バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド 有価証券報告書
| 提出書類 | 有価証券報告書 |
|---|---|
| 提出日 | |
| 提出者 | バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド |
| カテゴリ | 有価証券報告書 |
EDINET提出書類
バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド(E05924)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第 24 条第 1 項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2022 年 6 月 24 日
【事業年度】 2021 年度（自 2021 年 1 月 1 日 至 2021 年 12 月 31 日）
【会社名】 バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド
(BOC Hong Kong (Holdings) Limited)
【代表者の役職氏名】 副会長、執行取締役兼社長 孫煜
(SUN Yu, Vice Chairman, Executive Director and Chief Executive)
【本店の所在の場所】 香港 ガーデンロード 1 バンク・オブ・チャイナ・タワー 53 階
(53rd Floor, Bank of China Tower, 1 Garden Road, Hong Kong)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 松 添 聖 史
【代理人の住所又は所在地】 東京都港区六本木一丁目 9 番 10 号
アークヒルズ仙石山森タワー
ベーカー＆マッケンジー法律事務所（外国法共同事業）
【電話番号】 (03)6271-9900
【事務連絡者氏名】 弁護士 松 添 聖 史
【連絡場所】 東京都港区六本木一丁目 9 番 10 号
アークヒルズ仙石山森タワー
ベーカー＆マッケンジー法律事務所（外国法共同事業）
【電話番号】 (03)6271-9900
【縦覧に供する場所】 該当なし
( 注 ) １．別段の記載がある場合を除き、「香港ドル」は香港の法定通貨を指す。
２ ． 本書において記載されている香港ドルから日本円への換算は、１香港ドル＝ 16.42 円（株式会社三菱 UFJ 銀行が
発表した 2022 年 4 月 28 日の香港ドルの対顧客電信直物売買相場の仲値）の換算率により行われている。
３ ． 当社の事業年度は暦年である。
４ ． 本書の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和又は他の欄に記載されている数値と必ずしも一
致しない。
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５．本書において、別段の記載がある場合を除き、下記の用語は下記の意味を有する。
「 ADR 」 ……………………………………… 米国預託証券（ American Depositary Receipt ）のことをいう。
「 ADS 」……………………………………… 米国預託株式（ American Depositary Share ）のことをいう。
「 ALCO 」又は「 ALM 委員会」 ……………… 資産負債管理委員会（ Asset and Liability Management
Committee ）のことをいう。
「 AT １」……………………………………… その他 Tier １（ Additional Tier 1 ）のことをいう。
「 ATM 」……………………………………… 現金自動預払機（ Automatic Teller Machine ）を意味する。
「関連会社」 ……………………………… 上場規則に規定される「関連会社（ associates ）」を意味する。
「取締役会」 ……………………………… 当社の取締役会のことをいう。
「中国銀行」又は「 BOC 」……………… 中国の法律に基づき設立された有限責任株式会社の商業銀行で、 H
株式及び A 株式がそれぞれ香港証券取引所及び上海証券取引所に上
場している中国銀行（ Bank of China Limited ）のことをいう。
「バンク・オブ・チャイナ香港（ BVI ） 英領ヴァーージン諸島の法律に基づき設立された会社で、 BOC 香港
（グループ）の完全子会社であるバンク・オブ・チャイナ香港
株式会社」又は「 BOC (BVI) 」 ……………
（ BVI ）リミテッド（ BOC Hong Kong (BVI) Limited ）のことをい
う。
「 BOC クレジット・カード」……………… 香港の法律に基づき設立された会社で、バンク・オブ・チャイナ
香港の完全子会社である BOC クレジット・カード ( インターナショ
ナル ) リミテッド（ BOC Credit Card (International) Limited ）
のことをいう。
「 BOC グループ保険会社」又は 香港の法律に基づき設立された会社で、中国銀行の完全子会社で
「 BOCG インシュアランス」……………… あるバンク・オブ・チャイナ・グループ・インシュアランス・カ
ンパニー・リミテッド（ Bank of China Group Insurance Company
Limited ）のことをいう。
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「 BOCHK 慈善基金」………………………… 1994 年７月に設立された慈善団体であるバンク・オブ・チャイナ
（香港）リミテッド・チャリタブル・ファンデーション（ Bank of
China (Hong Kong) Limited Charitable Foundation ）（旧「バン
ク・オブ・チャイナ・グループ・チャリタブル・ファンデーショ
ン」 (Bank of China Group Charitable Foundation) ）のことをい
う。
「 BOC 香港（グループ ) 」又は「 BOCHKG 」… 香港の法律に基づき設立された会社で、中国銀行の完全子会社で
ある BOC 香港（グループ）リミテッド（ BOC Hong Kong (Group)
Limited ）のことをいう。
「バンク・オブ・チャイナ香港」、 香港の法律に基づき設立された会社で、当社の完全子会社である
「 BOCHK 」、「 BOC 香港」、「当行」又は 中国銀行（香港）株式会社（ Bank of China (Hong Kong)
「当社」………………………………………
Limited ）のことをいう。
「バンク・オブ・チャイナ・ 香港の法律に基づき設立された会社で、中国銀行の完全子会社で
インターナショナル」又は「 BOCI 」……… ある BOC インターナショナル・ホールディングス・リミテッド
（ BOC International Holdings Limited ）のことをいう。
「 BOCI －プルデンシャル・アセット・ 香港の法律に基づき設立された会社で、バンク・オブ・チャイ
マネジメント」 …………………………… ナ・インターナショナル・ホールディングス・リミテッドの完全
子会社である BOCI アセット・マネジメント・リミテッド及びプル
デンシャル・コーポレーション・ホールディングス・リミテッド
が各々 64 ％及び 36 ％の持分を保有する BOCI －プルデンシャル・ア
セット・マネジメント・リミテッド（ BOCI-Prudential Asset
Management Limited ）のことをいう。
「 BOCI －プルデンシャル・ 香港の法律に基づき設立された会社で、 BOC グループ・トラス
トラスティ」………………………………… ティ・カンパニー・リミテッド及びプルデンシャル・コーポレー
ション・ホールディングス・リミテッドが各々 64 ％及び 36 ％の持
分を保有する BOCI －プルデンシャル・トラスティ・リミテッド
（ BOCI-Prudential Trustee Limited ）のことをいう。
「 BOC グループ生命保険会社」 香港の法律に基づき設立された会社で、当グループ及び BOC グルー
プ保険会社が各々 51 ％及び 49 ％の持分を保有する BOC グループ・ラ
又は「 BOC ライフ」…………………………
イフ・アシュアランス・カンパニー・リミテッド（ BOC Group
Life Assurance Company Limited ）のことをいう。
「 BOC マレーシア」………………………… バンク・オブ・チャイナ香港の完全子会社であるバンク・オブ・
チャイナ ( マレーシア ) ベルハッド （ Bank of China (Malaysia)
Berhad ）のことをいう。
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「 BOC タイ」………………………………… バンク・オブ・チャイナ香港の完全子会社であるバンク・オブ・
チャイナ ( タイ ) パブリック・カンパニー・リミテッド（ Bank of
China (Thai) Public Company Limited ）のことをいう。
「 CAS 」 ……………………………………… 中国企業会計準則 (Chinese Accounting Standard for Business
Enterprises) のことをいう。
「 CE 」 ……………………………………… 社長（ Chief Executive ）のことをいう。
「 CET １ 」 …………………………………… 普通株等 Tier １（ Common Equity Tier 1 ）のことをいう。
「 CFO 」……………………………………… 最高財務責任者（ Chief Financial Officer ）のことをいう。
「チャイナ・インベストメント・ チャイナ・インベストメント・コーポレーション（ China
コーポレーション」 ……………………… Investment Corporation ）のことをいう。
「 CRO 」……………………………………… 最高リスク管理責任者 (Chief Risk Officer) のことをいう。
「 CVA 」 ……………………………………… 信用評価調整（ Credit Valuation Adjustment ）のことをいう。
「セントラル・フイジン」 ……………… セントラル・フイジン・インベストメント・リミテッド（ Central
Huijin Investment Limited ）のことをいう。
「 DCE 」 ……………………………………… 副社長（ Deputy Chief Executive ）のことをいう。
「 DVA 」 ……………………………………… 債務評価調整（ Debit Valuation Adjustment ）のことをいう。
「 ECL 」 ……………………………………… 予定信用損失をいう。
「 EVE 」 ………………………………… …… 経済価値感応度（ Economic Value Sensitivity Ratio ）のことをい
う。
「 FCC 」 ……………………………………… 金融犯罪コンプライアンス部をいう。
「 FIRB 」 …………………………………… … 基礎的内部格付ベース (Foundation Internal Ratings-Based) のこ
とをいう。
「フィッチ」 ……………………………… フィッチ・レーティングス (Fitch Ratings) のことをいう。
「 FVOCI 」 ……………………………… … その他の包括利益を通じた公正価値をいう。
「 FVPL 」 …………………………………… 損益を通じた公正価値をいう。
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「 GDP 」……………………………………… 国内総生産（ Gross Domestic Product ）のことをいう。
「 HIBOR 」…………………………………… 香港銀行間取引金利（ Hong Kong Interbank Offered Rate ）のこ
とをいう。
「香港会計基準」又は「 HKAS 」 … … …… 香港会計基準（ Hong Kong Accounting Standard ）のことをいう。
「香港財務報告基準」又は 香港財務報告基準（ Hong Kong Financial Reporting Standard ）の
「 HKFRS 」 ……………………………… ……
ことをいう。
「香港会計士協会」又は「 HKICPA 」 …… 香港会計士協会（ Hong Kong Institute of Certified Public
Accountants ）のことをいう。
「香港金融管理局」又は「 HKMA 」 ……… 香港金融管理局（ Hong Kong Monetary Authority ）のことをい
う。
「香港」、「香港特別行政区」又は 中華人民共和国香港特別行政区（ Hong Kong Special
「 HKSAR 」……………………………………
Administrative Region of the PRC ）のことをいう。
「 IBOR 改革」………………………………… 金利ベンチマーク改革のことをいう。
「 ICAAP 」…………………………………… 内部自己資本充実度評価プロセス（ Internal Capital Adequacy
Assessment Process ）のことをいう。
「 IFRS 」 ………………………………… … 国際財務報告基準 (International Financial Reporting
Standard) のことをいう。
「 IMM 」 ……………………………………… 内部モデル方式（ Internal Models Method ）のことをいう。
「 IT 」 ……………………………………… 情報技術のことをいう。
「 LCO 」……………………………………… 法務・コンプライアンス及びオペレーショナル・リスク管理部
（ Legal & Compliance and Operational Risk Management
Department ）のことをいう。
「 LCR 」……………………………………… 流動性カバレッジ比率（ Liquidity Coverage Ratio ）のことをい
う。
「 LIBOR 」 … ………………………………… ロンドン銀行間取引金利（ London Interbank Offered Rate ）のこ
とをいう。
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「上場規則」 … …………………………… 香港証券取引所における有価証券の上場を規定する規則のことを
いう。
「 MC 」 ……………………………………… 経営会議（ Management Committee ）のことをいう。
「 MCO 」 ……………………………………… 最大累積キャッシュ・アウトフローをいう。
「 MPF 」 ……………………………………… 強制積立基金（ Mandatory Provident Fund ）のことをいう。
「 MPF 条例 」 ………………………………… 香港法第 485 章（改正済）の強制積立基金制度に関する条例のこと
いう。
「ムーディーズ」 ………………………… ムーディーズ・インベスターズ・サービス（ Moody’s Investors
Service ）のことをいう。
「 N/A 」「該当なし」……………………… 該当なしのことをいう。
「 NII 」……………………………………… 純受取利息鋭敏比をいう。
「 NSFR 」…………………………………… 安定調達比率をいう。
「職業退職制度」 ………………………… 香港法第 426 章の職業退職制度条例に基づく職業退職制度のことを
いう。
「 OTC 」…………………………………… … 店頭取引（ Over-the-counter ）のことをいう。
「 PD 」 ……………………………………… … 債務不履行の確率のことをいう。
「中国」 …………………………………… 中華人民共和国のことをいう。
「 PVBP 」 …………………………………… ベーシス・ポイントの価格値（ Price Value of a Basis Point ）
のことをいう。
「 RFR 」 …………………………………… … リスクフリー金利のことをいう。
「人民元」 ………………………………… 中国の法定通貨である人民元（ Renminbi （ RMB ））のことをいう。
「 RMC 」 ……………………………………… リスク委員会（ Risk Committee ）のことをいう。
「 RMD 」 ……………………………………… リスク管理部（ Risk Management Department ）のことをいう。
「 RWA 」 …………………………………… … リスク加重資産（ Risk-weighted Assets ）のことをいう。
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「証券先物条例」 ………………………… 香港法第 571 章証券先物条例（ Securities and Futures
Ordinance ）のことをいう。
「 SME 」……………………………………… 小・中規模企業のことをいう。
「 STC 」……………………………………… 標準的（信用リスク）（ Standardised (Credit Risk) ）のことを
いう。
「 STM 」……………………………………… 標準的（市場リスク）（ Standardised (Market Risk) ）のことを
いう。
「 STO 」……………………………………… 標準的（オペレーショナル・リスク）（ Standardised
(Operational Risk) ）のことをいう。
「スタンダード＆プアーズ」 …………… スタンダード＆プアーズ・レーティングス・サービシズ (Standard
& Poor’s Ratings Services) のことをいう。
「証券取引所」又は 香港証券取引所（ The Stock Exchange of Hong Kong Limited ）の
「香港証券取引所」 ……………………… ことをいう。
「当社」 …………………………………… 香港の法律に基づき設立された会社であるバンク・オブ・チャイナ
香港（ホールディングス）リミテッド（ BOC Hong Kong (Holdings)
Limited ）のことをいう。
「当グループ」 …………………………… 総じて当社及びその子会社のことをいう。
「米国」 …………………………………… アメリカ合衆国のことをいう。
「 VaR 」 ……………………………………… バリュー・アット・リスク（ Value at Risk ）のことをいう。
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第一部【企 業 情 報】
第１【本国における法制等の概要】
１【会社制度等の概要】
(1) 【提出会社の属する国・州等における会社制度】
1.1.1 会社条例
香港で設立される会社を管理する法体制は、香港法第 622 章会社条例（以下「会社条例」という。）並びに香港法
第 32 章会社（清算及び細則規定）条例（随時改正される。）において記載されている。以下の要約は当社に適用され
る会社条例の主要な条項の要点をまとめたものである。
設 立
会社条例に基づき、会社の設立には、かかる会社の創設者が通常定款（以下「通常定款」という。）に署名をす
ることが要求される。通常定款は、会社の登記に関しては会社条例に従うことを明言した法令遵守宣言書とともに
香港企業登記局で登記されなければならない。登記官は、設立予定会社の登記に関する会社条例の要件が全て満た
されていると納得した場合に、会社設立証書を発行する。会社はかかる証書に記載の設立日をもって法的主体とな
る。
基本定款
（ 2014 年 3 月 3 日に発効した）会社条例の施行により、基本定款は会社の構成文書の 1 つではなくなった。会社条
例の施行前に設立された会社に関しては、関連する規定が特別決議を可決することでその構成員によって削除され
た場合を除き、基本定款における現行の規定が通常定款の一部とみなされる。
通常定款
会社条例に基づき、通常定款が会社の唯一の構成文書となる。通常定款には会社内部の運営及び管理体制の規則
が含まれている。会社の通常定款は、会社業務が運営される方法、会社業務並びに会社権限の管理及び会社の構成
員、取締役並びにその他役員及び従業員の権限に関するいかなる規定をも含むことができる。会社は、独自の定款
を制定又は香港法第 622H 条会社（模範定款）公告に規定される模範定款を採用することができる。通常定款は特別
決議又は書面による決議の可決によってのみ変更可能である。
記録保持及び年次報告書
会社条例は、以下に関する適切な会計帳簿を保持することを会社に義務づけている。
( ⅰ ) 収入金及び支出金の全金額、並びに収入及び支出の発生に関する事項
( ⅱ ) 物品の全売買
( ⅲ ) 資産及び負債
会計帳簿は会社の登記上の事務所又は香港内のその他の規定された場所において保持される。ただし、これらの
会計帳簿は最終的になされた記載又は記録事項に関する会計年度末から 7 年間保存されなければならない。
会社の年次株主総会毎に、取締役は会社の損益計算書、貸借対照表、また適切な場合には、グループ財務諸表を
株主総会の構成員に提出しなければならない。かかる損益計算書及び貸借対照表は会計士の専門団体が規定した手
順及び基準に従い、独立公認会計士（以下「監査役」という。）による監査を受けなければならない。
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監査役は会社の貸借対照表及び損益計算書が会社条例に従って適切に作成されているか、並びに貸借対照表及び
損益計算書が会計年度末現在の会社の業務及び会計年度に関する会社の損益の真実かつ公正な見解を示しているか
どうかを記載した監査報告書を作成することが求められている。
貸借対照表、損益計算書及び取締役報告書並びに監査報告書とともに年次株主総会で会社に提出される予定の報
告書の全ての写しは、かかる年次株主総会の日付より 21 日以前に全構成員に送付されなければならない。取締役報
告書は、会社が会社条例に規定される免除要件に該当する場合を除き、会社の事業の公正な考察並びに会社が直面
する主要リスク及び不確実性に関する記載を含む事業の概況を含む、会社条例に基づき規定される一定事項を記述
しなければならない。
非公開企業を除き、年次報告書を香港企業登記局へ提出することが義務づけられている。
株 式
会社は普通株式及び／又は優先株式を発行することができる。株式は全て又は一部払込済株式として発行され
る。異なる種類又は異なる議決権及び配当請求権を有する株式とすることができる。
株式に付与される議決権及び配当権については、下記「提出会社の定款等に規定する制度」を参照のこと。
重要な管理者名簿
2018 年会社（改正）条例（以下「改正条例」という。）により、会社ごとに重要な管理者名簿の保管に関する
新たな要件が導入されている。改正条例は 2018 年 3 月 1 日に施行された。
香港の国際上の義務を果たすべく企業の受益権の透明性を高めるため、会社条例（第 622 章）が重要な管理者名
簿を保管することにより、香港で設立された企業に最新の受益権の情報を取得し、維持することを求めるために改正
されている。名簿は、求めに応じて法律施行担当官による閲覧のために開かれるべきものである。
構成員／株主
会社の株主名簿に登録された者のみが株主として同会社に承認される。株主名簿に関するいかなる委託の通知
も、明示、暗示又は推定を問わず、提出されてはならない。
株主名簿は会社の登記上の本社に保持されなければならない。ただし、株主名簿の作成業務が別の事務所におい
てなされた場合には、かかる事務所に保持することができる。名簿が閉鎖された場合を除き、かかる名簿は会社の
登録株主に対し無料で営業時間中に閲覧に供されるものとする。株主名簿は、会社が（上場会社である場合には）
上場規則に従う、又は香港で一般に販売されている新聞に公告することにより、毎年 30 日間を超えない期間で何度
でも閉鎖することができる。かかる閉鎖期間は株主総会で可決される普通決議により 60 日間に延長することが可能
である。
香港設立の会社の株主になるには、国籍又は居住地要件は存在しない。株主は、通常定款が譲渡に関する制約を
課している場合を除き、自己保有株式を自由に譲渡することができる。
株主総会
会社条例に基づき、構成員が 1 名の会社は年次株主総会の開催を要求されない。その他の会社は、全会一致の決
議により年次株主総会の開催を省略することができる。ただし、かかる決議が取消され又は構成員により年次株主
総会の開催が要求され、かつ、書面による決議により置換えられた場合を除くが、この場合は必要な提出書類が書
面による決議以前に構成員に対して提供されなければならない。年次株主総会の招集通知期間は通常定款の定める
ところに従うが、いかなる場合も、 21 日以前の書面による通知によるものとする。通常又は特別決議のいずれかを
可決するために開催されるその他の株主総会は、 14 日以前に通知するものとする。ただし、「特別通知」を必要と
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する決議が提案される場合を除く（「特別通知」決議は、取締役又は監査役の解任を含む。）。かかる通知には総
会の開催場所、日時及び取り上げられる議事の概要を明記する。
通常定款に別途規定されている場合を除き、本人又は代理により出席し議決権を有する 2 名の株主が実際に定足
数を構成するものとする。株主総会が議事を審議する場合、定足数が出席し、株主総会の閉会まで在席していなけ
れば、いかなる株主総会においても議事は処理されない。
株主救済手段
株主救済手段に関連する条項は会社条例第 14 節に含まれている。主な条項は、不当損害救済手段、会社条例違反
行為を抑制する法定差止命令、法定株主代表訴訟及び会社記録調査のための裁判所命令請求権を含む。会社条例は
また、裁判所が適切と考える命令を下す権限を裁判所に付与しており、会社の構成員の利益が不当に損なわれたと
みとめられる場合、当該構成員の損害賠償を認める権限を含む。
管理及び運営
会社条例では香港設立の会社は、非公開会社を除き、最低 2 名の取締役を置くものとすると規定している。かか
る要件を前提に、会社はその通常定款により取締役の最低人数及び最高人数を決定することができる。上場会社で
ある当社の場合は、取締役は自然人でなければならない。また、全ての会社は秘書役を持たねばならない。取締役
を任命する一般的な権限は、通常、通常定款により株主総会において行為する株主に付与される。
会社の経営を行う一般的な権限は、通常定款又は会社条例に別段の規定がない場合は、通常取締役に付与されて
いる。取締役は、会議で、又は書面による決議をもって、決議を可決する取締役会として行為する。通常定款にお
いて明記されていない限り、取締役会を香港内で開催しなければならないとの規制はない。
取締役会は、普通は通常定款により一定の特別な役割を遂行又は会社の運営上の特定分野を処理する委員会を選
任し、また一定の権限を委任される常務理事を選任する権限を与えられている。さらに、通常定款は、会社の代理
として行為するためにいかなる者（会社の従業員を含む。）に一般的又は特定の権限を委任する権利を取締役会に
付与している。
先買権及び株式の発行
会社条例に基づき、会社の取締役会は、株主の事前承認を得ることなく、既存株主に対しその現行の持分に按分
比例した新株発行の申出をすることができる。しかし取締役会は、株主の事前承認なしには他のいかなる方法に
よっても新株を発行することはできない。さらに取締役は、ワラント、株式オプション又は転換社債等の株式の引
受け又は有価証券の株式への転換に株主の承認を必要とし、かかる権利の転換又は行使による株式の割当に関して
さらなる承認を求めることはできない。
1.1.2 香港上場規則
香港証券取引所に上場する会社は上場規則に従う。
(2) 【提出会社の定款等に規定する制度】
現行の通常定款は、 2021 年 5 月 17 日開催の当社年次株主総会において当社によって採択された。以下は通常定款の
一部の規定の要約である。
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1.2.1 資本の変更
当社は、当社の株式（償還株式を含む。）をいかなる価格によっても買取りもしくはその他の方法により取得す
るため、又は、直接であると間接であるとを問わず、貸付、保証、担保の提供等の方法により、いずれかの者が
行っ たもしくは行う当社の株式の買取りもしくはその他の方法による取得のため、もしくはこれに関連して、財政
的支援を行うため、会社条例もしくはそのときにおけるその他の条例により付与もしくは許容されている、又は禁
止されていないもしくは矛盾しない権限を行使することができる。当社が当社の自己株式を買取りもしくはその他
の方法により取得する場合、当社及び取締役会のいずれも、同一の種類の株式の所持人間、もしくはかかる所持人
とその他の種類の株式の所持人間で按分比例もしくはその他の特別な方法により、又はいずれかの種類の株式によ
り付与される配当金もしくは資本に関する権利に基づき、当該株式を買取りもしくはその他の方法により取得する
選択をすることを要しないものとする。ただし、償還株式の買取りの場合は、 (a) 市場経由もしくは入札によらず
になされる買取りは最高価格に制限が課されるものとし、 (b) 買取りが入札によりなされる場合は、入札は全ての
構成員に対して差別なく利用できるものとし、さらに、かかる買取りもしくはその他の取得又は財政的支援は、香
港証券取引所もしくは香港証券先物管理委員会が発するそのときに効力を有する会社条例及び関連規則もしくは規
定に従ってのみ行われ、もしくは提供されるものとする。
当社は、随時、普通決議により、当社が発行することができる最大株式数をその決議が定める数に増やすことが
できる。
当社は、随時、普通決議により、
ⅰ 会社条例に従い、新株の割当及び発行によって当社の株式資本を増加することができる。
ⅱ 当社の株式資本の増加に関する資金又はその他の資産が当社の構成員によって提供された場合、新株の割
当及び発行を行わずに当社の株式資本を増加することができる。
ⅲ 新株の割当及び発行の有無にかかわらず、当社の利益を資本化することができる。
ⅳ 当社の資本金の増加の有無にかかわらず、無償株を割当及び発行することができる。
ⅴ 当社の株式の全て又は一部を、より多い又はより少ない株式数に変更することができる。
ⅵ 当該決議の採択日においていかなる者にも引受けられていない又はこれを引受ける同意の得られていない
もしくは失権している株式を消却し、当社の株式資本の価額を当該消却株式の価額分、減少することができ
る。
ⅶ 当社の株式を複数の種類に分割し、それぞれこれに優先、劣後、制限もしくは特別の権利、特権もしくは
条件を付することができる。
ⅷ いかなる議決権も伴わない株式の発行及び割当に関する規定を定めることができる。
契約、会社条例もしくは通常定款に異なる定めがある場合を除き、未発行株式は、全て取締役会の処分に委ねら
れるものとし、取締役会はその完全な自由裁量により適切と判断する者に対して、その適切と判断する時期及び対
価にて、かつ、一般的にその適切と判断する条項及び条件によりこれを募集し、割り当て、オプションを付与し、
その他これを処理もしくは処分することができる。
当社は、特別決議により、当社の株式資本及び資本償還準備金、資本剰余金又はその他の分配不能準備金を会社
条例又は法律の許容する方法により減少することができる。
1.2.2 権利の修正
そのときにおいて発行されているいずれかの種類の株式に付されている特別の権利（当該種類の株式の発行条件
により別途規定されている場合はこの限りでない。）の全部もしくはそのいずれかは、会社条例の規定に従い、清
算前及び清算中のいかなるときにおいても、当該種類の発行済株式の 4 分の 3 以上の所持人の書面による承諾、又は
当該種類の株主の個別の総会において採択された特別決議による承認を得て、変更もしくは排除することができ、
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株主総会に関する通常定款の規定は全てかかる各総会に準用されるものとするが、その定足数は当該種類の発行済
株式の 3 分の 1 を保有もしくは代理人により代表される 2 名以上の者とし、また、自らもしくは代理人により出席す
る 当該種類の株式の所持人は投票を請求することができる。
1.2.3 株式の譲渡
いかなる株式の譲渡証書も、通常の一般的な様式又は取締役会が認めるその他の様式の書面によらなければなら
ず、手書きのみによるか、又は譲渡人もしくは譲受人が清算機関（通常定款において定義される。）（もしくはそ
のノミニー）である場合は、手書きもしくは機械印刷署名によるか、又は取締役会が随時認めるその他の作成方法
によることができ、譲渡人もしくはその代理人及び譲受人もしくはその代理人により作成されるものとする。譲渡
人は、譲受人の氏名が当該株式につき当社の株主名簿に記載されるまではなおその所持人にとどまるものとする。
各譲渡証書は、登録のため、当社の登記上の事務所（又は取締役会がこのために指定することのあるその他の場
所）に、譲渡される株式に関する証明書及び当該証明書に関して取締役が要求する可能性があるその他の証拠を添
付して提出されなければならない。登録される各譲渡証書は当社により保有されるものとする。
取締役は、会社条例の規定に従い、その完全な自由裁量によりいつでも、かつ、一切その理由を述べることな
く、いかなる株式（全額払込済株式は除く。）の名義書換も拒むこと、又は、名義書換が下記の基準を満たさない
場合はかかる名義書換を拒絶することができる。
ⅰ 譲渡証書が一つの種類の株式のみに関するものであり、
ⅱ 共有者に対する譲渡の場合は、譲受人の人数が４名を超えることがなく、
ⅲ 当該株式が当社のためのいかなる担保にも服していることがなく、
ⅳ 譲渡証書に適法に印紙が貼付され、
ⅴ 取締役が偽造より生ずる損害を防ぐため、随時課すことのあるその他の条件が満たされ、
ⅵ 香港証券取引所が随時定めるもしくは認める最高金額を超えない手数料が名義書換につき、当社に支払わ
れ、かつ、
ⅶ 譲渡証書にこれに関する株券及び取締役会が合理的に要求する譲渡人が譲渡を行うことができる権利を証
明するその他の証拠が付されている場合。
取締役は、名義書換を拒絶した場合、譲渡証書が当社に提出された日から 10 営業日以内に、譲渡人及び譲受人に
対してその拒絶通知を送付する。
いかなる譲渡も幼児もしくは精神異常者もしくは法的無能力者に対しては行うことができない。
1.2.4 株主総会における議決権の行使
以下の段落で定められている規定及びそのときにおいていずれかの種類の株式に付されている議決権の行使に関
する特別の権利、特権もしくは制限を前提として、株主総会においては、自ら（又は、構成員が法人の場合は、そ
の適法な権限を有する代表者が）出席するか又は代理人を出席させている各構成員は、挙手の場合は、１票のみ
を、投票の場合には、全額払込済又は全額払込済のものとして貸記される（ただし、株式につき払込又は割賦金の
請求前に払込済の又は全額払込済のものとして貸記された金額は、当該株式につき払込済のものとして扱われない
ものとする。）自己を所有者とする各株式につき１票の権利を有するものとする。議決権の行使 ( 挙手によるか投
票によるかを問わない ) は、取締役又は総会の議長が決定する電子的手段又はその他の手段により行うことができ
る。議決権は自らもしくは代理人により行使することができる。投票の場合において２票以上の権利を有する構成
員は、その票全部を使用することも、使用する票を全て同一の方法で投ずることも要しない。構成員が複数の代理
人を任命する場合、任命された代理人は決議案に挙手による投票を行う権利を有さない。挙手であると投票である
とを問わず、総会における議決が可否同数の場合、当該総会の議長が追加もしくは決定票の権利を有するものとす
る。
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上記段落に定められた規定の一般性を損なうことなく、決済機関（又はそのノミニー）が構成員である場合、決
済機関（又は、場合によってはそのノミニー）は、自己が適切であると判断する者に対して、当社の集会もしくは
い かなる構成員の種類の集会において自己の代理人もしくは代表者として行為することを授権することができる。
ただし、２名以上の者がかかる授権を受けた場合は、委任状もしくは授権書は当該各代理人が授権を受けた株式の
数及び種類を特定するものとする。通常定款の規定に基づき、かかる授権を受けた者はその代表する決済機関（又
はそのノミニー）に代わり、当該決済機関（又はそのノミニー）が個人構成員であったならば行使することができ
る権利及び権限と同一の権利及び権限を行使することができ、挙手の場合、かかる者はそれぞれ個別の票の権利を
有するものとする。
1.2.5 取締役の資格
取締役はいかなる資格付与株式を保有することを要しない。いかなる者も、一定の年齢に達したことのみを理由
として、取締役を辞任することを要せず、取締役としての再選もしくは再任不適格となることもなく、また、いか
なる者も取締役としての選任不適格となることもない。
1.2.6 借入権限
取締役は、金銭を借入れ、当社の（現在及び将来の）事業、財産及び資産並びに未償還資本の全部もしくは一部
を抵当もしくは担保に供する当社の全ての権限を行使することができ、無条件であると、当社の借入金、負債もし
くは債務、又は第三者の負債もしくは債務の担保証券としてであるとを問わず、社債、ディベンチャー・ストッ
ク、ボンド及びその他の有価証券を発行することができる。
1.2.7 取締役の報酬及び年金
取締役はその業務に対する報酬として、当社が随時、普通決議により定める総額を受けることができるものとす
る。かかる総額は、（当該決議により別途指定される場合を除き）取締役会が合意する割合及び方法により取締役
間で分配される。ただし、在職期間が当該報酬の支給対象期間の全期間に満たない取締役は、その在職期間に応じ
てのみ当該分配にあずかるものとする。上記の規定は、総額が取締役の報酬につき支給される場合を除き、当社と
有給の雇用関係もしくは役職を有する取締役には適用されないものとする。
取締役は、また、取締役会、委員会もしくは株主総会への旅費又は、その他、当社の事業に従事している間もし
くは取締役としての任務を履行するにあたり負担した費用を含む、取締役としての職務を遂行するにあたりもしく
は遂行するについて負担した合理的範囲の旅費、宿泊費その他の費用の返済を受けることができるものとする。
取締役会は、取締役としての通常の任務の範囲を超えるものと取締役会が判断する業務を行った取締役に対し
て、特別の報酬を当社の資金より（取締役会が定める俸給、手数料等により）与えることができる。
取締役会は、当社に雇用されもしくは勤務しているもしくはしていた、又は当社の子会社もしくは関連もしくは
関係会社である会社に雇用されもしくは勤務しているもしくはしていた者、又は、当社の取締役もしくは役員であ
るもしくはあった、又は上記のその他の会社の取締役もしくは役員であるもしくはあった者で、当社もしくは当該
その他の会社と有給の雇用関係もしくは役職を有するもしくは有していた者及びその妻、未亡人、家族及び被扶養
者のために、拠出型、もしくは非拠出型年金又は退職金積立基金を設立・維持し、又はその設立・維持を確保し、
かかる者に対して贈与、慰労金、年金、手当もしくは俸給を与え、もしくはかかる給付を確保することができる。
取締役会は、また、当社のもしくは前述のその他のいかなる会社もしくは前述のいかなる者の便益になるもしくは
利益及び福利を促進すると考えられる機関、協会、同好会もしくは基金を設立及び助成する、又はそれらに出資す
ることができ、前述のようにかかる者の保険のための支払を行うことができ、慈善もしくは善意の目的もしくはい
かなる奨学金又はいかなる公共、一般もしくは有益な目的に対して出資又は資金を保証することができる。かかる
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雇用関係もしくは役職を有する取締役はかかる贈与、慰労金、年金、手当もしくは俸給に参加し、自己の利益のた
めに、これを保有することができるものとする。
1.2.8 取締役の利害関係
取締役もしくは取締役となろうとする者は、かかる地位により、当社と契約を締結する資格を失うことはないも
のとし、また、当社によりもしくは当社のために取締役又は取締役がなんらかの利害関係を有する企業もしくは会
社と締結される取引、取決めもしくは契約は回避されるべきものではないものとし、また、かかる契約を締結する
又はかかる利害関係を有する取締役は単にかかる地位を有していること又はかかる地位により設定された委託信任
関係を理由として、かかる取引、取決めもしくは契約により実現された利益、報酬もしくはその他の利得につき当
社に報告すべき義務を負わないものとする。ただし、かかる取締役は利害関係を有する取引、取決めもしくは契約
に対する利害関係の性質及び範囲につき、当該取引、取決めもしくは契約の締結問題が最初に審議される取締役会
において、その時点において利害関係につき認識している場合は開示し、その他の場合は、利害関係があるもしく
は利害関係を有するようになったことを知った後の最初の取締役会においてこれを開示するものとする。
取締役は、自己の知る限りでは自らもしくはその関係者が重大な利害関係を有する取引、取決め又は契約に関す
る取締役会決議につき、議決権を行使すること（もしくは定足数に算入されること）もできないものとし、議決権
を行使した場合、当該取締役の議決権は算定されない（もしくは定足数に算入されない）ものとするが、かかる制
限は以下の事項については適用されない。すなわち、
ⅰ 当社又はその子会社の要請でもしくは当社の利益のために、取締役もしくはその関係者が借入れた金銭、
又は負担したもしくは引受けた債務につき、当該取締役もしくはその関係者に対し担保もしくは補償を与え
るための取引、取決めもしくは契約、
ⅱ 取締役もしくはその関係者が保証もしくは補償により、又は担保の提供により、全部もしくは一部、か
つ、単独であると共同であるとを問わず、責任を引受けた当社又はその子会社の借入れもしくは債務につ
き、第三者に対し担保もしくは補償を与えるための取引、取決めもしくは契約、
ⅲ 当社、又は当社が発起することのあるもしくは利害関係を有するその他の会社の、又は当社又はかかる他
の会社による株式、社債もしくはその他の有価証券の引受けもしくは買取り募集の引受けもしくは再引受け
の参加者として、取締役もしくはその関係者が利害関係を有する、もしくは有することになる場合のかかる
募集に関する取引、取決めもしくは契約、
ⅳ 取締役もしくはその関係者が当社の株式、社債もしくはその他の有価証券に対する持分のみのため、当社
の株式、社債もしくはその他の有価証券の他の所持人と同様の方法で利害関係を有する取引、取決めもしく
は契約、
ⅴ 当社の従業員もしくはその子会社の従業員の利益（当社又はそのいずれかの子会社の取締役、その関係者
及び従業員双方に関係する年金基金又は退職、死亡もしくは障害給付制度でかかる基金もしくは制度の関係
者の集団に対して一般的に付与されない特権もしくは利益等を当該取締役もしくはその関係者に関して提供
しないものの採用、変更もしくは運用を含む。）に関する取引、取決めもしくは契約、及び
ⅵ 取締役もしくはその関係者が利益を受けうる当社もしくはそのいずれかの従業員のための従業員持株制度
又は株式報奨もしくは株式オプション制度の採用、変更もしくは運用に関する取引、取決めもしくは契約。
取締役は、当社が利害関係を有する他のいかなる会社の取締役、管理取締役、共同管理取締役、副管理取締役、
業務執行取締役、最高業務執行役員もしくは支配人又はその他の役員もしくは構成員に在職することも就任するこ
ともでき、（別途合意する場合を除き）当該会社の取締役、管理取締役、共同管理取締役、副管理取締役、業務執
行取締役、最高業務執行役員もしくは支配人又はその他の役員もしくは構成員として受取る報酬もしくはその他の
利益につき当社に報告すべき責任を負わないものとする。取締役会は、全ての点でその適切であると判断する方法
で、当社が保有もしくは所有する他の会社の株式により付与された、又は当社がその会社の取締役として行使する
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ことができる議決権を行使することができる（かかる取締役もしくはそのいずれかの当該会社の取締役、管理取締
役、共同管理取締役、副管理取締役、業務執行取締役、最高業務執行役員もしくは支配人又はその他の役員として
選 任する決議に賛成する議決権の行使を含む。）。取締役は、自己が当該会社の取締役、管理取締役、共同管理取
締役、副管理取締役、業務執行取締役、最高業務執行役員もしくは支配人又はその他の役員に選任されるかもしれ
ない、もしくは選任されようとしている場合、また、そのようなものとして当該取締役が上記の方法によるかかる
議決権の行使に利害関係を有している、もしくは有することになりうる場合、上記の方法による議決権の行使に関
して票を投じてはならない。取締役は、当社が発起したいかなる会社もしくは当社が取引先、株主等として利害関
係を有するいかなる会社の取締役にも在職することも就任することもでき、かかる取締役は当該会社の取締役もし
くは構成員として受取るいかなる利益についても当社に報告すべき責任を負わないものとする。取締役もしくはそ
の企業は当社の監査役として行為することはできない。
1.2.9 配当金
当社は、普通決議により、配当を宣言することができるが、かかる配当金は取締役が勧告する金額を超えないも
のとする。当社の利益もしくはその他の分配可能準備金以外からはいかなる配当金も支払われないものとし、当社
との関係では、配当金には利息は付されないものとする。
株式に付されている権利又は株式の発行条件が別途規定していない限り、かつ、別途規定している限度で、配当
金は（当該配当金支払期間中に全額払込済となっていない株式については）、全て当該配当金支払期間の一部の期
間中に当該株式につき支払われた金額に按分比例して配分され、支払われるものとする。本段落の目的上、株式に
つき払込請求前に支払われた金額は当該株式につき支払われたものとして扱われないものとする。
取締役は、当社が担保権を有する株式に対して、もしくはこれに関して支払われる配当金もしくはその他の金銭
を留保することができ、これを当該担保権にかかる債務及び負債の弁済に充当することができる。取締役会は、構
成員に対して支払われる配当金もしくは特別配当金から、当該構成員が当社に対して払込金額、割賦金等として現
在支払うべき金銭（もしあれば）全額を控除することができる。
取締役会が支払を決議した配当金、又は取締役会もしくは当社が総会において宣言もしくは承認した、又は宣言
もしくは承認の提案をした配当金については、取締役会は当該配当金の発表、宣言もしくは承認に先立ち、又はこ
れと同時に、 ( ⅰ ) 当該配当金を受けることができる構成員は当該配当金（又は取締役会が適切と判断するその一
部）に代え、全額払込済と貸記される株式の割当を受取るが、当該構成員は、同時に、かかる割当に代え、現金で
当該配当金（又は、場合により、その一部）を受取ることができる選択権を付与されること、又は ( ⅱ ) 当該配当金
を受けることができる構成員は当該配当金全額又は取締役会が適切と判断するその一部に代え、全額払込済と貸記
される株式の割当を受取ることを選択する権利を付与されることを決定し、発表することができる。当社は、取締
役会の勧告に基づき、普通決議により、当社の特定の 1 回の配当につき、株式の割当に代わり現金による配当を受
取ることを選択することができる権利を構成員に提供することなく、配当は全額払込済のものとして貸記される株
式の割当の形で全部履行することができる旨、決議することができる。
取締役会は、同種のもの又は現物で、配当金の全部もしくは一部の弁済として、当社の資産、特に、当社が権利
を有する他の会社の株式もしくは有価証券を構成員間に分配することができる。
配当金の宣言日から 1 年が経過した後においても請求がない配当金は、その請求があるまで、全て当社の利益の
ため、取締役が投資し、又はその他の方法で利用することができ、配当金の宣言日から 6 年が経過した後において
も請求がない配当金は全て取締役により没収することができ、当社に帰属するものとする。
２【外国為替管理制度】
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現在、香港には ( ⅰ ) 日本人居住者による株式の引受け、 ( ⅱ ) 香港設立の会社の配当金の日本への送金及び ( ⅲ ) かか
る株式の売却益の日本への送金に関する外国為替管理制度は存在しない。
３【課税上の取扱い】
3.1 香港における課税上の取扱い
普通株式の保有者の所得及びキャピタルゲインにかかる租税は香港及び株主が居住するか又は租税を賦課されてい
る法域の法律及び慣習に服する。以下に記載の香港の租税に関する見解の概要は、現行の法律及び慣習に基づいてお
り、かかる法律及び慣習の変更に服し、法的及び租税上の助言を構成するものではない。本概要は、本書の日付現在
効力を有する法律及びその関連する解釈に基づいており、その全ては変更されることがある。本概要は、普通株式へ
の投資に関連して生じる可能性のある租税の全てを取り上げているわけではない。従って、各潜在的投資家、特に銀
行、証券ディーラー、保険会社及び租税免除対象法人等特別租税規則に服する投資家は、普通株式に対する投資の結
果生じる租税につき、自己の税務アドバイザーと相談する必要がある。
3.1.1 租税条約
2010 年 11 月 9 日、香港は所得税の二重課税回避及び脱税防止に関する協定を日本と締結した。
2014 年 12 月 10 日付で、情報交換協定に基づき対象となる租税の種類の拡大に関して日本と香港間で書簡の交換
があった。香港及び日本間で行われた、当該２法域間の包括二重課税回避協定の情報交換条項に関する書簡の交
換による合意は、 2015 年 7 月 6 日付で効力が発生し、香港課税に関しては 2016 年 4 月 1 日以降に開始される各賦課年
度分について効力を生じることとなる。香港は、 2018 年に日本及び英国と税務問題に関する金融口座の自動的情
報交換 (AEOI) を開始する目的で、日本及び英国と契約を締結した。香港税務局は、年次ベースでこれらの AEOI
パートナーの法域の税務当局と情報を交換する予定である。
3.1.2 配当金に対する租税
現行の慣習の下では、源泉徴収によるかその他によるかにかかわらず、香港において配当金に関しいかなる租
税も支払う必要はない。
3.1.3 売却益に対する租税
香港においては、キャピタルゲインに関しいかなる租税も課せられない。しかしながら、香港において取引、
専門的職業又は事業を営み、香港においてかかる取引、専門的職業又は事業により利益を得ている者が資産の売却
により得た取引利益には、香港所得税が課せられる。（ 2008 年／ 2009 年以降の課税年度について）香港の個人所得
の標準税率は 15 ％、及び法人所得税率は 16.5 ％である。特定の範疇の納税者（株式ディーラー等）は、普通株式の
取引による利益に関して、自動的にキャピタルゲインではなく取引発生利益とみなされる可能性が高い。
香港証券取引所において実行された普通株式売却による取引利益は、香港において生じたものとみなされる。
3.1.4 印紙税
現在、普通株式の対価もしくは評価額のいずれか高い方の 1,000 香港ドル当たり又はその一部につき 1.30 香港ド
ルの割合で徴収されている香港の印紙税は、購入者は普通株式の購入のたびに、また売却者は売却のたびに納税
（普通株式が関わる典型的な売買行為に対して、現在、 1,000 香港ドル又はその一部につき総額 2.60 香港ドルとな
る。）することとなる。さらに、普通株式の譲渡証書につき定額租税５香港ドルを支払わなければならない。
3.1.5 遺産税
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普通株式は、香港における登録機関に登録されているので、香港法の下で香港の財産である。従って、普通株
式は過去にその実質的所有者の死に際して（所有者が居住、市民権を有する又は本拠となす場所にかかわらず）遺
産 税の対象であった。しかし、 2006 年 2 月 11 日の 2005 年歳入（遺産税廃止）条例の施行後、香港における遺産税は
廃止された。
3.2 日本における課税上の取扱い
適用ある租税条約、所得税法、法人税法、相続税法及びその他の日本の現行の関連法令に従い、またこれら法令上
の制限を受けるが、日本の個人又は日本法人の所得（及び、個人に関しては相続財産）が上記「 3.1 香港における
課税上の取扱い」記載の香港の租税の対象となる場合、かかる香港の租税は、当該個人又は法人が日本において支払
うこととなる租税の計算上税額控除の対象となる場合がある。
「第二部－第８－ 2.4 本邦における配当等に関する課税上の取扱い」も参照のこと。
４【法律意見】
そこに記載の仮定及び限定の下に、それぞれ、バンク・オブ・チャイナ香港のリーガル＆コンプライアンス及びオ
ペレーショナル・リスク管理部門の副ジェネラル・マネジャー及びリード・カウンセルであるロー・パク・ケイ及び
マク・ユエン・ライにより、また委任を受けて、香港法の実務を行う資格を有する弁護士としてマク・ユエン・ライ
が確認する大要下記の趣旨の確認書が関東財務局長宛に提出されている。
(a) 本会社は香港の法律に基づき適法に設立され、有限責任の公開株式会社として存続していること、及び
(b) 本書に記載されている香港の法令に関する記述は真実かつ正確であること。
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第２【企業の概況】
１【主要な経営指標等の推移】
(4)(5)
連結財務情報
（単位：１株当たり金額（単位：香港ドル）を除き百万香港ドル )
（下段の括弧内の数値は１株当たり金額（単位：円）を除き百万円 )
2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
34,818 39,501 40,523 34,738 31,941
(1)
正味受取利息
(571,712) (648,606) (665,388) (570,398) (524,471)
11,601 11,312 10,919 10,842 11,872
(1)
正味受取手数料
(190,488) (185,743) (179,290) (178,026) (194,938)
14,665 14,123 18,412 18,460 15,704
(1)
正味保険料収入
(240,799) (231,900) (302,325) (303,113) (257,860)
66,727 67,744 79,736 76,641 65,575
営業収益合計
(1,095,657) (1,112,356) (1,309,265) (1,258,445) (1,076,742)
47,951 53,293 56,422 51,767 46,837
(1)
正味営業収益
(787,355) (875,071) (926,449) (850,014) (769,064)
34,103 38,087 39,755 35,420 30,430
(1)
営業利益
(559,971) (625,389) (652,777) (581,596) (499,661)
35,375 39,081 40,088 33,583 29,968
(1)
税引前利益
(580,858) (641,710) (658,245) (551,433) (492,075)
29,307 32,654 34,074 28,468 24,999
(1)
当期純利益
(481,221) (536,179) (559,495) (467,445) (410,484)
28,574 32,070 32,184 26,487 22,970
(1)
当社株主帰属利益
(469,185) (526,589) (528,461) (434,917) (377,167)
14,781 15,521 16,250 13,131 11,947
(6)
配当金
(242,704) (254,855) (266,825) (215,611) (196,170)
35,106 31,516 39,961 28,951 22,517
当期の包括利益合計
(576,441) (517,493) (656,160) (475,375) (369,729)
2,651,086 2,956,004 3,026,056 3,320,981 3,639,430
資産合計
(43,530,832) (48,537,586) (49,687,840) (54,530,508) (59,759,441)
2,402,463 2,670,631 2,718,564 3,001,326 3,311,969
負債合計
(39,448,442) (43,851,761) (44,638,821) (49,281,773) (54,382,531)
244,018 257,536 278,783 290,302 297,999
当社株主に帰属する
(4,006,776) (4,228,741) (4,577,617) (4,766,759) (4,893,144)
資本及び準備金
23.08 24.36 26.37 27.46 28.18
当社株主に帰属する１株当たり
資本及び準備金（単位：香港
(378.97) (399.99) (433.00) (450.89) (462.72)
ドル）
2.7026 3.0333 3.0440 2.5052 2.1726
当社株主に帰属する１株当たり
(1)
利益（基本的及び希薄化）
(44.38) (49.81) (49.98) (41.14) (35.67)
（単位：香港ドル）
20.39 ％ 23.10 ％ 22.89 ％ 22.10 ％ 21.44 ％
(7)
総自己資本比率
16.52 ％ 19.76 ％ 19.90 ％ 19.67 ％ 19.11 ％
(7)
Tier1 資本比率
13.15 ％ 12.26 ％ 11.51 ％ 9.05 ％ 7.67 ％
(2)(8)
株主資本利益率
47.4 ％ 48.4 ％ 50.5 ％ 49.6 ％ 52.0 ％
(2)(9)
配当性向
131,826 266,347 (268,703) 142, 620 88,000
営業活動による正味キャッ
シュ・インフロー／（アウト
((2,164,583)) (4,373,418) ((4,412,103)) (2,341,820) (1,444,960)
フロー）
投資活動による正味キャッ
(7,330) (3,346) (3,309) (1,324) (1,329)
シュ・アウトフロー
((120,359)) ((54,941)) ((54,334)) ((21,740)) ((21,822))
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財務活動による正味キャッ
(14,138) 1,189 (18,465) (30,474) (15,427)
シュ・ ( アウトフロー ) ／イン
((232,146)) (19,523) ((303,195)) ((500,383)) ((253,311))
フロー
12 月 31 日現在、現金及び
380,922 626,126 331,652 456,058 531,915
現金同等物残高 (6,254,739) (10,280,989) (5,445,726) (7,488,472) (8,734,044)
フルタイム当量従業員数
13,212 14,084 14,668 14,915 14,553
（単位：人）
注：
(1) 財務情報は、継続事業についての情報である。
(2) 財務情報は、継続事業及び非継続事業についての情報である。
(3) 当グループは、 2019 年度の共通支配下にある企業との結合に関する財務諸表の作成に企業結合の会計処理方法を適用している。
2018 年度の比較情報は、これに伴い修正再表示されている。しかし、 2018 年度より前の財務情報は、修正再表示前後の差異が微細
であるため修正再表示されていない。
(4) 上記に掲げる主要な経営指標等は、香港において一般に公正妥当と認められた会計基準に準拠している。
(5) 数値は、上場規則及び／又は香港で適応ある法定要件により要求されているとおり、報告会計士による検証手続を受けている。
(6) (a) 取締役会は 2021 年 8月 30 日の会合において、 2021 年上半期について普通株式 1株当たり 0.447 香港ドル、総額約 4,726 百万香港ド
ルの中間配当を宣言した。
(b) 取締役会は 2022 年 3月 29 日の会合において、 2021 年 12 月 31 日終了年度について普通株式 1株当たり 0.683 香港ドル、総額約 7,221
百万香港ドルの最終配当を 2022 年 6月 29 日開催の株主総会で提案することを決定した。かかる提案された最終配当はこれらの
財務諸表に未払配当金として反映されていないが、 2022 年 12 月 31 日終了年度の利益剰余金処分として反映される。
(7) 資本比率は、規制目的でバンク・オブ・チャイナ香港及び HKMA により定められている特定の子会社の資本状況で構成される連結
ベースで、銀行業（資本）規則に従って算出されている。
(8) 株主資本利益率は、当社株主及びその他の持分証書保有者帰属利益を当社株主及びその他の持分証書保有者に帰属する資本及び準
備金の期首及び期末残高の平均で除することによって算出されている。
(9) 配当性向は、配当金を当社株主帰属利益で除することによって算出されている。
２【沿 革】
当社は、当社の主要な事業子会社となったバンク・オブ・チャイナ香港の全持分を保有する目的で 2001 年 9 月 12 日に
香港で設立された。 2001 年 10 月 1 日、従前に香港で事業を行っていた BOC グループ（以下「 BOC 香港（グループ）」とい
う。）内に属していた企業 9 社の実質上全ての商業銀行事業と関連資産及び負債が宝生銀行に譲渡され、その結果、宝
生銀行は中国銀行（香港）株式会社（バンク・オブ・チャイナ香港）に名称変更された。上記企業には、中国銀行の
香港支店、一部の中国において設立された銀行の香港及び中国本土の支店並びに中国銀行の香港設立子会社銀行 1 行が
含まれた。同日において、さらに香港設立子会社銀行 2 行と中国銀行のクレジット・カード子会社 1 社がバンク・オ
ブ・チャイナ香港の子会社となった。当社はまた、合併の利益全てを実現するために、上記の合併した事業の統合を
図り、これらを主要な市場慣行に適合しつつ強化させることを目的として大幅な再編を行った。
自社の統合プログラムの一環として、当社は、従前には分断されていた香港における当社の商業銀行事業の所有構
造を統合し、単一のビジョンと戦略を有する共通ブランド名の下に当該事業の大半を一体化させた。 NCB 及び集友銀行
は当時、一定の点において個別に事業運営を継続した。
合併の結果、バンク・オブ・チャイナ香港は当社の香港における商業銀行業務の主要銀行及び当社の主要事業子会
社となった。当該合併は 2001 年 10 月 1 日に効力が発生し、民間契約での取決めと合併条例の双方により完了に至った。
上記の合併条例の議員立案法案は、 2001 年 7 月 12 日に立法会により可決され、 2001 年 7 月 20 日に法律として制定された
ものである。合併条例に基づき、香港法に準拠してその譲渡が行われる全ての資産及び負債がバンク・オブ・チャイ
ナ香港に譲渡された。さらに、 2001 年法定通貨発行条例（附則の改正）通達により、バンク・オブ・チャイナ香港が
中国銀行に代わって香港における銀行券発行銀行となった。
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保険業、有価証券仲介業及び投資銀行業等の商業銀行業務に従事していない香港にある BOC 香港（グループ ) の一部
の事業は、中国銀行の他の子会社を通じて引き続き運営されることとなり、その時点では当社の業務の一部にならな
かった。
2002 年 7 月 25 日、当社の株式は香港証券取引所に上場された。
2.1 中国銀行の香港における商業銀行業務の経緯
中国銀行は、中国における傑出した外国為替銀行であり、同地域最大の株式会社の商業銀行の一つである。中国銀
行は 1912 年に設立され、中国国内及び海外の双方にてあらゆる分野の商業銀行サービス及びその他の金融サービスを
提供している。
中国銀行は、 1917 年 9 月にその香港支店を通じて同地域における業務を開始した。 1980 年代からは、中国銀行は香港
における最大の商業銀行グループの一つとなった BOC 香港（グループ ) を通じて同地域において商業銀行業務を行って
いる。 BOC 香港（グループ ) は、中国銀行の香港支店の業務と中国銀行により支配されていたその他の銀行の香港にお
ける業務を包含していた。 BOC 香港（グループ ) の創立以来、そのメンバーは、種々の預金口座におけるグループ内銀
行間コンピューター・ネットワーク、 ATM ネットワークの設置と運営及び共通の情報技術基盤の共有等様々な分野にお
いて協力してきた。このような協力分野の存在にもかかわらず、 BOC 香港（グループ ) の各メンバーは比較的独立性を
もって運営され、時には事業のために互いに競合し合うこともあった。
1994 年 5 月、中国銀行は香港政府により銀行券の発行を認可された銀行 3 行のうちの 1 行となった。再編及び合併の効
力発生日である 2001 年 10 月 1 日に、バンク・オブ・チャイナ香港が中国銀行に代わって銀行券発行銀行となった。
３【事業の内容】
3.1 概 要
BOCHK は、「一流の地域銀行グループを構築する」という戦略目標を追求し、持続可能で質の高い発展を促進すること
に尽力している香港の大手商業銀行グループとしての優位性を十分に生かし、当社は、引き続き現地市場への浸透を深
め、広域湾岸地域において事業機会を捉え、東南アジアにおいて積極的にその事業展開を拡大している。当社は、顧客に
包括的、専門的かつ質の高いサービスを提供するべく奮闘している。スマート・バンキングの新たな時代に入り、当社
は、革新的な技術により顧客体験を高め、またインテリジェントな製品及びサービスを提供することにより、顧客中心の
デジタル・バンクとなるべく奮闘している。
BOCHK は、香港における紙幣発行銀行 3 行のうちの 1 つであり、人民元 ( 以下「人民元」という。 ) の唯一の決済銀行とし
て、あらゆる主要業務において強力な市場ポジションを有している。当社の強力な人民元のフランチャイズ権により、当
社は人民元建てのビジネスでは、顧客にとって第一の選択となった。当社は、香港で最も広範な現地支店ネットワーク及
び多様なサービス・プラットフォーム並びにインターネット及びモバイル・バンキング・サービスといった効率的な e-
チャンネルを有している。当社は個人、法人及び機関投資家向けに、包括的な領域の金融、投資及びウェルス・マネジメ
ント・サービスを提供している。
当社は、積極的にその地域開発を推し進め、また東南アジア地域において当社の事業を拡大している。当社のタイ、
マレーシア、ベトナム、フィリピン、インドネシア、カンボジア、ラオス、ブルネイ及びミャンマーにおける支店及び子
会社により、当社は、専門的かつ質の高い金融サービスでかかる地域の顧客を支援している。当社は、当社の親会社銀行
である BOC との緊密な協力を通じて、多国籍企業、クロスボーダーの顧客、中国大陸の企業、海外進出企業、中央銀行及
び国を超えたソブリン組織に対して、幅広い範囲の質の高い国境を越えたサービスを提供している。
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100 年以上にわたり香港に深く根付いた大手商業・国際的な地域銀行として、 BOCHK は、「公共の利益のために中国と
世界をつなぐ」をそのミッションに掲げている。当社はその企業の社会的責任を果たし、長期的かつバランスのとれた持
続可能な発展を促進し、利害関係者及び地域社会に一層の価値を提供していく所存である。
2021 年 12 月 31 日終了年度の当グループのローンの減損引当金繰入前正味営業利益及び当社株主帰属利益はそれぞれ
48,982 百万香港ドル及び 22,970 百万香港ドルであった。 2021 年 12 月 31 日現在の総資産は 3,639,430 百万香港ドルで、当社
株主に帰属する資本及び準備金は 297,999 百万香港ドルであった。
2021 年 12 月 31 日現在、バンク・オブ・チャイナ香港の信用格付は以下のとおりであった。
2021 年 12 月 31 日現在 長期格付 短期格付
スタンダード＆プアーズ A+ A-1
ムーディーズ Aa3 P-1
フィッチ A F1+
これらの格付機関は、バンク・オブ・チャイナ香港に付与した格付を定期的に再検討し、再検討結果に基づいて、随
時これらの格付を確認又は変更する可能性がある。
3.2 当社の企業構造及び経営組織
2006 年 6 月 1 日、当社は、 BOCG インシュアランスから BOC ライフの発行済株式資本 51 ％を取得した。 BOC ライフの主要事
業は、香港の顧客に対する生命保険証券、生命保険証券と連動する投資商品及び退職年金制度管理の提供である。 BOCG イ
ンシュアランスは、支配株主であり当社の実質株主である中国銀行に完全所有されているため、当社と BOC ライフ間及び
BOC ライフと BOCG インシュアランス間の全ての取引は関連会社間取引にあたる。 2010 年 10 月に当グループは、顧客への投
資ソリューションを用意し、当グループの個人向け販売能力を向上させるために、完全所有子会社の BOCHK アセット・マ
ネジメント・リミテッドを設立した。
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下記の表は、提出日現在の当社の会社組織、主要な事業子会社及び株式所有構造を示したものである。
(注 ) １ A株式及び H株式から成る中国銀行の発行済株式総数の割合である。
２ 証券先物条例に従い当社が保持する登録簿に記録された株式保有情報に基づく。
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香港証券取引所は、当社の時価総額が上場の時点で 4,000 百万香港ドルを超えることに基づき、一般株主に保有されて
いなければならない株式の最低比率を 15 ％とし、当該株式数が当社の株式の公開市場を確保するのに十分であることに同
意している。
下記の表は 2022 年 5 月 18 日現在のバンク・オブ・チャイナ香港の経営組織の主要構成を示したものである。
3.3 当社の主な事業活動
当社は投資持株会社であり、当社の子会社は主に香港において銀行業務及び関連する金融サービスの提供を行ってい
る。
当グループは、主に事業セグメント単位で事業を管理しており、 90 ％を超える当グループの収益、税引前利益及び資
産が香港から生じている。現存する４つのオペレーティング・セグメントは、個人向け銀行業務、法人向け銀行業務、資
金為替業務及び保険である。当グループの事業セグメントの分類は顧客セグメント及び商品の種類に基づいており、これ
は当グループの RPC( 関係、商品及びチャンネル ) 管理モデルに沿ったものである。
個人向け銀行業務及び法人向け銀行業務は、各種預金商品、当座貸越／借越、ローン、クレジット・カード、貿易関
連商品及び他の信用枠、投資及び保険商品並びに外貨及びデリバティブ商品を含む一般的な銀行業務を提供する。個人向
け銀行業務は主にリテール顧客及び小規模企業向けの業務を行うが、法人向け銀行業務は主に法人顧客との取引を行う。
資金為替業務は、自己勘定取引に加え、資金調達及び流動性、並びに当グループの金利及び外国為替ポジションを管理す
る。保険セグメントは、主に個人生命保険及び団体生命保険商品を含む生命保険商品に関連した業務を示す。「その他」
には、主に当グループが所有する不動産、投資不動産、株式投資並びに関連会社及び合弁事業に対する持分が含まれる。
3.3.1 個人向け銀行業務・商品管理
概要
BOCHK は香港の個人向け銀行業務部門において、主要銀行の一つである。当社の個人向け銀行業務は、主にバンク・オ
ブ・チャイナ香港の個人向け銀行業務・資産運用部門を通して行っている。個人向け商品とサービスは、香港の支店網と
リモート自動銀行サイトの他に、モバイル・バンキング、インターネット・バンキング及びテレフォン・バンキング等の
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他の販売チャンネルを組み合わせて営業展開している。 BOC クレジット・カード ( インターナショナル ) リミテッドは、ク
レジット・カード事業を担当している。香港以外での個人向け銀行業務においては、海外顧客に預金、貸付金、送金及び
両 替、銀行カード、給与及び支払サービスを提供している。現在、個人顧客及び小企業の顧客とのすべての預金貸付業務
並びに全てのクレジット・カード事業に関連する業務を個人向け銀行業務として分類している。
預金商品
当社は、３つの主要預金商品を個人顧客に提供している。
・ 小切手を振出すことができる要求払預金である当座預金
・ 当社が設定した利子が付く要求払預金である普通預金
・ 予め定められた期間にわたり、固定金利が付く定期預金
さらに、以下を含む、いくつかの特殊な預金商品を提供している。
毎月利息が支払われる定期預金 ：この商品では、顧客は満期日まで毎月、定期預金に対して金利収入を得られる。
外貨建預金 ：複数通貨による普通預金には、様々な通貨が組み込まれている。金利や為替レートの変動を活かすため
に、顧客はこれらの通貨を切り替えられる。外貨建預金では、顧客の流動性の要請を満たすために、各種の満期に関する
条件を顧客に提供している。
人民元預金： 当社は、香港において人民元業務を提供した最初の銀行の一つであった。商品及びサービスは、普通預
金、当座預金及び定期預金を含む。顧客は、当社の支店、自動バンキング及び電子バンキングのチャンネルを通じてサー
ビスを享受することが可能である。
月次預金積立プラン - クラブ預金 ：この商品では顧客が定期預金口座に定期積金により預金を行い既定の期間にわ
たって固定金利の利息を得るとことを可能にする便利な預金方法を提供している。
個人向けローン商品とサービス
当社はモーゲージ・ローン、個人ローン、税金ローン、その他の個人向けローンを含む各種の個人向けローン商品を
顧客に提供している。これらの商品は、主に支店網及び電子的手段を通じて提供している。当グループはモーゲージ・
ローン市場において主導的地位を維持している。
モーゲージ・ローン ： 当社は、顧客の資金需要や目標に最も適合する融資策を提案するモーゲージ・ローン・プラ
ンを幅広く提供している。当社のモーゲージ・プランは、地域の住居用不動産、政府助成の住宅及び非居住用不動産、並
びに広域湾岸地域の指定居住用不動産にも適している。モーゲージ金利は、一般的に HKD プライム又は香港銀行間出手金
利 (HIBOR) のベースとなる。当社はまた、顧客がモーゲージ金利に応じた優遇預金金利を享受できる「スマート」モー
ゲージ・スキームと名付けた預金連動型モーゲージを提供している。
また、当社は、高齢の不動産保有者向けにリバース・モーゲージを提供しており、これにより顧客はその香港の自身
が住む住宅を担保として利用することができ、支払期間又は生涯にわたり毎月支払いを受け取ることができる。
個人ローン ：顧客のニーズに応えるための割賦払融資及び当座貸越の形態による担保付及び無担保の個人ローンを提
供している。担保付ローンの条件は、一部担保の形態（定期預金、有価証券、ファンド、債券及び保険等）による。当社
の個人ローン事業は、我々のローン・ポートフォリオを多様化させかつ金利収入を増加させることを助けると考えてい
る。
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その他の個人向けローン ：当社では、有担保又は無担保の形態の貸付金をリテール（小口）の中小企業にも提供して
いる。その他の一連の銀行商品に加えて、顧客に付加価値と利便性を提供できるよう、当社は商品設計を行っている。
クレジット・カード事業
当社は、バンク・オブ・チャイナ香港の完全子会社である BOC クレジット・カードを通じて、クレジット・カード事業
を行っている。当社はクレジット・カード事業を 1980 年に開始した。現在、当社のクレジット・カードは、ビザ、マス
ターカード及びユニオンペイの国際組織との業務提携を通じて、世界の 45 百万か所以上で使用できる。当社は、ほとんど
のクレジット・カード口座に対して年間手数料を課し、顧客から利息を取得している。当社は、国際組織を通じて加盟店
からのインターチェンジ・フィー（売上交換手数料）を創出している。当社はまた、様々な組織（場合により、ビザ、マ
スターカード、ユニオンペイ、 JCB 、ウィーチャット及びアリペイの組織を含むが、これらに限らない。）との業務提携
を通じて香港、マカオと中国本土の加盟店獲得事業から手数料を得ている。
非金利収入サービス
投資サービス
当社は直接又は子会社経由で、証券仲介業務、ファンド、外国為替、債券、預金証書、貴金属、外国為替信用取引及
び原資産が株式に連動、通貨に連動又はコモディティに連動するような、異なる種類の仕組商品を含む、各種投資サービ
スを顧客に提供している。当社は、これらの投資活動によって手数料及びその他の収入を受領している。
証券仲介サービスは、受取手数料の力強い伸びとともに励みとなる業績を記録した。当社は、顧客に総合的かつ優遇
的な有価証券取引業務を提供するために当社特有のインターネット・バンキング、モバイル・バンキング、株式自動取引
及び有人の投資取引ホットラインなど信頼できる金融取引基盤を活用している。 2014 年 11 月に上海・香港株相互取引、
2016 年 12 月に深圳・香港株相互取引が正式に開始したことにより、当社は A 株関連サービスを提供する第一陣の銀行と
なった。顧客は、 A 株取引と人民元為替取引を安心して行うことができる。さらに、当グループは、 A 株の信用取引業務を
市場に先駆けて開始した。
2018 年、当社は複数の取引チャンネル及び米国株式情報を有する包括的な米国証券サービスを開始した。顧客は、 24
時間インターネット・バンキング / モバイル・バンキングで香港株式、中国 A 株式、米国株式を 1 つの証券口座で簡単に投
資することができる。
2020 年、当社は HKSAR 政府がリテール顧客向けに iBond 及び Silver Bond を立ち上げるのを支援する共同アレンジャーと
して行為した。顧客は当社のモバイル・バンキング、インターネット・バンキング、カスタマー・コンタクト・センター
及び 190 を超える支店を通じて申込みを行うことができる。
2020 年 12 月、当社はそのモバイル・バンキングにおいて香港初のワンストップ・ウェルス・プランニング・サービス
「 PlanAhead 」を開始した。当社は、顧客の個人財務情報及びターゲットギャップを分析することを通じて、顧客のあら
ゆるライフステージにおける財務目標の立案を支援するために、プロフェッショナルな資産配分に関する情報を、様々な
プロダクト・ソリューションと共に提供している。
当社は、株式、債券及び様々な通貨及び配当クラスによる多様な資産ファンドを含むいくつかのオープン・エンド型
ファンドを販売している。当社は、支店網及びオンライン・バンキングにより、ファンド販売、スイッチング（償還乗
換）及び償還関連サービスを提供している。当社は、ファンド販売者として手数料又はリベートを受け取っている。
保険サービス
当社は保険会社の代理店として、生命保険、医療保険、旅行保険及び家財保険を含むが、これらに限定されない、 BOC
グループ・ライフ・アシュランス・カンパニー・リミテッド、バンク・オブ・チャイナ・グループ・インシュアランス・
カンパニー・リミテッド、 HKMC アニュイティ・リミテッド、チャイナ・ライフ・インシュランス（オーバーシーズ）カン
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パニー・リミテッド及びチャイナ・タイピン・インシュランス（ホンコン）カンパニー・リミテッドが引き受ける幅広い
生命保険・総合保険商品を当社の顧客に提供している。
個人資産管理サービス
当社は、当社の富裕層の顧客に、数多くの専門的金融ソリューション及び包括的な銀行サービスを提供している。当
社の献身的なリレーションシップ・マネジャーと共に、ウェルス・マネジメント・センター、 24 時間有人ホットライン、
デジタル・インターネット及びモバイル・バンキング・プラットフォーム並びにオンライン・チャット、包括的ウェル
ス・マネジメント商品、クロスボーダー金融サービス及び一連の優先的オファーを含む異なるサービス・チャネルを、当
社はその顧客のニーズに合う優れた顧客経験を提供する。「資産管理」ブランドに基いて平均合計口座残高 1,000,000 香
港ドル超を維持する顧客に対して、顧客のニーズに応じた個人資産管理サービスを提供している。当社は、個人向けの資
産管理サービスを通してワンストップ・バンキング・ソリューションを高所得層の顧客に提供することができる。資産管
理サービスには、資産管理センター、専用ホットライン、専任のカスタマー・リレーションシップ・マネジャー、総合資
産管理商品及び特典、クロスボーダー金融サービス並びに一連の付加価値顧客行事や活動等の多岐にわたるサービス・
チャンネルを通した優遇銀行サービスが含まれる。これを踏まえ、当社は、 8 百万香港ドル以上の総合預金残高を有する
富裕層の顧客向けにカスタマイズされたプライベート・ウェルス・サービスを開始した。プライベート・ウェルスは、プ
ライベート・バンク・レベルの投資商品、専門家からなる専門チーム、専属的コンシェルジュ・サービス及び顧客の高度
な投資とライフスタイル・ニーズに対応する多くのより専門的な特典を備えている。
その他の個人向け銀行商品及びサービス
その他に当社では、顧客の多様なニーズを満たすため、一連の個人向け銀行商品とサービスも提供している。これら
の商品とサービスには、自動支払、貸金庫、送金、直接デビット・サービス、信託サービス、両替及びギフトチェックが
含まれる。香港で株式を公開する企業には、受領銀行サービスも提供している。
3.3.2 法人向け銀行業務
概要
当社の法人向け銀行業務は、主にバンク・オブ・チャイナ香港の法人向け銀行業務・金融機関を通じて行っている。
当社の法人向け銀行業務商品は、 資金管理及びカストディ業務等の 貸付商品及び 非金利収入サービスの双方を含む。 当社
はコーポレート・バンキング及びコマーシャル・センター、支店網、コルレス銀行及び電子バンキングを含む複数の販売
チャンネルにより、法人向けの銀行商品とサービスを提供している。
法人向け貸付商品
当社の主な法人向け貸付商品は、運転資金の融資、シンジケート・ローン、プロジェクト・ファイナンス及び資産
ファイナンスであり、これらは商業用モーゲージ・ローン、リース・ファイナンス及び購入選択権付ローンを含む。ま
た、中小企業（ small and medium enterprise( 以下「 SME 」という。 ) ）の顧客のニーズに合わせ、金融商品やサービスを
提供している。法人向け貸付のうち、かなりの割合の貸付を変動金利で提供している。
運転資金の資金調達
運転資金を融資する商品は、主に分割払ローン、当座貸越、貿易融資で構成される。
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リボルビングローン ：一般的に当社はリボルビングローンを大手の法人向けに提供し、特別な運転資金やキャッ
シュ・フローのニーズを満たしている。貸出先はリボルビングローンを部分的又は全面的に活用し、余剰資金があると
き、又は返済満期時にローンを返済する。貸出先は満期の返済ローン以外のローン返済金額を活用してもよい。
当座貸越 ：当座貸越は貸出先に提供され、一時的な不足資金を調達できるようにしている。これは香港の運転資金
ファイナンスで最も普及しているファイナンス形態の一つである。貸出先の不足資金を予想して、予め設定した与信枠の
金額まで提供する。当座貸越は通常、１年未満の期間で見直される金利で貸出先に提供される。日次の貸越残高に基づき
借入利息が発生し、要求に応じて返済を求める銀行の権利により月次に決済される。
貿易融資 ：輸入業務に従事する当社の法人顧客は、そのキャッシュフローをサポートするために、信用状に基づく 担
保荷物保管証 、輸入ローン及び請求書ファイナンスを要請することができる。輸出業務に従事する顧客には、このよう
な顧客が流動性を管理できるように、当社は信用状の交渉、手形の買取り、請求書の割引き、輸出ファクタリング、供給
チェーン・ファイナンス、輸出前貸ローン及び船積前融資を提供する。当社は、包括的な運転資金ファイナンスを提供す
ることが多い。これは、法人顧客のニーズを満たすために、売掛債権買取等の各種の貿易融資の商品とサービスで構成さ
れている。
シンジケート・ローン ： 当社は、委任主幹事会社、主幹事会社、引受会社又は参加会社としての役割と共にアジア太
平洋地域のシンジケート・ローン市場に積極的に参加している。当社の業務範囲には、輸出信用、航空機リース、船舶
ファイナンス、インフラ及び建設ローン、エネルギー・プロジェクト、プラント及び機械の設置等に関連するストラク
チャード・ファイナンス及びシンジケート・ファイナンスが含まれる。
プロジェクト・ファイナンス ：当社は、設備基盤の開発や建設及びエネルギー・プロジェクト等、幅広い各種の事業
目的のために、プロジェクト・ファイナンスを提供している。通常、当社のプロジェクト・ローンは、プロジェクトの資
産を担保としている。さらに、通常プロジェクトのスポンサーから保証を得ている。
資産ファイナンス ：産業及び商業用不動産、機械並びに輸送設備を取得する資本ニーズを満たすために、法人向けに
各種の資産ファイナンスを提供している。主な資産ファイナンスは、商業用モーゲージ・ローン、リース・ファイナンス
及び購入選択権付ローンである。
商業用モーゲージ・ローン ：当社の法人顧客が不動産を購入する際に、モーゲージ・ローンを提供している。当社の
法人顧客に提供される住宅ローンは、 BOCHK の内部引受要件及び香港金融管理局の最新のガイドラインに従い、ローン資
産価値比率、ローン満期及び債務返済比率の上限が定められている。
リース・ファイナンス及び購入選択権付分割払いローン ：機械、輸送設備の購入のような設備投資の際に資金調達で
きるように、当社は顧客にリース・ファイナンスと購入選択権付ローンを提供している。通常はリース・ファイナンス及
び選択権付ローンに担保を要求する。
非金利収入商品及びサービス
非金利収入サービスには、貿易決済サービス、信用枠契約サービス、シンジケート・ローン契約サービス及び保険代
理店サービス等がある。
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貿易決済契約サービス ：当社は、手数料を元に取引決済を目的として信用状及び信用保証状 ( スタンドバイ信用状、前
払保証、支払保証、入札保証、履行保証書等）の発行（修正を含む。）並びに船舶保証、対内 / 対外手形回収、輸入ファ
クタリング及びサプライチェーン管理を法人顧客に提供している。
信用枠契約サービス ：通常は、信用枠の手配と更新の際に手数料を得る。当社が顧客と安定的な貸付関係がある場合
等状況によっては、これらの手数料を放棄することも、減額することもある。当社には多額の法人ローン残高があり、利
息以外の収入を得るサービスにおいて、これらの手数料は重要な収入源となっている。
保険サービス ：当社は、海運荷物、火災、社員への補償、旅行、生命保険や団体医療保険等、幅広い保険商品を法人
向けに提供する。当社が保険商品を販売又は紹介した場合、その保険商品に支払われた保険料に対して当社が手数料又は
紹介料を受領する。
資金管理事業 ：当社は、そのオンライン・サービス及び銀行のその他のチャンネルを通じて、その法人顧客に資金管
理商品及びサービスを提供している。当社の資金管理商品及びサービス・ポートフォリオには、口座管理商品、流動性管
理商品、支払商品及び回収サービスが含まれ、これらは自動及び有人バンキング・チャンネルの両方を通じて提供され
る。当社は、現金管理商品及びサービスの提供から生じる手数料を当社の非金利収入の重要な源泉と考えており、当社の
法人顧客の多くは、資金管理サービスを必要としているものと考えている。
保管＆受託業務 ：当社は、その法人 / 機関投資家の顧客及びそのファンド商品に、グローバル又は現地の保管及びファ
ンド関連サービスを含む証券資産サービスを提供している。当社は、顧客のためにスタンダードなエスクロー口座サービ
スを提供し、また債券発行者に法人信託及び代理サービスを提供している。
その他の非金利収入サービス ：当社は、支払や送金サービス、総合請求サービス及び証券売買サービスを含む、その
他の利息以外で収入ベースのサービスを支店網や電子バンキング経由で法人向けに提供している。当社はまた、債務引受
サービス及びコーポレート・ファイナンス・アドバイザリー・サービスも提供している。
法人預金商品
当社は、個人向けに提供している当座、貯蓄及び定期預金と同様の種類の商品を、法人向けにも提供している。当
座、貯蓄及び定期預金の商品の概要については、「 3.3.1 個人向け銀行業務・商品管理－預金商品」を参照のこと。
法人向け貸付実務
当社は、該当する場合、借手企業の信用リスクを、当該企業の事業運営や開発、それに伴う業界リスク、経営の質、
財務の健全性、担保の質及び市場性を含む異なる側面から評価している。一般的に、貸付は、有形担保に関する法的強制
力のある手数料と共に、法人保証及び / 又は個人保証により支えられる。担保の種類は、不動産、現金預金、市場性のあ
る有価証券等の金融資産など多岐にわたる。
法人向けローンの価格設定
当社は法人向けローンの利率について、以下の要因に基づき、主に銀行間市場レートを上回る利率もしくは最優遇貸
出金利を割増した又は割引いた率のいずれかで設定している。
・ その収益率、流動性、キャッシュ・フロー及び純資産を含む債務者の財務状態
・ ローンの目的
・ 設定できる担保
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・ 産業／市場の状況
・ ローン条件
顧客基盤
香港の大部分の事業セクター、特に卸売、小売、不動産開発、不動産投資、製造業のセクターにおいて、当社には強
力な顧客基盤がある。
当社は、当社が大幅に成長する可能性があると考え、当社のリスク管理方針とも合致する業界により焦点を当ててい
く予定である。
顧客の対象範囲と営業展開
当行の法人向け銀行業務及び金融機関向け業務は、法人顧客により良いサービスを提供するために、以下の 5 つの事業
セグメントを設立している。
・ 法人事業：法人向け事業Ⅰ、法人向け事業Ⅱ、法人向け事業Ⅲ及び法人向け事業Ⅳで構成され、香港の一流多国籍企
業、優良企業及び中国企業を含む中国本土、香港及び東南アジア地域の大手企業との事業開発を担当する。
・ 商業事業：商業事業Ⅰ、商業事業Ⅱ及び商業事業Ⅲで構成され、事業開発を担当し、国内の上場及び中規模企業に対
する商品及びサービスを提供する。
・ SME 事業： SME 並びに SME のオーナーや上級経営者に対する商品及びサービスの提供を担当している、香港の異なる地
区における 5 つの商業センターを含む。
・ 金融機関事業：銀行、保険会社、株式仲介業者、資産運用会社、ファンド並びに公的及び専門機関への商品とサービ
スの提供に特化。
各セグメントでは、専任の顧客担当者がおり、担当顧客の活動を監視しながら、顧客に商品及びサービスの営業展開
を行っている。当社は再編及び合併以来、営業展開戦略を統一し、商品とサービスのクロス・セリングを促進した。特に
顧客担当者は、定期的に他の部署のスタッフと協力しながら、クロス・セリングの機会を強化して顧客との取引関係を拡
大する。これらには、為替取引、資金管理、その他の金利以外の収入が得られるサービス等を扱う部署のスタッフもい
る。バンク・オブ・チャイナ香港のグローバル・マーケット部は、バンク・オブ・チャイナ香港の法人向け銀行業務・金
融機関と協力し、為替取引と派生商品を法人向けに提供及び販売している。さらに、法人顧客のオーナーや上級経営者を
対象とし、個人向け銀行業務・商品管理の個人資産管理サービスにおける強さと幅広い対象範囲を活用する。
さらに、当社は信用状の受益者やサプライ・チェーン並びに当社製品及びサービスのクロス・セリングにおける複数
レベルの売手 / 買手など、その既存の貿易金融顧客の相手方の中から潜在的な顧客を発掘することにより注力している。
3.3.3 資金為替業務
概要
当社は、香港の銀行間短期金融市場に参加している主要機関の一つである。また当社は、リテール、コーポレート及
び機関の顧客に資金為替業務を提供している。投資管理及びグローバル・マーケットの双方が資金為替業務を担当してい
る。
投資管理：
・ 当行の流動性管理を補佐
・ 銀行間短期金融市場における業務を実施、及び
・ 当社の有価証券投資の資本市場での取引に参加
グローバル・マーケット：
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グローバル・マーケットは、当行の取引勘定（顧客に代わり、及び自己売買取引のために）の運用を行っている。主な
業務は下記を含む。
・ リアルタイムで価格を伝え、為替取引、通貨オプション連動型プレミアム預金、エクイティリンク投資及び様々な仕
組預金等を含む顧客の注文の約定サービスを行う
・ 当社の顧客に提供するすべての資金為替商品に関する商品管理者として行為する、及び
・ 投資及びリスク回避に関する顧客のニーズを満たす新しい金融商品及びサービスの開発
流動性の管理と銀行間の短期金融市場
バンク・オブ・チャイナ香港は、香港の銀行間短期金融市場に参加している主要機関の一つである。通常、当行は銀
行間資金で貸し越しているため、当社は香港や海外の数多くの銀行と短期金融市場で取引を行っている。 2021 年 12 月 31 日
現在、当社の銀行間負債総額は、負債総額の約 14.68 ％である 486,062 百万香港ドルで、当社の銀行間借入金及び預入金
は、総資産の約 12.53 ％である 455,936 百万香港ドルであった。
バンク・オブ・チャイナ香港の投資管理は、流動性の日々の管理を担当している。流動性を管理する目的は、流動資
産から合理的な収益を回収しながら、銀行業条例、香港金融管理局が規定したガイドライン及び当行の資産負債管理委員
会（ ALM 委員会）が設定した流動性の管理ガイドラインの要件を遵守することである。当社は、特に現金とその他の流動
資産を十分保有し、偶発事象に対処しようとしている。
通常当社は、規制上及び社内双方の流動性要求が満たされていることを確実にするため余剰資金フローを保有し、流
動性を有する証券ポートフォリオを維持している。事業計画の枠組及び当行により承認された関連するリスク制限の範囲
で、投資管理は、余剰資産を適切な償還期限の銀行間市場で運用し、かつ短期証券に対して投資を行うことで収益の向上
を図っている。
流動性カバレッジ比率の平均値は、 2021 年の 4 つの四半期にわたって安定的で、規制上の要件を十分に上回っており、
それぞれ（第 1 四半期） 134.09 ％、（第 2 四半期） 134.20 ％、（第 3 四半期） 134.73 ％及び（第 4 四半期） 146.70 ％であっ
た。 流動性カバレッジ比率の平均値は、四半期の各営業日終了時現在の流動性カバレッジ比率の算術平均値をベースに計
算されており、計算方法及び指示は、 HKMA の流動性状況に関する定期申告書に記載されている。流動性カバレッジ比率
は、連結ベースで算出され、これはバンク・オブ・チャイナ香港のポジション及び銀行（流動性）規則に従って HKMA によ
り指定される特定の子会社のポジションから構成される。
資本市場への投資
バンク・オブ・チャイナ香港の投資管理では、 ALM 委員会の指導のもとで、当社の投資ポートフォリオを管理してい
る。当社の投資ポートフォリオのガイドライン及び戦略は、 ALM 委員会が承認している。リスク委員会が付与した市場リ
スクと損切制限に従って、グローバル・マーケットがトレーディング・ポートフォリオを運用している。
外国為替取引
当社の外国為替利益の大半は、個人向け及び法人向けの外国為替サービスから得ており、これらの利益は取引利益と
して計上される。当社は、顧客に対し、主に満期 1 年以内直物と先物の外国為替契約及び外国為替証拠金取引サービスを
行っている。当社は香港市場において、最も積極的な市場参加銀行の一つである。
直物外国為替取引サービス
当社は、個人向け及び法人向けの直物外国為替サービスを提供している。顧客は、当社の支店網、テレフォン・バン
キング・サービス、電子バンキング及び携帯電話プラットフォーム並びに当社のグローバル・マーケットの資金為替マー
ケティング部門等の異なるチャンネルを通じて、外国為替サービスにアクセスすることができる。
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当社は銀行間の直物外国為替取引にも従事している。中国銀行の支店やその他の金融機関に対して、 24 時間取引と注
文の約定サービスを行っている。中国本土の多くの金融機関と良好な取引関係を築いており、かかる金融機関の香港にお
ける決済銀行の１行として業務を行っている。
先物外国為替サービス
当社の先物外国為替業務は、将来の外貨建ての収益と費用における外国為替リスクをヘッジする必要がある貿易融資
の顧客を対象としている。かかる取引は主として G7 諸国の通貨及び人民元にて行われる。グローバル・マーケットは、法
人向けに先物外国為替サービスを提供することにより当社の貿易融資事業を発展させるために、法人向け銀行業務・金融
機関と密接に協力している。
以下はトレーディング、非トレーディング及び構造的ポジションから生じる当グループの主要外国通貨エクスポー
ジャーの要約であり、 HKMA の保有外貨状況に関する定期申告書についての記入要領を参照して作成している。ネット・オ
プション残高は、すべての外国為替オプション契約のデルタ加重平均残高ベースで計算される。
2021 年
(単位：百万香港ドル相当額）
その他の外 外国通貨
米ドル 英ポンド 日本円 ユーロ 人民元 豪ドル 国通貨 合計
現物資産 1,080,487 37,456 183,101 48,897 515,964 38,125 65,868 1,969,898
現物負債 (977,297) (44,696) (6,489) (37,534) (586,921) (32,656) (64,951) (1,750,544)
先物買い 899,315 26,016 13,259 32,049 558,540 15,695 53,741 1,598,615
先物売り (990,699) (18,696) (186,845) (43,463) (486,202) (21,120) (55,066) (1,802,091)
ネット・オプション残
1,357 19 (5) (1) (1,331) 12 (11) 40
高
ネット・ロング／
(ショート )・ポジショ
13,163 99 3,021 (52) 50 56 (419) 15,918
ン
2020 年
(単位：百万香港ドル相当額 )
その他の外 外国通貨
米ドル 英ポンド 日本円 ユーロ 人民元 豪ドル 国通貨 合計
現物資産 1,017,375 30,074 160,779 45,926 427,394 36,620 62,008 1,780,176
現物負債 (877,494) (25,986) (8,006) (27,974) (412,245) (30,815) (60,400) (1,442,920)
先物買い 617,715 23,737 18,050 39,254 365,271 15,063 54,352 1,133,442
先物売り (734,480) (27,641) (170,914) (57,474) (382,383) (20,758) (56,136) (1,449,786)
ネット・オプション残
650 7 - (2) (406) (1) (1) 247
高
ネット・ロング／
(ショート )・ポジショ
23,766 191 (91) (270) (2,369) 109 (177) 21,159
ン
2021 年
(単位：百万香港ドル相当額 )
マレーシアリ フィリピン その他の外 その他の外国
米ドル バーツ ンギット ペソ 国通貨 通貨合計
正味仕組ポジション 30,911 2,225 2,789 1,854 4,054 41,833
2020 年
(単位：百万香港ドル相当額 )
マレーシア フィリピン その他の外 その他の外
米ドル バーツ リンギット ペソ 国通貨 国通貨合計
正味仕組ポジション
30,042 2,697 3,024 1,881 4,677 42,321
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その他の資金為替業務
当社は、当社の資金為替業務を通じて仕組商品を顧客に提供する。当社は、自己勘定のための金融デリバティブ取引
も行っている。当社のデリバティブ業務は、主に、金利スワップ、通貨金利スワップ、金利先物及びオプション取引のた
めの取引実行を含む。当社顧客のリスクヘッジ及び利益改善の要求を満たすため、当社は通貨連動仕組預金、株式及び金
利デリバティブを含む異なる種類の商品を提供している。当社は、このような仕組の種類は、顧客が自己の投資戦略を実
行するために柔軟な条件と機会を提供するものと考えている。当社は、個人向けに仕組商品を当社の支店網及びインター
ネット・バンキングを通して販売している。
その他
当社はまた地金取引も行っている。当社の地金取引業務は、 COMEX/SGE/LBMA における自己勘定売買、地金の販売と購
入、地金の委託販売、並びにゴールド・ローン・ファイナンスを含む。さらに、銀行間通貨市場で両替のホールセールも
実施している。
当社は、国内の人民元市場において業界大手のうちの一社である。当社は、人民元仕組預金、直物及びノン・デリバ
リー・フォワード取引及び人民元債券取引業務を含む一連の人民元業務を提供している。この数年に亘り、当社は、地元
の人民元建債券発行市場において確固たる市場地位を確立している。当社は、香港為替資金手形及び紙幣プログラムにお
ける 12 の適格値付業者のうちの 1 社である。
3.4 リスク管理
3.4.1 銀行業グループ
3.4.1.1 概観
当グループは、組織の成功には健全なリスク管理が不可欠であると考える。日常の業務において、当グループはリス
ク管理に高い重要性をおき、リスク管理と事業の発展との間の均衡の実現に重点を置いている。当グループの業務に内在
する主要なリスクは、信用リスク、市場リスク、金利リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスク、評判リスク、
法的及びコンプライアンス・リスク並びに戦略リスクである。当グループのリスク管理目標は、リスク・エクスポー
ジャーを許容範囲内に維持することにより株主の価値を高めることである。当グループは取締役会によって承認されてい
る明確なリスク選好説明書を有しており、これは当グループが事業目標を達成し、利害関係者の期待に応えるために当グ
ループが管理可能な方法で負うことができるリスクの種類及び水準を示したものである。当グループのリスク管理統治体
制については、「第６－１ 財務諸表」の注記 4 を参照のこと。
3.4.1.2 信用リスク管理
信用リスクは、顧客又はカウンターパーティーが契約上の債務の履行が不可能もしくは履行に応じない損失リスクの
ことである。信用リスクは、銀行の取引勘定及び銀行勘定に存在し、また当グループのオン及びオフ・バランス・シート
取引によるものがある。これは主に貸付、貿易金融、資金為替業務より生じる。当グループの信用リスク管理の詳細につ
いては、「第６－１ 財務諸表」の注記 4.1 を参照のこと。
3.4.1.3 市場リスク管理
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市場リスクとは、金融市場の価格（外国為替、金利、株価、コモディティ価格）の変動により、当グループが保有する
外国為替、金利、株式及びコモディティのポジションが変動する際に損失が発生するリスクを指す。当グループはリスク
と収益のバランスを取るため適度なリスク選好度を採用している。当グループの市場リスク管理の詳細については、「第
６ －１ 財務諸表」の注記 4.2 を参照のこと。
当グループは、市場リスクの測定並びにリスク委員会及び上級経営者に対する定期的な報告のため、 VaR を用いてい
る。当グループは統一的な VaR 計算モデルを採用しており、ヒストリカル・シミュレーション・アプローチと過去２年間
の市場データを用いて、信頼レベルが 99 ％で保有期間が一日にかかる当グループ及びその子会社の VaR を算定しており、
当グループ及びその子会社の VaR 制限を確立している。
当グループは、 VaR モデル結果の精度を測定するためにバックテストを採用している。バックテストは、各営業日の市
場リスク・ポジションに関して算出された VaR 数値を、翌営業日の当該ポジションから発生する実際の利益又は損失や仮
定にもとづいた利益又は損失と比較するものである。一般的に連続した 12 ヶ月間におけるバックテストの例外の回数は、
信頼度が 99 ％であることから 4 回を超えない。
3.4.1.4 金利リスク管理
金利リスクは、金利の変動及び銀行の資産及び負債の期間構造により発生する銀行の収益及び経済的価値に対するリ
スクを意味する。当グループの金利リスク・エクスポージャーは、主に構造的なものである。構造ポジションから生じる
主な金利リスクの種類は、ギャップリスク、価格基準リスク及びオプション・リスクである。当グループの金利リスク管
理の詳細については、「第６－１ 財務諸表」の注記 4.2 を参照のこと。
3.4.1.5 流動性リスク管理
流動性リスクとは、銀行が満期となったその義務を充足するために合理的な費用で十分かつ時機を得た資金調達を得
ることができないリスクである。当グループは、健全な流動性リスク選好度を維持しており、正常又はストレスの多いシ
ナリオにおいては、流動性の需要を満たすための安定し信頼できる適切な財源の提供を維持している。当グループの流動
性リスク管理の詳細については、「第６－１ 財務諸表」の注記 4.3 を参照のこと。
3.4.1.6 オペレーショナル・リスク管理
オペレーショナル・リスクとは、不十分もしくは誤った内部処理、従業員及びシステム又は外部事象によって生じる
損失リスクである。当該リスクは事業運営のあらゆる側面に内在しており、当グループはその日常事業活動において直面
している。
当グループは、オペレーショナル・リスク管理に「 3 つの防衛線」モデルを実施した。 1 つ目の防衛線である全ての部
門又は機能ユニットは、オペレーショナル・リスク管理に責任を有する第一義的な当事者であり、自己査定及び自己高揚
を通して事業運営過程において自己リスク管理の任務及び機能を遂行する義務を負う。法務・コンプライアンス及びオペ
レーショナル・リスク管理部（以下「 LCO 」という。）と当グループのオペレーショナル・リスク管理に関連する専門的
機能ユニット（人事部、法人向けサービス部、金融犯罪コンプライアンス部、財務管理部、財務及び一般会計・会計方針
部を含む。）（以下「専門機能ユニット」と総称する。）は、 2 つ目の防衛線であり、 1 つ目の防衛線のオペレーショナ
ル・リスク状況を査定及び監視し、指導する義務を負う。事業ユニットから独立している LCO は、オペレーショナル・リ
スク管理方針及び枠組の確立及び見直し、オペレーション・リスク管理ツール及び報告の仕組みの設計、並びにオペレー
ショナル・リスクの全体的な状況の査定及び経営陣及びリスク委員会に対する報告を含む、当グループのオペレーショナ
ル・リスク管理における経営陣支援につき責任を有する。専門機能ユニットは、オペレーショナル・リスク及び関連課題
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の特定の側面に関して 2 つ目の防衛線の経営的職務を遂行する必要がある。自己のユニットのオペレーショナル・リスク
管理の責任を負うこととは別に、これらのユニットはまた一定のオペレーショナル・リスク分野に関する専門的な助言／
研 修を他ユニットに提供し、グループ全体のオペレーショナル・リスクを指導する義務がある。グループ監査は３つ目の
防衛線であり、オペレーショナル・リスク管理枠組の 有効性 及び妥当性に関して独立した査定を提供し、当グループ内の
様々な部門又は機能ユニットのオペレーショナル・リスク管理活動の遵守及び有効性に関して定期的な監査を実施し、是
正処置のための提案を行う義務がある。
当グループは全ての主要な活動に方針及び管理手順の確立を義務付ける有効な内部統制プロセスを導入している。当
グループは職務と承認の適切な分離の基本原則を遵守している。当グループは、主要なリスク指標等の様々なオペレー
ション・リスク管理ツール及び手法、自己査定、オペレーショナル・リスク事象の報告を導入し、事業活動及び商品に内
在するリスクを特定、査定、監視及び管理するための再検討を実施し、また、予測不能なオペレーショナル・リスクを軽
減するため保険に加入している。事業継続計画は緊急時又は災害時における事業運営を支援するために確立されている。
適切なバックアップ設備が維持され、定期的な訓練が実施されている。
3.4.1.7 評判リスク管理
評判リスクとは、当グループの事業活動に関する否定的な評判が、真実か否かにかかわらず、顧客基盤の縮小の可能性
や費用の嵩む訴訟又は収益減少に繋がるリスクのことである。評判リスクは他のリスクの種類及び事業運営の全局面に内
在し、広範囲な問題に及ぶ。
評判リスクを軽減するために、当グループは評判リスク管理方針を策定し、真摯に実行している。当該方針は事例が発
生した場合、初期段階で評判リスクを積極的に特定・回避することを目的とする。評判リスクは当グループの信用及び認
識にマイナスの影響を及ぼす種々の事業及び戦略上の問題に起因することが多いため、特定されたすべての事業及び主要
リスクは、評判に対する損害を含む当グループに対する影響の程度を評価するために、構築された主要管理自己査定枠組
（リスク査定手段を含む。）を通して査定される。
さらに、金融業界における評判リスクの事例を継続的に監視するために当グループは包括的な枠組を整えた。この継続
的な監視により当グループは、事例に基づく一切の潜在的な悪影響を効果的に管理、統制、軽減することが可能になる。
当グループはまた、健全な開示実務を採用し、利害関係者に常に情報を提供しており、これが当グループへの信頼の構築
や強固な対外的イメージの確立に寄与している。
3.4.1.8 法的リスク及びコンプライアンス・リスク管理
法的リスクとは、強制不能契約、訴訟又は不利な判決が当グループの運営及び財政状態に混乱を生じさせる又は悪影響
を及ぼすリスクである。コンプライアンス・リスクとは、適用ある法令の不遵守により当グループが被りうる法的又は規
制的制裁、財務上の損失又は評判における損失を受けるリスクである。法的リスク及びコンプライアンス・リスクは、
LCO により管理され、一方、マネー・ロンダリング、テロリスト資金調達、詐欺、収賄及び汚職を含む金融犯罪に関する
リスクは、金融犯罪コンプライアンス部（「 FCC 」）により独立して管理され、監視される。 LCO 及び FCC は DCE に直接報告
する。当グループのコーポレート・ガバナンス枠組の一部として、法的リスク及びコンプライアンス・リスク、並びにマ
ネー・ロンダリング、テロリスト資金調達及び金融犯罪コンプライアンス・リスクの管理に関する方針は取締役会から委
任を受け、リスク委員会によって承認されている。
3.4.1.9 戦略リスク管理
戦略リスクとは通常、不適切な事業決定、戦略の不適切な実施及び変動する市況への対応の不備により当グループの
収益、資本、評判又は市場での地位に現在又は将来悪影響を及ぼす可能性のあるリスクのことである。取締役会は、戦略
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リスク管理方針を審議及び承認する。主な戦略課題は、上級経営者及び取締役会により完全に評価され、適切に承認され
なければならない。
当グループは、最新の市況と展開に対処するために事業戦略を定期的に検討している。
3.4.1.10 資本管理
当グループの資本管理の主な目標は、株主の利益全体を最大化させる一方、当グループの全体的なリスク・プロファ
イルに関連する自己資本ポジションを保つことである。 ALM 委員会は当グループの資本構造を定期的に査定し、リスク、
利益及び自己資本充実度の間の最適なバランスを維持すべく適切な場合に資本構成を調整する。
監督方針マニュアル「監督評価プロセス」に記載される HKMA の要件を遵守するため、当グループは内部自己資本充実
度評価プロセス（ internal capital adequacy assessment process( 以下「 ICAAP 」という。 ) ）を定め、それを毎年再検
討している。 HKMA の第 2 の柱についてのガイドラインに基づき、第 1 の柱において把握されなかった又は適切に把握されな
かった重大なリスクの対応に必要な追加的資本を査定するため ICAAP が開始された。それによって最低普通株等 Tier 1 自
己資本比率、最低 Tier 1 自己資本比率及び最低合計自己資本比率が決定された。一方、上記の資本比率に関する運営上の
範囲も設定され、これにより将来の事業成長がより柔軟となり、また資本の効率的な利用が可能となった。
3.4.1.11 ストレス・テスト
当グループは、種々のリスクの分析を補完するためにストレス・テストを用いている。ストレス・テストとは、極度
であるが起こり得る市場又はマクロ経済の変動から生じるストレス状態におけるリスク・エクスポージャーを予想するリ
スク管理手段である。これらのテストは当グループの様々なリスク管理ユニットにより香港金融管理局発行の監督方針マ
ニュアル「ストレス・テスト」に従って定期的に実施され、 ALM 委員会はその結果をリスク委員会に承認された主要なリ
スク制限に対して監視する。当グループのストレス・テストの結果は財務管理部により定期的に取締役会及びリスク委員
会に報告される。
3.4.2 BOC ライフ
BOC ライフの主な事業は、香港の保険条例で定義される生命保険及び年金（クラス A ）、変額長期業務（クラス C ）、終
身健康保険（クラス D ）、退職年金制度管理第Ⅰ種（クラス G ）及び退職年金制度管理第Ⅲ種（クラス I ）の長期保険事業
を引受けることである。 BOC ライフの保険事業より生じるリスクは保険リスク、金利リスク、流動性リスク、信用リス
ク、株価及びファンド価格リスク、通貨リスク及びコンプライアンス・リスクである。 BOC ライフはこれらのリスクを厳
密に監視し、定期的にリスク管理委員会に報告している。さらに、 BOC ライフは、当グループのリスク管理戦略に合致さ
せることを確実にするために当グループと定期的にコミュニケーションを取っている。保険事業の主要なリスク及び関連
するリスク制御プロセスは以下のとおりである。
3.4.2.1 保険リスク管理
BOC ライフは、死亡、疾病、障害、重病、事故、関連リスクのリスクを補償する事業を行っている。これらのリスクは
引受戦略、再保険契約及び定期経験モニタリングの適用によって管理されている。
引受戦略は、引受けたリスクの基礎的なエクスポージャーに相当する適切な水準で保険料の価格を設定することを目的
としており、また BOC ライフの引受手続きには、引受戦略に沿うことを確実にするために、健康状態や家族の病歴を調査
するといったスクリーニング・プロセスも含まれる。
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長期の保険契約の将来の給付支払額及び保険料受取額の見積りの不確実性は、死亡率、疾病率及び持続性の全体的な水
準の長期的な変化の予測不能性から生じる。この点において、 BOC ライフは、定期的に関連する経験調査や研究を実施
し、 新たな傾向を明らかにしてきた。価格設定と引受の管理においては、結果が考慮されることになる。
当グループの保険リスク管理の詳細については、「第６－１ 財務諸表」の注記 4.4 を参照のこと。
3.4.2.2 金利リスク管理
金利の上昇は、 BOC ライフの投資資産の価値の低下を引き起こすことがある。金利の低下は、責任準備金の増加及びリ
ターンの減少により顧客の不満を招く恐れがある。 BOC ライフは、保険契約に基づく債務に見合う投資収益を達成するた
めに作成した資産負債管理の枠組内でポートフォリオの資産及び負債のマッチングを管理し、金利変動による悪影響を管
理する。
3.4.2.3 流動性リスク管理
BOC ライフの流動性リスクとは、期限の到来した支払債務を履行することができないリスクのことである。 BOC ライフの
資産及び負債の管理枠組は、随時保険契約の支払義務を履行する流動性を保護するためのストレス・テスト及びキャッ
シュ・フロー管理を含む。
3.4.2.4 信用リスク管理
BOC ライフは顧客、債務者又はカウンターパーティーが締結した契約に基づく債務の履行が不可能もしくは履行に応じ
ないという信用リスクに対してエクスポージャーを有する。 BOC ライフの保険事業がさらされている主要範囲は以下を含
む。
－ 社債、債券及びカウンターパーティーに関連する債務不履行リスク
－ 信用リスクの遷移（下方修正）によるクレジット・スプレッドの拡大
－ 未払い保険契約負債の再保険者の分担金
－ 支払い済み請求に関する再保険者の未払い総額
－ 保険契約者の未払い総額
－ 保険機関の未払い総額
BOC ライフは信用リスクを、投資カウンターパーティー又は発行体の各々に対するエクスポージャーに上限を設けるこ
とによって管理している。かかる上限は、少なくとも年一回の経営陣によるレビューの対象となる。
再保険契約は、保険契約に関連する保険リスクを第三者に移転するものである。しかし、これにより一次保険者として
の BOC ライフの責任が免れるわけではない。再保険会社が何らかの理由で保険金を支払うことができない場合、 BOC ライフ
は引き続き保険契約者に対し、支払いの責任を負う。再保険会社の信用力は、いかなる再保険契約の確定前に再保険会社
の財務力を見直すことによって考慮される。 BOC ライフの経営陣は、再保険の募集方針を指示するとともに、格付機関が
提供する信用格付やその他の公に入手可能な財務情報を見直すことにより、すべての再保険業者及び仲介業者の信用力を
評価する。 BOC ライフはまた、再保険の相手方のリスク・エクスポージャーを継続的にモニタリングしている。
3.4.2.5 株価及びファンド価格リスク管理
BOC ライフの株価及びファンド価格リスクとは、株式、株式ファンド及び未公開株式における市場価格の変動による損
失リスクのことをいう。 BOC ライフの資産・負債管理フレームワークには、ストレス・テスト及びエクスポージャー上限
によって株価変動の悪影響を管理することが含まれている。
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3.4.2.6 通貨リスク管理
BOC ライフの通貨リスクとは、為替レートの変動による損失リスクのことをいう。 BOC ライフの資産・負債フレームワー
クには、ストレス・テスト、エクスポージャー上限及びリスク上限によって為替変動の悪影響を管理することが含まれて
いる。
3.5 テクノロジー
当社の情報技術部門は、当社の事業運営のための主要な IT ソリューション及び技術サポートを提供する責任を負って
いる。情報技術は、当社がその対象顧客に効果的に当社商品をプロモーションし、サービスを提供することを可能にする
と同時に、リスクを監視し、制御し、また市場機会を模索し、活用することも可能にする。
3.5.1 電子チャンネル
当社の主要な中核となる銀行システムは、拡張性が高く、当社の全電子供給チャンネルと密に機能する。
当社の ATM は、他の供給チャンネルと同様、当社の主要な中核となる銀行システムに統合されている。また、顧客に統
合された金融サービスを提供するため、当社の ATM は当社の自動銀行サービス処理システムにも接続されている。
当社のインターネット及びモバイル・バンキング・システムは、当社顧客に、口座残高照会、資金の振替、請求書の
支払い、外国為替並びに証券取引、ユニット・トラスト取引、債券取引、証拠金取引等を含む各種投資サービスといっ
た、幅広い便利な銀行サービスへの安全なアクセスを提供する。顧客はいつでも、どこでもその指先で銀行取引を行うこ
とができる。
当社のテレフォン・バンキング・システムは、対話式で効率的なテレバンキング・サービスを顧客に提供する。
当社のバーチャル ATM の「 i サービス」は、 7x24 時間、休みなくセルフ・サービスを提供し、また顧客がその銀行ニー
ズを満たす手助けをするライブの取次支援を備えている。
3.6 中国銀行及び中国銀行の当社との関係
3.6.1 概説
当社は独立当事者間取引基準で中国銀行との協力関係を継続するつもりである。特に、中国銀行との協調及び協力が
当社の最善の商業的利益となる場合には、戦略及び事業活動双方のレベルで、中国銀行と協調及び協力していく予定であ
る。このような協調及び協力は、とりわけ、中国本土における中国銀行の顧客関係及び販売ネットワークを活用して、当
社の商機拡大と共に、当社の顧客へのより包括的なサービスの提供を目指すことがあげられる。
当社は中国銀行に対してサービスを提供し、中国銀行からサービスを受け、さらに中国銀行との取引を行う。このよう
な関係及び取引は全て、現在もそして今後も、独立当事者間取引基準で、また通常の取引条件もしくは当社の株主に関す
る限り、公正かつ合理的な条件で関連する規制上の諸義務の枠内で設定及び遂行される。
当社は、戦略及び事業活動の両方のレベルで中国銀行との協調及び協力を継続する意向であるが、その一方で、財務上
は中国銀行から独立しており、別個の法人として営業を行っているものと確信している。
3.6.2 株式保有
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2004 年 8 月 26 日、中国銀行は中国の有限責任株式会社へと組織再編がなされ（以下「組織再編」という。）、名称も
「中国銀行股 份 有限公司」（以下「中国銀行」という。）に変更された。組織再編に従って、セントラル・フイジンが中
国銀行の株主資本における支配持分を保有する。セントラル・フイジンは中国国務院の承認を得た完全国有の投資持株会
社 であり、国に代わって株主の権利と義務を有する。中国銀行は子会社とともに当社の発行済株式資本の約 66.06 ％を実
質的に所有している。したがって、国に代わって機能するセントラル・フイジンは、組織再編の直後に中国銀行の株式を
所有したことにより当社の絶対的支配株主となった。
中国銀行は当社株式資本の 66.06 ％の支配持分を保有していたが、当社取締役会の過半数は、中国銀行の取締役会構成
員又は中国銀行の経営陣の構成員ではないため、かかる取締役会は中国銀行から独立している。従って、当社の経営は独
立している。また、各取締役は、当社の支配株主であり当社の他の株主と利益が合致しない場合もあり得る中国銀行に
よって任命されることがあるが、香港の法律及び上場規則に基づき、各取締役は当社の最良の利益のために正直かつ誠実
に行為する義務を含む当社に対する信認義務を負う。
中国銀行との利益の不一致を伴う事象が生じた場合、中国銀行と関係している当社の取締役は、当社取締役会にその利
益を開示し、当該事象に関し重要な利益がない非執行独立取締役が出席する取締役会会議を開催し、かかる利益について
審議しなければならない。
さらに、上場規則の定めるところにより、当社の通常定款は、取締役又はその関係者がある事象に重大な利害がある場
合、当該取締役又はその関係者は投票を棄権し、かかる会議の定足数に算入しないものと定めている。
加えて、上場規則に従い、当社の支配株主である中国銀行は、当社の関連当事者である。当社及び中国銀行の間のいか
なる取引は、上場規則の規則 14A に基づき、当社側の発表、報告、及び／又は独立株主承認の要件の対象である。ただ
し、上場規則に準拠して免除される取引の場合、かかる取引は例外となる。また、非執行独立取締役だけで構成された特
別委員会が、中国銀行及び／又はその関連会社との関連会社間取引を審議、承認及び監視するために、適切な場合、取締
役会によって授権されなければならない。
3.6.3 資本
バンク・オブ・チャイナ香港の銀行業務免許に関連して香港金融管理局宛の 2002 年 1 月 18 日付の書簡において、中国銀
行は、バンク・オブ・チャイナ香港がその事業分野に対して一般に承認されている堅実さの基準に従い自己の義務を果た
す上で、十分なレベルの資本及び流動性を維持することを確保するために必要となる支援及び援助をバンク・オブ・チャ
イナ香港に提供するのが中国銀行の方針であると表明している。
3.6.4 重複及び補完事業
当社及び中国銀行はそれぞれ、広範囲の金融商品及びサービスを提供している。香港において、中国銀行の子会社
（当グループ以外）は、保険、証券仲介業務及び投資銀行業等の非商業銀行業務に従事している。さらに、中国銀行は、
香港金融管理局により香港の銀行として免許を与えられた支店を保持している。中国銀行は主として資金為替取引を行う
ために当該支店を使用している。中国銀行は、当社と直接競合となり得る商業銀行業務に従事する意向がないことを香港
金融管理局に報告している。
当社は、積極的に香港におけるシンジケート・ローン市場に、アレンジャー、引受人、幹事会社、又は貸出人として参
加している。中国銀行の間接完全子会社で、当社から独立した上級経営者を有する BOCI キャピタルも同じ市場に参加して
いる。当社は、この市場において、当社の商業銀行業務を通じて幅広い顧客基盤を構築したが、他方 BOCI キャピタルは投
資銀行業務を通じて、法人向けに焦点を合わせていると確信している。シンジケート・ローンは、しばしば、いくつかの
当事者が、同じ及び異なる規模で参加するため、当社の関与は、 BOCI キャピタルの事業に対して補完的なものとなる可能
性がある。当社及び BOCI が同じ顧客を有しているという点で、当社は BOCI キャピタルとアレンジャー又は幹事の役割とな
るために、同社と競合する可能性もある。当社は、通常の営業過程において当社が関与している及び将来に渡り継続的に
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関与するであろうこれらの取引について、 BOCI キャピタルを含むその他のシンジケート・ローン・メンバー又は契約の相
手方と通常の商業取引条件及び独立当事者としての立場で関与する。
当社により提供される様々な投資サービスの一部として、当社は、顧客に対して証券仲介サービスを提供する。当社
は、売買の執行及び決済機能を第三者仲介人に外注したうえで、当社の顧客から注文を受ける。中国銀行の間接完全子会
社で、当社から独立した上級経営者を有する BOCI 証券は、様々な証券仲介サービスを提供しており、当社は、他の証券会
社の中でも BOCI 証券を、当社の顧客に関する売買の執行のために利用している。当社は、当社の幅広い顧客基盤及び広汎
な支店網を活用して、取引量の面で個人向け証券売買事業において香港で主導的な地位を築いている。当社は、 BOCI 証券
と、個人顧客の注文を受ける点に関して競合する。
当社と中国銀行との関係は、保険商品の販売、クレジット・カード事業及びある範囲までの資本市場及びシンジケー
ト・ローン取引等、主要な事業領域の多くにおいては、引き続き補完的なものになると当社は確信している。 2002 年に当
社と中国銀行が署名したサービス及び関係契約に基づき、中国銀行は、当社との将来の契約をすべて、独立当事者間取引
基準で、通常の商取引条件で、独立した第三者に提供されるものと少なくとも同等のレートで締結することに同意し、又
はその関連会社が同様に締結するようにすることに同意した。下記の「第６－３ その他－未監査の補足財務情報－２ .
関連会社間取引」を参照のこと。
当社が中国銀行又はその関連会社と競合する限りにおいて、望ましいコーポレート・ガバナンス及び独立した非執行
独立取締役の関与を忠実に実行することで、当社の利益は十分に保護されるものと考える。
４【関係会社の状況】
4.1 親 会 社
2021 年 12 月 31 日現在、親会社の詳細は以下のとおりである。
(2021 年 12 月 31 日現在 )
議決権の
名称 所在地 資本金 業種 備考
所有割合
セントラル・フイジン 中華人民共和国 100010 828,209 百万 持株会社 66.06 ％ チャイナ・インベ
人民元 ストメント・コー
北京市東城区朝陽門北大街 1号、
ポレーションによ
ニュー・ポリー・プラザ
り完全所有されて
いる。
中国銀行 中華人民共和国 100818 294,388 百万 銀行業 66.06 ％ セントラル・
人民元 フイジンにより
北京市復興門内大街１号
支配されている。
BOC 香港（グループ） 香港ガーデンロード１ 34,805,603,955 持株会社 66.06 ％ 中国銀行により完
バンク・オブ・チャイナ・ 香港ドル 全所有されてい
タワー 53 階 る。
バンク・オブ・ 英領ヴァージン諸島 4,462,256,913 持株会社 66.06 ％ BOC 香港
チャイナ香港 VG1110 トルトラ、ロードタウン、 米ドル （グループ）によ
（ BVI ）株式会社 ウィッカムズ・ケイ II 、ヴィスト り完全所有されて
ラ・コーポレート・サービシズ・セ いる。
ンター
注：
(1) 2004 年 8月の中国銀行の組織再編後、セントラル・フイジンは国に代わり中国銀行の株式資本における支配持分を保有している。
したがって、証券先物条例の目的上、セントラル・フイジンは当社に対して中国銀行と同一の持分を所有しているとみなされ
る。
(2) 中国銀行は、 BOC 香港 (グループ )の全発行済株式を所有しており、すなわちバンク・オブ・チャイナ香港 (BVI) 株式会社の全発行済
株式を所有している。したがって、中国銀行及び BOC 香港 (グループ )は、証券先物条例の目的上、当社に対してバンク・オブ・
チャイナ香港 (BVI) 株式会社と同一の持分を所有しているとみなされる。バンク・オブ・チャイナ香港 (BVI) 株式会社は、実質的
に当社の 6,984,175,056 株の持分を所有していた。
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(3) 中国銀行は、バンク・オブ・チャイナ・インターナショナルの全発行済株式を所有しており、すなわち BOCI （アジア）リミテッド
及び BOCI フィナンシャル・プロダクト・リミテッドの全発行済株式を所有している。したがって中国銀行は、証券先物条例の目
的 上、当社に対して BOCI （アジア）リミテッド及び BOCI フィナンシャル・プロダクト・リミテッドと同一の持分を所有している
とみなされる。 BOCI （アジア）リミテッドは当社の 24,479 株の持分及び現物決済済みの株式派生商品により 72,000 株の持分を所
有しており、 BOCI フィナンシャル・プロダクツ・リミテッドは当社の 2,678 株の持分を所有していた。
上記の持分はすべてロング・ポジションを表している。上記開示内容以外に、当社が証券先物条例第 336 条に基づ
き管理している登録簿では、 BOCI フィナンシャル・プロダクツ・リミテッドは、ショート・ポジションを表す
143,522 株の持分を所有していた。中国銀行とセントラル・フイジンは、証券先物条例の目的上、当該株式数の持分
を所有しているとみなされる。 2021 年 12 月 31 日現在、当社が証券先物条例第 336 条に基づき管理している登録簿で
は、開示内容以外に、他の持分又はショート・ポジションは一切記録されていない。
4.2 子 会 社
当社の子会社の詳細は下記のとおりである。
設立・営業・登録場所 /設 発行済払込済株式資本
名称 所有比率 主な事業活動
立・営業開始年月日
直接所有 : 香港 100.00 ％ 銀行業
中国銀行（香港）株式会社 1964 年 10 月 16 日 43,042,840,858 香港ドル
BOC グループ・ライフ・アシュアランス・ 香港 51.00 ％ 生命保険業
カンパニー・リミテッド 1997 年３月 12 日 3,538,000,000 香港ドル
ケイマン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
BOCHK アセット・マネジメント（ケイマン）
2010 年 10 月７日 283,000,000 香港ドル
リミテッド
BOC インシュランス（インターナショナル）ホール 香港 100.00 ％ 投資持株会社
ディングス・カンパニー・リミテッド 2017 年６月６日 100 香港ドル
間接所有 :
BOC クレジット・カード（インターナショナル）リ 香港 100.00 ％ クレジット・カー
ミテッド 1980 年９月９日 565,000,000 香港ドル ド・サービス
BOC グループ・トラスティ・カンパニー・リミテッ 香港 66.00 ％ 投資持株会社
ド 1997 年 12 月１日 200,000,000 香港ドル
BOCI- プルデンシャル・トラスティ・リミテッド 香港 42.24 ％※ 信託サービス業
1999 年 10 月 11 日 300,000,000 香港ドル
バンク・オブ・チャイナ（マレーシア）ベルハッド マレーシア 760,518,480 マレーシアリン 100.00 ％ 銀行業
2000 年４月 14 日 ギット
チャイナ・ブリッジ（マレーシア）スンディリア マレーシア 100.00 ％ 中国ビザ申請業
ン・ベルハッド 2009 年４月 24 日 1,000,000 マレーシアリン
ギット
バンク・オブ・チャイナ（タイ）パブリック・カン タイ 100.00 ％ 銀行業
パニー・リミテッド 2014 年４月１日 10,000,000,000 バーツ
バンク・オブ・チャイナ（香港）ノミニーズ・ 香港 100.00 ％ ノミニー・
リミテッド 1985 年 10 月１日 ２香港ドル サービス業
バンク・オブ・チャイナ（香港）トラスティーズ・ 香港 100.00 ％ 信託及び代行
リミテッド 1987 年 11 月６日 3,000,000 香港ドル サービス業
BOC フィナンシャル・サービシズ（南寧）カンパ 中国 登録資本 100.00 ％ 金融オペレーショ
ニー・リミテッド ** 2019 年２月 19 日 60,000,000 香港ドル ン・サービス業
BOCHK インフォメーション・テクノロジー（深 圳 ） 中国 登録資本 100.00 ％ 不動産保有業
カンパニー・リミテッド ** 1990 年４月 16 日 70,000,000 香港ドル
BOCHK インフォメーション・テクノロジー・ 中国 登録資本 100.00 ％ 情報技術サービス業
サービシズ（深 圳 ）カンパニー・リミテッド ** 1993 年５月 26 日 40,000,000 香港ドル
ポ・サン・フィナンシャル・インベストメント・ 香港 100.00 ％ 金取引及び
サービシズ・カンパニー・リミテッド 1980 年９月 23 日 335,000,000 香港ドル 投資持株会社
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設立・営業・登録場所 /設 発行済払込済株式資本
名称 所有比率 主な事業活動
立・営業開始年月日
ポ・サン・セキュリティーズ・アンド・フュー 香港 100.00 ％ 証券及び先物仲介業
チャーズ・リミテッド 1993 年 10 月 19 日 335,000,000 香港ドル
シン・ホア・トラスティ・リミテッド 香港 100.00 ％ 信託サービス業
1978 年 10 月 27 日 3,000,000 香港ドル
ビリオン・エクスプレス・ディベロップメント・イ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
ンク 2014 年２月７日 １米ドル
ビリオン・オリエント・ホールディングス・リミ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
テッド 2014 年２月３日 １米ドル
エリート・ボンド・インベストメンツ・リミテッド 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
2014 年２月７日 １米ドル
エクスプレス・キャピタル・エンタープライズ・イ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
ンク 2014 年２月３日 １米ドル
エクスプレス・チャーム・ホールディングス・コー 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
プ 2014 年２月７日 １米ドル
エクスプレス・シャイン・アセッツ・ホールディン 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
グス・コープ 2014 年１月３日 １米ドル
エクスプレス・タレント・インベストメント・リミ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
テッド 2014 年２月 13 日 １米ドル
ゴールド・メダル・キャピタル・インク 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
2014 年１月３日 １米ドル
ゴールド・タップ・エンタープライズ・インク 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
2014 年２月 13 日 １米ドル
マキシ・サクセス・ホールディングス・リミテッド 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
2014 年２月７日 １米ドル
スマート・リンケージ・ホールディングス・インク 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
2014 年２月 13 日 １米ドル
スマート・ユニオン・キャピタル・インベストメン 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
ツ・リミテッド 2014 年１月３日 １米ドル
サクセス・トレンド・ディベロップメント・リミ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
1
2014 年２月 18 日 １米ドル
テッド
ワイズ・キー・エンタープライズ・コープ 英領ヴァージン諸島 100.00 ％ 投資持株会社
2014 年２月 18 日 １米ドル
BOCHK アセット・マネジメント・リミテッド 香港 100.00 ％ 資産運用業
2010 年 10 月 28 日 272,500,000 香港ドル
BOC エクイティ・インベストメント・マネジメント 100.00 ％ 資産運用業
中国 登録資本
（深圳）リミテッド **
2019 年４月２日 5,000,000 米ドル
グレーター・ベイ・エリア・インベストメント １香港ドル 100.00 ％ 投資持株会社
香港
(GP) リミテッド 2021 年２月４日
* BOCI －プルーデンシャル・トラスティ・リミテッドは、当社の非完全所有子会社の子会社であり、従って、当社が同社への支配権を有する
ことから子会社として報告されている。
** 中国において有限責任会社として登録されている。
チェ・シン (ノミニーズ )リミテッドは 2021 年 2月 16 日に解散された。
５【従業員の状況】
当社はストライキその他の重大な労使紛争は経験しておらず、当社従業員との関係を良好であると当社は考えてい
る。ほとんどの当社従業員が香港在住である。
フルタイム当量で算出された人員数は、 2020 年末の 14,915 名から 362 名減少し、 2021 年末現在で 14,553 名であった。
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第３【事業の状況】
１【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
1.1 見通し
2022 年の見通し及び事業の焦点
2022 年に目を向けると、世界経済の成長は、徐々に落ち、通常の水準に戻ることが予測されている。しかしながら、全
体的な世界経済の予測は、概して成長動向がパンデミックの進行、主要国の金融・財政政策の変更並びに地政学的リスク
の顕在化によるため、不確実なままである。米国経済は、成長モメンタムを維持するが、インフレ抑制は大きな課題とな
るであろう。中国本土経済は、世界的な景気減速の中で、加速する経済構造改革に直面する可能性が高い。地域包括的経
済連携協定の正式な実施により、アジア太平洋地域における貿易及び投資活動が促進され、東南アジアにおける経済回復
のモメンタムが高まることになる。香港でのパンデミックの第 5 波はさらに深刻になり、国内経済に圧力をかけている。
HKSAR 政府は、経済的衝撃の緩和に役立つ一連の救済措置を導入した。事業環境は COVID-19 のパンデミックに圧倒され、
依然として不確実性が高い。パンデミックにより生じる不確実性を踏まえ、当グループは、市場発展の変化やその業績へ
の関連する影響を注意深く監視する。
戦略計画に沿って、当グループは、引き続き香港、広域湾岸地域及び東南アジアの 3 市場に注力し、その顧客基盤及び
事業基盤を強化する。当グループは、顧客及び事業の可能性を実現するために、引き続き香港において現地市場を開拓す
る。中国本土の国策から生じる機会を捉え、当グループは、そのクロスボーダー事業を強力に展開していく。当グループ
は、オフショア市場での事業優位性を活かすとともに、広域湾岸地域の革新的な施策に積極的に参画し、新たな事業成長
の原動力を育成する。当グループは、その地域事業のサービス能力をさらに高め、特長ある商品及びサービスの提供を加
速していく。人民元の国際化からの機会を捉え、当グループは、新たな事業のブレークスルーを模索する。同時に、当グ
ループは、グリーン・ファイナンスの開発にも注力していく。当グループは、顧客のカーボン・ニュートラル目標の追求
によるグリーン・ファイナンスの事業機会を捉えるとともに、引き続き自社の低炭素及び省資源型の事業イニシアティブ
を継続的に実行していく。当グループは、本格的なデジタル・バンク及び主要なデジタル企業を目指し、尽力していく。
当社は、重点事業の統合プラットフォームを強化し、その総合サービス能力を高める。加えて、当グループは厳格なリス
ク管理を堅持し、戦略の実行を強力にサポートするために、人的、文化的及び運営上のメカニズムを継続的に改善してい
く。
２【事業等のリスク】
「第２－３ 事業の内容－ 3.4 リスク管理」及び「第５－３ コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照のこと。
３【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
3.1 連結財務状況の概要
財務ハイライト
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2021 年 2020 年 変動（％）
継続事業
減損引当金繰入前正味営業収益 48,982 54,474 (10.1)
(16,407) (16,347) 0.4
営業費用
減損引当金繰入前営業利益
32,575 38,127 (14.6)
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減損引当金繰入後営業利益 30,430 35,420 (14.1)
税引前利益 29,968 33,583 (10.8)
当期利益 24,999 28,468 (12.2)
当社株主帰属利益 22,970 26,487 (13.3)
2021 年、不確実な COVID-19 のパンデミックの状況、市場金利の歴史的な低水準及び金融市場のボラティリティにより特
徴付けられ、銀行部門は依然として複雑で厳しい経営環境にさらされている。当グループは、前述のマイナスの影響を相
殺し、積極的に市場機会に対応し、獲得した。 2021 年、正味減損引当金繰入前正味営業収益は 48,982 百万香港ドルで、前
年度比 5,492 百万香港ドル、すなわち 10.1 ％の減少となった。これは主に、低金利環境が続く中で資産利回りが圧迫さ
れ、正味受取利息が前年度比で減少したこと、また昨年の債券投資の売却益が増加したことから、比較対象が拡大したこ
とによる。しかしながら、当グループは、年初の投資家心理が満足できる中で市場機会を捉え、その総合的な商品及び
サービス能力の強化に向けた取組みを強化した。正味受取手数料は、結果として前年度比で伸びた、全体的な利益の減少
を一部相殺した。当グループは、信頼でき、着実な事業成長を支えるための投資を継続した。営業費用は、そのコスト構
造を最適化し、グリーン・バンキングのコンセプトを推進しつつ、戦略的優先事項に投資するという当グループの継続的
なコミットメントを反映し、おおむね変化はなかった。一方、減損引当金繰入前正味営業利益は減少し、投資不動産公正
価値調整純損失は純損失が減少した。当期純利益は 24,999 百万香港ドルとなり、前年度比 3,469 百万香港ドル、すなわち
12.2 ％の減少となった。株主に帰属する利益は 22,970 百万香港ドルとなり、前年度比 3,517 百万香港ドル、すなわち
13.3 ％減少した。
下半期実績
2021 年下半期において、当グループの減損引当金繰入前正味営業収益は、 2021 年上半期に比べて 1,118 百万香港ドル、
すなわち 4.5 ％減少した。これは主に、投資関連及びローン手数料収益の減少により、正味手数料収益が減少したことに
よる。一方、上半期より営業費用が増加した。この結果、当グループの税引後利益は半期ベースで 2,183 百万香港ドル、
すなわち 16.1 ％減少した。
損益計算書の分析
3.1.1 正味受取利息及び純金利マージン
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2021 年 2020 年 変動（％）
受取利息 40,298 49,928 (19.3)
(8,357) (15,190) (45.0)
支払利息
正味受取利息
31,941 34,738 (8.1)
利付資産平均残高 3,015,219 2,737,726 10.1
純金利スプレッド 1.00 ％ 1.16 ％
純金利マージン 1.06 ％ 1.27 ％
＊
1.09 ％ 1.33 ％
純金利マージン（調整後）
＊
外国通貨スワップ契約の調達収益又は調達コストを含む。
#
2021 年の正味受取利息は 31,941 百万香港ドルであった。資金調達による収益又は外国通貨スワップ契約 の費用が含ま
れた場合には、正味受取利息は前年度比 9.4 ％減少して 32,944 百万香港ドルとなって いたであろう。この増加は、主に純
金利マージンの縮小によるものであり、利付資産平均残高の増加によって一部相殺された。
利付資産平均残高は、前年度比 277,493 百万香港ドル、すなわち 10.1 ％増加した。顧客に対する貸付金及び債務証券投
資は、顧客預金及び銀行内資金調達の増加に牽引され、増加した。
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#
資金調達収益又は外国通貨スワップ契約 のコストが含まれていた場合、純金利マージンは前年度比 24 ベーシス・ポイ
ント減少し、 1.09 ％であったであろう。これは主に、市場金利の大幅な下落によるもので、債務証券投資及びその他の負
債性金融商品の平均利回りが下落することとなり、預金事業の市場競争が激化し、貸付金及び預金のスプレッドが縮小す
る こととなった。当グループは、積極的にその資産及び負債の管理を行い、長引く低金利期間に対応し、より高い平均
CASA 比率を反映し、顧客に対する貸付金の堅調な成長及び資本市場債務証券への投資の増加並びに顧客からの預金構成の
継続的改善を含む高利回り資産が増加する結果となった。これらの要因のすべては、前述のマイナスの要因を一部相殺し
た。
下半期実績
2021 年上半期と比べた場合、調達収益又は外国通貨スワップ契約の費用を含めた場合、当グループの正味受取利息
は 436 百万香港ドル、すなわち 2.7 ％増加したであろう。これは主に、平均利付資産が増加したことによるものである。市
場金利が一段と低下する中、ローン及び預金スプレッド並びに債務証券投資及びその他の負債性商品の平均利回りは低下
し、純金利マージンは 2 ベーシス・ポイント縮小して 1.08 ％となった。
#
外国為替スワップ契約は、通常当グループの流動性管理及び資金調達業務に利用される。外国為替スワップ契約では、当グループ
は、直物為替レート (直物取引 )である通貨（原通貨）をその他の通貨（スワップ通貨）と交換し、来たる満期日の予定率 (先物取引 )
において同じ組み合わせの通貨で交換することにより、反対方向の直物取引を行う。この方法により、原通貨の余剰資金は、最小限
の為替リスクにより流動性及び資金調達の目的において他の通貨に交換される。直物契約と先物契約間の換算差額（調達収益又は費
用）は、外国為替損益（「正味トレーディング収益」に含まれる。）として認識され、一方、対応する原通貨の余剰資金とスワップ
された通貨の余剰資金との間の金利差額は正味受取利息に反映される。
下記の表は、資産及び負債の平均残高と平均利回りを区分別に要約している。
2021 年 2020 年
平均残高 平均利回り 平均残高 平均利回り
資 産 ( 百万香港ドル ) ( ％ ) ( 百万香港ドル ) ( ％ )
銀行及びその他金融機関への預け金及び 383,631 0.82
債権 351,515 0.88
債務証券投資及びその他の負債性金融商 1,015,239 1.26
品 849,401 1.76
顧客及びその他の口座への貸付金 1,600,436 1.52 1,518,246 2.08
15,913 0.75 18,564 1.20
その他の利付資産
利付資産合計 3,015,219 1.34 2,737,726 1.82
(1)
574,040 -
557,334 -
非利付資産
資産合計 3,589,259 1.12 3,295,060 1.51
平均残高 平均利回り 平均残高 平均利回り
負 債 ( 百万香港ドル ) ( ％ ) ( 百万香港ドル ) ( ％ )
預金並びに銀行及びその他金融機関から
の預り金 250,428 0.65 198,804 0.56
当座、貯蓄及び定期預金 2,188,701 0.30 2,082,314 0.65
劣後債務 - - 1,452 5.51
19, 820 0.60 28,917 1.27
その他の利付負債
利付負債合計 2,458,949 0.34 2,311,487 0.66
*
株主資本 及びその他非利付預金及び負
1,130,310 - 983,573 -
債
負債合計 3,589,259 0.23 3,295,060 0.46
* 株主資本は、当社株主に帰属する資本及び準備金を意味する。
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3.1.2 正味受取手数料
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2021 年 2020 年 変動（％）
証券仲介業務 3,743 3,567 4.9
貸付金手数料 2,746 2,310 18.9
クレジット・カード事業 2,141 1,859 15.2
保険 1,529 1,272 20.2
信託及びカストディ業務 764 689 10.9
支払サービス 751 740 1.5
ファンド販売 724 767 (5.6)
手形手数料 623 591 5.4
貸金庫 306 306 -
ファンド管理 161 130 23.8
為替 119 226 (47.3)
1,196 1,058 13.0
その他
受取手数料
14,803 13,515 9.5
(2,931) (2,673) 9.7
支払手数料
正味受取手数料
11,872 10,842 9.5
2021 年、正味受取手数料は、 11,872 百万香港ドルとなり、前年度に比べ 1,030 百万香港ドル、すなわち 9.5 ％増加し
た。当グループは当年度初頭の満足のいく市場投資者心理の中、市場機会を捉え、保険及び証券仲介からの受取手数料が
それぞれ 20.2 ％及び 4.9 ％の増加につながった。当グループは引き続きその資金管理事業の展開の多様化を推し進め、関
連する受取手数料において 23.8 ％の増加につながった。クレジットカード事業及び手形からの受取手数料は、香港の経済
活動の再開と HKSAR 政府の消費バウチャー制度の導入による刺激を受け、小売支出と輸出入貿易が勢いを取り戻したた
め、それぞれ 15.2 ％及び 5.4 ％増加した。ローン受取手数料も 18.9 ％増加した。当グループは、相互市場アクセス・ス
キームに起因する事業機会を活かし、顧客体験の更なる最適化、その保管会社商品の充実、その法人信託及び代理事業の
掘下げにより、信託及びカストディ業務の受取手数料は 10.9 ％増加し、そのすべてが信託及びカストディ業務における運
用資産規模の拡大につながった。さらに、その現金プーリング事業が順調に成長したことに加え、その現金管理事業の発
展の加速に取り組んだ結果、当グループの支払サービスによる受取手数料は 1.5 ％増加した。しかしながら、パンデミッ
クにより世界的な紙幣需要が低迷したままであったため、為替による受取手数料は 47.3 ％減少した。ファンド販売による
受取手数料も 5.6 ％減少した。手数料費用は、主に業務量の増加に伴うクレジットカード関連費用の増加により増加し
た。
下半期実績
2021 年上半期に比べ、正味受取手数料は、 1,442 百万香港ドル、すなわち 21.7 ％減少した。これは主に、 2021 年下半期
に市場投資者心理が弱まる中、証券仲介、ファンド販売及びファンド管理からの受取手数料が減少したことによる。しか
しながら、クレジットカード事業、保険、受託及び保管サービス、支払サービス並びに為替からの受取手数料は、経済が
徐々に回復する中、増加し、受取手数料の全体的な落ち込みにより一部相殺された。手数料費用は、上半期に比べ、引き
続き安定していた。
3.1.3 正味トレーディング収益
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2021 年 2020 年 変動（％）
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外国為替及び外国為替関連商品 4,725 5, 282 (10.5)
金利商品及び公正価値ヘッジ項目 (60) ( 619 ) 90.3
資本性及び信用デリバティブ金融商品 251 150 67.3
175 361 (51.5)
コモディティ
正味 トレーディング収益合計
5,091 5, 174 (1.6)
正味トレーディング収益は、前年度比 83 百万香港ドル、すなわち 1.6 ％減少し、 5,091 百万香港ドルとなった。外国通
貨スワップ契約の調達収益又は費用を除いた場合、正味トレーディング収益は前年度比 15.5 ％増加し、 4,088 百万香港ド
ルとなっていたであろう。これは主に、顧客取引からの為替収益の前年度比の伸び、並びに金利商品及び公正価値ヘッジ
項目からの前年度比の正味トレーディング損失の減少によるものであり、市場金利の変動による特定の債務証券投資及び
金利商品の時価の変動に起因するものである。これは主に、市場金利変動に起因する特定の債務証券投資及び金利商品の
時価評価額の変動によるものである。株式及びクレジット・デリバティブ商品からの正味トレーディング収益は、 101 百
万香港ドル増加し、年初に満足のいく投資者心理の中、株式連動商品から実現した収益より高い収益を得た。コモディ
ティからの正味トレーティング収益は、主に地金取引からの収益が減少したことにより、減少した。
下半期実績
2021 年上半期に比べ、正味トレーディング収益は、 383 百万香港ドル、すなわち 16.3 ％増加した。外国為替スワップ契
約の調達収益又は費用を除いた場合、正味トレーディング収益は上半期より 0.2 ％増加し、 2,046 百万香港ドルとなってい
たであろう。
3.1.4 純損益を通じて公正価値で測定するその他の金融商品に係る純利得 / 損失
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2021 年 2020 年 変動（％）
純損益を通じて公正価値で測定するその他の金融商
品に係る純利得 / 損失 (1,136) 1, 959 該当なし
当グループは、純損益を通じて公正価値で測定するその他の金融商品に係る純損失につき、 2020 年の 1,959 百万香港ド
ルの純利得に比べ、 2021 年に 1,136 百万香港ドルの純損失を計上した。かかる変動は主に、それぞれ、香港証券市場のボ
ラティリティ及び市場金利の変動、並びに BOC ライフによる債務証券投資の処分による利益の減少に起因する、 BOC ライフ
の株式及び債務証券投資の時価評価額の減少によるものである。上述の BOC ライフの債務証券投資の時価変動は、その保
険責任準備金の変動、また市場金利の変動により相殺され、正味保険給付金及び請求額並びに負債の変動に反映されてい
る。
下半期実績
上半期の 96 百万香港ドルの純利得に比べ、下半期に 1,232 百万香港ドルの純損失が計上された。かかる変動は主に、下
半期において、 BOC ライフのエクイティ及び債務証券投資の時価評価額が下がったことによる。
3.1.5 営業費用
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2021 年 2020 年 変動（％）
人件費 9, 542 9,461 0.9
物件及び設備費（減価償却費及び償却費を除く） 1,232 1,2 35 ( 0. 2)
減価償却費及び償却費 3,0 39 3,040 -
2,594 2, 611 ( 0.7 )
その他の営業費用
営業費用
16,407 16,347 0.4
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2021 年 12 月 31 日現 2020 年 12 月 31 日現 変動（％）
在 在
従業員数（フルタイム同等）
14, 553 14,915 (2.4)
営業費用は、 16,407 百万香港ドルとなり、前年度比 60 百万香港ドル、すなわち 0.4 ％と若干増加した。当グループは、
当グループは、その戦略的優先事項に引き続き投資する一方、そのコスト管理を強化した。当グループは、費用効率を高
めるために、その低炭素及びグリーン・オペレーション・イニシアティブを積極的に実行し、事業フローを最適化し、内
部管理を改善した。収益に対するコスト比率は 33.50 ％で、同業他社と比較して十分なレベルを維持している。
人件費は、前年度比 0.9 ％増となり、比較的安定を維持した。
物件及び設備費は、 0.2 ％減少した。このうち、情報技術への投資は増加し、一方その他の主要関連費用は減少した。
減価償却費及び償却費は、比較的安定していた。
その他の営業費用は 0.7 ％減少した。これは主に、事業販売促進、セキュリティ、清掃及び印刷費用が減少したことに
よる。
下半期実績
2021 年上半期と比較すると、営業費用合計は 1,243 百万香港ドル、すなわち 16.4 ％増加した。かかる増加は、主に人件
費の増加、情報技術への投資の増加、並びに慈善寄付及び専門コンサルタント料の増加によるものである。下半期中、
マーケティング及び販売促進活動は徐々に増加し、関連費用が増加することとなった。
3.1.6 貸付金及びその他の勘定の正味減損引当金繰入額
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2021 年 2020 年 変動（％）
ステージ 1 465 (898) 該当なし
ステージ 2 (1,182) (754) 56.8
(1,249) (837) 49.2
ステージ 3
貸付金及びその他の勘定の正味減損引当金繰入額
(1,966) (2,489) (21.0)
3.1.7 ローンの減損引当金合計が顧客への貸付金に占める割合
2021 年 12 月 31 日現在 2020 年 12 月 31 日現在
0.62 ％ 0.61 ％
ローンの減損引当金額合計が顧客への貸付金に占める割合
2021 年、当グループの貸付金及びその他の勘定の正味減損引当金繰入額は、前年度比 523 百万香港ドル、すなわち
21.0 ％減の 1,966 百万香港ドルとなった。ステージ 1 の減損引当金は、前年度の 898 百万香港ドルの正味繰入に比べ、 465 百
万香港ドルの正味戻入を計上した。 2021 年の当グループの予想信用損失モデルのパラメータ値は、世界の主要国経済の緩
やかな回復に牽引されて改善した。かかる変化はまた、当グループが COVID-19 のパンデミックの流行を考慮し、その予想
信用損失モデルのパラメータ値を更新した際に、昨年計上された減損引当金により、比較対象が拡大したことにも起因
し、世界経済を大きく揺るがし、またマクロ経済学的見通しの弱まりにつながった。ステージ 2 の減損引当金は、前年度
比 428 百万香港ドル、すなわち 56.8 ％増の 1,182 百万香港ドルの正味繰入を計上した。これは主に、当グループがパンデ
ミックの救済措置から生じる潜在的な顧客リスク並びに特定の顧客の内部格付の変更を考慮に入れたことによるものであ
る。ステージ 3 の減損引当金は、前年度比 412 百万香港ドル増加し、 1,249 百万香港ドルの正味繰入となった。これは主
に、特定の法人向け貸付金の格下げにによるものであり、減損引当金の正味繰入額が増加することとなった。顧客に対す
る貸付金の信用コストは前年度比で 4 ベーシスポイント減少の 0.12 ％であった。 2021 年 12 月 31 日現在、当グループの顧客
への貸付金に占める割合としてのローン減損引当金合計の割合は 0.62 ％であった。
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下半期実績
当グループの貸付金及びその他の勘定に係る正味減損引当金繰入額は、 2021 年上半期に比べ、 428 百万香港ドル減少し
た。かかる減少は主に、当グループのローンの伸び及び特定の法人顧客の格下げに関連して上半期になされた減損引当金
により比較対象が拡大したことに起因するものである。
資産及び負債の分析
下表は当グループの資産の構成をまとめたものである。当グループのデリバティブ金融商品の契約 / 名目額及び公正価
値については、「第６ 経理の状況、１ 財務諸表」の注記 24 を参照のこと。各重要な偶発債務及びコミットメントの
契約金額並びに信用リスク加重総額については、「第６－１ 財務諸表」の注記 41 を参照のこと。
3.1.8 資産の構成
（単位：百万香港ドル、％を除 2021 年 12 月 31 日現在 2020 年 12 月 31 日現在 変動（％）
く。） 金額 ％ 金額 ％
現金並びに銀行及びその他金融機関
への預け金 4 6 5 ,535 12.8 463,711 14.0 0.4
香港特別行政区政府債務証書 203 ,810 5.6 189,550 5.7 7.5
1
1 ,167,770 32.1 24.1
940,699 28.3
投資有価証券及びその他商品
貸付金その他 1,597 ,194 43.9 1,500,416 45.2 6.5
固定資産及び投資不動産 6 4,163 1.8 65,296 2.0 ( 1.7 )
2
140 ,958 3.8 ( 12.6 )
161,309 4.8
その他の資産
資産合計
3,639,430 100.0 3,320,981 100.0 9.6
1. 投資有価証券及びその他の負債性金融商品は、純損益を通じて公正価値で評価される有価証券及び金融資産への投資から構成されて
いる。
2. その他の資産は、デリバティブ金融商品、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する持分、当期税金資産及び繰延税金資産から
構成されている。
当グループの総資産は、 2020 年末に比べ、 318,449 百万香港ドル、すなわち 9.6 ％増加し、 3,639,430 百万香港ドルと
なった。投資有価証券及びその他の負債性金融商品は、当グループの政府関連債券及び手形への投資が増加したことによ
り、 227,071 百万香港ドル、すなわち 24.1 ％増加した。貸付金及びその他の勘定は、顧客への貸付金が 101,220 百万香港ド
ル、すなわち 6.8 ％増加し、貿易手形が 2,562 百万香港ドル、すなわち 26.1 ％減少したことにより、 96,778 百万香港ドル、
すなわち 6.5 ％増加した。
3.1.9 顧客 への貸付金
（単位：百万香港ドル、％を除 2021 年 12 月 31 日現在 2020 年 12 月 31 日現在 変動（％）
く。） 金額 ％ 金額 ％
香港で使用されたローン 1,083,205 67.7 991,457 66.2 9.3
産業界、商業界及び金融業界 581,799 36.4 539,633 36 .0 7.8
個人 501,406 31.3 4 51,824 30.2 11.0
貿易金融 73,611 4.6 66,497 4. 4 10.7
442,268 27.7 439,910 2 9.4 0.5
香港外で使用されたローン
顧客への貸付金総額
1,599,084 100.0 1,497,864 100.0 6.8
当グループは、その顧客本位の理念に基づき、香港、広域湾岸地域及び東南アジアの 3 大市場からの機会を継続的に捉
えながら、顧客ニーズに注意深く焦点を当てた。当グループは、香港において、その主要顧客のローン需要に応えるた
め、現地法人顧客及び個人顧客に提供するサービスを強化した。当グループは、住宅ローンにおけるその主導的な市場地
位を強化するため、不動産会社及び住宅ローン仲介業者との協力を強化するとともに、そのモバイルアプリ「ホーム・エ
キスパート」で利用できるサービスを最適化することにより、その住宅ローン事業を拡大した。当グループは、 HKSAR 政
府の様々な救済措置を積極的に支援し、またその中小企業及び個人顧客が困難な時代を乗り切れるよう支援した。同時
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に、当グループは、東南アジア地域における総合開発を積極的に推進するとともに、広域湾岸地域やアジア太平洋地域に
おける BOC の事業体との連携を強化することにより、そのクロス - ボーダー事業を着実に推進した。当年度中、当グループ
は 引き続き香港 - マカオのシンジケートローン市場において上位の法定アレンジャー業務を指揮し、香港における新規住
宅ローンの合計件数においてトップの市場ポジションを有した。 2021 年、顧客への貸付金は 101,220 百万香港ドル、すな
わち 6.8 ％増加し、 1,599,084 百万香港ドルとなった。
香港で使用された貸付金は 91,748 百万香港ドル、すなわち 9.3 ％増加した。
・ 工業、商業及び金融業界への貸付は、不動産開発及び投資、情報技術及び株式仲介業者のローンの増加を反映し
て、 42,166 百万香港ドル、すなわち 7.8 ％増加した。
・ 個人への貸付は、主に住宅用モーゲージ・ローン及びクレジットカード貸付金の伸びに牽引され、 49,582 百万香
港ドル、すなわち 11.0 ％増加した。
貿易金融は 7,114 百万香港ドル、すなわち 10.7 ％増加した。香港以外で使用される貸付金は 2,358 百万香港ドル、すな
わち 0.5 ％増加したが、これは主に中国本土で使用されるローンが増加したことによるものである。
3.1.10 貸付金の質
（単位：百万香港ドル、％を除く。） 2021 年 12 月 31 日現在 2020 年 12 月 31 日現在
1, 599 , 084 1,497,864
顧客への貸付金
0.27 ％ 0.27 ％
分類又は減損された貸付金比率
9,877 9,172
減損引当金総額
0.62 ％ 0.61 ％
顧客への貸付金に対する減損引当金総額比率
分類された又は減損された顧客への貸付金に対す
る減損引当金総額比率 228.58 ％ 229.64 ％
1
住宅用モーゲージ・ローン - 不履行率及び
0.01 ％ 0.0 1 ％
2
リスケジュールされた貸付金の比率
2
0.23 ％ 0.23 ％
カード・キャッシング - 不履行率
2021 年 2020 年
3
1.49 ％ 1.91 ％
カード・キャッシング - 貸倒償却比率
1. 住宅用モーゲージ・ローンには、持ち家制度及び他の政府支援による住宅購入制度に基づくものを含まない。
2. 不履行率は、貸付金残高合計に対する延滞貸付金（３ヶ月以上）総額の比率である。
3. 貸倒比率は、当年度中のカード債権平均残高に対する当年度中に行われた損金処理合計の割合である。
2021 年、不安定な COVID-19 のパンデミックの状況や世界的な景気回復の不均一さを踏まえ、特定の産業は引き続き課
題に直面した。当グループは積極的にあらゆる種類のリスクのそのリスク管理システムを強化し、引き続き件粉資産の質
を維持するために厳格なリスク管理を適用させた。 2021 年 12 月 31 日現在、分類又は減損されたローンは 4,321 百万香港ド
ルとなり、前年度末から 327 百万香港ドル増加した。分類又は減損されたローン比率は 0.27 ％で、前年度末から安定な状
態を維持していた。当グループの住宅モーゲージ・ローン及びカード貸付金の質は健全な状態を維持していた。
3.1.11 顧客預金
（単位：百万香港ドル、％を除 2021 年 12 月 31 日現在 2020 年 12 月 31 日現在 変動（％）
く。） 金額 ％ 金額 ％
要求払預金及び当座預金 327,234 14.1 310,226 14.2 5.5
貯蓄預金 1,194,094 51.2 1,149,035 52.6 3.9
809,827 34.7 724,448 33.2 11.8
定期預金及び通知預金
顧客預金合計
2,331,155 100.0 2,183,709 100.0 6.8
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当グループは、 2021 年において、引き続きその中・高所得層の顧客基盤を拡大し、 e 支払、給与支払、現金管理、現金
プーリング IPO 受入銀行サービスを含む、多様な範囲のサービスを通じて、政府当局、大企業、主要な中央銀行、国際金
融機関及びソブリン・ファンドとの協力を強化した。同時に、当グループは、低金利環境の中、ウェルス・マネジメン
ト、 保険、エクイティ証券及び仕組商品等の顧客の嗜好を捉え、顧客からの預金を着実に伸ばした。 2021 年度末現在、顧
客からの預金合計は 2,331,155 百万香港ドルで、前年度末から 147,446 百万香港ドル、すなわち 6.8 ％増加した。要求払預
金及び当座預金は 5.5 ％増加した。貯蓄預金は 3.9 ％増加した。定期預金、コール預金、通知預金は 11.8 ％増加した。 2021
年、平均 CASA 比率は 71.0 ％で、前年度より 7.0 ％増加した。
3.1.12 当社株主に帰属する資本及び準備金
（単位：百万香港ドル 、％を除く。 ） 2021 年 12 月 31 日現在 2020 年 12 月 31 日現在 変動（％）
株主資本 52,864 52,864
-
不動産再評価準備金 38,590 3 8,048
1.4
公正価値変動準備金 (413) 1,726
該当なし
法定準備金 6,073 4,780
27.1
為替換算調整勘定 ( 1,000 ) (5 03 )
(98. 8 )
201,885 193,387
利益剰余金
4.4
準備金 245,135 237,438
3. 2
当社株主に帰属する資本及び準備金
297,999 290,302
2.7
当社の株主に帰属する資本及び準備金は、 2021 年 12 月 31 日現在、 297,999 百万香港ドルとなり、前年度末から 7,697 百
万香港ドル、すなわち 2.7 ％増加した。不動産再評価準備金は、 1.4 ％増加した。公正価値変動準備金は、主にその他の包
括利益を通じた公正価値により測定される負債性金融商品に係る市場金利動向の影響により、超過から不足へ変動した。
法定準備金は 27.1 ％増加したが、これは主に顧客への貸付金の増加及び減損引当金の正味繰入額の変動によるものであ
る。利益剰余金は前年度末より 4.4 ％増加したが、これは主に配当後 2021 年に得られた利益を反映したことによる。
3.1.13 自己資本比率
2021 年 12 月 31 日現在 2020 年 12 月 31 日現在
（単位：百万香港ドル、％を除く。）
控除後の連結資本ベース
普通株等 Tier １資本 224,189 216,542
その他 Tier １資本 23,476 23,476
Tier １資本 247,665 240,018
30,174 29,558
Tier ２資本
自己資本合計 277,839 269,576
リスク加重資産合計 1,296,153 1,220,000
普通株等 Tier １資本比率 17.30 ％ 17.75 ％
Tier １自己資本比率 19.11 ％ 19.67 ％
自己資本比率 21.44 ％ 22.10 ％
2021 年 12 月 31 日現在、当社の普通株式 Tier1 資本（「 CET1 」）及び Tier1 資本は、昨年度末よりそれぞれ 3.5 ％及び 3.2 ％
増加したが、これは主に 2021 年に計上した利益によるものである。自己資本合計は、 3.1 ％増加した。リスク加重資産
（「リスク加重資産」）合計は 6.2 ％増加したが、これは主に顧客への貸付金の伸びに牽引されたものである。 CET1 資本
比率は 17.30 ％及び Tier1 自己資本比率は 19.11 ％で、 2020 年末よりそれぞれ 0.45 ％及び 0.56 ％減少し、一方、自己資本比
率は 21.44 ％で、前年度より 0.66 ％減少した。当グループは、株主に対するリターンの均衡を取りながら、より厳格な規
制要件を満たし、持続可能な事業開発を支援する適切な資本水準を維持するために、その資本計画を適切に管理した。
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3.1.14 流動性カバレッジ比率及び安定調達比率
2021 年 2020 年
流動性カバレッジ比率の平均値
第１四半期 134.09 ％ 150.45 ％
第２四半期 134.20 ％ 131.38 ％
第３四半期 134.73 ％ 130.98 ％
第４四半期 146.70 ％ 132.76 ％
2021 年 2020 年
安定調達比率の四半期末の価値
第１四半期 12 4.90 ％ 116.60 ％
第２四半期 1 18.50 ％ 117.49 ％
第３四半期 12 5.92 ％ 115.30 ％
第４四半期 126.96 ％ 125.31 ％
当グループの流動性ポジションは依然として健全であり、流動性カバレッジ比率の平均値及び安定調達比率の四半期末
の価値は、 2021 年の全四半期の規制要件を超える。
3.2 事業の概況
2021 年、当グループは、 COVID-19 のパンデミックによるその顧客及び銀行事業への影響に積極的に対応するとともに、
リスクを慎重に管理し、その強力なフランチャイズを活用し、事業展開の機会を積極的に探ってきた。当グループは、一
流の地域銀行グループを構築するというその戦略目標に引き続きコミットし、その戦略計画の遂行を強化した。当グルー
プは、環境、社会及びガバナンス (ESG) のコンセプトを醸成し、グリーン・ファイナンスを積極的に推進した。当グルー
プは、香港において、引き続き現地事業の展開を行い、その一貫したサービス能力を強化した。広東 - 香港 - 澳門広域湾岸
地域における事業機会を捉えることで、当グループは、その国境を越えた事業の優位性を強化した。当グループは、その
地域拠点の開発を最適化し、その総合的な地域サービス能力を強化した。同時に、当グループは、顧客体験を高めながら
デジタル・トランスフォーメーションを加速させ、リスク・コントロールと規制遵守にボトムラインの考え方を適用さ
せ、その主要な事業イニシアティブの展開に慎重なアプローチを取った。
事業セグメント業績
事業セグメント毎の税引前利益 /( 損失 )
変動 ( ％ )
合計に対す 合計に対す
る割合 る割合
％を除き百万香港ドル 2021 年 （％） 2020 年 （％）
個人向け銀行業務 6,331 21.1 11,017 32.8 (42.5)
法人向け銀行業務
12,924 43.1 13,035 38.8 (0.9)
資金為替業務
10,238 34.2 9,361 27.9 9.4
保険
1,023 3.4 854 2.5 19.8
(548) (1.8) (684) (2.0) 19.9
その他
税引前利益合計
29,968 100.0 33,583 100.0 (10.8)
注 : さらなるセグメント情報については、「第６ 経理の状況、１ 財務諸表」の注記 45 を参照のこと。
3.2.1 個人向け銀行業務
財務実績
個人向け銀行業務は、 2021 年の税引前利益は 6,331 百万香港ドルとなり、前年度比 4,686 百万香港ドル、すなわち
42.5 ％減少した。これは主に正味受取利息の減少によるもので、正味受取手数料及び減損引当金の正味戻入の増加によ
り、一部相殺された。
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正味受取利息は 47.2 ％減少した。これは主に市場金利が下落した結果、預金スプレッドが縮小したことによる。ただ
し、かかる減少は、貸付金スプレッドの改善並びに CASA 預金及び貸付金の平均残高の伸びにより一部相殺された。正味受
取 手数料は、 8.1 ％増加した。これは主に、年初に市場の投資家心理が満足のいくものであり、並びに貸付金及びクレ
ジットカード事業からの受取手数料が増加する中、保険及び証券仲介からの受取手数料が増加したことによるものであ
る。当グループは、 2020 年に 421 百万香港ドルの正味減損引当金繰入額を計上したのに対し、その予想信用損失モデルの
パラメータ値の改善により、 2021 年には 128 百万香港ドルの正味減損引当金戻入を計上した。当グループは、マクロ経済
の見通しが弱まったことを考慮して、その予想信用損失モデルのパラメータ値を更新した。
事業運営
持続可能な開発を追求し、多様なグリーン・ファイナンス商品及びサービスを提供する
低炭素への移行という市場の流れに合わせて、当グループは ESG コンセプトを積極的に展開し、そのグリーン・ファイ
ナンス・サービスを充実させ、持続可能な開発とスマート・ライフを推進した。富裕層の顧客がグリーン・ファイナンス
の機会を捉え、持続可能で質の高い開発を顧客と共に推進できるよう、当グループはプライベート・ウェルスの顧客に人
民元建個人向けグリーン定期預金プランを提供し、香港のリテール銀行として初めて個人向けグリーン定期預金商品を発
売した。また、当グループは、特定の指定住宅プロジェクトの買い手候補に完全デジタル化及びペーパーレス化された住
宅ローン・サービスを提供する、香港初のグリーン・モーゲージ・プランを大手不動産会社と立ち上げ、グリーン・ファ
イナンスを住宅購入の道へと統合する先駆けとなった。さらに、当グループは、香港で人民元の株式クラスを持つ初の
ESG マルチーアセット・ファンド「 BOCHK オール・ウェザー ESG マルチーアセット・ファンド」を立ち上げた。当グルー
プはまた、約 15,000 の販売店を網羅する約 10,000 の加盟店とのペーパーレスによる支払領収書制度の共同推進により、グ
リーン・低炭素型の消費者支出を支援した。同制度は、物理的な支払領収書の数を減らすだけでなく、顧客の待ち時間を
短縮し、加盟店の業務効率を向上させた。当グループはまた、 ESG に関するプロモーションを強化した。これはオンライ
ン顧客サービス体験を高め、デジタル取引チャンネルへの顧客の移行を加速させ、また紙の明細書、申請書及び小切手の
数を減らすための電子明細書を促進することとなった。
コア市場である現地市場の開拓と主要な商品優位性の強化
当グループは、その主力商品の優位性を強化するため、引き続き現地顧客層の開拓に注力し、これにより顧客預り金は
着実に増加した。当グループは、革新的なテクノロジーを活用して、住宅購入エコロジーのシナリオを構築し、その Home
Expert モバイル・アプリケーションの機能を継続的に強化した。その結果、当グループは、香港の銀行として初めて、最
新の市場データや新築及び中古の物件情報を入手できるワンストップ・オンライン不動産購入モバイル・アプリケーショ
ンを立ち上げ、これにより、顧客に総合的な住宅プランニングやオンライン住宅ローン・サービスを提供し、新規住宅
ローン総数においてトップシェアを維持している。 HKMC インシュランス・リミテッドが導入した「 100 ％個人ローン保証
制度」を支援し、当グループは、顧客の資金繰りの逼迫を緩和し、また顧客がパンデミックによる経済的困難を切り抜け
ることを支援することを目的として、シンプルで便利なオンライン・ローン申込チャンネルを顧客に提供している。
当グループは、融資件数では関連事業において市場をリードしている。当年度中、 BOCHK は、 メトロ・ファイナンス が主
催する「 2021 年度香港リーダーズ・チョイス」において、「不動産購入プランニングーバンキング・ソリューション優秀
ブランド賞」及び「証券サービスーバンキング優秀ブランド賞」を受賞した。
細分化された顧客サービス・モデルの最適化と顧客の包括的なニーズへの対応
当グループは引き続き、ウェルス・マネジメントの専門家からなる専属チームと、顧客がサービスチームと即時に連絡
を取り、モバイル・バンキングを介してトランザクションを実行できる、新たに開始した RM チャット・サービスを通じ
て、高所得者の顧客に対するプレミアム・プライベート・ウェルス・サービスを推進した。その補完的オンライン投資及
び保険サービスと相まって、これは投資、ウェルス・マネジメント、レガシー・プランニング、国境を越えた不動産購入
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及び高級ライフスタイルのベネフィットを含む、多様なサービスを顧客に提供できることを意味する。当グループはその
顧客基盤をさらに拡大し、 2021 年末のプライベート・ウェルスの顧客数は昨年末から 2 桁成長を記録し、その運用資産も
前 年比で顕著な伸びを示した。当グループはまた、成長を続ける若いミリオネアの顧客層により良いサービスを提供する
ため、新鮮な活力とデジタル要素を注入し、顧客にインタラクティブなウェルス・マネジメント、デジタル投資、財務情
報及びライフスタイルにおける多様な体験を提供することで、ウェルス管理サービスのブランド・イメージを刷新した。
一方、当グループは、若い顧客層の潜在力を探ることを目的に、そのオンライン・ウェルス・マネジメント・サービスに
インテリジェンスを組み込むことで、その一貫したサービス能力を強化した。当年度中、 BOCHK は、 ホンコン・エコノ
ミック・ジャーナル から「 2021 年度優秀金融サービス・アワード : ウェルス・マネジメント銀行賞」を受賞した。
当グループのプライベート・バンキング事業は、順調な成長を維持した。当グループ内の他の事業部門や東南アジア事
業体との連携を強化することで、当グループは、富裕層の顧客や専門的なプライベート・バンキング・サービスを持つ
ファミリー・オフィス向けのそのサービス・チェーンを最適化することができた。当グループは、 ESG 基準を商品設計と
サービスに統合することにより、その独占的なプライベート・バンキング商品シリーズを充実させ、質の高いプライベー
ト・バンキング・サービスにおける卓越性を推進した。さらに、当グループは、デジタル・トランスフォーメーションの
推進並びにそのプライベート・バンキング・サービス及びトレーディング・プラットフォームの強化を継続した。また、
当グループは、プロセスの自動化とデジタル化を加速させ、その製品ラインを拡充し、またその人材プールを強化した。
2021 年末現在、プライベート・バンキングの運用資産残高は前年末から 4.8 ％増加した。
国境を越えた優位性の集約と地域事業の基盤強化
当グループは、顧客が香港のモバイル番号を利用して中国本土で銀行口座を開設することを可能にする広域湾岸地域口
座開設サービスに新機能を追加することにより、国境を越えた口座開設を最適化した。 2021 年末時点の広域湾岸地域の口
座開設件数は 169,000 件を超え、昨年末比で 2 桁増となった。一方、当グループは、香港で初めてクロス - バウンダリー・
ウェルス・マネジメント・コネクト・サービスを開始し、広域湾岸地域の中国本土の９つの都市と香港の顧客に、バン
ク・オブ・チャイナ・クロス - バウンダリー・ウェルス・マネジメント・コネクト・サウスバウンド及びノースバウン
ド・サービスを通じて、国境を越えたウェルス・マネジメント及びアセット・アロケーション・ソリューションに対する
顧客の要求に応える適格な投資商品及びサービスを提供した。サウスバウンド及びノースバウンドの両サービスの総取引
量は、香港の上位層にランクされた。香港の顧客の広域湾岸地域における物件購入の需要をサポートするため、当グルー
プは、「広域湾岸地域パーソナル・ローン」のその総合的な住宅ローン・サービスを強化し、住宅ローン、不動産リファ
イナンシング及び個人ローンにおける専門的なファイナンシング・ソリューションを提供することで、顧客のフルプロセ
ス・サービス体験を高めた。一方、当グループは、若者のライフスタイル、学習、旅行、買物及びエンタテインメントの
様々な側面を総合的にサポートする「 GBA ユース・カード」を広域湾岸地域で開始した。パンデミックによる消費パター
ンの変化に伴い、「タオバオ・カード」もオンライン・ショッピング用のクレジットカードとして人気となった。当グ
ループはまた、香港で初めて湾岸地域社会保障サービスに協力、また推進し、広域湾岸地域に居住し、働く香港の永住者
に利便性を提供した。当年度中、 BOCHK は アジアマネー により「広域湾岸地域のベスト・チャイニーズ・バンク」に選ば
れ、 ホンコン・エコノミック・ジャーナル より「 2021 年優秀金融サービス・アワード： 2021 年広域湾岸地域金融サービス
賞」を受賞し、またホンコン・タ・クン・ウェン・ウェイ・メディア・グループより GBA アワードにおいて、第 2 回「ナビ
ゲーション 9+2:GBA ベスト・クロス - ボーダー・ウェルス・マネジメント賞」及び「ベスト・バンク賞」を受賞した。
東南アジア事業については、当グループは、当年度中、引き続きその地域におけるウェルス・マネジメント・サービス
能力の強化に努めるとともに、地域ブランドの開発や顧客紹介の推進にも積極的に取り組んだ。 BOC マレーシアの立ち上
げの成功に続き、プノンペン支店は、ウェルス・マネジメント・サービスを導入し、同時に、相互のブランド認識のため
のサービス・ソリューションと、香港、マレーシア及びカンボジアにわたるウェルス・マネジメントのプロモーション・
オファーの共有を可能にした。 BOC マレーシアでは、ファンドや債券に様々な新規投資商品を投入し、 BOC タイとブルネイ
支店では、人民元による給与直接送金サービスを順次開始した。マニラ支店は、フィリピンの現地カード会社と提携し、
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デュアル・カレンシー (PHP と人民元 ) によるデビットカードを成功裏に開始した。当グループはまた、東南アジア事業体
のデジタル化を加速させた。 BOC マレーシアは、モバイル・バンキングによる遠隔口座開設サービス「 e-Pocket 」を開始
し、 マレーシアの銀行として初めて、ワンストップの投資及びウェルス・マネジメント・サービスにモバイル・アプリ
ケーションを導入した。 eWB として知られるこのアプリケーションは、信託、ファンド及びリテール債券への投資をサ
ポートするとともに、顧客によるオンラインでのリスク評価の遂行、ビジネス・アポの取得、及びウェルス・マネジメン
ト口座の開設を可能にするものである。
デジタル・トランスフォーメーションの加速とモバイル・バンキング体験の強化
当グループは、そのワンストップで総合的なサービス能力を強化することを目的として、パンデミック中の販売や顧客
行動の変化を注視し、デジタル・バンクへのその進展を加速させた。当グループは、革新的なテクノロジーを活用して、
そのチャンネルの変革とリテール支店ネットワークの迅速な発展を加速させた。支店サービスのデジタル化のイニシア
ティブに沿って、当グループは、 180 を超える支店に e ゾーンとセルフサービスのスマートエリアを設置し、高頻度店頭取
引をインテリジェント・デバイスに積極的に移行し、これによりチャンネル・リソース、支店の生産性及び顧客体験を向
上させた。当グループは、そのプラットフォーム、インフラ及び業務プロセスを最適化し、また顧客の住宅ローンの申込
みに対応するために電子住宅ローン申込プラットフォームの利用を促進し、ペーパーレス支店サービスへの移行を進め
た。
一方、当グループは、全チャンネル間の連携を促進し、また手作業からオンラインへの顧客サービスの移行を促進する
ため、「ボニー」のチャットボットやオンライン・チャット・サービスを通じて、そのインテリジェントな顧客サービス
能力の構築と強化を加速させた。 2021 年の当グループのインテリジェント・チャットボットの利用は、 2020 年と比較して
11 ％増加した。また、当グループは、その次世代顧客サービス・プラットフォームのさらなる適用拡大に向け、音声分析
や単語分析などの人工知能ソリューションによるコンタクト・センターのサービス能力を強化した。当グループはまた、
その商品のデジタル変革を加速させ、またそのモバイル・バンキング・サービスを最適化させることに尽力している。
当報告期間中、当グループは、そのモバイル・バンキングにおいて、ワンストップ・ウェルス・プランニング・サービ
ス「 PlanAhead 」を開始した。これは、顧客にプロフェッショナルな資産配分情報と様々なプロダクト・ソリューション
を提供し、またあらゆるライフ・ステージにおける財務目標の計画を支援するものである。当グループはまた、利便性の
高い投資サービスに対する顧客の需要に応えるために最新の市場アップデートと柔軟な投資選択を顧客に提供するモバイ
ル・バンキング・サービス「 Stocks Widget 」と「 NotAlot 」の開始を先駆けて行った。 2021 年には、モバイル・バンキン
グを通じた取引件数が前年度比で 30 ％超増加し、証券取引、振替及び支払サービスに関連する取引件数が順調に伸びた。
当年度中、 BOCHK は、 アジアマネー が主催する「 2021 年香港のベスト・デジタル・バンク賞」を受賞し、また アジア
ン・バンキング＆ファイナンス が主催する「 2021 年アジアン・バンキング＆ファイナンス・リテール・バンキング・ア
ワード」において、「モバイル・バンキング＆ペイメント・イニシアティブ・オブ・ザ・イヤー－香港」を受賞した。
3.2.2 法人向け銀行業務
財務実績
法人向け銀行業務の税引前利益は、前年度比 111 百万香港ドル、すなわち 0.9 ％減少し、 12,924 百万香港ドルとなっ
た。これは主に正味受取利息の減少によるもので、正味受取手数料の増加及び正味減損引当金繰入額の減少により、一部
相殺された。
正味受取利息は、主に市場金利が下落した結果として預金スプレッドが縮小したことにより、 17.7 ％減少したが、こ
れは貸付金スプレッドの改善並びに CASA 預金及び貸付金の平均残高の伸びにより一部相殺された。正味受取手数料は
14.5 ％増加したが、これは主に、貸付金、受託及び保管、手形及び支払サービスからの受取手数料の増加によるものであ
る。正味減損引当金繰入額は、前年度比 1,582 百万香港ドル減の 295 百万香港ドルとなった。かかる減少は主に、 2021 年に
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当グループの予想信用損失モデルのパラメータ値が改善したことや、一部の法人顧客からの貸付金の返済が進んだことに
よるものである。
事業運営
引き続き総合金融サービスの能力を高め、グリーン・包摂ファイナンスを進める
当グループは、その顧客中心事業理念を貫き、プロフェッショナルで総合的なサービスの顧客の様々な需要の充足を目
的として、事業変革の深化を引き続き推し進めた。当年度中、当グループは、事業環境の変化に積極的に対応し、市場機
会を捉え、また香港、広域湾岸地域及び東南アジアにおける複数の主要プロジェクトへの支援を強化した。結果として、
当グループは、香港及び澳門のシンジケート・ローン市場において 17 年連続で上位のアレンジャー銀行としての地位を維
持し、また市場に大きな影響力を持つ複数の債券発行を引受けた。当グループはまた、持続可能な発展を確実にするた
め、グリーン・ファイナンスの推進にも積極的に取り組んだ。当グループはまた、香港証券取引所メインボード上場数に
おいて、 IPO メイン受入銀行としてそのトップシェアを維持した。当グループは、世界の主要中央銀行、国際金融機関、
ソブリン・ウェルス・ファンドとの取引関係を深めた。当グループはまた、そのオンライン商品のサービス能力をアップ
グレードし、法人顧客によるオンライン取引数は前年同期比 12 ％増加した。当グループは、その顧客の持続可能な事業モ
デルの確立を支援及び促進するため、グリーン・ボンドの発行、グリーン・ローンのアレンジ、グリーン・コンサルティ
ング、認証サービス、並びにグリーン定期預金を含む幅広いグリーン金融商品及びサービスを提供し、顧客のニーズに合
わせてカスタマイズされた金融ソリューションを提供している。当グループは、再生可能エネルギー、グリーン・ビル
ディング及びクリーンな輸送に関連するプロジェクトを支援するため、「持続可能でスマートな生活」をテーマとするグ
リーン・ボンドを発行した。グリーン及び持続可能性連動ローンの残高は前年末比 3.1 倍増加し、 ESG 関連債の新規引受発
行額は前年度比 1.7 倍増加した。その優れた専門性の高いサービスが評価され、 BOCHK は、「香港国内人民元国際化イニシ
アティブ・オブ・ザ・イヤー」に初めて、「香港国内現金管理銀行・オブ・ザ・イヤー」に 8 年連続、 アジアン・バンキ
ング＆ファイナンス より「香港国内貿易金融銀行・オブ・ザ・イヤー」に 3 年連続、また ザ・アジアン・バンカー より 4 回
目の「香港の最高取引銀行」を、 7 回目の「香港の最高現金管理銀行」を、 2 回目の「ザ・バンカーズ・チョイスー香港の
最高現金管理プロジェクト」を、また トレジャリー・チャイナ より「最高海外財務管理銀行及び最高クロス - ボーダー人
民元サービス賞」を受賞した。さらに、当グループの顧客との共同プロジェクトの数が、専門メディア・グループから表
彰された。この中には、 トレジャリー・チャイナ からそれぞれ「最優秀トレジャリー賞」及び「最高共有サービス・プ
ラットフォーム賞」を受賞した石油化学会社と電力会社のために設立された 2 つの海外トレジャリー・センター、並びに
卸売及び小売企業と物流会社のために設定された 2 つの現金プーリング・プロジェクトが含まれ、それぞれ トレジャ
リー・トゥデイ より「アダム・スミス・アワード・アジアー高評価 : アセアンの最高クラス・トレジャリー・ソリュー
ション」及び「アダム・スミス・アワード・アジアー高評価 : 技術力の活用」を受賞した。
企業の社会的責任を積極的に果たし、商業顧客及び中小企業の顧客への支援を強化する
当グループは、地域の商業顧客及び中小企業顧客に対するそのサポートを強化し、セクター及びデジタル・サービス能
力を強化した総合金融ソリューションを提供した。当グループは、中小企業が経営環境から生じる事業課題に対応し、困
難な時期を乗り越えるため、様々な金融救済イニシアティブを積極的に推進した。これには、ホンコン・モーゲージ・
コーポレーション・リミテッドの中小企業金融保証スキームの下での信用保証商品及び特別 100 ％ローン保証の最適化措
置を実施するとともに、 HKMA の事前承認元本支払猶予スキームを促進することが含まれた。当グループはまた、 HKMA の商
業データ交換 ( 「 CDI 」 ) の構築を全面的に支援した。概念実証研究及び技術連動の第 2 フェーズにおいては、当グループ
は、香港の銀行として初めて、ローン承認プロセス全体を通じて、従来の財務報告ではなく商業データを信用評価の目的
で使用し、これにより中小企業顧客のローン承認効率を高めた。さらに当グループは、香港品質保証庁 ( 以下「 HKQAA 」 )
と協力してグリーン金融の展開を推進し、 HKQAA のグリーン・ローン e- アセスメント・プラットフォームに協力した最初
の銀行となるとともに、クライアントのグリーンで持続可能な発展に向けた事業の変革を促す中小企業グリーン融資イン
センティブ・スキームを開始した。当グループは、引き続き中小企業の業務効率の改善を目的とした「 ERP クラウド・
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サービス－会計クラウド」の立ち上げを含む、中小企業に対する利便性が高く、高品質で効率性の高いデジタル金融サー
ビスの提供に取り組んだ。当年度中、当グループは、香港中小企業一般商工会議所から 14 年連続で「ベスト中小企業の
パー トナー賞」を、 ホンコン・エコノミック・ジャーナル が主催する「ファイナンシャル・サービシズ・アワーズ・オ
ブ・エクセレンス」で 3 年連続、「中小企業バンキング・サービス賞」を、また HK01 が主催する「 01 フィンテック・エク
セレンス・アワード」で「中小企業デジタル・バンキング・サービス賞」を受賞した。
シナジーの利点を最大限に発揮し、地域事業の展開を促進する
当グループは、広域湾岸地域の BOC の機関との連携を深め、重点産業及び対象顧客の資金需要をより的確に把握し、事
業シナジーを推進するため、方針及び計画の調査及び分析に重点を置いた。国境を越えた人民元サービスに関連する金融
政策からの機会を捉え、当グループは、新興産業に焦点を当て、広東 - 香港 - 澳門広域湾岸地域、揚子江デルタ及び北京 -
天津 - 河北地域などの主要地域の開発に積極的に取り組み、多様な商品及びサービスを提供することで、革新的な技術セ
クターの企業の発展を支援した。人民元の国際化の機会を捉え、当グループはその人民元事業の調整と管理メカニズムを
最適化し、当年度中に部門横断的なオンデマンド人民元ワーキング・ユニットを形成し、機動的な作業方法論を適用する
ことで人民元商品の開発とマーケティングの調整において具体的な成果を達成した。当グループは、その主要な法人顧
客、事業セグメント及び地域に焦点を当て、事業機会を積極的に探求し、人民元の預金及びローンにおいて着実な伸びを
記録した。当グループは、人民元のクロスボーダー事業におけるその優位性を維持しつつ、主要顧客との人民元事業の協
力をさらに強化した。当グループは、グリーン人民元預金及びローンの開始を含む、革新的な人民元商品の拡充及び開発
を継続的に行った。同時に、当グループは、現金管理、貿易金融及びトレジャリー・センターというその主要な事業の拡
大に努め、引き続き現金プーリング事業におけるその主導的地位を維持した。
東南アジア事業については、当グループは、総合的なマーケティング活動の強化により、地域内の大企業の顧客のみな
らず、「一帯一路」及び「ゴーイング・アウト」プロジェクトの展開に注力した。当グループは、シドニー、シンガポー
ル及び東京の BOC の事業体との連携を強化し、 BOC のアジア太平洋シンジケート・ローン・センターとしての BOCHK の地位
を活用した。当グループはまた、東南アジア地域におけるシンジケート・ローン・プロジェクトを積極的に主導又は参画
し、東南アジア工業パークの法人顧客を獲得した。当グループは、その東南アジアの事業体の間で、インテリジェント・
グローバル・トランザクション・バンキング ( 「 iGTB 」 ) プラットフォームの基本的なレイアウトを完了し、東南アジア地
域において 73 の商品とシステムを成功裏に立ち上げた。
総合的なサービス能力の強化に向けたカストディ及び受託事業の着実な進展
当年度中に「ボンド・コネクト」の下で「サウスバウンド・トレーディング」を導入したことで、当グループのクロス
ボーダー・カストディの顧客数は大幅に増加した。当グループは、法人信託及び代理店サービスにおいて、中国の投資企
業との事業提携を深め、その「ボンド・コネクト」の顧客数は引き続き香港の最上層にランクされている。一方、当グ
ループは、 BOC の海外支店との連携マーケティング活動を強化し、第一次市場におけるそのブランド命題を強化した。
2021 年末現在の当グループの保管資産は、昨年末から 2.0 ％の順調な伸びを示した。当グループはまた、ボンド・コネク
ト・カンパニー・リミテッドより、 4 年連続「ボンド・コネクト・トップ・カストディアン賞」を受賞した。
BOCI- プルデンシャル・トラスティ・リミテッド ( 「 BOCI- プルデンシャル・トラスティ」 ) は、顧客体験を向上させるた
め、 ORSO スキームのそのモバイル・アプリケーションを引き続き最適化し、口座開設及び管理プロセスのためのワン - ス
トップ電子プラットフォームを開発した。また、多くの大企業により複数の ORSO スキームやいくつかの有名な上場企業の
株式報酬制度に任命されるなど、多くの新しい事業手段に成功裏に携わり、その収益源を多様化した。 2021 年末現在、
MPF の受託資産残高は前年度比 1.1 ％増となり、年末にかけて株式市場が不安定な状況にあったにもかかわらず、その主導
的な地位を固めた。さらに、 BOCI- プルデンシャル・トラスティは、様々な多国籍資産運用会社と積極的に連携し、広域
湾岸地域における潜在的な機会を捉え、そのユニット型信託ファンド事業の成長を促進した。当年度中、 BOCI- プルデン
シャル・トラスティは、 16 のユニット型信託ファンドを立ち上げ、また大手資産運用会社によって、その新しいハンセン
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指数 ETF の受託会社、ファンド管理事務代行会社、保管会社、及び書換代行会社として成功裏に任命された。 BOCI- プルデ
ンシャル・トラスティは、 2021 年にモーニングスター・インベストメント・マネジメント・アジア・リミテッドが主催す
る 「 2021 年モーニングスター・ファンド・アワード・ホンコン」において、「マイ・チョイス MPF スキーム」が最高 MPF
スキームに認定されるなど、数々の賞を受賞した。また、 Refinitiv が主催する「 2021 年リッパー・ファンド・アワー
ド・ホンコン」や ブルームバーグ・ビジネスウィーク が主催する「 2021 年トップ・ファンド・アワード」においても、そ
のファンドに対し、数々の賞を受賞した。
3.2.3 資金為替業務
財務実績
資金為替業務の税引前利益は 10,238 百万香港ドルとなり、前年度比 877 百万香港ドル、すなわち 9.4 ％の増加となっ
た。これは主に、資金調達コストが減少したことにより、正味受取利息が増加したことによるもので、その他の金融資産
にかかる純利得及び正味トレーディング収益が 6.8 ％減少したことにより一部相殺された。
正味トレーディング収益は減少したが、これは主に外国為替スワップ契約及び地金取引からの純利益が減少したこと
によるものである。これは顧客取引からの為替収益の伸びにより、また市場金利の変動によりもたらされた特定の債務証
券投資及び金利商品の値洗いの変動により一部相殺された。上記の変動は特定の債務証券の処分により金融資産の純利得
が増加したため、一部相殺された。
事業運営
引き続き取引能力を強化し、着実にグローバル市場事業を展開する
当グループは、オンライン・サービス、商品の統合及び総合サービスにおけるそのデジタル容量と能力を継続的に強化
し、これにより顧客事業において満足のいく成長を達成した。当グループは、「ボンド・コネクト」や「 PBoC ビル」 レ
ポ関連事業に積極的に参画することにより市場機会を捉え、香港の「ボンド・コネクト」下の「サウスバウンド・トレー
ディング」において取引量ベースで市場トップの地位を獲得した。当グループは、その強力なフランチャイズを最大限に
活用し、オフショア人民元市場にサービスを提供し、開拓を続けた。当グループは、人民元及び人民元関連商品の使用を
積極的に促進し、またそのトレーディング能力を強化した。さらに、当グループは、その東南アジア事業体にわたる事業
単位による管理アプローチを深め、地域間の連携を強化し、東南アジア地域におけるそのトレジャリー事業の規模と競争
力の展開と強化を継続した。その成功を評価され、 BOCHK は、中国外国為替取引システムより、「 2020 年度人民元 FX 市場
優良外国人メンバー賞」、上海金取引所より、「 2020 年国際優良メンバー賞」、ボンド・コネクト・カンパニー・リミ
テッドより、「ボンド・コネクト優良 FX 決済銀行賞」、並びにチャイナ・セントラル・デポジトリ＆クリアリング・カン
パニー・リミテッドより、「 2021 年 CIBM オフショア優良機関投資家賞」を受賞した。
人民元トレジャリー事業のその強固なフランチャイズを強化するため、そのクロスボーダー事業の深みと広がりを拡大す
る
当グループは、当年度中、その人民元の支払と決済能力を継続的に強化した。当グループは、「ボンド・コネクト」及
び「クロス - バウンダリ・ウェルス・マネージメント・コネクト」の下でのサウスバウンド・トレーディングのために、
完全に自動化されたクロスボーダーのファンド清算チャンネルを確立し、中国本土の資本市場の相互開放をさらに促進
し、香港の金融市場インフラの長期的発展に貢献した。 2021 年末現在、当グループの「ボンド・コネクト」の下でのサウ
スバウンド・トレーディングの資金清算事業取扱高は、香港で最上位層にランクされている。当グループは、人民元決済
銀行としてのその役割を活かし、クロス - ボーダーの金融インフラの構築に貢献するとともに、その清算サービスの質と
効率性を最適化し、マーケット・メーカーの役割も担いながら、 CNH PBoC ビルのレポ事業を開始した。同時に、マニラ支
店は人民元決済銀行サービスを正式に開始し、その顧客のための双方向の人民元送金サービスを成功裏に導入した。マニ
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ラ支店は BOC マレーシアと共に、クロス - ボーダー銀行間支払システム ( 「 CIPS 」 ) による直接参加者資格を付与された。
FXall デジタル・トランザクション・プラットフォームは、 BOC タイと BOC マレーシアで順調に展開され、両事業体は地域
の 主要な同業者と最初の人民元 / 現地通貨建ての相場取引を完了した。当グループは、中国とインドネシア間の二国間現
地通貨決済 ( 「 LCS 」 ) 契約を積極的に支援し、関連する決済事業を行い、ジャカルタ支店は実施初日に多くの人民元 /IDR
の為替及び送金取引を完了した。また、人民元による給与の直接送金の取引高が大幅な伸びを記録する一方、ジャカルタ
支店の人民元 /IDR の為替取引高も同業他社の中で 1 位となった。
堅固でリスクを意識した投資戦略を守り、市場開発を促進する
当グループは、銀行勘定投資を管理するに当り、引き続き慎重なアプローチを取り、世界中の金利調整を注意深く監視
している。当グループは、リスクに注意を払いつつリターンを高めるために、積極的に債券投資の機会を探し求めた。
2021 年、当グループは、香港ドル翌日指数平均 ( 「 HONIA 」 ) にベンチマークされる世界初の預金証書を成功裏に発行し、
HONIA 連動債務証券を発行した最初の銀行となり、それによって投資家が利用できる投資オプションの幅を広げ、市場に
おける新しい価格決定ベンチマークとしての HONIA を促進することとなった。
その資産管理事業を着実に発展させるために市場機会を積極的に捉える
不安定な資本市場及び不確実な COVID-19 のパンデミックの状況にも関わらず、 BOCHK アセット・マネジメント・リミ
テッド ( 「 BOCHK AM 」 ) は、その慎重な開発戦略を貫き、そのプロフェッショナルな投資サービス能力を活用して市場機会
を積極的に捉え、事業の多角化を継続的に推進した。 2021 年末現在の全体的な運用資産は、順調に拡大した。当年度中、
BOCHK AM は「 BOCHK オール・ウェザー ESG マルチ - アセット・ファンド」を立ち上げ、投資者が ESG 関連の投資機会を捉
えることができるようにした。これは、香港証券先物委員会によって認可された当グループ初の ESG ファンドであり、ま
た、香港市場で人民元の株式クラスを持つ最初の ESG マルチ - アセット・リテール・ファンドであった。同時に、 BOCHK AM
は、その顧客基盤と販売チャンネルをさらに拡大するとともに、既存顧客とのその事業関係を深め、国境を越えた金融機
会を積極的に捉え、当グループが提供するいくつかの公募ファンドが、当年度中にクロス - バウンダリー・ウェルス・マ
ネージメント・コネクト・スキームの下で適格ウェルス・マネジメント商品となった。 BOCHK AM は、その専門知識を認め
られ、 アジア・アセット・マネジメント が主催する 2021 年ベスト・オブ・ザ・ベスト・アワードにおいて、「最高人民元
マネジャー賞」、「最高 CNY 債券賞」、「オフショア賞 (5 年 ) 」及び「 CEO オブ・ザ・イヤー賞」を受賞した。
3.2.4 保険
財務実績
当グループの保険セグメントは、前年度比 9.4 ％減の、 10,284 百万香港ドルのスタンダード新保険料を計上した。新契
約の価額は 1,041 百万香港ドル、前年度比 6.7 ％の減少となった。これは主に継続する COVID-19 のパンデミックの悪影響に
よるものである。しかしながら、税引前利益は前年度比 19.8 ％増加の 1,023 百万香港ドルとなった。これは、主に投資資
産が伸びたことにより正味受取利息が増加したことによる。
事業運営
事業エコシステムを構築するためのデジタル化戦略を積極的に推進
BOC ライフは、 COVID-19 のパンデミックによる保険商品販売への継続的な影響を踏まえ、 2021 年も引き続きそのオンラ
イン・チャンネルのカバレッジを拡大した。 BOC ライフでは、その保険商品ポートフォリオを充実させ、より付加価値の
高い終身貯蓄保険プランの成長を牽引するため、「フォーエバー・フォーチュン終身保険プラン」、「スマートビバ・フ
レキシ VHIS 」及び「魅力的に輝く終身保険プラン」を含む新商品を発売し、新事業マージンを着実に伸ばした。当グルー
プはまた、その相互販売機能の高度化に向けた業務提携を積極的に推進し、適格繰延年金保険市場において主導的な地位
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を維持した。 BOC ライフは、顧客にとって新たな価値を切り拓き、新たな体験を提供するとともに、 Win-Win の状況を作り
出すため、世界有数のスマートウォッチ・ブランド、アジア及び香港の革新的なテクノロジー企業、オンライン・ソー
シャ ル・プラットフォーム、慈善社会的企業を含む事業パートナーとの連携の強化に尽力した。さらに、当グループは、
あらゆる次元の顧客ニーズに応えるために、ウェルネスと健康的なライフスタイルを提唱する商品エコシステムを確立し
た。 BOC ライフは、スマートウォッチ・ブランドと提携し、顧客との交流を強化し、予防的な健康管理ツールを提供する
「 Live Young 」プログラムを導入した。この最先端のプログラムは、生物年齢モデル (BAM) アルゴリズムの独占的な開始
を特集し、シンガポール通貨庁が主催する 2021 年グローバルフィンテック賞で金メダルを獲得した。一方、 BOC ライフと
澳門を拠点とする HN グループは、横琴イニシアティブの広東・澳門深度協力地域の下で広東、香港及び澳門にわたる「保
険 + ウェルネス & リタイアメント」に関する初の共同プロジェクトを立ち上げる戦略的協力協定を締結し、 BOC ライフの退
職専門家としての地位を強化した。
ESG と持続可能な開発への取組みを推進することにコミットする
BOC ライフは、「嵐に共に立ち向かい、我々の緑の将来を守る」プログラムを開始するなど、環境及び炭素削減をテー
マとした一連の CSR プログラムを積極的に立ち上げた。このプログラムを通じて、 BOC ライフはセント・ジェームズ・セト
ルメントが運営する社会的企業、グリーン・レディース & グリーン・リトルを支援するために有効に発行された各保険
から一定額を寄付する。 BOC ライフはまた、世界緑色組織 ( 「 WGO 」 ) と提携して ESG プロジェクトを立ち上げ、 WGO の「新
興企業向け ESG アクセラレーター・プログラム」の戦略的パートナーとなった。さらに、当グループは、 WGO と国連アジア
太平洋経済社会委員会が共催する「持続可能な投資と ESG コンファレンス 2020/21 」をダブル・プラチナ・スポンサーとし
て支援した。一方、 BOC ライフはフード・エンジェルと提携し、「 Live Young 」プログラムを通じて恵まれない人々のた
めの温かい食事やフードパックの準備と寄付を行った。当グループはまた、セント・ジェームズ・セトルメントによる
「リトル・グリーン・ショップキーパー・プログラム」や「 BOC ライフ新世代金融技術設計者」など、若者を対象とした
アップサイクリングやスマート・デジタルをテーマとした教育プログラムの開発を支援した。
BOC ライフは、各々香港ション・クン・フイ福祉協議会と香港家庭福祉協会とのコミュニティ・パートナーシップを通
じた「ヘルス・エンジニア」プログラム及び「キッズ」アワ・ラブ・プログラムを引き続き主催し、ティーンエイジャー
の心的、身体的及び精神的なウェルネス・ニーズの心身一体的なケア及び支援を提供している。当グループはまた、香港
のスポーツ振興を目的として、香港サッカー協会主催の「 2022 年香港プレミア・リーグ＆ FIFAe ネイション・シリーズ -
HKFA e サッカー・オープン」のスポンサーになった。 BOC ライフのたゆまぬ努力と環境保護・地域発展への貢献は、
「 2020-2021 年 Web アクセシビリティ認定スキーム」における金賞、そのケアリング・カンパニー・スキームの下での香港
社会サービス協議会からの「 10 年プラス・ケアリング組織ロゴ賞」、メトロ・ブロードキャスト・リミテッドからの
「 2021 年広域湾岸地域企業持続可能性アワード - 社会的持続可能性賞 ( グッド・ヘルス及びウェル・ビーイング ) 」をはじ
めとして、当年度中多くの賞賛と認知を得た。
生命保険市場における主導的地位の維持及び優れたサービスの認知の獲得
BOC ライフは、香港の生命保険部門におけるその主導的地位を維持し、人民元建保険のマーケット・リーダーであり続
けた。 BOC ライフは、その優れた商品及びサービス並びに持続可能な開発の取組みを評価され、多くの現地及び地域の賞
を受賞した。これには、 メトロ・ファイナンス 及びホンコン・タ・クン・ウェン・ウェイ・メディア・グループにより主
催された 2021 年人民元事業優秀アワードにおいて、「優れた保険事業－年金保険賞及び優れた保険事業－貯蓄保険賞 」 、
並びに香港保険業者連盟により主催された 2021 年 香港保険アワードにおいて、 「 優れた顧客サービス賞 」 のトップ 3 最終
ファイナリストが含まれる。
3.2.5 地域事業
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当グループは、その東南アジア事業体をその現地の市場の主要な外国銀行に構築することを目的として、市場別戦略を
その開発の方向性として採用し、着実かつ安定的な方法で統合された地域開発を追求し続けた。 2021 年において、 ASEAN
は 引き続き中国にとって最大の貿易相手国であった。中国大陸経済の力強い回復に牽引され、東南アジアは回復の兆しを
見せ、一部の東南アジア諸国では貿易取引が 2 桁の伸びを示し、 COVID-19 の変異株の流行や一部の地域における政治的混
乱の悪影響を緩和することとなった。また、当年度は、中国と ASEAN 間の対話が開始され、その包括的な戦略的パート
ナーシップが始まって 30 周年を迎えた。これらの要因は、 2022 年初頭の地域包括的経済連携の実施とも相まって、中国と
ASEAN 間の経済及び貿易関係はさらに緊密なものとなるであろう。東南アジアでは、一帯一路構想によって当グループの
地域事業の新たな成長機会が開かれるとともに、地域の都市化、産業の高度化及び東南アジア諸国における産業チェーン
の再配置といったその他の建設的な原動力により、大きな成長の可能性が見込まれている。
地域事業ネットワークの配置を強化し、東南アジア事業体の管理を最適化する
当グループは、当年度中、ヤンゴン支店及びハノイ駐在員事務所の開設が順調に進み、その地域事業ネットワークを一
層拡大した。その結果、その地域事業は現在、東南アジア 9 カ国をカバーし、その地域事業ネットワークの配置を更に拡
大した。当グループは、今後の地域開発の明確な方向性を策定した「東南アジア地域 5 ヶ年サブ・プラン」を策定し、実
施した。地域業務のさらなる拡大を目的として、当グループは引き続き集中化を図り、その地域業務を計画通り広西省南
寧の地域業務センターに段階的に移転した。当グループのその地域事業の総合管理アプローチは、徐々に公共のニーズと
嗜好により対応するものとなり、これにより、その東南アジア事業体の事業開発及び運営管理能力は向上し続けた。ま
た、インドネシアの銀行業界では、 2021 年にジャカルタ支店が再度業務全般でインドネシアの外国銀行の中で第 1 位にラ
ンクされ、また BOC タイがタイの「 2021 年最高クロス - ボーダー事業サービス賞」を受賞するなど、その地域ブランドの影
響力が引き続き顕著になっている。
当年度中、東南アジア市場は不確実なパンデミックの状況による悪影響を受けた。当グループは地域開発に対し、慎重
※
なアプローチを採用し、その東南アジア事業体 は、順調に事業を拡大した。 2021 年末現在、顧客からの預金及び顧客へ
の貸付金は、それぞれ 66,669 百万香港ドル及び 55,202 百万香港ドルで、それぞれ、前年末比 16.4 ％及び 2.1 ％増加した。
減損引当金繰入前正味営業利益は、前年度比 8.3 ％増の 2,708 百万香港ドルとなった。減損引当金正味繰入額は 1,902 百万
香港ドルで、前年度比 1,626 百万香港ドルの増加となった。これは主に、パンデミックの救済策から生じる潜在的な顧客
リスクと、パンデミックによる特定の貸付金の格下げを反映したものである。 2021 年末現在、不良債権比率は 2.39 ％で、
2020 年末から 0.49 ％上昇した。
※
BOC タイ、 BOC マレーシア、ホーチミン支店、マニア支店、ジャカルタ支店、プノンペン支店、ビエンチャン支店、ブルネイ支店及
びヤンゴン支店を含む 9つの東南アジア事業体を指す。減損引当金繰入前正味営業収益、減損引当金正味繰入額並びに顧客からの預金及
び顧客への貸付金残高は、香港財務報告基準に基づき作成した連結データである。不良債権比率は、現地の規制要件に基づいて算出さ
れている。
地域的能力を総合的に高めるため、厳格なリスク管理に取り組む
当グループは、東南アジアにおけるパンデミックの状況を引き続き注意深く監視し、その各東南アジア事業体のパンデ
ミックの予防及び制御並びに緊急時の管理措置を調整した。当グループは、強固なリスク管理のために積極的な対策を講
じ、安全かつ着実な地域事業運営を維持した。当グループはまた、パンデミック時には、その地域リスク管理の強化を継
続した。当グループは、「防衛 3 線」管理メカニズムの実施を遵守し、その東南アジア事業体に専門的なガイダンスを提
供した。当グループは、その東南アジア事業体の信用リスク管理をさらに強化し、資産の質の変化を綿密に監視するた
め、各事業体の与信ポートフォリオの定期的な見直し、継続的な臨時リスク・レビュー並びに不良債権の回収及び回復を
行った。また、東南アジア事業体の共通の顧客の特定のカテゴリ又は当グループ内の特定のポートフォリオについては、
信用リスクにかかる自己資本要件を算出するために、内部格付ベースのアプローチを採用している。当グループは、その
東南アジア事業体への信用承認権限の委譲に関するレビューを完了し、事業開発とリスク管理のバランスを達成した。さ
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らに、当グループは、市場リスク、金利リスク及び流動性リスクに関するその東南アジア事業体のリスク管理能力を継続
的に強化し、現地の規制要件に従ったその業務運営を確保した。当グループはまた、コンプライアンス、マネーロンダリ
ン グ防止及び不正防止を含むあらゆる面におけるそのリスク管理能力をさらに強化するために、システムの範囲や技術的
な改良を活用した。
3.2.6 デジタル・トランスフォーメーションの進展
2021 年、当グループは、その全面的なデジタル・トランスフォーメーションの深化、事業の進化、及びフロントオフィ
ス、ミドルオフィス及びバックオフィスへの技術融合による革新的なフィンテックのシナリオベースによる適用の進展を
目指し、その顧客中心のアプローチを維持し、市場動向を注視した。当グループはまた、その「デジタル・トランス
フォーメーション及びフィンテック 5 ヶ年計画」の策定も完了した。当グループは、デジタル、インテリジェント及び生
態学的なサポートを活用し、インフラ構築の強化、シナリオベースのオープン・バンキング・サービスの深化、デジタル
及びテクノロジーの力を得た事業の強化、そのイノベーション・メカニズムと迅速な手法の最適化、並びに本格的なデジ
タル・バンクの構築に向けたデジタル人材の育成に引き続き注力した。当グループは、 HKMA のフィンテック 2025 戦略を支
援し、その顧客とスタッフに質の高いデジタル・サービスと経験を提供し、その長期的な発展のための強固な基盤を築い
た。
質の高い効率的なデジタル・バンキング・サービスを提供するためのインフラ構築の強化
当グループは、そのモバイル・バンキング機能を引き続き最適化し、顧客体験を向上させるためにユーザー・インター
フェース設計を刷新するなど、当年度中に約 70 の機能強化を行った。当グループは、香港で初めて HKSAR 政府のモバイ
ル・アプリケーション「 iAM Smart 」をそのモバイル・バンキングに採用した銀行となり、リモートによる口座開設を可
能にした。 iAM Smart の認証機能や「 e-Me 」フォーム記入機能により、顧客は個人データの手入力や本人確認にかかる時
間を減らすことができる。当グループはまた、その支店内の「 iService 」端末のセルフサービス化や効率化を進め、顧客
が香港の身分証明書、指静脈又は顔認証の生体認証により本人確認を行い、口座開設、パスワード変更及び顧客情報更新
などのセルフサービス取引を行うことが可能となった。また、当グループは、顧客の個人ニーズに応えるべく、そのビッ
グデータ分析や人工知能モデリング能力の実効性を高めるためにそのデータ・インフラを強化した。同時に、ネットワー
ク・リスク・モニタリング・システムを導入し、当グループのネットワークのセキュリティ・レベルを継続的に見直し、
向上させている 。
一体化したバンキング・サービスを実現するためのシナリオ・ベースの構築を深化させる
当グループは、当年度中、オープン・バンキング・サービスを積極的に推進した。当グループは、大規模な住宅購入や
健康関連のシナリオ・エコシステムなど、シナリオ・ベースのアプリケーションに革新的な FinTech を利用することで、
地域市場における金融サービスの実現性を高めた。当グループは、 3 社の大手不動産会社及び住宅ローン仲介業者と手を
結び、オープン API を介してオンラインのリアルタイム不動産評価サービス及び住宅ローン・アプリケーション・サービ
スを開始した。当グループはまた、 2 つの株式相場プラットフォームと協力し、その顧客に香港株、米国株及び A 株のクロ
ス - プラットフォーム・モバイル・バンキング取引サービスを提供した。当グループは、ブロックチェーン技術を活用し
た様々な事業及び貿易エコシステム・プラットフォームと連携し、「 eTradeConnect 」、「 Contour 」及び「 Effitrade 」
といった大型ブロックチェーン貿易金融プラットフォームを活用し、法人顧客の様々なビジネスシーンに合わせた個別
サービスを提供することで、クロスボーダー貿易及び貿易金融のデジタル化を推進した。関連する取扱取引件数は前年に
比べ倍増し、取引量は 3.5 倍近く増加した。その法人顧客向けのデジタル商用シナリオを構築するため、当グループはそ
の最新の iGTB API サービスを開始した。これにより、 BOCHK は API 技術を活用して顧客の事業プラットフォームに接続する
ことができる。これは、顧客がその自社の事業プラットフォームを通じて直接デジタル法人向け銀行サービスにアクセス
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することができるため、顧客体験と資金管理の効率性を高めることができることを意味する。当グループはまた、「 ERP
クラウドサービスー会計クラウド」サービスを開始し、中小企業の顧客は iGTB ネット口座にログインすることで、ワンス
トッ プでクラウド・ベースの財務・会計ソフトウェア・サービスを無料で利用することができる。その開始以来、 1,000
を超える口座が開設され、顧客に新しいデジタル・バンキング体験を提供している。
顧客体験を向上させるためのデジタル力を持つ事業の強化
当グループは、技術を活用して、事業の進化を推し進め、顧客体験を改善し、また商品の質と業務効率を高めた。
当グループは、 BoC ビルを使用して顧客関係の躍進を推進し、政府及び公共部門の事業体、学校、大企業及び中小企業の
デジタル・トランスフォーメーションを引き続き促進した。 BoC ビルを通じたクレジットカード及び QR コードによる支払
の受入れを支援するため、当グループは 120 の郵便局と成功裏に協力し、 HKSAR 政府の財務部門の従来のオフライン支払
チャンネルをデジタル支払環境に変換し、また香港の多数の現地の大学、中学校及び小学校の電子支払環境を確立するこ
とに成功した。 2021 年末、 BoC ビルの端末総数は前年末に比べ、 21.4 ％増加し、決済総出来高は前年度比 30.3 ％増となっ
た。また、当グループは、有力な e- コマース事業パートナーと連携し、オープンループ・オンライン支払エコシステムを
構築するため、「 Open API 」及び「 App to App 」を可能にすることにより、その BoC ペイ・サービスのオンライン機能を
充実させた。 2021 年末、 BoC ペイの総利用者数は前年末に比べ、 31.8 ％増加し、取引高は前年度比 30.2 ％増となった。同
時に、当グループは、当年度中、東南アジア全域でその個人モバイル・バンキングの範囲を拡大するなど、その地域顧客
基盤の拡大を目指して、その地域モバイル及びデジタル金融サービスを継続的に推進した。
インテリジェント・オペレーションへの移行及び業務効率を推進するインテリジェント・リスク管理アプリケーションの
段階的な導入
当グループは、 2021 年にインテリジェント技術アプリケーションの拡大を加速させた。ロボット・プロセス・オート
メーション ( 「 RPA 」 ) 技術は、より多くの業務手順で導入され、これにより処理時間が短縮され、従業員の生産性を向上
させ、関連する処理効率が約 60 ％向上した。当グループは、ブロックチェーン技術の応用を通じてその不動産評価プロセ
スを最適化し、その不動産評価額合計の 98 ％をカバーし、これにより業務効率を高めた。当グループは、インテリジェン
トな信用格付モデル並びに小規模小売事業向け自動ローン承認モデルを導入し、住宅ローン申込みの承認プロセスを改善
し、これにより、ローン承認の業務手続きの自動化を段階的に進めた。当グループは、業務のデジタル化を推進し、 ESG
要素をその事業プロセスに組み込み、ペーパーレスのグリーン・オペレーションを強化した。当グループはまた、借手の
デジタル化された信用モニタリングを強化し、そのインテリジェントな不正対策プラットフォームの利用を ATM 取引、預
金、送金、及びクレジットカード取引のリスク監視にまで拡大し、不正事例の検知と是正に関する能力を徐々に強化する
ことにより、インテリジェントなリスク管理の適用を実施した。一方、当グループは、顧客取引の安全性を高めることを
目的として、その個人及び法人向けオンライン・バンキング、モバイル・バンキング、 BoC ペイ及び BoC ビルのプラット
フォームにリアルタイムのリスク管理を適用させた。当年度中、 BOCHK は、詐欺事件防止におけるその取組みが認めら
れ、香港警察から表彰された。
革新メカニズムの最適化とその人材プールの強化
当グループはまた、その各事業分野に合理的な行動計画を策定しつつ、デジタル・トランスフォーメーションに向けた
そのビジョン、目標及び重点優先事項を強化した。当グループは、引き続きその機動的な作業方法論及び文化を最適化
し、戦略的プロジェクトを推進し、職員の創造性を鼓舞するために各種の機動的なチームを立ち上げた。当グループは、
その人材プールのスキルと能力を高めるために、専門研修コースを立ち上げ、バーチャル・アカデミーを通じて異業種の
機関と協力し、優秀なフィンテック及びデジタル・トランスフォーメーションの専門家を積極的に採用し、その全スタッ
フのデジタル研修と開発メカニズムを継続的に最適化した。
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４【経営上の重要な契約等】
該当なし。「第２－３ 事業の内容－ 3.6 中国銀行及び中国銀行の当社との関係」、「第３－３ 経営者による財政状
態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析－ 3.2 事業の概況」及び「第６－３、 3.3 その他－未監査の補足財
務情報－２ . 関連会社間取引」を参照のこと。
５【研究開発活動】
該当なし。
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第４【設備の状況】
１【設備投資等の概要】
「第２－３ 事業の内容－ 3.1 概要」及び「第３－３ 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの
状況の分析－ 3.2 事業の概況」を参照のこと。
また、「第６－１ 財務諸表」の注記 28. 投資不動産及び注記 29. 有形固定資産も参照のこと。
２【主要な設備の状況】
当社の登記事務所及び本社の所在地は、香港ガーデンロード１バンク・オブ・チャイナ・タワー 53 階である。
BOCHK は、香港における紙幣発行銀行 3 行の 1 つであり、人民元事業の唯一の決済銀行として、すべての主要な事業に
おいて強力な市場ポジションを有している。人民元の営業許可の強さにより、人民元事業では顧客に最初に選ばれて
いる。当社は、香港で最も広範な支店ネットワーク及び多様なサービス・プラットフォーム、並びにインターネット
及びモバイル・バンキング・サービスといった効率的な e- チャンネルを有している。当社は、個人、法人及び機関投
資家の顧客を対象に、金融、投資及びウェルス・マネジメントのサービスを包括的に提供している。
2021 年 12 月 31 日現在、投資不動産は、 2020 年 12 月 31 日現在の 18,441 百万香港ドルに対して 17,722 百万香港ドルで
あった。
2021 年 12 月 31 日現在、有形固定資産は、 2020 年 12 月 31 日現在の 46,855 百万香港ドルに対して 46,441 百万香港ドルで
あった。
2021 年 12 月 31 日現在、投資不動産は、独立した不動産鑑定士である萊坊測計師行有限公司により 2021 年 12 月 31 日に
鑑定された、公正価値に基づく評価額で連結貸借対照表に含まれている。公正価値は、各投資不動産を測定日に市場
参加者間で秩序ある取引によって売却することで受領するであろう価額を表している。
当グループの投資不動産及び有形固定資産の推移に関する詳細は、「第６－１ 財務諸表」の注記 28. 投資不動産及
び注記 29. 有形固定資産に記載されている。
３【設備の新設、除却等の計画】
重大な変更を伴う計画はない。
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第５【提出会社の状況】
１【株式等の状況】
（１）【株式の総数等】
①【株式の総数】
（ 2021 年 12 月 31 日現在）
発行可能株式総数（株） 発行済株式総数（株） 未発行株式数（株）
20,000,000,000 株 10,572,780,266 株 9,427,219,734 株
②【発行済株式】
（ 2021 年 12 月 31 日現在）
記名・無記名の別及び 上場金融商品取引所名
種 類 発 行 数（株） 内容
額面・無額面の別 又は 登録認可金融商品取引業協会名
記名式無額面株式 普通株式 10,572,780,266 株 香港証券取引所 －
（２）【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当なし。
（３）【発行済株式総数及び資本金の推移】
発行済株式総数 資 本 金
備 考
年 月 日
増 減 数（株） 残 高（株） 増 減 額 残 高
( 香港ドル（円） ) ( 香港ドル（円） )
2001 年 9 月 12 日 2 2 2 2 応募株式
(33) (33)
バンク・オブ・チャイ
2001 年 9 月 30 日 10,221,060,465 10,221,060,467 10,221,060,465 10,221,060,467
ナ香港の全発行済株式
(167,829,812,835) (167,829,812,868)
資本の中国銀行から当
社への移転に基づき、
バンク・オブ・チャイ
ナ香港 (BVI) 株式会社に
対して額面で割当及び
発行され、完全支払済
の株式
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合併銀行の資産及び負
2001 年 10 月 1 日 35,744,965,551 45,966,026,018 35,744,965,551 45,966,026,018
債並びに中国銀行もし
(586,932,334,347) (754,762,147,215)
くはそのノミニーによ
り保有される NCB 、集友
銀行及び BOC クレジッ
ト・カードの株式のバ
ンク・オブ・チャイナ
香港への移転に関し
て、バンク・オブ・
チャイナ香港 (BVI) 株式
会社に対して額面で割
当及び発行され、完全
支払済の株式
華僑商業銀行の資産及
6,897,875,307 52,863,901,325 6,897,875,307 52,863,901,325
び負債のバンク・オ
(113,263,112,540) (868,025,259,756)
ブ・チャイナ香港への
移転に関して、華僑商
業銀行に対して額面で
割当及び発行され、完
全支払済の株式
バンク・オブ・チャイ
2002 年 6 月 17 日 5 52,863,901,330 5 52,863,901,330
ナ香港 (BVI) 株式会社及
(82) (868,025,259,838)
び華僑商業銀行に対し
て割当及び発行された
株式
当社の授権株式資本及
2002 年 7 月 10 日 ▲ 42,291,121,064 10,572,780,266 - 52,863,901,330
び発行済株式資本は、 1
(868,025,259,838)
株当たり額面金額５香
(1)
港 ド ル で
20,000,000,000 株及び
10,572,780,266 株にそ
れぞれ併合及び分割さ
れた。
注記：
(1) 新会社条例（香港法第 622 章）に従い、新会社条例の施行日（すなわち 2014 年 3月 3日）の前、当日及び後に香港において設立
した会社によって発行された全ての株式は、額面金額を定めないものとし、関連する授権資本の概念は廃止された。
（４）【所有者別状況】
2021 年 12 月 31 日現在、当社の発行済株式は 10,572,780,266 株で、そのうち約 34 ％は一般株主によって所有され、
0.15 ％は ADS の形で所有されている。当社の 68,009 名の登録株主はアジア、欧州、北米及びオーストラリアを含み世界中
の様々な地域に分布している。中国銀行を除き、当社は証券先物条例に基づき報告しなければならない 5 ％を超える株式
を有する主要な株主について認識していない。
当年度中、当社の株主構造は安定していた。下表は、 2021 年 12 月 31 日現在の登録株主及び中央清算決済システムで作
成された参加株主報告書に記録された株主を含む株主名簿に従った所有権の分布を示している。
登録 株主の
発行済株式資本に
所有割合 登録株主に所有されて 対する 概算の 割合
区分 登録株主数 （％） いる株式数 （％）
個人 67,885 99.82 216,420,191 2.05
注
123 0.18 3,415,282,319 32.30
機関、法人及び代理人
注
1 0.00 6,941,077,756 65.65
中国銀行グループ
合計 68,009 100.00 10,572,780,266 100.00
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注：
証券先物条例 第 336 条に従い当社が管理している名簿に記録されている通り、 2021 年 12 月 31 日現在、中国銀行グループが所有する株式数
の合計は 6,984,274,213 株であり、当社の発行済株式総数の約 66.06 ％を占めている。当該数値は、中央清算決済システムの参加者であ
る BOCI セキュリティーズ・リミテッドで開設している証券口座に中国銀行グループのために所有している一定数の株式を含んでいる。
したがって、これらの株式は「機関、法人及び代理人」の区分に含まれている。
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（５）【大株主の状況】
（ 2021 年 12 月 31 日現在）
発行済株式総数に対
氏名又は名称 住 所 所有株式数（株） する所有株式数
の割合（概数）
セントラル・フイジン 中華人民共和国 100010 6,984,274,213 66.06 ％
北京市東城区朝陽門北大街 1 号、
ニュー・ポリー・プラザ
中国銀行 中華人民共和国 100818 6,984,274,213 66.06 ％
北京市復興門内大街 1 号
BOC 香港 ( グループ ) 香港ガーデンロード１ 6,984,175,056 66.06 ％
バンク・オブ・チャイナ・タワー 53F
バンク・オブ・チャイナ 英領ヴァージン諸島 VG1110 トルトラ島ロー 6,984,175,056 66.06 ％
(BVI) 株式会社
ド・タウン、ウィッカムズ・ケイ II 、ヴィス
トラ・コーポレート・サービシズ・センター
注記：
1. 2004 年 8月の中国銀行の組織再編後、セントラル・フイジンは国に代わり中国銀行の株式資本における支配持分を所有している。し
たがって、証券先物条例の目的上、セントラル・フイジンは当社に対して中国銀行と同一の持分を所有しているとみなされる。
2. 中国銀行は、 BOC 香港 (グループ )の発行済株式の全てを所有しており、すなわちバンク・オブ・チャイナ香港 (BVI) 株式会社の発行済
株式の全てを所有している。したがって、中国銀行及び BOC 香港 (グループ )は、証券先物条例の目的上、当社に対してバンク・オ
ブ・チャイナ香港 (BVI) 株式会社と同一の持分を所有しているとみなされる。バンク・オブ・チャイナ香港 (BVI) 株式会社は実質的
に当社の式 6,984,175,056 株を所有している。
3. 中国銀行は、バンク・オブ・チャイナ・インターナショナルの発行済株式の全てを所有しており、すなわち BOCI アジア・リミテッド
及び BOCI フィナンシャル・プロダクツ・リミテッドの発行済株式の全てを所有している。したがって中国銀行は、当社に対して、
証券先物条例の目的上、 BOCI アジア・リミテッド及び BOCI フィナンシャル・プロダクツ・リミテッドと同一の持分を所有している
とみなされる。 BOCI アジア・リミテッドは当社の 24,479 株の持分を所有し、 72,000 株は現物決済済みの株式派生商品により持分を
所有しており、 BOCI フィナンシャル・プロダクツ・リミテッドは当社の株式 2,678 株の持分を所有していた。
上記の持分は全てロング・ポジションを表している。上記開示内容とは別に、証券先物条例第 336 条に基づき当社に
よって管理されている登録簿では、 BOCI フィナンシャル・プロダクツ・リミテッドは、ショート・ポジションを表す
143,522 株の持分を所有していた。中国銀行とセントラル・フイジンは、証券先物条例の目的上、当該株式数の持分を所
有していると見なされる。 2021 年 12 月 31 日現在、証券先物条例第 336 条に基づき当社によって管理されている登録簿で
は、開示内容以外に、他の持分又はショート・ポジションは一切記録されていない。
２【配当政策】
当社は一般的に香港法及び通常定款に従って、当社の可処分利益から配当を支払うことができる。さらに詳細について
は「第１－１ 会社制度等の概要 － (2) 提出会社の定款等に規定する制度 － 1.2.9 配当金」に記述されている。
当社の配当政策の主たる目的は、規制上の要件を遵守し、株主の長期的利益及び短期的利益のバランスを取りつつ、適
切な資本を提供することによって、その継続的な事業発展をサポートすることである。取締役会は、特別な状況がない限
り、配当性向を 40 ％から 60 ％の範囲内で維持している。当社は、配当政策について、中でも規制要件、経済及び事業環境
の変動といった複数の要因を勘案し、定期的に見直しを行っている。
配当は、香港ドルで宣言される。米国預託株式（以下「 ADS 」という。）の所持人は、 ADS の原株式となる当社の株式に
関して支払われる配当を受ける権利を有する。受託者は、香港ドルにより支払われる配当を米ドルによる配当支払額に換
算のうえ、受託者の換算費用を控除した額を、 ADS の所持人に配分する。
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取締役会は 2021 年 8 月 30 日に開催された会議において、 2021 年上半期について普通株式１株当たり 0.447 香港ドル、総額
約 4,726 百万香港ドルの中間配当を宣言した。
取締役会は 2022 年 3 月 29 日に開催された会議において、 2021 年 12 月 31 日終了年度について普通株式１株当たり 0.683 香港
ドル、総額約 7,221 百万香港ドルの最終配当を 2022 年 6 月 29 日開催の株主総会で提案することを決定した。かかる提案され
た最終配当はこれらの財務諸表に未払配当金として反映されていないが、 2022 年 12 月 31 日終了年度の利益剰余金処分とし
て反映される。
当社は、中国銀行又はバンク・オブ・チャイナ香港（ BVI ）株式会社と、当社の株式配当の支払に関して一切の協定を
結んでいない。
当社は、当社の配当政策が当社に十分な自己資本規制比率を維持させ、当社の戦略目的を達成させるものと信じてい
る。
現行の香港法によれば、配当の支払に関していかなる税金の源泉徴収も要しない。
2.1 分配可能準備金
香港会社条例第 6 節に基づき算出された 2021 年 12 月 31 日現在の当社の分配可能準備金は約 15,149 百万香港ドルに達し
た。
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３【コーポレート・ガバナンスの状況等】
（１）【コーポレート・ガバナンスの概要】
当社は、株主、顧客及び従業員の利益を保護するため、高水準のコーポレート・ガバナンスを維持し、遵守するよう
努めている。当社は、香港における関連の法律及び規制を厳格に遵守し、 HKMA 、香港証券先物管理委員会及び香港証券取
引所等の規制当局が発行する規則及びガイドラインを遵守している。当社は採用されているコーポレート・ガバナンスの
実施方法の見直しを随時行い、世界及び国内におけるコーポレート・ガバナンスの最善慣行の関連する要件に従うよう、
努力を行っている。
当社は、上場規則付属書類 14 に含まれるコーポレート・ガバナンス規範に定められる全ての規定を遵守し続けてい
る。当社はまた、同規範において推奨される最善慣行のほぼ全てを遵守している。特に、株主及び投資家が当社の業績、
財務状況及び見通しに関する最新の情報を得られるよう、財務及び事業の概況を四半期毎に該当四半期末から１ヶ月以内
に発表している。当社の完全子会社であり主要な事業会社である BOCHK は、 HKMA の監督方針マニュアル・モジュール CG-1
「当地設立認可機関のコーポレート・ガバナンス」に定められた指針に従っている。 コーポレート・ガバナンス水準のさ
らなる向上を確実に行うため、当社は、コーポレート・ガバナンス体制を改善し、市場慣行のトレンド並びに規制当局に
よって発表された指針及び要件を参照した関連措置を強化していく。
開示情報の完全性、透明性及び質を確保するため、当社は継続して健全なコーポレート・ガバナンス基準及び手続を
維持していく所存である。
コーポレート・ガバナンスの方針
方針表明
当社は高水準のコーポレート・ガバナンスの重要性を認識しており、当グループの長期的成功をもたらすコーポ
レート・ガバナンスの効果的な枠組を保持している。当社はまた健全なコーポレート・ガバナンスの原則及び慣行
を導入し強化していくことに深く関与している。確立されよく構築されたこのコーポレート・ガバナンスの枠組
は、当社のビジネスにおける倫理的行為を指導し規制するものであり、それにより株主及び利害関係者全体の利害
を維持可能な方法で保護するものである。
基本原則
(1) 重要な取締役会
権限 取締役会は、当グループの株主価値の最大化及びコーポレート・ガバナンスの水準強化を勘案しつつ、当グ
ループの事業経営及び業務管理の監督に責任を負う。取締役会は、当グループ及びその株主全体の最善の利
益のため、正直かつ誠実に行為し、かつ客観的な意思決定を行う義務がある。
組織 当社は独立非執行取締役が強い代表権を持つ優秀な取締役会によって率いられている。取締役会は、執
行取締役、非執行取締役及び独立非執行取締役から成るバランスの取れた構成となっている。
独立非執行取締役の人数及び割合は、関連する規則及び規制に定められる要件を大きく上回っている。
全ての取締役は、多様な分野の幅広い専門的経験有する優秀な個々人であり、客観的判断を下すことが
できる。
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会長及び社長の役割 権力の均衡を促進するため、会長及び社長の役割は分離されている。会長は取締役
会の統率並びにコーポレート・ガバナンス及び株主問題の監視に集中することがで
き、一方、社長は経営陣が当社の日々の業務及び案件を遂行することができるように
統 率するため、当社はこの職権分離により恩恵を得る。
取締役会委員会 取締役会は、その業務の遂行に当り取締役会を補佐するため、監査委員会、指名・報
酬委員会、リスク委員会、戦略・予算委員会並びに持続可能性委員会という異なる責
任を委任された 5 つの常任取締役会委員会を設立している。ほとんどの委員会におい
て、独立非執行取締役が過半数を占めている。
各取締役会委員会には、その役割及び責任を示した明確な命令が下されている。これ
ら常任取締役会委員会の実績及び有効性は、更なる強化の観点から毎年評価が行われ
る。
独立取締役委員会及び調査委員会といったその他の取締役会委員会は、その設置が適
切な状況において必要な場合に設置される。
(2) 慎重なリスク管理
取締役会はリスクの制御及び管理の必要性が当グループの事業において重要な位置を占めることを認識してい
る。取締役会は、リスク委員会及びその他の該当する委員会の補佐を受け、リスク管理戦略並びに関連する枠組及
び方針の策定及び監督を行っている。経営陣はリスク委員会の指揮のもと、当グループにおける日々のリスク管理
の責務を遂行している。
(3) 公平な報酬制度
当社は取締役報酬水準が適切であり、株主の期待に応え規制上の要件を満たすという取締役の職務と責任を反映
したものであることを保証している。取締役の報酬は株主の承認を受ける。取締役会は、人事及び報酬戦略全般の
公正性と合理性の確保に主たる責任を持つ指名・報酬委員会の提案に基づき、当グループの報酬に関する方針を承
認する。取締役は自身の報酬の決定には関与しないものとする。
(4) 効果的な情報開示メカニズム
取締役会は、報告、公表、内部情報のための当グループの情報開示プロセスの有効性について、随時審議と監視
を行う。当社は、適時に情報を開示し、当グループに関する情報が明瞭かつ客観的な方法で表明伝達されることに
より、株主及び公衆が当社の状況を評価し情報に基づく投資決定を行うことが可能になることを奨励しており、そ
れに対し必要な手段を講じている。
(5) 株主の権利保護
取締役会は、当社の定款（以下「定款」という。）及び関連法令の要件に義務付けられている通り、株主の権利
を尊重する。取締役会は株主と効果的なコミュニケーションを保つことが最も重要であると考えており、様々なコ
ミュニケーション手段を維持し株主と直接対話を持つことにより、株主に当社の事業及び業務の内容を伝えるため
の最大限の努力も行っている。
さらに株主は、当社に関して公に入手可能な全ての情報を得る権利、年次株主総会で決議を提案する権利、取締
役の選出に候補を指名する権利及び当社に関して照会を行う権利も有している。
(6) 株主の利益保護
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取締役には全ての当社利害関係者（従業員、顧客、取引先、納入業者、監督当局及びコミュニティを含むがこれ
らに限定されない。）の利益を、善良な注意と配慮を持って保護しそれに貢献するという受託者責任がある。全て
の 当社利害関係者の利益は、ガバナンスに関する諸方針のみならず該当法令も厳格に遵守することによってさらに
保護される。
(7) 持続可能性の促進
当社は持続可能性を非常に重要なものと考えている。取締役会は、その利害関係者との関係の強化を通じて、企
業の社会的責任を遂行し、また経済、社会及び環境の持続可能な発展を促進するよう努めている。当社は、現在及
び将来の世代のためになるという観点から、持続可能性に資する様々な活動に対するサポートと参加を一貫して
行っている。
(8) 「良好から偉大へ」（ Good to Great ）の追求
取締役会は「良好から偉大へ」を追及するよう奨励している。指名・報酬委員会の補佐を受け、取締役会は各委
員会が自身の有効性に関する定期的な自己評価を確実に行うようにし、その評価結果に基づき、取締役会はそれぞ
れの効率性と有効性を高めるために必要なフィードバック、指示及び指導を行う。
方針の目標
当社の取締役会及び上級管理職には、コーポレート・ガバナンスの原則を守り当方針を遂行する責任がある。当
社は、優れた実績と維持可能な成長のための確固としたガバナンスを提供する明確なコーポレート・ガバナンスの
原則を遵守した事業経営を追求する。
企業文化
取締役会は、当グループに戦略的助言を提供し、当グループの企業文化に合致した目標、価値観及び戦略を検討
し、承認し、監視する。取締役会は、当年度中、当グループのミッション、ビジョン、価値観、方法論及び戦略目
標を定め、 4 つの開発支援のうちの 1 つとして企業文化の深化を掲げた 2021-2025 年の戦略的開発計画を承認した。
取締役会は、企業文化の構築の継続的な深化と価値観の承継の強化に非常に重点を置いている。例えば、上級管
理職は、適切な銀行文化と価値観を推進するというそのコミットメントと決意を示している。取締役会下の持続可
能性委員会は、企業文化構築の専門委員会であり、その責任の１つは当グループの良好かつ持続可能な企業文化の
発展を監督し、企業文化の実施を継続的に監視することである。持続可能性委員会は、倫理的で責任あるプロ意識
の高い行動を促進するため、当グループの職業基準を、慎重なリスク・テイキング及び顧客の公正な処遇を推進す
る文化及び行動基準を確立するために、その事業活動において採用される当グループの商業原則及び基準を、当グ
ループの従業員が確実に良好な個人的誠実性と振舞いを維持し、当グループの文化及び行動基準を遵守できるよう
にするために、当グループの従業員行為規範及び適切な研修を含む、当グループの企業文化に関連する該当方針に
関し、取締役会の承認を承認又は勧告を行う責任を負う。当社は、ガバナンス、インセンティブ制度、評価及び
フィードバックの仕組みを取り巻く企業文化構築を実施するための行動計画を策定し、かかる計画の有効性につい
て毎年レビューを行い、持続可能性委員会に報告している。当社は、企業文化及び価値観の推進を強化し、従業員
の理解を深め、当グループの横断的なコンセンサスを形成するために、多階層及び多角的な企業文化研修及びプロ
モーション活動を開始している。当社は、年次パフォーマンス評価における「企業価値」の遵守に関して、個別格
付のウェイトを導入又は引き上げることで、インセンティブと抑制のメカニズムを改善し、パフォーマンスに対す
る公正な見解の確立を導き、また短期的な行動及び隠れたリスクを回避した。当社は顧客からのフィードバック・
メカニズムを確立し、従業員アンケート、集中的なグループ・ディスカッション、個別面談などからフィードバッ
クを受け、企業文化に関する継続的な展開について顧客や従業員から意見を得ている。
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汚職防止及び内部告発
当社は、誠実性並びに法令遵守の原則を支持する企業文化を促進し、従業員の倫理的行動や誠実性に非常に重き
を置いている。あらゆるレベルの従業員の贈収賄と汚職に対して、ゼロ容認のアプローチが取られている。当社
は、「贈収賄及び汚職防止方針」を定め、香港及び事業展開を行っているすべての法的管轄のあらゆる関連する贈
収賄及び汚職防止に関する法律を遵守するべく奮闘するとともに、その従業員の行動基準を指導及び強化するため
に、強固な贈収賄及び汚職防止管理の枠組みを実施している。贈収賄及び汚職防止の全体的な枠組みは、取締役
会、その指定委員会及び上級管理職が共同で監督する。当社は、贈収賄及び汚職防止に関する制度的リスク評価を
定期的に実施し、確実に枠組みが適切かつ十分に管理及び実施されるために枠組みの有効性を評価している。
当社はまた、事業又はその他の面に関連して、不祥事の疑いのある事項が発生した場合、又はその可能性がある
場合には、従業員が安心して適切なルートで内部通報を行い、報復や復讐のリスクを負うことなく、当該報告が適
切に取り扱われ、フォローアップを受けることができるよう、不法行為の従業員報告の取扱いに関する方針や管理
体制を確立している。当社は、内部通報の仕組みや関連する方針及び管理施策を定期的に見直し、その有効性を確
保している。
コーポレート・ガバナンスの枠組
取締役会及び経営陣の責任
取締役会は、当社のコーポレート・ガバナンスの枠組の中核であり、取締役会と経営陣の間の責任には明確な区分があ
る。取締役会は、高度な指導の提供及び経営陣の有効な監督を行う責任を有している。取締役会は、その審議のために特
に留保されている事項を定める、明確に定義された取締役会のマンデートの下で運営が行われている。
一般的に、取締役会は下記のことに対して責任を有する。
・ 当グループの中長期戦略の策定及びその実施の監視
・ 年間事業計画及び財務予算の審議及び承認
・ 年次の業績、半期の業績及び四半期財務及び事業レビューの承認
・ 当グループのリスク管理及び内部統制の審議及び監視
・ 当グループの優れたコーポレート・ガバナンス及び有効的な遵守の確保
・ 経営陣の業績の監視
当年度中、 5 回の物理的な取締役会会議が開催された。審議及び承認される主要な議題には、当グループの戦略、事業
計画、財務予算、決算の開示、持続可能性報告、リスク管理及び内部統制、定款の変更、並びに該当方針の年次レビュー
といった重要事項が含まれる。取締役会はまた、 COVID-19 のパンデミックに対し当社によりなされた予防措置、業務及び
事業への影響、企業が経済的困難を乗り越えるために開始された財政支援イニシアティブ及び実施された慈善事業につい
て議論した。物理的な会議の他、取締役会はまた、取締役や上級管理職の変更等を含む、特定の事項について書面による
決議を承認した。書面による決議に添付される裏付けとなる説明資料が、取締役のかかる事項に対する理解を促進し、か
つ十分な情報に基づく意思決定を支援するために取締役に送付された。
当年度中、取締役会は、規制要件の最新の変更に合わせるため、特定のコーポレート・ガバナンスに関連する方針及び
手続に対しなされる変更を検討し、承認した。取締役会はまた、当社のコーポレート・ガバナンス規約への遵守及び 2020
年度の年次報告書に含まれるコーポレート・ガバナンス報告書における開示についても検討した。
当社は、独立した視点を確保し、取締役会が情報を利用することができる関連メカニズムを構築し、毎年かかるメカニ
ズムの見直しを行っている。当社は、取締役が、取締役としてのその職務を遂行するために合理的に必要な独立した専門
家による助言を、当グループの費用負担で求める権利を有する旨を定める「取締役会の就業規則」を採用している。取締
役が、かかる独立した専門的助言を求めることを希望する場合、会社秘書役は、必要な手配を行う。
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取締役会は、自ら承認した戦略を実施する権限を経営陣に与える。経営陣は当グループの日常的な事業運営について責
任を有し、取締役会に報告を行う。この目的のため、取締役会は、経営陣が判断を下す前又は当グループを代表して契約
を締結する前に取締役会に報告し、事前承認を得るべき状況を定めた、書面による明確なガイドラインを作成した。取締
役 会は、定期的にかかる権限付与及びガイドラインに関する見直しを行う。
会長及び社長の役割
一個人に権力が集中することを避けるため、当社の会長と社長の役職は２名の異なる個人が就任する。それらの役割は
明確であり、明瞭に確立しており、取締役会の命令において規定されている。
会長であるリウ・リエング氏は、取締役会がその責任を適正に果たし優れたコーポレート・ガバナンス慣行及び手続き
に従うことを保証する責任を有する。さらに、取締役会の会長として、取締役会で現在審議中の全ての課題の概要を全て
の取締役が適切に把握していること、並びに全ての取締役が適切、正確、かつ信頼できる情報を適時に受け取ることを保
証する責任がある。
社長であるスン・ユ氏は、経営陣全体のためにリーダーシップを示し、取締役会で採択された重要な方針及び開発戦略
を履行する責任を有する。社長の指揮の下、経営会議は当グループの日常業務の管理、事業開発戦略の実施並びに当グ
ループの長期目標及び戦略の実現を含む責務を遂行する。
取締役会委員会
最新の規制要件、指針並びに市場慣行及び国際的な最良の慣行を考慮し、その責務の遂行を補佐させるため、取締役会
は 5 つの常任取締役会委員会、すなわち監査委員会、指名・報酬委員会、リスク委員会、戦略・予算委員会並びに持続可
能性委員会を設置した。さらに取締役会は、関連法令に準拠して関連会社間取引（継続関連会社間取引を含む。）を審査
し、提言を行う必要が生じた場合に、全独立非執行取締役により構成された独立取締役委員会に委任する。
各取締役会委員会には明確な授権権限があり、かかる委員会の責任の範囲内で関連する事柄について取締役会に提案を
行い、又は適切な状況の下で取締役会によって委任された権限に従い判断を下す。取締役会委員会がその責務を有効かつ
適正に実行するための適切な支援を確保できるよう、全取締役会委員会に専門職の秘書部門が任命される。全ての取締役
会委員会は、できる限り取締役会と同じガバナンス・プロセスを採用し、その決定及び推薦事項に関し、取締役会に定期
的に報告する。取締役会及び取締役委員会は、提供サービスの確保及び強化並びに取締役会及び取締役会委員会に対する
十分かつ効率的なサービスの提供を保証するため、当該専門職秘書部門を対象とする年次業績評価に参加する。さらに、
それぞれの授権権限に従い、取締役会及び各取締役会委員会は、改善の余地がある部分を特定するため、その業務過程及
び有効性を毎年審査及び評価する。
以下は当社のコーポレート・ガバナンスの枠組みを定めたものである。
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取締役会によって採択された当社のコーポレート・ガバナンスの原則及び枠組、取締役会及び各取締役会委員会の構
成並びにそれぞれの委任事項、コーポレート・ガバナンス方針、株主とのコミュニケーション方針、及び情報開示方針等
の詳細情報は、当社ウェブサイト (www.bochk.com) 上の「 About Us 」の「 Corporate Governance 」のページで閲覧可能で
ある。
取締役会
取締役会の構成及び任期
本報告書の日付現在、取締役会は、 10 名の取締役、うち 1 名が執行取締役、 3 名が非執行取締役及び 6 名が独立非執行取
締役から構成される。取締役会は、取締役会の決定の独立性及び客観性、並びに経営陣の監督の公平性を確実にするため
に、適切な水準の抑制と均衡を確保する。取締役会は誠実かつ善意をもって行動しており、長期的な株主価値の最大化を
もたらし、当グループのその他の利害関係者に対する企業責任を果たすという観点から、客観的に、また当グループの最
善の利益となるような意思決定が行われている。
リウ・ジン氏は、 2021 年 8 月 3 日付で副会長兼非執行取締役及び指名・報酬委員会並びに戦略・予算委員会の各委員に
任命された。フン・ユエン・メイ・アニータ氏は、 2022 年 3 月 3 日付で独立非執行取締役並びに各監査委員会、戦略・予算
委員会及び持続可能性委員会の委員に任命された。ワン・ジアン氏は 2021 年 2 月 5 日付で副会長、非執行取締役を辞任し、
各任命・報酬委員会及び戦略・予算委員会の委員ではなくなった。上記に開示された以外、本書日付現在までに取締役会
及び取締役会委員会の構成に変更はない。
当社のすべての取締役は、定款及びコーポレート・ガバナンス規範の関連条項に基づいて、少なくとも 3 年に 1 回退任
する。定款第 98 条及びコーポレート・ガバナンス規範の規範規定 B.2.2 条に従い、リウ・リエング氏の任期は 2022 年の年
次株主総会で終了し、再選を申し出る資格を有する。さらに、定款第 102 条に従い、取締役会により任命された取締役
は、次回の株主総会又は次回の当社の年次株主総会までに限り任命され、その後当該総会で再選される資格を有する。
従って、 2021 年 8 月 3 日及び 2022 年 3 月 3 日にそれぞれ任命されたリウ・ジン氏とフン・ユエン・メイ・アニータ氏の任期
は、 2022 年の年次株主総会で終了し、再選を申し出る資格を有する。
さらに、当社はまた、独立非執行取締役の選任手続きが標準化され、徹底され、かつ透明性が確保されるように、書
面による及び正式なプロセスを確立している。
取締役の選任及び任命
当社は、取締役の任命に関する関連方針を策定している。指名・報酬委員会は、その構造、規模、構成及び取締役の
資格を再検討する責任を有し、また取締役会の既存の構成及び当グループの業務要件を考慮し、取締役会の多様性、取締
役の独立性及びその他の関連する監督及び方針の要件に従い、取締役の特定、選任及び任命に責任を負う。
執行取締役の潜在的候補者は、上級管理職の中から選任することができる。独立非執行取締役の潜在的候補者は、世
界的な選任を通じて、また独立非執行取締役による推薦により採用することができる。定款及び関連する規則の規定に従
い、株主はまた、株主総会で取締役（非執行取締役を含む。）として選任される退任取締役以外の者の任命を行うことが
できる。必要な場合には、指名・報酬委員会は、適切な個人を採用する際に支援を行う外部のアドバイザーを任命するこ
とができる。指名・報酬委員会は、提案された取締役候補者の妥当性を評価するに当り、以下を含む様々な要素を考慮す
るものとする。
・取締役会の多様性
・候補者の評判及び過去の業績
・候補者の専門知識、業界経験及びスキル
・取締役としての職務を遂行するのに十分な時間を割き、潜在的な利益相反を効率的に管理する候補者の誓約
・独立非執行取締役候補者の場合、上場規則の独立性要件及び当社の「取締役の独立性に関する方針」を満たしてい
ること
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指名・報酬委員会は、選任基準に基づいて候補者を評価し、必要に応じて会議を開催して候補者との面談を協議及び
調整し、取締役会に提言するものとする。取締役の任命は、最終的に、取締役会により、及び／又は株主総会で株主によ
り、 承認されることができる。
2021 年に新たに任命した当社の取締役並びに当社の次回の年次株主総会において再任に立候補した退任取締役につい
て、指名・報酬委員会は、上場規則に基づく関連要件及び当社の取締役の指名方針を定めた選任基準に照らしてその経歴
を審査し、その役割を果たし、当社及び取締役会の多様性に貢献し続けるために必要な人格、誠実さ並びに専門的知識及
び経験を有しているか検討した。
現行の取締役会の構成においては、全ての取締役が銀行業及び / 又は経営において豊富な経験を有する。加えて、３分
の１以上の取締役が独立非執行取締役であり、銀行及び金融業界において経験を有し、並びに戦略的開発、コーポレー
ト・ガバナンス、投資管理、リスク管理及び持続可能な開発の専門家である。当社はその「取締役の独立性に関する方
針」に基づき、各独立非執行取締役からその独立性について毎年確認書を得ている。当社は、入手可能な情報を踏まえ、
また関連する要因を考慮し、独立非執行取締役の全員が独立していると考えている。現在、コー・ボン・ソン氏及びトゥ
ン・サヴィオ・ワイ - ホク氏は、 9 年以上取締役を務めており、そのすべてが当グループの事業に関わる、事業戦略、銀行
業務、リスク管理、ガバナンス並びに会計及び財務におけるその専門知識の分野及び幅広い経験からの貴重な指導の提供
により、引き続き当社に大きく貢献している。コー氏及びトゥン氏の在任期間は、両氏とも一貫して判断に高い独立性を
示しており、またその在任期間中に経営陣を有効に監督していることから、その独立性に影響はないものと考えられる。
取締役が 9 年を超えて任命される場合には、当社は、関連規定に基づき、関連する要因を協議及び検討し、適切な開示を
行う。 さらに、全ての取締役は、当社に対してその重大な誓約を開示し、かつ当社の業務に十分な時間を割くことができ
ることを約し、確認した。 取締役の専門職経験、技能及び知識の経歴の詳細は、下記「 (2) 役員の状況」に掲載されてお
り、また当社ウェブサイト（ www.bochk.com ）の「 About Us 」の「 Organization 」のページで閲覧可能である。
取締役会の多様性
当社は取締役会の多様性の重要性及び利点を認識している。取締役会の有効性及びコーポレート・ガバナンス基準を高
めるために、当社は取締役会構成員として適性ある適格な候補者を特定する際に、また取締役会構成員の再任が提案され
る時にはいつでも参照される「取締役会多様性方針」を採用している。同方針は、取締役会の構成の策定において、技
能、経歴及び視点の適切な多様性を確保するために、性別、年齢、文化的・教育的背景、民族性、地理的所在地、専門的
経験、技能、知識及び遺跡記録等を含む（ただしこれらに限定されない。）様々な面において幅広い多様性を考慮すべき
である旨を規定している。同時に、全ての取締役会の指名及び任命は、取締役会が全体として求める技能及び経験に照ら
して実績に基づき行われている。取締役会は、毎年「取締役会多様性方針」を再検討し、最新の状況に継続的に基づき関
連する実務を向上させている。
現在、取締役会には 2 名の女性構成員がおり、上場規則に基づく性別の多様性に関する要件を満たしている。同時に、
当社は、取締役の承継計画策定時に取締役会がより包括的な検討及び判断を行うことを念頭に置き、取締役会構成員の性
別の多様性を含めたダイバーシティ推進に取り組む「取締役の承継方針」を採択している。現在、上級管理職 8 名のうち 3
名が女性で、上級管理職の約 38 ％を占めている。当社では、チームのダイバーシティ＆インクルージョンの推進に奮闘
し、関連法令ならびに「職員の差別排除のための指針」を厳格に遵守している。当社は、あらゆる人々の雇用機会を確保
するため、ダイバーシティ＆インクルージョン研修を実施し、人事、報酬及び福利厚生に関するあらゆる方針に機会均等
の原則を適用している。その婚姻関係、妊娠、障害、家柄、人種又は性別による従業員に対する差別又は嫌がらせは禁止
されている。当年度中、当社の女性従業員は、全従業員の約 57 ％を占めていた。
リウ・リエング氏、リウ・ジン氏及びリン・ジンジョン氏 は、中国銀行の執行取締役である。当年度中、 ワン・ジア
ン氏は中国銀行の執行取締役であ った（同氏は 2021 年 2 月 5 日付で当該役職を辞任した）。上記に開示されている以外、取
締役会構成員の間には、財務関係、取引関係、親族関係又はその他の重要な関係を含む関係性は存在しない。
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さらに、「取締役の利害相反管理方針」には、適用法令により別途認められない限り、実質的な株主又は取締役が、
取締役会で検討されるべき事項について利益相反がある場合には、取締役会会議を招集し、重大な利害関係のない独立非
執行取締役が出席し、さらに検討及び承認を行うために、専門的な助言を行わなければならない旨明確に規定されてい
る。
取締役の責任保険契約
当年度中、当社は、企業活動により発生した取締役の賠償責任を補償するため、取締役の責任保険契約において適切
な補償範囲を設定した。当該契約に基づく補償範囲及び保険金額は、当社により毎年見直される。
取締役会の自己評価
当年度中、取締役会は、「取締役会の自己評価及び取締役の個人評価に関する規程」に基づき、年次自己評価を実施
した。指名・報酬委員会の承認を得て、記入のために年次の自己評価質問票を取締役に配布した。当社は記入された質問
票を基に、当社は結果を分析し、その結果及び提言を記載した報告書が、審議及び検討のために取締役会に提出された。
個々の取締役の実効性のレビュー
当年度中、当社はまた、外部の専門コンサルタントを雇用し、個々の取締役の有効性の独立したレビューを行った。
全ての取締役に記入のために質問票が配布され、これには取締役の時間の関与及び参加、上級管理職との対話及びコミュ
ニケーション、並びに取締役会及び取締役会委員会の他のメンバーの評価、及び取締役の有効性に影響を与えるその他の
要因といった分野の取締役の自己評価が含まれていた。外部コンサルタントは、記入された質問票及びその他入手可能な
情報に基づき、個々の取締役の有効性を評価し、その所見及び提言を記載した報告書を作成し、これは審議及びフォロー
アップのために取締役会に提出された。
取締役の研修及び職能開発
新しく任命された取締役が当社の業務について適切な理解を有することを保証するため、また全取締役が情報に裏付
けられた推奨と助言を行い当社に貢献できるよう、知識を定期的にアップデートすることを可能にするため、取締役会は
任命に当たっての取締役の初就任及び継続研修に関する指針を示した方針を書面で作成している。
当社は、導入ハンドブック、対面式の面談及びその他の手段の活用を通じて、及び個々の取締役のニーズに応じて、
適切な取締役の招聘を行っている。主題には以下のものが含まれるが、これらに限定されない。
- 統治構造
- 取締役会及び取締役会委員会の権限
- 理事会の常任議題
- コーポレート・ガバナンスに関する規制要件
- 規制当局の懸念事項の焦点
- 業務運営、戦略計画及び内部統制の焦点
当社はまた、取締役会構成員に対し、取締役及び当グループに適用される規制要件に対する重要な変更に関する情報
の定期的な更新を適時に行っている。また、当社はその最新の事業展開に対する理解促進のため、経営陣の定期会合を設
定している。さらに、取締役会構成員は継続的な研修プログラムに積極的に参加することを奨励されている。さらに当社
が費用を負担して、取締役会構成員向けの適切な専門的研修プログラムを設けている。
当年度中、全取締役は上場規則第 付属書類 14 に含まれるコーポレート・ガバナンス規範の規範第 C . 1. 4 条に従い継続的
専門能力開発研修に参加し、知識・技能の向上と再確認を行った。 2021 年において、当社は、専門家を招いてバンキン
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グ及び気候リスクにおけるデジタル・トランスフォーメーションに関連するセミナーを取締役及び上級管理職に対し開
催し、デジタル・トランスフォーメーションの動向、枠組み及び気候リスク管理といった分野について議論した。
さらに、各取締役は、それぞれの適切性の判断に基づき、一連の研修を受講した。当年度中、各取締役は、当社、規
制当局及び専門企業によるセミナー及びワークショップに参加し、研修資料を受領した。これには幅広い議題が含まれ
る。
・ グリーン及び持続可能なファイナンス
・ 気候リスク管理
・ デジタル・トランスフォーメーション
・ 香港の株式及び債券市場
・ レグテック
・ 反マネー・ロンダリング
・ リスク管理及び内部統制
・ コーポレート・ガバナンス、及び
・ 銀行業界の発展動向等
年間の研修情報の取締役の記録は、当社において記録され適宜更新される取締役研修記録に記録された。当年度末現
在、継続職能開発に関する全取締役の参加の要約は、以下の通りである。
コーポレート・
リスク管理及び内
銀行業界開発動向
(注記 )
部統制
ガバナンス /ESG 開
取締役
発 / 規制上の更新
非執行取締役
LIU Liange 氏 ○ ○ ○
LIU Jin 氏 (2021 年 8 月 3 日付で任命 ) ○ ○ ○
LIN Jingzhen 氏 ○ ○ ○
独立非執行取締役
CHENG Eva 氏 ○ ○ ○
CHOI Koon Shum 氏 ○ ○ ○
KOH Beng Seng 氏 ○ ○ ○
LAW Yee Kwan Quinn 氏 ○ ○ ○
TUNG Savio Wai-Hok 氏 ○ ○ ○
執行取締役
SUN Yu 氏 ○ ○ ○
注記： 当年度中に辞任した取締役の研修記録は含まれていない。 FUNG Yuen Mei Anita 氏は 2022 年 3月 3日付で独立非執行取締役とし
て任命され、その研修記録は含まれていない。当年度中及び本書報告日までの期間における取締役の交代の詳細について
は、上記の「取締役会の構成及び任期」を参照のこと。
取締役会会議、取締役会委員会会議及び株主総会への取締役の出席
2021 年度中に取締役会会議は 5 回開催され、平均出席率は 98 ％であった。本年度の定例会議スケジュールは、取締役会
により前年度に作成され承認された。定例取締役会の正式通知は少なくとも会議予定日の 14 日前に全ての取締役に送付さ
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れ、十分な質の取締役会の議題及び会議資料は、少なくとも会議予定日の 7 日前に検討のために取締役会構成員に配布さ
れた。各取締役会会議の議題は、その他の取締役会構成員及び上級管理職による協議後、会長によって承認された。上級
管 理職の構成員は、プレゼンを行い、取締役が有する質問に答えるため、定期的に取締役会議への出席が要請された。取
締役会議事録のドラフト及び最終版は、すべての取締役に送付され、取締役会開催後、合理的な期間内に、それぞれコメ
ントと記録がなされた。
取締役会はまた、当グループの最新の財務及び業績に関する情報を含む月次報告書を受領した。これにより、取締役
は、年間を通して当グループの業績、状況及び見通しについてバランスのとれた評価を得ることができる。さらに、取締
役は、定期的に、当社の COVID-19 に対する予防措置、顧客に提供する専門サービス及び製品、パンデミック対策の慈善活
動への積極的な参加、並びに東南アジアの諸機関のパンデミック支援活動について、テーマ別の報告を受けた。
さらに、独立非執行取締役全員との開かれた議論を促進させるため、会長は他の取締役及び上級管理職が不在の状態
で、全ての独立非執行取締役と会合した。これらの慣行は、取締役会の業務規定に組込まれた。
2021 年度の各取締役の取締役会会議、取締役会委員会会議及び 2021 年の年次株主総会への出席状況の詳細は下記の通
りである。
会議への出席回数／取締役の任期中に招集された会議の回数
取締役会委員会 株主総会
監査 指名・報酬 リスク 戦略・予算 持続可能性 年次
注記
取締役
取締役会 委員会 委員会 委員会 委員会 委員会 株主総会
当年度中に開催された
5 6 2 4 4 2 1
会合の回数
非執行取締役
LIU Liange 氏（ 会長 ）
5/5 - - - 4/4 - 1/1
LIU Jin 氏 (副会長 )
3/3 - 1/1 - 3/3 - 0/0
(2021 年 8月 3日付で任命 )
LIN Jingzhen 氏
5/5 - - - 4/4 - 1/1
独立非執行取締役
CHENG Eva 氏
5/5 6/6 - - 4/4 2/2 1/1
CHOI Koon Shum 氏
5/5 - 2/2 - 3/4 1/2 1/1
KOH Beng Seng 氏
5/5 6/6 2/2 4/4 - 2/2 1/1
LAW Yee Kwan Quinn 氏
5/5 6/6 - 4/4 - 2/2 1/1
TUNG Savio Wai-Hok 氏
4/5 5/6 1/2 2/4 3/4 1/2 1/1
執行取締役
SUN Yu 氏 （副会長兼社長）
5/5 - - - 4/4 2/2 1/1
平均出席率 98 ％ 96 ％ 88 ％ 84 ％ 92 ％ 83 ％ 100 ％
注記： WANG Jiang 氏は 2021 年 2月 5日付で非執行取締役を辞任したが、同氏の任期中に開催された取締役会会議及び取締役会委員会会議
はなかった。 FUNG Yuen Mei Anita 氏は 2022 年 3月 3日付で独立非執行取締役として任命されたが、その出席記録は上記に含まれていな
い。当年度中及び本書報告日までの期間における取締役の交代の詳細については、上記の「取締役会の構成及び任期」を参照のこと。
公式な取締役会会議及び総会以外に、当社は、独立非執行取締役のコミュニケーション前の会議の制度を設けてお
り、各取締役会会議の前に主要な議題項目が独立非執行取締役に提示され、その意見は対応策のために経営陣に適時に伝
えられ、これにより取締役会会議の審議の効率性が高まった。
COVID-19 の発生前、当社は他にも取締役会構成員及び上級管理職を対象とした非公式な行事を行っており、コミュニ
ケーション及び交流を促進していた。例えば、当社は時折仕事を兼ねた会食を開催し、取締役及び上級管理職はこれに参
加し当社の事業及び戦略的な問題についての見識を共有する機会を与えられる。取締役会構成員の中には、各々の経歴及
び専門に関連した多様なテーマについて、当社の中間管理職から上級管理職を対象とした講演を行うために招かれた者も
いる。当社の地域事業及び運営を理解し、上級管理職とののコミュニケーションを向上させるため、取締役（特に独立非
執行取締役）向けに取締役会リトリートも行われる。当年度中、当社は、取締役会構成員と上級管理職に電子的手段を通
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じた通信会議への参加を要請し、当社の最新の事業や戦略的開発及びその他の側面について議論し、意思疎通を図った。
パンデミックの最新の動向によっては、 2022 年に一部の活動が物理的に再開される可能性がある。
取締役会委員会
監査委員会
監査委員会は現在、全員が独立非執行取締役で、 5 名で構成されている。当年度中のその構成、主な任務及び実施した
主要業務は以下の通りである。
構成 主な任務
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TUNG Savio Wai-Hok 氏 ( 議長 ) ・ 財務 諸表 及び財務報告プロセスの整合性 の監督
CHENG Eva 氏
・ リスク管理・ 内部統制 システムの監督
注
FUNG Yuen Mei Anita 氏
・ 社内監査機能及びグループ監査 ジェネラル・マネジャーの成果の審査
KOH Beng Seng 氏
・ 社外監査人の任命 の審査 及びその適格性、独立性及び業務内容の査定、並
LAW Yee Kwan Quinn 氏
びに取締役会 及び株主総会における株主 の承認を得た上での社外監査人の
報酬 の決定
・ 当社及び当グループの財務 諸表 、及び財務・事業概況の定期審査及び年次
監査 の審査
・ 適用すべき会計基準並びに財務情報開示に関する法規制要件の遵守 の監督
・ 当グループのコーポレート・ガバナンスの枠組 の監督 及びその実施
当年度中に実施した主な業務
（以下についての審議、及び権限がある場合は承認を含む）
・ 承認のために取締役会に上申された 2020 年 12 月 31 日終了の事業年度の 当社
の 財務 諸表 及び 通期業績発表
・ 承認のために取締役会に上申された 2021 年６月 30 日終了の６ヶ月間の 当社
の 半期財務 諸表 及び半期業績の発表
・ 承認のために取締役会に上申された 2021 年３月 31 日終了及び 2021 年９月 30
日終了の四半期における 当社の 四半期財務・事業概況の発表
・ 社外監査人が提出した監査報告書及び内部統制勧告書に関する報告書、 内
部監査人により提出された監査報告書、 並びに規制当局により発行された
実地検査報告書
・ 社外監査人の任命 案 、 並びに 年次監査、半期審査及びその他の非監査業務
に関して社外監査人に支払う監査費用
・ 2020 年に実行された関連取引
・ 当グループのリスク管理及び内部投資システムの有効性の年次審査
・ 当グループの 2022 年度の 内部 監査計画
・ グループ 監査の 組織構造、 人員配置 並びにその 2022 年度予算
・ 内部監査機能の外部コンサルタントによる独立審査
・ 内部監査機能の有効性の年次審査
・ グループ監査 のジェネラル・マネジャー 及びグループ監査の 2020 年度成果
評価及び 2022 年度 の 重要な成果指標
・ 「外部監査人の管理方針」「不法行為の従業員報告に関する方針」、「贈
収賄及び汚職防止方針」及び「内部監査規程」の年次審査
注：独立非執行取締役及び 2022 年 3 月 3 日付で監査委員会の委員に任命
指名・報酬委員会
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指名・報酬委員会は現在、 1 名の非執行取締役及び 3 名の独立非執行取締役を含む 4 名で構成されている。当年度中のそ
の構成、主な任務及び実施した主要業務は以下のとおりである。
構成 主な任務
1
・ 当グループの人 事 戦略 全般の審議
CHOI Koon Shum 氏 ( 議長 )
・ 取締役、取締役会委員会の委員、及び上級管理職の選定及び任命
2
LIU Jin 氏
・ 取締役会及び取締役会委員会の組織、規模及び構成（性別、年齢、文化
1
KOH Beng Seng 氏
的・教育的背景、民族性、地理的拠点、専門職経験、技能、知識 及び追
1
TUNG Savio Wai-Hok 氏
跡記録 等を含むが、これらに限定されない） の定期モニタリング及び審
議
・ 取締役会及び取締役会委員会の有効性 の審議
・ 取締役及び上級管理職の研修及び継続的職能開発 の参加の確保
・ 当グループの報酬戦略及びインセンティブ 枠組 の 審議及び 提言
・ 取締役、取締役会委員会 の委員 、上級管理職 及び 主要 な従業員 の報酬の
審査
当年度中に実施した主な業務（承認、審査及び取締役会に対する提案を含
む。）
・ 取締役及び取締役会委員会委員の任命及び変更に関する事項の検討
・ 執行取締役及び上級管理職の選任、解任及び報酬に関する事項の検討
・ 2020 年度の上級管理職の業績評価結果
・ 2020 年度の上級管理職を含む当グループの従業員賞与に関する提議
・ 2022 年度の当グループ及び上級管理職の主要業績指標
・ 2022 年度の当グループの人事予算案
・ 取締役会、取締役会委員会及び個々の取締役の年次の成果評価の調整及
び監督
・ 主要な人事及び報酬方針の年次審査及び改訂
・ 「取締役の独立性に関する指針」及び「取締役の報酬に関する指針」の
年次審査
注記：
1 独立非執行取締役
2 非執行取締役及び 2021 年 8 月 3 日付で指名・報酬委員会の委員に任命
リスク委員会
リスク委員会は現在、 4 名で構成され、全員独立非執行取締役である。当年度中のその構成、主な任務及び主要な成果
は以下のとおりである。
構成 主な任務
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KOH Beng Seng 氏 ( 議長 ) ・ 当グループのリスク選好及びリスク管理戦略の策定、並びに当グループ
のリスク・プロファイルの決定
注
FUNG Yuen Mei Anita 氏
・ 当グループの様々な事業部門が直面する重大なリスクの特定、査定及び
LAW Yee Kwan Quinn 氏
管理
TUNG Savio Wai-Hok 氏
・ 当グループのリスク管理方針、システム及び内部統制の適切性及び有効
性の審査及び査定
・ 当グループの資本管理の見直し及び監視
・ 当グループの貸借対照表項目の目標値見直し及び承認
・ 当グループの事業を管理する健全性規制要件及び法規制要件の遵守を含
む、当グループのリスク管理方針、システム及び内部統制の遵守の審査
及び監視
・ 当グループの高リスク関連方針の見直し及び承認
・ 重大もしくは高リスクのエクスポージャー又は取引の審査及び承認
・ リスク・エクスポージャー報告書、モデル開発・検証報告書並びに信用
リスク・モデルの成果報告書を含むリスク管理報告書の審査
当年度中に 実施した主要な業務
・ 当グループのリスク選好、 リスク管理方針ステートメント、資本管理方
針、ストレス・テスト方針、データ管理方針、リスク・データ集約＆リ
スク報告管理方針、並びに信用リスク、市場リスク、流動性リスク、金
利リスク、オペレーショナル・リスク、法的リスク、コンプライアン
ス・リスク、技術リスク、戦略リスク及び評判リスク等を対象とする一
連のリスク管理方針を含む当グループの主要なリスク管理方針の見直し
及び承認
・ 当 グループの回復計画の年次レビュー 案 、 グループ賞与給付メカニズム
に関するリスク調整方法、当グループのリスク調整結果、信用資産減損
法の修正の提案及び安全な第三次データ・バックアップ (STDB) 独立評価
報告書の検討及び承認
・ 当グループの目標貸借対照表、内部自己資本規制評価プロセス (ICAAP)
の結果、投資計画及びポートフォリオの主要リスク指標、並びにリスク
管理限度を含めた、当グループの運営計画の検討及び承認
・ 当グループのリスク管理報告書、 機関的 マネーロンダリングリスク評価
報告書 、 COVID-19 のパンデミック及び債務支払いの猶予から生じる銀行
の信用ポートフォリオの信用の質及び引当に関する報告書、 SEA オペレー
ションのローン・ポートフォリオの信用の質に関する報告書、サイバー
セキュリティに関する報告書、外部委託管理に関する報告書、信用リス
ク及び市場リスク・モデル検証報告書、信用リスク・モデル実績報告書
等 、リスク管理報告書のレビュー
注：独立非執行取締役及び 2022 年 3月 3日付でリスク委員会の委員に任命
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戦略・予算委員会
戦略・予算委員会は現在、 3 名の非執行取締役及び 4 名の独立非執行取締役、並びに当社の執行取締役兼社長の 8 名で構
成されている。当年度中のその構成、主な任務及び実施した主要な業務は以下のとおりである。
構成 主な任務
1
・ 取締役会の承認に向けた当グループの中長期戦略計画の 審議
LIU Liange 氏 （議長）
・ 当グループの中長期戦略の実施の監視、及び経営陣に対する 戦略の方向
2
LIU Jin 氏
性に関する 指針の提示
3
SUN Yu 氏
・ 当グループの主要な投資、資本出資及び戦略的コミットメント の審議及
1
LIN Jingzhen 氏
び 取締役会への上申
4
・ 当グループの通常／定期（年次も含む）事業計画の審議 及び監視
CHENG Eva 氏
4
・ 取締役会の承認に備えた予算の審議、及び予算目標に対する実績の監視
CHOI Koon Shum 氏
当年度中に 実施した主要な業務
5
FUNG Yuen Mei Anita 氏
・ 取締役会の承認 に向けた当グ ループ の東南アジア地域及びデジタル・ト
4
TUNG Savio Wai-Hok 氏
ランスフォーメーションの中・長期開発戦略計画、サブ計画
・ 当グループの人民元事業戦略の受領及びこれに関する審議
・ 金利ベンチマークの改革に関する当グループの計画の受領及びこれに関
する審議
・ 当グループの 2021 年財務予算及び事業計画の審議及び監視、並びに 2022
年に向けて経営陣により提出された当グループの財務予算及び事業計画
の審議及び是認並びに取締役会への勧告
注記
1： 非執行取締役
2： 非執行取締役及び 2021 年 8月 3日付で戦略・予算委員会の委員に任命
3： 執行取締役
4： 独立非執行取締役
5： 独立非執行取締役及び 2022 年 3月 3日付で戦略・予算委員会の委員に任命
持続可能性委員会
持続可能性委員会は現在、 6 名の独立非執行取締役並びに当社の執行取締役兼社長を含む 7 名で構成されている。当年
度中の同委員会の構成及び主な任務は以下のとおりである。
構成 主な任務
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1
・ 当 グループの持続可能性 の 戦略、目標及び優先事項並びに重要な持続可
CHENG Eva 氏 （議長）
能性に 関連 する方針の 審査
2
SUN Yu 氏
・ 当 グループ にとって 重要な環境、社会 及び ガバナンスの課題 及び その 関
1
CHOI Koon Shum 氏
連する 対策の 審査
3
FUNG Yuen Mei Anita 氏
・ 当 グループの 持続可能性のパフォーマンス の 監督
1
・ 当 グループ の 企業文化の監督 及び関連方針の審査
KOH Beng Seng 氏
1
・ 適切な報告原則及び限度の決定並びに持続可能性報告書の審査
LAW Yee Kwan Quinn 氏
当年度中に実施した主要な業務
1
TUNG Savio Wai-Hok 氏
・ 当グループの持続可能性戦略の策定及び実施の監督
・ 当グループの重大性評価メカニズム及び関連作業の進捗の監督
・ 当グループの運営の低炭素への移行を促進する当グループの 5 ヶ年持続
可能性計画及び措置の審査
・ 取締役会の承認に向けた 2020 年持続可能性報告書の審査
・ 「持続可能性方針」を含む当グループの持続可能性関連方針、及びその
承認に向けた取締役会へのその提言
・ 「銀行文化構築に関する報告書」及び「従業員行為規程の年次審査に関
する報告書」を含む持続可能性関連報告書の審査
・ 当グループによりなされる各種持続可能性の措置の監督及び審査
・ 当グループの気候に関連する金融開示に関するタスクフォースの市場動
向及び経過に関する討議の受領
注記
1：独立非執行取締役
2：執行取締役
3：独立非執行取締役及び 2022 年 3月 3日付で持続可能性委員会の委員に任命
取締役の証券取引
当社は、当社の証券取引における取締役の取引を管理するため「取締役による証券取引に関するコード」（以下「当
社コード」という。）を制定し実施している。当社コードの条件は上場規則付属書類 10 に記載の「上場 発行体 の取締役に
よる証券取引に関するモデル・コード」に規定される強制基準よりさらに厳格である。当社の取締役の証券取引とは別
に、当社コードは、それぞれ 2006 年６月及び 2016 年６月より香港証券取引所に株式を上場後、中国銀行及び BOC アビエー
ション・リミテッド (BOC の子会社 ) 並びに 2020 年 2 月に上海証券取引所にその株式を上場後、 BOC インターナショナル
（チャイナ）カンパニー・リミテッド（ BOC の関連会社）の取締役による証券取引に対しても適用されている。当社の具
体的な調査を行い、取締役全員が 2021 年度を通して当社コード及び当該モデル・コードの両方に規定される規定を厳格に
遵守していたことを確認した。
取締役の報酬
取締役の報酬の提言がなされる際には、当社が採用する「取締役の報酬に関する方針」に従い、取締役に対して公平な
対価を支払うために、指名・報酬委員会は業種又は規模、その果たす役割（委員長の任務又は委員の任務）並びに取締役
会及び取締役会委員会双方のレベルでの業務の性質及び量（会議の頻度及び議題項目の性質を含む。）が類似する会社を
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参考にする。取締役の報酬は、市場慣行、規制上の要件及びインフレ等を基に定期的に見直されることになっている。各
取締役は、それら個々の報酬パッケージを決定する手続に参加することはできない。独立非執行取締役の報酬は、当社の
業 績に連動していない。 2021 年度の各取締役の報酬に関する情報は、本書「第６－１ 財務諸表」の注記 21 に記載されて
いる。取締役会委員会の委員にかかる追加報酬を含め、現行の取締役の報酬基準は下記のとおりである。
取締役会：
全ての取締役 年間 400,000 香港ドル
取締役会委員会：
議長 年間 100,000 香港ドル
その他の委員 年間 50,000 香港ドル
注記： 2021 年 12 月 31 日終了年度について、全ての非執行取締役（独立非執行取締役を除く。）及び執行取締役は上記の取締役報酬を
受領しなかった。
指名・報酬委員会はまた、執行取締役及び上級管理職の現物給付、年金受給権及び報酬支払（解任又は任期終了の場
合の支払報酬、繰延報酬の早期支払を含む。）並びに業績ベース報酬を含む報酬パッケージを決定する権限を取締役会か
ら委任されている。さらに、同委員会は取締役会に対し、その契約時報酬パッケージ、契約金、契約上保証された賞与等
について提案を行う。
報酬及びインセンティブのメカニズム
当グループの報酬及びインセンティブのメカニズムは、「効果的な動機」と「健全な報酬管理」の諸原則に基づいて
いる。これは、報酬を業績及びリスク要因と密接に結びつけるものである。同メカニズムは、健全な報酬管理を達成する
ために、スタッフが業績を高めることを奨励し、同時に、リスク意識を強化し、容認可能なスタッフの振舞に貢献するべ
く機能する。
当グループの「報酬及びインセンティブ方針」は、通常、 HKMA の「健全な報酬システムに関する指針」に定める幅広
い原則に従っており、当社及びその全子会社（香港内外の支店及び事業体を含む。）に適用される。
・ 上級管理職及び主要人員
当グループの「報酬及びインセンティブ方針」は、以下の通り、「上級管理職」及び「主要人員」を定義してい
る。：
・ 「上級管理職職」 : 取締役会によって指名された上級管理者で、企業全体の戦略又は重要な事業分野の監督に責任
を持つ者。社長、副社長、最高財務責任者、最高リスク管理責任者、最高業務責任者、取締役会秘書役及び当グ
ループ監査ジェネラル・マネジャーが含まれる。
・ 「主要人員」 : 個人の事業活動がリスク・エクスポージャーに重大な影響をもたらす可能性のある重大なリスク
想定を伴う従業員、又は収益に直接影響を及ぼす従業員を指す。重要な事業分野の責任者、主要子会社の長、東
南アジア事業体の長、トレーディング責任者、リスク管理機能責任者、社長に直接報告を行うジェネラル・マネ
ジャー並びに銀行条例に従い当グループにより任命される「マネジャー」が含まれる。
・ 報酬方針の決定
上記の諸原則を満たし、当グループの報酬方針の枠組における効果的なリスク管理を容易にするために、当グルー
プの報酬方針は、スタッフの動機、健全な報酬及び慎重なリスク管理の必要性のバランスを取るため、リスク管理、
財務管理及びコンプライアンスを含むリスク管理ユニットと相談の上、人事部が提案する。提案された報酬方針が経
営会議を通過した後、審議のために指名・報酬委員会に提出され、次に、承認を得るために取締役会へ提出される。
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指名・報酬委員会及び取締役会は、状況下で必要なことを考える他の取締役会委員会（たとえば、リスク委員会、監
査委員会等）の意見を求める。
・ 報酬及びインセンティブのメカニズムの主な特色
１ . 業績管理のメカニズム
当グループは、当グループ、ユニット及び個人のレベルでの業績管理を正式なものとする業績管理メカニズムを発
表した。当グループの年間目標は、上級管理職や様々なユニット（ビジネスユニット、リスク・コントロール・ユ
ニット、その他のユニットを含む。）が、財務、戦略実行、構成要素、人的資源、リスク管理及びコンプライアンス
の視点から査定される際に用いられるバランスの取れたスコアボードの枠組の中で、次へと引き継がれる。異なった
レベルの個人スタッフに関しては、当グループの年間目標は業績管理メカニズムを通じてポストの仕事の要件に結び
付けられる。個人の業績は、作業目標の達成、所属部署全体の業績への貢献、リスク管理義務及び法令遵守の達成及
び当グループの企業文化の順守に関して評価される。このメカニズムの下では、目標の達成が考慮されるのみなら
ず、当グループの慎重な運営及び持続可能な開発を確実にする、業務の過程における価値観に基づく行動及び十分な
リスク管理もまた考慮される。
２ . 報酬のリスク調整
「リスク調整法」に基づき、業績及び報酬をリスクと調整する原則を実行するため、 BOCHK の主要なリスク変更因
子が当グループの業績管理メカニズムに組み込まれている。信用リスク、市場リスク、金利リスク、流動性リスク、
オペレーショナル・リスク、法的リスク、コンプライアンス・リスク（反マネーロンダリングを含む。）及び評判リ
スクが「リスク調整法」の枠組を形成する。当グループのボーナス・プールの大きさは、取締役会が承認したリスク
調整後の業績結果に基づいて算出され、取締役会の裁量下に置かれる。この調整法により、当グループは、リスクへ
のエクスポージャーと変化を考慮した後、当グループのボーナス・プールを用意することができ、また報酬メカニズ
ムを通じて効果的なリスク管理を保持することができる。
３ . 業績ベース・リスク調整後の報酬管理
スタッフの報酬は、「固定報酬」と「変動報酬」から構成され、スタッフの個人別の割合は、固定部分と変動部分
の間でバランスが取られることを必要条件として、仕事の等級、役割及びスタッフの責任と機能によって決まる。一
般的に、仕事の等級が高ければ高いほど及び / 又は、責任が重ければ重いほど、スタッフが慎重なリスク管理と健全
な長期的財務の安定性という指針に従うようになるために、変動報酬の割合が高くなる。
毎年、当グループは、報酬戦略、市場の支払の傾向及びスタッフのサラリーのレベルのような多様な要因を参照し
て、スタッフの固定報酬に関する定期的な吟味を行っており、当グループにとって健全であることや、当グループ、
部署及び個人の業績に基づいて報酬が決定される。上述したように、業績査定の基準として、量的要因と質的要因
や、財務及び非財務の指標がある。
「 BOCHK グループ賞与給付方針」によれば、当グループの賞与プールの大きさは、当グループの財務実績及び当グ
ループの長期開発下の非財務の戦略的ビジネスの目標により決まる。決定の過程において、リスク要因も、徹底的に
考慮される。賞与プールの大きさは、所定の公式によって算出されるが、支配的な環境下で適切だと思えるならば、
取締役委員会は、自由裁量による調整を行うことができる。当グループの業績が不調（業績水準が閾値に満たない
等）の場合、当年度の賞与は原則的に支払われないが、取締役会にはその裁量を行使する権利が留保される。
個別の部署や個人に関する限りは、変動報酬の配分は、部署の業績、各スタッフ個人の業績、また、スタッフ個人
が所属している部署の業績と緊密につながっており、これら業績の査定にはリスク変更因子が含まれなければならな
い。リスク管理人員の業績と報酬規定は主要な職責の達成度によって決定され、彼らの管轄の事業とは無関係であ
る。最前線のリスク管理者に対しては、業績ベースの報酬の適合性を確保するため、部門横断的なレポーティング及
び業績管理システムが適用される。当グループの需要可能なリスクのレベル内であれば、部署やスタッフ個人の業績
が良ければ良いほど、スタッフ個人の変動報酬は、高くなる。社員への変動報酬の配分についても、個人の行動を包
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括的に考慮すべきである。当グループの企業文化に積極的で、遵守する行動に対しては、変動報酬を前向きに傾斜さ
せ、企業文化に否定的で、遵守しない行為及び行動については、変動報酬を没収又は減額すべきである。
４ . 変動報酬の支払をリスクの発生期間と結び付け、当グループの長期的価値の創造に反映する
報酬をリスクの発生期間と調整する原則を考案し、実際の支払の前に、関連のリスクとその影響を確かめる十分な
時間が取れるようにするために、スタッフの変動報酬の現金での支払額がある規定された閾値に達するときは、その
現金支払を繰延べる必要がある。当グループは繰延べについて、漸進的なアプローチを取っている。スタッフが行う
業務におけるリスクの発生期間が長ければ長いほど、また、変動報酬の額が高ければ高いほど、繰延比率が大きくな
る。延期期間は 3 年にわたる。
繰延変動報酬の権利確定は、当グループの長期的価値の創造と連動する。権利確定条件は、翌３年間の年次業績及
び当該スタッフの個々の行状と密接に連動する。当グループの業績が閾値要件を満たしている場合、繰延変動報酬は
相応のスケジュールに従い権利確定される。ただし、当該スタッフが詐欺を働いていた場合、又は業績測定もしくは
変動報酬の算定に用いられた何らかの財務的もしくは非財務的な要素がある特定年度において当初把握されていたよ
り明らかに悪いこと、もしくは個々の行状／経営手法が事業部門ひいては当グループに悪影響を及ぼしたこと（企業
文化を順守しない否定的なもしくは不適切な振舞、不当もしくは不適切なリスク管理、不適切な管理により生じた重
大な出来事及び経済的損失等を含むがこれに限られない）が事後的に判明した場合は、当該スタッフの繰延変動報酬
の権利未確定部分は失権する。
・ 報酬方針の年次レビュー
当グループの報酬方針は、外部の規制上の要件、市況及びリスク管理要件等の変更を参照して、年次レビューの対象
となる。最新の規制要件に従い、当グループは、「 BOCHK グループ報酬及びインセンティブ方針」、「 BOCHK グループ変動
支払繰延方針」及び「 BOCHK グループ・ボーナス・資金調達方針」を含む報酬及びインセンティブ関連方針のレビューを
行い、報酬パッケージの承認権限、識別基準と役職一覧、「上級管理職」と「主要人員」の据置基準と据置率、不祥事リ
スクと報酬の関係を補完し、リスク管理部門の役割と責任を明記した。上記の改訂は 2022 年 1 月 1 日付で実施された。
・ 社外報酬コンサルタント
報酬及びインセンティブのメカニズムの適合性及び競争性を確保するため、当グループはウィルズ・タワーズ・ワト
ソン、マーサー及びマクレーガンを、上級管理職及び主要な役職者等の給与管理及び市場報酬データの分野における社外
コンサルタントに任命した。
・ 報酬の開示
当グループは、報酬及びインセンティブのメカニズムに関する情報を開示するために HKMA が発行する「健全な報酬シ
ステムに関する指針」第３章の指針を完全に遵守している。
社外監査人
取締役会が導入した「社外監査人の管理に関する方針」に従い、国際的に最良の慣行と合致する同方針に定める原則
及び基準に基づき、監査委員会は、当グループの外部監査人であるプライスウォーターハウス・クーパースの独立性及び
客観性に関して審議し、モニタリングを行い、その客観性並びにその監査手続きの有効性に満足した。監査委員会の推薦
によって、取締役会は 当社の 2022 年度の年次株主総会時にプライスウォーターハウス・クーパースを当グループの監査人
として再任する予定である。
2021 年について、当グループがプライスウォーターハウス・クーパースに対して支払った又は支払うべき報酬は 36 百
万香港ドルであり、そのうち 25 百万香港ドルは監査業務に関連するものであり、 11 百万香港ドルはその他の業務 ( 主に税
務関連及び顧問業務を含む。 ) に関連するものである。
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2020 年度に当グループが前外部監査人であるアーンスト・アンド・ヤングに支払った、又は支払うべき報酬は 44 百万
香港ドルであり、そのうち 29 百万香港ドル が監査業務で 15 百万香港ドルがその他の業務（主に税金関連業務及び顧問業務
を 含む。）に関するものであった。 監査委員会は、 2021 年度の監査以外の業務が プライスウォーターハウス・クーパース
の独立性に影響を及ぼさなかったと確信している。
リスク管理及び内部統制
取締役会は、当グループの戦略的目標を達成するために進んで負担すべきリスクの性質及び程度を評価及び判断する
こと、並びに当グループが健全で有効なリスク管理・内部統制システムを確実に設定及び維持することについて責任を負
う。取締役会は、リスク管理・内部統制システムの設計、実施及び監視につき経営陣を監督する。
取締役会の委任の範囲に従い、経営陣は日常的な経営及びリスク管理に関する責任を負い、経営陣はこれらのシステ
ムの有効性について取締役に確証を提供する必要がある。
リスク管理・内部統制システムの目的は、事業目標の未達リスクを除去するためというよりむしろ管理する点（同シ
ステムは、重要な虚偽表示又は損失が生じないよう合理的な保証はできても絶対的な保証はできない。）、システム障害
のリスクを管理する点及び当グループの目的を達成する支援を行う点にある。当グループの資産の保護に加え、適切な会
計記録及び関連法令の遵守の維持を保証する。
当グループはその財務、経営及び遵守統制並びにリスク管理を含む全ての重要な統制を対象とするリスク管理・内部
統制システムの有効性について、年一度見直しを行う。かかる見直しは、５つの異なる内部統制要素（統制環境、リスク
評価、統制活動、情報及びコミュニケーション並びに監視）を評価する目的のため、規制及び専門機関による指針及び記
述を参考にして実施される。かかる評価は、財務、経営及びコンプライアンス統制並びにリスク管理機能を含む全ての主
な内部統制及び施策を対象とする。かかる見直しはまた、資本、従業員の適格性及び経験並びに当グループの会計財務報
告機能及び内部監査機能の妥当性も検討する。この見直しは、経営陣及び様々な事業部門が自己査定をして経営陣が当該
システムの有効性を確認した後に当グループの内部監査部が調整を行い、検討過程及び結果について独自の調査及びその
他の査定後の業務が実施される。 2021 年度の検討結果は監査委員会及び取締役会に報告済みであり、当グループのリスク
管理・内部統制システムが有効かつ適切であった旨が明示された。
また、内部統制を提供するために当グループが原則的に設置及び実施した主要手続を以下にまとめる。
・ 適切な人員が配置された合理的な組織構造が発達し、人員の責任、権限及び説明責任が明確に区別されている。
当グループは全ての作業部門における適正な確認及び均衡、当グループの資産に対する適切な保護、並びに経営
上の関連法令及びリスク管理の遵守を保証するため明文化された方針及び手続きを策定した。
・ 経営陣は当グループの戦略、事業計画及び財務予算を作成し、継続的にその実施を監視する。実施中の会計及び
経営システムは、財務及び経営業績を評価する基準を提供する。
・ 当グループには、様々なリスク管理及び人事方針がある。評判、戦略、法務、コンプライアンス、信用、市場、
業務、流動性及び金利のリスクの取扱いにつき責任を負う特定の部署及び人員が存在する。また、内部情報の取
扱い及び流布に関する手続及び内部統制も存在する。当グループは、全ての主要リスクを特定、評価及び管理す
るためのメカニズムを構築し、これに対応した内部統制手続や内部統制の瑕疵を解消するための手順を設定して
いる。（当グループのリスク管理は本書の「第２ － 第３ 事業の状況 － 3.2. リスク管理」に記載されてい
る。）
・ 当グループは、様々な事業部門、財務情報及び経営業績の監視に関する情報を含む情報システム及び経営につい
ての様々な報告書を作成する情報技術の統治体制を設立した。かかる情報は、経営陣、事業部門及び規制機関に
よる当グループの業務及び業績の評価及び監視を手助けする。様々な事業分野及びレベルでの正確な伝達経路及
び報告手段は情報交換を促進するために整備されている。
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・ リスクに基づく手法及び監査委員会により承認された内部監査計画に従い、当グループの内部監査部は財務活
動、様々な事業分野、各種のリスク、経営及び活動等の側面に対し個別の審査を実施する。報告書は監査委員会
に直接提出される。当グループの内部監査は、注意が必要な事項を系統的な方法で厳密に検証し、経営陣及び監
査 委員会に直ちに報告する。
・ 監査委員会は、年次監査に関して社外監査人が当グループの経営陣に提出した報告書並びにリスク管理及び内部
統制について規制機関が行った提案を審議する。当グループの内部監査は、提案の適時な実施を保証するため、
上記を継続的に検証し、また、経営陣及び監査委員会に対し実施状況を定期的に報告する。
当グループは、良好なコーポレート・ガバナンス慣行を守ることに最大の努力を払い、全ての子会社の内部統制シス
テムは定期的に審査されている。 2021 年度中、組織構造及び職務の分離、リスク管理方針及び手続き、並びに開示の透明
性の是正に関して継続的な改善が当グループにより行われた。グローバルな経済状況、事業環境、規制要件及びビジネス
展開における内部的及び外部的変動性に対応するため、当グループは、内部統制構造の有効性に関する一連の措置を講じ
不断の見直しを行った。 2021 年度中に、改善が必要な部分が認識され、適切な対策が実施された。
定款の変更
2021 年年次株主総会において、当社は、以下の要約変更： (i) 世界中どこでも ( 総会の主たる場所が香港でなければな
らないことを除く。 ) 及び 1 つ以上の場所又はハイブリッド総会としての物理的な総会の招集、開催及び実施 ( 年次総会、
継続会又は延会を含む。 ) 、 (ii) 従来の及び / 又は機械的手段に加えて、当社による電子的通信及び / 又は施設の使用を承
認すること、 (iii) 取締役会が総会 ( 又は継続会 ) 開催前に当該総会 ( 又は継続会 ) を延期する権限を付与すること、及び
(iv) 定義及びその他の参照を更新及び整理すること、並びに、上記の修正及びその他の状態監視の修正に沿った派生的修
正を行うことを含む、新しい定款を採択した。
株主とのコミュニケーション
当社は、有効性を確保するため、取締役会により毎年見直しが行われる「株主通信方針」を採択している。当該方針
は、株主との継続的かつ効果的なコミュニケーションを維持することを当社のコミットメントと定め、発表、回覧、年次
報告書及び中間報告書といった当社の企業通信へのアクセス並びに当社のウェブサイトを通じたその他の情報、又は株主
の要請があれば関連資料のハードコピーの送付を含む様々なコミュニケーション手段を提供するものである。
取締役会は、株主との継続的なコミュニケーション、特に当社の年次総会での直接対話を通したコミュニケーション
に高い重要性を置いている。パンデミック中、当社は会社法及びその他の適用される疾病予防規則並びに定款の要件を遵
守しつつ、株主との効果的なコミュニケーションを図るため、年次株主総会の開催方法を柔軟に調整した。
株主とのコミュニケーションを密にするほか、当社は投資コミュニティと会合、会議及び説明会の形態により積極的
にコミュニケーションを図っていく。
2021 年 5 月 17 日に香港、ワンチャイ、ハーバー・ロード１、グランドハイアット香港、ロビー階のグランド・ボール
ルームにおいて開催された当社の 2021 年度の年次株主総会に、リウ・リエング氏（当社の会長及び戦略・予算委員会の議
長）、トゥン・サヴィオ・ワイ - ホク氏 ( 監査委員会の議長）、チョイ・クーン・シュム氏（指名・報酬委員会）、コー・
ボン・ソン氏 ( リスク委員会の議長）及びチョン・エヴァ氏 ( 持続可能性委員会の議長 ) が出席した。 2020 年 12 月 31 日に終
了した年度の当社の監査人であるアーンスト・アンド・ヤングの代表もまた、当社の 2021 年度年次株主総会に出席し、株
主からの問い合わせに対応した。上記を除き、スン・ユ氏 ( 当社の副会長兼社長 ) 、リン・ジンジョン氏及びロー・イー・
クワン・クイン氏を含むその他の取締役もまた総会に出席した。
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COVID-19 の状況において株主総会に出席する株主の健康と安全のため、また HKSAR 政府により強く勧告されている様々
なソーシャル・ディスタンス措置を考慮し、当社はホテルの会場面積を見直し、事前登録により総会への物理的な出席を
100 人の株主に制限するよう手配した。さらに、過去に実施されたのと同じように、当社は、株主が総会に直接出席する
の ではなく、総会の模様を閲覧し、オンラインで質問を提出できるようにするために、総会のライブ・インターネット配
信を行った。株主はまた、その議決権行使のため、総会の議長を代理人に選任することを強く勧められた。さらに、当社
は、援助を必要としている人々を支援するために、 2021 年に開催された株主総会において、株主への企業贈答品の配布に
代わるものとして、ザ・コミュニティ・チェスト・アンチ -NCP レインボー・ファンドへの慈善寄付を行うことにより、企
業の社会的責任を果たすべく尽力し、またその調整を増やしている。
2021 年度の当社の年次株主総会で可決された決議案の要旨並びに賛成票の割合は、以下のとおりである。
決議 投票率
通常決議
監査済財務諸表及び取締役及び監査人の報告書の承認 99.98 ％
最終配当の宣言 99.84 ％
取締役の再任 94.65 ％～ 98.72 ％
監査人の任命 99.38 ％
株式発行の一般的委任の付与 84.66 ％
自己株式の取得に係る一般的委任の付与 99.91 ％
自己株式の取得数を加算した株式発行の一般委任の延長 85.55 ％
特別決議
新たな通常定款の採用 99.90 ％
議決権行使結果の詳細は、当社のウェブサイト (www.bochk.com) の「インベスター・リレーションズ」と題する項目名
「証券取引所の公表」の下部に掲載されている。
当社の 2020 年年次報告書で開示されるように、取締役会に対する株式を発行するための一般信任の付与にしたがった
権限の行使により、株主価値の希釈化の可能性に関する投資家の懸念を考慮し、取締役会は、 2021 年度の年次株主総会に
おいて株主の承認を得るため、株式発行が単に現金のためであり、かつ資産の取得に関連しない場合、上場規則に基づき
認められる発行済株式総数の 20 ％が株式発行の限度であることに対し、 5 ％を上限とする株式発行へと一般信任を自発的
に減らした。
投資者や議決権行使助言会社からのフィードバックを十分に検討し、一般的な株式発行権限に関する業界の慣行を参
考にし、また戦略的事業開発計画を審議した上で、取締役会は、株式を発行する一般的な義務を上場規則で認められる発
行済株式総数の 20 ％に比べ、 10 ％までの発行に引き下げること、及び当社の基準価格の 10 ％を超えない発行価格の割引率
の制限を導入することを勧告する。取締役会はまた、 2022 年の年次株主総会において、株主による承認のため、株式の発
行が現金のみの目的であり、かつ資産の取得とは関係のない場合の発行済株式総数の 5 ％を上限とする基準値を引き続き
勧告する。
さらに、高い基準のコーポレート・ガバナンスに対する責任から、取締役会は現金目的のみによる株式の発行及び株
式買戻のための一般信任に基づき取締役会に付与される権限の行使に関する一定の社内方針を導入した。関連の方針の要
約は以下のとおりである。
・ 現金を目的とする株式発行権限の行使において、当グループの合計自己資本比率、とくに当グループの Tier １資
本、 Tier ２資本を引上げるための費用及び便益、当グループの事業発展のための現金の必要性、株主が公平に扱
われなければならないという原則及び株主割引発行の実施の選択肢等の要因を考慮しなければならない。
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・ 取締役会は、株式買戻権限の行使の原因となる事象を設定している。その事象には、当社株式の市場価格が公正
価額よりも低くなること、当グループが短期から中期の発展要件を上回る余剰資金を有していること、及び取締
役 会が当社の株主資本利益率、正味資産又は一株当り利益の拡大のために関連の授権権限を行使することが適切
かつ妥当であるとみなしていることが含まれる。一般にかかる買戻しは香港証券取引所で行われる。ただし、買
戻しの規模が当社株式の市場の混乱を招く可能性があると予想される場合は、取締役会は一般の申込み、すなわ
ち既存株主各々の所有株式の割合に応じて既存株主に申込みを行うことで買戻しを実行することを検討する。株
式の買戻価格は当社株式の公正価額よりも高くなってはならない。
当社の 2022 年度年次株主総会で提案された全ての決議は、投票によって行われる。よって、当社はかかる目的のた
めに、当社株式の登記機関であるコンピューターシェア・ホンコン・インベスター・サービス・リミテッドを開票検
査官に起用する。投票による議決権行使の結果は、株主の情報の開票終了後可及的速やかに証券取引所のウェブサイ
ト及び当社のウェブサイトに掲載される。
さらに、 2022 年度年次株主総会で検討される議題項目について株主がより良い理解を得ることができるよう、また
株主の積極的な参加を奨励し意見交換及びコミュニケーションのさらなる向上を可能にするため、当社は 2022 年度年
次総会の詳細情報を株主に対する招集通知に記載する。そこには、年次株主総会での承認に向けて提案される議案の
紹介、再選の資格を有する退任取締役に関する情報、並びに議決権の投票に関する情報、ライブ・インターネット配
信（該当する場合）及びその他 2022 年度年次株主総会に関する案件が「よくある質問」という形で含まれる。
株主の権利
株主は、臨時株主総会を招集する権利、年次株主総会で決議を提案する権利及び取締役選出のために候補を指名する
権利を持つ。詳細な手続きについては以下を参照されたい。
・ 株主が臨時株主総会を招集する方法
該当する議決権を有する全ての株主の全議決権の 5 ％以上を保有する株主は、取締役会に対し臨時株主総会の招集を
要請することができる。要請状は、当該株主が正式に署名し、当該会合で扱われる事項の一般的な性質を明確に表明しな
ければならず、提案される決議の文面を記載してもよい。当該要請状は当社の登記上の所在地事務所である香港、ガーデ
ンロード１、バンク・オブ・チャイナ・タワー 53 階に届けられなければならない。有効な要請状が受理され次第、当社は
香港会社条例 566 条から 568 条の要件に従い適切に対処し、必要な手配を行う。
・ 年次株主総会への決議提案手続き
以下に該当する株主は、当社年次株主総会で適切に諮ることのできる決議の通知を当社に要請する権利を有する。
(a) 該当する議決権を有する全ての株主の全議決権の少なくとも 2.5 ％を保有する株主、又は
(b) 該当する議決権を有する少なくとも 50 人の株主
提案された決議を特定し、当該株主が正式に署名した要請状は、当社の登記上の所在地事務所（香港、ガーデンロー
ド１、バンク・オブ・チャイナ・タワー 53 階）に年次株主総会の 6 週間以上前に、又はそれより遅い場合には、当該総会
について通知が与えられた時点で届けられなければならない。有効な要請状が受理され次第、香港会社条例 615 条及び 616
条の要件に従い、当社は適切に対処し必要な手配を行う。
・ 株主による取締役の指名及び選出
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株主が総会における取締役選出に対して退任取締役以外に候補を指名する場合、当該株主は当社の登記上の所在地事
務所（香港、ガーデンロード１、バンク・オブ・チャイナ・タワー 53 階）に以下の通知の提出を行うものとする： (a) 総
会に出席しかかる候補者の指名という自身の意思を投票する正式の資格を持つ当該株主（指名された候補者本人を除
く。） の署名のある書面による通知、 (b) 被選出の意思を示す、候補者の署名のある通知状、及び (c) その実施における当
社の経費を賄うために合理的に十分な金額。
上記の通知状の提出期間は最短で 7 日間となる。当該期間の開始日は、かかる通知状提出の対象となる株主総会召集通
知の発信日より後の日付となり、総会開催日の 7 日前までに終了する。有効な要請状及び上記の金額が受理され次第、定
款 99 条の要件に従い、当社は適切に対処し必要な手配を行う。
株主は、当社の登記上の所在地事務所 （ 香港、ガーデンロード１、バンク・オブ・チャイナ・タワー 53 階）に 郵便に
て、又は investor_relations@bochk.com に電子メールにて、会社秘書役宛に取締役会に対する質問状を送ることができ
る。会社秘書役は受領した質問状を、そこで言及される該当分野を担当する適切な取締役会構成員又は取締役会委員会委
員長にさらなる対応を指示する。会社秘書役の補佐の下、取締役会はかかる質問状全てが適時に対応されることを保証す
るため、最大限の努力を行う。
情報開示
当社は適時かつ効果的な情報開示の重要性を認識しており、証券先物条例、上場規則及び香港金融管理局の 監督方針
マニュアルを含む適用ある法規制及び規制要件の要求に沿った情報開示（内部情報を含む。）の方針、手続及び管理手段
を策定している。
当グループは、全ての部門 / ユニットが内部情報を迅速に把握及び上申できるよう、当グループの業務の監督及び企業
発展のための管理措置を定めている。経営委員会は、提出された関連情報を検討し、その影響の可能性を評価し、その結
果を取締役会に報告する。取締役会は、内部情報であるか否か、及び関連する状況及び規制上の要件を考慮後、内部情報
を開示することが適切か否かを評価及び決定する。
情報開示方針は、関係部署 / ユニットの長に対し、上申の過程で知る必要のある限られた人数の従業員に内部情報への
アクセスを制限すると共に、随時上級管理職による閲覧のために内部情報を知る従業員のリストを維持することを求めて
いる。当グループでは、確実にこれらの従業員が同方針に基づくその義務に十分に精通できるよう、情報開示方針に関す
る定期的なリフレッシュ研修を実施している。
情報開示方針の詳細は当社ウェブサイト（ www.bochk.com ）に掲載されている。
財務諸表に関する取締役の責任表明
以下の表明は監査報告書（本書に写しが添付される）に記載されている監査人の責任表明と併せて読むべきものであ
る。本表明の目的は、財務諸表に関連する取締役と監査人の責任を区別することである。
香港会社条例により取締役は当社の状況を真実に基づき公平に表すように財務諸表を作成することが求められてい
る。財務諸表は、当社が不適切と見なされる場合を除き継続事業体として作成しなければならない。取締役は、いつでも
当社が保管する会計記録が如何なる時も合理的かつ正確に当社の財務状況を反映すること、及び財務諸表が香港会社条例
の規定を遵守することを保証する責任を負う。取締役はまた、当グループの資産を保護し詐欺的行為やその他の不正行為
を回避、検出するために合理的かつ実践的な手順をとる義務を負っている。
取締役は、財務諸表を作成するにあたり、当社は合理的な判断と見積りによりサポートされ、常に適用されている適
切な会計方針を採用しており、また適用すべき全ての会計基準が満たされていると考えている。
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（ 2 ）【役員の状況】
取締役会及び上級管理職
当年度中及び本書提出日現在の当社取締役及び上級管理職に関する情報は以下に記載の通りである。
男性 12 名 女性 5 名（役員の女性比率： 29.4 ％）
氏 名 年齢 役 職 名
取締役
LIU Liange （リウ・リエング） 氏 61 会長兼非執行取締役
(注 1)
55 副会長兼非執行取締役
LIU Jin （リウ・ジン）氏
SUN Yu （スン・ユ）氏 49 副会長兼社長
LIN Jingzhen （リン・ジンジェン）氏 57 非執行取締役
CHENG Eva （チョン・エヴァ）氏 62 独立非執行取締役
CHOI Koon Shum （チョイ・クーン・シュム）氏 64 独立非執行取締役
(注 2)
61 独立非執行取締役
FUNG Yuen Mei Anita （フン・ユエン・メイ・アニータ）氏
KOH Beng Seng （コー・ボン・ソン）氏 71 独立非執行取締役
(注 4)
69 独立非執行取締役
LAW Yee Kwan Quinn （ロー・イー・クワン・クイン）氏
TUNG Savio Wai-Hok （トゥン・サヴィオ・ワイ - ホク）氏 71 独立非執行取締役
上級管理職
JIANG Xin( ジャン・シン ) 氏 51 最高リスク責任者
WANG Qi （ワン・チー）氏 59 副社長
YUAN Shu （ユアン・シュー）氏 59 副社長
ZHONG Xiangqun （ジョン・シャンチュン）氏 52 最高業務責任者
WANG Bing （ワン・ビン）氏 50 副社長
KUNG Yeung Ann Yun Chi 59 副社長
（クン・イェン・アン・ユン・チー）氏
(注 3)
49 最高財務責任者
LIU Chenggang （リウ・チョンガン）氏
注記 1： LIU Jin 氏は、 2021 年 8月 3日付で副会長兼非執行取締役に任命された。
注記 2： FUNG Yuen Mei Anita 氏は、 2022 年 3月 3日付で独立非執行取締役に任命された。
注記 3： LIU Chenggang 氏は、 2022 年 3月 8日付で最高財務責任者に任命された。
注記 4： SUI Yang 氏は、 2022 年 1月 26 日付で最高財務責任者を辞任した。
これらの取締役及び上級管理職の構成員は、下記の通り、その様々な委員会における地位を含め、バンク・オブ・チャ
イナ香港において同様の地位に就いている。
当社取締役会は、監査委員会、指名・報酬委員会、リスク委員会、戦略・予算委員会及び持続可能性委員会から成るそ
の委員会を通じて、当社の業務に関する指針及び戦略的方針を与え、また当社の業務を監督している。
通常業務は上級管理職により指揮される。上級管理職は、社長、最高リスク責任者、副社長、最高業務責任者及び最
高財務責任者から構成されている。上級管理職は香港及び／又は中国本土の銀行業界において相当の経験を有している。
上級管理職はバンク・オブ・チャイナ香港から報酬を受けており、当グループの最善の利益のため行動するよう奨励され
ている。当社の上級管理職の上記の構成員の全員が、通常は香港に居住している。
各非執行取締役の任期は、約３年間である。取締役会の任期の詳細については、上記「３ コーポレート・ガバナンス
の状況等 －（１）－ 取締役会－取締役会の構成及び任期」を参照のこと。
取 締 役
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役職及び氏名 略歴及び年齢
会長 (61 歳 )
LIU Liange 氏 取締役会への任命： 現在、当社及び BOCHK の取締役会会長兼非執行取締役兼戦略・予
算委員会の議長。同氏は 2018 年 12 月より当社及び BOCHK の非執行取締役、 2018 年 12 月か
ら 2019 年 7 月まで当社及び BOCHK の副会長及び 2019 年 7 月より当社及び BOCHK の会長を務め
ている。
役職及び経験 : 同氏は、 2019 年 7 月 5 日より BOC の会長、 2018 年 10 月から 2019 年 7 月まで
BOC の副会長を務めていた。同氏は 2018 年 10 月より BOC の執行取締役、及び 2018 年 8 月か
ら 2019 年 6 月まで BOC の社長を務めていた。同氏はまた、 2018 年 10 月から 2019 年 11 月まで
BOC の上海人民元取引ユニットの社長でもあった。同氏は現在、 BOC (BVI) 及び BOCHKG の
取締役でもある。同氏は、 2018 年に BOC に入社する前は、 2015 年 7 月から 2018 年 6 月まで
中国輸出入銀行の副会長兼社長を務めた。同氏は、 2007 年 3 月から 2015 年 2 月まで中国輸
出入銀行の副社長を務めた。同氏はまた、 2007 年 9 月から 2015 年 2 月までアフリカ輸出入
銀行の取締役、 2009 年 3 月から 2015 年 6 月まで中 - イタリア・マンダリン・キャピタル・
パートナーズ監督者理事会の会長、及び 2014 年 3 月から 2015 年 5 月まで地域信用保証及び
投資ファシリティ（アジア）の取締役会の会長を務めた。同氏は長年中国人民銀行に勤
務し、中国人民銀行国際部副部長、中国人民銀行福州中央出張所長、中国為替管理局福
建支部の取締役、中国人民銀行マネーロンダリング対策局長（安全保障局）を務めた。
資格 : 同氏は中国人民銀行大学院を卒業し、 1987 年に経済学の修士号を取得。同氏は
シニア・エコノミストの肩書を有している。
スキル及び専門知識： 同氏は事業管理・戦略、コーポレート・ガバナンス、投資管
理及びマネー・ロンダリング防止に関する豊富な知識を持ち、銀行及び金融サービス業
界において幅広い経験を有している。
副会長 (55 歳 )
LIU Jin 氏 取締役会への任命： 2021 年 8 月より当社及び BOCHK の副会長兼非執行取締役。同氏
は、指名・報酬委員会並びに戦略・予算委員会の各委員である。
役職及び経験 : 同氏は 2021 年 6 月から BOC の副会長兼執行取締役、また 2021 年 4 月から
BOC の社長を務めている。同氏は現在、 BOC (BVI) 及び BOCHKG の取締役を務めている。
2021 年に BOC に入る前は、同氏は 2019 年 12 月から 2021 年 3 月までチャイナ・エバーブラ
イト・グループ・リミテッドの執行取締役、 2020 年 1 月から 2021 年 3 月までチャイナ・エ
バーブライト・バンク・カンパニー・リミテッド ( 「チャイナ・エバー・ブライト・バ
ンク」 ) の社長、また 2020 年 3 月から 2021 年 3 月までチャイナ・エバー・ブライト・バン
クの執行取締役を務めた。同氏は、 2018 年 9 月から 2019 年 11 月まで中国開発銀行の執行
副社長を務めた。同氏は長年中国工業商業銀行 ( 「 ICBC 」 ) に務め、続けて山東副支店
長、中国工業商業銀行 ( 欧州 ) S.A. の副会長、執行取締役、支店長、 ICBC フランクフル
ト支店長、 ICBC 本店投資銀行部長、及び ICBC 江蘇支店長を務めた。
資格 : 同氏は 1993 年に山東大学を卒業し、文学修士号を取得した。同氏はシニア・エ
コノミストの称号を有している。
スキル及び専門知識： 同氏は事業管理・戦略、コーポレート・ガバナンス及び投資
管理に関する専門知識を持ち、銀行及び金融サービス業界において豊富な経験を有して
いる。
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役職及び氏名 略歴及び年齢
副会長兼社長 (49 歳 )
SUN Yu 氏 取締役会への任命： 2020 年 12 月より当社及び BOCHK の副会長兼社長に再指名。同氏
は、各戦略・予算委員会及び持続可能性委員会の委員である。再指名前は、同氏は 2020
年 3 月から 2020 年 12 月まで当社及び BOCHK の非執行取締役及びリスク委員会の委員であっ
た。
役職及び経験 : 同氏は 1998 年に BOC に入社した。同氏は、 2019 年 2 月から 2020 年 12 月ま
で BOC の執行副社長を務め、また 2018 年 9 月から 2019 年 2 月まで BOC の海外事業統括責任者
を務めた。同氏は、 2015 年 3 月から 2018 年 11 月まで BOC のロンドン支店の支店長、バン
ク・オブ・チャイナ (UK) リミテッドの最高経営責任者を務め、また 2015 年 12 月から 2018
年 11 月まで BOC のロンドン・トレーディング・センターのセンター長を務めた。同氏は、
以前は、国際金融市場部のディレクター、金融市場ユニット ( 顧客事業 ) のディレク
ター、金融市場ユニット ( 証券投資 ) のディレクター及び BOC の上海支店の副支店長を務め
ていた。同氏は、 2012 年 7 月から 2014 年 12 月まで BOCHK のグローバル・マーケッツ部長を
務めた。同氏はまた、 2015 年 3 月から 2021 年 9 月までバンク・オブ・チャイナ (UK) リミ
テッドの取締役、 2018 年 12 月から 2021 年 9 月までバンク・オブ・チャイナ (UK) リミテッド
の取締役会会長、 2019 年 2 月から 2020 年 12 月まで BOC アビエーション・リミテッド ( 香港に
上場 ) 取締役会会長、 2019 年 11 月から 2020 年 12 月まで BOC の上海人民元トレーディング・
ユニットの社長及び 2019 年 12 月から 2020 年 12 月まで BOC の北京支店の支店長を兼務してい
る。
同氏は、 2020 年 12 月より BOC インシュランス（インターナショナル）ホールディングス・
カンパニー・リミテッドの会長及び BOCHK 慈善団体の会長及び 2021 年 2 月より BOC ライフの
会長を含む当グループのその他の役職を務めている。
同氏は香港において多くの公職に就いている。同氏は、香港中国銀行協会の会長、並び
に為替資金諮問委員会、銀行諮問委員会、トレジャリー・マーケット組合協議会、香港
一般商工会議所委員会、香港貿易開発協議会の一帯一路及び広域湾岸地域委員会、並び
にホンコン・エクスチェンジ・アンド・クリアリング・リミテッドのリスク管理委員会
に属している。同氏はまた、ホンコン・ノート・プリンティング・リミテッドの取締
役、並びに香港銀行家協会の副会長でもある。
資格 : 同氏は 1998 年に南開大学を卒業し、経済学の修士号を取得した。
スキル及び専門知識： 同氏は事業管理・戦略、コーポレート・ガバナンス、リスク管
理及び持続可能な開発に豊富な知識を持ち、銀行及び金融サービス業界において幅広い
経験を有している。
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役職及び氏名 略歴及び年齢
非執行取締役 (57 歳 )
LIN Jingzhen 氏 取締役会への任命 : 2018 年 8 月に当社及び BOCHK の非執行取締役に就任。同氏は戦略・
予算委員会の委員である。
役職及び経験 : 同氏は 2018 年 3 月より BOC の執行副社長、 2019 年 2 月より BOC の執行取締
役を務めている。同氏は 1987 年に BOC に入社した。同氏は 2015 年 5 月から 2018 年 1 月まで
当社及び BOCHK の副社長を務めた。同氏は、 2014 年 3 月から 2015 年 5 月まで企業向け銀行
部門のジェネラル・マネージャーを務め、 2010 年 10 月から 2014 年 3 月まで BOC の企業向け
銀行業務ユニットのジェネラル・マネージャー（企業向け銀行業務）を歴任した。同氏
は、以前は BCO の企業向け法人業務部門のジェネラル・マネージャー及び BOC の企業向け
銀行ユニットの副ジェネラル・マネージャーを務めていた。同氏は、 2018 年 4 月から
2020 年 12 月まで BOCI の取締役会会長を務めていた。同氏は 2018 年 5 月より BOC インターナ
ショナル ( チャイナ ) カンパニー・リミテッド（上海に上場）の会長を務めている。
資格 : 同氏は、 1987 年に厦門大学を卒業し、 2000 年に厦門大学の経営学修士号を取得
した。
スキル及び専門知識： 同氏は事業管理・戦略、コーポレート・ガバナンス、リスク
管理及び投資管理に関する幅広い専門知識を持ち、銀行業界において豊富な経験を有し
ている。
独立非執行取締役 (62 歳 )
CHENG Eva 氏 取締役会への任命： 2014 年 10 月に当社及びバンク・オブ・チャイナ香港の独立非執
行取締役に就任。同氏は、持続可能性委員会の議長並びに監査委員会及び戦略・予算委
員会の各委員会の委員である。
役職及び経験： 同氏は香港特別行政区（「 HKSAR 」）の政府運輸及房屋局の前局長。
1983 年 8 月より香港政府の政務職に就き、種々の部局において、経済発展及労工局常任
秘書長をはじめとした様々な役職を歴任した。同氏は 2012 年 6 月 30 日に HKSAR を退職し
た。
資格： 同氏は、香港大学より社会科学の学士号を取得している。
スキル及び専門知識： 同氏は事業戦略、コーポレート・ガバナンス、持続可能な開
発並びに環境、社会及びガバナンスに幅広い知識を有している。
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役職及び氏名 略歴及び年齢
独立非執行取締役 (64 歳 )
CHOI Koon Shum 氏 取締役会への任命： 2016 年 6 月に当社及びバンク・オブ・チャイナ香港の独立非執行
取締役に就任。同氏は、指名・報酬委員会の議長並びに戦略・予算委員会及び持続可能
性委員会の各委員会の委員である。
役職及び経験： サンワー・グループ、サンワ－・インターナショナル・リミテッド
（ 2021 年 6 月 14 日にトロントで上場廃止となり、民営化された。）、サンワー・キング
スウェイ・キャピタル・ホールディングス・リミテッド（香港で上場）及びベトナムの
ビナ・キャピタルの会長。フイシェン・アセット・マネジメント・リミテッドの独立非
執行取締役でもあり、フイシェン・リアル・エステート・インベストメント・トラスト
（香港で上場）のマネジャーである。食品産業、不動産開発、国際貿易、並びにテクノ
ロジー及び金融関連ビジネスにおいて幅広い経験を持つ。
同氏は中華人民共和国政治協商会議の常務委員である。同氏は香港政府の栄典制度に
おける最高栄誉である大紫荊勲章を受賞している。同氏は、以下を含む数々の公の役職
を兼任している。香港中華総商会の永久名誉社長、広東 - 香港 - マカオ湾岸地域企業家連
合の会長、 HKSAR 政府の専門サービス向上支援制度審査委員会会長、中国科学院の院長
付経済顧問、香港科院の創設後援者兼院長付上級顧問、中国海外友好協会のエグゼク
ティブ・ディレクター、香港貿易発展局の評議員、香港ベトナム商会の創設会長、香
港・韓国商会の創設会長、中国香港・イスラエル技術協力促進センター会長、ミシガン
州立大学米国・中国教育卓越性研究センター所長など。同氏は、復旦大学、南京大学及
び香港理工大学を含む、数々の大学の役員又は理事を務めている。
資格 : 同氏は、 2005 年に米国のミシガン州立大学から人文学名誉博士を授与された。
同氏は、 2007 年に香港工科大学のフェローに就任した。また、同氏は 2009 年に英国のグ
ラモルガン大学より名誉教授、 2011 年に香港の嶺南大学より社会科学名誉博士、 2013 年
にハノイのベトナム国立大学より名誉博士、 2014 年に英国のデ・モントフォート大学よ
り名誉経営学博士及び 2015 年にカナダのアルバータ大学より名誉法学博士を授与され、
2020 年に香港都会大学 ( 旧香港公開大学 ) より名誉経営学博士号を授与された。
スキル及び専門知識： 同氏は事業管理・戦略、コーポレート・ガバナンス、人事管
理及び持続可能な開発に豊富なエクスポージャーを有している。
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バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド(E05924)
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役職及び氏名 略歴及び年齢
独立非執行取締役 (61 歳 )
FUNG Yuen Mei 取締役会への任命 : 2022 年 3 月に当社及び BOCHK の独立非執行取締役に就任。同氏は、
Anita 氏 監査委員会、リスク委員会、戦略・予算委員会並びに持続可能性委員会の各委員を務め
ている。
役職及び経験 : 同氏は、 2008 年 5 月から 2015 年 2 月まで HSBC ホールディングス・ピー
エルシーのグループ本部長、 2011 年 9 月から 2015 年 2 月まで香港上海銀行 ( 「 HSBC 」 ) の香
港地域の最高経営責任者を務めた。
同氏は、 HSBC の財務部長兼アジア太平洋グローバル・マーケット部長、アジア太平洋グ
ローバル・バンキング及びマーケット部長を歴任した。
同氏は現在、ハン・ルン・プロパティーズ・リミテッド ( 香港に上場 ) の独立非執行取締
役、ザ・ホンコン・モーゲージ・コーポレーション・リミテッドの非執行取締役、 M プ
ラス・ミュージアム・リミテッドの取締役、司法人員推薦委員会の委員、博物館諮問委
員会の委員及び香港科技大学の顧問委員会の委員である。同氏は以前、中国建設銀行並
びにホンコン・エクスチェンジ・アンド・クリアリング・リミテッドの独立非執行取締
役、交通銀行及び恒生銀行 ( すべての企業が香港で上場 ) の非執行取締役を含む、複数の
上場企業において取締役を務めた。
同氏はまた、香港空港局理事会の独立非執行理事、香港住宅委員会の非公式理事、西九
龍文化区管理局の理事を含む、多くの公的な役職を歴任した。
資格 : 同氏は、 1983 年に香港大学より社会科学の学士号を取得し、 1995 年にオースト
ラリアのマッコーリー大学より応用ファイナンスの修士号を取得した。
スキル及び専門知識： 同氏は事業管理・戦略、資本市場、コーポレート・ガバナン
ス、リスク管理及び持続可能な開発に豊富な知識を持ち、銀行及び金融サービス業界に
おいて幅広い経験を有している。
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役職及び氏名 略歴及び年齢
独立非執行取締役 (71 歳 )
KOH Beng Seng 氏 取締役会への任命： 2006 年 3 月に当社及びバンク・オブ・チャイナ香港の独立非執行
取締役に就任。同氏は、リスク委員会の議長並びに各監査委員会、指名・報酬委員会及
び持続可能性委員会の委員である。
役職及び経験： 現在、シンガポールを拠点とする事業及び経営コンサルタント会社で
あるオクタゴン・アドバイザーズ・プライベート・リミテッドの最高経営責任者。また
同氏は、シンガポール上場企業である、グレート・イースタン・ホールディングス・リ
ミテッドの非執行会長及びオーバーシー - チャイニーズ・バンキング・コーポレーショ
ン・リミテッドの非執行取締役である。以前は、同氏はシン・ハン・インターナショナ
ル・フィナンシャル・サービシズ・リミテッド及びホン・スイ・セン・エンドーメント
CLG リミテッドの取締役でもあった。同氏はまた、シンガポール上場企業であるシンガ
ポール・テクノロジーズ・エンジニアリング・リミテッド及びユナイテッド・エンジニ
アーズ・リミテッドの独立非執行取締役でもあった。 2000 年から 2004 年までは大華銀行
（ United Overseas Bank( 以下「 UOB 」という。 ) ）の副社長を務め、また同社の執行委
員会の委員であった。当該期間中、 UOB の業務運営、販売チャンネル、情報技術、法人
向けサービス、リスク管理及びコンプライアンス業務を担当した。その前は、シンガ
ポール金融管理局に 24 年以上務め、銀行業務及び金融機関グループの長官代理の立場か
ら、シンガポールの金融業の発展及び監督に大きく貢献した。また、チャータード・セ
ミコンダクター・マニュファクチュアリングの取締役及び国際通貨基金の非常勤顧問を
務めている。
資格 : 同氏はシンガポールの南洋大学商学士及び米国コロンビア大学の経営学修士号
を取得している。
スキル及び専門知識： 同氏は事業管理・戦略、コーポレート・ガバナンス、リスク管
理及び持続可能な開発を網羅する銀行業界において豊富な経験を有している。
独立非執行取締役 (69 歳 )
LAW Yee Kwan Quinn 取締役会への任命 : 2019 年 3 月に当社及び BOCHK の独立非執行取締役に就任。同氏は、
各監査委員会、リスク委員会及び持続可能性委員会の委員である。
氏
役職及び経験 : 同氏は、現在、香港科技大学 (HKUST) の理事会メンバー、 HKUST( 広州 )
の所管理事会メンバー、及び香港会計士協会のアドバイザーを務めている。同氏は、以
前は香港科技大学の評議員兼監査委員会議長兼常任委員を務め、企業統治委員会、経済
委員会の専門会計士、専門的行動委員会、倫理委員会を含む、香港公認会計士協会（以
下「香港公認会計士協会」という）の多くの委員会の委員を務めた。同氏は、過去に香
港及び海外の複数の上場企業で取締役を務めた経験がある。同氏は、以前は都市再生機
構の副会長兼マネージング・ディレクター、またザ・ウォーフ（ホールディングス）リ
ミテッドの取締役でもあった。同氏は現在、天津銀行、 ENN エナジー・ホールディング
ス・リミテッド及び、 HKBN リミテッドの独立非執行取締役であり、これらの会社は全
て、香港証券取引所に上場している。
資格 : 同氏は公認会計士であり、また HKICPA のフェロー会員、公認会計士協会のフェ
ロー会員、公認秘書役及び公認ガバナンス協会の準会員でもある。同氏は HKUST の名誉
会員である。
スキル及び専門知識： 同氏は会計・ファイナンス、銀行、事業戦略、コーポレート・
ガバナンス、リスク管理及び持続可能な開発に豊富な経験を有している。
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役職及び氏名 略歴及び年齢
独立非執行取締役 (71 歳 )
TUNG Savio Wai-Hok 取締役会への任命： 2005 年 12 月に当社及びバンク・オブ・チャイナ香港の独立非執行
取締役に就任。同氏は、監査委員会の議長並びに指名・報酬委員会、リスク委員会、戦
氏
略・予算委員会及び持続可能性委員会の各委員会の委員を務めている。
役職及び経験： 同氏は現在、インベストコープ・テクノロジー・パートナーズの会長
及びインベストコープの上級顧問である。同氏は以前、インベストコープの最高投資責
任者を務めており、インベストコープの設立パートナーの 1 人である。同氏は、 2020 年 6
月に辞任するまで、 NASDAQ に以前上場していた企業であるテック・データ・コーポレー
ションの取締役及び報酬委員会の委員を務めていた。 1984 年にインベストコープに入社
する前、チェース・マンハッタン銀行で約 11 年間勤め、そのフロント、ミドル及びバッ
クオフィスにて種々な役職に就き、同銀行のニューヨーク、バーレーン、アブダビ及び
ロンドン事務所で勤務した。多数のインベストコープのポートフォリオ会社（クラブ・
カー、サークル K 、サックス・フィフス・アベニュー、シモンズ・マットレス、ス
ター・マーケット及びストラタス・コンピューターを含む。）の取締役を務めた。ま
た、コロンビア大学が提携するアーロン・ダイアモンド・エイズ研究センターの取締役
及び財務担当である。同氏は、コロンビア大学医療センター訪問者理事会の名誉理事兼
委員を務めている。
資格 : 同氏はニューヨークのコロンビア大学で化学工学の理学士を保有している。
スキル及び専門知識： 同氏はコーポレート・ガバナンス、財務管理、リスク管理及び
持続可能な開発を含む銀行及び金融サービス業界において幅広い経験を有している。
上級管理職
役職及び氏名 略歴及び年齢
(51 歳 )
最高リスク責任者
JIANG 氏は 2021 年に当グループに加わった。同氏は、当グループの最高リスク責任者であ
JIANG Xin 氏
り、当グループ全体のリスク統制及び管理、並びに BOCHK のリスク管理部門を監督してい
る。同氏は BOC ライフの取締役でもある。当グループに加わる前は、同氏は BOC の法人銀
行業務部長を務めていた。同氏は 1993 年に BOC に入社し、 e- バンキング部長、チャンネル
管理部長、及び青島支店長を含む各種役職を歴任して来た。同氏は、確固たる専門知識
と国際的なビジョンを備え、金融業界において豊富な経験を有している。同氏は中山大
学を卒業し、国際貿易の学士号を取得した。同氏はまた、英国ケンブリッジ大学で経営
学修士号を取得している。
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役職及び氏名 略歴及び年齢
(59 歳 )
副社長
WANG 氏は、 2018 年に当グループに加わった。同氏は、当グループの副社長であり、法
WANG Qi 氏
務＆コンプライアンス及びオペレーショナル・リスク管理部門、並びに金融犯罪コンプ
ライアンス部門を統括している。同氏は、当グループに入社する前は、 BOC の内部統
制、法務及びコンプライアンス部門のジェネラル・マネージャー兼最高コンプライアン
ス責任者を務めていた。同氏は、 1984 年に BOC に入社して以来、 BOC で様々なポジション
を歴任している。同氏は、法務部門のジェネラル・マネージャー、法務コンプライアン
ス部門のジェネラル・マネージャー、リスク管理部門（オペレーショナル・リスク管
理）のジェネラル・マネージャー及び内部統制部門のジェネラル・マネージャー等を務
めて来た。同氏は、国際的なビジョン、確固とした法律及びコンプライアンスの専門家
としての経歴、並びに豊富な経営経験を有している。同氏は北京大学を卒業し、経済法
の学士号を取得した。同氏はまた、イタリアのパビア大学で銀行及び金融開発の修士号
を取得した。同氏は CIETAC( 中国国際経済及び貿易仲裁委員会 ) の仲裁人である。
(59 歳 )
副社長
YUAN 氏は 2015 年に当グループに加わった。同氏は、当グループの副社長であり、グ
YUAN Shu 氏
ローバル市場、投資管理及び資産管理その他の資本市場関連業務を含む金融市場業務を
担当する。同氏は、 BOCHK アセット・マネジメント・リミテッドの会長及び BOC インシュ
ランス（インターナショナル）ホールディングス・カンパニー・リミテッドの取締役を
務めている。 30 年以上にわたる同業界での経験を通じて、豊富な専門知識及び管理職経
験を備える。中国銀行の本社及び複数の海外支店において、様々なポジションから金融
市場業務に携わった。同氏は 1983 年に中国銀行トレーディング部に入行し、その後パリ
支店及び東京支店、さらに中国銀行本社のトレーディング部及びグローバル金融市場部
の役職を歴任した。 2006 年にグローバル金融市場部のディレクター（トレーディング）
に就任し、 2010 年に金融市場ユニットのジェネラル・マネージャー（トレーディング）
に昇格した。 2015 年 11 月に副社長（金融市場）として当グループに入社する前は、 2014
年 12 月から中国銀行香港支店のジェネラル・マネージャーを務めた。同氏は中国人民大
学で国際金融を専攻し、同校を卒業した。
(52 歳 )
最高業務責任者
ZHONG 氏は 2015 年に当グループに加わった。同氏は、 当グループの最高業務責任者で
ZHONG Xiangqun 氏
あり、総合オペレーション部、情報技術部、革新及び最適化センター及び法人サービス
部を監督する。同氏はまた、リヴィ・バンク・リミテッドの会長、 BOC クレジット・
カードの取締役及びホンコン・インターバンク・クリアリング・リミテッドの取締役も
務める。当グループに入社する前は、中国銀行の e ファイナンス部で e ファイナンス事業
開発担当ディレクターを務め、モバイル支払、 e ビジネス、 e ファイナンシング及びビッ
グデータ用アプリケーションを手がけた。 1994 年に中国銀行に入行し、情報技術部、個
人向け銀行業ユニット、カードセンター及び事業刷新・開発部等で管理職を歴任した。
中国銀連の取締役及び全国標準化技術委員会の委員であった。 情報技術及びサーバー・
セキュリティの豊富な専門知識、並びに実践的なビジネス経験を備える。北京大学でソ
フトウェアを専門分野とする情報科学学士号及び応用数学の修士号を取得し、同校を卒
業した。
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役職及び氏名 略歴及び年齢
副社長 (50 歳 )
WANG 氏は 2018 年に当グループに加わった。同氏は、当グループの副社長であり、グ
WANG Bing 氏
ローバル・コーポレート・バンキング部門、商業銀行部門、法人営業部門、取引銀行部
門、保管及び信託サービス、並びに東南アジア事業を監督している。同氏は BOCI －プル
デンシャル・トラスティ並びに BOC グループ・トラスティ・カンパニー・リミテッドの
取締役兼会長である。当グループに入社前は、同氏は BOC 江蘇支店のジェネラル・マ
ネージャーを務めていた。同氏は、 1996 年に BOC に入社して以来、蘇州、寧波及び江蘇
支店を含む様々な機関で管理職を務めて来た。同氏は、江蘇支店の副ジェネラル・マ
ネージャー及び寧波支店のジェネラル・マネージャーなどを歴任した。同氏は、企業向
け銀行業務における十分なプロフェッショナル能力に加え、事業及び経営に関する豊富
な経験を有する革新的な人材である。同氏は、蘇州大学を卒業し、英語で学士号及び修
士号を取得した。同氏はまた、英国のロンドン市立大学で経営学の修士号を取得した。
(59 歳 )
副社長
KUNG 氏は 2007 年に当グループに加わった。同氏は、当グループの副社長であり、個人
KUNG Yeung Ann Yun Chi 氏
向け銀行業務及び資産管理部、個人向けデジタル銀行商品部、プライベート・バンキン
グ、 BOC クレジット・カード、個人銀行業務リスク及び総合管理部並びに BOC ライフを担
当している。また、 BOC クレジット・カードの会長、 BOC インシュランス（インターナ
ショナル）ホールディングス・カンパニー・リミテッド及び BOC ライフの取締役も務め
ている。同氏は、 2007 年 8 月にバンク・オブ・チャイナ香港に経路管理部長として入行
した。同氏は、 2011 年 4 月に個人向け銀行業務部部長に就任、その後 2015 年 3 月に現在の
職位に昇進した。入行以前は、同氏はスタンダード・チャータード・バンク（香港）リ
ミテッドにおいて各種上級職を歴任した。銀行業界において 30 年を超える経験を有し、
個人向け銀行業における幅広い知識と金融サービス業における優れた経歴を有する。同
氏は、米国の南カリフォルニア大学を卒業し、同大学において経営学の理学士号（会計
学専攻）を取得している。事業に加え、同氏は香港の事業コミュニティ及び公共サービ
スにおいて積極的な役割を果たしている。
(49 歳 )
最高財務責任者
LIU 氏は 2022 年に当グループに加わった。同氏は、当グループの最高財務責任者であ
LIU Chenggang 氏
り、財務管理部、一般会計・会計政策部、資金並びに経済＆戦略企画部を統括してい
る。当グループに加わる前は、同氏は BOC の株式投資及び子会社管理部の部長を務めて
いた。同氏は 1994 年 7 月に BOC に入社し、財務管理、資金及びグローバル市場の責務にお
いて確かな経験を有している。同氏は、 2016 年 6 月から 2018 年 10 月まで BOC の財務管理部
長、 2014 年 3 月から 2016 年 6 月まで BOC の財務部長を務めた。同氏は、親銀行の本店、澳
門支店及び深圳支店の各部署に勤務し、 BOC の本支店、国内及び海外子会社の事業内容
の理解を深めた。同氏は、事業の見識と革新の意識を備えた、強力な組織力、コミュニ
ケーション力及び実行力を有している。同氏は、清華大学五道口金融学院より国際金融
の修士号及びオーストラリアのマッコーリー大学より応用ファイナンスの修士号を取得
している。同氏は、中国の上級会計士及び米国の認定証券アナリスト (CFA) の資格を取
得している。
取締役の役務提供契約
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2022 年度の年次株主総会において再選候補となっている取締役はいずれも、当社 又はそのいずれかの子会社との間に、
取締役を 1 年以内に解任する場合は雇用企業が賠償金（通常の法定賠償金を除く。）を支払う必要がある旨を定めた役務
提供契約を結んでいない。
取引、取決め又は契約における取締役の利害関係
当該年度末 又は当該年度中のいずれかの時点において、当社、その持ち株会社、又はその子会社もしくは兄弟会社が当
事者となっており、かつ取締役又はその関係主体が直接的又は間接的に重大な利害関係を有する、当グループの事業に関
する取引、取決め又は契約は存在しなかった。
競合事業における取締役の利害関係
リウ・リエング氏、リウ・ジン氏及びリン・ジンジョン氏は、中国銀行の執行取締役である ( リウ・ジン氏は 2021 年 6 月
16 日より当該役職に任命された ) 。当年度中、ワン・ジアン氏は中国銀行の執行取締役であった。
中国銀行は、中華人民共和国の法律に基づき設立された有限責任制の株式制商業銀行であり、世界各地におけるその関
連会社を通じて幅広い商業銀行業とその他金融サービスを提供している。当グループの事業活動の一部は、中国銀行及び
その関連会社の事業活動と重複及び / 又はこれを補完するものである。中国銀行又はその関連会社が当グループと競合す
る場合、当グループの利益は、優れた企業統治実務と独立非執行取締役の関与によって十分に保護されるものと取締役ら
は確信している。
さらに、取締役会は、適用法令によって許容される場合を除き、実質株主若しくは取締役が取締役会での付議事項に利
益相反を有する場合、当該付議事項は書面決議をもって取り扱われることはなく、当該付議事項に重大な利害関係を有さ
ない独立非執行取締役が出席する取締役会を開催し当該事項について審議する旨を明白に定めている。
上記開示事項を除き、いずれの取締役も、当グループの事業と直接 又は間接的に競合する又は競合する可能性のある、
当グループの関与のない別事業について、利害関係を有さない。
取締役の株式取得権
当年度のいずれの時点においても、当社、その持株会社、 又はその子会社もしくは兄弟会社は、取締役が当社又はその
他企業の株式又は債券を取得することで当該取締役に利益が生じることになる契約の当事者となっていない。
株式、原株式及び社債に対する取締役及び社長の持分
2021 年 12 月 31 日現在、取締役、社長及びそれらの各関係者の、証券先物条例第 352 条に従い当社によって記録すること
が義務付けられている登録簿に記録されている通りの、 又は、上場規則付表 10 に記載のある 上場発行体の取締役による証
券取引に関するモデル・コード （以下「 モデル・コード 」という。） に従い当社及び香港証券取引所に別途通知されてい
る通りの、 当社もしくは（証券先物条例第 15 部の意味の範囲内での）その関連会社の株式、原株式もしくは社債に対する
持分 及びショート・ポジションは以下に記載される。
当社：
株式数 / 保有原株式
発行済株式総数に占める
取締役の名前 個人の持分 家族の持分 法人の持分 合計 おおよその割合（％）
TUNG Savio Wai-
(1)
(2)
- - 40,000
40,000
0.00 ％
Hok 氏
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注：
(1) TUNG Savio Wai-Hok 氏は、 2,000 の当社の米国預託株式を保有しており、各米国預託株式は当社の普通株式 20 株を表章する。
(2) 当該株式は、当社の発行済株式総数の約 0.0004 ％を表章する。
当社の関連会社：
中国銀行（ H 株式）
株式数 / 保有原株式
発行済 H 株式合計に占める
取締役の名前 個人の持分 家族の持分 法人の持分 合計 おおよその割合（％）
(1) (1)
10,000 - - 10,000
SUN Yu 氏 0.00 ％
(2) (3)
4,000,000 5,160,000
CHOI Koon Shum 氏
40,000 1,120,000
0.01 ％
注：
(1) SUN Yu 氏により保有される当該株式は、 BOC の H株式の発行済株式総数の約 0.00001 ％を表章する。
(2) 当該株式は、 CHOI Koon Shum 氏の配偶者により保有されている。
(3) CHOI Koon Shum 氏は、証券先物条例により、 Choi Koon Shum エデュケーション・ファンデーション・リミテッドを通じて保有
される 1,120,000 株における持分を有するとみなされる。
上記記載の持分は全てロング・ポジションであった。上記に開示されたもの以外は、 2021 年 12 月 31 日現在、いかなる取
締役、社長及びそれらの各関係者も、証券先物条例第 352 条に従い当社によって記録することが義務付けられている登録
簿に記録されている通り、当社もしくは（証券先物条例第 15 部の意味の範囲内での）その関連会社の株式、原株式もしく
は社債に対する持分 又はショート・ポジションを有していない。
取締役及び役員の報酬については、「 第６－１ 財務諸表」に対する注記 21 「取締役、上級管理職及び主要な従業員の
報酬」を参照のこと。また、前述の「第１ 本国における法制等の概要、１ 会社制度等の概要、（１）提出会社の属する
国・州等における会社制度－ 1.1.1 会社条例」も参照のこと。
（ 3 ）【監査の状況】
監査委員会の活動及び内部監査については、上記「３ . コーポレート・ガバナンスの状況等、 (1) コーポレート・ガバナ
ンスの概要」を参照のこと。
当社の財務諸表は監査法人によって監査されている。当該監査法人の詳細は以下のとおりである。
i) 監査法人の名称
プライスウォーターハウス・クーパース
ii) 当社の財務諸表について連続して監査関連業務を行っている期間
2021 年 12 月 31 日に終了した年度より 1 年間
iii) 業務を執行した公認会計士の氏名
ラム・ハン
iv) 監査業務に係る補助者の構成
プライスウォーターハウス・クーパースの監査チームは、公認会計士 47 名及びその他の個人 32 名の 79 名の人員を有して
いる。監査チームは、慣習上適切な補助者の構成を有している。
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当社が当該監査法人を選定した理由については、上記「３ . コーポレート・ガバナンスの状況等、 (1) コーポレート・ガ
バナンスの概要－社外監査人」を参照のこと。
監査報酬の内容等
外国監査公認会計士等に対する報酬の内容
（百万香港ドル（百万円））
2020 年 2021 年
監査証明業務 非監査業務 監査証明業務 非監査業務
に基づく報酬 に基づく報酬 に基づく報酬 に基づく報酬
29 15 25 11
当グループ
(476) (246) (411) (181)
- - - -
当 社
(-) (-) (-) (-)
29 15 25 11
計
(476) (246) (411) (181)
上記「３ . コーポレート・ガバナンスの状況等、 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」も参照のこと。
その他重要な報酬の内容
該当なし。
外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
上記「３ . コーポレート・ガバナンスの状況等、 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」を参照のこと。
監査報酬の決定方針
上記「３ . コーポレート・ガバナンスの状況等、 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」を参照のこと。
（ 4 ）【役員の報酬等】
該当なし。
（ 5 ）【株式の保有状況】
該当なし。
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第６【経理の状況】
a. バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド（以下「当社」という。）は、年次報告書において
連結財務諸表の開示を行っている。本書記載の当社の連結財務諸表の原文（英文）は、当社が香港において公表し
た、香港において一般に公正妥当と認められている会計原則及び法規に準拠して作成されたものである。なお、日本
文の連結財務諸表はこれを日本語に翻訳したものであり、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」
（昭和 38 年大蔵省令第 59 号、以下「財務諸表等規則」という。）第 131 条第 1 項の規定の適用を受けている。
b. 本書記載の当社の 2020 年及び 2021 年 12 月 31 日に終了した事業年度の連結財務諸表は、当社の本国における独立監査
人であり、外国監査法人等（公認会計士法（昭和 23 年法律第 103 号）第 1 条の 3 第 7 項に規定される外国監査法人等をい
う。）であるアーンスト・アンド・ヤング香港及びプライスウォーターハウス・クーパースの監査を受けている。本
書に金融商品取引法第 193 条の 2 第 1 項第 1 号に規定される監査証明に相当すると認められる証明に係るその独立監査人
の監査報告書の写しを添付している。日本文は、これらの原文の監査報告書を日本語に翻訳したものである。
c. 本書記載の当社の連結財務諸表（原文）は、香港ドルで表示されている。「円」で表示されている金額は、財務諸
表等規則第 134 条の規定に基づき、 2022 年 4 月 28 日現在の株式会社三菱 UFJ 銀行公表の対顧客電信直物売買相場の仲値で
ある１香港ドル＝ 16.42 円で換算された金額である。金額は百万円単位（四捨五入）で表示されている。日本円に換算
された金額は、四捨五入のため合計欄の数値が総数と一致しない場合がある。なお、当該円換算額は、単に便宜上の
表示を目的としており、香港ドルで表示された金額が上記レートで円に換算されることを意味するものではない。
d. 当社の採用した企業会計基準、会計処理及び表示方法と日本において一般に公正妥当と認められている企業会計基
準、会計処理及び表示方法との間の主な相違点に関しては、「４．香港と日本における会計原則及び会計慣行の主要
な相違」に説明されている。
e. 連結財務諸表中の円換算額及び「２．主な資産・負債及び収支の内容」から「４．香港と日本における会計原則及
び会計慣行の主要な相違」までに記載されている事項は、原文の連結財務諸表には含まれておらず、当該事項におけ
る財務諸表への参照事項を除き、上記 b. の会計監査の対象にもなっていない。
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１ 【財務諸表】
A. 2021 年 12 月 31 日に終了した事業年度の財務諸表
(1) 連結損益計算書
12 月 31 日に終了した事業年度
継続事業 注記 2021 年 2020 年
百万香港ドル 百万円 百万香港ドル 百万円
受取利息 40,298 661,693 49,928 819,818
実効金利法で算出した受取利息
39,482 648,294 48,755 800,557
816 13,399 1,173 19,261
その他
支払利息 (8,357) (137,222) (15,190) (249,420)
正味受取利息
6 31,941 524,471 34,738 570,398
受取手数料 14,803 243,065 13,515 221,916
(2,931) (48,127) (2,673) (43,891)
支払手数料
正味受取手数料
7 11,872 194,938 10,842 178,026
既経過保険料総額 26,531 435,639 27,990 459,596
(10,827) (177,779) (9,530) (156,483)
再保険業者に出再された既経過保険料総額
正味保険料収入
15,704 257,860 18,460 303,113
正味トレーディング収益 8 5,091 83,594 5,174 84,957
純損益を通じて公正価値で測定するその他の
金融商品に係る純 ( 損失 )/ 利得 9 (1,136) (18,653) 1,959 32,167
その他の金融商品に係る純利得 10 1,120 18,390 4,572 75,072
983 16,141 896 14,712
その他営業収益
11
営業収益合計
65,575 1,076,742 76,641 1,258,445
保険金の総額及び負債の変動 (28,642) (470,302) (34,113) (560,135)
12,049 197,845 11,946 196,153
保険金の再保険業者負担分及び負債の変動
正味保険金及び負債の変動 (16,593) (272,457) (22,167) (363,982)
12
減損引当金繰入前正味営業収益
48,982 804,284 54,474 894,463
(2,145) (35,221) (2,707) (44,449)
正味減損引当金繰入額
13
正味営業収益
46,837 769,064 51,767 850,014
(16,407) (269,403) (16,347) (268,418)
営業費用
14
営業利益
30,430 499,661 35,420 581,596
投資不動産処分 / 公正価値調整純損失 15 (229) (3,760) (1,622) (26,633)
有形固定資産処分 / 再評価純損失 16 (20) (328) (63) (1,034)
関連会社及びジョイント・ベンチャー
(213) (3,497) (152) (2,496)
持分損益 ( 税引後 ) 27
税引前利益
29,968 492,075 33,583 551,433
(4,969) (81,591) (5,115) (83,988)
税金
17
当期純利益 24,999 410,484 28,468 467,445
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(1) 連結損益計算書 ( つづき )
12 月 31 日に終了した事業年度
注記 2021 年 2020 年
百万香港ドル 百万円 百万香港ドル 百万円
純利益の内訳：
当社株主及びその他の資本性金融商品保有
24,348 399,794 27,863 457,510
者帰属利益
当社株主
22,970 377,167 26,487 434,917
その他の資本性金融商品保有者 1,378 22,627 1,376 22,594
651 10,689 605 9,934
非支配持分
24,999 410,484 28,468 467,445
配当金 11,947 196,170 13,131 215,611
18
香港ドル 円 香港ドル 円
当社株主に帰属する１株当たり利益
2.1726 35.6741 2.5052 41.1354
基本的及び希薄化後 19
129 ページから 290 ページ（訳者注：原文のページ）の注記は当財務諸表と一体をなしている。
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有価証券報告書
(2) 連結包括利益計算書
12 月 31 日に終了した事業年度
注記 2021 年 2020 年
百万香港ドル 百万円 百万香港ドル 百万円
24,999 410,484 28,468 467,445
当期純利益
損益計算書に振り替えられることのない項
目 ：
不動産：
不動産再評価 29 651 10,689 (1,707) (28,029)
(109) (1,790) 297 4,877
繰延税金 36
542 8,900 (1,410) (23,152)
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定する資本性金融商品：
公正価値の変動 (714) (11,724) (91) (1,494)
22 361 21 345
繰延税金
(692) (11,363) (70) (1,149)
自己の信用リスク：
純損益を通じて公正価値で測定するもの
として指定した金融負債の自己の信用
リスクの変動に起因する公正価値の変
動 - - 1 16
- - - -
繰延税金
- - 1 16
(150) (2,463) (1,479) (24,285)
損益計算書にその後振り替えられる可能性の
ある項目 ：
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定する負債性金融商品：
公正価値の変動 (991) (16,272) 6,311 103,627
損益計算書に計上された減損引当金の変
動 13 26 427 100 1,642
損益計算書に振り替えられた処分 /
償還に伴う取り崩し 10 (1,171) (19,228) (4,503) (73,939)
損益計算書に振り替えられた公正価値
ヘッジ調整累積額の償却費 8 131 89 1,461
379 6,223 (274) (4,499)
繰延税金
(1,749) (28,719) 1,723 28,292
(583) (9,573) 239 3,924
外貨換算差額
(2,332) (38,291) 1,962 32,216
(2,482) (40,754) 483 7,931
当期のその他の包括利益（税引後）
22,517 369,729 28,951 475,375
当期の包括利益合計
包括利益合計の内訳 ：
当社 株主 及びその他の資本性金融商品保有
22,206 364,623 28,109 461,550
者帰属利益
当社株主 20,828 341,996 26,733 438,956
その他の資本性金融商品保有者 1,378 22,627 1,376 22,594
311 5,107 842 13,826
非支配持分
22,517 369,729 28,951 475,375
129 ページから 290 ページ（訳者注：原文のページ）の注記は当財務諸表と一体をなしている。
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(3) 連結貸借対照表
12 月 31 日現在
注記 2021 年 2020 年
百万香港ドル 百万円 百万香港ドル 百万円
資産
現金並びに銀行及びその他金融機関への預け
22
金 465,535 7,644,085 463,711 7,614,135
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 23 73,537 1,207,478 60,214 988,714
デリバティブ 24 33,186 544,914 52,856 867,896
香港特別行政区政府債務証書 203,810 3,346,560 189,550 3,112,411
貸付金その他 25 1,597,194 26,225,925 1,500,416 24,636,831
投資有価証券 26 1,094,233 17,967,306 880,485 14,457,564
関連会社及びジョイント・ベンチャーに対す
る持分 27 1,215 19,950 1,485 24,384
投資不動産 28 17,722 290,995 18,441 302,801
有形固定資産 29 46,441 762,561 46,855 769,359
当期税金資産 93 1,527 138 2,266
繰延税金資産 36 192 3,153 95 1,560
106,272 1,744,986 106,735 1,752,589
その他の資産
30
3,639,430 59,759,441 3,320,981 54,530,508
資産合計
負債
香港特別行政区流通通貨 31 203,810 3,346,560 189,550 3,112,411
預金並びに銀行及びその他金融機関からの預り
金 486,062 7,981,138 326,495 5,361,048
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 32 12,520 205,578 20,336 333,917
デリバティブ 24 29,757 488,610 60,313 990,339
顧客預金 33 2,331,155 38,277,565 2,183,709 35,856,502
発行済債務証券及び譲渡性預金証書 34 2,423 39,786 426 6,995
その他の負債及び引当金 35 83,041 1,363,533 71,050 1,166,641
当期税金負債 3,491 57,322 3,979 65,335
繰延税金負債 36 5,799 95,220 5,964 97,929
153,911 2,527,219 139,504 2,290,656
保険契約負債
37
負債合計 3,311,969 54,382,531 3,001,326 49,281,773
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(3) 連結貸借対照表（続き）
12 月 31 日現在
注記 2021 年 2020 年
百万香港ドル 百万円 百万香港ドル 百万円
資本
株主資本 38 52,864 868,027 52,864 868,027
245,135 4,025,117 237,438 3,898,732
準備金
当社株主に帰属する資本及び準備金
297,999 4,893,144 290,302 4,766,759
その他の資本性金融商品 39 23,476 385,476 23,476 385,476
5,986 98,290 5,877 96,500
非支配持分
資本合計 327,461 5,376,910 319,655 5,248,735
負債及び資本合計 3,639,430 59,759,441 3,320,981 54,530,508
129 ページから 290 ページ（訳者注：原文のページ）の注記は当財務諸表と一体をなしている。
2022 年３月 29 日取締役会により承認
取締役会を代表して
取締役 リウ・リエング
取締役 スン・ユ
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(4) 連結株主持分等変動計算書
(単位：百万香港ドル )
当社株主帰属
準備金
その他の
自己の信用
非支配
不動産再評価 公正価値 法定 為替換算 利益
株主資本 合計 資本性 資本合計
リスク評価
持分
準備金 変動準備金 準備金 * 調整勘定 剰余金
金融商品
差額準備金
2020 年１月１日現在 52,864 39,458 69 (33) 11,077 (581) 175,929 278,783 23,476 5,233 307,492
当期純利益 - - - - - - 27,863 27,863 - 605 28,468
その他の資本性金融商品保有者
- - - - - - (1,376) (1,376) 1,376 - -
に対する配当宣言後
- - - - - - 26,487 26,487 1,376 605 28,468
その他の包括利益：
不動産 - (1,410) - - - - - (1,410) - - (1,410)
その他の包括利益を通じて公
正価値で測定する資本性金
融商品 - - (6) - - - - (6) - (64) (70)
自己の信用リスク - - - 1 - - - 1 - - 1
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する負債性金融商
品 - - 1,422 - - - - 1,422 - 301 1,723
- - 161 - - 78 - 239 - - 239
外貨換算差額
包括利益合計 - (1,410) 1,577 1 - 78 26,487 26,733 1,376 842 28,951
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する資本性金融商
品の処分に係る取崩し :
振替 - - 96 - - - (96) - - - -
繰延税金 - - (16) - - - - (16) - (16) (32)
当期税金 - - - - - - 16 16 - 16 32
純損益を通じて公正価値で測定
する金融負債の償還に係る取
崩し :
振替 - - - 38 - - (38) - - - -
繰延税金 - - - (6) - - - (6) - - (6)
当期税金 - - - - - - 6 6 - - 6
利益剰余金への振替 - - - - (6,297) - 6,297 - - - -
- - - - - - (15,214) (15,214) (1,376) (198) (16,788)
配当金
52,864 38,048 1,726 - 4,780 (503) 193,387 290,302 23,476 5,877 319,655
2020 年 12 月 31 日現在
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(4) 連結株主持分等変動計算書 ( つづき )
(単位：百万香港ドル )
当社株主帰属
準備金
その他の
自己の信用
非支配
不動産再評価 公正価値 法定 為替換算 利益
株主資本 合計 資本性 資本合計
リスク評価
持分
準備金 変動準備金 準備金 * 調整勘定 剰余金
金融商品
差額準備金
2021 年１月１日現在 52,864 38,048 1,726 - 4,780 (503) 193,387 290,302 23,476 5,877 319,655
当期純利益 - - - - - - 24,348 24,348 - 651 24,999
その他の資本性金融商品保有者
- - - - - - (1,378) (1,378) 1,378 - -
に対する配当宣言後
- - - - - - 22,970 22,970 1,378 651 24,999
その他の包括利益：
不動産 - 542 - - - - - 542 - - 542
その他の包括利益を通じて公
正価値で測定する資本性金
融商品 - - (641) - - - - (641) - (51) (692)
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する負債性金融商
品 - - (1,460) - - - - (1,460) - (289) (1,749)
- - (86) - - (497) - (583) - - (583)
外貨換算差額
包括利益合計 - 542 (2,187) - - (497) 22,970 20,828 1,378 311 22,517
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する資本性金融商
品の処分に係る取崩し :
振替 - - 58 - - - (58) - - - -
繰延税金 - - (10) - - - - (10) - (9) (19)
当期税金 - - - - - - 10 10 - 9 19
利益剰余金への振替 - - - - 1,293 - (1,293) - - - -
- - - - - - (13,131) (13,131) (1,378) (202) (14,711)
配当金
52,864 38,590 (413) - 6,073 (1,000) 201,885 297,999 23,476 5,986 327,461
2021 年 12 月 31 日現在
* HKMA の要件に従い、 HKFRS 第９号の下で認識されるローンに係る減損引当金の他に、将来の損失やその他予測不能なリスクを含む銀行業における全般的なリスクに関する金額が計上されている。
129 ページから 290 ページ（訳者注：原文のページ）の注記は当財務諸表と一体をなしている。
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(4) 連結株主持分等変動計算書 ( 換算 )
(単位：百万円 )
当社株主帰属
準備金
その他の
自己の信用
非支配
不動産再評価 公正価値 法定 為替換算 利益
株主資本 合計 資本性 資本合計
リスク評価
持分
準備金 変動準備金 準備金 * 調整勘定 剰余金
金融商品
差額準備金
2020 年１月１日現在 868,027 647,900 1,133 (542) 181,884 (9,540) 2,888,754 4,577,617 385,476 85,926 5,049,019
当期純利益 - - - - - - 457,510 457,510 - 9,934 467,445
その他の資本性金融商品保有者
- - - - - - (22,594) (22,594) 22,594 - -
に対する配当宣言後
- - - - - - 434,917 434,917 22,594 9,934 467,445
その他の包括利益：
不動産 - (23,152) - - - - - (23,152) - - (23,152)
その他の包括利益を通じて公
正価値で測定する資本性金
融商品 - - (99) - - - - (99) - (1,051) (1,149)
自己の信用リスク - - - 16 - - - 16 - - 16
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する負債性金融商
品 - - 23,349 - - - - 23,349 - 4,942 28,292
- - 2,644 - - 1,281 - 3,924 - - 3,924
外貨換算差額
包括利益合計 - (23,152) 25,894 16 - 1,281 434,917 438,956 22,594 13,826 475,375
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する資本性金融商
品の処分に係る取崩し :
振替 - - 1,576 - - - (1,576) - - - -
繰延税金 - - (263) - - - - (263) - (263) (525)
当期税金 - - - - - - 263 263 - 263 525
純損益を通じて公正価値で測定
する金融負債の償還に係る取
崩し :
振替 - - - 624 - - (624) - - - -
繰延税金 - - - (99) - - - (99) - - (99)
当期税金 - - - - - - 99 99 - - 99
利益剰余金への振替 - - - - (103,397) - 103,397 - - - -
- - - - - - (249,814) (249,814) (22,594) (3,251) (275,659)
配当金
868,027 624,748 28,341 - 78,488 (8,259) 3,175,415 4,766,759 385,476 96,500 5,248,735
2020 年 12 月 31 日現在
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有価証券報告書
(4) 連結株主持分等変動計算書 ( 換算 )( つづき )
(単位：百万円 )
当社株主帰属
準備金
その他の
自己の信用
非支配
不動産再評価 公正価値 法定 為替換算 利益
株主資本 合計 資本性 資本合計
リスク評価
持分
準備金 変動準備金 準備金 * 調整勘定 剰余金
金融商品
差額準備金
2021 年１月１日現在 868,027 624,748 28,341 - 78,488 (8,259) 3,175,415 4,766,759 385,476 96,500 5,248,735
当期純利益 - - - - - - 399,794 399,794 - 10,689 410,484
その他の資本性金融商品保有者
- - - - - - (22,627) (22,627) 22,627 - -
に対する配当宣言後
- - - - - - 377,167 377,167 22,627 10,689 410,484
その他の包括利益：
不動産 - 8,900 - - - - - 8,900 - - 8,900
その他の包括利益を通じて公
正価値で測定する資本性金
融商品 - - (10,525) - - - - (10,525) - (837) (11,363)
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する負債性金融商
品 - - (23,973) - - - - (23,973) - (4,745) (28,719)
- - (1,412) - - (8,161) - (9,573) - - (9,573)
外貨換算差額
包括利益合計 - 8,900 (35,911) - - (8,161) 377,167 341,996 22,627 5,107 369,729
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する資本性金融商
品の処分に係る取崩し :
振替 - - 952 - - - (952) - - - -
繰延税金 - - (164) - - - - (164) - (148) (312)
当期税金 - - - - - - 164 164 - 148 312
利益剰余金への振替 - - - - 21,231 - (21,231) - - - -
- - - - - - (215,611) (215,611) (22,627) (3,317) (241,555)
配当金
868,027 633,648 (6,781) - 99,719 (16,420) 3,314,952 4,893,144 385,476 98,290 5,376,910
2021 年 12 月 31 日現在
* HKMA の要件に従い、 HKFRS 第９号の下で認識されるローンに係る減損引当金の他に、将来の損失やその他予測不能なリスクを含む銀行業における全般的なリスクに関する金額が計上されている。
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(5) 連結キャッシュ・フロー計算書
12 月 31 日に終了した事業年度
2021 年 2020 年
注記
百万香港ドル 百万円 百万香港ドル 百万円
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前営業キャッシュ・インフロー
40(a) 93,382 1,533,332 152,274 2,500,339
香港法人所得税支払額
(5,082) (83,446) (9,304) (152,772)
香港以外の法人所得税支払額
(300) (4,926) (350) (5,747)
営業活動による正味キャッシュ・インフロー
88,000 1,444,960 142,620 2,341,820
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得
(384) (6,305) (1,323) (21,724)
有形固定資産処分による収入
12 197 11 181
投資不動産の取得 28
(233) (3,826) (9) (148)
無形資産の取得 30
(781) (12,824) - -
関連会社及びジョイント・ベンチャーの取
得 27 - - (6) (99)
関連会社及びジョイント・ベンチャーから
57 936 3 49
の配当金受取額 27
投資活動による正味キャッシュ・アウトフ
(1,329) (21,822) (1,324) (21,740)
ロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
当社株主への配当金支払額
(13,131) (215,611) (15,214) (249,814)
その他の資本性金融商品保有者への配当金
支払額 (1,378) (22,627) (1,376) (22,594)
非支配持分への配当金支払額
(202) (3,317) (198) (3,251)
劣後債務の償還に係る支払額 40(b)
- - (12,603) (206,941)
劣後債務に係る利息支払額 40(b)
- - (350) (5,747)
リース負債に係る支払額 40(b)
(716) (11,757) (733) (12,036)
財務活動による正味キャッシュ・アウトフ
(15,427) (253,311) (30,474) (500,383)
ロー
現金及び現金同等物の増加
71,244 1,169,826 110,822 1,819,697
１月１日現在の現金及び現金同等物残高
456,058 7,488,472 331,652 5,445,726
現金及び現金同等物への為替レート変動の
4,613 75,745 13,584 223,049
影響額
12 月 31 日現在の現金及び現金同等物残高 40(c)
531,915 8,734,044 456,058 7,488,472
129 ページから 290 ページ ( 訳者注：原文のページ ) の注記は当財務諸表と一体をなしている。
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(6) 財務諸表に対する注記
1. 主要な活動
当社は、投資持株会社である。当社の子会社は主に、銀行業とそれに関連する金融サービスの提供に従事してい
る。
当社は、香港において設立され、上場されている有限責任会社である。登記した事務所の住所は、香港、ガーデン
ロード１、バンク・オブ・チャイナ・タワー 53 階である。
2. 重要な会計方針
これらの連結財務諸表を作成するにあたり適用された重要な会計方針が、以下に記載されている。
これらの方針は、特に明記しない限り、表示してある年度全てに一貫して適用されている。
2.1 作成基準
当グループの連結財務諸表は、香港会計士協会（以下「 HKICPA 」という。）が公表した香港財務報告基準（以下
「 HKFRS 」という。）（ HKFRS は、すべての適用される個々の香港財務報告基準、 HKAS 及び解釈指針全般を含む総称で
ある。）及び香港会社条例に準拠して作成されている。
連結財務諸表は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、純損益を通じて公正価値で測定する金
融資産及び金融負債 ( デリバティブを含む ) 、公正価値で測定される貴金属、公正価値で測定される投資不動産並びに
公正価値又は、減価償却累計額及び減損累計額控除後の再評価額で測定される不動産の再評価によって調整された取
得原価主義に基づいて作成されている。処分グループ及び売却目的で保有する抵当権実行資産は、それぞれ注記 2.2
と 2.26 でさらに説明している通り、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い方の金額で記載されてい
る。
HKFRS に準拠した財務諸表を作成するにあたり、特定の重要な会計上の見積りを用いる必要がある。また、経営者
は、当グループの会計方針の適用過程において自身の判断を行使しなければならない。高度な判断又は煩雑性が関係
する領域、又は仮定及び見積りが連結財務諸表に重要な影響を及ぼす領域については、注記３において開示されてい
る。
(a) 2021 年１月１日に開始される事業年度から初度適用されている基準の改訂
以下の日付以降に
当期において
基準の改訂 内容
開始する事業年度
当グループに関係
に適用
HKAS 第 39 号、 HKFRS 第４
号、 HKFRS 第７号、
「金利指標改革」 - フェーズ ２
2021 年１月１日 する
HKFRS 第９号及び HKFRS
第 16 号の改訂
「 2021 年 6 月 30 日より後の COVID-19 に関連した
HKFRS 第 16 号 ( 改訂 ) 2021 年４月１日 する
賃料減免」
・ HKAS 第 39 号、 HKFRS 第 4 号、 HKFRS 第 7 号、 HKFRS 第 9 号及び HKFRS 第 16 号の改訂 「金利指標改革 ‐ フェーズ２」
本改訂は、ある金利指標を代替指標金利に置き換えることを含む、金利指標改革（以下、「 IBOR 改革」とい
う。）により発生する課題に対応している。本改訂は 2019 年に公表された改訂を補完するものであり、その内容
は以下の通りである。
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－ 契約上のキャッシュ・フローの変更‐条件変更が IBOR 改革の直接の結果であり、経済的に同等のベースで行
われるものである場合、企業は金融商品の帳簿価額の認識中止も調整も行う必要はなく、代わりに実効金利
を更新し代替指標金利への変更を反映させる。
－ ヘッジ会計‐ヘッジがヘッジ会計の他の要件を充足している場合、企業は単に IBOR 改革が要求する変更を行
うという理由のみでヘッジ会計を中止する必要はない。また、指定日に独立して識別可能でない場合でも、
代替指標金利が 24 ヶ月以内に独立して識別可能になると企業が合理的に予測している場合には、その代替指
標金利を契約上明示されていないリスク要素として指定することができる。
－ 開示‐企業には、 IBOR 改革から生じる、企業がさらされることになるリスクの内容及び範囲並びに企業がそ
うしたリスクをどのように管理しているか、また、代替指標金利への移行の進捗度及び企業が移行をどのよ
うに管理しているか等について開示することが求められている。
本改訂は遡及適用されている。詳細情報は注記 52 に記載されている。
・ HKFRS 第 16 号（改訂）「 2021 年６月 30 日より後の COVID-19 に関連した賃料減免」
本改訂は、借手に対し適格な賃料減免がリースの条件変更に当たるかどうかを評価しないことを選択し、代わ
りにこれらの賃料減免をリースの条件変更ではないものとして会計処理することを認める、選択的な実務上の便
法を定めている。この実務上の便法は、 COVID-19 に直接起因する賃料減免のみに適用される。
本改訂は 2020 年６月１日に発効し、 2020 年１月１日から 2021 年６月 30 日までのリース料支払を減額する COVID-
19 関連の賃料減免に適用されていた。 2021 年４月に HKFRS 第 16 号のさらなる改訂が公表され、本実務上の便法を
適用する他の条件が満たされている場合に、リース料の減額が、当初の期限が 2022 年６月 30 日以前に到来する支
払にのみ影響する賃料減免にも適用されるよう、本実務上の便法の利用可能期間が延長された。当グループは本
改訂の早期適用を選択し、当該報告期間に当グループに与えられた全ての適格な COVID-19 関連の賃料減免にこの
実務上の便法を適用している。本改訂の適用が当グループの財務諸表に与える重要な影響はない。
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(b) まだ強制適用されておらず、 2021 年度に当グループに早期適用されていない公表済の基準、基準の改訂及び解
釈指針
以下の日付以降に
基準 / 基準の改訂 当期において
内容
開始する事業年度
/ 解釈指針 当グループに関係
に適用
会計ガイドライン
改訂会計ガイドライン第５号「共通支配下の企
2022 年１月１日 する
業結合に関する合併会計」
第５号（改訂）
HKFRS の改訂 2018-2020 年の HKFRS 基準の年次改善 2022 年１月１日 する
HKAS 第１号 ( 改訂 ) 「負債の流動負債又は非流動負債への分類」 2023 年１月１日 しない
HKAS 第１号及び HKFRS
実務記述書第２号 ( 改 「会計方針の開示」 2023 年１月１日 する
訂 )
HKAS 第８号 ( 改訂 ) 「会計上の見積りの定義」 2023 年１月１日 する
「単一の取引から生じた資本及び負債に係る繰
HKAS 第 12 号 ( 改訂 ) 2023 年１月１日 する
延税金」
HKAS 第 16 号 ( 改訂 ) 「有形固定資産：意図した使用の前の収入」 2022 年１月１日 する
HKAS 第 28 号 (2011 年 )
「投資者とその関連会社又はジョイント・ベン
未定 する
及び HKFRS 第 10 号 ( 改
チャーの間での資産の売却又は拠出」
訂 )
HKAS 第 37 号 ( 改訂 ) 「不利な契約‐契約履行のコスト」 2022 年１月１日 する
HKFRS 第３号 ( 改訂 ) 「『概念フレームワーク』への参照」 2022 年１月１日 する
HKFRS 第 17 号 「保険契約」 2023 年１月１日 する
HK 解釈指針第５号 「財務諸表の表示－要求に応じた返済条項を含
2023 年１月１日 しない
(2020 年 ) むタームローンの借手による分類」
当グループに適用予定の HKFRS の詳細は以下の通りである。
・ 会計ガイドライン第５号（改訂）「共通支配下の企業結合に関する改訂会計ガイドライン第５号（以下、「 AG
第５号」という。）」
AG 第５号第５項に記載された取引が、企業結合ではないこと、及びこれらの取引にリバース・テイクオー
バーに類似した原則が、実務上適用されているのかについて、より明確に反映するため本改訂が改正された。 AG
第５号第 19 項には、共通支配下の企業結合に関する新たな開示要件が追加されている。共通支配下にある企業結
合から生じる非支配持分の変動に関する会計処理は、 AG 第５号の中の設例で明確化されている。 AG 第５号の中の
用語と参照先は、現行の HKFRS に沿って改訂されている。本改訂の適用が当グループの財務諸表に与える重要な
影響はない。
• HKAS 第１号の改訂「会計方針の開示」
本改訂は、企業に対し、重要な (significant) 会計方針ではなく、重要性がある (material) 会計方針に関する
情報の開示を要求することを目的としている。本改訂は、「重要性がある会計方針に関する情報」の定義を明確
化し、重要性のある会計方針に関する情報をどのように識別するかについて説明している。また、本改訂は、重
要性がない会計方針の情報を開示する必要はないことを明確にしている。重要性がない会計方針の情報が開示さ
れる場合、重要性がある会計の情報を覆い隠すものであってはならない。
本改訂に対応するために、 HKICPA は HKFRS 実務記述書第２号「重要性の判断」も改訂し、重要性の概念を会計
方針の開示に適用する方法についてのガイダンスを設けている。本改訂の適用が当グループの財務諸表に与える
重要な影響はない。
• HKFRS 第８号の改訂「会計上の見積りの定義」
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本改訂は、企業がどのように会計方針の変更と会計上の見積りの変更とを区別すべきかを明確にしている。会
計上の見積りは将来の取引や他の将来の事象に対し、将来に向かって適用されるが、会計方針の変更は通常、当
期に加え過去の取引や他の過去の事象に対して遡及的に適用されることから、この区別は重要である。本改訂の
適 用が当グループの財務諸表に与える重要な影響はない。
• HKAS 第 12 号 ( 改訂 ) 「単一の取引から生じた資本及び負債に係る繰延税金」
本改訂は企業に対し、当初認識時に同額の将来加算一時差異及び将来減算一時差異が生じる取引について、繰
延税金を認識することを求めている。本改訂は通常、借手のリース及び廃棄義務のような取引に適用され、新た
な繰延税金資産及び繰延税金負債の認識を要求する。本改訂の適用が当グループの財務諸表に与える重要な影響
はない。
・ HKAS 第 16 号 ( 改訂 ) 「有形固定資産：意図した使用の前の収入」
本改訂は、企業が資産を意図した方法で稼働可能にする前に生産された項目の売却から生じる収入を、有形固
定資産項目の取得原価から控除することを禁止している。 また、本改訂は、企業が資産の技術的・物理的な性能
を評価する際に、企業は当該資産が適切に稼動しているかをテストする必要があり、当該資産の経済的な実績
は、その評価と関連するものではないことを明確化している。企業は通常の活動から生じたものではない項目に
ついて、売却額と取得原価を別途開示しなければならない。 HKAS 第２号が定める通り、関連する売却から生じる
収入はこれらの項目の生産コストとともに純損益に認識する。本改訂は、企業が本改訂を最初に適用する事業年
度の財務諸表に表示される最も古い期間の期首以降に使用可能となった有形固定資産項目に限り遡及的に適用す
る。本改訂の適用が当グループの財務諸表に与える重要な影響はない。
・ HKAS 第 28 号 (2011 年 ) 及び HKFRS 第 10 号 ( 改訂 ) 「投資者とその関連会社又はジョイント・ベンチャーの間での資
産の売却又は拠出」
本基準の改訂は、投資者とその関連会社又はジョイント・ベンチャーの間での資産の売却又は拠出の取扱いに
関する HKAS 第 28 号 (2011 年 ) 及び HKFRS 第 10 号の要件の不整合に対処するものである。この改訂の主な結論は、売
却又は拠出が事業 ( 子会社にあるか否かに関わらず ) を構成する場合、利得又は損失が全額認識されるというもの
である。当該資産が事業の定義を充足していない場合、投資家は関連会社又はジョイント・ベンチャーにおける
他の投資家の持分の範囲内でのみ利得又は損失を認識する。本基準の改訂は将来に向かって適用され、早期適用
が認められている。本改訂の適用が当グループの財務諸表に与える重要な影響はない。
・ HKAS 第 37 号 ( 改訂 ) 「不利な契約－契約履行のコスト」
本改訂は契約が不利かどうかを評価する際に、契約履行のコストには契約履行の増分コストと、契約履行に直
接関連する他のコストの配分の両方が含まれることを明確化している。不利な契約に係る別個の引当金を認識す
る前に、企業は当該契約の履行に用いる資産に発生した減損損失を認識する。本改訂は、本改訂を最初に適用す
る事業年度の期首現在存在する契約に適用され、本改訂の適用の累積的影響は利益剰余金又は資本の他の内訳項
目の期首残高の調整として認識される。比較情報は修正再表示されない。本改訂の適用が当グループの財務諸表
に与える重要な影響はない。
・ HKFRS 第３号（改訂）「概念フレームワークへの参照」
本改訂は、 HKFRS 第３号の参照先を、 2018 年に公表された「財務報告に関する概念フレームワーク」へ置き換
えている。本改訂はまた、 HKFRS 第３号に企業が資産と負債の構成内容を判定する際に概念フレームワークを参
照する要求事項への例外規定を追加し、 HKFRS 第３号を適用する企業は、負債及び偶発負債の一部の種類につい
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ては、 2018 年に公表された概念フレームワークではなく HKAS 第 37 号を参照するべきであるとしている。この例外
規定は、概念フレームワークへの参照を置き換えたことによる意図しない結果を回避するために追加された。ま
た 本改訂は、偶発資産が取得日に認識してはならないことを確認している。本改訂は遡及適用される。また、企
業が、 2018 年６月に公表された、 HKFRS 基準における概念フレームワークへの参照の改訂による全ての改訂を同
時に又は早期に適用する場合は、早期適用も認められる。本改訂の適用が当グループの財務諸表に与える重要な
影響はない。
・ HKFRS 第 17 号「保険契約」
HKFRS 第 17 号「保険契約」及び 2020 年 10 月に公表された改訂は、保険会社の各法域に存在する多様な実務慣行
を容認している暫定的な会計基準である、現行の保険契約の基準の HKFRS 第４号に置き換えることを意図したも
のである。本新基準は、企業が保険契約に関する情報を忠実に提供することを目的として、保険契約の認識、測
定、表示及び開示に関する原則を定めている。本基準の早期適用は、 HKFRS 第９号を適用する場合に限り認めら
れている。当グループは本基準の適用よる財務上の影響を検討中である。
(c) HKFRS の改善
「 HKFRS の改善」には、 HKICPA が緊急性はないが必要であると考える、 HKFRS に対する多数の改訂が含まれてい
る。この改善は、表示、認識又は測定に関する会計上の変更をもたらす改訂並びに様々な個別の HKFRS に関連す
る専門用語又は編集上の改訂からなる。この改善が当グループの財務諸表に与える重要な影響はない。
(d) 比較数値
注記 23 「純損益を通じて公正価値で測定される金融資産」及び注記 26 「投資有価証券」を含む、注記の特定の
比較数値は、当年度の表示に合わせて調整されている。
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2.2 連結
連結財務諸表は当社及び当社の全ての子会社の 2020 年 12 月 31 日に終了する年度の財務諸表を含む。
(1) 子会社
子会社とは、当グループが直接的又は間接的に支配する企業 ( ストラクチャード・エンティティを含む ) であ
る。支配は、当グループが投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有
し、投資先に対するパワーを通じてこうしたリターンに影響を及ぼす能力 ( すなわち投資先の関連する活動を指
図する現在の能力を当グループに与える既存の権利 ) を持つ場合に達成される。当グループが直接的又は間接的
に保有する投資先の議決権又は同様の権利が過半数に満たない場合、当グループは投資先に対する支配力の有無
を評価する際に関連する事実及び状況をすべて考慮する。これには、 (a) 投資先の他の議決権保有者との契約上
の合意、 (b) 他の契約上の、又は契約によらない合意から発生する権利、及び (c) 当グループの議決権及び潜在的
議決権が含まれる。子会社は、支配権が当グループに移転される日より完全に連結される。子会社は、支配がな
くなった日より連結対象から外される。
当グループが子会社に対する支配を失った場合は、 (i) 子会社の資産 ( のれんを含む ) 及び負債、 (ii) 非支配持
分の帳簿価額の認識を中止する。また、 (i) 受領した対価の公正価値、 (ii) 残存する旧子会社への投資の公正価
値を認識し、以前その他の包括利益に認識していた金額を、関連する資産又は負債を直接処分した場合と同じ基
準に基づいて、適宜損益計算書又は利益剰余金に振り替え、その結果生じる差額を損益として認識する。
当グループが、取締役会において子会社 ( 処分グループ ) に対する支配の喪失を伴う、撤回又は大幅変更の可能
性が低い売却計画を確約している場合、以下の要件が報告期間終了日又はそれ以前に満たされている場合に限
り、当グループは当該子会社の資産及び負債をすべて売却目的保有に分類しなければならない。 (i) 帳簿価額が
継続的保有ではなく主に売却取引により回収される。 (ii) 子会社が同種類の売却の通常かつ慣例的な条件のみに
従って現況で即時に売却可能で、必要である場合は株主からの承認を得る可能性が高いなど当該売却の可能性が
非常に高い。 (iii) 売却後に当グループによる非支配持分の保有の有無に関わらず、合理的な価格での買手を探
し、１年以内に売却を完了させる活発な計画が開始されている。処分グループは ( 投資不動産及び金融商品を除
き ) 当初認識され、その後帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い方の金額で再測定される。売
却目的保有に分類されている有形固定資産は減価償却されない。
( ⅰ ) 共通支配下にない企業結合
共通支配下にない企業の取得は、取得法を用いて会計処理される。企業結合において譲渡された対価は、
譲渡された資産、発生した負債 ( 条件付対価契約を含む ) 及び被取得企業の支配と交換に当グループが発行し
た持分の取得日の公正価値である。取得関連コストは、発生時に損益計算書において費用計上される。
のれんは、取得した識別可能な資産から引き受けた負債を控除した取得日時点の金額に対する、譲渡され
た対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び被取得企業において当グループが以前に保有していた資本持
分 ( もしあれば ) の合計の超過として測定される。評価後に、被取得企業の識別可能な純資産の公正価値が、
譲渡された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び被取得企業において当グループが以前に保有してい
た資本持分の公正価値 ( もしあれば ) の合計を超過する場合、この超過は割安購入益として損益計算書に即時
に認識される。その後、のれんは少なくとも年に一度減損テストの対象となる。
企業結合において当グループが譲渡する対価が条件付対価契約による資産又は負債を含む場合、条件付対
価は取得日の公正価値で測定され、企業結合において譲渡された対価の一部とみなされる。測定期間におけ
る調整として適格な条件付対価の公正価値の変動は遡及的に調整され、対応する調整がのれん又は割安購入
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益に対して行われる。測定期間における調整は、取得日現在に存在していた事実及び状況について測定期間
中に入手された追加情報より行われる。測定期間は、取得日より１年を超過しない。
取得毎に、当グループは、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産の公正価値に対する非支配持分の
比例持分のいずれかで被取得企業の非支配持分を認識する。
( ⅱ ) 共通支配下にある企業結合
共通支配下にある企業との結合については、企業結合の会計処理方法が適用される。企業結合の会計処理
方法の原則は、共通支配下にある会社を、あたかも被取得企業の事業が取得企業によって常時行われてきた
かのごとく、結合させる方法である。当グループの連結財務諸表には、当社と被取得企業が初めて共通の支
配下に入った日付から当該企業結合が発生していたものとした当グループの連結業績、連結キャッシュ・フ
ロー及び連結財政状態が記載されている ( すなわち、企業結合日における公正価値による調整は必要とされ
ない ) 。企業結合時の対価と帳簿価額との差額は資本において認識される。当グループと被取得企業との間
の全取引による影響額は、当該結合前に発生したか後に発生したかに関わらず、当グループの連結財務諸表
を作成する際に消去されている。比較金額は、被取得企業が前報告期間期首に結合されたかのごとく表示さ
れる。当該取引費用は、損益計算書において費用計上されることとなる。
グループ会社間における会社間取引、債権債務残高及び未実現利益は、消去される。また未実現損失も当該取
引により譲渡された資産に減損がない限りは消去される。子会社の会計方針は、必要に応じて当グループが適用
した方針との一貫性を保持するために変更される。
当社の個別貸借対照表において、子会社への投資は、減損引当金を控除した取得原価で計上される。子会社の
業績は、当社により、受取配当金及び未収配当金に基づき会計処理される。子会社からの受取配当金は、支払い
を受ける権利が確定した時点で個別損益計算書において認識される。
(2) 所有持分の変動
当グループは、支配権の変更のない非支配持分との取引を当グループの株主との取引として処理する。非支配
持分からの所有持分の取得については、支払対価と取得した持分の子会社における純資産の帳簿価格との間の差
額は、資本に認識される。非支配持分に対する処分損益も、資本に認識される。
当グループが支配権を保有しなくなる場合、資本における留保持分はその公正価値まで再測定され、帳簿価額
の変動は損益計算書に認識される。公正価値は、その後に留保持分を関連会社、ジョイント・ベンチャー又は金
融資産として会計処理するため当初の帳簿価額となる。また、当該事業体に関して以前にその他の包括利益に認
識された金額は、当グループが関連する資産又は負債を直接処分したかのように会計処理される。以前にその他
の包括利益に認識された金額は、必要に応じて損益計算書又は利益剰余金に振り替えられる。
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(3) 関連会社及びジョイント・ベンチャー
関連会社とは、当グループが重要な影響力を持つが支配力は持たず、又は共同支配は行わず、一般に議決権の
20% から 50% の株式を保有している事業体である。
ジョイント・ベンチャーは、複数当事者の共同支配契約により、当該ジョイント・ベンチャーの純資産に対し
ての権利を有する共同支配の取決めの一種である。共同支配は、契約で合意された取決めの支配の共有であり、
これは関連する活動に対する決定において、支配を共有する当事者全員の一致が必要とされる場合に存在する。
関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資は、持分法を用いて会計処理され、売却目的保有に分類さ
れない限り（又は売却目的保有に分類される処分グループに含まれない限り）、当初は取得原価で認識される。
当グループの関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資には、減損損失累計額及び関連する外貨換算差
額累計額控除後ののれんが含まれている。
取得後の当グループの関連会社又はジョイント・ベンチャーの損益持分は損益計算書において認識され、取得
後の準備金の増減に対する持分は準備金において認識される。取得後の増減の累計額は、投資の取得原価に対し
て調整される。関連会社又はジョイント・ベンチャーの損失の持分相当額が、関連会社又はジョイント・ベン
チャーにおける持分と同等、又はそれを超過する場合、当グループが関連会社もしくはジョイント・ベンチャー
に代わって債務を負う、又は債務を支払う場合を除き、当グループはそれ以上の損失を認識しない。
関連会社及びジョイント・ベンチャーからの受取配当金又は未収配当金は、投資の帳簿価額の減少として認識
される。
当グループと関連会社又はジョイント・ベンチャーとの間の取引による未実現利益は、当グループの関連会社
又はジョイント・ベンチャーに対する持分の範囲まで消去される。未実現損失も、当該取引により譲渡された資
産に減損がある場合を除き、消去される。
関連会社又はジョイント・ベンチャーにおける所有持分は減少するが重要な影響力が留保される場合、以前に
その他の包括利益に認識されていた金額の比例持分のみが必要に応じて損益計算書又は利益剰余金に振り替えら
れる。
2.3 セグメント報告
セグメントの経営成績は、資源の配分及び事業セグメントの業績評価を行う経営会議に対する内部報告に準拠した
方法で報告される。経営会議は、当グループの最高意思決定機関である。各セグメントに直接関連する収益及び費用
は、事業セグメントの業績の決定において考慮される。
2.4 外貨換算
当グループの個々の事業体の財務諸表に含まれる項目は、当該事業体が事業を行っている主要な経済環境の通貨
( 以下「機能通貨」という。 ) で測定される。連結財務諸表は、当社の機能通貨及び表示通貨である、香港ドルで表
示されている。
外貨建取引は、取引日における為替レート、又は再測定される項目については報告期間末の為替レートを使用して
機能通貨に換算される。取引日における為替レートを用いた外貨建取引の決済及び報告期間末の為替レートで換算さ
れる外貨建の貨幣性資産及び負債により生じる為替差損益は、適格なキャッシュ・フロー・ヘッジ又は適格な純投資
ヘッジとしてその他の包括利益に繰り延べられる場合を除いて損益計算書に直接認識される。
純損益を通じて公正価値で保有される貨幣性証券の換算差額は、公正価値損益の一部として計上される。その他の
包括利益を通じて公正価値で測定として分類される外貨建の貨幣性証券の公正価値の変動は、有価証券の償却原価の
変動から生じる換算差額と証券の帳簿価額のその他の変動に分けられる。償却原価の変動に関連する換算差額は損益
計算書において認識され、帳簿価額のその他の変動はその他の包括利益において認識される。
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純損益を通じて公正価値で保有される資本性金融商品のような非貨幣性項目の換算差額は、公正価値損益の一部と
して計上される。その他の包括利益を通じて公正価値で測定として分類される資本性金融商品のような非貨幣性金融
資 産の換算差額は、その他の包括利益に含まれる。
香港ドルとは異なる機能通貨を有する全てのグループ企業の経営成績及び財務状態は、以下の通り香港ドルに換算
される。
・ 資産及び負債は、報告期間末の終値で換算される。
・ 収益及び費用は、期中平均レートで換算される。
・ 換算差額は、資本の為替換算調整勘定に認識される。
連結において、在外事業体への純投資額換算により生じる為替差額、並びにかかる投資のヘッジとして指定された
借入金及びその他の外貨投資の換算により生じる為替差額は、その他の包括利益に計上され、為替換算調整勘定にお
いて別建てで計上される。在外事業体が売却される場合、かかる為替差額は、売却損益の一部として、資本の部から
損益計算書に振り替えられる。
2.5 デリバティブ及びヘッジ会計
デリバティブは、当初にデリバティブ契約の締結日の公正価値で認識され、その後、公正価値で再測定される。公
正価値は、最近の市場取引を含む活発な市場における市場価格より入手されるか、必要に応じて割引キャッシュ・フ
ロー・モデル及びオプション価格モデルを含む評価技法の利用を通じて入手される。デリバティブは全て、公正価値
がプラスの場合は資産として、公正価値がマイナスの場合は負債として計上される。
金融負債に組み込まれている一部のデリバティブは、それらの経済的性質及びリスクが主契約のそれと密接に関連
しておらず、主契約が純損益を通じて公正価値で測定されない場合に、個別のデリバティブとして会計処理される。
これらの組込デリバティブは公正価値で測定され、損益計算書において認識される。
デリバティブはトレーディング保有として分類され、その公正価値の変動は損益計算書に即時に認識されるが、
ヘッジとして指定され、有効なヘッジ手段と見なされる場合は、ヘッジ会計の要件に基づく測定の対象となる。
ヘッジ手段として指定され、有効にヘッジされるデリバティブについては、結果として生じる公正価値損益の認識
方法は、ヘッジ対象の性質によって決定される。当グループは、一部のデリバティブを以下のいずれかとして指定す
る。
(a) 認識された資産又は負債あるいは確定約定の公正価値のヘッジ ( 公正価値ヘッジ )
(b) 認識された資産又は負債に帰属する、可能性が高い将来のキャッシュ・フロー、あるいは可能性が高い予定
取引に関する特定のリスクのヘッジ ( キャッシュ・フロー・ヘッジ )
(c) 在外事業体に対する純投資のヘッジ（純投資ヘッジ）
当グループは開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係、並びに様々なヘッジ取引を行うためのリスク管理目標及
び戦略を文書化している。当グループはまた、ヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺する上で
経済的関係、信用リスク、ヘッジ比率、並びにヘッジ手段の有効性評価を、開始時だけでなくその後も継続的に評価
し、これについて文書化している。ヘッジがヘッジ会計として適格であると認められる前に、これらの基準を満たす
必要がある。ヘッジ手段とヘッジ対象が経済的関係を失う、又はヘッジ手段やヘッジ対象の公正価値の変動を決める
カウンターパーティーの信用リスクが著しく変動する場合、ヘッジ会計が無効となる可能性がある。
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(a) 公正価値ヘッジ
有効な公正価値ヘッジとして指定され、適格とされたデリバティブの公正価値の変動は、ヘッジ対象リスクに
帰属するヘッジ資産又は負債の公正価値の変動と併せて損益計算書に計上される。
償却原価で計上される金融商品に公正価値ヘッジ会計が適用される場合、当該ヘッジ対象の帳簿価額は償却原
価で計上されるのではなく、デリバティブでヘッジされているリスクに帰属する公正価値の変動に応じて調整さ
れる。そのような帳簿価額の調整額は、ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値の変動と同様に損益計算書に
計上される。
ヘッジ関係がヘッジ会計の要件を満たさなくなった場合、又はヘッジ対象の返済などの認識中止以外の理由に
より終了した場合、ヘッジ対象に対する帳簿価額の調整額のうち未償却部分 ( 終了時点のヘッジ対象の帳簿価額
とヘッジがそもそも存在していなかった場合に計上されたと考えられる価額との差額 ) は、実効金利法を用いて
ヘッジ対象の残存期間にわたり損益計算書に償却される。ヘッジ対象の認識が中止された場合、帳簿価額の調整
額のうち未償却部分は、損益計算書にただちに計上される。
ヘッジ対象が FVOCI で測定される負債性金融商品である公正価値ヘッジのヘッジ関係については、ヘッジ会計
が適用される一方で、公正価値の変動は損益計算書に計上される。ヘッジ関係がヘッジ会計の要件を満たさなく
なった場合、又は認識中止以外の理由により終了した場合、損益計算書に計上される公正価値変動の有効なヘッ
ジ部分の累計額は、実効金利法で償却され資本として計上される。ヘッジ対象の認識が中止された場合、損益計
算書に計上される公正価値変動の有効なヘッジ部分の累計額の未償却部分は、資本にただちに振り替えられる。
(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され、適格とされたデリバティブの公正価値の変動のうち有効部分
は、その他の包括利益に認識され資本に累積される。非有効部分に関連する損益は、損益計算書に即時に認識さ
れる。資本に累積された金額は、ヘッジ対象が損益に影響する期間において損益計算書に振り替えられる。
ヘッジ対象が満期となる、又は売却される場合、あるいはヘッジがヘッジ会計基準を満たさなくなる場合、そ
の時点の資本に存在する累積損益は資本に保持され、予定取引が最終的に損益計算書に認識される際に損益計算
書に認識される。予定取引の発生が見込まれなくなる場合、資本に計上された累積損益は損益計算書に即時に振
り替えられる。
(c) 純投資ヘッジ
在外事業体に対する純投資のヘッジは、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様に会計処理される。ヘッジ手段の
有効部分に係る損益はその他の包括利益に計上され資本の部に累積される。また非有効部分に係る損益は損益計
算書にただちに計上される。以前にその他の包括利益に計上された累積損益は、在外事業の処分時に処分損益の
一部として損益計算書に振り替えられる。
2.6 金融商品の相殺
認識された金額を相殺する法的に強制可能な権利があり、純額で決済するか資産の実現と負債の決済を同時に実行
する意図を有している場合、金融資産及び負債は相殺され、純額が貸借対照表に計上される。
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2.7 収入及び費用
(1) 受取利息及び支払利息
受取利息及び支払利息は、実効金利法を用いて償却原価計上される及びその他包括利益を通じて公正価値で計上さ
れる全ての金融資産及び金融負債について損益計算書で認識される。純損益を通じて公正価値で計上されるデリバ
ティブ以外の金融資産及び負債から生じる類似の受取利息及び支払利息は、類似の手法を用いて決定されるが、取引
コストは除外される。
実効金利法は、金融資産又は金融負債の償却原価を計算し、当該期間にわたり受取利息又は支払利息を配分する方
法である。実効金利とは、金融商品の予想残存期間、又は、適切な場合はそれよりも短い期間を通じて、将来の現金
支払額又は受取額の見積額を、当該金融資産又は金融負債の正味帳簿価額に正確に割り引く利率である。実効金利を
計算する際、当グループは、当該金融商品の全契約条件 ( 例 : 期限前返済オプション又は住宅用モーゲージ・ローンに
関連するインセンティブ ) を考慮して将来キャッシュ・フローを見積るが、将来の信用損失は考慮しない。計算に
は、契約当事者間の受取手数料、プレミアム又はディスカウント、支払済み又は受取済みベーシス・ポイント、並び
に実効金利と一体化している直接帰属する実行手数料及び費用が含まれている。
ヘッジ対象リスクが金利である場合の全てのヘッジ取引について、固定利付債務証券や固定利付劣後ノート等の
ヘッジ対象からの受取利息又は支払利息は、金利スワップ等のヘッジ手段から生じる正味受取 / 支払利息とともに、
純額で開示される。
(2) 非金利収入及び非金利費用
当グループが履行義務を充足し、顧客がサービスの支配を有する期間又は支配を取得した時点のいずれかにおい
て、サービス収入が認識される。
サービスによる手数料収入は、口座サービス又はクレジット・カード手数料など契約によりサービスの提供が長期
にわたって求められる場合には、契約期間にわたって体系的に固定価格又は変動価格で認識され、仲介サービスや
ローン・シンジケーションのアレンジなどサ－ビスが顧客に全面的に提供された場合には、取引ベースの契約に基づ
きある特定の時点で手数料収入が認識される。
金融資産からの配当収入は、支払を受ける権利が確定し時点で認識される。
非金利費用は発生する報告期間の損益に計上される。
保険料収入に関する会計方針は、注記 2.20 に開示されている。
2.8 金融資産
当グループは、当グループの金融資産を当初認識時に以下の測定区分、事後に純損益を通じて公正価値（以下
「 FVPL 」という。）、事後に償却原価、及び事後にその他の包括利益を通じて公正価値（以下「 FVOCI 」 という。 ）
で測定されるもの、の１つに分類している。この分類は、金融商品の運用に関する企業の事業モデル及び当該金融商
品の契約上のキャッシュ・フローの特性、又は公正価値オプションの選択によって決定している。全ての金融資産は
当初に公正価値で認識される。 FVPL で認識する金融資産を除き、金融資産の取引費用は全て、その当初の帳簿価額に
含められる。
(1) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
この区分は、トレーディング目的で保有する金融資産を含む、純損益を通じ公正価値で測定されるものとして
指定した金融資産、又は純損益を通じ公正価値で測定することが強制される金融資産の２種類に分類される。
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主として短期間で売却することを目的として取得した金融資産、又はまとめて管理され、かつ、最近における
実際の短期的な利益獲得のパターンの証拠がある識別された金融商品のポートフォリオの一部であるものは、ト
レーディング保有として分類される。デリバティブは、有効なヘッジ手段として指定されている場合を除いて
は、 トレーディング保有として分類される。
トレーディング目的保有又は公正価値で測定することが強制される金融資産以外は、 金融資産の測定又は損益
の認識を異なるベースで行うことにより生じる測定又は認識の不整合 ( 「会計上のミスマッチ」と呼ばれること
が多い。 ) を除去又は大幅に低減し、 経営者がそれを指定した場合に、 FVPL で測定する金融資産として指定され
ることとなる。
当該金融資産は、当初に公正価値で認識され、取引費用は損益計算書に直接計上され、その後、公正価値で再
測定される。
かかる資産の公正価値の変動による損益 ( 利息部分を除く ) は、正味トレーディング収益 / 損失、又は FVPL で測
定するものとして指定したその他の金融商品に係る純利得 / 損失として計上される。利息部分は受取利息の一部
として計上される。この区分の資本性金融商品に係る配当金も、当グループの支払いを受ける権利が確定した際
に、正味トレーディング収益 / 損失、又は FVPL で測定する金融商品に係る純利得 / 損失に認識される。
(2) 償却原価で測定される金融資産
金融資産は、（ⅰ）契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデ
ル ( 以下「回収目的保有」事業モデルという。 ) の中で保有される金融資産である、（ⅱ）当該金融資産の契約
条件に基づき、特定の期日に、元本及び当該元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローを生み出
す、という条件をともに満たす場合に、償却原価で測定されるものとして分類される。これらは、当初は公正価
値に直接帰属する取引費用を加えた価額で計上され、その後、実効金利法を用いて測定した償却原価から減損引
当金を控除した価額で測定される。プレミアム又はディスカウントの償却を含む利息は実効金利法を用いて計算
され、損益計算書に認識される。資産の認識を中止、条件変更又は減損する場合は、すべての損益は純損益に認
識される。
(3) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
負債性金融商品は、（ⅰ）契約上のキャッシュ・フローの回収と売却のために資産を保有することを目的とす
る事業モデルの中で保有される金融資産である、（ⅱ）当該金融資産の契約条件に基づき、特定の期日に、元本
及び当該元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローを生み出す、という条件をともに満たす場合
に、 FVOCI で測定されるものとして分類される。
FVOCI 金融資産は、当初に公正価値に直接帰属する取引費用を加えた価額で計上され、その後、公正価値で測
定される。金融資産の公正価値の変動によって生じる未実現損益は、金融資産の認識が中止される、又はこれが
減損し、過年度に資本に認識された累積損益が損益計算書に振り替えられるまでは、その他の包括利益に直接認
識される。しかし、プレミアム又はディスカウントの償却を含む利息は、実効金利法を用いて計算され、損益計
算書に認識される。
持分投資については、当初認識時に、未実現及び実現の公正価値損益をその他の包括利益に認識するという取
消不能の選択を行うことができるが、その場合には、たとえ売却時でも、事後的に当該公正価値損益を損益計算
書に振り替えることはできない。 FVOCI に分類される資本性金融商品に係る配当金は、支払を受ける当グループ
の権利が確定した時点でその他の営業収益に認識される。 FVOCI に指定された資本性金融商品は減損評価の対象
にならない。
FVOCI 有価証券に係る換算差額の取り扱いについては、注記 2.4 に記載されている。
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2.9 金融負債
当グループは、当グループの金融負債を以下の種類、すなわちトレーディング負債、純損益を通じて公正価値で測
定するものとして指定した金融負債、預金、発行済債務証券及び譲渡性預金証書及びその他の負債に分類している。
全ての金融負債は、最初に分類され、当初は公正価値で認識されるが、金融負債が 純損益を通じて公正価値で測定さ
れない場合は、取引費用を加減するものとする。
(1) トレーディング負債
金融負債は、主として短期間に買戻すことを目的として生じる場合、トレーディング保有として分類される。
トレーディング負債は公正価値で測定され、公正価値の変動から生じた損益は損益計算書に認識され、利息部分
は利息費用の一部として計上される。
(2) 純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した金融負債
金融負債は、当初認識時にそのように指定した場合、純損益を通じて公正価値で測定することができる。金融
負債は、以下の基準を満たす場合にそのように指定される。
・ 金融負債の測定又は損益の認識を異なるベースで行うことより生じる測定又は認識の不整合 ( 「会計上の
ミスマッチ」と呼ばれることが多い。 ) を排除、又は大幅に軽減する。又は、
・ 運用される金融資産、金融負債又はその両方のグループに適用され、その業績は、文書化されたリスク管
理又は投資戦略に従って、公正価値に基づいて評価される。また、当該グループに関する情報が当該基準
に基づき内部的に主要な経営者に提供される。
・ キャッシュ・フローに大きな変更を生じさせる組込デリバティブを１つ以上含んだ金融負債に関連してい
る。
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債は公正価値で測定され、公正価値の変動か
ら生じた損益は損益計算書に認識される。自己の信用リスクに起因する公正価値の変動はその他の包括利益で認
識され、その後、認識の中止時に、純損益において会計上のミスマッチが生じる又は拡大することがない限り利
益剰余金に分類変更され、公正価値変動による全ての損益は損益計算書に認識される。
(3) 預金、発行済債務証券及び譲渡性預金証書並びにその他の負債
トレーディング負債として分類されるもの又は純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定されたもの
を除く、預金及び発行済債務証券及び譲渡性預金証書並びにその他の負債は、償却原価で計上される。取引費用
控除後の受取額と償還価額との差額 ( 存在する場合 ) は実効金利法を用いて当該期間にわたって損益計算書に認識
される。
2.10 金融保証契約及び未実行のローン・コミットメント
金融保証契約は、特定の債務者が期日までに支払いを行わなかったことにより生じた損失について、保有者と当
該債務者の間に締結された契約に従い、発行人が保有者に補償するために、発行人に対し特定の支払を要求する契
約である。
金融保証契約は当初、保証が付与された日の公正価値で金融負債として認識される。当初認識後、かかる保証に
関する当グループの負債は (i) 注記 2.14 に記載されている ELC 引当金額と、 (ii) 当初認識した金額から、適宜、保
証期間にわたって定額法で認識した償却累計額控除後の金額のいずれか高いほうの金額で測定される。金融保証契
約に関する負債の変動は全て損益計算書に計上される。
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未実行のローン・コミットメントは、当グループが契約期間にわたり既定の条件で顧客に対してローンを実行す
ることを求められる契約債務である。この契約は、注記 2.14 に記載されている ECL 要件の対象である。
金融保証及びローン・コミットメントの ECL 引当金は、財務諸表の「その他の負債及び引当金」に計上されてい
る。
2.11 金融商品の認識、認識中止及び条件変更
FVPL で事後測定する金融資産、 FVOCI で測定する並びに償却原価で測定する有価証券の売買は、取引日、すなわち
当グループが資産を売買する日に認識される。貸付金及びその他の金融資産は、現金がカウンターパーティーに貸
付けられる際に認識される。金融資産は、金融資産によるキャッシュ・フローを受け取る権利が失効した場合、又
は当グループが所有権に伴うリスク及び経済価値を実質的に全て譲渡した場合に、認識が中止される。当グループ
が、金融資産に伴うリスク及び経済価値の実質的に全てを譲渡又は留保しない場合、当グループは、売買後も支配
権を留保する場合には支配の及ぶ範囲内で売却対象資産を認識し、売買後に支配権を留保しない場合には当該資産
の認識を中止する。償却原価又は FVOCI で測定される金融商品が条件和又は 大幅に異なる条件で 条件変更される場
合、 当初の金融商品は認識中止され、新たな金融商品は公正価値で認識されなければならない。 そうでない場合に
は、差額は当初の帳簿価額に対して調整され、その調整額は純損益に計上される。
トレーディング負債、 FVPL で測定するものとして指定した金融負債及び発行済債務証券及び譲渡性預金証書は取
引日に認識される。 FVPL で測定されるものとして指定されていない預金は、顧客から現金を受領した際に認識され
る。その他の負債はかかる債務が生じる際に認識される。契約上で特定された債務が履行される、取り消される又
は失効する場合には、金融負債は貸借対照表上での認識が中止される。当グループがグループの債務を購入した場
合、購入したグループの負債は貸借対照表上から取り除かれ、負債の帳簿価額と支払対価の差額が純損益に計上さ
れるが、 FVPL で測定されるものとして指定された負債に係る自己の信用リスクの構成要素は除く。
相手先に売却された有価証券及び手形で、買戻し契約に基づいて指定した将来のある期日に所定の価格で買戻す
義務を有するものは、買戻条件付契約と呼ばれる。相手先から購入した有価証券及び手形で、売渡契約に基づいて
指定した将来のある期日に所定の価格で売渡す義務を有するものは、売戻条件付契約と呼ばれる。
買戻条件付契約又は貸付有価証券は、銀行からの預り金、銀行及びその他金融機関からの預り金として、適切
に、相手先から実際に受け取る現金の額で当初認識される。買戻契約の担保として提供した金融資産は、その認識
は中止されず、投資有価証券又は FVPL で測定する金融資産として計上される。「回収目的保有」事業モデル、並び
に元本及び当該元本残高に対する利息の支払いのみの契約上のキャッシュ・フローに関連する売戻条件付契約又は
借入有価証券は、現金及び銀行への預け金又は銀行及びその他金融機関への預け金として、適切に、相手先に実際
に支払った現金の額で貸借対照表に当初認識される。売戻条件付契約に基づいて担保として受け取った金融資産
は、貸借対照表に計上されない。売却及び買戻し価格の差額は、実効金利法を用いて契約期間にわたって受取利息
又は支払利息として認識される。
2.12 公正価値測定
当グループは、不動産、投資不動産、貴金属及び特定の金融商品を各報告期間末時点で、公正価値で測定する。
公正価値は、測定日時点で、主要な市場又は当グループが利用可能な最も有利な市場における市場参加者との秩序
ある取引により、資産の売却で受領するであろう価格又は負債を移転するために支払うであろう価格である。
資産又は負債の公正価値は、市場参加者が自らの最善の経済利益のために行動すると仮定して、市場参加者が当
該資産又は負債の価格決定に使用するであろう仮定を使用して測定される。
当グループは適切な場合、金融商品の公正価値を最も良く表わすビッド・オファー・スプレッドの価格を用いて
おり、これにはマーケットリスクのエクスポージャー純額に基づいて当グループが金融資産及び負債のグループを
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管理している場合に、金融資産及び負債のポートフォリオのリスクポジション相殺後の純額の残余分を用いること
も含まれる。当グループはこれらの金融商品のグループの公正価値を純額ベースで測定しているものの、注記 2.6 に
示 されている相殺の要件を満たさない限り、金融資産及び金融負債は財務諸表に別建てで表示される。
非金融資産の公正価値測定には、市場参加者が資産の最有効使用を行うこと、あるいは当該資産を最有効使用す
るであろう他の市場参加者に売却することによって経済的利益を生み出す能力が考慮に入れられる。
資産又は負債の市場が活発ではない場合、当グループは、最近の第三者間取引の価格、割引キャッシュ・フロー
分析、オプション価格決定モデル及び市場参加者によって一般的に使用されるその他の評価技法を含む評価技法を
用いており、状況に応じて適切かつ公正価値を測定するための十分な情報が利用可能な評価技法を使用し、関連す
る観察可能なインプットの使用を最大化し、観察不能なインプットの使用を最小化している。
2.13 貴金属
貴金属は、金、銀及びその他の貴金属で構成される。貴金属は、当初に公正価値で認識され、その後も公正価値
で再測定される。貴金属の時価損益は、正味トレーディング収益 / 損失に含まれる。
2.14 金融資産の減損
当グループは、以下の商品に対し予想信用損失（以下「 ECL 」という。）引当金を認識している。
・ 償却原価で測定する金融資産
・ FVOCI で測定する債務証券
・ FVPL で測定されないローン・コミットメント及び発行済金融保証
債券ファンドのユニット、 FVPL で測定された持分証券、 FVOCI で測定するものとして指定された持分証券（振替は
認めない： non-recycling ）並びにデリバティブ金融資産を含む、公正価値で測定される金融資産は ECL 評価の対象
外である。
ECL とは確率加重された信用損失の見積もりである。信用損失は、予想されるすべてのキャッシュ不足額の現在価
値（契約に従った当グループの支払いに係るキャッシュ・フローと当グループの受取りに係るキャッシュ・フロー
との差）として測定される。
未実行のローン・コミットメント及び金融保証残高について、キャッシュ不足見込額は、（ i ）ローン・コミット
メント / 金融保証の保有者 / 受益者が、当該ローンの借入 / 金融保証の請求を行う場合に、当グループが支払うことと
なる契約上のキャッシュ・フローと、（ ii ）当該ローンの借入 / 金融保証の請求が行われる場合に、当グループが受
け取ることとなるキャッシュ・フローとの差額で測定される。
割引の影響に重要性がある場合、キャッシュ不足見込額は割り引かれる。 ECL の見積りで考慮される最長期間は、
当グループが信用リスクに晒されている最長の契約期間になる。リボルビングクレジット・ファシリティなどの金
融商品に実行済み及び未実行のコミットメントが含まれる場合、当グループが引き続き信用リスクにさらされ、信
用リスクに対して経営者の対応により低減されていない期間にわたって ECL が測定される。
ECL の測定に際し、当グループは入手可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮している。これには、過去の事象、
現在の状況、並びに将来の経済状況の予測に関する情報が含まれている。
ECL は以下の前提のいずれかで測定されている。
・ 12 ヶ月 ECL ：報告書日以降 12 ヶ月以内に発生する可能性があるデフォルト事象に起因する損失
・ 全期間 ECL:ECL モデルが適用される商品の残存期間にわたり発生可能性があるすべてのデフォルト事象に起因
する損失
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当グループは、金融商品の当初認識時には 12 ヶ月間の予想信用損失をステージ１として計上し、信用リスクが当
初認識時以降に著しく増大している場合に、ステージ２として全期間予想信用損失を認識する。当該金融資産の将
来キャッシュ・フローが一つ以上の事象による不利な影響を受けた場合、信用減損した金融商品の全期間予想信用
損失がステージ３として認識され、ステージ３に分類された各金融資産の減損額を控除した金額で受取利息が計上
される。
金融商品の信用リスクが当初認識時以降に著しく増大したかどうかを評価する際に、当グループは報告日現在で
評価した当該金融商品に係るデフォルト発生リスクと、当初認識時のデフォルト発生リスクを比較している。
具体的には、信用リスクが当初認識時以降に著しく増大したかどうかを評価する場合に以下の情報を考慮に入れ
ている。
・ 契約上の期日から 30 日超経過し元本及び利息の支払いができない
・ 金融商品の内外の信用格付の大幅な低下又は大幅な低下の見込み（入手可能な場合）
・ 債務者の経営業績の大幅な悪化又は大幅な悪化の見込み及び
・ 債務者の当グループに対する債務返済能力に著しい悪影響を及ぼす技術面、市場面、経済面又は法的環境に
おける変動又はその見込み
ローン・コミットメント及び金融保証に関し、 ELC の評価上の当初認識日は、当グループが取消不能のコミットメ
ントの当事者となった日となる。ローン・コミットメント又は金融保証に、当初認識時以降に信用リスクの著しい
増大があったかどうかを評価する際に、当グループは当該ローン・コミットメント / 金融保証に関連するローン及び
貸付金に係るデフォルト発生リスクの変動を考慮している。
金融商品の性質に応じて、信用リスクの著しい増大は、個別又は集合的に評価される。集合的に評価を行う場
合、金融商品は、期日経過状況及び信用リスク格付けなどの共通の信用リスク特性に基づいてグループ化される。
当グループは、以下について観察可能なデータが存在する場合に、金融商品が信用減損していると考えている。
－ 債務者に生じた著しい財政困難
－ 債務不履行又は元本若しくは利息の支払遅延等の契約違反
－ 債務者の財政困難に関連する経済的又は法的な理由により、当グループが、通常は考慮しない譲歩を債務者
に与えた場合
－ 債務者が破産又は他の財政的再編をする可能性が高い場合
－ 信用損失の発生を反映した、ディープディスカウントでの金融資産の購入又は組成
－ 他の観察可能なデータが、当該貸付金からの見積将来キャッシュ・フローに無視できない減少があることを
示唆している場合
当グループは、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な、過去の実績及び将来予測的な情報を含む、合理的か
つ裏付け可能な定量的・定性的情報の双方を個別に検討している。
ECL は、当初認識時以降、金融商品の信用リスクの変動を反映するために報告書日ごとに再測定される。 ECL の変
動は、減損損失又は利得として純損益で認識されることとなる。当グループは、損失引当金勘定を通じて帳簿価額
に対応する調整を行い、 FVOCI で測定する債務証券を除くすべての関連金融商品の減損利得又は損失を認識してい
る。
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注記 2.7 に従い認識された受取利息は、金融資産の総帳簿価額に基づき計算されるが、金融資産が信用減損してい
る場合（ステージ３）は、受取利息は当該金融資産の償却原価に基づき計算される（総帳簿価額から損失引当金を
控除した金額）。信用減損している金融資産の判定については注記 4.1 で詳述している。
金融資産が回収不能な場合、当該金融資産の帳簿価額総額及び関連する減損損失引当金に対し償却がなされる。
必要となるすべての手続きを完了し、損失額が決定された後に、かかる資産は償却される。償却された資産であっ
てもなお債権回収活動の対象となる。償却済みの資産を回収した場合、その回収額は損益計算書上の減損損失額を
減少させる。
2.15 子会社、関連会社、ジョイント・ベンチャー及び非金融資産に対する投資の減損
各資産は、帳簿価額が回収されない可能性があることを示す事象及び状況の変化が生じた場合に、減損について
検討される。減損を示唆する可能性のある事象には、技術環境、市況、経済環境もしくは法的環境の該当資産に重
要な悪影響が及ぶような変動、又は該当資産の価額がその取得原価を著しく又は長期にわたり下回った場合などが
含まれることがある。「重要性」は投資の取得原価に照らして判断され、「長期」は公正価値が取得原価を下回っ
ている期間に照らして判断される。耐用年数が確定できない無形資産の減損は、毎年減損テストが行われる。
減損損失は、資産の帳簿価額がその回収可能額を超過する分の額について認識される。回収可能額は、当該資産
の処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方となる。減損を評価するため、資産は最小限度で個別に
識別可能なキャッシュ・フロー ( 資金生成単位 ) ごとにグループ分けされる。減損資産は、各報告日において減損の
戻入れの可能性について検討される。
当社の貸借対照表においては、子会社、関連会社もしくはジョイント・ベンチャーに対する投資についても、当
該会社から配当金を受け取る際に配当金の額が、配当が宣言された期間における当該会社の包括利益の合計額を上
回っている場合、又は当社の貸借対照表上での当該会社の帳簿価額が、当社の連結貸借対照表上での当該会社の純
資産の帳簿価額 ( のれんを含む ) を超えている場合には減損テストが必要とされる。
2.16 投資不動産
長期の賃貸利回り又はキャピタル・ゲイン又はその両方の目的で保有され、当グループの企業に占有されていな
い不動産（不動産の所在する借地のリースから生じる使用権資産を含む）は、投資不動産として分類される。連結
グループ会社間でリースされた不動産は、個々の会社の財務諸表では投資不動産に、連結財務諸表では不動産に分
類される。
投資不動産は、当初に関連する取引コストも含め、取得原価で認識される。当初認識後、投資不動産は公正価値
で測定される。
その後の支出は、その項目に関する将来の経済的便益が当グループに流入する可能性が高く、その支出が信頼を
もって測定できる場合にのみ、資産の帳簿価額に計上される。仕掛品の項目は公正価値で測定される。その他全て
の修繕及び維持費用は、これらが発生した会計期間の損益計算書に費用計上される。
公正価値の変動は、損益計算書に直接認識される。
投資不動産が自己保有になった場合には不動産に分類変更され、分類変更日の公正価値は、会計上、取得原価と
なる。用途の変更により不動産の項目が投資不動産になると、分類変更日のこの項目の帳簿価額と公正価値の差額
は注記 2.17 に定められている通り、 HKAS 第 16 号「有形固定資産」に基づく不動産再評価と同様にその他の包括利益
又は純損益に認識される。
2.17 有形固定資産
不動産（不動産の所在する借地のリースから生じる使用権資産を含む）は、主に支店及び事務所である。不動産
は、定期的な ( 少なくとも１年毎 ) 外部の独立鑑定人による評価に基づく公正価値からその後の減価償却累計額及び
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減損損失累計額控除後の金額で表示される。再評価日の減価償却累計額は、資産の総帳簿価額に対して消去され、
その純額が資産の再評価額へ修正再表示される。その間は、同種不動産の公開市場価額を参照して、取締役が個別
の 不動産の帳簿価額を見直し、重要な変更がある場合には調整がなされる。
不動産の再評価により発生する帳簿価額の増加は、その他の包括利益を通じて不動産再評価準備金に貸方計上さ
れる。過年度の同じ個別資産の増加を相殺する減少は、その他の包括利益を通じて不動産再評価準備金に計上さ
れ、その他の減少は全て、損益計算書に費用計上される。その後の増加は、過去に借方計上した金額を限度として
損益計算書に貸方計上され、その後、不動産再評価準備金に計上される。不動産の処分の際に、過年度の評価に関
して実現された再評価準備金の該当部分は、不動産再評価準備金から取崩され、利益剰余金に振り替えられる。
全ての建物及び設備並びに借地以外の使用権資産（注記 2.19 参照）は、減価償却累計額及び減損損失累計額控除
後の取得原価で計上される。取得原価には、当該項目の取得及び据付に直接帰属する費用が含まれている。
その後の支出はその項目に関連する将来の経済的便益が当グループに流入する可能性が高く、その項目に関する
支出が信頼性をもって測定できる場合にのみ、資産の帳簿価額に含まれるか、適切な場合には、個別の資産として
認識される。当該項目は、経済的便益の発生開始までは減損額控除後の取得原価で計上され、その後は各資産の種
類の測定基準に従って測定される。その他全ての修繕及び維持費用は、これらが発生した又は履行された会計期間
の損益計算書に計上される。
減価償却費は、下記の見積耐用年数にわたり当該資産の取得原価又は再評価額を償却するために、定額法で計算
される。
・ 不動産 香港政府の土地リース期間
・ 建物及び設備 ２～ 15 年
・ 使用権資産 耐用年数又はリース期間のいずれか短い期間
資産の耐用年数は各報告期間末に見直され、適切な場合には調整される。
各報告期間末において、有形固定資産が減損している兆候があるかどうかを決定するにあたって外部及び内部両
方の情報源が考慮される。そのような兆候があれば、当該資産の回収可能額が見積られ、適切である場合には、減
損損失が認識され資産は回収可能額まで減額される。かかる減損損失は、資産が評価額で計上され、減損損失がそ
の同じ資産の再評価準備金を超過しない場合 ( そのような場合、再評価減として会計処理される ) を除いて、損益計
算書に認識される。回収可能額は、当該資産の処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方となる。減
損損失は、必要に応じて、不動産再評価準備金又は損益計算書を通じて戻し入れられる。
処分に係る損益は、関連する税金及び費用控除後の売却処分額と帳簿価額との差額により決定される。これら
は、処分日において損益計算書に認識される。関連する再評価超過額がある場合は再評価準備金から利益剰余金に
振り替えられ、損益計算書に振り替えられることはない。
2.18 無形資産
無形資産は当グループが保有し支配権を有する、物理的な実体を持たない識別可能な非貨幣性資産であり、主に
コンピュータのアプリケーションソフトウェアである。無形資産は償却累積額及び減損累計額を控除後の取得原価
で計上される。
耐用年数が有限の無形資産の償却は、当該資産の予想耐用年数にわたり、定額法で純損益に計上される。耐用年
数が有限の下記の無形資産は、利用可能となった日から償却される。これらの予想耐用年数は以下の通りである。
・ 資産化されたコンピュータのアプリケーションソフトウェア：３～５年
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償却期間と手法はともに毎年見直される。
処分に係る損益は、正味の処分収入と帳簿価額、関連する税金及び費用の差額として認識され、処分日に損益計
算書で認識される。
2.19 リース
当グループは、契約開始時にその契約がリースであるか又はリースを含んでいるかどうかを判断する。契約が特
定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースである
か又はリースを含んでいる。顧客が契約期間を通じて、特定された資産の使用を指図し、かつ特定された資産の使
用からの経済的便益のほとんどすべてを取得する権利を有している場合、支配は移転する。
(1) 借手側の会計処理
当グループは、リース開始日にリース期間が 12 ヶ月以内の短期リース及び少額資産のリースを除く、使用権資
産及びリース負債を認識する。当グループが少額資産のリースを開始した場合、当グループはリース毎に当該
リースを使用権資産及びリース負債として認識するかどうかを決定する。使用権資産及びリース負債として認識
されないリースに関連したリース料は、リース期間にわたり規則的な基礎で費用として認識される。
延長オプションの行使が合理的に確実である場合にはその期間のリース料を勘案したうえで、リース負債を同
日現在で支払われていないリース期間にわたるリース料の現在価値で当初認識する。当該リース料は、リースの
計算利子率を用いて割り引くが、当該利子率が容易に算定できない場合には、関連する追加借入利子率を使用す
る。リース料には固定リース料（実質上の固定リース料を含む）から受け取るリース・インセンティブを控除し
た金額、変動リース料のうち、指数又はレートに応じて決まる金額、及び残価保証に基づいて借手が支払うと見
込まれる金額を含む。リース料にはまた、購入オプションを当グループが行使することが合理的に確実である場
合の、当該オプションの行使価格及び、当グループによるリースの解約オプションの行使が、リース期間に反映
されている場合のリースの解約ペナルティに係る支払いも含む。
当初認識後、利息費用は一定の期間利子率を使用して算定される。指数又はレートに応じて決まるものではな
い変動リース料は、リース負債の測定に含まれず、よって発生した会計期間に損益計算書へ借方計上される。
認識される使用権資産は、当初取得原価で測定される。この取得原価は、リース負債の当初測定の金額に、開
始日以前に支払ったリース料及び発生した当初直接コストを加算した金額で構成される。該当する場合、使用権
資産の取得原価には、原資産の解体及び除去、原資産の原状回復又は原資産の敷地の原状回復の際に生じるコス
トの見積額を現在価値に割り引き、受け取ったリース・インセンティブを控除した金額を含める。
設備に係る短期リース及びすべての少額資産のリースに関連するリース料は、定額法により純損益に費用計上
される。
使用権資産はその後、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額（注記 2.17 参照）で計
上され、以下の使用権資産の種類を除きリース負債が再測定される際に調整される。
・ 投資不動産の定義を満たす使用権資産は、注記 2.16 に従い公正価値で計上される
・ 投資不動産の定義を満たさず、当グループが登記された借地権受益者である場合の借地及び建物に関連し
た使用権資産は、注記 2.17 に従い再評価額で計上される
将来のリース料の算定に使用される指数又はレートの変動による将来のリース料の変動がある場合、残価保証
に基づいて支払われると見込まれる当グループの見積額に変動がある場合、リース期間に変更がある場合、又は
当グループの購入、延長、解約オプションの行使が合理的に確実であるかどうかの再評価から生じる変更がある
場合に、リース負債は再測定される。リース負債がこのように再測定される場合、再測定に係る修正は、使用権
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資産の帳簿価額へ行われるか、又は使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額された場合には損益計算書に認識され
る。
当グループは、投資不動産の定義を満たさない使用権資産を「有形固定資産」へ計上し、リース負債を「その
他の負債及び引当金」に計上している。
(2) 貸手側の会計処理
当グループが貸手の場合、リース開始日にそれぞれのリースがファイナンス・リースか又はオペレーティン
グ・リースかを決定する。原資産の所有に伴うリスクと経済的価値のほとんどすべてを借手に移転するリース
は、ファイナンス・リースに分類される。これに該当しないリースは、オペレーティング・リースに分類され
る。
契約にリース構成部分と非リース構成部分が含まれる場合、当グループは契約における対価を、リース構成部
分の独立価格と非リース構成部分の独立価格の総額との比率に基づいて各構成部分へ配分する。オペレーティン
グ・リースの受取賃貸料は、リース期間にわたり定額法で認識される。
2.20 保険及び投資契約
(1) 保険及び投資契約の分類、認識及び測定
当グループは、裁量権のある有配当性（以下「 DPF 」という。）を有する保険契約及び投資契約の負債を測定
するために現地の規制基準に準拠している。
当グループは、重要な保険リスクを移転し、かつ財務リスクも移転する可能性のある保険契約を引き受ける。
一般的な指針として、当グループは、重要な保険リスクを、保険事故が発生しなかった場合に支払われる給付金
を少なくとも 10% 超過する給付金を保険事故の発生時に支払わなければならない可能性と定義している。当グ
ループは、長期事業保険契約を発行しており、この契約は生命保険で保障される事故 ( 死亡、延命又は永久的な
能力喪失状態 ) を長期にわたり保証している。将来発生すると予想される契約給付金に関する負債は、保険料が
認識される際に計上される。また、当グループは投資契約も締結する。投資契約は重要な保険リスクを負わず、
財務リスクを移転する。投資契約には、業績及び特定プールのリターン又は契約の種類に基づいて重要となる可
能性のある付加的な給付金 ( 保証給付への追加 ) を受領する権利を契約者に与える裁量権のある有配当性が含まれ
る。
契約保有者から受け取った対価で当グループが投資した投資ファンドのユニットと契約上の支払を関連付ける
組込デリバティブ ( この組込デリバティブは主保険契約に密接に関連している ) を伴う長期保険契約について、対
象資産の公正価値の変動全てに対して負債は調整されており、この負債には、今後発生すると予想され、保険料
の認識時に計上される契約保険金に係る負債が含まれている。
退職制度管理カテゴリー I の契約は投資契約に分類される。また、当該契約には契約者勘定の貸付金利を決定
する際の投資保証要素が含まれている。当該契約に関する債務は、これまで受領した保険料と契約者に支払われ
た利息又は配当から保険契約加算金を控除した金額に基づいて勘定残高を示す遡及的計算方法を用いて決定され
る。
退職制度管理カテゴリー Ⅲ の保険契約は、保険法に定義されているように、死亡による雇用の終了に伴う事象
を保証している。将来発生すると予想される契約給付金に関する負債は、保険料が認識される際に計上される。
報告期間末現在、未経過リスクに関連する保有契約で受け取った保険料の部分は、未経過保険料債務として計上
される。未経過保険料債務は保険負債に含まれる。
保険料は、契約保有者に保険料の支払義務が生じると、手数料の控除前の金額で収益として、保険料に課され
る税金又は義務の控除前の総額で認識される。保険給付金及び保険金は発生時に費用計上される。
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当グループは、保険契約もしくは固定金額 ( 又は固定金額及び利息に基づく金額 ) の保険契約を解約するオプ
ションの定義に見合う組込デリバティブを個別には測定しない。
当グループが自社発行の単一又は複数の契約に係る損失について補填を受けるという条件で当グループが再保
険業者と締結した契約のうち、上記の保険契約の分類要件を満たすものは、保有再保険契約として分類される。
当グループが保有再保険契約に基づき受け取る権利がある保険給付金は、再保険資産として計上される。これ
らの再保険資産は、再保険業者からの短期債権残高と、出再された元受保険契約から生じる予想保険給付金及び
保険金に左右される、より長期の債権で構成される。再保険業者からの回収可能額又は再保険業者への支払債務
は、基礎となる保険契約に伴う金額と整合して、各再保険契約の条件に従って測定される。再保険負債は主に再
保険契約に係る支払保険料であり、期日到来時に費用計上される。
(2) 負債の十分性のテスト
各報告期間末において、保険契約負債の金額が十分であることを確認するために負債の十分性のテストが実施
される。テストの実施に当たり、契約上の将来のキャッシュ・フロー、給付金請求取扱い及び一般管理費の最新
かつ最良の見積り、並びに当該負債の裏づけとなる資産から生じる投資収益が使用される。不足額は即時に連結
損益計算書に計上され、負債の十分性のテストから生じる損失に対して引当金が設定される。
2.21 現金及び現金同等物
連結キャッシュ・フロー計算書上、現金及び現金同等物は、現金、銀行及びその他金融機関への預け金、投資有
価証券として分類される短期証券及び手形、並びに譲渡性預金証書を含み、当初の満期が取得日から３ヶ月未満の
債権残高から構成されている。
2.22 引当金
過去の事象に起因して当グループが現在、法的又は推定的債務を負い、その債務を解消するために経済的便益を
有する資源の流出が必要になる可能性が高く、またその債務の金額を信頼性をもって見積ることが可能な場合、引
当金が認識される。
2.23 従業員給付
(1) 退職給付費用
認定職業別退職制度 ( 以下「退職制度」という。 ) 又は当グループの従業員に利用可能な強制年金基金制度 ( 以
下「 MPF 」という。 ) に基づき、当グループは確定拠出型退職金制度に拠出している。当グループと従業員による
当該制度への拠出金は、退職制度では従業員の基本給に一定の割合を乗じて計算され、 MPF では MPF 規定に基づい
て計算されている。退職給付制度の費用は、発生時に損益計算書に費用計上され、当グループが制度に拠出する
金額を表している。拠出金の受給権が完全に確定する前に従業員が退職制度から脱退した場合、当グループが支
払った分の拠出金は失効し、当グループの現在の拠出金水準を軽減させるか、又は退職制度の信託証書に基づく
費用を充当するために使用される。
退職制度の資産は、独立して管理される基金に当グループの資産とは別に保有される。
(2) 有給休暇
年次休暇及び病気休暇の従業員受給資格は、従業員に権利が生じた時点で認識される。報告期間末までに従業
員が提供した役務の結果支払われると予想される未使用の年次休暇に対する見積負債及び病気休暇の金額に対し
て引当金が設定される。
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病気休暇及び特別承認年次休暇以外の有給休暇は累積されない。当期の受給資格の内、未使用の部分がある場
合、これらは失効する。失効していない年次休暇を除き、当グループ退職時に未使用の受給資格に対する現金支
払は認められていない。
(3) 賞与制度
賞与の予想費用は、従業員が役務を提供した結果、当グループが現在、法的又は推定的債務を負い、その債務
を信頼性をもって見積ることができる場合、負債として認識される。 12 ヶ月を超えて清算されると予想される賞
与制度の負債は、金額に重要性がある場合、割り引かれる。
2.24 当期の法人税及び繰延税金
当期の税金費用は法人税及び繰延税金からなる。税金は、その他の包括利益に直接認識される項目を除いて、損
益計算書において認識される。この場合、税金はその他の包括利益においても認識される。
当社、子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーが業務を行い、課税所得を生み出している各管轄地におい
て、報告期間末に施行されている、又は実質的に施行されている適用税法に基づき、利益に課される未払法人税は
利益が発生する期間の法人税費用として認識される。
繰延税金は、資産・負債の課税標準額と連結財務諸表上の帳簿価額の一時差異に伴う税金資産・負債を貸借対照
表に計上するという方法でその全額が認識されている。繰延税金は、報告期間末現在で施行されているか実質的に
施行されており、関連繰延税金資産が実現するか繰延税金負債が清算される際に適用される見込みの税率と税法に
基づき算定される。
一時差異は主に、資産減損引当金、有形固定資産の減価償却費、 FVOCI で測定する有価証券及び不動産を含む一部
の資産の再評価より生じる。しかし、その取引の時点で会計上の損益にも税務上の損益にも影響を及ぼさない企業
結合の場合を除いて繰延税金は、取引における資産又は負債の当初の認識から生じる場合、認識されない。
繰延税金負債は、課税対象となる全ての一時差異に基づいて全額計上される。繰延税金資産は、将来課税所得が
生じ、それに対して将来減算一時差異、繰越税額控除及び繰越欠損金の繰越が利用できる可能性が高い範囲内で将
来減算一時差異、繰越税額控除及び繰越欠損金の繰越に基づいて認識される。
繰延税金は、損益計算書に費用又は収益計上されるが、その他の包括利益に費用又は収益計上される FVOCI で測定
する有価証券の公正価値の再測定や不動産の再測定に関係する繰延税金は、同様にその他の包括利益に費用又は収
益計上され、その後、繰延損益の実現に伴い損益計算書において認識される。
投資不動産から生じる繰延税金負債又は繰延税金資産は、投資不動産の再評価額が売却を通じて回収され、それ
に応じた税率が適用されるという仮定に基づき算定される。
2.25 政府補助金
政府補助金は、当グループが補助金を受領し、補助金に付された条件をすべて満たすことが合理的に保証される
場合に、その公正価値で認識される。政府補助金は、それで補填されることが意図される関連費用に対応させるこ
とが必要な期間にわたり、純損益で認識される。
2.26 抵当権実行資産
抵当権実行資産は、当初にそれらの処分費用控除後の公正価値又は抵当権実行日の関連するローン残高の償却原
価のいずれか小さい値で認識され、関連するローン及び貸付金は関連する減損引当金と共に貸借対照表から認識を
中止される。その後、抵当権実行資産はそれらの取得原価と処分費用控除後の公正価値のいずれか小さい値で測定
され、「その他の資産」に含まれる「売却目的で保有する非流動資産」として計上される。
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2.27 信託業務
当グループは、一般に受託者として活動、又はその他の受託者の資格において、個人、トラスト及びその他の機
関の代理として、資産の保有又は管理を行っている。これらの資産及びそれについて生じるいずれの損益も、当グ
ループの資産ではないため、これらの財務諸表から除かれる。
2.28 偶発債務及び偶発資産
偶発債務とは過去の事象に起因し、当グループで完全には統制できない将来の１つ又は複数の不確実な事象が発
生する又は不発生によってのみその存在が確認される潜在的な債務である。また、過去の事象に起因し、経済的資
源の流出が要求される可能性が低い、もしくは金額について信頼性をもって測定を行うことができないために認識
されない現在の債務の場合もある。
偶発債務は引当金として認識されないが、財務諸表に対する注記において開示される。流出の可能性が変化し、
そのため流出の可能性が高くなった場合には、引当金として認識される。
偶発資産は、過去の事象に起因し、当グループで完全には統制できない１つ又は複数の不確実な将来の事象が発
生する又は不発生によってのみその存在が確認される潜在的な資産である。
偶発資産は財務諸表上では認識されないが、経済的便益を受取る可能性が高い場合には、財務諸表に対する注記
において開示される。経済的便益の受取りがほぼ確実である場合には、資産として認識される。
2.29 関連当事者
当財務諸表では、次に掲げるいずれかの場合に当グループの関連当事者としてみなされる。 (i) 単独でもしくは
他者と共同で当グループを支配しているか、当グループに対し重要な影響力を行使している場合。 ( ⅱ ) 同じ財務報
告グループのメンバー ( 親会社、子会社、及び同グループ内の子会社 ) の場合。 ( ⅲ ) 当グループもしくは親会社の財
務報告グループの関連会社もしくはジョイント・ベンチャーの場合。 (iv) 当グループもしくは親会社の主要経営者
の場合。 (v) 当事者が当グループと共通の支配者の支配下にある場合。 (vi) (iv) で特定された経営者が支配する事
業体の場合、及び (vii) 当グループ又は親会社に主要な経営者としてサービスを提供している。関連当事者は個人の
場合も事業体の場合もある。
3. 会計方針を適用する際の重要な会計上の見積り及び判断
当グループは、翌報告書年度において資産及び負債の帳簿価額に影響を及ぼす可能性のある見積り及び仮定を行う。
見積り及び判断は、継続して評価されており、現時点で合理的であると考えられている将来の事象に関する予測を含
む、過去の経験及びその他の要因に基づいている。資産及び負債の帳簿価額に影響を及ぼす、本質的見積り及び判断に
おいて変動しやすい分野については以下に説明する。決定に際して実用的である場合の主要な仮定又はその他の見積り
の不確実性に対する変動の影響は以下に表示されている。実際の結果によって、以下に参照する見積りに対して大幅な
調整を要する可能性もある。
3.1 顧客への貸付金に係る減損損失
当グループは、減損を評価するために信用ポートフォリオを少なくとも四半期ごとに見直している。 HKFRS 第９号
では、特に、減損損失の判定や信用リスクの著しい増大の評価を行う場合の将来キャッシュ・フローの金額やタイミ
ング、担保価値の推計などをはじめ、金融資産のすべての分類にわたり減損損失の測定には判断が必要とされてい
る。これらの見積りは多くの要因や変動による影響を受け、その結果次第で引当金の水準が変動する可能性がある。
当グループの予想信用損失（ ECL ）の算定は複雑なモデルから生成されている。可変的なインプットの選択とその
相互関連性が一連の仮定に影響を与える。ステージ１及びステージ２のエクスポージャーの ECL モデルは、実行的で
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利用可能な場合には、注記 4.1 に基づくパラメータを利用して策定される。会計上の判断及び見積りが考慮される ECL
モデルには以下の要素が含まれる。
・ 個々の格付に倒産確率を割り当てる当グループの内部信用格付モデル
・ 当該金融資産の減損引当金を全期間 ECL で測定すべきかどうかを評価するための、当グループの著しい信用悪
化の要件（内部信用格付の引下げ、期日経過日数、時価の下落及び定性的評価を含む）
・ ECL が集合的に評価される場合の、信用リスクの特徴による金融資産の区分（ソブリン、銀行、法人、中小企
業、住宅用モーゲージ・ローン及びクレジット・カードを含むポートフォリオ）
・ マクロ経済要因予測の決定（国内総生産（ GDP) の成長率、消費者物価指数、不動産価格指数及び失業率）とそ
れが倒産確率、デフォルト時損失率及びデフォルト時エクスポージャーに及ぼす影響を含む ECL モデルの開発
・ 将来予測的なマクロ経済シナリオ（好転シナリオ、ベースラインシナリオ及び悪化シナリオという独立した３
つのシナリオを含む）の選択及びその発生確率加重
信用減損エクスポージャーについては、回収可能な将来キャッシュ・フローの見積りにより予想信用損失が個別に
測定される。この見積りに影響を与える要因には、特定の借手や保証人に関連する財務情報の粒度のほか、競合他社
に関する有意な情報の入手可能性、業種動向と特定の借手の将来の業績との関連性、担保の処分に伴うキャッシュ・
フローなどが含まれる。
実際の損失実績を踏まえて定期的にモデルを見直し、必要に応じて調整を行うことを、当グループの方針としてい
る。
2021 年 12 月 31 日現在の顧客への貸付金の帳簿価額は、注記 25 に記載されている。
3.2 金融商品の公正価値
活発な市場で取引されない金融商品の公正価値は、評価技法を用いて決定される。使用される評価技法は、直近の
第三者間取引 価格、割引キャッシュ・フロー分析及び業界で幅広く使用されている外部から取得した金融分析又はリ
スク管理システムにおいて利用可能な内蔵機能付きモデル ( オプション価格決定モデル及びその他一般的に使用され
る市場価格モデル等 ) の使用を含んでいる。実行可能な範囲で、当該モデルは観察可能なデータを使用する。加え
て、評価モデルで信用リスク等の要素が考慮されていない場合は、評価調整が適用されることがある。適切な評価パ
ラメータ、仮定及びモデル化技法の選定には、経営者による判断及び見積りが必要とされる。
当グループは評価技法で用いた仮定と見積りを評価している。これには、通常の見直しや承認プロセスの一貫とし
ての、評価モデルの仮定や性質、モデルの仮定の変更、市場データの品質、市場が活発であるか否か、特にモデルが
捉えることができない他の公正価値調整、並びに複数の報告期間の技法の適用の一貫性等に関する見直しが含まれ
る。評価技法は検証され、定期的に見直され、必要に応じて財務報告日現在の市況を反映して更新される。 詳細は注
記５で説明されている。
3.3 長期保険契約から生じる将来の給付金支払額及び保険料の見積り
当グループの長期事業資金負債 ( 保険契約負債の構成要素 ) を決定するにあたり、当グループは、保険 ( 長期負債の
決定 ) の規定に従い、関連要因の逆偏差のための適正なマージンを含む仮定を慎重に行っている。当グループがリス
クにさらされている各事業年度の予想死亡者数に関して見積りが行われている。当グループは、当グループ独自の実
績及び関連する再保険契約を適宜反映して調整された、人口統計又は再保険の情報に基づいて、これらの見積りを作
成している。長寿リスクを保証する契約では、予想される死亡率の改善に対して慎重な引当金が設定されている。予
想死亡者数により、給付金支払額及び評価保険料が決定される。不確実性の主な原因として、エイズ、サーズ、鳥イ
ンフルエンザなどの疫病及び食習慣、喫煙習慣、運動習慣などの多岐にわたるライフスタイルの変化などがあり、こ
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れによって、当グループが死亡リスクにさらされている年齢層の将来の死亡率が、過去と比較して大幅に悪化する可
能性がある。しかし、医療ケア及び社会情勢の継続的な向上は、当グループが長寿リスクにさらされている場合に契
約 負債を決定するために使用された見積りで考慮される以上の寿命の延長をもたらす可能性がある。
将来の死亡者数及び罹病者数とその経営者の見積りとの間に 10%(2020 年： 10%) の差異が生じた場合、長期事業資金
負債は、当該負債の 0.27%(2020 年： 0.29%) にあたる約 267 百万香港ドル (2020 年：約 264 百万香港ドル ) 増加することに
なる。この場合、保有再保険契約による負債の軽減はないと想定されている。
生命保険の要素を含む関連する長期保険契約については、当グループは将来において新たな死亡率にあわせて死亡
リスク負担を増加することができる。
資産担保付長期保険契約により生じる将来の投資収益についての見積りも行われた。これらの見積りは、最新の
マーケット・リターン並びに将来の経済及び金融の成長予測に基づいて行われている。将来の平均投資利益が経営者
の見積りより 50 ベーシス・ポイント (2020 年 :50 ベーシス・ポイント ) 下回ると、長期事業資金負債は約 866 百万香港ド
ル (2020 年：約 1,3168 百万香港ドル ) 増加することとなる。この場合、保有再保険契約による負債の軽減はないと想定
されている。
当グループはまた、保険条例に従い、費用に係る引当金が必要であるかどうかを評価した。費用に係る引当金と
は、当グループが評価日から 12 ヶ月後に新規事業の取引を中止せざるを得なくなった場合に契約を履行するために生
じるであろう正味費用合計額を満たすために必要な金額のことである。 2021 年 12 月 31 日現在、維持費に係る引当金は
計上していない（ 2020 年：なし）。
負債に見合う資産価値に将来起こり得る変動の影響に対処する慎重な引当金を設定するために、レジリエンス・リ
ザーブが設定され、保険 ( 長期負債の決定 ) に対する規定に従って長期事業資金負債に含められた。レジリエンス・
リザーブは、原資産の市場利回り及び評価金利が 19 ベーシス・ポイント (2020 年： 12 ベーシス・ポイント ) 変動すると
いう任命された保険数理士のアドバイスに基づいて設定された。設定されるレジリエンス・リザーブの金額は、想定
された金利変動の度合いに依拠する。
3.4 繰延税金資産
繰越欠損金及び繰越税額控除に係る繰延税金資産の認識、繰延税金資産の金額の決定には重要な経営陣の判断が求
められる。繰越欠損金に基づく繰延税金資産は、将来課税所得が生じ、それに対して損金が利用できる可能性が高い
範囲で認識される。認識可能な繰延税金資産の金額の決定は、適切な時期と将来課税所得の水準に基づく判断が求め
られる。繰延税額控除に基づく繰延税金資産に関し、認識可能な繰延税金資産の金額の決定は、利用可能な税額控除
の見積りと認識された繰延税金資産の回収可能性に基づく判断が求められる。
3.5 リースのリース期間の決定
当グループは、リースを延長するオプションを行使することが合理的に確実である場合にはリースを延長するオプ
ションの対象期間、リースを解約するオプションを行使しないことが合理的に確実である場合にはリースを解約する
オプションの対象期間を加えたリース期間をリースの解約不能期間として決定する。
当グループのリースには、３年から９年の追加延長オプションがついたものが存在する。当グループは、オプショ
ンの行使が合理的に確実であるかどうかをリース開始日に評価する。評価において、当グループはリースを延長する
オプションを行使することへの経済的インセンティブを生じさせる、すべての関連する要因を考慮する。リース開始
日後に、当グループの統制の及ぶ範囲内にあり、リースを延長するオプションを行使すること（又は行使しないこ
と）に影響を与える重大な事象又は状況の重大な変化（事業戦略の変更等）の発生時に、当グループはリース期間の
見直しを行う。
2021 年 12 月 31 日現在の使用権資産の帳簿価額は注記 29 に記載されている。
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4. 金融リスク管理
当グループは様々な事業活動に携わっていることから金融リスクにさらされている。主な金融リスクは、信用リス
ク、市場リスク ( 通貨リスク及び金利リスクを含む ) 及び流動性リスクである。この注記では、これらのリスクに対する
当グループのエクスポージャー、並びに当グループの目標、リスク管理統治体制、管理方針及びプロセス、並びにこれ
らのリスクの測定に用いている方法について要約する。
金融リスク管理体制
当グループのリスク管理体制は全てのビジネス・プロセスをカバーし、事業を営む過程で様々なリスクを適切に管
理、統制すべく策定されている。当グループでは、発生が予想される各種リスクを認識、測定、監視及び統制する包括
的な一連の方針と、手続を備えた強固なリスク管理の組織体制を敷いている。これらのリスク管理方針及び手続は市場
の変動及び事業戦略の変更を反映するために定期的に見直され、更新される。リスクを負担する当事者の様々なグルー
プがリスク管理に関するそれぞれの責任を担っている。
株主の利益を代表する取締役会は当グループの最高決定権を有し、リスク管理の最終的責任を負っている。取締役会
は委員会の支援を受け、リスク管理戦略、リスク選好及びリスク・カルチャーの構築及び当グループがこれらの戦略を
実行するための効果的なリスク管理体制を確実に有することに対する第一義的責任を負う。
取締役会によって設立された常任委員会であるリスク委員会 ( 以下「 RMC 」という。 ) は、当グループの様々なタイプの
リスクを監視し、レベル I リスク管理方針の承認を行いそれらの実施を監視し、重要なリスク又は高リスクのエクスポー
ジャー又は取引の承認を行う。監査委員会は、内部統制システムの監視責任を果たす取締役会を支援する。
チーフ・エグゼクティブ ( 以下「 CE 」という。 ) は、当グループの様々なタイプのリスクを管理する責任を負うほか、
取締役会により委任された自身の権限の範囲内で重大なリスク・エクスポージャー又は取引を承認する責務を負う。
チーフ・エグゼクティブ代理 ( 以下「 DCE 」という。 ) は、様々なタイプのリスクを日次で管理する責務を果たすことに
おいて CE をサポートし、 CE から委任された権限の範囲内で重要なリスク・エクスポージャーや取引を承認する責任を負
う。チーフ・リスク・オフィサー ( 以下「 CRO 」という。 ) は、法務、コンプライアンス、オペレーショナルリスク及びマ
ネーロンダリング対策を担当するチーフ・エグゼクティブとともに、様々なタイプのリスクと内部統制の日常的な管理
に関する責務を果たすことにおいて CE をサポートする。また、当グループが、新たな事業や商品、事業環境の変化から
時々生じ得るリスクを効果的に監視し、管理することができるよう、規制上の変更に応じた新規のリスク管理戦略やプ
ロジェクト、対策を開始する責務を負うほか、重大なリスク・エクスポージャー又は取引を、委任された権限の範囲内
で見直す責務を負う。取締役会が承認したリスク管理方針の序列決定原則に従い、上級経営者も同様に、各自の所管分
野に関する詳細なリスク管理方針を承認する責務を負う。
当グループの様々な部署がそれぞれリスク管理に対する責任を負う。事業ユニットが第一のディフェンスラインを担
い、事業ユニットから独立するリスク管理ユニットが様々な種類のリスクに関する日次の管理について責任を有する。
リスク管理ユニットは様々なリスク管理方針及び手続の起草、検討、更新に主な責任を有する。
当グループの主要な銀行子会社は、当グループの方針と整合的なリスク管理方針に従っている。また当グループの非
銀行子会社である中銀集団保険有限公司なども、当グループのリスク管理要件に従っている。これらの子会社は、各社
が属する業界の特徴に基づく独自のリスク管理方針を定め、日次リスク管理の実施責任を負い、 BOCHK へ定期報告を行う
必要がある。 BOCHK のリスク管理部門は、各子会社によるリスク管理の状況を監視する。
当グループは、方針、手続及び限度の遵守状況の監視に関する明確な権限及び責任系統が設定されている組織構成の
確立を含む、適切な内部統制システムを導入した。適切な内部統制環境の推進を支援する組織内の適切な職務の分掌と
同様に、適切なレポーティングラインもまた、事業部門からの統制機能の十分な独立性をもたらすものである。
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商品開発及びリスクの監視
リスク評価と監視の有効性を確保するために、当グループでは、全ての関連ユニットの役割及び責任が明確に定義さ
れ、商品開発に係る適切なデュー・ディリジェンス・プロセスが整備されている包括的な商品開発及びリスク監視シス
テムを有している。
取締役会と経営者によって設定された戦略目標に従い、それぞれの商品管理ユニットは事業及び商品の開発計画を構
築し、具体的な商品開発活動を開始する責務を負う。戦略策定部門は、それらの計画が当グループの全体的な戦略と整
合しているか確かめている。リスク管理、法務コンプライアンス並びに財務等に対する責任を有する部門は、リスク評
価結果のレビューを行う。
商品開発以外のそれぞれの商品管理ユニットは、関連するリスク評価部門と緊密に機能し、新商品のリスクを特定
し、評価する。リスク評価部門は、リスク評価の結果及び対応するリスク管理手段について独立した立場から検討す
る。商品は、全てのリスク評価部門のデュー・ディリジェンス・プロセスが完了した後に初めて販売の開始が可能とな
る。
顧客に資金関連商品を提供する際には、慎重なアプローチが採られる。全ての資金関連商品は、導入前に特別委員会
による承認を必要とする。
4.1 信用リスク
信用リスクは、契約上の債務を履行できないか履行の意思を持たない顧客又は取引先企業から発生するリスクであ
る。信用リスクは、トレーディング勘定及び銀行勘定に存在し、当グループのオン / オフ・バランスシート取引から
も生じる。このリスクは主に貸付、貿易金融及び資金関連業務から生じる。
信用リスク管理体制
当グループは一連の包括的な信用リスク管理方針とその手続を構築し、発生する可能性のある信用リスクを管理及
び統制するための適切な信用リスク限度を設定している。これらの方針、手続及び信用リスク限度は、市況の変化及
び事業戦略の変更に対応するために定期的に見直し、更新が行われる。
当グループの組織体制により、方針、手続及び業務上の制限の遵守状況の監視に関する明確な一連の権限及び責務
が確立される。
チーフ・クレジット・オフィサーは CRO の直属であり、信用リスク管理責任を負うとともに、当グループが策定し
たリスク管理原則及び要件に沿って子会社の信用リスク・エクスポージャーを管理する責任も負う。当グループの各
部門はそれぞれの信用リスク管理責任を負う。各事業部門はリスク管理の第一のディフェンスラインを担う。事業部
門から独立したリスク管理部門は ( 以下「 RMD 」という。 ) は、信用リスクの日次管理責任を負う他、信用リスクの特
定、測定、監視、及び管理を通じて独自にデュー・ディリジェンスを行い、効果的な牽制が図られていることを確か
める責任と、信用リスク管理方針及びその手続の草案作成、見直し、及び更新を行う主たる責任を負う。また RMD
は、当グループの内部格付システムを設計、開発及び維持する責任を負い、このシステムと関連規制要件の遵守状況
を確かめている。バックオフィスは、オペレーション支援のほか、与信枠の前提条件や貸出条件の適用状況を監督
し、与信管理に関する責任を負う。
当グループの経営方針に準拠して、当グループの主要子会社は、当グループの中核となる方針と整合した独自の信
用リスク方針を構築する必要がある。これらの子会社はリスク管理報告書を当グループの経営者に定期的に提出する
ことが求められる。
取締役会は与信承認権限を CE に委任している。 CE はそれを、取締役会から許可された限度内において、さらに部下
に委任することが可能である。当グループは、与信事業の性質、格付、取引リスクのレベル及び信用エクスポー
ジャーの程度に従って与信承認権限の限度を設定している。
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信用リスクの測定及び統制
急速に変化する市況を考慮して、当グループは引き続きその与信戦略を見直し、関連するポートフォリオについて
厳格な検討を行っている。
貸付金
顧客、取引先又は取引に関するリスクのレベルに従って異なった与信承認及び統制手続が採用される。与信及びそ
の他の部門の専門家によって構成される信用リスク評価委員会は、 DCE 又はその上席の承認を要する重要な与信申請
を独立した立場で評価を行う責任を負う。リテール以外のエクスポージャーに係る借入の申込みはリスク管理部門に
より個別に検討され、客観的に評価される。与信に係る承認を裏付けるため、債務者格付 ( 倒産確率 ) 及び案件格付
( デフォルト時損失率 ) がこれらのポートフォリオに割り当てられる。リテール内部格付システムは、リテール・エク
スポージャーの中の小規模事業者ローン、住宅用モーゲージ・ローン、個人ローン及びクレジット・カード等を含む
リテール信用取引のリスク評価において使用される。与信に係る承認の裏付けには、ローンの等級、債務者及び案件
格付に加えて損失の見積り ( もしあれば ) が使用される。
当グループはまた、信用状況のモニタリング、報告及び信用リスク情報の分析を裏付けるためにも、ローンの等
級、債務者の格付及び必要に応じて損失の見積りを活用する。リテール以外のエクスポージャーについては、よりリ
スクの高い顧客に関して、より頻繁な格付の見直しとより詳細なモニタリングが求められている。リテール・エクス
ポージャーについては、信用状況のモニタリングには、ポートフォリオ・ベースでの月次の内部格付と損失の見積り
の更新が活用される。債務者がリスクの高いプールにあると認識された場合、より詳細な見直しが求められる。
当グループは、 S&P の外部格付にマッピングすることができる内部格付基本基準を採用している。内部格付基本基
準の構造は香港銀行業条例の銀行業 ( 資本 ) 規則の要件に準拠している。
RMD は、経営会議（以下、「 MC 」という。）、 RMC 、 RC 及び取締役会による信用リスクのモニタリングを容易にする
ために定期的及び臨時の信用管理情報レポートを提供する。
加えて当グループは、業界、地域、顧客又は取引先のリスクにより信用集中リスクを識別する。当グループは全て
の取引先の信用リスク、信用ポートフォリオの質及びリスク集中の変動を監視し、当グループの経営者に定期的に報
告する。
当グループは、 HKMA のガイドラインを参照して信用資産を以下の５つのカテゴリーに分類するローン格付基準を採
用している。
「正常」は、借手が現在返済義務を果たしており、利息及び元本の全額返済が確実と考えられるローンを意味す
る。
「要注意」は、借手が当グループの貸付金の元利回収可能性に脅威を及ぼしかねない困難に陥っているローンを意
味する。最終的な損失はこの段階では予想されていないが、不利な状況が続く場合に発生する可能性がある。
「要管理先」は、返済が困難となるような特定可能な問題を借手が見せているローンを意味する。
「貸倒懸念先」は、全額の回収が困難であり、当グループが担保の正味実現可能額を考慮しても元本及び / 又は利
息の損失が生じることを予測しているローンを意味する。
「破綻先」は担保の処分や訴訟手続など全ての回収手段を行使しても、貸付金の回収が不可能と考えられるローン
を意味する。
債務証券及びデリバティブ
債務証券への投資について、債務者格付又は外部信用格付、及び顧客 / 証券発行体ごとに設定された与信枠が、投
資に関係する信用リスク管理に使用される。デリバティブについては、当グループは関連の信用リスクを管理するた
めに顧客限度額を設定し、貸付金と同様の承認及び統制プロセスが適用される。継続的なモニタリング手続及びス
トップロス手続が確立されている。
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決済リスクは主に取引先との外国為替取引により発生し、また現金、有価証券又は株式による受取予想に対応し
て、現金、有価証券又は株式による支払いが行われるあらゆる状況下においてのデリバティブ取引からも発生する。
当 グループによる一日の市場取引から生じる全ての決済リスクをカバーするために、取引先又は顧客に対して日々の
決済限度額が設定される。
90 日超延滞している、又は借手が当グループに対する信用債務を全額支払う公算が小さい場合等、見積将来キャッ
シュ・フローに悪影響を与える一以上の事象が発生している場合に、金融商品は債務不履行に陥ったと考えられる。
信用減損した金融商品はステージ３に分類され、全期間予想信用損失が認識される。金融商品が信用減損している
証拠には、以下の事象に関する観察可能なデータが含まれる。
－ 借手に生じた著しい財政困難
－ 債務不履行又は元本若しくは利息の支払遅延等の契約違反
－ 借手の財政困難に関連する経済的又は契約上の理由により、当グループが、通常は考慮しない譲歩を借手に
与えた場合
－ 借手が破産又は財政的再編をする可能性が高い場合、又は
－ 他の 観察 可能なデータが、当該金融商品からの見積将来キャッシュ・フローに無視できない減少があること
を示唆している場合。
予想信用損失（「 ECL 」）手法
減損評価では、償却原価で測定される金融商品及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する保有金融商品に
関し ECL の認識を求める HKFRS 第９号に従った、減損モデルを導入している。 ECL は HKFRS 第９号に基づき３つのステー
ジで評価され、金融資産、ローン・コミットメント及び金融保証は３つのステージのいずれかに分類される。
ステージ１： 金融商品の組成時に信用減損しておらず金融資産の信用リスクが組成時以降も著しく増大していな
い場合、損失引当金は 12 ヶ月間の ECL の金額で測定される。
ステージ２： 金融商品の組成時に信用減損していないが、金融商品の信用リスクが組成時以降に著しく増大して
いる場合、損失引当金は全期間 ECL に相当する金額で測定される。
ステージ３： 金融商品は信用減損しており、当該金融資産の将来キャッシュ・フローが１以上の事象によりに悪
影響を受ける場合、損失引当金は全期間 ECL に相当する金額で測定される。
当グループは、金融商品のステージを決定するために、著しい信用悪化の要件の枠組みを策定した。この枠組み
は、延滞日数、 IRB による格付の変更、低い信用リスクの閾値やウォッチリスト等の要因を考慮し、定量的評価と定
性的評価の双方を織り込んでいる。
内部モデルの顧客の信用格付は 27 段階に分類されている。最も低い信用格付（ 27 番目）は債務不履行の顧客に相当
し、他の格付は債務不履行ではない顧客に割り当てられる。著しい信用悪化を判断する上で考慮される定量的基準及
び定性的基準は以下を含む。
定量的基準
－ 契約上の期限から 30 日超経過し、元本又は利息の支払いができない
－ 報告日現在、当初認識時とは異なる PD に応じた信用格付の悪化が反映され、残存期間の PD が当初認識時から一
定幅以上上昇した場合は、信用リスクが著しく増大しているとみなされる。多くの場合、顧客の信用格付が５
段階引き下げられた時点で信用リスクが著しく増大している。
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定性的基準
－ 債務者の事業又は財政状況における重要な悪影響が及ぼす変化
－ 信用悪化の前兆がみられる顧客がステージ分類見直し対象としてウォッチリストに入ったこと
当グループは、バーゼルⅡの IRB モデルに加え、実行的かつ利用可能場合には内部モデルに基づいたパラメータを
利用し ECL を算定している。モデルがないポートフォリオについては、実績データ、関連する貸倒損失実績又は近似
値など、その他すべての合理的かつ裏付可能な情報を利用している。 ECL の測定は、金融商品のデフォルト確率（以
下「 PD 」という。）、デフォルト時損失率（以下「 LGD 」という。）及びデフォルト時エクスポージャー（以下
「 EAD 」という。）を掛け合わせた金額を、実効金利を用いて報告日まで割り引いたものである。
ECL は、一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額、貨幣の時間価値、
並びに過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての合理的で裏付け可能な情報を反映して測定され
ている。当グループは HKFRS 第９号の要件を満たすために ECL の測定に３つの経済シナリオを適用している。「ベース
ライン」シナリオは最も起こりそうな結果を表しており、「好転」シナリオ及び「悪化」シナリオと形容される、他
の２つのシナリオは、ベースラインシナリオと比較して、より楽観的又はより悲観的で、起こりそうにない結果を表
している。
ベースラインシナリオは、経済戦略企画部により作成されている。シナリオが 合理的かつ裏付可能 であることを確
実にするために、過去の実績、景気動向、政府及び非政府機関が提供する対外予測等をベンチマークとして利用して
いる。当グループは過去のマクロ経済データを参照して好転シナリオ及び悪化シナリオを作成している。
当グループが事業を行っている主要国 / 主要地域における国内総生産（ GDP ）などの主要マクロ経済要因や、消費者
物価指数、不動産価格指数及び失業率などの他の主要マクロ経済要因が経済的シナリオに適用されている。これらの
マクロ経済要因は、統計的分析及び景況感における当グループの ECL にとって重要であると考える。
各シナリオに割り当てた発生確率加重は、減損引当金の十分性を確保するという当グループの慎重かつ一貫した信
用戦略を実践する、経済環境に対する当グループの見解を反映している。発生確率の高さを反映して、より高い発生
確率加重がベースラインシナリオに割り当てられており、発生確率の低さを反映して、より低い発生確率加重が好転
シナリオと悪化シナリオに割り当てられている。 2021 年 12 月現在、当グループのベースラインシナリオの確率加重
は、好転シナリオと悪化シナリオの確率加重の合計を上回る。
ECL を評価するために当グループが用いる主要マクロ経済要因は以下の通りである。
悪化シナリオ ベースラインシナリ 好転シナリオ
マクロ経済要因
オ
-5.88% +3.50% +6.77%
2022 年の香港の予想 GDP 成長率
ECL の算定はマクロ経済要因及び経済シナリオによる影響を受ける。より悲観的なマクロ経済要因が ECL 算定に用い
られる場合、又はより高い発生確率加重が悪化シナリオに割り当てられる場合に ECL は増加する。当グループは ECL モ
デルに用いられたマクロ経済要因と経済シナリオの確率加重を、確立された手法に従い四半期ごとに見直している。
2021 年 12 月 31 日現在、発生確率加重が５％ベースラインシナリオから悪化シナリオにシフトした場合、 ECL は 2.95%
増加する。一方、確率加重が５％ベースラインシナリオから好転シナリオにシフトした場合、 ECL は 2.51% 減少する。
RMC は ECL 方法論の承認に責任を負い、経営者は ECL モデルの導入に責任を負う。信用リスク管理部門は、定期的な
モデルの見直しやパラメータの更新を含む ECL 手法の維持に責任を負う。独立したモデル検証チームは、 ECL モデルの
年次検証に責任を負う。 ECL 手法に変更がある場合、当グループは適切な承認プロセスに従う。
担保として保有される担保資産及びその他の信用補完
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担保の評価及び管理については、受け入れの基準、担保の有効性、融資比率、ヘアカット率、評価及び保険などを
網羅する信用リスク管理の方針及び手順に文書化されている。担保は定期的に再評価されるが、その頻度及び使用さ
れ る方法は関連する担保の種類、原貸付の性質とリスクによって異なる。当グループは、ポートフォリオ・ベース
で、公表された指標等を用いて、主要なタイプの担保である不動産の担保価値の評価を更新するメカニズムを構築し
ている。担保は当グループが一次受益者として保証されている。個人部門における主要な担保の種類は不動産、現金
預金、及び有価証券である。企業及び事業部門における担保には不動産、有価証券、現金預金、船舶及び航空機等が
含まれる。
当グループは、第三者の保証人により保証されるローンに関して、当該保証人の財務状況、信用履歴及び債務履行
能力を査定する。
2021 年 12 月 31 日現在、借手の債務不履行がない状況で売却又は再担保が許可される当グループが保有する担保の公
正価値は 20,891 百万香港ドルであった (2020 年： 5,168 百万香港ドル ) 。当グループは当該担保の売却も再担保も行わ
なかった (2020 年：なし ) 。これらの取引は売戻条件付契約及び証券貸借取引の通常かつ慣例的な条件に基づいて実行
される。
(A) 信用エクスポージャー
最大信用エクスポージャーは、担保資産又はその他の信用補完を全く考慮しないという最悪の場合に当グルー
プが被るエクスポージャーである。オン・バランスシート資産については、その帳簿価額が、信用リスクに対す
る最大エクスポージャーとなる。保証状発行については、信用リスクに対する最大エクスポージャーは、保証が
要求される場合に当グループが支払いを要求される可能性がある最大額である。ローン・コミットメント及びそ
の他の信用関連の負債については、信用リスクに対する最大エクスポージャーは契約額の全額である。
以下は、担保資産及びその他の信用補完の種類と、これらが当グループの各種金融資産へ及ぼす財務上の影響
に関する説明である。
銀行及びその他金融機関への預け金等
取引先の性質から、一般的にこれらの資産についてのエクスポージャーに係るリスクは低いと考えられるた
め、これらの資産については通常担保を求めていない。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び有価証券への投資
債務証券への投資に対しては、通常、担保を徴求していない。
デリバティブ
当グループでは、国際スワップ・デリバティブ協会が公表したマスター契約書 ( 以下「 ISDA マスター契約書」
という。 ) を、デリバティブ関連業務に関する契約書の雛形として推奨している。当該マスター契約書には、契
約の枠組み ( この枠組みの下で OTC 取引の取引業務が実施される ) が定められている他、期限の利益喪失事由及び
終了事由の根拠となる事象の発生による契約終了時のクローズアウト・ネッティング条項が定められている。さ
らに、必要とみなされれば、 クレジット・サポート・アネックス が ISDA マスター契約書のスケジュール部分に含
まれる。クレジット・サポート・アネックスの下では、信用エクスポージャーを軽減するため、必要に応じて、
一方の契約の当事者からもう一方の当事者に担保が提供される。
貸付金及びその他、ローン・コミットメント及び金融保証契約
一般的な種類の担保は 172 ページ ( 訳者注：原文のページ ) に開示されている。貸付金及びその他、ローン・コ
ミットメント及び金融保証契約については、当グループが、個々のエクスポージャーに係るリスクを検討した上
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で適切であると考える範囲で担保を徴求している。顧客への貸付金に関する担保の割合は 182 ページから 183 ペー
ジ ( 訳者注：原文のページ ) に記載されている。またローン・コミットメント及び金融保証契約の構成要素と内容
は 注記 41 に開示されている。当グループでは、予告なく無条件で解約できるコミットメントについて、借手の信
用の質が悪化した場合にクレジット・ラインの供与を撤回する必要性を評価している。 2021 年 12 月 31 日現在、担
保によりカバーされているローン・コミットメント及び金融保証契約は 12.39% (2020 年： 13.25%) である。
(B) 貸付金及びその他債権
商品種類別の貸付金及びその他債権の総額 ( 減損引当金控除前 ) は以下に要約されている。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
顧客への貸付金
個人向け
－モーゲージ 386,220 340,587
－クレジット・カード 12,096 10,981
－その他 110,729 107,009
企業向け
－商業ローン 1,016,428 972,790
73,611 66,497
－貿易金融
1,599,084 1,497,864
商業手形 7,264 9,826
727 1,898
銀行及びその他金融機関への貸付金
1,607,075 1,509,588
特定の返済期日のある貸付金は、元本又は利息の返済期日が過ぎ、返済がなされない場合に延滞貸付金として
分類される。定期的な分割払いで返済される貸付金は、分割返済の期日が過ぎ、返済がなされない場合に延滞貸
付金として分類される。要求払貸付金は、返済要求が借手に送達されているが指示通りに返済がなされない、又
は、貸付金が承認限度額を継続的に超える状態が続いており、そのことが借手に伝えられている場合に延滞貸付
金として分類される。
ステージ３として分類された貸付金は、完全に担保されている場合は、必ずしも減損損失とならない。
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貸付金及びその他債権の総額 ( 減損引当金控除前 ) は行内信用格付・ステージ分類により以下のように分析され
る。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
顧客への貸付金
1,558,267 25,138 - 1,583,405
正常
要注意 3,039 8,319 - 11,358
- - 4,321 4,321
要管理先以下の区分
1,561,306 33,457 4,321 1,599,084
商業手形
7,264 - - 7,264
正常
- - - -
要注意
- - - -
要管理先以下の区分
7,264 - - 7,264
銀行及びその他金融機関への貸付金
正常 727 - - 727
- - - -
要注意
- - - -
要管理先以下の区分
727 - - 727
1,569,297 33,457 4,321 1,607,075
(4,843) (2,406) (2,632) (9,881)
減損引当金
1,564,454 31,051 1,689 1,597,194
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
顧客への貸付金
正常 1,466,646 20,352 - 1,486,998
3,846 3,026 - 6,872
要注意
- - 3,994 3,994
要管理先以下の区分
1,470,492 23,378 3,994 1,497,864
商業手形
正常 9,826 - - 9,826
- - - -
要注意
- - - -
要管理先以下の区分
9,826 - - 9,826
銀行及びその他金融機関への貸付金
正常 1,898 - - 1,898
- - - -
要注意
- - - -
要管理先以下の区分
1,898 - - 1,898
1,482,216 23,378 3,994 1,509,588
(5,405) (1,115) (2,652) (9,172)
減損引当金
1,476,811 22,263 1,342 1,500,416
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以下は、減損引当金と貸付金及びその他債権との調整である。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
減損引当金
2021 年１月１日現在 5,405 1,115 2,652 9,172
ステージ１へ移動 105 (103) (2) -
ステージ２へ移動 (226) 242 (16) -
ステージ３へ移動 (14) (13) 27 -
ステージ間移動による変動 (82) 1,062 963 1,943
(i)
2,590 682 703 3,975
当年度の繰入額
(ii)
(2,912) (473) (375) (3,760)
当年度の戻入額
モデルの変更 5 (65) (42) (102)
償却額 - - (1,247) (1,247)
回収額 - - 90 90
(28) (41) (121) (190)
換算差額等
4,843 2,406 2,632 9,881
2021 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 1,966
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
総額
2021 年１月１日現在 1,482,216 23,378 3,994 1,509,588
ステージ１へ移動 1,472 (1,455) (17) -
ステージ２へ移動 (15,700) 15,726 (26) -
ステージ３へ移動 (1,392) (229) 1,621 -
エクスポージャーの変動、純額 104,523 (4,008) (33) 100,482
償却額 - - (1,247) (1,247)
(1,822) 45 29 (1,748)
換算差額等
1,569,297 33,457 4,321 1,607,075
2021 年 12 月 31 日現在
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( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
減損引当金
2020 年１月１日現在 4,564 297 2,175 7,036
ステージ１へ移動 96 (94) (2) -
ステージ２へ移動 (166) 177 (11) -
ステージ３へ移動 (8) (19) 27 -
ステージ間移動による変動 (76) 782 772 1,478
(i)
2,894 104 300 3,298
当年度の繰入額
(ii)
(1,920) (132) (235) (2,287)
当年度の戻入額
償却額 - - (561) (561)
回収額 - - 136 136
21 - 51 72
換算差額等
5,405 1,115 2,652 9,172
2020 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 2,489
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
総額
2020 年１月１日現在 1,412,567 4,213 3,217 1,419,997
ステージ１へ移動 1,207 (1,197) (10) -
ステージ２へ移動 (22,369) 22,384 (15) -
ステージ３へ移動 (804) (403) 1,207 -
エクスポージャーの変動、純額 87,260 (1,628) 62 85,694
償却額 - - (561) (561)
4,355 9 94 4,458
換算差額等
1,482,216 23,378 3,994 1,509,588
2020 年 12 月 31 日現在
(i) 当年度の繰入額には、新規ローンに起因する減損損失、ステージ間移動のない残存ローン、リスクパラメーターの変更等
が含まれている。
(ii) 当年度の戻入額には、返済済みのローンやステージ間移動のない残存ローンに起因する減損損失や、リスクパラメーター
の変更等に係る戻入が含まれている。
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(a) 減損した貸付金
減損している顧客への貸付金の分析は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
減損 分類又は減損 減損 分類又は減損
4,321 4,321 3,994 3,994
減損している顧客への貸付金総額
顧客への貸付金総額に対する割合 (%) 0.27% 0.27% 0.27% 0.27%
当該貸付金に対して設定された減損引当金 2,632 2,632 2,652 2,652
分類又は減損している顧客への貸付金は、当グループのローンの質の分類により、「要管理先」、「貸倒
懸念先」又は「破綻先」のいずれかに分類されるか、ステージ３に分類されているものである。
減損引当金は信用減損貸付金に関する担保価値を考慮して設定された。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
2,260 3,046
減損している顧客への貸付金の保全部分に対する担保の市場価値
減損している顧客への貸付金の保全部分 1,062 1,558
減損している顧客への貸付金の非保全部分 3,259 2,436
2021 年 12 月 31 日現在、減損している商業手形、銀行及びその他の金融機関への貸付金はなかった (2020
年：なし ) 。
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(b) ３ヶ月超延滞の貸付金
３ヶ月超延滞の貸付金の総額は以下のように分析される。
2021 年 2020 年
顧客への貸付金 顧客への貸付金
金額 金額
総額に対する 総額に対する
( 百万香港ドル ) ( 百万香港ドル )
割合 (%) 割合 (%)
延滞期間別の顧客への貸付金総額
－３ヶ月超６ヶ月以下 245 0.02% 174 0.01%
－６ヶ月超１年以下 1,291 0.08% 718 0.05%
1,488 0.09% 2,137 0.14%
－１年超
3,024 0.19% 3,029 0.20%
３ヶ月超延滞の貸付金
以下に分類された貸付金に対して
設定された減損引当金
1,907 2,332
－ステージ３に分類された貸付金
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
当該顧客への貸付金の保全部分に対する担保の市場価値 1,196 1,312
当該顧客への貸付金の保全部分 814 913
当該顧客への貸付金の非保全部分 2,210 2,116
延滞している、又は減損したローンに対する担保は、主として企業向けローンについては商業用及び住宅
用不動産及び船舶といった事業資産であり、また個人向けローンについては住宅用不動産である。
2021 年 12 月 31 日現在、支払期日から３ヶ月超延滞している商業手形はなく、支払期日から３ヶ月超延滞し
ている銀行及びその他金融機関への貸付金はなかった (2020 年：なし ) 。
(c) リスケジュールされた貸付金
2021 年 2020 年
顧客への貸付金 顧客への貸付金
金額 金額
総額に対する 総額に対する
( 百万香港ドル ) ( 百万香港ドル )
割合 (%) 割合 (%)
「３ヶ月超延滞の貸付金」に含まれるもの
以外の、リスケジュールされた顧客への
216 0.01% 178 0.01%
貸付金
リスケジュールされた貸付金とは、借手の財務状況の悪化又は借手が当初の返済期限を守れなくなったた
めに、銀行と借手の間で減免や貸出条件が緩和された貸付金であり、利息又は返済期間いずれかに関する変
更された返済条件は、当グループでは「ノン・コマーシャル」である。変更された返済条件の下で３ヶ月超
延滞している、リスケジュールされた貸付金は「３ヶ月超延滞の貸付金」に含まれる。
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(d) 顧客への貸付金の集中
(i) 顧客への貸付金総額のセクター別分析
以下の顧客への貸付金総額の産業セクター別内訳は、ローン及び貸付金に関する HKMA 報告のための作
成要領を参照した区分に基づいている。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
担保又は
減損引当金
分類又は
減損引当金
顧客への
その他の
減損された 延滞貸付金
- ステージ１
貸付金総額
保証付貸付金
- ステージ３
貸付金
及び２
の割合 (%)
香港で利用されたローン
産業界、商業界及び
金融業界
－不動産開発
166,208 26.82% - 171 - 899
－不動産投資
78,125 62.89% 28 41 1 248
－金融関連
23,392 0.83% - - - 39
－株式ブローカー
3,070 80.08% - - - 5
－卸売及び小売業
27,281 47.95% 260 304 121 243
－製造業
44,492 9.12% 31 3 20 180
－輸送及び輸送設備
62,000 22.79% - - - 368
－レクリエーション
176 97.15% - - - -
－情報技術
31,753 0.30% 32 32 20 61
－その他
145,302 43.76% 51 266 29 359
個人
－宅地購入プログラ
ム、民間部門参加プ
ログラム及びアパー
ト購入プログラムに
よるローン 34,776 99.49% 15 221 - 21
－その他の居住用不動
産購入ローン 349,645 99.95% 129 1,153 1 129
－クレジット・カード
による貸付金 12,079 - 91 419 48 174
－その他
104,906 95.19% 117 469 67 196
香港で利用されたローン合
計 1,083,205 62.35% 754 3,079 307 2,922
貿易金融
73,611 15.17% 517 498 385 181
香港外で利用されたロー
442,268 4.95% 3,050 2,703 1,940 4,142
ン
顧客への貸付金総額
1,599,084 44.30% 4,321 6,280 2,632 7,245
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( 単位：百万香港ドル )
2020 年
担保又は
減損引当金
分類又は
減損引当金
顧客への
その他の
減損された 延滞貸付金
- ステージ１
貸付金総額
保証付貸付金
- ステージ３
貸付金
及び２
の割合 (%)
香港で利用されたローン
産業界、商業界及び
金融業界
－不動産開発 132,966 27.12% - 1 - 803
－不動産投資 64,768 67.95% 111 184 15 186
－金融関連 24,110 0.74% - - - 54
－株式ブローカー 1,656 78.86% - - - 3
－卸売及び小売業 30,523 43.12% 198 239 109 411
－製造業 53,629 8.05% 8 9 4 290
－輸送及び輸送設備 74,633 23.05% 260 - - 598
－レクリエーション 198 9.90% - - - 2
－情報技術 25,579 0.81% 97 99 13 33
－その他 131,571 47.23% 18 200 4 409
個人
－宅地購入プログラ
ム、民間部門参加プ
ログラム及びアパー
ト購入プログラムに
よるローン 27,809 99.33% 18 183 - 17
－その他の居住用不動
産購入ローン 311,070 99.92% 140 1,332 1 137
－クレジット・カード
による貸付金 10,959 - 106 366 95 151
101,986 94.43% 126 537 81 384
－その他
香港で利用されたローン合
計 991,457 61.86% 1,082 3,150 322 3,478
貿易金融 66,497 15.36% 569 573 372 202
香港外で利用されたロー
439,910 5.29% 2,343 2,217 1,958 2,840
ン
1,497,864 43.18% 3,994 5,940 2,652 6,520
顧客への貸付金総額
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当グループの顧客への貸付金総額の 10% 以上を占める産業セクターについて、損益計算書に計上され
た新たな減損引当金の金額及び当該年度中に償却された、分類された又は減損したローンは以下の通り
である。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
分類又は減損 分類又は減損
新たな 新たな
されたローンの されたローンの
減損引当金 減損引当金
償却額 償却額
香港で利用されたローン
工業、商業及び金融業
- 不動産開発
533 - 428 -
個人
57 - 52 -
－その他の居住用不動産購入ローン
( ⅱ ) 顧客への貸付金総額の地域別分析
以下の顧客への貸付金総額の地域別分析は、リスクの移転を考慮の上、相手先の所在地に基づいて行
われたものである。顧客と異なった所在地に存在する当事者により顧客への貸付金が保証されている場
合、リスクは保証人の所在地に移転される。
顧客への貸付金総額
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
香港
1,332,801 1,218,633
中国本土 95,416 112,527
170,867 166,704
その他
1,599,084 1,497,864
顧客への貸付金総額－ステージ１及び２に対する減損引当金
香港 3,830 4,551
中国本土 715 656
2,700 1,313
その他
7,245 6,520
延滞貸付金
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
香港
3,954 4,115
296 567
中国本土
2,030 1,258
その他
6,280 5,940
延滞貸付金総額－ステージ３に対する減損引当金
香港 741 1,308
中国本土 101 320
1,173 908
その他
2,015 2,536
分類又は減損している貸付金
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有価証券報告書
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
香港
2,123 2,194
207 404
中国本土
1,991 1,396
その他
4,321 3,994
分類又は減損された貸付金－ステージ３に対する減損引当金
香港 1,111 1,410
中国本土 107 331
1,414 911
その他
2,632 2,652
(C) 抵当権実行資産
当事業年度中に、当グループは保有していた担保物件の抵当権を実行することによって資産を取得した。 12 月
31 日現在で保有しているこうした資産の内容と帳簿価額は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
商業用不動産
122 -
工業用不動産 - 5
29 18
住宅用不動産
151 23
2021 年 12 月 31 日現在、当グループが所有する抵当権実行資産の市場価値の見積額は 274 百万香港ドル (2020 年：
67 百万香港ドル ) であった。抵当権実行資産には当グループが借手の債務の全部又は一部を免除するために ( 裁判
又は所有者の任意処分により ) 入手権又は管理権を取得した不動産が含まれる。
抵当権実行不動産が容易に現金化されない場合、当グループは以下の代替案を考慮する可能性がある。
－ 売却価格の調整
－ ローン及び資産の売却
－ ローンのリストラクチャリング
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(D) 銀行及びその他金融機関への預け金等
銀行及びその他金融機関への預け金 ( 減損引当金控除前 ) は、行内信用格付とステージ区分別に以下のように分
析される。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
中央銀行
正常 160,930 - - 160,930
要注意 - - - -
- - - -
要管理先又はそれ以下の区分
160,930 - - 160,930
その他銀行及びその他金融機関
正常 287,042 - - 287,042
要注意 - - - -
- - - -
要管理先又はそれ以下の区分
287,042 - - 287,042
447,972 - - 447,972
(23) - - (23)
減損引当金
447,949 - - 447,949
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
中央銀行
正常 183,571 - - 183,571
要注意 - - - -
- - - -
要管理先又はそれ以下の区分
183,571 - - 183,571
その他銀行及びその他金融機関
正常 241,961 - - 241,961
要注意 - - - -
- - - -
要管理先又はそれ以下の区分
241,961 - - 241,961
425,532 - - 425,532
(8) - - (8)
減損引当金
425,524 - - 425,524
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以下は、銀行及びその他金融機関への預け金等に対する減損引当金の調整である。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2021 年１月１日現在
8 - - 8
ステージ間移動による変動 - - - -
15 - - 15
当年度の繰入額、純額
23 - - 23
2021 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上 ( 注記 13)
15
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2020 年１月１日現在
3 - - 3
ステージ間移動による変動 - - - -
5 - - 5
当年度の繰入額、純額
8 - - 8
2020 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上 ( 注記 13)
5
2021 年 12 月 31 日現在、銀行及びその他金融機関への預け金等で延滞したものも減損したものもなかった (2020
年 : なし ) 。
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(E) 債務証券及び譲渡性預金証書
以下の表は、債務格付別並びにステージ区分別の債務証券及び譲渡性預金証書の帳簿価額の分析を示してい
る。債務格付がない場合は、各発行体に指定された格付が報告されている。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する投資有価証券
－ステージ１
Aaa 132,445 115,426
Aa1 から Aa3 233,943 153,601
A1 から A3 455,191 438,994
A3 未満 25,242 26,555
24,791 19,596
格付なし
871,612 754,172
－ステージ２
A3 未満 208 -
- -
－ステージ３
871,820 754,172
うち、減損引当金 (288) (261)
償却原価で測定する投資有価証券
－ステージ１
Aaa 61,864 43,082
Aa1 から Aa3 25,404 6,730
A1 から A3 93,571 39,864
A3 未満 28,761 23,923
6,921 6,894
格付なし
216,521 120,493
－ステージ２
A3 未満 390 -
- -
－ステージ３
216,911 120,493
(99) (62)
減損引当金
216,812 120,431
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
Aaa 2,830 1,095
Aa1 から Aa3 15,439 22,573
A1 から A3 10,814 8,412
A3 未満 8,545 9,846
3,430 2,070
格付なし
41,058 43,996
上記の当年度開示の作成基準は、当グループの信用リスク管理方針に整合するよう改善されている。
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以下は、債務証券及び譲渡性預金証書に対する減損引当金の調整である。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
投資有価証券
2021 年１月１日現在 261 - - 261
ステージ間移動による変動 - - - -
当年度の繰入額、純額 25 1 - 26
1 - - 1
換算差額等
2021 年 12 月 31 日現在 287 1 - 288
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 26
償却原価で測定する投資有価証券
2021 年１月１日現在 62 - - 62
ステージ間移動による変動 - - - -
34 3 - 37
当年度の繰入額、純額
96 3 - 99
2021 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 37
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
投資有価証券
2020 年１月１日現在 160 - - 160
ステージ間移動による変動 - - - -
当年度の繰入額、純額 100 - - 100
1 - - 1
換算差額等
261 - - 261
2020 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 100
償却原価で測定する投資有価証券
2020 年１月１日現在 46 - - 46
ステージ間移動による変動 - - - -
16 - - 16
当年度の繰入額、純額
62 - - 62
2020 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 16
2021 年 12 月 31 日現在、延滞又は減損している債務証券及び譲渡性預金証書はなかった (2020 年：なし）。
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(F) ローン・コミットメント及び金融保証契約
以下の表は、行内信用格付並びにステージ区分別のローン・コミットメント及び金融保証契約の分析を示して
いる。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
ローン・コミットメント及び金融保証契約
正常 766,298 2,939 - 769,237
要注意 2,062 1,244 - 3,306
- - 403 403
要管理先又はそれ以下の区分
768,360 4,183 403 772,946
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
ローン・コミットメント及び金融保証契約
正常 760,490 3,007 - 763,497
要注意 1,640 1,225 - 2,865
- - 36 36
要管理先又はそれ以下の区分
762,130 4,232 36 766,398
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以下は、ローン・コミットメント及び金融保証契約に対する減損引当金の調整である。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2021 年１月１日現在
594 44 20 658
ステージ１へ移動 11 (11) - -
ステージ２へ移動 (6) 6 - -
ステージ３へ移動 (5) - 5 -
ステージ間移動による変動 (10) 3 133 126
当年度の ( 戻入 )/ 繰入額、純額 (76) 33 (3) (46)
モデルの変更 (66) (24) - (90)
(3) - (2) (5)
換算差額等
2021 年 12 月 31 日現在 439 51 153 643
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 80
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2020 年１月１日現在
535 22 20 577
ステージ１へ移動 13 (13) - -
ステージ２へ移動 (3) 3 - -
ステージ３へ移動 - - - -
ステージ間移動による変動 (12) 35 - 23
当年度の繰入 /( 戻入 ) 額、純額 57 (3) - 54
4 - - 4
換算差額等
2020 年 12 月 31 日現在 594 44 20 658
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 77
ローン・コミットメント及び金融保証契約の信用リスク・エクスポージャーの大半はステージ１に区分され、
会計年度を通じて行内信用格付において「正常」として分類される。当年度の主なステージ間の移動は、ステー
ジ１からステージ３への金融保証契約の移動であった（ 2020 年：なし）。
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(G) コロナウイルス感染症のパンデミックに対応した信用リスク管理
2021 年には多くの国でコロナワクチンの接種プログラムが開始され、経済活動が徐々に回復することが見込ま
れている。コロナウイルス感染症のパンデミックの状況は依然として流動的で感染拡大が繰り返され、借手の経
営環境と財政状態は苦境が続くと予想される。当グループは、パンデミックがもたらす悪影響と不確実性に対応
するため、以下の一連のリスク管理措置を講じている。
－ 当グループは新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる経済上の負担と影響を軽減するため、 HKMA
と連携し、個人及び法人顧客に対する様々な救済措置を講じている。 救済措置に基づく支払猶予の条件
は商業ベースであることから、貸付金の救済措置が延長されても、それによりすぐにステージ２やス
テージ３に移動するわけではなく、リスケジュール貸付金として分類されることはない。
－ ロックダウンの実施により、貿易、小売、航空、観光 ( 接客業を含む ) 、飲食、娯楽などのいくつかの業種
は大きな打撃を受けた。 当グループは、これらの業種の借手について、リスクベースの評価を実施して
いる。パンデミックが借手に与えた影響や個々の減免策、短期的なリファイナンス計画を評価したうえ
で影響を受けやすい借手を特定し、ウォッチリストに入れて継続的に緊密なモニタリングを行ってい
る。これらの借手の貸付金の区分と内部格付は、最新の状況に従って適時見直しが行われている。
－ 当グループは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの封じ込めに関し、様々なシナリオのストレ
ス・テストを実施し、定期的に信用損失と資産の質に及ぼす潜在的な影響を評価している。
－ 当グループは、 ECL モデルに用いた将来予測的なマクロ経済要因を四半期ごとに見直しし、経済見通しの
ダイナミックな変化を反映させている。各国政府が実施した救済措置により、新型コロナウイルス感染
症のパンデミックにより影響を受けた借手のデフォルト圧力が軽減した一方で、当グループは救済措置
の延長が複数回行われたこれらの借手に対する緊密なモニタリングを継続しており、同救済措置の終了
後にこれらのポートフォリオのデフォルトリスクが高まる可能性に対処するために、減損引当金を積み
増している。
当グループは新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの状況が経済に与える影響を注意深くモニター
し、資産の質の重大な悪化を避けるため、資産の質に対する慎重な管理体制を継続する意向である。
4.2 市場リスク
市場リスクとは、金融市場の価格 ( 為替レート、金利、株価、コモディティ価格 ) の変動により、当グループが保有
する為替、金利、株式及びコモディティポジションが変動する際に損失が発生するリスクを指す。当グループはリス
クと収益のバランスを取るため、適度な市場リスクの選好度を採用している。当グループの市場リスク管理の目的
は、当グループの全体的なリスク選好度及び資金為替業務の戦略に従い、十分に確立したリスク管理制度と関連する
管理手段に基づき、当グループの事業における潜在的な市場リスクを効果的に管理することにより、資金為替業務の
健全な成長を確保することである。
リスク管理に関する当グループのコーポレート・ガバナンスの方針に従い、取締役会及び RMC 、上級経営者及び機
能部門 / ユニットが当グループの市場リスクを管理するための義務と責任を果たしている。 RMD は当グループの市場リ
スク管理の責任を負っており、上級経営者の日々の職責の遂行を助け、当グループ及び BOCHK の市場リスク・プロ
フィール並びにリスク管理方針及びリスク限度の遵守状況を独立して監視し、合計及び個別の市場リスクが容認可能
な範囲内にあることを確認している。
当グループの市場リスク管理は、 BOCHK 及び子会社を対象としている。当グループは、 BOCHK 及び子会社の市場リス
ク管理業務を管理するための市場リスク管理方針を確立している。一方で当グループは、グループにおける VaR 限度
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及びストレス・テスト限度を設けており、事業上の必要性及びリスク許容度の水準に従い、当グループ全体に配分さ
れ監視されている。当グループの方針により設定された要求事項に従い、子会社は詳細な方針と手続を作成し、自社
の 日々の市場リスクの管理の責務を負う。
当グループは、市場リスクを識別、測定、監視及び管理するために、市場リスク指標及び限度を設けている。主な
リスク指標及び限度には VaR 、ストップロス、オープン・ポジション、ストレス・テスト及び感応度分析 ( ベーシス・
ポイント・バリュー、ギリシャ指標 ) などが含まれるが、これらに限定されない。管理要件を満たすために、主なリ
スク指標及び限度は３つのレベルに分類され、それぞれ RMC 、上級経営者、又は各事業ユニットの責任者の承認を受
ける。 BOCHK 及び子会社 ( グループの制限に関して ) の資金為替業務ユニットは承認された市場リスク指標及び限度の
範囲内で事業を遂行することが求められている。
(A) VaR( バリュー・アット・リスク )
当グループは VaR を使用して定期的に一般市場リスクを測定し、 RMC と上級経営者に報告している。当グループ
は一貫した VaR 計算モデルを採用し、ヒストリカル・シミュレーション・アプローチと過去２年間の市場データ
を用いて、信頼水準が 99% 、保有期間が１日の当グループ及び子会社の VAR を算定し、当グループ及び子会社の
VaR 限度を設定している。
1
以下の表には当グループの全ての一般市場リスク・エクスポージャー に関する VaR が表示されている。
( 単位：百万香港ドル )
12 月 31 日 期中 期中 期中
年度
現在 最小値 最大値 平均値
全ての市場リスクの VaR 2021 年
55.1 19.0 55.1 30.7
2020 年 27.4 17.5 50.1 31.1
外国為替リスクの VaR 2021 年 25.3 13.2 50.8 25.2
2020 年 27.8 6.5 30.8 21.1
トレーディング勘定における金利
2021 年 57.9 6.2 57.9 16.5
リスクの VaR
2020 年 10.1 5.8 35.6 18.5
トレーディング勘定における株式
2021 年 2.2 0.2 3.4 1.2
リスクの VaR
2020 年 0.8 0.3 2.9 1.0
コモディティ・リスクの VaR 2021 年 0.4 0.0 35.2 7.0
2.5 0.0 11.2 1.8
2020 年
注記：
1 為替のストラクチュラル・ポジションは除外されている。
市場リスクを評価する上で有益な指針となるが、 VaR によるリスクの評価は、常にその限界を踏まえて行わな
ければならない。例えば：
－ 予測される将来事象の代替指標として過去の市場データを使用する場合、全ての潜在的な事象、特にその
性質において極端なものが包含されているわけではない。
－ １日という保有期間を使用する場合、全てのポジションが１日で流動化され又はヘッジされることが前提
となる。このため、１日の保有期間では全てのポジションを完全に流動化又はヘッジさせるのに十分でな
い場合、深刻な非流動性の状況で生じる市場リスクが完全に反映されないことがある。
－ 99% の信頼水準の使用は、定義上、この信頼度レベルを超えて発生する可能性のある損失を考慮しない。
－ VaR は日々の業務終了時に残存しているエクスポージャーに基づいて計算されるため、日中のエクスポー
ジャーは必ずしも反映されていない。
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当グループは、ストレス・テストの指標及び限度を設け、 VaR の対象外の市場リスクを評価し管理することで
これらの制限を認識する。市場リスクのストレス・テスト・プログラムには、多様な深刻度のリスク要素の変動
に応じた感応度テスト、及び 1987 年の株式市場の暴落、 1994 年の債券市場の暴落、 1997 年のアジア金融危機、
2001 年９月 11 日の事件及び 2008 年の金融危機などを含む過去の事象に基づくシナリオの分析が含まれる。
(B) 通貨リスク
当グループの資産及び負債は、主要通貨、特に香港ドル、米ドル及び人民元建てとなっている。当グループの
通貨リスクのエクスポージャーを確実に許容可能な水準に保つために、モニタリング・ツールとしてリスク限度
( ポジション及び VaR 限度など ) が使用される。さらに当グループは、同一通貨の資産及び負債の差額が最小限に
なるよう努めている。為替契約 ( 通貨スワップなど ) は通常、外貨建て資産及び負債に関連した通貨リスクを管理
するために利用される。
以下は、トレーディング、非トレーディング及び構造的ポジションから生じる当グループの主要外国通貨エク
スポージャーの要約であり、外国通貨ポジションに関する HKMA への報告書の作成要領を参照して作成されてい
る。オプションポジションの純額は、すべての外国為替オプション契約のデルタ加重ポジションに基づいて計算
される。
( 百万香港ドル相当額 )
2021 年
米ドル 英ポンド 日本円 ユーロ 人民元 豪ドル その他 合計
現物資産
1,080,487 37,456 183,101 48,897 515,964 38,125 65,868 1,969,898
現物負債
(977,297) (44,696) (6,489) (37,534) (586,921) (32,656) (64,951) (1,750,544)
先渡買い
899,315 26,016 13,259 32,049 558,540 15,695 53,741 1,598,615
先渡売り
(990,699) (18,696) (186,845) (43,463) (486,202) (21,120) (55,066) (1,802,091)
オプションポジ
1,357 19 (5) (1) (1,331) 12 (11) 40
ション、純額
ロング /( ショー
ト )ポジショ
13,163 99 3,021 (52) 50 56 (419) 15,918
ン、 純額
( 百万香港ドル相当額 )
2020 年
米ドル 英ポンド 日本円 ユーロ 人民元 豪ドル その他 合計
現物資産
1,017,375 30,074 160,779 45,926 427,394 36,620 62,008 1,780,176
現物負債 (877,494) (25,986) (8,006) (27,974) (412,245) (30,815) (60,400) (1,442,920)
先渡買い 617,715 23,737 18,050 39,254 365,271 15,063 54,352 1,133,442
先渡売り (734,480) (27,641) (170,914) (57,474) (382,383) (20,758) (56,136) (1,449,786)
オプションポジ
650 7 - (2) (406) (1) (1) 247
ション、純額
ロング /( ショー
ト )ポジショ
23,766 191 (91) (270) (2,369) 109 (177) 21,159
ン、純額
( 百万香港ドル相当額 )
2021 年
タイ・ フィリピン
マレーシア・
米ドル その他 合計
ペソ
リンギット
バーツ
ネット・ストラクチュラ
30,911 2,225 2,789 1,854 4,054 41,833
ル・ポジション
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( 百万香港ドル相当額 )
2020 年
タイ・ フィリピン
マレーシア・
米ドル その他 合計
ペソ
リンギット
バーツ
ネット・ストラクチュラ
30,042 2,697 3,024 1,881 4,677 42,321
ル・ポジション
(C) 金利リスク
金利リスクは、金利の変動並びに銀行の資産及び負債のポジションの期間構造の変化により発生する、銀行の
利益及び経済的価値に対するリスクを指す。当グループの金利リスク・エクスポージャーは主に構造的なもので
ある。構造的ポジションから生じる主な金利リスクのタイプは、以下の通りである。
－ ギャップリスク：正味受取利息及び経済価値に影響を及ぼす可能性のある、資産と負債の満期又はリプラ
イシング期間の不一致
－ ベーシス・リスク：同じリプライシング期間内において資産利回りと負債コストが異なる金額で変動する
結果となる、異なる取引ごとの異なる価格基準
－ オプション・リスク：資産及び負債のキャッシュ・フローの変動を引き起こす可能性のある、資産、負債
及びオフ・バランスシート項目に組み込まれているオプションの行使
当グループのリスク管理の枠組みは、金利リスク管理にも適用される。 ALM 委員会 ( 以下「 ALCO 」という。 )
は、 RMC によって承認された「 BOCHK グループ銀行勘定金利リスク管理方針」に準拠して金利リスクの監視を行
う。 RMD は当グループの金利リスクの管理責任を負う。財務管理部門及び投資管理部門の協力を得て、 RMD は ALCO
による日次の金利リスク管理の遂行をサポートする。その役割には、管理方針の策定、手法の選択、リスク指標
と限度の設定、貸借対照表残高目標の評価、方針及び限度の遵守状況のモニタリング、金利リスク管理報告書の
上級経営者及び RMC への提出などが含まれるが、これらに限定されない。
当グループは、金利リスクを日次で識別、測定、監視及び管理するために金利リスク指標と限度を設けてい
る。この指標及び限度には、金利調整・ギャップ限度、ベーシス・リスク、デュレーション、ベーシス・ポイン
ト・バリュー ( 以下「 PVBP 」という。 ) 、正味受取利息の感応度 ( 以下「 NII 」という。 ) 、経済的価値の感応度 ( 以
下「 EVE 」という。 ) などが含まれるが、これらに限定されない。当該指標及び限度は、異なるレベルに分類さ
れ、それぞれ、 CFO 、 RO 、 ALCO 及び RMC の承認を受ける。リスクを負担する事業部門は、金利リスクの限度の範囲
内での業務の遂行が求められる。銀行勘定において新商品又は事業を開始する場合、関連部門は、潜在的な金利
リスクの評価及び現在のリスクモニタリング制度の適切性についての検討を含むリスク評価プロセスを実施しな
くてはならない。リスク評価プロセスにおいて金利リスクに関する重要な影響が確認されれば、 RMC の承認を受
けるために報告書を提出する。
NII 及び EVE は、当グループの正味受取利息及び資本ベースに対する金利変動の影響を評価する。これらは当グ
ループの主要な金利リスクの指標である。前者は正味受取利息に係る金利の変動の影響額を、その年度に予想さ
れる正味受取利息に対するパーセンテージで評価する。後者は経済的価値 ( 資産・負債及びオフ・バランスシー
ト項目のキャッシュ・フローを市場金利で割り引いた正味現在価値など ) に係る金利の変動の影響額を、直近の
Tier 1 資本に対するパーセンテージで評価する。これらの２指標に対する限度は、当グループの銀行勘定にお
ける金利リスクを監視し管理するために RMC により設定されている。
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当グループは、不利な状況下で直面する可能性のある銀行勘定における金利リスクを評価するために、シナリ
オ分析とストレス・テストを用いている。またシナリオ分析及びストレス・テストは、貯蓄預金の選択性、モー
ゲージ・ローンの期限前返済、及び組込オプションを伴う債務証券の期限前償還により発生する正味受取利息と
経 済的価値への影響額を評価するためにも使用されている。当グループが晒される金利リスクは、主に、香港ド
ル、米ドル及び人民元における金利変動に起因するものである。 2021 年 12 月 31 日現在では、香港ドル、米ドル、
及び人民元の市場金利がイールド・カーブ上で 100 ベーシス・ポイント平行移動し、他の変数が一定であった場
合、当グループの今後 12 ヶ月の正味受取利息及び準備金に対する感応度は以下の表のようになる。
( 単位：百万香港ドル )
12 月 31 日現在の今後 12 ヶ月の 12 月 31 日現在の
正味受取利息への影響 準備金への影響
2021 年 2020 年 2021 年 2020 年
イールド・カーブの
100 ベーシス・ポイント
上方への平行移動
1,350 2,623 (7,656) (9,393)
合計
内訳
香港ドル 3,963 4,164 (154) (677)
米ドル (739) 178 (4,110) (5,263)
(1,540) (1,437) (3,041) (2,627)
人民元
イールド・カーブの
100 ベーシス・ポイント
下方への平行移動
(1,350) (2,623) 7,656 9,393
合計
内訳
香港ドル (3,963) (4,164) 154 677
米ドル 739 (178) 4,110 5,263
1,540 1,437 3,041 2,627
人民元
イールド・カーブの 100 ベーシス・ポイント上方への平行移動では、 2021 年における、上述の通貨に伴う正味
受取利息に対する全体的な影響はプラスとなっている。当グループの準備金は、イールド・カーブの 100 ベーシ
ス・ポイント上方への平行移動に伴い債務証券ポートフォリオ及びヘッジ会計に基づく関連する金利デリバティ
ブの評価額の減少が予想されたため、減少したはずであった。しかし、資本市場における債務証券ポートフォリ
オのデュレーションが縮小しているため、 当座預金及び貯蓄預金の規模が拡大し 、 2020 年と比較して正味受取利
息に対するプラスの影響は縮小し、準備金の減少は縮小している。
イールド・カーブの 100 ベーシス・ポイント下方への平行移動では、 2021 年における、上述の通貨に伴う正味
受取利息に対する全体的な影響はマイナスとなっている。当グループの準備金は、イールド・カーブの 100 ベー
シス・ポイント下方への平行移動に伴い債務証券ポートフォリオ及びヘッジ会計に基づく関連する金利デリバ
ティブの評価額の増加が予想されたため、増加したはずであった。しかし、資本市場における債務証券ポート
フォリオのデュレーションが縮小しているため、当座預金及び貯蓄預金の規模が拡大し、 2020 年と比較して正味
受取利息に対するマイナスの影響は縮小し、準備金の増加は縮小している。
上記の感応度は例示のためのものであり、関連通貨の金利間の相関関係の変動、金利の平行移動、金利リスク
の影響を緩和するための措置が取られないという仮定や、ヘッジ会計の有効性、全てのポジションは満期まで保
有されるという仮定、実際の価格の再設定日が契約上の価格の再設定日と異なる商品、又は契約上の満期が存在
しない商品への行動に関する仮定を含む ( しかし、これらに限定されない ) いくつかの仮定に基づいている。上記
のエクスポージャーは、当グループの金利リスクのエクスポージャー全体の一部を成すものに過ぎない。
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以下の表は、 12 月 31 日現在の金利リスクに対する当グループのオン・バランスシートのエクスポージャーにつ
いて要約している。この表に含まれているものは、当グループの資産及び負債の帳簿価額であり、契約金利更改
日及び満期日のいずれか早い日に基づき分類されている。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 無利息 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
資産
現金並びに銀行及び
その他金融機関への
預け金 362,264 17,281 23,108 1,416 - 61,466 465,535
純損益を通じて
公正価値で測定する
金融資産 19,727 11,620 8,995 10,145 8,968 14,082 73,537
デリバティブ - - - - - 33,186 33,186
香港特別行政区
政府債務証書 - - - - - 203,810 203,810
貸付金及びその他 1,336,894 164,780 35,656 44,032 7,956 7,876 1,597,194
投資有価証券
－ FVOCI ベース 115,427 309,399 136,185 205,404 105,405 5,601 877,421
－償却原価ベース 2,521 7,402 19,723 108,207 78,959 - 216,812
関連会社及び
ジョイント・ベン
チャーに対する持分 - - - - - 1,215 1,215
投資不動産 - - - - - 17,722 17,722
有形固定資産 - - - - - 46,441 46,441
その他の資産 ( 当期税
金及び繰延税金資産
11,396 - - - - 95,161 106,557
を含む )
資産合計 1,848,229 510,482 223,667 369,204 201,288 486,560 3,639,430
負債
香港特別行政区
流通通貨 - - - - - 203,810 203,810
預金並びに銀行及び
その他金融機関から
の預り金 386,399 18,081 714 412 - 80,456 486,062
純損益を通じて
公正価値で測定する
金融負債 5,249 4,784 973 1,343 171 - 12,520
デリバティブ - - - - - 29,757 29,757
顧客預金 1,685,008 279,751 117,181 1,716 - 247,499 2,331,155
発行済債務証券及び
譲渡性預金証書 563 - - 1,860 - - 2,423
その他の負債及び引当
金 ( 当期税金及び繰
延税金負債を含む ) 11,341 7 140 947 224 79,672 92,331
- - - - - 153,911 153,911
保険契約負債
負債合計 2,088,560 302,623 119,008 6,278 395 795,105 3,311,969
(240,331) 207,859 104,659 362,926 200,893 (308,545) 327,461
金利感応度ギャップ
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( 単位：百万香港ドル )
2020 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 無利息 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
資産
現金並びに銀行及び
その他金融機関への
預け金 338,539 25,591 12,516 1,101 - 85,964 463,711
純損益を通じて
公正価値で測定する
金融資産 4,404 17,991 4,962 7,362 12,695 12,800 60,214
デリバティブ - - - - - 52,856 52,856
香港特別行政区
政府債務証書 - - - - - 189,550 189,550
貸付金及びその他 1,247,621 163,297 36,230 40,454 6,438 6,376 1,500,416
投資有価証券
－ FVOCI ベース 130,866 213,464 100,434 192,840 116,568 5,882 760,054
－償却原価ベース 5,253 3,836 14,834 37,825 58,683 - 120,431
関連会社及び
ジョイント・ベン
チャーに対する持分 - - - - - 1,485 1,485
投資不動産 - - - - - 18,441 18,441
有形固定資産 - - - - - 46,855 46,855
その他の資産 ( 当期税
金及び繰延税金資産
20,813 - - - - 86,155 106,968
を含む )
資産合計 1,747,496 424,179 168,976 279,582 194,384 506,364 3,320,981
負債
香港特別行政区
流通通貨 - - - - - 189,550 189,550
預金並びに銀行及び
その他金融機関から
の預り金 226,861 565 1,322 1,243 - 96,504 326,495
純損益を通じて
公正価値で測定する
金融負債 11,551 4,346 3,690 387 362 - 20,336
デリバティブ - - - - - 60,313 60,313
顧客預金 1,575,155 246,117 110,992 1,715 - 249,730 2,183,709
発行済債務証券及び
譲渡性預金証書 233 - 193 - - - 426
その他の負債及び引当
金 ( 当期税金及び繰
延税金負債を含む ) 11,065 4 94 1,165 447 68,218 80,993
- - - - - 139,504 139,504
保険契約負債
負債合計 1,824,865 251,032 116,291 4,510 809 803,819 3,001,326
(77,369) 173,147 52,685 275,072 193,575 (297,455) 319,655
金利感応度ギャップ
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4.3 流動性リスク
流動性リスクとは、支払期日が到来した際、銀行が債務を返済するために十分で適時な資金を妥当な費用で獲得す
ることができないリスクである。当グループは、正常な環境及びストレス・シナリオ下において、流動性需要を満た
すための安定し信頼できる適切な財源を提供するために、健全な流動性リスク選好度を維持している。
リスク管理に関する当グループのコーポレート・ガバナンスの方針に従い、取締役会及び RMC 、上級経営者及び機
能部門 / ユニットが当グループの流動性リスクを管理するための義務と責任を果たす。 RMC は、流動性リスク管理の意
思決定機関であり、流動性リスク管理の最終的な責任を負う。 ALCO は、 RMC の承認を得て、流動性リスクの監視を行
い、当グループの日々の業務が RMC により設定されたリスク選好度及び方針に基づき行われていることを確認する。
RMD は当グループの流動性リスク管理の責任を負っている。その固有の責任に応じ、財務管理部門及び投資管理部門
などと協力して、 ALCO の流動性管理をサポートする。
当グループの流動性リスク管理の目的は、健全な経営と持続可能な収益性を達成するための流動性リスク選好度に
基づき、オン・バランスシート及びオフ・バランスシートの項目の流動性を、合理的なコストで効率的に管理するこ
とである。当グループの主要な資金調達源は、顧客の預金である。安定した十分な資金調達原資を確保するため、当
グループは積極的に新規預金の勧誘を行い、コア預金を保持するとともに、銀行間金融市場から調達及び資本市場に
おいて債券を発行することで補完的な資金調達を行う。異なる満期やストレス・シナリオから導かれる資金需要の見
積りにより、当グループは、通常業務における需要を支える適切な資金を提供する十分な流動性資産を維持するとと
もに、緊急時において外部からの要求に対応するための資金を合理的な費用で調達できるよう、資産構造 ( ローン、
債券投資、銀行間の預け金など ) を調整している。当グループは、資産と負債の過度の集中を避け、問題が発生した
場合に、特定の分野での資金調達先及び資金使途の過度の集中を原因とする資金調達網の破綻による流動性リスクの
発生を防ぐため、資金の調達先、返済期間及び使途の多様化に注力している。このようなリスクを管理するために、
当グループは資産プールの集中度の限度額及び高品質の流動性資産総額に対する Tier 1 の高品質の流動性資産比率、
上位 10 の預金者比率及び高額預金者比率などの資金調達先を設定している。必要に応じ、当グループは、銀行間借入
又はマネーマーケットでのレポ取引を介した資金調達、流通市場での債券の売却、もしくは既存の顧客預金の維持、
新規の顧客預金の獲得に限らず、緩和行動をとることにより流動性ポジションを改善する。資金を増加させることと
は別に、当グループは、相互の信頼を高めるために、カウンターパーティー、親会社である銀行及び規制当局との良
好なコミュニケーションを維持するであろう。
当グループは、当グループ内の会社間の流動性資金調達を管理し、グループ会社間での資金調達への依存を制限す
るため、グループ内流動性リスク管理ガイドラインを設定した。また当グループは、ローン・コミットメント、デリ
バティブ、オプション及びその他の複雑な仕組商品などのオフ・バランスシート上の活動により発生する流動性リス
クの管理にも注意を払っている。当グループは外国通貨資産及び負債、担保、日中の流動性、グループ間の流動性、
その他のリスクに伴い発生する流動性リスクを管理するために、グループ全体での流動リスク管理戦略を採ってお
り、それに合わせた不測事態対応策を作成している。
当グループは日次で流動性リスクを識別、測定、監視及び管理するために、流動性リスク管理の指標と限度を設け
ている。こうした指標及び限度には、流動性カバレッジ比率 ( 以下「 LCR 」という。 ) 、安定調達比率 ( 以下「 NSFR 」と
いう。 ) 、預貸率、最大累積キャッシュ・アウトフロー ( 以下「 MCO 」という。 ) 、及び流動性クッションが含まれる
が、これらに限定されない。当グループは、通常業務における当グループの流動性の状況を評価するためにキャッ
シュ・フロー分析を用いている他、様々な厳しい流動性危機に耐える当グループの能力を評価するために、月に一度
以上、流動性ストレス・テスト ( 機関固有の危機、市場全般の危機及び複合した危機を含む ) 及び他の方法を実施して
いる。また、流動性リスク管理の業務を円滑にするため、データの提供と定期的な管理報告を行うための ALM システ
ム及びバーゼル流動性比率管理システムをはじめとする関連経営管理情報システムを開発している。
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HKMA により公表された監督方針マニュアル LM-2 「流動性リスク管理のための健全なシステム及び統制」の要件に従
い、当グループは、通常及びストレス下の両方の状況においての当グループのキャッシュ・フロー分析を強化するた
め、キャッシュ・フロー分析及びストレス・テストの行動モデル及び仮定を導入している。通常の状況下でのキャッ
シュ・ フロー分析では、オン・バランスシート項目 ( 顧客の預金等 ) 及びオフ・バランスシート項目 ( ローン・コミッ
トメント等 ) に関連する仮定が立てられた。当グループは将来キャッシュ・フローを、資産、負債及びオフ・バラン
スシート項目の様々な性質に従い、契約上の満期日並びに顧客行動及び貸借対照表残高の変動に関する仮定に基づい
て予想する。当グループは、通常の状況下で上記の仮定に基づき今後 30 日間の最大累積正味キャッシュ・アウトフ
ローを予測する MCO 指標を設定し、継続事業の目標を達成するために、当グループがキャッシュ・フロー・ギャップ
を十分に満たすことができる資金調達能力を有するかを評価した。 2021 年 12 月 31 日現在、手持ちの有価証券の売却に
よるキャッシュ・インフローを考慮に入れる前で、 BOCHK の 30 日累積キャッシュ・フローは 160,744 百万香港ドル
(2020 年： 186,303 百万香港ドル ) に達する正味キャッシュ・インフローであり、内部限度要件を満たしていた。
流動性ストレス・テストでは、非常に厳しい流動性危機に耐える当グループの能力を評価するため、機関固有の危
機と市場全般の危機及びそれらを組み合わせた複合シナリオが設定され、より厳しい一連の仮定が適用されている。
ストレス・テストの仮定には、リテール、ホールセール及び銀行間預金の流出率、ローン・コミットメントの使用率
及び貿易関連偶発債務、顧客向けローンの不履行率及びロールオーバー率、銀行間預け金及び市場性のある有価証券
のヘアカットが含まれる。 2021 年 12 月 31 日現在、当グループは３つのストレス・シナリオ下で正味キャッシュ・イン
フローを維持することができ、当グループはストレスのかかった状況下でも資金調達需要を満たす能力を有している
ことを示している。さらに、当グループは、ストレス・シナリオ下においても確実に資金調達需要を満たすため、リ
スク・ウェイトが０ % ないし 20% の国、中央銀行、公営企業、又は国際開発金融機関が発行又は保証する優良、あるい
は同等の市場性のある有価証券、もしくは金融機関以外の企業が発行する市場性のある有価証券で、対応する外部信
用格付が A- 以上のもの等による流動性クッションを維持するための方針を整備している。 2021 年 12 月 31 日現在、
BOCHK の流動性クッション ( ヘアカット前 ) は 781,053 百万香港ドル (2020 年： 645,716 百万香港ドル ) であった。不測事
態対応策が設定され、当該対応策には、ストレス・テストの結果や、早期警告指標に基づく計画発動の条件と、行動
計画及び関連手続及び関連部署の責務についての詳細が記載されている。
HKMA によってカテゴリー１公認金融機関に分類されている当グループは、 LCR 及び NSFR を、銀行業（流動性）規則
に準拠して連結ベースで計算するよう義務付けられている。 2021 年度において、当グループは LCR 及び NSFR を 100% 以
上に維持しなければならない。
特定のデリバティブ契約において、契約相手が当グループの信用度に懸念を持った場合、当グループに追加担保を
要求する権利を有する。
また、当グループの流動性リスク管理は新商品又は事業の開発にも適用される。関連部門は、新商品又は事業の開
始前に、潜在的な流動性リスクの査定と現行のリスク管理制度の妥当性の考慮を含むリスク査定プロセスを実施しな
くてはならない。リスク査定プロセスにおいて流動性リスクに対する重要な影響が確認されれば、 RMC の承認を受け
るために報告書を提出する。
当グループは当グループ全社に対して、流動性リスク管理のための基準と指針の役割を果たす統一の流動性リスク
管理方針を制定している。当グループの統一方針を基に、子会社各社は独自の特性に合わせて独自の流動性管理方針
を作成し、それぞれに流動性リスク管理の責任を負う。子会社は、 BOCHK の RMD へそれぞれの関連する流動性比率とと
もに流動性ポジションを定期的に報告することが求められ、関連要件を確実に満たすために、同部門はかかる情報を
統合し、グループ全体の流動性リスクを評価する。
(A) 流動性カバレッジ比率及び安定調達比率
2021 年 2020 年
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流動性カバレッジ比率の平均値
- 第１四半期
134.09% 150.45%
- 第２四半期
134.20% 131.38%
- 第３四半期
134.73% 130.98%
- 第４四半期 146.70% 132.76%
流動性カバレッジ比率の平均値は、該当四半期における各営業日の営業終了時の流動性カバレッジ比率の算術
平均、並びに流動性ポジションに関する HKMA への報告書に定められた算定方法及び指示に基づき計算される。
2021 年 2020 年
四半期末の安定調達比率
- 第１四半期
124.90% 116.60%
- 第２四半期
118.50% 117.49%
- 第３四半期
125.92% 115.30%
126.96% 125.31%
- 第４四半期
四半期末の安定調達比率は、流動性ポジションに関する HKMA への報告書に定められた算定方法及び指示に基づ
き計算されている。
流動性カバレッジ比率及び安定調達比率は、銀行業 ( 流動性 ) 規則に準拠した HKMA により定められている BOCHK
及び特定の子会社のポジションにより構成される連結ベースで算出されている。
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(B) 満期分析
以下の表は、貸借対照日現在の契約満期日までの残存期間に基づき、 12 月 31 日現在の当グループの資産及び負
債を期間別に分析している。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
１ヶ月超 ３ヶ月超
１ヶ月 １年超
期限の
要求払い ３ヶ月 12 ヶ月 ５年超 合計
定めなし
以内 ５年以内
以内 以内
資産
現金並びに銀行及びその
他金融機関への預け金 351,826 71,905 17,297 22,727 1,780 - - 465,535
純損益を通じて公正価値
で測定する金融資産 - 19,787 11,560 7,720 10,540 8,394 15,536 73,537
デリバティブ
11,944 3,086 4,299 3,895 6,356 3,606 - 33,186
香港特別行政区
政府債務証書 203,810 - - - - - - 203,810
貸付金及びその他
259,993 44,548 79,716 235,036 602,050 374,119 1,732 1,597,194
投資有価証券
－ FVOCI ベース
- 105,135 298,363 142,601 212,683 111,837 6,802 877,421
－償却原価ベース
- 3,093 7,964 20,175 105,290 77,855 2,435 216,812
関連会社及び
ジョイント・ベン
チャーに対する持分 - - - - - - 1,215 1,215
投資不動産
- - - - - - 17,722 17,722
有形固定資産
- - - - - - 46,441 46,441
その他の資産 ( 当期税金
及び繰延税金資産を含
43,664 21,400 1,806 2,763 23,750 10,987 2,187 106,557
む )
資産合計
871,237 268,954 421,005 434,917 962,449 586,798 94,070 3,639,430
負債
香港特別行政区流通通貨
203,810 - - - - - - 203,810
預金並びに銀行及びその
他金融機関からの預り
金 292,365 174,423 17,452 1,028 794 - - 486,062
純損益を通じて公正価値
で測定する金融負債 - 5,249 4,790 974 1,337 170 - 12,520
デリバティブ
7,626 2,321 2,607 3,813 8,576 4,814 - 29,757
顧客預金
1,521,727 410,780 279,751 117,181 1,716 - - 2,331,155
発行済債務証券及び
譲渡性預金証書 - 588 - - 1,835 - - 2,423
その他の負債及び引当金
( 当期税金及び繰延税
金負債を含む ) 56,368 18,859 2,005 3,501 7,145 4,453 - 92,331
保険契約負債
53,766 2,759 2,669 4,064 29,531 61,122 - 153,911
負債合計
2,135,662 614,979 309,274 130,561 50,934 70,559 - 3,311,969
正味流動性ギャップ
(1,264,425) (346,025) 111,731 304,356 911,515 516,239 94,070 327,461
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有価証券報告書
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
１ヶ月超 ３ヶ月超
１ヶ月 １年超
期限の
要求払い ３ヶ月 12 ヶ月 ５年超 合計
定めなし
以内 ５年以内
以内 以内
資産
現金並びに銀行及びその
他金融機関への預け金 368,078 56,425 25,217 12,134 1,857 - - 463,711
純損益を通じて公正価値
で測定する金融資産 - 4,490 17,863 4,459 7,241 12,114 14,047 60,214
デリバティブ 15,506 3,614 6,190 8,887 12,101 6,558 - 52,856
香港特別行政区
政府債務証書 189,550 - - - - - - 189,550
貸付金及びその他 225,736 40,664 82,601 183,549 622,363 344,001 1,502 1,500,416
投資有価証券
－ FVOCI ベース - 125,613 199,644 108,713 201,587 116,176 8,321 760,054
－償却原価ベース - 5,575 4,119 14,620 36,100 58,219 1,798 120,431
関連会社及び
ジョイント・ベン
チャーに対する持分 - - - - - - 1,485 1,485
投資不動産 - - - - - - 18,441 18,441
有形固定資産 - - - - - - 46,855 46,855
その他の資産 ( 当期税金
及び繰延税金資産を含
50,984 15,340 3,263 5,498 17,717 12,275 1,891 106,968
む )
資産合計 849,854 251,721 338,897 337,860 898,966 549,343 94,340 3,320,981
負債
香港特別行政区流通通貨 189,550 - - - - - - 189,550
預金並びに銀行及びその
他金融機関からの預り
金 269,742 53,625 564 1,322 1,242 - - 326,495
純損益を通じて公正価値
で測定する金融負債 - 11,552 4,348 3,690 386 360 - 20,336
デリバティブ 11,253 5,064 7,058 9,461 16,758 10,719 - 60,313
顧客預金 1,459,907 364,978 246,117 110,992 1,715 - - 2,183,709
発行済債務証券及び
譲渡性預金証書 - 233 - 193 - - - 426
その他の負債及び引当金
( 当期税金及び繰延税
金負債を含む ) 49,267 16,950 1,960 2,988 7,146 2,682 - 80,993
57,335 1,296 1,194 5,832 22,214 51,633 - 139,504
保険契約負債
負債合計 2,037,054 453,698 261,241 134,478 49,461 65,394 - 3,001,326
正味流動性ギャップ (1,187,200) (201,977) 77,656 203,382 849,505 483,949 94,340 319,655
満期日までの残存期間別債務証券の分析は、契約上の満期日を基に実施している。この開示は、当該有価証券
が満期まで保有されることを意味するものではない。
上記の保険契約負債に関する分析は、 12 月 31 日現在の貸借対照表上で認識される保険契約負債から生じる正味
キャッシュ・アウトフローの推定時期を表している。
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(C) 割引前キャッシュ・フローの契約満期日による分析
(a) 非デリバティブ・キャッシュ・フロー
以下の表は、当グループの 12 月 31 日現在における非デリバティブ金融負債についての満期日までの残存期
間によるキャッシュ・フローを要約している。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
金融負債
香港特別行政区流通通貨
203,810 - - - - 203,810
預金並びに銀行及びその
他金融機関からの預り
金 466,849 17,507 1,054 877 - 486,287
純損益を通じて公正価値
で測定する金融負債 5,250 4,793 992 1,350 169 12,554
顧客預金
1,932,586 280,074 117,795 1,742 - 2,332,197
発行済債務証券及び譲渡
性預金証書 589 - 26 1,891 - 2,506
リース負債
57 102 412 746 69 1,386
その他の金融負債
61,243 305 261 15 5 61,829
金融負債合計
2,670,384 302,781 120,540 6,621 243 3,100,569
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
金融負債
香港特別行政区流通通貨 189,550 - - - - 189,550
預金並びに銀行及びその
他金融機関からの預り
金 323,387 568 1,342 1,251 - 326,548
純損益を通じて公正価値
で測定する金融負債 11,552 4,349 3,698 409 342 20,350
顧客預金 1,824,955 246,406 111,817 1,754 - 2,184,932
発行済債務証券及び譲渡
性預金証書 233 - 194 - - 427
リース負債 62 115 480 1,023 134 1,814
50,820 282 144 7 6 51,259
その他の金融負債
金融負債合計 2,400,559 251,720 117,675 4,444 482 2,774,880
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(b) デリバティブ・キャッシュ・フロー
以下の表は、 12 月 31 日現在における、当グループの純額決済されるデリバティブ並びに総額決済される全
てのデリバティブのキャッシュ・フローを、資産のポジションであるか負債のポジションであるかを区別せ
ずに契約上満期日までの残存期間別に要約したものである。表中に開示する金額は、公正価値で開示される
特定のデリバティブを除き、契約上の割引前キャッシュ・フローの金額である。
当グループの純額決済されるデリバティブは主に金利スワップであり、総額決済されるデリバティブは為
替予約及び通貨スワップである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
純額決済されるデ
(8,138) (1,181) (4,315) (6,464) (1,162) (21,260)
リバティブ負債
総額決済されるデ
リバティブ
流入額合計
926,726 414,179 314,868 82,945 6,666 1,745,384
流出額合計
(925,727) (410,520) (314,351) (82,820) (6,657) (1,740,075)
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
純額決済されるデ
(12,478) (1,828) (6,454) (15,829) (2,184) (38,773)
リバティブ負債
総額決済されるデ
リバティブ
流入額合計 431,862 356,732 369,126 128,138 5,646 1,291,504
(433,394) (357,868) (369,544) (127,575) (5,573) (1,293,954)
流出額合計
(c) オフ・バランスシート項目
ローン・コミットメント
当グループが顧客への信用供与及びその他の信用枠をコミットしている 2021 年 12 月 31 日現在の当グループ
のオフ・バランスシート金融商品の契約上の金額は、 715,718 百万香港ドル (2020 年： 705,866 百万香港ドル )
であった。当該ローン・コミットメントの大半は、１年以内に実行される可能性がある。
金融保証契約
2021 年 12 月 31 日現在、当グループの 57,228 百万香港ドル (2020 年： 60,532 百万香港ドル ) の大半の金融保証
及びその他の信用枠の期日は１年以内に到来する。
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4.4 保険リスク
当グループは死亡、罹病、障害、重症疾患、事故及びそれらに関連するリスクを引き受ける保険業務を行ってい
る。当グループは、引受戦略、再保険契約及び通常の実績値のモニタリングにより、リスクを管理している。
引受戦略は、保険料の価格を、引き受けたリスクの原エクスポージャーに見合った適切なレベルで設定することを
意図しており、当グループの引受手続には引受戦略との整合を確保するために、健康状態及び家族の病歴の見直しな
どの選別プロセスが含まれている。
保険のプロセスにおいて、特定の事象又は一連の事象が、当グループの保険金債務に大きな影響を与えかねない場
合にはリスクの集中が起こり得る。かかる集中は、単一の保険契約又は少数の関連する保険契約を通じて生じる可能
性があり、重大な保険金債務が生じかねない状況に関連する。
現在有効な保険契約について、ほとんどの原保険負債は養老保険、ユニバーサル生命保険、年金保険、終身生命保
険及びユニットリンク型生命保険などの商品に関するものである。当グループが発行するほとんどの保険契約につい
て、当グループは生命保険契約の全てについて保有限度を有している。当グループは、超過損害再保険契約に基づい
て、限度を超えた分の保険給付金について再保険をかけている。保険負債の一部について、当グループは、保険リス
クの大半に再保険をかける再保険契約を締結している。
長期保険契約に関する将来的な給付金支払及び保険料収入の見積りにおける不確実性は、死亡率、罹病率、及び継
続率の全体レベルの長期的変化の予測が不可能であることから生じる。この点について、当グループは最新の動向を
識別するため、関連する経験上の調査を定期的に行ってきた。調査の結果は、条件設定及び引受管理において考慮さ
れている。また、こうした調査の結果は、マージンの適正な水準を含む保険負債を仮定する際に考慮されている。
(A) 仮定に関する決定を行う際に用いるプロセス
長期事業資金負債を決定するにあたり、当グループは、保険規定（長期負債の決定）に従い、関連要因の不利
な変動に対応するための適正なマージンを含んだ仮定を慎重に行っている。これは、評価日以降の未払保険料を
勘案し、既存の各保険契約の保険期間及び状況により決定された全ての将来的な負債を考慮に入れたものであ
る。負債の決定は、死亡率及び罹病率について評価日現在で行われた最新の仮定に基づいており、様々な適切な
割引率を考慮し、保険契約者の合理的な期待に相応の注意を払っている。不利な変動に対応するための十分な
マージンがこの仮定に含まれている。
この注記で開示している、保険負債に関して用いられた仮定は以下の通りである。
死亡率及び罹病率
保険契約の全てのカテゴリーに関する負債額は、適宜、合理的に見積もった死亡率及び罹病率、並びに不利な
変動に対する合理的なマージンに基づいて決定される。将来の負債の決定に用いられる仮定は、当グループ独自
の経験及び関連する再保険契約を適宜反映して調整された、人口統計又は再保険の情報に基づいて決定される。
評価で用いられる金利
同質の生命保険契約はセグメント別にグループ化され、特定の資産と見合うものになっている。各セグメント
の負債のデュレーションは、評価目的で計算されている。
裁量権のある有配当性を有する投資契約における運用保証
裁量権のある有配当性（以下「 DPF 」という。）を有する投資契約に係る運用保証の負債額は、 VaR99% の信頼
水準を反映するために、過去の経済データに基づく確率的分析により決定されている。
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新契約費
将来の負債を決定するための新契約費の仮定は、当グループの独自の経験に基づいている。当グループの最新
の費用動向に基づき、当グループは新規契約における契約費の仮定を変更した。
(B) 仮定の変更
当グループは、当グループの実績を反映させるために、失効率の仮定を変更するとともに、保険契約負債を裏
付ける市場金利及び投資ポートフォリオの利回りの変化を反映させて、評価目的で用いる金利の仮定を変更して
いる。 2021 年に当該年度末の評価目的で用いられた評価金利の仮定は、０ % から 3.16% の範囲であった（ 2020 年は
０ % から 3.04% ）。
(C) 感応度分析
以下の表は、保険負債の見積りに用いた重要な仮定の変動に対する、長期事業資金負債の感応度を表したもの
である。
感応度分析 － 生命保険及び年金保険契約
( 単位：百万香港ドル )
保険負債の変化に対する
税引後利益の減少
シナリオ 変数の変動
2021 年 2020 年
死亡率及び罹病率の悪化 10% (223) (221)
(723) (1,099)
50 ベーシス・ポイント
金利の低下
上記の分析は、他の仮定が一定であることを前提に、ある仮定の変動に基づいて行ったものである。実際に
は、これが発生する可能性は低いが、仮定のいくつかにおける変動は相関している可能性がある。例えば、金利
の変動と市場価値の変動、失効率の変動と将来の死亡率及び罹病率の変動などである。
感応度分析 － リンク型長期保険契約、退職制度管理カテゴリー III の保険契約、並びに退職制度管理カテゴ
リー I の DPF を有する投資契約
退職制度管理カテゴリー III の保険契約の準備金、退職制度管理カテゴリー I の DPF を有する投資契約、及びリ
ンク型長期保険契約のユニット化されていない準備金はポートフォリオ全体からみると重要ではないため、感応
度分析は行われていない。これらの３つの構成要素が保険負債全体に占める割合は、貸借対照表日現在、保険負
債合計額の 0.1% 未満であった。ユニットリンク・ファンド負債（ユニット化準備金）については、負債はユニッ
トリンク・ファンドの資産価値により裏付けられている。
リンク型長期保険契約の中には、当グループが原投資の価値減少リスクにさらされる、最低死亡給付金を有す
る契約がある。これは、死亡率リスクに対する当グループのネット・エクスポージャーを増加させる可能性があ
る。
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4.5 資本管理
当グループの資本管理の主要な目的は、当グループの全体的リスク・プロフィールに関連する自己資本比率を維持
しつつ、株主全員の利益を最大にすることである。 ALCO は定期的に当グループの資本構成を見直し、リスク、収益及
び自己資本比率の最適なバランスを維持している。
当グループは、当グループの事業の展開を支援し、法定の自己資本比率を維持するため、自己資本比率に対する健
全な方針と統制の枠組みを発展及び維持してきた。
当グループは、報告期間において、銀行業務に関する HKMA の全ての法定資本要件を遵守している。 HKMA は、 BOCHK
及び HKMA が規定する特定の子会社を連結ベースと単体ベースで監督し、これらの企業の自己資本比率に関する情報を
入手し、これらの企業の全体的な所要自己資本を決定している。海外の個々の銀行子会社及び支店は、現地の銀行監
督当局により直接規制されており、これらの監督当局が自己資本比率要件を設定し、その遵守状況をモニタリングし
ている。特定のノンバンク金融子会社も、それぞれの管轄地域の規制当局による監督を受け、関連する自己資本規制
を遵守することが求められている。
ALCO は当グループの自己資本比率を監視し、必要に応じて資本構成を調整する。当グループは、大半の非証券化取
引エクスポージャーに係る信用リスクの資本賦課を、基礎的内部格付 ( 以下「 FIRB 」という。 ) 手法で算定している。
残りの少額な信用エクスポージャーについては、引き続き標準的 ( 信用リスク )( 以下「 STC 」という。 ) 手法で算定し
ている。当グループは、カウンターパーティーの信用評価調整 ( 以下「 CVA 」という。 ) リスクに関する資本賦課を計
算するために、 CVA の標準的手法を採用した。
当グループは引き続き、為替リスク及び金利リスクへのエクスポージャーに対する一般市場リスクの資本賦課の算
定に内部モデル ( 以下「 IMM 」という。 ) 手法を採用し、また、 HKMA の承認を得て、市場リスクの資本賦課の計算にお
いて構造的な FX ポジションを除外した。当グループの残りのエクスポージャーについては、標準的 ( 市場リスク )( 以
下「 STM 」という。 ) 手法を引き続き採用して、市場リスクの資本賦課を算定している。
当グループは、引き続きオペレーショナルリスクの資本賦課の算定方法として標準的 ( オペレーショナルリスク )
( 以下「 STO 」という。 ) 手法を採用している。
当グループは、 2021 年においては、 HKMA による監督方針マニュアル「監督検査プロセス」の要件に従って、引き続
き、自己資本充実度評価プロセス ( 以下「 ICAAP 」という。 ) を採用した。第２の柱に係る HKMA のガイドラインに基づ
き、 ICAAP は、第１の柱では対象となっていない、あるいは十分に捕捉されていない重要なリスクをカバーするため
に必要となる追加資本の評価を導入している。そのため、最低普通株式 Tier １自己資本比率、最低 Tier １自己資本比
率及び最低合計自己資本比率が算定されている。同時に、前述の自己資本比率に関しては、将来の事業成長や資本の
効率的な利用のために柔軟性をもたらす、運用上の幅も設けられている。当グループはこの ICAAP を資本管理のため
の継続的なプロセスと見なし、全体的なリスク・プロファイルに関連して定期的に自身の資本構造を見直し、適宜調
整している。
さらに、年に一度当グループの資本計画が作成され、 ALCO による是認後に取締役会に承認を受けるために提出され
る。この計画は、事業戦略、株主資本利益率、リスク選好度、信用格付、及び規制要件などの自己資本比率に係る各
種要素の影響を評価して作成される。このため、将来の所要資本が算定され、その資金源が特定される。この計画
は、当グループが事業の発展に必要な、十分な自己資本及び適切な資本構成を維持することと整合し、それによるリ
スク、リターン及び自己資本充実度の最適バランスの達成を確実にすることを目的としている。
(A) 規制上の連結の基礎
規制上の連結は、銀行業 ( 資本 ) 規則に従って、 BOCHK 及び HKMA によって特定された一部の子会社のポジション
からなる。会計上は、子会社は HKFRS に準拠して連結されている。
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当社、その子会社である BOC グループ・ライフ・アシュアランス・カンパニー・リミテッド、 BOCHK アセット・
マネジメント ( ケイマン ) リミテッド、及び BOC インシュアランス ( インターナショナル ) ホールディングス・カン
パニー・リミテッド ( その子会社を含む ) 、並びに BOCHK の一部の子会社は会計上の連結の範囲には含まれている
が、 規制上の連結の範囲には含まれていない。
BOCHK の上記の子会社の詳細は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
会社名 資産合計 資本合計 資産合計 資本合計
BOC グループ・トラスティー・カンパニー・リミテッド
200 200 200 200
BOCI- プルデンシャル・トラスティー・リミテッド
593 491 553 498
チャイナ・ブリッジ ( マレーシア ) スンディリアン・
ベルハッド 12 2 13 9
バンク・オブ・チャイナ ( 香港 ) ノミニーズ・リミテッド - - - -
バンク・オブ・チャイナ ( 香港 ) トラスティーズ・リミテッ
ド 8 8 11 11
BOC ファイナンシャル・サービス ( 南寧 ) カンパニー・
リミテッド 199 40 248 43
BOCHK インフォメーション・テクノロジー ( 深圳 )
カンパニー・リミテッド 399 275 387 265
BOCHK インフォメーション・テクノロジー･サービシズ ( 深
圳 ) カンパニー・リミテッド 441 373 421 360
浙興 ( ノミニーズ ) リミテッド * N/A N/A - -
寶生フィナンシャル・インベストメント・サービス・
カンパニー・リミテッド 364 345 364 345
寶生セキュリティーズ・アンド・フューチャーズ・
リミテッド 595 415 952 375
新華トラスティー・リミテッド 5 5 5 5
ビリオン・エクスプレス・デベロップメント・インク - - - -
ビリオン・オリエント・ホールディングス・リミテッド - - - -
エリート・ボンド・インベストメンツ・リミテッド - - - -
エクスプレス・キャピタル・エンタープライズ・インク - - - -
エクスプレス・チャーム・ホールディングス・
コーポレーション - - - -
エクスプレス・シャイン・アセッツ・ホールディングス・
コーポレーション - - - -
エクスプレス・タレント・インベストメント・リミテッド - - - -
ゴールド・メダル・キャピタル・インク - - - -
ゴールド・タップ・エンタープライズ・インク - - - -
マクシ・サクセス・ホールディングス・リミテッド - - - -
スマート・リンケージ・ホールディングス・インク - - - -
スマート・ユニオン・キャピタル・インベストメンツ・
リミテッド - - - -
サクセス・トレンド・デベロップメント・リミテッド - - - -
- - - -
ワイズ・キー・エンタープライズ・コーポレーション
* 浙興 (ノミニーズ )リミテッドは 2021 年２月 16 日に解散した。
上記の子会社の主要な業務は、「付表－当社の子会社」に記載されている。
2021 年 12 月 31 日現在、規制上の連結の範囲に含まれているが、会計上の連結の範囲には含まれていない子会社
はなかった (2020) 年：なし ) 。
2021 年 12 月 31 日現在、会計上の連結の範囲と規制上の連結の範囲の両方に含まれているが、連結の方法が異な
る子会社はなかった (2020 年：なし ) 。
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当グループは異なる国 / 地域で子会社を運営しているが、これらの国 / 地域では資本が現地の規制の対象とな
り、当グループの企業間での資金又は規制上の自己資本の移動が制限される可能性がある。
(B) 自己資本比率
自己資本比率の分析は以下の通りである。
2021 年 2020 年
CET １資本比率 17.30% 17.75%
Tier １資本比率 19.11% 19.67%
自己資本比率 21.44% 22.10%
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上記の自己資本比率の計算に使用された控除後の連結資本ベースの分析は、以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
CET １資本：調達手段及び準備金
直接発行された適格 CET １資本調達手段
43,043 43,043
利益剰余金
193,800 184,230
準備金
45,033 45,100
規制上の控除前の CET １資本
281,876 272,373
CET １資本：規制上の控除
評価調整
(66) (24)
その他の無形資産（関連する繰延税金負債相殺後）
(1,623) (1,502)
繰延税金資産（関連する繰延税金負債相殺後）
(185) (91)
公正価値評価された負債に係る自己の信用リスクの変動に伴う
損益 (31) (21)
土地及び建物 ( 自社使用及び投資不動産 ) の再評価から生じた
公正価値評価益の累積額 (49,709) (49,413)
一般的な銀行業務のリスクに対する法定準備金
(6,073) (4,780)
CET １資本に対する規制上の控除の合計
(57,687) (55,831)
CET １資本
224,189 216,542
AT １資本：調達手段
適用会計基準上、資本として分類された適格 AT １資本調達手段
AT １資本
23,476 23,476
Tier １資本
23,476 23,476
Tier ２資本：調達手段及び引当金
247,665 240,018
Tier ２資本に算入可能な一般的な銀行業務のリスクに対する
7,805 7,322
集合的引当金及び法定準備金
規制上の控除前の Tier ２資本
7,805 7,322
Tier ２資本：規制上の控除
Tier ２資本に算入可能な土地及び建物 ( 自社使用及び投資不動
22,369 22,236
産 ) の再評価から生じる公正価値評価益の累計額の再加算
Tier ２資本に対する規制上の調整の合計
22,369 22,236
Tier ２資本
30,174 29,558
規制上の自己資本合計
277,839 269,576
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資本バッファー比率の分析は、以下の通りである。
2021 年 2020 年
2.500% 2.500%
資本保全バッファー比率
より高い損失吸収力 1.500% 1.500%
カウンターシクリカルな資本バッファー比率 0.799% 0.790%
(C) レバレッジ比率
レバレッジ比率の分析は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
247,665 240,018
Tier １資本
レバレッジ比率エクスポージャー 3,357,085 3,036,425
レバレッジ比率 7.38% 7.90%
5. 資産及び負債の公正価値
財務諸表で開示されている全ての資産及び負債の公正価値は、 HKFRS 第 13 号「公正価値測定」に定められた公正価値ヒ
エラルキーに分類される。このレベルは、評価手法に使用されたインプットの観察可能性及び重要性を参照し、公正価
値測定全体において重要である最も低いレベルのインプットに基づいて判定される。
－ レベル１：活発な市場における同一の資産又は負債の相場価格 ( 未調整 ) に基づくもの。このレベルには、取引所
上場株式、特定の政府が発行した負債性金融商品及び特定の上場デリバティブ契約が含まれる。
－ レベル２：公正価値測定に重大な影響を与える最も低いレベルのインプットが、直接的又は間接的に観察可能な
評価技法に基づくもの。このレベルには、大部分の OTC デリバティブ契約、値付サービス業者の提示価格を有する負
債性金融商品及び譲渡性預金証書、発行済仕組預金及びその他の負債性金融商品が含まれている。また、このレベ
ルには観察可能な市場インプットに対し重要性のない調整やカリブレーションを行う特定の為替契約、貴金属及び
不動産が含まれる。
－ レベル３：公正価値測定に重大な影響を与える最も低いレベルのインプットが、観察不能な評価技法に基づくも
の。このレベルには、重要な観察不能な要素を有する株式投資、負債性金融商品及び特定の OTC デリバティブ契約が
含まれている。また、このレベルには観察可能な市場インプットに対し重要性のある調整を行う不動産が含まれ
る。
財務諸表で継続的に認識されている資産及び負債について、当グループは各報告期間末に分類の見直しを行うことに
より、ヒエラルキーのレベル間での移動が発生しているか判定する ( 全体として、公正価値測定に重大な影響を与える最
も低いレベルのインプットに基づく ) 。
5.1 公正価値で測定される金融商品
当グループは、公正価値がフロント・オフィスから独立した管理部門によって決定又は承認されるよう、ガバナン
ス体制と統制の枠組みを整備した。管理部門は、独立した立場での営業部門による結果の検証並びにその他全ての重
要な公正価値測定に関して全体的な責任を負う。他の具体的な統制としては、観察可能な評価のインプットの検証、
新規モデル及びモデルの変更の検証及び承認、観察された市場取引に対するモデルの調整及びバック・テスト、日次
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評価における重要な変動の分析及び調査、重要な観察不能なインプット及び評価の調整の検証が含まれる。評価に係
る重要な問題は上級経営者、リスク委員会及び監査委員会に報告される。
一般的に、金融商品の計算単位は個別の金融商品である。 HKFRS 第 13 号は、特定の条件を満たす場合、会計方針の
選択により、ネット・オープン・リスク・ポジションに基づいて金融資産及び金融負債ポートフォリオの公正価値を
測定する、ポートフォリオの例外を認めている。当グループは、個別の金融商品単位で、計算単位と一致する評価調
整を適用する。デリバティブ金融商品を管理するための当グループのリスク管理方針及びシステムに従い、これらの
条件を満たす特定のデリバティブポートフォリオの公正価値調整は、ネット・オープン・リスクに関する受取対価又
は支払対価に基づいて測定される。これらのポートフォリオ単位での調整は、ポートフォリオに対する相対的なネッ
ト・リスク・エクスポージャーに基づいて個別の金融資産及び負債に配分される。
当グループは、活発な市場の公開市場相場価格を入手できない場合には、金融商品の公正価値を決定するために評
価技法又はブローカー / ディーラーの提示価格を用いる。
当グループが保有する金融商品の評価技法に使用される主なパラメータには、債券価格、金利、外国為替レート、
株価、コモディティ価格、ボラティリティ及び相関、取引先の信用スプレッド及びその他が含まれる。これらのほと
んどは、観察可能であり、公開市場から入手可能である。
下記の金融商品の公正価値を計算するために用いられる手法は、以下の通りである。
債務証券、譲渡性預金証書、及びその他の負債性金融商品
これらの金融商品の公正価値は、証券取引所、ディーラー又は独立した価格決定を行う業者から入手する時価相場
によって、又は割引キャッシュ・フロー技法を使用して算出される。割引キャッシュ・フロー・モデルは、当該商品
からの予想キャッシュ・フローを見積もり、類似商品に対し市場で要求される信用スプレッドを反映した割引率又は
割引マージンを使用してこれらのキャッシュ・フローを割り引いて、現在価値を測定する評価技法である。これらの
インプットは観察可能であるか、もしくは観察可能又は観察不能な市場データによって裏付けられている。
資産担保証券
この金融商品の場合、独立した第三者から公表価格を入手する。これらの有価証券の評価額は、取引の性質によ
り、インプット・パラメータ ( 観察可能な又は類似の証券のマトリクス・プライシングを通じて収集される割引率の
スプレッド、デフォルト率や回収率、早期償還率を含む ) を用いて、市場の標準的なキャッシュ・フロー・モデルに
よって見積もられる。
デリバティブ
OTC デリバティブ契約には、為替、金利、株式、コモディティ、クレジットに係る先渡契約、スワップ契約、オプ
ション契約などが含まれる。デリバティブ契約の公正価値は、主に割引キャッシュ・フロー・モデルやオプション・
プライシング・モデルなどの手法を用いて評価される。当該インプットは、観察可能又は観察不能な市場データのい
ずれかとなる。観察可能なインプットとは、金利、外国為替レート、株価、コモディティ価格、クレジット・デフォ
ルト・スワップ・スプレッド、ボラティリティ、相関性などである。観察不能なインプットは、仕組預金に組み込ま
れる一般的に取引されることが少ないオプション商品等に使用される。特定の複雑なデリバティブ契約については、
公正価値はブローカー / ディーラーの提示価格に基づいて測定される。
当グループの OTC デリバティブには、信用評価調整 ( 以下「 CVA 」という。 ) 及び債務評価調整 ( 以下、「 DVA 」とい
う。 ) が適用される。これらの調整は、市場要因の変動、取引先の予想信用度、当グループ自身の信用スプレッドを
反映している。また、調整額は主に個別の取引先ごとで決定され、エクスポージャーの予想将来価値、デフォルト確
率及び回収率に依拠している。
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(A) 公正価値ヒエラルキー
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
金融資産
トレーディング資産 ( 注記 23)
－債務証券及び譲渡性預金証書
121 23,746 - 23,867
－持分証券
23 - - 23
－その他の負債性金融商品
- 3,201 - 3,201
純損益を通じて公正価値で測定するものとして強
制的に分類されたその他の金融資産 ( 注記 23)
－債務証券及び譲渡性預金証書
1,481 13,433 800 15,714
－持分証券
2,520 144 193 2,857
－ファンド
4,550 1,776 4,876 11,202
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指
定した金融資産 ( 注記 23)
－債務証券及び譲渡性預金証書
711 766 - 1,477
－その他の負債性金融商品
- 15,196 - 15,196
デリバティブ ( 注記 24)
20 33,166 - 33,186
FVOCI で測定する貸付金及びその他債権 ( 注記 25)
- 2,757 - 2,757
FVOCI で測定する投資有価証券 ( 注記 2 6 )
－債務証券及び譲渡性預金証書
291,912 578,691 1,217 871,820
－持分証券
2,010 1,459 2,132 5,601
金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
( 注記 32)
－トレーディング負債
- 12,322 - 12,322
－純損益を通じて公正価値で測定するものとし
て指定した金融負債 - 198 - 198
デリバティブ ( 注記 24)
11 29,746 - 29,757
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( 単位：百万香港ドル )
2020 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
金融資産
トレーディング資産 ( 注記 23)
－債務証券及び譲渡性預金証書 - 26,817 - 26,817
－持分証券 49 - - 49
－その他の負債性金融商品 - 3,300 - 3,300
純損益を通じて公正価値で測定するものとして強
制的に分類されたその他の金融資産 ( 注記 23)
－債務証券及び譲渡性預金証書 - 15,026 846 15,872
－持分証券 3,910 - - 3,910
－ファンド 4,934 1,183 2,724 8,841
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指
定した金融資産 ( 注記 23)
－債務証券及び譲渡性預金証書 720 587 - 1,307
－その他の負債性金融商品 - 118 - 118
デリバティブ ( 注記 24) 33 52,823 - 52,856
FVOCI で測定する貸付金及びその他債権 ( 注記 25) - 1,163 - 1,163
FVOCI で測定する投資有価証券 ( 注記 2 6 )
－債務証券及び譲渡性預金証書 258,764 493,776 1,632 754,172
2,441 1,074 2,367 5,882
－持分証券
金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
( 注記 32)
－トレーディング負債 - 20,336 - 20,336
－純損益を通じて公正価値で測定するものとし
て指定した金融負債 - - - -
35 60,278 - 60,313
デリバティブ ( 注記 24)
2021 年度において、当グループでは、金融資産及び負債のレベル１とレベル２の間の移動はなかった（ 2020
年：特定の金融商品に係る市場で観察可能なインプットを調整した結果、 2020 年度において当グループでは、デ
リバティブ金融資産 15,498 百万香港ドル及びデリバティブ金融負債 11,227 百万香港ドルが、レベル１からレベル
２へ振り替えられた。このような調整が関連金融商品の公正価値測定に与えた影響は重要ではなかった）。
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(B) レベル３の項目の調整
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
金融資産
FVOCI で測定する
FVPL で測定するものとして強制的に分
類されたその他の金融資産
投資有価証券
デリバ
債務証券 持分証券 ファンド 債務証券 持分証券
ティブ
2021 年１月１日現在
846 - 2,724 - 1,632 2,367
( 損失 )/ 利得
－損益計算書
－正味トレーディング利得
- - - - - -
－純損益を通じて公正価値
で測定するその他の金融
商品に係る純 ( 損失 )/ 利得 (46) (1) 509 - - -
－その他の包括利益
－公正価値の変動
- - - - (69) (246)
取得
- 194 1,661 - - 11
処分、償還、満期
- - (18) - (346) -
レベル３からの移動
- - - - - -
2021 年 12 月 31 日現在
800 193 4,876 - 1,217 2,132
2021 年 12 月 31 日現在保有されてい
る金融資産の損益計算書に含ま
れる未実現 ( 損失 )/ 利得の合計
－純損益を通じて公正価値で
測定するその他の金融商品
(46) (1) 509 - - -
に係る純 ( 損失 )/ 利得
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( 単位：百万香港ドル )
2020 年
金融資産
FVOCI で測定する
FVPL で測定するものとして強制的に分
類されたその他の金融資産
投資有価証券
デリバ
債務証券 持分証券 ファンド 債務証券 持分証券
ティブ
-
2020 年１月１日現在
2,252 1,474 11 1,867 2,154
利得
－損益計算書
-
－正味トレーディング利得 - - 146 - -
－純損益を通じて公正価値
で測定するその他の金融
商品に係る純利得 223 - 107 - - -
－その他の包括利益
-
－公正価値の変動 - - - 191 213
-
取得 194 1,143 - - -
-
処分、償還、満期 (1,823) - - (426) -
-
- - (157) - -
レベル３からの移動
-
846 2,724 - 1,632 2,367
2020 年 12 月 31 日現在
2020 年 12 月 31 日現在保有されてい
る金融資産の損益計算書に含
まれる未実現利得の合計
－純損益を通じて公正価値で
測定するその他の金融商品
49 - 107 - - -
に係る純利得
2021 年及び 2020 年 12 月 31 日現在、レベル３に分類された金融商品は、主に、債務証券、ファンド、非上場株式
及び特定の OTC デリバティブ契約で構成されている。
特定の流動性の低い債務証券、持分証券及びファンドの場合、当グループは、評価に大きな影響を及ぼす、観
察不能なインプットに基づく可能性がある評価額を取引先から入手している。特定の OTC デリバティブ契約につ
いては、評価技法で使用される取引相手の信用スプレッドが、評価に重要な影響を与える観察不能なインプット
となる。従って、当グループは、これらの金融商品をレベル３に分類している。 2020 年におけるレベル３からの
移動は、評価の観察可能性が変化したことによるものであった。当グループは、このような金融商品に対する当
グループのエクスポージャーを管理するため、内部統制手続を定めている。
非上場の FVOCI 持分投資の公正価値は、 ( ⅰ ) 類似企業の株価収益率や株価純資産倍率の平均値など、類似上場
企業のマルチプル、 ( ⅱ ) 裏付となる持分投資の配当割引モデルの算定、又は ( ⅲ ) 適切な比較対象がなく配当割引
モデルも適用できない場合には、保有する特定の資産若しくは負債（該当する場合）を公正価値調整した純資産
価値を参照して測定される。当グループの非上場の FVOCI 持分投資の公正価値測定に適用される重要な観察不能
なインプット及びその範囲には、比較対象の株価収益率 (25.76 倍から 51.58 倍 ) 、比較対象の株価純資産倍率
(0.49 倍から 1.04 倍 ) 、流動性ディスカウント (30%) 、配当性向 (23.44% から 83.51%) 及び自己資本利益率 (7.95% か
ら 12.21%) が含まれる。公正価値は、類似企業の株価収益率及び株価純資産倍率、将来の予想配当金支払額や純
資産価額の予測と正の相関があり、類似企業の平均株価収益率及び平均株価純資産倍率で使用される流動性ディ
スカウント又は配当割引モデルで使用される割引率とは負の相関がある。
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評価技法で用いられる全ての重要な観察不能なインプットが５ % 有利に又は不利に変動した場合（ 2020 年：
５ % ）、当グループのその他の包括利益はそれぞれ、 96 百万香港ドル増加又は 94 百万香港ドル減少していたであ
ろう (2020 年：それぞれ 55 百万香港ドルの増加又は 54 百万香港ドルの減少 ) 。
5.2 公正価値で測定されない金融商品
公正価値の見積りは、関連する市場情報及び様々な金融商品の情報に基づいてある一時点で行われる。以下の方法
及び仮定は、適用可能な範囲で、金融商品の各分類の公正価値の見積りに用いられる。
銀行及びその他金融機関への預け金 / 預り金及び商業手形
金融資産及び負債の太宗が貸借対照表日から１年以内に満期を迎え、それらの帳簿価額は公正価値に近似してい
る。
顧客への貸付金並びに銀行及びその他金融機関への貸付金
顧客への貸付金並びに銀行及びその他金融機関への貸付金の太宗が変動金利で、実勢市場金利によっており、それ
らの帳簿価額は公正価値に近似している。
償却原価で測定する投資有価証券
償却原価で測定する有価証券の公正価値は、注記 5.1 で記載しているように、公正価値で測定する債務証券、譲渡
性預金証書及び資産担保証券と同じアプローチを用いて測定する。
顧客預金
顧客預金は太宗が貸借対照表日から１年以内に満期を迎え、それらの帳簿価額は公正価値に近似している。
発行済債務証券及び譲渡性預金証書
これらの商品の公正価値は、注記 5.1 にて記載しているように公正価値で測定される債務証券及び譲渡性預金証書
と同じアプローチを使用して測定される。
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以下の表は、前述の帳簿価額が公正価値に近似している商品を除いた、公正価値で測定されない金融商品の帳簿価
額及び公正価値を示している。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
金融資産
216,812 219,917 120,431 127,060
償却原価で測定する投資有価証券 ( 注記 2 6 )
金融負債
2,423 2,426 426 426
発行済債務証券及び譲渡性預金証書 ( 注記 34)
公正価値を開示している金融商品の公正価値ヒエラルキーは以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
金融資産
995 215,416 3,506 219,917
償却原価で測定する投資有価証券
金融負債
- 2,426 - 2,426
発行済債務証券及び譲渡性預金証書
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
金融資産
957 122,887 3,216 127,060
償却原価で測定する投資有価証券
金融負債
- 426 - 426
発行済債務証券及び譲渡性預金証書
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5.3 公正価値で測定される非金融商品
当グループは、評価技法又は活発な市場における相場価格を使用して非金融商品の公正価値を測定している。
投資不動産及び不動産
当グループの不動産は、投資不動産及び不動産に分けることができる。当グループの全ての投資不動産及び不動産
は、年度末に再評価された。当年度においては、この評価は独立した不動産鑑定士である萊坊測計師行有限公司によ
り実施された。同社は評価対象の不動産の所在地及び種類について最新の実績を有する香港鑑定士学会のフェロー及
びメンバーである社員を有している。当グループの経営者は、各中間及び年次報告期間の評価実施時に、鑑定事務所
と評価方法、評価の前提及び評価結果について議論している。事業年度中に評価方法の変更はなく、前年度の評価方
法と同じである。
( ⅰ ) レベル２の公正価値の測定で使用された評価手法及びインプット
レベル２に分類された不動産の公正価値は、比較可能な不動産の最新の売価を参照する市場比較アプローチ、又
は市場賃料及び収益還元率を参照する収益還元アプローチのいずれかを使用し、比較可能な不動産と評価対象の不
動産との間の差異を反映した適切な調整を行い測定された。これらの調整は、測定に対する重要性はないとみなさ
れた。
当グループの不動産は、不動産市場が活発かつ透明性が高いとみなされる香港並びに中国本土、タイ、及びマ
レーシアの特定の主要都市に所在している。比較対象の不動産の売価、市場賃料及び還元率は、これらの市場にお
いては一般的に直接的又は間接的に観察可能である。
( ⅱ ) レベル３の公正価値の測定に係る情報
銀行の金庫室を除くレベル３に分類された当グループの全ての不動産の公正価値は、市場比較アプローチ又は収
益還元アプローチのいずれかを使用し、比較可能な不動産と比較して当グループの不動産の特性に対し固有のプレ
ミアム又はディスカウントの調整を行うことによって測定された。
銀行の金庫室の公正価値は、特殊な性質のために利用できる直接比較可能な資産がないため、減価償却後再調達
原価アプローチを使用して測定される。主要なインプットは、既存の土地の市場価値、不動産の現在の再調達コス
ト及び減価償却率である。不動産の特殊な性質を反映するために適切な調整が行われる。
レベル３に分類された当グループの不動産の公正価値測定に使用される評価方法及び重要な観察不能なインプッ
トは、以下の通りである。
重要な観察不能な 観察不能なインプットの
評価方法 加重平均
インプット 公正価値に対する関係
年２ %
減価償却率が上昇するにつれ
減価償却率
減価償却後再
て、公正価値は減少する。
(2020 年 : ２ %)
銀行の
調達原価ア
金庫室
建築価格の +15%
不動産の特殊な性質に
プレミアムが増加するにつれ
プローチ
て、公正価値は増加する。
係るプレミアム
(2020 年 :+15%)
プレミアムが増加するにつれ
市場比較アプ 比較可能な不動産と比
-3.7% て、公正価値は増加する。
その他の
ローチ又は 較する不動産の特性
収益還元ア に係るプレミアム /
不動産
(2020 年 :- ８ %) ディスカウントが増加するにつ
プローチ ( ディスカウント )
れて、公正価値は減少する。
不動産の特性に係るプレミアム /( ディスカウント ) は、市場変動の時間、立地、利便性、築年数 / 状態、階数、面
積、レイアウト等の各種要素を考慮し、比較可能な不動産の特性との差違を参照して測定される。
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再開発計画がある投資不動産の公正価値については、通常、土地の開発を評価するために用いられる評価手法で
ある残差アプローチを用いて、再開発ベースで測定される。総開発価値（ GDV ）は、最初に比較可能な不動産の直
近の取引を参考に市場比較アプローチを用いて決定され、比較可能な不動産と比較した当グループの開発の内容を
固 有のプレミアム / ディスカウントによって調整する。再開発の最終的な公正価値は、開発費（専門家報酬、解体
費、建設費等）の現在価値と開発者利益を GDV の現在価値から控除した後の残存価値である。 GDV が高くなればなる
ほど公正価値は高くなり、開発費と割引率が高くなればなるほど公正価値は低くなる。
貴金属
貴金属の公正価値は、活発な市場における取引価格又は一定の調整を行った取引価格を使用して測定している。
(A) 公正価値ヒエラルキー
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
非金融資産
投資不動産 ( 注記 28) - 477 17,245 17,722
有形固定資産 ( 注記 29)
－不動産 - 3,302 40,482 43,784
その他の資産 ( 注記 30)
- 10,207 - 10,207
－貴金属
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
非金融資産
投資不動産 ( 注記 28) - 697 17,744 18,441
有形固定資産 ( 注記 29)
－不動産 - 2,601 40,947 43,548
その他の資産 ( 注記 30)
- 10,697 - 10,697
－貴金属
当年度において、当グループでは非金融資産のレベル１とレベル２の間での移動はなかった (2020 年 : 貴金属に
係る市場で観測可能なインプットを調整した結果、当グループでは 2020 年度に、 5,721 百万香港ドルの貴金属が
レベル１からレベル２に振り替えられた。このような調整が貴金属の公正価値測定に与えた影響は重要ではな
かった。当年度において、当グループではこの他に非金融資産のレベル１とレベル２の間での重要な移動はな
かった）。
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(B) レベル３の項目の調整
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
非金融資産
有形固定資産
投資不動産
不動産
2021 年１月１日現在
17,744 40,947
損失
－損益計算書
－投資不動産に係る公正価値調整純損失 (230) -
－不動産再評価純損失 - (16)
－その他の包括利益
－不動産再評価 - 616
減価償却費 - (1,129)
取得 232 38
レベル３への移動 412 606
レベル３からの移動 (163) (1,291)
分類変更 (750) 750
- (39)
換算差額
17,245 40,482
2021 年 12 月 31 日現在
2021 年 12 月 31 日現在保有されている非金融資産に関する、
損益計算書に含まれる未実現損失合計
－投資不動産に係る公正価値調整純損失 (230) -
- (16)
－不動産再評価純損失
(230) (16)
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( 単位：百万香港ドル )
2020 年
非金融資産
有形固定資産
投資不動産
不動産
2020 年１月１日現在
19,714 45,322
損失
－損益計算書
－投資不動産に係る公正価値調整純損失 (1,622) -
－不動産再評価純損失 - (57)
－その他の包括利益
－不動産再評価 - (1,720)
減価償却費 - (1,157)
取得 9 87
レベル３への移動 - -
レベル３からの移動 (277) (1,608)
分類変更 (80) 80
- -
換算差額
17,744 40,947
2020 年 12 月 31 日現在
2020 年 12 月 31 日現在保有されている非金融資産に関する、
損益計算書に含まれる未実現損失合計
－投資不動産に係る公正価値調整純損失 (1,622) -
- (57)
－不動産再評価純損失
(1,622) (57)
不動産のレベル３への移動及びレベル３からの移動は、当年度における対象不動産及び比較不動産に適用され
るプレミアム /( ディスカウント ) 要素の変動によるものである。プレミアム /( ディスカウント ) 要素は対象不動産
と市場で最近取引された比較不動産の要素の違いに基づいて決定される。最近の市場取引に基づく比較不動産は
毎年異なるため、対象不動産及び比較不動産に適用されるプレミアム /( ディスカウント ) 要素も毎年異なる。そ
の結果、観察可能な市場インプットに対して行われる調整の重要性が異なり、不動産のレベル３への振替及びレ
ベル３からの振替につながる場合がある。
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6. 正味受取利息
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
受取利息
顧客への貸付金、銀行及びその他金融機関への預け金 27,419 34,744
投資有価証券及び純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 12,760 14,960
119 224
その他
40,298 49,928
支払利息
顧客預金、銀行及びその他金融機関からの預り金 (8,238) (14,743)
発行済債務証券及び譲渡性預金証書 (42) (2)
劣後債務 - (80)
リース負債 (34) (54)
(43) (311)
その他
(8,357) (15,190)
31,941 34,738
正味受取利息
受取利息には、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に係る受取
利息がそれぞれ 32,018 百万香港ドル (2020 年： 38,633 百万香港ドル ) 及び 7,464 百万香港ドル (2020 年： 10,122 百万香港ド
ル ) が含まれている。
支払利息には、純損益を通じて公正価値で測定されない金融負債に係る支払利息が 8,346 百万香港ドル (2020 年：
14,947 万香港ドル ) 含まれている。
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7. 正味受取手数料
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
受取手数料
証券仲介業務 3,743 3,567
貸付手数料 2,746 2,310
クレジット・カード事業 2,141 1,859
保険 1,529 1,272
信託及びカストディ業務 764 689
支払サービス 751 740
ファンド販売 724 767
手形手数料 623 591
貸金庫 306 306
ファンド管理 161 130
為替 119 226
1,196 1,058
その他
14,803 13,515
支払手数料
クレジット・カード事業 (1,400) (1,179)
証券仲介業務 (458) (415)
保険 (434) (405)
(639) (674)
その他
(2,931) (2,673)
11,872 10,842
正味受取手数料
内訳
純損益を通じて公正価値で測定されない金融資産又は金融負債
－受取手数料 3,073 2,588
(13) (9)
－支払手数料
3,060 2,579
信託及びその他の信託業務
－受取手数料 967 888
(39) (30)
－支払手数料
928 858
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8. 正味トレーディング利得
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
純利得 /( 損失 ) ：
外国為替及び外国為替商品 4,725 5,282
金利商品及び公正価値ヘッジ項目 (60) (619)
コモディティ 175 361
251 150
資本性金融商品及びクレジットデリバティブ商品
5,091 5,174
9. 純損益を通じて公正価値で測定するその他の金融商品に係る純 ( 損失 )/ 利得
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
純損益を通じて公正価値で測定するものとして強制的に分類されるその他
(1,110) 1,838
の金融商品に係る純 ( 損失 )/ 利得
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した金融商品からの純
(26) 121
( 損失 )/ 利得
(1,136) 1,959
10. その他の金融商品に係る純利得
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
FVOCI 投資有価証券の処分 / 償還からの純利得
1,171 4,503
償却原価で測定した投資有価証券の処分 / 償還からの純 ( 損失 )/ 利得 (76) 62
25 7
その他
1,120 4,572
信用力の低下による、償却原価で測定した投資有価証券の処分からの利得は 41 百万香港ドル (2020 年： 98 百万香港ド
ル ) であった。
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11. その他営業収益
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
受取配当金
－当事業年度中に認識を中止した FVOCI 投資有価証券からの受取配当金 61 36
－当事業年度末に保有していた FVOCI 投資有価証券からの受取配当金 303 199
投資不動産からの受取賃貸料総額 564 587
控除：投資不動産に関する費用 (57) (61)
112 135
その他
983 896
「投資不動産に関する費用」には、当事業年度中に賃貸されなかった投資不動産に関連する直接営業費用７百万香港
ドル (2020 年：４百万香港ドル ) が含まれている。
12. 正味保険金及び負債の変動
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
保険金の総額及び負債の変動
支払済保険金及び解約返戻金 (15,563) (14,036)
(13,079) (20,077)
負債の変動
(28,642) (34,113)
保険金の再保険業者負担分及び負債の変動
支払済保険金及び解約返戻金の再保険業者負担分 10,537 8,371
1,512 3,575
負債の変動の再保険業者負担分
12,049 11,946
正味保険金及び負債の変動 (16,593) (22,167)
13. 正味減損引当金繰入額
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
正味減損引当金繰入額
貸付金及びその他債権 (1,966) (2,489)
銀行及びその他金融機関への預け金 (15) (5)
投資有価証券
－ FVOCI ベース (26) (100)
(37) (16)
－償却原価ベース
(63) (116)
(80) (77)
ローン・コミットメント及び金融保証契約
(2,124) (2,687)
(21) (20)
その他
(2,145) (2,707)
正味減損引当金繰入額
14. 営業費用
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( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
人件費 ( 取締役の報酬を含む )
－給与及びその他の費用 9,005 8,916
537 545
－年金費用
9,542 9,461
物件費 ( 減価償却費及び償却費を除く )
－短期リース、少額資産のリース及び変動リース料 11 11
1,221 1,224
－その他
1,232 1,235
減価償却費及び償却費 3,039 3,040
監査報酬
－監査業務 25 29
－監査以外の業務 9 14
2,560 2,568
その他の営業費用
16,407 16,347
15. 投資不動産に係る処分 / 公正価値調整からの純損失
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
(229) (1,622)
投資不動産に係る公正価値調整からの純損失 ( 注記 28)
16. 有形固定資産処分 / 再評価による純損失
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
器具、什器及び備品処分による純損失
(3) (4)
(17) (59)
不動産再評価による純損失 ( 注記 29)
(20) (63)
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17. 税金
損益計算書における税金は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
当期税金
香港法人所得税
－当事業年度税額 4,829 5,412
(283) (180)
－過年度過大引当額
4,546 5,232
香港以外の税金
－当事業年度税額 447 419
(1) (25)
－過年度過大引当額
4,992 5,626
繰延税金
(23) (511)
一時差異の発生及び取り崩し並びに繰越税額控除 ( 注記 36)
4,969 5,115
香港法人所得税は、当事業年度に香港で生じた見積課税所得に 16.5% (2020 年： 16.5%) の税率を乗じて算出されてい
る。海外所得に係る税金は、当事業年度の見積課税所得に当グループが営業活動を行っている国 / 地域の適用税率を乗じ
て算出されている。
香港の税率を用いた際に生じる理論上の金額と相違する当グループの税引前利益に係る税額は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
税引前利益 29,968 33,583
税率 16.5% で算定 (2020 年： 16.5%)
4,945 5,541
香港以外の国 / 地域における異なる税率による影響額 199 75
課税対象外収益 (240) (410)
税務上損金算入されない費用 489 461
過去に未認識であった税務上の損失の取り崩し (15) (10)
過年度過大引当額 (284) (205)
香港以外の源泉徴収税 101 (110)
(226) (227)
その他
4,969 5,115
税金費用
実効税率 16.6% 15.2%
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18. 配当金
2021 年 2020 年
１株当たり 合計 １株当たり 合計
香港ドル 百万香港ドル 香港ドル 百万香港ドル
中間配当金支払額
0.447 4,726 0.447 4,726
0.683 7,221 0.795 8,405
最終配当金支払予定額
1.130 11,947 1.242 13,131
2021 年８月 30 日に開かれた会議で、取締役会は、 2021 年度上半期について、普通株式１株当たり 0.447 香港ドル、総額
約 4,726 百万香港ドルの中間配当金を宣言した。
2022 年３月 29 日に開かれた会議で、取締役会は、 2021 年 12 月 31 日に終了した事業年度の最終配当金について、普通株
式１株当たり 0.683 香港ドル、総額約 7,221 百万香港ドルを、 2022 年６月 29 日に開催される年次株主総会において提言す
る旨を提案した。この最終配当金案は、当財務諸表上には未払配当金として反映されていないが、 2022 年 12 月 31 日に終
了する事業年度において、利益剰余金の処分として反映される予定である。
19. １株当たり利益
2021 年 12 月 31 日に終了した事業年度の基本的１株当たり利益の計算は、約 22,970 百万香港ドル (2020 年： 26,487 百万香
港ドル ) の当社株主に帰属する当期連結利益と 10,572,780,266 株 (2020 年： 10,572,780,266 株の普通株式 ) の発行済普通株
式に基づいている。
2021 年 12 月 31 日に終了した事業年度において、発行済潜在的普通株式はなかったため、１株当たり利益の希薄化はな
かった (2020 年：なし ) 。
20. 退職給付費用
退職給付が当グループの適格従業員向けに支給される。香港においては、当グループの従業員向けの確定拠出型年金
制度は、 MPF 政令が適用されない職業退職 (ORSO) 制度及び BOC －プルデンシャル簡易選択型 MPF 制度である。
ORSO 制度に基づき、従業員は同制度に対して基本給の５ % 相当額を毎月拠出する一方、雇用者は従業員の勤続年数に応
じて、月次基本給の５ % から 15% 相当額を毎月拠出している。勤続年数が 10 年を超えて定年退職、早期退職又は雇用が終
了する場合、従業員は雇用者拠出額の 100% を受け取る権利が付与される。即時解雇以外の雇用の終了で、勤続年数が３
年から９年の間の場合は、雇用者拠出額の 30% から 90% の金額を受け取る権利が付与される。従業員が受け取る雇用者の
拠出金はすべて MPF 政令の対象となる。
2000 年 12 月１日の MPF 政令の実施に伴い、当グループは規制要件に従い MPF 制度も導入した。 2019 年以降、勤続年数が
５年以上の従業員は雇用者による任意拠出金を受け取ることができる。この制度の受託会社は BOCI －プルデンシャル・
トラスティで、投資顧問は BOCI －プルデンシャル・アセットマネジメントであり、両社とも当社の関連当事者である。
2021 年 12 月 31 日に終了した事業年度において、 ORSO 制度に対する当グループの拠出金合計額は、約 20 百万香港ドル
(2020 年：約 10 百万香港ドル ) の失効拠出金控除後で、約 361 百万香港ドル (2020 年：約 375 百万香港ドル ) であった。 MPF 制
度について、当グループは、 2021 年 12 月 31 日に終了した事業年度において、約 132 百万香港ドル (2020 年：約 132 百万香港
ドル ) を拠出した。
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21. 取締役、上級経営者及び主要な従業員の報酬
(a) 取締役及び上級経営者の報酬
(i) 取締役の報酬
当事業年度中に当社に提供した役務及び当グループ内の子会社の経営に携わったことに対する、当社の取
締役への報酬支払額又は未払額は以下の通りである。
( 単位：千香港ドル )
2021 年
基本給、
#
取締役報酬 諸手当及び 賞与 合計
その他
現物給付
執行取締役
スン・ユ
- 5,390 2,905 - 8,295
( チーフ・エグゼクティブ )
非執行取締役
リウ・リエング - - - - -
注 1
- - - - -
リウ・ジン
注 2
- - - - -
ワン・ジアン
リン・ジンジェン - - - - -
*
600 - - - 600
チェン・エヴァ
*
600 - - - 600
チョイ・クーン・シュム
*
650 - - - 650
コー・ベン・セン
*
550 - - - 550
ロー・イー・クワン・クイン
*
700 - - - 700
トン・サヴィオ・ワイホク
3,100 - - - 3,100
3,100 5,390 2,905 - 11,395
注１：当年度中に任命
注２：当年度中に退任
205/775
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( 単位：千香港ドル )
2020 年
基本給、
#
取締役報酬 諸手当及び 賞与 合計
その他
現物給付
執行取締役
スン・ユ
( チーフ・エグゼクティブ ) - 140 31 - 171
ガオ・インシン
- 3,041 1,636 - 4,677
( チーフ・エグゼクティブ )
- 3,181 1,667 - 4,848
非執行取締役
リウ・リエング - - - - -
ワン・ジアン - - - - -
リン・ジンジェン - - - - -
*
600 - - - 600
チェン・エヴァ
*
600 - - - 600
チョイ・クーン・シュム
*
650 - - - 650
コー・ベン・セン
*
550 - - - 550
ロー・イー・クワン・クイン
*
700 - - - 700
トン・サヴィオ・ワイホク
3,100 - - - 3,100
3,100 3,181 1,667 - 7,948
* 独立非執行取締役
# 取締役に関する年金制度への拠出金、取締役に支払われた又は受取予定の当グループへの加入支度金及び退任慰労金を含
んでいる。
2021 年 12 月 31 日に終了した事業年度において、報酬を放棄した取締役はいなかった (2020 年：なし ) 。
206/775
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( ⅱ ) 最高給与者上位５名
当事業年度における当グループの最高給与者上位５名の中には、上述の分析の中に反映されている取締役
１名 (2020 年：なし ) が含まれている。当事業年度中に残りの４名 (2020 年：５名 ) に支払われる報酬は、以下
の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
基本給与及び諸手当
18 26
賞与 9 10
1 1
年金制度への拠出金
28 37
在任期間に応じた当事業年度中の各人への報酬の支払額又は未払額は、以下の金額帯である。
人数
2021 年 2020 年
6,000,001 香港ドルから 6,500,000 香港ドル
1 -
6,500,001 香港ドルから 7,000,000 香港ドル - 1
7,000,001 香港ドルから 7,500,000 香港ドル 2 2
7,500,001 香港ドルから 8,000,000 香港ドル 1 1
- 1
8,500,001 香港ドルから 9,000,000 香港ドル
( ⅲ ) 上級経営者の報酬
上級経営者としての在任期間に応じた当事業年度中の各人への報酬の支払額又は未払額は、以下の金額帯
である。
人数
2021 年 2020 年
0 香港ドルから 500,000 香港ドル
- 1
500,001 香港ドルから 1,000,000 香港ドル 1 -
3,500,001 香港ドルから 4,000,000 香港ドル 1 1
4,500,001 香港ドルから 5,000,000 香港ドル 1 1
5,000,001 香港ドルから 5,500,000 香港ドル 1 2
5,500,001 香港ドルから 6,000,000 香港ドル 1 1
6,000,001 香港ドルから 6,500,000 香港ドル 2 1
6,500,001 香港ドルから 7,000,000 香港ドル - 1
7,000,001 香港ドルから 7,500,000 香港ドル 1 1
7,500,001 香港ドルから 8,000,000 香港ドル - 1
1 -
8,000,001 香港ドルから 8,500,000 香港ドル
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(b) 指針 CG- ５に基づく上級経営者及び主要な従業員に対する報酬
開示情報にて用いている上級経営者及び主要な従業員という語句は以下のように定義されている。
－上級経営者：取締役会が任命する上級執行役員で、会社的な戦略又は重要な事業分野の監視責任を負う役
員。上級経営者には、チーフ・エグゼクティブ、チーフ・エグゼクティブ代理、チーフ・フィナンシャル・
オフィサー、チーフ・リスク・オフィサー、チーフ・オペレーティング・オフィサー、取締役会秘書役及び
グループ監査責任者が含まれる。
－主要な従業員：各自の業務に、リスク・エクスポージャーに重要な影響を及ぼす可能性のある重要なリスク
に関する仮定に関する業務が含まれるような従業員、各自の責任がリスク管理と直接もしくは相当程度関連
しているような従業員、又は利益に直接影響を及ぼすことができる従業員。主要な従業員には、重要な事業
分野の責任者、当グループの主要子会社の責任者、東南アジアの事業体の上級経営者、トレーディング責任
者、及びリスク管理業務責任者が含まれる。
当事業年度における当グループの上級経営者及び主要な従業員に対する報酬は以下の通りである。
(i) 当事業年度に支給された報酬
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
上級経営者 主要な従業員 上級経営者 主要な従業員
固定報酬
現金ベース 42 146 45 153
うち、繰延部分 - - - -
変動報酬
現金ベース 16 60 18 60
うち、繰延部分 4 13 5 13
58 206 63 213
報酬合計額
従業員数
固定報酬 11 60 13 58
10 55 13 57
変動報酬
( ⅱ ) 特別報酬
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
上級経営者 主要な従業員 上級経営者 主要な従業員
サインオン・ボーナス - 1 - 3
従業員数 - 2 - 2
2021 年 12 月 31 日に終了した年度には、上級経営者及び主要な従業員への保証された賞与及び退職金はな
かった（ 2020 年：なし）。
208/775
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( ⅲ ) 繰延報酬
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
うち、
うち、
事後の明示的若し
事後の暗示的な
事後の明示的な 当事業年度に
くは暗示的又は
繰延報酬 調整に起因する
調整に起因する 支払われた
その両方の調整に
残高総額 当年度中の
さらされる繰延
当年度中の 繰延報酬総額
修正総額
並びに保留された
修正総額
報酬残高総額
上級経営者
現金 9 9 - (1) (4)
主要な従業員
28 28 - (3) (18)
現金
37 37 - (4) (22)
合計
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
うち、
うち、
事後の明示的若し
事後の暗示的な
事後の明示的な 当事業年度に
くは暗示的又は
繰延報酬 調整に起因する
調整に起因する 支払われた
その両方の調整に
残高総額 当年度中の
さらされる繰延
当年度中の 繰延報酬総額
修正総額
並びに保留された
修正総額
報酬残高総額
上級経営者
現金 10 10 - - (5)
主要な従業員
36 36 - - (19)
現金
46 46 - - (24)
合計
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22. 現金並びに銀行及びその他金融機関への預け金
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
現金 17,586 38,187
中央銀行への預け金 142,560 141,803
期間１ヶ月以内の中央銀行への預け金 12,882 36,842
１～ 12 ヶ月の間に満期が到来する中央銀行への預け金 4,332 3,379
1,156 1,547
満期の期間までが１年超の中央銀行への預け金
160,930 183,571
他の銀行及びその他金融機関への預け金 191,682 188,089
期間１ヶ月以内の他の銀行及びその他金融機関への預け金 59,035 19,588
１～ 12 ヶ月の間に満期が到来する他の銀行及びその他金融機関への預け金 35,701 33,974
624 310
満期の期間までが１年超の他の銀行及びその他金融機関への預け金
287,042 241,961
465,558 463,719
控除 : 減損引当金
－ステージ１ (23) (8)
－ステージ２ - -
- -
－ステージ３
465,535 463,711
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23. 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
有価証券
トレーディング資産
－政府短期証券 11,548 19,491
－譲渡性預金証書 1,506 171
10,813 7,155
－その他債務証券
23,867 26,817
23 49
－持分証券
23,890 26,866
純損益を通じて公正価値で測定するものとして強制的に分類されるその
他の金融資産
－政府短期証券 1,481 -
14,233 15,872
－その他債務証券
15,714 15,872
－持分証券 2,857 3,910
11,202 8,841
－ファンド
29,773 28,623
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した金融資産
－譲渡性預金証書 - -
1,477 1,307
－その他債務証券
1,477 1,307
有価証券合計 55,140 56,796
その他の負債性金融商品
トレーディング資産 3,201 3,300
15,196 118
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した金融資産
その他の負債性金融商品合計 18,397 3,418
73,537 60,214
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上場場所別の有価証券合計の内訳は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
債務証券及び譲渡性預金証書
－香港上場 9,199 8,102
－香港以外での上場 8,212 8,133
23,647 27,761
－非上場
41,058 43,996
持分証券
－香港上場 2,234 2,610
－香港以外での上場 453 1,265
193 84
－非上場
2,880 3,959
ファンド
－香港上場 1,469 -
－香港以外での上場 239 491
9,494 8,350
－非上場
11,202 8,841
55,140 56,796
有価証券合計
発行体別の証券合計の内訳は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
中央政府
21,713 26,207
公営企業 748 535
銀行及びその他金融機関 23,806 20,935
8,873 9,119
一般事業会社
55,140 56,796
有価証券合計
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24. デリバティブ及びヘッジ会計
当グループは、トレーディング及びリスク管理を目的として、為替、金利、コモディティ、エクイティ及びクレジッ
トに関連したデリバティブ契約を利用している。
為替先渡は、将来の特定の日に外貨を売買する契約を表す。金利先物は、金利の変動に基づく純額を受取る又は支払
う、又は証券取引所の監督の下、金融市場において将来の特定の日にあらかじめ合意された金額で金利商品を購入又は
売却するというコミットメントである。金利先渡契約は、約定金利と現行の市場金利との想定元本額に基づく差額につ
いて、将来の特定の日に現金決済を要求するという、個別に交渉される金利先物である。
通貨、金利及びコモディティスワップは、一連のキャッシュ・フロー又は商品を他の一連のキャッシュ・フロー又は
商品と交換する契約である。スワップにより、通貨、金利 ( 例えば固定金利から変動金利への変更 ) 又は貴金属 ( 例えば、
銀スワップ ) 、又はこれら全ての組み合わせ ( 例えば、通貨金利スワップ ) の交換が生じる。特定の通貨スワップ契約を除
き、元本の交換は行われない。
外貨、金利、貴金属及びエクイティオプションは、買手 ( ホルダー ) が指定日又は指定日までに、又は指定された期間
内に、一定量の金融商品をあらかじめ決められた金額で購入する ( コール・オプション ) もしくは売却する ( プット・オプ
ション ) 権利 ( 義務ではない ) を、売手 ( ライター ) が付与する契約である。為替及び金利リスクの引受けに対する対価とし
て、売手は買手からプレミアムを受け取る。オプションは、当グループとその取引相手との間の店頭取引が行われる
か、又は証券取引所を通じて取引される ( 例えば、上場株式オプション ) 。
当グループが保有するデリバティブの契約 / 想定元本及び公正価値は、以下の表に記載されている。これらの商品の契
約 / 想定元本は、貸借対照表日現在の取引残高を示すものであり、その一部は、貸借対照表上に認識された金融商品の公
正価値との比較のための基礎を提供している。しかし、これらは将来キャッシュ・フローの金額や当該商品の最新の公
正価値を必ずしも示すものではないことから、当グループの信用リスクや市場リスクに対する当グループのエクスポー
ジャーを示すものではない。デリバティブは、それぞれの契約条件に関連する外国為替レート、市場金利、コモディ
ティ価格又は株式価格の変動によって、有利 ( 資産 ) になったり不利 ( 負債 ) になったりする。デリバティブ金融商品の公
正価値の総額は、時折大幅に変動することがある。
(a) デリバティブ
当グループは、主に顧客業務のためにデリバティブ商品 ( 上場及び OTC の両方 ) を取引している。当グループ
は、リスク管理方針、顧客にデリバティブ商品を提供するにあたっての要件、及び銀行間市場でのデリバティブ
商品を取引するにあたっての要件に厳密に従っている。
また、デリバティブ商品は銀行勘定の金利リスクを管理するためにも利用されている。デリバティブ商品は、
当該商品の取引が行われる前に、承認済商品リストに含まれていなければならない。デリバティブ取引からのエ
クスポージャーの想定元本をコントロールするため限度額が設定されており、取引の最長期間も設定されてい
る。すべてのデリバティブ取引は、決済、時価による再評価、報告及びコントロールのため、関連するシステム
に入力されなければならない。
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以下の表は 12 月 31 日現在のデリバティブ商品の種類別の契約額 / 想定元本額及び公正価値の内訳である。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
公正価値
契約額 / 想定元本額
資産 負債
為替契約
直物、先渡及び先物 203,700 11,720 (7,545)
スワップ 1,602,271 11,558 (8,476)
40,382 92 (86)
オプション
1,846,353 23,370 (16,107)
金利契約
先物 2,220 1 (3)
スワップ 1,084,835 9,361 (13,321)
567 - -
オプション
1,087,622 9,362 (13,324)
コモディティ契約 13,873 388 (265)
エクイティ契約 1,470 66 (61)
2,949,318 33,186 (29,757)
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
公正価値
契約額 / 想定元本額
資産 負債
為替契約
直物、先渡及び先物 250,999 13,496 (9,914)
スワップ 1,157,985 18,667 (20,759)
21,443 147 (136)
オプション
1,430,427 32,310 (30,809)
金利契約
先物 488 - -
スワップ 1,152,857 17,211 (26,218)
5,845 - -
オプション
1,159,190 17,211 (26,218)
コモディティ契約 42,819 3,282 (3,246)
エクイティ契約 2,526 53 (40)
2,634,962 52,856 (60,313)
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(b) ヘッジ会計
公正価値ヘッジ
当グループは、市場金利の変動から生じる金融資産及び金融負債の公正価値の変動をヘッジするために金利ス
ワップを使用している。
当グループがヘッジ会計を適用する金利リスクは固定利付債務証券から生じるもので、その公正価値は指標金
利に連動する。固定利付債務証券の公正価値変動は指標金利の変動により大きな影響を受けることから、当グ
ループは指標金利の範囲の金利リスクを、ヘッジ対象のリスクとして指定するにとどまっている。ヘッジ会計
は、経済的ヘッジ関係がヘッジ会計の基準を満たしている場合に適用される。
非有効性が生じ得る理由は以下の通りである。
- ヘッジ対象とヘッジ手段の間の想定元本及びタイミングの差異
- カウンターパーティ信用リスクの大幅な変動
以下の表は、 12 月 31 日現在のヘッジ手段の契約額 / 想定元本額に関する契約上の残存期間別の内訳である。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
1,513 2,821 11,543 65,070 42,111 123,058
金利スワップ
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
1,875 2,011 8,382 61,441 37,545 111,254
金利スワップ
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ヘッジ手段として指定された項目に係る金額は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
ヘッジの非有効部分の認
公正価値
契約額 /
識に使用された
想定元本額
資産 負債
公正価値の変動
デリバティブ金融商品
123,058 741 (2,617) 4,046
金利スワップ
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ヘッジの非有効部分の認
公正価値
契約額 /
識に使用された
想定元本額
資産 負債
公正価値の変動
デリバティブ金融商品
111,254 50 (6,196) (4,074)
金利スワップ
ヘッジ対象に係る金額は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
帳簿価額に含まれる
ヘッジの非有効部分の
認識に使用された
帳簿価額 公正価値ヘッジ調整
公正価値の変動
累計額
投資有価証券
127,438 3,096 (4,216)
債務証券
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
帳簿価額に含まれる
ヘッジの非有効部分の
認識に使用された
帳簿価額 公正価値ヘッジ調整
公正価値の変動
累計額
投資有価証券
119,092 6,538 4,302
債務証券
ヘッジの非有効部分の認識額は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
(170) 228
正味トレーディング ( 損失 )/ 利得
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25. 貸付金及びその他債権
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
個人向けローン及び貸付金
509,045 458,577
1,090,039 1,039,287
企業向けローン及び貸付金
顧客への貸付金
1,599,084 1,497,864
控除：減損引当金
－ステージ１ (4,839) (5,405)
－ステージ２ (2,406) (1,115)
(2,632) (2,652)
－ステージ３
1,589,207 1,488,692
商業手形
7,264 9,826
控除：減損引当金
－ステージ１ (1) -
－ステージ２ - -
- -
－ステージ３
7,263 9,826
銀行及びその他金融機関への貸付金
727 1,898
控除：減損引当金
－ステージ１ (3) -
－ステージ２ - -
- -
－ステージ３
724 1,898
1,597,194 1,500,416
2021 年 12 月 31 日現在、顧客への貸付金には未収利息 1,890 百万香港ドル (2020 年： 1,958 百万香港ドル ) が含まれてい
る。
2021 年 12 月 31 日現在、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する貸付金及びその他債権は 2,757 百万香港ドル
(2020 年： 1,163 百万香港ドル ) であった。
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26. 投資有価証券
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する投資有価証券
－政府短期証券 410,163 334,480
－譲渡性預金証書 38,059 46,029
－その他の債務証券 423,598 373,663
871,820 754,172
－持分証券 5,601 5,882
877,421 760,054
償却原価で測定する投資有価証券
－譲渡性預金証書 2,693 984
－その他の債務証券 214,218 119,509
216,911 120,493
控除 : 減損引当金
－ステージ１ (96) (62)
－ステージ２ (3) -
- -
－ステージ３
216,812 120,431
1,094,233 880,485
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投資有価証券の上場場所の内訳は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する投資有価証券
債務証券及び譲渡性預金証書
－香港上場 106,919 98,647
－香港以外での上場 182,018 158,283
582,883 497,242
－非上場
871,820 754,172
持分証券
－香港上場 2,351 2,777
－香港以外での上場 455 496
2,795 2,609
－非上場
5,601 5,882
877,421 760,054
償却原価で測定する投資有価証券
債務証券及び譲渡性預金証書
－香港上場 39,845 28,050
－香港以外での上場 103,719 59,685
73,248 32,696
－非上場
216,812 120,431
1,094,233 880,485
償却原価で測定する上場有価証券の市場価格 145,392 92,341
発行体別の投資有価証券の内訳は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
中央政府 558,915 426,384
公営企業 55,078 26,363
銀行及びその他金融機関 306,006 270,645
174,234 157,093
一般事業会社
1,094,233 880,485
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投資有価証券の増減の内訳は以下の通りに要約される。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
その他の包括利益を
通じて公正価値で
償却原価
測定
2021 年１月１日現在 760,054 120,431
取得 1,501,274 132,794
処分、償還、満期 (1,364,521) (37,870)
償却 (1,114) 427
公正価値 / 公正価値ヘッジ調整の変動 (5,850) (71)
正味減損引当金繰入額 - (37)
(12,422) 1,138
換算差額
877,421 216,812
2021 年 12 月 31 日現在
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
その他の包括利益を
通じて公正価値で
償却原価
測定
2020 年１月１日現在 690,670 110,983
取得 1,149,390 58,961
処分、償還、満期 (1,102,401) (49,850)
償却 478 260
公正価値 / 公正価値ヘッジ調整の変動 10,537 (15)
正味減損引当金繰入額 - (16)
11,380 108
換算差額
760,054 120,431
2020 年 12 月 31 日現在
当グループは、特定の持分証券を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する持分証券として指定した。その他
の包括利益を通じて公正価値で測定する持分証券に指定したのは、当該証券が戦略的投資目的で保有されているためで
ある。投資には、その他 Tier １劣後証券、上場株式及び非上場株式が含まれる。
当グループは、当年度中に公正価値で 2,356 百万香港ドル (2020 年： 2,289 百万香港ドル ) の、その他の包括利益を通じ
て公正価値で測定する特定の持分証券の認識を中止した。この認識中止はポートフォリオ・リバランスと発行体による
償還のためである。
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27. 関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する持分
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
１月１日現在
1,485 1,632
取得 - 6
業績に対する持分 (197) (126)
税金に対する持分 (16) (26)
受取配当金 (57) (3)
- 2
換算差額
1,215 1,485
12 月 31 日現在
当グループの関連会社及びジョイント・ベンチャーは全て非上場であり、その詳細は以下の通りである。
設立地
名称 発行済株式資本 持株比率 主要な事業活動
及び活動拠点
クレジット・カードの
BOC サービシズ・ 登記資本金
中華人民共和国 45%
バックエンド・サービ
カンパニー・リミテッド 50,000,000 人民元
ス支援
フューチャー X ・イノベー
ケイマン諸島 1 米ドル 20% 投資持株会社
ション・リミテッド
ゴールデン・ハーベスト
ケイマン諸島 100 米ドル 49% 投資持株会社
（ケイマン）・リミテッ
ド
ATM サービスに係る
ジョイント・エレクトロニッ
プライベート・イン
10,025,200
ク・テラー・サービシ 香港 19.96%
ターバンク・メッセー
香港ドル
ズ・リミテッド
ジ交換ネットワークの
運営
2,500,000,000
リヴィ・バンク・リミテッド 香港 44% 銀行業
香港ドル
スナック・リアルター・
ケイマン諸島 1 米ドル 20% 投資持株会社
キャピタル・リミテッド
払込資本金
盈進智能製造（深圳）投資中
中華人民共和国 52.63% 投資持株会社
心（有限合夥 )
RMB9,500,000
上記の関連会社及びジョイント・ベンチャーのいずれも、個々でも全体でも当グループにとって重要とみなされるも
のではない。
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28. 投資不動産
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
１月１日現在
18,441 20,110
取得 233 9
公正価値損失 ( 注記 15) (229) (1,622)
(723) (56)
有形固定資産への分類変更 ( 注記 29)
17,722 18,441
12 月 31 日現在
残存リース期間に基づく投資不動産の帳簿価額の内訳は、以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
香港内保有
長期間リース (50 年超 ) 4,942 4,720
中期間リース (10 年から 50 年 ) 12,421 13,362
香港外保有
中期間リース (10 年から 50 年 ) 328 328
31 31
短期間リース (10 年未満 )
17,722 18,441
2021 年 12 月 31 日現在、投資不動産は独立した不動産鑑定士である萊坊測計師行有限公司により 2021 年 12 月 31 日に実施
された公正価値評価に基づく評価額で貸借対照表に計上されている。公正価値は、測定日時点の市場参加者との秩序
だった取引において、各投資不動産の売却の際に受け取るであろう対価を表す。
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29. 有形固定資産
( 単位：百万香港ドル )
器具、什器
不動産 使用権資産 合計
及び備品
正味帳簿価額－ 2021 年１月１日現在
43,548 1,582 1,725 46,855
取得 40 344 341 725
処分 (4) (11) (41) (56)
再評価 634 - - 634
当期減価償却費 (1,154) (567) (700) (2,421)
投資不動産からの分類変更 ( 注記 28) 723 - - 723
当期減損額 - (4) - (4)
(3) (6) (6) (15)
換算差額
正味帳簿価額－ 2021 年 12 月 31 日現在 43,784 1,338 1,319 46,441
2021 年 12 月 31 日現在
取得原価又は評価額 43,784 7,032 2,775 53,591
- (5,694) (1,456) (7,150)
減価償却累計額及び減損累計額
正味帳簿価額－ 2021 年 12 月 31 日現在 43,784 1,338 1,319 46,441
上記資産の取得原価又は評価額の内訳は以下の通りである。
2021 年 12 月 31 日現在
取得原価ベース - 7,032 2,775 9,807
43,784 - - 43,784
評価額ベース
43,784 7,032 2,775 53,591
2021 年度において、アプリケーション・ソフトウェアからその他の資産への振替はなかった (2020 年度： 2020 年 12 月 31
日現在、取得原価 5,101 百万香港ドル、償却累計額 3,239 百万香港ドル、正味帳簿価額 1,862 百万香港ドルのアプリケー
ション・ソフトウェアがその他の資産に振り替えられ、無形資産として計上されていた ) 。
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( 単位：百万香港ドル )
器具、什器
不動産 使用権資産 合計
及び備品
正味帳簿価額－ 2020 年１月１日現在
46,342 3,331 1,929 51,602
取得 91 1,232 561 1,884
処分 (2) (13) (10) (25)
再評価 (1,766) - - (1,766)
当期減価償却費 (1,173) (1,107) (760) (3,040)
投資不動産からの分類変更 ( 注記 28) 56 - - 56
その他の資産への分類変更 ( 注記 30) - (1,862) - (1,862)
- 1 5 6
換算差額
43,548 1,582 1,725 46,855
正味帳簿価額－ 2020 年 12 月 31 日現在
2020 年 12 月 31 日現在
取得原価又は評価額 43,548 7,006 3,001 53,555
- (5,424) (1,276) (6,700)
減価償却累計額及び減損累計額
正味帳簿価額－ 2020 年 12 月 31 日現在 43,548 1,582 1,725 46,855
上記資産の取得原価又は評価額の内訳は
以下の通りである。
2020 年 12 月 31 日現在
取得原価ベース - 7,006 3,001 10,007
43,548 - - 43,548
評価額ベース
43,548 7,006 3,001 53,555
残存リース期間に基づく不動産の帳簿価額の内訳は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
香港内保有
長期間リース (50 年超 ) 12,725 12,904
中期間リース (10 年から 50 年 ) 30,712 30,292
香港外保有
長期間リース (50 年超 ) 71 75
276 277
中期間リース (10 年から 50 年 )
43,784 43,548
2021 年 12 月 31 日現在、不動産は、独立した不動産鑑定士である萊坊測計師行有限公司により 2021 年 12 月 31 日に実施さ
れた公正価値評価に基づく評価額で貸借対照表に計上されている。公正価値は、測定日時点の市場参加者との秩序だっ
た取引において、各不動産の売却の際に受け取るであろう対価を表す。
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上述の再評価による、不動産の評価額の変動は以下の通り認識された。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
損益計算書に借方計上された評価額の減少（注記 16 ）
(17) (59)
651 (1,707)
その他の包括利益に貸方 /( 借方 ) 計上された評価額の増加 /( 減少 )
634 (1,766)
2021 年 12 月 31 日現在、資産が減価償却累計額及び減損損失を控除した取得原価で計上されたと仮定した場合に、当グ
ループの貸借対照表に含まれると考えられる不動産の正味帳簿価額は 9,363 百万香港ドル (2020 年： 8,748 百万香港ドル )
であった。
30. その他の資産
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
抵当権実行資産
151 23
貴金属 10,207 10,697
(1)
2,025 1,862
無形資産
再保険資産 59,696 55,672
34,193 38,481
未収金及び前払金
106,272 106,735
(1) 無形資産の増減の内訳は以下の通りに要約される。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
正味帳簿価額－１月１日現在
1,862
取得 781
(618)
当期償却費
2,025
正味帳簿価額－ 12 月 31 日現在
12 月 31 日現在
取得原価 5,866
(3,841)
償却累計額及び減損累計額
2,025
正味帳簿価額－ 12 月 31 日現在
31. 香港特別行政区流通通貨
香港特別行政区流通通貨は、香港特別行政区政府債務証書が保有されている基金の預託によって担保されている。
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32. 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
トレーディング負債
－為替資金証券及び債券のショート・ポジション 12,322 20,336
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債
198 -
－買戻条件付契約
12,520 20,336
2021 年 12 月 31 日現在、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債の帳簿価額は、当グループ
が契約上、満期時に所有者への支払いを求められるであろう金額とほぼ同額であった。
33. 顧客預金
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
普通預金及び当座預金
－企業 229,326 222,286
97,908 87,940
－個人
327,234 310,226
貯蓄預金
－企業 513,556 499,740
680,538 649,295
－個人
1,194,094 1,149,035
定期預金及び通知預金
－企業 544,036 454,852
265,791 269,596
－個人
809,827 724,448
2,331,155 2,183,709
34. 発行済債務証券及び譲渡性預金証書
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
償却原価で測定
－譲渡性預金証書 563 233
1,860 193
－その他の債務証券
2,423 426
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35. その他項目及び引当金
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
その他の未払金及び引当金
81,080 68,682
リース負債 1,318 1,710
ローン・コミットメント及び金融保証契約に対する減損引当金
－ステージ１ 439 594
－ステージ２ 51 44
153 20
－ステージ３
83,041 71,050
36. 繰延税金
繰延税金は、 HKAS 第 12 号「法人所得税」に従い、資産・負債の課税標準と当財務諸表上の帳簿価額及び繰越税額控除
との間に生じる一時差異に関して認識されている。
貸借対照表に計上されている繰延税金 ( 資産 )/ 負債の主な要素並びに各事業年度における増減は、以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
税務上の
不動産の 減損
加速減価 損失 その他 合計
再評価 引当金
償却
2021 年１月１日現在
797 6,560 (46) (1,153) (289) 5,869
損益計算書への借方 /( 貸方 ) 計上
( 注記 17) 29 (63) 10 23 (22) (23)
その他の包括利益への借方 /( 貸
方 ) 計上 - 109 - - (401) (292)
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する資本性金融商
品の処分に係る取崩し - - - - 19 19
- - 32 2 - 34
換算差額等
826 6,606 (4) (1,128) (693) 5,607
2021 年 12 月 31 日現在
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
税務上の
不動産の 減損
加速減価 損失 その他 合計
再評価 引当金
償却
2020 年１月１日現在
756 6,997 - (804) (532) 6,417
損益計算書への借方 /( 貸方 ) 計上
( 注記 17) 41 (140) (15) (349) (48) (511)
その他の包括利益への ( 貸方 )/ 借
方計上 - (297) - - 253 (44)
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する資本性金融商
品の処分に係る取崩し - - (31) - 32 1
純損益を通じて公正価値で測定
するものとして指定された金
- - - - 6 6
融負債の償還に係る取崩し
797 6,560 (46) (1,153) (289) 5,869
2020 年 12 月 31 日現在
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繰延税金資産・負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法的権利が存在し、またその繰延税金が同じ税務当
局に関連するものである場合、個々の企業ベースで相殺される。適切な相殺処理後に決定された以下の金額は、貸借対
照表に表示されている。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
繰延税金資産
(192) (95)
5,799 5,964
繰延税金負債
5,607 5,869
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
回収予定まで 12 ヶ月超の繰延税金資産
(153) (112)
6,435 6,244
清算予定まで 12 ヶ月超の繰延税金負債
6,282 6,132
2021 年 12 月 31 日現在、当グループは税務上の欠損金について繰延税金資産を認識していない (2020 年：なし）。当グ
ループの金額に関してはすべて、他国 / 地域の現行の税法の下で有効期限はない。
37. 保険契約負債
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
１月１日現在
139,504 117,269
給付金支払 (14,784) (13,288)
29,191 35,523
発生保険金及び負債の増減
153,911 139,504
12 月 31 日現在
再保険契約によりカバーされる保険契約負債 48,037 百万香港ドル (2020 年： 45,615 百万香港ドル ) 、及び関連する再保
険資産 59,696 百万香港ドル (2020 年： 55,672 百万香港ドル ) は、「その他の資産」 ( 注記 30) に計上されている。
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38. 資本金
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
発行済かつ全額払込済：
52,864 52,864
普通株式 10,572,780,266 株
39. その他の資本性金融商品
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
23,476 23,476
非累積型永久その他 Tier １劣後資本証券
2018 年９月、 BOCHK は 3,000 百万米ドルで非累積型永久その他 Tier １劣後資本証券を発行した。当該資本証券は、償還
日が設定されておらず、当初の５年間は償還不可能な永久債である。当初の分配率は年率 5.90 ％で半年ごとに利払いが
行われるが、 BOCHK の裁量により消却が可能である。 2021 年にその他の資本性金融商品保有者に支払われた配当金は
1,378 百万香港ドル (2020 年： 1,376 百万香港ドル ) であった。
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40. 連結キャッシュ・フロー計算書に対する注記
(a) 営業利益の税引前営業キャッシュ・インフローへの調整
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
営業利益
30,430 35,420
減価償却費及び償却費 3,039 3,040
正味減損引当金繰入額 2,145 2,707
減損引当金に係るディスカウントの解消 (37) (8)
回収金額控除後貸付金償却額 (1,157) (425)
リース負債に係る支払利息 34 54
当初満期が３ヶ月超の銀行及びその他金融機関への預け金の増減 (622) 3,800
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の増減 1,835 21,655
デリバティブの増減 (10,886) 5,563
貸付金その他の増減 (97,487) (89,591)
投資有価証券の増減 (157,171) (49,999)
その他の資産の増減 548 (13,863)
預金並びに銀行及びその他金融機関からの預り金の増減 159,567 58,606
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債の増減 (7,816) 1,130
顧客預金の増減 147,446 174,436
発行済債務証券及び譲渡性預金証書の増減 1,997 310
その他項目及び引当金の増減 12,388 (9,527)
保険契約負債の増減 14,407 22,235
(5,278) (13,269)
為替レート変動の影響額
税引前営業キャッシュ・インフロー 93,382 152,274
営業活動からのキャッシュ・フローは以下を含む：
－受取利息 39,160 51,764
－支払利息 8,482 17,674
364 235
－受取配当金
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(b) 財務活動から生じる債務の調整
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
劣後債務
１月１日現在 12,954
キャッシュ・フロー (12,603)
(350)
劣後債務の償還に係る支払額
劣後債務に係る支払利息
(12,953)
キャッシュ・フローの変動を伴わないもの
その他の包括利益に貸方計上した自己の信用リスクの公正価値の変動 (1)
為替差額 (39)
39
その他の変動
-
12 月 31 日現在
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
リース負債
１月１日現在 1,710 1,850
キャッシュ・フロー
リース負債に係る支払 (716) (733)
キャッシュ・フローの変動を伴わないもの
取得 331 549
処分 (41) (10)
34 54
その他の変動
1,318 1,710
12 月 31 日現在
(c) 現金及び現金同等物残高の内訳
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
現金並びに当初満期３ヶ月以内の銀行及びその他金融機関への預け金
424,780 423,563
当初満期３ヶ月以内の政府短期証券、譲渡性預金証書及びその他の負債性
金融商品
－純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 18,461 3,303
88,674 29,192
－投資有価証券
531,915 456,058
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41. 偶発債務及びコミットメント
以下は、重要な種類の偶発債務及びコミットメントの契約金額並びに信用リスク加重金額総額の要約であり、自己資
本比率に関する HKMA への報告書の作成要領を参照して作成されている。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
直接的な信用供与代替取引
1,338 2,487
取引関連偶発債務 30,075 30,215
貿易関連偶発債務 25,815 27,830
事前通知なく無条件で解約可能なコミットメント 526,430 511,975
当初満期が以下のその他のコミットメント
－１年以内 15,665 20,416
173,623 173,475
－１年超
772,946 766,398
信用リスク加重金額 83,704 87,517
信用リスク加重金額は、銀行 ( 資本 ) 規則に従って計算される。当該金額は、取引相手の状況と各種契約の満期の特質
によって異なる。
42. キャピタル・コミットメント
当グループは、当財務諸表に反映されていない以下の未履行のキャピタル・コミットメントを有している。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
承認され契約されたが未計上のもの
183 274
119 70
承認されたが未契約のもの
302 344
上記のキャピタル・コミットメントは、主にコンピュータ設備及びソフトウェアの購入、並びに当グループの不動産
の改修に関連するものである。
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43. オペレーティング・リース契約
貸手側
当グループは借主と、解約不能なオペレーティング・リースに基づき、以下の通り将来の最低リース料を受け取る
契約を交わしている。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
土地建物
－１年以内 469 520
－１年超２年以内 241 313
－２年超３年以内 103 101
－３年超４年以内 16 14
－４年超５年以内 5 10
- -
－５年超
834 958
当グループは、オペレーティング・リース契約に基づき、投資不動産を、通常１年から３年の期間で賃貸してい
る。リースの契約条件は、通常、借主に対して敷金の支払いを求めるほか、リース契約の更新時点における実勢市況
に基づき、賃借料を調整する旨を定めている。
44. 訴訟
当グループは、様々な独立した当事者から多数の訴訟及び反訴を受けている。これらの訴訟及び反訴は、当グループ
の通常の商業活動に関するものである。
取締役は、当グループが原告に対する実体上の抗弁を有している、もしくはこれらの訴訟に関する金額が重大ではな
いと予想されると考えていることから、これらの訴訟及び反訴に対して重要な引当金は設定されなかった。
45. セグメント報告
当グループは、主に事業セグメント単位で事業を管理しており、当グループの収益、税引前利益及び資産の 90% 超は香
港で生じている。現時点で、個人向銀行業務、法人向銀行業務、資金為替業務及び保険の４つの事業セグメントを識別
している。当グループの事業セグメントの分類は顧客セグメント及び商品の種類に基づいており、これは当グループの
RPC( 関係、商品、チャンネル ) 管理モデルに沿ったものである。
個人向銀行業務及び法人向銀行業務セグメントは一般的な銀行サービスを提供する。このサービスには、各種預金商
品、当座貸越、ローン、クレジット・カード、貿易関連商品及びその他のクレジット・ファシリティ、投資及び保険商
品、並びに外貨及びデリバティブ商品などに関するサービスが含まれる。個人向銀行業務は主に個人顧客及び小規模企
業向けの業務を行うが、法人向銀行業務は法人顧客との取引を行う。資金為替業務セグメントは、自己勘定取引に加
え、当グループの資金調達及び流動性、並びに金利及び外国為替ポジションを管理する業務を行う。保険セグメントと
は、主に個人生命保険商品及び団体生命保険商品など、生命保険商品に関連した業務を意味する。「その他」には、主
に、当グループが保有する不動産、投資不動産、株式投資、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する一部の持分
並びに東南アジアの事業体の事業などが含まれる。
セグメントの資産、負債、収入、費用、業績、及び資本的支出は、当グループの会計方針に基づき測定されている。
セグメント情報には、セグメントに直接帰属する項目と、合理的な基準に沿ってセグメントへ配賦できる項目に関する
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情報が含まれている。各セグメント間のファンディングは、当グループ内部のファンディング価格決定メカニズム ( 主
に、各プロダクトに固有の特徴が加味されている市場レートに基づく方法 ) に基づき行われる。
当グループは、収益のほとんどを利息によって稼ぎ出しており、上級経営者は、事業を管理する際、主として純利息
収入を中心に考えるため、全ての報告セグメントにおける受取利息及び支払利息は、純額ベースで表示されている。同
じ考え方により、保険料収入、保険金もまた、純額ベースで表示されている。
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( 単位：百万香港ドル )
個人向 法人向 資金為替
保険 その他 小計 消去 連結
銀行業務 銀行業務 業務
2021 年 12 月 31 日に終了した年
度
正味受取 /( 支払 )利息
－外部 4,063 12,411 9,859 3,808 1,800 31,941 - 31,941
2,790 (1,301) (1,264) (11) (214) - - -
－セグメント間
6,853 11,110 8,595 3,797 1,586 31,941 - 31,941
正味受取 /( 支払 )手数料 7,663 4,033 150 (677) 1,240 12,409 (537) 11,872
正味保険料収入 - - - 15,726 - 15,726 (22) 15,704
正味トレーディング利得 1,066 1,452 1,876 69 545 5,008 83 5,091
純損益を通じて公正価値で測
定
するその他の金融商品に係
る純損失 - - (75) (1,073) - (1,148) 12 (1,136)
その他の金融資産に係る純利
- 16 940 153 11 1,120 - 1,120
得
62 1 97 182 1,926 2,268 (1,285) 983
その他営業収益
営業収益合計
15,644 16,612 11,583 18,177 5,308 67,324 (1,749) 65,575
- - - (16,593) - (16,593) - (16,593)
正味保険金及び負債の変動
減損引当金繰入前純営業収益
15,644 16,612 11,583 1,584 5,308 50,731 (1,749) 48,982
128 (295) (55) (12) (1,911) (2,145) - (2,145)
正味減損引当金戻入 /( 繰入 )額
純営業収益
15,772 16,317 11,528 1,572 3,397 48,586 (1,749) 46,837
(9,518) (3,393) (1,295) (549) (3,401) (18,156) 1,749 (16,407)
営業費用
営業利益 /( 損失 )
6,254 12,924 10,233 1,023 (4) 30,430 - 30,430
投資不動産処分 /
公正価値調整に係る純損失 - - - - (229) (229) - (229)
有形固定資産処分 /
再評価に係る純損失 (4) - - - (16) (20) - (20)
関連会社及びジョイント・
ベンチャー持分損益 (税引
81 - 5 - (299) (213) - (213)
後 )
6,331 12,924 10,238 1,023 (548) 29,968 - 29,968
税引前利益 /( 損失 )
2021 年 12 月 31 日現在
資産
セグメント資産 533,841 1,031,942 1,733,682 197,906 176,059 3,673,430 (35,215) 3,638,215
関連会社及びジョイント・
633 - 8 - 574 1,215 - 1,215
ベンチャーに対する持分
534,474 1,031,942 1,733,690 197,906 176,633 3,674,645 (35,215) 3,639,430
負債
1,203,126 1,100,321 753,782 186,277 103,678 3,347,184 (35,215) 3,311,969
セグメント負債
2021 年 12 月 31 日に終了した年
度
その他の情報
設備投資 35 24 1 97 1,582 1,739 - 1,739
1,266 295 107 67 1,339 3,074 (35) 3,039
減価償却費及び償却費
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( 単位：百万香港ドル )
個人向 法人向 資金為替
保険 その他 小計 消去 連結
銀行業務 銀行業務 業務
2020 年 12 月 31 日に終了した年
度
正味受取 /( 支払 )利息
－外部 2,014 14,846 12,623 3,437 1,818 34,738 - 34,738
10,955 (1,352) (8,840) (13) (750) - - -
－セグメント間
12,969 13,494 3,783 3,424 1,068 34,738 - 34,738
正味受取 /( 支払 )手数料 7,092 3,522 253 (626) 1,262 11,503 (661) 10,842
正味保険料収入 - - - 18,482 - 18,482 (22) 18,460
正味トレーディング利得 1,004 1,311 2,012 259 435 5,021 153 5,174
純損益を通じて公正価値で測
定
するその他の金融商品に係
る純利得 /( 損失 ) - - 208 1,743 (3) 1,948 11 1,959
その他の金融商品に係る純利
- 7 4,376 189 - 4,572 - 4,572
得
18 5 80 123 2,055 2,281 (1,385) 896
その他営業収益
営業収益合計
21,083 18,339 10,712 23,594 4,817 78,545 (1,904) 76,641
正味保険金及び負債の変動
- - - (22,167) - (22,167) - (22,167)
減損引当金繰入前純営業収益
21,083 18,339 10,712 1,427 4,817 56,378 (1,904) 54,474
(421) (1,877) (87) (36) (286) (2,707) - (2,707)
正味減損引当金繰入額
純営業収益
20,662 16,462 10,625 1,391 4,531 53,671 (1,904) 51,767
(9,684) (3,427) (1,269) (537) (3,334) (18,251) 1,904 (16,347)
営業費用
営業利益
10,978 13,035 9,356 854 1,197 35,420 - 35,420
投資不動産処分 /
公正価値調整に係る純損失 - - - - (1,622) (1,622) - (1,622)
有形固定資産処分 /
再評価に係る純損失 (3) - - - (60) (63) - (63)
関連会社及びジョイント・
ベンチャー持分損益 (税引
42 - 5 - (199) (152) - (152)
後 )
税引前利益 /( 損失 ) 11,017 13,035 9,361 854 (684) 33,583 - 33,583
2020 年 12 月 31 日現在
資産
セグメント資産 491,213 985,638 1,538,239 179,865 159,589 3,354,544 (35,048) 3,319,496
関連会社及びジョイント・
603 - 9 - 873 1,485 - 1,485
ベンチャーに対する持分
491,816 985,638 1,538,248 179,865 160,462 3,356,029 (35,048) 3,320,981
負債
1,159,255 1,013,145 601,497 168,463 94,014 3,036,374 (35,048) 3,001,326
セグメント負債
2020 年 12 月 31 日に終了した年
度
その他の情報
設備投資 29 8 1 52 1,803 1,893 - 1,893
1,274 281 107 64 1,349 3,075 (35) 3,040
減価償却費及び償却費
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46. 金融商品の相殺
以下の表は、相殺、強制可能なマスター・ネッティング契約及び類似の契約の対象となる当グループの金融商品の詳
細である。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
貸借対照表で 貸借対照表に
貸借対照表で
相殺される 計上された
金融資産の
相殺されない関連額
純額
金融負債の 金融資産の
認識額総額
金融商品 受入担保金
認識額総額 純額
資産
デリバティブ 16,703 - 16,703 (12,337) (3,869) 497
売戻条件付契約 17,064 - 17,064 (17,064) - -
有価証券借入契約 3,201 - 3,201 (3,201) - -
12,008 (8,908) 3,100 (1) - 3,099
その他の資産
48,976 (8,908) 40,068 (32,603) (3,869) 3,596
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
貸借対照表で 貸借対照表に
貸借対照表で
相殺される 計上された
金融負債の
相殺されない関連額
純額
金融資産の 金融負債の
認識額総額
金融商品 差入担保金
認識額総額 純額
負債
デリバティブ 18,116 - 18,116 (12,337) (5,592) 187
買戻条件付契約 68,268 - 68,268 (68,268) - -
9,540 (8,908) 632 (1) - 631
その他の負債
95,924 (8,908) 87,016 (80,606) (5,592) 818
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( 単位：百万香港ドル )
2020 年
貸借対照表で 貸借対照表に
貸借対照表で
相殺される 計上された
金融資産の
相殺されない関連額
純額
金融負債の 金融資産の
認識額総額
金融商品 受入担保金
認識額総額 純額
資産
デリバティブ 35,570 - 35,570 (28,032) (3,314) 4,224
売戻条件付契約 1,284 - 1,284 (1,284) - -
有価証券借入契約 3,300 - 3,300 (3,300) - -
19,737 (14,300) 5,437 - - 5,437
その他の資産
59,891 (14,300) 45,591 (32,616) (3,314) 9,661
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
貸借対照表で 貸借対照表に
貸借対照表で
相殺される 計上された
金融負債の
相殺されない関連額
純額
金融資産の 金融負債の
認識額総額
金融商品 差入担保金
認識額総額 純額
負債
デリバティブ 48,805 - 48,805 (28,032) (16,858) 3,915
買戻条件付契約 210 - 210 (210) - -
15,454 (14,300) 1,154 - - 1,154
その他の負債
64,469 (14,300) 50,169 (28,242) (16,858) 5,069
当グループが締結した OTC デリバティブ、買戻条件付及び売戻条件付契約取引並びに有価証券貸借取引のマスター・
ネッティング契約では、同じ取引相手先との関連額は、デフォルトやその他のあらかじめ定められた事象が発生した場
合、相殺することができる。
47. 担保として差入れた資産
2021 年 12 月 31 日現在、当グループの負債のうち、 12,788 百万香港ドル (2020 年： 15,293 百万香港ドル ) は、決済業務を
促進するために中央預託機関に預託されている資産によって担保されていた。さらに、当グループの負債 88,268 百万香
港ドル (2020 年： 210 百万香港ドル ) は、売戻条件付契約に関する債務証券で担保されていた。これらの負債の担保として
当グループが差入れていた資産の金額は、 103,349 百万香港ドル (2020 年： 15,570 百万香港ドル ) で、主に「純損益を通じ
て公正価値で測定する金融資産」及び「投資有価証券」に含まれている。
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48. 金融資産の譲渡
認識の中止の要件を満たさない以下の譲渡された当グループの金融資産は、買戻条件付契約に基づいて取引相手先が
担保として保有する債務証券である。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
関連する負債の 関連する負債の
譲渡された資産 譲渡された資産
の帳簿価額 の帳簿価額
帳簿価額 帳簿価額
70,488 68,268 231 210
買戻条件付契約
49. 非連結のストラクチャード・エンティティに対する持分
当グループは、通常の事業活動において多数のファンド投資に関わっており、運用報酬や受託者報酬を稼得してお
り、これらは非連結のストラクチャード・エンティティの定義を満たしている。 2021 年 12 月 31 日現在、非連結のストラ
クチャード・エンティティの純資産価値の総額は 160,458 百万香港ドル (2020 年 :181,781 百万香港ドル ) であった。当グ
ループの非連結のストラクチャード・エンティティに対する投資保有持分は、 FVPL で測定する金融資産として認識さ
れ、 1,228 百万香港ドル (2020 年 :1,923 百万香港ドル ) にのぼっている。 2021 年 12 月 31 日に終了した事業年度の、上述の運
用報酬及び受託者報酬は 671 百万香港ドル (2020 年 :619 百万香港ドル ) であった。これらのファンド投資に対する当グルー
プの持分に係る損失に対する最大エクスポージャーは、当該ファンドに対する投資の公正価値の総額に等しい。
50. 取締役への貸付金
香港会社条例第 383 条及び会社規則パート３ ( 取締役の便益に関する情報開示 ) に準拠した当社の取締役への貸付金の詳
細は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
- -
関連取引総額の年度末残高
期中の関連取引残高総額の最大値 1 -
51. 重要な関連当事者間取引
当グループは、中国投資有限責任公司（以下「 CIC 」という。 ) 、 CIC の完全子会社である中央匯金投資有限責任公司
（以下「中央匯金」という。 ) 、及び中央匯金が過半数の持分を保有している BOC を通じて、中華人民共和国国務院の支
配を受けている。
(a) 親会社及び親会社に支配されている他の企業との取引
親会社の一般情報：
当グループは、 BOC の支配を受けている。 中央匯金 は BOC の支配企業であり、外貨投資管理に従事する完全国有
企業である CIC の完全子会社である。
中央匯金 は、中華人民共和国のいくつかの企業の持分の過半数を保有している。
当グループは、通常の営業活動において、これらの企業との間で銀行取引及び他の取引を行う。これらの取引
には、ローン、投資有価証券、マネーマーケット、及び再保険関連の取引が含まれる。
BOC との取引の大部分は、マネーマーケット活動から生じている。 2021 年 12 月 31 日現在、当グループの BOC に関
連する債権の総額は 191,806 百万香港ドル (2020 年： 188,781 百万香港ドル ) 、債務の総額は 245,648 百万香港ドル
(2020 年： 110,389 百万香港ドル ) であった。これらの BOC との取引で当グループが 2021 年 12 月 31 日に終了した年度
に計上した収入の総額は 1,598 百万香港ドル (2020 年： 1,037 百万香港ドル ) 、費用の総額は 936 百万香港ドル (2020
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年： 157 百万香港ドル ) であった。上記の関連当事者取引は、上場規則第 14 章 A に定義されている関連取引に相当
するが、開示要件は適用されない。
2021 年 12 月 31 日現在、 BOC の子会社に関連する債権の総額は 1,113 百万香港ドル (2020 年 12 月 31 日現在： 405 百万
香港ドル ) 、債務の総額は 10,139 百万香港ドル (2020 年 12 月 31 日現在： 5,657 百万香港ドル ) であった。
BOC の支配下にあるその他の企業との取引は重要ではないと考えている。
(b) 政府当局、政府機関、政府関係機関及びその他の国営企業との取引
当グループは、 CIC 及び中央匯金を通じて、中華人民共和国国務院の支配を受けており、国務院は直接又は間
接的に、政府当局、政府機関、政府関係機関及びその他の国営企業を通じて多数の事業体を支配している。当グ
ループは、通常の営業活動において、通常の商取引条件で政府当局、政府機関、政府関係機関及びその他の国営
企業と銀行取引を行う。
これらの取引には以下が含まれているが、これに限定されない。
－ 貸付、信用及び保証の供与及び預金の受入
－ 銀行間残高の受入及び預託
－ その他の国営企業によって発行された国債の販売、購入、引受及び償還
－ 外為、送金及び投資関連サービスの提供
－ 信託業務の供与、並びに
－ 公益、輸送、通信及び郵便サービスの購入
(c) 通常の営業活動で関連会社、ジョイント・ベンチャー及びその他の関連当事者と締結された取引概要
当グループの関連会社、ジョイント・ベンチャー及びその他の関連当事者との関連当事者取引により生じた収
益 / 費用の総額及び残高は、以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
損益計算書項目
関連会社及びジョイント・ベンチャー
－手数料収入 60 43
－利息費用 1 1
－その他の営業費用 79 80
その他の関連当事者
－手数料収入 14 12
貸借対照表項目
関連会社及びジョイント・ベンチャー
－その他の資産 11 11
－銀行及びその他金融機関からの預り金 77 38
－顧客預金 120 124
- 7
－その他項目及び引当金
上記の関連会社及びジョイント・ベンチャーから生じるその他の営業費用に関する関連当事者間取引は、上場
規則第 14 章 A に定義されている関連取引に相当し、必要な開示は 291 ページから 292 ページ ( 訳者注：原文のページ
番号 ) の「関連取引」で行われている。
(d) 主要な経営幹部
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主要な経営幹部とは、取締役及び上級経営者を含む、当グループの活動を直接的又は間接的に計画、指揮並び
に支配する権限及び責任を有する人物である。当グループは通常の営業活動において、主要な経営幹部から預金
を 受け入れ、またローン及び信用枠を供与している。当事業年度及び前事業年度において、当社及びその持株会
社の主要な経営幹部並びにその関連当事者との重要な取引は行われなかった。
12 月 31 日に終了した各事業年度における主要な経営幹部に対する報酬の詳細は、以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
52 55
給与及びその他の短期従業員給付
52. 金利指標改革（ IBOR 改革）
当グループは、主に米ドル LIBOR など、異なる銀行間取引金利にさらされている公正価値ヘッジ会計関係を有してい
る。当グループのヘッジ会計関係の円滑な移行が確実に行われるように、リスク・フリー金利への移行に関する外部で
の進捗がモニターされている。発生する具体的な問題は各ヘッジ関係の内容により異なるものの、指定に含まれる現行
商品の移行、発行が見込まれる商品の取引量の変化、発行された新商品の契約条件の変更やこれらの要因の組み合わせ
などから生じる可能性がある。ヘッジの中には指定を解除し新たなヘッジ関係を締結する必要があるものがある一方
で、 IBOR 改革の影響を受けないヘッジもある。
ヘッジ会計関係の適切な一時的救済措置の適用によって影響を受けるヘッジ対象は、連結貸借対照表上「投資有価証
券」に表示されている債務証券である。当グループは該当する一時的救済措置の適用による影響を受けるヘッジ対象を
特定する際に、不確実性の解消が見込まれる時期やそれに伴うこの一時的救済措置の適用終了予定時期を判定する上で
判断を用いた。 2021 年 12 月 31 日現在、当グループは引き続き不確実性が存在していると考え、改革又は置き換えの対象
となる指標を参照する当グループの全てのヘッジ会計関係に該当する一時的救済措置を適用している。
2021 年 12 月 31 日現在、公正価値ヘッジ会計関係に指定された金利デリバティブの契約 / 想定元本は 77,496 百万香港ドル
(2020 年： 104,022 百万香港ドル ) であり、これは、当グループが管理する公正価値ヘッジ関係に関連するリスク・エクス
ポージャーであって、 IBOR 改革の直接的な影響を受け、該当する一時的救済措置の影響を受ける範囲を表したものであ
る。
当グループは IBOR 改革に関連するリスクを管理し、システムアップデートの大半を完了している。当グループは、
IBOR 改革に係るリスク・エクスポージャーを継続的にモニターし、既存の契約を置き換え、積極的に顧客とのコミュニ
ケーションを図っている。
当グループは、米ドル LIBOR をはじめ、様々な銀行間取引金利にさらされている。下表は、 2021 年 12 月 31 日現在当グ
ループが保有する、 LIBOR を参照しているものであって代替金利指標への移行が済んでいない金融商品の詳細である。
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( 単位：百万香港ドル )
2021 年
代替指標金利へ未移行の金融商品
米ドル LIBOR その他 *
非デリバティブ金融資産
183,073 23,227
626 -
非デリバティブ金融負債
デリバティブ契約 / 想定完本 501,140 -
* 代替指標へ未移行の他の重要な指標金利（英ポンド LIBOR 及び日本円 LIBOR ）を参照する金融商品である。
53. 海外への請求権
以下の分析は、国際銀行統計に関する HKMA への報告書の作成要領を参照して作成している。海外への請求権は、リス
ク移転考慮後の取引先の所在地に基づき最終的リスクが存在する取引先に対するエクスポージャーであり、すべての通
貨のクロスボーダー請求権と外国通貨の現地請求権の合計を示している。取引先の所在地以外の所在地の当事者によっ
て保証されている請求権については、リスクは保証人の所在地に移転される。本社が他の所在地に存在する銀行の海外
支店に係る請求権の場合には、リスクは当該銀行の本社所在地に移転される。
個別の国又は地域に係る請求権 ( リスク移転後 ) で、各年度末における当グループの海外への請求権の合計の 10% 以上に
達するものは、以下に示す通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
ノンバンク民間部門
ノンバンク 非金融
銀行 公的部門 合計
金融機関 民間部門
中国本土
413,327 149,879 29,297 143,351 735,854
香港 30,507 3,341 50,196 379,250 463,294
18,373 147,258 15,829 19,879 201,339
米国
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ノンバンク民間部門
ノンバンク 非金融
銀行 公的部門 合計
金融機関 民間部門
中国本土
384,517 134,057 24,283 151,545 694,402
香港 7,263 185 46,394 341,442 395,284
10,575 136,361 16,957 21,578 185,471
米国
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54. 中国本土におけるノンバンクのエクスポージャー
中国本土におけるノンバンクのエクスポージャーの内訳は、中国本土における活動に対する HKMA への報告書の作成要
領を参照したノンバンクの取引先の分類及び直接的なエクスポージャーの種類に基づいている。これには、 BOCHK の香港
事務所が供与した中国本土向けエクスポージャーのみが含まれている。
( 単位：百万香港ドル )
2021 年
HKMA への
オン・バランス オフ・バランス
エクスポージャー
報告書
シート・エクス シート・エクス
合計
ポージャー ポージャー
項目
中央政府、中央政府所有企業とその子会社及び
391,272 28,052 419,324
ジョイント・ベンチャー １
地方政府、地方政府所有企業とその子会社及び
78,458 10,669 89,127
ジョイント・ベンチャー ２
中国本土居住の中国国民又は中国本土で設立さ
れたその他の企業とその子会社及びジョイン
ト・ベンチャー ３ 128,755 26,084 154,839
上記項目１に計上されないその他の国営企業 ４ 28,200 1,333 29,533
上記項目２に計上されないその他の地方政府所
５ 1,001 7 1,008
有企業
中国本土で使用するための信用が供与されてい
る、中国本土外に居住する中国国民又は中国
本土外で設立された企業 ６ 74,082 12,916 86,998
エクスポージャーが中国本土のノンバンクのエ
3,713 - 3,713
クスポージャーとみなされるその他の取引先 ７
705,481 79,061 784,542
合計 ８
引当金控除後の資産合計 ９ 3,372,961
総資産に対するオン・バランスシート・エクス
20.92%
ポージャーの割合 10
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
HKMA への
オン・バランス オフ・バランス
エクスポージャー
報告書
シート・エクス シート・エクス
合計
ポージャー ポージャー
項目
中央政府、中央政府所有企業とその子会社及び
349,405 36,110 385,515
ジョイント・ベンチャー １
地方政府、地方政府所有企業とその子会社及び
ジョイント・ベンチャー ２ 69,104 11,230 80,334
中国本土居住の中国国民又は中国本土で設立さ
れたその他の企業とその子会社及びジョイン
ト・ベンチャー ３ 109,921 23,386 133,307
上記項目１に計上されないその他の国営企業 ４ 32,628 4,765 37,393
上記項目２に以上されないその他の地方政府所
５ 1,002 - 1,002
有企業
中国本土で使用するための信用が供与されてい
る、中国本土外に居住する中国国民又は中国
本土外で設立された企業 ６ 83,664 8,477 92,141
エクスポージャーが中国本土のノンバンクのエ
1,849 10 1,859
クスポージャーとみなされるその他の取引先 ７
合計 ８ 647,573 83,978 731,551
引当金控除後の資産合計 ９ 3,067,224
総資産に対するオン・バランスシート・エクス
21.11%
ポージャーの割合 10
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55. 貸借対照表及び株主持分等変動計算書
(a) 貸借対照表
12 月 31 日現在
2021 年 2020 年
百万香港ドル 百万香港ドル
資産
子会社銀行預け金 547 1,474
投資有価証券 955 1,412
子会社への投資 55,322 55,322
子会社に対する債権 7,059 7,403
関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資 1,100 1,100
1 2
その他の資産
64,984 66,713
資産合計
負債
2 2
子会社に対する債務
負債合計 2 2
資本
資本金 52,864 52,864
12,118 13,847
準備金
資本合計 64,982 66,711
64,984 66,713
負債及び資本合計
2022 年３月 29 日取締役会により承認
取締役会を代表して
取締役 リウ・リエング
取締役 スン・ユ
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(b) 株主持分等変動計算書
( 単位：百万香港ドル )
準備金
公正価値
株主資本 資本合計
利益剰余金
変動準備金
2020 年１月１日現在
52,864 (2,503) 19,413 69,774
当期純利益 - - 12,222 12,222
その他の包括利益：
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
- (71) - (71)
資本性金融商品
包括利益合計
- (71) 12,222 12,151
- - (15,214) (15,214)
配当金
2020 年 12 月 31 日現在 52,864 (2,574) 16,421 66,711
2021 年１月１日現在 52,864 (2,574) 16,421 66,711
当期純利益 - - 11,859 11,859
その他の包括利益：
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
- (457) - (457)
資本性金融商品
包括利益合計
- (457) 11,859 11,402
- - (13,131) (13,131)
配当金
52,864 (3,031) 15,149 64,982
2021 年 12 月 31 日現在
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56. 主な子会社
2021 年 12 月 31 日現在の主要な子会社のリストは以下の通りである。
設立地及び
名称 発行済株式資本 持株比率 主要な事業活動
事業活動拠点
バンク・オブ・チャイナ
( 香港 ) リミテッド 香港 43,042,840,858 香港ドル *100% 銀行業
BOC グループ・ライフ・
アシュアランス・
カンパニー・リミテッド 香港 3,538,000,000 香港ドル *51% 生命保険業
BOC クレジット・カード
( インターナショナル ) クレジット・カード
リミテッド 香港 565,000,000 香港ドル 100% 事業
バンク・オブ・チャイナ 760,518,480
( マレーシア ) ベルハッド マレーシア マレーシア・リンギット 100% 銀行業
バンク・オブ・チャイナ
10,000,000,000
( タイ ) パブリック・カン
パニー・リミテッド タイ タイバーツ 100% 銀行業
宝生セキュリティーズ・
証券及び
アンド・フューチャー
ズ・リミテッド 香港 335,000,000 香港ドル 100% 先物ブローカー業
* 当社が直接保有する株式
重要な非支配持分を保有する子会社の詳細は以下の通りである。
BOC グループ・ライフ・アシュアランス・カンパニー・リミテッド
2021 年 2020 年
49% 49%
非支配持分が保有する所有権及び議決権の割合
( 単位：百万香港ドル )
2021 年 2020 年
非支配持分に帰属する利益
469 424
非支配持分累計額 5,699 5,587
要約財務情報
－資産合計 197,906 179,865
－負債合計 186,277 168,463
－当期純利益 956 866
261 1,349
－当期包括利益合計
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57. 最終的な親会社
当グループは、中国投資有限責任公司、その完全子会社である中央匯金投資有限責任公司 ( 以下「中央匯金」とい
う。 ) 、及び中央匯金が過半数の持分を保有している BOC を通じて、中華人民共和国国務院の支配を受けている。
58. 後発事象
2022 年２月 17 日に、当グループは、 15 十億米ドルのミディアム・ターム・ノート・プログラムの一部として、２十億
人民元の「持続可能でスマートな生活」をテーマにしたグリーンボンドを発行し、香港証券取引所に上場した。この
テーマ型グリーンボンドは香港ドル建てで、償還期限は 2024 年で期間は２年、利率は年 1.33% の固定金利で半年ごとの後
払いである。
59. 財務諸表の承認
当財務諸表は、 2022 年３月 29 日付で取締役会によって公表が承認された。
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B. 2020 年 12 月 31 日に終了した事業年度の財務諸表
(1) 連結損益計算書
12 月 31 日に終了した事業年度
継続事業 注記 2020 年 2019 年
百万香港ドル 百万円 百万香港ドル 百万円
受取利息 49,928 699,991 67,784 950,332
実効金利法で算出した受取利息
48,755 683,545 65,150 913,403
1,173 16,445 2,634 36,929
その他
支払利息 (15,190) (212,964) (27,261) (382,199)
正味受取利息
6 34,738 487,027 40,523 568,132
受取手数料 13,515 189,480 15,002 210,328
(2,673) (37,475) (4,083) (57,244)
支払手数料
正味受取手数料
7 10,842 152,005 10,919 153,084
既経過保険料総額 27,990 392,420 25,345 355,337
(9,530) (133,611) (6,933) (97,201)
再保険業者に出再された既経過保険料総額
正味保険料収入
18,460 258,809 18,412 258,136
正味トレーディング収益 8 5,174 72,539 4,800 67,296
純損益を通じて公正価値で測定するその他の
金融商品に係る純利得 9 1,959 27,465 3,243 45,467
その他の金融資産に係る純利得 10 4,572 64,099 824 11,552
896 12,562 1,015 14,230
その他営業収益
11
営業収益合計
76,641 1,074,507 79,736 1,117,899
保険金の総額並びに負債の変動 (34,113) (478,264) (29,927) (419,577)
11,946 167,483 8,635 121,063
保険金の再保険業者負担分並びに負債の変動
正味保険金並びに負債の変動 (22,167) (310,781) (21,292) (298,514)
12
減損引当金繰入前正味営業収益
54,474 763,725 58,444 819,385
(2,707) (37,952) (2,022) (28,348)
正味減損引当金繰入額
13
正味営業収益
51,767 725,773 56,422 791,036
(16,347) (229,185) (16,667) (233,671)
営業費用
14
営業利益
35,420 496,588 39,755 557,365
投資不動産処分／公正価値調整純 ( 損失 )/ 利得 15 (1,622) (22,740) 282 3,954
有形固定資産処分／再評価純損失 16 (63) (883) (1) (14)
関連会社及びジョイント・ベンチャー
(152) (2,131) 52 729
持分損益 ( 税引後 ) 27
税引前利益
33,583 470,834 40,088 562,034
(5,115) (71,712) (6,014) (84,316)
税金
17
28,468 399,121 34,074 477,717
当期純利益
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有価証券報告書
(1) 連結損益計算書 ( つづき )
12 月 31 日に終了した事業年度
注記 2020 年 2019 年
百万香港ドル 百万円 百万香港ドル 百万円
純利益の内訳：
当社株主及びその他の資本性金融商品保有
27,863 390,639 33,574 470,707
者帰属利益
当社株主
26,487 371,348 32,184 451,220
その他の資本性金融商品保有者 1,376 19,292 1,390 19,488
605 8,482 500 7,010
非支配持分
28,468 399,121 34,074 477,717
配当金 13,131 184,097 16,250 227,825
18
香港ドル 円 香港ドル 円
当社株主に帰属する１株当たり利益
2.5052 35.1229 3.0440 42.6769
基本的及び希薄化後 19
133 ページから 290 ページ（訳者注：原文のページ）の注記は当財務諸表と一体をなしている。
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(2) 連結包括利益計算書
12 月 31 日に終了した事業年度
注記 2020 年 2019 年
百万香港ドル 百万円 百万香港ドル 百万円
28,468 399,121 34,074 477,717
当期純利益
損益計算書に振り替えられることのない項
目 ：
不動産：
不動産再評価 29 (1,707) (23,932) 1,064 14,917
297 4,164 (133) (1,865)
繰延税金 36
(1,410) (19,768) 931 13,053
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定する資本性金融商品：
公正価値の変動 (91) (1,276) (180) (2,524)
21 294 2 28
繰延税金
(70) (981) (178) (2,496)
自己の信用リスク：
純損益を通じて公正価値で測定するもの
として指定した金融負債の自己の信用
リスクの変動に起因する公正価値の変
動 1 14 (45) (631)
- - 7 98
繰延税金
1 14 (38) (533)
(1,479) (20,736) 715 10,024
損益計算書にその後振り替えられる可能性の
ある項目 ：
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定する負債性金融商品：
公正価値の変動 6,311 88,480 6,672 93,541
損益計算書に計上された減損引当金の変
動 13 100 1,402 20 280
損益計算書に振り替えられた処分／
償還に伴う取り崩し 10 (4,503) (63,132) (854) (11,973)
損益計算書に振り替えられた公正価値
ヘッジ調整累積額の償却費 89 1,248 8 112
(274) (3,841) (936) (13,123)
繰延税金
1,723 24,156 4,910 68,838
239 3,351 262 3,673
外貨換算差額
1,962 27,507 5,172 72,511
483 6,772 5,887 82,536
当期のその他の包括利益（税引後）
28,951 405,893 39,961 560,253
当期の包括利益合計
包括利益合計の内訳 ：
当社 株主 及びその他の資本性金融商品保有
28,109 394,088 38,886 545,182
者帰属利益
当社株主 26,733 374,797 37,496 525,694
その他の資本性金融商品保有者 1,376 19,292 1,390 19,488
842 11,805 1,075 15,072
非支配持分
28,951 405,893 39,961 560,253
133 ページから 290 ページ（訳者注：原文のページ）の注記は当財務諸表と一体をなしている。
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有価証券報告書
(3) 連結貸借対照表
12 月 31 日現在
注記 2020 年 2019 年
百万香港ドル 百万円 百万香港ドル 百万円
資産
現金並びに銀行及びその他金融機関への預け
22
金 463,711 6,501,228 366,829 5,142,943
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 23 60,214 844,200 85,193 1,194,406
デリバティブ 24 52,856 741,041 31,027 434,999
香港特別行政区政府債務証書 189,550 2,657,491 163,840 2,297,037
貸付金その他 25 1,500,416 21,035,832 1,412,961 19,809,713
投資有価証券 26 880,485 12,344,400 801,653 11,239,175
関連会社及びジョイント・ベンチャーに対す
る持分 27 1,485 20,820 1,632 22,881
投資不動産 28 18,441 258,543 20,110 281,942
有形固定資産 29 46,855 656,907 51,602 723,460
当期税金資産 138 1,935 116 1,626
繰延税金資産 36 95 1,332 63 883
106,735 1,496,425 91,030 1,276,241
その他の資産
30
3,320,981 46,560,154 3,026,056 42,425,305
資産合計
負債
香港特別行政区流通通貨 31 189,550 2,657,491 163,840 2,297,037
預金並びに銀行及びその他金融機関からの預
り金 326,495 4,577,460 267,889 3,755,804
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 32 20,336 285,111 19,206 269,268
デリバティブ 24 60,313 845,588 32,921 461,552
顧客預金 33 2,183,709 30,615,600 2,009,273 28,170,007
発行済債務証券及び譲渡性預金証書 34 426 5,973 116 1,626
その他の負債及び引当金 35 71,050 996,121 80,624 1,130,348
当期税金負債 3,979 55,786 7,992 112,048
繰延税金負債 36 5,964 83,615 6,480 90,850
保険契約負債 37 139,504 1,955,846 117,269 1,644,111
- - 12,954 181,615
劣後債務
38
負債合計 3,001,326 42,078,591 2,718,564 38,114,267
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(3) 連結貸借対照表（続き）
12 月 31 日現在
注記 2020 年 2019 年
百万香港ドル 百万円 百万香港ドル 百万円
資本
株主資本 39 52,864 741,153 52,864 741,153
237,438 3,328,881 225,919 3,167,384
準備金
当社株主に帰属する資本及び準備金
290,302 4,070,034 278,783 3,908,538
その他の資本性金融商品 40 23,476 329,134 23,476 329,134
5,877 82,396 5,233 73,367
非支配持分
資本合計 319,655 4,481,563 307,492 4,311,038
負債及び資本合計 3,320,981 46,560,154 3,026,056 42,425,305
133 ページから 290 ページ（訳者注：原文のページ）の注記は当財務諸表と一体をなしている。
2021 年３月 30 日取締役会により承認
取締役会を代表して
取締役 リウ・リエング
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(4) 連結株主持分等変動計算書
(単位：百万香港ドル )
当社株主帰属
準備金
その他の
不動産
自己の信用
非支配
公正価値 法定 為替換算 合併 利益
株主資本 合計 資本性 資本合計
再評価 リスク評価
持分
変動準備金 準備金 * 調整勘定 準備金 ** 剰余金
差額準備金
金融商品
準備金
2019 年１月１日現在 52,864 38,527 (4,116) 5 10,496 (832) 350 160,242 257,536 23,476 4,361 285,373
当期純利益 - - - - - - - 33,574 33,574 - 500 34,074
その他の資本性金融商品保有者に
- - - - - - - (1,390) (1,390) 1,390 - -
対する配当宣言後
- - - - - - - 32,184 32,184 1,390 500 34,074
その他の包括利益：
不動産 - 931 - - - - - - 931 - - 931
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する資本性金融商
品 - - (171) - - - - - (171) - (7) (178)
自己の信用リスク - - - (38) - - - - (38) - - (38)
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する負債性金融商
品 - - 4,328 - - - - - 4,328 - 582 4,910
- - 11 - - 251 - - 262 - - 262
外貨換算差額
包括利益合計 - 931 4,168 (38) - 251 - 32,184 37,496 1,390 1,075 39,961
その他の包括利益を通じて公正価
値で測定する資本性金融商品の
処分に係る取崩し :
振替 - - 21 - - - - (21) - - - -
繰延税金 - - (4) - - - - - (4) - (3) (7)
当期税金 - - - - - - - 4 4 - 3 7
共通支配下にある企業の取得 - - - - - - (728) - (728) - - (728)
利益剰余金からの振替 - - - - 581 - 378 (959) - - - -
- - - - - - - (15,521) (15,521) (1,390) (203) (17,114)
配当金
52,864 39,458 69 (33) 11,077 (581) - 175,929 278,783 23,476 5,233 307,492
2019 年 12 月 31 日現在
253/775
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バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド(E05924)
有価証券報告書
(4) 連結株主持分等変動計算書 ( つづき )
(単位：百万香港ドル )
当社株主帰属
準備金
その他の
不動産
自己の信用
非支配
公正価値 法定 為替換算 合併 利益
株主資本 合計 資本性 資本合計
再評価 リスク評価
持分
変動準備金 準備金 * 調整勘定 準備金 ** 剰余金
差額準備金
金融商品
準備金
2020 年１月１日現在 52,864 39,458 69 (33) 11,077 (581) - 175,929 278,783 23,476 5,233 307,492
当期純利益 - - - - - - - 27,863 27,863 - 605 28,468
その他の資本性金融商品保有者に
- - - - - - - (1,376) (1,376) 1,376 - -
対する配当宣言後
- - - - - - - 26,487 26,487 1,376 605 28,468
その他の包括利益：
不動産 - (1,410) - - - - - - (1,410) - - (1,410)
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する資本性金融商
品 - - (6) - - - - - (6) - (64) (70)
自己の信用リスク - - - 1 - - - - 1 - - 1
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する負債性金融商
品 - - 1,422 - - - - - 1,422 - 301 1,723
- - 161 - - 78 - - 239 - - 239
外貨換算差額
包括利益合計 - (1,410) 1,577 1 - 78 - 26,487 26,733 1,376 842 28,951
その他の包括利益を通じて公正価
値で測定する資本性金融商品の
処分に係る取崩し :
振替 - - 96 - - - - (96) - - - -
繰延税金 - - (16) - - - - - (16) - (16) (32)
当期税金 - - - - - - - 16 16 - 16 32
純損益を通じて公正価値で測定す
る金融負債の償還に係る取崩
し :
振替 - - - 38 - - - (38) - - - -
繰延税金 - - - (6) - - - - (6) - - (6)
当期税金 - - - - - - - 6 6 - - 6
利益剰余金への振替 - - - - (6,297) - - 6,297 - - - -
- - - - - - - (15,214) (15,214) (1,376) (198) (16,788)
配当金
52,864 38,048 1,726 - 4,780 (503) - 193,387 290,302 23,476 5,877 319,655
2020 年 12 月 31 日現在
* HKMA の要件に従い、 HKFRS 第９号の下で認識されるローンに係る減損引当金の他に、将来の損失やその他予測不能なリスクを含む銀行業における全般的なリスクに関する金額が計上されている。
** 共通支配下にある企業の結合に関し、企業結合の会計処理方法の適用に際して合併準備金が生じている。
133 ページから 290 ページ（訳者注：原文のページ）の注記は当財務諸表と一体をなしている。
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(4) 連結株主持分等変動計算書 ( 換算 )
(単位：百万円 )
当社株主帰属
準備金
その他の
不動産
自己の信用
非支配
公正価値 法定 為替換算 合併 利益
株主資本 合計 資本性 資本合計
再評価 リスク評価
持分
変動準備金 準備金 * 調整勘定 準備金 ** 剰余金
差額準備金
金融商品
準備金
2019 年１月１日現在 741,153 540,149 (57,706) 70 147,154 (11,665) 4,907 2,246,593 3,610,655 329,134 61,141 4,000,929
当期純利益 - - - - - - - 470,707 470,707 - 7,010 477,717
その他の資本性金融商品保有者に
- - - - - - - (19,488) (19,488) 19,488 - -
対する配当宣言後
- - - - - - - 451,220 451,220 19,488 7,010 477,717
その他の包括利益：
不動産 - 13,053 - - - - - - 13,053 - - 13,053
その他の包括利益を通じて公
正価値で測定する資本性金
融商品 - - (2,397) - - - - - (2,397) - (98) (2,496)
自己の信用リスク - - - (533) - - - - (533) - - (533)
その他の包括利益を通じて公
正価値で測定する負債性金
融商品 - - 60,679 - - - - - 60,679 - 8,160 68,838
- - 154 - - 3,519 - - 3,673 - - 3,673
外貨換算差額
包括利益合計 - 13,053 58,435 (533) - 3,519 - 451,220 525,694 19,488 15,072 560,253
その他の包括利益を通じて公正価
値で測定する資本性金融商品
の処分に係る取崩し :
振替 - - 294 - - - - (294) - - - -
繰延税金 - - (56) - - - - - (56) - (42) (98)
当期税金 - - - - - - - 56 56 - 42 98
共通支配下にある企業の取得 - - - - - - (10,207) - (10,207) - - (10,207)
利益剰余金からの振替 - - - - 8,146 - 5,300 (13,445) - - - -
- - - - - - - (217,604) (217,604) (19,488) (2,846) (239,938)
配当金
741,153 553,201 967 (463) 155,300 (8,146) - 2,466,525 3,908,538 329,134 73,367 4,311,038
2019 年 12 月 31 日現在
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(4) 連結株主持分等変動計算書 ( 換算 )( つづき )
(単位：百万円 )
当社株主帰属
準備金
その他の
不動産
自己の信用
非支配
公正価値 法定 為替換算 合併 利益
株主資本 合計 資本性 資本合計
再評価 リスク評価
持分
変動準備金 準備金 * 調整勘定 準備金 ** 剰余金
差額準備金
金融商品
準備金
2020 年１月１日現在 741,153 553,201 967 (463) 155,300 (8,146) - 2,466,525 3,908,538 329,134 73,367 4,311,038
当期純利益 - - - - - - - 390,639 390,639 - 8,482 399,121
その他の資本性金融商品保有者に
- - - - - - - (19,292) (19,292) 19,292 - -
対する配当宣言後
- - - - - - - 371,348 371,348 19,292 8,482 399,121
その他の包括利益：
不動産 - (19,768) - - - - - - (19,768) - - (19,768)
その他の包括利益を通じて公
正価値で測定する資本性金
融商品 - - (84) - - - - - (84) - (897) (981)
自己の信用リスク - - - 14 - - - - 14 - - 14
その他の包括利益を通じて公
正価値で測定する負債性金
融商品 - - 19,936 - - - - - 19,936 - 4,220 24,156
- - 2,257 - - 1,094 - - 3,351 - - 3,351
外貨換算差額
包括利益合計 - (19,768) 22,110 14 - 1,094 - 371,348 374,797 19,292 11,805 405,893
その他の包括利益を通じて公正価
値で測定する資本性金融商品の
処分に係る取崩し :
振替 - - 1,346 - - - - (1,346) - - - -
繰延税金 - - (224) - - - - - (224) - (224) (449)
当期税金 - - - - - - - 224 224 - 224 449
純損益を通じて公正価値で測定す
る金融負債の償還に係る取崩
し :
振替 - - - 533 - - - (533) - - - -
繰延税金 - - - (84) - - - - (84) - - (84)
当期税金 - - - - - - - 84 84 - - 84
利益剰余金への振替 - - - - (88,284) - - 88,284 - - - -
- - - - - - - (213,300) (213,300) (19,292) (2,776) (235,368)
配当金
741,153 533,433 24,199 - 67,016 (7,052) - 2,711,286 4,070,034 329,134 82,396 4,481,563
2020 年 12 月 31 日現在
* HKMA の要件に従い、 HKFRS 第９号の下で認識されるローンに係る減損引当金の他に、将来の損失やその他予測不能なリスクを含む銀行業における全般的なリスクに関する金額が計上されている。
** 共通支配下にある企業の結合に関し、企業結合の会計処理方法の適用に際して合併準備金が生じている。
133 ページから 290 ページ（訳者注：原文のページ）の注記は当財務諸表と一体をなしている。
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(5) 連結キャッシュ・フロー計算書
12 月 31 日に終了した事業年度
2020 年 2019 年
注記
百万香港ドル 百万円 百万香港ドル 百万円
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前営業キャッシュ・インフロー／（ア
ウトフロー） 41(a) 152,274 2,134,881 (267,976) (3,757,024)
香港所得税支払額
(9,304) (130,442) (100) (1,402)
外国所得税支払額
(350) (4,907) (627) (8,791)
営業活動による正味キャッシュ・インフ
142,620 1,999,532 (268,703) (3,767,216)
ロー／（アウトフロー）
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得
(1,323) (18,548) (1,450) (20,329)
有形固定資産処分による収入
11 154 1 14
投資不動産の取得 28
(9) (126) (35) (491)
関連会社及びジョイント・ベンチャーの取
得 27 (6) (84) (1,100) (15,422)
関連会社及びジョイント・ベンチャーから
の配当金受取額 27 3 42 3 42
共通支配下にある企業の取得
- - (728) (10,207)
投資活動による正味キャッシュ・アウトフ
(1,324) (18,562) (3,309) (46,392)
ロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
当社株主への配当金支払額
(15,214) (213,300) (15,521) (217,604)
その他の資本性金融商品保有者への配当金
支払額 (1,376) (19,292) (1,390) (19,488)
非支配持分への配当金支払額
(198) (2,776) (203) (2,846)
劣後債務の償還に係る支払額 41(b)
(12,603) (176,694) - -
劣後債務に係る利息支払額 41(b)
(350) (4,907) (707) (9,912)
リース負債に係る支払額 41(b)
(733) (10,277) (644) (9,029)
財務活動による正味キャッシュ・アウトフ
(30,474) (427,245) (18,465) (258,879)
ロー
現金及び現金同等物の増加／（減少）
110,822 1,553,724 (290,477) (4,072,488)
１月１日現在の現金及び現金同等物残高
331,652 4,649,761 626,126 8,778,287
現金及び現金同等物への為替レート変動の
13,584 190,448 (3,997) (56,038)
影響額
12 月 31 日現在の現金及び現金同等物残高 41(c)
456,058 6,393,933 331,652 4,649,761
133 ページから 290 ページ ( 訳者注：原文のページ ) の注記は当財務諸表と一体をなしている。
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(6) 財務諸表に対する注記
1. 主要な活動
当社は、投資持株会社である。当社の子会社は主に、銀行業とそれに関連する金融サービスの提供に従事してい
る。
当社は、香港において設立され、上場されている有限責任会社である。登記した事務所の住所は、香港、ガーデン
ロード１、バンク・オブ・チャイナ・タワー 53 階である。
2. 重要な会計方針
これらの連結財務諸表を作成するにあたり適用された重要な会計方針が、以下に記載されている。
これらの方針は、特に明記しない限り、表示してある年度全てに一貫して適用されている。
2.1 作成基準
当グループの連結財務諸表は、香港会計士協会（以下「 HKICPA 」という。）が公表した香港財務報告基準（以下
「 HKFRS 」という。 HKFRS は、すべての適用される個々の香港財務報告基準、 HKAS 及び解釈指針全般を含む総称であ
る。）及び香港会社条例に準拠して作成されている。
連結財務諸表は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、純損益を通じて公正価値で測定する金
融資産及び金融負債 ( デリバティブを含む ) 、公正価値で測定される貴金属、公正価値で測定される投資不動産並びに
公正価値又は、減価償却累計額及び減損累計額控除後の再評価額で測定される不動産の再評価によって調整された取
得原価主義に基づいて作成されている。処分グループ及び売却目的で保有する抵当権実行資産は、それぞれ注記 2.2
と 2.25 でさらに説明している通り、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い方の金額で記載されてい
る。
HKFRS に準拠した財務諸表を作成するにあたり、特定の重要な会計上の見積りを用いる必要がある。また、経営者
は、当グループの会計方針の適用過程において自身の判断を行使しなければならない。高度な判断又は煩雑性が関係
する領域、又は仮定及び見積りが連結財務諸表に重要な影響を及ぼす領域については、注記３において開示されてい
る。
(a) 2020 年１月１日に開始される事業年度から初度適用されている基準の改訂
以下の日付以降に
当期において
基準の改訂 内容
開始する事業年度
当グループに関係
に適用
HKAS 第１号及び HKAS 第
「『重要性がある』の定義」 2020 年１月１日 する
８号 ( 改訂 )
HKAS 第 39 号、 HKFRS 第
「金利指標改革」 2020 年１月１日 する
７号及び HKFRS 第９
号 ( 改訂 )
HKFRS 第３号 ( 改訂 ) 「事業の定義」 2020 年１月１日 する
HKFRS 第 16 号 ( 改訂 ) 「 COVID-19 に関連した賃料減免」 2020 年６月１日 する
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・ HKAS 第１号及び HKAS 第８号 ( 改訂 ) 「『重要性がある』の定義」
本改訂は情報の重要性の定義を明確にし、他の会計基準で使用される定義と整合させるものである。本改訂は
将来に向かって適用される。本改訂の適用が当グループの財務諸表に与える重要な影響はない。
・ HKAS 第 39 号、 HKFRS 第７号及び HKFRS 第９号 ( 改訂 ) 「金利指標改革」
本改訂は、特定のヘッジ会計要件を変更し、ヘッジ関係のキャッシュ・フローに対して金利指標改革（以下、
「 IBOR 改革」という。）による不確実性が生じている場合に、ヘッジ会計を継続して適用することを認める一時
的な救済措置を設けている。本改訂に従い、救済措置は、 (i) ヘッジ関係のキャッシュ・フローに対する IBOR 改
革による不確実性が解消した時点、及び、 (ii) 救済措置が適用されたヘッジ関係が終了した時点、又はキャッ
シュ・フロー・ヘッジの場合、終了したヘッジ関係に関するキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の累積額全体が
純損益に振り替えられた時点のいずれか早い時点で終了する。
本改訂は遡及適用されている。注記 24 では、当グループが本改訂で規定された救済措置を適用したヘッジ関係
に関する情報を記載している。この適用が当グループの財務諸表に与える重要な影響はない。
・ HKFRS 第３号 ( 改訂 ) 「事業の定義」
本改訂では、企業合併取引を企業結合として会計処理すべきか、又は資産の取得として会計処理すべきかの決
定において事業体を支援する目的で、事業の定義を明確にしている。本改訂は遡及適用されている。本改訂の適
用が当グループの財務諸表に与える重要な影響はない。
・ HKFRS 第 16 号（改訂）「 COVID-19 に関連した賃料減免」
本改訂は、借手に対し適格な賃料減免がリースの条件変更に当たるかどうかを評価しないことを選択し、代わ
りにこれらの賃料減免をリースの条件変更ではないものとして会計処理することを認める、選択的な実務上の便
法を定めている。この実務上の便法は、 COVID-19 に直接起因する賃料減免のみに適用される。
本改訂は 2020 年６月１日に発効し、 2020 年１月１日から 2021 年６月 30 日までのリース料支払を減額する COVID-
19 関連の賃料減免に適用される。当グループは本改訂の早期適用を選択し、当該報告期間に当グループに与えら
れた全ての適格な COVID-19 関連の賃料減免にこの実務上の便法を適用している。本改訂の適用が当グループの財
務諸表に与える重要な影響はない。
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(b) まだ強制適用されておらず、 2020 年度に当グループに早期適用されていない公表済の基準、基準の改訂及び解
釈指針
以下の日付以降に
基準／基準の改訂 当期において
内容
開始する事業年度
／解釈指針 当グループに関係
に適用
HKAS 第１号 ( 改訂 ) 「負債の流動負債又は非流動負債への分類」 2023 年１月１日 する
HKAS 第 16 号 ( 改訂 ) 「有形固定資産：意図した使用の前の収入」 2022 年１月１日 する
HKAS 第 28 号 (2011 年 )
「投資者とその関連会社又はジョイント・ベン
未定 する
及び HKFRS 第 10 号 ( 改
チャーの間での資産の売却又は拠出」
訂 )
HKAS 第 37 号 ( 改訂 ) 「不利な契約‐契約履行のコスト」 2022 年１月１日 する
HKAS 第 39 号、 HKFRS 第
４号、 HKFRS 第７
「金利指標改革」‐ フェーズ２
2021 年１月１日 する
号、 HKFRS 第 ９号及
び HKFRS 第 16 号 ( 改
訂 )
HKFRS 第３号 ( 改訂 ) 「『概念フレームワーク』への参照」 2022 年１月１日 する
HKFRS 第 17 号 「保険契約」 2023 年１月１日 する
HK 解釈指針第５号 「財務諸表の表示－要求に応じた返済条項を含
2023 年１月１日 する
(2020 年 ) むタームローンの借手による分類」
当グループに適用予定の HKFRS の詳細は以下の通りである。
・ HKAS 第１号 ( 改訂 ) 「負債の流動負債又は非流動負債への分類」
本改訂は、企業が貸借対照表上、決済日が不確実な債務及びその他の負債を ( 決済期限が１年以内、又は１年
以内の可能性のある ) 流動負債に分類すべきか、非流動負債に分類すべきかを判定できるようにすることで、本
要件を適用する際の整合性を高めることを目的としている。本改訂は、企業が債務を株式への転換により決済す
るための分類要件を明確化することを含んでいる。本改訂は遡及適用され、早期適用も認められている。当グ
ループは本改訂が財務諸表に与える影響を検討中である。
・ HKAS 第 16 号 ( 改訂 ) 「有形固定資産：意図した使用の前の収入」
本改訂は、企業が資産を稼働可能にする前に生産された項目の売却から生じる収入を、有形固定資産項目の取
得原価から控除することを禁止している。 HKAS 第２号が定める通り、関連する売却から生じる収入はこれらの項
目の生産コストとともに純損益に認識する。本改訂は、企業が本改訂を最初に適用する事業年度の財務諸表に表
示される最も古い期間の期首以降に使用可能となった有形固定資産項目に限り遡及的に適用する。本改訂の適用
が当グループの財務諸表に与える重要な影響はない。
・ HKAS 第 28 号 (2011 年 ) 及び HKFRS 第 10 号 ( 改訂 ) 「投資者とその関連会社又はジョイント・ベンチャーの間での資
産の売却又は拠出」
この基準の改訂は、投資者とその関連会社又はジョイント・ベンチャーの間での資産の売却又は拠出の取扱い
に関する HKAS 第 28 号 (2011 年 ) 及び HKFRS 第 10 号の要件の不整合に対処するものである。この改訂の主な結論は、
売却又は拠出が事業 ( 子会社にあるか否かに関わらず ) を構成する場合、利得又は損失が全額認識されるというも
のである。売却又は拠出が事業を構成しない資産の場合、その資産が子会社の資産であったとしても、利得又は
損失は部分的に認識される。この基準の改訂は将来に向かって適用され、早期適用が認められている。本改訂の
適用が当グループの財務諸表に与える重要な影響はない。
・ HKAS 第 37 号 ( 改訂 ) 「不利な契約－契約履行のコスト」
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本改訂は契約が不利かどうかを評価する際に、契約履行のコストには契約履行の増分コストと、契約履行に直
接関連する他のコストの配分の両方が含まれることを明確化している。本改訂は、本改訂を最初に適用する事業
年 度の期首現在存在する契約に適用され、本改訂の適用の累積的影響は利益剰余金又は資本の他の内訳項目の期
首残高の調整として認識される。比較情報は修正再表示されない。本改訂の適用が当グループの財務諸表に与え
る重要な影響はない。
・ HKAS 第 39 号、 HKFRS 第４号、 HKFRS 第７号、 HKFRS 第９号及び HKFRS 第 16 号 ( 改訂 ) 「金利指標改革」
－フェーズ２
本改訂は、企業が IBOR 改革の結果、旧指標金利を代替指標金利に置き換える際に、財務報告に影響を与える可
能性のある問題に対応している。本改訂は 2019 年に公表された改訂を補完するものであり、その内容は以下のと
おりである。
－ 契約上のキャッシュ・フローの変更
IBOR 改革の直接の結果として変更が必要で、かつ、新たな基礎が経済的に同等なものである場合、企業
は金融商品の帳簿価額を認識中止も調整も行う必要はなく、代わりに実効金利を更新し代替指標金利への変
更を反映させる。
－ ヘッジ会計
ヘッジがヘッジ会計の他の要件を充足している場合、企業は単に IBOR 改革が要求する変更を行うという
理由だけでヘッジ会計を中止する必要はない。さらに、企業は代替指標金利が向こう 24 ヶ月の間に独立して
識別可能になると合理的に見込んでいる場合、指定日に独立して識別できない場合でも、企業はその代替参
照金利を契約によらない特定のリスク要素として指定することができる。
－ 開示
企業は同改革により生じる新たなリスクに関する情報や、代替指標金利への移行への対処方法について
開示することを求められる。
本改訂は、ヘッジ関係の指定を除き遡及適用される。比較情報は修正再表示されない。早期適用は認められて
いる。当グループは本改訂が財務諸表に与える最終的な影響を検討中である。
・ HKFRS 第３号（改訂）「概念フレームワークへの参照」
本改訂は、 HKFRS 第３号の参照先を、 2018 年に公表された「財務報告に関する概念フレームワーク」へ置き換
えている。本改訂はまた、 HKFRS 第３号に企業が資産と負債の構成内容を判定する際に概念フレームワークを参
照する要求事項への例外規定を追加し、 HKFRS 第３号を適用する企業は、負債及び偶発負債の一部の種類につい
ては、 2018 年に公表された概念フレームワークではなく HKAS 第 37 号を参照するべきであるとしている。この例外
規定は、概念フレームワークへの参照を置き換えたことによる意図しない結果を回避するために追加された。本
改訂は遡及適用される。また、企業が、 2018 年６月に公表された、 HKFRS 基準における概念フレームワークへの
参照の改訂による全ての改訂を同時に又は早期に適用する場合は、早期適用も認められる。本改訂の適用が当グ
ループの財務諸表に与える重要な影響はない。
・ HKFRS 第 17 号「保険契約」
HKFRS 第 17 号「保険契約」及び 2020 年 10 月に公表された改訂は、保険会社の各法域に存在する多様な実務慣行
を容認している暫定的な会計基準である、現行の保険契約の基準の HKFRS 第４号に置き換えることを意図したも
のである。本新基準は、企業が保険契約に関する情報を忠実に提供することを目的として、保険契約の認識、測
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定、表示及び開示に関する原則を定めている。本基準の早期適用は、 HKFRS 第９号を適用する場合に限り認めら
れている。当グループは本基準による財務上の影響及び適用時期を検討中である。
・ HK 解釈指針第５号 (2020 年 ) 「財務諸表の表示－要求に応じた返済条項を含むタームローンの借手の分類」
本解釈指針は、最終的な変更はないものの対応する文言を整合させるため、 2020 年８月に HKAS 第１号 ( 改訂 ) 「負
債の流動負債又は非流動負債への分類」が公表された結果として改訂された。本改訂は遡及適用され、早期適用
も認められている。当グループは本解釈指針による影響と適用時期を検討中である。
(c) HKFRS の改善
「 HKFRS の改善」には、 HKICPA が緊急性はないが必要であると考える、 HKFRS に対する多数の改訂が含まれてい
る。この改善は、表示、認識又は測定に関する会計上の変更をもたらす改訂並びに様々な個別の HKFRS に関連す
る専門用語又は編集上の改訂からなる。この改善が当グループの財務諸表に与える重要な影響はない。
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2.2 連結
連結財務諸表は当社及び当社の全ての子会社の 2020 年 12 月 31 日に終了する年度の財務諸表を含む。
(1) 子会社
子会社とは、当グループが直接的又は間接的に支配する企業 ( ストラクチャード・エンティティを含む ) であ
る。支配は、当グループが投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有
し、投資先に対するパワーを通じてこうしたリターンに影響を及ぼす能力 ( すなわち投資先の関連する活動を指
図する現在の能力を当グループに与える既存の権利 ) を持つ場合に達成される。当グループが直接的又は間接的
に保有する投資先の議決権又は同様の権利が過半数に満たない場合、当グループは投資先に対する支配力の有無
を評価する際に関連する事実及び状況をすべて考慮する。これには (a) 投資先の他の議決権保有者との契約上の
合意、 (b) 他の契約上の合意から発生する権利、及び (c) 当グループの議決権及び潜在的議決権が含まれる。子会
社は、支配権が当グループに移転される日より完全に連結される。子会社は、支配がなくなった日より連結対象
から外される。
当グループが子会社に対する支配を失った場合は、 (i) 子会社の資産 ( のれんを含む ) 及び負債、 (ii) 非支配持
分の帳簿価額の認識を中止する。また、 (i) 受領した対価の公正価値、 (ii) 残存する旧子会社への投資の公正価
値を認識し、以前その他の包括利益に認識していた金額を、関連する資産又は負債を直接処分した場合と同じ基
準に基づいて、適宜損益計算書又は利益剰余金に振り替え、その結果生じる差額を損益として認識する。
当グループが、取締役会において子会社 ( 処分グループ ) に対する支配の喪失を伴う、撤回又は大幅変更の可能
性が低い売却計画を確約している場合、以下の要件が報告期間終了日又はそれ以前に満たされている場合に限
り、当グループは当該子会社の資産及び負債をすべて売却目的保有に分類しなければならない。 (i) 帳簿価額が
継続的保有ではなく主に売却取引により回収される。 (ii) 子会社が同種類の売却の通常かつ慣例的な条件のみに
従って現況で即時に売却可能で、必要である場合は株主からの承認を得る可能性が高いなど当該売却の可能性が
非常に高い。 (iii) 売却後に当グループによる非支配持分の保有の有無に関わらず、合理的な価格での買手を探
し、１年以内に売却を完了させる活発な計画が開始されている。処分グループは ( 投資不動産及び金融商品を除
き ) 当初認識され、その後帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い方の金額で再測定される。売
却目的保有に分類されている有形固定資産は減価償却されない。
( ⅰ ) 共通支配下にない企業結合
共通支配下にない企業の取得は、取得法を用いて会計処理される。企業結合において譲渡された対価は、
譲渡された資産、発生した負債 ( 条件付対価契約を含む ) 及び被取得企業の支配と交換に当グループが発行し
た持分の取得日の公正価値である。取得関連コストは、発生時に損益計算書において費用計上される。
のれんは、取得した識別可能な資産から引き受けた負債を控除した取得日時点の金額に対する、譲渡され
た対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び被取得企業において当グループが以前に保有していた資本持
分 ( もしあれば ) の合計の超過として測定される。評価後に、被取得企業の識別可能な純資産の公正価値が、
譲渡された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び被取得企業において当グループが以前に保有してい
た資本持分の公正価値 ( もしあれば ) の合計を超過する場合、この超過は割安購入益として損益計算書に即時
に認識される。その後、のれんは少なくとも年に一度減損テストの対象となる。
企業結合において当グループが譲渡する対価が条件付対価契約による資産又は負債を含む場合、条件付対
価は取得日の公正価値で測定され、企業結合において譲渡された対価の一部とみなされる。測定期間におけ
る調整として適格な条件付対価の公正価値の変動は遡及的に調整され、対応する調整がのれん又は割安購入
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益に対して行われる。測定期間における調整は、取得日現在に存在していた事実及び状況について測定期間
中に入手された追加情報より行われる。測定期間は、取得日より１年を超過しない。
取得毎に、当グループは、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産の公正価値に対する非支配持分の
比例持分のいずれかで被取得企業の非支配持分を認識する。
( ⅱ ) 共通支配下にある企業結合
共通支配下にある企業との結合については、企業結合の会計処理方法が適用される。企業結合の会計処理
方法の原則は、共通支配下にある会社を、あたかも被取得企業の事業が取得企業によって常時行われてきた
かのごとく、結合させる方法である。当グループの連結財務諸表には、当社と被取得企業が初めて共通の支
配下に入った日付から当該企業結合が発生していたものとした当グループの連結業績、連結キャッシュ・フ
ロー及び連結財政状態が記載されている ( すなわち、企業結合日における公正価値による調整は必要とされ
ない ) 。企業結合時の対価と帳簿価額との差額は資本において認識される。当グループと被取得企業との間
の全取引による影響額は、当該結合前に発生したか後に発生したかに関わらず、当グループの連結財務諸表
を作成する際に消去されている。比較金額は、被取得企業が前報告期間期首に結合されたかのごとく表示さ
れる。当該取引費用は、損益計算書において費用計上されることとなる。
グループ会社間における会社間取引、債権債務残高及び未実現利益は、消去される。また未実現損失も当該取
引により譲渡された資産に減損がない限りは消去される。子会社の会計方針は、必要に応じて当グループが適用
した方針との一貫性を保持するために変更される。
当社の個別貸借対照表において、子会社への投資は、減損引当金を控除した取得原価で計上される。子会社の
業績は、当社により、受取配当金及び未収配当金に基づき会計処理される。子会社からの受取配当金は、支払い
を受ける権利が確定した時点で個別損益計算書において認識される。
(2) 非支配持分との取引
当グループは、支配権の変更のない非支配持分との取引を当グループの株主との取引として処理する。非支配
持分からの取得については、支払対価と取得した持分の子会社における純資産の帳簿価格との間の差額は、資本
に認識される。非支配持分に対する処分損益も、資本に認識される。
当グループが支配権又は重要な影響力を保有しなくなる場合、資本における留保持分はその公正価値まで再測
定され、帳簿価額の変動は損益計算書に認識される。公正価値は、その後に留保持分を関連会社、ジョイント・
ベンチャー又は金融資産として会計処理するため当初の帳簿価額となる。また、当該事業体に関して以前にその
他の包括利益に認識された金額は、当グループが関連する資産又は負債を直接処分したかのように会計処理され
る。以前にその他の包括利益に認識された金額は、必要に応じて損益計算書又は利益剰余金に振り替えられる。
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(3) 関連会社及びジョイント・ベンチャー
関連会社とは、当グループが重要な影響力を持つが支配力は持たず、又は共同支配は行わず、一般に議決権の
20% から 50% の株式を保有している事業体である。
ジョイント・ベンチャーは、複数当事者の共同支配契約により、当該ジョイント・ベンチャーの純資産に対し
ての権利を有する共同支配の取決めの一種である。共同支配は、契約で合意された取決めの支配の共有であり、
これは関連する活動に対する決定において、支配を共有する当事者全員の一致が必要とされる場合に存在する。
関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資は、持分法を用いて会計処理され、売却目的保有に分類さ
れない限り（又は売却目的保有に分類される処分グループに含まれない限り）、当初は取得原価で認識される。
当グループの関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資には、減損損失累計額及び関連する外貨換算差
額累計額控除後ののれんが含まれている。
取得後の当グループの関連会社又はジョイント・ベンチャーの損益持分は損益計算書において認識され、取得
後の準備金の増減に対する持分は準備金において認識される。取得後の増減の累計額は、投資の取得原価に対し
て調整される。関連会社又はジョイント・ベンチャーの損失の持分相当額が、関連会社又はジョイント・ベン
チャーにおける持分と同等、又はそれを超過する場合、当グループが関連会社もしくはジョイント・ベンチャー
に代わって債務を負う、又は債務を支払う場合を除き、当グループはそれ以上の損失を認識しない。
当グループと関連会社又はジョイント・ベンチャーとの間の取引による未実現利益は、当グループの関連会社
又はジョイント・ベンチャーに対する持分の範囲まで消去される。未実現損失も、当該取引により譲渡された資
産に減損がある場合を除き、消去される。
関連会社又はジョイント・ベンチャーにおける所有持分は減少するが重要な影響力が留保される場合、以前に
その他の包括利益に認識されていた金額の比例持分のみが必要に応じて損益計算書又は利益剰余金に振り替えら
れる。
2.3 セグメント報告
セグメントの経営成績は、資源の配分及び事業セグメントの業績評価を行う経営委員会に対する内部報告に準拠し
た方法で報告される。経営委員会は、当グループの最高意思決定機関である。各セグメントに直接関連する収益及び
費用は、事業セグメントの業績の決定において考慮される。
2.4 外貨換算
当グループの個々の事業体の財務諸表に含まれる項目は、当該事業体が事業を行っている主要な経済環境の通貨
( 以下「機能通貨」という。 ) で測定される。連結財務諸表は、当社の機能通貨及び表示通貨である、香港ドルで表
示されている。
外貨建取引は、取引日における為替レート、又は再測定される項目については報告期間末の為替レートを使用して
機能通貨に換算される。取引日における為替レートを用いた外貨建取引の決済及び報告期間末の為替レートで換算さ
れる外貨建の貨幣性資産及び負債により生じる為替差損益は、適格なキャッシュ・フロー・ヘッジ又は適格な純投資
ヘッジとしてその他の包括利益に繰り延べられる場合を除いて損益計算書に直接認識される。
純損益を通じて公正価値で保有される貨幣性証券の換算差額は、公正価値損益の一部として計上される。その他の
包括利益を通じて公正価値で測定として分類される外貨建の貨幣性証券の公正価値の変動は、有価証券の償却原価の
変動から生じる換算差額と証券の帳簿価額のその他の変動に分けられる。償却原価の変動に関連する換算差額は損益
計算書において認識され、帳簿価額のその他の変動はその他の包括利益において認識される。
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純損益を通じて公正価値で保有される資本性金融商品のような非貨幣性項目の換算差額は、公正価値損益の一部と
して計上される。その他の包括利益を通じて公正価値で測定として分類される資本性金融商品のような非貨幣性金融
資産の換算差額は、その他の包括利益に含まれる。
香港ドルとは異なる機能通貨を有する全てのグループ企業の経営成績及び財務状態は、以下の通り香港ドルに換算
される。
・ 資産及び負債は、報告期間末の終値で換算される。
・ 収益及び費用は、期中平均レートで換算される。
・ 換算差額は、資本の為替換算調整勘定に認識される。
連結において、在外事業体への純投資額換算により生じる為替差額、並びにかかる投資のヘッジとして指定された
借入金及びその他の外貨投資の換算により生じる為替差額は、その他の包括利益に計上され、為替換算調整勘定にお
いて別建てで計上される。在外事業体が売却される場合、かかる為替差額は、売却損益の一部として、資本の部から
損益計算書に振り替えられる。
2.5 デリバティブ及びヘッジ会計
デリバティブは、当初にデリバティブ契約の締結日の公正価値で認識され、その後、公正価値で再測定される。公
正価値は、最近の市場取引を含む活発な市場における市場価格より入手されるか、必要に応じて割引キャッシュ・フ
ロー・モデル及びオプション価格モデルを含む評価技法の利用を通じて入手される。デリバティブは全て、公正価値
がプラスの場合は資産として、公正価値がマイナスの場合は負債として計上される。
金融負債に組み込まれている一部のデリバティブは、それらの経済的性質及びリスクが主契約のそれと密接に関連
しておらず、主契約が純損益を通じて公正価値で測定されない場合に、個別のデリバティブとして会計処理される。
これらの組込デリバティブは公正価値で測定され、損益計算書において認識される。
デリバティブはトレーディング保有として分類され、その公正価値の変動は損益計算書に即時に認識されるが、
ヘッジとして指定され、有効なヘッジ手段と見なされる場合は、ヘッジ会計の要件に基づく測定の対象となる。
ヘッジ手段として指定され、有効にヘッジされるデリバティブについては、結果として生じる公正価値損益の認識
方法は、ヘッジ対象の性質によって決定される。当グループは、一部のデリバティブを以下のいずれかとして指定す
る。
(a) 認識された資産又は負債あるいは確定約定の公正価値のヘッジ ( 公正価値ヘッジ )
(b) 認識された資産又は負債に帰属する、可能性が高い将来のキャッシュ・フロー、あるいは可能性が高い予定
取引に関する特定のリスクのヘッジ ( キャッシュ・フロー・ヘッジ )
当グループは開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係、並びに様々なヘッジ取引を行うためのリスク管理目標及
び戦略を文書化している。当グループはまた、ヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺する上で
経済的関係、信用リスク、ヘッジ比率、並びにヘッジ手段の有効性評価を、開始時だけでなくその後も継続的に評価
し、これについて文書化している。ヘッジがヘッジ会計として適格であると認められる前に、これらの基準を満たす
必要がある。ヘッジ手段とヘッジ対象が経済的関係を失う、又はヘッジ手段やヘッジ対象の公正価値の変動を決める
カウンターパーティーの信用リスクが著しく変動する場合、ヘッジ会計が無効となる可能性がある。
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(a) 公正価値ヘッジ
有効な公正価値ヘッジとして指定され、適格とされたデリバティブの公正価値の変動は、ヘッジ対象リスクに
帰属するヘッジ資産又は負債の公正価値の変動と併せて損益計算書に計上される。
償却原価で計上される金融商品に公正価値ヘッジ会計が適用される場合、当該ヘッジ対象の帳簿価額は償却原
価で計上されるのではなく、デリバティブでヘッジされている金利リスクに帰属する公正価値の変動に応じて調
整される。そのような帳簿価額の調整額は、ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値の変動と同様に損益計算
書に計上される。
ヘッジ関係がヘッジ会計の要件を満たさなくなった場合、又はヘッジ対象の返済などの認識中止以外の理由に
より終了した場合、ヘッジ対象に対する帳簿価額の調整額のうち未償却部分 ( 終了時点のヘッジ対象の帳簿価額
とヘッジがそもそも存在していなかった場合に計上されたと考えられる価額との差額 ) は、実効金利法を用いて
ヘッジ対象の残存期間にわたり損益計算書に償却される。ヘッジ対象の認識が中止された場合、帳簿価額の調整
額のうち未償却部分は、損益計算書にただちに計上される。
ヘッジ対象が FVOCI で測定される負債性金融商品である公正価値ヘッジのヘッジ関係については、ヘッジ会計
が適用される一方で、公正価値の変動は損益計算書に計上される。ヘッジ関係がヘッジ会計の要件を満たさなく
なった場合、又は認識中止以外の理由により終了した場合、損益計算書に計上される公正価値変動の有効なヘッ
ジ部分の累計額は、実効金利法で償却され再評価準備金として計上される。ヘッジ対象の認識が中止された場
合、損益計算書に計上される公正価値変動の有効なヘッジ部分の累計額の未償却部分は、再評価準備金にただち
に振り替えられる。
(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され、適格とされたデリバティブの公正価値の変動のうち有効部分
は、その他の包括利益に認識され資本に累積される。非有効部分に関連する損益は、損益計算書に即時に認識さ
れる。資本に累積された金額は、ヘッジ対象が損益に影響する期間において損益計算書に振り替えられる。
ヘッジ対象が満期となる、又は売却される場合、あるいはヘッジがヘッジ会計基準を満たさなくなる場合、そ
の時点の資本に存在する累積損益は資本に保持され、予定取引が最終的に損益計算書に認識される際に損益計算
書に認識される。予定取引の発生が見込まれなくなる場合、資本に計上された累積損益は損益計算書に即時に振
り替えられる。
(c) 純投資ヘッジ
在外事業に対する純投資のヘッジは、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様に会計処理される。ヘッジ手段の有
効部分に係る損益はその他の包括利益に計上され資本の部に累積される。また非有効部分に係る損益は損益計算
書にただちに計上される。以前にその他の包括利益に計上された累積損益は、在外事業の処分時に処分損益の一
部として損益計算書に振り替えられる。
2.6 金融商品の相殺
認識された金額を相殺する法的に強制可能な権利があり、純額で決済するか資産の実現と負債の決済を同時に実行
する意図を有している場合、金融資産及び負債は相殺され、純額が貸借対照表に計上される。
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2.7 収入及び費用
(1) 受取利息及び支払利息
受取利息及び支払利息は、実効金利法を用いて償却原価計上される及びその他包括利益を通じて公正価値で計上さ
れる全ての金融資産及び金融負債について損益計算書で認識される。純損益を通じて公正価値で計上されるデリバ
ティブ以外の金融資産及び負債から生じる類似の受取利息及び支払利息は、類似の手法を用いて決定されるが、取引
コストは除外される。
実効金利法は、金融資産又は金融負債の償却原価を計算し、当該期間にわたり受取利息又は支払利息を配分する方
法である。実効金利とは、金融商品の予想残存期間、又は、適切な場合はそれよりも短い期間を通じて、将来の現金
支払額又は受取額の見積額を、当該金融資産又は金融負債の正味帳簿価額に正確に割り引く利率である。実効金利を
計算する際、当グループは、当該金融商品の全契約条件 ( 例 : 期限前返済オプション又は住宅用モーゲージ・ローンに
関連するインセンティブ ) を考慮して将来キャッシュ・フローを見積るが、将来の信用損失は考慮しない。計算に
は、契約当事者間の受取手数料、プレミアム又はディスカウント、支払済み又は受取済みベーシス・ポイント、並び
に実効金利と一体化している直接帰属する実行手数料及び費用が含まれている。
ヘッジ対象リスクが金利である場合の全てのヘッジ取引について、固定利付債務証券や固定利付劣後ノート等の
ヘッジ対象からの受取利息又は支払利息は、金利スワップ等のヘッジ手段から生じる正味受取／支払利息とともに、
純額で開示される。
(2) 非金利収入及び非金利費用
当グループが履行義務を充足し、顧客がサービスの支配を有する期間又は支配を取得した時点のいずれかにおい
て、サービス収入が認識される。
サービスによる手数料収入は、口座サービス又はクレジット・カード手数料など契約によりサービスの提供が長期
にわたって求められる場合には、契約期間にわたって体系的に固定価格又は変動価格で認識され、仲介サービスや
ローン・シンジケーションのアレンジなどサ－ビスが顧客に全面的に提供された場合には、取引ベースの契約に基づ
きある特定の時点で手数料収入が認識される。
配当収入は、支払を受ける権利が確定し時点で認識される。
保険料収入に関する会計方針は、注記 2.20 に開示されている。
2.8 金融資産
当グループは、当グループの金融資産を当初認識時に以下の測定区分、事後に純損益を通じて公正価値（以下
「 FVPL 」という。）、事後に償却原価、及び事後にその他の包括利益を通じて公正価値（以下「 FVOCI 」 という。 ）
で測定されるもの、の１つに分類している。この分類は、金融商品の運用に関する企業の事業モデル及び当該金融商
品の契約上のキャッシュ・フローの特性、又は公正価値オプションの選択によって決定している。全ての金融資産は
当初に公正価値で認識される。 FVPL で認識する金融資産を除き、金融資産の取引費用は全て、その当初の帳簿価額に
含められる。
(1) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
この区分は、トレーディング目的で保有する金融資産を含む、純損益を通じ公正価値で測定されるものとして
指定した金融資産、又は純損益を通じ公正価値で測定することが強制される金融資産の２種類に分類される。
主として短期間で売却することを目的として取得した金融資産、又はまとめて管理され、かつ、最近における
実際の短期的な利益獲得のパターンの証拠がある識別された金融商品のポートフォリオの一部であるものは、ト
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レーディング保有として分類される。デリバティブは、有効なヘッジ手段として指定されている場合を除いて
は、トレーディング保有として分類される。
トレーディング目的保有又は公正価値で測定することが強制される金融資産以外は、 金融資産の測定又は損益
の認識を異なるベースで行うことにより生じる測定又は認識の不整合 ( 「会計上のミスマッチ」と呼ばれること
が多い。 ) を除去又は大幅に低減し、 経営者がそれを指定した場合に、 FVPL で測定する金融資産として指定され
ることとなる。
当該金融資産は、当初に公正価値で認識され、取引費用は損益計算書に直接計上され、その後、公正価値で再
測定される。
かかる資産の公正価値の変動による損益 ( 利息部分を除く ) は、正味トレーディング収益／損失、又は FVPL で測
定するものとして指定した金融商品に係る純利得／損失として計上される。利息部分は受取利息の一部として計
上される。この区分の資本性金融商品に係る配当金も、当グループの支払いを受ける権利が確定した際に、正味
トレーディング収益／損失、又は FVPL で測定するものとして指定した金融商品に係る純利得／損失に認識され
る。
(2) 償却原価で測定される金融資産
金融資産は、（ⅰ）契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデ
ル ( 以下「回収目的保有」事業モデルという。 ) の中で保有される金融資産である、（ⅱ）当該金融資産の契約
条件に基づき、特定の期日に、元本及び当該元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローを生み出
す、という条件をともに満たす場合に、償却原価で測定されるものとして分類される。これらは、当初は公正価
値に直接帰属する取引費用を加えた価額で計上され、その後、実効金利法を用いて測定した償却原価から減損引
当金を控除した価額で測定される。プレミアム又はディスカウントの償却を含む利息は実効金利法を用いて計算
され、損益計算書に認識される。資産の認識を中止、条件変更又は減損する場合は、損益は純損益上で認識され
る。
(3) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
負債性金融商品は、（ⅰ）契約上のキャッシュ・フローの回収と売却のために資産を保有することを目的とす
る事業モデルの中で保有される金融資産である、（ⅱ）当該金融資産の契約条件に基づき、特定の期日に、元本
及び当該元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローを生み出す、という条件をともに満たす場合
に、 FVOCI で測定されるものとして分類される。
FVOCI 金融資産は、当初に公正価値に直接帰属する取引費用を加えた価額で計上され、その後、公正価値で測
定される。金融資産の公正価値の変動によって生じる未実現損益は、金融資産の認識が中止される、又はこれが
減損し、過年度に資本に認識された累積損益が損益計算書に振り替えられるまでは、その他の包括利益に直接認
識される。しかし、プレミアム及びディスカウントの償却を含む利息は、実効金利法を用いて計算され、損益計
算書に認識される。
持分投資については、当初認識時に、未実現及び実現の公正価値損益をその他の包括利益に認識するという取
消不能の選択を行うことができるが、その場合には、たとえ売却時でも、事後的に当該公正価値損益を損益計算
書に振り替えることはできない。 FVOCI に分類される資本性金融商品に係る配当金は、支払を受ける当グループ
の権利が確定した時点でその他の営業収益に認識される。 FVOCI に指定された資本性金融商品は減損評価の対象
にならない。
FVOCI 有価証券に係る換算差額の取り扱いについては、注記 2.4 に記載されている。
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2.9 金融負債
当グループは、当グループの金融負債を以下の種類、すなわちトレーディング負債、純損益を通じて公正価値で測
定するものとして指定した金融負債、預金、発行済債務証券及び譲渡性預金証書、劣後債務及びその他の負債に分類
し ている。全ての金融負債は、最初に分類され、当初は公正価値で認識されるが、金融負債が 純損益を通じて公正価
値で測定されない場合は、取引費用を加減するものとする。
(1) トレーディング負債
金融負債は、主として短期間に買戻すことを目的として生じる場合、トレーディング保有として分類される。
トレーディング負債は公正価値で測定され、公正価値の変動から生じた損益は損益計算書に認識され、利息部分
は利息費用の一部として計上される。
(2) 純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した金融負債
金融負債は、当初認識時にそのように指定した場合、純損益を通じて公正価値で測定することができる。その
ように指定した金融負債には、デリバティブが組み込まれている一定の発行済譲渡性預金証書及び顧客から預
かった一定の預金を含む。金融負債は、以下の基準を満たす場合にそのように指定される。
・ 金融負債の測定又は損益の認識を異なるベースで行うことより生じる測定又は認識の不整合 ( 「会計上の
ミスマッチ」と呼ばれることが多い。 ) を排除、又は大幅に軽減する。又は、
・ 運用される金融資産、金融負債又はその両方のグループに適用され、その業績は、文書化されたリスク管
理又は投資戦略に従って、公正価値に基づいて評価される。また、当該グループに関する情報が当該基準に
基づき内部的に主要な経営者に提供される。
・ キャッシュ・フローに大きな変更を生じさせる組込デリバティブを１つ以上含んだ金融負債に関連してい
る。
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債は公正価値で測定され、公正価値の変動か
ら生じた損益は損益計算書に認識される。自己の信用リスクに起因する公正価値の変動はその他の包括利益で認
識され、その後、認識の中止時に、純損益において会計上のミスマッチが生じる又は拡大することがない限り利
益剰余金に分類変更され、公正価値変動による全ての損益は損益計算書に認識される。
(3) 預金、発行済債務証券及び譲渡性預金証書、劣後債務及びその他の負債
トレーディング負債として分類されるもの又は純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定されたもの
を除く、預金及び発行済債務証券及び譲渡性預金証書、劣後債務並びにその他の負債は、償却原価で計上され
る。取引費用控除後の受取額と償還価額との差額 ( 存在する場合 ) は実効金利法を用いて当該期間にわたって損益
計算書に認識される。
2.10 金融保証契約及び未実行のローン・コミットメント
金融保証契約は、特定の債務者が期日までに支払いを行わなかったことにより生じた損失について、保有者と当
該債務者の間に締結された契約に従い、発行人が保有者に補償するために、発行人に対し特定の支払を要求する契
約である。
金融保証契約は当初、保証が付与された日の公正価値で金融負債として認識される。当初認識後、かかる保証に
関する当グループの負債は (i) 注記 2.14 に記載されている ELC 引当金額と、 (ii) 当初認識した金額から、適宜、保
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証期間にわたって定額法で認識した償却累計額控除後の金額のいずれか高いほうの金額で測定される。金融保証契
約に関する負債の変動は全て損益計算書に計上される。
未実行のローン・コミットメントは、当グループが契約期間にわたり既定の条件で顧客に対してローンを実行す
ることを求められる契約債務である。この契約は、注記 2.14 に記載されている ECL 要件の対象である。
金融保証及びローン・コミットメントの ECL 引当金は、財務諸表の「その他の負債及び引当金」に計上されてい
る。
2.11 金融商品の認識、認識中止及び条件変更
FVPL で事後測定する金融資産、 FVOCI で測定する並びに償却原価で測定する有価証券の売買は、取引日、すなわち
当グループが資産を売買する日に認識される。貸付金及びその他の金融資産は、現金がカウンターパーティーに貸
付けられる際に認識される。金融資産は、金融資産によるキャッシュ・フローを受け取る権利が失効した場合、又
は当グループが所有権に伴うリスク及び便益を実質的に全て譲渡した場合に、認識が中止される。当グループが、
金融資産に伴うリスク及び便益の実質的に全てを譲渡又は留保しない場合、当グループは、売買後も支配権を留保
する場合には支配の及ぶ範囲内で売却対象資産を認識し、売買後に支配権を留保しない場合には当該資産の認識を
中止する。償却原価又は FVOCI で測定される金融商品の契約上のキャッシュ・フローが条件緩和又は条件変更される
場合、変更後の契約上のキャッシュ・フローは当初の実効金利を用いて割り引かれ、減損前の当初の償却原価と比
較されなければならない。この差異が重要な場合、当初の金融商品は認識が中止され、前述の現在価値で再認識さ
れなければならない。そうでない場合には、この差異により当初の帳簿価額が調整され、純損益で計上される。
トレーディング負債、 FVPL で測定するものとして指定した金融負債及び発行済債務証券及び譲渡性預金証書は取
引日に認識される。 FVPL で測定されるものとして指定されていない預金は、顧客から現金を受領した際に認識され
る。その他の負債はかかる債務が生じる際に認識される。契約上で特定された債務が履行される、取り消される又
は失効する場合には、金融負債は貸借対照表上での認識が中止される。当グループがグループの債務を購入した場
合、購入したグループの負債は貸借対照表上から取り除かれ、負債の帳簿価額と支払対価の差額が純損益に計上さ
れるが、 FVPL で測定されるものとして指定された負債に係る自己の信用リスクの構成要素は除く。
相手先に売却された有価証券及び手形で、買戻し契約に基づいて指定した将来のある期日に所定の価格で買戻す
義務を有するものは、買戻条件付契約と呼ばれる。相手先から購入した有価証券及び手形で、売渡契約に基づいて
指定した将来のある期日に所定の価格で売渡す義務を有するものは、売戻条件付契約と呼ばれる。
買戻条件付契約又は貸付有価証券は、銀行からの預り金、銀行及びその他金融機関からの預り金として、適切
に、相手先から実際に受け取る現金の額で当初認識される。買戻契約の担保として提供した金融資産は、その認識
は中止されず、投資有価証券又は FVPL で測定する金融資産として計上される。「回収目的保有」事業モデル、並び
に元本及び当該元本残高に対する利息の支払いのみの契約上のキャッシュ・フローに関連する売戻条件付契約又は
借入有価証券は、現金及び銀行への預け金又は銀行及びその他金融機関への預け金として、適切に、相手先に実際
に支払った現金の額で貸借対照表に当初認識される。売戻条件付契約に基づいて担保として受け取った金融資産
は、貸借対照表に計上されない。売却及び買戻し価格の差額は、実効金利法を用いて契約期間にわたって受取利息
又は支払利息として認識される。
2.12 公正価値測定
当グループは、不動産、投資不動産、貴金属及び特定の金融商品を各報告期間末時点で、公正価値で測定する。
公正価値は、測定日時点で、主要な市場又は当グループが利用可能な最も有利な市場における市場参加者との秩序
ある取引により、資産の売却で受領するであろう価格又は負債を移転するために支払うであろう価格である。
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資産又は負債の公正価値は、市場参加者が自らの最善の経済利益のために行動すると仮定して、市場参加者が当
該資産又は負債の価格決定に使用するであろう仮定を使用して測定される。
当グループは適切な場合、金融商品の公正価値を最も良く表わすビッド・オファー・スプレッドの価格を用いて
おり、これにはマーケットリスクのエクスポージャー純額に基づいて当グループが金融資産及び負債のグループを
管理している場合に、金融資産及び負債のポートフォリオのリスクポジション相殺後の純額の残余分を用いること
も含まれる。当グループはこれらの金融商品のグループの公正価値を純額ベースで測定しているものの、注記 2.6 に
示されている相殺の要件を満たさない限り、金融資産及び金融負債は財務諸表に別建てで表示される。
非金融資産の公正価値測定には、市場参加者が資産の最有効使用を行うこと、あるいは当該資産を最有効使用す
るであろう他の市場参加者に売却することによって経済的利益を生み出す能力が考慮に入れられる。
資産又は負債の市場が活発ではない場合、当グループは、最近の第三者間取引の価格、割引キャッシュ・フロー
分析、オプション価格決定モデル及び市場参加者によって一般的に使用されるその他の評価技法を含む評価技法を
用いており、状況に応じて適切かつ公正価値を測定するための十分な情報が利用可能な評価技法を使用し、関連す
る観察可能なインプットの使用を最大化し、観察不能なインプットの使用を最小化している。
2.13 貴金属
貴金属は、金、銀及びその他の貴金属で構成される。貴金属は、当初に公正価値で認識され、その後も公正価値
で再測定される。貴金属の時価損益は、正味トレーディング収益／損失に含まれる。
2.14 金融資産の減損
当グループは、以下の商品に対し予想信用損失（以下「 ECL 」という。）引当金を認識している。
・ 償却原価で測定する金融資産
・ FVOCI で測定する債務証券
・ FVPL で測定されないローン・コミットメント及び発行済金融保証
債券ファンドのユニット、 FVPL で測定された持分証券、 FVOCI で測定するものとして指定された持分証券（振替は
認めない： non-recycling ）並びにデリバティブ金融資産を含む、公正価値で測定される金融資産は ECL 評価の対象
外である。
ECL とは確率加重された信用損失の見積もりである。信用損失は、予想されるすべてのキャッシュ不足額の現在価
値（契約に従った当グループの支払いに係るキャッシュ・フローと当グループの受取りに係るキャッシュ・フロー
との差）として測定される。
未実行のローン・コミットメント及び金融保証残高について、キャッシュ不足見込額は、（ i ）ローン・コミット
メント／金融保証の保有者／受益者が、当該ローンの借入／金融保証の請求を行う場合に、当グループが支払うこ
ととなる契約上のキャッシュ・フローと、（ ii ）当該ローンの借入／金融保証の請求が行われる場合に、当グルー
プが受け取ることとなるキャッシュ・フローとの差額で測定される。
割引の影響に重要性がある場合、キャッシュ不足見込額は割り引かれる。 ECL の見積りで考慮される最長期間は、
当グループが信用リスクに晒されている最長の契約期間になる。リボルビングクレジット・ファシリティなどの金
融商品に実行済み及び未実行のコミットメントが含まれる場合、当グループが引き続き信用リスクにさらされ、信
用リスクに対して経営者の対応により低減されていない期間にわたって ECL が測定される。
ECL の測定に際し、当グループは入手可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮している。これには、過去の事象、
現在の状況、並びに将来の経済状況の予測に関する情報が含まれている。
ECL は以下の前提のいずれかで測定されている。
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・ 12 ヶ月 ECL ：報告書日以降 12 ヶ月以内に発生する可能性があるデフォルト事象に起因する損失
・ 全期間 ECL:ECL モデルが適用される商品の残存期間にわたり発生可能性があるすべてのデフォルト事象に起因
する損失
当グループは、金融商品の当初認識時には 12 ヶ月間の予想信用損失をステージ１として計上し、信用リスクが当
初認識時以降に著しく増大している場合に、ステージ２として全期間予想信用損失を認識する。当該金融資産の見
積将来キャッシュ・フローに不利な影響を与える一以上の事象が発生した場合、信用減損した金融商品の全期間予
想信用損失がステージ３として認識され、ステージ３に分類された個々の金融資産の減損額を控除した金額に基づ
き、利息が計上される。
金融商品の信用リスクが当初認識時以降に著しく増大したかどうかを評価する際に、当グループは報告日現在で
評価した当該金融商品に係るデフォルト発生リスクと、当初認識時のデフォルト発生リスクを比較している。
具体的には、信用リスクが当初認識時以降に著しく増大したかどうかを評価する場合に以下の情報を考慮に入れ
ている。
・ 契約上の期日から 30 日超経過し元本及び利息の支払いができない。
・ 金融商品の内外の信用格付の大幅な低下又は大幅な低下の見込み（入手可能な場合）。
・ 債務者の経営業績の大幅な悪化又は大幅な悪化の見込み。
・ 債務者の当グループに対する債務返済能力に著しい悪影響を及ぼす技術面、市場面、経済面又は法的環境に
おける変動又はその見込み。
ローン・コミットメント及び金融保証に関し、 ELC の評価上の当初認識日は、当グループが取消不能のコミットメ
ントの当事者となった日となる。ローン・コミットメント又は金融保証に、当初認識時以降に信用リスクの著しい
増大があったかどうかを評価する際に、当グループは当該ローン・コミットメント／金融保証に関連するローン及
び貸付金に係るデフォルト発生リスクの変動を考慮している。
金融商品の性質に応じて、信用リスクの著しい増大は、個別又は集合的に評価される。集合的に評価を行う場
合、金融商品は、期日経過状況及び信用リスク格付けなどの共通の信用リスク特性に基づいてグループ化される。
当グループは、以下について観察可能なデータが存在する場合に、金融商品が信用減損していると考えている。
－ 債務者に生じた著しい財政困難
－ 債務不履行又は元本若しくは利息の支払遅延等の契約違反
－ 債務者の財政困難に関連する経済的又は法的理由のために、当グループが、通常は考慮しない譲歩を債務者
に与えた場合
－ 債務者が破産又は他の財政的再編をする可能性が高い場合、又は
－ 他の観察可能なデータが、当該貸付金からの見積将来キャッシュ・フローに無視できない減少があることを
示唆している。
当グループは、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な、過去の実績及び将来予測的な情報を含む、合理的か
つ裏付け可能な定量的・定性的情報の双方を個別に検討している。
ECL は、当初認識時以降、金融商品の信用リスクの変動を反映するために報告書日ごとに再測定される。 ECL の変
動は、減損損失又は利得として純損益で認識されることとなる。当グループは、損失引当金勘定を通じて帳簿価額
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に対応する調整を行い、 FVOCI で測定する債務証券を除くすべての関連金融商品の減損利得又は損失を認識してい
る。
注記 2.7 に従い認識された受取利息は、金融資産の総帳簿価額に基づき計算されるが、金融資産が信用減損してい
る場合（ステージ３）は、受取利息は当該金融資産の償却原価に基づき計算される（総帳簿価額から損失引当金を
控除した金額）。信用減損している金融資産の判定については注記 4.1 で詳述している。
金融資産が回収不能な場合、当該金融資産の帳簿価額総額及び関連する減損損失引当金に対し償却がなされる。
必要となるすべての手続きを完了し、損失額が決定された後に、かかる資産は償却される。償却された資産であっ
てもなお債権回収活動の対象となる。償却済みの資産を回収した場合、その回収額は損益計算書上の減損損失額を
減少させる。
2.15 子会社、関連会社、ジョイント・ベンチャー及び非金融資産に対する投資の減損
各資産は、帳簿価額が回収されない可能性があることを示す事象及び状況の変化が生じた場合に、減損について
検討される。減損を示唆する可能性のある事象には、技術環境、市況、経済環境もしくは法的環境の該当資産に重
要な悪影響が及ぶような変動、又は該当資産の価額がその取得原価を著しく又は長期にわたり下回った場合などが
含まれることがある。「重要性」は投資の取得原価に照らして判断され、「長期」は公正価値が取得原価を下回っ
ている期間に照らして判断される。耐用年数が確定できない無形資産の減損は、毎年減損テストが行われる。
減損損失は、資産の帳簿価額がその回収可能額を超過する分の額について認識される。回収可能額は、当該資産
の処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方となる。減損を評価するため、資産は最小限度で個別に
識別可能なキャッシュ・フロー ( 資金生成単位 ) ごとにグループ分けされる。減損資産は、各報告日において減損の
戻入れの可能性について検討される。
当社の貸借対照表においては、子会社、関連会社もしくはジョイント・ベンチャーに対する投資についても、当
該会社から配当金を受け取る際に配当金の額が、配当が宣言された期間における当該会社の包括利益の合計額を上
回っている場合、又は当社の貸借対照表上での当該会社の帳簿価額が、当社の連結貸借対照表上での当該会社の純
資産の帳簿価額 ( のれんを含む ) を超えている場合には減損テストが必要とされる。
2.16 投資不動産
長期の賃貸利回り又はキャピタル・ゲイン又はその両方の目的で保有され、当グループの企業に占有されていな
い不動産（不動産の所在する借地のリースから生じる使用権資産を含む）は、投資不動産として分類される。連結
グループ会社間でリースされた不動産は、個々の会社の財務諸表では投資不動産に、連結財務諸表では不動産に分
類される。
投資不動産は、当初に関連する取引コストも含め、取得原価で認識される。当初認識後、投資不動産は公正価値
で測定される。
その後の支出は、その項目に関する将来の経済的便益が当グループに流入する可能性が高く、その支出が信頼を
もって測定できる場合にのみ、資産の帳簿価額に計上される。仕掛品の項目は公正価値で測定される。その他全て
の修繕及び維持費用は、これらが発生した会計期間の損益計算書に費用計上される。
公正価値の変動は、損益計算書に直接認識される。
投資不動産が所有者により使用されると、不動産に分類変更され、その分類変更日の公正価値は、会計上、取得
原価となる。用途の変更により不動産の項目が投資不動産になると、分類変更日のこの項目の帳簿価額と公正価値
の差額が HKAS 第 16 号「有形固定資産」における不動産再評価としてその他の包括利益に認識される。しかしなが
ら、公正価値利益が不動産に分類された過年度の再評価損失又は減損損失を戻し入れる場合、当該利益は過年度に
借方計上された金額まで損益計算書に認識される。
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2.17 有形固定資産
不動産（不動産の所在する借地のリースから生じる使用権資産を含む）は、主に支店及び事務所である。不動産
は、定期的な ( 少なくとも１年毎 ) 外部の独立鑑定人による評価に基づく公正価値からその後の減価償却累計額及び
減損損失累計額控除後の金額で表示される。再評価日の減価償却累計額は、資産の総帳簿価額に対して消去され、
その純額が資産の再評価額へ修正再表示される。その間は、同種不動産の公開市場価額を参照して、取締役が個別
の不動産の帳簿価額を見直し、重要な変更がある場合には調整がなされる。
不動産の再評価により発生する帳簿価額の増加は、その他の包括利益を通じて不動産再評価準備金に貸方計上さ
れる。過年度の同じ個別資産の増加を相殺する減少は、その他の包括利益を通じて不動産再評価準備金に計上さ
れ、その他の減少は全て、損益計算書に費用計上される。その後の増加は、過去に借方計上した金額を限度として
損益計算書に貸方計上され、その後、不動産再評価準備金に計上される。不動産の処分の際に、過年度の評価に関
して実現された再評価準備金の該当部分は、不動産再評価準備金から取崩され、利益剰余金に振り替えられる。
全ての建物及び設備並びに借地以外の使用権資産（注記 2.19 参照）は、減価償却累計額及び減損損失累計額控除
後の取得原価で計上される。取得原価には、当該項目の取得及び据付に直接帰属する費用が含まれている。
その後の支出はその項目に関連する将来の経済的便益が当グループに流入する可能性が高く、その項目に関する
支出が信頼性をもって測定できる場合にのみ、資産の帳簿価額に含まれるか、適切な場合には、個別の資産として
認識される。当該項目は、経済的便益の発生開始までは減損額控除後の取得原価で計上され、その後は各資産の種
類の測定基準に従って測定される。その他全ての修繕及び維持費用は、これらが発生した又は履行された会計期間
の損益計算書に計上される。
減価償却費は、下記の見積耐用年数にわたり当該資産の取得原価又は再評価額を償却するために、定額法で計算
される。
・ 不動産 香港政府の土地リース期間
・ 建物及び設備 ２～ 15 年
・ 使用権資産 耐用年数又はリース期間のいずれか短い期間
資産の耐用年数は各報告期間末に見直され、適切な場合には調整される。
各報告期間末において、有形固定資産が減損している兆候があるかどうかを決定するにあたって外部及び内部両
方の情報源が考慮される。そのような兆候があれば、当該資産の回収可能額が見積られ、適切である場合には、減
損損失が認識され資産は回収可能額まで減額される。かかる減損損失は、資産が評価額で計上され、減損損失がそ
の同じ資産の再評価準備金を超過しない場合 ( そのような場合、再評価減として会計処理される ) を除いて、損益計
算書に認識される。回収可能額は、当該資産の処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方となる。減
損損失は、必要に応じて、不動産再評価準備金又は損益計算書を通じて戻し入れられる。
処分に係る損益は、関連する税金及び費用控除後の売却処分額と帳簿価額との差額により決定される。これら
は、処分日において損益計算書に認識される。関連する再評価超過額がある場合は再評価準備金から利益剰余金に
振り替えられ、損益計算書に振り替えられることはない。
2.18 無形資産
無形資産は当グループが保有し支配権を有する、物理的な実体を持たない識別可能な非貨幣性資産であり、主に
コンピュータのアプリケーションソフトウェアである。無形資産は償却累積額及び減損累計額を控除後の取得原価
で計上される。
耐用年数が有限の無形資産の償却は、当該資産の予想耐用年数にわたり、定額法で純損益に計上される。耐用年
数が有限の下記の無形資産は、利用可能となった日から償却される。これらの予想耐用年数は以下の通りである。
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・ 資産化されたコンピュータのアプリケーションソフトウェア：３～５年
償却期間と手法はともに毎年見直される。
処分に係る損益は、正味の処分収入と帳簿価額、関連する税金及び費用の差額として認識され、処分日に損益計
算書で認識される。
2.19 リース
当グループは、契約開始時にその契約がリースであるか又はリースを含んでいるかどうかを判断する。契約が特
定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースである
か又はリースを含んでいる。顧客が契約期間を通じて、特定された資産の使用を指図し、かつ特定された資産の使
用からの経済的便益のほとんどすべてを取得する権利を有している場合、支配は移転する。
(1) 借手側の会計処理
当グループは、リース開始日にリース期間が 12 ヶ月以内の短期リース及び少額資産のリースを除く、使用権資
産及びリース負債を認識する。当グループが少額資産のリースを開始した場合、当グループはリース毎に資産化
するかどうかを決定する。資産化対象とならないリースに関連したリース料は、リース期間にわたり規則的な基
礎で費用として認識される。
リースが資産化対象となる場合、延長オプションの行使が合理的に確実である場合にはその期間のリース料を
勘案したうえで、リース負債を同日現在で支払われていないリース期間にわたるリース料の現在価値で当初認識
する。当該リース料は、リースの計算利子率を用いて割り引くが、当該利子率が容易に算定できない場合には、
関連する追加借入利子率を使用する。リース料には 固定リース料（実質上の固定リース料を含む）から受け取
るリース・インセンティブを控除した金額、変動リース料のうち、指数又はレートに応じて決まる金額、及び残
価保証に基づいて借手が支払うと見込まれる金額を含む。リース料にはまた、購入オプションを当グループが行
使することが合理的に確実である場合の、当該オプションの行使価格及び、当グループによるリースの解約オプ
ションの行使が、リース期間に反映されている場合のリースの解約ペナルティに係る支払いも含む。
当初認識後、リース負債は償却原価で測定され、利息費用は一定の期間利子率を使用して算定される。指数又
はレートに応じて決まるものではない変動リース料は、リース負債の測定に含まれず、よって発生した会計期間
に損益計算書へ借方計上される。
リースが資産化対象となる場合に認識される使用権資産は、当初取得原価で測定される。この取得原価は、
リース負債の当初測定の金額に、開始日以前に支払ったリース料及び発生した当初直接コストを加算した金額で
構成される。該当する場合、使用権資産の取得原価には、原資産の解体及び除去、原資産の原状回復又は原資産
の敷地の原状回復の際に生じるコストの見積額を現在価値に割り引き、受け取ったリース・インセンティブを控
除した金額を含める。使用権資産はその後、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額
（注記 2.17 参照）で計上され、以下の使用権資産の種類を除きリース負債が再測定される際に調整される。
・ 投資不動産の定義を満たす使用権資産は、注記 2.16 に従い公正価値で計上される
・ 投資不動産の定義を満たさず、当グループが登記された借地権受益者である場合の借地及び建物に関連し
た使用権資産は、注記 2.17 に従い再評価額で計上される
将来のリース料の算定に使用される指数又はレートの変動による将来のリース料の変動がある場合、残価保証
に基づいて支払われると見込まれる当グループの見積額に変動がある場合、リース期間に変更がある場合、又は
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当グループの購入、延長、解約オプションの行使が合理的に確実であるかどうかの再評価から生じる変更がある
場合に、リース負債は再測定される。リース負債がこのように再測定される場合、再測定に係る修正は、使用権
資 産の帳簿価額へ行われるか、又は使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額された場合には損益計算書に認識され
る。
当グループは、投資不動産の定義を満たさない使用権資産を「有形固定資産」へ計上し、リース負債を「その
他の負債及び引当金」に計上している。
(2) 貸手側の会計処理
当グループが貸手の場合、リース開始日にそれぞれのリースがファイナンス・リースか又はオペレーティン
グ・リースかを決定する。原資産の所有に伴うリスクと経済的価値のほとんどすべてを借手に移転するリース
は、ファイナンス・リースに分類される。これに該当しないリースは、オペレーティング・リースに分類され
る。
契約にリース構成部分と非リース構成部分が含まれる場合、当グループは契約における対価を、リース構成部
分の独立価格と非リース構成部分の独立価格の総額との比率に基づいて各構成部分へ配分する。オペレーティン
グ・リースの受取賃貸料は、リース期間にわたり定額法で認識される。
2.20 保険及び投資契約
(1) 保険及び投資契約の分類、認識及び測定
当グループは、裁量権のある有配当性（以下「 DPF 」という。）を有する保険契約及び投資契約の負債を測定
するために現地の規制基準に準拠している。
当グループは、重要な保険リスクを移転し、かつ財務リスクも移転する可能性のある保険契約を引き受ける。
一般的な指針として、当グループは、重要な保険リスクを、保険事故が発生しなかった場合に支払われる給付金
を少なくとも 10% 超過する給付金を保険事故の発生時に支払わなければならない可能性と定義している。当グ
ループは、長期事業保険契約を発行しており、この契約は生命保険で保障される事故 ( 死亡、延命又は永久的な
能力喪失状態 ) を長期にわたり保証している。将来発生すると予想される契約給付金に関する負債は、保険料が
認識される際に計上される。また、当グループは投資契約も締結する。投資契約は重要な保険リスクを負わず、
財務リスクを移転する。投資契約には、業績及び特定プールのリターン又は契約の種類に基づいて重要となる可
能性のある付加的な給付金 ( 保証給付への追加 ) を受領する権利を契約者に与える裁量権のある有配当性が含まれ
る。
契約保有者から受け取った対価で当グループが投資した投資ファンドのユニットと契約上の支払を関連付ける
組込デリバティブ ( この組込デリバティブは主保険契約に密接に関連している ) を伴う長期保険契約について、対
象資産の公正価値の変動全てに対して負債は調整されており、この負債には、今後発生すると予想され、保険料
の認識時に計上される契約保険金に係る負債が含まれている。
退職制度管理カテゴリー I の契約は投資契約に分類される。また、当該契約には契約者勘定の貸付金利を決定
する際の投資保証要素が含まれている。当該契約に関する債務は、これまで受領した保険料と契約者に支払われ
た利息又は配当から保険契約加算金を控除した金額に基づいて勘定残高を示す遡及的計算方法を用いて決定され
る。
退職制度管理カテゴリー Ⅲ の保険契約は、保険法に定義されているように、死亡による雇用の終了に伴う事象
を保証している。将来発生すると予想される契約給付金に関する負債は、保険料が認識される際に計上される。
報告期間末現在、未経過リスクに関連する保有契約で受け取った保険料の部分は、未経過保険料債務として計上
される。未経過保険料債務は保険負債に含まれる。
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保険料は、契約保有者に保険料の支払義務が生じると、手数料の控除前の金額で収益として、保険料に課され
る税金又は義務の控除前の総額で認識される。保険給付金及び保険金は発生時に費用計上される。
当グループは、保険契約もしくは固定金額 ( 又は固定金額及び利息に基づく金額 ) の保険契約を解約するオプ
ションの定義に見合う組込デリバティブを個別には測定しない。
当グループが自社発行の単一又は複数の契約に係る損失について補填を受けるという条件で当グループが再保
険業者と締結した契約のうち、上記の保険契約の分類要件を満たすものは、保有再保険契約として分類される。
当グループが保有再保険契約に基づき受け取る権利がある保険給付金は、再保険資産として計上される。これ
らの再保険資産は、再保険業者からの短期債権残高と、出再された元受保険契約から生じる予想保険給付金及び
保険金に左右される、より長期の債権で構成される。再保険業者からの回収可能額又は再保険業者への支払債務
は、基礎となる保険契約に伴う金額と整合して、各再保険契約の条件に従って測定される。再保険負債は主に再
保険契約に係る支払保険料であり、期日到来時に費用計上される。
(2) 負債の十分性のテスト
各報告期間末において、保険契約負債の金額が十分であることを確認するために負債の十分性のテストが実施
される。テストの実施に当たり、契約上の将来のキャッシュ・フロー、給付金請求取扱い及び一般管理費の最新
かつ最良の見積り、並びに当該負債の裏づけとなる資産から生じる投資収益が使用される。不足額は即時に連結
損益計算書に計上され、負債の十分性のテストから生じる損失に対して引当金が設定される。
2.21 現金及び現金同等物
連結キャッシュ・フロー計算書上、現金及び現金同等物は、現金、銀行及びその他金融機関への預け金、投資有
価証券として分類される短期証券及び手形、並びに譲渡性預金証書を含み、当初の満期が取得日から３ヶ月未満の
債権残高から構成されている。
2.22 引当金
過去の事象に起因して当グループが現在、法的又は推定的債務を負い、その債務を解消するために経済的便益を
有する資源の流出が必要になる可能性が高く、またその債務の金額を信頼性をもって見積ることが可能な場合、引
当金が認識される。
2.23 従業員給付
(1) 退職給付費用
認定職業別退職制度 ( 以下「退職制度」という。 ) 又は当グループの従業員に利用可能な強制年金基金制度 ( 以
下「 MPF 」という。 ) に基づき、当グループは確定拠出型退職金制度に拠出している。当グループと従業員による
当該制度への拠出金は、退職制度では従業員の基本給に一定の割合を乗じて計算され、 MPF では MPF 規定に基づい
て計算されている。退職給付制度の費用は、発生時に損益計算書に費用計上され、当グループが制度に拠出する
金額を表している。拠出金の受給権が完全に確定する前に従業員が退職制度から脱退した場合、当グループが支
払った分の拠出金は失効し、当グループの現在の拠出金水準を軽減させるか、又は退職制度の信託証書に基づく
費用を充当するために使用される。
退職制度の資産は、独立して管理される基金に当グループの資産とは別に保有される。
(2) 有給休暇
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年次休暇及び病気休暇の従業員受給資格は、従業員に権利が生じた時点で認識される。報告期間末までに従業
員が提供した役務の結果支払われると予想される未使用の年次休暇に対する見積負債及び病気休暇の金額に対し
て引当金が設定される。
病気休暇及び特別承認年次休暇以外の有給休暇は累積されない。当期の受給資格の内、未使用の部分がある場
合、これらは失効する。失効していない年次休暇を除き、当グループ退職時に未使用の受給資格に対する現金支
払は認められていない。
(3) 賞与制度
賞与の予想費用は、従業員が役務を提供した結果、当グループが現在、法的又は推定的債務を負い、その債務
を信頼性をもって見積ることができる場合、負債として認識される。 12 ヶ月を超えて清算されると予想される賞
与制度の負債は、金額に重要性がある場合、割り引かれる。
2.24 当期の法人税及び繰延税金
当期の税金費用は法人税及び繰延税金からなる。税金は、その他の包括利益に直接認識される項目を除いて、損
益計算書において認識される。この場合、税金はその他の包括利益においても認識される。
当社、子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーが業務を行い、課税所得を生み出している各管轄地におい
て、報告期間末に施行されている、又は実質的に施行されている適用税法に基づき、利益に課される未払法人税は
利益が発生する期間の法人税費用として認識される。
繰延税金は、資産・負債の課税標準額と連結財務諸表上の帳簿価額の一時差異に伴う税金資産・負債を貸借対照
表に計上するという方法でその全額が認識されている。繰延税金は、報告期間末現在で施行されているか実質的に
施行されており、関連繰延税金資産が実現するか繰延税金負債が清算される際に適用される見込みの税率と税法に
基づき算定される。
一時差異は主に、資産減損引当金、有形固定資産の減価償却費、 FVOCI で測定する有価証券及び不動産を含む一部
の資産の再評価より生じる。しかし、その取引の時点で会計上の損益にも税務上の損益にも影響を及ぼさない企業
結合の場合を除いて繰延税金は、取引における資産又は負債の当初の認識から生じる場合、認識されない。
繰延税金負債は、課税対象となる全ての一時差異に基づいて全額計上される。繰延税金資産は、将来課税所得が
生じ、それに対して将来減算一時差異、繰越税額控除及び繰越欠損金の繰越が利用できる可能性が高い範囲内で将
来減算一時差異、繰越税額控除及び繰越欠損金の繰越に基づいて認識される。
繰延税金は、損益計算書に費用又は収益計上されるが、その他の包括利益に費用又は収益計上される FVOCI で測定
する有価証券の公正価値の再測定や不動産の再測定に関係する繰延税金は、同様にその他の包括利益に費用又は収
益計上され、その後、繰延損益の実現に伴い損益計算書において認識される。
投資不動産から生じる繰延税金負債又は繰延税金資産は、投資不動産の再評価額が売却を通じて回収され、それ
に応じた税率が適用されるという仮定に基づき算定される。
2.25 抵当権実行資産
抵当権実行資産は、当初にそれらの処分費用控除後の公正価値又は抵当権実行日の関連するローン残高の償却原
価のいずれか小さい値で認識され、関連するローン及び貸付金は関連する減損引当金と共に貸借対照表から認識を
中止される。その後、抵当権実行資産はそれらの取得原価と処分費用控除後の公正価値のいずれか小さい値で測定
され、「その他の資産」に含まれる「売却目的で保有する非流動資産」として計上される。
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2.26 信託業務
当グループは、一般に受託者として活動、又はその他の受託者の資格において、個人、トラスト及びその他の機
関の代理として、資産の保有又は管理を行っている。これらの資産及びそれについて生じるいずれの損益も、当グ
ループの資産ではないため、これらの財務諸表から除かれる。
2.27 偶発債務及び偶発資産
偶発債務とは過去の事象に起因し、当グループで完全には統制できない将来の１つ又は複数の不確実な事象が発
生する又は不発生によってのみその存在が確認される潜在的な債務である。また、過去の事象に起因し、経済的資
源の流出が要求される可能性が低い、もしくは金額について信頼性をもって測定を行うことができないために認識
されない現在の債務の場合もある。
偶発債務は引当金として認識されないが、財務諸表に対する注記において開示される。流出の可能性が変化し、
そのため流出の可能性が高くなった場合には、引当金として認識される。
偶発資産は、過去の事象に起因し、当グループで完全には統制できない１つ又は複数の不確実な将来の事象が発
生する又は不発生によってのみその存在が確認される潜在的な資産である。
偶発資産は財務諸表上では認識されないが、経済的便益を受取る可能性が高い場合には、財務諸表に対する注記
において開示される。経済的便益の受取りがほぼ確実である場合には、資産として認識される。
2.28 関連当事者
当財務諸表では、次に掲げるいずれかの場合に当グループの関連当事者としてみなされる。 (i) 単独でもしくは
他者と共同で当グループを支配しているか、当グループに対し重要な影響力を行使している場合。 ( ⅱ ) 同じ財務報
告グループのメンバー ( 親会社、子会社、及び同グループ内の子会社 ) の場合。 ( ⅲ ) 当グループもしくは親会社の財
務報告グループの関連会社もしくはジョイント・ベンチャーの場合。 (iv) 当グループもしくは親会社の主要経営者
の場合。 (v) 当事者が当グループと共通の支配者の支配下にある場合。 (vi) (iv) で特定された経営者が支配する事
業体の場合、及び (vii) 当グループ又は親会社に主要な経営者としてサービスを提供している。関連当事者は個人の
場合も事業体の場合もある。
3. 会計方針を適用する際の重要な会計上の見積り及び判断
当グループは、翌報告書年度において資産及び負債の帳簿価額に影響を及ぼす可能性のある見積り及び仮定を行う。
見積り及び判断は、継続して評価されており、現時点で合理的であると考えられている将来の事象に関する予測を含
む、過去の経験及びその他の要因に基づいている。資産及び負債の帳簿価額に影響を及ぼす、本質的見積り及び判断に
おいて変動しやすい分野については以下に説明する。決定に際して実用的である場合の主要な仮定又はその他の見積り
の不確実性に対する変動の影響は以下に表示されている。実際の結果によって、以下に参照する見積りに対して大幅な
調整を要する可能性もある。
3.1 金融資産の減損
当グループは、減損を評価するために信用ポートフォリオを少なくとも四半期ごとに見直している。 HKFRS 第９号
では、特に、減損損失の判定や信用リスクの著しい増大の評価を行う場合の将来キャッシュ・フローの金額やタイミ
ング、担保価値の推計などをはじめ、金融資産のすべての分類にわたり減損損失の測定には判断が必要とされてい
る。これらの見積りは多くの要因や変動による影響を受け、その結果次第で引当金の水準が変動する可能性がある。
当グループの予想信用損失（ ECL ）の算定は複雑なモデルから生成されている。可変的なインプットの選択とその
相互関連性が一連の仮定に影響を与える。 ECL モデルは、バーゼルⅡの内部格付手法（以下「 IRB 」という。）モデル
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に加え、実行的かつ利用可能な内部モデルに基づいたパラメータを利用して策定される。会計上の判断及び見積りが
考慮される ECL モデルには以下の要素が含まれる。
・ 個々の格付に倒産確率を割り当てる当グループの内部信用格付モデル。当グループの内部モデルの詳細に関し
ては、 2020 年度の当グループの「規制上の開示」セクション７を参照されたい。
・ 当該金融資産の減損引当金を全期間 ECL で測定すべきかどうかを評価するための、当グループの著しい信用悪
化の要件（内部信用格付の引下げ、期日経過日数、時価の下落及び定性的評価を含む）。
・ ECL が集合的に評価される場合の、信用リスクの特徴による金融資産の区分（ソブリン、銀行、法人、中小企
業、住宅用モーゲージ・ローン及びクレジット・カードを含むポートフォリオ）。
・ マクロ経済要因予測の決定（国内総生産（ GDP) の成長率、消費者物価指数、不動産価格指数及び失業率）とそ
れが倒産確率、デフォルト時損失率及びデフォルト時エクスポージャーに及ぼす影響を含む ECL モデルの開
発。
・ 将来予測的なマクロ経済シナリオ（好転シナリオ、ベースラインシナリオ及び悪化シナリオという独立した３
つのシナリオを含む）の選択と発生確率での加重。
実際の損失実績を踏まえて定期的にモデルを見直し、必要に応じて調整を行うことを、当グループの方針としてい
る。
2020 年 12 月 31 日現在のローン及び貸付金、並びに投資有価証券の帳簿価額は、注記 25 及び 26 に記載されている。
3.2 デリバティブ及びその他の金融商品の公正価値
活発な市場で取引されないデリバティブ及びその他の金融商品の公正価値は、評価技法を用いて決定される。使用
される評価技法は、直近の 第三者間取引 価格、割引キャッシュ・フロー分析及び業界で幅広く使用されている外部か
ら取得した金融分析又はリスク管理システムにおいて利用可能な内蔵機能付きモデル ( オプション価格決定モデル及
びその他一般的に使用される市場価格モデル等 ) の使用を含んでいる。実行可能な範囲で、当該モデルは観察可能な
データを使用する。加えて、評価モデルで信用リスク等の要素が考慮されていない場合は、評価調整が適用されるこ
とがある。適切な評価パラメータ、仮定及びモデル化技法の選定には、経営者による判断及び見積りが必要とされ
る。
当グループは評価技法で用いた仮定と見積りを評価している。これには、通常の見直しや承認プロセスの一貫とし
ての、評価モデルの仮定や性質、モデルの仮定の変更、市場データの品質、市場が活発であるか否か、特にモデルが
捉えることができない他の公正価値調整、並びに複数の報告期間の技法の適用の一貫性等に関する見直しが含まれ
る。評価技法は検証され、定期的に見直され、必要に応じて財務報告日現在の市況を反映して更新される。 詳細は注
記５で説明されている。
3.3 長期保険契約から生じる将来の給付金支払額及び保険料の見積り
当グループの長期事業資金負債 ( 保険契約負債の構成要素 ) を決定するにあたり、当グループは、保険 ( 長期負債の
決定 ) の規定に従い、関連要因の逆偏差のための適正なマージンを含む仮定を慎重に行っている。当グループがリス
クにさらされている各事業年度の予想死亡者数に関して見積りが行われている。当グループは、当グループ独自の実
績及び関連する再保険契約を適宜反映して調整された、人口統計又は再保険の情報に基づいて、これらの見積りを作
成している。長寿リスクを保証する契約では、予想される死亡率の改善に対して慎重な引当金が設定されている。予
想死亡者数により、給付金支払額及び評価保険料が決定される。不確実性の主な原因として、エイズ、サーズ、鳥イ
ンフルエンザなどの疫病及び食習慣、喫煙習慣、運動習慣などの多岐にわたるライフスタイルの変化などがあり、こ
れによって、当グループが死亡リスクにさらされている年齢層の将来の死亡率が、過去と比較して大幅に悪化する可
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能性がある。しかし、医療ケア及び社会情勢の継続的な向上は、当グループが長寿リスクにさらされている場合に契
約負債を決定するために使用された見積りで考慮される以上の寿命の延長をもたらす可能性がある。
将来の死亡者数及び罹病者数とその経営者の見積りとの間に 10%(2019 年： 10%) の差異が生じた場合、長期事業資金
負債は、当該負債の 0.29%(2019 年： 0.26%) にあたる約 264 百万香港ドル (2019 年：約 197 百万香港ドル ) 増加することに
なる。この場合、保有再保険契約による負債の軽減はないと想定されている。
生命保険の要素を含む関連する長期保険契約については、当グループは将来において新たな死亡率にあわせて死亡
リスク負担を増加することができる。
資産担保付長期保険契約により生じる将来の投資収益についての見積りも行われた。これらの見積りは、最新の
マーケット・リターン並びに将来の経済及び金融の成長予測に基づいて行われている。将来の平均投資利益が経営者
の見積りより 50 ベーシス・ポイント (2019 年 :50 ベーシス・ポイント ) 下回ると、長期事業資金負債は約 1,316 百万香港
ドル (2019 年：約 1,668 百万香港ドル ) 増加することとなる。この場合、保有再保険契約による負債の軽減はないと想
定されている。
当グループはまた、保険条例に従い、費用に係る引当金が必要であるかどうかを評価した。費用に係る引当金と
は、当グループが評価日から 12 ヶ月後に新規事業の取引を中止せざるを得なくなった場合に契約を履行するために生
じるであろう正味費用合計額を満たすために必要な金額のことである。 2020 年 12 月 31 日現在、維持費に係る引当金は
計上していない（ 2019 年：なし）。
負債に見合う資産価値に将来起こり得る変動の影響に対処する慎重な引当金を設定するために、レジリエンス・リ
ザーブが設定され、保険 ( 長期負債の決定 ) に対する規定に従って長期事業資金負債に含められた。レジリエンス・
リザーブは、原資産の市場利回り及び評価金利が 12 ベーシス・ポイント (2019 年： 26 ベーシス・ポイント ) 変動すると
いう任命された保険数理士のアドバイスに基づいて設定された。設定されるレジリエンス・リザーブの金額は、想定
された金利変動の度合いに依拠する。
3.4 繰延税金資産
繰越欠損金及び繰越税額控除に係る繰延税金資産の認識、繰延税金資産の金額の決定には重要な経営陣の判断が求
められる。繰越欠損金に基づく繰延税金資産は、将来課税所得が生じ、それに対して損金が利用できる可能性が高い
範囲で認識される。認識可能な繰延税金資産の金額の決定は、適切な時期と将来課税所得の水準に基づく判断が求め
られる。繰延税額控除に基づく繰延税金資産に関し、認識可能な繰延税金資産の金額の決定は、利用可能な税額控除
の見積りと認識された繰延税金資産の回収可能性に基づく判断が求められる。
3.5 リースのリース期間の決定
当グループは、リースを延長するオプションを行使することが合理的に確実である場合にはリースを延長するオプ
ションの対象期間、リースを解約するオプションを行使しないことが合理的に確実である場合にはリースを解約する
オプションの対象期間を加えたリース期間をリースの解約不能期間として決定する。
当グループのリースには、３年から９年の追加延長オプションがついたものが存在する。当グループは、オプショ
ンの行使が合理的に確実であるかどうかをリース開始日に評価する。評価において、当グループはリースを延長する
オプションを行使することへの経済的インセンティブを生じさせる、すべての関連する要因を考慮する。リース開始
日後に、当グループの統制の及ぶ範囲内にあり、リースを延長するオプションを行使すること（又は行使しないこ
と）に影響を与える重大な事象又は状況の重大な変化（事業戦略の変更等）の発生時に、当グループはリース期間の
見直しを行う。
2020 年 12 月 31 日現在の使用権資産の帳簿価額は注記 29 に記載されている。
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4. 金融リスク管理
当グループは様々な事業活動に携わっていることから金融リスクにさらされている。主な金融リスクは、信用リス
ク、市場リスク ( 通貨リスク及び金利リスクを含む ) 及び流動性リスクである。この注記では、これらのリスクに対する
当グループのエクスポージャー、並びに当グループの目標、リスク管理統治体制、管理方針及びプロセス、並びにこれ
らのリスクの測定に用いている方法について要約する。
金融リスク管理体制
当グループのリスク管理体制は全てのビジネス・プロセスをカバーし、事業を営む過程で様々なリスクを適切に管
理、統制すべく策定されている。当グループでは、発生が予想される各種リスクを認識、測定、監視及び統制する包括
的な一連の方針と、手続を備えた強固なリスク管理の組織体制を敷いている。これらのリスク管理方針及び手続は市場
の変動及び事業戦略の変更を反映するために定期的に見直され、更新される。リスクを負担する当事者の様々なグルー
プがリスク管理に関するそれぞれの責任を担っている。
株主の利益を代表する取締役会は当グループの最高決定権を有し、リスク管理の最終的責任を負っている。取締役会
は委員会の支援を受け、リスク管理戦略、リスク選好及びリスク・カルチャーの構築及び当グループがこれらの戦略を
実行するための効果的なリスク管理体制を確実に有することに対する第一義的責任を負う。
取締役会によって設立された常任委員会であるリスク委員会 ( 以下「 RMC 」という。 ) は、当グループの様々なタイプの
リスクを監視し、レベル I リスク管理方針の承認を行いそれらの実施を監視し、重要なリスク又は高リスクのエクスポー
ジャー又は取引の承認を行う。監査委員会は、内部統制システムの監視責任を果たす取締役会を支援する。
チーフ・エグゼクティブ ( 以下「 CE 」という。 ) は、当グループの様々なタイプのリスクを管理する責任を負うほか、
取締役会により委任された自身の権限の範囲内で重大なリスク・エクスポージャー又は取引を承認する責務を負う。
チーフ・エグゼクティブ代理 ( 以下「 DCE 」という。 ) は、様々なタイプのリスクを日次で管理する責務を果たすことに
おいて CE をサポートし、 CE から委任された権限の範囲内で重要なリスク・エクスポージャーや取引を承認する責任を負
う。法務、コンプライアンス、オペレーショナルリスク及びマネーロンダリング対策を担当するチーフ・エグゼクティ
ブは、チーフ・リスク・オフィサー ( 以下「 CRO 」という。 ) とともに、様々なタイプのリスクを日次で管理することと内
部統制に関する責務を果たすことにおいて CE をサポートする。また、当グループが、新たな事業や商品、事業環境の変
化から時々生じ得るリスクを効果的に監視し、管理することができるよう、規制上の変更に応じた新規のリスク管理戦
略やプロジェクト、対策を開始する責務を負うほか、重大なリスク・エクスポージャー又は取引を、委任された権限の
範囲内で見直す責務を負う。取締役会が承認したリスク管理方針の序列決定原則に従い、上級経営者も同様に、各自の
所管分野に関する詳細なリスク管理方針を承認する責務を負う。
当グループの様々な部署がそれぞれリスク管理に対する責任を負う。事業ユニットが第一のディフェンスラインを担
い、事業ユニットから独立するリスク管理ユニットが様々な種類のリスクに関する日次の管理について責任を有する。
リスク管理ユニットは様々なリスク管理方針及び手続の起草、検討、更新に主な責任を有する。
当グループの主要な銀行子会社は、当グループの方針と整合的なリスク管理方針に従っている。また当グループの非
銀行子会社である中銀集団保険有限公司なども、当グループのリスク管理要件に従っている。これらの子会社は、各社
が属する業界の特徴に基づく独自のリスク管理方針を定め、日次リスク管理の実施責任を負い、 BOCHK へ定期報告を行う
必要がある。 BOCHK のリスク管理部門は、各子会社によるリスク管理の状況を監視する。
当グループは、方針、手続及び限度の遵守状況の監視に関する明確な権限及び責任系統が設定されている組織構成の
確立を含む、適切な内部統制システムを導入した。適切な内部統制環境の推進を支援する組織内の適切な職務の分掌と
同様に、適切なレポーティングラインもまた、事業部門からの統制機能の十分な独立性をもたらすものである。
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商品開発及びリスクの監視
リスク評価と監視の有効性を確保するために、当グループでは、全ての関連ユニットの役割及び責任が明確に定義さ
れ、商品開発に係る適切なデュー・ディリジェンス・プロセスが整備されている包括的な商品開発及びリスク監視シス
テ ムを有している。
取締役会と経営者によって設定された戦略目標に従い、それぞれの商品管理ユニットは事業及び商品の開発計画を構
築し、具体的な商品開発活動を開始する責務を負う。戦略策定部門は、それらの計画が当グループの全体的な戦略と整
合しているか確かめている。リスク管理、法務コンプライアンス並びに財務等に対する責任を有する部門は、リスク評
価結果のレビューを行う。
商品開発以外のそれぞれの商品管理ユニットは、関連するリスク評価部門と緊密に機能し、新商品のリスクを特定
し、評価する。リスク評価部門は、リスク評価の結果及び対応するリスク管理手段について独立した立場から検討す
る。商品は、全てのリスク評価部門のデュー・ディリジェンス・プロセスが完了した後に初めて販売の開始が可能とな
る。
顧客に資金関連商品を提供する際には、慎重なアプローチが採られる。全ての資金関連商品は、導入前に特別委員会
による承認を必要とする。
4.1 信用リスク
信用リスクは、契約上の債務を履行できないか履行の意思を持たない顧客又は取引先企業から発生するリスクであ
る。信用リスクは、トレーディング勘定及び銀行勘定に存在し、当グループのオン／オフ・バランスシート取引から
も生じる。このリスクは主に貸付、貿易金融及び資金関連業務から生じる。
信用リスク管理体制
当グループは一連の包括的な信用リスク管理方針とその手続を構築し、発生する可能性のある信用リスクを管理及
び統制するための適切な信用リスク限度を設定している。これらの方針、手続及び信用リスク限度は、市況の変化及
び事業戦略の変更に対応するために定期的に見直し、更新が行われる。
当グループの組織体制により、方針、手続及び業務上の制限の遵守状況の監視に関する明確な一連の権限及び責務
が確立される。
チーフ・クレジット・オフィサーは CRO の直属であり、信用リスク管理責任を負うとともに、当グループが策定し
たリスク管理原則及び要件に沿って子会社の信用リスク・エクスポージャーを管理する責任も負う。当グループの各
部門はそれぞれの信用リスク管理責任を負う。各事業部門はリスク管理の第一のディフェンスラインを担う。事業部
門から独立したリスク管理部門は ( 以下「 RMD 」という。 ) は、信用リスクの日次管理責任を負う他、信用リスクの特
定、測定、監視、及び管理を通じて独自にデュー・ディリジェンスを行い、効果的な牽制が図られていることを確か
める責任と、信用リスク管理方針及びその手続の草案作成、見直し、及び更新を行う主たる責任を負う。また RMD
は、当グループの内部格付システムを設計、開発及び維持する責任を負い、このシステムと関連規制要件の遵守状況
を確かめている。バックオフィスは、オペレーション支援のほか、与信枠の前提条件や貸出条件の適用状況を監督
し、与信管理に関する責任を負う。
当グループの経営方針に準拠して、当グループの主要子会社は、当グループの中核となる方針と整合した独自の信
用リスク方針を構築する必要がある。これらの子会社はリスク管理報告書を当グループの経営者に定期的に提出する
ことが求められる。
取締役会は与信承認権限を CE に委任している。 CE はそれを、取締役会から許可された限度内において、さらに部下
に委任することが可能である。当グループは、与信事業の性質、格付、取引リスクのレベル及び信用エクスポー
ジャーの程度に従って与信承認権限の限度を設定している。
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信用リスクの測定及び統制
急速に変化する市況を考慮して、当グループは引き続きその与信戦略を見直し、関連するポートフォリオについて
厳格な検討を行っている。
貸付金
顧客、取引先又は取引に関するリスクのレベルに従って異なった与信承認及び統制手続が採用される。与信及びそ
の他の部門の専門家によって構成される信用リスク評価委員会は、 DCE 又はその上席の承認を要する重要な与信申請
を独立した立場で評価を行う責任を負う。リテール以外のエクスポージャーに係る借入の申込みはリスク管理部門に
より個別に検討され、客観的に評価される。与信に係る承認を裏付けるため、債務者格付 ( 倒産確率 ) 及び案件格付
( デフォルト時損失率 ) がこれらのポートフォリオに割り当てられる。リテール内部格付システムは、リテール・エク
スポージャーの中の小規模事業者ローン、住宅用モーゲージ・ローン、個人ローン及びクレジット・カード等を含む
リテール信用取引のリスク評価において使用される。与信に係る承認の裏付けには、ローンの等級、債務者及び案件
格付に加えて損失の見積り ( もしあれば ) が使用される。
当グループはまた、信用状況のモニタリング、報告及び信用リスク情報の分析を裏付けるためにも、ローンの等
級、債務者の格付及び必要に応じて損失の見積りを活用する。リテール以外のエクスポージャーについては、よりリ
スクの高い顧客に関して、より頻繁な格付の見直しとより詳細なモニタリングが求められている。リテール・エクス
ポージャーについては、信用状況のモニタリングには、ポートフォリオ・ベースでの月次の内部格付と損失の見積り
の更新が活用される。債務者がリスクの高いプールにあると認識された場合、より詳細な見直しが求められる。
当グループは、 S&P の外部格付にマッピングすることができる内部格付基本基準を採用している。内部格付基本基
準の構造は香港銀行業条例の銀行業 ( 資本 ) 規則の要件に準拠している。
RMD は、 RMC 、 RC 及び取締役会による信用リスクのモニタリングを容易にするために定期的及び臨時の信用管理情報
レポートを提供する。
加えて当グループは、業界、地域、顧客又は取引先のリスクにより信用集中リスクを識別する。当グループは全て
の取引先の信用リスク、信用ポートフォリオの質及びリスク集中の変動を監視し、当グループの経営者に定期的に報
告する。
当グループは、 HKMA のガイドラインを参照して信用資産を以下の５つのカテゴリーに分類するローン格付基準を採
用している。
「正常」は、借手が現在返済義務を果たしており、利息及び元本の全額返済が確実と考えられるローンを意味す
る。
「要注意」は、借手が当グループの貸付金の元利回収可能性に脅威を及ぼしかねない困難に陥っているローンを意
味する。最終的な損失はこの段階では予想されていないが、不利な状況が続く場合に発生する可能性がある。
「要管理先」は、返済が困難となるような特定可能な問題を借手が見せているローンを意味する。
「貸倒懸念先」は、全額の回収が困難であり、当グループが担保の正味実現可能額を考慮しても元本及び／又は利
息の損失が生じることを予測しているローンを意味する。
「破綻先」は担保の処分や訴訟手続など全ての回収手段を行使しても、貸付金の回収が不可能と考えられるローン
を意味する。
債務証券及びデリバティブ
債務証券及び証券化資産への投資について、債務者格付又は外部信用格付、原資産の信用評価、及び顧客／証券発
行体ごとに設定された与信枠が、投資に関係する信用リスク管理に使用される。デリバティブについては、当グルー
プは関連の信用リスクを管理するために顧客限度額を設定し、貸付金と同様の承認及び統制プロセスが適用される。
継続的なモニタリング手続及びストップロス手続が確立されている。
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決済リスクは主に取引先との外国為替取引により発生し、また現金、有価証券又は株式による受取予想に対応し
て、現金、有価証券又は株式による支払いが行われるあらゆる状況下においてのデリバティブ取引からも発生する。
当 グループによる一日の市場取引から生じる全ての決済リスクをカバーするために、取引先又は顧客に対して日々の
決済限度額が設定される。
予想信用損失（「 ECL 」）手法
減損評価では、償却原価で測定される金融商品及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する保有金融商品に
関し ECL の認識を求める HKFRS 第９号に従った、減損モデルを導入している。 ECL は HKFRS 第９号に基づき３つのステー
ジで評価され、金融資産、ローン・コミットメント及び金融保証は３つのステージのいずれかに分類される。
ステージ１： 金融商品の組成時に信用減損しておらず金融資産の信用リスクが組成時以降も著しく増大していな
い場合、損失引当金は 12 ヶ月間の ECL の金額で測定される。
ステージ２： 金融商品の組成時に信用減損していないが、金融商品の信用リスクが組成時以降に著しく増大して
いる場合、損失引当金は全期間 ECL に相当する金額で測定される。
ステージ３： 金融商品は信用減損しており、当該金融資産の将来キャッシュ・フローが１以上の事象によりに悪
影響を受ける場合、損失引当金は全期間 ECL に相当する金額で測定される。
当グループは、金融商品のステージを決定するために、著しい信用悪化の要件の枠組みを策定した。この枠組み
は、延滞日数、 IRB による格付の変更、低い信用リスクの閾値やウォッチリスト等の要因を考慮し、定量的評価と定
性的評価の双方を織り込んでいる。
当グループは、 ECL を算定するために、バーゼルⅡの内部格付手法（以下「 IRB 」という。）モデルに加え、実行的
かつ利用可能な内部モデルに基づいたパラメータを利用している。モデルがないポートフォリオについては、実績
データ、関連する貸倒損失実績又は近似値など、その他すべての合理的かつ裏付可能な情報を利用している。 ECL の
測定は、金融商品のデフォルト確率（以下「 PD 」という。）、デフォルト時損失率（以下「 LGD 」という。）及びデ
フォルト時エクスポージャー（以下「 EAD 」という。）を掛け合わせた金額を、実効金利を用いて報告日まで割り引
いたものである。
ECL は、一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額、貨幣の時間価値、
並びに過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての合理的で裏付け可能な情報を反映して測定され
ている。当グループは HKFRS 第９号の要件を満たすために ECL の測定に３つの経済シナリオを適用している。「ベース
ライン」シナリオは最も起こりそうな結果を表しており、「好転」シナリオ及び「悪化」シナリオと形容される、他
の２つのシナリオは、ベースラインシナリオと比較して、より楽観的又はより悲観的で、起こりそうにない結果を表
している。
ベースラインシナリオは、経済戦略企画部により作成されている。シナリオが 合理的かつ裏付可能 であることを確
実にするために、過去の実績、景気動向、政府及び非政府機関が提供する対外予測等をベンチマークとして利用して
いる。当グループは過去のマクロ経済データを参照して好転シナリオ及び悪化シナリオを作成している。
当グループが運営する主要国 / 主要地域における、国内総生産（ GDP ）、消費者物価指数、不動産価格指数及び失業
率などマクロ経済要因が経済的シナリオに適用されている。これらのマクロ経済要因は、統計的分析及び景況感にお
ける当グループの ECL にとって重要であると考える。
各シナリオに割り当てた発生確率は、減損引当金の十分性を確保するという当グループの慎重かつ一貫した信用戦
略を実践する、経済環境に対する当グループの見解を反映している。発生確率の高さを反映して、より高い確率が
ベースラインシナリオに割り当てられており、発生確率の低さを反映して、より低い発生確率が好転シナリオと悪化
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シナリオに割り当てられている。 2020 年 12 月現在、当グループのベースラインシナリオの確率加重は、好転シナリオ
と悪化シナリオの確率加重の合計を上回る。
ECL を評価するために当グループが用いる重要なマクロ経済要因の一つは以下の通りである。
マクロ経済要因 シナリオの加重値
3.05%
2021 年の香港の予想 GDP 成長率
ECL の算定はマクロ経済要因及び経済シナリオによる影響を受ける。より悲観的なマクロ経済要因が ECL 算定に用い
られる場合、又はより高い確率が悪化シナリオに割り当てられる場合に ECL は増加する。当グループは ECL モデルに用
いられたマクロ経済要因と経済シナリオの確率加重を、確立された手法に従い四半期ごとに見直している。
RMC は ECL 方法論の承認に責任を負い、経営者は ECL モデルの導入に責任を負う。信用リスク管理部門は、定期的な
モデルの見直しやパラメータの更新を含む ECL 手法の維持に責任を負う。独立したモデル検証チームは、 ECL モデルの
年次検証に責任を負う。 ECL 手法に変更がある場合、当グループは適切な承認プロセスに従う。
担保として保有される担保資産及びその他の信用補完
担保の評価及び管理については、受け入れの基準、担保の有効性、融資比率、ヘアカット率、評価及び保険などを
網羅する信用リスク管理の方針及び手順に文書化されている。担保は定期的に再評価されるが、その頻度及び使用さ
れる方法は関連する担保の種類、原貸付の性質とリスクによって異なる。当グループは、ポートフォリオ・ベース
で、公表された指標等を用いて、主要なタイプの担保である不動産の担保価値の評価を更新するメカニズムを構築し
ている。担保は当グループが一次受益者として保証されている。個人部門における主要な担保の種類は不動産、現金
預金、及び有価証券である。企業及び事業部門における担保には不動産、有価証券、現金預金及び船舶等が含まれ
る。
当グループは、第三者の保証人により保証されるローンに関して、当該保証人の財務状況、信用履歴及び債務履行
能力を査定する。
2020 年 12 月 31 日現在、借手の債務不履行がない状況で売却又は再担保が許可される当グループが保有する担保の公
正価値は 5,168 百万香港ドルであった (2019 年： 6,335 百万香港ドル ) 。当グループは当該担保の売却も再担保も行わな
かった (2019 年：なし ) 。これらの取引は売戻条件付契約及び証券貸借取引の通常かつ慣例的な条件に基づいて実行さ
れる。
(A) 信用エクスポージャー
最大信用エクスポージャーは、担保資産又はその他の信用補完を全く考慮しないという最悪の場合に当グルー
プが被るエクスポージャーである。オン・バランスシート資産については、その帳簿価額が、信用リスクに対す
る最大エクスポージャーとなる。保証状発行については、信用リスクに対する最大エクスポージャーは、保証が
要求される場合に当グループが支払いを要求される可能性がある最大額である。ローン・コミットメント及びそ
の他の信用関連の負債については、信用リスクに対する最大エクスポージャーは契約額の全額である。
以下は、担保資産及びその他の信用補完の種類と、これらが当グループの各種金融資産へ及ぼす財務上の影響
に関する説明である。
銀行及びその他金融機関への預け金等
取引先の性質から、一般的にこれらの資産についてのエクスポージャーに係るリスクは低いと考えられるた
め、これらの資産については通常担保を求めていない。
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純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び有価証券への投資
債務証券への投資に対しては、通常、担保を徴求していない。
デリバティブ
当グループでは、国際スワップ・デリバティブ協会が公表したマスター契約書 ( 以下「 ISDA マスター契約書」
という。 ) を、デリバティブ関連業務に関する契約書の雛形として推奨している。当該マスター契約書には、契
約の枠組み ( この枠組みの下で OTC 取引の取引業務が実施される ) が定められている他、期限の利益喪失事由及び
終了事由の根拠となる事象の発生による契約終了時のクローズアウト・ネッティング条項が定められている。さ
らに、必要とみなされれば、クレジット・サポート・アネックス ( 以下「 CSA 」という。 ) が ISDA マスター契約書
のスケジュール部分に含まれる。 CSA の下では、信用エクスポージャーを軽減するため、必要に応じて、一方の
契約の当事者からもう一方の当事者に担保が提供される。
貸付金及びその他、偶発債務及びコミットメント
一般的な種類の担保は 172 ページ ( 訳者注：原文のページ ) に開示されている。貸付金及びその他、偶発債務及
びコミットメントについては、当グループが、個々のエクスポージャーに係るリスクを検討した上で適切である
と考える範囲で担保を徴求している。顧客への貸付金に関する担保の割合は 182 ページから 183 ページ ( 訳者注：
原文のページ ) に記載されている。また偶発債務及びコミットメントの構成要素と内容は注記 42 に開示されてい
る。当グループでは、予告なく無条件で解約できるコミットメントについて、借手の信用の質が悪化した場合に
クレジット・ラインの供与を撤回する必要性を評価している。 2020 年 12 月 31 日現在、担保によりカバーされてい
る偶発債務及びコミットメントは 13.25%(2019 年： 14.20%) である。
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(B) 貸付金及びその他債権
商品種類別の貸付金及びその他債権の総額 ( 減損引当金控除前 ) は以下に要約されている。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
顧客への貸付金
個人向け
－モーゲージ 340,587 298,914
－クレジット・カード 10,981 14,688
－その他 107,009 102,272
企業向け
－商業ローン 972,790 904,245
66,497 75,764
－貿易金融
1,497,864 1,395,883
商業手形 9,826 20,727
1,898 3,387
銀行及びその他金融機関への貸付金
1,509,588 1,419,997
特定の返済期日のある貸付金は、元本又は利息の返済期日が過ぎ、返済がなされない場合に延滞貸付金として
分類される。定期的な分割払いで返済される貸付金は、分割返済の期日が過ぎ、返済がなされない場合に延滞貸
付金として分類される。要求払貸付金は、返済要求が借手に送達されているが指示通りに返済がなされない、又
は、貸付金が承認限度額を継続的に超える状態が続いており、そのことが借手に伝えられている場合に延滞貸付
金として分類される。
90 日超延滞している、又は借手が当グループに対する信用債務を全額支払う公算が小さい場合等、見積将来
キャッシュ・フローに悪影響を与える一以上の事象が発生している場合に、貸付金は債務不履行となる。信用減
損貸付金はステージ３に分類され、全期間予想信用損失が認識される。
貸付金が信用減損している証拠には、以下の事象に関する観察可能なデータが含まれる。
－ 債務者に生じた著しい財政困難
－ 債務不履行又は元本若しくは利息の支払遅延等の契約違反
－ 借手の財政困難に関連する経済的又は法的理由のために、当グループが、通常考慮に入れない譲歩を借手
に与えた場合
－ 借手が破産又は財政的再編をする可能性が高い、又は
－ その他の観察可能なデータが、当該貸付金からの見積将来キャッシュ・フローに無視することのできない
減少があることを示唆している。
ステージ３として分類された貸付金は、完全に担保されている場合は、必ずしも減損損失とならない。
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貸付金及びその他債権の総額 ( 減損引当金控除前 ) は行内信用格付により以下のように分析される。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
顧客への貸付金
正常 1,466,646 20,352 - 1,486,998
3,846 3,026 - 6,872
要注意
- - 3,994 3,994
要管理先以下の区分
1,470,492 23,378 3,994 1,497,864
商業手形
正常 9,826 - - 9,826
要注意 - - - -
- - - -
要管理先以下の区分
9,826 - - 9,826
銀行及びその他金融機関への貸付金
1,898 - - 1,898
正常
要注意 - - - -
- - - -
要管理先以下の区分
1,898 - - 1,898
1,482,216 23,378 3,994 1,509,588
(5,405) (1,115) (2,652) (9,172)
減損引当金
1,476,811 22,263 1,342 1,500,416
2019 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
顧客への貸付金
正常 1,385,770 1,592 - 1,387,362
2,683
要注意 2,621 - 5,304
- - 3,217 3,217
要管理先以下の区分
1,388,453 4,213 3,217 1,395,883
商業手形
正常 20,727 - - 20,727
-
要注意 - - -
- - - -
要管理先以下の区分
20,727 - - 20,727
銀行及びその他金融機関への貸付金
正常 3,387 - - 3,387
要注意 - - - -
- - - -
要管理先以下の区分
3,387 - - 3,387
1,412,567 4,213 3,217 1,419,997
(4,564) (297) (2,175) (7,036)
減損引当金
1,408,003 3,916 1,042 1,412,961
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以下は、減損引当金と貸付金及びその他債権との調整である。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
減損引当金
2020 年１月１日現在 4,564 297 2,175 7,036
ステージ１へ移動 96 (94) (2) -
ステージ２へ移動 (166) 177 (11) -
ステージ３へ移動 (8) (19) 27 -
ステージ間移動による変動 (76) 782 772 1,478
当年度の繰入額 2,894 104 300 3,298
当年度の戻入額 (1,920) (132) (235) (2,287)
償却額 - - (561) (561)
回収額 - - 136 136
21 - 51 72
換算差額等
5,405 1,115 2,652 9,172
2020 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 2,489
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
総額
2020 年１月１日現在 1,412,567 4,213 3,217 1,419,997
ステージ１へ移動 1,207 (1,197) (10) -
ステージ２へ移動 (22,369) 22,384 (15) -
ステージ３へ移動 (804) (403) 1,207 -
エクスポージャーの変動、純額 87,260 (1,628) 62 85,694
償却額 - - (561) (561)
4,355 9 94 4,458
換算差額等
1,482,216 23,378 3,994 1,509,588
2020 年 12 月 31 日現在
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( 単位：百万香港ドル )
2019 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
減損引当金
2019 年１月１日現在 3,748 546 1,130 5,424
ステージ１へ移動 154 (143) (11) -
ステージ２へ移動 (26) 103 (77) -
ステージ３へ移動 (15) (184) 199 -
ステージ間移動による変動 (131) 84 1,216 1,169
当年度の繰入額 2,368 50 342 2,760
当年度の戻入額 (1,536) (155) (386) (2,077)
償却額 - - (462) (462)
回収額 - - 213 213
2 (4) 11 9
換算差額等
4,564 297 2,175 7,036
2019 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 1,852
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
総額
2019 年１月１日現在 1,277,879 8,152 2,387 1,288,418
ステージ１へ移動 3,103 (2,614) (489) -
ステージ２へ移動 (1,783) 1,927 (144) -
ステージ３へ移動 (1,048) (729) 1,777 -
エクスポージャーの変動、純額 134,837 (2,507) 140 132,470
償却額 - - (462) (462)
(421) (16) 8 (429)
換算差額等
1,412,567 4,213 3,217 1,419,997
2019 年 12 月 31 日現在
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(a) 減損した貸付金
減損している顧客への貸付金の分析は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
減損 分類又は減損 減損 分類又は減損
3,994 3,994 3,217 3,217
減損している顧客への貸付金総額
顧客への貸付金総額に対する割合 (%) 0.27% 0.27% 0.23% 0.23%
当該貸付金に対して設定された減損引当金 2,652 2,652 2,175 2,175
分類又は減損している顧客への貸付金は、当グループのローンの質の分類により、「要管理先」、「貸倒
懸念先」又は「破綻先」のいずれかに分類されるか、ステージ３に分類されているものである。
減損引当金は信用減損貸付金に関する担保価値を考慮して設定された。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
3,046 2,187
減損している顧客への貸付金の保全部分に対する担保の市場価値
減損している顧客への貸付金の保全部分 1,558 1,011
減損している顧客への貸付金の非保全部分 2,436 2,206
2020 年 12 月 31 日現在、減損している商業手形、銀行及びその他の金融機関への貸付金はなかった (2019
年：なし ) 。
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(b) ３ヶ月超延滞の貸付金
３ヶ月超延滞の貸付金の総額は以下のように分析される。
2020 年 2019 年
顧客への貸付金 顧客への貸付金
金額 金額
総額に対する 総額に対する
( 百万香港ドル ) ( 百万香港ドル )
割合 (%) 割合 (%)
延滞期間別の顧客への貸付金総額
－３ヶ月超６ヶ月以下 174 0.01% 145 0.01%
－６ヶ月超１年以下 718 0.05% 836 0.06%
2,137 0.14% 948 0.07%
－１年超
3,029 0.20% 1,929 0.14%
３ヶ月超延滞の貸付金
以下に分類された貸付金に対して
設定された減損引当金
2,332 1,651
－ステージ３に分類された貸付金
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
当該顧客への貸付金の保全部分に対する担保の市場価値 1,312 487
当該顧客への貸付金の保全部分 913 315
当該顧客への貸付金の非保全部分 2,116 1,614
延滞している、又は減損したローンに対する担保は、主として企業向けローンについては商業用及び住宅
用不動産及び船舶といった事業資産であり、また個人向けローンについては住宅用不動産である。
2020 年 12 月 31 日現在、支払期日から３ヶ月超延滞している商業手形はなく、支払期日から３ヶ月超延滞し
ている銀行及びその他金融機関への貸付金はなかった (2019 年：なし ) 。
(c) リスケジュールされた貸付金
2020 年 2019 年
顧客への貸付金 顧客への貸付金
金額 金額
総額に対する 総額に対する
( 百万香港ドル ) ( 百万香港ドル )
割合 (%) 割合 (%)
「３ヶ月超延滞の貸付金」に含まれるもの
以外の、リスケジュールされた顧客への
178 0.01% 239 0.02%
貸付金
リスケジュールされた貸付金とは、借手の財務状況の悪化又は借手が当初の返済期限を守れなくなったた
めに、銀行と借手の間で減免や貸出条件が緩和された貸付金であり、利息又は返済期間いずれかに関する変
更された返済条件は、当グループでは「ノン・コマーシャル」である。変更された返済条件の下で３ヶ月超
延滞している、リスケジュールされた貸付金は「３ヶ月超延滞の貸付金」に含まれる。
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(d) 顧客への貸付金の集中
(i) 顧客への貸付金総額のセクター別分析
以下の顧客への貸付金総額の産業セクター別内訳は、ローン及び貸付金に関する HKMA 報告のための作
成要領を参照した区分に基づいている。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
担保又は
減損引当金
分類又は
減損引当金
顧客への
その他の
減損された 延滞貸付金
- ステージ１
貸付金総額
保証付貸付金
- ステージ３
貸付金
及び２
の割合 (%)
香港で利用されたローン
産業界、商業界及び
金融業界
－不動産開発 132,966 27.12% - 1 - 803
－不動産投資 64,768 67.95% 111 184 15 186
－金融関連 24,110 0.74% - - - 54
－株式ブローカー 1,656 78.86% - - - 3
－卸売及び小売業 30,523 43.12% 198 239 109 411
－製造業 53,629 8.05% 8 9 4 290
－輸送及び輸送設備 74,633 23.05% 260 - - 598
－レクリエーション 198 9.90% - - - 2
－情報技術 25,579 0.81% 97 99 13 33
－その他 131,571 47.23% 18 200 4 409
個人
－宅地購入プログラ
ム、民間部門参加プ
ログラム及びアパー
ト購入プログラムに
よるローン 27,809 99.33% 18 183 - 17
－その他の居住用不動
産購入ローン 311,070 99.92% 140 1,332 1 137
－クレジット・カード
による貸付金 10,959 - 106 366 95 151
101,986 94.43% 126 537 81 384
－その他
香港で利用された
ローン合計 991,457 61.86% 1,082 3,150 322 3,478
貿易金融 66,497 15.36% 569 573 372 202
香港外で利用されたロー
439,910 5.29% 2,343 2,217 1,958 2,840
ン
1,497,864 43.18% 3,994 5,940 2,652 6,520
顧客への貸付金総額
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( 単位：百万香港ドル )
2019 年
担保又は
減損引当金
分類又は
減損引当金
顧客への
その他の
減損された 延滞貸付金
- ステージ１
貸付金総額
保証付貸付金
- ステージ３
貸付金
及び２
の割合 (%)
香港で利用されたローン
産業界、商業界及び
金融業界
－不動産開発 137,663 21.53% - 9 - 695
－不動産投資 49,073 81.98% - 158 - 62
－金融関連 28,353 0.89% - - - 53
－株式ブローカー 815 98.27% - - - 1
－卸売及び小売業 39,880 36.86% 88 283 87 210
－製造業 42,719 12.98% 193 222 95 174
－輸送及び輸送設備 66,511 27.29% 325 69 - 180
－レクリエーション 2,161 1.19% - - - 3
－情報技術 22,464 0.90% - 48 - 76
－その他 125,909 47.30% 6 138 4 365
個人
－宅地購入プログラ
ム、民間部門参加プ
ログラム及びアパー
ト購入プログラムに
よるローン 19,855 99.68% 18 161 - 10
－その他の居住用不動
産購入ローン 277,288 99.93% 96 1,374 - 97
－クレジット・カード
による貸付金 14,663 - 127 579 113 159
97,380 91.08% 71 504 63 358
－その他
香港で利用された
ローン合計 924,734 59.98% 924 3,545 362 2,443
貿易金融 75,764 14.75% 318 340 237 154
香港外で利用されたロー
395,385 6.74% 1,975 1,988 1,576 2,263
ン
1,395,883 42.45% 3,217 5,873 2,175 4,860
顧客への貸付金総額
当グループの顧客への貸付金総額の 10% 以上を占める産業セクターについて、損益計算書に計上された
新たな減損引当金の金額及び当該年度中に償却された、分類された又は減損したローンは以下の通りで
ある。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
分類又は減損 分類又は減損
新たな 新たな
されたローンの されたローンの
減損引当金 減損引当金
償却額 償却額
香港で利用されたローン
個人
52 - 50 -
－その他の居住用不動産購入ローン
( ⅱ ) 顧客への貸付金総額の地域別分析
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有価証券報告書
以下の顧客への貸付金総額の地域別分析は、リスクの移転を考慮の上、相手先の所在地に基づいて行
われたものである。顧客と異なった所在地に存在する当事者により顧客への貸付金が保証されている場
合、 リスクは保証人の所在地に移転される。
顧客への貸付金総額
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
香港
1,218,633 1,124,812
中国本土 112,527 126,075
166,704 144,996
その他
1,497,864 1,395,883
顧客への貸付金総額－ステージ１及び２に対する減損引当金
香港 4,551 3,228
中国本土 656 492
1,313 1,140
その他
6,520 4,860
延滞貸付金
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
香港
4,115 4,341
中国本土 567 607
1,258 925
その他
5,940 5,873
延滞貸付金総額－ステージ３に対する減損引当金
香港 1,308 975
中国本土 320 423
908 489
その他
2,536 1,887
分類又は減損している貸付金
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
香港
2,194 1,766
中国本土 404 507
1,396 944
その他
3,994 3,217
分類又は減損された貸付金－ステージ３に対する減損引当金
香港 1,410 1,132
中国本土 331 436
911 607
その他
2,652 2,175
(C) 抵当権実行資産
当事業年度中に、当グループは保有していた担保物件の抵当権を実行することによって資産を取得した。 12 月
31 日現在で保有しているこうした資産の内容と帳簿価額は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
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産業用不動産
5 -
18 7
住宅用不動産
23 7
2020 年 12 月 31 日現在、当グループが所有する抵当権実行資産の市場価値の見積額は 67 百万香港ドル (2019 年：
33 百万香港ドル ) であった。抵当権実行資産には当グループが借手の債務の全部又は一部を免除するために ( 裁判
又は所有者の任意処分により ) 入手権又は管理権を取得した不動産が含まれる。
抵当権実行不動産が容易に現金化されない場合、当グループは以下の代替案を考慮する可能性がある。
－ 売却価格の調整
－ ローン及び資産の売却
－ ローンのリストラクチャリング
(D) 銀行及びその他金融機関への預け金等
銀行及びその他金融機関への預け金 ( 減損引当金控除前 ) は、行内信用格付とステージ区分別に以下のように分
析される。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
中央銀行
正常 183,571 - - 183,571
要注意 - - - -
- - - -
要管理先又はそれ以下の区分
183,571 - - 183,571
その他銀行及びその他金融機関
正常 241,961 - - 241,961
要注意 - - - -
- - - -
要管理先又はそれ以下の区分
241,961 - - 241,961
425,532 - - 425,532
(8) - - (8)
減損引当金
425,524 - - 425,524
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
中央銀行
正常 163,019 - - 163,019
要注意 - - - -
- - - -
要管理先又はそれ以下の区分
163,019 - - 163,019
その他銀行及びその他金融機関
正常 184,785 - - 184,785
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要注意 - - - -
- - - -
要管理先又はそれ以下の区分
184,785 - - 184,785
347,804 - - 347,804
(3) - - (3)
減損引当金
347,801 - - 347,801
以下は、銀行及びその他金融機関への預け金等に対する減損引当金の調整である。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2020 年１月１日現在
3 - - 3
ステージ間振替による変動 - - - -
当年度の繰入額、純額 5 - - 5
- - - -
換算差額等
8 - - 8
2020 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上 ( 注記 13)
5
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2019 年１月１日現在
15 - - 15
ステージ間振替による変動 - - - -
当年度の戻入額、純額 (12) - - (12)
- - - -
換算差額等
3 - - 3
2019 年 12 月 31 日現在
損益計算書への貸方計上 ( 注記 13) (12)
2020 年 12 月 31 日現在、銀行及びその他金融機関への預け金等で延滞又は減損したものはなかった (2019 年 : な
し ) 。
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(E) 債務証券及び譲渡性預金証書
以下の表は、債務格付別並びにステージ区分別の債務証券及び譲渡性預金証書の帳簿価額の分析を示してい
る。債務格付がない場合は、各発行体に指定された格付が報告されている。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する投資有価証券
－ステージ１
Aaa 115,426 105,381
Aa1 から Aa3 153,601 171,367
A1 から A3 438,994 358,381
A3 未満 26,555 24,952
19,596 24,621
格付なし
754,172 684,702
－ステージ２ - -
- -
－ステージ３
754,172 684,702
うち、減損引当金 (261) (160)
償却原価で測定する投資有価証券
－ステージ１
Aaa 43,082 57,569
Aa1 から Aa3 6,730 4,687
A1 から A3 39,864 26,263
A3 未満 23,923 15,956
6,894 6,554
格付なし
120,493 111,029
－ステージ２ - -
- -
－ステージ３
120,493 111,029
(62) (46)
減損引当金
120,431 110,983
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
Aaa 1,095 3,030
Aa1 から Aa3 22,573 28,350
A1 から A3 8,412 18,779
A3 未満 9,846 11,834
2,070 6,111
格付なし
43,996 68,104
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以下は、債務証券及び譲渡性預金証書に対する減損引当金の調整である。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
投資有価証券
2020 年１月１日現在 160 - - 160
ステージ間移動による変動 - - - -
当年度の繰入額、純額 100 - - 100
1 - - 1
換算差額等
2020 年 12 月 31 日現在 261 - - 261
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 100
償却原価で測定する投資有価証券
2020 年１月１日現在 46 - - 46
ステージ間移動による変動 - - - -
16 - - 16
当年度の繰入額、純額
62 - - 62
2020 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 16
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
投資有価証券
2019 年１月１日現在 140 - - 140
ステージ間移動による変動 - - - -
当年度の繰入額、純額 20 - - 20
- - - -
換算差額及びその他
160 - - 160
2019 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 20
償却原価で測定する投資有価証券
2019 年１月１日現在 29 - - 29
ステージ間移動による変動 - - - -
17 - - 17
当年度の繰入額（純額）
46 - - 46
2019 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 17
2020 年 12 月 31 日現在、延滞又は減損している債務証券及び譲渡性預金証書はなかった (2019 年：なし）。
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(F) ローン・コミットメント及び金融保証契約
以下の表は、行内信用格付並びにステージ区分別のローン・コミットメント及び金融保証契約の分析を示して
いる。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
ローン・コミットメント及び金融保証契約
正常 760,490 3,007 - 763,497
要注意 1,640 1,225 - 2,865
- - 36 36
要管理先又はそれ以下の区分
762,130 4,232 36 766,398
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
ローン・コミットメント及び金融保証契約
正常 680,769 477 - 681,246
要注意 1,769 749 - 2,518
- - 38 38
要管理先又はそれ以下の区分
682,538 1,226 38 683,802
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有価証券報告書
以下は、ローン・コミットメント及び金融保証契約に対する減損引当金の調整である。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2020 年１月１日現在
535 22 20 577
ステージ１へ移動 13 (13) - -
ステージ２へ移動 (3) 3 - -
ステージ３へ移動 - - - -
ステージ間移動による変動 (12) 35 - 23
当年度の繰入 /( 戻入 ) 額、純額 57 (3) - 54
4 - - 4
換算差額及びその他
594 44 20 658
2020 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 77
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
2019 年１月１日現在
375 20 43 438
ステージ１へ移動 14 (13) (1) -
ステージ２へ移動 (2) 2 - -
ステージ３へ移動 - - - -
ステージ間移動による変動 (12) 11 - (1)
当年度の繰入 /( 戻入 ) 額、純額 161 1 (25) 137
(1) 1 3 3
換算差額及びその他
535 22 20 577
2019 年 12 月 31 日現在
損益計算書への借方計上 ( 注記 13) 136
(G) コロナウイルス感染症のパンデミックに対応した信用リスク管理
長引くコロナウイルス感染症のパンデミックは、 2020 年の世界経済に重大な悪影響を与えた。このパンデミッ
クの動向は引き続き不安定である一方で、債務者の経営・財政状態は苦境が続くと予想される。当グループは、
パンデミックがもたらす悪影響と不確実性に対応するため、以下の一連のリスク管理措置を講じている。
－ 当グループは新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる経済上の負担と影響を軽減するため、 HKMA
と連携し、個人及び法人顧客に対する様々な救済措置を講じている。 救済措置における貸付金の引受基
準は他の与信と同じであり、返済条件の変更はコマーシャルベースで行われている。このため、救済措
置の対象となった貸付金は、それによりすぐにステージ２やステージ３に移動するわけではなく、リス
ケジュール貸付金として分類されない。
－ ロックダウンの実施により、貿易、小売、航空、観光 ( 接客業を含む ) 、飲食、娯楽などのいくつかの業種
は大きな打撃を受けた。 当グループは、これらの業種の借手について、リスクベースの評価を実施して
いる。パンデミックが借手に与えた影響や個々の減免策、短期的なリファイナンス計画が評価され、影
響を受けやすい借手が特定され、継続的で緊密なモニタリングを行うためウォッチリストに入れられ
た。これらの借手の貸付金の区分と内部格付は、最新の状況に従って見直しが行われている。
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有価証券報告書
－ 当グループは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの封じ込めに関し、様々なシナリオのストレ
ス・テストを実施し、定期的に信用損失と資産の質に及ぼす潜在的な影響を評価している。
－ 当グループは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響による不透明な経済見通しを反映するた
め、 ECL 算定に用いた将来予測的なマクロ経済要因を見直し、更新した。さらに、当グループは新型らコ
ロナウイルス感染症のパンデミックの影響を受けてウォッチリストに入りした主要債務者について、内
部格付の見直しを行った結果、これらの影響を受けた顧客の格付を引き下げ、将来の経済状況の不確実
性に対処するため、新たにステージ１及びステージ２の減損引当金を積み増した。
当グループは新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの状況が経済に与える影響を注意深くモニター
し、資産の質の重大な悪化を避けるため、資産の質に対する慎重な管理体制を継続する意向である。
4.2 市場リスク
市場リスクとは、金融市場の価格 ( 為替レート、金利、株価、コモディティ価格 ) の変動により、当グループが保有
する為替、金利、株式及びコモディティポジションが変動する際に損失が発生するリスクを指す。当グループはリス
クと収益のバランスを取るため、適度な市場リスクの選好度を採用している。当グループの市場リスク管理の目的
は、当グループの全体的なリスク選好度及び資金為替業務の戦略に従い、十分に確立したリスク管理制度と関連する
管理手段に基づき、当グループの事業における潜在的な市場リスクを効果的に管理することにより、資金為替業務の
健全な成長を確保することである。
リスク管理に関する当グループのコーポレート・ガバナンスの方針に従い、取締役会及び RMC 、上級経営者及び機
能部門／ユニットが当グループの市場リスクを管理するための義務と責任を果たしている。 RMD は当グループの市場
リスク管理の責任を負っており、上級経営者の日々の職責の遂行を助け、当グループ及び BOCHK の市場リスク・プロ
フィール並びにリスク管理方針及びリスク限度の遵守状況を独立して監視し、合計及び個別の市場リスクが容認可能
な範囲内にあることを確認している。
当グループの市場リスク管理は、 BOCHK 及び子会社を対象としている。当グループは、 BOCHK 及び子会社の市場リス
ク管理業務を管理するための市場リスク管理方針を確立している。一方で当グループは、グループにおける VaR 限度
及びストレス・テスト限度を設けており、事業上の必要性及びリスク許容度の水準に従い、当グループ全体に配分さ
れ監視されている。当グループの方針により設定された要求事項に従い、子会社は詳細な方針と手続を作成し、自社
の日々の市場リスクの管理の責務を負う。
当グループは、市場リスクを識別、測定、監視及び管理するために、市場リスク指標及び限度を設けている。主な
リスク指標及び限度には VaR 、ストップロス、オープン・ポジション、ストレス・テスト及び感応度分析 ( ベーシス・
ポイント・バリュー、ギリシャ指標 ) などが含まれるが、これらに限定されない。管理要件を満たすために、主なリ
スク指標及び限度は３つのレベルに分類され、それぞれ RMC 、上級経営者、又は各事業ユニットの責任者の承認を受
ける。 BOCHK 及び子会社 ( グループの制限に関して ) の資金為替業務ユニットは承認された市場リスク指標及び限度の
範囲内で事業を遂行することが求められている。
(A) VaR( バリュー・アット・リスク )
当グループは VaR を使用して定期的に一般市場リスクを測定し、 RMC と上級経営者に報告している。当グループ
は一貫した VaR 計算モデルを採用し、ヒストリカル・シミュレーション・アプローチと過去２年間の市場データ
を用いて、信頼水準が 99% 、保有期間が１日の当グループ及び子会社の VAR を算定し、当グループ及び子会社の
VaR 限度を設定している。
1
以下の表には当グループの全ての一般市場リスク・エクスポージャー に関する VaR が表示されている。
( 単位：百万香港ドル )
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有価証券報告書
12 月 31 日 期中 期中 期中
年度
現在 最小値 最大値 平均値
全ての市場リスクの VaR 2020 年
27.4 17.5 50.1 31.1
2019 年 26.6 17.6 52.3 31.0
外国為替リスクの VaR 2020 年 27.8 6.5 30.8 21.1
2019 年 9.3 7.2 21.1 12.7
トレーディング勘定における金利
2020 年 10.1 5.8 35.6 18.5
リスクの VaR
2019 年 25.3 9.8 41.6 21.3
トレーディング勘定における株式
2020 年 0.8 0.3 2.9 1.0
リスクの VaR
2019 年 0.7 0.2 2.5 0.8
コモディティ・リスクの VaR 2020 年 2.5 0.0 11.2 1.8
1.7 0.2 43.7 16.1
2019 年
注記：
1 為替のストラクチュラル・ポジションは除外されている。
市場リスクを評価する上で有益な指針となるが、 VaR によるリスクの評価は、常にその限界を踏まえて行わな
ければならない。例えば：
－ 予測される将来事象の代替指標として過去の市場データを使用する場合、全ての潜在的な事象、特にその
性質において極端なものが包含されているわけではない。
－ １日という保有期間を使用する場合、全てのポジションが１日で流動化され又はヘッジされることが前提
となる。このため、１日の保有期間では全てのポジションを完全に流動化又はヘッジさせるのに十分でな
い場合、深刻な非流動性の状況で生じる市場リスクが完全に反映されないことがある。
－ 99% の信頼水準の使用は、定義上、この信頼度レベルを超えて発生する可能性のある損失を考慮しない。
－ VaR は日々の業務終了時に残存しているエクスポージャーに基づいて計算されるため、日中のエクスポー
ジャーは必ずしも反映されていない。
当グループは、ストレス・テストの指標及び限度を設け、 VaR の対象外の市場リスクを評価し管理することで
これらの制限を認識する。市場リスクのストレス・テスト・プログラムには、多様な深刻度のリスク要素の変動
に応じた感応度テスト、及び 1987 年の株式市場の暴落、 1994 年の債券市場の暴落、 1997 年のアジア金融危機、
2001 年９月 11 日の事件及び 2008 年の金融危機などを含む過去の事象に基づくシナリオの分析が含まれる。
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バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド(E05924)
有価証券報告書
(B) 通貨リスク
当グループの資産及び負債は、主要通貨、特に香港ドル、米ドル及び人民元建てとなっている。当グループの
通貨リスクのエクスポージャーを確実に許容可能な水準に保つために、モニタリング・ツールとしてリスク限度
( ポジション及び VaR 限度など ) が使用される。さらに当グループは、同一通貨の資産及び負債の差額が最小限に
なるよう努めている。為替契約 ( 通貨スワップなど ) は通常、外貨建て資産及び負債に関連した通貨リスクを管理
するために利用される。
以下は、トレーディング、非トレーディング及び構造的ポジションから生じる当グループの主要外国通貨エク
スポージャーの要約であり、外国通貨ポジションに関する HKMA への報告書の作成要領を参照して作成されてい
る。オプションポジションの純額は、すべての外国為替オプション契約のデルタ加重ポジションに基づいて計算
される。
( 百万香港ドル相当額 )
2020 年
米ドル 英ポンド 日本円 ユーロ 人民元 豪ドル その他 合計
現物資産
1,017,375 30,074 160,779 45,926 427,394 36,620 62,008 1,780,176
現物負債 (877,494) (25,986) (8,006) (27,974) (412,245) (30,815) (60,400) (1,442,920)
先渡買い 617,715 23,737 18,050 39,254 365,271 15,063 54,352 1,133,442
先渡売り (734,480) (27,641) (170,914) (57,474) (382,383) (20,758) (56,136) (1,449,786)
オプションポジ
650 7 - (2) (406) (1) (1) 247
ション、純額
ロング /( ショー
ト )ポジショ
23,766 191 (91) (270) (2,369) 109 (177) 21,159
ン、純額
( 百万香港ドル相当額 )
2019 年
米ドル 英ポンド 日本円 ユーロ 人民元 豪ドル その他 合計
現物資産
932,480 29,513 123,344 40,611 311,496 37,785 70,914 1,546,143
現物負債
(841,543) (17,530) (13,099) (25,326) (301,348) (24,821) (67,572) (1,291,239)
先渡買い
987,326 21,177 35,349 49,566 529,913 20,718 50,290 1,694,339
先渡売り
(1,076,832) (33,139) (145,612) (64,801) (538,358) (33,632) (54,187) (1,946,561)
オプションポジ
144 56 4 (86) (293) (15) (24) (214)
ション、純額
ロング /( ショー
ト )ポジショ
1,575 77 (14) (36) 1,410 35 (579) 2,468
ン、純額
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( 百万香港ドル相当額 )
2020 年
タイ・ フィリピン
マレーシア・
米ドル その他 合計
ペソ
リンギット
バーツ
ネット・ストラクチュラ
30,042 2,697 3,024 1,881 4,677 42,321
ル・ポジション
( 百万香港ドル相当額 )
2019 年
タイ・ フィリピン
マレーシア・
米ドル その他 合計
ペソ
リンギット
バーツ
ネット・ストラクチュラ
29,052 2,625 2,903 1,737 4,523 40,840
ル・ポジション
(C) 金利リスク
金利リスクは、金利の変動並びに銀行の資産及び負債のポジションの期間構造の変化により発生する、銀行の
利益及び経済的価値に対するリスクを指す。当グループの金利リスク・エクスポージャーは主に構造的なもので
ある。構造的ポジションから生じる主な金利リスクのタイプは、以下の通りである。
－ ギャップリスク：正味受取利息及び経済価値に影響を及ぼす可能性のある、資産と負債の満期又はリプラ
イシング期間の不一致
－ ベーシス・リスク：同じリプライシング期間内において資産利回りと負債コストが異なる金額で変動する
結果となる、異なる取引ごとの異なる価格基準
－ オプション・リスク：資産及び負債のキャッシュ・フローの変動を引き起こす可能性のある、資産、負債
及びオフ・バランスシート項目に組み込まれているオプションの行使
当グループのリスク管理の枠組みは、金利リスク管理にも適用される。 ALM 委員会 ( 以下「 ALCO 」という。 )
は、 RMC によって承認された「 BOCHK グループ銀行勘定金利リスク管理方針」に準拠して金利リスクの監視を行
う。 RMD は当グループの金利リスクの管理責任を負う。財務管理部門及び投資管理部門の協力を得て、 RMD は ALCO
による日次の金利リスク管理の遂行をサポートする。その役割には、管理方針の策定、手法の選択、リスク指標
と限度の設定、貸借対照表残高目標の評価、方針及び限度の遵守状況のモニタリング、金利リスク管理報告書の
上級経営者及び RMC への提出などが含まれるが、これらに限定されない。
当グループは、金利リスクを日次で識別、測定、監視及び管理するために金利リスク指標と限度を設けてい
る。この指標及び限度には、金利調整・ギャップ限度、ベーシス・リスク、デュレーション、ベーシス・ポイン
ト・バリュー ( 以下「 PVBP 」という。 ) 、正味受取利息の感応度 ( 以下「 NII 」という。 ) 、経済的価値の感応度 ( 以
下「 EV 」という。 ) などが含まれるが、これらに限定されない。当該指標及び限度は、異なるレベルに分類さ
れ、それぞれ、 CFO 、 RO 、 ALCO 及び RMC の承認を受ける。リスクを負担する事業部門は、金利リスクの限度の範囲
内での業務の遂行が求められる。銀行勘定において新商品又は事業を開始する場合、関連部門は、潜在的な金利
リスクの評価及び現在のリスクモニタリング制度の適切性についての検討を含むリスク評価プロセスを実施しな
くてはならない。リスク評価プロセスにおいて金利リスクに関する重要な影響が確認されれば、 RMC の承認を受
けるために報告書を提出する。
NII 及び EV は、当グループの正味受取利息及び資本ベースに対する金利変動の影響を評価する。これらは当グ
ループの主要な金利リスクの指標である。前者は正味受取利息に係る金利の変動の影響額を、その年度に予想さ
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れる正味受取利息に対するパーセンテージで評価する。後者は経済的価値 ( 資産・負債及びオフ・バランスシー
ト項目のキャッシュ・フローを市場金利で割り引いた正味現在価値など ) に係る金利の変動の影響額を、直近の
Tier 1 資本に対するパーセンテージで評価する。これらの２指標に対する限度は、当グループの銀行勘定にお
ける金利リスクを監視し管理するために RMC により設定されている。
当グループは、不利な状況下で直面する可能性のある銀行勘定における金利リスクを評価するために、シナリ
オ分析とストレス・テストを用いている。またシナリオ分析及びストレス・テストは、貯蓄預金の選択性、モー
ゲージ・ローンの期限前返済、及び組込オプションを伴う債務証券の期限前償還により発生する正味受取利息と
経済的価値への影響額を評価するためにも使用されている。当グループが晒される金利リスクは、主に、香港ド
ル、米ドル及び人民元における金利変動に起因するものである。 2020 年 12 月 31 日現在では、香港ドル、米ドル、
及び人民元の市場金利がイールド・カーブ上で 100 ベーシス・ポイント平行移動し、他の変数が一定であった場
合、当グループの今後 12 ヶ月の正味受取利息及び準備金に対する感応度は以下の表のようになる。
( 単位：百万香港ドル )
12 月 31 日現在の今後 12 ヶ月の 12 月 31 日現在の
正味受取利息への影響 準備金への影響
2020 年 2019 年 2020 年 2019 年
イールド・カーブの
100 ベーシス・ポイント
上方への平行移動
2,623 2,356 (9,393) (7,589)
合計
内訳
香港ドル 4,164 3,594 (677) (309)
米ドル 178 (352) (5,263) (4,647)
(1,437) (615) (2,627) (2,017)
人民元
イールド・カーブの
100 ベーシス・ポイント
下方への平行移動
(2,623) (2,359) 9,393 7,589
合計
内訳
香港ドル (4,164) (3,594) 677 309
米ドル (178) 352 5,263 4,647
1,437 615 2,627 2,017
人民元
イールド・カーブの 100 ベーシス・ポイント上方への平行移動では、 2020 年における、上述の通貨に伴う正味
受取利息に対する全体的な影響はプラスとなっている。当グループの準備金は、イールド・カーブの 100 ベーシ
ス・ポイント上方への平行移動に伴い債務証券ポートフォリオ及びヘッジ会計に基づく関連する金利デリバティ
ブの評価額の減少が予想されたため、減少したはずであったが、資本市場における債務証券ポートフォリオの規
模及びデュレーションが拡大しているため、 2019 年と比較して正味受取利息に対するプラスの影響は拡大し、準
備金の減少額は増加している。
イールド・カーブの 100 ベーシス・ポイント下方への平行移動では、 2020 年における、上述の通貨に伴う正味
受取利息に対する全体的な影響はマイナスとなっている。当グループの準備金は、イールド・カーブの 100 ベー
シス・ポイント下方への平行移動に伴い債務証券ポートフォリオ及びヘッジ会計に基づく関連する金利デリバ
ティブの評価額の増加が予想されたため、増加したはずであったが、資本市場における債務証券ポートフォリオ
の規模及びデュレーションが拡大しているため、 2019 年と比較して正味受取利息に対するマイナスの影響は拡大
し、準備金は増加している。
上記の感応度は例示のためのものであり、関連通貨の金利間の相関関係の変動、金利の平行移動、金利リスク
の影響を緩和するための措置が取られないという仮定や、ヘッジ会計の有効性、全てのポジションは満期まで保
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有されるという仮定、実際の価格の再設定日が契約上の価格の再設定日と異なる商品、又は契約上の満期が存在
しない商品への行動に関する仮定を含む ( しかし、これらに限定されない ) いくつかの仮定に基づいている。上記
の エクスポージャーは、当グループの金利リスクのエクスポージャー全体の一部を成すものに過ぎない。
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以下の表は、 12 月 31 日現在の金利リスクに対する当グループのオン・バランスシートのエクスポージャーにつ
いて要約している。この表に含まれているものは、当グループの資産及び負債の帳簿価額であり、契約金利更改
日及び満期日のいずれか早い日に基づき分類されている。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 無利息 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
資産
現金並びに銀行及び
その他金融機関への
預け金 338,539 25,591 12,516 1,101 - 85,964 463,711
純損益を通じて
公正価値で測定する
金融資産 4,404 17,991 4,962 7,362 12,695 12,800 60,214
デリバティブ - - - - - 52,856 52,856
香港特別行政区
政府債務証書 - - - - - 189,550 189,550
貸付金及びその他 1,247,621 163,297 36,230 40,454 6,438 6,376 1,500,416
投資有価証券
－ FVOCI ベース 130,866 213,464 100,434 192,840 116,568 5,882 760,054
－償却原価ベース 5,253 3,836 14,834 37,825 58,683 - 120,431
関連会社及び
ジョイント・ベン
チャーに対する持分 - - - - - 1,485 1,485
投資不動産 - - - - - 18,441 18,441
有形固定資産 - - - - - 46,855 46,855
その他の資産 ( 当期税
金及び繰延税金資産
20,813 - - - - 86,155 106,968
を含む )
資産合計 1,747,496 424,179 168,976 279,582 194,384 506,364 3,320,981
負債
香港特別行政区
流通通貨 - - - - - 189,550 189,550
預金並びに銀行及び
その他金融機関から
の預り金 226,861 565 1,322 1,243 - 96,504 326,495
純損益を通じて
公正価値で測定する
金融負債 11,551 4,346 3,690 387 362 - 20,336
デリバティブ - - - - - 60,313 60,313
顧客預金 1,575,155 246,117 110,992 1,715 - 249,730 2,183,709
発行済債務証券及び
譲渡性預金証書 233 - 193 - - - 426
その他の負債及び引当
金 ( 当期税金及び繰
延税金負債を含む ) 11,065 4 94 1,165 447 68,218 80,993
保険契約負債 - - - - - 139,504 139,504
- - - - - - -
劣後債務
負債合計 1,824,865 251,032 116,291 4,510 809 803,819 3,001,326
(77,369) 173,147 52,685 275,072 193,575 (297,455) 319,655
金利感応度ギャップ
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( 単位：百万香港ドル )
2019 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 無利息 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
資産
現金並びに銀行及び
その他金融機関への
預け金 247,996 25,193 6,201 - - 87,439 366,829
純損益を通じて
公正価値で測定する
金融資産 10,465 17,977 10,254 13,410 21,295 11,792 85,193
デリバティブ - - - - - 31,027 31,027
香港特別行政区
政府債務証書 - - - - - 163,840 163,840
貸付金及びその他 1,142,802 178,023 35,698 43,576 5,126 7,736 1,412,961
投資有価証券
－ FVOCI ベース 123,330 165,789 110,936 171,211 113,436 5,968 690,670
－償却原価ベース 1,970 5,050 10,999 52,157 40,807 - 110,983
関連会社及び
ジョイント・ベン
チャーに対する持分 - - - - - 1,632 1,632
投資不動産 - - - - - 20,110 20,110
有形固定資産 - - - - - 51,602 51,602
その他の資産 ( 当期税
金及び繰延税金資産
14,170 - - - - 77,039 91,209
を含む )
資産合計 1,540,733 392,032 174,088 280,354 180,664 458,185 3,026,056
負債
香港特別行政区
流通通貨 - - - - - 163,840 163,840
預金並びに銀行及び
その他金融機関から
の預り金 236,979 1,271 897 1,628 - 27,114 267,889
純損益を通じて
公正価値で測定する
金融負債 2,843 6,046 9,202 724 391 - 19,206
デリバティブ - - - - - 32,921 32,921
顧客預金 1,409,054 295,979 139,866 4,577 - 159,797 2,009,273
発行済債務証券及び
譲渡性預金証書 - 116 - - - - 116
その他の負債及び引当
金 ( 当期税金及び繰
延税金負債を含む ) 9,331 7 114 1,008 721 83,915 95,096
保険契約負債 - - - - - 117,269 117,269
- 12,954 - - - - 12,954
劣後債務
負債合計 1,658,207 316,373 150,079 7,937 1,112 584,856 2,718,564
(117,474) 75,659 24,009 272,417 179,552 (126,671) 307,492
金利感応度ギャップ
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4.3 流動性リスク
流動性リスクとは、支払期日が到来した際、銀行が債務を返済するために十分で適時な資金を妥当な費用で獲得す
ることができないリスクである。当グループは、正常な環境及びストレス・シナリオ下において、流動性需要を満た
すための安定し信頼できる適切な財源を提供するために、健全な流動性リスク選好度を維持している。
リスク管理に関する当グループのコーポレート・ガバナンスの方針に従い、取締役会及び RMC 、上級経営者及び機
能部門／ユニットが当グループの流動性リスクを管理するための義務と責任を果たす。 RMC は、流動性リスク管理の
意思決定機関であり、流動性リスク管理の最終的な責任を負う。 ALCO は、 RMC の承認を得て、流動性リスクの監視を
行い、当グループの日々の業務が RMC により設定されたリスク選好度及び方針に基づき行われていることを確認す
る。 RMD は当グループの流動性リスク管理の責任を負っている。その固有の責任に応じ、財務管理部門及び投資管理
部門などと協力して、 ALCO の流動性管理をサポートする。
当グループの流動性リスク管理の目的は、健全な経営と持続可能な収益性を達成するための流動性リスク選好度に
基づき、オン・バランスシート及びオフ・バランスシートの項目の流動性を、合理的なコストで効率的に管理するこ
とである。当グループの主要な資金調達源は、顧客の預金である。安定した十分な資金調達原資を確保するため、当
グループは積極的に新規預金の勧誘を行い、コア預金を保持するとともに、銀行間金融市場から調達及び資本市場に
おいて債券を発行することで補完的な資金調達を行う。異なる満期やストレス・シナリオから導かれる資金需要の見
積りにより、当グループは、通常業務における需要を支える適切な資金を提供する十分な流動性資産を維持するとと
もに、緊急時において外部からの要求に対応するための資金を合理的な費用で調達できるよう、資産構造 ( ローン、
債券投資、銀行間の預け金など ) を調整している。当グループは、資産と負債の過度の集中を避け、問題が発生した
場合に、特定の分野での資金調達先及び資金使途の過度の集中を原因とする資金調達網の破綻による流動性リスクの
発生を防ぐため、資金の調達先、返済期間及び使途の多様化に注力している。このようなリスクを管理するために、
当グループは資産プールの集中度の限度額及び高品質の流動性資産総額に対する Tier 1 の高品質の流動性資産比率、
上位 10 の預金者比率及び高額預金者比率などの資金調達先を設定している。必要に応じ、当グループは、銀行間借入
又はマネーマーケットでのレポ取引を介した資金調達、流通市場での債券の売却、もしくは既存の顧客預金の維持、
新規の顧客預金の獲得に限らず、緩和行動をとることにより流動性ポジションを改善する。資金を増加させることと
は別に、当グループは、相互の信頼を高めるために、カウンターパーティー、親会社である銀行及び規制当局との良
好なコミュニケーションを維持するであろう。
当グループは、当グループ内の会社間の流動性資金調達を管理し、グループ会社間での資金調達への依存を制限す
るため、グループ内流動性リスク管理ガイドラインを設定した。また当グループは、ローン・コミットメント、デリ
バティブ、オプション及びその他の複雑な仕組商品などのオフ・バランスシート上の活動により発生する流動性リス
クの管理にも注意を払っている。当グループは外国通貨資産及び負債、担保、日中の流動性、グループ間の流動性、
その他のリスクに伴い発生する流動性リスクを管理するために、グループ全体での流動リスク管理戦略を採ってお
り、それに合わせた不測事態対応策を作成している。
当グループは日次で流動性リスクを識別、測定、監視及び管理するために、流動性リスク管理の指標と限度を設け
ている。こうした指標及び限度には、流動性カバレッジ比率 ( 以下「 LCR 」という。 ) 、安定調達比率 ( 以下「 NSFR 」と
いう。 ) 、預貸率、最大累積キャッシュ・アウトフロー ( 以下「 MCO 」という。 ) 、及び流動性クッションが含まれる
が、これらに限定されない。当グループは、通常業務における当グループの流動性の状況を評価するためにキャッ
シュ・フロー分析を用いている他、様々な厳しい流動性危機に耐える当グループの能力を評価するために、月に一度
以上、流動性ストレス・テスト ( 機関固有の危機、市場全般の危機及び複合した危機を含む ) 及び他の方法を実施して
いる。また、流動性リスク管理の業務を円滑にするため、データの提供と定期的な管理報告を行うための ALM システ
ム及びバーゼル流動性比率管理システムをはじめとする関連経営管理情報システムを開発している。
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HKMA により公表された監督方針マニュアル LM-2 「流動性リスク管理のための健全なシステム及び統制」の要件に従
い、当グループは、通常及びストレス下の両方の状況においての当グループのキャッシュ・フロー分析を強化するた
め、キャッシュ・フロー分析及びストレス・テストの行動モデル及び仮定を導入している。通常の状況下でのキャッ
シュ・ フロー分析では、オン・バランスシート項目 ( 顧客の預金等 ) 及びオフ・バランスシート項目 ( ローン・コミッ
トメント等 ) に関連する仮定が立てられた。当グループは将来キャッシュ・フローを、資産、負債及びオフ・バラン
スシート項目の様々な性質に従い、契約上の満期日並びに顧客行動及び貸借対照表残高の変動に関する仮定に基づい
て予想する。当グループは、通常の状況下で上記の仮定に基づき今後 30 日間の最大累積正味キャッシュ・アウトフ
ローを予測する MCO 指標を設定し、継続事業の目標を達成するために、当グループがキャッシュ・フロー・ギャップ
を十分に満たすことができる資金調達能力を有するかを評価した。 2020 年 12 月 31 日現在、手持ちの有価証券の売却に
よるキャッシュ・インフローを考慮に入れる前で、 BOCHK の 30 日累積キャッシュ・フローは 186,303 百万香港ドル
(2019 年： 116,071 百万香港ドル ) に達する正味キャッシュ・インフローであり、内部限度要件を満たしていた。
流動性ストレス・テストでは、非常に厳しい流動性危機に耐える当グループの能力を評価するため、機関固有の危
機と市場全般の危機及びそれらを組み合わせた複合シナリオが設定され、より厳しい一連の仮定が適用されている。
ストレス・テストの仮定には、リテール、ホールセール及び銀行間預金の流出率、ローン・コミットメントの使用率
及び貿易関連偶発債務、顧客向けローンの不履行率及びロールオーバー率、銀行間預け金及び市場性のある有価証券
のヘアカットが含まれる。 2020 年 12 月 31 日現在、当グループは３つのストレス・シナリオ下で正味キャッシュ・イン
フローを維持することができ、当グループはストレスのかかった状況下でも資金調達需要を満たす能力を有している
ことを示している。さらに、当グループは、ストレス・シナリオ下においても確実に資金調達需要を満たすため、リ
スク・ウェイトが０ % ないし 20% の国、中央銀行、公営企業、又は国際開発金融機関が発行又は保証する優良、あるい
は同等の市場性のある有価証券、もしくは金融機関以外の企業が発行する市場性のある有価証券で、対応する外部信
用格付が A- 以上のもの等による流動性クッションを維持するための方針を整備している。 2020 年 12 月 31 日現在、
BOCHK の流動性クッション ( ヘアカット前 ) は 645,716 百万香港ドル (2019 年： 531,388 百万香港ドル ) であった。不測事
態対応策が設定され、当該対応策には、ストレス・テストの結果や、早期警告指標に基づく計画発動の条件と、行動
計画及び関連手続及び関連部署の責務についての詳細が記載されている。
HKMA によってカテゴリー１公認金融機関に分類されている当グループは、 LCR 及び NSFR を、銀行業（流動性）規則
に準拠して連結ベースで計算するよう義務付けられている。 2020 年度において、当グループは LCR 及び NSFR を 100% 以
上に維持しなければならない。
特定のデリバティブ契約において、契約相手が当グループの信用度に懸念を持った場合、当グループに追加担保を
要求する権利を有する。
また、当グループの流動性リスク管理は新商品又は事業の開発にも適用される。関連部門は、新商品又は事業の開
始前に、潜在的な流動性リスクの査定と現行のリスク管理制度の妥当性の考慮を含むリスク査定プロセスを実施しな
くてはならない。リスク査定プロセスにおいて流動性リスクに対する重要な影響が確認されれば、 RMC の承認を受け
るために報告書を提出する。
当グループは当グループ全社に対して、流動性リスク管理のための基準と指針の役割を果たす統一の流動性リスク
管理方針を制定している。当グループの統一方針を基に、子会社各社は独自の特性に合わせて独自の流動性管理方針
を作成し、それぞれに流動性リスク管理の責任を負う。子会社は、 BOCHK の RMD へそれぞれの関連する流動性比率とと
もに流動性ポジションを定期的に報告することが求められ、関連要件を確実に満たすために、同部門はかかる情報を
統合し、グループ全体の流動性リスクを評価する。
(A) 流動性カバレッジ比率及び安定調達比率
2020 年 2019 年
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流動性カバレッジ比率の平均値
- 第１四半期
150.45% 183.00%
- 第２四半期
131.38% 156.57%
- 第３四半期
130.98% 142.85%
- 第４四半期 132.76% 146.53%
流動性カバレッジ比率の平均値は、該当四半期における各営業日の営業終了時の流動性カバレッジ比率の算術
平均、並びに流動性ポジションに関する HKMA への報告書に定められた算定方法及び指示に基づき計算される。
2020 年 2019 年
四半期末の安定調達比率
- 第１四半期
116.60% 121.36%
- 第２四半期
117.49% 119.15%
- 第３四半期
115.30% 116.47%
125.31% 118.00%
- 第４四半期
四半期末の安定調達比率は、流動性ポジションに関する HKMA への報告書に定められた算定方法及び指示に基づ
き計算されている。
流動性カバレッジ比率及び安定調達比率は、銀行業 ( 流動性 ) 規則に準拠した HKMA により定められている BOCHK
及び特定の子会社のポジションにより構成される連結ベースで算出されている。
流動性カバレッジ比率及び安定調達比率の開示に関する追加情報は、 BOCHK のウェブサイト www.bochk.com の
「規制上の開示」セクションにて閲覧可能である。
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(B) 満期分析
以下の表は、貸借対照日現在の契約満期日までの残存期間に基づき、 12 月 31 日現在の当グループの資産及び負
債を期間別に分析している。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
１ヶ月超 ３ヶ月超
１ヶ月 １年超
期限の
要求払い ３ヶ月 12 ヶ月 ５年超 合計
定めなし
以内 ５年以内
以内 以内
資産
現金並びに銀行及びその
他金融機関への預け金 368,078 56,425 25,217 12,134 1,857 - - 463,711
純損益を通じて公正価値
で測定する金融資産 - 4,490 17,863 4,459 7,241 12,114 14,047 60,214
デリバティブ 15,506 3,614 6,190 8,887 12,101 6,558 - 52,856
香港特別行政区
政府債務証書 189,550 - - - - - - 189,550
貸付金及びその他 225,736 40,664 82,601 183,549 622,363 344,001 1,502 1,500,416
投資有価証券
－ FVOCI ベース - 125,613 199,644 108,713 201,587 116,176 8,321 760,054
－償却原価ベース - 5,575 4,119 14,620 36,100 58,219 1,798 120,431
関連会社及び
ジョイント・ベン
チャーに対する持分 - - - - - - 1,485 1,485
投資不動産 - - - - - - 18,441 18,441
有形固定資産 - - - - - - 46,855 46,855
その他の資産 ( 当期税金
及び繰延税金資産を含
50,984 15,340 3,263 5,498 17,717 12,275 1,891 106,968
む )
資産合計 849,854 251,721 338,897 337,860 898,966 549,343 94,340 3,320,981
負債
香港特別行政区流通通貨 189,550 - - - - - - 189,550
預金並びに銀行及びその
他金融機関からの預り
金 269,742 53,625 564 1,322 1,242 - - 326,495
純損益を通じて公正価値
で測定する金融負債 - 11,552 4,348 3,690 386 360 - 20,336
デリバティブ 11,253 5,064 7,058 9,461 16,758 10,719 - 60,313
顧客預金 1,459,907 364,978 246,117 110,992 1,715 - - 2,183,709
発行済債務証券及び
譲渡性預金証書 - 233 - 193 - - - 426
その他の負債及び引当金
( 当期税金及び繰延税
金負債を含む ) 49,267 16,950 1,960 2,988 7,146 2,682 - 80,993
保険契約負債 57,335 1,296 1,194 5,832 22,214 51,633 - 139,504
- - - - - - - -
劣後債務
負債合計 2,037,054 453,698 261,241 134,478 49,461 65,394 - 3,001,326
(1,187,200) (201,977) 77,656 203,382 849,505 483,949 94,340 319,655
正味流動性ギャップ
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( 単位：百万香港ドル )
2019 年
１ヶ月超 ３ヶ月超
１ヶ月 １年超
期限の
要求払い ３ヶ月 12 ヶ月 ５年超 合計
定めなし
以内 ５年以内
以内 以内
資産
現金並びに銀行及びその
他金融機関への預け金 244,794 90,641 24,799 5,810 785 - - 366,829
純損益を通じて公正価値
で測定する金融資産 - 10,389 17,233 9,537 12,515 21,278 14,241 85,193
デリバティブ 11,662 2,593 3,574 4,996 5,212 2,990 - 31,027
香港特別行政区
政府債務証書 163,840 - - - - - - 163,840
貸付金及びその他 211,627 46,455 57,860 167,062 619,292 309,478 1,187 1,412,961
投資有価証券
－ FVOCI ベース - 113,646 141,953 119,015 195,027 114,737 6,292 690,670
－償却原価ベース - 2,151 5,124 10,634 51,789 40,780 505 110,983
関連会社及び
ジョイント・ベン
チャーに対する持分 - - - - - - 1,632 1,632
投資不動産 - - - - - - 20,110 20,110
有形固定資産 - - - - - - 51,602 51,602
その他の資産 ( 当期税金
及び繰延税金資産を含
42,449 16,213 456 4,224 16,061 11,796 10 91,209
む )
資産合計 674,372 282,088 250,999 321,278 900,681 501,059 95,579 3,026,056
負債
香港特別行政区流通通貨 163,840 - - - - - - 163,840
預金並びに銀行及びその
他金融機関からの預り
金 168,004 96,089 1,271 897 1,628 - - 267,889
純損益を通じて公正価値
で測定する金融負債 - 2,843 6,049 9,202 724 388 - 19,206
デリバティブ 9,576 2,509 3,089 5,161 7,627 4,959 - 32,921
顧客預金 1,107,436 461,415 295,979 139,866 4,577 - - 2,009,273
発行済債務証券及び
譲渡性預金証書 - - 116 - - - - 116
その他の負債及び引当金
( 当期税金及び繰延税
金負債を含む ) 45,568 35,537 2,137 3,603 8,079 172 - 95,096
保険契約負債 40,113 455 372 4,814 21,368 50,147 - 117,269
- - 12,954 - - - - 12,954
劣後債務
負債合計 1,534,537 598,848 321,967 163,543 44,003 55,666 - 2,718,564
(860,165) (316,760) (70,968) 157,735 856,678 445,393 95,579 307,492
正味流動性ギャップ
満期日までの残存期間別債務証券の分析は、契約上の満期日を基に実施している。この開示は、当該有価証券
が満期まで保有されることを意味するものではない。
上記の保険契約負債に関する分析は、 12 月 31 日現在の貸借対照表上で認識される保険契約負債から生じる正味
キャッシュ・アウトフローの推定時期を表している。
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(C) 割引前キャッシュ・フローの契約満期日による分析
(a) 非デリバティブ・キャッシュ・フロー
以下の表は、当グループの 12 月 31 日現在における非デリバティブ金融負債についての満期日までの残存期
間によるキャッシュ・フローを要約している。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
金融負債
香港特別行政区流通通貨 189,550 - - - - 189,550
預金並びに銀行及びその
他金融機関からの預り
金 323,387 568 1,342 1,251 - 326,548
純損益を通じて公正価値
で測定する金融負債 11,552 4,349 3,698 409 342 20,350
顧客預金 1,824,955 246,406 111,817 1,754 - 2,184,932
発行済債務証券及び譲渡
性預金証書 233 - 194 - - 427
劣後債務 - - - - - -
リース負債 62 115 480 1,023 134 1,814
50,820 282 144 7 6 51,259
その他の金融負債
2,400,559 251,720 117,675 4,444 482 2,774,880
金融負債合計
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
金融負債
香港特別行政区流通通貨 163,840 - - - - 163,840
預金並びに銀行及びその
他金融機関からの預り
金 264,111 1,275 903 1,688 - 267,977
純損益を通じて公正価値
で測定する金融負債 2,845 6,066 9,291 777 406 19,385
顧客預金 1,569,226 297,100 141,446 4,696 - 2,012,468
発行済債務証券及び譲渡
性預金証書 - 117 - - - 117
劣後債務 - 12,991 - - - 12,991
リース負債 61 116 465 1,162 181 1,985
62,267 234 243 4 6 62,754
その他の金融負債
2,062,350 317,899 152,348 8,327 593 2,541,517
金融負債合計
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(b) デリバティブ・キャッシュ・フロー
以下の表は、 12 月 31 日現在における、当グループの純額決済されるデリバティブ並びに総額決済される全
てのデリバティブのキャッシュ・フローを、資産のポジションであるか負債のポジションであるかを区別せ
ずに契約上満期日までの残存期間別に要約したものである。表中に開示する金額は、公正価値で開示される
特定のデリバティブを除き、契約上の割引前キャッシュ・フローの金額である。
当グループの純額決済されるデリバティブは主に金利スワップであり、総額決済されるデリバティブは為
替予約及び通貨スワップである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
純額決済されるデ
(12,478) (1,828) (6,454) (15,829) (2,184) (38,773)
リバティブ負債
総額決済されるデ
リバティブ
流入額合計 431,862 356,732 369,126 128,138 5,646 1,291,504
(433,394) (357,868) (369,544) (127,575) (5,573) (1,293,954)
流出額合計
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
純額決済されるデ
(10,065) (766) (2,531) (7,443) (1,614) (22,419)
リバティブ負債
総額決済されるデ
リバティブ
流入額合計 597,812 437,128 683,988 110,867 1,163 1,830,958
(597,256) (433,179) (683,873) (110,726) (1,167) (1,826,201)
流出額合計
(c) オフ・バランスシート項目
ローン・コミットメント
当グループが顧客への信用供与及びその他の信用枠をコミットしている 2020 年 12 月 31 日現在の当グループ
のオフ・バランスシート金融商品の契約上の金額は、 705,866 百万香港ドル (2019 年： 621,402 百万香港ドル )
であった。当該ローン・コミットメントは、１年以内に実行される可能性がある。
金融保証契約
2020 年 12 月 31 日現在、当グループの 60,532 百万香港ドル (2019 年： 62,400 百万香港ドル ) の金融保証及びそ
の他の信用枠の期日は１年以内に到来する。
4.4 保険リスク
当グループは死亡、罹病、障害、重症疾患、事故及びそれらに関連するリスクを引き受ける保険業務を行ってい
る。当グループは、引受戦略、再保険契約及び通常の実績値のモニタリングにより、リスクを管理している。
引受戦略は、保険料の価格を、引き受けたリスクの原エクスポージャーに見合った適切なレベルで設定することを
意図しており、当グループの引受手続には引受戦略との整合を確保するために、健康状態及び家族の病歴の見直しな
どの選別プロセスが含まれている。
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保険のプロセスにおいて、特定の事象又は一連の事象が、当グループの保険金債務に大きな影響を与えかねない場
合にはリスクの集中が起こり得る。かかる集中は、単一の保険契約又は少数の関連する保険契約を通じて生じる可能
性 があり、重大な保険金債務が生じかねない状況に関連する。
現在有効な保険契約について、ほとんどの原保険負債は養老保険、ユニバーサル生命保険、年金保険、終身生命保
険及びユニットリンク型生命保険などの商品に関するものである。当グループが発行するほとんどの保険契約につい
て、当グループは生命保険契約の全てについて保有限度を有している。当グループは、超過損害再保険契約に基づい
て、限度を超えた分の保険給付金について再保険をかけている。保険負債の一部について、当グループは、保険リス
クの大半に再保険をかける再保険契約を締結している。
長期保険契約に関する将来的な給付金支払及び保険料収入の見積りにおける不確実性は、死亡率、罹病率、及び継
続率の全体レベルの長期的変化の予測が不可能であることから生じる。この点について、当グループは最新の動向を
識別するため、関連する経験上の調査を定期的に行ってきた。調査の結果は、条件設定及び引受管理において考慮さ
れている。また、こうした調査の結果は、マージンの適正な水準を含む保険負債を仮定する際に考慮されている。
(A) 仮定に関する決定を行う際に用いるプロセス
長期事業資金負債を決定するにあたり、当グループは、保険規定（長期負債の決定）に従い、関連要因の不利
な変動に対応するための適正なマージンを含んだ仮定を慎重に行っている。これは、評価日以降の未払保険料を
勘案し、既存の各保険契約の保険期間及び状況により決定された全ての将来的な負債を考慮に入れたものであ
る。負債の決定は、死亡率及び罹病率について評価日現在で行われた最新の仮定に基づいており、様々な適切な
割引率を考慮し、保険契約者の合理的な期待に相応の注意を払っている。不利な変動に対応するための十分な
マージンがこの仮定に含まれている。
この注記で開示している、保険負債に関して用いられた仮定は以下の通りである。
死亡率及び罹病率
保険契約の全てのカテゴリーに関する負債額は、適宜、合理的に見積もった死亡率及び罹病率、並びに不利な
変動に対する合理的なマージンに基づいて決定される。将来の負債の決定に用いられる仮定は、当グループ独自
の経験及び関連する再保険契約を適宜反映して調整された、人口統計又は再保険の情報に基づいて決定される。
評価で用いられる金利
同質の生命保険契約はセグメント別にグループ化され、特定の資産と見合うものになっている。各セグメント
の負債のデュレーションは、評価目的で計算されている。
裁量権のある有配当性を有する投資契約における運用保証
裁量権のある有配当性（以下「 DPF 」という。）を有する投資契約に係る運用保証の負債額は、 VaR99% の信頼
水準を反映するために、過去の経済データに基づく確率的分析により決定されている。
新契約費
将来の負債を決定するための新契約費の仮定は、当グループの独自の経験に基づいている。当グループの最新
の費用動向に基づき、当グループは新規契約における契約費の仮定を変更した。
(B) 仮定の変更
当グループは、当グループの実績を反映させるために、失効率の仮定を変更するとともに、保険契約負債を裏
付ける市場金利及び投資ポートフォリオの利回りの変化を反映させて、評価目的で用いる金利の仮定を変更して
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いる。 2020 年に当該年度末の評価目的で用いられた評価金利の仮定は、０ % から 3.04% の範囲であった（ 2019 年は
０ % から 3.29% ）。
(C) 感応度分析
以下の表は、保険負債の見積りに用いた重要な仮定の変動に対する、長期事業資金負債の感応度を表したもの
である。
感応度分析 － 生命保険及び年金保険契約
( 単位：百万香港ドル )
保険負債の変化に対する
税引後利益の減少
シナリオ 変数の変動
2020 年 2019 年
死亡率及び罹病率の悪化 10% (221) (164)
(1,099) (1,393)
50 ベーシス・ポイント
金利の低下
上記の分析は、他の仮定が一定であることを前提に、ある仮定の変動に基づいて行ったものである。実際に
は、これが発生する可能性は低いが、仮定のいくつかにおける変動は相関している可能性がある。例えば、金利
の変動と市場価値の変動、失効率の変動と将来の死亡率及び罹病率の変動などである。
感応度分析 － リンク型長期保険契約、退職制度管理カテゴリー III の保険契約、並びに退職制度管理カテゴ
リー I の DPF を有する投資契約
退職制度管理カテゴリー III の保険契約の準備金、退職制度管理カテゴリー I の DPF を有する投資契約、及びリ
ンク型長期保険契約のユニット化されていない準備金はポートフォリオ全体からみると重要ではないため、感応
度分析は行われていない。これらの３つの構成要素が保険負債全体に占める割合は、貸借対照表日現在、保険負
債合計額の 0.1% 未満であった。ユニットリンク・ファンド負債（ユニット化準備金）については、負債はユニッ
トリンク・ファンドの資産価値により裏付けられている。
リンク型長期保険契約の中には、当グループが原投資の価値減少リスクにさらされる、最低死亡給付金を有す
る契約がある。これは、死亡率リスクに対する当グループのネット・エクスポージャーを増加させる可能性があ
る。
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4.5 資本管理
当グループの資本管理の主要な目的は、当グループの全体的リスク・プロフィールに関連する自己資本比率を維持
しつつ、株主全員の利益を最大にすることである。 ALCO は定期的に当グループの資本構成を見直し、リスク、収益及
び自己資本比率の最適なバランスを維持するために適切な場合、資本構成の調整を行う。
当グループは、当グループの事業の展開を支援し、法定の自己資本比率を維持するため、自己資本比率に対する健
全な方針と統制の枠組みを発展及び維持してきた。 ALCO は当グループの自己資本比率を監視する。当グループは、報
告期間において、以下に詳述の通り、銀行業務に関する HKMA の全ての法定資本要件を遵守している。
当グループは、大半の非証券化取引エクスポージャーに係る信用リスクの資本賦課を、基礎的内部格付 ( 以下
「 FIRB 」という。 ) 手法で算定している。残りの少額な信用エクスポージャーについては、引き続き標準的 ( 信用リス
ク )( 以下「 STC 」という。 ) 手法で算定している。当グループは、カウンターパーティーの信用評価調整 ( 以下「 CVA 」
という。 ) リスクに関する資本賦課を計算するために、 CVA の標準的手法を採用した。
当グループは引き続き、為替リスク及び金利リスクへのエクスポージャーに対する一般市場リスクの資本賦課の算
定に内部モデル ( 以下「 IMM 」という。 ) 手法を採用し、また、 HKMA の承認を得て、市場リスクの資本賦課の計算にお
いて構造的な FX ポジションを除外した。当グループの残りのエクスポージャーについては、標準的 ( 市場リスク )( 以
下「 STM 」という。 ) 手法を引き続き採用して、市場リスクの資本賦課を算定している。
当グループは、引き続きオペレーショナルリスクの資本賦課の算定方法として標準的 ( オペレーショナルリスク )
( 以下「 STO 」という。 ) 手法を採用している。
当グループは、 2020 年においては、 HKMA による監督方針マニュアル「監督検査プロセス」の要件に従って、引き続
き、自己資本充実度評価プロセス ( 以下「 ICAAP 」という。 ) を採用した。第２の柱に係る HKMA のガイドラインに基づ
き、 ICAAP は、第１の柱では対象となっていない、あるいは十分に捕捉されていない重要なリスクをカバーするため
に必要となる追加資本の評価を導入している。そのため、最低普通株式 Tier １自己資本比率、最低 Tier １自己資本比
率及び最低合計自己資本比率が算定されている。同時に、前述の自己資本比率に関しては、将来の事業成長や資本の
効率的な利用のために柔軟性をもたらす、運用上の幅も設けられている。当グループはこの ICAAP を資本管理のため
の継続的なプロセスと見なし、全体的なリスク・プロファイルに関連して定期的に自身の資本構造を見直し、適宜調
整している。
さらに、年に一度当グループの資本計画が作成され、 ALCO による是認後に取締役会に承認を受けるために提出され
る。この計画は、事業戦略、株主資本利益率、リスク選好度、信用格付、及び規制要件などの自己資本比率に係る各
種要素の影響を評価して作成される。このため、将来の所要資本が算定され、その資金源が特定される。この計画
は、当グループが事業の発展に必要な、十分な自己資本及び適切な資本構成を維持することと整合し、それによるリ
スク、リターン及び自己資本充実度の最適バランスの達成を確実にすることを目的としている。
(A) 規制上の連結の基礎
規制上の連結は、銀行業 ( 資本 ) 規則に従って、 BOCHK 及び HKMA によって特定された一部の子会社のポジション
からなる。会計上は、子会社は HKFRS に準拠して連結され、子会社の一覧は「付表－当社の子会社」に記載され
ている。
当社、その子会社である BOC グループ・ライフ・アシュアランス・カンパニー・リミテッド、 BOCHK アセット・
マネジメント ( ケイマン ) リミテッド、及び BOC インシュアランス ( インターナショナル ) ホールディングス・カン
パニー・リミテッド ( その子会社を含む ) 、並びに BOCHK の一部の子会社は会計上の連結の範囲には含まれている
が、規制上の連結の範囲には含まれていない。
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BOCHK の上記の子会社の詳細は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
会社名 資産合計 資本合計 資産合計 資本合計
BOC グループ・トラスティー・カンパニー・リミテッド
200 200 200 200
BOCI- プルデンシャル・トラスティー・リミテッド 553 498 612 483
チャイナ・ブリッジ ( マレーシア ) スンディリアン・
ベルハッド 13 9 56 36
バンク・オブ・チャイナ ( 香港 ) ノミニーズ・リミテッド - - - -
バンク・オブ・チャイナ ( 香港 ) トラスティーズ・リミテッ
11 11 12 11
ド
BOC ファイナンシャル・サービス ( 南寧 ) カンパニー・
リミテッド 248 43 173 42
BOCHK インフォメーション・テクノロジー ( 深圳 )
カンパニー・リミテッド 387 265 401 255
BOCHK インフォメーション・テクノロジー･サービシズ ( 深
圳 ) カンパニー・リミテッド 421 360 418 348
浙興 ( ノミニーズ ) リミテッド - - 1 1
寶生フィナンシャル・インベストメント・サービス・
カンパニー・リミテッド 364 345 364 345
寶生セキュリティーズ・アンド・フューチャーズ・
リミテッド 952 375 664 373
*
N/A N/A 6 6
新僑エンタープライジズ・コーポレーション・リミテッド
新華トラスティー・リミテッド 5 5 5 5
ビリオン・エクスプレス・デベロップメント・インク - - - -
ビリオン・オリエント・ホールディングス・リミテッド - - - -
エリート・ボンド・インベストメンツ・リミテッド - - - -
エクスプレス・キャピタル・エンタープライズ・インク - - - -
エクスプレス・チャーム・ホールディングス・
コーポレーション - - - -
エクスプレス・シャイン・アセッツ・ホールディングス・
コーポレーション - - - -
エクスプレス・タレント・インベストメント・リミテッド - - - -
ゴールド・メダル・キャピタル・インク - - - -
ゴールド・タップ・エンタープライズ・インク - - - -
マクシ・サクセス・ホールディングス・リミテッド - - - -
スマート・リンケージ・ホールディングス・インク - - - -
スマート・ユニオン・キャピタル・インベストメンツ・
リミテッド - - - -
サクセス・トレンド・デベロップメント・リミテッド - - - -
- - - -
ワイズ・キー・エンタープライズ・コーポレーション
* 新僑エンタープライジズ・コーポレーション・リミテッドは 2020 年 12 月 28 日に解散した。
上記の子会社の主要な業務は、「付表－当社の子会社」に記載されている。
2020 年 12 月 31 日現在、規制上の連結の範囲に含まれているが、会計上の連結の範囲には含まれていない子会社
はなかった (2019 年：なし ) 。
2020 年 12 月 31 日現在、会計上の連結の範囲と規制上の連結の範囲の両方に含まれているが、連結の方法が異な
る子会社はなかった (2019 年：なし ) 。
当グループは異なる国／地域で子会社を運営しているが、これらの国／地域では資本が現地の規制の対象とな
り、当グループの企業間での資金又は規制上の自己資本の移動が制限される可能性がある。
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有価証券報告書
(B) 自己資本比率
自己資本比率の分析は以下の通りである。
2020 年 2019 年
17.75% 17.76%
CET １資本比率
Tier １資本比率 19.67% 19.90%
自己資本比率 22.10% 22.89%
上記の自己資本比率の計算に使用された控除後の連結資本ベースの分析は、以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
CET １資本：調達手段及び準備金
直接発行された適格 CET １資本調達手段 43,043 43,043
利益剰余金 184,230 164,113
45,100 51,309
準備金
規制上の控除前の CET １資本 272,373 258,465
CET １資本：規制上の控除
評価調整 (24) (65)
その他の無形資産（関連する繰延税金負債相殺後）
(1,502) -
繰延税金資産（関連する繰延税金負債相殺後） (91) (62)
公正価値評価された負債に係る自己の信用リスクの変動に伴う
損益 (21) 237
土地及び建物 ( 自社使用及び投資不動産 ) の再評価から生じた
公正価値評価益の累積額 (49,413) (52,459)
(4,780) (11,077)
一般的な銀行業務のリスクに対する法定準備金
CET １資本に対する規制上の控除の合計 (55,831) (63,426)
CET １資本 216,542 195,039
AT １資本：調達手段
23,476 23,476
適用会計基準上、資本として分類された適格 AT １資本調達手段
AT １資本 23,476 23,476
Tier １資本 240,018 218,515
Tier ２資本：調達手段及び引当金
Tier ２資本から減額される資本調達手段 - 2,505
Tier ２資本に算入可能な一般的な銀行業務のリスクに対する集
7,322 6,743
合的引当金及び法定準備金
規制上の控除前の Tier ２資本 7,322 9,248
Tier ２資本：規制上の控除
Tier ２資本に算入可能な土地及び建物 ( 自社使用及び投資不動
22,236 23,607
産 ) の再評価から生じる公正価値評価益の累計額の再加算
Tier ２資本に対する規制上の調整の合計 22,236 23,607
Tier ２資本 29,558 32,855
269,576 251,370
規制上の自己資本合計
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有価証券報告書
資本バッファー比率の分析は、以下の通りである。
2020 年 2019 年
2.500% 2.500%
資本保全バッファー比率
より高い損失吸収力 1.500% 1.500%
カウンターシクリカルな資本バッファー比率 0.790% 1.552%
自己資本比率の開示に関する追加情報は、 BOCHK のウェブサイト www.bochk.com の「規制上の開示」セクション
にて閲覧可能である。
(C) レバレッジ比率
レバレッジ比率の分析は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
240,018 218,515
Tier １資本
レバレッジ比率エクスポージャー 3,036,425 2,799,606
レバレッジ比率 7.90% 7.81%
レバレッジ比率の開示に関する追加情報は、 BOCHK のウェブサイト www.bochk.com の「規制上の開示」セクショ
ンにて閲覧可能である。
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有価証券報告書
5. 資産及び負債の公正価値
財務諸表で開示されている全ての資産及び負債の公正価値は、 HKFRS 第 13 号「公正価値測定」に定められた公正価値ヒ
エラルキーに分類される。このレベルは、評価手法に使用されたインプットの観察可能性及び重要性を参照し、公正価
値測定全体において重要である最も低いレベルのインプットに基づいて判定される。
－ レベル１：活発な市場における同一の資産又は負債の相場価格 ( 未調整 ) に基づくもの。このレベルには、取引所
上場株式、特定の政府が発行した負債性金融商品及び特定の上場デリバティブ契約が含まれる。
－ レベル２：公正価値測定に重大な影響を与える最も低いレベルのインプットが、直接的又は間接的に観察可能な
評価技法に基づくもの。このレベルには、大部分の OTC デリバティブ契約、値付サービス業者の提示価格を有する負
債性金融商品及び譲渡性預金証書、発行済仕組預金及びその他の負債性金融商品が含まれている。また、このレベ
ルには観察可能な市場インプットに対し重要性のない調整やカリブレーションを行う特定の為替契約、貴金属及び
不動産が含まれる。
－ レベル３：公正価値測定に重大な影響を与える最も低いレベルのインプットが、観察不能な評価技法に基づくも
の。このレベルには、重要な観察不能な要素を有する株式投資、負債性金融商品及び特定の OTC デリバティブ契約が
含まれている。また、このレベルには観察可能な市場インプットに対し重要性のある調整を行う不動産が含まれ
る。
財務諸表で継続的に認識されている資産及び負債について、当グループは各報告期間末に分類の見直しを行うことに
より、ヒエラルキーのレベル間での振替が発生しているか判定する ( 全体として、公正価値測定に重大な影響を与える最
も低いレベルのインプットに基づく ) 。
5.1 公正価値で測定される金融商品
当グループは、公正価値がフロント・オフィスから独立した管理部門によって決定又は承認されるよう、ガバナン
ス体制と統制の枠組みを整備した。管理部門は、独立した立場での営業部門による結果の検証並びにその他全ての重
要な公正価値測定に関して全体的な責任を負う。他の具体的な統制としては、観察可能な評価のインプットの検証、
新規モデル及びモデルの変更の検証及び承認、観察された市場取引に対するモデルの調整及びバック・テスト、日次
評価における重要な変動の分析及び調査、重要な観察不能なインプット及び評価の調整の検証が含まれる。評価に係
る重要な問題は上級経営者、リスク委員会及び監査委員会に報告される。
一般的に、金融商品の計算単位は個別の金融商品である。 HKFRS 第 13 号は、特定の条件を満たす場合、会計方針の
選択により、ネット・オープン・リスク・ポジションに基づいて金融資産及び金融負債ポートフォリオの公正価値を
測定する、ポートフォリオの例外を認めている。当グループは、個別の金融商品単位で、計算単位と一致する評価調
整を適用する。デリバティブ金融商品を管理するための当グループのリスク管理方針及びシステムに従い、これらの
条件を満たす特定のデリバティブポートフォリオの公正価値は、ネット・オープン・リスクに関する受取対価又は支
払対価に基づいて測定される。これらのポートフォリオ単位での調整は、ポートフォリオに対する相対的なネット・
リスク・エクスポージャーに基づいて個別の金融資産及び負債に配分される。
当グループは、活発な市場の公開市場相場価格を入手できない場合には、金融商品の公正価値を決定するために評
価技法又はブローカー／ディーラーの提示価格を用いる。
当グループが保有する金融商品の評価技法に使用される主なパラメータには、債券価格、金利、外国為替レート、
株価、コモディティ価格、ボラティリティ及び相関、取引先の信用スプレッド及びその他が含まれる。これらのほと
んどは、観察可能であり、公開市場から入手可能である。
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有価証券報告書
下記の金融商品の公正価値を計算するために用いられる手法は、以下の通りである。
債務証券、譲渡性預金証書、及びその他の負債性金融商品
これらの金融商品の公正価値は、証券取引所、ディーラー又は独立した価格決定を行う業者から入手する時価相場
によって、又は割引キャッシュ・フロー技法を使用して算出される。割引キャッシュ・フロー・モデルは、当該商品
からの予想キャッシュ・フローを見積もり、類似商品に対し市場で要求される信用スプレッドを反映した割引率又は
割引マージンを使用してこれらのキャッシュ・フローを割り引いて、現在価値を測定する評価技法である。これらの
インプットは観察可能であるか、もしくは観察可能又は観察不能な市場データによって裏付けられている。
資産担保証券
この金融商品の場合、独立した第三者から公表価格を入手する。これらの有価証券の評価額は、取引の性質によ
り、インプット・パラメータ ( 観察可能な又は類似の証券のマトリクス・プライシングを通じて収集される割引率の
スプレッド、デフォルト率や回収率、早期償還率を含む ) を用いて、市場の標準的なキャッシュ・フロー・モデルに
よって見積もられる。
デリバティブ
OTC デリバティブ契約には、為替、金利、株式、コモディティ、クレジットに係る先渡契約、スワップ契約、オプ
ション契約などが含まれる。デリバティブ契約の公正価値は、主に割引キャッシュ・フロー・モデルやオプション・
プライシング・モデルなどの手法を用いて評価される。当該インプットは、観察可能又は観察不能な市場データのい
ずれかとなる。観察可能なインプットとは、金利、外国為替レート、株価、コモディティ価格、クレジット・デフォ
ルト・スワップ・スプレッド、ボラティリティ、相関性などである。観察不能なインプットは、仕組預金に組み込ま
れる一般的に取引されることが少ないオプション商品等に使用される。特定の複雑なデリバティブ契約については、
公正価値はブローカー／ディーラーの提示価格に基づいて測定される。
当グループの OTC デリバティブには、信用評価調整 ( 以下「 CVA 」という。 ) 及び債務評価調整 ( 以下、「 DVA 」とい
う。 ) が適用される。これらの調整は、市場要因の変動、取引先の予想信用度、当グループ自身の信用スプレッドを
反映している。また、調整額は主に個別の取引先ごとで決定され、エクスポージャーの予想将来価値、デフォルト確
率及び回収率に依拠している。
劣後債務
劣後債の公正価値は、市場価格又はブローカー／ディーラーによる提示価格に基づいている。劣後債の自己の信用
調整は、市場価格と、直近のベンチマーク金利と測定期間の当初に決定した劣後債の自己の信用スプレッドにより算
定した正味現在価値との差異で算定される。
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(A) 公正価値ヒエラルキー
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
金融資産
トレーディング資産 ( 注記 23)
－債務証券及び譲渡性預金証書 - 26,817 - 26,817
－持分証券 49 - - 49
－その他の負債性金融商品 - 3,300 - 3,300
純損益を通じて公正価値で測定するものとして強
制的に分類されたその他の金融資産 ( 注記 23)
－債務証券及び譲渡性預金証書 - 15,026 846 15,872
－持分証券 3,910 - - 3,910
－ファンド 4,934 1,183 2,724 8,841
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指
定した金融資産 ( 注記 23)
－債務証券及び譲渡性預金証書 720 587 - 1,307
－その他の負債性金融商品 - 118 - 118
デリバティブ ( 注記 24) 33 52,823 - 52,856
FVOCI で測定する投資有価証券 ( 注記 2 6 )
－債務証券及び譲渡性預金証書 258,764 493,776 1,632 754,172
2,441 1,074 2,367 5,882
－持分証券
金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
( 注記 32)
－トレーディング負債 - 20,336 - 20,336
デリバティブ ( 注記 24) 35 60,278 - 60,313
劣後債務 ( 注記 38)
- - - -
－ 劣後債
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有価証券報告書
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
金融資産
トレーディング資産 ( 注記 23)
－債務証券及び譲渡性預金証書 133 37,457 - 37,590
－持分証券 37 - - 37
－その他の負債性金融商品 - 5,297 - 5,297
純損益を通じて公正価値で測定するものとして強
制的に分類されたその他の金融資産 ( 注記 23)
－債務証券及び譲渡性預金証書 - 25,271 2,252 27,523
－持分証券 2,618 - - 2,618
－ファンド 5,705 1,958 1,474 9,137
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指
定した金融資産 ( 注記 23)
－債務証券及び譲渡性預金証書 708 2,283 - 2,991
－その他の負債性金融商品 - - - -
デリバティブ ( 注記 24) 11,674 19,342 11 31,027
FVOCI で測定する投資有価証券 ( 注記 2 6 )
－債務証券及び譲渡性預金証書 197,156 485,679 1,867 684,702
2,680 1,134 2,154 5,968
－持分証券
金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
( 注記 32)
－トレーディング負債 - 19,206 - 19,206
デリバティブ ( 注記 24) 9,717 23,204 - 32,921
劣後債務 ( 注記 38)
- 12,954 - 12,954
－ 劣後債
特定の金融商品に係る市場で観察可能なインプットを調整した結果、 2020 年度に当グループにおいて、デリバ
ティブ金融資産 15,498 百万香港ドル及びデリバティブ金融負債 11,227 百万香港ドルが、レベル１からレベル２へ
振り替えられた。このような調整が関連金融商品の公正価値測定に与えた影響は重要ではなかった。当年度にお
いて、当グループではこの他に金融資産及び負債のレベル１とレベル２の間の重要な振替はなかった（ 2019 年：
なし）。
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有価証券報告書
(B) レベル３の項目の調整
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
金融資産
FVPL で測定するものとして
FVOCI で測定する
強制的に分類された
投資有価証券
その他の金融資産
債務証券 債務証券
デリバティブ
ファンド 持分証券
及び譲渡性預 及び譲渡性預
金証書 金証書
2020 年１月１日現在
2,252 1,474 11 1,867 2,154
利得
－損益計算書
－正味トレーディング利得 - - 146 - -
－純損益を通じて公正価値で測定
するその他の金融商品に係る純
利得 223 107 - - -
－その他の包括利益
－公正価値の変動 - - - 191 213
取得 194 1,143 - - -
処分、償還、満期 (1,823) - - (426) -
レベル３への振替 - - - - -
- - (157) - -
レベル３からの振替
846 2,724 - 1,632 2,367
2020 年 12 月 31 日現在
2020 年 12 月 31 日現在保有されている
金融資産の損益計算書に含まれる
未実現利得の合計
－正味トレーディング利得 - - - - -
－純損益を通じて公正価値で測定する
49 107 - - -
その他の金融商品に係る純利得
49 107 - - -
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有価証券報告書
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
金融資産
FVPL で測定するものとして
FVOCI で測定する
強制的に分類された
投資有価証券
その他の金融資産
債務証券 債務証券
デリバティブ
ファンド 持分証券
及び譲渡性預 及び譲渡性預
金証書 金証書
2019 年１月１日現在
1,909 915 7 1,618 1,144
利得
－損益計算書
－正味トレーディング利得 - - 11 - -
－純損益を通じて公正価値で測定す
るその他の金融商品に係る純利得 382 80 - - -
－その他の包括利益
－公正価値の変動 - - - 249 446
取得 156 412 - - 564
-
処分、償還、満期 (195) - - -
-
レベル３への振替 - 67 - -
-
- - (7) -
レベル３からの振替
2,252 1,474 11 1,867 2,154
2019 年 12 月 31 日現在
2019 年 12 月 31 日現在保有されている
金融資産の損益計算書に含まれる
未実現利得の合計
－正味トレーディング利得 - - 11 - -
－純損益を通じて公正価値で測定する
382 80 - - -
その他の金融商品に係る純利得
382 80 11 - -
2020 年及び 2019 年 12 月 31 日現在、レベル３に分類された金融商品は、主に、債務証券、譲渡性預金証書、ファ
ンド、非上場株式及び特定の OTC デリバティブ契約で構成されている。
特定の流動性の低い債務証券、譲渡性預金証書及びファンドの場合、当グループは、評価に大きな影響を及ぼ
す、観察不能なインプットに基づく可能性がある評価額を取引先から入手している。特定の OTC デリバティブ契
約については、評価技法で使用される取引相手の信用スプレッドが、評価に重要な影響を与える観察不能なイン
プットとなる。従って、当グループは、このような金融商品をレベル３に分類している。 2020 年及び 2019 年にお
けるレベル３への振替とレベル３からの振替は、評価の観察可能性が変化したことによるものであった。当グ
ループは、このような金融商品に対する当グループのエクスポージャーを管理するため、内部統制手続を定めて
いる。
非上場の FVOCI 持分証券の公正価値は、 (i) 最新の市場取引価格、 (ii) 株価売上高倍率などの、比較可能な上
場企業の数値の倍数、 (iii) 基礎となる持分投資に係る配当割引モデルの算定又は、 (iv) 比較対象も配当割引モ
デルも入手不可能又は適用不可能である場合には、純資産価額などを参照して測定される。公正価値は、適切な
比較可能な企業の市場取引価格、株価売上高倍率、将来の予想配当金支払額や純資産価額の予測と正相関があ
り、比較可能な企業の平均株価売上高倍率又は配当割引モデルで使用される割引率とは負の相関がある。
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評価技法で用いられる全ての重要な観察不能なインプットが５ % 有利に又は不利に変動した場合（ 2019 年：
５ % ）、当グループのその他の包括利益はそれぞれ、 55 百万香港ドル増加又は 54 百万香港ドル減少していたであ
ろう (2019 年： 98 百万香港ドルの増加又は 93 百万香港ドルの減少 ) 。
5.2 公正価値で測定されない金融商品
公正価値の見積りは、関連する市場情報及び様々な金融商品の情報に基づいてある一時点で行われる。以下の方法
及び仮定は、適用可能な範囲で、金融商品の各分類の公正価値の見積りに用いられる。
銀行及びその他金融機関への預け金／預り金及び商業手形
金融資産及び負債の太宗が貸借対照表日から１年以内に満期を迎え、それらの帳簿価額は公正価値に近似してい
る。
顧客への貸付金並びに銀行及びその他金融機関への貸付金
顧客への貸付金並びに銀行及びその他金融機関への貸付金の太宗が変動金利で、実勢市場金利によっており、それ
らの帳簿価額は公正価値に近似している。
償却原価で測定する投資有価証券
償却原価で測定する有価証券の公正価値は、注記 5.1 で記載しているように、公正価値で測定する債務証券、譲渡
性預金証書及び資産担保証券と同じアプローチを用いて測定する。また、償却原価で測定する特定の有価証券には、
満期日までの残存期間に対応する最新のイールドカーブに基づいて、割引キャッシュ・フロー・モデルが用いられて
いる。
顧客預金
顧客預金は太宗が貸借対照表日から１年以内に満期を迎え、それらの帳簿価額は公正価値に近似している。
発行済債務証券及び譲渡性預金証書
これらの商品の公正価値は、注記 5.1 にて記載しているように公正価値で測定される債務証券及び譲渡性預金証書
と同じアプローチを使用して測定される。
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有価証券報告書
以下の表は、前述の帳簿価額が公正価値に近似している商品を除いた、公正価値で測定されない金融商品の帳簿価
額及び公正価値を示している。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
金融資産
120,431 127,060 110,983 114,241
償却原価で測定する投資有価証券 ( 注記 2 6 )
金融負債
426 426 116 116
発行済債務証券及び譲渡性預金証書 ( 注記 34)
公正価値を開示している金融商品の公正価値ヒエラルキーは以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
金融資産
957 122,887 3,216 127,060
償却原価で測定する投資有価証券
金融負債
- 426 - 426
発行済債務証券及び譲渡性預金証書
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
金融資産
1,002 111,556 1,683 114,241
償却原価で測定する投資有価証券
金融負債
- 116 - 116
発行済債務証券及び譲渡性預金証書
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5.3 公正価値で測定される非金融商品
当グループは、評価技法又は活発な市場における相場価格を使用して非金融商品の公正価値を測定している。
投資不動産及び不動産
当グループの不動産は、投資不動産及び不動産に分けることができる。当グループの全ての投資不動産及び不動産
は、年度末に再評価された。当年度においては、この評価は独立した不動産鑑定士である萊坊測計師行有限公司によ
り実施された。同社は評価対象の不動産の所在地及び種類について最新の実績を有する香港鑑定士学会のフェロー及
びメンバーである社員を有している。当グループの経営者は、各中間及び年次報告期間の評価実施時に、鑑定事務所
と評価方法、評価の前提及び評価結果について議論している。残存資産アプローチが用いられた、当年度中に開始さ
れた投資不動産の土地再開発に係る評価を除き、事業年度中に評価方法の変更はなく、前年度の評価方法と同じであ
る。
(i) レベル２の公正価値の測定で使用された評価手法及びインプット
レベル２に分類された不動産の公正価値は、比較可能な不動産の最新の売価を参照する市場比較アプローチ、又
は市場賃料及び収益還元率を参照する収益還元アプローチのいずれかを使用し、比較可能な不動産と評価対象の不
動産との間の差異を反映した適切な調整を行い測定された。これらの調整は、測定全体に対する重要性はないとみ
なされた。
当グループの不動産は、不動産市場が活発かつ透明性が高いとみなされる香港並びに中国本土、タイ、及びマ
レーシアの特定の主要都市に所在している。比較対象の不動産の売価、市場賃料及び還元率は、これらの市場にお
いては一般的に直接的又は間接的に観察可能である。
(ii) レベル３の公正価値の測定に係る情報
銀行の金庫室を除くレベル３に分類された当グループの全ての不動産の公正価値は、市場比較アプローチ又は収
益還元アプローチのいずれかを使用し、比較可能な不動産と比較して当グループの不動産の特性に対し固有のプレ
ミアム又はディスカウントの調整を行うことによって測定された。
銀行の金庫室の公正価値は、特殊な性質のために利用できる直接比較可能な資産がないため、減価償却後再調達
原価アプローチを使用して測定される。主要なインプットは、既存の土地の市場価値、不動産の現在の再調達コス
ト及び減価償却率である。不動産の特殊な性質を反映するために適切な調整が行われる。
レベル３に分類された当グループの不動産の公正価値測定に使用される評価方法及び重要な観察不能なインプッ
トは、以下の通りである。
重要な観察不能な 観察不能インプットの
評価方法 加重平均
インプット 公正価値に対する関係
年 2%
減価償却率が上昇するにつれ
減価償却率
減価償却後再
て、公正価値は減少する。
(2019 年 :2%)
銀行の
調達原価ア
金庫室
建築価格の +15%
不動産の特殊な性質に
プレミアムが増加するにつれ
プローチ
て、公正価値は増加する。
係るプレミアム
(2019 年 :+15%)
プレミアムが増加するにつれ
市場比較アプ 比較可能な不動産と比
-8% て、公正価値は増加する。
その他の
ローチ又は 較する不動産の特性
収益還元ア に係るプレミアム／
不動産
(2019 年 :-11%) ディスカウントが増加するにつ
プローチ ( ディスカウント )
れて、公正価値は減少する。
不動産の特性に係るプレミアム／ ( ディスカウント ) は、市場変動の時間、立地、利便性、築年数／状態、階数、
面積、レイアウト等の各種要素を考慮し、比較可能な不動産の特性との差違を参照して測定される。
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再開発計画がある投資不動産の公正価値については、通常、土地の開発を評価するために用いられる評価手法で
ある残差アプローチを用いて、再開発ベースで測定される。総開発価値（ GDV ）は、最初に比較可能な不動産の直
近 の取引を参考に市場比較アプローチを用いて決定され、比較可能な不動産と比較した当グループの開発の内容を
固有のプレミアム／ディスカウントによって調整する。再開発の最終的な公正価値は、開発費（専門家報酬、解体
費、建設費等）の現在価値と開発者利益を GDV の現在価値から控除した後の残存価値である。 GDV が高くなればなる
ほど公正価値は高くなり、開発費と割引率が高くなればなるほど公正価値は低くなる。
貴金属
貴金属の公正価値は、活発な市場における取引価格又は一定の調整を行った取引価格を使用して測定している。
(A) 公正価値ヒエラルキー
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
非金融資産
投資不動産 ( 注記 28) - 697 17,744 18,441
有形固定資産 ( 注記 29)
－不動産 - 2,601 40,947 43,548
その他の資産 ( 注記 30)
- 10,697 - 10,697
－貴金属
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
非金融資産
投資不動産 ( 注記 28) - 396 19,714 20,110
有形固定資産 ( 注記 29)
－不動産 - 1,020 45,322 46,342
その他の資産 ( 注記 30)
6,542 2,719 - 9,261
－貴金属
貴金属に係る市場で観測可能なインプットを調整した結果、当グループでは 2020 年度に、 5,721 百万香港ドル
の貴金属がレベル１からレベル２に振り替えられた。このような調整が貴金属の公正価値測定に与えた影響は重
要ではなかった。当年度において、当グループではこの他に非金融資産のレベル１とレベル２の間での重要な振
替はなかった（ 2019 年：なし）。
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(B) レベル３の項目の調整
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
非金融資産
有形固定資産
投資不動産
不動産
2020 年１月１日現在
19,714 45,322
損失
－損益計算書
－投資不動産に係る公正価値調整純損失 (1,622) -
－不動産再評価純損失 - (57)
－その他の包括利益
－不動産再評価 - (1,720)
減価償却費 - (1,157)
取得 9 87
レベル３への振替 - -
レベル３からの振替 (277) (1,608)
分類変更 (80) 80
- -
換算差額
17,744 40,947
2020 年 12 月 31 日現在
2020 年 12 月 31 日現在保有されている非金融資産に関する、
損益計算書に含まれる未実現損失合計
－投資不動産に係る公正価値調整純損失 (1,622) -
- (57)
－不動産再評価純損失
(1,622) (57)
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( 単位：百万香港ドル )
2019 年
非金融資産
有形固定資産
投資不動産
不動産
2019 年１月１日現在
19,316 45,349
利得
－損益計算書
－投資不動産に係る公正価値調整純利得 274 -
－不動産再評価純利得 - 11
－その他の包括利益
－不動産再評価 - 1,023
減価償却費 - (1,141)
取得 32 133
レベル３への振替 36 173
レベル３からの振替 (136) (35)
分類変更 192 (192)
- 1
換算差額
19,714 45,322
2019 年 12 月 31 日現在
2019 年 12 月 31 日現在保有されている非金融資産に関する、
損益計算書に含まれる未実現利得合計
－投資不動産に係る公正価値調整純利得 274 -
- 11
－不動産再評価純利得
274 11
不動産のレベル３への振替及びレベル３からの振替は、当年度における対象不動産及び比較不動産に適用され
るプレミアム／ ( ディスカウント ) 要素の変動によるものである。プレミアム／ ( ディスカウント ) 要素は対象不動
産と市場で最近取引された比較不動産の要素の違いに基づいて決定される。最近の市場取引に基づく比較不動産
は毎年異なるため、対象不動産及び比較不動産に適用されるプレミアム／ ( ディスカウント ) 要素も毎年異なる。
その結果、観察可能な市場インプットに対して行われる調整の重要性が異なり、不動産のレベル３への振替及び
レベル３からの振替につながる場合がある。
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6. 正味受取利息
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
受取利息
顧客への貸付金、銀行及びその他金融機関への預け金 34,744 46,766
投資有価証券及び純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 14,960 20,448
224 570
その他
49,928 67,784
支払利息
顧客預金、銀行及びその他金融機関からの預り金 (14,743) (25,856)
発行済債務証券及び譲渡性預金証書 (2) (79)
劣後債務 (80) (719)
リース負債 (54) (55)
(311) (552)
その他
(15,190) (27,261)
34,738 40,523
正味受取利息
受取利息には、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に係る受取
利息がそれぞれ 38,633 百万香港ドル (2019 年： 50,884 百万香港ドル ) 及び 10,122 百万香港ドル (2019 年： 14,266 百万香港ド
ル ) が含まれている。
支払利息には、純損益を通じて公正価値で測定されない金融負債に係る支払利息が 14,947 百万香港ドル (2019 年：
26,174 百万香港ドル ) 含まれている。
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7. 正味受取手数料
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
受取手数料
証券仲介業務 3,567 2,113
貸付手数料 2,310 2,675
クレジット・カード事業 1,859 2,975
保険 1,272 2,111
ファンド販売 897 901
支払サービス 740 716
信託及びカストディ業務 689 651
手形手数料 591 700
貸金庫 306 294
為替 226 599
1,058 1,267
その他
13,515 15,002
支払手数料
クレジット・カード事業 (1,179) (2,044)
証券仲介業務 (415) (255)
保険 (405) (849)
(674) (935)
その他
(2,673) (4,083)
10,842 10,919
正味受取手数料
内訳
純損益を通じて公正価値で測定されない金融資産又は金融負債
－受取手数料 2,588 3,141
(9) (12)
－支払手数料
2,579 3,129
信託及びその他の信託業務
－受取手数料 888 841
(30) (28)
－支払手数料
858 813
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8. 正味トレーディング利得
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
純利得／ ( 損失 ) ：
外国為替及び外国為替商品 5,282 4,931
金利商品及び公正価値ヘッジ項目 (619) (578)
コモディティ 361 366
150 81
資本性金融商品及びクレジットデリバティブ商品
5,174 4,800
9. 純損益を通じて公正価値で測定するその他の金融商品に係る純利得
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
純損益を通じて公正価値で測定するものとして強制的に分類されるその他
の金融商品に係る純利得 1,838 2,976
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した金融商品からの純
121 267
利得
1,959 3,243
10. その他の金融資産に係る純利得
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
FVOCI 投資有価証券の処分／償還からの純利得
4,503 854
償却原価で測定した投資有価証券の処分／償還からの純利得／ ( 損失 ) 62 (47)
7 17
その他
4,572 824
信用力の低下による、償却原価で測定した投資有価証券の処分からの利得は 98 百万香港ドル (2019 年：６百万香港ドル
の損失 ) であった。
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11. その他営業収益
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
受取配当金
－当事業年度中に認識を中止した FVOCI 投資有価証券からの受取配当金 36 18
－当事業年度末に保有していた FVOCI 投資有価証券からの受取配当金 199 238
投資不動産からの受取賃貸料総額 587 660
控除：投資不動産に関する費用 (61) (60)
135 159
その他
896 1,015
「投資不動産に関する費用」には、当事業年度中に賃貸されなかった投資不動産に関連する直接営業費用４百万香港
ドル (2019 年：１百万香港ドル ) が含まれている。
12. 正味保険金並びに負債の変動
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
保険金の総額並びに負債の変動
支払済保険金及び解約返戻金 (14,036) (16,644)
(20,077) (13,283)
負債の変動
(34,113) (29,927)
保険金並びに負債の変動の再保険業者負担分
支払済保険金及び解約返戻金の再保険業者負担分 8,371 5,859
3,575 2,776
負債の変動の再保険業者負担分
11,946 8,635
(22,167) (21,292)
正味保険金並びに負債の変動
13. 正味減損引当金繰入額
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
正味減損引当金 ( 繰入額 ) ／戻入額
貸付金及びその他債権 (2,489) (1,852)
現金並びに銀行及びその他金融機関への預け金 (5) 12
投資有価証券
－ FVOCI ベース (100) (20)
(16) (17)
－償却原価ベース
(116) (37)
ローン・コミットメント及び金融保証契約 (77) (136)
(20) (9)
その他
(2,707) (2,022)
正味減損引当金繰入額
14. 営業費用
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( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
人件費 ( 取締役の報酬を含む )
－給与及びその他の費用 8,916 8,849
545 515
－年金費用
9,461 9,364
物件費 ( 減価償却費を除く )
－短期リース、少額資産のリース及び変動リース料 11 201
1,224 1,341
－その他
1,235 1,542
減価償却費 ( 注記 29) 3,040 2,881
監査報酬
－監査業務 29 28
－監査以外の業務 14 10
2,568 2,842
その他の営業費用
16,347 16,667
15. 投資不動産の処分／公正価値調整からの純 ( 損失 ) ／利得
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
(1,622) 282
投資不動産に係る公正価値調整からの純 ( 損失 ) ／利得 ( 注記 28)
16. 有形固定資産処分／再評価純損失
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
器具、什器及び備品処分による純損失
(4) (7)
(59) 6
不動産再評価による純 ( 損失 ) ／利得 ( 注記 29)
(63) (1)
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17. 税金
損益計算書における税金は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
当期税金
香港法人所得税
－当事業年度税額 5,412 5,741
(180) (90)
－過年度過大引当額
5,232 5,651
海外における税金
－当事業年度税額 419 643
(25) (135)
－過年度過大引当額
5,626 6,159
繰延税金
(511) (145)
一時差異の発生及び取り崩し並びに繰越税額控除 ( 注記 36)
5,115 6,014
香港法人所得税は、当事業年度に香港で生じた見積課税所得に 16.5% (2019 年： 16.5%) の税率を乗じて算出されてい
る。海外所得に係る税金は、当事業年度の見積課税所得に当グループが営業活動を行っている国／地域の適用税率を乗
じて算出されている。
香港の税率を用いた際に生じる理論上の金額と相違する当グループの税引前利益に係る税額は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
税引前利益 33,583 40,088
税率 16.5% で算定 (2019 年： 16.5%)
5,541 6,615
香港以外の国／地域における異なる税率による影響額 75 166
課税対象外収益 (410) (1,028)
税務上損金算入されない費用 461 592
過去に未認識であった税務上の損失の取り崩し (10) (2)
過年度過大引当額 (205) (225)
外国源泉徴収税 (110) 125
(227) (229)
その他
5,115 6,014
税金費用
実効税率 15.2% 15.0%
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18. 配当金
2020 年 2019 年
１株当たり 合計 １株当たり 合計
香港ドル 百万香港ドル 香港ドル 百万香港ドル
中間配当金支払額
0.447 4,726 0.545 5,762
0.795 8,405 0.992 10,488
最終配当金支払予定額
1.242 13,131 1.537 16,250
2020 年８月 30 日に開かれた会議で、取締役会は、 2020 年度上半期について、普通株式１株当たり 0.447 香港ドル、総額
約 4,726 百万香港ドルの中間配当金を宣言した。
2021 年３月 30 日に開かれた会議で、取締役会は、 2020 年 12 月 31 日に終了した事業年度の最終配当金について、普通株
式１株当たり 0.795 香港ドル、総額約 8,405 百万香港ドルを、 2021 年５月 17 日に開催される年次株主総会において提言す
る旨を提案した。この最終配当金案は、当財務諸表上には未払配当金として反映されていないが、 2021 年 12 月 31 日に終
了する事業年度において、利益剰余金の処分として反映される予定である。
19. １株当たり利益
2020 年 12 月 31 日に終了した事業年度の基本的１株当たり利益の計算は、約 26,487 百万香港ドル (2019 年： 32,184 百万香
港ドル ) の当社株主に帰属する当期連結利益と 10,572,780,266 株 (2019 年： 10,572,780,266 株の普通株式 ) の発行済普通株
式に基づいている。
2020 年 12 月 31 日に終了した事業年度において、発行済潜在的普通株式はなかったため、１株当たり利益の希薄化はな
かった (2019 年：なし ) 。
20. 退職給付費用
退職給付が当グループの適格従業員向けに支給される。香港においては、当グループの従業員向けの確定拠出型年金
制度は、 MPF 政令が適用されない職業退職 (ORSO) 制度及び BOC －プルデンシャル簡易選択型 MPF 制度である。
ORSO 制度に基づき、従業員は同制度に対して基本給の５ % 相当額を毎月拠出する一方、雇用者は従業員の勤続年数に応
じて、月次基本給の５ % から 15% 相当額を毎月拠出している。勤続年数が 10 年を超えて定年退職、早期退職又は雇用が終
了する場合、従業員は雇用者拠出額の 100% を受け取る権利が付与される。即時解雇以外の雇用の終了で、勤続年数が３
年から９年の間の場合は、雇用者拠出額の 30% から 90% の金額を受け取る権利が付与される。従業員が受け取る雇用者の
拠出金はすべて MPF 政令の対象となる。
2000 年 12 月１日の MPF 政令の実施に伴い、当グループは規制要件に従い MPF 制度も導入した。 2019 年以降、勤続年数が
５年以上の従業員は雇用者による任意拠出金を受け取ることができる。この制度の受託会社は BOCI －プルデンシャル・
トラスティで、投資顧問は BOCI －プルデンシャル・アセットマネジメントであり、両社とも当社の関連当事者である。
2020 年 12 月 31 日に終了した事業年度において、 ORSO 制度に対する当グループの拠出金合計額は、約 10 百万香港ドル
(2019 年：約 10 百万香港ドル ) の失効拠出金控除後で、約 375 百万香港ドル (2019 年：約 358 百万香港ドル ) であった。 MPF 制
度について、当グループは、 2020 年 12 月 31 日に終了した事業年度において、約 132 百万香港ドル (2019 年：約 118 百万香港
ドル ) を拠出した。
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21. 取締役、上級経営者及び主要な従業員の報酬
(a) 取締役及び上級経営者の報酬
(i) 取締役の報酬
当事業年度中に当社に提供した役務及び当グループ内の子会社の経営に携わったことに対する、当社の取
締役への報酬支払額又は未払額は以下の通りである。
( 単位：千香港ドル )
2020 年
基本給、
#
取締役報酬 諸手当及び 賞与 合計
その他
現物給付
執行取締役
スン・ユ
注 1
( チーフ・エグゼクティブ ) - 140 31 - 171
ガオ・インシン
注 2
- 3,041 1,636 - 4,677
( チーフ・エグゼクティブ )
- 3,181 1,667 - 4,848
非執行取締役
リウ・リエング - - - - -
注 1
- - - - -
ワン・ジアン
リン・ジンジェン - - - - -
*
600 - - - 600
チェン・エヴァ
*
600 - - - 600
チョイ・クーン・シュム
*
650 - - - 650
コー・ベン・セン
*
550 - - - 550
ロー・イー・クワン・クイン
*
700 - - - 700
トン・サヴィオ・ワイホク
3,100 - - - 3,100
3,100 3,181 1,667 - 7,948
注１：当年度中に任命
注２：当年度中に退任
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( 単位：千香港ドル )
2019 年
基本給、
取締役
#
諸手当及び 賞与 合計
その他
報酬
現物給付
執行取締役
ガオ・インシン
( チーフ・エグゼクティブ ) - 7,142 4,247 - 11,389
- 1,008 533 - 1,541
リー・ジウゾン
- 8,150 4,780 - 12,930
非執行取締役
リウ・リエング - - - - -
リン・ジンジェン - - - - -
*
502 - - - 502
チェン・エヴァ
*
551 - - - 551
チョイ・クーン・シュム
*
601 - - - 601
コー・ベン・セン
*
404 - - - 404
ロー・イー・クワン・クイン
*
651 - - - 651
トン・サヴィオ・ワイホク
- - - - -
チェン・シクィン
2,709 - - - 2,709
2,709 8,150 4,780 - 15,639
* 独立非執行取締役
# 取締役に関する年金制度への拠出金、取締役に支払われた、又は受取予定の当グループへの加入支度金及び退任慰労金を
含んでいる。
2020 年 12 月 31 日に終了した事業年度において、報酬を放棄した取締役はいなかった (2019 年：なし ) 。
( ⅱ ) 最高給与者上位５名
当事業年度における当グループの最高給与者上位５名の中には取締役は含まれていない (2019 年：１名 ) 。
当事業年度中に５名 (2019 年：４名 ) に支払われる報酬は、以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
基本給与及び諸手当
26 17
賞与 10 10
1 1
年金制度への拠出金
37 28
在任期間に応じた当事業年度中の各人への報酬の支払額又は未払額は、以下の金額帯である。
人数
2020 年 2019 年
6,500,001 香港ドルから 7,000,000 香港ドル
1 2
7,000,001 香港ドルから 7,500,000 香港ドル 2 -
7,500,001 香港ドルから 8,000,000 香港ドル 1 2
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有価証券報告書
1 -
8,500,001 香港ドルから 9,000,000 香港ドル
( ⅲ ) 上級経営者の報酬
上級経営者としての在任期間に応じた当事業年度中の各人への報酬の支払額又は未払額は、以下の金額帯
である。
人数
2020 年 2019 年
0 香港ドルから 500,000 香港ドル
1 -
500,001 香港ドルから 1,000,000 香港ドル - 1
1,500,001 香港ドルから 2,000,000 香港ドル - 1
2,000,001 香港ドルから 2,500,000 香港ドル - 1
3,500,001 香港ドルから 4,000,000 香港ドル 1 -
4,500,001 香港ドルから 5,000,000 香港ドル 1 -
5,000,001 香港ドルから 5,500,000 香港ドル 2 2
5,500,001 香港ドルから 6,000,000 香港ドル 1 2
6,000,001 香港ドルから 6,500,000 香港ドル 1 1
6,500,001 香港ドルから 7,000,000 香港ドル 1 -
7,000,001 香港ドルから 7,500,000 香港ドル 1 -
7,500,001 香港ドルから 8,000,000 香港ドル 1 1
- 1
11,000,001 香港ドルから 11,500,000 香港ドル
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(b) 指針 CG- ５に基づく上級経営者及び主要な従業員に対する報酬
開示情報にて用いている上級経営者及び主要な従業員という語句は以下のように定義されている。
－上級経営者：取締役会が任命する上級執行役員で、会社的な戦略又は重要な事業分野の監視責任を負う役
員。上級経営者には、チーフ・エグゼクティブ、チーフ・エグゼクティブ代理、チーフ・フィナンシャル・
オフィサー、チーフ・リスク・オフィサー、チーフ・オペレーティング・オフィサー、取締役会秘書役及び
グループ監査責任者が含まれる。
－主要な従業員：各自の業務に、リスク・エクスポージャーに重要な影響を及ぼす可能性のある重要なリスク
に関する仮定に関する業務が含まれるような従業員、各自の責任がリスク管理と直接もしくは相当程度関連
しているような従業員、又は利益に直接影響を及ぼすことができる従業員。主要な従業員には、重要な事業
分野の責任者、当グループの主要子会社の責任者、東南アジアの事業体の上級経営者、トレーディング責任
者、及びリスク管理業務責任者が含まれる。
当事業年度における当グループの上級経営者及び主要な従業員に対する報酬は以下の通りである。
(i) 当事業年度に支給された報酬
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
上級経営者 主要な従業員 上級経営者 主要な従業員
固定報酬
現金ベース 45 153 42 146
うち、繰延部分 - - - -
変動報酬
現金ベース 18 60 19 89
うち、繰延部分 5 13 5 23
63 213 61 235
報酬合計額
従業員数
固定報酬 13 58 12 59
13 57 12 58
変動報酬
( ⅱ ) 特別報酬
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
上級経営者 主要な従業員 上級経営者 主要な従業員
サインオン・ボーナス - 3 - -
従業員数 - 2 - -
2020 年 12 月 31 日に終了した年度には、上級経営者及び主要な従業員への保証された賞与及び退職金はな
かった（ 2019 年：なし）。
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( ⅲ ) 繰延報酬
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
うち、
うち、
事後の明示的若し
事後の暗示的な
事後の明示的な 当事業年度に
くは暗示的又は
繰延報酬 調整に起因する
調整に起因する 支払われた
その両方の調整に
残高総額 当年度中の
さらされる繰延
当年度中の 繰延報酬総額
修正総額
並びに保留された
修正総額
報酬残高総額
上級経営者
現金 10 10 - - (5)
主要な従業員
36 36 - - (19)
現金
46 46 - - (24)
合計
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
うち、
うち、
事後の明示的若し
事後の暗示的な
事後の明示的な 当事業年度に
くは暗示的又は
繰延報酬 調整に起因する
調整に起因する 支払われた
その両方の調整に
残高総額 当年度中の
さらされる繰延
当年度中の 繰延報酬総額
修正総額
並びに保留された
修正総額
報酬残高総額
上級経営者
現金 10 10 - - (5)
主要な従業員
42 42 - - (14)
現金
52 52 - - (19)
合計
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22. 現金並びに銀行及びその他金融機関への預け金
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
現金 38,187 19,028
中央銀行への預け金 141,803 150,249
期間１ヶ月以内の中央銀行への預け金 36,842 9,541
１～ 12 ヶ月の間に満期が到来する中央銀行への預け金 3,379 2,444
1,547 785
満期の期間までが１年超の中央銀行への預け金
183,571 163,019
他の銀行及びその他金融機関への預け金 188,089 75,518
期間１ヶ月以内の他の銀行及びその他金融機関への預け金 19,588 81,101
１～ 12 ヶ月の間に満期が到来する他の銀行及びその他金融機関への預け金 33,974 28,166
満期の期間までが１年超の他の銀行及びその他金融機関への預け金
310 -
241,961 184,785
463,719 366,832
減損引当金
－ステージ１ (8) (3)
－ステージ２ - -
- -
－ステージ３
463,711 366,829
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23. 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
有価証券
トレーディング資産
－政府短期証券 1,349 21,025
－譲渡性預金証書 171 2,953
25,297 13,612
－その他債務証券
26,817 37,590
49 37
－持分証券
26,866 37,627
純損益を通じて公正価値で測定するものに強制的に分類されるその他の
金融資産
－譲渡性預金証書 - 2
15,872 27,521
－その他債務証券
15,872 27,523
－持分証券 3,910 2,618
8,841 9,137
－ファンド
28,623 39,278
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した金融資産
－譲渡性預金証書 - -
1,307 2,991
－その他債務証券
1,307 2,991
有価証券合計 56,796 79,896
その他の負債性金融商品
トレーディング資産 3,300 5,297
118 -
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した金融資産
その他の負債性金融商品合計 3,418 5,297
60,214 85,193
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上場場所別の有価証券合計の内訳は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
債務証券及び譲渡性預金証書
－香港上場 26,306 14,901
－香港以外での上場 8,133 14,036
9,557 39,167
－非上場
43,996 68,104
持分証券
－香港上場 2,610 1,500
－香港以外での上場 1,265 1,155
84 -
－非上場
3,959 2,655
ファンド
－香港以外での上場 491 -
8,350 9,137
－非上場
8,841 9,137
56,796 79,896
有価証券合計
発行体別の有価証券合計の内訳は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
中央政府
26,207 30,812
公営企業 535 1,526
銀行及びその他金融機関 20,935 33,665
9,119 13,893
一般事業会社
56,796 79,896
有価証券合計
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24. デリバティブ及びヘッジ会計
当グループは、トレーディング及びリスク管理を目的として、為替、金利、コモディティ、エクイティ及びクレジッ
トに関連したデリバティブ契約を利用している。
為替先渡は、将来の特定の日に外貨を購入及び売却する契約を表す。金利先物は、金利の変動に基づく純額を受取る
又は支払う、又は証券取引所の監督の下、金融市場において将来の特定の日にあらかじめ合意された金額で金利商品を
購入又は売却するというコミットメントである。金利先渡契約は、約定金利と現行の市場金利との想定元本額に基づく
差額について、将来の特定の日に現金決済を要求するという、個別に交渉される金利先物である。
通貨、金利及びコモディティスワップは、一連のキャッシュ・フロー又は商品を他の一連のキャッシュ・フロー又は
商品と交換する契約である。スワップにより、通貨、金利 ( 例えば固定金利から変動金利への変更 ) 又は貴金属 ( 例えば、
銀スワップ ) 、又はこれら全ての組み合わせ ( 例えば、通貨金利スワップ ) の交換が生じる。特定の通貨スワップ契約を除
き、元本の交換は行われない。
外貨、金利、貴金属及びエクイティオプションは、買手 ( ホルダー ) が指定日又は指定日までに、又は指定された期間
内に、一定量の金融商品をあらかじめ決められた金額で購入する ( コール・オプション ) もしくは売却する ( プット・オプ
ション ) 権利 ( 義務ではない ) を、売手 ( ライター ) が付与する契約である。為替及び金利リスクの引受けに対する対価とし
て、売手は買手からプレミアムを受け取る。オプションは、当グループとその取引相手との間の店頭取引が行われる
か、又は証券取引所を通じて取引される ( 例えば、上場株式オプション ) 。
当グループが保有するデリバティブの契約／想定元本及び公正価値は、以下の表に記載されている。これらの商品の
契約／想定元本は、貸借対照表日現在の取引残高を示すものであり、その一部は、貸借対照表上に認識された金融商品
の公正価値との比較のための基礎を提供している。しかし、これらは将来キャッシュ・フローの金額や当該商品の最新
の公正価値を必ずしも示すものではないことから、当グループの信用リスクや市場リスクに対する当グループのエクス
ポージャーを示すものではない。デリバティブは、それぞれの契約条件に関連する外国為替レート、市場金利、コモ
ディティ価格又は株式価格の変動によって、有利 ( 資産 ) になったり不利 ( 負債 ) になったりする。デリバティブ金融商品
の公正価値の総額は、時折大幅に変動することがある。
(a) デリバティブ
当グループは、主に顧客業務のためにデリバティブ商品 ( 上場及び OTC の両方 ) を取引している。当グループ
は、リスク管理方針、顧客にデリバティブ商品を提供するにあたっての要件、及び銀行間市場でのデリバティブ
商品を取引するにあたっての要件に厳密に従っている。
また、デリバティブ商品は銀行勘定の金利リスクを管理するためにも利用されている。デリバティブ商品は、
当該商品の取引が行われる前に、承認済商品リストに含まれていなければならない。デリバティブ取引からのエ
クスポージャーの想定元本をコントロールするため限度額が設定されており、取引の最長期間も設定されてい
る。すべてのデリバティブ取引は、決済、時価による再評価、報告及びコントロールのため、関連するシステム
に入力されなければならない。
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以下の表は 12 月 31 日現在のデリバティブ商品の種類別の契約額／想定元本額及び公正価値の内訳である。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
公正価値
契約額／想定元本額
資産 負債
為替関連
直物、先渡及び先物 250,999 13,496 (9,914)
スワップ 1,157,985 18,667 (20,759)
21,443 147 (136)
オプション
1,430,427 32,310 (30,809)
金利関連
先物 488 - -
スワップ 1,152,857 17,211 (26,218)
5,845 - -
オプション
1,159,190 17,211 (26,218)
コモディティ契約 42,819 3,282 (3,246)
エクイティ契約 2,526 53 (40)
クレジットデリバティブ契約 - - -
2,634,962 52,856 (60,313)
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
公正価値
契約額／想定元本額
資産 負債
為替関連
直物、先渡及び先物 315,793 11,814 (8,082)
スワップ 1,556,697 10,849 (10,108)
49,544 132 (100)
オプション
1,922,034 22,795 (18,290)
金利関連
先物 2,318 2 (29)
スワップ 1,223,157 7,462 (12,002)
3,114 - -
オプション
1,228,589 7,464 (12,031)
コモディティ関連 48,446 756 (2,576)
エクイティ関連 1,317 12 (15)
クレジットデリバティブ関連 389 - (9)
3,200,775 31,027 (32,921)
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(b) ヘッジ会計
公正価値ヘッジ
当グループは、市場金利の変動から生じる金融資産及び金融負債の公正価値の変動をヘッジするために金利ス
ワップを使用している。
当グループがヘッジ会計を適用する金利リスクは固定利付債務証券から生じるもので、その公正価値は指標金
利に連動する。固定利付債務証券の公正価値変動は指標金利の変動により大きな影響を受けることから、当グ
ループは指標金利の範囲の金利リスクを、ヘッジ対象のリスクとして指定するにとどまっている。ヘッジ会計
は、経済的ヘッジ関係がヘッジ会計の基準を満たしている場合に適用される。
非有効性が生じ得る理由は以下の通りである。
- ヘッジ対象又はヘッジ手段の金額の増減
- カウンターパーティ信用リスクの大幅な変動
以下の表は、 12 月 31 日現在のヘッジ手段の契約額／想定元本額に関する契約上の残存期間別の内訳である。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
1,875 2,011 8,382 61,441 37,545 111,254
金利スワップ
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
１ヶ月超 ３ヶ月超 １年超
１ヶ月以内 ５年超 合計
３ヶ月以内 12 ヶ月以内 ５年以内
849 1,575 6,065 67,336 38,066 113,891
金利スワップ
ヘッジ手段として指定された項目に係る金額は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ヘッジの非有効部分の認
公正価値
契約額／
識に使用された
想定元本額
資産 負債
公正価値の変動
デリバティブ金融商品
111,254 50 (6,196) (4,074)
金利スワップ
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
ヘッジの非有効部分の認
公正価値
契約額／
識に使用された
想定元本額
資産 負債
公正価値の変動
デリバティブ金融商品
113,891 330 (2,632) (3,714)
金利スワップ
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有価証券報告書
ヘッジ対象に係る金額は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
帳簿価額に含まれる
ヘッジの非有効部分の
認識に使用された
帳簿価額 公正価値ヘッジ調整
公正価値の変動
累計額
投資有価証券
119,092 6,538 4,302
債務証券
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
帳簿価額に含まれる
ヘッジの非有効部分の
認識に使用された
帳簿価額 公正価値ヘッジ調整
公正価値の変動
累計額
投資有価証券
118,224 2,813 3,921
債務証券
ヘッジの非有効部分の認識額は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
228 207
正味トレーディング利得
(c) 金利指標改革（ IBOR 改革）
HKAS 第 39 号、 HKFRS 第７号及び HKFRS 第９号の改訂「金利指標改革」は、特定のヘッジ会計要件のいくつかを改
訂したものである。金利指標を段階的に廃止し、代替的なほぼリスク・フリーの金利（以下、「 RFR 」とい
う。）に置き換えることから生じる不確実性が生じる期間において、これらのヘッジ会計の要件を適用する企業
は、ヘッジ対象のキャッシュ・フロー及びヘッジ手段のキャッシュ・フローの基準となる金利指標が、金利指標
改革（ IBOR 改革）の後も変わらないと想定することが認められる。当グループは 2020 年１月１日に開始される会
計年度から同改訂を導入した。
当グループは、主に米ドル LIBOR からなる、異なる銀行間取引金利にさらされている公正価値ヘッジ会計関係
を有している。当グループのヘッジ会計関係の円滑な移行を確実にすることを目的として、 RFR への移行に関す
る外部での進捗がモニターされている。発生する具体的な問題は各ヘッジ関係の内容により異なるが、発行され
る商品の予想規模の変動、発行された新商品の契約条件の変更やこれらの要因の組み合わせなど、指定に含まれ
る現行商品の移行から生じる可能性がある。指定を解除する必要のあるヘッジや、新たなヘッジ関係の契約を必
要とするヘッジがある一方で、市場全般にわたる指標改革の影響を受けない可能性のあるヘッジもある。
ヘッジ会計関係の一時的な例外措置による影響を受けるヘッジ対象は、連結貸借対照表の「投資有価証券」に
表示される債務証券である。当グループは一時的な例外措置による影響を受けるヘッジ対象を特定する際に、不
確実性の解消が見込まれる時期や、この一時的な例外措置の終了時期を決定する際に判断を用いた。 2020 年 12 月
31 日現在、当グループは、不確実性が継続していると考え、改革又は代替の対象となる指標を参照する当グルー
プの全てのヘッジ会計関係に一時的な例外措置を適用すべきと判断した。
ヘッジ会計関係で指定される金利デリバティブの契約／想定元本は、市場全体の指標改革により直接影響を受
け、一時的な例外措置の対象となる、当グループが管理するリスク・エクスポージャーの範囲を示している。こ
れらは以下に示す通りである。
( 単位：百万香港ドル )
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有価証券報告書
2020 年
契約／想定元本
104,022
金利スワップ
2020 年 10 月１日、香港会計士協会 (HKICPA) は、 HKAS 第 39 号、 HKFRS 第４号、 HKFRS 第７号、 HKFRS 第９号及び
HKFRS 第 16 号（改訂 ) 、『金利指標改革フェーズ２』を公表した。当グループは 2021 年１月１日に開始する会計年
度から同改訂を適用する予定である。
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有価証券報告書
25. 貸付金その他
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
個人向けローン及び貸付金
458,577 415,874
1,039,287 980,009
企業向けローン及び貸付金
顧客への貸付金
1,497,864 1,395,883
控除：減損引当金
－ステージ１ (5,405) (4,563)
－ステージ２ (1,115) (297)
(2,652) (2,175)
－ステージ３
1,488,692 1,388,848
商業手形
9,826 20,727
控除：減損引当金
－ステージ１ - (1)
－ステージ２ - -
- -
－ステージ３
9,826 20,726
銀行及びその他金融機関への貸付金 1,898 3,387
1,500,416 1,412,961
2020 年 12 月 31 日現在、顧客への貸付金には未収利息 1,958 百万香港ドル (2019 年： 2,751 百万香港ドル ) が含まれてい
る。
26. 投資有価証券
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する投資有価証券
－政府短期証券 122,583 234,284
－譲渡性預金証書 46,029 51,167
－その他の債務証券 585,560 399,251
754,172 684,702
－持分証券 5,882 5,968
760,054 690,670
償却原価で測定する投資有価証券
－譲渡性預金証書 984 1,526
－その他の債務証券 119,509 109,503
120,493 111,029
－減損引当金
ステージ１ (62) (46)
ステージ２ - -
- -
ステージ３
120,431 110,983
880,485 801,653
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有価証券報告書
投資有価証券の上場場所の内訳は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する投資有価証券
債務証券及び譲渡性預金証書
－香港上場 195,265 69,523
150,153 187,072
－香港以外での上場
－非上場 408,754 428,107
754,172 684,702
持分証券
－香港上場 2,777 3,207
－香港以外での上場 496 607
2,609 2,154
－非上場
5,882 5,968
760,054 690,670
償却原価で測定する投資有価証券
債務証券及び譲渡性預金証書
－香港上場 28,050 19,664
59,685 55,151
－香港以外での上場
－非上場 32,696 36,168
120,431 110,983
880,485 801,653
償却原価で測定する上場有価証券の市場価値 92,341 77,394
投資有価証券の発行体別の内訳は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
中央政府 426,384 357,468
公営企業 26,363 46,790
銀行及びその他金融機関 270,645 221,098
157,093 176,297
一般事業会社
880,485 801,653
359/775
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有価証券報告書
投資有価証券の増減の内訳は以下の通りに要約される。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
その他の包括利益を
通じて公正価値で
償却原価
測定
2020 年１月１日現在 690,670 110,983
取得 1,149,390 58,961
処分、償還及び満期 (1,102,401) (49,850)
償却 478 260
公正価値／公正価値ヘッジ調整の変動 10,537 (15)
正味減損引当金繰入額 - (16)
11,380 108
換算差額
760,054 120,431
2020 年 12 月 31 日現在
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
その他の包括利益を
通じて公正価値で
償却原価
測定
2019 年１月１日現在 489,542 109,496
取得 1,038,569 18,740
処分、償還及び満期 (847,685) (16,558)
償却 2,663 (90)
公正価値／公正価値ヘッジ調整の変動 10,371 42
正味減損引当金繰入額 - (17)
(2,790) (630)
換算差額
690,670 110,983
2019 年 12 月 31 日現在
当グループは、特定の持分証券を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する持分証券として指定した。その他
の包括利益を通じて公正価値で測定する持分証券に指定したのは、当該証券が戦略的投資目的で保有されているためで
ある。投資には、その他 Tier １劣後証券、上場株式及び非上場株式が含まれる。
当グループは、当年度中に公正価値で 2,289 百万香港ドル (2019 年： 1,076 百万香港ドル ) のその他の包括利益を通じて
公正価値で測定する特定の持分証券の認識を中止した。この認識中止はポートフォリオ・リバランスと発行体による償
還のためである。
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27. 関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する持分
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
１月１日現在
1,632 483
取得 6 1,100
業績に対する持分 (126) 94
税金に対する持分 (26) (42)
受取配当金 (3) (3)
2 -
換算差額
1,485 1,632
12 月 31 日現在
当グループの関連会社及びジョイント・ベンチャーは全て非上場であり、その詳細は以下の通りである。
設立地
名称 発行済株式資本 持株比率 主要な事業活動
及び活動拠点
クレジット・カードの
BOC サービシズ・ 登記資本金
中華人民共和国 45%
バックエンド・サービ
カンパニー・リミテッド 50,000,000 人民元
ス支援
フューチャー X ・イノベー
ケイマン諸島 1 米ドル 20% 投資持株会社
ション・リミテッド
ゴールデン・ハーベスト
ケイマン諸島 100 米ドル 49% 投資持株会社
（ケイマン）・リミテッ
ド
ATM サービスに係る
ジョイント・エレクトロニッ
プライベート・イン
10,026,000
ク・テラー・サービシ 香港 19.96%
ターバンク・メッセー
香港ドル
ズ・リミテッド
ジ交換ネットワークの
運営
2,500,000,000
リヴィ・バンク・リミテッド 香港 44% 銀行業
香港ドル
スナック・リアルター・
ケイマン諸島 1 米ドル 20% 投資持株会社
キャピタル・リミテッド
払込資本金
盈進智能製造（深圳）投資中
中華人民共和国 52.63% 投資持株会社
心（有限合夥 )
RMB9,500,000
上記の関連会社及びジョイント・ベンチャーのいずれも、個々でも全体でも当グループにとって重要とみなされるも
のではない。
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28. 投資不動産
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
１月１日現在
20,110 19,684
取得 9 35
公正価値 ( 損失 )/ 利得 ( 注記 15) (1,622) 282
(56) 109
有形固定資産 ( への ) ／からの分類変更 ( 注記 29)
18,441 20,110
12 月 31 日現在
残存リース期間に基づく投資不動産の帳簿価額の内訳は、以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
香港内保有
長期間リース (50 年超 ) 4,720 5,005
中期間リース (10 年から 50 年 ) 13,362 14,743
香港外保有
中期間リース (10 年から 50 年 ) 328 330
31 32
短期間リース (10 年未満 )
18,441 20,110
2020 年 12 月 31 日現在、投資不動産は独立した不動産鑑定士である萊坊測計師行有限公司により 2020 年 12 月 31 日に実施
された公正価値評価に基づく評価額で貸借対照表に計上されている。公正価値は、測定日時点の市場参加者との秩序
だった取引において、各投資不動産の売却の際に受け取るであろう対価を表す。
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29. 有形固定資産
( 単位：百万香港ドル )
器具、什器
不動産 使用権資産 合計
及び備品
正味帳簿価額－ 2020 年１月１日現在
46,342 3,331 1,929 51,602
取得 91 1,232 561 1,884
処分 (2) (13) (10) (25)
再評価 (1,766) - - (1,766)
当期減価償却費 ( 注記 14) (1,173) (1,107) (760) (3,040)
投資不動産からの分類変更 ( 注記 28) 56 - - 56
その他の資産への分類変更 ( 注記 30) - (1,862) - (1,862)
- 1 5 6
換算差額
正味帳簿価額－ 2020 年 12 月 31 日現在 43,548 1,582 1,725 46,855
2020 年 12 月 31 日現在
取得原価又は評価額 43,548 7,006 3,001 53,555
- (5,424) (1,276) (6,700)
減価償却累計額及び減損累計額
正味帳簿価額－ 2020 年 12 月 31 日現在 43,548 1,582 1,725 46,855
上記資産の取得原価又は評価額の内訳は
以下の通りである。
2020 年 12 月 31 日現在
取得原価ベース - 7,006 3,001 10,007
43,548 - - 43,548
評価額ベース
43,548 7,006 3,001 53,555
取得原価 5,101 百万香港ドル及び償却累計額 3,239 百万香港ドルのアプリケーション・ソフトウェアの正味帳簿価額
1,862 百万香港ドルは、その他の資産に振り替えられ、 2020 年 12 月 31 日現在、無形資産として計上されている。
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( 単位：百万香港ドル )
器具、什器
不動産 使用権資産 合計
及び備品
正味帳簿価額－ 2019 年１月１日現在
46,390 3,045 1,757 51,192
取得 147 1,303 877 2,327
処分 - (8) - (8)
再評価 1,070 - - 1,070
当期減価償却費 ( 注記 14) (1,157) (1,013) (711) (2,881)
投資不動産への分類変更 ( 注記 28) (109) - - (109)
1 4 6 11
換算差額
46,342 3,331 1,929 51,602
正味帳簿価額－ 2019 年 12 月 31 日現在
2019 年 12 月 31 日現在
取得原価又は評価額 46,342 11,487 2,640 60,469
- (8,156) (711) (8,867)
減価償却累計額及び減損累計額
46,342 3,331 1,929 51,602
正味帳簿価額－ 2019 年 12 月 31 日現在
上記資産の取得原価又は評価額の内訳は
以下の通りである。
2019 年 12 月 31 日現在
取得原価ベース - 11,487 2,640 14,127
46,342 - - 46,342
評価額ベース
46,342 11,487 2,640 60,469
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残存リース期間に基づく不動産の帳簿価額の内訳は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
香港内保有
長期間リース (50 年超 ) 12,904 13,735
中期間リース (10 年－ 50 年 ) 30,292 32,243
香港外保有
長期間リース (50 年超 ) 75 75
277 289
中期間リース (10 年－ 50 年 )
43,548 46,342
2020 年 12 月 31 日現在、不動産は、独立した不動産鑑定士である萊坊測計師行有限公司により 2020 年 12 月 31 日に実施さ
れた公正価値評価に基づく評価額で貸借対照表に計上されている。公正価値は、測定日時点の市場参加者との秩序だっ
た取引において、各不動産の売却の際に受け取るであろう対価を表す。
上述の再評価による、不動産の評価額の変動は以下の通り認識された。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
損益計算書に ( 借方 ) ／貸方計上された評価額の ( 減少 ) ／増加（注記 16 ）
(59) 6
(1,707) 1,064
その他の包括利益に ( 借方 ) ／貸方計上された評価額の ( 減少 ) ／増加
(1,766) 1,070
2020 年 12 月 31 日現在、資産が減価償却累計額及び減損損失を控除した取得原価で計上されたと仮定した場合に、当グ
ループの貸借対照表に含まれると考えられる不動産の正味帳簿価額は 8,748 百万香港ドル (2019 年： 8,715 百万香港ドル )
であった。
30. その他の資産
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
抵当権実行資産
23 7
貴金属 10,697 9,261
無形資産 1,862 -
再保険資産 55,672 48,614
38,481 33,148
未収金及び前払金
106,735 91,030
31. 香港特別行政区流通通貨
香港特別行政区流通通貨は、香港特別行政区政府債務証書が保有されている基金の預託によって担保されている。
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32. 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
トレーディング負債
20,336 19,206
－為替資金証券及び債券のショート・ポジション
33. 顧客預金
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
普通預金及び当座預金
－企業 222,286 138,646
87,940 68,367
－個人
310,226 207,013
貯蓄預金
－企業 499,740 400,903
649,295 499,106
－個人
1,149,035 900,009
定期預金及び通知預金
－企業 454,852 517,080
269,596 385,171
－個人
724,448 902,251
2,183,709 2,009,273
34. 発行済債務証券及び譲渡性預金証書
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
償却原価で測定
－譲渡性預金証書 233 116
193 -
－その他の債務証券
426 116
35. その他の負債及び引当金
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
その他の未払金
68,682 78,197
リース負債 1,710 1,850
ローン・コミットメント及び金融保証契約に係る減損引当金
－ステージ１ 594 535
－ステージ２ 44 22
20 20
－ステージ３
71,050 80,624
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36. 繰延税金
繰延税金は、 HKAS 第 12 号「法人所得税」に従い、資産・負債の課税標準と当財務諸表上の帳簿価額及び繰越税額控除
との間に生じる一時差異に関して認識されている。
貸借対照表に計上されている繰延税金 ( 資産 ) ／負債の主な要素並びに各事業年度における増減は、以下の通りであ
る。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
税務上の
不動産の 減損
加速減価 損失 その他 合計
再評価 引当金
償却
2020 年１月１日現在
756 6,997 - (804) (532) 6,417
損益計算書への借方／ ( 貸方 ) 計
上 ( 注記 17)
41 (140) (15) (349) (48) (511)
その他の包括利益への ( 貸方 ) ／
借方計上 - (297) - - 253 (44)
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する資本性金融商
品の処分に係る取崩し - - (31) - 32 1
純損益を通じて公正価値で測定
するものとして指定した金融
- - - - 6 6
負債の償還に係る取崩し
797 6,560 (46) (1,153) (289) 5,869
2020 年 12 月 31 日現在
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
税務上の
不動産の 減損
加速減価 損失 その他 合計
再評価 引当金
償却
2019 年１月１日現在
706 6,991 - (724) (1,478) 5,495
損益計算書への借方／ ( 貸方 ) 計
50 (127) - (80) 12 (145)
上 ( 注記 17)
その他の包括利益への借方計上 - 133 - - 927 1,060
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する資本性金融商
- - - - 7 7
品の処分に係る取崩し
756 6,997 - (804) (532) 6,417
2019 年 12 月 31 日現在
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繰延税金資産・負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法的権利が存在し、またその繰延税金が同じ税務当
局に関連するものである場合、個々の企業ベースで相殺される。適切な相殺処理後に決定された以下の金額は、貸借対
照表に表示されている。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
繰延税金資産
(95) (63)
5,964 6,480
繰延税金負債
5,869 6,417
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
回収予定まで 12 ヶ月超の繰延税金資産
(112) (43)
6,244 6,971
決済予定まで 12 ヶ月超の繰延税金負債
6,132 6,928
2020 年 12 月 31 日現在、当グループは税務上の欠損金について繰延税金資産を認識していない (2019 年：当グループは９
百万香港ドルの税務上の欠損金について繰延税金資産を認識していない）。当グループの金額に関しては他国／地域の
現行税法の下で利用期限はない。
37. 保険契約負債
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
１月１日現在
117,269 104,723
給付金支払 (13,288) (15,373)
35,523 27,919
発生保険金及び負債の増減
139,504 117,269
12 月 31 日現在
再保険契約によりカバーされる保険契約負債 45,615 百万香港ドル (2019 年： 40,130 百万香港ドル ) 、及び関連する再保
険資産 55,672 百万香港ドル (2019 年： 48,614 百万香港ドル ) は、「その他の資産」 ( 注記 30) に計上されている。
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38. 劣後債務
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
劣後債
- 12,954
‐純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定
元本総額 1,623 百万米ドル、年率 5.55% で利息が半年毎に利払いが行われる上場劣後債は、 2020 年２月に全額返済され
た。自己資本規制の Tier ２資本調達手段に該当する金額は、注記 4.5(B) に記載されている。純損益を通じて公正価値で
測定するものとして指定した劣後債の 2019 年 12 月 31 日現在の帳簿価額は、当グループが契約上、保有者に対して満期日
に支払わねばならない額を 41 百万香港ドル上回っている。
39. 株主資本
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
発行済かつ全額払込済：
52,864 52,864
普通株式 10,572,780,266 株
40. その他の資本性金融商品
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
非累積型永久その他 Tier 1 劣後資本証券
23,476 23,476
2018 年 9 月、 BOCHK は 3,000 百万米ドルで非累積型永久その他 Tier 1 劣後資本証券を発行した。当該資本証券は、償還日
が設定されておらず、当初の５年間は償還不可能な永久債である。当初の分配率は年率 5.90 ％で半年ごとに支払われる
が、 BOCHK の裁量により解約可能である。 2020 年にその他の資本性金融商品保有者に支払った配当金は 1,376 百万香港ド
ル (2019 年： 1,390 百万香港ドル ) であった。
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41. 連結キャッシュ・フロー計算書に対する注記
(a) 営業利益の税引前営業キャッシュ・インフロー ( アウトフロー ) への調整
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
営業利益
35,420 39,755
減価償却費 3,040 2,881
正味減損引当金繰入額 2,707 2,022
減損引当金に係るディスカウントの解消 (8) (4)
回収金額控除後貸付金償却額 (425) (249)
リース負債に係る利息費用 54 55
劣後債務の増減 - 370
当初満期が３ヶ月超の銀行及びその他金融機関への預け金の増減 3,800 9,276
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の増減 21,655 (16,657)
デリバティブの増減 5,563 5,926
貸付金その他の増減 (89,591) (131,579)
投資有価証券の増減 (49,999) (201,861)
その他の資産の増減 (13,863) (12,466)
預金並びに銀行及びその他金融機関からの預り金の増減 58,606 (109,091)
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債の増減 1,130 3,671
顧客預金の増減 174,436 113,477
発行済債務証券及び譲渡性預金証書の増減 310 (9,337)
その他項目及び引当金の増減 (9,527) 19,025
保険契約負債の増減 22,235 12,546
(13,269) 4,264
為替レート変動の影響額
152,274 (267,976)
税引前営業キャッシュインフロー／ ( アウトフロー )
営業活動からのキャッシュ・フローは以下を含む：
－受取利息 51,764 67,383
－支払利息 17,674 26,168
235 256
－受取配当金
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(b) 財務活動から生じる債務の調整
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
劣後債務
１月１日現在 12,954 13,246
キャッシュ・フロー (12,603) -
(350) (707)
劣後債務の償還に係る支払額
劣後債務の支払利息
(12,953) (707)
キャッシュ・フローの変動を伴わないもの
その他の包括利益に ( 貸方 ) ／借方計上した自己の信用リスクの公正価値
(1) 45
の変動
為替差額 (39) (72)
39 442
その他の変動
12 月 31 日現在 - 12,954
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
リース負債
１月１日現在 1,850 1,743
キャッシュ・フロー
リース負債の支払 (733) (644)
キャッシュ・フローの変動を伴わないもの
取得 549 696
処分 (10) -
54 55
その他の変動
1,710 1,850
12 月 31 日現在
(c) 現金及び現金同等物残高の内訳
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
現金並びに当初満期３ヶ月以内の銀行及びその他金融機関への預け金
423,563 322,876
当初満期３ヶ月以内の政府短期証券、譲渡性預金証書及びその他の負債性
金融商品
－純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 3,303 6,627
29,192 2,149
－投資有価証券
456,058 331,652
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42. 偶発債務及びコミットメント
以下は、重要な種類の偶発債務及びコミットメントの契約金額並びに信用リスク加重金額総額の要約であり、自己資
本比率に関する HKMA への報告書の作成要領を参照して作成されている。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
直接的な信用供与代替取引
2,487 5,455
取引関連偶発債務 30,215 29,080
貿易関連偶発債務 27,830 27,865
事前通知なく無条件で解約可能なコミットメント 511,975 447,055
当初満期が以下のその他のコミットメント
－１年以内 20,416 13,772
173,475 160,575
－１年超
766,398 683,802
信用リスク加重金額 87,517 76,911
信用リスク加重金額は、銀行 ( 資本 ) 規則に従って計算される。当該金額は、取引相手の状況と各種契約の満期の特質
によって異なる。
43. キャピタル・コミットメント
当グループは、当財務諸表に反映されていない以下の未履行のキャピタル・コミットメントを有している。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
承認され契約されたが未計上のもの
274 188
70 72
承認されたが未契約のもの
344 260
上記のキャピタル・コミットメントは、主にコンピュータ設備及びソフトウェアの購入並びに当グループの不動産の
改修に関連するものである。
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44. オペレーティング・リース契約
貸手側
当グループは借主と、解約不能なオペレーティング・リースに基づき、以下の通り将来の最低リース料を受け取る
契約を交わしている。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
土地建物
－１年以内 520 552
－１年超２年以内 313 389
－２年超３年以内 101 187
－３年超４年以内 14 33
－４年超５年以内 10 1
- -
－５年超
958 1,162
当グループは、オペレーティング・リース契約に基づき、投資不動産を、通常１年から３年の期間で賃貸してい
る。リースの契約条件は、通常、借主に対して敷金の支払いを求めるほか、リース契約の更新時点における実勢市況
に基づき、賃借料を調整する旨を定めている。
45. 訴訟
当グループは、様々な独立した当事者から多数の訴訟及び反訴を受けている。これらの訴訟及び反訴は、当グループ
の通常の商業活動に関するものである。
取締役は、当グループが原告に対する実体上の抗弁を有している、もしくはこれらの訴訟に関する金額が重大ではな
いと予想されると考えていることから、これらの訴訟及び反訴に対して重要な引当金は設定されなかった。
46. セグメント報告
当グループは、主に事業セグメント単位で事業を管理しており、当グループの収益、税引前利益及び資産の 90% 超は香
港で生じている。現時点で、個人向銀行業務、法人向銀行業務、資金為替業務及び保険の４つの事業セグメントを識別
している。当グループの事業セグメントの分類は顧客セグメント及び商品の種類に基づいており、これは当グループの
RPC( 関係、商品、チャンネル ) 管理モデルに沿ったものである。
個人向銀行業務及び法人向銀行業務セグメントは一般的な銀行サービスを提供する。このサービスには、各種預金商
品、当座貸越、ローン、クレジット・カード、貿易関連商品及びその他のクレジット・ファシリティ、投資及び保険商
品、並びに外貨及びデリバティブ商品などが含まれる。個人向銀行業務は主に個人顧客及び小規模企業向けの業務を行
うが、法人向銀行業務は法人顧客との取引を行う。資金為替業務セグメントは、自己勘定取引に加え、当グループの資
金調達及び流動性、並びに金利及び外国為替ポジションを管理する業務を行う。保険セグメントとは、主に個人生命保
険商品及び団体生命保険商品など、生命保険商品に関連した業務を意味する。「その他」には、主に、当グループが保
有する不動産、投資不動産、株式投資、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する特定の持分並びに東南アジアの
事業体の事業などが含まれる。
セグメントの資産、負債、収入、費用、業績、及び資本的支出は、当グループの会計方針に基づき測定されている。
セグメント情報には、セグメントに直接帰属する項目と、合理的な基準に沿ってセグメントへ配賦できる項目に関する
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情報が含まれている。各セグメント間のファンディングは、当グループ内部のファンディング価格決定メカニズム ( 主
に、各プロダクトに固有の特徴が加味されている市場レートに基づく方法 ) に基づき行われる。
当グループは、収益のほとんどを利息によって稼ぎ出しており、上級経営者は、事業を管理する際、主として純利息
収入を中心に考えるため、全ての報告セグメントにおける受取利息及び支払利息は、純額ベースで表示されている。同
じ考え方により、保険料収入、保険金もまた、純額ベースで表示されている。
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( 単位：百万香港ドル )
個人向 法人向 資金為替
保険 その他 小計 消去 連結
銀行業務 銀行業務 業務
2020 年 12 月 31 日に終了した年
度
正味受取 (支払 )利息
－外部 2,014 14,846 12,623 3,437 1,818 34,738 - 34,738
10,955 (1,352) (8,840) (13) (750) - - -
－セグメント間
12,969 13,494 3,783 3,424 1,068 34,738 - 34,738
正味受取／ (支払 )手数料 7,092 3,522 253 (626) 1,262 11,503 (661) 10,842
正味保険料収入 - - - 18,482 - 18,482 (22) 18,460
正味トレーディング利得 1,004 1,311 2,012 259 435 5,021 153 5,174
純損益を通じて公正価値で測
定
するその他の金融商品に係
る純利得／ (損失 ) - - 208 1,743 (3) 1,948 11 1,959
その他の金融資産に係る純利
- 7 4,376 189 - 4,572 - 4,572
得
18 5 80 123 2,055 2,281 (1,385) 896
その他営業収益
営業収益合計
21,083 18,339 10,712 23,594 4,817 78,545 (1,904) 76,641
正味保険金並びに負債の変動
- - - (22,167) - (22,167) - (22,167)
減損引当金繰入前純営業収益
21,083 18,339 10,712 1,427 4,817 56,378 (1,904) 54,474
(421) (1,877) (87) (36) (286) (2,707) - (2,707)
正味減損引当金繰入額
純営業収益
20,662 16,462 10,625 1,391 4,531 53,671 (1,904) 51,767
(9,684) (3,427) (1,269) (537) (3,334) (18,251) 1,904 (16,347)
営業費用
営業利益
10,978 13,035 9,356 854 1,197 35,420 - 35,420
投資不動産処分／
公正価値調整に係る純損失 - - - - (1,622) (1,622) - (1,622)
有形固定資産処分／
再評価に係る純損失 (3) - - - (60) (63) - (63)
関連会社及びジョイント・
ベンチャー持分損益 (税引
42 - 5 - (199) (152) - (152)
後 )
11,017 13,035 9,361 854 (684) 33,583 - 33,583
税引前利益 /( 損失 )
2020 年 12 月 31 日現在
資産
セグメント資産 491,213 985,638 1,538,239 179,865 159,589 3,354,544 (35,048) 3,319,496
関連会社及びジョイント・
603 - 9 - 873 1,485 - 1,485
ベンチャーに対する持分
491,816 985,638 1,538,248 179,865 160,462 3,356,029 (35,048) 3,320,981
負債
1,159,255 1,013,145 601,497 168,463 94,014 3,036,374 (35,048) 3,001,326
セグメント負債
2020 年 12 月 31 日に終了した年
度
その他の情報
設備投資 29 8 1 52 1,803 1,893 - 1,893
減価償却 1,274 281 107 64 1,349 3,075 (35) 3,040
- - 406 162 170 738 - 738
有価証券の償却費
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( 単位：百万香港ドル )
個人向 法人向 資金為替
保険 その他 小計 消去 連結
銀行業務 銀行業務 業務
2019 年 12 月 31 日に終了した年
度
正味受取 (支払 )利息
－外部 7 16,406 18,551 3,265 2,294 40,523 - 40,523
13,300 (1,665) (9,995) (18) (1,622) - - -
－セグメント間
13,307 14,741 8,556 3,247 672 40,523 - 40,523
正味受取／ (支払 )手数料 7,077 3,939 457 (1,322) 1,166 11,317 (398) 10,919
正味保険料収入 - - - 18,433 - 18,433 (21) 18,412
正味トレーディング利得／ (損
失 ) 789 1,389 3,098 (911) 371 4,736 64 4,800
純損益を通じて公正価値で測
定
するその他の金融商品に係
る純 (損失 )／利得 (1) - 346 2,889 1 3,235 8 3,243
その他の金融資産に係る純利
- 17 754 53 - 824 - 824
得
101 2 45 126 2,083 2,357 (1,342) 1,015
その他営業収益
営業収益合計
21,273 20,088 13,256 22,515 4,293 81,425 (1,689) 79,736
正味保険金並びに負債の変動
- - - (21,292) - (21,292) - (21,292)
減損引当金繰入前純営業収益
21,273 20,088 13,256 1,223 4,293 60,133 (1,689) 58,444
(351) (1,385) (9) (7) (270) (2,022) - (2,022)
正味減損引当金繰入額
純営業収益
20,922 18,703 13,247 1,216 4,023 58,111 (1,689) 56,422
(9,820) (3,394) (1,186) (515) (3,441) (18,356) 1,689 (16,667)
営業費用
営業利益
11,102 15,309 12,061 701 582 39,755 - 39,755
投資不動産処分／
公正価値調整に係る純利得 - - - - 282 282 - 282
有形固定資産処分／
再評価に係る純 (損失 )／利
得 (5) - - - 4 (1) - (1)
関連会社及びジョイント・
ベンチャー持分損益 (税引
137 - 3 - (88) 52 - 52
後 )
11,234 15,309 12,064 701 780 40,088 - 40,088
税引前利益
2019 年 12 月 31 日現在
資産
セグメント資産 442,694 947,164 1,354,356 153,116 155,953 3,053,283 (28,859) 3,024,424
関連会社及びジョイント・
559 - 1 - 1,072 1,632 - 1,632
ベンチャーに対する持分
443,253 947,164 1,354,357 153,116 157,025 3,054,915 (28,859) 3,026,056
負債
1,079,821 907,381 521,210 143,011 96,000 2,747,423 (28,859) 2,718,564
セグメント負債
2019 年 12 月 31 日に終了した年
度
その他の情報
設備投資 48 4 2 45 2,263 2,362 - 2,362
減価償却 1,205 233 102 57 1,284 2,881 - 2,881
- - 2,547 59 (33) 2,573 - 2,573
有価証券の償却費
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47. 金融商品の相殺
以下の表は、相殺、強制可能なマスター・ネッティング契約及び類似の契約の対象となる当グループの金融商品の詳
細である。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
貸借対照表で 貸借対照表に
貸借対照表で
相殺される 計上された
金融資産の
相殺されない関連額
純額
金融負債の 金融資産の
認識額総額
金融商品 受入担保金
認識額総額 純額
資産
デリバティブ 35,570 - 35,570 (28,032) (3,314) 4,224
売戻条件付契約 1,284 - 1,284 (1,284) - -
有価証券借入契約 3,300 - 3,300 (3,300) - -
19,737 (14,300) 5,437 - - 5,437
その他の資産
59,891 (14,300) 45,591 (32,616) (3,314) 9,661
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
貸借対照表で 貸借対照表に
貸借対照表で
相殺される 計上された
金融負債の
相殺されない関連額
純額
金融資産の 金融負債の
認識額総額
金融商品 差入担保金
認識額総額 純額
負債
デリバティブ 48,805 - 48,805 (28,032) (16,858) 3,915
買戻条件付契約 210 - 210 (210) - -
15,454 (14,300) 1,154 - - 1,154
その他の負債
64,469 (14,300) 50,169 (28,242) (16,858) 5,069
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( 単位：百万香港ドル )
2019 年
貸借対照表で 貸借対照表に
貸借対照表で
相殺される 計上された
金融資産の
相殺されない関連額
純額
金融負債の 金融資産の
認識額総額
金融商品 受入担保金
認識額総額 純額
資産
デリバティブ 30,995 - 30,995 (22,120) (2,271) 6,604
売戻条件付契約 3,138 - 3,138 (3,138) - -
有価証券借入契約 2,900 - 2,900 (2,900) - -
12,622 (11,547) 1,075 - - 1,075
その他の資産
49,655 (11,547) 38,108 (28,158) (2,271) 7,679
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
貸借対照表で 貸借対照表に
貸借対照表で
相殺される 計上された
金融負債の
相殺されない関連額
純額
金融資産の 金融負債の
認識額総額
金融商品 差入担保金
認識額総額 純額
負債
デリバティブ 32,748 - 32,748 (22,120) (7,159) 3,469
買戻条件付契約 562 - 562 (562) - -
13,427 (11,547) 1,880 - - 1,880
その他の負債
46,737 (11,547) 35,190 (22,682) (7,159) 5,349
当グループが締結した OTC デリバティブ、買戻条件付及び売戻条件付契約取引並びに有価証券貸借取引のマスター・
ネッティング契約では、同じ取引相手先との関連額は、デフォルトやその他のあらかじめ定められた事象が発生した場
合、相殺することができる。
48. 担保として差入れた資産
2020 年 12 月 31 日現在、当グループの負債のうち、 15,293 百万香港ドル (2019 年： 15,862 百万香港ドル ) は、決済業務を
促進するために中央預託機関に預託されている資産によって担保されていた。さらに、当グループの負債 210 百万香港ド
ル (2019 年： 60,562 百万香港ドル ) は、買戻条件付契約に関する債務証券で担保されていた。これらの負債の担保として
当グループが差入れていた資産の金額は、 15,570 百万香港ドル (2019 年： 76,656 百万香港ドル ) で、主に「純損益を通じ
て公正価値で測定する金融資産」及び「投資有価証券」に含まれている。
49. 金融資産の譲渡
認識の中止の要件を満たさない以下の譲渡された当グループの金融資産は、買戻条件付契約に基づいて取引相手先が
担保として保有する債務証券である。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
関連する負債の 関連する負債の
譲渡された資産 譲渡された資産
の帳簿価額 の帳簿価額
帳簿価額 帳簿価額
231 210 590 562
買戻条件付契約
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50. 取締役への貸付金
香港会社条例第 383 条及び会社規則パート３ ( 取締役の便益に関する情報開示 ) に準拠した当社の取締役への貸付金の詳
細は以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
- -
関連取引総額の年度末残高
期中の関連取引残高総額の最大値 - -
51. 重要な関連当事者間取引
当グループは、中国投資有限責任公司（以下「 CIC 」という。 ) 、 CIC の完全子会社である中央匯金投資有限責任公司
（以下「中央匯金」という。 ) 、及び中央匯金が過半数の持分を保有している BOC を通じて、中華人民共和国国務院の支
配を受けている。
(a) 親会社及び親会社に支配されている他の企業との取引
親会社の一般情報：
当グループは、 BOC の支配を受けている。 中央匯金 は BOC の支配企業であり、外貨投資管理に従事する完全国有
企業である CIC の完全子会社である。
中央匯金 は、中華人民共和国のいくつかの企業の持分の過半数を保有している。
当グループは、通常の営業活動において、これらの企業との間で銀行取引及び他の取引を行う。これらの取引
には、ローン、投資有価証券、マネーマーケット、及び再保険関連の取引が含まれる。
BOC との取引の大部分は、マネーマーケット活動から生じている。 2020 年 12 月 31 日現在、当グループの BOC に関
連する債権の総額は 188,781 百万香港ドル (2019 年： 98,066 百万香港ドル ) 、債務の総額は 110,389 百万香港ドル
(2019 年： 56,995 百万香港ドル ) であった。これらの BOC との取引で当グループが 2020 年 12 月 31 日に終了した年度
に計上した収入の総額は 1,037 百万香港ドル (2019 年： 1 ,971 百万香港ドル ) 、費用の総額は 157 百万香港ドル (2019
年： 478 百万香港ドル ) であった。上記の関連当事者取引は、上場規則第 14 章 A に定義されている関連取引に相当
するが、開示要件は適用されない。
BOC の支配下にあるその他の企業との取引は重要ではないと考えている。
(b) 政府当局、政府機関、政府関係機関及びその他の国営企業との取引
当グループは、 CIC 及び中央匯金を通じて、中華人民共和国国務院の支配を受けており、国務院は直接又は間
接的に、政府当局、政府機関、政府関係機関及びその他の国営企業を通じて多数の事業体を支配している。当グ
ループは、通常の営業活動において、通常の商取引条件で政府当局、政府機関、政府関係機関及びその他の国営
企業と銀行取引を行う。
これらの取引には以下が含まれているが、これに限定されない。
－ 貸付、信用及び保証の供与及び預金の受入
－ 銀行間残高の受入及び預託
－ その他の国営企業によって発行された国債の販売、購入、引受及び償還
－ 外為、送金及び投資関連サービスの提供
－ 信託業務の供与、並びに
－ 公益、輸送、通信及び郵便サービスの購入
(c) 通常の営業活動で関連会社、ジョイント・ベンチャー及びその他の関連当事者と締結された取引概要
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当グループの関連会社、ジョイント・ベンチャー及びその他の関連当事者との関連当事者取引により生じた収
益／費用の総額及び残高は、以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
損益計算書項目
関連会社及びジョイント・ベンチャー
－手数料収入 43 4
－利息費用 1 17
－手数料費用 - 6
－その他の営業費用 80 84
その他の関連当事者
－手数料収入 12 11
貸借対照表項目
関連会社及びジョイント・ベンチャー
－その他の資産 11 -
－銀行及びその他の金融機関からの預り金 38 96
－顧客預金 124 -
7 1
－その他項目及び引当金
上記の関連会社及びジョイント・ベンチャーから生じるその他の営業費用に関する関連当事者間取引は、上場
規則第 14 章 A に定義されている関連取引に相当し、必要な開示は 291 ページから 292 ページ ( 訳者注：原文のページ
番号 ) の「関連取引」で行われている。
(d) 主要な経営幹部
主要な経営幹部とは、取締役及び上級経営者を含む、当グループの活動を直接的又は間接的に計画、指揮並び
に支配する権限及び責任を有する人物である。当グループは通常の営業活動において、主要な経営幹部から預金
を受け入れ、またローン及び信用枠を供与している。当事業年度及び前事業年度において、当社及びその持株会
社の主要な経営幹部並びにその関連当事者との重要な取引は行われなかった。
12 月 31 日に終了した各事業年度における主要な経営幹部に対する報酬の詳細は、以下の通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
55 53
給与及びその他の短期従業員給付
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52. 海外への請求権
以下の分析は、国際銀行統計に関する HKMA への報告書の作成要領を参照して作成している。海外への請求権は、リス
ク移転考慮後の取引先の所在地に基づき最終的リスクが存在する取引先に対するエクスポージャーであり、すべての通
貨のクロスボーダー請求権と外国通貨の現地請求権の合計を示している。取引先の所在地以外の所在地の当事者によっ
て保証されている請求権については、リスクは保証人の所在地に移転される。本社が他の所在地に存在する銀行の海外
支店に係る請求権の場合には、リスクは当該銀行の本社所在地に移転される。
個別の国又は地域に係る請求権 ( リスク移転後 ) で、当グループの海外への請求権の合計の 10% 以上に達するものは、以
下に示す通りである。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
ノンバンク民間部門
ノンバンク 非金融
銀行 公的部門 合計
金融機関 民間部門
中国本土
384,517 134,057 24,283 151,545 694,402
香港 7,263 185 46,394 341,442 395,284
10,575 136,361 16,957 21,578 185,471
米国
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
ノンバンク民間部門
ノンバンク 非金融
銀行 公的部門 合計
金融機関 民間部門
中国本土
290,330 110,229 21,988 154,714 577,261
香港 6,842 96 44,230 362,148 413,316
17,219 106,473 22,908 22,146 168,746
米国
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53. 中国本土におけるノンバンクのエクスポージャー
中国本土におけるノンバンクのエクスポージャーの内訳は、中国本土における活動に対する HKMA への報告書の作成要
領を参照したノンバンクの取引先の分類及び直接的なエクスポージャーの種類に基づいている。これには、 BOCHK の香港
事務所が供与した中国本土向けエクスポージャーのみが含まれている。
( 単位：百万香港ドル )
2020 年
HKMA への
オン・バランス オフ・バランス
エクスポージャー
報告書
シート・エクス シート・エクス
合計
ポージャー ポージャー
項目
中央政府、中央政府所有企業とその子会社及び
349,405 36,110 385,515
ジョイント・ベンチャー １
地方政府、地方政府所有企業とその子会社及び
ジョイント・ベンチャー ２ 69,104 11,230 80,334
中国本土居住の中国国民又は中国本土で設立さ
れたその他の企業とその子会社及びジョイン
ト・ベンチャー ３ 109,921 23,386 133,307
上記項目１に計上されない国営企業 ４ 32,628 4,765 37,393
上記項目２に計上されない地方政府所有企業 ５ 1,002 - 1,002
中国本土で使用するための信用が供与されてい
る、中国本土外に居住する中国国民又は中国
本土外で設立された企業 ６ 83,664 8,477 92,141
エクスポージャーが中国本土におけるノンバン
クのエクスポージャーとみなされるその他の
1,849 10 1,859
取引先 ７
647,573 83,978 731,551
合計 ８
引当金控除後の資産合計 ９ 3,067,224
総資産に対するオン・バランスシート・エクス
21.11%
ポージャーの割合 10
( 単位：百万香港ドル )
2019 年
HKMA への
オン・バランス オフ・バランス
エクスポージャー
報告書
シート・エクス シート・エクス
合計
ポージャー ポージャー
項目
中央政府、中央政府所有企業とその子会社及び
ジョイント・ベンチャー １ 310,795 43,519 354,314
地方政府、地方政府所有企業とその子会社及び
ジョイント・ベンチャー ２ 65,697 13,247 78,944
中国本土居住の中国国民又は中国本土で設立さ
れたその他の企業とその子会社及びジョイン
ト・ベンチャー ３ 102,300 21,580 123,880
上記項目１に計上されない国営企業 ４ 32,086 3,735 35,821
上記項目２に計上されない地方政府所有企業 ５ 500 2 502
中国本土で使用するための信用が供与されてい
る、中国本土外に居住する中国国民又は中国
本土外で設立された企業 ６ 80,635 13,988 94,623
エクスポージャーが中国本土におけるノンバン
クのエクスポージャーとみなされるその他の
1,770 - 1,770
取引先 ７
593,783 96,071 689,854
合計 ８
引当金控除後の資産合計 ９ 2,800,915
総資産に対するオン・バランスシート・エクス
21.20%
ポージャーの割合 10
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54. 貸借対照表及び株主持分等変動計算書
(a) 貸借対照表
12 月 31 日現在
2020 年 2019 年
百万香港ドル 百万香港ドル
資産
子会社銀行預け金 1,474 1,754
投資有価証券 1,412 1,483
子会社への投資 55,322 55,322
子会社に対する債権 7,403 10,114
関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資 1,100 1,100
2 4
その他の資産
66,713 69,777
資産合計
負債
2 3
子会社に対する債務
負債合計 2 3
資本
株主資本 52,864 52,864
13,847 16,910
準備金
資本合計 66,711 69,774
66,713 69,777
負債及び資本合計
2021 年３月 30 日取締役会により承認
取締役会を代表して
取締役 リュウ・リアンジェ
取締役 スン・ユ
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(b) 株主持分等変動計算書
( 単位：百万香港ドル )
準備金
公正価値
株主資本 資本合計
利益剰余金
変動準備金
2019 年１月１日現在
52,864 (1,863) 14,330 65,331
当期純利益 - - 20,604 20,604
その他の包括利益：
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
- (640) - (640)
資本性金融商品
包括利益合計
- (640) 20,604 19,964
- - (15,521) (15,521)
配当金
2019 年 12 月 31 日現在 52,864 (2,503) 19,413 69,774
2020 年１月１日現在 52,864 (2,503) 19,413 69,774
当期純利益 - - 12,222 12,222
その他の包括利益：
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
- (71) - (71)
資本性金融商品
包括利益合計
- (71) 12,222 12,151
- - (15,214) (15,214)
配当金
52,864 (2,574) 16,421 66,711
2020 年 12 月 31 日現在
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55. 主な子会社
当社の全ての直接及び間接子会社の詳細は、付表「当社の子会社」に記載されている。 2020 年 12 月 31 日現在の主要な
子会社のリストは以下の通りである。
設立場所
名称 発行済株式 持株比率 主要な事業活動
及び活動場所
バンク・オブ・チャイナ
( 香港 ) リミテッド 香港 43,042,840,858 香港ドル *100% 銀行業
BOC グループ・ライフ・
アシュアランス・
カンパニー・リミテッド 香港 3,538,000,000 香港ドル *51% 生命保険業
BOC クレジット・カード
( インターナショナル ) クレジット・カード
リミテッド 香港 565,000,000 香港ドル 100% 事業
760,518,480
バンク・オブ・チャイナ
マレーシア・リンギッ
( マレーシア ) ベルハッド マレーシア ト 100% 銀行業
バンク・オブ・チャイナ
10,000,000,000
( タイ ) パブリック・カン
パニー・リミテッド タイ タイバーツ 100% 銀行業
宝生セキュリティーズ・
証券及び
アンド・フューチャー
ズ・リミテッド 香港 335,000,000 香港ドル 100% 先物ブローカー業
* 当社が直接保有する株式
重要な非支配持分を保有する子会社の詳細は、以下の通りである。
BOC グループ・ライフ・アシュアランス・カンパニー・リミテッド
2020 年 2019 年
49% 49%
非支配持分が保有する所有権及び議決権の割合
( 単位：百万香港ドル )
2020 年 2019 年
非支配持分に帰属する利益
424 332
非支配持分累計額 5,587 4,951
要約財務情報
－資産合計 179,865 153,116
－負債合計 168,463 143,011
－当期純利益 866 678
1,349 1,853
－当期包括利益合計
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56. 最終的な親会社
当グループは、 CIC 、その完全子会社である中央匯金、及び中央匯金が支配持分を保有している BOC を通じて、中華人
民共和国国務院の支配を受けている。
57. 財務諸表の承認
当財務諸表は、 2021 年３月 30 日付で取締役会によって公表が承認された。
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２【主な資産・負債及び収支の内容】
添付の財務諸表及び財務諸表に対する注記を参照のこと。
３【その他】
3.1 決算日以後の状況
2022 年 2 月 17 日、当グループは、当グループの 150 億米ドルのミディアム・ターム・ノート・プログラムの一環と
して、 20 億香港ドルの「持続可能でスマートな生活」をテーマとするグリーン・ボンドを発行し、これは香港証券
取引所に上場されている。かかるテーマのグリーン・ボンドは、香港ドル建ての 2024 年に 2 年の満期を迎えるもの
で、半年毎に後払いで支払われる年利 1.33 ％の固定金利が付されたものである。
3.2 訴訟
「第６－１ 財務諸表」の注記「 44. 訴訟」を参照のこと。
3.3 その他
以下に掲げる情報は、当社の財務諸表に対する未監査の補足財務情報として 2021 年度の年次報告書に含まれた財
務情報である。
未監査の補足財務情報
１ . 規制上の開示
規制上の開示は、年次報告書中の開示と共に、 HKMA により発行される銀行（開示）規則及び金融機関（決議）
（損失 - 吸収資格要件 - 銀行部門）規則により求められるすべての開示を含んでいる。規制上の開示は、バンク・
オブ・チャイナ香港のウェブサイト、 www.bochk.com の「規制上の開示」の項で入手可能である。
年次報告書及び規制上の開示は、当グループの開示方針に従い作成される。開示方針は、遵守ベースで当グ
ループの財務情報の堅固なメカニズムを定めている。これは、財務開示の適時性、公正性、正確性、誠実性、網
羅性及び適法性を確実にするための方針及び内部統制手段を表している。
2. 関連会社間取引
2021 年度において、当社の完全所有子会社であるバンク・オブ・チャイナ香港及びその子会社は、通常の営業
活動において、中国銀行及びその関連会社との多数の取引に定期的に従事している。中国銀行が当社の支配株主
であり、その結果当社の関連当事者であるため、当該取引は全て上場規則の定義する関連会社間取引を構成す
る。当グループは、チャイナ・インベストメント・コーポレーション（以下「 CIC 」という。）、その完全保有子
会社であるセントラル・フイジン・インベストメント・リミテッド（以下「セントラル・フイジン」とい
う。）、及びセントラル・フイジンが支配的持分を有している中国銀行を通じて中国政府国務院の規制に従うも
のとする。セントラル・フイジンは、当社の最終的な支配株主である。セントラル・フイジンは、主要な金融系
企業に株式投資を行なうことについて中国政府の承認を受諾した。従って、本書の目的のため、セントラル・フ
イジン及びその関連会社は、当社の関連当事者として処理していない。
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取引は、以下の２つのカテゴリーに分類されている。
１ . 通常の営業活動において、通常の商取引条件もしくはより好ましい条件に基づいて締結された非課税取
引。当該取引は、 (1) 株主の承認、年次の見直し及びすべての開示要件から完全に免除、並びに／又
は、 (2) 上場規則の規則 14A.76 及び 14A.87 から 14A.101 の株主承認要件から免除された。
２ . 2002 年７月６日付のうち、特に当社と中国銀行により締結されたサービス及び関係契約（適宜改定及び
補足されたもの。 2020 年１月１日より開始する３年間の期間について改定された。）に基づき行われる
特定の継続関連会社間取引。同契約において中国銀行は、情報技術サービス、トレーニング・サービ
ス、地金取引現物決済代理サービス、コルレス銀行取引、資金為替取引、保険補償の提供、シンジケー
ト・ローン等を含む特定の分野に関連して、当グループとの将来の契約を全て、独立当事者間取引基準
で、通常の商取引条件で、独立した第三者に提供されるものと最低でも同等のレートで締結することに
同意し、又はその関連会社が同様に締結するようにすることに同意した。そして当社は、当グループが
中国銀行及びその関連会社に提供するレートが独立した第三者に対し提供されるものと最低でも同等で
あることを前提に、将来の契約を全て同様の条件で締結することに同意し、又は当社子会社が同様に締
結するようにすることに同意した。なお、サービス及び関係契約は、以下を含めるために、最終的に改
定された。中国銀行及びその関連会社と当グループ間の保険機関及び保険委託サービスの提供。 2019 年
12 月 23 日に当社は上場規則の規則 14A.35 に基づき公告（以下「公告」という。）を行い、 2020 年６月 29
日に個人株主の承認を得た。公告は、重要でない取引の範囲を超えた継続関連会社間取引を掲載し、
2020 年から 2022 年までの当該取引に関して上限が示された。当該取引は、当社の通常の営業活動におい
て、通常の商取引条件又はより好ましい条件に基づいて実施された。これらの継続関連会社間取引の詳
細は、下記に示され、また当社のウェブサイトにて参照できる公告に記載されている。当社は上場規則
の規則 14A に基づく開示要件を遵守している。
2021 年上限 2021 年実績
取引の種類
（ 百万香港ドル） （ 百万香港ドル）
1,000 158
情報技術サービス
1,000 182
不動産取引
1,000 34
銀行券デリバリー
1,000 297
保険補償の提供
1,000 95
カード・サービス
1,000 65
保管受託業務
1,000 79
コンタクト・センター・サービス
7,000 324
証券取引
7,000 58
投資信託販売取引
7,000 984
保険代理店業務
250,000 1,361
投資商品取引
7,000 86
資産運用及び委託サービス
7,000 884
外国為替取引
7,000 349
デリバティブ取引
250,000 7,057
金融資産取引
250,000 35,244
銀行間資本市場
3. HKFRSs と IFRSs ／ CASs 間の調整
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当社は、中間持株会社であり当社の支配株主である中国銀行が、当社及びその子会社が連結財務諸表の一部を
構成する連結財務情報を国際財務報告基準（以下「 IFRSs 」という。）及び CASs に従って作成及び開示すると理解
している。 CASs の要件は、実質的に HKFRSs 及び IFRSs に収束している。
中国銀行がその連結財務諸表で開示した期間の「 BOC Hong Kong Group 」（以下「 BOC 香港グループ」とい
う。）の連結財務情報は、当社が香港において適用される法令に基づいて公表した期間の連結財務情報と異な
る。これには２つの理由がある。
第一に、（中国銀行が自社の財務内容の開示目的のために採用した）「 BOC 香港グループ」と（当社が自社の連
結財務情報を作成及び提示するために採用した）「当グループ」の定義は異なる。「 BOC 香港グループ」とは、
BOC 香港（グループ）及びその子会社のことであり、「当グループ」は当社及びその子会社のことである（下記の
図を参照のこと。）。「 BOC 香港グループ」と「当グループ」の定義は異なるものの、それぞれが提示した期間の
財務実績は実質的に同一である。これは、 BOC 香港（グループ）とバンク・オブ・チャイナ香港 (BVI) 株式会社が
持株会社のみであり、自ら実質的な事業を営んでいないためである。
第二に、当グループの連結財務諸表は HKFRSs に従って作成されている。一方、中国銀行に報告した連結財務情
報は、それぞれ IFRSs 及び CASs に従って作成されている。それぞれ当グループ及び中国銀行が選択した銀行店舗の
事後的測定基準が異なっている。
取締役会は、株主及び一般投資家が、当社が発表する当グループの連結財務情報及び中国銀行が自社の連結財
務諸表において開示する BOC 香港グループの連結財務情報との間の重要な相違を確実に理解してもらうためには、
提示された期間における、 HKFRSs に基づいた当グループの税引後利益及び純資産に対する IFRSs ／ CASs に基づいた
当グループのそれぞれの税引後利益及び純資産の調整を表示することが最良の方法と考える。
測定基準が相違することに起因する主な相違は、下記に関連している。
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(a) 銀行店舗の帳簿簿価の修正再表示
当社は HKFRSs に基づき、銀行店舗の計上に関して原価モデルではなく再評価モデルを適用した。一方、中国
銀行は IFRSs 及び CASs に基づき、銀行店舗に関しては原価モデルを適用した。そのため、 IFRSs 及び CASs に従っ
て銀行店舗の帳簿価額が調整され、減価償却費及び処分損益を再計算するための調整が行われた。
(b) 繰延税金にかかる調整
これらは、前述した調整による繰延税金の影響を示す。
税引後利益及び純資産の調整
HKFRSs と IFRSs ／ CASs の比較
税引後利益 純資産
2021 年 2020 年 2021 年 2020 年
百万香港ドル 百万香港ドル 百万香港ドル 百万香港ドル
HKFRS に基づき作成されたバンク・オ
ブ・チャイナ香港（ホールディング
ス）リミテッドの税引後利益／純資産 24,999 28,468 327,461 319,655
追加： IFRSs ／ CASs にかかる調整
銀行店舗の帳簿価額の修正再表示
891 959 (31,786) (32,110)
繰延税金にかかる調整
(93) (119) 5,534 5,534
IFRSs ／ CASs に基づき作成されたバン
ク・オブ・チャイナ香港（ホールディ
ングス）リミテッドの税引後利益／純
25,797 301,209
29,308 293,079
資産
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４ 【香港と日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違】
添付の連結財務諸表は、香港財務報告基準 ( 以下「 HKFRSs 」という。 ) に従って作成されている。 HKFRSs は、香港会計
士協会が発行した、適用される個々の香港財務報告基準、香港会計基準及び解釈指針全般を含む総称である。当該連結財
務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められる会計原則に従って作成されたものとは異なる可能性がある。主な相
違点は以下の通りである。
特別（異常）損益の表示
HKFRSs では、利得又は損失のいかなる項目も、特別（異常）項目として、包括利益計算書もしくは損益計算書又は
注記のいずれにも表示してはならない。
日本の会計原則では、経常損益項目以外の項目は、損益計算書に特別損益として表示する。
その他の包括利益の項目の表示
HKFRSs では、特定の条件を満たした時点で純損益に再分類されるその他の包括利益は、その後純損益に再分類されない
ものと区分して開示しなければならない。
日本の会計原則では、このようなその他の包括利益の項目の表示に関する規定はない。
企業結合
HKFRSs では、子会社の取得の会計処理は、以下の通りである。
(1) 共通支配下にない企業結合
共通支配下にない企業の取得は、取得法を用いて会計処理される。企業結合において移転される対価は、取得した資
産、引き受けた負債（条件付対価契約を含む。）及び被取得企業の支配と交換に取得企業が発行した持分の取得日の公正
価値で測定される。取得関連コストは、発生時に損益計算書において費用計上される。
のれんは、取得した識別可能な取得資産及び引受負債を控除した取得日現在の金額に対する、移転された対価、被取
得企業に対する非支配持分の金額、及び取得企業が従前保有していた被取得企業に対する資本持分の取得日現在の公正価
値（もしあれば）の合計の超過として測定される。評価を行った後に、被取得企業の識別可能な純資産の公正価値が、譲
渡された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び被取得企業において取得企業が以前に保有していた資本持分の公正
価値（もしあれば）の合計を超過する場合、この超過額は廉価取得に係る利得として損益計算書に直ちに認識される。
HKFRSs では、のれんは償却せず、最低年に一度は減損テストを実施する。のれんの減損テストは、のれんが配分されてい
る資金生成単位について、のれんを含む帳簿価額と回収可能価額を比較しなければならない。
企業結合において取得企業の移転する対価が条件付対価契約による資産又は負債を含む場合、条件付対価は取得日の
公正価値で測定され、企業結合において譲渡された対価の一部とみなされる。測定期間における調整として適格な条件付
対価の公正価値の変動は遡及的に調整され、対応する調整がのれん又は割安購入益に対して行われる。測定期間における
調整は、取得日現在に存在していた事実及び状況について測定期間中に入手された追加情報により行われる。測定期間
は、取得日より１年を超過しない。
取得毎に、取得企業は公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産の公正価値に対する非支配持分の比例持分のいず
れかで被取得企業の非支配持分を認識する。
(2) 共通支配下の企業結合
共通支配下にある企業との結合については、合併の会計処理方法が適用される。合併の会計処理方法の原則は、共通
支配下にある会社を、あたかも被取得企業の事業が取得企業によって常時行われてきたかのごとく、結合させる方法であ
る。取得企業の連結財務諸表には、取得企業と被取得企業が初めて共通の支配下に入った日付から当該企業結合が発生し
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ていたかのように、取得企業の連結業績、連結キャッシュ・フロー及び連結財務状態が表示される（すなわち、企業結合
日における公正価値による調整は必要とされない）。企業結合時の対価と帳簿価額との差額は資本において認識される。
取 得企業と被取得企業との間の全取引による影響額は、当該結合前に発生したか後に発生したかに関わらず、取得企業の
連結財務諸表を作成する際に消去される。比較金額は、被取得企業が前報告期間の期首に結合されていたかのように表示
される。当該企業結合に係る取引費用は、損益計算書において費用計上される。
日本の会計原則においては、企業結合に係る会計処理について「企業結合に係る会計基準」に従い、非支配持分は被
取得企業から受け入れた識別可能資産及び負債の企業結合日時点の時価を基礎として、比例持分で認識する。また、のれ
んは原則として 20 年以内に定額法又はその他合理的な方法により償却しなければならない。また、のれんを含む資産グ
ループごとに減損の兆候がある場合、「固定資産の減損に係る会計基準」により減損テストが実施される。
連結の範囲
HKFRSs では、 HKFRS 第 10 号「連結財務諸表」に基づき、被投資企業への関与により生じる変動リターンに対するエクス
ポージャー又は権利を有し、かつ、被投資企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合
は、当該被投資企業を連結の範囲に含めなければならないとされている。 HKAS 第 28 号「関連会社及び共同支配企業に対す
る投資」では、関連会社及び共同支配企業について持分法の適用を求めている。関連会社とは、投資者が財務及び経営方
針に関与する力を有し、重要な影響力を与えることができる企業をいい、共同支配企業とは、 投資者が他の投資者と共同
支配を有している企業をいう 。
日本の会計原則では、ある企業の議決権の過半数を実質的に所有している場合、又は過半数は所有していないが高い比
率の議決権を有しており、かつ、当該企業の意思決定機関を支配している一定の事実が認められる場合に、当該企業は子
会社とみなされる。また、ある企業の議決権の 20 ％以上を実質的に所有している場合、又は 20 ％未満であっても一定の議
決権を有しており、かつ、当該企業の財務及び営業の方針決定に対して重要な影響を与えることができる一定の事実が認
められる場合に、当該企業は関連会社とみなされる。
金融資産
HKFRSs では、金融資産は次の区分、つまり償却原価測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値測定する
金融資産、純損益を通じて公正価値測定する金融資産のいずれかに分類するよう要求される。金融資産の分類は、当初認
識時に行われる。当該分類は、金融資産の管理に関する企業の事業モデルと金融資産の契約上のキャッシュ・フローの特
性に従って、又は公正価値オプションの選択の有無に従って行われる。
金融商品が負債性金融商品であり、企業の事業モデルの目的が契約上のキャッシュ・フローを回収するために当該金
融資産を保有することであり、かつ当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローが、レバレッジがかかっていない元本及
び元本残高に対する利息の支払のみを表している場合のみ、当該金融資産は事後的に償却原価で測定される。また、契約
上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって達成される事業モデルの下で負債性金融商品を保有しており、当該
負債性金融商品が契約上のキャッシュ・フローの要件を満たしている場合、その他の包括利益を通じて公正価値で事後測
定される。その他すべての負債性金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定される。
資本性金融商品は、非上場投資であっても、公正価値で事後的に測定される。トレーディング目的で保有する資本性
金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定される。その他すべての資本性金融商品に対する投資について、当初認識時
に、実現及び未実現の公正価値による利得又は損失をその他の包括利益で認識するという取消不能の選択を行うことがで
きる。その他の包括利益で認識した金額は、投資を売却した場合であっても事後的に純損益に振替えることはできない。
配当は、支払いを受ける権利が確定した時に純損益に認識される。
日本の会計原則では、保有目的に応じて有価証券を以下の３つの分類のひとつに分類する。
売買目的有価証券：
時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券であり、時価評価され、実現損益及び未実現損益は
当期の損益計算書に計上される。
満期保有目的の債券：
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満期保有目的の債券は、取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、取得価額と額面金額の差額が金利の調整
と認められるときは、償却原価法（利息法又は定額法）に基づく価額により計上される。満期保有目的の債券は、あらか
じ め満期日が定められており、かつ、額面金額での償還が予定されていなければならない。また、保有者は、満期まで保
有する積極的な意思及び能力を有していなければならない。満期保有目的の債券の保有目的の変更は極めて例外的に特定
の場合にのみ認められる。基準を満たさない保有目的の変更が行われると、全ての債券を満期保有目的に区分することが
できなくなる。
その他有価証券：
売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式に分類されなかった有価証券はその他有価証
券に分類される。その他有価証券は時価により計上され、未実現損益は、税効果考慮後の金額が純資産の部に計上される
か、又は、未実現損失は損益計算書に、未実現利益は税効果考慮後の金額が純資産の部に計上される。活発な市場におけ
る市場価格の無い証券は、時価を把握することが極めて困難であるとみなされ、取得原価で測定される。
有価証券の時価が著しく下落している場合には、回復する見込みがあると認められた場合を除き、減損処理を行わな
ければならない。日本においては、一般的に、市場価格が 50 ％以上下落していれば、合理的な反証がないかぎり減損処理
が行われ、 50 ％未満で 30 ％より大きい下落であれば、著しい下落と判断し、時価の下落が一時的なものかどうか等により
減損の要否が判断される。
利息認識
HKFRSs では、金融資産及び金融負債は償却原価の計算により、償却期間を通じて収益及び費用を按分するに際し、実
効金利法を用いる。実効金利には、契約当事者間で授受される、実行利回りの不可分な一部を表す全ての手数料や取引費
用、直接起因する融資手数料が含まれる。ステージ 3 の金融資産に関する金利収益は減損控除後の簿価に対して実効金利
を適用して計算される。
日本の会計原則では、償却原価は原則として実効金利法により、利息額のみを考慮する。なお、簡便法として定額法
を採用することも認められる。
ヘッジ会計
HKFRSs では、公正価値ヘッジ（ヘッジ対象の特定のリスクに係る公正価値の変動と、ヘッジ手段の公正価値の変動
を、ともに純損益として認識・計上する）、キャッシュ・フロー・ヘッジ（ヘッジ手段の公正価値変動のうち、有効部分
がその他の包括利益に直接計上され、資本の部に累積される。資本の部に累積された金額は、ヘッジ対象の価値の変動が
純損益に計上される期に純損益に振り替えられる）、及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジについてキャッシュ・
フロー・ヘッジと同様に、ヘッジ会計が認められている。
日本の会計原則では、ヘッジ会計要件を満たしている場合は、原則として、ヘッジ手段に係る損益を、非有効部分も
含めて純資産の部において繰り延べる。ただし、その他有価証券をヘッジ対象とする場合は、ヘッジ対象に係る相場変動
等を損益に反映させる時価ヘッジも認められる。
ヘッジ会計－金利スワップの特例処理
HKFRSs では、金利スワップはデリバティブとして取扱い、純損益を通じて公正価値で評価される。金利スワップに対す
る特例処理は認められない。
日本の会計原則では、一定の条件を満たす場合には、金利スワップを時価評価せず、金利スワップに係る利息を直接、
金融資産・負債に係る利息に加減して処理することが認められる。
金融資産の減損評価
HKFRSs では、企業は、より早期に予想信用損失を認識することを求める将来予測的な予想信用損失モデル（以下「 ECL
モデル」という。）を用いることが求められている。償却原価測定で測定される負債性金融商品、及びその他の包括利益
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を通じて公正価値で測定される負債性金融商品、ローン・コミットメント、金融保証契約に係る損失評価引当金は、 ECL
モデルにより算定される。
具体的には、 ECL モデルにおいては、企業は信用リスクを評価し、偏りのない確率加重で ECL を見積ることが求められ
る。さらに、過去の事象だけでなく、現在の状況及び将来の経済状況の予測を含め、報告日において全ての情報を考慮し
たうえで、貨幣の時間価値を割り引いて ECL を算定することが求められる。
対象となる金融資産は、当初認識時、ステージ１に分類し今後 12 ヶ月の予想信用損失を認識する。また、当初認識時以
降、信用リスクが著しく増加している場合、ステージ２に分類し全期間の ECL を認識する。金融資産の見積将来キャッ
シュ・フローに不利な影響を与える１つ又は複数の事象が発生している場合には、ステージ３に分類し全期間の ECL を認
識する。
また、仮にその後の会計期間（直接償却前）において損失評価引当金の金額が減少した場合、過去に認識した減損損
失は損失評価引当金の減少の範囲内で損失評価引当金額を調整することにより戻し入れる。当該戻入れの金額は損益計算
書上で認識される。
償却原価で測定される金融資産の回収が見込まれない場合には、既に認識された損失評価引当金を充当することにより
当該金融資産を直接償却する。そのような償却原価で測定される金融資産は、全ての必要な手続きが完了したのち直接償
却され、損失額が決定する。過去に直接償却した金額の事後的な回復は、損益計算書における減損損失の金額を減少させ
る。
日本の会計原則では、回収不能と判断された金額に対して一般貸倒引当金又は個別貸倒引当金が計上される。一般貸
倒引当金は、個別に回収不能と認められない貸付金に対して、過去の貸倒実績等に基づいて計上される。個別貸倒引当金
は、個別に回収不能と認められた貸付金に適用され、各債務者の支払能力調査に基づいて計上される。貸倒引当金は資産
の控除項目として計上される。なお、 HKFRSs と日本の会計原則での貸倒引当金の計上金額は、それぞれの一般に公正妥当
と認められている会計基準の適用に準拠して計算されるが、具体的な計算方法は各国の金融規制当局の考え方に影響を受
けるため、結果として計算される引当金額が異なる場合がある。
日本の会計原則では、金融資産及び負債の認識の中止に起因する保証を除き、金融保証の当初認識及び公正価値での
測定は要求されていない。報告主体が銀行である場合、保証を受ける第三者に対する返済義務は偶発債務として扱われ、
「支払承諾」勘定に契約金額で記録される一方、対応する保証人の顧客に対する補償の権利は偶発資産として扱われる
「支払承諾見返」勘定に計上され、貸倒損失額が見積もられる。
日本の会計原則では、ローン・コミットメントは減損の対象となっておらず、未実行残高を注記のうえ、手数料は発
生主義に基づき、当期に対応する部分を純損益に計上する。
減損貸付金に係る利息の認識
HKFRSs では、貸付金や類似する貸付金グループに減損による評価減が行われると、受取利息は貸付金の評価減後の金
額に対して、当初の実効金利を使用して、認識される。
日本の金融機関における取扱いでは、一般に自己査定の結果、「破綻懸念先債権」及び「実質破綻先債権及び破綻先
債権」に区分された貸付金については、未収利息を計上しない。
金融資産の認識の中止
HKFRSs では、企業が金融資産から発生するキャッシュ・フローを受け取る権利がなくなる、又は企業が所有に伴う全
てのリスク及び便益を実質的に他に移転する場合に、認識が中止される。企業が金融資産に伴うリスク及び便益を移転も
保持もしない場合、売買後も支配権を留保する場合には支配の及ぶ範囲内で売却対象資産を認識し、売買後に支配権を保
持していない場合には当該金融資産の認識を中止する。
日本の会計原則では、「金融商品に関する会計基準」により、以下の要件のいずれかに該当する場合は金融資産の消
滅を認識しなければならない。
1) 金融資産固有の契約上の権利を行使した時
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2) 金融資産固有の契約上の権利を喪失した時
3) 金融資産固有の契約上の権利に対する支配が他に移転した時
これに加え、金融資産の契約上の権利に対する支配が他に移転するのは以下の要件を全て充足した場合である。
a) 譲渡された金融資産に対する譲受人の契約上の権利が譲渡人及びその債権者から法的に保全されていること
b) 譲受人が譲渡された金融資産の契約上の権利を直接又は間接に通常の方法で享受できること
c) 譲渡人が譲渡した金融資産を満期日前に買戻す権利及び義務を実質的に有していないこと
上記 a) は譲渡人に倒産等の事態が生じても譲渡された金融資産が譲渡人やその債権者等から法的に保全されているこ
とを意味する。
金融商品の条件変更
HKFRSs では、償却原価又はその他の包括利益を通じて公正価値測定する金融商品の契約上のキャッシュ・フローが再交
渉又は修正される場合、修正された契約上のキャッシュ・フローは、当初の実効金利を使用して割り引かれ、減損前の当
初の償却原価と比較される。差異が重要である場合、元の金融商品の認識を中止し、前述の現在価値で再認識する必要が
ある。差異が重要でない場合、差額は当初の帳簿価額に調整され、純損益で会計処理される。
日本基準では、金融商品の条件変更に関する規定はない。
Day1 利益
HKFRSs では、公正価値と取引価格との間に差（ Day1 利益）が生じ、公正価値が市場で観測できるデータを用いる評価モ
デル以外のものを根拠とする場合、当該 Day1 利益の認識は繰延べられる。
日本の会計原則では、 Day1 利益に関する規定はない。
金融負債
HKFRSs では、金融負債を、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債（トレーディング目的で保有する金融負債又は
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定（以下「公正価値オプション」という）をした金融負債）又は、償却
原価で測定する金融負債に分類する。公正価値オプションの指定を行っている場合、当該金融負債の公正価値の変動のう
ち、当該負債の自身の信用リスクの変動に起因する金額は、その他の包括利益に表示され、残りの金額は、純損益に表示
される。ただし、もし当該要求事項が、純損益における会計上のミスマッチを創出又は拡大することとなる場合には、公
正価値変動の全体が純損益に表示される。会計上のミスマッチが生じるかどうかの決定は、当初認識時に個々の金融負債
に関して行う必要があり、事後の再評価は認められない。その他の包括利益に表示された金額は、その後純損益には振替
えられないが、資本項目内部での振替えが行われる可能性がある。
日本の会計原則では、金融負債は債務額又は償却原価で測定される。
金融保証
HKFRSs では、当初、金融保証は金融負債として認識され、保証が付与された日の公正価値で財務諸表の「その他の負
債及び引当金」に計上される。当初の認識後、かかる保証の下での企業の負債は、 ( ⅰ ) 金融保証に係る予想信用損失引当
金、又は ( ⅱ ) 当初認識した金額から、適切であれば、保証の期間にわたって定額法で認識した累積償却額を控除した金額
のいずれか高い金額で測定されている。金融保証に関する負債の変動は全て損益計算書に計上される。
日本の銀行業に係る会計原則では、第三者に対して負う金融保証は額面金額で支払承諾勘定に負債として計上され、
同額の支払承諾見返勘定が資産に計上される。また、保証に起因して、将来の損失が発生する可能性が高く、かつ、その
金額を合理的に見積もることができる場合には、引当金を計上する。
金融商品の開示
HKFRSs では、金融商品の種類ごとに公正価値測定に用いられたインプットの性質により３つのレベルのヒエラルキーに
分けて公正価値測定について開示することを求めている。また、企業に担保及びその他の信用補完として保有している担
保物件の財務的影響の開示も義務付けている。
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日本の会計原則では、公正価値ヒエラルキーや担保及びその他の信用補完として保有している担保物件の財務的影響の
開示は求められていない。なお、企業会計基準委員会（ ASBJ ）は、国内外の企業間における財務諸表の比較可能性を向上
さ せる観点から、 2019 年 7 月 4 日に企業会計基準第 30 号「時価の算定に関する会計基準」等を公表するとともに、企業会計
基準適用指針第 19 号「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」を改正しており、同適用指針において、一部の個別項
目の取り扱いで HKFRSs と異なる定めはあるものの、金融商品の時価のレベルごとの内訳等の開示を求めている。これらの
改訂は 2021 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用される。ただし、早期適用が可能である。
HKFRSs では、金利指標改革に関するプロジェクトは、フェーズ１（既存の金利指標を代替的な金利指標に置換える前の
期間に生じる財務報告への影響）、フェーズ２（既存の金利指標を代替的な金利指標に置換える時に生じる財務報告への
影響）により完了した。フェーズ１では、救済措置を適用した場合にヘッジ関係に関する情報の開示が求められている。
フェーズ２では、代替的金利指標への移行の進捗及び当該移行をどのように管理しているか、移行から生じるリスクに晒
されている程度及びこれをどのようにリスク管理しているか等に関する定性的・定量的情報の開示が求められている。
日本の会計原則では、企業会計基準委員会（ ASBJ ）実務対応報告第 40 号「 LIBOR を参照する金融商品に関するヘッジ会
計の取扱い」の改訂により救済措置を適用した場合、ヘッジ関係に関する情報の開示を要求している。当該実務対応報告
第 40 号では、ヘッジ会計の方法、ヘッジ手段である金融商品の種類、ヘッジ対象である金融商品の種類、ヘッジ会計の種
類を注記することを要求している。また、 当該実務対応報告を一部の ヘッジ関係にのみ適用する場合には、その理由を注
記する必要がある。
収益認識
HKFRSs では、顧客との契約から生じる全ての収益について、単一の 5 ステップ・モデルで会計処理を定めている。当該
モデルは、約束した財又はサービスを顧客に移転した際に権利を得ると見込んでいる対価を反映するように収益を認識す
る、という中心となる原則に基づいている。当該モデルは、不動産や備品のような通常の活動のアウトプットではない非
金融資産の売却に関する利得又は損失の認識及び測定にも適用可能である。
日本の会計原則では、「実現主義」に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものを収益として認識す
るとされているものの、収益認識に関する包括的な会計基準はこれまで開発されていなかった。実現主義は、財貨又は役
務の移転の完了と、その対価（例えば現金又は現金等価物）の受領が収益を認識するための要件と考えられている。企業
会計基準委員会（ ASBJ ）は、国内外の企業間における財務諸表の比較可能性を向上させる観点から、 2018 年 3 月 30 日に企
業会計基準第 29 号「収益認識に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第 30 号「収益認識に関する会計基準の適用指
針」を公表し、一部の個別項目に対する取り扱いで HKFRSs と異なる定めはあるものの、 HKFRS 第 15 号と基本的に同等の内
容となっている。これらの改訂は、 2021 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用される。ただ
し、早期適用が可能である。
不動産の再評価
HKFRSs では、企業は不動産の事後測定について原価モデルか再評価モデルのいずれかを選択することができる。再評
価モデルについては、不動産は再評価額から再評価時点後の減価償却累計額及び減損累計額を控除した金額で計上され
る。不動産の再評価により発生する帳簿価額の増加は、その他の包括利益を通じて不動産再評価準備金に貸方計上され
る。過年度の同じ個別資産の増加を相殺する減少は、その他の包括利益を通じて不動産再評価準備金に対して計上され、
その他の減少は全て、損益計算書に費用計上される。その後の増加は、過去に借方計上した金額を限度として損益計算書
に貸方計上され、その後、不動産再評価準備金に貸方計上される。
日本の会計原則では、固定資産は通常、取得原価で計上される。
固定資産の減損
HKFRSs では、資産の帳簿価額が回収可能価額を超過した場合には減損を認識しなければならない。回収可能価額は、
資産の処分費用控除後の公正価値又は使用価値のどちらか高いほうで測定される。使用価値は、資産又はその資産が属す
る資金生成単位の割引将来税引前キャッシュ・フローに基づき計算される。経営者が減損が存在すると判断した場合、当
該資産の回収可能価額が見積られ、適切である場合には、資産を回収可能価額まで減額するために減損損失が認識され
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る。かかる減損損失は、資産が評価額で計上され、減損損失がその同じ資産の再評価準備金を超過しない場合 ( そのよう
な場合、再評価減として会計処理される ) を除いて、損益計算書に認識される。減損損失は、必要に応じて、不動産再評
価 準備金又は損益計算書を通じて戻し入れられる。
減損損失を計上した資産のその後の回収可能価額の増加は、損失を生じさせた事象がもはや存在しない場合に、減損
損失を戻し入れる。減損損失の戻し入れは、過年度の資産について減損損失が認識されなかった場合に算定される帳簿価
額（減価償却費控除後）を超過してはならない。
日本の会計原則では、固定資産の減損に関する会計基準として、「固定資産の減損に係る会計基準」が適用されてい
る。当該基準では、長期性資産の割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合に、当該帳簿価額と回収
可能価額の差額が減損損失として計上される。減損損失の戻入れは禁止されている。
投資不動産
HKFRSs では、投資不動産は取引コストも含めて取得原価で当初測定しなければならない。その後、投資不動産は公正
価値で計上され、公正価値の変動は損益計算書に直接計上される。
日本の会計原則では、投資不動産について、その他の有形固定資産と同様に取得原価基準により会計処理され、「固
定資産の減損に係る会計基準」に基づき減損処理が行われる。また、賃貸等不動産については、時価情報の開示が求めら
れている。
保険契約
HKFRSs では、保険契約に基づき将来発生すると予想される契約保険金に関する負債は、保険料が認識される際に計上
される。各報告期間末において、保険契約負債の金額が十分であることを確認するために負債の十分性のテストが実施さ
れる。不足額は即時に損益計算書に計上され、負債の十分性のテストから生じる損失に対して引当金が設定される。
日本の会計原則では、保険料積立金及び未経過保険料の算出について、純保険料式もしくは特定の条件下においてチ
ルメル式が適用されている。保険数理人のテストにより生じる積立不足については損益計算書に計上され、保険料積立金
の追加積立が行われる。
リース
HKFRSs では、借手はリースをファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に区分せず、単一の借手会
計処理モデルを適用する。すなわち、借手は、リース開始日において将来の支払リース料総額を割り引くことで「使用権
資産」及びリース債務を認識・測定する。具体的には、リース負債は、オプションの行使が合理的に確実と見込まれる場
合のオプション期間に係る支払も含めた、契約上の解約不能の支払リース料に係る将来キャッシュ・フローの割引現在価
値で測定される。使用権資産は、一般的にリース負債に当初直接コスト、及び見積もった解体又は返還コストを加え、さ
らに前払・未払のリース料を調整して測定される。その後、借手は時の経過により増加したリース債務に係る利息費用を
認識するとともに、使用権資産に係る減価償却費をリース期間にわたって認識する。なお、実務上の便法として、借手は
リースの開始日においてリース期間が 12 か月以内である短期リース、及び原資産が少額であるリースに対して上記会計処
理モデルを適用しないことを選択でき、この場合、リース期間にわたり規則的にリース費用を認識する。
日本の会計原則では、借手はリースをファイナンス・ リース 取引とオペレーティング・リース取引に区分する。借手
のファイナンス・リース取引は、通常の売買取引に係る方法に準じて、リース物件とこれに係る債務をリース資産及び
リース債務として貸借対照表に計上する。ただし、リース契約 1 件当たりのリース料総額が 300 万円以下のリース取引や、
リース期間が 1 年以内のリース取引などは、通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行うことができる。また、
オペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行う。
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第７【外国為替相場の推移】
当社の財務諸表の表示に用いられた通貨（香港ドル）と本邦通貨との間の為替相場が、国内において時事に関する事
項を掲載する 2 以上の日刊新聞紙に最近 5 年間の事業年度及び最近 6 月間において掲載されているため、記載を省略する。
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第８【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
１ . 日本における株式事務等の概要
1.1 日本における株式の名義書換取扱場所及び名義書換代理人
日本には当社の株式に関する名義書換代理人又は名義書換取扱場所はない。
当社の株式を取得する者（本１ . において以下「実質株主」という。）と、その取得窓口となった証券会社
（以下「窓口証券会社」という。）との間の外国証券取引口座に関する規則（以下「外国証券取引口座約款」と
いう。）により、実質株主の名義で外国証券取引口座（以下「取引口座」という。）が開設される。売買の執
行、売買代金の決済、証券の保管及びその他当社の株式の取引に関する事項は全てこの取引口座を通じて処理さ
れる。
各窓口証券会社は、取引口座を有する全ての実質株主の明細表（以下「実質株主明細表」という。）を維持
し、かかる明細表には各実質株主の名前及びそれら実質株主の各人の代わりに保有される当社の株式の株数が記
載される。
以下は、外国証券取引口座約款に従った、当社の株式に関する事務手続きの概要である。
1.2 株主に対する特典
なし。
1.3 株式の譲渡制限
なし。
1.4 その他株式事務に関する事項
1.4.1 証券の保管
当社の株式は、窓口証券会社を代理する香港における保管機関（以下「香港保管機関」という。）又はその
名義人の名義で登録され、香港保管機関により保管される。
1.4.2 決算期
毎年 12 月 31 日
1.4.3 実質株主明細表の基準日
当社は配当の支払又は新株引受権の付与のための基準日を定めることができる。かかる配当又は新株引受権
を受領する資格を有する実質株主を決定するための実質株主明細表の基準日は、通常当該基準日と同一の暦日
となる。
1.4.4 実質株主に対する株式事務に関する手数料
実質株主は、取引口座を開設するときに窓口証券会社の定めるところにより年間口座管理料を支払う他、必
要に応じて実費を支払う。
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1.4.5 公告
日本において公告を行わない。
1.4.6 株価の発表
日本証券業協会は、原則として、東京での毎営業日に、香港証券取引所での当社の株式の終値を発表する。
２ . 日本における実質株主の権利行使に関する手続
2.1 実質株主の議決権の行使に関する手続
議決権の行使は、実質株主が窓口証券会社を通じて行う指示に基づき、香港保管機関又はその名義人が行う。実
質株主が指示をしない場合、香港保管機関又はその名義人は議決権を行使しない。
2.2 配当請求等に関する手続
2.2.1 現金配当
外国証券取引口座約款に従い、現金配当は、窓口証券会社が香港保管機関又はその名義人からかかる配当金
を一括受領し、取引口座を通じて実質株主に交付される。
2.2.2 株式配当
株式配当により割り当てられた株式は、実質株主が特に要請した場合を除き、窓口証券会社を代理する香港
保管機関により香港で売却され、その純手取金は、窓口証券会社が香港保管機関又はその名義人からかかる手
取金を一括受領し、取引口座を通じて実質株主に支払われる。
株式分割により割り当てられた当社の株式は、香港保管機関又はその名義人に対して交付され、香港保管機関
又はその名義人の名義で登録され、窓口証券会社はかかる株式を取引口座を通じて処理する。
2.2.3 新株引受権
当社の株式について新株引受権が与えられた場合は、新株引受権は、原則として、窓口証券会社を代理する
香港保管機関により香港で売却され、その純手取金は、窓口証券会社が香港保管機関又はその名義人からかか
る手取金を一括受領し、その取引口座を通じて実質株主に支払われる。
2.3 株式譲渡に関する手続
実質株主は、その持株の保管替え又は売却注文をなすことができる。実質株主と窓口証券会社との間の決済
は、円貨又は窓口証券会社が応じ得る範囲内で実質株主が指定した外貨による。
2.4 本邦における配当等に関する課税上の取扱い
2.4.1 配当
ⅰ . 実質株主に対して支払われる配当金は、個人については配当所得となり、法人については益金となる。
ⅱ . 個人の配当控除及び法人の益金不算入の適用は原則として認められない。個人の配当控除は内国法人か
らの配当にのみ認められる。法人の益金不算入の適用は外国子会社から受ける配当についても適用がある
がポートフォリオ投資の場合には持株割合要件・保有期間要件を充足せず適用がない。
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ⅲ . 日本の居住者たる個人又は内国法人が支払を受けるべき本株式の配当金については、かかる配当が窓口証
券会社等、日本において資格を有する支払いの取扱者を通じてなされる場合、外国の源泉徴収課税（もし
あ れば）（香港政府又はそれらの自治区によって課されるもの）の控除後の金額に対して、平成 26 年１月
１日からは、軽減税率の延長措置の終了と復興特別所得税（平成 25 年１月１日から平成 49 年 12 月 31 日まで
所得税額に対する 2.1 ％付加税率）の適用により、個人の場合は 15.315 ％（他に地方税５％）、法人の場
合は 15.315 ％の税率が課される。上場株式等の配当を受ける日本の居住者たる個人（ただし、一定の大口
株主を除く）については、当社株式が上場株式等である限り、原則として、一銘柄につき一回の配当支払
金額の多寡にかかわらず、源泉徴収により配当に係る課税を完了させ、確定申告をしないことを選択する
ことができるため、かかる選択をした場合には、別途確定申告を要しない。確定申告を行わない場合に
は、総合課税又は申告分離課税の場合に認められる二重課税を調整するための外国税額控除制度の適用は
原則として認められない。内国法人である株主の場合には、普通株式について支払いを受けた配当は法人
税法上益金として課税されるが、日本における支払いの取扱者による支払いの際に源泉徴収された税額に
ついて適用ある法令に従って所得税額の控除を受けることができる。
ⅳ . 日本の居住者たる個人が平成 21 年１月以降支払を受けるべき上場株式等の配当所得については、総合課
税か申告分離課税を選択できる（ただし、その年において申告する上場株式等の配当所得の全額につい
て、申告分離課税又は総合課税のいずれかを選択する必要がある）。
2.4.2 売却損益
ⅰ . 当社の株式の売却による損益は、原則として、日本の内国法人の上場株式の売却損益と同様の取扱いを
受ける。
ⅱ . 日本の居住者たる個人納税者が有する特定口座内保管上場株式等以外の上場株式等の売却益については、
確定申告により、他の所得と分離して所得税が課税（申告分離課税）されることになっており、その際の
税率は、平成 26 年１月１日からは、軽減税率の延長措置の終了と復興特別所得税の適用により、 15.315 ％
（他に地方税５％）となっている。また、本株式を、証券会社に開設した特定口座（源泉徴収口座）を通
して源泉徴収の適用があることを選択した上で売却した場合には、売却時に源泉徴収され （ 税率は上記
同様）、原則として、確定申告を要しない。
2.4.3 相続税
ⅰ . 日本国の居住者が相続した当社の株式は日本国の相続税の対象となる。
ⅱ . 日本国の居住者が相続した当社の株式が同時に外国の遺産税の対象となることがありうるが、外国で徴
収された当該遺産税については、日本国の相続税法の下で外国税額控除が受けられる場合がある。
2.4.4 国外財産調書制度
ⅰ . 日本の居住者、又は外国人であるが日本の永住者である場合、 12 月 31 日現在で保有する国外財産につい
て、その時価の総額が 5,000 万円超である場合、国外財産調書を提出しなければならない。当社株式は一
般的に国外財産に該当し、かかる調書の提出期限は翌年 3 月 15 日である。
ⅱ . なお、国外財産調書に虚偽を記載した場合は 1 年以下の懲役又は 50 万円以下の罰金に処される。
2.5 その他の諸通知報告
当社が株主に対して行い、窓口証券会社が受領した全ての通知及び通信は、窓口証券会社が保管し、窓口証
券会社の店頭において実質株主の閲覧に供される。実質株主がかかる通知及び通信を希望する場合は、窓口証
券会社はかかる実質株主にそれらを送付し、実費は当該実質株主に請求される。
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香港における課税上の取扱いについては、「第１－３ 課税上の取扱い」を参照のこと。
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第９【提出会社の参考情報】
１【提出会社の親会社等の情報】
当社の発行する有価証券は金融商品取引法第 24 条第１項第１号及び第２号のいずれにも該当しないため、該当事項
はない。
２【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から本書提出日までの期間において提出された書類及び提出日は以下のとおりである。
１ . 臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第 19 条第２項第９号に基づく臨時報告書 2021 年 1 月 7 日関東財務局長に提出
２ . 有価証券報告書
事業年度 2020 年度（自 2020 年 1 月 1 日 至 2020 年 12 月 31 日） 2021 年 6 月 25 日関東財務局長に提出
３ . 半期報告書
事業年度 2021 年度中（自 2021 年 1 月 1 日 至 2021 年 6 月 30 日） 2021 年 9 月 28 日関東財務局長に提出
第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項なし。
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参考日本語訳：英文と内容が異なる場合は
英語原文が優先いたします。
独立監査人の監査報告書
バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド（香港で設立された有限責任会社）
株主御中
監査意見
我々の 監査の対象 となるもの
以下から構成されている 、 121 頁 から 290 頁（訳者注：原文 のページ ） までに記載 されているバンク・オブ・チャイナ 香港
（ ホールディングス ） リミテッド （以下、「会社」 という 。）及 びその 子会社（以下、併 せて 「 グループ 」 という 。） の
連結財務諸表：
・ 2021 年 12 月 31 日現在の連結貸借対照表
・ 同日終了事業年度 の 連結損益計算書
・ 同日終了事業年度 の 連結包括利益計算書
・ 同日終了事業年度 の 連結株主持分等変動計算書
・ 同日終了事業年度 の 連結 キャッシュ・フロー 計算書
・ 重要 な 会計方針及 びその 他 の 説明情報 を 含 む 連結財務諸表 に 対 する 注記
我々 の 監査意見
我々 の 意見 では 、 連結財務諸表 は 、香港会計士協会（以下、「 HKICPA 」 という 。） により発表された 香港財務報告基準
（以下、「 HKFRSs 」 という 。） に 準拠 し 、 2021 年 12 月 31 日現在 のグループの 連結財政状態、並 びに 同日 をもって 終了 する
事業年度 の 連結経営成績及 び 連結 キャッシュ・フローに 関 して 真実 かつ 公正 なる 概観 を 与えており 、香港会社条例 に 準拠
して 適正 に 作成 されていると判断した 。
監査意見 の 基礎
我々 は 、 HKICPA により 公表 された 香港監査基準（以下、「 HKSAs 」 という 。） に 従い 監査 を 行った 。 これらの 基準 の下に
おける 我々 の 責任 は 、 本報告書 の 「 連結財務諸表監査 に 関 する 監査人 の 責任」 の 節にさらに詳細 に 記載 されている 。
我々 は 入手した監査証拠が監査意見 の 基礎 となるに 十分 かつ 適切 なものであると確信 している 。
独立性
我々 は HKICPA の 職業会計士協会 の 倫理規範（以下「 本規範 」） に 従 い、 グループ とは 独立 しており 、 本規範 に 従いその 他
の 倫理的責任 を 果 たしている 。
監査上の主要な検討事項
監査上 の 主要 な 検討事項 とは 、我々 の 職業的専門家 としての 判断 において 、当事業年度 の 連結財務諸表監査 において 最 も
重要 であると 判断 された 事項 のことをいう 。監査上 の 主要 な 検討事項 は 、 連結財務諸表全体 に 対 する 監査 の 実施過程及 び
監査意見 の 形成 において 検討 した 事項 であり 、我々 は 監査意見 と 別 に 、 これらの 事項 に 対 して 個別 の 意見 を 表明 しない 。
我々の監査で特定された監査上の主要な検討事項は以下の通りである。
・ 顧客への貸付金に係る予想信用損失（ ECL ）の測定
・ 公正価値で測定する金融商品の評価
・ 保険契約負債の評価
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監査上の主要な検討事項の内容と決定理由 監査上の対応
顧客への貸付金に係る予想信用損失（ ECL ）の測定
グループの 連結財務諸表 の 注記 2.14 、注記 3.1 、注記 我々は、顧客への貸付金に係る ECL の測定に関する経営
4.1 、注記 13 及 び 注記 25 を 参照 されたい 。 者の内部統制及び評価手続を理解し評価した。
2021 年 12 月 31 日現在、グループの連結貸借対照表にお また我々は、見積りの不確実性の程度に加え、使用し
ける顧客への貸付金の帳簿価額総額及び減損引当金は た推計モデルの複雑さ、重要な経営者の判断や仮定の
それぞれ 1,599,084 百万香港ドル及び 9,877 百万香港ド 主観性、経営者の偏向の生じやすさといった他の固有
リスク要因の程度を踏まえて重要な虚偽表示に係る固
ルであった。 2021 年 12 月 31 日 に 終了 した 事業年度 のグ
有リスクの評価を行った。
ループの 連結損益計算書 に 認識 された 顧客 への 貸付金
の 減損損失 は 1,962 百万香港 ドルであった 。
我々は、顧客への貸付金に係る ECL の測定に関する統制
上の要点をテストした。これには主に、以下を対象と
グループは顧客への貸付金の信用リスクが当初認識以
した定期的な評価と承認に係る統制が含まれる。
降著しく増大したかどうかを評価し、その ECL の測定に
３つのステージによる減損アプローチを使用した。ス
テージ１又はステージ２に分類された貸付金に対して
(1) モデル化手法の選択、モデルの最適化及び主要パラ
は、デフォルト確率（ PD ）、デフォルト時損失率 メータの適用、モデルのバックテストを含む ECL モ
（ LGD ）、デフォルト時エクスポージャー（ EAD ）など デル
の主要なリスクパラメータを組み込みモデル化した手
法を用いて ECL を評価している。ステージ３に分類され
(2) ポートフォリオの区分、関連する ECL モデルのパラ
た顧客への貸付金については、グループは、その将来
メータの推計、信用リスクの著しい増大の決定、
キャッシュ・フローを見積もることにより ECL を評価し
デフォルト及び信用減損資産の識別のほか、将来
ている。
予測的な測定に用いる経済指標、経済シナリオ及
び加重方針など、経営者による重要な判断と仮定
顧客への貸付金の ECL の測定には、主に以下に係る重
要な判断と見積りが関わっている。
(3) ステージ３に分類された顧客への貸付金の将来
キャッシュ・フローの見積り及び現在価値の算定
(1) 信用リスク特性、適切なモデルの選択、関連する
主要なパラメータの決定に基づくポートフォリオ
(4) モデルで使用される主要データの正確性と網羅性
の分類
(5) IT 全般統制、データ・インターフェース、モデ
(2) デフォルト確率、デフォルト時損失率、デフォル
ル・パラメータの適用、減損の算定に係る IT 統制
ト時エクスポージャーの推計及びマクロ経済要因
等、 ECL 測定に係る情報テクノロジー ( 「 IT 」 ) シ
の予測信用リスクの著しい増大、デフォルト及び
ステム
信用減損を識別するための要件の決定と適用
我々は、信用リスクの専門家を関与させてモデルの
(3) 将来予測的な測定で使用される経済指標、経済シ
手法、重要な判断と仮定、顧客への貸付金に係る ECL の
ナリオ及び加重方針
測定に使用されたデータ及び主要なパラメータを評価
している。当監査法人が実施した主な実証監査手続は
(4) 減損した顧客への貸付金の将来キャッシュ・フ
以下の通りである。
ローの見積り
(1) 顧客への貸付金のリスク特性、グループのリスク
我々は、グループが保有する顧客への貸付金に係る減
管理手法及び業界の実務を勘案して、ポートフォ
損引当金の残高が大きいことに加え、見積りの不確実
リオの区分に加え、異なるポートフォリオの ECL
性、複雑なモデルの採用、経営者による重要な判断や
の測定に採用したモデルの適切性を評価した。
仮定の関与、かかる測定に多数のパラメータやデータ
ECL の 算定 をサンプルベースでテストし 、 モデル
インプットを使用していることなど固有リスクが高い
の 計算 エンジンがグループの 手法 に 準拠 している
点を理由として、顧客への貸付金に係る ECL の測定を監
かどうかを 検証 した 。
査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
(2) ECL モデルで使用されている過去データ及び測定
日現在のデータの正確性と完全性をサンプルベー
スで確認した。サンプル対象のデータには以下が
含まれるが、これらに限定されない。
(ⅰ) PD については、債務者の信用格付け及び返
済の延滞状況を判断するための財務情報及
び非財務情報等
(ⅱ) LGD については、保証や担保の種類、過去の
実損失率等
(ⅲ) EAD については、債務者の借入残高、金利、
満期日、返済方法等
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監査上の主要な検討事項の内容と決定理由 監査上の対応
顧客への貸付金に係る予想信用損失（ ECL ）の測定
これらのデータインプットと融資契約書等の関連文書
とを照合したほか、 ECL モデルの信用リスクエクスポー
ジャーと他の情報システムのデータとを照合してい
る。
(3) PD 及び LGD については、独自のバックテストによ
り、重要なエクスポージャーの過去の PD や LGD の
予測値と後の PD や LGD の実績値を比較することに
より、パラメータの妥当性を評価した。
(4) 債務者の財務及び非財務情報並びに経営者が提供
したその他の外部証拠に基づき、信用リスクの著
しい増大、デフォルト及び信用減損資産の識別の
判断に使用したステージ区分と経営者の判断の適
切性をサンプルベースで評価した。評価にあたっ
ては、債務者の信用リスク特性及びグループのリ
スク管理実務を考慮した。
(5) 将来予測的な測定について、我々は、統計的分析
及び経営者の判断に基づいて経営者が選択した経済
指標、経済シナリオ、採用した加重方針を評価し
た。経済指標予測については、バックテストを実施
し、外部機関が公表している予測値と比較すること
により、その妥当性を評価した。また、異なる経済
シナリオにより、経済指標とその加重方針に関する
感応度分析を行った。
(6) 経営者が行った ECL モデルに関する年次の検証結
果及び評価を検討し、 ECL の算出にあたり重要な
指摘事項に対処しているかどうかを確認した。
(7) ステージ３に分類された顧客への貸付金につい
て、債務者及び保証人の財務情報、最新の担保評
価等の入手可能な情報に基づいて、経営者が作成
した将来キャッシュ・フロー予測と減損引当金の
計算根拠となる割引率をサンプルベースで確認し
た。
我々 は 、顧客 への 貸付金 に 係 る ECL の 測定 に 関連 する 財
務諸表 の 開示 について 検討 し 評価 した 。
実施した手続きに基づいて、我々は、経営者が顧客へ
の貸付金に係る ECL の測定に用いた関連データや主要な
パラメータのほか、モデル並びに重要な判断及び仮定
が入手可能な証拠で裏付けられていると判断してい
る。
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監査上の主要な検討事項の内容と決定理由 監査上の対応
公正価値で測定される金融商品の評価
グループの 連結財務諸表 の 注記 2.12 、注記 3.2 、注記 我々は、公正価値で測定される金融商品の評価に関する
5.1 を 参照 されたい 。 経営者の内部統制及び評価手続を理解し評価した。
我々 は 、見積 りの 不確実性 の 程度 に 加 え 、評価技法 やモ
2021 年 12 月 31 日現在、公正価値で測定されるグルー
デルの 複雑 さ 、評価技法 やモデル 、 データインプットの
プの金融資産は 986,901 百万香港ドルで資産総額の 27%
選択 における 経営者 の 判断 や 仮定 の 主観性、経営者 の 偏
を占めており、そのうち（ 1 ） 31% は活発な市場におけ
向 の 生 じやすさといった 他 の 固有 リスク 要因 の 程度 を 踏
る（未調整の）相場価格を用いて測定される公正価値
まえて 、重要 な 虚偽表示 に 係 る 固有 リスクの 評価 を 行 っ
ヒエラルキーのレベル 1 に分類され、 (2)68% は直接的又
た 。
は間接的に観察可能な金融商品のインプットを用いた
評価技法で測定される公正価値ヒエラルキーのレベル
我々は、公正価値で測定される金融商品の評価に関する
２に分類され、 (3) １ % が評価に重要な影響を及ぼす観
統制上の要点をテストした。これには 、独立価格検証、
察不能なインプットを用いる評価技法で測定される公
モデルの 評価 と 承認、評価結果 の 検討 と 承認 に 係 る 統
正価値ヒエラルキーのレベル３に分類されている。 公
制、並 びに 関連 システム 、市場 データなどのインプット
正価値 ヒエラルキーがレベル ３ の 金融商品 には 、主 に
のシステム・インターフェース 及 び 評価 システム 内 の 自
当 グループが 保有 する 非上場株式、 ファンド 投資及 び
動計算 に 係 る IT 全般統制 が 含 まれる 。
負債証券 の 一部 が 含 まれている 。一方、 グループの 公
正価値 で 測定 される 金融負債 は 、 2021 年 12 月 31 日現
我々はサンプルベースで以下の実証手続を行った。
在、 42,277 百万香港 ドルで 負債総額 の １ % を 占 めてお
り 、 そのうちの 99 ％超 が 公正価値 ヒエラルキーのレベ
(1) 公正価値ヒエラルキーがレベル１の金融商品につ
ル ２ に 分類 されている 。
いては、活発な市場における相場価格と比較する
ことによりその評価について検討した。
我々は、公正価値で測定される金融商品の残高が大き
いことから、これを監査上の主要な検討事項に該当す
(2) レベル２及びレベル３の金融商品については、
ると判断した。また、経営者は活発な市場で取引され
ていない金融商品の公正価値を決定するために複雑な
(ⅰ) グループの評価モデルの適切性を評価し、商
評価モデルを使用しており、評価モデルには、データ
品特性や業界の実務を踏まえ、一般的な市場
インプットの選択を含め、経営者の判断と仮定が関
モデルとのベンチマーキングを行った。
わっている。
(ⅱ) 市場で観察可能なデータと比較することで
レベル２の金融商品の評価に使用されたデー
タインプットの正確性を検証したほか、我々
の評価専門家の関与により経営者が用いた判
断や仮定の妥当性を検討した。
(ⅲ) レベル３の金融商品の評価に使用された観察
不能なデータインプットの選択における経営
者の判断に関する理解を得たほか、我々の評
価専門家の関与により、経営者が採用した判
断及び仮定の妥当性を検討した。また 、観察
不能 なデータインプットを 市場 の 代替指標 と
比較 し 、観察不能 なデータインプットに 関 す
る 感応度分析 を 実施 した 。
我々 は 、金融商品 の 公正価値 に 関連 する 財務諸表 の 開示
について 検討 し 評価 した 。
実施した手続に基づいて、我々は、経営者が公正価値で
測定される金融商品の評価に使用した評価モデル、重要
な判断及び仮定並びに関連データが入手可能な証拠で裏
付けられていると判断している。
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監査上の主要な検討事項の内容と決定理由 監査上の対応
保険契約負債の評価
グループの 連結財務諸表 の 注記 2.20 、注記 3.3 、注記 我々は、保険契約負債の評価に関する経営者の内部統制
4.4 及 び 注記 37 を 参照 されたい 。 及び評価手続を理解し評価した。また我々は見積りの不
確実性の程度のほか、使用された推計モデルの複雑さ、
2021 年 12 月 31 日現在、グループは 153,911 百万香港ドル 重要な経営者の判断と仮定の主観性、経営者の偏向の生
の保険契約負債を計上しており、これはグループの負 じやすさなど、他の固有リスク要因の程度を踏まえて、
債総額の 5 ％を占めている。 重要な虚偽表示に係る固有リスクの評価を行った。
我々は、保険契約負債の評価に係る統制上の要点をテス
保険契約負債の評価には、死亡率、罹患率、事業費、 トした。これには主に以下を対象とした、定期的な評価
評価利率、不利な変動に対する引当金など、将来の不 及び承認に係る統制が含まれている。
確実な結末に関する重要な判断と仮定に加え、複雑な
評価技法が関わっている。 (1) 保険数理評価に適用された手法の選択と承認
我々は、見積りの不確実性や複雑な評価技法の使用に (2) 経営者が使用した主な仮定
加え、経営者の重要な判断や仮定が関わっており固有
リスクが高いことから、保険契約負債の評価を監査上 我々は、保険数理専門家の関与により、評価技法の適切
の主要な検討事項に該当すると判断した。 性や使用された主な仮定、経営者が行った判断に関する
評価を行った。我々が行った主な実証手続は以下の通り
である。
(1) 経営者との協議を通じて、商品の特徴や保険契
約負債の評価に用いられた評価技法を理解した
ほか、関連する会計基準及び規制上の要求事項
に準拠して評価技法の適切性を検討した。
(2) 保険契約負債の評価に用いられる死亡率、罹患
率、事業費、評価利率及び不利な変動引当金な
どの主要な仮定について、市場で観察可能な
データ、グループの過去の実績値及び当業界の
実績値を参照することにより、その妥当性を評
価した。
(3) 負債の十分性テストに適用された現在の最善見
積りの仮定を確認しそのテスト結果を評価し、
保険契約負債が十分であるかどうかを検討し
た。
(4) 保険契約負債の結果について、市場データ及び
実績値、保険契約者の実績値から導出された
我々の予想と比較した。
我々 は 、保険契約負債 に 関連 する 財務諸表 の 開示内容 を
検討 し 評価 した 。
実施 した 手続 に 基 づいて 、我々 は 、保険契約負債 の 評価
において 経営者 が 採用 した 評価技法、重要 な 判断及 び 仮
定 が 入手可能 な 証拠 によって 裏付 けられていると 判断 し
ている 。
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その 他 の 情報
会社 の 取締役 は 、 その 他 の 情報 について 責任 を有する 。 その 他 の 情報 は 、 連結財務諸表と 我々 の 監査報告書 には含まれて
おらず、年次報告書に含まれるすべての情報で 構成 されている 。
連結財務諸表 に 関 する 我々 の 意見 は 、 その 他 の 情報 を 対象 とするものではなく、我々はそれに対するいかなる形式の 保証
の 結論 も表示 しない 。
我々 の連結財務諸表 の 監査 に 関しては 、我々 の 責任 はその 他 の 情報 を 読み取り、その際に当該 その 他 の 情報 が 連結財務諸
表または 監査 において得られた我々の知見とは重要な不一致があるかどうか、あるいは重要な虚偽記載と思われる箇所が
あるかどうかを考慮する事 である 。もし 我々 が 実施 した 作業 に 基 づき我々がこれらのその 他 の 情報 には 重要 な 虚偽表示 が
あると 結論 に至った 場合、我々 は当該事実 を 報告 する必要がある 。 この 点 に 関 し 、我々 はこれに関して何も 報告 すること
はない 。
連結財務諸表 に 対 する 取締役及 び 監査委員会 の 責任
会社 の 取締役 には 、 HKICPA が 発行 した HKFRSs 及 び 香港会社条例 に 従 って 真実 かつ 公正 な 概観 をあたえる連結財務諸表 を 作
成 し 、不正又 は 誤謬 による 重要 な 虚偽表示 のない 連結財務諸表 を 作成 するために 取締役 が 必要 と 判断 する 内部統制 を 整備
する 責任 がある 。
連結財務諸表 を 作成 する際 、取締役 は 、 グループの 、継続企業 として 存続 する 能力 を 評価 し 、継続企業 の 前提 に 関 する 事
項 を 必要 に 応 じて 開示 し 、取締役 がグループの 清算 もしくは 営業 を 停止 する 意図 がある 場合、又 はそれ 以外 に 現実的 な 選
択肢 がない 場合 を 除 いて 、継続企業 としての 前提 とした 会計 ベースを 使用 する 責任 がある 。
監査委員会には、グループの財務報告プロセスを監視する責任がある。
連結財務諸表監査 に 対 する 監査人 の 責任
我々 の 目的 は 、 連結財務諸表 に 、全体 として 不正又 は 誤謬 による 重要 な 虚偽表示 がないかどうかについて 合理的 な 保証 を
得 たうえで 、我々 の 意見 を 含 めた 監査報告書 を 作成 することである 。 我々は、香港会社条例第 405 条に基づいて、総体と
してのバンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッドの株主に対して我々の意見を報告するものであり、
他のいかなる目的のためでもない。我々は、本報告書の内容について他の者に対する責任を負うことはなく、また、義務
を負うこともない。
合理的な保証とは、相当に高い程度の心証であるが、 HKSAs に準拠して実施された監査が、存在する重要な虚偽表示を常
に発見することを保証するものではない。 虚偽表示 は 、不正又 は 誤謬 から 発生 する 可能性 があり 、個別 に 又 は 集計 する
と 、 これらの 連結財務諸表 の 利用者 の 経済的意思決定 に 影響 を 与 えると 合理的 に 見込 まれる 場合 に 、重要性 があると 判断
される 。
HKSAs に準拠した監査の一環として、我々は、監査を通じて、職業的専門家としての判断を行使し、職業的専門家として
の懐疑心を保持した。また 我々 は 、以下 の 事項 を 実施 した 。
・ 不正又 は 誤謬 のいずれによるかを 問 わず 、 連結財務諸表 の 重要 な 虚偽表示 リスクを 識別 し 評価 すること 、 それら リ
スクに 対応 するための 監査手続 を 立案 し 実施 すること 、及 び 意見表明 の 基礎 を 提供 するために 十分 かつ 適切 な 監査
証拠 を 入手 すること 。 不正による重要な虚偽表示を発見できないリスクは、誤謬による重要な虚偽表示を発見でき
ないリスクよりも高くなる。これは、不正には、共謀、偽造、意図的な脱漏、虚偽の言明、又は内部統制の無効化
が伴う可能性があることによる。
・ 状況に応じて適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を理解すること。ただし、これはグルー
プの内部統制の有効性に対する意見を表明するためではない。
・ 使用された会計方針の適切性、並びに取締役によって行われた会計上の見積り及び関連する開示の妥当性を評価す
ること。
・ 取締役が継続企業を前提とした会計を使用したことの適切性について、入手した監査証拠に基づいて、グループの
継続企業として存続する能力に重大な疑義を生じさせる可能性がある事象や状況に関連して、重大な不確実性が存
在するか否かについて、結論を下すこと。 我々 は 、重大 な 不確実性 が 存在 するという 結論 を 下 した 場合、監査人 の
監査報告書 において 、 連結財務諸表 の 関連開示 に 注意 を 向 けさせること 、又 は 当該開示 が 不十分 である 場合 は 、無
限定適正意見 ではない 意見 を 表明 することが 求 められている 。我々 の 結論 は 、監査人 の 監査報告日まで 入手 した 監
査証拠 に 基 づいている 。 しかしながら、将来の事象又は状況が原因で、グループが継続企業としての存続を中止す
ることもあり得る。
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・ 開示 を 含 め 、 連結財務諸表 の 全体的 な 表示、構成及 び 内容 を 評価 し 、 連結財務諸表 が 、基礎 となる 取引 や 会計事象
を 適正 に 表示 しているかどうかを 評価 すること 。
・ 連結財務諸表 に 関 する 意見 を 表明 するために 、 グループ 内 の 事業体又 は 事業活動 に 関 する 財務情報 について 、十分
かつ 適切 な 監査証拠 を 入手 すること 。 我々には、グループ監査の指示、監督及び実施について責任がある。我々
は、我々の監査意見に単独で責任を負う。
我々は、監査委員会に対し、特に、監査の過程で識別した内部統制の重要な不備を含め、計画した監査の範囲とその実施
時期、及び監査上の主要な発見事項を伝達した。
我々は、監査委員会に対し、我々の独立性についての職業倫理に関する規定を遵守している旨を書面で伝達するほか、
我々の独立性に影響を与えると合理的に考えられるすべての関係及びその他の事項、また該当する場合には脅威を排除す
るための措置又は適用したセーフガードについても報告した。
我々 は 、監査委員会 と 協議 した 事項 の 中 から 、当事業年度 の 連結財務諸表監査 で 最 も 重要 な 事項 を 、監査上 の 主要 な 検討
事項 と 決定 し 、 これらの 事項 を 我々 の 監査報告書 に 記載 している 。 ただし、法令によって当該事項を開示することが禁止
されている場合や、極めて稀な状態ではあるが、監査報告書においてコミュニケーションを行うことによる負の影響が、
当該コミュニケーションにより得られる公共の利益を上回ると合理的に予想されるため、監査人が当該事項についてのコ
ミュニケーションを行うべきでないと判断した場合は記載しない。
本独立監査人の監査報告書による監査に対する責任を有する監査責任者は林虹である。
プライスウォーターハウス・クーパース
公認会計士
香港
2022年３月29日
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Independent Auditor’s Report
To the Members of BOC Hong Kong (Holdings) Limited
(incorporated in Hong Kong with limited liability)
Opinion
What we have audited
The consolidated financial statements of BOC Hong Kong (Holdings) Limited (the “Company”) and its subsidiaries (the
“Group”), which are set out on pages 121 to 290, comprise:
・ the consolidated balance sheet as at 31 December 2021;
・ the consolidated income statement for the year then ended;
・ the consolidated statement of comprehensive income for the year then ended;
・ the consolidated statement of changes in equity for the year then ended;
・ the consolidated cash flow statement for the year then ended; and
・ the notes to the consolidated financial statements, which include significant accounting policies and other explanatory
information
Our opinion
In our opinion, the consolidated financial statements give a true and fair view of the consolidated financial position of the
Group as at 31 December 2021, and of its consolidated financial performance and its consolidated cash flows for the year
then ended in accordance with Hong Kong Financial Reporting Standards (“HKFRSs”) issued by the Hong Kong Institute
of Certified Public Accountants (“HKICPA”) and have been properly prepared in compliance with the Hong Kong
Companies Ordinance.
Basis for Opinion
We conducted our audit in accordance with Hong Kong Standards on Auditing (“HKSAs”) issued by the HKICPA. Our
responsibilities under those standards are further described in the Auditor’s Responsibilities for the Audit of the
Consolidated Financial Statements section of our report.
We believe that the audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to provide a basis for our opinion.
Independence
We are independent of the Group in accordance with the HKICPA’s Code of Ethics for Professional Accountants (“the
Code”), and we have fulfilled our other ethical responsibilities in accordance with the Code.
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Independent Auditor’s Report
Key Audit Matters
Key audit matters are those matters that, in our professional judgement, were of most significance in our audit of the
consolidated financial statements of the current period. These matters were addressed in the context of our audit of the
consolidated financial statements as a whole, and in forming our opinion thereon, and we do not provide a separate
opinion on these matters.
Key audit matters identified in our audit are summarised as follows:
・ Measurement of expected credit loss (“ECL”) for advances to customers
・ Valuation of financial instruments measured at fair value
・ Valuation of insurance contract liabilities
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
Measurement of expected credit loss (“ECL”) for advances to customers
Refer to Note 2.14, Note 3.1, Note 4.1, Note 13 and We understood and evaluated management’s
Note 25 to the Group’s consolidated financial internal controls and assessment process for the
statements.
measurement of ECL for advances to customers.
As at 31 December 2021, the gross carrying amount
We assessed the inherent risk of material
and impairment allowances of advances to
misstatement by considering the degree of estimation
customers in the Group’s consolidated balance sheet
uncertainty and level of other inherent risk factors
was HK$1,599,084 million and HK$9, 877 million,
such as the complexity of estimation models used,
respectively. The impairment losses on advances to
the subjectivity of significant management
customers recognised in the Group’s consolidated
judgements and assumptions, and susceptibility to
income statement for the year ended 31 December
management bias.
2021 amounted to HK$1,962 million.
We tested the key internal controls over the
The Group assessed whether the credit risk of
measurement of ECL for advances to customers.
advances to customers had increased significantly
These primarily included periodic assessment and
since their initial recognition, and applied a three-
approval controls over:
stage impairment approach to measure their ECL.
For advances classified into stages 1 and 2, the (1) ECL models, including the selection of modelling
Group assessed the ECL using the risk parameter methodologies; model optimisation and
modelling approach that incorporated relevant key application of key parameters, and model back-
testing;
risk parameters, including probability of default
(“PD”), loss given default (“LGD”), exposure at
(2) significant management judgements and
default (“EAD”). For advances to customers in stage
assumptions, including portfolio segmentation,
3, the Group assessed ECL by estimating the future
relevant ECL model parameters estimation,
cash flows for the advances to customers.
determination of significant increases in credit
risk, identification of default and credit impaired
assets, as well as economic indicators, economic
scenarios and weighting used in forward looking
measurement;
(3) estimated future cash flows and calculations of
present values with respect to advances to
customers in stage 3;
(4) the accuracy and completeness of key data used
in the model;
(5) information technology (“IT”) systems for ECL
measurement, including IT general controls, data
interfaces, application of model parameters and
IT controls over impairment calculations.
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
The measurement of ECL for advances to customers We involved our credit risk experts in evaluating the
involves significant judgements and assumptions, model methodologies, significant judgements and
mainly on: assumptions, data and key parameters used in the
ECL measurement for advances to customers. The
(1) Segmentation of portfolios based on credit risk
substantive audit procedures performed by us were
characteristics, selection of appropriate models
mainly as follows:
and determination of relevant key parameters;
(1) We assessed the appropriateness of portfolio
(2) Determination and application of criteria to identify
segmentation and the models adopted for the
significant increase in credit risk, default and
measurement of ECL in respect of different
credit impaired assets;
portfolios by considering the risk characteristics of
advances to customers, the Group’s risk
(3) Economic indicators, economic scenarios and
management practices and industry practices.
weighting used in the forward-looking
We tested ECL calculations on a sampling basis
measurement;
and examined whether the models’ calculation
engines are in accordance with the Group’s
(4) Estimation of future cash flows for advances to
methodologies;
customers that are impaired.
(2) We checked the accuracy and completeness of
We have identified the measurement of ECL for
historical and measurement date data used in the
advances to customers as a key audit matter due to
ECL models on a sampling basis. The sampled
the material balance of the Group’s impairment
data inputs included but not limited to the
allowances for advances to customers and high
following:
inherent risk given the uncertainty of estimates,
adoption of complex models, involvement of
(i) in respect of PD: financial and non-financial
significant management judgements and
information for determining borrowers’ credit
assumptions and use of numerous parameters and
rating, and overdue repayment status, etc.;
data inputs in such measurement.
(ii) in respect of LGD: types of guarantees and
collateral, and historical actual loss rates,
etc.;
(iii) in respect of EAD: borrowers’ outstanding
loan balances, interest rates, maturity dates
and repayment methods, etc.
We agreed these data inputs to loan contracts
and other relevant documents. We also agreed
the total credit risk exposure in the ECL models
to data from other information systems;
(3) In respect of PD and LGD, we assessed the
reasonableness of the parameters by comparing
the historical expected default and loss given
default with the subsequent actual default and
loss given default for significant exposures
through independent back-testing;
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
(4) On a sampling basis, we assessed the
appropriateness of staging classifications and
management’s judgements used in determining
significant increases in credit risk and
identification of default and credit-impaired
assets based on the borrower’s financial and
non-financial information and other external
evidence provided by management. We took into
consideration the credit risk profile of borrowers
and the Group’s risk management practices in
our assessment;
(5) For forward looking measurement, we evaluated
management’ s selection of economic indicators,
economic scenarios and weightings assigned
based on statistical analysis and management
judgements. We assessed the reasonableness
of the forecasted economic indicators by
performing back-testing and comparing with
publicly available forecasts from third-party
institutions. We performed sensitivity analysis on
the economic indicators and weightings under
different economic scenarios;
(6) We reviewed the annual ECL model validation
result and assessment performed by management
and evaluated if significant finding has been
addressed in the ECL calculation;
(7) For advances to customers that were classified as
stage 3, we checked, on a sample basis,
forecasted future cash flows prepared by
management based on the financial information of
borrowers and guarantors, latest collateral
valuations and other available information
together with discount rates used to support the
computation of impairment allowances.
We checked and evaluated the financial statements
disclosures in relation to the measurement of ECL for
advances to customers.
Based on the procedures performed, we considered
that the models, significant judgements and
assumptions, as well as relevant data and key
parameters used by management in measuring ECL
for advances to customers were supported by
available evidence.
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
Valuation of financial instruments measured at fair value
Refer to Note 2.12, Note 3.2 and Note 5.1 to the We understood and evaluated management’s
Group’s consolidated financial statements. internal controls and assessment process of the
valuation of financial instruments measured at fair
As at 31 December 2021, the Group’s financial value.
assets measured at fair value were HK$986,901
We assessed the inherent risk of material
million, representing 27% of total assets, of which (1)
misstatement by considering the degree of estimation
31% were classified as Level 1 fair value, measured
uncertainty and level of other inherent risk factors
using quoted prices (unadjusted) in active markets;
such as the complexity of valuation techniques and
(2) 68% were classified as Level 2 fair value,
models, the subjectivity of management’s
measured using valuation techniques for which
judgements and assumptions in selecting valuation
inputs are observable for the financial instruments,
techniques, models and data inputs and susceptibility
either directly or indirectly; and (3) 1% were
to management bias.
classified as Level 3 fair value, measured using
valuation techniques using unobservable inputs that
We tested the key internal controls over the valuation
have a significant impact on the valuation. Level 3
of financial instruments measured at fair value.
financial instruments mainly include unlisted equity,
These included controls over independent price
fund investments and some debt securities held by
verification, model validation and approval, review
the Group. While the Group’s financial liabilities
and approval of valuation results, and the IT general
measured at fair value were HK$42,277 million as at
controls of related systems, systems interfaces of
31 December 2021, representing 1% of total
inputs such as market data and automated
liabilities, of which more than 99% were classified as
calculations within the valuation system.
Level 2 fair value.
We performed the following substantive procedures
We have identified this as a key audit matter due to
on a sampling basis:
the material balance of the financial instruments
measured at fair value. Also, management has used
(1) For Level 1 financial instruments, we tested their
complex valuation models to determine the fair value
valuations by comparing to quoted prices in
of financial instruments that are not quoted in active
active markets.
markets. The valuation models involve management’
s judgements and assumptions, including the
selection of data inputs.
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
(2) For Level 2 and Level 3 financial instruments:
(i) we assessed the appropriateness of the Group
’s valuation models and benchmarked against
common market models, taking into
consideration the product characteristics and
industry practice;
(ii) we tested the accuracy of data inputs used for
valuation of Level 2 financial instruments by
comparing to market observable data and
involved our valuation experts to assess the
reasonableness of any judgements and
assumptions that management applied;
(iii) we obtained an understanding of
management’s judgements in the selection of
unobservable data inputs used for valuation of
Level 3 financial instruments and involved our
valuation experts to assess the
reasonableness of any judgements and
assumptions that management applied. We
also compared the unobservable data inputs
to alternatives in the market and performed
sensitivity analysis on the unobservable data
inputs.
We checked and evaluated the financial statements
disclosures in relation to fair value of financial
instruments.
Based on the procedures performed, we considered
that the valuation models, significant judgements and
assumptions as well as relevant data used by
management in the valuation of financial instruments
measured at fair value were supported by available
evidence.
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
Valuation of insurance contract liabilities
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
Refer to Note 2.20, Note 3.3, Note 4.4 and Note 37 We understood and evaluated management’s
to the Group’s consolidated financial statements. internal controls and assessment process of the
valuation of the insurance contract liabilities.
As at 31 December 2021, the Group has recorded
insurance contract liabilities of HK$153,911 million, We assessed the inherent risk of material
representing 5% of the Group’s total liabilities. misstatement by considering the degree of estimation
uncertainty and level of other inherent risk factors
The valuation of insurance contract liabilities
such as the complexity of estimation models used,
involved significant judgements and assumptions
the subjectivity of significant management
about uncertain future outcomes, including mortality,
judgements and assumptions, and susceptibility to
morbidity, expense, valuation interest rates and
management bias.
provision for adverse deviation, as well as complex
valuation methodologies. We tested the key internal controls over the valuation
of insurance contract liabilities. These included
We have identified this as a key audit matter due to
periodic assessment and approval controls, which
the high inherent risk given the uncertainty of
primarily over:
estimates, use of complex valuation methodologies
and involvement of significant management (1) selection and approval of methodologies applied
judgements and assumptions. in actuarial valuation;
(2) key assumptions used by management.
We involved our actuarial experts in assessing the
appropriateness of valuation methodologies, key
assumptions used and management’s judgements
applied. The substantive audit procedures performed
by us were mainly as follows:
(1) We discussed with management to understand
the product features and the valuation
methodologies applied in the valuation of
insurance contract liabilities. We assessed the
appropriateness of the valuation methodologies in
accordance with the relevant accounting
standards and regulatory requirements;
(2) We assessed the reasonableness of the key
assumptions, including mortality, morbidity,
expense, valuation interest rates and provision for
adverse deviation applied in the valuation of
insurance contract liabilities with reference to
market observable data, the Group’s past
experience and our industry experience;
(3) We reviewed the current best estimate
assumptions applied in and assessed the
calculation of the liability adequacy test to
consider whether the insurance contract liabilities
are adequate;
(4) We compared the result of insurance contract
liabilities against our expectation derived from
market data and experience and policyholder
experience.
We checked and evaluated the financial statements
disclosures in relation to insurance contract liabilities.
Based on the procedures performed, we considered
that the valuation methodologies, significant
judgements and assumptions used by management
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
in the valuation of insurance contract liabilities were
supported by available evidence.
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Other Information
The directors of the Company are responsible for the other information. The other information comprises all of the
information included in the annual report other than the consolidated financial statements and our auditor’s report thereon.
Our opinion on the consolidated financial statements does not cover the other information and we do not express any
form of assurance conclusion thereon.
In connection with our audit of the consolidated financial statements, our responsibility is to read the other information
and, in doing so, consider whether the other information is materially inconsistent with the consolidated financial
statements or our knowledge obtained in the audit or otherwise appears to be materially misstated.
If, based on the work we have performed, we conclude that there is a material misstatement of this other information, we
are required to report that fact. We have nothing to report in this regard.
Responsibilities of Directors and the Audit Committee for the Consolidated Financial Statements
The directors of the Company are responsible for the preparation of the consolidated financial statements that give a true
and fair view in accordance with HKFRSs issued by the HKICPA and the Hong Kong Companies Ordinance, and for such
internal control as the directors determine is necessary to enable the preparation of consolidated financial statements that
are free from material misstatement, whether due to fraud or error.
In preparing the consolidated financial statements, the directors are responsible for assessing the Group’s ability to
continue as a going concern, disclosing, as applicable, matters related to going concern and using the going concern
basis of accounting unless the directors either intend to liquidate the Group or to cease operations, or have no realistic
alternative but to do so.
The Audit Committee is responsible for overseeing the Group’s financial reporting process.
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INDEPENDENT AUDITOR’S REPORT
Auditor’s Responsibilities for the Audit of the Consolidated Financial Statements
Our objectives are to obtain reasonable assurance about whether the consolidated financial statements as a whole are
free from material misstatement, whether due to fraud or error, and to issue an auditor’s report that includes our opinion.
We report our opinion solely to you, as a body, in accordance with Section 405 of the Hong Kong Companies Ordinance
and for no other purpose. We do not assume responsibility towards or accept liability to any other person for the contents
of this report. Reasonable assurance is a high level of assurance, but is not a guarantee that an audit conducted in
accordance with HKSAs will always detect a material misstatement when it exists. Misstatements can arise from fraud or
error and are considered material if, individually or in the aggregate, they could reasonably be expected to influence the
economic decisions of users taken on the basis of these consolidated financial statements.
As part of an audit in accordance with HKSAs, we exercise professional judgement and maintain professional scepticism
throughout the audit. We also:
・ Identify and assess the risks of material misstatement of the consolidated financial statements, whether due to fraud
or error, design and perform audit procedures responsive to those risks, and obtain audit evidence that is sufficient
and appropriate to provide a basis for our opinion. The risk of not detecting a material misstatement resulting from
fraud is higher than for one resulting from error, as fraud may involve collusion, forgery, intentional omissions,
misrepresentations, or the override of internal control.
・ Obtain an understanding of internal control relevant to the audit in order to design audit procedures that are
appropriate in the circumstances, but not for the purpose of expressing an opinion on the effectiveness of the Group’s
internal control.
・ Evaluate the appropriateness of accounting policies used and the reasonableness of accounting estimates and
related disclosures made by the directors.
・ Conclude on the appropriateness of the directors’ use of the going concern basis of accounting and, based on the
audit evidence obtained, whether a material uncertainty exists related to events or conditions that may cast significant
doubt on the Group’s ability to continue as a going concern. If we conclude that a material uncertainty exists, we are
required to draw attention in our auditor’s report to the related disclosures in the consolidated financial statements or,
if such disclosures are inadequate, to modify our opinion. Our conclusions are based on the audit evidence obtained
up to the date of our auditor’s report. However, future events or conditions may cause the Group to cease to continue
as a going concern.
・ Evaluate the overall presentation, structure and content of the consolidated financial statements, including the
disclosures, and whether the consolidated financial statements represent the underlying transactions and events in a
manner that achieves fair presentation.
・ Obtain sufficient appropriate audit evidence regarding the financial information of the entities or business activities
within the Group to express an opinion on the consolidated financial statements. We are responsible for the direction,
supervision and performance of the group audit. We remain solely responsible for our audit opinion.
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有価証券報告書
INDEPENDENT AUDITOR’S REPORT
We communicate with the Audit Committee regarding, among other matters, the planned scope and timing of the audit
and significant audit findings, including any significant deficiencies in internal control that we identify during our audit.
We also provide the Audit Committee with a statement that we have complied with relevant ethical requirements
regarding independence and to communicate with them all relationships and other matters that may reasonably be
thought to bear on our independence, and where applicable, actions taken to eliminate threats or safeguards applied.
From the matters communicated with the Audit Committee, we determine those matters that were of most significance in
the audit of the consolidated financial statements of the current period and are therefore the key audit matters. We
describe these matters in our auditor’s report unless law or regulation precludes public disclosure about the matter or
when, in extremely rare circumstances, we determine that a matter should not be communicated in our report because the
adverse consequences of doing so would reasonably be expected to outweigh the public interest benefits of such
communication.
The engagement partner on the audit resulting in this independent auditor’s report is Ms. Lam Hung.
PricewaterhouseCoopers
Certified Public Accountants
Hong Kong, 29 March 2022
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有価証券報告書
（訳文）
独立監査人の監査報告書
バンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッド（香港で設立された有限責任会社）
株主御中
意見
我々は、 125 頁から 290 頁（訳者注：原文のページ）に掲載されているバンク・オブ・チャイナ香港（ホールディング
ス）リミテッド（以下、「会社」という。）及びその子会社（以下、併せて「グループ」という。）の、 2020 年 12 月 31 日
現在の連結貸借対照表、同日に終了した事業年度の連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主持分等変動計算書及
び連結キャッシュ・フロー計算書、並びに重要な会計方針を含む財務諸表に対する注記を監査した。
我々の意見では、連結財務諸表は、香港会計士協会（以下、「 HKICPA 」という。）が公表した香港財務報告基準（以
下、「 HKFRSs 」という。）に準拠して 2020 年 12 月 31 日現在のグループの財政状態、並びに同日に終了した事業年度の連結
経営成績及び連結キャッシュ・フローに関して、真実かつ公正な概観を示しており、香港会社条例に従って適正に作成さ
れている。
意見の基礎
我々は、 HKICPA が公表した香港監査基準（以下、「 HKSAs 」という。）に準拠して監査を実施した。これらの基準に基
づく我々の責任は、我々の報告書の 「連結財務諸表監査に関する監査人の責任」 のセクションに詳述されている。我々
は、 HKICPA の 「 職業会計士の倫理規定」 （以下、「規定」という。）に準拠して、グループから独立しており、我々は本
規定に準拠してその他の倫理責任を果たした。我々は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断
している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、我々の職業的専門家としての判断において、当事業年度の連結財務諸表監査において最
も重要であると判断された事項のことをいう。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及
び監査意見の形成において検討した事項であり、我々は監査意見と別に、これらの事項に対して個別の意見を表明しな
い。以下では各事項について我々がどのように対応したかについて記載している。
我々は、これらの事項に関連する責任を含め、我々の報告書の 「連結財務諸表監査に関する監査人の責任」 のセクショ
ンに記載されている責任を果たした。従って、我々の監査には連結財務諸表の重要な虚偽表示のリスクの評価に対応する
ために立案された監査手続の実施が含まれている。下記の事項に対応するために実施された手続を含め、我々の監査手続
の結果は、添付の連結財務諸表に関する我々の監査意見の基礎を提供している。
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顧客向けローンの減損評価
監査上の主要な検討事項の内容と決定理由 監査上の対応
財務諸表の注記 2.14 の重要な会計方針、注記 3.1 の会計 我々は、グループの信用管理と実務を理解したうえ
方針を適用する際の重要な会計上の見積り及び判断、注 で、ポートフォリオの区分、重要な信用悪化の要件、予
記 4.1 の信用リスクに係る開示及び注記 25 の貸付金の減損 想信用損失の測定アプローチに対する経営者の判断を含
引当金を参照されたい。 む、グループの減損方法を評価した。我々は、信用評
価、貸出金の分類、ステージの分類及び減損引当金算定
グループは、顧客向けローンの予想信用損失（以下 のプロセスに関する統制上の要点の整備状況と運用状況
「 ECL 」という。）を認識するために、将来予測的な「予 をテストした。貸出金の減損プロセスに係る我々の統制
想損失」減損モデルを適用した。信用リスクの評価と ECL テストには、経済シナリオの使用に関するガバナンスの
の測定は、偏りのない確率加重された起こり得る結果に ほか、インプットや内部のローン格付やデフォルト確率
加え、過去の事象、現在の状況、並びに将来の経済状況 といった、他のデータソースのシステムインターフェー
の予測に関する報告日現在の合理的かつ裏付可能な情報 スに関する評価が含まれていた。
に基づいて行うことが求められている。 ECL の算定におけ
るモデルの開発及び適用、インプットの選択には以下を 我々は貸出審査手続に対しリスクベースのサンプリン
含む経営者の重要な判断と見積りが関わっている。 グ手法を適用した。我々は、借り手の業種及び地域に加
え、内部格付や延滞情報など、個々の項目のリスク特性
１）信用リスクの特徴に応じた金融資産の区分 に基づいてサンプルを抽出した。我々は、借り手の財務
業績、回収可能なキャッシュ・フロー、担保評価に関す
２）デフォルト確率、デフォルト時損失率、デフォルト る詳細な情報の検証を通じて、第三者の立場としての見
時エクスポージャーの推計及びマクロ経済要因の予測 解をまとめている。
３）信用悪化の要件
４）将来予測的なマクロ経済シナリオの選択と発生確率 2020 年 12 月 31 日現在の減損引当金に関し、我々は、関
加重 連するデータソースのサンプルチェックにより、データ
品質のテスティングを行い、経営者が行った減損引当金
2020 年 12 月 31 日現在、顧客向けローン総額は 1,497,864 に関する計算の再計算を実施した。さらに我々は、マク
百万香港ドルであり、総資産の 45.1% を占め、顧客向け ロ経済要因予測と確率加重の経済シナリオを含む、経営
ローンに係る減損引当金は 9,172 百万香港ドルであり、金 者による将来予測的な情報の検討結果を評価した。我々
融商品に係る減損引当金合計の 90.0 ％を占めた。 は、ステージ３に分類される貸付金に関し、回収可能な
キャッシュ・フローと担保評価を考慮に入れながら、サ
グループが計上した減損引当金の重要性及び、関連す ンプルベースで、減損引当金の再計算を実施した。
る経営者の判断と見積り（の重要性）を考慮し、顧客向
けローンの減損評価を、監査上の主要な検討事項に該当 新型コロナウイルス感染症のパンデミックに関連し
すると判断した。 て、貸出金レビューのサンプル選択基準を拡大し、経営
陣が実施した追加のリスク管理措置を考慮したうえで、
貸出金の分類、内部格付の変更、及び貸出金のステージ
分類を評価した。また、新型コロナウイルス感染症がも
たらした経済状況の不確実性を考慮し、経営陣が採用し
た将来予測的なマクロ経済要因の予測及び確率加重した
経済シナリオを評価した。
我々は、財務諸表の注記 4.1 に記載されている信用リス
クに係る開示に関連したグループの統制上の要点の整備
状況と運用状況の評価とテストを行ったほか、関連する
会計基準への準拠の点から開示の十分性を評価した。
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金融商品の評価
監査上の主要な検討事項の内容と決定理由 監査上の対応
財務諸表の注記 2.12 の重要な会計方針、注記 3.2 の会 我々は、独立価格検証、独立モデル検証及び承認を含
計方針を適用する際の重要な会計上の見積り及び判 む、金融商品の評価に関連した統制上の要点の整備状況
断、注記 5.1 及び 5.2 の金融商品の公正価値に関する開 及び運用状況を評価しテストした。
示を参照されたい。
我々は公正価値ヒエラルキーのレベル２及びレベル３
グループは、活発な市場で取引されていない金融商 に分類される金融商品の評価技法及び仮定に焦点を当て
品の公正価値を測定するに当たり評価技法を採用し た。我々は評価技法、インプット及び仮定の評価に評価
た。これらの評価技法の中でも特に、相場価格以外の の専門家を関与させ、市場で一般的に用いられている評
重要な観察可能なインプットや重要な観察不能なイン 価技法との比較、外部市場データを用いた観察可能なイ
プットを必要とするものには、経営者の主観的な判断 ンプットの検証、さまざまな価格情報ベンダーから入手
と仮定が関わっている。異なる評価技法や仮定が適用 した価格情報との比較を行った。
された場合には、この評価結果は大きく異なる可能性
我々はさらに、財務諸表の注記 5.1 及び 5.2 の中の、公
がある。
正価値の開示に関するグループの統制上の要点の整備状
2020 年 12 月 31 日現在、公正価値で測定されるグルー 況及び運用状況を評価しテストしたほか、関連する会計
プの金融資産及び金融負債はそれぞれ 873,124 百万香港 基準への準拠の点から開示の十分性を評価した。
ドル及び 80,649 百万香港ドルであり、資産総額及び負
債総額の 26.3% 及び 2.7% を占めていた。評価において相
場価格以外の重要な観察可能なインプットを用いる金
融商品は公正価値ヒエラルキーのレベル２に分類され
ている一方、評価において重要な観察不能なインプッ
トを用いる金融商品は公正価値ヒエラルキーのレベル
３に分類されている。公正価値ヒエラルキーのレベル
３に分類される金融商品の評価はかなりの程度の不確
実性を伴っている。 2020 年 12 月 31 日現在、公正価値で
測定されるグループの金融資産のうち、レベル２及び
レベル３に分類されるものはそれぞれ 594,704 百万香港
ドル及び 7,569 百万香港ドルであり、グループの公正価
値で測定される金融資産のそれぞれ 68.1% 及び 0.9% を占
めている。
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繰延税金資産の認識
監査上の主要な検討事項の内容と決定理由 監査上の対応
財務諸表の注記 2.24 の中の重要な会計方針、注記 3.4 我々の監査手続には、特に、現行の税法に照らした繰
の会計方針を適用する際の重要な会計上の見積り及び 延税金資産の認識と回収可能性を判定するために経営者
判断、注記 36 の中の繰延税金に関する開示を参照され が採用した判断と仮定の評価を支援するための、我々の
たい。 税務専門家の関与が含まれている。また我々は、税額控
除に係るグループの権利に関する経営者の見積りを評価
2020 年 12 月 31 日現在、グループは減損引当金から生
し、グループと当該税務当局との間で交わされた文書を
じる一時差異に関する 1,153 百万香港ドル、税務上の欠
査閲した。
損金から生じた一時差異に関連する 46 百万香港ドル及
び、その他の一時差異及び税額控除に関連する 289 百万 我々はさらに、関連する会計基準の遵守という点か
香港ドルの繰延税金資産を認識した。その他の一時差 ら、財務諸表の注記 36 の中の開示の十分性を評価した。
異及び税額控除の大半は、特定の収入に関し他の法域
で納付した源泉所得税から生じ、二重課税条約に基づ
き香港の税務当局によって認められる税額控除であ
る。かかる税額控除は、対応する未払源泉徴収税が決
済され、当該税務当局から発行された納付済証による
裏付けが得られた後に、香港の税務当局によって認め
られる予定である。会計基準で求められるこれらの繰
延税金資産は、財務諸表の注記 36 に開示されている繰
延税金負債との間で相殺される。繰延税金負債の認識
には、利用可能な税額控除と認識されている当該税金
資産の回収可能性の見積りに基づいた、経営者による
重要な判断と見積りが関わっている。
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保 険契約負債の評価
監査上の主要な検討事項 の内容と決定理由 監査上の対応
財務諸表の注記 2.20 の中の重要な会計方針、注記 3.3 また我々は監査手続の実施を補完するため、保険数
の 会計方針を適用する際の重要な会計上の見積り及び 理の専門家を利用した。これらの手続には商品の特徴
判断、注記 4.4 と 注記 37 の中の保険リスクに関する開示 の検証のほか、関連する規制及び会計上の要求事項に
を参照されたい。 基づいた保険契約負債の評価に用いられる手法の検証
が含まれている。我々は経営者が行った評価プロセス
2020 年 12 月 31 日現在、グループの連結子会社である に係る内部統制のテストも行った。
BOC グループ・ライフ・アシュアランス・カンパニー・
リミテッドを通じて、グループは 139,504 百万香港ドル 我々はさらに、市場データと保険契約者の実績を参
の保険契約負債を有しており、これはグループの負債 考に、保険契約負債の評価に用いられた経済上の仮定
総額の 4.6 ％を占めている。 と事業上の仮定を評価し、独立した再計算の実施によ
り、保険契約準備金の算定の正確性も評価した。
保険契約負債の測定には、保険契約者に対する保証
を含め、主に保険契約負債の最終的な決済価値総額の また我々は、 HKFRS 第４号 - 保険契約に基づいて、グ
見積りなど、将来の不確実な結末に関する重要な判断 ループの負債の十分性に関する妥当性を評価した。
が関わっている。投資リターンと関連する割引率のよ 我々の評価には、関連する商品の特徴に基づいた、経
うな経済的な仮定、死亡率と罹病率のような事業上の 営者による予測キャッシュ・フローの評価も含まれて
仮定が、連結貸借対照表に計上されているこれらの保 いる。我々は、業界の実績データとの比較により、関
険契約負債の見積りに用いられた重要なインプットで 連する仮定をテストした。
あった。
さらに我々は、 関連する会計基準の遵守という点か
ら、財務諸表の注記 4.4 の中の保険リスクに係る開示の
十分性を評価した。
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年次報告書に含まれるその他の情報
会社の取締役には、その他の情報に関する責任がある。その他の情報は年次報告書に記載されている情報を構成してい
るが、連結財務諸表もそれに係る我々の監査報告書も含んでいない。
連結財務諸表に関する我々の意見は、その他の情報を対象としておらず、それに関していかなる形でも保証の結論は表
明しない。
連結財務諸表に関する我々の監査に関連して、我々の責任はその他の情報を通読し、それにより、その他の情報が連結
財務諸表又は我々が監査を通じて入手した知識等と著しく不整合である、又は著しく虚偽表示されているように見えるか
どうかを検討することである。我々が実施した作業に基づいて、このその他の情報に重要な虚偽表示があると結論づけた
場合には、我々にはその事実を報告することが求められている。この点に関し、我々は報告するものはない。
連結財務諸表に関する取締役の責任
会社の取締役には、 HKICPA が公表した HKFRSs 及び香港会社法に従って真実かつ公正な概観を示す連結財務諸表を作成
し、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成するために取締役が必要と判断する内部統制を整備す
る責任がある。
連結財務諸表を作成するに当たって、会社の取締役には、グループの、継続企業として存続する能力を評価し、継続企
業の前提に関する事項を必要に応じて開示し、会社の取締役がグループの清算もしくは営業を停止する意図がある場合、
又はそれ以外に現実的な選択肢がない場合を除いて、継続企業を前提とした会計ベースを使用する責任がある。
会社の取締役は、グループの財務報告プロセスを監視する責任を果たすために、監査委員会の支援を受けている。
連結財務諸表監査に関する監査人の責任
我々の目的は、連結財務諸表に、全体として不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証
を得たうえで、我々の意見を含めた監査報告書を作成することである。我々の報告書は、香港会社条例第 405 条に基づい
て、総体としてのバンク・オブ・チャイナ香港（ホールディングス）リミテッドの株主に対して作成されたものであり、
他のいかなる目的のためでもない。我々は、本報告書の内容について他の者に対する責任を負うことはなく、また、義務
を負うこともない。
合理的な保証とは、相当に高い程度の心証であるが、 HKSAs に準拠して実施された監査が、存在する重要な虚偽表示を
常に発見することを保証するものではない。虚偽表示は、不正又は誤謬から発生する可能性があり、個別に又は集計する
と、これらの連結財務諸表の利用者の経済的意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断
される。
HKSAs に準拠した監査の一環として、我々は、監査を通じて、職業的専門家としての判断を行使し、職業的専門家とし
ての懐疑心を保持した。また我々は、以下の事項を実施する。
・ 不正又は誤謬のいずれによるかを問わず、連結財務諸表の重要な虚偽表示リスクを識別し評価すること、それらの
リスクに対応するための監査手続を立案し実施すること、及び意見表明の基礎を提供するために十分かつ適切な監
査証拠を入手すること。不正による重要な虚偽表示を発見できないリスクは、誤謬による重要な虚偽表示を発見で
きないリスクよりも高くなる。これは、不正には、共謀、偽造、意図的な脱漏、虚偽の言明、又は内部統制の無効
化が伴う可能性があることによる。
・ 状況に応じて適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を理解すること。ただし、これはグルー
プの内部統制の有効性に対する意見を表明するためではない。
・ 使用された会計方針の適切性、並びに取締役によって行われた会計上の見積り及び関連する開示の妥当性を評価す
ること。
・ 取締役が継続企業の会計ベースを使用したことの適切性について、入手した監査証拠に基づいて、グループの継続
企業として存続する能力に重大な疑義を生じさせる可能性がある事象や状況に関連して、重大な不確実性が存在す
るか否かについて、結論を下すこと。我々は、重大な不確実性が存在するという結論を下した場合、監査人の監査
報告書において、連結財務諸表の関連開示に注意を向けさせること、又は当該開示が不十分である場合は、 無限定
適正意見ではない意見を表明することが求められている。 我々の結論は、監査人の監査報告書日までに入手した監
査証拠に基づいている。しかしながら、将来の事象又は状況が原因で、グループが継続企業としての存続を中止す
ることもあり得る。
・ 開示を含め、連結財務諸表の全体的な表示、構成及び内容を評価し、連結財務諸表が、基礎となる取引や会計事象
を適正に表示しているかどうかを評価すること。
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・ 連結財務諸表に関する意見を表明するために、グループ内の事業体又は事業活動に関する財務情報について、十分
かつ適切な監査証拠を入手すること。我々には、グループ監査の指示、監督及び実施について責任がある。我々
は、 我々の監査意見に単独で責任を負う。
我々は、監査委員会に対し、特に、監査の過程で識別した内部統制の重要な不備を含め、計画した監査の範囲とその実
施時期、及び監査上の主要な発見事項を伝達する。
我々は、監査委員会に対し、我々の独立性についての職業倫理に関する規定を遵守している旨を書面で伝達するほか、
我々の独立性に影響を与えると合理的に考えられるすべての関係及びその他の事項、また該当する場合には脅威を排除す
るための措置又は適用したセーフガードについても報告する。
我々は、監査委員会と協議した事項の中から、当事業年度の連結財務諸表監査で最も重要な事項を、監査上の主要な検
討事項と決定する。我々は、これらの事項を我々の監査報告書に記載する。ただし、法令によって当該事項を開示するこ
とが禁止されている場合や、極めて稀な状態ではあるが、監査報告書においてコミュニケーションを行うことによる負の
影響が、当該コミュニケーションにより得られる公共の利益を上回ると合理的に予想されるため、監査人が当該事項につ
いてのコミュニケーションを行うべきでないと判断した場合は記載しない。
本独立監査人の監査報告書による監査に対する責任を有する監査責任者は李舜兒である。
アーンスト・アンド・ヤング
公認会計士
香港
2021 年３月 30 日
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Independent Auditor’s Report
To the members of BOC Hong Kong (Holdings) Limited
(Incorporated in Hong Kong with limited liability)
Opinion
We have audited the consolidated financial statements of BOC Hong Kong (Holdings) Limited (the “Company”) and its
subsidiaries (the “Group”) set out on pages 125 to 290, which comprise the consolidated balance sheet as at 31
December 2020, and the consolidated income statement, the consolidated statement of comprehensive income, the
consolidated statement of changes in equity and the consolidated cash flow statement for the year then ended, and notes
to the financial statements, including a summary of significant accounting policies.
In our opinion, the consolidated financial statements give a true and fair view of the consolidated financial position of the
Group as at 31 December 2020, and of its consolidated financial performance and its consolidated cash flows for the year
then ended in accordance with Hong Kong Financial Reporting Standards (“HKFRSs”) issued by the Hong Kong Institute
of Certified Public Accountants (“HKICPA”) and have been properly prepared in compliance with the Hong Kong
Companies Ordinance.
Basis for opinion
We conducted our audit in accordance with Hong Kong Standards on Auditing (“HKSAs”) issued by the HKICPA. Our
responsibilities under those standards are further described in the Auditor’s responsibilities for the audit of the
consolidated financial statements section of our report. We are independent of the Group in accordance with the HKICPA’
s Code of Ethics for Professional Accountants (the “Code”), and we have fulfilled our other ethical responsibilities in
accordance with the Code. We believe that the audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to provide a
basis for our opinion.
Key audit matters
Key audit matters are those matters that, in our professional judgement, were of most significance in our audit of the
consolidated financial statements of the current period. These matters were addressed in the context of our audit of the
consolidated financial statements as a whole, and in forming our opinion thereon, and we do not provide a separate
opinion on these matters. For each matter below, our description of how our audit addressed the matter is provided in that
context.
We have fulfilled the responsibilities described in the Auditor’s responsibilities for the audit of the consolidated financial
statements section of our report, including in relation to these matters. Accordingly, our audit included the performance of
procedures designed to respond to our assessment of the risks of material misstatement of the consolidated financial
statements. The results of our audit procedures, including the procedures performed to address the matters below,
provide the basis for our audit opinion on the accompanying consolidated financial statements.
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
Impairment assessment of advances to customers
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Refer to significant accounting policies in Note 2.14, We obtained an understanding of the Group’s credit
critical accounting estimates and judgements in management and practices and evaluated the Group
applying accounting policies in Note 3.1, and ’s impairment methodology, including the
disclosures on credit risk and loan impairment management judgement over the segmentation of
allowances in Note 4.1 and Note 25 to the financial portfolio, the criteria on significant credit deterioration
statements.
and the measurement approach of expected credit
losses. We tested the design and the operating
The Group has adopted a forward-looking “expected-
effectiveness of the key controls over the processes
loss” impairment model to recognise the expected
of credit assessment, loan classification, stage
credit losses (“ECL”) of its advances to customers.
classification and calculation of impairment
The assessment of credit risk and the measurement
allowances. Our control testing on the loan
of ECL are required to be based on unbiased and
impairment process included an evaluation of the
probability-weighted possible outcomes, and
governance over the use of economic scenarios and
reasonable and supportable information at the
the system interfaces of inputs or other data sources
reporting date about past events, current conditions
such as internal loan gradings and probability of
and forecasts of future economic conditions.
default.
Significant management judgements and estimates
are involved in the development and the application We adopted a risk-based sampling approach for our
of models and the choices of inputs in the calculation loan review procedures. We selected samples based
of ECL, including: on risk characteristics of individual items including
the industry and geographic location of the
operations of borrowers, internal loan grading and
1) segmentation of financial assets according to
past due history. We formed an independent view on
credit risk characteristics;
the loan staging through reviewing the borrowers’
detailed information about their financial
2) estimation of probability of defaults, loss given
performance, recoverable cash flows, valuation of
defaults, exposure at defaults and
collaterals and other available information.
macroeconomic factor forecasts;
For the impairment allowance as at 31 December
3) criteria on significant credit deterioration; and
2020, we performed testing on the relevant data
quality by sample checking to the relevant data
4) selection of forward-looking macroeconomic
source and re-computed management’s calculation
scenarios and their probability weightings.
of the impairment allowance. In addition, we
assessed management’s consideration of forward-
As at 31 December 2020, gross advances to
looking information including macroeconomic factor
customers amounted to HK$1,497,864 million,
forecasts and probability weighted economic
representing 45.1% of total assets; and the
scenarios. For Stage 3 advances, on a sample basis
impairment allowance for advances to customers
we re- calculated the impairment allowance with
amounted to HK$9,172 million, representing 90. 0%
consideration of recoverable cash flows and
of total impairment allowance on financial
valuation of collaterals.
instruments.
In connection with the COVID-19 pandemic, we
In view of the significance of the impairment
expanded our loan review samples’ selection criteria
allowance recorded by the Group and the
and assessed the loan classification, changes of
management judgements and estimates involved,
internal rating and loan staging taking into account
impairment assessment of advances to customers is
the additional risk control measures implemented by
considered a key audit matter.
management. In addition, we assessed the forward-
looking macroeconomic factor forecasts and
probability weighted economic scenarios adopted by
management considering the uncertainties in
economic conditions due to COVID-19.
We also evaluated and tested the design and
operating effectiveness of the Group’s key controls
related to disclosures on credit risk in Note 4.1 to the
financial statements, and assessed the adequacy of
disclosures for compliance with the relevant
accounting standards.
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
Valuation of financial instruments
Refer to significant accounting policies in Note 2.12, We evaluated and tested the design and operating
critical accounting estimates and judgements in effectiveness of key controls related to the valuation
applying accounting policies in Note 3.2, and of financial instruments, including independent price
disclosures on fair values of financial instruments in verification, independent model validation and
approval.
Notes 5.1 and 5.2 to the financial statements.
We focused on the valuation methodologies and
The Group has applied valuation techniques to
assumptions of financial instruments that were
determine the fair value of financial instruments that
classified as level 2 and level 3 in the fair value
are not quoted in active markets. These valuation
hierarchy. We involved our valuation specialists in
techniques, in particular those requiring significant
evaluating the valuation techniques, inputs and
observable inputs other than quoted prices and
assumptions through comparison with the valuation
significant unobservable inputs, involve management
techniques that are commonly used in the market,
using subjective judgements and assumptions. With
the validation of observable inputs using external
different valuation techniques and assumptions
market data, and comparison with valuation
applied, the valuation results can vary significantly.
outcomes obtained from various pricing sources.
As at 31 December 2020, the Group’s financial
We also evaluated and tested the design and
assets and liabilities measured at fair value
operating effectiveness of the Group’s key controls
amounted to HK$873,124 million and HK$80,649
related to the fair value disclosures in Notes 5.1 and
million respectively, representing 26.3% and 2.7% of
5.2 to the financial statements, and assessed the
total assets and total liabilities respectively. Financial
adequacy of disclosures for compliance with the
instruments which had significant observable inputs
relevant accounting standards.
other than quoted prices in the valuation were
categorised within level 2 of the fair value hierarchy,
whereas financial instruments which had significant
unobservable inputs in the valuation were
categorised within level 3 of the fair value hierarchy.
Higher degree of uncertainty was involved in
valuation of financial instruments categorised within
level 3 of the fair value hierarchy.
As at 31 December 2020, the Group’s financial
assets measured at fair value which were
categorised within level 2 and level 3 amounted to
HK$594,704 million and HK$7,569 million
respectively, representing 68.1% and 0.9% of the
Group’s financial assets measured at fair value,
respectively.
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
Recognition of deferred tax assets
Refer to significant accounting policies in Note 2.24, Our audit procedures included, amongst others, the
critical accounting estimates and judgements in involvement of our tax specialists to assist in
applying accounting policies in Note 3.4, and evaluating the judgements and assumptions adopted
disclosures on deferred taxation in Note 36 to the by management to determine the recognition and
financial statements. recoverability of the deferred tax assets, in light of
current tax laws. We also assessed management’s
As at 31 December 2020, the Group recognised
estimates of the Group’s entitlement to the tax
deferred tax assets of HK$1,153 million relating to
credits and examined correspondences between the
temporary differences arising from impairment
Group and relevant tax authorities.
allowances, HK$46 million relating to temporary
differences arising from tax losses and HK$289 In addition, we also assessed the adequacy of
million relating to other temporary differences and tax disclosures in Note 36 to the financial statements
credits. The majority of other temporary differences with respect to compliance with the relevant
and tax credits related to tax credits recoverable accounting standards.
from the tax authorities in Hong Kong under double
tax treaty arrangements, arising from withholding
income taxes payable in other jurisdictions on certain
income. Application for such tax credits will be made
to the tax authorities in Hong Kong after the
corresponding withholding income taxes payable are
settled and evidenced by respective payment
receipts issued from the corresponding tax
authorities. These deferred tax assets, where
required by accounting standards, were offset
against and included within deferred tax liabilities as
shown in Note 36 to the financial statements. The
recognition of the deferred tax assets involved
significant management judgements and
assumptions, based upon the estimation of available
tax credits and the likelihood of recovering the tax
assets recognised.
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Key audit matters: How our audit addressed the key audit matters:
Valuation of insurance contract liabilities
Refer to significant accounting policies in Note 2.20, We used our actuarial specialists to assist in the
critical accounting estimates and judgements in performance of our audit procedures. These included
applying accounting policies in Note 3.3, and a review of the product features and the
disclosures on insurance risk and insurance contract methodology used in valuing the insurance contract
liabilities in Note 4.4 and Note 37 to the financial liabilities in accordance with the relevant regulations
statements.
and accounting requirements. We also tested the
internal controls performed by management over the
As at 31 December 2020, the Group, through its
valuation process.
consolidated subsidiary BOC Group Life Assurance
Company Limited, had insurance contract liabilities
We also assessed the economic assumptions and
amounting to HK$139,504 million, representing 4.6%
operating assumptions used in the insurance
of the Group’s total liabilities.
contract liabilities valuation with reference to market
data and policyholder experience and assessed the
The measurement of insurance contract liabilities
accuracy of the calculation of policy reserves through
involved significant judgements over uncertain future
performing independent recalculation.
outcomes, mainly the estimated ultimate total
settlement value of insurance contract liabilities,
In addition, we assessed the validity of the Group’s
including any guarantees provided to policyholders.
liability adequacy test under HKFRS 4 - Insurance
Economic assumptions, such as investment return
Contracts. Our assessment included an evaluation of
and associated discount rates, and operating
management’s projected cash flows based on
assumptions, such as mortality and morbidity, were
relevant product features. We tested the associated
the key inputs used to estimate these insurance
assumptions by comparing with industry experience
contract liabilities as reported in the consolidated data.
balance sheet.
We also assessed the adequacy of disclosures on
insurance risk in Note 4.4 to the financial statements
with respect to compliance with the relevant
accounting standards.
Other information included in the Annual Report
The directors of the Company are responsible for the other information. The other information comprises the information
included in the Annual Report, other than the consolidated financial statements and our auditor’s report thereon.
Our opinion on the consolidated financial statements does not cover the other information and we do not express any
form of assurance conclusion thereon.
In connection with our audit of the consolidated financial statements, our responsibility is to read the other information
and, in doing so, consider whether the other information is materially inconsistent with the consolidated financial
statements or our knowledge obtained in the audit or otherwise appears to be materially misstated. If, based on the work
we have performed, we conclude that there is a material misstatement of this other information, we are required to report
that fact. We have nothing to report in this regard.
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Responsibilities of the directors for the consolidated financial statements
The directors of the Company are responsible for the preparation of the consolidated financial statements that give a true
and fair view in accordance with HKFRSs issued by the HKICPA and the Hong Kong Companies Ordinance, and for such
internal control as the directors determine is necessary to enable the preparation of consolidated financial statements that
are free from material misstatement, whether due to fraud or error.
In preparing the consolidated financial statements, the directors of the Company are responsible for assessing the Group’
s ability to continue as a going concern, disclosing, as applicable, matters related to going concern and using the going
concern basis of accounting unless the directors of the Company either intend to liquidate the Group or to cease
operations, or have no realistic alternative but to do so.
The directors of the Company are assisted by the Audit Committee in discharging their responsibilities for overseeing the
Group’s financial reporting process.
Auditor’s responsibilities for the audit of the consolidated financial statements
Our objectives are to obtain reasonable assurance about whether the consolidated financial statements as a whole are
free from material misstatement, whether due to fraud or error, and to issue an auditor’s report that includes our opinion.
Our report is made solely to you, as a body, in accordance with section 405 of the Hong Kong Companies Ordinance, and
for no other purpose. We do not assume responsibility towards or accept liability to any other person for the contents of
this report.
Reasonable assurance is a high level of assurance, but is not a guarantee that an audit conducted in accordance with
HKSAs will always detect a material misstatement when it exists. Misstatements can arise from fraud or error and are
considered material if, individually or in the aggregate, they could reasonably be expected to influence the economic
decisions of users taken on the basis of these consolidated financial statements.
As part of an audit in accordance with HKSAs, we exercise professional judgement and maintain professional scepticism
throughout the audit. We also:
・ Identify and assess the risks of material misstatement of the consolidated financial statements, whether due to fraud
or error, design and perform audit procedures responsive to those risks, and obtain audit evidence that is sufficient
and appropriate to provide a basis for our opinion. The risk of not detecting a material misstatement resulting from
fraud is higher than for one resulting from error, as fraud may involve collusion, forgery, intentional omissions,
misrepresentations, or the override of internal control.
・ Obtain an understanding of internal control relevant to the audit in order to design audit procedures that are
appropriate in the circumstances, but not for the purpose of expressing an opinion on the effectiveness of the Group’s
internal control.
・ Evaluate the appropriateness of accounting policies used and the reasonableness of accounting estimates and
related disclosures made by the directors.
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Independent Auditor’s Report
・ Conclude on the appropriateness of the directors’ use of the going concern basis of accounting and, based on the
audit evidence obtained, whether a material uncertainty exists related to events or conditions that may cast significant
doubt on the Group’s ability to continue as a going concern. If we conclude that a material uncertainty exists, we are
required to draw attention in our auditor’s report to the related disclosures in the consolidated financial statements or,
if such disclosures are inadequate, to modify our opinion. Our conclusions are based on the audit evidence obtained
up to the date of our auditor’s report. However, future events or conditions may cause the Group to cease to continue
as a going concern.
・ Evaluate the overall presentation, structure and content of the consolidated financial statements, including the
disclosures, and whether the consolidated financial statements represent the underlying transactions and events in a
manner that achieves fair presentation.
・ Obtain sufficient appropriate audit evidence regarding the financial information of the entities or business activities
within the Group to express an opinion on the consolidated financial statements. We are responsible for the direction,
supervision and performance of the group audit. We remain solely responsible for our audit opinion.
We communicate with the Audit Committee regarding, among other matters, the planned scope and timing of the audit
and significant audit findings, including any significant deficiencies in internal control that we identify during our audit.
We also provide the Audit Committee with a statement that we have complied with relevant ethical requirements
regarding independence and to communicate with them all relationships and other matters that may reasonably be
thought to bear on our independence, and where applicable, actions taken to eliminate threats or safeguards applied.
From the matters communicated with the Audit Committee, we determine those matters that were of most significance in
the audit of the consolidated financial statements of the current period and are therefore the key audit matters. We
describe these matters in our auditor’s report unless law or regulation precludes public disclosure about the matter or
when, in extremely rare circumstances, we determine that a matter should not be communicated in our report because the
adverse consequences of doing so would reasonably be expected to outweigh the public interest benefits of such
communication.
The engagement partner on the audit resulting in this independent auditor’s report is LEE Shun Yi, Jasmine.
Ernst & Young
Certified Public Accountants
Hong Kong, 30 March 2021
775/775
