる。
北欧協力の最も重要かつ正式な根拠となっているのは、 1962 年ヘルシンキ条約である。この条約には北欧
諸国の協力の目的が述べられており、北欧評議会に関する規定、およびその後の改正による北欧閣僚評議会
に関する規定が掲げられている。
北欧評議会は、北欧諸国が共通の利害を有する問題について議会レベルで協議と議論を行う場となってい
る。北欧閣僚評議会には、北欧諸国政府に対して拘束力を有するとみなされる協力案件に関して決定を行う
権限が与えられている。
1992 年以降、エストニア、ラトビアおよびリトアニアのバルト3国は、北欧バルト8カ国( NB8 )の枠組み
の下で、北欧諸国と緊密に協力してきた。 NB8 の下で、地域の関心事および国際問題について協議するため、
北欧諸国とバルト諸国の首相および外相の間で定期的な会合がもたれている。
EFTA および EU
北欧諸国は、相互の商業取引関係を着実に広げてきた。この進展は、 1960 年の欧州自由貿易連合(以下
「 EFTA 」という。)の創設により促進されたもので、これにより、 1960 年代から 1970 年代にかけて北欧諸国
間の貿易の発展の枠組みが確立された。
1973 年にデンマークが欧州共同体(欧州連合の前身)に加盟したのに続いて、他の北欧4カ国が、北欧地
域内での自由貿易の促進を目的として欧州共同体と相互自由貿易協定を結んだ。
スイスを除く EFTA 加盟国および欧州連合(以下「 EU 」という。)は、 1994 年1月1日付で欧州における自
由貿易圏である欧州経済領域( EEA )を創設した。
フィンランドおよびスウェーデンは 1995 年1月1日付で EU に加盟した。北欧諸国で現在 EFTA に加盟してい
るのは、ノルウェーとアイスランドのみとなっている。 1999 年1月1日のユーロ導入時、北欧ではフィンラ
ンドが EU の経済通貨同盟(以下「 EMU 」という。)に参加した唯一の国であった。
2004 年5月1日付で、エストニア、ラトビアおよびリトアニアが EU 加盟国となり、その後 EMU の加盟国と
なった。エストニアは 2011 年1月1日付、ラトビアは 2014 年1月1日付、リトアニアは 2015 年1月1日付
で、それぞれ EMU に加盟した。
その他の協力形態
北欧バルト諸国の協力には、国際機関における政策上の意見調整も含まれている。国連および国連貿易開
発会議で発生する問題について定期的に協議されている。加盟国は、国際通貨基金、国際復興開発銀行およ
びその他の国際機関へ共同で代表者を送っている。
北欧投資銀行の設立
北欧評議会および北欧閣僚評議会での長年にわたる議論が、北欧投資銀行の設立につながった。 NIB の法的
基礎をなすのが、 1975 年 12 月4日に締結された「設立契約」である。設立契約の締結国は、デンマーク、
フィンランド、アイスランド、ノルウェーおよびスウェーデンであった。
設立契約および NIB の定款は 1976 年6月1日に発効し、 NIB は同年8月2日に業務を開始した。
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北欧投資銀行(E06042)
有価証券報告書
1981 年9月 15 日に、北欧閣僚評議会は、開発途上国向けを主とするプロジェクト輸出における加盟国協力
の促進計画を承認した。 1982 年2月 28 日に修正されたこの決定には、この計画の重要な要素のひとつとし
て、貸出および債務保証を行う共同融資(以下「プロジェクト投資貸出」という。)ファシリティの創設が
含 まれていた。このファシリティは 1982 年7月1日に発効し、加盟国以外における NIB の貸出業務の主要な部
分を形成してきた。注 12 を参照のこと。
1996 年8月、北欧諸国首脳は、北欧諸国に隣接する地域における環境投資に対する融資を行う特別環境貸
出ファシリティ(以下「環境投資貸出ファシリティ」という。)の設定を決定した。このファシリティは
1997 年1月 25 日に北欧閣僚評議会で承認され、 1997 年8月 28 日に効力を生じた。このファシリティは、 NIB の
貸出業務の一部をなすもので、加盟国に隣接する地域における環境の保護および国境を越えた公害の減少を
目的とする投資に対する融資を行う目的で、公的・民間両部門に対する貸出および債務保証を行ってきた。
注 12 を参照のこと。
プロジェクト投資貸出および環境投資貸出のプログラムは、 2020 年7月 29 日に効力を生じた定款改正(以
下に記載する。)の一環として当行の通常の貸出業務に組込まれた。
1997 年 11 月、北欧閣僚評議会は、 NIB ならびにその姉妹機関である NEFCO および NDF (それぞれ以下に定義す
る。)の法的枠組みを、その国際機関としての地位を反映させるため、改訂すべきであるとの決定を行っ
た。 NIB に関しては、これにより 1998 年 10 月 23 日に 1998 年契約が締結される運びとなった。
1998 年 10 月 23 日、北欧諸国は新設立契約(以下「 1998 年契約」という。)を締結した。この 1998 年契約は
1999 年7月 18 日に発効し、設立契約は同日をもって失効した。
2003 年6月の北欧諸国首脳による政策決定を受けて、 2005 年1月1日付で、エストニア、ラトビアおよび
リトアニアは、原加盟国と同等の条件で NIB の加盟国となった。新規加盟国は、原加盟国と同一の権利および
義務を有する。
2004 年契約は、当行を統治するための新しい組織を規定しており、これは 2005 年1月1日付で完全に実施
された。 NIB はまったく新しい機関である統治委員会を取り入れた。統治委員会は、当行のそれまでの法的枠
組みにおける北欧閣僚評議会に代るもので、その役割を継承した。 2004 年契約は、 NIB の業務を変更するもの
ではなかった。
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有価証券報告書
統治委員会は、 2019 年5月 24 日のその年次会議において、定款の大幅な改正を承認し、加盟国間の契約の
改正については 2020 年2月 28 日に合意され、締結された。この改正契約および定款の改正は 2020 年7月 29 日
付で効力を生じた。改正の内容は以下のとおりである:
・サウンド・バンキング原則に従って、現行の法定ギアリング制限を資本および流動性管理のリスクに基
づく包括的な枠組みに代えること、ならびに資本、流動性およびレバレッジについて最低要件を導入す
ること。
・プロジェクト投資貸出( PIL )および環境投資貸出( MIL )のための特別貸出ファシリティを廃止するこ
と。 PIL および MIL ファシリティに基づく貸出金残高は、当行の通常貸出の一部となり、この種の新たな
貸出も今後通常貸出を構成することとなる。また、 PIL のための特別信用リスク基金は払込済資本金に、
また加盟国の PIL 保証は払込請求可能資本に、転換されている。 MIL は転換されていない。
・組織統治を改善し、監査委員会および外部監査人の役割を明確化し、当行監査委員会の委員長の役割を
強化すること。
・理事会の全会一致の承認により、貸出および保証に加えて、限定的な資本参加を当行による資金援助の
新たな形態として認めること。
NIB の関連当事者 / 姉妹機関について
1988 年5月 19 日、北欧閣僚評議会は、優遇的な条件での開発途上国における北欧の利益になるプロジェク
ト向け融資を目的として、国際金融機関である北欧開発基金(以下「 NDF 」という。)の設立を決定した。
NDF の設立に関する契約は、 1988 年 11 月3日に北欧5カ国(以下「 NDF 加盟国」という。)によって署名さ
れ、同基金は 1989 年2月1日にその業務を開始した。 NDF は、独自の理事会を持ち、 NDF 加盟国によって資本
基盤を供与されている独立した法人である。
1990 年3月2日、北欧閣僚評議会は、北欧の環境面で利益になる東欧および中欧での投資の促進を目的と
して、国際金融機関である北欧環境金融公社(以下「 NEFCO 」という。)の設立を決定した。 NEFCO は、独自
の理事会を持ち、 NEFCO の加盟国によって資本基盤を供与されている独立した法人である。
NDF および NEFCO の設立文書によると、それらの主たる事務所は NIB の主たる事務所に置かれている。さら
に、 NDF および NEFCO の定款は、北欧評議会により任命されたそれらの監査委員は同評議会が任命した NIB の監
査委員と同じメンバーとすることを規定している。また、 NDF および NEFCO の定款は、それぞれの理事会に与
えられる権限を、適宜、各組織の総裁および / または NIB に委ねることができる旨を規定している。 NIB は、
NDF および NEFCO に対して管理運営サービスを提供しており、その報酬は財務書類に対する注8において開示
されている。
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法律上の目的
2004 年契約および定款によると、 NIB の目的は、サウンド・バンキング原則に従って社会経済的な配慮をし
たうえで利用可能な融資を行い、加盟国および当該融資を受けるその他の諸国の利益となる投資プロジェク
トを実現させることである。 NIB は、準備金の積立てと払込済資本金に対する合理的収益を得るため、業務活
動から利益を上げることを義務づけられているが、利益の最大化を目指す主体ではない。
NIB は、その業務資金を加盟国による払込済資本金、利益剰余金および国際資本市場における借入で賄って
いる。
法的地位
2004 年契約の下で、 NIB は完全な法主体性を有する国際法人格の地位を有している。とりわけ NIB は、契約
締結、不動産および動産の取得および処分、ならびに裁判所および他の機関における法的手続きの当事者と
なる権利を有している。 2004 年契約はさらに、 NIB が加盟国に共通の国際金融機関として、加盟国の内外で同
様の業務を行っている他の法人と同じ地位を有することを規定している。
2004 年契約はまた、とりわけ一定の免責特権に関する条項も規定している。これらの条項によると、 NIB が
事務所を設置しているか、もしくは送達受領の目的で代理人を指名している国の領域内の管轄権ある裁判所
において、または NIB が明示的に管轄権を承認した場合のみ、 NIB に対して訴えを提起することができること
につき、加盟国は同意している。ただし、訴えは、加盟国により、または加盟国の代理人もしくは加盟国に
由来する請求権を有する者により、 NIB がこれに対して明示的同意を表明した場合のみ、提起することができ
る。
さらに、 2004 年契約は、 NIB の財産および資産(所在地または所有者を問わない。)は、これらに対する司
法機関または行政機関による判決または命令が確定するまで、その執行を免除される旨を規定している。当
行の財産および資産(所在地または所有者を問わない。)はさらに、行政または立法行為による捜索、徴
用、没収および収用を免除される。当行、その財産および資産は、差押のような手続的制約をも免除され
る。
2004 年契約は、 NIB の土地建物および公文書ならびに当行に帰属しまたは NIB が保管するすべての文書が不
可侵である旨を規定している。
2004 年契約はまた、 NIB がその義務の履行をいかなる方法でも制限しまたは妨げるような支払制限や信用政
策措置の適用も受けないこと、ならびに NIB 、その収益、資産および財産が関連条項に規定されているすべて
の課税を免除されていることも規定している。したがって、 NIB は、 NIB の正式業務に関連した不動産および
有価証券の購入および譲渡ならびに財・サービスの調達に対する課税を免除される。 NIB による貸出および借
入も、類似の性質の一切の課税および賦課金を免除されている。
2010 年 10 月 20 日、 NIB とフィンランド政府との間の改訂受入国協定が締結された。この協定は、国際機関と
しての NIB の地位を確認し、 NIB およびその職員に関する一定の特権および免責ならびに職員の社会保障につ
いてさらに規制するものである。この協定はフィンランドにおいて制定され、 2011 年1月 16 日付で施行され
た。
当行の本店はフィンランドのヘルシンキ、ファビアニンカツ 34 に置かれている。
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会計基準
当行の財務書類は、国際会計基準審議会(以下「 IASB 」という。)が発表する国際財務報告基準(以下
「 IFRS 」という。)に基づいて作成されている。財務書類は、以下の会計方針に記載されている例外を除
き、歴史的原価主義に基づいて作成されている。
キャッシュフロー計算書は、公正な評価、減価償却および貸倒損失といった非資金取引の影響について当
期純利益が調整される間接法を用いて作成されている。キャッシュフローは、営業活動からのキャッシュフ
ロー、投資活動からのキャッシュフローおよび財務活動からのキャッシュフローに分類される。キャッシュ
フロー項目は、財政状態計算書から直接決定することはできない。
2022 年2月 17 日、理事会は、財務書類の公表を承認した。本財務書類は 2022 年5月末までに開催される予
定の統治委員会年次会議に承認のために提出される。
2021 年に適用された新しい会計基準および
2022 年1月1日以降に開始する会計年度にかかる新基準
2021 年中に当行が適用した新たな基準はない。当行は、 2020 年に「金利指標改革-フェーズ2」の修正を
早期適用した。まだ効力を生じていない IFRS の基準または解釈指針で、当行に重大な影響を及ぼすことが予
想されるものはない。
機能通貨および表示通貨
当行の機能通貨および表示通貨はユーロであり、財務書類は別段の表示がない限り、千ユーロで表示され
ている。勘定科目の数値はすべて四捨五入されているため、個々の数値の合計は記載されている合計数値と
異なる可能性がある。また、すべての百分率は、四捨五入による誤差が生じる可能性がある。
重要な会計上の判断および見積り
IFRS に準拠した財務書類作成過程の一環として、当行の経営陣は、当行の利益、財政状態および年次報告
書に記載されたその他の情報に影響を及ぼす可能性のある一定の判断、見積りおよび仮定を行うことを求め
られる。かかる見積りは、入手可能な情報および当行経営陣の判断に基づくものである。実際の財務成績
は、評価から逸脱する可能性があり、時には大きく逸脱することがある。
当行は、資産および負債の公正価値を見積るために様々な評価モデルおよび技術を利用している。とりわ
け、借入および貸出の双方に関連するヘッジ活動のために用いられるデリバティブ商品等の複雑な金融商品
の設計に見積りが関わる場合は、かかる見積りに関する不確実性は相当高くなる。
見積りは、金利水準、為替レートおよびその他の要素等の市場データに大きく依存する。これらの見積り
に関する不確実性は、主に財政状態計算書に反映されている。 NIB は、商品設計および市場データの双方に関
する公正価値の見積基準を改良するために継続的に開発を行っている。仮定および手法の改良により生じた
見積りの変更は、かかる改良が初度適用された期間に反映されている。
重要な判断および見積りは、 IFRS 第9号に基づく貸出金の減損テストにも適用される。
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外貨換算
外国通貨で表示されている貨幣性資産および負債は決算日の実勢為替レートにより計上される。非貨幣性
資産および負債については、取引日の実勢ユーロ・レートにより計上される。ユーロ以外の通貨により計上
されている収入および費用は当該日の実勢為替レートにより日毎にユーロに換算される。
実現および未実現の為替差損益は包括利益計算書に計上される。
注 27 に記載のとおり、当行は、国際通貨基金( IMF )が公表するレートに基づく特別引出権( SDR )を除
き、 12 月 31 日 13 時(グリニッジ標準時)現在の実勢レートに基づいて有力な市場データ提供業者から得られ
た為替レートを用いている。
金融商品の認識および認識中止
金融商品は、取引日ベースで財政状態計算書に認識される。
金融資産は、金融資産からのキャッシュフローに対する契約上の権利が終了した時またはリスクおよび経
済価値が大きく変動した時にその認識を中止する。
金融負債は、契約上特定された義務が履行され、解除され、または終了した時に財政状態計算書から認識
が中止される。
分類および測定の基準
当行は金融資産および負債を償却原価で測定されるものと公正価値で測定されるものに分類している。こ
の分類は、資産および負債の契約上の特性ならびにその運用について採用されるビジネス・モデルの双方に
依拠する。
償却原価による金融資産および負債
投資または負債は、以下の基準が両方とも満たされた場合にのみ「償却原価」で分類される。すなわち、
契約上のキャッシュフローを回収しまたは支払うために資産および負債を保有することが当行のビジネス・
モデルの目的であること、ならびに金融資産の契約上の条件により、未償還額面金額にかかる元利金の支払
のみによるキャッシュフローが特定の日に発生しなければならないこと。
公正価値による金融資産
上記2つの基準のうちいずれかが満たされない場合、資産を償却原価のカテゴリーに分類することはでき
ず、損益を通じた公正価値( FVTPL )またはその他の包括利益を通じた公正価値( FVOCI )で分類しなければ
ならない。 FVOCI は、元利金の支払および売却のために保有される資産の分類に使用される。その他すべての
金融資産は FVTPL として分類される。
適格な公正価値ヘッジ関係においてヘッジ対象項目として指定される金融資産および金融負債について
は、下記のヘッジ方針を参照のこと。
公正価値の決定
流通市場で取引されるデリバティブ商品を含む金融商品の公正価値は、貸借対照表日におけるビッドまた
はオファーの価格の終値である。公正価値が活発な市場で取得できない場合、公正価値は数学的モデルの利
用を含む様々な評価手法を用いて決定される。これらモデルへのインプットは、可能な場合は観察可能な市
場データから取得される。組込みデリバティブ商品による当行の借入取引等の当行の金融商品の多くは、流
通市場で取引されていない。これらは、異なる評価モデルと手法を利用して公正価値で測定されている。こ
のプロセスには将来の期待キャッシュフローの決定が含まれ、これは貸借対照表日現在の価値に割引くこと
ができる。これら商品の将来キャッシュフローの見積りは、市場データに関する仮定および場合によっては
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(特にオプションが関係する場合)当行の取引相手の行動に関する仮定に依拠する。したがって、公正価値
の見積りは変数の影響を受ける可能性がある。市場仮定が異なる場合も価値は大幅に異なる可能性がある。
当行は、測定に使用されるインプットの重要性を反映した以下の公正価値ヒエラルキーを用いて、公正価
値を測定している:
レベル1 :同一の商品にかかる活発な市場における市場相場価格(未調整)。
レベル2 :観察可能なインプットに基づく評価手法(直接的には価格に基づき、間接的には価格から導か
れる。)。このカテゴリーには、次のいずれかを用いて評価される商品が含まれる。すなわち、類似の商
品にかかる活発な市場における市場相場価格、さほど活発でないと考えられる市場における同一の商品も
しくは類似の商品にかかる相場価格、またはすべての重要なインプットが市場データから直接もしくは間
接的に観察可能な場合にはその他の評価手法。
レベル3 :重要な観察不能のインプットを用いた評価手法。このカテゴリーには、評価手法が観察可能な
データに基づかないインプットを含む場合および観察不能なインプットが商品の評価に重大な影響を及ぼ
す場合のすべての商品が含まれる。このカテゴリーには、商品間の差異を反映するために重要な観察不能
の調整または仮定が必要とされる場合に類似の商品にかかる相場価格に基づいて評価される商品が含まれ
る。
当行は、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を、変動が生じた報告期間の末現在において認識してい
る。レベル2の評価はすべて NIB が開発したモデルを用いた外部の情報源から得られた市場データに基づいて
いる。詳細については注 20 を参照のこと。
相殺
金融資産および金融負債は、相殺する法的な権利があり、純額ベースで決済する意図がある場合にのみ相
殺され、純額が認識される。
現金および現金同等物
「現金および現金同等物」は、取得および投資の日から計算される当初満期が3カ月以内の貨幣性資産お
よび投資からなる。
キャッシュフロー計算書における現金および現金同等物は、取引の契約締結時から計算される当初満期が
3カ月以内の貨幣性資産、投資および負債の純額をいう。
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金融投資
財政状態計算書において金融投資として認識される項目には、金融機関投資、ボンドおよびその他の負債
証券といった債務証券への投資ならびに資本の特性を有する商品への一定の投資が含まれる。かかる投資
は、当初は取引日付で計上される。その後の会計上の処理は、投資運用のための当行のビジネス・モデルお
よびその契約上のキャッシュフローの特性の双方に依拠する。
貸出金
当行の貸出取引は、資金が借手に移転した時点で財政状態計算書に計上される。貸出金は、当初は、取引
費用を含む移転された資金に対応する公正価値で計上される。貸出金は、償却原価の分類基準を満たさず、
よって公正価値で計上される一部の仕組み貸出を除き、その後は償却原価で計上される。貸出金がヘッジ対
象リスクによる公正価値の変動に対してヘッジされている場合、ヘッジされた貸出金の帳簿価額は、ヘッジ
対象リスクの公正価値により調整される。
貸出金の減損
当行は、潜在的減損に対する引当金を見積もるため、予想信用損失( ECL )モデルを利用している。当行
は、償却原価で、または包括利益を通じた公正価値で、測定された金融資産にかかる ECL および貸出約定につ
いて損失引当金を認識している。 ECL は、当初認識時からの信用の質の変化に基づいて3段階(ステージ)の
モデルで構成される。減損は、金融資産のステージ分類に応じて、 12 カ月または残存期間のいずれかの予想
信用損失に基づいて報告される。ステージ分類はまた、金融資産にかかる受取利息がステージ1およびス
テージ2の資産については総額ベースの帳簿価額に基づいて、またステージ3の資産については減損引当金
控除後の帳簿価額に基づいて報告されているかどうかを判定する。
ステージ1には、当初認識以降信用の質が著しく悪化していないか、または報告日現在のリスクが低い金
融資産が含まれる。これらの資産については、 ECL は報告日から 12 カ月以内に発生しうるデフォルト事由の確
率加重結果である。
ステージ2には、当初認識時から信用の質が著しく悪化しているが、減損の客観的証拠がない金融資産が
含まれる。これらの資産については、残存期間 ECL はデフォルト確率で加重された予想残存期間にわたるすべ
ての可能性のあるデフォルト事由から生じる。
ステージ1およびステージ2の資産は履行資産として分類され、モデル計算は各報告日に更新される。
ステージ3には、当行の信用格付プロセスにおいて不良資産として分類された資産が含まれる。不良資産
については、ステージ1およびステージ2の資産にかかる一括計算ルールに対して、個別ベースで査定が行
われる。不履行クラスに対するエクスポージャーは不良債権に分類される。以下のいずれかまたは双方が発
生した場合は、債務者に関して債務不履行が生じる:
(a) 債務者がその金銭債務全額を支払う見込みがないと当行が判断する場合。
(b) 90 日を超えて、また加盟国に対するソブリン貸出エクスポージャーまたは当行が既存の枠組み契約を
締結している国に対するソブリン向け貸出エクスポージャーについては 180 日を超えて、債務者が延滞
する場合。
上記 (a) の基準に該当する債務者は不履行クラス D1 となり、上記 (b) の基準に該当する債務者は不履行クラ
ス D2 となる。 (a) および (b) の双方の基準に該当する場合は、債務者は不履行クラス D2 となる。
当行は、減損引当金を包括利益計算書に計上すべきかどうかについて査定するため、各報告日において不
良債権について見直しを行う。とりわけ、必要な引当金の水準を決定する際には、将来のキャッシュフロー
の金額および時期の見積りに経営陣の判断を要する。かかる見積りはいくつかの要因についての仮定に基づ
いて行われ、実際の結果は異なる場合があるため、結果として引当金に将来変動が生じることがある。
ECL モデル、関連するインプットおよびガバナンスの詳細については注 10 に記載がある。
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無形資産
無形資産は、主としてソフトウェア、ソフトウェア・ライセンス、および 2019 年にはリース取決めから生
じる使用権資産に対する投資からなる。費用を超える経済的便益を1年以上もたらす取得は、無形資産とし
て認識される。かかる投資は歴史的原価で計上され、通常3年ないし5年の見積耐用年数にわたって償却さ
れる。償却は定額法でなされる。
有形資産
財政状態計算書の有形資産に含まれているのは、土地、建物、事務所設備および当行が有するその他の有
形資産である。かかる資産は、資産の見積耐用年数に基づく減価償却費累計額を差引いた歴史的原価で計上
される。土地については減価償却はなされない。ヘルシンキに所在の当行の事務所建物は、 40 年にわたり定
額法で減価償却される。当行のその他の建物は、 30 年にわたり減価償却される。事務所設備およびその他の
有形資産の減価償却期間は、個別に評価され、決定される。減価償却期間は通常3年ないし5年である。減
価償却は定額法で計算される。
無形・有形資産の評価減および減損
当行の資産は、毎年、減損について見直しが行われている。減損の客観的証拠が存在する場合には、資産
の回収可能価額に基づいて減損損失が決定される。
デリバティブ商品およびヘッジ会計
金利リスクおよび為替リスクを管理するために使用される当行のデリバティブ商品は、取引日ベースで、
財政状態計算書に「その他の資産」または「その他の負債」として公正価値で計上される。当行は、 IFRS 第
9号に定められた条件を満たす場合に、当該基準に基づきヘッジ会計を適用している。ヘッジ会計は、ヘッ
ジ対象とヘッジ手段との間の明確に文書化された関係に基づいている。ヘッジ手段と、ヘッジ対象または
ヘッジ対象により発生したキャッシュフローの価値変動との間に高い(逆)相関関係がある場合に、ヘッジ
は有効とみなされる。ヘッジ関係は、ヘッジ取引が開始された時点で文書化され、ヘッジの効果は継続的に
評価される。
ヘッジ会計が適用されないデリバティブは、損益を通じた公正価値で認識される。
公正価値ヘッジ
デリバティブが、認識された資産もしくは負債または損益に影響を及ぼしうる確定約定の公正価値の変動
をヘッジするヘッジ手段として指定される場合、そのデリバティブの公正価値の変動は直ちに損益におい
て、ヘッジ対象リスクによるヘッジ対象の公正価値の変動と同一項目に認識される。現在、当行の公正価値
ヘッジは、主に借入取引および貸出取引における固定金利から変動金利へのスワップに関連している。
外貨ベーシス・スプレッド
当行はヘッジに使用された金融商品から外貨ベーシス・スプレッドを区分しており、こうして区分された
金額は「その他の包括利益」( OCI )に計上される。
キャッシュフロー・ヘッジ
当行は現在、キャッシュフロー・ヘッジ会計を適用していない。
ヘッジ会計の中止
ヘッジ手段のデリバティブが失効し、売却され、終了しもしくは行使された場合、またはヘッジが公正価
値ヘッジ会計の基準を満たさなくなった場合、ヘッジ会計は将来に向かって中止される。実効金利法が用い
られたヘッジ対象に対する中止時点までの調整は、かかるヘッジ対象の再計算された実効金利の一部として
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残存期間にわたって損益に償却される。ヘッジ対象が認識中止となった場合、未償却の公正価値は直ちに損
益において認識される。
証券負債
当行の借入取引は、取引日付で財政状態計算書に計上される。借入取引は、当初は、移転した資金の公正
価値から取引費用を控除した原価で計上される。当行は、事実上すべての借入取引の公正価値をヘッジする
ためにデリバティブ商品を利用している。これらの場合、借入取引は、その後財政状態計算書に公正価値で
計上され、評価差額は包括利益計算書に計上される。
損益を通じて公正価値で計上された金融負債については、それ自体の信用スプレッドの変動による評価差
額は「その他の包括利益」に計上される。
買戻契約に基づき引渡された有価証券は財政状態計算書において認識を中止しない。買戻契約に基づき受
領した現金は、財政状態計算書において「金融機関債務」として認識される。
利息
当行の利息収入純額には、貸出、債務証券および投資にかかる未収利息ならびに金融商品の額面超過金ま
たは割引金の期間配分が含まれる。利息収入純額には、債務にかかる利息費用、スワップ手数料および実効
金利法を用いて測定される借入費用も含まれる。
手数料
貸出の実行時に受取る手数料は、貸出の実行時に収益として計上され、これは、費用発生と同時に手数料
が収益として計上されることを意味する。約定手数料は、約定済であるが未実行の貸出について請求され、
契約期間にわたり包括利益計算書に計上される。
金融取引
当行は、債務証券およびその他金融商品にかかる実現および未実現の損益の両方を「金融取引純利益」の
項目に計上する。ヘッジ会計調整も同項目に含まれている。
リース契約
当行は、短期リースおよび少額資産のリースを除き、すべてのリースについて単一の認識および測定アプ
ローチを適用している。当行は、リース支払を行うリース負債および原資産を使用する権利を示す使用権資
産を認識している。負債および資産は、認識日現在では同額である。短期リースおよび少額資産のリース
は、リース期間にわたって定額法で認識される。
使用権資産
当行は、リース開始日(すなわち、原資産が使用可能となった日)に使用権資産を計上している。使用権
資産は、減価償却費累計額および減損損失を差し引いた原価で測定され、リース負債の再測定について調整
される。使用権資産の原価には、計上されたリース負債の金額、当初発生した直接費用、ならびにリース開
始日以前になされたリース支払から受取りリース・インセンティブを差し引いた金額が含まれる。使用権資
産は、リース期間にわたって定額法で減価償却される。使用権資産は、注 13 において無形資産の一部として
表示されている。
リース負債
リースの開始日に、当行は、リース期間にわたって支払うことになるリース料の現在価値で測定される
リース負債を認識する。
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従業員給付
確定拠出制度
当行は、従業員の年金保障について責任を負っている。当行とフィンランド政府との間の受入国協定に従
い、かつ当行の年金制度の一環として、当行は、フィンランドの国家年金制度の採用を決定した。フィンラ
ンド国家年金基金に支払われる年金制度への拠出額は、給与の百分比として計算される。フィンランド財務
省は拠出額の算出根拠を決定し、地方政府の年金機関である Keva と協力して実際の拠出比率を決定する。注
7を参照のこと。当行の年金債務は完全に手当てされている。
当行は、正規従業員に対して民間の年金保険会社が作成した補足的な年金保険制度も提供している。この
制度は、確定拠出制度に基づいたグループ年金保険制度である。
確定拠出制度への拠出義務は、関連サービスが提供されたときに費用計上され、損益において人件費とし
て認識される。
短期従業員給付
短期従業員給付は、関連サービスが提供されたときに費用計上される。
セグメント情報
事業セグメントは、資源の分配および事業セグメントの業績の評価に対して責任を負う最高業務意思決定
者(以下「 CODM 」という。)への内部報告に沿った方法で報告がなされている。経営陣に報告されるセグメ
ント業績には、当該セグメントに直接帰属するものと、合理的な基準に基づいて割当てられるその他の項目
が含まれる。当行は、1カ所に所在する単一の主体であるため、割当てがなされない項目はない。
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注2:リスク管理
リスク管理の枠組み
当行は、国際的なリスク管理規則および基準を監視し、関連性があり、かつ / または実現可能であると考え
られる範囲でこれを考慮に入れている。当行は、定款および資本流動性管理原則に高水準の法定要件を定め
て、リスク、資本および流動性を管理する枠組みを設定した。この枠組みは、リスク・アペタイト・ステー
トメント(以下「 RAS 」という。)、内部自己資本充実度評価プロセス(以下「 ICAAP 」という。)および資
本・流動性回復計画によってサポートされている。
RAS は、当行のリスクテイク、リスク軽減およびリスク回避にかかる原則を定めている。 RAS は、当行のリ
スクテイク 意欲を 当行 の法定要件、戦略的事業目標および資本計画に整合させることを目指している。ま
た、 RAS は組織全体においてリスクへの意識を高めることにも役立っている。 RAS は、具体的な方針および手
続き、監視のメトリクス、制限システムおよび内部統制を通じて運用される。 RAS の遵守は継続的に監視さ
れ、定期的に上級経営陣に報告される。リスクテイクがリスク負担能力の範囲内に収まるようにするため、
RAS は少なくとも年に1回、上級経営陣および理事会によって検討される。 RAS に記載のとおり、当行は、強
固な資本および流動性の ポジション ならびに安定した収益と業務効率によって支えられ、可能な限り最高の
水準でその発行体格付を維持するよう努めている。 2021 年、 RAS は気候リスクに関する具体的なセクションに
よって補足され、新たに生じたこのリスク・カテゴリーの重要性を強調している。
定款は、当行が リスク、資本および流動性の評価に関する健全かつ有効な戦略を備えることを義務づけて
おり、かかる評価は年1回以上実施され、定期的に見直されるものとされている。当行は、当行が現に晒さ
れている、またはその可能性があるリスクをカバーするために必要とされる資本の額および流動性を評価す
るために、 ICAAP を利用している。 ICAAP は年次ベースで実施される。当行は、あらゆる重大なリスクをカ
バーし、著しく困難な状況下であっても中断することなく事業を継続することができることを確保するた
め、十分な額の資本と流動性を維持している。 ICAAP はまた、マクロ・プルーデンス的な要素を考慮し、資本
バッファーを適宜割当てている。当行のリスク・エクスポージャーに対する将来見通しを提供するためにス
トレス・テストが利用されている。
資本・流動性回復計画は、極めて困難な状況においてリスク、資本および流動性ポジションを管理するた
めのツールを提供する。当行は、その法定のメトリクス(自己資本比率、レバレッジ比率および流動性のサ
バイバル・ホライズン)の監視システムを確立し、エスカレーション手順を定め、いずれかの法定のメトリ
クスがその最低要件を超えるリスクがあるとみなされる場合に実行される一連の行動計画を策定した。資
本・流動性回復計画は理事会の承認を得ている。
主なリスクである信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスクおよびコンプライ
アンス・リスクは、財務健全性を維持し、当行の評価を脅かす可能性のある活動を避けることを全体目標と
して慎重に管理されている。その他のリスクは、実施された重要性評価に基づいて管理されている。当行の
リスク管理の枠組みは、定期的に見直しが行われ、変化する状況に適応している。
当行のリスク管理の枠組みは、定量化可能なリスクへのエクスポージャーを管理するための包括的な制限
システムを含む、リスクの特定、測定、監視および報告のために策定されたリスク方針および手続きで構成
される。当行では、効果的なリスク管理は健全なリスク・カルチャーに基づくものであることを認識してい
る。健全なリスク・カルチャーとは、とりわけ組織におけるリスクおよびリスク管理の認識水準が高いこと
が特徴である。リスク関連事項に関する定期的な従業員研修は、当行のリスク管理慣行の一部である。
リスク統治
3つのディフェンスライン・モデルは、当行のリスク統治の基礎を提供している。このモデルは、顧客と
の間で事業取引を行うかもしくはその他により当行をリスクに晒す部門と、リスク評価、リスク測定、リス
ク監視およびリスク統制を担当する部門の間で職務を明確に分離することを目的としている。
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意思決定機関の役割および責任を含むリスク統治モデルについては、当行のガバナンス・ステートメント
およびリスク管理方針において詳細に記載している。
信用リスク
信用リスクは当行の主たる財務リスクである。信用リスクは、当行の借手およびその他の取引相手が契約
上の義務を履行できず、提供された担保では当行の請求権をカバーできないことによる損失リスクと定義さ
れる。当行の使命によると、ほとんどの信用リスクは当行の貸出業務から生じる。当行は財務活動において
も信用リスクに晒されており、財務活動においては、信用リスクは固定利付証券や銀行間預金など当行が流
動性の投資に利用する金融資産、ならびに通貨リスクや金利リスクおよび仕組み金融取引に関連するその他
の市場リスクを管理するために用いるデリバティブ商品から生じる。
信用リスク管理
当行の信用リスク管理は、 (1) 使命の範囲内の適切なリスク分散、 (2) 信用評価段階における徹底的なリス
ク評価、 (3) リスクに基づいた価格設定およびリスクの軽減、 (4) 個々の取引相手レベルおよびポートフォリ
オ・レベルでの継続的なリスクの監視、ならびに (5) 好ましくないリスクの可能な範囲での回避の原則に基づ
いている。
信用リスクの限度額
当行が許容できる最大信用エクスポージャー額は、理事会が設定するエクスポージャー限度額によって示
されている。信用エクスポージャー額は、貸出エクスポージャーおよび財務エクスポージャーの合計額であ
る。取引相手レベルの限度額は、当行の資本および取引相手の資本に応じて決定される。大口エクスポー
ジャーおよび産業セクターにかかる集中の限度額は、当行の資本および / または経済資本に関連して規定され
る。
取引相手の限度額は、債務不履行の可能性および予想損失額に基づいて決定される。当行は、単一の取引
相手を、法的におよび / もしくは財務上連結されているまたはリスクの観点から相互に依存している取引相手
または取引相手グループとして定義する。エクスポージャーを制限する目的上、当行は、リスクが所在する
企業(すなわち、リスク所有者)を取引相手をとみなしている。リスク所有者は、当行の請求権に対して最
終的に責任を負う企業であり、リスクが保証契約を通じて移転する場合には債務者とは異なる場合がある。
保証をリスク移転に適格とするためには、保証がエクスポージャー全体を補填し、借手の債務を「自己の債
務として」担保する保証の約束でなければならない。これは、すなわち借手が期日に支払を怠った直後に、
当行が保証に基づく請求を行うことができることを意味する。
当行は、リスクの過度の集中を回避するため、大口の取引相手のエクスポージャーならびに産業セクター
別および国別のエクスポージャーに対してポートフォリオ・レベルでの限度額を適用している。当行は、加
盟国における総貸出エクスポージャーに関しては限度額を設定していない。非加盟国における貸出は、国別
の限度額に従う。当行の財務活動については、すべての国におけるエクスポージャーに国別の限度額が適用
される。
原則として、当行は単一のプロジェクトに対して融資または保証として付与される最大額をプロジェクト
費用総額の 50 %に制限している。当行の加盟国における中小企業、中小資本会社および中資本会社への融資
は、プロジェクト費用総額または当行の負託に適格な融資所要額の 75 %を限度として行うことができる。
信用リスク評価
取引相手の債務返済能力は、与信承認のための重要な検討事項である。取引相手の信用力評価は、取引相
手に関連する主な財務リスクおよび事業リスクを特定することに重点を置いている。この評価に基づき、デ
フォルト確率( PD )を示すリスク格付が取引相手に付与される。信用リスク評価には、定量的リスク手法お
よびモデルならびに専門家判断に基づく定性的評価の使用が含まれる。取引相手に対する PD 格付の提案プロ
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セスは、関連する各事業分野(貸出および / または財務)における第1のディフェンスラインにおいて実施さ
れる。
個々の予想損失( EL )格付は、取引レベルで付与される。 EL 格付は、デフォルト時損失率( LGD )(すなわ
ち、取引相手が債務不履行に陥った場合の損失の大きさ)を考慮している。 LGD の割当ては、取引相手の種類
ならびに取引の性質(保証、担保、請求権の順位および取引の信用を補完するその他の要素等)に基づいて
LGD 推計値を算出するモデルに依拠する。
第2のディフェンスラインである与信の機能は、リスク格付の提案を検討し、セカンド・オピニオン(統
制の役割)を提供する。信用リスク格付( PD 、 LGD および EL )は、最終的にマンデート・与信・コンプライア
ンス委員会により承認される。
当行のリスク格付システムは 20 等級で構成され、取引相手の債務不履行( PD )リスクおよび取引の予想損
失( EL )を識別する。また、不良債権となった取引には D 等級が個別に適用される。外部格付機関による格付
を参照して、内部格付は、内部等級の1から 10 の区分がスタンダード・アンド・プアーズおよびムーディー
ズの投資適格グレード(それぞれ AAA から BBB- および Aaa から Baa3 )に対応するように、これら格付機関の格
付と関連付けられている。
取引相手レベルおよび取引レベルでのディリジェンスならびに信用リスク評価に加えて、当行は予想信用
損失( ECL )を見積るために IFRS 第9号の会計基準を適用し、これにより、 ECL 見積りの範囲内に該当するす
べての金融資産について将来を見越した引当金を適用する。資産をステージ1~3に分類することを含む ECL
の方法論は「注 10 :予想信用損失」において詳述されている。
信用リスクの軽減
当行の定款に従って、当行の貸出における信用リスクを軽減するため、十分な信用補完が要求される。当
行による貸出は、無担保または有担保のいずれかとなる。当行は、様々な制限条項、約束、繰上返済事由お
よび債務不履行事由を貸出の文書に盛り込むことにより、無担保貸出に関連する信用リスクの軽減を模索し
ている。借手の種類ならびに貸出の期間および返済の構成によって、要件は変わってくる。
当行の貸出の一部は、担保を付されるか、または借手の親会社もしくは第三者により保証される。担保の
価値は、借手の信用力と相関関係がないことが望ましく、かかる資産に関して機能する市場が存在しなけれ
ばならない。
2021 年末現在の当行の信用補完種類別の貸出ポートフォリオの分布は以下に示すとおりで、詳細情報は
「注3:セグメント情報」および「注 12 :貸出金および保証約定」に示されている。
貸出金の担保の種類別内訳
2021 年 12 月 31 日現在
百万ユーロ
担保設定制限条項およびその他の条項付貸出金
加盟国もしくは加盟国の地方自治体が 50 %以上を保有する
企業に対するまたはかかる企業が保証する貸出金
加盟国の地方自治体に対するまたは加盟国の地方自治体が
保証する貸出金
政府に対するまたは政府が保証する貸出金
リーエンまたはその他の不動産担保付貸出金
銀行に対するまたは銀行が保証する貸出金
親会社保証およびその他の保証付貸出金
財務活動においては、当行は、デリバティブおよび担保付投資に関連する取引相手の信用リスクを軽減す
るために、ネッティングおよび担保化を適用している。当行は、取引相手信用格付の最低要件を満たしてお
り、かつ国際スワップ・デリバティブ協会( ISDA )マスター契約およびクレジット・サポート・アネックス
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( CSA )を締結している取引相手に限り、スワップ取引を行っている。リバース・レポ取引の形での担保付投
資は、グローバル・マスター買戻契約( GMRA )の条件に基づき行われる。
ISDA マスター契約は、取引相手の債務不履行または取引の早期解約時において契約対象となっているすべ
てのスワップ取引の単一の純額決済を認めている。ネッティングは、関係する法域において法的に有効かつ
強制履行可能とみなされる場合にのみ、当行の信用エクスポージャーの測定に適用される。 2021 年末現在、
市場価値総額は、 1,399 百万ユーロから 772 百万ユーロ( 2020 年末現在:それぞれ 1,547 百万ユーロおよび 737
百万ユーロ)となり、ネッティングによりスワップ・エクスポージャーは 626 百万ユーロ減少した。
CSA は、スワップ関連の信用リスクをさらに軽減する。スワップ・ポジションは、日々時価評価され、その
結果、合意された基準を超えるプラスのエクスポージャー(債権)が得られた場合は、現金により、または
特定の取引相手の場合は質の高い政府有価証券により担保が手当てされる。 2016 年以降、当行は、双方向の
CSA を締結しており、このことはスワップ・ポジションの市場価値がマイナスである(負債)場合には当行が
担保を差入れることを意味している。 2021 年末現在、名目価値で測定された当行のスワップの約 99.6 %は、
双方向の CSA に基づくものであった。わずか 0.3 %は、当行がそのスワップ債務について担保の差入れを要求
されない一方向の CSA に基づくものであり、 0.1 %は、 CSA が締結されていない取引相手とのものであった。
2021 年末現在、当行はスワップにかかる受入れ担保として総額 748 百万ユーロ( 2020 年: 723 百万ユーロ)
を保有しており、うち 748 百万ユーロ( 2020 年: 723 百万ユーロ)は現金、0百万ユーロ( 2020 年:0百万
ユーロ)は有価証券であった(「注 19 :担保および契約義務」を参照のこと)。当行は、 400 百万ユーロ
( 2020 年: 523 百万ユーロ)の担保を差入れていた。
信用リスクの監視
当行は、当行の貸出および財務活動における信用リスクの推移を継続的に監視することを非常に重視して
いる。信用リスクは、取引相手レベルおよびポートフォリオ・レベルの双方で監視される。信用リスクの監
視に関する主な責任は、顧客との関係を担当する部門 / ユニット(すなわち、貸出部、財務部および / または
特別与信ユニット)にある。リスク・コンプライアンス部は、ポートフォリオ・レベルでの監視を行う。
すべての貸出エクスポージャーは、契約上のコンプライアンス、およびリスクに重大な変化をもたらす可
能性があるまたはリスクの重大な変化を示す事象 / 兆候について継続的な監視を受ける。また、貸出ポート
フォリオ全体のフォローアップが毎年行われる。毎年のフォローアップ結果はマンデート・与信・コンプラ
イアンス委員会に提出され、理事会に報告される。
財務エクスポージャーは、リスクに重大な変化をもたらす可能性があるかまたはリスクの重大な変化を示
す事象および市場の兆候について継続的な監視を受ける。取引相手のリスク等級は、定期的に再評価され
る。フォローアップ結果はマンデート・与信・コンプライアンス委員会に提出される。
取引相手について債務返済能力の深刻な低下および/または財政状態の深刻な悪化があったと認定された
場合には、取引相手はウォッチ・リストに掲載され、具体的なウォッチ・リスト監視を受ける。ウォッチ・
リストに掲載された取引相手は、合意された間隔でマンデート・与信・コンプライアンス委員会の審査を受
け、理事会に報告がなされる。信用エクスポージャーが債務免除および再編の専門知識を必要とする場合、
信用エクスポージャーは特別与信ユニットに移転される。同ユニットの主な目的は、不良債権に対する責任
を貸出部から引継ぎ、当行が不良債権残高を全額または可能な限り多く回収できるよう個々のケースに十分
な時間と労力を費やすことである。
ポートフォリオ・レベルでの信用リスクの監視には、とりわけ総信用リスク・エクスポージャー、信用リ
スクの集中およびリスク特性の変化の分析が含まれる。その推移は、執行委員会、資産・負債委員会および
理事会に報告される。
限度額の遵守は定期的に監視される。財務取引相手の限度額の遵守は日次ベースで監視される。上限を超
過するエクスポージャーは、例えば取引相手の格付の引下げによって発生する可能性がある。限度額の超過
は、上級経営陣、関連する委員会および理事会に報告される。
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リスクベースの価格設定
定款は、当行がサウンド・バンキング原則に従って業務を行い、準備金の積立および合理的な資本利益率
を可能にする収益を追求することを規定している。貸出および保証は、当行の資金調達費用、管理費、取引
関連リスクに係る費用および投下資本に係る費用をカバーするように価格設定される。貸出の価格設定の目
的上、当行は、貸出関連費用全額および引受けたリスク水準に見合う収益をカバーするため、必要最低限の
収益の計算を可能にする価格決定ツールを用いている。内部の信用リスク格付および関連するリスク変数な
らびに取引の仕組みは、価格決定ツールの主なインプット要素である。
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信用リスク・エクスポージャー
以下の表1から3は、 2021 年末現在の当行の総信用リスク・エクスポージャーの予想損失( EL )格付によ
る分布の概要を示している。総信用エクスポージャーは、貸出エクスポージャーと財務エクスポージャーか
らなる。貸出エクスポージャーには、貸出金および貸出約定が含まれ、いかなる担保または信用補完も考慮
していない。財務エクスポージャーについては、資本市場への投資は名目価値で計上され、デリバティブは
担保を除いた市場価値で計上される。リバース・レポ取引に対するエクスポージャーは、取引の名目価値の
一定の割合として計算されるため、これら投資の担保付特性を反映している。
表1 予想損失( EL )に基づく内部格付別信用リスク・エクスポージャー (百万ユーロ)
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
リスク等級 S&P 相当 貸出 財務 合計 貸出 財務 合計
1-2 AAA/AA+ 7,090 8,272 15,362 6,320 6,749 13,069
3-4 AA/AA- 1,570 1,838 3,408 2,319 1,384 3,703
5-6 A+/A 2,840 746 3,587 2,229 1,055 3,285
7-8 A-/BBB+ 5,839 258 6,097 6,529 233 6,763
9-10 BBB/BBB- 5,369 95 5,463 4,864 71 4,935
11-12 BB+/BB 763 0 763 1,331 0 1,331
13-14 BB/BB- 498 0 498 671 0 671
15-16 BB-/B+ 135 0 135 57 0 57
17-18 B/B- 31 0 31 41 0 41
19-20 B-/CCC 7 0 7 0 0 0
D 0 0 0 0 0 0
合計 24,142 11,209 35,351 24,362 9,493 33,855
等級 D
総額 76 0 76 71 0 71
減損 76 0 76 71 0 71
純額 0 0 0 0 0 0
当行の総信用エクスポージャーの質は 2021 年も引続き健全であった。貸出エクスポージャーは、 2020 年と
比較して緩やかに減少した。貸出実行額の 97 %近くは、投資適格リスク等級( EL 1-10 )の取引相手に対する
ものであり、その多くは公的部門、公益事業および金融部門に対する貸出によって牽引された。財務エクス
ポージャーは、主に債券投資が増加したことにより約 18 %増加した。 2021 年末現在、貸出エクスポージャー
の 94 %( 2020 年: 91 %)および財務エクスポージャーの 100 %( 2020 年: 100 %)は投資適格グレードに相当
する EL 1-10 のリスク等級に該当した。リスク等級 D (不良債権)のエクスポージャーには基本的に変化はな
く、完全に引当がなされていた。
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表2 信用リスク・エクスポージャーの地理的分布 (百万ユーロ)
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
国/地域 貸出 財務 合計 貸出 財務 合計
デンマーク 2,302 2,564 4,866 1,985 1,994 3,979
エストニア 993 0 993 1,028 0 1,028
フィンランド 4,789 1,362 6,151 4,817 1,440 6,257
アイスランド 600 59 659 571 35 606
ラトビア 850 115 965 764 105 869
リトアニア 1,321 50 1,371 1,410 50 1,460
ノルウェー 5,527 1,095 6,621 5,340 913 6,253
スウェーデン 6,902 1,146 8,048 7,172 908 8,080
アフリカおよび中東 23 0 23 33 0 33
南北アメリカ 13 771 784 78 839 917
アジア太平洋 224 127 352 287 128 415
ヨーロッパ 388 2,912 3,300 451 2,446 2,896
多国間機関 211 1,007 1,219 428 635 1,063
合計 24,142 11,209 35,351 24,362 9,493 33,855
当行の使命に照らして、信用リスク・エクスポージャーは地理的分布の面では引続き非常に良くバランス
が取れていた。 2021 年末現在、加盟国は当行の貸出エクスポージャーの 96 %( 2020 年: 95 %)を占めた。加
盟国以外に対する最大貸出エクスポージャーは、多国間機関、ポーランドおよび中国に対するものであっ
た。財務エクスポージャーのうち、 57 %( 2020 年: 57 %)は加盟国に対するものであり、多国間機関を除く
ヨーロッパの他の地域は 26 %( 2020 年: 26 %)であり、ドイツおよびフランスがその大半を占めた。ヨー
ロッパ以外に対する財務エクスポージャーの大部分は、カナダに対するものであった。
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表3 産業部門別信用リスク・エクスポージャー (百万ユーロ)
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
産業部門 貸出 財務 合計 貸出 財務 合計
エネルギー 0 0 0 0 0 0
原材料 1,225 0 1,225 1,349 0 1,349
工業 3,652 50 3,702 3,693 20 3,713
一般消費財 459 6 466 547 0 547
生活必需品 1,309 58 1,367 1,196 16 1,213
ヘルスケア 683 33 716 761 25 786
金融 3,772 5,189 8,961 3,731 5,103 8,833
情報技術 589 16 605 552 14 566
電気通信サービス 364 24 388 337 24 361
公益事業 4,483 58 4,541 3,996 48 4,044
公的部門 7,605 5,775 13,380 8,200 4,242 12,442
合計 24,142 11,209 35,351 24,362 9,493 33,855
2021 年の貸出エクスポージャーの産業部門別分布は前年度と比較して引続き安定的であり、総エクスポー
ジャーのうち 81 %( 2020 年: 81 %)を4大部門(公的部門、公益事業、金融部門および工業部門)が占め
た。当行は、単一の産業部門に対する最大信用エクスポージャーと経済的資本消費(要件)の上限を当行の
資本に応じて定めている。 2021 年末現在、当行はこれらの上限を遵守していた。
表4 最大取引相手エクスポージャー(総信用リスク・エクスポージャーに対する割合)
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
上位5取引相手 12 % 11 %
上位 10 取引相手 20 % 19 %
上位 20 取引相手 32 % 30 %
大口の単独取引相手に対するエクスポージャーおよびかかる大口エクスポージャー全体に対する限度額
は、当行の資本に応じて決定される。 2021 年末現在、当行は、大口エクスポージャーについて設定された限
度額を遵守していた。
所定の限度額からの逸脱がある場合には、理事会の承認を得なければならない。
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市場リスク
当行は、市場リスクを、為替レート、金利、信用スプレッドおよびクロスカレンシー・ベーシス・スプ
レッドの不利な変動による評価損または期待収益減少のリスクとして定義している。
市場リスクは、主に当行の中核事業活動およびかかる事業活動のサポートに必要な流動性ポートフォリオ
から生じる。当行の戦略は、多様な資金調達源から低コストで資金調達を行い、顧客のニーズに合った貸出
を行うことである。これにより、通貨構成、満期構成および金利特性の面での当行の資産と負債のミスマッ
チにより、為替リスクおよび金利リスクが生じる。クロスカレンシー・ベーシス・リスクは、異なる通貨で
の資金調達および貸出から生じる為替リスクを軽減するために当行が用いるヘッジ手法から生じる。かかる
リスクは、将来のある時点の為替取引にかかる流動性チャージを反映している。
当行の証券ポートフォリオは、金利リスクおよび信用スプレッド・リスクに晒されている。信用スプレッ
ド・リスクとは、ポートフォリオにおいて保有する有価証券の発行体の信用の質に変化が認められたことに
よる市場価値の潜在的な低下をいう。
市場リスクの管理
当行は、当行の収益ならびに資産および負債の経済価値を保護する目的で、為替リスクおよび金利リスク
をヘッジすることにより市場リスクを管理している。為替リスクは、ほぼ完全にヘッジされている。資金調
達と貸出のミスマッチから生じる金利リスクは、適度な水準に保たれている。金利リスクおよび信用スプ
レッド・リスクに対する当行のリスク許容度は、流動性ポートフォリオの規模、質およびこれについて設定
された収益予測に関連する。仕組み金融取引の一環として、当行は、上記以外の他の市場リスク要因に連動
する金融商品を用いることができる。これには、かかる取引がデリバティブによって完全にヘッジされてい
ること、ならびに当行がこれらの取引を評価し、当該デリバティブに伴うリスクを測定することができるこ
とが必要条件である。当行の市場リスクは、財務部により管理される。リスク・コンプライアンス部は、す
べての重要な市場リスクを独立して監視し、リスクの測定、分析、日々の監視および報告に関して、財務委
員会、資産・負債委員会および財務部をサポートする。
表5 為替リスク(百万ユーロ)
正味オープン・ポジション 限度額合計 2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
米ドル 6.00 1.22 0.49
デンマーク・クローネ 3.00 0.44 -0.08
ノルウェー・クローネ 3.00 0.27 0.38
スウェーデン・クローナ 3.00 0.20 0.50
アイスランド・クローナ 1.00 0.00 0.00
その他の通貨、合計 4.00 1.40 1.43
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定款は、当行は実務上可能な限り為替損失のリスクから自らを保護しなければならないと定めている。
為替リスクは、通貨ごとの正味のオープン・ポジションに基づいて測定されている。オーバーナイト・ポ
ジションを制限するために設定された限度額および 2021 年末現在の実際のエクスポージャーは、上表に示さ
れている。「注 23 :為替リスク」には、 2021 年末現在の主要通貨建の公正価値による通貨ポジションの純額
が表示されている。
当行は、クロスカレンシー・ベーシス・スワップにより為替リスクをヘッジしているが、これにより通貨
ベーシス・リスクが発生する。通貨ベーシスの変動は、当行のスワップ・ポートフォリオの時価評価に影響
を及ぼす。すべての通貨のベーシス・カーブが1ベーシス・ポイント変動したことによる全体の評価感応度
は、 2021 年末現在 0.8 百万ユーロ( 2020 年: 0.5 百万ユーロ)であった。純感応度は、資金調達通貨(そのほ
とんどがユーロ / 米ドル・ベーシス、ユーロ / 英ポンド・ベーシスおよびユーロ / 豪ドル・ベーシス)とユーロ
以外の貸出通貨(主にユーロ / ノルウェー・クローネ、ユーロ / スウェーデン・クローナおよびユーロ / デン
マーク・クローネ)に対する正味エクスポージャーに由来している。
当行は、外貨建の将来の利息収入純額をヘッジしていない。貸出は主にユーロ、北欧通貨および米ドル建
で行われている。ユーロ以外の通貨建の利息収入が当行の将来におけるユーロ建の純利益に何らかの変動を
もたらす可能性がある。しかしながら、現在のところ、当行は、そのポートフォリオからの将来のキャッ
シュフローのかかる潜在的変動は、当行の資産合計および資本との関係では重要性がないと予測している。
表6 金利リスク(百万ユーロ)
限度額合計 2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
金利が1ベーシス・ポイント変動した場合の感応度 1.80 0.86 0.95
金利リスクの推移
(ユーロ)
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当行は、固定金利による調達資金を変動利付負債に転換するために、デリバティブを用いて金利リスクを
管理している。調達資金と条件面で一致しない固定利付貸出は、変動利付の債権に転換される。かかるヘッ
ジ手法により、各通貨による貸出と資金調達の間の金利リスクは確実に低く維持される。したがって、当行
の金利リスクの大部分は、流動資産ポートフォリオから生じている。
当行は、金利ショックに対する当行のバランスシートの経済価値の感応度を見積ることにより金利リスク
を測定し、管理している。感応度は、金利が1ベーシス・ポイント変動した場合の利付資産と有利子負債の
現在価値への影響を定量化するベーシス・ポイント・バリュー( BPV )法を用いて測定されている。
バランスシートの合計レベルおよびポートフォリオ・レベルの双方における金利リスクに対する許容可能
なエクスポージャーについて、最大限度額が設定されている。すべての通貨を対象とする 1.8 百万ユーロ相当
の総限度額により、 BPV による金利リスクは当行資本の約 0.05 %に制限されている。さらに、ユーロ、米ドル
および北欧通貨の金利リスクに対して、個別の BPV 限度額が設定されており、その他すべての通貨に対しては
一括した限度額が適用される。
表7 信用スプレッド・リスク(百万ユーロ)
限度額合計 2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
信用スプレッドが1ベーシス・ポイント
変動した場合の感応度 3.00 2.20 2.15
信用スプレッド・リスクの推移
(ユーロ)
当行は、信用スプレッドの変動に対する市場性有価証券ポートフォリオの感応度を測定することにより、
信用スプレッド・リスクに対するエクスポージャーを管理している。感応度は、信用スプレッドが1ベーシ
ス・ポイント上昇した場合の資産の現在価値への影響を定量化する信用スプレッド BPV により測定される。
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当行の流動性ポートフォリオおよびテーマ債投資ポートフォリオにおける リスクテイク意欲に従い、資産
価値の低下を許容可能な水準に抑えるため、限度額が設定されている。当行は、信用スプレッド・リスクに
対して全体で 3.0 百万ユーロの限度額を設定しており、様々な資産の分類に対して個別の限度額を定めてい
る。流動性ポートフォリオが、厳しい市場環境においてもその市場価値および流動性を確実に維持できるよ
う、ポートフォリオ中の資産は格付の最低要件およびその他の質の高い基準を満たしていなければならな
い。
流動性リスク
流動性リスクは、支払期日の到来した支払債務を適時に履行できないことによる損失の発生リスクとして
定義される。当行は、流動性リスクを資金流動性リスクと市場流動性リスクとに分類している。資金流動性
リスクは、新規の資金調達が獲得できないことを理由にその支払債務を履行できないときに発生するもの
で、市場流動性リスクは、当行が、大きな損失なく流動性バッファーの資産を売却または現金に転換するこ
とができないときに発生する。
流動性リスク管理
当行のビジネス・モデルは、主に資産(貸出および金融投資)と負債(借入および資本)の満期のミス
マッチにより、流動性リスクを発生させる。流動性ポジションおよびエクスポージャー限度額の遵守は、
日々財務部により管理され、リスク・コンプライアンス部により監視されている。
資産・負債委員会は、当行の資金調達および流動性ポジションの推移を監視し、その任務に従って流動性
リスクに関連する事項を決定する。理事会は、当行の資金調達および流動性ポジションについて定期的に報
告を受けている。
流動性リスク管理に適用される主要な測定基準は、サバイバル・ホライズンである。サバイバル・ホライ
ズンは、厳しいストレス・シナリオにおいて、当行がどのくらいの期間にわたって支払債務を履行すること
ができるかを測定する。この測定基準の目標値は 12 カ月、理事会の最低許容値は9カ月であるが、当行の定
款は最低6カ月を義務づけている。ストレス・シナリオには、特に、貸出ポートフォリオにおける支払の中
断、市場における資金調達の利用不能、解約可能な資金取引すべての早期解約、スワップ・エクスポー
ジャーについて提供された担保および流動性バッファーにおける資産価値の 大幅な低下の想定が含まれる。
2021 年末現在、サバイバル・ホライズンは 450 日( 2020 年: 418 日)であった。
また、当行は、 S&P およびムーディーズによる可能な限り高い発行体格付(それぞれ AAA および Aaa )を維持
し、流動性方針に定められ、ヨーロッパの銀行部門の基準において定義される流動性カバレッジ比率( LCR )
要件および安定調達比率( NSFR )要件を満たすために、十分に健全な流動性ポジションを義務づけている。
2021 年末現在、 LCR は 5,162 %( 2020 年: 4,407 %)であり、 NSFR は 160 %( 2020 年: 165 %)であった。
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サバイバル・ホライズンの推移
(日数)
表8に示されるように、当行の流動性バッファーは、ユーロ、米ドルおよび北欧通貨建の使途制限のない
現金、預金および有価証券で構成されている。厳しい市場環境においてバッファーの市場価値および流動性
を確実に保全するため、当行は、バッファーの構成について厳格な規則を設定している。バッファーには、
ヨーロッパの銀行部門の基準で規定された最低水準の適格流動資産( HQLA )および内部格付のカテゴリーに
おける EL 1-4 (少なくとも S&P/ ムーディーズの AA-/Aa3 に相当する)の資産が最低割合含まれなければならな
い。さらに、バッファーは、中央銀行においてレポ担保として適格な一定割合の資産で構成されなければな
らない。当行は、中央銀行のレポ・ファシリティを直接利用していないが、中継銀行を介して有価証券を回
収することができる。
流動性バッファーの満期構成は、今後3カ月間の予想される正味キャッシュ・アウトフローが満期を迎え
た流動性バッファーへの投資によって賄われなければならないという当行の要件を満たすように構築され
る。
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表8 流動性バッファーの構成
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
百万ユーロ % 百万ユーロ %
現金および現金同等物 722 5 % 835 7 %
ソブリン、公的部門法人および国
際機関により発行または保証され
た有価証券 5,336 40 % 3,850 34 %
カバード・ボンド 3,569 27 % 3,132 28 %
金融機関により発行された有価証
券(カバード・ボンドを除く。) 1,252 9 % 1,238 11 %
企業により発行された有価証券 248 2 % 178 2 %
担保として受領した有価証券 2,172 16 % 2,084 18 %
流動性バッファー合計 13,299 100 % 11,317 100 %
当行の資金調達および流動性管理の主な目的は分散化である。当行は、個々の市場または資金調達源への
過度の依存を避けるために、通貨、満期、金融商品および投資家の種類の観点から、その借入を分散するこ
とに努めている。当行は、通常の指標銘柄発行を通じて、広い市場アクセスを確保することを目指してい
る。毎年の資金計画は、 12 カ月の予測所要流動性および流動性バッファーの予想規模に基づいている。資金
計画は、所要流動性の変動を反映するよう定期的に調整される。
以下のグラフは、流動資産の満期構成および当行の資金調達に係る支払額と比較した貸出金に係る毎年の
支払予定額を表している。貸出金に係る支払額は、貸出の契約上の満期まで表示される。資金調達に係る返
済額は、最初の期限前返済可能日まで表示され、関連するスワップからのキャッシュフローが考慮されてい
る。短期金融機関債務は主にスワップ取引相手から受取った現金担保で構成され、差入れ担保はスワップ取
引相手に差入れた現金担保を示している。 2021 年末現在の当行の金融資産および金融負債の満期別内訳は
「注 21 :金融資産および負債の満期構成」に示されている。
資金調達、貸出金および流動資産の満期構成
2021 年 12 月 31 日現在
(百万ユーロ)
金利指標改革
金融危機後、さまざまな規制当局は、銀行間オファード・レート( IBOR )に代わる取引ベースの強固な代
替指標を見出すためのプロセスを開始した。 2021 年3月に英国の金融行為規制機構が Libor の公表の停止日と
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Libor が新たなリスクフリー・レート( RFR )に置き換えられる日を発表したことで、この作業は節目を迎え
た。
米ドル Libor の主な期間の公表は 2023 年6月まで続けられる予定であるが、その他すべての Libor レートは
2021 年末で廃止される。 2021 年以降は新たな取引は米ドル Libor を参照することができず、主に従来の取引の
目的では 2023 年6月までのレートが利用可能である。規制当局は、まだ Euribor レートまたはノルディック
IBOR レートの廃止計画について公表していないが、より長期的にはこれらの市場もリスクフリー・レートへ
と移行していく可能性がある。
新しい RFR に基づく取引には、異なる IT システムにおける開発を要する日複利の利率が一般に適用される。
当行は、 2021 年に RFR を参照した初の債券取引およびスワップ取引を実施しており、また顧客に RFR による貸
出を提供する用意がある。英ポンドおよびスイス・フランによる従来の Libor によるいくつかの取引の移行に
ついては、現在取引相手との間で交渉が行われているが、米ドル Libor 取引の取引相手との協議は 2022 年に開
始される予定である。
ユーロ圏無担保翌日物平均金利( EONIA )の公表も 2021 年末をもって終了し、ユーロ短期金利( €ST R )がこ
れに代った。当行のクレジット・サポート文書の大部分は、当初は EONIA を参照していたが、これらの契約は
2021 年中に改訂され、 €ST R レートを適用するようになった。評価に関する市場慣行に従って、当行は、ユー
ロの割引ベースカーブを EONIA から €ST R に、また米ドルの割引ベースカーブをフェデラル・ファンド・レート
から担保付翌日物調達金利( SOFR )に切り換えた。割引率切換えの包括利益計算書に対する影響は重要では
なかった。
オペレーショナル・リスク
当行は、オペレーショナル・リスクを、技術、従業員、プロセス、業務手順または物理的取決めおよび / も
しくは外部事象に起因するリスク事象により直接もしくは間接的に損失を被るかまたはレピュテーションが
損なわれるリスクとして定義している。
オペレーショナル・リスク管理
当行のオペレーショナル・リスク管理では、オペレーショナル・レジリエンスおよび事業の継続性、情報
セキュリティ、内部で利用され外部に報告される情報の正確性、当行職員の専門性と誠実性および定められ
た規則・手続きの遵守を確保するための予防策、ならびに当行、その職員およびプロセスの物理的資産およ
び情報資産を保護するためのセキュリティ・アレンジメントに重きが置かれている。
当行のオペレーショナル・リスク方針は理事会が定める。かかる方針は、当行が直面しているかまたは直
面する可能性のあるオペレーショナル・リスクの特定、評価、監視および制御についての指針となる原則か
らなるオペレーショナル・リスク・ガイドラインによって補完されている。日々の業務においては、3つの
ディフェンスライン・モデルによって、説明責任が確保され、組織全体にわたるすべてのプロセスについて
のオペレーショナル・リスク管理の役割と責任が定義されている。プロセス・オーナーは、そのプロセスに
関わるオペレーショナル・リスクを管理しなければならず、当行職員のリスク認識を高めることに重点が置
かれている。
リスクは特定され、その影響は、リスクおよび統制の自己評価のプロセスといったリスク評価のそれぞれ
の専門分野についての様々な機能により評価される。当行がその方針およびガイドラインを確実に遵守する
ために、主要リスクの特定ならびにリスク検知の質およびリスクの軽減の評価に重きが置かれている。オペ
レーショナル・リスクは、当行の事象報告システムから得られた結果の分析を通じても特定される。当期中
にオペレーショナル・リスクにより発生した重大な財務損失はなかった。
オペレーショナル・リスク管理の優先分野には、当行の中核的な業務処理におけるリスクならびに重大な
オペレーショナル・リスクおよびトレンドにかかる報告の展開に焦点をより一層合わせることが含まれてい
る。
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2021 年に事業の依存関係およびニーズによりよく見合うように、また当行が引続き運営可能で回復力があ
るように確保するため、事業継続性の枠組みが抜本的に見直された。この作業の一環として、事業継続性ガ
イドラインが整備された。
さらに、オペレーショナル・リスク方針およびガイドラインの文書が更新され、情報セキュリティ・リス
ク評価ガイドラインが導入された。
2021 年に COVIC-19 の状況が継続したことにより、当行の業務、コアシステムの利用可能性および職員の安
全の確保に重きが置かれた。
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コンプライアンス・リスク
当行では、誠実性リスクを市場行動および透明性基準に関する法律、規制、規則、自主規制組織の基準お
よび行動規範の遵守、利益相反の管理、ならびにマネーロンダリング、テロ資金供与、 市場濫用、汚職およ
び不正の防止を 怠ったことにより当行が蒙ることのある法的もしくは規制上の制裁、重大な財務損失または
レピュテーション喪失のリスクであると定義している。
当行は、説明責任、ガバナンス、企業の社会的責任、透明性およびビジネス倫理の分野において、国際的
なベスト・プラクティスおよび市場の基準に従うことに努めている。したがって、当行の方針は、関連する
市場基準、とりわけ当行が支持している、国際金融機関の「不正・汚職の防止及び撲滅に関する統一的枠組
み」に基づいている。
当行自体の業務および当行職員の誠実性は、職員に期待される価値観および倫理基準を定めた当行の行動
規範を通じて管理されている。行動規範は、利益相反、 贈答品、ホスピタリティ、取引制限および役職特権
といったトピックを網羅している。
さらに当行は、汚職、不正、マネーロンダリングもしくはテロ資金供与に関連する、または潜在的にこれ
らに関連しうる当事者およびプロジェクトと取引を行うリスクを軽減することに特に力を入れており、これ
は顧客および取引相手を対象とした誠実性デューディリジェンス( IDD )に大きな努力を傾けることにより実
現される。 IDD は、違法もしくは非倫理的な行動に関与しているとの評判のある団体の誠実性リスクまたはレ
ピュテーション・リスクの指標を特定することを目的としている。
当行のプロジェクトに関連する不正、汚職、 談合またはその他の禁止行為の申立ておよび職員による不正
行為の申立ては、申立ての予備評価に続いて調査される。 インテグリティおよびコンプライアンス・オフィ
ス( ICO )が調査を行い、 ICO は総裁(職員に関連する事案の場合)または制裁委員会(その他の当事者に関
連する事案の場合)に対して決定のために提出される調査結果報告書を発行する。
ICO は、誠実性リスクおよびレピュテーション・リスクに関する事項を監視および調整し、誠実性関連事項
について職員、経営陣および理事会に独立した専門的な助言を行う。
チーフ・コンプライアンス・オフィサー( CCO )はチーフ・リスク・オフィサーに直属し、総裁に対しては
副次的な命令系統下にあるほか、理事会会長および監査委員会委員長に無制限に面会することができる。 CCO
は、理事会および監査委員会に定期的に報告を行う。 CCO は、当行内の個人情報の処理を監視し、その個人情
報の処理に関するデータ対象者の窓口となるデータ保護オフィサー( DPO )にも任命されている。
ICO は、年に1回誠実性報告書を公表しており、これは当行のウェブサイトにおいて入手可能である。
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注3:セグメント情報
事業セグメント
事業セグメントは、資源の分配および事業セグメントの業績の評価に対して責任を負う最高経営意思
決定者(以下「 CODM 」という。)への内部報告方法に沿って報告がなされている。当行の CODM は総裁で
ある。経営陣に報告されるセグメント業績には、当該セグメントに直接帰属するものと、合理的な基準
に基づいて割当てられるその他の項目が含まれる。セグメント別報告にあたり、当行は、当行の業務を
貸出業務と財務活動の2つの主要セグメントに分類している。財務活動は、資産負債管理(流動性管
理、担保管理、資金調達業務)およびポートフォリオ管理からなる。
2021 年
ポートフォリオ
貸出合計 資産・負債管理 管理 財務合計 合計
(千ユーロ)
利息収入純額 162,443 22,205 16,745 38,951 201,393
受取手数料 9,003 195 - 195 9,199
支払手数料 -48 -2,108 -9 -2,117 -2,165
金融取引純利益 4,852 -37,955 9,440 -28,515 -23,663
為替差損益 - 13 - 13 13
一般管理費 -27,652 -10,007 -4,289 -14,295 -41,948
減価償却費 -6,116 -2,400 -1,029 -3,429 -9,545
正味貸倒損失 25,874 - - 0 25,874
当期利益 / 損失 168,356 -30,056 20,859 -9,197 159,158
2020 年
ポートフォリオ
貸出合計 資産・負債管理 管理 財務合計 合計
(千ユーロ)
利息収入純額 155,362 27,068 23,113 50,181 205,543
受取手数料 12,338 147 0 147 12,485
支払手数料 -130 -2,790 -225 -3,015 -3,145
金融取引純利益 2,492 47,621 8,698 56,319 58,810
為替差損益 - 183 0 183 183
一般管理費 -28,903 -11,192 -4,796 -15,988 -44,891
減価償却費 -4,574 -2,081 -892 -2,972 -7,546
正味貸倒損失 -56,744 - - - -56,744
当期利益 / 損失 79,840 58,957 25,897 84,855 164,695
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地域別セグメント
下表は、借手のグループ本社所在地による借手の居住地域に基づいている。
2021 年 2020 年
(千ユーロ)
利息収入純額 利息収入純額
加盟国
デンマーク 14,023 12,375
エストニア 2,791 2,833
フィンランド 36,974 34,277
アイスランド 6,611 6,973
ラトビア 2,582 1,653
リトアニア 6,932 6,191
ノルウェー 31,329 28,511
スウェーデン 54,901 54,829
加盟国合計 156,142 147,642
加盟国以外
アフリカ 159 223
アジア 707 1,728
ヨーロッパおよびユーラシア 4,253 3,591
南北アメリカ 1,105 2,040
中東 76 138
加盟国以外合計 6,301 7,720
貸出からの利息収入純額の合計 162,443 155,362
貸出業務
使命および負託
現在の定義による NIB の使命は、生産性を高め、環境を改善するプロジェクトに対して、サウンド・バ
ンキング原則に基づいて長期的な補完的融資を提供することにより、加盟国の持続可能な成長を促進す
ることである。 NIB は、 NIB が価値を付加し、他の資金源を補完することができる事業活動に対して、貸
出および債務保証の形で資金を提供することにより、この負託を果たしている。さらに、 NIB は、あらゆ
る融資の環境的側面の評価を行っている。
加盟国外における NIB の貸出に関しては、受入国が NIB を国際公法に基づく法人として、また当該国の
法律に基づく権利能力を有しているものとして認識し、かつ国際金融機関( IFI )としての NIB の地位を
認識していることについての合意が一般に必要となる。当行は、借手の債務返済義務について他の国際
金融機関のそれと類似した方針を採っている。よって、当行は、いかなるソブリン債務のリスケジュー
ルにも関与していない。
貸出は、公的部門および民間のプロジェクトの双方を対象として行われる。関係するプロジェクトが
立地する国の政府の反対があれば、貸出もしくは債務保証は行われない。当行は、プロジェクトの適格
性を査定するためにいくつかのプロセスを利用している。当行は、負託の評価ツールならびに当行の融
資が当行の目的および使命を果たすことを保証するためのサステナビリティ方針を適用している。ま
た、当行は、貸出の承認に関連して顧客デューディリジェンス手続きを有している。
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貸出の分類
当行は、これまで通常貸出および特別プログラムに基づく貸出という2つの主要な貸出分類を有して
いた。特別プログラムに基づく貸出は、プロジェクト投資貸出( PIL )および環境投資貸出( MIL )で構
成されていた。 2020 年に効力を生じた新定款の下で、これらの特別プログラムは廃止された。 PIL およ
び MIL ファシリティに基づく貸出金は当行の通常貸出の一部となっており、定款変更後のこの種の新規
貸出は現在通常貸出を構成している。
当行は、当行の加盟国内の企業または地方自治体が発行するグリーンボンド、ソーシャルボンド、サ
ステナビリティボンドおよびサステナビリティ・リンク・ボンドへの投資に 500 百万ユーロを割当てて
いる。投資資金は、気候変動の緩和に貢献し、北欧バルト海地域においてプラスの社会的成果を実現で
きる環境面で持続可能なプロジェクトへの融資に充当される。 2021 年末現在、当行は 330 百万ユーロ
(前年: 172 百万ユーロ)のテーマ債およびコマーシャル・ペーパーを債務証券において公正価値で保
有していた。
詳細情報については「注 12 : 貸出金および保証約定」を参照のこと。
財務活動
資産負債管理
流動性管理
当行の流動性方針は、ストレス・テストに基づいており、バーゼルⅢの勧告(バーゼル銀行監督委員
会が公表したもの)、 EU 指令および格付機関が用いる格付の手法が盛り込まれている。この方針には、
当行が、厳しいストレス・シナリオにおいて、継続中の事業活動から生じるすべての支払債務をどのく
らいの期間にわたって履行することができるかを測定するサバイバル・ホライズンが含まれる。目標
は、サバイバル・ホライズンを少なくとも 12 カ月に維持することである。 2021 年末現在、当行はそのサ
バイバル・ホライズンを 450 日(前年: 418 日)と計算していた。
流動性リスクを軽減するため、当行は流動性バッファーを維持している。流動性バッファーは、主と
してユーロに投資されているが、米ドルおよび北欧通貨にも投資されている。 2021 年末現在、取引相手
の信用リスクを軽減するためにスワップの取引相手から受領した現金および有価証券をも含む流動性
バッファーは、 13,299 百万ユーロ(前年: 11,317 百万ユーロ)であった。このうち、 5,279 百万ユーロ
(前年: 3,701 百万ユーロ)は現金および短期金融市場商品として保有され( 40 %(前年: 33 %))、
8,021 百万ユーロ(前年: 7,616 百万ユーロ)は有価証券により保有されていた( 60 %(前年:
67 %))。厳しい市場環境において市場価値のボラティリティおよび流動性リスクを最小限にするた
め、流動性バッファーは流動性方針に定められた質の要件を満たしていなければならない。 2021 年末現
在、流動性バッファーの 89 %(前年: 85 %)は適格流動性資産( HQLA )に投資されており、 88 %(前
年: 87 %)は一または複数の中央銀行において有価証券買戻取引(レポ)の担保として適格であり、資
産の 93 %(前年: 89 %)は当行の内部格付において上位4つのカテゴリーに属していた。また、当行
は、欧州連合の資本要件規制で規定されている流動性カバレッジ比率( LCR )要件および安定調達比率
( NSFR )要件を満たしている。追加収益を実現するという目的のもとで、流動性の一部は、より長期の
質の高い有価証券に投資されている。詳細については「注2:リスク管理」を参照のこと。
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担保管理
当行は、デリバティブ取引から生じる取引相手リスクを軽減するため、取引相手から担保を受取って
いる。当行は、そのデリバティブの取引相手とのクレジット・サポート・アグリーメントを一方向から
双方向に移行した。この双方向のアグリーメントでは、当行はスワップの取引相手に主としてユーロの
現金保有による担保を差入れる必要があるため、より高い流動性バッファーが求められる。これに関す
る詳細については「注2:リスク管理」を参照のこと。 2021 年末現在保有していた現金担保の金額は 752
百万ユーロ(前年: 724 百万ユーロ)、差入れられた現金担保の金額は 400 百万ユーロ(前年: 523 百万
ユーロ)であった。年度末現在の受取り担保にかかる情報については「注 19 :担保および契約義務」を
参照のこと。
資金調達業務
当行の主な資金調達源は、世界の主要な金融市場における債券発行であり、当行の顧客のために好条
件の資金を調達することを目的としている。当行は、有利な市場条件を利用し、その借入業務を通貨、
満期、流動性および仕組みの面で投資家の選好に合わせることを目指している。この戦略に沿って、多
様な資金調達基盤ならびに個別の取引の仕組みおよび複雑さにかかわるリスクを考慮しつつ、可能な限
り低コストで資金を調達することを目的としている。
さらに、資金調達と貸出取引の条件が合わない可能性も考慮する。この限りにおいて、当行の為替、
金利および借換えのリスクの管理を最もうまく行うために、発行手取金はデリバティブ市場において交
換される。
NIB の中長期借入の大部分は、その借入プログラムのもとで行われている。 2021 年末現在、当行は以下
のプログラムを活用していた。
・ユーロ・ミディアム・ターム・ノート・プログラム(以下「 EMTN プログラム」という。)。このプ
ログラムの金額は、同プログラムに基づいて発行可能な額面総額合計またはあらゆる時点における
残高を無制限とするように 2021 年に変更された。
・ 20 十億米ドルを上限とし、米国証券取引委員会に登録された US ミディアム・ターム・ノート・シ
リーズDプログラム(以下「米国 MTN プログラム」という。)
・8十億豪ドルを現在の上限とする豪ドル・ニュージーランドドル国内ミディアム・ターム・ノー
ト・プログラム。
2021 年、 NIB は 71 件の取引において、 11 の異なる通貨建で 7,028 百万ユーロ(前年: 7,540 百万ユーロ)
の借入を行った。この総額のうち、 4,158 百万ユーロ(前年: 4,555 百万ユーロ)は、 EMTN プログラムの
下で行われた 59 件の取引によるものである。米国 MTN プログラムのもとでは、 NIB は3本の取引を行い、
これらはそれぞれ 1.0 十億米ドルおよび 1.25 十億米ドルのグローバル・ベンチマーク債券ならびに 700 百
万米ドルの初の SOFR 指数連動債券であった。 2020 年には、 EMTN プログラムの下で 33 件、米国 MTN プログ
ラムの下で2本の取引(いずれも 1.5 十億米ドルのグローバル・ベンチマーク債券の発行)を行った。
2021 年における NIB の借入取引の加重平均償還年数は、 2020 年の 3.6 年に対し 4.4 年であった。債務証券
残高のうち、 2,039 百万ユーロ(前年: 1,302 百万ユーロ)は変動利付、 29,194 百万ユーロ(前年:
26,749 百万ユーロ)は固定利付であり、これは主に変動利付にスワップされる。
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2020 年、当行は、 NIB レスポンス・ボンド・フレームワークを立ち上げた。このフレームワークの下
で、当行はレスポンス・ボンドを発行することができ、その手取金は COVID-19 のパンデミックの社会経
済的影響を軽減するプロジェクトへの融資に使用される。 2021 年末現在、当行は総額 1,390 百万ユーロ
(前年: 1,399 百万ユーロ)の NIB レスポンス・ボンド残高を有していた。
NIB は、 NIB の環境債(以下「 NEB 」という。)プログラムの一環として債券を発行することができる。
NIB は、 NEB の発行を通じて調達された資金が NIB の加盟国および EU 諸国における環境貸出に向けられる
ような内部の枠組みを構築した。貸出プロジェクトは、内部の厳格な環境基準を満たした場合に、この
枠組みに基づいて適格となる。かかる債券の元利金の支払は、単一機関としての NIB の信用状況に基づ
いてのみ行われ、環境貸出プロジェクトの実施状況に直接連動することはない。したがって、かかる債
券は「アセットバック」証券を構成することも、 NIB の環境貸出プロジェクトのいずれかにクレジッ
ト・リンクすることもない。 NIB の環境債は、 NIB のいずれかの債券発行プログラムの下で発行すること
ができる。
2021 年末現在、当行の NIB 環境債の発行残高は合計 4,819 百万ユーロ(前年: 4,455 百万ユーロ)であっ
た。 2021 年、当行はその環境債の枠組みの下で総額 898 百万ユーロの3本の NIB 環境債を発行した。 2021
年3月、当行は同年初の NIB 環境債を発行し、その 2027 年満期 NEB の残高をさらに 500 百万ユーロ増加し
た。 2021 年 10 月、当行は5年満期 3.0 十億スウェーデン・クローナの環境債と、6年満期 1.0 十億ノル
ウェー・クローネの初のグリーンボンドを発行した。 2020 年には、当行はその環境債の枠組みの下で総
額 643 百万ユーロの2本の NIB 環境債を発行した。その内訳は、 500 百万ユーロの環境債1本と 1.5 十億ス
ウェーデン・クローナの北欧バルト・ブルーボンド1本である。
2021 年および 2020 年については、当行理事会は、当行がそれぞれ総額 8.0 十億ユーロを上限とする中期
および長期借入を行うことを承認した。
当行は、上限2十億ユーロのユーロ・コマーシャル・ペーパー・プログラム(以下「 ECP プログラム」
という。)を有している。このプログラムに基づく借入および EMTN プログラムに基づく短期取引による
借入のほか、当行は、マネー・マーケット・ローンおよびレポ取引を通じて銀行間市場において短期資
金を調達することができる。これらの取引は「注 16 :証券負債およびスワップ」に記載のほとんどの通
貨により行われている。
理事会は、 2021 年および 2020 年について、当行が短期資金調達を行うことを認めたが、残高は各年の
いかなる時点においても 3.0 十億ユーロを超えないものとされている。
NIB は、 2021 年および 2020 年の年末現在、 ECP プログラムに基づくコマーシャル・ペーパーの残高はな
かった。
ポートフォリオ管理
当行のポートフォリオ管理は、当行の流動性のうち、より長期の有価証券に投資されている部分の管
理を扱っている。2つのポートフォリオ、すなわち、 (1) 高格付の発行体が発行した償却原価で測定され
る証券投資ポートフォリオおよび (2) 公正価値で測定される活発に運用されるポートフォリオが設定され
ている。流動性リスクを軽減することが主な目的であるが、環境、社会およびガバナンスの側面の一部
が投資判断に組込まれる。ポートフォリオからのリターンは引続き当行の業績全体に貢献しているが、
利回りが極めて低い環境にあるため貢献度は低下しつつある。当行は、国連の責任投資原則( PRI )に署
名しており、これにおいて当行は環境、社会およびガバナンスのファクターをその投資および保有の意
思決定に組込むことを約束している。 2021 年、当行は責任投資フレームワークを完成させ、公表した。
このフレームワークでは、内部の ESG スコアを財務投資に割当てるために、外部の ESG (環境、社会、ガ
バナンス)格付データが用いられる。
活発に運用されるポートフォリオは、固定利付デリバティブを利用したアクティブなイールドカーブ
およびデュレーションの管理戦略ならびに証券投資を通じて当行の業績に貢献している。当行は外部の
マネージャー1社と契約を結んでいたが、この取り決めは 2021 年に終了した。
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2021 年 12 月 31 日現在の当行の金融投資の会計処理および数量にかかる情報については「注 11 :債務証
券」を参照のこと。 2021 年 12 月 31 日現在のデリバティブ残高の数量については「注 15 :その他の資産」
に 記載する。
注4:利息収入純額
(千ユーロ) 2021 年 2020 年
受取利息
現金および現金同等物 -17,446 -10,735
長期金融機関投資 -17,024 -14,505
債務証券 33,515 47,747
貸出金 201,862 249,853
その他の受取利息 341 155
受取利息合計 201,248 272,515
うち、償却原価で測定される金融資産からの受取利息 197,089 254,355
支払利息
短期金融機関債務 7,686 4,999
長期金融機関債務 - 21
短期買戻契約 - 25
証券負債 -382,637 -448,733
スワップ契約およびその他の支払利息(純額) 375,096 376,714
支払利息合計 145 -66,973
うち、償却原価で測定される金融負債からの支払利息 -12,147 -121,316
利息収入純額 201,393 205,543
受取利息および支払利息には、「注 25 :関連当事者の開示」に記載のとおり、関連当事者に関する金
額が含まれている。
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注5:受取手数料
(千ユーロ) 2021 年 2020 年
約定手数料 3,652 3,008
貸出実行手数料 4,649 8,584
期限前返済手数料 702 745
証券貸出手数料 195 147
合計 9,199 12,485
注6:金融取引純利益 / 損失
(千ユーロ) 2021 年 2020 年
公正価値で測定される金融商品(実現損益) 4,776 -4,985
公正価値で測定される金融商品(未実現損益) 9,169 12,959
償却原価で測定される金融商品(実現損益) 34 -21
金融投資にかかる予想信用損失 323 -301
ヘッジ会計調整(公正価値ヘッジの未実現損益) -37,966 51,157
金融取引純利益 / 損失 -23,663 58,810
注7:人件費、報酬および給付金
正味人件費
(千ユーロ) 2021 年 2020 年
給与およびその他の報酬 27,404 28,112
社会保障費および従業員保険 1,761 2,790
年金 8,982 8,799
理事会および監査委員会報酬 164 155
その他の人件費 1,849 2,157
総人件費 40,160 42,013
フィンランド政府との協定に基づく受入国払戻金(下記参照) -10,978 -10,686
正味人件費 29,182 31,327
従業員
2021 年 2020 年
12 月 31 日現在の従業員数 221 222
従業員の平均年齢 46 46
平均勤続期間(年) 10 11
12 月 31 日現在の性別による内訳
女性 90 93
男性 131 129
上表の従業員数には、すべての契約職員が含まれる。正規雇用者および4年以上の期間契約雇用者は
198 名( 2020 年: 193 名)であった。交替契約、4年未満の期間契約および臨時契約による雇用者は 23 名
( 2020 年: 29 名)であった。
理事会、監査委員会、総裁および執行委員会の報酬
理事会および監査委員会の報酬は、統治委員会で決定される。報酬は、固定年次報酬および会議出席
手当からなる。理事会および監査委員会のメンバーはまた、当行の出張規定に基づいて旅費および宿泊
費の払戻しならびに日当を受領する権利を有する。
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理事会は、当行総裁の任命および報酬に関する決定を行う。原則として、総裁は1回につき5年の固
定期間契約で任命されるが、現行契約を延長することもできる。前総裁の契約は、 2012 年4月1日に開
始 し、2回にわたる延長を経て 2021 年3月 31 日まで延長された。現在の総裁の契約は5年の期間で 2021
年4月1日に開始した。
総裁は、執行委員会の委員の雇用について決定する。総裁は、理事会から、就業規則および毎年承認
される財務計画の範囲内で報酬に関する決定を行うことを授権されている。執行委員の報酬には、固定
基本給および通常の課税付加給付(原則として管理職の職員すべてに対して一律)が含まれる。
当行は、優秀かつ特別な業績について総裁、執行委員会の委員および職員に対して業績賞与を支払う
ことができる。業績賞与(職員を除く。)が付与された場合は、下表に表示される。
下表には、理事会および監査委員会に支払われた報酬ならびに総裁および執行委員会の課税所得が含
まれている。
(千ユーロ) 2021 年 2020 年
理事会(報酬および出席手当)
会長 16 17
その他の理事および理事代理( 15 名) 101 111
監査委員会
委員長 8 9
その他の委員(9名) 21 18
総裁 (*) ヘンリック・ノーマン 415 855
総裁 (*) アンドレ・クースベック 564 -
執行委員会の委員および準委員 (**) 3,002 3,404
(*) ヘンリック・ノーマンには 2021 年3月 31 日まで。アンドレ・クースベックは 2021 年4月1日以降。
(**) ヘイッキ・カンテル、ヒルデ・キェルスベルグおよびグンナール・オックは、 2020 年および 2021 年通期。
ラーシュ・エイベホルムは 2020 年6月 30 日まで。トマス・ラングダールは 2020 年8月 31 日まで。ルカ・デ・
ロレンツォ、ソレン・モルテンセン、ヴェラ・マリア・リートネンおよびユッカ・アホネンは 2020 年9月1
日以降。ビョルン・オーデルは 2020 年通期と 2021 年6月 30 日まで。キム・スコフ・イェンセンは 2021 年 10 月
18 日以降。
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12 月 31 日現在の性別による内訳 2021 年 2020 年
理事会
女性 5 4
男性 3 4
監査委員会
女性 1 2
男性 9 8
執行委員会の委員および準委員(総裁を含む。)
女性 2 2
男性 7 7
当行と、監査委員会委員、理事会メンバー、総裁または執行委員会の委員との間には、前払金、信用
供与またはいかなる債務の取決めもなく、また種類を問わず債務保証の形で当行が当該者のために締結
した約定はなかった。
給付
年金給付
当行は、従業員のために年金保障を手配する責任を負っている。フィンランドの公的部門年金制度
(以下「 JuEL 年金」という。)が年金給付の基礎となっている。 JuEL 年金は、従業員の年間課税所得お
よび適用ある年齢連動型年金増加率に基づいて計算される。雇用主による 2021 年の年金拠出金は年金保
険料支払対象所得の 16.59 %であった。従業員による年金拠出金は従業員の年齢に応じて 7.15 %または
8.65 %であった。当行は正規職員のためにかかる拠出金を支払っており、この部分は従業員給付として
課税されている。この年金は、確定拠出制度として会計処理されている。当行は、 JuEL 年金の他に、す
べての正規職員のために補足的団体年金保険に加入している。保険料( 6.5 %)は従業員の課税所得を
基準として計算され、 65 歳を上限として JuEL 年金に基づく個人の退職年齢まで支払われる。補足的年金
も、確定拠出制度として会計処理されている。雇用主年金拠出金は、現在の総裁については 259,987
ユーロ(前年:なし)、前総裁については 98,653 ユーロ(前年: 197,175 ユーロ)であった。執行委員
会委員に関してこれに対応する金額は 1,001,932 ユーロ(前年: 982,665 ユーロ)で、このうち 272,001
ユーロ(前年: 295,339 ユーロ)は補足的年金保険料であった。理事会および監査委員会のメンバー
は、 NIB の年金制度に適格ではない。
保険
当行は、その職員のために複数の(法定および任意の)保険を掛けている。すなわち、失業保険、団
体傷害保険、団体生命保険、医療保険および就業不能保険である。すべての 個人保険契約は、雇用期間
全体にわたって有効である(別途の代替的保険について別段の定めがない場合に限る。)。長期に及ぶ
欠勤 の場合は一時的に保険のカバレッジが中断することがある。一部の保険は、より長期の固定期間契
約職員および正規雇用者のみが利用可能である。理事会および監査委員会のメンバーは上記の保険の対
象とはならない。
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ヘルスケア
当行はまた、フィンランドにおける民間の医療センターを通じて職員のために職場の健康管理を提供
している。当行の医療保険は、必要に応じて他のヘルスケア・サービス・プロバイダーの利用をカバー
し、より深刻または複雑な治療を要する場合には公的部門のヘルスケア・サービスをカバーする。職場
の健康管理給付には、職員のための予防的ヘルスケアおよび福利活動ならびに医療の双方が含まれる。
理事会および監査委員会のメンバーはヘルスケア給付の対象とはならない。
海外派遣者に対する付加給付
当行に雇用されることのみを目的としてフィンランドに移住する専門職員(執行委員会委員を含
む。)は、海外派遣手当および配偶者/家族手当等の一定の海外派遣給付を受給する権利を有する。さ
らに当行は、通常は一軒家または集合住宅を当行名義で賃借することにより、住宅を見つけることなど
について海外派遣者を支援する。当該従業員は、賃料の一部(少なくともフィンランド国税委員会が年
毎に定める住宅給付の課税額に相当する金額)を当行に払戻す。
課税および受入国払戻し
当行の加盟国間の協定に従って、職員および執行委員会委員の給与および課税対象給付ならびに総裁
報酬に係る課税は適用あるフィンランドの税制に従って受入国であるフィンランドにおいて課税され
る。
フィンランド共和国政府と当行との間の受入国協定に従い、当行職員の給与に係る前納源泉所得税額
および給与に係る徴収後の確定税額は、当行に返戻されるものとする。返戻金は、当行が加盟国間で分
配することができる剰余金に寄与する。
注8:その他の一般管理費
(千ユーロ) 2021 年 2020 年
情報技術および購入データ 10,343 10,584
事務所費用 2,061 2,552
旅費 146 188
通信およびマーケティング 434 352
その他の一般管理費 2,696 2,279
費用償還( NDF 、 NEFCO )(注 25 ) -2,606 -1,904
賃貸料およびその他の収入 -307 -488
合計 12,766 13,563
監査人報酬 2021 年 2020 年
監査報酬 157 179
その他の監査関連サービス報酬 140 177
非監査関連サービス報酬 61 81
報酬合計 359 436
注9:正味貸倒損失
(千ユーロ) 2021 年 2020 年
正常債権にかかる予想信用損失の増減 25,383 -57,504
不良債権にかかる予想信用損失の増減 491 759
実現損失をカバーする引当金の減少 - -
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実現貸倒損失 - -
正味貸倒損失 25,874 -56,744
注 12 「貸出金および保証約定」も参照のこと。
注 10 :予想信用損失
減損の手法
導入およびガバナンス
当行は、予想信用損失( ECL )に基づいて減損を計算し、報告している。 ECL の枠組みは、国際財務報
告基準の要件( IFRS 第9号「金融商品」)に基づいている。また、適用ある場合には、バーゼル銀行監
督委員会およびグローバル・パブリック・ポリシー委員会のガイダンスに従う。 ECL の枠組みは、当行の
リスク管理方針に準拠している。執行委員会は ECL の枠組みを検討し、総裁がこれを承認する。マンデー
ト・与信・コンプライアンス委員会は、減損引当金および ECL モデルに基づく計算結果を承認する。
3段階のモデル
当行は、償却原価または包括利益を通じた公正価値で測定された金融資産および貸出約定について ECL
損失引当金を認識している。 ECL は、当初認識時からの信用の質の変化に基づいて3段階(ステージ)の
モデルで構成される。減損は、金融資産のステージ分類に応じて、 12 カ月または残存期間のいずれかの
予想信用損失に基づいて報告される。ステージ分類はまた、金融資産にかかる受取利息が帳簿価額総額
または減損引当金控除後の帳簿価額のいずれに基づいて報告されるかを判断する。
ステージ1には、当初認識以降信用リスクの著しい増大がないか、または報告日現在のリスクが低い
金融資産が含まれる。これらの資産については、引当金額は今後 12 カ月に基づいて計算される。
ステージ2には、当初認識時から信用リスクの著しい増大があるが、減損の客観的証拠がない金融資
産が含まれる。これらの資産については、引当金額は資産の予想残存期間に基づいて計算される。信用
リスクの著しい増大とは、残存期間デフォルト確率( PD )が当初認識時と比較して 100 %増大した場合に
発生したとみなされる。資産の大幅な格下げまたはウォッチ・リスト入りといった追加的トリガー事由
も考慮される。
ステージ1およびステージ2の資産は、履行資産として分類される。
ステージ3には、当行の信用格付プロセスにおいて不良資産として分類された資産が含まれる。ス
テージ1およびステージ2の資産については一括モデルが使用されるのに対して、不良資産については
個別ベースで査定が行われる。不履行クラスに対するエクスポージャーは不良債権に分類される。以下
のいずれかまたは双方が発生した場合に、債務者に関して債務不履行が生じる。
ⅰ ) 当行が担保権の実行等の措置を取らなければ、債務者がその金銭債務全額を支払う見込みがない
と当行が判断する場合。
ⅱ ) 債務者が期限を徒過するときで、これが 90 日を超える場合、またはソブリン向け貸出については
180 日を超える場合。
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インプット
ECL の計算は、個々の金融資産レベルで行われ、その主な構成要素はデフォルト確率( PD )、デフォル
ト時損失率( LGD )、デフォルト時貸出残高( EAD )およびディスカウント・ファクターである。モデル
は将来を考慮したものであり、マクロ金融シナリオを通じて、現在および将来のマクロ経済状況がモデ
ルに盛り込まれる。
当行のポートフォリオにおける各取引は、それに関連した内部 PD 格付を有している。この格付は、基
本的に長期的な最善の予想格付であり、保守主義の明示的なバッファーのない中立的な見積りをもたら
す。 ECL の目的上、 PD は、観察されたデフォルト・データに対するマクロ経済変数の回帰モデルに基づい
て見積もられる。 PD の期間構成は、マクロ金融シナリオを反映した各格付等級について設定されてい
る。 PD の期間構成の最短期間(最長3年)は、マクロ金融シナリオを反映しているが、 PD の期間構成の
最長期間は、長期間の平均的行動に基づく。期間構成の構築においては、完全デフォルト確率と格付遷
移行動の双方が考慮される。
デフォルト時損失率(以下「 LGD 」という。)は、デフォルトが発生した場合に予想される損失の大き
さである。当行は LGD の格付枠組みを設定しており、これに従って当行のエクスポージャーすべてについ
て LGD の見積りが行われる。見積りは、異なる取引相手の種類(すなわち、企業、金融機関、ソブリンな
らびに地方および地域政府)ならびにプロジェクト・ファイナンスについて個別に導かれる。信用補完
(担保、保証)およびその他の取引特性は、 LGD の見積りに影響を及ぼす。取引相手の種類によって、異
なるデータセットおよびモデル化のアプローチが用いられる。
デフォルト時貸出残高( EAD )は、デフォルト時における予想エクスポージャーを示し、割引かれた
契約上のキャッシュフローから測定される。貸出約定は、与信相当掛目( CCF )を用いて含まれる。
ディスカウント・ファクターは、契約の実効金利( EIR )に基づいて計算される。
マクロ金融シナリオ - ECL は将来を考慮している。現在および将来のマクロ経済状況ならびに信用
環境に関する当行の見解が出発点となる。同じ全体的なマクロ経済的見方が当行内の他のすべてのマク
ロ経済予測ニーズ(例えば事業・資金計画ならびに ICAAP およびストレス・テストなど)の基礎としても
使用されることに留意すべきである。当行は、一連の結果を確率加重方式で検討する。その目的は、 ECL
が経済状況に依存している状況において潜在的な非線形挙動を捉えることである。マクロ金融シナリオ
は、ベースライン、上方および下方という3つのシナリオで構成されている。各シナリオには、一般的
に認識されているリスクの分布を反映することを目的として、専門家の判断に基づいて発生確率が割当
てられている。
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マンデート・与信・コンプライアンス委員会は、とりわけ ECL のモデル化または信用リスク格付に明示
的に組み込まれない重大な事象などの追加的なファクターを反映するため、必要に応じてモデルに基づ
く ECL 見積りにモデル化後の調整をすることができる。
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貸出金の減損会計処理方針については「注1:会計方針」に、また ECL の結果については以下に、それ
ぞれ記載がある。
予想信用損失引当金
(百万ユーロ) ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
2019 年 12 月 31 日現在の残高 29 14 80 122
ステージ1への振替 - 0
- -
ステージ2への振替 -5 5 - 0
ステージ3への振替 - - - 0
組成または購入された新たな資産 8 1 - 10
分割返済および返済 -4 -2 -1 -7
既存資産に対する再測定の影響 24 30 - 54
為替調整およびその他の増減 - - -7 -7
損益計算書上の変動の純額 23 35 -7 50
実現損失 - - - 0
2020 年 12 月 31 日現在の残高 52 48 73 173
ステージ1への振替 3 -3 - 0
ステージ2への振替 0 0 - 0
ステージ3への振替 - - - 0
組成または購入された新たな資産 3 0 - 4
分割返済および返済 -3 -3 - -6
既存資産に対する再測定の影響 -23 0 0 -24
為替調整およびその他の増減 - - 6 6
損益計算書上の変動の純額 -20 -6 6 -20
実現損失 - - - 0
2021 年 12 月 31 日現在の残高 32 42 78 152
予想信用損失 2021 年 2020 年
(百万ユーロ) 12 月 31 日 12 月 31 日
貸出金 150 169
その他の債権 2 2
貸出の約定 1 1
金融投資 0 1
合計 152 173
損益計算書上の予想信用損失
(百万ユーロ) 2021 年 2020 年
金融取引純損益 0 0
正味貸倒損失(注9) 26 -57
為替差損益 -6 7
損益計算書において認識された
金額合計 20 -50
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当行は、「フォーベアランス(条件緩和)」を財務上の困難を理由として取引相手に供与する譲歩
(すなわち、そうでなければ貸手が考えないような譲歩)と定義している。フォーベアランスの承認
は、貸手に損失をもたらす方法に限定されるものではない。契約上の条項・条件の変更には、例えば、
金利、元本もしくは未収利息の減免または元本および/もしくは利息の支払日の再設定が含まれること
があり、将来のキャッシュフローに実際の影響を及ぼす。貸出金のフォーベアランスは、当行の回収機
会に有利となるよう取引相手の債務不履行を回避するために選別的かつ意図的に付与される。フォーベ
アランスが認められた貸出は自動的にウォッチ・リストに掲載され、当行の減損方針の対象となる。
2021 年 12 月 31 日現在、3件の不良債権(ステージ3)があり、その総額は 76 百万ユーロ(前年: 71 百万
ユーロ)であった。当行の貸出金および「その他の資産」の貸出債権から合計 151 百万ユーロ(前年:
171 百万ユーロ)が控除されている。個別減損損失引当金は 76 百万ユーロ(前年: 71 百万ユーロ)であ
り、 ECL のステージ1およびステージ2に分類される資産は、 74 百万ユーロ(前年: 100 百万ユーロ)で
あった。 2021 年または 2020 年において、「その他の資産」の項目の債権に転換された貸出取引はなかっ
た。
予想信用損失の対象となる資産
(百万ユーロ) ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
2019 年 12 月 31 日現在の
エクスポージャー 23,994 208 80 24,282
ステージ1への振替 - 0
- -
ステージ2への振替 -1,324 1,324 - 0
ステージ3への振替 - - - 0
組成または購入された新たな資 7,465 361 - 7,825
産
分割返済および返済 -4,401 -130 - -4,531
為替調整およびその他の増減 -185 -23 -7 -215
2020 年 12 月 31 日現在の
エクスポージャー 25,548 1,740 73 27,360
ステージ1への振替 -508 0
508 -
ステージ2への振替 -174 174 - 0
ステージ3への振替 - - - 0
組成または購入された新たな資 3,668 7 - 3,675
産
分割返済および返済 -3,296 -558 - -3,854
為替調整およびその他の増減 209 9 6 223
2021 年 12 月 31 日現在の
エクスポージャー 26,462 864 78 27,405
予想信用損失の対象となる資産 2021 年 2020 年
(百万ユーロ) 12 月 31 日 12 月 31 日
貸出金 22,016 21,465
貸出の約定 2,837 3,522
償却原価で保有する資金運用資産 2,552 2,373
エクスポージャー合計 27,405 27,360
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注 11 :債務証券
債務証券は以下の取引相手により発行されたものである。
(百万ユーロ) 2021 年 2020 年
政府 914 794
公的機関 2,214 2,217
その他 5,162 4,901
合計 8,291 7,912
当行の債務証券ポートフォリオの内訳は以下のとおりである。
帳簿価額 公正価値
(百万ユーロ) 2021 年 2020 年 2021 年 2020 年
公正価値で保有 6,342 6,032 6,342 6,032
償却原価で保有 1,950 1,880 1,982 1,944
合計 8,291 7,912 8,323 7,976
これらの債務証券のうち、 6,583 百万ユーロ(前年: 6,051 百万ユーロ)は固定利付で、 1,708 百万ユー
ロ(前年: 1,861 百万ユーロ)は変動利付である。 2021 年 12 月 31 日現在、債務証券合計のうち 330 百万
ユーロ(前年: 172 百万ユーロ)はテーマ債であった。公正価値は「注 20 :金融商品の公正価値」に開
示されている。
注 12 :貸出金および保証約定
2021 年 12 月 31 日現在、 21,975 百万ユーロ(前年: 21,555 百万ユーロ)に上る 521 件(前年: 553 件)の
貸出金が残存しており、これには0百万ユーロ(前年:0百万ユーロ)のミディアム・ターム・ノート
( MTN )が含まれていた。これらは、ヘッジ会計上の関係においてデリバティブとの適格なヘッジ関係の
一部を構成する場合を除き償却原価で計上されており、 MTN は公正価値で認識される。
2021 年 12 月 31 日現在、減損およびヘッジ会計調整前の変動利付の貸出金は、 16,936 百万ユーロ(前
年: 16,625 百万ユーロ)で、固定利付は 5,084 百万ユーロ(前年: 4,846 百万ユーロ)であった。一般
に、固定利付の貸出金は、デリバティブ商品の利用を通じて変動利付に転換される。
(百万ユーロ) 2021 年 2020 年
期首残高 21,555 18,799
貸出実行 2,271 4,819
分割返済 -1,535 -1,457
期限前返済 -441 -410
予想信用損失の増減 25 -57
為替変動 250 -187
公正価値調整 0 1
ヘッジ会計調整 -149 47
その他の増減 -1 0
期末残高 21,975 21,555
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下表は、 12 月 31 日現在の当行の貸出金および発行済保証の事業分野別内訳を示したものである。
2021 年 2020 年
(百万ユーロ) 金額 比率(%) 金額 比率(%)
工業 3,923 17.8 % 3,714 17.3 %
公的部門および公益事業 8,640 39.2 % 8,297 38.6 %
インフラおよびプロジェクト・
ファイナンス 5,634 25.6 % 5,447 25.4 %
サービスおよび消費者 2,087 9.5 % 2,129 9.9 %
金融機関 1,736 7.9 % 1,884 8.8 %
減損およびヘッジ会計調整前合
計 22,021 100.0 % 21,471 100.0 %
ECL のステージ3 -76 -71
ECL のステージ1および2 -74 -98
公正価値調整 0 -1
ヘッジ会計調整 105 254
合計 21,975 21,555
下表は、 12 月 31 日現在の貸出金の償還スケジュールを示したものである。
(百万ユーロ) 2021 年 2020 年
2021 年 1,640
2022 年 2,224 2,268
2023 年 2,578 2,513
2024 年 2,545 2,443
2025 年 2,261 2,097
2026 年 2,293 2,105
2027 年以降 10,120 8,405
減損およびヘッジ会計調整前合計 22,021 21,471
ECL のステージ3 -76 -71
ECL のステージ1および2 -74 -98
公正価値調整 0 -1
ヘッジ会計調整 105 254
合計 21,975 21,555
2021 年 12 月 31 日現在の貸出金の満期 / 価格再設定までの平均残存期間は、当行が次の金利もしくは表示
通貨の条件を調整する権利を有する日までの期間で計算すると4年0カ月(前年:4年3カ月)で、貸
出の最初の実行日からの実際の満期は2年から 30 年(前年:2年から 30 年)にわたっている。
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貸出金の通貨別分布
(百万ユーロ) 2021 年 2020 年
ユーロ 9,538 9,535
米ドル 1,519 1,635
北欧通貨 10,761 10,031
その他の通貨 202 269
減損およびヘッジ会計調整前合計 22,021 21,471
ECL のステージ3 -76 -71
ECL のステージ1および2 -74 -98
公正価値調整 0 -1
ヘッジ会計調整 105 254
合計 21,975 21,555
貸出金および保証の担保の種類別分布
下表は、保証約定を含む貸出金を担保の種類別に示したものである。
2021 年 2020 年
金額 金額
比率
( 百万ユーロ ) 比率(%) ( 百万ユーロ ) (%)
政府に対するまたは政府が保証する貸出金
加盟国に対するまたは加盟国が保証する貸
出金 1,980 1,681
その他諸国に対するまたはその他諸国が保
証する貸出金 374 435
政府に対するまたは政府が保証する貸出金合
計 2,355 10.7 % 2,116 9.9 %
加盟国の地方自治体に対するまたは加盟国の
地方自治体が保証する貸出金 4,074 18.6 % 4,177 19.5 %
加盟国もしくは加盟国の地方自治体が 50 %以
上を保有する企業に対するまたはかかる企業
が保証する貸出金 4,750 21.6 % 4,384 20.5 %
銀行に対するまたは銀行が保証する貸出金 1,666 7.6 % 1,810 8.5 %
リーエンまたはその他の不動産担保付貸出金 1,764 8.0 % 1,804 8.4 %
親会社保証およびその他の保証付貸出金 952 4.3 % 1,008 4.7 %
担保設定制限条項およびその他の条項付貸出
金 6,385 29.1 % 6,101 28.5 %
正式な担保が付されていない貸出金 - 0.0 % - 0.0 %
テーマ債およびコマーシャル・ペーパー - 0.0 % - 0.0 %
個別評価される減損後の貸出金合計 21,944 100.0 % 21,400 100.0 %
ECL のステージ1および2 -74 -98
ヘッジ会計調整 105 254
公正価値調整 0 -1
貸出金合計 21,975 21,555
12 月 31 日現在、約定済であるが未実行の貸出金は 2,498 百万ユーロ(前年: 3,522 百万ユーロ)であっ
た。
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下表は、リスク所有者のグループ本部の所在地によって国別に割当てられた、 12 月 31 日現在の貸出金
ならびに発行済保証の元本総額および分布比率を示したものである。
2021 年 2020 年
(百万ユーロ) 貸出金 約定合計額 貸出金 約定合計額
デンマーク 1,936 - 1,350 635
エストニア 917 127 943 91
フィンランド 4,244 745 4,264 763
アイスランド 579 21 532 39
ラトビア 676 151 419 345
リトアニア 1,015 380 1,064 432
ノルウェー 5,371 182 5,228 191
スウェーデン 6,569 436 6,828 524
ベラルーシ 8 13 8 14
ドイツ 38 10 40 25
ポーランド 309 - 351 -
ロシア 1 - 3 -
トルコ 4 - 8 -
その他のヨーロッパ諸国 - - 1 -
多国籍 167 283 156 272
ボツワナ 12 - 13 -
ブラジル 15 - 37 -
中国 61 150 84 150
インド 76 - 82 -
ラオス 1 - 5 -
メキシコ - - - 41
フィリピン - - 18 -
チュニジア 7 - 11 -
米国 3 - 6 -
ベトナム 10 - 16 -
その他の非ヨーロッパ諸国 4 - 4 -
貸出金合計 22,021 2,498 21,471 3,522
ECL のステージ3 -76 - -71 -
ECL のステージ1および2 -74 -1 -98 -1
公正価値調整 - - -1 -
ヘッジ会計調整 105 - 254 -
合計 21,975 2,497 21,555 3,521
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注 13 :有形資産および無形資産
無形資産 無形資産
(百万ユーロ) 2021 年 2020 年
期首取得価額 31 26
当期中の取得 2 5
当期中の売却 / 処分 - -
期末取得価額 32 31
期首償却費累計額 19 14
当期償却費 6 5
当期中の売却 / 処分に係る償却費累計額 - -
期末償却費累計額 25 19
正味帳簿価額 8 12
無形資産はソフトウェアの開発費およびリース契約から生じた使用権資産からなる。
2021 年
事務所設備
およびその他の
(百万ユーロ) 建物 有形資産 合計
有形資産
期首取得価額 43 30 74
当期中の取得 1 1 2
当期中の売却 / 処分 - - 0
期末取得価額 45 31 75
期首減価償却費累計額 17 19 36
当期減価償却費 2 1 3
当期中の売却 / 処分に係る減価償却費累計額 - - 0
期末減価償却費累計額 20 20 40
正味帳簿価額 25 11 36
各期末日において、当行の資産は資産の減損の兆候があるかどうかを判断するための査定を受ける。
2021 年 12 月 31 日現在、無形資産または有形資産の減損を示す兆候はなかった。
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2020 年
事務所設備
およびその他の
(百万ユーロ) 建物 有形資産 合計
有形資産
期首取得価額 40 30 70
当期中の取得 4 1 5
当期中の売却 / 処分 0 0 0
期末取得価額 43 30 74
期首減価償却費累計額 15 19 34
当期減価償却費 2 1 3
当期中の売却 / 処分に係る減価償却費累計額 0 0 0
期末減価償却費累計額 17 19 36
正味帳簿価額 26 11 37
注 14 :減価償却費
(千ユーロ) 2021 年 2020 年
無形資産(注 13 ) 6,111 4,606
有形資産(注 13 ) 3,434 2,940
建物 2,443 2,319
事務所設備 991 620
合計 9,545 7,546
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注 15 :その他の資産
(百万ユーロ) 2021 年 2020 年
変動金利での金利スワップ 9,335 9,100
固定金利での金利スワップ 21,226 20,162
変動金利での通貨スワップ 11,400 10,925
固定金利での通貨スワップ 8,130 6,732
合計(名目金額) 50,090 46,919
デリバティブ毎の名目金額のネッティング -49,274 -46,455
デリバティブ債権(純額) 816 463
ヘッジ会計調整およびヘッジ手段でない
デリバティブの公正価値の変動 439 942
デリバティブ商品 1,255 1,406
その他 32 20
合計 1,287 1,425
デリバティブは、契約毎に財政状態計算書に公正価値で計上される。よって、正味公正価値がプラス
のスワップ契約は財政状態計算書上「その他の資産」の項目に計上され、正味公正価値がマイナスのス
ワップ契約は「その他の負債」の項目に計上される。
下表は、 12 月 31 日現在の担保受入れ後のデリバティブ商品に対するエクスポージャー(純額)を示す
ものである。
(百万ユーロ) 2021 年 2020 年
財政状態計算書上のデリバティブ商品 1,255 1,406
取引相手によるネッティング -602 -707
取引相手毎のデリバティブ商品(純額) 653 699
取引相手毎の未収利息(純額) 118 107
担保受入れ前のエクスポージャー(純額) 771 806
受入れ担保 -722 -736
エクスポージャー(純額) 49 70
「リスク管理-信用リスク、デリバティブ」も参照のこと。
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注 16 : 証券負債および関連スワップ
(百万ユーロ) 2021 年 2020 年
期首残高 29,072 26,674
新規発行 7,028 7,540
分割返済 -4,764 -3,980
繰上償還および買戻し -299 -164
為替変動 1,222 -1,325
FVTPL による債務にかかる公正価値調整 -8 1
ヘッジ会計調整 -720 323
その他 -4 1
期末残高 31,526 29,072
年末現在の当行の証券負債の通貨別内訳は以下のとおりである。下表はまた、関連スワップ後の名目
ベースでの通貨別内訳をも示している。
スワップ契約
負債 債務/債権 正味残高
(百万ユーロ) 2021 年 2020 年 2021 年 2020 年 2021 年 2020 年
通貨
米ドル 10,516 9,637 399 1,364 10,915 11,001
ユーロ 6,338 5,670 7,250 6,079 13,588 11,748
英ポンド 3,247 3,165 -3,247 -3,165 - -
ノルウェー・クローネ 3,650 2,579 122 116 3,772 2,695
豪ドル 2,272 1,772 -2,272 -1,772 - -
スウェーデン・クロー
ナ 2,935 2,822 64 66 3,000 2,888
ニュージーランド・ド
ル 829 1,134 -829 -1,134 - -
香港ドル 535 426 -535 -426 - -
トルコ・リラ 113 173 -113 -173 - -
メキシコ・ペソ 115 112 -115 -112 - -
ブラジル・レアル 26 45 -26 -45 - -
インド・ルピー 47 65 -47 -65 - -
デンマーク・クローネ 134 134 - - 134 134
日本円 88 93 -88 -93 - -
その他の通貨 325 212 -325 -212 - -
小 計 31,171 28,039 239 427 31,409 28,467
公正価値調整 70 78 -70 -81 0 -3
ヘッジ会計調整 222 943 -224 -1,029 -2 -86
その他 63 11 - -10 63 1
合計 31,526 29,072 -55 -692 31,471 28,380
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注 17 :その他の負債
(百万ユーロ) 2021 年 2020 年
変動金利での金利スワップ 22,320 21,658
固定金利での金利スワップ 8,241 7,604
変動金利での通貨スワップ 17,871 16,816
固定金利での通貨スワップ 1,660 1,595
合計(名目金額) 50,092 47,672
デリバティブ毎の名目金額のネッティング -49,274 -46,455
デリバティブ債務(純額) 818 1,217
ヘッジ会計調整およびヘッジ手段でない
デリバティブの公正価値の変動 235 145
デリバティブ商品 1,052 1,362
その他 39 228
合計 1,092 1,590
デリバティブは、契約毎に財政状態計算書に公正価値で計上される。よって、正味公正価値がプラス
のスワップ契約は財政状態計算書上「その他の資産」の項目に計上され、正味公正価値がマイナスのス
ワップ契約は「その他の負債」の項目に計上される。
担保差入れ後のデリバティブ商品に対するエクスポージャー(純額)
(百万ユーロ) 2021 年 2020 年
財政状態計算書上のデリバティブ商品 1,052 1,362
取引相手によるネッティング -602 -707
取引相手毎のデリバティブ商品(純額) 450 655
取引相手毎の未払利息(純額) -45 -52
担保差入れ前のエクスポージャー(純額) 406 603
差入れ担保 -387 -593
エクスポージャー(純額) 19 10
「リスク管理-信用リスク、デリバティブ」も参照のこと。
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注 18 :資本および準備金
下表は、 12 月 31 日現在の当行の資本構成を示すものである。
(百万ユーロ) 2021 年 12 月 31 日現在残高 2020 年 12 月 31 日現在残高
資本:
授権・応募済資本金
8,369 8,369
-7,523 -7,523
うち払込請求可能資本金
払込済資本金 846 846
利益準備金 837 686
一般信用リスク基金 2,154 2,140
ヘッジ準備金 6 28
公正価値による負債に係る
自己信用リスクの変動
-3 -3
当期利益 159 165
資本合計 3,999 3,861
証券負債 31,526 29,072
負債および資本合計 35,525 32,932
授権資本金の加盟国別内訳は以下のとおりである。
(百万ユーロ) 2021 年 比率(%) 2020 年 比率(%)
加盟国
デンマーク 21.1 % 21.1 %
1,763 1,763
エストニア 77 0.9 % 77 0.9 %
フィンランド 1,483 17.7 % 1,483 17.7 %
アイスランド 79 0.9 % 79 0.9 %
ラトビア 112 1.3 % 112 1.3 %
リトアニア 163 2.0 % 163 2.0 %
ノルウェー 1,800 21.5 % 1,800 21.5 %
スウェーデン 2,893 34.6 % 2,893 34.6 %
合 計 8,369 100.0 % 8,369 100.0 %
払込済資本金の加盟国別内訳 は以下のとおりである。
(百万ユーロ) 2021 年 比率(%) 2020 年 比率(%)
加盟国
デンマーク 178 21.1 % 178 21.1 %
エストニア 8 0.9 % 8 0.9 %
フィンランド 150 17.7 % 150 17.7 %
アイスランド 8 0.9 % 8 0.9 %
ラトビア 11 1.3 % 11 1.3 %
リトアニア 17 2.0 % 17 2.0 %
ノルウェー 182 21.5 % 182 21.5 %
スウェーデン 293 34.6 % 293 34.6 %
合 計 846 100.0 % 846 100.0 %
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授権資本金
統治委員会は、 NIB の理事会の提案に基づき、当行の授権資本金の増額を決定することができる。かか
る決定が効力を生じるには、通常、加盟国の議会による批准を要する。
当行の授権資本金は設立時に約 510 百万ユーロであったが、数回にわたって増額されており、最近では
当行が定款を改正した 2020 年に増額された。当行は、これまで通常貸出および特別プログラムに基づく貸
出という2つの主要な貸出分類を有していた。特別プログラムに基づく貸出は、プロジェクト投資貸出
( PIL )および環境投資貸出( MIL )で構成されていた。 2020 年に効力を生じた新しい定款の下で、これら
の特別プログラムは廃止された。 PIL および MIL ファシリティに基づく貸出金は当行の通常貸出の一部と
なった。 1,800 百万ユーロの PIL 貸出に関連した所有者である諸国の保証は、払込請求可能資本金に転換さ
れ、 PIL に割当てられていた資本準備金は払込済資本金に転換された。その結果、当行の授権資本金は
8,369 百万ユーロとなった。 NIB の授権資本金のうち、払込済部分と払込請求可能部分の内訳については、
下記「払込済資本金および払込請求可能資本金」に記載される。
NIB の定款に規定するとおり、授権資本金の増額は、統治委員会が随時定める市場価格による国民総所
得(以下「 GNI 」という。)に基づいて加盟国間に割当てられる。 1975 年の NIB の設立からバルト諸国が
NIB に加盟した 2005 年1月1日まで、 GNI は、入手可能な直近2年間のデータの平均として北欧諸国の要素
価格で計算されていた。 2005 年1月1日以降、 GNI 統計は国際通貨基金の国際金融統計の公刊物を出典と
している。加盟国間での新たな応募済資本金の割当ては増額の都度固定され、すでに応募済の資本金に関
して調整または均等化のための支払が行われたことはない。したがって、加盟国間の GNI が年ごとに変化
してきたため、加盟国の授権資本金と払込済部分は同一ではなかった。 2016 年、当行の統治委員会は、払
込済資本金および払込請求可能資本金における各加盟国の比率が授権資本金の各加盟国の比率と等しくな
るように、当行の授権資本金を調整および変更することを決定した。各加盟国における承認手続きの完了
を経て、かかる変更は効力を生じ、実施されている。
払込済資本金および払込請求可能資本金
定款は、 NIB の授権資本金は払込済分と払込請求可能分からなることを規定している。 NIB の現在の総授
権資本金 8,369 百万ユーロのうち、払込済分は、当行の授権資本金総額の約 10 %に相当する 846 百万ユーロ
である。応募済資本金のうちの未払込分はすべて、当行の債務の返済のため理事会が必要と認めた限りに
おいて、理事会により払込請求することができることになっている。このような払込請求が按分比例して
なされなければならないとする定款の規定はないが、払込請求を行うときはまず按分比例により行われる
ことが予想される。払込請求に対し、加盟国のいずれかが払込を怠った場合でも他の加盟国はそれぞれの
払込義務を免れることはできない。かかる払込請求に際して、いかなる加盟国も、法的には応募済資本金
のうちの払込請求可能額以上の払込をなすことを要しない。これまでそのような払込請求は行われていな
い。
NIB が地域協力機関としての使命を帯びていることから、さらに加盟国を追加することを認める条項は
2004 年契約に存在しない。加盟国が 2004 年契約の規定に定める通知を行うことによって脱退することは可
能であるが、 2004 年契約は、脱退しようとする国が脱退のときに効力を有している NIB の債務について引
続き脱退直前までと同じ範囲で責任を負うことも規定している。
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準備金
NIB の年間純利益は、定款のもとで、利益準備金(以下「利益準備金」という。)が当行の授権資本金
の 10 %に達するまで同準備金に繰入れられることになっている。その後、統治委員会は NIB の理事会の提
案を受けて利益準備金および一般信用リスク基金への追加繰入れと加盟国に対する配当支払との間での純
利益の配分を決定する。
2021 年 12 月 31 日現在、 NIB の利益準備金は、当行の授権資本金の 10 %に相当する 837 百万ユーロであっ
た。 NIB は、その業務における特定できないリスクのために各年度の利益の一部を一般信用リスク基金
(以下「一般信用リスク基金」という。)として毎年積立てている。 2021 年 12 月 31 日現在の一般信用リス
ク基金は 2,154 百万ユーロであった。一般信用リスク基金は、 NIB の貸出ポートフォリオから発生する損失
ならびに NIB がその財務部の業務などの事業活動において引受けるその他のリスクをカバーするために利
用することができる。財務活動に関連するリスクには、市場リスクのほか、取引相手リスクが含まれる。
これについてのさらなる情報は、注2の「リスク管理」を参照のこと。
注 19 :担保および契約義務
(百万ユーロ) 2021 年 2020 年
約定済であるが未実行の貸出(注 12 ) 2,837 3,522
借入約定 - -
金融投資における償還請求可能な契約義務 2 2
(2)(3)
担保付投資にかかる受入れ担保 2,166 2,074
(1)(4)
担保付投資にかかる差入れ担保 - -
デリバティブ・エクスポージャーに関連した担保総額
(2)(5)
受入れ担保 748 723
(1)(4)
差入れ担保 400 523
(1) 帳簿価額
(2) 公正価値
(3) 現金4百万ユーロ(前年:2百万ユーロ)および有価証券 2,162 百万ユーロ(前年: 2,072 百万ユーロ)の受
入れを含む。
(4) 現金担保
(5) 現金 748 百万ユーロ(前年: 723 百万ユーロ)および有価証券0百万ユーロ(前年:0百万ユーロ)の受入れ
を含む。
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借手としての当行
12 月 31 日現在、解約不能リースの将来最低リース料支払額は以下のとおりである。
(千ユーロ) 2021 年 2020 年
1年以内 1,027 1,074
1年超2年以内 851 874
2年超3年以内 656 654
3年超4年以内 326 651
4年超5年以内 - 325
合計 2,860 3,578
貸手としての当行
12 月 31 日現在、解約不能リースの将来最低リース料受取額は以下のとおりである。
(千ユーロ) 2021 年 2020 年
1年以内 675 633
1年超2年以内 461 421
2年超3年以内 461 421
3年超4年以内 230 421
4年超5年以内 - 210
合計 1,828 2,105
当行は、注 25 に記載のとおり関連当事者に事務所スペースを転貸している。
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注 20 :金融商品の公正価値
金融商品の分類
損益を通じた
ヘッジ目的の
公正価値
償却原価( AC ) ( FVTPL ) デリバティブ 合計
(百万ユーロ)
金融資産
現金および現金同等物 1,122 704 - 1,826
金融機関金融投資 589 3,292 - 3,881
債務証券 1,950 6,342 - 8,291
その他の金融投資 - 9 - 9
貸出金 21,966 10 - 21,975
デリバティブ - 606 649 1,255
2021 年 12 月 31 日現在 25,626 10,963 649 37,237
金融負債
短期金融機関債務 752 - - 752
長期金融機関債務 - - - 0
証券負債 31,053 473 - 31,526
デリバティブ - 194 859 1,052
2021 年 12 月 31 日現在 31,805 667 859 33,330
損益を通じた
ヘッジ目的の
公正価値
償却原価( AC ) ( FVTPL ) デリバティブ 合計
(百万ユーロ)
金融資産
現金および現金同等物 1,372 898 - 2,270
金融機関金融投資 7 1,961 - 1,969
債務証券 1,880 6,032 - 7,912
その他の金融投資 - 9 - 9
貸出金 21,540 15 - 21,555
デリバティブ - 451 954 1,406
2020 年 12 月 31 日現在 24,800 9,367 954 35,121
金融負債
短期金融機関債務 724 - - 724
長期金融機関債務 - - - -
証券負債 28,613 459 - 29,072
デリバティブ - 651 711 1,362
2020 年 12 月 31 日現在 29,336 1,110 711 31,158
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金融商品の公正価値
2021 年 2020 年
帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
(百万ユーロ)
金融資産
現金および現金同等物 1,826 1,826 2,270 2,270
金融機関金融投資 3,881 3,881 1,969 1,969
債務証券 8,291 8,323 7,912 7,976
その他の金融投資 9 9 9 9
貸出金 21,975 22,245 21,555 21,848
デリバティブ 1,255 1,255 1,406 1,406
合計 37,237 37,539 35,121 35,478
金融負債
短期金融機関債務 752 752 724 724
長期金融機関債務 - - - -
証券負債 31,526 31,570 29,072 29,137
デリバティブ 1,052 1,052 1,362 1,362
合計 33,330 33,374 31,158 31,223
期末現在の金融商品に係る公正価値測定水準
下表は、期末現在の金融商品の公正価値を、公正価値測定の分類先である公正価値ヒエラルキーのレ
ベル別に分析している。「会計方針-公正価値の決定」を参照のこと。
2021 年 2020 年
レベル1 レベル2 レベル3 レベル1 レベル2 レベル3
(百万ユーロ)
金融資産
現金および現金同等
物 1,826 - - 2,270 - -
金融機関金融投資 - 3,881 - - 1,969 -
債務証券 8,311 - 12 7,959 - 17
その他の金融投資 - - 9 - - 9
貸出金 - 22,236 10 - 21,834 15
デリバティブ - 1,211 44 - 1,337 69
合計 10,138 27,328 73 10,230 25,140 109
金融負債
短期金融機関債務 - 752 - - 724 -
長期金融機関債務 - - - - - -
買戻契約 - - - - - -
証券負債 - 30,955 615 - 28,452 685
デリバティブ - 659 393 - 1,081 281
合計 0 32,365 1,009 - 30,257 966
2021 年 12 月 31 日現在の計上された信用評価調整(以下「 CVA 」という。)は- 1.9 百万ユーロであった
が、債務評価調整(以下「 DVA 」という。)は 0.5 百万ユーロであった。 2020 年 12 月 31 日現在の計上され
た CVA は-2百万ユーロであったが、 DVA は0百万ユーロであった。破綻した財務取引相手に対する債権
は公正価値で測定される。破綻した貸出取引相手に対する債権は取得原価で測定され、減損損失が差し
引かれる。
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レベル3に区分される公正価値の変動
金融資産
その他の デリバティブ レベル3
(百万ユーロ) 債務証券 金融投資 貸出金 資産 資産合計
2019 年 12 月 31 日 21 8 27 64 119
レベル3に振替えられ
た金融商品 - - - - 0
新規取引 - - - 1 1
満期到来取引、買戻し
および繰上償還 - -5 - -10 -16
分割返済 -3 - -5 -15 -22
資本組入れ - - - 34 34
売却済取引 - - - - 0
インフレ調整 - - 2 4 6
公正価値の変動 -1 7 1 2 7
為替調整 - - -10 -10 -20
2020 年 12 月 31 日 17 9 15 69 109
レベル3に振替えられ
た金融商品
新規取引 - - - - 0
満期到来取引、買戻し
および繰上償還 - - - - 0
分割返済 -5 - -4 -14 -23
資本組入れ - - - 1 1
売却済取引 - - - - 0
インフレ調整 - - 2 -7 -5
公正価値の変動 - - - -5 -4
為替調整 - - -3 -1 -4
2021 年 12 月 31 日 12 9 10 44 73
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金融負債
(百万ユーロ) 証券負債 デリバティブ負債 レベル3負債合計
2019 年 12 月 31 日 1,200 294 1,494
レベル3に振替えられた - 32 32
金融商品
新規取引 101 1 102
満期到来取引、買戻しお -468 -115 -583
よび繰上償還
分割返済 - -14 -14
資本組入れ - 35 35
売却済取引 - - 0
インフレ調整 6 - 6
公正価値の変動 -2 -1 -3
為替調整 -153 49 -103
2020 年 12 月 31 日 685 281 966
レベル3に振替えられた
金融商品
新規取引 53 - 53
満期到来取引、買戻しお -49 -12 -61
よび繰上償還
分割返済 -54 - -54
資本組入れ 2 31 34
売却済取引 - - 0
インフレ調整 -7 -2 -8
公正価値の変動 8 - 8
為替調整 -22 95 73
2021 年 12 月 31 日 615 393 1,009
レベル3に分類される債務証券は活発に取引されていない債務証券からなり、その評価は計上される
公正価値を減じるために経営陣がオーバーレイを適用した外部市場相場に基づいてなされる。その他の
金融投資はメザニン投資からなり、その評価は外部のファンド管理者から得られる。貸出金、デリバ
ティブ資産、発行済証券およびデリバティブ負債は、複雑な仕組み商品、および流動性が限定的でその
為替レートが有力な市場データ提供業者から得られる通貨建商品からなる。これらの仕組み商品および
流動性の低い商品は、バック・ツー・バック・スワップが行われる。
レベル3のデリバティブは基礎となる商品および価格設定モデルに基づいて2つのカテゴリーに分類
される:
・仕組み金利スワップ
・クロスカレンシー・スワップおよび為替連動スワップ
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仕組み金利スワップは、基礎となる金利指標が1つだけの場合はハル・ホワイト1ファクター・モデ
ルを用い、また基礎となる金利指標が複数ある場合はハル・ホワイト2ファクター・モデルを用いて、
価格設定される。これらのモデルは、スワプションのボラティリティに合わせて測定される。クロスカ
レンシー・スワップおよび為替連動商品は、金利設計についてはハル・ホワイト1ファクター・モデル
を、また為替レートについてはブラック・ショールズ・モデルを用いて評価される。このモデルは、金
利、スワプションのボラティリティ、為替レート、為替レートのボラティリティおよび為替レートと金
利の相関関係に合わせて測定される。
下表は、金利水準と為替のボラティリティの表面的な変化率に対するレベル3のスワップ取引の公正
価値の感応度を示している。例えば、ボラティリティが 25 %上昇した場合、仕組み金利スワップの公正
価値合計に対する影響は 3.5 百万ユーロであり、 25 %下落した場合の影響は -3.0 百万ユーロである。ク
ロスカレンシー・スワップおよび為替連動スワップにかかる対応する感応度は、 -0.4 百万ユーロおよび
0.2 百万ユーロである。
バミューダン / 為替の
ボラティリティの変動
(%) -75 % -50 % -25 % 25 % 50 % 75 % 100 %
仕組み金利スワップ
(百万ユーロ) -8.0 -5.6 -3.0 3.5 7.7 12.5 17.9
クロスカレンシー・スワッ
プ
および為替連動スワップ
(百万ユーロ) 0.2 0.2 0.2 -0.4 -0.8 -1.4 -2.0
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注 21 :金融資産および負債の満期構成
下表は、元利金のフローを含む金融資産および負債の満期分析を示している。貸出金に関しては、契
約上の最終満期までの割引前キャッシュフローが表示されている。借入金残高およびコール・オプショ
ン付デリバティブに関しては、発生しうる最初の解除日までのキャッシュフローが表示されている。
キャッシュフローは、金利スワップについては純額ベースで、その他すべてのスワップについては総額
ベースで表示されている。金利キャッシュフローは、決算日の実勢金利に基づき予測されている。注 15
および注 17 ならびに「リスク管理-流動性リスク」を参照のこと。
2021 年
契約上の 3カ月超
キャッシュ 3カ月 6カ月 6カ月超 1年超
(百万ユーロ)
帳簿価額 フロー 以内 以内 1年以内 5年以内 5年超
資産
現金および現金同等物 1,826 1,626 1,626 - - - -
金融投資
金融機関投資 3,871 4,063 3,599 464 - - -
債務証券 8,291 8,412 403 304 962 5,859 884
その他 9 7 0 0 0 0 7
貸出金 21,975 23,071 339 714 1,311 10,491 10,216
その他の資産
デリバティブ債権 13,436 16,007 2,863 762 1,414 9,491 1,477
-12,181 -14,119 -2,635 -675 -1,186 -8,478 -1,146
デリバティブ債務
37,228
資産合計 39,067 6,194 1,570 2,502 17,363 11,438
負債
金融機関債務
短期 752 752 752 - - - -
- - - - - - -
長期
752 752 752 0 0 0 0
証券負債 31,526 32,599 2,638 807 4,000 21,660 3,494
その他の負債
デリバティブ債権 -9,188 -9,707 -2,558 -882 -971 -4,482 -814
10,240 10,498 2,608 977 1,189 4,768 956
デリバティブ債務
負債合計 33,330 34,142 3,439 903 4,219 21,946
3,635
当期純額 2,756 668 -1,717 -4,583 7,802
約定済であるが
未実行の貸出 2,837
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2020 年
契約上の 3カ月超
キャッシュ 3カ月 6カ月 6カ月超 1年超
(百万ユーロ)
帳簿価額 フロー 以内 以内 1年以内 5年以内 5年超
資産
現金および現金同等物 2,270 2,270 2,270 - - - -
金融投資
金融機関投資 1,961 1,957 1,884 73 - - -
債務証券 7,912 7,976 256 432 654 5,977 657
その他 9 7 - - - - 7
貸出金 21,555 22,594 350 447 1,003 9,896 10,897
その他の資産
デリバティブ債権 8,723 9,307 775 290 1,030 5,049 2,163
-7,317 -7,587 -619 -210 -841 -4,144 -1,773
デリバティブ債務
11,952
資産合計 35,113 36,524 4,915 1,032 1,847 16,779
負債
金融機関債務
短期 724 724 724 - - - -
- - - - - - -
長期
724 724 724 0 0 0 0
証券負債 29,072 29,595 1,468 734 3,107 20,220 4,066
その他の負債
デリバティブ債権 -14,211 -14,754 -4,613 -1,682 -1,334 -6,640 -486
15,573 15,970 4,706 1,740 1,346 7,534 644
デリバティブ債務
負債合計 31,158 31,534 2,284 792 3,119 21,115 4,225
当期純額 2,631 239 -1,272 -4,336 7,727
約定済であるが
未実行の貸出 3,522
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注 22 :金利リスク
金利リスクは、市場金利の変動が当行の利付資産および有利子負債の価値ならびに包括利益計算書に
計上される受取利息に与え得る影響である。下表は、当行の金利エクスポージャーの度合いに関する情
報を示している。資産および負債は、満期または金利調整日までの期間により決められた区分で分類さ
れている。各期間区分における資産と負債の間に差異(ギャップ)があると、当行は金利の変動に敏感
になる。「注2:リスク管理」も参照のこと。
2021 年
3カ月超
3カ月 6カ月 6カ月超 1年超 5年超
(百万ユーロ) 以内 以内 1年以内 5年以内 10 年以内 10 年超 未定 合計
資産
現金および現金同等物 1,826 - - - - - - 1,826
金融投資
金融機関投資 1,927 1,945 - - - - 10 3,881
債務証券 2,009 176 593 4,708 793 - 11 8,291
- - - - - - 9 9
その他
3,936 2,121 593 4,708 793 0 29 12,181
貸出金 9,768 7,492 545 2,274 1,228 632 36 21,975
無形資産 - - - - - - 8 8
有形資産 - - - - - - 36 36
その他の資産
(1)
デリバティブ債権 20,227 3,296 4,003 19,490 2,214 798 565 50,592
その他の資産 - - - - - - 32 32
未収利息・手数料 - - - - - - 241 241
資産合計 35,758 12,908 5,141 26,472 4,235 1,431 946 86,891
負債および資本
負債
金融機関債務
短期 752 - - - - - - 752
- - - - - - - -
長期
752 0 0 0 0 0 0 752
証券負債 4,208 793 3,882 19,328 2,226 797 292 31,526
その他の負債
(1)
デリバティブ債務 33,634 5,236 917 6,213 2,076 2,016 298 50,390
その他の負債 - - - - - - 39 39
未払利息・手数料 - - - - - - 185 185
負債合計 38,594 6,028 4,800 25,541 4,302 2,814 815 82,892
資本 - - - - - - 3,999 3,999
負債および資本合計 38,594 6,028 4,800 25,541 4,302 2,814 4,813 86,891
当期純額 -2,836 6,880 341 931 -66 -1,383 -3,867 0
当期累積純額 -2,836 4,044 4,385 5,316 5,250 3,867 0 -
保証約定 - - - - - - - -
(1) スワップはネッティングされていない。
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2020 年
3カ月超
3カ月 6カ月 6カ月超 1年超 5年超
(百万ユーロ) 以内 以内 1年以内 5年以内 10 年以内 10 年超 未定 合計
資産
現金および現金同等物 2,270 - - - - - - 2,270
金融投資
金融機関投資 708 1,253 - - - - 7 1,969
債務証券 2,069 276 281 4,610 618 - 58 7,912
- - - - - - 9 9
その他
2,778 1,529 281 4,610 618 0 75 9,890
貸出金 9,473 7,283 395 2,370 1,239 633 162 21,555
無形資産 - - - - - - 12 12
有形資産 - - - - - - 37 37
その他の資産
(1)
デリバティブ債権 18,508 2,845 2,794 19,259 2,600 908 1,033 47,948
その他の資産 - - - - - - 20 20
未収利息・手数料 - - - - - - 232 232
資産合計 33,029 11,657 3,470 26,239 4,457 1,540 1,571 81,964
負債および資本
負債
金融機関債務
短期 724 - - - - - - 724
- - - - - - - -
長期
724 0 0 0 0 0 0 724
証券負債 2,229 357 2,779 19,165 2,615 907 1,021 29,072
その他の負債
(1)
デリバティブ債務 32,866 4,383 698 5,490 2,358 1,778 331 47,904
その他の負債 - - - - - - 228 228
未払利息・手数料 - - - - - - 176 176
負債合計 35,818 4,741 3,477 24,654 4,972 2,685 1,756 78,103
資本 - - - - - - 3,861 3,861
負債および資本合計 35,818 4,741 3,477 24,654 4,972 2,685 5,616 81,964
当期純額 -2,789 6,916 -7 1,585 -515 -1,145 -4,045 0
当期累積純額 -2,789 4,127 4,120 5,705 5,190 4,045 0 -
保証約定 - - - - - - - -
(1) スワップはネッティングされていない。
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注 23 :為替リスク
当行の業務は、ほとんどがユーロ建および米ドル建である。下表は、主要通貨建の資産と負債の差額
を示している。「注2:リスク管理」も参照のこと。
2021 年 12 月 31 日現在の通貨ポジションの純額:
公正価値
調整およ
スウェー ノル デンマー
びスワッ
デン・ ウェー・ ク・ その他の
プのネッ
ユーロ 米ドル クローナ クローネ クローネ 通貨 ティング 合計
(百万ユーロ)
資産
現金および現金同等物 1,446 79 - - 299 2 - 1,826
金融投資
金融機関投資 2,538 - - 104 1,238 - 2 3,881
債務証券 3,945 1,078 494 1,088 1,675 - 11 8,291
9 - - - - - - 9
その他の金融投資
6,491 1,078 494 1,191 2,913 0 13 12,181
貸出金 9,465 1,443 4,409 4,742 1,610 202 104 21,975
無形資産 8 - - - - - - 8
有形固定資産 36 - - - - - - 36
その他の資産
デリバティブ -6,409 7,942 -1,971 -2,249 -4,709 7,394 1,256 1,255
32 - - - - - - 32
その他の資産
-6,378 7,942 -1,971 -2,249 -4,709 7,394 1,256 1,287
未収利息・手数料 62 48 16 37 18 60 - 241
資産合計 11,130 10,590 2,948 3,722 132 7,658 1,374 37,553
負債および資本
負債
金融機関債務
短期金融機関債務 752 - - - - - - 752
- - - - - - - 0
長期金融機関債務
752 0 0 0 0 0 0 752
証券負債 6,363 10,531 2,933 3,685 134 7,588 292 31,526
その他の負債
デリバティブ - - - - - - 1,052 1,052
14 12 3 1 1 9 - 39
その他の負債
14 12 3 1 1 9 1,052 1,092
未払利息・手数料 35 46 12 36 -3 59 - 185
負債合計 7,164 10,588 2,948 3,722 132 7,656 1,345 33,555
資本 3,836 0 0 0 0 0 3 3,839
負債および資本
合計 11,000 10,588 2,948 3,722 132 7,656 1,348 37,394
2021 年 12 月 31 日現在の
資産と負債の差額 130 1 0 0 0 1 26 159
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2020 年 12 月 31 日現在の通貨ポジションの純額:
公正価値
調整およ
スウェー ノル デンマー
びスワッ
デン・ ウェー・ ク・ その他の
プのネッ
ユーロ 米ドル クローナ クローネ クローネ 通貨 ティング 合計
(百万ユーロ)
資産
現金および現金同等物 1,774 34 - - 460 2 - 2,270
金融投資
金融機関投資 1,211 - - - 757 - 1 1,969
債務証券 4,065 1,076 446 850 1,417 - 59 7,912
9 - - - - - - 9
その他の金融投資
5,285 1,076 446 850 2,174 0 60 9,890
貸出金 9,437 1,564 4,510 4,502 1,019 269 253 21,555
無形資産 12 - - - - - - 12
有形固定資産 37 - - - - - - 37
その他の資産
デリバティブ -6,379 7,229 -2,139 -2,776 -3,605 6,926 2,150 1,406
-265 - - - 285 - - 20
その他の資産
-6,644 7,229 -2,139 -2,776 -3,321 6,926 2,150 1,425
未収利息・手数料 57 56 16 30 12 61 0 232
資産合計 9,958 9,960 2,834 2,607 345 7,257 2,462 35,422
負債および資本
負債
金融機関債務
短期金融機関債務 717 7 - - - - - 724
- - - - - - - -
長期金融機関債務
717 7 0 0 0 0 0 724
証券負債 5,689 9,631 2,821 2,580 133 7,196 1,021 29,072
その他の負債
デリバティブ - - - - - - 1,362 1,362
-253 268 - - 213 - - 228
その他の負債
-253 268 0 0 213 0 1,362 1,590
未払利息・手数料 26 52 12 26 -1 60 -0 176
負債合計 6,179 9,959 2,833 2,606 345 7,256 2,383 31,561
資本 3,671 0 0 0 0 0 25 3,696
負債および資本
合計 9,851 9,959 2,833 2,606 345 7,256 2,408 35,257
2020 年 12 月 31 日現在の
資産と負債の差額 107 0 1 0 0 1 55 165
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注 24 :リスク管理目的で保有するデリバティブおよびヘッジ会計
デリバティブ
2021 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
公正価値 公正価値
名目金額 プラス マイナス 名目金額 プラス マイナス
(百万ユーロ)
金利スワップ 4,035 31 16 4,194 26 46
クロスカレンシー・
スワップ 11,280 501 167 10,672 421 505
4,729 74 11 4,347 4 100
通貨スワップ
ヘッジ会計に使用され
ないデリバティブ 20,044 606 194 19,213 451 651
公正価値ヘッジ 34,712 649 859 32,048 954 711
デリバティブ合計 54,755 1,255 1,053 51,261 1,406 1,362
公正価値ヘッジ
ヘッジ対象
帳簿価額に含まれる
帳簿価額 ヘッジ調整の累積額
2021 年
ヘッジの非
有効性を認
識するため
に使用され
る公正価値
名目金額 資産 負債 の変動 資産 負債
(百万ユーロ)
貸出金 5,095 5,200 - -149 105 -
証券負債 29,398 - 29,619 720 - 222
合計 34,493 5,200 29,619 571 105 222
帳簿価額に含まれる
帳簿価額 ヘッジ調整の累積額
2020 年
ヘッジの非
有効性を認
識するため
に使用され
る公正価値
名目金額 資産 負債 の変動 資産 負債
(百万ユーロ)
貸出金 4,850 5,104 - 47 254 -
証券負債 27,127 - 28,080 -323 - 943
合計 31,977 5,104 28,080 -276 254 943
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ヘッジ会計に使用されるデリバティブ
帳簿価額
2021 年
ヘッジの非
有効性を認 その他の包
損益にお
識するため 括利益にお
いて認識
に使用され いて認識さ
される
る公正価値 れるヘッジ
名目金額 資産 負債 の変動 非有効性 の費用
(百万ユーロ)
貸出金をヘッジする
スワップ 5,314 48 147 174 25 0
証券負債をヘッジする
スワップ 29,398 601 712 -783 -62 -22
合計 34,712 649 859 -609 -38 -22
帳簿価額
2020 年
ヘッジの非
有効性を認 その他の包
損益にお
識するため 括利益にお
いて認識
に使用され いて認識さ
される
る公正価値 れるヘッジ
名目金額 資産 負債 の変動 非有効性 の費用
(百万ユーロ)
貸出金をヘッジする
スワップ 4,921 1 274 -71 -24 0
証券負債をヘッジする
スワップ 27,127 954 437 398 75 9
合計 32,048 954 711 327 51 9
当行は、為替相場、金利、信用スプレッドおよびクロスカレンシー・ベーシス・スプレッドの変動か
ら生じる市場リスクに晒されている。当行は、「注2:リスク管理」に記載したように、こうしたリス
クを軽減するため、多くのヘッジ戦略をとっているが、以下に記載するようにいくつかの戦略について
のみヘッジ会計を適用している。
ヘッジ会計
当行は、固定利付の資金調達および貸出取引の公正価値の変動に対するエクスポージャーをヘッジす
るため、金利スワップおよびクロスカレンシー・スワップを利用している。当行は、そのリスク管理方
針の下でオープン・ポジションを持つことを認められておらず、よってすべての固定利付取引について
バック・ツー・バック・スワップが行われる。その結果、ヘッジ対象項目およびヘッジ手段である商品
の重要な条件は厳密に一致しており、ヘッジ手段である商品の満期は基礎をなすヘッジ対象項目の満期
と一致している。金融資産および負債の満期にかかる詳細情報については「注 21 :金融資産および負債
の満期構成」を参照のこと。重要な条件の定性的評価に加えて、当行は、ヘッジ対象リスクの公正価値
の変動を関連するヘッジ手段の公正価値の変動と比較することによって、ヘッジの有効性を評価する。
非有効部分は、包括利益計算書において「金融取引純利益 / 損失」の科目に計上される。
注 25 :関連当事者の開示
北欧開発基金および北欧環境金融公社
北欧開発基金( NDF )および北欧環境金融公社( NEFCO )の設立文書によると、それらの主たる事務所
は北欧投資銀行( NIB )の主たる事務所に置かれるものとされている。さらに、 NDF および NEFCO の定款
は、北欧評議会により任命されるこれらの監査委員が同評議会が任命した NIB の監査委員と同じメン
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バーとする旨を規定している。また、 NDF および NEFCO の定款は、それぞれの理事会に与えられる権限
を、適宜、各組織の総裁および / または NIB に委ねることができる旨を規定している。
当行は、 NDF および NEFCO に管理サービスを提供しており、その報酬は注8において開示されている。
下表は、 NDF および NEFCO ならびにこれらが管理する信託基金に対する債務残高ならびに当年度中に支払
われた利息を示している。これらの機関に対する支払利息は、通常の商業レートによる。 2021 年 12 月 31
日現在、 NIB は、 NEFCO に対して約定済であるが未実行の貸出 54 百万ユーロを有していた。
関連当事者 関連当事者
関連当事者からの 関連当事者への に対する債権 に対する債務
(千ユーロ) 貸出手数料 支払利息 12 月 31 日現在 12 月 31 日現在
2021 年 122 1 1,036 11
2020 年 125 -21 26 74
賃貸収入( NDF 、 NEFCO )
(千ユーロ) NDF NEFCO
2021 年 161 274
2020 年 155 272
主要経営陣
当行は、理事会、監査委員会および執行委員会のメンバーを主要経営陣と認識している。関連する報
告期間の主要経営陣に対する報酬に関する情報については、注7に記載されている。当行と主要経営陣
の間にその他の取引はない。
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注 26 :キャッシュフロー計算書
12 月 31 日現在の現金および現金同等物(純額)の変動の詳細:
(千ユーロ) 2021 年 2020 年
(1)
現金および銀行預け金 615,017 588,760
(2)
短期金融機関投資 508,608 771,348
(3)
702,826 910,279
有担保投資
1,826,451 2,270,386
現金および現金同等物
(4)
短期金融機関債務 -751,697 -723,795
(5)
買戻契約 - -
- -
短期債務
1,074,754 1,546,591
現金および現金同等物(純額)
現金および現金同等物(純額)の変動 -471,837 1,074,891
(1) 12 月 31 日現在先物契約に必要な当初委託証拠金 72 千ユーロ(前年: 281 千ユーロ)を含む。
(2) うち、 400,056 千ユーロ(前年: 523,348 千ユーロ)は担保として差入れた現金。
(3) 有担保投資に対する担保 6,231 千ユーロ(前年: 6,144 千ユーロ)差引後のエクスポージャー(純額)
(4) うち、 751,697 千ユーロ(前年: 723,795 千ユーロ)は担保として受領した現金。
(5) 買戻契約にかかる担保0千ユーロ(前年:0千ユーロ)差引後のエクスポージャー(純額)。
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注 27 :換算レート
2021 年 12 月 31 日現在の 2020 年 12 月 31 日現在の
ユーロ・レート ユーロ・レート
DKK デンマーク・クローネ 7.43631 7.44088
ISK アイスランド・クローナ 147.6015 156.0581
NOK ノルウェー・クローネ 9.98652 10.47062
SEK スウェーデン・クローナ 10.25463 10.02819
ARS アルゼンチン・ペソ 116.269 103.169
AUD 豪ドル 1.56278 1.5888
BRL ブラジル・レアル 6.30986 6.3736
CAD カナダ・ドル 1.44034 1.56428
CHF スイス・フラン 1.03278 1.08048
CNH 中国人民元 7.20367 7.97992
CZK チェコ・コルナ 24.8715 26.2443
GBP 英ポンド 0.84007 0.89809
HKD 香港ドル 8.83298 9.51385
INR インド・ルピー 84.2285 89.6357
JPY 日本円 130.4065 126.4695
MXN メキシコ・ペソ 23.15421 24.43707
NZD ニュージーランド・ドル 1.65886 1.69793
PLN ポーランド・ズロチ 4.59711 4.55903
RON ルーマニア・レウ 4.94908 4.86804
RUB ロシア・ルーブル 85.3551 91.4603
SDR 特別引出権 0.8081 0.84875
SGD シンガポール・ドル 1.52858 1.62235
TRY トルコ・リラ 15.24985 9.12288
TWD 新台湾ドル 31.37604 34.47926
USD 米ドル 1.13257 1.22706
ZAR 南アフリカ・ランド 18.07144 18.02085
当行は、国際通貨基金( IMF )が公表するレートに基づく特別引出権( SDR )を除き、 12 月 31 日 13 時
(グリニッジ標準時)現在の実勢レートに基づいて有力な市場データ提供業者から得られた為替レート
を用いている。
注 28 :貸借対照表日後の事象
開示または本財務書類の調整を要する貸借対照表日後の重要な事象はなかった。
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(6) 【その他】
NIB の債務の元利金支払に関して債務不履行が発生したことはない。
(7) 【発行者の属する国等の概況】
該当事項なし。
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Auditor ’ s Report
To the Control Committee of the Nordic Investment Bank
Report on the Audit of the Financial Statements
OPINION
We have audited the financial statements of Nordic Investment Bank (the Bank) which
comprise the statement of financial position as at 31 December 2021, and the statement of
comprehensive income, statement of changes in equity and statement of cash flows for the
year then ended, and notes to the financial statements including a summary of significant
accounting policies.
In our opinion the financial statements present fairly, in all material respects, the Nordic
Investment Bank’s financial position as at 31 December 2021 and its financial performance
and its cash flows for the year then ended in accordance with International Financial
Reporting Standards (IFRS).
BASIS FOR OPINION
We conducted our audit in accordance with International Standards on Auditing (ISAs). Our
responsibilities under those standards are further described in the Auditor’s Responsibilities
for the Audit of Financial Statements section of our report.
We are independent of the Bank in accordance with the International Ethics Standards
Board of Accountants’ Code of Ethics for Professional Accountants (IESBA Code) together
with the ethical requirements that are relevant to our audit of the financial statements, and
we have fulfilled our other ethical responsibilities in accordance with these requirements
and the IESBA code.
We believe that the audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to
provide a basis for our opinion.
KEY AUDIT MATTERS
Key audit matters are those matters that, in our professional judgment, were of most
significance in our audit of the financial statements of the current period. These matters
were addressed in the context of our audit of the financial statements as a whole, and in
forming our opinion thereon, and we do not provide a separate opinion on these matters.
For each matter below, our description of how our audit addressed the matter is provided in
that context.
We have fulfilled the responsibilities described in the Auditor’s responsibilities for the audit
of the financial statements section of our report, including in relation to these matters.
Accordingly, our audit included the performance of procedures designed to respond to our
assessment of the risks of material misstatement of the financial statements. The results of
our audit procedures, including the procedures performed to address the matters below,
provide the basis for our audit opinion on the accompanying financial statements.
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FAIR VALUE MEASUREMENT OF FINANCIAL INSTRUMENTS
Description
We refer to the Bank's accounting policies in Note 1 “Determination of fair value” and,
“Significant accounting judgements and estimates” and the notes 11, 15, 17 and 20.
As a result of the Bank’s business model, a significant portion of the Bank’s balance sheet
comprise of financial instruments valued at fair value, these financial instruments consist of
bonds and derivatives.
The Bank has financial instruments where no market price is available, and in these cases,
fair value is determined using valuation models based on market data. These financial
instruments are categorised as level 2 in the IFRS fair value valuation hierarchy. The Bank
also has financial instruments for which the fair value measurement has been determined
using valuation models where the value is affected by input data that cannot be verified by
external market data. These financial instruments are categorised as level 3 in the IFRS fair
value valuation hierarchy.
The Bank has financial assets and financial liabilities categorised as level 2 totalling EUR
27,328 million and EUR 32,365 million respectively. Financial assets and liabilities
categorised as level 3 totalled EUR 73 million and EUR 1,009 million respectively.
The measurement of financial instruments includes assessments made by the Bank, since
valuation models are used. The valuation of these financial instruments is therefore
deemed to be a key audit matter.
How our audit addressed this key audit matter
Our audit procedures over financial instruments included, among others:
• gaining on understanding of the processes and controls put in place by the Bank to
identify, measure and recognize financial instruments
• testing the general IT controls, including the handling of authorisation and user access
regardng the most significant systems used for valuing financial instruments at year
end
• testing the valuation of financial instruments at fair value by comparing the values
recorded to independently obtained market prices on input data on a sample basis
• including valuation specialists in our audit team to carry out independent valuations on
a sample basis for various types of financial instruments across the entire fair value
hierarchy of financial assets and liabilities
• examining the assumptions, methodologies and models used by the Bank to estimate
value of complex derivative financial instruments using internal models and/or
unobservable data.
• compared the assumptions made with appropriate benchmarks and price sources and
examined any significant deviations
• assessing the Bank’s disclosures with presentation requirements in applicable
accounting standards.
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HEDGE ACCOUNTING
Description
We refer to the Bank’s accounting policies in Note 1 “Derivative instruments and hedge
accounting” and the notes 2, 20, and 24.
The Bank enters into derivative financial instruments to manage its exposure to interest
rate and foreign currency risk. Interest rate related derivatives are identified as hedging
instruments in fair value hedge accounting relationships. Since hedge accounting is
applied, such gains and losses arising from fair value changes on the derivatives are
recognized in profit and loss. Derivatives to which hedge accounting is not applied is
recorded at fair value through profit and loss. The hedged interest rate risk of the borrowing
and lending transactions that are identified as hedged item is valued at fair value. At
December 31, 2021 the Bank has EUR 5,200 million of loans identified as hedged
instruments, and EUR 29,619 million of borrowing. The hedging derivatives have fair
values of EUR -99 million for assets of which EUR 0 million is recognized in OCI for the
year and EUR -111 million for liabilities of which EUR -22 million is recognized in OCI for
the year.
The application of hedge accounting is deemed to be a key audit matter as the large
number of contracts necessitates a system to record and track each contract and
consideration of hedge effectiveness can involve a significant degree of both complexity
and management judgement and are subject to an inherent risk of error.
How our audit addressed this key audit matter
Our audit procedures over hedge accounting included, among others:
• gaining on understanding of the processes and controls put in place by the Bank to
identify, measure and recognize hedge accounting relationships
• inspecting, on a sample basis, the Bank’s hedge documentation and contracts
• including specialists in our audit team to carry out independent valuations on a sample
basis for fair value hedges
• assessing the Bank’s disclosures with presentation requirements in applicable
accounting standards.
GRANTING OF LOANS AND PROVISIONING FOR LOAN LOSSES
Description
We refer to the Bank’s accounting policies in Note 1 “Impairment of loans” and “Significant
accounting judgements and estimates” and the notes 9, 10 and 12.
Loans outstanding represent EUR 21,975 million (59%) of total assets of the Bank which is
net of impairment of loans of EUR 152 million.
The impairment requirements are based on an expected credit loss (ECL) model. The Bank
is required to recognise an allowance for either 12-month or lifetime ECLs, depending on
whether there has been a significant increase in credit risk since initial recognition.
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The calculation of expected credit loss is a complex process which included calculations
reflecting a probability-weighted outcome, the time value of money and the best available
forward- looking information. Further, the model incorporates forward- looking information
through the inclusion of macroeconomic factors and can include management judgement
and estimates.
Since the outstanding loans are material and the credit risk represents the largest risk for
the Bank and the related impairment are subject to judgement and estimates, we have
assessed the granting of loans and provisioning of loan losses as a key audit matter.
How our audit addressed this key audit matter
Our audit procedures on granting of loans and provisioning for loan losses included among
others:
• gaining on understanding of the processes and controls put in place by the Bank to
grant new loans and to identify, measure and recognize impairment of loans
• testing the design and efficiency of key controls in both the credit process and credit
decisions, credit review rating classification as well as identifying and determining
credits for which provisions should be made
• testing the general IT controls, including the handling of authorisation and uses access
regarding these systems
• evaluating the key input variables and assumptions in the ECL model including
management judgment and estimates and where relevant, compared data and
assumptions to external benchmarktesting the mathematical accuracy of the model
• inspecting the key governance meetings including Credit Committee and Board to
ensure that there are governance controls in place and
• assessing the Bank’s disclosures with presentation requirements in applicable
accounting standards.
OTHER INFORMATION THAN THE ANNUAL ACCOUNTS
The Board of Directors and the President are responsible for the other information. The
other information comprises information included in the report on pages 1-23 and 99-107
and in the Impact Report 2021, but does not include the financial statements and our
auditor’s report thereon. We have obtained the pages 1-23 and 99-107 prior to the date of
this auditor’s report, and the Impact Report 2021 is expected to be made available to us
after that date.
Our opinion on the financial statements does not cover the other information.
In connection with our audit of the financial statements, our responsibility is to read the
other information identified above and, in doing so, consider whether the other information
is materially inconsistent with the financial statements or our knowledge obtained in the
audit, or otherwise appears to be materially misstated.
In our opinion, the information on pages 1-23 and 99-107 is consistent with the information
in the financial statements.
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If, based on the work we have performed on the other information that we obtained prior to
the date of this auditor’s report, we conclude that there is a material misstatement of this
other information, we are required to report that fact. We have nothing to report in this
regard.
RESPONSIBILITIES OF THE BOARD OF DIRECTORS AND THE PRESIDENT FOR THE
FINANCIAL STATEMENTS
The Board of Directors and the President are responsible for the preparation and fair
presentation of the financial statements in accordance with International Financial
Reporting Standards (IFRSs), and for such internal control as they determine is necessary
to enable the preparation of financial statements that are free from material misstatement,
whether due to fraud or error.
In preparing the financial statements, the Board of Directors and the President are
responsible for assessing the Bank’s ability to continue as going concern, disclosing, as
applicable, matters relating to going concern and using the going concern basis of
accounting unless management either intends to liquidate the Bank or to cease operations,
or has no realistic alternative but to do so.
Those charged with governance are responsible for overseeing the Bank’s financial
reporting process.
AUDITOR ’S RESPONSIBILITY FOR THE AUDIT OF THE FINANCIAL STATEMENTS
Our objectives are to obtain reasonable assurance on whether the financial statements as
a whole are free from material misstatement, whether due to fraud or error, and to issue an
auditor’s report that includes our opinion. Reasonable assurance is a high level of
assurance, but is not a guarantee that an audit conducted in accordance with ISA’s will
always detect a material misstatement when it exists. Misstatements can arise from fraud
or error and are considered material if, individually or in aggregate, they could reasonably
be expected to influence the economic decisions of users taken on the basis of the financial
statements.
As part of an audit in accordance with ISA’s, we exercise professional judgment and
maintain professional skepticism throughout the audit. We also:
• Identify and assess the risks of material misstatement of the financial statements,
whether due to fraud or error, design and perform audit procedures responsive to those
risks, and obtain audit evidence that is sufficient and appropriate to provide a basis for
our opinion. The risk of not detecting a material misstatement resulting from fraud is
higher than for one resulting from error, as fraud may involve collusion, forgery,
intentional omissions, misrepresentations, or the override of internal control.
• Obtain an understanding of internal control relevant to the audit in order to design audit
procedures that are appropriate in the circumstances, but not for the purpose of
expressing an opinion on the effectiveness of the Bank’s internal control.
• Evaluate the appropriateness of accounting policies used and the reasonableness of
accounting estimates and related disclosures made by management.
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• Conclude on the appropriateness of the Board of Directors’ and the President’s use of
the going concern basis of accounting and based on the audit evidence obtained,
whether a material uncertainty exists related to events or conditions that may cast
significant doubt on the Bank’s ability to continue as a going concern. If we conclude
that a material uncertainty exists, we are required to draw attention in our auditor’s
report to the related disclosures in the financial statements or, if such disclosures are
inadequate, to modify our opinion. Our conclusions are based on the audit evidence
obtained up to the date of our auditor’s report. However, future events or conditions
may cause the Bank to cease to continue as a going concern.
• Evaluate the overall presentation, structure and content of the financial statements,
including the disclosures, and whether the financial statements represent the
underlying transactions and events so in a manner that achieves fair presentation.
We communicate with those charged with governance regarding, among other matters, the
planned scope and timing of the audit and significant audit findings, including any
significant deficiencies in internal control that we identify during our audit.
We also provide those charged with governance with a statement that we have complied
with relevant ethical requirements regarding independence, and to communicate with them
all relationships and other matters that may reasonably be thought to bear on our
independence, and where applicable, related safeguards.
From the matters communicated with those charged with governance, we determine those
matters that were of most significance in the audit of the financial statements of the current
period and are therefore the key audit matters. We describe these matters in our auditor’s
report unless law or regulation precludes public disclosure about the matter or when, in
extremely rare circumstances, we determine that a matter should not be communicated in
our report because the adverse consequences of doing so would reasonably be expected
to outweigh the public interest benefits of such communication.
Report on other requirements
OPINION
In addition to our audit of the financial statements, we have also audited the administration
of the Board of Directors and the President of Nordic Investment Bank for the year 2021 in
accordance with the Terms of the Engagement. In our opinion the administration of the
Board of Directors and the President, in all material aspects, complied with the Statutes of
the Bank.
BASIS FOR OPINION
We conducted the audit in accordance with generally accepted auditing standards. Our
responsibilities under those standards are further described in the Auditor’s Responsibilities
section. We are independent of the Bank in accordance with professional ethics for
accountants and have otherwise fulfilled our ethical responsibilities in accordance with
these requirements.
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We believe that the audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to
provide a basis for our opinions.
RESPONSIBILITIES OF THE BOARD OF DIRECTORS AND THE PRESIDENT
All the powers of the Bank are vested in the Board of Directors except as what is vested in
the Board of Governors provided for in Section 13 of the Statutes. The Board of Directors
may delegate these powers to the President to the extent considered appropriate.
The President is responsible for the conduct of the current operations of the bank and shall
follow the guidelines and instructions given by the Board of Directors.
AUDITOR ’S RESPONSIBILITY
Our objective concerning the audit of whether the Board of Director’s and the President’s
administration have complied with the Statutes of the bank, is to obtain audit evidence to
assess with a reasonable degree of assurance whether any member of the Board of
Directors or the President in any material respect has acted in contravention of the
Statutes.
Reasonable assurance is a high level of assurance but is not a guarantee that an audit
conducted in accordance with International Standards on Auditing will always detect
actions or omissions that can give rise to liability to the Bank.
As part of an audit in accordance with International Standards on Auditing, we exercise
professional judgment and maintain professional skepticism throughout the audit. The
examination of the administration is based primarily on the audit of the accounts. Additional
audit procedures performed are based on our professional judgment with starting point in
risk and materiality. This means that we focus the examination on such actions, areas and
relationships that are material for the operations and where deviations and violations would
have particular importance for the Bank’s situation. We examine and test decisions
undertaken, support for decisions, actions taken and other circumstances that are relevant
to our opinion.
AUDITOR'S APPOINTMENT
Ernst & Young Oy and Ernst & Young AB have been appointed auditors by the Control
Committee since the financial year 2018. The undersigned auditors have acted as
responsible auditors since financial year 2018.
Helsinki, 18 February 2022
Ernst & Young Oy Ernst & Young AB
Authorized Public Accountant Firm Authorized Public Accountant Firm
Terhi Mäkinen Mona Alfredsson
Authorized Public Accountant Authorized Public Accountant
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独立監査人の報告書
北欧投資銀行監査委員会御中
財務書類の監査に係る報告書
意見
私どもは、 2021 年 12 月 31 日現在の財政状態計算書、同日に終了した年度の包括利益計算書、持分変動計算書および
キャッシュフロー計算書ならびに重要な会計方針の要約を含む注記により構成される、北欧投資銀行(以下「当行」とい
う。)の財務書類について監査を行った。
私どもの意見によれば、財務書類は、 2021 年 12 月 31 日現在の北欧投資銀行の財政状態ならびに同日に終了した年度にお
ける財務実績およびキャッシュフローを、国際財務報告基準(以下「 IFRS 」という。)に準拠して、すべての重要な点に
おいて適正に表示している。
意見の基礎
私どもは、国際監査基準(以下「 ISA 」という。)に準拠して監査を行った。かかる基準に基づく私どもの責任につい
ては、本報告書の「 財務書類の監査にかかる監査人の責任 」の項に詳述されている。
私どもは、国際会計士倫理基準審議会の定める職業会計士の倫理規程(以下「 IESBA 規程」という。)ならびに私ども
による財務書類の監査に関連する倫理要件に従って、当行から独立しており、私どもは、かかる要件および IESBA 規程に
従って私どものその他の倫理的責任を果たしている。
私どもは、私どもの入手した監査証拠が私どもの意見に関する基礎を与えるために十分かつ適切であると確信してい
る。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、私どもの専門家としての判断において、当期の財務書類の監査において最も重要である
と判断された事項をいう。かかる事項は、財務書類全体の監査において、またこれにかかる監査意見の形成において対処
されており、私どもは当該事項に対して個別の意見を表明するものではない。以下の各事項について、私どもの監査がか
かる事項にどのように対処したかについての説明は、その文脈において示される。
私どもは、かかる事項に関するものを含め、私どもの報告書の「 財務書類の監査にかかる監査人の責任 」の項に記載の
責任を果たした。したがって、私どもの監査には、財務書類の重大な虚偽表示のリスクに関する私どもの評価に対応する
ように設計された手順の実行が含まれていた。以下の事項に対処するために実施された手続きを含む私どもの監査手続き
の結果は、添付の財務書類に対する私どもの監査意見の基礎を提供している。
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金融商品の公正価値測定
内容
注記1の「公正価値の決定」および「重要な会計上の判断および見積り」に記載の当行の会計方針ならびに注記 11 、
15 、 17 および 20 について
当行のビジネス・モデルによって、当行のバランス・シートの大部分は公正価値で評価される金融商品からなってお
り、かかる金融商品は債券およびデリバティブにより構成される。
当行は、市場価格が得られない金融商品を有しており、その場合、市場データに基づく評価モデルを用いて公正価値
が決定される。これらの金融商品は、 IFRS の公正価値評価ヒエラルキーのレベル2として分類される。当行はまた、公
正価値測定が評価モデルを用いて決定されるいくつかの金融商品を有しており、この場合評価額が外部の市場データに
よって検証することができない入力データの影響を受ける。これらの金融商品は、 IFRS の公正価値評価ヒエラルキーの
レベル3として分類される。
当行は、それぞれ総額 27,328 百万ユーロおよび 32,365 百万ユーロの、レベル2に分類される金融資産および金融負債
を有している。レベル3に分類される金融資産および金融負債は、それぞれ合計 73 百万ユーロおよび 1,009 百万ユーロ
であった。
評価モデルが用いられるため、金融商品の測定には当行による評価が含まれる。したがって、これらの金融商品の評
価は監査上の主要な検討事項とみなされる。
かかる監査上の主要な検討事項の対処方法
金融商品にかかる私どもの監査手続きは、とりわけ、以下を含んでいる。
・金融商品を特定し、測定し、認識するために当行が実施しているプロセスおよび統制を理解すること。
・年度末現在の金融商品を評価するために用いられる最も重要なシステムについてその承認の取扱いおよびアクセ
スの使用を含む全般的な IT 統制をテストすること。
・入力データについて独立して得られた市場価格に記録された値をサンプルベースで比較することにより、公正価
値による金融商品の評価をテストすること。
・金融資産および金融負債の公正価値ヒエラルキー全体にわたって、様々な種類の金融商品についてサンプルベー
スで独立した評価を実施するために、私どもの監査チームに評価専門家を含めること。
・内部モデルおよび/または観察不能なデータを用いて複雑なデリバティブ金融商品の価値を見積るために当行が
使用している仮定、方法論およびモデルを検討すること。
・適切なベンチマークを使用して行われた仮定と価格情報源を比較し、大幅な乖離がないかを検討すること。
・適用ある会計基準における表示要件を用いて当行の開示を評価すること。
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ヘッジ会計
内容
注記1の「デリバティブ商品およびヘッジ会計」に記載の当行の会計方針ならびに注記2、 20 および 24 について
当行は、金利および為替リスクに対するエクスポージャーを管理するためにデリバティブ金融商品を締結している。
金利関連デリバティブは、公正価値ヘッジ会計関係においてヘッジ手段として識別されている。ヘッジ会計が適用され
ているため、デリバティブの公正価値の変動から生じる損益は損益において認識される。ヘッジ会計が適用されないデ
リバティブは、損益を通じて公正価値で計上される。ヘッジ対象として識別されている借入および貸付取引のヘッジさ
れた金利リスクは公正価値で評価される。 2021 年 12 月 31 日現在、当行は、ヘッジ手段として識別された 5,200 百万ユー
ロの貸出金および 29,619 百万ユーロの借入金を有している。ヘッジ・デリバティブの公正価値は、資産については -99
百万ユーロで、このうち0百万ユーロは当年の OCI において認識されており、デリバティブ負債については -111 百万
ユーロで、このうち -22 百万ユーロが当年の OCI において認識されている。
数多くの契約が各契約を記録し、追跡するためのシステムを必要とし、ヘッジの有効性の検討には相当な複雑さと経
営陣の判断の双方を伴う可能性があり、かつ誤謬という固有リスクがあるため、ヘッジ会計の適用は監査上の主要な検
討事項とみなされる。
かかる監査上の主要な検討事項の対処方法
ヘッジ会計にかかる私どもの監査手続きは、とりわけ、以下を含んでいる。
・ヘッジ会計関係を特定し、測定し、認識するために当行が実施しているプロセスおよび統制を理解すること。
・サンプルベースで、当行のヘッジ文書および契約を精査すること。
・公正価値ヘッジについてサンプルベースで独立した評価を実施するために、私どもの監査チームに専門家を含む
こと。
・適用ある会計基準における表示要件を用いて当行の開示を評価すること。
貸出の付与および貸倒引当金
内容
注記1の「貸出の減損」および「重要な会計上の判断および見積り」に記載の当行の会計方針ならびに注記9、 10 およ
び 12 について
貸出金は、当行の資産合計の 59 %に相当する 21,975 百万ユーロであり、これは 152 百万ユーロの貸出の減損後の金額
である。
減損要件は、予想信用損失( ECL )モデルに基づいている。当行は、当初の認識以降信用リスクが大きく拡大したか
どうかによって、 12 カ月または残存期間の ECL のいずれかについて引当金を認識することを義務づけられている。
予想信用損失の計算は、確率加重成果、貨幣の時間価値および入手可能な将来に関する最善の情報を反映する計算を
含む複雑なプロセスである。また、このモデルには、マクロ経済ファクターを含めることにより将来に関する情報が盛
り込まれ、経営陣の判断および見積りが含まれることがある。
貸出金は多額であり、信用リスクは当行にとって最大のリスクを示しており、関連する減損は判断および見積りの対
象であるため、私どもは貸出の付与および貸倒引当金を監査上の主要な検討事項として評価した。
かかる監査上の主要な検討事項の対処方法
貸出の付与および貸倒引当金にかかる私どもの監査手続きは、とりわけ、以下を含んでいる。
・新規の貸出を付与し、貸出の減損を特定し、測定し、認識するために当行が実施しているプロセスおよび統制を
理解すること。
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・与信のプロセスおよび与信の決定の双方、与信の審査格付分類、ならびに引当金を設定すべき与信の識別および
決定における主要な統制の設計および効率性をテストすること。
・これらのシステムについてその承認の取扱いおよびアクセスの使用を含む全般的な IT 統制をテストすること。
・ ECL モデルにおける主要な入力変数および仮定(経営陣の判断および見積りを含む。)を評価し、適宜データおよ
び仮定を外部のベンチマークと比較すること。
・モデルの数学的精度をテストすること。
・ガバナンス統制が実施されていることを確認するため、与信委員会および理事会を含む主要なガバナンス会議を
視察すること。
・適用ある会計基準における表示要件を用いて当行の開示を評価すること。
年次会計以外の情報
理事会および総裁は、その他の情報について責任を負う。その他の情報とは、年次報告書の 1-23 ページおよび 99-107
ページの報告ならびに 2021 年インパクト・レポートに記載される情報からなるが、財務書類およびそれに関する私どもの
報告書は含まない。私どもは、監査報告書の日付に先立って年次報告書の 1-23 ページおよび 99-107 ページを入手したが、
2021 年インパクト・レポートについては当該日以降に入手できる見込みである。
財務書類にかかる私どもの意見は、その他の情報を対象としていない。
財務書類に関する私どもの監査については、上記で特定されたその他の情報を読むこと、またそれにおいてその他の情
報が財務書類または監査において得られた私どもの知識と著しく整合性を欠いているか、またはその他重大な虚偽記載が
あるかどうかについて検討することが私どもの責任である。
私どもの意見では、年次報告書の 1-23 ページおよび 99-107 ページに記載の情報は、財務書類中の情報と整合している。
仮に、私どもが本監査報告書の日付より前に入手したその他の情報について行った作業に基づいて、かかるその他の情
報に重大な虚偽記載があると判断する場合には、私どもはかかる事実の報告を求められる。私どもがこれに関して報告す
べき事項はない。
財務書類に対する理事会および総裁の責任
理事会および総裁は、国際財務報告基準( IFRS )に従って財務書類の作成および公正な表示について、また不正または
過失によるかに拘わらず、重大な虚偽記載のない財務書類の作成を可能にするために彼らが必要と判断する内部統制につ
いて責任を負っている。
財務書類の作成において、理事会および総裁は、当行を清算する意図もしくは業務を停止する意図が経営陣になく、ま
たはそうせざるを得ない代替手段が現に存在しない限り、継続企業として存続する当行の能力の評価、(適用ある場合)
継続企業の前提にかかる事項の開示、ならびに会計の継続企業基準の適用について、責任を負う。
統治責任者は、当行の財務報告プロセスの監視について責任を負う。
財務書類の監査にかかる監査人の責任
私どもは、不正または過失によるかに拘わらず、財務書類全体に重大な虚偽記載がないかどうかについての合理的な確
証を得ること、ならびに私どもの意見を含む監査報告書を発行することを目的としている。合理的な確証とは、確度の高
い保証であるが、 ISA に従って実施された監査が存在する重大な虚偽記載を常に発見できることを保証するものではな
い。虚偽記載は、不正または過失から生じる可能性があり、個別にまたは全体として、財務書類を基礎として行われる利
用者の経済的判断に影響を及ぼすことが合理的に予想されうる場合は、重大であるとみなされる。
ISA に従った監査の一環として、私どもは、監査全体を通じて職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持
している。私どもはまた、
・ 不正または過失によるかに拘わらず、財務書類の重大な虚偽記載に関するリスクを特定し、評価し、かかるリスク
に対応した監査手続きを計画し、実行し、私どもの意見に関する基礎を与えるために十分かつ適切な監査証拠を得
る。不正には、共謀、偽造、意図的な省略、虚偽表示または内部統制の無視が絡むことがあるため、不正の結果と
しての重大な虚偽記載が発見されないリスクは、過失によるものより高い。
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・ 状況に応じて適切な監査手続きを計画するために、監査に関連する内部統制について理解する。ただし、当行の内
部統制の有効性について意見を述べることを目的とするものではない。
・ 用いられた会計方針の適正性および経営陣による会計上の見積りおよび関連する開示の妥当性を評価する。
・ 理事会および総裁による会計の継続企業基準の利用の適正性、ならびに得られた監査証拠に基づいて、継続企業と
して存続する当行の能力について重大な疑いを掛けうる事象または状況に関連して重大な不確実性があるか否かに
ついて、結論付ける。私どもが重大な不確実性があると判断した場合、私どもは、その監査報告書において財務書
類中の関連する開示事項に注意喚起することを求められ、かかる開示が十分でない場合には、意見の修正を求めら
れる。私どもの結論は、監査報告書の日付までに得られた監査証拠に基づくものである。ただし、将来の事象また
は状況によって当行が継続企業として存続しなくなる可能性がある。
・ 公正な表示を実現する方法で、開示事項を含む財務書類の全体の表示、構成および内容、ならびに財務書類が基礎
となる取引および事象を表示しているかどうかを評価する。
私どもは、とりわけ計画された監査の範囲および時期ならびに私どもが監査中に特定した内部統制の重大な不備を含む
重要な監査上の発見について、統治責任者に報告を行っている。
私どもはまた、独立性に関する関連する倫理要件を私どもが遵守している旨を統治責任者に表明し、私どもの独立性を
損なうと合理的に考えられるすべての関係およびその他の事項ならびに適用ある場合には関連するセーフガードについて
統治責任者に報告している。
統治責任者への報告事項から、私どもは当期の財務書類の監査において最も重要であり、よって監査上の主要な検討事
項となる事項を決定する。私どもは、当該事項についての公表が法令により禁止されない限り、または極めて稀なケース
ではあるが、開示することの悪影響が当該報告の公益性を上回ると合理的に考えられるために私どもが当該事項を報告書
に記載すべきでないと判断する場合を除き、かかる事項を監査報告書に記載する。
その他の要件にかかる報告
意見
財務書類の監査のほか、私どもは、契約条件に従って、 2021 年にかかる北欧投資銀行の理事会および総裁による業務の
執行についても監査を行った。私どもの意見では、理事会および総裁による業務の執行はすべての重要な点において当行
の定款に準拠して行われていた。
意見の基礎
私どもは、一般に認められた監査基準に従って監査を実施した。かかる基準に基づく私どもの責任については、本報告
書の「 監査人の責任 」の項に詳述されている。私どもは、会計士の職業倫理に従って、当行から独立しており、かかる要
件に従って私どものその他の倫理的責任を果たしている。
私どもは、私どもの入手した監査証拠が私どもの意見に関する基礎を与えるために十分かつ適切であると確信してい
る。
理事会および総裁の責任
当行のすべての権限は、定款第 13 条に定める統治委員会に付与されているものを除き、理事会に付与されている。理事
会は、適切とみなされる範囲で、これらの権限を総裁に委任することができる。
総裁は、当行の現在の業務遂行について責任を負い、理事会から与えられた指針および指示に従うものとする。
監査人の責任
理事会および総裁による業務執行が当行の定款を遵守しているかどうかの監査に関する私どもの目的は、重要な点で理
事会の構成員または総裁が定款に違反して行動したかどうかを合理的な範囲の確証をもって評価するための監査証拠を入
手することである。
合理的な確証とは、確度の高い保証であるが、国際監査基準に従って実施された監査が当行に対する責任を生じさせう
る行為または不作為を常に発見できることを保証するものではない。
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国際監査基準に従った監査の一環として、私どもは、監査全体を通じて職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑
心を保持している。業務執行の審査は主に会計監査に基づいている。実施された追加の監査手続きは、リスクおよび重要
性を出発点とした私どもの専門家としての判断に基づいている。これは、業務にとって重要であり、その乖離および違反
が 当行の状況にとって特に重要となりうる行為、分野および関係性についての精査に私どもが重点を置いていることを意
味している。私どもは、行われた決定、決定に対する支持、取られた行動、および私どもの意見に関連したその他の状況
について精査・検証する。
監査人の任命
アーンスト・アンド・ヤング Oy およびアーンスト・アンド・ヤング AB は、 2018 会計年度以降監査委員会により監査人
として任命されている。下記に署名する監査人は、 2018 会計年度以降担当監査人として行為してきた。
2022 年2月 18 日、ヘルシンキ
アーンスト・アンド・ヤング Oy アーンスト・アンド・ヤング AB
公認会計士事務所 公認会計士事務所
(署 名) (署 名)
Terhi Mäkinen Mona Alfredsson
公認会計士 公認会計士
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Auditor's report
To the Control Committee of Nordic Investment Bank
Report on the Audit of the Financial Statements
Opinion
We have audited the financial statements of Nordic Investment We are independent of the Bank in accordance with the
Bank (the Bank) which comprise the statement of financial International Ethics Standards Board of Accountants' Code of
position as at 31 December 2020, and the statement of Ethics for Professional Accountants (IESBA Code) together with
comprehensive income, statement of changes in equity and the ethical requirements that are relevant to our audit of the
statement of cash flows for the year then ended, and notes to financial statements, and we have fulfilled our other ethical
the financial statements, including a su mmary of significant responsibilities in accordance with these requirements and the
accounting policies. IESBA code.
In our opinion the financial statements present fairly, in all We believe that the audit evidence we have obtained is
material respects, the Nordic Investment Bank's financial sufficient and appropriate to provide a basis for our opinion.
position as at 31 December 2020 and its financial performance
and its cash flows for the year then ended in accordance with
International Financial Reporting Standards (IFRS).
Basis for Opinion
We conducted our audit in accordance with International
Standards on Auditing (ISAs). Our responsibilities under those
standards are further described in the Auditor's Responsibilities
for the Audit of Financial Statements section of our report.
Key Audit Matters
We have fulfilled the responsibilities described in the Auditor's
Key audit matters are those matters that. in our professional
responsibilities for the audit of the financial statements section of
judgment, were of most significance in our audit of the financial
our report. including in relation to these matters . Accordingly, our
statements of the current period. These matters were addressed
audit included the performance of procedures designed to
in the context of our audit of the financial statements as a whole
respond to our assessment of the risks of material misstatement
and in forming our opinion thereon, and we do not provide a
of the financial statements. The results of our audit procedures,
separate opinion on these matters. For each matter below, our
including the procedures performed to address the matters
description of how our audit addressed the matter is provided in
below, provide the basis for our audit opinion on the
that context.
accompanying financial statements
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Fair value measurement of fin a ncial Inst ruments
Description How our audit addressed this key audit matter
We refer to the Bank's accounting policies in Note 1 Our audit procedures over financial instruments included,
"Determination of fair value" and, "Significant accounting among others:
judgements and estimates" and the notes 11, 15, 17 and 20
• gaining on understanding of the processes and controls put in
As a result of the Bank's business model, a significant portion of
pla ce by the Bank to identify, measure and recognize
the Bank's balance sheet comprise of financial instruments
valued at fair value, these financial instruments consist of bonds
financial instruments
and derivatives.
• testing the general IT controls, including the handling of
The Bank has financial instruments where no market price is
authorisation and user access regarding the most significant
available, and in these cases, fair value is determined using
valuation models based on market data . These financial
systems used for valuing financial instruments at year end
instruments are categorised as level 2 in the IFRS fair value
valuation hierarchy. The Bank also has financial instruments for
which the fair value measurement has been determined using
• testing the valuation of financial instruments at fair value by
valuation models where the value Is affected by Input data that
comparing the values recorded to independently obtained
cannot be verified by external market data. These financial
market prices on input data on a sample basis
instruments are categorised as level 3 in the IFRS fair value
valuation hierarchy.
• including valuation specialists in our audit team to carry out
The Bank has financial assets and financial liabilities
independent valuations on a sample basis for various types
categorised as level 2 totalling EUR 25 140 million and EUR 30
257 million respectively. Financial assets and liabilities
of financial instruments across the entire fair value hierarchy
categorised as level 3 totalled EUR 109 million and EUR 966
of financial assets and liabilities
million respectively.
• examining the assumptions, methodologies and models
The measurement of financial instruments includes
assessments made by the Bank, since valuation models are
used by the Bank to estimate value of complex derivative
used. The valuation of these financial instruments is therefore
financial instruments using internal models and/or
deemed to be a key audit matter.
unobservable data.
• compared the assumptions made with appropriate
benchmarks and price sources and examined any
• significant deviations
• assessing the Bank's disclosures with presentation
requirements in applicable accounting standards.
Hedge accounting
Description How our audit addressed this key audit matter
We refer to the Bank's accounting policies in Note 1 "Derivative Our audit procedures over hedge accounting included, among
others :
instruments and hedge accounting" and the notes 2, 20 and 24
The Bank enters into derivative financial instruments to manage
• gaining on understanding of the processes and controls put in
its exposure to interest rate and foreign currency risk. Interest
place by the Bank to identify, measure and recognize hedge
rate related derivatives are identified as hedging instruments in
fair value hedge accounting relationships. Since hedge
accounting relationships
accounting is applied, such gains and losses arising from fair
value changes on the derivatives are recognized in profit and
• inspecting, on a sample basis, the Bank's hedge
loss . Derivatives to which hedge accounting is not applied is
recorded at fair value through profit and loss. The hedged
documentation and contracts
interest rate risk of the borrowing and lending transactions that
are identified as hedged item is valued at fair value. At
December 31, 2020 the Bank has EUR 5 104 million of loans
• including specialists in our audit team to carry out
identified as hedged instruments, and EUR 28 080 million of
independent valuations on a sample basis for fair value
borrowing . The hedging derivatives have fair values of EUR ·
hedges
273 million for assets of which EUR 0 million is recognized in
OCI and EUR 516 million for liabilities of which EUR 9 million is
recognized in OCI.
• assessing the Bank 's disclosures with presentation
requirements in applicable accounting standards.
The application of hedge accounting is deemed to be a key
audit matter as the large number of contracts necessitates a
system to record and track each contract and consideration of
hedge effectiveness can involve a significant degree of both
complexity and management judgement and are subject to an
inherent risk of error .
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Granting of loans and provisioning for loan losses
Description How our audit addressed this key audit matter
We refer to the Bank's accounting policies in Note 1 Our audit procedures on granting of loans and provisioning for
"Impairment of loans" and "Significant accounting judgements loan losses included among others :
and estimates" and the notes 9, 10 and 12
• gaining on understanding of the processes and controls put
Loans outstanding represent EUR 21 555 million (61 %) of total
in plac e by the Bank to grant new loans and to identify,
assets of the Bank and impairment of loans EUR 173 million.
measure and recognize impairment of loans
The impairment requirements are based on an expected credit
loss (ECL) mod el. The Bank is required to recognise an
• testing the design and efficiency of key controls in both the
allowance for either 12-month or lifetime ECLs, depending on
credit process and credit decisions, credit review rating
whether there has been a significant increase in credit risk since
initial recognition.
classification as well as identifying and determining credits
for which provisions should be made
The calcul a tion of expected cred it loss is a comp lex process
which included calculations reflecting a probability-weighted
• testing the general IT controls, including the handling of
outcome, the time value of money and the best available
authorisation and uses access regarding these systems
forward-looking information. Further, the model incorporates
forward-looking information through the inclusion of
• evaluating the key input variables and assumptions in the
macroeconomic factors and can include management
ECL model including management judgment and estimates
judgement and estimates.
and where relevant, compared data and assumptions to
Since the outstanding loans are material and the credit risk
represents the largest risk for the Bank and the related
external benchmark
impairment are subject to judgement and estimates, we have
assessed the granting of loans and provisioning of loan losses
• testing the mathematical accuracy of the model
as a key audit matter.
• inspecting the key governance meetings including Credit
Committee and Board to ensure that there are governance
controls in place and
• assessing the Bank's disclosures with presentation
requirements in applicable accounting standards.
Other Information than the annual accounts Responsibilities of the Board of Directors and the President for
the Financial Statements
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The Board of Directors and the President are responsible for they determine is necessary to enable the preparation of
the other information . The other information comprises financial statements that are free from material misstatement,
information included in the Report of the Board of Directors, in whether due to fraud or error.
the Operating and financial review, in the Capital and liquidity
In preparing the financial statements, the Board of Directors and
management, in the Governance statement and in the Annual
the President are responsible for assessing the Bank's ability to
Report, but does not include the financial statements and our
continue as going concern, disclosing, as applicable, matters
auditor's report thereon. We have obtained the report of the
relating to going concern and using the going concern basis of
Board of Directors, the Operating and financial review, the
accounting unless management either intends to liquidate the
Capital and liquidity management and the Governance
Bank or to cease operations, or has no realistic alternative but to
statement prior to the date of this auditor's report, and the
do so.
Annual Report is expected to be made available to us after that
date.
Those charged with governance are responsible for overseeing
the Bank's financial reporting proce ss.
Our opinion on the financial statements does not cover the
other information.
Auditor's responsibility for the Audit of the Financial Statements
In connection with our audit of the financial statements, our
Our objectives are to obtain reasonable assurance on whether
responsibility is to read the other information identified above
the financial statements as a whole are free from material
and, in doing so, consider whether the other information is
misstatement, whether due to fraud or error, and to issue an
materially inconsistent with the financial statements or our
auditor's report that includes our opinion. Reasonable assurance
knowledge obtained in the audit, or otherwise appears to be
is a high level of assurance but is not a guarantee that an audit
materially misstated.
conducted in accordance with ISA's will always detect a material
misstatement when it exists. Misstatements can arise from fraud
In our opinion, the information in the report of the Board of
or error and are considered material if, individually or in
Directors, in the Operating and financial review, in the Capital
aggregate, they could reasonably be expected to influence the
and liquidity management and in the Governance statement is
economic decisions of users taken on the basis of the financial
consistent with the information in the financial statements.
statements.
If, based on the work we have performed on the other
As part of an audit in accordance with ISA's, we exercise
information that we obtained prior to the date of this auditor's
professional judgment and maintain professional skepticism
report, we conclude that there is a material misstatement of this
throughout the audit. We also:
other information, we are required to report that fact. We have
nothing to report in this regard.
• Identify and assess the risks of material misstatement of the
Responsibilities of the Board of Directors and the President for
financial statements, whether due to fraud or error, design
the Financial Statements
and perform audit procedures responsive to those risks, and
The Board of Directors and the President are responsible for
obtain audit evidence that is sufficient and appropriate to
the preparation and fair presentation of the financial statements
provide a basis for our opinion. The risk of not detecting a
in accordance with International Financial Reporting Standards
(IFRSs), and for such internal control as material misstatement resulting from fraud is higher than for
one resulting from error, as fraud may involve collusion,
forgery, intentional omissions, misrepresentations, or the
override of internal control.
transactions and events so in a manner that achieves fair
• Obtain an understanding of internal control relevant to the audit
presentation.
in order to design audit procedu res that are appropriate in the
We communicate with those charged with governance
circumstances, but not for the purpose of expressing an opinion
regarding, among other matters, the planned scope and timing
of the audit and significant audit findings, including any
on the effectiveness of the Bank's internal control.
significant deficiencies in internal control that we identify during
our audit.
• Evaluate the appropriateness of accounting policies used and
We also provide those charged with governance with a
the reasonableness of accounting estimates and related
statement that we have complied with relevant ethical
disclosures made by management.
requirements regarding independence, and to communicate with
them all relationships and other matters that may reasonably be
• Conclude on the appropriateness of the Board of Directors' and
thought to bear on our independence, and where applicable,
the President's use of the going concern basis of accounting and
relate d safeguards.
based on the audit evidence obtained, whether a material
From the matte rs communicated with those charged with
governance, we determine those matters that were of most
uncertainty exists related to events or conditions that may cast
significance in the audit of the financial statements of the current
significant doubt on the Bank's ability to continue as a going
period and are therefore the key audit matters. We describe
concern. If we conclude that a material uncertainty exists, we are
these matters in our auditor's report unless law or regulation
precludes public disclosure about the matter or when, in
required to draw attention in our auditor's report to the related
extremely rare circumstances, we determine that a matter
disclosures in the financial statements or, if such disclosures are
should not be communicated in our report because the adverse
inadequate, to modify our opinion. Our conclusions are based on
consequences of doing so would reasonably be expected to
outweigh the public interest benefits of such communication.
the audit evidence obtained up to the date of our auditor's report.
However, future events or conditions may cause the Bank to
cease to continue as a going concern.
• Evaluate the overall presentation, structure and content of the
financial statements , including the disclosures, and whether the
financial statements represent the underlying
Report on other requirements
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Reasonable assurance is a high level of assurance but is not a
Opinion
guarantee that an audit conducted in accordance with International
In addition to our audit of the financial statements, we have
Standards on Auditing will always detect actions or omissions that
also audited the administrat ion of the Board of Directors and
can give rise to liability to the Bank.
the President of Nordic Investment Bank for the year 2020 in
As part of an audit in accordance with International Standards on
accordance with the Terms of the Engagement. In our opinion
Auditing, we exercise professional judgment and maintain
the administration of the Board of Directors and the President,
professional skepticism throughout the audit. The examination of
in all material aspects, complied with the Statutes of the Bank.
the administration is based primarily on the audit of the accounts.
Additional audit procedures performed are based on our
Basis for opinion
professional judgment with starting point in risk and materiality.
We conducted the audit in accordance with generally
This means that we focus the examination on such actions, areas
accepted auditing standards. Our responsibilities under those
and relationships that are material for the operations and where
standards are further described in the Auditor's
deviations and violations would have particular importance for the
Responsibilities section. We are independent of the Bank in
Bank's situation . We examine and test decisions undertaken,
acco rdance with professional ethics for accountants and have
support for decisions, actions taken and other circumstances that
otherwise fulfilled our ethical responsibilities in accordance with
are relevant to our opinion.
these requirements.
Auditor's appointment
We bel ieve that the audit evidence we have obtained is
sufficient and appropriate to provide a basis for our opinions.
Ernst & Young Oy and Ernst & Young AB have been appointed
auditors by the Control Committee since the financial year 2018.
Responsibilities of the Board of Directors and the President
The undersigned auditors have acted as responsible auditors
since financial year 2018.
All the powers of th e Bank are vested in the Board of
Directors except as what is vested in the Board of Governors
provided for in Section 13 of the Statutes. The B oard of
Directors may delegate these powers to the President to the
exten t considered appropriate.
The President is responsible for the conduct of the current
Helsinki, 12 February 2021
operations of the bank and shall follow the guidelines and
instructions given by the Board of Directors.
Ernst & Young ABAuthorized
Ernst & Young Oy
PublicAccountant Firm
Authorized Public
Account Firm
Auditor's responsibility
Our objective concerning the audit of whether the Board of
Mona Alfredsson
Director's and the President's administration have complied
Authorized Public Accountant
Terhi Mäkinen
with the Statutes of the bank, is to obtain audit evidence to
Authorized Public Accountant
assess with a reasonable degree of assurance whether any
member of the Board of Directors or the P resident in any
material respect has acted in contravention of the Statutes.
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有価証券報告書
独立監査人の報告書
北欧投資銀行監査委員会御中
財務書類の監査に係る報告書
意見
私どもは、 2020 年 12 月 31 日現在の財政状態計算書、同日に終了した年度の包括利益計算書、持分変動計算書および
キャッシュフロー計算書ならびに重要な会計方針の要約を含む注記により構成される、北欧投資銀行(以下「当行」とい
う。)の財務書類について監査を行った。
私どもの意見によれば、財務書類は、 2020 年 12 月 31 日現在の北欧投資銀行の財政状態ならびに同日に終了した年度にお
ける財務実績およびキャッシュフローを、国際財務報告基準(以下「 IFRS 」という。)に準拠して、すべての重要な点に
おいて適正に表示している。
意見の基礎
私どもは、国際監査基準(以下「 ISA 」という。)に準拠して監査を行った。かかる基準に基づく私どもの責任につい
ては、本報告書の「 財務書類の監査にかかる監査人の責任 」の項に詳述されている。
私どもは、国際会計士倫理基準審議会の定める職業会計士の倫理規程(以下「 IESBA 規程」という。)ならびに私ども
による財務書類の監査に関連する倫理要件に従って、当行から独立しており、私どもは、かかる要件および IESBA 規程に
従って私どものその他の倫理的責任を果たしている。
私どもは、私どもの入手した監査証拠が私どもの意見に関する基礎を与えるために十分かつ適切であると確信してい
る。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、私どもの専門家としての判断において、当期の財務書類の監査において最も重要である
と判断された事項をいう。かかる事項は、財務書類全体の監査において、またこれにかかる監査意見の形成において対処
されており、私どもは当該事項に対して個別の意見を表明するものではない。以下の各事項について、私どもの監査がか
かる事項にどのように対処したかについての説明は、その文脈において示される。
私どもは、かかる事項に関するものを含め、私どもの報告書の「 財務書類の監査にかかる監査人の責任 」の項に記載の
責任を果たした。したがって、私どもの監査には、財務書類の重大な虚偽表示のリスクに関する私どもの評価に対応する
ように設計された手順の実行が含まれていた。以下の事項に対処するために実施された手続きを含む私どもの監査手続き
の結果は、添付の財務書類に対する私どもの監査意見の基礎を提供している。
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金融商品の公正価値測定
内容
注記1の「公正価値の決定」および「重要な会計上の判断および見積り」に記載の当行の会計方針ならびに注記 11 、
15 、 17 および 20 について
当行のビジネス・モデルによって、当行のバランス・シートの大部分は公正価値で評価される金融商品からなってお
り、かかる金融商品は債券およびデリバティブにより構成される。
当行は、市場価格が得られない金融商品を有しており、その場合、市場データに基づく評価モデルを用いて公正価値
が決定される。これらの金融商品は、 IFRS の公正価値評価ヒエラルキーのレベル2として分類される。当行はまた、公
正価値測定が評価モデルを用いて決定されるいくつかの金融商品を有しており、この場合評価額が外部の市場データに
よって検証することができない入力データの影響を受ける。これらの金融商品は、 IFRS の公正価値評価ヒエラルキーの
レベル3として分類される。
当行は、それぞれ総額 25,140 百万ユーロおよび 30,257 百万ユーロの、レベル2に分類される金融資産および金融負債
を有している。レベル3に分類される金融資産および金融負債は、それぞれ合計 109 百万ユーロおよび 966 百万ユーロで
あった。
評価モデルが用いられるため、金融商品の測定には当行による評価が含まれる。したがって、これらの金融商品の評
価は監査上の主要な検討事項とみなされる。
かかる監査上の主要な検討事項の対処方法
金融商品にかかる私どもの監査手続きは、とりわけ、以下を含んでいる。
・金融商品を特定し、測定し、認識するために当行が実施しているプロセスおよび統制を理解すること。
・年度末現在の金融商品を評価するために用いられる最も重要なシステムについてその承認の取扱いおよびアクセ
スの使用を含む全般的な IT 統制をテストすること。
・入力データについて独立して得られた市場価格に記録された値をサンプルベースで比較することにより、公正価
値による金融商品の評価をテストすること。
・金融資産および金融負債の公正価値ヒエラルキー全体にわたって、様々な種類の金融商品についてサンプルベー
スで独立した評価を実施するために、私どもの監査チームに評価専門家を含めること。
・内部モデルおよび/または観察不能なデータを用いて複雑なデリバティブ金融商品の価値を見積るために当行が
使用している仮定、方法論およびモデルを検討すること。
・適切なベンチマークを使用して行われた仮定と価格情報源を比較し、大幅な乖離がないかを検討すること。
・適用ある会計基準における表示要件を用いて当行の開示を評価すること。
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ヘッジ会計
内容
注記1の「デリバティブ商品およびヘッジ会計」に記載の当行の会計方針ならびに注記2、 20 および 24 について
当行は、金利および為替リスクに対するエクスポージャーを管理するためにデリバティブ金融商品を締結している。
金利関連デリバティブは、公正価値ヘッジ会計関係においてヘッジ手段として識別されている。ヘッジ会計が適用され
ているため、デリバティブの公正価値の変動から生じる損益は損益において認識される。ヘッジ会計が適用されないデ
リバティブは、損益を通じて公正価値で計上される。ヘッジ対象として識別されている借入および貸付取引のヘッジさ
れた金利リスクは公正価値で評価される。 2020 年 12 月 31 日現在、当行は、ヘッジ手段として識別された 5,104 百万ユー
ロの貸出金および 28,080 百万ユーロの借入金を有している。ヘッジ・デリバティブの公正価値は、資産については -273
百万ユーロで、このうち0百万ユーロは OCI において認識されており、デリバティブ負債については 516 百万ユーロで、
このうち9百万ユーロが OCI において認識されている。
数多くの契約が各契約を記録し、追跡するためのシステムを必要とし、ヘッジの有効性の検討には相当な複雑さと経
営陣の判断の双方を伴う可能性があり、かつ誤謬という固有リスクがあるため、ヘッジ会計の適用は監査上の主要な検
討事項とみなされる。
かかる監査上の主要な検討事項の対処方法
ヘッジ会計にかかる私どもの監査手続きは、とりわけ、以下を含んでいる。
・ヘッジ会計関係を特定し、測定し、認識するために当行が実施しているプロセスおよび統制を理解すること。
・サンプルベースで、当行のヘッジ文書および契約を精査すること。
・公正価値ヘッジについてサンプルベースで独立した評価を実施するために、私どもの監査チームに専門家を含む
こと。
・適用ある会計基準における表示要件を用いて当行の開示を評価すること。
貸出の付与および貸倒引当金
内容
注記1の「貸出の減損」および「重要な会計上の判断および見積り」に記載の当行の会計方針ならびに注記9、 10 およ
び 12 について
貸出金は、当行の資産合計の 61 %に相当する 21,555 百万ユーロであり、貸出の減損は 173 百万ユーロである。
減損要件は、予想信用損失( ECL )モデルに基づいている。当行は、当初の認識以降信用リスクが大きく拡大したか
どうかによって、 12 カ月または残存期間の ECL のいずれかについて引当金を認識することを義務づけられている。
予想信用損失の計算は、確率加重成果、貨幣の時間価値および入手可能な将来に関する最善の情報を反映する計算を
含む複雑なプロセスである。また、このモデルには、マクロ経済ファクターを含めることにより将来に関する情報が盛
り込まれ、経営陣の判断および見積りが含まれることがある。
貸出金は多額であり、信用リスクは当行にとって最大のリスクを示しており、関連する減損は判断および見積りの対
象であるため、私どもは貸出の付与および貸倒引当金を監査上の主要な検討事項として評価した。
かかる監査上の主要な検討事項の対処方法
貸出の付与および貸倒引当金にかかる私どもの監査手続きは、とりわけ、以下を含んでいる。
・新規の貸出を付与し、貸出の減損を特定し、測定し、認識するために当行が実施しているプロセスおよび統制を
理解すること。
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有価証券報告書
・与信のプロセスおよび与信の決定の双方、与信の審査格付分類、ならびに引当金を設定すべき与信の識別および
決定における主要な統制の設計および効率性をテストすること。
・これらのシステムについてその承認の取扱いおよびアクセスの使用を含む全般的な IT 統制をテストすること。
・ ECL モデルにおける主要な入力変数および仮定(経営陣の判断および見積りを含む。)を評価し、適宜データおよ
び仮定を外部のベンチマークと比較すること。
・モデルの数学的精度をテストすること。
・ガバナンス統制が実施されていることを確認するため、与信委員会および理事会を含む主要なガバナンス会議を
視察すること。
・適用ある会計基準における表示要件を用いて当行の開示を評価すること。
年次会計以外の情報
理事会および総裁は、その他の情報について責任を負う。その他の情報とは、理事会報告書、営業および財務レ
ビュー、資本および流動性の管理、ガバナンス報告書ならびに年次報告書に記載される情報からなるが、財務書類および
それに関する私どもの報告書は含まない。私どもは、監査報告書の日付に先立って理事会報告書、営業および財務レ
ビュー、資本および流動性の管理ならびにガバナンス報告書を入手したが、年次報告書については当該日以降に入手でき
る見込みである。
財務書類にかかる私どもの意見は、その他の情報を対象としていない。
財務書類に関する私どもの監査については、上記で特定されたその他の情報を読むこと、またそれにおいてその他の情
報が財務書類または監査において得られた私どもの知識と著しく整合性を欠いているか、またはその他重大な虚偽記載が
あるかどうかについて検討することが私どもの責任である。
私どもの意見では、理事会報告書、営業および財務レビュー、資本および流動性の管理ならびにガバナンス報告書にお
ける情報は、財務書類中の情報と整合している。
仮に、私どもが本監査報告書の日付より前に入手したその他の情報について行った作業に基づいて、かかるその他の情
報に重大な虚偽記載があると判断する場合には、私どもはかかる事実の報告を求められる。私どもがこれに関して報告す
べき事項はない。
財務書類に対する理事会および総裁の責任
理事会および総裁は、国際財務報告基準( IFRS )に従って財務書類の作成および公正な表示について、また不正または
過失によるかに拘わらず、重大な虚偽記載のない財務書類の作成を可能にするために彼らが必要と判断する内部統制につ
いて責任を負っている。
財務書類の作成において、理事会および総裁は、当行を清算する意図もしくは業務を停止する意図が経営陣になく、ま
たはそうせざるを得ない代替手段が現に存在しない限り、継続企業として存続する当行の能力の評価、(適用ある場合)
継続企業の前提にかかる事項の開示、ならびに会計の継続企業基準の適用について、責任を負う。
統治責任者は、当行の財務報告プロセスの監視について責任を負う。
財務書類の監査にかかる監査人の責任
私どもは、不正または過失によるかに拘わらず、財務書類全体に重大な虚偽記載がないかどうかについての合理的な確
証を得ること、ならびに私どもの意見を含む監査報告書を発行することを目的としている。合理的な確証とは、確度の高
い保証であるが、 ISA に従って実施された監査が存在する重大な虚偽記載を常に発見できることを保証するものではな
い。虚偽記載は、不正または過失から生じる可能性があり、個別にまたは全体として、財務書類を基礎として行われる利
用者の経済的判断に影響を及ぼすことが合理的に予想されうる場合は、重大であるとみなされる。
ISA に従った監査の一環として、私どもは、監査全体を通じて職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持
している。私どもはまた、
・ 不正または過失によるかに拘わらず、財務書類の重大な虚偽記載に関するリスクを特定し、評価し、かかるリスク
に対応した監査手続きを計画し、実行し、私どもの意見に関する基礎を与えるために十分かつ適切な監査証拠を得
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る。不正には、共謀、偽造、意図的な省略、虚偽表示または内部統制の無視が絡むことがあるため、不正の結果と
しての重大な虚偽記載が発見されないリスクは、過失によるものより高い。
・ 状況に応じて適切な監査手続きを計画するために、監査に関連する内部統制について理解する。ただし、当行の内
部統制の有効性について意見を述べることを目的とするものではない。
・ 用いられた会計方針の適正性および経営陣による会計上の見積りおよび関連する開示の妥当性を評価する。
・ 理事会および総裁による会計の継続企業基準の利用の適正性、ならびに得られた監査証拠に基づいて、継続企業と
して存続する当行の能力について重大な疑いを掛けうる事象または状況に関連して重大な不確実性があるか否かに
ついて、結論付ける。私どもが重大な不確実性があると判断した場合、私どもは、その監査報告書において財務書
類中の関連する開示事項に注意喚起することを求められ、かかる開示が十分でない場合には、意見の修正を求めら
れる。私どもの結論は、監査報告書の日付までに得られた監査証拠に基づくものである。ただし、将来の事象また
は状況によって当行が継続企業として存続しなくなる可能性がある。
・ 公正な表示を実現する方法で、開示事項を含む財務書類の全体の表示、構成および内容、ならびに財務書類が基礎
となる取引および事象を表示しているかどうかを評価する。
私どもは、とりわけ計画された監査の範囲および時期ならびに私どもが監査中に特定した内部統制の重大な不備を含む
重要な監査上の発見について、統治責任者に報告を行っている。
私どもはまた、独立性に関する関連する倫理要件を私どもが遵守している旨を統治責任者に表明し、私どもの独立性を
損なうと合理的に考えられるすべての関係およびその他の事項ならびに適用ある場合には関連するセーフガードについて
統治責任者に報告している。
統治責任者への報告事項から、私どもは当期の財務書類の監査において最も重要であり、よって監査上の主要な検討事
項となる事項を決定する。私どもは、当該事項についての公表が法令により禁止されない限り、または極めて稀なケース
ではあるが、開示することの悪影響が当該報告の公益性を上回ると合理的に考えられるために私どもが当該事項を報告書
に記載すべきでないと判断する場合を除き、かかる事項を監査報告書に記載する。
その他の要件にかかる報告
意見
財務書類の監査のほか、私どもは、契約条件に従って、 2020 年にかかる北欧投資銀行の理事会および総裁による業務の
執行についても監査を行った。私どもの意見では、理事会および総裁による業務の執行はすべての重要な点において当行
の定款に準拠して行われていた。
意見の基礎
私どもは、一般に認められた監査基準に従って監査を実施した。かかる基準に基づく私どもの責任については、本報告
書の「 監査人の責任 」の項に詳述されている。私どもは、会計士の職業倫理に従って、当行から独立しており、かかる要
件に従って私どものその他の倫理的責任を果たしている。
私どもは、私どもの入手した監査証拠が私どもの意見に関する基礎を与えるために十分かつ適切であると確信してい
る。
理事会および総裁の責任
当行のすべての権限は、定款第 13 条に定める統治委員会に付与されているものを除き、理事会に付与されている。理事
会は、適切とみなされる範囲で、これらの権限を総裁に委任することができる。
総裁は、当行の現在の業務遂行について責任を負い、理事会から与えられた指針および指示に従うものとする。
監査人の責任
理事会および総裁による業務執行が当行の定款を遵守しているかどうかの監査に関する私どもの目的は、重要な点で理
事会の構成員または総裁が定款に違反して行動したかどうかを合理的な範囲の確証をもって評価するための監査証拠を入
手することである。
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有価証券報告書
合理的な確証とは、確度の高い保証であるが、国際監査基準に従って実施された監査が当行に対する責任を生じさせう
る行為または不作為を常に発見できることを保証するものではない。
国際監査基準に従った監査の一環として、私どもは、監査全体を通じて職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑
心を保持している。業務執行の審査は主に会計監査に基づいている。実施された追加の監査手続きは、リスクおよび重要
性を出発点とした私どもの専門家としての判断に基づいている。これは、業務にとって重要であり、その乖離および違反
が当行の状況にとって特に重要となりうる行為、分野および関係性についての精査に私どもが重点を置いていることを意
味している。私どもは、行われた決定、決定に対する支持、取られた行動、および私どもの意見に関連したその他の状況
について精査・検証する。
監査人の任命
アーンスト・アンド・ヤング Oy およびアーンスト・アンド・ヤング AB は、 2018 会計年度以降監査委員会により監査人
として任命されている。下記に署名する監査人は、 2018 会計年度以降担当監査人として行為してきた。
2021 年2月 12 日、ヘルシンキ
アーンスト・アンド・ヤング Oy アーンスト・アンド・ヤング AB
公認会計士事務所 公認会計士事務所
(署 名) (署 名)
Terhi M äkinen Mona Alfredsson
公認会計士
公認会計士
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