株式会社ミューチュアル 意見表明報告書
提出書類 | 意見表明報告書 |
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提出者 | 株式会社ミューチュアル |
カテゴリ | 意見表明報告書 |
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株式会社ミューチュアル(E02959)
意見表明報告書
【表紙】
【提出書類】 意見表明報告書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2022年5月23日
【報告者の名称】 株式会社ミューチュアル
【報告者の所在地】 大阪府大阪市北区西天満1丁目2番5号
【最寄りの連絡場所】 大阪府大阪市北区西天満1丁目2番5号
【電話番号】 06(6315)8613
【事務連絡者氏名】 総務部長 日野 豊
【縦覧に供する場所】 株式会社ミューチュアル
(大阪府大阪市北区西天満1丁目2番5号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
(注1) 本書中の「当社」とは、株式会社ミューチュアルをいいます。
(注2) 本書中の「公開買付者」とは、株式会社エムズをいいます。
(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和
と必ずしも一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「本公開買付け」とは、本書提出に係る公開買付けをいいます。
(注6) 本書中の「株券等」とは、株式等に係る権利をいいます。
(注7) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みま
す。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注8) 本書中の「本公開買付価格」とは、本公開買付けにおける普通株式1株の買付け等の価格を指します。
(注9) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又
は日時を指すものとします。
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1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】
名称 株式会社エムズ
所在地 東京都千代田区内幸町一丁目3番3号内幸町ダイビル
2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】
普通株式
3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
(1)意見の内容
当社は、2022年5月20日開催の取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基
づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨
する旨を決議いたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避する
ための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における取締役全員の承認及び監査役
全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
(2)意見の根拠及び理由
本「(2)意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明
に基づいて記載しております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、有価証券の取得及び所有を主たる目的として2022年4月5日に設立された株式会社であり、本
公開買付けを通じて株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場
している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を取得及び所有することを企図しているとのことで
す。また、公開買付者は、本書提出日現在において、その発行済株式の全てを株式会社マーキュリアインベスト
メント(以下「マーキュリアインベストメント」といいます。)が無限責任組合員を務めるマーキュリア日本産
業成長支援2号投資事業有限責任組合(以下「マーキュリアファンド」といいます。)が所有しているとのこと
です。なお、本書提出日現在、マーキュリアファンド、マーキュリアインベストメント及びマーキュリアインベ
ストメントの親会社である株式会社マーキュリアホールディングス(以下「マーキュリアホールディングス」と
いいます。)及び公開買付者は、当社株式を所有していないとのことです。
マーキュリアインベストメントは、「投融資一体型の金融サービス」を提供する専門性の高い金融機関である
日本政府100%出資の株式会社日本政策投資銀行(以下「DBJ」といいます。)からの出資及び人材派遣を受
けて2005年10月に設立されたとのことです。マーキュリアインベストメントは、設立以来「クロスボーダー」を
コンセプトに、国や地域を超えて、あるいは既成概念を破って非連続的な成長を目指す企業のハンズオン支援
(投資後に投資先企業に対して役職員の派遣を行うこと等により投資先企業の成長を直接的に支援しながら企業
価値の向上を図る投資手法をいいます。)を提供しているファンド運用事業者とのことです。マーキュリアイン
ベストメントを含むマーキュリアホールディングスグループは、2021年12月末日現在、約2,171億円の運用資産
残高を有しているとのことです。また、マーキュリアインベストメントは、運営ファンドを通じて東京電解株式
会社、株式会社ツノダ、シンクス株式会社、ライフネット生命保険株式会社、株式会社オキサイド等、16年間で
合計40件以上の投資実績を有しており、投資先企業に対して、経営戦略策定及び遂行、人材採用及び組織設計、
営業戦略の立案、製造事業における生産能力向上及び生産性改善、管理業務の効率化、その他投資先企業の事業
内容に応じた経営全般に亘る合理化施策のハンズオン支援を実施しているとのことです。マーキュリアインベス
トメントは、2016年10月に東京証券取引所第二部へ上場し、2017年12月には東京証券取引所第一部(2021年7月
に株式移転の方法により持株会社であるマーキュリアホールディングスを設立し上場主体をマーキュリアホール
ディングスに変更しているとのことです。)へ、2022年4月には東京証券取引所の市場区分見直しによりマー
キュリアホールディングスは東京証券取引所プライム市場へ上場市場を変更しているとのことです。マーキュリ
アホールディングスはグループ全体のミッションとして「ファンドの力で、日本の今を変える」を掲げており、
ファンド運営を通じて日本の持つ潜在能力を最大限に引き出すことがミッションであると考え企業活動を行って
いるとのことです。
今般、公開買付者は、当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することによ
り、当社の株主を公開買付者のみとし、当社株式を非公開化することを目的とした一連の取引(以下「本取引」
といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにおいて、当社株式を非公開化することを目的としているため、4,301,200株
(所有割合(注1):66.67%)を買付予定数の下限(注2)と設定しており、本公開買付けに応募された当社
株式(以下「応募株券等」といいます。)が買付予定数の下限に満たなかった場合は、応募株券等の全ての買付
け等は行わないとのことです。かかる買付予定数の下限を設定したのは、本公開買付けは、当社株式を非公開化
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することを目的としているところ、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関す
る事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みま
す。 以下同じです。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされるため、本取引を確実
に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の議決権数の3分の2以上を所有することとなるよ
うにするためとのことです。
一方、公開買付者は、本公開買付けにおいて、当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きま
す。)を取得することにより、当社株式を非公開化することを目的としているため、買付予定数の上限を設定し
ておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全ての買付け等を行うとのことで
す。
公開買付者は、本公開買付けにより、公開買付者が当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きま
す。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に公開買付者が当社を完全子会社とするため、下記
「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の一連の手続を実施す
ることを予定しているとのことです。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2022年5月20日に提出した2022年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2022年3月31日現在の発行済株式総数
(7,620,320株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(1,168,558株)を控除した株式数
(6,451,762株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいい、以下、所有
割合の記載においては同じとします。
(注2) 本公開買付けにおける買付予定数の下限(4,301,200株、所有割合:66.67%)は、当社決算短信に記
載された2022年3月31日現在の発行済株式総数(7,620,320株)から、同日現在の当社が所有する自
己株式数(1,168,558株)を控除した株式数(6,451,762株)に係る議決権の数(64,517個)の3分の
2(43,012個)(小数点以下を切り上げております。)に当社の単元株式数である100株を乗じた数
(4,301,200株)に設定しております。
また、公開買付者は、本公開買付けに係る決済に要する資金を、株式会社福岡銀行からの借入れ(以下「本公
開買付決済資金借入れ」といいます。)並びにマーキュリアファンドからの出資(以下「本出資」といいま
す。)により賄うことを予定しており、本公開買付けの成立等を条件として、本公開買付けに係る決済の開始日
の前営業日までに、本公開買付決済資金借入れ及び本出資を受けることを予定しているとのことです。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け及び
本取引後の経営方針
(ア)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
当社は、1949年2月に、大阪府大阪市北区浮田町に国産機械の輸出を目的に、株式会社ミューチュアルト
レイディングとして設立され、1961年10月に包装機械の販売を開始いたしました。1983年4月に商号を株式
会社ミューチュアルに変更し、2003年6月には日本証券業協会に店頭登録銘柄として株式の店頭登録を行
い、2004年12月に株式会社ジャスダック証券取引所(以下「ジャスダック証券取引所」といいます。)に上
場いたしました。その後、2008年12月に行われた株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といい
ます。)によるジャスダック証券取引所の子会社化、2010年4月に行われた大阪証券取引所によるジャス
ダック証券取引所の吸収合併、2013年7月に行われた東京証券取引所と大阪証券取引所の統合、及び2022年
4月に行われた東京証券取引所の市場区分見直しを経て、現在は東京証券取引所スタンダード市場に上場し
ております。
当社グループは、本書提出日現在、当社及びその連結子会社3社により構成されており、ミューチュアリ
ティーの精神すなわち「互いに協力する共存の精神」をモットーとして、医薬品業界、化粧品業界、食品業
界向けの包装関連設備を中心とした産業用機械等の輸出入・製造・販売を主たる業務としている他、工業用
ダイヤモンドの販売、包装資材の販売等を行っております。
一方、当社グループ(当社及び本書提出日現在における当社の連結子会社3社を総称していいます。以下
同じです。)を取り巻く国内医薬品業界は、度重なる薬価制度改革により2011年から2020年まで既存薬価の
改定率は薬剤費ベースで年平均3.1%下落している(注1)ことやジェネリック医薬品の普及率が2005年9
月の32.5%から2020年9月の79.0%に上昇しており(注2)、今後医薬品関連の設備投資が見込みづらく
なっていること、及び一昨年からの新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、今後設備投資が抑制的
となっていくことが予想されることから、厳しい市場環境の下に置かれております。
このような経営環境の下、当社グループは、①医薬品業界の深掘り、②国内新規マーケットの開拓、③海
外への展開強化を基本路線として、国内外の設備投資に係る受注を目指し、グループ企業の総力を結集して
更なる収益機会の拡大を目指してきました。具体的には、医薬品業界については、研究所等これまで手薄で
あった部署へのアプローチを強化し、新たに専門部署を立ち上げ、全てのメンテナンス依頼を請け負うこと
でアフターサービスの質と顧客満足度の向上を図るとともに、営業人員が新規受注の獲得に向けた営業活動
に注力できる体制への移行を目指しております。またエンジニアリング機能を強化することで、ライン設計
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から機械の納入、据え付け、運転までの大型な受注に対応できる体制を整えております。さらに国内新規
マーケットの開拓では、専門部署を新たに設置して、国内外での新商材の発掘及び国内における新商材・新
市 場に対する需要の掘り起こしを専門的に行っております。また、海外展開では中国で開催される展示会へ
の積極的な出展を契機とした、現地企業とのタイアップ、ネットワークづくりが形となりつつあり、引き続
き海外代理店や海外機械メーカーとの業務提携やM&A等様々な可能性を追求し、グローバルな営業体制を
整え、業容の更なる拡大を実現していく方針です。
これらの施策を実行し、持続的な企業価値の向上を実現するためには、特に製造機能と営業機能の拡充を
目指すべくマネジメント能力に長けた人材、また、従業員に関しても、技術開発や営業、メンテナンス対応
において即戦力となる人材の確保が必要不可欠であるものの、こうした人材の採用や育成は容易ではないこ
とから継続的な課題となっております。さらに、経営体制においても、当社の取締役・監査役8名の平均年
齢は71.5歳と経営陣の高齢化が進んでおり、現体制のみでは上記の厳しい環境下での舵取りが困難となりつ
つあるとの自覚から、早急に次世代経営布陣を整備することを重大な課題と認識しております。
(注1) 出典:厚生労働省 令和4年度薬価制度改革について 2022年3月4日
(注2) 出典:厚生労働省 後発医薬品の使用割合の目標と推移 2021年6月18日
マーキュリアインベストメントは、「クロスボーダー」を旗印としながら、主として日本企業に対する投
資を通じて、①日本企業が本来有する事業ポテンシャルの開花をご支援すること、その結果として、②全て
のステークホルダーの幸せの総量を最大化することを投資コンセプトとして、マーキュリアインベストメン
トのノウハウの活用や独自の取り組みを実施することで、これらを達成することが可能な有力な投資先を選
定していたとのことです。
マーキュリアインベストメントは、業歴が長く確固たる事業基盤を有しながらも業績の成長が鈍化傾向に
ある中堅企業に対する投資を行った上で、経営計画の作成や人材採用、顧客開拓の支援といった経営支援策
を通じて企業の再成長を実現するという投資方針を有しており、上場会社の中においてもこれまで蓄積した
ノウハウを活用することで更なる成長の支援が可能な企業が存在すると考え、日常的に、業界環境や事業内
容等の観点から候補となりうる企業を探索していたとのことです。その中で、マーキュリアインベストメン
トは、2020年2月中旬、当社グループの存在を知り、2020年3月上旬から当社グループの事業について初期
的に調査を実施し、当該調査を通じて、当社グループが医薬品業界向けに築き上げてきた業界内でのプレゼ
ンス及び顧客企業のニーズに沿ったサービス提供を可能とする技術に関するノウハウの蓄積に高い関心を
持ったとのことです。一方で、当社は、今後更なる競争力の強化及び企業価値の向上を実現するためには、
当社独自の経営努力に加え、外部の経営資源を活用することが有益であると考え、2020年1月上旬に当社の
新たな資本パートナーの検討を開始しておりました。その中で、当社は、2020年1月上旬から2021年9月下
旬にかけて、当社と取引上の関係があった大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)及び株式会
社三井住友銀行(以下「三井住友銀行」といいます。)と当社の新たな資本パートナーについて議論を進め
る中で両社より紹介を受けた事業会社4社及びプライベート・エクイティ・ファンド4社の計8社の中の1
社として、2020年7月下旬に大和証券よりマーキュリアインベストメントの紹介を受け、当社の代表取締役
会長兼CEOである三浦隆氏(以下「三浦氏」といいます。)及び取締役である吉野尊文氏(以下「吉野
氏」といいます。)は、2020年8月上旬に、マーキュリアインベストメントとの間で、当社グループの事業
の状況及び今後の経営課題について意見交換を行いました。その後、マーキュリアインベストメントは、同
年8月下旬に三浦氏及び吉野氏に対し、マーキュリアインベストメントが想定している経営支援の概要を含
む当社株式の非公開化に向けた本公開買付けに関する初期的な意向を表明するとともに、経営支援及び本公
開買付けの内容を説明したとのことです。その際、三浦氏及び吉野氏から継続的に意見交換をしていきたい
旨の意向を伝えたことから、マーキュリアインベストメントは、上記の初期的な調査を踏まえ、当社がマー
キュリアインベストメントの上記の投資コンセプトに合致しているかの検証や、当社グループの事業の状況
及び今後の経営課題についてさらに理解を深めることを目的として、2020年9月中旬から2021年11月中旬ま
での間に、三浦氏及び吉野氏との面談や協議を計8回に亘って行ってきたとのことです。
かかる面談や協議を行う中で、当社からは、営業力強化に向けた専門営業部隊の創設及びアフターサービ
ス要員の拡充等の施策、利益水準の向上に向けた事業分野拡大のための製品開発及びグループブランド製品
の製造能力向上等の施策並びに事業活動を担う即戦力人材の採用活動の強化等を検討及び実施してきたもの
の、足下の新型コロナウイルスの感染拡大というマクロ環境の大きな変化や、施策を推進するための人材や
経営ノウハウといった経営リソースの不足という課題に直面していると考えていることを説明いたしまし
た。また、当社は上記8社から当社の完全子会社化及び非公開化に関しての提案を受けて検討する中で、当
社ではなく事業会社固有の事業の拡大及び収益性の向上が主目的である事業会社よりも、投資先の収益性の
向上を通じて利益拡大を追求するプライベート・エクイティ・ファンドの方が、より当社の事業自体を中核
に据えた企業価値の向上を主眼に置いて進めることができると考え、2021年11月下旬に事業会社よりもプラ
イベート・エクイティ・ファンドの方が従業員や取引先等のステークホルダーにとって望ましい資本パート
ナーであると判断いたしました。その後、上記で紹介を受けたプライベート・エクイティ・ファンド4社の
うち、大和証券及び三井住友銀行からの推薦があったことに加え、各社提案内容を当社で比較検討の上で、
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特に人材紹介面で当社にとって有益なパートナーとなり得ると判断したことから、2021年12月中旬に、マー
キュリアインベストメントを含む2社と更なる交渉を進めることといたしました。そして、マーキュリアイ
ン ベストメントとしては、2020年9月中旬から2021年11月中旬までの計8回に亘る面談や協議を通じて、そ
のような当社が置かれる厳しい市場環境と、そのような市場環境に対処する施策を推進するための人材や経
営ノウハウといった経営リソースが当社に不足しているという課題を認識したとのことです。マーキュリア
インベストメントとしては、当社が抱えるそのような課題に対しては、経営資源を集中的に投下し、中長期
的な経営戦略を速やかに策定しつつ当社の従来の取り組みを超えた施策を実行に移していくことが必要であ
るという認識を持ったとのことですが、これらの取り組みは今後の収益性に不確実な影響を与え得るもので
あるため、短期的には、利益水準の低下、キャッシュ・フローの悪化、有利子負債の増加等による財務状況
の悪化を招来するリスクがあると考えていたとのことです。そのため、マーキュリアインベストメントは、
これらの取り組みは、上場会社の施策として資本市場から十分な評価が得られない可能性があり、その場合
には、当社の株価の下落を招き、当社の株主の皆様が短期的には悪影響を被る可能性を否定できないものと
考えていたとのことです。そこで、マーキュリアインベストメントは、当社がこれらの経営課題に対処し、
安定した経営体制の下で中長期的に持続的な企業価値向上を実現させていくためには、当社株式を非公開化
した上で当社をマーキュリアファンドの完全子会社とすることにより、当社において市場環境に対処する施
策について、短期的な株式市場からの評価にとらわれず、機動的かつ柔軟な意思決定が可能となる経営環境
を構築し、また当社がマーキュリアファンド及びその完全子会社である公開買付者の単なる子会社ではな
く、完全子会社となり、当社の株主を公開買付者のみとすることで、マーキュリアファンドと当社の一般株
主との間の将来的な利益相反の可能性を回避し、マーキュリアインベストメントが有する経営能力及び経営
支援を最大限活用できる体制を構築した上で、当社の経営改革の実行及び事業の積極的展開に取り組むこと
が最も有効な手段であると考えるに至ったとのことです。
そこでマーキュリアインベストメントは、2021年12月15日、当社の取締役会に対して、当社株式を非公開
化すること、当社グループに対して実施するデュー・ディリジェンスの結果によって異なる提案を行う可能
性を留保した上での買付予定価格として1株当たり1,300円とすること及びマーキュリアインベストメント
が想定している経営支援の内容(詳細は下記(ⅰ)乃至(ⅴ)をご参照ください。)を含む本公開買付けに関す
る提案を行ったとのことです。これに対し、当社は、マーキュリアインベストメントの提案と、同じく当社
の経営改革の実行及び事業の積極的展開に取り組むことを狙いとして当社株式の非公開化を提案していた他
の候補者1社の提案のいずれが優れているかを比較検討するため、マーキュリアインベストメントに対し、
買付予定価格の水準の引き上げの余地がある場合には引き上げるよう打診を行いました。これを受けて、
マーキュリアインベストメントは、2022年1月31日に、買付予定価格の水準を前回の提案よりも引き上げ、
当社グループに対して実施するデュー・ディリジェンスの結果によって異なる提案を行う可能性を留保した
上での買付予定価格として1株当たり1,800円を提案し、改めて本公開買付けに関する提案を行ったとのこ
とです。
これを受けて当社は、マーキュリアインベストメントの提案と他の候補者1社の提案を①投資実績、②会
社の安定性及び③提案価格の3点から比較検討した結果、マーキュリアインベストメントは①16年間で合計
40件以上の豊富な投資実績があることに加え、②上場企業傘下であるという安心感もあり、③提案価格につ
いても他の候補者1社の提案を上回っていたことから、2022年2月4日にマーキュリアインベストメントに
対して、マーキュリアインベストメントからの当該提案内容について前向きに検討を開始する旨の連絡をし
ております。
その後、マーキュリアインベストメント及び当社は、本取引の実施について具体的な検討を進めていくこ
とを相互に確認し、2022年2月14日、マーキュリアインベストメントは、当社から、本取引の検討に関する
独占交渉権を付与されました。その後、マーキュリアインベストメントは本取引の検討をさらに推進するた
めに、2022年3月上旬から2022年4月上旬まで、当社グループに対するデュー・ディリジェンスを実施いた
しました。
マーキュリアインベストメントは、上記デュー・ディリジェンスを通じて、当社の経営ノウハウに、マー
キュリアインベストメントがこれまで培ってきた投資先に対する経営戦略策定及び遂行、人材採用及び組織
設計、営業戦略の立案、製造事業における生産能力向上及び生産性改善、管理業務の効率化、その他投資先
企業の事業内容に応じた経営全般に亘る合理化施策に関する豊富なバリューアップノウハウや、マーキュリ
アインベストメントの役職員が提供するハンズオン支援とM&Aその他の成長投資に必要な資金提供機能を
中心とした経営資源等を併せて活用することにより、当社の再成長の実現を確かなものにできるという確信
を持ったとのことです。具体的には、以下のような施策を講じることを想定しているとのことです。
(ⅰ)中長期的な経営戦略策定及び実行の支援
マーキュリアインベストメントとしては、当社においては、人材及びノウハウの不足からこれまで中
長期的な経営戦略を明示的には策定してこなかったと認識しているとのことですが、マーキュリアイン
ベストメントがこれまで投資先の経営支援を行う中で蓄積してきた経営課題の特定と解決施策の立案及
びそれらを実行する仕組みづくりに関するノウハウを活用することにより、従前以上に経営課題を具体
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的に特定した形での中長期的な経営戦略及び事業計画の策定と具体的な施策の実行を支援することが可
能になると考えているとのことです。
(ⅱ)人材・組織強化に関する支援
マーキュリアインベストメントとしては、当社においては、マネジメント能力に長けた人材その他成
長に向けて必要となる人材を十分に採用できていないことが事業拡大を目指すための課題であると認識
しているとのことですが、マーキュリアインベストメントやその戦略的パートナーである、マーキュリ
アホールディングスの主要株主であるDBJ及び伊藤忠商事株式会社並びにマーキュリアホールディン
グスの株主である三井住友信託銀行株式会社等が有する幅広い人材ネットワークを活用することによ
り、重要な経営リソースである人材の確保を推進することが可能になると考えているとのことです。加
えて、マーキュリアインベストメントがこれまで投資先の組織づくりに関する支援を行う中で蓄積して
きたノウハウを活用することにより、当社にて新たに採用する人材と既存人材が、当社の経営方針にお
いて目標及び役割を明確に認識しつつ、相互に補完しながら事業活動を行う仕組みづくり及び組織風土
を醸成することで、当社が効果的に経営戦略を推進することが可能になると考えているとのことです。
(ⅲ)営業部門に関する支援
マーキュリアインベストメントとしては、当社の営業部門では、個人の経験や能力に依存する面があ
り、組織横断的な情報やノウハウの共有が必ずしも十分ではないと認識しているとのことですが、マー
キュリアインベストメントがこれまで投資先に対して提供してきたデータを活用した営業戦略の立案及
び推進の支援に関するノウハウを活用し、当社の社内データの整理・活用を推進する等の営業部門のマ
ネジメントを支援することにより、当社が更に顧客のニーズに沿った営業活動を実施し、既存顧客、医
薬品業界以外の業界や海外における新規顧客も含めた顧客からの受注拡大や仕入先との取引拡大に繋げ
ることや、アフターサービスの品質向上及び規模拡大が可能になると考えているとのことです。
(ⅳ)製造部門拡充の支援
マーキュリアインベストメントとしては、当社においては、新たな技術開発や製造能力の向上に十分
な人材を割くことや製造に関する業務提携先の探索ができていないと認識しているとのことですが、
マーキュリアインベストメントがこれまで投資先の製造企業に対して生産性向上や第三者との業務提携
等の企業価値向上に関する支援を行う中で蓄積してきたノウハウを活用し、製造企業との資本提携及び
M&Aの実施や協力会社との連携を強化することにより、顧客の需要へタイムリーに応えるための柔軟
な製造体制の確立や、エンジニアリング力の強化、事業領域の拡大を支援することが可能になると考え
ているとのことです。
(ⅴ)業務効率化の支援
マーキュリアインベストメントとしては、当社においては、社内情報の電子化が遅れており、業務効
率化に向けた課題となっていると認識しているとのことですが、マーキュリアインベストメントがこれ
まで投資先の企業価値向上に関する支援を行う中で蓄積してきたデジタル化や管理オペレーションの改
善に係るノウハウを活用することにより、当社の従業員がより働きやすい環境を整えると共に当社の業
務の効率化を支援することが可能になると考えているとのことです。
マーキュリアインベストメントは、上記(ⅰ)乃至(ⅴ)に記載の施策を実現し、当社の再成長の実現を確か
なものにするためには、投資先に対する豊富なバリューアップノウハウや、人材面と資金面を中心とした経
営資源を保有するマーキュリアインベストメントと当社が協働することにより、当社が必要とする経営ノウ
ハウや経営資源を効率的・効果的に補完・補強するべく、機動的かつ柔軟な意思決定を可能とする経営体制
を構築することが望ましく、当社株式の非公開化によりそのような経営体制の構築が可能となると考えてい
るとのことです。
なお、当社株式を非公開化した場合には、上場企業として当社が享受してきた社会的な信用力や知名度の
向上による取引先の拡大及び優れた人材の確保に影響を及ぼす可能性が存在します。しかしながら、マー
キュリアインベストメントとしては、当社は業界においてこれまで知名度やブランド力を培ってきているた
め、当社株式を非公開化したとしても、取引先を拡大する事業活動への影響は限定的であると考えており、
また、優れた人材の確保についても、マーキュリアインベストメントが有する人材獲得のノウハウを活用す
ることにより、当社株式の非公開化後も引き続き優れた人材の確保が可能と考えていることから、当社株式
の非公開化のメリットはデメリットを上回ると考えているとのことです。
また、マーキュリアインベストメントは、上記(ⅰ)乃至(ⅴ)に記載の施策の実現のためには、従来の枠組
みを超えた取り組みや先行投資等が必要となる一方で、これらの取り組みは今後の収益性に不確実な影響を
与え得るものであるため、短期的には、利益水準の低下、キャッシュ・フローの悪化、有利子負債の増加等
による財務状況の悪化を招来するリスクがあると考えているとのことです。具体的には、従来は十分に取り
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組めていなかった積極的な人材の採用や経営戦略策定及びその実行といった試行錯誤を行うことにより、採
用及びマネジメントにおける負担の増加や、組織としての生産性の低下をもたらすことで、利益水準に影響
を 及ぼすおそれがあるとのことです。また、積極的なM&AやIT投資を実施することで、キャッシュ・フ
ローの悪化や有利子負債の増加が生じる可能性もあるとのことです。そのため、上記の取り組みは、上場会
社の施策として資本市場から十分な評価が得られない可能性があり、その場合には、当社の株価の下落を招
き、当社の株主の皆様が短期的には悪影響を被る可能性を否定できないものと考えているとのことです。
なお、上場を維持したままマーキュリアファンドから出資を行い経営支援を行う手法も考えられますが、
マーキュリアインベストメントとしては、上場会社としての当社の独立性の観点から当社の企業価値向上を
実現する手法として効果が限定的にならざるを得ない面があることに加え、当社の株主の皆様へ上記のよう
な不利益をもたらすおそれがあると考えているとのことです。
そこで、株主の皆様に対しては、短期的な悪影響を被ることなく株式を売却できる機会を提供するととも
に、当社を非公開化することで、マーキュリアインベストメントの経営能力及び経営支援を最大限活用する
ことが、当社の企業価値向上を実現する最良の選択であると判断したとのことです。
上記のような検討の結果等を踏まえ、マーキュリアインベストメントは、2022年4月13日、当社に対し
て、当社が開示している財務情報等の資料、当社グループに対して実施したデュー・ディリジェンスの結
果、2022年1月31日に当社に提案した1株当たり1,800円という買付予定価格に重大な影響を与える事項は
発見されなかったことから、本公開買付けに対する応募の見通し等を勘案した価格として、本公開買付価格
を1,800円とする旨の提案を行ったとのことです。
マーキュリアインベストメントは、1株当たり1,800円という本公開買付価格について、提案実施日の前
営業日である2022年4月12日の東京証券取引所スタンダード市場(2022年4月1日までは東京証券取引所市
場JASDAQ市場)における当社株式の終値690円に対して160.87%(小数点以下第三位を四捨五入。以
下、プレミアム率の記載において同じです。)、同日までの1ヶ月間の終値単純平均値707円(小数点以下
を四捨五入。以下、終値単純平均値の記載において同じです。)に対して154.60%、同日までの3ヶ月間の
終値単純平均値717円に対して151.05%、同日までの6ヶ月間の終値単純平均値743円に対して142.26%のプ
レミアムとなり、公開買付けを利用したプライベート・エクイティ・ファンドによる完全子会社化事例(経
済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に実施され、対象企業か
ら当該公開買付けに関する賛同及び株主への応募推奨の意見が表明された、上場廃止を前提とし公開買付け
が成立した事例16件)において観測されたプレミアム水準(平均値は公表日前営業日の終値に対して
43.33%、公表日前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して41.95%、公表日前営業日から過去
3ヶ月間の終値単純平均値に対して46.07%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して
52.03%、中央値は公表日前営業日の終値に対して40.79%、公表日前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純
平均値に対して38.00%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.38%、公表日前営
業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して56.19%)を大幅に上回っており、当社及びその株主に
とって魅力的な提案であると考えられることから、当社に対して、当該提案を実施したとのことです。
その後、マーキュリアインベストメントは、2022年4月22日、当社より、2022年4月13日のマーキュリア
インベストメントによる本公開買付価格を1,800円とする提案を応諾する旨の回答を得ました。
そのため、公開買付者は、2022年5月20日に本公開買付価格を1,800円とし、本取引の一環として本公開
買付けを実施することを決定したとのことです。なお、2022年4月22日以降、2022年5月20日に至るまで、
当社とマーキュリアインベストメント及び公開買付者との間で、本公開買付価格に関する協議又は交渉は行
われておりません。
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(イ)本公開買付け及び本取引実施後の経営方針等
本取引が成立した後の経営方針については、マーキュリアインベストメントは、当社の企業価値向上のた
めの経営戦略の具体的な施策として、主に上記の「(ア)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目
的及び意思決定の過程」に記載の各施策を講じることを考えておりますが、具体的な内容及び方法について
は、本取引完了後に当社と協議しながら決定していく予定とのことです。
なお、公開買付者は、当社、当社の取締役及び監査役との間では、本公開買付け後の役員就任については
何らの合意も行っていないとのことです。当社の経営体制については、本書提出日現在において未定とのこ
とですが、当社の取締役会の過半数の取締役をマーキュリアインベストメントの役職員及びマーキュリアイ
ンベストメントが有するネットワークを活用して招聘する人材の中から派遣することを基本方針としつつ、
その詳細については、本公開買付け成立後に当社と協議しながら当社経営陣の意向も尊重した上で決定して
いく予定とのことです。なお、当社が2022年5月20日に公表した「代表取締役の異動(退任)に関するお知
らせ」のとおり、当社の代表取締役会長兼CEOである三浦氏は、2022年6月29日をもって当社の代表取締
役会長兼CEOを退任いたしますが、マーキュリアインベストメントは、本書提出日現在において、当社の
代表取締役社長である榎本洋氏やその他の経験豊富な経営陣が当社を退任する意向を有しているといった事
情は認識していないため、三浦氏が退任した場合であっても、マーキュリアインベストメントから上記の方
針に沿った経営支援を行うことにより、当社の企業価値向上を実現できると考えているとのことです。
③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開
買付け及び本取引後の経営方針」に記載のとおり、当社グループを取り巻く国内医薬品業界は、度重なる薬価制
度改革により2011年から2020年まで既存薬価の改定率は薬剤費ベースで年平均3.1%下落していることやジェネ
リック医薬品の普及率が2005年9月の32.5%から2020年9月の79.0%に上昇しており、今後医薬品関連の設備投
資が見込みづらくなっていること、及び一昨年からの新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、今後の設
備投資が抑制的となっていくことが予想されることから、厳しい市場環境の下に置かれております。
このような経営環境の下、当社グループは、①医薬品業界の深掘り、②国内新規マーケットの開拓、③海外へ
の展開強化を基本路線として、国内外の設備投資に係る受注を目指し、グループ企業の総力を結集して更なる収
益機会の拡大を目指してきました。具体的には、医薬品業界については、研究所等これまで手薄であった部署へ
のアプローチを強化し、新たに専門部署を立ち上げ、全てのメンテナンス依頼を請け負うことでアフターサービ
スの質と顧客満足度の向上を図るとともに、営業人員が新規受注の獲得に向けた営業活動に注力できる体制への
移行を目指しております。またエンジニアリング機能を強化することで、ライン設計から機械の納入、据え付
け、運転までの大型な受注に対応できる体制を整えております。さらに国内新規マーケットの開拓では、専門部
署を新たに設置して、国内外での新商材の発掘及び国内における新商材・新市場に対する需要の掘り起こしを専
門的に行っております。また、海外展開では中国で開催される展示会への積極的な出展を契機とした、現地企業
とのタイアップ、ネットワークづくりが形となりつつあり、引き続き海外代理店や海外機械メーカーとの業務提
携やM&A等様々な可能性を追求し、グローバルな営業体制を整え、業容の更なる拡大を実現していく方針で
す。
これらの施策を実行し、持続的な企業価値の向上を実現するためには、特に製造機能と営業機能の拡充を目指
すべくマネジメント能力に長けた人材、また、従業員に関しても、技術開発や営業、メンテナンス対応において
即戦力となる人材の確保が必要不可欠であるものの、こうした人材の採用や育成は容易ではないことから継続的
な課題となっております。さらに、経営体制においても、当社の取締役・監査役8名の平均年齢は71.5歳と経営
陣の高齢化が進んでおり、現体制のみでは上記の厳しい環境下での舵取りが困難となりつつあるとの自覚から、
早急に次世代経営布陣を整備することを重大な課題と認識しております。
そのような中、今後更なる競争力の強化及び企業価値の向上を実現するためには、当社独自の経営努力に加
え、外部の経営資源を活用することが有益であると考え、2020年1月上旬に当社の新たな資本パートナーの検討
を開始いたしました。具体的には、2020年1月上旬から2021年9月下旬にかけて当社と取引上の関係があった大
和証券及び三井住友銀行と当社の新たな資本パートナーについて議論を進める中で、事業会社4社及びプライ
ベート・エクイティ・ファンド4社の計8社の紹介を受け、当社の完全子会社化及び非公開化に関して提案を受
けました。これらの提案を検討する中で、当社ではなく事業会社固有の事業の拡大及び収益性の向上が主目的で
ある事業会社よりも、投資先の収益性の向上を通じて利益拡大を追求するプライベート・エクイティ・ファンド
の方が、より当社の事業自体を中核に据えた企業価値の向上を主眼に置いて進めることができると考え、2021年
11月下旬に事業会社よりもプライベート・エクイティ・ファンドの方が従業員や取引先等のステークホルダーに
とって望ましい資本パートナーであると判断いたしました。その後、上記で紹介を受けたプライベート・エクイ
ティ・ファンド4社のうち、大和証券及び三井住友銀行からの推薦があったことに加え、各社提案内容を当社で
比較検討の上で、特に人材紹介面で当社にとって有益なパートナーとなり得ると判断したことから、2021年12月
中旬に、マーキュリアインベストメントを含む2社と更なる交渉を進めることといたしました。
その後、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並び
に本公開買付け及び本取引後の経営方針」に記載のとおり、当社は、マーキュリアインベストメントと、同じく
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当社株式の非公開化を提案していた他の候補者1社から買付予定価格の水準及び想定している経営支援の内容の
提示を受け、①投資実績、②会社の安定性及び③提案価格の3点から提案内容を比較検討いたしました。その
後、 マーキュリアインベストメントの提案と、他の候補者1社の提案のいずれが優れているかを検討するため、
マーキュリアインベストメントに対し、買付予定価格の水準の引き上げの余地がある場合には引き上げるよう打
診し、マーキュリアインベストメントより、2022年1月下旬に、買付予定価格の水準を前回の提案よりも引き上
げた当社株式1株当たり1,800円で改めて本公開買付けに関する提案を受けております。
これを受けて当社は、マーキュリアインベストメントの提案と他の候補者1社の提案を①投資実績、②会社の
安定性及び③提案価格の3点から比較検討した結果、マーキュリアインベストメントは①16年間で合計40件以上
の豊富な投資実績があることに加え、②上場企業傘下であるという安心感もあり、③提案価格についても他の候
補者1社の提案を上回っていたことから、2022年2月4日にマーキュリアインベストメントに対して、マーキュ
リアインベストメントからの当該提案内容について前向きに検討を開始する旨の連絡をいたしました。
その後、当社及びマーキュリアインベストメントは、本取引の実施について具体的な検討を進めていくことを
相互に確認し、2022年2月14日に、当社はマーキュリアインベストメントに本取引の検討に関する独占交渉権を
付与いたしました。
当社は、下記「(6)買付け等の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買
付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取
得」及び「② 当社における独立した法律事務所からの助言」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引に関
する当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するため、2022年3月10日付で、本取引についての、公
開買付者、マーキュリアホールディングス、マーキュリアインベストメント及び当社のいずれからも独立した
ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社KPMG FAS(以下「KPMG」とい
います。)を、リーガル・アドバイザーとしてシティユーワ法律事務所をそれぞれ選任するとともに、本取引に
関する提案を検討するための当社の諮問機関として特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。なお、本特
別委員会の構成及び具体的な活動内容等については、下記「(6)買付け等の公正性を担保するための措置及び利
益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における特別委員
会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置いたしました。
当社は、上記の体制を整備した後、マーキュリアインベストメントによる本取引に関する提案についての検討
を行い、本特別委員会による重要な局面における意見を踏まえた上で、KPMG及びシティユーワ法律事務所の
助言を受けながら、本公開買付価格その他の本取引の諸条件についてマーキュリアインベストメントと協議を重
ねてまいりました。
その上で、当社は、KPMGから取得した株式価値算定書の内容、リーガル・アドバイザーであるシティユー
ワ法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点についての法的助言を
踏まえつつ、本特別委員会から提出された2022年5月19日付答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を
最大限尊重しながら(本答申書の概要については、下記「(6)買付け等の公正性を担保するための措置及び利益
相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における特別委員会
の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)、本取引について、企業価値向上を図ること
ができるか、本取引に関する諸条件は妥当なものか、及び新たに公開買付者を単独株主として招くことが当社に
とって適切かどうかといった観点から慎重に協議及び検討を行ってまいりました。
その結果、以下の観点から本取引は、当社の企業価値の向上に資するものであると判断しております。
(ア)中長期的な経営戦略策定及び実行
上記のとおり、当社を取り巻く国内医薬品業界は、設備投資が抑制的となっており、厳しい市場環境の下
に置かれていることに加えて、当社における現在の経営陣の次世代後継者の確保が課題として認識されてい
ることから、当社の中長期的な成長のためには、当社の従業員が目標や課題を共有し、それぞれが企業価値
向上に向けた具体的な方策を考え行動できるような中長期的な経営戦略や事業計画の策定及びそれらを実行
する仕組みづくりが必要不可欠であると考えるところ、これまで当社は中期的な経営戦略や事業計画を策定
してこなかったため、マーキュリアインベストメントがこれまで投資先の経営支援を行う中で蓄積してきた
経営課題の特定と解決施策の立案及びそれらを実行する仕組みづくりに関するノウハウを活用してこれらの
策定をマーキュリアインベストメントにサポートいただくことにより、当社の中長期的な成長を可能にする
と考えております。
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(イ)人材・組織強化
上記のとおり、当社の中長期的な成長のためには、マネジメント能力に長けた人材を獲得することによる
営業機能及び製造機能の拡充の促進が必要不可欠であると考えるところ、マーキュリアインベストメントや
その戦略的パートナーである、マーキュリアホールディングスの主要株主であるDBJ、及び伊藤忠商事株
式会社並びにマーキュリアホールディングスの株主である三井住友信託銀行株式会社等が有する幅広い人材
ネットワークを活用することにより、重要な経営リソースである人材の確保を推進することが可能になると
考えております。加えて、マーキュリアインベストメントがこれまで投資先の組織づくりに関する支援を行
う中で蓄積してきた組織設計や会議体の設計、現場レベルのマネジメント機能向上を目的としたインセン
ティブの設計といったノウハウを活用することにより、当社にて新たに採用する人材と既存人材が、当社の
経営方針において目標及び役割を明確に認識しつつ、相互に補完しながら事業活動を行う仕組みづくり及び
組織風土を醸成することで、当社の従業員一人一人がこれまでより効果的に経営戦略を推進することが可能
になると考えております。
(ウ)営業部門の拡充
上記のとおり、当社を取り巻く国内医薬品業界は、設備投資が抑制的となっており、厳しい市場環境の下
に置かれていることから、当社の中長期的な成長のためには、専門部署を新たに設置して、自社製品の販売
営業及び国内外から新商材・新市場の発掘を専門的に行い、マーケットインの考え方に基づく営業を強化す
ることが必要と考えるところ、マーキュリアインベストメントがこれまで投資先に対してデータを活用した
営業戦略の立案及び推進を支援してきたノウハウを活用し、当社の社内データの整理・活用を推進する等の
営業部門のマネジメントを支援することにより、当社が更に顧客のニーズに沿った営業活動を実施し、既存
顧客、医薬品業界以外の業界や海外における新規顧客も含めた顧客からの受注拡大や仕入先との取引拡大に
繋げることや、競争力の高いエンジニアリング業務の強化、アフターサービスの品質向上及び規模拡大が可
能になると考えております。
(エ)製造部門の拡充
当社の中長期的な成長のためには、継続的かつ安定的に当社の収益に貢献する自社製品の販売が重要であ
るものの、現状は自社製品の開発力に課題を認識しているところ、マーキュリアインベストメントがこれま
で投資先の製造企業に対して生産性向上や第三者との業務提携等の企業価値向上に関する支援を行う中で蓄
積してきたノウハウを活用し、製造企業との資本提携及びM&Aの実施や協力会社との連携を強化すること
により、顧客の需要へタイムリーに応えるための柔軟な製造体制の確立や、製造コストの削減、事業領域の
拡大が可能になると考えております。
(オ)業務効率化
当社の中長期的な成長のためには、デジタル技術の導入及びオペレーションへのスムーズな組み込みによ
る業務効率化が重要であると考えるところ、マーキュリアインベストメントがこれまで投資先の企業価値向
上に関する支援を行う中で蓄積してきたデジタル化や管理オペレーションの改善に係るノウハウを活用する
ことにより、当社の従業員がより働きやすい環境を整えると共に当社の業務の効率化が可能になると考えて
おります。
(カ)公開買付者を単独株主として招くことの影響
本公開買付けが成立した場合、「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する
事項)」に記載する当社株式の非公開化を目的とした手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいま
す。)を経て、当社の株主は公開買付者のみとなりますが、当社の株主が公開買付者のみとなる場合に懸念
される事項として、①取引関係にある既存株主や持合株式を前提とした関係がある場合は、当該前提が崩れ
て事業運営に支障をきたす可能性があること、②上場廃止により従前の取引関係を維持することができなく
なる可能性があること、及び③役員が変更された場合に事業を維持できなくなる可能性があることが挙げら
れますが、①については、当社はB to Bの事業であり、現在の事業領域において業歴も長く、当社と当社の
各取引先・顧客との間には長年の信頼関係が構築されており、当社の株主が公開買付者のみとなった場合で
も、当社の経営や事業に変更はないため、事業運営に支障をきたす可能性は僅少と考えられること、②につ
いては、当社が非上場企業となっても、マーキュリアインベストメントの親会社であるマーキュリアホール
ディングスが東証プライム市場上場の企業である上、豊富な資金力及び経営支援実績に裏付けられた高い信
用力を有しており、そのような背景を説明することで、従前の取引関係は維持されることが見込まれるこ
と、③については、公開買付者より、本公開買付け成立後の役員構成については、上記「② 公開買付者が
本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け及び本取引後の
経営方針」の「(イ)本公開買付け及び本取引実施後の経営方針等」に記載のとおり、当社との間で協議を
行い、当社経営陣の意向も尊重した上で決定する方針と聞いており、事業が維持できなくなる可能性は大き
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くないと考えられます。以上から、当社は、公開買付者を単独株主として招くことのデメリットは限定的で
あると考えております。
その上で、当社は、本公開買付価格(当社株式1株当たり1,800円)について、(a)下記「(6)買付け等の公正
性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」
の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のKPMGによる当社株式
の株式価値の算定結果によれば、当社株式の1株当たり株式価値は、市場株価法によると706円から717円、類似
上場会社比較法によると1,656円から1,878円、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下、「DCF
法」といいます。)によると1,638円から1,890円とされているところ、本公開買付価格である1,800円は、市場
株価法による算定結果のレンジの上限を上回るものであり、類似上場会社比較法による算定結果のレンジの範囲
内で中央値の1,767円を上回る金額、かつDCF法による算定結果のレンジの範囲内で中央値1,748円を上回る金
額であること、(b)本公開買付けの公表日前営業日である2022年5月19日の東京証券取引所スタンダード市場に
おける当社株式の終値712円に対して152.81%、2022年5月19日までの過去1ヶ月間における終値単純平均値706
円に対して154.96%、過去3ヶ月間における終値単純平均値706円に対して154.96%、過去6ヶ月間における終
値単純平均値717円に対して151.05%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であって、かかるプレミアムの水準
は、公開買付けを利用したプライベート・エクイティ・ファンドによる完全子会社化事例(経済産業省が「公正
なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に実施され、対象企業から当該公開買付けに関
する賛同及び株主への応募推奨の意見が表明された、上場廃止を前提とし公開買付けが成立した事例16件)にお
ける、公表日前営業日の終値に対するプレミアム水準(平均値は公表日前営業日の終値に対して43.33%、公表
日前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して41.95%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単
純平均値に対して46.07%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して52.03%、中央値は公表
日前営業日の終値に対して40.79%、公表日前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して38.00%、公
表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.38%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単
純平均値に対して56.19%)を大幅に上回っており、当社株主にとって有利な水準であること、(c)下記「(6)買
付け等の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保する
ための措置」に記載の本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられ、本特別委員会か
ら取得した本答申書においても、本取引の条件(本公開買付価格(当社株式1株当たり1,800円)を含む。)に
は妥当性が認められると判断されていること等を踏まえ、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的
なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたし
ました。
なお、当社は2022年5月16日に業績予想の上方修正を行っておりますが、業績予想の上方修正を行った翌日の
2022年5月17日から公表日前営業日にかけての期間における終値単純平均値710円に対しても153.52%のプレミ
アムが付されていることから、業績予想の上方修正による株価への影響を加味しても、本公開買付価格は当社の
株主の皆様に対して、合理的なプレミアムを付した価格であると判断しております。
以上より、当社は、2022年5月20日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するととも
に、当社株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。
当社取締役会の決議の詳細については、下記「(6)買付け等の公正性を担保するための措置及び利益相反を回
避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における取締役全員の承認及
び監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
(3)算定に関する事項
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ア)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社の取締役会は、公開買付者から提示された本公開買付価格に関する当社における意思決定過程の恣意
性を排除し、本公開買付価格の公正性を担保するために、公開買付者、マーキュリアホールディングス、
マーキュリアインベストメント及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関としてのファイナンシャ
ル・アドバイザーであるKPMGに対し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2022年5月19日付で株式価
値算定書を取得しております。なお、当社は、KPMGから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェ
アネス・オピニオン)を取得しておりません。また、KPMGは、マーキュリアホールディングス、マー
キュリアインベストメント、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な
利害関係を有しておりません。
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(イ)算定の概要
KPMGは、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の
上、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており市場株価が存在することから市場株価法
を、類似上場会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、将来の事業活動
の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて当社株式の価値算定を行っております。上記各手法を用い
て算定された当社株式1株当たりの価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :706円~717円
類似上場会社比較法:1,656円~1,878円
DCF法 :1,638円~1,890円
市場株価法では、2022年5月19日を算定基準日とする東京証券取引所スタンダード市場における当社株式
の基準日終値712円、直近1ヶ月間の終値単純平均値706円、直近3ヶ月間の終値単純平均値706円及び直近
6ヶ月間の終値単純平均値717円を基に、当社株式1株当たりの価値の範囲を706円から717円までと分析し
ております。
なお、当社は2022年5月16日に業績予想の上方修正を行っておりますが、その翌日の2022年5月17日から
公表日前営業日にかけての期間における終値の最高値は712円、最安値は707円となっており、いずれも上記
の市場株価法のレンジの範囲内であることから、業績予想の上方修正の影響が織り込まれた市場株価に鑑み
ても、上記市場株価法による結果が妥当なものであると分析しております。
類似上場会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性を示す財務指標
との比較を通じて当社の株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,656円から1,878円ま
でと分析しております。
DCF法では、当社から提供された2023年3月期から2027年3月期までの当社の事業計画に基づき、当社
が2023年3月期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り
引いて企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を1,638円から1,890円までと分析
しております。なお、KPMGがDCF法による算定に用いた当社作成の事業計画においては大幅な増減益
を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、現時点で当社にて受注済みと認識している案件
が想定通り売上として計上されることを見込み、2023年3月期において、連結売上高13,593百万円(前連結
会計年度比44.3%増)、連結営業利益1,381百万円(同78.4%増)を見込んでおります。なお、フリー・
キャッシュ・フローの大幅な変動を見込む事業年度が含まれておりますが、運転資本の時期的な変動に対応
するものであり、設備投資等の臨時的な支出が予定されているわけではありません。また、本取引により実
現することが期待されるシナジー効果については、上場廃止によるコスト削減額を除き、現時点において具
体的に見積もることは困難であるため、当該事業計画には加味しておりません。
② 公開買付者における算定方法
公開買付者は、本公開買付価格を決定するに際して、当社が開示している財務情報等の資料、当社グループに
対して2022年3月上旬から2022年4月上旬まで実施したデュー・ディリジェンスの結果及び公開買付けを利用し
たプライベート・エクイティ・ファンドによる完全子会社化事例(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関す
る指針」を公表した2019年6月28日以降に実施され対象企業から当該公開買付けに関する賛同及び株主への応募
推奨の意見が表明された、上場廃止を前提とし公開買付けが成立した事例16件)において観測されたプレミアム
水準(平均値は公表日前営業日の終値に対して43.33%、公表日前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値
に対して41.95%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して46.07%、公表日前営業日から過
去6ヶ月間の終値単純平均値に対して52.03%、中央値は公表日前営業日の終値に対して40.79%、公表日前営業
日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して38.00%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値
に対して41.38%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して56.19%)また、当社株式が金融
商品取引所を通じて取引されていることから、本公開買付けの公表日前営業日である2022年5月19日の当社株式
の東京証券取引所スタンダード市場における終値(712円)、同日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同
過去6ヶ月間の終値単純平均値(706円、706円及び717円)の推移を参考にしたとのことです。公開買付者は、
上記の諸要素を総合的に考慮し、かつ、当社との協議及び交渉を経て、当社取締役会による本公開買付けへの賛
同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、2022年4月13日に本公開買付価格を
1,800円と決定したとのことです。公開買付者は、上記のとおり当社との協議及び交渉を踏まえ、本公開買付価
格を決定したものであるため、第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンは取得してい
ないとのことです。
なお、本公開買付価格である1株当たり1,800円は、本公開買付けの公表日前営業日である2022年5月19日の
東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値712円に対して152.81%、同日までの過去1ヶ月間の
終値単純平均値706円に対して154.96%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値706円に対して154.96%、同
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日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値717円に対して151.05%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となりま
す。
(4)上場廃止となる見込み及びその理由
本書提出日現在、当社株式は東京証券取引所スタンダード市場に上場されておりますが、公開買付者は本公開買
付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は東京証券取引所
の定める上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けが成立し
た場合は、本公開買付けの成立時点では当該上場廃止基準に該当しない場合でも、公開買付者は、その後適用法令
及び下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載する本スクイー
ズアウト手続に従って、当社株式の全て(但し、当社の所有する自己株式を除きます。)を所有することを予定し
ておりますので、その場合には、当社株式は、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上
場廃止となります。なお、当社株式が上場廃止となった場合は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場にお
いて取引することはできません。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、当社を公開買付者
の完全子会社とするための本取引の一環として、本公開買付けを実施するとのことです。本公開買付けが成立した
にもかかわらず、本公開買付けにより当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得でき
なかった場合には、本公開買付け成立後に、以下の方法により、本スクイーズアウト手続を実施することを予定し
ているとのことです。
① 株式売渡請求
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者の所有する当社株式に係る議決権の数の合計が当社の
総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合
には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公
開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全
てを売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求において
は、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める
予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して株式売渡請求の承認を求め
るとのことです。当社がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に
従い、売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、
売渡株主全員から、その所有する当社株式の全てを取得します。そして、売渡株主の所有していた当社株式1株
当たりの対価として、公開買付者は、各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのこと
です。
なお、当社は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項につ
いて通知を受けた場合には、当社の取締役会において、かかる株式売渡請求を承認する予定です。
株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法の規定として、会社法第179条の8その他の
関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行
うことができる旨が定められております。なお、当該申立てがなされた場合の売買価格は、最終的に裁判所が判
断することになります。
② 株式併合
本公開買付けの成立後、公開買付者の所有する当社株式に係る議決権の数の合計が当社の総株主の議決権の数
の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、当社株式の併合(以下「株式併合」とい
います。)を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うこ
とを付議議案に含む当社の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を、2022年9月下旬を目途に
開催することについて当社に要請する予定とのことです。
本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる
日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式
を所有することとなります。株式併合をすることにより、株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数
が生じた当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定めに従い、当該端数の合計数(合計した数
に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を
当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。なお、当該端数の合
計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主
(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当
社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを、
当社に要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開
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買付者のみが当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付
けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない
端 数となるように決定される予定とのことです。
株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした規定として、株式併合がなされた場合であって、株式併
合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他
の関係法令の定めに従い、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)は、
当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請
求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定め
られています。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
上記①及び②の各手続については、関係法令の改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要
し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、
本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付
する方法が採用される予定とのことであり、その場合に当該当社の株主に交付される金銭の額については、本公開
買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことで
す。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が
速やかに公表する予定です。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ないとのこと
です。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自
らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を
担保するための措置
本書提出日現在において、公開買付者は当社株式を所有しておらず、本公開買付けは、支配株主による公開買付
けには該当いたしません。また、本取引は、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資する
ことも予定されておらず、いわゆるマネジメントバイアウト取引にも該当いたしません。もっとも、本公開買付け
が当社株式を非公開化することを目的とする本取引の一環として行われることを考慮し、公開買付者及び当社は、
本公開買付価格の公正性を担保しつつ、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性を排
除し、その公正性及び透明性を担保するため、以下のような措置を実施いたしました。なお、以下の記載のうち、
公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社の取締役会は、マーキュリアインベストメントから提示された本公開買付価格に関する当社における意思
決定過程の恣意性を排除し、本公開買付価格の公正性を担保するために、公開買付者、マーキュリアホールディ
ングス、マーキュリアインベストメント及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関としてのファイナン
シャル・アドバイザーであるKPMGに対し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2022年5月19日付で株式価
値算定書を取得いたしました。なお、当社は、KPMGから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネ
ス・オピニオン)を取得しておりません。また、KPMGは、マーキュリアホールディングス、マーキュリアイ
ンベストメント、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有し
ておりません。なお、本取引に係るKPMGに対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬の
みであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬の支払制度は採用しておりません。また、本特別委員会
は、第1回の特別委員会において、KPMGの独立性及び専門性に問題がないことから、当社の第三者算定機関
及びファイナンシャル・アドバイザーとして承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受
けることができることを確認しております。
本株式価値算定書の概要については上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定
機関からの株式価値算定書の取得」の「(イ)算定の概要」をご参照ください。
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② 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、本取引に関する当社取締役会の意思決定過程における恣意性を排除し、その公正性、透明性及び客観
性を確保するために慎重を期して、公開買付者、マーキュリアホールディングス、マーキュリアインベストメン
ト及び当社のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーであるシティユーワ法律事務所を選任し、本取引に
おいて手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続、並びに本取引に係る当社の取締役会の
意思決定の方法及び過程その他の本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関する法的
助言を受けております。なお、シティユーワ法律事務所は、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関
係を有しておりません。また、本特別委員会は、第1回の特別委員会において、シティユーワ法律事務所の独立
性及び専門性に問題がないことから、当社のリーガル・アドバイザーとして承認した上で、本特別委員会として
も必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。なお、シティユーワ法律事務所の報
酬は、時間単位の報酬のみとしており、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬の支払制度は採用しており
ません。
③ 当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
本取引は支配株主による従属会社の買収取引やマネジメントバイアウト取引には該当いたしませんが、当社取
締役会は、本取引が当社株式を非公開化することを目的として行われることを踏まえ、本取引に係る当社取締役
会の意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保するために慎重を期して、
2022年3月10日、公開買付者、マーキュリアホールディングス、マーキュリアインベストメント及び当社のいず
れからも独立した、当社社外取締役及び独立役員である野尻恭氏並びに当社の社外監査役及び独立役員である北
川和郎氏及び中西清氏の3名から構成される本特別委員会を設置いたしました。本特別委員会の委員は、設置当
初から変更しておりません。さらに、本特別委員会の委員の報酬は、その職務の対価として、答申内容にかかわ
らず、固定額の報酬を支払うものとされており、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬の支払制度は採用
しておりません。
また、当社取締役会は、本特別委員会に対し、本公開買付けを含む本取引に関して、(a)本取引の目的の正当
性・合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するかを含む。)、(b)本取引の条件の公正性・妥当性、(c)本
取引に係る手続の公正性、(d)当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明すること及び当社株主に対して本
公開買付けへの応募を推奨することの是非、(e)当社取締役会における本取引についての決定が、当社の少数株
主にとって不利益なものではないか(以下、これらを「本諮問事項」といいます。)について諮問し、これらの
点についての答申を当社に提出することを嘱託いたしました。また、特別委員会への諮問にあたり、当社取締役
会は、本公開買付けに対する意見の表明にあたり、特別委員会による答申を最大限尊重するものとし、特別委員
会が取締役会に対し、本公開買付けに賛同すべきでない、株主に対する応募推奨をすべきでない旨の答申を行っ
た場合には、当社取締役会は、これに従って、前者の場合は本公開買付けへの賛同意見の表明は行わないこと、
後者の場合は株主に対する応募推奨を行わないことを決議するとともに、特別委員会に対し、必要に応じて取引
条件等についてマーキュリアインベストメントと交渉を行う(当社及びそのアドバイザーを通じた間接的な交渉
を含む。)権限、当社の費用負担のもと、特別委員会のアドバイザーを選任する権限(当社の取締役会がその選
定を追認した当社リーガル・アドバイザーとしてのシティユーワ法律事務所及び当社ファイナンシャル・アドバ
イザー兼第三者評価機関としてのKPMGを事後的に承認する権限を含む。)、並びに当社の役職員から本取引
の検討及び判断に必要な情報を受領する権限を付与することを決議しております。そして、当社は、シティユー
ワ法律事務所の助言を得つつ、特別委員会の委員の候補となる当社の独立社外取締役及び独立社外監査役の独立
性及び適格性等についても確認を行い、マーキュリアインベストメントからの独立性を有すること、及び本取引
の成否に関して一般株主とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認した上で、当社の独立社外取締役
及び独立社外監査役と協議し、また、シティユーワ法律事務所の助言を得て、本特別委員会の委員の選定をして
おります。なお、本特別委員会は、本特別委員会の設置前の交渉過程も踏まえた上で、本公開買付価格を含む本
取引の取引条件等は妥当であり、当社の少数株主にとって不利益なものではないと判断していることから、公開
買付者との交渉は結果として行っておりません。
本特別委員会は、2022年3月10日より同年5月19日までの間に合計7回開催され、本諮問事項についての協議
及び検討が慎重に行われました。具体的には、本特別委員会は、まず第1回の特別委員会において、当社が選任
したファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーにつき、いずれも独立性及び専門性に問題が
ないことから、それぞれを当社のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関及びリーガル・アドバイ
ザーとして承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認して
おります。
その上で、本特別委員会は、当社から開示を受けた資料等について検証を行うとともに、当社から、事業内
容、事業環境・業績及び経営課題について説明を受け、質疑応答を行っております。
また、マーキュリアインベストメントに対しても、本取引の目的等に関する質問状を事前に送付した上で、本
取引の意義、本取引によるシナジー等、本取引のストラクチャー、本取引の時期及び買付価格、並びに、本取引
後の当社の経営方針について説明を受け、質疑応答を行っております。
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当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるKPMGからは、財務的見地からの助言も
踏まえつつ、当社の事業計画についての説明も受けた上で、算定方法の選択理由、算定結果の分析、公開買付け
を利用したプライベート・エクイティ・ファンドによる完全子会社化事例(経済産業省が「公正なM&Aの在り
方 に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に実施され、対象企業から当該公開買付けに関する賛同及び株
主への応募推奨の意見が表明された、上場廃止を前提とし公開買付けが成立した事例16件)におけるプレミアム
水準等、当社株式の株式価値の算定に関する事項について説明を受け、質疑応答を行った上で、当該算定結果の
合理性について検討しております。
当社のリーガル・アドバイザーであるシティユーワ法律事務所からは、特別委員会の意義・役割等を含む本取
引の手続面における公正性を担保するための措置、並びに本取引に係る当社取締役会の意思決定の方法及び過程
その他の利益相反を回避するための措置の内容について助言を受けております。
また、本特別委員会は、当社から、当社と公開買付者との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容
等につき本特別委員会の設置前のものも含めて適時に報告を受けた上で、本特別委員会において協議し、本公開
買付価格につき、本公開買付価格が妥当な価格となっているかという点について意見する等して、本公開買付価
格の決定プロセスに関与しております。
本特別委員会は、以上の経緯の下、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2022年5月19日付
で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出いたしました。
(a)答申の内容
ⅰ 本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は正当かつ合理的なものと認められる
と考える。
ⅱ 本公開買付けにおける買付価格を含む本取引の条件の公正性及び妥当性は確保されていると考える。
ⅲ 本公開買付けを含む本取引において、公正な手続を通じた当会社の株主の利益への配慮がなされていると
認められると考える。
ⅳ 上記(ⅰ)から(ⅲ)を踏まえると、当社取締役会が、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するととも
に、当社の株主に対し、本公開買付けへの応募を推奨することは相当であると考える。
ⅴ 上記(ⅰ)から(ⅲ)を踏まえると、当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明すると
ともに、当社の株主に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議することは、当社の少数株主に
とって不利益なものではないと考える。また、本公開買付け後に予定されている当社の完全子会社化を目
的とする株式等売渡請求に係る承認又は上場廃止が見込まれる株式併合を決定することは、当社の少数株
主にとって不利益なものではないと考える。
(b)答申の理由
ⅰ 以下の点より、特別委員会は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであり、本公開買付けを含む
本取引の目的は合理的と認められると判断するに至った。
・上記「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、
目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け及び本取引後の経営方針」及び「③ 当社が本公開買付け
に賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の当社が認識する当社を取り巻く経営環境及び経
営課題に不合理的な点はなく、本取引の目的には合理性があるものと思料する。
・同所記載の当社及び公開買付者が両社間の協議の結果想定する当社の企業価値の向上については、その
内容は合理的な内容であり、本取引により一定の企業価値の向上が見込まれるものと考える。
ⅱ 以下の点より、特別委員会は、買付価格を含む本取引の条件の公正性及び妥当性は確保されていると判断
するに至った。
・①株式価値算定書の算定手法である市場株価法、類似上場会社比較法及びDCF法は、現在の実務に照
らして一般的、合理的な手法であると考えられ、また、類似上場会社比較法においては、当社の時価総
額と時価総額が近接する上場会社のうち、企業情報提供会社の業界分類等に従った会社を選定したとの
ことであり、その選定にあたり恣意性は認められず、DCF法においては、その算定内容も現在の実務
に照らして妥当なものであると考えられること、②当該DCF法の算定の基礎とした当社の事業計画に
ついて、当社からその内容及び作成経緯等について説明を受け、その作成目的、作成手続及びその内容
について、特に不合理な点がないと考えられること、③本公開買付価格は、市場株価法の算定結果の上
限値を超え、また、本公開買付けにおける買付価格の市場株価からのプレミアムは、公開買付けを利用
したプライベート・エクイティ・ファンドによる完全子会社化事例における直前日、1ヶ月平均、3ヶ
月平均、6ヶ月平均株価からの各プレミアムの平均値はもちろん最大値も大きく上回る水準であり、加
えて、本公開買付けにおける買付価格は、DCF法による算定結果のレンジの範囲内で中央値である
1,748円を上回る金額であり、かつ、類似上場会社比較法による算定結果のレンジの範囲内で中央値で
ある1,767円をいずれも上回る金額であること等から、独立した第三者算定機関であるKPMGの株式
価値算定書の算定結果に照らして妥当なものといえる。
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・本公開買付価格の決定プロセスは、本特別委員会が適時に状況の報告を受け、当社やKPMGに対し
て、重要な局面で意見を述べることで進められた。なお、意見を述べるに当たって、本特別委員会は、
市 場株価に対するプレミアム水準だけに着目することなく、当社の保有する資産の潜在的な価値等を含
む当社の本源的価値を前提として公開買付価格が妥当な価格となっているかという点について検討し、
かかる検討に際しては、本特別委員会設置前の2021年12月中旬のマーキュリアインベストメントの提案
時点では、当社株式1株当たり1,300円という買付予定価格の水準での提案であったものの、初期的提
案の時点では、当初提案価格は、上記のとおりの水準のプレミアムが付されている1,800円にまで引き
上げられている点を考慮した。
・本取引の方法に不合理な点は認められない。
・当社は2022年5月16日に業績予想の上方修正を行っているが、業績予想の上方修正を行った翌日の2022
年5月17日から公表日前営業日にかけての期間における終値の単純平均値710円に対しても153.52%の
プレミアムが付されていることから、業績予想の上方修正による株価への影響を加味しても、本公開買
付価格は当社の株主に対して、合理的なプレミアムを付した価格であるといえ、上記の結論を左右する
ものではないと考えられる。
ⅲ 以下の点より、特別委員会は、本取引において、公正な手続を通じた当社の一般株主の利益への十分な配
慮はなされていると判断するに至った。
・当社取締役会は、公開買付者、マーキュリアホールディングス、マーキュリアインベストメント及び当
社から独立した特別委員会を設置している。
・当社は、公開買付者、マーキュリアホールディングス、マーキュリアインベストメント及び当社から独
立したリーガル・アドバイザーであるシティユーワ法律事務所及びファイナンシャル・アドバイザー兼
第三者算定機関であるKPMGから助言を受けている。
・特別委員会は、当社が選任したリーガル・アドバイザー及びファイナンシャル・アドバイザー兼第三者
算定機関につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、専門的助言を受けている。
・当社はKPMGから株式価値算定書を取得している。
・公開買付期間が法令に定められた最短期間(20営業日)よりも長期(39営業日)に設定されるととも
に、当社は、公開買付者との間で、本取引の公表後において、当社が公開買付者以外の対抗的買収提案
者と接触することを制限するような合意は一切行なっておらず、いわゆる間接的マーケット・チェック
が行われていると認められる。加えて、本取引に関しては、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③
当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2020年1月上旬か
ら2021年9月下旬にかけて取引銀行・証券会社からの紹介で、計8社の事業会社又は投資ファンドから
当社の完全子会社化に関して提案を受ける等、事前に複数の事業会社又は投資ファンドからの提案を比
較・検討していたことからすれば、市場における潜在的な買付者の有無を調査・検討するいわゆる積極
的なマーケット・チェックに準じた取引機会が確保されていたとも考えられ、いわゆる間接的なマー
ケット・チェックのみが実施されている事案に比して、公開買付者以外の者による当社株式に対する買
付け等その他の取引機会は実質的には確保されていたことが認められる。
・本取引については強圧性の問題が生じないように配慮の上、スクイーズアウト手続の適法性も確保され
ているといえる。
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④ 当社における取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、KPMGより取得した株式価値算定書の内容、シティユーワ法律事務所から得た法的助言を踏まえつ
つ、本特別委員会から取得した本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引に関する諸条件について慎重に
審議及び検討を行った結果、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った
意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本取引が実現することにより、当社が中長期的に成長し企業価値を
高めることができると判断したため、2022年5月20日開催の当社取締役会において、当社の取締役5名の全員が
審議及び決議に参加し、決議に参加した取締役の全員一致により、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明する
とともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行いました。上記取締役
会には当社の監査役3名全員が参加し、出席した監査役はいずれも上記決議に異議がない旨の意見を述べており
ます。なお、上記の取締役及び監査役には、本取引に関して当社と利益相反関係を有する者はおりません。
⑤ 公開買付者における他の買付者からの買付機会を確保するための措置
公開買付者は、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)について、法令
において定められた最短期間が20営業日であるところ、公開買付期間を39営業日に設定しております。公開買付
期間を比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機
会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)にも
対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保することを企図しているとの
ことです。また、公開買付者は、当社との間で、本取引の公表後において、当社が対抗的買収提案者と接触する
ことを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限す
るような内容の合意は一切行っておりません。このように、上記公開買付期間の設定と併せて、対抗的な買付け
等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
(7)本公開買付けに関する重要な合意
該当事項はありません。
4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
氏名 役名 職名 所有株式数(株) 議決権の数(個)
三浦 隆 代表取締役 会長兼CEO 205,286 2,052
榎本 洋 代表取締役 社長 104,762 1,047
川島 浩二 取締役 大阪営業部長 77,518 775
吉野 尊文 取締役 営業企画室長 8,010 80
住中 秀和 常勤監査役 25,920 259
北川 和郎 社外監査役 930 9
中西 清 社外監査役 3,749 37
野尻 恭 社外取締役 2,468 24
(注1) 役名、職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。
(注2) 所有株式数及び議決権の数には、それぞれ当社の役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及び
それに係る議決権の数を含めております。
5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
該当事項はありません。
6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
該当事項はありません。
7【公開買付者に対する質問】
該当事項はありません。
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EDINET提出書類
株式会社ミューチュアル(E02959)
意見表明報告書
8【公開買付期間の延長請求】
該当事項はありません。
以上
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