クイーンズランド州財務公社 訂正有価証券報告書
提出書類 | 訂正有価証券報告書 |
---|---|
提出日 | |
提出者 | クイーンズランド州財務公社 |
カテゴリ | 訂正有価証券報告書 |
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書の訂正報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条の2第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和4年1月28日
【会計年度(又は事業年度)】 自 令和2年7月1日 至 令和3年6月30日
【発行者の名称】 クイーンズランド州財務公社
(Queensland Treasury Corporation)
【代表者の役職氏名】 フィリップ・ノーブル
(Philip Noble)
最高経営責任者
(Chief Executive)
【事務連絡者氏名】 弁護士 田 中 収
【住所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03-6775-1025
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
1/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
1 【提出理由】
令和3年12月28日付で提出した有価証券報告書の記載事項のうち、令和3年6月末終了年度の情報を開示で
きる状況となりましたので、「第3 発行者の概況」中の関連事項を以下の通り全面的に訂正するもので
あります。
2 【訂正内容】
第3【発行者の概況】
3【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(7) 【発行者の属する国等の概況】
クイーンズランド州の概況
クイーンズランド州
2/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
3/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
(1) 概況
クイーンズランド州は6つのオーストラリアの州のうちで2番目に広大な面積を有し、最も広い居住地
域を持つ州である。面積は1.7百万平方キロメートルで、亜熱帯気候に属する人口稠密の南東部から熱帯
気候に属する人口稀薄の北部ケープ・ヨーク半島に及ぶオーストラリア全土の25%にあたる北東部を占
めている。クイーンズランド州の地形および気候は多種多様の農作物の生産に適しており、最も重要な
ものとして食肉、穀物、砂糖および綿花がある。さらに、クイーンズランド州は広範囲にわたる鉱床お
よびガス鉱床(広大な石炭の鉱床および世界的に最も有名なボーキサイトの鉱床の1つを含む。)、多様な
産業基盤、非常に発達した港湾および交通網ならびに教養ある労働力を有している。約1万キロメートル
に及ぶ鉄道および18.4万キロメートルに及ぶ道路等の陸上交通網は州の資源の開発を支えている。
クイーンズランド州はオーストラリアで3番目に人口の多い州で、2021年6月30日現在、人口は約5.2百
万人であり、オーストラリアの総人口の20.3%を占めている。2020年6月30日現在、クイーンズランド州
の人口の72.7%は暖かい亜熱帯気候と発達した産業基盤を有するクイーンズランド州の南東部に住んで
いた。州の人口の残りは広範囲にわたって分布しており、クイーンズランド州をオーストラリアの中で
最も人口密度の低い州にしている。
クイーンズランド州の州都であるブリスベン市は周囲の大都市圏も含めて約2.5百万人を有している。
クイーンズランド州には他に5万人を超える人口密集地域が9都市ある。
(2) 政治
オーストラリア連邦は、1901年1月1日、ニュー・サウスウェールズ、ビクトリア、クイーンズラン
ド、南オーストラリア、西オーストラリアおよびタスマニアの6つの英国植民地が連邦政府の州として結
合し、国家連合として形成された。さらにこの6つの州に加えて、オーストラリアは北部準州および首都
キャンベラ市のあるオーストラリア首都特別地域等のいくつかの準州を持つ。
連邦議会は特定の事項に関してのみ立法行為を行うことができる。これらの事項には対外・各州間の
貿易、外交、国防、移民、租税、銀行業務、保険、結婚・離婚、通貨・計量・測量、郵便・通信および
疾病・老齢年金が含まれる。いくつかの事項に関して連邦は独占的権限を付与されており、すなわち各
州はこれらの領域において立法行為を行うことができない。他の事項に関して連邦および各州は平等の
権限を有しており、それによって連邦および各州は共に立法行為を行うことができる。各州は憲法に具
体的に記載されていない事項に関する立法権限を有している。連邦および各州が立法行為を行う平等の
権限を有している領域において矛盾のある場合、連邦法が優先し、州法はこれに矛盾する場合無効であ
る。
各州の権限は教育、公衆保健、警察および司法、運輸、道路および鉄道、産業、鉱業および農業、公
共事業、港湾、林業、電気、ガス、水道ならびに灌漑に関する監督に及ぶ。
クイーンズランド州は憲法上の責任とされているこれらの機能に関する自治権および監督権を有して
いるが、クイーンズランド州は連邦の一部を形成するものであり、多くの重要な点において州の経済実
績や見通しはオーストラリア全体のそれと互いに密接に関係している。特に、オーストラリア全体の経
済管理に対する一義的な責任は連邦政府が有している。たとえば、連邦政府は国家予算政策、財政政策
および外交政策に対して責任がある。さらに、ほとんどの賃金レートは従来連邦および州の調停機関や
仲裁機関を通して中央集権的に決定されてきたが、過去20年間の法制度によって中央集権的な賃金決定
から企業ごとの合意への移行の基盤が確立されている。
クイーンズランド州の立法権は州議会にある。州議会は立法議会という1つの議会から成り、18歳以上
のすべての州民の義務投票により3年以下の任期で選任される。
4/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
2020 年10月に直近の州議会選挙が行われた。オーストラリア労働党は、(国会の93議席数のうち)52
議席を獲得し、圧倒的過半数を形成し、州政権3期目となった。現在の首相はアナスタシア・パラシェー
首相であり、同氏は2006年に州議会議員となった。直近の4年の固定任期の開始後、次期州議会選挙は
2024 年10月に行われることが予定されている。
州の行政権は、形式的にはクイーンズランド州総督により行使されている。総督は女王を代表し行政
評議会の助言を受ける。行政評議会は、総督および州の大臣により構成される。大臣は立法議会の過半
数を制する政党または連合政党の党員である。首相を含めて現在では合計18人の大臣がいる。実際に
は、州の行政権は必要な場合には総督により形式的に批准される内閣の決定をもって、内閣(クイーン
ズランド州においてはすべての大臣により構成される。)によって行使される。連邦の場合と同様に、
特殊な場合を除き、総督が内閣の助言に基づき行動することは、オーストラリアの政治体制において慣
例となっている。
州のすべての歳入および歳出にはクイーンズランド州議会の許可が必要とされる。州の会計(QTCの会
計を含む。)は、州総督により指名を受けた州の会計検査院長により継続的に監査され、州の会計検査
院長は各年の財政活動につき毎年州議会に報告する。
各大臣は1または複数の政府部門および関連する法定機関の業務に関して議会に対して責任を負ってい
る。各部門は、独立の公務員を置いており、2009年財務執行責任法の下、各部門用に議会が支給する資
金の財政管理に責任を有する長官が置かれている。
州の司法制度は主に土地裁判所、少年裁判所、治安判事裁判所、地方裁判所、最高裁判所およびク
イーンズランド州民事・行政審判所から成る。控訴裁判所は最高裁判所の1部門である。クイーンズラン
ド州の裁判官は内閣の助言に基づき行動する州総督により代表される女王により任命される。
特別な機能を実行し、または特定の地域サービスを実施するため、議会特別法に基づいていくつかの
個別の機関がクイーンズランド州において設立されている。これらの機関は、「法定機関」、「公法
人」、「準政府機関」、「地方機関」、「地方自治体」、「国有企業」あるいは「政府所有企業」と
様々に呼ばれている。
(3) 経済
( イ)概況
クイーンズランド州は、農業、資源、建設、観光業、製造業およびサービス業を含む多様な産業に
よって支えられた現代的で活力ある経済を有している。
過去20年間にわたり、クイーンズランド州の経済成長は全国平均を概して上回っている。近年の資
源投資ブームおよび関連するLNG(以下に定義される。)輸出の大幅な増加を受けて、経済成長は、今
後数年の国家経済成長に即してさらに広範囲に大きく成長すると予測されている。
さらに最近では、クイーンズランド州の経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症のパンデミッ
クの影響と戦い、オーストラリアをはじめとする多くの他の国々における大流行およびそれに関連す
る活動への規制が発生し、国家的および国際的な経済見通しの深刻な悪化につながっている。
しかし、クイーンズランド州の比較的強い医療保健面での対応は、州の経済回復がオーストラリア
の州および準州だけでなく、他の国際的な同等の経済圏の中でも際立っていることを意味している。
国内における活動および雇用は、規制が徐々に緩和されてきたことから、力強く回復した。
農業、林業および漁業は、とりわけ農村および地方の地域において、クイーンズランド州の多様な
経済の重要な一部であり、州の財産の大切な一部である。クイーンズランド州の農産物の大部分が輸
出用に生産されており、外貨収入に重要な貢献をしている。
5/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
クイーンズランド州は十分に発展した石炭産業および鉱物産業を有しており、また、液化天然ガス
産業は近年急速な拡大を見せ、主要な国際的輸出部門の1つへと変革した。クイーンズランド州の石炭
およびボーキサイトの埋蔵量は世界でもトップクラスであり、概して高品質で入手しやすい。
クイーンズランド州は、冶金用石炭(鋼鉄の生産に使用される。)の海上輸送による世界最大の輸
出者であり、州の石炭の大部分が現在のところボーエン盆地で生産されている。多種多様の鉱物
(ボーキサイト、銅、亜鉛、鉛、銀および金が最も多い。)がクイーンズランド州において生産され
ている。鉱物鉱山はマウント・アイザの周囲の地域に最も集中している。
クイーンズランド州の天然ガス産業は1960年代から運営されているが、石炭層ガスの抽出技術の発
展およびグラッドストンの液化天然ガス(以下「LNG」という。)プラントへの多額の投資により、当
該部門にアジアの主要な輸出市場への門戸が開かれた。2020/21年において、その価値は9.5十億ドル
の規模となり、LNGは、クイーンズランド州で液化石炭に次ぎ2番目に重要な輸出用商品となった。
クイーンズランド州で生産される資源の大部分が海外で利用されている。石炭、LNGおよび鉱物の海
外輸出は2020/21年におけるクイーンズランド州の海外商品輸出の約4分の3を占めた。
歴史的に、製造業はクイーンズランド州の経済にとってオーストラリアの他の州ほど重要とされて
いない。クイーンズランド州の製造業はクイーンズランド州内の鉱物加工および農作物を含む経済の
需要を充たすように特化されてきた。しかしながら、近年製造業部門は多様化し、高付加価値ハイテ
ク産業にまで拡大している。
国際観光および各州間観光はまた、クイーンズランド州の経済に大きく寄与する部門である。ク
イーンズランド州には、その国際的な都市やユニークな地方ばかりでなく、グレート・バリア・リー
フ、広大なビーチ、アイランド・リゾート、熱帯雨林等の自然の魅力が数多い。新型コロナウイルス
感染症のパンデミックを取り巻く不確実性によって国際観光の短期的な見通しは不透明となってお
り、さらに、国境が再び開放された後であっても、海外旅行市場に信用が戻るまで時間がかかる可能
性がある。
すべての近代経済がそうであるように、クイーンズランド州は建設、卸売業および小売業、通信、
経営および財務といった様々な部門に関するサービス活動ならびに観光部門を含む広範囲にわたる
サービス部門を有している。
過去20年間におけるクイーンズランド州の経済において重要な構造的変化があった。製造部門の重
要性はかかる期間を通じて徐々に減少し、他方で金融、保険および専門的・科学的・技術的サービス
部門の重要性は増加した。
経済計画
新型コロナウイルス感染症のパンデミックの間、クイーンズランド州政府はクイーンズランド州民
の健康および福祉を守るために断固たる措置を講じてきた。政府の強力な医療保健面での対応は、ク
イーンズランド州の力強い経済回復を支えている。
政府の措置により、ウイルスの拡散が抑制されたことで緊急時の公衆保健上の制限が早期に解除さ
れ、これにより消費者信頼感および企業信頼感が維持され、経済活動が支えられた。
その結果、新型コロナウイルス感染症からのクイーンズランド州の経済回復は、オーストラリアの
他の地域よりも早くかつ力強いものであった。2021年11月現在、クイーンズランド州の雇用者数は、
2020年3月のコロナ以前の水準を100,400人上回り、オーストラリアのどの州または準州よりも大幅に
雇用が伸びている。これに対し、オーストラリアの他の地域における同期間中の雇用は、81,400人増
加した。
6/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
政府の新型コロナウイルス感染症の影響を受けた経済の回復に関する計画は、クイーンズランド州
民の健康を守り、雇用を創出し、また州全体の企業、家族および地域社会を支援するために協力する
ことで、これらの成果を推進してきた。
政府の対応は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた経済の回復に関する計画における6つの重
要な要素に焦点を当てている。
・健康の保護
・小企業の支援
・クイーンズランド州の成功
・クイーンズランド州の構築
・クイーンズランド州の地域の成長
・技能への投資
クイーンズランド州の経済回復の力強さにもかかわらず、一部の産業および地域は、国際的な国境
閉鎖、州間のロックダウンおよび緊急時の医療保健面での対応の一環としてのその他の制限により引
き続き影響を受けている。
すべての産業における影響を受けた企業を支援するため、クイーンズランド州政府は、オーストラ
リア政府と共同で出資した新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業向け支援助成金のプログラ
ムを通じて600百万ドルを交付している。州全体で40,000社を超える企業がかかる適時の金融的支援の
恩恵を受けることが見込まれている。
クイーンズランド州政府はまた、47.75百万ドルの観光部門およびホスピタリティ部門に対する新型
コロナウイルス感染症に伴うロックダウンに係る支援パッケージならびに20百万ドルの新型コロナウ
イルス感染症に係るクリーニング・リベートを通じて的を絞った追加的な支援を提供している。
パンデミックに対する政府の対応およびその結果としてのクイーンズランド州の経済実績の力強さ
は、クイーンズランド州における家族の団結のための新型コロナウイルス感染症ワクチン計画に基づ
いた州境の再開放を含め、クイーンズランド州をより良い次の回復段階へと導いた。
ワクチン計画は、引き続きクイーンズランド州民の健康および福祉を優先すると同時に地域社会お
よび企業に対して確実性および信頼を提供するものである。クイーンズランド州の州境をワクチン接
種率80%で開放することにより、最大で年間1.5十億ドルの直接的な経済的恩恵がもたらされる可能性
がある。
州境が再開放されれば、今後の課題に政府の経済計画で対応し、健全かつ活気のある地域社会、よ
り多くの雇用およびクイーンズランド州の強みを活かした新たな輸出がもたらされるであろう。
これには、観光および農業等の伝統的な産業ならびに再生可能エネルギーおよび新たな経済的鉱物
資源等の急速に広がる新産業の双方において、州全体で生産される商品およびサービスの多様化に継
続的に焦点を当てることが含まれる。
3.3 十億ドルのクイーンズランド・ジョブズ・ファンド等のイニシアチブを通じて、政府は産業の成
長を支援し、クイーンズランド州の企業が州内の各地域においてより多くの価値を生み出し、より多
くの価値を付加することを可能にしている。
政府の新型コロナウイルス感染症の影響を受けた経済の回復に関する計画は、信頼のできる、再生
可能かつ価格競争力のあるエネルギーに支えられる製造業者が、先進的な能力を開発し、持続可能性
を支援することを手助けする。
労働に向けたクイーンズランド州民の技能習得のイニシアチブ等の技能および訓練への投資は、ク
イーンランド州民が将来の雇用に備えて技能向上および技能再習得をするための支援を継続するもの
である。
7/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
技術革新へ継続的に焦点を当てることにより、クイーンズランド州における新たなアイディアの発
展を促進し、企業が世界で最も優れたビジネスモデル、技術、商品およびサービスを目指すことを支
援 する。
政府は、生産性を向上させ、事業コストを削減し、またクイーンズランド州が住み良い場所であり
続けるためのサービスの提供を支援することにより、経済成長を支援するための重要なインフラを提
供し続けている。
クイーンズランド州政府は、クイーンズランド州民の健康と福祉を守ることにより、州に新型コロ
ナウイルス感染症のパンデミックからの回復に向けた有利なスタートをもたらした。
この強みを活かし、クイーンズランド州の新型コロナウイルス感染症の影響を受けた経済の回復に
関する計画は、州が好機の黄金時代の実現に向けて前進できるよう、すべてのクイーンズランド州民
に確信と安全を提供し続ける。
経済成長
オーストラリア統計局によると、クイーンズランド州の経済生産は、新型コロナウイルス感染症に
より前年において0.6%低下した後、2020/21年において2.0%上昇した。2020/21年における実質州
内総生産(以下「GSP」という。)の成長は、主に家計消費の急激な回復、最終公共需要および住宅投
資によるものであり、家計消費の急激な回復はGSPの成長率に2.7パーセントポイント寄与し、最終公
共需要はGSPの成長率に0.8パーセントポイント寄与し、住宅投資はGSPの成長率に0.5パーセントポイ
ント寄与した。
事業投資は2020/21年のGSP成長率を0.6パーセントポイント低下させた一方で、海外純輸出はGSPの
成長率を3.6パーセントポイント低下させ、商品およびサービスの輸出の減少ならびに商品の輸入の増
加が当年のサービスの輸入の急激な減少による寄与を上回った。
実質経済成長-クイーンズランド州およびオーストラリア
(a)
(独自連続数値基準 )
クイーンズランド州GSP オーストラリアGDP
(a) (a)
年度 成長率(%) 成長率(%)
十億ドル 十億ドル
2015/16
338.8 2.4 1,843.5 2.7
2016/17 347.4 2.5 1,885.8 2.3
2017/18 360.6 3.8 1,939.9 2.9
2018/19 364.0 0.9 1,980.9 2.1
2019/20 361.7 (0.6) 1,980.9 0.0
369.0 2.0 2,010.1 1.5
2020/21
(a) 2019/20年を参照年度とする連続数値基準による。
出所:オーストラリア統計局、州の年次会計
主要経済指標
次の表は、クイーンズランド州の特定の主要経済指標を示すものである。
クイーンズランド州主要経済指標
8/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年 2020/21年
海外商品輸出(十億ドル)
70.4 77.3 90.5 79.6 60.8
小売業総取引高(十億ドル) 61.9 62.5 64.8 68.7 76.6
民間総設備投資(十億ドル) 64.9 69.5 66.4 64.0 66.1
資源輸出額(十億ドル) 53.4 61.1 73.3 62.1 44.7
農業生産額(十億ドル) 15.1 14.7 13.8 13.7 14.4
(a)
2,367 2,464 2,500 2,515 2,576
被雇用者数(千人)
(a)
6.2 6.0 6.1 6.4 6.8
失業率(%)
(a)
1.7 1.7 1.6 1.2 2.1
消費者物価の上昇率(%)
(a)
1,123 1,150 1,197 1,249 1,250
週平均総所得(ドル)
(a) 年間平均
(注) すべての金銭価値は時価である。
出所:オーストラリア統計局、州の年次会計、オーストラリアの国際収支および国際投資ポジション、労働力、平均週
間所得、消費者物価指数、小売業、クイーンズランド州農業水産省、クイーンズランド州天然資源・鉱山・エネ
ルギー省
( ロ)クイーンズランド州経済の構造
次の表は、2019/20年および2020/21年におけるクイーンズランド州とオーストラリアの州内/国
内総生産における各項目の年間成長率の変化および貢献度が示されている。
経済成長の構成要素
(a)
( 独自連続数値基準 )
クイーンズランド州 オーストラリア
GSPの成長率に GDPの成長率に
年間成長率 年間成長率
対する貢献度 対する貢献度
(%) (%)
( パーセントポイント ) ( パーセントポイント )
2019/ 2020/ 2019/ 2020/ 2019/ 2020/ 2019/ 2020/
20年 21年 20年 21年 20年 21年 20年 21年
家計消費
(1.7) 4.9 (1.0) 2.7 (3.1) 0.9 (1.7) 0.5
民間投資 (4.6) 2.4 (0.9) 0.4 (3.2) 2.1 (0.6) 0.4
住宅 (6.8) 10.1 (0.4) 0.5 (8.1) 3.2 (0.5) 0.2
事業投資 (5.7) (5.9) (0.6) (0.6) (2.5) (2.3) (0.2) (0.2)
非住宅建設 (7.9) (8.6) (0.4) (0.5) (0.5) (6.6) (0.0) (0.3)
工場および施設 (2.9) (2.7) (0.1) (0.1) (5.3) 3.7 (0.2) 0.1
その他の民間投資 3.1 15.9 0.1 0.5 3.2 11.4 0.1 0.4
(b)
(2.5) 4.3 (1.8) 3.2 (3.1) 1.2 (2.3) 0.8
最終民間需要
(b)
6.5 2.9 1.7 0.8 5.7 5.8 1.4 1.5
最終公共需要
海外輸出 (5.5) (15.9) (1.5) (4.0) (1.7) (8.4) (0.4) (2.0)
海外輸入 (11.9) (2.6) 2.3 0.4 (7.8) (2.9) 1.7 0.6
9/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
調整項目 n.a. n.a. (1.5) 1.6 n.a. n.a. (0.4) 0.7
統計上の誤差 n.a. n.a. 0.2 0.1 n.a. n.a. 0.0 (0.1)
(0.6) 2.0 (0.6) 2.0 0.0 1.5 0.0 1.5
州内/国内総生産
(a) 2019/20年を参照年度とする連続数値基準による。
(b) 「最終需要」は最終消費支出に総設備投資を加えたものから成る。
出所:オーストラリア統計局、州の年次会計
オーストラリア統計局による州の年次会計のデータ(上記表を参照のこと。)に基づけば、主な特
色として、以下のものが挙げられる。
・クイーンズランド州における家計消費は、新型コロナウイルス感染症に伴うロックダウンによる
前年の1.7%の減少の後で、2020/21年において4.9%増加した。短期的な家計消費の増加は、好
調な労働市場の状況、貯蓄率の押上げおよび堅調な株式市場からの富の増加ならびに住宅価格の
高騰に支えられていると予想される。
・住宅投資は、前年の6.8%の減少の後で、2020/21年において10.1%増加した。記録的な低金利
(と長期間、金利を低いままで据え置くというオーストラリア準備銀行(以下「RBA」という。)
からの一貫したメッセージ)の組み合わせは、政府による十分な刺激およびインセンティブと相
まって、2020/21年において建設の承認および融資の指標の力強い成長をもたらし、住宅投資の
見通しを改善させた。多額の建設中の工事は、住宅価格が2022年も上昇し続けるであろうという
市場の期待感と組み合わさって、短期的な住宅投資の増加を引き続き支えるだろう。
・クイーンズランド州における事業投資は、前年の5.7%の減少に続き、2020/21年において5.9%
減少した。2020/21年における減少は、技術建設(9.2%減少)および非居住用建物(7.9%減
少)によるものであり、工場および施設への投資(2.7%減少)はより緩やかな減少を記録した。
クイーンズランド州におけるウイルス抑制の成功および多くのソーシャルディスタンス規制の終
了の結果、事業の信用および全体的な経済活動が回復した。経済見通しへの信頼の向上によっ
て、短期的には、特に工場および施設への投資が促進されると予想される。
・海外輸出は、2020/21年において15.9%減少し、そのうち商品輸出は11.3%減少し、サービス輸
出は45.2%減少した。国境閉鎖は、当該年度のサービス輸出を厳しく制限し、海外からの訪問者
数はほぼゼロへと落ち込み、外国人留学生の受入数も減少した。商品輸出の減少は、様々なオー
ストラリアの商品(特に石炭)に対する中国の輸入禁令が一因となっている。海外輸入は、
2020/21年において、商品輸入が11.4%増加したが(家計消費活動の力強い回復を反映してい
る。)、国境封鎖によるサービス輸入の61.1%の減少が上回ったことで、2.6%減少した。
海外への商品輸出
クイーンズランド州は、オーストラリアで2番目に大きな商品輸出州であり、オーストラリアの
2020/21年における商品輸出合計額の15%を占めている。
クイーンズランド州の海外商品輸出の名目値は、石炭、LNGおよび牛肉の価格の低下により、2020/
21年において24.1%減少した。新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる世界的な景気後退に
よって、2020/21年はクイーンズランド州の主要な輸出商品の価格が下落した。
クイーンズランド州の石炭の輸出額は、主要な3種類すべての石炭(特に強粘結炭)の価格の低下を
反映して、2020/21年において11.4十億ドル減少して24.6十億ドルとなった。クイーンズランド州の
石炭の輸出の需要は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる世界的な景気後退および中国
10/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
によるオーストラリア産石炭の輸入禁令によって、低価格化と減量という両面で悪影響を受けた。
オーストラリア産石炭の輸入に対する中国の非公式な禁令は依然として続いており、2020年10月以
降、 中国への石炭の輸出は極端に減少している。一方で、クイーンズランド州の輸出業者は、これら
の石炭輸出の大部分のための代替市場を探すことに成功しており、中国において失われた輸出量の
85%超が、特にインド、日本および韓国といった他市場への輸出の増加に置き換わった。
LNG 輸出額は、2020/21年において6.0十億ドル減少して9.5十億ドルとなった。かかる減少は、(石
油価格に連動して)輸出価格が41.2%低下し、4.0%の輸出量の増加を上回ったことによるものであ
る。2021/22年は、北半球の冬が予想より寒くなることにより、LNGの需要が牽引され、LNGの輸出量
がさらに伸びることが予想される。
金属の輸出額は、銅の輸出が314百万ドル増加したことおよび鉛の輸出が305百万ドル増加したこと
により、2020/21年において167百万ドル増加して10.2十億ドルとなった。予想どおり、主要な金属の
価格はパンデミック以前の水準を大きく上回るまでに回復し、国内の金属生産への新型コロナウイル
ス感染症による影響は限定的であった。
食肉(主に牛肉)輸出額は、価格がより緩やかに下落(3.3%の下落)した一方で、輸出量の減少
(18.0%の減少)に牽引されて、2020/21年において20.7%減少して5.5十億ドルとなった。天候の改
善により、牧畜業者による枯渇した牛群の再構築が進み、それにより2020/21年は牛肉の生産および
輸出が減少した。一方で、牛肉価格の引き上げは、(牛群の再構築の動きがあるにもかかわらず)予
想よりも早い追加的な生産を後押しし、2021/22年の牛肉輸出の増加につながる可能性がある。
クイーンズランド州の天候の改善により、クイーンズランド州の穀物の輸出額(綿花を含む。)
は、2020/21年において50.6%増加して1.9十億ドルとなった。オーストラリア気象局は、2021年11月
中に熱帯太平洋においてラニーニャ現象が発生しており、これは一般的には(特に東部、中部および
北部地域にわたって)オーストラリアの冬、春および初夏に平均以上の降雨をもたらすと発表した。
2021年12月のオーストラリア農業資源経済局から出た穀物報告書によると、天候の改善により、
2020/21年のクイーンズランド州の冬と夏の穀物生産は、2019/20年の低い生産水準に比べてかなり
増えて、2021/22年にさらに増加すると予想している。
11/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
クイーンズランド州の海外への商品輸出高
(時価で評価。単位:百万ドル)
(p)
(a)
2018/19年 2019/20年
2020/21年
輸出分類
(b)
農産品
食肉 5,973 6,884 5,461
(c)
1,107 448 399
織物用繊維
穀物および穀物調製品 184 129 636
野菜・果物 677 712 887
家畜飼料 134 117 107
1,683 1,671 1,418
その他の農産物
小計
9,758 9,961 8,909
天然鉱物
石炭・コークス・練炭 46,311 36,058 24,624
(d)
6,654 6,195 5,832
鉄鉱石
石油・石油製品・石油原料 186 95 78
ガス(天然および製造) 15,728 15,555 9,513
18 16 12
その他の天然鉱物
小計
68,897 57,920 40,059
(b)
加工鉱物・金属
(b)
4,047 3,824 4,355
非鉄金属
314 324 311
その他の加工鉱物・金属
小計
4,360 4,148 4,666
その他の製造品
機械製品・非輸送機器 1,491 1,459 1,369
化学製品・肥料(天然肥料を
1,082 922 1,045
除く)・プラスチック製品等
輸送機器 619 711 617
革・ゴム・その他の原料・家
290 271 240
具・衣類等
622 622 629
その他の製造品および飲料
小計
4,106 3,984 3,900
製造品合計(加工鉱物・金属その他の合計) 8,466 8,132 8,566
(b)
87,247 76,248 57,863
製品・商品の海外輸出合計
(p) 暫定値
(a) 標準国際貿易分類(SITC)(第4改訂版)に基づく。
(b) 砂糖および一部の金属加工品の輸出は州レベルでは入手できず、これにより州合計が実際の輸出額よりも少なく
なった。
(c) オーストラリア統計局により機密データとされているクイーンズランド州財務省によるリント綿花輸出見積額を含
む。
(d) オーストラリア統計局により機密データとされているクイーンズランド州財務省によるアルミニウム輸出見積額を
含む。
(注) 数値は百万ドルの位に四捨五入されている。
出所:オーストラリア統計局の未公表外国貿易データおよびクイーンズランド州財務省
クイーンズランド州は輸出用に多種にわたる鉱物や農産物を生産している。大規模な受入能力を持
つ鉄道および港湾施設の開発は、クイーンズランド州の世界市場における競争力を高め、主要なアジ
ア市場およびヨーロッパ市場との接触を容易にした。
12/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
新型コロナウイルス感染症のパンデミックの発生後、オーストラリアの健康面および経済面の成果
が他の国々よりもよかったことを一部反映して、2020/21年の会計年度中、豪ドル為替レートは、前
年 と比べて11.2%上昇し、平均0.7470米ドルとなった。2021/22年のこれまでのところ、豪ドルは米
ドルに対して下落しており、最初の5ヶ月間において、平均0.7351米ドルであった。
クイーンズランド州は幅広い海外市場に向けて輸出を行っているが、クイーンズランド州の商品の
主要な輸出先は、全輸出の約81%を占めるアジア諸国である(下記表を参照のこと。)。2020/21年
において、中国は州の海外向けの商品輸出額の24.4%を占め、中国によるオーストラリアからの様々
な輸出品(特に石炭)に対する禁令によって中国のシェアが2019/20年の36.1%から11.8パーセント
ポイント減少したにもかかわらず、引き続きクイーンズランド州の最大の輸出市場であった。クイー
ンズランド州の輸出業者は、インド、韓国、ベトナム、インドネシアおよび日本等の他の主要な輸出
先への輸出を増加させ、これらでクイーンズランド州からの輸出の合算したシェアは7.7パーセントポ
イント増加し、中国への輸出の減少を部分的に相殺することができた。
次の表は、近年のクイーンズランド州の主要輸出先を示している。
クイーンズランド州の商品輸出の主要海外市場
(時価で評価。全体に対する割合。表示単位:%)
(p)
2018/19年 2019/20年
2020/21年
北アジア合計
62.0 64.4 54.9
中国 32.9 36.1 24.4
日本 14.0 13.1 13.6
韓国 10.9 11.2 12.9
台湾 3.8 3.5 3.4
香港 0.4 0.4 0.6
南アジア合計 21.6 20.3 25.7
インド 12.4 9.7 13.2
インドネシア 1.8 1.6 2.2
マレーシア 2.4 3.0 2.7
タイ 0.8 0.6 1.0
シンガポール 0.9 1.2 0.9
北米 3.0 3.4 4.3
アメリカ合衆国 2.1 2.7 3.2
カナダ 0.8 0.7 1.1
(a)
6.3 5.4 6.0
EU
ニュージーランド 1.3 1.3 1.8
ブラジル 1.2 0.8 1.2
4.8 4.3 6.1
その他
(a) 英国(2020年2月1日にEUを離脱。)を含む。
(p) 暫定値
13/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
出所:オーストラリア統計局、未公表外国貿易データ
観光輸出
新型コロナウイルス感染症がもたらした旅行制限により、クイーンズランド州における海外からの
(1)
旅行者 の宿泊数は再び激減し、2019/20年の26.9%の減少すなわち26.3百万泊に続き、2020/21年
は96.6%の減少すなわち0.9百万泊であった。全地域のうち、2020/21年においてニュージーランドが
一国では最多の0.5百万泊の海外旅行宿泊者をクイーンズランド州へ送り込んだ。一方で、コロナ以前
の2018/19年において、英国(4.3百万泊)、ニュージーランド(4.1百万泊)および中国(3.8百万
泊)は出発地として主要な市場であった。
アジアからの海外旅行者の宿泊数は、2018/19年までの5年間にわたって堅調に増加し(36.3%増加
して15.36百万泊)、中国(61.7%増加して3.78百万泊)、インド(99.2%増加して1.55百万泊)およ
び台湾(29.2%増加して2.46百万泊)がかかる期間における増加への最大の貢献国となった。しかし
ながら、2019/20年の旅行者宿泊数は、2020年2月および3月に新型コロナウイルス感染症の発生で海
外旅行が制限されたことにより大幅に減少した。
(1) 旅行者は、友人もしくは親戚を訪問する人々または休暇を過ごす人々であると定義される。
(a)
クイーンズランド州への海外からの旅行者 宿泊数(出発地別)
(単位:千泊)
2018/19年 2019/20年 2020/21年
中国
3,776 3,361 19
ニュージーランド 4,050 3,106 503
日本 2,124 1,646 6
韓国 1,933 1,594 3
台湾 2,464 1,131 5
その他のアジア諸国 5,059 3,653 105
英国 4,329 2,592 60
ドイツ 1,641 1,251 10
その他の欧州諸国 4,784 3,833 43
アメリカ合衆国 1,885 1,306 55
その他の諸国 3,988 2,873 91
合計 36,035 26,345 901
(a) 旅行者は、友人もしくは親戚を訪問する人々または休暇を過ごす人々であると定義される。
出所:オーストラリア政府観光調査局
各州間の旅行者もクイーンズランド州の重要な観光市場であり、従来海外からの観光よりもクイー
ンズランド州の経済活動に貢献している。(入手可能な直近年度である)2019/20年において、ク
14/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
イーンズランド州の各州間の観光の総付加価値(GVA)は2.74十億ドルであり、ニュー・サウスウェー
ルズ州(2.94十億ドル)をわずかに下回り、全州で2番目に多かった。
クイーンズランド州への各州間の旅行者の宿泊数は、主に新型コロナウイルス感染症による旅行制
限のため、2020/21年においては30.2%減少した。
海外からの商品輸入
クイーンズランド州の2020/21年における海外商品輸入の名目値は、6.0%増加して48.2十億ドルで
あった。輸入額の増加は、主に道路走行車両の輸入額の増加(2.2十億ドル増加)によるもので、他
方、その他の機械製品および輸送機器(816百万ドル増加)、その他の工業製品(477百万ドル増
加)、化学製品(86百万ドル増加)ならびにその他(898百万ドル増加)の輸入額も増加した。
クイーンズランド州の近年の輸入額の詳細は、下記の表に示されるとおりである。
クイーンズランド州の海外からの商品輸入高
(時価で評価。単位:百万ドル)
2020/21年
(p)
(a)
2018/19年 2019/20年 増加率
2020/21年
輸入分類
(%)
動物・食品・飲料・たばこ
2,226 2,448 2,308 (5.7)
鉱物燃料・石油・潤滑油 10,127 8,270 6,639 (19.7)
化学製品 2,433 2,650 2,736 3.2
道路走行車両 8,609 7,128 9,335 31.0
その他の機械製品および輸送機器 11,024 9,084 9,900 9.0
その他の工業製品 10,840 9,857 10,334 4.8
3,752 6,093 6,991 14.7
その他
商品の海外輸入合計 49,012 45,531 48,244 6.0
(a) 標準国際貿易分類に基づく。
(p) 暫定値
(注) 数値は百万ドルの位に四捨五入されている。
出所:オーストラリア統計局、未公表外国貿易データ
人口および雇用
(入手可能な直近のデータである)2021年6月30日現在、クイーンズランド州の推定居住人口は、
5.22百万人であり、オーストラリア人口の20.3%であった。2021年6月までの1年において、クイーン
ズランド州の人口は0.9%増加したが、これは、同期間における国の人口の増加が0.2%であったのを
上回った。
各州間の純移動は、2021年6月までの1年において30,939人に増加した。海外からの純移動は、国境
の閉鎖により2021年6月までの1年において14,366人減少した。2021年6月までの1年において、自然増
加(出生から死亡を差し引いた数)は29,352人であった。
年平均では、クイーンズランド州の雇用は、新型コロナウイルス感染症の蔓延を防止するために導
入されたロックダウンにより、前年は0.6%の成長にとどまったが、2020/21年において2.4%の成長
となった。
15/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
同様に、クイーンズランド州の労働力参加率は、2020/21年において0.9パーセントポイント上昇し
て66.1%となり、2012/13年以降で最高の年間平均参加率となった。失業率は、2020/21年において
0.4パーセントポイント上昇して6.8%になったものの、2021/22年初頭において季節調整値で失業率
は 低下しており、2021年11月に4.8%となっている。
2020 /21年において、クイーンズランド州で最大の雇用創出部門は引き続き医療・社会扶助であ
り、375,000人(クイーンズランド州の雇用合計の14.5%)を雇用し、小売業(10.3%)、建設
(8.9%)および教育・研修(8.1%)がこれに続いた。2020/21年におけるクイーンズランド州の雇
用の85.3%を民間部門が占めた。
以下の表は、クイーンズランド州およびオーストラリアのその他の地域における産業部門別の雇用
および2020/21年までの5年間にわたる年平均成長率を示している。
(a)
クイーンズランド州における産業部門別被雇用者数
2015/16年
から
2015/ 2016/ 2017/ 2018/ 2019/ 2020/
2020/21年
16年 17年 18年 19年 20年 21年
までの
(千人) (千人) (千人) (千人) (千人) (千人)
年平均変動率
(%)
農業・林業・漁業
58.7 52.4 63.0 69.5 79.8 84.1 7.5
鉱業 57.8 57.5 61.0 68.3 65.0 76.2 5.7
製造業 168.9 164.5 170.4 171.2 164.4 177.8 1.0
電力・ガス・水
31.0 24.6 33.0 30.0 31.4 29.4 (1.1)
道・廃棄物処理
建設 208.3 229.3 238.8 235.8 245.2 230.4 2.0
卸売業 68.5 64.4 64.4 73.3 71.8 79.8 3.1
小売業 254.9 253.6 262.0 252.9 231.8 266.4 0.9
ホテル・飲食サー
166.5 180.8 181.9 192.5 191.7 182.6 1.9
ビス
運輸・郵便・倉庫 132.8 132.4 140.5 136.3 128.6 133.9 0.2
情報メディア・電
32.9 35.7 28.4 33.3 28.6 27.2 (3.7)
気通信サービス
金融・保険サービ
66.9 63.3 62.1 65.9 59.8 76.1 2.6
ス
賃貸借・不動産
48.8 50.0 47.9 42.5 52.3 51.6 1.1
サービス
専門・科学・技術
177.1 171.9 169.3 169.3 192.3 190.6 1.5
サービス
行政支援サービス 85.3 80.1 90.6 85.4 87.4 80.0 (1.3)
行政・安全 149.9 162.7 149.7 168.3 157.1 165.8 2.0
教育・研修 197.3 189.0 203.1 217.8 217.3 209.9 1.2
医療・社会扶助 314.0 312.5 351.3 350.5 354.9 375.0 3.6
芸術・娯楽サービ
41.6 43.2 45.2 43.6 45.5 43.5 0.9
ス
104.3 102.3 106.3 101.7 104.6 101.3 (0.6)
その他のサービス
(b)
2,365.6 2,370.3 2,468.9 2,508.2 2,509.5 2,581.7 1.8
合計
(a) 年平均
(b) 産業別雇用数の推定値は、各四半期の中間月に集計される。したがって、産業別雇用の総数は被雇用者の月間総数
と一致しない。
16/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
(注) 四捨五入のため、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
出所:オーストラリア統計局、オーストラリア労働力調査(詳細集計)
(a)
オーストラリアのその他の地域における産業部門別被雇用者数
2015/16年
から
2015/ 2016/ 2017/ 2018/ 2019/ 2020/
2020/21年
16年 17年 18年 19年 20年 21年
までの
(千人) (千人) (千人) (千人) (千人) (千人)
年平均変動
率(%)
農業・林業・漁
262.0 251.9 266.3 264.1 254.1 253.5 (0.6)
業
鉱業 162.9 161.4 161.9 178.8 173.8 180.6 2.1
製造業 710.5 744.0 736.0 734.7 722.9 695.6 (0.4)
電力・ガス・水
112.5 112.8 115.8 124.0 124.4 123.2 1.8
道・廃棄物処理
建設 841.2 856.5 932.2 929.6 934.3 929.8 2.0
卸売業 304.0 298.9 301.1 316.7 320.4 300.9 (0.2)
小売業 1,014.2 985.7 1,024.7 1,024.6 1,004.2 1,017.7 0.1
ホテル・飲食
661.5 682.4 708.5 708.2 659.9 651.4 (0.3)
サービス
運輸・郵便・倉
490.9 486.5 499.8 521.4 512.6 515.2 1.0
庫
情報メディア・
電気通信サービ 177.8 180.5 192.7 181.4 176.3 165.3 (1.4)
ス
金融・保険サー
366.8 373.8 368.7 379.2 406.9 407.4 2.1
ビス
賃貸借・不動産
163.4 159.1 164.2 169.9 162.1 158.6 (0.6)
サービス
専門・科学・技
819.2 846.6 858.6 934.2 955.1 997.8 4.0
術サービス
行政支援サービ
337.9 350.4 325.0 343.6 350.8 336.7 (0.1)
ス
行政・安全 591.0 614.2 588.2 667.7 670.7 700.3 3.5
教育・研修 743.2 792.9 822.1 824.2 867.9 902.3 4.0
医療・社会扶助 1,223.7 1,251.1 1,321.4 1,334.3 1,408.4 1,424.9 3.1
芸術・娯楽サー
186.8 176.6 201.6 205.6 180.3 191.0 0.4
ビス
その他のサービ
368.5 384.0 392.3 402.8 380.7 386.2 0.9
ス
(b)
9,537.8 9,709.4 9,981.0 10,244.9 10,265.7 10,338.5 1.6
合計
(a) 年平均
(b) 産業別雇用数の推定値は、各四半期の中間月に集計される。したがって、産業別雇用の総数は被雇用者の月間総数
と一致しない。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
出所:オーストラリア統計局、オーストラリア労働力調査(詳細集計)
物価
ブリスベンにおける消費者物価指数は、2020/21年においては2.1%の上昇となり、2013/14年以降
で最高の年間上昇率であった。これは主に、自動車燃料価格の力強い回復ならびに新型コロナウイル
ス感染症のパンデミックに対応した政府による無料保育の提供および公共料金の割引の終了によるも
のである。これに対し、1993/94年におけるオーストラリア準備銀行によるインフレ目標政策採用以
17/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
降のブリスベンの消費者物価指数の平均年間上昇率は2.5%である。また、全国消費者物価指数は、
2020/21年においては1.6%の上昇となった。
所得
2020 /21年においてクイーンズランド州の平均週間所得は増加せず、これに対して全国の増加率は
1.0%であった。しかし、かかる賃金測定におけるクイーンズランド州の相対的な弱さは、新型コロナ
ウイルス感染症のパンデミックに起因したかかるデータ上のいくつかの一時的な歪みを反映してい
る。オーストラリア統計局は、特に以下のことに言及している。
「クイーンズランド州は、参照期間である2020年11月に労働力における非正規雇用者の割合の急激
な増加に直面したため、平均週間所得が押し下げられた。2020年11月、クイーンズランド州の非正規
雇用者の人数は4.4%(35,400人)増加したのに対し、正規雇用者の人数は2.8%(48,500人)減少し
た。国家レベルにおいては、この傾向はこれほど顕著ではない。」
入手可能な直近の平均週間所得および1人当り家計所得の数値は以下のとおりである。
所得測定
2020/21年における 2020/21年における
州
1人当り家計所得(ドル) 平均週間所得(ドル)
クイーンズランド
65,133 1,250
ニュー・サウスウェールズ 71,117 1,321
ビクトリア 64,905 1,272
南オーストラリア 62,243 1,169
西オーストラリア 74,766 1,401
タスマニア 63,696 1,107
68,784 1,293
オーストラリア連邦
出所:オーストラリア統計局、州の年次会計および平均週間所得
賃金政策
企業レベルでの賃金交渉は1991年10月の導入以降、オーストラリアで広く受け入れられ、オースト
ラリアにおいて構造化された賃金交渉の主要な方法として、徐々に中央集権的賃金決定の「裁定制
度」に置き換わっていった。
2009 年12月31日、クイーンズランド州の立法により、民間部門の労使関係に係る州の権限がオース
トラリア連邦に移管された。2010年1月1日に施行されたこの移管は、全国の労使関係制度に関する
オーストラリア連邦の立法に合致するものである。全国労使関係制度は、すべてのクイーンズランド
州の民間部門の被雇用者に適用される。
クイーンズランド州の公共部門および地方政府の職員は、概ね州の労使関係制度の下にとどまる。
2021年6月現在、クイーンズランド州における州および地方の公共部門の被雇用者は、合計393,900人
であり、クイーンズランド州の被雇用者総数の14.8%を占めている。
2013 年9月に(オーストラリア自由党が率いる)連立が連邦政府を発足させ、その後2016年7月およ
び2019年5月に再選された。現在の連邦政府の政策は企業内交渉を推進しており、引き続きより地方分
権的な制度への移行を行っている。
18/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
クイーンズランド州の労使関係制度は、労使裁定および労使協約が主軸となっている。
新型コロナウイルス感染症の出現まで、クイーンズランド州公共部門賃金政策は、労使協約に基づ
く報酬率に関して2.5%の年間上昇率を是認するものであった。直近の交渉においては、新しく合意す
べき項目として、1,250ドルの一時金の支払が含まれていた。
2020 年4月2日、クイーンズランド州首相は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる経済
への打撃にかんがみ、クイーンズランド州の公共部門の賃上げおよび労使協約交渉を一時棚上げにす
る旨、発表した。この政策を実行するため、2016年労使関係法(クイーンズランド州)の暫定的改正
法が2020年6月17日に可決された。
かかる賃金の繰延により、2020/21年に実施されるはずであった賃上げは、12ヶ月延期される。そ
の結果、被雇用者がこの12ヶ月間に受け取る給与は、かかる政策がなければ受け取っていたであろう
給与よりも減少するため、事実上の節減が実現する。
上記の政策がなければ2021/22年に実現したであろう昇給もまた、6ヶ月延期される。その結果、こ
の6ヶ月間も同様に、上記の政策がなかった場合よりも支払われる賃金が減少する分、節減となる。前
述の賃上げがひとたび行われたならば、報酬率は、繰延がなかった場合の本来の水準に回復する。
多くの重要なクイーンズランド州公共部門の協約(看護師、教師および警察官を含む。)は期間満
了を迎え、2022暦年中に再交渉されることになる。
この間、公共サービス職は、承認済の常勤換算職員数の上限の範囲内で維持される。クイーンズラ
ンド州政府は、欠員が生じた部署の補充の要否等、人材配置の水準を慎重に評価することにより、従
業員費用を削減していく。新規採用は、欠員を補充する必要がある場合のみ承認され、また、州政府
内の上位役職者による承認が必要となる。
クイーンズランド州政府は引き続き、雇用の保証および危機対応の最前線のサービスに関して、責
任を持って取り組んでいる。
( ハ)クイーンズランド州経済の主要部門
次の表は、クイーンズランド州とオーストラリアの産業別総付加価値の主な構成要素を示すもので
ある。
(a)
2020 /21 年主要産業部門別
クイーンズランド州GSPおよびオーストラリアGDP(額面)
クイーンズランド州
クイーンズランド州
オーストラリアGDP のオーストラリア
GSP
部門
(百万ドル) に対する割合
(百万ドル)
(%)
農業・林業・漁業
9,570 46,872 20.4
鉱業 27,496 222,531 12.4
製造業 22,181 115,042 19.3
建設 27,220 143,897 18.9
(b)
254,921 1,403,837 18.2
サービス業
合計 341,386 1,932,181 17.7
(a) 産業別総付加価値に基づく。総付加価値は、基準価格での生産額から購入者価格での中間消費額を減算したもので
ある。生産額の基準価格での評価は、個々の産業の生産高についての物品税の負担および補助金の変化により生じ
る偏差を控除している。
19/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
(b) 電力・ガス・水道・廃棄物処理、卸売業、小売業、ホテル・飲食サービス、運輸・郵便・倉庫、情報メディア・電
気通信、金融・保険サービス、賃貸借・不動産サービス、専門・科学・技術サービス、行政支援サービス、行政・
安全、教育・研修、医療・社会扶助、芸術・娯楽サービス、その他のサービスおよび住宅不動産運用を含む。
出所:オーストラリア統計局、州の年次会計
鉱業
過去10年間にわたって鉱業部門は、クイーンズランド州経済に多大な貢献をしてきた。
クイーンズランド州は石炭、ボーキサイト、金、銅、銀、鉛および亜鉛等の資源の莫大な埋蔵量の
みならず、石炭層ガスの莫大な「非在来型」資源も有している。
クイーンズランド州において、石炭層ガスを原料とする液化天然ガス(CSG-to-LNG)に関する3つの
主要なプロジェクトが2015年に生産を始め、建設段階の総資本支出は60十億ドルを上回る。
クイーンズランド・カーティスLNGプロジェクトの最初のLNGは2015年1月に輸出され、2015/16年
は、2016年10月までにすべてのLNG「輸送列車」が運転可能となり、実質的なLNG輸出の最初の施行年
度となった。LNGは、クイーンズランド州において石炭に次いで最も重要な輸出品となり、2020/21年
の額面価格が9.5十億ドル近くとなっている。
2020 /21年においてクイーンズランド州は全国総鉱業生産の12.4%(額面)を占めた。かかる産業
の生産量は2018/19年までの5年間(コロナ以前)の平均年間成長率7.4%から減少したが、2020/21
年までの5年間において平均年間成長率1.5%(実質、CVM)の成長であった。
2020 /21年において、クイーンズランド州の鉱業部門は州の産業別総付加価値合計の8.1%(額面)
を占め、2018/19年における14.3%から減少した。その間に、76,200名が鉱業部門において直接的雇
用(クイーンズランド州の雇用全体の3.0%)であった。
クイーンズランド州の鉱業部門は輸出による利益の高い主要部門であり、資本投資および地域発展
に大きく貢献している。鉱業はまた、州の多くの主要付加価値産業の基盤を提供している。
石炭
石炭はクイーンズランド州の最も重要な輸出品目である。2020/21年における石炭の輸出額は、ク
イーンズランド州の商品輸出合計の42.6%を占めた。石炭の価格が下落し(25.6%下落)、石炭輸出
トン数も減少した(8.2%減少)ために、石炭の輸出額は31.7%下落し、2020/21年には24.6十億ドル
となった。
以下の表は、クイーンズランド州の2015/16年から2020/21年において生産された特定の鉱物生産
額およびその生産量を示すものである。
(a)
クイーンズランド州の主要資源見積生産額
(単位:百万ドル)
2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年 2020/21年
資源
(b)
23,024 41,083 45,923 52,792 40,441 28,194
黒炭
(c)
5,111 8,641 10,737 15,728 15,555 9,513
LNG
銅精鉱 1,824 1,765 1,996 2,047 1,833 2,179
金地金 974 1,055 1,027 925 1,049 1,046
ボーキサイト 1,332 1,260 1,275 1,494 1,649 1,378
鉛精鉱 871 755 715 839 814 812
1,556 1,204 1,670 2,614 2,475 2,660
亜鉛精鉱
20/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
(a) 石炭の場合、輸送もしくは配送費用またはコークス、練炭等の副産物生産に要する費用は含まない。生産額は、ク
イーンズランド州の生産量および各資源のオーストラリアにおける価格を用いて計算される。
(b) クイーンズランド州の輸出単価に基づき見積もられる。
(c) 輸出価格
出所:チーフエコノミストオフィス、ABSおよびクイーンズランド州財務省
クイーンズランド州の資源生産量
2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年 2020/21年
資源
黒炭(千トン)
237,625 237,675 248,622 257,209 245,055 228,860
銅精鉱(千トン) 272 247 227 238 218 205
金地金(キログラム) 18,955 19,695 19,084 16,286 13,938 13,098
ボーキサイト(千トン) 28,102 30,041 32,030 35,829 41,087 36,583
鉛精鉱(千トン) 370 270 228 301 288 307
亜鉛精鉱(千トン) 644 359 405 702 753 749
石炭層ガス(百万立方メー
26,737 34,358 35,404 37,600 39,904 40,657
トル)
出所:チーフエコノミストオフィス、資源省
農業
クイーンズランド州の農業、林業および漁業部門は、2020/21年においてクイーンズランド州の産
業別総付加価値の2.8%(額面)ならびにオーストラリア農業総生産の20.4%を占めた。クイーンズラ
ンド州の農産物の大部分は伝統的に輸出され、クイーンズランド州の外貨収入に重要な貢献をしてい
る。
2020 /21年においてクイーンズランド州の農業総生産額面額の半分超は、牛肉、加工用砂糖きび、
穀類および綿花の4つの農産物から構成されており、それらは主に輸出のために生産されている。
また、クイーンズランド州は、主に国内市場向けの熱帯甘橘系果物、米、綿花、野菜、木材、落花
生、菜種油、卵および酪農品を生産している。
クイーンズランド州農業水産省によれば、2020/21年におけるクイーンズランド州の農産物の額面
価格は、4.8%増加した。これは、綿花(424.5%増の0.5十億ドル)、穀類(80.1%増の0.9十億ド
ル)、加工用砂糖きび(8.5%増の1.2十億ドル)および果物・野菜・ナッツ(1.5%増の2.9十億ド
ル)の生産総額の増加に起因する。
次の表は、クイーンズランド州の2020/21年までの過去5年間の主要部門別の農業総生産額面額およ
び生産量を示すものである。
クイーンズランド州の主要農業総生産額面額および生産量
(a)
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年
総額(単位:百万ドル)
2020/21年
畜牛
5,483 5,248 5,447 6,126 5,491
家禽 650 561 587 568 600
豚 293 248 289 363 367
羊および子羊 59 55 58 67 65
加工用砂糖きび 1,527 1,234 1,192 1,060 1,150
21/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
羊毛 76 98 108 79 65
ヒヨコ豆 744 377 136 133 180
穀類 894 826 720 513 924
果物・野菜・ナッツ 2,921 3,301 3,180 2,879 2,922
酪農製品(乳製品全般) 251 230 219 215 219
綿花 622 882 279 102 535
1,604 1,657 1,606 1,632 1,877
その他
農産物合計
15,124 14,717 13,821 13,737 14,395
生産高
牛肉および子牛肉(千トン) 1,025 1,077 1,111 1,112 923
(b)
34,410 31,472 30,489 28,443 29,330
砂糖きび(千トン)
(c)
4,763 5,042 3,953 4,102 4,946
羊毛(トン)
小麦(千トン) 1,502 765 420 418 1,103
316 320 164 31 222
リント綿花(千トン)
(a) 総額は、クイーンズランド州農業水産省により提供された予測値である。
(b) 暦年データ
(c) 仲介業者によって受領され、羊毛製造者から販売業者が購入した課税羊毛
出所:オーストラリア統計局のオーストラリアの家畜生産品;オーストラリア統計局のオーストラリアの家畜および食
肉;クイーンズランド州農業水産省、クイーンズランド州農業動向(2020/21年);オーストラリア製糖工場協
議会;オーストラリア政府農業・水資源省;オーストラリア穀物報告書(2020年12月)
その他の第一次産業
林業および伐採
2020 /21年におけるクイーンズランド州の林業および伐採の生産額は、11.3%減少したと予測さ
れ、251百万ドルとなった。木材需要の大部分は、住居の新築および改築・増築の需要により決定され
る。
漁業
2020 /21年におけるクイーンズランド州の漁業の生産額は3.3%減少したと予測され、404百万ドル
となった。漁業生産額の42%(名目ベース)は商業的漁業によるものであり、その他は水産養殖およ
び遊漁業による生産額であった。
製造業
2020 /21年において製造業部門はクイーンズランド州の産業別総生産額の6.5%(額面)を占めた。
2020/21年においてオーストラリア全体の製造業生産高におけるクイーンズランド州のシェアは
19.3%であった。
クイーンズランド州の製造業では歴史的に見てサービス業ならびに州内の農作物および鉱物資源の
加工業が発展してきた。大部分の産業国と同様、サービス提供中心の産業への比重の移行に伴い、
オーストラリアにおいて製造業は相対的に見て次第に重要性を喪失した。
22/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
2020 /21年におけるクイーンズランド州の加工鉱物および金属製品を含む非農業製品の海外輸出名
目総額は、前年から5.3%増加し、8.6十億ドルであった。
建設
クイーンズランド州の建設業は、2020/21年には州内の雇用の8.9%を創出し、直接的に州のGVAに
8.0%寄与した。
・2020/21年の住宅投資は、3期連続の減少の後で、最初の年間増加となり、10.1%増加した。
・クイーンズランド州の住宅投資は、2020年6月四半期から2021年9月四半期の期間を通じて
30.6%増加し、2020年半ばにパンデミックにより低水準になって以来の力強い増加を示し
た。この成長は、新築および中古の両方の住宅建設ならびに修復活動により牽引された。
・記録的な低金利(と長期間、金利を低いままで据え置くということを示唆するもの)の組み
合わせは、政府による十分な刺激およびインセンティブと相まって、2020/21年において建
設の承認および融資の指標の力強い成長をもたらし、戸建て住宅を中心に住宅投資の見通し
を改善させた。
・非居住用建物(店舗、事務所、工場等)および土木建設(炭鉱、港、道路等)によって構成され
る非住宅建設は、2020/21年において8.6%減少した。
・クイーンズランド州における新規の土木建設は、2018/19年および2019/20年における
14.0%および12.6%の連続の減少に続き、2020/21年に9.2%減少した。
・非居住用建物の建設は、2018/19年および2019/20年における19.3%および0.6%の連続の
減少に続き、2020/21年に7.9%減少した。
サービス
運輸
クイーンズランド州は16の貿易港を有し、その多くはそれぞれの地域の主要生産物を処理する施設
を備えている。さらに、クイーンズランド州は2つの地域港と南東にあるメアリーバラから北西にある
バークタウンの間に等間隔に設置された多くの非貿易港を有している。2018/19年(パンデミック以
前)におけるクイーンズランド州の港湾システムによる総処理トン数は359.5百万トン(前年比1.6%
増)と推定された。
クイーンズランド州の鉄道網は10,000キロメートル超の路線を有しており、電化された基幹線とク
イーンズランド州中央部の主要な炭鉱のための重貨物線が含まれる。鉄道貨物には競争が導入されて
いる。民間企業のパシフィック・ナショナルはクイーンズランド州で活動を行っている。一方、石炭
および貨物部門についてクイーンズランド・レール(現在は「オーリゾン(Aurizon)」)は従前政府
所有であったが、民営化された。鉄道貨物運送事業者は、クイーンズランド州の貨物輸送に従事する
道路運送企業とも競合している。概ね鉄道により運送される物資としては、石炭および鉱物が挙げら
れる。相当量のコンテナ貨物が鉄道および道路の両方により輸送される。
クイーンズランド州の公共道路網は安全性および発展可能性を維持するために常に改善され、拡大
されつつある。
クイーンズランド州は主要な国際空港を2つ、それらに次ぐ国際空港(2016年10月に国際線事業を開
始した、トゥーンバにある私営空港であるブリスベン・ウエスト・ウェルキャンプ空港を含む。)を5
つ有しており、また、大規模な商業用国内空港や個人用飛行場もある。ブリスベン空港は、シドニー
空港とメルボルン空港に次いで国内で3番目に利用の多い空港であり、2018/19年(パンデミック以
23/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
前)には23.6百万人の乗客が乗り継いだ。ブリスベン空港は数年にわたる工事の後、2020年7月に新た
な滑走路の建設が完了し、これにより同空港の処理能力は倍増すると予測される。
通信
クイーンズランド州では、連邦の郵便システムおよび多くの主要な電気通信会社により、州規模で
のサービスが提供されている。双方向衛星通信は遠隔地域で利用可能となっており、僻地居住者に対
して教育その他のサービスを提供している。クイーンズランド州は、オーストラリア放送公社および
スペシャル・ブロードキャスティング・サービスによって主に運営される広範囲な非商業テレビ網を
有しており、さらに3つの商業テレビ放送網(各々が多数のサブチャンネルを有する。)および地域テ
レビ局が州内において運営されている。クイーンズランド州ではケーブル・テレビおよび衛星放送テ
レビのサービスが広く行われており、包括的な商業および公営ラジオ放送網もある。
また、ブロードバンド・インターネットサービスが州内のすべての主要都市において利用可能であ
る。連邦政府は、ファイバー・トゥ・ザ・プレミシス/ベースメント、ファイバー・トゥ・ザ・ノー
ド、固定無線および衛星技術から成る「マルチ・テクノロジー・ミックス」を通じて提供される予定
のナショナル・ブロードバンド・ネットワーク(以下「NBN」という。)を現在完成しつつある。NBN
はオーストラリア全土のデフォルトの法定インフラプロバイダー(以下「SIP」という。)であり、
SIPである場合、最低サービス速度に関連する法的義務を果たさなければならない。NBN Coは、ダウン
ロードのピーク速度を最大で毎秒1ギガビットまで速め、アクセスを拡大する現在の計画を実施するこ
と等の最低要件を充たしたうえで、エンドユーザーからの要求に対応するため、小売業者を支援する
ネットワーク技術を資本制約の範囲内で引き続き改善させる。2021年12月2日現在、クイーンズランド
州で、総計2,404,508の世帯/企業につきサービスの準備が整い、総計1,649,442の世帯/企業につい
てはサービスを稼働させたと発表されている。
観光業
観光業は、2019/20年においてクイーンズランド州の生産額(基準価格での総付加価値)全体の推
定3.1%を占めた(入手可能な最新時での予測)。クイーンズランド州の観光業の発展は、一定の自然
の利点、すなわち、休暇に理想的な気候ならびにグレート・バリア・リーフとその島々、数百キロ
メートルに及ぶ砂浜、広大な未開発地域、山景、国立公園、熱帯の北部、ダーリング・ダウンスおよ
び未開拓の奥地等のオーストラリアの自然の魅力が最も良く揃っていることに負うところが大きい。
ブリスベン市の南部に位置するゴールド・コーストは、オーストラリアで最大の最も人気のあるリ
ゾート地である。ゴールド・コーストはサーフィン、釣り、クルージングその他様々なスポーツ活動
のための施設を提供している32キロメートルに及ぶ砂浜で知られている。ゴールド・コーストの西に
位置するマクファーソン・レンジの未開発の熱帯雨林で覆われた丘陵地域は、登山、叢林地帯散策、
乗馬、国立公園、滝およびパノラマの景観等によりゴールド・コーストの魅力を広げている。ゴール
ド・コーストの自然の魅力は、テーマパーク、世界規模のゴルフコース、運河の伸長、および国際的
に定評のあるレストランならびに娯楽場等の開発により補強されている。
グレート・バリア・リーフは国内外の旅行者にとって大きな魅力である。そして、リゾート地は、
島および海岸地方の中央部において開発されている。グレート・バリア・リーフの水質は世界で最良
の漁場を提供し、ケアンズは黒かじきで有名な釣りの大会の国際的な舞台となっている。ウィットサ
ンデー・コーストはウィットサンデー群島に近いオーストラリア本土にあり、過去10年間グレート・
バリア・リーフとその島々の人口増加に対応して発展してきた。この地域は、日帰り旅行による珊瑚
礁と島のある休日を提供し、名所へのクルージングやヨットのチャーター施設も提供している。
24/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
2019 /20年において、総計1.7百万人の海外からの旅行者(休暇を過ごすために来る人々または友人
もしくは親戚を訪問する人々であると定義される。)が、クイーンズランド州を訪れた。それらの旅
行 者は、クイーンズランド州に合計で26.3百万泊滞在し、その平均滞在期間は15.4泊であった。新型
コロナウイルス感染症による旅行制限のため、2019/20年において、クイーンズランド州における海
外からの旅行者数は29.0%急減し、旅行者の宿泊数も減少した(26.9%減)。2020年3月20日以降、国
境閉鎖が実施され、その結果、2020/21年における宿泊数はさらに減少した(96.6%減少してわずか
901,000泊)。
伝統的に、クイーンズランド州においては国内旅行が海外旅行より大きな市場であったが、国内旅
行の相当部分は州内旅行(クイーンズランド州民がクイーンズランド州内を旅行)によるものであ
る。2020/21年は新型コロナウイルス感染症による旅行制限のため、州間の旅行者が2019/20年にお
ける19.4%の減少に続いて30.2%減少し、クイーンズランド州において合計19.6百万泊の滞在となっ
た。
(4) 財政
( イ)クイーンズランド州政府の財政
州の予算方針
各会計年度の予算は通常州財務大臣により会計年度が始まる前の6月に立法議会に提出され、当会計
年度の歳入歳出決算見積もりの明細ならびに翌会計年度および次年度以降の3会計年度の歳入歳出の予
算が含まれる。歳入調達の承認は州議会の様々な現行法に定められており、歳出は毎年、歳出法に基
づく州議会の承認を得る。
予算は通常6月に州議会に提出され、歳出法が8月から9月頃に州議会により予算審議を経て可決され
る。歳出法により、翌会計年度(すなわち予算年度)の歳出案が承認される。これらの歳出法はま
た、歳出法案が国王の裁可を得るまでの翌々会計年度の当初数ヶ月間のクイーンズランド州政府の通
常公務を行うにあたり十分な支出の総額を承認する。立法議会のための歳出法が1つとその他すべての
機関のための歳出法が1つある。
2020 /21年予算、C19-FERおよびクイーンズランド州の財政状態に関する最新情報
オーストラリアではコロナウイルス(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックが2020年第1四半
期に発生したため、クイーンズランド州の2020/21年予算は、オーストラリア政府ならびにその他の
州政府および準州政府と歩調を合わせて、2020年12月まで延期され、クイーンズランド州に関する
2020/21年財政および経済に関する中間概観(以下「MYFER」という。)も無期限に延期された。
2020 年7月23日、クイーンズランド州財務大臣は、連邦財務大臣が提供した財政および経済に関する
見通しを受けて、クイーンズランド州の財政状態についての最新情報を発表した。今回の更新では、
2019/20年および2020/21年については経常赤字が予測され、GST (以下に定義される。) 歳入は減少
し、歳出はクイーンズランド州民の健康、雇用および事業を保護するための取組みの形で増加すると
予測された。
2020 年9月7日、クイーンズランド州政府は、2019/20年および2020/21年の予測修正を含む新型コ
ロナウイルス感染症の影響を受けた財政および経済に関する概観(C19-FER)を発表した。2019/20年
の純経常赤字は、2020年7月の更新時と同じ水準であったが、2020/21年の赤字は、当時の予測からわ
ずかに減少した。
一般政府部門の2019/20年および2020/21年の歳入合計は、2019/20年MYFERからそれぞれ3.7%お
よび8.9%減少すると推定された。これは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響およびす
べての主要な歳入源の急激な減少を反映していた。
25/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
一般政府部門の2019/20年および2020/21年の歳出は、2019/20年MYFERからそれぞれ6.4%および
4.7%増加すると推定された。これは、クイーンズランド州政府が企業、家庭およびコミュニティを支
援 するために、大規模な緊急景気刺激策および長期的な経済回復策を実施したためである。
2020 /21年予算は、2020年12月1日に提出され、2020年8月に公表されたクイーンズランド州の経済
復興計画を基礎とする経済回復に重点を置いた。
支出合計は、2023/24年までの4年間で平均年率1.6%の割合で増加すると予測された。2020/21年
より、歳入は支出よりも早いペースで増加すると予測された。将来見積期間にわたり赤字が予測され
ていたものの、景気が回復し支援策が必要なくなったため、赤字は2023/24年までに大幅に改善する
と予想された。
クイーンズランド州はまた、経済成長と雇用創出の推進により政府の経済復興計画を支援し、投資
と雇用創出に対する信頼を産業界に与えるために、一般政府部門の43.3十億ドルを含む総額56十億ド
ルの4年間にわたる資本計画により、大規模なインフラ投資プログラムに取り組んでいる。
新型コロナウイルス感染症への対応およびその後の景気回復への注力により、一般政府部門を中心
に借入の増加は避けられなかった。債務の増加にもかかわらず、主として記録的な低金利環境に起因
して、借入の返済能力は依然として良好であった。
2020 年7月1日よりAASB第1059号(サービス譲与契約)がオーストラリアの公共部門に適用され、こ
れにより、州の貸借対照表上重大な影響が及び、資産が6.5十億ドル増加し、負債(借入以外)も同等
額増加した。
2021 /22年予算および2021/22年予算の更新(MYFER)
2021 /22年予算は、2021年6月15日に提出され、経済復興計画の実行、および州の新型コロナウイル
ス感染症の抑制に成功した後の雇用支援に焦点を当てている。高品質の最前線のサービスおよびイン
フラを継続的に提供し、政府の選挙公約を実現することも、引き続き重要な焦点である。
2021 /22年予算においては、2024/25年まで持続可能な工事計画を維持することに重点を置き、重
要なインフラの建設および建設に係る資本的支出に、4年間にわたり52.216十億ドルを投入することが
約束されている。
景気は2020/21年予算における予測よりも早期かつ堅調に回復し、その結果、主要な歳入源が予想
以上に増加した。歳出が抑制されたことならびに政府が貯蓄および債務計画を引き続き実施したこと
と相まって、経常赤字は、2020/21年予算における予測を下回り、2024/25年にはわずかながら黒字
に戻ると予測されている。
2021 /22年予算の更新(財政および経済に関する中間概観)が2021年12月16日に公表された。
2024/25年までの4年間の赤字は4.289十億ドルで、2021/22年予算における予測を2.451十億ドル下
回っており、2021/22年についてはロイヤルティ歳入が一時的に増加したことに加え、譲渡税が予想
以上に増加したことを主因として上方修正されている。
2024 /25年までの4年間で、歳入は平均3.4%増加すると予測されているが、支出は同期間で平均3%
しか増加しないと予測されている。
財政原則
2009 年金融説明責任法は、州財務大臣が財政責任憲章(以下「憲章」という。)を作成し、立法議
会に上程することを義務付けている。憲章は、クイーンズランド州政府の財政目的およびかかる目的
を支援する財政原則を定めるものである。
26/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
州財務大臣は、クイーンズランド州政府が憲章に記載されている優先事項に対して生じた進展につ
いて、立法議会に定期的に報告しなければならない。この報告は、予算書類およびMYFERにおいて毎年
公表される。
クイーンズランド州政府は、財政原則が目的に適ったものであり、新型コロナウイルス感染症のパ
ンデミック後のクイーンズランド州の財政面のバッファーを再建するためにバランスのとれた賢明な
道筋を提供していることを確保するため、新たな憲章を策定し、2021/22年予算方針を反映した。新
たな財政原則は、政府の財政再建に向けた中期戦略を支える客観的な施策を定めている。
財政原則1-一般政府部門の 対歳入純債務比率を中期的に持続可能な水準に安定させ、長期的には対
歳入純債務比率の縮小を目指すこと。
中期的に債務を持続可能な水準に安定させることは、財政戦略の主要な構成要素である。歳入が回
復し、歳出の増加が管理されるにつれ、対歳入純債務比率は、将来見積もり期間の終盤に向けて抑制
されると予想され、2023/24年から2024/25年の間に57%から60.5%にわずかに増加するにすぎない
と予想される。
将来見積もり期間にわたる純経常赤字は、2020/21年予算における予測を下回った。その結果、純
債務の増加も予想より少なく抑えられた。純債務は、クイーンズランド・フューチャー・ファンド
(QFF)の債務償還ファンド(以下「DRF」という。)に拠出される資産価値の増加によりさらに相殺
され、以前の予測よりも低い水準に落ち着くと現在予想されている。DRFの残高は、クイーンズランド
州の債務負担および信用格付を評価する際の格付機関の州債務の評価を改善するものと推定される。
2021 /22年におけるクイーンズランド州の 対歳入純債務比率 は39%であり、他州と比較して引けを
取らない。
財政原則2-財政的に持続可能な純経常黒字を達成するため、中期的に一般政府部門の歳出の平均年
間上昇率が一般政府部門の歳入の平均年間上昇率を下回るようにすること。
新しい財政原則2は、歳出増加管理の幅広い措置を実施することを目的としている。当該原則は、常
勤換算職員の増加率の測定を通じて従業員費用の増加を持続可能な水準とすることを目指していた、
従前の財政原則6に代わるものである。
将来見積もり期間については、歳入は平均年率3.9%の増加が見込まれるのに対し、歳出の平均増加
率は2.3%と見込まれることから、2024/25年には経常黒字が達成されると予測される。
財政原則3-中期的に、非金融資産(資本)に対する投資からのキャッシュ・フロー純額につき、主
として営業活動により得られたキャッシュ・フロー純額で資金調達できるようにするため、純経常黒
字の継続的な改善を目指すこと。資本計画は、生産性の高い経済および雇用の支援ならびに人口増加
に対応するインフラのパイプラインの確保に重点を置く。
政府の50十億ドルのインフラ保証により、新型コロナウイルス感染症の危機の最中においても十分
な資本計画を維持することができ、2024/25年までの4年間にわたって52.216十億ドルの資本計画が予
定されている。
2021 /22年より、新たな資本投資については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー純額か
らの資金調達が一段と増加することが見込まれる。2024/25年までに、非金融資産に対する投資の
55%が営業資金により賄われることが予想され、2020/21年予算からの大幅な改善となる。
これにより、クイーンズランド州は、主として営業活動による余剰資金を通じた資金調達という中
期目標に向けて、将来見積もり期間以降も継続的な改善を図ることができる。
財政原則4-1人当りベースで、クイーンズランド州の課税をその他の州の平均よりも低くすること
で、競争力のある税制を維持すること。
27/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
従前の憲章と比較して、この原則は、クイーンズランド州の競争力を、GSPに占める固定比率ではな
く、その他の地域と比較して直接測定するために調整されている。
入手可能な最新の結果によると、2019/20年においてクイーンズランド州の1人当りの課税額は、そ
の他の地域の平均と比べて771ドル少なかった。平均して、クイーンズランド州民の納税額は、
ニュー・サウスウェールズ州の住民よりも1,078ドルおよびビクトリア州の住民よりも761ドル少な
かった。
最新の予測によると、2021/22年におけるクイーンズランド州の1人当りの課税額は3,328ドルであ
り、その他の地域の平均の1人当り3,814ドルと比べて好ましい状態である。
財政原則5-保険数理士の助言に従い、老齢退職年金および労災補償等の長期負債に対する完全積立
を目指すこと。
この財政原則は、引き続きクイーンズランド州政府の長年にわたる優先事項であり、財政管理の重
要な要素である。この原則への取組みは、新型コロナウイルス感染症の危機からの景気回復および財
政回復がなされるまで継続され、長期的な財政戦略の一部であり続ける。
表1
主要財務総計
(UPF ベース)
(単位:百万ドル)
2017/18年 2018/19年
2019/20年 2020/21年
* *
決算 決算
決算 決算
一般政府部門
収入 58,087 59,828 57,778 62,732
費用 56,337 58,843 63,505 63,669
純経常収支 1,750 985 (5,728) (937)
非金融資産購入額 5,126 5,764 6,306 6,835
財政収支 ( 587) (2,207) (9,164) (5,015)
非金融公社部門
収入 13,641 14,256 13,589 13,240
費用 11,759 12,587 12,661 12,078
純経常収支 1,882 1,669 928 1,162
非金融資産購入額 2,509 2,687 3,156 3,157
財政収支 1,785 1,471 305 637
非金融公共部門
収入 66,164 68,329 66,171 71,228
費用 64,381 67,368 72,056 71,739
純経常収支 1,783 961 (5,886) (511)
非金融資産購入額 7,643 8,460 9,482 10,007
28/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
(658) (2,439) (9,965) (5,141)
財政収支
*
該当する場合、収支は、会計方針の変更、表示および時期における差異ならびに誤差による修正再表示が行われてい
る。
経常収支
2020 /21年における決算
統一発表体制(以下「UPF」という。)ベースでは、一般政府部門は、2019/20年における修正表示
された5,728百万ドルの経常赤字と比較して、2020/21年において937 百万 ドルの経常赤字を計上し
た。新型コロナウイルス感染症のパンデミックがクイーンズランド州に初めて到来して以降、政府
は、強力な医療保健面での対応を行い、家庭、企業および産業への迅速な財政支援を導入し、クイー
ンズランド州の長期的な経済回復を確保するための対策を開始した。
財政収支は、2019/20年における9,164百万ドルの赤字から2020/21年における5,015百万ドルの赤
字へと増加した。これは主として純経常収支が改善したことによるものであるが、非金融資産購入額
の増加によりある程度相殺された。
収入
取引からの収入は、2019/20年において3.45%(2,064百万ドル)減少した後、2020/21年において
8.5%(4,954百万ドル)増加した。
連邦助成金は、州の収入の主要部分を成し、一般政府収入予算の半分強を占めており、税金がその
約4分の1を占めている。2020/21年において、連邦助成金およびその他の助成金は5,369百万ドル増加
した。これは主として、2020年における新型コロナウイルス感染症のパンデミックの初期の影響から
経済が回復し、国民の家計支出および住宅投資が増加したことを反映してGST歳入が増加したこと、な
らびに主に道路インフラおよびパンデミックへの医療保健面での対応に係る支出が増加したことによ
るものである。
2020 /21年における課税収入は2019/20年( 1,664 百万ドル)と比較して増加したが、これは主とし
て、新型コロナウイルス感染症の初期の影響後に経済状況が改善したこと、また居住用財産の売却に
係る譲渡税が回復したことによるものである。
一般政府部門のその他の収入は、主として石炭価格および石油価格の下落ならびに石炭輸出量の減
少により、2020/21年において、2019/20年を1,767百万ドル下回った。
支出
実績に基づくと、2020/21年において、一般政府支出は164 百万 ドル(0.26%)のみ増加した。政府
による新型コロナウイルス感染症への医療保健面での対応や経済回復策が継続されているにもかかわ
らず、各省庁が政府の貯蓄および債務計画に基づく貯蓄目標を達成したこと、および公務員の賃金引
上げが延期されたことにより、支出は抑制された。
雇用費用および老齢退職年金費用は、 2020 /21 年予算の予測とほぼ一致して、 2020 /21 年において
2.1%増加した。新型コロナウイルス感染症のパンデミックへの対応資金の調達を補助するため、
2020 /21 年に予定されていた 一般政府部門の賃金引上げが2年先へと延期されたことにより、過去の会
計年度に比べて増加が緩やかとなった。
その他経常支出は2019/20年から750 百万 ドル(4.4%)減少したが、これは主として2019/20年に
訴訟および請求に関連する一時的な自家保険費用を計上していたことによるものである。2020/21 年
29/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
における請求関連費用の減少は、 検疫活動を含む新型コロナウイルス感染症への医療保健面での対応
策により 一部相殺された。
一般政府部門における減価償却費は154百万ドル増加して4.187十億ドルとなった。これは主とし
て、残存インフラの増加によるものであった。
一般政府部門における支払利息は133百万ドル増加して1,619百万ドルとなった。これは主として、
新型コロナウイルス感染症に関する支援・回復策により2019/20年期末における借入金が増加したこ
と、ならびにパンデミック発生直後に税金、GSTおよびロイヤルティからの現金流入額が減少したこと
によるものであった。
非金融資産購入額および借入金
下記表2は、州の非金融資産購入額および借入金についてのデータを示すものである。
表2
借入金
(UPF ベース)
(単位:百万ドル)
2017/18年 2018/19年
2019 /20 年 2020 /21 年
決算 決算
決算 決算
非金融資産購入額
一般政府部門 5,126 5,764 6,306 6,835
非金融公社部門 2,509 2,687 3,156 3,157
(1)
7,643 8,460 9,482 10,007
非金融公共部門
借入金
一般政府部門 31,520 32,202 44,253 54,078
非金融公社部門 37,992 38,707 40,700 41,558
69,511 70,909 84,944 95,626
非金融公共部門
(1) 現行の統一発表体制の取決めに基づき、予算および将来見積もりデータは、正確な事業活動計画の作成が困難であ
ることから、公共金融公社(PFC)には要求されない。この部門について資本支出は推定されていない。
州の純資産(または資本)とは、州の資産が負債を超過した額をいう。これはクイーンズランド州の
住民に代わって公共部門機関により保有される投資評価額である。
2020 /21年における一般政府部門の純資産は、2020/21年期末現在209,625百万ドルとなった。
2020 /21年期末現在において、一般政府部門における借入は54,078百万ドルとなり、2019/20年を
9,825百万ドル上回った。借入金の増加は、主として、資本支出のためのQTCからの追加借入、ならび
に主に大規模な鉄道および関連インフラプロジェクトに係るリースおよびその他のローンの増加によ
るものである。
資本支出
UPF ベースで、2020/21年における一般政府の非金融資産購入額(すなわち、資本支出)は6,835百
万ドルとなり、2019/20年を529百万ドル上回った。
30/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
将来見積もり
下記表3は、UPFベースによる州の将来見積もりの概要を示すものである。
表3
主要財務総計予測(概要) - 2021/22年予算の更新(MYFER)
(単位:百万ドル)
2021/22年 2022/23年 2023/24年 2024/25年
予測額 予測額 予測額 予測額
一般政府部門
収入 68,235 67,531 70,072 71,781
費用 69,727 69,928 70,631 71,623
純経常収支 (1,492) (2,397) (559) 158
非金融資産購
8,317 8,078 7,674 7,642
入額
財政収支 (6,726) (6,490) (3,568) (2,667)
非金融公社部門
収入 12,807 12,262 11,852 12,053
費用 11,948 11,265 11,061 11,246
純経常収支 858 997 790 808
非金融資産購
3,655 3,691 3,464 3,392
入額
財政収支 37 188 240 369
非金融公共部門
収入 76,183 75,008 77,510 79,549
費用 77,311 76,986 77,777 79,032
純経常収支 (1,128) (1,978) (267) 517
非金融資産購
11,973 11,769 11,137 11,035
入額
(7,184) (6,880) (3,826) (2,747)
財政収支
下記表4は、州の非金融資産購入額および借入金についての最新の予測値・見積値のデータを示すも
のである。
表4
借入金および非金融資産購入額
(UPF ベース)
(単位:百万ドル)
2021/22年 2022/23年 2023/24年 2024/25年
予測額 予測額 予測額 予測額
非金融資産購入額
一般政府部門 8,317 8,078 7,674 7,642
31/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
非金融公社部門 3,655 3,691 3,464 3,392
非金融公共部門 11,973 11,769 11,137 11,035
(1)
借入金
一般政府部門 63,471 73,115 79,713 84,721
非金融公社部門 41,603 41,538 41,614 41,969
105,064 114,643 121,318 126,679
非金融公共部門
(1) リース、有価証券およびデリバティブを含む借入金
( ロ)オーストラリア連邦との財政上の関係
連邦の助成金
第二次世界大戦以後、連邦は単独の所得税賦課機関として活動しており、年間の一般歳入助成金が
連邦によって各州に支払われている。連邦は、また、憲法上、消費税、物品・サービス税および関税
を課す独占的な権限を有している。連邦政府は、富裕税、財産税または贈与税は課していない。州政
府は、給与税、印紙税および土地保有税を課し、地方自治体は不動産の課税評価額に基づき地方税を
課す。
1985 年の州首相の会合においてこれまで行われていた税割当制度は州に対する財政援助助成金に代
えられるべきであるという合意がなされた。連邦助成金委員会は、水平的財政調整原則に基づく一般
目的による助成金の割当てについて引き続き提言を行っていた。この原則は、すべての州が同等の税
負担で同水準のサービスおよび関連するインフラを提供することができるよう、州間の歳入を増強す
る能力の差およびサービス提供コストの差を埋めるために、助成金を受ける必要があるとするもので
ある。
連邦から州政府に対して特定の目的のためまたは条件付きで提供される助成金に加えて、財政助成
金が支払われた。これらの特定の目的のために提供される助成金は、連邦となって以来ほとんどの期
間存続してきたが、その連邦助成金としての重要性は1970年代から著しく増加している。
物品・サービス税(GST)に関する連邦と州との関係
2000 年7月1日付の包括的な消費税である物品・サービス税(以下「GST」という。)の導入は、連邦
政府により遂行された国家税制改革の基礎を成すものであった。かかる改革は、連邦および州間の財
政上の関係に重大な変化をもたらすものであった。オーストラリアのすべての政府は「連邦・州間財
政関係の改革に関する政府間協定」を締結した。
かかる協定の主な特徴として以下のものが含まれる。
・GST歳入の各州に対する全額交付。州間にGST歳入を分配する方法として、水平的財政調整原則が
承認された。
・州に対する財政援助助成金の廃止
・多くの州税制の廃止。クイーンズランド州の場合、国内税制の全体的な効率化を強化するため、9
つの税の段階的な廃止を含む。
2021 /22年、クイーンズランド州は、2021/22年予算の更新(財政および経済に関する中間概観)
において公表されたとおり、約15.380十億ドルのGST歳入を受領する。クイーンズランド州は、現在、
必要とするGST分配額が1人当り等額を超過する旨連邦助成金委員会により評価されている。
32/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
連邦財政関係に関する政府間協定
2008 年3月26日、オーストラリア政府間評議会は、連邦財政関係のために新たな枠組みを実施するこ
とに同意した。この新しい枠組みは、州政府の役割および責任ならびに成果主義に基づいた公的説明
責任を一層明確にしつつ、州政府によるサービス提供に関する連邦規定を大幅に削減することを目的
としていた。
2009 年1月1日、新たな取決めである「 連邦財政関係 に関する政府間協定」の運営が開始された。新
しい枠組みの主な特徴として以下のものが含まれる。
・支払の全体水準を低下させることなく、特定の目的のために提供される助成金の数の削減。新た
な国内取決めを背景に、当該助成金をヘルスケア、学校、技術および労働力開発、障害者への
サービス、ならびに住宅に関する分野の5つのより幅広い資金の流れに集約した。
・政府によるサービス提供の質、効率性および有効性の改善によるオーストラリア国民の福利改善
の成果への集中。ただし、州によるサービスに関する成果の達成手段や実施の方法に関する連邦
規定の削減、達成した成果または実施した活動に関する国民への説明責任の強化を伴う。
・交付の適格性の維持および目的との関連性を確保するための定期的な検証を伴いながら新しい国
内取決めを継続させることによる、各州に対するより確実性の高い交付
・特定のプロジェクトの実行を支援し、国家的に重要な改革を促進し、またはかかる改革の実行に
対して報奨を付与するための、連邦による各州に対する国家連携に係る交付
・GST歳入の各州に対する全額交付の継続
州政府、準州政府およびオーストラリア政府の優先事項が時折異なり、また競合することがあるた
め、クイーンズランド州およびその他の政府の継続的な課題は、当該枠組みの当初の意図が維持され
ることである。
新たなガバナンス協定-オーストラリア連邦関係
2020 年5月、オーストラリア政府、州政府および準州政府は、オーストラリア政府間協議会の新たな
国家連邦改革評議会への改編を含む新たな国家ガバナンス協定に合意した。
初代大臣は引き続き内閣として会合し、州財務大臣は引き続き連邦財政関係委員会(以下「CFFR」
という。)として会合する。新たな協定に基づき、CFFRは、連邦と州および準州との間の財政関係の
監督に責任を負う。これには、国家連携協定を含むすべての資金調達契約に対し責任を負うこと、ま
た連邦財政関係に関する政府間協定を監督するという従来の責任を完遂することが含まれる。
国民医療保健改革
国民医療保健改革協定(以下「NHRA」という。)が2012年7月1日に発効した。2020年5月、2011年
NHRAの補完書類がすべての管轄地で署名され、2020年7月1日から2025年6月30日まで適用される予定で
ある。資金供給は、大規模病院向けのアクティブ・ベースの資金供給および小規模な地域の病院向け
のブロック・ファンディングの組み合わせにより提供されている。補完書類に基づき、連邦は、需要
の増加にかかわらず、NHRAによる資金供給の増加に係る6.5%という全国的な上限に従い、公立病院の
サービスの効率的成長の45%に資金供給を行なっている。
新型コロナウイルス感染症のアウトブレイクに対応し、連邦は各州・準州に対し新型コロナウイル
ス感染症対応に関する国家連携協定(以下「NPACR」という。)を提供した。NPACRに基づき、連邦
は、新型コロナウイルス感染症のアウトブレイクに対応するため州の医療保健サービスにより生じた
費用の50%を拠出する。資金供給に上限はなく、需要に応じて(2015年バイオセキュリティ法(連
33/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
邦)に基づく「指定ヒト感染症」として初めてウイルスが特定された)2020年1月21日以降に生じた費
用を対象とする。
新型コロナウイルス感染症への医療保健面での対応により、大半の待機手術等の緊急性の低い医療
保健活動は一時的に停止を余儀なくされた。その結果、連邦は2019/20年、2020/21年および2021/
22年について病院への資金供給の保証を提供している。かかる保証に基づき、連邦はクイーンズラン
ド州に対し、NHRAおよびNPACRの病院サービス部分に基づく資金供給の合計の一定水準を最低限提供す
る。2021/22年において、連邦はクイーンズランド州に対し、220百万ドルのNPACRの資金供給を含む
5.659十億ドルをNHRAに基づき提供すると見積もられている。
Quality Schools
オーストラリア政府によるQuality Schools政策に基づくクイーンズランド州の公立学校のための資
金調達(GSTを除く。)は、2021/22年に2.158十億ドルとなる(2024/25年までの4年間で9.321十億
ドル)。私立学校のための資金調達(GSTを含む。)は、2021/22年に3.472十億ドルとなる(2024/
25年までの4年間で14.894十億ドル)。
2021 年度連邦補助金委員会(以下「CGC」という。)によるGST歳入分配補正係数に関する報告
2021 年2月、CGCは、GSTの分配を決定するために州の状況の変化を考慮した、GST歳入分配補正係数
に関する報告-2021年更新(以下「2021年CGC最新報告」という。)を公表した。2021年CGC最新報告
では、2021/22年に1,023百万ドルの基礎的影響を伴う、GST歳入のクイーンズランド州の比率の増加
が提言され、かかる基礎的影響には、人口の推移、GSTプールの増加および相対的財政能力の変化が包
含される。
クイーンズランド州のGST比率の増加は、クイーンズランド州が他の州に比べて1人当り財政能力が
低いとCGCが判断したことによるものである。クイーンズランド州は、教育および医療保健に関する支
出ニーズが高く、土地税および譲渡税に関して歳入を増強する能力が低いと評価されているが、石炭
価格の上昇および連邦からの支払割合の増加により鉱区使用料の徴収能力が高いことにより一部相殺
されている。
( ハ)公債
クイーンズランド州の公共部門の負債は、いくつかの独立した範疇から成っている。
-連邦に対する公債
-連邦に対する他の州債務
-保証付のQTCの債務およびその他の保証付借入債務
-偶発債務
1995 年4月に連邦政府およびクイーンズランド州政府は、クイーンズランド州が連邦に対する負債を
事前償還するという契約(以下「金融協定」という。)を締結した。この契約は1995年7月に遂行され
た。
連邦に対する州債務
金融協定に基づいて州に対して貸付けられた資金に加え、連邦政府は、連邦と州との間で合意され
た多様なプログラムに従って、州に資金を貸付けている。一般的に、これらの資金は、合意されたプ
ログラムの条項に従って他の者に貸付けられ、州への返済は最終借入者の収入からなされる。クイー
ンズランド州による貸付の場合、その債務は一般的に最終借入者の有形資産上の州の担保権によって
担保されている。
34/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
次の表は、この範疇の負債に基づいて連邦が行った貸付残高の概要を示すものである。
(単位:百万ドル)
2020/21年 2019/20年
貸付金-連邦および州住宅建設
247 263
53 90
貸付金-その他
連邦および政府に対する他の州債務合計 300 353
クイーンズランド州財務公社保証付借入債務
現在までのQTCの主たる機能は、クイーンズランド州の政府機関に対してQTCが調達した資金の貸付
を行う中央金融機関の役割を果たすことであった。クイーンズランド州の財務相は、州政府の財務相
に代わって、QTCにより発行されたすべての債務証券の債務を保証する。過去5年間のそれぞれの会計
年度末現在のQTCの保証付借入債務(市場価格)およびその各種借入機関への配分は、以下の表に詳し
く示されている。
(単位:百万ドル)
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
負債の配分
クイーンズランド州政府各省庁
教育・訓練省 48 43
州開発省 66 58
幹線道路省 749 668
運輸省 - -
住宅・公共工事省 10 9
厚生省 43 -
州財務省 32,728 30,400 33,173 41,923 48,869
その他 185 205 210 258 247
政府所有法人
CSエナジー・リミテッド 924 720 654 658 635
エナジー・クイーンズランド・
17,767 17,607 18,912 19,799 19,999
リミテッド
港湾当局および施設(各種) 1,401 1,403 1,482 1,184 1,155
クイーンズランド州送電株式会社
5,371 5,355 5,647 5,742 5,564
(パワーリンク)
スタンウェル・コーポレーション・
937 921 970 980 943
リミテッド
地方政府
ブリスベン市議会 2,283 2,195 2,184 2,314 2,381
ケアンズ地方議会 86 110 123 171 179
フレーザー・コースト地方議会 138 119 103 85 67
グラッドストン地方議会 155 144 141 131 108
35/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
ゴールド・コースト市議会 786 723 702 698 704
イプスウィッチ市議会 280 257 345 378 411
ローガン市議会 229 214 211 271 258
マッカイ地方議会 201 185 177 161 139
モレトン・ベイ地方議会 444 435 443 434 400
レッドランド市議会 51 45 42 45 46
ロックハンプトン地方議会 155 132 128 148 151
サンシャイン・コースト地方議会 308 307 354 592 680
トゥーンバ地方議会 193 181 180 201 207
タウンズビル市議会 427 396 448 440 440
その他 713 697 722 728 692
公法人団体
中等学校 104 94 89 107 140
SEQウォーター 10,949 10,827 11,617 11,882 11,349
ユニティーウォーター 419 416 435 443 431
大学 373 407 493 505 507
水供給委員会 253 280 281 255 255
その他 202 261 336 676 646
その他の団体
DBCTホールディングズ・
130 122 113 104 103
プロプライアタリー・リミテッド
クイーンズランド・レール・
3,627 3,666 3,901 4,149 4,094
リミテッド
クイーンズランド・アーバン・
2,070 2,067 2,215 2,551 2,540
ユーティリティーズ
296 287 299 321 271
その他
貸付資金総額
85,102 81,952 87,129 98,334 104,611
13,361 14,580 14,884 14,855 18,145
未配分借入金
保証付債務合計額 98,463 96,532 102,013 113,189 122,756
QTC は国内外の資本市場から資金を調達しており、2020/21年期末現在、管理下にある借入の市場価
格は122.756十億ドルで、このうち3.587十億ドルが海外の資金調達プログラムの下で発行された債務
であった(2020/21年期末の外国為替相場に基づく。)。QTCは金利および通貨スワップならびにその
他のヘッジおよび通貨転換取引を通じて外国債務ポートフォリオをヘッジしている。
以下の表はそれぞれ今後5年間およびその後に弁済期日が到来するQTCの未払負債の2020/21年期末
現在における契約時満期を示している。償還額計上については償還にかかる証券等の額面価額が用い
られている。したがって、前段落において示された負債の市場価格との比較は不適切である。
QTC の未払負債(額面価額)
償還満期分析
(単位:百万豪ドル)
36/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
国外からの 国内における
合計
(1) (2)(3)
債務 債務
0~3ヶ月
1,644 2,116 3,760
3~12ヶ月 800 3,823 4,623
1~5年 0 44,590 44,590
1,487 79,116 80,603
5年超
合計 3,931 129,645 133,576
(1) これらの統計は、決算日において適法な外国為替相場で豪ドルに換算されたものであり、通貨スワップおよび為替
先物予約の純効果は含まない。QTCのアメリカ合衆国およびヨーロッパのコマーシャル・ペーパー・ファシリティに
おいて、2020/21年期末現在未借入となっている1.952十億米ドルがこの中に含まれている(2020年は185百万米ド
ルであった。)。また、アメリカ合衆国およびヨーロッパのユーロ・ミディアム・ターム・ノート(MTN)ファシリ
ティにおいて、2020/21年期末現在、1.119十億米ドルが未償還となっている(2020年は766百万米ドルであっ
た。)。
(2) 負債額については額面価額で計上されている。
(3) QTCの豪ドル政府債券ファシリティにおいて、2020/21年期末現在未償還となっている3,175百万豪ドルがこれらの
合計値に含まれている(2020年は4,696百万豪ドルであった。)。
QTC の未払債務
クーポンレート
満期日 額面価額(豪ドル) 市場価格(豪ドル)
(年率)(%)
QTC債
6.00 % 2022年7月 8,310,160,000 8,309,536,420
4.25 % 2023年7月 9,633,566,375 9,493,830,928
3.00 % 2024年3月 817,500,000 809,938,743
5.75 % 2024年7月 10,002,688,625 9,879,350,996
4.75 % 2025年7月 10,348,432,500 10,073,367,181
3.25 % 2026年7月 9,977,933,686 9,541,724,641
2.75 % 2027年8月 9,400,531,250 8,798,803,036
3.25 % 2028年7月 10,175,118,750 9,360,439,383
2.50 % 2029年3月 2,074,618,800 1,876,218,762
3.25 % 2029年8月 8,985,821,000 8,065,856,813
6.25 % 2030年8月 11,026,671,135 9,769,318,796
1.25 % 2031年3月 1,687,500,000 1,441,525,796
1.75 % 2031年8月 6,967,315,750 5,908,862,623
1.50 % 2032年8月 4,103,750,000 3,381,589,441
6.50 % 2033年3月 2,153,978,000 1,825,192,618
1.75 % 2034年7月 2,213,629,250 1,729,125,860
2.25 % 2040年4月 2,957,016,288 2,043,414,005
37/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
2.25 % 2041年11月 2,699,885,869 1,774,207,797
4.20 % 2047年2月 1,673,600,000 1,059,878,258
2.25 % 2050年10月 440,893,750 246,796,744
政府債券
各種 2021年7月 485,000,000 484,995,843
各種 2021年8月 30,000,000 29,999,694
各種 2021年9月 1,590,000,000 1,589,918,793
各種 2021年10月 910,000,000 909,915,629
各種 2021年11月 160,000,000 159,971,181
変動利付債
0.19 % 2022年2月 2,533,646,987 2,532,862,272
0.25 % 2023年2月 2,818,257,621 2,809,668,463
0.28 % 2024年11月 2,362,956,363 2,316,678,770
0.13 % 2027年4月 2,577,806,564 2,423,420,208
その他ローン
各種 2021 年 22,494,592 22,386,036
各種 2022 年 109,437,735 109,326,151
各種 2023 年 76,533,181 76,081,128
各種 2024 年 49,942,875 49,144,613
各種 2025 年 118,568,286 115,636,306
合計 129,495,255,232 119,018,983,928
未払国外債務
ユーロ・ミディアム・ターム・ノート(2020/21年期末現在)
額面価額 市場価格
発行年 クーポンレート 満期日 通貨
(豪ドル) (豪ドル)
スイス・
2011年 1.73% 2039年9月 210,885,155 200,696,565
フラン
2014年 2.65% 2039年4月 日本円 266,415,619 247,382,684
2016年 1.64% 2046年11月 ユーロ 904,956,828 752,133,539
2020年 0.69% 2050年6月 ユーロ 104,303,105 75,967,053
合計 1,486,560,707 1,276,179,841
コマーシャル・ペーパー(2020/21年期末現在)
額面価額 市場価格
発行年 利回り 満期日 通貨
(豪ドル) (豪ドル)
2021年 0.130% 2021 年7月 米ドル 146,169,719 13,287,990
38/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
2021年 0.320% 2021 年7月 米ドル 132,881,831 132,878,861
2021年 0.130% 2021 年7月 米ドル 132,881,831 132,877,029
2021年 0.290% 2021 年7月 米ドル 265,763,663 265,753,293
2021年 0.140% 2021 年7月 米ドル 66,440,916 66,437,122
2021年 0.240% 2021 年8月 米ドル 146,170,015 146,155,255
2021年 0.160% 2021 年8月 米ドル 85,044,372 85,034,851
2021年 0.550% 2021 年8月 米ドル 265,763,663 265,730,906
2021年 0.120% 2021 年8月 米ドル 31,891,640 31,886,826
2021年 0.280% 2021 年8月 米ドル 166,102,289 166,075,155
2021年 0.150% 2021 年8月 米ドル 25,247,548 25,242,882
2021年 0.160% 2021 年9月 米ドル 66,440,916 66,424,317
2021年 0.130% 2021 年9月 米ドル 13,288,183 13,284,658
2021年 0.120% 2021 年9月 米ドル 66,440,916 66,422,769
2021年 0.060% 2021 年9月 米ドル 33,220,458 33,209,401
2021年 0.160% 2021 年10月 米ドル 43,053,713 43,038,412
2021年 0.165% 2021 年10月 米ドル 531,527,326 531,306,182
2021年 0.190% 2021 年11月 米ドル 132,881,831 132,809,862
2021年 0.188% 2021 年11月 米ドル 93,017,282 92,964,559
2021年 0.085% 2022 年1月 米ドル 150,000,000 149,950,590
合計 2,594,228,112 2,460,770,920
他の保証付債務および偶発債務
1996 年公法人財務調整法および公法人財務調整規則によって修正規定された1982年公法人財務調整
法の規定によると、公法人によって締結された金融上の協定は、クイーンズランド州政府を代理する
州財務大臣による保証を受けることがある。同法はまた、同法により置換えられた旧法の下で与えら
れた同種の保証を維持している。さらに、1982年公法人財務調整法に基づくその他の公法人による借
入に対する保証は、2012年経済発展法の下でこれを行うことができる。
クイーンズランド州政府は、また、サンコープ保険金融公社(以下「サンコープ」という。)によ
り1996年12月1日以前に出されたすべての保険証券を保証する。サンコープは、サンコープ建設組合お
よびクイーンズランド州産業開発公社と共に1996年12月1日付でメットウェイ銀行と合併した。1996年
州金融機関およびメットウェイ合併助成法に従って、1996年12月1日以前にサンコープによって出され
た保険証券、保険契約または保障は、クイーンズランド州政府により引き続き保証されることとな
る。
豪ドルの為替相場
QTC およびクイーンズランド州の債務が額面表示され、相当外国為替に対して豪ドルで示される主要
通貨の為替相場は以下の表に示すとおりである。
39/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年 2020/21年
通貨(年間平均)
米ドル
0.7285 0.7542 0.7754 0.7154 0.6714 0.7470
日本円 85.01 82.27 85.56 79.50 72.60 79.56
スイス・フラン 0.7135 0.7476 0.7526 0.7117 0.6561 0.6797
英ポンド 0.4917 0.5949 0.5760 0.5527 0.5329 0.5546
ユーロ 0.6564 0.6919 0.6499 0.6269 0.6069 0.6260
ニュージーランド・
1.0907 1.0587 1.0853 1.0668 1.0545 1.0742
ドル
出所:リフィニティブ
40/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
オーストラリア連邦の概況
(1) 政治および外交
国家組織および政党
オーストラリアにおける連邦の立法権は、女王、上院および下院で構成される連邦議会に付与されて
いる。オーストラリアにおいて女王の権限を代表する者は連邦総督である。
上院議員および下院議員は共に全有権者の義務投票によって選出される。上院議員は、6年を任期とし
て6州から12名ずつ選出される。各州から選出される上院議員は3年ごとにその半数が改選される。さら
に、オーストラリア首都特別地域およびオーストラリア北部特別地域からそれぞれ2名ずつの上院議員が
選出されており、これら上院議員の任期は次回の下院の総選挙までとなっている。
下院は、3年を超えない期間を任期とする151名の議員により構成される。各州の下院議員の定員はほ
ぼその人口に比例している。
一定の場合には連邦総督は上下両院を同時に解散することができる。
次の表は過去7回の上院および下院の選挙結果を示したものである。
連邦選挙結果
2001 年 2004 年 2007 年 2010 年 2013 年 2016 年 2019 年 2001 年 2004 年 2007 年 2010 年 2013 年 2016 年 2019 年
(2) (3)
上院 下院
11 月 10 月 11 月 8月 9月 7月 5月 11 月 10 月 11 月 8月 9月 7月 5月
オーストラリア オーストラリア
28 28 32 31 25 26 26 65 60 83 72 55 69 68
労働党 労働党
自由党/国民党 自由党/国民党
35 39 37 34 33 31 35 82 87 65 73 90 76 77
(1) (1)
オーストラリア
(5)
無所属 2 1 1 3 2 1 1 1 1
1
緑の党
統一オーストラ
オーストラリア
8 4 1
(8)
民主党
リア党
ポーリン・ハン
カッター率いる
ソン率いるワ
(8)
1 2 オーストラリア 1 1 1
2
ン・ネーション
党
(7)
党
オーストラリア
2 4 5 9 10 9 9 無所属 3 3 2 4 2 2 3
緑の党
センター・アラ
家族第一党 1 1 1 1 1
(4)
イアンス党
民主労働党 1
統一オーストラ
(8)
1
1
(6)
リア党
自由民主党 1 1
オーストラリア
1
自動車愛好者党
センター・アラ
1 2 2
(4)
イアンス党
デリン・ヒンチ
1
率いる正義党
オーストラリア
1
保守党
ジャッキ・ラン
ビー・ネット 1
ワーク
41/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
計 76 76 76 76 76 76 76 計 150 150 150 150 150 150 151
(1) 自由党/国民党には、自由国民党(Qld)、北部准州自由党が含まれる。
(2) 上記の表は、2019年11月22日のオーストラリア連邦議会のウェブサイトを出所とする情報を反映している。
(3) 上記の表は、2019年11月22日のオーストラリア選挙管理委員会のウェブサイトを出所とする情報を反映してい
る。
(4) 2016年の連邦選挙の時点で同政党はニック・クセノフォンチームとして知られ、2018年6月8日にセンター・アラ
イアンス党に党名変更された。
(5) 無所属の上院議員はレックス・ライアル・パトリック(南オーストラリア州)である。
(6) 旧パーマー統一党。
(7) 旧ワン・ネーション党。
(8) 2018年6月18日に、ブライアン・バーストン上院議員はワン・ネーション党を離党し、統一オーストラリア党に入
党した。
出所:オーストラリア選挙管理委員会およびオーストラリア連邦議会
オーストラリアにおける司法権はオーストラリア高等裁判所、その他の連邦裁判所ならびに州および
特別地域の裁判所に付与されている。限定された特定の事項に関して、高等裁判所は固有の裁判管轄権
を有している。高等裁判所はまた、連邦裁判所ならびに各州および特別地域の上級裁判所からの上訴に
つき管轄権を有する。
オーストラリアは外向的な国家であり、世界の他の国々と強固な関わりを持っている。2世紀超にわた
り、オーストラリアは多くの国々と強固で揺るぎない関係を築いてきた。これらの関係は、歴史、共通
(1)
の戦略的利益、貿易および人と人との関わりを通じて少しずつ進展してきた。
オーストラリアは、多くの世界機関および地域機関に参加している。オーストラリアは、国連の原加
盟国であり、国連の通常予算および平和維持予算の主要な分担国の1つである。オーストラリアは、ルー
ルに基づいた国際秩序の構築に積極的に尽力しており、それは万国および万民の利益を推進し保護する
(2)
ものである。
オーストラリアは、人種または宗教によってではなく、政治、経済および宗教の自由、自由民主主
義、法規範、人種およびジェンダーの平等ならびに相互尊重を含む共通の価値観によってそのナショナ
(3)
ル・アイデンティティを定義する。
オーストラリアの価値観は、国際社会へ関与する際の土台において重要な要素である。オーストラリ
アの政治、経済および宗教の自由、自由民主主義、法規範、人種およびジェンダーの平等ならびに相互
尊重への支持は、オーストラリアがどのような国家であるか、またオーストラリアがどのように世界と
向き合っているかを反映している。その価値観により、国内の強固で公正な密着型の社会は支えられて
(4)
おり、それはオーストラリアの国際的影響力の源となっている。
(1) オーストラリア政府(外務省)、オーストラリア・アンド・ザ・ワールド、2019年12月12日アクセス現在。
https://dfat.gov.au/about-australia/australia-world/Pages/looking-outward.aspx
(2) ibid
(3) オーストラリア政府(外務省)、2017年外交政策白書、2019年12月12日アクセス現在。
https://www.fpwhitepaper.gov.au/
(4) ibid
次の表はオーストラリアが加盟している主な国際金融機関を示すものである。
加盟年
42/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
国際通貨基金 1947
国際復興開発銀行 1947
国際金融公社 1956
国際開発協会 1960
投資紛争解決国際センター 1975
多数国間投資保証機関 1996
アジア開発銀行
通常財源 1966
特別基金 1970
欧州復興開発銀行 1991
アジアインフラ投資銀行 2015
オーストラリアは広範な世界的および地域的連携に積極的に取り組んでいる。
43/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
(2) 最近の経済の動向
オーストラリア経済は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック以前、28年連続での経済成長を記
録していたが、オーストラリアの実質国内総生産(以下「GDP」という。)は、2019/20年においてわず
かに下落した。しかし、2020/21年におけるGDPは1.5%回復した。
次の表は、2016/17年から2020/21年までの期間における産業構成要素別のオーストラリアのGDPを示
したものである。
(1)
産業別総付加価値
(CVM 基準年2019/20年)
(単位:百万豪ドル)
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年 2020/21年
農業、林業および漁業 50,783 49,369 44,187 39,738 48,497
鉱業 177,366 186,000 194,688 203,286 198,718
製造業 112,054 114,536 113,497 111,941 113,738
電気、ガス、水道および廃棄物処理 47,032 48,026 48,125 47,369 46,782
建設業 141,985 148,868 147,834 141,774 139,674
卸売業 73,411 74,158 74,972 74,208 79,266
小売業 79,267 81,445 82,133 81,873 86,413
ホテルおよび飲食サービス 41,425 42,402 42,778 38,746 39,204
運輸、郵便および倉庫 90,448 92,412 93,680 88,738 81,382
情報、メディアおよび電気通信 38,219 41,453 42,748 43,374 44,385
金融および保険サービス 147,174 147,743 150,166 151,058 153,605
賃貸借および不動産サービス 54,307 54,262 55,229 54,915 56,194
専門、科学および技術サービス 123,809 130,516 136,653 141,544 144,610
行政支援サービス 60,654 64,745 68,984 67,911 62,059
行政および安全 96,640 98,220 102,140 107,035 110,995
教育および研修 91,733 93,136 95,450 96,868 97,845
保健および社会扶助 122,726 130,028 139,779 145,210 154,023
芸術および娯楽サービス 14,674 15,052 15,922 15,173 14,977
その他のサービス 32,683 33,343 34,501 32,803 32,586
住宅不動産運用 162,181 165,458 169,526 173,478 176,621
基準価格における総付加価値 1,758,187 1,810,665 1,852,530 1,857,042 1,881,575
製品に対する補助金を差し引いた税額 127,552 129,230 128,406 123,824 127,671
統計上の不突合(P) 0 0 0 0 841
国内総生産 1,885,807 1,939,948 1,980,942 1,980,866 2,010,087
(1) 産業別総付加価値は税金を控除し補助金を加えた実質総生産額を表す。
44/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
出所:オーストラリア統計局、オーストラリア国民経済計算、2021年9月四半期
農業
2020 /21年までの5年間にわたって農業、林業および漁業は平均して産業別総付加価値の2.5%を占め
た。オーストラリアの主要な農産物には、牛および子牛、小麦、果実およびナッツ、羊毛、砂糖、綿
花、全乳、野菜、羊および子羊、大麦、鶏肉ならびに干し草が含まれる。
鉱物およびエネルギー
オーストラリアは鉱物資源の量も種類も豊富な国である。オーストラリアは鉄鉱石、石炭、ボーキサ
イト、銅、鉛、亜鉛、ニッケルおよび砂鉱の主要生産国であると同時に、世界最大の輸出国の1つでもあ
る。
1960 年代の半ば以降、天然資源開発はオーストラリアの経済成長において重要な役割を果たしてい
る。また、鉱物および半加工金属の輸出収入はオーストラリアの輸出収入総額のさらに重要な構成要素
の1つとなっている。
さらに、液化天然ガス(LNG)の産出高増加を目指した現在の拡張投資により、LNGはオーストラリア
の主要な輸出品の1つとなった。
中国は、オーストラリアにとって最大の輸出市場として日本を上回った。2020/21年には、オースト
ラリアの商品輸出のうち41.9%が中国向けであったのに対し、日本向けのものは11.0%であった。主と
して鉄鉱石の価格の上昇により、2020/21年におけるオーストラリアの対中商品輸出の名目値は10.2%
増加した(165.7十億豪ドルとなった。)。一方、石炭および LNG の価格の著しい下落により (日本は
オーストラリア産鉄鉱石の市場規模もはるかに小さい。) 、 対日商品輸出の名目値は17.7%減少した
(43.4十億豪ドルとなった。)。
製造業
2007 /08年にかけた過去30年間、製造業は実質的に総じて拡大したが、そのピーク時以降概して縮小
した。 近年の為替レートの下落に支えられ、オーストラリアにおける製造業の実質生産高は、 2015 /16
年以降大きく変化しておらず、2017/18年および2020/21年に微増が見られたが、主にその他の年の生
産高微減によって相殺された。
製造業生産高の産業別総付加価値に占める割合は、1989/90年の14.9%(入手可能な最初の名目デー
タ)から2020/21年の6.0%まで徐々に低下した。この変化は主としてサービス部門の重要性の増大によ
るものであり、ほとんどの西側先進国と一致している。
オーストラリアにおける製造業は、大都市に集中している。これは市場に近接していることおよび労
働力が豊富であるということ以外に、輸送や通信面で潜在的なスケールメリットがあることを反映して
いる。
運輸業
オーストラリアでは、国土面積が広いことおよび国内の各種資源が広範囲に分散しているために、運
輸が経済活動上重要となっている。憲法上、州間および国際間の運輸ならびに特別地域との間および特
別地域内での運輸については連邦議会が規制権限を有している。各州は、憲法および連邦議会が制定す
る法律の範囲内で、各州内における運輸活動を規制できる。
通信業および放送業
45/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
オーストラリアの郵便事業はオーストラリア郵便公社(オーストラリア・ポスト)が、多くの民間宅
配事業者と共同で担当している。過去20年間にわたり、オーストラリアの電気通信業は市場競争に対し
て開かれており、現在は多くの電気通信サービス業者が競争的環境の下で業務を遂行している。
また、ブロードバンド・インターネットサービスは連邦内すべての主要都市において利用可能であ
る。連邦政府は現在、ナショナル・ブロードバンド・ネットワーク(NBN)を構築中であり、これらは、
ファイバー・トゥ・ザ・プレミシス/ベースメント、ファイバー・トゥ・ザ・ノード、固定式ワイアレ
スおよびサテライト通信から構成される「マルチテクノロジー混合型」ネットワークを通じて提供する
ことが期待されている。NBNは目標を修正し、国内の全世帯では最低25メガビット毎秒、また固定式を使
用している世帯の95%ではネットワーク投資計画の実施により、最低50メガビット毎秒のデータ転送
レートを提供するとしている。2021年12月2日の週現在、合計12,043,942世帯/企業が接続する準備が
整っていると公表されている一方、合計8,372,797世帯/企業において、導入されたサービスが稼動して
いる。
政府が出資するオーストラリア放送公社(ABC)は、全国ネットのラジオ、テレビおよびオンライン・
サービスを提供しており、政府所有の特別放送公社(SBS)により多文化および多言語の放送サービスも
提供されている。これらの事業に加えて、オーストラリアには多くの商業ラジオ局および商業テレビ局
がある。
46/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
(3) 通貨および金融制度
通貨制度
オーストラリア連邦の憲法は発券権を連邦に与えている。オーストラリアの銀行券の発行量に関する
法令上の制限は存在せず、需要に応じて発行量は自由に変動させ得る。
オーストラリアの銀行券はRBA当局によって5ドル、10ドル、20ドル、50ドルおよび100ドルの券種で発
行および印刷され、RBAの全支店における発券センターを通じて商業銀行に配布される。
銀行制度
オーストラリアの銀行制度は、中央銀行、商業銀行、住宅金融組合および信用組合で構成されてい
る。一般に、中央銀行であるRBAの義務、権限および業務は諸外国の中央銀行の場合と同様である。すな
わち発券業務の管理、通貨および流動資産の管理業務、連邦政府証券の運用、連邦のための国庫および
金融代理業務ならびに外国為替業務の管理等である。
RBA からの支払に対しては、連邦が法的責任を負っている。
その他の金融機関および資本市場
オーストラリアにおいて、銀行以外の金融機関のうち比較的重要なものは、州および連邦の財務サー
ビス提供者を含めて、金融市場会社、金融会社、証券化業者、保険会社およびファンド・マネージャー
である。これらの金融機関は共に広範囲な金融サービスを提供し、金融制度およびオーストラリア経済
の発展に重要な貢献をしてきた。実際、2020/21年においては金融・保険サービスがオーストラリアの4
番目に大きい産業であり、総付加価値率は8.0%であった。
47/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
(4) 貿易および国際収支
概況
オーストラリアの経済において外国との貿易は重要な役割を果たしている。
2020 /21年までの5年間のオーストラリアの輸出入商品の構成は、次のとおりである。
商品別商品輸出入
(単位:百万豪ドル)
(p)
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年
2020/21年
輸出
食肉 11,060 12,603 14,756 16,911 13,348
穀物 9,345 7,933 6,395 6,036 10,202
織物用繊維 5,131 6,201 6,461 3,559 3,148
(1)
21,313 20,676 20,553 20,416 19,547
その他の農産物
(2)
54,237 60,379 69,596 54,621 39,169
石炭、コークスおよび練炭
金属 95,439 100,099 123,170 144,193 193,745
その他の鉱物燃料、潤滑油および
31,431 42,860 64,302 61,660 42,498
関連原料
(3)
18,979 19,293 18,867 24,394 26,105
非貨幣用金
機械および輸送機器 14,878 14,579 16,395 16,334 14,373
その他の製品 20,520 22,400 25,499 26,238 22,770
(4)
8,546 7,455 6,628 7,815 11,344
その他
商品輸出合計 290,880 314,478 372,622 382,178 396,248
輸入
食品、動物、飲料およびたばこ 17,354 17,889 19,868 21,294 20,340
原料、非食品(燃料を除く) 3,257 3,842 3,499 3,234 3,343
鉱物燃料、潤滑油および関連原料 26,922 34,732 40,118 32,482 25,632
金属製品 12,727 14,747 15,467 15,042 16,682
機械および輸送機器 104,616 124,468 123,095 117,308 131,030
その他の製品 83,699 86,162 93,118 96,006 100,434
その他 15,433 19,319 11,472 13,325 11,301
商品輸入合計 264,008 301,159 306,638 298,691 308,763
商品貿易収支 26,872 13,319 65,984 83,487 87,486
(1) オーストラリア統計局の再分類により、甘蔗原料糖の輸出は、「その他の農産物」の項目ではなく、「その他」の
項目に含まれている。
(2) 石炭輸出データの一部項目は非公開となり、「その他」の項目に含まれている。
(3) 金鉱および金精鉱を除く。
(4) 非公開項目を含む。
(p) 暫定貿易データ
出所:オーストラリア統計局、未発表貿易データ
48/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
2016 /17年から2020/21年までの各会計年度のオーストラリアの貿易の地域分布の構成比は次の表の
とおりである。
地域別商品貿易分布(主要国)
(p)
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年
2020/21年
輸出 % % % % %
中国 32.7 33.6 36.0 39.3 41.9
日本 14.2 15.3 15.6 13.8 11.0
韓国 6.7 6.6 6.7 6.6 6.8
インド 5.2 5.1 4.3 2.8 3.3
アメリカ合衆国 4.1 3.7 3.8 4.6 4.2
ニュージーランド 3.0 2.9 2.7 2.6 2.7
台湾 2.8 2.9 3.3 3.1 2.8
英国 2.5 2.0 2.1 4.1 3.0
カナダ 0.6 0.5 0.6 0.5 0.5
(1)
14.9 14.7 13.5 12.5 13.2
その他のアジア諸国
(2)
4.6 4.3 4.1 3.8 3.9
その他の欧州諸国
その他の諸国 8.8 8.3 7.2 6.2 6.7
輸出合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
輸入 % % % % %
中国 23.1 22.5 25.4 27.1 28.2
アメリカ合衆国 11.2 9.9 10.7 12.2 11.0
日本 7.8 7.3 7.2 6.4 6.3
韓国 4.2 7.2 4.0 3.5 3.4
ニュージーランド 2.9 2.6 2.6 2.5 2.2
英国 2.5 2.4 2.4 2.3 2.4
インド 1.7 1.8 1.6 1.6 2.1
台湾 1.6 1.4 1.7 1.7 1.6
カナダ 0.8 0.7 0.8 0.9 0.7
(1)
17.2 16.5 17.4 16.6 17.3
その他のアジア諸国
(2)
17.1 16.6 17.0 16.9 17.4
その他の欧州諸国
その他の諸国 9.9 11.0 9.3 8.3 7.4
輸入合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
49/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
(1) オーストラリア統計局に定義される東南アジア、北東アジアおよび南・中央アジア(日本、韓国、インド、台湾
および中国を除く。)を含む。
(2) オーストラリア統計局に定義される北西ヨーロッパおよび南・東ヨーロッパ(英国を除く。)を含む。
(p) 暫定貿易データ
出所:オーストラリア統計局、未発表貿易データ
対日貿易
2009 /10年に中国が日本を上回るまで、オーストラリアにとって日本は最大の商品輸出市場であっ
た。次の表は、オーストラリアと日本との2020/21年までの5年間の商品貿易の構成を示したものであ
る。
オーストラリアの対日商品貿易
(単位:百万豪ドル)
(p)
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年
2020/21年
輸出
食肉 2,294 2,511 2,712 2,895 2,320
穀物 677 720 715 623 703
織物用繊維 42 47 53 28 14
(1)
1,743 1,969 2,215 2,044 1,402
その他の農産物
(2)
15,174 17,101 19,287 14,431 11,735
石炭、コークスおよび練炭
金属 8,263 8,972 9,475 10,786 10,675
その他の鉱物燃料、潤滑油および
637 711 512 177 122
関連原料
(3)
22 0 0 124 2
非貨幣用金
機械および輸送機器 233 275 345 285 230
その他の製品 733 828 880 857 822
(4)
11,546 14,895 21,949 20,535 15,546
その他
商品輸出合計 41,364 48,030 58,143 52,784 43,570
輸入
食品、動物、飲料および
146 168 197 215 261
たばこ
原料、非食品(燃料を除く) 32 42 43 45 43
鉱物燃料、潤滑油および関連原料 2,523 3,029 3,998 3,121 603
金属製品 388 481 364 389 290
機械および輸送機器 12,707 13,869 13,900 12,207 15,747
その他の製品 2,048 2,137 2,334 2,347 2,267
その他 2,815 2,289 1,209 776 92
商品輸入合計 20,659 22,014 22,043 19,100 19,303
(1) オーストラリア統計局の再分類により、甘蔗原料糖の輸出は、「その他の農産物」の項目ではなく、「その他」
の項目に含まれている。
(2) 石炭輸出データの一部項目は非公開となり、「その他」の項目に含まれている。
50/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
(3) 金鉱および金精鉱を除く。
(4) 非公開項目を含む。
(p) 暫定貿易データ
出所:オーストラリア統計局、未発表貿易データ
国際収支
次の表は、2020/21年までの5年間におけるオーストラリアの国際収支の詳細を示している。
(1)
国際収支-経常取引
(単位:百万豪ドル)
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年 2020/21年
商品
輸出 291,406 315,342 373,509 383,053 396,749
輸入 (277,822) (302,677) (320,008) (310,797) (320,110)
商品貿易収支 13,584 12,665 53,501 72,256 76,639
サービス
受取 82,014 87,705 96,889 92,035 62,627
支払 (86,610) (93,787) (101,843) (86,479) (48,519)
サービス(純額) (4,596) (6,082) (4,954) 5,556 14,108
商品・サービス収支 8,988 6,583 48,547 77,812 90,747
収益
受取 55,001 59,585 70,697 68,716 66,024
支払 (102,741) (117,252) (132,983) (109,216) (83,973)
収益(純額) (47,741) (57,667) (62,285) (40,501) (17,949)
移転
受取 9,737 10,050 10,691 10,454 9,557
支払 (11,108) (10,835) (11,461) (11,776) (12,622)
移転(純額) (1,371) (785) (770) (1,322) (3,065)
経常収支 (40,125) (51,867) (14,509) 35,990 69,734
(1) 商品貿易収支は、集計時期、算定方法の不適合および機密性の問題により輸出データとは異なるものであ
る。四捨五入により、データの合計は合致しない場合がある。
出所:オーストラリア統計局、国際収支および国際投資ポジション
国際収支-金融取引
(単位:百万豪ドル)
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年 2020/21年
直接投資 63,563 63,780 65,167 29,651 9,075
ポートフォリオ投資 18,472 18,466 (89,221) (12,620) (64,361)
デリバティブ投資 (1,165) (15,151) (9,692) (8,141) (14,309)
51/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
その他の投資 (25,334) (19,318) 42,506 (63,438) 15,464
準備資産 (19,631) 8,952 3,785 18,523 (3,423)
金融収支 35,907 56,728 12,544 (36,026) (57,555)
出所:オーストラリア統計局、国際収支および国際投資ポジション
外貨準備
2020 /21年までの5年間におけるオーストラリアの公的外貨準備は、国際通貨基金の外貨準備持高を含
めると次のとおりである。
(1)
公的外貨準備
(6月30日現在)
(単位:百万豪ドル)
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年 2020/21年
金および外貨 97,625 92,990 86,158 66,939 64,792
豪ドル建証券合計 101,154 104,323 97,381 207,533 443,979
ローンおよび貸付金 2 2 1 1 1
決済項目 296 511 477 482 467
その他資産 1,249 1,362 1,394 1,416 1,440
資産合計 200,326 199,188 185,411 276,371 510,679
(1) 豪ドルへの換算は表示された日における外国為替市場レートに基づいている。ただし、金はロンドン金市場
の当該月の平均価格で評価され、その月の末日の為替レートで豪ドルに換算されている。
出所:RBA
豪ドルの為替レート
2020 /21年において1豪ドルは前年の0.6714米ドルから平均 0.7470 米ドル と11.2%上昇した。同様に、
2020/21年中、日本円に対し1豪ドルは上昇し、平均 79.56 円と前年比で9.6%上昇した。
1 豪ドルは2011年7月下旬に1.11米ドルを超える最高値となり、その後2年間の大半にわたり、等価に近
い水準で推移した。ただし、その後豪ドルは広く弱含みとなった。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2020年3月に1豪ドルは当初0.60米ドルを大きく下回る水準
まで急速に減価した。しかしながら、他の多くの先進国に比べてオーストラリア経済の見通しが改善し
ているため、またブラジルからの供給が制限される中で鉄鉱石の価格が高騰したため、その後為替相場
は改善した。
1 豪ドルは2021年2月に0.7970米ドルに達したが、昨今の物価の下落(特に鉄鉱石)、新型コロナウイ
ルス感染症のオミクロン株の出現および連邦準備銀行がRBAより先に金利を引き上げ始める可能性が出て
きたことによって、その後の2021年中に豪ドルの下落傾向が見られ、12月中旬までに0.71米ドルあたり
にまでなった。
豪ドルの下落は、国境が再び開かれたことと相まって、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに
より大きな影響を受けた大規模な観光産業および教育産業を含むオーストラリアの輸出を下支えする要
因になり続けるだろう。
為替レート(日次)
52/53
EDINET提出書類
クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
(出所:リフィニティブ)
53/53