欧州評議会開発銀行 有価証券報告書
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欧州評議会開発銀行(E06017)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第１項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和４年４月13日
【会計年度】 自 令和３年１月１日 至 令和３年12月31日
【発行者の名称】 欧州評議会開発銀行
(Council of Europe Development Bank)
【代表者の役職氏名】 カルロ・モンティチェッリ
(Carlo Monticelli)
総裁
(Governor)
【事務連絡者氏名】 弁護士 柴 田 弘 典
同 甲 立 亮
同 深 田 大 介
同 山 岡 知 葉
【住所】 東京都千代田区大手町一丁目１番１号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03-6775-1120
【縦覧に供する場所】 該当なし
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第１【募集（売出）債券の状況】
該当事項なし
第２【外国為替相場の推移】
該当事項なし
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第３【発行者の概況】
１【発行者が国である場合】
該当事項なし
２【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
３【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
注(1) 会計年度中、取引は各取引で用いられた通貨で記載されている。欧州評議会開発銀行(以下「当行」又は「CEB」とい
う。)の勘定は2021年12月31日現在の以下の為替レートに基づき、ユーロで作成されている。
＊ ＊
略称 通貨 通貨対ユーロ 略称 通貨 通貨対ユーロ
ALL アルバニア・レク 120.55 HRK クロアチア・クーナ 7.5156
AUD オーストラリア・ドル 1.5615 HUF ハンガリー・フォリント 369.19
BRL ブラジル・レアル 6.3101 JPY 日本円 130.38
CAD カナダ・ドル 1.4393 NOK ノルウェー・クローネ 9.9888
CHF スイス・フラン 1.0331 NZD ニュージーランド・ドル 1.6579
CNY 中国人民元 7.1947 PLN ポーランド・ズローティー 4.5969
CZK チェコ・コルナ 24.858 SEK スウェーデン・クローナ 10.2503
DKK デンマーク・クローネ 7.4364 TRY トルコ・リラ 15.2335
GBP 英ポンド 0.84028 USD 米ドル 1.1326
HKD 香港ドル 8.8333
* 表中の数字は四捨五入されている。
(2) 当行の会計年度は暦年である。
(3) 本書に記載の表中の数値が四捨五入されている場合、合計は数値の総和とは必ずしも一致しない。
（１）【設立】
a. 設立の根拠、設立年月日及び沿革
当行は、1956年４月16日の欧州評議会閣僚委員会によって設立された。当初、当行の主な目的は第二
次世界大戦直後における欧州諸国へ又は欧州諸国間で移住した難民の再定住化に関する社会プログラム
に融資を行うことであった。当行はその後、その活動の範囲を、自然災害又は生態学的災害の被災者へ
の援助の提供及び欧州の社会的統合の強化に直接貢献するその他の社会的目標の支援へと拡大してき
た。かかるその他の社会的目標には現在、教育及び職業訓練、衛生、公共住宅、中小零細企業(MSMEs)
における雇用、都市及び地方の生活水準の改善、環境保護、歴史的及び文化的な遺産の保存並びに行政
及び司法による公共サービスのインフラストラクチャーの分野が含まれる。
当行の活動期間は限定されていない。
当行はフランス共和国ストラスブルグ市67075に所在し、事業活動の本部はフランス共和国 パリ市
75116 クレベール通り55番に所在する。
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b. 目的
1956 年４月16日の欧州評議会閣僚委員会の決議によって採択された定款(その後の改正を含む。以下
「定款」という。)によれば、当行の主たる目的は、貸付又は債務の保証を行うことにより、欧州にお
ける社会的統合を推進することである(詳細については、定款第２条を参照のこと。)。
当行は、その目的に一致した運用を条件として、定款の授権に基づき資金を借り入れ、拠出金を受け
入れることができる。
c. 加盟
定款により下記の者(以下「加盟国」という。)が当行に加盟することができる。
( ⅰ)欧州評議会の全ての加盟国
( ⅱ)当行の理事会が承認したその他の欧州の国
(ⅲ) 当行の理事会が承認した欧州に重点を置いている国際機関
定款を受諾し、それぞれ額面1,000ユーロで当行より発行される参加証書を引き受けることにより加
盟国となる。
当行の加盟国は、当行の義務に対して責任を負わない。
当行の加盟国は全て、当行の理事会が設定する条件の下に、当該暦年終了の６ヶ月前に通知をなすこ
とによって、当行から脱退することができる。
2021 年12月31日現在、当行の加盟国は42ヶ国である。
現在の加盟国は以下のとおりである。
アルバニア ラトビア
アンドラ リヒテンシュタイン
ベルギー リトアニア
ボスニア・ヘルツェゴビナ ルクセンブルク
ブルガリア マルタ
クロアチア モルドバ共和国
キプロス モンテネグロ
チェコ共和国 オランダ
デンマーク 北マケドニア
エストニア ノルウェー
フィンランド ポーランド
フランス ポルトガル
ジョージア ルーマニア
ドイツ サンマリノ
ギリシャ セルビア
バチカン スロバキア共和国
ハンガリー スロベニア
アイスランド スペイン
アイルランド スウェーデン
イタリア スイス
コソボ トルコ
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d. 法的地位並びに特権及び免責
ⅰ 法的地位
当行は、欧州評議会に付属し、その最高権威の下で運営される。欧州評議会の特権及び免責に関す
る一般協定に係る1959年３月６日付第三議定書(以下「第三議定書」という。)によって、当行は法人
格を有し、特に以下の事項を行う能力を有する。
(a) 契約の締結
(b) 不動産及び動産の取得及び処分
(c) 訴訟の提起
(d) 当行の法定の目的に関わる取引の遂行
当行の運営、行為及び契約は、第三議定書、定款及び定款に基づき制定された諸規則により規律さ
れる。さらに、一定の場合には国家の法令が適用されうる。但し、それは当行が当該法令の適用に明
示的に同意し、かつ、当該法令が第三議定書及び定款に抵触しない範囲に限られる。
第三議定書に基づき、当行は、当行が被告である場合、加盟国又は当行が貸付契約を締結し、若し
くは債務保証をした国の裁判管轄に服する。
ⅱ 特権及び免責
第三議定書に基づき、当行は、特に加盟国内で下記の特権及び免責を享受する。
(a) 法令上の一般的救済方法によって争うことのできない強制執行可能な判決が当行に対して送達さ
れる前における、当行の財産及び資産に対するあらゆる形式の没収、差押え又は強制執行からの
免除。
(b) 行政措置又は立法措置による当行の財産及び資産に対する捜索、徴用、没収、収用又はその他あ
らゆる形式の差押えからの免除。
(c) 当行の財産及び資産に対するあらゆる性質の制限、規制、支配及び支払停止の免除。
(d) 通貨の種類を問わず、通貨を保有し、口座を管理し、通貨を交換する権利、並びに送金先の国及
び送金元の国を問わず、その資金をあらゆる国内外に自由に送金する権利。
(e) 全ての直接税及び一定の間接税からの免除。
e. 本邦との関係
なし。
（２）【資本構成】
定款に基づき、下記の者が当行の加盟国となることができる。
a. 欧州評議会の全ての加盟国
b. 当行の理事会が承認した欧州評議会の加盟国でないその他の欧州の国
c. 当行の理事会が承認した欧州に重点を置いている国際機関
定款を受諾し、当行より発行される参加証書を引き受けることにより加盟国となる。参加証書はそれ
ぞれ額面1,000ユーロで発行される。当行の各加盟国はそれぞれ保有する参加証書１通につき１票の投票
権を有する。
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20 21 年 12 月 31 日現在引受済資本金
(単位：千ユーロ)
加盟国 引受済資本金 未払込資本金 払込請求済資本金 引受済資本金割合
フランス 915,770 814,114 101,656 16.720％
ドイツ 915,770 814,114 101,656 16.720％
イタリア 915,770 814,114 101,656 16.720％
スペイン 597,257 530,958 66,299 10.905％
トルコ 388,299 345,197 43,102 7.089％
オランダ 198,813 176,743 22,070 3.630％
ベルギー 164,321 146,083 18,238 3.000％
ギリシャ 164,321 146,083 18,238 3.000％
ポルトガル 139,172 123,724 15,448 2.541％
スウェーデン 139,172 123,724 15,448 2.541％
ポーランド 128,260 114,023 14,237 2.342％
デンマーク 89,667 79,712 9,955 1.637％
フィンランド 69,786 62,039 7,747 1.274％
ノルウェー 69,786 62,039 7,747 1.274％
ブルガリア 62,459 55,526 6,933 1.140％
ルーマニア 59,914 53,264 6,650 1.094％
スイス 53,824 43,229 10,595 0.983％
アイルランド 48,310 42,948 5,362 0.882％
ハンガリー 44,788 39,816 4,972 0.818％
チェコ共和国 43,037 38,260 4,777 0.786％
ルクセンブルク 34,734 30,878 3,856 0.634％
セルビア 25,841 22,973 2,868 0.472％
クロアチア 21,376 19,003 2,373 0.390％
キプロス 19,882 17,676 2,206 0.363％
スロバキア共和国 18,959 16,854 2,105 0.346％
アルバニア 13,385 11,899 1,486 0.244％
ラトビア 12,808 11,387 1,421 0.234％
エストニア 12,723 11,311 1,412 0.232％
北マケドニア 12,723 11,311 1,412 0.232％
リトアニア 12,588 11,191 1,397 0.230％
スロベニア 12,295 10,930 1,365 0.224％
アイスランド 10,144 9,018 1,126 0.185％
マルタ 10,144 9,018 1,126 0.185％
ジョージア 9,876 8,780 1,096 0.180％
ボスニア・ヘルツェゴビナ 9,689 8,614 1,075 0.177％
モンテネグロ 6,584 5,853 731 0.120％
コソボ 6,559 5,831 728 0.120％
モルドバ共和国 5,488 4,878 610 0.100％
アンドラ 4,925 4,378 547 0.090％
サンマリノ 4,867 4,206 661 0.089％
リヒテンシュタイン 2,921 2,374 547 0.053％
バチカン 137 107 30 0.003％
2021年合計 5,477,144 4,864,180 612,964 100.000％
2020年合計 5,477,144 4,864,180 612,964
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（３）【組織】
当行は、以下の理事会、管理委員会、総裁及び監査委員会といった機関により、組織化、管理及び監
督が行われている。
a. 理事会
理事会は、議長(マリネラ・ペトロヴァ(Marinela PETROVA))及び各加盟国の１名の代表者によっ
て構成される。理事会は、当行の活動に関する全般的な方向性について設定し、当行の加盟国とな
るための条件を決定し、増資の決定を行い、年次報告書、計算書類及び当行の一般貸借対照表の承
認を行っている。理事会は、理事会及び管理委員会の議長を選任し、総裁及び監査委員会の委員の
任命を行う。
b. 管理委員会
管理委員会は、議長(ミグレ・タスキエネ(Miglé TUSKIEN Ė ))及び各加盟国の１名の代表者に
よって構成される。管理委員会は、運営方針についての立案及び監督並びに当行の加盟国政府に
よって提出された投資事業の承認を含む、理事会に委譲された権限を行使する。また、同委員会
は、当行の運営予算に関する投票を行う。
c. 総裁
総裁は、当行の法定代理人である。総裁は、当行の事業の代表であり、(管理委員会の全般的な
監督の下)当行の職員に対する責任を有する。総裁は、管理委員会のガイドラインに従い、当行の
財務方針を指揮し、全ての取引において当行を代表する。総裁は、当行に提出された融資依頼につ
いての技術的、財務的側面に関する審査を行い、管理委員会にこれらの照会を行う。総裁はカル
ロ・モンティチェッリ(Carlo MONTICELLI)氏である。同氏は現在、副総裁であるトマス・ボー
チェック(Tomáš BO Č EK)氏(対象グループ諸国)によって補佐されている。2021年12月３日現在、
CEBの理事会は、財務戦略担当副総裁及び社会開発戦略担当副総裁の任命手続を開始した。
d. 監査委員会
監査委員会は、理事会によって任命された３名のメンバーで構成されている。同委員会は、外部
監査人によって年次決算書が審査された後、その正確性について検証を行う。
CEB の理事、管理及び統制組織の事務局員は、欧州評議会開発銀行の部分協定の事務局員から提
供される(組織の事務総長はジェルジ・ベルゴー(György BERGOU))。
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a. 理事会
理事会は、理事会自体によって選出される議長及び各加盟国によって任命される代表者各１名により
構成される。2021年末現在(特段の記載がある場合を除き)の構成員は以下のとおりである。
マリネラ・ペトロヴァ(ブルガリア) 議長
元財務省大臣代理、在ソフィア
カーン・エセネル(Kaan ESENER)(2022年４月８日現在) 副議長
特命全権大使、欧州評議会トルコ常任代表、在ストラスブルグ
ダスティッド・コレシ(Dastid KORESHI) アルバニア
特命全権大使、欧州評議会アルバニア常任代表、在ストラスブルグ
ジョーン・フォーナー・ロヴィラ(Joan FORNER ROVIRA) アンドラ
特命全権大使、欧州評議会アンドラ常任代表、在ストラスブルグ
ジョン－セドリック・ジャネセンス・デ・ビストーヴェン(Jean-Cedric ベルギー
JANSSENS DE BISTHOVEN)
特命全権大使、欧州評議会ベルギー常任代表、在ストラスブルグ
イヴァン・オーリッチ(Ivan ORLI Ć ) ボスニア・ヘルツェゴビナ
特命全権大使、欧州評議会ボスニア・ヘルツェゴビナ常任代表、在ストラスブ
ルグ
マリア・スパソヴァ(Maria SPASSOVA) ブルガリア
大使、欧州評議会ブルガリア常任代表、在ストラスブルグ
トマ・ガリ(Toma GALLI) クロアチア
特命全権大使、欧州評議会クロアチア常任代表、在ストラスブルグ
スピロス・アッタス(Spyros ATTAS) キプロス
特命全権大使、欧州評議会キプロス常任代表、在ストラスブルグ
ペトル・パヴェレク(Petr VÁLEK) チェコ共和国
特命全権大使、欧州評議会チェコ共和国常任代表、在ストラスブルグ
エリック・ラーセン(Erik LAURSEN) デンマーク
特命全権大使、欧州評議会デンマーク常任代表、在ストラスブルグ
ラスムス・ルミ(Rasmus LUMI) エストニア
特命全権大使、欧州評議会エストニア常任代表、在ストラスブルグ
ニナ・ノードストーム(Nina NORDSTRÖM) フィンランド
特命全権大使、欧州評議会フィンランド常任代表、在ストラスブルグ
マリエ・フォンタネル(Marie FONTANEL) フランス
大使、欧州評議会フランス常任代表、在ストラスブルグ
イラクリ・ギヴィアシュヴィリ(Irakli GIVIASHVILI) ジョージア
大使、欧州評議会ジョージア常任代表、在ストラスブルグ
ジュッタ・フラシュ(Jutta FRASCH) ドイツ
特命全権大使、欧州評議会ドイツ常任代表、在ストラスブルグ
パナイオティス・ベグリティス(Panayiotis BEGLITIS) ギリシャ
特命全権大使、欧州評議会ギリシャ常任代表、在ストラスブルグ
マルコ・ガンシ(Marco GANCI) バチカン
特使、欧州評議会バチカン常任オブザーバー、在ストラスブルグ
ハリー・アレックス・ラズ(Harry Alex RUSZ) ハンガリー
特命全権大使、欧州評議会ハンガリー常任代表、在ストラスブルグ
ラグンヒルダー・アーンジョツドティー(Ragnhildur ARNLJÓTSDÓTTIR) アイスランド
大使、欧州評議会アイスランド常任代表、在ストラスブルグ
ブレイファン・オーレイリー(Breifne O’REILLY) アイルランド
特命全権大使、欧州評議会アイルランド常任代表、在ストラスブルグ
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ミケーレ・ジャコメッリ(Michele GIACOMELLI) イタリア
大使、欧州評議会イタリア常任代表、在ストラスブルグ
ミモザ・アーメタジ(Mimoza AHMETAJ) コソボ
コソボ総領事、在ストラスブルグ
ジャニス・カークリンス(Jānis KĀRKLI Ņ Š) ラトビア
特命全権大使、欧州評議会ラトビア常任代表、在ストラスブルグ
ドメニク・ワンガー(Domenik WANGER) リヒテンシュタイン
特命全権大使、欧州評議会リヒテンシュタイン常任代表、在ストラスブルグ
アンドリアス・ナマヴィシアス(Andrius NAMAVI Č IUS) リトアニア
特命全権大使、欧州評議会リトアニア常任代表、在ストラスブルグ
パトリック・インゲルバーグ(Patrick ENGELBERG) ルクセンブルク
特命全権大使、欧州評議会ルクセンブルク常任代表、在ストラスブルグ
ロレンツォ・ヴェラ(Lorenzo VELLA) マルタ
大使、欧州評議会マルタ常任代表、在ストラスブルグ
コリーナ・ツェルゲル(Corina C Ă LUG Ă RU) モルドバ共和国
大使、欧州評議会モルドバ共和国常任代表、在ストラスブルグ
ボジダルカ・クルニチ(Božidarka KRUNI Ć )(2022年２月１日現在) モンテネグロ
特命全権大使、欧州評議会モンテネグロ常任代表、在ストラスブルグ
ローランド・ボッカー(Roeland BÖCKER) オランダ
特命全権大使、欧州評議会オランダ常任代表、在ストラスブルグ
スヴェトラナ・ゲレヴァ(Svetlana GELEVA) 北マケドニア
特命全権大使、欧州評議会北マケドニア常任代表、在ストラスブルグ
ヘルゲ・セランド(Helge SELAND) ノルウェー
特命全権大使、欧州評議会ノルウェー常任代表、在ストラスブルグ
ジャージー・バウルスキ(Jerzy BAURSKI) ポーランド
特命全権大使、欧州評議会ポーランド常任代表、在ストラスブルグ
ギルバート・ジェロニモ(Gilberto JERÓNIMO) ポルトガル
特命全権大使、欧州評議会ポルトガル常任代表、在ストラスブルグ
ラヴァン・ルス(Razvan RUSU) ルーマニア
特命全権大使、欧州評議会ルーマニア常任代表、在ストラスブルグ
エロス・ギャスペロニ(Eros GASPERONI) サンマリノ
特命全権大使、欧州評議会サンマリノ共和国常任代表、在ストラスブルグ
アレキサンドラ・ジュロビッチ(Aleksandra Đ JUROVI Ć ) セルビア
特命全権大使、欧州評議会セルビア常任代表、在ストラスブルグ
オクサナ・トモヴェ(Oksana TOMOVÁ) スロバキア共和国
特命全権大使、欧州評議会スロバキア共和国常任代表、在ストラスブルグ
アンドレイ・スラプニチャー(Andrej SLAPNI Č AR) スロベニア
特命全権大使、欧州評議会スロベニア常任代表、在ストラスブルグ
マニュエル・モントッビオ(Manuel MONTOBBIO) スペイン
特命全権大使、欧州評議会スペイン常任代表、在ストラスブルグ
マーテン・エンバーグ(Mårten EHNBERG) スウェーデン
特命全権大使、欧州評議会スウェーデン常任代表、在ストラスブルグ
クリスチャン・ミューリ(Christian MEUWLY) スイス
大使、欧州評議会スイス常任代表、在ストラスブルグ
カーン・エセネル トルコ
特命全権大使、欧州評議会トルコ常任代表、在ストラスブルグ
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理事会の構成
理事会は議長及び各加盟国によって任命される代表者各１名により構成される。各加盟国は、各々代
表者代行１名を任命することができる。欧州評議会の事務総長は、会議に参加し、又は代理人を出席さ
せることができる。
理事会は当行の最高機関である。定款に定められた目的を変更する権利を除いて、理事会は当行に関
するあらゆる権限を有する。
理事会の権限
ⅰ 理事会は以下の事項を行う。
(a) 欧州評議会の加盟国が当行の加盟国になるための条件を決定する。
(b) 欧州評議会の加盟国でない欧州の国及び欧州に重点を置いている国際機関が当行の加盟国になる
ことを承認し、かかる承認の条件を決定し、かかる加盟国の引き受ける参加証書の数を決定す
る。
(c) 定款に添付の表に記載されている加盟国間の資本の配分の調整を行う。
(d) 資本を増減し、払い込まれる引受済資本の割合及び払込期日を定める。
(e) 定款に定められた目的の遵守を確保する。
当行の年次報告書、計算書類及びその他の財務書類を承認する。
機関の活動に関する一般ガイドラインを定める。
(f) 当行の運営を停止若しくは終了させ、又は清算時にその資産を分配する。
(g) 加盟国の資格を停止させる。
(h) 定款を変更する(但し、定められた目的の変更を除く。)。
(i) 定款を解釈し、定款の解釈又は適用に関わる決定に対する異議申立てに対する判断を下す。
(j) 他の国際機関との協力に関する一般協定の締結を承認する。
(k) 理事会の議長及び管理委員会の委員長を選任する。
(l) 総裁を任命し、総裁の提案に基づき、必要に応じて１人以上の副総裁(その内の１人が総裁の不
在時には総裁を代行する。)を任命し、それらを解任し、又は辞任の承認を行う。
(m) 監査委員会の委員を任命する。
(n) 外部監査人を任命し、在任期間を定める。
(o) 手続規定を定める。
(p) 定款で明示的に理事会に付与されたその他の権限を行使する。
ⅱ 理事会は、管理委員会の提案に基づき上記(d)及び(f)に関する決定をなし、上記(c)、(m)及び(n)に
ついては、管理委員会の意見を聴取した後に決定をなす。管理委員会は、財務上の影響を及ぼすそ
の他全ての決定に対して意見を表明する。
ⅲ 上記ⅰに定められた権限以外の全ての権限は管理委員会に委譲される。
定款により管理委員会に委譲された権限は、例外的な場合かつ特定の期間のみ、理事会が再び保有
できる。
ⅳ 理事会は年に１度開催される。理事会は、必要に応じて追加的に開催することができる。
ⅴ 理事会は、必要に応じて、国際機関の代表者、又はその他の利害関係者を招待し、その手続に参加
させることができる。但し、投票権は与えない。
投票及び決議
ⅰ 会議における理事会の決議は、加盟国の代表者の３分の２が出席した場合にのみ有効となる。
決議は投票により行われる。賛成票及び反対票のみが多数決の判定に関し有効となる。
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ⅱ 会議間において、書面により決議することができる。
ⅲ 当行の各加盟国は、保有する参加証書１通につき、１票の投票権を有する。
ⅳ 払込期限が到来した資本金の一部を期限に払い込まない加盟国は、かかる未払が継続する限り、そ
の期限の到来した未払金額に関して投票権を行使できないものとする。
ⅴ 決議は、賛成又は反対の票を投じた加盟国の過半数及び投票数の３分の２以上の多数をもってなさ
れるものとする。
ⅵ 以下の事項は、賛成又は反対の票を投じた加盟国の４分の３以上及び投票数の４分の３以上の多数
をもって決議される。
(a) 上記「理事会の権限」ⅲに規定される決議
(b) 新規加盟国の加盟に起因しない、上記「理事会の権限」ⅰ(c)に従い承認される定款に添付され
ている配分表の調整
ⅶ 上記「理事会の権限」ⅰ(f)及び(h)に記載されている決議は、投票した加盟国の満場一致により採
択される。
b. 管理委員会
管理委員会は、理事会が任命する委員長及び当行の各加盟国の代表者各１名により構成される。2021
年末現在(特段の記載がある場合を除き)の構成員は以下のとおりである。
ミグレ・タスキエネ(リトアニア) 委員長
元財務省副大臣、在ビリニュス
アルセーヌ・ジャコビー(Arsène JACOBY)(ルクセンブルク) 副委員長
財務省多国間事業、開発及びコンプライアンス部部長、在ルクセンブルク
アデラ・シェマリ(Adela XHEMALI) アルバニア
財政経済省大臣代理、在ティラナ
マーク・バレスタ・アリアス(Marc BALLESTÀ ALIAS) アンドラ
財務省国際金融部門事務次官、在アンドラ・ラ・ヴェラ
ロナルド・デ・スワート(Ronald DE SWERT) ベルギー
連邦財務局ベルギー財務省国際及び欧州金融業務部長、在ブリュッセル
リェルカ・マリッチ(Ljerka MARI Ć ) ボスニア・ヘルツェゴビナ
連邦監督機関理事長代理、在サラエボ
ゲルガナ・ベレムシュカ(Gergana BEREMSKA) ブルガリア
財務省国際金融機関及び協力理事局局長、在ソフィア
スティペ・ズパン(Stipe ŽUPAN) クロアチア
財務省事務次官、在ザグレブ
キリアコス・カコウリス(Kyriacos KAKOURIS) キプロス
財務省国際金融機関及び中央政府財務管理局局長、在ニコシア
ペトル・パヴェレク(Petr PAVELEK) チェコ共和国
財務省負債及び金融資産管理部部長、在プラハ
スティーン・リュ・ラーセン(Steen Ryd LARSEN) デンマーク
財務省顧問、在コペンハーゲン
リーナ・ライゴ(Riina LAIGO) エストニア
財務省EU及び国際部門顧問、在タリン
アルト・エノ(Arto ENO) フィンランド
財務省国際金融業務財務顧問、在ヘルシンキ
マフュー・フィリポット(Matthieu PHILIPPOT) フランス
経済財務復興省財務部二国間欧州関係及びEU金融機関ユニット部長、在パリ
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エカテリン・ガンツァドゼ(Ekaterine GUNTSADZE) ジョージア
財務省大臣代理、在トビリシ
マルクス・ホーマン(Markus HÖRMANN) ドイツ
財務省多国間開発銀行部門部長(Ⅶ A 2)、在ベルリン
アンヘロ・ヴォーヴァチス(Angelos VOURVACHIS) ギリシャ
開発投資省国際金融機関及び開発銀行独立部門長、在アテネ
ジャンヴィエール・カマネス・フォレス(Javier CAMAÑES FORÈS)神父 バチカン
欧州評議会バチカン常任オブザーバー代理、在ストラスブルグ
エンドレ・トゥルク(Endre TÖRÖK) ハンガリー
財務省国際金融部門ユニット長、在ブタペスト
オーラヴル・シグルズソン(Ólafur SIGURÐSSON) アイスランド
外務省外国貿易経済局局長、在レイキャビック
二アム・マッギュイレ(Niamh McGUIRE) アイルランド
財務省国際金融機関部門部長、在ダブリン
フランセスカ・ユティリ(Francesca UTILI) イタリア
経済財務省財務部門国際金融関係課課長、在ローマ
任命保留中 コソボ
インタ・ヴァサラウゼ(Inta VASARAUDZE) ラトビア
財務省経済分析部門部長、在リガ
ドメニク・ワンガー リヒテンシュタイン
特命全権大使、欧州評議会リヒテンシュタイン常任代表、在ストラスブルグ
ダリウス・トラケリス(Darius TRAKELIS) リトアニア
財務省EU及び国際部門部長、在ビリニュス
アルセーヌ・ジャコビー ルクセンブルク
財務省多国間事業、開発及びコンプライアンス部門部長、在ルクセンブルク
ジョゼフ・リカリ(Joseph LICARI) マルタ
元欧州評議会マルタ代表、在スウィーキィー
タチアナ・イヴァンシチナ(Tatiana IVANICICHINA) モルドバ共和国
財務省事務次官、在チシナウ
カタリナ・ジヴコビッチ(Katarina ŽIVKOVI Ć ) モンテネグロ
福祉財務省財務局、負債管理、債務分析及び外交関係(フロント・オフィス)部
長、在ポドゴリツァ
ジョアンネス・スミーツ(Johannes SMEETS) オランダ
外務省顧問、在ハーグ
デヤン・ニコロフスキ(Dejan NIKOLOVSKI) 北マケドニア
財務省国際金融関係及び公債管理部門部長、在スコピエ
ヘンリエット・グルブランドゥセン(Henriette GULBRANDSEN) ノルウェー
外務省国際開発金融機関部門上級顧問、在オスロ
トーマス・スカーゼウスキ(Tomasz SKURZEWSKI) ポーランド
財務省国際協力部門副部長、在ワルシャワ
ジョゼ・アゼヴェド・ペレイラ(José AZEVEDO PEREIRA) ポルトガル
財務省経済政策及び国際事業部部長、在リスボン
ボニ・クク(Boni CUCU) ルーマニア
国家財政省国際金融関係総局局長、在ブカレスト
ニコラ・チェカロリ(Nicola CECCAROLI) サンマリノ
財務省顧問、在サンマリノ
ゾラン・チロヴィッチ(Zoran Ć IROVI Ć ) セルビア
元セルビア共和国証券委員会委員長、在ベオグラード
マルティン・スピリツァ(Martin SPIRITZA) スロバキア共和国
財務省国際関係部金融機関及び国際機関ユニット長、在ブラティスラヴァ
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アーシカ・グルメク(Urška GRMEK) スロベニア
財務省大臣室長、在リュブリャナ
レオナルド・ロドリゲス(Leonardo RODRÍGUEZ) スペイン
経済デジタル省財務及び国際金融事務国際金融機関局長代理、在マドリード
エヴァ・ヴィベルグ(Ewa WIBERG) スウェーデン
財務省国際部門部長、在ストックホルム
イヴァン・パヴレティック(Ivan PAVLETIC) スイス
経済協力開発多国間協力部門経済事務局連邦部門部長、在ベルン
サーハット・コクサル(Serhat KÖKSAL) 博士 トルコ
資金財務省対外経済関係局長、在アンカラ
管理委員会の権限及び構成
ⅰ 定款に従い、管理委員会は理事会により委譲された全ての権限を有する。
ⅱ 管理委員会は、理事会により任命された任期３年(任期を３年とする第２期目の再任可能)の委員長
及び各加盟国により任命された代表者各１名により構成される。各加盟国は代表者代行１名を任命
することができる。欧州評議会の事務総長は、会議に参加し、又は代理人を出席させることができ
る。
ⅲ 管理委員会は、委員長により又は５名の委員による要求により、年に最低４回招集される。
ⅳ 管理委員会は、必要に応じて、国際機関の代表者、又はその他の利害関係者を招待し、その手続に
参加させることができる。但し、投票権は与えない。
投票及び決議
ⅰ 会議における管理委員会の決議は、加盟国の代表者の３分の２が出席した場合にのみ有効となる。
ⅱ 当行の各加盟国は、保有する参加証書１通につき、１票の投票権を有する。
決議は多数決により行われる。賛成票及び反対票のみが多数決の判定に関し有効となる。
ⅲ 会議間において、書面により決議することができる。
ⅳ 払込期限の到来した資本金の一部を期限に払い込まない加盟国は、かかる未払が継続する限り、そ
の期限の到来した未払金額に関して投票権を行使できないものとする。
ⅴ しかしながら、管理委員会は、以下の決議事項については、賛成又は反対の票を投じた加盟国の過
半数及び投票数の過半数をもって決議するものとする。
(a) 上記「理事会の権限」ⅰ(c)、(d)、(f)、(m)及び(n)に従い、理事会に対してなされる提案及び
意見
(b) 管理委員会の手続規定の採択又は改正
ⅵ さらに、管理委員会は賛成又は反対の票を投じた加盟国の過半数及び投票数の３分の２以上の多数
をもって、定款第13条litt.c.に規定された許容性に関する意見を得ていない投資事業に関連した決
議を行うものとする。
管理委員会は、随時その委員の一部から成る委員会を設置し、その委員会に対し別途指定した権限
を委譲することができる。
c. 総裁
総裁は、当行の全ての取引において当行を代表する。総裁は、管理委員会の指示と監督の下に、当行
の日常の管理業務を行う。総裁は、管理委員会が明示的に承認しない限り、資金の借入、貸付又は債務
保証をしない。
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総裁は理事会の決議によって５年の任期で１回限り再選されうる。
カルロ・モンティチェッリが当行の総裁である。同氏は、2021年６月11日に、2021年12月18日から始
まる５年の任期について選任された。
総裁は、2021年12月31日現在１名の副総裁により補佐される。
・ トマス・ボーチェック 副総裁(対象グループ諸国担当)
総裁は、管理委員会によって承認された職務の内容を考慮に入れて副総裁の責任を決定する。
副総裁は、５年の任期で１回限り再選されうる。
d. 監査委員会
監査委員会は、理事会が任命した３名の委員で構成され、監査委員会の現在の構成は以下のとおりで
ある。
・ ヤセック・ドミニク(Jacek DOMINIK)(ポーランド)
財務省国際協力部門顧問長、在ワルシャワ
・ ナータ・ラスマネ(Nata LASMANE)(ラトビア)
財務省EU基金監査機構長監査部門長、在ブタペスト
・ ルシア・カシアロヴァ(Lucia KAŠIAROVÁ)(スロバキア共和国)
財務省行政報告部門プロジェクト進行係、在ブラティスラヴァ
監査委員会は、毎年、当行の会計を調査し、運営に関する計算書類及び貸借対照表が適切であること
を確認する。監査委員会報告書には、貸借対照表及び運営に関する計算書類が帳簿と一致しているか否
か、並びに各会計年度末現在の当行の状況を正しくかつ公正に示しているか否かが明記される。
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（４）【業務の概況】
a. 65 年間の社会投資(概略)
CEB は、設立以来65年間、加盟国が欧州全域の様々な社会的優先事項及び課題に対応しながら、より
社会的及び環境的に持続可能な社会及び経済に移行することを支援してきた。CEBは、欧州諸国が第二
次世界大戦後に破壊されたインフラを再建し、数十万人の避難民を定住させるのを支援する「再定住
化基金」として設立されたもので、当初の資本金は７百万米ドル未満であった。CEBが社会的使命に特
化した本格的な多国間開発銀行に徐々に移行していったことは、欧州大陸の歴史そのものと密接に関
連している。新型コロナウイルス感染症のパンデミック並びに移民及び気候危機によって欧州の社会
的統合に深刻な緊張が生じていることから、現在及びこの先、CEBの社会的使命はかつてないほど重要
なものとなっている。
b. 持続可能な開発のための2030年アジェンダの支援
2021 年に承認された貸付により、CEBは、欧州の社会開発銀行としての使命並びに加盟国による社会
的統合及び融合の促進を支援するというコミットメントを再確認するとともに、その全ての活動にわ
たって持続可能な開発の原則を中心に据えている。
当行は、その2020年から2022年に係る開発計画に沿って、持続可能な開発のための2030年アジェン
ダにおける加盟国のコミットメント達成を支援することを目指している。2020年１月１日以降、当行
はその責務に最も近い10の持続可能な開発目標(SDGs)に照らして、融資が提案された全ての案件を審
査している。
当行の中核をなす社会的責務に一致するSDGs：
SDG １「貧困をなくそう」
SDG10 「人や国の不平等をなくそう」
プロジェクト固有で部門に基づく関連性を持つSDGs：
SDG ３「全ての人に健康と福祉を」
SDG ４「質の高い教育をみんなに」
SDG ６「安全な水とトイレを世界中に」
SDG ８「働きがいも経済成長も」
SDG11 「住み続けられるまちづくりを」
SDG16 「平和と公正を全ての人に」
分野横断的な課題に関連するSDGs：
SDG ５「ジェンダー平等を実現しよう」
SDG13 「気候変動に具体的な対策を」
2021 年度に承認された57のプロジェクトの大部分(98％)は、SDG10「人や国の不平等をなくそう」に
貢献する。また、24のプロジェクトがSDG11「住み続けられるまちづくりを」に、17のプロジェクトが
SDG13「気候変動に具体的な対策を」に貢献する。SDG３「全ての人に健康と福祉を」は16のプロジェ
クト、SDG８「働きがいも経済成長も」は15のプロジェクト、また、SDG４「質の高い教育をみんな
に」は13のプロジェクトで支援されている。
平均すると、2021年度に承認されたプロジェクトは１つ当り３つのSDGsに貢献する。
持続可能な開発は経済的、環境的及び社会的側面で統合されることが不可欠であるというCEBの認識
はCOP26において確認され、CEBは、他の複数の多国間開発銀行とともに、資金の流れを気候変動に関
するパリ協定の規定及び目標に合致させるための集団的な気候野心に関する共同声明に署名した。
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選定されたSDGsに対するCEBの融資配分及び気候変動に関するパリ協定との合致に関するさらなる情
報については、当行の持続可能性報告書に記載されている。
c. 2021 年度に承認された計画
ⅰ CEB の活動路線
拡大する社会経済的不平等、継続する環境悪化及び気候変動は、欧州の経済発展及び社会的強靭性
を脅かす長期的な傾向の要因となっている。これらの傾向及びその結果は、新型コロナウイルスのパ
ンデミックによってさらに露呈されており、人間の幸福、健康及び社会的包摂を改善するために包括
的なアプローチを取ることの重要性を示している。
この複雑な社会経済的状況及び欧州社会が直面している相互に関連した課題を反映して、CEBは、
2020年から2022年に係る開発計画で３つの優先事項(「活動路線」)を設定している。
・包括的な成長
・社会的弱者集団の支援
・持続可能な環境
欧州社会が直面する社会的課題は相互に関連しているため、CEBの投資はますます包括的かつ分野横
断的なものとなっており、それらは、社会インフラ投資がいかに社会的、環境的及び経済的目標に同
時に取り組むことができるかを例示している。
分野横断的プロジェクトの例
* フランスにおける社会的弱者集団のための住宅の確保 ：300百万ユーロのフランス預金供託公庫
(Caisse des Dépôts et Consignations)(CDC)に対する２件の分野横断型ローンにより、社会的
弱者集団のための住宅及び受入施設の建設及び改修のための資金を一部融資する。当該ローン
は、CEBからCDCへの既存の150百万ユーロの貸付を増額するものであり、高齢者、障害者、学生
及び不安定な状況にある若い労働者のための宿泊センター、支援住宅、社会住宅及びホテル住宅
への融資に使用される。本プロジェクトは、フランス政府が2020年９月に開始した新型コロナウ
イルスのパンデミックからの回復を目的とした大規模な行動計画であるフランス再興( France
Relance )で想定される活動への長期的な融資と一致している。本プロジェクトはまた、欧州復興
計画の目的に適い、欧州委員会の「欧州グリーン・ディール」に基づき開始された建物のエネル
ギー効率化改修に合致している。
ⅱ 包括的な成長
本活動路線に基づき融資されたプロジェクトは、公共の社会インフラストラクチャーの開発、質の
高い公共サービス(保健及び教育など)への公平なアクセス、雇用の創出及び維持、小規模事業者の支
援、労働市場へのアクセスの確保並びに手頃な価格の公営住宅供給ソリューションに焦点を当ててい
る。CEBは、このように質の高い社会インフラストラクチャーへの投資を行うことで、欧州全体におけ
る豊かで持続可能な将来を確かなものにし、衝撃や危機からの回復力を高めることを目指している。
CEB は、2021年度、加盟国が経済を元の軌道に戻し新型コロナウイルス感染症のパンデミックから全
体的に回復するための支援として、３十億ユーロを超える融資を承認した。
(a) 中小零細企業の支援
新型コロナウイルスのパンデミックは、欧州全域で、特にサービスが十分に提供されていない
農村地域で既に存在していた地域的な経済格差及び社会経済的不平等を拡大させた。このため、
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2021年度にCEBは、事業資金の確保に苦労している零細企業(新興企業、女性起業家及び小自作農
など)に対して、金融サービスへのアクセスを容易にする融資を行うことに重点を置いた。小規模
事 業者は、経済成長を生み出すために重要であるが、より大きな企業と比較して信用上の制約及
び資金調達に対する不相応な障壁に直面しやすい。CEBは、小規模事業者に金融支援を提供するこ
とで加盟国が健全な雇用を維持及び創出するのを支援しており、これは、新型コロナウイルス感
染症危機及び長期的な回復の両方において不可欠である。
プロジェクト例
ギリシャにおけるMSMEの金融サービスへのアクセスの確保 ：カルディツァ協同組合銀行
(Cooperative Bank of Karditsa)に対する２百万ユーロの貸付により、特に、サービスが十分に
提供されていない農村地域において、また、継続中の新型コロナウイルス感染症のパンデミック
に関連して、伝統的な銀行融資へのアクセスが通常限られている地方の中小零細企業(MSME)によ
る金融サービスへのアクセスを支援する。当該貸付は、失業率が高く金融へのアクセスが地元企
業の発展の制限要因となっているテッサリアにあるカルディツァ協同組合銀行の企業融資活動を
支援するものである。当該貸付は、ギリシャの農村部の恵まれない人々のための金融へのアクセ
スを促進し、また、雇用の創出及び維持並びに社会的統合を支える。その受益者は、主に、事業
資金の確保に苦労している零細企業(新興企業、女性起業家、小自作農及びグリーン経済で活動
している零細事業者など)、協同組合及び社会的企業である。
リトアニアにおける起業及び雇用の促進 ：リトアニア中央信用協同組合(The Lithuanian
Central Credit Union)(LCCU)に対する４百万ユーロの貸付により、雇用の維持及び創出を支援
し、MSMEが資金を入手しやすくすることで経済成長を促進する。リトアニアのMSMEは、新型コロ
ナウイルス感染症のパンデミックの影響を多大に受けており、当該貸付は、MSMEの成長力の強
化、起業の促進並びに同国内での雇用の創出及び維持を支援する。CEBによるリトアニア中央信
用協同組合への資金提供により、MSMEが同国の各地の信用組合(LCCUグループの加盟機関)を通じ
て融資を受けられるようになる。融資の最終受益者のほとんどは中小零細企業であるが、LCCU
は、LCCUとその加盟機関である信用組合が協調融資するシンジケートローンの形態での比較的規
模の大きいサブ・プロジェクトにも直接融資することができる。
アルバニアにおける経済ショックの緩和 ：プロクレジット・バンク・アルバニア(Procredit
Bank Albania)に対する15百万ユーロの貸付により、中小企業(SME)が長期融資にアクセスできる
ようにし、それにより雇用を支える。アルバニアにおいて、中小企業は非金融部門の労働人口の
約80％を雇用しているため、当該貸付は、現地市場における雇用の創出及び維持に重要な役割を
果たす。これは、2019年11月の地震及び新型コロナウイルス感染症のパンデミックという、アル
バニア経済に対する最近の２つのショックの影響を緩和するために不可欠である。当該貸付は、
中小企業の投資及び運転資金に融資され、新型コロナウイルス感染症による労働市場のさらなる
悪化を緩和する助けとなる。さらに、成長中のグリーンローンのポートフォリオに融資すること
で、借入人が行っている気候変動への取組みに貢献することが期待される。特に貿易及び製造の
部門において、約100件のプロジェクトが当該融資の恩恵を受けると見込まれる。
イタリアにおけるMSMEの競争力の強化 ：預託貸付公庫(Cassa Depositi e Prestiti SpA)に対す
る150百万ユーロの貸付により、MSMEが機械、装置、工場、生産のための資本財及びハードウェ
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ア、並びにソフトウェア及びデジタル技術を購入又はリースするための投資資金を調達するため
の資金源にアクセスしやすくする。その目的は、借入人が、認定された銀行及び金融仲介機関を
通 じて最終借入人であるMSMEに低金利のローン及びリースを提供するベニ・ストルメンタリ
( Beni Strumentali )(イタリアにおけるMSMEの投資を支援する公的スキームの１つ)に参加するこ
とを部分的に支援することである。当該貸付は、過去数年間有効であることが証明されており、
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより深刻な影響を受けている現在の経済状況におい
て極めて重要であると考えられる、イタリア政府が実施している長期的な措置を支援するもので
ある。当該貸付は、MSMEの生産性及び競争力の向上並びに業績に貢献し、かつ、雇用の維持に貢
献することが期待されている。
ポーランドにおける雇用支援 ：サンタンデール・リーシングS.A.(Santander Leasing S.A.)に対
する150百万ユーロの貸付により、MSMEが実施する適格投資に対して協調融資を行い、その目的
は常用雇用及び季節労働の創出及び維持に貢献することである。リースは、銀行ローンと比べて
利用しやすい投資ファイナンスの手段であるため、パンデミック下の雇用維持及び新型コロナウ
イルス感染症からの回復後の資金調達の支援として重要な役割を果たす。これはまた、女性の起
業を促進し、ポーランドの新興企業の支援になることも期待されている。受益者のうち最も大き
い割合は、従業員が50人未満で、売上高又は総資産が10百万ユーロ未満の小規模零細企業になる
と予想される。
(b) 新型コロナウイルス感染症への対応
2021 年においても引き続き社会中で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、CEBは、パン
デミックによる健康、経済及び社会への副次的な影響を軽減するため、加盟国と協力の上、地域
レベルでの固有の需要を特定することを継続して重視した。当行が承認した新型コロナウイルス
感染症関連貸付は、加盟国によるワクチン接種キャンペーン、テスト費用、新型コロナウイルス
感染症の患者に必要な個人用防護具、消毒用の製品及び専門機器の取得を直接支援する。また、
かかる貸付により、各国政府は、新型コロナウイルス感染症危機により発生した予算への負担に
対応すること、またパンデミックによる社会経済への不利な影響を解消するための戦略を実施す
ることができる。新型コロナウイルス感染症ファストトラック・ローンは、2021年に承認された
貸付全体のうちの16％(657百万ユーロ)を占める。
プロジェクト例
アルバニアにおける新型コロナウイルス感染症のパンデミックに係る費用の軽減 ：アルバニア共
和国に対する60百万ユーロの公共部門融資ファシリティ(PFF)により、新型コロナウイルス感染
症のパンデミックを要因としたアルバニア共和国政府による多額の支出を部分的に融資すること
ができた。かかる費用には、追加の医薬品及び医療品、新型コロナウイルス感染症の患者が必要
とする人口呼吸器などの特別機器、医療スタッフ及びその他スタッフへのハードシップ手当及び
残業手当、医師及び看護師を含む医療スタッフの追加雇用並びにワクチンに係る費用が含まれ
る。当該貸付により、アルバニアの保険及び社会保障システムへの重い負担が軽減される。当該
貸付の受益者は、2.8百万名のアルバニアの住民であり、特に住民の13％超を占める最もウイル
ス感染リスクの高い65歳超の者及び糖尿病などの慢性疾患を持つ者、その医療サービス提供者並
びにワクチン接種者である。
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コソボにおける新型コロナウイルス感染症に係る医療機器及び防護具の確保 ：コソボ政府に対す
る25百万ユーロの貸付により、人口の約50％分のワクチンを含む新型コロナウイルス感染症に係
る 医療機器及び防護具の購入が可能となる。ワクチンの提供開始に関連した消費財の費用も、こ
の対象となる。かかる貸付は、コソボの緊急医療費を一部負担するために2020年８月に締結し
た、35百万ユーロの融資契約に基づくものである。このことは、CEB加盟国間で新型コロナウイ
ルス感染症ワクチンの供給事情に格差があることを示しており、現在の健康危機の解決のみなら
ずパンデミックを契機に広がり続ける社会的及び経済的不平等の緩和の手がかりとなる。
ポルトガルにおける新型コロナウイルス感染症対応への支援 ：リスボンの地方自治体に対する30
百万ユーロの公共部門融資ファシリティ(PFF)は、新型コロナウイルス感染症の感染リスクにさ
らされている者に対して医療サービスを提供し、またパンデミック関連の規制に影響を受けた
MSMEを支援するための取り組みを支援する。また、パンデミックの影響を軽減するための措置に
係る支出への共同融資も行う。これには、テスト、ワクチン接種、個人用防護具、消毒用の製
品、医療系廃棄物の処理及び新型コロナウイルス感染症への対応を行う病院への支援などの商品
及びサービスの獲得並びに適格なMSME、文化施設及び社会的企業を支援するための助成金が含ま
れる。最終受益者は、リスボンの地方自治体の住民506,000名であり、特に新型コロナウイルス
感染症の感染リスクにさらされている者並びにパンデミック及びパンデミックに関連する規制か
ら影響を受ける経済及び文化セグメントに属する適格なMSME及び社会的企業である。
(c) 医療
新型コロナウイルス感染症ファストトラック・ローンに加えて、CEBは、効率的かつ効果的な医
療への投資への支援を目的として、貸付を承認した。効果的、包括的かつ弾力性のある医療シス
テムは、欧州全体の社会的統合に寄与する主要な要素である。また、欧州社会憲章において法制
化されている健康の保護に係る権利を保障し、SDG３「全ての人に健康と福祉を」の達成に貢献す
る。2021年、当行は、SDG３を支援する16件のプロジェクトを承認した。
プロジェクト例
スペインのガリシア州における医療サービスの改善 ：ガリシア州政府に対する85百万ユーロの貸
付は、地域当局によるフェロル及びポンテベドラの既存の病院の増築及び改装を通じた保険サー
ビスの強化のための取り組みを支援するものである。当該貸付は、全ての者に質の高い医療を提
供することで、健康的な生活及び福祉の確保に寄与する。さらに転じて、不平等の拡大及び必要
な資源と実際に割り当てられる資源との差の是正に寄与する。同様に、健康寿命の長期化及び医
療システムの強化もまた、現役である期間がより長く、より生産性が高い労働人口の形成に寄与
する。当該プロジェクトの直接的な受益者は、500,000名超のフェロル及びポンテベドラの住民
である。
ポルトガルのマデイラにおける新しい病院の建設 ：マデイラ自治地域に対する158.7百万ユーロ
は、565の病床数を有するマデイラ中央病院の新規建設及び設置への共同融資に用いられる。当
該貸付は、マデイラ諸島の住民及び観光客に対して、質及びアクセスが改善された公共医療サー
ビスを提供する。さらに、新たな病院は、エネルギー全体の38％を再生可能資源に依拠してお
り、大幅なエネルギー削減を達成できるよう設計されている。当該プロジェクトの追加的な経済
的恩恵は、マデイラ島へ搬送される患者数の削減による大幅な節約並びにマデイラのスタッフの
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就労環境及び創設予定の医学部の就学環境の改善である。直接的な受益者は、255,000名のマデ
イラの住民及びマデイラ諸島を訪れることが予想される年間約1.5百万名の観光客である。
(d) 教育
65 年超にわたる当行の歴史において、貸付全体の大部分を教育部門が占めている。物理的な建
設に対する融資が多いものの、CEBの最終的な目標は、経済成長及び社会的統合の促進のために教
育成果を支援することにある。教育の機会は、不平等の軽減及び持続可能な発展の実現に大きな
影響を与えることから、CEBは、幼稚園から小学校、中等学校及び大学など、教育システムにおけ
る異なるレベルのプロジェクトを支援している。2021年、当行は、SDG４「質の高い教育をみんな
に」を支援する13件のプロジェクトを承認した。
プロジェクト例
フランスにおける国公立の中等学校の近代化 ：ジロンド県に対する100百万ユーロの貸付は、
2021年から2027年までの期間における国公立の前期中等学校(コレージュ)８校及び関連設備の建
設、改築、メンテナンス及び改修への部分融資に充てられる。当該貸付により入学可能人数が増
加することで、社会経済状況の大幅な地域差が解消される。これは、ジロンド県内の若年層の将
来の就学や労働市場における需要への準備に多大な影響を及ぼす。また、当該プロジェクトは、
新たに建設、改築された校舎のエネルギー効率の向上を目的としている。直接的な受益者は、改
善された環境で学び、暮らし、働くこととなる現在及び将来の学生であり、また教員、事務ス
タッフ及び支援スタッフである。
フィンランドにおける教育を通じた統合支援 ：エスポー市に対する80百万ユーロの貸付により、
エスポー市の教育部門において進行中の投資プログラム、つまり新規施設の建設及び既存の施設
の修復、リノベーション又は増築へ部分融資される。当該貸付は、教育を通じて外国から来た住
民の統合を支援するものである。これは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより欧州
全域で顕著となった社会的不平等及び不均衡を緩和することを目的とした、エスポー市による教
育機関への継続した投資に貢献するものである。最終受益者は、その大多数が外国語を主要言語
とするエスポー市の学生及び幼稚園に通う子供である。また、同市の人口の大半が、プールなど
の新規に建設された施設又はリノベーションされた施設の受益者となることが予想される。
アイルランドにおける手頃な価格の学生用アパート建設 ：住宅金融庁(Housing Finance Agency
PLC)に対する75百万ユーロの貸付は、手頃な価格の公共学生用アパートの新規建設に融資され、
当該学生用アパートは、アイルランドにおける学生数の着実な増加を要因としてこれまでにない
需要の高まりを見せている。学生用アパートの不足により、アイルランドの主要都市の大学周辺
の賃貸住宅市場には制約がかかっていた。そのため、当該貸付は、学生か否かを問わず、全体的
な賃貸住宅不足の解消へ大きく貢献し、賃貸料の高騰を緩和することが期待される。当該貸付
は、特に障がいを持つ生徒などの、高等教育を受けることができなかったであろう社会的弱者集
団を優先する。また、ジェンダーバランスを促進する。当該貸付の第１の受益者は関連する学生
であり、第２の受益者は大学近郊の賃貸市場に関係する幅広い層である。
(e) 低所得者への住居の提供
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低所得者及び社会的弱者集団への住居の提供に対する融資は、1956年に当行が設立されて以
来、CEBの特徴的な使命であった。住居へのアクセスは、都市部の人口増加、住宅価格の高騰及び
社会的不平等を助長する都市部の変容などの多様な要因により、多くのCEB加盟国が継続して抱え
る 重要な社会問題である。2021年、当行はSDG11「住み続けられるまちづくりを」に基づき、住居
プロジェクトへの支援に継続して力を入れた。
プロジェクト例
スロベニアにおける手頃な価格の住宅の増加 ：スロベニア共和国住宅基金への70百万ユーロの貸
付は、スロベニア国内の７つの地域における900の新規住宅ユニットの建設へ部分融資される。
これは、市場価格では住居を確保することができない低中所得世帯の、賃貸住宅へのアクセスの
地域的な格差の軽減に貢献するものである。また、手頃な価格の賃貸公共住宅の数及び質の向上
をその目的とする2015年から2025年のスロベニア公共住宅計画を支援する。当該プロジェクトの
直接的な受益者は、若年層、家族、高齢者及び特定の社会的弱者集団を含む低所得者及び中所得
者である。当該貸付は、スロベニア共和国住宅基金に対してCEBが以前行った50百万ユーロの貸
付に基づくものであり、以前の貸付により、リュブリャナ及びマリボルの高齢者及び若者向けの
約700の住宅ユニットの建設が可能となった。
ドイツにおける包括的な公共住宅への支援 ：ドイツの主要な地方の住宅企業の１つであるライプ
ツィヒ住宅建設企業mbH(Leipziger Wohnungs-und Baugesellschaft mbH)(LWB)への100百万ユー
ロの貸付は、恵まれない人々及び低所得層向けの新たな住宅ユニットの建設及び既存の住宅ユ
ニットのリノベーションに融資される。ドイツ国内の急成長中の都市の１つであるライプツィヒ
は、過去の公共住宅への過少投資も相まって、住宅不足に直面している。これを背景に、当該貸
付は、バランスのとれた住宅政策の促進及び社会的多様性の確保を目的としている。直接的な受
益者は、若年世帯、一人親、高齢者、学生、移民及び難民を含む低所得世帯である。
(f) 生活環境の改善
全ての人が質の高い手頃な価格の必要不可欠なサービスを平等に利用できるよう、主要な社会
インフラストラクチャーの格差を是正することは、引き続き欧州内の社会的統合及び統合を促進
する最も効果的な方法の１つである。これは、たとえば十分なサービスを受けていない地方や遠
隔地など、生活環境の顕著な地域差に苦しむ社会において特に当てはまる。そのため、CEBは、
個々の事例に寄り添い地域レベルの課題を特定するため、地方当局への支援に特に力を入れてい
る。
プロジェクト例
アンドラにおけるデジタル変革を通じた公共サービスの改善 ：アンドラ政府に対する８百万ユー
ロの公共部門融資ファシリティ(PFF)により、行政の近代化及びデジタル化に対する部分融資が
される。これにより、行政は、欧州連合と同等の質の高いデジタルサービス(すなわち電子政
府、電子株取引、Eツーリズム、Eヘルス、Eモビリティ、電子教育、電子市民及びE司法)を市民
へ提供することができる。また、経済活性化及び新型コロナウイルス感染症のパンデミックによ
る不利な影響を乗り越えるための政府戦略「デジタル変革プログラム」を支援する。当該プロ
ジェクトの直接的な受益者は、70,500名のアンドラ国民である。
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モンテネグロにおける地域インフラストラクチャーの開発への支援 ：モンテネグロ投資開発基金
(Investment and Development Fund of Montenegro)への30百万ユーロの貸付は、地域インフラ
ス トラクチャーの開発のための地方自治体及び地方の企業への貸付業務を支援する。目的は、主
に国の北部に位置する十分なサービスを受けていない地方自治体に焦点を当てた優先的な地域イ
ンフラストラクチャー投資への融資を通じた、モンテネグロ国内の生活環境の改善及び地域格差
の軽減にある。当該貸付は、地域の経済格差及び生活環境の不均衡を是正するための政府の取り
組みの実施に貢献するものである。また、当該貸付は、経済回復が遅れている地方自治体へ、パ
ンデミックによる地域収益の減少を解消するためのインフラストラクチャー及びサービスの改善
に向けた金融資源を提供することで、新型コロナウイルス感染症のパンデミックからの経済回復
を支援する。
(g) 文化遺産
重大な教育的、文化的、歴史的及び地域的影響を有することから、遺産の保存及び文化の促進
は、CEBによる介入が行われる分野である。歴史的遺産は、コミュニティ内での福祉の促進、アイ
デンティティーの形成及び維持、また社会の中で周縁化されていたであろう異なる集団の社会的
包摂において重要な役割を担うことがある。
プロジェクト例
ルーマニアの文化遺産の保護 ：ルーマニア政府に対する216百万ユーロの貸付は、６件の歴史的
建物及び２件の文化的公共建物の改装、完成及び/又は建設を支援する。これにより、物理的な
状態の改善、その建築上の、また歴史的な価値の保存、文化活動のさらなる発展の促進を支援す
ることができる。当該 プロジェクトの直接的な受益者は、当該８つの文化的建物の観光客、見学
者、閲覧者、研修生及び学習者で、建物の改装並びに展覧会、教育プログラム、研修、コンサー
ト、お祭り及び催し物などのより幅広い文化イベントの恩恵を受ける者である。 当該 プロジェク
トは、幅広い文化的コミュニティ及びルーマニア市民に総合的な利益をもたらすと同時に、改装
及び建設事業に係る直接雇用及び間接雇用を創出する。
ⅲ 社会的弱者集団の支援
CEB は、融資している全てのプロジェクトにおいて社会的弱者の様々な側面に対処しているが、社会
的弱者集団への支援は、CEBの従来からの優先事項の１つであり、したがって、独立した行動方針でも
ある。当行は、当初は第二次世界大戦後の難民及び国内避難民の再定住化プロジェクトへの融資を支
援するための「再定住化基金」として設立され、その65年にわたる長い歴史の中で、多くの社会的変
化や危機に対応するために加盟国を支援してきた。
2015 年の移民危機を受けて、また新型コロナウイルス感染症の世界的流行に対応して、欧州全域の
不利な状況にある人々の社会的排除を防止することがCEBの重要な課題となっている。この２つの危機
は、欧州において従来から不利な状況にある集団、及び避難により生活環境が突然悪化した人々に対
する圧力の高まりを露呈した。CEBは引き続き、社会インフラ投資における10年来の経験、ノウハウ及
び金融商品を活用して、社会的弱者集団に社会統合及びレジリエンスを達成するための道筋を提供し
ていく。
プロジェクト例
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フランスの移民、亡命希望者、ホームレス及びその他社会的弱者集団に提供する公営住宅 ：フラ
ンスにおいて支援住宅を提供し、亡命希望者の受入れセンターを運営している主要機関であるア
ドマ(ADOMA)への100百万ユーロの貸付は、経済的・統合的な困難に陥っており通常の住宅ストッ
ク の中で住居を見つけることができない人々の住居へのアクセス及び条件を改善する。この貸付
は、アドマの住宅ストックの管理、改善及び更新を支援するもので、それには安全性の向上及び
既存の住宅ユニットのエネルギー効率向上のための改修が含まれる。また、この貸付は、新型コ
ロナウイルス感染症危機からの持続的かつ包括的な回復の達成に向けたフランス政府の「フラン
ス再興」計画、並びに欧州委員会の2021年から2027年までの「統合及びインクルージョンに関す
る行動計画」と整合している。その最終受益者は主に、移民労働者並びに不安定な状況にある家
族、孤立者、亡命希望者、ホームレス及び非常事態に遭遇した者などの社会的弱者集団である。
ルーマニアにおけるロマ族学生の教育支援 ：「ルーマニアのロマ族教育基金」への１百万ユーロ
の追加貸付は、両親が国外で働いているロマ族の子供たち及び彼らの世話をする者並びに義務教
育を修了していない又は参加できなかったロマ族の若者たちに教育サービス及び心理的支援を提
供するための既存の２百万ユーロ相当の貸付を補完するものである。これにより、欧州連合から
資金提供を受けている３つの新規のロマ族教育プロジェクトが実施され、2021年から2024年の間
に1,220人超の個人がその恩恵を享受する。当該プロジェクトは、ロマ族の教育へのアクセスを
改善し、国内の社会的統合を促進し、学校への参加、学業成績及び社会経済環境に関してロマ族
の子どもと非ロマ族の子どもの間の格差を縮小することを目的としている。
ルクセンブルグにおけるロマ族の起業活動の促進 ：ロマ族に特化した初のマイクロファイナンス
投資手段であるロマ族の起業活動開発イニシアチブ(REDI SA)への３百万ユーロの貸付は、ブル
ガリア、北マケドニア、ルーマニア及びセルビアのロマ・コミュニティ出身の起業家の資金調達
を改善することを目的としている。当該資金は、2022年から2024年にかけて４ヶ国のマイクロレ
ンダーに提供される。マイクロレンダーは、固定資産、生産設備及び運転資金の対象となる直接
費用を提供するために、その資金をロマ企業に貸し出す。この貸付は、ロマ・コミュニティ内外
での経済活動を促進し、雇用及び雇用機会の創出を支援し、自立を促し、ロマ族と通常の市場
ネットワークの商業的なつながりを促進することを目的としている。この貸付により、金融面で
の排除及び社会的排除、貧困並びに労働市場への参入障壁等、ロマ族が直面している根強い問題
に対処することが期待されている。
ⅳ 環境の持続可能性
社会的使命を有する唯一の多国間開発銀行として、CEBは、社会的包摂と気候変動対策の関係を認識
する社会的視点を通して気候関連の問題に取り組んでいる。CEBは、気候変動の緩和及び気候変動への
適応を支援するプロジェクトに融資し、気候変動に関する懸念事項をCEBの全てのプロジェクト提案へ
統合することを、全てのプロジェクトの気候関連の物理的リスクをスクリーニングし、かつそれらの
温室効果ガス排出及び温室効果ガス排出削減を報告することで、強化しようとしている。
2021 年度において、CEBの気候変動緩和・適応向融資は、合計525百万ユーロとなり、承認された融
資額全体の13％を占めた。
この行動方針に基づき承認されたCEBのプロジェクトには、以下が含まれる。
・上下水道インフラの建設及び改修
・エネルギー効率の向上
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・二酸化炭素排出量の削減
プロジェクト例
オランダにおけるエネルギー効率の向上 ：オランダ国立暖房基金(Dutch National Heating
Fund)(NWF)への200百万ユーロの貸付は、オランダの個人の住宅所有者及び学校を対象としたエ
ネルギー効率化対策に充当される。対象となる受益者は、住宅所有者、住宅所有者協会及び学校
である。この貸付は、CEBが2019年度にNWFに供与した150百万ユーロの初回貸付額を増額するも
のである。これにより、国内のより多くの家庭及び学校が、低金利で有利な貸付条件で借り入れ
し易くなり、エネルギー消費量及び関連支出の削減につながる。また、この貸付は、オランダの
野心的な気候政策の実現にも寄与する。
フィンランドにおける安全で信頼できる水の確保 ：ヘルシンキ地域環境サービス局(Helsinki
Region Environmental Services Authority)(HSY)への100百万ユーロの貸付は、急速に増加して
いるヘルシンキ首都圏(ヘルシンキ市、エスポー市、ヴァンター市及びカウニアイネン市)の人口
に対し、安全で信頼できる水の供給及び関連サービスの提供を確保するものである。対象となる
受益者は、当該地域に居住する1.2百万人で、特に新規開発地区及び遠隔地の世帯である。当該
貸付により、HSYは、新規開発を支援するためにその事業エリアを拡大し、全４都市で上下水道
網を拡張・再構築し、水損失の削減並びにシステム効率及び容量の改善により上下水道網を改修
することができる。このプロジェクトは、CEBが一部融資しているヘルシンキ首都圏ですでに進
行中の地方自治体のインフラ整備を補完するものである。
リトアニアにおける上下水道インフラの強化 ：カウナス水道会社(Kaunas Water Company)に対す
る投資資金に一部充当するための28.8百万ユーロの貸付により、カウナス市の上下水道インフラ
及び雨水システムが改善される。当該プロジェクトは、CEBがカウナス市で行っている事業を基
礎とし、カウナス市の自治体とのパートナーシップを強化するものである。当該貸付は、地表水
域及び地下水域への悪影響を軽減することで、環境問題に取り組むカウナス水道会社を直接支援
する。また、良質な水の供給を改善し、カウナス市の約320,000人の住民の健康及び生活の質を
確保する。
ボスニア・ヘルツェゴビナにおけるおエネルギー効率の向上及び二酸化炭素排出量の削減 ：パー
トナー・マイクロクレジット・ファンデーション(Partner Microcredit Foundation)への４百万
ユーロの貸付は、エネルギー効率化のサブ・プロジェクトを対象に、民間世帯及び零細企業に資
金を提供するものである。当該貸付は、エネルギー消費量及び二酸化炭素排出量の削減を支援す
ることにより、特に銀行借入の申請ができない低所得世帯の生活費削減及び生活・労働環境の改
善に寄与する。当該貸付は、建物の断熱、窓及びドアの交換、並びにより効率的な暖房システム
の導入といったエネルギー効率化のサブ・プロジェクトの対象となる費用に充当するために使用
される。最終受益者は、低所得者であり、これには民間世帯及び零細企業が含まれる。
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承認された事業(国ごと)
( 単位：千ユーロ)
2017 年から2021年の
2021 年 2020年 累積合計
国 金額 ％ 金額 ％ 金額 ％
アルバニア 75,000 1.80 75,000 0.34
アンドラ 8,000 0.19 12,000 0.20 20,000 0.09
ベルギー 300,000 7.22 885,000 4.03
ボスニア・ヘルツェゴビナ 4,000 0.10 34,635 0.16
ブルガリア 20,000 0.09
クロアチア 200,000 4.81 200,000 3.32 750,000 3.41
キプロス 65,500 1.57 105,500 0.48
チェコ共和国 50,000 1.20 300,000 4.98 1,135,000 5.17
エストニア 20,000 0.48 200,000 3.32 245,000 1.12
フィンランド 240,000 5.77 120,300 2.00 630,300 2.87
フランス 541,000 13.01 350,000 5.81 1,409,200 6.41
ジョージア 30,000 0.14
ドイツ 240,000 5.78 322,000 5.35 1,523,200 6.93
ギリシャ 2,000 0.05 200,000 3.32 272,000 1.24
ハンガリー 152,000 3.66 375,000 6.22 694,000 3.16
アイスランド 20,000 0.48 30,000 0.14
アイルランド 75,000 1.80 33,700 0.56 343,700 1.57
イタリア 253,600 6.10 705,000 11.70 2,175,600 9.90
コソボ 25,000 0.60 37,000 0.61 62,000 0.28
ラトビア 15,000 0.36 150,000 2.49 192,000 0.87
リトアニア 32,800 0.79 449,000 7.45 656,800 2.99
ルクセンブルク 3,000 0.07 3,000 0.01
マルタ 29,000 0.13
モルドバ共和国 70,000 1.16 102,000 0.46
モンテネグロ 30,000 0.72 40,000 0.66 130,000 0.59
オランダ 200,000 4.81 1,276,600 5.81
北マケドニア 16,000 0.38 16,000 0.07
ポーランド 365,556 8.80 150,000 2.49 1,972,316 8.98
ポルトガル 188,700 4.54 413,700 1.88
ルーマニア 240,300 5.78 62,000 1.03 681,300 3.10
サンマリノ 10,000 0.17 10,000 0.05
セルビア 115,000 2.77 302,000 5.01 991,000 4.51
スロバキア共和国 130,000 3.13 690,000 11.45 1,032,000 4.70
スロベニア 120,000 2.89 220,000 1.00
スペイン 429,000 10.32 797,000 13.23 2,704,000 12.31
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スウェーデン 100,000 1.66 500,000 2.28
トルコ 350,000 5.81 600,000 2.73
合計 4,156,456 100.00 6,025,000 100.00 21,969,851 100.00
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支出済融資(国ごと)
( 単位：千ユーロ)
2017 年から2021年の
2021 年 2020 年 累積合計
国
金額 ％ 金額 ％ 金額 ％
4,000 0.09 40,000 0.24
アルバニア
3,600 0.09 8,400 0.19 12,000 0.07
アンドラ
170,000 4.23 60,000 1.35 515,000 3.14
ベルギー
18,894 0.47 23,728 0.53 79,283 0.48
ボスニア・ヘルツェゴビナ
100,000 2.24 325,000 1.98
ブルガリア
233,506 5.80 151,308 3.40 509,530 3.11
クロアチア
7,049 0.18 22,000 0.49 78,049 0.48
キプロス
155,000 3.85 315,000 7.07 955,000 5.82
チェコ共和国
150,000 3.73 150,000 0.91
エストニア
105,300 2.62 78,000 1.75 508,300 3.10
フィンランド
337,792 8.40 195,215 4.38 901,214 5.50
フランス
3,250 0.08 14,291 0.32 23,442 0.14
ジョージア
249,200 6.19 381,400 8.56 1,222,792 7.46
ドイツ
61,000 1.52 157,500 3.54 218,500 1.33
ギリシャ
198,000 4.92 292,915 6.58 680,264 4.15
ハンガリー
10,000 0.06
アイスランド
50,000 1.24 50,000 1.12 285,000 1.74
アイルランド
517,826 12.87 330,540 7.42 1,395,144 8.51
イタリア
17,216 0.43 17,784 0.40 35,000 0.21
コソボ
5,400 0.13 9,000 0.20 18,000 0.11
ラトビア
252,920 6.29 241,814 5.43 570,720 3.48
リトアニア
8,700 0.22 8,700 0.05
マルタ
42,127 1.05 17,473 0.39 75,092 0.46
モルドバ共和国
36,872 0.92 22,362 0.50 91,642 0.56
モンテネグロ
165,083 4.10 199,942 4.49 1,106,600 6.75
オランダ
8,716 0.22 10,610 0.24 65,580 0.40
北マケドニア
205,143 5.10 288,556 6.48 1,726,603 10.53
ポーランド
25,200 0.63 54,300 1.22 169,500 1.03
ポルトガル
42,250 1.05 137,582 3.09 292,238 1.78
ルーマニア
3,000 0.07 7,000 0.16 10,000 0.06
サンマリノ
255,000 6.34 24,550 0.55 481,750 2.94
セルビア
60,500 1.50 485,863 10.91 872,826 5.32
スロバキア共和国
35,000 0.87 40,000 0.90 140,000 0.85
スロベニア
271,464 6.75 565,340 12.69 1,598,256 9.75
スペイン
198,103 4.92 48,221 1.08 469,601 2.86
スウェーデン
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130,000 3.23 100,000 2.24 759,289 4.63
トルコ
合計 4,023,111 100.00 4,454,694 100.00 16,399,916 100.00
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承認された事業(相手方別)
( 単位：千ユーロ)
国 相手方 プロジェクトの概要 CEB の貸付額 プロジェ
クトの総
額
アルバニア 政府 新型コロナウイルス感染症の患者に対する医療サービス、消耗品、ワクチン及び備品の 60,000 66,000
提供を通じた新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響の緩和措置を講じるアル
＊
バニア政府への支援。
最終受益者：新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる直接的な影響を受けたア
ルバニア国内居住者で、特に年齢が65歳超である者及び慢性疾患を持つ者を含むウイル
ス感染リスクの高い者。
プロクレジット・バンク・アルバ 中小企業向けの金融資源へのアクセスの促進を通じた、アルバニア国内の雇用の創出及 15,000 30,000
ニア び維持のための支援。
最終受益者：国内全域の既存の従業員及び失業者。
アンドラ 政府 行政の近代化及びデジタル化に係る費用への部分融資並びに国のサイバーセキュリ 8,000 20,600
＊
ティー機関創設に関連する投資。
最終受益者：国内居住者。
ベルギー ベルギーのフランス語共同体 学校、若年層向け、スポーツ用及び行政インフラストラクチャーの近代化のための投資 300,000 975,000
＊
(Communauté Française de 支援プロジェクトの延長。
Belgique)
最終受益者：既存の又は将来設立される教育機関の生徒、学生及びスタッフで、新設の
施設及び改築された施設や追加で建設された施設を利用する移民及び難民の子供を含
む。
ボスニア・ヘル パートナー・マイクロクレジッ ボスニア・ヘルツェゴビナ国内のエネルギー需要の高まりに特化した投資サブ・プロ 4,000 8,000
ツェゴビナ ト・ファンデーション ジェクトに参加する一般家庭及び零細企業向けのマイクロ・ローン商品の提供。
最終受益者：一般家庭及び零細企業を含む国内の低所得者。
クロアチア クロアチア復興開発銀行(Hrvatska 雇用の創出及び維持への貢献、社会インフラストラクチャーの開発及び改修への支援並 200,000 365,000
びにクロアチアの地震からの復興及び再建の取組みへの支援。
Banka za Obnovu i Razvitak)
最終受益者：MSMEの従業員及び失業中の求職者、国内全域の町、自治体及び地域の住民
(HBOR)
並びに地震による影響を受けた地域の住民。
キプロス 政府 地震のリスクに対する校舎の安全性の強化、学校の収容能力の向上及びエネルギー効率 65,500 131,000
＊
の改善に着目した、政府の教育分野における最優先課題への支援。
最終受益者：国内全域の幼稚園、小学校、普通科及び専門科の中等学校の生徒並びに教
師及び教育スタッフ。
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チェコ共和国 チェコ・モラヴィア保証開発銀行 都市部及び地方の公共インフラストラクチャーの活性化及び近代化のための投資への共 50,000 100,000
(Czech‐Moravian Guarantee and 同融資、環境保護の分野で事業を展開する国営企業又は民間企業に対するつなぎ融資又
は中長期の融資を通じた生活環境の改善。
Development Bank)(CMZRB)
最終受益者：国内全域の公的サービス及びインフラストラクチャーの利用者。
エストニア タルトゥ市 施設の新規建設並びに既存の施設の改築、リノベーション及び増築を目的とした、タル 20,000 119,000
＊
トゥ市による４ヶ年の予算戦略への支援。
最終受益者：タルトゥ市及び周辺自治体の住民で、特に幼稚園及び学校に通う子供、困
窮世帯及び高齢者。
フィンランド エスポー市 2020 年から2022年の期間における教育投資を支援し、市による着実な人口増加及び多様 80,000 550,000
性の拡大に対応したインフラストラクチャーの使用及び地区の発展の継続を可能とする
＊
ための、2016年に承認されたプロジェクトの延長。
最終 受益者：エスポー市の住民で、特に保育所に通う 子供及び学生並びに公的な教育イ
ンフラストラクチャーのスタッフ並びに 若年世帯及び文化イベントに参加しスペシャ
ル・インタレスト・クラブに加入している市の住民。
タンペレ市 新たな施設の建設及び既存の施設の 修復、リノベーション又は増築を含む地域住民向 60,000 434,000
サービスの向上に焦点を当てた市の戦略及び投資計画 への支援のための2016年に承認さ
＊
れたプロジェクトの延長。
最終 受益者： 幼稚園及び学校に通う子供、医療機関の患者及びスタッフ、 若年世帯、高
齢者及びスポーツ活動をする者などの幅広い地域住民。
ヘルシンキ地域環境サービス局 HSY の10 ヶ 年投資計画に基づくヘルシンキ首都圏の上下水道網の開発及び近代化を目的と 100,000 300,000
＊
したHSYへの支援。
(HSY)
最終 受益者：当該地域の約1.2百万名の住民並びに過疎地から新たに転入した住民及び居
住者。
フランス アドマ 2012 年から2028年までのアドマの戦略資産計画に基づく住宅資産の管理、改修及びリノ 100,000 400,000
ベーションのための投資への融資の継続を目的とした、2015年に承認されたプロジェク
トの延長。計画的な介入は、優先度が高く耐性の低い受益者に対して高基準の受入条件
を提供することを目的としている。
最終受益者：主に移民労働者並びに不適切な状況にある世帯、孤立した人々、亡命の申
請者、ホームレス及び緊急事態下にある人々などの社会的弱者集団。
フランス預金供託公庫 CDC の「特定住居」セグメントに含まれる住居及び受入施設の建設及びリノベーションへ 150,0 00 600,000
の投資に係る財政的持続可能性を確保することを目的とした、2016年に承認されたプロ
ジェクトの延長。かかる施設には、特に医療・社会関連施設、若年層向住居、支援型
ホーム及び旅行者のための受入スペースが含まれる。
最終受益者：16歳から30歳までの若年層、高齢者、障がい者、学生及び旅行者。
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フランス預金供託公庫 CDC の「特定住居」セグメントに含まれる住居及び受入施設の建設及びリノベーションへ 150,000 900,000
の投資の継続を目的とした、2016年に承認されたプロジェクトのさらなる延長。かかる
事業は、フランス当局の復興計画(フランス再興)の一部である。
最終受益者：CDCの「特定住居」セグメントの対象となっている社会的弱者。
ジロンド県 中等学校の生徒及び教育コミュニティにとってより良い学習、生活及び雇用環境を整え 100,000 647,000
るための、ジロンド県内の国公立の前期中等学校(コレージュ)の建設、改築、メンテナ
＊
ンス及び改修。
最終受益者：現在の又は将来の生徒、県内の清掃/管理及び配膳を担うスタッフ並びにジ
ロンド県内の国公立の前期中等学校の教員及び事務スタッフ。
SCIオベール(SCI AUBER) 生徒並びに研究者、教員、事務スタッフ、サービス提供者及び学外の一般の人々を含む 20,000 35,000
その他のキャンパス利用者からの現在又は将来の需要に適合する施設を提供することを
目的とした、1898年に設立された大学院工学研究科のリールの歴史的ICAMキャンパスの
修復。
最終受益者：生徒、研究者並びに約120名の教員及び事務スタッフ並びに一般の人々。
リール・パスツールSCIキャンパス リール・パスツール研究所(IPL)のリサーチ・キャンパスの完全な復旧及び近代化を目的 21,000 38,400
(SCI Campus Pasteur Lille) としたプロジェクトの継続(第２段階)。第２段階では、2019年に承認されたプロジェク
ト(第１段階)の一環として復旧された既存の校舎の補完を目的とした、２棟の新たなビ
ルの建設が行われる。
最終受益者：IPLの研究チーム、長寿健康予防センターの患者並びに保険、研究革新及び
医薬品の分野における共同経営企業又は新興企業の従業員。
ドイツ ブランデンブルク州投資銀行 ブランデンブルク連邦州の新型コロナウイルス感染症ワクチン接種キャンペーンの費用 140,000 610,000
(Investitionsbank des Landes への部分融資を目的とした、2019年に承認されたプロジェクトの延長。
最終受益者：ブランデンブルク州の住民で、特に難民シェルター又はホームレスシェル
Brandenburg)
ターに居住する者、80歳超の者並びに医療スタッフ及び看護スタッフなどの優先度の高
い弱い立場にある者。
ライプツィヒ住宅建設企業mbH 約875棟の追加の賃貸住宅の建設及び改装への適格投資の部分融資を行うための、2019年 100,000 458,000
に承認されたプロジェクトの延長。
(LWB)
最終受益者： 若年世帯、 一人親世帯、障がい者、高齢者、ホームレス、移民及び難民を
含む低所得世帯。
ギリシャ カルディツァ協同組合銀行 自営業者への支援、雇用の創出及び維持への支援並びに地方のコミュニティにおける社 2,000 4,000
会的統合の強化。プロジェクトの目的は、MSMEによる事業活動及び運転資本の強化を目
的としたMSME向けの与信を促進することにある。
最終受益者：MSMEの既存の従業員並びにテッサリア並びにイピロス及び中央ギリシャの
隣接領域内の失業者。
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ハンガリー 政府 新型コロナウイルス感染症の患者及び防衛の最前線に立つ医療従事者への政府による医 152,000 654,000
＊
療支援を引き続き支援するための、2020年に承認されたプロジェクトの延長。
最終受益者：国の住民、特に新型コロナウイルス感染症の患者かつ治療を要する者。
アイスランド アイスランド地方自治体融資機関 公的インフラストラクチャーの改装及び近代化並びに環境保護を通じた都市部及び地方 20,000 40,000
の生活環境の改善。
最終受益者：アイスランドの地方自治体。
アイルランド 住宅金融庁 学生用アパート(PBSA)の供給の増加及び伝統賃貸部門への依存の低下。 75,000 400,000
最終受益者：就学中の(一人)親及び障がいを持つ学生などの社会的弱者集団を含む国内
外の学生。
イタリア 預託貸付公庫 MSME の耐性及び雇用の維持に寄与する有形固定資産への投資を目的とした金融資源への 150,000 300,000
アクセスの支援。
最終受益者：国内全域の適格なMSMEの従業員。
イレンSpA(IREN SpA) 空気汚染の緩和を最終目標とする、トリノ都市圏内の2021年から2025年までのイレンSpA 80,000 198,000
＊
による地域熱供給への投資計画の実施。
最終受益者：トリノ市及び周辺都市圏の住民。
スポーツ信用銀行(Istituto per 新型コロナウイルス感染症を背景としたアマチュアスポーツに関わる非営利団体への支 20,000 470,000
援をプロジェクトの目的に追加するための、2018年に承認されたプロジェクトの延長。
il Credito Sportivo)
最終受益者：イタリア全土の自治体の住民並びにアマチュアスポーツの非営利組合及び
クラブのメンバー。
ペルミクロSPA(Permicro SPA) 従来の金融システムに利用が制限されているか、利用できない人々の、男女格差の軽減 3,600 7,200
に焦点を当てた金融包括及び社会的包括の促進。
最終受益者：特に女性及び若年の起業家、低所得世帯並びに社会的弱者集団及び移民の
背景を持つ者。
コソボ 政府 新型コロナウイルス感染症の患者への医療支援の提供を継続するコソボ当局を支援する 25,000 104,500
＊
ための、2020年に承認されたプロジェクトの延長。
最終受益者：国民、特に新型コロナウイルス感染症の感染者及び新型コロナウイルス感
染症に曝露されている医療スタッフ。
ラトビア ラトビア大学(UL) 大学キャンパス内の校舎２棟(保健衛生学部及びスポーツ学部)の追加建設支援及びエネ 15,000 38,300
ルギー効率の改善を目的とした投資。
最終受益者：ULの15,000名超の学生及び3,000名の従業員並びにリガのその他の地区から
日々訪れる観光客。
リトアニア カウナス水道会社 水の供給事情及び水質改善並びに地表水及び地下水システムへのマイナスの影響の軽 28,800 65,500
＊
減。
最終受益者：カウナス市及び地区内の約340,000名の住民。
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リトアニア中央信用協同組合 零細企業向けの金融資源の利用促進を通じた、雇用の創出及び維持の支援。 4,000 8,000
最終受益者：国内全域の既存の従業員及び失業者で、特に地方の零細企業及び小自作
農。
ルクセンブルク REDI 経済開発SA(REDI Economic ロマ族コミュニティ内外での経済活動の促進、雇用及び雇用機会の創出の支援、自立の 3,000 4,000
確立並びにロマ族及び通常の市場ネットワーク間の商業的なつながりの促進を目的とし
Development SA)
た、融資へのアクセスの改善。
最終受益者：ロマ族の起業家、ロマ族コミュニティ内で活動するロマ族以外の起業家、
ロマ族保有のMSME並びにブルガリア、ルーマニア、セルビア及び北マケドニア国内のロ
マ族従業員を有するMSME。
モンテネグロ モンテネグロ投資開発基金 貧しい地方自治体への優先的な地域インフラストラクチャー投資を支援することによる 30,000 40,000
生活環境の改善及び地域格差の軽減。
最終受益者：国内の住民で、特に十分なサービスを受けていない地方自治体の居住者。
オランダ オランダ国立暖房基金(NWF) NWF のエネルギー節約プログラムの第３段階への融資を通じた同プログラムへの支援及び 3,000 4,000
オランダ国内のエネルギー移行プログラムの継続を目的としたプロジェクトの延長。
最終受益者：国内全域の住宅所有者及び住宅保有者組合並びに生徒及び教師。
北マケドニア マイクロクレジット・ファンデー 零細企業向けの金融資源の利用を促進することによる雇用の創出及び維持の支援。 1,000 2,000
ション・ホリゾンティ 最終受益者：ロマ族及び女性の起業家を含む国内全域の既存の従業員及び失業者。
(Microcredit Foundation
Horizonti)
プロクレジット・バンク・スコピ 中小企業向けの金融資源の利用を促進することによる雇用の創出及び維持の支援。 15,000 30,000
エ(Procredit Bank Skopje) 最終受益者：国内全域の既存のMSMEの従業員及び失業者。
ポーランド ワルシャワ経済大学(WSE) 国立大学のインフラストラクチャーへの設備投資を通じた、国公立大学の教育及び経済 15,556 24,889
研究の質の向上及びアクセスの増加。
最終受益者：恵まれない環境にいる生徒や障がいを持つ生徒を含む、WSEの生徒並びに教
員及び事務スタッフ。
PKO リーシングS.A.(PKO Leasing 零細企業及び中小企業向けの金融資源の利用促進を通じた、正規雇用及び季節雇用の創 200,000 400,000
出及び既存の雇用の維持への支援。
S.A.)(PKOL)
最終受益者：女性起業家及び女性が運営する企業を含む国内全域の既存のMSMEの従業員
及び失業者。
サンタンデール・リーシングS.A. 零細企業及び中小企業向けの金融資源の利用促進を通じた雇用の創出及び維持への支 150,000 300,000
援、パンデミックにおける雇用の維持及び新型コロナウイルス感染症後の回復のための
融資への支援。
最終受益者：女性起業家及び女性が運営する企業を含む国内全域の既存のMSMEの従業員
及び失業者。
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ポルトガル マデイラ自治地域(ARM) 既存の２つの総合病院を代替し、マデイラの住民及び観光客向けの公的医療サービスの 158,700 350,800
質及び利用状況を向上させるマデイラ中央病院の新規建設への支援。
最終受益者：マデイラ自治地域の住民及び観光客並びに病院スタッフ及び医学生。
リスボン地方自治体カマラ(リスボ 新型コロナウイルス感染症の患者への適切な医療支援を行い、危機による地域の事業、 30,000 33,500
ン地方自治体) 文化施設及び社会的企業への影響を軽減するための取り組みを行うリスボン地方自治体
＊
への支援。
最終受益者：新型コロナウイルス感染症による直接的な影響を受けた545,000名のリスボ
ン住民並びに中小規模の地域企業、文化施設及び社会的企業。
ルーマニア 政府 記念物及び建造物の物理的な状態を改善し、その建築上の価値及び歴史的価値を保存 216,000 270,000
し、文化活動のさらなる発展を促進することを目的とした、ルーマニアの優先的な歴史
的及び文化的建造物リストに記載のある６軒の歴史的公共建物及び２軒の文化的公共建
物の改装、完成及び/又は建設。
最終受益者：プロジェクトの対象となる８軒の歴史的及び文化的施設の観光客及び見学
者を含む国内住民。
ルーマニア・ロマ族教育基金 短期的な財政ギャップへのつなぎ融資を行い、EUが出資する３件の新規教育プロジェク 1,000 6,800
トの実施を促進するための、2018年に承認されたプロジェクトの延長。
最終受益者：貧困地域のロマ族やロマ族以外の生徒並びに彼らの親及び教師。
ブカレスト市第４区 地方当局が特定した多くの環境的及び社会的優先事項に対処するために地方自治体が行 23,300 66,700
＊
う投資への融資。
最終受益者：ブカレスト市第４区の住民335,000名及びブカレスト市の全住民。
セルビア 政府 国立大学のインフラストラクチャーへの設備投資を通じた大学教育へのアクセス及びそ 95,000 155,200
の質の向上及び増加。
最終受益者：ベオグラード大学の学生、特に選出されたサブ・プロジェクトに係る学部
の13,000名の学生並びに恵まれない環境にある者、障がい者及びジェンダーに敏感な集
団を含む社会的に脆弱な層に属する生徒。
政府 民間航空及びレジャー航空の設備並びに学生用アパートとしての機能を備えた２棟のト 20,000 39,118
レーニングセンターの建設、訓練及びシミュレーションのための航空機設備の提供、教
育及び訓練方法のデジタル化並びに移動手段の購入に係る投資への融資。
最終受益者：セルビア国内全域(特にベオグラード及びヴルシャツ)の学生。
スロバキア共和 トルナヴァ自治区 トルナヴァ自治区のさらなる発展の促進を目的とした、地域の投資需要並びに欧州構造 30,000 42,857
国 投資基金(ESIF)及びEU復興・強靱化ファシリティ(RRF)の融資を受けるプロジェクトの実
現を加速、促進するための支援への融資。
最終受益者：トルナヴァ自治区の住民565,000名並びにスロバキア共和国国内の近隣地
域、チェコ共和国、オーストリア及びハンガリー。
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ジリナ自治区 EU 共同融資ファシリティによる融資需要の橋渡し、EU復興・強靱化ファシリティ(RRF)及 40,000 80,000
び欧州構造投資基金(ESIF)が融資する将来のサブ・プロジェクトの支援、ジリナ自治区
のさらなる発展の促進。
最終受益者：ジリナ自治区の住民691,000名並びにスロバキア共和国国内の近隣地域、
チェコ共和国及びポーランド。
スロバキア保証開発銀行a.s. 環境保護に配慮したサブ・プロジェクトへの融資に焦点を当てた、MSME並びに地域及び 60,000 120,000
地方の企業向けの融資の利用の簡易化に取り組むSZRBへの支援。
(Slovenská záru ná a rozvojová
最終受益者：適格なMSMEの従業員、求職者並びに適格な地方自治体及び地域の住民。
banka, a.s.)(SZRB)
スロベニア スロベニア輸出開発銀行(Slovene 都市部及び地方の公共インフラストラクチャーの復旧及び近代化への投資に対する共同 50,000 100,000
融資を通じた、都市部及び地方の生活環境の向上のための支援。
Export and Development Bank)
最終受益者：国内全域の公共サービス及び公共インフラストラクチャーの利用者。
(SID銀行(SID Banka))
スロベニア共和国住宅基金(HFRS) 地下駐車場又は地上駐車場付きの建物の建設、関連する公益企業インフラストラク 70,000 141,000
チャー、交通、施設内道路、景観及びその他関連事業への融資。
最終受益者：国内全域の若年層で、低所得から中所得、特に子供、障がい者及び高齢者
のいる世帯。
スペイン マドリード州 新型コロナウイルス感染症の患者への医療支援を行うマドリード州への支援を目的とし 200,000 900,000
＊
た、2020年に承認されたプロジェクトの延長。
最終受益者：マドリード州全域の新型コロナウイルス感染症の患者で、特に高齢者及び
健康に問題を抱えた人々など、最も感染リスクの高い人々。
バルセロナ市住宅・リノベーショ 2,059 棟の公共住宅の建設及び設置を通じた、同市の「2016年から2025年の住宅権利計 44,000 295,000
ン公社(Institut Municipal de l 画」の支援のための2017年に承認されたプロジェクトの延長。
最終受益者：低所得者及び高齢者など、幅広い地域住民。
’habitatge I Rehabilitacio de
Barcelona)
カスティーリャ・イ・レオン州イ 汚水処理施設の建設及びシエラ・デ・フランシアの自然保護区内地方自治体への飲料水 50,000 101,000
＊
ンフラストラクチャー及び環境協 の供給事情の改善を通じた環境及び市民の生活の質の向上に注力する当局への支援。
会(Sociedad de Infraestructuras
最終受益者：カスティーリャ・イ・レオン州の2.4百万名の住民及び年間約90,000名の観
y Medio Ambiente de Castilla y
光客。
León)(SOMACYL)
ガリシア州政府 ガリシアの地域当局による、新型コロナウイルス感染症の患者に対する医療サービスの 50,000 100,000
＊
提供への支援。
最終受益者：新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる直接的な影響を受けるガ
リシアの住民で、特に高齢者及び健康に問題を抱えた感染リスクの高い人々。
ガリシア州政府 フェロル及びポンテベドラにおける既存の病院の建設、増築及び改装並びに医療機器の 85,000 222,000
確保、ベッド数の増加及び核医学及び小児集中治療などの現在利用することができない
医療サービスの提供。
最終受益者：ポンテベドラ及びフェロルの住民。
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合計 4,156,456 13,801,364
＊公共部門融資ファシリティ(PFF)
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d. CEB が実行したこと：2021年度に完了したプロジェクト
ⅰ 社会的統合におけるベストかつ革新的プラクティスに対する褒賞
モルドバ共和国のエコ・ラツェニ・アソシエーション(Eco-R ă zeni Association)は、「Hope has
an address」というソーシャル・ベーカリー・プロジェクトで、2021年度の社会的統合に対するCEB
賞(CEB Award for Social Cohesion)を受賞した。この社会事業は、モルドバ共和国の不利な状況に
ある若年層及び障がいのある若年層に自己啓発及び職業能力開発の機会を提供する。技能実習と農村
部でのケータリングを組み合わせて、経済的・社会的排除及び不平等の是正に取り組んでいる。
エコ・ラツェニは、個人及び組織からの有効応募数114件の中から選ばれ、社会開発、社会起業、
学術及び市民社会の分野から、以下の５名の独立した審査員によって選出された。
・スネジャナ・サマルジッチ=マルコヴィッチ(Snežana Samardži ć -Markovi ć )、欧州評議会民主
主義事務局長
・ギヨーム・カペレ(Guillaume Capelle)、シンガ・アンド・カーム(SINGA and CALM)の創設者
・トマス・ボーチェック、CEBの副総裁(対象グループ諸国担当)
・エヴァ・メイデル(Eva Maydell)、欧州議会議員及びヨーロピアン・ムーブメント・インターナ
ショナル(European Movement International)社長
・クリスティン・ホワイトヘッド(Christine Whitehead)、ロンドン・スクール・オブ・エコノミ
クスの住宅経済学名誉教授
社会的統合に対するCEB賞について
2020 年度に開始された社会的統合に対するCEB賞は、25,000ユーロ相当の賞で、CEBの加盟国42ヶ国
のうちの１ヶ国で差し迫った社会問題に取り組んでいるプロジェクトを表彰するために毎年開催され
ている。この賞は、社会分野への適切な投資により社会全体に経済的・社会的に大きなプラスの影響
を与えることができるという信念に基づく、CEBの社会的使命に基づいている。
第２回社会的統合に対するCEB賞に対し、114件の有効な応募があり、2020年度の試験的開始から
30％増となった。応募者は、27ヶ国(2020年度は15ヶ国)の加盟国から集まった。
同賞の詳細については、https://award.coebank.orgを参照のこと。
ⅱ 社会分野の知識の向上
CEB は、特定のプロジェクトへの助言に加えて、分野の成長、ベストプラクティス及び国際基準を
特定及び促進する。これは、プロジェクトの出資者による社会分野の戦略の見直し並びに現在進行中
及び将来のプロジェクトの質及び持続性の改善に役立ち、その結果当行の融資の社会及び環境への影
響が最大化する。
『教育の構築：見逃さない機会』(2021年３月)の刊行
この研究論文では、教育分野への融資における当行の長期的な経験に基づき、生徒の学習成果をよ
り促進する教育インフラストラクチャーへの投資を導く革新的な枠組みを提案する。かかる枠組み
は、初期設計概要から新たな施設の完全な占有及び使用まで、構築プロセスの４つの異なる段階に
沿った一連の活動を提案し、将来の学習環境のより効果的な活用に貢献する。提案されている活動の
一部には、計画されている教育インフラストラクチャーの設計に、校長、教師及び運営・保守スタッ
フの直接の関与を確保すること、建設の進行中に教師の環境能力開発に焦点を当てた専門能力開発活
動を含むこと、新校舎への移行期の校長を支援し、生徒による新たな空間の利用に関するデータを収
集するため体系的な入居後評価を実施することが含まれる。
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論文の全文は、以下で読むことができる。
https://coebank.org/media/documents/Constructing_Education.pdf
技術概要書『欧州における効果的、包摂的かつ回復力のある医療及び社会福祉システムへの投資』
(2021年７月)
新型コロナウイルス感染症のパンデミックが欧州の医療制度に多大な負担をかけ、資源及び医療へ
のアクセスの面で重大な不平等がさらに深刻化していることを受けて、この概要書では、医療投資へ
のより統合的なアプローチが必要であると主張している。同概要書では、より多くの欧州人がより長
くより健康的な生活を享受できるようになる、福祉、連帯及び持続可能性の原則に基づく十分に統合
された医療システムの構築につながる可能性のある５つの投資分野、１)人中心のケア及び疾病予防
に焦点を当てた地域保健センターにおける医療の集学的提供、２)一次医療と一体化した地域密着型
の長期的ケア及び支援、３)よりスマートで、より柔軟で、より包摂的で、より環境に優しく、より
気候に強く、主に急性疾患の専門的ケアに焦点を当てた病院、４)医療のデジタル化並びに健康監視
及び研究への投資拡大、並びに５)適切なスキルを持ち、適切な場所にいる医療及び社会ケア従事者
の人手を確保するための支援の強化について概説している。
概要書の全文は、以下で読むことができる。
https://coebank.org/media/documents/TB_Investing_in_Effective_Inclusive_and_
Resilient_Health__Social_Care_Systems__dwpHC2Z.pdf
CEB 、FEANTSA及びアベ・ピエール財団(Fondation Abbé Pierre)による共著の報告書『建築のアップサ
イクリング：非居住用集合建築の困窮者向恒久住宅への転換』(2021年９月)
この報告書は、ホームレスへの対応の主なシステムとしての緊急宿泊施設の広範かつ制度化された
利用に異議を唱えている。同報告書は、ホームレス及び住宅の排斥と戦うため使用されていない建物
をどのように変換させるかについていくつかの提言を提示し、欧州でホームレスを本当に減少させ排
除したいならば、システムは全ての人に対する尊厳があり、適切かつ長期的な住宅へのアクセスの提
供に基づいていなければならないと主張する。非居住用集合建築(緊急宿泊センター、ホテル、オ
フィスビル等)の変換はそれ自体が目的ではなく、利用可能な資産に迅速にアクセスし、多数の住宅
ユニットを容易にする手段である。住宅ファースト、支援住宅、下宿住宅、共同住宅、社会住宅及び
コリビング等の多様な住宅モデルを実現する手段である。
報告書の全文は、以下で読むことができる。
https://www.feantsa.org/public/user/HSP_Upcycling_buildings_EN.pdf
研究論文『西バルカン諸国の社会インフラストラクチャー：地域の人的資本の向上及び経済競争力の
強化による頭脳流出への対処』(2021年11月)
この研究論文は、西バルカン地域が経済回復を達成し、人的資本を開発し、頭脳流出の影響に対抗
することを支援するための、特に教育、健康及び住宅の分野における社会インフラストラクチャー投
資の可能性について検討している。同論文では、西バルカン諸国の３つの分野をそれぞれ調査し、人
的資本基盤の拡大及び改善に十分に貢献しておらず、それが欧州連合への経済収斂の速度を妨げてい
ることを示している。同論文は、地域の社会インフラストラクチャーへの投資を増やし、それに焦点
を当てることにより、地域諸国が高付加価値かつ知識ベースの経済に移行し、長期的な経済成長、回
復力及び競争力を達成するために必要な人的資本及び社会的基盤を高めることができると論じてい
る。
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論文の全文は、以下で読むことができる。
https://coebank.org/media/documents/Social_Infrastructure_in_the_Western_Balkans.pdf
技術概要書『柵と壁の向こうへ：社会的包摂を解き放つための刑務所制度の近代化』(2021年12月)
この概要書では、公開刑務所、更生保護施設、社会復帰農場及びその他の種類の地域に根ざした行
動を含む、元受刑者の社会的包摂に焦点を当てた欧州の多くの革新的なイニシアチブを検討してい
る。欧州では受刑者及び元受刑者が最も社会的に排除されている集団の１つであることを考慮し、こ
の概要書は、受刑者により多くの社会経済的機会を与えることを目的とする制度によって、複数の恩
恵が得られると主張している。教育、訓練及び雇用のための準備の機会をより多く提供すること、適
切な医療、心理及び依存症サービスへのアクセスを増加させること、家族とのより緊密な関係を実現
すること、並びに適切な訓練機会を得た十分なレベルの刑務所職員及びサポート・スタッフを確保す
ることなど、積極的な社会復帰効果を持ち得る実行可能な投資分野に焦点を当てている。
概要書の全文は、以下で読むことができる。
https://coebank.org/media/documents/Technical_Brief_Modernising_Prison_Systems_corr.pdf
CEB の全ての刊行物は、次のサイトにて入手可能である。
https://coebank.org/en/news‐and‐publications/ceb‐publications/
e. 協力関係及び支援者
ⅰ 協力関係
CEB は、65年の歴史の中で、その社会的責務の有意義かつ影響力のある遂行を確実にするため、
様々な国際機関及び支援者と協力関係を構築してきた。CEBは、欧州評議会との有機的な関係に加え
て、特定の社会プロジェクト及びプログラムについては欧州連合と協力し、他の開発銀行及びいくつ
かの国連専門機関とも定期的に協力している。
(a) 欧州連合との協力関係
2021 年において、CEBは、チーム・ヨーロッパ・アプローチの一環として、欧州における持続可
能で包摂的な成長の促進のため、欧州連合との長期的な協力関係を引き続き強化し、特に医療投
資及び社会的に最も弱い者の包摂に注力している。EUは、引き続き当行の最大の支援者であり、
過去25年間に621百万ユーロを拠出し、これは当行の業務全体の４分の３近くに相当する。
2021 年において、当行は、欧州における持続可能な投資、イノベーション及び雇用創出を促進
するEUのイニシアチブであるインベストEUの実施パートナー申請に成功した。インベストEUは、
26.2十億ユーロのEUの予算保証を通じてCEBなどの実施パートナーが提供する資金提供を支援する
ことにより、372十億ユーロを超える公共及び民間の投資を集めることを目指している。CEBは、
EUの保証を活用し、欧州全域の他に財政支援を受けられない恵まれない人々のためのプロジェク
トを支援することを意図している。
インベストEUに関する欧州委員会との合意は、2022年初頭に最終決定する予定である。同時
に、当行は、インベストEU協定の締結及びEUとのその他の新たなパートナーシップを可能とする
新たな拡大された柱の評価をまとめる予定である。
具体的な共同事業として、当行及びEUは、2021年に新たに２つの共同イニシアチブを立ち上げ
た。「ロマ族の住宅及びエンパワメント(HERO)」は、ブルガリア、ルーマニア及びスロバキア共
和国におけるロマ族の社会的・経済的排除を減少させることを目指している。具体的には、2.8百
万ユーロのEUの拠出金は、疎外されたロマ族がマイクロ・ローン、指導及び訓練の組合せを通じ
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て住宅の所有権及び有給の雇用を確保できるよう支援する。また、このプロジェクトは、CEBの管
理する信託基金を通じてスペインが提供した技術援助において0.2百万ユーロの恩恵も受けてい
る。
3.5 百万ユーロの「移民受入れのためのパートナーシップ及び融資(PAFMI)」は、新たなパート
ナーシップ及び新たな形態の融資の構築を通じて、EU加盟国に合法的に滞在している第三国の
人々の受入れを支援することを目指している。社会の一体性を強化するための革新的なアプロー
チを追求する地方当局及び国家当局の能力開発に加え、このプロジェクトは、最大４つのパイ
ロット・プロジェクトの構築及び/又は実施を支援する。
EU による資金提供の恩恵を受けている現在進行中のその他のプロジェクトについての詳細は、
「ⅱ 支援者」を参照のこと。
(b) EU 都市アジェンダ：受入れのためのパートナーシップ
「受入れのためのパートナーシップ」は、2016年に当時のオランダ人EU議長の下で開始され
た、都市部の生活環境を改善するための複数出資者によるイニシアチブであるEU都市アジェンダ
の下に設立された。このパートナーシップの目的は、移民統合に関する経験及びベストプラク
ティスの直接交換を可能にし、かかる知見を政策立案者に提供することである。このパートナー
シップは、欧州委員会(総局内務省、DG HOME)及びアムステルダム市が主導している。
CEB は、設立当初からこのパートナーシップの一員である。一般的な作業プログラムへの貢献に
加えて、当行は、新型コロナウイルス感染症に関連して移民及び難民の医療へのアクセスに関す
る行動を主導し、移民受入れのための融資手段に関する行動を(DG HOME及び欧州投資銀行と)共同
管理している。「移民受入れのためのパートナーシップ及び融資(PAFMI)」プロジェクトに対する
3.5百万ユーロの助成金は、後者の下で行われた活動に資金提供し、その一部を支援する。
(c) 共通の金融サミット及び社会的投資連合
2021 年、イタリア預託貸付公庫(CDP)が国際農業開発基金(IFAD)と協力し、イタリアのG20議長
国の後援の下、ローマで開催された共通の金融サミット(FiCS)の第２回会合において、CEBは、引
き続き社会的投資を世界的に支持した。
500 を超える公的開発銀行が参加したこの世界的イベントの「グランド・パートナー」として、
CEBは、他の国際機関及び多国間開発銀行の代表とのハイレベルの代表会談に参加し、より良い社
会的投資のための提携についてのパネル・ディスカッションを開催した。CEBは、社会問題と気候
関連の問題との間の関係性に注目し、気候危機が社会的排除を深め、社会的弱者集団に最も深刻
な打撃を与える可能性があることに留意し、公的開発銀行に対し、社会的投資に向けた共同の取
組みを強化するよう求めた。CEBは、社会的投資に独自の専門知識を活用することにより、今後数
年間にわたり共通の金融イニシアチブに対する支援を継続することを確約した。
CEB はまた、持続可能な回復のソリューション及び社会的投資連合を通じた社会的投資の主流化
に向けた取組みを継続した。CEB及びフランス開発庁( Agence Française de Développement )(AFD)
が共同で主導するこの連合は、2020年の初回の共通の金融サミットにおいて発足した。2021年に
は、国連システムの３つのスポンサーを含む20を超えるメンバー及び参加者にまで成長し、専門
知識、行動及びアドボカシーを中心とした作業プログラムの中でその目的を変換した。これは、
新型コロナウイルス感染症のパンデミック、気候の緊急事態及び社会的不平等の拡大への総合的
対応を構築するための世界的な取組みに対し、社会的投資に関するCEBの専門知識の重要性及び妥
当性が高まっていることを示している。
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(d) 他の多国間開発銀行との協力：パリ協定との整合性に関する枠組み
COP26 において、CEBは、気候変動に関する共同声明に署名し、他の多国間開発銀行とともに資
金の流れをパリ協定の規定及び目標に整合させることに合意した。COP26終了後、CEBの管理委員
会は、貸付活動をパリ協定と整合させるための2020年から2022年に係る開発計画の漸進的な実施
に向けた段階的ロードマップとともに、当行のパリ協定との整合性に関する枠組みを支持した。
多国間開発銀行の共同アプローチに基づき、CEBのパリ協定との整合性に関する枠組みは、その
コミットメントを共通のMDB枠組みの６つの構成要素に対応する４つの主要な作業ストリームに分
割する。付属のロードマップでは、2022年末までに直接貸付を投資プロジェクトに整合させると
いう目標を皮切りに、段階的に整合性を達成するための一連の行動が示されている。
社会的使命を持つ唯一の多国間開発銀行として、CEBは、社会的包摂と気候行動との関連性を認
識する社会的レンズを通じて、気候関連の問題に取り組んでいる。CEBの概念枠組みは、社会的側
面、政策及び投資が気候に及ぼす影響、並びに気候変動、政策及び行動が社会的包摂に及ぼす影
響を認めている。
近年、CEBは、気候変動への配慮をその活動にますます統合している。当行は、すでに気候関連
のリスクについて全てのプロジェクトを審査し、業務における気候変動の緩和要素及び適応要素
を特定し、業務の絶対的及び相対的な温室効果ガス排出量を報告している。
パリ協定との整合性に関する枠組みの採択及びロードマップの段階的実施により、気候変動ア
ジェンダを社会的包摂に結びつけるCEBの貢献がさらに強化される。
(e) 地方 政府の財政と投資
地方政府の財政と投資(SNG-WOFI)は、OECD及び都市・自治体連合(UCLG)が主導する複数出資者
によるイニシアチブである。同機関は、地方政府、地方財政及びマルチレベルのガバナンス体制
の役割及び機能に関する厳格かつ比較可能な実証的証拠の構築、更新及び普及に貢献する。
CEB は、2019年以来SNG-WOFIの支援パートナーである。第２版作成のための技術支援及び財政支
援を提供し、総合報告書、(CEB全加盟国を網羅する)国別プロファイル及びデータ可視化ツールを
備えた専用ウェブサイトを提供した。
SNG-WOFI の第３版は2021年12月に開始され、2022年７月に発表される予定である。成功した協
力に基づき、CEBは、技術的なインプット及び20,000ユーロの出資で第３版を支援する。第３版で
は、既存の国別プロファイルの質の更新及び改善、並びに地方政府レベルでの新型コロナウイル
ス感染症の影響及び管理に関するセクションを含む新たな項目の追加を目指している。
SNG-WOFI の第３版は、フランス開発庁(AFD)、地方分権・地方ガバナンス開発パートナー・ネッ
トワーク(DeLoG)、ドイツ国際協力公社(GIZ)、フランス欧州外務省(MEAE)、国連資本開発基金
(UNCDF)及びアジア開発銀行からも支援を受けている。
(f) フランス欧州持続可能・包摂的社会住宅同盟
2020 年９月の同盟の開始以来、CEBは、社会住宅同盟(Union sociale pour l'habitat)、地域銀
行(Banque des Territoires)を通じて行為するフランス預金供託公庫及び欧州投資銀行(EIB)と積
極的に協調し、欧州連合の「欧州社会権の柱」及び欧州評議会の欧州社会憲章(改訂版)に従い、
フランスにおける社会住宅機関によるより多くのより良い社会住宅の提供を支援するための欧州
における資金調達へのアクセスを促進してきた。
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2021 年、CEBは、特に宿泊施設、支援住宅、高齢者及び障害者向社会住宅及び介護センター、並
びに不安定な状況にある若者のための施設の建設及び改修に対する融資として、地域銀行に対し
て300百万ユーロの貸付を承認し、151百万ユーロの貸付を実行した。
この成功した初年度に続き、欧州同盟の構成員及びフランス社会住宅協会は、欧州復興計画の
実施に貢献するため、今後数年間の継続的な関与の計画を開始した。
ⅱ 支援者
社会的に非常に弱い人々を対象としたプロジェクト及び貧困地域におけるプロジェクトは、社会的影
響が最も大きい。同時に、これらのプロジェクトは、CEBから最も多くの支援を必要とすることが多
い。実際、これらのプロジェクトを担当する事業体は、一般にかかるプロジェクトへの資金提供又は実
施の能力が限られている。
CEB は、支援者から調達した資金をこれらの影響の大きいプロジェクトの財政的及び技術的な持続可
能性を改善するために活用している。たとえば、当行は、プロジェクトの資金調達を完了するため、支
援者から調達した助成金を貸付の補完として利用している。同様に、借入人がベストプラクティスに
沿ってプロジェクトを実施できるよう、支援者が資金を拠出する技術援助を提供している。2021年にお
いて、当行は、支援者から調達した資金を10ヶ国における10百万ユーロの助成金の供与及び19百万ユー
ロの貸付の保証に活用した。
28 のCEB加盟国、米国及び英国の２の非加盟国並びに欧州連合は、欧州委員会及び欧州投資銀行を通
じて、CEBの信託基金に拠出している。2021年において、CEBは支援者から７百万ユーロを調達したが、
その大半はEUからであった。EUは当行の最大の支援者であり、過去25年間に621百万ユーロの支援を約
束し、これは拠出金総額の４分の３近くを占めている。
移民及び難民の支援は、CEBの使命の中核である。支援者は、当行がこの社会的に非常に弱い人々の
ためにより多くの支援を行うことを可能にする。より広く言えば、支援者は、欧州における持続可能か
つ包摂的な成長を促進するための当行の努力に対し、極めて重要な支援を提供している。これらの拠出
資金により、当行は環境及び社会に大きな影響を与えるより多くのプロジェクトを支援することができ
る。
(a) ユーゴスラビアで紛争中に避難した人々に対するまともな住宅の提供
1990 年代の旧ユーゴスラビアにおける紛争では、何百万人もの人々が家を追われた。約30年
後、 何千人 もの社会的弱者が不安定な住宅に住み続けている。これらの人々に安全な住宅を提供
するため、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、モンテネグロ及びセルビアは、先駆的な共
同イニシアチブである地域住宅プログラム(RHP)を実施している。
2021 年、新型コロナウイルス感染症による困難にもかかわらず、RHPの実施は継続された。 年末
までに、35,000人の対象受益者のうち推定26,500人が、本プログラムのおかげでようやくまとも
な住宅を得た。
事例
ボスニア・ヘルツェゴビナのアジュダーノヴィチ村への帰還民 ：ブランコ・グリシッチ(Branko
Gliši ć )と妻のドゥシャンカ(Dušanka)は、ボスニア・ヘルツェゴビナのオロボにあるアジュダー
ノヴィチ村への帰還民である。RHPの受益者として、彼らは1995年にブランコ、その妻と２人の子
供がボスニア・ヘルツェゴビナの東部地域へ逃げた後に破壊された彼らの元の家の場所に、新た
な家を得た。
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米国政府が資金提供するNGOのカトリック救済サービス(CRS)が提供する社会経済援助のおかげ
で、一家は新たな家に加え、新たな食料源及び収入源も得た。この支援により、ブランコはラズ
ベ リーやアロニアベリーの栽培を始め、それをボスニア人やクロアチア人の隣人と農業協同組合
を通じて販売している。「農業協同組合での私たちの共同作業は、国籍や民族に関係なく、いか
に人々がともに生活し働くことができるかを示す最良の例です。」と彼は言う。
RHP はCEBにより管理され、国際社会により援助されている。RHPの支援者は、イニシアチブに
291百万ユーロの支援を約束している。最大の拠出国は欧州委員会に代表されるEUで235百万ユー
ロ、次いで米国で24百万ユーロである。その他の主要な支援者には、ドイツ、ノルウェー、スイ
ス及びイタリアが含まれる。
事例
ボスニア・ヘルツェゴビナの共同住宅の閉鎖 ：RHPを補完するため、ボスニア・ヘルツェゴビナ
当局もまた、1990年代の紛争中に避難民となり、依然として生活環境が劣悪な共同住宅に暮らし
ている社会的弱者にまともな住宅を提供するための大規模な住宅プロジェクトを実施している。
「共同住宅の閉鎖」と名付けられたこのプロジェクトは、援助の有効性に関するパリ協定に
沿ってCEBが支援者の支援をどのように調整しているかを例示している。本プロジェクトに対して
は、CEBが運用する信託基金を通じて、当行の社会配当金勘定(SDA)、西バルカン半島投資フレー
ムワーク(WBIF)、スロバキア共和国、イタリア、スペイン及びノルウェーから5.2百万ユーロの助
成金が供与された。また、本プロジェクトでは、CEBの60百万ユーロの貸付により投資総額は105
百万ユーロとなり、当行が助成金と貸付を組み合わせることで支援者の効果を最大化する方法も
示されている。
有利な条件での資金調達と能力開発との組合せにより、本プロジェクトは成果を上げている。
2021年末現在、標準以下の宿泊施設における何年もの暮らしの後、700世帯近くがまともな住宅に
入居した。
スロバキア包括的成長口座(SIGA)は、包摂的な成長及び環境の持続可能性を支持するCEBの活動
を支援するために、2016年にスロバキア当局によって開設された。スロバキア共和国は、2019年
にかかる基金に２百万ユーロを補充し、寄付金は合計４百万ユーロに増加した。2021年末まで
に、スロバキア当局は合計2.3百万ユーロのSIGAからの助成金を承認した。
イタリア革新的プロジェクト基金(IFIP)は2017年にイタリアで設立され、１百万ユーロの寄付
を 受けた 。IFIPは、当行が革新的な社会プロジェクトを開発するのを支援しており、政府開発援
助(ODA)の対象である西バルカン諸国並びにジョージア及びモルドバ共和国でのプロジェクトの技
術支援に融資している。2021年末現在、IFIPから承認された助成金は、0.6百万ユーロであった。
スペイン社会的統合口座( SCA) は、2009年にスペインによって設立され、社会性の高いCEBのプ
ロジェクトへの技術支援に融資している。2017年にスペインは、かかる基金に２百万ユーロを補
充し、寄付金は合計４百万ユーロに増加した。2021年末現在、当該口座から承認された助成金
は、2.6百万ユーロであった。
(b) 欧州における移民及び難民の統合支援
国際移住機関によると、2015年以降、2.1百万人の移民及び難民がヨーロッパに渡った。加盟国
がこうした流入に対処できるよう支援するため、CEBは移民及び難民基金(MRF)を設立した。当
初、当行はいわゆる「バルカンルート」沿いに位置する加盟国の短期的な受入能力向上を支援す
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ることを主な目的としてMRFを活用した。近年は、欧州全域の加盟国が移民及び難民を地域に統合
することを支援するため、MRFの活用が増えている。
事例
セルビアのオブレノヴァック・レセプションセンターに移民訓練施設を設立 ：移民及び難民基
金の財政支援により、セルビア当局は、ベオグラードに近いオブレノヴァックの常設の亡命レセ
プションセンターに、移民のための訓練施設を設立した。ムハンマド(Mohammad)、ハシブ
(Hasib)、ベラ(Bella)及びミカ(Mika)の４人の訓練施設利用者は、それぞれアフガニスタン、シ
リア及びイラン出身である。彼らのエピソードは、以下で見ることができる。
https://www.youtube.com/watch?v=6XvazHVO88Y
MRF には、CEB及び欧州投資銀行(EIB)に加え、22のCEB加盟からも拠出されている。CEB加盟国の
中で最大の拠出国は、ドイツ、フランス及びイタリアである。2021年、EIBは250,000ユーロを追
加拠出し、MRFへの拠出額は合計5.3百万ユーロに増加した。2015年以降、CEBは、MRFから30件の
プロジェクトに対して28百万ユーロの助成金を承認している。
(c) トルコの難民及び庇護地域のための医療の改善
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、トルコは2021年末現在3.6百万人のシリア難民を
受け入れた。難民及び庇護地域のニーズが包括的かつ協調的な方法で対処されることを確保する
ため、EU及びトルコは、2015年に調整メカニズムである「EUのトルコにいる難民のためのファシ
リティ(FRiT)」を設定した。CEBは、当該ファシリティが資金提供する２つの医療プロジェクトの
実施を監督している。
・トルコ全土で医療センターを建設及び改修し、シリア難民及び庇護地域に対する医療サービス
を改善することを目的とする90百万ユーロのプロジェクトである、万人のためのヘルスケア・
インフラストラクチャーの強化(SHIFA)。
・シリア難民の流入により人口がほぼ倍増しているトルコとシリアの国境沿いの州キリスにあ
る、300床の公立病院の建設及び設備で構成される50百万ユーロのプロジェクト。
SHIFA プロジェクトの実施は2021年３月に始まり、キリスの病院が完成の最終段階にある間、４
年かかると予想されている。FRiTの詳細については以下を参照のこと。
https://ec.europa.eu/neighbourhood-enlargement/enlargement-policy/negotiations-
status/turkey/eu-facility-refugees-turkey_en
(d) ジョージアにおける学校のエネルギー効率の向上
2015 年、ジョージア当局は、CEBに首都トビリシの公立学校の改修支援を求めた。CEBの支援を
受け、ジョージア当局は、2015年に東ヨーロッパエネルギー効率化・環境パートナーシップ(E5P)
から6.0百万ユーロの助成金を確保した。当該プロジェクトは、CEBによる14百万ユーロの貸付並
びにCEBが管理するそれぞれの信託基金を通じてスペイン及びスロバキア共和国が融資する0.2百
万ユーロの技術援助によっても支援されている。
2021 年末現在、当該プロジェクトは順調に進んでおり、５校で工事が進行中、他の３校で工事
が始まろうとしていた。当該プロジェクトにより、生徒の安全性及び快適性が向上するととも
に、校舎のエネルギー効率が40％向上する。以下のビデオで出資者が確認しているように、国際
社会からの支援が当該プロジェクトの鍵となっている。
https://www.youtube.com/watch?v=gz46mlY_6vo
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E5P は、東ヨーロッパパートナーシップ地域のエネルギー効率化及び環境プロジェクトへの地方
自治体投資を促進するため、2009年に設立された242百万ユーロの複数支援者による基金である。
E5P には、EU及び24ヶ国のグループからの拠出金が混在している。
(e) セルビアにおける地震後の家族に対する新たな家の提供
2010 年の地震で住宅が深刻な被害を受けたセルビアのクラリエヴォに住む106世帯が、2021年10
月に新たなアパートへ引っ越した。彼らは、最終的に合計360世帯に新たな住宅を提供する地震後
の住宅再建プロジェクトの最初の受益者である。以下のビデオで説明されているとおり、当該プ
ロジェクトにより、家族はようやくまともな住宅を享受することができる。
https://www.youtube.com/watch?v=9KXutjhiwUU
当該プロジェクトは、CEBから8.0百万ユーロの貸付を受け、スペイン社会的統合口座を通じて
スペインの西バルカン半島投資フレームワーク(WBIF)から、またスロバキア包括的成長口座を通
じてスロバキア共和国から1.1百万ユーロの技術支援の助成金を受けている。
西バルカン半島投資フレームワーク( WBIF) は、欧州委員会、CEB、その他の金融機関及び複数の
二国間支援者の共同イニシアチブとして、2009年に設立された共同体である。かかるフレーム
ワークは、エネルギー、環境、社会、輸送機関及びデジタルインフラ部門における戦略投資に融
資及び技術支援を提供している。また、民間部門の開発イニシアチブを支援している。2021年末
現在、WBIFから承認されCEBを通じて供与された助成金は、14百万ユーロに達した。さらに、WBIF
からCEBのプロジェクトに19百万ユーロ相当の技術支援が直接提供された。
(f) イタリア における女性起業家の支援
広範な銀行ネットワークにもかかわらず、多くの小規模事業者及び個人には金融サービスへの
アクセスがない。金融的排除は、主に貧困及び社会的疎外に苦しむ人々に影響を及ぼし、女性及
び若者が最も影響を受けている。
金融的排除を緩和するため、CEBは、イタリアの大手ノンバンク金融機関で、事業者及び個人双
方へのマイクロ・ローンの提供を専門とするペルミクロなどのマイクロファイナンス機関と提携
している。2021年、当行はペルミクロに対し、社会配当金勘定(SDA)の資金を担保として、3.6百
万ユーロの第三者貸付を承認した。
SDA は、1996年にCEBにより設立された最初の信託基金である。SDAは、社会性の高いプロジェク
トを支援するための貸付保証、技術支援、金利補助金及び助成金の拠出を行っている。SDAは主
に、社会的性質を有する配当を構成する当行の年間利益からの配分を通じて、加盟国からの拠出
金により資金調達されている。2021年末現在、16百万ユーロの助成金の拠出及び５百万ユーロの
技術支援助成がSDAから承認されている。また、かかる勘定は、それぞれ２十億ユーロの補助金及
び51百万ユーロのCEBの貸付に対する保証を提供した。
(g) 低炭素 かつ 気候変動に強い経済への移行の加速
加盟国の低炭素かつ気候変動に強い経済への移行を加速させるため、当行は2020年にグリーン
社会投資基金(GSIF)を設立し、５百万ユーロのシード資金を提供した。GSIFは、社会インフラの
脱炭素化及び気候変動耐性を強化し、気候変動対策を社会的弱者集団にとってより手頃かつアク
セスしやすくする。2021年、GSIFはCEB加盟国から初めて拠出金を受領した。チェコ共和国は、約
50,000ユーロの拠出を確約した。
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f. 当行が供与する貸付及び保証の 方針 及び概略
定款及び第三議定書に従い、管理委員会は、当行が供与する貸付及び保証を規律する一般的な規則
及び原則を含む貸付及び事業融資の方針並びに貸付規則を決議第1562号(2013)に基づき認可した。さ
らに、当行が認可する貸付又は保証ごとに、借入人及び当行は貸付契約又は保証契約を締結する。
当行の成文規則に基づき、貸付は、下記の法人に対して供与される。
ⅰ 当行の加盟国
ⅱ 当行の加盟国の保証のある当行の加盟国によって承認された法人
ⅲ 当行の加盟国が承認した法人。但し、管理委員会が、当該貸付が当行の成文規則に従って適切な
保証によりカバーされていると認めた場合に限る。
当行は、原則として、市場金利に沿って通常貸付を行う。当行は、代理手数料を差し引き、当行が
市場で獲得する利益を貸付の受益者に譲渡する。利用可能な資金の取扱いは、効率的かつ厳格に行わ
れている。
貸付及び保証の申請は全て、当行加盟国の政府により欧州評議会及び当行に提出されるものとす
る。欧州評議会は、申請書及びその添付書類に記載されている目的事業につき、欧州評議会の政治的
及び社会的な目的に合致しているか否かを確認する。同時に、当行の総裁は事業の専門的及び財政的
な見地から報告書を作成する。欧州評議会による調査の結果、目的事業が上述の要件に合致している
ことが判明し、総裁が専門的及び財政的な見地から当該事業に満足した場合には、申請書は、欧州評
議会の許容する旨の意見書及び総裁の報告書とともに、最終的な承認を得るために管理委員会に提出
される。当行は、一般的に事業の総費用の50％までを融資することに同意している。
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g. 2021 年における財務 活動
ⅰ 財務ポートフォリオ
当行の貸借 対照表 の資産の部には、以下の１種類の金融ポートフォリオ及び３種類の有価証券ポー
トフォリオを含む４種類の財務ポートフォリオが計上されている。
・財務金融ポートフォリオは、１年満期までの短期私募債で構成される。
このポートフォリオの戦略的目的は、全ての必要な通貨の日々のキャッシュ・フローを管理す
ることである。３ヶ月満期までの短期私募債は、購入時に、最低BBB+の格付を取得していなくて
はならない。３ヶ月満期から１年満期までの短期私募債は、購入時に最低A-の格付を取得してい
なくてはならない。
2021 年12月31日現在、かかるポートフォリオの短期私募債総額は、4,145百万ユーロであっ
た。
・短期流動性有価証券ポートフォリオは、１年満期までの短期有価証券で構成される。
これらの有価証券は銀行預金の代替をなし、当行の短期流動性ポジションの強化において、財
務金融ポートフォリオを補完する。
３ヶ月満期までの短期国債は、購入時に最低BBBの格付を取得していなくてはならず、３ヶ月
満期から１年満期までの短期有価証券は、最低A-の格付を取得していなくてはならない。
2021 年12月31日現在、かかるポートフォリオにおける短期有価証券総額は、1,586百万ユーロ
である。
・中期流動性有価証券ポートフォリオは、１年満期から15年満期までの投資有価証券で構成され
る。
かかるポートフォリオの戦略的目的は、満足のいく利回りを達成する一方で、当行の流動性ポ
ジションを強化することである。
中期有価証券は、購入時に最低A+の格付を取得していなくてはならない。
2021 年12月31日現在、かかるポートフォリオにおける有価証券総額は、1,987百万ユーロで
あった。
・長期流動性有価証券ポートフォリオは、１年満期から30年満期までの投資有価証券で構成され
る。
かかるポートフォリオの有価証券は、購入時に最低A+の格付を取得していることが要求され
る。
2021 年12月31日現在、かかるポートフォリオにおける有価証券総額は1,633百万ユーロであっ
た。
ⅱ デリバティブ
CEB の管理委員会が採用する金融及びリスク方針に従い、当行は貸付、投資及び資金調達取引から
生じる市場リスクをヘッジすることを目的としてデリバティブを使用する。当行は、エンドユーザー
として、デリバティブをヘッジ目的のみに使用する。
2021 年12月31日現在、当行が所有するヘッジ対象の種類別のデリバティブの内訳は、債券発行が
59％、貸付が36％及び有価証券が５％であった。
これらの金融商品に特有のリスクを避けるため、当行は、厳格なリスク管理方針を実施しており、
その原則の概略は、下記「(５)経理の状況」の注Cに記載されている。
信用リスクを制限するために、当行は、全てのスワップ取引相手方と担保契約を締結している。し
たがって、2021年12月31日現在、CEBのスワップ契約の全てに担保が付与されている。取得した担保
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によって保証されない積極的市場価額の金額として計算される残余信用リスクは、最低限に抑えられ
ている。
ⅲ 2021年の資金調達
(a) 債券の発行
管理委員会が設定した年間借入承認に従い、CEBは、国際資本市場において債券を発行する。当
行は、2021年の5.5十億ユーロの借入承認額を十分に消化した。かかる金額は、満期が１年以上の
20件の資金調達活動において、かつ記録的な８つの通貨市場において調達された。2021年の借入
承認に基づく調達額は、2020年の4.5十億ユーロを１十億ユーロ上回った。2021年の資金調達活動
は、以下の３つの主要な目標を達成した。
・当行の貸付活動から生じる需要を満たすこと
・当行の満期債務の返済を可能にすること
・当行の流動性を管理委員会が定める水準に維持すること
活動資金を調達するのに必要な資金源を確保するために、当行は、継続して、広範な機関投資
家を対象とした主要通貨建の指標銘柄に、特定の通貨での債券の発行又は投資家の特殊な需要に
応えるために設計された特有のストラクチャーを組み合せている。
2021 年に当行が調達した資金の38.5％がユーロ建、38.3％が米ドル建、14.3％が英ポンド建、
3.8％がカナダ・ドル建、3.4％が豪ドル建、0.9％がノルウェー・クローネ建、0.6％が香港ドル
建、そして0.3％がトルコ・リラ建であった。かかる取引により、当行は、投資家基盤を拡大する
と同時に、調達した資金を受けて当行が活動する市場を多角化することができた。
ユーロ建では、2021年の借入承認に基づいて、９件の銘柄が発行された。10年満期の１十億
ユーロ指標銘柄及びその50百万ユーロ指標銘柄が１月にそれぞれ発行及び再発行され、当行の第
５回目となる７年満期のソーシャル・インクルージョン・ボンド・ベンチマーク(500百万ユーロ)
及び2024年４月満期の150百万ユーロ銘柄が４月にそれぞれ発行及び再発行され、15百万ユーロの
償還可能な私募債が６月に発行され、2026年４月満期の100百万ユーロ銘柄が７月に再発行され、
2024年４月満期の100百万ユーロ銘柄が８月に再発行され、そして、2024年４月満期の100百万
ユーロ銘柄のそれぞれ２件の銘柄が９月に再発行された。
米ドル建では、2021年の借入承認に基づいて、３件の銘柄が発行された。３年満期の１十億米
ドル指標銘柄(プレファンディング)が2020年10月に発行され、３年満期の500百万米ドルのソー
シャル・インクルージョン・ボンド・ベンチマークが６月に発行され、また５年満期の１十億米
ドル指標銘柄が９月に発行された。
英ポンド建では、３件の銘柄が発行された。長期３年満期の400百万英ポンド指標銘柄が３月に
発行され、2025年12月満期の175百万英ポンド銘柄が５月に再発行され、2025年12月満期の100百
万英ポンド銘柄が７月に再発行された。
これにより、2021年において、ユーロ、米ドル及び英ポンド市場は資金調達量の観点から最も
重要な市場のうちの１つであった。
その他の通貨建では、５件の銘柄が発行された。３年満期の300百万香港ドル銘柄が１月に発行
され、2024年２月満期の500百万ノルウェー・クローネ銘柄が10月に再発行され、３年満期の300
百万豪ドル銘柄が10月に発行され、３年満期の300百万カナダ・ドル銘柄及び３年満期の168百万
トルコ・リラ銘柄が11月に発行された。
スワップを行った後、借入資金は全額ユーロ建となった。
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2021 年の借入承認に基づいて実施された起債の満期の平均は、5.3年であった。下表は、資金調
達の詳細を原通貨建で示している。
2021 年に発行された債券
額面価額
払込日 満期日 通貨 期間 主幹事会社
(百万)
バンク・オブ・アメリカ(BoA)/クレ
ディ・アグリコル・コーポレート・ア
2020年10月21日 2023年10月20日 USD ３年 1,000 ンド・インベストメント・バンク
(CACIB)/モルガン・スタンレー(MS)/
カナダ・ロイヤル銀行(RBC)
BNPパリバ(BNPP)/ドイツ銀行(DB)/
2021年１月19日 2031年１月20日 EUR 10年 1,000 ゴールドマン・サックス(GS)/香港上
海銀行(HSBC)
2021年２月９日 2024年２月９日 HKD ３年 300 HSBC
バーデン=ヴュルテンベルク州立銀行
2021年２月23日 2031年１月20日 EUR 10年 50
(LBBW)
2021年３月16日 2025年12月15日 GBP ５年 400 BoA/シティバンク(Citi)/DB
CACIB/DZ銀行(DZ)/HSBC/アイエヌジー
2021年４月15日 2028年４月15日 EUR ７年 500
(ING)
2021年４月21日 2024年４月24日 EUR ３年 150 DB
2021年５月７日 2025年12月15日 GBP ５年 175 HSBC/RBC
2021年６月９日 2032年６月９日 EUR 11年 15 DZ
Citi/DB/野村證券(Nomura)/ソシエ
2021年６月10日 2024年６月10日 USD ３年 500
テ・ジェネラル(SG)
2021年７月１日 2026年６月８日 EUR ５年 100 JPモルガン(JPM)/LBBW
2021年７月26日 2025年12月15日 GBP ４年 100 バークレイズ(Barc)/RBC
2021年８月12日 2024年４月24日 EUR ３年 100 HSBC
2021年９月14日 2024年４月24日 EUR ３年 100 コメルツ銀行(Commerz)
2021年９月14日 2024年４月24日 EUR ３年 100 DB
2021年９月22日 2026年９月22日 USD ５年 1,000 Barc/BoA/JPM/RBC
2021年10月11日 2024年２月26日 NOK ２年 500 Nomura/RBC/TD証券(TD)
2021年10月８日 2024年10月８日 AUD ３年 300 ダンスケ銀行(Danske)
2021年10月21日 2024年10月21日 CAD ３年 300 カナダ帝国商業銀行(CIBC)/RBC/TD
2021年11月12日 2024年11月12日 TRY ３年 167.5 JPM
(*) 2020年10月に発行された１十億米ドル指標銘柄は、2021年の借入承認の一部であるため、本表に表示されている点に留意
されたい。
当行貸付金の借換を確保し、次期年度におけるキャッシュギャップを回避するために、2021年
に借入プログラムに基づいて実施された起債のうち、2020年が75.2％であったのに比べ、57.8％
が５年近くか又は５年以上の最終満期であった。
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多通貨EMTNプログラムは、当行の発行の法的枠組みを金融市場の規制の変更に適応させるた
め、2020年12月に更新された。豪ドル及びニュージーランド・ドルMTN(オーストラリアのプログ
ラ ム)は、2015年９月に最後に更新された。また、CEBのユーロ・コマーシャル・ペーパープログ
ラムも、2020年12月に更新された。ICMAのソーシャルボンド原則に沿ったソーシャル・インク
ルージョン・ボンドの枠組みは、2020年４月に更新され、債券の収益からプロジェクトの資金を
調達できるセクターのリストに保健セクターが追加された。
(b) 債券の傾向
2021 年12月31日現在、支払利息を除いた有価証券に表章される債券の未償還額は、24.2十億
ユーロとなり、前年度末の21.9十億ユーロから増加した。
2021 年、当行は、長期債の買戻し、期限前償還を一切行わなかった。満期ごとの債券の内訳
は、下記図表のとおりである。
h. リスク管理
リスク管理の主要な目的は、当行の長期的な財政の持続性及び業務の弾力性を確保し、さらにはCEB
がその社会的使命を遂行できるようにすることである。当行は国際的にも最良の銀行慣行を実践し、業
務分野全体で健全かつ慎重なリスク文化を促進している。
ⅰ リスク管理
(a) 目的
リスク管理により、CEB全体のリスクが全て特定、評価、監視及び報告される。リスク及び統制
局の財務(信用及び市場)リスク部門及びオペレーショナルリスク部門は、リスク軽減手段及び内
部統制手段を導入することにより、当行の財務の安定性を守り、事業の継続性を保証する。
(b) 原則
CEB は、加盟国の規則を遵守する義務は負わないものの、銀行規制に係る欧州指令及びバーゼル
銀行監督委員会の勧告を、リスク管理原則の基準としている。
当行は、健全な要件の整合性を保証し、リスク・エクスポージャーを特定、査定、統合、監
視、報告、軽減及び統制するためのリスク政策の実施の監督を確保する包括的なリスク管理の枠
組みを発展させてきた。かかる枠組みは、当行の広範なガバナンスの枠組みにおいて重要な役割
を果たすフロント・オフィス、財務リスク、内部監査及び外部監査という３つの防衛線によって
明確化されている。
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CEB のリスク管理の構造は、財務及びリスク政策、財務及びリスク政策ガイドライン並びに財務
及び政策ハンドブックにおいて提示されている。リスク管理の枠組みは、当行の開発計画と合致
するよう定期的に見直されている。さらに、2018年にCEBの管理委員会により承認されたリスク管
理 憲章によっても、最良な銀行慣行及び健全性要件との適切な一貫性が保証されている。
財務リスク部門により公表され、管理委員会及び理事会へ提出されるリスク管理の四半期報告
書は、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナルリスクといった主要なリスク
に対するCEBのエクスポージャーの変更及び内部で定義される健全性に関する枠組みの遵守に係る
情報を投資主へ提供している。
また、CEBの総裁年次財務報告書は、リスク管理の手順及び実施を評価することにより、外部の
リスク報告に寄与している。さらに、当該年次報告書は、18-K様式に従って米国証券取引委員会
に自主的に提出される。
(c) 体制
リスク及び統制局(R&C)は、リスク管理の枠組みの実施について責任を負う。R&Cは、他局と協
同し、リスク政策及び手段の提案、それらの実施の監督並びにリスク報告を行う。当局は、他の
運営局及び事業局から独立しており、総裁に直接報告する。R&C部門は、信用リスク、市場リスク
(リスクの観点からの資産及び負債管理を含む。)並びにオペレーショナルリスク等の特定のリス
ク分野に取り組んでいる。
総裁が議長を務める以下の意思決定委員会は、リスク管理の政策の制定及び監視について責任
を負う。
・信用リスク委員会(CRC)は、週に１度開催され、内部の信用評価及び勧告に基づき、貸付及び資
金エクスポージャーに関する信用リスク決定を行う。
・資産及び負債委員会(ALCO)は、１ヶ月に１度(又は必要な場合はさらに頻繁に)開催され、金
利、外国為替及び流動性リスクの将来的な予測に基づき、戦略的な志向及び意向を形成する。
・オペレーショナルリスク及び組織委員会(CORO)は、オペレーショナルリスクに関する課題を半
年に１度検討し、これらのリスクを軽減、監視及び規制するための対応が採られていることを
確認する。
・IT運営委員会は、情報システムの問題を見直し、業務の弾力性及び事業の継続性を確保するた
めの措置を講じる。ITプロジェクト委員会は、事業要件の予測及びITに関する共有ビジョンの
発展を可能にする。
(d) 統制機関
内部監査(IA)は、CEBの内部統制システム及びリスク統制における常設の独立した機能である。
既存の政策、手続及びベストプラクティスに従って事業、運営業務及びパフォーマンスが効率的
に行われ、管理されていることについて独立的かつ客観的な保証を提供する。さらに、CEBの運営
に関して、将来的な改善の提案も行う。
最高コンプライアンス責任者事務局(OCCO)は、マネー・ロンダリング及びテロ資金供与、脱税
のリスク並びに誠実性、汚職問題及び詐欺問題への対処を課せられている。OCCOは、当行の金融
及びローン事業における誠実性を保護し、風評リスクを防ぎ、企業理念の規範を促進している。
最高情報セキュリティー責任者(CISO)は、情報リスク及び情報技術(IT)リスクの軽減のため、
CEB全体のセキュリティーの枠組みの設計及び手続の開発を行うことにより、当行のセキュリ
ティーポリシーを設定する。
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監査委員会は、優れた財務管理の方針に基づく当行の運営を保証することに責任を負い、当行
の収支決算の検査及びその正確性の確認を行う。理事会が加盟国から交代で選任する任期３年の
代 表者３名(退任者はアドバイザーとして引き続き任期１年で留任する。)から構成される。監査
委員会の報告書は、その抜粋が財務書類に添付される他、年次財務書類が承認のため提出される
際に、CEBの監督機関に提出される。
外部監査人は、外部報告に関し、当行の財務書類のIFAC専門監査基準に従った監査並びに内部
統制及びリスク管理のプロセスの審査を行う責任を負う。外部監査人は、監査委員会の意見及び
管理委員会の推薦に基づき、入札手続の後に、理事会により任期４年で任命され、また任期３年
で１度更新することができる。外部監査は、意見書を含む多くの報告書を作成する。
さらに、当行は、国際格付機関であるムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズ、
フィッチ・レーティングス及びスコープ・レーティングスによる評価を受ける。これらの格付機
関は、環境、社会及びガバナンスの基準の他、当行の財務状況及び長期的な信頼性を毎年詳細に
分析する。
その優れた格付(ムーディーズのAa1(安定的)、スタンダード・アンド・プアーズのAAA(安定
的)、フィッチ・レーティングスのAA+(ポジティブ)及びスコープ・レーティングスのAAA(安定的)
(未承諾))により、CEBは優位な立場で資金を調達しており、その結果、借入人は社会事業の資金
調達のために行う貸付の費用を大幅に抑えることができる。
ⅱ 信用リスク
信用リスクは、銀行の借入人又は取引相手方が合意した条件に従ってその義務を履行しないことに
より生じる潜在的な損失と定義される。
当行は、借入人及び財務上の取引相手方が契約上の義務について債務不履行となる可能性がある
か、又は当行の投資の価値が損なわれる可能性があることから、融資活動及び財務活動の両方におい
て信用リスクにさらされている。
また、格付の引下げ、支払義務に係る(クロス)デフォルト又は取引の決済手続に際して、信用リス
クが生じることがある。決済リスク及び未決済リスクもまた、信用リスクに含まれる。同様に、担保
リスクは信用リスクの一部とされる(担保は、本質的には信用リスクを軽減させる手段である。)。概
して、信用リスクとは、融資先又は取引の信用エクスポージャーの値と信用の質の関数である。
財務リスク部門は、信用リスクに対処するため、取引相手方の信用リスクの質的及び量的要因を評
価し、融資先の信用の質を考慮してリスク条件及び引当金を設定し、信用限度を定める。信用リスク
は、プロジェクト評価プロセスの初期段階から考慮される。
2021 年以降、R&Cは、信用リスク事業の一環として、CEBの2020年から2022年に係る開発計画に従
い、気候変動に関する懸念事項を枠組みへ統合するべく取り組んでいる。これは、気候変動に関する
パリ協定にも適合する環境面における持続可能性及び気候変動への弾力性がより高い開発経路へ加盟
国が移行することに寄与するものである。
ⅲ 市場リスク
市場リスクは、金利又は為替の不利な変動の結果生じる損失のリスクと定義される。CEBは、とり
わけデリバティブを使用して、これらのリスクをヘッジしている。
(a) 金利リスク
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金利リスクは、金利の不利な変動による当行の株主資本又は利益の経済価値の減少として定義
される。金利リスクは、金融商品の契約上の満期又は金利改定日の期間差異によって発生する。
当行の戦略は、株主資本の経済価値の変動性を管理しつつ、安定した収益特性を維持すること
である。この目的のため、CEBは自己資金の投資の目標デュレーションを設定し、半年ごとに見直
しを行う。
バーゼル委員会の勧告に従い、当行は、金利変動が利益及び株主資本の経済価値の両方に与え
る影響を測定するための指標及び限度を設定している。CEBはまた、金利ギャップ・レポートを用
いて、ギャップ・リスク及びベーシス・リスクを監視する。さらに、当行は、財務省証券ポート
フォリオの時価評価感応度を監視している。
(b) 外国為替リスク
外国為替リスクは、外国為替相場における不利な動きに起因する、「オンバランスシート」及
び「オフバランスシート」のポジションに係る潜在的損失として定義される。
CEB は、いかなる通貨ポジションも保有せず、資産及び負債を体系的にユーロ通貨にヘッジして
いる。ユーロ以外の通貨に対する利益を保有することで生じる残存リスクは、月次ベースで監督
及びヘッジされる。オープン通貨ポジションは１通貨につき１百万ユーロ相当に制限されてい
る。
ⅳ 流動性リスク
流動性リスクは、期限が到来した支払義務を適時に履行できないこと又は持続可能な費用による履
行が不可能であることに起因して損失が発生するリスクと定義される。
流動性リスク管理は、特に不利な市場環境が市場における長期資金調達へのアクセスを制約する場
合において、CEBの財務の弾力性を保護する上で極めて重要な役割を果たす。CEBは、異なる時間軸で
流動性の指標を設定すること、また市場へのアクセスのない状況下において通常業務の継続を余儀な
くされるような極端な市場状況が生じる潜在的な期間を乗り越えるために十分な流動資産を保有する
ことにより、流動性を管理するための賢明なアプローチを維持している。
当行の資金調達戦略は、資産及び負債の満期構成の間の著しいギャップを回避し、債券発行プログ
ラム、資金調達市場及び投資家の基盤を多様化することである。
当行は、不利な市場環境においても、市場価値及び流動性が維持される流動性の高い有価証券から
構成される流動性準備金を保有することを保証する。
CEB の流動性リスクに対する耐性は、包括的なリスク指標に置き換えられ、適切な制限によって支
えられている。その主要な指標は、厳格なストレス・シナリオに基づき計算される流動性ギャップ及
び流動性比率である。
自給期間は、当行が、市場にアクセスせず、また取引可能な流動資産の売却/回収を行うことな
く、継続事業から生じるストレス付加後の想定支出純キャッシュ・フローを満たすことができる期間
を評価するものである。存続水準は、当行が、市場にはアクセスしないものの、市場で取引可能な流
動資産の売却/回収を含む継続事業から生じるストレス付加後の想定支出純キャッシュ・フローを満
たすことができる期間を評価するものである。流動性ギャップ指標と同様に、短期流動比率は、流動
性の源泉と、１ヶ月から１年の正確な期間水準での使途とを比較した比率である。また、CEBは、流
動性カバレッジ比率及び安定調達比率の要件を監視する。
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最後に、デリバティブ取引における相対的証拠金規制への移行に関連して、CEBは、デリバティ
ブ・ポートフォリオの価値の不利な変化に関連する流動性需要を定量化するため、モンテカルロシ
ミュレーションに基づく確率モデルを開発した。
ⅴ オペレーショナルリスク
CEB は、オペレーショナルリスクについて、不適切若しくは破綻した内部プロセス、人員及びシス
テム又は外部的事象の発生に起因して発生する潜在的損失と定義しており、これには法的リスクも含
まれる。さらに、CEBは、その事業に関連する風評リスクを考慮している。
オペレーショナルリスク部門は、業務分野との共同により、日々のオペレーショナルリスク管理を
調整する。中央管理枠組みは、所定の方法、リスク軽減手段及び実行計画を通じて、リスクの評価を
提供する。オペレーショナルリスクのインシデントの収集及び監視により、管理枠組みの有効性が確
保され、リスクのマッピング及び評価が達成される。恒久的な内部統制の枠組みは、各局の統制環境
がその設計及び有効性の点で常に適切であることを保証しており、かかる有効性は年次報告書におい
て評価されている。
さらに、業務分野手続の作成を通じて、オペレーショナルリスク部門は包括的な手続及び管理マッ
プを維持している。加えて、事業継続計画(BCP)は、当行の事業活動の混乱に対するヘッジを行う。
オペレーショナルリスク管理政策は、オペレーショナルリスクの特定、評価、管理及び報告のため
の手順を体系化する。これは、CEB全体における有効かつ整合的な管理を確保するための健全な実務
について定めるものである。
i. ガバナンス及び人事
ⅰ コンプライアンス
CEB における最高コンプライアンス責任者事務局(OCCO)は、コンプライアンス違反のリスクを管理
し、CEBを財務及び非財務リスク、すなわち評判リスクから守る。OCCOは、マネーロンダリング防
止、テロの資金供与の阻止、税金詐欺及び有害な税慣行の防止並びに高水準の誠実性、倫理、不正及
び腐敗防止に対するCEBのコミットメントが当行のプロジェクト・サイクルの全ての段階に組み込ま
れることを確保する。さらに、個人データ保護及び情報セキュリティーは、CEBにおけるOCCOの責務
の大部分を占めており、最高コンプライアンス責任者事務局(OCCO)に直属する最高情報セキュリ
ティー責任者(CISO)により管理されている。
2021 年、OCCOは、CEBのコンプライアンス政策枠組みを改訂し、複数の分野において新たな内部ガ
(1)
イドライン及び手続を定めた。これは、当行の３つの行動規範 全てを更新し、現在は、(1)CEB評価
の言及(専門的技術、協力、取組み、透明性、創造性)、(2)環境、社会及びガバナンス(ESG)の言及、
(3)ソーシャルメディアの適切な利用及び「職場の品格」の言及、(4)2018年に開始された欧州の新基
準、すなわちGDPR及び条約108+に準拠した機密保持条項、(5)入社前、入社後及びクーリングオフ期
間、(6)外部活動、非互換性記事及び「近親者」の定義、(7)積極的な汚職と円滑な支払いに関する条
項が挿入された、贈答品、雑多な利益及び便宜供与の条文、並びに(8)近代語句及び専門用語といっ
たアップグレード要素を含んでいる。
さらに、OCCOは、EU基準との整合性のためコンプライアンス違反及び非協力的な管轄区域に関する
CEBの政策を更新し、CEBが融資するプロジェクトに対する追加的な税務デュー・デリジェンスのため
のガイドラインを策定することで、OCCOの租税回避及び脱税の禁止への取組みをCEBが確認した。
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OCCO は、汚職に対するゼロ容認の概念及び取組み並びに妨害的慣行の概念を導入することにより、
コンプライアンス機能の成熟度を反映するためのCEB腐敗防止憲章を改訂した。OCCOは、プロジェク
ト、不祥事及び苦情処理に関する調査手順の作成にも取り組んだ。
OCCO は、CEBのEUの柱の評価の一環として、５つの柱のうち３つを適合させた。OCCOは、資金アク
セスの除外に関する第７の柱、受給者の情報の公表に関する第８の柱及び個人情報保護に関する第９
の柱の３つのワーキンググループに対してリーダーシップを発揮した。また、金融商品に関する第６
の柱、すなわち租税回避に関しても実質的なインプットを提供した。
情報セキュリティーの面では、OCCOは2021年第４四半期に新たなロードマップを開始した。最初の
成果には、データの分類及び保存に関するポリシーの最終化、デロイトが監査したスウィフト・カス
タマー・セキュリティ・プログラムの認証の提出並びにサイバーインシデント対応の実施が含まれ
た。OCCOは、2021年11月にスウィフト利用者を対象とした２つの意識向上セッション及び全職員を対
象としたフィッシングテストキャンペーンを開催した。
2021 年において、OCCOの研修と意識向上活動は、主に仮想環境の中で継続された。当事務局は、新
入社員のための義務的なコンプライアンス導入セッションをオンラインで行い、全職員対象の国際機
関における倫理的リーダーシップに関する情報セッションを開催した。また、OCCOは、新たな規範に
定められた倫理原則を全職員がより深く理解するために、改訂版行動規範に関する必修のeラーニン
グを開始した。最後に、国際腐敗防止デーを記念して、汚職及び不正行為へのゼロ容認に対するCEB
の取組みを再確認するための特別なニュースレターが発行された。
注(1) 総裁、副総裁、職員及び契約協力者に適用される行動規範、合議制機関の議長及び委員に適用される行
動規範並びに監査委員会の委員に適用される行動規範
ⅱ 内部監査
内部監査局は、欧州評議会開発銀行(CEB)の内部統制システムにおける常設の機能である。これ
は、CEBの運営改善を目的とする独立かつ客観的な保証及びコンサルティングサービスを総裁に提供
している。
内部監査は、「第３の防衛線」として、リスク管理、統制及びガバナンス・プロセスの質及び有効
性を評価するための体系的なアプローチを提供することで、CEBの目的達成を支援している。
内部監査は、CEBの取引が既存の方針及び手続に沿って行われているかを分析し、関連リスクを査
定し、潜在的な改善及び効率化のための提案を行う。公平かつ公正な意見を表明するため、内部監査
は、CEBの事業活動、日々のリスク管理又は事業に関連する統制プロセスにも一切関与しない。
監査の任務は、４年のリスクに基づき定期的に作成される計画に基づいた年次活動計画に従って行
われる。内部監査は、外部監査人による年次財務報告の認証を支持するため、取引先の勘定及び取引
の確認も行う。
2021 年10月に改訂された内部監査憲章は、内部監査機能の目的及び位置付けについて明記してい
る。内部監査は、内部監査人協会の国際的な専門業務枠組みの必須要素を全て遵守している。
ⅲ 評価
評価局(EVO)は、社会開発の成果をもたらすCEBの融資活動の質及び有効性を改善するための教訓を
引き出すことを目的として、当行の業務、イニシアチブ及び商品に対して独立した評価を行うことに
より、CEBの説明責任及び知識に貢献している。
EVO は、内外の出資者に評価に関する知識を広めるとともに、評価結果及び提言に関して、当行の
業務局や意思決定者と交流しようと努めている。国際的な優れた実施基準に従い、CEBは、評価機能
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の公平性及びその業務の客観性を保証するために、その活動計画の策定及び実施におけるEVOの独立
性を確保することに真摯に取り組んでいる。
2021 年、EVOは、社会的影響に焦点を当てた信用供与枠の協調融資のために、欧州の著名な協同組
織金融機関であるオランダのラボバンクへのCEBの支援の評価を完了させた。かかる評価は、社会的
及び環境的に責任のある事業活動を達成することに真摯に取り組んでいる企業を対象とした財務政策
の機能を分析することにより、今後の同様の事業に適用可能な教訓をCEBに提供するものである。か
かる評価により、欧州の協同銀行部門の主要な関係者とのパートナーシップを追求及び強化すること
がCEBにとって重要であることが強調された。また、CEB加盟国における持続可能かつ包括的な開発を
促進する上で、第３部門の役割が高まっていることから、CEBが具体的に設計された貸付プログラム
を通して、社会的連帯経済への貢献を強化することの重要性も指摘した。
2021 年、EVOはさらに、CEBの対象国及び非対象国において、国家開発/助成銀行へのCEBの関与を評
価することを目的とした広範な評価イニシアチブを開始した。かかる枠組みの下３つの評価が実施さ
れており、中小零細企業(MSME)の支援に関する特定の国家開発銀行へCEBが支援を行い、住居のエネ
ルギー効率を促進し、都市部及び農村部の生活環境の改善を行っている。2021年に実施された現地調
査に基づく予備調査では、これらの評価は、たとえば、異なる融資チャネル(直接融資又は仲介融資)
が、支援可能な最終借入人の区分や達成可能な社会的成果の種類にどのように影響を与えるかの理解
に貢献することが示唆されている。
EVO は2021年、その中核的な評価活動に加え、政策立案、計画立案、監視及び評価を持続可能な開
発目標(SDGs)に整合させる具体的な方法を探ることに焦点を当てたワークショップを開催した。この
知識共有イベントは、持続可能な開発のための2030年アジェンダの複雑性と変革の役割に対する認識
を高めることや、SDGsの国、地域及び世界レベルでの進捗の測定及び評価をするための努力を把握す
ることに貢献した。
ⅳ ESG/持続可能性に関する報告
公的機関及び開発銀行であるCEBは、環境、社会及びガバナンス(ESG)の基準に重きを置いている。
CEBはその存在意義を実践し、全ての活動において持続可能性を構築している。
当行はその独自の使命から、事業融資(たとえば、環境及び社会セーフガード政策)や内部業務(た
とえば、CEB環境声明)において、社会のみならず環境の持続可能性の促進に大きく貢献しており、こ
れはCEBの３つの戦略的ラインの１つである。特に、(ⅰ)全てのプロジェクトについて専門の環境・
社会サステイナビリティ-気候変動ユニットが実施している環境及び社会セーフガード並びに気候変
動の両側面に関するデュー・デリジェンスや、(ⅱ)環境の持続可能性を第一義とするプロジェクトに
対する支援を通じて、当行の融資活動において持続可能性は主流となっている。さらに2021年、当行
は、融資活動を気候変動に関する2015年のパリ協定に徐々に整合させる取組みを運用可能にするた
め、段階的なロードマップを伴うパリ協定との整合性に関する枠組みを採用した。
当行の全ての局及びオフィスは、企業責任部長及びCSR責任者の協調の下、当行内の企業の社会的
責任(CSR)担当者の社内ネットワークにも代表され、持続可能性に関連する幅広いテーマを扱う。
第三者専門家は、CEBの持続可能性への取組みについて頻繁に精査している。当行の堅実なESGリス
ク管理及びパフォーマンスの証は、非財務格付機関から得られている。2021年、CEBのパフォーマン
スを定期的に評価した４つのESG評価機関につき、ISS ESGは「Prime」、MSCI ESGは「Leader」、サ
ステイナリティクス(Sustainalytics)は「Negligible ESG Risk」、ヴィジオ・アイリス(Vigeo-
Eiris)は「Advanced」と、それぞれの評価を確認した。
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社会的不平等や公共インフラへの慢性的な過小投資が、加速する気候変動及び環境危機といかに相
互に影響し合うかを明示した長引く新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、持続可能性の
重要性がますます高まっていることは明らかである。CEBは、その事業融資、技術的専門性及び知識
の 共有を通じて、欧州全域でより持続可能で包括的かつ強靭な経済及び社会作りに積極的に貢献して
いる。同時に、当行は、持続可能性の原則を自らの業務や事業のあり方に適用し続けている。2021年
以降の例を挙げると、CEBは以下のとおりである。
・７つの追加のCEBの新型コロナウイルス感染症関連貸付について657百万ユーロを承認し、CEBの
新型コロナウイルス感染症関連融資の総額は3.8十億ユーロ近くとなった。
・19百万ユーロ相当の貸付を保証し、10百万ユーロの助成金を承諾するために支援者融資を活用し
た。
・UNFCCCのオブザーバーとしてCOP26に参加し、多国籍開発銀行による「集団的気候変動への野
心」に関する共同声明に署名した。
・革新的な地元の新興企業を活用し、自社事業からのGHG排出量相殺を開始した。
・EUの柱の要件を満たすために、行動規範及びコンプライアンス政策を更新した。当行は2022年初
めにこの目的を完全に果たした。
CEB がどのようにESG及び広範な持続可能性の推進に寄与しているかについては、GRIインデックス
を含む持続可能性報告書(総裁報告書と並行して発行される。)を参照のこと。
ⅴ 人事
(a) ハイライト
2021 年、CEBの職員は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって公私にわたり様々な
課題が生じたにもかかわらず、回復力があり、機敏で生産的であることを証明し続けた。
(b) 従業員
正職員のうち、149名は専門職員(46％が女性、54％が男性)、64名が補助職員(72％が女性、
28％が男性)である。CEBの職員の平均年齢は49歳であり、平均の在職期間は12年である。
2021 年、CEBは職務の欠員を避けるためにリモートでの採用を維持し、総裁は17名の職員を任命
し、そのうち12名は新規採用であった。さらに、当行は、CEBアンカラプロジェクトオフィスで臨
時職員５名を現地採用し、2021年12月31日現在、パリに９名の臨時職員を配置して職員の代替や
周期的なニーズを満たしている。
(c) 人事の多様性
当行は、改訂版欧州社会憲章に規定された権利及び原則に従い、ダイバーシティー及びインク
ルージョンの文化を発展させてきた。職員は直接的又は間接的な差別、特にジェンダー、年齢、
人種若しくは出身民族、宗教若しくは信条、性的指向/アイデンティティ又は障がいを理由とした
差別を受けず、平等な待遇を受ける事実上の権利を有する。
CEB は現在、任命された職員に関して、４つの主要な多様性の側面、すなわち性別、国籍、年齢
及び経歴を追跡している。
ジェンダー：2021年には、女性が任命全体の59％を占め、過去５年間で女性のA階級やA4以上の
職種を増やすことに貢献している。
2021 年の外部採用者12名のうち、７名が女性、５名が男性であった。外部採用者12名のうち、
６名の専門職レベルは女性であり、３名は男性であった。反対に、補助レベルでは、１名は女性
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で２名が男性であった。内部では、男性１名が欧州及び外交局長に、女性１名がカントリーマ
ネージャーユニットを率いるプリンシパルカントリーマネージャーに任命された。女性２名及び
男 性１名は、専門職の職務に任命された。これは、A4以上の職位の女性比率を高め、補助職員の
男性比率を高めるというCEBのジェンダー及び多様性戦略に沿ったものである。
国籍：2021年に行われた17名の外部及び内部の任命は、ブルガリア及びモルドバ共和国等の比
較的目立たない国々を含む11の異なる国籍を示している。また当行は、コソボから初めて職員を
迎えた。
経歴 ： 過去５年間において、外部採用の職員のうち、40％はその他の国際機関(主に国際金融機
関)から、44％は民間部門から、16％は公的部門からの採用であった。
(d) ダイバーシティー及びインクルージョン
ジェンダーの平等及び多様性の原則は、CEBの内部方針及びプロセス、特に選任規則並びに訓練
及び開発方針の主流となっている。パフォーマンス管理ガイドラインを通じて、査定官は、女性
及び男性の貢献を公平に評価して報酬を与える環境を推進することを奨励されている。
さらに、当行は、EDGEのジェンダー平等の再認証を取得し、職種、階級及び局を横断する代表
者を含むそのジェンダー多様性グループと協議して、ジェンダーの平等をさらに改善するための
行動計画を策定した。当行は、リーダーシップレベルを優先して、全ての管理職レベルにおける
女性の割合が増加するよう引き続き努力し、いまだに女性が圧倒的多数を占める補助職レベルに
おけるジェンダーのバランスを改善するためにさらに努力する。また、CEBは、比較的目立たない
複数の国において、その魅力が比較的少ないことへの対処法を検討する。
包括的な経営文化を促進するため、当行は2021年５月にCEB指導プログラムの第２回目を開始
し、15組の指導ペアが共通の発見の旅に出発した。今回は、当行に最近入社した職員を対象とし
ており、彼らの組織的知識の向上、スキル及び社内ネットワークの発達を図るために行われてい
る。かかるプログラムは、ジェンダー、国籍、職種、階級、契約形態等の多様性を考慮して設計
されており、年齢制限は設けていない。15名の指導を受ける者(女性９名及び男性６名、うち13名
はA階級、２名はB階級の職員)並びに管理職レベルの14名の指導者(女性５名及び男性９名)の総勢
29名の職員がプログラムの第２回目に参加している。
研修に参加した女性の割合(56％)は男性(44％)よりやや高く、全体のジェンダーバランスに対
応している。B及びC階級の職員については、参加者の76％は女性、24％は男性であり、これらの
レベルにおける男女比と一致している。階級やジェンダーに関係なく、ほとんどの職員は中核的
能力研修(ニューノーマルでの経営/連携、コミュニケーション等)及び語学研修に参加した。
CEB のダイバーシティー及びインクルージョンの一環として、複数の研修イベント及び講習が
2021年３月に開催された。この取組みは、さらなるジェンダーの多様性の改善を目的とするEDGE
戦略及び改訂版行動計画によって実施されたCEBの職員調査の結果を発表することで幕を開けた。
さらに、2021年10月に開催された仮想女性フォーラムG20イタリア会合への参加は職員３名から６
名(女性５名、男性１名、A階級５名、B階級１名)へと倍増し、興味を示した職員が全員参加し
た。
(e) 職員の福利
CEB は、医療保険会社と連携し、メンタルヘルスを含む健康及び福利に関する懸念に対応するた
め、予防策に関する様々な取組みを行った。職場での健康及び生活の質に関する調査を開始し、
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その結果を基に、2022年初頭に強みを生かし改善点を解消するための行動計画の確立に取り組む
予定である。
当行のスポーツ協会は、参加者の健康管理のために活動を継続した。スポーツ協会は、組織へ
の帰属意識をさらに高めるために、ハイキング部及びCEB合唱団を設立した。
予防対策については、CEBは職員にワクチン接種キャンペーン及び屋外での運動を促進するオン
ラインアプリケーションを提供した。継続的な支援の仕組として、オンライン医療相談やCEBメ
ディエーターがある。
2021 年、受入国の公式勧告に基づき、職員が徐々にオフィスに復帰した。また当行は、職員が
自宅から良い環境で仕事ができるようホームオフィスの人間工学に関するワークショップを継続
的に開催した。
CEB は、当行の全体的なパフォーマンスを最適化することを目的として、引き続き柔軟な業務体
制の改善、労働力の多様化、学習機会及び専門的能力の開発機会の提供並びに職員のケアを行
う。
j. 本邦との関係
当行は、今日に至るまで20年超にわたり、日本の金融市場において安定した活動を行ってきた。
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（５）【経理の状況】
以下に掲げる財務書類は、アーンスト・アンド・ヤング監査法人 ( フランスにおける独立監査人) に
より監査されている。アーンスト・アンド・ヤング監査法人は、当該財務書類は、欧州連合により採
用されるIFRS基準に従って、2021年12月31日現在の当行の財務状況並びに同年の財務成績及びキャッ
シュ・フローを、全ての重要な点において適正に表示しているとの意見を述べている。
欧州連合によって採用されたIFRS基準に従って作成された財務書類
当行の目的
当行の主たる目的は、難民の移動や他の強制的な人口移動の結果、難民、避難民又は移民が存在する
ことになったこと、及び自然災害や環境災害の被害者が存在することになったことを受けて、欧州諸国
が直面している、又は直面するかもしれない社会問題の解決を支援することである。
当行が寄与している投資事業は、これらの人々をその滞在国において援助すること、又は帰国する条
件が整った時にこれらの人々を祖国へ帰還させること若しくは可能な場合は受入国へ移住させることを
目的とする。これらの事業は、当行の加盟国に承認されなければならない。
当行は、さらに、貧しい地域での雇用創出、低所得層のための住宅提供又は社会的インフラストラク
チャーの創設を可能にするため、当行の加盟国により承認された投資事業の実現に寄与する。
( 定款第２条)
活動分野
欧州評議会開発銀行(CEB又は当行)は、社会的一体性の利益になるよう、社会的志向の投資事業の実
行に寄与している。当行は、管理委員会の決議第1617号(2020)に従い、以下の３つの主要な分野別活動
路線を通じてこれを実行している。
・包括的な成長：全ての人々にとっての豊かな未来を確保するため、経済的機会へのアクセスを保証す
る取組み
・社会的弱者集団への支援：より多様な社会を育てるため、社会的に最も弱い立場にある市民の統合を
支援
・環境維持：環境維持を促進し、気候変動を緩和し適応する住みやすい社会を支援
プロジェクトは、上記の分野別活動路線の１つ又は複数に該当する可能性がある。これらの分野別活
動路線は、難民、移民、避難民その他社会的弱者集団に対する援助、低所得者層のための住宅の供給、
都市部及び地方の生活水準の改善、自然災害又は環境災害、環境保護、歴史的及び文化的な遺産の保護
及び復旧、保健、教育及び職業訓練、行政及び司法のインフラストラクチャー、並びに自立可能な雇用
の創出及び維持のための中小零細企業(MSME)の支援の活動分野において、CEBの明確な社会的使命及び
当行の全ての活動の基礎となる発展論理の両方を反映したものになっている。
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貸借対照表
(単位：千ユーロ)
注記 2021年12月31日 2020年12月31日
資産
現金及び中央銀行における残高 2,044,716 1,060,252
損益を通じて公正価値で測定する金融商品 D 443,250 158,614
ヘッジ・デリバティブ金融商品 D 700,933 992,233
株主資本を通じて公正価値で測定する金融
H 3,704,677 4,035,447
資産
償却原価での金融資産 H
貸付金 19,019,840 17,919,658
前渡金 2,096,670 1,517,278
負債証券 1,570,816 1,785,361
有形資産及び無形資産 I 57,290 59,464
その他資産 J 76,665 430,961
資産合計 29,714,857 27,959,268
負債及び株主資本
負債
損益を通じて公正価値で測定する金融商品 D 136,778 549,039
ヘッジ・デリバティブ金融商品 D 478,259 651,892
償却原価での金融負債 K
信用機関及び顧客に対する負債額 70,675 130,606
発行済負債証券 24,824,467 22,772,270
その他負債 J 555,785 313,367
社会配当金勘定 L 47,169 49,749
引当金 M 368,052 360,168
負債合計 26,481,185 24,827,091
株主資本
資本金 N
引受済資本金 5,477,144 5,477,144
(4,864,180) (4,864,180)
未払込資本金
払込請求済資本金
612,964 612,964
一般準備金 2,627,884 2,553,081
94,795 74,802
当期純利益
資本金、一般準備金及び当期純利益合計
3,335,643 3,240,847
株主資本に直接認識された損益 (101,971) (108,670)
株主資本合計 3,233,672 3,132,177
負債及び株主資本合計 29,714,857 27,959,268
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損益計算書
(単位：千ユーロ)
(*)
2020年
注記 2021年
利息及び類似の収入 175,910 154,692
利息費用及び類似の手数料 (28,475) (7,826)
金利差益 O 147,435 146,866
損益を通じて公正価値で測定する金融 商品からの純損益 Q (54) (3,106)
株主資本を通じて公正価値で測定する 金融 資産からの
純利益 42 76
手数料(収入) 2,071 1,348
手数料(費用) (2,647) (5,853)
銀行業務純益 146,847 139,331
一般営業費用 R (53,223) (50,981)
有形資産及び無形資産の減価償却費 I (6,671) (5,746)
総営業収入 86,953 82,604
リスク費用 S 7,842 (7,802)
純利益 94,795 74,802
(*) 再分類を考慮した金利差益の新たな表示は、注Bに詳細が記載されている。
包括利益計算書
(単位：千ユーロ)
2021年 2020年
純利益 94,795 74,802
損益計算書に再分類される可能性のある項目 3,063 (683)
株主資本を通じて公正価値で測定する負債証券の価格変動 5,986 (2,295)
ヘッジ・デリバティブ金融商品の価格変動 (2,923) 1,612
損益計算書に再分類されない項目 3,637 (23,588)
年金計画関連の保険数理計算上の差異 2,388 (20,249)
その他の退職年金関連の保険数理計算上の差異 1,302 (3,291)
資本性金融商品の価格変動 (53) (49)
包括利益のその他の要素合計 6,700 (24,271)
包括利益 101,495 50,531
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株主 資本勘定変動報告書
(単位：千ユーロ)
資本金及び準備金 株主資本に直接認識された損益
株主資本
を通じて
公正価値 ヘッジ・ 保険
で測定す デリバ 数理
資本性
払込請求済 準備金 る負債 ティブ
計算上の 金融 株主資本
資本金 及び実績 合計 証券 金融商品 差異 商品 合計 合計
2020年１月１日
現在の株主資本 612,417 2,560,786 3,173,203 26,101 8,029 (119,150) 621 (84,399) 3,088,804
増資 547 2,296 2,843 2,843
2019会計年度の
利益処分 (10,000) (10,000) (10,000)
2020会計年度の
純利益 74,802 74,802 74,802
株主資本に直接
認識された資産
及び負債の価格
変動 (2,295) 1,612 (23,540) (49) (24,271) (24,271)
2020年12月31日
現在の株主資本 612,964 2,627,883 3,240,847 23,806 9,641 (142,690) 572 (108,670) 3,132,177
2021会計年度の
純利益 94,795 94,795 94,795
株主資本に直接
認識された資産
及び負債の価格
変動 5,986 (2,923) 3,690 (53) 6,700 6,700
2021年12月31日
現在の株主資本 612,964 2,722,679 3,335,643 29,792 6,718 (139,000) 519 (101,970) 3,233,672
2020 年度において、アンドラの加盟に伴い、当行の引受済資本金は4,925千ユーロ増加した。このう
ち547千ユーロは払込請求済資本金に関連するものであった。準備金への拠出額は合計2,296千ユーロで
あった。
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キャッシュ・フロー計算書
(単位：千ユーロ)
12月31日に終了した年度 2021年 2020年
当期純利益 94,795 74,802
+/-有形資産及び無形資産の減価償却費積立 6,670 5,746
+/-減損引当金 (7,854) 7,811
+/-投資活動による純損益 16,941 20,878
+/-未収の受取利息の変動 8,850 24,205
+/-未収の支払利息の変動 (5,397) (25,057)
+/-その他の変動 14,883 17,358
業績に含まれる非通貨項目の合計 34,094 50,941
+信用機関及び顧客への営業に関連するキャッシュ・フロー 2,591,448 2,669,329
-信用機関及び顧客への営業に関連するキャッシュ・フロー (5,183,668) (4,520,843)
+金融資産又は金融負債に影響するその他の営業に関連するキャッシュ・
フロー 4,242,537 5,613,943
-金融資産又は金融負債に影響するその他の営業に関連するキャッシュ・
フロー (3,407,151) (6,020,064)
+/-非金融資産又は非金融負債に影響する営業に関連するキャッシュ・
フロー 1,005 (11,730)
営業活動の結果による資産及び負債の純キャッシュ・フロー (1,755,830) (2,269,365)
営業活動による純キャッシュ・フロー合計(a) (1,626,940) (2,143,621)
+償却原価での負債証券に関連するキャッシュ・フロー 204,200 180,000
+/-有形資産及び無形資産に関連するキャッシュ・フロー (4,251) (7,160)
投資活動による純キャッシュ・フロー合計(b) 199,949 172,840
+/-加盟国からの/へのキャッシュ・フロー (1,349) 8,451
+償却原価での発行済負債証券によるキャッシュ・フロー 8,090,636 8,585,440
-償却原価での発行済負債証券によるキャッシュ・フロー (6,138,622) (6,629,431)
財務活動による純キャッシュ・フロー合計(c) 1,950,664 1,964,461
現金及び現金同等物における外国為替レート変動の影響(d) 139 (14,784)
現金及び現金同等物における純増加/(減少)(a)+(b)+(c)+(d) 523,813 (21,104)
期首における現金及び現金同等物 2,528,981 2,550,085
現金及び中央銀行における残高 1,060,360 677,948
信用機関の要求に応じた支払可能な前渡金及び定期預金 1,468,620 1,872,137
期末における現金及び現金同等物 3,052,794 2,528,981
現金及び中央銀行における残高 2,044,894 1,060,360
信用機関の要求に応じた支払可能な前渡金及び定期預金 1,007,900 1,468,620
現金及び現金同等物の変動 523,813 (21,104)
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財務書類に対する注記
注A：当行によって 適用される主要な会計方法の概要
1. 会計基準
1.1. 適用される会計基準
当行の個別の計算書類は、欧州連合によって採用された国際財務報告基準(IFRS)に従って作成されてい
る。
当行は、2021年度において、欧州連合が採択済みであるが実施が任意であった新しい基準、改訂又は解
釈を実施しなかった。
1.2. 金利指標改革
・ 改革の経緯
2014年、金融安定理事会(FSB)及び証券監督者国際機構(IOSCO)は、銀行間取引金利(IBOR)指標の強化並
びに翌日物金利及び実取引に基づくリスク・フリー・レート(RFR)による段階的置換について提言を行っ
た。
2020年１月15日、欧州連合は、IAS第39号並びにIFRS第７号及び第９号の改訂を採用する欧州委員会規則
2020/34(金利指標改革－フェーズ１)を公表した。本規則により導入される変更は、IBOR改革が財務報告に
及ぼしうる影響への最初の対応であり、指標の置換に先立つ課題に対処するものである。
また、2021年１月13日、欧州連合は、IAS第39号並びにIFRS第４号、第７号、第９号及び第16号の改訂を
採用する欧州委員会規則2021/25(金利指標改革－フェーズ２)を公表した。かかる第２の規則により導入さ
れる変更は、IBORの他の金利指標による置換を含む金利改革後に財務報告に生じうる問題に対処するもの
である。
・ LIBORの置換プロセス
2021年３月５日に、英国金融行動監視機構(FCA)は、ICEベンチマーク・アドミニストレーション(IBA)が
公表する35のLIBOR指標セッティングの将来の公表停止及び代表性喪失について公表した。FCAは、とりわ
け、一定のLIBORセッティング(全てのテナーのユーロLIBOR及びスイスフランLIBOR、翌日、１週間、２ヶ
月及び12ヶ月の英ポンドLIBOR、翌日、１週間、２ヶ月及び12ヶ月の円LIBOR、並びに１週間及び２ヶ月の
米ドルLIBOR)は、2021年12月31日以降直ちに恒久的に公表が停止されると公表した。2022年１月１日以
降、IBAは、１ヶ月、３ヶ月及び６ヶ月の英ポンドLIBOR及び円LIBORのセッティングについては、2022年中
は「シンセティック」メソドロジーベースで公表している。残りの全ての米ドルLIBORセッティングは、
2023年６月30日以降直ちに恒久的に公表が停止される又は代表性が喪失する予定である。
一定の米ドルLIBORレートの公表の2023年６月30日までの延長にかかわらず、FCAのガイダンスは、引き
続き、LIBORは2021年以降新たな契約に使用すべきでないというものである。
・ 改革実施プロジェクトの体制及び当行に対する影響
当行は、市場慣行に沿ってLIBOR指標からそれぞれのRFRに移行することにより、金利指標改革を実施す
る措置を講じた。ワーキング・グループは、この移行のリスク及び潜在的影響を検討し、実施ロードマッ
プを展開した。
当行は、主に、借入人に対する変動金利の貸付金に係るIBORのエクスポージャーを有する。EURIBORは、
EUベンチマーク規制との互換性を考慮して今後も公表され、引き続き、当面の欧州地域における参照レー
トとなる。当行の貸付のほとんどは、ユーロ建で行われており、2022年１月１日現在のほとんどのLIBOR
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セッティングの公表停止/代表性喪失は、当行の貸付業務に大きな影響を及ぼさない。当行は、BUBOR、
WIBOR及びSTIBORを参照する貸付残高を有しているが、これらのレートは、EUベンチマーク規則と適合する
と みなされるとして当面引き続き公表される予定である。2021年に、当行は、とりわけ、英ポンドLIBOR、
スイスフランLIBOR及び円LIBORに指数化された一件の貸付契約に係るLIBORの置換に対処した。かかる貸付
契約及び関連するスワップは、(ヘッジ会計アプローチを維持するため)同じRFRコンベンションを用いて修
正された。当行は、米ドルLIBORに指数化されている残存する貸付金を特定しており、かつ潜在的な代替金
利を監視している。当行は、公正な取扱い及び代替参照金利の等価を採用している。
デリバティブに関して、当行は2021年１月、ISDA 2020 IBORフォールバック・プロトコルに準拠した。
このプロトコルは、同プロトコルに準拠したその他全ての取引相手方との既存のISDAマスター契約(その
CSAを含む。)及びこれらに基づく残存スワップを、IBORフォールバック・レートを組み込んだものへと多
当事者間で修正するものである。一定のトリガー事由が発生した場合(特に、いずれかのIBORの公表が永久
に停止された場合)、これらのフォールバック・レートが、これらの契約又はスワップにおいて参照される
既存の各IBORに代わるものとなる。ISDAがかかるプロトコル及びCEBのスワップが参照により組み込むもの
と併せて公表した修正後の定義により、同じフォールバック・レートが新規のスワップに適用される。
デリバティブの他に、EONIA(2022年１月３日に公表が停止された。)を参照したレポ契約及び口座契約と
いった多くのその他の契約が修正され、現在はその代替としてユーロ短期金利を参照している。
1.3. 表示通貨
財務書類の表示通貨はユーロである。財務書類及び注記において表示される金額は、別段の定めのない
限り、千ユーロ単位である。
2. 外貨取引
財務書類はユーロ建で記載される。
外貨建通貨資産及び負債は、会計年度末日に適用される為替レートでユーロ(CEBの機能通貨)に換算され
る。この取引換算から生じた為替変動は、損益計算書に計上される。
先物通貨取引は、かかる通貨の残存期間に適用される先物為替レートを用いて時価で評価される。ス
ポット為替ポジションは、会計期間末日のスポット為替レートで評価される。為替差額の結果は損益計算
書に計上される。
3. 予測の使用
IFRS の適用において、CEBは、当行の金融商品の価額を決定するために予測を使用しており、主にデリバ
ティブ商品の評価並びに金融資産及び金融約定に関する市場リスクの確定が目的である。これらの要素を
除き、CEBの活動の性質は、判断及び評価の複雑性の観点から、財務書類の作成において重大な予測又は決
定的な仮定を必要としない。しかしながら、経済及び人口統計の想定は、退職給付の社会的約定の評価に
使用される。
4. 金融資産及び金融負債
金融商品とは、現金又はその他の金融資産を受領するか若しくは支払う契約上の権利又は義務をいう。
CEBの銀行業務は一般に、貸付金、負債証券、発行済負債証券及びデリバティブ(スワップ、先物)等の広範
囲の資産及び負債を対象とした金融商品の形態の契約上のものである。
財務書類において、金融資産及び金融負債の分類及び評価方法は、その契約上の特性及びCEBがこれらの
金融商品を運営する方法による。
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しかしながら、この区別は、保有目的(市場活動又はヘッジ取引)とは関係なしに貸借対照表において常
に公正価値で測定されるデリバティブ商品には適用されない。
金融商品は、取引日ベースで認識される。
金融資産及び金融負債の分類及び測定
IFRS 第９号に従って、金融資産及び金融負債は、当初認識時に、貸借対照表において、３つの区分(償却
原価、損益を通じて公正価値で測定する、株主資本を通じて公正価値で測定する)に分類され、かかる区分
により会計上の処理及びこれに続く測定が決定される。この分類は、契約上のキャッシュ・フローの特性
及び当行の金融商品の運営方法(事業モデル)に基づく。
契約上のキャッシュ・フローの特性の分析
契約上のキャッシュ・フローの特性の分析は、その特性が基本融資契約の特性と類似している商品にの
み実効金利法を用いて金融資産からの利益の計上の可能性を制限することを目的としているが、これは関
連キャッシュ・フローの高い予測可能性を意味している。かかる特性を有さないその他の金融商品は全
て、それらが保有される事業モデルとは関係なしに、損益を通じて公正価値で測定する。
元本の返済及び元本残高に係る利息の支払いのみを表す契約上のキャッシュ・フローは、基本融資契約
(SPPIフロー：元本及び利息の支払いのみ)に矛盾しない。
基本融資契約において、利息は主に金銭の時価及び信用リスクの対価から成る。基本的でない金融資産
は全て、それらが保有される事業モデルと関係なしに、損益を通じて公正価値で測定して認識しなければ
ならない。
モデルの分析
事業モデルとは、キャッシュ・フロー及び利益を生むために商品が運営される方法をいう。金融資産の
分類及び評価の方法を決定するために、３つの事業モデルを区別することが必要である。
－金融資産から契約上のキャッシュ・フローを回収することに基づくモデル
－金融資産及びこれらの資産の売却から契約上のキャッシュ・フローを回収することに基づくモデル
－その他の金融資産、特に契約上のキャッシュ・フローの回収が付随する取引資産に特定のモデル
4.1. 償却原価での金融資産
金融資産は、以下の２つの基準、すなわち、事業モデルが契約上のキャッシュ・フローを回収するため
の商品の保有(「回収目的保有」)から成ること、並びにキャッシュ・フローが元本及び元本に係る利息の
支払いのみから成ることが満たされた場合、償却原価で分類される。
事業モデル基準
金融資産は、当該商品の全期間にわたる支払いに関連するキャッシュ・フローを回収するために保有さ
れる。
キャッシュ・フロー基準
キャッシュ・フロー基準は、負債証券の契約上の条件が指定期日に元本及び元本残高に係る利息の支払
いのみであるキャッシュ・フローを生じさせた場合に当てはまる。「償却原価での金融資産」という区分
には、付与された貸付金、契約上の支払いの回収目的保有証券(短期国債、国債及びその他の負債証券)が
含まれる。
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認識
当初認識時に、金融資産は公正価値(当該商品に直接起因する取引費用を含む。)で計上される。その
後、これらは償却原価(当該期間中の未収利息並びに元本及び利息の返済純額を含む。)で評価される。こ
れらの金融資産は、当初予想信用損失(注S)に関する減損計算の対象ともなる。利息は、契約開始時に決定
される実効金利法を用いて計算される。
公正価値ヘッジ取引において、資産の簿価は、IFRS第９号に従ってヘッジされたリスクに起因する損益
に関して調整される。
4.2. 株主資本を通じて公正価値で測定する金融資産
負債性商品
負債性商品は、以下の２つの条件が満たされた場合、株主資本を通じて公正価値で分類される。
事業モデル基準
金融資産は、その目的が契約上のキャッシュ・フローの回収及び金融資産の売却の両方(「回収及び売却
目的保有」)により達成される事業モデル内で保有される。後者は、付随的ではないが、事業モデルの不可
欠な要素である。
キャッシュ・フロー基準
その原則は、償却原価での金融資産に適用される原則と全く同じである。契約上のキャッシュ・フロー
回収目的又は売却目的で保有され、キャッシュ・フロー基準を遵守する有価証券は、主にこの区分に分類
される。
認識
当初認識時に、金融資産は時価(当該取引に直接起因する取引費用を含む。)で認識される。これらはそ
の後公正価値で測定され、公正価値の変動は株主資本の「株主資本に直接認識された損益」に計上され
る。これらの金融資産は、償却原価での負債性商品に適用されるものと同一条件での予想信用損失の計算
の対象ともなる。処分時に、それまで振替可能株主資本において認識された価値の変動は、損益計算書に
再分類される。もう一方で、利息は、損益計算書において契約開始時に決定された実効金利法に従って認
識される。
公正価値ヘッジ取引において、資産の簿価は、IFRS第９号に従ってヘッジされたリスクに起因する損益
に関して調整される。
資本性金融商品
株式等の資本性金融商品への投資は、取引ごとに選択により、株主資本を通じて公正価値で測定する金
融資産として分類される。株式売却時に、これまで株主資本に計上されていた価値の変動は、損益計算書
において認識されない。配当金のみが、投資に係る利益を表し、資本の払戻しを表さない限り、損益計算
書において認識される。これらの商品は、減損の対象とはならない。
4.3. 損益を通じて公正価値で測定する金融資産
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損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、事業モデルの「回収目的保有」若しくは「回収及び売却
目的保有」の基準又はキャッシュ・フローの基準を満たさない取引目的で保有されない負債性商品に関す
るものである。
これらの金融商品は、損益計算書に直接計上される当初取引費用である時価で計上される。末日時点
で、時価の変動は、損益計算書の「損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純損益」に計上され
る。
4.4. 金融負債
発行済金融商品又はその要素は、適法な契約の経済的実質に従って、負債に分類される。
発行済金融商品は、当行にその保有者への契約上の支払義務がある場合、負債性商品とみなされる。
発行済負債証券
発行済負債証券は、最初に取引費用を含む発行価格で計上され、その後実効金利法を用いて償却原価で
評価される。
IFRS第９号の適用において、公正価値でのヘッジ取引の観点から、発行済債券の簿価はヘッジリスクに
関する損益に応じて調整される。
4.5. 融資約定及び保証約定
損益を通じて公正価値で測定するデリバティブ商品として認識されない融資及び金融保証約定は、なさ
れ、受領した約定に関して注Tに表示される。これらは、予想信用損失について償却される。これらの引当
金は、「引当金」の項目に表示される。
4.6. 償却原価での金融資産及び株主資本を通じて公正価値で測定する負債性商品の減損
IFRS 第９号に従って、信用リスク減損モデルは、予想損失に基づく。このモデルは、償却原価区分又は
株主資本を通じて公正価値で測定する区分に分類される貸付金及び負債性商品、損益を通じて公正価値で
計上しない融資約定及び特定の金融保証約定に適用される。
一般的アプローチ
当行は、３つの「ステージ」を識別しており、それぞれが資産の当初認識以降の取引相手方の信用リス
クの進化に関する特定の状況に対応している。
12ヶ月間の予想信用損失「ステージ１」 ：
報告日現在、金融商品の信用リスクが当初認識以降に著しく増加しなかった場合、この商品に関して
12ヶ月間の予想信用損失に相当する額の減損(翌12ヶ月以内の債務不履行リスクに起因する。)が認識され
る。
減損されない資産の全期間の予想損失「ステージ２」 ：
減損は、減損される金融資産がないという当初認識以降に金融商品の信用リスクが著しく増加した場
合、全期間の予想損失(満期時)に等しい。
減損された資産の全期間の予想損失「ステージ３」 ：
資産が減損された場合、減損はまた満期時の全期間の予想信用損失に等しい。
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この一般モデルは、IFRS第９号の減損の範囲内で全ての金融商品に適用される。
利息収入は、ステージ１及びステージ２の残高の簿価総額により計算される。
ステージ３の範囲内での残高に関して、金利収入は償却原価残高(すなわち減損引当金に関して調整され
た簿価総額)に基づき計算される。
債務不履行の定義
債務不履行の定義は、バーゼルの比率が用いる定義と同じである。したがって、取引相手方は、90日超
の支払遅滞が判明した場合、債務不履行に陥っているとみなされる。
減損金融資産
金融資産は、当該金融資産の将来のキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす１又は複数の事象が生じた場
合、減損され、ステージ３に分類される。
個々のレベルで、減損の客観的表示には、以下の事象に関連する観測可能なデータが含まれる。すなわ
ち、支払期限を90日を超えて超過した契約上の支払いが存在すること、結果として現存するリスクと認め
られることに繋がる取引相手方の重大な財政難を認識又は観測したことである。
信用リスクの著しい増加
信用リスクの著しい増加は、合理的かつ妥当なあらゆる情報を考慮し、末日時点における当該金融商品
の債務不履行リスクと当初認識時点における債務不履行リスクとを比較して、評価される。
悪化という評価は、金融商品の当初認識時点における債務不履行の格付又は発生確率と報告日時点に存
在するこれらとの比較に基づく。
予想損失の測定
予想信用損失は、金融商品の予想期間にわたり損失が生じる発生確率により加重された信用損失の見積
り(すなわち現金不足の現在価値)として定義される。これらは、各エクスポージャーについて個々の基準
で計算される。
実際には、ステージ１及びステージ２のエクスポージャーに関して、予想信用損失は、債務不履行時損
失率(LGD)に債務不履行時エクスポージャー額(EAD)を乗じ、エクスポージャーの実効金利で割り引いた債
務不履行確率(PD)として計算される。これは、翌12ヶ月以内の債務不履行リスク(ステージ１)又は満期ま
での全期間にわたる債務不履行リスク(ステージ２)に起因する。
ステージ３に分類されるエクスポージャーに関して、予想信用損失は、実効金利で割り引いた、当該商
品の全期間にわたるキャッシュ・フロー不足として計算される。キャッシュ・フロー不足は、期限到来時
の契約上のキャッシュ・フローと予想キャッシュ・フローとの差額を表している。
実施された方法は、現行の概念及び枠組み(特にバーゼルの枠組み)に基づく。
債務不履行確率(PD)
債務不履行確率は、既定期間にわたる債務不履行の発生確率の見積りである。
予想信用損失の測定には、満期時における１年間の債務不履行確率及び全期間の債務不履行確率の両方
の見積りが必要となる。満期時における１年間のPD及び全期間のPDは、サイクル全体の長期間平均に基づ
きPD規制により計算され、現在の状況を示すために調整されたある時点における(PIT)確率である。
十分な量の内部データがないことを考慮し、CEBは、当行の取引相手方のポートフォリオに従って標準化
されたPDデータの外部提供業者を利用する。
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債務不履行時損失率(LGD)
債務不履行時損失率は、債務不履行日現在の実効金利で割り引かれた、契約上のキャッシュ・フローと
予想キャッシュ・フローとの差額である。LGDは、EADの比率として表示される。
予想キャッシュ・フローの見積りには、契約上の条件に含まれる場合は保有担保又はその他の信用補完
の売却によるキャッシュ・フローが含まれ、当該担保の取得費用及び売却費用を控除して事業体ごとに個
別に計上されない。
十分な量の内部データがないことを考慮し、CEBは、当行の取引相手方のポートフォリオ、信用補完及び
「低サイクル」効果に従って標準化されたLGDデータの外部提供業者を利用する。
債務不履行時エクスポージャー額(EAD)
商品の債務不履行時エクスポージャー額は、債務不履行時に借入人が所有する予想残高である。この額
は、予想される支払特性に基づき決定され、商品の種類に基づき、契約上の返済予定、予想早期償還及び
信用契約に係る将来の予想引出額を考慮している。
将来的な予測情報
予想信用損失額は、過去の事象、現在の状況及び合理的かつ妥当な経済情勢の予測を考慮した発生確率
－加重シナリオに基づき算定される。
予想信用損失算定時の将来的な予測情報に関連する原則は、「注S リスク費用」に詳細が記載される。
4.7. リスク費用
リスク費用には、償却原価で又は株主資本を通じて公正価値で計上された負債性商品、融資約定及び金
融保証約定に関連する12ヶ月間の予想損失及び全期間の予想損失(ステージ１及びステージ２)に関する減
損引当金及び同戻入金が含まれる。リスク費用には、減損に係る客観的証拠がある金融資産(ステージ３)
に関する減損引当金及び同戻入金、回収不能額の相殺額並びに減損資産からの回収額も含まれる。
4.8. デリバティブ商品
デリバティブ金融商品は、CEBがヘッジ対象の金利リスク及び/又は外国為替取引リスクを管理及びヘッ
ジするために使用される。これらは、ヘッジ・デリバティブ金融商品である。
ヘッジ取引は、個々の商品又は取引(ミクロヘッジ取引)に関連している。
CEBの認識は、一般ヘッジ会計(又はミクロヘッジ)に関するIFRS第９号の基準に準拠しており、これは
IAS第39号「金融商品：認識及び測定」を置換するものである。
デリバティブは以下の２つの区分に分類される。
－デリバティブ取引
デリバティブ商品は、ヘッジ商品とみなすことができる場合を除き、当初から取引商品として扱われ
る。デリバティブ商品は、時価がプラスの場合は貸借対照表の資産側の「損益を通じて公正価値で測定す
る金融商品」の項目に計上され、時価がマイナスの場合は貸借対照表の負債側に計上される。損益は、損
益計算書の「損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純損益」の項目に計上される。
－デリバティブ及びヘッジ会計
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特定された金融商品(貸付金、負債証券、発行証券)に関する固定金利付の資産及び負債の金利リスクを
特にカバーするために、当行は公正価値でのヘッジを使用する。
金利キャッシュ・フロー・ヘッジは、貸借対照表において認識された金融商品(変動利付貸付金、有価証
券又は負債)に関連する将来のキャッシュ・フローの変動にさらされる商品をヘッジするために使用され
る。このヘッジ関係は、損益計算書に影響を及ぼす可能性のある商品の将来のキャッシュ・フローのマイ
ナスの変動に対してヘッジすることを目的としている。
金融商品がヘッジ・デリバティブとして適格とされるために、当行は当初の利用からヘッジに関する情
報を保持している。かかる情報は指定資産又は負債、ヘッジリスク、使用されたデリバティブ商品の種類
並びにヘッジの過去及び将来の有効性評価に使用される評価方法を明確に記している。
ヘッジは、IFRS第９号に定義されるヘッジの有効性要件を全て満たさなければならない。かかる有効性
は、ヘッジの最初の利用及びその後のヘッジの全期間を通じて確保されていなければならない。
公正価値によるヘッジ関係の場合、デリバティブは貸借対照表において公正価値で再評価される。一方
で、公正価値の変動は損益計算書の「損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純損益」の項目に
計上される。これは、予想リスクに関するヘッジ商品の再評価と対称的である。貸借対照表において、認
識された資産又は負債に対するヘッジ関係の場合、ヘッジ項目の再評価はヘッジ商品の分類に基づいて計
上される。損益計算書に計上された影響は、ヘッジの終局的な非有効性を示している。
キャッシュ・フローによるヘッジ関係の場合、ヘッジ・デリバティブ金融商品の公正価値の変動は、そ
の非有効部分が「損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純損益」として損益計算書に計上され
る一方で、その有効部分について「株主持分に直接認識された損益」として資本に計上される。金利デリ
バティブの場合、ヘッジ商品に関連する金利収入又は金利費用と対称的に、デリバティブ金融商品の未収
利息部分は、損益計算書の「利息及び類似の収入又は費用」に計上される。
ヘッジが中断されるか又は有効性テストを充足することができない場合は、ヘッジ・デリバティブは取
引ポートフォリオへ移行され、かかる区分に適用される方針に従って計上される。当初においてヘッジさ
れているとみなされた金利商品の場合、貸借対照表に計上されたかかる商品の再評価額は、その残存期間
の実効金利法で償却される。特に早期償還されたために、貸借対照表にヘッジ項目がもはや計上されない
場合、かかる金額は直ちに損益計算書に移行される。
4.9. 公正価値評価
金融資産及び金融負債の公正価値は、IFRS第13号により要求される市場価値及び追加的な価値の調整に
より構成される。
－時価
「損益を通じて公正価値で測定する金融商品」、「ヘッジ・デリバティブ金融商品」及び「株主資本を
通じて公正価値で測定する金融資産」の区分の金融資産及び金融負債は、その時価で評価及び計上され
る。時価は、対等取引において知識のある自発的な当事者間において交換され得た資産、又は支払われ得
た負債に関する価格に相当する。
時価は、以下のとおり決定される。
－活発な市場における見積価格の使用
－以下のような評価手法の利用
－認識された財務上の仮定に基づく数学的な計算方法
－活発な市場において取引される商品の価格を利用して、又は活発な市場がない場合には統計的推定若
しくはその他の定量法に基づいて決定された価値のパラメーター
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一方で、デリバティブ商品(外国為替、金利及び通貨スワップ)は、一般的に承認されたモデル(割引
キャッシュ・フロー手法、ブラック・ショールズ・モデル、補間法)に基づいて観測可能なパラメーターを
用 いて評価される。
－評価調整
評価調整により、公正価値の範囲内での取引相手方の信用リスク及び当行の信用リスクを統合すること
ができる。
取引相手方のリスクの評価調整(信用評価調整－CVA)は、取引相手方のうち１社が債務不履行の場合に、
当行が取引から全時価を回収し得ないリスクを反映している。
当行の信用リスクの評価調整(自己信用評価修正－OCA及び債務評価調整－DVA)は、当行の発行済負債証
券及びデリバティブ金融負債の評価額に対するCEBの信用リスクの影響を反映する。
これらの調整は、取引相手方ごとに算出され、債務不履行エクスポージャー、債務不履行確率及び債務
不履行の際の回収率に基づいて算出される。
債務不履行時におけるエクスポージャーは、リスク要因のシミュレーションによるリスクへのエクス
ポージャーを定量化するモデルを用いて見積られる。かかるモデルは、クレジット・サポート・アネック
ス(CSA)担保契約の性質に左右される担保の変動を考慮に入れる。
CVA及びDVAは、正の評価の場合は貸借対照表の資産側の「純損益を通じて公正価値で測定する金融商
品」の項目に計上され、負の評価の場合は貸借対照表の負債側に計上される。損益は、損益計算書の「純
損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純損益」に認識される。
4.10. 金融資産及び金融負債の償却
金融資産の償却
当行は、当該資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合又はCEBが当該資産か
らのキャッシュ・フローを受けるための契約上の権利並びに実質的に当該資産の所有に関するリスク及び
利益の全てを譲渡した場合のいずれも、金融資産の全部又は一部を償却する。これら全ての条件が満たさ
れなかった場合、当行は、貸借対照表において当該資産を維持し、当該資産の譲渡の結果生じた義務に関
して負債を認識する。
金融負債の償却
当行は、当該負債が全部又は一部消滅した場合、金融負債の全部又は一部を償却する。
レポ契約
レポ契約に基づき一時的に売却された有価証券は、引き続きCEBの貸借対照表においてその原ポートフォ
リオに認識される。これに対応する負債は、「償却原価での金融負債」に償却原価で認識される。
リバース・レポ契約に基づき一時取得された有価証券は、当行の貸借対照表において認識されない。こ
れに対応する債権は、「償却原価での金融資産」に償却原価で認識される。
5. 金利収入及び金利費用
金利収入及び金利費用は、損益計算書において、実効金利法を用いることにより全ての金融商品に認識
される。
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実効金利とは、金融商品の予想残存期間を通じて見積られる将来の現金支出又は現金収益を金融資産又
は金融負債の純簿価まで正確に割り引く利率である。この計算には、授受された手数料(利息と類似する場
合)、取引費用並びに全てのプレミアム及び割引が含まれる。
6. 固定資産
当行の貸借対照表に計上される固定資産は、有形活動資産及び無形活動資産、並びに2019年１月１日以
降は、IAS第17号「リース」を置換するIFRS第16号「リース」の範囲内の全てのリースを含む。
IFRS第16号に従い、基準の範囲内の全てのリースは、借手の貸借対照表において認識されなくてはなら
ない。契約期間中のリース資産の使用権を示す金額は、有形資産として認識され(注I)、リース負債に相当
する金額は負債として認識される(注J)。
損益計算書において、使用権は契約の全期間にわたって減価償却され、利息費用はリース負債と認識さ
れる。
固定資産は、直接関連のある費用を加えた購入価格で計上される。
減価償却は、定額法を用いて当行が予測する資産の予想耐用年数に従って計算され、資産の残存価値は
償却基礎価額から差し引かれる。
末日ごとに、固定資産は償却原価(減価償却及び可能性のある減損を差し引いた価格)で評価され、必要
があれば、耐用年数の存続期間及び残存価値に関する会計調整が実施される。
－有形資産
以下は活動施設の「建物」分野の内訳である。全てその耐用年数に従って減価償却される。
(1)
－主要な建物、ファサード及び屋根材 －
－一般設備及び専門設備 10年
－不動産の定着物及び付属物 10年
注(1) 当行の本部がパリの中心に所在していることを考慮し、その残存価値は「主要な建物、ファサード及び屋根材」
に指定されているが、これは減価償却の対象となっていない。
土地は減価償却されない。その他の有形固定資産は、以下の存続期間に従って減価償却される。
－付属物及び家具 10 年
－ 車 両 ４年
－事務所及びIT備品 ３年
－無形資産
無形資産(ITソフトウェア)は、以下の存続期間に従って償却される。
－アプリケーションソフトウェア ５年
－システムソフトウェア ３年
－オフィスソフトウェア １年
7. 退職職員給付金
当行の年金計画は、当行及び職員からの拠出によって資金提供された確定給付型年金計画である。給付
金は労働年数及び最終勤務年度の基本報酬の割合に基づいて計算される。
その他の退職給付金計画(医療保険、財務調整及び退職年金)も、同様に確定給付型年金計画である。退
職期間中、退職した職員は、引き続き医療保険の対象となる。この医療保険は、職員及び当行からの拠出
により資金提供される。これらは、当行の職員がそれぞれ退職時に選択する制度により異なる。税金調整
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に関しては、当行は、2014年１月１日より前に雇用した職員への当行の年金に係る課税額の50％を払い戻
す。
これらの計画は、当行側の約定を表し、評価され、引当金が設定されている。IAS第19号に基づき、会計
上及び人口統計上の条件を考慮し、これらの約定に関して保険数理計算上の評価が実施される。保険数理
計算上の損益は、貸借対照表の「引当金」の項目に「包括利益計算書」の取引相手方ごとに計上される。
これらの約定に関する引当金の額は、予測単位積増方式に従い独立した保険数理人によって決定され
る。
8. 社会配当金勘定
社会配当金勘定(SDA)は、CEBの目的に適合しかつ管理委員会が指定する適格諸国において実施されるプ
ロジェクトに助成金を提供するために使用される。SDAの運用原則は、2016年11月17日に承認された管理委
員会の決議第1589号(2016)により改訂されている。改訂により、当行の加盟国は全て保証制度の対象とな
ることとなった。
2019年11月、管理委員会はCEBの貸付金へのSDA保証の提供に用いる方法を改訂した。新たな方法は、バ
リュー・アット・リスク、すなわち一定の期間及び確率における予想最大損失額の概念に基づいている。
これにより、当行はリスクへの慎重なアプローチを維持しつつも、より多額の借入金、すなわち現行の方
法の下で補填される金額の２倍以下を保証することができる。管理委員会は、決議第1612号(2019)におい
てSDAの方針を改訂することによりかかる新たな方法を採用した。
SDAにより提供される助成金は、技術支援、金利補助金、保証及び助成金付与の形態とされることがあ
る。
－金利補助金
金利補助金は、CEBの借入人が負担する利息額を減らすために使用される。金利補助金は、貸付金の各債
券につき、当行が適用する金利と借入人が事実上支払う金利との差を補う。
－保証
CEBが付与する貸付への保証により、当行は、社会的影響は大きいものの、信用リスクが高いプロジェク
トへ資金を提供することが可能になる。その金額、トリガー事由及び回収方法は個別の事案ごとに決定さ
れる。
－技術支援
技術支援は、CEBの借入人によるプロジェクトの準備及び遂行を支援するために利用される。そのため、
プロジェクトの準備、実行又は監視及び報告、調達管理並びに影響評価のために必要な、事前の実現可能
性、実現可能性及び技術の研究、企画及び実施の計画、制度上及び法律上の評価並びにその他の助言サー
ビスのために資金が提供される。
－助成金付与
助成金付与は、緊急事態の枠組みにおいて行われるか又は加盟国に共通する原因への拠出の形で行わ
れ、他の国際機関と協力して遂行される。
SDAから拠出される助成金は、総裁によって承認される300千ユーロ以下の技術支援の助成金を除き、管
理委員会によって承認される。
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SDAは、当行の年間利益の配分時に支払われる社会的性格の配当を通じて、当行の加盟国からの拠出金に
よって主に資金提供されている。
9. 関連当事者
IAS第24号に関して、当行はいかなる機関の子会社でもない。財務書類は関連当事者との関係によって影
響を受けるものではない。
当行の議長及び任命役員に関連する情報については、下記10.の項に記載されている。
10. 議長及び任命役員への報酬
CEBの定款では、当行の組織、運営及び監督は下記の機関に分掌されている。
－理 事 会
－管理委員会
－総 裁
－監査委員会
理事会及び管理委員会は、それぞれ１名の議長及び各加盟国が任命した１名の代表から構成されてい
る。理事会の議長及び管理委員会の議長は理事会によって任期３年で選任され、その任期は１度更新する
ことができる。副議長は各機関の構成員から選任される。議長及び副議長の年間報酬は、在任期間中は管
理委員会によって固定されている。
総裁は理事会で任命され、任期は５年であるが１回は再任されることができる。総裁は、１名以上の副
総裁に補助される。かかる副総裁は、管理委員会からの意見に従って、理事会の委員との協議を経て、総
裁の提案に基づいて理事会によって任命され、任期は５年であるが１回は再任されることができる。総裁
及び副総裁の報酬は、当行の年間予算の承認範囲内で管理委員会によって固定されている。
総裁及び副総裁は、医療保険及び社会保険並びにCEBの年金制度に加入している。適用される退職年金制
度は、任命役員が、５年の任期後に退職年金を請求する場合を除き、職員と同じである。
CEBの議長、副議長及び任命役員はストック・オプション又はその他の種類の賞与を受領しない。総裁及
び副総裁は、医療保険及び社会保険並びにCEBの年金計画に加入している。
CEBの議長、副議長及び任命役員の報酬総額は以下のとおり要約される。
(単位：千ユーロ)
2021年 2020年
役員報酬
理事会議長 45 45
管理委員会議長 45 45
理事会副議長 6 6
管理委員会副議長 5 6
報酬
(1)
総裁 ウェンツェル(Wenzel)
385 386
(2)
総裁 モンティチェッリ
14
(3)
副総裁 モンティチェッリ
293 294
(4)
副総裁 サンチェス-ジェブラ・アロンソ(S ánchez-Yebra Alonso)
293 294
副総裁 ボーチェック 304 294
注(1) 総裁ウェンツェルの任期は2021年12月17日に終了した。
(2) 総裁モンティチェッリの任期は2021年12月18日に開始した。
(3) 副総裁モンティチェッリの任期は2021年12月17日に終了した。
(4) 副総裁サンチェス-ジェブラ・アロンソの任期は2021年12月17日に終了した。
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11. 課 税
欧州評議会の特権及び免責に関する一般協定に対する第三議定書は、当行の資産、収入及びその他の財産
は、当行の加盟国における全ての直接税から免除されると規定している。
注B：金利差益の表記変更
2021 年１月１日、当行は損益計算書において金利差益を要約して表記することを選択した。
－「利息及び類似収入」の行は、資産及び負債からの純受取利息の合計である。この項目は、以前は
資産に係る純受取利息及び純支払利息を含んでいた。
－「利息費用及び類似費用」の行は、資産及び負債に対する純支払利息の合計である。この項目は、
以前は負債に係る純受取利息及び純支払利息に含んでいた。
これらの項目の詳細については、注Oに記載されている。
以下の表は、2020年12月31日現在の受取利息及び支払利息を、新しい表記法に従って記載している。こ
の分類変更によって、金利差益の総額は変化しない。
(単位：千ユーロ)
旧表記法による 新表記法による
分類変更
2020年 2020年
株主資本を通じて公正価値で測定した金融資産 (2,999) 2,999
償却原価での貸付金及び前渡金 32,067 32,067
償却原価での負債証券 56,408 56,408
償却原価での信用機関及び顧客に対する額 2,744 2,744
償却原価での発行済負債証券 63,473 63,473
利息及び類似収入 85,476 69,216 154,692
償却原価での信用機関及び顧客に対する額 2,744 (2,744)
償却原価での発行済負債証券 63,473 (63,473)
その他の利息費用及び類似費用 (4,827) (4,827)
株主資本を通じて公正価値で測定した金融資産 (2,999) (2,999)
利息費用及び類似費用 61,390 (69,216) (7,826)
金利差益 146,866 146,866
注C：リスク管理
リスク管理の主要な目的は、当行の長期的な財政の持続性及び業務の弾力性を確保し、さらにはCEBがそ
の社会的使命を遂行できるようにすることである。そのため、当行は業務分野全体で健全かつ慎重なリス
ク文化を促進することにより、国際的にも最良の銀行慣行(BBP)の実践を目指している。
本注記は、当行が通常の事業過程において直面する主な金融リスク、すなわち信用リスク、市場リス
ク、流動性リスク及びオペレーショナルリスクに対する当行のエクスポージャーに関する情報を提供して
いる。また、本注記は、かかるリスクの特定、評価、監視、報告、緩和及び統制するための適切なツール
をCEBにもたらす目的、方針、手続、制限及び統制に関する情報も提供している。
当行は、加盟国の規制には服さないものの、銀行規制に係る欧州連合指令及びバーゼル銀行監督委員会
の勧告をリスク管理の枠組みの基準として考慮している。
CEBは、最良の銀行慣行に沿う監視手続を含むリスク及び統制政策を定期的に見直している。
－リスク選好度
当行は、リスク選好度を、当行の開発計画に記載されている戦略的目標の達成のために当行がそのリス
ク許容範囲内において負う意思のあるリスクの総体的なレベル及び種類と定義する。
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CEB のマンデートを履行するための鍵となる手段は、有利な利率で資金を融資することであり、そのため
には資本市場において競争力のある利率で資金を調達することが必要となる。この目的のため、特に強固
な信用リスク特性の保持が最も重要となる。
CEB の財務及びリスク特性は、量的及び質的な主要指標並びに健全性に関する枠組み(4.を参照のこと。)
に基づく制限から示されるリスク選好度によって決まる。
当行は、そのリスク管理について堅実な方法を採用しており、これにより当行の長期にわたる財政の持
続可能性の確保に対するリスクが軽減される。当行は、オンバランスシート及びオフバランスシート両方
の取引に起因してCEBの事業から生じる全てのリスクを認識、査定、監視、報告、緩和及び統制するための
包括的なリスク管理枠組みを開発、導入した。
－リスク体制
リスク及び統制局(R&C)は、リスク管理の枠組みの実行、とりわけ、当行全体における全てのリスクの認
識、監視及び報告について責任を負っている。R&Cは、他の局と協調して、リスクに関する方針及び手法を
提案し、それらの適用を監督し、全体的に一貫したリスク管理が行われるようにし、リスク報告を徹底さ
せる。
R&C は、他の運営局及び事業局から独立し、総裁に対して直接報告を行う。R&C内部の部署は、信用リス
ク、市場リスク(リスク観点からの資産及び負債管理(ALM)を含む。)及びオペレーショナルリスクの分野を
対象としている。
財務総局は、業務上のALM及び当行の流動性ポジションについて責任を負う。
－意思決定委員会
当行は、各分野でリスク管理方針の設定及び監視について責任を負う異なる意思決定委員会を設置して
いる。総裁はこれら全ての委員会の議長を務める。
－ 信用リスク委員会 (CRC)は、週に１度開催され、内部信用リスクの分析と勧告に基づき、貸付及び資金
エクスポージャーに関する与信決議を行う。
－ 資産及び負債委員会 (ALCO)は、貸借対照表全体を通じた金利、為替及び流動性リスクの将来的な予測
に基づき、戦略的な志向及び意向を形成するために１ヶ月に１度又は必要に応じてより高い頻度で開
催される。
－ オペレーショナルリスク及び組織委員会 (CORO)は、CEBのオペレーショナルリスクに関する課題を半年
に１度検討し、これらのリスクを軽減、監視及び規制するための十分な方法が採られていることを確
認する。
－ IT運営委員会 は、情報システムの問題を見直し、業務の回復性及び事業の継続性を確保するために適
切な措置を講じる。さらに、IT関連の決定が事業の利害関係及び優先事項と適切に合致することを十
分に確保するために、副総裁が委員長を務めるITプロジェクト委員会により、定期会合を通じて、事
業要件の予測及びITに関する共有ビジョンの発展が行われている。
－統制機関
内部監査(IA)は、CEBの内部統制システムにおける、常設の独立した機能である。IAの目的は、総裁及び
CEBの統制機関に対し、事業及び運営業務が効率的に行われ、管理されていることについて独自のかつ客観
的な保証を提供することである。IAは、CEBの活動が、既存の政策、手続及びベストプラクティスとの適合
性の下行われているかを検査し、またそれらに関連するリスクの評価を行っている。さらに、CEBの運営に
関して、将来的な改善の提案も行う。
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最高コンプライアンス責任者事務局(OCCO)は、マネー・ロンダリング及びテロ資金供与並びに脱税のリ
スク並びに誠実性、汚職問題及び詐欺問題への対処を課せられている組織単位である。OCCOの任務は、金
融 リスク及びレピュテーションリスクから当行を保護すること、企業倫理規範を促進すること並びにCEBの
コンプライアンスリスクの効率的な管理について自主的に貢献することである。OCCOの主な活動は、運営
及び取引相手方に対する誠実性のデュー・ディリジェンスによるチェックの実施、当行の金融及びローン
事業における誠実性の保護並びに当行の基準及び方針に対する違反により生じるリスクからの職員及び合
議制組織の誠実性及び義務論の保護である。また、OCCOは、調達方法の選択手続が内部規則に沿っている
ことの確認を行う。
コンプライアンス・ユニットの最高情報セキュリティー責任者(CISO)は、CEBの情報資産及び技術が適切
に保護されていることを確保する。CISOは、セキュリティーポリシーの設定、セキュリティーの枠組みの
設計、並びにCEB全体の情報及び情報技術(IT)リスク軽減のための手続の特定、開発、導入及び維持に関し
て責任を負う。CISOは、インシデントへの対応、適切な基準及び統制の設定、セキュリティー技術の管
理、セキュリティーに対する認識の向上、並びに情報セキュリティーポリシー及び手続が適用されている
ことの確認を行う。
監査委員会は、理事会によって加盟国から交代で選任される任期３年の代表者３名(退任者はアドバイ
ザーとして引き続き任期１年で留任する。)で構成されている。同委員会は、当行の収支決算を検査し、そ
の正確性を確認する。監査委員会の報告書は、その抜粋が財務書類に添付される他、毎年財務書類が承認
のため提出される際に、当行の監督機関に提出される。
外部監査人は、監査委員会の意見及び管理委員会の推薦に基づき、入札手続の後に、理事会により任期
(1)
４年で任命され、３年の追加任期は１度更新することができる。外部監査人は、当行の財務書類のIFAC
の専門監査基準に従った監査並びに内部統制及びリスク管理のプロセスの審査を行う責任を負う。外部監
査人は、意見報告書を含む多岐にわたる報告書を起草する。
さらに、当行はフィッチ・レーティングス、ムーディーズ及びスタンダード・アンド・プアーズの３つ
の国際的な格付機関による評価を受ける。これらの格付機関は、当行の財務状況及び長期的な信頼性並び
に環境、社会及びガバナンスの基準を詳細に分析し、年間格付を付与する。
注(1) 国際会計士連盟
－リスク管理に関する内部報告及び外部報告
リスク及び統制局は週に１度、融資活動及び財務活動に関する信用リスクについて、 信用リスク委員会
に対して報告する。
１ヶ月ごとに、財務総局は、金利及び為替相場のエクスポージャー並びに資金調達及び流動性ポジショ
ンについて、 資産及び負債委員会 に報告する。
四半期リスク管理報告書は、R&Cが作成し管理委員会及び理事会に提示される。当該報告書は、信用リス
ク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナルリスクといった主なリスクに対するCEBのエクスポー
ジャー及び内部で定義される健全性の枠組みの進展について株主に情報を提供する。
当行はまた、格付機関に対してその毎年の評価のために広範な情報を提供する。また、米国証券取引委
員会に提出された発行登録書との関係で、18-K様式により作成されたCEBの年次報告書にも、当行のリスク
管理の情報が含まれている。
最後に、CEBの総裁年次財務報告書には、当行において実施されているリスク管理のプロセス及び実務に
ついて公平な見解が示されており、そのリスクのエクスポージャーについての詳細なデータが提供されて
いる。
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1. 信用リスク
－評価過程の概要
信用リスクは、銀行借入人又は取引相手方が合意した条件に従ってその義務を履行しないことにより生
じる潜在的な損失と定義される。当行は、借入人及び財務上の取引相手方が契約上の義務について債務不
履行となる可能性があるか、又は当行の投資の価値が損なわれる可能性があるため、融資活動及び財務活
動の両方において信用リスクにさらされている。また、当行の資本又は貸倒損失に係る引当金に対して悪
影響を及ぼす可能性がある格付の引下げにより、信用リスクが生じることがある。決済リスク及び未決済
リスクもまた、信用リスクに含まれる。同様に、担保リスクも信用リスクの一部とされる(担保は、本質的
には信用リスクを軽減させる手段である。)。概して、信用リスクは、融資先又は取引の信用エクスポー
ジャーの値と信用の質の関数である。
－信用リスクの特定及び評価
信用リスク管理は、当行のバランスシート及びオフバランスシート上の事業における当行の融資及び資
金運用活動から生じる全ての商品及び活動に内在する全ての信用リスクの潜在的な要因を特定する。当行
は、新たな商品及び活動が導入又は実施される前に、これらに係るリスクが適切なリスク管理の手続及び
統制に服することを確認する。信用リスクは、格付の引下げ、支払義務に係る(クロス)デフォルトの形で
発生するか、又は取引の決済手続に際して発生する可能性がある。
信用リスクは、(ⅰ)リスク原則に従って信用取引が遂行されていることの確保のために適切な内部管理
を実施し、また(ⅱ)借入人又は仲介者との関係による影響を受けることなく独立した判断を下すため、融
資又は財務の担当者から独立して、信用リスク部(CRU ) ( リスク及び統制局、財務リスク部門)によって評価
される。信用エクスポージャーは、毎日測定、監視及び統制される。制限の違反(もしあれば)は、上級管
理職に報告される。
内部信用格付は、当行の独立した内部の信用リスク評価の結果を示すものである。内部信用格付は、支
払義務を全額、また適時に履行することに係る借入人の能力及び意思に関する意見である。かかる内部信
用格付は、通常、リスク要因の質的及び量的な評価並びに最終的に不履行の原因となる可能性のある潜在
的なシナリオに基づく。内部信用格付は、財務総局並びに貸付及び社会開発局の全ての取引相手方に対し
て指定される。当行は、当行が負う潜在的なリスクを適切に理解していることを確認しつつ、特定の取
引、商品又は取引相手方に関して外部格付を利用することができる。当行の事業から発生する信用リスク
を監視するために定められた限度は、定期的に検討される。内部格付の方法は、随時検討され、調整され
る。
・内部格付と外部格付機関の対応表
内部格付 ムーディーズ S&P/フィッチ
10 Aaa AAA
9.5 Aa1 AA+
9 Aa2 AA
8.5 Aa3 AA‐
8 A1 A+
投資適格
7.5 A2 A
7 A3 A‐
6.5 Baa1 BBB+
6 Baa2 BBB
5.5 Baa3 BBB‐
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5 Ba1 BB+
4.5 Ba2 BB
4 Ba3 BB‐
3.5 B1 B+
3 B2 B
投資適格未満 2.5 B3 B‐
2 Caa1 CCC+
1.5 Caa2 CCC
1 Caa3 CCC‐
0.5 Ca CC
0.25 C C
債務不履行 0 D D
－信用リスクの軽減
CEB は、取引残存期間中の信用リスクを監視し軽減するため、信用リスクの軽減(CRM)手法を積極的に活
用している。信用リスクの軽減手法としては、保証、担保又は契約上の保護(契約上のコベナンツ)があ
る。
新規取引に関する信用リスクの軽減手法は、CRUによって提案され、信用リスク委員会の承認に服する。
既存取引に関する信用リスクの軽減手法は、取引相手方に係る年次精査において信用リスク委員会に提示
される。
新規プロジェクトに関する信用リスクは、評価手続において評価され、関連する内部委員会からの承認
を必要とする。全てのプロジェクトは、管理委員会からの承認を得るために同委員会へ提出される。
管理委員会は、当行の財務及びリスク方針を通じて、財務活動の全体的な枠組みを設定する。この枠組
み内で、財務取引は、CRUにより評価され、承認のため信用リスク委員会に提出される。
最後に、大口エクスポージャー及び集中に関する制限も決定され、信用リスク委員会に報告される。
－信用リスク・エクスポージャーの概要
以下の表は、2021年12月31日現在及び2020年12月31日現在における、以下のa)及びｂ)の両方に対する信
用リスク・エクスポージャーを示している。
a) 当行の貸付及び社会開発局(L&D)(すなわち、貸付及び融資約定)
b) 財務総局(すなわち、預金、有価証券及びデリバティブ)
(単位：百万ユーロ)
表Ⅰ
2021年 2020年
AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計 AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計
貸付 3,760 12,535 2,621 18,916 3,109 11,995 2,323 17,427
融資約定 1,403 3,684 1,228 6,316 1,236 5,409 1,530 8,175
預金(ノストロ及び
金融市場) 1,737 2,409 4,146 891 1,738 2,629
有価証券 3,497 1,589 5,085 3,625 1,954 5,579
SA ‐ CCRによるス
ワップ与信相当額 176 112 288 235 133 367
SA ‐ CCRによる外国
為替与信相当額 6 6 149 149
スワップ担保-
正味現在価値を
カバーしない 0.4 8 9
合計 10,578 20,329 3,850 34,757 9,245 21,229 3,862 34,335
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は(国際格付機関に格付を付与されていない場合には)内部格付
・ 貸付及び 融資約定は、CRM後に報告される。
・ 貸付、預金及び有価証券は、額面価格で、未収利息を除き、報告される。
・ スワップ及び外国為替に対する SA‐CCR 方式は、2021年に導入された。
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・ 2021年において、スワップの 正味現在価値合計は、担保によってカバーされている。
A - 貸付及び社会開発局の活動
－貸付ポートフォリオ
貸付事業における信用リスクは、主に銀行借入人又は取引の相手方による契約上の義務の不履行又は格
付の引下げから生じる。
2021年12月31日現在、貸付残高は2020年度末と比較して8.5％増加し(1.5十億ユーロのプラス)、18.9十
億ユーロとなった。2021年度において、2020年度の場合と同じく、不払いは記録されていない。
以下の表は、貸付ポートフォリオの取引相手方の格付及び属性別のリスク特性である。
(単位：百万ユーロ)
表Ⅱ
2021年 2020年
AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計 AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計
ソブリン、国有
金融機関及びIFIs 1,329 6,247 2,379 9,956 1,056 5,984 2,067 9,107
準ソブリンの団体及び
金融機関 2,298 3,012 134 5,443 1,938 2,726 74 4,738
その他金融機関 13 3,092 85 3,190 22 3,187 59 3,268
非金融機関 120 184 23 327 92 98 123 313
合計 3,760 12,535 2,621 18,916 3,109 11,995 2,323 17,427
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は(国際格付機関に格付を付与されていない場合には)内部格付
・ 額面価格で、未収利息を除き、CRM後に報告された 貸付
・保証貸付及び担保貸付
貸付ポートフォリオの大部分について、信用補完(担保及び保証)により、信用リスクの質が高まってい
る。
－保証貸付：2021年12月31日現在、6.5十億ユーロ(2020年度と同額)、すなわち、残高合計の34.3％
(2020年度においては37.5％)
－担保貸付：2021年12月31日現在、128百万ユーロ、すなわち、残高合計の0.7％
・貸付残高のリスクの分析結果に対する信用補完の影響
(単位：百万ユーロ)
表Ⅲ 2021年 2020年
CRM前 CRM後 CRM前 CRM後
金額 ％ 金額 ％ 金額 ％ 金額 ％
AAA/AA 3,256 17％ 3,760 20％ 2,615 15％ 3,109 18％
A/BBB 10,903 58％ 12,535 66％ 10,637 61％ 11,995 69％
投資不適格 4,757 25％ 2,621 14％ 4,174 24％ 2,323 13％
合計 18,916 18,916 17,427 17,427
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は(国際格付機関に格付を付与されていない場合には)内部格付
・ 額面価格で、未収利息を除き、報告された 貸付
－貸付合計のうち、外部格付機関による格付を付与されていない貸付の割合
(単位：ユーロ)
2021年 2020年
CRM前 CRM後 CRM前 CRM後
5.0十億 1.9十億 5.3十億 1.6十億
26.7％ 10.2％ 30.2％ 9.0％
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－外部機関による格付を付与されていない貸付のうち、内部格付によって投資適格と格付けされた貸付
の割合
(単位：ユーロ)
2021年 2020年
CRM前 CRM後 CRM前 CRM後
2.9十億 1.7十億 3.4十億 1.5十億
57.5％ 92.1％ 63.4％ 91.6％
・貸付残高の満期別内訳(単位：百万ユーロ)
表Ⅳ (単位：百万ユーロ)
満期 2021年 ％ 2020年 ％
１年以下 2,414 13％ 2,416 14％
１年超５年以下 7,711 41％ 7,395 42％
５年超10年以下 5,552 29％ 4,804 28％
10年超20年以下 2,896 15％ 2,609 15％
20年超 343 2％ 203 1％
合計 18,916 100％ 17,427 100％
・ 金額による加重平均期間＝5.9年
・貸付残高(CRM後)の取引相手方の信用格付別及び国別の内訳
(単位：百万ユーロ)
表Ⅴ
2021年 2020年
AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計 AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計
加盟国
1,490 2,130 1,515 2,026
フランス 618 23 483 27
1,902 3 1,984
スペイン 1,902 1,981
181 1,290 156 1,087
ドイツ 1,109 931
1,266 1,326
トルコ 1,266 1,326
1,204 21 1,225 1,438 1,438
ポーランド
1,085 1,185 789 839
イタリア 100 50
866 1,097 768 1,015
ベルギー 231 247
スロバキア
1,040 1,065 1,091 1,110
25 19
共和国
561 434 7 1,002 582 291 878
オランダ 5
703 703 708 708
ハンガリー
639 22 424
リトアニア 639 402
623 623 439 439
クロアチア
596 536
フィンランド 316 280 303 233
462 334
スウェーデン 462 334
34 424 21 483
ルーマニア
391 462
25 417 19 390
チェコ共和国 300 92 208 164
407 407 189 189
セルビア
388 388 396 396
アイルランド
361
キプロス 361 413 413
299 278
ポルトガル 292 7 278
230 268
ブルガリア 230 268
ギリシャ 218 218 158 158
エストニア 151 151 4 4
スロベニア 134 134 87 16 103
北マケドニア 104 104 102 102
モンテネグロ 94 94 60 60
ボスニア・ヘルツェ
88 88 74 74
ゴビナ
アルバニア 83 83 94 94
アイスランド 74 74 10 74 84
モルドバ共和国 71 71 37 37
コソボ 35 35 18 18
ラトビア 26 26 23 23
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アンドラ 12 12 8 8
サンマリノ 10 10 7 7
マルタ 9 9 0
ジョージア 5 5 3 3
デンマーク 7 7
3,747 12,457 2,621 18,825 3,100 11,919 2,323 17,342
小計
超国家 13 13 9 9
非加盟国
78 78 76 76
オーストリア
3,760 12,535 2,621 18,916 3,109 11,995 2,323 17,427
合計
－事業の残存高及び融資約定
事業の残存高には、管理委員会が承認し、かつ未融資の全ての事業が含まれる。融資約定は、融資を要
する事業で、そのための枠組融資契約が締結されている。事業の残存高は、2021年12月31日現在8.9十億
ユーロ(2020年12月31日は9.5十億ユーロ)となり、81.6％は、 投資適格 に格付された(2020年12月31日は
79.0％)。
(単位：百万ユーロ)
表Ⅵ
2021年 2020年
AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計 AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計
事業の残存高合計 1,453 5,824 1,638 8,915 1,584 5,936 1,994 9,514
うち約定 1,403 3,684 1,228 6,316 1,236 5,409 1,530 8,175
・ 将来のCRMを考慮して報告された融資約定
融資約定は、2021年12月31日現在6.3十億ユーロ(2020年12月31日は8.2十億ユーロ)となり、そのうち
80.5％が 投資適格 に格付された(2020年12月31日は81.3％)。
・融資約定(CRM後)の取引相手方の信用格付別及び国別の内訳
(単位：百万ユーロ)
表Ⅶ 2021年 2020年
AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計 AAA/AA A/BBB 投資不適格 合計
加盟国
58 970 58 811
フランス 632 280 210 543
733 780 661 811
スペイン 47 150
204 620 334 653
ドイツ 416 320
510 585 1,020 1,070
イタリア 75 50
507 507 495 495
ポーランド
452
セルビア 452 642 642
399 425 412 438
ルーマニア
26 26
201 70 272 130 137
フィンランド 1 7
150 250 145 245
ポルトガル 100 100
220 220
トルコ 100 100
169 219
アイルランド 169 219
スロバキア
137 137 217 217
共和国
127 316
リトアニア 127 316
103 103 149 149
ハンガリー
82 100 50 150
チェコ共和国 18 100
100 389
スウェーデン
100 389
80 80
モルドバ共和国
117 117
25 75 25 225
エストニア 50 200
75 308
クロアチア 75 308
53 53 113 113
ギリシャ
47
北マケドニア 25 25 47
キプロス 34 34 34 34
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モンテネグロ 23 23 62 62
コソボ 25 25 17 17
マルタ 20 20
オランダ 20 20 5 95 100
ボスニア・ヘル
15 15 32 32
ツェゴビナ
ジョージア 9 9 11 11
ラトビア 9 9 14 14
アルバニア 3 3 3 3
ベルギー 170 170
スロベニア 35 35
アンドラ 4 4
サンマリノ 3 3
1,400 3,654 1,228 6,282 5,376 1,530 8,137
小計 1,230
超国家 3 3 6 6
非加盟国
30 30 33 33
オーストリア
1,403 3,684 1,228 6,316 1,236 5,409 8,175
合計
1,530
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は(国際格付機関に格付を付与されていない場合には)内部格付
・ 将来のCRMを考慮して報告された融資約定
B - 財務総局の活動
－資金運用事業
資金運用事業に係る信用リスクは、主に、預金、有価証券への投資及びヘッジ目的でのデリバティブ取
引の開始により生じる。
・融資事業の取引別内訳
(単位：百万ユーロ)
表Ⅷ 2021年 2020年
AAA AA A BBB 合計 AAA AA A BBB 合計
預金(ノストロ及び金融
280 1,457 2,359 50 4,146 291 601 1,736 2 2,629
市場)
711 2,786 919 670 5,085 882 2,743 1,499 455 5,579
有価証券
SA‐CCRによるスワップ
188 98 3 288 235 129 3 367
与信相当額
SA‐CCRによる外国為替
3 3 118 149
31
与信相当額
スワップ-
8
正味現在価値を 0.4 9
カバーしない
991 4,434 3,375 723 9,522 1,204 3,697 3,372 460 8,733
合計
－預金
財務・金融ポートフォリオは、「ノストロ」勘定、１年以下の銀行預金、デリバティブの担保として受
領した現金及び(リバース)買戻条件付売却(レポ)取引等の短期のものから構成される。レポ取引は、全て
の要求通貨の日々のキャッシュ・フロー管理を目的としている。適格な取引相手方は、３ヶ月以下の投資
については最低限 6.5(BBB+) 、また３ヶ月超１年以下の投資については 最低限 7.0(A-) の内部格付を有して
いなければならない。
・預金の種類別及び信用格付別内訳
(単位：百万ユーロ)
表Ⅸ 2021年 2020年
AAA AA A BBB 合計 AAA AA A BBB 合計
ノストロ 280 1,457 315 0 2,052 291 521 254 2 1,067
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金融市場 0 0 2,044 50 2,094 80 1,482 1,562
合計 280 1,457 2,359 50 4,146 291 601 1,736 2 2,629
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は(国際格付機関に格付を付与されていない場合には)内部格付
・ 額面価格で、未収利息を除き、報告された 預金
・金融市場預金の満期別及び信用格付別内訳
(単位：百万ユーロ)
表Ⅹ 2021年 2020年
AAA AA A BBB 合計 AAA AA A BBB 合計
１ヶ月以下 283 283 80 827 907
１ヶ月超３ヶ月以下 668 50 718 555 555
３ヶ月超６ヶ月以下 917 917
６ヶ月超１年以下 175 175 100 100
合計 2,044 50 2,094 80 1,482 1,562
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は(国際格付機関に格付を付与されていない場合には)内部格付
・ 額面価格で、未収利息を除き、報告された 預金
－有価証券ポートフォリオ
当行は、３つの有価証券ポートフォリオとして、以下のものを管理している。
－短期流動性ポートフォリオ：最長満期１年の短期有価証券
－中期流動性ポートフォリオ：１年超最長15年の満期
－長期ポートフォリオ：ユーロ建、固定レート及び１年超最長30年の満期
適格な取引相手方は、最長満期３ヶ月のものについては、ソブリンは最低6.0(BBB)及び金融機関は最低
6.5(BBB+)の内部格付、満期が３ヶ月超２年以下の投資(ソブリン、準ソブリン、機関、超国家及び金融機
関により発行された債券)については最低7.0(A-)の格付並びに２年超の投資については、最低8.0(A+)の格
付を有していなければならない。
・有価証券のポートフォリオ別及び格付別内訳
(単位：百万ユーロ)
表Ⅺ 2021年 2020年
AAA AA A BBB 合計 AAA AA A BBB 合計
長期ポートフォリオ 514 945 40 1,499 615 998 40 50 1,703
中期ポートフォリオ 197 1,730 74 2,000 267 1,595 113 1,975
短期ポートフォリオ 111 805 670 1,586 150 1,345 405 1,900
合計 711 2,786 919 670 5,085 882 2,743 1,499 455 5,579
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は(国際格付機関に格付を付与されていない場合には)内部格付
・ 額面価格で報告され、未収利息を除く、 有価証券
・有価証券ポートフォリオの残存期間別及び格付別内訳
(単位：百万ユーロ)
表Ⅻ 2021年 2020年
AAA AA A BBB 合計 AAA AA A BBB 合計
１年以下 50 276 868 670 1,864 173 305 1,396 455 2,328
１年超２年以下 60 420 480 50 165 63 278
２年超５年以下 271 923 51 1,245 231 1,002 40 1,273
５年超 330 1,166 1,496 428 1,272 1,700
合計 711 2,786 919 670 5,085 882 2,743 1,499 455 5,579
・ 想定金額による加重平均期間＝3.7年
・有価証券ポートフォリオの発行体の国別及び格付別内訳
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(単位：百万ユーロ)
表XⅢ 2021年 2020年
AAA AA A BBB 合計 AAA AA A BBB 合計
加盟国
フランス 1,493 1,493 1,528 120 1,649
イタリア 670 670 455 455
ドイツ 74 404 477 114 329 442
スイス 10 225 235 100 100
フィンランド 162 162 108 108
ノルウェー 96 96 65 65
オランダ 92 92 199 23 222
スウェーデン 58 58 33 33
ルクセンブルク 42 42 42 42
スペイン 40 40 40 40
ベルギー 31 31 48 48
小計 217 2,243 265 670 3,396 355 2,210 183 455 3,203
超国家 493 26 74 593 527 15 73 615
小計 493 26 74 593 527 15 73 615
ヨーロッパ
英国 330 330 180 180
オーストリア 89 89 88 88
小計 89 330 419 88 180 268
その他
米国 196 196 38 38
オーストラリア 193 193 190 190
カナダ 179 179 184 40 224
日本 54 54 984 984
ニュージーランド 52 52 52 52
韓国 4 4 4 4
小計 428 250 678 430 1,062 1,492
合計 711 2,786 919 670 5,085 882 2,743 1,499 455 5,579
・ バーゼル委員会が推奨する格付(２番目に高い格付)又は(国際格付機関に格付を付与されていない場合には)内部格付
・ 額面価格で報告され、未収利息を除く、 有価証券
－デリバティブ
CEBは、その貸付、投資及び資金調達取引に関する市場リスクをヘッジするために、金利スワップ(IRS)
及び通貨金利スワップ(CIRS)を使用する。
デリバティブ取引には、信用リスク委員会による発行体である取引相手方の信用度の事前承認並びに取
引相手方との間でのISDAマスターアグリーメント及びクレジット・サポート・アネックス(CSA)担保契約の
締結が必要とされる。スワップ取引の取引相手方は、新規スワップ取引の開始日において最低6.5(BBB+)の
格付を必要とする。現金又は負債性証券は、適格な担保となる。適格負債証券の担保として受領されるた
めには、当該債券の格付は最低7.0(A-)でなければならない。スワップ取引は全て 正味現在価値 で評価され
ており、取引相手方ごとのポジションの監視が毎日行われているため、毎日から月に３回までのCSAのマー
ジン・コール・オプションに従って、追加担保を要求することができる。CEBは、そのスワップ関連の枠組
みにおいて、関係する全てのデリバティブの取引相手方とCSA担保契約を締結した。
市況に適応するため及び最善の資金調達コストを確保するため、当行は15の取引相手方と完全な双方的
CSAを締結しており、それらはデリバティブ・ポートフォリオの想定元本の96.6％を占める。これは、正味
現在価値(NPV)がこれら取引相手方に有利である場合、当行は担保を差し入れる必要があり、それゆえに潜
在的な資金需要を増加させることを暗示する。
2021年12月31日現在、デリバティブの信用リスク・エクスポージャーは、294百万ユーロである(2020年
度は516百万ユーロ)。CEBは、2021年度にデリバティブの信用リスクの評価方式を変更し、SA-CCR方式を採
用した。
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当行は、現金担保として541百万ユーロを受領、67百万ユーロを差し出し、これはスワップのポートフォ
リオの全ての正味現在価値(プラスマイナスともに)をカバーするものであった。
・スワップの想定元本の種類別及び満期別内訳
(単位：百万ユーロ)
2021 年 2020 年
表X Ⅳ
１年以上 ５年以上 １年以上 ５年以上
１年未満 10 年以上 合計 １年未満 10 年以上 合計
５年未満 10 年未満 ５年未満 10 年未満
合計(a) 4,611 18,094 10,557 5,423 38,686 3,753 16,311 9,967 4,287 34,318
通貨スワップ 2,735 8,445 1,457 210 12,848 1,391 7,888 918 209 10,406
金利スワップ 1,876 9,649 9,100 5,213 25,838 2,362 8,423 9,049 4,078 23,912
このうち担保付(b) 4,611 18,094 10,557 5,423 38,686 3,753 16,311 9,967 4,287 34,318
(b)/(a) 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％ 100 ％
－集約－大口エクスポージャー
集約リスクは、特定の国若しくは債務者又は特定の種類の商品若しくは個別の取引に対する配分が、
ポートフォリオに占める割合に対して高すぎることから生じる。大口エクスポージャーとは、単一の取引
相手方又は関連する取引相手方のグループに対する全体的なエクスポージャー(貸付、有価証券、預金及び
デリバティブ)で、健全性株主資本(払込済資本金、準備金及び純利益)の10％を超過しているものである。
2021年12月31日現在の健全性株主資本は、合計3.2十億ユーロである。
CEBは、バーゼル委員会の勧告及び欧州連合指令の基準に沿って、単一の取引相手方又は関連する取引相
手方のグループに対するエクスポージャーが健全性株主資本の25％の上限を超えることがなく、また大口
エクスポージャーの累計が健全性株主資本の800％を超えることがないように努めている。ソブリン・エク
スポージャーは、大口エクスポージャーの計算からは除外される。
リスク集約要素は、以下のとおりである。
－グループにおける直接エクスポージャー：保証がなくとも、支配関係(子会社及び支社)にある取引相
手のグループ内
－グループにおける間接エクスポージャー：支配関係になくとも、一方がもう一方に保証を与えている
場合
2021年12月31日現在、12の取引相手方又は取引相手方のグループが存在しているため、これらは大口エ
クスポージャーであるとみなされている(2020年度は11の取引相手方)。しかしながら、2020年度と同様、
いずれの取引相手方又は関連する取引相手方のグループもCEBの健全性株主資本の25％の上限を超えていな
い。
2021年12月31日現在、これらの取引相手方に対する貸付残高合計は5.6十億ユーロに達しており、CEBの
健全性株主資本の172％に相当するが、上限である800％を大幅に下回っている(2020年12月31日は4.9十億
ユーロ、すなわちCEBの健全性株主資本の152％)。
エクスポージャーをリスクで加重した場合、10％の健全性株主資本の上限を超過した取引相手方はな
かった(2020年度は取引相手方なし)。
したがって、名目エクスポージャーの代わりに潜在的なリスクの質を考慮したとしても、大口エクス
ポージャーに該当する取引相手方はない(2020年度末も同様)。また、その場合、もちろん25％の上限を超
える取引相手方もない。これは下表の「リスク加重資産」の欄に表示されている。
(単位：百万ユーロ)
表XV 株主資本に
2021 年
リスク加重
貸付(a) 財務(b) 合計(a)+(b) 対する比率
資産(RWA)
取引相手方 国
％
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1 ビー・ピー・シー・イー(BPCE) FR 264 497 761 23.5 ％ 273
バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア・SA(BBVA MADRID)
2 ES 600 600 18.6 ％ 237
クレディ・アグリコルSA(CREDIT AGRICOLE S.A.)
3 FR 522 43 565 17.5 ％ 281
ソシエテ・ジェネラル(SOCIETE GENERALE)
4 FR 488 9 497 15.4 ％ 248
5 ブランデンブルグ州 DE 454 454 14.1 ％
6 ワロン地方 BE 450 450 13.9 ％
ラボバンク(COOPERATIEVE RABOBANK UA)
7 NL 434 2 436 13.5 ％ 217
8 マドリード自治体 ES 395 395 12.2 ％ 79
9 オランダ水道整備金融公庫 NL 276 92 368 10.7 ％ 173
預金供託金庫(CAISSE DES DEPOTS ET CONSIGNATIONS)
10 FR 365 365 11.4 ％ 74
11 カイシャバンク(CAIXABANK) ES 347 347 11.3 ％ 20
バークレイズ(BARCLAYS PLC)
GB 332 332 10.3 ％ 142
12
2021 年合計 3,995 1,575 5,569 172 ％ 1,744
2020 年
1 ソシエテ・ジェネラル FR 552 45 596 18.4 ％ 298
2 クレディ・アグリコルSA FR 537 27 564 17.4 ％ 282
3 バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア・SA ES 497 497 15.3 ％ 250
4 ワロン地方 BE 489 489 15.1 ％ 98
バーデン=ヴュルテンベルク州立銀行(LANDESBANK BADEN WURTTEMBERG)
5 DE 470 470 14.5 ％ 235
6 マドリード自治体 ES 459 459 14.2 ％ 229
7 オランダ水道整備金融公庫 NL 288 117 405 12.5 ％
8 ブランデンブルグ州 DE 393 393 12.1 ％
ロイズ・バンキング・グループPLC(LLOYDS BANKING GROUP PLC)
9 GB 365 365 11.3 ％ 183
オランダ自治体金融公庫(BNG BANK N.V)
10 NL 280 83 363 11.2 ％
カイシャバンク ES 326 326 10.1 ％ 163
11
2020 年合計 3,323 1,603 4,926 152 ％ 1,738
・ 額面価格で、未収利息を除き、CRM後(担保を付さない。)に報告された貸付
・ 「財務」には、有価証券、金融市場、ノストロ、デリバティブ及び外国為替が含まれる。
(1)
－CEBの公的部門 に対する金融商品の種類別(貸付及び有価証券)のエクスポージャー
(単位：百万ユーロ)
表XVI 2021 年 2020 年
貸付金 有価証券 合計 貸付金 有価証券 合計
EU 加盟国
イタリア 1,083 670 1,753 724 455 1,179
750 940 1,689 563 1,496 2,059
フランス
1,370 40 1,410 1,482 40 1,522
スペイン
1,109 142 1,251 965 442 1,407
ドイツ
1,096 1,096 995 995
ベルギー
949 949 1,030 1,030
スロバキア共和国
フィンランド 583 76 659 518 76 594
561 92 653 582 199 781
オランダ
634 634 402 402
リトアニア
388 388 396 396
アイルランド
361 361 413 413
キプロス
292 292 278 278
ポルトガル
218 218
ギリシャ 158 158
151 4
エストニア 151 4
120 120 87 87
スロベニア
10 10 88 88
オーストリア
42 42
ルクセンブルク 42 42
8 8 23 23
ラトビア
9,672 2,011 11,684 8,620 2,838 11,458
ユーロ圏小計(a)
その他のEU加盟国
790 790 860 860
ポーランド
697 697 686 686
ハンガリー
623 623 439 439
クロアチア
462 470 334 342
スウェーデン 8 8
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424 424 483 483
ルーマニア
305 305 211 211
チェコ共和国
230 230 268 268
ブルガリア
7 7
デンマーク
3,531 8 3,539 3,289 8 3,297
その他のEU加盟国小計(b)
13,204 2,019 15,222 11,909 2,845 14,755
EU 加盟国合計(a)+(b)
非EU加盟国
1,266 1,266 1,326 1,326
トルコ
407 407 189 189
セルビア
104 104 102 102
北マケドニア
94 94 60 60
モンテネグロ
83 83 94 94
アルバニア
88 88 74 74
ボスニア・ヘルツェゴビナ
71 71 37 37
モルドバ共和国
35 35
コソボ 18 18
12 12 8 8
アンドラ
10 10
サンマリノ 7 7
9 9
アイスランド 10 10
5 5 3 3
ジョージア
2,183 2,183 1,927 1,927
非EU加盟国小計(c)
その他諸国
50 50
カナダ 82 82
52 52
ニュージーランド 52 52
54 54 984 984
日本
4 4
韓国
155 155
その他諸国小計(d) 1,122 1,122
13 581 594 9 615 624
超国家機関
13 581 594 9 615 624
超国家機関小計(e)
15,400 2,755 18,155 13,845
合計(a)+(b)+(c)+(d)+(e) 4,583 18,428
注(1) 公的部門には、ソブリン(国家)、準ソブリン(地域及び地方政府)、並びにそれらの政府系金融機関が含まれる。
2. 市場リスク及び流動性リスク
－金利リスク
金利リスクとは、金利の不利な変動による当行のエクイティの経済価値(EVE)又は利益の減少として定義
される。金利リスクは、金融商品の金利改定日又は契約上の満期日の期間差異によって発生する。
金利リスクへの対応における主な目標は、均衡の取れた持続可能な収益特性を保持し、かつ当行の経済
価値の変動を抑制することである。この目標のために、当行は、自己資金の投資の目標デュレーションを
設定し、半年ごとに見直している。
当行の貸借対照表はユーロで管理されており、主に２つの資金源に分けられる。
－エクイティを原資とする調達活動：固定金利でユーロ建の商品(長期ポートフォリオに組み込まれた証
券かローンかを問わない。)への投資により行われる。自己資金の投資の現在の目標デュレーション
は、６年である。
－借入を原資とする調達活動：金利スワップ(IRS)及び通貨スワップ(CIRS)を利用してヘッジした結果変
動金利の金融商品に転換される資産及び負債を用いて行われる。但し、当行は、調達費用を最適化す
るために、資産及び負債を固定金利で保持するよう決定することがある。
当行は、バーゼル委員会の勧告に従い、当行の利益及びEVEの両方に対する金利変動の影響を測定するた
めの指標を定め、限度を設定している。当行が限度を定めているのは、以下のとおり自己資金のデュレー
ション、自己資金を含む経済価値感応度(EVS)及び収益感応度(EaS)についてである。
－自己資金のデュレーションは、正でなければならず、11年を限度としている。2021年度末現在、自己
資金のデュレーションは6.5年であった。
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－EVS指標は、金利変動によるEVEの変動を測定する。したがって、 当該 指標は、自己資金のデュレー
ションにより定められる想定金利リスクと、貸借対照表における実際の金利リスクとの差を表す。EVS
(1)
の限度は、+/-10ベーシス・ポイント(bps)の平行移動によるショックを想定した場合の自己資金 の
0.5％ 未満、すなわち現在(+/-)18.5百万ユーロを絶対値として定められている。2021年度末現在、EVS
は-6.3百万ユーロであった。
－EaS指標は、金利変動による将来の１年間の収益の変動を査定する。 当該 指標は、動的な方法で、すな
わち将来の活動を組み入れて策定される。金利変動は、瞬間的な平行移動による金利ショックとして
定義される。EaSは、+/-10bpsの金利変動を想定した場合の自己資金の0.08％を限度としている。2021
年度末現在、EaSは-0.4百万ユーロであった。
またCEBは、金利ギャップ、指数ギャップ及び財務省証券ポートフォリオの時価評価感応度といった指標
を監視している。
注(1) 払込済資本金、準備金、純利益、社会配当金勘定及び退職給付引当金
金利ギャップ
下表は、金利ギャップ、すなわち静的アプローチにおける金利リスクのエクスポージャーを示してい
る。資産及び負債の金額は、契約上の満期日又は金利改定日に応じて時期別に分類されている。各時期分
類の資産及び負債の金額の差により、静的な金利リスクのエクスポージャーが測定される。
－エクイティを原資とする調達活動：長期ポートフォリオ(ユーロ建で固定金利の有価証券に投資する)
及び固定金利のローンにより生じる金利リスク。これらの資産の再取得日は、契約上の満期日に対応
している。
－借入を原資とする調達活動：資産及び負債の金利感応度は、ミクロヘッジ戦略を通じて世界的に相殺
される。ほとんどの資産及び負債の利率は短期(１年未満)で改定される。
(1)
金利リスクの償却の特性
(単位：千ユーロ)
１年超
１ヶ月超 ３ヶ月超
2021年12月31日現在 １ヶ月以下 ３ヶ月以下 １年以下 ５年以下 ５年超 無期限 純簿価
資産
現金及び中央銀行における残高 2,044,716 2,044,716
株主資本を通じて公正価値で測
＊
定する金融資産
785,367 1,842,670 1,010,934 65,706 3,704,677
償却原価での金融資産
＊
貸付金
3,911,631 11,993,522 1,266,853 436,525 1,352,584 58,725 19,019,840
前渡金 282,961 718,398 1,092,458 2,853 2,096,670
負債証券 134,000 125,000 630,646 743,297 (62,127) 1,570,816
差入保証金 67,464 67,464
その他の資産 1,210,674 1,210,674
資産小計 7,226,138 14,554,590 3,495,245 1,067,171 2,095,881 1,275,832 29,714,857
負債
償却原価での金融負債
信用機関及び顧客への負債額 (40,937) (26,997) (1,482) (735) (551) 27 (70,675)
＊
発行済負債証券
(11,108,761) (12,025,480) (0) (500,000) (500,000) (690,226) (24,824,467)
預かり保証金 (540,534) (540,534)
引当金 (735) (1,469) (6,611) (35,259) (326,147) 2,169 (368,052)
その他の負債 (677,457) (677,457)
負債小計 (11,690,966) (12,053,947) (8,093) (535,994) (826,698) (1,365,487) (26,481,185)
株主資本 (3,233,672) (3,233,672)
当期合計(純額) (4,464,828) 2,500,643 3,487,152 531,177 1,269,183 (3,323,327)
当期累計(純額) (4,464,828) (1,964,185) 1,522,968 2,054,144 3,323,327
* ヘッジ後
(単位：千ユーロ)
１年超
１ヶ月超 ３ヶ月超
2020年12月31日現在 １ヶ月以下 ３ヶ月以下 １年以下 ５年以下 ５年超 無期限 純簿価
資産
現金及び中央銀行における残高 1,060,252 1,060,252
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株主資本を通じて公正価値で測
＊
定する金融資産
1,095,658 2,259,488 574,691 105,610 4,035,447
償却原価での金融資産
＊
貸付金 3,384,438 10,852,495 1,561,603 379,245 1,317,976 423,901 17,919,658
前渡金 857,000 555,000 100,000 5,278 1,517,278
負債証券 139,776 204,200 617,585 881,358 (57,558) 1,785,361
差入保証金 421,361 421,361
その他の資産 1,219,911 1,219,911
資産小計 6,958,485 13,666,983 2,440,494 996,830 2,199,334 1,697,141 27,959,268
負債
償却原価での金融負債
信用機関及び顧客への負債額 (86,443) (40,353) (1,816) (1,139) (854) (130,606)
＊
発行済負債証券
(8,186,396) (13,035,845) (0) (500,000) (500,000) (550,028) (22,772,270)
預かり保証金 (298,417) (298,417)
引当金 (671) (1,341) (6,036) (32,189) (297,752) (22,180) (360,168)
その他の負債 (1,265,630) (1,265,630)
負債小計 (8,571,927) (13,077,540) (7,852) (533,329) (798,606) (1,837,838) (24,827,091)
株主資本 (3,132,177) (3,132,177)
当期合計(純額) (1,613,442) 589,444 2,432,642 463,501 1,400,728 (3,272,874)
当期累計(純額) (1,613,442) (1,023,998) 1,408,644 1,872,146 3,272,874
* ヘッジ後
注(1) 合計額は純簿価を表している。
指数ギャップ
指数ギャップは、期間を基準としたリスク、すなわち、同一の参照カーブを有するが期間の異なる金融
商品の金利の相対的な変動に対するエクスポージャーを測定する。2021年度末現在、CEBが有する期間を基
準としたリスクは、主に、Euribor 3Mレート、Euribor 6Mレート、ユーロEoniaレート及びユーロEster
レートにそれぞれ連動する金融商品によるものである。
金利変動による財務省証券ポートフォリオの感応度
CEB は、金利変動による財務省証券ポートフォリオの時価の変動を監視している。2021年は、以下のとお
りである。
－長期ポートフォリオ：当該ポートフォリオの時価評価は、+10bpsの金利の平行移動ごとに10.4百万
ユーロ減少する。+200bpsの平行移動では191.5百万ユーロ減少する。
－短期及び中期の流動性ポートフォリオ：これらのポートフォリオの時価評価は、ヘッジ後の公正価値
での投資か又は残存期間が１年未満の投資により構成されるため、時価は金利変動にそれほど敏感で
はない。
信用スプレッドの変動による財務省証券ポートフォリオの感応度
CEB は、信用スプレッドの変化による短期及び中期の流動性ポートフォリオの時価の変動を監視する。こ
れらのポートフォリオの時価評価は、+10bpsの信用スプレッドの平行移動ごとに9.2百万ユーロ減少し、
+200bpsの移動では170.1百万ユーロ減少する。これらのポートフォリオは株主資本を通じて公正価値で計
上されるため、かかる変動は、株主資本に影響を与えうる。
－外国為替取引リスク
外国為替取引リスクとは、外国為替相場の不利な変動に起因する、「オンバランスシート」及び「オフ
バランスシート」のポジションに係る潜在的損失である。
CEBは、外国為替ポジションを保有せず、資産及び負債を体系的にユーロにヘッジする戦略をとってい
る。ユーロ以外の通貨に対する利益を保有することで生じる残存リスクは、月次ベースで監視及びヘッジ
される。通貨ごとの未決済のポジション(純額)は、各月末時点で１百万ユーロ相当額を限度としている。
2021年度末現在、かかるポジションは全ての外国通貨で当該限度を下回った。
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(単位：千ユーロ)
デリバティブ ポジション(純額) デリバティブ ポジション(純額)
通貨別内訳 資 産 負 債 資 産 負 債
商品 2021 年 商品 2020 年
スイスフラン 167,690 219,576 52,703 817 25,184 210,002 185,398 580
英ポンド 75,121 2,700,685 2,626,303 739 106,358 2,279,596 2,174,055 817
日本円 57,988 (4) (57,555) 437 989,536 (11) (988,916) 631
オーストラリアドル 4,832 443,103 438,681 410 4,493 246,281 242,199 411
その他の通貨 2,136,985 7,707,764 5,571,523 744 1,546,243 6,003,901 4,458,799 1,141
合計 2,442,616 11,071,124 8,631,655 3,147 2,671,814 8,739,769 6,071,535 3,580
上記の表は、ヘッジ考慮後の残存外国為替取引へのエクスポージャーが著しくないことを示している。
－流動性リスク
流動性リスクは、支払債務の期限到来時に確実に全額を支払うことができないことから生じる損失を被
るリスクである。CEBは商業銀行とは異なり顧客預金業務を行っておらず、また中央銀行を通じてリファイ
ナンスを利用することができないため、このリスクは重要である可能性がある。
したがって、当行における流動性リスク管理は、特に、不利な市況により市場における長期資金の利用
が制約される場合に、財務面での柔軟性保護に関して非常に重要な役割を果たす。当行は、異なる期間水
準における流動性指標を設定することにより、また定期的活動を継続しつつ、極端な市場環境において市
場を利用することができない期間が生じた場合でも持ちこたえるための十分な流動資産を保有することに
より、健全性に関する慎重なアプローチを維持している。
当行は、その市場価値及び流動性が厳しい市況において維持される高格付を取得している流動性の高い
有価証券から構成される流動性準備金を保有していることの確認を行う。これらの有価証券の大半は、流
動性カバレッジ比率(LCR)の枠組みに基づく適格流動性資産(HQLA)として適格である。2021年度末現在、ヘ
アカット後のHQLAの額は3.64十億ユーロ(ポートフォリオ全体の65.8％)だった。
当行の資金調達戦略は、資産及び負債の満期構成の著しいギャップを回避し、債券発行プログラム、資
金調達市場及び投資家基盤を多様化することである。この戦略は、管理委員会が承認した年間借入認可内
で進められる。
流動性リスク指標及び制限
CEBの流動性リスクに対する耐性は、包括的なリスク指標に置き換えられ、適切な制限によって支えられ
ている。その主要な指標は流動性ギャップ(流動性曲線)及び流動性比率である。
これらの指標は、市場規模のシナリオ及び特異なシナリオを組み合わせた厳格なストレス・シナリオに
基づき計算される。これらのシナリオには、貸付金返済の中断、流動資産の価値低下、新規資金調達市場
を利用できないこと及び多数の双方的CSA契約によるデリバティブ取引の担保要件の不利な変更が含まれ、
後者のリスクは内部モデルにより評価される。
・ 自給期間(SSP)は、短期流動性リスクを抑制することについての重要な測定基準である。これは、当
行が、市場にアクセスせず、また取引可能な流動資産の売却/回収を行うことなく、継続事業から生
じるストレス付加後の想定支出純キャッシュ・フローを満たすことができる期間を評価するもので
ある。最低自給期間は６ヶ月である。2021年末現在、これは９ヶ月となった。
・ 存続水準(SH)は、当行が、市場にはアクセスしないものの、市場で取引可能な流動資産の売却/回収
を含む継続事業から生じるストレス付加後の想定支出純キャッシュ・フローを満たすことができる
期間を評価するものである。最低存続期間は、18ヶ月から24ヶ月の便宜期間を有する12ヶ月であ
る。2021年末現在、これは14ヶ月となった。
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流動性ギャップ指標と同様に、短期流動比率(STLR)は、流動性の源泉と、正確な期間水準すなわち、
１ヶ月、３ヶ月、６ヶ月及び１年での使途とを比較した比率である。2021年末現在、これらの比率の上限
は 完全に満たされている。
最後に、CEBは、流動性カバレッジ比率(LCR)及び安定調達比率(NSFR)の要件を監視する。
金融資産及び金融負債の満期構成
以下の表は、金融資産及び金融負債の契約上の満期構成すなわち、全ての金融商品の契約上の満期まで
の元利金のキャッシュ・フロー(割引前)を示している。これらのキャッシュ・フローは、金利スワップの
純額並びに通貨スワップ及び先物為替スワップの総額に基づき示されている。これらのスワップは、ク
ロージング日現在の為替レート及び金利に基づき計算される。
(単位：千ユーロ)
流動資産/負債残高 固定資産/負債残高
１年超
１ヶ月超 ３ヶ月超
2021年12月31日現在 １ヶ月以下 ３ヶ月以下 １年以下 ５年以下 ５年超 合計
資産
現金及び中央銀行における残高 2,044,894 2,044,894
株主資本を通じて公正価値で測
定する金融資産 200,622 475,238 1,097,405 1,163,811 779,959 3,717,035
償却原価での金融資産
貸付金 (62,289) 103,654 2,197,197 8,321,728 9,391,832 19,952,122
前渡金 295,895 716,216 1,088,350 2,100,461
負債証券 2,908 3,527 172,955 800,058 899,475 1,878,922
差入保証金 67,477 67,477
資産小計 2,549,507 1,298,636 4,555,906 10,285,597 11,071,266 29,760,911
負債
償却原価での金融負債
信用機関及び顧客への負債額 459 7,584 10,795 35,355 16,545 70,738
発行済負債証券 496,226 895,554 3,192,431 14,328,452 6,166,255 25,078,917
預かり保証金 540,534 540,534
社会配当金勘定 47,169 47,169
負債小計 1,084,387 903,138 3,203,226 14,363,807 6,182,800 25,737,358
オフバランスシート取引
融資約定 (440,000) (738,000) (1,518,000) (2,861,739) (757,874) (6,315,613)
定期性金融商品
受取り 567,066 1,067,373 2,404,655 9,169,333 1,725,921 14,934,348
支払い (549,769) (958,723) (2,319,156) (8,849,056) (1,723,206) (14,399,911)
オフバランスシート取引
(422,703) (629,351) (1,432,501)
小計 (2,541,463) (755,159) (5,781,176)
合計 1,042,417 (233,853) (79,820) (6,619,673) 4,133,306 (1,757,623)
(単位：千ユーロ)
流動資産/負債残高 固定資産/負債残高
１年超
１ヶ月超 ３ヶ月超
2020年12月31日現在 １ヶ月以下 ３ヶ月以下 １年以下 ５年以下 ５年超 合計
資産
現金及び中央銀行における残高 1,060,335 1,060,335
株主資本を通じて公正価値で測
定する金融資産 465,311 971,527 715,561 1,009,407 853,894 4,015,701
償却原価での金融資産
貸付金 (64,249) 238,524 2,092,298 7,806,655 8,162,983 18,236,211
前渡金 862,669 554,435 99,689 1,516,793
負債証券 988 6,392 258,639 808,187 1,070,734 2,144,940
差入保証金 421,444 421,444
資産小計 2,746,498 1,770,878 3,166,187 9,624,250 10,087,611 27,395,424
負債
償却原価での金融負債
信用機関及び顧客への負債額 944 8,554 15,161 71,970 33,977 130,606
発行済負債証券 8,501 881,901 2,495,801 13,106,073 6,098,769 22,591,045
預かり保証金 298,417 298,417
社会配当金勘定 49,749 49,749
負債小計 357,610 890,456 2,510,962 13,178,042 6,132,746 23,069,817
オフバランスシート取引
融資約定 (949,000) (1,090,000) (1,415,040) (4,048,000) (951,000) (8,453,040)
定期性金融商品
受取り 312,981 1,390,546 1,280,501 8,564,490 1,121,767 12,670,285
支払い (306,116) (1,410,921) (1,142,756) (8,589,473) (1,236,011) (12,685,277)
オフバランスシート取引
(942,135) (1,110,374) (1,277,295)
小計 (4,072,983) (1,065,244) (8,468,031)
合計 1,446,753 (229,951) (622,071) (7,626,775) 2,889,621 (4,142,424)
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3. オペレーショナルリスク
CEBは、オペレーショナルリスクの特定、評価、管理及び報告に係る手法を成文化するオペレーショナル
リスク管理方針を実施した。この書類は、オペレーショナルリスクがCEB全体において有効かつ整合的に管
理されることを確保する健全な実務について定めている。
オペレーショナルリスクとは、不適切又は機能不全の内部プロセス、人員及びシステム又は外部的事象
を原因とする潜在的な損失リスクと定義され、これには法的リスクが含まれる。さらに、CEBは、その活動
に関連した風評リスクを考慮する。
バーゼル委員会の勧告及び最良慣行の適用を慎重に選択することにより、当行は引き続き当行のオペ
レーショナルリスクの評価及び適切な緩和策の実施に真摯に取り組んでいる。
CEBのオペレーショナルリスクの枠組みは、オペレーショナルリスク及び組織委員会(CORO)の半年に１度
の会合において見直し及び承認が行われる。COROは総裁が議長を務め、経営幹部により構成されており、
CEBが運用する受容可能なオペレーショナルリスク水準の設定を行い、局長らがそれぞれの局内においてか
かるリスクを監視及び管理するために必要な対策を講じることを保証する。オペレーショナルリスクの資
本費用は、四半期ごとに算出され、リスク管理報告書において開示される。
オペレーショナルリスク部門は、様々な業務分野と緊密に協力し、当行のオペレーショナルリスクにつ
いて日々の管理を調整する責務を負う。枠組み全体は、集中的かつ電子的に管理される。すなわち諸リス
ク及びかかるリスクの評価は、所定の方法及びリスク軽減手段及び実行計画に従う。また、管理の枠組み
の有効性を保証するため、並びにリスクのマッピング及び評価を完了させるため、オペレーショナルリス
クに係るインシデント(「危うくインシデントになりかけた」事例を含む。)の事例集も組み込まれてい
る。
オペレーショナルリスク部門は、恒久的な内部統制の枠組みがその設計及び有効性の点で常に適切であ
ることを保証している。各局は、主要なリスクを対象とした重要な統制に関するテストの実施後の各々の
恒久的な統制環境の効率性について、毎年報告を行っている。当該結果はCOROに報告されている。
オペレーショナルリスク部門は、包括的手続及び管理マップを維持するため、業務部門と共同し、手続
のモデルを制定する責任も負う。専用のイントラネット・サイトは、全てのスタッフに手続へのアクセス
を提供する。
事業活動の混乱に対する防衛のため、CEBは事業継続計画(BCP)を整備した。かかる計画は、危機管理計
画、データセンター、緊急対策室、ユーザーバックアップ拠点及び遠隔通信ソリューションを含む基本的
な技術的枠組み並びに事業分野固有の計画から成る。
CEBは、必要自己資本を算出するために、(バーゼルⅡに基づき提案された)基礎的指標手法を採用した。
当行は過去３年間の平均銀行業務純益に基づいてかかる資本費用を算出する。この費用は、健全性資本に
相当する。
2021年12月31日現在、オペレーショナルリスクの資本費用は2020年12月31日現在の22.4百万ユーロから
減少し、22.1百万ユーロとなった。
4. 健全性に関する枠組み
多国間開発銀行(MDB)として、CEBは、加盟国の規制枠組み、バーゼル委員会の勧告又は欧州連合指令の
対象とはならない。しかしながら、必要な調整を全て行うことによって当行のMDBとしての地位を考慮し、
最良の銀行慣行(BBP)に従うことが当行の方針である。この目的のため、当行は、当行の活動から生じるリ
スクを査定及び監視するために、一連の「健全性比率」を制定した。
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かかる比率及び指標は、主に、資本、レバレッジ、流動性、市場における信用リスク、金利リスク及び
外国為替取引リスクの６分野で構成される。
資本
(1)
自己資本比率(CAR) は、標準化されたアプローチに基づき、当行の健全性資本(EP) が総リスク加重資産
(2)
(RWA) に占める割合を測定する。当行は、信用リスク、市場リスク及びオペレーショナルリスクから生じ
る事業における想定外の損失を吸収するための十分な資本を維持することを目的として、かかる比率を定
義し、また監視している。
CAR は、貸付活動に関連してRWAが減少した結果、2020年末の27.6％から増加して、2021年12月末現在
29.1％となった。
かかる比率に対する実際の下限は10.5％に設定されているが、当行は、第１級の財務ファンダメンタル
ズを保証する20％超の比率の維持を目指している。さらに、当行は、十分なバッファーを目標とし、25％
超の水準の余裕幅を検討している。最後に、95.4％の資本要件の大部分を占める信用リスクは、その内訳
が貸付ポートフォリオにおける信用リスク(77.3％)及び融資事業における信用リスク(18.1％)であった。
かかる比率は以下のとおり算出される。
健全性資本
自己資本比率＝
リスク加重資産
－健全性資本：払込済資本金、準備金及び純利益
－リスク加重資産： S[債務不履行エクスポージャー×リスク加重後の要因]
(3)
ギアリング・レシオ(GR) は、自己資金 に対するスワップ後及び保証後の貸付残高の比率であり、当行
の貸付事業に対する(リスク上限に代わる)規模上限となる。かかる比率は、その他の多国間開発銀行の貸
付の規模に対する指標を提供することが意図されている。
スワップ後及び保証後の 貸付残高
ギアリング・レシオ＝
自己資金
－自己資金：引受済資本金、準備金及び純利益
その上限は自己資金の2.5倍であるため、当行は20.5十億ユーロまで貸付を行うことが可能であった。
2021年末現在、かかる比率は、2020年末現在の2.16に対して2.31であったが、これは、貸付ポートフォリ
オの増加とそれに伴う自己資金が少しだけ増加したことに起因する。
注(1) 健全性資本は、当行の払込済資本金、準備金及び純利益で表される。
注(2) 加重資産は、リスクに応じて加重された銀行の資産又はオフバランスシート・エクスポージャーである。
注(3) CEBの自己資金：引受資本、準備金及び純利益
レバレッジ
負債比率(IR) は、(スワップ後の)負債残高総額を健全性資本(Ep)と比較する指標である。負債残高総額
には、有価証券、ユーロ・コマーシャル・ペーパー(ECPs)、銀行貸出及び定期預金口座によって裏付けら
れた負債も含まれるが、有担保のものは除かれる。その上限はEpの10倍(32.3十億ユーロ)に設定されてい
る。2021年末現在、資本より負債が高い比率で増加したことにより、かかる比率は7.26(2020年は6.90)で
あった。
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財務活動資産比率(TAR) は、(スワップ後の)金融資産総額を健全性資本と比較する指標である。金融資産
総額は、スワップ後の(長期、中期及び短期の)有価証券ポートフォリオ、すなわち銀行預金、レポ及びノ
ストロ勘定(有担保のものを除く。)の残高で構成される。その上限はCEBの健全性資本の５倍(16.1十億
ユー ロ)に設定されている。かかる比率は、2020年12月31日現在の登録水準(2.62)から若干上昇し、2021年
12月31日現在には2.68となった。
流動性
短期流動性比率 は、長期にわたる市場混乱又は不況時において純流動性要求に対処する当行の能力を
(1) (2)
様々な時点において測定するための指標である。現金の源泉 ( 流動資産)及び使途 ( 流動性必要額)の間
で生じ得る「流動性ギャップ」の分析は、将来の様々な期間について行われる。すなわち、１ヶ月、３ヶ
月、６ヶ月、12ヶ月及びそれ以降の各期間について、資産クラス、格付及び満期に応じてそれぞれリスク
に関する掛目を適用することにより、厳しい市場環境や不利な経済状況における対応力を計る。流動資産
の最低額は、各期間の純流動性必要額の100％に設定されている。
2021年12月31日現在、短期流動性比率は、１ヶ月については387％(2020年は414％)、３ヶ月については
207％(2020年は204％)、６ヶ月については162％(2020年は174％)及び１年については118％(2020年は
116％)であった。
自給期間 は、当行が、新規の資金調達のために市場にアクセスすることなく、又は資産の売却若しくは
回収を行うことなく、ストレス付加後の想定支出純キャッシュ・フローを満たすことができる期間を測定
するための指標である。その下限は６ヶ月超に設定されている。
2021年12月31日現在、かかる指標は、2020年12月31日現在の７ヶ月に対し、９ヶ月であった。
注(1) 現金の源泉：制約の付されていない現金及び短期銀行間預金の引出し、担保が設定されていない良質な流動性有価証
券の返済又は売却並びに貸出金の返済
注(2) 現金の使途：出資金の払戻し、融資約定に係る支払い及びデリバティブの担保として受領した現金(担保金額)の返戻
要求
市場における信用リスク
最低内部格付は、当行が、発行者、債務者及び取引相手方との取引を締結する購入日における最低格付
(1)
を決定するための指標である。当行の最低内部格付は、短期投資については7.0(A-) 以上、長期投資につ
(2)
いては8.0(A+) 以上である。2021年12月31日現在、2020年12月31日現在の購入日における最低内部格付が
定められた基準値を下回った取引相手方/取引はなく、当行の内部格付は定められた限度内であった。
注(1) 満期までの期間が３ヶ月未満のものの最低内部格付は、ソブリン債については6.0(BBB)、短期債券及び預金について
は6.5(BBB+)となる。
注(2) 満期までの期間が２年以内のものの最低内部格付は、ソブリン、準ソブリン、機関、超国家機関及び金融機関の発行
した債券については7.0(A-)となる。
金利リスク
(1)
経済価値感応度は、+/-10ベーシス・ポイントの金利ショックによる、自己資金(市場リスク(MR) ) を含
む当行の経済価値の変動を測定するための指標である。その絶対値は、自己資金(MR)の0.5％未満、すなわ
ち18.5百万ユーロ未満と設定されている。2021年12月31日現在、経済価値感応度の金額は、2020年12月31
日現在の絶対値18.0百万ユーロに対する-6.6百万ユーロと比較して-6.3百万ユーロであり、定められた限
度内であった。
注(1) 自己資金(MR)：払込済資本金、準備金、純利益、社会配当金勘定及び退職給付金引当金
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外国為替取引リスク
(1)
正味スポット・オープン・ポジション は、オンバランスシート及びオフバランスシートの両方のポジ
ションを含む、外国通貨建の資産総額から負債総額を控除した額である。その絶対値は、１通貨当り１百
万ユーロ未満と設定されている。2021年12月31日現在、2020年12月31日現在ともに各通貨における正味ス
ポット・オープン・ポジションは認められた限度を下回っていた。
注(1) 月末時点
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注D：損益を通じて公正価値で測定する金融商品及びヘッジ・デリバティブ金融商品
IFRS第９号によってそのヘッジ関係が承認されていない当行のヘッジ・デリバティブは、貸借対照表の
「損益を通じて公正価値で測定する金融商品」の項目に計上される。
IFRS第９号に基づいて公正価値ヘッジ又はキャッシュ・フロー・ヘッジとして認識される当行のヘッ
ジ・デリバティブは、貸借対照表の「ヘッジ・デリバティブ金融商品」の項目に計上される。これらのオ
ペレーションは、金融資産及び負債(貸付金、株主資本を通じて公正価値で測定する金融資産、発行済負債
証券)をヘッジする。
金融商品には、金利スワップ、通貨スワップ及び先物為替スワップが含まれる。
IFRS第13号「公正価値測定」の適用に伴い、CEBは、以下の事項に関連する評価方法を調整した。
－デリバティブ金融資産の公正価値の範囲内での取引相手方の信用リスク(信用評価調整－CVA)
－デリバティブ金融負債の評価額の範囲内でのCEB自体の信用リスク(債務評価調整－DVA)
－発行済負債証券の評価額の範囲内でのCEB自体の信用リスク(自己信用評価修正－OCA)
2021年12月31日現在、CEBは、DVAに係る資産として145千ユーロ(2020年12月31日現在は179千ユーロ)、
及びCVAに係る負債として1,039千ユーロ(2020年12月31日現在は936千ユーロ)のデリバティブ商品に係る公
正価値の調整を計上した。これらの調整は、損益計算書の取引相手方ごとに計上される。
OCAは、公正価値で測定する区分に指定された発行済負債商品に対し、CEBの不履行リスクを示すために
作成される修正である。CEBが発行した負債証券が償却原価で測定する区分に全て指定されることにより、
OCAはゼロとなる。
以下の表は、損益を通じて公正価値で測定する金融商品及びヘッジ・デリバティブ金融商品の公正価値
を示す。
(単位：千ユーロ)
ポジティブ ネガティブ
2021年12月31日
時価 時価
損益を通じて公正価値で測定する金融商品
金利デリバティブ金融商品 1,963 (174)
外国為替デリバティブ金融商品 441,142 (135,565)
CEB自体の信用リスクの価額調整(債務評価調整－DVA) 145
取引相手方の信用リスクの価額調整(信用評価調整－CVA) (1,039)
合計 443,250 (136,778)
ヘッジ・デリバティブ金融商品
金利デリバティブ金融商品 531,751 (362,644)
外国為替デリバティブ金融商品 169,182 (115,615)
合計 700,933 (478,259)
(単位：千ユーロ)
ポジティブ ネガティブ
2020年12月31日
時価 時価
損益を通じて公正価値で測定する金融商品
金利デリバティブ金融商品 2,038 (109)
外国為替デリバティブ金融商品 156,397 (547,994)
CEB自体の信用リスクの価額調整(債務評価調整－DVA) 179
取引相手方の信用リスクの価額調整(信用評価調整－CVA) (936)
合計 158,614 (549,039)
ヘッジ・デリバティブ金融商品
金利デリバティブ金融商品 671,307 (607,128)
外国為替デリバティブ金融商品 320,926 (44,764)
合計 992,233 (651,892)
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注E：金融資産及び金融負債
以下の表は、会計評価基準に従った金融資産及び金融負債の純簿価及び公正価値を示す。
(単位：千ユーロ)
振替可能
非振替可能
損益を通じて
株主資本を
株主資本を
2021年12月31日現在 測定する 償却原価 純簿価 公正価値
通じて測定
通じて測定
公正価値
する公正価値
する公正価値
資産
現金及び中央銀行における残高 2,044,716 2,044,716 2,044,716
損益を通じて公正価値で測定する
443,250 443,250 443,250
金融資産
ヘッジ・デリバティブ金融商品 700,933 700,933 700,933
株主資本を通じて公正価値で測定する
金融資産 3,703,635 1,042 3,704,677 3,704,677
償却原価での金融資産
貸付金及び前渡金 21,116,510 21,116,510 21,116,510
負債証券 1,570,816 1,570,816 1,872,883
金融資産合計 1,144,183 3,703,635 1,042 24,732,042 29,580,902 29,882,969
負債
損益を通じて公正価値で測定する
136,778 136,778 136,778
金融負債
ヘッジ・デリバティブ金融商品 478,259 478,259 478,259
償却原価での金融資産
信用機関及び顧客に対する負債額 70,675 70,675 70,675
発行済負債証券 24,824,467 24,824,467 24,591,781
社会配当金勘定 47,169 47,169 47,169
金融負債合計 615,037 24,942,311 25,557,348 25,324,662
(単位：千ユーロ)
振替可能 非振替可能
損益を通じて
株主資本を 株主資本を
2020年12月31日現在 測定する 償却原価 純簿価 公正価値
通じて測定 通じて測定
公正価値
する公正価値 する公正価値
資産
現金及び中央銀行における残高 1,060,252 1,060,252 1,060,252
損益を通じて公正価値で測定する
158,614 158,614 158,614
金融資産
ヘッジ・デリバティブ金融商品 992,233 992,233 992,233
株主資本を通じて公正価値で測定する
金融資産 4,034,352 1,095 4,035,447 4,035,447
償却原価での金融資産
貸付金及び前渡金 19,436,936 19,436,936 19,436,936
負債証券 1,785,361 1,785,361 2,192,620
金融資産合計 1,150,847 4,034,352 1,095 22,282,549 27,468,843 27,876,102
負債
損益を通じて公正価値で測定する
549,039 549,039 549,039
金融負債
ヘッジ・デリバティブ金融商品 651,892 651,892 651,892
償却原価での金融負債
信用機関及び顧客に対する負債額 130,606 130,606 130,606
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発行済負債証券 22,772,270 22,772,270 22,002,971
社会配当金勘定 49,749 49,749 49,749
金融負債合計 1,200,931 22,952,625 24,153,556 23,384,257
株主資本を通じて公正価値で測定する金融資産又は償却原価での負債証券の項目に分類された有価証券
のうち、2021年中及び2020年中に担保として提供されたものはなかった。
注F：金融商品の時価測定
IFRS第13号「公正価値測定」の適用に伴い、CEBは、注Dに記載されたとおり、取引相手方のリスク(CVA)
並びに自身の信用リスク(DVA及びOCA)が含まれるように、その金融商品の公正価値測定の枠組みを調整し
た。
当行は、金融資産及び負債を、その公正価値測定の信頼性を反映して３段階のヒエラルキーにより分類
する。
公正価値レベルを決定するために、CEBは、下記の一連の規則に基づいて、外部のデータ提供者が提供す
る公正価値レベルを使用する。
レベル１－活発な市場で相場価格を有する流動資産及び負債並びに金融商品
レベル２－その市場価値が観察可能なパラメーターに基づく評価手法を用いて測定される金融商品。レベ
ル２の情報は、活発な市場における類似の資産又は負債の相場価格、活発でない市場における
同一又は類似の資産又は負債の相場価格、又は金融商品について観察可能な相場価格以外の情
報(金利及び観察可能なイールド・カーブ並びに信用スプレッド)を含む。
レベル３－その市場価値が観察不能なパラメーターも含めた評価手法を用いて測定される金融商品。この
レベルは支払の条件がその他の超国家的な金融機関により用いられる条件と同等である貸付金
を含む。優先債権者の地位を考慮して、当行は、この種の債権の売却を行っていない。さら
に、貸付金の大半が変動金利(ヘッジ取引を含む。)によるものであるため、かかる取引の公正
価値に対する市場金利の変動の影響は僅少である。したがって、当行は、これらの資産の公正
価値は純簿価と一致すると見積っている。
2021年12月31日現在、CEBは、上記の規則に基づき外部のデータ提供者が提供する公正価値レベルに基づ
いて、以下の金融商品のヒエラルキーの移行を計上している。負債側で発行された負債証券に関しては、
940,714千ユーロがレベル１からレベル２へ移行された。株主資本を通じて公正価値で計上される負債証券
に関しては、資産側で、128,333千ユーロがレベル１からレベル２へ移行され、163,666千ユーロがレベル
２からレベル１へ移行された。最後に、償却原価で計上される負債証券に関しては、資産側で、10,500千
ユーロがレベル２からレベル１に移行された。
公正価値で測定された金融商品は、以下の表に示されている。
(単位：千ユーロ)
2021年12月31日 レベル１ レベル２ レベル３ 合計
資産
現金及び中央銀行における残高 2,044,716 2,044,716
損益を通じて公正価値で測定する金融商品 443,250 443,250
ヘッジ・デリバティブ金融商品 700,933 700,933
株主資本を通じて公正価値で測定する金融資産 2,756,496 948,181 3,704,677
償却原価での金融資産
貸付金及び前渡金 21,116,510 21,116,510
負債証券 1,865,904 6,979 1,872,883
金融資産合計 6,667,116 2,099,343 21,116,510 29,882,969
負債
損益を通じて公正価値で測定する金融商品 136,778 136,778
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ヘッジ・デリバティブ金融商品 478,259 478,259
償却原価での金融負債
信用機関及び顧客に対する負債額 44,008 26,667 70,675
発行済負債証券 21,344,323 3,247,458 24,591,781
社会配当金勘定 47,169 47,169
金融負債合計 21,435,500 3,889,162 25,324,662
(単位：千ユーロ)
2020年12月31日 レベル１ レベル２ レベル３ 合計
資産
現金及び中央銀行における残高 1,060,252 1,060,252
損益を通じて公正価値で測定する金融商品 158,614 158,614
ヘッジ・デリバティブ金融商品 992,233 992,233
株主資本を通じて公正価値で測定する金融資産 2,132,881 1,902,566 4,035,447
償却原価での金融資産
貸付金及び前渡金 19,436,936 19,436,936
負債証券 2,174,648 17,972 2,192,620
金融資産合計 5,367,781 3,071,385 19,436,936 27,876,102
負債
損益を通じて公正価値で測定する金融商品 549,039 549,039
ヘッジ・デリバティブ金融商品 651,892 651,892
償却原価での金融負債
信用機関及び顧客に対する負債額 90,606 40,000 130,606
発行済負債証券 20,738,471 1,264,500 22,002,971
社会配当金勘定 49,749 49,749
金融負債合計 20,878,826 2,505,431 23,384,257
注G：金融資産及び金融負債の相殺
2021年12月31日現在、CEBの貸借対照表において相殺の対象となる事業はなかった。当行はIAS第32号の
改訂の基準を満たすような相殺協定を有していない。
以下の表は、金融資産及び金融負債の純額、並びにIFRS第７号の改訂により要求される包括協定に基づ
く取引(スワップ及び貸付における担保契約に基づき受領した現金預金又は有価証券)を考慮に入れた金融
資産及び金融負債の純額を示している。
(単位：千ユーロ)
金融資産及 担保として
担保として
2021年12月31日 び金融負債 取得した 純額
受領した/取得し
た現金
の純額 有価証券
資産
償却原価での貸付金 19,019,840 (227,845) 18,791,995
デリバティブ金融商品 1,144,183 (540,769) 603,414
差入保証金 67,463 (67,510) (47)
その他相殺されない資産 9,483,371 9,483,371
資産合計 29,714,857 (608,279) (227,845) 28,878,733
負債
デリバティブ金融商品 615,037 (67,510) 547,527
預かり保証金 540,534 (540,769) (235)
その他相殺されない負債 25,325,614 25,325,614
負債合計 26,481,185 (608,279) 25,872,906
(単位：千ユーロ)
金融資産及 担保として
担保として
2020年12月31日 び金融負債 取得した 純額
受領した/取得し
た現金
の純額 有価証券
資産
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償却原価での貸付金 17,919,658 (375,768) 17,543,890
デリバティブ金融商品 1,150,847 (298,529) (27,929) 824,389
差入保証金 421,361 (421,607) (246)
その他相殺されない資産 8,467,402 8,467,402
資産合計 27,959,268 (720,136) (403,697) 26,835,435
負債
デリバティブ金融商品 1,200,931 (421,607) 779,324
預かり保証金 298,417 (298,529) (112)
その他相殺されない負債 23,327,743 23,327,743
負債合計 24,827,091 (720,136) 24,106,955
注H：株主資本を通じた公正価値及び償却原価での金融資産
株主資本を通じた公正価値での金融資産
2021年12月31日現在、株主資本を通じた公正価値での金融資産は、負債証券3.7十億ユーロ(2020年12月
31日は4.0十億ユーロ)及び資本性金融商品1.0百万ユーロ(2020年12月31日は1.1百万ユーロ)で構成され
る。
(単位：千ユーロ)
2021年12月31日 2020年12月31日
株主資本を通じて公正価値で測定する金融資産
総簿価 3,626,180 3,905,718
未実現損益 79,088 130,202
(*)
減損 (591)
(473)
合計 3,704,677 4,035,447
(*)うち、ステージ１ (591) (473)
うち、ステージ ２
うち、ステージ３
償却原価での金融資産
(単位：千ユーロ)
2021年12月31日 2020年12月31日
信用機関向貸付金
総簿価 7,358,451 8,620,828
減損 (3,364) (6,515)
純簿価 7,355,087 8,614,313
顧客向貸付金
総簿価 11,593,863 8,840,235
減損 (8,492) (11,548)
純簿価 11,585,371 8,828,687
デリバティブ商品によってヘッジされた貸付金
の金額調整 79,382 476,658
貸付金合計 19,019,840 17,919,658
前渡金
要求に応じた支払可能な前渡金‐総簿価 6,541 6,620
減損 (2) (2)
純簿価 6,539 6,618
合意された満期又は通知期間のある前渡金‐総
簿価 2,090,489 1,510,814
減損 (358) (154)
純簿価 2,090,131 1,510,660
前渡金合計 2,096,670 1,517,278
負債証券
総簿価 1,570,922 1,785,466
減損 (106) (105)
純簿価 1,570,816 1,785,361
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負債証券合計 1,570,816 1,785,361
2021年12月31日現在の貸付金のうち、保証が付されているものは、6.8十億ユーロである(2020年12月31
日現在は6.8十億ユーロ)。これらの保証は、有価証券又は締結済みの約定の形式によって行われている。
償却原価でのステージ別金融資産
(単位：千ユーロ)
2021年12月31日 2020年12月31日
減損
総簿価 減損 純簿価 総簿価 純簿価
信用機関向貸付金 7,358,451 (3,364) 7,355,087 8,620,828 (6,515) 8,614,313
ステージ１ 7,358,451 (3,364) 7,355,087 8,620,828 (6,515) 8,614,313
ステージ２
ステージ３
顧客向貸付金 11,593,863 (8,492) 11,585,371 8,840,235 (11,548) 8,828,687
ステージ１ 11,593,863 (8,492) 11,585,371 8,840,235 (11,548) 8,828,687
ステージ２
ステージ３
前渡金 2,097,030 (360) 2,096,670 1,517,434 (156) 1,517,278
ステージ１ 2,097,030 (360) 2,096,670 1,517,434 (156) 1,517,278
ステージ２
ステージ３
負債証券 1,570,922 (106) 1,570,816 1,785,466 (105) 1,785,361
ステージ１ 1,570,922 (106) 1,570,816 1,785,466 (105) 1,785,361
ステージ２
ステージ３
2021 年度中に当行のポートフォリオに債務不履行は発生しなかった。さらに、当行はIFRS第９号の意味
におけるステージ１からステージ２又はステージ３への移行につながる信用リスクの著しい増加を確認し
ていない。
貸付金残高及び融資約定の国別内訳
以下の表には、借入人の属する国別の貸付金残高及び融資約定の内訳が、社会配当金勘定から助成金を
支払っているか否かにかかわらず表示される。
(単位：千ユーロ)
残高 融資約定
借入人の属する
国別内訳 2021年12月31日 ％ 2020年12月31日 ％ 2021年12月31日 2020年12月31日
スペイン 1,902,098 10.06 2,032,854 11.67 780,244 810,707
ポーランド 1,509,260 7.98 1,726,137 9.91 507,400 613,247
フランス 1,497,110 7.91 1,295,410 7.43 939,916 627,708
トルコ 1,265,829 6.69 1,336,014 7.67 220,000 100,000
(1)
ドイツ 1,200,106 6.34 592,362
1,004,528 5.76 751,562
(2)
イタリア 1,114,816 5.89 510,460
753,581 4.32 994,681
ベルギー 1,095,509 5.79 995,482 5.71 170,000
スロバキア共和国 1,064,915 5.63 1,139,366 6.54 136,674 257,174
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オランダ 1,002,414 5.30 877,947 5.04 20,000 185,083
チェコ共和国 762,336 4.03 744,491 4.27 130,000 235,000
ハンガリー 696,919 3.68 686,016 3.94 103,386 149,386
リトアニア 638,982 3.38 423,787 2.43 127,080 316,200
クロアチア 622,734 3.29 439,060 2.52 74,500 308,006
フィンランド 595,586 3.15 536,457 3.08 272,000 137,300
ルーマニア 555,963 2.94 617,831 3.55 499,551 513,501
セルビア 467,740 2.47 241,879 1.39 482,161 685,161
スウェーデン 462,046 2.44 334,399 1.92 100,000 388,502
アイルランド 387,981 2.05 396,146 2.27 168,700 218,700
キプロス 361,195 1.91 413,135 2.37 34,000 41,049
ポルトガル 299,342 1.58 287,909 1.65 249,500 244,700
ブルガリア 248,434 1.31 293,902 1.69
ギリシャ 218,500 1.16 157,500 0.90 53,500 112,500
エストニア 150,898 0.80 3,841 0.02 75,000 225,000
スロベニア 140,400 0.74 125,272 0.72 35,000
北マケドニア 107,671 0.57 107,599 0.62 25,500 46,653
ボスニア・ヘルツェ
ゴビナ 100,252 0.53 88,395 0.51 15,717 34,612
モンテネグロ 94,225 0.50 59,591 0.34 22,978 62,330
モルドバ共和国 84,975 0.45 48,376 0.28 79,648 121,775
アルバニア 83,033 0.44 94,310 0.54 17,980 2,980
アイスランド 74,405 0.39 83,663 0.48
コソボ 35,000 0.19 17,784 0.10 25,000 17,216
ラトビア 25,500 0.13 22,600 0.13 9,000 14,400
ジョージア 20,013 0.11 19,478 0.11 23,058 26,308
アンドラ 12,000 0.06 8,400 0.05 3,600
サンマリノ 9,533 0.05 7,000 0.04 3,000
マルタ 8,700 0.05 20,300
デンマーク 6,667 0.04
合計 18,916,422 100.00 17,426,805 100.00 6,315,613 8,453,040
注(1) うち2021年12月31日現在の対象国のための残高3.1百万ユーロ(2020年12月31日現在は4.2百万ユーロ)。
(2) うち2021年12月31日現在の対象国のための残高19.8百万ユーロ(2020年12月31日現在は25.0百万ユーロ)。
SDA 金利補助金又は借入保証を受けている貸付金残高及び融資約定の国別内訳
社会配当金勘定からの金利補助金又は借入保証を受けている貸付金残高及び融資約定の詳細は、下記の
表に借入人の属する国別に記載されるとおりである。
(単位：千ユーロ)
残高 融資約定
借入人の属する国別内訳 2021年12月31日 2020年12月31日 2021年12月31日 2020年12月31日
トルコ 405,667 434,000
ポーランド 156,971 177,426 6,220
ボスニア・ヘルツェゴビナ 89,806 100,006 4,717 23,612
ルーマニア 62,995 89,917 7,121 7,621
アルバニア 41,302 50,888
コソボ 35,000 37,000 17,216
モルドバ共和国 30,302 34,765 1,333 8,461
クロアチア 26,838 31,085
北マケドニア 21,811 22,226 500
イタリア 6,400 4,200
セルビア 4,888 7,732
ブルガリア 3,309 4,068
ジョージア 1,875 4,167 1,250 2,500
ギリシャ 1,000 1,000
合計 888,164 997,480 15,921 65,630
金利補助金については、注Lに記載されている。
注I：有形資産及び無形資産
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(単位：千ユーロ)
(*)
土地及び建物
備品及び設備 その他 無形資産 合計
総簿価
2021年１月１日現在 37,687 15,035 8,008 32,816 93,545
追加額 98 377 4,616 5,091
その他変動 (20) (220) (343) (583)
2021年12月31日現在 37,687 15,113 8,165 37,089 98,053
償却費
2021年１月１日現在 (564) (11,127) (6,669) (15,721) (34,081)
当期費用 (288) (771) (499) (5,113) (6,671)
その他変動 (11) (11)
2021年12月31日現在 (852) (11,898) (7,179) (20,834) (40,763)
純簿価
2021年12月31日現在 36,835 3,215 1 986 16,254 57,290
(単位：千ユーロ)
(*)
土地及び建物
備品及び設備 その他 無形資産 合計
総簿価
2020年１月１日現在 37,679 15,202 7,863 27,109 87,852
追加額 8 692 1,102 5,955 7,757
その他変動 (859) (957) (248) (2,064)
2020年12月31日現在 37,687 15,035 8,008 32,816 93,545
償却費
2020年１月１日現在 (279) (11,059) (6,793) (11,897) (30,029)
当期費用 (285) (830) (807) (3,824) (5,746)
その他変動 762 931 1,694
2020年12月31日現在 (564) (11,127) (6,669) (15,721) (34,081)
純簿価
2020年12月31日現在 37,123 3,908 1 1,339 17,094 59,464
(*) 「土地及び建物」は、パリ市クレベール通り55番所在の当行の本部を示している。IFRS第16号に従い、かかる項目にリー
ス契約も含まれている。2021年12月31日現在の利用権総額は1.0百万ユーロとなり、償却費はマイナス852千ユーロとなっ
た(2020年12月31日現在はそれぞれ1.0百万ユーロ及びマイナス564千ユーロ)。
注J：その他の資産及び負債
(単位：千ユーロ)
2021年12月31日 2020年12月31日
その他の資産
(*)
差入保証金
67,463 421,361
雑借方 2,762 4,639
引受済資本金、払込請求済資本金及び未払資本金並び
に受取準備金 1,422 2,132
前払費用 2,297 2,065
雑資産 2,721 764
合計 76,665 430,961
その他の負債
(*)
預かり保証金
540,534 298,417
(**)
雑貸方
12,655 14,095
雑負債 2,596 855
合計 555,785 313,367
(*) 担保契約に関して、当行は、預託金又は有価証券の形式による保証金を預け入れ、また差し入れている。2021年12月31日
現在、CEBは、
・預託金の形式で67.5百万ユーロ(2020年12月31日現在は421.4百万ユーロ)の保証金を差し入れた。
・預託金の形式で540.5百万ユーロ(2020年12月31日現在は298.4百万ユーロ)、有価証券の形式で227.8百万ユーロ(2020年
12月31日現在は403.7百万ユーロ)の保証金を預け入れた。
(**)IFRS第16号に基づき、うち支払リース料の総額である1.0百万ユーロのリース負債及びマイナス852千ユーロの負債の償却
費である(2020年12月31日現在、リース負債は1.0百万ユーロ及び負債の償却費はマイナス564千ユーロ)。さらに2021年に
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は２つの金額(それぞれ0.5百万ユーロ及び0.6百万ユーロ)がこの項目から控除され、「手数料」の項目へと移動した。こ
れらの金額は、信託口座に関連した利用可能及び未使用の金額を表している。
注K：減価償却費で測定する金融負債
(単位：千ユーロ)
2021年12月31日 2020年12月31日
信用機関及び顧客に対する負債額
付利口座 44,008 90,606
借入金及び定期預金 26,667 40,000
合計 70,675 130,606
償却原価での発行済負債証券
債券 24,439,069 21,843,305
支払利息 148,523 154,572
デリバティブ商品によりヘッジされる発行済負債証券
の価額調整 236,875 774,393
合計 24,824,467 22,772,270
顧客の付利口座の進展
支援者との間で調印された多数の二国間及び多国間の寄付金に関する同意の枠組内で、CEBは、その目的
に沿った活動に対し助成金による融資を行うため、寄付金を受け入れている。支援者より受領した寄付金
は、CEBの名義で開設されている口座に預け入れられる。
一般的に、寄付金の大部分はCEBの協力国及び欧州連合の加盟国によって提供される。
当行は、口座の管理者としての役割を果たしている。当行は口座に影響を及ぼす変更の処理及び記録並
びに利用可能残高の管理を行う。かかる活動の枠組内において、CEBは管理報酬を受け取ることができる。
CEBが最初に１又は複数の支援者より寄付金に関する約定を得ることなく受益者へ助成金を提供する約定
を結ぶことはないため、CEBは、上記の口座に関して信用リスクにさらされてはいない。
2021年12月31日現在、当行は28の付利口座(2020年は25)を管理し、残高は合計44.0百万ユーロ(2020年は
90.6百万ユーロ)であった。かかる口座の原資は、支出額が349.7百万ユーロ(2020年は292.9百万ユーロ)で
あったのに対し、393.7百万ユーロ(2020年は383.5百万ユーロ)であった。
以下の表は、以下の２つのカテゴリーに分類されたCEBにより管理されている口座の変動及び約定の概要
を示したものである。
・支援国より資金提供を受けているプログラム/口座
・全て又は主に欧州連合より資金提供を受けているプログラム/口座
(単位：千ユーロ)
(1) (2) (3) (3)
原資 支出額 受取約定 支払約定
2021年12月31日
支援国より資金提供を
受けているプログラム/口座 42,756 (32,712) 10,044 2,020
全て又は主に欧州連合より
資金提供を
受けているプログラム/口座 350,976 (317,012) 33,964 97,202 111,046
合計 393,732 (349,724) 44,008 97,202 113,066
(単位：千ユーロ)
(1) (2) (3) (3)
原資 支出額 受取約定 支払約定
2020年12月31日
支援国より資金提供を
受けているプログラム/口座 42,460 (30,227) 12,233 2,647
全て又は主に欧州連合より
資金提供を
受けているプログラム/口座 341,026 (262,653) 78,373 100,852 78,605
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合計 383,486 (292,880) 90,606 100,852 81,252
注(1) 支援者より受け取った寄付金及び未収利息により構成される。
(2) プロジェクトに対し支出した助成金、手数料及び支援者に返還した資金により構成される。
(3) 受取約定及び支払約定は、継続事業のみに関するものである。
以下の表は、以下の２つのカテゴリーに分類された付利口座の詳細を示したものである。
(単位：千ユーロ)
口座 2021年 2020年
プログラム/口座 支援者 原資 支出額
開設年 12月31日 12月31日
支援国より資金提供を受けているプログラ
ム/口座
CEB、チェコ共
2020年 5,047 5,047 5,000
グリーン社会投資基金 和国
イタリア革新的プロジェクト基金 イタリア 2017年
1,000 (512) 488 873
移住者及び難民基金 アルバニア、ボ 2015年
28,665 (27,777) 888 2,025
スニア・ヘル
ツェゴビナ、ブ
ルガリア、キプ
ロス、チェコ共
和国、フラン
ス、ドイツ、バ
チカン、ハンガ
リー、アイスラ
ンド、アイルラ
ンド、イタリ
ア、リヒテン
シュタイン、リ
トアニア、ルク
センブルク、マ
ルタ、ノル
ウェー、ポーラ
ンド、サンマリ
ノ、スロバキア
共和国、スペイ
ン、スウェーデ
ン、EIB、CEB
スロバキア包括的成長口座 スロバキア 2016年 4,000 (1,766) 2,234 2,681
共和国
スペイン社会的統合口座 スペイン 2009年 4,044 (2,657) 1,387 1,654
支援国より資金提供を受けているプログラ 42,756 (32,712) 10,044 12,233
ム/口座小計
全て又は主に欧州連合より資金提供を受けて
いるプログラム/口座
地域住宅プログラム(RHP)に関連する口座
欧州連合、ドイ 2012年 (56,035) 20,987
RHP基金国家口座-BiH 63,000 6,965
ツ、イタリア
スイス 2019年 (850) 829
RHP基金国家口座-BiH及びSRB 850
欧州連合 2013年 (9,147) 156
RHP基金国家口座-クロアチア 9,303 156
欧州連合、ドイ 2013年 (2,306) 1,194
RHP基金国家口座-モンテネグロ 3,500 1,194
ツ
欧州連合、ドイ 2013年 (67,022) 16,615
RHP基金国家口座-セルビア 69,000 1,978
ツ
欧州連合、トル 2012年 (40,480) 10,558
RHP基金地域口座 47,257 6,777
コ、米国
デンマーク、欧 2012年 (48,242) 7,197
RHP基金準地域口座 53,846 5,604
州連合、ドイ
ツ、ルクセンブ
ルク、ノル
ウェー、スイス
欧州連合 2013年 (24,660) 460
RHP実施 25,120 460
欧州連合 2017年 (12,520) 1,505
RHP実施２ 13,107 587
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スイス 2019年 (2) 500
RHP実施支援基金口座 500 498
ドイツ、ノル 2019年 (805) 1,641
RHP実施支援基金-ODA口座 1,641 836
ウェー
キプロス 2012年 (1) 49
RHPキプロス共和国特別口座 50 49
チェコ共和国 2013年 (40) 44
RHPチェコ共和国特別口座 84 44
ハンガリー 2014年 (1) 29
RHPハンガリー特別口座 30 29
スロバキア 2012年 (27) 15
RHPスロバキア共和国特別口座 40 13
共和国
東ヨーロッパエネルギー効率化・環境パート
ナーシップ(E5PR)
欧州連合の
改築-ジョージアのトビリシにおける公立学
2016年 1,000 (1,000)
校の復旧及びエネルギー効率の向上 その他の支援者
欧州地方エネルギー支援機関(ELENA)
欧州連合 2012年 (726) 274 274
CEB-ELENA 2012 1,000
トルコ難民支援機関(FRIT)
欧州連合 2017年 50,000 (49,663) 337 15,991
トルコ難民口座
欧州連合 2020年 7,506 (553) 6,953
健康基盤の全体的な強化
加盟前支援制度(IPA)/西バルカン半島投資フ
レームワーク(WBIF)
WBIF：セルビアにおける刑務所施設建設 欧州連合の 2015年 1,430 (1,341) 89 329
その他の支援者
WBIF：ボスニア・ヘルツェゴビナの集合住 欧州連合の 2014年 1,200 (1,200)
宅に暮らす社会的弱者集団 その他の支援者
WBIF：セルビアの主要な建物におけるエネ 欧州連合の 2020年 312 (312)
ルギー効率改善計画- EERPCGB その他の支援者
ロマ族集団の施設
欧州連合 2021年 1,200 (79) 1,121
ロマ族の住宅及びエンパワメント(HERO)
全て又は主に欧州連合より資金提供を受け 350,976 (317,012) 33,964 78,373
ているプログラム/口座小計
付利口座合計 393,732 (349,724) 44,008 90,606
注L：社会配当金勘定
当行は、４種類の助成金の財源としてSDAを使用している。
－当行が付与する貸付金に係る金利補助金
－社会的に影響の大きい事業に対する当行の資金調達を支援する保証
－CEBが資金調達する事業の枠組みにおける技術支援
－ 交付 寄付金
SDAを財源とする助成金は、総裁が承認する300千ユーロ以下の技術支援助成金を除いて、当行の管理委
員会により承認される。
助成金は、500千ユーロに制限される交付寄付金を除いて、それぞれ２百万ユーロを上限とすることがで
きる。全ての項目をあわせた国別の年次承認の合計は、利用可能なSDAの資金の10％を超えてはならない。
2021年12月31日現在、これらの下位勘定の内訳は以下のとおりである。
(単位：千ユーロ)
SDAの項目 2021年12月31日 2020年12月31日
承認された貸付金に係る補助金 13,047 15,476
補助可能額 1,640 1,640
貸付金に係る金利補助金 14,687 17,116
承認された貸付金に係る保証 7,483 4,696
保証可能額 15,790 18,576
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貸付保証 23,273 23,272
技術支援の承認 1,091 1,543
技術支援可能額 5,798 5,498
技術支援 6,889 7,041
承認された交付寄付金
寄付可能額 2,320 2,320
交付寄付金 2,320 2,320
合計 47,169 49,749
資金調達
SDAは、以下により資金調達されている。
a) 当行の年間利益の割当時の社会的性格の配当を通じて、CEBの加盟国から受領した寄付金。
b) 管理委員会の承認を受けた当行の加盟国からの任意拠出金。
c) 欧州評議会の加盟国並びに理事会及び管理委員会による承認を受けた非加盟国又は国際機関からの
任意拠出金。
注M：引当金
(単位：千ユーロ)
2021年12月31日 2020年12月31日
引当金
社会的約定に係る引当金 366,291 356,440
融資約定に係る減損(注T) 1,761 3,728
合計 368,052 360,168
社会的約定に係る引当金の変動
当行は、医療保険制度、財務調整制度及び退職給付制度に係る年金計画並びにその他の退職給付金を運
営する。各退職給付金に関する約定額は、予測単位積増し保険数理評価方式によって個別に決定される。
最新の保険数理評価は、2021年６月30日現在の個別のデータに基づき2021年12月31日現在実施済みであ
る。
退職給付金に係る財務状況は以下に示されている。
(単位：千ユーロ)
その他の
年金計画 合計
退職給付金
2021年１月１日現在の引当金 299,437 57,003 356,440
勤務費用 12,459 2,685 15,144
割引約定に関する利息費用 4,105 767 4,872
直接株主資本と認識される実差額の変動額 (2,388) (1,248) (3,636)
支払済給付金 (4,812) (1,717) (6,529)
2021年12月31日現在の引当金 308,801 57,490 366,291
(単位：千ユーロ)
その他の
年金計画 合計
退職給付金
2020年１月１日現在の引当金 267,539 51,242 318,781
勤務費用 11,486 3,043 14,529
割引約定に関する利息費用 4,056 771 4,827
直接株主資本と認識される実差額の変動額 20,249 3,327 23,576
支払済給付金 (3,893) (1,380) (5,273)
2020年12月31日現在の引当金 299,437 57,003 356,440
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退職給付金の約定の評価に使用される主要な推定値は、以下のとおりである。
諸情報 2021年 2020年
割引利子率 1.50％ 1.25％
インフレ率 1.75％ 1.75％
年金再評価率 1.75％ 1.75％
給与増加率 3.50％ 3.50％
雇用主の医療費負担率 6.28％ 6.28％
平均勤続年数 22.2 21.70
感応度テスト
以下の表は、割引率の変動を-/+0.25％と仮定して計算した、2021年12月31日現在で評価された退職給付
金に関する約定(予測給付債務(PBO))の感応度、勤務費用、利息費用及び2022年の見積給付額に関する情報
を提供するものである。
(単位：千ユーロ)
2021年 2022年 2022年
2022年 2022年
年金計画 12月31日 PBOに対する 12月31日
勤務費用 見積給付額
PBO 利息費用 PBO
割引率-0.25％ 325,083 12,919 4,026 (6,045) 335,983
割引率+0.25％ 293,642 11,364 5,086 (6,038) 304,054
2021年12月31日現在、割引率が0.25％低下したと仮定した場合、年金約定は5.3％増加する。同日現在、
割引率が0.25％上昇したと仮定した場合、当該約定は4.9％減少する。
(単位：千ユーロ)
2021年 2022年 2022年
2022年 2022年
その他の退職
12月31日 PBOに対する 12月31日
給付金
勤務費用 見積給付額
PBO 利息費用 PBO
割引率-0.25％ 60,661 2,490 745 (2,092) 61,804
割引率+0.25％ 54,549 2,175 936 (2,092) 55,567
2021年12月31日現在、割引率が0.25％低下したと仮定した場合、退職給付金に関する約定は5.5％増加す
る。同日現在、割引率が0.25％上昇したと仮定した場合、当該約定は5.1％減少する。
注N：資本
資本管理
定款(第３条)に従い、欧州諸国(欧州評議会の加盟国又は非加盟国)及び欧州に重点を置いている国際機
関は、当行の理事会が制定した条件に従って、当行の加盟国となることができる。
当行は、加盟国が引き受けるユーロ建の参加証書を発行する。各証書の額面価格は、いずれも同額の
1,000ユーロである。
加盟手続は、申請国が当行の定款を承認し、理事会との合意により決定された数の参加証書を引き受け
る旨明言した欧州評議会の議長に対する宣言により行われる。当行の加盟国となる国は全て、かかる宣言
において以下の目的を承認するものとする。
－欧州評議会の特権及び免責に関する一般協定のための第三議定書について、できるだけ早い機会に同意
すること。
－かかる同意までの間に、当行の財産、資産及び運営に関する議定書による法的処置を適用すること並び
に当行の機関及び職員に議定書による法的地位を付与すること(定款第３条)。
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理事会は、資本の引受け及び払込みに関する引当金に加えて、増資に関する引当金を設定している。加
盟国の脱退の可能性に関する条件については、CEBの定款(第15条)に定めている。当行はこれまでにこの種
の 要求を受けたことはない。これに基づき、また2008年２月に改訂されたIAS第32号に従い、本参加証書
は、資本性金融商品に分類されている。
当行の資本及び準備金に対する出資は、CEBに関する欧州評議会の部分協定の予算に対する加盟申請国に
よる寄与比率に基づき算出されるものとする。
当行の引受済資本金は、払込済資本金及び請求払資本金で構成される。払込済資本金は、資本金のう
ち、管理委員会の提案を受けて理事会の決定後に当行に加盟する時点で払い込まれる部分である。開始以
来、当行は引受済資本金の引出しを行っていない。
当行の業務に関連するリスクに関する自己資本は、様々な比率により構築された健全性に関する枠組み
を通じて評価されている(注Cの4.を参照のこと。)。
加盟国別の資本金の内訳は以下のとおりである。
(単位：千ユーロ)
加盟国 引受済資本金 未払込資本金 払込請求済資本金 引受済資本金割合
フランス 915,770 814,114 101,656 16.720％
ドイツ 915,770 814,114 101,656 16.720％
イタリア 915,770 814,114 101,656 16.720％
スペイン 597,257 530,958 66,299 10.905％
トルコ 388,299 345,197 43,102 7.089％
オランダ 198,813 176,743 22,070 3.630％
ベルギー 164,321 146,083 18,238 3.000％
ギリシャ 164,321 146,083 18,238 3.000％
ポルトガル 139,172 123,724 15,448 2.541％
スウェーデン 139,172 123,724 15,448 2.541％
ポーランド 128,260 114,023 14,237 2.342％
デンマーク 89,667 79,712 9,955 1.637％
フィンランド 69,786 62,039 7,747 1.274％
ノルウェー 69,786 62,039 7,747 1.274％
ブルガリア 62,459 55,526 6,933 1.140％
ルーマニア 59,914 53,264 6,650 1.094％
スイス 53,824 43,229 10,595 0.983％
アイルランド 48,310 42,948 5,362 0.882％
ハンガリー 44,788 39,816 4,972 0.818％
チェコ共和国 43,037 38,260 4,777 0.786％
ルクセンブルク 34,734 30,878 3,856 0.634％
セルビア 25,841 22,973 2,868 0.472％
クロアチア 21,376 19,003 2,373 0.390％
キプロス 19,882 17,676 2,206 0.363％
スロバキア共和国 18,959 16,854 2,105 0.346％
アルバニア 13,385 11,899 1,486 0.244％
ラトビア 12,808 11,387 1,421 0.234％
エストニア 12,723 11,311 1,412 0.232％
北マケドニア 12,723 11,311 1,412 0.232％
リトアニア 12,588 11,191 1,397 0.230％
スロベニア 12,295 10,930 1,365 0.224％
アイスランド 10,144 9,018 1,126 0.185％
マルタ 10,144 9,018 1,126 0.185％
ジョージア 9,876 8,780 1,096 0.180％
ボスニア・ヘルツェゴビナ 9,689 8,614 1,075 0.177％
モンテネグロ 6,584 5,853 731 0.120％
コソボ 6,559 5,831 728 0.120％
モルドバ共和国 5,488 4,878 610 0.100％
アンドラ 4,925 4,378 547 0.090％
サンマリノ 4,867 4,206 661 0.089％
リヒテンシュタイン 2,921 2,374 547 0.053％
バチカン 137 107 30 0.003％
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2021年合計 5,477,144 4,864,180 612,964 100.000％
2020年合計 5,477,144 4,864,180 612,964
2021年の各参加証書の収益は17.31ユーロ(2020年は13.66ユーロ)に達した。
2020 年度において、アンドラの加盟に伴い、当行の引受済資本金は4,925千ユーロ増加した。このうち
547千ユーロは払込請求済資本金に関連するものであった。準備金への拠出額は合計2,296千ユーロであっ
た。払込請求済資本金の払込み及び準備金への拠出は、毎年均等に四回に分割して行われる。574千ユーロ
の最初の２回の支払いは2020年及び2021年にそれぞれ支払われた。２回の未払いの支払いの総額は以下の
とおりである。
(単位：千ユーロ)
加盟国 払込済資本金 払込済準備金 合計
アンドラ 274 1,148 1,422
合計 274 1,148 1,422
注O：金利差益
収入及び費用は、実効金利法(利息、手数料及び費用)に従って計上される。
受取利息及び支払利息は製品ごとにグループ化されている。
金利差益の新たな記載方法は、注記Bに詳述されている組替を考慮して、以下のとおりである。
(単位：千ユーロ)
2021年 2020年
(*)
償却原価での貸付金及び前渡金
-信用機関及び中央銀行 63,951
-顧客 82,232
ヘッジ・デリバティブ (114,116)
小計 32,067
償却原価での負債証券 51,473 56,408
信用機関及び顧客 2,346 2,744
償却原価での発行済負債証券 (206,371) (278,420)
ヘッジ・デリバティブ 328,462 341,893
小計 122,091 63,473
利息及び類似の収入 175,910 154,692
その他利息費用及び類似の費用 (4,872) (4,827)
(*)
株主資本を通じた公正価値での金融資産 15,413 18,975
ヘッジ・デリバティブ (23,593) (21,974)
小計 (8,180) (2,999)
(*)
償却原価での貸付金及び前渡金
-信用機関及び中央銀行 22,334
-顧客 86,381
ヘッジ・デリバティブ (124,138)
小計 (15,423)
利息費用及び類似の費用 (28,475) (7,826)
金利差益 147,435 146,866
(*)マイナス金利の影響： (単位：千ユーロ)
-株主資本を通じた公正価値での金融資産 (5,898) (3,856)
-償却原価での前渡金 (20,390) (14,482)
(26,288) (18,338)
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製品の分類が資産であるか負債であるかにかかわらず、受取純額は「利息及び類似収益」の項目に分類
され、支払純額は「利息費用及び類似費用」に分類される。
これらの製品ごとの純額は、かかる製品のマイナス金利も含む。
公正価値ヘッジ・デリバティブの利息収益及び費用は、ヘッジ商品の収益及び利息とともに記載され
る。
注P：セグメント情報
CEBは、社会的使命を有する多国間開発銀行である。CEBは、加盟国における金融プロジェクトに対して
貸付を行っている。かかる事業の資金は、公募及び私募により調達される。
この範囲内で、当行は、単一の事業分野を有する。当行は、その拠出金を最も必要とする地域、特に対
象国を構成する中欧及び東欧諸国に介入する。
プロジェクトファイナンス事業は、欧州においてのみ行われている。しかしながら、その他の金融事
業、特に公募に関しては、CEBは欧州のほか、他の地域においても事業を行っている。したがって、これら
の事業については、下記の表に含まれていない。
借入人の属する国 別 の貸付における利息の内訳は以下のとおりである。
(単位：千ユーロ)
借入人の属する国別内訳 2021年 2020年
トルコ 15,992 16,879
ポーランド 10,693 15,017
ルーマニア 7,510 9,428
ハンガリー 6,959 8,913
リトアニア 4,351 4,482
クロアチア 4,069 4,728
キプロス 3,704 3,671
スロバキア共和国 3,296 3,431
アルバニア 1,544 1,815
セルビア 1,337 1,434
ブルガリア 1,236 1,204
ボスニア・ヘルツェゴビナ 1,199 1,269
北マケドニア 808 875
チェコ共和国 793 990
モルドバ共和国 586 674
ラトビア 493 579
スロベニア 342 319
モンテネグロ 336 335
ジョージア 83 122
コソボ 76 1
エストニア 64 159
マルタ 29
対象国小計 65,500 76,325
ベルギー 17,823 18,884
スペイン 8,000 8,032
フランス 7,179 6,993
オランダ 6,331 6,266
ドイツ 4,071 5,135
アイルランド 3,539 3,301
イタリア 3,246 2,034
ポルトガル 3,226 3,749
スウェーデン 2,953 2,070
フィンランド 964 877
アイスランド 384 738
ギリシャ 70 35
サンマリノ 19 1
アンドラ 14 1
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その他の国小計 57,819 58,116
その他の国を通じた対象国 22 55
合計 123,341 134,496
国別貸付残高は、注Hに記載されている。
注Q：損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純損益
損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純利益は、「金利差益」(注O)で表示される金利収入及
び費用を除く金融商品に関する損益項目を含む。
(単位：千ユーロ)
2021年 2020年
ヘッジ商品の公正価値の正味残額 (83,138) 30,604
ヘッジリスクに起因するヘッジ項目の再評価 83,250 (32,022)
損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの残額 (199) (1,094)
為替持高の再評価 170 (293)
自身の信用リスクに係る価額調整(債務評価調整－DVA) (34) 31
相手方のリスクに係る価額調整(信用評価調整－CVA) (103) (332)
合計 (54) (3,106)
注R：一般営業費用
(単位：千ユーロ)
2021年 2020年
賃金及び給料 (27,271) (26,300)
社会保障及び年金費用 (13,660) (13,342)
その他の一般営業費用 (12,292) (11,339)
合計 (53,223) (50,981)
(*)
2021年12月31日現在、当行の職員は、２名の任命役員(総裁及び副総裁 ) 及び213名の専門職員から構成
されている。2020年12月31日現在では、４名の任命役員(総裁及び副総裁)及び209名の専門職員であった。
(*) ウェンツェル総裁及びサンチェス-ジェブラ・アロンソ副総裁の任務は2021年12月17日付で終了した。
注S：リスク費用
CEBが使用する一般的な減損評価モデルは、以下の２つの段階に基づく。
・当初認識後の信用リスクの著しい増加の有無を評価すること。
・当初認識後に信用リスクの著しい増加がない場合は12ヶ月の予想損失に基づき減損引当金を測定し、
当初認識後に信用リスクの著しい増加が生じた場合は全期間の予想損失(すなわち、満期時点の予想
損失)に基づき減損引当金を測定すること。
これらの２つの段階は、将来予測アプローチに基づくものでなければならない。
信用リスクの著しい増加
信用リスクの著しい増加に係る評価は、取引相手方の種類及びその内部格付によって異なる指標及び閾
値に基づき、各取引ごとのレベルで測定される。
信用リスクの著しい増加に係る評価に用いられる指標は、取引相手方の内部格付である。内部格付シス
テムについては、注C(信用リスクセクション)に記載されている。評価は関連する基準、すなわち当初の格
付と比較して何段階格下げされたかに基づいて行われる。しかしながら、取引が2018年１月１日現在の当
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行のポートフォリオに既に表示されていた場合、信用リスクの著しい増加に係る評価の基準を評価日現在
の内部格付に基づく絶対評価とする。
いずれの場合も、評価日現在の信用格付が3.5以下の場合、信用の質の低下は重大とみなされ、当該取引
はステージ２に分類される。しかしながら、ソブリンはCEBの優先債権者の地位を前提として、一貫してス
テージ１に分類される。
90日超支払が遅延した場合、かかる資産は債務不履行状態にあるとみなされ、ステージ３に分類され
る。
2021 年度中に当行のポートフォリオに債務不履行は発生しなかった。さらに、当行はIFRS第９号の意味
におけるステージ１からステージ２又はステージ３への移行につながる信用リスクの著しい増加を特定し
ていない。
将来予測アプローチ
当行は、予想信用損失(以下「ECL」という。)の測定の際に、将来予測情報を考慮している。
当行は、可能性のある将来の経済情勢を幅広くカバーするため、３つのマクロ経済シナリオを使用する
ことを選択している。これらのシナリオは現在、ムーディーズ・アナリティックス(Moody's Analytics)に
より策定され、毎月更新されている。
主要なマクロ経済変数は、ユーロ圏におけるGDPの進展及び欧州の株式市場の進展である。予測期間中の
マクロ経済変数のモデル化は、２つの変数及び３つのラグを用いる自己回帰モデルを使用するモンテカル
ロ・シミュレーションに基づく。
IFRS第９号の下で使用されるシナリオは以下のとおりである。
・５年間の予測期間中に最も実現しそうな経済情勢を記述した基礎シナリオ。
・顕在化したリスクを基礎となるシナリオに加重した影響を反映し、結果として好ましくない経済情勢
となった不利なシナリオ。かかるシナリオは、ユーロ圏のGDP成長率のモンテカルロ・シミュレー
ションにおける10％の分位点として定義される。
・顕在化したリスクを反映し、結果として良好な経済情勢となった好ましいシナリオ。かかるシナリオ
は、ユーロ圏のGDP成長率のモンテカルロ・シミュレーションにおける90％の分位点として定義され
る。
バランスの取れた引当金の推計を行うため、有利なシナリオの発生確率は、不利なシナリオの発生確率
と等しい値としている。
シナリオに設定された加重は以下のとおりである。
・ベースのシナリオについて60％
・不利なシナリオについて20％
・有利なシナリオについて20％
期間中のリスク費用引当金
(単位：千ユーロ)
2021年 2020年
減損引当金の純額－資本 7,842 (7,802)
減損引当金の純額－利息 12 (9)
合計 7,854 (7,811)
期間中のリスク費用の詳細
(単位：千ユーロ)
2021年 2020年
中央銀行における残高 (69) (21)
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株主資本を通じて公正価値で測定する金融資産 (117) (68)
償却原価での金融資産
貸付金 6,208 (5,640)
前渡金 (204) (37)
負債証券 (2) 21
その他資産 70 (58)
融資約定 1,968 (2,009)
合計 7,854 (7,811)
減損を伴わない残高に係るリスク費用 7,854 (7,811)
うち、ステージ１ 7,854 (7,811)
うち、ステージ２
減損した残高に係るリスク費用(ステージ３)
期間中における減損の変動
(単位：千ユーロ)
12ヶ月の予想損 全期間の予想損
貸倒残高に係る
失を伴う残高に 失を伴う残高に
減損 合計
係る減損 係る減損
(ステージ３)
(ステージ１) (ステージ２)
2021年１月１日現在 (22,718) (22,718)
減損引当金の純額
期間中に取得した金融資産 (3,478) (3,478)
期間中に認識中止された金融資産 1,945 1,945
ステージ２への移転
ステージ３への移転
ステージ１への移転
ステージの移転を伴わないその他の引当金/戻入額 9,387 9,387
2021年12月31日現在 (14,864) (14,864)
注T：付与された又は受領した融資約定
(単位：千ユーロ)
2020年
2021年
12月31日
12月31日
付与された融資約定
信用機関向け 533,407 788,042
顧客向け 5,782,206 7,664,998
付与された融資約定の合計 6,315,613 8,453,040
付与された融資約定の減損 1,761 3,728
うち、ステージ１ 1,761 3,728
うち、ステージ２
うち、ステージ３
2021年12月31日現在、受領した融資約定は計上されていない。
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以下は、2021年12月31日に終了した年度の財務書類についての独立した監査法人であるアーンスト・アン
ド・ヤングの監査報告書の日本語訳である。
欧州評議会開発銀行
2021 年12月31日に終了した年度
独立監査人による年次財務書類についての監査報告書
総裁 殿
意見
我々は、欧州評議会開発銀行(以下「本銀行」という。)の年次財務書類を監査した。これらの年次財務書類
には、2021年12月31日を年度末とする貸借対照表、同日に終了した年度に係る損益計算書、包括利益計算
書、株主 資本勘定変動報告書 、キャッシュ・フロー計算書及び重要な会計方針の要約を含む年次財務書類に
対する注記が含まれている。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックに関連する世界的な危機により、当該期間の年次財務書類は特定
の条件下で作成され、監査されている。実際、かかる危機及び衛生上の緊急事態という状況下で講じられた
例外的な措置は、企業、特にその経営及び資金調達に多くの影響を及ぼし、企業の将来の見通しに対する不
確実性を増大させた。旅行制限やリモートワークなどの措置も、企業の内部組織や監査の実施に影響を与え
ている。
これらの財務書類は総裁によりまとめられた。
我々の意見では、添付の年次財務書類は、全ての重要な点において、EUにより採用される国際財務報告基準
に従って、2021年12月31日現在の本銀行の財務状況、並びに同日に終了した年度に係る本銀行の財務成績及
びキャッシュ・フローを、適正に表示している。
意見の基礎
我々は、国際監査基準(ISAs)に準拠して監査を行った。かかる基準に基づく我々の責任の詳細については、
下記「年次財務書類の監査に関する監査法人の責任」の項に記載されている。我々は、フランスにおいて
我々の行う年次財務書類の監査に適用される倫理的な要求とともに「職業会計士のための国際論理規定(国際
独立性基準を含む。)」(IESBAコード)に従い、本銀行から独立しており、また、かかる要求及びIESBAコード
に従い、その他の我々の倫理的責任を果たしてきた。我々は、我々が取得した監査証拠が、本意見の基礎を
提供することについて十分かつ適正であると確信している。
重要監査事項
重要監査事項とは、我々の専門的判断において、我々が当期の年次財務書類を監査するにあたり重要度が最
も高い事項である。これらの事項については、我々の行った年次財務書類の監査全体の文脈の中で、我々の
意見を形成しつつ対処しており、これらの事項に関する個別の意見は述べていない。
損益を通じて公正価値で測定する金融商品及びヘッジ・デリバティブ金融商品の評価
特定されたリスク
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2021 年12月31日現在、損益を通じて公正価値で測定する金融商品は、443,250千ユーロの資産及び136,778千
ユーロの負債となった。ヘッジ・デリバティブ金融商品は、700,933千ユーロの資産及び478,259千ユーロの
負 債となった。
年次財務書類に対する注Aに定義されているとおり、当該区分に基づく金融資産及び金融負債は、その時価で
評価及び計上される。かかる商品の時価は、活発な市場における見積価格の使用、又は以下の評価技術を適
用することによって決定される。
・財務上の仮定に基づく数学的計算方法
・活発な市場において取引される商品価格の利用、又は活発な市場がない場合には統計的推定若しくはその
他の定量法に基づいて決定された価値のパラメーター
かかる金融商品の重要性及び関連する見積りの内在不確実性により、我々は、損益を通じて公正価値で測定
する金融商品及びヘッジ・デリバティブ金融商品の評価を重要監査事項とみなしている。
我々の対応
我々は、金利スワップ及び通貨金利スワップに係る公正価値の決定に関する本銀行のプロセスを理解し、ま
た、公正価値評価の定式化のために本銀行が実行に移した技法について理解した。
我々は、スワップ評価額を取引相手方が作成した外部情報と比較し、金利スワップ(IRS) 及び 通貨金利スワッ
プ(CIRS)のサンプルに対する評価を再度計算した。
本銀行の2021年度年次報告書に含まれるその他の情報
その他の情報は、財務書類及び我々の監査報告書を除く年次報告書に含まれる情報で構成されている。経営
陣はその他の情報について責任を負う。
財務書類に対する我々の意見は、その他の情報を対象とせず、それらに関するいかなる種類の保証結論も表
明していない。
財務書類の我々の監査に関して、我々の責任は、その他の情報を読み、その他の情報が財務書類や監査で得
た我々の知識と重要な矛盾を生じていないか、又は重要な虚偽記載を生じると思われるものがないか検討す
ることである。我々が行った作業に基づいてかかるその他の情報に重要な虚偽記載があると判断した場合
は、我々はその事実を報告することが要求される。この点に関し、我々が報告するものはない。
経営陣及びガバナンスを担当する者の年次財務書類に関する責任
経営陣は、EUにより採用される国際財務報告基準に従って、年次財務書類を作成し、公正に公表すること、
及び故意によるものか又は過失によるものかを問わず、重要な虚偽記載のない年次財務書類を作成するため
に経営陣が必要と判断する内部統制について責任を負う。
経営陣は、年次財務書類の作成にあたって、本銀行の継続企業として存在し続ける能力を評価し、継続企業
に関連する事項を(適用があれば)開示し、また経営陣が本銀行を清算するか若しくは業務を停止する意図が
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ある場合又はそうする以外に現実的な代替手段がない場合を除き、会計上の継続企業の前提を使用する責任
を負う。
ガバナンスを担当する者は、本銀行の財務報告過程を監督する責任を負う。
年次財務書類の監査に関する監査法人の責任
我々の目的は、故意によるものか又は過失によるものかを問わず、年次財務書類全体に重要な虚偽記載がな
いかどうかについて合理的な保証を得ること並びに我々の意見を含む監査報告書を公表することである。合
理的な保証は、高いレベルの保証であるが、ISAに従って行われる監査によって、重要な虚偽記載が存在する
場合にそれを常に発見できるという保証ではない。虚偽記載は、故意又は過失によって生じる場合があり、
それのみによるか又は全体の中でによるものかを問わず、これらの年次財務書類に基づいて利用者が行う経
済的意思決定に影響を及ぼすと合理的に予想される場合に重要とみなされる。
ISA に従って行われる監査の一環として、我々は専門的判断を行い、監査を通して職業上の懐疑心を持ち続け
る。また我々は、以下のことを行う。
・故意によるものか又は過失によるものかを問わず、年次財務書類の重要な虚偽記載のリスクの特定及び評
価を行い、当該リスクに対応する監査手続の企図及び実施を行い、かつ我々の意見の根拠を提供する十分
かつ適切な監査証拠を取得すること。故意による重要な虚偽記載を発見できないリスクは、過失による重
要な虚偽記載を発見できないリスクよりも高い。これは、故意によるものは、共謀、偽造、故意の脱漏、
不実表示又は内部統制の無効を含むことがあるからである。
・特定状況において適切な監査手続を企図するための、監査に関連する内部統制への理解を得ること。但
し、これは本銀行の内部統制の実効性に関する意見を表明することを意図するものではない。
・経営陣により使用される会計方針の適切性並びに経営陣によってなされる会計予測及びそれに関連する開
示の合理性を評価すること。
・経営陣による会計上の継続企業の前提の使用の適切性、及び取得した監査証拠に基づき、本銀行の継続企
業として存在し続ける能力に重大な疑いを掛ける可能性のある事象又は状況に関連する重要な不確実性が
存在するかどうかについて、結論を出すこと。我々が重要な不確実性が存在すると結論付けた場合には、
我々は、年次財務書類の関連する開示に対し、監査報告書において注意喚起する義務があり、又は当該開
示が不適切である場合には、我々の意見を修正する義務がある。我々の結論は、監査報告書の日付現在ま
でに取得した監査証拠に基づいている。しかしながら、将来における事象又は状況によっては、本銀行が
継続企業として存在しなくなる可能性もある。
・年次財務書類の表示全般、構成及び内容(開示情報を含む。)並びに年次財務書類が公正な表示となる様式
で基となる取引及び事象を表しているかどうかを評価すること。
我々は、とりわけ監査の予定範囲及び時期並びに重要な監査上の検出事項(監査中に我々が特定した内部統制
の重大な不備を含む。)について、ガバナンスを担当する者に通知する。
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また我々は、ガバナンスを担当する者に、我々が独立性に関して該当する倫理的要件に準拠した旨の報告書
を提出し、我々の独立性に影響を及ぼすと合理的に考えられる全ての関係性及びその他の事項並びに(適用が
あ れば)適用された脅威又はセーフガードを排除するために取られた措置について通知する。
2022 年３月１日、パリ市ラ・デファンスにて
独立監査人
アーンスト・アンド・ヤング監査法人
( 署 名)
Luc Valverde
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（６）【その他】
2022 年１月１日以後提出日までに、重要な変更は生じていない。
（７）【発行者の属する国等の概況】
該当事項なし
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