西オーストラリア州理財公社 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出者 | 西オーストラリア州理財公社 |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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西オーストラリア州理財公社(E06033)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2021年12月24日
【会計年度】 自 2020年7月1日 至 2021年6月30日
【発行者の名称】 西オーストラリア州理財公社
(Western Australian Treasury Corporation)
【代表者の役職氏名】 Kaylene Gulich
(西オーストラリア州理財公社最高執行役員)
【事務連絡者氏名】 弁護士 松 添 聖 史
弁護士 渡 邊 大 貴
【住所】 東京都港区六本木一丁目9番10号
アークヒルズ仙石山森タワー
ベーカー&マッケンジー法律事務所
(外国法共同事業)
【電話番号】 (03)6271-9900
【縦覧に供する場所】 該当なし
注(1) 本書中、別段の記載がなければ、「豪ドル」又は「ドル」と表示されたすべての金額はオーストラリア・ドルを意味
する。2021年12月17日現在のオーストラリア・ドルの東京における対顧客外国為替相場の仲値は1オーストラリア・
ドル=81.71円である。
(2) 西オーストラリア州理財公社、西オーストラリア州及びオーストラリア連邦の会計年度は7月1日から翌年6月30日
までである。2021年6月30日に終了した会計年度は本書中2020/21年又は2020/21年度と表示されており、他の会計年
度についても同様である。2020年12月31日に終了した暦年は本書中2020年と表示されており、他の暦年についても同
様である。
(3) 本書中、表中の数字は四捨五入されているため、合計は各々の数字の総和と必ずしも一致しない。
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第1 【募集(売出)債券の状況】
該当事項なし
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第2 【外国為替相場の推移】
(1) 【最近5年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
該当事項なし
(2) 【当会計年度(又は事業年度)中最近6月間の月別為替相場の推移】
該当事項なし
(3) 【最近日の為替相場】
該当事項なし
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第3 【発行者の概況】
1 【発行者が国である場合】
該当事項なし
2 【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
3 【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1) 【設立】
1 設立及び法的地位
西オーストラリア州理財公社(以下「WATC」という。)は、1986年西オーストラリア州理財公社法(以下「公社法」とい
う。)に基づき、当分の間州大蔵次官により構成される法人として1986年7月1日に設立された。
1998 年11月に公社法の改正が行われ、WATCを州大蔵次官により構成される法人として設立した規定が廃止され、かわり
に同様の機能、責任及び説明義務を有する6名から成る取締役会を創設する規定が設けられた。
WATC は公営企業であり、公営機関としての地位、免責特権及び特権を享受する。
2 企業統治
WATC の取締役会(以下「取締役会」という。)は、公社法(改正済)に基づくWATCの業務遂行に責任を持つ。
WATC が、州、顧客及びその他の関係者のためにその業務を確実に遂行するため、取締役会は(大蔵大臣の承認を受けて)
WATCの戦略的な方向付けを定め、方針及び原則を設定し、その下でWATCは運営を行う。
なお、WATCの担当大臣は、文学士、法学士、立法議会議員、首相、大蔵大臣、公共部門管理、連邦-州関係担当大臣であ
るマーク・マガウワン氏である。
取締役会が設定する組織統治方法は、WATCの法的義務の遵守、WATCの業務運営、WATCの業績の監督を可能にするもので
ある。取締役会はWATCの運営管理及び戦略的指揮の実施については、最高執行役員の責務と考え、同人を信頼する。
取締役会の構成
取締役会の構成員は、公社法第5B条に基づき決定され、以下のとおりである。
(ⅰ) 会長-大蔵次官
(ⅱ) 副会長-大蔵次官が適宜任命する大蔵省職員
(ⅲ)WATC の最高執行役員又は最高執行役員代理、及び
(ⅳ) 大蔵大臣が任命する商業又は財務経験を有する3名以内の者。任命取締役である。
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任命取締役の在任期間は任命書に明示された期間(3年以内)であるが、適宜再任される。
2021 年6月30日現在のWATCの取締役は以下のとおりである。
名前 役職 任命日 任期満了
マイケル・バーンズ 取締役会会長 法定 法定
マイケル・コート 取締役会副会長 2017年7月1日 該当なし
(1)
最高執行役員 法定 法定
ケイリーン・グリッチ
フィリッパ・ホブソン 取締役 2020年2月17日 2022年12月31日
スーザン・マーフィー 取締役 2019年1月1日 2021年12月31日
デイヴィッド・ブランビー 取締役 2020年2月17日 2022年12月31日
注:(1) 最高執行役員は執行責任を持つ唯一の取締役である。
取締役会の秘書役は、チーフ・ファイナンシャル・オフィサーのスティーブン・ラフ氏であった。
取締役会の責任
取締役会は公社法に基づくWATCの業務遂行につき責任がある。業務は以下のとおりである。
(ⅰ) 金銭を借入れ、西オーストラリア州の公的部門に対し金銭を貸付ける。
(ⅱ) 公社法の目的とする借入計画を策定・実行する。
(ⅲ)WATC の財政に関する権限と義務を管理する。
(ⅳ) 債務管理、資産管理及びプロジェクト・ファイナンス、ストラクチャード・ファイナンスを含む財務事項につき助言
を行う。
(ⅴ) 大蔵省及びその他政府機関の投資を管理する。
(ⅵ) 政府機関の財務リスク管理を補佐する。
この役割を果たすため、取締役会はWATCの業務を管理し監督する。すなわち、
(ⅰ) 毎年のWATCの「戦略的開発計画書」及び「公社の目的声明書」を(大蔵大臣の承認を得て)検討し設定する。
(ⅱ)WATC の実績を監視する。
(ⅲ) 会計、リスク管理、予算、法令遵守、情報技術及び内部管理方針、システム、報告手順が適切になされているかを確
認する。これらには、「リスク管理方針」及び「事業継続計画」が含まれる。
取締役会委員会
その責務を実行する助けとして、取締役会は監査委員会と人事・報酬委員会を設けている。
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監査委員会
監査員会はWATCの取締役会の小委員会であり、取締役会への助言を行う。監査員会の権限、任務及び責任は監査員会憲
章に概略が説明されている。監査委員会の目的は、取締役会が以下に関する監督責任を遂行する手助けをすることであ
る。
・WATCの金融口座及び財務書類の作成及び完全性
・WATCが財務報告及び不正行為リスクの特定及び管理に利用する、内部統制、方針及び手続
・外部監査人による財務書類の年次監査
・外注した内部監査機能の実績及び業務範囲
・財務報告及び不正に関する情報システムの品質、完全性及び信頼性。
監査委員会は取締役会と監査人(外部及び内部)の間のコミュニケーション手段として行為し、取締役会が監査人の活
動から生ずる重要な事項及び情報に確実に注意を向けるようにする。
監査委員長は各会合の後で、委員会の所見及び勧告を含めて、取締役会に報告を行う。
2021 年6月30日現在の監査委員会のメンバーは、以下のとおりである。
氏名 役職
フィリッパ・ホブソン 委員長
マイケル・コート 委員
スーザン・マーフィー 委員
監査委員会の書記役は、シニア・コンプライアンス・オフィサーのフィリップ・メタクサスであった。
監査委員会のメンバーは、非執行取締役である。
WATC の外部監査はアーンスト・ヤングのサービスを利用する会計検査庁長官により行われ、年次監査を行う。内部監査
機能は2021年6月30日までは、KPMGに外部委託されている。2021年7月1日より、WATCのローテーション方針の一環とし
て、プライスウォーターハウスクーパースが内部監査機能の実施に関与している。
人事・報酬委員会
人事・報酬委員会は最高執行役員を含むWATCの全職員の雇用条件に適用される包括的な報酬及び方針について検討を行
い取締役会に助言を行う。
取締役会の承認を得て、人事・報酬委員会は外部の報酬制度の専門家を利用し、最高執行役員を含むWATC職員の適正な
報酬の水準及びその他の雇用条件につき助言を受ける。
任命取締役に支払われる報酬及び手当は、公共部門管理大臣の助言を受けて大蔵大臣が決定する。最高執行役員の勤務
条件は、大臣の同意を必要とする。
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2021 年6月30日現在の人事・報酬委員会のメンバーは、以下のとおりである。
氏名 役職
マイケル・バーンズ 委員長
マイケル・コート 委員
ケイリーン・グリッチ 委員
フィリッパ・ホブソン 委員
スーザン・マーフィー 委員
デイヴィッド・ブランビー 委員
報酬委員会の書記役は、人事マネージャーである、レベッカ・リッジウェイであった。
3 西オーストラリア州政府との関係
州の中央借入機関として、WATCは州及び西オーストラリア州内の準政府機関に代わり、オーストラリア国内及び国外に
おいて借入を行う。近年、多数の地方政府機関もWATCを通じての借入を選んでいる。
1998 年改正公社法により、WATCは、投資を含む金融資産及び負債の管理につき西オーストラリア州の政府機関を補佐す
ることが可能となった。
4 州保証
公社法第13条第1項に基づき、WATCが公社法のもとで負担した又は引受けた金銭債務は西オーストラリア州を代表する
大蔵大臣により保証される。公社法第13条第1項によって生じる保証に基づく大蔵大臣のいかなる金銭債務も、同法第13
条第2項に基づき必要な範囲で使用される西オーストラリア州統合基金に請求され、支払われる。
5 法規制
WATC の機能を規制する法規制は以下から成る。
(a) 公社法(改正済)及びそれに基づく諸規則
公社法は、WATCの権限並びにその借入及び貸付機能を規定する。
借入の全ての責任は、WATCの取締役会が負う。
大蔵大臣はWATCへの書面による通知をもって、その借入の権限行使に制限を加え、また適宜かかる制限を変更するこ
とができる。WATCの債務は、WATCがかかる制限に違反したことを理由として、又はかかる制限の影響により、強制執行
不能となることはない。WATCと取引を行う者は、WATCがかかる制限に従っていたか又は従っているかにつき調査する義
務はなく、また考慮する必要はない。
(b) 2006 年財政管理法
州及び特別立法に基づく公的機関の財政管理及び監査に関する規定、並びに、各省庁及び特別立法に基づく公的機関
による年次報告に関する規定が設けられている。
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(c) 統一表示枠組み
統一表示枠組み(UPF)は、オーストラリアの州、特別地域及び連邦の政府が詳細な政府全体の財務書類(比較ベー
スでの予測及び結果の両方を含む。)を開示することを求める。UPFは、オーストラリア会計基準AASB第1049号「政府全
体及び一般政府部門財務報告」の要件と共に、財務上の必要額の予測及び結果の透明性のある開示を全ての管轄法域に
おいて確実に利用可能にする。また、信用格付会社による妥協のない州財政の監視もある。西オーストラリア州の政府
全体の財務開示(予算書を含む。)は、本書において詳述される西オーストラリア州公的部門財務実績に関する説明の
基礎を構成する。
6 日本との関係
なし。
(2) 【資本構成】
WATC の2020年6月30日及び2021年6月30日現在の資本構成(監査済)は以下のとおりである。
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
借入金
短期債務(6月30日から1か月以内に満期を迎える債務)
-国内借入 8,954.1 8,555.6
598.0 694.7
-海外借入
9,552.1 9,250.3
長期債務(6月30日から12か月を超えて満期を迎える債務)
-国内借入 45,519.7 46,593.3
0.0 0.0
-海外借入
45,519.7 46,593.3
6月30日現在額面価額 55,071.8 55,843.6
6月30日現在公正価値 58,649.8 60,501.5
資本
留保利益 149.9 149.1
3.0 3.0
準備金
資本合計 152.9 152.1
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(3) 【組織】
2021 年6月30日現在、WATCは79名(男性50名、女性29名)の職員を雇用していた。
2021 年6月30日現在のWATCの取締役及び上級職員は以下のとおりである。
取締役
マイケル・バーンズ 取締役会会長
マイケル・コート 取締役会副会長
ケイリーン・グリッチ 最高執行役員
フィリッパ・ホブソン 取締役
スーザン・マーフィー 取締役
デイヴィッド・ブランビー 取締役
上級職員
ケイリーン・グリッチ 最高執行役員
ロス・モールトン チーフ・オペレーティング・オフィサー
スティーブン・モーホール 顧客サービス本部長
ピーター・シーズ 部長(法務及びコンプライアンス)
ヴィンス・シンキナ 部長(金融市場)
スティーヴ・ラフ チーフ・ファイナンシャル・オフィサー
ケヴィン・ミドルトン チーフ・リスク・オフィサー
ロバート・ベケット 部長(情報及び通信技術)
デービッド・レッツ 部長(助言サービス)
リサ・ブラディ 部長(コーポレート・トレジャリー・サービス)
リチャード・マッケンジー 部長(戦略)
レベッカ・リッジウェイ 人事マネージャー
2021 年6月30日現在のWATCの組織構成は以下のとおりである。
ケイリーン・グリッチ
最高執行役員
ロス・モールトン
スティーブン・モーホール
チーフ・オペレーティング・
顧客サービス本部長
オフィサー
財務、総務及びトレジャリー
助言サービス 金融市場
オペレーション
コーポレート・トレジャリー・
リスク管理 情報及び通信技術
サービス
マーケティング及び
戦略 法務及びコンプライアンス
コミュニケーションズ
事業管理サービス 人事
プログラム管理室
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(4) 【業務の概況】
1 概要
WATC は西オーストラリア州の中央借入機関であり、公社法に基づき、オーストラリア内外においてあらゆる通貨での借
入を行い、WATCから金銭を借入れることを法的に授権されている準政府機関、地方自治体及びその他の自治体(州政府を
含む。)への貸付を行い、借入計画を立案及び実行し、またWATCの財政に関する権限と義務の管理をなす権限を賦与され
ている。この幅広い役割の中に、WATCの主たる業務は資金調達・債務管理、資産・投資管理、財務助言サービス、財務リ
スク管理並びにトレジャリー・マネジメント(資金管理)サービス及びシステムを含む。
ヴィジョン、目標、価値
西オーストラリア州理財公社(WATC)は、西オーストラリア州において一元化された財務サービスを提供し、健全な財
務結果を達成するために顧客である公共部門と協働する。
ヴィジョン
西オーストラリア州の公共部門のために最良の財務ソリューションを提供していると認められること。
目標
州に対する中央金融サービス提供者としてのWATCの役割を果たすにあたり、WATCの2020/21年度の戦略的な焦点は、
以下の中核目標が中心である。
・高品質で費用効率の高い商品及びサービスを西オーストラリア州の公共部門に提供する。
・コスト効率の良い方法で顧客の借入ニーズを満たす資金を確実に調達するために国内外の資本市場への迅速なアク
セスを維持する。
・公社法及びWATCの取締役会のリスク選好に従いWATCの業績を最適化する。
価値
WATC は以下の企業価値に従い、全ての事業取引を行う。
誠実性(Integrity) - WATCは開かれていて、誠実で説明責任を果たす。WATCは最高の職業上、倫理上の基準を忠
実に守る。WATCは約束を尊重する。
パートナーシップ(Partnership) - WATCは成果の達成に向けて、顧客及び同僚に協力して業務を行う。
アダプタビリティ(Adaptability) - WATCは創造的に考え、継続的に改善することに挑戦する。
アチーブメント(Achievement) - WATCは西オーストラリア州のために価値ある成果の提供に従事し、重点を置
く。
リーダーシップ(Leadership) - WATCは西オーストラリア州の長期的利益に貢献するために、その知識と経験を利
用する。
主要な業務分野
WATC は、以下の業務分野を通じて、サービスを提供する。
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顧客サービス
WATC の顧客との協働で、「顧客サービス」部門は、借入金融、投資、外国為替、トレジャリー管理、財務リスク管理
及び財務助言サービスにおける、包括的な一連の高品質、費用効果の高い金融商品及びサービスを提供する。これらの
商品及びサービスは、WATの顧客のために財務的成果の改善を推進及び向上すべく設計されている。顧客と協働して業務
を進めることで、WATCはこれらの商品及び/又はサービスの最も適切な利用により各顧客の個別の事業上の要求を確実に
達成する。
金融市場
グローバルな資本市場における負債資金調達業務、資産負債管理、WATCの流動性ポートフォリオの管理、顧客を代理
しての投資管理、外国為替管理取引並びに経済分析及び金融市場分析を実行する。
戦略
WATC の金融市場及び顧客サービス活動に関連して、州全体の見通しからの財務的成果の改善を目指す戦略的イニシア
チブを開発及び進展させるために、2020/21年に設定された。
リスク及びコンプライアンス
リスク管理は、WATCの業績への悪影響を避けるために、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスク及び流
動性リスクを測定及び監視し、執行役員及び取締役会に全てのリスク事項への指針を提供し、かつ公社組織内でのリス
クに関する良い文化を発展させる責任がある。
法務及びコンプライアンスは、法制、政策及びWATCのコーポレート・ガバナンス慣行の遵守の管理、WATCの借入及び
その他契約(金融市場の契約及び顧客との契約を含む。)のオリジネーション及びドキュメンテーションの監督及びそ
れらに関する指針の提供を担当する。
コーポレート・サポート
WATC のオペレーションを支援する主要な機能には、事業管理サービス、財務、総務及びトレジャリーオペレーショ
ン、人的資源、情報通信技術、マーケティング及びコミュニケーション並びにプログラム・マネジメントの分野を含
む。
2 2020/21年度業績の概要
世界の大部分と同様、WATCは引き続き、仕事の方法、仕事の場所及び中核的な仕事の実行方法を調整して、状況に敏速
に対応しなければならなかった。これを通じて、喜ばしいことに、WATCは、資金への良好なアクセス、投資ポートフォリ
オの質の高い管理、及び顧客に対する質の高い金融商品・サービスの継続的提供の確保を通じて、州のニーズを引き続き
支援することができた。
世界中の政府及び中央銀行による前例のない金融及び財政支援が、グローバルな金融市場の環境を継続して決定した。
キャッシュレートの引き下げ、3年物のイールドカーブ・コントロールの導入、並びに多額のソブリン債及び準国債の購入
プログラムを通じたオーストラリア準備銀行(RBA)の介入は、2020/21年度の大半を通してローカルな市場環境の安定化
を助け、RBAは準政府債券の最大所有者の一つとなった。
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この期間における西オーストラリア州経済の基礎的な強さと回復力により、州は引き続き営業黒字を達成し、2020/21年
度には記録的な一般政府の営業黒字を達成した。その結果、州に対する基本的な資金調達タスクは年間を通して下方修正
され、2021年6月30日までに提供された2億6,400万ドルの新資金調達は、年初に見積もられた23億ドルを大幅に下回っ
た。2020/21年度中、WATCは指標銘柄債及び変動利付債を約79億ドルを発行した。これには2021年7月の指標銘柄満期のた
めの前調達が含まれている。
重要な貸借対照表指標を継続的に管理した結果、12ヶ月以内に満期を迎える負債の割合は、2021年6月30日現在17.3%
となった。公共部門の流動性が高いことを反映して、WATCの流動資産ポートフォリオのカバー率は182.5%と健全であっ
た。これらの両方の結果は、WATCの取締役会の目標(それぞれ20%未満、100%以上)に十分納まった。
COVID -19による旅行の制限は全てのオフショア・マーケティング旅行の停止につながった。その結果、WATCは「固定金
利ディーラー・パネル」のメンバーと提携し、バーチャルで多くのオフショア投資家に最新情報を提供した。国内マーケ
ティングもバーチャルで行われ、債券カンファレンスへの参加、2020年10月に西オーストラリア州大蔵大臣が投資家や市
場仲介業者に提示した、オンラインの予算編成後の経済・財政最新情報の配信などが行われた。WATCは引き続き、経済情
報の更新、投資家向けプレゼンテーション、WATCウェブサイト、カンファレンスコールなどを通じて、バーチャル(仮
想)世界で投資家や金融市場のパートナーと協働する機会を模索している。
2021 年6月30日現在、顧客の運用資産総額は29億ドルであった。同年中には、WATCは「未来の保健研究・イノベーショ
ン基金」の変更を支援した。これには、基金の資本を永続的に維持し、WATCが管理することによる「未来の基金」の再構
築を含み、毎年の投資収入は保健省が保健・医療研究、イノベーション及び商業化を推進するために利用される。
低金利環境は、WATC自身の投資収益を低下させ、年間の税引前利益は3,170万ドルと、過去数年に比べわずかに少なかっ
た。WATCは、2,630万ドルを配当金及び税金相当額として統合勘定に拠出する。
営業の最前線では、WATCスタッフは例外的に多忙を極めている。当年度の焦点は、新たなトレジャリー管理システムの
統合、情報通信技術(ICT)のハードウェア及びソフトウェアの継続的なアップグレード、目的に沿ったコラボレーション
及び柔軟な職場空間を備えたオフィスの改修の完了、並びにいかなる場所からでも効率的な作業を支援するための関連す
るICT能力の向上であった。
WATC の顧客チームは引き続き、州の良好な財政成果を支援するために、WATCの知識と経験に基づき、これらを共有し
た。これには、顧客がより幅広く知識を構築するための多数のトレーニングと開発機会の活用を含んだ。今年度の主要な
重点は、COVID-19の影響に対応するため、大学と地方政府部門の流動性を支援する新たな貸付商品の開発及び実施であっ
た。
3 目標に対する成果
WATC の取締役会は、WATCの年間業績目標を設定する。これらの目標は、公社法第16I条第2項に基づき毎会計年度開始時
に大蔵大臣に対して提出される「企業趣旨声明(Statement of Corporate Intent)」の一部を構成する。
WATC の主要な業績指標は州政府の目標である「強固で持続可能な財政-責任ある、達成可能な、手頃なサービスの提
供」に沿って開発されている。
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5年間のKPI(主要な業績評価指標)の概要
2020/21 年度 2019/20 年度 2018/19 年度 2017/18 年度 2016/17 年度
金利の節減予想
達成 達成 達成 達成 達成
>0.00%
顧客満足の評価 99 % 100 % 100 % 99 % 100 %
管理費用比率 0.0040 % 0.038 % 0.034 % 0.034 % 0.037 %
税引前利益 31.7 百万ドル 40.7 百万ドル 41.7 百万ドル 34.8 百万ドル 17.6 百万ドル
職員のエンゲー
60 % 該当なし 56 % 56 % 46 %
ジメント評価*
* 使用する方法が2017/18年度に変更された。
5年間の財務情報
2020/21 年度 2019/20 年度 2018/19 年度 2017/18 年度 2016/17 年度
(単位:百万ドル)
財務実績
法人税相当額控
31.7 40.7 41.7 34.8 17.6
除前の利益
財政状態
資産合計 61,892.2 64,658.5 59,483.4 55,985.8 54,987.8
資産増加率(%) -4.3 8.7 6.2 1.8 7.9
負債合計 61,739.3 64,506.4 59,337.9 55,851.3 54,868.3
資本 152.9 152.1 145.5 134.5 119.5
4 顧客への価値の提供
WATC は、州及び政府機関に高品質でコスト効率の良い広範囲にわたる金融商品及びサービスを提供する。
債務商品及びサービス
WATC は西オーストラリア州の公共部門の顧客に対し、資金調達要件を満たすためのデット・ファイナンスを提供してい
る。これには、新規業務のための資金調達、既存債務の借換え及び流動性目的のための資金調達が含まれる。幅広い満期
の幅及び構造範囲を対象とした柔軟性のある負債商品が利用可能である。WATCでは、各顧客の個別の債務及び債務管理
ニーズの実現に向けて、各債務商品が適切に適用されるように顧客と協力して取組んでいる。
2020/21 年度の初めに発表された州の借入プログラムにより、WATCは顧客の借入の年間増加額を23億ドルと予測し、計画
していた。しかし、政府のイニシアチブ及び優先事項は進展する性質があり、西オーストラリア州経済が好調であったこ
ともあって、年度中の顧客の借入は2億6,430万ドルの増加にとどまった。2021年6月30日現在の顧客の債務残高合計は、
500億ドルであった。
2021 年6月30日現在、西オーストラリア州の地方政府によるWATCの債務残高合計は、5億8,190万ドルで、同年中に
3,830万ドル減少した。地方政府顧客に対しては、72件、合計6,230万ドルの新規貸付が承認された。
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COVID -19期間中の顧客支援
COVID-19による危機の期間中、WATCが顧客を最もよく支援できる方法を判断することが、WATCの優
先事項であった。
2020年5月7日、州政府は、パンデミックによる収入減少の影響を受けた西オーストラリア州の地
方政府や大学を支援するため、WATCを通じた新たな1億ドルの貸付枠設の設定を発表した。
WATCの新しい短期貸付枠により、顧客は、当年度中の業務上の流動性を支える低金利の短期貸付を
利用できるようになった。6つの地方政府がこのような枠を設定し、合わせて総額は2,350万ドルに
達した。これらの貸付枠は顧客に、必要であれば利用可能な資金という確実な金融上のセーフティ
ネットを与えるものであった。最後まで、この貸付枠に基づく資金を必要とされなかった。
この短期貸付枠と並行して、WATCは、地方政府がパンデミックから生じる潜在的なキャッシュフ
ロー不足を特定する助けとなる、キャッシュフロー予測モデルを開発した。
財務助言サービス
WATC は、西オーストラリア州の公共部門に対し、情報に基づく財務上の意思決定を促進するため、コーポレート及び財
務リスク管理に関する一連の助言サービスを提供している。WATCは、公共部門のプロジェクトに関して行われるコーポ
レート及び財務リスク管理の分析を強化するために、顧客との協働を目指している。WATCの専門知識と経験を顧客の独自
のビジネス知識、及び州の公共部門に対するWATCの理解を統合することにより、WATCは顧客及び西オーストラリア州全体
に優れた成果をもたらすよう努力している。
WATC の顧客及び州により良い結果をもたらすための顧客助言エンゲージメントの例には以下を含む:
・ 公共輸送局及び西オーストラリア州幹線道路局と協力し、優先順位の高いインフラストラクチャー・プロジェクト
に対する連邦の資金の要求を支援するためのビジネスケースを作成・強化する。これらのプロジェクトの価値は35
億ドルを超えている。連邦政府の共同資金にアクセスすることで、州の借入に対する影響を軽減することができ
る。
・ 契約業務の入札・再入札の過程で、様々な顧客を補佐する。これには、価格決定メカニズムの見直し、入札及び価
格提案に対する財務的な反応の評価、契約支払いを計算するための財務モデルの提供、州への大幅なコスト削減の
実現を含んでいた。
・ ピルバラにおけるホライズン・パワー社のノース・ウェスト・インターコネクテッド・システム(NWIS)の電力網
の開放規制資産基盤の決定を支える財務モデリングの見直しと検証を目的とする、エナジー・ポリシー西オースト
ラリアの支援。
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WATC は、それぞれの契約を完了した後に、自社の財務助言サービスに関する顧客からのフィードバックを求めている。
2020/21年度に得られたフィードバックは、すべての分野で極めて肯定的なものであった。顧客は、提供された助言の質、
付加価値、WATCチームの総合的な能力及びサービスレベルを評価するよう求められ、100%の顧客がWATCのサービスに非常
に満足していると回答し、そのうち75%が非常に満足していると回答した。
西オーストラリア州の未来コンテナ港の財務アドバイザー
WATCは、ウエストポートの州財務アドバイザーである。ウェストポートは、物流及び関連する道
路・鉄道一貫輸送回廊を支援する、クウィナナの新港の計画を進めている複合インフラストラク
チャー・プロジェクトである。2020年8月、州政府は西オーストラリア州の長期的な貨物輸送ニー
ズに応えるために、独立のウエストポート・タスクフォースがクウィナナに設置する将来のコンテ
ナ港について推奨する場所を承認した。
WATCはウエストポートに対し、過去2年間にわたり数多くの問題について助言を行ってきた。ウエ
ストポート・タスクフォースの最終的な提言は、WATCが提供した以下の主要な財務分析によって裏
付けられている:
・ 2つの詳細な複数基準分析で考慮されたそれぞれの選択肢の経済的・商業的評価。プロジェ
クトの選択肢の最終候補に用いられた。
・ 一次選考を経た選択肢の便益費用比率を計算するための迅速な費用便益分析モデル。
・ コンテナ増加率の見直しと提言。
輸送局は、WATCをプログラムの次の段階を支援するためのウェストポートの財務アドバイザーとし
て雇用した。このプログラムでは、州政府が将来の投資決定を伝えるためにビジネスケースの作成
及びその他の検討を行っている。
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外国為替業務
WATC は、西オーストラリア州の公共部門の顧客に幅広い外国為替ソリューションを提供している。これには、大蔵大臣
指示826号に従った為替リスク管理並びに外国為替商品及び外国為替リスク管理に関する教育セミナーの提供による顧客支
援が含まれる。WATCはまた、顧客が外国為替のエクスポージャーを特定及び計量できるよう支援し、顧客と提携して外国
為替リスク管理戦略を立案・実行できるよう支援している。
当会計年度中、WATCは20の顧客を代理して、2億2,100万ドルを超える10通貨の外国為替取引を実行した。
外国為替管理における成功事例
WATCが、顧客が外国為替リスクの特定・管理に成功するのを支援、及び/又は費用効果の高い外国為
替取引において価値を提供したプロジェクトの例としては、以下が挙げられる:
・ 西オーストラリア州警察:ヘリコプター調達、救急サービス無線網及び前向き赤外線熱画像
カメラ
・ 消防救急省:救急救援ヘリコプターサービス
・ 公共輸送局:プロジェクト提携の手配、長距離バス、鉄道設備
・ シナジー:タービンのメンテナンス。
顧客プロセス、実務及び認識の改善
調達における外国為替に伴うリスクに鑑み、WATCはまた、これらのリスクをより適切に特定・管理
するため、州の調達プロセス、実務及びテンプレートの再設計について大蔵省を支援した。WATCは
今年、外国為替に関する教育セミナーを、社会的距離の必要性からオンライン上のプレゼンテー
ション形式を採用した。セミナー参加者から寄せられたフィードバックは、引き続き非常に肯定的
なものである。
資産・投資運用サービス
WATC は、州及び政府機関に様々な投資商品やトレジャリー管理サービスを提供することにより、公共部門の財政管理に
おいて重要な役割を果たしている。これらの商品やサービスは、信用リスク管理をはじめとする、顧客の健全な財務リス
ク管理に貢献している。これらのサービスを通じて、顧客はWATCの豊富な経験と専門性並びに、事業規模に応じたシステ
ム、価格、監視機能を利用することができる。
WATC は、公的銀行勘定及び未来保健研究・イノベーション基金、並びにランドゲート及びロッタリーウェストを代理し
て資金の投資を管理している。2021年6月30日現在の顧客の運用資産総額は、5つの投資ポートフォリオ全体で29億ドル
であった。
2021 年6月30日現在、WATCは、WATCのオーバーナイトの現金預金及び定期預金施枠を利用し、顧客から6,970万ドルを保
有している。
当年度中、WATCは、シナジー社のためのトレジャリー管理サービスのバックオフィス・トレード・キャプチャの提供及
び報告を開始した。
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顧客の要求に対する提供
継続的な開発・改善はWATCにとって重要である。自社の製品やサービスが顧客の要求に完全に合致しているかどうかを
確認するために、定期的に様々なチャネルを通じてフィードバックを求めている。
今年度、WATCは金融部門を専門とする調査・コンサルティング会社のピーター・リー・アソシエーツと契約した。ピー
ター・リー・アソシエーツは、WATCの州政府顧客全体を対象とした包括的かつ独立した調査を実施した。調査結果は非常
に好意的で、顧客はWATCが提供するあらゆる製品やサービスに対して、以下のように一連の基準について非常に高い満足
度を得ている:
・ 顧客の要望に応える一連の商品・サービス
・ サービスの全体的な質
・ 取引の効率
・ 付加価値
・ 費用効率
・ 顧客ニーズの理解。
顧客から寄せられたフィードバックは、WATCが引き続き西オーストラリア州の公共部門のニーズを満たす高品質で費用
効率の高い金融ソリューションを提供することに成功していることを前向きに強化している。
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公的機関の対公社債務額面残高純額 ― 2021年6月30日現在
(単位:千豪ドル)
2020年7月1日 2020/21年中の 2021年6月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額-純額 現在の残高
オールバニ市議会
12,096 (2,466) 9,630
動物資源局 211 (168) 43
アーマデール市議会 39,641 (2,782) 36,859
アシュバートン地方議会 3,047 (780) 2,267
オーガスタ・マーガレット・リバー地方議会 8,472 65 8,537
バッセンディーン町議会 549 (97) 452
ベイズウォーター市議会 11 (5) 6
ベルモント市議会 13,957 (552) 13,405
ビバリー地方議会 1,517 (138) 1,379
ボッディントン地方議会 2,814 (344) 2,470
ボイアップ・ブルック地方議会 433 (319) 114
ブリッジタウン・グリーンブッシュ地方議会 1,810 52 1,862
ブルックトン地方議会 1,071 (125) 945
ブルーム地方議会 4,110 2,181 6,291
ブルームヒル-タンベラップ地方議会 2,065 (124) 1,942
ブルース・ロック地方議会 272 (25) 247
バンベリ市議会 11,220 (1,905) 9,315
バンベリ水道公社 7,360 (770) 6,590
バッセルトン市議会 31,201 (2,933) 28,268
バッセルトン水道公社 548 (308) 240
ケンブリッジ町議会 1,107 0 1,107
キャニング市議会 5,487 8,306 13,793
ケーペル地方議会 5,392 (505) 4,887
カナマー地方議会 150 (36) 114
カーナーヴォン地方議会 317 (53) 264
チャップマン・ヴァレー地方議会 88 (46) 42
チタリング地方議会 1,953 1,961 3,914
クレアモント町議会 10,503 (1,895) 8,608
コックバーン市議会 15,000 (2,500) 12,500
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(単位:千豪ドル)
2020年7月1日 2020/21年中の 2021年6月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額-純額 現在の残高
コリー地方議会
1,449 294 1,743
クールガーディ地方議会 2,903 (293) 2,610
クーロウ地方議会 217 (23) 194
コリジン地方議会 1,578 (82) 1,496
コートスロー町議会 3,451 (311) 3,141
郊外住宅局 18,505 (6,955) 11,550
クランブルック地方議会 171 (68) 104
カバリング地方議会 217 (57) 160
キュー地方議会 935 (91) 844
カンダーディン地方議会 1,158 (83) 1,075
カーティン工科大学 28,465 (2,367) 26,098
ダルワリン地方議会 3,330 587 3,916
ダンダラガン地方議会 269 (67) 202
ダーダナップ地方議会 1,963 500 2,463
デンマーク地方議会 2,131 (256) 1,875
ダービー・ウェスト・キムバリー地方議会 3,809 (373) 3,435
ドニーブルック・バリングアップ地方議会 464 (61) 403
ダウリン地方議会 1,276 167 1,443
ダンブレイアン地方議会 310 (53) 257
ダンダス地方議会 340 (49) 292
東ピルバラ地方議会 3,797 (938) 2,859
イディース・コーワン大学 49,842 (12,210) 37,632
発電及びリテール公社 228,200 (9,964) 218,236
電力ネットワーク公社 7,419,072 176,960 7,596,032
エスペランス地方議会 2,183 (191) 1,992
エクスマウス地方議会 1,775 308 2,084
FES省 40,040 (2,946) 37,094
フリマントル市議会 25,858 (1,831) 24,026
フリマントル港湾局 169,279 (11,054) 158,225
ジンジン地方議会 1,990 113 2,103
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(単位:千豪ドル)
2020年7月1日 2020/21年中の 2021年6月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額-純額 現在の残高
グノーワンジェラップ地方議会
990 131 1,122
ゴスネルズ市議会 16,566 1,166 17,732
政府職員老齢退職年金委員会 55,794 (55,794) 0
グレータージェラルトン市議会 33,079 (4,614) 28,465
ホールズ・クリーク地方議会 4,416 (876) 3,540
ハーヴェイ地方議会 1,527 (185) 1,342
住宅局 5,241,454 147,571 5,389,025
アーウィン地方議会 4,447 713 5,160
ジェラムンガップ地方議会 1,111 (197) 914
ジューンダラップ市議会 7,090 (2,446) 4,644
カラムンダ市議会 7,989 2,025 10,014
カルグーリー・ボールダー市議会 8,673 (1,017) 7,656
カラサ市議会 263 (230) 33
カタニング地方議会 2,526 898 3,423
ケラーバリン地方議会 1,916 (169) 1,747
ケント地方議会 254 (63) 191
キンバリー港湾局 11,160 (1,569) 9,591
コジョナップ地方議会 2,887 31 2,918
コンディニン地方議会 3,103 (189) 2,914
クリン地方議会 1,164 (91) 1,074
ウィナナ市議会 19,843 (1,889) 17,954
レイク・グレース地方議会 1,436 278 1,714
ラバトン地方議会 1,156 1,012 2,168
マンジマップ地方議会 4,601 1,685 6,286
メルヴィル市議会 2,139 (399) 1,740
メレディン地方議会 849 (171) 677
大都市再開発局 211,692 (211,692) 0
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(単位:千豪ドル)
2020年7月1日 2020/21年中の 2021年6月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額-純額 現在の残高
ミッド・ウェスト港湾局
9,479 (1,421) 8,058
ミンジェニュー地方議会 328 (162) 166
教育大臣 363,615 17,081 380,696
漁業大臣 14,910 (6,061) 8,849
ムーラ地方議会 951 (124) 827
モラワ地方議会 293 180 473
モスマン・パーク町議会 5,416 (268) 5,148
マウント・マグネット地方議会 69 (50) 19
マウント・マーシャル地方議会 1,050 (45) 1,005
ムキンブディン地方議会 1,500 (83) 1,417
マンダリン地方議会 10,556 (664) 9,892
マーチソン地方議会 17 (1) 16
マードク大学 3,543 (411) 3,131
マレー地方議会 4,057 (409) 3,648
ナンナップ地方議会 633 (77) 556
ナランビーン地方議会 899 5 904
ナロジン地方議会 975 6 981
ネッドランズ市議会 5,865 (1,750) 4,114
ノーサン地方議会 6,405 (346) 6,059
ノーサンプトン地方議会 1,475 (171) 1,304
ナンガリン地方議会 488 (47) 442
ペパーミント・グローブ地方議会 757 (32) 725
ペレンジョリ地方議会 525 (175) 350
パース市議会 8,779 (4,233) 4,546
ピルバラ港湾局 108,832 (3,218) 105,614
ピンジェリー地方議会 3,405 (169) 3,235
プランタジネット地方議会 2,118 (261) 1,857
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(単位:千豪ドル)
2020年7月1日 2020/21年中の 2021年6月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額-純額 現在の残高
公共輸送局
2,553,552 332,174 2,885,726
クァレーディング地方議会 582 (98) 483
ラヴェンソープ地方議会 1,485 (218) 1,266
地域電力公社 690,896 61,092 751,988
ロッキンガム市議会 8,991 (1,146) 7,845
サーパンティン・ジャラデール地方議会 7,185 (943) 6,242
シャーク・ベイ地方議会 913 (75) 838
サウスパース市議会 7,456 (972) 6,484
大都市南部地域議会 11,713 (3,284) 8,429
南部港湾局 11,533 (4,029) 7,505
サビアコ市議会 6,787 (422) 6,365
スワン市議会 39,230 (5,599) 33,631
タミン地方議会 261 (69) 192
2004年ローン(共同会社)法第6(1)条に基づき権限を行
26,070 (4,392) 21,679
使する農業・食品大臣
西オーストラリア州を代理する大蔵大臣 25,425,696 150,000 25,575,696
スリー・スプリングス地方議会 89 (21) 68
トゥーディエー地方議会 6,085 (188) 5,897
トゥレイニン地方議会 652 (61) 591
西オーストラリア大学 189,086 (5,479) 183,607
アッパー・ガスコイネ地方議会 756 352 1,108
ヴィクトリア・パーク町議会 20,338 (3,553) 16,786
ヴィクトリア・プレインズ地方議会 159 (37) 122
ヴィンセント市議会 8,804 (887) 7,917
ワギン地方議会 584 (57) 526
ワナルー市議会 65,334 0 65,334
ワルーナ地方議会 304 582 886
水道公社 5,980,000 (194,350) 5,785,650
ウェスト・アーサー地方議会 716 (96) 620
西オーストラリア州土地局 235,500 (47,100) 188,400
ウェストニア地方議会 10 (10) 0
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(単位:千豪ドル)
2020年7月1日 2020/21年中の 2021年6月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額-純額 現在の残高
ウィックピン地方議会
21 382 402
ウィリアム地方議会 703 (2) 700
ウィルナ地方議会 3,431 (298) 3,133
ウォンガン・バリデュー地方議会 2,244 (73) 2,172
ヤルカチェム地方議会 91 (21) 69
ウィンダム・東キンバリー地方議会 2,599 (687) 1,911
ヤルグー地方議会 335 (101) 234
イルガーン地方議会 0 953 953
1,869 (245) 1,625
ヨーク地方議会
合計 49,714,509 264,328 49,978,837
(注) 四捨五入のため合計は一致しない。
5 成功する財務管理
WATC は、現在の困難な時期を通じて、州の財政的必要性を支援するにあたり、柔軟性及び適応性を保ち続けている。
WATC は、顧客の債務資金要求を満たすための資金借入にあたり、国内外の資本市場から借入を行っている。2020/21年度
中に発生したCOVID-19のパンデミックは、金融市場及び世界経済に大きな影響を与えた。WATCにとって、これらの影響
は、主に金融市場のボラティリティの上昇を通じて感じている。この不透明な市場環境のため、WATCは借入プログラムの
実行にあたってより柔軟性を求められている。
経済、市場の状況
2020 年前半の短期間ではあるが非常に深刻なCOVID-19の景気後退に続き、2020/21年にかけては、世界経済、オースト
ラリア経済ともに、前例のない財政・金融支援を背景に急激な回復を見せた。国内では、オーストラリア準備銀行(RBA)
が、2020年11月の理事会において、連邦政府債(40億ドル)及び州政府債(10億ドル)の毎週の購入から成る量的緩和プ
ログラムを実施した。その他の措置の中でも、RBAはキャッシュレートと3年利回り目標を0.10%と過去最低の水準に引き
下げた。
RBA の金融緩和は、2020/21年に連邦政府の財政赤字が国内総生産の7.8%に相当する規模に達したという、前例のない平
時の財政刺激策によって補完されている。金融・財政政策は今後数年間、経済を下支えし続け、RBAはキャッシュレートが
2024年以前に引き上げられる可能性は低いことを引き続き示し、連邦政府の財政赤字は緩和されると予測されているもの
の、先行きの見通しについては依然として重要であろう。
急速な経済回復により、2021年6月のオーストラリアの失業率は4.9%とここ過去10年の最低水準にまで押し下げられ
た。これは、インフレを持続的に目標の幅に戻すために達成する必要があると考えられるRBAの失業率の推計値を上回るも
のにとどまっている。RBAは、インフレ目標が達成されるまではキャッシュレートを引き上げないと述べており、これは
2024年以前には起こるとは予想していない。
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経済は予想を上回る速さで回復しているが、COVID-19危機の前例のない性質は、経済見通しには依然として多くの不確
実性が残っていることを意味している。
オーストラリア準備銀行が主要投資家に
RBAの2020年11月の発表から2021年6月30日までの間に、RBAは量的緩和プログラムの下で1,540億ド
ルの連邦債及び州政府債を購入した。このうち、42億ドルはWATC債で、RBAはWATCに対する重要な投
資家となった。
金融市場活動
WATC は、当年度中に顧客の借入及び借換えの必要性を管理し、実行することに成功した。予測不可能な経済環境のた
め、州の財政状況はかなり変化した。2020/21年度の顧客の実際の新規借入は2億6,430万ドルで、年初に見積もられた23
億ドルを大幅に下回っている。
流動性資金及び短期資金の調達は、国内短期債券プログラム及びオフショアのユーロ・コマーシャルペーパー・プログ
ラムを通じて行われた。長期の固定金利調達は、国内の指標銘柄債券プログラムを通じて行われ、変動利付債とスワップ
された指標銘柄債券の発行を組み合わせて、長期の変動金利調達を行った。
当年度中、WATCは約79億ドルの指標銘柄債券と変動利付債を発行した。生み出された資金は、顧客の新借入要求及び
2020/21年に満期を迎える債券と2021年7月に満期を迎える債券の借換えに充当された。また、WATCは、既存の指標銘柄債
の入札を1件行い、新規の1件の債券をシンジケートで発行した。シンジケートによる発行は、2030年10月満期の新しい
指標銘柄債券で構成され、発行時に10億ドルを調達した。
顧客の変動金利の要求に応えるため、WATCはシンジケートによる新たな変動金利債のローンチも着手した。2020年12
月、2026年3月10日満期の新たな変動利付債が発行され、15億ドルを調達した。
COVID -19中の投資家マーケティングの適応
COVID-19の旅行制限により全てのオフショア・マーケティングが停止されたことから、WATCは「固
定金利ディーラー・パネル」のメンバーと提携し、バーチャルで多くのオフショア投資家に最新情報
を提供した。
旅行制限はまた、WATCのオンショア投資家向けマーケティングに影響を与えた。債券カンファレンス
への参加を含め、コミュニケーションはバーチャルで実施された。2020年10月、WATCはオンラインで
の予算編成後の経済・財政に関する更新をアレンジし、当時の州大蔵大臣が投資家や市場仲介業者に
プレゼンテーションを行った。
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州の持続可能性の資格の明確化
州債の潜在的投資家に対する西オーストラリア州の環境、社会及びガバナンス(ESG)の資格につい
て詳述した情報パッケージを開発するために、政府内の取組みが開始された。首相・内閣、水・環境
規制、大蔵省の各部局と協力して、WATCは州政府のESG目標が国連の持続可能な開発目標(SDGs)の
枠組みともどのように整合しているかを整理し、明確にしている。
この取り組みは、持続可能性債券の枠組みを設定するために、WATCが西オーストラリア州の政府機関
全体の参加を調整する先駆けとなっている。国際的に確立された議定書に従い、この枠組みにより、
州政府は、明確な環境的及び/又は社会的成果の目的を有する適格プロジェクトに資金を供給するた
めに、持続可能性債券の利用を検討することができる。
COVID-19中のクライアントの借入要件の実行
厳しい経済環境と不安定な金融市場環境を背景に、WATCは引き続き、顧客の借入及び借換要求を費用効率の高い方法で
満たすことができた。WATCの2つの主要パフォーマンス指標である「費用対効果の測定」と「州の節減見積額」は、目標
の範囲で十分に達成することができた。
6 WATCの業績の最適化
WATC は、パフォーマンスを最適化し、現在及び将来に向けたビジョン及び目標を達成する質の高いシステム、能力、プ
ロセス及び実践を継続的に改善していくことに責任を持っている。
WATC はダイナミックな外部環境の中で事業を行っており、その結果、様々なリスクと機会が発生する。WATCのパフォー
マンスを最適化するにあたり、取締役会はその運営に明確なガバナンス構造を備えた、承認済みのリスク管理及びコンプ
ライアンスの枠組みを提供する。
国家の信用力支援
WATC が毎年達成すべき貸借対照表管理における2つの主要な債務指標目標は、以下のとおりである:
・12ヶ月以内に満期を迎える債券ポートフォリオの20%未満
・12ヶ月以内に満期を迎える債券については最小流動性カバレッジ・レシオ100%を維持
これらの目標の達成は、引き続き州の信用力に対するWATCの貢献の重要な部分を占めている。WATCは、州の信用格付基
準の他の要素を管理する大蔵省と協力して、州の流動性保有と共に、資産・負債管理戦略の費用と便益を定期的に見直
し、評価している。
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州の貸借対照表管理の改善
WATCは、特に市場需要のダイナミクスが金融市場や西オーストラリア州政府債の発行にどのような
影響を与えるかについてのWATCの評価に照らして、州の貸借対照表管理を優先し、継続的に改善す
ることの利点を理解している。
WATCは、2020年/21年度中、州の債務ポートフォリオを多様化するための様々な戦略の詳細な見直し
と実証評価を実施した。これには、さまざまな変化を伴う柔軟なポートフォリオ管理のコストと便
益の評価が含まれていた:
・変動金利
・定期固定金利エクスポージャー
・満期プロファイル構造
WATCは、この詳細なデータを用いて、貸借対照表管理における現在の実務に対して評価できる一連
の互換性のあるポートフォリオ構造及び発行戦略を開発していく。
リスク管理
WATC は、WATCが直面する主要な戦略レベルのリスクを特定するため、包括的な動的リスク評価を完了した。この評価
は、これらのリスクのそれぞれの結果、可能性、接続性、速度を考慮したものであった。直面するリスクの時事的、現代
的な見解として、WATCのリスク管理戦略の継続的な進化を知らせるために利用される予定である。
COVID -19の面からの戦略の再評価
現在の流動資産・負債管理戦略に関連する財務リスクの主要要素を詳細に評価した結果、WATCは、
通常は短い期間で行われる年間の債務借換え要件に関連するリスクの増加を確認した。
リスクは、州の貸借対照表の規模の拡大によって大幅に増加し、2007/08年の世界金融危機やCOVID
-19のパンデミックの初期段階で経験したような金融市場のショックに対する潜在的なエクスポー
ジャーによってさらに悪化した。
WATCは現在、より長期にわたる借換要求を平準化し、西オーストラリア州政府の財務成果を改善す
るために州の流動資産の管理を進化させる一連の選択肢を検討している。
COVID-19中の業務運営の維持
WATC の事業継続計画は、COVID関連のロックダウン中もテストを継続した。重大な混乱もなく、WATCは業務運営全体を維
持することに成功した。WATCでは、その経験を踏まえ、事業継続計画の評価、精緻化及び進化を継続する。
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構造改善
アイデア、思考、情報及び暗黙知を交換し、WATCの能力を高めるための異質な機能を結集するために、新なら「プログ
ラム管理室」を創設した。全体的な視点を維持しつつ、新部署は、WATCがビジネス・プロセスの改善、プロジェクトとイ
ニシアチブの調整・実行方法及び変化の影響の管理を支援する。
WATC はまた、顧客サービスチームを再編成し、顧客を支援するための商品及びサービスの提供方法を改善した。新たに
設立された「コーポレート・トレジャリー・サービス」部は、「クライアント・デット・ファイナンス・アンド・インベ
ストメンツ」と「顧客外国為替及びトレジャリー・サービス」部を統合した。新しい部は、WATCの顧客がWATCのすべての
トレジャリー商品及びサービスにアクセスできる単一の窓口を提供している。
WATCのICTシステムの最適化
情報通信技術(ICT)は、WATCの業務運営を支援するためには依然として重要であり、過去12ヶ月間に経験したように、
混乱時の継続を促進するために、24時間/1週間をうまく仕事を行うためにさらに必要不可欠である。セキュリティとWATC
システムへのスタッフのリモートアクセスを改善させた、安全な新リモートワーク設備は、COVID-19によるロックダウン
中や、オフィス改修中の臨時オフィス施設の際に、全ての従業員が在宅勤務できるようになった。
WATC は、安全、最新の機能の維持、容量と能力の更新のために、ソフトウェアとハードウェアのアップグレードを継続
した。WATCのクオンタム・トレジャリー管理システムと顧客ポータルのアップグレードが、当年度中に開始された。これ
はクラウドプロバイダーとの高速通信リンクを改善するとともに、バックアップと多重性の能力を向上させるために、代
替通信リンクパスを追加した。
サイバーセキュリティは、依然としてWATCの全ての業務上の考慮事項の極めて重要な要素である。セキュリティの監
視、評価、修正及び改善のための継続的なプログラムが引き続き優先事項である。
情報管理ロードマップ
WATCは、最新のデジタルの職場及び労働力への移行に伴い、情報管理方法の改善を促進するため、
ハイレベル戦略と優先順位付けのロードマップを作成した。
西オーストラリア州記録局の要件に沿って、このロードマップは、WATCがユーザビリティとアクセ
シビリティの向上と並んで、すべての情報の可視性とアクセスを確保する、より最新で準拠したデ
ジタル情報管理ランドスケープを開発するのに役立つ。
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(5) 【経理の状況】
以下に掲げる2021年6月30日に終了した2年間についての財務データは、WATCが公表する監査済の財務書類に基づくもの
である。
WATC は、2006年財政管理法に基づき、適切な会計帳簿を作成しなければならない。会計検査庁長官はいつでもWATCの検査
をすることができ、最低年1回一定の財務情報を監査しなければならない。
WATC は6月30日に終了する12か月間のWATCの活動に関する年次報告書を、大蔵大臣が毎年6月30日から90日以内に議会に
上程できるように、大蔵大臣宛てに提出しなければならない。同報告書は、その報告の対象である期間のWATCの財務書類及
びその他所定の情報を含まなければならない。
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包括利益計算書
2021 年6月30日終了の年度
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
収益
収入
投資収益 32.4 79.0
公的機関からの受取利息 1,078.8 1,298.0
2.5 2.5
手数料収入
収入合計 1,113.7 1,379.5
収益合計 1,113.7 1,379.5
費用
費用
借入に係る支払利息 1,043.1 1,262.7
起債費用 1.9 1.2
減価償却費 0.2 0.1
無形資産償却費 1.0 0.8
管理費用(注4) 19.3 19.1
16.5 54.9
公正価値の変動(純額)(注6)
費用合計 1,082.0 1,338.8
法人税相当額控除前の利益 31.7 40.7
法人税相当額費用(注7) 9.5 12.2
当期純利益
22.2 28.5
その他包括利益 0.0 0.0
当期包括利益合計 22.2 28.5
包括利益計算書は、付随の注記と併せて読むべきである。
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財 政 状 態 計 算 書
2021 年6月30日現在
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
資産
現金性資産(注8) 118.7 255.4
投資(注9) 5,909.1 7,164.8
受取債権及びその他金融資産(注10) 1,092.8 1,125.3
公的機関への貸付金(注11) 54,768.9 56,109.5
税金資産(注12) 1.2 1.2
有形固定資産(注13) 0.5 0.3
1.0 2.0
無形資産(注14)
資産合計 61,892.2 64,658.5
負債
未払債務及びその他金融負債(注16) 3,081.7 3,976.0
借入金(注17) 58,649.8 60,501.5
納税債務(注18) 3.7 25.0
4.1 3.9
引当金(注19)
負債合計 61,739.3 64,506.4
純資産 152.9 152.1
資本
留保利益 149.9 149.1
3.0 3.0
準備金
資本合計 152.9 152.1
財政状態計算書は、付随の注記と併せて読むべきである。
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資 本 変 動 表
2021 年6月30日終了の年度
(単位:百万豪ドル)
準備金 留保利益 資本合計
2019年7月1日現在残高 3.0 142.5 145.5
当期純利益
0.0 28.5 28.5
0.0 0.0 0.0
その他包括利益
当期包括利益合計
0.0 28.5 28.5
所有者としての立場での所有者との取引:
資本処分 0.0 0.0 0.0
0.0 (21.9) (21.9)
所有者への分配
合計 0.0 (21.9) (21.9)
2020年6月30日現在残高 3.0 149.1 152.1
3.0 149.1 152.1
2020年7月1日現在残高
当期純利益
0.0 22.2 22.2
0.0 0.0 0.0
その他包括利益
当期包括利益合計
0.0 22.2 22.2
所有者としての立場での所有者との取引:
資本処分 0.0 0.0 0.0
0.0 (21.4) (21.4)
所有者への分配
合計 0.0 (21.4) (21.4)
2021年6月30日現在残高 3.0 149.9 152.9
資本変動表は、付随の注記と併せて読むべきである。
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キャッシュ・フロー表
2021 年6月30日終了の年度
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
営業活動からのキャッシュ・フロー
公的機関への貸付金受取利息 1,106.2 1,335.3
投資受取利息 71.4 120.0
投資資産売却及び満期手取金 8,104.2 6,489.9
投資支払 (6,395.8) (7,697.3)
公的機関への貸付金 (13,868.4) (7,127.2)
公的機関からの貸付金返済 13,606.1 6,747.6
公的機関を代理してのその他支払 0.0 0.2
借入による手取金 18,940.5 20,284.1
借入金返済 (19,713.1) (17,857.3)
手数料収入 2.3 2.4
支払利息及びその他資金調達費用 (1,394.4) (1,578.0)
管理及び起債費用 (20.9) (19.1)
(30.8) 0.0
税相当額支払
営業活動による現金(純額)(注21b)
407.3 700.6
投資活動からのキャッシュ・フロー
有形固定資産支払 (0.5) 0.0
0.0 (1.2)
無形資産支払
投資活動に使用された現金(純額)
(0.5) (1.2)
財務活動からのキャッシュ・フロー
(21.4) (21.9)
配当支払い
財務活動に使用された現金(純額) (21.4) (21.9)
現金及び現金同等物の増加(純額) 385.4 677.5
1,083.1 405.6
期首現金及び現金同等物残高
期末現金及び現金同等物残高(注21a) 1,468.5 1,083.1
上記には、以下が含まれる
州政府へのキャッシュ・フロー
配当支払い (21.4) (21.9)
(30.8) 0.0
税相当額支払い
州政府への現金(純額)
(52.2) (21.9)
キャッシュ・フロー表は、付随の注記と併せて読むべきである。
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財務書類に対する注記(2021年6月30日終了年度)
( 注1) 西オーストラリア州理財公社(WATC)は、1986年西オーストラリア州理財公社法に基づき、州の中央融資機関とし
て、1986年7月1日に設立された。WATCの所在地は、西オーストラリア州、パース、セント・ジョージズ・テラス225、
12階である。
概要
2021 年6月30日に終了する年度のWATCの財務書類は、オーストラリア会計基準に基づき作成されている。「オースト
ラリア会計基準」という用語は、オーストラリア会計基準委員会(AASB)により発行された基準及び解釈を含む。財務報
告はまた国際財務報告基準にも準拠する。
これらの会計書類を作成するにあたり、WATCはその業務運営に関係する場合、AASBが発行する施行日からの新基準及
び修正基準並びに解釈を採用している。
オーストラリア会計解釈は、AASB1048「基準の解釈及び適用」を通じて採択され、国際会計基準審議会(IASB)の解
釈に対応するもの、及びオーストラリアにおいてのみ適用されるものに分類される。
基準の早期採用
WATC は、大蔵大臣指示(TI)第1101号「オーストリア会計基準及びその他発表の適用」により特に認められない限り、
オーストラリア会計基準又は解釈を早期に採用することはできない。2021年6月30日に終了する年次報告期間について
発行済み又は修正済みである(が施行されていない)オーストラリア会計基準のうち、WATCにより早期採用されている
ものはない。
( 注2) 重要な会計方針の概要
(a) 会計の一般制度
(ⅰ)WATC は、大蔵大臣の指示により適用されるオーストラリア会計基準、AASBの枠組み、会計基礎概念に関する記述
及びその他公式見解に従った一般目的の財務書類を作成する非営利報告団体である。この内いくつかのものは大蔵
大臣の指示により、適用、開示、フォーマット及び用語の改訂のため修正される。
財務管理法及び大蔵大臣の指示は財務書類を作成するにあたっての法的規定であり、オーストラリア会計基準、
AASBの枠組み、会計基礎概念に関する記述及びその他公式見解に優先するものである。
もし何らかの修正が必要とされ、報告結果に重大な財務的影響を及ぼす場合は、修正内容の詳細及びその財務的影
響につき財務書類の注記に記載される。財務書類に修正はない。
( ⅱ)別途記載しない限り、財務書類の数字は豪ドルで表示され、すべての金額は百万豪ドル単位に四捨五入されてい
る。
(ⅲ) 財務書類の作成にあたり採用された会計方針は、別途記載しない限り、表示のすべての期間を通じて統一的に適
用されている。
( ⅳ)比較情報は、当年度の表示と一致するよう調整されている。
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(b) 作成の基礎
財務書類は、以下に注記するもの除き、取得原価主義を用いて発生主義により作成されている。
WATC はその職務を果たすために投資、公的機関への貸付金及び借入金を維持し、AASB9「金融商品」の規定に準拠
し、これらの金融資産及び金融負債を損益を通じて公正価値するものとして指定することを選択している。WATCは、
その業務を毎日公正価値ベースに基づき管理しているので、これを選択する資格基準を満たしている。AASB9に基づ
き、すべてのデリバティブ金融商品もまた、損益を通じて公正価値ベースで計上されている。もともと、金融資産及
び金融負債の評価に使用される市場取引レートは信用リスクの割引を含む。
WATC は、対応する財務書類の勘定項目の資産/負債の大部分を回収/決済する意図及び認識される能力に基づき、流
動性の順に財政状態計算書を表示する。
重要な会計上の判断及び見積り
財務書類に認識される金額に最も大きな影響を及ぼす会計方針を適用する過程においてなされた判断は、投資、公
的機関への貸付金及び借入金の測定のために呼び値に代わり中間価格を使用することに関連する。
WATC はこれらの金融資産及び負債のリスクの危険性を最小化することを目指す。これらの項目のリスク・ポジショ
ンが相殺される範囲で、WATCがそれらを保有するならば、なんらかのオープン・ポジション(正味残高)に適用される
呼び値とともに中間価格が使用される。
金融資産及び金融負債の価値評価においてなされる主要な仮定は、注20において開示される。
(c) 収入
収入は、受領済み又は受領可能な対価の公正価値で認識され、かつ測定される。収入は次に示すように認識され
る。
手数料収入
提供したサービスに関する手数料収入はサービスが提供された期間に認識される。
利息
受取利息は生じたときに実効利率法を用いて認識され、ポートフォリオ管理において実現する類似性質の項目を
含む。金融資産に関する実現損益もまた、利息として認識される。
(d) 有形固定資産
原価が5,000豪ドル以上の有形固定資産の項目は、資産として認識され、資産を利用するコストは耐用期間にわた
り費用化(減価償却)される。原価が5,000豪ドル未満の有形固定資産の項目は、包括利益計算書に直接計上される
(個々が類似項目の一群の一部を構成し、全体としては重要である場合を除く。)。
有形固定資産のすべての項目は、当初、原価で認識される。当初の認識の後、有形固定資産は、原価から減価償却
累計額及び何らかの価値の減損を差引いて記帳される。減価償却は定額法を用いて予想耐用年数を基に計算される。
各種減価償却資産に使用される予想耐用年数は下記のとおりである。
2021年 2020年
・コンピュータ機器
3~5年 3~5年
・その他機器 5~10年 5~10年
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減損
有形固定資産の帳簿価格は、事象又は環境の変化が帳簿価格の回収不能の可能性を示唆したときに、減損につき検
討される。個別では多額のキャッシュ・インフローを生み出さない資産については、回収可能額は資産が属する現金
をもたらすユニットについて決定される。このような兆候があり、帳簿価格が回収可能額の見積もりを上回る場合、
資産又は現金を生み出すユニットは回収可能額に減額される。
有形固定資産の回収可能額は、公正価値から売却費用を控除した額と減価償却後の取替原価の大きい方である。
減損損失は包括利益計算書において認識される。
(e) 無形資産
コンピュータ・ソフトウェアは、WATCが財務書類に計上する唯一の無形資産である。資産利用の原価は、耐用期間
にわたり費用化(償却)される。
別個に取得した無形資産は、取得日の原価で資産化される。当初の認識の後、各種類の無形資産にコスト・モデル
が適用される。これら資産の耐用期間は有限として査定される。無形資産は期間3年で償却される。
減損の兆候がある場合、無形資産の減損が検査される。耐用期間もまた、年次ベースで検査され、適用ある場合、
見込みベースで調整が行われる。
(f) 投資
WATC は、投資を損益を通じて公正価値評価する金融資産として分類する。WATCは満期保有又は売却可能に分類され
る投資を保有しない。
投資は、約定日の公正価値で当初認識され、その後報告日現在に適用される公正価値で測定される。本方針から生
ずる未実現収益(損失)は包括利益計算書の勘定に記帳される。公正価値は、投資がリスクを相殺するポジションに保
有される範囲で、市場で値付けされた中間価格を用いて、それ以外は買い呼び値を適用して、算定される。オースト
ラリア連邦及び州政府の投資は、ポートフォリオ管理の目的から保有されている。これらの投資は一般的に満期まで
12か月を超えるものであるが、通常の業務においてはWATCの指標銘柄債券を経済的にヘッジするために利用され、
従って12か月以内に換金される予定で保有される。
(g) 公的機関への貸付金
公的機関への貸付金は、約定日の公正価値で当初認識され、その後報告日現在に適用される公正価値で測定され、
貸借対照表において資産に記帳される。本方針より生ずる未実現収益(損失)は包括利益計算書の勘定に記帳される。
公正価値は、公的機関への貸付金がリスクを相殺するポジションに保有される限りは、市場で値付けされた中間価格
を用いて、それ以外は買い呼び値を適用して、算定される。一般的な状況では、公的機関への貸付金は、満期時に更
新又は再貸付される。
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(h) 借入金
借入金は約定日の公正価値で当初認識され、その後報告日現在に適用される公正価値で測定される。本方針より生
ずる未実現収益(損失)は包括利益計算書の勘定に記帳される。公正価値は、借入金がリスクを相殺するポジションに
保有される限りは、市場で値付けされた中間価格を用いて、それ以外は売り呼び値を適用して、算定される。一般的
な状況では、借入金は、満期時に乗換えられるか借換えられる。起債費用は発生したときに包括利益計算書に計上さ
れる。
(i) デリバティブ金融商品
デリバティブはもっぱら金利及び外国為替リスクを経済ヘッジするために利用される。デリバティブはすべて、約
定日付で公正価値で貸借対照表において認識される。デリバティブはすべて、取引目的で保有されるものとして分類
されている。デリバティブの帳簿価格は、契約の有効期間中、公正価値で再測定される。本方針より生ずる未実現収
益(損失)は包括利益計算書の勘定に記帳される。
(j) 外貨換算
外貨建取引は、約定日に適用される為替レートで約定日付で豪ドル建勘定に記帳される。報告期間末日現在、すべ
ての貨幣性資産及び負債は、2021年6月30日現在の為替レートで換算されている。為替差益(損)は、包括利益計算書
に記帳される。WATCの機能通貨及び表示通貨は、ともにオーストラリア・ドル(豪ドル)である。
(k) 資金調達コスト
資金調達コストは負担したときに費用として認識される。支払利息は生じたときに認識され、関係のあるポート
フォリオ管理において実現する類似性質の項目を含む。金融負債に関する実現損益もまた、利息として認識される。
(l) 職員給付
(ⅰ) 病気休暇
病気休暇については、与えられた権利ではなく、また会計年度中に取得された病気休暇は、通常の病気休暇枠の
使用を超えないと予想されるため、引当金を設定していない。
(ⅱ) 年次休暇
この給付は報告日までの職員のサービスについて報告日現在で認識され、決済時に適用する予定の報酬率を用い
て、債務が決済されるとき支払われる予定の金額の現在価値で測定される。
(ⅲ) 長期有給休暇
報告日から12か月以内に決済が予定される長期有給休暇債務は、職員給付引当金として認識され、債務が決済さ
れるとき支払われる予定の額面金額で測定される。報告期間末日から12か月を超えて決済が予定される長期有給休
暇債務は、職員給付引当金として認識され、報告日までの職員が提供したサービスに関して行われる将来支払予想
額の現在価値で測定される。将来の支払予想額を査定する際には、将来の予想給与水準、職員離職の経験値及び勤
続年数を考慮する。将来支払の予想額は、予測将来キャッシュ・アウトフローと可能な限り近い満期の条件をもつ
国債の報告期間末日現在の市場利回りを用いて割引かれる。
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(ⅳ) 老齢退職手当
州政府職員老齢退職年金委員会(GESB)及びその他の基金提供者が法的な要件に従い、以下に詳述する年金制度を
管理する。職員に対する個別の制度への加入に関する適格基準は、開始日と実施日により異なる。
適格な職員は、1987年以来新規加入者を受付けていない確定給付年金制度である州年金制度、又は1995年以来新
規加入者を受付けていない確定給付一時金制度であるゴールド・ステート老齢退職手当制度(GSS)に拠出する。こ
れらいずれの制度にも加入していなかった、2007年4月16日より前に雇用を開始した職員は、ウェスト・ステート
老齢退職手当制度(WSS)の非拠出加入者になった。2007年4月16日以降に就業した職員は、GESBスーパー制度
(GESBS)の加入者になった。2012年3月30日から、WSS又はGESBSの既存加入者及び新たな職員は、自身の好きな年
金基金提供者を選択できる。WATCは1992年連邦政府年金保証(管理)法に従い、職員に代わりGESB又は他の基金提供
者への拠出を行う。これらの積立て制度への拠出は、州年金制度又はGSSの加入者ではない職員に関するWATCの退
職手当負担債務を消滅させる。
WATC はまた、以前は公的部門の者であった現在のスタッフの以前の勤務の結果、非積立型年金債務を有する。こ
れら将来の支払債務は、報告日現在、貸借対照表において引当てられている。この制度に基づく負債は、予想ユ
ニット法を用いてマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングにより毎年計算される。予想される将来支
払いは、予想将来キャッシュ・アウトフローに可能な限り適合する満期条件を持った国債の市場利回りを用いて、
報告日付で現在価値に割引かれる。
GSS 、WSS及びGESBS(当期勤務の退職手当費用はWATCからGESBに支払われる。)は、拠出型制度と定義される。
GSS、WSS及びGESBSに基づく当期勤務の退職手当負担債務は、GESBへの雇用主の拠出支払いと同時に消滅する。
GSS は、職員及び政府全体の報告の目的で、確定給付制度である。しかし、代理人の見解からは、給付の振替と
は別に、AASB119のもとでは、確定拠出制度と定義される。
確定給付制度の年金費用は、以下の要因から構成される。
・ 当期勤務原価
・ 利息費用(割引の繰入れ)
・ 保険数理損益
・ 過去勤務債務
確定給付制度の保険数理損益は、直ちに包括利益計算書において収益又は費用として認識される。
確定拠出制度の年金費用は、拠出が期限を迎えたときに認識される。
(m) 配当政策
WATC の配当政策は、堅実な商業慣行に矛盾せず、かつWATCの財政的健全性を損なわない適切な配当をWATCが州に行
うことを確保するよう定式化されている。WATCの方針は、配当としてWATCの税引後利益の75%を州統合勘定に支払う
旨を定める。ただし、大蔵大臣の承認する調整を受ける。現会計年度の配当金は、取締役会により宣言され、翌会計
年度に支払われる。
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(n) 法人税
WATC は課税相当額制度(TER)の中で事業を行っている。これにより、法人税に関して相当額が州大蔵省に支払われ
る。州政府が承認したTERの指針及び指示は、税金に関する負債の算定を決定する。
TER への参加の結果、WATCはオーストラリア会計基準AASB112「法人税」を遵守することが求められている。
ある会計期間の法人税費用又は収入は、資産及び負債の課税標準とその財務書類上の帳簿価格の一時的差異、並び
に未使用の税損失に帰すべき繰延税金資産・負債の変動により調整された当該期間の課税所得に対する支払うべき税
金である。
繰延税金資産及び負債は、資産が回収又は負債が清算されたときに適用が予想される税率(制定済み又は実質的に
制定された税率を基礎とする)で、一時的差異について認識される。当該税率は、繰延税金資産又は負債を測定する
ために控除可能かつ課税可能な一時差異の累積額に適用される。資産又は負債の当初認識から生ずる特定の一時的差
異には例外がある。繰延税金資産又は負債が、取引の時点で、経常利益又は課税損益のいずれにも影響を与えない取
引において生ずる場合、これら一時的差異に関連して繰延税金資産又は負債は認識されない。
繰延税金資産は、控除可能な一時的差異及び未利用の税金損失を利用できる将来の課税額が利用できる可能性が高
い場合に限り、これらの一時的差異及び損失について認識される。
その他包括利益に認識される金額に起因する当期及び繰延税金残高は、その他包括利益に認識され、資本に直接起
因するものは直接資本に認識される。
繰延税金資産の帳簿価格は各報告日において見直され、繰延税金資産の全部又は一部の使用を可能とするような十
分な課税利益が今後利用できない可能性がある場合、減額される。
(o) 資産の減損
各報告日現在、WATCは資産の減損の兆候がないかを査定する。減損の兆候がある場合、WATCは回収可能額の正式な
見積もりを行う。資産の帳簿価格が回収額を上回る場合、当該資産は減損しているとみなされ、回収可能額まで減額
される。
回収可能額は、公正価値から売却費用を差引いた額と減価償却後の取替原価の大きい方である。減損のリスクは、
一般に、資産の減価償却が著しく低く評価されている場合、取替原価が下落している場合、又は耐用期間に大幅な変
更がある場合に限られる。各種類の資産は、減価償却累積額が資産の将来の経済的利益の消費水準又は満了を反映し
ているかを検証し、取替原価の下落による減損リスクの有無を評価するために、毎年見直しが行われる。
(p) 受取債権
受取債権は原価で認識される。受取債権は一般に30日以内に決済されるため、帳簿価格は公正価値に近似する。徴
収不能額の引当金は、資産の減損の兆候がある場合に引き当てられる。WATCの顧客の性質に起因する未徴収である金
額の兆候はない。
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(q) 未払債務
未払債務は、WATCが資産又はサービスの購入の結果、将来の支払いをなす義務を負うことになったときに、支払う
べき金額で認識される。帳簿価格は公正価値に近い。なぜなら30日以内に一般的に決済されるからである。
(r) 現金及び現金同等物
貸借対照表の現金資産は、銀行預金及び手持現金から構成される。帳簿価格は、その性質上短期であるため、公正
価値に近い。キャッシュ・フロー表の目的上、現金及び現金同等物は、手持ち現金及び当初満期が3か月以内の直ち
に周知の金額の現金に交換可能な短期預金を含み、価値の変動リスクが小さいものである。
(s) 未払賃金(給与)
未払給与は、職員に払うべきであるが会計年度末において未払いの金額を表す。なぜなら、ある会計年度の最後の
給与期間末は会計年度末と一致しないからである。未払給与は会計年度末から2週間以内に精算される。WATCは未払
給与の帳簿価格は公正価値と同額であると考える。
(t) スワップ公正価値準備金
WATC は、顧客の長期資金需要を満たすために調達した中・長期債務に対する金利及び外為エクスポージャーを低減
するために、金利及び通貨スワップを締結する。
会計基準に従い、スワップの公正価値の変動は、包括利益計算書に計上される。この方針により生み出された純利
益を独立して特定するために利用できる任意の資本準備金が設定されている。これは将来、取引の満期において留保
利益に振替えることができる。
( 注3) 会計方針変更の開示
オーストラリア会計基準の最初の適用
WATC は、2020年7月1日以後に開始する年次報告期間から有効なすべてのオーストラリア会計基準を採択した。WATC
に重要な財務上の影響を与えたものは無かった。
発行済みであるがまだ有効でないオーストラリア会計基準の将来の影響
WATC は、TI第1101号「オーストリア会計基準及びその他発表の適用」又はTI第1101号の適用除外により特別に認めら
れない限り、オーストラリア会計基準を早期採用することができない。WATCは、発行済みの以下のいずれのオーストラ
リア会計基準も早期に適用していない。適用ある場合、WATCはこれらのオーストラリア会計基準をその適用日から適用
する予定である。
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以下の新基準及び修正はWATCに影響を与えると予想されない。
AASB 修正 影響を受ける基準
AASB17 「保険契約」
AASB1060 「一般目的の財務書類-営利目的及び非営利目的ティア2事業体向け簡易開示」
AASB2020-1 「オーストラリア会計基準の修正-流動負債及び固定負債の分類」
AASB2020-2 「オーストラリア会計基準の修正-特定の営利民間部門事業体の特別目的財務書類の廃
止」
AASB2020-3 「オーストラリア会計基準の修正-2018年-2020年の年次改正及びその他修正」
AASB2020-5 「オーストラリア会計基準の修正-保険契約」
AASB2020-6 「オーストラリア会計基準の修正-流動負債及び固定負債の分類- 効力発生日の繰延
べ」
AASB2020-8 「オーストラリア会計基準の修正-金利ベンチマーク改革フェーズ2」
以下の新基準及び修正の影響は、まだ完全には決定されていない。
AASB 修正 影響を受ける基準
AASB2021-2 「オーストラリア会計基準の修正-会計方針の開示及び会計上の見積もりの定義」
( 注4) 管理費用
職員給付費用
以下の職員給付費用が管理費用に含まれる。
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
給与
11.1 10.8
労働災害補償費用 0.0 0.0
退職年金費用 1.1 1.1
0.1 0.1
長期休暇引当金
12.3 12.0
管理費用
職員給付費用 12.3 12.0
サービス及び契約 2.8 2.5
設備保守 1.7 2.2
宿泊費 1.1 0.9
1.4 1.5
その他コスト
19.3 19.1
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( 注5) 為替差益/差損
WATC は、その海外借入を通じて発生した費用の支払いのため外貨建の銀行口座に残高を有している。2021年6月30日
現在、為替相場の変動を考慮に入れた場合、残高について損益はなかった(2020年6月30日:損益なし)。
( 注6) 公正価値変動(純額)
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
未実現(損失)/利益-投資
(25.8) 6.1
未実現(損失)/利益-公的機関への貸付金 (821.0) 483.7
未実現利益/(損失)-借入金 1,014.9 (602.5)
(184.6) 57.8
未実現(損失)/利益-デリバティブ
公正価値変動(純額)
(16.5) (54.9)
金利変動の加算
投資利息 32.4 79.0
公的機関からの利息 1,078.8 1,298.0
(1,043.1) (1,262.7)
借入利息
68.1 114.3
損益を通じて公正価値評価される金融資産及び金融負債の純
51.6 59.4
利益
WATC は長期目標を達成するためポートフォリオ基準で営業を管理する。総額78.9百万豪ドル(2020年:70.8百万豪ド
ル)の実現損失は受取利息及び支払利息に反映される。公正価値変動の純額は、原証券の期間中実現されるべき未実現
公正価値の調整を表す。
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( 注7) 法人税相当額
会計上の利益に対する見かけ上の法人税相当額費用は、下記のとおり、会計上の法人税相当額費用と一致する。
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
法人税相当額控除前の会計上の利益 31.7 40.7
税率30%の法人税相当額(2020年:30%) 9.5 12.2
法人税相当額費用 9.5 12.2
以下の増減から成る法人税相当額費用:
当期法人税相当額費用 9.5 12.3
0.0 (0.1)
一時的差異の発生及び解消に関する繰延税金利益
法人税相当額費用総額
9.5 12.2
繰延税金資産:
1.2 1.2
職員引当金
合計(注12)
1.2 1.2
( 注8) 現金性資産
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
銀行預金
118.7 255.4
0.0 0.0
海外銀行口座
118.7 255.4
平均残高 186.7 279.3
受取利息 0.9 2.1
平均利率 0.46% 0.75%
現金性資産は銀行口座に保有する資金のみを表示し、金融市場投資は含まない。WATCの指標銘柄債券ラインの満期を
円滑に行うため、債券の満期前には翌日物銀行口座に通常より大きい現金残高が残されている。
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( 注9) 投資-公正価値
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
投資-デリバティブ以外
投資は以下から構成される。
短期金融市場への投資 2,444.4 3,614.0
政府債券 3,464.7 3,550.8
0.0 0.0
社債
合計 5,909.1 7,164.8
満期による分類
コール 0.0 48.0
3か月以内 4,327.9 4,984.4
3か月から12か月 277.4 991.9
1年から5年 1,303.8 1,140.5
0.0 0.0
5年超
合計 5,909.1 7,164.8
金利更改による分類
コール 0.0 48.0
3か月以内 4,579.3 5,490.7
3か月から12か月 26.0 739.6
1年から5年 1,303.8 886.5
0.0 0.0
5年超
合計 5,909.1 7,164.8
格付別投融資額の割合
AAA 3.31% 27.85%
AA 96.69% 61.15%
A 0.00% 11.00%
0.00% 0.00%
BBB
100.00% 100.00%
平均残高
5,093.1 5,860.3
受取利息 31.6 76.9
平均利率 0.62% 1.31%
WATC は、その余剰資金を西オーストラリア州理財公社法に従い投資する。評価方法の詳細な情報は注20に記載されて
いる。すべての投資は損益を通じて公正価値評価する金融資産として分類されている。
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( 注10) 受取債権及びその他金融資産
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
未収受取利息
227.0 255.5
外貨建債権 17.0 1.1
0.4 21.5
その他債権
244.4 278.1
848.4 847.2
その他金融資産(注11b及び17b)
1,092.8 1,125.3
未収受取利息は顧客になされた貸付及び金融機関の投資に関連した発生利息から構成される。その他債権は2021年6
月30日より前に開始し、2021年6月30日より後の期日で決済される金融商品取引を示す。その他金融資産の詳細は、注
20において説明する。
( 注11) 公的機関への貸付金-公正価値
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
11a. 公的機関への貸付金-デリバティブ以外
54,768.9 56,109.5
満期による分類
3か月以内 3,109.0 3,651.9
3か月から12か月 4,098.8 4,477.8
1年から5年 27,975.6 27,433.3
19,585.5 20,546.5
5年超
合計 54,768.9 56,109.5
金利更改による分類
3か月以内 19,237.2 18,376.3
3か月から12か月 4,233.9 4,567.3
1年から5年 13,955.8 13,897.0
17,342.0 19,268.9
5年超
合計 54,768.9 56,109.5
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(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
11b. 公的機関への貸付金-デリバティブ
5.6 6.9
満期による分類
3か月以内 0.4 0.2
3か月から12か月 0.2 0.7
1年から5年 5.0 3.4
0.0 2.6
5年超
受取債権及びその他金融資産(注10)として表示される
5.6 6.9
デリバティブ合計
金利更改による分類
3か月以内 0.0 0.0
3か月から12か月 0.2 0.7
1年から5年 5.4 3.5
0.0 2.7
5年超
受取債権及びその他金融資産(注10)として表示される
5.6 6.9
デリバティブ合計
平均残高 52,737.6 51,874.8
受取利息 1,078.8 1,298.0
平均利率 2.05% 2.50%
WATC は州政府及び西オーストラリア州内の地方政府機関に資金を貸付ける。通常の場合ではこれらの貸付金は更新又
は再貸付される。州政府への貸付金(全体の98.8%(2020年:98.8%))は州により保証されており、他方地方政府への貸
付金(全体の1.2%(2020年:1.2%))は証書により担保されており、地方政府法の規定に基づき、地方政府の一般会計に
対し請求できる。2021年6月30日現在、地方政府への貸付金に減損の兆候はなかった。公的機関への貸付は組織的市場
において標準化された形式では取引されていない。評価方法の詳細な情報は注20に記載される。
( 注12) 税金資産
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
繰延税金資産
1.2 1.2
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( 注13) 有形固定資産
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
設備(原価)
2.8 3.1
2.3 2.8
控除:減価償却累計額
有形固定資産合計
0.5 0.3
調整表
設備
期首残高 0.3 0.4
加算 0.4 0.0
処分/除去 (0.7) (0.1)
減価償却 (0.2) (0.1)
0.7 0.1
処分に関する累積減価償却
期末残高
0.5 0.3
( 注14) 無形資産
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
無形資産(原価)
11.3 11.4
10.3 9.4
控除:償却累計額
無形資産合計
1.0 2.0
調整表
無形資産
期首残高 2.0 1.6
加算 0.0 1.2
処分 (0.1) 0.0
償却 (1.0) (0.8)
0.1 0.0
処分に関する累積償却
期末残高
1.0 2.0
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( 注15) 資産の減損
2021 年6月30日現在、有形固定資産及び無形資産の減損の兆候はなかった。
WATC は、本報告期間中、無期限の耐用年数を持つのれん又は無形資産を保有しておらず、また報告日現在、利用可能
となっていない無形資産はない。
( 注16) 未払債務
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
未払利息(償却原価)
530.4 573.6
2,551.3 3,402.4
その他未払債務(償却原価)
3,081.7 3,976.0
未払債務は未払利息並びに債務商品及び未提示手形に関連する種々の未払勘定から成る。未払利息は金融機関に対す
るものである。その他未払債務は、2021年6月30日より前に開始し、2021年6月30日より後の期日で決済される金融商
品取引を含む。
( 注17) 借入金-公正価値
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
17a. 借入金-デリバティブ以外
58,649.8 60,501.5
満期による分類
3か月以内 6,584.1 6,858.2
3か月から12か月 2,981.3 2,398.2
1年から5年 28,769.6 29,074.5
20,314.8 22,170.5
5年超
借入金合計(公正価値) 58,649.8 60,501.5
金利更改による分類
3か月以内 15,784.2 15,847.5
3か月から12か月 783.2 389.7
1年から5年 21,767.6 22,093.8
20,314.8 22,170.5
5年超
借入金合計(公正価値) 58,649.8 60,501.5
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17b. 借入金-デリバティブ
(842.8) (840.3)
満期による分類
3か月以内 (43.5) 12.1
3か月から12か月 (0.8) 0.9
1年から5年 (640.3) (654.1)
(158.2) (199.2)
5年超
受取債権及びその他金融資産(注10)として表示される
(842.8) (840.3)
デリバティブ合計
金利更改による分類
3か月以内 55.8 103.9
3か月から12か月 16.1 18.7
1年から5年 (692.1) (713.6)
(222.6) (249.3)
5年超
受取債権及びその他金融資産(注10)として表示される
(842.8) (840.3)
デリバティブ合計
平均残高 58,253.6 58,055.4
支払利息 1,043.1 1,262.7
平均利率 1.79% 2.17%
WATC は国内及び海外資本市場で資金を調達する。西オーストラリア州理財公社法第13条第1項に基づき、WATCの財務
上の債務は西オーストラリア州の代理として大蔵大臣により保証されている。WATCの借入は種々の市場及び満期にわた
り多様化されている。評価方法についての詳しい情報は、注20に記載されている。
借入金-額面金額
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
6月30日からの期間12か月以下の債務
国内 8,954.1 8,555.6
598.0 694.7
海外
9,552.1 9,250.3
6月30日からの期間12か月を超える債務
国内 45,519.7 46,593.3
0.0 0.0
海外
45,519.7 46,593.3
6月30日現在残高(額面金額) 55,071.8 55,843.6
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海外借入
海外借入は、豪ドル建及び外貨建借入を含む。外貨建借入は2021年6月30日現在適用される為替レートを用いて換算さ
れており、以下のとおりである。
2021 年6月30日現在の為替レートによる換算額
2021 年6月30日から 2021 年6月30日から
12 か月以内の返済分 12 か月超の返済分
外貨建借入 ( 単位:百万豪ドル)
449.7 百万米ドル 598.0 無し
2020 年6月30日現在の為替レートによる換算額
2020 年6月30日から 2020 年6月30日から
12 か月以内の返済分 12 か月超の返済分
外貨建借入 ( 単位:百万豪ドル)
445.8 百万米ドル 650.0 無し
報告日現在において、全ての外貨建借入について、経済上のヘッジ、スワップ又は先物契約が結ばれるか、外貨建資産
に投資されている。従って、海外借入の通貨換算によって生ずる為替差益(損)は、外貨契約、海外投資又は連続した貸
付について発生するこれに対応する差損(益)と相殺され、為替差益(損)の純額は発生しない。
( 注18) 納税債務
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
当期法人税相当額債務 3.7 25.0
3.7 25.0
( 注19) 引当金
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
年次休暇
1.6 1.5
長期有給休暇 2.2 2.1
0.3 0.3
退職手当(確定給付制度)
4.1 3.9
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ゴールド・ステート老齢退職手当制度
会計方針
保険数理上の損益は発生した年度において包括利益計算書に直ちに認識される。
本制度情報
本制度によりもたらされる利益の性質
以前の州年金制度加入者の一部がゴールド・ステート・スーパー(老齢退職手当制度)に移行した。彼らの移行さ
れた給付に関して、加入者は退職、死亡又は傷病の場合に一時金で給付を受取る。これは雇用期間中の給与に関係づ
けられ、公的部門の雇用を離職後の支払猶予期間中指数化方式で計算される。
規制上の枠組みの説明
本制度は2000年州老齢退職年金法(西オーストラリア)及び2001年州老齢退職年金規則(西オーストラリア)に基
づき運用される。
制度は老齢退職年金産業(監督)(SIS)法の正式な対象ではないが、西オーストラリア州政府は、(政府覚書に
おいて)制度をSIS法制の精神に基づき運用することを約束している。
義務が免除された公的部門老齢年金制度(SIS法に定義される。)として、本制度は最低資金要件に従わない。
憲法で保護された年金基金(所得税評価法に定義される。)として、本制度は税金を払う必要がない。
本制度のガバナンスに対する他の法人の責任の説明
政府職員老齢年金委員会(GESB)は本制度のトラスティーであり、本制度のガバナンスの責任がある。トラス
ティーとして、GESBは本制度の受益者の最善の利益のためにのみ行為する法律上の義務がある。GESBには以下の役割
がある。
・本制度の管理及び本制度の規則に従って必要ある場合に受益者への支払い、
・本制度資産の運用及び投資(本報告の負債は資産により裏付けられない)、及び
・上記の政府覚書の遵守。
リスクの説明
本制度によりWATCは多数のリスクにさらされる。確定給付に関連するより重要なリスクは以下の通りである。
・給与リスク ― (将来の給付額がそれに基づく)賃金又は給与が仮定よりも急激に上昇し、確定給付額及び関連
する雇用者拠出を増加させるリスク。
・インフレーション・リスク ― (繰延給付の物価スライド制に影響を与える)インフレーションが仮定よりも高
くなり、確定給付額及び関連する雇用者拠出を増加させるリスク。
・法律上のリスク ― 確定給付を提供するコストを上昇させる法律の変更が行われるリスク。
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重要な事実の説明
本年度中に確定給付債務に影響を与える制度の改正、縮小又は清算はなかった。
確定給付負債/(資産)(純額)の調整表
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
期首の確定給付負債/(資産)(純額)
0.3 0.3
(+) 当期の勤務費用
0.0 0.0
(+) 純利息
0.0 0.0
(+) 過去の勤務費用/削減
0.0 0.0
(+) 決済による(利益)/損失
0.0 0.0
(-) 本制度資産の実際の利回りから受取利息を控除
0.0 0.0
(+) 人口動態の仮定変更から生ずる実際の(利益)/損失
0.0 0.0
(+) 財務上の仮定変更から生ずる実際の(利益)/損失
0.0 0.0
(+) 債務実績から生ずる実際の(利益)/損失
0.0 0.0
(+) 資産上限の効果の調整
0.0 0.0
0.0 0.0
(-) 雇用主拠出
確定給付負債/(資産)(純額)
0.3 0.3
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本制度資産の公正価値調整表
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
期首の本制度資産の公正価値
0.0 0.0
(+) 受取利息
0.0 0.0
(+) 本制度資産の実際の利回りから受取利息を控除
0.0 0.0
(+) 雇用主拠出
0.0 0.0
(+) 本制度参加者による拠出
0.0 0.0
(-) 支払い給付
0.0 0.0
(-) 税金、プレミアム及び費用
0.0 0.0
(+) 振替による
0.0 0.0
(+) 蓄積部門への拠出
0.0 0.0
(+) 決済
0.0 0.0
(+) 為替レート変動 0.0 0.0
期末の本制度資産の公正価値
0.0 0.0
確定給付債務(DBO)の調整表
期首の確定給付債務の現在価値 0.3 0.3
(+) 当期の勤務費用
0.0 0.0
(+) 利息費用(支払利息)
0.0 0.0
(+) 本制度参加者による拠出
0.0 0.0
(+) 人口動態の仮定変更から生ずる保険数理上の(利益)/損
0.0 0.0
失
(+) 財務上の仮定変更から生ずる保険数理上の(利益)/損失
0.0 0.0
(+) 債務実績から生ずる保険数理上の(利益)/損失
0.0 0.0
(-) 支払い給付
0.0 0.0
(-) 税金、プレミアム及び費用
0.0 0.0
(+) 振替による
0.0 0.0
(-) 蓄積部門への拠出
0.0 0.0
(+) 過去の勤務費用/削減
0.0 0.0
(+) 決済による利益/損失
0.0 0.0
(+) 決済
0.0 0.0
0.0 0.0
(+) 為替レート変動
期末の確定給付債務の現在価値
0.3 0.3
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資産上限の効果の調整
資産上限は、確定給付負債/(資産)の純額へ影響を与えない。
本制度資産の公正価値
移転済給付を補助するために現在の職員のためのゴールド・ステート・スーパーの資産は存在しない。従って、以
下は存在しない。
・本制度資産の公正価値、
・本制度資産の割当資産、
・雇用主により発行される金融資産、
・雇用主が使用する資産、及び
・資産-負債を一致させる戦略。
報告日付の重要な保険数理上の仮定
2021年 2020年
開始年DBO及び当年度の確定給付コストを決定する仮定
割引率 0.85% 1.40%
予想給与増加率 2019/20年 - 1.50%
2020/21年 2.00% 1.50%
2021/22年 2.00% -
その後 3.50% 4.20%
CPI(消費者物価指数) 2.00% 2.50%
評価日現在のDBOを決定する仮定
割引率 1.50% 0.85%
予想給与増加率 2020/21年 - 2.00%
2021/22年 2.00% 2.00%
2022/23年 2.00% -
その後 3.00% 3.50%
CPI(消費者物価指数) 2021/22年 1.75% -
2022/23年 1.75% -
その後 2.00% 2.00%
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割引率は2030年5月満期の州政府債券に基づいている。使用される減少率(例えば、死亡率及び退職率)は、2020年6
月30日現在のスキームの保険数理的な見直しに基づき、オーストラリア政府保険数理表(ALT 2015-17)及びMercer公的
部門年金生命表(退職所及び配偶者年金受給者)により更新されている。
2021 年6月30日現在で使用された給与増加の仮定は、最初の2年間は年率2.00%、その後は年率3.00%である。2020
年6月30日現在で使用された給与増加率は、最初の2年間は年率2.00%、その後は年率3.50%と仮定した。
感受性分析
複数のシナリオに基づく2021年6月30日現在の確定給付債務は、以下のとおりである。
シナリオA及びBは割引率の感受性に関係する。シナリオC及びDは予想給与増加率及び物価指数の感受性に関係す
る。
シナリオA:年率0.5%低い割引率の仮定
シナリオB:年率0.5%高い割引率の仮定
シナリオC:年率0.5%低い予想給与増加率及び物価指数の仮定
シナリオD:年率0.5%高い予想給与増加率及び物価指数の仮定
基準のケース シナリオA シナリオB シナリオC シナリオD
割引率 割引率 給与 給与
年率マイナス 年率プラス 年率マイナス 年率プラス
0.5% 0.5% 0.5% 0.5%
割引率 年率1.50% 年率1.00% 年率2.00% 年率1.50% 年率1.50%
給与増加率 年率3.00% 年率3.00% 年率3.00% 年率2.50% 年率3.50%
確定給付債務
0.3 0.3 0.3 0.3 0.3
(単位:百万豪ドル)
確定給付債務は上記で概説した仮定の変更により再計算されているが、その他すべての債務は維持される。
上記の表での給与の仮定は長期給与の仮定である。短期の仮定もシナリオC及びシナリオDに記載のとおり、また調
整されている。
資金調達の取決め
WATC は要求に応じて支払い給付に見合う拠出を行う。
予想拠出
(単位:百万豪ドル)
2022年
予想雇用主拠出
0.1
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確定給付債務の満期構造
WATC の確定給付債務の加重平均デュレーションは3.0年である。
( 注20) 金融商品及びリスク管理
方針
リスク管理ガバナンス
WATC の取締役会(取締役会)は、1986年西オーストラリア州理財公社法に基づきWATCがその職務を遂行することに責
任を持つ。
これらの職務を遂行するにあたり、取締役会は適切なリスク管理方針、システム、報告手順を確実に整えるようにす
る。この点からその義務の遂行を助けるために、取締役会は、市場リスク、信用リスク、流動性及び資金調達リスク並
びにオペレーショナル・リスクを対象とするリスク管理方針を実施している。
WATC は、月次ベースで会合を行い、リスク管理に関する以下の機能に責任をもつ、資産及び負債管理委員会(ALCO)
を創設した。
・WATCのリスク管理プロセス及び戦略についての助言の提供、
・WATCがリスク・エクスポージャーの水準を合意された水準に維持することに関する事項についての助言、
・WATCに影響を与える可能性のあるリスクの進展に関する助言の提供、及び
・WATCのリスク管理方針の毎年の見直しから生ずる勧告に関する助言の提供。
WATC は顧客へ提供する財務サービスに関連するリスクを負う。これらのサービスは貸付、財務リスク管理及び投資業
務を含む。WATCが管理する主要なリスクは、以下のとおりである。
・金利リスク、
・為替レート・リスク、
・信用リスク、
・流動性リスク、
・資金調達リスク、及び
・オペレーショナル・リスク
WATC は、下記の「必要資本」の項に記載のとおり、これらのリスクの軽減を賄う適切な資本を確実に維持する。
WATC は、その方針として、巨額の為替レート・リスクを負わず、すべてのその他財務リスクから生ずる損失のエクス
ポージャーを最小化することを目指す。
WATC は、顧客の資金調達需要を満たすため調達する債券の外国為替及び金利のエクスポージャーを低減するために、
金利及び通貨スワップを締結する。会計基準に従い、スワップの公正価値の変動は包括利益計算書上に計上される。未
実現の損益はWATCの現金利益又は損失を意味しない。
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金利リスク
金利リスクは、金利の変動が損失の原因となるリスクである。
WATC の金利リスクは、主に取締役会が設定するVaR(バリュー・アット・リスク)を通じて、制御される。VaRはポート
フォリオの価値が、一定の確率を前提として一定期間に下落する可能性のある金額を定量化したものである。
WATC は金利リスクの最小化を非常に重視する。当然のことながら、貸付及び市場支援業務から生ずるWATCの金利リス
ク・エクスポージャーはすべて、経済上ヘッジされている。これらのヘッジング契約の効果は、WATCのVaRを最小にする
ために継続的に見直しを受ける。
VaR 及びその他金利リスクに敏感な尺度を使用する市場エクスポージャーは、毎日評価される。リスクの制御は、毎
月、また必要ある場合より頻繁に実施されるストレス・テストの使用により、さらに向上する。ストレス・テストは、
極端な市場の状況において発生する可能性のある損失見込み額の目安を与える。ストレス・テストはまた、WATCが金利
の動きに敏感なカーブ上の範囲を強調する。
WATC の市場リスクに関連するVaR測定を以下に詳述する。
バリュー・アット・リスク(VaR)
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
年間1日平均残高
1.3 1.4
年間最低値 0.6 0.7
年間最高値 4.5 3.5
年度末残高 0.8 1.2
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金利リスク・エクスポージャー
以下の表は、報告日現在のWATCの金利リスク・エクスポージャーの詳細である。
加重平均 3か月から
コール 3か月以内 1年から5年 5年超 無利息 合計
実効利率 12 か月
2021 年 (%) (単位:百万豪ドル)
金融資産:
現金及び現金同等物 0.46 118.7 118.7
受取債権
-デリバティブ以外 244.4 244.4
-デリバティブ (55.8) (15.9) 697.5 222.6 848.4
0.62
投資 4,579.3 26.0 1,303.8 5,909.1
2.05
19,237.2 4,233.9 13,955.8 17,342.0 54,768.9
公的機関への貸付金
118.7 23,760.7 4,244.0 15,957.1 17,564.6 244.4 61,889.5
金融負債:
未払債務 3,081.7 3,081.7
15,784.2 783.2 21,767.6 20,314.8 58,649.8
借入金 1.79
0.0 15,784.2 783.2 21,767.6 20,314.8 3,081.7 61,731.5
加重平均 3か月から
コール 3か月以内 1年から5年 5年超 無利息 合計
実効利率 12 か月
2020 年 (%) (単位:百万豪ドル)
金融資産:
現金及び現金同等物 0.76 255.4 255.4
受取債権
-デリバティブ以外 278.1 278.1
-デリバティブ (103.9) (18.0) 717.1 252.0 847.2
投資 1.31 48.0 5,490.7 739.7 886.4 7,164.8
18,376.3 4,567.3 13,897.0 19,268.9 56,109.5
公的機関への貸付金 2.50
303.4 23,763.1 5,289.0 15,500.5 19,520.9 278.1 64,655.0
金融負債:
未払債務 3,976.0 3,976.0
15,847.5 389.7 22,093.8 22,170.5 60,501.5
借入金 2.17
0.0 15,847.5 389.7 22,093.8 22,170.5 3,976.0 64,477.5
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為替レート・リスク
外国為替リスクは、為替レートの変動による損失のリスクである。WATCの方針は、営業目的の外貨建銀行口座の少額
な残高を維持する必要から発生するわずかなエクスポージャーを除き、為替リスクを一切負わないというものである。
実務上、WATCの外貨建て債務はすべて、以下の1以上の形態で、外貨建資産に対応させるか、裏付けられている。
・外貨建貸付、
・クロス・カレンシー・スワップに基づく外貨建債権、
・先物為替契約による外貨建債権、及び/又は
・外貨建投資。
WATC はまた、西オーストラリア州理財公社法第9条(1)項(g)に従い、顧客に代わり、外国為替取引及び通貨オプ
ションを引受ける。各市場取引は、顧客との取引により相殺され、WATCは為替リスクを負わない。
信用リスク
信用リスクは、取引相手がWATCに対する財務上の義務を果たさないことによる財務上の損失リスクである。
WATC の制定法は、西オーストラリア州の公的部門の機関又は成文法によりWATCからの借入を承認された企業体への貸
付のみを許可する。WATCは公的部門の機関へのエクスポージャー(融資残高)をカバーするための資本を、WATCとかか
る機関との関係の性質を理由として、分けて確保していない。その結果、WATCの信用リスクの管理は、投資、デリバ
ティブ及び地方政府の取引相手方に主に重点を置く。
WATC は、WATCの信用エクスポージャーの多様性を確保し、また取引相手の信用の質の最低基準を設定することによ
り、信用リスクの軽減を意図する包括的な信用リスク管理方針を維持している。WATCはまた、デリバティブ商品に関す
る信用リスクを相殺規定及びクレディット・サポート・アネックス(CSA)を持つISDA基本契約書の利用により軽減す
る。
投資の信用エクスポージャー(格付別)
(単位:%)
2021年 2020年
AAA
3.31 27.85
AA 96.69 61.15
A 0.00 11.00
0.00 0.00
BBB
100.00 100.00
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デリバティブの信用エクスポージャー(格付別)
AAA 0.00 0.00
AA 84.33 95.60
15.67 4.40
A
100.00 100.00
流動性リスク
流動性リスクは、過度の損失又は資金調達コストを負担することなしに、期限の到来したときに財務上の責任を果た
すために利用可能な十分な資金を保有するWATCの能力に関係する。
WATC は、以下を含む多くの方法でこのリスクを最小化する。
・流動資産の保有及び/又はスタンドバイ枠は、最低水準以上を確保する。
・キャッシュ・フロー予測を毎日作成する。
・悪い市場状況につき、シナリオ分析を実施する。
・あらゆる市場及びあらゆる借入期間で、資金調達活動を多様化する。
・日中流動性需要に対処するために、日中当座貸越枠へアクセスする。
流動資産の最低レベルを維持することにより、WATCは不測の巨額の正味キャッシュ・アウトフロー又は一時的な市場
混乱を満たす十分な流動性を確実に持つようにする。
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流動性表
以下は、見積り利息支払いを含み、相殺契約の影響を除外した、金融負債の契約満期を示す。
3か月から
3か月以内 1年から5年 5年超 合計
12 か月
2021 年 (単位:百万豪ドル)
金融負債:
借入
7,013.0 4,005.6 30,620.0 20,192.1 61,830.7
-デリバティブ以外
7,013.0 4,005.6 30,620.0 20,192.1 61,830.7
デリバティブ
-デリバティブ未払債務 630.2 37.1 249.9 106.7 1,023.9
753.2 262.2 778.8 94.9 1,889.1
-デリバティブ受取債権
デリバティブ(純額) (123.0) (225.1) (528.9) 11.8 (865.2)
合計 6,890.0 3,780.5 30,091.1 20,203.9 60,965.5
3か月から
3か月以内 1年から5年 5年超 合計
12 か月
2020 年 (単位:百万豪ドル)
金融負債:
借入
7,349.7 3,548.1 31,296.0 21,051.9 63,245.7
-デリバティブ以外
7,349.7 3,548.1 31,296.0 21,051.9 63,245.7
デリバティブ
-デリバティブ未払債務 736.8 5.7 144.6 32.5 919.6
818.3 230.1 649.3 70.4 1,768.1
-デリバティブ受取債権
デリバティブ(純額) (81.5) (224.4) (504.7) (37.9) (848.5)
合計 7,268.2 3,323.7 30,791.3 21,014.0 62,397.2
資金調達リスク
資金調達リスクは、資金調達が必ずしもいつでも利用できるとは限らないリスクである。これは資金調達枠の多様化
が不足している場合、又は特定期間の資金需要が過度である場合に発生する可能性がある。
このリスクはWATCが資金調達活動を国内及びオフショアの市場全体並びに借入期間を多様化すること並びに流動性の
高い投資ポートフォリオを維持することにより最小化される。
取締役会は、ALCOに、適切な資金調達枠及び資金源を確実に維持するよう求める。さらに、取締役会は、資金調達リ
スクの適切な管理を確実にするために、経営陣がその枠内で運営しなければならない最短債務満期及び流動性カバレッ
ジ目標を定める。
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オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクは、内部プロセス、人員及びシステムの不十分若しくは失敗又は外部の事象から生ずる損
失リスクである。
WATC のオペレーショナル・リスク管理方針は、オペレーショナル・リスクを特定、評価、制御及び監視する方法を記
載する。この方針の主要な目的は、以下のとおりである。
・オペレーショナル・リスクが一貫した方法で管理されることを可能とする文化を促進する。
・オペレーショナル・リスク管理に関して職員が自分たちの責任を明確に理解するようにする。
・事業目標が満たされるように、効果的にオペレーショナル・リスクを特定し、管理する。
・WATCのオペレーショナル・リスク・エクスポージャーに対応した資本レベルを算定する。
必要資本
WATC の資本方針に基づき、確定した最低資本金額が、市場リスク、信用リスク及びオペレーショナル・リスクをカ
バーするために留保されなければならない。WATCは留保利益及び準備金を資本とみなす。
WATC の必要資本総額は、顧客への貸付の水準及びプロファイル、市場支援業務の取引高及び適切な資金調達/ヘッジ
商品の利用可能性の関数として、時間の経過により変動する。従って、資本保有レベルを慎重に管理するために、WATC
は必要資本の予測(通常3年超)を行う。この情報は、予測期間の予想されるエクスポージャーをカバーするのに利用
できる十分な資本を確保するために保有されるべき最低資本金額を取締役会が決定するのに利用される。
WATC の必要資本の見直しは最低1年に1度は行われる。
マネジメント
投資、公的機関への貸付金、借入金及びデリバティブ金融商品は損益を通じて公正価値評価されるものとして指定さ
れている。残高は、貸借対照表における公正価値で記録され、未実現の損益は包括利益計算書に計上される。公正価値
は金融資産と負債がリスクポジションを相殺して保有される限度において、市場で取引される中間価格を用いて導かれ
る。信用リスクは公正価値を決める決定的な要因ではない。なぜなら、WATCの負債は州を代理する大蔵大臣により保証
されており、従って公正価値の変動は主に価格とイールドの市場に関連した動きに原因があるからである。
自らの戦略を遂行するにあたって、WATCは資本市場からのネットの借り手である。満期構造及び商品利用の面での
WATCの資金調達の選考は、最低コストで資金を調達するために投資家の選考と均衡しなければならない。この点から、
WATCは、資金調達ポートフォリオの満期プロファイルを貸付ポートフォリオの満期プロファイルに近づけることによ
り、ある程度の市場リスクを受け入れる。負担する残りの市場リスクを経済上ヘッジし、かつ最小限にするためにス
ワップ、金利先物契約及び先物等のデリバティブ商品が使用される。
これらの契約で交換される金額は、デリバティブの想定元本金額とその他条件を参照して計算される。与信額は取引
相手方の不履行の場合の報告日におけるWATCの与信評価額を表わす。WATCはデリバティブ取引から生ずる与信エクス
ポージャーを決定するため、APRAの「カレント・エクスポージャー・メソッド」を採用している。2021年6月30日現
在、WATCは、取引の相手方は全てその債務を履行すると確信している。
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金利リスク管理に使用されるデリバティブ商品の想定元本金額、公正価値及び与信額の詳細は以下のとおりである。
(単位:百万豪ドル)
想定元本金額 公正価値 与信額
2021年6月30日現在
先物 124.0 0.0 0.0
金利スワップ 14,070.0 848.4 844.4
金利先渡契約 0.0 0.0 0.0
2020年6月30日現在
先物 662.6 (0.1) 0.0
金利スワップ 12,763.0 847.2 801.7
金利先渡契約 0.0 0.0 0.0
金利スワップは、変動利率のエクスポージャーを生み出すために固定金利の指標銘柄債券及び金利スワップを発行す
ることにより、資金調達リスク及び金利リスクを管理するために随時利用される。時には変動から固定へのスワップも
WATCの公的機関への貸付に適合させるため変動金利借入から固定金利借入へと変更するのに利用される。金利スワップ
では、WATCは相手方とあらかじめ決定された間隔で、合意された想定元本金額を参照して計算される固定金利額と変動
金利額の差を交換することに合意する。金利スワップもまた、期限付変動金利資金を公的機関へ貸付けるために利用さ
れる。2021年6月30日現在、WATCはこの方法で総額18,257.7百万豪ドル(2020年:17,562.1百万豪ドル)の資金を貸付
けていた。
金利先渡契約は、期限の到来した時点で現金支出に対する確定した収益又は費用を保証するためにWATCにより利用さ
れる。これらの契約は特定の期間中、想定元本金額に対する金利を設定する。先物契約は、本来金利先渡契約と同じ目
的で利用される。WATCが利用する契約は、銀行手形、3年及び10年の債券契約である。
WATC は豪ドルへのスワップ後の全て込みの費用が同様の国内借入より低い場合に外貨建借入を行う。WATCはポート
フォリオに基づき金利リスクを管理する一方、借入取引の一環として外貨建借入における為替リスクを管理する。2021
年6月30日現在、WATCは581.1百万豪ドルの豪ドル建固定先物債務と共に、598.0百万豪ドルの外国通貨スワップ及び先
渡し契約を保有していた(2020年:649.1百万豪ドルの豪ドル建固定先物債務と共に、650.2百万豪ドルの外国通貨ス
ワップ及び先渡し契約)。さらに、WATCは顧客のために、98.9百万豪ドル(2020年:74.6百万豪ドル)の外国為替取引
を取決めていた。これら取引は顧客に引続いて貸付けられ、従ってWATCはリスクを負わない。これらの外国為替先物取
引による公的機関からの受取債権及び第三者への支払いに関する公正価値(1.6百万豪ドル)は、それぞれ注11b及び注17b
に含まれている。
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全ての金融資産及び金融負債が報告日において公正価値で認識されている。評価のために、WATCはキャッシュ・フ
ローを現在価値に割引くため可能な限り市場取引金利を使用する。市場取引金利がない株式は、適切なゼロ・クーポ
ン・イールド曲線を使って評価される。これには、市場に近似させるために信用リスクに対する十分な考慮を含む。6
月30日現在、WATCが評価目的で使用した市場金利は以下のとおりである。
2021年6月30日現在 2020年6月30日現在
クーポン
市場金利 市場金利
翌日
― 0.10% 0.25%
90日間 ― 0.03% 0.10%
180日間 ― 0.07% 0.16%
2020年7月22日 2.50% - 0.13%
2021年7月15日 7.00% 0.00% 0.30%
2022年10月20日 2.75% 0.02% 0.33%
2023年10月16日 6.00% 0.16% 0.42%
2024年7月23日 2.50% 0.44% 0.53%
2025年7月23日 5.00% 0.72% 0.65%
2026年10月21日 3.00% 0.99% 0.79%
2027年10月21日 3.00% 1.18% 0.97%
2028年7月20日 3.25% 1.30% 1.09%
2029年7月24日 2.75% 1.46% 1.23%
2030年10月22日 1.50% 1.64% -
2031年10月22日 1.75% 1.76% 1.50%
2034年10月24日 2.00% 2.05% 1.88%
2041年7月23日 2.25% 2.51% 2.20%
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公正価値の階層
以下の表は、公正価値で記録される金融商品の評価方法による分析である。異なるレベルは、以下のように定義され
ている。
レベル1:特定の資産又は負債について、活発な市場での公表価格
レベル2:直接的(すなわち、価格として)又は間接的(すなわち、価格から導かれる)な、資産又は負債について
観察可能な、レベル1の中に含まれる公表価格以外の情報、及び
レベル3:観察可能な市場データに基づかない、資産又は負債についての情報(観測できない情報)
公正価値階層のレベル間の移動は、報告期間末に起こったとみなされる。2021年6月30日終了年度中にレベル間の移
動はなかった。
レベル1 レベル2 レベル3 合計
2021年6月30日
損益を通じて公正価値評価されるものとして
(単位:百万豪ドル)
指定された金融資産
投資 1,581.2 4,327.9 - 5,909.1
公的機関への貸付金 42.5 54,726.4 - 54,768.9
0.0 5.6 - 5.6
デリバティブ金融資産
資産合計 1,623.7 59,059.9 - 60,683.6
損益を通じて公正価値評価されるものとして
指定された金融負債
借入金 46,582.9 12,066.9 - 58,649.8
0.0 (842.8) - (842.8)
デリバティブ金融負債
負債合計 46,582.9 11,224.1 - 57,807.0
レベル1 レベル2 レベル3 合計
2020年6月30日
損益を通じて公正価値評価されるものとして
(単位:百万豪ドル)
指定された金融資産
投資 1,674.1 5,490.7 - 7,164.8
公的機関への貸付金 54.7 56,054.8 - 56,109.5
0.0 6.9 - 6.9
デリバティブ金融資産
資産合計 1,728.8 61,552.4 - 63,281.2
損益を通じて公正価値評価されるものとして
指定された金融負債
借入金 47,326.9 13,174.6 - 60,501.5
0.0 (840.3) - (840.3)
デリバティブ金融負債
負債合計 47,326.9 12,334.3 - 59,661.2
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レベル2資産又は負債の価値を決定するために使用された評価技術は、レベル1インプットを用いた一連のゼロ・
クーポン・イールド・カーブの生成又は特定のカーブのスプレッドでの資産・負債の評価である。インプットはWATCの
指標銘柄ライン上の価格、銀行手形スワップ・レート、金融市場レート、為替レート、発行者レート及び指標銘柄レー
ト間の観察されるスプレッド、カーブ上の特定ポイントのカーブ間の観察されるスプレッドを含む。これらのインプッ
トは観察可能な基準に対する見積もりの結果を改善するために毎日修正される。
投資は、利用可能な場合識別可能な資産の活発な市場の公表価格を用いて、又は適切なゼロ・クーポン・イールド・
カーブを利用した割引キャッシュ・フロー・ベースで評価される。
公的機関への貸付金は、WATCのゼロ・クーポン・イールド・カーブを利用した割引キャッシュ・フロー・ベースで評
価される。
デリバティブ金融資産及び負債は、金利スワップ、金利先渡契約及び外貨スワップなどの店頭デリバティブを含み、
WATCのゼロ・クーポン・イールド・カーブを利用した割引キャッシュ・フロー・ベースで評価される。
借入金は、利用可能な場合識別可能な負債の活発な市場の公表価格を用いて、又はスワップのゼロ・クーポン・イー
ルド・カーブを利用した割引キャッシュ・フロー・ベースで評価される。
( 注21) キャッシュ・フロー表に対する注記
21 a.現金の一致
キャッシュ・フロー表においては、現金は手持ち現金、銀行預金、金融市場商品への投資、銀行当座借越の純額を
含む。キャッシュ・フロー表の各報告期末に示された現金は、以下のとおり財政状態計算書の関連項目と一致する。
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
銀行預金(注8)
118.7 255.4
短期金融市場投資 1,349.8 827.7
0.0 0.0
海外銀行口座(注8)
1,468.5 1,083.1
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21 b.営業活動による現金(純額)と当期純利益合計の一致
(単位:百万豪ドル)
2021年 2020年
当期純利益
22.2 28.5
減価償却費 0.2 0.1
無形資産の償却 1.0 0.8
受取債権の減少 25.2 49.6
未払利息の減少 (63.5) (50.9)
その他の債務の増加 0.1 0.8
納税債務の増加/(減少) 9.5 12.3
繰延税金資産の増加 0.0 (0.1)
職員給付の増加 0.2 0.4
プレミアム/ディスカウントの償却 (246.8) (235.9)
公正価値調整 16.5 54.9
法人税相当額費用 (30.8) 0.0
顧客機関を代理してのその他受領 0.0 0.3
投資の減少/(増加) 1,708.4 (1,207.4)
貸付の減少 (262.3) (379.6)
(772.6) 2,426.8
借入の(減少)/増加
営業活動による現金 407.3 700.6
( 注22) 取締役及びその他経営幹部の報酬
WATC は経営幹部に大臣、WATCの取締役及び上級役員を含むことを決定した。しかし、WATCは大臣に報酬を支払う義務
はない。大臣の報酬に関する開示は州財政の年次報告書に含まれている。
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取締役の報酬
WATC の現在の取締役は、M.A.バーンズ(会長)、M.J.R.コート(副会長)、K.P.グリッチ(最高執行役員)、D.D.ブ
ランビー(取締役)、P.ホブソン(取締役)及びS.L.マーフィー(取締役)である。K.P.グリッチ以外の取締役は全
て、執行責任を持たない。当該年度中、報酬、給与、退職給付金及びその他の給付金の総額が下記の範囲に入る取締役
の人数は以下のとおりである。
2021年 2020年
0
2 2
10,000豪ドル~ 20,000豪ドル
― *2
20,001豪ドル~ 30,000豪ドル
― **2
40,001豪ドル~ 50,000豪ドル
3 1
190,001豪ドル~200,000豪ドル ― ―
440,001豪ドル~450,000豪ドル 1 ―
450,001豪ドル~460,000豪ドル ― 1
2020 年
* ホブソン氏及びブランビー氏は年度途中で取締役に就任したため、この給与は年度の一部のみを表示する。
** ナンス氏及びサール氏は年度途中で取締役会を退任した。
(単位:豪ドル)
2021年 2020年
WATC取締役の報酬総額
577,211 571,839
内訳:
短期雇用給付 521,685 510,801
その他長期雇用給付 8,941 12,889
退職給付 46,585 48,149
ここに含まれる退職給付金は、取締役に関してWATCが負担する退職給付費用を示す。
州年金制度の加入者である取締役はいない。
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その他経営幹部の報酬
その他の経営幹部は、V.シンキナ(金融市場部長)、S.L.ラフ(チーフ・ファイナンシャル・オフィサー兼会社秘書
役)、K.S.ミドルトン(チーフ・リスク・オフィサー)、S.J.B.モーホール(顧客サービス本部長)、R.A.モールトン
(チーフ・オペレーティング・オフィサー)及びR.L.リッジウェイ(人事マネジャー)である。当該年度中、報酬、給
与、退職給付金及びその他の給付金(権利の支払いを含む。)の総額が下記の範囲に入る取締役以外のその他経営幹部の
人数は以下のとおりである。
2021年 2020年
50,001豪ドル~60,000豪ドル
*1 -
170,001豪ドル~180,000豪ドル **1 -
180,001豪ドル~190,000豪ドル 1 1
240,001豪ドル~250,000豪ドル - 1
250,001豪ドル~260,000豪ドル - 1
260,001豪ドル~270,000豪ドル 1 1
280,001豪ドル~290,000豪ドル - -
300,001豪ドル~310,000豪ドル 1 2
310,001豪ドル~320,000豪ドル 1 -
320,001豪ドル~330,000豪ドル 1 -
2021 年
* ミドルトン氏は年度途中でWATCに入社したため、この給与は年度の一部のみを表示する。
** マクウェン氏は年度途中にWATC内の別の職位に異動した。
(単位:豪ドル)
2021年 2020年
その他経営幹部の報酬総額
1,615,830 1,565,796
内訳:
短期雇用給付 1,426,599 1,396,037
その他長期雇用給付 42,190 22,475
退職給付 147,041 147,284
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ここに含まれる退職給付金は、取締役以外のその他経営幹部に関してWATCが負担する退職給付費用を示す。
州年金制度の加入者であるその他経営幹部はいない。
(単位:豪ドル)
2021年 2020年
取締役及び経営幹部の報酬総額
2,193,041 2,137,635
内訳:
短期雇用給付 1,948,284 1,906,838
その他長期雇用給付 51,131 35,364
退職給付 193,626 195,433
( 注23) 監査人の報酬
(単位:豪ドル)
2021年 2020年
財務書類及び経営指標の監査について会計検査庁に支払われる
183,000 179,401
報酬・未払報酬額
( 注24) 関連当事者間取引
WATC は、西オーストラリア州により完全に所有され、支配されている。WATCの関連当事者には以下を含む。
・全ての大臣及びその身近な家族、並びにそれらが支配又は共同支配する事業体
・全ての上級役員及びその身近な家族、並びにそれらが支配又は共同支配する事業体
・州政府全体の統合財政書類に含まれる、その他法定機関及び州政府の部局(それらの関連機関を含む)
・州政府全体の財政書類に含まれる事業体の関係会社及び合弁会社
・政府職員老齢退職年金委員会(GESB)。
政府関連事業体との重要な取引
州の中央借入機関としての役割において、WATCは、州の保証が付された資金を各種州政府機関に貸付ける。2021年6月
30日現在、機関への貸付総額の98.8%(2020年:98.8%)が州政府の機関への貸付であった。貸付はWATCの借入コストに
管理費を賄う利鞘を加えて提供され、様々な満期を持つ。満期構造、利息及び平均金利の詳細は、注11に示す。
さらに、WATCは通常業務において、様々な政府部局及び機関からサービスを受けている。これらの取引は独立当事者間
ベースで行われており、GESBへの年金支払及び大蔵省への宿泊施設賃料の支払を含む。
関連当事者との重要な取引
WATC は経営幹部若しくはその身近な家族又はそれらの共同支配する事業体との間で重要な関連当事者取引を行わなかっ
た。
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( 注25) 補足説明
25 a.2020/21年の実績と予算との比較
実績 予算 差額 注釈
(単位:百万豪ドル)
収入
投資収益 32.4 27.7 4.7 1
公的機関からの受取利息 1,078.8 1,144.7 (65.9) 2
2.5 2.0 0.5
手数料収入
1,113.7 1,174.4 (60.7)
利益
外国為替差益 0.0 0.0 0.0
0.0 0.0 0.0
有形固定資産売却益
収益合計 1,113.7 1,174.4 (60.7)
費用
借入に係る支払利息 1,043.1 1,114.8 (71.7) 4
起債費用 1.9 4.3 (2.4)
減価償却費 0.2 0.2 0.0
無形資産の償却 1.0 1.1 (0.1)
管理費用 19.3 19.9 (0.6)
16.5 0.0 16.5
公正価値変動(純額) 3
1,082.0 1,140.3 (58.3)
法人税相当額控除前の利益
31.7 34.1 (2.4)
法人税相当額費用 9.5 10.2 (0.7)
当期純利益 22.2 23.9 (1.7)
その他包括利益 0.0 0.0 0.0
包括利益合計 22.2 23.9 (1.7)
注釈:予算額との差異の理由
1.投資収益が予算より増加した理由は、投資残高が予想より大きかったことによる。
2.公的機関からの受取利息が予算より減少したのは、金利が予想より低かったこと及び公的機関顧客の借入プログラ
ムが予想より低かったことによる。
3.公正価値変動(純額)及び受取利息、支払利息の関係は注6で述べられている。予算は未実現の利益又は損失を独立
して認識しない。
4.借入に係る支払利息が予算より減少した理由は、金利及び債務水準が予想より低かったことによる。
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25 b.2020/21年と前年度との比較
2021年 2020年 増減 注釈
(単位:百万豪ドル)
収入
投資収益 32.4 79.0 (46.6) 1
公的機関からの受取利息 1,078.8 1,298.0 (219.2) 2
2.5 2.5 0.0
手数料収入
1,113.7 1,379.5 (265.8)
利益
外国為替差益 0.0 0.0 0.0
0.0 0.0 0.0
有形固定資産売却益
収益合計 1,113.7 1,379.5 (265.8)
費用
借入に係る支払利息 1,043.1 1,262.7 (219.6) 4
起債費用 1.9 1.2 0.7
減価償却費 0.2 0.1 0.1
無形資産の償却 1.0 0.8 0.2
管理費用 19.3 19.1 0.2
16.5 54.9 (38.4)
公正価値変動(純額) 3
1,082.0 1,338.8 (256.8)
法人税相当額控除前の利益
31.7 40.7 (9.0)
法人税相当額費用 9.5 12.2 (2.7)
当期純利益 22.2 28.5 (6.3)
その他包括利益 0.0 0.0 0.0
包括利益合計 22.2 28.5 (6.3)
1.投資収益が前年度に比し減少(46.6百万豪ドル)したが、これは主に金利低下による。
2.公的機関からの受取利息は、主に金利低下の効果により、前年度より減少(219.2百万豪ドル)した。
3.公正価値変動(純額)は、主に金利の変動により、前年度から変化(38.4百万豪ドル)した。
4.借入に係る支払利息は、金利低下の結果、前年度より減少(219.6百万豪ドル)した。
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( 注26) 契約
2021 年6月30日現在、契約済み未払いの約定はない(2020年:無し)。
( 注27) 後発事象
WATC の2021年6月30日付財務書類に重大な影響を及ぼすような後発事象は、貸借対照表日以後発生していない。
( 注28) 偶発債務
2021 年6月30日現在、偶発債務はない(2020年:無し)。
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(6) 【その他】
2021 年6月30日以降、本書の提出日までに発生した重要な事実はない。
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(7) 【西オーストラリア州の概況】
1 概要
(a) 位置、面積及び人口
西オーストラリア州はオーストラリア大陸の約3分の1を占めており、2,530,000平方キロメートルの面積を占め、
これは西ヨーロッパ全体を上回る面積である。海岸のほぼ全域に沿った狭い平野及び州の内陸部全体を覆う「グレー
ト・プラトー」として知られる台地の主要な2地域からなる非常に平坦な地形である。西オーストラリア州は南部地域
の地中海性気候から州北部の熱帯気候まで変化に富む気候を有している。
2021 年3月、西オーストラリア州の推計人口は約270万人であり、オーストラリアの人口2,570万人の10.4%を占め
た。西オーストラリア州の年間人口増加率は、2021年3月四半期に年平均ベースで1.1%であり、国全体の増加率
(0.7%)をかなり上回った。西オーストラリア州はオーストラリアの州及び特別地域の中で4番目に人口が多い州で
あった。
オーストラリア連邦
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(b) 政治及び外交
オーストラリア連邦と各州との憲法上の関係
西オーストラリア州は、北部特別地域及びオーストラリア首都特別地域とともに、オーストラリア連邦を構成する
6つの主権を有する連邦州の1つである。ニュー・サウス・ウェールズ、ビクトリア、クィーンズランド、南オース
トラリア、西オーストラリア及びタスマニアの6つの英領植民地が、連邦制度による州として統合された1901年1月
1日に、オーストラリア連邦は連邦国家として誕生した。連邦議会は、国防、社会福祉、外交、貿易・通商、通貨及
び銀行業務等の国益に関する一定の事項について法律を制定する権限を持つ。連邦議会は関税及び物品税を課す専権
を与えられている。憲法上は各州が所得税を賦課する権限を留保しているが、1942年以降、オーストラリア連邦政府
が所得税を賦課する唯一の当局になった。各州議会は、憲法に基づきオーストラリア連邦政府に付与された事項以外
のあらゆる事項につき権限を有している。各州が有する権限には以下の事項がある。教育、公衆衛生、警察及び裁
判、運輸、道路及び鉄道、工業、鉱業、農業、公共事業、港湾、林業、電気、ガス、水道及び灌漑。
西オーストラリア州政府
西オーストラリア州の行政権は、王位(総督が代理する)及び議会に付与されている。総督が州の統治主権の代表
者であり、行政評議会の助言を得て州行政の統治権を行使する。行政評議会のメンバーは、首相の助言を得て総督が
任命する。行政評議会の主たる目的は西オーストラリア州の行政に関連する事項につき、総督に助言を行うことであ
る。適用ある場合、行政評議会は、自己の権利においては法的地位を持たない内閣の決定に法的形式を与える。内閣
は、立法議会の大多数を占める政党又は連立政党に属する議員から選任される大臣で構成される。内閣は行政府の運
営の基礎であるが、憲法において認識されておらず、その決定は個別の大臣により有効とされる範囲を除き法律上の
効力を有さない。
州議会
立法議会及び立法評議会から構成される議会が西オーストラリアの立法府を構成している。
2021 年3月、オーストラリア労働党が政権党に再選された。それ以前は、オーストラリア自由党が2008年9月及び
2013年3月の選挙後、国民党との連立で政権を担った。首相は、マーク・マガウワン閣下である。西オーストラリア
州議会の現在の構成は以下のとおりである。
立法評議会 議員数 立法議会 議員数
オーストラリア労働党 22 オーストラリア労働党 53
自由党 7 自由党 2
オーストラリア国民党 3 西オーストラリア国民党 4
西オーストラリア大麻合法化党 2
グリーンズ党(西オーストラリア) 1
1
夏時間調整党
合計
36 合計 59
出典:西オーストラリア州議会
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立法評議会
立法評議会は州内6の選挙区を代表する36名で構成され、審査機関として機能する。任期は4年間である。
立法議会
立法議会には59の選挙区をそれぞれ代表する59名の議員が在籍している。議員は議会の存続期間(4年の任期を限
度とする。)をその任期として選出される。
州の首相は立法議会に議席を有し、議員の過半数を有する政党又は政党連合の党首が就任する。歳入の調達又は公
金の歳出に係る法律は、すべて立法議会にこれを提出しなければならない。
行政府
行政府は、18世紀の大英帝国で発展し一般に「議員内閣制」として知られている制度を基礎にしている。内閣は、
立法議会の過半数を占める政党又は政党連合に属する議員の中から選ばれた各省大臣で構成される。州憲法上、少な
くとも1名の大臣が立法評議会の評議員の中から選ばれなければならない。西オーストラリア州では、他のオースト
ラリアの州と同様、首長たる大臣は「首相」に任命される。
(c) インフラストラクチャー及びサービス
西オーストラリア州は、信頼のおける港湾、道路、空港、通信及びエネルギー供給などの国際的レベルのインフラス
トラクチャーを有している。西オーストラリア州は、また、拡大しつつあるアジア市場への近接性から利益を得てお
り、十分に確立した高い品質の教育及び住宅に加えて、高い技術力をもった革新的な労働力を擁している。西オースト
ラリア州はまた、包括的な事業サービス及び社会サービスを提供する。
2 経済
(a) 最近の経済動向の概要
西オーストラリア経済は、COVID-19パンデミックの時期を順調に越えており、パンデミック発生時に課せられてい
たが、その後大部分が撤廃された制限による最初のショックの後、速やかに活動は回復している。これを反映して、州
内総生産(GSP)で測定した西オーストラリアの経済活動は、2019/20年に1.0%、2020/21年に2.6%増加し、2021/22年
には3.5%増加すると予測されている。
州経済の力強い回復とその後の拡大は、堅調な水準の家計及び企業マインドに支えられており、2020年半ば以来の最
低限の制限が支えている。それ以来の、西オーストラリア州で唯一の実質的な制限は、州境を管理し、国境を閉鎖(帰
国する市民及び住民のための小規模な制限)してきたことである。アウトブレイクの可能性に対処するために、短い
ロックダウンが3回あり、2021年から現在までに計12日間のハードロックダウンが行われた。
西オーストラリア経済はその産業構造の恩恵を受けており、パンデミック期間を通して鉱業投資及び輸出が堅調に推
移した。輸出については、建設業に重点を置いた中国の景気刺激策が、この危機の期間中の州の鉄鉱石輸出に対する需
要を押し上げた。
2020/21 年、西オーストラリア州の1人当たり名目GSPは135,479ドルで、全州・特別地域中最高であり、オーストラ
リア全体の1人当たり名目国内総生産の80,461ドルをかなり上回っていた。
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経済指標の概要
6月30日終了の各年
2020/21年
オーストラ
リア全体に
最近 占める西
5年間の オーストラ
年平均 リア州の割
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 成長率 合
実質GSP/GDP
(%) (%)
(単位:百万ドル):
西オーストラリア州 297,375 304,445 309,245 312,478 320,653 1.3 16.0
オーストラリア 1,885,807 1,939,648 1,980,942 1,980,866 2,010,087 1.7
1人当たり名目GSP/GDP
(単位:ドル):
西オーストラリア州 96,759 99,114 110,168 118,108 135,479 7.8 該当なし
オーストラリア 72,147 74,406 77,334 77,518 80,461 3.1
小売業(連鎖数量測度)
(単位:百万ドル):
西オーストラリア州 35,605 35,606 35,137 35,866 39,268 1.9 11.1
オーストラリア 323,070 331,295 335,369 335,428 354,410 2.2
(1)
人口(単位:百万人) :
西オーストラリア州 2.571 2.590 2.617 2.661 2.676 0.9 10.4
オーストラリア 24.518 24.899 25.293 25.669 25.704 1.3
消費者物価指数の
年間伸び率(%):
パース 0.7 1.1 1.6 0.1 4.2 1.5 該当なし
オーストラリア 1.9 2.1 1.6 -0.3 3.8 1.8
注:(1) 人口データは3月30日終了年度ベースである(直近入手可能日)。
出典:オーストラリア統計局、目録5220.0、8501.0、3101.0及び6401.0
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(b) 産業構造及び最近の主要産業の状況
西オーストラリア州は、過去50年ほどの間に、州の豊富な鉱物及びエネルギー資源並びに東アジアの急速な都市化及
び工業化により促進された国際的な需要に牽引され、農村を中心とした経済から、様々な鉱物・エネルギー製品の第一
級の生産者兼輸出者へと移行してきた。
鉱業部門は、生産額で見て州最大の産業であり、投資及び輸出を通じて経済成長に大きな影響を与えている。鉱業部
門は、2020/21年の州名目GSPの46.9%を占めており、名目GSP合計の3,618億ドルのうち、1,696億ドルに相当した。
その他の主要産業には「建設業」、「保健及び社会扶助」及び「専門家、科学技術サービス」があり、それぞれ
5%、4.7%、4.2%を占めた。州の経済は「鉱業」が大きな割合を占めるが、部門内は多様であり、建設資材(鉄鉱石
等)、蓄電池材料(リチウム及びニッケル)及びエネルギー(石油及びガス)の割合が大きい。州はまた、多くの企業
が水素への転換によって輸出を計画している再生可能資源の豊富な埋蔵量を有している。
鉱業部門は規模及び生産額にもかかわらず、資本集約的生産構造であるため高い労働生産性が特徴であり、したがっ
て2021年8月までの年間平均では州の総労働人口のわずか8.4%しか雇用していない。州の総雇用に一番大きい割合を占
めるのは、「保健及び社会扶助」(13.7%)であり、「小売業」(8.9%)、「教育及び訓練」及び「建設業」(共に
8.6%)も人口のかなりの割合を雇用している。
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(1)
産業別西オーストラリア州内総生産(粗付加価値)
6月30日終了の各年(時価)
2020/21年
西オースト
ラリア州の
粗付加価値 2020/21年
に占める割 国民生産に
産業 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 合 占める割合
(単位:百万ドル) (%) (%)
農業、林業、漁
6,581 5,925 6,084 5,359 6,370 1.8 13.6
業
鉱業 71,938 77,651 107,390 130,189 169,578 46.9 76.2
製造業 12,644 13,626 13,824 14,750 15,308 4.2 13.3
電気、ガス、水
4,808 4,826 4,925 4,923 4,780 1.3 10.5
道及び廃棄物
建設業 20,575 20,284 17,503 17,628 18,205 5.0 12.7
卸売業 6,138 6,134 6,548 6,936 7,934 2.2 9.6
小売業 8,098 7,965 8,288 8,366 9,176 2.5 10.6
4,622 4,627 4,669 4,220 4,420 1.2 11.2
宿泊及び飲食業
運輸業、郵便及
10,449 10,040 10,394 10,291 10,100 2.8 11.6
び倉庫業
情報メディア、
2,704 2,760 2,589 2,598 2,789 0.8 6.0
電気通信業
金融及び保険業 9,976 10,490 10,647 10,705 11,138 3.1 7.2
賃貸及び不動産
5,267 5,175 5,266 5,205 5,598 1.5 9.7
業
専門家、科学技
12,807 13,321 14,007 14,539 15,172 4.2 10.4
術サービス
管理及び支援
5,753 5,875 6,306 6,818 6,518 1.8 10.0
サービス
行政及び安全 9,320 9,495 9,704 10,175 10,591 2.9 9.5
教育及び訓練 8,908 9,085 9,415 9,875 10,158 2.8 10.2
保健及び社会扶
13,428 14,253 15,386 15,783 17,025 4.7 10.9
助
芸術及び娯楽
1,285 1,354 1,367 1,347 1,357 0.4 8.9
サービス
その他サービス 3,907 4,065 4,463 4,448 4,688 1.3 14.7
住宅所有 17,734 17,812 17,365 17,144 17,627 4.9 10.0
全産業合計 236,944 244,765 276,139 301,298 348,534 96.3 18.0
全産業税金マイ
ナス製品補助金 10,627 10,656 10,465 10,864 12,650 3.5 9.4
合計
全産業統計誤差
491 546 538 316 578 0.2 95.2
合計
州内総生産合計
248,061 255,967 287,142 312,478 361,761 100.0 17.5
(2)
注:(1) 粗付加価値(GVA)は基準価格表示生産価値から購入者価格での中間消費価値を差引いたものである。産
業別総生産を記載するために、この用語が使用される。基準価格表示生産価値は、個々の産業の産出全体
にわたる物品税及び補助金の発生による変動に起因する歪曲を除去する。時価表示の州のGVAは直接まと
められないので、オーストラリアの産業別GVAは要素所得の割合を用いて州に配分されている。
(2) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
出典:オーストラリア統計局、目録5220.0
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対外貿易
西オーストラリア州は輸出指向の経済であり、2020/21年の州の純輸出は西オーストラリア州のGSPの47.1%を占め
たが、これに対してオーストラリア全体ではわずかは2.5%であった。2020/21年において、西オーストラリア州の製
品輸出名目価値は21%増加し、2,231億ドルとなり、オーストラリアの商品輸出総額の56.3%に相当した。この年間
増加は、中国の製鋼所からの力強い需要及びブラジルにおける継続する供給問題による2020/21年の鉄鉱石価格の上
昇及びCOVID-19のパンデミックからのグローバル経済の不確かさによる金価格の高騰を反映する。
西オーストラリア州の貿易収支(名目)
輸出 輸入 貿易収支
(単位:百万ドル)
6月30日終了の各年
2017年 120,398 30,381 90,017
2018年 129,698 40,117 89,581
2019年 162,318 32,618 129,700
2020年 184,337 33,952 150,385
2021年 223,055 34,449 188,606
出典:オーストラリア統計局、目録5368.0
西オーストラリア州の主要な製品輸出品目は、鉱物及びエネルギー製品(主に鉄鉱石、液化天然ガス、金、原油及
び石油製品、並びにアルミナ)であり、農産物(主に小麦、キャノーラ、大麦、羊毛、家畜及び甲殻類)及び精密製
造品が続く。2020/21年の西オーストラリア州の輸出相手先の上位5か国は、中国、日本、韓国、英国、及びシンガ
ポールであり、州の総商品輸出の約83%を占めた。
西オーストラリア州の主要輸出品目(2020/21年)
品目 金額(百万ドル) 構成比(%)
鉄鉱石 151,113 67.8
機密品目(例:液化天然ガス及びアルミナ) 31,497 14.1
金 22,013 9.9
小麦 2,723 1.2
大麦 989 0.4
キャノーラ 893 0.4
13,529 6.1
その他
合計
222,757 100.0
商品輸出合計の構成比(%)は四捨五入のために100%にならない可能性がある。
出典:オーストラリア統計局、目録5368.0
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中国は西オーストラリア州の最大の輸出先であり、2020/21年の西オーストラリア州の輸出総額の60.2%を占め
る。鉄鉱石価格の上昇が、2020/21年の中国向け輸出を年率平均36.5%増加させる基盤となった。中国の巨大工業部
門が西オーストラリア州の大量の原材料、主として鉄鉱石、機密品目(液化天然ガス及びアルミナ)及び金を必要と
する。2020/21年の中国への年間輸出額は、2019/20年の984億ドルから1,344億ドルに増加した。
日本は西オーストラリア州の第2の輸出先であり、2020/21年の西オーストラリア州の輸出総額の8.6%を占めた。
日本への主な輸出には、機密品目(大部分は液化天然ガス)、鉄鉱石及び小麦がある。2020/21年の日本への輸出額
は、2019/20年の225億ドルから193億ドルへと減少した。
西オーストラリア州の主要な輸出先(2020/21年)
国名 金額(百万ドル) 構成比(%)
中国 134,385 60.2
日本 19,275 8.6
韓国 13,252 5.9
英国 9,040 4.1
シンガポール 8,736 3.9
米国 5,168 2.3
台湾 4,358 2.0
香港 3,654 1.6
インドネシア 2,598 1.2
インド 2,465 1.1
出典:オーストラリア統計局、目録5368.0
2020/21 年の西オーストラリアの主な海外からの輸入品は、プラント、建造物及び設備(州の資本集約型事業投資
を反映している。)、金(再輸出用)及び石油であった。西オーストラリア州の輸入元の上位5か国(金額ベース)
は、中国、米国、日本、タイ及びシンガポールである。
経済の見通し
COVID-19 のパンデミックの深刻な影響にもかかわらず、西オーストラリア州経済(州内総生産(GSP)で測定)
は、2019/20年の1%の成長に続き、2020/21年には実質2.6%の成長を達成した。西オーストラリア州のGSPは
2018/19年から2020/21年の間に114億ドル増加し、同期間の国全体のGDPの増加である291億ドルの39%を占めた。西
オーストラリア州は2020/21年までの2年間連続で成長を記録した大陸唯一の州であり、GSPは3.7%増加し、これは
他の全ての州及び特別地域の生産高合計の成長(1.1%)の3倍以上であった。
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2020/21 年のGSPの成長は、家計消費、政府支出及び事業投資に支えられた。成長はまた、サービス輸入の減少(通
常、成長の妨げとなる。)により、支えられた。
2021/22 年の予算は、GSPが2021/22年に3.5%成長すると予測する。州内経済がGSP成長の主要な推進力となると予
想され、州内最終需要(SFD)は2021/22年に5%成長すると予測されている。
西オーストラリア州の家計消費は、COVID-19のパンデミックの発生及び社会的距離(ソーシャルディスタンス)そ
の他の規制の導入によりもたらされた2019/20年の2.4%減少の後、2020/21年には2.6%増加した。政府による景気刺
激策及び海外旅行支出から州内での支出へと代替した家計により、西オーストラリア州の物品に対する家計支出及び
州内小売り(車両購入及び家具など)は、景気回復を後押ししている。この小売支出の勢いは、2021/22年の家計消
費の2.5%の成長を引き続き支えると見込まれている。家計支出の伸びは、雇用及び賃金の堅調な伸びに支えられ、
2023/24年には2.75%とピークに達し、2024/25年には消費パターンが正常化して2.5%の成長になると見込まれてい
る。
2020/21 年の事業投資は4.5%増で412億ドルとなった。これは、リオのKoodaideri及びFMGのIron Bridgeのステー
ジ2など、主要な鉄鉱石の埋め戻しプロジェクトに関する建設工事の増加によるものであった。2021/22年予算は、
事業投資の成長が2021/22年に9.75%へと上昇すると予測する。これは、企業はCOVID-19の後遺症の中で既存の業務
で現在の生産レベルを維持することに注力するため、鉱業への更なる投資活動並びに非鉱業産業の活動が支える。事
業投資は、低い成長率ではあるものの(それぞれ、2023/24年には1%及び2024/25年には0.5%と低下)予測期間に
わたって継続して増加すると予想されており、これは、現在の大規模資源業務の現行レベルを維持するために設備投
資を持続している企業並びに新たな稼働への支出に支えられている。
2019/20 年に減少(13.1%減)した後、住宅投資は2020/21年には1.9%成長した。建築補助金及び過去最低の借入
金利に支えられ、2021/22年予算は、住宅投資が2021/22年に約27.25%成長すると予測する。2020年6月初旬、州政
府及び連邦政府は、新しい住宅を建設する自己所有者及び投資家に2万ドルの州補助金(建築ボーナス)、並びに住
宅建設又は既存住宅の大幅改修のための自己所有者向けの2万5,000ドルの連邦補助金(ホームビルダー)を含む、臨
時の住宅刺激策を発表した。これにより、その後土地売却など住宅建設活動の先行指標が即座に上昇し、これはそれ
以降、新築住宅着工数の著しい増加につながった。2021/22年の堅調な活動レベルの後、作業の大規模パイプライン
が概ね完了したため、住宅投資は2022/23年には21.75%、2023/24年には3.5%減少が予想されている。しかし、住宅
投資は、人口増加の回復及び幅広い経済の持続的活動が支えとなり、2024/25年には成長を回復(6%)すると予想
されている。
既存住宅市場における活動は、2020/21年から現在までの販売は昨年の販売を十分上回り、また不動産サイクルが
最後に高かった2013年の販売を上回り、依然として非常に好調である。2020年初頭のCOVID-19発生前から回復及び逼
迫の兆しを見せていた賃貸市場は、この10年間最低水準の掲載件数で引き続き逼迫し、2021年10月の空室率は0.9%
へと低下した。既存市場と賃貸市場の好調な状況は、住宅価格及び賃貸価格の両方の上昇をもたらし、価格に対する
現在の上昇圧力は、現在建設中の多数の住宅建設が完了し、住宅在庫に加わるようになる、中期的には緩和すると予
想される。
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2020/21 年の純輸出総額(商品及びサービスを含む。)は、2019/20年の2.5%の成長に続き、0.9%増加した。
2021/22年度予算は、2021/22年には純輸出額が1.25%、2022/23年には0.25%増加すると予測している。2023/24年及
び2024/25年の純輸出総額は落ち込みが予想され、これは商品輸出が横ばいで推移する一方、西オーストラリア人の
海外旅行への支出の伸びの障害は、州内の外国人観光客及び学生の支出による成長への貢献よりも大きいと予測され
るからである。
(c) 物価指数(CPI)
消費者物価指数の最近の傾向は、COVID-19のパンデミックに対する政府の政策並びに世界の原油価格の動きに影響を
受けている。パースのCPIは、2020/21年の年率1.6%の成長の後、2021年9月四半期に0.8%上昇した。CPIは、タバコ及
び食品の価格上昇並びに長期に続いた下落の後の地代の回復が下支えし、2021/22年に1.75%上昇すると推計されている
(1)
。予測期間の残りの間、パースのCPIはオーストラリア準備銀行の目標幅の最低値に向けて段階的に上昇し、2023/24
年までに2%になると予想されている。
脚注:(1) 2021/22年のCPI成長予測は、州政府による一回限りの600ドルの「家計電力クレジット」の影響を除外するため
に、電力副指数を除く総合指数に基づく。
(d) 労働市場及び賃金
COVID-19 は州の労働市場に影響を与え、2020年2月から5月の間に西オーストラリア州の雇用は10万1,000人減少
し、他方失業率は2020年6月に8.5%とピークに達した。雇用はその後回復し、2021年10月にはコロナ前の水準を上回る
2.8%に回復した。
労働市場は大幅に引き締まっており、失業率は2021年10月には3.9%に低下し、9年間で最低となった。他方、求人
広告(教育、スキル及び雇用省による測定)は、前回の鉱業投資ブームの時期である2012年半ば以来の最高水準に近づ
いている。
雇用は、COVID-19の最初の影響から急速に回復し、2021年10月に年平均で3.9%の増加であった。パートタイムの雇
用は2021年10月に年平均成長率に2.2パーセンテージ・ポイント(pp)貢献したが、フルタイム雇用は1.7ppの貢献で
あった。産業全体で、2021年8月まで(最新データ)の年平均で雇用の成長率が最も力強かったのは、「保健及び社会
扶助」及び「教育及び訓練」並びにCOVID-19により最も影響を受けた一部産業、例えば「宿泊及び飲食業」であった。
失業率は、2021年10月までの12か月間に平均5.2%で、これに対し前年は6.5%であった。しかし、更に最近の
2021/22年第1四半期には平均4.3%へと改善した。西オーストラリア州の労働市場の就業率は、現在コロナ前を上回
り、1年前の67.3%に対して2021年10月までの1年間で平均68.4%であった。就業率は依然としてすべての州の中で最
高である。
西オーストラリアでの雇用は、今後の推計期間中継続すると予測されており、2021/22年予算は、2021/22年には雇用
が2.5%成長し、その後2022/23年には1.5%、更にその後は年率1.25%と緩和すると予測されている。失業率は、
2021/22年に平均4.75%となり、その後の推計期間では4.5%にまで緩和する見込みである。
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西オーストラリア州の産業別雇用人口
前年から
(1) (2)
(2)
2021年8月 年変化率
の増加数
(単位:千人) (%)
農業、林業、漁業 31.3 -4.2 -11.7
鉱業 117.7 5.2 4.7
製造業 83.6 6.9 9.1
電気、ガス、水道及び廃棄物 21.4 -0.8 -3.6
建設業 120.5 -3.2 -2.6
卸売業 39.6 1.2 3.2
小売業 124.8 5.1 4.3
宿泊及び飲食業 93.0 10.6 12.9
運輸、郵便及び倉庫業 68.6 6.4 10.4
情報メディア及び電気通信業 10.3 -3.8 -26.8
金融及び保険業 30.7 1.5 5.1
賃貸及び不動産業 22.0 -4.1 -15.6
専門家、科学技術サービス 106.9 -1.4 -1.3
管理及び支援サービス 42.6 2.1 5.2
行政及び安全 87.6 -8.6 -8.9
教育及び訓練 120.4 10.9 9.9
保健及び社会扶助 191.8 23.3 13.8
芸術及び娯楽サービス 23.0 0.9 4.0
59.2 -1.1 -1.8
その他サービス
合計 1,395.0 47.1 3.5
注:(1) 2021年8月までの1年間の平均。オーストラリア統計局は産業別雇用人口データを2月、5月、8月及び
11月のみ発表する。
(2) 年間の平均増減率(2021年8月までの4四半期の平均と2020年8月までの4四半期を比較)。
出典:オーストラリア統計局、目録6291.0.55.003
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西オーストラリアの賃金は、州の賃金価格指数(WPI)の増減の測定によると、労働市場の逼迫の上昇及び一部の産
業でのスキル不足を反映して、2021年9月四半期に0.8%増加した(2013年9月四半期以来最大の四半期増加)。
2020/21年の1.5%成長に続き、2021/22年予算は、厳しい労働市場環境が持続するので、賃金が2021/22年に2.25%上昇
し、2023/24年から年率2.5%上昇すると予測する。賃金成長の予測は、依然として穏やかである(長期の年率平均成長
率3.2%を下回る)。これは、オーストラリア国内及び国際的の双方で、賃金の成長を損なってきた多数の長期的要因
(技術変化、グローバリゼーション及び団体交渉力の低下)を反映する。
西オーストラリア州及びオーストラリアの労働力
6月30日終了の各年度の平均
2021年6月
までの5年 2021年6月の
間の平均 西オーストラ
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 年間伸び率 リア州の割合
労働人口(単位:千人):
(%) (%)
西オーストラリア州 1,389 1,417 1,432 1,437 1,462 0.9 10.7
オーストラリア 12,793 13,152 13,412 13,551 13,718 1.7
総雇用数(単位:千人):
西オーストラリア州 1,303 1,332 1,344 1,349 1,373 0.9 10.7
オーストラリア 12,065 12,431 12,726 12,790 12,864 1.6
就業率(%):
西オーストラリア州 67.3 68.3 68.3 67.5 68.0 該当なし 該当なし
オーストラリア 64.8 65.5 65.7 65.3 65.7 該当なし
失業率(%):
西オーストラリア州 6.2 6.1 6.1 6.1 6.1 該当なし 該当なし
オーストラリア 5.7 5.5 5.1 5.6 6.2 該当なし
出典:オーストラリア統計局、目録6202.0
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3 財政
(a) 法的枠組
西オーストラリア州の財政を統制する法は、主として以下に規定されている。
・1889年憲法、
・1899年改正憲法、
・2006年財政管理法(FMA)、
・2000年政府財政責任法(GFRA)、
・大蔵大臣の貸付認可法及び供給法(例えば、2020年及び2021年において要求される)
・歳出法(年次)、
・法人(法定機関)を設立する授権法、及び
・定期的な借入法(直近は2017年借入法)。
州の財政システムの中核には、議会のみが課税をなし、統合勘定よりの金銭の支出を認可(充当)する権限を持つと
いう基本的原則がある。
1889 年憲法及びFMAに基づき、統合勘定、大蔵大臣特別目的勘定及び大蔵大臣貸付勘定(「公共会計」と総称す
る。)として知られる法定の会計並びに個別の政府機関が管理する特別目的会計が創設されている。
(1)
より大企業に発展した州政府商取引企業(GTE) を例外とするが、公的機関はFMAの対象である。FMAは州の公共財
政の管理、運営及び報告を提供するが、他方大蔵大臣の指示は、収入、支出及び財産の会計処理、報告基準及び同法の
目標及び目的を達成するのに必要なその他事項として、これらの事項の最低水準の要件を規定する。FMAは、公的機関に
発生主義で会計帳簿の詳細を維持し、議会へ提出する監査済年次財務書類をオーストラリア会計基準に従い作成するこ
とにより大蔵大臣による説明責任を果たすことを要求する。
FMA の対象ではないGTEは、自己に適用される立法により規定される自身の統制、財務管理、監査及び報告の要件を有
している。
大半の政府機関は6月30日を報告日とする。6月30日以外の報告日である政府機関(職業訓練専門学校等)は、6月
30日までの管理用の決算書若しくは直近の財務書類を使用するが、これらの財務書類の使用は州政府の統合財務書類に
大きな影響を与えない。
会計検査庁長官がGTEを含む政府機関及び政府全体の会計書類の監査、並びに州議会への監査発見事項の報告につい
て責任を負う。
2006 年会計検査法が会計検査庁長官の職位を創設し、その任命、任期、職務、責任及び権限に関する要件を詳述す
る。同法はまた、会計検査庁長官の独立性を保証する。
州と銀行との取引は、主に現在オーストラリア・コモンウェルス銀行にある中央公共銀行勘定を通じて行われる。公
共銀行勘定で取引する機関は自己資金を自己の細分銀行勘定を通じて管理する。いくつかの機関はその制定法により、
公共銀行勘定以外に資金の預入又は投資をすることができる。
1889 年憲法により統合勘定が創設される。1889年憲法第64条に基づき、別の成文法により担保されていない税金、財
産税、関税、賦課金等から州へ支払うべき金額は、すべて統合勘定へ払込まねばならない。統合勘定は毎年の歳出法に
定める目的のために使用される。有効な法により行われた歳出は、行政府が統合勘定から金員を取り出すための必要な
根拠である。
脚注:(1) 電力会社3社、水道公社3社、港湾局5及び西オーストラリア州土地局(WA開発局)。
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統合勘定からの歳出は2つの種類に分けられる。年間歳出と特別(又は自動的)歳出である。
年間歳出は、歳出法に基づき議会により毎年承認され、特定サービスのため又は特定会計年度の目的で統合勘定から
の特定金額を充当する。これら歳出の詳細は、歳出法を補足し、項目別の統合勘定支出明細を含む、「予算書第2」中
の「統合勘定見積書及び見積書を補足する政府機関情報(予算財務書類)」に記載される。
2つの年間歳出法があり、1つは経常サービスのためのものであり、もう1つは資本目的のためである。経常的歳出
及び資本的歳出は、交換できない。会計年度末に未支出の歳出予算は失効する。会計年度について毎年の歳出法に基づ
き承認された金額及び目的を超過する支出は、FMAに基づき承認することができる。但し、かかる支出は、前年度の歳出
法により充当された総額の3%を超えないことを条件とする。3%の上限を超える支出は、大蔵大臣の貸付認可法によ
り認可されなければならない。経常的歳出及び資本的歳出により裏付けられる資金は、交換できず(すなわち、経常的
又は資本的のいずれかで未使用の金額は他方に交換することができない。)、FMAに基づく経常的又は資本的目的のため
の追加支出は承認を求める必要がある。これらの支出は自動的に充当される。
自動的歳出は無期限であり、会計年度末に失効しない制限なしの歳出を含む法令を議会が承認した場合に発生する。
かかる歳出は通常公務員の権利を保護するために行われ、州議会議員及び特定の公務員の給与等から、各種老齢退職手
当、年金支払、各種契約の下での債務及び債務返済費用の資金までを対象とする。歳出は統合勘定から支払われ、事実
上予算書に含まれるが、各会計年度の歳出法により充当される金額から分離して計上される。
新会計年度の当初2か月間及び前年の歳出法の35%(年間予算が通常遅延する、選挙の年において)又は20%(その
(2)
他の年において) を上限として、金銭の自動的提供が利用でき、歳出法又は供給法が成立すると、失効する。
年間歳出と自動的歳出に加えて、大蔵大臣は、FMA第23条に基づき、省が受取った特定の歳入はその省が留保できる
ことを規定する決定を行うことができる。かかる歳入は統合勘定の貸方に記入されない。しかし歳入及び対応する歳出
は、政府機関が行ったサービスの費用総額を議会で議論するため予算書に含まれる。
GFRA は、大蔵大臣に対して、会計基準、一般に公正妥当と認められている会計原則に従う完全発生主義ベースで、か
(3)
つ国内及び国際的に認められた統計基準を利用する政府財政統計 ベースで、州の財政についての報告を求める。これ
らの要求は、オーストラリア会計基準AASB第1049号「政府全体及び一般政府部門の会計報告」に一致する表示の使用と
共に導入された。
GFRA は、効率的かつ包括的な財政の枠組みが州財政管理のために毎年適切な状態であることを確保する。この枠組み
の中心は「州政府財務戦略説明書」であり、これを通じて州政府は公的部門全体の財務目標を少なくとも毎年(各暦年
に1度)明確に表現しなければならない。一連の財政目標が業績測定のために使用され、中期の予想期間の財務戦略を
運用する。オーストラリア会計基準に基づく州財政年次報告書も要求される。
脚注:(2) 2021年財政法改正法に基づき、2021年9月21日に有効となったFMAの改訂の結果である。
(3) 「政府財政統計」(GFS)という用語は、政府の財政活動を測定する一連の統計を指し、これらの活動が経済
の他部門へ与える影響を反映する。オーストラリアのGFS体系は、統一された体系的な方法で分類された、
オーストラリアの公的部門の機関についての統計的情報を提供するように設計されている。
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歳出(通常、部門内の政府機関が行うインフラストラクチャーへの投資)を支援するために借入が必要な場合、借入
法を通じて議会が借入額を制限する。借入法により、大蔵大臣は、公共目的のために借入法のその時の未使用額合計を
超過しない範囲で、金員の借入をなすことができる。これらの法はまた、借入法の権限に基づき調達した関連する債務
返済費用に、恒久的に統合勘定の現金を充当する。
一部のその他の州の機関(主に電力及び水道等の公社並びに港湾局)はまた集中借入合意により独立して借入を行う
ことができる。借入権限は、授権法規により付与され、年間予算及び中間検討プロセスを通じて内閣により承認されて
いる。かかる借入は全て、西オーストラリア州理財公社を通じて、州及び授権された機関を代理して実行される。
(b) 予算事項及び財政政策
2000/01 年度以後、州の予算の焦点は、オーストラリア統計局の政府財政統計(GFS)基準により定義される一般政府部
門の発生主義会計である。この基準の使用は、すべてのオーストラリアの政府(連邦、州及び特別地域)による、公的
部門財政の統一表示枠組み(UPF)の目的でGFS発生主義会計を採用する決定を反映する。2000年3月、オーストラリア・
(4)
ローン評議会 は発生主義UPFに合意した。
2007 年10月、オーストラリア会計基準委員会(AASB)は、AASB第1049号「政府全体及び一般政府部門の会計報告」を
発表した。この基準は、2008年7月1日以降に開始する報告期間に適用される。2008年3月、州、特別地域及び連邦政
府はAASB第1049号の概念及び表示形式を満たすためのUPFの変更に合意した。UPFが発表され、2008/09年予算の発表
(2008年5月8日)以降この形式で使用されている。AASB第1049号は、発生主義のGFS及びオーストラリア会計基準に基
づく2つの従前の政府全体の財務シリーズを1つの表示へと「調和」させる。これらの形式間の財務合計の差異は大き
くない。本書の記述はすべてAASB第1049号に基づき作成された、又はそれに従った情報及びデータに基づく。
GFS の財政表示について以前そうであったように、AASB第1049号の開示はストック及びフローの情報から成り立つ。
フローは時間を通じて発生し、歳入及び歳出(損益計算者又は包括利益計算書に示される。)並びに現金の支払及び受
取(キャッシュフロー計算書)を含む。財政状態計算書(又は貸借対照表)は資産及び負債のストックを測定する。
発生主義による予算表示は、政府機関を
・一般政府部門、
・公的金融企業、
・公的非金融企業
に分類する。
一般政府部門の大半の機関は、その財政上の義務を果たす上で議会からの歳出に依存し、従って州政府の政策決定及
び財務管理により直接影響を受ける機関のグループである。
大蔵省は、州財政の管理者としての役割から、GFRAにより要求される財務戦略説明書を組込んだ毎年の州予算を作成
する責任がある。予算に含まれる資産投資計画(AIP)及びその他財務計画は、州政府が定めた指針と政策の範囲内で作
成される。
脚注:(4) 各州、特別地域及び連邦の大蔵大臣で構成される。連邦大蔵大臣が議長を務める。
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一般政府部門の歳入は、以下を含む。
・ 租税、
・ 連邦政府からの経常的交付金及び資本的交付金(一般目的及び/又は特定目的)、
・ 財・サービスの販売収入、
・ 公的企業の配当金及び税相当額支払い、
・ 鉱業及び採掘産業の事業者からのロイヤルティー、及び
・ 利息収入、罰金、州への資産譲渡等のその他収入。
一般政府部門の歳出は、給与、減価償却、老齢退職年金、経常及び資本移転、利子及びその他営業費用を含む。これ
らの歳出は、補助金計画の交付費用、並びに
・ 教育、
・ 保健(病院を含む。)、
・ 法の執行及び秩序(警察、裁判所及び矯正サービスを含む。)、
・ 公社への補助金(必要ある場合)。
等の重要な政府サービス提供の経費を対象とする。
資本の性質を持つ支出は、病院・保健所、学校・教育施設の建設、土地取得及び公営住宅供給並びに政府建物の建設
及び維持など公共事業に関するものである。資本支出は、州の財務書類において日々の営業費用とは明確に区別するこ
とができる。
西オーストラリア州は、オーストラリアの他州及び特別地域の大半と同様に、「見出し」の予算指標として一般政府
部門の営業収支の純額に重点を置く。営業収支(純額)は資本資産の取得費用を含まないが、非現金項目(例えば、発生済
の退職年金権利及び資本減耗(減価償却))を含む。発生済費用全額を含めることにより、営業収支(純額)は公共サービス
を提供する全費用を含む。これは、時間的経過に沿った州政府の財務方針の持続性を測る良い尺度となり、また公共
サービスの現在の水準を示す。営業収支の純額は、UPF報告の一部としての連邦、すべての州及び特別地域により提示さ
れる予算情報において明らかであり、UPF報告は連邦、州及び特別地域等、地域ごとの直接比較を可能とする。
一般政府部門の投資/貯蓄収支は貸付純額の合計により測定される。この合計は、損益計算書の歳入全額と減価償却
以外の歳出費用全額を含む。この合計はまた、資本支出(純額)を含むが、資本の使用(すなわち、減価償却)を含まな
い。重ねてであるが、すべてのオーストラリアの管轄地域は、UPF予算及び年度中のその他政府全体の財務開示において
この合計を含む。
(c) 州政府の財政戦略
州政府は責任ある財務管理に尽力すると共に、西オーストラリア州のコミュニティに質の高いサービスを提供する。
以下の政府全体の財政目標において進展が反映されている。
州政府の財政目標は、COVID-19の影響に対応し、その他緊急の優先事項に対処する継続的な必要性を認めると同時
に、責任ある持続可能な財政管理に強く焦点を当てることを維持している。
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財政目標
州政府の財政目標は、
・ 今後の予測期間中、平均ベースで、一般政府部門の営業黒字(純額)を維持する。
・ 以下により、規律ある一般政府歳出管理を維持する。
- 公的部門の賃金を州政府の賃金政策に合わせる。
- 主要なサービス提供機関の反復支出を資源契約にある予算支出の限度額に合わせる。
・ 公的部門全体の正味財産(すなわち、純資産)を維持又は増加させる。
以下の表において各目標を説明する。州政府は先の予測期間全体(2021/22年から2024/25年)において財政目標の全
てを満たす道筋にのっている。
(a) (b)
2020/21 年実績 及び2021/22年予算予測 の財政目標との整合性
2020/21 年 2021/22 年 2022/23 年 2023/24 年 2024/25 年
実績 予算推計 将来推計 将来推計 将来推計
今後の予測期間中平均ベースで、一般
政府部門の営業黒字(純額)を維持
- 一般政府営業収支(純額)(百
5,838 2,791 1,990 2,871 1,576
万ドル)
- 整合性 達成 達成 達成 達成 達成
以下を通じた規律ある一般政府歳出管
理の維持
- 公的部門の賃金を州政府の賃金
政策に合わせる
- 整合性 達成 達成 達成 達成 達成
- 主要なサービス提供機関の経常
支出を予算支出の限度額に合わせ
る。
- 整合性 未達成 達成 達成 達成 達成
公的部門全体の正味財産の維持又は増
加
- 公的部門全体の正味財産(十億
112.6 115.5 118.3 122.4 125.0
ドル)
- 整合性 達成 達成 達成 達成 達成
注:(a) 2021年9月24日に公表された2020/21年州財政年次報告書。
(b) 2021年9月9日に公表された2021/22年予算。
西オーストラリア州の信用格付
2019 年6月、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは西オーストラリア州長期債務格付をAa1(アウトルック
「安定的」)に引き上げ、2021年10月27日に当該格付を確認した。S&Pグローバルは、2013年9月以降、州の長期債務格
付AA+(2021年10月27日付でアウトルックは「ポジティブ」に上方修正、アウトルックはそれ以前は「安定的」)を維持
している。「ポジティブ」のアウトルックは1、2年以内に(AAAへの)アップグレードの可能性が3分の1あることを
示す。
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財政結果
州財政年次報告書(ARSF)において公表された2019/20年及び2020/21年の一般政府の損益計算書、貸借対照表及び
キャッシュフロー計算書の詳細を以下の表に示す。これらの表はまた2018/19年の過去の実績並びに2021/22年の予算推
計も提供する。これらはそれぞれ西オーストラリア州の直近の実績及び予算予測である。
ARSF に注記された重要な結果は、以下のハイライトを含む。
・ 一般政府部門は2020/21年に58億ドルの記録的な営業黒字を計上した。これは直近の2021/22年予算で見積もられ
た56億ドルの営業黒字よりも2億1,300万ドルも高い。主に2020/21年に解決した2件の重要なネイティブ・タ
イトル合意に関する非現金費用の会計処理の修正を反映する。
・ 州の資産投資プログラムは、2021/22年予算において見積もられた60億ドルより1億7,600万ドル少ない、
2020/21年には合計58億ドルであった。それでも、地方での雇用創出を支える追加の公共投資を反映し、これは
2013/14年以来最高水準のインフラストラクチャー支出である。
・ 2021年6月30日現在の公的部門全体の純債務は335億ドルで、直近の予算の見積もりの結果に一致したもので
あった。この結果は2020年6月30日現在の水準より20億ドル低く、2年連続の純債務の減少であった。
2021/22 年 予算の財政予測
2021/22 年及び現時点での将来の見積もりは以下の通りである。
・ 州経済(及び歳入ベース)の予想を上回る回復は、以前の予測よりも非常に好調な財政状態をもたらした。
- 2021/22年について、一般政府営業黒字は28億ドルが予測される。
- 州政府は、気候変動へ対応し、社会住宅を増加させ、新産業を成長させ、及び地方の雇用を創出するた
め、多額の新規投資などの州の将来への投資を行うこの財政的能力を利用している。
- 医療及び精神医療サービスに19億ドルの投資が行われた。これには西オーストラリア州の医療制度の圧力
を緩和するためのスタッフ、病床及びサービスの増加を含む。
- 2020年3月以降COVID-19に対応して90億ドル近くが投じられた。これにはフロントライン・サービスの提
供、家計及び事業の支援、並びに州経済及び雇用創出刺激策を含む。これは2021/22年予算において投資さ
れた追加の10億ドルを含む。
・ 営業黒字もまた将来の見積もり期間全体で予測される。これらの黒字は、州政府の記録となる4年間で307億ド
ルの資産投資プログラムへの非債務の実質的な資金源を提供する。
・ 公的部門全体の純債務は321億ドルへと2021/22年に3年連続して減少が予想され、2025年6月30日までに360億
ドルと比較的安定が予想される。これは、オーストラリアの州及び特別地域の予測より、又はオーストラリア
連邦政府の予算見通しと比較して、著しく穏やかな債務の見通しである。
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一般政府 損益計算書
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2021/22年
2019/20年 2020/21年
(1) (1) (1) (2)
実績 実績
実績 実績 実績 予算推計
(単位:百万ドル)
取引の結果
歳入
租税 8,604 8,540 8,616 9,055 10,153 10,035
経常的交付金及び補助金 8,091 7,013 10,210 9,379 9,421 10,894
資本的交付金 513 922 873 642 1,131 2,125
財・サービス販売 2,261 2,516 2,734 2,776 2,821 3,028
利息収入 196 170 168 124 110 97
公的企業からの収入
他部門企業からの配当 837 1,718 1,350 392 1,362 587
税相当額 534 677 642 732 956 700
ロイヤルティー収入 5,272 5,231 6,713 8,450 12,181 10,145
その他 604 688 701 614 2,015 688
歳入計 26,913 27,475 32,006 32,162 40,151 38,297
歳出
給与 11,610 12,193 12,269 12,887 13,469 13,977
老齢退職給付
当期コスト 1,166 1,199 1,213 1,276 1,323 1,453
退職手当利息 156 177 135 89 60 89
その他雇用コスト 358 220 447 401 422 378
減価償却 1,320 1,635 1,445 1,751 1,741 1,839
サービス及び契約 2,393 2,423 2,538 2,590 2,686 3,006
その他総営業費用 5,772 5,619 5,645 5,391 5,602 6,142
利息
リースに係る利息 - 161 89 142 134 132
その他利息 783 818 859 737 654 606
経常移転 5,280 3,659 5,426 5,003 7,458 6,576
資本移転 549 312 625 228 763 1,308
歳出計 29,387 28,417 30,689 30,493 34,313 35,506
収支(純額) -2,474 -942 1,317 1,669 5,838 2,791
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その他経済フロー-営業利益に
含まれるもの
資産/負債に係る純利益 -193 -132 59 -27 -173 15
貸倒引当金 -41 -51 2 -126 -51 -18
会計方針の変更/過年度の訂正 143 -41 -172 -44 9 -
その他経済フロー合計 -91 -224 -111 -197 -215 -3
営業利益 -2,565 -1,166 1,206 1,472 5,623 2,788
その他エクイティの増減すべて
営業利益に組替えられない項目
再評価 -3,042 -713 -1,374 392 1,827 1,434
生命保険数理純利益-老齢退
659 211 -814 5 1,072 -246
職給付
エクイティに直接認識する利
15 -9 - -1 2 -45
益
公的企業部門の純資産の変動 254 -1,638 -1,661 217 1,620 1,024
その他すべて - - - -239 - -
その他エクイティの増減すべて
-2,114 -2,149 -3,849 373 4,520 2,167
の合計
純資産の増減合計 -4,677 -3,315 -2,642 1,845 10,144 4,956
主要な財務数字総計
収支(純額) -2,474 -942 1,317 1,669 5,838 2,791
控除:非金融資産の正味取得
非金融資産の購入 2,341 2,438 2,540 2,553 2,614 3,503
在庫変動 -11 -3 - 38 70 -
非金融資産のその他変動 240 513 146 -15 1,337 26
控除:
非金融資産の売却 132 82 100 1,476 90 138
減価償却 1,320 1,635 1,445 1,751 1,741 1,839
非金融資産の正味取得合計 1,119 1,232 1,142 -651 2,189 1,551
貸付/-借入(純額) -3,592 -2,174 175 2,320 3,649 1,240
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一般政府 貸借対照表(6月30日現在)
(1) (1) (1) (2)
2020年 2021年
2017年 2018年 2019年 2022年
実績 実績
実績 実績 実績 予算推計
(単位:百万ドル)
資産
金融資産
現金及び預金 778 862 601 513 5,230 6,991
貸付金 717 741 713 715 729 712
投資、貸付金及びプレース
4,278 5,682 4,470 5,924 2,105 2,918
メント
売掛債権、未収入金 3,099 3,212 3,999 3,938 5,942 3,086
株式及びその他エクイティ
他の公的部門企業への投
47,909 42,300 40,745 40,962 42,581 43,076
資-持分法
他の公的部門企業への投
9,019 9,377 10,000 10,602 11,751 12,717
資-直接投資
他の企業への投資 51 48 20 22 30 22
その他金融資産 8 8 8 8 8 9
金融資産合計 65,859 62,230 60,556 62,684 68,376 69,531
非金融資産
土地 37,269 36,406 35,600 35,183 37,821 37,167
有形固定資産 42,640 47,703 45,344 45,652 47,428 51,377
使用権資産 - - - 2,484 2,394 2,363
サービス譲歩資産 - - - 800 798 -
生物学的資産 8 3 3 109 54 109
在庫
土地在庫 98 - - - - -
その他在庫 73 70 71 108 179 171
無形資産 680 627 626 568 586 568
売却目的非流動資産 111 125 43 21 107 14
投資資産 7 7 7 7 7 -
その他 665 248 245 229 352 214
非金融資産合計 81,551 85,190 81,940 85,162 89,726 91,984
資産合計 147,410 147,420 142,496 147,847 158,102 161,515
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負債
預金 646 553 686 1,472 1,333 2,847
貸付金受取 376 360 343 326 309 291
借入金
リース負債 - 4,179 - 2,722 2,753 2,685
サービス譲歩負債 - - - - 5 -
その他借入金 23,572 26,924 27,745 26,389 26,451 25,895
未積立年金 7,043 6,541 7,062 6,818 5,516 5,533
その他従業員給付 2,911 3,033 3,197 3,543 3,875 3,652
買掛金、未払金 1,294 1,277 1,425 1,463 2,537 2,620
その他負債 1,380 2,307 1,445 2,674 2,740 2,498
負債合計 37,221 45,174 41,903 45,408 45,520 46,022
純資産 110,189 102,246 100,593 102,438 112,582 115,493
内訳:
払込エクイティ - - - - - -
累積剰余金 6,553 4,743 6,317 7,587 14,298 17,178
その他準備金 103,636 97,503 94,276 94,851 98,284 98,315
純資産 110,189 102,246 100,593 102,438 112,582 115,493
覚書事項
正味金融資産 28,638 17,057 18,653 17,276 22,856 23,509
正味金融負債 28,290 34,668 32,091 34,288 31,476 32,284
正味債務
債務総額 24,594 32,016 28,774 30,910 30,851 31,719
控除:流動性金融資産 5,773 7,285 5,784 7,152 8,063 10,621
正味債務 18,820 24,731 22,990 23,758 22,788 21,098
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一般政府 キャッシュフロー計算書
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2021/22年
2019/20年 2020/21年
(1) (1) (1) (2)
実績 実績
実績 実績 実績 予算推計
(単位:百万ドル)
営業活動によるキャッシュフ
ロー
現金受取
税金受取 8,463 8,506 8,911 8,996 9,847 10,052
交付金及び補助金受取 8,529 9,773 11,082 11,825 12,167 14,864
財・サービスの売却による
2,303 2,723 2,599 2,611 2,858 2,965
受取
受取利息 193 158 173 119 88 91
配当及び税同額 1,484 2,280 2,092 1,071 2,331 1,398
その他受取 7,218 7,230 7,659 10,825 12,694 14,425
現金受取合計 28,191 30,670 32,517 35,447 39,985 43,795
現金支払
賃金、給与、補足及び年金 -13,141 -13,801 -13,766 -14,192 -14,851 -15,730
財・サービスの支払 -8,608 -8,378 -8,473 -8,494 -8,904 -9,626
支払利息 -758 -1,005 -950 -905 -803 -748
交付金及び補助金支払 -5,389 -5,125 -5,635 -6,641 -8,456 -9,499
配当及び税同額 - - - - - -
その他支払 -1,836 -1,727 -1,679 -2,004 -1,828 -1,616
現金支払合計 -29,732 -30,035 -30,503 -32,237 -34,842 -37,219
営業活動による純キャッシュフ
-1,541 635 2,014 3,211 5,143 6,576
ロー
投資活動によるキャッシュフ
ロー
非金融資産への投資からの
キャッシュフロー
非金融資産の購入 -2,341 -2,438 -2,540 -2,553 -2,614 -3,503
非金融資産の売却 132 82 100 1,476 90 138
非金融資産への投資からの
-2,210 -2,357 -2,441 -1,077 -2,524 -3,365
キャッシュフロー合計
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金融資産への投資からの
キャッシュフロー
現金受取
政策目的 14 13 33 64 14 10
流動性目的 83 76 308 56 86 64
現金支払
政策目的 -861 -573 -790 -862 -1,210 -1,372
流動性目的 -46 -57 -66 -38 -94 -20
金融資産への投資からの
-809 -541 -516 -780 -1,205 -1,317
キャッシュフロー合計
投資活動による純キャッシュフ
-3,018 -2,898 -2,956 -1,857 -3,728 -4,682
ロー
財務活動によるキャッシュフ
ロー
現金受取
貸付金受取 16 16 17 17 18 18
借入金 5,166 4,318 61 845 198 146
預金受取 - - - - - -
その他財務活動受取 46 156 253 312 233 26
財務活動による現金受取合計 5,227 4,490 330 1,174 449 190
現金支払
貸付金支払 -16 -16 -17 -17 -17 -18
借入金返済 -168 -182 -513 -1,379 -45 -702
預金支払 - - - - - -
その他財務活動支払 -418 -508 -214 -492 -503 -388
財務活動による支払い合計 -602 -706 -744 -1,888 -566 -1,108
財務活動による純キャッシュフ
4,626 3,784 -414 -714 -117 -918
ロー
現金及び現金同等物の純増 66 1,521 -1,355 640 1,298 976
期首現金及び現金同等物 4,773 4,839 6,360 5,005 5,645 6,915
期末現金及び現金同等物 4,839 6,360 5,005 5,645 6,943 7,891
主要な財務数字総計
営業活動による純キャッシュフ
-1,541 635 2,014 3,211 5,143 6,576
ロー
非金融資産への投資からの純
-2,210 -2,357 -2,441 -1,077 -2,524 -3,365
キャッシュフロー
現金黒字/-赤字 -3,751 -1,721 -426 2,134 2,620 3,211
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注:(1) 2017/18年及び2018/19年のデータは、収益及び費用に影響を与えるオーストラリア会計基準(AASB第15号「顧客と
の契約からの収益」)及びリースの測定(AASB第16号「リース」)の影響に合わせて調整されており、比較と傾向
の情報を提供している。2016/17年のデータは調整されておらず、新基準の影響を除外している。
(2) 2021/22年州予算(2021年9月9日公表)。2021年6月30日の資産・負債残高は、2021/22年の州予算の時点では推
計値であった2020/21年の最終結果の影響を受ける可能性がある。2021/22年及びそれ以降の推計年は、2021/22年の
中間検討(2021年12月31日までに公表予定)において修正され開示される予定である。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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公的部門 損益計算書 総計
2016/17年 2017/18年 2018/19年
2019/20年 2020/21年 2021/22年
(1) (1) (1)
実績 実績 予算推計
実績 実績 実績
(単位:百万ドル)
取引の結果
歳入
租税 8,117 8,053 8,097 8,529 9,606 9,484
経常的交付金及び補助金 8,091 8,529 10,210 9,379 9,421 10,894
資本的交付金 513 1,263 873 642 1,131 2,125
財・サービス販売 20,602 21,128 23,488 37,076 41,172 38,385
利息収入 597 585 639 555 478 543
ロイヤルティー収入 5,272 5,231 6,713 8,450 12,181 10,145
その他 979 1,031 1,193 1,077 2,556 1,040
歳入計 44,172 45,819 51,214 65,706 76,545 72,617
歳出
給与 12,811 13,297 13,382 14,051 14,676 15,335
老齢退職給付
当期コスト 1,287 1,305 1,323 1,392 1,454 1,595
退職手当利息 156 177 135 89 60 89
その他雇用コスト 228 263 350 356 404 320
減価償却 3,399 3,362 3,431 3,908 4,235 4,108
サービス及び契約 3,309 3,285 3,306 3,385 3,549 3,968
その他総営業費用 19,603 19,726 22,084 35,027 38,936 36,720
利息
リースに係る利息 130 162 174 231 209 214
その他利息 1,584 1,526 1,583 1,333 1,116 1,180
経常移転 3,927 3,975 4,411 3,693 5,629 4,521
資本移転 482 365 319 194 741 1,204
歳出計 46,916 47,442 50,498 63,659 71,008 69,255
-2,744 -1,623 716 2,047 5,537 3,361
収支(純額)
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その他経済フロー-営業利益に
含まれるもの
資産/負債に係る純利益 187 111 254 -408 471 92
生命保険数理純利益-老齢退
638 - - - - -
職給付
貸倒引当金 -102 -66 -16 -198 -64 -53
会計方針の変更/前年度の訂正 -1,008 48 -310 -79 -98 -
その他経済フロー合計 -285 94 -72 -685 309 39
営業利益 -3,030 -1,529 644 1,362 5,846 3,401
その他エクイティの増減すべて
営業利益に組替えられない項目
再評価 -2,896 -1,669 -2,444 850 3,251 1,848
生命保険数理純利益-老齢退
- 206 -850 -22 1,071 -246
職給付
エクイティに直接認識する利
1,155 1 8 - -24 -48
益
その他すべて - - - -345 -0 -
その他エクイティの増減すべて
-1,741 -1,462 -3,286 483 4,298 1,555
の合計
純資産の増減合計 -4,771 -2,991 -2,642 1,845 10,144 4,956
主要な財務数字総計
収支(純額) -2,744 -1,623 716 2,047 5,537 3,361
控除:非金融資産の正味取得
非金融資産の購入 5,137 5,052 4,965 5,188 5,816 8,021
在庫変動 -449 -321 614 2,088 -330 -220
非金融資産のその他変動 371 596 273 94 1,403 142
控除:
非金融資産の売却 576 567 654 1,736 499 447
減価償却 3,399 3,362 3,431 3,908 4,235 4,108
非金融資産の正味取得合計 1,085 1,398 1,767 1,727 2,155 3,388
-3,829 -3,021 -1,051 320 3,382 -26
貸付/-借入(純額)
注:(1) 州財政年次報告書で公表された実績値(毎年9月28日までに発表)。2019/20年から適用の新会計基準の影響を除
く。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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公的部門 貸借対照表 総計 (6月30日現在)
(1) (1) (1)
2020年 2021年 2022年
2017年 2018年 2019年
実績 実績 予算推計
実績 実績 実績
(単位:百万ドル)
資産
金融資産
現金及び預金 2,136 2,079 1,517 2,346 7,113 8,538
貸付金 3,710 4,345 4,782 5,259 5,621 6,130
投資、貸付金及びプレース
18,613 16,733 19,567 25,495 19,670 21,790
メント
売掛債権、未収金 4,190 4,976 5,825 5,923 7,480 4,720
エクイティ‐他社への投資 2,101 1,854 1,920 1,844 2,776 2,349
その他金融資産 14 13 13 15 9 15
金融資産合計 30,764 30,001 33,624 40,882 42,669 43,543
非金融資産
土地 47,006 45,508 43,809 43,544 46,015 45,228
有形固定資産 98,534 100,294 101,099 101,650 105,501 110,979
使用権資産 - - - 2,997 2,856 2,883
(2)
- - - 1,015 1,005 -
サービス免許資産
生物学的資産 334 332 345 317 264 326
在庫
土地在庫 1,966 1,902 1,852 1,809 1,566 1,880
その他在庫 4,052 3,731 4,345 6,433 6,104 6,291
無形資産 1,119 1,085 1,028 1,019 1,097 1,064
売却用非流動資産 135 183 59 37 112 25
投資資産 262 77 67 33 28 45
その他 806 408 381 424 523 408
非金融資産合計 154,215 153,520 152,985 159,279 165,069 169,129
資産合計 184,979 183,521 186,610 200,161 207,738 212,672
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負債
預金 26 23 11 12 13 11
貸付金受取 376 360 343 326 309 291
借入金
リース負債 - - - 3,500 3,474 3,485
(2)
- - - - 348 -
サービス免許負債
その他借入金 56,021 57,379 60,974 64,711 61,741 64,733
未積立年金 7,166 6,636 7,165 6,920 5,602 5,610
その他従業員給付 3,313 3,398 3,577 3,981 4,343 4,064
買掛金、未払金 6,235 6,473 7,211 9,978 10,021 10,018
その他負債 5,616 6,016 6,736 8,294 9,304 8,966
負債合計 78,753 80,285 86,017 97,723 95,156 97,179
純資産 106,226 103,236 100,593 102,438 112,582 115,493
内訳:
払込エクイティ - - - - - -
累積剰余金 27,900 25,994 26,056 27,083 34,118 39,981
その他準備金 78,326 77,242 74,537 75,355 78,464 75,512
純資産 106,226 103,236 100,593 102,438 112,582 115,493
覚書事項
正味金融資産 -47,989 -50,285 -52,392 -56,841 -52,487 -53,636
正味金融負債 50,089 50,285 52,392 56,841 52,487 53,636
正味債務
債務総額 56,423 57,763 61,329 68,549 65,885 68,520
控除:流動性金融資産 24,459 23,157 25,867 33,100 32,404 36,458
正味債務 31,964 34,606 35,462 35,449 33,482 32,062
注:(1) 州財政年次報告書で公表された実績値(毎年9月28日までに発表)。2019/20年から適用の新会計基準の影響を除
く。
(2) 2020/21年から実施された、新オーストラリア会計基準AASB第1059号「サービス免許協定:譲与者」の適用を受ける
サービス免許資産及び負債(2019/20年について比較資産データが利用可能)。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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公的部門 キャッシュフロー計算書 総計
2016/17年 2017/18年 2018/19年
2019/20年 2020/21年 2021/22年
(1) (1) (1)
実績 実績 予算推計
実績 実績 実績
(単位:百万ドル)
営業活動によるキャッシュフ
ロー
現金受取
税金受取 7,971 8,017 8,392 8,470 9,294 9,486
交付金及び補助金受取 8,529 9,773 11,082 11,825 12,167 14,864
財・サービスの売却による
20,788 21,407 23,693 27,978 29,970 28,555
受取
受取利息 609 604 661 565 466 541
配当及び税同額 - - - - - -
その他 8,355 8,460 8,807 11,965 13,901 15,718
現金受取合計 46,252 48,260 52,635 60,802 65,797 69,164
現金支払
賃金、給与、補足及び年金 -14,586 -15,101 -15,062 -15,441 -16,177 -17,246
財・サービスの支払 -21,342 -21,489 -23,421 -27,762 -28,895 -29,140
支払利息 -2,068 -1,899 -2,017 -1,864 -1,688 -1,395
交付金及び補助金支払 -3,773 -3,712 -4,129 -4,810 -5,632 -7,157
配当及び税同額 - - - - - -
その他支払 -4,596 -4,581 -4,620 -5,256 -5,635 -4,897
現金支払合計 -46,366 -46,782 -49,248 -55,132 -58,026 -59,835
営業活動による純キャッシュフ
-114 1,478 3,386 5,670 7,771 -9,329
ロー
投資活動によるキャッシュフ
ロー
非金融資産への投資からの
キャッシュフロー
非金融資産の購入 -5,137 -5,052 -4,965 -5,188 -5,816 -8,021
非金融資産の売却 576 567 654 1,736 499 447
非金融資産への投資からの
-4,561 -4,485 -4,310 -3,453 -5,317 -7,574
キャッシュフロー合計
103/127
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有価証券報告書
金融資産への投資からの
キャッシュフロー
現金受取
政策目的 14 13 21 64 14 10
流動性目的 6,136 6,189 6,495 12,044 12,774 7,951
現金支払
政策目的 -13 -16 -19 -63 -17 -10
流動性目的 -7,678 -7,249 -8,784 -14,195 -12,616 -8,076
金融資産への投資からの
-1,541 -1,063 -2,286 -2,150 154 -125
キャッシュフロー合計
投資活動による純キャッシュフ
-6,102 -5,548 -6,597 -5,603 -5,162 -7,698
ロー
財務活動によるキャッシュフ
ロー
現金受取
貸付金受取 - - - - - -
借入金 16,150 18,015 21,444 20,848 29,482 22,616
預金受取 - - - - - -
その他財務活動受取 45 57 98 231 232 10
現金受取合計 16,195 18,072 21,542 21,078 29,714 22,626
現金支払
貸付金支払 -16 -16 -17 -17 -17 -18
借入金返済 -10,477 -14,181 -19,990 -18,397 -30,138 -21,301
預金支払 - - - - - -
その他財務活動支払 -413 -251 -188 -448 -560 -386
現金支払合計 -10,906 -14,448 -20,194 -18,862 -30,716 -21,704
財務活動による純キャッシュフ
5,289 3,624 1,348 2,217 -1,002 922
ロー
現金及び現金同等物の純増 -927 -446 -1,863 2,284 1,607 2,553
期首現金及び現金同等物 11,946 11,019 10,573 8,710 10,994 11,929
期末現金及び現金同等物 11,019 10,573 8,710 10,994 12,600 14,481
主要な財務数字総計
営業活動による純キャッシュフ
-114 1,478 3,386 5,670 7,771 9,329
ロー
非金融資産への投資からの純
-4,561 -4,485 -4,310 -3,453 -5,317 -7,574
キャッシュフロー
現金黒字/-赤字 -4,675 -3,007 -924 2,217 2,454 1,756
注:(1) 州財政年次報告書で公表された実績値(毎年9月28日までに発表)。2019/20年から適用の新会計基準の影響を除
く。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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(d) 連邦と州の財政上の関係
オーストラリアの連邦制度は、他の国の連邦制度といくつかの点で実質的に相違している。
(1)
・ オーストラリアの税収入について連邦政府が優位性を有しており、その結果連邦からの資金移転に対する全州
の依存度が高い。
・ 州間での交付金の配分により、支出及び課税基盤の相違にもかかわらず、州は同等のサービスを提供することが
可能となっている。
・ 統一表示枠組み(UPF)は、全てのオーストラリアの州、特別地域及び連邦の政府が詳細な政府全体の財務書類
(比較ベースでの予測及び結果の両方を含む。)を開示することを求める。UPFは、オーストラリア会計基準
AASB第1049号「政府全体及び一般政府部門の会計報告」の要件と共に、資金調達の必要額の予測及び結果の透明
な開示が全ての管轄法域において利用できることを確実にする。格付会社による州財政の厳しい監視もある。西
オーストラリア州の政府全体の財務開示は、本書において詳述される西オーストラリア州公的部門財務実績に関
する説明の基礎を構成する。
連邦政府は州に対する財政的保護を提供し、必要がある場合州を支援する。例えば、
・ クイーンズランド州の洪水の後のインフラストラクチャー再建のために、すべてのオーストラリアの所得税納税
者に臨時洪水税の賦課を導入した。
・ オーストラリア連邦最高裁判所が1997年に州売上税を憲法上無効とした際に、州を代理して「セーフティ・ネッ
ト」の取決めに基づき税を徴収した。
・ 世界金融危機の影響が残る中、州の借入について(有料で)保証を提供した。
・ 西オーストラリア州の相対的に下限より低いGSTの減少を相殺するために、ひも付きでない追加資金の提供を通
じて、2019/20年以降、GSTの下限70%を実施した。
・ COVID-19のパンデミックの期間中、「COVID-19に対する全国的パートナーシップ」を通じて、COVID-19に関連す
る病院業務及びその他公衆衛生業務の費用の50%を賄うことに同意した。COVID-19が病院業務全体に与える影響
の不確かさを鑑みて、連邦はまた、全ての州の病院に対する連邦の資金供与を継続的に確実に増やすために、病
院業務への資金供与の最低保証を定めた。
・ COVID-19のロックダウン及び旅行制限により影響を受けた事業に対するいくつかの州支援プログラムへの共同出
資に合意した。
脚注:(1) 以下の「州」という用語には、特別地域を含む。
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以下の表は、西オーストラリア州への連邦政府からの交付金の詳細を示す。
(1)
連邦からの交付金
2020/21年 2021/22年 2022/23年 2023/24年 2024/25年
実績 予算推計 将来推計 将来推計 将来推計
(単位:百万ドル)
一般目的交付金
GST歳入 3,006 3,304 5,536 5,785 6,522
連邦-下限70%の資金援助 1,547 2,115 - - -
(2)
444 690 635 552 424
北西大陸棚交付金
一般目的交付金合計 4,996 6,110 6,171 6,338 6,946
5,556 6,909 6,724 7,287 5,903
ひも付き交付金
連邦からの交付金合計 10,552 13,019 12,896 13,624 12,849
注:(1) 経常的交付金及び資本的交付金を含む。
(2) 原油物品税からコンデンセートの免税の除外に対する連邦の補償を含む。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
出典:西オーストラリア州2021/22年予算書及び2020/21年州財政年次報告書
(e) 税制
西オーストラリア州政府は、2021/22年予算において、以下を含め、以下の歳入施策を公表した。
・新築住宅ユニット又は複数階層のアパートを購入する建設前契約を締結する、適格な自己所有者及び投資家に対し
て譲渡税の割戻金(最高5万ドルまで)を提供する、2019年10月23日に開始したスキームの2年間の延長。この割
戻金は2023年10月24日まで50%(以前は75%)の割引率で延長される。
・2021/22年及び2022/23年において、州政府は、ウールルー山火事及びサイクロン・セロジャの災害により被害を受
けた土地に対する土地税の免除を継続する。この措置により、土地所有者は、2021年6月30日までに建物契約を締
結できなくても、土地税の免除の地位を維持できるようになる。これは、住宅建物市場の高水準の活動によって引
き起こされた遅延を認識している。
(f) 借入協定
西オーストラリア州は州の機関並びに一定のその他公的及び民間企業が発行した債務を保証する(下記「(g)借入及
び偶発債務 - 西オーストラリア州の偶発資産及び偶発債務」を参照)。連邦と州の間の1994年財政協定により、西
オーストラリア州は自己の名において国内外市場で何らの制限も受けずに借入を行うことができる。かかる州の借入業
務は西オーストラリア州理財公社が引き受ける。
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(g) 借入及び偶発債務
未償還債務
西オーストラリア州大蔵大臣は西オーストラリア州理財公社が発行した債券を保証する。州はまた、貸借対照表にま
だ記録されていない将来事象により引き起こされる負債を負担する可能性がある(以下の「西オーストラリア州の偶発
資産及び偶発債務」を参照のこと)。
西オーストラリア州の偶発資産及び偶発債務
偶発資産及び負債は、一定の条件下で将来具体化する可能性のあるベネフィット及びコストの可能性である。これら
の不確実な性質に鑑み、一般政府及び公的部門全体の統合財務書類は、以下に注記する重要な定量化可能又は定量化不
可能な偶発資産及び負債について引当金を設定していない。
本項で説明される偶発事象についての詳細は、関連する機関の年次報告書にも記載されている。
以下の表は、2021年6月30日終了年度の、西オーストラリア州の重要な定量化できる偶発資産及び偶発債務を示して
いる。州の貸借対照表において既に定量化されている債務及び未積立年金債務はこの開示において除外されている(こ
れらの債務は既に明白に記録されているため)。州の公的部門の機関もまたさまざまなより少額の(重要でない)偶発
債務を保有する可能性があるが、これらは公的機関の年次報告書において開示されている。
1.6月30日現在定量化可能な偶発資産及び負債
以下の重要な偶発資産及び負債が公的部門全体で認識されている。
定量化可能な偶発資産及び偶発債務(6月30日終了年度)
2021年 2020年
(単位:百万ドル)
偶発資産
(a)
24 24
一般政府
- -
公的非金融企業
合計 24 24
偶発債務
(b)
390 347
保証、補償及び抵当に基づく偶発債務
(c)
65 77
公立大学年金給付制度に関連する偶発債務
(d)
536 395
その他の偶発債務
合計
990 818
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
(a) 定量化可能な偶発資産 ― 一般政府部門
WA保健省は、主に西オーストラリア州内の病院において処置されるオーストラリアの他の管轄地域からの住人に関
する州を越える受領についての1,400万ドル(2020年:1,300万ドル)の偶発資産を保有している。
その他の少額の偶発資産は、1,000万ドル(2020年:1,200万ドル)の残額から成る。
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(b) 保証、補償及び抵当に基づく偶発債務
公共信託受託者共通基金
公共信託受託者共通基金への預託は毎年6月30日付で第三者のために保有される残高を含む。共通基金に保有され
る残高への保証は2021年6月30日現在、合計3億7,800万ドル(2020年6月30日:3億3,500万ドル)であった。
水道公社
水道公社は契約に基づき水道公社の任務を保証するために、通常の業務の中で銀行保証を発行している。2021年6
月30日現在、これらの保証の金額は1,200万ドル(2020年6月30日現在から変わらず)であった。
(c) 公立大学年金給付制度に関連する偶発債務
2000年州退職年金法(SSA)により、1987年州政府雇用者退職年金法及び1938年退職年金及び家族給付法が廃止された。
これらの法に基づき運用されてきた制度はSSAの下で継続する。州はこれらの制度の下で支払われる給付を保証する。こ
の保証のもとでの州政府雇用者の資格は、貸借対照表上の未積立の年金債務の一部として認識される。しかし、公立大
学の雇用者は、(連邦政府が実行する高等教育機関の国の管理を認めて)州の統一表示枠組み及びAASB第1049号の開示
上は、州の雇用者ではない。
公立大学年金給付制度の保証は、2021年6月30日付でこれらの給付制度の年金数理的査定価値をもとに6,500万ドル
(2020年6月30日:7,700万ドル)である。
(d) その他偶発債務
アスベスト被害補償基金
2015年10月16日に、連邦大蔵大臣及びすべての州・特別地域の大蔵大臣はアスベスト被害補償基金(AICF)のデ
フォルトリスクを分担する方法につき合意した。デフォルトリスク合計に対する各州及び特別地域の分担は、(連邦
が合意したとおり、デフォルトリスクの3分の1の責任を負った後)基金の創設以来、各法域において支払われた請
求額の割合を反映する。2007/08年から2020/21年までに、全請求の約14.6%が西オーストラリア州で提出され、これ
は3,120万ドルの見積もり偶発債務に相当する。デフォルトリスクを分担する取決めは、ジェームス・ハーディーPty
リミテッド(AICFに直接責任を持つ。)が管財人の管理下に置かれ、これ以上補償の支払いのために当該ファンドに
拠出できなくなった場合のみ発動する。
幹線道路局長
道路建設の目的で買収された土地の所有者により、及び道路工事契約に基づくサービスにつき、請求が提起されて
いる。2021年6月30日現在の2億1,800万ドル(2020年6月30日:2億3,100万ドル)の偶発債務は、所有者の請求額
と独立評価に基づき幹線道路局長により決定された予想決済価格の差額を反映し、道路工事契約に基づき提供された
サービスに関して請負業者より提出されている賠償請求も含んでいる。
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西オーストラリア州計画委員会
「メトロポリタン、ピール及びグレーター・バンベリ地域スキーム」の運用に基づき、土地保有者に補償の支払い
が生ずる可能性のある土地、又は西オーストラリア州計画委員会(WAPC)の所有地として取得する不動産に対する留
保がある。同委員会は、毎年、かかる補償及び取得の優先順位を定める。土地保有者はWAPCが提供する補償に対し
て、仲裁又は裁判所への訴訟のいずれかにより争う場合がある。かかる紛争の解決はWAPCの通常の事業の一部であ
り、生じる追加支払はメトロポリタン地域改良基金及び地域土地取得資金の財源の中で管理されている。この偶発債
務の現在の推定は、約6,700万ドル(2020年6月30日:1,000万ドル)である。
ネイティブ・タイトル
南西部ネイティブ・タイトルの和解
南西部ネイティブ・タイトル和解先住民土地利用協定(ILUA)に基づき、かつ特定の条件の成就を条件として、
州が管理するNoongar族の土地基金(最大4,700万ドル)は、Noongar地域会社及び州の主要な土地/ヘリテージ機
関の間の有効なパートナーシップの発展を通じて、和解の土地、共同管理及びヘリテージの目的を満たすため、
10年間で利用される予定である。
Yamatji ネーション先住民土地利用協定
Ymatjiネーション先住民土地利用協定に基づき、州は、和解の経済発展の目的を満たすため、2022年7月1日
から2032年6月30日までの10年間、Yamatjiネーションを代理する慈善信託のトラスティーに、協定地域内の鉱業
不動産から受領する地代の割合を計算した年間支払額を提供することに合意した。これらの支払の現在の見積も
りは、約900万ドルである。
その他請求
その他のネイティブ・タイトルの定量化できない偶発債務がまた、本項の以下で開示されている。
住宅補償保険
住宅補償保険(HII)の偶発債務は、鉱山、産業規制及び安全省が管理する。HIIの将来の請求債務(FCL)は、2021
年6月30日現在で保険数理上の査定をされている。FCLは現在有効なHII保険契約について将来発生する可能性のある
事象の結果生ずる可能性のある将来の請求費用の見積額である。FCLは約2,800万ドル(2020年:1,900万ドル)と査定
されている。HIIに対する定量化できない偶発債務の開示も後述される。
地域社会
現在、結果が確実ではない係属中の訴訟が多数ある。ステート・ソリシターズ・オフィスは総額2,400万ドル(2020
年6月30日:1,300万ドル)が、これらの訴訟の結果によるが、そのうち将来のある時点で、原告に対する補償として
支払われる可能性があると見積もっている。
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WA保健省
WA保健省には、4,400万ドル(2020年6月30日:3,900万ドル)の偶発債務がある。これは主に、他のオーストラリ
アの管轄地域の病院で処置される西オーストラリア州の住人についての州を越えた費用請求(2,200万ドル)及び南部
大都市医療サービスの交渉に基づく施設運営の問題(1,600万ドル、正式な契約紛争メカニズムを引き起こす契約運営
プロセスの継続的一部である。)に関連する。
司法省
司法省は、一般公衆及び違反者、並びに多数の犯罪被害補償の控訴による司法省及び法務長官に対する訴訟にさら
されている。この債務の現在の推定は、約1,600万ドル(2020年6月30日:無し)である。
各種政府機関
その他の定量化できる偶発債務には、各政府機関の年次報告書に報告されるとおり、これらの機関について総額
5,200万ドル(2020年6月30日:4,700万ドル)の様々な法律上及び契約上の請求権を含む。
2.定量化不可能な偶発資産
係争中の訴訟
多数の政府機関が現在異なる訴訟に関与しており、全て異なる段階にある。訴訟の多様性及び性質並びにこれら訴
訟の結果に関する不確実性のため、有利な結果が現れる場合に公的機関に与えられる可能性のあるベネフィットの見
込みを信頼できる程度定量化することはできない。
3.定量化不可能な偶発債務
訴訟
多数の政府機関は現在異なる訴訟手続きに関与しており、すべてが様々な段階にある。請求の多様性及び性質のた
めに、これらの訴訟のありうる結果については不確実性があり、州が法的責任があると判明した場合、影響の可能性
を確実に計量することはできない。
クライブ・パーマー氏、Mineralogy、International Minerals及びZeph Investmentsによる請求
Mineralogy Pty Ltd、International Minerals Pty Ltd、及び西オーストラリア州政府との間の法的紛争に対する
偶発債務が2019/20年及び2020/21年の州財政年次報告書に記載された。
この紛争は、当初2002年に締結された州協定及びその後の大臣決定の効果に関するものであった。これらの会社は
約280億ドル(遅延利息を含む。)の補償金を請求していた。
連邦最高裁判所は最近、この件につき州に有利な判決を行った。
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アボリジナルによる盗まれた賃金のクラス・アクション
1936年から1972年の期間中、西オーストラリア州内のアボリジナルの人々が行った労働に対する支払いに関する州
の義務及び同期間中のアボリジナルの労働者に代理して保管されている金銭に基づき、連邦裁判所に西オーストラリ
ア州に対するクラス・アクションが提起されている。現段階では、財務的影響(ある場合)を見積もるのは時期尚早
である。
臨時従業員の長期勤続休暇権利
1958年長期勤続休暇法に基づき、10年以上雇用され、継続勤務要件を満たす臨時従業員は、長期勤続休暇を受ける
権利を有する。政府機関が、臨時従業員の長期勤続休暇についての義務を信頼性をもって測定できていた場合には、
これらの債務は、州の貸借対照表において認識されてきた。しかしながら、多くの事業体は、報告日時点で、現在の
又は元の臨時従業員の長期勤務休暇についての義務を信頼性をもって測定することができていない。その影響は現在
評価中である。
汚染用地
2003年汚染用地法(「用地法」)に基づき、政府機関は、汚染用地を知りえたとき、及び疑いのあるときは、水・
環境規制省(DWER)に報告を求められている。用地法に基づき、DWERはこれらの場所を人の健康、環境及び環境問題
へのリスクを基準に分類する。ある場所が「汚染 - 要改善」又は「汚染の可能性 - 要調査」に分類された場合、
政府機関は調査又は改善修復の費用につき責任をもつ場合がある。DWERは政府機関により報告されている場所の分類
をまだ終えていない。政府機関が分類過程の結果を査定できないため、ありうる財務上の影響額を見積もる、又は支
出の金額又は時期に関する不確実性を明確にすることは不可能である。政府機関は、汚染用地が特定されるのに伴
い、それを改善修復する進行中の管理計画を持つことを求められている。
フォーレストフィールド空港リンクプロジェクト - ポリフッ素アルキル物質
汚染土壌が、フォーレストフィールド空港リンクプロジェクトの承認済み予算に対するリスクである。トンネル採
掘による廃棄物(すなわち掘削土)には、ポリフッ素アルキル物質が少量含まれていることがわかっている。この廃
棄物の一部が再利用できず、その代わりに、プロジェクトの追加費用で埋立処分されなければならないというリスク
がある。
森林契約
1998年産業・技術開発法に基づく担当大臣としての州開発大臣(又はその前任者)、林産品委員会(FPC)のジェネラ
ル・マネジャー及び木材加工業者は、ある投資証券保証(ISG)に署名している。ISGに基づき、FPCが契約金額の木材
を供給できない特定の状況においては、大臣は補償金を支払う義務がある。
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FPCは、将来契約される供給義務を満たすのに利用されるはずの、現在の松資源の不足の可能性を確認した。本報告
書記載の財務書類の日付現在、可能性、時期及び不足可能性の金額についての不確実性の程度は高く、従って同委員
会は将来起こるかもしれない潜在的な義務の信頼に足る見積りの大きさを決定することができない。州政府による針
葉樹の土地拡張に対する3億5,000万ドルの投資(2021年9月9日発表の2021/22年予算において発表)は、長期的な
松材供給の制約リスクの緩和に役立つであろう。
金公社
地下水の汚染
過年度において、AGRマッセイ精錬所のニューバーン敷地内で地下水の汚染が発生した。AGRジョイント・ベン
チャー・パートナー(西オーストラリアン造幣局及びオーストラリア・ゴールド・アライアンスPty Ltd)は、当該土
地の修復及び復旧の責任を負った。2010年3月29日のAGRマッセイ・パートナーシップの解散に伴い、西オーストラリ
ア造幣局は将来のいかなる債務についても全責任を継承した。これまでに発生した費用は財務書類に費用計上されて
いる。金公社は、進行中の修復がもしある場合、その潜在的な財務的影響の見積もりの評価を行っている。
大蔵大臣の保証
1987年金公社法に基づき、大蔵大臣は、金公社が支払い提供すべき貴金属の現金同等物(第三者のために保有する
金属を含む。)を含む、全ての金融債務の支払いを保証する。この保証に関連する現金流出の可能性はほとんどない
と考えられる。
住宅補償保険
2013年11月1日以降、州は建設業者又は建設グループの死亡、破産状態又は失踪から生ずる財務上の損失を新たに
発生するコスト基準でカバーする新たな住宅補償保険(HII)の条項を全額引き受けている。この取決めは、州内で
HIIが利用できることを確実にし、長期のHIIソリューションを開発する追加的な時間を与えるために、最近2025年12
月31日まで延長された。2015年7月1日から、HII保険契約の保険料は、鉱山、産業規制及び安全省が管理するHII再
保険勘定に払込まれ、これらの保険契約から生ずる請求は、再保険勘定から充足されている。この項目の関連する定
量化された偶発債務は本項上記に開示されている。
経済規制庁による調査
2016年4月から2017年7月までの11,012件の取引間隔において、バランシング申請における短期的な発電限界費用
の合理的な予想を上回る価格を市場参加者が提示する行動が市場支配力に関係する場合には、これを禁止するWEM規則
の条項にシナジー社が違反したとする命令に対する経済規制庁(ERA)による申請に抗弁するために、2021年5月及び6
月、シナジー社は電力審査委員会(ERB)に出席した。ERBはこの事項についての決定を留保している。
シナジー社はこの点に関して何らかの不正行為や責任も否定し、ERBの前でERAの主張に抗弁しているので、2021年
6月30日現在、引当金は設定されていない。ERBが、シナジー社がWEM規則に違反しているとした場合、ERBはペナル
ティの金額について幅広い裁量権を有しているため、現段階では潜在的な賠償額を見積もることはできない。
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キースタート
2021年6月30日現在、以下の問題が調査中であり、2021/22年における訂正及び関連費用が発生する可能性がある。
これらの問題は複雑であるため、財務上の影響について信頼性のある見積りはできない。
・キースタートは、ローン期間を通して、顧客のローン口座に関連して手数料を負担する可能性がある。2020年7
月以前に実行されたローンは、キースタートが手数料を顧客の未払元本残高に資産計上することを可能にする明
示的な理由を含まない。キースタートはこれらの費用を顧客から回収することができるが、これらの料金に対す
る利子は適用されるべきではない。
・キースタートは、2020年12月より前に実行されたローンについて、与信方針の適用を検討しており、特に償還が
近くなる結果、財務状況が変化することが合理的に予想される場合に顧客に十分な配慮がなされたかどうかを検
討している。発生する可能性のある債務は、顧客の財務状況及び原不動産の価値を含む多くの仮定に依存する。
ロッタリー委員会
産業上告裁判所(IAC)の最近の判決により、任意退職金の算定基礎が変更された。IACは、規則における「継続勤
務」の定義には、連邦又は他の州の公的部門の雇用において勤務した期間が含まれるとした。
ロッタリー・ウェストは、過去にこの制度の下で支払いを受け、連邦又は他の州の公的部門に雇用されて勤務して
いた個人を識別するためにスタッフの記録の捜索を行っている。公的部門コミッショナーは個人からの潜在的な請求
が出現した時点でこれを処理することを勧告する。潜在的な負債は、現時点では信頼性をもって測定することはでき
ない。
開発局WA(大都市圏再開発局)
2021年6月30日、パース中心部再開発地域内において著しい地盤沈下リスクが発生していると申立てられた。当事
者はこの紛争の商業的な解決に達するために広範囲に及ぶ話し合いを行ってきていた。合意に達した場合は、プロ
ジェクト契約の変更証書及び和解証書が締結されるはずであった。地盤沈下リスク
ネイティブ・タイトル(先住民権原)の解決
オーストラリア連邦の1993年ネイティブ・タイトル法(改正済)は、1975年10月31日以後に発生したネイティブ・タ
イトルの権利及び利益の損失又は損害に対して補償を支払う全ての管轄地域の政府の法的責任の可能性を構成する。
現在西オーストラリア州では、117件のネイティブ・タイトルの請求の申立て及び65件のネイティブ・タイトルの決定
がある。州の責任の範囲を数量化することは困難であるが、ティンバー・クリークの判決は、1.19平方キロメートル
を超えるネイティブ・タイトルの減損及び消滅に対して253万ドルをネイティブ・タイトル保有者に付与した。現在、
西オーストラリア州にはネイティブ・タイトルが決定されている1,826,997平方キロメートルの土地がある。
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州は、ネイティブ・タイトル保有者の経済的・社会的発展の願望をより良く支えるネイティブ・タイトルとの契約
の交渉を継続しており、州に対する賠償責任の完全かつ最終的な解決を引き続き提供する。これらは、全ての当事者
にとり費用及び時間がかかる、裁判所が決定する和解よりも好まれる。Tjiwarlのネイティブ・タイトルの保有者は最
近、連邦裁判所に2件の補償請求を提出し、これは補償の法的原則に関するさらなる指針を提供することになる。
南西部及びYamatjiネイティブ・タイトル合意の定量化され偶発債務(「1.6月30日現在定量化可能な偶発資産及
び負債」にて開示)に加えて、まだ終了していない土地及び建物の譲渡は、定量化不能な偶発債務である。
公共輸送局
進行中の訴訟
公共交通施設の建設のための土地の取得の命令に関し、第三者から最高裁判所に2件の請求があつた。これら
の請求は2021/22年中に審問が行われる予定である。請求の規模は和解交渉に従う。
PTAは、運輸インフラストラクチャー資産の引渡しについて、両当事者と契約を締結している。この契約合意は
不可抗力事由の結果、終了した。終了に関連する契約上の和解につき交渉が継続している。
パース空港Pty リミテッド
2016年4月に、PTAは、パース空港Pty リミテッドに対して、パース空港内外でフォーレストフィールド空港リ
ンク・プロジェクトの建設に関連して発生する身体障害、第三者物品損害及び間接的損害によりパース空港Pty
リミテッドが被る又は負担する損害又は債務に関して補償を供与した。PTAはこの補償に基づく請求に対する州の
エクスポージャーを減らすために適切な保険を備えている。
南部港湾局バルク・ローダー
南部港湾局は、BHPビリトン・ニッケル・ウェスト社向けのバルクのニッケルを積込む契約を締結している。BHPビ
リトン・ニッケル・ウェストは、現在エスぺランスからバルクのニッケルを輸出していない。しかしながら、この状
況は変わるかもしれない。港湾局の責任状況は決定されておらず、契約の取決めに基づく請求がある場合の財務上の
影響(あるとすれば)を決定するために現在利用可能な情報は十分でない。
シナジー社(発電及びリテール公社)
シナジー社は、様々な年代の火力発電所のポートフォリオを運営している。これらの火力発電所の多くは、市場が
アスベストの危険性を認識するより前に、その絶縁性と耐火性のためにアスベストを利用した。シナジー社は、適切
にアスベストを管理する最新の工程を有し、継続的にこれらのリスクに対処している。しかし、アスベストから生ま
れる病気、例えば石綿症は進むのに長い年月がかかる可能性がある。そのためシナジー社は、過去において同社の火
力発電所の1つにおいてアスベストに接触した労働者及びその他請負人に対して債務を負う可能性がある。シナジー
社の作業場の1つにおいてアスベストに晒されたことから発生する可能性がある診断が未確定の疾病に対してシナ
ジー社は偶発債務を保有する。この債務の大きさは全く不確実で、何らかの正確性をもって計量することはできな
い。
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ホライズン・パワー社
ホライズン・パワー社が所有する発電所及び住宅などの多くの不動産には、アスベストが含まれている。ホライズ
ン・パワーは、継続的なアスベストハザードの特定とリスク評価のための確固たる管理及び監視プロセスを有してお
り、これらの物件所在地での修理、保守及び解体作業中の、安全な作業システムを実施する。ホライズン・パワー
は、職場におけるアスベストの管理及び制御のための行動規範及び定期的なコンプライアンス調査の権限を含む関連
規則を順守しており、全ての現場からアスベスト材料を除去する長期的な目標を持っている。
現在、ホライズン・パワーは、RiskCoverの対象とならないアスベストの曝露に起因する疾病について、現在又は過
去の従業員及び請負業者からの請求はない。将来、何らかの請求が発生した場合、ホライズン・パワーは、労災補償
及び公的賠償責任保険又はRiskCoverで適切にカバーされる可能性が高い。
児童性的虐待の被害者による民事訴訟に関する法定出訴期間の撤廃-2018年民事責任法の改正(児童性的虐待訴訟)
過去の児童性的虐待の被害者による民事訴訟の法定出訴期間を撤廃するための「2018年民事責任法の改正(児童性
的虐待訴訟)」が2018年7月1日施行された。法定出訴期間の撤廃により、虐待が発生した組織(州設立の機関を含
む。)は損害賠償請求の可能性にさらされる。この改革の実施は、州に対する定量化できない債務を意味する。
保険の対象ではない、この改正に基づく更なる請求権が生じる可能性があり、これは結果として生じる訴訟の解決
に合わせて発生ベースで査定され、資金の積立てが行われる予定である。州政府はまた、「組織的児童性的虐待の被
害者に対する全国救済制度及び民事訴訟」に基づく将来の請求のために、資金を保有する口座を設定した(詳細は、
2020/21年州財政年次報告書の別紙5に説明されている)。
州全体の建造物被覆監査
2017年9月、鉱山、産業規制及び安全省は、可燃性の建造物被覆による危険性について全ての政府省庁及び機関に
連絡し、それぞれの建物ポートフォリオについて監査を行うことを要求した。2021年6月に公表された最近の結果
は、レビューされた範囲の建造物の結果であり、50の建造物について詳細なリスク査定の後合格であり、15の建造物
は修繕措置が必要であり、5つの建造物について修繕措置が完了としている。修繕の内容及び費用は不確実であり、
現時点では定量化できない。
産業施設
内閣は、多数の財務的、環境的及びその他の条件を満たす場合のみ開始する予定の大型産業プロジェクトを支援す
るインフラストラクチャー開発を原則として同意している。
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その他偶発債務
既に完了している、又は間もなく完了するインフラストラクチャー・プロジェクトに関連する工事又は業務に関し
て請求が発生する可能性がある。請求は通常、交渉期間があり、取り下げられる、その後(2当事者間で合意される
金額で)和解される、又は訴訟による等の代替的な解決過程へ進む。費用が交渉され、請求が解決した場合、これら
は財務書類に反映される。
その他偶発債務は、様々な法令に基づき一定の状況下で、随時発生する可能性がある。かかる将来の債務の可能性
についての状況は変動し、法に基づく条項により義務の可能性が発生する場合、より詳細に数量化される可能性があ
る。
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(8) 【オーストラリア連邦の概況】
1 政治及び外交
(a) 国家組織及び政党
オーストラリア連邦は1901年1月1日に、ニュー・サウス・ウェールズ、ビクトリア、クイーンズランド、南オース
トラリア、西オーストラリア及びタスマニアの6つの英領植民地が、英国議会で制定されたオーストラリア連邦憲法に
基づいて「連邦」の州として統合されることによって、連邦国家として誕生した。これら諸州に加えて、オーストラリ
ア首都特別地域(首都であるキャンベラを含む。)、オーストラリア北部特別地域、ノーフォーク島、ココス(キーリン
グ)諸島及びクリスマス島などの特別地域(Territories)がある。ココス諸島及びクリスマス島は連邦政府により直接統
治されている。
オーストラリアにおける連邦の立法権は、上院及び下院で構成される連邦議会に付与されている。オーストラリアに
おいて女王の権威を代表する者は連邦総督である。上院議員及び下院議員は共に全有権者の義務投票によって選出され
る。上院議員は6年を任期として6州から12名ずつ選出される。各州から選出された上院議員は3年ごとにその半数が
改選される。さらに、オーストラリア首都特別地域及びオーストラリア北部特別地域からそれぞれ2名ずつの上院議員
が選出されており、これら4名の上院議員の任期は次回の下院の総選挙までとなっている。下院は、3年を超えない期
間を任期とする151名の議員により構成される。各州の下院議員の定員はほぼその人口に比例している。一定の場合には
連邦総督は上下両院を同時に解散することができる。
下院が先議権を有する予算法又は税法に関する場合を除き、上院は下院と同等の権限を有している。税法及び政府の
経常サービスに関する予算法については、上院は修正権は有しないが、これを否決し又は修正要求を付して下院に差し
戻すことができる。
憲法上、連邦議会は特定の事項、例えば国防、外交、外国及び州相互間の貿易・通商、外国会社、オーストラリア内
に設立された商社又は金融会社、関税及び物品税、郵便・電信・電話といった郵政事業、通貨、銀行業務、保険、移
民、年金及び社会サービスに関する法律を制定する権限が与えられている。これらの権限のうちいくつかは州議会の権
限を排除して専権として連邦議会に与えられている。その他の権限は連邦議会と州議会によって並行的に行使されてい
るが、連邦議会によって制定された法律は(その権限の範囲内で)、連邦法と州法との間に不一致がある場合はいつで
も州法に優先する。連邦議会に付与されていない権限は、憲法上一定の制限を受けるが州に帰属する。
連邦の行政権は憲法上形式的には総督に付与されている。連邦行政評議会が、オーストラリアの統治に関して総督に
助言することを目的として設けられている。この評議会は首相及び他の国務大臣によって構成されている。各大臣は両
院いずれかの議員であり、例外的な場合を除き、下院において過半数を占める政党又は連合政権に属する政党の党員で
ある。連邦政府はこれらの大臣によって構成されており、実際上の行政権は首相と国務大臣により行使されている。
スコット・モリソン氏が率いる自由党/国民党の連立は、2019年5月18日に行われた直近の連邦選挙において政権を
維持した。選挙の結果、自由党/国民党の連立改造政権となった。2001年以来初めて、オーストラリアの連邦政府が、3
期連続の任期を獲得した。
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連邦議会の現在の議席の構成は以下のとおりである。
上 院 下 院
連立(政権) 36 オーストラリア・グリーンズ党 1
オーストラリア労働党 26 オーストラリア労働党 68
オーストラリア・グリーンズ党 9 センター・アライアンス 1
センター・アライアンス 1 無所属 3
無所属 1 カッター・オーストラリア党 1
ジャッキー・ランビー・ネット
1 クイーンズランド自由国民党 23
ワーク
ポーリン・ハンソンのワン・ネー
2 オーストラリア自由党 43
ション
国民党 10
統一オーストラリア党 1
合 計 76 合 計 151
出典:オーストラリア議会
オーストラリアにおける司法権はオーストラリア高等裁判所、その他の連邦裁判所並びに州及び特別地域の裁判所に
付与されている。一定の限定された事項に関して、高等裁判所は第一審裁判管轄権を有している。高等裁判所はまた、
連邦裁判所並びに各州及び特別地域の上級裁判所からの上訴につき管轄権を有する。
(b) 外交関係
オーストラリアの外交政策の基本は、自由で民主的な国家として繁栄し、オーストラリア並びに諸外国にとって平和
で繁栄的な環境の形成を助けることにある。オーストラリア政府は、他国との関係において体制の違いは無視できない
が、逆にそれだけがオーストラリアの政策を決定するものではないと考えている。共通の価値観並びに思考があれば協
調は容易であるが、それがないからといっても共通の利害関係さえあれば協調できないという訳ではない。
したがって、オーストラリアは、すべての諸外国、なかんずく、オーストラリアと目的を同じくする諸国と友好的、
協調的な関係を樹立し、世界の緊張緩和を目指す国際的な動きを全面的に支援するのをいとわない。国際連合、英連
邦、その他の国際機関への加盟もオーストラリアの外交政策の重要な柱となっている。上記諸機関並びに二国間関係に
おいては、オーストラリアは近隣諸国との協調、世界の一般的緊張緩和及び国際平和並びに安全保障の促進を通じて安
全保障の推進と発展を目指している。
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次の表は本書提出日現在オーストラリアが加盟している主な国際機関を示す。
主な金融機関
加盟年
・世界銀行グループ
- 国際復興開発銀行
1947
- 国際金融公社
1956
- 国際開発協会
1960
- 投資紛争解決国際センター
1991
- 多数国間投資保証機関
1999
・国際通貨基金(IMF) 1947
・アジア開発銀行 1966
・欧州復興開発銀行 1991
・アジアインフラ投資銀行 2015
主な非金融機関
加盟年
・国際連合
1945
・関税及び貿易に関する一般協定 1948
・イギリス連邦 1931
・経済協力開発機構 1961
・アジア太平洋経済協力(APEC) 1989
・ASEAN地域フォーラム 1994
・世界貿易機関 1995
・アジア太平洋フォーラム 1996
・環インド洋連合 1997
・G20 1999
・MIKTA(メキシコ、インドネシア、韓国、トルコ
2013
及びオーストラリア)
2 経済
(1)
(a) 国の経済見通し
オーストラリアの国内総生産(GDP)は、GDPが6.8%も減少した2020年6月四半期のCOVID-19の影響にも関わらず、
2019/20年に1兆9,800億ウォンと2018/19年からあまり変化がなかった。
しかしオーストラリア経済は、COVID-19のパンデミックの時期を通して、2020/21年に1.5%増と著しい回復力を見せ
た。これは2021/22年予算予測である1.25%よりわずかに高い。
オーストラリアの2大州では、デルタ株の流行に対処するための規制の再導入を反映して、9月四半期に活動が縮小
したものの、オーストラリアのGDPは2021年9月四半期まで年率平均3.9%成長した。2021/22年の連邦予算書では、
2021/22年のGDP成長率を4.25%、2022/23年には2.5%と予測している。
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全国的に、家計消費はパンデミックによる下降から回復を続けており、2020/21年にかけて1.0%増加し、連邦予算の
予測と概ね一致している。2021/22年の連邦予算では、消費は2021/22年に5.5%、2022/23年に4%伸びると予測してい
る。堅調な成長見通しは、政府の財政政策支援によって強化された堅調な家計のバランスシート及び労働市場状況の改
善を反映している。家計支出の伸びは、規制緩和の継続及び堅調な消費者マインドによりさらに支えられるであろう。
商品支出の堅調さがこれまでの回復を支えてきた一方で、将来を展望すると、連邦財務省は、サービス消費の回復によ
り成長が下支えされると予想している。
住宅投資は、記録的な低金利や、HomeBuilderプログラムを含む連邦、州、特別地域の政府による住宅刺激政策のイ
ンセンティブ等、堅調な住宅市場のファンダメンタルズの中で、継続して強化されている。住宅投資は2021/22年にかけ
て堅調に推移し、その後、住宅建設需要の一部が前倒しになったことを反映して引き上げられた作業パイプラインが縮
小するので、2022/23年には1.5%縮小する見込みである。2020年後半から2021年早期にかけて過去最高の住宅承認の
後、戸建住宅建設が短期的な住宅投資の増加を牽引すると見込まれている。パンデミックの間に、在宅勤務の傾向が強
くなったことを特に考えると、パンデミックからどのような構造上の変化が生じるかはまだ明らかではない。より郊
外、広さ、戸建住宅への嗜好の変化も、今後数年間のアパート建築の成長を制限する可能性がある。
オーストラリアの雇用は、パンデミックの当初の衝撃から回復し、2021年3月にCOVID-19以前のレベルを回復し、
2021年7月には記録的なレベルに達した。2020/21年の雇用は年率平均で0.6%増加し、2021年6月四半期の雇用は2020
年6月四半期より6.5%増加し、連邦予算の予測と一致した。雇用は、2021/22年及び2022/23年には、1%ずつ着実に増
加すると予測されている。オーストラリアの州における規制の結果、雇用は2021年7月のピークから減少したが、年間
平均雇用成長率は2.4%に上昇した。オーストラリアの労働市場の強さは、2021/22年の最初の4ヶ月間の失業率が平均
4.8%であり、2022年6月四半期の5%の予測を下回っていることに注目される。予測期間中、労働市場の状況はさらに
改善され、経済の勢いの増加は堅調な労働需要を支えると見込まれており、2021年10月には求人広告が13年ぶりの高水
準となると見込まれている。失業率は、2024年6月四半期には4.5%と着実に低下することが見込まれている。賃金の伸
びは、短期的には弱い予想であり、賃金物価指数で測定した賃金は、2021/22年には1.5%上昇し、その後状況がさらに
改善するにつれて、2022/23年までに2.25%へと上昇すると予測されている。
総合消費者物価上昇率は、2020/21年に1.6%上昇した。2021/22年の連邦予算では、2021/22年にインフレ率が1.75%
上昇し、その後、賃金の伸びが上がり始めるので2022/23年には2.25%まで上昇すると予測されている。
公的最終需要は、連邦、州、特別地域の政府全体での必須サービスへの継続的な支出と強固なインフラストラク
チャー・プログラムに支えられて、2021/22年には5%、2022/23年には1.75%の成長が予想されている。2021年6月四
半期までの1年間を通じて、公的消費は高止まりしており、パンデミックによる健康への影響が管理されるため、主要
な必須サービスへの支出は予測期間を通して堅調に推移すると見込まれている。高齢者ケアを改革する記録的な資金は
また、予測期間における公的最終需要の成長を支えるであろう。また、国家障害保険制度への大規模な投資及びメンタ
ルヘルス制度改革への支援も継続して成長に寄与する。
脚注:(1) この見通しは2021/22年連邦予算及び2020/21年最終予算結果 から抜粋したものである。
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(b) 産業構造及び主要産業の最近の状況
次の表は、2020/21年に終了した5年間の国内総生産を産業構成要素別に示したものである。
産業別粗付加価値国内総生産 - 6月30日終了年度(時価)
(単位:百万ドル)
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
農業、林業、漁業 47,589 45,339 41,274 39,749 46,980
鉱業 134,203 150,552 192,132 203,110 223,366
製造業 102,087 106,486 109,346 112,184 114,716
電気、ガス、水道及び廃棄物 44,041 46,440 47,690 47,360 45,476
建設業 133,509 141,809 144,033 141,828 143,767
卸売業 68,556 69,547 71,188 74,341 82,792
小売業 75,430 76,875 79,271 82,276 86,894
宿泊及び飲食業 41,161 42,407 44,211 39,114 39,285
運輸、郵便及び倉庫業 83,023 85,463 89,398 88,680 87,041
情報メディア及び電気通信業 43,563 44,753 43,185 43,393 46,697
金融及び保険業 140,038 145,158 149,423 151,073 155,100
賃貸及び不動産業 52,762 54,146 55,564 54,936 57,829
専門家、科学技術サービス 118,806 125,737 133,531 141,637 146,191
管理及び支援サービス 56,268 62,136 67,351 67,859 65,137
行政及び安全 93,211 95,765 101,875 107,033 111,170
教育及び訓練 83,780 87,570 92,310 96,875 99,371
保健及び社会扶助 121,201 128,561 139,692 145,224 156,640
芸術及び娯楽サービス 14,036 14,988 15,773 15,219 15,096
その他サービス 31,298 32,396 34,338 32,748 31,456
住宅所有 156,348 162,663 168,945 173,477 176,281
全産業合計 1,639,853 1,719,017 1,820,209 1,857,531 1,932,140
全産業税金マイナス補助金合
58,246 64,248 68,562 17,561 -13,503
計
全産業統計誤差合計 0 0 0 0 0
合計 1,698,098 1,783,265 1,888,772 1,875,093 1,918,638
出典:オーストラリア統計局、目録5220.0、表45
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(c) 通貨・金融制度
通貨制度
オーストラリア連邦の憲法は発券権を連邦政府に与えている。オーストラリア通貨の発行量に関する法令上の制限
は存在せず、需要に応じて発行量は自由に変動させうる。オーストラリアの銀行券はオーストラリア準備銀行(「準
備銀行」)によって5ドル、10ドル、20ドル、50ドル及び100ドルの券種で印刷及び発行され、準備銀行の全支店にお
ける発券センターを通じて商業銀行に配付される。
銀行制度
オーストラリアの銀行制度は、中央銀行(準備銀行)、商業銀行、貯蓄銀行及び特殊銀行で構成されている。一般
に、中央銀行である準備銀行の義務、権限、業務は諸外国の中央銀行の場合と同様である。すなわち紙幣の管理及び
発行、通貨及び流動性の管理政策、連邦政府証券の市場操作、連邦のための金融並びに国庫代理業務及び為替管理の
運営等である。また、準備銀行は銀行預金者の利益を保護する義務がある。準備銀行のすべての負債の支払に対して
は、連邦が法的責任を負っている。
その他の金融機関及び資本市場
銀行以外の金融機関のうち比較的重要なものは、生命保険・損害保険会社、年金基金、金融会社、恒久住宅信用協
会、信用組合、融資業者及び短期資金市場の公認ディーラーである。これらの金融機関はオーストラリアの金融部門
の資産の過半を占める。1980年以来、キャッシュ・マネジメント・トラストが民間部門における投資先として重要性
を増してきている。これらの機関は共に広範囲な金融サービスを行い、金融制度の発展並びにオーストラリア経済の
発展に重要な貢献をしてきた。
3 貿易及び国際収支
(a) 概況
オーストラリアの経済において、外国貿易は重要な役割を果たしている。2020/21年までの5会計年度におけるオー
ストラリアの貿易・サービス収支は次の表に示すとおりである。
貿易・サービス収支(時価)
(単位:百万ドル)
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年 2020/21年
輸出 373,420 403,047 470,398 475,088 459,376
輸入 -364,432 -396,464 -421,851 -397,276 -368,629
純輸出 8,988 6,583 48,547 77,812 90,747
出典:オーストラリア統計局、目録5302.0、表30
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(b) 商品及び地域別輸出入
2020/21 年までの5年間のオーストラリアの産業別輸出入の構成は次のとおりである。
主要商品別輸出 - 6月30日終了年度
(単位:百万ドル)
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
輸出(FOB価格)
農業及び水産養殖 16,994 15,553 14,032 13,206 17,606
農業に対するサービス 1,926 2,221 2,587 971 646
森林及び材木 632 651 666 607 404
商業漁業 377 457 421 520 535
石炭鉱業 54,237 60,380 69,595 54,620 39,167
原油及びガス採掘 28,090 38,211 59,272 57,718 38,847
金属鉱業 72,659 73,107 90,159 117,263 167,618
その他鉱業 1,219 2,093 2,070 1,682 1,178
食品、飲料及びタバコ製造 27,367 29,220 31,372 33,183 28,434
繊維、衣料、履物及び
2,044 2,143 2,068 1,757 1,692
皮革製造
木製品及び紙製品 2,669 2,907 3,234 2,660 2,262
印刷、出版及び記録メディ
300 315 305 284 226
ア
石油、石炭、化学及び
11,006 12,626 14,885 14,960 12,857
関連製品製造
非金属鉱産物製品製造 221 230 242 232 252
金属製品製造 38,962 42,380 47,254 47,610 48,996
機械及び機器製造 13,868 14,378 15,671 15,967 14,606
その他製造業 2,263 2,080 2,364 2,662 3,940
その他(上記以外) 16,045 15,523 16,422 16,264 16,972
輸出合計 290,880 314,479 372,621 382,179 396,240
出典:オーストラリア統計局、目録5368.0、表32a及び表35a
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主要商品別輸入 - 6月30日終了年度
(単位:百万ドル)
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
輸入(税関価格)
農業及び水産養殖 1,740 1,717 1,856 2,061 2,031
農業に対するサービス 11 10 11 13 14
森林及び材木 120 152 153 120 154
商業漁業 167 175 178 175 163
石炭鉱業 39 71 60 73 47
原油及びガス採掘 8,861 12,028 13,776 9,698 6,591
金属鉱業 960 1,227 816 803 733
その他鉱業 251 247 251 241 290
食品、飲料及び
16,998 17,635 19,604 20,854 19,914
タバコ製造
繊維、衣料、履物及び
16,273 16,615 18,647 18,684 20,699
皮革製造
木製品及び紙製品 5,186 5,557 5,885 5,802 5,581
印刷、出版及び記録メディ
1,581 1,595 1,530 1,427 1,668
ア
石油、石炭、化学及び
53,740 59,212 65,419 65,338 60,893
関連製品製造
非金属鉱産物製品製造 3,160 3,369 3,498 3,444 3,504
金属製品製造 21,635 23,045 22,755 25,733 26,620
輸送機器製造 42,146 52,130 44,819 39,009 48,842
機械及び機器製造 74,030 84,319 91,308 90,811 95,632
その他製造業 9,413 9,809 10,652 10,482 12,691
その他(上記以外) 7,690 12,248 5,412 3,929 2,665
輸入合計 264,007 301,161 306,637 298,691 308,735
出典:オーストラリア統計局、目録5368.0、表32a及び表35a
(注) オーストラリア統計局は、輸出を「本船渡し」(f.o.b.)ベース(商品が物理的にオーストラリアを離れるときの価格、
すなわち主なオーストラリアの輸出港におけるf.o.b.)で、輸入を「税関価格」で測定する。
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(1)
地域別貿易(輸出)の割合(%) - 6月30日終了年度
輸出 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
中国 32.7 33.6 36.0 39.4 41.9
日本 14.2 15.3 15.6 13.8 11.0
韓国 6.7 6.6 6.7 6.6 6.8
インド 5.2 5.1 4.3 2.8 3.3
台湾 2.8 2.9 3.3 3.1 2.8
アメリカ合衆国 4.1 3.7 3.8 4.6 4.2
香港 4.4 3.6 2.1 1.8 1.6
ニュージーランド 3.0 2.9 2.7 2.6 2.7
シンガポール 2.0 2.5 2.8 3.3 3.3
インドネシア 2.1 2.1 1.7 1.5 1.8
その他 22.8 21.7 21.0 20.5 20.6
合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
(1)
地域別貿易(輸入)の割合(%) - 6月30日終了年度
輸入 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
中国 23.1 22.5 25.4 27.1 28.2
アメリカ合衆国 11.2 9.9 10.7 12.2 11.1
日本 7.8 7.3 7.2 6.4 6.3
韓国 4.2 7.2 4.0 3.5 3.4
タイ 5.3 5.0 4.8 4.9 4.8
ドイツ 5.1 4.9 4.9 4.6 4.6
マレーシア 3.9 3.8 4.1 3.4 3.8
シンガポール 3.1 3.1 3.5 3.1 2.9
ニュージーランド 2.9 2.6 2.6 2.5 2.2
英国 2.5 2.4 2.4 2.3 2.4
その他 30.9 31.3 30.4 30.0 30.3
合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
出典:オーストラリア統計局、目録5368.0、表14a及び表14b
注:(1) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
(c) 日本との貿易
日本は、2020/21年にオーストラリアの輸出の11.0%を占める、オーストラリアにとり中国に続き2番目に重要な輸
出市場である。日本への輸出額は2020/21年に436億ドルであり、これは前年の528億ドルから減少した。
日本は、2020/21年に6.3%のシェアを占めるオーストラリアの第3位の輸入元であった。2020/21年の日本からの輸
入額は193億ドルであった。
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(d) 国際収支
次の表は2020/21年までの5年間のオーストラリアの国際収支を示している。
国際収支 - 6月30日終了年度
(単位:百万ドル)
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
経常取引
商品輸出 291,406 315,342 373,509 383,053 396,749
商品輸入 -277,822 -302,677 -320,008 -310,797 -320,110
貿易収支 13,584 12,665 53,501 72,256 76,639
サービス受取 82,014 87,705 96,889 92,035 62,627
サービス支払 -86,610 -93,787 -101,843 -86,479 -48,519
サービス収支(純額) -4,596 -6,082 -4,954 5,556 14,108
貿易・サービス収支 8,988 6,583 48,547 77,812 90,747
所得・移転収支受取 64,737 69,637 81,387 79,169 75,582
所得・移転収支支払 -113,849 -128,087 -144,444 -120,992 -96,595
所得・移転収支(純額) -49,112 -58,450 -63,056 -41,823 -21,012
経常収支 -40,124 -51,867 -14,509 35,989 69,734
資本及び金融勘定
資本移転 -580 -849 -811 -751 -751
非金融資産移転 141 177 41 -364 3
資本勘定 -439 -672 -770 -1,115 -748
直接投資 65,563 63,780 65,166 29,651 9,074
ポートフォリオ投資 18,472 18,465 -89,221 -12,620 -64,362
その他投資 -25,334 -19,318 42,505 -63,439 15,464
金融デリバティブ -1,164 -15,151 -9,693 -8,141 -14,309
準備資産 -19,630 8,952 3,786 18,522 -3,423
金融勘定 35,907 56,728 12,544 -36,026 -57,554
誤差脱漏 4,656 -4,189 2,735 1,152 -11,432
資本・金融勘定収支 35,468 56,056 11,774 -37,141 -58,302
(注) 上記の表は、前述の表とは異なる情報源を利用しており、方法及び時期が異なるため数値は一致しない。
出典:オーストラリア統計局、目録5302.0、表30
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(e) 外貨準備
表示日現在におけるオーストラリアの公的外貨準備は、次のとおりである。
公的外貨準備 - 6月30日現在
(単位:百万ドル)
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
外貨 73,735 65,139 64,910 47,455 49,617
金 4,146 3,739 4,440 4,612 5,568
その他 6,197 6,912 8,120 9,441 9,948
合計 84,078 75,790 77,470 61,508 65,134
合計(米ドル相当額) 64,673 56,016 52,824 42,213 48,967
出典:オーストラリア準備銀行、統計リリース「公的準備資産」
(f) オーストラリア・ドルの為替レート
1983 年12月の変動相場制移行後、オーストラリア・ドルは個々の通貨に対してかなり不安定な動きを見せたが、加重
貿易指数においてはより安定的な水準の付近で取引された。1984年1月から2021年11月までの加重貿易指数は、最低は
2001年9月に記録された46.4、最高は1984年3月に記録された85.6で、平均61.6であった。
1983 年末の変動制への移行後、豪ドルは米ドルに対して大きな幅で取引されたが、最高値は2011年7月の1.11米ド
ル、最低値は2001年4月の0.48米ドルであった。最近では、COVID-19によるパンデミック開始時の低下の後、変動相場
制移行後の平均である約0.76米ドルよりわずかに低い米セントで取引されている。
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