株式会社JERA 訂正発行登録書
EDINET提出書類
株式会社JERA(E34837)
訂正発行登録書
【表紙】
【提出書類】 訂正発行登録書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2022年5月12日
【会社名】 株式会社JERA
【英訳名】 JERA Co., Inc.
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 小野田 聡
【本店の所在の場所】 東京都中央区日本橋二丁目5番1号
【電話番号】 03-3272-4631(代表)
【事務連絡者氏名】 財務部長 坂部 誠
【最寄りの連絡場所】 東京都中央区日本橋二丁目5番1号
【電話番号】 03-3272-4631(代表)
【事務連絡者氏名】 財務部長 坂部 誠
【発行登録の対象とした募集有価証券の種類】 社債
【発行登録書の提出日】 2021年9月30日
【発行登録書の効力発生日】 2021年10月8日
【発行登録書の有効期限】 2023年10月7日
【発行登録番号】 3-関東1
【発行予定額又は発行残高の上限】 発行予定額 500,000百万円
【発行可能額】 320,000百万円
(320,000百万円)
(注) 発行可能額は、券面総額又は振替社債の総額の合計額
(下段( )書きは発行価額の総額の合計額)に基づき算
出しております。
【効力停止期間】 この訂正発行登録書の提出による発行登録の効力停止期間
は、2022年5月12日(提出日)です。
【提出理由】 2022年2月14日に提出した訂正発行登録書の記載事項中、
「募集又は売出しに関する特別記載事項」の記載について訂
正を必要とするため、本訂正発行登録書を提出します。
【縦覧に供する場所】 株式会社JERA 西日本支社
(愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番1号)
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【訂正内容】
訂正した箇所はその内容を反映したうえ以下に一括して記載します。
第一部 【証券情報】
第1 【募集要項】
【募集又は売出しに関する特別記載事項】
(訂正前)
<株式会社JERA第(未定)回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(トランジションボンド)に関する情報>
当社は、以下の通り、JERAトランジションボンド・フレームワーク(以下「本フレームワーク」という。)を策定
しました。本フレームワークは独立した外部機関であるDNVビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社により「クラ
イメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック2020(ICMA)」(注1)、「金融庁・経済産業省・環境省クライ
メート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(2021年5月版)」(注2)、「グリーンボンド原則2021
(ICMA)」(注3)及び「環境省グリーンボンドガイドライン2020年版」(注4)との適合性に関するセカンド・パーティ・
オピニオンを取得しており、当社は本フレームワークに則り、トランジションボンドを発行します。
また、本社債は、経済産業省の「令和3年度クライメート・トランジション・ファイナンスモデル事業」(注5)のモ
デル事例として選定されています。
(注1) クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック2020(ICMA)とは、ICMAが事務局機能を担う民
間団体であるグリーンボンド及びソーシャルボンド原則執行委員会の主導の下でクライメート・トランジ
ション・ファイナンス・ワーキング・グループにより策定され、特に排出削減困難なセクターにおいて、ト
ランジションに向けた資金調達を目的とした資金使途を特定した債券またはサステナビリティ・リンク・ボ
ンドの発行に際して、その位置付けを信頼性のあるものとするために推奨される、発行体レベルでの開示要
素を明確化することを目的にしたハンドブックです。
(注2) 金融庁・経済産業省・環境省クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(2021年5月
版)とは、クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブックとの整合性に配慮しつつ、特に排出
削減困難なセクターにおけるトランジションへの資金調達手段として、その地位を確立し、より多くの資金
の導入による我が国の2050年カーボンニュートラルの実現とパリ協定の実現に貢献することを目的に、金融
庁・経済産業省・環境省が2021年5月に公表した基本指針です。
(注3) グリーンボンド原則2021(ICMA)とは、グリーンボンド及びソーシャルボンド原則執行委員会により策定され
ているグリーンボンドの発行に係るガイドラインです。
(注4) グリーンボンドガイドライン2020年版とは、グリーンボンド原則との整合性に配慮しつつ、市場関係者の実
務担当者がグリーンボンドに関する具体的対応を検討する際に参考とし得る、具体的対応の例や我が国の特
性に則した解釈を示すことで、グリーンボンドを国内でさらに普及させることを目的に、環境省が2017年3
月に策定・公表し、2020年3月に改訂したガイドラインです。
(注5) 令和3年度クライメート・トランジション・ファイナンスモデル事業とは、経済産業省が、トランジショ
ン・ファイナンスの普及に向け、モデル性が認められ、クライメート・トランジション・ファイナンスに関
する基本指針への適合性が確認できたモデル事例について、情報発信及び適合性の評価にあたる費用の負担
軽減を行う事業です。
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1.1 当社の概要
1.1.1 当社の成り立ち
当社は、東京電力株式会社(当時)及び中部電力株式会社の燃料上流・調達から発電までのサプライチェーン全体に係
る包括的アライアンスを実施する会社として、2015年4月30日に設立されました。日本発のグローバルエネルギー企業
を目指し、設立以降、段階的に事業統合を進め、2019年4月1日、既存火力発電事業等の統合をもって、燃料上流・調
達から発電、電力/ガスの卸販売に至る一連のバリューチェーンを確立し、国内火力発電量の半分を占める発電能力
と、世界最大級の燃料取り扱い量を誇るエネルギー会社となりました。
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1.1.2 当社のビジネスモデル
当社は、燃料上流(ガス田の開発)から、燃料輸送、燃料貯蔵(燃料基地の運営)、発電、卸売まで、燃料・火力のサプ
ライチェーン全体を保有しています。
そして、燃料調達から発電、販売までの事業を、「事業開発」「最適化」「O&M・エンジニアリング」の3つのプロ
フィットセンターでボーダーレスにマネジメントすることにより、それぞれの専門性と卓越性を追求し、シナジー効果
を最大化できる体制を構築しています。
1.2 JERAのトランジション戦略
1.2.1 JERAゼロエミッション2050
当社は、日本のみならず世界のエネルギー問題を解決していくグローバル企業として、地球温暖化対策を経営の最重
要課題と考えています。化石燃料を使用した火力発電は、日本の電力需要の約8割を支える一方で、国内のCO2総排出量
の約4割を占めており、低炭素社会の実現には火力発電からのCO2排出量削減が欠かせません。
当社は、国内最大の発電事業者として、低炭素社会の実現を積極的にリードしていく立場にあることから、これまで
の取り組みを一層加速させるとともに、長期的に目指す姿を明確にすべく、「JERAゼロエミッション2050」を掲げてお
ります。
※ JERAゼロエミッション2050は、脱炭素技術の着実な進展と経済合理性、政策との整合性を前提としています。当
社は、自ら脱炭素技術の開発を進め、経済合理性の確保に向けて主体的に取り組んでまいります。
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また、当社は「JERAゼロエミッション2050」の実現に向けて、次の3つのアプローチを取ります。
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加えて、当社の国内外の事業において、2050年時点でのCO2ゼロエミッションを目指し、まずは、国内事業における
CO2ゼロエミッションの道筋を示した「JERAゼロエミッション2050 日本版ロードマップ」を策定しました。
このロードマップでは、2030年までに当社の保有するすべての非効率な石炭火力発電所(超臨界以下)を停廃止するこ
とや、火力発電所における化石燃料とアンモニアや水素の混焼と、その混焼率を徐々に引き上げていくことなどを柱と
しています。ロードマップは、今後、政策等の前提条件を踏まえて段階的に詳細化を図っていきます。
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1.2.2 JERA環境コミット2030
当社はCO2排出量の削減に積極的に取り組みます。国内事業においては、2030年度までに次の点を達成します。
1.2.3 グリーン燃料の製造・輸送と普及拡大に向けた取り組み
当社は、燃料の上流開発から、輸送・貯蔵、発電・販売までの一連のバリューチェーンに事業参画しています。この
強みを活かして、グリーン燃料のサプライチェーン全体の構築に参画するとともに、電力用にとどまらず、多用途(輸送
用燃料等)へのグリーン燃料の販売等を視野に入れた事業領域の拡大を検討していきます。
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1.3 当社マテリアリティとガバナンス体制
1.3.1 マテリアリティ
2015年にSDGs(持続可能な開発目標)やパリ協定が採択され、持続可能な社会の実現に向けて、国際社会が連携して取
り組んでいくことが強く求められています。不確実性が増す社会において、事業環境の変化に柔軟に適応しながら、持
続的に成長するためには、外部環境が当社に及ぼす影響と、当社の事業活動がステークホルダーや社会に及ぼす影響を
把握し、管理していくことが重要です。当社は、社会課題の解決と当社の中長期的な企業価値の向上を同時実現するた
めに、マテリアリティを特定しました。
今後は特定したマテリアリティの社内浸透を図ることに加え、マテリアリティを事業戦略へ統合し、課題ごとの目標
やKPIを策定するとともに、取り組みを通じてSDGsの達成にも貢献していきます。なお、取り組み成果や課題はJERAグ
ループコーポレートコミュニケーションブック(統合報告書)にて報告します。
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1.3.2 ガバナンス体制
当社は、多様な領域でグローバルに事業を展開していくため、事業に精通した当社出身の取締役及び豊富な知識・経
験を有する社外取締役から構成される取締役会が経営の重要な意思決定及び業務執行の監督を行うとともに、独任制の
機関である監査役が取締役の職務の執行状況等の監査を実施する監査役設置会社の体制を採用しています。また、経営
の意思決定及び監督と、業務執行とを分離し、的確かつ迅速な意思決定と効率的な業務執行を実現するため、執行役員
が取締役会における意思決定に基づき業務執行を担う執行役員制度を採用しています。
1.3.3 サステナビリティマネジメント体制
当社は2019年5月、社長を議長とし、取締役会直属で全社を部門横断的に統括する「サステナビリティ推進会議」を
設置しています。サステナビリティ推進会議の下には、ESGの観点を踏まえて「環境」「社会・人権」「ガバナンス」
「広報・IR」のテーマ別で課題の検討や施策を推進する4つの部会を設置するとともに、全ての部門が関与しながらサ
ステナビリティに関する案件などの検討を進めています。
今後も事業活動と一体化したサステナブルな活動を推進し、事業の発展と社会課題の解決を目指す取り組みを進めて
いくとともに、SDGsの達成に貢献していきます。
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1.4 外部イニシアティブへの参加
・TCFD提言への対応
当社は、日本のみならず世界のエネルギー問題を解決していくグローバル企業として、気候変動対策を経営の最重要
課題と考え、マテリアリティに特定しています。
今回、気候変動のリスク及び機会を適切に評価し、持続的に企業価値を高めていくことを目的として、気候変動に関
する当社の体制及び当社の事業全般、並びに「JERAゼロエミッション2050」に掲げる「3つのアプローチ」に代表され
る取り組みについて、TCFD提言に沿った4つの要素(ガバナンス・リスク管理・戦略・指標と目標)に整理しました。ま
た、これに合わせて、当社は2021年9月にTCFD提言へ賛同するとともに、TCFDコンソーシアムへ加入しています。
・『チャレンジ・ゼロ』宣言
当社は、日本経済団体連合会が日本政府と連携し、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」が長期的なゴールと位置
づける「脱炭素社会」の実現に向け、企業・団体がチャレンジするイノベーションのアクションを、国内外に力強く発
信し後押ししていく新たなイニシアティブ「チャレンジ・ゼロ(チャレンジネット・ゼロカーボンイノベーション)」
の、『チャレンジ・ゼロ』宣言に賛同し、当社が挑戦するイノベーションの具体的な取り組みを公表しております。当
社は経済産業省による「ゼロエミ・チャレンジ企業」リストにも掲載されております(バイオジェット燃料生産技術開発
事業)。
・「海洋再生可能エネルギー連合」への参加
当社は、2020年1月、「Ocean Renewable Energy Action Coalition(「海洋再生可能エネルギー連合」)」に参加して
います。本連合は、海洋における再生可能エネルギーの持続的展開を推進し、気候変動による影響を軽減するために、
洋上風力発電事業を手掛けるグローバル企業によって結成されました。また本連合は、日本を含む14カ国の首脳で構成
される「持続可能な海洋経済の構築に向けたハイレベル・パネル」による、2019年9月の勧告「海洋における気候アク
ション」に応じたもので、洋上風力発電大手のエルステッド、エクイノールによって主導されます。世界風力会議と国
連グローバル・コンパクトをパートナーに加え、気候変動対策に関するグローバルな対話において、洋上風力発電部門
を代表していきます。当社は、唯一の日本企業としてこの連合に参加します。
1.5 トランジションボンドの発行意義
1.5.1 発行意義
当社のトランジション戦略は、日本政府の2050年カーボンニュートラル宣言、エネルギー基本計画、IPCC1.5℃報告
書、並びに経済産業省「電力分野のトランジション・ロードマップ」に合致し、パリ協定に寄与するものと考えていま
す。トランジションボンドの発行により調達した資金を用いて、JERAゼロエミッション2050及び環境コミット2030の実
現に向け、各種トランジションプロジェクトを遂行します。トランジションボンドの発行は、ステークホルダーの皆様
に対して、改めて当社の取り組みを発信する契機となるとともに、わが国のカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現
を後押しするものとも考えています。なお、当社の長期的な戦略については政策等の前提条件の変更を踏まえて見直し
を行う予定です。
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1.5.2 トランジションボンドの4要素との関係
当社は、「ICMAクライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック2020」、「金融庁・経済産業省・環境
省クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(2021年5月版)」、「ICMAグリーンボンド原則
2021」及び「環境省グリーンボンドガイドライン2020年版」に従い、トランジションボンドを発行します。トランジ
ション・ファイナンスの4要素と該当セクションの関係は以下の通りです。
トランジション・ファイナンスの4要素 該当セクション
1.資金調達者のクライメート・トランジション戦略とガバナンス 1.2、1.3、1.4、1.5
2.1、2.2、2.4、2.5
2.ビジネスモデルにおける環境面のマテリアリティ 1.2、1.3、1.4、1.5
2.1、2.2
3.科学的根拠のあるクライメート・トランジション戦略 1.2、1.4
2.1、2.4
4.実施の透明性 1.2、1.3、1.4、1.5
2.1、2.2、2.3、2.4、2.5
2. トランジションボンド・フレームワーク
2.1 調達資金の使途
2.1.1 適格クライテリア
トランジションボンドで調達された資金は、以下の適格クライテリアを満たすプロジェクト(適格プロジェクト)に関
連する、新規支出及び既存支出のリファイナンスへ充当します。なお、既存支出の場合は、トランジションボンド発行
から3年以内に実施した支出に限ります。
プロジェクトカテゴリ 適格クライテリア SDGsとの整合性
トランジションプロジェクト ・化石燃料とアンモニア/水素の 7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに
ゼロエミッション火力の実現に 混焼実証に関する支出
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
向けたプロジェクト
・高効率火力発電所への建て替え 12.つくる責任 使う責任
を目的とした、既存非効率火力 13.気候変動に具体的な対策を
発電所の廃止に関する支出 17.パートナーシップで目標を達成しよう
2.1.2 除外クライテリア
トランジションボンドで調達された資金は、下記に関連するプロジェクトには充当しません。
・所在国の法令を遵守していない不公正な取引、贈収賄、腐敗、恐喝、横領等の不適切な関係
・人権、環境等社会問題を引き起こす原因となり得る取引
2.2 プロジェクトの評価と選定のプロセス
当社の財務・経理本部が2.1にて定めた適格プロジェクトを選定し、関係する各部において財務面、技術・運営面、市
場環境、ESG面のリスクを総合的に分析・検討した後、財務・経理本部担当役員が最終決定します。プロジェクトの運
営・実施にあたっては、関係する各部において周辺環境の保全に取り組んでいるほか、定期的にモニタリングしていま
す。
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2.3 調達資金の管理
当社では、トランジションボンドの発行による調達手取り金について、全額が充当されるまで少なくとも年次で、当
社財務・経理本部が経理システムを活用して調達資金の充当状況を管理します。調達資金は発行から3年以内に適格プ
ロジェクトへ充当予定です。トランジションボンドの調達手取り金の全額が充当されるまでの間は、現金または現金同
等物にて管理されます。
2.4 レポーティング
2.4.1 資金充当状況レポーティング
当社は、適格プロジェクトに調達資金が全額充当されるまで、資金の充当状況を年次でウェブサイト上に公表しま
す。
開示内容は、適格クライテリア単位での資金充当額、調達資金の未充当資金額、及び調達資金の充当額のうち既存の
支出として充当された金額です。なお、調達資金の充当計画に大きな変更が生じる等の重要な事象が生じた場合は、適
時に開示します。
2.4.2 インパクト・レポーティング
当社は、適格プロジェクトが完了するまで、以下のレポーティング事項を適格プロジェクト毎に、実務上可能な範囲
で、当社ウェブサイトにてレポーティングします。
プロジェクトカテゴリ 適格クライテリア レポーティング事項
トランジションプロジェクト ・化石燃料とアンモニア/水素の ・プロジェクト概要・進捗状況
ゼロエミッション火力の実現に 混焼実証に関する支出
向けたプロジェクト
・高効率火力発電所への建て替え ・プロジェクト概要・進捗状況
を目的とした、既存非効率火力
発電所の廃止に関する支出
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(訂正後)
<株式会社JERA第(未定)回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(トランジションボンド)に関する情報>
当社は、以下の通り、JERAトランジションボンド・フレームワーク(以下「本フレームワーク」という。)を策定
しました。本フレームワークは独立した外部機関であるDNVビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社により「クラ
イメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック2020(ICMA)」(注1)、「金融庁・経済産業省・環境省クライ
メート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(2021年5月版)」(注2)、「グリーンボンド原則2021
(ICMA)」(注3)及び「環境省グリーンボンドガイドライン2020年版」(注4)との適合性に関するセカンド・パーティ・
オピニオンを取得しており、当社は本フレームワークに則り、トランジションボンドを発行します。
また、本社債は、経済産業省の「令和3年度クライメート・トランジション・ファイナンスモデル事業」(注5)のモ
デル事例として選定されています。なお、2022年5月12日に公表した新たな環境目標の設定に伴い、フレームワークの
一部を更新し、当該部分についてDNVビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社より上記原則との適合性に関するセ
カンド・パーティ・オピニオンを取得しています。
(注1) クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック2020(ICMA)とは、ICMAが事務局機能を担う民
間団体であるグリーンボンド及びソーシャルボンド原則執行委員会の主導の下でクライメート・トランジ
ション・ファイナンス・ワーキング・グループにより策定され、特に排出削減困難なセクターにおいて、ト
ランジションに向けた資金調達を目的とした資金使途を特定した債券またはサステナビリティ・リンク・ボ
ンドの発行に際して、その位置付けを信頼性のあるものとするために推奨される、発行体レベルでの開示要
素を明確化することを目的にしたハンドブックです。
(注2) 金融庁・経済産業省・環境省クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(2021年5月
版)とは、クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブックとの整合性に配慮しつつ、特に排出
削減困難なセクターにおけるトランジションへの資金調達手段として、その地位を確立し、より多くの資金
の導入による我が国の2050年カーボンニュートラルの実現とパリ協定の実現に貢献することを目的に、金融
庁・経済産業省・環境省が2021年5月に公表した基本指針です。
(注3) グリーンボンド原則2021(ICMA)とは、グリーンボンド及びソーシャルボンド原則執行委員会により策定され
ているグリーンボンドの発行に係るガイドラインです。
(注4) グリーンボンドガイドライン2020年版とは、グリーンボンド原則との整合性に配慮しつつ、市場関係者の実
務担当者がグリーンボンドに関する具体的対応を検討する際に参考とし得る、具体的対応の例や我が国の特
性に則した解釈を示すことで、グリーンボンドを国内でさらに普及させることを目的に、環境省が2017年3
月に策定・公表し、2020年3月に改訂したガイドラインです。
(注5) 令和3年度クライメート・トランジション・ファイナンスモデル事業とは、経済産業省が、トランジショ
ン・ファイナンスの普及に向け、モデル性が認められ、クライメート・トランジション・ファイナンスに関
する基本指針への適合性が確認できたモデル事例について、情報発信及び適合性の評価にあたる費用の負担
軽減を行う事業です。
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1.1 当社の概要
1.1.1 当社の成り立ち
当社は、東京電力株式会社(当時)及び中部電力株式会社の燃料上流・調達から発電までのサプライチェーン全体に係
る包括的アライアンスを実施する会社として、2015年4月30日に設立されました。日本発のグローバルエネルギー企業
を目指し、設立以降、段階的に事業統合を進め、2019年4月1日、既存火力発電事業等の統合をもって、燃料上流・調
達から発電、電力/ガスの卸販売に至る一連のバリューチェーンを確立し、国内火力発電量の半分を占める発電能力
と、世界最大級の燃料取り扱い量を誇るエネルギー会社となりました。
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1.1.2 当社のビジネスモデル
当社は、燃料上流(ガス田の開発)から、燃料輸送、燃料貯蔵(燃料基地の運営)、発電、卸売まで、燃料・火力のサプ
ライチェーン全体を保有しています。
そして、燃料調達から発電、販売までの事業を、「事業開発」「最適化」「O&M・エンジニアリング」の3つのプロ
フィットセンターでボーダーレスにマネジメントすることにより、それぞれの専門性と卓越性を追求し、シナジー効果
を最大化できる体制を構築しています。
1.2 当社のトランジション戦略
1.2.1 JERAゼロエミッション2050
当社は、日本のみならず世界のエネルギー問題を解決していくグローバル企業として、地球温暖化対策を経営の最重
要課題と考えています。化石燃料を使用した火力発電は、日本の電力需要の約8割を支える一方で、国内のCO2総排出量
の約4割を占めており、低炭素社会の実現には火力発電からのCO2排出量削減が欠かせません。
当社は、国内最大の発電事業者として、低炭素社会の実現を積極的にリードしていく立場にあることから、これまで
の取り組みを一層加速させるとともに、長期的に目指す姿を明確にすべく、「JERAゼロエミッション2050」を掲げてお
ります。
※ JERAゼロエミッション2050は、脱炭素技術の着実な進展と経済合理性、政策との整合性を前提としています。当
社は、自ら脱炭素技術の開発を進め、経済合理性の確保に向けて主体的に取り組んでまいります。
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また、当社は「JERAゼロエミッション2050」の実現に向けて、次の3つのアプローチを取ります。
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加えて、当社の国内外の事業において、2050年時点でのCO2ゼロエミッションを目指し、まずは、国内事業における
CO2ゼロエミッションの道筋を示した「JERAゼロエミッション2050 日本版ロードマップ」を策定しました。2022年5月
に更新したロードマップは以下の通りです。
このロードマップでは、2030年までに当社の保有するすべての非効率な石炭火力発電所(超臨界以下)を停廃止するこ
とや、火力発電所における化石燃料とアンモニアや水素の混焼と、その混焼率を徐々に引き上げていくことなどを柱と
しています。ロードマップは、今後、政策等の前提条件を踏まえて段階的に詳細化を図っていきます。
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1.2.2 JERA環境コミット
当社はCO2排出量の削減に積極的に取り組みます。国内事業においては、2030年度及び2035年度までに次の点を達成し
ます。
<JERA環境コミット2030>
<JERA環境コミット2035>
※ JERA環境コミット2030・2035は、脱炭素技術の着実な進展と経済合理性並びに政策との整合性及びその実現下に
おける事業環境を前提としています。
1.2.3 グリーン燃料の製造・輸送と普及拡大に向けた取り組み
当社は、燃料の上流開発から、輸送・貯蔵、発電・販売までの一連のバリューチェーンに事業参画しています。この
強みを活かして、グリーン燃料のサプライチェーン全体の構築に参画するとともに、電力用にとどまらず、多用途(輸送
用燃料等)へのグリーン燃料の販売等を視野に入れた事業領域の拡大を検討していきます。
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1.3 当社マテリアリティとガバナンス体制
1.3.1 マテリアリティ
2015年にSDGs(持続可能な開発目標)やパリ協定が採択され、持続可能な社会の実現に向けて、国際社会が連携して取
り組んでいくことが強く求められています。不確実性が増す社会において、事業環境の変化に柔軟に適応しながら、持
続的に成長するためには、外部環境が当社に及ぼす影響と、当社の事業活動がステークホルダーや社会に及ぼす影響を
把握し、管理していくことが重要です。当社は、社会課題の解決と当社の中長期的な企業価値の向上を同時実現するた
めに、マテリアリティを特定しました。
今後は特定したマテリアリティの社内浸透を図ることに加え、マテリアリティを事業戦略へ統合し、課題ごとの目標
やKPIを策定するとともに、取り組みを通じてSDGsの達成にも貢献していきます。なお、取り組み成果や課題はJERAグ
ループコーポレートコミュニケーションブック(統合報告書)にて報告します。
※2022年5月に当社のVisionを「再生可能エネルギーと低炭素火力を組み合わせたクリーンエネルギー供給基盤を提供
することにより、アジアを中心とした世界の健全な成長と発展に貢献する」に変更しました。
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1.3.2 ガバナンス体制
当社は、多様な領域でグローバルに事業を展開していくため、事業に精通した当社出身の取締役及び豊富な知識・経
験を有する社外取締役から構成される取締役会が経営の重要な意思決定及び業務執行の監督を行うとともに、独任制の
機関である監査役が取締役の職務の執行状況等の監査を実施する監査役設置会社の体制を採用しています。また、経営
の意思決定及び監督と、業務執行とを分離し、的確かつ迅速な意思決定と効率的な業務執行を実現するため、執行役員
が取締役会における意思決定に基づき業務執行を担う執行役員制度を採用しています。
1.3.3 サステナビリティマネジメント体制
当社は2019年5月、社長を議長とし、取締役会直属で全社を部門横断的に統括する「サステナビリティ推進会議」を
設置しています。サステナビリティ推進会議の下には、ESGの観点を踏まえて「環境」「社会・人権」「ガバナンス」
「広報・IR」のテーマ別で課題の検討や施策を推進する4つの部会を設置するとともに、全ての部門が関与しながらサ
ステナビリティに関する案件などの検討を進めています。
今後も事業活動と一体化したサステナブルな活動を推進し、事業の発展と社会課題の解決を目指す取り組みを進めて
いくとともに、SDGsの達成に貢献していきます。
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1.4 外部イニシアティブへの参加
・TCFD提言への対応
当社は、日本のみならず世界のエネルギー問題を解決していくグローバル企業として、気候変動対策を経営の最重要
課題と考え、マテリアリティに特定しています。
今回、気候変動のリスク及び機会を適切に評価し、持続的に企業価値を高めていくことを目的として、気候変動に関
する当社の体制及び当社の事業全般、並びに「JERAゼロエミッション2050」に掲げる「3つのアプローチ」に代表され
る取り組みについて、TCFD提言に沿った4つの要素(ガバナンス・リスク管理・戦略・指標と目標)に整理しました。ま
た、これに合わせて、当社は2021年9月にTCFD提言へ賛同するとともに、TCFDコンソーシアムへ加入しています。
・『チャレンジ・ゼロ』宣言
当社は、日本経済団体連合会が日本政府と連携し、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」が長期的なゴールと位置
づける「脱炭素社会」の実現に向け、企業・団体がチャレンジするイノベーションのアクションを、国内外に力強く発
信し後押ししていく新たなイニシアティブ「チャレンジ・ゼロ(チャレンジネット・ゼロカーボンイノベーション)」
の、『チャレンジ・ゼロ』宣言に賛同し、当社が挑戦するイノベーションの具体的な取り組みを公表しております。当
社は経済産業省による「ゼロエミ・チャレンジ企業」リストにも掲載されております(バイオジェット燃料生産技術開発
事業)。
・「海洋再生可能エネルギー連合」への参加
当社は、2020年1月、「Ocean Renewable Energy Action Coalition(「海洋再生可能エネルギー連合」)」に参加して
います。本連合は、海洋における再生可能エネルギーの持続的展開を推進し、気候変動による影響を軽減するために、
洋上風力発電事業を手掛けるグローバル企業によって結成されました。また本連合は、日本を含む14カ国の首脳で構成
される「持続可能な海洋経済の構築に向けたハイレベル・パネル」による、2019年9月の勧告「海洋における気候アク
ション」に応じたもので、洋上風力発電大手のエルステッド、エクイノールによって主導されます。世界風力会議と国
連グローバル・コンパクトをパートナーに加え、気候変動対策に関するグローバルな対話において、洋上風力発電部門
を代表していきます。当社は、唯一の日本企業としてこの連合に参加します。
1.5 トランジションボンドの発行意義
1.5.1 発行意義
当社のトランジション戦略は、日本政府の2050年カーボンニュートラル宣言、エネルギー基本計画、IPCC1.5℃報告
書、並びに経済産業省「電力分野のトランジション・ロードマップ」に合致し、パリ協定に寄与するものと考えていま
す。トランジションボンドの発行により調達した資金を用いて、JERAゼロエミッション2050及び環境コミット2030・
2035の実現に向け、各種トランジションプロジェクトを遂行します。トランジションボンドの発行は、ステークホル
ダーの皆様に対して、改めて当社の取り組みを発信する契機となるとともに、わが国のカーボンニュートラル、脱炭素
社会の実現を後押しするものとも考えています。なお、当社の長期的な戦略については政策等の前提条件の変更を踏ま
えて見直しを行う予定です。
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1.5.2 トランジションボンドの4要素との関係
当社は、「ICMAクライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック2020」、「金融庁・経済産業省・環境
省クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(2021年5月版)」、「ICMAグリーンボンド原則
2021」及び「環境省グリーンボンドガイドライン2020年版」に従い、トランジションボンドを発行します。トランジ
ション・ファイナンスの4要素と該当セクションの関係は以下の通りです。
トランジション・ファイナンスの4要素 該当セクション
1.資金調達者のクライメート・トランジション戦略とガバナンス 1.2、1.3、1.4、1.5
2.1、2.2、2.4、2.5
2.ビジネスモデルにおける環境面のマテリアリティ 1.2、1.3、1.4、1.5
2.1、2.2
3.科学的根拠のあるクライメート・トランジション戦略 1.2、1.4
2.1、2.4
4.実施の透明性 1.2、1.3、1.4、1.5
2.1、2.2、2.3、2.4、2.5
2. トランジションボンド・フレームワーク
2.1 調達資金の使途
2.1.1 適格クライテリア
トランジションボンドで調達された資金は、以下の適格クライテリアを満たすプロジェクト(適格プロジェクト)に関
連する、新規支出及び既存支出のリファイナンスへ充当します。なお、既存支出の場合は、トランジションボンド発行
から3年以内に実施した支出に限ります。
プロジェクトカテゴリ 適格クライテリア SDGsとの整合性
トランジションプロジェクト ・化石燃料とアンモニア/水素の 7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに
ゼロエミッション火力の実現に 混焼実証に関する支出
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
向けたプロジェクト
・高効率火力発電所への建て替え 12.つくる責任 使う責任
を目的とした、既存非効率火力 13.気候変動に具体的な対策を
発電所の廃止に関する支出 17.パートナーシップで目標を達成しよう
2.1.2 除外クライテリア
トランジションボンドで調達された資金は、下記に関連するプロジェクトには充当しません。
・所在国の法令を遵守していない不公正な取引、贈収賄、腐敗、恐喝、横領等の不適切な関係
・人権、環境等社会問題を引き起こす原因となり得る取引
2.2 プロジェクトの評価と選定のプロセス
当社の財務部が2.1にて定めた適格プロジェクトを選定し、関係する各部において財務面、技術・運営面、市場環境、
ESG面のリスクを総合的に分析・検討した後、財務部長が最終決定します。プロジェクトの運営・実施にあたっては、関
係する各部において周辺環境の保全に取り組んでいるほか、定期的にモニタリングしています。
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2.3 調達資金の管理
当社では、トランジションボンドの発行による調達手取り金について、全額が充当されるまで少なくとも年次で、当
社財務部が経理システムを活用して調達資金の充当状況を管理します。調達資金は発行から3年以内に適格プロジェク
トへ充当予定です。トランジションボンドの調達手取り金の全額が充当されるまでの間は、現金または現金同等物にて
管理されます。
2.4 レポーティング
2.4.1 資金充当状況レポーティング
当社は、適格プロジェクトに調達資金が全額充当されるまで、資金の充当状況を年次でウェブサイト上に公表しま
す。
開示内容は、適格クライテリア単位での資金充当額、調達資金の未充当資金額、及び調達資金の充当額のうち既存の
支出として充当された金額です。なお、調達資金の充当計画に大きな変更が生じる等の重要な事象が生じた場合は、適
時に開示します。
2.4.2 インパクト・レポーティング
当社は、適格プロジェクトが完了するまで、以下のレポーティング事項を適格プロジェクト毎に、実務上可能な範囲
で、当社ウェブサイトにてレポーティングします。
プロジェクトカテゴリ 適格クライテリア レポーティング事項
トランジションプロジェクト ・化石燃料とアンモニア/水素の ・プロジェクト概要・進捗状況
ゼロエミッション火力の実現に 混焼実証に関する支出
向けたプロジェクト
・高効率火力発電所への建て替え ・プロジェクト概要・進捗状況
を目的とした、既存非効率火力
発電所の廃止に関する支出
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