アルゼンチン共和国 有価証券報告書
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和3年1月6日
【会計年度】 自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日
【発行者の名称】 アルゼンチン共和国
(The Republic of Argentina)
【代表者の役職氏名】 経済省金融局長
Rafael Ignacio Brigo
【事務連絡者氏名】 弁 護 士 黒 丸 博 善
【住所】 東京都港区六本木六丁目10番1号
六本木ヒルズ森タワー23階
TMI総合法律事務所
【電話番号】 (03)6438-5511
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
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有価証券報告書
本報告書の注記
注(1) 定義および一定の語法
定 義
本有価証券報告書(「本報告書」)中、「アルゼンチン」または「共和国」という場合はすべてアルゼンチン共和
国をさし、「政府」という場合はすべて、アルゼンチン中央銀行(「中央銀行」)、アルゼンチン国立銀行(Banco
de la Nación Argentina)および海外投資貿易銀行(Banco de Inversión y Comercio Exterior、または「BICE」)
を除いたアルゼンチン連邦政府の非金融部門をさすものとする。
以下に記載の 用語 は、本報告書中以下の意味を有する。
● 「2005年債務交換」とは、2001年末以来債務不履行となっていた公的債務の、2005年1月から5月に政府に
よってなされた再編および交換をいう。
● 「2010年債務交換」とは、2001年末以来債務不履行となっていた公的債務の、2010年4月から12月に政府に
よってなされた再編および交換をいう。
● 「BADLAR金利」とは、アルゼンチンの金融機関における名目年金利の調査に基づき中央銀行が公表する100
万ペソを超える30日から35日のペソ建定期預金の平均金利をいう。
● 「消費者物価指数」または「CPI」とは、加重調整された消費財およびサービスのバスケットに基づき計算
された指数をいい、本報告書は以下のCPIに言及している。
〇 「CPI Nu」(全国都市部CPI(Indice de Precios al Consumidor Nacional Urbano)): INDEC(国
家統計センサス局)は2014年2月に、ブエノスアイレス市およびその近郊のインフレ率のみを測定して
いた従前の指数に代えて、全国の財の平均価値に基づく全国都市部消費者物価指数データの公表を開始
した。
〇 ブエノスアイレス市CPI: ブエノスアイレス市の居住家計の消費パターンを反映して加重調整された
消費財およびサービスのバスケットに基づき、ブエノスアイレス市が公表するCPIの数値。
〇 サン・ ルイス州 CPI : サン・ルイス州の居住家計の消費パターンを反映して加重調整された消費財お
よびサービスのバスケットに基づき、サン・ルイス州が公表するCPIの数値。
〇 大ブエノスアイレス圏(「GBA」)CPI: 大ブエノスアイレス圏で実施される調査に基づきINDECが
2016年 6月 に公表を開始したGBA CPIデータによるCPIの数値。
〇 全国CPI: INDEC および39の都市部に置かれたいくつかの州統計局(共和国の各州をカバーする。)に
より実施される調査に基づき、INDECが2017年7月に公表を開始した全国CPIデータによるCPIの数値。
調査 結果 は、州単位ではなく、全国規模ならびに大エノスアイレス圏(2016年6月にCPIの公表を再開
済み。)、クージョ地域、北東地域、北西地域、中部(パンパ)地域および南部(パタゴニア)地域の
6の統計地域単位で報告される。
● ある特定の日現在において、「不履行債務」とは、アルゼンチンが当該日現在支払いを怠っている元本また
は利息に係るアルゼンチン公的債務に、約定利率で計算される元利金の支払遅延金の全額を足し合わせたも
のをいう。
● 「国内総生産」または「GDP」とは、関係する期間中にアルゼンチンで生産された最終生産物およびサービ
スの価値合計をいう。
● 「支払非継続債務」(non-performing debt)とは、2001年12月に政府により宣言されたモラトリアムの正
式な対象とされたアルゼンチンの公的債務(未交換債務を除く。)をいう。アルゼンチンの支払非継続債務
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は、ある特定の日現在にアルゼンチンが債務不履行(デフォルト)に陥っているすべての公的債務を包含
し、約定利率で計算される元利金の支払遅延金の全額を含む。支払非継続債務には以下も含む。
(ⅰ)正式に債務支払停止の対象となっているにもかかわらず、政府が、(きわめて高度な必要性がある場
合(例えば75歳以上の高齢市民向けなど)や必需サービスの提供が脅かされる場合など)状況に応じ
て支払を継続してきた一定の債務。
(ⅱ)一部の企業による租税債務の前納により生じた一定の債務。こうした租税の前納に伴い、前納額につ
いてアルゼンチンに対する請求権が生じた。政府は、かかる請求権をアルゼンチンの追加公的債務で
あると考えており、また政府勘定においてそのように取り扱っている。ただし、かかる請求権は、前
納された租税債務の実際の納付期が到来すると同時に租税債務と相殺され、消滅する。そのため、正
式に支払停止の対象となっていても、かかる請求権に関する政府の債務は不履行に陥らない。
● 「本和解案」とは、アルゼンチン議会の承認を第1条件、および債権同順位条項に基づく差止命令の解除を
第2条件とする、米国その他の国で裁判の対象となっている債権を含む(時効完成前の)未交換債務にかか
るすべての請求を和解で処理するための提案をいい、2016年2月5日に財務・財政省のウェブページ上に公
開された。本和解案では、和解に向けた2つの枠組みが設けられた。「パリパス・オプション(pari passu
option)」は、米国裁判所から債権同順位条項に基づく差止命令を取得した原告向けのオプションであり、
その支払額は判決額または未払債権額の全額に所定の割引を適用した金額とされた。「標準オプション
(standard option)」は、債権同順位条項に基づく差止命令の取得の有無を問わず未交換債務の全保有者
を対象とし、その支払額は対象債券の元本残高の100%にその利息として当初元本の最大50%を加算した額
とされた。未交換債務のすべての適格保有者は、公表された手続に従い標準オプションの条件に同意するこ
とができ、支払われるべき額が定まりかつ共和国がその合意書に副署する時に、上記の条件に従い共和国を
相手方とする拘束力ある基本合意の当事者となる。本和解案は、時効完成済みの元利金にかかる債権は対象
としていない。
● 「未交換債務」とは、2016年までに本報告書に記載されたデータに関し、2005年債務交換および2010年債務
交換において交換対象であったが交換されなかった証券に関する不履行債務のうち、2016年2月5日以降も
和解に至っていないものをいう。本報告書における未交換債務への言及は、当該請求権の行使に関してアル
ゼンチンが利用可能な防御の権利の放棄を構成せず、また、それを構成すると解釈されるべきではない。本
注記中の「-防御権の留保」を参照のこと。共和国は、時効完成済みの元利金に係る債権に対して支払いを
しておらず、また本和解案は時効完成済みの元利金に係る債権を対象としていない。本報告書に記載する未
交換債務は、本報告書において、未払い元本に約定金利で計算される2018年12月31日までの経過未払い利息
を足し合わせ、かつ制裁金または延滞利息を含むものと定義する。債務再編に応じなかった和解拒絶(ホー
ルドアウト)債権者との間の未解決の紛争を本和解案に従い和解で処理するにあたり、共和国は、不履行に
陥った各発行回の債券につき当初意図されていた償還期後の経過利息(時効完成済みの利息を除く。)およ
び延滞利息を考慮に入れた。未交換債務にかかる債権を和解で処理するための共和国の本和解案に関する情
報は、「第3-(7) その他-① 訴訟手続」を参照のこと。
本報告書中、様々な公的 債務 証書を示す以下の用語は、以下に記載の意味を有する。
● 「Baade債」: 「経済開発のためのアルゼンチン貯蓄債券」および「経済開発のための貯蓄約束手形」。
ともに米ドル建てで、インフラや炭化水素などの戦略的部門を対象とした公共投資プロジェクトの資金とし
て共和国が発行する。
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● 「Birads債」: GDP連動証券の買戻しの資金として共和国が発行する米ドル建債。
● 「Biraes債」、「Birafs債」、「Bogatos債」、「Bonacs債」、「Bonads債」、「Boncers債」、「Bontes
債」および「Botapos債」: 一般目的のために共和国が発行する債券。ユーロ建のBiraes債、スイスフラ
ン建のBirafs債、米ドル建ペソ決済(米ドル連動)型のBonads債を除き、あとの債券はすべてペソ建であ
る。
● 「Bocones債」: 年金受給者および供給者に対する債務を再編し、また軍事独裁政権下の被害者の家族に
対する賠償金を支払うために、共和国が発行する債券。
● 「Bogar債」: 州の債務を再編するために州開発基金が発行する債券。この債券は政府により保証され、
一定の州税歳入に対する質権により担保されている。
● 「Bonares債」: 政府の一般目的およびCER指数連動債券との交換のために共和国が発行する債券。
● 「Bonarデュアル債」: 政府の一般目的のために共和国が発行する米ドル建ペソ決済型の債券。共和国
は、(ⅰ)米ドル建の元本残高を発行日現在の適用為替レートでペソ換算した額と、資産計上経過利息を発
行日に決定されるレートでペソ換算した額の合算額、および(ⅱ)米ドル建の元本残高と米ドル建の資産計
上経過利息の合算額を満期日現在の適用為替レートでペソ換算した額のいずれをも上回る金額を償還しなけ
ればならない。
● 「Lebacs債」: 主にペソ建で中央銀行が発行する債券。
● 「Lecaps債」: 財務省が発行するペソ建債券。
● 「Lecer債」: 財務省が発行するペソ建のインフレ調整債。
● 「Lelink債」: 財務省が発行する、米ドルにペグされたペソ建債券。
● 「Leliqs債」: ペソ建7日満期で中央銀行が発行する流動性債券。Leliqs債は日時ベースで供給され、銀
行事業者による自己ポートフォリオとしての購入のみが認められている。
● 「Letes債」: 政府の一般目的のために共和国が発行する米ドル建国債。
● 「国家保証ローン」: 2001年に行われた自発的な債券募集の一部をかつて構成した既発債との交換で共和
国が保証を付した、租税担保付きのローン。国家保証ローンの貸主は、返済不履行を条件に原債券から回収
する権利を留保する。
● 「Nobacs債」: ペソ建で中央銀行が発行する中期債券。
● 「2017年 グローバル 債券」: 2010年債務交換に基づき国際資本市場において発行された米ドル建グローバ
ル債券。
● 「2035年GDP連動証券」: 2005年債務交換および2010年債務交換に基づき、国際資本市場においてドル
建、ユーロ建、日本円建およびペソ建で発行された長期の政府国債。
● 「2045年準元本維持債」: 2005年債務交換に基づき、国際資本市場においてペソ建で発行された長期の政
府国債。
防御権の留保
本 報告 書またはいかなる共和国による連絡も、ある債権が存在しもしくは当該債権に関する共和国の弁済義務が存
在することの自認もしくは承諾、当該債権について任意の法域で手続を開始する適格性もしくは当該債権にかかる時
効の放棄もしくは不援用の自認、または当該債権(またはその一部)の弁済に関する明示もしくは黙示の約束を構成
するものではない。債権の存否にかかわらず、共和国はその単独裁量で、正当な権限を有する共和国の官吏からその
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旨の書面通知を受けた場合に限り、共和国の本和解案またはその他のあらゆる目的において、債権に対してその価値
を認めることができる。適用ある出訴期限法その他の利用可能なすべての防御権は、あらゆる目的において確保され
る。 ある債権が存在しまたは当該債権の弁済に関して共和国の意思、能力もしくは義務が存在することを内容とする
共和国の契約において、本 報告 書はその証拠とならない可能性がある。共和国の本和解案またはその他のあらゆる目
的において債権に価値を帰することは、当該債権が存在しまたは有効であることの自認とはみなされない。また、当
該債権を主張する者に対して共和国が本人または代理人により交付した対価は、当該債権にかかる訴訟もしくは手続
を終了させ、当該債権に関する権利(もしあれば)のすべてを共和国に確定的に譲渡および帰属させ、かつ(当該債
権が存在する場合に)当該債権の存続または共和国の責任にかかる主張立証の可能性を債権の主張者およびその承継
人または譲受人(共和国を除く。)から確実に奪うために必要なすべての形式および要件の具備を保証することを内
容とする契約の対価とみなされるにとどまる。
為替レート
共和国は、経済指標その他の統計の大半をペソ建で公表している。2016年1月から2018年12月までの期間中、ペソ
は中央銀行の限定的な介入のもとで自由に変動した。2018年12月31日の為替レートは、1.00米ドル当たり37.81ペソ
であった。2018年中、ペソの対米ドル価値は50.9%下落した。
以下の表は、記載される期間の、中央銀行が発表したペソ/米ドル(インフレ未調整)の年間最高、最低、平均お
よび期末為替レートを示す。ペソが将来において下落または上昇しないという保証はない。ニューヨーク連邦準備銀
行は、ペソの正午買い相場を発表しない。
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為替レート (1)
平均 (2)
最高 最低 期末
12 月31日終了年度
2012 年 4.917 4.305 4.552 4.917
2013 年 6.518 4.923 5.479 6.518
2014 年 8.556 6.543 8.119 8.552
2015 年 13.763 8.554 9.269 13.005
2016 年 16.039 13.069 14.779 15.850
2017 年 18.830 15.174 16.567 18.774
2018 年 40.8967 18.4158 28.0937 37.8083
2019 年
1月 37. 93 37. 04 37. 41 37.04
2月 40. 04 37. 1967 38.4086 38.9983
3月 43.6983 39.4450 41.3624 43.3533
4月 45.6333 41.5617 43.2338 44.0100
5月 45.5667 44.4233 44.9332 44.8700
6月 44.9800 42.3050 43.7894 42.4483
7月 43.8817 41.6583 42.5434 43.8692
8月 59.0750 44.3233 52.7271 59.0750
9月 57.5583 55.7833 56.5014 57.5583
10 月 60.0033 57.6967 58.5308 59.7267
11 月(11月13日まで) 59.7617 59.5442 59.6975 59.7442
(1) 中央銀行の参考為替レート(中央銀行コミュニケA3500)
(2) 終値の平均
出所:中央銀行
ペソの米ドルへの換算を含む通貨換算は、もっぱら読者の便宜のために掲載するものであり、当該金額が特定の
レートまたは何らかのレートにより特定の通貨に交換された、交換されるはずだったまたは交換されうる旨の表明で
あるように解釈されてはならない。
注(2) 統計およびその他の情報の表示
本 報告 書において表示されるすべての年度情報は、別途記載がない限り、1月1日から12月31日の期間に基づいて
いる。
本 報告 書中、表中の個々の数字が四捨五入されている場合、合計は数字の総和と必ずしも一致しない。
別途記載がない限り、価格および数値は、表示通貨の現在の価額で記載されており、本 報告 書において、「ペソ」
とはアルゼンチンペソをいい、「ドル」および「米ドル」はアメリカ合衆国の通貨をいい、「ユーロ」は欧州連合の
通貨のことをいい、「CHF」はスイスフランをいい、「日本円」または「円」は日本円をいう。
本 報告 書において共和国またはそのいずれかの省庁または機関の公表から得られたと認識される情報は、共和国の
権限で策定された正式な公的文書として記載される。本 報告 書に記載する一部の統計情報は暫定的なものであり、変
更、完成または修正の対象となる可能性がある。
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INDEC
本 報告 書において公表される統計情報は、公式刊行物ならびにINDEC(国家統計センサス局)およびブエノスアイ
レス市統計・国勢調査総局(Dirección General de Estadística y Censos de la Ciudad de Buenos Aires)を含む
数多くの機関から提供される情報を典拠としている。
2007 年から2015年まで、全国的な公式統計を発表する権限を有するアルゼンチンで唯一の機関であるINDECは、組
織および手法の改革を行い、このことはINDECが提供する情報(CPI、GDP、失業および貧困に関するデータを含
む。)の信頼性に関して論争を引き起こした。国際通貨基金(「IMF」)は、アルゼンチンが、国際通貨基金協定が
定めた、CPIおよびGDPデータを含む公式データの質に関する改善策の適用を十分に進めていないとして非難した。
2016 年1月、政府はINDECの構成の再編に着手した。2016年6月26日、INDECは大ブエノスアイレス圏(GBA)CPIの
公表を開始した。
2016 年6月、INDECはINDEC報告書を出して2004年の国民総生産(GDP)の計算値を修正した。かかるGDPの修正計算
が、2004年以後の各年についてアルゼンチンの実質GDPの計算基準となっている。それ以外の調整で特筆すべきは、
2004年のGDP計算において、INDECが当該年につき、結果として上方修整をもたらすGDPの構成変更を行った点であ
る。修正後の2004年GDPに基づくその後の年の実質GDPの計算において、INDECは修正されたインフレ計算手法に沿っ
たデフレーターを使用した。
2016 年11月、IMF理事会は、アルゼンチンに対する非難決議を撤回した。
2017 年7月11日、政府は、 個人消費を目的別に分類し12の要素に細分化された 全国消費者物価指数(「全国
CPI」)の公表を開始した 。全国CPIの導入により、アルゼンチンの統計実務は、経済協力開発機構(「OECD」)のガ
イドラインならびに国連、世界銀行、IMF、ラテンアメリカ・カリブ経済委員会および米州開発銀行(「IADB」)を
含む国際機関の統計部署で採用されている手法に準じたものとなった。
INDEC は、関連する2016年の報告書で再表示された情報を除き、2016年より前の全期間につき、欠測期間日にわた
る信頼性あるデータを欠くことを理由として、当該期間の貧困に関する過年度統計情報の再構成を完成させていな
い。
国家公共会計
歴史的に、中央銀行およびサステナビリティ保証基金(Fondo de Garantía de Sustentabilidad)(「FGS」)から
政府への移転は、経常歳入として「その他非課税歳入」項目に計上されてきた。2016年以降、(プロフォルマベース
では2015年より)、政府は中央銀行およびFGSから得た利益を、基礎的財政収支の計算に関与しない財務収益に分類し
ている。「第3-(5) 財政-① 財政制度および租税制度の概要-概要」を参照のこと。
一定の手法
CER およびCVS: 本 報告 書に含まれる一部のデータは、安定化指数(Coeficiente de Estabilización de
Referencia、「CER」)および給与変動指数(Coeficiente de Variación Salarial、「CVS」)に基づいてインフレ
調整済みである。CERは計算上の単位値であり、そのペソ建て値は、CPI(用いるべき指標として政府が指定したも
の)に関連付けられる。CERに基づく金融商品の名目価額はCER調整後価額に換算され、金融商品の利息はCER調整後
残高に基づいて計算される。CVSは計算上の単位値であり、そのペソ建て値は公共部門および民間部門の賃金指標の
変動に基づいて決定される。CVSに基づく金融商品の名目価額はCVS調整後価額に換算され、金融商品の利息はCVS調
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整後残高に基づいて計算される。CERおよびCVSに関連付けられている共和国債券への調整および支払いは、これら指
標の再表示または改定による影響を受けない。
輸 出: 輸出は(ⅰ)貿易の目的では、財貨がFOB条件でアルゼンチンを出国した時点でアルゼンチン税関総局
(Dirección General de Aduanas)からINDECに報告される統計に基づき、および(ⅱ)国際収支の目的では、本船渡
し条件(「FOB条件))のもとで収集された統計に基づき、算出される。
輸 入: 輸入は(ⅰ)貿易の目的では、財貨が運賃保険料込条件(「CIF条件」)でアルゼンチンに入国次第、ア
ルゼンチンの税関からINDECに報告される統計に基づき、および(ⅱ)国際収支の目的では、出荷地においてFOB条件の
もとで収集された統計に基づき、算出される。
インフレーション: インフレ率は、経済における財貨およびサービス価格の変動率を総合的に測る尺度を提供す
る。インフレ率は一般に、別途指定する場合を除き、2つの期間のCPIの変動率として測定される。特定日現在のCPI
の変動年率は、当該日現在の指標と12か月前同日現在の指標とを比較して計算される。アルゼンチンのCPIはINDECに
より算出される。「-INDEC」を参照のこと。
不完全雇用率: 不完全雇用率とは、測定日の前週においてき労働時間が35時間未満でさらに労働を望むアルゼン
チンの労働人口の割合を示す。
失業率: 失業率とは、測定日の前週において少なくとも、報酬を得て1時間以上または、報酬を得ないで15時間
以上の労働をしていないアルゼンチンの労働人口の割合を示す。労働人口とは、アルゼンチン全土の主要都市におい
て、測定日の前週において少なくとも、報酬を得て1時間以上または、報酬を得ないで15時間以上の労働をした人口
および失業しているが積極的に仕事を探している人口の合計を指す。
国際収支: 2017年以降、国際収支統計は国際通貨基金(「IMF」)の国際収支および対外資産負債残高マニュア
ル第6版の分類基準に準拠した新しいの報告手法に基づき作成されている。「第3-(3) 貿易及び国際収支-① 概
要」を参照のこと。
注(3) データの公表
アルゼンチンは、利用加盟国の情報の適時性と質を改善するために考案されたIMFの特別データ公表基準
(「SDDS」)の利用国である。SDDSは利用加盟国に、事前に、データが発表される日付、いわゆる「アドバンス・リ
リース・カレンダー」を示すスケジュールを提供することを要求している。アルゼンチンに対し、SDDSに基づくデー
タ発表の正確な日付または「締切り日」は、事前にインターネット上で、IMFの公表基準掲示板のもとに発表され
る、アドバンス・リリース・カレンダーを通して公表される。統計の編集の透明性を高めるための全てのメタデータ
の方法論の要約もまたインターネット上で、IMFの公表基準掲示板のもとに提供される。インターネットのウェブサ
イトはhttp://dsbb.imf.orgに表示される。共和国、政府または共和国もしくは政府に代わって活動するいかなる
機関も、本 報告 書に関して、ウェブサイト上に含まれる情報に対しいかなる責任も認めず、その内容は参照により本
報告 書に組込まれることを意図しない。
注(4) 将来の見通しに関する記述
本 報告 書には、将来の見通しの記述が含まれている。将来の見通しの記述は、歴史的な事実ではなく、共和国の意
見および予測についての記述を含むものである。この記述は、共和国の現状の計画、見積りおよび予測に基づいてい
る。したがって、こうした記述に過度の信頼を置くべきではない。将来の見通しの記述は、その記述が作成された日
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現在のみを物語っている。共和国は、そのいずれも新たな情報または将来の出来事に照らして更新する義務を負って
いない。
将来の見通しの記述には、固有のリスクおよび不確実性を内包する。多くの重要な要因により、実際の結果が将来
の見通しに含まれるそれとは大幅に異なるものとなる可能性がある。本 報告 書に含まれる情報は、そうした違いをも
たらし得る重要な要因を特定する。かかる要因には以下のものを含むが、それに限られない。
● 不利な国内要因。例えば、
○ インフレ上昇
○ 国内における金利上昇
○ 為替レートの不安定性
以上のいずれも経済成長の低下、またはアルゼンチンの外貨準備高の減少に繋がる可能性がある。
● 不利な外部的要因。例えば、
○ 外国投資の減少。アルゼンチン経済から経済成長に必要な資本を奪うこととなる可能性がある。
○ 国際価格の変動(商品価格を含む)および国際的な高金利。いずれもアルゼンチンの経常収支の赤字と
歳出を増大させる可能性がある。
○ アルゼンチンの貿易相手国の景気後退および低経済成長。アルゼンチンからの輸出を減少させ、アルゼ
ンチンの国際競争力を低下させ、アルゼンチン経済の収縮を引起し、間接的に租税歳入およびその他の
公的部門歳入を低下させ国家財政に悪影響を及ぼす可能性がある。
● その他の不利な要因。例えば、
○ 気候事象。
○ 国際的および国内の敵対行為および政治的不透明性。
● 目下進行中の複数の法域における訴訟および仲裁手続における、アルゼンチンに対して不利な判決および裁
定。
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第1【募集(売出)債券の状況】
2005 年 2010 年
2018 年 上場証券
債務交換 債務交換
12 月31日 取引所名
(包括式)
券面 償還額
(包括式)
債 券 の 名 称
発行年月 現在残余 又は
(1)
総額
における
における
未償還額 登録証券業
交換元本額 交換元本額
協会名
(2) (3)
第4回
334
アルゼンチン
50,000 46,145 2,760
0 円
百万円
1996 年12月 -
百万円 百万円 百万円
共和国
( *)
円貨債券(1996)
第5回
90
アルゼンチン
20,000 19,500 410
0 円 百万円
1999 年12月 -
百万円 百万円 百万円
共和国
( ** )
円貨債券(1999)
第6回
519
アルゼンチン
60,000 56,337 2,934
0 円 百万円
2000 年6月 -
百万円 百万円 百万円
共和国
( *** )
円貨債券(2000)
第7回
885
アルゼンチン
61,500 58,815 1,780
0 円
百万円
2000 年6月 -
百万円 百万円 百万円
共和国
( **** )
円貨債券(2000)
(1) 債務不履行による支払期日到来元利金額を含む。
(2) 2005年債務交換の結果、4つの円貨債券の未償還元本の全額(当時)のうち94.41%に相当する額が2005年交換債券(2005年6月
2日発行)に交換された。「第3 発行者の概況-(6) 公債-① 概要-(b) 債務記録-2010年債務交換」を参照のこと。
(3) 2010年債務交換の結果、4つの円貨債券の未償還元本の全額(当時)のうち73.81%に相当する額が2010年交換債券に交換され
た。「第3 発行者の概況-(6) 公債-① 概要-(b) 債務記録-2010年債務交換」を参照のこと。
(*) 2019年2月22日、共和国は、第4回アルゼンチン共和国円貨債券(1996)に関する債権者集会を開催した。この集会において債
権者は、当該シリーズ債券保有者の全員を拘束する2016年2月の本和解案の標準オプションを内容とする決議を、必要多数をもって
承認した(「第3 発行者の概況-(7) その他-② 最近の動向-訴訟手続-日本における訴訟」を参照のこと。)。共和国は、2019
年5月20日に和解金額の支払を完了した。この支払をもって、当該共和国円貨債券(1996)に係る共和国の残債は全額消滅した。
(**) 2019年2月22日、共和国は、第5回アルゼンチン共和国円貨債券(1999)に関する債権者集会を開催した。この集会において債
権者は、当該シリーズ債券保有者の全員を拘束する2016年2月の本和解案の標準オプションを内容とする決議を、必要多数をもって
承認した(「第3 発行者の概況-(7) その他-② 最近の動向-訴訟手続-日本における訴訟」を参照のこと。)。共和国は、2019
年5月20日に和解金額の支払を完了した。この支払をもって、当該共和国円貨債券(1999)に係る共和国の残債は全額消滅した。
(***) 2019 年2月22日、共和国は、第6回アルゼンチン共和国円貨債券(2000)に関する債権者集会を開催した。この集会において債
権者は、当該シリーズ債券保有者の全員を拘束する2016年2月の本和解案の標準オプションを内容とする決議を、必要多数をもって
承認した(「第3 発行者の概況-(7) その他-② 最近の動向-訴訟-日本における訴訟」を参照のこと。)。共和国は、2019年5
月20日に和解金額の支払を完了した。この支払をもって、当該共和国円貨債券(2000)に係る共和国の残債は全額消滅した。
(****)2019 年2月22日、共和項は、第7回アルゼンチン共和国円貨債券(2000)に関する債権者集会を開催した。この集会において債
権者は、当該シリーズ債券保有者の全員を拘束する2016年2月の本和解案の標準オプションを内容とする決議を、必要多数をもって
承認した(「第3 発行者の概況-(7) その他-② 最近の動向-訴訟-日本における訴訟」を参照のこと。)。共和国は、2019年5
月20日に和解金額の支払を完了した。この支払をもって、当該共和国円貨債券(2000)に係る共和国の残債は全額消滅した。
2010 年
2018 年 上場証券
債務交換
12 月31日 取引所名
券面総額
債券の名称 発行年月 償還額 (包括式) 現在残余 又は
(4)
未償還額 登録証券業
における
(4)
協会名
交換元本額
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アルゼンチン共和国(E06011)
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第8回
アルゼンチン
共和国
21,037,843,000 245,488,000 18,118,526,000
0 円
2005 年6月 -
円 円 円
円貨債券
( 元本維持債)
(2005)
第9回
アルゼンチン
共和国
5,840,497,000 167,908,000 8,221,549,000
0 円
2005 年6月 -
円 円 円
円貨債券
( 元本削減債)
(2005)
(4) 金額は当該債券の当初名目金額である。
2005 年債務交換で円貨債券およびユーロ円債との交換で発行されたユーロ建とアルゼンチン・ペソ建の元本維持債
および元本削減債、ならびにペソ建の準元本維持債はすべて、 2010 年債務交換の交換対象となった。 2010 年債務交換
では対象債券が追加され、2010年債務交換債のうち円貨債券およびユーロ円債との交換で発行された金額を特定する
ことができなくなった。そのため、これらの債券についての情報はここに開示されていない。
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第2【外国為替相場の推移】
(1) 【最近5年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
記載を省略(アルゼンチンペソと日本円との為替相場は、日本国内において発表されていない。アルゼンチンペソ
の米ドルとの為替相場については、上記「本報告書の注記-注記(1) 定義および一定の語法-為替レート」ならびに
下記「第3 発行者の概況-(3) 貿易及び国際収支-② 対外貿易と国際収支の最近の動向-(e) 外貨準備高および外
国為替」を参照のこと。)
(2) 【当会計年度(又は事業年度)中最近6月間の月別為替相場の推移】
記載を省略
(3) 【最近日の為替相場】
記載を省略
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第3【発行者の概況】
1【発行者が国である場合】
(1) 【概 要】
① 位置、地域、地形、人口等
アルゼンチン共和国は23の州とブエノスアイレス市から成り立っている。南米の南東地域に位置し、領土の点では
ラテンアメリカにおいて2番目、世界では8番目に大きい国である。南極地域において領土権を主張する地域(約97
万平方キロメートル)および、近年認識されたアルゼンチンの南大西洋における主権の伸張を除く一定の南大西洋諸
島(約5,000平方キロメートル)を含め、約380万平方キロメートル(150万平方マイル)の領土を有する。「-② 政
治および外交-(b) 外交および国際機関-マルビナスの主権問題」および同「-② 政治および外交-(b) 外交およ
び国際機関-大陸棚問題」を参照のこと。
最も人口密度の高い居住地域と主要な農業生産地域はアルゼンチンの中央部を横切る広大な温暖帯に位置してい
る。国勢調査が行われた直近の年である2010年のアルゼンチンの人口は約4,010万人であった。2018年現在、INDECは
人口を合計4,450万人と推計している。2010年現在アルゼンチンの人口のうち約91.0%が都市部に居住し、その人口
の約46.2%(約1,850万人)が大ブエノスアイレス圏と言われるブエノスアイレス市およびブエノスアイレス市周辺
の極度に人口密度の高い都市部の居住者であった。2001年から2018年までの期間に、アルゼンチンの人口は年平均で
推定1.2%増加し、2010年現在、15歳以上の人口では、識字率は98%であった。下の表は2014年(比較データの入手
が可能な直近の年度)のデータを用いて、国民総所得(「GNI」)の数値およびその他特定の統計値を以下の表にお
いて比較する。
人口
アルゼンチン ブラジル チ リ コロンビア メキシコ ペルー 米 国
1人当たりGNI (1)( 米ドル)
12,370 9,140 14,670 6,190 9,180 6,530 62,850
平均寿命(年) (2)
76.7 75.7 79.7 74.6 77.3 75.2 78.5
幼児死亡率
( 出生数に占める比率) ( %) (3)
0.9 1.3 0.6 1.3 1.2 1.2 0.6
成人識字率 (2)
( 15 歳以上の人口に占める比率) ( %)
99.1 92 96.9 94.7 94.9 94.1 未詳
(1) 2018年のデータ。世界銀行アトラスの方式により算出。
(2) 別途記載のない限り2017年のデータ。
(3) 2016年のデータ。ただし、ブラジルは2015年、チリは2015年およびペルーは2015年のデータ。
出所: 世界銀行世界発展指標
② 政治および外交
(a) 憲 法、国家組織および政党
アルゼンチンの憲法は、 1853 年に制定され、統治の三権分立制を規定している。すなわち、大統領を長とする行政
府、二院制議会からなる立法府、および最高裁判所を頂点とする司法府からなる。 1994 年に直近の憲法改正が行われ
た。各州およびブエノスアイレス市は独自の憲法を有し、州民が政府から独立した知事および議員を選ぶ。政府は、
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共和政統治制度を擁護するため、および外国の侵略があった場合などの一定の緊急事態には、州政府の行政に直接介
入できる。
行政府
大統領および副大統領は、任期を4年として直接選挙により選ばれ、最長で2期連続の在任が可能であり、公職を
退いた1期後に再選されることも可能である。大統領は国政の運営を監督し、全体として、あるいは一部分かを問わ
ず、法律に拒否権を行使できる。国会は各議院の3分の2の多数の投票により大統領の拒否権行使を無効とすること
ができる。内閣府( Jefatura de Gabinete de Ministros )は、国政の運営を担い、国会の承認に付される政府年度
予算を作成する。大統領は内閣総理大臣を選任するが、両院はその絶対多数の議決により内閣総理大臣を解任でき
る。本報告書中、「行政権」という場合はすべて、本項記載の行政府を指すものとする。
国 会
国会は上院および下院で構成されている。
上 院: 上院は各州およびブエノスアイレス市に対して各々3名ずつ選出され、 72 議席により構成されている。
各選挙区より選出される上院議員3名の内2名は、当該選挙区において最高得票の政党を代表し、3人目の上院議員
は2番目に得票した政党を代表する。上院議員は普通選挙により選出され、任期は 6 年間である。2年毎に上院議席
数の3分の1が改選される。上院の直近の選挙は 2017 年 10 月に実施された。
下 院: 下院は各選挙区の人口に応じて配分された 257 議席で構成される。下院議員は普通選挙により選出され、任
期は4年間である。2年毎に下院議席数の2分の1が改選される。直近の下院選は 2017 年 10 月に実施された。
司法制度
司法制度は連邦および州の第一審裁判所、控訴裁判所および5人までの裁判官を擁する最高裁判所により構成され
ている。
司法官審議会( Consejo de la Magistratura )は、弁護士、司法当局の代表者、議員、行政府および学会の代表者
による独立の委員会で構成されている。この組織は、司法府の運営、最高裁判所の裁判官を除く裁判官に対する弾劾
手続の開始、および裁判官の選任を監督する。訴追陪審( Jurado de Enjuiciamento )は、司法官審議会により開始
された裁判官の罷免手続きを決定する。
大統領は、上院の承認を条件とするがすべての最高裁判所の裁判官を任命する。上院の承認を条件として、すべて
の連邦裁判所の裁判官も大統領により任命されるが、司法官審議会から提出された人物の名簿より選任されなければ
ならない。最高裁判所の裁判官およびすべての連邦裁判所の判事は、 75 歳を定年として任命される。すべての司法上
の任命には、常に上院の3分の2以上による承認が必要である。大統領による命令に従い、現在は候補者の身元と追
加関連情報が公表され、また、行政府は各推薦が上院に提出されるのに先立ち意見を求める公示期間を設けている。
2019 年 12 月 31 日現在、最高裁判所には承認を受けた5名の裁判官が在職していた。ローゼンクランツは、 2018 年 10 月
1日に最高裁判所長官に就任した。
近年の政情
アルゼンチンは、不適切な経済運営とマルビナス諸島をめぐる英国との短期戦争の敗北が要因となり、最後の軍事
政権が終焉を迎えた 1983 年以来、文民統治を維持している。 1983 年、ラウル・アルフォンシン氏が大統領に選ばれ
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た。 1989 年、ラウル・アルフォンシン氏の後任としてカルロス・メネム氏が大統領となった。メネム大統領は、大統
領の任期を6年から4年に短縮した 1994 年憲法改正の直後、 1995 年に任期を4年として再選された。
比較的安定した 10 年間を経て、アルゼンチンは、 2001 年および 2002 年より前例のない社会的、経済的および政治的
な危機に直面した。「 (2) 経済-① 近時の経済動向-経済の歴史および背景」を参照のこと。この危機の間に、ア
ルゼンチンの経済は著しく縮小し、貧困と失業率は過去最高レベルに達した。 1999 年 10 月に就任したフェルナンド・
デ・ラ・ルア大統領の政権は、経済成長を回復させることができず、 2001 年下半期、深刻化した景気後退は高まる社
会不安を増幅させた。
広範囲に及ぶ暴動や抗議運動が続き、その結果、デ・ラ・ルア大統領とその内閣の全員が 2001 年 12 月 19 日と 20 日に
辞任を余儀なくされた。 2001 年 12 月から 2002 年1月までの間に、国会は憲法に従いエドゥアルド・ドゥアルデ氏を含
む3名の後継の大統領を指名した。同氏は、所定任期の満了に先立ち 2003 年4月 27 日に選挙を実施するよう要求し
た。ネストル・キルチネル元サンタクルス州知事が選出され、 2003 年5月 25 日に大統領として宣誓就任した。キルチ
ネル大統領の任期は 2007 年 12 月 10 日に満了となった。
2007 年 10 月 28 日、キルチネル大統領の妻で、ペロン党会派の勝利戦線から立候補したクリスティーナ・ E ・フェル
ナンデス・デ・キルチネル女史が大統領に選出された。フェルナンデス・デ・キルチネル大統領は 2011 年 10 月 23 日に
任期を 2015 年 12 月 10 日に終了する4年間とする2期目の再選を果たした。
2015 年 11 月 22 日に、統一戦線「変革」の候補者であるマウリシオ・マクリ氏が、 2019 年 12 月 10 までの4年の任期で
大統領に選出された。 2017 年 10 月 22 日に、国および州議会の中間選挙が行われ、統一戦線「変革」が上院9議席増
(上院定員 72 議席うち合計 24 議席を確保)および下院 21 議席増(下院定員 257 議席のうち合計 108 議席を確保)となり
国会での勢力を伸ばした。
政 党
以下にアルゼンチンの主な国政会派を列挙する。
● すべての戦線( Frente de Todos )。主に下記を含むいくつかの政党の連立会派である。
〇 正義党( Partido Justicialista 、もしくは「 PJ 」)またはペロン党。 1940 年代にホアン・ペロン元大
統領により結党され、以下の会派を含む。
・ 市民連合( Unidad Ciudadana )(旧・勝利戦線( Frente para la Victoria ))
・ ペロニスタ戦線( Frente Peronista )
〇 改革戦線( Renewal Front 、または「 FR 」)。 2013 年に正義党の分派として結成された。 2015 年の大統領
選では、改革戦線と前コルドバ州知事のフアン・マニュエル・デラソタが連立して改革更新連合
( Unidos por una Nueva Alternativa 、または「 UNA 」)を形成した。
● 変革のために共に( Juntos por el Cambio ): 2015 年に結成された、主に下記を含むいくつかの政党の連立
会派である。
〇 2007 年にアルゼンチンで発足した政治連合である建議共和連合( Unión Propuesta Republicana 、または
「 PRO 連合」)。建議共和( Propuesta Republicana )(旧・変革のための約束( Compromiso para el
Cambio ))、民主中道連合( Unión del Centro Democrático 、または「 UCeDé 」)、成長のための国家再
建( Recrear para el Crecimiento )、連邦党( Partido Federal )、青と白の連合( Unión Celeste y
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Blanco )、ブエノスアイレス・キリスト教徒党( Partido Popular Cristiano Bonaerense )およびブエ
ノスアイレス新党( Partido Nuevo Buenos Aires )からなる。
〇 急進市民連合
〇 市民連合( Coalición Cívica 、または「 ARI 」)
これらに加えて、サンティアゴ・デル・エステロ州、サンルイス州およびカタマルカ州と地方に基盤のある政党を
含め、いくつかの州の政党が国会に相当数の議席を有している。
次の表は表示された各年に行われた選挙後における下院および上院の政党別構成を示している。
下 院 (1) 上 院 (2)
2013 (6) 2015 2017 2013 (6) 2015 2017
政 党:
正義党 127 98 95 38 40 33
勝利戦線 /
市民連合 (3)
117 81 65 31 40 8
ペロニスタ戦線 /
正義党 (4)
10 17 30 7 - 25
変 革
- 87 108 - 14 24
急進市民連合 41 41 40 13 8 12
PRO 連合 (5) 18 41 55 3 6 9
ARI/ 市民同盟 /
その他 (5) 3 5 13 1 - 3
改革更新連合 - 28 - - -
改革戦線 (6)
16 - 20 - - -
52 44 34 17 18 15
その他 (7)
257 257 257 72 72 72
合 計
(1) 表示された各年に選出された議員が就任した各年の 12 月 10 日現在の下院の構成。
(2) 表示された各年の 12 月 31 日現在の上院の構成。
(3) 当該会派の議員は正義党の総数に含まれる。 2015 年に下院に当選したフリオ・デビードは総数に含まれるが、現在は資格停止中で
ある。
(4) 当該会派の議員は正義党の総数に含まれる。下院では、この連立のメンバーには正義ブロック、コンコルディア刷新戦線、連邦コ
ルドバおよびトゥクマンの正義の議員が含まれる。上院では、この連立のメンバーには正義ブロック、ラ・パンパ正義党、正義チュ
ブトおよびみんなのチュブトの議員が含まれる。
(5) 2015 年および 2017 年の選挙において、この連立のメンバーは「変革」の総数に含められた。下院では、この連立のメンバーには
PRO 、 ARI/ 市民同盟、急進市民連合、カタマルカ市民社会戦線、正義社会党およびみんなの飛躍の議員が含まれる。上院では、この
連立のメンバーには PRO 、急進市民連合、カタマルカ市民社会戦線、サンルイス進歩および生産と労働の議員が含まれる。
(6) この連立のメンバーには新しいアルゼンチンのための連邦同盟ブロック、みんなのチュブト、コルドバ労働と生産および労働と尊
厳の議員が含まれる。
(7) 主に各1名の議員が代表となるその他の登録政党および特定の州の地方政党を含む。 2013 年については、 2011 年に結成された中道
左派同盟の前進拡大戦線も含む。
出所:アルゼンチン上院および下院
2009 年 12 月 2 日に国会で可決した政治改革法案に従い、アルゼンチンにおける選挙は以下の規則に従っている。
● 選挙戦のための私的献金は個人のみが行うことができる。さらに、政府は国の財源の 50 %をメディア広告の
ため全候補者に公平に分配し、残りの 50 %を前回選挙で各政党が獲得した割合に応じて分配する。
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● 大統領候補および国会議員候補を選出する予備選挙は公開されなければならず、義務であり、同時に行われ
る。政党への所属に関わらず、すべての国民が自ら選択する予備選挙で投票することができる。
● 候補者は全国選挙を戦うため、大統領予備選挙で最低 1.5 %の票(連立も含む。)を獲得しなければなら
ず、法案で定められた一定数の党員の支持を有していなければならない。
(b) 外交および国際機関
アルゼンチンはさまざまな国と外交関係を結び、いくつかの国際機関に加盟している。アルゼンチンは国連の原加
盟国であり、米州機構(「 OAS 」)の設立メンバーでもある。さらに、以下に列挙する機関を始めとする国際機関の
加盟国でもある。
● 国際通貨基金(「 IMF 」)
● 世界銀行グループ
● 国際金融公社
● 米州開発銀行(「米州開銀」または「 IADB 」)
● アンデス開発公社(「 CAF 」)
● ラプラタ河流域開発基金(「 FONPLATA 」)
● 中米経済統合銀行(「 CABEI 」)
● 国際農業開発基金(「 IFDA 」)
● 世界貿易機構(「 WTO 」)
● 国際労働機構
● 金融活動作業部会および南米マネーロンダリング対策金融活動作業部会(「 GAFISUD 」)
● 保険監督者国際機構
● 証券監督者国際機構
● 世界関税機関
● ラテンアメリカ統合連合(「 ALADI 」)
G-20
アルゼンチンは、 G-20 が設立された 1999 年からその加盟国である。 G-20 は、世界経済に関する主要な問題につい
て、先進国と新興国の間での議論を促進する非公式会議である。 G-20 はその加盟国にとって国際経済協力のための重
要な会議である。
アルゼンチンは 2018 年の G-20 の議長を務めた。ブエノスアイレスで 2018 年 11 月 30 日および 12 月1日に開催されたサ
ミットで、 G-20 の首脳は仕事の未来、開発のためのインフラ、持続可能な食料の未来およびジェンダーの平等という
柱に焦点を当てた宣言を採択した。サミットはまた、前向きな通商アジェンダを設定して WTO の機能改善に向けた政
治的支援について G-20 首脳間で確認する機会、ならびに現在する地球規模の課題および気候変動に対処する取組みに
ついて協議する機会を提供した。
二国間投資協定( BIT )
2018 年 12 月 31 日現在、アルゼンチンは、 41 件の二国間投資協定の当事国であった。 2001 年- 2002 年の危機およびこ
の危機に対処するために政府が採用した基本措置を受け、投資家から、アルゼンチンに対するいくつかの仲裁手続が
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投資紛争解決国際センター(「 ICSID 」)仲裁規則および国連国際商取引法委員会(「 UNCITRAL 」)規則に基づき
ICSID に、ならびに個々の BIT に従い常設裁判所に申し立てられた。本報告書日現在、これらの手続の大部分がすでに
裁 定または和解に至っている。「 (7) その他-① 訴訟手続- ICSID における仲裁」および同「-その他の仲裁」を参
照のこと。
金融安定理事会
金融安定理事会(「 FSB 」)は、世界の金融システムにつき監督し推薦をおこなう国際機関である。 FSB は、金融シ
ステムを強化し国際金融市場の安定性を高めることを目的としており、その目的を、加盟国の国の金融当局と国際標
準の設定団体が、国際的な金融の安定を促進するために規制上、監督上およびその他の金融部門の政策の進展に向け
作業するように、当該当局および団体の間の調整を行うことにより実行している。 FSB は、部門および管轄区域を越
えてのこうした政策の継続的な実施を後押しすることにより公平な競争の場の育成を目的としている。
アルゼンチンは 2009 年より FSB の加盟国であり、中央銀行が代表を務めている。
G-24
アルゼンチンは、国際通貨・開発金融関連事項に関する 24 カ国政府間グループ( G-24 )が設立された 1971 年から 24
カ国グループの加盟国である。このグループの目的は、通貨および開発問題、特に、 IMF 委員会および開発委員会の
アジェンダについての問題、に関し発展途上国の立場を調整し、国際通貨制度改革に関する交渉で発展途上国の代表
者の権限および関与の向上を確保することである。
メルコスール
アルゼンチンは、ブラジル、パラグアイおよびウルグアイと共に 1991 年3月に正加盟国または「加盟国」として創
設した南米共同市場(「メルスコール」)の創設メンバーである。 2012 年7月に創設メンバー(パラグアイを除
く。)は、ベネズエラ共和国をメルコスールの正加盟国として承認し、 2013 年 12 月にパラグアイがベネズエラの正加
盟国としての地位を承認した。メルコスールへの加盟に関して 2012 年に受諾した責務に従い4年の設定期間内にメル
コスールの規則を実施に移すことができなかったとみなされ、 2016 年 12 月2日にベネズエラの正加盟国としての地位
が一時的に他の加盟国により停止され、 2017 年8月5日、創設メンバーは、メルコスールの民主主義条項を運用して
ベネズエラの資格停止を延長した。 2015 年7月に、ボリビアがメルコスールの正加盟国となるための議定書に署名し
たが、ブラジル、パラグアイおよびボリビアの国会による批准待ちの状態である。承認をもって、ボリビアは4年の
期間をかけてメルコスールの法令を徐々に取り入れることとなる。
チリ、コロンビア、エクアドル、ぺルー、ガイアナおよびスリナムはメルコスールの準加盟国である。この地域と
の貿易の約 80 %には関税が課せられていない。
メルスコール条約に基づき、メルスコールの創設メンバーは以下の誓約を行った。
(1) 加盟国間の貿易に対する輸入税、関税およびその他の障壁を、場合により数年かけて除去または大幅に削減
することにより、財貨、サービスおよび製造部品の移動が自由な共通市場を創設する。
(2) 非加盟国との間の貿易に関し共通の対外関税を設定する。
(3) 第三国および圏外ブロックに対する共通の貿易政策の採用。
1994 年 12 月に、地域を1つの関税連合に変換する目的で、メルコスールの創設メンバーは共通の対外関税を実施す
ることに合意した。 1995 年1月1日付で、共通対外関税制度は施行されたが、各加盟国は一定の項目を当該制度から
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除外することが認められていた。除外項目を維持できる除外期間は、アルゼンチンおよびブラジルにつき 2021 年 12 月
31 日まで、ウルグアイにつき 2022 年 12 月 31 日まで、パラグアイにつき 2023 年 12 月 31 日までそれぞれ延長されている。
メルコスール加盟国は、国境管理の撤廃政策の推進に向けた、非関税障壁と関税の例外項目ならびに国家の貿易体
制との間の調和を図ることはまだ完全にはできていない。メルコスールの協定のうち協調的な商業政策を擁するその
他の重要部分は、まだ完全実施に至っていない。
メルコスールは、エネルギー、運輸、通信、教育、保健、社会発展、司法、科学およびテクノロジーなどのいくつ
かの分野を含む加盟国間での統合プロセスをさらに発展させることを目的とした域内の組織および機関を創設してい
る。また、メルコスールの居住者は、ブロック加盟国の領土内において特別居住制度および就業許可制度からの恩恵
を受けている。
2015 年 12 月から、メルコスールは(ⅰ) EU との貿易協定、(ⅱ)欧州自由貿易連合(「 EFTA 」)との貿易協定、
(ⅲ)カナダとの自由貿易協定および(ⅳ)韓国との貿易協定を含むいくつかの協議に取り組むことで、ほぼ棚上げ
となっていた地域貿易の課題に向けて再始動している。
また、インド、メキシコおよびペルーと既存協定の改定交渉に着手し、モロッコ、レバノンおよびチュニジアと協
議開始を見据えた枠組み合意を成立させ、シンガポールと自由貿易協定の覚書を交わし、日本と非公式会談を進めて
いる。さらにメルコスールは、太平洋同盟との正式な協力体制を前進させた。「-③ 最近の動向-外交および国際
機関」を参照のこと。
2018 年 10 月、ジャイル・ボルソナロがブラジルの大統領に当選し、 2019 年1月1日に就任した。ブラジルの新政権
から出される各種発表の一環として、メルコスールの取決めに基づき協調商業政策を要求する現行取決めが再検討さ
れる可能性がある旨の公式声明が出された。
南米諸国連合(「 UNASUR 」)
南米諸国連合( Unión de Naciones Suramericanas )は、南米 12 か国(アルゼンチン、ボリビア、ブラジス、チリ、
コロンビア、エクアドル、ガイアナ、パラグアイ、ペルー、スリナム、ウルグアイおよびベネズエラ)により、当該
諸国および諸国民年の統合および団結を 高める ため 2011 年に設立された組織で、政治的対話(「民主主義条項」を含
み、同条項により民主的秩序の破壊もしくは破壊のおそれ、または憲法秩序の侵害があった国家は UNASUR への加盟資
格を停止されうる。)、社会政策、教育、エネルギー、インフラおよび環境を優先事項にあげることで社会経済的不
平等の解消を目指している。 UNASUR においては、経済金融協議が国際準備金、金融セーフティ・ネット、貿易および
経済成長などの地域益に関する経済的課題の分析を担当する。 UNASUR の近況については「-③ 最近の動向- 外交およ
び国際機関- UNASUR 」を参照のこと。
2018 年4月 18 日、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、チリ、パラグアイおよびペルーは、 UNASUR が当初の目的
に回帰し組織の適切な機能を保証するための条件が整うまでの間、 UNASUR の各種機関および支部への参加を停止する
ことを決定した。
アジアインフラ投資銀行
2017 年6月、アルゼンチンは、アジアインフラ投資銀行(加盟国が関与するエネルギー、輸送および電気通信のプ
ロジェクトに融資することを目的とする。)に対して加盟を申請した。
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マルビナスの主権問題
アルゼンチンは、マルビナス、ジョージアおよび南サンドイッチ諸島およびその周辺海域をその固有の領土である
と繰返し確認している。
共和国は、マルビナス、ジョージアおよび南サンドイッチ諸島ならびにその周辺海域をその固有の領土であると繰
返し確認している。アルゼンチンの立場は領土保全に基づくものであり、これを侵害する 19 世紀の英国の占拠に対し
て一度も同意を与えていない。国連は、総会決議 2065(XX) 及びその後の決議を通じて、アルゼンチンとグレーとブリ
テンおよび北アイルランド連合王国との間に「マルビナス諸島問題」に関して主権紛争が存在することを認定してお
り、同決議は直接交渉による解決を両当事者に求めている。マルビナスは、他の多くの事例とは異なる特殊な植民地
事例である。自己決定の原則は、どの国連決議でも本件に関して適用されておらず、また一度も承認されていない。
さらに、地域および国際機関の多くが、同諸島の在り方が交渉が付されている間は、アルゼンチンおよび英国が一方
的な現状変更を示唆する決定を控えるように双方に働きかける国連決議 31/49 の規定の順守の重要性を重ねて訴えて
いる。
本報告書日現在、英国は主権問題の平和的解決に向けた協議の再開を受け入れていない。
大陸棚問題
2016 年3月 11 日および 2017 年3月 17 日、大陸棚限界委員会(「 CLCS 」)は、領海を超えてアルゼンチン領有権の自
然的拡張が及ぶ海底区域の海床および海底で構成される大陸棚の拡張限界について、アルゼンチンの申請に対する勧
告を全会一致で承認した。
1982 年国連海洋法条約(「 UNCLOS 」)に基づき、沿岸国に対して大陸棚の外境界の設定に関して行われる CLCS の勧
告には拘束力はないが、かかる勧告に基づき沿岸国が設定した大陸棚の限界は最終的であり、かつ拘束力を有する。
CLCS の勧告について、いかなる国も異議を唱えていない。アルゼンチンによる大陸棚の拡張境界に関する CLCS への
申請には本土、島および南極の領土が含まれていた。指定された限界区域の表面積は約 70 平方マイルである。
マルビナス、南ジョージアおよび南サンドウィッチ諸島の大陸棚については、 CLCS が主権問題の存在を認定した。
そのため、 UNCLOS およびその手続規則に則り、 CLCS はアルゼンチンが申請した同区域の大陸棚限界の分析または検討
を行わず、紛争が解決するまで分析を先送りした。 CLCS はまた、アルゼンチンも締結国である 1951 年 12 月1日付の南
極条約(改訂済)で定められた特別な領有関係を考慮して、南極地方の大陸棚の検討も先送りした。
UNCLOS 第 77 条に従い、天然資源の探査および開発に関して沿岸国が大陸棚に対する主権的権利を有するものとされ
る限りにおいて、 CLCS 勧告および拡長された大陸棚に対するアルゼンチンの権利の承認は、経済的に有益な影響を及
ぼすと予想される。
③ 最近の動向
近年の政情
2019 年8月 11 日、各党が後続の国政選挙の大統領候補者を1名に絞ることを主目的として同時に実施する法定予備
選挙が行われた。この選挙は一般に、法定の大統領選挙および議会選挙を予想する投票と受け止められており、これ
に続く 2019 年 10 月の選挙で各候補者が受けるであろう支持が示唆される。得票率は「全国民のための戦線」(正義党
および改革戦線を含む複数連立政党)の候補に選ばれたフェルナンデス氏が約 47.65 %、「変革のために共に」(旧
変革)のマクリ氏が約 32.08 %、「連邦合意」のラバーニョ氏が約 8.22 %、「統一左派戦線」のデル・カーニョ氏が
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約 2.86 %、「我々の戦線」のゴメス・セントリオン氏が約 2.63 %、および「覚醒戦線」のエスペール氏が約 2.18 %で
あった。
予備選挙の結果を受け、政治と経済の不安定化が進み、ペソ/米ドルの為替レートは深刻な浮き沈みを経験した。
2019 年の8月9日から8月 30 日までに、ペソの価値が対米ドルで約 23.1 %下落し、中央銀行外貨準備金が約 122 億米
ドル減少した。同時期にメルバル指数は約 44.5 %落ち込んだ。こうした状況に対して、中央銀行は(ⅰ)短期貨幣金
利の引上げ、(ⅱ)流動性を提供するための外国為替市場でのスポット売買、および(ⅲ)外国為替市場で一定のデ
リバティブ契約を締結する金融機関の能力の制限等、為替市場のボラティリティを抑制するための数々の通貨・為替
リスク管理措置を展開し、これらにより外貨に対する正味の需要が緩和された。さらに政府は、社会経済的な必要へ
の対応を趣旨とする一連の措置を導入した。「 (2) 経済-① 近時の経済動向-経済の歴史および背景-マクリ政
権: 2015 年から 2018 年-社会経済的な必要への対応を趣旨とする措置」を参照のこと。中央銀行総裁は、 2019 年8月
から9月の間にインフレのペースの高進が予想されることを示唆した。
2018 年8月 28 日、マクリ政権は、 2019 年第4四半期中に満期が到来する短期債券のうちアルゼンチン法に準拠し機
関投資家に保有されるものの償還額の 85 %について、予定支払日を繰り延べる旨の大統領令を出した。当初支払日の
90 日後に全額払い戻される国内保有の 2020 年満期 Lecap 債を除き、繰延金額のうち 30 %が当初支払日の 90 日後に支払
われ、残りの 70 %は当初支払日の 180 日後に支払われる。個人投資家が保有する短期債券は当初予定通りに支払われ
る。また、マクリ政権は、アルゼンチン法および外国法に準拠する中長期債券の任意的再編について、野党および投
資家が再編の提案を支持することを条件に歓迎する考えを示した。 2019 年9月 19 日、マクリ政権は、アルゼンチン法
に準拠するアルゼンチンの中長期債務に集団訴訟条項を設けるようにする法案を国会に提出した。
さらに 2019 年9月、中央銀行は外貨取引に制限を課し、金融機関が外国為替市場で外貨を購入する際(国外取引で
ある場合を除く。)に中央銀行の事前承認を得ることを義務付けた。個人は、1か月当たり 10,000 米ドルを超えない
よう外貨購入を制限される。また中央銀行は輸出者に対し、支払の受領から5日または出荷許可の受領から 180 日ま
での間に輸出取引の受取金を本国送金することを義務付けた。
2019 年 10 月、中央銀行は9月に課した外国為替の制限を強化し、自然人および法人の外国為替市場へのアクセスを
規制するための基準を設定した。これには、アルゼンチン居住者である個人につき現地口座からの引き落とし場合で
1か月当たりの外貨購入を 200 米ドルまで、または現地通貨建の現金購入の場合で1か月当たり 100 米ドルまでに制限
することが含まれる。非居住者の外貨購入は1か月当たり 100 米ドルに制限される。また、アルゼンチ居住者が現地
のデビット・カードを用いて外国で外貨を引き出せるのは、アルゼンチンの外貨建銀行口座から引き落とす場合に限
られる。さらに、 200 万米ドル以上の価額の外国為替取引を行う認可金融事業体は、当該事業体のためかその顧客の
ためかを問わず、取引完了の2営業日前までに中央銀行にその旨を通知しなければならない。
2019 年 10 月 27 日にアルゼンチンの大統領および国会議員の選挙が実施された。「全国民のための戦線」のフェルナ
ンデス氏が得票率約 48.10 %で大統領に選ばれ、「変革のために共に」のマクリ氏が次点で得票率は 40.37 %であっ
た。フェルナンデス氏は 2019 年 12 月 10 日に大統領に就任した。
外交および国際機関
2019 年6月 28 日、 20 年を超える長丁場の交渉を経て、メルコスールと欧州連合は経済の協力および統合に関する画
期的な共通認識を形成した。
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協定により、メルスコール加盟国の戦略市場である欧州連合に対するアクセスをメルスコールに付与してコストと
取引制限を緩和することを目指しており、それにより地域経済の輸出が増え、現地企業のグルーバル経済への参加が
強化され、投資が促進され、技術移転が進み、競争力が高まること期待されている。
参加者は現在、協定の条件を検討している。
2019 年8月 23 日、メルコスールと EFTA は包括的自由貿易協定の協議を実質的に終えた。協定により、メルスコール
から EFTA 加盟国への輸出フローの増加が構想されている。
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(2)【経済】
① 近時の経済動向
経済の歴史および背景
背 景
1800 年代末から1900年代初めにかけて、アルゼンチンは大繁栄期を迎え、国民1人当たりGDPは多くの西ヨーロッ
パ諸国の水準にまで上昇した。かかる成長期に、アルゼンチン経済はその輸出農産物に対する持続的な海外の需要に
過度に依存した。
しかし大恐慌と第2次世界大戦の到来はアルゼンチン経済に劇的な変化をもたらし、対外貿易の減少はアルゼンチ
ンから主要な収入源を奪った。政府はこうした展開に対応して経済政策を大幅に転換し、国家主導の資本主義と輸入
代替のモデルを採用し、国による景気への介入を増やした。
1940 年代初めに、政府は多くの基幹産業・サービスを国有化し、アルゼンチンの産業と農業において自給自足を目
指し、その経済を外国との競争から守るために、輸入障壁を引き上げた。石油・電力から通信・金融事業に至るまで
政府の関与は増大した。
1950 年代に新たに世界的繁栄の時代が到来したものの、経済における政府の役割は依然大きく、アルゼンチンの成
長は他の発展途上国と比較して低いものとなった。
1970 年半ばまでに製造業が経済の最大構成要素となったものの、国の輸出は引き続き農産物が大勢を占めた。アル
ゼンチン経済の成長は依然として低水準であった。
1976 年に、事実上の政府が輸入代替モデルからの転換を開始し、輸入障壁を引き下げ、対外借入れへの規制を緩和
した。中央銀行によるクローリング・ペッグ為替相場体制の採用は、1977年から1981年にかけてペソ高ならびに公的
部門および民間部門の対外債務負担を招来した。1981年から1990年にかけて、経済成長は以下により弱まった。
● 政治の不安定
● 国有企業の多額の助成金
● 高いインフレおよび度重なる通貨の下落
● 非効率的な税金徴収システム
● 非効率的な生産
この間の年平均実質GDP縮小率は0.7%であった。政府は同期間中の財政赤字を主に中央銀行からの信用供与ならび
に二国間および多国間での海外債権者からの借入れで埋めた。政府に対する中央銀行からの信用供与の増加によりマ
ネー・サプライの増加が抑制されず、これにより高いインフレ水準になった。1981年から1990年にかけて、年平均イ
ンフレ率は876.0%であった。さらに1982年、政府は、対外債務の不履行に陥った。
1980 年代に、政府は経済安定化のためにいくつかの経済政策を採用した。かかる政策は当初いくらかの成功を収め
たが、最終的には経済の生産性および競争力の向上に至らなかった。こうした要因と高水準のインフレ、政府の政策
の頻繁な変更および不安定な金融市場とが相まって、アルゼンチン経済の実質成長の達成を妨げた。
経済の自由化: 1983 年に民主制に復帰して以降二度目の民主的選挙で選ばれたメネム政権は、1989年半ばに、ハ
イパーインフレーションと深刻な景気後退に苦しむ経済を引き継いだ。海外債権者との関係は緊張し、民間銀行債務
は二度の繰延べの対象となり、再び延滞利息を累積し、IMFおよび世界銀行(世銀)とのプログラムは失効し、世銀
と米州開銀(IADB)に対する返済はしばしば遅滞した。メネム政権の緊急の課題は物価の安定と海外債権者との関係
の改善であった。
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経済の安定化とハイパーインフレーションの歯止めに何度か失敗した後、メネム政権は経済の自由化と金融面の規
律の実施を模索する経済政策を採用した。兌換制度として知られるようになった新しい経済政策は、1991年兌換法お
よ びその関連措置を軸とした。その主な特徴は以下のとおりである。
● ペソをドルに連動(ペッグ)させかつマネタリー・ベースを外貨準備に関連付けした固定為替相場制。これ
により中央銀行の金融政策手段は制限された。
● 民営化、規制緩和、貿易自由化の政策
● 海外債権者との関係の改善(1992年のブレイディのリストラ策による民間債権者向け国債の大部分の借換え
を含む。)
兌換制度と政府の自由市場政策は一時的に物価の安定をもたらし、アルゼンチン経済の効率と生産性を引き上げ、
外国からの巨額な投資を引き寄せた。実質GDPは1991年には9.1%、1992年には7.9%成長した。1993年から1998年に
かけて、実質GDPは、1994年のメキシコ金融危機に端を発した資本流出を主な要因とする1995年の2.8%の減少にもか
かわらず、平均年率で4.8%成長した。
こうしたことにもかかわらず、兌換制度は以下のような重大な弱点を有していた。
● 柔軟性に欠ける金融政策: 中央銀行から金融面の裁量を取り上げたことにより、兌換制度は、経済活動の
低迷に対応して景気を刺激するための金融政策の活用を制限することとなった。
● 外国資本への依存: 外国資本流入の急激な減少は、しばしば政府の支配が及ばない要因により引き起こさ
れるものであり、マネー・サプライを悪いタイミングで縮小させるおそれを伴った。アルゼンチン経済を対
外貿易に解放して大幅な赤字を招いたことにより、および政府の経常的な財政赤字に伴い外国資本から巨額
の資金調達をしたことにより、アルゼンチンの外国資本への依存は高まった。
● 外的ショックに対する脆弱性: 外国資本への依存は、資本の流出入に対する政府規制の解除と相まって、
アルゼンチン経済を外的ショックに対して脆弱にした。
● 特定の経済部門への過度の依存: 実質的なペソ高およびペソと米ドルのペッグ制の結果、この期間の経済
成長はサービス部門、特に金融および公的サービス部門によりもたらされ、生産ベースの製造業および産業
部門は遅れを取った。さらに、農業部門の生産量増加による貢献は、国際的な商品価格の低下により相殺さ
れた。
● 失業の上昇: 経済成長にもかかわらず、建築・製造などの労働集約的部門の成長が比較的低かったため失
業水準が上昇した。
1994 年のメキシコ財政危機に端を発する経済低迷期に、兌換制度の弱点が明らかとなった。メキシコのクローリン
グ・ペッグ為替相場の崩壊は、投資家の新興市場に対する信頼を損なうとともに、兌換体制の持続可能性に関する懸
念を投げかけた。この信頼喪失が誘発した純資本流入の急減により、1995年に資本が流出に転じ、アルゼンチンの銀
行システムの流動性危機が引き起こされた。その結果、アルゼンチンは兌換制度を実施して以来初の景気後退に陥っ
た。
メキシコ危機の後、アルゼンチン経済は1990年代前半に記録していた成長水準まで回復した。1996年から1998年に
かけて、GDPは平均年率で5.8%成長した。しかし、政府は赤字を埋めるために借入れに大きく依存し、借入先は手始
めに国外の資金供給元から果ては国内の銀行や新興の民間年金基金にまで及んだ。1997年の第4四半期始め、アジア
やロシアの地域金融危機、米国の金利上昇および商品価格の下落を含む外的要因により、資本フローがマイナスに転
じ、経済活動が急減し、究極的に2001年の経済危機の引き金となった。
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危機および回復の始まり:2001年および2002年
2001 年下半期に、ペソ切下げが差し迫ったとの認識の拡大が大規模な銀行預金の取付けを引き起こし、アルゼンチ
ン経済からの資本流出が大幅に加速した。アルゼンチンの銀行制度における預金残高は2001年下半期に20.3%減少
し、同時期に中央銀行の外貨準備は42.1%低下した。
兌換制度を保護し金融部門の崩壊を回避する最終的な取組みとして、2001年12月、政府は銀行預金引出しに関し、
1人につき1か月当たりの厳格な制限(corralitoとして知られる。)を課し、ペソ建ておよび米ドル建ての要求払
い預金の約600億米ドルについて預金者が金融機関から引出す権限を実際に制限した。アルゼンチンにおける特定の
外国為替取引にも厳格な制限を課した。その直後に、政府は国債の大部分について利息および元金の支払いを延期す
ると宣言した。
大きな社会不安はデ・ラ・ルア政権を早期退陣に導くとともに政治危機を誘発し、その結果2002年1月にエドゥア
ルド・ドゥアルデ氏が大統領に任命された。国会は2002年国家緊急事態・改革法(「国家緊急事態法」)を可決し、
これによりペソ・米ドル間の為替平価が正式に終了し、兌換制度が廃止された。国家緊急事態法および一連の大統領
令の制定を通じて、ドゥアルデ政権は以下の措置を実施した。
● 多国間信用機関向け債券を除き、アルゼンチンのソブリン債の支払いを停止することを承認。
● 兌換制度の廃止直後に採用された二重為替相場制を廃止。これに代えて他通貨に対してペソの価値が変動す
ることを認める単一為替相場制を導入した結果、米ドル・ペソ為替レートは2002年に240.1%上昇した。
● 一定の米ドル建て資産および負債を次の為替レートでペソ化する「非対称の」転換を発令:金融機関その他
の債権者に対して負う民間部門の負債(個人および会社の米国建て負債)につき1.00米ドル当たり1.00ペ
ソ、国または州の金融機関のポートフォリオを構成する公共部門のすべての米ドル建て負債証券につき1.00
米ドル当たり1.40ペソ、およびすべての米ドル建て銀行預金につき1.00米ドル当たり1.40ペソ。
● 中央銀行憲章を改定し、中央銀行が通貨を増刷すること、政府に一定の短期貸出しをすること、および流動
性困難に陥った金融機関に対する最後の貸手として行為することを容認。
● 銀行預金引出しについて2002年12月まで追加規制を設定。すべての定期預金が実際に凍結され、強制繰延べ
の対象とされた。
また、外国為替取引について以下を含む追加規制が導入された。
● 銀行口座から1か月間で引出し可能な米ドル額を制限。
● アルゼンチン国外への外貨の送金を制限。
● 対外貿易取引を規制。
経済危機は2002年上半期にピークを迎えた。この間、アルゼンチン史上最悪の経済活動水準の落込みを伴って経済
活動が破綻し、歳入が減少し、インフレが急進し、金融システムの流動性危機が悪化した。外国為替市場の管理に飽
き足らず、政府は輸出収入を強制的に本国送金させた。厳しい為替管理と国の貿易収支の大幅黒字により外国通貨が
確実に市場に供給され、その結果同年の下半期にはペソ高に動いた。
2002 年半ばまでには、外国為替市場管理の強化に合わせた外貨準備の売却と資本の移動とを組み合わせた政策によ
り、ペソの安定化に成功した。2002年下半期に、実質GDPの縮小は2001年下半期比で6.7%にまで減速し、アルゼンチ
ンは経常収支で50億米ドルの黒字を計上した。2002年12月31日現在の状況は以下のとおりであった。
● ペソが1ドル当たり3.36ペソのペソ高となった。これに対して2002年6月26日は最安の3.87ペソであった。
● INDEC(国家統計センサス局)により測定されたインフレ率は2002年12月31日に終了した下半期で8.0%で
あった。これに対して2002年6月30日に終了した上半期は30.5%であった。2002年中、INDECにより測定さ
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れたインフレ率は40.9%で、卸売物価指数(WPI)に基づくインフレ率は118.0%であり、これに対して同年
中にペソの対米ドル価値は240.1%超も下落した。
● 中央銀行の外貨準備は、2002年6月30日の96億米ドルから105億米ドルに増加した。
2002 年下半期中の景気改善にもかかわらず、同年通期のGDPは2001年比で10.9%減少した。
ペソ高を継続させないように、中央銀行は2002年11月から2003年1月まで課していた一部の為替規制を緩和した。
景気の改善、とりわけアルゼンチン経済からの資本流出の減少により、政府は2002年11月に銀行口座引出し規制の解
除にも着手できるようになった。
1998 年に始まった経済の危機および景気後退は2002年末までに底打ちしたかに見えた。しかし、回復の道は険し
く、経済活動の水準は1990年代始めのそれと同程度に著しく停滞した。また、この回復は主に危機を管理することを
目指した一連の経済政策の結果にすぎず、持続可能な長期的経済成長を生み出すために必要とされる構造改革は織り
込まれていなかった。 2002年12月に、世帯の42.3%および人口の54.3%が貧困レベルにあった。
2003年から2007年
2002 年下半期に始まった経済回復は2003年いっぱい続き、GDPは2003年に8.8%成長した。この改善は、主にアルゼ
ンチンの輸出への需要増加によりもたらされ、消費者および投資家の信頼改善に刺激されて国内生産を増加させ、輸
入産品から国内産品への切換えも増やした。2003年中、準通貨(経済危機の間にアルゼンチンの州が発行した地方
債)が流通から回収され、銀行預金に係る規制が解除された。同年中、名目ベースで総銀行預金額が24.0%増加した
ことにより、金融システムへの信頼回復が裏付けられた。
同期間中、政府は3つの柱を政策の軸に据えた。
● 実質賃金の段階的な回復
● 財政政策を駆使した国内市場および国内消費の成長強化、ならびに輸出商品価格の上昇に応じた富の配分の
促進
● 地域産業の生産能力向上に向けて臨時輸出収入を振り充てるための、複数為替レートおよび価格設定規制の
活用
政策の併用により、アルゼンチン経済は2004年、2005年、2006年および2007年にかけてそれぞれ9.0%(2016年6
月29日より前にINDECが公表したデータを用いて計算した、2003年から2004年にかけての変動率を表す。)、8.9%、
8.1%および9.0%の成長を続けた。この間、中央銀行の総外貨準備高は2003年12月31日現在の141億ペソから2007年
12月31日現在の462億ペソまで増加した。キルチネル政権の財政・貿易政策は、(輸出税の寄与による徴税額の増加
を主因として)財政黒字と貿易黒字を生み出した。2007年から2008年半ばにかけては、需要増加と供給抑制の結果イ
ンフレ圧力が高まった。
2008年から2015年
政府は2008年以降、2001年の経済危機後に導入された経済成長率の維持を目指す財政金融政策、価格統制、関税制
限、助成金および輸出税を含む経済政策を継続し、これを徐々に拡充していった。
2003 年から2007年までにアルゼンチンで見られた力強い景気回復は、2008年上半期中に失速し始めた。2008年3
月、特定の輸出産品の国際価格上昇から生じた利益を課税対象とする追加的な変動輸出税が農産品について導入さ
れ、これが口火となって農家との5か月闘争が勃発し、同国の一部地域で経済の重要部門が停滞した。アルゼンチン
では2008年に銀行預金の引出しと資本流出の現象が生じた。アルゼンチンからの資本流出を制限するために、景気後
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退が始まったのと同時期に中央銀行が金利を引き上げ、これを受けて景気後退はさらに悪化した。2008年第3四半期
までに、アルゼンチン経済は景気後退局面に入り、世界金融危機の深刻化がこれに追打ちをかけた。2008年11月、国
会 はアルゼンチンの民間年金制度を改革する法律を承認し、同法に基づいて、広範な上場会社の株主持分を含む民間
年金基金の保有資産が、ANSES(国家社会保障機構)が所管する新しい公的制度の一部をなす別口の基金に移管され
た。この措置は、他の政策目標の中でもとりわけ、危機の時期に国際市場に代わる国内の経済活動および投資への供
給資金として国内貯蓄を充てることを狙いとした。
アルゼンチン経済は、他国の経済と同様に世界金融危機の影響を受けた。実質GDPは2008年第4四半期から2009年
第1四半期にかけて10%縮小した。2009年半ばまでに国家財政は急速に悪化し、景気後退の影響の限定化を目指す政
府の取組みに伴い同年上半期中に公共部門歳出は同歳入の2倍のペースで増加した。2009年第4四半期中には産業の
活動増加を主因として経済活動の回復が始まったものの、国家財政は引き続き停滞していた。社会保険料および中央
銀行やANSESなどの政府機関からの移転支出を含む特別歳入が主な材料となって、2009年に公共部門歳入は19%増加
し、これを原資として特に稼得が基準月額を下回る公式経済部門の労働者向けの家族手当および非公式経済部門の労
働者や失業者向けの所得支援を織り込んだ2本の貧困対策プログラムが拡充された。2009年終盤、政府は中央銀行準
備金の一部を対外債務の支払いに充当するための命令を発した。
2010 年始めにインフレ圧力が高まり、財政赤字の一部を補填するため中央銀行が政府に資金を供給した。同時に、
産業の生産増加に伴い経済は回復の兆しを見せ始めた。アルゼンチン経済は2010年に10.1%成長し、2005年以来の高
い成長水準に達した。対照的に、経常収支は2010年中に悪化し、主要な外貨獲得源である貿易黒字が2010年に20%以
上縮小したことから経常黒字は2009年の82億米ドルから2010年には15億米ドルまで落ち込んだ。
2010 年6月、政府は未交換債務を繰り延べるため2010年債務交換を実施し、その承諾率は81%であった。2001年に
不履行に陥ったアルゼンチンの債務のうち約92%が2005年と2010年の債務交換を通じて繰り延べられたが、こうした
債務繰延措置を経てもなお未交換債務の元金総額約61億米ドルの未処理残高があり、和解拒絶(ホールドアウト)債
権者との間で訴訟が続いた。
2011 年以降、アルゼンチン経済はその構造的な制約により国際収支に悪影響が生じていることが露呈した。自動車
産業やティエラ・デル・フエゴの電子製品産業における輸入部品への需要、輸入資本財への需要の増加、外国債務の
返済義務、および居住者から非居住者への継続的な送金が、中央銀行の外貨準備高の足かせになっていた。また、経
済成長は石油・ガス産業の過少投資に起因するエネルギー供給の制約に直面し、経済活動の減速を回避するため政府
が手配してエネルギーを輸入することになった。経済の基幹部門の自主性を回復することが決定され、スペインの
Repsol S.A.(「Repsol」)が過半を所有する国内最大の石油会社YPF S.A.(「YPF」)の株式の51%を国有化する政
府提出法案が2012年5月に国会で承認された。2008年から2011年までの間に、エネルギー部門と輸送部門への助成金
が156%増加し、一方でエネルギーの対外貿易赤字は増加した。
中央銀行は2011年中も、特に外貨購入と対政府融資を通じて景気刺激型の金融政策を継続した。中央銀行はまた、
中央銀行証券(Lebac債およびNobac債)の発行によりペソを下支えして引き続き不胎化に取り組んだ。公共部門は、
2010年の31億ペソの黒字に対して2011年は307億ペソの赤字を計上した。
政府は2011年第4四半期に、資本流出を減らす意図のもと一連の資本・為替管理に乗り出した。2011年12月に終了
する12か月の期間において、資本流出は推計で250億米ドル(中央銀行の同年の期首外貨準備のほぼ半分)に達し
た。その結果米ドル需要が高まり、公式の為替レートおよび非公式のそれとの乖離が拡大した。
エネルギー部門への投資が限定的であるまま数年が過ぎ、また政府の緊急措置の一環で電気および天然ガスの料金
が2002年以降凍結され続けたことから、アルゼンチンは2011年にエネルギー不足にも見舞われ始めた。
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2012 年4月、政府は中央銀行憲章の改定を発表し、これにより中央銀行の政策決定裁量が拡大されるとともに金融
機関への政府の追加的介入手段が設定され、また社会的衡平に適合した経済成長を促すという新たな目的が憲章中に
包 含された。
2012 年半ばに、外貨取得規制が導入された。外貨準備の積み増しに向けた政府の取組みは、対外債務返済のために
米ドルを蓄積し、かつ世界市場の状況悪化または国内経済活動の急減といった事象に伴う通貨危機を回避するための
バッファーを設けるという2大目標を主軸に推進された。
2012 年には経済活動に著しい鈍化が見られ、実質GDPは、2011年が6.0%の拡大であったのに対し2012年は1.0%の
縮小であった。2012年中、中央銀行の財政出動に一部依存した景気刺激型の財政政策が景気の後退と税収増加幅の縮
小を回避できず、基礎的財政収支(プライマリー・バランス)が急速に悪化して2011年の49億ペソの黒字から44億ペ
ソの赤字となり、1996年以来初の赤字転落となった。2012年に総財政赤字がGDPに占める割合は推計で2.1%であっ
た。
2013 年1月に政府は、一定の所得基準額にみたない家庭に児童手当を給付する2つのプログラムを通じて、社会的
移転を増やしていくことを発表した。インフレ鎮静化に向けて継続的に取り組む中で、政府は約500種の産品(食
品、飲料、洗剤およびトイレ用品を含む。)の価格を当初3か月の期間にわたって凍結すると宣言し、これを受けて
一連の価格凍結が2014年まで続けられた。2013年に経済は回復し、実質GDPは前年比で2.4%成長した。
2014 年1月、外貨準備が300億米ドルを切ったことから、中央銀行は名目で1日当たり米ドルに対して8.2%のペソ
安を許容し、これは2001年から2002年の危機以来最大の変動幅であった。その後すぐに政府は一部の為替管理の緩和
を発表した。インフレ緩和に取り組む中で、政府は2014年1月に「価格配慮(Precios Cuidados)」プログラムもス
タートさせ、様々な家庭向け必需品その他の産品について価格統制を敷いた。
政府は国際金融市場へのアクセスを回復するための措置を講じ、これにはパリクラブとの協定の交渉(2016年5月
に締結)、および2001-2002年の経済危機時に採用された基準で仲裁判断を取得した外国投資家との和解やRepsolと
の和解が含まれた。こうした取り組みは十分ではなかった。されていないとのIMFによる対アルゼンチン問責決議
2014年6月、2001年以前の債券の和解拒絶(ホールドアウト)債権者を相手方とする係争事件の連邦地裁の決定によ
り、ニューヨーク法の適用下において、2005年および2010年の債務交換に基づいて発行された債券(「2005年および
2010年の債務交換債」)の一部に係る政府の支払いに支障が生じた。これが妨げとなりアルゼンチンは国際資本市場
へのアクセスを回復できず、国際収支危機のリスクが高まった。
国内の製造業、鉱業およびライフライン部門は、消費者および企業のマインド低下、社会不安、長引く高インフ
レ、高まる通貨圧力ならびにアルゼンチンにとって最大の輸出市場であるブラジルでの需要減退に直面することとな
り、2013年第3四半期に始まった産業の生産減少傾向が2014年いっぱい継続した。2014年、政府の社会的給付および
年金支払いの増加を主因として、歳入の増加を上回るペースで総歳出が増加した。その結果、2014年に総財政赤字は
1,097億ペソまで膨れ上がり、2013年比で70%増加した。全体では、プライマリー支出が41.8%増加し、特にエネル
ギー助成金や社会的助成の形でなされた民間部門への移転がこの赤字拡大を牽引した。2014年に実質GDPは2.5%縮小
した。
アルゼンチンはグローバル資本市場から締め出され、それから10年以上の間、中央銀行にとって国際的に高騰した
商品価格に支えられる貿易黒字が外貨準備の主要調達源であり続けた。しかし、対外的競争力の低下、商品価格の下
落およびアルゼンチンの主要な製造業輸出先であるブラジルの景気後退により2014年には輸出が悪化した。全体で
2014年に輸出収入は10%減少し、貿易黒字は60億米ドルにまで縮小した。中央銀行が中国人民銀行と締結した通貨ス
ワップ協定に基づくものを含めた2014年の資本流入は、外貨準備を増加させた。
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継続的な公共部門支出の拡大は、2015年第1四半期に始まったアルゼンチン経済の穏やかな回復に貢献した。イン
フレが鈍化する中、2015年上半期には金融緩和が進められた。2015年の間に貨幣供給量が増加し、その増加率は2014
年 の20.5%と比べて30.2%となった。この2014年と2015年の差は、中央銀行の不胎化政策の変更を反映したもので
あった。すなわち、2014年に中央銀行が946億ペソ規模の不胎化を実施し、またLebac債の利息を引き上げたのに対
し、2015年にはLebac債の利率の低下に伴い金融機関が中央銀行証券への投資を減らしたことから、不胎化額は87億
ペソまで減少した。消費の活性化に取り組む中で、2015年7月には最低賃金が31.4%上昇し、2014年9月以来初めて
の大幅な賃金上昇となった。
2015 年半ばまでに、中国が重要な貿易相手国(ブラジルに次いでアルゼンチンの2番目の輸出先)となり、重要な
外貨獲得先となった。そのため、人民元の切下げを受けて政府は2015年8月、外貨準備の保全および通貨危機の回避
に向けて為替管理をさらに強化した。
2015年から2018年
2015 年12月10日の政権交代後、政府は、財政収支を通じたマクロ経済の安定確保、第三国との貿易拡大および中央
銀行の強化により持続可能な発展を目指す経済・政策改革を発表および実施し、アルゼンチンの財政および国際収支
上の制約の克服に取り組んだ。その措置には、対外貿易および外国為替改革、金融および財政政策上の措置、エネル
ギー部門改革、一定の社会経済的ニーズに対応するための措置、ならびにアルゼンチン経済の生産性および競争力の
向上が含まれた。
2015 年12月のペソの28.6%の下落および為替管理の全廃は、結果的にインフレ率の上昇を招き、2016年にWPIは年
率36.6%で上昇し、実質GDPは2.1%下落した。2017年には景気が回復し、実質GDPは2.8%増加した。ペソは比較的安
定してインフレ率は23.4%に低下した(中央銀行の目標は17%)。金融政策の引締めによりインフレを抑制するという
表明済みの目標と、経済成長の促進への意欲との間で大きな葛藤が生じ、政府は、金融政策を緩和することおよび
2018年のインフレ目標を5%引き上げて15%とすることでこれを解決した。多数の非居住者投資家を含むペソ建金融
商品の保有者は、外貨資産を求めて保有商品を売却し、かかる外貨資産は海外に移転された。
対外貿易および外国為替に関して、政府はまず小麦、とうもろこし、牛肉、鉱業、石油および地域産品に対する輸
出関税を撤廃し、また大豆の輸出関税を35%から30%に5%引き下げた。また、ほとんどの産業の輸出に課されてい
た5%の関税も撤廃した。2017年、政府はコンピュータ、コンピュータ部品およびその付随製品(プリンタやスキャ
ナなど)への輸入関税を撤廃した。政府はまた、為替市場へのアクセス規制を廃止し、さらに過年に導入された一定
の通貨管理を含むすべての為替規制を撤廃したが、これにより金融収支はより脆弱になった。
政府は海外からの資金供給にも大きく依存していた。2016年2月、共和国は一部の未交換債務の保有者と未払債権
に関する和解に向けた基本合意に達し、また米国の裁判所で係争中の者を含めた他の未交換債務の保有者に対しても
和解案を提示した。アルゼンチンは、2016年4月に国際資本市場で債務証券を発行し、その手取金の一部である93億
米ドルを、元金ベースで約42億米ドル相当の未交換債務の保有者と交わした合意に基づく和解金支払いを履行するた
めに充当した。2016年1月1日から2018年12月31日にかけて、政府はグローバル・ボンドの発行および一連の売買を
通じて国際市場で資金調達を行った。
財政政策に関する政府の2016年から2017年にかけての主な取組みには、2016年の年金改革(「-② 最近5年間の
経済の動向-(e) 社会保障制度-退職者向けプログラムおよび年金改革法」を参照のこと。)、アルゼンチン税制の
一部の抜け穴や非効率性を除去し、脱税を減らし、個人に適用される所得税の範囲を拡大することを意図した2017年
の税制改革(「(5) 財政-③ 一般会計-(b) 税制」を参照のこと。)および23のアルゼンチン地方政府法域(22州
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およびブエノスアイレス市)との間で交わした2017年の財務協定(「財政コンセンサス」と通称される。)が含まれ
る。で財政コンセンサスには、歪曲効果のある課税を5年の期間(2018年から2022年)をかけてGDPの1.5%分減らす
旨 の誓約、連邦政府に対する23の署名主体による訴訟の放棄、ならびに大ブエノスアイレス圏基金への反復的な連邦
政府拠出を廃止することと引き換えにブエノスアイレス州に支給される補償金(2018年に210億ペソ、2019年に440億
ペソおよび2020年以降に440億ペソ相当額(インフレ調整後))が盛り込まれている。
政府は、一部の社会的セクターにおける不利な状況の影響を軽減するための施策として、(ⅰ)児童手当の受給者
基盤を拡大し、(ⅱ)格差解消児童手当(Asignación Universal por Hijo)とローカル・プログラムの併用を認め
て複数のプログラムにつき加入資格を認定し、かつ同プログラムの手当額を増やし、(ⅲ)最低保証年金を受給する
退職者および格差解消児童手当または妊婦手当を受給する者が一部の日用品(食品、衣料および洗剤など)の購入に
際して支払った付加価値税(VAT)を還付し、(ⅳ)単一課税(monotoribute)社会的プログラムの対象者の上限年
間所得を引き上げ、(ⅴ)学業を修了し様々な分野の訓練を受ける豊富な機会を提供するためのプログラムを設定
し、(ⅵ)インフレの影響を考慮して所得税の税率区分を調整し、(ⅶ)その他の社会的プログラムを強化した。
2018 年のアルゼンチン経済への影響因子および対応措置
2018 年の当初5か月中、エネルギー価格の上昇、および米ドル高や米国のイールドカーブの上方シフトによるグ
ローバル資金調達へのアクセス縮小が生じる中、アルゼンチン経済は干ばつに伴う農業生産と輸出収益の激減により
大きな影響を受けた。これらの要因はペソに悪影響を与え、2018年1月2日から5月31日までの間にペソの対米ドル
価値は25.6%下がり、短期債務を借り換える中央銀行の能力について市場の懸念が生じ、アルゼンチンのソブリン・
リスク・プレミアムが急騰する結果となった。 アルゼンチンの財政不均衡、財政赤字の補填における外貨収入への依
存、および外的要因を吸収し対処する経済部門の能力を歴史的に制限してきた重度の硬直性が、経済悪化の深刻さを
加速させ、投資家の信頼を蝕んだ。2018年の1月から6月にかけて、中央銀行の外貨準備高は約154億米ドル減少し
た。
2018 年6月、政府はIMFと36か月のスタンドバイ取決め(SBA)を交わし、また多国間機関とその他の融資契約を締
結した。「-IMFおよびその他の多国間組織との合意」を参照のこと。
SBA を交わしても、インフレは沈静化することなく、外貨準備高(純額)は減り続け、経常収支の赤字は高止まり
し、その他のプログラム上の目標も達成されなかった。2018年8月、ペソの対米ドル価値が20日間で21.3%下がった
ことを受け、政府は必要予算を支えるために(ⅰ)SBAに基づく資金アクセスの増枠、(ⅱ)(2020年-2021年分
の)アクセスの2018年-2019年への前倒し、および(ⅲ)SBAに基づく引出しが可能な国内アクセス先の設定を要請
した。
IMF と合意したプログラムを推進するにあたり、政府は、2019年の基礎的財政収支の均衡および2020年の基礎的財
政収支の黒字化を目指すための、ならびに行政を再編するための一連の措置を発表した。発表された措置には、公共
部門歳出を減らすための取組みおよび公共部門歳入を増やすための取組みが併用されており、これには以下がまれ
る。
● 省の数を19から10に縮減。
● 非効率的 な エネルギー および輸送に係る助成金の規模の縮小、または州への移管。
● 民間部門の参入増加が期待される分野を特に重点対象として、公共部門の資本支出先を再構成。
● 公共部門の雇用の削減。
● 2019年1月1日付ですべての輸出について輸出関税を再導入。
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● 富裕税の引上げ。
● 金融取引税の段階的縮小計画の延期。
同様に中央銀行は、為替非介入ゾーン内でペソの自由変動を容認しつつも、金利の引上げおよびマネー・サプライ
の増加の抑制により金融政策を引き締めている。「(4) 通貨・金融制度-① 通貨・金融制度および証券市場の概要
-(b) 金融政策」を参照のこと。
2019 年のアルゼンチン経済に影響を与えた要因の詳細については、「(1) 概要-③ 最近の動向-近年の政情」
を参照のこと。
IMF およびその他の多国間組織との協定
2018 年6月7日、アルゼンチンの経済省、中央銀行およびIMFのスタッフは、SBA(スタンドバイ取決め)の条件に
基づく総額約500億米ドルの融資実行について共通認識を形成し、2018年6月20日にIMF理事会がこれを承認した。
SBAは、政府の経済プログラムを助勢することを目的とした。さらに2018年6月7日、政府は米州開銀(IADB)と25
億米ドルの融資協定、世界銀行と17億5,000万米ドルの融資協定およびアンデス開発公社(CAF)と14億米ドルの融資
協定を締結し、各件とも協定の締結から12か月以内に融資が実行される。これらの協定の手取金は、SBAによる供給
資金を補う形でインフラ・プロジェクトの資金に充てられることとなっている。2018年6月22日、政府はSBAに基づ
き約150億米ドルの初回引出しを行った。
SBA 締結後の2018年8月、アルゼンチンはボラティリティの予測外の急転に直面し、その影響は新興市場全般にも
及んだ。2018年9月、政府はIMFの担当者と、新たな金融ボラティリティや困難な経済状況に直面した場合の追加支
援措置について協議した。2018年10月26日、政府および中央銀行により公表された財政金融政策の修正を考慮して、
IMF理事会は57億米ドル相当額を引き出すことを政府に許可し、これにより2018年6月以降の実行額は総額で約206億
米ドルとなった。また2021年までのプログラム期間について、資産総額で約571億米ドルまでのSBAの増枠および実行
の前倒しが承認された。修正されたSBAに基づき、2018年-2019年期のアルゼンチンのためのIMFの資金源は189億米ド
ル増加した。(2018年6月に実行された150億米ドルに加えて)2018年の残余期間のIMFの融資実行額は総額134億米
ドルとなり、当初のIMFの支援プログラムから2倍以上増加した。このプログラムで利用可能な資金源は予備的な位
置付けとの想定はなく、IMF融資を予算の補助として使用したい旨の2018年の政府の要望は容認された。2019年の1
月1日から7月10日にかけて政府はSBAに基づき162億米ドルを引き出し、また直近の融資実行は2019年7月になされ
た。
2020 年8月26日、経済大臣はIMFに書簡を送り、SBAに代わる新たな資金援助プログラムの合意に向けた協議の開始
を正式に要請した。「(6) 公債-③ 最近の動向-金融機関に対する債務」を参照のこと。
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② 最近5年間の経済の動向
(a) 国内総生産
国内総生産(GDP)は、国内で生産された最終の製品およびサービスの総価値の指標である。名目GDPは実勢価格で
最終製品の総価値を評価する。実質GDPは特定年の固定価格で最終製品の総価値を評価し、インフレの影響を除外し
た過去のGDPとの比較を可能とする。アルゼンチンの実質GDP値は、ペソ建で、INDEC報告書により補正された2004年
の固定価格を基準に評価される。その他の調整の中でも、2004年のGDP算出においてINDECは当該年につき、結果とし
て約8.4%の上方修整をもたらしたGDPの構成変更を行った。補正後の2004年GDPに基づくその後の年の実質GDPの算出
において、INDECは修正されたインフレ算出手法に合致したデフレーターを使用した。
本項目で以下に記載する情報は、INDEC報告書に含まれる統計に基づいている。
以下の表は、表示年度中の実勢価格に基づく名目GDPおよび1人当たりGDPの推移を示す。
名目GDPおよび1人当たりGDPの推移
(実勢価格)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 (3) 2018 年 (3)
名目 GDP (百万ペソ) (1) 4,579,086 5,954,511 8,228,160 10,64 4 ,779 14,566,559
GDP (百万米ドル) (1) 564,009 642,416 556,730 642,547 518,499
1人当たり GDP (米ドル) (1) 13,218 14,894 12,772 14,588 11,653
ペソ/米ドル為替レート (2) 8.12 9.27 14.78 16.57 28.09
(1) 本表中のGDPの数値は名目基準で表示されている。
(2) 指定期間の平均の名目為替レート。
(3) 速報値。
出所: INDEC および財務省
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以下の表は、表示年度中の2004年固定価格に基づくアルゼンチンの歳出別実質GDPに関する情報を示す。
歳出別実質GDPの内訳
(百万ペソ、2004年固定価格)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年(1) 2018 年(1)
消 費:
公共部門消費 90,505 96,792 96,284 98,899 95,677
502,764 521,146 517,080 537,689 524,749
民 間 消 費
消 費 合 計 620,426
593,270 617,938 613,365 636,587
総 投 資 140,316
136,190 140,905 132,763 148,981
財貨・サービスの輸出 139,017 135,156 142,343 144,787 140,767
168,350 176,281 186,548 215,195 204,167
財貨・サービスの輸入
純 輸 出 /(輸入) (59,400)
(29,333) (41,125) (44,205) (70,408)
棚卸資産の増減額 2,179 3,769 4,556 1,776 (1,516)
- - - 8,394 7,266
統計上の誤差
702,306 721,487 706,478 725,331 707,092
実 質 GDP
(1) 速報値。
出所:INDECおよび財務省
歳出別実質GDPの内訳
(実質GDP合計に占める比率(%)、2004年固定価格)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年(1) 2018 年(1)
消 費:
公共部門消費 12.9 13.4 13.6 13.6 13.5
71.6 72.2 73.2 74.1 74.2
民 間 消 費
消 費 合 計 87.7
84.5 85.6 86.8 87.8
総 投 資 19.8
19.4 19.5 18.8 20.5
財貨・サービスの輸出 19.8 18.7 20.1 20 20.5
24.0 24.4 26.4 29.7 28.9
財貨・サービスの輸入
純 輸 出 /(輸入) (8.4)
(4.2) (5.7) (6.3) (9.71)
棚卸資産の増減額 0.3 0.5 0.6 0.2 (0.2)
- - - 1.2 1.0
統計上の誤差
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
実 質 GDP
(1) 速報値。
出所:INDECおよび財務省
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歳出別実質GDPの推移
(前年からの変動率(%)、2004年固定価格)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年(1) 2018 年(1)
消 費:
公共部門消費 2.9 6.9 (0.5) 2.7 (3.3)
(4.4) 3.7 (0.8) 4.0 (2.4)
民 間 消 費
消 費 合 計
(3.3) 4.2 (0.7) 3.8 (2.5)
総 投 資
(6.8) 3.5 (5.8) 12.2 (5.8)
財貨・サービスの輸出 (7.0) (2.8) 5.3 1.7 -
(11.5) 4.7 5.8 15.4 (5.1)
財貨・サービスの輸入
純 輸 出 /(輸 入)
(28.0) 40.2 7.5 59.3 (15.6)
棚卸資産の増減額 45.7 72.9 20.9 (61.0) (185.4)
- - - - (13.4)
統計上の誤差
(2.5) 2.7 (2.1) 2.7 (2.5)
実 質 GDP
(1) 速報値。
出所:INDECおよび財務省
以下の表は、表示年度中の2004年固定価格に基づくアルゼンチンの歳出別総投資に関する情報を示す。
総投資の内訳
(百万ペソ、2004年固定価格)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年(3) 2018 年(3)
天然資源その他(1) 529 537 532 557 586
製造用耐久性設備
機械類および設備:
国 産 21,605 23,108 22,846 25,811 22,115
33,804 35,554 34,349 41,337 40,412
輸 入
合 計 55,408 58,662 57,195 67,148 62,526
輸送用製品
国 産 10,273 10,698 10,437 9,854 7,869
6,160 5,724 7,854 8,443 6,076
輸 入
合 計 16,433 16,422 18,291 18,296 13,945
製造用耐久性設備合計 71,841 75,084 75,486 85,445 76,471
63,819 65,284 56,745 62,980 63,259
建 設(2)
136,190 140,905 132,763 148,981 140,316
総投資合計
(1) 研究開発および育成生物資源を含む。
(2) 採掘探査を含む。
(3) 速報値。
出所: INDEC および財務省
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総投資の内訳
( 総投資合計に占める比率(%)、 2004 年固定価格)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年(3) 2018 年(3)
天然資源その他(1) 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4
製造用耐久性設備
機械類および設備:
国 産 15.9 16.4 17.2 17.3 15.8
24.8 25.2 25.9 27.7 28.8
輸 入
40.7 41.6 43.1 45.1 44.6
合 計
輸送用製品
国 産 7.5 7.6 7.9 6.6 5.6
4.5 4.1 5.9 5.7 4.3
輸 入
合 計 12.1 11.7 13.8 12.3 9.9
製造用耐久性設備合計 52.8 53.3 56.9 57.4 54.5
46.9 46.3 42.7 42.3 45.1
建 設(2)
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
総投資合計
(1) 研究開発および育成生物資源を含む。
(2) 採掘探査を含む。
(3) 速報値。
出所: INDEC および財務省
総投資の推移
(前年からの変動率(%)、2004年固定価格)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年(3) 2018 年(3)
天然資源その他(1) 0.2 1.4 (0.9) 4.6 5.2
製造用耐久性設備
機械類および設備:
国 産 (9.7) 7.0 (1.1) 13.0 (14.3)
(3.9) 5.2 (3.4) 20.3 (2.2)
輸 入
(6.2) 5.9 (2.5) 17.4 (6.9)
合 計
輸送用製品
国 産 (24.0) 4.1 (2.4) (5.6) (20.1)
(17.6) (7.1) 37.2 7.5 (28)
輸 入
合 計 (21.7) (0.1) 11.4 - (23.8)
製造用耐久性設備合計 (10.3) 4.5 0.5 13.2 (10.5)
(2.5) 2.3 (13.1) 11.0 0.4
建 設(2)
(6.8) 3.5 (5.8) 12.2 (5.8)
総投資合計
(1) 研究開発および育成生物資源を含む。
(2) 採掘探査を含む。
(3) 速報値。
出所: INDEC および財務省
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(b) 産業構造、主要部門の状況および鉱工業生産指数の推移
経済の主要部門
以下の表は、指定期間中のアルゼンチンの実質GDPの経済部門別内訳を示す。
部門別実質GDP
(百万ペソ、2004年固定価格)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年(3) 2018 年(3)
第一次産業:
農業・畜産・狩猟・林業 49,085 52,897 50,299 51,579 43,767
水 産 2,184 2,239 2,236 2,556 2,695
22,755 23,130 21,863 21,113
21,281
鉱業・採取(石油・ガスを含む。)
74,024 78,266 74,398 75,249 67,743
第一次産業合計
第二次産業:
製 造 124,309 125,261 118,245 121,283 115,413
建 設 21,895 22,554 20,029 22,123 22,388
11,949 12,477 12,601 12,473
12,497
電気・ガス・水道
158,152 160,292 150,874 155,879 150,298
第二次産業合計
サービス:
運輸・倉庫・通信 54,168 55,811 57,709 59,010 57,304
商業・ホテル・飲食 102,447 105,842 102,966 105,196 100,888
金融・不動産・業務・賃貸サービス 97,803 99,428 98,483 101,993 104,810
行政・教育・保健・社会的・個人向け
サービス 96,264 99,027 100,948 102,337 102,834
4,259 4,275 4,244 4,184 4,345
家事サービス(1)
354,941 364,382 364,351 372,720 370,181
サービス合計
115,189 118,547 116,855 121,483 118,869
輸入税加算および銀行業務調整控除(2)
702,306 721,487 706,478 725,331 707,092
実質GDP合計
(1) 介護職員、家事使用人および専属運転手を含む家事労働者により完結されるサービスを含む。
(2) 本表の第一次および第二次産業の生産高は生産に用いる輸入品に課される関税を含んでいないが、実質GDPを確定する際にはこれ
を考慮しなければならない。実質GDPを確定するために、輸入税が本項目に計上されている。
(3) 速報値。
出所: INDEC および財務省
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部門別実質GDP
(実質GDPに占める比率(%)、2004年固定価格)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年(3) 2018 年(3)
第一次産業:
農業・畜産・狩猟・林業 7.0 7.3 7.1 7.1 6.2
水 産 0.3 0.3 0.3 0.4 0.4
3.2 3.2 3.1 2.9 3.0
鉱業・採取(石油・ガスを含む。)
10.5 10.8 10.5 10.4 9.6
第一次産業合計
第二次産業:
製 造 17.7 17.4 16.7 16.7 16.3
建 設 3.1 3.1 2.8 3.1 3.2
1.7 1.7 1.8 1.7 1.8
電気・ガス・水道
22.5 22.2 21.4 21.5 21.3
第二次産業合計
サービス:
運輸・倉庫・通信 7.7 7.7 8.2 8.1 8.1
商業・ホテル・飲食 14.6 14.7 14.6 14.5 14.3
金融・不動産・業務・賃貸サービス 13.9 13.8 13.9 14.1 14.8
行政・教育・保健・社会的・個人向けサービス 13.7 13.7 14.3 14.1 14.5
0.6 0.6 0.6 0.6 0.6
家事サービス(1)
50.5 50.5 51.6 51.4 52.4
サービス合計
16.4 16.4 16.5 16.7 16.8
輸入税加算および銀行業務調整控除(2)
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
実質GDP合計
(1) 介護職員、家事使用人および専属運転手を含む家事労働者により完結されるサービスを含む。
(2) 本表の第一次および第二次産業の生産高は生産に用いる輸入品に課される関税を含んでいないが、実質GDPを確定する際にはこれ
を考慮しなければならない。実質GDPを確定するために、輸入税が本項目に計上されている。
(3) 速報値。
出所: INDEC および財務省
部門別実質GDP
( 前年からの変動率(%)、2004年固定価格)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年(3) 2018 年(3)
第一次産業:
農業・畜産・狩猟・林業 3.2 7.8 (4.9) 2.5 (15.1)
水 産 1.2 2.5 (0.1) 14.3 5.4
1.6 1.6 (5.5) (3.4) 0.8
鉱業・採取(石油・ガスを含む。)
2.6 5.7 (4.9) 1.1 (10.0)
第一次産業合計
第二次産業:
製 造 (5.1) 0.8 (5.6) 2.6 (4.8)
建 設 (2.0) 3.0 (11.2) 10.5 1.2
2.0 4.4 1.0 (1.0) 0.2
電気・ガス・水道
(4.1) 1.4 (5.9) 3.3 (3.6)
第二次産業合計
サービス:
運輸・倉庫・通信 0.8 3.0 3.4 2.3 (2.9)
商業・ホテル・飲食 (6.3) 3.3 (2.7) 2.2 (4.1)
金融・不動産・業務・賃貸サービス (1.1) 1.7 (0.9) 3.6 2.8
行政・教育・保健・社会的・個人向けサービス 1.7 2.9 1.9 1.4 0.5
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部門別実質GDP
( 前年からの変動率(%)、2004年固定価格)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年(3) 2018 年(3)
0.3 0.4 (0.7) (1.4) 3.9
家事サービス(1)
(1.6) 2.7 - 2.3 (0.7)
サービス合計
(5.9) 2.9 (1.4) 4.0 (2.2)
輸入税加算および銀行業務調整控除(2)
(2.5) 2.7 (2.1) 2.7 (2.5)
実質GDP合計
(1) 介護職員、家事使用人および専属運転手を含む家事労働者により完結されるサービスを含む。
(2) 本表の第一次および第二次産業の生産高は生産に用いる輸入品に課される関税を含んでいないが、実質GDPを確定する際にはこれ
を考慮しなければならない。実質GDPを確定するために、輸入税が本項目に計上されている。
(3) 速報値。
出所: INDEC および財務省
2014 年、実質GDPは2.5%減少した。この経済の縮小は、輸出の減少、金融部門の不確実性の高まりおよび外国為替
市場のボラティリティが原因であった。総投資は6.8%減少し、財貨・サービスの輸出は7.0%減少し、総消費は
3.3%減少した。サービス部門は1.6%減少し、2014年の実質GDPの50.5%を占めた。しかし、サービス部門内では行
政サービスが成長を遂げた。2013年比で、第二次産業部門は製造業の5.1%減を主因として4.1%減少したが、第一次
産業部門は農業・畜産・狩猟・林業の3.2%増を主因として2.6%成長した。
2015 年、実質GDPは2.7%成長した。この成長は、公共部門消費の6.9%増および民間部門消費の3.7%増ならびに総
投資の3.5%増により牽引された総消費が4.2%増加したことに刺激された。サービス部門は2.7%増加し、2015年の
実質GDPの50.5%を占めた。サービス部門内では、行政サービスが最大の伸びを見せた。2014年比で、第一次産業部
門は5.7%成長し、また第二次産業部門は1.4%成長した。
2016 年、実質GDPは2.1%減少した。この減少は、総投資の5.8%減および総消費の0.7%減によるものであったが、
財貨・サービスの輸入は5.8%増加した。第二次産業部門および第一次産業部門は2015年と比べ縮小した。第二次産
業部門は5.9%減少し、第一次産業部門は4.9%減少したが、サービス部門に大きな変動はなく、運輸・倉庫・通信お
よび行政・教育・保健・社会的・個人向けサービスの小部門はプラス成長を示し、経済の縮小を一部緩和した。
2017 年、実質GDPは2.7%成長した。この成長は、総投資の12.2%増および総消費の3.8%増に刺激された。サービ
ス部門は2.3%増加し、金融・不動産・業務・賃貸サービスが成長を促した一方、行政・教育・保健・社会的・個人
向けサービスの伸びは遅めで、2016年の実質GDPの14.3%と比べ、2017年の実質GDPの14.1%を占めた。2016年比で、
第二次産業部門は3.3%成長し、第一次産業部門は1.1%成長した。
2018 年、実質GDPは2.5%減少した。この減少は、総投資の5.8%減および総消費の2.5%減によるものであったが、
財貨・サービスの輸出 に大きな変動はなかった。 第一次産業部門、第二次産業部門およびサービス部門はすべて2017
年と比べ縮小した。第一次産業部門は、主に農業・畜産・狩猟・林業の15.1%縮小により10.0%減少したが、これは
農業生産地域の大部分に影響を与えた深刻な干ばつによるものであった。第一次産業部門の縮小は、経済の残りの部
門に直接的な影響を及ぼした。第二次産業部門は3.6%減少したが、これは主に製品の製造が4.8%縮小したことによ
る。サービス部門は0.7%減少したが、これは、 運輸・倉庫・通信部門の2.9%の減少および商業・ホテル・飲食部門
の4.1%の減少が主因であった 。
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第一次産業
2014 年、第一次産業部門合計は、農業・畜産・狩猟・林業の3.2%増 を主因として 2013 年と比べ2.6%増加した。
2015年、第一次産業部門合計は、農業・畜産・狩猟・林業の7.8%増 を主因として 2014 年と比べ5.7%増加した。2016
年、第一次産業部門合計は、農業・畜産・狩猟・林業の4.9%減 を主因として 2015 年と比べ4.9%減少した。2017年、
第 一次産業部門合計は、農業・畜産・狩猟・林業の2.5%増 を主因として 2016 年と比べ1.1%増加した。2018年、第一
次産業部門合計は、農業・畜産・狩猟・林業の15.1%減少を主因として2017年と比べ10.0%減少した。
農業・畜産・狩猟
アルゼンチンはほぼすべての農産物および畜産品を自国生産に依存しており、加工穀物、穀物、食肉および魚介を
含む1次産品の主要輸出国である。穀物生産は主に大豆、とうもろこしおよび小麦で構成される。2017年から2018年
にかけてのシーズン中、大豆、とうもろこしおよび小麦が農業生産高合計のそれぞれ33.4%、38.4%および16.4%を
占めた。2014年、2015年、2016年、2017年および2018年中、アルゼンチンの農業・畜産・狩猟・林業部門が実質GDP
のそれぞれ7.0%、7.3%、7.1%、7.1%および6.2%を占めた。
2018 年、農業・畜産・狩猟・林業部門は、2017年と比べ15.1%減少した。これは主に、2017/2018年収穫期中、 農
業生産地域の大部分に影響を与えた深刻な干ばつによるものであった。2018年3月、政府はブエノスアイレス、コル
ドバ、コリエンテス、エントレリオス、サンタフェおよびサンティアゴ・デル・エステロの各州の農業・畜産部門に
ついて非常事態を宣言し、その結果、生産者は、一定の租税優遇措置およびバンコ・デ・ラ・ナシオン・アルヘン
ティナ(アルゼンチン国立銀行)の一部の融資の債務金額に係る支払猶予を享受した。
鉱業・採取(石油・ガスの生産を含む。)
鉱業・採取産業部門は、主に貴金属および半貴石、石炭、石油およびガスの探査および生産で構成される。歴史的
に、アルゼンチンの鉱業は経済に占める割合が小さく、2014年、2015年、2016年、2017年および2018年は実質GDPの
それぞれ3.2%、3.2%、3.1%、2.9%および3.0%を占めた。
アルゼンチンは、2019年6月に発行されたBP世界エネルギー統計レビュー2019年版によれば、2018年生産量に基づ
くと、世界第1位の天然ガス産出国であり、また中南米で第5位の原油産出国である。2018年12月31日現在、政府は
YPFを通じてアルゼンチンに112の油田およびガス田を保有している。YPFは民間のパートナーと連携して、主にネウ
ケン州およびリオ・ネグロ州に位置するヴァカ・ムエルタ地層でシェールオイルやシェールガスを含む非在来型資源
の探査・開発に関するプロジェクトにも従事している。 「-(g) その他の経済関連情報-経済における国家の役割-
石油・ガス産業」 、「-① 近時の経済動向-経済の歴史および背景-2008年から2015年」、「-経済の歴史および
背景-政府の基本政策とそのアルゼンチン経済への影響(2011年から2015年)」および同「-2015年から2018年」を
参照のこと。
第二次産業
製 造
アルゼンチンの製造業は主に、食品および飲料、化学製品および化学物質、普通金属、ゴムおよびプラスチック製
品、自動車、トレーラーおよびセミトレーラーならびに衣料品の生産で構成される。アルゼンチンに重大な悪影響を
及ぼした2001年から2002年の経済危機は2002年のGDPを10.9%縮小させ、この部門にも大きな悪影響を及ぼした。輸
入代替政策を採用して2002年にこれに着手したことは、この部門の次年度以降の成長に貢献した。2003年から2008年
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にかけて、経済成長はペソ切下げの影響や生産促進型の投資を通じて競争力を高めた製造部門の成長に下支えされ
た。同期間中は化学製品、航空機および船舶などの工業製品、ならびに穀物および畜産品などの農産品の製造も輸出
に 貢献した。 しかし、アルゼンチンの製造部門は資本コストの変動に大きく左右され、資本コストは政府の財政政策
および金融政策の影響を受ける。近年、製造部門はアルゼンチンの不安定なマクロ経済環境から悪影響を受け続けて
いる。 2018 年中、製造部門は実質GDPの16.3%を占めた。
2014 年、製造部門は2013年比で5.1%縮小した。この縮小の主因は以下のとおりであった。
● 自動車・トレーラー・セミトレーラー生産の20.6%減。2014年の製造部門における縮小全体の22.9%を占め
た。
● 機械類・設備生産の12.3%減。2014年の製造部門における縮小全体の15.3%を占めた。
● 金属製品の13.6%減。2014年の製造部門における縮小全体の11.9%を占めた。
2015 年、製造部門は2014年比で0.8%成長した。この成長の主因は以下のとおりであった。
● 食品・飲料の3.9%増
● ゴム・プラスチック製品の7.0%増
● 什器類の10.6%増
これらの増加は、普通金属生産の12.0%減および自動車・トレーラー・セミトレーラーの10.1%減により一部相殺
された。
2016 年、製造部門は2015年比で5.6%縮小した。この縮小の主因は以下のとおりであった。
● 普通金属の8.6%減
● 自動車・トレーラー・セミトレーラーの14.3%減
● 食品・飲料の2.5%減
● 衣料品の11.8%減
製造部門では、機械類・設備を除く全分野で生産高が減少した。
2017 年、製造部門は2016年比で2.6%成長した。この成長の主因は以下のとおりであった。
● 普通金属の15.4%増
● 機械類・設備の13.4%増
● 機械類・設備を除く金属製品の8.2%増
● 自動車・トレーラー・セミトレーラーの8.6%増
2018 年、製造部門は2017年比で4.8%縮小した。この縮小の主因は以下のとおりであった。
● 機械類・設備の19.7%減
● 化学製品の6.4%減
● 食品・飲料の2.5%減
● 電気器具の16.4%減
建 設
アルゼンチン経済は、実質GDPの推移と主に住宅プロジェクトで構成される建設部門との間にある強い相関関係を
示している。
2014 年、民間・公共の両部門における失業の悪化を主因として、建設部門の活動水準は2013年比で2.0%低下し
た。2014年に建設部門は実質GDPの3.1%を占めた。
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2015 年、建設部門の活動水準は2014年比で3.0%上昇した。民間部門プロジェクトへの投資の増加がその主因で
あったが、公共部門プロジェクトおよびハイドロカーボン部門での建設活動の落込みにより一部相殺された。2015年
に 建設部門は実質GDPの3.1%を占めた。
2016 年、建設部門の活動水準は2015年比で11.2%低下した。2016年に建設部門は実質GDPの2.8%を占めた。
2017 年、建設部門の活動水準は2016年比で10.5%上昇した。2017年に建設部門は実質GDPの3.1%を占めた。
2018 年、建設部門の活動水準は2017年比で1.2%上昇した。2018年に建設部門は実質GDPの3.2%を占めた。
電気・ガス・水道
アルゼンチンの電気は主に複合サイクル発電(ガスおよび蒸気タービンの両方を用いる発電)および水力発電で生
産され、補助的にガス、石炭および原子力発電所でも生産されている。電気・ガス・水道部門はアルゼンチン経済の
ごく一部にすぎず、2018年には実質GDPの1.8%を占めた。
電気・ガス・水道部門は、2014年、2015年、2016年および2018年は前年比でそれぞれ2.0%、4.4%、1.0%および
0.2%増加し、2017年は前年比で1.0%減少した。2014年から2018年にかけて、アルゼンチンは超過的な消費需要に対
応するため一部を輸入燃料に依存した。
2015 年12月、政府は国の電力供給システムに係る緊急事態を宣言し、これは2017年12月31日まで有効であった。こ
の緊急事態により政府は、連邦のすべての公的事業体と協力して、電力供給システムの質および安全の保障に向けた
連携的プログラムを立案および実施するための対策など、国内向けの電力を確実に供給することを目的とした措置を
取った。また、政府はエネルギー助成金の一部廃止および電気料金の大幅値上げを発表した。詳細は「-① 近時の
経済動向-経済の歴史および背景-2015年から2018年」および「-(g) その他の経済関連情報-経済における国家の
役割-石油・ガス産業」を参照のこと。
以下の表は、指定期間中のアルゼンチンの電力部門に関する情報を示す。
電気部門主要経済指標
(別途記載する場合を除き、ギガワット/時間)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 (1) 2018 年 (1)
電気部門生産量
複合サイクル 51,032 52,565 41,342 61,051 62,499
水 力 40,660 39,840 26,882 41,280 41,384
38,123 41,142 66,906 34,135 33,599
その他(2)
1,390 1,655 1,470 734 344
輸 入(3)
131,205 135,202 136,600 137,200 137,825
総生産量
経済部門別需要量
産 業 39,028 39,334 37,503 37,775 37,753
住 宅 51,444 55,424 57,067 55,911 56,992
35,995 37,351 38,541 38,843 38,262
商 業
126,467 132,110 133,111 132,530 133,008
総需要量
(1) 速報値。
(2) ディーゼル、風力、原子力、ガス、蒸気および太陽エネルギーを含む。
(3) 国内発電量を超える国内需要に対応するための、主にウルグアイからの輸入。
出所:INDECおよび財務省
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以下の表は、指定期間中の燃料およびエネルギーの輸出入を示す。
燃料およびエネルギーの輸出入
(別途記載する場合を除き、百万米ドル)
2017 年 2018 年
2014 年 2015 年 2016 年 (1) (1)
FOB (本船渡し)輸出合計 68,405 56,784 57,879 58,622 61,620
燃料およびエネルギー 4,950 2,252 2,035 2,477 4,182
FOB 輸出合計に占める比率(%) 7.2 4.0 3.5 4.2 6.8
前年からの変動率(%) (11.0) (54.5) (9.6) 21.7 68.8
CIF 輸入合計 65,735 60,205 55,911 66,930 65,442
燃料およびエネルギー 11,420 6,952 4,912 5,715 6,526
CIF 輸入合計に占める比率(%) 17.4 11.5 8.8 8.5 10.0
前年からの変動率(%) (8.4) (39.1) (29.3) 16.3 14.2
燃料およびエネルギーの純輸出(輸入) (6,470) (4,700) (2,877) (3,238) (2,344)
(1) 速報値。
出所: INDEC および財務省
2017 年、燃料およびエネルギーの純輸入は、2016年と比べ12.5%増加した。この増加は、主に国際エネルギー価格
の上昇によるもので、最近のエネルギー部門改革を通じて達成された輸入量の減少を埋め合わせることはできなかっ
た。
2018 年、燃料およびエネルギーの純輸入は、2017年と比べ27.6%減少した。この減少は、最近のエネルギー部門改
革を通じて達成された輸入量の減少によるものであるが、国際エネルギー価格の上昇により一部相殺された。「-
(g) その他の経済関連情報-経済における国家の役割-エネルギー部門改革」を参照のこと。
燃料およびエネルギーの輸出入の推移
(前年からの変動率(%))
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 (1) 2018 年 (1)
輸出量の推移 (5.8) (16.9) 2.7 (6.8) 41.2
輸入量の推移 (5.5) (2.9) 3.9 (1.3) (9.0)
(1) 速報値。
出所: INDEC および財務省
サービス
サービス部門はアルゼンチン経済のもっとも大きな要素であり、実質GDPのうち、2014年に50.5%、2015年に
50.5%、2016年に51.6%、2017年に51.4%および2018年52.4%を占めた。
以下の表は、指定年度中のサービス部門の構成および成長率を示す。
サービス部門の構成
(単位:百万ペソ、2004年固定価格)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年(2) 2018 年(2)
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卸売 ・ 小売・修繕業 91,605 94,850 91,764 93,677 89,429
運輸 ・ 倉庫 ・ 通信サービス 54,168 55,811 57,709 59,010 57,304
不動産 ・ 業務 ・ 賃貸サービス 70,964 72,248 72,164 74,330 76,036
教育 ・ 社会福祉 ・ 保健サービス 46,957 48,480 49,685 50,519 51,237
金融サービス 26,839 27,180 26,320 27,663 28,775
他の地域的 ・ 社会的 ・ 個人向けサー
ビス 18,253 18,326 18,267 18,552 18,400
行 政 31,055 32,220 32,997 33,295 33,196
ホテル ・ 飲食 10,842 10,992 11,202 11,519 11,459
4,259 4,275 4,244 4,184 4,345
家事サービス(1)
354,941 364,382 364,351 372,720 370,181
合 計
(1) 介護職員、家事使用人および専属運転手を含む家事 労 働者により完結されるサービスを含む。
(2) 速報値。
出所: INDEC および財務省
サービス部門の成長率
(前年からの変動率(%)、2004年固定価格)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年(2) 2018 年(2)
卸売 ・ 小売・修繕業 (6.8) 3.5 (3.3) 2.1 (4.5)
運輸 ・ 倉庫 ・ 通信サービス 0.8 3.0 3.4 2.3 (2.9)
不動産 ・ 業務 ・ 賃貸サービス (0.5) 1.8 (0.1) 3.0 2.3
教育 ・ 社会福祉 ・ 保健サービス 2.3 3.2 2.5 1.7 1.4
金融サービス (2.7) 1.3 (3.2) 5.1 4.0
他の地域的 ・ 社会的 ・ 個人向けサービ
ス (1.9) 0.4 (0.3) 1.4 (0.7)
行 政 3.1 3.8 2.4 0.9 (0.3)
ホテル ・ 飲食 (1.2) 1.4 1.9 2.8 (0.5)
家事サービス(1) 0.3 0.4 (0.7) (1.4) 3.9
合 計 (1.6) 2.7 - 2.3 (0.7)
(1) 介護職員、家事使用人および専属運転手を含む家事労働者により完結されるサービスを含む。
(2) 速報値。
出所: INDEC および財務省
2014 年、サービス部門は2013年比で1.6%縮小した。この縮小は主に、卸売・小売・修繕業が減少したことによる
ものであった。
2015 年、サービス部門は2014年比で2.7%成長した。この成長は主に、卸売・小売・修繕業および不動産・業務・
賃貸サービスにより牽引された。
2016 年、サービス部門は2015年比で大きな変動はなかった。運輸・倉庫・通信サービスが3.4%増加し、行政サー
ビスが2.4%増加したが、これらのセグメントの成長は、卸売・小売・修繕業が3.3%減少し、金融サービスが3.2%
減少したため一部相殺された。
2017 年、サービス部門は2016年比で2.3%成長した。この成長は主に卸売・小売・修繕業の2.1%増および 不動産 ・
業務 ・ 賃貸サービスの 3.0 %増により牽引されたが、家事サービスが1.4%減少したため一部相殺された。
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2018 年にサービス部門は2017年比で0.7%減少した。この減少は主に卸売・小売・修繕業の4.5%減および運輸・倉
庫・通信サービスの2.9%減により牽引されたが、不動産・業務・賃貸サービスおよび金融サービスが2.3%増加した
ため一部相殺された。
電気通信
電気通信部門は2001年以降成長している。手ごろな携帯電話の料金プランが設定され、また消費者の購買力が改善
したことに伴い、アルゼンチンでも徐々に一般的になりつつあるモバイル通信の利用が大幅に増えたことがこの成長
に大きく寄与した。
2009 年10月、アルゼンチン国会は視聴覚通信サービス法(法律第26,522号、「LSCA法」)を可決し、アルゼンチン
の視聴覚メディア産業が約30年にわたり従ってきた法的一般枠組を改廃した。
2014 年12月16日、国会は法律第27,078号(以下「デジタル・アルゼンチン法」)を可決し、国家電気通信法(法律
第19,798号)の一部を改廃し、(電気通信市場の規制緩和を定めた)大統領令第764/00号の効力を一部の新規制に
よって条件付けた。従来の国家電気通信システムに対するもっとも大きな変更として、「プロバイダ(間)の公共戦
略的なインフラ使用および接続サービス」という新たな公的任務が設定された。この活動を公的任務と位置付けたこ
とで、プロバイダ(視聴覚通信サービスのプロバイダを含む。)は、他の「情報通信技術(以下「TIC」といい、デ
ジタル・アルゼンチン法は電気通信サービスにこの用語を充てている。)」サービス・プロバイダが自前のサービス
を展開できるよう、かかる他のTICサービス・プロバイダに自社のネットワーク・エレメント、その関連資源または
サービスに接続させる義務を課されうることとなった。ネットワークおよびインフラの所有者は、自前でインフラ投
資をしない競争者に対してもネットワーク接続を提供する義務を課されうることとなった。
2015 年12月まで、アルゼンチンのメディア業界はLSCA法およびデジタル・アルゼンチン法により規律され、2つの
異なる取締機関の監視に服していた。すなわち、(a)視聴覚メディア業界はLSCA法と連邦視聴覚通信サービス機構
(「AFSCA」)が規律し、(b)電気通信業界はデジタル・アルゼンチン法と連邦情報通信技術機構(「AFTIC」)が
規律していた。
2015 年12月29日、政府は、視聴覚メディアと電気通信業界を徐々に同一規制の枠組みの下に収めていくことを目的
として、大統領令第267/2015号(「新メディア令」)を発した。新メディア令は、とりわけ、(ⅰ)AFSCAとAFTICに
代わってLSCA法およびデジタル・アルゼンチン法を執行する自治的かつ自立的な機関として、通信省(2017年に近代
化省の管轄下に置かれた。)の下に国家通信機構(「Enacom」)を新設し、(ⅱ)義務的事業分割要件を含むLSCA法
のいくつかの規定を改廃し、(ⅲ)オープン・ブロードキャスト方式テレビサービスと有料テレビサービスの同一地
域での提供規制を撤廃した。
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(c) インフレーションおよび物価の動向
INDEC はCPIまたはWPIの2015年のデータを公表しなかった。2015年中、ブエノスアイレス市のCPIは26.9%上昇し、
サン・ルイス州のCPIは31.6%上昇した。2016年中、ブエノスアイレス市のCPIは41.0%上昇し、サン・ルイス州の
CPIは31.4%上昇した。2017年中、ブエノスアイレス市のCPIは26.1%上昇し、サン・ルイス州のCPIは24.3%上昇し
た。
2016 年6月26日、INDECはGBA(大ブエノスアイレス圏)CPIの公表を開始した。2016年4月から12月にかけてGBA
CPIは16.9%上昇し、2017年1月から6月にかけてGBA CPIは12.0%上昇した。
2017 年7月11日、INDECは2017年1月以降の期間を対象に全国CPIの公表を再開した。2017年中、全国CPIは24.8%
上昇した。「本報告書の注記-注(2) 統計およびその他情報の表示-INDEC」を参照のこと。
2018 年に、全国CPIは上昇して47.6%となり、その主な要因は公共サービスやその他の規制対象価格の上昇および
ペソの対米ドル価値の下落であった。「(5) 財政-③ 一般会計-(a) 国家公共会計-2018年の財務実績と2017年の
財務実績の比較」を参照のこと。
以下 の表は、ブエノスアイレス市の CPI およびサン・ルイス州の CPI により測定された指定期間中のインフレ率を示
す。
インフレ率 (1)
ブエノスアイレス市のCPIおよびサン・ルイス州のCPIの年率変動の推移
( 前期からの変動率(%) )
ブエノスアイレス市 サン・ルイス州
のCPI のCPI
201 4 年 38.0 39.0
201 5 年 26.9 31.6
201 6 年 41.0 31.4
201 7 年 26.1 24.3
201 8 年 45.5 50.0
(1) 年率は年間累積インフレ率を示す。
出所:サン・ルイス州統計センサス局およびブエノスアイレス市統計センサス総局
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以下の表は、INDECにより 上記 と異なる手法で測定された指定期間中のインフレ率を示す。
インフレ率 (1)
CPI の年率変動の推移
(別途記載のない限り、前期からの変動率(%))
CPI
CPI Nu GBA CPI 全国 CPI
2014 年 24.0 未詳 未詳
1月 3.7 未詳 未詳
2月 3.4 未詳 未詳
3月 2.6 未詳 未詳
4月 1.8 未詳 未詳
5月 1.4 未詳 未詳
6月 1.3 未詳 未詳
7 月 1.4 未詳 未詳
8月 1.3 未詳 未詳
9月 1.4 未詳 未詳
10 月 1.2 未詳 未詳
11 月 1.1 未詳 未詳
12 月 1.0 未詳 未詳
2015 年 未詳 未詳 未詳
1月 1.1 未詳 未詳
2月 0.9 未詳 未詳
3月 1.3 未詳 未詳
4月 1.1 未詳 未詳
5月 1.0 未詳 未詳
6月 1.0 未詳 未詳
7月 1.3 未詳 未詳
8月 1.2 未詳 未詳
9月 1.2 未詳 未詳
10 月 未詳 未詳 未詳
11 月 (1) 未詳 未詳 未詳
12 月 (1) 未詳 未詳 未詳
2016 年 未詳 未詳 未詳
1月 未詳 未詳 未詳
2月 未詳 未詳 未詳
3月 未詳 未詳 未詳
4月 未詳 未詳 未詳
5月 未詳 4.2 未詳
6月 未詳 3.1 未詳
7月 未詳 2.0 未詳
8月 未詳 0.2 未詳
9月 未詳 1.1 未詳
10 月 未詳 2.4 未詳
11 月 未詳 1.6 未詳
12 月 未詳 1.2 未詳
2017 年 未詳 25.0 24.8
1月 未詳 1.3 1.6
2月 未詳 2.5 2.1
3月 未詳 2.4 2.4
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4月 未詳 2.6 2.7
5月 未詳 1.3 1.4
6月 未詳 1.4 1.2
7月 未詳 1.7 1.7
8月 未詳 1.5 1.4
9月 未詳 2.0 1.9
10 月 未詳 1.3 1.5
11 月 未詳 1.2 1.4
12 月 未詳 3.4 3.1
201 8 年 未詳 47.1 47.6
1月 未詳 1.6 1.8
2月 未詳 2.6 2.4
3月 未詳 2.5 2.3
4月 未詳 2.6 2.7
5月 未詳 1.9 2.1
6月 未詳 3.9 3.7
7月 未詳 2.8 3.1
8月 未詳 4.1 3.9
9月 未詳 6.6 6.5
10 月 未詳 5.1 5.4
11 月 未詳 2.9 3.2
12 月 未詳 2.8 2.6
(1) 年率は年間累積インフレ率を示す。月報値は当該月の前月比のインフレ率を示す。
出所:INDEC
以下の表は、指定期間中のWPIの変動率を示す。
インフレ率 (1)
WPI の年率変動の推移
(別途記載のない限り、前期からの変動率(%))
2014 年 28.3
1月 5.0
2月 5.1
3月 2.4
4月 1.7
5月 3.6
6月 1.5
7月 1.3
8月 1.6
9月 3.3
10 月 1.2
11 月 0.9
12 月 1.0
2015 年 未詳
1月 0.2
2月 0.2
3月 1.0
4月 1.7
5月 1.5
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6月 1.3
7月 1.4
8月 2.9
9月 1.4
10 月 0.9
11 月 未詳
12 月 未詳
2016 年 34.5
1月 9.0
2月 5.0
3月 2.4
4月 1.5
5月 3.6
6月 2.9
7月 2.8
8月 0.4
9月 0.4
10 月 0.6
11 月 1.2
12 月 0.6
2017 年 18.8
1月 1.5
2月 1.7
3月 0.9
4月 0.5
5月 0.9
6月 1.9
7月 2.6
8月 1.9
9月 1.0
10 月 1.5
11 月 1.5
12 月 1.6
2018 年 73.5
1月 4.6
2月 4.8
3月 1.9
4月 1.8
5月 7.5
6月 6.5
7月 4.7
8月 4.9
9月 16.0
10 月 3.0
11 月 0.1
12 月 1.3
(1) 年率は年間累積インフレ率を示す。月報値は当該月の前月比のインフレ率を示す。
出所:INDEC
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2016 年、中央銀行および政府は、貯蓄および長期融資をインフレの影響から保護することを意図して、2つの新し
い金融商品を導入した。2016年4月、中央銀行は、ブエノスアイレス、コルドバ、ロサリオ、サルタの各市および
(サ ンタフェ・デラ・ヴェラ・クルスからパラナにかけての)海岸地域の1平方メートル当たり平均工事費単価
(2016年3月31日現在)に基づく当初価格で、購買力ユニット(Unidades de Valor Adquisitivo、または「UVA」)
と称する1つ目の商品を導入した。UVAの価額は、安定化指数(CER)に基づき日次で調整される。2016年9月、政府
は、アルゼンチンの1平方メートル当たり平均工事費単価に基づく当初価格で、住宅供給ユニット(Unidades de
Vivienda、または「UVI」)と称する2つ目の商品を導入した。UVIの価額は、INDECにより公表される「大ブエノス
アイレス圏工事費指標(Índice de la Construcción para el Gran Buenos Aires)」に基づき月次で調整される。
さらに政府は、取引決済におけるキャッシュの使用を減らして電子的支払いを増やすための措置を実施し、また抵当
ローンの手続を簡素化した。
2017 年、中央銀行は、金融機関が抵当貸付の裏付けとなる不動産を評価するために利用可能なオプションを拡充し
た。UVA建ての融資は当初、中小企業(SME)にプラスに影響した。2017年末までに、様々な(官民の)金融機関が中
小企業に向けに運転資本と資本資産の取得の両方を目的とするUVA建て新規信用枠の供与を開始した。
2018 年、金融機関のUVA建て資金調達を補強するため、UVAを正規の基準貨とする預金その他の有期の投資の最短期
間を90日に短縮した。
(d) 雇用および労働
失業および不完全雇用
INDEC は、主に継続的家計調査(Encuesta Permanente de Hogares、または「EPH」)で収集されたデータに基づ
き、アルゼンチン人口の社会的、人口統計的、および経済的な特徴を計測するために使用される一連の指標を作成し
ている。INDECのデータの信頼性に関する重要情報については、「本報告書の注記-注(2) 統計およびその他の情報
の表示-INDEC」を参照のこと。
以下の表は、表示期間中の雇用統計を示す。
就業率および失業率 (1)
(%)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
第4 第3 第4 第4 第4
四半期 四半期(*) 四半期 四半期 四半期
大ブエノスアイレス圏:
労働力率(2) 46.5 46.1 47.0 47.9 47. 7
就業率(3) 43.2 43.4 43.0 43.8 42.7
失業率(4) 7.2 6.0 8.5 8.4 10.5
不完全就業率(5) 10.0 9.7 11.7 10.6 12.8
主要内陸都市: (1)
労働力率(2) 43.9 43.4 43.4 44.7 45.0
就業率(3) 41.0 40.9 40.7 42.1 41.7
失業率(4) 6.6 5.7 6.4 5.7 7. 5
不完全就業率(5) 8.0 7.5 8.5 9.7 11.0
都市部全体:
労働力率(2) 45.2 44.8 45.3 46.4 46. 5
就業率(3) 42.1 42.2 41.9 43.0 42.2
失業率(4) 6.9 5.9 7.6 7.2 9.1
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就業率および失業率 (1)
(%)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
第4 第3 第4 第4 第4
四半期 四半期(*) 四半期 四半期 四半期
不完全就業率(5) 9.1 8.6 10.3 10.2 12.0
(1) 数値は、31の主要都市を基準としている。 EPH の実測のための現行手法は、ラウソン、トレレウ、サンニコラス、ヴィラコンス
ティチューション、コンコルディア、広域パラナ、広域メンドーザ、広域レシステンシア、広域サン・フアン、ラ・リオハ、サン
ティアゴ・デル・エステロ、ラ・バンダを除くすべての主要都市に適用されているが、ここに列挙した都市は情報源の制約のため新
しい手法の対象とされていない。
(2) 労働力人口は、就業者人口および失業中だが積極的に求職している人口の合計からなる。
(3) 労働力人口に対して就業人口の占める割合。就業中とみなされるためには、最低年齢要件をみたす者が測定日の前週の間に少なく
とも(ⅰ)報酬を得て1時間以上または(ⅱ)報酬を得ないで15時間以上労働していなければならない。
(4) 労働力人口に対して失業人口の占める割合。失業人口は不完全就業人口を含まない。
(5) 労働力人口に対して不完全就業人口の占める割合。労働時間が週35時間未満で、かつより多くの労働を望んでいる労働者は、不完
全就業の状態にあるとみなされる。
(*) 2015年第4四半期のデータは未詳。
出所: INDEC および財務省
非公式経済
アルゼンチン経済には、主にアルゼンチンの社会保障制度に登録することなく合法事業に従わる被用者、および比
率は下がるが未登録事業に従事している被用者で構成される、非公式な経済セグメントがある。その性質上、アルゼ
ンチン経済の非公式セグメントは統計情報その他の信頼性ある資料による把握が容易ではない。
公式セグメントの枠外で行われる活動には、合法的な財貨・サービスの生産や取引を行っているものの、適切な事
業許可を受けていない、租税債務を申告しない、労働規制に従わないまたはサプライヤおよびエンドユーザーに対す
る法定保証を付けない小企業(個人や家族により所有されることが多い。)のものが含まれる。2018年第4四半期現
在、INDECの推計によれば、非公式経済が労働力合計に占める割合は2014年第4四半期現在の34.3%に対して35.3%
となった。
以下の表は、アルゼンチンの公式および非公式の経済における労働者の割合(推計値)を示す。
公式および非公式経済 (1)
(全体に対する割合(%))
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
第4 第3 第4 第4 第4
四半期 四半期 (*) 四半期 四半期 四半期
公 式 65.7 66.9 66.4 65.8 64.7
非公式 34.3 33.1 33.6 34.2 35.3
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
合 計
(1) 数値には、世帯主プログラムの参加者および18歳未満の個人は含まれない。
出所: INDEC および財務省
(*) 2015年第4四半期のデータは未詳。
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以下の表は、指定期間の経済部門別の民間雇用統計データを示す。
雇 用
(経済部門別の割合(%))(1)
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
第一次産業:
農業・畜産・水産・林業 5.7 5.6 5.5 5.5 5.6
1.4 1.4 1.3 1. 2 1.3
鉱業・採取産業(石油・ガスを含む。)
7.0 6.9 6.8 6.8 6.9
第一次産業合計
第二次産業:
製 造 20.0 19.7 19.5 18.9 18.4
建 設 6.8 7.0 6.5 7.0 7.2
1.0 1.1 1.1 1.1 1.1
電気・ガス・水道
27.8 27.8 27.1 27.0 26. 7
第二次産業合計
貿 易 17.8 17.7 18.2 18. 2 18. 2
47.3 47.5 48.0 48.1 48.3
サービス
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
合 計
(1) 各年の年 平均 を示す。
出所: INDEC および財務省
労働規制
アルゼンチンの労働組合は、引き続き団体交渉のプロセスに大きな影響力を行使している。地方および連邦のどち
らの組合も賃上げを求めて様々なストライキを行っている。ストライキやデモは多くの場合、数日間と短期的ではあ
るが、交通に重大な影響を与える傾向にあり、経済の様々な部門における生産を一時的に中断させることに成功し
た。
賃金および労働生産性
雇用・社会保障省は賃金審議会を介して、GDP成長率やインフレ率などのマクロ経済指標に基づきすべての経済部
門に共通の単一最低保証賃金を毎年設定している。官民の被用者の最低保証月額賃金は、それぞれ前年比で2014年に
27.4%、2015年に31.4%、2016年に32.8%、2017年に25.4%、および2018年に18.6%上昇した。
以下の表は、指定年における非公式経済で雇用されている者に関する推定も含めた、アルゼンチンの被用者の平均
月額名目賃金を示す。
平均最低保証月額名目賃金
(実勢ペソ)
平均最低保証
月額賃金
(基礎バスケッ
平均最低保証
基礎バスケット ト 平均費用に対
12 月31日現在 月額賃金 の平均費用 (1) する割合(%) )
2014 年 3,867 未詳(2) 未詳(2)
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平均最低保証月額名目賃金
(実勢ペソ)
平均最低保証
月額賃金
(基礎バスケッ
平均最低保証
基礎バスケット ト 平均費用に対
12 月31日現在 月額賃金 の平均費用 (1) する割合(%) )
2015 年 5,079 未詳(2) 未詳(2)
2016 年 6,748 未詳(2) 未詳(2)
2017 年 8,460 14,931 0.6
2018 年 10,033 20,631 0.5
(1) 貧困線を測定するのに使用される「参考」家族にとって必需的な財貨・サービスのバスケットの平均費用。「参考」家族は、35歳
の男性1人、31歳の女性1人、5歳と8歳の2人の子供の4人家族とする。
(2) INDEC は2014年、2015年および2016年に当該情報を公表しなかった。
出所:雇用・社会保障省および財務省
以下の表は、指定年度中のアルゼンチンの被用者の名目賃金における変動率を示す。
名 目 賃 金
(前年からの変動率(%))
民間部門
公式 非公式 公共部門
合計
2014 年12月 31.5 40.0 33.9 33.7
2015 年12月 30.1 未詳 33.6 未詳
2016 年12月 33.0 未詳 32.6 32.9
2017 年12月 27.3 31.5 25.0 27.5
2018 年12月 30.4 27.2 30.3 29.7
出所:財務省( INDEC の提供資料に基づく。)
2016 年12月、国会は、所得税の課税対象となる最低所得を、公共部門の職員に支払われる平均賃金の増加を参考と
して継続的に自動調整することを承認した。国会はまた、過去数年のインフレの影響を反映するための所得税バス
ケットの修正を可決した。
(e) 社会保障制度
年金基金制度の国有化
2008 年11月20日、国会は法律第26,425号を承認し、同法は2008年12月9日に発効し、民間年金制度改革が行われ
た。同法に基づき、従来の年金制度は、「賦課型」の構造を有するアルゼンチン統合年金制度に吸収および承継され
た。この結果、民間の年金基金により管理されていたすべての資金は、広範囲の上場会社に対する株主持分を含め、
ANSESにより管理される別口の基金(FGS)に移管された。FGSが保有する資産は、社会保障および年金の支払を行う
政府の(ANSESを通じた)債務の履行を妨げる予想外の財政赤字を補うことを目的とした、政府への前払金にのみ利
用することができる。2018年12月現在、FGSの評価額は1兆6,480億ペソであった。
大統領令2103/08号により、FGSは、証券の中でもとりわけ支払能力が一般に認められている公債または地方債など
の金融資産に投資するよう義務付けられている。国家社会保障機構(ANSES)は、経済・社会の動向により公的年金
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制度が受ける財務的影響を緩和し、公的年金制度の余剰金が適切に投資されるようにするための積立金として機能
し、FGSの資金の価値および収益性の維持ならびに公的年金制度の持続可能な発展の維持に貢献し、かつ、年金制度
ま たはANSESの資金不足を手当てするような投資を優先している。
FGS は、意思決定機関および統治機関を有する。FGSは、執行委員会の補佐を受けてANSESの執行理事により運営さ
れる。FGSの業務担当代理理事が執行委員会の執行事務局長となり、業務部門長も兼務する。意思決定は単純多数決
によるが、ANSESの執行理事は拒否権を有する。FGSの活動は、FGSの審議会(就労者、退職者、実業家、政治家、閣
僚およびANSESの代表者が含まれる。)の他、両院基金管理委員会、FGSの監査局、国家総合監査局および国家オンブ
ズマン事務局により監査される。
社会保障の枠組み
ANSES は、国政府とは区別される独自の法的地位を有する自律的団体であり、財政上および経済上の自治権を享受
している。3つの異なる機関がアルゼンチンの国営国民年金制度を運営する。
● 国家社会保障機構(Administracion Nacional de Saguridad Social)。一般民の年金基金を監督する。
● 軍年金基金(Instituto de Ayuda Financiera para Pago de Retiros y Pensiones Militares)。軍の特別
年金基金を運営する。
● 連邦警察年金基金(Caja de Retiros, Jubilaciones y Pensiones de la Policia Federal)。連邦の法執
行機関職員の特別年金基金を運営する。
ANSES の投資ポートフォリオには政府債券が含まれる。
1994 年から1996年にかけて、政府は10の州およびブエノスアイレス市について州年金制度を運営する責任を負って
いた。政府はかかる州年金基金をANSESと併合した。
現行の公的社会保障制度は、以下を主として退職者および適格者向けの給付金を提供している。
● 以下により構成される一般年金。
〇 基礎年金( Prestacion basica universal )。ANSESは、生涯勤続期間の過半において社会保障拠出金を
支払いかつ定年に達したすべての個人に対して、その拠出額にかかわらず基礎年金を支払う。かかる給
付額は法律により定められており、拠出額に左右されない。
〇 補助年金(Prestacion compensatoria)。ANSESはまた、基礎年金の受給者に対して、本人またはその
代理人が 1994 年7月より前に支払った社会保障拠出金に比例して補助年金を支払う。かかる補助年金の
金額は、個人の社会保障拠出額および拠出がなされた期間に基づき決定される。
〇 追加年金( Prestacion adicional por permanencia )。基礎年金および補助年金の受給者はまた、追加
年金を受け取る。その給付額は、退職前の10年間における年間平均給与の1.5%に個人が社会保障拠出
金を支払った役務年数を乗じた値に相当する。
● 主に以下により構成される特別年金および手当。
〇 障害退職者手当(Retiro por invalidez)。65歳以下の障害者に対する手当である。
〇 高齢者手当(Jubilación por edad avanzada)。退職者基礎年金の受給資格がない70歳以上の者に対す
る手当で ある 。
〇 死亡年金(Pensión por fallecimiento)。死亡した退職者の被扶養者の一部に対する手当であり、退
職者の死亡時にその被扶養者が障害のために働くことができない場合に支給される。
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〇 格差解消児童手当。ANSESは、非公式経済部門で働いているか、その給与が最低保証月額賃金を下回る
かまたは 失業中 である労働者の18歳未満の子、および障害をもつ子(年齢を問わない。)に月単位の年
金を支給する。
〇 格差解消妊娠手当(Asignación Universal por Embarazo)。ANSESは、医療保険に未加入の妊婦に対し
て妊娠第12週から月次手当を支給する。
2014 年9月、政府は社会保障制度の対象を、これらの給付に係る受給資格年齢に達しまたは2年以内に達するが制
度への拠出が必要年数にみたない者にまで拡張した。この拡張が寄与して、2014年中の各年金の増額幅は平均で
30.5%となった。
アルゼンチンの社会保障制度にはまた、以下の2種の失業対策プログラムが含まれる。
● 失業者および一定の条件をみたすその被扶養家族に対して一時金または月次給付金を提供する失業保険。
● 世界銀行が出資する世帯主プログラム。同プログラムに基づき、失業中の世帯主は地域奉仕活動と引換えに
給付を受け取ることができる。また世帯主プログラムの受給者は、雇用の質・量改善(Más y Mejor
Empleo)、職業訓練・雇用保険(Seguro de Capacitación y Empleo)および家庭の社会的包摂化
(Familias por la Inclusión Social)の新しい各プログラムを選択することができる。
国民社会保障制度は現在、主に以下の税金により資金供給されている。
● 被用者の賃金に基づく給与税(通常、被用者については11%、雇用者についてはその業種によって17%から
21%)。
● 年金受給者・退職者社会奉仕機関(Instituto Nacional de Servicios Sociales para Jubilados y
Pensionados)に対する強制的被用者拠出(被用者の賃金の3%に相当する)。
● 被用者の賃金に基づく被用者健康制度税(被用者は3%、雇用者は6%)。
● 自営業者に適用される単一課税(monotoribute)制度(税額は各業種に割り当てられた推定所得の範囲に
従って個人毎に決定される)。
現在、ANSESの費用に充当するために配分される他の財源には以下が含まれる。
● 付加価値税歳入(輸出業者向け還付金を控除後)の11%。6.27%が社会保障基金の連邦政府への移管を実施
していない州(ブエノスアイレス、チャコ、チュブト、コルドバ、コリエンテス、エントレリオス、フォル
モサ、ラパンパ、ミシオネス、サンタクルス、サンタフェ、およびティエラ・デル・フエゴ)に、残りの
93.73%がANSESに配分された。
● 単一課税歳入の70%。
● タバコに対する緊急課税の100%。
● 金融取引税歳入の100%。
社会保障収入および支出の推移
2014 年から2018年にかけて、社会保障制度の収支は2014年26兆1,622億ペソの黒字から2018年の72兆7,830億ペソの
赤字へと推移した。この変動の主な理由は、受給者数が増加したこと、および公的社会保障制度の移管に対応するた
め2008年10月に制定された法律第26,417号(社会保障移管法)が定める自動調整による給付額の増加を主因として社
会保障支出の284%の純増が生じたことであった。同法は、INDECが公表する賃金指数と税収の両方の変動に応じて半
期ベースで調整される最低年金額を保証する。
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2018 年12月18日、最高裁判所は、ANSESが年金支払額の算出に際して建設業基礎給与指数(Salarios Básicos de
la Industria y la Construcción (「ISBIC」))を使用すべきだったところ、誤って正規被用者の平均課税所得指数
(Remuneración Imponible Promedio de los Trabajadores Estable(「RIPTE」))を使用していたと判断した。そ
の 結果、推定で12,000人の年金受給者が指標の誤適用の補償を受けることとなった。
社会保障収入: 2014年、社会保障収入は2013年比で30.3%増となり、2013年の2,361億ペソから3,077億ペソに増
加した。2015年、社会保障収入は2014年比で35.0%増となり、2014年の3,077億ペソから4,154億ペソに増加した。
2016年、社会保障収入は2015年比で33.9%増となり、課税対象賃金の上昇(2015年比)および拠出金の算定における
最大課税基礎額の引上げを含む法制の変更を主因として、2015年の4,154億ペソから5,561億ペソに増加した。2017
年、社会保障収入は2016年比で31.9%増となり、課税対象賃金の上昇(2016年比)を主因として、5,561億ペソから
7,335億ペソに増加した。2018年、社会保障収入は2017年比で24.6%増となり、課税対象賃金の上昇(2017年比)を
主因として、7,355億ペソから9,139億ペソに増加した。
社会保障支出: 2014年の社会保障支出は、35.1%増の4,253億ペソとなった。2015年の社会保障支出は、43.8%
増の6,115億ペソとなった。2016年の社会保障支出は、44.5%増の8,831億ペソとなった。2017年の社会保障支出は、
35.4%増の1兆1,957億ペソとなった。2018年の社会保障支出は、28.7%増の1兆5,383億ペソとなった。
退職者向けプログラムおよび年金改革法
2016 年6月29日、国会は退職者および年金受給者向けの遡及的補償プログラムを承認する法案を可決し、同法は官
報への掲載と同時に施行された。このプログラムは、政府の社会保障政策を最高裁判所の判断と一致させることを目
的としたものであり、その主な構想には、(ⅰ)200万人超の退職者に対する給付および30万人超の退職者に対する
遡及的補償、ならびに(ⅱ)退職者適格が認められない65歳超の者すべてにベーシックインカムを保障する格差解消
年金(pensión universal)の新設が含まれる。退職者および年金受給者向けの遡及的補償プログラムは、退職者に
対して総額470億ペソ以上の遡及的補償請求権を付与し、またすべての潜在的受給者を対象とする支出として最大750
億ペソを盛り込んでいる。同法は、このプログラムを賄うために、株主持分を含め、FGSにより保有される資産を売
却することができる旨を定めている。「-年金基金制度の国有化」を参照のこと。
2017 年12月18日、国会は、アルゼンチンの年金制度の持続可能性および予測可能性を改善するための年金改革法を
可決した。その趣旨に沿って、退職給付金、年金および格差解消児童手当の自動調整に係る基本算式が2018年3月に
修正され、当該期間に報告されるインフレ率(算式上のウェイト付けは70%)と、国の被用者の給与上昇を測定する
ために労働省が公表する正規被用者のRIPTE(算式上のウェイト付けは30%)を組み合わせて四半期毎の調整を行っ
ていく旨が定められた。年金改革法はまた、格差解消基礎給付(Prestación Básica Universal)の受給者のうち有
効な積立てを伴う30年以上の勤務歴がある者に対し、2018年に補充一時金を支給し、最低生活賃金の82%にあたる年
金を2018年中に受給者が確実に受け取れるよう保証した。
年金改革法はさらに、法律上の定年年齢を(男性につき)65歳から70歳に、および(女性につき)60歳から70歳に
引き上げた。この引上げは、70歳になる前に適用ある年金受給申請の法定要件をみたした被用者には及ばない。公共
部門の被用者もこの制度の対象から除外されている。
政府は、年金その他の福祉給付の受給者のうち一定のカテゴリに属する者を対象として、年金改革法がかかる受給
者に与える影響を緩和するための一時配布金の支給を決定した。
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(f) 今後の経済計画
政府はいくつかの経済改革および政策転換を実施している。一部の経済的措置の進展については特に、「-2018年
のアルゼンチン経済への影響因子および対応措置」や「-IMFおよびその他の多国間組織との協定」をはじめとする
「- ① 近時の経済動向」中の関連記載、および「-(e) 社会保障制度」や「-(g) その他の関連情報」をはじめと
する「-② 最近5年間の経済の動向」中の関連記載、ならびに「(5) 公債-③ 一般会計-(b) 税制」の関連記載な
どを参照のこと。
(g) その他の経済関連情報
経済における国家の役割
国有事業体
政府は、国有企業および国営企業を通じて一定の任務および商業活動を実施しており、それには以下が含まれる。
● アルゼンチン最大の航空会社であるAerolíneas Argentinas S.A.(「アルゼンチン航空(Aerolíneas
Argentinas)」)
● Banco de la Nacion Argentina(アルゼンチン国立銀行)
● Banco de Inversion y Comercio Exterior(「BICE」)
● 飲料水および公衆衛生の基礎サービスを提供するAgua y Saneamientos Argentinos S.A.(「AYSA」)
● 国家の郵政事業を行うCorreo Oficial de la República Argentina(「Correo Argentino」)
● 国有エネルギー会社であるEnergía Argentina S.A.(「ENARSA」)
● 国有鉄道会社であるOperadora Ferroviaria S.E.
● 国営のエネルギー会社であるYPF
国家の経済への関与
2001 年から2002年の危機の後、政府は1990年代に実施した経済の規制緩和および政府介入の縮小のための多くの措
置を覆した。政府が導入した国家的管理のうち、特記すべきものとして以下があった。
● 従来の民間年金制度を「賦課型」の公的年金制度に統合および改編、ならびに民間の年金基金により管理さ
れていたすべての財源(広範囲の上場会社に対する持分を含む。)をANSESが管理する別口の基金(FGS)に
移管
● ENARSAの設立、ハイドロカーボン法(以下に定義する。)の制定およびYPFの51%株式の国有化を通じた、
石油・ガス産業への直接的関与
● ライフライン企業への規制強化
● 一部の公共サービス(いくつかの鉄道および水道サービスを含む。)に係るコンセッションの取消し
● 資本移転その他の金融取引の制限(「(4) 通貨・金融制度-① 通貨・金融制度および証券市場の概要-(d)
金融部門に対する規制」を参照のこと。)
● 輸送、農産品およびエネルギー産品の価格統制(「-(b) 産業構造、主要部門の状況および鉱工業生産指数
の推移-第一次産業」を参照のこと。)
● 農作物に対する輸出関税(「(3) 貿易及び国際収支-① 対外貿易と国際収支の最近の傾向-(a) 経常収支
-貿易の規制」を参照のこと。)
● エネルギーおよび輸送部門に対する助成金
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● 輸出規制(「(3) 貿易および国際収支-① 対外貿易と国際収支の最近の傾向-(a) 経常収支-貿易の規
制」を参照のこと。)
2008 年12月、国会は、アルゼンチン航空、その関連会社であるアウストラル航空(Líneas Aéreas Cielos del
Sur)ならびにその子会社であるOptar S.A., Jet Paq S.A.およびAerohandling S.A.の株式はいわゆる「公共利益」
であり、それゆえ法律第21,499号(「アルゼンチン国有化法」)に基づく国有化の対象になると宣言した。アルゼン
チン国有化法が定める評価基準に基づき、国の評価審判機関はこれらの事業体は概算総額で6億200万米ドルから8
億7,200万米ドルの範囲で負の価値を有すると推計した。本件の詳細な議論については、「(7) その他-① 訴訟手続
-ICSIDにおける仲裁」を参照のこと。
石油・ガス産業
2002 年から2006年にかけての石油・ガス部門の減産に伴い、政府は、生産者が国内供給を増やし、かつ輸出コミッ
トメントを遵守できるようにするための措置を講じた。これらの措置には当初、租税優遇、ハイドロカーボン探索・
採取地域へのアクセスの追加および物流輸送システムの改善が含まれていた。エネルギー収支上のエネルギー部門へ
の移転額は、2014年に2,137億ペソ、2015年に1,612億ペソ、2016年に2,355億ペソ、2017年に1,256億ペソおよび2018
年に1,779億ペソであった。
以下の表は、指定期間中のアルゼンチンにおける原油および天然ガスの確認埋蔵量を示す。
確認埋蔵量
2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年
原 油(1) 370,374 380,028 380,730 344,525 320,916
天然ガス(2) 328,260 332,217 350,483 336,526 355,547
(1) 千立方メートル
(2) 十億立方メートル
出所:エネルギー鉱業省
エネルギー部門改革
2004 年初頭に、アルゼンチンはエネルギー不足に陥り始め、その結果まず天然ガスやその他のエネルギー輸出が減
少し、やがてアルゼンチン経済全体に影響が及んだ。2015年、政府は国内向け電力を確実に供給するための様々な措
置を講じた。
政府の措置により、2017年から2019年にかけて稼働開始を予定する合計5,700MWの新規火力発電プロジェクト41
件、および23州中21州で実施される合計5,900MWの新規再生可能エネルギー・プロジェクトが許可され、エネルギー
の増産が図られた。
政府は、供給増加に向けた措置と並行して、助成金の廃止を視野に入れた料金の引上げを模索した。後者の一連の
措置は、司法上の異議申立てに直面して当初から実施に遅れが生じた。結局、これらの措置の有効性は、継続的なペ
ソ安の影響によってさらに損なわれることとなった。最終的に政府は、これらの措置の責任および費用を州政府に委
管することで、主に大ブエノスアイレス圏向けのエネルギー助成金の負担軽減しようとした。
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天然ガスについては、政府は2014年、ガス生産を促進するための「ガス・プラン」に着手し、ガス田の減少率を上
回る「新式」ガスの生産に対して1MBTU当たり7.5米ドルを支給した。2017年、決議第46/2017号により、2017年と
2018年の非従来型ガスの追加生産価格が7.5米ドル/MBTUに設定されたが、これは2019年に7.0米ドル/MBTU、2020年に
6.5 米ドル/MBTU、2021年に6.0米ドル/MBTUへと引き下げられた。井戸元価格規制に関する移行期間を経て、2018年よ
り、国内の天然ガス販売会社、生産者および仲介業者間の価格交渉が自由化された。電力については、送電および電
力販売料金が2017年から2018年にかけて段階的に引き上げられた。
2018 年10月4日、政府は、2018年4月のペソの急激な下落を受けて、顧客によるペソ建て購入金額とエネルギー販
売会社による米ドル建て弁済金額の間の為替レート差に起因する損失につきエネルギー販売会社を補償するため、
2018年4月1日から2018年9月30日までのエネルギー価格を遡及的に引き上げる決定第20/2018号を出した。2018年11
月15日、政府はエンドユーザー料金を急騰させないよう、販売会社に対する当該保証は財務省が30回の分割で支払っ
ていく旨を定める大統領令第1053/2018号を出した。
2018 年9月、アルゼンチンはチリへのガス輸出を再開した。2017年と2018年にヴァカ・ムエルタ地域で生産能力の
過剰が生じたことから、2018年のガスおよびエネルギーの輸出は2017年の25億米ドルに対して69.2%増加して42億米
ドルとなった。
2018 年11月4日、政府は、パタゴニア州の沿岸海域におけるハイドロカーボン探索に係る国際公開入札手続を開始
した。2019年5月16日に18の海域が選定された。
2018 年中の政府のエネルギー部門への移転額は、2017年の1,256億ペソに対して1,779億ペソであった。この増加は
主に、エネルギー費用の大部分が外貨建である中でペソの対米ドル価値が下落したことにより生じた。
2016 年中、電力卸売市場におけるエネルギー末端価格(輸送および販売費用を除いたもので、ブエノスアイレス市
内のエンドユーザーに対する請求料金が約45%を占める。)の対前年の上昇率は228%(平均価格で95ペソ/MWhから
313ペソ/MWh)にのぼり、天然ガスの末端価格の上昇率は98%(平均価格で21ペソ/MMBtuから41ペソ/MMBtu)であっ
た。
2017 年中、電力卸売市場におけるエネルギー末端価格の対前年の上昇率は83%(平均価格で313ペソ/MWhから573ペ
ソ/MWh)にのぼり、天然ガスの末端価格の上昇は68%(平均価格で41ペソ/MMBtuから69ペソ/MMBtu)であった。
2018 年中、輸送および販売費用を除いた電力卸売市場におけるエネルギー末端価格(輸送および販売費用を除いた
もので、ブエノスアイレス市内のエンドユーザーに対する請求料金が約67%を占める。)の対前年の上昇率は全体で
100%(平均価格で2017年12月31日現在の573ペソ/MWhから2018年12月31日現在の1,151ペソ/MWh)にのぼり、天然ガ
スの末端居住者ユーザー価格の上昇率は78%(平均価格で2017年12月31日現在の69ペソ/MMBtuから2018年12月31日現
在の123ペソ/MMBtu)であった。
民・官のパートナーシップ
2016 年11月、国会は、民・官パートナーシップ(「PPP」)制度を創設する法律を制定し、これを規制する政府は
2017年2月にPPPの全プロジェクトが「国家の公共利益」である旨を宣言した。
新しい民・官パートナーシップ制度は、民間投資家、公的事業体、州、自治体およびブエノスアイレス市が政府に
対してインフラ・プロジェクトに係る承認を求めることを認めている。承認される場合、その発案者には当該プロ
ジェクトに関して実施される公開入札のプロセスで優先権が与えられる。新たなPPP制度は、中小企業、内国企業お
よび内国労働者の直接または間接の参加を促すことを目標としており、プロジェクトに関与する財貨およびサービス
全体のうち少なくとも33%を国内で賄うことが求められる。
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貧困および所得分布
貧困の測定は、個人の生存維持に最低限必要と考えられる財貨・サービスのバスケット(主に食料、衣料品、運
輸、保健、住宅および教育で構成される。)を基準としている。政府が助成対象としたバスケットにおける「必需的
財貨・サービス」には、天然ガス、電力、バス輸送および郊外・都市部の公共交通機関、鉄道輸送、地下鉄交通、燃
料ならびに教育が含まれる。貧困測定のためアルゼンチンが2011年および2012年に利用した手法は、1990年代初めに
採用されたものであった。バスケットの物価は1985年に初めて評価され、品目の貨幣価値は、大ブエノスアイレス圏
の消費者物価の変動を参照して毎月更新されてきた。この測定は2001年までブエノスアイレスの大都市圏のみを対象
としていたが、手法の変更に伴い対象は国内のその他の地域にも拡大した。また、政府は貧困に関する情報を四半期
毎に提供してきた。INDECは2013年、2014年および2015年に貧困データの公表を中止した。
2016 年9月22日、INDECは大ブエノスアイレス圏について、必需的な財貨・サービスのバスケットに係る評価の公
表を再開した。
2017 年下半期において、アルゼンチンの世帯の17.9%および人口の25.7%が貧困線を下回り、また世帯の3.5%お
よび人口の4.8%が極貧線を下回っていた。
2018 年下半期において、アルゼンチンの世帯の23.4%および人口の32.0%が貧困線を下回り、また世帯の4.8%お
よび人口の6.7%が極貧線を下回っていた。
2019 年下半期において、アルゼンチンの世帯の25.9%および人口の35.5%が貧困線を下回ったが、極貧線を下回っ
たのはアルゼンチンの世帯の4.8%および人口の6.7%であった。
以下の表は、アルゼンチンの貧困レベルを示す。
貧 困 (1)
(人口に占める比率(%))
下半期 世帯 人口
2014 年 未詳 未詳
2015 年 未詳 未詳
2016 年 21.5 30.3
2017 年 17.9 25.7
2018 年 23.4 32.0
(1) 貧困線は、一定期間中の必需的財貨・サービスのバスケットに係る推計費用を基準としている。これは、個々人および各世帯の特
質により異なる。たとえば、30歳から59歳までの男性で2018年12月に所得が月額8250.4ペソ未満であった者は、生活が貧困線を下回
るとされた。世帯では、4人家族(35歳の男性および31歳の女性の大人2人、6歳および8歳の子ども2人)で2018年12月に合計所
得が月額25,493.8ペソ未満であった世帯は、生活が貧困線を下回るとされた。
出所: INDEC および財務省
INDEC の大ブエノスアイレス圏における必需的財貨・サービスのバスケット評価によれば、標準的な家族が必需的
財貨・サービスの一式を享受するために必要な額は、2018年12月は25,494ペソであった。
INDEC によれば、世帯当たり必需食料バスケット額は、2018年12月は10,198ペソであった。
以下の表は、所定日現在の所得分布に関する数値を示す。
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所得の分配状況
(国民所得全体に占める比率(%))
第4 第2 第4
四半期 四半期 四半期
所得層 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
下から40% 15.1 15.7 14.7 14.7 14.1
上欄に続く下から20% 15.8 16.2 15.5 15.2 15.1
上欄に続く下から20% 23.4 23.7 23.1 23.2 22.7
上から20% 45.6 44.4 46.7 46.9 48.2
上から10% 29.1 28.2 30.3 30.4 31.8
出所: INDEC および財務省
政府は、アルゼンチンで拡大する貧困および失業に対処するための措置を講じてきた。2018年に政府は、救貧目的
の措置に割り当てる支出を増やし、かかる措置には特に、世帯主プログラム(Plan Jefes y Jefas de Hogar)に基
づく労働者向け社会保障給付の一部増額、地域雇用プログラム(Programa de Empleo Comunitario)の延長、様々な
社会的制度の失業受給者に実務教育や雇用促進訓練を奨励し業務支援ツールを提供するいくつかのプログラム、妊娠
手当、自営業者に健康保険給付や年金制度へのアクセスを提供するための措置、および家庭の暮らしのためのアルゼ
ンチン信用プログラム(Programa de Crédito Argentino para la Vivienda Única Familiar)の延長が含まれた。
環 境
2002 年初頭から、アルゼンチンは環境基準を規制、監視および改善するための様々な措置を講じてきた。これらの
措置の大半は、事業会社に対し、厳格化が進む安全基準をみたすよう求めている。
2002 年、アルゼンチンで一般環境法(Ley General de Medioambiente)が制定され、総合環境政策の策定、環境管
理に向けた地方と国のプログラムおよび戦略の調整、持続可能な環境資源利用の指針の作成、経済の開発・成長計画
の推進、対環境影響の研究の情報提供および実施、環境基準の設定、比較研究の実施ならびに環境プロジェクトの国
際資金調達の管理を担う連邦環境審議会(Consejo Federal de Medioambiente)の設置が承認された。さらに、京都
議定書の締約国として、アルゼンチンは温室効果ガスの排出削減を目指して様々な規制を実施している。
環境基準の確実な遵守に向けて監視と執行を強化するためにとられた措置には、以下が含まれる。
● 2007年に制定された法律第26,011号により、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約を承認した。
● マタンサ・リアチェロ川流域の持続可能開発プロジェクトが、内閣の環境・持続的開発部会(Secretaría
de Ambiente y Desarrollo Sustentable de la Jefatura de Gabinete de Ministros)の監督のもと、その
基金の一部をマタンサ・リアチェロ川流域当局の計算機器購入費に割り当てた。2016年3月、政府は、マタ
ンサ・リアチェロ側流域の持続可能開発プロジェクト(Proyecto de Desarrollo Sustentable de la
Cuenca Matanza-Riachuelo)に対する総額約10億米ドルの融資について世界銀行と合意した。
● 都市固形廃棄物管理国家プロジェクト(Proyecto Nacional para la Gestión Integral de los Residuos
Sólidos Urbanos)は、持続可能な手法で固形廃棄物問題の解消を実現しようとする初の国家プロジェクト
である。同プロジェクトが、独自の計画および総合管理システムの開発に向けた州および自治体へのインセ
ンティブとして、インフラおよび関連システムの開発に技術的・財政的な支援を提供する。
● 環境保護課(Unidad de Medio Ambiente)が、効率および競争力の改善を通じて環境要因を向上させること
で、アルゼンチンの持続可能な産業開発を支援する。
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● 地域開発統合基金(El Fondo integral para el Desarrollo Regional、または「FONDER」)が、雇用創
出、輸出拡大および地域市場の開発を目標に、零細・中小企業(「MESME」)のニーズを重視して生産活動
や サービスの開発のための資金を提供する。
情報公開法
2016 年9月14日、議会は法律第27,275号を可決し、特に政府、検事総長局、司法委員会、議会、中央銀行、アルゼ
ンチンの国有事業体、政府が管理する機関または基金、および公的資金を受けている事業組織または信託の一定の情
報に係る公開請求権を設定した。
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(3)【貿易及び国際収支】
① 概 要
2017年6月以降、共和国は、国際通貨基金(IMF)の国際収支および対外資産負債残高マニュアル第6版の分類基
準に準拠した新しい手法に基づく国際収支統計を報告している。2017年6月、INDECは、2017年に採用した手法に従
い作成され新たに入手可能となった情報を反映するため、および中央銀行が公表する対外部門のデータとの整合性を
維持するために、2006年から2016年までの間に公表してきた国際収支に関する情報の再表示を行った。
国際収支勘定は、ある国の居住者とその他の世界各国の居住者との間で行われた取引高を計上するために用いられ
る。アルゼンチンの国際収支勘定は、以下3つの勘定から構成される。
● 経常収支: 当事国の国際貿易(財貨およびサービス)の一般的な尺度、居住者と非居住者の間の第一次所
得(労働力、金融資源または非生産・非金融資産の一時的使用による授受)および第二次所得(財貨および
投資収益の経常移転)を反映する。
● 資本収支: 居住者と非居住者の間の非生産・非金融資産に係る貸方および借方への記入ならびに資本の移
転を表す。
● 金融収支: 居住者と非居住者の間の金融資産および金融負債の取得および処分(純額)を計上する。
アルゼンチンの国際収支は、2014年から2018年までの各年度の経常収支において赤字を計上したが、主に金融収支
に計上した借入金により資金調達された。
2018年、共和国の経常収支は、2017年の316億米ドルの赤字に対し、275億米ドルの赤字を計上した。この赤字は、
主に2017年に計上した164億米ドルの赤字から22億米ドル増加した第一次所得の赤字186億米ドル、および2017年に計
上した156億米ドルの赤字から55億米ドル減少した財貨およびサービス貿易の赤字101億米ドルによるものであった。
2018年、共和国の資本収支は、2017年に計上した1億3,900万米ドルの黒字から5,200万米ドル減少して、8,700万
米ドルの黒字を計上した。これは主に、プロのスポーツ選手の知的財産権の取引および移転に伴う非生産・非金融資
産の減少によるものであった。
2018年、共和国の金融収支は、280億米ドルの純流入を計上した。これは主に、2018年1月の国際資本市場におけ
る債務証券の売出しにより、非金融公共部門が計上した444億米ドルの純流入、IMFと締結したSBAに基づく融資によ
る流入、ならびに共和国に消却する権利が付与される、共和国が締結した取引に従った2024年満期のBonares債およ
び2025年満期のBonares債の売出しによるものであった。この純流入は、金融資産(非居住者からの通貨および預
金)の取得の増加によるその他部門に計上された純流出104億米ドルにより一部相殺された。
以下の表は、記載の期間におけるアルゼンチンの国際収支の情報を示す。
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国 際 収 支
(単位:百万米ドル)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
合計 合計 合計 合計 合計
経常収支 (9,179) (17,622) (15,105) (31,598) (27,479)
財貨およびサービス貿易
900 (6,600)
(4,035) (15,611) (10,149)
財 貨(1) 5,541 (785) 4,416 (867)
(5,462)
貸 方 68,440 56,809 57,960 58,639 61,638
借 方 62,899 57,594 53,544 64,101 62,505
サービス(2) (4,641) (5,815) (8,452) (10,149) (9,282)
貸 方 13,396 13,214 13,425 14,752 14,717
借 方 18,038 19,029 21,876 24,901 23,998
第一次所得収支(所得収支)
(11,614) (12,105) (12,192) (16,388) (18,629)
雇用者報酬 (34) 26 (94) (88) (89)
投資収益 (11,580) (12,130) (12,098) (16,299) (18,541)
直接投資 (7,300) (8,145) (7,166) (8,682) (7,415)
ポートフォリオ投資 (2,939) (2,687) (3,505) (5,981) (9,323)
その他の投資 (1,359) (1,322) (1,487) (1,767) (2,220)
準備資産 17 24 61 130 417
第二次所得収支(経常移転収支)
1,535 1,083 1,123 401 1,300
資本収支 57 52 366 139 87
正味外部資金調達需要
(9,122) (17,570) (14,739) (31,459) (27,392)
金融収支
(9,321) (18,498) (13,964) (31,273) (27,985)
中央銀行 (2,005) (12,486) 14,918 9,425 4,074
準備金 1,195 (4,906) 14,311 14,556 11,277
負 債 3,200 7,580 (607) 5,131 7,203
預金取扱機関 (815) (1,493) 1,532 (6,068) 1,909
政 府 (7,114) 1,000 (29,628) (33,935) (44,380)
その他部門 613 (5,518) (785) (695) 10,413
誤差脱漏純額 (198) (928) 775 186 (593)
備忘項目
準備資産の取引の増減 1,195 (4,906) 14,311 14,556 11,277
中央銀行外貨準備高の推移 807 (5,844) 13,745 15,747 10,731
為替調整 (388) (938) (566) 1,191 (546)
出所:財務省
(1) 財貨はFOBベースで計算されている。
(2) 輸出・輸入の輸送量および保険料を含む。
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② 対外貿易と国際収支の最近の傾向
(a) 経常収支
アルゼンチンの経常収支は、貿易取引収支、サービス貿易、第一次所得(雇用者報酬および投資収益)および第二
次所得(経常移転)で構成される。2014年から2018年の各年度において経常収支は赤字を計上した。
以下は、2014年から2018年の間に経常収支赤字に最も重要な影響を与えた要因である。
● 利息および配当の支払いによる流出。
● 2014年および2015年の期間における商品相場の下落。2014年の貿易収支は、輸入の減少が輸出の減少を上
回ったため、2013年と比較して改善された。2015年における貿易赤字の大部分はアルゼンチンの輸出価格の
下落によるもので、副次的に輸出量の減少が影響した。2016年において、原材料の価格が継続的に下落し、
輸出の量的増加(2015年比)によってはこれを相殺しきれなかった。2016年の輸入の減少は、輸入価格の下
落によるものであったが、輸入量の増加によって一部相殺された。2017年における貿易赤字は、主に輸入価
格の上昇、輸入量の増加および輸出量の減少によるものであったが、輸出価格の上昇により一部相殺され
た。2018年における貿易赤字は、2017年と比較して減少した。これは主に輸出価格の上昇および輸入量の減
少によるものであったが、輸入価格の上昇により一部相殺された。
● 非居住者によるサービスに対する居住者の需要の高まりに伴う、主に貨物および旅客運送、観光ならびにロ
イヤルティに関する流出。
2014年、経常収支は2013年の131億米ドルの赤字から92億米ドルの赤字計上となった。この赤字の減少は主に、第
一次所得収支の赤字の減少、財貨およびサービス貿易収支の黒字、ならびに第二次所得収支の黒字増加によるもので
あった。
2015年、経常収支は2014年の92億米ドルの赤字から176億米ドルの赤字計上となった。赤字の増加は、主に2014年
比での財貨およびサービス貿易収支の黒字減少、および第一次所得収支の赤字増加によるものであった。2014年比で
財貨の輸入は8.4%減少し、それを上回って輸出が17.0%減少した結果、財貨の貿易収支は赤字となった。
2016年、経常収支は2015年の176億米ドルの赤字から151億米ドルの赤字計上となった。この赤字の減少は主に、財
貨およびサービス貿易の赤字の減少によるものであった。財貨の輸入は7.0%減少し、財貨の輸出が2.0%増加した結
果、財貨の貿易収支は2015年の赤字から黒字に転じた。この財貨貿易の黒字は、サービス貿易の赤字が45.3%増加し
たことにより一部相殺された。
2017年、経常収支は2016年の151億米ドルの赤字から316億米ドルの赤字計上となった。この赤字の増加は、主に以
下によるものであった。
● 財貨およびサービス貿易収支の赤字156億米ドル。2016年の40億米ドルの赤字から116億米ドル増加したが、
これは主に、2016年に財貨収支が44億米ドルの黒字であったのに対し、2017年は55億米ドルの赤字となった
ことによるものであった。
● 第一次所得収支の赤字164億米ドル。2016年の赤字122億米ドルから42億米ドル増加したが、これは主に、投
資収益の赤字が34.7%増加したことによるものであった。
2018年、経常収支は2017年の316億米ドルの赤字から275億米ドルの赤字計上となった。この赤字の減少は、主に
2018年第4四半期に計上した財貨貿易収支の黒字33億米ドルに起因して、財貨およびサービス貿易収支の赤字が2017
年の156億米ドルから101億米ドルへと55億米ドル減少したことによる。2018年、第一次所得収支は2017年の164億米
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ドルの赤字から22億米ドル増加して186億米ドルの赤字を計上したが、これは主に、ポートフォリオ投資による流出
が33億米ドル増加したことによるものであった。
財貨の貿易
輸 出
2014年の財貨輸出は、2013年比で9.9%減少の684億米ドルであった。この減少は主に、輸出量の7.7%減少および
価格の2.4%低下によるものであった。
2014年において、
● 一次産品の輸出は20.0%減少した。これは価格および輸出量がいずれも減少したためで、価格は11.7%低下
し、輸出量は9.4%減少した。
● 農業物加工品の輸出は2.2%減少した。この減少は輸出量および価格がいずれも減少したためで、輸出量は
1.5%減少し、価格は0.8%低下した。
● 工業製品の輸出は11.0%減少した。この減少は輸出量の12.2%の減少によるもので、価格の1.5%上昇によ
り一部相殺された。
● 燃料およびエネルギーの輸出は11.0%減少した。この減少は価格および輸出量がいずれも低下したことによ
る。価格は5.7%低下し、輸出量は5.8%減少した。
2015年の財貨輸出は、2014年比で17.0%減少の568億米ドルであった。この減少は主に輸出量の1.7%減少および価
格の15.6%低下によるものであった。
2015年において、
● 一次産品の輸出は6.5%減少した。これは価格の18.5%の低下および輸出量の14.8%の増加によるものであ
る。
● 農業物加工品の輸出は11.8%減少した。この減少は主に価格の20.0%低下によるもので、輸出量の10.3%の
増加により一部相殺された。
● 工業製品の輸出は21.3%減少した。この減少は価格の2.6%低下および輸出量の19.3%減少による。
● 燃料およびエネルギーの輸出は54.5%減少した。この減少は価格の45.4%の低下および輸出量の16.9%の減
少による。
2016年の財貨輸出は、2015年比で2.0%増加の580億米ドルであった。この増加は主に輸出量の6.8%増加によるも
のであり、価格が4.5%下落したことにより一部相殺された。
2016年において、
● 一次産品の輸出は18.0%増加した。この増加は輸出量の22.9%増加によるが、価格の3.9%低下により一部
相殺された。
● 農業物加工品の輸出は0.3%微増した。この増加は主に輸出量の4.4%増加によるもので、価格の4.0%低下
により相殺された。
● 工業製品の輸出は6.4%減少した。この減少は価格の4.1%低下および輸出量の2.3%減少による。
● 燃料およびエネルギーの輸出は8.8%減少した。この減少は価格の10.9%低下によるもので、輸出量の2.7%
増加により一部相殺された。
2017年において財貨輸出は、2016年比で1.2%増加の586億米ドルであった。この増加は主に価格の1.4%上昇によ
るものであり、輸出量が0.2%減少したことにより一部相殺された。
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2017年において、
● 一次産品の輸出は5.6%減少した。この減少は輸出量の5.0%減少および価格の0.6%低下による。
● 農業物加工品の輸出は3.4%減少した。この減少は輸出量の3.3%減少および価格の0.1%低下による。
● 工業製品の輸出は11.7%増加した。この増加は価格の1.7%上昇および輸出量の9.7%増加による。
● 燃料の輸出は21.1%増加した。この増加は価格の29.9%上昇によるもので、輸出量の6.8%減少により一部
相殺された。
2017年には、2009年に一時停止となった柑橘類のブラジルへの輸出が再開し、日本との間では、農産物の輸入促進
について合意に達した。
2018年において財貨輸出は、2017年比で5.0%増加の616億米ドルであった。この増加は主に価格の5.7%上昇によ
るものであり、輸出量が0.5%減少したことにより一部相殺された。
2018年において、
● 一次産品の輸出は5.5%減少した。この減少は輸出量の11.2%減少(主として農業部門に影響を及ぼした干
ばつが原因)によるもので、価格の6.4%上昇により一部相殺された。
● 農業物加工品の輸出は1.4%増加した。この増加は価格の7.0%上昇によるもので、輸出量の5.1%減少によ
り一部相殺された。
● 工業製品の輸出は9.2%増加した。この増加は輸出量の8.5%増加および価格の0.7%上昇による。
● 燃料およびエネルギーの輸出は69.1%増加した。この増加は輸出量の41.2%増加および価格の19.5%上昇に
よる。
近年におけるアルゼンチンの主要な輸出品は、大豆や穀物などの商品、農産物加工品および工業製品である。2018
年には、輸出全体の59.9%が(一次産品または加工品のいずれかの)農産物であった。また、2018年、17年間停止さ
れていたレモンの米国への輸出が再開され、メキシコへの輸出も開始した。
2018年1月、アルゼンチンは、米国一般特恵関税制度を再度適用できることとなった。当該制度により、500を超
えるアルゼンチンの輸出者は特恵税率を享受している。アルゼンチンは、米国の会社に関連するICSID条約を遵守し
なかったため、2012年に当該制度の適用が停止されていた。さらに、2018年4月に米国は、アルゼンチンの鋼鉄およ
びアルミニウムの米国への輸出について関税を免除することで合意した。
2018年1月、政府は、中国によるアルゼンチンの食肉輸入に対する制限撤廃について、中国と協定を締結した。
以下の表は、記載の期間におけるアルゼンチンの輸出品の情報を示す。
製 品 別 輸 出 (1)
(単位:百万米ドル)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
一次産品:
穀 物 5,237 4,842 6,975 6,969 7,646
種子および油糧種子 4,211 4,746 3,839 3,148 1,784
銅 1,250 711 1,004 744 403
果 物 966 776 875 801 857
魚類および海産物(未加工
品) 1,256 1,180 1,421 1,707 1,860
野 菜 507 461 726 736 604
タバコ 265 195 375 306 282
はちみつ 204 164 168 183 170
321 227 310 220 386
その他
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合 計 14,218 13,301 15,694 14,813 13,992
農産物加工品:
残余物(2) 12,845 10,650 10,785 9,834 10,079
油 脂 4,316 4,703 4,970 4,858 3,988
食 肉 1,935 1,444 1,540 1,937 2,638
野菜加工品 1,021 1,113 1,163 1,153 1,194
乳製品 1,309 866 638 584 843
製粉製品 1,026 870 755 764 720
飲料、酒類および酢 939 929 926 918 938
皮 革 1,044 861 747 746 746
1,986 1,852 1,839 1,769 1,739
その他
合 計 26,420 23,288 23,362 22,562 22,885
工業製品:
輸送機器 8,345 5,992 5,012 5,781 7,486
化成品 4,982 4,153 4,493 4,388 4,307
卑金属 2,263 1,344 1,265 1,732 2,088
宝石および貴金属 2,068 2,514 2,233 2,517 2,512
機械・設備 1,882 1,375 1,271 1,365 1,380
プラスチック 1,293 950 979 996 1,085
海上、河川および航空輸送機 313 290 343 583 186
紙、段ボールおよび印刷物 449 387 333 411 475
ゴムおよびゴム製品 339 228 252 299 276
889 715 625 697 697
その他
合 計 22,823 17,949 16,806 18,768 20,492
燃料およびエネルギー:
燃 料 4,942 2,245 1,995 2,477 4,188
- 1 54 - 2
エネルギー
4,943 2,246 2,048 2,477 4,190
合 計
68,404 56,784 57,909 58,621 61,559
輸出額合計
(1) FOBベースで算定されている。
(2) 残余物とは、農産加工物からの残りの副産物でほかの目的で転売することができるもののことである。
出所: INDECおよび財務省
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有価証券報告書
製 品 別 輸 出 (1)
(総輸出に占める比率(%))
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
一次産品:
穀 物 7.7 8.5 12.0 11.9 12.4
種子および油糧種子 6.2 8.4 6.6 5.4 2.9
銅 1.8 1.3 1.7 1.3 0.7
果 物 1.4 1.4 1.5 1.4 1.4
魚類および海産物(未加
工品) 1.8 2.1 2.5 2.9 3.0
野 菜 0.7 0.8 1.3 1.3 1.0
タバコ 0.4 0.3 0.6 0.5 0.5
はちみつ 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3
0.5 0.4 0.5 0.4 0.6
その他
合 計 20.8 23.4 27.1 25.3 22.7
農産物加工品:
残余物 (2)
18.8 18.8 18.6 16.8 16.4
油 脂 6.3 8.3 8.6 8.3 6.5
食 肉 2.8 2.5 2.7 3.3 4.3
野菜加工品 1.5 2.0 2.0 2.0 1.9
乳製品 1.9 1.5 1.1 1.0 1.4
製粉製品 1.5 1.5 1.3 1.3 1.2
飲料、酒類および酢 1.4 1.6 1.6 1.6 1.5
皮 革 1.5 1.5 1.3 1.3 1.2
2.9 3.3 3.2 3.0 2.8
その他
合 計 38.6 41.0 40.3 38.5 37.2
工業製品:
輸送機器 12.2 10.6 8.7 9.9 12.2
化成品 7.3 7.3 7.8 7.5 7.0
卑金属 3.3 2.4 2.2 3.0 3.4
宝石および貴金属 3.0 4.4 3.9 4.3 4.1
機械・設備 2.8 2.4 2.2 2.3 2.2
プラスチック 1.9 1.7 1.7 1.7 1.8
海上、河川および航空輸
送機 0.5 0.5 0.6 1.0 0.3
紙、段ボールおよび印刷
物 0.7 0.7 0.6 0.7 0.8
ゴムおよびゴム製品 0.5 0.4 0.4 0.5 0.4
1.3 1.3 1.1 1.2 1.1
その他
合 計 33.4 31.6 29.0 32.0 33.3
燃料およびエネルギー:
燃 料 7.2 4.0 3.4 4.2 6.8
- - 0.1 - -
エネルギー
7.2 4.0 3.5 4.2 6.8
合 計
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
輸出額合計
(1) FOBベースで算定されている。
(2) 残余物とは、農産加工物からの残りの副産物でほかの目的で転売することができるもののことである。
出所:INDECおよび財務省
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アルゼンチン共和国(E06011)
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輸 入
2014年、財貨の輸入は、2013年の744億米ドルから11.7%減少して657億米ドルとなった。総輸入の46.8%は中間財
および資本財であった。乗用車の輸入は49.4%減少し、資本財の部品および付属品の輸入は17.6%減少し、消費財の
輸入は10.1%減少した。
2015年、財貨の輸入は、2014年の657億米ドルから8.4%減少して602億米ドルとなった。総輸入の41.2%は資本財
とその部品および付属品であり、中間財は総輸入の30.1%を占めた。燃料およびエネルギーの輸入は39.6%減少し、
乗用車の輸入は6.2%減少した一方、消費財の輸入は2.0%増加した。上記は米ドルの価値による。
2016年、財貨の輸入は、2015年の602億米ドルから7.2%減少して559億米ドルとなった。総輸入の42.0%は資本財
とその部品および付属品であり、中間財の輸入は14.5%減少し総輸入の27.7%を占めた。燃料およびエネルギーの輸
入は29.2%減少し、乗用車の輸入は33.3%増加した一方、消費財の輸入は8.5%増加した。上記は米ドルの価値によ
る。
2017年、財貨の輸入は、2016年の559億米ドルから19.8%増加して669億米ドルとなった。資本財とその部品および
付属品は18.8%増加し総輸入の41.6%となり、中間財の輸入は15.2%増加し総輸入の26.7%となった。燃料およびエ
ネルギーの輸入は17.9%増加し、乗用車の輸入は40.9%増加した一方、消費財の輸入は20.9%増加した。上記は米ド
ルの価値による。
2018年、財貨の輸入は、2017年の669億米ドルから2.2%減少して655億米ドルとなった。資本財とその部品および
付属品は12.3%減少し総輸入の37.3%となった一方、中間財の輸入は14.6%増加し総輸入の31.2%を占めた。燃料お
よびエネルギーの輸入は14.6%増加し、乗用車の輸入は16.2%減少した一方、消費財の輸入は5.1%減少した。上記
は米ドルの価値による。
以下の表は、記載の期間におけるアルゼンチンの経済的用途別の輸入品の情報を示す。
経 済 的 用 途 別 輸 入 (1)
(単位:百万米ドル)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
資本財
11,977 12,034 12,122 14,907 12,233
中間財 18,766 18,104 15,483 17,837 20,443
燃料およびエネルギー 11,343 6,854 4,856 5,723 6,529
資本財の部品および付随製品 13,142 12,761 11,308 12,922 12,164
消費財 6,685 6,820 7,399 8,945 8,485
乗用車 3,574 3,353 4,468 6,297 5,274
249 276 216 299 313
その他
合 計 65,736 60,203 55,852 66,930 65,441
(1) CIFベースで算定されている。この表に記載されたデータは、FOBベースで算定された「国際収支」の表に記載されたデータとは異
なる。
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以下の表は、記載の期間におけるアルゼンチンの主要な特性別の輸入製品の情報を示す。
製 品 別 輸 入 (1)
(単位:百万米ドル)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
機械、装置および電気材料
16,958 17,081 15,420 18,561 17,333
輸送機器 10,618 9,867 11,520 14,825 11,521
工業製品 9,881 9,457 8,486 9,070 9,700
鉱 物 11,994 7,348 5,193 6,184 7,134
プラスチック、ゴムおよび
プラスチック・ゴム製品 3,755 3,649 3,187 3,485 3,394
常用金属および常用金属製品 3,503 3,534 2,628 3,573 3,621
光学機器、医療・外科用精密機、
時計および楽器 1,708 1,909 1,684 1,884 1,797
繊維および繊維製品 1,392 1,437 1,465 1,562 1,572
木材パルプ、紙および段ボール 1,119 1,179 1,047 1,126 1,161
日用品およびその他の製品 918 915 1,031 1,233 1,172
飼料、飲料およびタバコ 905 875 923 1,116 1,075
野菜加工品 622 645 977 1,501 3,217
宝石、石膏、セメント、石綿、
雲母、陶磁器およびガラス 548 604 580 679 613
靴、傘、造花およびその他 422 477 612 697 642
家畜および畜産物 173 168 243 294 320
1,221 1,059 857 1,140 1,168
その他の製品
輸入額合計 65,736 60,203 55,852 66,930 65,441
(1) CIFベースで算定されている。この表に記載されたデータは、FOBベースで算定された「国際収支」の表に記載されたデータとは異
なる。
出所:INDECおよび財務省
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製 品 別 輸 入 (1)
(総輸入に占める比率(%))
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
機械、装置および電気材料
25.8 28.4 27.6 27.7 26.5
輸送機器 16.2 16.4 20.6 22.1 17.6
工業製品 15.0 15.7 15.2 13.6 14.8
鉱 物 18.2 12.2 9.3 9.2 10.9
プラスチック、ゴムおよび
プラスチック・ゴム製品 5.7 6.1 5.7 5.2 5.2
常用金属および常用金属製品 5.3 5.9 4.7 5.3 5.5
光学機器、医療・外科用精密機
器、時計および楽器 2.6 3.2 3.0 2.8 2.7
繊維および繊維製品 2.1 2.4 2.6 2.3 2.4
木材パルプ、紙および段ボール 1.7 2.0 1.9 1.7 1.8
日用品およびその他の製品 1.4 1.5 1.8 1.8 1.8
飼料、飲料およびタバコ 1.4 1.5 1.7 1.7 1.6
野菜加工品 0.9 1.1 1.7 2.2 4.9
宝石、石膏、セメント、石綿、
雲母、陶磁器およびガラス 0.8 1.0 1.0 1.0 0.9
靴、傘、造花およびその他 0.6 0.8 1.1 1.0 1.0
家畜および畜産物 0.3 0.3 0.4 0.4 0.5
1.9 1.8 1.5 1.7 1.8
その他の製品
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
輸入額合計
(1) CIFベースで算定されている。この表に記載されたデータは、FOBベースで算定された「国際収支」の表に記載されたデータとは異
なる。
出所:INDECおよび財務省
貿易の規制
1990年代の初めまで、アルゼンチンは、輸入代替政策を手本とし、高い貿易障壁を有する比較的閉鎖的な経済で
あった。1960年代から1980年代を通じ、貿易自由化のための改革が何度か実行されたが、1990年代になって初めて政
府は大幅な貿易自由化政策を実施した。
1990年代の貿易政策は比較的安定しており、経済のいくつかの部門における少ない輸出税と低い輸入税率によって
特徴付けられる。兌換制度が崩壊した2002年以降、政府は、歳入の増加、外貨流出の抑制、基本財貨の価格決定管理
(輸出抑制を含む。)および地域産業の保護を目的とした貿易政策を採用した。
2012年、アルゼンチンの非課税障壁の使用および輸入に関する政府の特定の行為に関してWTOの紛争解決機関に訴
訟が申し立てられた。紛争は主に以下の2つの措置に関するものであった。(i)輸入者に対し、事前輸入宣誓供述の
形式で非自動輸入ライセンスの提出を要求したこと、および(ii)貿易関連要件を課し、外国企業が輸入を制限し、輸
入分を同程度の輸出で相殺し、アルゼンチン国内で生産された商品のローカル・コンテントを増加させることを、ア
ルゼンチンへの輸入、または一定の恩恵を得るための条件とした。WTOの紛争解決機関は、かかる行為が国際貿易規
定に違反すると判断した。アルゼンチンは2015年12月31日までにWTOのかかる決定に従うものとされた。2016年1月
14日、アルゼンチンは、紛争となった措置を廃止したことをWTOの紛争解決機関に通知した。2016年1月18日、欧州
連合およびアルゼンチンは、双方が紛争解決を円滑に進め将来における手順上の紛争範囲を縮小する手続きに関して
合意に達したことを紛争解決機関に報告し、当該訴訟は取り下げられた。
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貿易の地域分布
アルゼンチンの最大の貿易相手国はブラジルである。アルゼンチンはまた、中国、米国ならびにラテンアメリカお
よびヨーロッパ諸国を含むその他の国々とも相当な量の貿易を行っている。
以下の表は、記載の期間におけるアルゼンチンの輸出の地域分布の情報を示す。
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輸 出 の 地 域 分 布 (1)
(単位:百万米ドル)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
ブラジル 13,883 10,098 9,040 9,325 11,291
中 国 4,792 5,387 4,669 4,606 4,482
米 国 4,082 3,435 4,491 4,535 4,278
チリ 2,792 2,405 2,306 2,646 3,037
ベネズエラ 1,987 1,370 707 246 359
スペイン 1,694 1,364 1,648 1,486 1,589
ドイツ 1,537 1,344 1,272 1,172 1,052
ウルグアイ 1,563 1,233 1,139 1,208 1,227
カナダ 1,656 1,292 1,148 1,342 1,294
オランダ 1,575 1,214 1,183 1,394 1,702
ペルー 1,114 720 821 1,073 1,170
その他のALADI諸国 (2)
4,637 3,575 3,535 3,727 4,108
その他のEU諸国 6,433 5,670 5,770 5,848 5,921
ASEAN諸国 5,180 4,583 5,803 5,059 5,258
中東諸国 3,179 2,249 2,261 2,507 2,925
その他のアジア諸国 3,107 3,363 3,903 3,471 2,654
その他 (3)
7,330 6,556 7,499 8,036 8,079
1,863 926 714 940 1,133
目的地未詳 (4)
68,404 56,784 57,909 58,621 61,559
合 計
備忘項目:
メルコスール (5)
18,648 13,756 11,869 11,935 14,130
ALADI
25,976 19,401 17,548 18,225 21,192
(1) FOBベースで算定されている。
(2) 2018年12月31日現在、ALADI諸国は以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、キューバ、
エクアドル、メキシコ、パラグアイ、ペルー、パナマ、ウルグアイおよびベネズエラ。
(3) その他の全ての国への輸出を含む。
(4) 目的地が特定できない輸出を含む。
(5) 2018年12月31日現在、メルコスールは以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイおよびベネズ
エラ。メルコスール加盟国についての詳細は、「(1) 概要-② 政治および外交-(b) 外交および国際機関-メルコスール」を参照
のこと。
出所:INDECおよび財務省
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輸 出 の 地 域 分 布 (1)
(総輸出に占める比率(%))
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
ブラジル 20.3 17.8 15.6 15.9 18.3
中 国 7.0 9.5 8.1 7.9 7.3
米 国 6.0 6.0 7.8 7.7 6.9
チリ 4.1 4.2 4.0 4.5 4.9
ベネズエラ 2.9 2.4 1.2 0.4 0.6
スペイン 2.5 2.4 2.8 2.5 2.6
ドイツ 2.2 2.4 2.2 2.0 1.7
ウルグアイ 2.3 2.2 2.0 2.1 2.0
カナダ 2.4 2.3 2.0 2.3 2.1
オランダ 2.3 2.1 2.0 2.4 2.8
ペルー 1.6 1.3 1.4 1.8 1.9
その他のALADI諸国 (2)
6.8 6.3 6.1 6.4 6.7
その他のEU諸国 9.4 10.0 10.0 10.0 9.6
ASEAN諸国 7.6 8.1 10.0 8.6 8.5
中東諸国 4.6 4.0 3.9 4.3 4.8
その他のアジア諸国 4.5 5.9 6.7 5.9 4.3
その他 (3)
10.7 11.5 12.9 13.7 13.1
2.7 1.6 1.2 1.6 1.8
目的地未詳(4)
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
合 計
備忘項目:
メルコスール (5)
27.3 24.2 20.5 20.4 23.0
ALADI
38.0 34.2 30.3 31.1 34.4
(1) FOBベースで算定されている。
(2) 2018年12月31日現在、ALADI諸国は以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、キューバ、
エクアドル、メキシコ、パラグアイ、パナマ、ペルー、ウルグアイおよびベネズエラ。
(3) その他の全ての国への輸出を含む。
(4) 目的地が特定できない輸出を含む。
(5) 2018年12月31日現在、メルコスールは以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、およびベネ
ズエラ。メルコスール加盟国についての詳細は、「(1) 概要-② 政治および外交-(b) 外交および国際機関-メルコスール」を参
照のこと。
出所:INDECおよび財務省
以下の表は、記載の期間におけるアルゼンチンの輸入の地域分布の情報を示す。
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輸 入 の 地 域 分 布 (1)
(単位:百万米ドル)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
ブラジル 14,341 13,044 13,605 17,870 15,573
中 国 10,811 11,861 10,487 12,328 12,086
米 国 9,107 7,937 6,985 7,635 7,697
ドイツ 3,533 3,129 3,054 3,229 3,350
メキシコ 1,647 1,828 1,785 2,081 1,877
フランス 1,423 1,453 1,553 1,345 1,110
イタリア 1,638 1,376 1,436 1,675 1,559
日 本 1,376 1,222 953 1,057 1,082
スペイン 1,078 960 921 1,452 1,431
チリ 824 718 687 856 710
オランダ 782 456 429 490 531
その他のALADI諸国 (2)
4,324 3,139 2,788 3,739 5,043
その他のEU諸国 2,898 2,693 2,604 3,336 3,282
ASEAN諸国 2,017 2,032 2,336 2,819 2,866
中東諸国 1,059 537 781 798 1,147
その他のアジア諸国 2,158 2,392 2,079 2,179 2,055
その他 (3)
6,014 4,901 2,944 3,470 3,445
706 525 425 571 597
原産地未詳 (4)
合 計 (5)
65,736 60,203 55,852 66,930 65,441
備忘項目:
メルコスール (6)
15,314 13,891 14,857 19,482 18,225
ALADI
21,136 18,698 18,865 24,546 23,203
(1) CIFベースで算定されている。
(2) 2018年12月31日現在、ALADI諸国は以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、キューバ、
エクアドル、メキシコ、パラグアイ、パナマ、ペルー、ウルグアイおよびベネズエラ。
(3) その他の全ての国からの輸入を含む。
(4) 原産地が特定できない輸入を含む。
(5) この表のデータは「国際収支」の表に記載のデータより更新頻度が高いため、この表の輸入合計は「国際収支」の表のデータとは
異なることがある。
(6) 2018年12月31日現在、メルコスールは以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイおよびベネズ
エラ。メルコスール加盟国についての詳細は、「(1) 概要-② 政治および外交-(b) 外交および国際機関-メルコスール」を参照
のこと。
出所:INDECおよび財務省
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輸 入 の 地 域 分 布 (1)
(総輸入に占める比率(%))
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
ブラジル 21.8 21.7 24.4 26.7 23.8
中 国 16.4 19.7 18.8 18.4 18.5
米 国 13.9 13.2 12.5 11.4 11.8
ドイツ 5.4 5.2 5.5 4.8 5.1
メキシコ 2.5 3.0 3.2 3.1 2.9
フランス 2.2 2.4 2.8 2.0 1.7
イタリア 2.5 2.3 2.6 2.5 2.4
日 本 2.1 2.0 1.7 1.6 1.7
スペイン 1.6 1.6 1.6 2.2 2.2
チ リ 1.3 1.2 1.2 1.3 1.1
オランダ 1.2 0.8 0.8 0.7 0.8
その他のALADI諸国 (2) 5.6
6.6 5.2 5.0 7.7
その他のEU諸国 4.4 4.5 4.7 5.0 5.0
ASEAN諸国 3.1 3.4 4.2 4.2 4.4
中東諸国 1.6 0.9 1.4 1.2 1.8
その他のアジア諸国 3.3 4.0 3.7 3.3 3.1
その他 (3) 5.2
9.1 8.1 5.3 5.3
1.1 0.9 0.8 0.9 0.9
原産地未詳(4)
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
合 計(5)
備忘項目:
29.1 27.8
メルコスール (6)
23.3 23.1 26.6
36.7 35.5
ALADI
32.2 31.1 33.8
(1) CIFベースで算定されている。
(2) 2018年12月31日現在、ALADI諸国は以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、キューバ、
エクアドル、メキシコ、パラグアイ、パナマ、ペルー、ウルグアイおよびベネズエラ。
(3) その他の全ての国からの輸入を含む。
(4) 原産地が特定できない輸入を含む。
(5) この表のデータは「国際収支」の表に記載のデータより更新頻度が高いため、この表の輸入合計は「国際収支」の表のデータとは
異なることがある。
(6) 2018年12月31日現在、メルコスールは以下の国を含んでいた: アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイおよびベネズ
エラ。メルコスール加盟国についての詳細は、「(1) 概要-② 政治および外交-(b) 外交および国際機関-メルコスール」を参照
のこと。
出所:INDECおよび財務省
メルコスール(南米共同市場)諸国との貿易
枠 組 み
アルゼンチンの他に、メルコスールにはブラジル、パラグアイ、ウルグアイおよび2012年からベネズエラが加盟国
として含まれている。2016年12月以降、ベネズエラの正式加盟国としての資格が、他の加盟国により一時停止となっ
た。詳細は「(1) 概要 - ② 政治および外交 - (b) 外交および国際機関-メルコスール」を参照のこと。2015年7
月、ボリビアは、正式加盟国となるための協定書に署名したが、現在もブラジル、パラグアイおよびボリビアの議会
による承認が条件となっている。メルコスールの目的は、貿易障壁の撤廃、マクロ経済政策の調和ならびに共通対外
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関税および共通対外貿易政策の設定により加盟国の経済を段階的に統合することである。ただし、詳細は「(1) 概要
-② 政治および外交-(b) 外交および国際機関」を参照のこと。
貿 易
メルコスール加盟国間の貿易は、2010年までの10年において大幅に増加したが、その後減少した。この減少は、国
内外の経済状況の悪化という状況下で起きている。かかる業績の悪化は広くすべての加盟国に影響をもたらしてい
る。
2018年におけるアルゼンチンのメルスコール加盟国との貿易は、アルゼンチンの貿易総額の25.5%を占める324億
米ドルに達した。アルゼンチンのメルスコール加盟国への輸出は141億米ドルで、アルゼンチンの総輸出額の23.0%
を占めた一方、メルスコールからの輸入は182億米ドルで、アルゼンチンの総輸入額の27.8%を占めた。アルゼンチ
ンのメルスコールとの貿易収支は、2017年の75億米ドルの赤字から2018年の41億米ドルの赤字となった。この赤字の
減少は、主に対ブラジル貿易における43億米ドルの赤字減少によるものであるが、対パラグアイ貿易における9億米
ドルの赤字増加により一部相殺された。
ブラジル
ブラジルはアルゼンチンの主要輸出先市場かつ輸入元である。工業製品は総輸出額の約67.5%を占める。2018年、
ブラジルからの主要輸入品は、合計50億米ドルに相当する中間財、および40億米ドルに相当する自動車であった。
2018年における対ブラジル主要輸出品は合計76億米ドルに相当する工業製品で、これに一次産品が続き、合計19億米
ドルに相当した。アルゼンチンの対ブラジル貿易赤字は2017年の87億米ドルから2018年の44億米ドルとなった。これ
は主に、対ブラジル輸入合計が12.8%減少したことによるが、対ブラジル輸出合計の増加は21.1%であったためであ
る。
2017年との比較で2018年にブラジルからの輸入が減少したのは、資本財の輸入における30.5%の減少および自動車
の輸入における18.0%の減少による。
2017年との比較で2018年の輸出が増加したのは、主に工業製品の輸出が26.0%増加したこと、および一次産品の輸
出が17.5%増加したことによる。
中 国
中国はアルゼンチンの主要な貿易相手国の1つである。中国からの輸入品は、主に化学製品、機械および電子機
器、オートバイおよびシリンダー容積の小さいエンジン、ならびに玩具を含む。中国への輸出品には、主に小麦、大
豆およびトウモロコシなどの農産物に加え、食肉および食肉製品が含まれる。
2018年における中国からの輸入品は、主に資本財(合計38億米ドル相当)、中間財(合計30億米ドル相当)ならび
に部品および付属品(合計29億米ドル相当)であった。2018年における中国への輸出品は、主に一次産品(合計19億
米ドル相当)、これに農産物加工品(合計14億米ドル相当)が続く。アルゼンチンの対中国貿易赤字は、2017年の77
億米ドルから2018年の76億米ドルとなった。
2017年との比較で2018年に中国からの総輸入額が2.0%減少したのは、主に消費財、資本財ならびに部品および付
属品の輸入が減少したことによるが、中間財の増加により一部相殺された。
2017年との比較で2018年に中国への総輸出額が2.9%減少したのは、主に一次産品が32.9%輸出を減らしたことに
よるが、農産物加工品の73.0%の増加により一部相殺された。
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米 国
米国は歴史的にアルゼンチンの最も重要な貿易相手国の1つであった。アルゼンチンの対米輸入では資本財および
中間財が非常に大きな割合を占める一方で、アルゼンチンの対米輸出では工業製品が大きな割合を占めている。
2018年、米国からの輸入品には、主に総額29億米ドルになる中間財、総額18億米ドルになる燃料および総額13億米
ドルとなる資本財(機械、機器および電子材など)が含まれた。同期間の対米輸出品は、主に総額18億米ドルの工業
製品があり、総額9億4,500万米ドルで燃料およびエネルギーが続いた。アルゼンチンの対米貿易赤字は、2017年の
31億米ドルから2018年は35億米ドルとなった。これは主に、米国からの輸入総額が0.9%増加した一方で、米国への
輸出総額の減少が5.9%であったためである。
2017年との比較で2018年に米国からの輸入が増加したのは、主に中間財および燃料が増加したことによるが、資本
財、消費財ならびに部品および付属品の減少により一部相殺された。
2017年から2018年に米国への輸出が減少したのは主に、工業製品の輸出が33.7%減少したことによる。かかる減少
は、燃料およびエネルギーの輸出261.4%増加により一部相殺された。
日 本
2018年において、アルゼンチンから日本への輸出は総輸出の0.8%を占め、日本からの輸入は総輸入の1.7%を占め
た。貿易収支は全期間を通じて日本の受取り超過であった。
2018年において、日本に対する貿易赤字は、2017年の4億2,700万米ドルから41.8%増加して5億9,700万米ドルと
なった。この増加は主として、日本への輸出の減少および日本からの輸入の増加による。
以下の表は、2014年から2018年までのアルゼンチンの日本との貿易を示す。
(単位:百万米ドル)
貿 易 収 支
年 輸 出 輸 入
2014年 748 1,376 (628)
2015年 573 1,222 (649)
2016年 658 953 (296)
2017年 637 1,057 (421)
2018年 485 1,082 (598)
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サービス貿易
サービス貿易収支は、非居住者がアルゼンチン国内で購入したサービスの額と、アルゼンチン居住者がアルゼンチ
ン国外で購入したサービス(金融サービスを含むが、利息、配当およびその他の収入の支払いは除く。)の金額との
対比を計上したものである。たとえば、サービス貿易の赤字は、アルゼンチン居住者がアルゼンチン国外で購入した
サービスの価値が、非居住者がアルゼンチン国内で購入したサービスの価値を超えることを指す。アルゼンチンの
サービス収支は、財貨貿易に関連する輸送費および保険料を含むため、アルゼンチンの財貨貿易の全体的水準をも部
分的に織り込んだものとなっている。
2014年において、サービス貿易収支に計上された純流出は7億米ドル減少して46億米ドルとなった。これは、サー
ビス収支の流出がサービス支出の流入より多く減少したためである。具体的には、サービス貿易収支に計上された
2014年の純流出の減少は以下に起因する。
● 輸送収支の純流出が、2013年の25億米ドルから32.6%減少して2014年は17億米ドルとなった。
● 観光収支の純流出が、2013年の14億米ドルから27.3%減少して2014年は10億米ドルとなった。
これらの純流出の減少は、専門職・技術・業務サービス収支の純流入が2013年の12億米ドルから13.5%減少して
2014年は10億米ドルとなったことにより一部相殺された。
2015年において、サービス貿易収支に計上された純流出は12億米ドル増加して58億米ドルとなった。これは、サー
ビス収支の流出増加がサービス収支の流入増加を上回ったためである。具体的には、サービス貿易収支に計上された
2015年の純流出の増加は以下に起因する。
● 輸送収支の純流出が、2014年の17億米ドルから26.2%増加して、2015年は22億米ドルとなった。
● 観光収支の純流出が、2014年の10億米ドルから100.9%増加して、2015年は21億米ドルとなった。
これらの純流出の増加は、専門職・技術・業務サービス収支の純流入が2014年の10億米ドルから4.8%増加して
2015年は11億米ドルとなったことにより一部相殺された。
2016年において、サービス貿易収支に計上された純流出は26億米ドル増加して85億米ドルとなった。これは、サー
ビス収支の純流出増加がサービス収支の流入減少により進んだためである。具体的には、サービス貿易収支に計上さ
れた2016年の純流出の増加は以下に起因する。
● 輸送収支の純流出が、2015年の22億米ドルから17.8%増加して、2016年は25億米ドルとなった。
● 観光収支の純流出が、2015年の21億米ドルから129.4%増加して、2016年は47億米ドルとなった。
2017年において、サービス貿易収支に計上された純流出は17億米ドル増加して101億米ドルとなった。これは、
サービス収支の流出増加がサービス収支の流入増加を上回ったためである。具体的には、サービス貿易収支に計上さ
れた2017年の純流出の増加は以下に起因する。
● 輸送収支の純流出が、2016年の25億米ドルから28.4%増加して、2017年は33億米ドルとなった。
● 観光収支の純流出が、2016年の47億米ドルから27.3%増加して、2017年は60億米ドルとなった。
2018年において、サービス貿易収支に計上された純流出は9億米ドル減少して93億米ドルとなった。これは、サー
ビス収支の流出減少がサービス収支の流入増加を上回ったためである。具体的には、サービス貿易収支に計上された
2018年の純流出の減少は以下に起因する。
● 観光収支の純流出が、2017年の60億米ドルから14.9%減少して、2018年は51億米ドルとなった。
● ロイヤルティ収支の純流出が、2017年の21億米ドルから15.9%減少して、2018年は18億米ドルとなった。
以下の表は、記載された期間におけるアルゼンチンのサービス貿易の純収支を示す。
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サ ー ビ ス
(単位:百万米ドル、現在価格)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
輸 送:
貨 物 (1,699) (1,600) (1,456) (1,909) (2,056)
旅 客 (1,169) (1,852) (2,095) (2,341) (1,986)
その他 1,160 1,296 1,012 991 934
輸送合計
(1,708) (2,155) (2,539) (3,259) (3,108)
観 光 (1,023) (2,055) (4,713) (6,000) (5,107)
ロイヤルティ (1,925) (2,016) (1,940) (2,089) (1,757)
専門職・技術・業務サービス 1,027 1,076 1,313 1,507 1,002
その他 (1) (1,012) (665) (574) (308) (312)
サービス合計
(4,641) (5,815) (8,452) (10,149) (9,282)
(1) 電気通信、建設、保険、金融、情報、娯楽およびリクレーションサービスならびに一部の政府サービスを含む。
出所:INDECおよび財務省
観 光
2014年、観光部門は、2013年の14億米ドルの純流出に対して10億米ドルの純流出を計上した。この純流出の減少は
主に、非居住者の訪アルゼンチン旅行に関する流入が9.6%増加した一方で、居住者の海外旅行に関する流出の増加
がわずか0.9%であったことによる。
2015年、観光部門は、2014年の10億米ドルの純流出に対して21億米ドルの純流出を計上した。この純流出の増加は
主に、居住者の海外旅行に関する流出の16.7%の増加および非居住者の訪アルゼンチン旅行に関する流入の0.7%の
減少による。
2016年、観光部門は、2015年の21億米ドルの純流出に対して47億米ドルの純流出を計上した。この純流出の増加は
主に、居住者の海外旅行に関する流出の38.6%の増加によるものであり、非居住者の訪アルゼンチン旅行に関する流
入の増加0.8%を上回った。
2017年、観光部門は、2016年の47億米ドルの純流出に対して60億米ドルの純流出を計上した。この純流出の増加は
主に、居住者の海外旅行に関する流出の17.5%の増加によるものであり、非居住者の訪アルゼンチン旅行に関する流
入の増加8.2%を上回った。
2018年、観光部門は、2017年の60億米ドルの純流出に対して51億米ドルの純流出を計上した。この純流出の減少は
主に、居住者の海外旅行に関する流出が6.2%減少した一方で、非居住者の訪アルゼンチン旅行に関する流入が3.5%
増加したことによる。
以下の表は、記載された期間におけるアルゼンチンの観光情報を示す。
観 光 統 計
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
観光収入(単位:百万米ドル) 4,960 4,927 4,967 5,375 5,563
観光支出(単位:百万米ドル) 5,983 6,982 9,679 11,375 10,670
収支(単位:百万米ドル)
(1,023) (2,055) (4,713) (6,000) (5,107)
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出所:INDECおよび財務省
第一次所得
第一次所得収支は、居住者と非居住者の間における労働力、金融資源および非生産・非金融資産(雇用者報酬なら
びに直接投資、ポートフォリオ投資、その他の投資および準備資産から稼得する収益で構成される投資収益を含
む。)の一時的な使用の授受に係る対価の支払額および受取額を計上する。
2014年、第一次所得の赤字は、2013年から11.8%減少して116億米ドルとなった。これは主に、直接投資の配当金
支払いによる純流出の18.7%の減少によるもので、ポートフォリオ投資による流出の6.0%の増加により一部相殺さ
れた。収益の再投資純額の赤字は、2014年に23.9%減少した。
2015年、第一次所得の赤字は、2014年から4.2%増加して121億米ドルとなった。これは主に、直接投資による純流
出が11.6%増加したことによる。直接投資による純流出が増加したのは、直接投資に伴う非居住者への支払いが2014
年比で増加したためである。ポートフォリオ投資による純流出は、2014年比で8.6%減少した。
2016年、第一次所得の赤字は122億米ドルとなった。ポートフォリオ投資による純流出は2015年比で30.4%増加し
たが、雇用者報酬による純流出の減少により一部相殺された。直接投資による純流出は12.0%減少した。
2017年、第一次所得の純流出は、2016年から34.4%増加し164億米ドルとなった。これは主に、ポートフォリオ投
資による純流出が2016年比で70.6%増加し、直接投資による純流出が増加したためである。
2018年、第一次所得の純流出は、2017年から13.7%増加し186億米ドルとなった。これは主に、ポートフォリオ投
資による純流出が2017年比で55.5%増加し、その他の投資による純流出が34.4%増加したためである。
2014 年 2015年 2016年 2017年 2018年
第一次所得収支(所得収支) (11,614) (12,105) (12,192) (16,388) (18,629)
貸 方 2,562 2,359 2,824 3,999 6,283
雇用者報酬 171 216 79 92 91
投資所得 2,391 2,144 2,746 3,907 6,193
直接投資 814 647 699 1,019 1,523
ポートフォリオ投資 1,086 1 ,070 1,358 1,966 3,034
その他の投資 473 401 627 791 1,219
準備資産 17 24 61 130 417
借 方 14,176 14,464 15,017 20,387 24,913
雇用者報酬 205 190 173 180 179
投資所得 13,970 14,274 14,844 20,206 24,733
直接投資 8,114 8,793 7,866 9,701 8,938
ポートフォリオ投資 4,024 3,758 4,864 7,947 12,357
その他の投資 1,832 1,724 2,114 2,559 3,438
(b) 資本収支
資本収支は、アルゼンチンの居住者と非居住者の間の資本移転ならびに非生産・非金融資産の取得および処分を計
上する。
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IMFの勧告に従い2017年にINDECが採用した国際収支の報告手法が要求する通り、資本収支は金融収支とは別個に表
示される。
2014年から2018年の各年度において、資本収支は黒字を計上した。
2014年、資本収支は、2013年の資本収支に計上した3,340万米ドルの純流入から70.0%増加し、5,680万米ドルの純
流入を計上した。
2015年、資本収支は、2014年の資本収支に計上した5,680万米ドルの純流入から8.6%減少し、5,190万米ドルの純
流入を計上した。この減少は主に、資本移転が減少したことによる。
2016年、資本収支は、2015年の資本収支に計上した5,190万米ドルの純流入から604.4%増加し、3億6,580万米ド
ルの純流入を計上した。この増加は主に、金融機関および非金融法人、家計ならびに非営利団体に対する債務免除が
増加したことによる。
2017年、資本収支は、2016年の資本収支に計上した3億6,580万米ドルの純流入から62.1%減少し、1億3,870万米
ドルの純流入を計上した。この減少は主に、金融機関、非金融法人および家計への資本移転が減少したことによる。
2018年、資本収支は、2017年の資本収支に計上した1億3,870万米ドルの純流入から37.3%減少し、8,700万米ドル
の純流入を計上した。
(c) 金融収支
金融収支は、居住者と非居住者の間での金融資産および金融負債の取得および処分の純額を計上する。
金融収支には、直接投資フロー、ポートフォリオ投資、金融デリバティブ(外貨準備を除く。)、その他の投資お
よび準備資産(貨幣用の金、特別引出権、IMF準備ポジションおよびその他の準備資産)が含まれる。中央銀行準備
金は金融収支の一部を構成する。外国人所有資産によりアルゼンチンで生成された分配所得のうち、所有者の決定か
否かにかかわらず、または規制上の障害(送金規制等)により分配されていないものについては、金融収支上生成さ
れたが送金されていない年度の流入として取り扱われる。
2014年に、金融収支は、2013年から42.3%の減少となる93億米ドルの純流入を計上した。
預金取扱機関: 2014年、預金取扱機関は、2013年に預金取扱機関が計上した純流入に対して21.5%の減少となる
8億1,490万米ドルの純流入を計上した。これは主に、非居住者向けローンの返済によるものであった。
政府: 2014年、非金融公共部門は、前年に計上した11億米ドルの純流入から60億米ドルの増加となる71億米ドル
の純流入を計上した。この増加は主に、多国間、二国間その他の信用機関からの融資の増加によるものであった。
その他部門: 2014年、その他部門は、前年の42億米ドルの純流入から減少して6億1,270万米ドルの純流出と
なった。この変化は主に、非居住者による直接投資の50.6%の減少および商業融資からの流入の減少によるもので
あった。
経常収支、資本収支および金融収支の変動の結果、中央銀行の外貨準備高は12億米ドル増加した。中央銀行の金融
負債は32億米ドル増加したが、これは主に、中央銀行と中国人民銀行との間の通貨スワップ契約に基づく借入金によ
るものであった。
2015年に、金融収支は、2014年から98.5%の増加となる185億米ドルの純流入を計上した。
預金取扱機関: 2015年、預金取扱機関は、2014年に預金取扱機関が計上した純流入から83.3%の増加となる15億
米ドルの純流入を計上した。この増加は主に、直接投資による流入の増加および非居住者貸主が設定する信用枠の利
用増加によるものであった。
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政府: 2015年、非金融公共部門は、前年に計上した71億米ドルの純流入に対して81億米ドルの減少となる10億米
ドルの純流出を計上した。この減少は主に、多国間、二国間その他の信用機関による融資の減少およびポートフォリ
オ 投資の減少によるものであった。
その他部門: 2015年、その他部門は、前年の6億1,270万米ドルの純流出に対して55億米ドルの純流入となっ
た。この変化は主に、非居住者による直接投資の増加および商業融資からの流入の増加によるものであり、居住者に
よる海外資産(主に外貨および預金)の取得により一部相殺された。
2016年に、金融収支は、2015年から24.5%の減少となる140億米ドルの純流入を計上した。
預金取扱機関: 2016年、預金取扱機関は、2015年に計上した15億米ドルの純流入に対して15億米ドルの純流出を
計上した。この純流出は主に、居住者による外国資産(外貨保有および預金)の取得の増加による。
政府: 2016年に、非金融公共部門は、2015年に計上した10億米ドルの純流出に対して296億米ドルの純流入を計
上した。これらの純流入は主に、国際資本市場における総額312億米ドルの債務証券の売出しによるものであり、そ
の収入は債務の返済に一部使用された。
その他部門: 2016年、その他部門は、前年の55億米ドルの純流入に対して減少となる7億8,500万米ドルの純流
入を計上した。この減少は主に、外国為替規制が撤廃されたことによる留保された未送金利益の分配に起因して、非
居住者会社によるアルゼンチン国内での投資が121億米ドル減少したことによるものであった。
2017年に、金融収支は、2016年から124.0%の増加となる313億米ドルの純流入を計上した。
預金取扱機関: 2017年、預金取扱機関は、2016年に計上した15億米ドルの純流出に大して61億米ドルの純流入を
計上した。この純流入は主に、金融資産(外貨保有および預金)の売却の増加および負債発行の増加に起因した。
政府: 2017年に、非金融公共部門は、前年に計上した296億米ドルの純流入に対して、43億米ドルの増加となる
339億米ドルの純流入を計上した。この増加は主に、国際資本市場における債務証券の売出しおよび共和国が締結し
た取引に従った2024年満期のBonares債の売出しによる流入に起因した。共和国は、 当該取引に基づき定められた金
額を支払うことで当該Bonares債を消却できる権利が付与されている 。この増加は、ポートフォリオ投資の流出によ
り一部相殺された。売出しの対象である2024年満期のBonares債は、2019年8月に消却された。
その他部門: 2017年、その他部門は、前年の7億8,500万米ドルの純流入に対して6億9,500万米ドルの純流入を
計上した。
経常収支、資本収支および金融収支の変動の結果、中央銀行の外貨準備高は146億米ドル増加した。中央銀行の金
融負債は51億米ドル増加したが、これは主に非居住者に対するLebacs債の発行によるものであった。
2018年に、金融収支は、2017年から10.5%の減少となる280億米ドルの純流入を計上した。
預金取扱機関: 2018年、預金取扱機関は、2017年に計上した61億米ドルの純流入に対し、19億米ドルの純流出を
計上した。これらの流出は主に、対外資産(主に現金および預金)の取得の増加および非居住者が保有する預金取扱
機関の債務免除(純額)に起因した。
政府: 2018年、非金融公共部門は、前年に計上した339億米ドルの純流入から104億米ドルの増加となる444億米
ドルの純流入を計上した。この増加は主に、2018年1月の国際資本市場における債務証券の売出し、IMFと締結した
SBAに基づく金融支援、ならびに共和国が締結した取引に従った2024年満期のBonares債および2025年満期のBonares
債の売出しに起因した。共和国は、当該取引に基づき定められた金額を支払うことで当該Bonares債を消却できる権
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利が付与されている。この増加は、ポートフォリオ投資の流出により一部相殺された。売出しの対象である2024年満
期のBonares債および2025年満期のBonares債は、2019年8月に消却された。詳細は、「(6) 公債-③ 最近の動向-
2019 年の外貨建債務」を参照のこと。
その他部門: 2018年、その他部門は、前年の6億9,500万米ドルの純流入に対して104億米ドルの純流出を計上し
た。この変動は主に、海外金融資産(非居住者からの通貨および預金)の取得の増加によるものであった。
経常収支、資本収支および金融収支の変動の結果、中央銀行の外貨準備高は113億米ドル増加した。
中央銀行の金融負債は72億米ドル増加した。これは、中央銀行と中国人民銀行との間の通貨スワップ契約に基づく
借入金によるものであったが、残存していたLebacs債の消却により一部相殺された。
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(d) 海外投資
海外投資規制
2016年に政府および中央銀行は、貿易収支に影響を与える規制のすべてを廃止した。詳細は、後述の「③ 外国為
替取引の制限およびその他規制」を参照のこと。
しかしながら、2019年9月に中央銀行は、外貨取引に制限を課した。
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ポートフォリオ投資および直接投資の推移
以下の表は、記載の期間におけるアルゼンチン経済に対するポートフォリオ投資、直接投資およびその他の投資に
関する情報を示す。
ポートフォリオ投資、直接投資およびその他の投資の状況
(単位:百万米ドル)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
金融収支 (9,321) (18,498) (13,964) (31,273) (27,985)
直接投資 (3,145) (10,884) (1,474) (10,361) (10,071)
金融資産の純取得(外国会社への債務) 1,921 875 1,787 1,156 1,802
既発生債務の純額(外国会社への債務) 5,065 11,759 3,260 11,517 11,873
ポートフォリオ投資 2, 339 ( 437 ) (35,255) (35,922) (6,683)
金融資産の純取得 ( 25 ) 93 798 5,502 6,092
既発生債務の純額 (2,365) 530 36,053 41,424 12,775
金融デリバティブの純額 (168) (25) 222 (96) (35)
その他の投資 (9,542) (2,246) 8, 232 550 (22,473)
金融資産の純取得 1,422 8,814 2,689 12,506 25,185
債務発行の純額 10,964 11,060 (5,542) 11, 956 47,657
外貨準備金 1, 195 (4, 906 ) 14,311 14,556 11,277
出所:INDECおよび財務省
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海外直接投資
アルゼンチンへの直接投資は、兌換制度の導入および海外投資への障壁解除を受けて、1990年代に大幅に増加し
た。1990年代初頭から半ばにかけての資本流入の大半は、国有企業の民営化により海外の民間資本が集まったことに
よるものであった。直接投資純額は1999年、1992年から進行していたYPFの完全民営化を以て最高潮に達した。2002
年に開始したマクロ経済政策およびYPF株式の51%を含む、一部の民営企業の収用の結果、直接投資による資本流入
は大幅に減少した。
2014年、直接投資による純流入は、2013年の89億米ドルから64.8%減少して31億米ドルとなった。かかる減少は主
に、非居住者によるアルゼンチンへの投資が48億米ドル減少したこと、およびアルゼンチン居住者によるオフショア
投資が10億米ドル増加したことによりもたらされた。
2015年、直接投資による純流入は、2014年の31億米ドルから77億米ドル増加して109億米ドルとなった。かかる増
加は主に、非居住者によるアルゼンチンへの投資が67億米ドル増加したこと(主に留保利益の形で)、およびアルゼ
ンチン居住者によるオフショア投資が10億米ドル減少したことによりもたらされた。
2016年、直接投資による純流入は2015年の109億米ドルから94億米ドル減少して15億米ドルとなった。かかる減少
は主に、非居住者によるアルゼンチンへの投資が85億米ドル減少したことによりもたらされた。これは、外国為替制
限の撤廃に伴う留保された未送金利益の分配によるものである。かかる減少は、アルゼンチンの居住者によるオフ
ショア投資が9億1,100万米ドル増加したことにより一部相殺された。
2017年、直接投資による純流入は2016年の15億米ドルから89億米ドル増加して104億米ドルとなった。かかる増加
は主に、累積利益の再投資が増加したことによりもたらされた。
2018年、直接投資による純流入は2017年の104億米ドルから2億9,100万米ドル減少して101億米ドルとなった。
ポートフォリオ投資
株式、債券およびその他の証券の購入から成るポートフォリオ投資は、非常に流動的かつ短期となる傾向があり、
このためとりわけ市場における変動に左右されやすい。
2014年、ポートフォリオ投資による純流出は23億米ドルとなった。2013年は4億3,300万米ドルの純流入であっ
た。これは主に、政府から総額28億米ドルの債務免除を受けたことによるものであった。デリバティブ金融商品によ
る純流入は1億3,600万米ドル増加し、2013年の3,200万米ドルの純流入から2014年は1億6,800万米ドルの純流入と
なった。
2015年、ポートフォリオ投資による純流入は4億3,700万米ドルとなった。2014年は23億米ドルの純流出であっ
た。これは主に、非金融民間部門およびその他金融機関により総額18億米ドルの債務証券が購入されたこと、ならび
に政府の債務返済額が2014年の28億米ドルから減少して2015年に16億米ドルとなったことによるものであった。デリ
バティブ金融商品による純流入は1億4,300万米ドル減少し、2014年の1億6,800万米ドルの純流入から2015年は
2,500万米ドルの純流入となった。
2016年、ポートフォリオ投資による純流入は353億米ドルとなった。2015年は4億3,700万米ドルの純流入であっ
た。これは主に、政府により総額3,120万米ドルの債券が発行されたこと、ならびに非金融民間部門およびその他金
融機関が海外資産および投資信託への関与を縮小したことによるものであった。デリバティブ金融商品による純流出
は、2015年の2,500万米ドルの純流入に対して2億2,200万米ドルの純流出となった。
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2017年、ポートフォリオ投資による純流入は359億米ドルとなった。2016年は353億米ドルの純流入であった。これ
は主に、政府により総額284億米ドルの債券が発行されたこと、ならびに中央銀行、金融機関およびその他の部門に
より債券が発行されたことによるものであった。デリバティブ金融商品による純流入は9,600万米ドルとなったが、
2016 年は2億2,200万米ドルの純流出であった。
2018年、ポートフォリオ投資による純流入は67億米ドルとなった。2017年は359億米ドルの純流入であった。これ
は主に、政府による債権発行の減少および残存していたLebacs債の消却によるものであった。デリバティブ金融商品
による純流入は総額3,500万米ドルとなったが、2017年は9,600万米ドルの純流入であった。
その他の投資
その他の投資は、非金融公共部門(政府)、非金融民間部門およびその他金融機関(その他部門)、金融部門(預
金取扱機関)ならびに中央銀行のその他の資産および負債に関するデータを含み、以下のように分類される。
● その他の株式投資
● 貨幣および預金
● 融資
● 保険、年金および標準化された保証手段
● 商業信用および前渡金
● その他の支払/受取勘定
2014年、その他の投資は、95億米ドルの純流入を計上した。当該期間において、アルゼンチン居住者によるオフ
ショア投資は、2013年の39億米ドルから減少して14億米ドルとなり、また非居住者によるアルゼンチンへの投資は、
2013年の12億米ドルの流出に対して110億米ドルとなった。
2015年、その他の投資は、22億米ドルの純流入を計上した。当該期間において、アルゼンチン居住者によるオフ
ショア投資は2014年の14億米ドルから増加して88億米ドルとなり、また非居住者によるアルゼンチンへの投資は、
2014年の110億米ドルの流入からわずかに増加して111億米ドルの流入となった。
2016年、その他の投資は、82億米ドルの純流出を計上した。当該期間において、アルゼンチン居住者によるオフ
ショア投資は2015年の88億米ドルから減少して27億米ドルとなり、また非居住者によるアルゼンチンへの投資は、
2015年の111億米ドルの流入に対して2016年は55億米ドルの流出となった。
2017年、その他の投資は、5億5,030万米ドルの純流出を計上した。当該期間において、アルゼンチン居住者によ
るオフショア投資は、2016年の27億米ドルから増加して125億米ドルとなり、また非居住者によるアルゼンチンへの
投資は、2016年の55億米ドルの流出に対して2017年は120億米ドルの流入となった。
2018年、その他の投資は、225億米ドルの純流入を計上した。金融資産の増加は、対外金融資産(主に現金および
預金)の取得、IMFと締結したSBAに基づく金融支援および通貨スワップによる流入に起因した。当該期間において、
アルゼンチン居住者によるオフショア投資は、2017年の125億米ドルから増加して252億米ドルとなり、また非居住者
によるアルゼンチンへの投資は、2017年の120億米ドルに対して2018年は477億米ドルとなった。
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(e) 外国為替および外貨準備高
外国為替
2002年2月より、ペソは他通貨に対する変動が認められた。名目為替レートが数年変動した後、2012年に米ドルに
対するペソの価値は約12.5%下落した。中央銀行による介入およびアルゼンチン居住者による外貨取得の制限措置が
強化されたにもかかわらず、2014年、ペソの価値は米ドルに対して23.8%下落した。2015年12月、中央銀行は為替規
制の大部分を撤廃し、中央銀行は外国為替市場の運営強化を目的とした介入を行い変動相場制に移行した。2015年12
月16日に通貨規制の大部分が撤廃され、その直後の2015年12月17日、為替レートは1.00米ドル13.76ペソに達し、米
ドルに対するペソの価値は28.6%下落した。2016年および2017年、中央銀行はペソの他の通貨に対する自由な変動を
認めた。中央政府による介入は、外国為替市場の秩序ある運営を確実にするための政策に限定された。2018年、中央
銀行にとって、その金融政策および為替政策を維持することは大きな課題となった。2018年1月2日から5月31日の
間の米ドルに対するペソの価値は25.6%下落し、中央銀行の外貨準備高は約154億米ドル減少した。IMFがSBAを通じ
て支援を行ったにもかかわらず、2018年には米ドルに対するペソの価値が50.3%下落した。詳細は、「(4)通貨・金
融制度-① 通貨・金融制度および証券市場の概要-(b) 金融政策-2019年に実施された金融政策措置」を参照のこ
と。
以下の表は、記載の期間におけるペソの米ドルに対する為替レートを示す。
名目為替レート (1)
(単位:1米ドル当たりのペソ)
平 均 期 末
2015年
9.27 13.01
2016年 14.78 15.85
2017年 16.57 18.77
2018年 28.09 37.81
(1) 中央銀行の参照為替レート(中央銀行の通達A第3500号)である。
出所:中央銀行
外貨準備高
2014年12月31日現在、中央銀行の外貨準備高は前年比で2.6%増加の314億米ドルであった。このうち、192億米ド
ルは外貨預金、98億2,000万米ドルは外貨、24億米ドルは金での保有であった。
2015年12月31日現在、中央銀行の外貨準備高は前年比で18.6%減少の256億米ドルであった。このうち、123億米ド
ルは外貨預金、111億米ドルは外貨、21億米ドルは金での保有であった。
2016年12月31日現在、中央銀行の外貨準備高は前年比で51.7%増加の388億米ドルであった。このうち、131億米ド
ルは外貨預金、232億米ドルは外貨、21億米ドルは金での保有であった。
2017年12月31日現在、中央銀行の外貨準備高は前年比で42.0%増加の551億米ドルであった。このうち、200億米ド
ルは外貨預金、330億米ドルは外貨、23億米ドルは金での保有であった。
2018年12月31日現在、中央銀行の外貨準備高は前年比で19.5%増加の658億米ドルであった。このうち、201億米ド
ルは外貨預金、439億米ドルは外貨、23億米ドルは金での保有であった。詳細は、「(2) 経済-① 近時の経済動向-
IMFおよびその他の多国籍組織との合意」および「(4) 通貨・金融制度-① 通貨・金融制度および証券市場の概要-
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(b) 金融政策-2018年に実施された金融政策措置」および「-③ 最近の動向-金融政策-外貨準備高」を参照のこ
と。
2011年から2015年にかけて、中央銀行は2010年に設立した返済基金を通して、政府が民間債権者へ支払うための貸
付、および多国間機関への支払のための貸付を行った。それと入れ替えに、中央銀行は米ドル建て譲渡不能10年満期
のトレジャリー・ノートを受領した。2015年12月において、これらの譲渡不能なトレジャリー・ノートの一部はアル
ゼンチンの市場性のある有価証券と交換された(2022年満期のBonares債、2025年満期のBonares債および2027年満期
のBonares債)。
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③ 外国為替取引の制限およびその他規制
外国為替管理
2001年におけるアルゼンチン経済および財務制度の悪化、アルゼンチンの対外債務の返済能力欠如、および財政制
度における積立レベルの低下により、政府は2001年12月3日付で大統領令第1570/2001号を発布し、一定の金融およ
び為替管理政策を敷いた。これには一定の例外を除く銀行預入資金の積立制限および海外送金の制限が含まれる。
上記政策に加え、2002年2月8日、政府および中央銀行は、海外債務の元利金支払いのための一部の海外送金に事
前の承認を要求するようになった。2011年から2015年12月までの間、政府は国内居住者による外貨の売却および海外
資産取得に対する規制を強化し、資金の海外移転可能性に制限を加えた。
一部の外国為替取引にアルゼンチン税務当局または中央銀行による事前承認を課す2012年に制定した規制と併せ
て、当局が実施した一定の政策は単一自由為替相場(Mercado Único y Libre de Cambio、または「MULC」)へのア
クセスを著しく制限した。これに対し、公式の対米ドル為替レートからは大きく乖離する非公式の米ドル取引市場が
発展した。
現行規制
資本流入の増加を目的として2015年12月に採用した一連の最初の措置に続き、政府および中央銀行は、貿易収支に
影響を与える制限を撤廃する追加措置を導入した。2016年8月に中央銀行は、MULCへのアクセスを大幅に緩和した。
2016年12月30日、中央銀行は、輸出代金の本国送金義務を撤廃することで、為替管理のさらなる緩和を実施した。
2017年1月4日、当時の財務省は、(ⅰ) 一定の対外債務によって生成される国内為替市場への資金流入、および
(ⅱ) 非居住者による資本流入に適用する最低滞留期間義務を廃止した。2017年1月20日、工業生産大臣は、財貨輸
出代金の本国送金に適用される期限を5年から10年に延長した。
中央銀行は2017年7月1日付で、残る為替規制の大半を撤廃し、居住者および非居住者による外国為替市場へのア
クセスを提供する措置を導入した。
2017年11月、政府は、アルゼンチン居住者の輸出代金の本国送金義務を撤廃した。アルゼンチン居住者のみに適用
されている報告義務は、統計の作成のみを目的としている。
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④ 最近の動向
国際収支
以下の表は、記載の期間におけるアルゼンチンの国際収支の情報を示す。
国 際 収 支
(単位:百万米ドル)
6月30日に終了した6か月
2018年 2019年
合計 合計
経常収支 (17,869) (6,246)
財貨およびサービス貿易
(9, 366) 3,502
財 貨(1) (3,339) 6,722
貸 方 30,045 30,758
借 方 33,384 24,036
サービス(2) (6,027) (3,219)
貸 方 7,732 7,210
借 方 13,759 10,429
第一次所得収支(所得収支)
(9,137) (10,101)
雇用者報酬 (47) (46)
投資収益 (9,089) (10,054)
直接投資 (3,850) (3,348)
ポートフォリオ投資 (4,523) (5,182)
その他の投資 (923) (1,720)
準備資産 207 196
第二次所得収支(経常移転収支)
634 353
資本収支 31 46
正味外部資金調達需要
(17,838) (6,200)
金融収支
(18,264) (7,035)
中央銀行 3,354 (1,818)
準備金 6,894 (1,818)
負 債 3,540 -
預金取扱機関 (2,126) (2,426)
政 府 (26,515) (6,202)
その他部門 7,023 3,411
誤差脱漏純額 ( 426)
(835)
備忘項目
準備資産の取引の増減 6,894
(1,818)
中央銀行外貨準備高の推移 6,826 (1,508)
為替調整 (68) 311
(1) 財貨はFOBベースで計算されている。
(2) 輸出・輸入の輸送量および保険料を含む。
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経常収支
2019年6月30日に終了した6か月における経常収支は、2018年同期の179億米ドルの赤字に対し、62億米ドルの赤
字を計上した。赤字の減少は、主に財貨およびサービス貿易収支において、2018年同期に計上した94億米ドルの赤字
から35億米ドルの黒字に転じたことによる。この変動は主に、2019年6月30日に終了した6か月における財貨が、
2018年同期の33億米ドルの赤字から67億米ドルの黒字となったことに起因する。
金融収支
2019年6月30日に終了した6か月における金融収支は、2018年同期から61.5%減少して70億米ドルの純流入を計上
した。
預金取扱機関: 2019年6月30日に終了した6か月において、預金取扱機関は、2018年同期に計上した21億米ドル
の純流入に対して、24億米ドルの純流入を計上した。
政府: 2019年6月30日に終了した6か月において、非金融公共部門は、2018年同期に計上した265億米ドルの純
流入から203億米ドル減少して、62億米ドルの純流入を計上した。この純流入は主に、共和国が締結した取引に基づ
き定められた金額を支払うことで消却する権利が付与された、2024年満期のBonares債および2037年満期のBonares債
の売出し、ならびにSBAに基づくIMFの金融支援による流入に起因した。この流入は、ポートフォリオ投資の流出によ
り一部相殺された。売出しの対象であり残存していた2024年満期のBonares債および2037年満期のBonares債は、2019
年8月に消却された。
その他部門: 2019年6月30日に終了した6か月において、その他部門は、2018年同期の70億米ドルの純流出に対
し、34億米ドルの純流出を計上した。
その結果として、中央銀行の外貨準備高は、2018年同期より18億米ドル減少した。
外貨準備高
2019年9月26日現在、中央銀行の総外貨準備資産は、2018年12月31日現在の658億米ドルに対して492億米ドルと
なった。この減少は主に、不透明なアルゼンチン経済を反映した最近の資本の流出、および2019年8月の大統領予備
選挙の結果に伴う為替市場の変動によるものであった。
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(4) 【通貨・金融制度】
① 通貨・金融制度および証券市場の概要
(a) 中央銀行
1935 年に創設された中央銀行は、アルゼンチンの通貨および金融の職責を有する主たる官庁である。中央銀行はそ
の憲章および金融機関法(Ley de Entidades Financieras、「金融機関法」)に従い運営される。
中央銀行は、中央銀行総裁が率いる10名の理事からなる理事会により統治されている。中央銀行総裁および理事会
構成員は大統領により選任され、上院による承認を受ける。任期は6年で再任可能であり、理由がある場合のみ大統
領が解任することができる。中央銀行はその憲章の条項に従い、その運営は政府から独立していなければならない。
中央銀行憲章(直近では2012年に改正済)に基づき、中央銀行はとりわけ、
● 通貨および金融制度の安定、雇用ならびに社会的公平性を伴う経済成長を促進しなければならない。
● 金利を規制し、貸付業務を規制および指導する権限を与えられている。
● 金および外貨を含む外貨準備高を維持および管理しなければならない。
● 適用ある法制に従った為替相場政策を実行しなければならない。
● 政府の財務代理人として行為し、資本市場が適切に機能するようにし、金融システムおよび外国為替取引に
関係する業務を規制し、金融サービスの消費者の権利を保護しなければならない。
● 直近12か月間に政府が徴収した歳入の10%に相当する金額を上限として、政府に特別前払金を付与すること
ができる。
(b) 金融政策
通貨単位
アルゼンチンの通貨単位はペソであり、1ペソは100セントをもって構成される。銀行券は、5、10、20、50、
100、200、500および1,000ペソの額面で発行されている。硬貨の種類は1、5、10、25および50セントならびに
1、2、5および10ペソである。
経 緯
1991 年から2001年までのアルゼンチンの金融政策は、ペソ対米ドルを1対1の交換レートにペグ(固定)し、中央
銀行に少なくともマネタリー・ベース(流通自国通貨および金融機関の中央銀行へのペソ建預金で構成される。)と
等しい外貨準備高を維持することを要求した1991年兌換法に従っていた。兌換制度の下では、ペソは実質ベースで過
大評価され、1995年のメキシコ通貨危機および1997年のアジア通貨危機など、アルゼンチン経済に影響を及ぼした外
的ショックに対処するために必要な手段を中央銀行は有していなかった。さらに、1995年から、アルゼンチン政府は
その業務の資金を調達するために国際資本市場への依存度を高め、ペグ相場のための外貨準備に対する需要をさらに
高めることとなった。2001年12月までに、アルゼンチン経済からの継続的な資本逃避により、兌換制度を維持するこ
とが不可能になった。2002年1月6日、国会は国家緊急事態法を制定し、同法により、中央銀行の外貨準備高の総額
が常にマネタリー・ベースの少なくとも100%と等しくなければならないという要件が撤廃されたことで、兌換制度
は事実上廃止された。国家緊急事態法はペソと米ドル間のペグ制を廃止し、行政府に外国為替市場を規制し、外国為
替相場を設定する権限を与えた。
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2002 年に、アルフォンソ・プラット-ガイ氏が中央銀行総裁に任命された。同氏の在任期間(2004年に終了し
た。)中、中央銀行は、通貨の安定性の回復および中央銀行の外貨準備高の増強を意図した一連の措置を講じた。こ
の措置には、2001年から2002年の危機の間にいくつかの州が発行した準通貨の廃止、2002年にその貸借対照表の不釣
り 合いなペソ化を命ずる政令により影響を受けた多くの金融機関の資本強化、経済成長の加速の影響を制限するため
のインフレ目標の採択、中央銀行の外貨準備高の増強、金融システムによる貸付業務の拡大ならびに、経済成長の資
金調達源としての資本市場取引の奨励、が含まれていた。
2004 年第4四半期中、中央銀行は外貨準備の蓄積を開始し、マネタリー・ベースの増加を成し遂げるための様々な
措置を講じた。
2007 年下半期中、信用市場の逼迫に対応し、中央銀行は、為替相場の不安定性の高まりを管理するために外国為替
市場に介入し、地方銀行に流動性を供給し、マネタリー・ベースを拡大した。
2008 年下半期以降、世界的な金融危機に対応し、中央銀行は、ペソの大幅な下落を回避し、市場に追加の流動性を
供給するために市場に介入した。中央銀行の行動には、特に、レポ貸付の利回りの管理、Lebacs債およびNobacs債に
対する売りオプションの入札実施ならびに金融機関向け外貨預金最低準備率の引下げが含まれていた。これらの手段
は、銀行がその流動性比率を適正水準に維持することを可能にし、また、銀行の貸出を促すことを目的とした。
2009 年後半に政府は緊急命令(Decreto de Necesidad y Urgencia)を発し、中央銀行が保有する外貨準備を対外
債務の支払いに充当できるようにした。2004年にプラット-ガイ氏から引き継いだ中央銀行総裁であるマルティン・
レドラード氏が、中央銀行の外貨準備をこの用途に向けることに反対し、行政府と中央銀行との間に対立が生じ、最
終的には2010年1月にレドラード氏の辞任につながり、自己統治性、政治的安定性および債務の維持可能性に対する
懸念を再燃させることとなった。メルセデス・マルコ・デル・ポント氏が中央銀行総裁に任命され、2013年11月18日
に辞任により終了するまでの同氏の在職期間は、政府の財政的需要に資金提供する金融政策とともに、通貨の安定性
を代償にして国内需要の拡大による経済成長を促進するという決定を行ったことが特徴的である。
2010 年2月18日に、フェルナンデス・デ・キルチネル大統領は、通貨・金融・為替政策調整審議会(「本審議
会」)を創設した。本審議会は、経済財政大臣が議長を務め、加えて財務省からの2名のメンバー(経済政策局長お
よび金融局長)ならびに中央銀行からの3名のメンバー(総裁、副総裁および中央銀行の理事会理事1名)により構
成された。
2012 年に中央銀行憲章を改訂後、中央銀行は様々な金融政策に取り組み、政府に継続的な資金供給(融資および債
務返済のための外貨準備の利用)を行った。ペソへの圧力が進み始め、中央銀行は、実質的に複数の為替相場体制を
実施した。これは、輸出には有利で輸入は抑制したが、アルゼンチン居住者による海外旅行には都合がよく、その結
果、非公式な多重為替相場制が存在することとなり、また、中央銀行の外貨準備高が悪化し続ける原因となった。
マルコ・デル・ポント氏が2013年11月18日に辞任した後、フェルナンデス・デ・キルチネル大統領は、フアン・カ
ルロス・ファブレガ氏を中央銀行総裁に任命した。2014年10月10日に終了したファブレガ氏の体制下では、通貨安定
性の回復が試みられたが、短命に終わった。しかしながら、外国為替政策は金融省の権限の範囲内に留まり、一貫性
のない金融および外国為替政策を引き起こすこととなった。
2014 年2月2日に、フェルナンデス・デ・キルチネル大統領は、当時CNVの会長代行であったアレハンドロ・ヴァ
ノリ氏を中央銀行総裁に任命した。2014年および2015年中、中央銀行は政府の財政赤字に対し資金の供給を続けた。
中央銀行は、外貨の利用に対する制限を強化し、結果として外貨準備高は、2014年12月31日現在の314億米ドルから
2015年12月31日には256億米ドルへと減少が継続した。2015年11月に中央銀行は、ペソの大幅下落の高まる懸念を払
拭するために、国際市場によるレートとは一致しないレートで先物ドル契約を売却した。
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2015 年12月現在、中央銀行は、フェルナンデス・デ・キルチネル政権下で実施された政策により生じた歪みを正す
ために特に以下の一連の措置を採択した。
● 外国為替市場:ペソは変動可能となり、非公式な多重為替相場制を廃止し、経常取引のために外国為替送金
が再び許可されることとなった。期日の到来した経常支払金を輸入勘定に当てるプログラムが承認され、中
央銀行はその外貨準備高をさらに増加させるために人民元のポジションを米ドルにスワップした。
● インフレーション:中央銀行はインフレ目標に基づく長期金融政策の実施決定およびその主たる金融政策の
手段として短期利付債に依存することを公表した。
● 外貨準備:中央銀行はその貸借対照表の強化および外貨準備のポジション向上のために、政府の譲渡不能債
券を市場性有価証券にスワップできることとなった。
2016 年から2017年にかけて、中央銀行は以下の施策を実施した。
● 金融業界の競争力の向上
○ 貸付および預金の金利の上限を撤廃した。
○ 遊休資金を生産活動に振り当てるための施策を実施した。
○ 被用者が使用者を手続に関与させることなく賃金振込口座を開設できるようにして、金融仲介業の
競争を促進した。
○ 銀行の新規支店の開設要件を緩和し、金融サービスを利用しにくかった地域に金融機関が進出でき
るようにした。モバイル支店および無人端末の設置を承認した。
○ 金融サービスを利用しやすくするため、非課税貯蓄口座、デビットカード、ATMまたはホーム・バ
ンキングからの送金サービスを新設した。
● 金融業界の対象範囲の拡大:貯蓄および長期融資をインフレの影響から保護することを目的とした2つの新
しい金融商品を導入した。「(2) 経済-② 最近5年間の経済の動向-(c) インフレーションおよび物価の
動向-国家統計制度の緊急事態」を参照のこと。
● 監視の強化:バーゼルⅢ規制(規制との整合性評価プログラム、または「RCAP」)における最高水準を達成
するため、国際基準に沿った規制・監視活動を実施し、バーゼル基準に沿うよう自己資本要件の一部を調整
した。また、州および自治体政府から借入れを行っている事業体に一層厳しい制限を設けた。
● インフレーション:2017年1月から、中央銀行は、インフレ・ターゲット体制のアンカーとして7日物レポ
参照レートを用いた正式なインフレ・ターゲット制度を実施した。中央銀行は、アクティブとパッシブのレ
ポ参照レートの間のスプレッドによって定義される「金利コリドー」を決定し、そこから金融政策金利を導
き出した。
● 外国為替市場:外国為替に対する残りの制限を廃止し、外国為替規制を全般的に簡素化した。
2018年に実施された金融政策措置
2018 年第1四半期のアルゼンチン経済において、月間インフレ率は、2017年12月28日に公表した15%の年間目標を
達成できない状態が続いた。結果として、金融システムの流動性を吸収するため、中央銀行はペソ建の短期Lebacs債
に依存しているが、インフレ抑制には十分でなく、重大なリファイナンス・リスクが生じるとともに、投資家がペソ
市場からの撤退を模索したためペソへの圧力が高まった。2018年5月、中央銀行は、2018年4月25日から2018年5月
3日の6.8%のペソ下落後、米ドルに対するペソの不安定性を軽減する一連の措置(主要金利の40%への引上げを含
む。)を発表した。また、2018年6月、増大するペソへの圧力を緩和するための追加措置が発表された。当該措置に
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は、(i) 一定の例外を除き、要求払預金および定期預金の法定準備金をさらに5%増加し、(ⅱ) 金融機関の純海外
資産ポジションに対する制限を、基本的純資産(patrimonio neto básico)と補完的純資産(patrimonio neto
complementario) の合計(responsabilidad patrimonial computable)の10%から5%に引き下げ、(ⅲ) 米ドル建
のLetes債の流通市場の流動性を拡大するため、金融機関が流通市場でLetes債を取得する要件を緩和し、上記制限
5%を超え30%を上限としたその超過額がLetes債で構成される限り、金融機関は純海外資産ポジションを拡大する
ことが認められ、(ⅳ) 低下した取引量またはボラティリティという点から、価格差別が機能しなくなるまで引き続
き有効であることを目的とする入札プロセスを通じた、外貨の購入または売却の新しい仕組みを導入することなどが
含まれる。
2018 年6月と8月の間、中央銀行は、短期金融市場の流動性の管理およびインフレ抑制のために、ペソ建の要求払
預金および定期預金の最低預金準備率を数回引き上げたことを発表した。
2018 年8月7日、中央銀行理事会は、中央銀行の総裁、副総裁、副総裁代理、経済調査部副部長および理事会が任
命する理事1名で構成される金融政策委員会(Comité de Política Monetaria、または「COPOM」)を創設した。金
融政策委員会は、金融政策プログラムの実行に必要なその他すべての要素のうち、参照レート、レポ取引レートおよ
び中央銀行が発行した有価証券の価格の決定を担当している。同日に、COPOMは、新しい金融政策金利として7日物
レポ参照レートから7日物Leliqs債に切り替え、レートを当初40%に固定することを決定した。これは主に、2018年
5月および6月にペソが下落した後、同年6月に前年比29.5%に達したインフレ上昇を考慮して、金融政策手段を微
調整する必要があったためである。2018年8月13日および8月30日に、中央銀行は、ペソの継続的な下落およびそれ
がインフレに与えると予想される影響に対応して、金融政策金利をそれぞれ45%および60%に引き上げ、2018年12月
までかかる金利を下げないことを約束した。
2018 年8月13日に、中央銀行はLebacs債の在庫を段階的に廃止することを発表したが、かかる在庫は同日現在約1
兆ペソにのぼり、銀行事業体および非銀行事業体により同じ割合で保有されていた。廃止を実行するために、中央銀
行は、Lebacs債の残りの在庫を段階的に廃止すること、銀行システムの場合は、Lebacs債をNobacs債およびLeliqs債
(金融政策手段)と入れ替えることを発表した。本報告書日現在、Lebacs債の残高はなかった。
2018 年10月1日より、中央銀行は、インフレ対策をマネタリー・ベース拡大の管理へと完全に移行した。中央銀行
は、2019年6月までマネタリー・ベースを拡大せず、金銭需要の季節的増加に対処するために12月と6月に調整を行
うことを発表した。この目標は、実質ベースで大幅な通貨収縮を引き起こした。
マネタリー・ベース目標を達成するために、中央銀行は、日次ベースで銀行とLeliqs債の取引を行った。さらに、
最低流動性要件を調整した。Leliqs債の金利は流動性の需給により設定されるが、2018年第4四半期中に60%超また
は60%前後を維持した。中央銀行は、名目アンカーが完全に確立されるまで定量的枠組みを維持する意向を発表した
ため、インフレ・ターゲット政策が成功裡に実施される可能性がある。
中央銀行は、為替介入および不介入レンジにより金融目標を補完した。中央銀行は、ペソ/米ドルの為替レートが
1米ドル34ペソから44ペソまでの間であれば、外国為替市場に介入しないことを発表した。このレンジは、2018年12
月まで3%の月次レートで毎日調整された。為替レートが不介入レンジを上回るまで上昇した場合、中央銀行は、1
日で1億5,000万米ドルを上限として外貨を売却することが可能である。この売却は不胎化されなかったため、マネ
タリー・ベースがさらに収縮された。為替レートが不介入レンジを下回った場合には、中央銀行は、1日7,500万米
ドルを上限として外貨を購入することが可能である。
この政策の目的は、SBAに従って自由変動為替相場を維持する一方で、アルゼンチン経済におけるインフレ予想を
決定する際に受ける影響を考慮し、為替レートの過度の変動を回避することにある。
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(c) 流動性総額
マネタリー・ベースは、流通自国通貨(銀行が保有する手元現金を含む。)および金融機関が中央銀行に保有する
ペソ建預金から構成される。
さらに、中央銀行は以下の集計量(ペソ建および外貨建で、ペソで表示される。)を用いて、経済の流動性水準を
測定している。
● M1は、流通自国通貨にペソ建要求払預金および外貨建要求払預金を加えた合計である。
● M2は、M1にペソ建貯蓄預金および外貨建貯蓄預金を加えた合計である。
● M3は、M2にその他すべてのペソ建預金および外貨建預金を加えた合計である。
以下の表は、表示日現在におけるアルゼンチンの流動性総額に関する情報を示す。
流動性総額
(単位:百万ペソ)
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
流通通貨 (1)
358,752 478,777 594,616 786,712 859,536
M1 640,870 804,666 1,033,908 1,243,334 1,514,752
M2 859,921 1,133,787 1,662,509 2,151,280 3,023,178
M3 1,283,153 1,761,355 2,422,522 3,105,535 4,736,256
マネタリー・ベース 462,564 623,890 821,664 1,001,113 1,408,977
(1) 銀行の手元現金は含まない。
出所:中央銀行
流動性総額
(前期からの変動率(%))
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
流通通貨 (1)
24.0 33.5 24.2 32.3 9.3
M1 29.0 25.6 28.5 20.3 21.8
M2 29.8 31.8 46.6 29.4 40.5
M3 28.3 37.3 37.5 28.2 52.5
マネタリー・ベース 22.6 34.9 31.7 21.8 40.7
注(1) 銀行の手元現金は含まない。
出所:中央銀行
2014 年から2015年の間のマネタリー・ベースの増加は、主に中央銀行による政府への継続的な資金提供に牽引され
たものである。2016年におけるマネタリー・ベースの変動は、主に外貨購入から生じた。2017年におけるマネタ
リー・ベースの増加は、外貨購入および政府の継続的な資金調達により促進された。2014年から2017年の期間におけ
るマネタリー・ベースの増加は、Lebacs債の売却およびレポ取引の利用により一部相殺された。
2018 年におけるマネタリー・ベースの4,078億6,400万ペソの増加は、主に2018年第2四半期および第3四半期の
Lebacs債の消却に促進されたが、Leliqs債の売却および外貨の売却により一部相殺された。2018年に実施された金融
政策措置については、 「-(b) 金融政策-2018年に実施された金融政策措置」を 参照のこと。
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(d) 金融部門に対する規制
中央銀行は金融部門を規制している。中央銀行は、最低資本金、流動性および支払能力の要件の設定、銀行の合併
の承認、一定の増資および株式譲渡の承認、銀行免許の付与および取消しならびにアルゼンチンにおける外国金融機
関の支店設立の許可について権限を有している。また、中央銀行は、それらの金融機関に対し定期的な財務報告の提
出を求め金融機関の活動および運営を定期的に監視し、金融機関法に従った規制を採用する権限を与えられている。
中央銀行は、主に金融機関および取引所監督局(Superintendencia de Entidades Financieras y Cambiarias)を
通じて金融部門への規制を行う。金融機関および取引所監督局ではアルゼンチンの銀行法の執行、銀行部門に対する
会計および財務の報告要件の設定、金融機関の融資慣行の監視および規制ならびに金融機関の外国為替市場への参加
および債券その他証券の発行に関する規則の制定に責任を有する。
2011 年に、中央銀行はバーゼルⅢ実施のためのロードマップを公表した。それ以来中央銀行はシステム上重要な国
内金融機関の流動性不足に関連したリスクの特定を目的としたこれらの規則を段階的に採用し、システム上の脆弱性
対策につながるバーゼルⅢに基づく包括的な改革措置の実施を開始した。現在、中央銀行は、金融機関による既存指
標の遵守を監視し、その結果を6か月ごとに出される財務安定性報告書で公表している。
2016 年上半期中、バーゼル銀行監督委員会は資本および銀行流動性の規制に関するアルゼンチンの国際基準採択に
ついて定期的なレビューを実行した。このレビューの主たる目的は、バーゼル委員会の全メンバーに、これらの基準
の一貫した適用を保証することであった。2017年および2018年に、バーゼル銀行監督委員会は、アルゼンチンによる
これらの基準採択の進捗状況を反映した報告書を公表した。さらに、2018年11月に、国際決済銀行は、かかる基準採
択の進捗状況を記載し、基準に関する規制の整合性および一貫性を評価し、また規制の結果を分析する報告書を公表
した。
(e) 金融部門の構成
2018 年12月31日現在、アルゼンチンにおいて営業していた金融機関数は、2014年の81に対して、78であった。以下
の表は、表示日現在においてアルゼンチンで営業していた金融機関の数を示す。
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金融システムの下で営業している金融機関の種類別の数
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
国有銀行 (1)
12 13 13 13 13
民間銀行 53 49 50 49 50
銀行以外の金融機関 15 15 14 14 14
信用機関 (Cajas de
1 1 1 1 1
Crédito)
合 計
81 78 78 77 78
(1) 国立、州立および自治体の銀行を含む。
出所:中央銀行
金融システムの下で営業している国内金融機関および外国金融機関の数
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
国内機関 (1)
52 52 52 52 53
外資系機関 (2) 29 26 26 25 25
合 計
81 78 78 77 78
(1) 国有銀行、民間銀行および(信用組合などの)その他の金融機関を含む。
(2) 民間の外国銀行および銀行以外のその他の外国金融機関を含む。
出所:中央銀行
(f) 金融システムの資産および負債
金融システムの純資産は、2014年以来(2016年を除く。)名目額では増加を続けてきた。預金も増加し、2018年末
の預金総額は2014年末の預金総額と比べ317%増加した。
2016 年に、生産的投資に対する信用枠プログラム(当初自国の生産を引き上げ投資を奨励するために2012年に開始
された)は、生産的資金調達および金融包摂に対する信用枠プログラムに切り替わった。条件を満たすために、金融
機関は、2016年下半期中に民間非金融部門預金の最低15.5%をペソ建で維持することが義務付けられた。この信用枠
は2017年上半期中に延長され、民間非金融部門預金におけるペソ建の最低要件が18%に引き上げられた。2018年12月
に、中央銀行はこの信用枠を廃止した。
さらに、2017年に、中央銀行は、金融費用を削減し、利用可能な信用枠の平均年数を延ばそうと、外貨預金の使用
に代わる選択肢の数を増やした。これらの措置は、民間部門の輸出前の資金調達を改善するためのものであった。
2018 年、中央銀行は、資金がMSMEに対するものである場合に銀行が調整しなければならない、より柔軟な最低所要
自己資本を含む、MSMEの信用市場の強化を目的とした一連の措置を実施した。
以下の表は、表示日現在におけるアルゼンチンの金融システムの資産および負債を示す。
金融機関の種類別による金融システムの資産および負債の総額
(単位:百万ペソ)
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
国有銀行 (1)
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資 産 592,575 752,960 1,154,748 1,327,376 2,206,045
負 債 531,406 667,561 1,040,432 1,189,633 1,979,127
純 額
61,168 85,399 114,316 137,744 226,918
民間銀行
資 産 728,045 1,071,357 1,450,303 2,072,541 3,234,660
負 債 625,877 935,641 1,274,597 1,818,018 2,862,124
純 額
102,168 135,716 175,706 254,523 372,536
銀行以外の金融機関
資 産 19,929 22,998 40,621 68,866 91,100
負 債 15,052 17,250 33,436 59,936 79,917
純 額
4,877 5,748 7,185 8,930 11,183
資産および負債の総額
資 産 1,340,548 1,847,314 2,645,672 3,468,783 5,531,805
負 債 1,172,335 1,620,451 2,348,465 3,067,587 4,921,168
合計(純額)
168,213 226,863 297,207 401,196 610,637
(1) 国立、州立および自治体の銀行を含む。
出所:中央銀行
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金融機関の種類別による金融システムの資産および負債の総額
(前期からの変動率(%))
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
国有銀行 (1)
資 産 37.7 27.1 53.4 14.9 66.2
負 債 37.0 25.6 55.9 14.3 66.4
純 額
43.3 39.6 33.9 20.5 64.7
民間銀行
資 産 31.5 47.2 35.4 42.9 56.1
負 債 30.7 49.5 36.2 42.6 57.4
純 額
36.2 32.8 29.5 44.9 46.4
銀行以外の金融機関
資 産 (2.8) 15.4 76.6 69.5 32.3
負 債 (9.0) 14.6 93.8 79.3 33.3
純 額
23.0 17.9 25.0 24.3 25.2
資産および負債の総額
資 産 33.4 37.8 43.2 31.1 59.5
負 債 32.8 38.2 44.9 30.6 60.4
合計(純額)
38.2 34.9 31.0 35.0 52.2
(1) 国立、州立および自治体の銀行を含む。
出所:中央銀行
資 産
金融システムの資産総額は増加し、名目額では、2014年が33.4%増の1兆3,405億ペソ、2015年が37.8%増の1兆
8,473億ペソ、2016年が43.2%増の2兆6,457億ペソおよび2017年が31.1%増の3兆4,688億ペソであった。2018年の
金融システムの資産総額は、名目額で59.5%増の5兆5,320億ペソとなったが、これは主に米ドルに対するペソの下
落によるものであった。
貸付ポートフォリオおよびリスク・プロファイル
以下の表は、表示日現在における金融部門の金融機関の種類別による貸付に関するデータである。
金融機関の種類別による貸付残高
(単位:百万ペソ)
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
国有銀行 (1)
241,043 320,582 359,248 559,421 802,674
民間銀行 329,023 546,389 742,390 1,071,810 1,398,031
銀行以外の金融機関 16,140 19,074 35,315 59,983 77,682
合 計
649,206 886,046 1,136,954 1,691,214 2,278,387
(1) 国立、州立および自治体の銀行を含む。
出所:中央銀行
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金融機関の種類別による貸付残高
(合計に占める比率(%) )
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
国有銀行 (1)
37.1 36.2 31.6 33.1 35.2
民間銀行 60.4 61.7 65.3 63.4 61.4
銀行以外の金融機関 2.5 2.2 3.1 3.5 3.4
合 計
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
注(1) 国立、州立および自治体の銀行を含む。
出所:中央銀行
貸付残高の部門別内訳
(単位:百万ペソ)
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
非金融公共部門
51,470 75,254 52,825 37,738 49,351
金融部門(公共および
民間) 10,729 13,199 26,426 44,306 61,653
非金融民間部門 604,062 819,174 1,085,655 1,655,049 2,254,399
貸倒引当金 (17,054) (21,581) (27,953) (45,879) (87,016)
合 計
649,206 886,046 1,136,954 1,691,214 2,278,387
出所:中央銀行
貸付残高の部門別内訳
(前期からの変動率 ( %) )
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
非金融公共部門
6.3 46.2 (29.8) (28.6) 30.8
金融部門(公共および民
間) (17.8) 23.0 100.2 67.7 39.2
非金融民間部門 20.4 35.6 32.5 52.4 36.2
貸倒引当金 30.0 26.5 29.5 64.1 89.7
合 計
18.0 36.5 28.3 48.7 34.7
出所:中央銀行
2014 年中、民間および公共部門へのペソ建貸付は2013年比で18.6%増加した。民間および公共部門への米ドル建貸
付は2013年の37億米ドルから9.8%減少し、2014年は33億米ドルとなった。また民間部門へのペソ建貸付は2013年の
4,570億ペソから2014年には5,498億ペソへと20.3%増加した。
2015 年中、民間および公共部門へのペソ建貸付は2014年比で38.4%増加した。民間および公共部門への米ドル建貸
付は2014年の33億米ドルから11.9%減少し、2015年は29億米ドルとなった。また民間部門へのペソ建貸付は2014年の
5,498億ペソから2015年には7,554億ペソへと37.4%増加した。
2016 年中、民間および公共部門へのペソ建貸付は2015年比で14.0%増加した。民間および公共部門への米ドル建貸
付は2015年の29億米ドルから214.5%増加し、2016年は92億米ドルとなった。また民間部門へのペソ建貸付は2015年
の7,554億ペソから2016年には8,866億ペソへと17.4%増加した。
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2017 年中、民間および公共部門へのペソ建貸付は2016年比で41.8%増加した。民間および公共部門への米ドル建貸
付は2016年の92億米ドルから60.9%増加し、2017年は148億米ドルとなった。また民間部門へのペソ建貸付は2016年
の 8,866億ペソから2017年には1兆2,930億ペソへと45.9%増加した。
2018 年中、民間および公共部門へのペソ建貸付は2017年比で18.6%増加した。民間および公共部門への米ドル建貸
付は2017年の148億米ドルから4.7%増加し、2018年は155億米ドルとなった。また民間部門へのペソ建貸付は2017年
の1兆2,930億ペソから2018年には1兆5,405億ペソへと19.1%増加した。
2014 年から2018年にかけて、リスク分類全体では大幅な変更はなく、その期間を通して回収不能と分類された貸付
金は実質的に存在しなかった。
以下の表は、金融システムによる融資に関する情報をリスク分類別および金融機関の種類別に示す。
金融システム資産総額の金融機関種類別のリスク分類
(2018年12月31日現在の融資合計に占める比率 ( %) )
公営 民間 金融 信用 金融
銀行 (7) 銀行 会社 組合 システム
リスク分類:
正 常 (1)
95.6 95.3 89.5 80.5 95.2
潜在的問題債権:
要注意・支払不十分 (2)
2.0 1.8 4.6 4.7 2.0
交渉中または再編中 (3)
1.1 1.4 2.6 4.5 1.3
問題債権 (4)
1.0 1.2 2.6 5.5 1.2
支払不能 (5)
0.3 0.3 0.7 4.7 0.3
回収不能 (6) - - - - -
合 計
100 100 100 100 100
(1) 債務者の財務状態から金融債務を履行する能力を有すると証される融資を指す。金融機関および取引所監督局は、正常な融資(担
保付と無担保とにかかわらない。)につき1%の貸倒引当金を積立てることを要求している。
(2) 債務者の財務状態からその時点で金融債務を履行する能力を有することは実証されるが、是正されない限り将来債務者の債務履行
能力を損なうおそれのある外的状況が存在する融資を指す。金融機関および取引所監督局はこの種の融資につき、保証付の場合
3%、無保証の場合5%の貸倒引当金を積立てることを要求している。
(3) 一定の金融債務を履行できない旨を宣言した後60日以内に再編交渉に入った債務者への融資を指す。金融機関および取引所監督局
はこの種の融資につき、保証付の場合12%、無保証の場合25%の貸倒引当金を積立てることを要求している。
(4) 債務者がその金融債務を履行できないために債権者が重大な財務上の損失を被る結果となる融資を指す。金融機関および取引所監
督局はこの種の融資につき、保証付の場合25%、無保証の場合50%の貸倒引当金を積立てることを要求している。
(5) 金融債務を履行する際に支払不能に陥る可能性が高い債務者への融資を指す。金融機関および取引所監督局はこの種の融資につ
き、保証付の場合50%、無保証の場合100%の貸倒引当金を積立てることを要求している。
(6) 債務者の財務状態から、債務不履行分が回収される可能性が低いと証される融資を指す。金融機関および取引所監督局はこの種の
融資につき、保証付の場合100%、無保証の場合100%の貸倒引当金を積立てることを要求している。
(7) 国立、州立および自治体の銀行を含む。
出所:中央銀行
負 債
金融システムの負債総額は増加し、2014年が32.8%増の1兆1,723億ペソ、2015年が38.2%増の1兆6,205億ペソ、
2016年が44.9%増の2兆3,485億ペソおよび2017年が30.6%増の3兆676億ペソであった。2018年の金融システムの負
債総額は、 名目額で60.4%増の4兆9,212億ペソとなったが、これは主に米ドルに対するペソの下落によるもので
あった。
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預 金
2014 年中、アルゼンチンの銀行システムにおける預金総額は、30.2%増加し、2014年12月31日現在で9,794億ペソ
に達した。2014年12月31日現在 、非金融公共部門の預金は26.5%増加した。 2014 年12月31日現在、 非金融民間部門の
預金は31.5%増加したが、これは要求払預金における32.7%の増加、貯蓄預金口座における36.2%の増加および定期
預金における27.7%の増加を反映している。
預金の通貨・部門別の内訳は2014年12月31日現在以下の通りである。
● ペソ建預金総額は、2013年同日比で25.8%増加し8,401億ペソとなった。
〇 非金融公共部門によるペソ建預金は、2013年同日比で17.6%増加し2,154億ペソとなった。
〇 非金融民間部門によるペソ建預金は、2013年同日比で28.9%増加し6,247億ペソとなった。
● 米ドル建預金総額は、2013年同日比で6.4%増加し88億米ドルとなった。
2015 年中、アルゼンチンの銀行システムにおける預金総額は、38.4%増加し、2015年12月31日現在で1兆3,554億
ペソに達した。2015年12月31日現在 、非金融公共部門の預金は13.3%増加した。 2015 年12月31日現在 非金融民間部門
の預金は47.4%増加したが、これは要求払預金における24.9%の増加、貯蓄預金口座における48.5%の増加および定
期預金における60.6%の増加を反映している。
預金の通貨・部門別の内訳は2015年12月31日現在以下の通りである。
● ペソ建預金総額は、2014年同日比で37.1%増加し1兆1,517億ペソとなった。
〇 非金融公共部門によるペソ建預金は、2014年同日比で22.6%増加し2,641億ペソとなった。
〇 非金融民間部門によるペソ建預金は、2014年同日比で42.1%増加し8,876億ペソとなった。
● 米ドル建預金総額は、2014年同日比で20.4%増加し106億米ドルとなった。
2016 年中、アルゼンチンの銀行システムにおける預金総額は、45.3%増加し、2016年12月31日現在で1兆9,690億
ペソに達した。2016年12月31日現在、非金融公共部門の預金は51.8%増加した。2016年12月31日現在、非金融民間部
門の預金は43.2%増加したが、これは要求払預金における38.3%の増加、貯蓄預金口座における64.9%の増加および
定期預金における14.5%の増加を反映している。
預金の通貨別内訳は2016年12月31日現在以下のとおりである。
● ペソ建預金総額は、2015年同日比で21.3%増加し1兆3,975億ペソとなった。
〇 非金融公共部門によるペソ建預金は、2015年同日比で15.3%増加し3,044億ペソとなった。
〇 非金融民間部門によるペソ建預金は、2015年同日比で23.1%増加し1兆930億ペソとなった。
● 米ドル建預金は、2015年同日比で131.3%増加し245億米ドルとなった。
2017 年中、アルゼンチンの銀行システムにおける預金総額は、24.2%増加し、2017年12月31日現在で2兆4,460億
ペソに達した。2017年12月31日現在、非金融公共部門の預金は3.6%増加した。2017年12月31日現在、非金融民間部
門の預金は30.2%増加したが、これは貯蓄預金口座における70.2%の増加、定期預金における24.7%の増加および要
求払預金における13.0%の増加を反映している。
預金の通貨別内訳は2017年12月31日現在以下のとおりである。
● ペソ建預金総額は、2016年同日比で25.0%増加し1兆7,462億ペソとなった。
〇 非金融公共部門によるペソ建預金は、2016年同日比で21.0%増加し3,683億ペソとなった。
〇 非金融民間部門によるペソ建預金は、2016年同日比で26.1%増加し1兆3,779億ペソとなった。
● 米ドル建預金は、2016年同日比で24.9%増加し306億米ドルとなった。
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有価証券報告書
2018 年中、アルゼンチンの銀行システムにおける預金総額は、67.0%増加し、2018年12月31日現在で4兆852億ペ
ソに達した。これは主に、金利の引上げおよびLebacs債の消却によるものであった。2018年12月31日現在、非金融公
共 部門の預金は88.9%増加した。2018年12月31日現在、非金融民間部門の預金は61.8%増加したが、これは定期預金
における75.6%の増加、貯蓄預金口座における65.4%の増加および要求払預金における15%の増加を反映している。
預金の通貨別内訳は2018年12月31日現在以下のとおりである。
● ペソ建預金総額は、2017年同日比で53.2%増加し2兆6,758億ペソとなった。
〇 非金融公共部門によるペソ建預金は、2017年同日比で96.7%増加し7,248億ペソとなった。
〇 非金融民間部門によるペソ建預金は、2017年同日比で41.6%増加し1兆9,510億ペソとなった。
● 米ドル建預金は、2017年同日比で7.0%増加し327億米ドルとなった。
以下の表は、表示日現在における金融部門に対する預金総額に関する情報を示す。
金融機関種類別預金高
(単位:百万ペソ)
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
国有銀行 (1)
466,142 607,504 919,438 1,062,980 1,796,873
民間銀行 509,774 744,606 1,044,548 1,374,885 2,275,692
銀行以外の金融機関 3,471 3,242 5,042 8,133 12,678
合 計
979,387 1,355,353 1,969,029 2,445,998 4,085,243.7
(1) 国立、州立および自治体の銀行を含む。
出所:中央銀行
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金融機関種類別預金高
(合計に占める比率 ( %) )
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
国有銀行 (1)
47.6 44.8 46.7 43.5 44.0
民間銀行 52.1 54.9 53.0 56.2 55.7
銀行以外の金融機関 0.4 0.2 0.3 0.3 0.3
合 計
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
(1) 国立、州立および自治体の銀行を含む。
出所:中央銀行
部門別および預金種類別預金高
(単位:百万ペソ)
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
非金融公共部門
256,996 291,104 441,890 457,957 864,851
金融部門(公共および民
間) 1,747 1,659 5,451 6,053 12,996
非金融民間部門 720,645 1,062,590 1,521,687 1,981,988 3,207,397
要求払預金 176,858 220,829 305,445 345,060 396,692
貯蓄口座 202,931 301,304 496,770 845,595 1,398,264
定期預金 317,742 510,385 584,603 728,811 1,279,725
その他 23,113 30,072 134,869 62,522 132,716
預金総額
979,388 1,355,353 1,969,029 2,445,998 4,085,244
出所:中央銀行
部門別および預金種類別預金高
(前期からの変動率 ( %) )
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
非金融公共部門
26.5 13.3 51.8 3.6 88.9
金融部門(公共および
民間) 55.6 (5.1) 228.7 11.0 114.7
非金融民間部門 31.5 47.4 43.2 30.2 61.8
要求払預金 32.7 24.9 38.3 13.0 15.0
貯蓄口座 36.2 48.5 64.9 70.2 65.4
定期預金 27.7 60.6 14.5 24.7 75.6
その他 35.5 30.1 348.5 (53.6) 112.3
預金総額
30.2 38.4 45.3 24.2 67.0
出所:中央銀行
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(g) 金 利
銀行の貸付に対する金利
2018 年12月31日現在、ペソ建貸付に対する年間平均銀行間金利は44.3%(これに対し2017年12月31日は25.4%)で
あった。当座預金貸越金利は、2017年12月31日現在の26.6%から2018年12月31日現在は48.6%に上昇した。年間平均
米ドル建銀行間金利は、2018年12月31日現在2.6%で横ばいであった。
2018 年12月31日現在、個人向け融資のペソ建名目年金利は2017年12月31日現在の39.9%から63.9%に上昇し、ペソ
建抵当貸付の平均金利は2017年12月31日現在の18.7%から2018年12月31日現在には47.7%に上昇した。
以下の表は、表示日現在における銀行貸付に対する平均金利に関する情報を示す。
銀行の貸付に対する金利
(名目年金利(%))
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
自国通貨
銀行間貸付金利 (1)
17.9 21.9 29.1 25.4 44.3
当座預金貸越 (2)
23.9 24.9 31.2 26.6 48.6
外国通貨
銀行間貸付金利 (1)
1.0 3.2 2.2 2.6 2.6
(1) 平均銀行間金利
(2) 当座預金のペソ建貸越に係る平均金利
出所:中央銀行
預金に対する金利
ペソ建定期預金に対する平均名目年金利は、2013年の14.8%から2014年には20.8%に上昇した。米ドル建定期預金
に対する平均名目年金利は、2013年の0.61%から2014年には1.05%に上昇した。民間銀行向けペソ建BADLAR金利は、
2013年12月の20.2%から2014年12月には20.0%に低下した。
ペソ建定期預金に対する平均名目年金利は、2014年の20.8%から2015年には21.7%に上昇した。米ドル建定期預金
に対する平均名目年金利は、2014年の1.05%から2015年には1.8%に上昇した。民間銀行向けペソ建BADLAR金利は、
2014年12月の20.0%から2015年12月には27.5%に上昇した。
ペソ建定期預金に対する平均名目金利は、2015年の21.7%から2016年には24.4%に上昇した。米ドル建定期預金に
対する平均名目金利は、2015年の1.8%から2016年には0.9%に低下した。民間銀行向けペソ建BADLAR金利は、2015年
12月の27.5%から2016年12月には20.0%に低下した。
ペソ建定期預金に対する平均名目金利は、2016年の24.4%から2017年には19.1%に低下した。米ドル建定期預金に
対する平均名目金利は、2016年の0.9%から2017年には0.5%に低下した。民間銀行向けペソ建BADLAR金利は、2016年
12月の20.0%から2017年12月には23.2%に上昇した。
ペソ建定期預金に対する平均名目金利は、2017年の19.1%から2018年には32.0%に上昇した。米ドル建定期預金に
対する平均名目金利は、2017年の0.5%から2018年には1.0%に上昇した。民間銀行向けペソ建BADLAR金利は、2017年
12月の23.2%から2018年12月には48.6%に上昇した。
以下の表は、表示日現在における平均銀行預金金利に関する情報を示す。
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預金、Lebacs債およびLeliqs債に対する金利
(名目年金利(%))
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
自国通貨
貯蓄預金 0.2 0.2 0.2 0.3 3.4
定期預金 (1)
20.8 21.7 24.4 19.1 32.0
平均預金金利 (2)
14.3 14.7 16.1 11.9 23.5
Lebacs債 (3)
27.7 28.8 30.0 32.6 35.7
Leliqs債 (4)
- - - - 64.8
外国通貨
貯蓄預金 - - - - -
定期預金 (1)
1.05 1.8 0.9 0.5 1.0
平均預金金利 (2)
0.7 1.2 0.4 0.2 0.3
Lebacs債 (3)
2.8 3.4 1.4 未詳 未詳
(1) 全定期預金に対する加重平均金利
(2) 定期預金および貯蓄預金の合計に対する加重平均金利
(3) 全定期Lebacs債に対する加重平均年金利
(4) 全定期Leliqs債に対する加重平均年金利
出所:中央銀行
本報告書日現在、すべてのLebacs債は消却されている。「-(b) 金融政策-2018年に実施された金融政策措置」を
参照のこと。
(h) 証券市場
アルゼンチンの証券市場においては、国債取引が主流であり、その後に会社株式取引、社債取引と続いている。先
物(フューチャー)およびオプションなどその他の金融商品の取引は、市場活動のごく一部を占めるにすぎない。
証券市場に対する規制
アルゼンチンの証券市場は、国家証券委員会(Comisión Nacional de Valores、または「CNV」)および株式市場
による規制を受けている。CNVは、アルゼンチンの公開証券市場において取引を行う、ブローカー、上場会社、
ミューチュアル・ファンドおよび決済機関を含むすべての仲介業者を監督の対象とし、国債の新規発行を除くすべて
の証券の公募を規制・監督する権限を有する。
2016 年12月29日、公募に対する承認を経て、CNVは、Bolsas y Mercados Argentinos(「ByMA」)を証券上場市場
として認可した。ByMAは、2017年5月23日にその業務を開始し、これに伴いMERVALに上場されていた証券はすべて自
動的にByMAに移管された。現在、主要な市場は、ByMAおよびMercado Abierto Electrónico(「MAE」)である。
1990 年代前半に法的枠組みを変更し、コマーシャル・ペーパー、新種の社債ならびに先物およびオプションを含
む、アルゼンチン資本市場での新規金融商品の発行・取引を規定した。この時期は、アルゼンチン証券市場は規制が
比較的低水準で、その実行は限られていた。2013年11月に国会は、アルゼンチン証券市場に係る開示および規制基準
を強化する権限をCNVに与える資本市場法第26,831号を承認した。新たな基準は、決議第622/2013号に基づき施行さ
れるCNV規則の変更を通じて導入される。2018年5月9日に、国会は、法律第27,440号(「生産的資金調達法」)を
制定した。同法は、(i) 国内資本市場を発展させること、(ⅱ) 抵当ローン向け融資を提供することにより住宅の購
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アルゼンチン共和国(E06011)
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入を促進すること、(ⅲ) 長期貯蓄に有利でありそれを促進する金融商品を増やすこと、(ⅳ) 国家証券委員会
(Comisión Nacional de Valores、または「CNV」)の規制権限を強化すること、ならびに(ⅴ) 技術を通じて資本市
場 の連邦化を促進することを目的としている。
2014 年12月31日現在、アルゼンチンの主要証券市場(ブエノスアイレス証券取引所)の株式時価総額は、主として
為替相場の変動により、2013年12月31日に比べ12%減の4,552億米ドルとなった。
2015 年12月31日現在、アルゼンチンの主要証券市場(ブエノスアイレス証券取引所)の株式時価総額は、主として
為替相場の変動により、2014年12月31日に比べ44.4%減の2,532億米ドルであった。
2016 年12月31日現在、アルゼンチンの主要証券市場(ブエノスアイレス証券取引所)の株式時価総額は、主として
株価の変動により、2015年12月31日に比べ12.4%増の2,847億米ドルであった。
2017 年12月31日現在、アルゼンチンの主要証券市場(ブエノスアイレス証券取引所)の株式時価総額は、主として
株価の上昇およびアルゼンチンの発行体による様々な株式の一般募集の完了により、2016年12月31日に比べ28.7%増
の3,663億米ドルであった。
2018 年において、アルゼンチンの有価証券の価格は、マクロ経済の動向の長期的影響に対する投資家の見方により
悪影響を受けた。その結果、企業評価が大幅に低下し、アルゼンチンの発行体の債務証券の流通市場利回りが上昇し
た。2018年12月31日現在、アルゼンチンの主要株式市場の時価総額は、2017年12月31日に比べ24.0%減少して2,784
億米ドルであった。
ミューチュアル・ファンドおよびFGS
2005 年から2008年にかけて、個人、年金基金およびミューチュアル・ファンドは、アルゼンチンの資本市場におけ
る最も規模の大きい投資家グループを構成した。
2008 年11月20日に、 国会は法律第26,425号を承認し、同法は2008年12月9日に発効して民間年金制度が国有化され
た。同法に基づき、従来の民間年金制度は、「賦課型」の構造を有するアルゼンチン統合年金制度(Sistema
Solidario de Reparto)に吸収および承継された。 この結果、民間の年金基金により管理されていたすべての資金
は、広範な上場会社の多額の株主持分を含め、ANSESにより管理される別口の基金(FGS)に移管された。 FGS が保有
する資産は、アルゼンチン統合年金制度により社会保障および年金の支払いを行う政府の(ANSESを通じた)債務の
履行を妨げる予想外の財政赤字を補うことを目的とした、政府への前払金にのみ利用することができる。同基金は幅
広い金融資産を保有し、これには公共部門証券、会社株式、固定および変動利付商品、債券、投資信託、信託に基づ
き発行される負債表章証券ならびにモーゲージ債が含まれるがこれらに限定されない。2018年12月現在、同基金の評
価額は1兆6,482億ペソであった。有価証券および債券(obligaciones negociables)は引き続きFGSの最も重要な投
資対象であり、同基金の総評価額の62.1%を占めた。
FGS の総資産
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
資産(単位:十億ペソ)
472.2 664.0 875.4 1,202.6 1,648.2
前年からの増加率(%) 43.3 40.6 31.8 37.4 37.1
出所:FGS
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FGS特別貸付およびその他のプログラム
2014 年に、FGSはアルゼンチン学生支援プログラム(Programa de Respaldo a Estudiantes de Argentina、または
「Progresar」)を設立した。このプログラムの主要目標は、教育へのアクセス向上を通じて、危険な状態にある家
庭 の状況を改善することである。このプログラムは、18歳から24歳までの青年を支援するためのものであり、青年が
確実に中等または高等教育を修了するようにし、様々な職場での訓練またはインターンシップを提供することを主た
る目的としている。
2016 年6月29日、国会は退職者および年金受給者向けの遡及的補償プログラムを承認する法律を制定した。このプ
ログラムは、政府の社会保障政策を最高裁判所の判断と一致させることを目的としたものであり、その主な構想に
は、(ⅰ)200万人超の退職者に対する給付および30万人超の退職者に対する遡及的補償、ならびに(ⅱ)退職者適
格が認められない65歳超の者すべてに所得を保障する格差解消年金(pensión universal)の新設が含まれる。この
プログラムは、退職者に対して総額470億ペソ以上の遡及的補償を給付し、また潜在的受給者すべてを対象に750億ペ
ソを上限として支出する。同法は、このプログラムの資金を調達するために、株主持分を含め、FGSにより保有され
る資産を必要な場合に徐々に売却することができる旨を定めている。
国 債
取引高という点で、アルゼンチンの債券市場は、政府の有価証券が大半を占めている。公債の総取引高は、2014年
が580億米ドル、2015年が564億米ドル、2016年が704億米ドル、2017年が1,260億米ドル、2018年が1,189億米ドルで
あった。
政府が発行する債券の種類に関する記載については、「(6) 公債」を参照のこと。
社 債
社債は、無記名式で発行され、自国通貨または外国通貨建であることができる。社債の金利は固定金利または変動
金利のいずれかであり、市場条件および発行者の信用力により大きく異なることがある。
株 式
アルゼンチンの株式市場はCNVの規制を受ける。認可された市場は、CNVの基準に従い、発行企業がこれらの市場に
株式を上場するために従わなければならない規則を制定する。
2014 年に、株式の総取引高は2013年の33億米ドルから45.4%増加し48億米ドルとなった。2015年に、株式の総取引
高は4.2%増加し50億米ドルとなった。2016年に、株式の総取引高は9.7%減少し45億米ドルとなった。2017年に、株
式の総取引高は58.7%増加し71億米ドルとなった。2018年に、株式の総取引高は3.6%増加し74億米ドルとなった。
以下の表は、表示日現在のブエノスアイレス証券取引所における時価総額および一日当たり平均取引高に関する一
定のデータを示す。
ブエノスアイレス証券取引所における
時価総額および取引高
(単位:別段の記載がない限り、百万米ドル)
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
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市場の時価総額
(単位:十億米ドル) 455.2 253.2 284.7 366.3 278.4
一日当たり平均取引高 317.6 331.6 365.9 624.6 628.9
株 式 8.8 20.6 18.1 28.6 33.1
社 債 12.0 7.7 8.8 18.5 16.5
公 債 240.2 230.4 285.3 504.3 507.2
その他 (1)
56.6 72.8 53.7 73.2 72.1
総取引高 (2)
76,587 80,887.3 90,328.6 155,317 146,721
株 式 4,776 4,976.6 4,495.4 7,133 7,386
社 債 2,918 1,871.5 2,179.7 4,579 3,862
公 債 58,054 56,403.5 70,416.9 125,988 118,886
その他 (1)
10,839 17,635.7 13,236.6 17,618 16,588
(1) 投資信託、指数先物、オプションその他を含む。
(2) 各年の総取引高
出所:ブエノスアイレス証券取引所
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② 中央銀行の貸借対照表
以下の表は、表示日現在の中央銀行の貸借対照表に関する情報を示す。
中 央 銀 行
貸 借 対 照 表
(単位:別段の記載がない限り、百万ペソ)
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
資 産
外貨準備:
金 20,138 27,401 33,313 43,158 85,281
外 貨 84,015 144,744 368,453 619,326 1,658,318
外貨プレースメント 164,106 159,791 207,294 376,347 760,307
その他 (1) 339 518 5,479 (5,215) (16,658)
外貨準備高総額 (2)
268,597 332,453 614,538 1,033,615 2,487,248
公 債 (3)
481,558 867,621 1,098,212 1,305,944 1,657,560
貸 付:
政府への貸付(一時的な前渡金) 251,450 331,850 382,230 472,230 502,730
金融システムへの貸付 (4)
4,596 2,998 1,439 682 62
国際機関 (5)
30,137 46,971 65,469 82,996 168,417
その他資産 (6) 74,626 225,963 276,400 327,905 698,483
資産合計
1,110,963 1,807,856 2,438,342 3,223,372 5,514,500
負 債
マネタリー・ベース:
流通通貨 (7)
358,752 478,777 594,616 786,712 859,536
ペソ建経常勘定 (8) 103,812 145,113 227,049 214,400 549,441
マネタリー・ベース合計
462,564 623,890 821,664 1,001,113 1,408,977
預 金:
政府預金 35,316 5,078 18,726 37,029 527,210
その他の預金 75,229 171,937 246,759 240,958 535,119
預金合計
110,545 177,016 265,485 277,987 1,062,329
国際機関に対する債務
101,761 (9)
5,839 8,223 9,887 3,636
中央銀行手形:
外貨建て 5,680 31,273 - - -
ペソ建て 276,456 385,619 698,425 1,160,332 735,114
中央銀行手形合計 (10)
282,135 416,892 698,425 1,160,332 735,114
その他負債 141,564 404,491 508,259 627,422 1,621,557
負債合計
1,002,648 1,630,510 2,303,720 3,070,489 4,929,738
純資産
108,315 177,346 134,623 152,883 584,762
備忘項目:
外貨準備(単位:百万米ドル) 31,408 25,563 38,772 55,055 65,786
中央銀行の外貨準備(輸入総額月数) 4.8 4.1 6.4 7.4 9.1
ペソ/米ドル為替レート (11)
8.55 13.01 15.85 18.77 37.81
(1) ラテンアメリカ統合連合(ALADI)との相殺信用契約に基づく取引の純利益を含む。
(2) 短期の外貨建債券および外貨建預金を含む。
(3) 1990 年統合債券(1990 Consolidated Treasury Note)、IMF債務などを含む。
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(4) 借換後の信用枠を含む。2018年、金融システムへの貸付は90.9%減少したが、これは主に地域インフラ連邦信託基金(Fondo
Fiduciario Federal de Infraestructura Regional)による中央銀行への債務残高3億7,440万ペソの免除に起因した。
(5) 政府勘定からの国際機関への移転およびIMFによる政府への移転を含む。
(6) 経過勘定などを含む。
(7) 銀行の手元現金を含み、準通貨は除く。
(8) 中央銀行におけるペソ建預金準備を含む。
(9) 国際決済銀行と締結した信用契約20億米ドルを含む。
(10) Lebacs債、Nobacs債およびLeliqs債を含む。
(11) 中央銀行がその貸借対照表公表のために使用している為替レート。
出所: 中央銀行
2017 年に、中央銀行がペソ建で発行した債券は、2016年の7,000億ペソから1兆2,000億ペソへ増加した。これは主
に、フェルナンデス・デ・キルチネル政権の間に行われていた外国為替管理をマクリ政権が廃止した後、特にインフ
レの軽減および外貨準備を増やすための海外資産の取得を目的として、中央銀行が金融政策手段として用いたLebacs
債の発行の増加によるものであった。「(3) 貿易および国際収支-③ 外国為替取引の制限およびその他規制」を参
照のこと。
2018 年に、中央銀行に保有する政府預金が2017年の370億ペソから5,272億ペソに増加した。これは主に、2018年1
月の国際資本市場における債務証券の売出し、IMFと締結したSBAに基づく融資、ならびに共和国が締結した取引に
従った2024年満期のBonares債および2025年満期のBonares債の売出しによるものであった。共和国は、当該取引に基
づき定められた金額を支払うことで当該Bonares債を消却できる権利が付与されている。この増加は、ポートフォリ
オ投資の流出により一部相殺された。売出しの対象であり残存していた2024年満期のBonares債および2025年満期の
Bonares債は、2019年8月に消却された。「(6) 公債-③ 最近の動向-2019年の外貨建債務」を参照のこと。
③ 最近の動向
金融政策
中央銀行が2018年10月に公表した通貨集計量に基づく体制は、2018年第4四半期の為替レートのボラティリティの
軽減およびインフレの低下に寄与した。しかしながら、2019年第1四半期中、公共事業その他の公定価格の上昇およ
び米ドルに対するペソの下落により、インフレが再び加速した。
この状況を受けて、COPOM(以下に定義する。)は、金融政策目標の達成を加速させることを目的とした、一連の
追加措置を2019年3月および4月に採用した。
● マネタリー・ベース目標を430億ペソ減少させ、2019年6月に予定されていた当該目標の季節調整を取りや
め、2019年6月から2019年12月までマネタリー・ベースを拡大しない約束を行った。6月から7月および12
月から1月の期間(年2回の賞与支払いおよび休暇関連費の増加により資金需要が高まる期間)の流動性管
理を改善するために、中央銀行は、それらの月について1か月に2度、預金準備率要件に対するポジション
を確立した。2019年第2四半期において、中央銀行は、マネタリー・ベースを拡大しないという約束を遵守
し、1兆3,432億ペソで維持した。
● Leliqs債の最低金利(参照金利)を62.5%に設定した。
● 2019年1月から3月の間、中央銀行の為替介入および不介入レンジは、2%の月次レートで毎日調整され
た。2019年4月1日から4月16日までは、17.5%の月次レートで毎日調整された。COPOMは、2019年4月17
日から2019年12月31日まで、為替介入および不介入レンジのさらなる調整を行わないことを発表し、そのレ
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ンジは39.755ペソから51.448ペソの間を維持した。さらに、COPOMは、為替レートが不介入レンジを下回る
限り、2019年6月30日まで中央銀行は米ドルを購入しないことを発表した。為替レートが上昇し不介入レン
ジ を上回った場合には、中央銀行は、1億5,000万米ドルを上限として日次ベースで外貨を売却する意向で
あり、マネタリー・ベース目標は当該売却の結果、下方修正される。2019年4月29日、中央銀行は、為替
レートが不介入レンジ内で維持された場合であっても、過度のボラティリティが存在する状況においては、
米ドルを売却すると発表した。当該介入の金額および頻度は市場力学により決定される。
国際情勢が改善されてきた流れの中で、中央銀行が講じた措置は、外国為替市場およびインフレ予想の安定化に寄
与し、2019年4月にはインフレが低下軌道に戻ってきた。しかしながら、2019年8月20日、ペソの下落後、中央銀行
総裁は、インフレ率が2019年8月および9月中に上向くことが予想されると述べた。「(1) 概要-③ 最近の動向-
近年の政情」を参照のこと。
以下の表は、表示日現在の中央銀行の貸借対照表に関する情報を示す。
中 央 銀 行
貸 借 対 照 表
(単位:別段の記載がない限り、百万ペソ)
3月31日現在
2018 年 2019 年
資 産
外貨準備:
金 47,089 98,883
外 貨 790,473 1,895,035
外貨プレースメント 412,134 870,084
その他 (1) (6,333) 5,428
外貨準備高総額 (2)
1,243,364 2,869,430
公 債 (3)
1,377,524 1,864,877
貸 付:
政府への貸付(一時的な前渡金) 507,130 502,730
金融システムへの貸付 411 90
国際機関 (4)
85,943 193,018
その他資産 (5) 253,286 727,186
資産合計
3,467,657 6,157,331
負 債
マネタリー・ベース:
流通通貨 (6)
755,129 804,995
ペソ建経常勘定 (7) 240,345 546,526
マネタリー・ベース合計
995,473 1,351,521
預 金:
政府預金 43,948 446,247
その他の預金 254,967 667,473
預金合計
298,915 1,113,720
国際機関に対する債務
3,974 116,686
中央銀行手形:
外貨建て
ペソ建て 1,383,673 947,951
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中央銀行手形合計 (8)
1,383,673 947,951
その他負債 578,947 1,818,209
負債合計
3,260,983 5,348,087
純資産
206,674 809,244
備忘項目:
外貨準備(単位:百万米ドル) 61,726 66,187
中央銀行の外貨準備(輸入総額月数) 8.0 9.9
ペソ/米ドル為替レート (9)
20.1433 43.3533
(1) ラテンアメリカ統合連合(ALADI)との相殺信用契約に基づく取引の純利益を含む。
(2) 短期の外貨建債券および外貨建預金を含む。
(3) 1990 年統合債券(1990 Consolidated Treasury Note)、IMF債務などを含む。
(4) 政府勘定からの国際機関への移転およびIMFによる政府への移転を含む。
(5) 経過勘定などを含む。
(6) 銀行の手元現金を含む。
(7) 中央銀行におけるペソ建預金準備を含む。
(8) Lebacs債、Nobacs債およびLeliqs債を含む。
(9) 中央銀行がその貸借対照表公表のために使用している為替レート。
出所: 中央銀行
金融部門に対する規制
2019 年1月22日、マクリ政権は、大統領令第62/2019号を制定した。この大統領令は、汚職、麻薬密売、マネーロ
ンダリングおよび人身売買等の犯罪行為から得た対価で取得された財貨および不動産を、司法が早急に回収するため
の手続きを確立するものである。
2019 年7月28日、政府は、指定テロ組織のリストを作成した。このリストは司法府で運用され、テロ活動またはそ
の資金供給に関係する者、公人および事業体に関する情報へのアクセスおよび交換を行い、テロ活動およびその資金
供給の防止、取締まりおよび根絶のために国内外に協力を促すことを目的としている。
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(5) 【財政】
① 財政制度および租税制度の概要
概 要
アルゼンチンの公共部門は、中央政府、州政府および地方自治体から成る。これらの組織は非金融公共部門および
金融公共部門に分けられる。非金融公共部門は、国家、州および地方自治体の統治機構、国有企業、一定の公的機関
および特別目的信託基金により構成される。また、国家統治機構は、中央統治機構、国家分権機関および社会保障機
関(かつての州年金基金を含む。)により構成される。金融公共部門は、中央銀行、バンコ・デ・ラ・ナシオン・ア
ルヘンティーナ(アルゼンチン国立銀行)、BICEおよび10のその他の公的金融機関(州および地方自治体の銀行を含
む。)より成る。
以下の図はアルゼンチンの公共部門の組織構成(地方自治体の非金融部門を除く。)を表す。
中央統治機構は、省庁を含め、政府の行政府、立法府および司法府から成る。国家の分権機関は、公共歳入管理庁
(AFIP)等、中央統治機構から独立した予算、歳入および歳出を有する政府機関を含む。国家の社会保障機関は、
ANSES(国民社会保障機構)(独立機関である。)、軍隊年金基金および連邦警察年金基金より成る。2019年10月2
日現在において、10州およびブエノスアイレス市がその社会保障債務をANSESに移管していた。「(2) 経済-② 最近
5年間の経済の動向-(e) 社会保障制度」を参照のこと。これらかつての州の債務は現在、ANSESにより管理されて
いる。
国家公共会計は国家の非金融公共部門の連結成績を反映するものである。しかしながら、中央銀行およびFGSから
政府への(資金)移転は2015年12月31日までは政府の経常歳入に含まれていた。2016年より、中央銀行およびFGSか
らの政府への移転は基礎的財政収支の項目の下に個別に計上されている。また、政府は、期限通りに履行されずに次
会計年度に繰延べられた納入業者に対する債務総額を基礎的歳出中の小項目として個別に計上した。
アルゼンチンの州政府および地方自治体政府は政府から独立し、別個の財政を営んでいる。したがって、州政府お
よび地方自治体政府の財政実績は国家公共会計には反映されていない。しかしながら、中央統治機構は法律上、その
歳入の一部を州に移転しなければならず、また随時、州に対してその他の形の財政援助を行っている。「-③ 一般
会計-(f) 州との財政関係」を参照のこと。
以下の検討において別途明示する場合を除き、国家公共会計は、歳入および歳出が発生した期間に関係なく、
キャッシュフローが実際に起こった期間において計算する現金主義で計上されている。下記の国家公共会計の検討お
よび本報告書全体において、国家の非金融公共部門を「政府」という。さらに、国家の非金融公共部門の財政収支を
基礎的財政収支(プライマリー・バランス)という。この基礎的財政収支には、政府が(納入業者等に対する)その
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支払債務および支払利息の一部を弁済するために発行する債務証書であるBocones債の発行は反映されていない。国
家の非金融公共部門の総合収支には、別途明示する場合を除き、支払利息が含まれる。
② 公共機関の概要
政府は、国有企業および国営企業を通じて一定の任務を遂行し、商業活動を行っており、それには以下のものが含
まれる。
● アルゼンチン最大の航空会社であるAerolíneas Argentinas S.A.(「Aerolíneas Argentinas」)およびそ
の関連会社であるAustral Líneas Aéreas Cielos del Sur S.A.(「Austral」)
● Banco de la Nación Argentina(アルゼンチン国立銀行)
● Banco de Inversión y Comercio Exterior S.A.(「BICE」)
● 飲料水および公衆衛生の基礎サービスを提供するAgua y Saneamientos Argentinos S.A.(「AYSA」)
● 国家の郵政事業を担うCorreo Oficial de la República Argentina(「Correo Argentino」)
● 国有エネルギー会社であるEnergía Argentina S.A.(「ENARSA」)
● 国有鉄道会社であるOperadora Ferroviaria S.E.
● 国営のエネルギー会社であるYPF
③ 一般会計
(a) 国家公共会計
2016 年より、財政実績は、(ⅰ)中央銀行およびFGSからの政府に対する移転を財政歳入合計から除外し、(ⅱ)政府
による公的部門内における公債の支払利息を基礎的歳出合計から除外し、ならびに(ⅲ)税収は州との租税配分に基づ
く歳入および移転、年金拠出金、補助金および政府の社会保障移転を控除して表示されている。下記の2016年より前
の年度の情報は、上記の新たな報告方式を用いたデータによる。
以下の財政実績の検討の記述中の数値は直後の表中に表示されている数値である。ただし、社会保障税、付加価値
税(「VAT」)、所得税、財貨およびサービス税ならびに燃料税による歳入の記述はこの限りでなく、これらはそれ
ぞれ、州との租税配分に基づく歳入(および移転)(「-(f) 州との財政的関係」を参照のこと。)およびアルゼン
チン統合年金制度により義務付けられた年金拠出金を含む「-(b) 租税制度」に記載の「租税歳入の構成」という表
題の表中に記載されている数値に関連する。
財政実績の推移:2014年-2018年
2014 年から2018年に、政府は、社会プログラムへの資金拠出および社会保障給付金の増額などを通じた歳出の増加
が主な要因となり、基礎的財政収支と総合収支の双方において赤字を記録した。政府が社会保障給付、公的給付金お
よび州への移転を大幅に増加させたため、上記の期間において歳出が拡大した。
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国 家 公 共 会 計
( 単位:百万ペソ)
2015 年 2017 年 2018 年
2016 年
2014 年 2015 年
( 新方式) (1) ( 新方式) (1) ( 新方式) (1) ( 新方式) (1)
( 旧方式) ( 旧方式)
財 政 歳 入:
経 常 歳 入:
国家管理税 (2)
563,416 708,801 708,801 976,663 1,117,613 1,414,607
社会保障税 (2)
300,889 419,419 419,419 558,087 727,254 901,922
国有企業運営利益(純額) (26,012) (24,627) (24,627) (44,011) (46,641) (70,981)
その他の租税外歳入 (3)
158,489 194,516 74,718 94,116 150,446 271,828
資本収入 (4) 12,202
426 457 457 443 2,770
財政歳入合計 (5)
2,529,579
997,208 1,298,566 178,768 1,585,298 1,951,442
基 礎 的 歳 出 : (6)
経 常 歳 出:
国家統治機構の給与 143,182 199,066 199,066 266,831 333,193 400,835
財貨およびサービス 51,289 69,469 69,469 79,327 104,349 134,995
社会保障 (7)
363,385 535,697 535,697 734,717 1,022,541 1,291,678
州への移転 18,333 27,614 27,614 73,589 82,660 79,266
その他の移転 (8)
284,304 374,174 374,174 573,125 599,858 738,462
その他の歳出 44,008 36,456 36,456 19,188 5,049 13,034
資本支出 210,296
131,268 160,887 160,887 182,045 207,934
基礎的歳出合計
2,868,566
1,035,769 1,403,363 1,403,363 1,928,823 2,355,584
基礎的財政収支
(38,562) (104,797) (224,595) (343,526) (404,142) (338,987)
支払利息 (9)
(71,158) (120,840) (79,166) (131,260) (224,907) (388,940)
民営化による収入 - - - - - -
非金融公共部門の総合収
(109,720) (225,637) (303,761) (474,786) (629,050) (727,927)
支
(1) 新方式に基づき表示され、旧方式で表示された2014年および2015年のデータとの比較不能の数値。「その他の租税外歳入」には中
央銀行およびFGSからの移転は含まれず、「支払利息」には公共部門間の支払利息が含まれない。
(2) 本表に記載されているデータは「租税歳入の構成」という表題の表のデータとは異なる。これは、州との租税配分に基づく歳入
(および移転)を除いているためであり、また、「租税歳入の構成」の表のデータに後れて公表され、したがって、更新された情報
を反映しているためである。
(3) 行政の財貨およびサービスの販売、事業収入、(旧方式において)中央銀行およびFGSからの移転、経常移転ならびにその他の移
転を含む。
(4) 民営化による収入を除く。
(5) アルゼンチン統合年金制度により義務付けられた年金拠出金を含む。
(6) 政府はBoconesとして知られる債券の発行により(納入業者等に対する)その一定の支払債務を履行している。Bocones債は現金払
いされるというよりも将来において支払われる債券であり、上記の表に表示の期間において基礎的歳出として計上されたり、または
非金融公共部門の総合収支の一部として反映されることはない。新表示に基づくBocones債の処理については、「国家公共会計(新
表示)」の表を参照のこと。2014年、2015年、2016年、2017年および2018年に発行されたかかるBocones債の金額は、それぞれ、13
億ペソ、16億ペソ、5億9,000万ペソ、11億ペソおよび4億6,000万ペソであった。
(7) 上記の表中で「社会保障」の項目で表示されている金額は現金ベースで算出されているため、発生主義に基づき算出され国家統治
機構についての金額と一致する「国家の公共部門歳出の構成」という表題の表の数値とは異なる。
(8) 民間部門への移転(補助金を含む。)、公共部門への移転(大学への移転等)、世帯主プログラムに基づく移転、国有企業への移
転を含む。
(9) 2005年債務交換および2010年債務交換に基づき発行された債券に対する支払利息を含む。
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( 対名目GDP比(%))
2017 年 2018 年
2015 年 2015 年 2016 年
2014 年 ( 新方式) ( 新方式) (9)
( 旧方式) (8) ( 新方式) (9) ( 新方式) (9) (9)
( 旧方式) (8)
財 政 歳 入:
経 常 歳 入:
国家管理税 (1) 11.9
12.3 11.9 11.9 10.5 9.7
社会保障税 (1) 7.0
6.6 7.0 6.8 6.8 6.2
国有企業運営利益(純額) (0.6) (0.4) (0.4) (0.5) (0.4) (0.5)
その他の租税外歳入 (2) 1.3
3.5 3.3 1.1 1.4 1.9
資本収入 (3) - - - - - 0.1
財政歳入合計 (4)
21.8 21.8 19.8 19.3 18.3 17.3
基 礎 的 歳 出 : (5)
経 常 歳 出:
国家統治機構の給与 3.1 3.3 3.3 3.2 3.1 2.7
財貨およびサービス 1.1 1.2 1.2 1.0 1.0 0.9
社会保障 (6) 9.0
7.9 9.0 8.9 9.6 8.8
州への移転 0.4 0.5 0.5 0.9 0.8 0.5
その他の移転 (7) 6.3
6.2 6.3 7.0 5.6 5.1
その他の歳出 1.0 0.6 0.6 0.2 0.0 0.1
資本支出 2.9 2.7 2.7 2.2 2.0 1.4
基礎的歳出合計
22.6 23.6 23.6 23.4 22.1 19.6
基礎的財政収支
(0.8) (1.8) (3.8) (4.2) (3.8) (2.3)
支払利息 (8)
1.6 2.0 1.3 1.6 2.1 2.7
民営化による収入 - - - - - -
非金融公共部門の総合収支
(2.4) (3.8) (5.1) (5.8) (5.9) (5.0)
(1) 本表に記載されているデータは「租税歳入の構成」という表題の表のデータとは異なる。これは、州との租税配分に基づく歳入
(および移転)を除いているためであり、また、「租税歳入の構成」の表のデータに後れて公表され、したがって、更新された情報
を反映しているためである。
(2) 行政の財貨およびサービスの販売、事業収入、(旧方式において)中央銀行およびFGSからの移転、経常移転ならびにその他の移
転を含む。
(3) 民営化による収入を除く。
(4) アルゼンチン統合年金制度により義務付けられた年金拠出金を含む。
(5) 政府はBoconesとして知られる債券の発行により(納入業者等に対する)その一定の支払債務を履行している。Bocones債は現金払
いされるというよりも将来において支払われる債券であり、上記の表に表示の期間において基礎的歳出として計上されたり、または
非金融公共部門の総合収支の一部として反映されることはない。新表示に基づくBocones債の処理については、「国家公共会計(新
表示)」の表を参照のこと。2014年、2015年、2016年、2017年および2018年に発行されたかかるBocones債の金額は、それぞれ、13
億ペソ、16億ペソ、5億9,000万ペソ、11億ペソおよび4億6,000万ペソであった。
(6) 上記の表中で「社会保障」の項目で表示されている金額は現金ベースで算出されているため、発生主義に基づき算出され国家統治
機構についての金額と一致する「国家の公共部門歳出の構成」という表題の表の数値とは異なる。
(7) 民間部門への移転(補助金を含む。)、公共部門の団体への移転(大学への移転等)、世帯主プログラムへの移転、国有企業への
移転を含む。
(8) 2005年債務交換および2010年債務交換に基づき発行された債券に対する支払利息を含む。
(9) 新方式に基づき表示され、旧方式で表示された2014年および2015年との比較不能の数値。「その他の租税外歳入」には中央銀行お
よびFGSからの移転は含まれず、「支払利息」には公共部門間の支払利息が含まれない。
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2014 年において、基礎的財政収支の赤字は名目GDPの0.8%に相当し、非金融公共部門の総合収支の赤字は、名目
GDPの2.4%となった。2015年において、基礎的財政収支の赤字は名目GDPの1.8%に相当し、非金融公共部門の総合収
支の赤字は、名目GDPの3.8%となった。新方式に基づき、2015年において、基礎的財政収支の赤字は名目GDPの3.8%
に相当し、非金融公共部門の総合収支の赤字は、名目GDPの5.1%となった。新方式に基づき、2016年において基礎的
財政収支の赤字は名目GDPの4.2%に相当し、非金融公共部門の総合収支の赤字は、名目GDPの5.8%となった。新方式
に基づき、2017年において基礎的財政収支の赤字は名目GDPの3.8%に相当し、非金融公共部門の総合収支の赤字は、
名目GDPの5.9%となった。新方式に基づき、2018年において、基礎的財政収支の赤字は名目GDPの2.3%に相当し、非
金融公共部門の総合収支の赤字は、名目GDPの5.0%となった。
2014年の財政実績と2013年の財政実績の比較
基礎的財政収支: 基礎的財政赤字は、2013年の225億ペソから2014年には386億ペソに増加した。歳入合計および
基礎的歳出は2014年の当初の予算額を超過して増加した。2014年において歳入合計が40.9%増加した一方、基礎的歳
出は41.8%の増加となり、基礎的財政赤字の拡大につながった。
財政歳入: 財政歳入は、2013年の7,079億ペソから2014年には9,972億ペソとなり40.9%増加した。この増加は主
に、社会保障税、VAT、所得税、外国貿易税およびその他の租税外歳入の増加によるもので、これらは増加額全体の
約93.5%を占めた。この財政歳入の増加には以下のものが含まれる。
● 社会保障負担金からの収入が増加し、増加額全体の約24.6%を占めた。
● 主に、2013年の322億ペソから2014年には784億ペソとなった中央銀行の収益の移転の増加およびアルゼンチ
ン統合年金制度からの収益の増加により、その他の租税外歳入が増加し、増加額全体の約26.0%を占めた。
● 所得税収入が増加し、増加額全体の約15.6%を占めた。
● VAT歳入が増加し、増加額全体の約15.3%を占めた。
● 主にペソ対米ドルの名目為替レートの下落により、外国貿易税収入が増加し、増加額全体の約11.9%を占め
た。この増加は、原油および燃料製品価格の下落が変動税の税率に影響を与えたためバイオ・ディーゼルの
輸出税が減少したことにより一部相殺された。
基礎的歳出: 2014年において、国家公共部門の基礎的歳出(支払利息を除く。)は、2013年の7,304億ペソから
41.8%増加して1兆358億ペソとなった。この増加は主に以下の要因によるものであった。
● その他の移転(対外部門移転、民間部門助成金、および大学等の自治的な公共団体への移転を含む。)は
2013年の1,837億ペソから54.7%増加して2014年には2,843億ペソとなり、増加額全体の約32.9%を占めた。
この増加は主に、電力部門への助成金の増加によるものであった。この増加はまた、特に一般的子供手当お
よび一般的出産手当を通じた社会保障給付の増加も要因となった。
● 社会保障支出は2013年の2,721億ペソから33.6%増加して2014年には3,634億ペソとなり、増加額全体の約
29.9%を占めたが、これは主に、退職者数の増加および年金収入の継続的な増加によるものであった。2014
年中において、年金は平均30.5%増加したが、これには、給付の受給資格年齢に達していた、または2年以
内に達するが、かかる制度に対する拠出が必要な年数に達していない個人を対象に含める社会保障制度を
2014年9月に政府が延長したことによる影響が含まれた。かかる延長は自営業者および個人事業主税
(monotributo)制度の対象となる者に対して適用された。
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● 国家統治機構の給与は2013年の1,016億ペソから40.9%増加して2014年には1,432億ペソとなり、増加額全体
の約13.6%を占めた。この増加は主として、全体で平均35.8%増加した2014年における公務員の給与の定期
的 調整および国家公務員数の3.8%の増加によるものであった。国家公務員の人数は、2013年12月31日現在
の39万6,138人から2014年12月31日現在には41万1,045人に増加した。
● 資本支出は2013年の907億ペソから44.7%増加して2014年には1,313億ペソとなり、増加額全体の約13.3%を
占めた。この増加は主として、政府による直接投資の増加と、特に道路の建設および補修ならびに鉄道向け
投資の設備の購入およびその他のインフラ計画を目的とした、また、これらより規模は劣るが、天然ガス産
業発展刺激策(Programa de Estímulo a la Inyección Excedente de Gas Natural)、発電プロジェクトへ
の投資、Techo Digonoプログラムを通じた住宅インフラの開発、PRO.CRE.AR(住宅向けクレジットプラン)
200周年プログラムを通じた抵当貸付、合同連邦基金(「-(f) 州との財政的関係-歳入移転」を参照のこ
と。)を通じた州および自治体の経済インフラおよび社会インフラの開発を目的とした、州およびブエノス
アイレス市への移転の増加によるものであった。
総合財政収支: 非金融公共部門の総合財政赤字は、2013年の645億ペソに対して、2014年には1,097億ペソとなっ
た。
2015年の財政実績と2014年の財政実績の比較
基礎的財政収支: 基礎的財政赤字は、2014年の386億ペソから2015年には1,048億ペソに増加した。歳入合計およ
び基礎的歳出は2015年の当初の予算額を超過して増加した。2015年において歳入合計が30.2%増加した一方、基礎的
歳出は35.5%の増加となり、基礎的財政赤字の拡大につながった。
財政歳入: 2015年において、財政歳入は、2014年の9,972億ペソから2015年には1兆2,990億ペソとなり30.2%増
加した。この増加は主に、社会保障税、VAT、所得税、燃料税、金融取引税およびその他の租税外歳入の増加による
もので、これらは増加額全体の約96.8%を占めた。この財政歳入の増加には以下のものが含まれる。
● 社会保障負担金からの収入が増加し、増加額全体の約37.7%を占めた。
● 主に、アルゼンチン統合年金制度から生み出されFGSにより管理される収益の増加により、その他の租税外
歳入が増加し、増加額全体の約11.4%を占めた。
● 所得税収入が増加し、増加額全体の約19.7%を占めた。
● VAT歳入が増加し、増加額全体の約19.3%を占めた。また、主に輸入税の増加により外国貿易税収入も増加
したが、この増加は輸出税収入の減少により一部相殺された。
基礎的歳出: 2015年において、国家公共部門の基礎的歳出(支払利息を除く。)は、2014年の1兆358億ペソか
ら35.5%増加して1兆4,034億ペソとなった。この増加は主に以下の要因によるものであった。
● その他の移転(対外部門移転、民間部門助成金、および大学等の自治的な公共団体への移転を含む。)は
2014年の2,843億ペソから31.6%増加して2015年には3,742億ペソとなり、増加額全体の約24.4%を占めた。
この増加は主に電力部門に対する助成金の増加によるものであった。その他の移転の増加はまた、特に一般
的子供手当および一般的出産手当を通じた社会保障給付の増加も要因となった。
● 社会保障支出は2014年の3,634億ペソから47.4%増加して2015年には5,357億ペソとなり、増加額全体の約
46.9%を占めたが、この増加は主に、退職者数の増加および年金収入の継続的な増加によるものであった。
2015年中において、年金は平均33.0%増加した。
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● 国家統治機構の給与は2014年の1,432億ペソから39.0%増加して2015年には1,991億ペソとなり、増加額全体
の約15.2%を占めた。
● 資本支出は2014年の1,313億ペソから22.6%増加して2015年には1,609億ペソとなり、増加額全体の約8.1%
を占めた。この増加は主として、エネルギー、運輸および住宅インフラに対する資本支出によるものであっ
た。
総合財政収支: 非金融公共部門の総合財政赤字は、2014年の1,097億ペソに対して、2015年には2,256億ペソと
なった。
2016年の財政実績と2015年の財政実績の比較
2016 年3月、政府は、財政実績報告における新方式を採用した。そのため、2016年の財政実績は、従前の方式を用
いて算出された2015年の財政実績と直接比較することはできない。下記の分析は、比較の目的で新方式をベースに表
示された2015年の財務実績に基づくもので、かかる2015年の実績は2014年以前の年度について入手できるデータと比
較不能である。
基礎的財政収支: 基礎的財政赤字は、(新方式に従い算出された)2015年が2,246億ペソであったのに対して、
2016年には3,435億ペソに達した。2016年において、財政歳入合計が34.5%増加した一方、基礎的歳出(支払利息を
除く。)は37.4%の増加となった。
財政歳入: 2016年において、財政歳入は、(新方式に従い算出された)2015年の1兆1,788億ペソから1兆5,853
億ペソとなり34.5%増加した。この増加は主に、租税特赦法(以下に定義される。)に関する罰金を含むその他の租
税、社会保障税、VAT、金融取引税、輸入税および所得税からの歳入の増加によるものであった。
基礎的歳出: 2016年において、国家公共部門の基礎的歳出(支払利息を除く。)は、(新方式に従い算出され
た)2015年の1兆4,034億ペソから37.4%増加して1兆9,288億ペソとなった。この増加は主に以下の要因によるもの
であった。
● 社会保障支出は、(新方式に従い算出された)2015年の5,357億ペソから37.2%増加して2016年には7,347億
ペソとなり、歳出の増加額全体の約37.9%を占めた。この増加は、退職者数の増加およびこれに対応する年
金支払の増加によるものであった。
● その他の移転(対外部門移転、民間部門助成金および大学等の自治的な公共団体への移転を含む。)は、
(新方式に従い算出された)2015年の3,742億ペソから53.2%増加して2016年には5,731億ペソとなり、基礎
的歳出の増加額全体の約37.9%を占めた。この増加は主に電力部門に対する助成金の増加によるものであっ
た。また、その他の移転の増加は、特に一般的子供手当および一般的出産手当を通じた社会保障給付の増加
ならびに地方輸送業者および電力電気供給持続可能性行動プログラムへの移転も要因であった。2016年3月
以降、自営業者および臨時従業員に対する家族手当の対象が拡大された。この方策により、514,000人の子
供および家族が対象となった。
● 国家統治機構における給与は、(新方式に従い算出された)2015年の1,991億ペソから34.0%増加して2016
年には2,668億ペソとなり、基礎的歳出の増加額全体の約12.9%を占めた。
● 資本支出は、(新方式に従い算出された)2015年の1,609億ペソから2016年には1,820億ペソに増加した。
総合財政収支: 非金融公共部門の総合財政収支は、(新方式に従い算出された)2015年の3,038億ペソの赤字に
対して、2016年には4,748億ペソの赤字となった。
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2017年の財政実績と2016年の財政実績の比較
基礎的財政収支: 基礎的財政赤字は、2016年が3,435億ペソであったのに対して、2017年には4,041億ペソとなっ
た。2017年において、財政歳入合計が23.1%増加した一方、基礎的歳出(支払利息を除く。)は22.1%の増加となっ
た。
財政歳入: 2017年において、財政歳入は2016年の1兆5,853億ペソから1兆9,514億ペソとなり23.1%増加した。
この増加は主に、VAT、社会保障税および所得税からの歳入の増加によるものであった。
基礎的歳出: 2017年において、国家公共部門の基礎的歳出(支払利息を除く。)は、2016年の1兆9,288億ペソ
から22.1%増加して2兆3,556億ペソとなった。この増加は主に以下の要因によるものであった。
● 社会保障支出は、2016年の7,347億ペソから39.2%増加して2017年には1兆225億ペソとなり、歳出の増加額
全体の約67.4%を占めた。この増加は主に、(無拠出制年金にも影響を与えた)法第26,417号に従い年金支
払が増加したことによる。
● その他の移転(対外部門移転、民間部門助成金および大学等の自治的な公共団体への移転を含む。)は、
2016年の5,731億ペソから4.7%増加して2017年には5,999億ペソとなり、基礎的歳出の増加額全体の約6.3%
を占めた。この増加は主に、特定の助成金(特に運輸部門に対する助成金)の増加によるものであった。
2017年中、エネルギー部門への移転は前年と比べて39.9%減少した。また、その他の移転の増加は、特に一
般的子供手当および一般的出産手当を通じた社会保障給付の増加、大学に対する移転ならびにガスおよび石
油の産出および輸出の促進を目的とした炭化水素投資についての国家計画への移転も要因となった。
● 国家統治機構における給与は、2016年の2,668億ペソから24.9%増加して2017年には3,332億ペソとなり、基
礎的歳出の増加額全体の約15.6%を占めた。資本支出は、2016年の1,820億ペソから2017年には2,079億ペソ
に増加した。
総合財政収支: 非金融公共部門の総合財政収支は、2016年の4,748億ペソの赤字に対して、2017年には6,291億ペ
ソの赤字となった。
2018年の財政実績と2017年の財政実績の比較
基礎的財政収支: 基礎的財政赤字は、2017年が4,041億ペソであったのに対して、2018年には3,390億ペソとなっ
た。2018年において、財政歳入合計が29.6%増加した一方、基礎的歳出(支払利息を除く。)は21.8%の増加となっ
た。
財政歳入: 2018年において、財政歳入は2017年の1兆9,514億ペソから2兆5,296億ペソとなり29.6%増加した。
この増加は主に、VAT、金融取引税ならびに輸入および輸出税からの歳入の増加によるものであった。
基礎的歳出: 2018年において、国家公共部門の基礎的歳出(支払利息を除く。)は、2017年の2兆3,556億ペソ
から21.8%増加して2兆8,686億ペソとなった。この増加は主に以下の要因によるものであった。
● 社会保障支出は、2017年の1兆225億ペソから26.3%増加して2018年には1兆2,917億ペソとなり、歳出の増
加額全体の約52.5%を占めた。この増加は主に、(無拠出制年金にも影響を与えた)法第26,417号に従い年
金支払が増加したことによる。
● その他の移転(対外部門移転、民間部門助成金および大学等の自治的な公共団体への移転を含む。)は、
2017年の5,999億ペソから23.1%増加して2018年には7,385億ペソとなり、基礎的歳出の増加額全体の約
27.0%を占めた。この増加は主に、特定の助成金(特にエネルギー部門への移転)によるもので、前年と比
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べて41.6%増加した。また、その他の移転の増加は、特に一般的子供手当および一般的出産手当を通じた社
会保障給付の増加も要因となった。
● 国家統治機構における給与は、2017年の3,332億ペソから20.3%増加して2018年には4,008億ペソとなり、基
礎的歳出の増加額全体の約13.2%を占めた。資本支出は、2017年の2,079億ペソから2018年には2,103億ペソ
に増加した。
総合財政収支: 非金融公共部門の総合財政収支は、2017年の6,291億ペソの赤字に対して、2018年には7,279億ペ
ソの赤字となった。
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(b) 租 税 制 度
概 要
アルゼンチンにおいては、法的な課税権限は国会、州立法府および、一定の限度で、地方自治体に分有されてい
る。
連邦税は国会の法律により授権されなければならないが、行政機関は国会の立法を実施するために必要な規則およ
び命令を発する権限を与えられている。アルゼンチンは連邦歳入法典を有していない。これに代え、随時変更される
個別の法律が様々な種類の租税について定める。財務省は連邦歳入の徴収責任を負っている。財務省はこの任務を主
として、AFIPを通じて遂行する。
2017 年12月27日、アルゼンチン国会は、アルゼンチンの租税制度における一定の抜け穴および非効率性を排除し、
脱税を減らし、個人に適用される所得税の対象を拡大し、財政均衡の回復を目指したアルゼンチンの中期および長期
の取り組みを持続しつつ投資を促進することを目的とした税制改革について承認した。
これらの改革は、今後の5年間にわたり段階的に施行されていく。これらの改革の財政コストはGDPの0.3%に相当
すると見積もられた。かかる改革は、持続的に、アルゼンチン経済の競争力を高め(財政赤字の削減によるものを含
む。)、雇用を促進し、貧困を削減することを目的とした政府が発表した拡大プログラムの一環を成している。かか
る税制改革の主要な要素は以下のとおりである。
● 連邦政府、州および地方自治体ならびにブエノスアイレス市が発行した債券の売却または処分によりアルゼ
ンチンの税法上の居住者(アルゼンチンに所在する個人および不可分財産)が取得した利息およびキャピタ
ルゲインは所得税の対象となり、その税率は、(a)インデクセーション条項を含まないペソ建債券の場合は
5%、および(b)インデクセーション条項を含むペソ建債券または外貨建債券の場合は15%となるが、一定
の要件の遵守を条件として、証券取引所における持分証券の売却でアルゼンチンの税法上の居住者(アルゼ
ンチンに所在する個人および不可分財産)により実現された利益は引き続き課税を免除される。
● 連邦政府、州および地方自治体ならびにブエノスアイレス市が発行した債券の保有者で、アルゼンチンの税
法上の居住者でない者は、かかる受益者が非協力的な税務管轄地に居住していない、またはかかる管轄地を
通じて資金を経由させていない範囲において、利息およびキャピタルゲインに関してアルゼンチンの所得税
の対象とはならない。非協力的な管轄地のリストは行政機関により作成および公表される予定である。
Lebacs債はアルゼンチンの非居住者に適用される課税免除から除かれる。
● 法人所得税は段階的に引き下げられ、2018年に30%およびその後の年度において25%となる。源泉徴収税は
一定の配当または利益の配分に課せられ、法人所得に対する実効税率の合計は35%となる。
また、税制改革において、社会保障拠出制度、租税に関する行政手続法、租税犯罪法、液体燃料に係る税および物
品税に対するその他の変更も定めている。
さらに、2017年12月29日、中級車両(価格帯が38万ペソから90万ペソのもの)に対する10%の税は廃止されたが、
高級車両(価格が90万ペソ超のもの)に対する20%の課税は維持された。
2017 年12月29日、アルゼンチンの居住者および非居住者である個人が保有する一定の金融資産に対する特定の所得
税免除について規定した法律第27,430号が官報において公表された。法律第27,430号に従い、「協力的な管轄地」の
居住者であり、かつその資金が「協力的な管轄地」において発生したアルゼンチンの非居住者は、(イ)(ⅰ)証券
取引委員会(CNV)により承認された公募を通じて募集される、(ⅱ)時間と価格の優先性の障害となるものから募
集が守られているセグメントの下でCNVにより承認された証券取引所において取引される、または(ⅲ)CNVにより承
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認された株式公開買付けまたは交換制度を通じて売却される限りにおいて、株式または現物株を表象する証券の売却
または交換により発生したキャピタルゲイン、ならびに(ロ)(ⅰ)連邦政府、州政府もしくは地方自治体またはブ
エ ノスアイレス市により発行されたソブリン証券(LEBACs債を除く。)、(ⅱ)法律第23,576号の第36条に基づき定
められた要件を満たす譲渡可能債務、(ⅲ)アルゼンチンの金融信託により発行された公募債券、(ⅳ)法律第
24,083号第1条に含まれるアルゼンチンのミューチュアル・ファンドの公募割当、および(ⅴ)アルゼンチン企業に
より発行され、CNVの承認により公募される現物株を表象する海外発行証券により生じる利息およびキャピタルゲイ
ンに対して、所得税の支払いが免除される。
一般的には、アルゼンチンの非居住者である受益者が「協力的な管轄地」に居住しており、その資金が「協力的な
管轄地」において生じる場合、免除の要件を満たさない通貨調整条項が付されていないペソ建証券からの利子所得は
5%の税率で課税され、一方、通貨調整条項が付されたペソ建証券または外貨建証券から生じる利子所得は15%の税
率で課税される。アルゼンチンの非居住者である受益者が「協力的な管轄地」に居住しており、その資金が「協力的
な管轄地」において生じる場合、免除の要件を満たさない金融資産の売却または交換により発生したキャピタルゲイ
ンは、関連する資産に応じて5%または15%の税率で課税される。
アルゼンチンの非居住者である受益者が「非協力的な管轄地」に居住している、またはかかるアルゼンチンの金融
資産を購入するために使用された資金が「非協力的な管轄地」において生じた場合、利息および/またはキャピタル
ゲインについて法定の課税べースに対して35%の税率が適用される。「-(b) 租税制度」を参照のこと。さらに、財
政歳入を強化するため、政府は2019年の税収の増加を目的とした一連の政策を採用した。その中には、とりわけ、
(ⅰ)財およびサービスの輸出に対する課税、(ⅱ)富裕税の引き上げ、(ⅲ)公務員賃金の所得税の課税、(ⅳ)
課税控除または課税所得の減少の効果を有するその他類似の規則の廃止、ならびに(ⅴ)金融取引税の計画的な引き
下げの1年間の延長、が含まれる。
本項で表示されているデータは、州との租税配分の歳入(および移転)を含むため、「-(a) 国家公共会計」の項
で表示されているものとは異なる。「-(f) 州との財政関係」を参照のこと。
租税収入の構成
政府は以下の租税を課している。
● 物品財貨およびサービスに対するVAT
● 所得税
● 社会保障税
● 外国貿易税
● 資本税
● 燃料税
● 財貨およびサービスに係るその他の租税(消費税および金融取引税等)
伝統的に、政府はその収入の大部分をVAT(付加価値税)、社会保障負担金および所得税から得ている。
2018 年12月31日に終了した年度の租税収入は、2017年と比較して31.0%増加し、3兆4,354億ペソであった。この
増加は主として以下によるものである。
● 公共部門および民間部門の名目賃金額の増加
● 製品およびサービスの価格上昇
● 徴税方法の継続的改善
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2018 年中、
● VAT歳入は、消費の活発化(名目ベース)により2017年と比べて44.3%増加したが、穀物生産者および輸出
業者に対するVATの還付額の増加ならびに一定の家畜および生肉の販売に課さられる税率の50%の引き下げ
により一部相殺された。
● 政府によりデジタル・サービスの提供に対して課税が行われ、2018年下半期において税収が増加した。●
金融取引税からの歳入は、主に銀行取引が増加したため35.6%増加した。
● 社会保障税は24.6%増加した。これは主に、課税対象賃金の増加(名目ベース)によるもので、正規雇用の
減少ににより一部相殺された。
● 主に法人および個人による予納税額および納税額の増加ならびに非居住者の金融収入に対する徴税額の増加
により、所得税収は33.7%増加した。
● 外国貿易税は60.7%増加した。輸入税収入は、主に名目為替レートの上昇を受けて51.7%増加したが、輸入
に適用された平均関税率の引き下げや輸入量の減少により一部相殺された。一方、輸出関税収入は、主に名
目為替レートの上昇を受けて72.7%増加した。
以下の表は、表示特定期間中の政府の租税歳入の構成を示す。
租税歳入の構成
( 単位:百万ペソ)
2016 年 (3) 2017 年 (3) 2018 年 (3)
2014 年 2015 年
VAT 331,203 433,076 583,217 765,336 1,104,580
金融取引税 77,651 98,736 133,721 172,838 234,300
社会保障税 (1)
307,656 415,410 555,320 733,527 913,904
所得税 269,809 384,536 436,927 555,023 742,052
法人所得税 132,178 185,725 235,866 294,546 399,623
個人所得税 125,503 188,218 174,248 234,117 293,343
その他 12,128 10,593 26,814 26,360 49,086
輸入および輸出税 115,283 113,053 130,080 141,373 227,128
資本税 (2)
14,575 18,538 19,976 22,786 15,296
燃料税 44,490 56,478 75,664 102,846 116,409
物品およびサービスに対する
その他の税 29,020 40,291 59,908 87,765 98,067
そ の 他 5,599 6,931 117,594 56,676 7,407
租税規制対応
1,340 1,306 110,721 46,131 (8,646)
その他 4,260 5,624 6,873 10,544 16,052
租税歳入総額 (2)
1,195,287 1,567,050 2,112,408 2,646,993 3,470,020
払 戻 し (11,215) (8,831) (14,983) (24,953) (34,600)
純租税歳入
1,184,072 1,558,219 2,097,425 2,622,040 3,435,420
(1) アルゼンチンの包括年金制度による年金負担金を含む。
(2) 租税歳入総額には、一定の状況において払い戻されることとなるVATおよび所得税など、ある年度において徴収され、後日払い戻
される特定の租税歳入を含む。かかる払い戻しは、純租税歳入を計算するために租税歳入総額から控除される。
(3) 暫定値。
出所:財務省
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租税歳入の構成
( 政府の歳入総額に対する割合(%))
2014 年 2015 年 2016 年 (3) 2017 年 (3) 2018 年 (3)
VAT 28.0 27.8 27.8 29.2 32.2
金融取引税 6.5 6.3 6.3 6.6 6.8
社会保障税 (1)
26.0 26.7 26.5 28.0 26.6
所得税 22.6 24.5 20.6 21.2 21.6
法人所得税 11.0 11.8 11.1 11.2 11.6
個人所得税 10.6 12.0 8.3 8.9 8.5
その他 1.0 0.7 1.2 1.0 1.4
輸入および輸出税 9.7 7.3 6.2 5.4 6.6
資本税 1.2 1.2 1.0 0.9 0.4
燃料税 3.8 3.6 3.6 3.9 3.4
物品およびサービスに対する
その他の税 2.5 2.6 2.9 3.3 2.9
0.2
0.5 0.4 5.6 2.2
そ の 他
租税規制対応 0.1 0.1 5.3 1.8 (0.3)
0.4 0.4 0.3 0.4 0.5
その他
租税歳入総額 (2)
100.9 100.6 100.7 101.0 101.0
(0.9) (0.6) (0.7) (1.0) 1.0
払 戻 し
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
純租税歳入
(1) アルゼンチンの包括年金制度による年金拠出金を含む。
(2) 租税歳入総額には、一定の状況において払い戻されることとなるVATおよび所得税など、ある年度において徴収され、後日払い戻さ
れる一定の租税歳入を含む。かかる払い戻しは、純租税歳入を計算するために租税歳入総額から控除される。
(3) 暫定値。
出所:財務省
以下の情報は、社会保障税を除き、政府により課せられる2018年12月現在の主な租税の略述である。社会保障税の
内容については、「(2) 経済-② 最近5年間の経済の動向-(e) 社会保障制度」を参照のこと。
付加価値税 (VAT)
VAT は、アルゼンチン内における財貨およびサービスの販売、および海外におけるサービスの実質的な利用がアル
ゼンチン内で行われた場合の海外でのサービス提供であって、かつ、そのサービスの提供者がVAT課税対象者として
登録されている場合におけるかかる海外におけるサービスの提供に対して課せられる。VATは消費財の輸入に対して
も課せられる。
2018 年12月31日現在、一般VATの税率は21.0%であった。27.0%の増加税率が非居住者向のガス、電気、水道、下
水道および電気通信サービスの提供に適用される。10.5%の削減税率が、住宅プロジェクト、家畜およびその他の農
産物の販売、資本財の販売ならびに一定の財務収益および費用を含む、一定の場合に適用される。
政府はまた、一定の財貨およびサービスの消費に対して一定の税を課している。以下の表は、一定の製品に対して
適用される税率の例を示す。
財貨およびサービスに対する税の構成
製 品 税率(%)
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財貨
25-70
タバコ製品
8-26
アルコール飲料
4-8
非アルコール飲料(エキス、濃縮物およびミネラルウォーターを含む。)
20
高級品
20
レクレーション・スポーツ機器(自家用飛行機およびヨットを含む。)
11
電子製品
20
自動車、エンジンおよびオートバイ
サービス
0.1-23
保険
5
衛星電話および携帯電話
出所:財務省
金融取引税
金融取引税は例外的措置として2001年に導入され、政府の重要な収入源となっている。この税は特定の限定的な例
外を除き、大部分の金融取引の総額に対して課せられる。標準税率は当座預金口座への入出金については0.6%、資
金その他の現金の送金については1.2%である。金融取引税は当初は、2002年12月に失効予定だったが、国会が何度
も連続してその失効期日を延長した。その結果、当座預金口座への出入金に対する租税は2022年12月31日まで有効と
なった。かかる税収は、社会保障制度/年金支払に充当されている。
携帯電話税
2010 年以降、政府は携帯電話税を徴収しており、「その他の税」に計上されている。この租税は、顧客が携帯電話
会社に支払う金額(VATを控除後)の1%に相当する。2017年12月、政府は、携帯電話税を顧客が携帯電話会社に支
払う金額(VATを控除後)の5%まで引き上げる法律を制定した。
所得、ユーティリティおよびキャピタルゲインに対する税金
アルゼンチンの居住者およびアルゼンチンに住所を有する法人はその全世界における所得に対して所得税の課税対
象となる。非居住者については、アルゼンチンに源泉のある所得に対して所得税の課税対象となる。
国、州および地方自治体当局の収入ならびに非営利団体(生活協同組合、宗教的機関および財団を含む。)は所得
税を免除される。政府は、ティエラ・デル・フエゴ島等の一定の地域において行われているプロジェクト、ならびに
公共輸送およびごみ収集等の一定の経済活動に対して、税を免除しまたは特別報奨金(優遇税制措置の形式による)
を創設した。
アルゼンチンにおいては3種類の所得に対する税金がある。
● 利益所得税(Impuesto a las ganancias):
○ 所得税の目的におけるアルゼンチンの居住者である個人については、その全世界における所得に対して
5%から35%までの税率により課税される。有価証券取引から生じた利益の純額に対しては、15%の税
率が適用される。
○ すべての事業体はその全世界における所得の純額に対して一律30%の税率で課税される。また、外国会
社の支店に対してはその親会社に利益を送金した時点で7%の追加税が課せられる。
○ 非居住者である個人および事業体は、アルゼンチンに源泉のある所得に対して35%の税が課される。
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○ 個人および不可分財産は、証券およびデジタル通貨の売却から生じた利息、利回り、ディスカウント、
プレミアム、配当、ユーティリティおよびキャピタルゲインに対して5%から15%の税が課せられ、法
律 第27,430号に規定の一定の例外が設けられている。
● くじおよび賭博収益特別税(Gravamen de emergencia sobre premios de determinados juegos de sorteos
y concursos deportivos):この税率は31%であり、くじおよび賭博による利得の純額の90%に対して課せ
られる。
● 名目最低所得税(Impuesto a la Ganancia M í nima Presunta ):所得税の課税対象である株式およびその他
持分など一定の例外を除き、毎会計年度末日現在、企業および個人が所有する一定の資産の価額に対して、
最低基準額の超過分に対して1%の税が課せられる。企業の場合、所得税として内払いされた金額は、二重
課税回避のためこの租税より控除することができる。最低所得税率は所得税率を補完する。各年の財政債務
は両租税を上回って設定されている。しかしながら、最低所得税が所得税を上回る場合、超過分は10年を限
度として将来の所得税支払い義務に充当される。この企業に対する名目最低所得税は、2019年1月1日以降
に開始する租税期間については廃止されることになっている。
外国貿易税
外国貿易税は輸出関税および輸入関税から成る。輸入関税はアルゼンチンに消費向けに輸入される物品財貨および
サービスに対して課される。輸入関税は従価(すなわち、物品財貨またはサービスの実価)もしくは単位(単位当た
りの固定額で算定される。)のいずれかに基づき、またはこれらを組み合わせて賦課される。輸入関税の税率は0%
から35%の範囲である。アルゼンチンで製造されていない資本財の輸入には2%の税率で課税される一方で、アルゼ
ンチン製のものには一般に14%の税率が課される。繊維、履物、おもちゃ、乳製品および桃等の一定の製品は特別税
率で課税される。輸出関税は2002年に導入された。輸出関税は2003年以降、主に、当初数年間に国際的商品価格の高
騰およびペソによるアルゼンチンの米ドル建ての輸出品の競争力および価値を高めたペソの下落により、政府の重要
な歳入源となっている。国内のインフレーションおよびペソの実質的上昇によりアルゼンチンの輸出は競争力を損
なった。
2015 年12月、政府は、小麦、とうもろこし、牛肉、鉱業、石油および地域産品に対する輸出関税を撤廃し、とりわ
け、大豆の輸出関税を5%引き下げ、35%から30%にした。「(2) 経済-① 近時の経済動向-経済の歴史および背
景-2015年から2018年」を参照のこと。しかしながら、2018年において、アルゼンチン経済に影響を及ぼした一連の
要因を受けて、政府はすべての輸出品に対する輸出関税を2019年1月1日より再導入した。「(2) 経済-① 近時の
経済動向-2018年のアルゼンチン経済への影響因子および対応措置」を参照のこと。
以下が、2018年12月31日現在に施行されている一定の輸出関税率に関する説明である。
原油および燃料の輸出については、
○ 1バレル当りの原油および燃料の国際価格が、71.00米ドルを下回る場合、適用される輸出関税は、
1%である。
○ 1バレル当りの原油および燃料の国際価格が原油で71.00米ドルを上回る場合、輸出関税は、次の公式
に従って計算される。
(PI-VC)
D = × 100
VC
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D は輸出関税、PIは国際価格、VCは値引額(輸出業者に支払われる税控除後の正味最高額:2018年12
月31日現在、値引額は1バレル当り70,00米ドルである。)である。
● 金属廃棄物の輸出については5%
● 皮革類の輸出については5%から10%
● 天然コルクの輸出については5%から10%
● 紙およびリサイクルの段ボールの輸出については20%
● 大豆油およびその他の大豆加工製品の輸出については27%
● 大豆の油科種子の輸出については30%
● 天然資源ガスの輸出については100%
● コモディティおよび付加価値が低い製品に対しては1米ドル当たり4ペソ、その他すべての製品に対しては
1米ドル当たり3ペソを上限として、消費財およびサービスの輸出については12%が課せられる。かかる輸
出についてさらに上記に掲げた関税の一つが課せられる場合は、上記の上限を条件として、かかる輸出関税
にこの12%の税率が加算される。かかる関税は2020年12月31日まで適用される。
2014 年において、食料・飲料品、農産物および燃料製品に係る輸出関税が輸出関税総額に占める割合は、それぞれ
39.3%、36.2%および10.7%であった。
2015 年において、食料・飲料品、農産物および燃料製品に係る輸出関税が輸出関税総額に占める割合は、それぞれ
40.6%、43.90%および2.3%であった。
2016 年において、食料・飲料品、農産物および燃料製品に係る輸出関税が輸出関税総額に占める割合は、それぞれ
55.2%、41.7%および1.5%であった。
2017 年において、食料・飲料品、農産物および燃料製品に係る輸出関税が輸出関税総額に占める割合は、それぞれ
57.2%、42.2%および0.1%であった。
2018 年において、食料・飲料品、農産物および燃料製品に係る輸出関税が輸出関税総額に占める割合は、それぞれ
49.9%、27.7%および3.48%であった。
輸出入関税による歳入は、2017年の1,414億ペソから60.7%増加し2018年は2,271億ペソになった。輸出関税による
歳入は、主に名目為替レートの上昇により、2018年は2017年と比べて72.7%増加したが、これは輸出量の減少により
一部相殺された。輸入関税による歳入は、名目為替レートの上昇により51.7%増加したが、輸入量の減少により一部
相殺された。
資本税
資本税には、個人が所有する個人資産の価額に対する租税、信用組合の純資産に対する租税および不動産の売却に
対する租税が含まれる。全体的に見た場合、2018年において資本税が政府の租税歳入総額に占める割合は0.5%未満
であった。
燃料税
政府はガソリンおよびディーゼル等の液体燃料ならびに圧縮天然ガスを含む種々の燃料の販売に対して租税を課し
ている。2018年末まで、液体燃料の販売に対する租税は一般的に輸入業者、精製業者および販売業者に対して課せら
れていた。燃料の販売に対する租税は、単位(液体燃料1リットル当たりの固定額で表示され、INDECが公表するCPI
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の変動率に基づきAFIPにより四半期毎にアップデートされ、そのウェブサイトに公表される。)に基づき賦課され
る。
租税の執行
租税徴収率の改善のために政府が取り入れた最近の取り組みには、以下を含む。
二重課税防止および租税協力協定
アルゼンチンは多くの国々(近年におけるアラブ首長国連邦(2016年)、スイス(2016年)、米国(2016年)、ブ
ラジル(2017年)、パナマ(2017年)、モロッコ(2018年)およびカナダ(2018年)を含む。)との間で、情報の交
換を通じて租税事項の国際協力を促進し、国境を越えた商業取引の透明性を高めるための協力協定に調印している。
こうした協定により、書類の形式による租税情報の共有が規定され、および一定の場合相手国の領土において、一国
の管轄当局の代表者が事情を聴取し、当該領土での記録の検証ができる。その他の場合、こうした協約は、関税手続
きにおける相互の援助を規定している。
また、アルゼンチンは、2018年12月31日現在においてOECDが推進する1988年税行政執行共助条約および2014年当局
多国間合意の参加当事国であった。2018年、アルゼンチンはOECDとの間で、OECD南米租税金融犯罪調査アカデミーの
設立に関する覚書を締結した。かかるアカデミーの目的は、租税と金融に関する犯罪に対処するため、脱税の処理に
包括的に取り組むことを促進することである。
さらに、アルゼンチンは、2018年12月31日現在において多数の国と二重課税防止条約を締結していた(近年のチリ
(2016年)およびカタール(2018年)を含む。)。
租税特赦法
2016 年7月に、アルゼンチンの居住者に自発的な資産の申告を促すため、租税特赦法(Régimen de Sinceramiento
Fiscal)が導入された。同法により、アルゼンチン国内または海外にアルゼンチンの税務当局へ申告していない資金
または資産を保有するアルゼンチンの税法上の居住者は、(ⅰ)指定の期限日まで当該資産を保有していた証拠を提
出できることを条件に、当該資産について脱税の訴追を受けることなく、または当該資産に係る未払租税債務の納付
を求められることなく、(現金の場合は2016年10月31日まで、その他の財産の場合は2017年3月31日までに)当該資
産を申告すること、および(ⅱ)アルゼンチン国外にある申告済みの財産をアルゼンチンに送ることなく保持するこ
とが認められた。未申告の現金および資産の価額に対しては、一定の投資有価証券が保有納税者により購入されてい
る場合を除き、特別税が適用されることとなった。同制度では特に、法を遵守する納税者への恩恵、個人資産税の一
部に係る変更、アルゼンチンの会社が支払う配当金に係る10%の源泉所得課税の廃止、および名目最低所得税の2019
年1月1日以降の廃止が定められた。コリエンテス州、チュブ州およびフォルモサ州を除く全てのアルゼンチンの州
が租税特赦法に従っている。
2017 年4月3日までに、1,168億米ドル分の現金資産、不動産および有価証券が送還され、合計1,486億ペソが政府
により租税収入として徴収された。
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(c) 公共部門歳出の構成
公共部門歳出には一般管理歳出、公債の元利金支払い、公共インフラおよびサービスに対する投資、防衛および安
全保障に関する支出、司法制度の管理費用ならびに社会プログラム支出が含まれる。
以下の表は、歳入および歳出の支払いが受領または実行される期間にかかわらず、それらの歳入歳出が発生する期
間において計上する発生主義により計算された以下に示す期間の国家統治機構の歳出を示す。この計算方法は、国家
の公共会計を計算するためにアルゼンチンが使用する現金主義とは異なるものである。「-① 財政制度および租税
制度の概要-概要」を参照のこと。
国家統治機構の歳出の構成 (1)
( 対名目GDP比(%))
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
一般管理
1.0 1.0 1.2 1.3 0.7
防衛および安全保障
1.3 1.3 1.3 1.2 1.0
司 法
0.4 0.4 0.4 0.4 0.4
社会プログラム
13.4 14.5 14.5 15.0 13.8
社会保障(2)
9.3 10.3 10.7 11.2 10.5
文化、教育、科学および技術
1.9 2.0 1.9 1.9 1.6
保 健
0.9 0.9 0.9 0.9 0.8
住 宅
0.9 0.8 0.5 0.4 0.4
社会福祉
0.4 0.4 0.4 0.5 0.4
労 働
0.1 0.1 0.1 0.1 0.1
経済的インフラストラクチャーおよび
サービスに対する公共支出
6.8 5.0 4.7 3.2 2.9
公債の元利金支払い (3)
3.8
1.9 1.8 3.7 3.0
合 計
24.8 24.0 25.9 24.1 22.6
(1) この表に記載の未払の金額には、国有企業および信託基金のようなアルゼンチンの国家の非金融公共部門の一部を構成するが、国
家統治機構の一部ではない機関の予算額は含まれていない。上記のデータには未交換債務について発生した利息は含まれておらず、
かかる利息の実質上全てが2016年4月以降において支払われた。未交換債務は、未払元本および当初予定されていた満期までの約定
利率により算出された未払利息のみを含むと定義されており、罰則的または不履行利息は含まれない。アルゼンチンは、時効完成済
みの元本または利息に関する請求に対して支払いを行っておらず、本和解案は時効完成済みの元本または利息に対する請求を対象と
していない。未交換債務に係る請求の和解に向けたアルゼンチンの本和解案については、「(7) その他-① 訴訟手続」を参照のこ
と。
(2) 本表の「社会保障」項目で表示される金額は、「国家公共会計」の表で表示されるデータと異なる方法を用いて計算されたため、
これらのデータは一致していない。
(3) 支払継続債務に基づく。
出所:財務省
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国家の公共部門歳出の構成 (1)
( 対政府歳出総額比(%))
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
一般管理
3.9 4.2 4.8 5.2 3.2
防衛および安全保障
5.4 5.5 5.0 5.0 4.6
司 法
1.4 1.6 1.5 1.7 1.7
社会プログラム
54.1 60.2 56.1 62.2 60.9
社会保障 (2)
37.5 42.7 41.4 46.6 46.6
文化、教育、科学および技術
7.7 8.4 7.3 7.8 6.9
保 健
3.5 3.9 3.5 3.7 3.6
住 宅
3.4 3.2 2.1 1.7 1.7
社会福祉
1.7 1.5 1.4 2.0 1.8
労 働
0.4 0.4 0.3 0.4 0.2
経済的インフラストラクチャーおよびサー
ビスに対する公共支出
27.5 20.8 18.2 13.2 12.8
公債の元利金支払い (3)
7.7 7.7 14.4 12.7 16.8
合 計
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
(1) この表に記載の未払の金額には、国有企業および信託基金のようなアルゼンチンの国家の非金融公共部門の一部を構成するが、国
家統治機構の一部ではない機関の予算額は含まれていない。上記のデータには、未交換債務について発生した利息は含まれておら
ず、かかる利息の実質上全てが2016年4月以降において支払われた。未交換債務は、未払元本および当初予定されていた満期までの
約定利率により算出された未払利息のみを含むと定義されており、罰則的または不履行利息は含まれない。アルゼンチンは、時効完
成済みの元本または利息に関する請求に対して支払いを行っておらず、本和解案は時効完成済みの元本または利息に対する請求を対
象としていない。未交換債務に係る請求の和解に向けたアルゼンチンの本和解案については、「(7) その他-① 訴訟手続」を参照
のこと。
(2) 本表の「社会保障」項目で表示される金額は、「国家公共会計」の表で表示されるデータと異なる方法を用いて計算されたため、
これらのデータは一致していない。
(3) 支払継続債務に基づく。
出所:財務省
社会プログラムに対する歳出、公共インフラおよびサービスに対する投資ならびに公債の元利金支払いが政府歳出
において最も大きな部分を占め、その割合は2014年から2018年までの間において平均で政府歳出総額の89.1%に相当
した。
社会プログラムに対する歳出
政府は歳入の大部分を社会プログラムにあてている。2014年から2018年までの間、社会プログラムに対する歳出は
平均で国家統治機構の年間歳出の58.7%を占めており、そのうち社会保障給付のみで平均43.0%を占めた。これらの
社会プログラムには社会保障制度、文化財およびサービス、教育、科学および技術プログラム、保健制度、低所得住
宅プログラム、社会福祉プログラムならびに労働補助金が含まれている。また、現行法に基づき、政府の年間予算の
6%が教育、科学および技術に割り当てられなければならない。
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公共のインフラストラクチャーおよびサービス
公共インフラの主要プロジェクトには以下のものが含まれる。
● 鉄道および道路の建設
● 送電のための電線の敷設のおよび改修
● 火力発電所のためのガス輸送システムの拡張
● 水道管および排水路の建設
詳細な情報については、「-(d) インフラストラクチャー開発」を参照のこと。
2016 年12月21日、アルゼンチンの最高裁判所は、サンタクルス州にある「ネストル・キルチネル大統領」ダムおよ
び「ホルヘ・セペルニック知事」ダムにおける建設工事を差し止めた。最高裁は、法的強制力のある環境への影響に
関するアセスメントおよびプロジェクトに関する公聴会が行われていないとし、工事の続行はこれらの手続きが完了
することを条件とした。最高裁判所により義務付けられたように、2017年中にこれらのプロジェクトは見直され、国
会が開催した公聴会を受けた環境への影響についての報告結果が採り入れられ、2018年に建設は再開された。
公債の元利金支払い
政府は支払継続債務に関して支払われた利息のみを計上している。下記のデータには、未交換債務について発生し
た利息は含まれておらず、かかる利息の一部は2016年4月およびその後の取引において支払われた。未交換債務は、
未払元本および当初予定されていた満期までの約定利率により算出された未払利息のみを含むと定義されている。か
かる金額には罰則的または不履行利息は含まれない。アルゼンチンは、時効完成済みの元本または利息に関する請求
に対して支払いを行っておらず、本和解案は時効完成済みの元本または利息に対する請求を対象としていない。和解
拒絶(ホールドアウト)債権者との間の係争事案の和解手続きの中で、アルゼンチン政府は不履行となった各債券シ
リーズの当初予定された償還期限後に発生した利息(時効完成済みの利息は除く。)も不履行利息と同様に考慮し
た。未交換債務に係る請求の和解に向けたアルゼンチン政府の本和解案については、「(7) その他-① 訴訟手続」
を参照のこと。2016年4月以降に発行された債務証券(その手取金の全部または一部は未交換債務に基づく債権の返
済に充当された。)について支払われる利息は「公債の元利金支払い」の項目に反映される。2014年には、主に
Bonares債、元本削減債の支払利息ならびに多国間機関に対する債務に関する支払利息の増加により、支払利息は歳
出総額に占める割合において7.7%に上昇し、名目ベースで見た場合では94.2%増加した。2015年には、主にBonares
債、元本削減債およびトレジャリー・ノートに関する支払いにより、支払利息が歳出総額に占める割合は7.7%と安
定しており、名目ベースで見た場合では26.0%増加した。2016年には、主にBonares債、元本削減債およびトレジャ
リー・ノートに関する支払いならびに2016年4月以降に発行された証券(その一部が未交換債務に基づく債権の返済
を目的とする。)から生じた利息により、支払利息が歳出総額に占める割合は14.5%まで上昇し、名目ベースで見て
180%増加した。2017年には、主にBirads債、Bontes債およびトレジャリー・ノートに関する支払いにより、支払利
息が歳出総額に占める割合は2016年の14.4%から12.7%まで低下し、名目ベースで見た場合には5.8%増加した。
2018年には、主にBirads債、Bontes債およびトレジャリー・ノートに関する支払いにより、支払利息が歳出総額に占
める割合は2017年の12.7%から16.8%まで上昇し、名目ベースで見た場合には70.7%増加した。「(6) 公債-② 債
務内容および債務再編-(a) 外貨建て債務-支払継続外貨建債務支払」を参照のこと。
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防衛および安全保障
防衛および安全保障に対する政府歳出が歳出総額に占める割合は、2014年に5.4%、2015年に5.5%、2016年と2017
年にそれぞれ5.0%および2018年に4.6%となった。
一般管理歳出
2014 年には一般管理歳出が政府歳出総額に占める割合は2013年の4.4%から3.9%に低下したが、名目ベースでは
2013年と比べて33.0%増加した。上記の割合の低下は主に、2014年において一般管理歳出の伸びのペースが他の政府
歳出と比べて遅かったことによる。
2015 年には一般管理歳出が政府歳出総額に占める割合は2014年の3.9%から4.2%に上昇し、名目ベースでは2014年
と比べて36.4%増加した。
2016 年には一般管理歳出が政府歳出総額に占める割合は2015年の4.2%から4.8%に上昇し、名目ベースでは2015年
と比べて67.9%増加した。
2017 年には一般管理歳出が政府歳出総額に占める割合は2016年の4.8%から5.2%に上昇し、名目ベースでは2016年
と比べて32.1%増加した。
2018 年には一般管理歳出が政府歳出総額に占める割合は2017年の5.2%から3.2%に低下し、名目ベースでは2017年
と比べて21.2%減少した。
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(d) インフラストラクチャー開発
以下の表は、表示の年度のインフラ開発における政府の歳出(助成金を含む。)の構成を示す。
公共部門歳出の構成
( 対歳出総額比(%))
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
経済的インフラストラクチャーに対する公共
部門歳出 27.5 20.8 18.2 13.2 12.8
エネルギー、燃料および鉱業 18.8 12.2 11.0 6.0 6.3
通 信 0.8 0.8 0.4 0.4 0.4
運 輸 6.6 6.2 5.5 5.6 5.2
エコロジーおよび環境 0.3 0.2 0.2 0.3 0.2
農 業 0.5 0.5 0.4 0.5 0.3
工 業 0.3 0.4 0.5 0.4 0.3
貿易、観光およびその他のサービス 0.2 0.3 0.1 0.1 0.1
出所:財務省
公共部門歳出の構成
( 対GDP比(%))
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
経済的インフラストラクチャーに対する公共
部門歳出 6.8 5.0 4.7 3.2 2.9
エネルギー、燃料および鉱業 4.7 2.9 2.9 1.5 1.4
通 信 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1
運 輸 1.6 1.5 1.4 1.3 1.2
エコロジーおよび環境 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1
農 業 0.1 0.2 0.1 0.1 0.1
工 業 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1
貿易、観光およびその他のサービス - 0.1 - - -
出所:INDECおよび財務省
(e) 予 算
内閣の長は国家統治機構の予算を作成する責任があり、予算は次年度以降3年間の国家統治機構の財政実績を予想
しなければならない。予算は3年度単位で作成されるが、国会は次年度の予算のみを承認する。予算が承認されて初
めて、政府は割当てられた金額を種々の機関ならびに州およびブエノスアイレス市に対して四半期毎に配布すること
ができる。国家会計検査院(Auditoría General de la Nación)は国家統治機構およびその機関の予算遵守を監督す
る責任がある。公共部門財政法は、政府が運営費用を賄うために借入を行うことを禁止している。
(f) 州との財政関係
アルゼンチンの23の州およびブエノスアイレス市はその相互間でおよび政府から独立した別個の法律上および財政
上の団体である。アルゼンチンの連邦制度は公共サービスおよびその他の公共支出に対する重要な責任を州に配分し
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ているが、集権的租税徴収制度に主に依存している。州は主として租税配分制度(以下に定義される。)を通じて、
政府からの歳入移転に依存している。「-歳入移転」を参照のこと。租税配分制度に基づき、州は連邦政府に対して
一 定の租税を徴収する憲法上の権限を授権し、政府はこれに対して、かかる租税から発生する歳入の一部を州に移転
することに同意している。
2014 年から2018年までに、州(ブエノスアイレス市を含む。)の年間歳出総額は平均で名目GDPの14.2%であった
が、州(ブエノスアイレス市を含む。)の徴収した年間歳入は平均で名目GDPの約13.6%(租税配分額を含む。)で
あった。
以下の表は、表示期間中の州レベルの財政実績総額の変動の要約を示している。
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州およびブエノスアイレス市の歳入および歳出の概要
( 単位:百万ペソ) (1)
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
歳 入
経常歳入
管理税
州税
241,369.6 314,906.1 425,473.2 580,721.8 768,200.5
国税
租税配分
240,384.8 329,953.0 464,142.7 628,282.3 1,006,862.0
その他の国税
63,566.4 85,469.8 98,996.8 126,342.5 69,886.8
国税合計
303,951.2 415,422.8 563,139.4 754,624.9 1,076,748.9
管理税合
545,320.8 730,328.9 988,612.6 1,335,346.7 1,844,949.4
計
その他の租税外収
40,395.8 45,883.1 65,454.3 85,466.6 136,453.3
入
行政の物品および
4,119.1 5,026.4 7,137.0 11,092.9 13,975.3
サービスの販売
資産税
3,019.3 3,971.8 13,574.2 18,551.4 38,537.2
経常移転
37,495.1 49,081.3 96,227.9 126,617.7 120,684.2
経常歳入合
630,350.0 834,291.5 1,171,006.0 1,577,075.2 2,154,599.5
計
資本収入
42,073.9 53,281.1 59,041.0 74,069.9 66,212.2
歳入合計
672,423.9 887,572.6 1,230,046.9 1,651,145.1 2,220,811.6
歳 出
経常歳出
消費支出
州行政賃金
352,985.8 502,172.8 692,434.6 883,476.5 1,106.988.6
消費財
17,014.2 23,866.1 30,410.6 39,152.7 49,440.4
サービス
45,729.4 67,692.1 83,812.5 120,891.6 159,777.0
消費支出合
415,729.4 593,731.0 806,657.8 1,043,520.7 1,316,206.1
計
支払利息
11,590.3 15,851.8 27,134.9 47,107.1 100,384.2
経常移転
158,649.5 212,518.8 303,634.9 382,650.9 512,966.6
経常歳出合
585,969.2 822,101.6 1,137,427.6 1,473,278.7 1,929,556.8
計
資本支出
直接投資
68,462.1 93,854.8 114,906.7 191,670.9 222,405.7
資本移転
18,174.1 24,132.0 34,062.8 43,555.9 63,902.0
財政投資
6,333.6 9,216.8 19,820.4 26,909.4 33,750.6
資本支出合
92,969.8 127,203.6 168,789.8 262,136.2 320,058.3
計
歳出合計
678,939.0 949,305.2 1.306,217.4 1,735,414.9 2,249,615.1
財政収支
(6,515.1) (61,732.6) (76,170.5) (84,269.8) (28,803.5)
(1) 発生主義に基づき算定したの金額。
出所:財務省
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以下の表は、表示期間中の州レベルの財政実績総額の要約を百分率で示す。
州およびブエノスアイレス市の歳入および歳出の概要
( 前年度比 ( % )) (1)
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
歳 入
経常歳入
管理税
州税
37.5 30.5 35.1 36.5 32.3
国税
租税配分
36.7 37.3 40.7 35.4 60.3
その他の国税
38.8 34.5 15.8 27.6 (44.7)
国税合計
37.1 36.7 35.6 34.0 42.7
管理税合計
37.3 33.9 35.4 35.1 38.2
その他の租税外収入
47.0 13.6 42.7 30.6 59.7
行政の物品およびサービスの
販売 45.8 22.0 42.0 55.4 26.0
資産税
58.8 31.5 241.8 36.7 107.7
経常移転
69.6 30.9 96.1 31.6 (4.7)
経常歳入合計
39.6 32.4 34.7 36.6
40.4
資本収入
42.5 26.6 10.8 25.5 (10.6)
39.8 32.0 38.6
歳入合計
34.2 34.5
歳 出
経常歳出
消費支出
州行政賃金
37.6 42.3 37.9 27.6 25.3
消費財
39.2 40.3 27.4 28.7 26.3
サービス
38.2 48.0 23.8 44.2 32.2
消費支出合計
37.7 42.8 35.9 29.4 26.1
支払利息
55.3 36.8 71.2 73.6 113.1
経常移転
37.2 34.0 42.9 26.0 34.1
経常歳出合計
37.9 40.3 38.4 29.5 31.0
資本支出
直接投資
39.4 37.1 22.4 66.8 16.0
資本移転
61.9 32.8 41.2 27.9 46.7
財政投資
20.4 45.5 25.4
115.0 35.8
資本支出合計
41.7 36.8 32.7 55.3 22.1
歳出合計
38.4 39.8 37.6 32.9 29.6
10.6 (65.8)
(31.1) 847.5 23.4
財政収支
(1) 発生主義に基づき算定した金額。
出所:財務省
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州およびブエノスアイレス市の歳入および歳出の概要
( 対 GDP 比 ( % )) (1)
12 月31日現在
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
歳 入
経常歳入
管理税
州税
5.3 5.3 5.2 5.5 2.9
国税
租税配分
5.2 5.5 5.6 5.9 3.0
その他の国税
1.4 1.4 1.2 1.2 0.7
国税合計
6.6 7.0 6.8 7.1 3.7
管理税合計
11.9 12.3 12.0 12.5 6.6
その他の租税外収入
0.9 0.8 0.8 0.8 0.4
行政の物品およびサー
ビスの販売
0.1 0.1 0.1 0.1 0.0
資産税
0.1 0.1 0.2 0.2 0.1
経常移転
0.8 0.8 1.2 1.2 0.3
経常歳入合計
13.8 14.0 14.2 14.8 7.4
資本収入
0.9 0.9 0.7 0.7 0.4
歳入合計
14.7 14.9 14.9 15.5 7.8
歳 出
経常歳出
消費支出
州行政賃金
7.7 8.4 8.4 8.3 4.4
消費財
0.4 0.4 0.4 0.4 0.2
サービス
1.0 1.1 1.0 1.1 0.5
消費支出合計
9.1 10.0 9.8 9.8 5.1
支払利息
0.3 0.3 0.3 0.4 0.1
経常移転
3.5 3.6 3.7 3.6 1.8
経常歳出合計
12.8 13.8 13.8 13.8 7.1
資本支出
直接投資
1.5 1.6 1.4 1.8 0.6
資本移転
0.4 0.4 0.4 0.4 0.2
財政投資
0.1 0.2 0.2 0.3 0.1
資本支出合計
2.0 2.1 2.1 2.5 0.8
歳出合計
14.8 15.9 15.9 16.3 7.9
財政収支
(0.1) (1.0) (0.9) (0.8) -
(1) 発生主義に基づき算定したの金額。
出所:財務省
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歳入移転
現在、租税配分制度およびその他のいくつかの特別歳入分配取決めに基づき、政府と州の間において歳入移転が行
われている。1988年租税配分法(2002年の改正を含む。)(「租税配分法」)は現行の租税配分制度(「租税配分制
度」)について定めている。租税配分法は当初、暫定的措置として意図されたものであったが、1989年末の失効予定
時 以降、毎年自働的に更新されている。1994年の憲法改正は1996年までに新租税配分法の採択を要求しているが、今
日までいかなる法律も採択されていない。1980年代中頃から、政府の行政機関と州およびブエノスアイレス市は歳入
移転に関し合意的取決めを堅持し、国会はこれを定期的にそのまま承認している。租税配分法に基づき創設された連
邦の機関である連邦税制委員会(Comisión Federal de Impuestos)が租税配分制度の遵守を監視している。
2017 年12月31日まで、租税配分法により政府は、下記に記載の特別歳入分配取決めに基づく控除後、所得税歳入の
64.0%(下記の5億8,000万ペソを控除後)、付加価値税歳入の89.0%、名目最低所得税歳入の100.0%、個人資産税
歳入の93.7%、金融取引に係る税収の30.0%、物品税およびその他の少額の税からの税収を連邦租税配分基金に移転
することを要求されていた。2018年1月1日から、財政協定により、租税配分制度に基づく自動分配に従い、所得税
歳入に関する64.0%の上限が撤廃された。この撤廃の結果、2018年より、所得税歳入の100%が租税配分基金に組み
入れられ、租税配分制度に従い配分されなければならない。さらに、財政協定により、金融取引に係る税収の
100.0%が連邦租税配分制度に基づく州への同歳入の30.0%の優先配分を実行後にANSESに配分されることになる。
2018 年12月31日まで行われていた特別歳入分配取決めには、連邦租税配分制度に加えて以下が含まれていた。
● VAT: VAT歳入(輸出関税払戻しを控除後)の11%は以下の通り配分された。社会保障基金が連邦政府に移
転されなかった州(ブエノスアイレス、チャコ、チュブ、コルドバ、コリエンテス、エントレ・リオス、
フォルモサ、ラ・パンパ、ミシオネス、ネウケン、サンタクルス、サンタフェおよびティエラ・デル・フエ
ゴ)に対して6.27%ならびにANSESに残りの93.73%を配分
● 液体燃料および二酸化炭素に関する税: 液体燃料および二酸化炭素に対する税からの収入の10.4%が州お
よびブエノスアイレス市に配分される。
● 個人資産税: INCUCAIに対する30億ペソを控除後、社会保障基金が連邦政府に移転されなかった州に
6.27%を配分
● 個人事業主税(Monotributo): 個人事業主税収入は、税部分および社会保障部分に分けられる。税部分
は、ANSESに70%、30%は租税配分法の規定に従い配分される。社会保障部分は全て、ANSESに配分される。
新連邦主義のための合意
財政協定の実施前は、政府、州およびブエノスアイレス市の間の1992年の合意により、ANSESに資金拠出するた
め、租税配分制度に従い政府は租税歳入合計の15%を控除することが認められていた。この15%の控除は1年毎に延
長されていたが、最終的に2006年に法律第26,078号「2006年国家予算法( Presupuesto de Gastos y Recursos de la
Administración Nacional para el Ejercicio 2006 ) 」第76条の下に制定された。2015年11月、アルゼンチン最高裁
判所は、かかる控除のコルドバ州、サンルイス州およびサンタフェ州への適用は違憲とし、2006年以降これらの州か
ら徴収した資金をそれまでの利息とともに返還するよう政府に命じた。
2016 年、政府は、(最高裁判所の判決による利益を受けた)コルドバ州、サンルイス州およびサンタフェ州を除く
州との間で2006年国家予算法第76条に基づき徴収された資金の段階的な返還について合意(「新連邦主義のための合
意( Programa Acuerdo para el Nuevo Federalismo ) 」)した。新連邦主義のための合意により、各州は一定の条件
に従い、政府により従前に徴収されていた15%分につき段階的に回収していくことが認められた。ANSESを通じた特
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別金融措置により、これらの州およびブエノスアイレス市に返還すべき上記の15%のうち、6%に相当する額が2016
年中に、および3%に相当する額がその後の5年をかけて供給された。政府は、コルドバ州、サンルイス州およびサ
ン タフェ州とも、最高裁が命じたこれらの州への返還の実施について別途の合意に至った。
その他の州との取決め
1990 年代後半以降、政府は州の財政状態を正常化するため、州との間で様々な合意を結んできた。これらの取決め
に従い、政府は州に対して様々な形で種々の条件に基づき財政支援を提供している。以下にこれらのプログラムのい
くつかを挙げる。
Bogars 債:2002年から2004年の間に、政府は多くの州の債務をBogarsと称される新債券により再編した。これはこ
の再編に参加する州の残存する債務に代わるものである。これらの債券(CERによるインデクセーション補正の対象
となる。)は州開発基金により額面総額217億ペソ発行され、その支払は政府保証により担保されている。政府保証
は、一方、金融取引税および租税配分の対象となる税の収入における州の持分の質入により担保されている。実際に
は、政府は州に対する租税配分の対象となる税の移転分からBogars債に基づく州による支払分を差し引いていた。
2012年12月31日現在、州が政府に対して負う債務の借換えのために2010年に設定されたプログラムに基づき、Bogars
債の94.6%に相当する356億ペソが借換えられていた。2012年12月の最初の借換え以降、残高が増加しているのはCER
によるインデクセーション調整のためである。
財政責任法:財政責任法は、2004年に制定され、これを承認した州およびブエノスアイレス市でのみ、拘束力があ
る。現在までに23の州のうち21州が財政責任法を承認している。同法はアルゼンチンの国家、州および地方自治体の
公共部門の財政枠組みに対して重要な改革を実施することを目的としている。その主な内容の一部は以下のとおりで
ある。
● 政府および州は一定の財政方針、目標および予測を記載した将来の各年度の年次財政計画を作成し、その財
務実績をそれぞれウェブサイトで定期的に公表しなければならない。
● 国家および州の政府の基礎的歳出の増加率は予想名目GDP成長率を上回ることができない。
● 政府および州は均衡予算を堅持しなければならない。
● 政府および州は財政周期の変動を抑えるため、特別の周期調整基金を創設しなければならない。
● 州は地方自治体への租税配分移転額控除後の州の当期の収入の15%を超える元利払債務を負うことができな
い(経済活動、雇用および社会的支援の促進に向けた支出に関するものを除く。)。この制限に反する州は
一定の例外を除き、追加的債務を負うことができなくなる。
● 政府はその債務再編後、名目GDPの一定割合に残存債務を削減する責任を負わなければならない。
● 州は債務を負担し、または保証を行うためには、政府の財務省の承認を求めなければならない。
● 財務省はその州債券の発行もしくは保証に関する承認を当該法律案に定める要素を基準に行う。
しかしながら、財政責任法は連邦租税配分制度に対する変更を行うものではない。
2009 年以降、国会は、財政規制に対して大幅な柔軟性を与えるための財政責任法の改正案を可決した。より大幅な
柔軟性とは、公共部門歳出の増加と財政実績の水準の両方を指す。また、州は適切な年度に、地方政府への租税配分
移転額控除後の州の当期収入の15%を超える元利払債務を負うことができない。かかる改正は、州政府による財政赤
字への対処に資することを目的としている。
2016 年10月25日、その当時の財務・財政省は、各州の財務大臣と共に、財政責任法の一定の改正を政府の2017年予
算に適用すると発表した。この改正により、2017年の公共部門の総合収支赤字を削減し、州の公共会計の透明性を高
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め、および2017年の公共支出の伸びの上限を名目GDPの成長率とすることで公共支出を抑制することを目指してい
る。
2017 年8月17日、ブエノスアイレス市および全ての州(不参加を選択したサンルイス州は除く。)の経済大臣およ
び/または金融大臣で構成される財政責任連邦協議会(Consejo Federal de Responsabilidad Fiscal)は、国家お
よび州レベルでの健全な公共財政慣行を推進し、一定の期間における公共支出の増加率を当該期間のインフレ率まで
とした上限の設定ならびに全体的な公的雇用の増加を人口増加率までとした上限の設定などの各法域がその支出の管
理の維持を確保するためのルールを定めた財政協定を承認した。また、財政協定は、国家および州レベルでの経済成
長を育むため、特に労働および生産ならびにそれらに対する資金提供に対する税などの増税を制限している。2017年
12月22日、国会は財政責任法の改正としての財政協定を承認し、公共部門の総合収支赤字の削減を目的として国家お
よび州の公共部門会計の支払能力向上のためのガイドラインを定めた。2019年10月2日現在、全ての州議会(ラパン
パ州およびサンルイス州の議会を除く。)およびブエノスアイレス市議会が財政協定を承認している。
2018 年8月、政府は大統領令第756/18号を制定し、合同連邦基金(Fondo Federal Solidario)を廃止した。合同
連邦基金は州および地方自治体のインフラ支出のために2009年3月に創設された。同基金は大豆輸出からの税収の
30%により賄われ、租税配分法に従い各州の間で分配されていた。歳入が失われる分を州に補填するため、2018年9
月に政府は、州・地方自治体向け連邦財政支援プログラム(Programa de Asistencia Financiera a Provincias y
Municipious)を創設し、これを通じて政府は財政協定を締結した全ての法域に対して総額41億ペソの移転を確約し
た。
④特 別 会 計
アルゼンチンは特別会計を設けていない。
⑤減 債 基 金
アルゼンチンは国家減債基金を設けていない。
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(6) 【公債】
① 概 要
(a) 概 観
別段の定めがない限り、本章「(6) 公債」に記載のアルゼンチンの未償還債券に関するすべての金額の算出は2018
年12月31日現在のものである。
アルゼンチンの総公的債務合計は、政府により直接に借入れられた外貨建およびペソ建債務、ならびに他の国家公
共機関、州(ブエノスアイレス市を含む。)および民間部門の団体の債務に対し政府が付与した保証より成る間接債
務により構成される。これには州または他の機関の直接債務で政府による保証が付与されていないものは含まれな
い。示された場合を除き、外貨建債務およびペソ建債務は、支払継続債務および支払非継続債務(未交換債務を含
む。)で構成される。未交換債務は、未払元本および2018年12月31日までの約定利率により算出された未払利息に、
補償利息または不履行利息を加えたものと定義されている。本和解案に基づく時効完成前の請求に関する和解拒絶
(ホールドアウト)債権者との間の係争事案の和解手続きの中で、アルゼンチンは不履行となった各債券シリーズの
当初予定された償還期限後に発生した利息(時効完成済みの利息は除く。)も不履行利息と同様に考慮した。アルゼ
ンチンは、時効完成済みの元本または利息に関する請求に対して支払いの申し出を行っていない。未交換債務に係る
請求の和解に向けたアルゼンチンの本和解案については、「(7) その他-① 訴訟手続」を参照のこと。
2018年12月31日現在、財務省の公的勘定に登録されている未交換債務勘定に係る額面請求額(この目的のみにおい
てアルゼンチンが時効完成済みとみなす請求を含む。)は総額約28億米ドルであった。
2014年から2018年までの未交換債務を含むアルゼンチンの総公的債務合計は以下の通りであった。
● 2014年12月31日現在、2,393億米ドル
● 2015年12月31日現在、2,407億米ドル
● 2016年12月31日現在、2,754億米ドル
● 2017年12月31日現在、3,209億米ドル
● 2018年12月31日現在、3,322億米ドル
2015年12月31日現在において残存している未交換債務の大部分は、様々な海外の管轄地域の法廷において法的手続
きに服しており、アルゼンチンに対する貨幣性判決は多くの訴訟で出されている。貨幣性の判決には、一般的に罰則
的および各管轄地域の適用ある法令による利息に対する利息を含む。2015年12月31日現在、財務省の公的勘定に登録
されている未交換債務の支払期日到来済元本金額および期日未到来元本金額(支払期日到来済利息金額、罰則的利息
および利息に対する利息は含まない。)は合計61億米ドルであった。2015年12月31日現在残存していた未交換債務の
大部分は、アルゼンチンの本和解案に基づき和解に至っている。
2018年12月31日現在、アルゼンチンの総公的債務合計は、3,322億米ドルであった。ペソ建債務は、総額2兆9,678
億ペソ(785億米ドル)であり、アルゼンチンの総公的債務合計の23.6%を占めており、そのうち27.8%はCER指数連
動債券であった。外貨建債務は総額2,537億米ドルであり、アルゼンチンの総公的債務合計の76.4%を占めていた。
2018年12月31日現在、債権者の種類別に分類した総公的債務合計(支払非継続債務および未交換債務を含む。)
は、以下のとおりである。
● 総公的債務合計の38.0%(1,262億米ドル)が主に公共部門国家機関が保有する公債によるものであった。
● 総公的債務合計の44.6%(1,481億米ドル)が民間部門債権者が保有する公債によるものであった。
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● 総公的債務合計の17.4%(579億米ドル)が主に多国間および二国間の貸し手が保有する公債によるもので
あった。
2018年12月31日現在、金融商品の種類別に分類した(支払非継続債務および未交換債務を除く。)総公的債務合計
は、債券が66.6%で2,195億米ドル、多国間および二国間の貸し手からの借入れが17.6%で579億米ドル、トレジャ
リー・ノートおよびトレジャリー・ビルが8.1%で268億米ドル、中央銀行からの一時前払金が4.0%で133億米ドル、
保証債務(PPPプロジェクトに関連のない再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付のトレジャリー・ノー
ト、トレジャリー・ノートおよび約束手形)が3.0%で99億米ドル、商業銀行からの借入れが0.4%で12億米ドル、お
よび国家保証ローンが0.2%で7億米ドルであった。
2018年12月31日現在、支払非継続債務(未交換債務を除く。)は合計で1億480万米ドル、総公的債務合計の
0.03%未満であり、そのうち6,050万米ドルは期日未到来の支払非継続債務が占め、4,440万米ドルは債務再編対象ま
たは支払遅延の支払非継続債務に相当する。
2011年から2015年の間に、政府は、公債返済資金を得るために中央銀行から自由に使用できる外貨準備高を担保に
して借入れを行った。2010年の緊急政令を通じて、民間の債権者が保有する債務の返済資金を調達するためにアルゼ
ンチンの債務返済基金が設立された。さらに、中央銀行は国際金融機関および二国間公式部門債権者に対する債務を
履行するための資金を前払いした。各借入金額ごとに、中央銀行は10年物譲渡不能トレジャリー・ノートを受け取っ
た。
以下の表は、とりわけ表示の期間において公債の返済に充てるために中央銀行から借入れた金額を表す。
政府の中央銀行からの借入金 (1)
(単位:十億米ドル)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
公式部門返済
3.0 - - - -
債務返済基金 7.9 10.6 - - -
合計
10.9 10.6 - - -
(1) 中央銀行から政府への自国通貨での一時前払金は含まない。
出所:財務省
(b) 債務記録
序論
アルゼンチンは、法第24,156号第65項およびその他適用ある法律に従い、随時債務再編取引を行っている。過去27
年の間にアルゼンチンは3度にわたり対外および国内不履行債務の再編を行ってきた。ブレイディ・プラン、2005年
債務交換および2010年債務交換である。
パリクラブ
アルゼンチンは、1985年、1987年、1989年、1991年、1992年の5回にわたる個々の契約を通じて、債権国のグルー
プであるパリクラブのメンバーに対する債務を再編した。2001年に始まった債務危機の間、アルゼンチンはパリクラ
ブのメンバー国に対する残存債務について債務を履行しなかった。2014年4月30日現在、パリクラブのメンバー国に
対する残存債務は総額96億9,000万米ドルであり、この内訳は、元本49億5,500万米ドル、利息11億200万米ドルおよ
び36億3,300万米ドルの遅延利息であった。2014年5月29日に、アルゼンチンは今後5年間で債務残高すべてを償却
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するとの決済契約締結に至った。決済契約の条項に基づき、2014年から2018年にかけて、アルゼンチンは、49億
5,800万米ドルの元本支払いを行った。残存額には年率3.00%の利率により利息が発生する。
商業銀行
1985年および1987年にアルゼンチンは国際商業銀行債権者に対し負っていた347億米ドルの債務につき再編交渉を
行った。これら銀行による総額約30億米ドルの新規貸付提供に加え、「ニュー・マネー・ボンド」および「代替参加
証書」(「API」)という2つの債券発行がこの再編の一部をなしている。銀行債権者への利息支払は1988年4月に
停止され、ブレイディ・プラン(以下に記載される。)に基づく中期および長期の商業銀行債務の借換えまで、部分
的に再開されただけであった。
ブレイディ・プラン
1992年4月、アルゼンチンは、商業銀行から借入れた中期および長期債務に関しブレイディ・プランに基づく借換
契約を発表した。ブレイディ・プランは、当時未払いであった商業銀行の債務の96.0%超に相当する、推定93億米ド
ルの遅延利息を含む推定285億米ドルの債務に適用された。ブレイディ・プランはアルゼンチンの対外債務の額面金
額の約30億米ドル削減を達成した。
商業銀行への債務の96.0%超はブレイディ・プランに従い借換えられた。ブレイディ・プランは、遅延利息93億米
ドルを含めすでに残存していた285億米ドルの対商業銀行債務と交換に、元本維持債、元本削減債および変動利付債
券(「FRB」)の発行ならびに7億米ドルの現金支払いを規定していた。
アルゼンチンは、2001年の債務不履行まではブレイディ債の支払いを行っていた。その時点で残存していた米ドル
建ブレイディ債の約95.7%およびその時点で残存していたユーロ建ブレイディ債の81.3%が2005年債務交換で交換さ
れた。
2018年12月31日現在、2005年および2010年債務交換で申し込みがなされなかったまたは2016年以降の和解契約に基
づくブレイディ債およびFRBは約8,070万米ドル(約定利率で発生した金利は含むが罰則的利息を含まない。)残存し
ていた。
2001年の債務危機
2001年12月24日に、(ロドリゲス・サア大統領の暫定統治下にあった)政府は、アルゼンチン公債の大半につき支
払停止を宣言した。後継者であるデュアルデ大統領は、数日後に就任した時に債務支払の停止を承認した。2002年1
月6日に制定された国家緊急事態法(2019年12月31日まで延長された。)は、経済回復の条件を創出し、アルゼンチ
ン公債を再編するために必要な措置を講ずる権限を政府に与えた。
2002年2月6日、政府は、アルゼンチンの公債に関する支払を公式に停止し、財務省にこれら債務の再編を行う権
限を付与した。続いて政府は、債務支払停止の範囲をより明確化した様々な政策を発した。これらの措置により、政
府は次の債権者に対する債務の履行を継続している。
● 多国間公式貸付機関
● 国家保証ローンのペソ化に同意した債権者
● 政府の債務支払停止宣言以降に発行された新債券(Boden債など)の保有者
● 他の一定範囲の公債
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2005年債務交換
2005年1月14日、アルゼンチンは2001年に債務不履行に陥った152種の異なる種類の証券所有者に対し、その不履
行債務を2038年元本維持債、2045年準元本維持債、2033年元本削減債および2035年GDP連動証券と交換するよう勧誘
した。債務交換の参加適格を有する債券の総額(対象となる債券の元本、および2001年12月までに累積した未払いの
経過利息を含む。)はおよそ818億米ドルであった。2005年債務交換で申込まれた証券の交換対象総額は(いずれの
場合も期日到来済利息を併せて)約623億米ドルであり、対象証券の交換対象総額の76.2%に相当する。
交換に提出された証券と提出時期により、2005年債務交換に参加した対象証券の所有者はその保持していた証券と
引き換えに以下の異なった組み合わせの債券を受取る権利があった。:
● 2038年12月31日満期の2038年元本維持債
● 2033年12月31日満期の2033年元本削減債
● 2045年12月31日満期の2045年準元本維持債
● 2035年12月15日までに期日が到来するGDP連動証券の想定元本金額を伴う2035年GDP連動証券
ブレイディ債の保有者は元本総額約28億米ドルおよび2億3,500万ユーロのブレイディ債を交換に付し、その現在
価値をブレイディ債の元本担保の償還から現金で受取った。
2010年債務交換
2010年4月30日、アルゼンチンは、2005年債務交換において発行された証券および2001年に債務不履行に陥った
149種の異なる種類の証券の所有者に対し、当該証券を下記の新規証券、および場合により、現金支払いと交換する
よう勧誘(「4月の勧誘」)を開始した。
4月の勧誘、またはアルゼンチンが4月の勧誘と並行して日本において実施する募集のいずれかに参加した適格証
券の所有者は、その証券と引き換えに以下の異なった組み合わせの債券を受取る権利があった。
● 2033年12月満期で米ドル、ユーロ、日本円およびペソ建の2033年元本削減債(2010)
● 2038年12月満期で米ドル、ユーロ、日本円およびペソ建の2038年元本維持債(2010)
● 2017年満期で米ドル建の2017年グローバル債、および
● 2035年12月までに期日が到来し米ドル、ユーロ、日本円およびペソ建の2035年GDP連動証券(2010)
2010年12月に、アルゼンチンは、国内市場において4月の勧誘を再開した(「12月の勧誘」)。12月の勧誘は2010
年12月31日に締め切られた。
12月の勧誘に参加した適格証券の所有者は、その証券と引き換えに以下の異なった組み合わせの債券を受取る権利
があった。
● 米ドルおよびペソ建の2033年元本削減債(2010)
● 2017年グローバル債、および
● 米ドルおよびペソ建の2035年GDP連動証券(2010)
2010年債務交換に申し込まれた不履行証券の交換対象金額は総額約124億米ドルで、対象証券の交換対象総額の約
66.2%に相当した。
ブレイディ債の勧誘
2010年12月中、アルゼンチンは、ブレイディ債の所有者に対し、その所有するブレイディ債の、2033年元本削減債
(2010)、2017年グローバル債券、2035年GDP連動証券(2010)および現金支払いとの組合せによる交換を勧誘する
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「ブレイディ勧誘」を公表した。ブレイディ勧誘は、しかしながら、下級審が申し込みのあったブレイディ債を担保
する担保物件の手取り金を解放、清算および申し込み所有者に対して移転を認める決定を控訴審が支持することとい
う 要件が付されていた。2011年7月20日に控訴審は下級審の決定を破棄した。その結果、2011年8月にアルゼンチン
は何ら申し込みを受諾することなくブレイディ勧誘を中止した。ブレイディ勧誘に基づく申し込みはすべて、自動的
に拒絶されたものとみなされた。
(c) 債権同順位に基づく訴訟(パリパス訴訟)および和解案
2001年末のアルゼンチンの債務に関する不履行の後、債権者はアルゼンチンに対し、米国を含むいくつもの法域に
おいて膨大な数の訴訟を提起した。債権同順位に基づく訴訟および未交換債務に係る請求を和解で処理するためのア
ルゼンチンの提案を含む米国の訴訟に関する詳細は、「(7) その他-① 訴訟手続」を参照のこと。
(d) 間接債務
政府は、州およびその他の国営および民間団体の特定の債務に関する元利金支払につき保証を付している。これら
政府保証の一部は政府の資産または受取ることのできる租税により担保されている。
2018年12月31日現在、政府は、2017年12月31日現在の71億米ドルに対し総額98億米ドル(支払期日到来済元利金を
含む。)の第三者の債務(PPPプロジェクトに基づく債務を除く。)を保証しており、これらは以下の債務により構
成されている。
● 州による負債の14億米ドル(ブエノスアイレス市を含む。)で、その全額が発行者の資産により担保されて
いた;
● 政府以外の公共部門事業者(バンコ・デ・ラ・ナシオン・アルヘンティーナ(アルゼンチン国立銀行)な
ど)が負っていた負債9億960万米ドル;および
● 民間部門事業者の負債、740万米ドル。この負債は全くアルゼンチンの資産により担保されていなかった。
(e) 担保付または保証付債務
特定の政府債務は、受取租税および他の形式の担保を含む特定の資産に係る質権により担保されている。以下にこ
れら担保約定を記載する。
国家保証ローン : このペソ建て借入は金融取引税および配分租税(すなわち、租税配分法に基づき政府が州と分
配しなければならない租税)より生ずる歳入のうち、政府の帰属分に対する質権により担保される。2018年12月31日
現在、国家保証ローンの元本残高は約6億8,350万米ドルであった。
ブレイディ債: 元本維持および元本削減ブレイディ債の総元本金額は、米ドル建債券の場合はゼロ・クーポン米
国国債により、またユーロ建(当初はドイツ・マルク建債券であった。)の場合はドイツ復興金融公庫が発行したゼ
ロ・クーポン債券により担保される。これら債券を担保する担保物件は2023年のこれら債券の満期日までは引出すこ
とはできない。2018年12月31日現在、担保物件の価値は2億3,460万米ドルであった。ブレイディ債に対し支払われ
る利息の一部についても担保された。
スペイン債: 1993年にブレイディ債の債務再編の一環として政府はスペインの銀行に対し(30年物のブレイディ
債の代りに)2008年に満期を迎える無担保債券を発行した。この債券はスペイン政府により保証され、スペイン政府
は2001年におけるアルゼンチン政府による債務支払停止の後、その保証を履行した。2014年に、政府は、スペイン政
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府に対する債務である支払総額9,370万米ドルの全額につき和解し、返済スケジュールについて合意した。2018年12
月31日現在、スペイン政府に対する債務の残高は総額3,910万米ドルであった。
(f) 公債の変遷
2014年から2018年にかけて、アルゼンチンの総公的債務合計(未交換債務を含む。)は2014年12月31日現在の
2,393億米ドルから38.8%増加して2018年12月31日には3,322億米ドルとなった。これは主に、2014年から2017年にお
いては、発行高が償却支払額を上回ったこと、一定の未償還債券のインフレ調整および複利計算による利息、2018年
以降はIMFと締結したSBAに基づく融資の実行によるものであった。こうした要因は、ペソの名目価額が下落し、米ド
ル換算した場合のペソ建債務が減少したことにより、一部が相殺された。
外貨建債務は、2017年12月31日現在において2,206億米ドルで総公的債務合計の68.7%であったのに対し、2018年
12月31日現在は2,537億米ドルで総公的債務合計の76.4%であった。2017年12月31日に比べて2018年12月31日現在の
外貨建債務が金額ベースで増加したのは、主として、297億米ドルの多国間債務(IMFと締結したSBAに基づく融資の
実行を含む。)の負担、90億米ドルのBirads債の発行、30億米ドルの2024年満期Bonares債および40億米ドルの2025
年満期Bonaresの発行(両債券とも、 アルゼンチンが締結した一定の取引の一環として発行され、アルゼンチンは同
取引に基づき定められた金額を支払うことを条件に、かかるBonares債を消却できる権利を与えられている。)、な
らびに29億米ドルの再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付トレジャリー・ノートによるものであった。
売出しの対象となった未償還の2024年満期Bonares債および2025年満期Bonares債は2019年4月に消却された。「 (6)
公債-③ 最近の動向-2019年の外貨建債務」を参照のこと。
2014年から2015年まで、アルゼンチンでは国際資本市場へのアクセスが制限されており、かかる期間に発生した新
たな債務の大半はペソ建および米ドル建で発行した国内債務であった。さらに、この期間に政府が発行した国内債券
の大部分を他の公共部門事業体が保有した。2018年12月31日現在、アルゼンチンの公債全体の38.0%は公共部門事業
体が保有しており、同日現在、アルゼンチンの外貨建債務全体の31.7%を公共部門事業体が保有していた。
次の表は、記載の期間におけるアルゼンチンの総公的債務合計に関する情報を示している。
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総公的債務合計 (1)
(単位:百万米ドル)
12月31日現 在
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
ペソ建債務 (2)
77,876 73,819 87,068 100,274 78,427
支払継続
4 3 3 3 2
支払非継続延滞元本
107 81 90 92 67
未交換債務 (5)
77,987 73,903 87,161 100,368 78,496
ペソ建債務合計
総公的債務合計に占める
32.6% 30.7% 31.6% 31.3% 23.60%
比率
外貨建債務 (4)
143,763 148,780 179,806 217,677 250,854
支払継続
60 60 60 60 60
支払非継続(期日未到来) (3)
36 33 32 35 34
支払非継続延滞元本
9 8 8 9 8
支払非継続延滞利息
- - - - -
支払非継続債務の補償利息
17,472 17,881 8,378 2,785 2,739
未交換債務 (5)
161,339 166,762 188,285 220,566 253,696
外貨建債務合計
総公的債務合計に占める
67.4% 69.3% 68.4% 68.7% 76.4%
比率
総公的債務合計(延滞分を含
239,326 240,665 275,446 320,935 332,192
む。) (6)
(1,734) (1,891) (1,818) (1,853) (1,639)
担保および他の債権
担保および他の債権控除後の公
237,592 238,774 273,628 319,082 330,553
債合計(延滞分を含む。)
備忘項目:
総公的債務合計(延滞分を含
44.7% 52.6% 53.1% 56.6% 86.0%
む。)の対GDP比 (7)
総公的債務合計(延滞分を含
205.2% 241.0% 249.6% 287.7% 473.1%
む。)の対年間政府歳入比
8.55 13.01 15.85 18.77 37.81
為替レート (8)
4.38 5.04 6.84 8.38 12.34
CER(参照安定化)指数 (8)
(1) 債務の合計は各期間末現在の為替相場を使用して算出されている。
(2) 自国通貨建公債(公債、国家保証ローン、中央銀行からの一時前払金、トレジャリー・ノート、トレジャリー・ビル、商業銀行債
務、約束手形およびその他)を含む。当初は米ドルで発行されたがペソに転換された債務証書を含む。この証書の一覧については、
「-(b) 債務記録」を参照のこと。2014年以降、Bogar債は総公的債務合計に含まれない。
(3) 支払非継続債務の定義については、「本報告書の注記-注(1) 定義および一定の語法-定義」を参照のこと。
(4) 外貨建公債(多国間および二国間債務、公的債券、トレジャリー・ノート、トレジャリー・ビル、商業銀行債務その他)を含む。
(5) アルゼンチンが時効完成済みとみなした元本および/または利息に係る請求を含む。未交換債務に係る請求の和解に向けたアルゼ
ンチンの本和解案については、「(7) その他 - ① 訴訟手続」を参照のこと。
(6) 未交換債務、主要債務者からアルゼンチンに対して支払額を弁償する債務を示す担保およびその他の債権を含む。
(7) GDPの数値は名目値で表示されている、
(8) 各期間末に公債合計を算出するために使用された為替相場およびCER。
出所:INDECおよび財務省
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2014年に、アルゼンチンの総公的債務合計は7.1%増加して2,393億米ドル(名目GDPの44.7%)となった。総公的
債務合計の増加は主に以下による。
● 570億米ドル相当のペソ建債券の発行
● 369億米ドル相当の外貨建債券の発行
● 3,000億米ドル相当の複利計算による利息
こうした要素は、総額528億米ドルの元本支払い、債務を153億米ドル削減させた為替相場の変動、インフレ調整に
よる12億米ドルおよびBogar債に基づき2018年から2020年の間に期日が到来した債務を除く方法論上の調整の総額56
億米ドルにより部分的に相殺された。
2015年に、アルゼンチンの総公的債務合計は0.6%増加して2,407億米ドル(名目GDPの52.6%)となった。総公的
債務合計の増加は主に以下による。
● 618億米ドル相当のペソ建債券の発行
● 338億米ドル相当の外貨建債券の発行
こうした要素は、総額626億米ドルの元本支払い、債務を269億米ドル削減させた為替相場の変動および51億米ドル
のCERに連動した債務の調整により部分的に相殺された。
2016年に、アルゼンチンの総公的債務合計は14.5%増加して2,754億米ドル(名目GDPの53.1%)となった。総公的
債務合計の増加は主に以下による。
● 525億米ドル相当のペソ建債券の発行
● 448億米ドル相当の外貨建債券の発行
● 19億米ドル相当のCERに連動した債務の調整
こうした要素は、総額445億米ドルの元本支払いおよび債務を104億米ドル削減させた為替相場の変動により一部相
殺された。
2017年に、アルゼンチンの総公的債務合計は16.5%増加して3,209億米ドル(名目GDPの56.6%)となった。総公的
債務合計の増加は主に以下による。
● 694億米ドル相当のペソ建債券の発行
● 751億米ドル相当の外貨建債券の発行。そのうち120億米ドルは2024年満期Bonares債に相当し、同債券は一
定の取引の一環として発行され、アルゼンチンは同取引に基づき定められた金額を支払うことを条件に、か
かるBonares債を消却できる権利を与えられている。売出しの対象となった未償還の2024年満期Bonares債は
2019年4月に消却された。
こうした要素は、総額839億米ドルの元本支払いおよび債務を101億米ドル削減させた為替相場の変動により一部相
殺された。
2018年に、アルゼンチンの総公的債務合計は3.5%増加して3,322億米ドル(名目GDPの86.0%)となった。総公的
債務合計の増加は主に以下による。
● 625億米ドル相当のペソ建債券の発行
● 763億米ドル相当の外貨建債券の発行。そのうち70億米ドルは2024年満期Bonares債および2025年満期
Bonares債に相当し、同債券は一定の取引の一環として発行され、アルゼンチンは同取引に基づき定められ
た金額を支払うことを条件に、かかるBonares債を消却できる権利を与えられている。売出しの対象となっ
た未償還の2024年満期Bonares債および2025年満期Bonares債は2019年4月に消却された。
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上記の要因は、総額756億米ドルの元本支払い、468億米ドルの債務削減をもたらした為替相場の変動および74億米
ドルの債務削減をもたらしたCERによるインデクセーション調整により一部相殺された。
次の表は、国庫に資金を供給した2014年1月1日から2018年12月31日までのアルゼンチン公共機関と契約をしたア
ルゼンチン公債の発行に関する情報を示す。
公共部門内公債 (1)
(単位:百万米ドル)
12月31日に終了した年度
20 14 年 20 15 年 20 16 年 20 17 年 2018 年
一時前払金 (2)
8,544 33,130 21,617 26,969 17,395
ペソ 建債券 8,544 33,130 21,617 26,969 17,395
外貨建債券 - - - - -
トレジャリー・ノート 5,293 6,437 11,598 8,964 4,200
ペソ建債券 (3)
4,672 5,796 10,879 8,964 4,200
外貨建債券 (4)
621 641 718 - -
Bonares 債 3,437 2,527 945 1,615 2,120
ペソ建債券 (5)
2,537 1,070 945 1,585 -
外貨建債券 (6)
900 1,456 - 29 2,120
Boncers 債 - - 643 4,038 893
ペソ建債券 (7)
- - 643 4,038 893
外貨建債券 - - - - -
Bontes 債 - - - 5,648 102
ペソ建債券 (8)
- - - 5,648 102
外貨建債券 - - - - -
トレジャリー・ビル - - 12,054 655 -
ペソ建債券 (9)
- - - 115 -
外貨建債券 (10 )
- - 12,054 540 -
約束手形 - 1,140 1,028 1,125 -
ペソ建債券 (11 )
- 1,140 1,028 1,125 -
外貨建債券 - - - - -
Botapos 債 - - - 1,096 -
ペソ建債券 (12 )
- - - 1,096 -
外貨建債券 - - - - -
中央銀行 譲渡不能債券
10,940 10,640 376 - -
ペソ建債券 - - - - -
外貨建債券 (13 )
10,940 10,640 376 - -
BNA からの借入 2,307 3,506 - - -
ペソ建債券 (14 )
2,307 3,506 - - -
外貨建債券 - - - - -
Bonads 債 347 2,157 - - -
ペソ建債券 (15 )
347 2,157 - - -
外貨建債券 - - - - -
Bonacs 債 - 457 - - -
ペソ建債券 (16 )
- 457 - - -
- - - - -
外貨建債券
30,866 59,995 48,260 50,110 24,711
発行済アルゼンチン公債合計
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(1) 表中の数字は、表が示す各期間に国庫に新しい資金を供給したアルゼンチンの公共機関と契約をした資金の米ドルの額である。表
中で表示される各期間の合計額は、特定日現在のかかる資金について残高を示しているものではなく、2014年から2018年の各年の1
月 1日から12月31日までのそれぞれのかかる資金の米ドルでの合計額を示すものである。使用された為替レートは発行日現在のもの
である。
(2) 中央銀行からの調達資金
(3) 利率が0%から18.5%までの間で、2014年2月12日から2019年12月26日の間に満期が到来するトレジャリー・ノート
(4) 利率が0%から5%までの間で、2014年2月3日から2018年3月26日の間に満期が到来するトレジャリー・ノート
(5) 利率がBADLARプラス200ベーシス・ポイントからBADLARプラス325ベーシス・ポイントの間で、満期が2016年3月18日から2022年4
月3日の間に到来するBonares債
(6) 7%から9%の間の固定利付で、満期が2017年4月17日から2037年4月18日までの間に到来するBonares債
(7) 利率が2.25%から4.25%までの間で、2020年4月28日から2022年11月29日の間に満期が到来するBoncers債 (8) 利率がBADLARプラ
ス100ベーシス・ポイントで、満期が2019年8月8日から2020年11月22の間に到来するBontes債
(9) 利率が0%で、2018年3月16日に満期が到来するトレジャリー・ビル
(10) 利率が0%で、満期が 2018 年2月23日から2018年12月14日までの間に到来する トレジャリー・ビル
(11) 2016年3月3日、2016年3月20日および2018年3月20日に満期が到来する約束手形
(12) 利率が金融政策金利と等しい2020年6月21日に満期が到来するBotapos債
(13) 中央銀行に対し発行された譲渡不能債券を含む。これらの債券への適用利率は、LIBORマイナス1%と国際準備利回りのいずれか
低い方により、満期日は2016年1月3日から2026年4月29日の間である。
(14) これらの借り入れの金利は、BADLAR金利に100ベーシス・ポイントを加えた金利と同等の変動年率である。元金は、2013年、2014
年、2015年および2016年の1月の第5営業日、または履行される貸付枠実行の6か月後の月の第5営業日に始まり、その後は各月の
第5営業日に24ヵ月間連続の分割で償却された。
(15) 0.75%から2.50%の固定利付で、満期が2017年2月22日から2018年6月4までの間に到来するBonads債
(16) 変動利付(Lebacs債およびその他)で2016年3月31日および2016年9圧30日に満期が到来するBonacs債
出所:INDECおよび財務省
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金利の種類別公債
次の表は金利の種類別のアルゼンチンの総公的債務合計に関する情報を示す。
金利の種類別総公的債務合計 (1)
(単位:百万米ドル)
12月31日現在
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
190,021
固定金利 (2)
116,627 127,611 154,438 172,553
104,587
変動金利 89,627 85,427 85,659 94,644
7,030
BADLAR 21,378 18,574 15,078 16,175
17,128
LIBOR 9,668 9,910 11,641 14,443
48,687
LIBORマイナス1%(3) 53,847 48,388 48,687 48,687
759
IADBの変動利率 556 299 387 549
28,032
IMF - - - -
2,952
その他(4) 4,178 8,256 9,866 14,790
53,738 37,584
33,072
27,626 35,349
ゼロ金利 (5)
332,192
239,326
240,665 275,446 320,935
総公的債務合計
(1) 支払期日到来済元利金(未交換債務を含む。)を含む。未交換債務に係る債権の和解のためのアルゼンチンの本和解案について
は、「(7) その他 - ① 訴訟手続」を参照のこと。
(2) 元金がCERにより測定されるアルゼンチンでのインフレに対して調整される債券が含まれる。かかるCER連動型債券額(支払期日到
来済元利金を含む。)は、2018年12月31日現在217億米ドルであった。
(3) IMF 、民間の債券保有者、多国間機関および二国間の債権者への債務解約の補償として発行され、中央銀行に対し発行された譲渡
不能債券(中央銀行向けの2016、2020、2021、2022、2023、2024、2025および2026年債)。かかる債券の適用金利は、LIBORマイナ
ス1%および国際準備利回りのうちの低い方である。
(4) 貯蓄預金口座金利その他を含む。
(5) 中央銀行からの一時前払金、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付トレジャリー・ノート、トレジャリー・ノート、
約束手形およびディスカウント・レート・トレジャリー・ビルを含む。2014年12月31日現在の中央銀行からの一時前払金の残高は
294億米ドルであり、外貨建約束手形の残高は3億8,500万米ドルであった。2015年12月31日現在、中央銀行からの一時前払金に基づ
く残存総額は255億米ドルであり、トレジャリー・ノートの残高は8億900万米ドルおよび約束手形の残高は11億米ドルであった。
2016年12月31日現在、中央銀行からの一時前払金に基づく残存総額は241億米ドルであり、トレジャリー・ノートの残高は17億米ド
ルおよび約束手形の残高は12億米ドルであった。2017年12月31日現在、中央銀行からの一時前払金に基づく残存総額は252億米ドル
であり、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付トレジャリー・ノートの残高は45億米ドル、約束手形の残高は11億米ド
ル、トレジャリー・ノートの残高は5億5,080万米ドルであった。2018年12月31日現在、中央銀行からの一時前払金に基づく残存総
額は133億米ドルであり、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付トレジャリー・ノートの残高は74億米ドル、約束手形
の残高は11億米ドル、トレジャリー・ノートの残高は2億3,270万米ドルであった。2016年12月31日現在、トレジャリー・ビルの残
高は81億米ドルであった。2017年12月31日現在、トレジャリー・ビルの残高は198億米ドルであった。2018年12月31日現在、トレ
ジャリー・ビルの残高は142億米ドルであった。
出所:財務省
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金利の種類別総公的債務合計 (1)
(対 総公的債務合計 比(%))
12月31日現在
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
固定利率 (2)
48.7 53.0 56.1 53.8 57.2
変動利率 37.4 35.5 31.1 29.5 31.5
5.0
8.9 7.7 2.1
5.5
BADLAR
4.5
4.0 4.1 5.2
4.2
LIBOR
15.2
22.5 20.1 14.7
17.7
LIBORマイナス1%(3)
0.2
0.2 0.1 0.2
0.1
IADBの変動利率
-
- - 8.4
-
IMF
4.6
1.7 3.4 0.9
3.6
その他(4)
13.8 11.5 12.8 16.7 11.3
ゼロ金利 (5)
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
総公的債務合計
(1) 支払期日到来済元利金(未交換債務を含む。)を含む。未交換債務に係る債権の和解のためのアルゼンチンの本和解案について
は、「(7) その他 - ① 訴訟手続」を参照のこと。
(2) 元金がCERにより測定されるアルゼンチンでのインフレに対して調整される債券が含まれる。かかるCER連動型債券額(支払期日到
来済元利金を含む。)は、2018年12月31日現在217億米ドルであった。
(3) IMF 、民間の債券保有者、多国間機関および二国間の債権者への債務解約の補償として発行され、中央銀行に対し発行された譲渡
不能債券(中央銀行向けの2016、2020、2021、2022、2023、2024、2025および2026年債)。かかる債券の適用金利は、LIBORマイナ
ス1%および国際準備利回りのうちの低い方である。
(4) 貯蓄預金口座金利その他を含む。
(5) 中央銀行からの一時前払金、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付トレジャリー・ノート、トレジャリー・ノート、
約束手形およびディスカウント・レート・トレジャリー・ビルを含む。2014年12月31日現在の中央銀行からの一時前払金の残高は
294億米ドルであり、外貨建約束手形の残高は3億8,500万米ドルであった。2015年12月31日現在、中央銀行からの一時前払金に基づ
く残存総額は255億米ドルであり、トレジャリー・ノートの残高は8億900万米ドルおよび約束手形の残高は11億米ドルであった。
2016年12月31日現在、中央銀行からの一時前払金に基づく残存総額は241億米ドルであり、トレジャリー・ノートの残高は17億米ド
ルおよび約束手形の残高は12億米ドルであった。2017年12月31日現在、中央銀行からの一時前払金に基づく残存総額は252億米ドル
であり、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付トレジャリー・ノートの残高は45億米ドル、約束手形の残高は11億米ド
ル、トレジャリー・ノートの残高は5億5,080万米ドルであった。2018年12月31日現在、中央銀行からの一時前払金に基づく残存総
額は133億米ドルであり、再生可能エネルギー・プロジェクトのための保証付トレジャリー・ノートの残高は74億米ドル、約束手形
の残高は11億米ドル、トレジャリー・ノートの残高は2億3,270万米ドルであった。2018年12月31日現在、トレジャリー・ビルの残
高は142億米ドルであった。2017年12月31日現在、トレジャリー・ビルの残高は198億米ドルであった。2016年12月31日現在、トレ
ジャリー・ビルの残高は81億米ドルであった。
出所:INDECおよび財務省
2018年12月31日現在、金利の種類別の公債構成(未交換債務を除く。)には以下を含む。
● 2045年準元本維持債、2033年元本削減債、Boncers債、Bontes債、トレジャリー・ビル、Bonaresデュアル
債、Bogato債、Bonares債、国家保証ローン、2038年元本維持債およびBocones債などのペソ建固定金利債券
● Birads債、Bonares債、2033年元本削減債、2038年元本維持債、Biraes債、Biraf債その他、二国間債務、多
国間債務およびトレジャリー・ノートのような固定金利外貨建債券
● 中央銀行からの一時前払金、トレジャリー・ビル、トレジャリー・ノートおよび約束手形のようなゼロ金利
ペソ建債券
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● 約束手形、再生可能エネルギー・プロジェクトのためのトレジャリー・ノートおよび多国間債務のようなゼ
ロ金利外貨建債券
● トレジャリー・ノート、Botapo債、Bonares Pesos債その他、約束手形、Bocones債、アルゼンチン国立銀行
からの借入、およびBADLAR、普通預金、Lebacs債または定期預金の金利で発行された全ての債券のような変
動金利ペソ建債券
● LIBOR金利商品、多国間組織(IMFを含む。)からの借入および二国間債務、中央銀行に発行された譲渡不能
債券(民間債権者、多国間組織および二国間債権者に対する債務解約のために使用された前払金の補償とし
て発行された中央銀行向けの2021、2022、2023、2024および2025年債)、IMFにおけるアルゼンチンの出資割
当額引上げのために中央銀行に対して発行された譲渡不能債券、二国間債務の一部およびIADB金利借入のよ
うな変動金利外貨建債券
満期プロフィール
債務満期プロフィール上、アルゼンチンはその債務を3つに分類した:短期債務、中長期債務および延滞債務・未
交換債務である。延滞元利金ですでに満期となったものは、短期あるいは中長期債務額には含まれていないが、債務
残高合計には含まれている。また、補償利息および不履行利息ならびに未交換債務も債務残高合計に含まれている。
次の表は、表示日現在のアルゼンチンの期間別公債合計を示す。
期間別総公的債務合計
(単位:百万米ドル)
12月31日現在
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
短期 (1)
22,160 18,808 37,049 39,537 38,733
中期および長期 (2)
290,609
199,539 203,852 229,887 278,474
延滞債務:
元本 40 36 35 38 36
利息 9 8 8 9 8
- - - - -
補償利息 (3)
49 44 43 47 44
延滞債務合計
17,578 17,962 8,468 2,877 2,805
未交換債務 (4)
239,326 240,665 275,446 320,935 332,192
総公的債務合計 (5)
(1) 当初の満期が1年以下の債務
(2) 当初の満期が1年超の債務
(3) 補償利息は約定利率に基づき評価されている。
(4) アルゼンチンが時効完成済みとみなした元本および/または利息に係る請求を含む。
(5) かかる合計には未交換債務を含む。未交換債務に係る請求の和解に向けたアルゼンチンの本和解案については、「(7) その他 - ①
訴訟手続」を参照のこと。
出所:財務省
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期間別総公的債務合計
(対 総公的債務合計 比 ( %))
12月31日現在
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
短期 (1)
9.3 7.8 13.5 12.3 11.7
中期および長期 (2)
87.5
83.4 84.7 83.5 86.8
- - - - -
延滞債務:
- - - - -
元本
- - - - -
利息
- - - - -
補償利息 (3)
- - - - -
延滞債務合計
7.3 7.5 3.1 0.9 0.8
未交換債務 (4)
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
総公的債務合計 (5)
(1) 当初の満期が1年以下の債務。
(2) 当初の満期が1年超の債務。2024年満期Bonares債および2025年満期Bonares債は2017年および2018年に一定の取引の一環として発
行され、アルゼンチンは同取引に基づき定められた金額を支払うことを条件に、かかるBonares債を消却できる権利を与えられてい
る。売出しの対象となった未償還の2024年満期Bonares債および2025年満期Bonares債は2019年4月に消却された。「(6) 公債-③
最近の動向-2019年の外貨建債務」を参照のこと。
(3) 補償利息は約定利率に基づき評価されている。
(4) アルゼンチンが時効完成済みとみなした元本および/または利息に係る請求を含む。
(5) かかる合計には未交換債務を含む。未交換債務に係る請求の和解に向けたアルゼンチンの本和解案については、「(7) その他-①
訴訟手続」を参照のこと。
出所:財務省
アルゼンチンの短期債務が総公的債務合計に占める割合は、2014年12月31日現在の9.3%から2018年12月31日現在
には11.7%にまで増加した。この増加は主に、2018年における総額201億米ドルのトレジャリー・ビルの発行、総額
108億米ドルの中央銀行からの一時前払金、総額42億米ドルのBonarデュアル債および総額26億米ドルのトレジャ
リー・ノートの発行によるものであった。
2018年中、アルゼンチンの短期債務は、2017年の395億米ドルから387億米ドルへと2.0%減少した。この減少は主
に、トレジャリー・ノートが2017年の98億米ドルから2018年には26億米ドルへ減少し、中央銀行からの一時前払金が
2017年の150億米ドルから2018年には108億米ドルに減少したことによる。
アルゼンチンの中期および長期債務は、相対的には総公的債務合計に占める割合で2014年12月31日現在の90.7%か
ら2018年12月31日現在の88.3%に減少し、金額ベースでは、2014年12月31日現在の2,172億米ドルから2018年12月31
日現在では763億米ドル増加して2,935億米ドルとなった。この増加は主に、IMFとの間で締結したSBAに基づく融資の
実行、償却支払分を上回る発行高、一定の未償還債券のインフレ調整および複利計算による利息によるものであっ
た。これらの影響は、米ドル表示するとペソ建債務を削減させるペソの名目上の下落により一部相殺された。
債権者および期間別総公的債務合計分布
以下の表は債権者別のアルゼンチンの支払継続債務および支払非継続債務(未交換債務を含む。)に関する情報を
示す。
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債権者別支払継続・支払非継続総公的債務合計
(単位:百万米ドル)
12 月31日現在
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
支払継続債務 :
中期および長期債務:
公式債務:
多国間債務:
IMF
- - - - 28,032
米州開発銀行 12,332
11,341 11,207 11,422 11,778
世界銀行 6,879
6,007 5,852 6,048 6,328
アンデス山脈開発会社 3,467
2,419 2,590 2,641 3,039
ラプラタ河流域開発基金 167
53 82 81 115
欧州投資銀行 71
5 - - -
国際農業開発基金 45
32 38 39 45
中米経済統合銀行 3
- - - 3
41
OPEC国際開発基金
- - - 20
多国間債務総額
51,037
19,857 19,768 20,230 21,327
パリクラブ 3,596
8,124 7,272 5,859 5,296
3,316
二国間債務
901 1,911 1,986 2,984
二国間債務合計 6,912
9,026 9,183 7,845 8,280
公式債務総額 57,950
28,883 28,952 28,075 29,607
債券:
ペソ建債券 43,400
34,332 34,512 43,798 56,592
171,851
外貨建債券
111,711 117,952 140,902 165,334
債券総額
215,252
146,043 152,463 184,700 221,926
トレジャリー・ビル (1) :
ペソ建債券 3,189
- - - -
717
外貨建債券 - - - 6,068
トレジャリー・ビル総額
3,906
- - - 6,068
中央銀行からの一時前払金 2,478
11,547 9,746 9,347 10,182
トレジャリー・ノート (2) :
ペソ建債券 233
3,694 5,445 2,455 -
-
外貨建債券
734 59 - 522
トレジャリー・ノート総額
233
4,427 5,504 2,455 522
商業銀行 1,194
3,123 3,126 1,069 2,434
国家保証ローン 684
2,877 2,076 1,845 1,139
Bogars債 -
- - - -
保証債務:
約束手形 504
1,483 998 898 797
保証(Avales) 931
1,095 927 1,438 1,239
7,417
保証付トレジャリー・ノート
- - - 4,499
保証債務総額 8.852
2,578 1,925 2,336 6,535
中期および長期債務総額 290,548
199,478 203,791 229,826 278,414
短期債務:
債券 (3) :
ペソ建債券 4,208
- - - -
-
外貨建債券
- - - -
債券総額
4,208
- - - -
トレジャリー・ビル (4) :
ペソ建債券 8,010
- - 5,678 2,906
12,056
外貨建債券
- - 8,595 11,823
トレジャリー・ビル総額
20,066
- - 14,273 13,729
トレジャリー・ノート (5)
ペソ建債券 2,629
3,351 1,545 6,023 9,515
外貨建債券 -
954 641 950 257
トレジャリー・ノート総額 2,629
4,305 2,183 6,973 9,772
中央銀行からの一時前払金 10,819
17,855 15,771 14,768 14,972
1,013
約束手形 - 854 1,305 1,065
短期債務総額 22,160 18,808 37,049 39,537 38,733
支払継続債務合計 221,639 222,599 266,875 317,951 329,282
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支払非継続債務 (6) :
支払非継続債務(期日未到来):
中期および長期債務:
二国間債務 (7)
-
- - - -
納入業者 -
- - - -
60
商業銀行 60 60 60 60
支払非継続債務(期日未到
来)
合計 60 60 60 60 60
支払非継続延滞元利金:
パリクラブ -
- - - -
その他二国間債務 -
- - - -
商業銀行 34
38 34 32 36
納入業者 10
11 10 11 11
-
補償利息 - - - -
支払非継続延滞元利金合計 49 44 43 47 44
支払非継続債務合計 109 104 103 107 105
未交換債務 (8)
2,805
17,578 17,962 8,468 2,877
総公的債務合計(延滞金を含む。) (9) 239,326 240,665 275,446 320,935 332,192
(1) Letes、 Lecaps 、LecerおよびLelinkなどの公開入札または私募により発行される中・長期の譲渡可能証券を含む 。
(2 ) 公的部門事業体または一定の民間事業体(とりわけ、Compañía Administradora del Mercado Mayorista Electrico S.A.
(「COMMESA」)およびChina Machinery Engineering Argentina S.A.(「CMEA」)により保有されている中・長期の譲渡不能証券
を含む。
(3) 2017 年および2018年に一定の取引の一環として発行された2024年満期Bonares債および2025年Bonares債を含む。アルゼンチンは同
取引に基づき定められた金額を支払うことを条件に、かかるBonares債を消却できる権利を与えられている。売出しの対象となった
未償還の2024年満期Bonares債および2025年満期Bonares債は2019年4月に消却された。「(6) 公債-③ 最近の動向-2019年の外貨
建債務」を参照のこと。
(4) Letes、 Lecaps 、LecerおよびLelinkなどの公開入札または私募により発行される短期の譲渡可能証券を含む 。
(5 ) 公的部門事業体または一定の民間事業体(とりわけ、COMMESAおよびCMEA)により保有されている短期の譲渡不能証券を含む。
(6) 支払非継続債務については、「本報告書の注記-注(1) 定義および一定の語法-定義」を参照のこと。
(7) 二国間債務とは、主権国家政府との間の債務である。
(8) アルゼンチンが時効完成済みとみなした元本および/または利息に係る請求を含む。
(9) かかる合計には未交換債務を含む。未交換債務に係る請求の和解に向けたアルゼンチンの本和解案については、「(7) その他-①
訴訟手続」を参照のこと。
出所:財務省
債権者別支払継続・支払非継続総公的債務合計
(対 総公的債務 合計比(%))
12 月31日現在
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
支払継続債務 :
中期および長期債務:
公式債務:
多国間債務:
IMF - - - - 8.4
米州開発銀行 4.7 4.7 4.1 3.7 3.7
世界銀行 2.5 2.4 2.2 2.0 2.1
アンデス山脈開発会社 1.0 1.1 1.0 0.9 1.0
-
ラプラタ河流域開発基金 - - - 0.1
-
欧州投資銀行 - - - -
-
国際農業開発基金 - - - -
-
中米経済統合銀行 - - - -
-
- - - -
OPEC国際開発基金
多国間債務総額
8.3 8.2 7.3 6.6 15.4
パリクラブ 3.4 3.0 2.1 1.7 1.1
0.4 0.8 0.7 0.9 1.0
二国間債務
二国間債務合計 3.8 3.8 2.8 2.6 2.1
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公式債務総額 12.1 12.0 10.2 9.2 17.4
債券:
ペソ建債券 14.3 14.3 15.9 17.6 13.1
46.7 49.0 51.2 51.5 51.7
外貨建債券
債券総額
61.0 63.4 67.1 69.1 64.8
トレジャリー・ビル:
ペソ建債券 - - - - 1.0
- - - 1.9 0.2
外貨建債券
トレジャリー・ビル総額
- - - 1.9 1.2
中央銀行からの一時前払金 4.8 4.0 3.4 3.2 0.7
トレジャリー・ノート
ペソ建債券 1.5 2.3 0.9 - 0.1
0.3 - - 0.2 -
外貨建債券
トレジャリー・ノート総額
1.8 2.3 0.9 0.2 0.1
商業銀行 1.3 1.3 0.4 0.8 0.4
国家保証ローン 1.2 0.9 0.7 0.4 0.2
Bogars債 - - - - -
保証債務:
約束手形 0.6 0.4 0.3 0.2 0.2
保証(Avales) 0.5 0.4 0.5 0.4 0.3
- - - 1.4 2.2
保証付トレジャリー・ノート
保証債務総額 1.1 0.8 0.8 2.0 2.7
中期および長期債務総額 83.4 84.7 83.4 86.8 87.5
短期債務:
債券:
ペソ建債券 - - - - 1.3
- - - - -
外貨建債券
債券総額
- - - - 1.3
トレジャリー・ビル:
ペソ建債券 - - 2.1 0.9 2.4
- - 3.1 3.4 3.6
外貨建債券
トレジャリー・ビル総額
- - 5.2 4.3 6.0
トレジャリー・ノート
ペソ建債券 1.4 0.6 2.2 3.0 0.8
0.4 0.3 0.3 0.1 -
外貨建債券
トレジャリー・ノート総額
1.8 0.9 2.5 3.0 0.8
中央銀行からの一時前払金 7.5 6.6 5.4 4.7 3.3
- 0.4 0.4 0.3 0.3
約束手形
短期債務総額 9.3 7.8 13.5 12.3 11.7
支払継続債務合計 92.6 92.5 96.9 99.1 99.1
支払非継続債務 (1) :
支払非継続債務(期日未到来):
中期および長期債務:
二国間債務 (2)
- - - - -
納入業者 - - - - -
0.03 0.03 0.02 0.02 0.02
商業銀行
支払非継続債務(期日未到
来)
0.03 0.03 0.02 0.02 0.02
合計
支払非継続延滞元利金:
パリクラブ - - - - -
その他二国間債務 - - - - -
商業銀行 0.02 0.01 0.01 0.01 0.01
納入業者 - - - - -
- - - - -
補償利息
支払非継続延滞元利金合計 0.02 0.02 0.02 0.01 0.01
支払非継続債務合計 0.05 0.04 0.04 0.03 0.03
未交換債務 (3)
7.3 7.5 3.1 0.9 0.8
総公的債務合計(延滞金を含む。) (4)
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
(1) 支払非継続債務については、「本報告書の注記-注(1) 定義および一定の語法-定義」を参照のこと。
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(2) 二国間債務とは、主権国家政府との間の債務である。
(3) アルゼンチンが時効完成済みとみなした元本および/または利息に係る請求を含む。
(4) かかる合計には未交換債務を含む。未交換債務に係る請求の和解に向けたアルゼンチンの本和解案については、「(7) その他-①
訴訟手続」を参照のこと。
出所:財務省
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支払継続債務
中期・長期債務
支払継続債務の合計に対する中期および長期債務の割合は、相対的には、2014年12月31日現在の90.0%から2018年
12月31日には88.2%に減少したが、金額では、2014年12月31日現在の1,995億米ドルから2018年12月31日現在では
2,905億米ドルと911億米ドル増加した。これは新債券、保証付トレジャリー・ノートおよびトレジャリー・ビルの発
行、IMFとの間で締結したSBAに基づく融資の実行および一定の未償還債券のインフレ調整によるものである。この増
加は、為替相場の変動(ユーロの名目値の下落による米ドル表示の際のユーロ建債券金額の減少およびペソの名目値
の下落による米ドル表示の際のペソ建債券金額の減少)により一部相殺された。
短期債務
支払継続債務の合計に対する短期債務の割合は、相対的には、2014年12月31日現在の10.0%から2018年12月31日現
在では11.8%に増加し、金額では、2014年12月31日現在の222億米ドルから2018年12月31日現在では387億米ドルと
166億米ドル増加した。これは主として、トレジャリー・ビル、トレジャリー・ノートおよび発行済約束手形の金額
が増加したことによる。この増加は中央銀行からの一時前払金の減少により一部相殺された。
2018年における債権者別の総支払継続公的債務合計における変動
アルゼンチンの総公的債務合計に対する多国間債務の割合は、相対的にみて、2017年12月31日現在の6.6%から
2018年12月31日現在には15.4%に上昇し、金額では、2017年12月31日現在の213億米ドルから2018年12月31日現在に
は510億米ドルへと297億米ドル増加した。この増加は主として、IMFと締結したSBAに基づく融資の実行によるもので
あった。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する二国間債務の割合は、相対的にみて、2017年12月31日現在の2.6%から
2018年12月31日現在には2.1%に低下したが、金額では、2017年12月31日現在の83億米ドルから2018年12月31日現在
には69億米ドルへと140万米ドル減少した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する債券による債務の割合は、相対的にみて2017年12月31日現在の69.1%から
2018年12月31日現在には64.8%に低下し、金額では、2017年12月31日現在の2,219億米ドルから2018年12月31日現在
には2,153億米ドルへと67億米ドル減少した。この減少は主に、償却支払および為替相場の変動(米ドル表示の際の
ペソ建債務を減少させたペソの下落)よるものであったが、CER調整および複利計算による利息が要因となって一部
相殺された。
2017年において、政府は中期および長期のトレジャリー・ビルの発行を開始した。アルゼンチンの総公的債務合計
に対する中期および長期のトレジャリー・ビルの割合は、相対的にみて、2017年12月31日現在の1.9%から2018年12
月31日現在には1.2%に低下し、金額では、2017年12月31日現在の61億米ドルから2018年12月31日現在には39億米ド
ルへと22億米ドル減少した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する中期および長期の中央銀行からの一時前払金の割合は、相対的にみて、
2017年12月31日現在の3.2%から2018年12月31日現在には0.7%に低下し、金額では、2017年12月31日現在の102億米
ドルから2018年12月31日現在には25億米ドルへと77億米ドル減少した。
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アルゼンチンの総公的債務合計に対する中期および長期のトレジャリー・ノートの割合は、相対的にみて、2017年
12月31日現在の0.2%から2018年12月31日現在には0.1%に低下し、金額では、2017年12月31日現在の5億2,200万米
ドルから2018年12月31日現在には2億3,300万米ドルへと2億8,980万米ドル減少した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する商業銀行への債務の割合は、相対的にみて、2017年12月31日現在の0.8%
から2018年12月31日現在には0.4%に低下し、金額では、2017年12月31日現在の24億米ドルから2018年12月31日現在
には12億米ドルへと12億米ドル減少した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する国家保証ローンの割合は、相対的にみて、2017年12月31日現在の0.4%か
ら2018年12月31日現在には0.2%に低下し、金額では、2017年12月31日現在の11億米ドルから2018年12月31日現在に
は6,835億米ドルへと4億5,580万米ドル減少した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する保証債務の割合は、相対的にみて、2017年12月31日現在の2.0%から2018
年12月31日現在には2.7%に増加し、金額では、2017年12月31日現在の65億米ドルから2018年12月31日現在には89億
米ドルへと23億米ドル増加したが、これは主に保証付トレジャリー・ノートの発行の増加によるものであった。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する短期の債券の割合は、相対的にみて、2018年12月31日現在で1.3%、金額
では、2018年12月31日現在で42億米ドルであった。アルゼンチンの総公的債務合計に対する短期トレジャリー・ビル
の割合は、相対的にみて、2017年12月31日現在の4.3%から2018年12月31日現在には6.0%に増加し、金額では、2017
年12月31日現在の137億米ドルから2018年12月31日現在には201億米ドルへと63億米ドル増加した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する短期トレジャリー・ノートの割合は、相対的にみて、2017年12月31日現在
の3.0%から2018年12月31日現在には0.8%に低下し、金額では、2017年12月31日現在の98億米ドルから2018年12月31
日現在には26億米ドルへと71億米ドル減少した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する短期の中央銀行からの一時前払金の割合は、相対的にみて、2017年12月31
日現在の4.7%から2018年12月31日現在には3.3%に低下し、金額では、2017年12月31日現在の150億米ドルから2018
年12月31日現在には108億米ドルへと42億米ドル減少した。
アルゼンチンの総公的債務合計に対する短期債務の割合は、相対的にみて、2017年12月31日現在の12.3%から2018
年12月31日現在には11.7%に低下し、金額では、2017年12月31日現在の395億米ドルから2018年12月31日現在には387
億米ドルへと8億370万米ドル減少した。
支払非継続債務(未交換債務を除く。)
支払非継続債務(未交換債務を除く。)は、金額ベースで、2014年12月31日現在の1億900万米ドルから2018年12
月31日現在では1億500万米ドルと430万米ドル減少した。
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② 債務内容および債務再編
(a) 外貨建債務
次の表は、表示日現在の、支払期日到来済元利金ならびに補償利息および不履行利息を含む、アルゼンチンの外貨
建債務総額に関する情報を示す。
債券別外貨建公債 (1)
(単位:百万米ドル)
12月31日現在
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
支払継続債務 143,763 148,780 179,806 217,677 250,854
19,857 19,768 20,230 21,327 51,037
多国間債務
中央銀行向け2016、2020、2021、
2022、2023、2024、2025、2026年 53,847 48,388 48,687 48,687 48,687
債への譲渡不能債券
Birad債 - - 19,250 29,000 38,000
Bonar債 12,614 28,188 29,442 25,358 24,104
2033年元本削減債 14,970 14,585 14,483 15,008 14,834
トレジャリー・ビル - - 8,595 16,891 12,773
2038年元本維持債 12,790 12,167 11,975 12,719 12,441
2024年Bonar債 3,911 7,230 7,448 19,695 15,426
うち、合意に基づくBonar24債 - - - 11,973 7,705
保証付トレジャリー・ノート - - - 4,449 7,417
二国間債務 9,026 9,183 7,845 8,280 6,912
Birae債 - - 2,632 6,298 6,004
2033年元本削減債(2010) 4,733 4,404 4,316 4,708 4,559
2025年Bonar債 - - - 1,536 5,555
うち、合意に基づくBonar25債 - - - - 4,019
2038年元本維持債(2010) 1,915 1,737 1,690 1,901 1,821
Biraf債 - - - 411 406
約束手形 385 249 123 84 48
Bontes債 - - - 4 4
Bocones債 3 3 3 3 3
商業銀行 1 1 1 1 1
トレジャリー・ノート 1,687 699 950 257 -
2017年グローバル債券 966 966 966 - -
Baade債 249 272 - - -
Boden債 5,700 - - - -
その他 1,107 939 1,172 1,011 821
支払非継続債務 105 101 100 105 103
支払非継続債務(期日未到来) 60 60 60 60 60
支払非継続延滞債務 44 41 40 44 42
補償利息 - - - - -
17,472 17,881 8,378 2,785 2,739
未交換債務 (3)
161,339 166,762 188,285 220,566 253,696
外貨建債務合計
(1) 支払継続および支払非継続債務(未交換債務を含む。)を含む。未交換債務に係る請求の和解に向けたアルゼンチンの本和解案に
ついては、「(7) その他 - ① 訴訟手続」を参照のこと。
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(2) アルゼンチンが時効完成済みとみなした元本および/または利息に係る請求を含む。
(3) アルゼンチンが締結した一定の合意の裏付けとして発行された2024年満期Bonares債に相当し、アルゼンチンは、同合意に基づき
定められた金額を支払うことを条件に、かかるBonares債を消却できる権利を与えられている。かかる2024年満期Bonares債は2019年
8月に消却された。「(6) 公債-③ 最近の動向-2019年の外貨建債務」を参照のこと。
(4) アルゼンチンが締結した一定の合意の裏付けとして発行された2025年満期Bonares債に相当し、アルゼンチンは、同合意に基づき
定められた金額を支払うことを条件に、かかるBonares債を消却できる権利を与えられている。かかる2025年満期Bonares債は2019年
8月に消却された。 「(6) 公債-③ 最近の動向-2019年の外貨建債務」 を参照のこと。出所:財務省
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総外貨建公債 (1)
( 単位:百万米ドル、%は除く)
12月31日現在
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
外貨建債務(百万米ドル)
161,339 166,762 188,285 220,566 253,696
対GDP比(%) 28.6 26.0 33.8 34.3 48.8
対政府歳入比(%) 131.4 119.0 159.1 174.5 268.5
対輸出比(%) 197.1 238.2 263.8 300.5 334.8
対外貨準備比(%) 513.1 652.4 479.0 400.6 385.5
対総公的債務合計比(%) 67.4% 69.3% 68.4% 68.7% 76.4%
(1) 支払継続および支払非継続債務(未交換債務を含む。)を含む。 未交換債務に係る請求の和解に向けたアルゼンチンの本和解案に
ついては、「(7) その他 - ① 訴訟手続」を参照のこと。
出所:INDECおよび財務省
2018年の外貨建債務
2018年、アルゼンチンは、元本総額193億米ドルの外貨建債務を発行した。これらは、2023年、2028年および2048
年に満期が到来する元本総額90億米ドルの米ドル建債券、2019年および2020年に満期が到来する元本総額36億米ドル
のBonarデュアル債、元本総額21億米ドルの2020年満期Bonares債ならびに元本総額2億5,060万米ドルのChina
Machinery Engineering Argentina Sociedad An ó nimaにより引き受けられたトレジャリー・ノートで構成されてい
た。さらに、2018年にそれぞれ元本総額3億870万米ドルおよび40億米ドルの2024年満期および2025年満期のBonares
債が、総額34億米ドルについて2018年3月28日、4月19日、12月20日および12月27日にアルゼンチンにより締結され
た一定の取引の一環として発行され、アルゼンチンは同取引に基づき定められた金額を支払うことを条件に、かかる
Bonares債を消却できる権利を与えられている。売出しの対象となった未償還の2024年満期Bonares債および2025年満
期Bonares債は2019年4月に消却された。「(6) 公債-③ 最近の動向-2019年の外貨建債務」を参照のこと。
次の表は、表示日現在のアルゼンチンの通貨別総外貨建債務に関する情報を示す。
通貨別総外貨建公債 (1)
(単位:百万米ドル)
12月31日現在
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
米ドル
134,782 142,841 163,423 193,592 201,060
ユーロ 23,909 21,422 22,752 24,697 22,770
日本円 2,043 1,937 1,651 1,463 1,128
特別引出権 26 24 20 19 28,048
その他 (2) 580 537 439 796 690
外貨建債務合計
161,339 166,762 188,285 220,566 253,696
(1) 未交換債務を含む。未交換債務に係る請求の和解に向けたアルゼンチンの本和解案については、「(7) その他 - ① 訴訟手続」を
参照のこと。
(2) 数値は、デンマーク・クローネ、スウェーデン・クローナ、スイス・フランカナダ・ドル、豪ドルおよびクウェート・ディナール
を含む。
出所:財務省
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2018年12月31日現在、アルゼンチンの総外貨建公的債務合計は以下の通貨建てであった。
● 米ドル建79.3%
● ユーロ建9.0%
● 日本円建0.4%
● その他の通貨建11.3%(特別引出権を含む。)
支払継続外貨建債務支払
2014年、アルゼンチンの支払継続外貨建債務に対する支払利息は35億米ドル(2014年の対名目GDP比0.6%)であっ
た。2015年、アルゼンチンの支払継続外貨建債務に対する支払利息は58億米ドル(2015年の対名目GDP比0.9%)であっ
た。2016年、アルゼンチンの支払継続外貨建債務に対する支払利息は65億米ドル(2016年の対名目GDP比1.2%)であっ
た(未交換債務に関してアルゼンチンに対して訴訟を起こした債権者との和解のために発行された債務に対して支払
われた利息を含む。「(7) その他-① 訴訟手続」を参照のこと。)。2017年、アルゼンチンの支払継続外貨建債務
に対する支払利息は84億米ドル(2017年の対名目GDP比1.3%)であった。2017年のアルゼンチンの支払継続外貨建債務
に対する支払い利息の増加は主に、2017年中の新規発行(Birads債、Biraes債、Birafs債、トレジャリー・ビル、
2024年満期Bonares債、2025年満期Bonares債、2037年満期Bonares債および2018年満期Bonares債)を含む未償還債務
の増加によるものであった。2018年、アルゼンチンの支払継続外貨建債務に対する支払利息は96億米ドル(2018年の
対名目GDP比1.8%)であった。
以下の表は、2018年12月31日現在の下記の期間中の支払継続外貨建債務に対するアルゼンチンの予定債務支払義務
に関する情報を示す。
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債権者別支払継続外貨建公債支払予定 (1)(2)
(単位:百万米ドル)
2019 年 2020 年 2021 年 2022 年
元本 利息 元本 利息 元本 利息 元本 利息
多国間債務 :
米州開発銀行 866 417 849 388 827 355 757 326
世界銀行 510 229 445 217 384 204 280 194
アンデス山脈開発会社 370 153 456 138 466 120 451 100
国際農業開発基金 6 1 6 1 6 1 6 -
ラプラタ河流域開発基金 17 8 12 8 21 7 20 6
中米経済統合銀行 - - - - - - - -
OPEC国際開発基金 3 2 3 2 3 2 3 2
欧州投資銀行 - 2 - 2 10 2 10 2
IMF - 919 - 954 3,680 992 14,016 799
多国間債務合計 1,771 1,730 1,770 1,710 5,396 1,683 15,544 1,429
二国間債務(パリクラブを除
271 188 299 174 311 156 289 137
く)
パリクラブ 3,596 220 - - - - - -
二国間債務合計 3,866 408 299 174 311 156 289 137
公的債務合計 5,638 2,138 2,070 1,884 5,708 1,838 15,832 1,566
債券 : 13,148 8,184 11,309 7,655 15,412 6,828 18,221 6,363
うち、合意に基づくBonar24
5,218 239 2,487 109 - - - -
債 (3)
うち、合意に基づくBonar25
1,958 175 2,061 59 - - - -
債 (4)
トレジャリー・ビル 12,773 - - - - - - -
商業銀行 0.1 - 0.1 - 0.2 - 0.2 -
保証債務
約束手形 30 - 17 - 1 - - -
保証(Avales) 191 56 197 41 217 26 175 9
保証付トレジャリー・ノー
49 - 244 - 359 - 365 -
ト
保証債務合計 270 56 458 41 578 26 540 9
支払継続外貨建債務支払合
31,828 10,378 13,836 9,580 21,697 8,692 34,594 7,939
計
2023 年 2024 年 2025 年 2026 年
元本 利息 元本 利息 元本 利息 元本 利息
多国間債務 :
米州開発銀行 755 300 797 274 755 247 730 221
世界銀行 250 185 264 177 265 167 289 158
アンデス山脈開発会社 378 81 363 63 310 46 185 32
国際農業開発基金 5 - 5 - 3 - 3 -
ラプラタ河流域開発基金 20 5 20 4 19 3 10 2
中米経済統合銀行 0.3 0.2 0.3 0.2 0.3 0.1 0.3 0.1
OPEC国際開発基金 3 1 3 1 3 1 3 1
欧州投資銀行 10 2 10 1 10 1 10 1
IMF 10,336 270 - 5 - - - -
多国間債務合計 11,756 844 1,462 526 1,366 465 1,230 414
二国間債務(パリクラブを除
291 120 290 103 289 85 280 67
く)
パリクラブ - - - - - - - -
二国間債務合計 291 120 290 103 289 85 280 67
公的債務合計 12,048 964 1,752 629 1,655 549 1,510 481
債券 : 14,806 5,608 14,675 5,251 17,535 4,878 8,816 4,037
うち、合意に基づくBonar24債
- - - - - - - -
(3)
うち、合意に基づくBonar25債
- - - - - - - -
(4)
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有価証券報告書
トレジャリー・ビル - - - - - - - -
商業銀行 - - - - - - - -
保証債務
約束手形 - - - - - - - -
保証(Avales) 32 2 1 - 1 - - -
保証付トレジャリー・ノー
371 - 371 - 371 - 371 -
ト
保証債務合計 403 2 372 - 372 - 371 -
支払継続外貨建債務支払合
27,257 6,573 16,799 5,880 19,562 5,427 10,697 4,519
計
(1) 2018 年12月31日現在の債務合計、為替レートおよび金利に基づき算出されている。
(2) 保護訴訟(acciones de amparo)を通じて民間団体が得た判決に従うために政府によってなされた支払を含む。「(7) その他 - ①
訴訟手続 -アルゼンチンにおける訴訟」を参照のこと。
(3) アルゼンチンが締結した一定の合意の裏付けとして発行された2024年満期Bonares債に相当し、アルゼンチンはかかる合意によ
り、同合意に基づき定められた金額を支払うことを条件に、かかるBonares債を消却できる権利を与えられている。総額14億米ドルのこ
れらの合意は米ドル建で、2024年満期Bonares債に基づく利息および元本の支払いに対応する分割償却が行われる。かかる合意の一部は
6か月物LIBORプラス290ベーシス・ポイントのスプレッド、残りは6か月物LIBORプラス550ベーシス・ポイントのスプレッドで利息が
発生した。表中の2019年および2020年に行われる元本の支払額としての金額は、かかる合意に基づき定められた金額をアルゼンチンが
支払うことを条件に、これらの合意の予定された満期において消却される2024年満期Bonares債の額面金額の見込額に相当する。2024年
満期Bonares債は2019年8月に消却された。 「(6) 公債-③ 最近の動向-2019年の外貨建債務」 を参照のこと。
(4) アルゼンチンが締結した一定の合意の裏付けとして発行された2025年満期Bonares債に相当し、アルゼンチンはかかる合意によ
り、同合意に基づき定められた金額を支払うことを条件に、かかるBonares債を消却できる権利を与えられている。2025年満期Bonares
債に基づく利息および元本の支払いに対応する分割償却が行われる。かかる合意の一部は米ドル建てで、6か月物LIBORプラス290ベー
シス・ポイントのスプレッドで利息が発生し、残りはスイス・フラン建てで年1.7%の利息が発生した。表中の2019年および2020年に行
われる元本の支払額としての金額は、かかる合意に基づき定められた金額をアルゼンチンが支払うことを条件に、これらの合意の予定
された満期において消却される2025年満期Bonares債の額面金額の見込額に相当する。2025年満期Bonares債は2019年8月に消却され
た。 「(6) 公債-③ 最近の動向-2019年の外貨建債務」 を参照のこと。
出所:INDECおよび財務省
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(b) ペソ建債務
以下の表は、表示日現在のアルゼンチンのペソ建債務総額を示す。
債券別ペソ建債務 (1)
(単位:百万米ドル)
12月31日現在
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
支払継続債務 77,876 73,819 87,068 100,274 78,427
中央銀行からの一時前払金 29,402 25,517 24,115 25,153 13,297
Bontes債 - - 10,511 14,807 1,586
トレジャリー・ビル - - 5,678 - 11,199
Boncer債 - - 2,271 8,715 9,392
2045年準元本維持債 11,432 8,649 3,938 9,975 7,290
Bonares債 13,512 10,178 9,510 10,198 5,682
Bonarデュアル債 - - - - 3,638
Bogato債 - - - - 3,123
2033年元本削減債 4,672 3,535 9,636 4,065 2,970
トレジャリー・ノート 7,045 6,988 8,478 12,943 2,861
Botapos債 - - - 5,561 2,761
約束手形 1,098 1,603 1,809 4,175 1,469
商業銀行 3,121 3,124 1,068 36 1,193
国家保証ローン 2,877 2,076 1,845 1,139 684
2038年元本維持債 1,004 760 846 867 633
Bocones債 1,461 880 789 782 471
2033年元本削減債(2010) 56 42 47 49 36
2038年元本維持債(2010) 4 3 3 3 3
Bonads債 2,000 6,526 5,526 1,526 -
Bonacs債 - 3,845 668 - -
その他 191 94 330 280 139
支払非継続債務 111 84 3 3 2
- - - - -
支払非継続債務(期日未到来)
4 3 3 3 1
支払非継続期日到来済債務
未交換債務 (2) 107 81 90 92 67
77,987 73,903 87,161 100,368 78,496
ペソ建債務総額
(1) 支払継続および支払非継続債務(未交換債務を含む。)を含む。未交換債務に係る請求の和解に向けてのアルゼンチンの本和解案
については、「(7) その他 - ① 訴訟手続」を参照のこと。
(2) アルゼンチンが時効完成済みとみなした元本および/または利息に係る請求を含む。
出所:INDECおよび財務省
2018年12月31日現在のペソ建債務総額は、2014年12月31日現在の6,669億ペソ(780億米ドル、総公的債務合計の
32.6%)に対し、2兆9,678億ペソ(785億米ドル、総公的債務合計の23.6%)となった。この債務合計に対する割合
の低下は主として、以下を反映したものであった。
● 2017年におけるBontes債、Bonares債およびトレジャリー・ビルを含む外貨建債券の発行の増加
● ペソの下落の影響が、その条件によりCERに基づくインフレ調整の対象となったペソ建債務の一部に関する
インフレ調整を要因とするペソ建債務の増加を上回ったこと
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支払継続ペソ建債務支払
2014年、アルゼンチンのペソ建債務に対する利息は、2013年の237億ペソから78.8%増加し、424億ペソ(52億米ド
ル、または利息合計の59.6%)となった。この増加は主として、Bonares債(2014年は120億ペソ)、2005年および
2010年債務交換による債券(2014年は25億ペソ)、アルゼンチン国立銀行からの借入(2014年は23億ペソ)、
Bocones債(2014年は6億1,800万ペソ)、トレジャリー・ノート(2014年は5億1,900万ペソ)および国家保証ロー
ン(2014年は1億5,500万ペソ)に対する利息支払が増加したためである。この増加は主として、Bogars債(2014年
は7億5,000万ペソ)およびBodenes債(2014年は900万ペソ)に対する利息支払の減少により一部相殺された。
2015年、アルゼンチンのペソ建債務に対する利息は、2014年の424億ペソから57.6%増加し、668億ペソ(72億米ド
ル、または利息合計の55.3%)となった。この増加は主として、トレジャリー・ノート(2015年は77億ペソ)、
Bonacs債(2015年は74億ペソ)、2005年および2010年債務交換による債券(2015年は59億ペソ)、Bonares債(2015
年は33億ペソ)、Bonads債(2015年は3億3,700万ペソ)、Bocones債(2015年は3億2,200万ペソ)および国家保証
ローン借入(2015年は2億7,000万ペソ)に対する利息支払が増加したためである。この増加は主として、その他ペ
ソ建債務(2015年は4億4,500万ペソ)、アルゼンチン国立銀行からの借入(2015年は3億7,600万ペソ)および
Bodenes債(2015年は900万ペソ)に対する利息支払の減少により一部相殺された。
2016年、アルゼンチンのペソ建債務に対する利息は、2015年の668億ペソから32.4%増加し、885億ペソ(60億米ド
ル、または利息合計の47.8%)となった。この増加は主として、Bonares債およびBonacs債にかかる支払いが増加し
たためである。この増加は、CERに連動した債務再編債券に係る支払いが減少したことにより一部相殺された。公債
支払いにかかる全体的なコストに関しては、ペソ建債務の支払いはペソの下落により減少した。
2017年、アルゼンチンのペソ建債務に対する利息は、2016年の885億ペソから90.4%増加し、1,685億ペソ(102億
米ドル、または利息合計の54.7%)となった。この増加は主として、Bonares債、Bonads債およびBonac債にかかる利
払いが増加したことによる。
2018年、アルゼンチンのペソ建債務に対する利息は、2017年の1,685億ペソから45.4%増加し、2,450億ペソ(87億
米ドル、または利息合計の47.7%)となった。この増加は主として、Bonares債、Bontes債およびBotapo債にかかる
利払いが増加したことによる。
以下の表は、表示期間中の支払継続ペソ建公債に対するアルゼンチンの債務支払予定に関する情報を示す。
債権者別支払継続ペソ建公債支払予定 (1)(2)
(単位:百万米ドル)
2019 年 2020 年 2021 年 2022 年 2023 年
元本 利息 元本 利息 元本 利息 元本 利息 元本 利息
債券 7,953 6,325 12,904 4,934 5,810 2,465 2,605 1,722 2,935 1,220
国家保証ローン 14 34 18 33 - 33 - 33 - 33
商業銀行 1,192 1 2 - - - - - - -
納入業者 - - - - - - - - 117 -
中央銀行からの一時前
13,297 - - - - - - - - -
払金
トレジャリー・ノート 2,632 1,204 229 - - - - - - -
トレジャリー・ビル 10,429 - 770 - - - - - - -
約束手形 1,141 21 - 6 - 6 - 6 - 6
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支払継続ペソ建債
務
36,657 7,585 13,922 4,974 5,810 2,504 2,605 1,761 3,051 1,259
支払合計
2024 年 2025 年 2026 年
元本 利息 元本 利息 元本 利息
債券 463 913 1,495 864 3,023 815
国家保証ローン - 33 - 33 - 33
商業銀行 - - - - - -
納入業者 - - - - - -
中央銀行からの一時前払
- - - - - -
金
トレジャリー・ノート - - - - - -
トレジャリー・ビル - - - - - -
約束手形 - 6 - 6 - 6
支払継続ペソ建債務
463 952 1,495 903 3,023 854
支払合計
(1) 2018 年12月31日現在の債務の残存、為替レートおよび金利に基づき算出されている。
(2) 保護訴訟(acciones de amparo)を通じて民間団体が得た判決に従うために政府によってなされた支払を含む。「(7) その他 - ①
訴訟手続-アルゼンチンにおける訴訟」を参照のこと。
出所:INDECおよび財務省
(c) 金融機関に対する債務
長年にわたり、IMF、米州開発銀行および世界銀行は、政府が安定化および改革の方針に従うことを条件として、
アルゼンチンに対し財政支援を提供している。世界銀行および米州開発銀行の財政支援には、国家および州レベルの
社会プログラム、公共事業および構造プロジェクトに対する資金調達を目的とし、分野を特定した構造融資を含む。
2014年から2018年にかけて、政府の多国間債権者に対する債務残高は312億米ドル(157.0%)増加し、510億米ドル
となった。これは主として、IMFと締結したSBAに基づく融資の実行による。
● 2014年に、政府は、多国間債権者に対し18億米ドルの元本支払を行い、これに対し政府に対する多国間債権
者による実行額は23億米ドルであった。
● 2015年に、政府は、多国間債権者に対し20億米ドルの元本支払を行い、これに対し政府に対する多国間債権
者による実行額は19億米ドルであった。
● 2016年に、政府は、多国間債権者に対し19億米ドルの元本支払を行い、これに対し政府に対する多国間債権
者による実行額は24億米ドルであった。
● 2017年に、政府は、多国間債権者に対し18億米ドルの元本支払を行い、これに対し政府に対する多国間債権
者による実行額は29億米ドルであった。
● 2018年に、政府は、多国間債権者に対し19億米ドルの元本支払を行い、これに対し政府に対する多国間債権
者による実行額は318億米ドルであった。
2014年から2018年まで、多国間債権者(米州開発銀行、世界銀行、IMFおよびその他の機関を含む。)に対する利
息支払の総額は33億米ドルであった。政府はまた、諸州が多国間債権者に対し負っている債務の保証を行っている。
当該債務の総額は、2018年12月31日現在7億1,260万米ドルであった。「(2) 経済-① 近似の経済動向-IMFおよび
その他の多国籍組織との協定」を参照のこと。
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2018年6月7日、財務省とIMFのスタッフは、総額約500億米ドルの融資の実行について、期間36か月間のSBA(スタ
ンドバイ取決め)の条件に関する合意に達し、2018年6月20日にIMFの理事会による承認を受けた。さらに、2018年6
月 7日、政府は、IADBと25億米ドルについての協定、世界銀行と17億5,000万米ドルの融資協定およびCAFと14億米ド
ルの融資協定を締結し、いずれの場合も、協定の締結後12か月以内に融資が実行されることになる。2018年10月26
日、IFMの理事会は、2021年までのプログラムの期間中に総資産を約571億米ドルまで増加させるSBAの強化について
承認した。2018年6月以降、政府は、SBAに基づき約206億ドルを引き出している。「(2) IMFおよびその他の多国籍
組織との合意-IMFおよびその他の多国籍組織との協定」を参照のこと。
表示された各年の多国間債権者からの実行額および多国間債権者への支払額を以下の表に示す。
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実行額/支払額 - 多国間債権者
( 単位:百万米ドル)
12月31日現在
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
世界銀行:
実行額 571 642 936 903 1,244
元本支払 (670) (790) (740) (632) (698)
実行額(元本支払控除後) (99) (148) 197 271 546
利息支払 (129) (138) (119) (141) (177)
- (1) (3) (4) (5)
手数料支払
純(流出)流入
(227) (287) 75 126 365
国際通貨基金:
実行額 - - - - 28,252
元本支払 - - - - -
実行額(元本支払控除後) - - - - 28,252
利息支払 - - - - (153)
- - - - (249)
手数料支払
純(流出)流入
- - - - 27,850
米州開発銀行:
実行額 1,277 770 1,210 1,244 1,405
元本支払 (936) (990) (869) (888) (865)
実行額(元本支払控除後) 340 (220) 341 356 540
利息支払 (366) (420) (429) (388) (393)
(10) (9) (18) (15) (17)
手数料支払
純(流出)流入
(35) (649) (106) (46) 129
IFAD :(1)
実行額 14 14 8 8 6
元本支払 (4) (4) (5) (5) (5)
実行額(元本支払控除後) 9 10 3 3 1
利息支払 - - - (2) (1)
- - - - -
手数料支払
純(流出)流入
9 10 2 1 (1)
ラプラタ河流域開発基金:(2)
実行額 11 41 11 44 65
元本支払 (11) (16) (11) (10) (13)
実行額(元本支払控除後) - 24 - 34 52
利息支払 (2) (2) (2) (6) (5)
- (1) (3) - (1)
手数料支払
純(流出)流入
(2) 21 (5) 27 45
アンデス山脈開発会社:
実行額 408 420 283 703 774
元本支払 (180) (217) (232) (305) (346)
実行額(元本支払控除後) 228 202 51 398 428
利息支払 (50) (61) (68) (83) (111)
(4) (5) (4) (5) (5)
手数料支払
純(流出)流入
173 136 (22) 310 312
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OPEC国際開発基金 :
実行額 - - - 21 21
元本支払 - - - - -
実行額(元本支払控除後) - - - 21 21
利息支払 - - - - (1)
- - - - -
手数料支払
純(流出)流入
- - - 21 20
中米経済統合銀行 :
実行額 - - - 3 -
元本支払 - - - - -
実行額(元本支払控除後) - - - 3 -
利息支払 - - - - -
- - - - -
手数料支払
純(流出)流入
- - - 3 -
欧州投資銀行:
実行額 - - - - 71
元本支払 (5) (5) - - -
実行額(元本支払控除後) (5) (5) - - 71
利息支払 (1) (1) - - -
- - - - -
手数料支払
純(流出)流入
(5) (5) - - 70
実行額合計 2,280 1,886 2,448 2,926 31,838
元本支払合計 (1,805) (2,022) (1,857) (1,840) (1,928)
実行額(元本支払控除後) 475 (136) 591 1,086 29,910
利息支払合計 (548) (622) (619) (620) (842)
(15) (15) (28) (24) (277)
手数料合計
(88) (774) (56) 442 28,790
純(流出)流入合計
(1) 国際農業開発基金
(2) ラプラタ河流域開発基金
出所:財務省
国際通貨基金
IMFは、兌換制度の崩壊に至る数年間に、アルゼンチンに対し1件は2000年12月に、もう1件は2001年8月にと2
件の別個の財政支援パッケージを組成した。当該支援の一環として、IMFは、アルゼンチンの信用供与枠に基づきア
ルゼンチンが利用し得る金額を増額し、また、アルゼンチンのためにその他資金源を確保した(世界銀行、米州開発
銀行およびスペイン政府からの融資確定契約(コミットメント)を含む。)。
2001年から2005年の間、アルゼンチンは残存する対IMF債務を2001年12月31日現在の140億米ドルから2005年12月31
日現在で95億米ドルまで削減した。2004年8月、IMFはアルゼンチン政府が2003年のスタンバイ協定に基づき自己の実
績を計画通りに再検討することを無期限延長した後、当該協定に基づく実行を停止した。
2006年1月3日、政府はIMFに対する全債務残高、95億米ドルを一括返済した。IMFへの返済はアルゼンチンの公債
総額の7.4%を占め、5億6,800万米ドルの利息節約となった。政府は支払のため中央銀行から資金を借入れ、結果と
して中央銀行の準備金は33.3%減少し、281億米ドルから186億米ドルとなった。中央銀行に対してこの融資を返済す
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るため、政府は米ドル建10年物譲渡不能トレジャリー・ノートを発行した。IMFへの債務は同額の中央銀行への債務
へと交換されたことを考慮すると、IMFへの返済は政府の債務総額に影響を与えなかった。
IMF協定の第4条に基づき、IMFは加盟国との二者間協議を通常毎年行う。IMFのスタッフは加盟国を訪問して経済お
よび金融に関する情報を収集し、その国の経済発展および政策について当局職員と議論を交わす。その後IMFのスタッ
フは、理事会による審議の土台となる報告書を作成する。直近のアルゼンチンとの第4条協議は2017年12月18日に完
了した。IMFのウェブサイト(https://www.imf.org/~/media/Files/Publications/CR/2017/cr17409.ashx)に報告書
が公開されている。同ウェブサイトの内容は、それを参照することにより本報告書の一部を構成することが意図され
たものではない。
2018年6月、政府は、IMFと期間36か月のスタンドバイ取決めを締結した。「(2) IMFおよびその他の多国籍組織との
合意-IMFおよびその他の多国籍組織との協定」を参照のこと。
2018年12月31日現在、IMFはSBAに基づき202億SDR(約280億米ドル)の融資を実行していた。
世界銀行
2014年から2018年まで、世界銀行は、国家および州の両レベルで、インフラおよび教育プロジェクトを含む、経済
復興を促進する活動、ならびに健康および環境など社会発展の各種プログラムのために、アルゼンチンに対し約43億
米ドルの融資を実行した。2018年12月31日現在、世界銀行による貸付の残存元本総額は、2017年12月31日現在の63億
米ドルに対して、69億米ドルであった。2018年12月31日現在、世界銀行からの約32億ドルの融資確定契約が未実行で
あった。
2014年から2018年の間に、アルゼンチンは、世界銀行の融資に基づき総額35億米ドルの元本支払および利息として
総額7億270万米ドルの支払いを行った。
米州開発銀行
2014年から2018年まで、米州開発銀行はアルゼンチンに対し、経済成長を支援する活動のためならびに健康、イン
フラおよび教育など多種の社会開発プログラムのため、約59億米ドルの融資を実行した。2018年12月31日現在、米州
開発銀行による貸付の残存元本総額は、2017年12月31日現在の118億米ドルに対して、123億米ドルであった。2018年
12月31日現在、米州開発銀行からの約51億ドルの融資確定契約が未実行である。
2014年から2018年の間に、アルゼンチンは、米州開発銀行の融資に基づき約45億米ドルの元本支払および利息とし
て20億米ドルの支払いを行った。
FONPLATA
2014年から2018年の間、FONPLATAは、アルゼンチンに対し、経済開発および社会プログラムのために総額1億
7,210万米ドルの融資を実行した。2018年12月31日現在、FONPLATAにより行われた融資の残存元本総額は、2017年12
月31日現在の1億1,490万米ドルに対し、1億6,730万米ドルであった。2018年12月31日現在、FONPLATAからの承認済
融資額約3億2,790万米ドルが未実行であった。
2014年から2018年の間に、アルゼンチンは、FONPLATAの融資に基づき総額6,170万米ドルの元本支払および利息と
して1,820万米ドルの支払いを行った。
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CAF
2014年から2018年の間、CAFはアルゼンチンに対する約26億米ドルの融資を、主にインフラ整備プログラム向けに
実行した。2018年12月31日現在、CAFにより行われた融資の残存元本総額は、2017年12月31日現在の30億米ドルに対
し、 35億米ドルであった。2018年12月31日現在、CAFから承認された融資のうち約22億米ドルが未実行であった。
2014年から2018年の間に、アルゼンチンは、CAFの融資に基づき総額13億米ドルの元本支払および利息として3億
7,400万米ドルの支払いを行った。
IFAD
2014年から2018年の間、国際農業開発基金(「IFAD」)は、アルゼンチンに対し、経済開発および社会プログラム
のために総額4,970万米ドルの融資を実行した。2018年12月31日現在、IFADにより行われた融資の残存元本総額は、
2017年12月31日現在の4,480万米ドルに対し、4,520万米ドルであった。2018年12月31日現在、IFADからの承認済融資
額約5,040万米ドルが未実行であった。
2014年から2018年の間に、アルゼンチンは、IFADの融資に基づき総額2,380万米ドルの元本支払および利息として
450万米ドルの支払いを行った。
EIB
2014年から2018年の間、欧州投資銀行(「EIB」)は、アルゼンチンに対し、経済開発およびインフラのために総
額7,060万米ドルの融資を実行した。2018年12月31日現在において、EIBにより行われた融資の残存元本総額は7,060
万米ドルで、EIBからの承認済融資額8,000万米ドルが未実行であった。
2014年から2018年の間に、アルゼンチンは、EIBの融資に基づき総額930万米ドルの元本支払および利息として140
万米ドルの支払いを行った。
OFID
2014年から2018年の間、OPEC国際開発基金(「OFID」)は、アルゼンチンに対し、経済開発プログラムのために総
額4,200万米ドルの融資を実行した。2018年12月31日現在、OFIDにより行われた融資の残存元本総額は、2017年12月
31日現在の2,010万米ドルに対し、4,130万米ドルであった。2018年12月31日現在、OFIDからの承認済融資額約5,870
万米ドルが未実行であった。
BCIE
2014年から2018年の間、中米経済統合銀行(「BCIE」)は、アルゼンチンに対し、主にインフラ・プログラム向け
に約260万米ドルの融資を実行した。2018年12月31日現在、BCIEからの承認済融資額1億9,740万米ドルが未実行で
あった。
二国間債務および民間債権者の債務
二国間債務は、パリクラブ債務およびその他二国間債務と呼ばれる債務を含む。パリクラブ債務には、パリクラブ
のメンバー国との交渉ラウンドにおいて再編されてきたパリクラブのメンバー国に対するすべての債務を含む。その
他二国間債務には、主権国家政府との間の他の債務すべてが含まれる。アルゼンチンの実質的にすべての二国間債務
は、パリクラブのメンバー国に対する債務に関するものであり、パリクラブの枠組みの下で扱われる。
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
民間債権者の債務は、納入業者への債務および商業銀行への債務から成る。民間債権者の債務の一部は、外国政府
により付与される輸出信用保険により保証されており、パリクラブの枠組みの下で通常扱われる。2014年5月28日
に、 アルゼンチンはパリクラブのメンバー国と、アルゼンチンが負っていた96億9,000万米ドル(元本が49億5,500万
米ドル、利息は11億200万米ドルおよび罰則的利息として36億3,300万米ドル)の債務を帳消しにするとの合意に達し
た。「-① 概要-(b) 債務記録-パリクラブ」を参照のこと。
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
外貨建債務
直接債務
元本金額
2018 年
12 月31日
融資機関 利率 発行日 最終満期 通貨 額面金額 現在残高
(単位:百万米ドル)
世界銀行 固定金利 (1.22 09/07/2004 02/15/2019 米ドル
136 7
% ~ 3.86%) /
(a)
世界銀行 固定金利 (1.26 05/11/2006 03/15/2019 米ドル 350 25
% ~ 4.13%) /
(a)
世界銀行 固定金利 (1.38 07/14/2006 03/15/2020 米ドル 18 3
% ~ 4.25%) /
(a)
世界銀行 固定金利 (1.37 10/23/2006 03/15/2020 米ドル 150 26
% ~ 4.17%) /
(a)
世界銀行 固定金利 (1.37 08/16/2007 01/01/2022 米ドル 37 13
% ~ 3.91 %) /
(a)
世界銀行 固定金利 (1.54 05/09/2007 07/01/2021 米ドル 300 92
% ~ 4.05 %) /
(a)
世界銀行 1.39% / (a) 12/20/2006 09/15/2020 米ドル 37 8
世界銀行 固定金利 (1.29 07/12/2007 09/15/2021 米ドル 221 66
% ~ 3.90 %) /
(a)
世界銀行 固定金利 (1.54 05/08/2007 10/15/2020 米ドル 100 27
% ~ 4.25 %) /
(a)
世界銀行 固定金利 11/26/2007 03/15/2022 米ドル 100 32
(1.54% ~
4.41%)
世界銀行 固定金利 12/28/2007 01/01/2022 米ドル 19 7
(1.57% ~
4.11%) / (a)
世界銀行 1.50/(a) 05/08/2007 05/15/2021 米ドル 69 21
世界銀行 固定金利 11/26/2007 01/01/2022 米ドル 200 71
(1.57% ~
4.11%) / (a)
世界銀行 2.89 % /(a) 02/27/2009 03/15/2038 米ドル 51 40
世界銀行 2.89%/(a) 01/13/2009 03/15/2038 米ドル 20 16
世界銀行 1.64%/ (a) 11/06/2008 07/01/2022 米ドル 45 18
世界銀行 3.67%/(a) 06/10/2009 12/15/2038 米ドル 450 360
世界銀行 2.90%/(a) 03/27/2009 09/15/2038 米ドル 300 252
世界銀行 3.32%/(a) 08/06/2009 04/01/2038 米ドル 153 121
世界銀行 3.00%/(a) 01/18/2010 09/15/2038 米ドル 50 40
世界銀行 3.23%/(a) 03/30/2010 09/15/2039 米ドル 141 118
世界銀行 3.37%/(a) 08/25/2009 03/15/2039 米ドル 840 515
世界銀行 (a) 02/01/2010 03/15/2038 米ドル 31 25
世界銀行 (a) 06/11/2010 02/15/2040 米ドル 31 27
世界銀行 3.23%/(a) 08/11/2010 09/15/2039 米ドル 150 133
世界銀行 (a) 05/04/2011 03/15/2037 米ドル 200 178
世界銀行 (a) 04/11/2011 03/15/2037 米ドル 447 423
世界銀行 (a) 04/11/2011 05/15/2038 米ドル 140 122
世界銀行 (a) 05/04/2011 03/15/2037 米ドル 400 336
世界銀行 (a) 08/04/2011 10/15/2037 米ドル 480 445
世界銀行 (a) 11/23/2011 12/15/2036 米ドル 160 151
世界銀行 (a) 08/06/2012 11/15/2037 米ドル 400 371
世界銀行 (a) 04/16/2015 12/15/2046 米ドル 250 139
世界銀行 (a) 04/16/2015 06/15/2047 米ドル 425 328
世界銀行 (a) 09/21/2015 08/15/2047 米ドル 59 10
世界銀行 (a) 10/09/2015 10/15/2049 米ドル 200 20
世界銀行 (a) 10/09/2015 10/15/2047 米ドル 350 120
世界銀行 (a) 12/09/2015 06/15/2046 米ドル 52 8
世界銀行 (a) 03/31/2016 10/15/2047 米ドル 200 172
世界銀行 (a) 09/30/2016 11/15/2048 米ドル 530 530
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アルゼンチン共和国(E06011)
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世界銀行 (a) 12/28/2016 11/15/2048 米ドル 45 30
世界銀行 (a) 04/25/2017 03/15/2049 米ドル 45 34
世界銀行 (a) 08/17/2017 05/15/2049 米ドル 200 22
世界銀行 (a) 08/17/2017 03/15/2049 米ドル 80 25
世界銀行 (a) 08/17/2017 07/15/2049 米ドル 300 0. 47469
世界銀行 (a) 07/23/2018 01/01/2049 米ドル 300 13
世界銀行 (a) 04/20/2018 01/15/2049 米ドル 50 28
世界銀行 (a) 12/12/2018 12/01/2050 米ドル 500 500
世界銀行 (a) 12/12/2018 09/01/2050 米ドル 450 91
世界銀行 (a) 12/17/2018 10/01/2049 米ドル 300 1
合計
10,562 6,160.47469
米州開発銀行 4.00 % 09/22/1993 03/21/2019 米ドル 25 1
米州開発銀行 3.00 % 12/06/1994 12/06/2019 米ドル 50 1
米州開発銀行 4.00 % 06/05/1995 06/05/2020 米ドル 30 3
米州開発銀行 5.00 % 06/05/1995 06/05/2020 米ドル 180 21
米州開発銀行 5.39 % 02/20/1997 02/20/2022 米ドル 96 23
米州開発銀行 3.00 % 03/16/1998 03/16/2023 米ドル 33 4
米州開発銀行 5.44% 03/16/1998 03/16/2023 米ドル 16 4
米州開発銀行 5.39% 08/08/1998 08/08/2023 米ドル 300 94
米州開発銀行 5.39% 01/13/1999 01/13/2024 米ドル 3 1
米州開発銀行 4.00 % 12/09/1998 12/09/2023 米ドル 16 3
米州開発銀行 3.00 % 12/09/1998 12/09/2023 米ドル 15 3
米州開発銀行 5.39% 11/01/1999 11/01/2019 米ドル 140 9
米州開発銀行 5.39% 10/18/1999 10/18/2024 米ドル 138 45
米州開発銀行 固定金利 09/15/1999 09/15/2019 米ドル 100 8
(1.72% ~
5.39%)
米州開発銀行 5.44% 03/02/2000 03/02/2020 米ドル 83 9
米州開発銀行 5.39% 03/26/2000 03/26/2020 米ドル 4 0.4746
米州開発銀行 5.39% 02/27/2001 02/27/2021 米ドル 400 67
米州開発銀行 5.39% 06/13/2001 06/15/2021 米ドル 500 83
米州開発銀行 5.39% 06/25/2001 06/15/2021 米ドル 1 0.2142
米州開発銀行 5.39% 09/05/2001 09/05/2021 米ドル 500 100
米州開発銀行 固定金利 11/20/2003 11/20/2028 米ドル 600 294
(3.47% ~
5.39%)
米州開発銀行 5.39% 10/25/2001 10/25/2021 米ドル 4 1
米州開発銀行 固定金利 10/25/2001 10/25/2026 米ドル 43 19
(3.32% ~
5.39%)
米州開発銀行 2.17% 12/28/2004 12/15/2024 米ドル 500 200
米州開発銀行 2.19% 05/04/2005 05/04/2025 米ドル 4 2
米州開発銀行 固定金利 05/04/2005 05/04/2025 米ドル 5 3
(2.19% ~
2.83%)
米州開発銀行 固定金利 08/24/2005 08/24/2025 米ドル 30 16
(2.25% ~
2.86%)
米州開発銀行 固定金利 08/24/2005 08/24/2025 米ドル 19 8
(2.22% ~
2.86%)
米州開発銀行 2.73% 03/01/2006 03/01/2031 米ドル 700 398
米州開発銀行 2.29% 05/18/2006 05/18/2026 米ドル 500 250
米州開発銀行 2.31% 08/09/2006 08/09/2026 米ドル 280 145
米州開発銀行 固定金利 11/07/2006 11/07/2026 米ドル 50 30
(2.38% ~
2.96%) / (b)
米州開発銀行 固定金利 11/06/2006 11/06/2031 米ドル 840 586
(2.78% ~
5.39%) / (b)
米州開発銀行 固定金利 03/29/2007 03/29/2032 米ドル 350 236
(3.71% ~
5.39%)
米州開発銀行 固定金利 03/29/2007 03/29/2032 米ドル 242 171
(2.81% ~
3.28%) / (b)
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
米州開発銀行 固定金利 03/29/2007 03/29/2032 米ドル 1,197 865
(3.71% ~
5.39%) / (b)
米州開発銀行 固定金利 11/06/2007 11/06/2032 米ドル 49 35
(2.90% ~
3.31%) / (b)
米州開発銀行 固定金利 11/06/2007 06/15/2032 米ドル 62 42
(2.81% ~
3.30%) / (b)
米州開発銀行 3.31% / (b) 11/06/2007 11/06/2032 米ドル 39 32
米州開発銀行 固定金利 11/06/2007 11/06/2032 米ドル 23 14
(2.90% ~
3.31%) / (b)
米州開発銀行 3.31 %/ (b) 11/06/2007 11/06/2032 米ドル 72 57
米州開発銀行 固定金利 04/17/2008 04/17/2033 米ドル 658 417
(2.93% ~
3.32%) / (b)
米州開発銀行 固定金利 04/17/2008 04/17/2033 米ドル 212 139
(2.93% ~
3.32%) / (b)
米州開発銀行 固定金利 11/04/2008 11/04/2033 米ドル 241 178
(2.96% ~
3.34%) / (b)
米州開発銀行 2.98/(b) 02/27/2009 02/27/2034 米ドル 14 10
米州開発銀行 固定金利 03/31/2009 03/31/2034 米ドル 50 39
(3.04% ~
3.36%)
米州開発銀行 2.96% ~ 3.37%/ 07/31/2009 07/31/2034 米ドル 850 580
(b)
米州開発銀行 3.04% ~ 3.37%/ 07/31/2009 07/31/2034 米ドル 200 154
(b)
米州開発銀行 固定金利 03/08/2010 03/08/2035 米ドル 100 82
(3.08% ~
3.39%)
米州開発銀行 3.06% ~ 3.39%/ 03/29/2010 03/29/2035 米ドル 120 97
(b)
米州開発銀行 (b) 04/12/2010 04/12/2035 米ドル 2 2
米州開発銀行 3.18% ~ 3.44%/ 03/26/2011 03/26/2036 米ドル 200 174
(b)
米州開発銀行 固定金利 03/26/2011 03/26/2036 米ドル 492 393
(3.16% ~
3.44%)
米州開発銀行 3.46%/(b) 03/26/2011 03/26/2036 米ドル 131 115
米州開発銀行 3.44% /(b) 03/26/2011 03/26/2036 米ドル 120 97
米州開発銀行 3.52% 01/13/2012 01/13/2037 米ドル 14 12
米州開発銀行 (b) 12/29/2011 12/15/2036 米ドル 40 37
米州開発銀行 3.49% /(b) 12/29/2011 12/15/2036 米ドル 230 198
米州開発銀行 3.57% /(b) 07/31/2012 07/31/2037 米ドル 400 380
米州開発銀行 3.54% /(b) 07/31/2012 07/31/2037 米ドル 200 151
米州開発銀行 3.51% /(b) 07/31/2012 07/31/2037 米ドル 14 8
米州開発銀行 3.54% /(b) 08/21/2012 08/21/2037 米ドル 200 200
米州開発銀行 3.58% /(b) 09/28/2012 09/15/2037 米ドル 44 15
米州開発銀行 3.58% /(b) 09/28/2012 09/15/2037 米ドル 44 17
米州開発銀行 (b) 11/29/2012 11/15/2037 米ドル 3 2
米州開発銀行 3.57% /(b) 07/31/2012 07/31/2037 米ドル 300 246
米州開発銀行 (b) 10/30/2012 10/30/2037 米ドル 80 39
米州開発銀行 3.61%/(b) 03/19/2013 03/15/2038 米ドル 200 194
米州開発銀行 3.61%/(b) 03/19/2013 03/15/2037 米ドル 500 222
米州開発銀行 3.58%/(b) 01/30/2013 01/15/2038 米ドル 30 24
米州開発銀行 3.58%/(b) 05/06/2013 04/15/2038 米ドル 154 140
米州開発銀行 (b) 05/16/2013 05/15/2038 米ドル 60 39
米州開発銀行 3.65%/(b) 10/28/2013 10/15/2038 米ドル 280 280
米州開発銀行 3.66%/(b) 12/13/2013 11/15/2038 米ドル 300 207
米州開発銀行 3.68%/(b) 03/10/2014 02/15/2039 米ドル 20 16
米州開発銀行 (b) 03/26/2014 03/15/2039 米ドル 50 31
米州開発銀行 (b) 03/26/2014 03/15/2039 米ドル 300 137
米州開発銀行 3.69%/(b) 03/29/2014 03/15/2039 米ドル 250 125
米州開発銀行 3.69%/(b) 03/29/2014 03/15/2039 米ドル 24 13
米州開発銀行 3.72%/ (b) 09/30/2014 09/15/2039 米ドル 200 70
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
米州開発銀行 (b) 12/09/2014 11/15/2039 米ドル 30 27
米州開発銀行 (b) 12/09/2014 11/15/2038 米ドル 150 56
米州開発銀行 (b) 09/16/2015 09/15/2040 米ドル 200 77
米州開発銀行 (b) 10/30/2015 10/15/2040 米ドル 150 115
米州開発銀行 (b) 05/19/2016 05/15/2041 米ドル 200 90
米州開発銀行 (b) 10/25/2016 10/15/2041 米ドル 20 20
米州開発銀行 (b) 05/11/2017 04/15/2042 米ドル 320 60
米州開発銀行 (b) 02/22/2017 02/15/2042 米ドル 120 16
米州開発銀行 (b) 05/11/2017 04/15/2042 米ドル 100 23
米州開発銀行 (b) 05/31/2017 05/15/2042 米ドル 80 2
米州開発銀行 (b) 05/31/2017 05/15/2042 米ドル 100 15
米州開発銀行 (b) 07/26/2017 07/15/2042 米ドル 13 5
米州開発銀行 (b) 07/26/2017 07/15/2042 米ドル 74 4
米州開発銀行 (b) 09/13/2017 08/15/2042 米ドル 300 100
米州開発銀行 (b) 09/29/2017 09/15/2042 米ドル 100 40
米州開発銀行 (b) 10/31/2017 10/15/2042 米ドル 200 2
米州開発銀行 (b) 11/03/2017 10/15/2042 米ドル 25 4
米州開発銀行 (b) 11/30/2017 11/15/2037 米ドル 200 200
米州開発銀行 (b) 01/16/2018 01/15/2043 米ドル 50 2
米州開発銀行 (b) 06/15/2018 06/15/2043 米ドル 200 25
米州開発銀行 (b) 08/21/2018 08/15/2038 米ドル 300 300
米州開発銀行 (b) 11/26/2018 11/15/2043 米ドル 200 200
米州開発銀行 (b) 12/03/2018 11/15/2043 米ドル 900 620
合計
19.598 11.165,6888
パリクラブ・ラウンド6 固定金利 04/30/2014 05/30/2019 多種 8,600 3,598
(2.85% ~
4.79%)
合計
8,600 3,598
ラプラタ河流域開発基金 (c) 08/12/2004 09/01/2019 米ドル 51 5
ラプラタ河流域開発基金 (c) 12/06/2004 12/06/2019 米ドル 22 2
ラプラタ河流域開発基金 (c) 08/28/2007 08/28/2019 米ドル 4 1
ラプラタ河流域開発基金 (c) 06/04/2010 12/02/2029 米ドル 1 1
ラプラタ河流域開発基金 (c) 05/07/2014 05/03/2029 米ドル 25 22
ラプラタ河流域開発基金 (c) 02/20/2015 02/18/2030 米ドル 10 2
ラプラタ河流域開発基金 (c) 06/25/2015 06/24/2030 米ドル 35 4
ラプラタ河流域開発基金 (c) 06/16/2015 06/13/2030 米ドル 28 18
ラプラタ河流域開発基金 (c) 03/20/2015 03/14/2030 米ドル 18 16
ラプラタ河流域開発基金 (c) 03/16/2017 09/16/2025 米ドル 12 2
ラプラタ河流域開発基金 (c) 03/10/2017 09/10/2025 米ドル 7 1
ラプラタ河流域開発基金 (c) 04/01/2017 10/01/2025 米ドル 20 4
ラプラタ河流域開発基金 (c) 05/11/2017 05/11/2032 米ドル 20 2
ラプラタ河流域開発基金 (c) 06/01/2017 06/01/2029 米ドル 35 2
ラプラタ河流域開発基金 (c) 06/01/2017 06/01/2032 米ドル 20 1
ラプラタ河流域開発基金 (c) 06/08/2017 06/08/2025 米ドル 10 1
ラプラタ河流域開発基金 (c) 07/03/2017 07/03/2025 米ドル 40 40
ラプラタ河流域開発基金 (c) 09/29/2017 03/29/2022 米ドル 5 3
ラプラタ河流域開発基金 (c) 06/15/2018 06/15/2033 米ドル 22 1
合計
385 128
国際農業開発基金 (d) 11/27/2006 12/15/2022 SDR 20 5
国際農業開発基金 (d) 10/17/2008 10/01/2024 SDR 19 7
国際農業開発基金 (d) 11/25/2011 06/01/2027 SDR 8 4
国際農業開発基金 (d) 11/25/2011 06/01/2028 ユーロ 50 25
国際農業開発基金 (d) 04/21/2017 06/01/2035 米ドル 12 2
国際農業開発基金 (d) 03/13/2017 06/01/2035 ユーロ 24 2
合計
133 45
アンデス山脈開発会社 (c) 08/29/2007 08/29/2022 米ドル 300 92
アンデス山脈開発会社 (c) 12/11/2007 12/11/2022 米ドル 80 34
アンデス山脈開発会社 (c) 12/11/2007 12/11/2022 米ドル 200 64
アンデス山脈開発会社 (c) 05/21/2008 05/21/2023 米ドル 95 44
アンデス山脈開発会社 (c) 12/02/2008 12/02/2020 米ドル 275 61
アンデス山脈開発会社 (c) 11/03/2009 11/03/2021 米ドル 80 82
アンデス山脈開発会社 (c) 07/29/2010 07/29/2022 米ドル 100 50
アンデス山脈開発会社 (c) 07/29/2010 07/29/2025 米ドル 64 35
アンデス山脈開発会社 (c) 07/29/2010 07/29/2025 米ドル 15 10
アンデス山脈開発会社 (c) 07/29/2010 07/29/2022 米ドル 35 16
アンデス山脈開発会社 (c) 07/29/2010 07/29/2022 米ドル 36 14
186/205
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
アンデス山脈開発会社 (c) 12/10/2010 12/10/2025 米ドル 500 292
アンデス山脈開発会社 (c) 03/18/2011 03/18/2026 米ドル 326 129
アンデス山脈開発会社 (c) 03/18/2011 03/18/2023 米ドル 8 5
アンデス山脈開発会社 (c) 03/18/2011 03/18/2026 米ドル 140 95
アンデス山脈開発会社 (c) 04/23/2012 04/23/2024 米ドル 100 54
アンデス山脈開発会社 (c) 07/20/2012 07/20/2024 米ドル 50 38
アンデス山脈開発会社 (c) 03/30/2012 04/23/2024 米ドル 14 9
アンデス山脈開発会社 (c) 08/30/2012 08/30/2024 米ドル 65 41
アンデス山脈開発会社 (c) 11/15/2012 11/15/2027 米ドル 168 101
アンデス山脈開発会社 (c) 08/09/2012 08/09/2024 米ドル 30 18
アンデス山脈開発会社 (c) 12/18/2012 12/18/2024 米ドル 75 43
アンデス山脈開発会社 (c) 02/06/2013 02/06/2025 米ドル 42 20
アンデス山脈開発会社 (c) 02/06/2013 02/06/2025 米ドル 50 27
アンデス山脈開発会社 (c) 02/06/2013 02/06/2031 米ドル 240 215
アンデス山脈開発会社 (c) 12/18/2012 12/18/2027 米ドル 70 58
アンデス山脈開発会社 (c) 12/18/2012 12/18/2027 米ドル 250 176
アンデス山脈開発会社 (c) 12/18/2012 12/18/2024 米ドル 150 105
アンデス山脈開発会社 (c) 04/15/2014 04/15/2029 米ドル 150 111
アンデス山脈開発会社 (c) 06/18/2014 06/18/2026 米ドル 75 15
アンデス山脈開発会社 (c) 06/18/2014 06/18/2029 米ドル 60 48
アンデス山脈開発会社 (c) 06/18/2014 06/18/2029 米ドル 120 26
アンデス山脈開発会社 (c) 08/19/2014 08/19/2026 米ドル 90 53
アンデス山脈開発会社 (c) 09/04/2014 09/04/2029 米ドル 90 71
アンデス山脈開発会社 (c) 09/30/2014 09/30/2026 米ドル 50 30
アンデス山脈開発会社 (c) 10/21/2014 10/21/2029 米ドル 70 39
アンデス山脈開発会社 (c) 05/19/2015 11/19/2027 米ドル 70 29
アンデス山脈開発会社 (c) 06/15/2015 06/15/2027 米ドル 100 26
アンデス山脈開発会社 (c) 07/21/2015 07/21/2027 米ドル 9 3
アンデス山脈開発会社 (c) 03/09/2016 03/09/2031 米ドル 120 20
アンデス山脈開発会社 (c) 01/30/2017 01/30/2031 米ドル 400 231
アンデス山脈開発会社 (c) 08/12/2016 02/12/2029 米ドル 70 4
アンデス山脈開発会社 (c) 07/04/2017 07/04/2032 米ドル 150 150
アンデス山脈開発会社 (c) 08/12/2016 08/12/2028 米ドル 57 1
アンデス山脈開発会社 (c) 11/21/2017 11/21/2032 米ドル 75 1
アンデス山脈開発会社 (c) 11/15/2017 11/15/2029 米ドル 100 100
アンデス山脈開発会社 (c) 08/21/2018 08/21/2025 米ドル 750 375
150 150
アンデス山脈開発会社 (c) 09/17/2018 09/17/2030 米ドル
合計
6,314 3,411
50 3
中米経済統合銀行 (c) 10/21/2016 12/19/2031 米ドル
合計
50 3
71 71
BEI (c) 11/02/2017 09/15/2027 米ドル
合計
71 71
TASA FMI 57,100 28,032
FMI 06/20/2018 12/21/2023 SDR
合計
57,100 28,032
(a) 世界銀行の変動利率 + スプレッド
(b) 米州開発銀行の変動利率
(c) 6ヶ月物 LIBOR + スプレッド
(d) 国際農業開発基金の変動利率
187/205
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
外貨建債務
間接債務
元本金額
2018 年
12 月31日
融資機関 利率 発行日 最終満期 通貨 額面金額 現在残高
(単位:百万ドル)
世界銀行 (a) 04/15/2021 米ドル 200 46
03/08/2005
世界銀行 (a) 11/16/2006 11/15/2019 米ドル 75 10
世界銀行 (a) 05/18/2006 03/15/2020 ユーロ 125 39
世界銀行 (a) 06/12/2007 10/15/2021 米ドル 127 38
世界銀行 固定金利 (1.63% 06/27/2008 06/15/2022 米ドル 400 143
~ 4.49%) /(a)
世界銀行 (a) 05/30/2008 04/15/2023 米ドル 264 126
世界銀行 (a) 05/30/2011 11/15/2040 米ドル 27 26
世界銀行 (a) 08/31/2011 02/15/2040 米ドル 49 42
世界銀行 (a) 02/06/2012 02/15/2039 米ドル 50 49
世界銀行 (a) 11/10/2016 04/15/2038 米ドル 200 139
世界銀行 (a) 12/21/2017 12/01/2045 米ドル 170 52
世界銀行 (a) 12/21/2017 07/15/2046 米ドル 30 1
世界銀行 (a) 12/21/2017 03/15/2046 米ドル 300 8
合計
2,017 719
米州開発銀行 (b) 08/24/2005 08/24/2025 米ドル 70 34
米州開発銀行 5.39/(b) 11/07/2006 11/07/2031 米ドル 180 112
米州開発銀行 4.49 % /(b) 02/05/2007 02/05/2032 米ドル 33 22
米州開発銀行 (b) 11/07/2006 11/07/2031 米ドル 230 160
米州開発銀行 固定金利 (2.98 % 04/06/2008 04/06/2033 米ドル 114 86
~ 3.32%) /(b)
米州開発銀行 固定金利 (2.94 % 04/17/2008 04/17/2033 米ドル 100 74
~ 3.32%) /(b)
米州開発銀行 (b) 04/17/2008 04/17/2033 米ドル 100 75
米州開発銀行 (b) 01/15/2009 01/15/2034 米ドル 58 45
米州開発銀行 3.46%/(b) 03/26/2011 03/26/2036 米ドル 200 167
米州開発銀行 (b) 06/30/2010 06/15/2035 米ドル 25 22
米州開発銀行 (b) 01/19/2012 01/19/2037 米ドル 30 20
米州開発銀行 (b) 05/06/2013 04/15/2038 米ドル 34 20
米州開発銀行 (b) 05/17/2013 05/15/2038 米ドル 60 57
米州開発銀行 (b) 12/10/2014 11/15/2038 米ドル 230 34
米州開発銀行 (b) 03/06/2015 02/15/2040 米ドル 50 32
米州開発銀行 (b) 10/30/2015 10/15/2040 米ドル 200 50
米州開発銀行 (b) 08/31/2018 08/15/2043 米ドル 100 21
米州開発銀行 (b) 11/01/1999 11/01/2019 米ドル 186 14
米州開発銀行 5.39 % 07/31/2001 07/31/2021 米ドル 214 40
米州開発銀行 固定金利 (2.96 % 11/05/2002 11/05/2022 米ドル 200 62
~ 5.39%) /(b)
米州開発銀行 (b) 12/04/2003 12/04/2028 米ドル 34 17
米州開発銀行 (b) 03/09/2004 03/09/2024 米ドル 11 4
合計
2,459 1,168
ラプラタ河流域開発基金 (c) 08/26/2008 07/26/2028 米ドル 47 40
合計
47 40
アンデス山脈開発会社 (c) 07/19/2016 01/19/2029 米ドル 49 48
アンデス山脈開発会社 (c) 07/04/2017 01/04/2030 米ドル 13 0.1469
アンデス山脈開発会社 (c) 10/27/2017 10/27/2029 米ドル 10 1
アンデス山脈開発会社 (c) 10/27/2017 10/27/2032 米ドル 100 6
合計
172 55.1469
OPEC 国際開発基金 5% 02/23/2015 09/15/2032 米ドル 50 41
合計
50 41
(a) 世界銀行の変動利率 + スプレッド
(b) 米州開発銀行の変動利率
(c) 6か月物 LIBOR + スプレッド
188/205
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アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
ペソ建債務
直接債務
ペソ建支払継続債券
元本金額
2018 年
12 月31日
債券 利率 発行日 最終満期 通貨 額面金額 現在残高
(単位:百万ドル)
PR 15 (a) 10/04/2022 ペソ 111 194
01/04/2010
BOGATO/$/1,6012%-CER+4%/06-03- 1.6012% 資本化 / 03/06/2020 ペソ 793 915
03/06/2018
2020
CER +4%
BONAR/DLK/4,50%U$S-2,35%$/13- 4.50%/2.35% 資本 07/13/2018 02/13/2020 ペソ 1,638 1,638
02-2020
化
BONAR/DLK/4,50%U$S-2,40%$/21- 4.50%/2.40% 資本 06/21/2018 06/21/2019 ペソ 2,000 2,000
06-2019 化
BONAR/$/1,7056%-CER+3,75%/08- 1.7056% 資本 02/09/2018 02/08/201 9 ペソ 1,864 2,208
02-2019
化/CER+3.75%
BONAR/$/6,72763943919512%/31- 6.72763943919512% 04/03/2018 12/31/2028 ペソ 1,490 1,448
12-2028
BONAR/$/BADLAR+200PB/03-04-2022 (a) 04/03/2017 04/03/2022 ペソ 1,418 1,418
BONAR/$/BADLAR+250PB/11-03-2019 (a) 03/11/2013 03/11/2019 ペソ 1,040 1,040
BONAR/$/BADLAR+300PB/10-06-2019 (a) 06/10/2013 06/10/2019 ペソ 397 397
BONAR/$/BADLAR+300PB/23-12-2020 (a) 12/23/2013 12/23/2020 ペソ 937 937
BONAR/$/BADLAR+325PB/01-03-2020 (a) 03/01/2016 03/01/2020 ペソ 442 442
Bono del Tesoro Consolidado ゼロクーポン 01/02/1990 01/02/2089 ペソ 23 21
2089
BONTE/$/26,00%/21-11-2020 26% 06/21/2018 11/21/2020 ペソ 3,145 3,145
BONTE/$/15,50%/17-10-2026 16% 10/17/2016 10/17/2026 ペソ 2,554 2,554
BONTE/$/16,00%/17-10-2023 16% 10/17/2016 10/17/2023 ペソ 1,697 1,697
BONTE/$/17,25%/13-09-2021 17% 03/13/2018 09/13/2021 ペソ 2,336 2,537
BONTE/$/18,20%/03-10-2021 18.20% 10/03/2016 10/03/2021 ペソ 1,653 1,653
BOTAPO/$/TPE/21-06-2020 経済政策レート 06/21/2017 06/21/2020 ペソ 2,761 2,761
Letes 48% 09/21/2018 02/28/2019 ペソ 1,258 1,416
Letes 34% 08/17/2018 03/29/2019 ペソ 986 1,103
Letes 41.40% 09/21/2018 09/30/2019 ペソ 1,165 1,290
Letes 48% 09/21/2018 01/31/2019 ペソ 1,130 1,271
Letes 45% 12/28/2018 04/12/2019 ペソ 910 910
Letes 48% 11/23/2018 02/22/2019 ペソ 793 825
Letes 42% 12/28/2018 06/28/2019 ペソ 165 165
Letes 48% 10/19/2018 04/30/2019 ペソ 926 1,001
Letes 36% 10/30/2018 04/30/2020 ペソ 726 770
Letes 45% 10/30/2018 05/31/2019 ペソ 1,058 1,139
Letes 40.20% 10/19/2018 10/31/2019 ペソ 1,058 1,130
Letra del Tesoro - ANSES 多種 07/30/2018 01/28/2019 ペソ 159 159
Letra del Tesoro - ANSES 多種 12/26/2018 12/26/2019 ペソ 2,275 2,275
Letra del Tesoro - FFSIT (b) 08/15/2018 02/13/2019 ペソ 33 33
Letra del Tesoro - FFSIT (b) 09/17/2018 03/18/2019 ペソ 109 109
Letra del Tesoro - FFSIT (b) 07/24/2018 01/21/2019 ペソ 26 26
Letra del Tesoro - FFSIT (b) 10/17/2018 04/15/2019 ペソ 8 8
Letra del Tesoro - FFRH (b) 11/05/2018 05/06/2019 ペソ 17 17
Letra del Tesoro - SRT (b) 08/27/2018 08/26/2019 ペソ 2 2
Letra del Tesoro - CMEA ゼロクーポン 09/19/2018 09/21/2020 ペソ 233 233
BONCER/$+CER/2,50%/22-07-2021 2.50% 07/22/2016 07/22/2021 ペソ + 707 1,393
CER
BONCER/$+CER/2,25%/28-04-2020 2.25% 10/28/2016 04/28/2020 ペソ + 1,517 2,845
CER
BONCER/$+CER/4,25%/15-01-2019 4.25% 12/15/2017 01/15/2019 ペソ + 585 867
CER
BONCER/$+CER/4,25%/15-04-2019 4.25% 12/15/2017 04/15/2019 ペソ + 852 1,264
CER
BONCER/$+CER/4,00%/06-03-2023 4% 03/06/2018 03/06/2023 ペソ + 748 1,048
CER
BONCER/$+CER/4,00%/27-04-2025 4% 04/27/2018 04/27/2025 ペソ + 770 1,037
CER
189/205
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
BONCER/$+CER/8,50%/29-11-2022 8.50% 11/29/2018 11/29/2022 ペソ + 898 939
CER
PR13/$+CER/2,00%/15-03-2024 2% 03/15/2004 03/15/2024 ペソ + 51 277
CER
PAR EN PESOS - DTO. 1735/04 1.18% 12/31/2003 12/31/2038 ペソ + 75 633
CER
PAR EN PESOS - DTO. 563/10 1.18% 12/31/2003 12/31/2038 ペソ + 0.297 3
CER
DISCOUNT EN PESOS - DTO. 5.83% 12/31/2003 12/31/2033 ペソ + 276 2,970
1735/04 CER
DISCOUNT EN PESOS - DTO. 563/10 6% 12/31/2003 12/31/2033 ペソ + 3 36
CER
CUASIPAR EN PESOS - DTO. 3.31% 12/31/2003 12/31/2045 ペソ + 620 7,290
1735/04 CER
LETES/$+CER/22-02-2019 ゼロクーポン 11/23/2018 02/22/2019 ペソ + 171 180
CER
合計
46,609.297 61,668
(a) 民間部門BADLAR金利 + スプレッド
(b) 公共部門BADLAR金利+ スプレッド
190/205
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
直接債務
外貨建支払継続債券
元本金額
2018 年
12 月31日
債券 利率 発行日 最終満期 通貨 額面金額 現在残高
(単位:百万ドル)
BONAR/U$S/9,00%/15-03-2019 9% 03/15/2012 03/15/2019 米ドル 1,900 1,900
BONAR/U$S/8,75%/07-05-2024 8.75% 05/07/2014 05/07/2024 米ドル 15,426 15,426
BONAR/U$S/8,00%/08-10-2020 8% 10/08/2015 10/08/2020 米ドル 2,948 2,948
BONAR/U$S/7,75 %/30-12-2022 7.75% 12/30/2015 12/30/2022 米ドル 4,498 4,498
BONAR/U$S/7,875%/30-12-2025 7.875% 12/30/2015 12/30/2025 米ドル 4,510 4,510
BONAR/U$S/7,875%/30-12-2027 7.875% 12/30/2015 12/30/2027 米ドル 4,690 4,690
BIRAD/U$S/6,25%/22-04-2019 6.25% 04/22/2016 04/22/2019 米ドル 2,750 2,750
BIRAD/U$S/6,875%/22-04-2021 6.875% 04/22/2016 04/22/2021 米ドル 4,500 4,500
BIRAD/U$S/7,50%/22-04-2026 7.50% 04/22/2016 04/22/2026 米ドル 6,500 6,500
BIRAD/U$S/7,625%/22-04-2046 7.625% 04/22/2016 04/22/2046 米ドル 2,750 2,750
BIRAD/U$S/6,625%/06-07-2028 6.625% 07/06/2016 07/06/2028 米ドル 1,000 1,000
BIRAD/U$S/7,125%/06-07-2036 7.125% 07/06/2016 07/06/2036 米ドル 1,750 1,750
BONAR/U$S/05-08-2019 ゼロクーポン 08/05/2016 08/05/2019 米ドル 22 22
BONAR/U$S/1,00%/05-08-2023 1% 08/05/2016 08/05/2023 米ドル 695 695
BIRAE/EUR/3,875%/15-01-2022 3.875% 10/12/2016 01/15/2022 ユーロ 1,430 1,430
BIRAE/EUR/5,00%/15-01-2027 5% 10/12/2016 01/15/2027 ユーロ 1,430 1,430
BIRAD/U$S/5,625%/26-01-2022 5.625% 01/26/2017 01/26/2022 米ドル 3,250 3,250
BIRAD/U$S/6,875%/26-01-2027 6.875% 01/26/2017 01/26/2027 米ドル 3,750 3,750
BIRAF/CHF/3,375%/12-10-2020 3.375% 04/12/2017 10/12/2020 スイスフ 406 406
ラン
BONAR/U$S/5,75%/18-04-2025 5.75% 04/18/2017 04/18/2025 米ドル 5,555 5,555
BONAR/U$S/7,625%/18-04-2037 7.625% 04/18/2017 04/18/2037 米ドル 2,721 2,721
BIRAD/U$S/7,125%/28-06-2117 7.125% 06/28/2017 06/28/2117 米ドル 2,750 2,750
BIRAE/EUR/3,375%/15-01-2023 3.375% 11/09/2017 01/15/2023 ユーロ 1,144 1,144
BIRAE/EUR/5,250%/15-01-2028 5.25% 11/09/2017 01/15/2028 ユーロ 1,144 1,144
BIRAE/EUR/6,250%/09-11-2047 6.25% 11/09/2017 11/09/2047 ユーロ 858 858
BIRAD/U$S/4,625%/11-01-2023 4.625% 01/11/2018 01/11/2023 米ドル 1,750 1,750
BIRAD/U$S/5,875%/11-01-2028 5.875% 01/11/2018 01/11/2028 米ドル 4,250 4,250
BIRAD/U$S/6,875%/11-01-2048 6.875% 01/11/2018 01/11/2048 米ドル 3,000 3,000
BONAR/U$S/8,00%/29-05-2020 8% 11/29/2018 05/29/2020 米ドル 2,120 2,120
PAR EN U$S - DTO. 1735/04 - 固定金利(2.5%ま 12/31/2003 12/31/2038 米ドル 5,297 5,297
で段階的に上昇)
LEY NY
PAR EN U$S - DTO. 1735/04 - 固定金利(2.5%ま 12/31/2003 12/31/2038 米ドル 1,230 1,230
で段階的に上昇)
LEY ARG
PAR EN U$S - DTO. 563/10 - 固定金利(2.5%ま 12/31/2003 12/31/2038 米ドル 97 97
で段階的に上昇)
LEY NY
PAR EN U$S - DTO. 563/10 - 固定金利(2.5%ま 12/31/2003 12/31/2038 米ドル 71 71
で段階的に上昇)
LEY ARG
PAR EN EUROS - DTO. 1735/04 固定金利(2.26%ま 12/31/2003 12/31/2038 ユーロ 5,758 5,758
で段階的に上昇)
PAR EN EUROS - DTO. 563/10 固定金利(2.26%ま 12/31/2003 12/31/2038 ユーロ 1,645 1,645
で段階的に上昇)
PAR EN YENES - DTO. 1735/04 固定金利(0.45%ま 12/31/2003 12/31/2038 日本円 157 157
で段階的に上昇)
PAR EN YENES - DTO. 563/10 固定金利(0.45%ま 12/31/2003 12/31/2038 日本円 8 8
で段階的に上昇)
DISCOUNT EN U$S - DTO. 8.28% 12/31/2003 12/31/2033 米ドル 3,046 4,271
1735/04 - LEY NY
DISCOUNT EN U$S - DTO. 8.28% 12/31/2003 12/31/2033 米ドル 4,950 6,940
1735/04 - LEY ARG
DISCOUNT EN U$S - DTO. 563/10 8.28% 12/31/2003 12/31/2033 米ドル 930 1,304
- LEY NY
DISCOUNT EN U$S - DTO. 563/10 8.28% 12/31/2003 12/31/2033 米ドル 131 184
- LEY ARG
DISCOUNT EN EUROS - DTO. 7.82% 12/31/2003 12/31/2033 ユーロ 2,589 3,562
1735/04
DISCOUNT EN EUROS - DTO. 7.82% 12/31/2003 12/31/2033 ユーロ 2,212 3,044
563/10
191/205
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
DISCOUNT EN YENES - DTO. 4.33% 12/31/2003 12/31/2033 日本円 51 61
1735/04
DISCOUNT EN YENES - DTO. 4.33% 12/31/2003 12/31/2033 日本円 23 28
563/10
AMPAROS 0 14
LETES/U$S/08-02-2019 ゼロクーポン 02/09/2018 02/08/2019 米ドル
1,239 1,239
LETES/U$S/11-01-2019 ゼロクーポン 01/12/2018 01/11/2019 米ドル 950 950
LETES/U$S/12-04-2019 ゼロクーポン 04/13/2018 04/12/2019 米ドル 1,067 1,067
LETES/U$S/15-03-2019 ゼロクーポン 08/24/2018 03/15/2019 米ドル 913 913
LETES/U$S/22-02-2019 ゼロクーポン 03/16/2018 02/22/2019 米ドル 962 962
LETES/U$S/24-05-2019 ゼロクーポン 05/24/2018 05/24/2019 米ドル 854 854
LETES/U$S/25-01-2019 ゼロクーポン 01/26/2018 01/25/2019 米ドル 1,061 1,061
LETES/U$S/26-04-2019 ゼロクーポン 04/27/2018 04/26/2019 米ドル 1,215 1,215
LETES/U$S/26-07-2019 ゼロクーポン 07/12/2018 07/26/2019 米ドル 717 717
LETES/U$S/29-03-2019 ゼロクーポン 09/14/2018 03/29/2019 米ドル 763 763
LETES/U$S/10-05-2019 ゼロクーポン 11/16/2018 05/10/2019 米ドル 1,350 1,350
LETES/U$S/14-06-2019 ゼロクーポン 12/03/2018 06/14/2019 米ドル 833 833
LETES/U$S/28-06-2019 ゼロクーポン 12/14/2018 06/28/2019 米ドル 850 850
LETRA/U$S/FDA/TITULOS/07-01- Libor-1% 01/07/2011 01/07/2021 米ドル 7,504 7,504
2021
LETRA/U$S/FDA/TITULOS/20-04- Libor-1% 04/20/2012 04/20/2022 米ドル 5,674 5,674
2022
LETRA/U$S/FDA/TITULOS/16-01- Libor-1% 01/16/2013 01/16/2023 米ドル 7,133 7,133
2023
LETRA/U$S/FDA/TITULOS/30-01- Libor-1% 01/30/2014 01/30/2024 米ドル 7,897 7,897
2024
LETRA/U$S/FDA/TITULOS/01-06- Libor-1% 06/01/2015 06/01/2025 米ドル 10,563 10,563
2025
LETRA/U$S/FOI/14-03-2021 Libor-1% 03/14/2011 03/14/2021 米ドル 2,121 2,121
LETRA/U$S/FOI/28-06-2022 Libor-1% 06/28/2012 06/28/2022 米ドル 2,084 2,084
LETRA/U$S/FOI/18-08-2023 Libor-1% 08/16/2013 08/16/2023 米ドル 2,292 2,292
LETRA/U$S/FOI/25-08-2024 Libor-1% 08/25/2014 08/25/2024 米ドル 3,043 3,043
LETRA/U$S/BCRA/29-04-2026 Libor-1% 04/29/2016 04/29/2026 米ドル 376 376
合計
179,149 184,624
192/205
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
間接債務
外貨建支払継続債券
元本金額
2018 年
12 月31日
債券 利率 発行日 最終満期 通貨 額面金額 現在残高
(単位:百万ドル)
08/31/2017 12/31/2042
LETRAS EN GARANTIA
ゼロクーポン 米ドル 4,499
4,499
LETRAS EN GARANTIA 12/21/2018 12/31/2041 2,919 2,919
ゼロクーポン 米ドル
合計
7,418 7,418
ペソ建債務
直接債務
ペソ建債務不履行債券
元本金額
2018 年
12 月31日
債券 利率 発行日 最終満期 通貨 額面金額 現在残高
(単位:百万ドル)
BOCON PREV 2º S. PESOS - PRE3 変動利率 - 09/01/1992 09/01/2002 ペソ 0.055419 0.013210
貯蓄預金口座
BOCON PROV 1º S. PESOS - PRO1 変動利率 - 04/01/1991 04/01/2007 ペソ 0.321937 0.236130
貯蓄預金口座
BOCON PROV 5ª S. PESOS - PRO9 変動利率 - 04/15/2001 04/15/2007 ペソ 0.163250 0.163250
貯蓄預金口座
BOCON PROV 2º S. PESOS - PRO3 変動利率 - 12/28/1994 12/28/2010 ペソ 0.003467 0.003780
貯蓄預金口座
BOCON PROV 3º S. PESOS - PRO5 変動利率 - 01/15/1999 04/15/2007 ペソ 0.180977 0.159260
貯蓄預金口座
BONEX 1992 / PESIFICADO 2% 09/15/1992 05/08/2003 ペソ + 24 3
CER
BONO/2002 / 9% / PESIFICADO 2% 04/16/2001 04/16/2002 ペソ + 3 3
CE R
BONTE 02 / PESIFICADO 2% 05/09/1997 05/09/2002 ペソ + 11 11
CER
BONTE 03 / PESIFICADO 2% 02/21/2000 05/21/2003 ペソ + 5 5
CER
BONTE 03 V / PESIFICADO 2% 07/21/1998 07/21/2003 ペソ + 0.333840 0.333840
CER
BONTE 04 / PESIFICADO 2% 05/24/1999 05/24/2004 ペソ + 2 2
CER
BONTE 05 / PESIFICADO 2% 02/21/2000 05/21/2005 ペソ + 3 3
CER
BONTE 06 / PESIFICADO 2% 02/21/2001 05/15/2006 ペソ + 0.239670 0.239670
CER
B-P 02 / E+3,30% / PESIFICADO 2% 08/22/2000 08/22/2002 ペソ + 0.456890 0.456890
CER
B-P 02 / E+4,00% / PESIFICADO 2% 04/24/2000 04/24/2002 ペソ + 0.152950 0.152950
CER
B-P 04 / E+4,35% / PESIFICADO 2% 02/16/2001 02/16/2004 ペソ + 0.045690 0.045690
CER
DTO.1023 変動利率 - 04/24/1995 04/01/2007 ペソ 0.208162 0.152680
貯蓄預金口座
EUROLETRA/$/11,75%/2007 11.75% 02/12/1997 02/12/2007 ペソ 0.008460 0.008460
EUROLETRA/$/8,75%/2002 8.75% 07/10/1997 07/10/2002 ペソ 0.000350 0.000350
FERROBONOS / PESIFICADO 2% 10/01/1991 10/01/2030 ペソ + 0.002940 0.002940
CER
LETES/ Vto: 15-02-02 / 2% 12/14/200 1 02/15/2002 ペソ + 2 2
PESIFICADO CER
LETES/ Vto: 15-03-2002 / 2% 03/16/2001 03/15/2002 ペソ + 5 5
PESIFICADO CER
LETES/ Vto: 22-02-2002 / 2% 12/28/2001 02/22/2002 ペソ + 0.37139 0.3713900
PESIFICADO CER
LETES/ Vto: 8-3-2002 / 2% 12/14/2001 03/08/2002 ペソ + 2 2
PESIFICADO CER
193/205
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
LETES/ Vto: 22-03-2002 / 2% 12/28/2001 03 /22/2002 ペソ + 0.40517 0.4051700
PESIFICADO CER
PRE4 / PESIFICADO 2% 09/01/1992 09/01/2002 ペソ + 4 1
CER
PRE6 / PESIFICADO 2% 01/01/2000 01/01/2010 ペソ + 0.133808 0.225360
CER
PRO10 / PESIFICADO 2% 04/15/2001 04/15/2007 ペソ + 2 2
CER
PRO2 / PESIFICADO 2% 04/01/1991 04/01/2007 ペソ + 9 6
CER
PRO4 / PESIFICADO 2% 12/28/1994 12/28/2010 ペソ + 2 2
CER
PRO6 / PESIFICADO 2% 01/15/1999 04/15/2007 ペソ + 7 6
CER
PRO8 / PESIFICADO 2% 01/01/2000 01/01/2016 ペソ + 0.062997 0.106100
CER
合計
84.147367 56.07712
194/205
EDINET提出書類
アルゼンチン共和国(E06011)
有価証券報告書
外貨建債務
直接債務
外貨建債務不履行債券
元本金額
2018 年
12 月31日
債券 利率 発行日 最終満期 通貨 額面金額 現在残高
(単位:百万米ドル)
GLOBAL BOND/u$s/7%-15,5%/2008 7% - 06/19/2001 12/19/2008 米ドル 15 15
15.5%
GLOBAL BOND/u$s/12,25%/2018 12.25% 06/19/2001 06/19/2018 米ドル 78 142
GLOBAL BOND/u$s/12%/2031 12% 06/19/2001 06/19/2031 米ドル 55 98
GLOBAL BOND/$/10%-12%/2008 10% - 12% 06/19/2001 09/19/2008 米ドル 0.000360 0.000360
DISCOUNT/u$s/L+0,8125%/2023 LIBOR + 03/31/1993 03/31/2023 米ドル 7 7
0.8125%
PAR BONDS/u$s/6%/2023 6% 03/31/1993 03/31/2023 米ドル 8 8
DISCOUNT/DEM/L+0,8125%/2023 LIBOR + 03/31/1993 03/31/2023 ユーロ 0.289440 0.289440
0.8125%
PAR BONDS/DEM/5,87%/2023 5.87% 03/31/1993 03/31/2023 ユーロ 4 4
FLOATING RATE LIBOR + 03/31/1993 03/31/2005 米ドル 48 27
BOND/u$s/L+0,8125%/2005 0.8125%
GLOBAL BOND/u$s/8,375%/2003 8.375% 12/20/1993 12/20/2003 米ドル 63 63
GLOBAL BOND/u$s/11%/2006 11% 10/09/1996 10/09/2006 米ドル 12 12
GLOBAL BOND/u$s/11,375%/2017 11.375% 01/30/1997 01/30/2017 米ドル 198 198
GLOBAL BOND/u$s/9,75%/2027 9.75% 09/19/1997 09/19/2027 米ドル 55 55
SPAN/u$s/SPREAD AJUS+T.F./2002 変動利率 12/16/1997 11/30/2002 米ドル 0.458310 0.458310
EUROLETRA/EUR/8,75%/2003 8.75% 02/04/1998 02/04/2003 ユーロ 4 4
FRANs/u$s/TASA FLOTANTE/2005 変動利率 04/13/1998 04/10/2005 米ドル 0.314000 0.314000
GLOBAL BOND/u$s/8,875%/2029 8.875% 03/01/1999 03/01/2029 米ドル 0.002000 0.002000
GLOBAL BOND/u$s/11%/2005 11% 12/04/1998 12/04/2005 米ドル 21 21
GLOBAL BOND/u$s/12,125%/2019 12.125% 02/25/1999 02/25/2019 米ドル 3 3
EUROLETRA/u$s/LIBOR+5,75%/2004 LIBOR + 04/06/1999 04/06/2004 米ドル 0.226790 0.226790
5.75%
GLOBAL BOND/u$s/11,75%/2009 11.75% 04/07/1999 04/07/2009 米ドル 12 12
GLOBAL BOND/u$s/CERO CUPON/2000- ゼロクー 10/15/1999 10/15/2004 米ドル 0.063000 0.063000
ポン
04
GLOBAL BOND/u$s/10,25%/2030 10.25% 07/21/1999 07/21/2030 米ドル 0.376000 0.376000
GLOBAL BOND/u$s/12,375%/2012 12.375% 02/21/2001 02/21/2012 米ドル 36 36
EUROLETRA/u$s/BADLAR+2,98/2004 BADLAR + 05/11/2001 05/11/2004 米ドル 0.000010 0.000010
2.98%
EUROLETRA/JPY/6%/2005 6% 11/12/1996 03/24/2005 日本円 0.181390 0.181390
EUROLETRA/JPY/5%/2002 5% 12/20/1996 12/20/2002 日本円 3 3
EUROLETRA/DEM/7%/2004 7% 03/18/1997 03/18/2004 ユーロ 31 31
EUROLETRA/DEM/8%/2009 8% 10/30/1997 10/30/2009 ユーロ 1 1
EUROLETRA/EUR/11%-8%/2008 11% - 8% 02/26/1998 02/26/2008 ユーロ 3 3
EUROLETRA/EUR/8-8,25-9%/2010 8% - 07/06/1998 07/06/2010 ユーロ 1 1
8.25% -
9%
EUROLETRA/DEM/7,875%/2005 7.875% 07/29/1998 07/29/2005 ユーロ 0.305820 0.305820
EUROLETRA/DEM/14%-9%/2008 14% - 9% 11/19/1998 11/19/2008 ユーロ 3 3
EUROLETRA/JPY/3,50%/2009 3.5% 08/11/1999 08/11/2009 日本円 0.181390 0.181390
BONO R.A./JPY/5,40%/2003 5.4% 12/17/1999 12/17/2003 日本円 1 1
BONO R.A./EUR/9%/2003 9% 06/20/2000 06/20/2003 ユーロ 2 2
SAMURAI/JPY/5,125%/2004 5.125% 06/14/2000 06/14/2004 日本円 5 5
BONO R.A./EUR/10%/2007 10% 09/07/2000 09/07/2007 ユーロ 1 1
BONO RA/JPY/SAMURAI/4,85%/2005 4.85% 09/26/2000 09/26/2005 日本円 8 8
EUROLETRA/ATS/7%/2004 7% 03/18/1997 03/18/2004 ユーロ 1 1
BONO R.A./EUR/9%/2006 9% 04/26/1999 04/26/2006 ユーロ 2 2
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BONO R.A./EUR/10%/2004 10% 12/07/1999 12/07/2004 ユーロ 2 2
BONO R.A./EUR/9,75%/2003 9.75% 11/26/1999 11/26/2003 ユーロ 9 9
EUROLETRA/EUR/10%/2005 10% 01/07/2000 01/07/2005 ユーロ 5 5
EUROLETRA/EUR/EURIB+5,1%/2004 EURIBOR + 12/22/1999 12/22/2004 ユーロ 1 1
5.1%
BONO R.A./EUR/10,25%/2007 10.25% 01/26/2000 01/26/2007 ユーロ 2 2
EUROLETRA/EUR/8,125%/2004 8.125% 04/04/2000 10/04/2004 ユーロ 7 7
EUROLETRA/EUR/9%/2005 9% 05/24/2000 05/24/2005 ユーロ 4 4
EUROLETRA/EUR/9,25%/2004 9.25% 07/20/2000 07/20/2004 ユーロ 9 9
EUROLETRA/EUR/10,00%/2007 10% 02/22/2001 02/22/2007 ユーロ 4 4
EUROLETRA/ITL/11%/2003 11% 11/05/1996 11/05/2003 ユーロ 3 3
EUROLETRA/ITL/10%/2007 10% 01/03/1997 01/03/2007 ユーロ 1 1
EUROLETRA/ITL/LIBOR+1,6%/2004 LIBOR + 05/27/1997 05/27/2004 ユーロ 2 2
1.6%
EUROLETRA/ITL/10-7,625/SWAP- 10% - 08/11/1997 08/11/2007 ユーロ 2 2
CAN/2007
7.625%
EUROLETRA/ITL/9,25%-7%/2004 9.25% - 10/21/1997 03/18/2004 ユーロ 3 3
7%
EUROLETRA/ITL/9%-7%/2004 9% - 7% 10/24/1997 03/18/2004 ユーロ 2 2
EUROLETRA/DEM/10,50%/2002 10.5% 11/14/1995 11/14/2002 ユーロ 30 30
EUROLETRA/DEM/10,25%/2003 10.25% 02/06/1996 02/06/2003 ユーロ 29 29
EUROLETRA/DEM/11,25%/2006 11.25% 04/10/1996 04/10/2006 ユーロ 22 22
EUROLETRA/DEM/11,75%/2011 11.75% 05/20/1996 05/20/2011 ユーロ 39 39
EUROLETRA/DEM/9%/2003 9% 09/19/1996 09/19/2003 ユーロ 11 11
EUROLETRA/DEM/12%/2016 12% 09/19/1996 09/19/2016 ユーロ 15 15
EUROLETRA/DEM/11,75%/2026 11.75% 11/13/1996 11/13/2026 ユーロ 16 16
EUROLETRA/DEM/8,50%/2005 8.5% 12/23/1996 02/23/2005 ユーロ 23 23
BONO R.A./EUR/10%-8%/2008 10% - 8% 04/03/1998 02/26/2008 ユーロ 1 1
EURO-BONO/ESP/7,50%/2002 7.5% 05/23/1997 05/23/2002 ユーロ 4 4
EUROLETRA/CHF/7%/2003 7% 12/04/1996 12/04/2003 スイスフ 9 9
ラン
EUROLETRA/GBP/10%/2007 10% 06/25/1997 06/25/2007 英ポンド 1 1
GLOBAL BOND/EUR/8,125%/2008 8.125% 04/21/1998 04/21/2008 ユーロ 5 5
EUROLETRA/EUR/CUP-FIJO/2028 固定利率 05/28/1998 05/28/2028 ユーロ 2 2
EUROLETRA/EUR/8,50%/2010 8.5% 07/30/1998 07/30/2010 ユーロ 4 4
BONO R.A./EUR/8%/2002 8% 02/25/1999 02/25/2002 ユーロ 7 7
BONO R.A./EUR/15%-8%/2008 15% - 8% 02/26/1999 02/26/2008 ユーロ 12 12
EUROLETRA/ITL/10,375%-8%/2009 10.375% - 03/12/1998 10/30/2009 ユーロ 2 2
8%
EUROLETRA/ITL/LIBOR+2,50%/2005 LIBOR + 07/08/1998 07/08/2005 ユーロ 3 3
2.5%
BONO R.A./EUR/9,50%/2004 9.5% 03/04/1999 03/04/2004 ユーロ 1 1
BONO R.A./EUR/14%-8%/2008 14% - 8% 04/06/1999 02/26/2008 ユーロ 2 2
EUROLETRA/EUR/10,50%-7%/2004 10.5% - 05/10/1999 03/18/2004 ユーロ 3 3
7%
BONO R.A./EUR/9%/2009 9% 05/26/1999 05/26/2009 ユーロ 1 1
EUROLETRA/EUR/7,125%/2002 7.125% 06/10/1999 06/10/2002 ユーロ 2 2
BONO R.A./EUR/8,50%/2004 8.5% 07/01/1999 07/01/2004 ユーロ 9 9
BONO R.A./EUR/EURIBOR+4%/2003 EURIBOR + 07/22/1999 07/22/2003 ユーロ 3 3
4%
BONO R.A./EUR/9.25%/2002 9.25% 10/21/1999 10/21/2002 ユーロ 37 37
GLOBAL BOND/u$s/12%/2020 12% 02/03/2000 02/01/2020 米ドル 2 2
GLOBAL BOND/u$s/11.375%/2010 11.375% 03/15/2000 03/15/2010 米ドル 9 9
GLOBAL BOND/u$s/11.75%/2015 11.75% 06/15/2000 06/15/2015 米ドル 11 11
BOCON PROV 3º S. u$s PRO6 LIBOR 01/15/1999 04/15/2007 米ドル 25 22
合計
1,079.39851 1,162.39851
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③ 最近の動向
金融機関に対する債務
IMFのスタッフは、2019年3月および7月においてそれぞれ、SBAにおいて企図された経済計画について第3次およ
び第4次レビューを行った。IMFの理事会は、2019年4月5日に約108億米ドルおよび2019年7月12日に約54億米ドル
の融資の実行について承認した。「(2) 経済-① 近時の経済動向-IMFおよびその他の多国間組織との協定」を参照
のこと。2019年10月2日現在、政府はSBAに基づき約439億米ドルを引き出している。
2019年の外貨建債務
外貨建債券: 2019年6月30日終了の6か月間において、アルゼンチンは、元本総額62億米ドルの外貨建債務を発
行した。これらには、それぞれ元本総額33億米ドルおよび28億米ドルの2024年満期Bonares債および2037年満期
Bonares債が含まれており、かかる債券は、総額62億米ドルについて2019年1月および2月にアルゼンチンにより締
結された一定の取引の一環として発行され、アルゼンチンは同取引に基づき定められた金額を支払うことを条件に、
かかるBonares債を消却できる権利を与えられた。
2019年8月20日、アルゼンチンは、26億米ドルの支払いを条件に、2024年満期Bonares債(総額59億米ドル)、
2025年満期Bonares債(総額40億米ドル)および2037年満期Bonares債(総額28億米ドル)を消却した。上記の取引の
対象となったBonares債は残存していない。
米ドル建トレジャリー・ビル・プログラム
2019年6月30日現在、元本総額128億米ドルのLetes債が未償還であり、そのうち81億米ドルが民間部門により保有
されていた。
2019年における国内通貨建債券
2019年1月1日から6月30日までの間に、アルゼンチンは元本総額1,689億ペソの国内通貨建債券を発行した。そ
の内訳は、590万ペソの2020年満期Bontes債、400億ペソの2021年満期Bonares債、850億ペソの2020年満期Boncers債
および2021年満期Boncers債ならびに380億ペソのBotapos債であった。
ペソ建トレジャリー・ビル・プログラム
2019年6月30日現在、元本総額5,605億米ドルのLetes債が未償還であり、そのうち4,988億ペソが民間部門により
保有されていた。
パリクラブ
2019年において、パリクラブのメンバー国との間で2014年5月に合意に達した決済契約の条項に従い、アルゼンチ
ンは16億3,400万米ドルを支払った。2019年10月2日現在までにアルゼンチンは総額65億9,200万米ドルの支払いを
行っている。「-① 概要-(b) 債務記録-パリクラブ」を参照のこと。
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(7)【その他】
① 訴訟手続
2001 年末に共和国の債券につき不履行を生じたことを受け、米国を含むいくつかの法域で債権者が共和国に対して
多くの訴訟を提起した。これらの訴訟の原告は一般に、共和国が債券の利息および/または元本の適時支払いを怠っ
たと主張し、これら債券の額面価額および経過利息の支払いの判決を求めている。
以下の 「-和解」の項でより詳細に論じる通り、共和国はこれまでに債権者の大多数と合意に達しており、また多
くの訴訟で訴訟上の合意に基づく取下げおよび判決執行済証書の交付命令を申し立て、裁判所により認められてい
る。共和国は係争中の訴訟の解決に向けた取組みを続け、その後も多くの債権者と基本合意に至っている。
債権同順位に基づく訴訟(パリパス訴訟)
2012 年2月、1994年財務代理契約に基づいて発行された債券(「1994年FAA債」)の額面価額4億2,800万米ドルお
よびその利息の請求に係る13件のニューヨークでの訴訟において、原告は裁判所の命令を取得し、その中で共和国が
債権同順位(パリパス)条項に違反していることが認定され、また共和国が当該原告への全額弁済を終えるまでの
間、2005年および2010年の債務交換債に係る共和国の定期利息払いを禁じられた。この命令は控訴審でも争われ効力
が停止されていたが、連邦控訴裁判所が、 債権同順位に基づく差止め( pari passu injunction) を認める命令を出
したため、共和国はその決定についてさらに裁量上訴の受理申立てをした。米国連邦最高裁がこの申立てを退けたこ
とにより、当該命令は2014年6月18日に確定した。
2015 年10月30日、連邦地裁は、1994年FAA債に基づく21億米ドル超の額面価額および判決前後の利息の数十億米ド
ルの請求に係る49件の後続訴訟において、既発の差止めと実質的に同様の債権同順位に基づく新たな差止めを命じ
た。共和国が未交換債務の保有者に対して係争事案の和解を持ちかけた2016年1月の段階で、債権同順位に基づく差
止めの対象拡張を求める数多くの後続的な申立てがあり、およびそれらが係属中であった。
和解の一環として、債権同順位に基づく差止めは解除された。「-和解」を参照のこと。
2016 年8月10日、連邦地裁は別個の2件の訴訟において、マクリ政権の活動に基づく事情変更により債権同順位に
基づく差止めがもはや不要となった現況でかかる請求は争訟性を失ったと判示し、債権同順位に基づく救済を求める
原告の2015年の申立てを確定的に棄却した。
2016 年12月22日、2016年2月の和解案に応じずかつパリパス条項への継続的違反があると主張する一部の債権者が
関与する事案において、連邦地裁は、アルゼンチンが合意債権者や新規発行債券に対する支払いを行っている一方
で、依然として原告の債券に対する支払いがみられないとしつつも、改めて、継続的な債権同順位違反は存在しない
と判断した。
2018 年4月、額面価額で合計544万米ドルの共和国発行債券を所有する複数の原告らが、共和国のパリパス条項違
反を主張して差止めの請求を申し立てた。2018年11月6日、連邦地裁は、共和国がすでにパリパス条項違反の状態に
はないと判断し申立てを棄却した。原告らは上訴しなかった。
米国における集団訴訟
連邦地裁においては2001年の不履行債券の保有者を代表して共和国に対し複数の集団訴訟が提起され、13件がク
ラス認定を受けた。そのうち9件のクラス認定を受けた集団訴訟において標準オプションに基づく和解が成立し、
これらの訴訟は取り下げられた。「-和解」を参照のこと。2017年8月23日、共和国は1件の集団訴訟について和
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解するために306万米ドルを支払い、2017年9月27日、これによりかかる集団訴訟は確定的に取り下げられた。 2018
年5月16日、共和国は8件の集団訴訟を和解で処理するために2,170万米ドルを支払い、その結果、これらの集団訴
訟 は2018年5月29日、確定的に取り下げられた。クラス認定を受けた他の1件の集団訴訟は和解の前に取り下げら
れ、2018年12月31日現在、3件のクラス認定を受けた集団訴訟の原告らはまだ判決を受けていない。
2018 年1月22日、ある原告が、米国法および英国法に準拠する2005年および2010年の債務交換債の実質的所有者で
あるとされるクラスを代表して、連邦地裁に訴えを提起した。原告は、 債権同順位に基づく差止めが効力を生じてい
た2014年から2016年の間に支払遅滞に陥った利息に対する重利の支払いを請求した。2018年11月2日、連邦地裁は共
和国による請求却下の申立てを認め、支払遅滞の利息に対する重利は債務交換債の契約上の債務に含まれるものでは
なく、また、連邦地裁は英国法に準拠する債券について管轄を有しないことから、原告は 訴えを提起するための原告
適格を欠く とした。原告は上訴しなかった。
和 解
2016 年2月5日、共和国は、アルゼンチン議会の承認を第1条件、および債権同順位に基づく差止め(これにより
共和国は、かかる差止めを取得した不履行債務の債権者に按分弁済を行うまでの間、一部の対外債務の支払いを制限
されていた。 「-債権者同順位に基づく訴訟(パリパス訴訟)」を参照のこと。 )の解除を第2条件として、米国で
裁判対象となっている債券を含む未交換債務に係る適格債権を和解で処理するための提案(「本和解案」)を当時の
金融省のウェブページ上に公開した。本和解案では、和解に向けた2つの枠組みが設けられた。「パリパス・オプ
ション( pari passu option)」は、債権同順位に基づく差止命令を取得した原告を対象としたオプションであり、
その支払額は判決額または未払債権額の全額に所定の割引を適用した金額とされた。「標準オプション(standard
option)」は、債権同順位に基づく差止命令の取得の有無を問わず未交換債務を保有するすべての原告を対象とし、
その支払額は対象債券の元本の100%に当初元本の最大50%に値する額を加算した額とされた。未交換債務のすべて
の適格保有者は、共和国が設定および公表した手続に従い標準オプションの条件に同意することができ、共和国がそ
の合意書に副署する時に、上記の条件に従い共和国を相手方とする拘束力ある基本合意の当事者となる。本和解案
は、時効完成済みの元本または利息に係る債権は対象としていない。
本和解案に従って和解した債権者は、すべての強制執行手続きを含む共和国に対する一切の訴訟を確定的に取り下
げることに合意している。 「-② 最近の動向-訴訟手続-和解」を参照のこと。
連邦地裁は2016年3月2日、未交換債務の保有者との和解に関するすべて立法的障害が除去されることを第1条
件、および債権同順位に基づく差止命令の取得者のうち2016年2月29日までに共和国と基本合意に至った者に対して
共和国が当該合意の所定の条件に従い全額弁済をすることを第2条件として、債権同順位に基づく差止めをすべて取
り消していくことを決定した。2016年4月13日、第2巡回区控訴裁判所は連邦地裁の本決定を支持した。 「-債権同
順位に基づく訴訟(パリパス訴訟)」を参照のこと。
2016 年3月31日、アルゼンチン議会は債務承認法を可決し、これにより和解に関する立法上の障害が除去され、本
和解案が承認された。2016年4月22日、アルゼンチンは国際資本市場で165億米ドルの新規債券を発行し、元本ベー
スで約42億米ドル相当の未交換債務の保有者との合意に基づく和解金支払いを履行するために純手取金から93億米ド
ルを充当した。2016年3月2日の決定に付された条件の成就が確認され、連邦地裁は2016年4月22日、債権同順位に
基づくすべての差止めの解除を決定した。
2016 年5月5日、受託者に支払われる2005年および2010年の債務交換債に基づく利息が、受託者から当該債券の保
有者に支払われた。
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2016 年7月20日、アルゼンチンは、ドイツ法に準拠する適格債券の保有者向けに、当該債券に関する和解案を実施
するための和解手続を公表した。
2018 年12月、アルゼンチンは、日本法に準拠する未償還残存債券4シリーズに関して、議案(これが承認される
と、標準和解案が採択され、サムライ債の未償還残高の100%をカバーする条項をもって和解が行われる。)を投票
に付すため債権者集会を招集した。当該集会は2019年2月に開催され、アルゼンチンは2019年6月にその支払いを完
了した。
米国における個別訴訟
2016 年4月12日、連邦地裁は、ある債権者グループがアルゼンチンに送付した和解関連文書(アルゼンチンは副署
していなかった。)が拘束力のある和解合意である旨の確認を求めて提起した訴訟について、アルゼンチンによる請
求却下の申立てを認めた。連邦地裁は、アルゼンチンの副署がなく原告との間に拘束的な契約は成立していないと判
断した。原告はこの棄却に対して控訴し、2019年10月2日現在、控訴審が係属中である。
2016 年6月1日、ニューヨーク州法、ドイツ法、英国法およびイタリア法に準拠する価額未確定のアルゼンチン債
券を所有すると主張するある債権者が、アルゼンチンに対し、その所有権に基づき、連邦地裁に訴訟を提起した。ア
ルゼンチンおよび原告は、原告がハーグ送達条約に従い共和国に送達を実施したことに関する証拠を提出した後60日
以内に、アルゼンチンが原告の訴えに応答する旨を申し出た。連邦地裁は2016年7月28日にこの申出を認めた。原告
はかかる送達の証拠を提出せず、訴訟は当事者間で交わした取下げ条項に従い2019年8月15日に和解により取り下げ
られた。
2016 年11月、ある債権者が共和国に対して、ニューヨーク州法、ドイツ法およびスイス法に準拠する額面価額にし
て約6,210万米ドル、300万ユーロおよび200万スイスフランの債券の所有権に基づき、連邦地裁に2件の訴訟を提起
した。原告の主張には、同様の事案において連邦地裁が後の2016年12月22日および2018年10月22日に退けることと
なったパリパス条項違反の主張が含まれていた。2019年10月2日現在、訴訟手続は停止しており、アルゼンチンはこ
の訴えにまだ応答していない。
2016 年12月22日、連邦地裁は、額面価額にして総額2,090万米ドルの債券に係る3件の訴訟について、原告の元本
および利息に対する請求権のうち訴え提起の6年以上前に発生していたものについてはすべて時効が成立していると
して、アルゼンチンによる請求棄却の申立ての一部を認めた。さらに、連邦地裁は、共和国がパリパス条項に違反し
ているとの主張に基づく特定履行および損害賠償の請求も棄却し、その理由において、アルゼンチンが依然として原
告の債券に対する支払いを行っていない状況下で他の債権者に対する支払いを行ったとしてもパリパス条項違反を構
成しないと認定し、そのためアルゼンチンはパリパス条項に違反しておらず、またパリパス条項違反があっても個々
に損害賠償請求権が生じるものではないとした。
2018 年1月2日、命令第1005/2001号により設けられた2001年租税優遇プログラムに基づきアルゼンチンが発行し
た保管証書を所有すると主張する3人の個人が、共和国に対し訴訟を提起した。その主張によれば、保管証書は、
ニューヨーク州法に準拠してアルゼンチンが発行し、信託によりアルゼンチンで管理されている債券の元本金額(額
面価額にして約3,580万米ドル)を表章している。原告らは、損害賠償とパリパス条項に基づく差止めを請求した。
2019年1月15日、連邦地裁は、保管証書が連邦地裁に管轄権を設定していないことを理由のひとつとして、アルゼン
チンによる請求却下の申立てを認めた。原告らは2019年2月11日に上訴し、2019年10月2日現在、かかる上訴審が係
属中である。
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2018 年4月24日、原告の1人は、元本76万米ドル相当の1994年FAA債を所有するとして、元本および利息の金員支
払判決を得るために請求内容を修正して訴訟を提起した。かかる訴訟には、2016年12月22日に類似事案において連邦
地裁が棄却したパリパス条項違反に基づく請求と実質的に類似する請求が含まれている。アルゼンチンは2018年6月
25 日、訴えを一部退けるよう申し立て、2018年7月13日にはその事前主張を終えた。2018年10月22日、連邦地裁は共
和国による請求棄却の申立てを認め、訴え提起の6年以上前に発生していたすべての請求権とパリパス条項違反に基
づくすべての請求権を退けた。2018年11月26日、原告は上訴し、2019年10月2日現在、上訴審が係属中である。
2018 年9月10日、連邦地裁は、ニューヨーク州法に準拠する額面価額にして約530万米ドルの債券、およびドイツ
法に準拠する額面価額にして100万ユーロの債券を所有すると主張する原告の訴えについて、アルゼンチンによる請
求棄却の申立てを認めた。連邦地裁はすべての原告の請求について時効が成立しているとし、アルゼンチンによる法
律の制定、財政上の発表、政府高官による発言または2010年の債務交換の申入れが時効を中断したとの原告の主張を
退けた。2018年9月21日、原告は上訴し、2019年10月2日現在、上訴審が係属中である。
米国訴訟におけるアルゼンチンの財産に対する差押えまたは執行の試み
米国において、外国を相手方とする債権者の執行による救済は、米国での商業活動に用いられる当該外国の資産を
その対象とする場合には、1976年外国主権免除法(「FSIA」)により制限される。FSIAはまた、外国の中央銀行の外
貨準備ならびに軍事財産および外交財産を差押えおよび執行から特別に保護している。共和国またはいわゆる共和国
の分身の財産に対する執行の試みは裁判所によりほぼ退けられているが、いくつかの事件では、アルゼンチンの未交
換債務に基づいて支払いを請求した原告が共和国資産の差押さえおよび保全に成功している。
米国判決の海外承認手続
一部の原告は、英国、ルクセンブルク、フランス、ベルギー、スイス、ガーナおよびアルゼンチンを含む外国の裁
判所において米国判決の承認を求めており、一部の訴訟でかかる承認を取得した。当該原告らは、アルゼンチンに対
する請求につき和解に応じている。
ドイツにおける訴訟
一部の債券保有者は、ニューヨークの裁判所で認められたものと同様の債権同順位に基づく救済を取得すべく、ド
イツで手続を開始した。ドイツの裁判所は事実審および上訴審の両レベルでかかる救済を退けている。
判決を執行しようとする原告は、共和国の大使館および領事館の銀行口座など外交上または領事上の目的で使用さ
れる資産を差し押さえることができない。共和国の理解によれば、ドイツの原告は、(別の政府発行債の利息支払い
に係る)支払代行機関により保有される共和国資金の差押えに成功している。一部の債権者はまた、ドイツの「敗訴
当事者負担」の制度に基づき共和国の費用(法定の弁護士費用および、もしあれば訴訟費用)を負担するその他の原
告(たとえば、共和国に対する請求を取り下げ、または訴訟の一部または全部で敗訴した者)に対して共和国が有す
る債権を、当該原告による相殺が及ばない範囲で差し押さえている。
一部の原告は、米国およびルクセンブルクを含む外国の裁判所においてドイツ判決の承認を求めている。
日本における訴訟
2010 年2月10日、共和国は、日本の法律に基づき共和国が発行した不履行債券4シリーズについて、日本の債券の
管理会社が提起した額面価額で約110億円およびその利息を請求する訴状の送達を受けた。当該原告は、2010年債務
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交換に参加した結果、大半の請求を取り下げた。2013年1月、東京地方裁判所(東京地裁)は、債券保有者のための
債券の管理会社は訴えを提起するための原告適格を欠くとして本件請求を退けた。2014年1月、東京高等裁判所は地
裁 の判断を支持し、原告は最高裁に上告した。2016年6月2日、最高裁は高裁判断を覆し、追加審理のために事件を
東京地裁に差し戻した。2016年6月8日、共和国は、日本の法律に基づき共和国が発行した不履行債券3シリーズに
係る額面価額で933,000,000(9億3,300万)円の債権につき、和解金を支払った。
2018 年3月26日、東京地裁はアルゼンチンに対して新たな判決を下し、共和国が上訴したことにより上訴審が東京
高等裁判所に係属した。日本法に準拠する残存債券の保有者を対象とする2016年2月の和解案の実施に関して債券管
理会社と協議を進める中で、2018年12月、アルゼンチンは、 日本法に準拠する未償還残存債券4シリーズに関して、
議案(これが承認されると、標準和解案が採択され、サムライ債の未償還残高の100%をカバーする条項をもって和
解が行われる。)を投票に付すため債権者集会を招集した。当該集会は2019年2月に開催され、アルゼンチンは2019
年6月にその支払いを完了した。詳細は「-② 最近の動向-訴訟手続-日本における訴訟」を参照のこと。
スペインにおける訴訟
2014 年4月10日、ドイツ判決取得済みの原告が、スペインに所在する共和国資産を差し押さえるための手続をマド
リードの裁判所で開始した。2015年5月14日、当該裁判所は在スペインの共和国資産に対して原告がドイツ判決を執
行することを認容した。2015年12月、裁判所が当該決定に対する共和国の取消しの申立てを退けたため、共和国はそ
の判断について控訴した。2016年9月28日、控訴裁判所は共和国の控訴を認め、下級審の執行命令を取り消した。
「-② 最近の動向-訴訟手続-スペインにおける訴訟」を参照のこと。
アルゼンチンにおける訴訟
2001 年の経済危機以来、共和国は、危機中にとった措置に関連する請求、とりわけ不履行債券の支払いに係る訴え
をアルゼンチン国内で提起されている。これらの訴訟は概して奏功していない。アルゼンチン最高裁は一貫して、債
券の支払延期を含め、2001年経済危機を受けて採用された緊急措置の合憲性を支持する複数の判断を示している。こ
の種の地方レベルの訴訟は大半が退けられている。
アルゼンチンにおける海外判決の承認および執行: アルゼンチン法は、権限ある外国裁判所により下された終局
判決のアルゼンチン国内における執行を認めている。ただし、被告の適切な防御権が保証されること、その判決また
は判断がアルゼンチンの公序原則に反しないこと、およびその判決または判断が過去または同時期にアルゼンチンの
裁判所により下された他の判決と矛盾しないことを条件とする。通常、外国の債権者がアルゼンチン国内において訴
訟を提起し、または外国の判決または判断の執行を求めることはない。
アルゼンチン国内で、4件の訴訟の原告が総額約2,400万米ドルに係る米国判決の承認を求めている。このうち3
件は最高裁まで手続が進み、外国判決承認請求を退けた前審の控訴裁判断が支持された。2019年10月2日現在、4件
目は下級審に係属している。アルゼンチンの裁判所が米国判決の承認および執行の請求を退けたすべての事件におい
て、裁判所は共和国の主張通り、原告に利益が生じる債券をアルゼンチンが発行することが商業活動を構成するとし
ても、経済的および社会的緊急事態の結果として不履行を宣言した共和国の決定は国家主権の行使を構成するもので
あり、それは外国裁判所によっても尊重されるべきとの考えを支持した。2016年2月に共和国が本和解案を公表して
以降、共和国はアルゼンチン国内での米国判決の承認を求めていた原告全員と和解の合意を交わした。
アルゼンチンにおける仲裁判断の強制: 債権者がアルゼンチンを相手方とする仲裁判断に基づいて回収を行うた
めには、まず権限ある機関に通知し、当該財政年度の予算から拠出される資金による支払いを請求しなければならな
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い。かかる資金が拠出できない場合、債権者は当該判断の支払いが翌財政年度の予算に計上されるべきことを請求す
ることができる。当該判断が翌財政年度の予算に計上されるために、行政府は前年度の9月15日までにその旨を議会
に 示さなければならず、債権者は前年度の7月31日までに権限ある機関にその旨を通知しなければならない。債権者
がかかる要件をみたしたにもかかわらず共和国が当該額を翌財政年度の予算に計上しないか、または翌財政年度中に
支払いを行わない場合、債権者は当該判断の履行を得るためアルゼンチンの資産に対して執行を試みることができ
る。
また、アルゼンチン法が適用される債券に関する事案も存在する。
ICSIDにおける仲裁
アルゼンチンは、2001年および2002年のアルゼンチン経済危機に対処するためにとられた措置の結果に関するもの
を含め、1965年国家と他の国家の国民との間の投資紛争の解決に関する条約(「ICSID条約」)に基づく仲裁手続の
当事者となっている。
2014 年から2019年までの間、アルゼンチンは、アルゼンチンに対する総額12億米ドルの請求を認容した8件の
ICSID仲裁廷の最終判断を決済した。
上記金額は、すべて、利息および費用を除く元本を表す。
その他の仲裁
国連国際商取引法委員会(「UNCITRAL」)のルールに基づく仲裁廷、および国際商工会議所(「ICC」)のルール
に基づく仲裁廷に請求を申し立てた申立人もいる。
アルゼンチンは2013年10月および2016年5月に、アルゼンチンに対する総額2億5,980万米ドルの請求を認容した
UNCITRALの3件の最終判断を決済した。
上記金額はすべて、利息および費用を除く元本を表す。
米国におけるその他の非債権者による訴訟
2015 年4月8日、Petersen Energía Inversora, S.A.U.およびPetersen Energía, S.A.U.(「Petersen事業体」)
が、アルゼンチンに対して2012年のYPF国有化に関する訴えを連邦地裁に提起した。
Petersen 事業体は、共和国がYPFのクラスD株式の51%を取得した際にYPFの付属定款への違反があったと主張し、
これを根拠に填補的損害賠償(訴額未確定)を求めている。2015年9月、共和国は、連邦地裁はFSIAにより管轄権を
有しない旨を重点的に主張して訴状の却下を求めた。2016年9月9日、連邦地裁は、原告の主張の退けるよう求めた
共和国の申立てを一部認容し、一部棄却した。2018年7月10日、第2巡回区控訴裁判所は連邦地裁の判断を支持する
旨の決定を出した。
2016 年11月3日、Eton Park Capital Management, L.P.、Eton Park Master Fund, Ltd.およびEton Park fund,
L.P.は、YPFのクラスD株式の51%が共和国に取得されたことを発端にYPFの付属定款への違反があったと主張し、こ
れを根拠に共和国に対して填補的損害賠償請求(訴額未確定)の訴えを提起した。
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② 最近の動向
訴訟手続
和 解
2019 年7月31日現在、2015年12月31日現在の未交換債務の額面残高の約85%(共和国が時効完成済みと認識してい
る債権、および合意が交わされていない債権を含めて算定している。)を占める未交換債務保有者との間で基本合意
が 交わされている。
2019 年7月31日現在、和解に応じた債権者への支払いにより、額面価額の合計約33億米ドルおよびその利息に対す
る請求が米国で取り下げられ、また判決の履行額は約53億米ドルとなった。連邦地裁に係属するその他の訴えも和解
の合意に至っており、和解で定めた金額を支払えば訴えは取り下げられる。
2019 年7月31日現在、共和国はドイツ法に準拠する額面価額にして7億5,010万ユーロの債券を所有する債権者と
の間で和解した。券面が保有されているその他のドイツ法準拠債券の決済および消却を可能とするための手続が検討
されている。
米国における個別訴訟
2019 年7月31日現在、2001年の不履行債券につき56件、額面価額にして約4億3,800万米ドルの訴訟が裁判所に係
属している。これらの訴訟の中で、額面価額にして約1億8,400万米ドルの債券について総額約3億1,300万米ドルの
判決が言い渡された。
2019 年1月9日、連邦地裁は、ある原告が2016年和解案の追加的運用により債券に係る共和国への請求を和解で処
理した後で、その代理人弁護士によって申し立てられた依頼人および共和国に対する弁護士報酬207,000米ドルの請
求を棄却した。弁護士は連邦地裁による申立て棄却の判断の見直しを求めて2019年3月10日に上訴し、2019年10月2
日現在、上訴審が係属中である。
2019 年1月14日、ある原告が、GDP連動ワラント債の支払いがなされなかったとして約8,370万米ドルの支払いを求
める訴えを提起した。2019年4月18日、共和国は訴え取下げの動議を申し立て、2019年7月2日にその事前主張を終
えた。2019年10月2日現在、連邦地裁は判断を示していない。
パリパス訴訟
原告らは 債権同順位に基づく差止めが2016年4月に解除された後、 パリパス条項違反に基づく請求を主張した
が、2019年10月2日現在、連邦地裁は2016年4月22日以降になされた債権者同順位に基づく差止めまたは損害賠償
の請求を一切認めていない。「-① 訴訟手続-債券同順位に基づく訴訟(パリパス訴訟)」を参照のこと。
ドイツにおける訴訟
2019 年7月31日現在、ドイツでは、未交換債券に係る総額約1億2,370万ユーロの元本ならびにその利息および訴
訟費用の支払いを内容とするアルゼンチンに対する終局判決が下されたが、不履行債務に関する約240万ユーロの元
本ならびにその利息を求める訴訟については未だ一件も終局判決に至っていない。共和国は、引き続きドイツ法に準
拠する時効完成前の未交換債券の所有者との間で2016年2月の和解案と合致する内容にて和解を進めている。
日本における訴訟
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有価証券報告書
スペインにおける訴訟
2019 年1月25日、スペインの最高裁判所は、ドイツの債権者が共和国を相手方当事者としてドイツで取得した判決
を執行しようとしている事件に関して、原告による2016年9月28日の高等裁判所の決定に対する上告を受理した。か
かる上告審は係属中である。「-① 訴訟手続-スペインにおける訴訟」を参照のこと。
英国における訴訟
2019 年8月、3人の原告が、 GDP 連動ワラント債の支払いがなされなかったとして約3億8,470万ユーロの支払いを
求める訴えを英国で提起した。
ICSIDにおける仲裁
2019 年10月2日現在、アルゼンチンに対してICSID仲裁廷は総額8億400万米ドルの6件の仲裁判断を出してい る。
また、アルゼンチンを相手方当事者とする審理中のICSID仲裁案件が4件あり、請求総額は13億米ドルである。さら
に、当事者が和解の協議中であるため手続停止の合意をしている請求総額3,900万米ドルの2案件がある。
上記金額は、すべて、利息および費用を除く賠償請求対象の元本を表す。
その他の仲裁
2019 年10月2日現在、アルゼンチンに対してUNCITRAL仲裁廷が出した総額750万米ドルの2件の仲裁判断があり、
また、6,710万米ドルの1件のICCの仲裁判断につきアルゼンチンの出した判断取消請求が係属中である。2019年10月
2日現在、アルゼンチンを相手方当事者とする審理中のUNCITRALおよびICCの仲裁が2件あり、請求総額は1億6,070
万米ドルである。さらに、当事者が和解の協議中であるため手続停止の合意をしている請求総額1億6,870万米ドル
の1件がある。
上記金額は、すべて、利息および費用を除く元本を表す。
米国におけるその他の非債権者による訴訟
2019 年1月7日、連邦最高裁は、Petersen事業体による請求申立事件につき、米国の見解を表明させるために訟務
長官を招いた。2019年6月24日、米国連邦最高裁は、アルゼンチンによる裁量上訴受理申立てを棄却した。2019年7
月24日、連邦地裁は、Petersen事業体の不便宜法廷地の法理に基づく異議申立てに対して被告が却下申立てを行うた
めの期限を設ける決定を出し、被告はこれに従い2019年8月30日に当該申立てを行った。「-① 訴訟手続-米国に
おけるその他の非債権者による訴訟」を参照のこと。
2019 年7月24日、連邦地裁は、Eton Park事業体による請求申立事件につき、不便宜法廷地の法理に基づく原告の
異議申立てに対して被告が却下申立てを行うための期限を設ける決定を出し、2019年8月30日に当該申立てが行われ
た。「-① 訴訟手続-その米国その他におけるその他の非債権者による訴訟」を参照のこと。
2【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
3【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
該当事項なし
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