コメルツバンク・アクツィエンゲゼルシャフト 半期報告書
| 提出書類 | 半期報告書 |
|---|---|
| 提出日 | |
| 提出者 | コメルツバンク・アクツィエンゲゼルシャフト |
| カテゴリ | 半期報告書 |
EDINET提出書類
コメルツバンク・アクツィエンゲゼルシャフト(E05761)
半期報告書
【表紙】
【提出書類】 半期報告書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2021 年９月30日
【中間会計期間】 自 2021年１月１日 至 2021年６月30日
【会社名】 コメルツバンク・アクツィエンゲゼルシャフト
(Commerzbank Aktiengesellschaft)
上席法律顧問 ニコル・ベリンガー
【代表者の役職氏名】
(Nicole Behringer, Senior Counsel)
副部長 クリスティナ・ケルシュナー
(Kristina Kürschner, Vice President)
【本店の所在の場所】 ドイツ連邦共和国、フランクフルト・アム・マイン 60311、
カイザーシュトラーセ 16 （カイザープラッツ）
(Kaiserstraße 16 (Kaiserplatz), 60311 Frankfurt am Main,
Federal Republic of Germany)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 田 中 秀 明
【代理人の住所又は所在地】 東京都中央区銀座1-16-7 銀座大栄ビル7階
京橋法律事務所
【電話番号】 03(6228)7534
【事務連絡者氏名】 弁護士 田 中 秀 明
【連絡場所】 東京都中央区銀座1-16-7 銀座大栄ビル7階
京橋法律事務所
【電話番号】 03(6228)7534
【縦覧に供する場所】 該当なし
( 注)１ 本書において、別段の記載がある場合を除き、「当行」または「コメルツ銀行」とはコメルツバンク・アクツィエ
ンゲゼルシャフトないしコメルツバンク・アクツィエンゲゼルシャフトとその連結子会社、また「ドイツ」とはド
イツ連邦共和国を指す。
２ 別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「ユーロ」はユーロを指すものとする。原則として、本書において便
宜上記載されている日本円金額は、2021年８月31日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信売買相場の仲値(１
ユーロ＝129.69円)により計算されている。
３ 本書の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがある。
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第一部 【企業情報】
第１ 【本国における法制等の概要】
変更事項なし。
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第２ 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
12 月31日現在または
6 月 30 日現在または同日に終了した 6 ヶ月間
同日に終了した年度
1) 1)
注 注
2019 年 2021 年 2020 年
2020 年 2019 年
コメルツ銀行グループ
2,505 2,597 2,427 5,070 4,975
(百万ユーロ )
純利息収益
( 324,873 ) ( 336,805 ) ( 314,758 ) ( 657,528 ) ( 645,208 )
(百万円 )
1,507 1,668 1,803 3,056 3,317
(百万ユーロ )
純手数料収益
( 195,443 ) ( 216,323 ) ( 233,831 ) ( 396,333 ) ( 430,182 )
(百万円 )
113 -141 485 244 66
(百万ユーロ )
損益を通して
公正価値で測定され
( 14,655 ) ( -18,286 ) ( 62,900 ) ( 31,644 ) ( 8,560 )
(百万円 )
る金融資産および負
債に係る純利益
継続事業に係る
555 -74 -406 1,124 -2,626
(百万ユーロ )
税引前損益
( 71,978 ) ( -9,597 ) ( -52,654 ) ( 145,772 ) ( -340,566 )
(百万円 )
445 -86 -363 685 -2,861
(百万ユーロ )
連結損益
( 57,712 ) ( -11,153 ) ( -47,077 ) ( 88,838 ) ( -371,043 )
(百万円 )
1,252 1,252 1,252 1,252 1,252
(百万ユーロ )
資本金
( 162,372 ) ( 162,372 ) ( 162,372 ) ( 162,372 ) ( 162,372 )
(百万円 )
463,557 550,628 543,643 463,450 506,613
(百万ユーロ )
総資産
( 60,118,707 ) ( 71,410,945 ) ( 70,505,061 ) ( 60,104,831 ) ( 65,702,640 )
(百万円 )
186,797 187,051 177,588 181,765 178,581
(百万ユーロ )
リスク加重資産
( 24,225,703 ) ( 24,258,644 ) ( 23,031,388 ) ( 23,573,103 ) ( 23,160,170 )
(百万円 )
0.32 -0.12 -0.43 0.47 -2.33
1 株当たり利益 (ユーロ )
( 42 ) ( -16 ) ( -56 ) ( 61 ) ( -302 )
(円 )
2 ）
注
40,736 39,720 38,671 40,362 39,462
(人 )
従業員数
コメルツ銀行
注 3) 注 3)
1 株当たり配当金 (ユーロ )
－ － －
－ －
( ) ( ) ( ) ( ) ( )
（円） － － － － －
注1）修正再表示により調整された。
注2）常勤従業員（実習生、見習い、臨時職員、ボランティア、清掃職員、調理職員、産休女子職員、長期病欠職員を除
く。）
注3） 欧州中央銀行が銀行に対して新型コロナウィルスの懸念が終息するまで配当金を支払わないよう勧告したことを考慮し
て、コメルツ銀行は2019年および2020年の定時株主総会で配当金を提案しなかった。
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2 【事業の内容】
変更なし。
3 【関係会社の状況】
(1) 親 会 社
当行には親会社はない。
(2) 子 会 社（ 2021 年 6 月 30 日現在）
後記「第 6 経理の状況、重要な注記、一般情報、 (6) 連結対象会社」参照のこと。
4 【従業員の状況】
2021年6月30日現在、コメルツ銀行グループの常勤の従業員合計は、38,671名（ドイツ：27,591名、国外：
11,080名）であった。2020年6月30日における常勤の従業員合計は、39,720名（ドイツ：28,620名、国外：
11,100名）であった。
セグメント別の従業員数（常勤）
個人顧客および小規模事業顧客セグメント： 17,697 名
コーポレート顧客セグメント： 3,353 名
その他・連結セグメント： 17,621 名
合計 38,671 名
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第３ 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題】
(1) 経営方針
2021 年 6 月 30 日に提出した有価証券報告書の記載から重大な変更はなし。
(2) 経営環境
「第３事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュフローの状況の分析」参照
(3) 対処すべき問題
「第３事業の状況 2 事業等のリスク」および「 3 経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュフ
ローの状況の分析」参照
2 【事業等のリスク】
下記の経済の状況に関連するリスク要因を除き、2021年6月30日に提出した有価証券報告書から重大な変更は
なし。
コロナウィルスの規制が大幅に緩和され、世界経済は明らかに力強さを増している。しかし、デルタ変異株の
急速な流行は、すでにユーロ圏や米国の経済を脅かしている。また、産業界の供給問題や中国経済の成長鈍化な
ども加わり、2021/22年冬の見通しは全体としてかなり厳しいものとなっている。
3 【経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュフローの状況の分析】
経済情勢
経済の全般的な状況
予想通り、コロナウィルスの規制が大幅に緩和されたことで、世界経済の勢いは明らかに上向いた。しかし、
この急速な回復には影響が伴わないわけではなかった。原材料の価格が大幅に上昇し、ますます多くの企業が中
間部品の不足に直面している。既に自動車業界では、半導体の不足による生産減が発生している。
米国経済は、第 2 四半期には金融危機以前の水準に戻っていた。ユーロ圏の経済は金融危機以前の水準の達成
にはまだ至っていないものの、春には小売商店が再開し、経済活動が再び顕著に上向いた。第 2 四半期には、ドイ
ツ経済は恐らく、年初の後退を取り戻すことができたと思われる。
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財務実績、資産、負債および財務ポジション
2021 年 6 月 30 日現在、適用されている会計処理および測定方法については、中間財務書類の注記 5 に記載されて
おり、過年度の数値の修正に関する情報は、注記 3 に記載されている。
コメルツ銀行グループの損益計算書
コメルツ銀行の 2021 年上半期の連結業績は、依然として厳しい営業環境を背景に、無形資産の認識中止に伴う
損失や高額な再編費用により、－ 394 百万ユーロの損失を計上した。営業損益は、前年同期の－ 74 百万ユーロの損
失に対し、当上半期は 570 百万ユーロの利益となった。
当報告期間において損益計算書の主な項目は、以下のとおりであった。
当報告期間の純利息収益は 2,427 百万ユーロで、前年同期比 6.6 ％減となった。個人顧客および小規模事業顧客
セグメントでは、預金事業の受取利息に対する強い圧力が継続しており、国内貸付事業、特に住宅ローン融資や
個人向けローンの融資額の継続的な増加による増益があったが、完全には相殺されなかった。
エムバンクも同様で、ローンや預金残高の拡大が、前年にポーランド中央銀行が実施した金利引き下げの影響
を受けて再び相殺され、特に預金事業へのマイナスの影響により、純利息収益が減少した。コーポレート顧客セ
グメントの純利息収益も前年同期の水準を若干下回った。その他・連結セグメントの純利息収益が大幅に減少し
たのは、主にグループ・トレジャリー部門の受取利息が減少したためで、損益を通して公正価値で測定される金
融資産および負債の純利益を相殺した。また、 ECB との貸出条件付長期資金供給オペレーションによる金利割引
の認識は、純利息収益の減少を一部相殺したに留まった。
純手数料収益は、 2020 年上半期と比較して 8.1 ％増の 1,803 百ユーロとなり、個人顧客および小規模事業顧客セ
グメントにおいて最も強力な収益のけん引役であった。ドイツにおける当該収益の増加は、証券事業における活
発な顧客活動の継続により取引量が大幅に増加したことに一部起因した。エムバンクの大幅な増益は、法人顧客
向けの年末預金手数料の増加や、個人顧客向けおよび法人顧客向け商品の価格の変更があった証券事業によるも
のである。コーポレート顧客セグメントの純手数料収益は、前年上半期並みであった。
当報告期間における、損益を通して公正価値で測定される金融資産および負債からの純利益 は、前年同期の－
141 百万ユーロに対し、 485 百万ユーロとなった。この大幅な増加は、前年同期にはコロナウィルスのパンデミッ
クにより評価額の変動の影響を受けた投資等が、当報告期間には再測定によるプラスの効果があったことに主に
起因する。
その他の純利益－ 335 百万ユーロは、特に引当金の計上に関連している。これには、個人顧客向けの価格変更
に関する連邦司法裁判所の判決に関連する引当金、エムバンクの外貨建て住宅ローンに関連する引当金、潜在的
な税金還付請求に関連する追加引当金、 HSBC トランザクション・サービス GmbH への証券決済を委託するプロ
ジェクトの終了に関連する引当金が含まれている。
リスク損益は－ 235 百万ユーロで、前年同期の－ 795 百万ユーロを大幅に下回った。前年同期のリスク損益に
は、コロナウィルスのパンデミックのための－ 154 百万ユーロのトップレベル調整（ TLA ）が含まれていた。ま
た、大規模な個別のエクスポージャーのデフォルトも、前年同期のリスク損益にマイナスの影響を与えていた。
個人顧客および小規模事業顧客セグメントとコーポレート顧客セグメントのいずれにおいても、 2021 年 上半期
に必要な貸倒引当金は、 2020 年 上半期の水準を大幅に下回っている。
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営業費用は、 HSBC トランザクション・サービス GmbH への証券決済を委託するプロジェクトの終了に関連し
て無形資産の認識を中止したことから生じた費用により、前年同期比 4.7% 増の 3,173 百万ユーロとなった。人件費
は 1,716 百万ユーロと、前年同期とほぼ同水準であったが、これは常勤職員数の減少が給与調整などの費用発生要
因を補ったことによるものである。一方、固定資産の減価償却費およびその他の無形資産の償却費を含む管理費
は、 11.2% 増の 1,457 百万ユーロとなった。一時的な費用を除くと、実際には費用は減少した。これは主に、広告
費、旅費、減価償却費の削減によった。
個別に報告されている強制拠出金は、前年同期と同水準の 375 百万ユーロであった。
新戦略プログラムの実施に関連する 976 百万ユーロの事業再編費用は、当報告期間の業績にマイナスの影響を
与えた。
継続事業に係る税引前損失は、前年同期の－ 74 百万ユーロに対し、 － 406 百万ユーロであった。 当報告期間に
は、主に繰越欠損金に対する繰延税金資産の遡及的な認識に関連する 43 百万ユーロの税収があったが、主にエム
バンク・サブグループの当期税金費用および税務リスクに対する引当金の追加計上に起因する他の期間に関連す
る税金費用によって相殺された。継続事業に係る税引後損失は、前年同期が－ 136 百万ユーロであったのに対し、
－ 363 百万ユーロとなった。
非支配持分を控除後、当報告期間のコメルツ銀行の株主および 追加的株式構成要素投資家に帰属する 連結損失
は、前年同期の－ 107 百万ユーロに対し、 － 394 百万ユーロとなった。
1 株当たりの営業利益は 0.46 ユーロで、 1 株当たりの利益は－ 0.43 ユーロであった。前年同期の対応する数値は
それぞれ－ 0.06 ユーロと－ 0.12 ユーロであった。
コメルツ銀行グループの貸借対照表
2021 年 6 月 30 日現在のコメルツ銀行グループの総資産は、 5,436 億ユーロで、 2020 年 末から 7.3 ％増加した。
手元現金および要求払現金は 305 億ユーロ増加し、 1,061 億ユーロとなった。 2020 年末と比較して大幅に増加し
たのは、預金受入による流動性資産の運用および余剰流動性により、中央銀行に預け入れている要求払預金が増
加したことが主な要因である。
償却原価で測定される金融資産は、 2020 年 末と比較して 27 億ユーロの微増で 2,949 億ユーロとなった。個人向け
住宅ローンを中心に個人顧客向け融資が増加したが、相応して、海外顧客向けの融資事業が減少した。
その他の包括利益を通した公正価値により測定されるカテゴリーにある金融資産は、 2020 年 末から 15 億ユーロ
減となる 414 億ユーロであった。 3.5 ％の減少は、債務証券の数量が減少したことによる。
損益を通して公正価値で測定することが義務付けられている金融資産は 385 億ユーロで、 前年末に比べ 98 億
ユーロ増加した。この増加は主に、逆レポや現金担保などによる担保付短期金融市場取引の数量が増加したこと
による。
トレーディング目的で保有する金融資産は、当報告日（ 2021 年 6 月 30 日をいう。以下同じ。）現在で 493 億ユー
ロとなり、 2020 年 末に比べて 29 億ユーロ減少した。これは主に、デリバティブのプラスの公正価値が減少したこ
とによる。金利商品および通貨関連商品のプラスの公正価値が合計で 88 億ユーロの大幅な減少となった一方で、
債務証券は 28 億ユーロ、その他のトレーディング・ポートフォリオは 12 億ユーロ増加した。
売却目的で保有する固定資産および処分対象グループ は、 2020 年 末の 20 億ユーロに対して 18 億ユーロであっ
た。 この減少は、ソシエテ・ジェネラルへの EMC 部門の売却に関連するポートフォリオの移転に起因した。
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負債側では、 償却原価で測定する金融負債は 、前年末比 280 億ユーロ増の 4,257 億ユーロとなった。これは、特
に銀行や中央銀行からの預金やその他の金融負債が大幅に増加したことに加えて、法人顧客や金融サービス業者
から高額な現金流入があったことに起因する。
公正価値オプションに基づく金融負債は、 2020 年 末比で 156 億ユーロ増の 357 億ユーロとなった。発行債券が
2020 年 末と同水準の 22 億ユーロであった一方、預金は 155 億ユーロ増加した。 この増加は主に、顧客および銀行か
らの預金の増加によるものである。
売買目的で保有する金融負債は、 2020 年末比で 77 億ユーロ減の 351 億ユーロであった。この減少は、特に 金利
デリバティブ取引により、デリバティブ金融商品のマイナスの公正価値が101億ユーロ減少したことによった 。
処分対象グループの負債は、 2020 年末の 21 億ユーロに対し、 18 億ユーロであった。この減少は、ソシエテ・
ジェネラルへの EMC 部門の売却に関連するポートフォリオの移転に関連していた。
資本金
2021 年 6 月 30 日付の貸借対照表に計上されているコメルツ銀行の株主に帰属する資本金は 250 億ユーロで、 2020
年 末と比べて小幅に 2 億ユーロ増加した。
2021 年 6 月 30 日現在のリスク加重資産は 1,776 億ユーロで、 2020 年 末より 10 億ユーロ減少した。これは主に、信
用リスクによるリスク加重資産と市場リスクによるリスク加重資産の間に相殺効果が働いたことによる。信用リ
スクによるリスク加重資産の増加が比較的小さかったのは、主にエムバンクでの増加、新しい規制要件（資本要
求規制、 CRR2 ）の実施、規制上のカウンターパーティ・リスクに対するモデルの調整、および為替の影響による
もので、企業ポートフォリオの減少により一部相殺された。市場価格リスクによるリスク加重資産の減少は、高
リスクのコロナウィルスのシナリオを計算から除外したことによる。オペレーショナル・リスクによるリスク加
重資産は、 2020 年 末と比べてほぼ横ばいであった。
当報告日現在の普通株式等 ティア１ 資本は 2020 年 12 月 31 日現在の 236 億ユーロに対して 237 億ユーロであった。
若干の増加は、主に年金制度の数理計算上の利益と外貨換算積立金の変動による。これらは、会計年度に計上さ
れた損失および規制資本控除額の増加により一部相殺された。その結果、普通株式ティア１比率は 13.4 ％となっ
た。当報告日現在のティア１比率（経過措置適用）は、 2021 年 上半期に AT1 債を発行したことから、 2020 年 末現
在の 15.0 ％から 15.3 ％に上昇した。総資本比率（経過措置適用）は、当報告日現在 17.9 ％であった。
当報告日現在で適用されている CRD IV/CRR 規則に基づくレバレッジ比率（ティア１資本をレバレッジ比率の
エクスポージャーで除したもの）は 4.6 ％であった（経過措置適用）。
当行はすべての規制要件を充足している。
資金調達および流動性
コメルツ銀行は、当報告期間を通じ常に短期金融市場および資本市場を利用することが可能であり、その流動
性および支払能力も常に適正であった。さらに、コメルツ銀行の流動性管理は常に新しい市場状況に迅速に対応
することが可能である。コロナウィルスのパンデミックによる不確実性が継続する状況にあっても、当行の流動
性状況は安定しており、内部限度と適用される規制要件の両方に準拠している。
コメルツ銀行グループは、 2021 年上半期に資本市場で合計 12 億ユーロの長期資金を調達した。
2021 年 6 月 に、コメルツ銀行は、 追加的ティア1資本 の発行プログラムにおいて、発行額 500 百万ユーロ、年
4.25 ％の固定利付の第 3 回 AT1 債を発行した。
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この債券は永久債で、最初の償還請求日は 2027 年 10 月 から 2028 年 4 月 の期間に到来する。債券の要項には、当
行の普通株式ティア１比率が 5.125 ％を下回った場合、一時的に評価を切り下げることが規定されている。 当該発
行は、大幅な申込超過となり、 外国人投資家から大きな関心を集め、需要の 90 ％以上を占めた 。 債券の発行によ
り、コメルツ銀行は資本構造のさらなる強化と最適化を図っていく。
コメルツ銀行は、既に 3 月に 500 百万ユーロの優先シニア債券を発行している。このベンチマーク債の償還期限
は 4 年 半で、再発行スプレッドは 6 ヶ月物ユーリボーに対して 48 ベーシスポイントであった。当該発行は外国人投
資家に人気があり、申込みの 70 ％を占めた。発行額の約 4 分の 3 はファンドに、 17 ％は銀行に、 5 ％は中央銀行に対
し発行された。また、約 2 億ユーロの優先シニア債券が私募債として発行された。
シニア無担保債の平均発行期間は 4 年以上であった。
ユーロ圏の金融市場は、引き続き、コロナウィルスのパンデミックとその影響を大きく受けた。
ECB は、 ユーロ圏の景気後退とそれに伴う金融セクターへの影響に対処するために、 2020 年 3 月 に決定した包
括的な措置を依然として実施している段階である。 TLTRO III プログラムの下、 ECB は 2020 年 に約 1 兆 3,000 億ユー
ロの追加流動性を銀行に提供した。 12 月 に ECB が、 2021 年 3 月 から適格債権ポートフォリオの参加上限を 50 ％から
55 ％に拡大することを発表した後、コメルツ銀行はこのオプションを利用して、さらに参加を 36 億ユーロ増加し
た。 その結果、現在の参加総量は 359 億ユーロとなり、 可能な限りの最大量となっている。主要な資金供給オペ、
限界融資枠、預金枠の金利は変更されなかった。
2021 年 上半期末現在、当行は 極めて流動性の高い資産の形で 1,174 億ユーロの流動性準備金を保有していた。流
動性準備金のポートフォリオは、ストレス状況のバッファーとしての機能を果たしている。流動性準備金は、取
締役会が定めた準備期間全体を通して必要な金額が維持されるよう、流動性リスクの選好度に応じて資金調達さ
れる。この流動性準備金の一部は、ストレス事由が発生した場合に流動性の流出を補い、支払能力を常時確保す
るために、グループ・トレジャリー部門が管理する独立したストレス流動性準備金ポートフォリオに保管されて
いる。
また、当行は日中の流動性準備金ポートフォリオも保有しており、当報告日現在の同ポートフォリオの総額は
61 億ユーロであった。
コメルツ銀行の 流動性カバレッジレシオ（LCR）は 142.8 ％（過去 12 カ月間の月末平均値）で、 LCR の最低基準と
なる100％を大きく上回っていた。 したがって、当四半期末のコメルツ銀行の流動性状況は、慎重かつ先見的な資
金調達戦略により、安定している。
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セグメント報告
2021 年 上半期の各セグメントの業績に関する記載は、 2020 年 度英文年次報告書の 89 ページおよび 276 ページ以
降に記載されているセグメント構成に基づいている。
前年の数値の再表示に関するさらなる詳細と説明は、中間財務書類の注記 40 に記載されている。
個人顧客および小規模事業顧客セグメント
2020 年 1 月１日
2021 年 1 月１日
ユーロ（百万） 変動率（％）
1)
注
から６月 30 日
から６月 30 日
2,458 2,492 -1.4
リスク損益控除前収益
-126 -313 -59.7
リスク損益
1,717 1,723 -0.3
営業費用
227 201 12.8
強制拠出金
388 254 52.4
営業利益／損失
5,994 5,661 5.9
平均投下資本（百万ユーロ）
12.9 9.0 3.9
営業株主資本利益率（％）
69.9 69.2 0.7
営業費用／収益率（％）（強制拠出金を除く。）
79.1 77.2 1.9
営業費用／収益率（％）（強制拠出金を含む。）
注1）IFRS第8号第29項により数字は調整された（中間財務書類の注記40参照）。
個人顧客および小規模事業顧客セグメントは、依然として非常に厳しい営業環境にもかかわらず、 2021 年 上
半期の営業利益は前年同期比で 133 百万ユーロ改善し、 388 百万ユーロとなった。 営業収益、営業費用ともに基本
的には安定していたが、強制拠出金の大幅な増加があった。収益改善の主な要因となったのはリスク損益で、半
分を大幅に下回る－ 126 百万ユーロとなった。
当報告期間中の当セグメントのリスク控除前の総収益は、前年同期の 2,492 百万ユーロとほぼ同水準の 2,458 百
万ユーロであった。 純利息収益は、前年同期比 81 百万ユーロ減の 1,229 百万ユーロとなった。 これは、個人向け住
宅ローンや個人向けローンを中心とする国内貸付事業の継続的な取扱高の増加による増益があったものの、預金
事業の利息収益に対する継続的な強い圧力を完全に相殺することはできなかったためである。エムバンクも同様
で、前年にポーランド中央銀行が実施した金利引き下げの悪影響により前年に引き続きローンおよび預金残高の
拡大が相殺され、預金事業はマイナスの影響を受け、特に純利息収益の純減につながった。
純手数料収益は、当報告期間も最も強力な収益のけん引役となり、前年同期比 139 百万ユーロ増の 1,228 百万
ユーロとなった。 ドイツでは、証券事業における顧客活動が引き続き活発であったことが、取引量の大幅な増加
に反映され、この収益項目に一部貢献した。また、エムバンクの大幅な増益は、法人顧客向けの年末預金手数料
の増加や、個人顧客および法人顧客向け商品の価格の変更に支えられた証券事業による。
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その他の収益要素のうち、公正価値の損益は、エムバンクにおけるプラスの再測定効果により、 30 百万ユー
ロ増の 128 百万ユーロと大幅に改善したが、その他の純利益が 2020 年 上半期の－ 30 百万ユーロから－ 150 百万ユー
ロにマイナスが拡大したことで相殺された。この項目には、エムバンク発行の外貨建て住宅ローンに関連した追
加の引当金や、個人顧客との価格変更に関する連邦裁判所の判決に関連した引当金が含まれている。
リスク損益は、前年同期の－ 313 百万ユーロから－ 126 百万ユーロへと大幅に減少した。前年同期にはコロナ
ウィルスのパンデミックの影響に関連した貸倒引当金が計上されていたが、当年度はこれまでのところ、大幅に
低い水準の貸倒引当金しか計上されていない。
当報告期間の営業費用は、ドイツおよびエムバンクでは為替の変動によるわずかな減少にとどまり、前年同
期とほぼ同水準の 1,717 百万ユーロであった。 一方、強制拠出金の総額は大幅に増加し、前年同期の 201 百万ユー
ロから 227 百万ユーロに増加した。特に、ドイツの預金保護基金の費用が急増したことが当行に影響した。一方、
エムバンクは、主に欧州銀行税の拠出額が減少したことにより、純減となった。
個人顧客および小規模事業顧客セグメント全体の税引前利益は、前年同期の 254 百万ユーロに対し、 当報告期間
は 388 百万ユーロとなった。
コーポレート顧客セグメント
2020 年 1 月１日
2021 年 1 月１日
ユーロ（百万） 変動率（％）
1)
注
から６月 30 日
から６月 30 日
1,596 1,524 4.7
リスク損益控除前収益
-39 -455 -91.3
リスク損益
1,121 1,158 -3.2
営業費用
95 106 -10.2
強制拠出金
340 -196 .
営業利益／損失
10,126 11,488 --11.9
平均投下資本（百万ユーロ） (通常の業務からの )
6.7 -3.4 10.1
営業株主資本利益率（％）
70.3 76.0 -5.8
営業費用／収益率（％）（強制拠出金を除く。）
76.2 83.0 -6.8
営業費用／収益率（％）（強制拠出金を含む。）
注1）IFRS第8号第29項により数字は調整された（中間財務書類の注記40参照）。
2021 年 上半期のコーポレート顧客セグメントの業績は、引き続き厳しい市場環境、特に、コロナウィルスの
パンデミックの継続とその経済的影響および依存から生じる不確実性の影響を受けた。対照的に、資本市場で
は、経済への期待と利用可能な流動性が改善された結果、記録的な資金流入があった。しかしながら、マイナス
の金利環境は、特にドイツの顧客事業において、利ざやを圧迫した。
コーポレート顧客セグメントの営業損益は、前年同期の－ 196 百万ユーロの損失に対し、 2021 年 上半期は 340
百万ユーロの利益を計上した。前年同期の数値には、信用リスクに対する高額の評価引当金と、再測定効果の大
幅な減少が含まれていた。
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ミッテルシュタント部門は、全体として前年同期に比較して安定した収益を記録した。貸出事業およびキャッ
シュ・マネジメント事業の収益は減少したが、資本市場事業の収益は前年年初の数ヶ月に比較して大幅に増加し
た。 国際的企業 部門は、貸出事業および資本市場事業からの収益が減少したことにより、全体として減益となっ
た。機関部門は、資本市場、貸出および貿易金融事業からの収益が前年同期比で減少した。一方、コロナウィル
スのパンデミックによる信用スプレッドの大幅な拡大とマイナスの再測定効果による影響を受けたその他部門
は、顕著な回復を見せ、前年同期に比べ大幅な収益の改善を記録した。
2021 年 上半期のリスク損益控除前利益は、前年同期比 72 百万ユーロ増加し、 1,596 百万ユーロとなった。 純利
息収益は前年同期比 4.2 ％減の 838 百万ユーロで、純手数料収益は前年同期の 599 百万ユーロと同水準の 601 百万
ユーロであった。 損益を通して公正価値で測定される金融資産および負債の純利益は大幅に改善して 178 百万ユー
ロとなった。 これは前年同期比 140 百万ユーロの大幅な増加であった。
コーポレート顧客セグメントの当報告期間のリスク損益は、コロナウィルスのパンデミックや大型の個別の
エクスポージャーのデフォルトの影響を受けた前年同期の－ 455 百万ユーロに対し、 － 39 百万ユーロとなった。
営業費用は 1,121 百万ユーロで、前年同期比 37 百万ユーロの減少となった。この減少は、厳格なコスト管理に
より達成した人件費および管理費の減少によるものであった。報告されている 95 百万ユーロの強制拠出金は、主
に欧州銀行税に関連している。前年は 106 百万ユーロの強制拠出金を計上した。
当セグメント全体では、継続事業に係る税引前損益は、前年上半期が－ 196 百万ユーロの損失であったのに対
し、当上半期は 340 百万ユーロの利益であった。
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その他・連結セグメント
その他・連結セグメントには、各事業セグメントに帰属しない収益および費用が含まれる。「その他」セグ
メントの情報は、グループ・トレジャリー部門、各事業セグメントに割り当てられない出資持分、規制費用など
のグループ全体にかかる特定の個別の事項から構成される。「連結」は、セグメント情報に記載された数値と国
際財務報告基準（ IFRS ）に従った連結財務書類との調整を示している。各セグメントに計上されるスタッフおよ
び管理・支援機能の費用もまた、当セグメントに表示される。これら支援機能とスタッフおよび管理機能の再編
費用は、各部門でまとめて計上されるため、費用移転の対象にならない。
2021 年 上半期のその他・連結セグメントの営業損益は、前年同期の－ 132 百万ユーロの損失に対し － 158 百万
ユーロの損失となった。
この減少は主に、 HSBC トランザクション・サービス GmbH への証券決済の委託プロジェクトの終了による収
益へのマイナスの影響による。また、収益は、引当金の計上と戻入れ、解散した資産および資本回収セグメント
の残存ポートフォリオに対する貸倒引当金の純額の増加、および連結調整からの純額のマイナス効果によっても
打撃を受けた。これは、 2020 年 上半期と比較して、有価証券投資からの収益および流動性ポートフォリオの債券
売却からの収益が増加したグループ・トレジャリー部門の好業績によって一部相殺された。また、ヘッジ会計の
適用による銀行勘定ポートフォリオからの利益と、非戦略的レガシーポートフォリオにおけるカウンターパー
ティ・リスクの改善による再測定効果もあった。その他・連結セグメントでは、特に ECB の TLTRO プログラムか
らの収益が発生したことに加え、とりわけ投資の純再測定効果が収益にプラスの影響を与えた。
その他・連結セグメントは、 2021 年 上半期に－ 1,133 百万ユーロの税引前損失を計上した。この数値には、コメ
ルツ銀行の新戦略プログラムの実施に関連する 976 百万ユーロの事業再編費用が含まれている。
4 【経営上の重要な契約等】
2021年6月30日に提出した有価証券報告書の記載から重大な変更はなし。
5 【研究開発活動】
該当事項なし。
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第４ 【設備の状況】
1 【主要な設備の状況】
（単位：百万ユーロ（億円））
2020 年 12 月 31 日 2021 年 6 月 30 日
（コメルツ銀行グループ）
3 04 270
土地および建物
(394 ) (350 )
1,923 1,787
使用権（リース）
(2,494 ) (2,318 )
1,906 1,755
土地および建物
(2,472 ) (2,276 )
18 33
什器および備品
(23 ) (43 )
406 401
什器および備品
(527 ) (520 )
575 558
リース備品
(746 ) (724 )
3,208 3,017
合計
(4,160 ) (3,913 )
2 【設備の新設、除却等の計画】
該当事項なし。
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第５ 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
無額面株式 1,252,357,634 株（ 2021 年 6 月 30 日現在）
② 【発行済株式】
（ 2021 年 6 月 30 日現在）
記名式・無記名式の別 上場証券取引所または
種 類 発 行 数
額面・無額面の別 登録証券協会の名称
フランクフルト・アム・マイン（主
1,252,357,634 株 要銘柄部門 )
無記名式無額面株式 普通株式
(2) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。（当行は、行使価額修正条項付新株予約権付社債券を発行していない。）
(3) 【発行済株式総数及び資本金の状況】
（ 2021 年 6 月 30 日現在）
発行済株式総数（株） 資 本 金（ユーロ（百万円））
年 月 日 備 考
増減数 残 高 増減額 残 高
1,252,357,634
1,252,357,634
2020 年 12 月 31 日
－ － －
(162,418 )
1,252,357,634
1,252,357,634
2021 年 6 月 30 日
－ － －
(162,418 )
(4) 【大株主の状況】（ 2021 年 6 月 30 日現在、株式資本／議決権の 1 ％超）
ドイツ連邦共和国（ 15.60% ）
サーベラス（ 5.01 ％）
ブラックロック・グループ（ 5.08 ％）
キャピタル・グループ（ 5.31 ％）
ノルウェー銀行（ 3.60 ％）
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2 【役員の状況】（本報告書提出日現在）
次表は本報告書提出日現在の役員の状況である。
(取締役会 )
男性取締役4名および女性取締役2名(女性取締役の割合：33.3％)
略歴／所有
氏名 役職(担当)
1 ）
株式数（普通株式）
1965 年 8 月 19 日生
ドクター・マンフレッド・クノッフ 取締役会会長 20 21 年 入行
20 21 年 取締役就任
2）
取締役会副会長
1970 年6月3日生
ドクター・ベッティナ・オルロップ 2014 年入行
チーフ・フィナンシャル・オ
2017 年取締役就任
フィサー
1972 年5月13日生
ドクター・マルクス・クロミク チーフ・リスク・オフィサー 2009 年入行
2016 年取締役就任
1970 年 7 月 24 日生
チーフ・オペレーティング・オ
ヨルグ・ヘッセンミューラー 2009 年 入行
2）
フィサー
20 19 年 取締役就任
1968 年 5 月 12 日生
ミヒャエル・コッツバウワー コーポレート顧客 1990 年 入行
20 21 年 取締役就任
1965 年8月1日生
個人顧客および小規模事業顧客
ザビーネ・シュミットロス 2009 年入行
2）
人事
2020 年取締役就任
注1) 全取締役が所有する株式の合計額がコメルツ銀行株式の発行総額の1%未満のため、ドイツ法上、各取締役の所有株式数
を開示する必要がないので、開示されていない。
注2）2021年6月16日に開催されたコメルツ銀行の監査役会は、「戦略2024」プログラムにより導入が開始された広範囲にわ
たる変革において、コメルツ銀行の取締役会をさらに強化し、その長期的な継続性と安定性を確保するための重要な方
針を決定した。ドクター・ベッティナ・オルロップは、2021年6月17日付で取締役会副会長に選任された。また、ザ
ビーネ・シュミトロスは、今後、再び人事部門担当取締役としての役割に専念することになる。コメルツ銀行の事業再
編プログラムに伴う人事上の課題を考慮すると、人事部門の重要性はこれまで以上に高まっている。同氏は、2020年秋
に就任した個人顧客および小規模事業顧客セグメント担当取締役の地位を退任することになった。コメルツ銀行の長期
的な成功のために重要な、取締役会の当該空席を埋めるためのプロセスが開始された。
2021 年 9月15日に開催されたコメルツ銀行の監査役会で、「戦略2024」に基づいて策定された広範囲にわたる変革のた
めに、取締役会を強化するための人事決定が行われた。現在オーストリアのエルステ・グループ・バンクAGのリテー
ル・バンキング担当取締役であるトーマス・シャウフラーが、2022年1月1日よりコメルツ銀行の個人顧客および小規模
事業顧客担当の責任者となる。なお、トーマス・シャウフラーの取締役就任については、規制当局による通常の承認が
必要となる。2021年6月に発表したとおり、サビーネ・シュミットロスは、人事部門担当取締役としての職務に全面的
に復帰する。また、監査役会は、ドクター・ヨルグ・オリヴェリ・デル・カスティロ・シュルツを新たなチーフ・オペ
レーティング・オフィサーとして取締役に任命した。同氏の任命には、規制当局による通常の承認が必要である。承認
が得られれば、遅くとも2021年12月31日までにコメルツ銀行の取締役としての任期を終える予定のヨルグ・ヘッセン
ミューラーの任務を引き継ぐことになる。
注3) 取締役の任期は最長5年。再任又は任期の延長はそれぞれ5年を限度として認められている。
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(監査役会 )
男性監査役11名および女性監査役9名(女性監査役の割合：45％)
3)
2 )
氏名
監査役選任の時期
役職 ( 担当 ) ／所有株式数（普通株式）
ヘルムート・ゴットシャルク 監査役会会長 2021 年
監査役会副会長
1 ）
2003 年
ウーヴェ・チェーゲ
コメルツ銀行従業員
1 ）
コメルツ銀行従業員 2017 年
ハイケ・アンシャイト
1 ）
コメルツ銀行従業員 2018 年
アレクサンダー・ブルザノフ
1）
コメルツ銀行従業員 2013 年
グンナール・デ・ビュール
コメルツ銀行従業員
1）
ミッテルシュタントバンク 2013 年
ステファン・ブルグハルト
ブレーメン支店長
ドイツ復興金融公庫グループの前上級副社
ドクター・フランク・チコウスキー 2020 年
長、トレジャラー
ザビーネ U.ディートリッヒ
BP ヨーロッパSEの前取締役 2015 年
ドクター・ユッタ・A.デンゲス ドイツ連邦共和国金融庁GmbH執行役 2020 年
1 ）
コメルツ銀行従業員 2018 年
モニカ・フィンク
1 ）
コメルツ銀行従業員 2018 年
クリスチャン・ヘーン
全国執行労働組合共同決定部長
1 ）
(Vereinte Dienstleistungsgesellschaft
2018 年
ケルスティン・イェルケル
ver.di)
ブルクハルト・キース ロイズ・オブ・ロンドンの最高財務責任者 2021 年
鉱業・化学・エネルギー産業管理組合管理
1）
責任者 (Industriegewerkschaft Bergbau,
2008 年
アレクサンドラ・クリーガー
Chemie, Energie)
弁護士、ヨーロピアン・センター・
ダニエラ・マシュウス フォー・ボード・エフィシェンシー共同経 2021 年
営パートナー
カロリーネ・ザイフェルト 変革のための経営コンサルタント 2021 年
ロビンJ.ストーカー アディダスAGの前執行役 2018 年
ドクター・ゲルトルード・タンペル・グー
欧州中央銀行役員会前理事 2012 年
ゲレル
フランク・ヴェストホフ DZ バンクAGの前取締役 2021 年
全国労働組合管理書記長 (Vereinte
1 ）
2018 年
ステファン・ヴィットマン
Dienstleistungsgesellschaft ver.di)
クラウス・ペーター・ミュラー 監査役会名誉会長 2018 年
注1) コメルツ銀行従業員による選任。
注2) 全監査役が所有する株式の合計額がコメルツ銀行株式の発行総額の1%未満のため、ドイツ法上、各監査役の所有株式数
を開示する必要がないので、開示されていない。
注3) 監査役として最初に選任された時期。
注4) 監査役の任期は最長5年。
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第６ 【経理の状況】
(1) 本書記載のコメルツ銀行グループの 2021 年中間会計期間（ 2021 年 1 月 1 日から 2021 年 6 月 30 日まで）の中間（連
結）財務書類は、ドイツ商法（ HGB ）第 315e 条、 2002 年 7 月 19 日付の欧州議会および欧州理事会による規則
（ EC ） No.1606/2002 （ IAS 規則）に従って作成された。国際会計基準審議会（ IASB ） により承認かつ公表された
国際財務報告基準（ IFRS ） に基づく一定の国際会計基準を採用するためのその他の規則および IFRS 解釈委員会
による当該規則の解釈も適用されており、とりわけ中間財務報告に関する IAS 第 34 号の要件に従っている。 2021
会計年度に EU で適用が義務付けられる全ての基準および解釈を適用している。 2022 年 以降に適用が義務付けら
れる基準および解釈は適用していない。
本書記載の中間財務書類は、「中間財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」（「中間財務諸表規
則」）第 76 条第１項の規定の適用を受けている。ドイツと日本における中間財務書類の作成基準および表示方法
の主要な相違は、「２ その他（３）国際財務報告基準と日本の会計原則との相違」に記載されている。円換算
額および「２ その他（１）後発事象に関する報告と（３）国際財務報告基準と日本の会計原則との相違」の事
項は原文の中間財務書類には記載されていない。
(2) 本書記載の中間財務書類には、中間財務諸表規則に基づき、原文の中間財務書類中のユーロ表示の金額のうち
主要なものについて円換算額が併記されている。
(3) コメルツ銀行グループの中間財務書類は、ユーロで表示されている。以下の中間財務書類で表示されている
円金額は、 2021 年 ８月 31 日現在の株式会社三菱 UFJ 銀行の対顧客電信売買相場の仲値である１ユーロ＝ 129.69 円
の換算レートで換算されたものである。
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１【中間財務書類】
(1) 包括利益計算書
損益計算書
当中間会計期間 前中間会計期間
2020 年 1 月 1 日－
注記
2021 年 1 月 1 日－
注 1 ）
2021 年 6 月 30 日
2020 年 6 月 30 日
変動率
（％）
百万ユーロ 億 円 百万ユーロ 億 円
2,977 3,861 3,509 4,551 -15.2
(7)
実効金利 法 適用の受取利息
(7) 641 831 490 635 30.7
実効金利法非適用の受取利息
(7) 3,618 4,692 3,999 5,186 -9.5
受取利息
(7) 1,191 1,545 1,402 1,818 -15.0
支払利息
(7) 2,427 3,148 2,597 3,368 -6.6
純利息収益
(8) 7 9 13 17 -46.5
配当収益
(9) -235 -305 -795 -1,031 -70.4
リスク 損益
(10) 2,121 2,751 1,972 2,557 7.6
受取手数料
(10) 318 412 303 393 4.9
支払手数料
(10) 1,803 2,338 1,668 2,163 8.1
純手数料収益
損益を通して公正価値で測定され
(11) 485 629 -141 -183 .
る金融資産および負債 に係る純利
益
(12) -52 -67 64 83 .
ヘッジ会計に係る純利益
金融商品に係るその他の実現雑
33 43 28 36 19.6
損益
「金融資産－償却原価」の売却
-17 -22 -13 -17 26.5
損益
(13) 17 22 15 19 13.3
金融商品に係るその他の純利益
2 3 5 6 -51.3
持分法適用会社の当期純利益
(14) -335 -434 -97 -126 .
その他の純利益
(15) 3,173 4,115 3,030 3,930 4.7
営業費用
(16) 375 486 374 485 0.4
強制拠出金
(17) 976 1,266 - - .
事業再編費用
-406 -527 -74 -96 .
継続事業に係る税引前損益
(18) -43 -56 62 80 .
所得税
-363 -471 -136 -176 .
継続事業に係る連結損益
- - 50 65 .
中止事業 に係る 連結損益
-363 -471 -86 -112 .
連結損益
31 40 21 27 45.5
非支配持分に帰属する連結損益
コメルツ銀行株主 および追加的資
-394 -511 -107 -139 .
本構成要素投資家 に帰属する連結
損益
注 1） 修正 再表示により前年の数値は調整された（注記３参照）。
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当中間会計期間 前中間会計期間
2020 年 1 月 1 日－
注記
2021 年 1 月 1 日－
注 1 ）
2021 年 6 月 30 日
2020 年 6 月 30 日
変動率
（％）
ユーロ 円 ユーロ 円
(19) -0.43 -56 -0.12 -16 .
１株当たり利益
注 1） 修正 再表示により前年の数値は調整された（注記３参照）。
IAS 第 33 号に従って算出される１株当たり利益は、コメルツ銀行株主に帰属する連結損益に基づいている（注記
19 参照）。前会計年度または当会計年度のいずれにも転換権またはオプション権は残存しなかったため、希薄化後
１株当たりの数値は希薄化前利益の数値と一致していた。
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要約 包括利益計算書
当中間会計期間 前中間会計期間
2020 年 1 月 1 日－
2021 年 1 月 1 日－
注 1 ）
2021 年 6 月 30 日
2020 年 6 月 30 日
変動率
（％）
百万ユーロ 億 円 百万ユーロ 億 円
-363 -471 -86 -112 .
連結損益
損益計算書に認識されない確定給付制度
682 884 337 437 .
の再測定による変動
持分金融商品（ FVOCIoR ）の再測定によ
る変動
- - -1 -1 .
利益剰余金への再分類
- - -3 -4 .
損益計算書に認識されない価値の変動
損益計算書に認識されない 「負債－公正
-32 -42 90 117 .
価値オプション」の 自己の信用 スプレッ
ド（ OCS ） の変動
.
損益計算書に認識されない 土地および建
3 4 - -
物 の再評価の変動
653 847 423 549 54.4
損益を通してリサイクルできない項目
債務証券（ FVOCImR ）の再評価の変動
-41 -53 -17 -22 .
損益計算書への再分類
-28 -36 -54 -70 -47.4
損益計算書に認識されない価値の変動
キャッシュ・フロー・ヘッジ積立金の変
動
1 1 1 1 12.7
損益計算書への再分類
-52 -67 77 100 .
損益計算書に認識されない価値の変動
外貨換算積立金の変動
- - 1 1 .
損益計算書への再分類
140 182 -225 -292 .
損益計算書に認識されない価値の変動
- - - -
純投資 ヘッジ による評価効果
- - - -
損益計算書への再分類
-3 -4 - -
損益計算書に認識されない価値の変動
売却目的で保有する固定資産および処分
対象グループによる変動
- - - - .
損益計算書への再分類
- - - - .
損益計算書に認識されない価値の変動
-1 -1 -0 -0 .
持分法適用会社の変更
16 21 -218 -283 .
損益を通してリサイクル可能な項目
669 868 205 266 .
その他の包括利益
306 397 118 153 .
包括利益合計
11 14 7 9 43.1
非支配持分に帰属する包括利益
コメルツ銀行株主 および追加的資本構成要
295 383 111 144 .
素投資家 に帰属する包括利益
注 1） 修正 再表示により前年の数値は調整された（注記３参照）。
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上半期のその他の包括利益の内訳は、以下のとおりであった。
当中間会計期間 前中間会計期間
2020 年 1月 1日ー
2021 年 1月 1日ー
その他の包括利益
1）
注
2021 年 6月 30 日
2020 年 6月 30 日
税引前 税金 税引後 税引前 税金 税引後
百万ユーロ 百万ユーロ 百万ユーロ 百万ユーロ 百万ユーロ 百万ユーロ
(億円 ) (億円 ) (億円 ) (億円 ) (億円 ) (億円 )
-41 10 -32 101 -10 90
「負債－公正価値オプション」の 自己
(-53) (13) (-42) (131) (-13) (117)
の信用 スプレッド（ OCS ） の変動
- - - -5 0 -5
持分金融商品（ FVOCIoR ）の再測定に
(-) (-) (-) (-6) (0) (-6)
よる変動
996 -314 682 505 -168 337
確定給付制度の再測定による変動
(1,292) (-407) (884) (655) (-218) (437)
3 -1 3
土地および建物の再評価の変動 該当なし 該当なし 該当なし
(4) (-1) (4)
-81 11 -70 -94 22 -71
債務証券（ FVOCImR ）の再評価の変動
(-105) (14) (-91) (-122) (29) (-92)
-63 12 -50 97 -19 78
キャッシュ・フロー・ヘッジ積立金の
(-82) (16) (-65) (126) (-25) (101)
変動
-4 2 -3
純投資ヘッジによる変動 該当なし 該当なし 該当なし
(-5) (3) (-4)
140 -0 140 -225 0 -225
外貨換算積立金の変動
(182) (-0) (182) (-292) (0) (-292)
- - - - - -
売却目的で保有する固定資産および処
(-) (-) (-) (-) (-) (-)
分対象グループによる変動
-1 - -1 -0 - -0
持分法適用会社の変更
(-1) (-) (-1) (-0) (-) (-0)
949 -280 669 379 -175 205
その他の包括利益
(1,231) (-363) (868) (492) (-227) (266)
注 1） 修正 再表示により前年の数値は調整された（注記３参照）。
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(2) 貸借対照表
当中間会計期末 前事業年度末
変動率
注 1 ）
2021 年 6 月 30 日
注記
2020 年 12 月 31 日
（％）
百万ユーロ 億 円 百万ユーロ 億 円
［資 産］
106,075 137,569 75,603 98,050 40.3
手元現金および要求払現金
(20) 294,870 382,417 292,142 378,879 0.9
金融資産－償却原価
1,459 1,892 1,037 1,345 40.7
内差入れ担保
金融資産－その他の包括利
(22) 41,366 53,648 42,862 55,588 -3.5
益を通した公正価値
4,550 5,901 2,299 2,982 97.9
内差入れ担保
金融資産－損益を通した
(24) 38,456 49,874 28,677 37,191 34.1
（強制的）公正価値
- - - - .
内差入れ担保
(25) 49,250 63,872 52,176 67,667 -5.6
金融資産－売買目的保有
2,506 3,250 715 927 .
内差入れ担保
ポートフォリオ公正価値
765 992 1,752 2,272 -56.3
ヘッジの評価調整
デリバティブ・ヘッジ商品
903 1,171 1,878 2,436 -51.9
の正の公正価値
170 220 169 219 0.4
持分法適用会社の持分
(31) 1,211 1,571 1,420 1,842 -14.7
無形資産
(32) 3,017 3,913 3,208 4,160 -6.0
固定資産
41 53 13 17 .
投資不動産
売却目的で保有する固定資
(34) 1,809 2,346 2,040 2,646 -11.3
産および処分対象グループ
224 291 130 169 71.8
当期税金資産
2,715 3,521 2,693 3,493 0.8
繰延税金資産
(36) 2,771 3,594 1,851 2,401 49.7
その他の資産
543,643 705,051 506,613 657,026 7.3
合 計
注 1） 修正 再表示により前年の数値は調整された（注記３参照）。
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当中間会計期末 前事業年度末
変動率
注 1 ）
2021 年 6 月 30 日
注記
2020 年 12 月 31 日
（％）
百万ユーロ 億 円 百万ユーロ 億 円
［負債および資本］
(21) 425,695 552,084 397,725 515,810 7.0
金融負債－償却原価
金融負債－公正価値オプショ
(23) 35,688 46,284 20,104 26,073 77.5
ン
(26) 35,146 45,581 42,843 55,563 -18.0
金融負債－売買目的保有
ポートフォリオ公正価値ヘッ
852 1,105 1,412 1,831 -39.7
ジの評価調整
デリバティブ・ヘッジ商品の
5,471 7,095 5,893 7,643 -7.1
負の公正価値
(38) 3,952 5,125 3,119 4,045 26.7
引当金
628 814 448 581 40.2
当期税金債務
27 35 10 13 .
繰延税金債務
(35) 1,847 2,395 2,051 2,660 -9.9
処分対象グループの負債
(37) 5,088 6,599 4,434 5,750 14.7
その他の債務
29,249 37,933 28,574 37,058 2.4
資本金
1,252 1,624 1,252 1,624 -
払込済資本金
11,484 14,894 11,484 14,894 -
資本準備金
12,708 16,481 12,576 16,310 1.1
利益剰余金
その他の準備金（リサ
-439 -569 -476 -617 -7.8
イクリングあり）
コメルツ銀行株主に帰属
25,005 32,429 24,836 32,210 0.7
する 資本金
3,114 4,039 2,619 3,397 18.9
追加的資本構成要素
1,129 1,464 1,119 1,451 0.9
非支配持分
543,643 705,051 506,613 657,026 7.3
合 計
注 1） 修正 再表示により前年の数値は調整された（注記３参照）。
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(3) 資本金変動計算書
その他の準備金
コメルツ
追加的
キャッ
利益 銀行株主
非支配
資本構成 資本金
払込済 資本
シュ・ 外貨
剰余金 に帰属す
百万ユーロ（億円） 持分
再評価
要素 注1)
資本金 準備金
フロー・ 換算
注1) る 資本金
準備金
注2)
ヘッジ 積立金
注1)
積立金
1,252 17,192 10,211 10 -5 -174 28,487 1,296 30,667
2019 年 12 月 31日現在
885
(1,624) (22,296) (-6) (1,148)
(13,243) (13)
(-226) (36,945) (1,681) (39,772)
資本金 （修正再表示前）
- - -193 - - - -193 - - -193
修正再表示 による変動
-5
2020 年 1月 1日現在 -174 28,294 1,296 30,474
1,252 17,192 10,018 10 885
(1,624) (22,296) (1,148 )
(-6)
(12,992) (13)
(-226) (36,694) (1,681) (39,522)
資本金
- - 316 -86 53 -173 111 - 7 118
包括利益合計
- - -107 - - - -107 - 21 -86
連結損益
「負債－公正価値オプ
ション」の自己の信用
90 90 - 90
スプレッド (OCS) の変
動
確定給付制度の再測定
337 337 0 337
による変動
損益計算書に認識され
- - - -
ない土地および建物の
再評価の変動
持分金融商品
-4 -4 -1 -5
（ FVOCIoR ）の測定の
変動
債務証券 (FVOCImR) の
- - - -86 - - -86 - 14 -71
再評価の変動
キャッシュ・フロー・
- 53 - 53 - 25 78
ヘッジ積立金の変動
- -173 -173 - -52 -225
外貨換算積立金の変動
売却目的で保有する固
- - - - - -
定資産および処分対象
グループによる変動
- - -0 -0 - - -0
持分法適用会社の変更
- - - -0 -0
株式支払配当金
追加的ティア１商品の分
-48 -48 - -48
配金
-112 - - -112 -61 -173
所有持分の変動
3 - - 3 1,241 1 1,245
その他の変動
1,252 17,192 10,177 -75 48 -347 28,248 2,126 1,242 31,616
2020 年 6月 30 日現在
(1,624) (22,296) (2,757)
(62)
(13,199) (-97)
(-450) (36,635) (1,611) (41,003)
資本金
注 1） 修正 再表示により前年の数値は調整された（注記３参照）。
注 2） IFRS に基づき資本として分類される無担保劣後債である追加的ティア１債（ AT1 債）を含む。
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その他の準備金
追加的
コメルツ
キャッ
資本構成
払込済 資本 利益 銀行株主 非支配 資本金
シュ・フ 外貨
百万ユーロ（億円）
再評価
要素
資本金 準備金 剰余金 に帰属す 持分
ロー・ 換算
準備金
注1)
る 資本金
ヘッジ 積立金
積立金
1,252 11,484 12,602 96 42 -614 2,619
24,862 1,119 28,600
2020 年 12 月 31 日現在
(1,624) (14,894) (54) (-796) (3,397 )
(16,344) (125)
(32,244) (1,451) (37,091)
資本金
- - -26 - - - -26 - - -26
遡及的調整 による変動
1,252 11,484 12,576 96 42 -614 24,836 2,619 1,119 28,574
2021 年 1月 1日現在
(1,624) (14,894) (3,397 )
(54) (-796)
(16,310) (125)
(32,210) (1,451) (37,058)
資本金
258 -56 -34 127 295 - 11 306
包括利益合計
-394 -394 31 -363
連結損益
「負債－公正価値オプ
-32 -32 - -32
ション」の自己の信用
スプレッド (OCS) の変動
確定給付制度の再測定
682 682 - 682
による変動
損益計算書に認識され
2 2 1 3
ない土地および建物の
再評価の変動
持分金融商品
- - - - -
(FVOCIoR) の測定の変
動
債務証券 (FVOCImR) の
-56 -56 -14 -70
再評価の変動
キャッシュ・フロー・
- - - - -34 - -34 - -17 -50
ヘッジ積立金の変動
130 130 10 140
外貨換算積立金の変動
純投資ヘッジによる評
-3 -3 - -3
価効果
売却目的で保有する固
- - - - - -
定資産および処分対象
グループによる変動
-1 -1 - - -1
持分法適用会社の変更
- - -1 -1
株式支払配当金
追加的ティア１商品の分配
-140 -140 - -140
金
- - - -
所有持分の変動
14 14 496 0 510
その他の変動
1,252 11,484 12,708 40 9 -488 3,114
25,005 1,129 29,249
2021 年 6月 30 日現在
(1,624) (14,894) (4,039 )
(12) (-633)
(16,481) (52)
(32,429) (1,464) (37,933)
資本金
注 1） IFRS に基づき資本として分類される無担保劣後債である追加的ティア１債（ AT1 債）を含む。
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AT1 債
2020 年第２四半期にコメルツ銀行は、今後数年間にわたって額面金額 30 億ユーロを上限として劣後債を継続
的に発行することを可能にする追加的コア資本（「追加的ティア１資本（ AT1 ）」）の発行プログラムを開始
した。劣後 AT1 債は、 IFRS に基づき資本として分類され、発行費用を控除した後「追加的資本構成要素」の項
目に別個に表示された。当該 債券の要項には、コメルツ銀行の普通株式 ティア１ 比率（CET1比率）が 5.125 ％
を下回った場合、一時的に評価を切り下げることが規定されている。
額面金額 12.5 億ユーロの年率 6.125 ％の固定利付の AT1 債が、 2020 年第２四半期に発行された。当該債券には
定められた満期はなく、初回の繰上償還可能日は 2025 年 10 月に到来する。
2020 年 9 月、コメルツ銀行は第２回 AT1 債を順調に発行した。当該債券は、額面金額 500 百万ユーロで、 2030
年 ４月まで年率 6.5 ％の固定利付である。当該債券には定められた満期はなく、初回の繰上償還可能日は 2029
年 10 月から 2030 年 4 月の間に到来する。
2021 年 第２四半期 に、この発行プログラムの下で 第３回 AT1 債が順調に発行された 。当該債券は、額面金額
500 百万ユーロで、年率 4.25 ％の固定利付である。 当該 債券 には定められた満期はなく、初回の繰上償還可能
日は 2027 年 10 月から 2028 年 4 月の間に到来する。
その他の変更
2021 年 5 月 18 日の定時株主総会において、コメルツ銀行は 2020 会計年度に関して配当金を支払わないことを
決定した。
2021 年 6 月 30 日現在、売却目的で保有する資産および処分対象グループに よる「その他の準備金」への 重大
な 影響はなかった 。
当会計年度における外貨換算積立金の主な変動は、米ドル、ポーランド・ズロチ、英国ポンドおよびロシ
ア・ルーブルに起因する。新規に発行された AT1 債 に加えて、 その他の変動には、損益計算書に認識されない
税金による変動が含まれている。
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(4) キャッシュ・フロー計算書（要約版）
2021 年 2020 年
変動率
（％）
百万ユーロ 億 円 百万ユーロ 億 円
83.7
75,603 98,050 41,164 53,386
1 月 1 日現在現金および現金同等物
-22.9
31,621 41,009 41,035 53,218
営業活動による純現金額
13.7
-247 -320 -217 -281
投資活動による純現金額
.
-1,019 -1,322 1,950 2,529
資金調達活動による純現金額
-29.0
30,355 39,367 42,768 55,466
純現金額合計
.
116 150 -89 -115
換算レート変動による影響
26.5
106,075 137,569 83,843 108,736
6 月 30 日 現在現金および現金同等物
コメルツ銀行グループに関しては、キャッシュ・フロー計算書は非常に多くの情報を示してはいない。当行
にとって、キャッシュ・フロー計算書は流動性の計画や財務計画を代替するものではなく、また当行はそれを
経営手段として用いてもいない。
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重要な注記
一般情報
(1) 会計方針
コメルツ銀行グループは、ドイツのフランクフルト・アム・マインに本店を設置している。親会社は、フランク
フルト・アム・マインの地方裁判所の商業登記簿に登記番号 HRB32000 で登記された コメルツバンク・アクツィエ
ンゲゼルシャフトである。 2021 年 6 月 30 日現在のコメルツ銀行グループの中間財務書類は、ドイツ商法
（ Handelsgesetzbuch または HGB ）第 315 e 条および、 2002 年 7 月 19 日付の欧州議会および欧州理事会による規則
（ EC ） No.1606/2002 （ IAS 規則）に従って作成された。さらに、国際会計基準審議会（ IASB ） により承認かつ公表
された国際財務報告基準（ IFRS ） に基づく一定の国際会計基準を採用するためのその他の規則および IFRS 解釈委
員会による当該規則の解釈も適用された。当該中間財務書類はとりわけ、中間財務報告に関する IAS 第 34 号の要件
に従っている。
2021 会計年度に EU においてその適用が義務付けられている全ての基準および解釈が適用されている。 当行は、
2022 会計年度以降までその 適用が義務付けられていない 基準および解釈を適用しなかった。
ドイツ商法第 315 条に従った個別の中間リスク報告を含む中間経営者報告書は、英文中間報告書の 8 ～ 36 ページに
公表されている。
財務書類作成に際しては、コメルツ銀行グループ全体で統一した会計処理および測定方法が使用されている。完
全連結会社および持分法適用会社の持分については、当行は、概ね 2021 年 6 月 30 日現在で作成された財務書類を用
いた。
グループ財務書類は、グループの報告通貨であるユーロにより作成されている。別段の記載がない限り、全ての
金額は百万ユーロ単位で表示されている。 500,000.00 ユーロ未満のすべての項目は、 0.00 ユーロと表示されてい
る。 0.00 ユーロの項目は、ダッシュ記号で表示されている。四捨五入に起因して、表示された個々の数値の合計と
記載された合計が正確には一致しない場合がある。
(2) 初度適用、改定基準ならびに新基準および新解釈
初度適用される基準
IBOR 改革
銀行間提供レート改革（ IBOR 改革）の一環として、 IBOR 参照レートとユーロ圏無担保翌日物平均金利
（ EONIA ） は、リスク・フリー・レート（ RF R ）と称される別の参照レートに置き換えられる。
コメルツ銀行は、 RFR 参照レートへの円滑な移行を確実にするために、 IBOR 改革プログラムを実施した。当該
プログラムでは、当行のすべての関連部門が参照レートの変更に取り組んでいる。コメルツ銀行の IBOR 改革プロ
グラムに加えて、当行は IBOR 改革を取り扱う様々な外部ワーキング・グループにも参加している。
IFRS 第 9 号、 IAS 第 39 号および IFRS 第 7 号基準が改定され、 IASB 金利ベンチマーク改定の第１フェーズにおいて公
表された。当該改定基準は、 2020 年 1 月 1 日以降に開始する会計年度から EU で適用が義務付けられ、実際の移行
までの期間に適用される。
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コメルツ銀行は、改定基準に関連して IASB が提供するヘッジ会計の救済措置を利用するため、 IBOR 改革プロ
ジェクトの第 1 フェーズにおいて要求される決定を行った。
以下の表は、 IBOR 改革と RFR への転換の影響を受ける 2021 年 6 月 30 日現在のヘッジ関係にあるデリバティブの概
要である。
通 貨 参 照 期間ベース 額面金額（百万ユーロ）
EONIA OIS 586
ユーロ
Euribor 1,036
ユーロ 1 ヶ月
Euribor 36,901
ユーロ 3 ヶ月
Euribor 72,026
ユーロ 6 ヶ月
Euribor 155
ユーロ 12 ヶ月
Libor 179
米ドル 1 ヶ月
Libor 7,481
米ドル 3 ヶ月
Libor 199
米ドル 6 ヶ月
Libor 487
英ポンド 3 ヶ月
Libor 3,475
英ポンド 6 ヶ月
Libor 1,387
スイス・フラン 3 ヶ月
Libor 1,313
スイス・フラン 6 ヶ月
1,592
その他
126,817
合 計
IFRS 第 9 号、 IAS 第 39 号、 IFRS 第 7 号、 IFRS 第 4 号および IFRS 第 16 号基準が改定され、 第２フェーズにおいて公表
された。
これらの改定では、参照レートが RFR 参照レートに置き換えられた場合の特定の問題を取り扱っている。 IASB 金
利ベンチマーク改定の第２フェーズの改定は早期に適用されず、 EU では 2021 年 1 月 1 日以降に開始する会計年度か
ら 適用が義務付けられている。
コメルツ銀行は、その方法と時期について、関連する手続きを整備した。契約と関連する取引の変更は、担当す
る事業ユニットと決済担当部門で分散して行われる。 2021 年 には、最初に EONIA 、 GBP Libor 、 CHF Libor 、 JPY
Libor を参照するポジションが影響を受ける。 USD Libor のポジションは、 2023 年 半ばまでに段階的に変更される。
Euribor については、当行は当面、変更せずに使用する予定である。
IBOR 改革は、根本的に新しい経済的リスク要素を発生させるものではない。
現在の当行の分析では、当行グループの財務書類に大きな影響はないと考えている。
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改定基準
コロナウィルス・パンデミック に関連した IFRS 第 16 号の改正は、 コロナウィルス・パンデミック の間に付与され
た 賃料の支払猶予や賃料減額に関連する権利を賃借人が認識しやすくすること を目的としている。この改正の適用
期間は延長された。 これらの変更は、当行グループの財務書類に重大な影響を及ぼさない。 延長期間を含む改定基
準は、 2021 年 4 月 1 日以降に開始する報告期間から 適用が義務付けられている 。承認はまだ保留されている。
IAS 第 1 号および IAS 第 8 号の改訂は、財務書類に情報を含めるための重要性の定義を明確にし、それを概念フ
レームワーク内で異なる基準に調和させる変更である。これらの変更は、当行グループの財務書類に重大な影響を
及ぼさない。これらの改正は、まだ承認されていない。当該改定基準は、 2023 年 1 月 1 日以降に開始する会計年度に
おいて適用が義務付けられている。
改定基準である IFRS 第 3 号は、事業の取得または資産グループの取得が含まれているか否かを決定するための、
より詳細な方法を定義する。当該改正は、 2021 年 7 月 2 日に欧州委員会により承認され、 2022 年 1 月 1 日以降に開始す
る全会計年度において適用が義務付けられている。
IAS 第 37 号「引当金、偶発債務および偶発資産」の改正は、企業が契約履行の判断の際に考慮しなければならな
い費用の定義と内容に関連している。当該改正は、 2021 年 7 月 2 日に欧州委員会により承認された。改定基準は、
2022 年 1 月 1 日以降に開始する会計年度から 適用が義務付けられている。
IFRS 基準の年次改善 2018 年 － 2020 年 により、 IFRS 第 1 号「国際財務報告基準の初度適用」、 IFRS 第 9 号「金融商
品」および IFRS 第 16 号「リース」に軽微な改正が生じる。当該改正は、 2021 年 7 月 2 日に欧州委員会により承認され
た。改定基準は、 2022 年 1 月 1 日以降に開始する会計年度から 適用が義務付けられている。
IAS 第 12 号「所得税」の改正は、リース、処分および原状回復義務に関連する繰延税金の会計処理について、 よ
り詳細な方法を定義する 。 これらの改正は、当行グループの財務書類に重大な影響を及ぼさない。 改定基準は、
2023 年 1 月 1 日 以降に開始する会計年度から適用が義務付けられている。
明示的に言及されていない 基準の変更はすべて、現時点では当行グループの財務書類に重大な影響を与えるもの
ではない。
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新基準
2017 年 5 月 に公表された IFRS 第 17 号「保険契約」の新会計基準は IFRS 第 4 号基準の代替基準となる。新基準は保
険会社のみならず、基準の対象となる保険契約を発行するすべての事業体に適用される。 IFRS 第 17 号は、保険契約
について一貫性ある原則に基づく会計基準の策定を目指し、保険負債は契約時の費用ではなく、現在の決済金額で
測定しなければならないと定めている。 IFRS 第 17 号を発表した IASB の意図は、保険契約についての認識、測定、
報告および注記における開示について統一された基礎を策定することにある。 保険特有の契約に関するその他の事
項は、公表された追加改正において定義された。 2023 年 1 月 1 日 以降 に開始する 会計年度から EU 域内で適用 が義務
付けら れる基準は、これから EU 法に組み込む必要がある。当行の現在の分析に基づき、当行は 当行グループの 財
務書類に重大な影響はないと予想している。
(3) 変更
当行グループの 財務書類に子会社として含まれている１社の場合、 注記 38 「引当金」に記載されている指数条項
付スイス・フラン建てローン契約に関連した方法の変更により、 2020 年 12 月 31 日現在の償却原価カテゴリーの貸付
金および引当金が 277 百万ユーロ減少した。 これは包括利益計算書および１株当たり利益に影響は与えなかった。
劣後債の繰延税金の誤謬が修正された。調整の結果、 2020 年 1 月 1 日現在の利益剰余金は 69 百万ユーロ減少した。
偶発損失に対する引当金に関連した税金調整項目の修正により、繰延税金のさらなる誤謬の修正があった。これ
により、 2020 年 6 月 30 現在の所得税は 14 百万ユーロ増加した。そのため、包括利益合計は同額減少した。 2020 年 6 月
30 日現在の１株当たり利益は、 0.01 ユーロ減少した。調整の結果、 2020 年 1 月 1 日現在の利益剰余金は 106 百万ユー
ロ減少した。 この調整と評価引当金の再計算により、 2020 年 6 月 30 日現在、確定給付制度の再測定にかかる繰延税
金（損益計算書では認識されない）が 14 百万ユーロ減少した。
さらに、過年度に行われたコミットメントの利息の重複入力により、利益剰余金に遡及的な調整が行われた。こ
の調整の結果、所得税は０百万ユーロ増加した。そのため、連結利益は０百万ユーロ減少した。調整の結果、 2020
年 1 月 日現在、利益剰余金は 9 百万ユーロ減少した。 これらの調整は、１株当たり利益に重大な影響を与えなかっ
た。
当行グループの 財務書類 に投資ファンド会社として含まれている１社に関する繰延税金を遡及的に調整した。こ
の調整の結果、 2020 年 6 月 30 日現在の所得税が 3 百万ユーロ減少した。 このため、連結利益は同額増加した。 2020 年
6 月 30 日現在の１株当たり利益は 0.01 ユーロ増加した。この調整の結果、 2020 年 1 月 1 日現在の利益剰余金は 25 百万
ユーロ減少した。
信用状による債権について過度に長い満期を体系的に考慮していたことに関連して、償却原価で測定される貸付
金によるリスクの評価調整において誤謬が修正された。この調整の結果、 2020 年 1 月 1 日現在の利益剰余金は 42 百万
ユーロ増加した。これによる連結利益、包括利益計算書および１株当たり利益への影響はなかった。
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記帳日と取引実行日において、取引実行日変更の報告の 誤謬が修正され、 清算勘定の残高が 26 百万ユーロに増加
した。広範な分析の結果、当行は、この残高が過去の誤った初期化および計上プロセスに起因するものであり、
従って、 2020 年 より前の期間に認識されたその他の資産項目にある回収不能な資産が関与していると判断した。そ
の結果、評価引当金を計上し、 2020 年 1 月 1 日現在の利益剰余金は 26 百万ユーロ減少した。 こ れによる連結損益、包
括利益計算書および１株当たり利益への影響はなかった。
公表された 2020 年 6 月 30 日現在の損益計算書および 2020 年 12 月 31 日現在の貸借対照表に対する前述の調整から生
じる変更の合計の要約は、以下の表のとおりである。
当初報告 修正 再表示
IAS 第 8 号に
2020 年 1 月 1 日－ 2020 年 1 月 1 日－
百万ユーロ
基づく調整
2020 年 6 月 30 日 2020 年 6 月 30 日
3,999 - 3,999
受取利息
1,402 - 1,402
支払利息
2,597 - 2,597
純利息収益
13 - 13
配当収益
-795 - -795
リスク損益
1,972 - 1,972
受取手数料
303 - 303
支払手数料
1,668 - 1,668
純手数料収益
損益を通して公正価値で測定される金融資産および負
-141 - -141
債 に係る純利益
64 - 64
ヘッジ会計に係る純利益
15 - 15
金融商品に係るその他の 純利益
5 - 5
持分法適用会社 に係る 当期純利益
-97 - -97
その他の純利益
3,030 - 3,030
営業費用
374 - 374
強制拠出金
-74 - -74
継続事業に係る税引前損益
51 11 62
所得税
-125 -11 -136
継続事業に係る連結損益
50 - 50
中止事業に係る連結損益
-75 -11 -86
連結損益
21 - 21
非支配持分に帰属する連結損益
コメルツ銀行株主 および追加的資本構成要素投資家 に
-96 -11 -107
帰属する連結損益
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当初報告 IAS 第 8 号に 修正 再表示
資産 （百万ユーロ）
2020 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
基づく調整
75,603 - 75,603
手元現金および要求払現金
292,420 -277 292,142
金融資産－償却原価
42,862 - 42,862
金融資産－その他の包括利益を通した公正価値
28,677 - 28,677
金融資産－損益を通した（強制的）公正価値
52,176 - 52,176
金融資産－売買目的保有
1,752 - 1,752
ポートフォリオ公正価値ヘッジの評価調整
1,878 - 1,878
デリバティブ・ヘッジ商品の正の公正価値
169 - 169
持分法適用会社の持分
1,420 - 1,420
無形資産
3,208 - 3,208
固定資産
13 - 13
投資不動産
2,040 - 2,040
売却目的で保有する固定資産および処分対象グループ
130 - 130
当期税金資産
2,693 - 2,693
繰延税金資産
1,877 -26 1,851
その他の資産
506,916 -303 506,613
合計
当初報告 IAS 第 8 号に 修正 再表示
負債 （百万ユーロ）
2020 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
基づく 調 整
397,725 - 397,725
金融負債－償却原価
20,104 - 20,104
金融負債－公正価値オプション
42,843 - 42,843
金融負債－売買目的保有
1,412 - 1,412
ポートフォリオ公正価値ヘッジの評価調整
5,893 - 5,893
デリバティブ・ヘッジ商品の負の公正価値
3,396 -277 3,119
引当金
448 - 448
当期税金債務
10 - 10
繰延税金債務
2,051 - 2,051
処分対象グループの債務
4,434 - 4,434
その他の債務
28,600 -26 28,574
資本金
1,252 - 1,252
払込済資本金
11,484 - 11,484
資本準備金
12,602 -26 12,576
利益剰余金
-476 - -476
その他の準備金（リサイクリングあり）
24,862 -26 24,836
コメルツ銀行株主に帰属する資本金
2,619 2,619
追加的資本構成要素
1,119 - 1,119
非支配持分
506,916 -303 506,613
合計
(4) 後発事象に関する報告
当報告期間末以降、特に重要な事象はなかった。
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会計および測定の方針
(5) 会計および測定の方針の変更
コロナウィルス・パンデミック
コロナウィルス・パンデミックは、 2020 年 および 2021 年 上半期のドイツ経済および世界経済全体に大きな影響を
与えた。この結果、コメルツ銀行グループの中間財務書類にも影響を与えた。コメルツ銀行グループの部門毎のパ
ンデミックの影響は、様々なワーキング・グループおよびプロジェクトで検討され、適切な対策が決定された。中
間経営者報告書（英文中間報告書 8 ページ以下参照）に記載されている情報に加えて、パンデミックの現在の影響
に関する記述は、主に信用リスクおよび信用損失に関する注記（注記 27 参照）ならびに資本変動計算書に関する
注記に記載されている。さらなる詳細は注記 9 、 27 および 28 に記載されている。
その他の変更
ユーロ圏における年金債務の割引率を決定する手順は、 2021 年 3 月 31 日現在で調整された。 AA 格付の社債の選択
は変更された。調整後の手順では、社債データの範囲外での数値の予想の際には AA 格付の企業セクターの社債も
考慮に入れている。これは、代表的な長期リターンの数が少なかったためである。変更日現在、新しい手順で決定
したドイツの割引率は 1.30 ％であった。当初の手順を維持した場合、 2021 年 3 月 31 日現在の割引率は 1.00 ％であっ
た。当該変更により、年金債務の現在価値は、約 450 百万ユーロ減少した。 2021 年 6 月 30 日現在、ドイツの割引率は
1.30 ％である。
指数条項付スイス・フラン建てローン契約に対する引当金に関する会計方針の変更の詳細については、注記 38 お
よび注記 3 を参照のこと。
当行は、 2021 年 3 月 31 日 現在の IFRS 第 9 号に基づくステージ配分の関連基準を調整し、今後、デフォルト・リスク
が低い取引をステージ１に配分するオプション（低信用リスクの免除）は、一般的に有価証券にのみ適用されるよ
うにした。この実施により、リスク引当金が合計 23 百万ユーロ増加した。
連結財務書類に子会社として含まれている１社の場合、当行は、 2021 年 6 月 30 日現在の特別融資ポートフォリオ
のステージ配分の見積もりを変更した。この変更により、リスク引当金が 22 百万ユーロ増加した。
これらの変更のほか、注記 2 に記載されている変更を除き、当行は、本中間財務書類において、 2020 年 12 月 31 日
現在の当行グループの財務書類と同一の会計および測定の方針を適用している（ 2020 年 英文年次報告書の 178 ペー
ジ以下参照）。
(6) 連結対象会社
2021 年 上半期に おいて 、新たに連結対象となった重要な会社はない。また、売却または清算された重要な会社
や、その他の理由で連結されなくなった重要な会社もない。
コムディレクト・バンク AG の合併
2020 年 ５月５日の定時株主総会において、コムディレクト・バンク AG は、合併法に基づくスクィーズ・アウト
を承認した。 この結果、 コムディレクトの既存の株主に対して、その保有株式に対する適切な現金による決済金が
支払われた。登記簿への登記は 2020 年 11 月 ２日に行われ、その後コムディレクトはコメルツ銀行の個別の組織ユ
ニットとなった。
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損益計算書の注記
(7) 純利息収益
売買目的保有ポートフォリオから生じる場合を除き、利息に類似した収益および費用を含むすべての受取利息お
よび支払利息は、本項目に表示される。
受取利息は、本業としての銀行業または銀行業関連の取引から生じるすべての受取利息を含んでいる。この収益
は、主に資本の供給から生じている。
受取利息と同様、支払利息は、プレミアム／ディスカウントの戻入および実効金利法に基づくその他の金額なら
びに通常の銀行業務に関連する利息に類似した費用などのすべての支払利息を含んでいる。
その他の支払利息には、ヘッジ会計項目の受取利息と支払利息の正味が含まれている。
2020 年 1 月 1 日 －
2021 年 1 月 1 日－
変動率 (％ )
百万ユーロ
2021 年 6 月 30 日 2020 年 6 月 30 日
2,977 3,509 -15.2
実効金利法適用の受取利息
2,801 3,323 -15.7
受取利息―償却原価
2,434 2,924 -16.7
貸付および短期金融市場取引からの受取利息
367 399 -8.0
証券ポートフォリオからの受取利息
106 130 -18.5
受取利息―その他の包括利益を通した公正価値
3 6 -40.9
貸付および短期金融市場取引からの受取利息
102 124 -17.4
証券ポートフォリオからの受取利息
71 57 24.0
早期償還違約金
641 490 30.7
実効金利法非適用の受取利息
67 227 -70.7
受取利息―損益を通した（強制的）公正価値
46 191 -76.0
貸付および短期金融市場取引からの受取利息
20 35 -42.2
証券ポートフォリオからの受取利息
574 263 .
負債として保有する金融商品に係るプラスの利息
1,191 1,402 -15.0
支払利息
775 1,049 -26.2
支払利息―償却原価
441 630 -30.0
預金
333 419 -20.5
発行済債務証券
55 183 -69.8
支払利息―公正価値オプション
27 166 -83.8
預金
28 16 72.8
発行済債務証券
303 156 93.9
資産として保有する金融商品に係るマイナスの利息
8 10 -21.4
リース負債に係る支払利息
50 4 .
その他の支払利息
2,427 2,597 -6.6
合計
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(8) 配当収益
株式および類似の持分金融商品からのすべての受取配当金は、トレーディング・ポートフォリオからの受取配当
金を除き、本項目に表示される。
損益 移転契約書を通して 実現される非連結子会社の当期純利益も、本項目に表示される。 非連結子会社は、 損益
を通した（強制的）公正価値のカテゴリーに分類される。
2021 年 1 月 1 日－ 20 20 年 1 月 1 日－
変動率 (％ )
百万ユーロ
2021 年 6 月 30 日 2020 年 6 月 30 日
「持分金融商品― その他の包括利益を通した公正価値」 から
- 1 .
の受取配当金
「持分金融商品― 損益を通した（強制的）公正価値」 からの
5 4 34.3
受取配当金
2 9 -75.4
非連結子会社の当期純利益
7 13 -46.5
合計
(9) リスク損益
リスク損益には、IFRS第9号の減 損モデルの適用対象となる金融商品（貸借対照表上の金融商品と簿外金融商品
の両方を含む。）について損益計算書で認識された引当金の変動が含まれる。これには、予定された償還、減損処
理した債権の評価増および回収金の発生ならびに大幅な修正に起因しない直接の評価損計上を理由として認識が中
止された場合の貸倒引当金の戻入れも含まれる。また、 IFRS 第 9 号に定義される、金融保証ではな い一部の簿外項
目（一部の保証と信 用状、注記 39 参照）に関して損益計算書で認識された引当金の変動も考慮される。
20 20 年 1 月 1 日－
2021 年 1 月 1 日－
変動率 (％ )
百万ユーロ
2021 年 6 月 30 日 2020 年 6 月 30 日
-220 -759 -71.0
金融資産－償却原価
8 -11 .
金融資産－その他の包括利益を通した公正価値
-2 -0 .
金融保証
-21 -25 -15.8
貸付コミットメントおよび補償契約
-235 -795 -70.4
合計
リスク管理の組織および関連する重要な数値に関する情報、予測される信用損失についての追加的分析および説
明資料ならびに トップレベルの調整に関する情報 については、 英文中間経営者報告の 8 ページ以下および注記 27 を
参照のこと。
2020 年 上半期に、コロナウィルス・パンデミックに起因する合計 -315 百万ユーロの費用はリスク損益に含まれ、
その内の -154 百万ユーロはトップレベルの調整であった。 2021 年 上半期には、 TLA （ トップレベルの調整） への追
加は必要ではなかった。
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(10) 純手数料収益
当行 グループは、 サービスの 提供により発生する受取手数料と支払手数料を純手数料収益の項目に計上してい
る。これらの金額は、銀行債権の資本化残高を変更することなく営業的便宜、特別な取引関係または信用力を顧客
へ提供して実現した金額である。これはまた、外貨、紙幣、貴金属の売却によって得た手数料にも適用されるが、
かかる活動が自己勘定売買ではなく、顧客サービス取引に関連していることを前提とする。当行が第三者のサービ
スを利用する場合、支払手数料として適用される。
2020 年 1 月 1 日－
2021 年 1 月 1 日－
変動率 (％ )
百万ユーロ
2021 年 6 月 30 日 2020 年 6 月 30 日
2,121 1,972 7.6
受取手数料
726 650 11.7
証券取引
173 170 1.8
資産運用
702 680 3.3
送金および外国貿易業務
120 116 3.9
保証手数料
120 136 -11.6
シンジケート事業からの純利益
93 81 14.3
仲介業務
23 7 .
信託取引
164 132 24.5
その他収益
318 303 4.9
支払手数料
84 78 8.0
証券取引
17 17 -1.1
資産運用
75 76 -2.1
送金および外国貿易業務
29 13 .
保証手数料
0 0 -55.0
シンジケート事業からの純利益
65 76 -15.0
仲介業務
17 3 .
信託取引
32 39 -18.8
その他費用
1,803 1,668 8.1
純手数料収益
642 572 12.2
証券取引
156 153 2.1
資産運用
628 603 4.0
送金および外国貿易業務
91 103 -10.9
保証手数料
120 136 -11.5
シンジケート事業からの純利益
28 5 .
仲介業務
6 4 39.7
信託取引
132 93 42.7
その他収益
1,803 1,668 8.1
合計
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IFRS 第 15 号 に基づくサービスの種類別およびセグメント別の受取手数料の内訳は、以下のとおりである。
2021 年 1 月 1 日－
個人顧客 および コーポレート その他・
2021 年 6 月 30 日 グループ
小規模事業顧客 顧客 連結
（百万ユーロ）
715 22 -11 726
証券取引
171 2 - 173
資産運用
317 392 -7 702
送金および外国貿易業務
14 108 -1 120
保証手数料
1 119 - 120
シンジケート事業からの純利益
90 20 -17 93
仲介業務
19 4 0 23
信託取引
137 52 -26 164
その他収益
1,464 719 -61 2,121
合計
2020 年 1 月 1 日－
個人顧客 および コーポレート その他・
2020 年 6 月 30 日 グループ
小規模事業顧客 顧客 連結
（百万ユーロ）
639 23 -12 650
証券取引
168 2 0 170
資産運用
314 373 -7 680
送金および外国貿易業務
13 103 -1 116
保証手数料
1 135 0 136
シンジケート事業からの純利益
81 35 -35 81
仲介業務
6 2 0 7
信託取引
110 32 -11 132
その他収益
1,331 705 -65 1,972
合計
(11) 損益を通して公正価値で測定される金融資産および金融負債に係る純利益
この項目には、損益を通して公正価値で測定される全ての金融資産および金融負債に係る純利益が含まれ、これ
には、売買目的保有カテゴリーの金融商品からの純損益、 損益を通した（強制的）公正価値 カテゴリーの金融商品
からの純損益および公正価値オプション・カテゴリーの金融商品からの純損益が含まれている。
売買目的保有の金融商品に分類される商品からの純損益は、当行のトレーディング純利益であり、費用を控除し
た後の正味の収益額を表示している。 従って、当該項目には以下が含まれる。
• 売買目的保有の金融商品からの、受取配当金を含む利息収益と利息費用
• 売買目的保有の有価証券、債権、外貨および貴金属の売却による実現損益
• 公正価値での再測定による再測定損益の純額
• デリバティブ金融商品からの純損益
• 公正価値調整（信用評価調整／ CVA 、債務評価調整／ DVA 、 資金調達評価調整／ FVA ）による純損益
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• 売買目的保有の金融商品の取得または処分に関連して発生した支払手数料および受取手数料
損益を通した（強制的）公正価値カテゴリーに分類される金融商品からの純損益および公正価値オプション・カ
テゴリーに分類される金融商品からの純損益は、再測定純損益と実現損益のみが含まれる。費用および収益は、そ
れぞれ純額ベースで表示される。
2020 年 1 月 1 日－
2021 年 1 月 1 日－
変動率 (％ )
百万ユーロ
2021 年 6 月 30 日 2020 年 6 月 30 日
289 -166 .
「金融商品－売買目的保有」からの損益
62 -34 .
「金融商品－公正価値オプション」からの損益
「金融商品－損益を通した（強制的）公正価値」からの
133 58 .
損益
485 -141 .
合計
(12) ヘッジ会計に係る純利益
ヘッジ会計に係る純利益は、公正価値ヘッジ会計（公正価値ヘッジ）における有効ヘッジの評価に係る損益を含
んでいる。ヘッジ会計に係る純利益はまた、有効キャッシュ・フロー・ヘッジの無効な部分も含んでいる。
2021 年 1 月 1 日－ 2020 年 1 月 1 日－
変動率 (％ )
百万ユーロ
2021 年 6 月 30 日 2020 年 6 月 30 日
公正価値ヘッジ
945 -1,563 .
ヘッジ商品に起因する公正価値の変動
379 -983 .
ミクロ公正価値ヘッジ
566 -580 .
ポートフォリオ公正価値ヘッジ
-996 1,627 .
ヘッジ対象項目に起因する公正価値の変動
-425 1,065 .
ミクロ公正価値ヘッジ
-571 562 .
ポートフォリオ公正価値ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジ
有効にヘッジされたキャッシュ・フロー・ヘッジの損益
-0 0 .
（無効部分のみ）
純投資ヘッジ
有効にヘッジされた純投資ヘッジの損益
- - .
（無効部分のみ）
-52 64 .
合計
(13) 金融商品に係るその他の純利益
この項目には、その他の包括利益を通した公正価値カテゴリーに分類される金融資産の売却損益と、償却原価カ
テゴリーに分類される金融負債の買戻しによる損益が含まれている。
償却原価カテゴリーに分類される金融資産の売却損益には、信用格付けの変動が要因ではない、償却原価で測定
された金融資産の売却による影響が含まれている。また、当該売却損益には、顧客との貸付に関する取決めが信用
力の悪化により見直し（大幅に改定）された際に合意された契約上の調整による損益も含まれている。
その他の包括利益を通した公正価値カテゴリーに分類される金融資産（リサイクリングあり）の場合には、資産
の処分まで償却原価と公正価値との差額を再評価積立金で認識する（減損処理を除く。）が、かかる認識により収
益に影響はなく、従って損益計算書にも影響はない。債務証券に係る再評価積立金は、資産処分時に損益を通して
取り崩される。
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償却原価カテゴリーに分類される金融負債の処分は、売却価格と償却原価との差額を直接反映した実現損益の純
額を計上する。
この項目には、将来のキャッシュ・フローに関する予想値の変動に起因する見積値の変動による損益ならびに償
却原価カテゴリーに分類される金融商品の重要ではない変更による損益も含まれている。
2020 年 1 月 1 日－
2021 年 1 月 1 日－
変動率 (％ )
百万ユーロ
2021 年 6 月 30 日 2020 年 6 月 30 日
33 28 19.6
金融商品からのその他の実現雑損益
「金融資産－その他の包括利益を通した公正価値 （リ
41 17 .
サイクリングあり） 」からの実現損益
-5 11 .
「金融負債－償却原価」からの実現損益
-2 -4 -37.5
「重要ではない変更－償却原価」に係る損益
「重要ではない変更－ その他の包括利益を通した公正
- - .
価値 （リサイクリングあり） 」に係る損益
-0 4 .
「見積値－償却原価」の不確実性の変動
「見積値－ その他の包括利益を通した公正価値 （リサ
- - .
イクリングあり） 」の不確実性の変動
-17 -13 26.5
金融商品（ AC ポートフォリオ）の処分に係る損益
1 3 -75.9
金融商品（ AC ポートフォリオ）の処分に係る利益
18 17 5.4
金融商品（ AC ポートフォリオ）の処分に係る損失
17 15 13.3
合計
コメルツ銀行グループは、償却原価で測定された金融商品総額 2,980 億ユーロ（ 2020 年 ： 2,950 億ユーロ）のロー
ン・ポートフォリオを有している。このカテゴリーには、含まれる金融商品が「回収のための保有」ビジネス・モ
デルに基づき、 SPPI に適合しない付帯合意書は存在しないポートフォリオが分類される。当該ポートフォリオで
は、基本的にはこのビジネス・モデルを維持しながらも、償還のみならず資産を売却することもある。とりわけ債
務者の信用格付けが大幅に悪化したり、資産がポートフォリオの変更に関する内部ガイドラインに定められた最低
基準を満たさなくなった場合に売却が生じたり、ポートフォリオの調整により満期直前に当該資産を売却すること
がある。
金融商品（ AC ポートフォリオ）の売却純損益は、主に認められたポートフォリオ手法と貸付金の返済の一環と
して約束手形融資を売却した際に発生した。
コメルツ銀行は金融商品が認識中止に至る程重要ではない変更として、ローンの契約条項の一部を変更する。変
更後の当該資産のデフォルト・リスクは、関係する報告日現在で測定され、変更前の条件下でのリスクと比較され
る。
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(14) その他の純利益
その他の純利益は、主に引当金への繰入および引当金の戻入ならびにオペレーティング・リースからの収益およ
び費用により構成される。
本項目には、関連会社および共同支配企業の実現損益および再測定純損益も含まれている。
2020 年 1 月 1 日－
2021 年 1 月 1 日－
変動率 (％ )
百万ユーロ
注 1 ）
2021 年 6 月 30 日
2020 年 6 月 30 日
215 250 -14.0
その他の重要な収益項目
12 40 -70.7
引当金の戻入
69 77 -11.0
オペレーティング・リース収益
0 0 -66.3
建物および建築サービスからの収益
8 6 27.4
買取選択権付賃貸収益および転貸収益
0 0 -42.0
投資不動産からの収益
- - .
売却目的で保有する固定資産からの収益
1 1 57.6
固定資産売却からの収益
86 42 .
FX 取引の為替レートの差異からの収益
39 83 -53.1
その他収益のその他の項目
530 328 61.7
その他の重要な費用項目
170 98 73.8
引当金への繰入
53 63 -16.5
オペレーティング・リース費用
- - .
建物および建築サービスからの費用
1 3 -64.3
買取選択権付賃借費用および転借費用
0 0 -8.0
投資不動産からの費用
- - .
売却目的で保有する固定資産からの費用
1 1 -38.3
固定資産の処分からの費用
79 75 6.2
FX 取引の為替レートの差異からの費用
226 88 .
その他費用のその他の項目
-20 -21 -2.4
その他の税金（相殺後）
関連会社および共同支配企業の実現損益および再測定純
- 2 .
損益（相殺後）
-335 -97 .
その他の純利益
注 1）調整済数値。
その他の純利益には、ドイツ連邦裁判所が下した価格措置に関する判決に対する合計 66 百万ユーロの引当金なら
びに外部委託プロジェクトの終了および税金還付請求の可能性に対する引当金が含まれている。
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(15) 営業費用
人件費
2021 年 1 月 1 日－ 2020 年 1 月 1 日－
変動率 (％ )
百万ユーロ
2021 年 6 月 30 日 2020 年 6 月 30 日
1,566 1,604 -2.3
賃金・給料
150 116 28.7
年金および類似の従業員給付金の費用
1,716 1,720 -0.2
合計
管理費用
2020 年 1 月 1 日－
2021 年 1 月 1 日－
変動率 (％ )
百万ユーロ
2021 年 6 月 30 日 2020 年 6 月 30 日
122 119 2.2
占有費用
293 282 4.0
IT 関連費用
113 116 -2.5
事務所費用および情報関連費用
会社法の順守に必要な顧問料、監査費用およびその他の
106 111 -4.3
費用
65 85 -22.9
出張、表示および広告費用
35 41 -15.3
人材関連の管理費用
79 83 -3.9
その他の管理費用
814 837 -2.7
合計
減価償却および償却
2021 年 1 月 1 日－ 2020 年 1 月 1 日－
変動率 (％ )
百万ユーロ
2021 年 6 月 30 日 2020 年 6 月 30 日
52 54 -2.6
什器および備品
5 6 -9.8
土地および建物
420 240 75.1
無形資産
166 174 -4.6
使用権としての資産
643 473 35.9
合計
当会計年度における無形資産の償却には、合計 200 百万ユーロの資産の認識中止が含まれている。認識中止の理
由は、コメルツ銀行が HSBC Transaction Services GmbH に証券決済を委託するプロジェクトの終了を決定したため
である。
(16) 強制拠出金
2020 年 1 月 1 日－
2021 年 1 月 1 日－
変動率 (％ )
百万ユーロ
2021 年 6 月 30 日 2020 年 6 月 30 日
92 73 26.0
預金保護基金
63 60 6.0
ポーランドの銀行税
220 241 -8.7
欧州銀行税
375 374 0.4
合計
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(17) 事業再編費用
2021 年 1 月 1 日－ 2020 年 1 月 1 日－
変動率 (％ )
百万ユーロ
2021 年 6 月 30 日 2020 年 6 月 30 日
976 - .
進行中の事業再編措置の費用
976 - .
合計
事業再編費用は、主にドイツ国内外における人事措置のための事業再編引当金の計上によるものである。取締役
会は、第１四半期に、ドイツのコメルツ銀行の約 1,700 名のフルタイム従業員を削減するための自発的早期退職プ
ログラムの実施に関して中央労使協議会との合意に達した。さらに、管理職の削減を目的とした自発的退職プログ
ラムが採択された。
2021 年 5 月 初め、当行は従業員代表委員会との間で、「戦略 2024 」プログラムの実施に向けた利害調整の枠組み
について合意に達した。また、ドイツ国内での人員削減を可能な限り社会的に責任を有するものにするための基礎
となる社会計画の枠組みについても合意に達した。さらに、国外での様々な事業再編策が当報告期間中に発表され
た。
(18) 所得税
2021 年 6 月 30 日現在、当行グループの税金費用は -43 百万ユーロ （ 2020 年 ： 62 百万 ユーロ） であった。税引前利益
は -406 百万ユーロ （ 2020 年 ： -74 百万ユーロ （修正再表示により前年の数値は調整された。注記３参照。））であっ
たため、当行グループの実効税率は 10.5 ％ （ 2020 年 ： -83.8 ％ ）（当行グループの所得税率は 31.5 ％ （ 2020 年 ：
31.5 ％ ））であった。 2021 年 の当行グループの税金収益は、主に繰越欠損金に係る繰延税金資産の遡及的な認識に
よる税金収益であった。これは、 当報告期間のエムバンクのサブグループの当期税金費用 や、税務リスクに対する
引当金の追加認識に起因する他の期間に関連する税金費用など、いくつかの項目によって相殺された。
(19) １株当たり利益
2020 年 1 月 1 日－
2021 年 1 月 1 日－
変動率 (％ )
注 1 ）
2021 年 6 月 30 日
2020 年 6 月 30 日
570 -74 .
営業利益（百万ユーロ）
コメルツ銀行株主 および追加的資本構成要素投資家 に帰
-394 -107 .
属する連結損益 （百万ユーロ）
140 48 .
追加的資本構成要素の配当 （百万ユーロ）
-533 -156 .
コメルツ銀行株主に帰属する連結損益（百万ユーロ）
1,252,357,634 1,252,357,634 .
発行済普通株式平均株数
0.46 -0.06 .
１株当たり営業利益（ユーロ）
-0.43 -0.12 .
１株当たり利益（ユーロ）
注 1）修正再表示により前年の数値は調整された（注記３参照）。
IAS 第 33 号 に従い計算される１株当たり利益は、コメルツ銀行株主に帰属する連結損益に基づいており、連結損
益を当会計年度中の加重平均発行済株式数で除して算出される。前年と同様、当報告年度中に転換権およびオプ
ション権は残存しなかったため、希薄化後１株当たり利益の数値は希薄化前１株当たり利益の数値と一致してい
た。営業利益の詳細は、セグメント情報（注記 40 ） に記載されている。
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貸借 対照表 の注記
金融 資産および負債
(20) 金融資産－償却原価
金融資産の契約上合意したキャッシュ・フローが利息および元本の支払のみで構成され（即ち、当該資産が SPPI
要件に適合しており）、当該資産が「回収目的保有」ビジネス・モデルに分類された場合、当該資産は償却原価で
測定される。これらの金融商品の簿価は、貸倒引当金の計上により減少する（注記 27 「信用リスクおよび信用損
失」参照）。
この金融商品の利息の支払は、実効金利法を用いて純利息収益の項目に計上される。
注
2020 年 12 月 31 日
2021 年 6 月 30 日 変動率 (％ )
百万ユーロ
1 ）
261,668 258,178 1.4
貸付金
1,684 1,707 -1.3
中央銀行
18,343 21,097 -13.1
銀行
89,749 88,195 1.8
法人顧客
122,093 117,629 3.8
個人顧客
12,825 12,991 -1.3
その他の金融会社
16,972 16,560 2.5
一般政府
33,202 33,964 -2.2
債務証券
2,781 2,688 3.5
銀行
6,199 6,511 -4.8
法人顧客
5,851 5,362 9.1
その他の金融会社
18,371 19,403 -5.3
一般政府
294,870 292,142 0.9
合計
注 1）修正再表示により前年の数値は調整された（注記３参照）。
英国の公共部門の団体が発行した約束手形ローンのポートフォリオ（帳簿価額 28 億ユーロ）のビジネス・モデル
は、 2019 年 1 月 1 日現在で変更された。資産および資本回収セグメント（ランオフ・ポートフォリオ）の終了に伴
い、当該ポートフォリオはトレジャリー部門に移管され、投資室が管理し、販売・営業活動は中止された。 2019 年
1 月 1 日より、ポートフォリオを将来売却することは与信の質が大幅に悪化した場合のみ認められることになった。
ポートフォリオの管理と管理報酬はもはや公正価値に基づいていない。ポートフォリオの目的は契約上合意した
キャッシュ・フローを捻出することにある。契約上合意したキャッシュ・フローとは、 IFRS 第 9 号 における利息お
よび元本の支払いのみである。
ビジネス・モデルの変更により、 mFVPL 測定カテゴリーから償却原価測定カテゴリーに再分類された。
再分類時点で計算した実効金利は 2.8% である。 2021 年 上半期における再分類ポートフォリオの利息収益は 44 百万
ユーロ（ 2020 年 上半期： 44 百万 ユーロ） であり、 2021 年 上半期および 2020 年 上半期における利息費用はゼロであっ
た。
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2021 年 6 月 30 日現在のポートフォリオの公正価値は 31 億ユーロ（ 2020 年 ： 31 億ユーロ）であった。ポートフォリ
オが mFPVL 測定カテゴリーに分類されていたままであった場合には年初からの公正価値の変動とヘッジ目的で保
有していたデリバティブの相殺価額の変動は、損益計算書において損益を通して公正価値で測定される金融資産お
よび負債に係る純利益において認識されていたことになる。その場合、主に信用スプレッドの変動による影響から
-110 百万ユーロ（ 2020 年 上半期： -541 百万 ユーロ） の純利益であった計算になる。再分類以降、当該ポートフォリ
オの対象取引のキャッシュ・フローはコメルツ銀行のポートフォリオ公正価値ヘッジ会計に従 って認識されてい
る。
(21) 金融負債－償却原価
原則として、金融負債は、事後、償却原価で測定されなければならない。
預金には、主に要求払預金、定期預金および貯蓄預金が含まれている。
その他の発行済債務には、支払不能または清算の場合に全ての非劣後債権者の債権が返済された後にのみ償還が
可能となる劣後証券化および非証券化発行済債務を計上している。
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日 変動率 (％ )
百万ユーロ
386,804 355,745 8.7
預金
41,380 36,232 14.2
中央銀行
47,577 38,408 23.9
銀行
105,267 95,664 10.0
法人顧客
153,947 152,064 1.2
個人顧客
31,037 26,170 18.6
その他の金融会社
7,597 7,206 5.4
一般政府
38,891 41,980 -7.4
発行済債務証券
211 1,155 -81.7
短期金融商品
17,603 18,599 -5.4
ファンドブリーフ
21,077 22,226 -5.2
その他の発行済債務証券
425,695 397,725 7.0
合計
2020 年 上半期に、コメルツ銀行は、欧州中央銀行の貸出条件付き長期資金供給オペレーション（ TLTRO III ） の
上限である 323 億ユーロに参加した。コメルツ銀行 は、 2021 年 第１四半期に上限額を引き上げ、さらに 36 億ユーロ
のトランシェ（ TLTRO III.7 ） の参加が可能になった。 金利は、ベンチマーク・ポートフォリオの信用額の展開に
左右される。有利に展開する場合は、金利が割り引かれる。 利子補給金の一部は参加時点で既に確定しており、
IAS 第 20 号に基づく政府補助金として会計処理され、それに伴い負債項目はそれぞれ 164 百万ユーロ （ TLTRO
III.4 ） および 5 百万ユーロ （ TLTRO III.7 ） 減少した。ベンチマーク・ポートフォリオの 展開 のための閾値に、 2021
年 第１四半期末に達した。その結果、追加の利子補給により、負債項目が減少し、政府補助金として 494 百万ユー
ロ （ TLTRO III.4 ） および 55 百万ユーロ （ TLTRO III.7 ） が認識された。この補助金は、比例按分により純利息収益
に認識される。追加の利子補給金の会計処理として、 126 百万ユーロ の特別収益が純利息収益に認識された。現在
までに合計 254 百万ユーロ が 2021 年 の純利息収益に認識されている。
2021 年 上半期に、総額 8 億ユーロ（ 2020 年 上半期： 45 億ユーロ）の新規債券が発行された。同期間に満期が到来
した債券の額は 35 億ユーロ（ 2020 年 上半期： 26 億ユーロ）で、当上半期に債権の償還はなかった（ 2020 年 上半期：
2 億ユーロ）。
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(22) 金融資産－その他の包括利益を通した公正価値
金融商品が「回収目的保有および売却」ビジネス・モデルのポートフォリオに分類され、さらに契約上合意し
たキャッシュ・フローが利息および元本の支払いのみ（即ち SPPI 要件）である場合、組替調整額（リサイクリン
グ）とその他の包括利益における評価の変動を通した公正価値（リサイクリングを伴う FVOCI ） での測定が要求さ
れる。
公正価値の変動は、収益に影響なく再評価準備金（ OCI ） で認識され、減損を除き、損益計算書で認識される。
貸倒引当金の認識は、注記 27 の「信用リスクおよび信用損失」で説明されている。金融商品が認識を中止される場
合、 OCI で現在まで認識された累積損益は損益計算書（リサイクリング）に再分類され、金融商品によるその他の
純利益に計上される。当該金融資産による利息収益は、実効金利法を用いて純利息収益に計上される。
さらに、「金融資産 － その他の包括利益を通した 公正価値 」には、 IAS 第 32 号 に従った持分の定義に合致し売買
目的で保有しておらず、かつ収益に影響を及ぼすことなくリサイクリングなしの公正価値で測定することを選択し
た持分金融商品も含まれる。かかる分類は、金融商品毎に任意かつ取消不能で設定される。これら持分金融商品に
よる損益は、損益計算書に再分類されることはなく、（リサイクリングなし）で売却された時に利益剰余金に再分
類される。これら持分金融商品は、減損テストを課せられない。当該商品に支払われた配当金は、資本収益を伴わ
ない場合、全て損益計算書上の配当収益として認識される。
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日 変動率 (％ )
百万ユーロ
449 787 -43.0
貸付金 （リサイクリングあり）
- - .
中央銀行
131 132 -0.7
銀行
92 366 -74.9
法人顧客
- - .
個人顧客
47 76 -38.9
その他の金融会社
180 214 -15.9
一般政府
40,918 42,074 -2.7
債務証券 （リサイクリングあり）
15,191 15,025 1.1
銀行
2,510 1,713 46.5
法人顧客
7,719 7,259 6.3
その他の金融会社
15,499 18,077 -14.3
一般政府
- - .
持分金融商品 （リサイクリングなし）
- - .
法人顧客
- - .
その他の金融会社
41,366 42,862 -3.5
合計
2020 年 と同様、 2021 年 6 月 30 日現在、保有持分はなかった。 2020 年 上半期において、すでに売却された保有持分
に係る１百万ユーロの配当金支払は、損益計算書の配当収益に計上された。さらに、 2020 年 のヨーロッパの優良株
式（ブルーチップ）の ポートフォリオの売却から、合計１百万ユーロが その他の包括利益 に計上された。
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(23) 金融負債－公正価値オプション
IFRS 第 9 号の規則に基づき、 会計上の不一致がある場合、公正価値に基づく金融負債の管理および分離を要する
仕組デリバティブの存在が、負債に対して公正価値オプションを適用するための前提条件にもなる可能性がある。
公正価値オプションを金融負債またはハイブリッド契約に使用する場合、自己の信用リスクの変動による公正価
値の変動は、損益計算書に計上されず、収益に影響を及ぼすことなくその他の包括利益（リサイクリングなし）に
計上される。
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日 変動率 (％ )
百万ユーロ
33,531 18,015 86.1
預金
2,683 769 .
中央銀行
10,461 5,150 .
銀行
930 909 2.3
法人顧客
106 127 -16.3
個人顧客
19,214 10,859 76.9
その他の金融会社
137 202 -32.2
一般政府
2,157 2,089 3.3
発行済債務証券
2,157 2,089 3.3
その他の発行済債務証券
35,688 20,104 77.5
合計
公正価値オプションが適用された債務について、信用リスクに起因する 2021 年 上半期の公正価値の変動は 41 百万
ユーロ（ 2020 年 上半期： -101 百万ユーロ）で、その累積変動額は 119 百万ユーロ（ 2020 年 上半期： -88 百万ユーロ）
であった。
公正価値オプションが適用された金融負債の処分により実現された０百万ユーロは、 収益に影響を及ぼすことな
く利益剰余金に計上された 。 前年 に は、 収益に影響を及ぼすことなく利益剰余金に計上された 再分類はなかった。
発行済債券項目には、総額 500 百万ユーロのコメルツ銀行グリーンボンドの発行が含まれている。当該債券は、
2020 年 9 月 に発行された。 この繰上償還可能な非優先シニア債券 は、 2025 年 3 月 までの固定金利期間に 0.75 ％の固定
利息を付している。 その後、変動利息が支払われる。コメルツ銀行は、この手取金を再生可能エネルギー・プロ
ジェクトへの融資に使用する。
2021 年 上半期に、総額１億ユーロ（ 2020 年 上半期： 22 億ユーロ）の新規債券が発行された。同期間に、満期が到
来した債券はなく、同期間または 2020 年 上半期に返済された債券の額もなかった。
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コメルツバンク・アクツィエンゲゼルシャフト(E05761)
半期報告書
(24) 金融資産－ 損益を通した（強制的）公正価値
当項目には、残りのビジネス・モデルに分類され、かつ「金融資産－売買目的で保有」に報告されない金融商品
が含まれる。さらに、「回収目的保有」ならびに「回収目的保有および売却」ビジネス・モデルに分類された取引
は、 SPPI 要件を除き、当該項目に含まれる。かかる取引の例として、投資ファンド証券、利益分配証書、サイレン
ト・パーティシペーションおよび公正価値に基づいて管理される資産が含まれる。
持分金融商品は、株式または他の株式会社の持分のような全ての関連する債務を控除後に会社資産の残余持分を
排他的に提供する契約である。
持分金融商品は、投資家が利息および元本の返済の請求権がないので SPPI 要件ではない。その結果、当該金融商
品は、通常、損益を通して公正価値で測定される。この規則は、リサイクリングなしのその他の包括利益を通して
公正価値で測定するオプションを当行グループが選択した場合は、例外となる（注記 22 参照）。
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日 変動率 (％ )
百万ユーロ
32,776 23,779 37.8
貸付金
6,205 3,902 59.0
中央銀行
7,735 5,953 29.9
銀行
1,202 927 29.7
法人顧客
105 119 -12.0
個人顧客
17,528 12,878 36.1
その他の金融会社
0 1 -87.5
一般政府
4,911 4,192 17.1
債務証券
181 160 13.3
銀行
54 124 -56.2
法人顧客
1,096 1,138 -3.6
その他の金融会社
3,579 2,770 29.2
一般政府
769 705 9.1
持分金融商品
9 9 -
銀行
629 542 16.0
法人顧客
130 153 -14.7
その他の金融会社
38,456 28,677 34.1
合計
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(25) 金融資産－ 売買目的保有
このカテゴリーには、利付証券と株式関連証券、約束手形貸付その他の債権、デリバティブ金融商品（ヘッジ会
計に適格でないデリバティブ）および残りのビジネス・モデルに分類されるその他の売買目的保有のトレーディン
グ・ポートフォリオが含まれている。これらの金融商品は、短期的な価格変動または取引からの利ざやによって利
益を実現するために利用する。
商品の種類に関わらず、当該金融資産は損益を通して公正価値で測定する。従って、かかる取引の公正価値の変
動は、損益を通して損益計算書に表示される。 活発な市場で公正価値を確定することができない場合、各項目は比
較価格、価格提供業者もしくはその他銀行（主幹事銀行）による気配値または内部評価モデル（正味現在価値また
はオプション価格決定モデル）を用いて測定される。
受取利息と支払利息ならびに金融商品の測定損益および実現損益は、損益計算書の、損益を通して公正価値で測
定される金融資産および負債の純利益項目に表示される。
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日 変動率 (％ )
百万ユーロ
2,221 2,263 -1.8
貸付金
986 942 4.6
銀行
362 445 -18.7
法人顧客
823 826 -0.3
その他の金融会社
50 50 -0.1
一般政府
4,607 1,806 .
債務証券
584 184 .
銀行
587 459 28.0
法人顧客
873 448 94.8
その他の金融会社
2,563 716 .
一般政府
2,159 1,059 .
持分金融商品
1 1 -56.4
銀行
1,847 1,058 74.6
法人顧客
312 0 .
その他の金融会社
37,504 45,524 -17.6
デリバティブ金融商品の正の公正価値
27,628 33,005 -16.3
金利関連デリバティブ取引
6,454 9,865 -34.6
通貨関連デリバティブ取引
979 1,069 -8.4
エクイティ・デリバティブ
274 269 1.7
クレジット・デリバティブ
2,169 1,315 64.9
その他のデリバティブ取引
2,760 1,524 81.1
その他のトレーディング・ポジション
49,250 52,176 -5.6
合計
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(26) 金融負債－売買目的保有
この項目には、デリバティブ金融商品（ヘッジ会計に適格でないデリバティブ）、トレーディング勘定中の当行
発行証券および有価証券の空売りから生じる引渡コミットメントが含まれている。
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日 変動率 (％ )
百万ユーロ
4 3 20.6
証書およびその他の発行済債券
1,433 412 .
有価証券の空売りから生じる引渡コミットメント
33,710 42,429 -20.5
デリバティブ金融商品の負の公正価値
24,901 32,650 -23.7
金利関連デリバティブ取引
5,995 8,340 -28.1
通貨関連デリバティブ取引
374 414 -9.8
エクイティ・デリバティブ
479 430 11.5
クレジット・デリバティブ
1,961 596 .
その他のデリバティブ取引
35,146 42,843 -18.0
合計
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半期報告書
信用リスクおよび信用損失
(27) 信用リスクおよび信用損失
原則と測定
IFRS 第 9 号 は、損益を通して公正価値で測定されないローンと有価証券の信用リスクによる減損は予想信用損失
に基づいて 3 段階のモデルを使用して認識しなければならないと規定している。コメルツ銀行グループは、以下の
金融商品をこの減損モデルの範囲に含めている。
• 償却原価で測定される貸付金および債務証券の形態の金融資産
• その他の包括利益（ FVOCI ） を通した公正価値で測定される貸付金および債務証券の形態の金融資産
• リース債権
• IFRS 第 9 号 に基づき損益を通した公正価値で測定されない取消不能な貸付コミットメント
• 損益を通した公正価値で測定されない IFRS 第 9 号 の範囲内の金融保証
当行グループは、以下の要件に基づいて 3 段階のモデルを使用して減損処理を判断する。
ステージ１には、原則として、当初の認識から貸倒損失のリスク（以下「デフォルト・リスク」）が大幅に高
まっていない全ての金融商品が認識される。さらに、ステージ１には、コメルツ銀行が、デフォルト・リスクが大
幅に高まる査定を避けるために、 IFRS 第 9 号 に規定されているオプションを利用して、デフォルト・リスクが限定
された報告日現在の全ての取引が含まれる。限られたデフォルト・リスクは、財務報告日における内部信用格付け
が投資適格（コメルツ銀行の格付けで 2.8 以上に相当）である全ての金融商品に存在する。ステージ１の金融商品
の減損は、翌 12 カ月間の予想信用損失（ 12 カ月 ECL ） について認識されなければならない。
ステージ２には、デフォルト・リスクが当初認識時から大幅に上昇し、財務報告日現在デフォルト・リスクが限
られた取引に分類されない金融商品が含まれる。デフォルト確率の 取引別の変動に加えて、コメルツ銀行は、さら
に質的な基準を定義しており、当該基準が存在する場合には、 デフォルト・リスク の大幅な増加を示していると考
えられる。その場合、 デフォルト確率の 個々の変動とは無関係に、商品はステージ２に計上される。 ステージ２に
おける減損は、当該金融商品の残存期間における予想信用損失（ LECL ） の金額が認識される。
財務報告日現在において減損処理の対象に分類された金融商品は、ステージ３に計上される。この 基準として、
コメルツ銀行は、資本規制規則（ CRR ）第 178 条に従ったデフォルトの定義および EU 規則 No.575/2013 第 178 条に
従ったデフォルトの定義の適用に関する欧州銀行監督局（ EBA ） の 補足ガイダンスを使用している。 予想信用損失
（ ECL ） の算出にも IFRS 第 9 号 の要件に合致するよう修正されたバーゼル内部格付手法（ IRB ） に基づく統計的なリ
スク変数が使用されるため、このアプローチは一貫性がある。以下の事象は顧客のデフォルトの可能性を示唆す
る。
• 支払期日から 90 日超の経過
• 返済の可能性が低い
• 財政救済／譲歩を伴う行き詰った事業再編措置
• 当行が当行の債権の即時返済を請求した状況
• 顧客が支払不能に陥っている状況
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半期報告書
LECL は、 デフォルトとなったステージ３の金融商品について要求される減損処理の金額にも使用される。 LECL
を決定する場合、当行グループは原則として多額のケースと多額ではないケースに分類する。多額ではない取引
（ 5 百万ユーロ以下）の LECL 金額は統計的なリスク変数に基づいて決定される。多額の取引（ 5 百万ユーロ超）に
かかる LECL は、 可能性のある複数のシナリオとその発生確率に基づいて個々の専門家が将来キャッシュ・フロー
を評価し、当該評価から算出された予想損失額となる。
当初認識時に既に上記の定義に従い、減損処理の対象になるとみなされていた金融商品（購入または自社組成
（ POCI ） 金融商品）は、３段階の減損モデル外で処理されるため、 3 段階のいずれにも分類されることはない。当
初の認識は、信用力に基づいて調整された実効金利を用いて減損処理することなく、公正価値に基づいて行う。そ
の後の期間に認識される減損は、当初の貸借対照表上での認識時以降に増減した LECL の累積金額と等しくなる。
LECL は、 金融商品の価値が上昇した場合にもその測定の根拠であり続ける。
債権は、回収不能となった時点で速やかに貸借対照表上で償却する。様々な客観的な基準に基づき決済過程で回
収不能と判断されることがある。例えば、売却可能な不動産資産のない借り手が死亡した場合や、今後の支払いの
見通しがないまま破産手続きが終了した場合等である。さらに、支払期日から 720 日以上経過した貸付金は一般的
に（全額は）回収できないとみなされ、既存の貸倒引当金の範囲内で回収可能な金額まで（一部）償却される。か
かる（部分）償却は、継続する債務回収に直接の影響を与えるものではない。
デフォルト・リスクの大幅な上昇の評価
コメルツ銀行は金融商品のデフォルト・リスクが当初の認識日から大幅に上昇したか否かを評価するための参照
枠組みとして、基本的にはデフォルト確率（ PD ） を使用している。当行グループ全体での信用リスク管理体制
（特に信用リスクの早期発見と当座貸越と再格付プロセスの管理）の堅固なプロセスと手順における関連する移転
基準の精査を支えとして、当行は、デフォルト・リスクが大幅に上昇した場合には、客観的な基準に基づいて、信
頼できる方法で時宜に応じて識別できるよう徹底する。 また、 コメルツ銀行は、 ステージ２に配分するための追加
の質的基準を適用している（金融商品の支払期日が 30 日超経過している場合など）。これらの基準を満たした場
合、 デフォルト確率 にかかわらず、デフォルト・リスクの大幅な増加が想定される。
会計報告日現在において当該金融商品の当初の認識日以降にデフォルト・リスクが大幅に上昇したか否かを判断
するための精査は、報告期間末現在に実施される。この精査は、満期までの金融商品の残存期間におけるデフォル
トの予想確率（残存期間 PD ） と当初の認識日に予想された同じ期間での残存期間 PD を比較するものである。
金融商品は、報告期間末現在、デフォルト・リスクが当初の認識日に比較してもはや大幅に増大していない場
合、ステージ２からステージ１へ再移転される。
予想信用損失（「 ECL 」）の算定
コメルツ銀行は、確率による加重平均、未実行部分の見積り、割引率の使用により、各金融商品の残存期間（コ
メルツ銀行が信用リスクにさらされる、更新オプションの延長期間を含めて最長の契約終了日までの期間）につい
て予想貸倒損失額を ECL として計算している。ステージ１における減損額の認識に用いる 12 カ月 ECL は、 報告期間
末後の 12 カ月 以内に発生が予想されるデフォルト事由に起因する LECL 部分となる。
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半期報告書
ステージ１とステージ２の ECL および ステージ３の多額ではない金融商品にかかる ECL は、 統計上のリスク変数
を考慮した個別取引ベースで算出される。これらの変数は、バーゼル内部格付手法（ IRB ） に基づく変数を IFRS 第
9 号 の要件に合致するよう修正したものである。当該算定に用いた主な変数には以下が含まれている。
• 顧客別デフォルト確率（ PD ）
• デフォルト時損失額（ LGD ）
• デフォルト時エクスポージャー（ EaD ）
当行の内部モデルで使用した全てのリスク変数は、 IFRS 第 9 号 の個々の要件に合致するよう調整され、金融商品
の全期間にわたって適宜、予想期間も延長する。例えば、金融商品の全期間について予想エクスポージャーを構築
するためには、契約上および法律上の終了権も含むようにする。
実行済のローン金額と未実行の与信枠から構成されるローン商品で、商業的な慣習により、信用リスクが契約通
知期間に限定されないもの（コメルツ銀行においては、当座貸越しやクレジットカードでの与信枠といった主に契
約上で合意した返済制度のないリボ払い商品等）については、残存期間における予想信用損失（ LECL ） は、実際
上の満期を使用して算定しなければならない。実際上の満期は、通常、最長契約期間を超える。コメルツ銀行は、
これらの商品の LECL を IFRS 第 9 号 の要件に基づいて経験的に健全な方法で算定するために、直接、過去の実現損失
に基づいて計算している。
原則として、当行グループは過去のデフォルト情報のみならず、とりわけ最近の経済環境（当該時点における観
測）と将来的な情報に基づいて IFRS 第 9 号 に対応するリスク変数を推定している。この評価には、主に、 ECL の金
額について当行のマクロ経済予測が与えると思われる影響の見直しや、 ECL の算定におけるそれらの影響も含まれ
る。
この目的においては各テーマの合意形成（ GDP 成長率や失業率といった重要なマクロ経済要因に対する複数の銀
行の予測）に依拠した基本シナリオを使用し、その後、モデルに関係のある追加のマクロ経済変数でシナリオを補
完する。当報告期間において、 以下の不確実性に基づき、コメルツ銀行は、 2021 年 ６月 10 日に欧州中央銀行が発表
した予測 が現在より楽観的なものであっても、従来の基本シナリオを維持することを決定した。 エムバンクに関し
ては、 現地の貸倒引当金計算の基礎となっている ポーランド特有のシナリオ との整合性を確認した 。基本 シナリオ
を維持するというコメルツ銀行の決定は、現在の不確実性を反映したものである。世界的にワクチン接種計画が著
しく加速しているにもかかわらず、より攻撃的な変異株がこの好ましい傾向を脅かしている。今回のパンデミック
によって、より厳しい対策への回帰が必要になるか否か、またその程度や、経済回復への影響を予測することは現
時点では不可能である。 この基本シナリオには、以下の重要な前提条件が含まれている。
2021 年
基本シナリオ
GDP 成長率
3.0%
ドイツ
3.9%
ユーロ圏
0.2%
ポーランド
失業率
6.7%
ドイツ
10.1%
ユーロ圏
6.6%
ポーランド
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半期報告書
マクロ経済の基本シナリオの変更をリスク変数に反映させることは、統計的なモデルに基づいて行われる。現在
の状況を考慮して、当行は、現在の方針の枠組みの中で、関連する専門家が十分に関与できるようにした。異なる
マクロ経済シナリオと ECL との非線形相関による潜在的な影響は、別個に決定された調整要因を使用して修正す
る。この要因は、 2021 年 第２四半期に実際の事象に基づいて見直され、依然として 適切であると判断された 。
予想信用損失を計算する場合には、モデル化の一環として提示されている IFRS 第 9 号 の予想信用損失（ ECL ） の
変数に反映されていないシナリオや事象から発生する追加的影響（天災、重大な政治的判断や軍事衝突といった単
一の出来事に関係することもある。）についても考慮しなければならない場合がある。これらの追加的影響につい
ては、 IFRS 第 9 号 ECL モデルで試算した結果に別途調整を加えることになる。上級経営陣による最高レベルの調整
（ TLA ） が必要か否かや、可能な実行についての検証は方針に規制されている。
コロナウィルス・パンデミックにより、 2020 会計年度に このような IFRS 第 9 号 ECL モデルの試算の結果の調整が
必要と判断された。標準モデルで使用された変数は、世界的なロックダウンによる経済への影響も、政府や機関に
よる大規模な支援や支援策も反映していなかった。 TLA の妥当性は、パンデミックの現在の進行状況とその経済的
影響に関して、 2021 年 ６月 30 日の報告日現在で、評価された。 精査の結果、 TLA は引き続き存在する不確実性を十
分に考慮していると結論づけられた。
2021 年 6 月 30 日現在、引き続きコロナウィルス ・パンデミック の進展に経済動向が大きく左右されることが、こ
の点で特に重要であった。ウィルスのデルタ株が、遅くとも秋までにはヨーロッパで、そしておそらく米国でも、
新たな感染の波を引き起こすであろうことが既に明らかになっている。しかし、ワクチン接種計画の進展もあっ
て、昨年の秋に比べれば、感染の程度は大幅に軽減される見込みである。それでもなお、接触の多い一部の地域で
はコロナウィルス対策のための規制が再び強化される可能性があり、経済の回復に悪影響を及ぼす可能性がある。
2021 年 上半期においては、ステージ２への大幅な移行や貸倒損失の増加はなく、取引高はわずかに減少し、ポー
トフォリオ全体のデフォルト確率は引き続き安定している。
2020 会計年度の財務書類は、現在、 コーポレート・サブ・ポートフォリオ の４分の１の企業しか入手できず、危
機を部分的に反映したものとなっている。企業が大規模に借り入れた KfW ローンの返済は、 2021 年 末まで開始され
ない。そのためコメルツ銀行は、 TLA に 含まれるデフォルト確率に対するプレミアムは依然として適切であると考
えている。 TLA の詳細については、リスク報告書（英文中間報告書の 18 ページ以下）を参照のこと。金融資産か
ら発生するリスクに対する評価引当金とオフバランス項目に対する引当金は、全体で以下のように変更された。
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半期報告書
2021 年
2021 年
連結会社 為替レート
繰入／
１月１日
百万ユーロ 実行済 グループ 変動／ 6 月 30 日
戻入純額
の変更 再分類
現在
現在
3,111 212 407 - -8 2,909
金融資産のリスクの評価引当金
3,093 221 407 - -8 2,898
金融資産－償却原価
3,043 225 407 - -9 2,853
貸付金
50 -5 - - 1 46
債務証券
金融資産－その他の包括利益を通
19 -8 - - 0 11
した公正価値
10 -10 - - 0 0
貸付金
8 2 - - 0 10
債務証券
11 2 - - 3 16
金融保証のための引当金
305 34 - - -2 337
貸付コミットメントのための引当金
183 -13 - - 1 171
補償契約のための引当金
3,611 235 407 - -6 3,434
合計
2020 年
2020 年
連結会社 為替レート
繰入／
１月１日
百万ユーロ 実行済 グループ 変動／ 12 月 31 日
戻入純額
の変更 再分類
現在
現在
2,175 1,565 569 - -59 3,111
金融資産のリスクの評価引当金
2,167 1,550 567 - -58 3,093
金融資産－償却原価
2,111 1,556 567 - -57 3,043
貸付金
56 -5 - - -1 50
債務証券
金融資産－その他の包括利益を通
8 14 3 - -0 19
した公正価値
1 9 - - -0 10
貸付金
6 5 3 - -0 8
債務証券
9 2 - - -0 11
金融保証のための引当金
129 178 - - -2 305
貸付コミットメントのための引当金
182 4 - - -3 183
補償契約のための引当金
2,496 1,748 569 - -64 3,611
合計
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コメルツバンク・アクツィエンゲゼルシャフト(E05761)
半期報告書
当上半期末現在の各ステージへの内訳は、以下のとおりである。
POCI
百万ユーロ ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
303 720 1,822 64 2,909
金融資産のリスクの評価引当金
266 701 1,822 64 2,853
貸付金
36 20 - - 56
債務証券
3 6 3 4 16
金融保証のための引当金
103 169 30 35 337
貸付コミットメントのための引当金
2 59 81 29 171
補償契約のための引当金
411 955 1,937 131 3,434
合計
リスク引当金の決定には、特に大きく変動する環境の下では、不確実性が高い見積りを想定することが必要であ
る。報告日現在、欧州中央銀行の発表を考慮した基本シナリオに基づいて算出された予想信用損失（ステージ１お
よび２）は、 13 億ユーロであった。 包括的な生産停止命令などのさらなる措置や長引く世界的な景気後退を含むス
トレス・シナリオにおいて、収益はさらに深刻な影響を受けることになる。また、更なるクレジット・デフォルト
に加えて、 予想信用損失（ステージ１および２）の８億ユーロの増加が予測されている。
2020 年 12 月 31 日現在の各ステージへの内訳は、以下のとおりである。
POCI
百万ユーロ ステージ１ ステージ２ ステージ３ 合計
290 707 2,039 75 3,111
金融資産のリスクの評価引当金
253 686 2,039 75 3,053
貸付金
38 21 - - 58
債務証券
2 2 4 4 11
金融保証のための引当金
105 150 22 29 305
貸付コミットメントのための引当金
2 80 71 31 183
補償契約のための引当金
399 939 2,135 139 3,611
合計
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金融商品のその他の注記
(28) IFRS 第 13 号 の公正価値のヒエラルキーと開示要件
公正価値の階層
IFRS 第 13 号 に基づき、金融商品は、以下のように公正価値のヒエラルキーの３つのレベルに分類されている。
レベル１： 公正価値が活発な市場での同一金融商品の相場価格に基づく金融商品。
レベル２： 活発な市場で同一商品の相場価格が提供されず、観察可能な市場の変数に依拠する評価法を用いて公
正価値が設定される金融商品。
レベル３： 観察可能な市場データが不十分である一つ以上の重要な情報を組み入れた評価法が用いられる金融商
品で、少なくとも当該情報が軽微ではない影響を公正価値に与えている場合である。
銀行に関連するモデルベース測定（レベル２およびレベル３）の方法に関して、 IFRS 第 13 号 は、市場アプローチ
および収益アプローチを認めている。市場アプローチは、同一または類似の資産および負債に係る情報を利用した
測定方法に依拠している。
収益アプローチは、将来のキャッシュ・フロー、費用および収益に関する現在の予想を反映する。収益アプロー
チは、オプション価格モデルも含む。かかる評価は経営陣の判断に依拠する割合が高くなる。市場データまたは第
三者の情報には可能な限り大幅に、企業特有の情報には限定的に、依拠する。
評価モデルは、金融商品の価格決定のため一般に認められている経済的方法と一致しなければならず、また市場
参加者が価格の確定の際に適切と考える全ての要素を組み込まなければならない。
後日に公正価値が実現できる場合、公正価値推定値から根本的に逸脱する可能性もある。
全ての公正価値は、公正価値を独自に検証するまたは正当であると確認するための基準を定めたコメルツ銀行グ
ループの内部統制および手続に従う。かかる内部統制および手続は、リスク部門の独立価格検証（ IPV ） グループ
が実行し、かつ調整している。モデル、情報および算出された公正価値は、定期的に上級経営陣およびリスク部門
により見直される。
開示義務
以下の金融商品は、それぞれ明確に区別されている。
a) 公正価値で測定される金融商品（その他の包括利益を通した公正価値、公正価値オプション、損益を通した
（強制的）公正価値および売買目的保有）
b) 償却原価で測定される金融商品
上記金融商品にかかる開示要件は、 IFRS 第 7 号 と IFRS 第 13 号 に定められている。例えば、レベル２とレベル３に
ついては使用した評価手法と入力値の記載が義務付けられているほか、レベル３については観察不能な入力値につ
いては定量的開示が義務付けられている。報告会社は、公正価値のヒエラルキーの各階層間の再分類、そしてレベ
ル３のポートフォリオについては各報告日現在の開始残高および期末時点における残高の調整ならびに未実現損益
について、その日付、理由および情報を提示しなければならない。また、観察不能入力値（レベル３）の感応度を
示し、デイワン損益に関する情報を提示することも求められる。
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a) 公正価値で測定される金融商品
IFRS 第 13 号 に基づき、資産の公正価値は、取引の知識がある当事者間の自発的で対等の取引で売却され得る
額である。そのため公正価値は譲渡価格を表わしている。負債の公正価値は、秩序ある取引として第三者へ譲
渡し得る価格と定義される。
負債の測定には、当行の自己信用スプレッドも考慮に入れなければならない。第三者が当行の負債（保証
等）について担保を提供する場合、当行の返済義務に変更はないことから、当該担保は、負債の評価について
考慮されない。
デリバティブ取引の測定時に、当行グループは金融資産および金融負債の純リスク・ポジション算出の可能
性を利用する。測定は、取引相手方の信用リスクだけではなく当行の自己のデフォルト・リスクも考慮に入れ
る。当行グループは、観察可能市場データ（ CDS スプレッド等）に基づく取引相手方のデリバティブ・ポート
フォリオの将来の公正価値をシミュレートすることにより、信用評価調整（ CVA ） および債務評価調整
（ DVA ） を決定する。資金調達評価調整（ FVA ） の場合、無担保のデリバティブおよび一部のみ担保され
た、または資金調達目的には当該担保を使用することができない担保付デリバティブの調達コストまたは調達
利益は、公正価値で認識される。信用評価調整（ CVA ） および債務評価調整（ DVA ） と同様に、資金調達評
価調整（ FVA ） も観察可能市場データ（ CDS スプレッド等）を使用した将来の正または負のポートフォリオの
公正価値の予測値により決定される。資金調達評価調整（ FVA ） の計算に使用される資金調達曲線は、コメル
ツ銀行の資金調達曲線に近似する。
IFRS 第 9 号 により、すべての金融商品は当初の認識時に公正価値で測定されることが求められている。当該
価値は、通常取引価格である。一部が測定される金融商品以外に関連する場合、公正価値は評価方法を使用し
て推定される。
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下記の表は、貸借対照表上に公正価値で計上された金融商品を、 IFRS 第 9 号 の公正価値カテゴリー毎にレベ
ル別で表している。
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日
金融資産 （ 10 億ユーロ）
レベル１ レベル２ レベル３ 合計 レベル１ レベル２ レベル３ 合計
金融資産－その他の包括利益
を通した公正価値
- 0.4 - 0.4 - 0.8 - 0.8
貸付金
29.9 10.6 0.4 40.9 30.9 10.8 0.4 42.1
債務証券
- - - - - - - -
持分金融商品
金融資産－ 損益を通した（強
制的）公正価値
- 31.5 1.3 32.8 - 22.6 1.2 23.8
貸付金
0.8 3.2 0.9 4.9 1.0 2.3 0.9 4.2
債務証券
0.0 0.0 0.7 0.8 0.0 0.0 0.6 0.7
持分金融商品
金融資産－売買目的保有
0.9 1.0 0.3 2.2 1.0 0.9 0.4 2.3
貸付金
3.2 1.4 - 4.6 1.1 0.7 - 1.8
債務証券
2.2 0.0 0.0 2.2 1.1 - 0.0 1.1
持分金融商品
- 36.5 1.0 37.5 - 44.4 1.2 45.5
デリバティブ
2.8 - - 2.8 1.5 - - 1.5
その他
デリバティブ金融商品の正の
公正価値
- 0.9 - 0.9 - 1.9 - 1.9
ヘッジ会計
売却目的で保有する固定資産
および処分対象グループ
- 0.0 - 0.0 - 0.0 - 0.0
貸付金
0.0 0.0 - 0.0 0.0 0.0 - 0.0
債務証券
0.0 - 0.0 0.0 0.0 - 0.0 0.0
持分金融商品
. 1.8 0.1 1.9 - 1.9 0.2 2.1
デリバティブ
39.9 87.3 4.7 131.8 36.6 86.2 4.8 127.7
合計
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2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日
金融負債 （ 10 億ユーロ）
レベル１ レベル２ レベル３ 合計 レベル１ レベル２ レベル３ 合計
金融負債－公正価値オプショ
ン
- 33.5 - 33.5 - 18.0 0.0 18.0
預金
2.2 - - 2.2 2.1 - - 2.1
発行済債務証券
金融負債－売買目的保有
- 33.1 0.6 33.7 - 41.8 0.7 42.4
デリバティブ
証書およびその他の発行
0.0 - - 0.0 0.0 - 0.0 0.0
済債券
有価証券の空売りから生
1.3 0.1 - 1.4 0.4 0.0 - 0.4
じる引渡コミットメント
デリバティブ・ヘッジ商品の
負の公正価値
- 5.5 - 5.5 - 5.9 - 5.9
ヘッジ会計
処分対象グループの負債
- 0.0 - 0.0 - 0.0 - 0.0
預金
- - - - - - - -
発行済債務証券
- 1.7 0.1 1.8 - 1.9 0.1 2.0
デリバティブ
証書およびその他の発行
- - - - 0.0 - - 0.0
済債券
有価証券の空売りから生
0.0 - - 0.0 0.0 - - 0.0
じる引渡コミットメント
3.5 74.0 0.6 78.1 2.5 67.6 0.8 70.9
合計
異なるレベルへの再分類は、金融商品が評価のヒエラルキーの３つのレベルの１つから他のレベルへ再分類
される場合に行われる。この再分類は、市場変動が金融商品の評価に使用される入力ファクターに影響を与え
たこと等が原因で行われることがある。
コメルツ銀行は、報告期間末現在で項目の再分類を行う。
2021 年 上半期には、その他の包括利益を通した公正価値カテゴリーの債務証券 13 億ユーロ、 損益を通した
（強制的）公正価 値 カテゴリーの債務証券３億ユーロおよび 売買目的保有 カテゴリーの債務証券３億ユーロ
は、取引相場価格が 再び入手できたのでレベル２からレベル１に再分類された。一方、 売買目的保有 カテゴ
リーの債務証券４億ユーロおよびその他の包括利益を通した公正価値カテゴリー の債務証券３億ユーロは、取
引相場価格が入手 できなかったため レベル１からレベル２に再分類された。当行は、レベル１およびレベル２
の間でその他の重要な再分類は行わなかった。
2020 会計年度 に、 売買目的保有 カテゴリーの債務証券１億ユーロならびに 売却目的で保有する固定資産およ
び処分対象グループの債務証券１億ユーロは、 取引相場価格が 再び入手できたのでレベル２からレベル１に再
分類された。一方、 売却目的で保有する固定資産および処分対象グループの債務証券１億ユーロは、取引相場
価格が入手 できなかったため レベル１からレベル２に再分類された。当行は、レベル１およびレベル２の間で
その他の重要な再分類は行わなかった。
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レベル３に分類された金融商品の変動は下記のとおりであった。
金融資産－
金融資産－ 売却目的で保
損益を
金融資産 金融資産－
その他の包括 有する固定資
通した
売買目的 合計
利益を通した 産および処分
（強制的）
（百万ユーロ） 保有
公正価値 対象グループ
公正価値
386 2,746 1,519 157 4,808
2021 年 １月１日現在の公正価値
- - - - -
連結会社グループの変更
当期中に損益計算書に認識された
11 44 -50 17 23
損益
11 44 -50 18 23
内、 未実現損益
- - - - -
再評価準備金に認識された損益
- 167 41 - 208
購入
- -70 -79 - -149
売却
- - - - -
発行
- - -120 -53 -173
償還
- 10 0 0 10
レベル３への再分類
- -3 -9 -15 -27
レベル３からの再分類
- - - - -
IFRS 第 9 号に基づく再分類
売却目的で保有する固定資産およ
- - - - -
び処分対象グループからの（へ
の） 再分類
397 2,894 1,302 106 4,699
2021 年 6 月 30 日 現在の公正価値
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金融資産－
金融資産－ 売却目的で保
金融資産 損益を 金融資産－
その他の包括 有する固定資
通した 売買目的 合計
利益を通した 産および処分
（百万ユーロ） （強制的） 保有
公正価値 対象グループ
公正価値
29 3,931 1,625 237 5,822
2020 年 １月１日現在の公正価値
- - - - -
連結会社グループの変更
当期中に損益計算書に認識された
68 -51 120 -9 128
損益
68 -51 105 19 141
内、未実現損益
- - - - -
再評価準備金に認識された損益
549 454 240 - 1,243
購入
-28 -1,184 -205 - -1,417
売却
- - - - -
発行
- - -1,417 -43 -1,460
償還
4,615 74 1,296 68 6,053
レベル３への再分類
-4,847 -478 -140 -96 -5,561
レベル３からの再分類
- - - - -
IFRS 第 9 号に基づく再分類
売却目的で保有する固定資産およ
- - - - -
び処分対象グループからの（へ
の）再分類
386 2,746 1,519 157 4,808
2020 年 12 月 31 日 現在の公正価値
売買目的保有金融商品（証券およびデリバティブ）ならびに損益を通して公正価値で測定される債権および
証券の未実現損益は、損益を通して公正価値で測定される金融資産および金融負債から生じた純利益に含まれ
る。
2021 年 上半期には、 レベル２およびレベル３の間で金融資産の重要な再分類はなかった。
2020 年 第１四半期に、その他の包括利益を通した公正価値カテゴリーの AAA 格付の 担保付貸付債務である債
務証券 48 億ユーロは、 レベル２からレベル３に再分類された。 コロナウィルス・パンデミックにより、 2020 年
３月には様々な市場参加者が担保付貸付債務の流通市場から撤退した。さらに、当該期間には証券の新規発行
はほとんど行われなかった。コメルツ銀行は、取引の単独事例を正式ではない取引として分類し、その結果、
当該取引の取引価格を公正価値を決定する入力変数として使用していない。評価技法はモデル価格手法へと変
更され、重要な入力変数は推定値に基づいた。当該ポートフォリオは、観察可能な 市場変数が再び入手できた
ので、 2020 年 第２四半期に レベル２に再分類された。
さらに、 2020 会計年度には、 売却目的で保有する固定資産および処分対象グループのデリバティブ１億ユー
ロ、 売買目的保有 カテゴリーの貸付金４億ユーロならびに 売買目的保有 カテゴリーの デリバティブ８ 億ユーロ
は、 観察可能な 市場変数が入手できなかったため、レベル２からレベル３に再分類された。一方、売却目的で
保有する固定資産および処分対象グループのデリバティブ１億ユーロならびに 損益を通した（強制的）公正価
値 カテゴリーの貸付金４億ユーロ は、 観察可能な 市場変数が再び入手できたため、レベル３からレベル２に再
分類された。その他に重要な再分類はなかった。
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2019 年 1 月 1 日現在、損益を通した（強制的）公正価値カテゴリーの貸付金ポートフォリオ 28 億ユーロは、
IFRS 第 9 号 の償却原価カテゴリーへ再分類された（いずれもレベル３） （ 注記 20 参照）。
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当会計年度においてレベル３のカテゴリーにある金融負債の変動は以下のとおりであった。
金融負債 金融負債－
金融負債－ 処分対象グルー
公正価値 合計
売買目的保有 プの負債
（百万ユーロ） オプション
754
- 654 100
2021 年１月１日現在の公正価値
- - - -
連結会社グループの変更
- 46 -6 40
当期中に損益計算書に認識された損益
- 46 8 54
内、 未実現損益
- 278 - 278
購入
- -413 -0 -414
売却
- - - -
発行
- - -25 -25
償還
- - 2 2
レベル３への再分類
- -3 -4 -7
レベル３からの再分類
-
処分対象グループの負債からの（への）
- - -
再分類
629
- 562 67
2021 年 6 月 30 日 現在の公正価値
金融負債 金融負債－
金融負債－ 処分対象グルー
公正価値 合計
売買目的保有 プの負債
（百万ユーロ） オプション
1,385
- 1,050 336
2020 年１月１日現在の公正価値
- - - -
連結会社グループの変更
-6 -94 17 -83
当期中に損益計算書に認識された損益
-6 -89 16 -79
内、 未実現損益
6 327 - 333
購入
- -190 -61 -251
売却
- - - -
発行
- -660 -62 -722
償還
- 285 359 644
レベル３への再分類
- -64 -489 -553
レベル３からの再分類
-
処分対象グループの負債からの（への）
- - -
再分類
753
- 654 100
2020 年 12 月 31 日 現在の公正価値
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売買目的で保有する金融負債に係る未実現損益は、損益を通して公正価値で測定される金融資産および負債
に係る純利益に含まれる。
2021 年 上半期には、 レベル２およびレベル３の間で金融負債の重要な再分類はなかった。
2020 会計年度 に、 売買目的保有 カテゴリーの 負債に含まれる デリバティブ ２億ユーロ、 処分対象グループの
負債に含まれる 証書およびその他の発行済債券１億ユーロならびに 処分対象グループの負債に含まれる デリバ
ティブ１億ユーロは、 観察可能な 市場変数が入手できなかったため、レベル２からレベル３に再分類された。
一方、処分対象グループの負債のデリバティブ３億ユーロは、 観察可能な 市場変数が再び入手できたため、レ
ベル３からレベル２に再分類された。 その他には 重要な再分類はなかった。
感応度分析
金融商品の価額が観察不能の入力変数に基づく場合（レベル３）、報告日における当該変数の的確なレベル
は、経営陣の判断による一連の合理的に可能な代替額から得ることができる。当行グループの財務書類の作成
時に、存在する市場の証拠と一致しかつ当行グループの評価管理手法に沿うかかる観察不能の入力変数の妥当
なレベルが選択される。
本記載の目的は、観察不能の入力変数に基づき評価される金融商品（レベル３）の公正価値が相対的に不確
実であることによる潜在的影響を説明することである。レベル３の公正価値の算出に使用する変数には、往々
にして相互依存性が存在する。経済状況全般が好転すると期待されて株価が上昇する一方、ドイツ国債などの
リスクがより低いとみなされる証券の価値が低下することもある。このような相互依存性は、相関変数がかか
る公正価値に重要な影響を持つことから、相関変数を使って説明される。評価モデルが複数の変数を使用する
場合、一つの変数を選択することによって他の変数によって得られる価値の範囲が制限される可能性がある。
そのため、当然のこととして、このカテゴリーにはより流動性の低い商品、満期までの期間が長い商品、観察
可能な個別市場データが十分には取得し難い商品が含まれることになる。当該情報の目的は、レベル３金融商
品の観察不能な主要入力変数を説明した上で主要入力変数の基礎となる様々な入力データを示すことである。
レベル３の観察不能な主要入力変数と重要な関連ファクターは、以下に概説する。
・ 内部収益率（IRR）：
IRR は、 商品から派生するすべてのキャッシュ・フローの正味現在価値をゼロにするのに等しい割引率と
定義される。例えば、債券については、 IRR は現在の債券価格、額面価額および残存期間等に依拠する。
・ 信用スプレッド：
信用スプレッドは、それぞれの信用の質を除き、あらゆる点で同一の証券間の利回りのスプレッド（プ
レミアムまたはディスカウント）をいう。信用スプレッドは、商品とベンチマークとの間の信用格差を
補うような対ベンチマーク参照商品での超過利回りを表している。信用スプレッドは、対象ベンチマー
クを超過した（または下回る）ベーシスポイントの数値で提示される。ベンチマークに対して信用スプ
レッドが広い（高い）ことは商品の信用度が低く、信用スプレッドがより狭い（低い）ことは商品の信
用度が高いことを示している。
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・ 金利・為替（IR-FX）相関：
IR-FX 相関は、ある通貨での資金調達商品と交換に、エキゾチックな仕組みで、通常は、異なる通貨での
２つの国債利回りの動向に基づき決定する支払いを受け取るエキゾチック金利スワップの価格決定に関
係する。一部のエキゾチック金利商品は、より長い残存期間について合意された市場データは、観察可
能ではない。例えば、残存期間が 10 年 を超える米国債の CMT イールド（米国債理論利回り）は、観察可
能ではない。
・ 回収率、存続およびデフォルトの確率：
クレジット・デフォルト・スワップ（ CDS ） の価格決定要因は、もっぱら需給とアセット・スワップと
の裁定関係になる傾向がある。傾向としてクレジット・デフォルト・スワップの価格決定モデルは、市
場金利を上回るか下回る固定金利の支払いが合意された、エキゾチックな仕組みと市場外のデフォル
ト・スワップの評価に使われることが多い。これらのモデルは、クレジット・デフォルト・スワップに
おいて予想されるキャッシュ・フローを割り引くことによって参照資産のインプライド・デフォルト率
を計算する。モデルの入力データは、参照資産の存続確率の時系列を補間する（「ブートストラッ
プ」）ために使用する信用スプレッドと回収率である。デフォルト・スワップ市場における優先無担保
契約の回収率は、通常 40 ％を前提にしている。回収率に関する前提は、存続確率カーブの形状を決定す
る要因である。回収率の前提が異なることは、存続確率が異なることを意味する。一定の信用スプレッ
ドにつき、回収率の前提が高いことは（回収率の前提が低い場合と比べて）デフォルトの可能性が高
く、引いては存続の可能性が低いことを意味する。社債の発行体のデフォルト率と回収率の間には、長
期的には相関があり、両者の間の相関は、デフォルト率（発行体がデフォルトする比率として定義）の
上昇が総じて平均回収率の低下を伴うという逆相関の関係である。
実務上、市場参加者は、インプライド・デフォルト率を算出するのに市場スプレッドを使う。デフォ
ルト率の推定は、クレジット・デリバティブ取引の当事者らの結合損失分布によっても左右される。複
数の変数間の相関構造を計測するには、コピュラ関数が使用される。コピュラ関数は、二つの独立周辺
分布の特性を維持しながら結合分布を発生させる。
・ レポ・カーブ：
レポ・カーブのパラメーターは買戻し契約（レポ）の価格決定に関連する入力変数である。一般的にレ
ポは翌日物から 12 ヶ月物までの短期契約となる。 12 ヶ月を超える満期の場合には、レポ・カーブの変数
は、とりわけ新興国市場の契約等、独立した観察可能な市場データが入手できなくなり、識別がより困
難となる。場合によっては、レポ・カーブの入力変数を推定するために代替レポ・カーブを使用するこ
ともある。これが不十分と思われる場合には、この入力変数は「観察不能」に分類される。さらに
ミューチュアル・ファンドに関連するレポにも、観察不能なレポ・カーブのエクスポージャーが含まれ
ていることがある。
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・ 価格：
一部の金利商品およびローン商品は、その価格に基づいて計上されている。これは、価格自体が観察不
能な変数であり、感応度はポジションの正味現在価値（ NPV ） の偏差として推定されるという考え方に
沿っている。
・ 投資ファンドのボラティリティ：
一般に、投資ファンドのオプション市場の流動性は、株式オプション市場の流動性よりも低い。そのた
め、原投資ファンドのボラティリティは、ファンド商品の構成に左右される。実現ボラティリティを算
定する間接的な計算方法はあるが、この方法は、使用する市場データの流動性がレベル２に分類するに
は十分ではないため、レベル３に適用される。
重要な観察不能変数の下記の範囲は、当行グループのレベル３金融商品の評価に使用される。
2021 年 6 月 30 日 2021 年 6 月 30 日
百万ユーロ
重要な観察不能の
評価技法
資産 負債 範囲
入力変数
1,581 - - -
貸付金
割引キャッシュ
784 - -32 102
レポ・カーブ（ bps ）
レポ
・フロー・モデ
ル
割引キャッシュ
- - - -
信用スプレッド（ bps ）
船舶ファイナンス
・フロー・モデ
ル
割引キャッシュ
797 - 130 2,150
信用スプレッド（ bps ）
その他の貸付金
・フロー・モデ
ル
1,336 - - -
債務証券
スプレッド・
1,336 - 100 500
信用スプレッド（ bps ）
金利関連取引
ベース・モデル
割引キャッシュ
693 - 100 500
内、資産担保証券（ ABS ） 信用スプレッド（ bps ）
・フロー・モデ
ル
692 - - -
持分金融商品
割引キャッシュ
692 - 90% 110%
価格（ % ）
エクイティ関連取引
・フロー・モデ
ル
1,091 629
デリバティブ
割引キャッシュ
920 349 5% 20%
IRR (%)
エクイティ関連取引
・フロー・モデ
ル
オプション価格 投資ファンドのボラ
- - 1% 40%
決定モデル ティリティ
割引キャッシュ
クレジット・デリバティブ
171 280 100 3,300
信用スプレッド（ bps ）
・フロー・モデ
（ PFI および IRS を含む。）
ル
- - 0% 80%
回収率（ % ）
オプション価格
- - - -
IR-FX 相関（ % ）
金利関連取引
決定モデル
- - - -
その他の取引
4,699 629
合計
68/113
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2020 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日
百万ユーロ
重要な観察不能の
評価技法
資産 負債 範囲
入力変数
1,547 - - -
貸付金
割引キャッシュ
656 - 26 56
レポ・カーブ（ bps ）
レポ
・フロー・モデル
割引キャッシュ
20 - 550 1,900
信用スプレッド（ bps ）
船舶ファイナンス
・フロー・モデル
割引キャッシュ
871 - 100 3,300
信用スプレッド（ bps ）
その他の貸付金
・フロー・モデル
1,316 - - -
債務証券
スプレッド・ベー
1,316 - 100 500
信用スプレッド（ bps ）
金利関連取引
ス・モデル
スプレッド・ベー
677 - 100 500
内、資産担保証券（ ABS ） 信用スプレッド（ bps ）
ス・モデル
633 - - -
持分金融商品
割引キャッシュ
633 - 90% 110%
価格（ % ）
エクイティ関連取引
・フロー・モデル
1,312 753
デリバティブ
割引キャッシュ
987 339 5% 20%
IRR (%)
エクイティ関連取引
・フロー・モデル
オプション価格決 投資ファンドのボラ
- - 1% 40%
定モデル ティリティ
クレジット・デリバティブ
割引キャッシュ
319 243 100 2,150
信用スプレッド（ bps ）
（ PFI および IRS を含む。）
・フロー・モデル
- - 0% 80%
回収率（ % ）
オプション価格決
6 171 -30% 68%
IR-FX 相関（ % ）
金利関連取引
定モデル
- - - -
その他の取引
4,808 753
合計
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半期報告書
下記の表は、公正価値の階層レベル３の商品の範囲の両端に係る合理的な変数の見積額が損益計算書に及ぼ
す影響を示している。公正価値の階層レベル３の金融商品の感応度は、金融商品の種類別に分類される。
2021 年 6 月 30 日
百万ユーロ
損益計算書に 損益計算書に
変更された変数
係る正の影響 係る負の影響
16 -16
貸付金
8 -8
レポ レポ・カーブ
- -
船舶ファイナンス 信用スプレッド
8 -8
その他の貸付金 信用スプレッド
31 -31
債務証券
31 -31
金利関連取引 価格
18 -18
内、資産担保証券（ ABS ） IRR 、回収率、信用スプレッド
7 -7
持分金融商品
7 -7
エクイティ関連取引 価格
17 -16
デリバティブ
IRR 、 価格ベース、 投資ファンドのボラ
16 -15
エクイティ関連取引
ティリティ
クレジット・デリバティブ
1 -1
信用スプレッド、回収率、価格
（ PFI および IRS を含む。）
- -
金利関連取引
- -
その他の取引
2020 年 12 月 31 日
百万ユーロ
損益計算書に 損益計算書に
変更された変数
係る正の影響 係る負の影響
16 -16
貸付金
7 -7
レポ レポ・カーブ
- -
船舶ファイナンス 信用スプレッド
9 -9
その他の貸付金 信用スプレッド
31 -31
債務証券
31 -31
金利関連取引 価格
18 -18
内、資産担保証券（ ABS ） IRR 、回収率、信用スプレッド
7 -7
持分金融商品
7 -7
エクイティ関連取引 価格
15 -15
デリバティブ
IRR 、 価格ベース、 投資ファンドのボラ
12 -11
エクイティ関連取引
ティリティ
クレジット・デリバティブ
3 -4
信用スプレッド、回収率、価格
（ PFI および IRS を含む。）
- -
価格、 IR-FX 相関
金利関連取引
- -
その他の取引
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選択された変数は合理的に可能な代替額の範囲の両端にある。しかしながら、実際には、全ての観察不能変
数が同時に 合理的に可能な代替額の 範囲の両端にある恐れはない。そのため、示された見積額は当該商品の公
正価値の実際の不確実性を上回る可能性がある。これらの数値は、公正価値の将来の変動を見積りまたは予測
することを意図するものではない。観察不能変数が商品の種類毎に当行の独立した評価専門家が適切であると
みなす１％から10％の間で変動させられたか、または標準偏差の基準が適用された。
デイワン損益
コメルツ銀行グループは、全ての重要な入力変数が市場で観察可能ではない場合、評価モデルを用いて公正
価値が算出された取引を実行している。当該取引の当初簿価が公正価値である。取引価格と当該モデルに基づ
く公正価値との差額は、「デイワン損益」と呼ばれる。デイワン損益は、損益計算書に直ちには認識されず、
取引の期間にわたって認識される。当該取引について活発な市場で取引相場価格が付くかまたは全ての重要な
入力変数が観察可能になった場合、発生デイワン損益は即座に損益計算書上の損益を通して公正価値で測定さ
れる金融資産および負債に係る純損益の項目に認識される。取引価格とモデルにより決定される公正価値との
累積差額は、全てのカテゴリーにおけるレベル３商品について算出される。重大な影響は、売買目的で保有さ
れる金融商品からのみ発生する。
金額は以下のとおり変動した。
デイワン損益
百万ユーロ
金融資産－ 金融負債－
合計
売買目的保有 売買目的保有
- 24 24
2020 年 １月１日現在残高
- - -
損益計算書に認識されない繰入
- -10 -10
損益計算書に認識された戻入
- 14 14
2020 年 12 月 31 日 現在残高
- 1 1
損益計算書に認識されない繰入
- -2 -2
損益計算書に認識された戻入
- 13 13
2021 年 6 月 30 日 現在残高
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b) 償却原価で測定される金融商品
IFRS 第 7 号 では、貸借対照表上、公正価値で認識されていない金融商品の公正価値を開示することも義務付
けている。上記の場合における公正価値の算定方法は、以下のとおりである。
標準的な方法として、公正価値の測定対象にはならない資産の初度測定には、取引コストも勘案しなければ
ならない。これらのコストには、金融資産および金融負債の取得、発行ないし処分に関連して発生した追加費
用が含まれる。取引コストには、プレミアムおよびディスカウント、資金調達費用、内部営業費用または保守
費用等は含まれない。
日毎に満期が到来する金融商品の額面金額は、その公正価値であるとみなされる。当該商品には、手元現金
および要求払現金ならびに当座貸越額および要求払預金が含まれる。当行はこれらをレベル２に分類する。貸
付金は売買される組織された市場が存在しないため、かかる金融商品には市場価格は得られない。そのため、
貸付金については、当行は割引キャッシュ・フロー・モデルを使用する。
キャッシュ・フローは無リスク金利にリスク費用、再調達費用、営業費用および株式費用を含めたプレミア
ムを加算した利率で割り引かれている。無リスク金利は該当する満期／通貨のスワップ・レート（スワップ・
カーブ）に基づき決定される。これらは通常外部データを参照する。
また、当行は利益率を含めたキャリブレーション定数によるプレミアムを適用している。利益率は貸付金の
評価モデルに反映されているため、初度認識日における公正価値は支払額に相当する。
主要銀行と法人顧客の信用リスク費用のデータは信用スプレッドにより取得可能であるため、レベル２とし
て分類することが可能である。観察可能な入力変数が取得できない場合、貸付金の公正価値をレベル３に分類
することが適切である場合もある。
IFRS 第 9 号 の償却原価カテゴリーで会計処理された有価証券の場合、公正価値は、活発な市場が存在するこ
とを前提として、取得可能な市場価格を基に決定される（レベル１）。活発な市場が存在しない場合、公正価
値の算出は、広く認められた評価方法を使うことになり、一般的にはアセット・スワップ価格決定モデルを評
価に使用する。適用される変数は、イールドカーブと比較ベンチマーク商品のアセット・スワップ・スプレッ
ドから構成される。使用した入力変数が観察可能か観察不能かにより、分類はレベル２かレベル３に分かれ
る。
預金については、通常市場データはないため、公正価値の算出には一般的に割引キャッシュ・フロー・モデ
ルが使われる。イールドカーブに加え、自己の信用スプレッドと営業費用のプレミアムも加味される。債務の
計測には各カウンターパーティーの信用スプレッドは使用しないため、通常はレベル２として分類される。観
察不能な入力変数の場合、レベル３の分類が適切となる場合もある。
発行済債務証券の公正価値は、取得可能な市場価格に基づいて決定される。価格が取得できない場合、公正
価値の決定に割引キャッシュ・フロー・モデルが使用される。公正価値の決定には、直近の市場金利、自己の
信用スプレッド、資本コスト等を含む多くの異なるファクターが考慮される。取得可能な市場価格が適用され
る場合には、当該発行済債務証券はレベル１に分類されることになり、そうでない場合、評価モデルが観察可
能な入力変数に著しく依存することから、通常はレベル２に分類される。
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2021 年 6 月 30 日 （ 10 億ユーロ）
公正価値 簿価 差異 レベル１ レベル２ レベル３
402.6 401.7 0.9 10.7 139.3 252.6
資産
106.1 106.1 - - 106.1 -
手元現金および要求払現金
296.5 294.9 1.7 10.7 33.2 252.6
金融資産－ 償却原価
265.0 261.7 3.4 - 19.4 245.6
貸付金
31.5 33.2 -1.7 10.7 13.8 6.9
債務証券
ポートフォリオ公正価値ヘッジの
- 0.8 -0.8 - - -
評価調整
売却目的で保有する固定資産およ
0.0 0.0 - - 0.0 -
び処分対象グループ
0.0 0.0 - - 0.0 -
貸付金
- - - - - -
債務証券
428.1 426.6 1.5 29.4 396.2 2.4
負債
428.0 425.7 2.3 29.4 396.2 2.4
金融負債－償却原価
386.8 386.8 -0.0 - 385.9 0.9
預金
41.2 38.9 2.4 29.4 10.3 1.5
発行済債務証券
ポートフォリオ公正価値ヘッジの
- 0.9 -0.9 - - -
評価調整
0.0 0.0 - - 0.0 -
処分対象グループの債務
0.0 0.0 - - 0.0 -
預金
- - - - - -
発行済債務証券
注
2020 年 12 月 31 日 （ 10 億ユーロ）
公正価値 簿価 差異 レベル１ レベル２ レベル３
1 ）
371.5 369.5 1.9 11.4 113.5 246.5
資産
75.6 75.6 - - 75.6 -
手元現金および要求払現金
295.8 292.1 3.7 11.4 37.9 246.5
金融資産－ 償却原価
263.8 258.2 5.6 - 22.3 241.5
貸付金
32.0 34.0 -1.9 11.4 15.6 5.1
債務証券
ポートフォリオ公正価値ヘッジの
- 1.8 -1.8 - - -
評価調整
売却目的で保有する固定資産およ
0.0 0.0 - - 0.0 -
び処分対象グループ
0.0 0.0 - - 0.0 -
貸付金
- - - - - -
債務証券
400.3 399.2 1.1 31.1 366.5 2.6
負債
400.2 397.7 2.5 31.1 366.5 2.6
金融負債－償却原価
356.0 355.7 0.2 0.0 354.9 1.1
預金
44.2 42.0 2.3 31.1 11.6 1.6
発行済債務証券
ポートフォリオ公正価値ヘッジの
- 1.4 -1.4 - - -
評価調整
0.0 0.0 - - 0.0 -
処分対象グループの債務
0.0 0.0 - - 0.0 -
預金
- - - - - -
発行済債務証券
注 1）修正再表示により前年の数値は調整された（注記３参照）。
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(29) 金融商品のネッティングに関する情報
下記の表は、ネッティング前の総額とネッティング後の純額との照合およびネッティングに関する会計基準を満
たさない既存のネッティング権の額を、貸借対照表に計上された以下の金融資産および負債の全てについて個別に
表示している。
・ IAS 第 32 号第 42 項に基づき、既に相殺されている金融資産および負債（金融商品Ⅰ）および
・ 法的強制力のある相対ネッティング基本契約または類似の契約の対象であるが、貸借対照表で相殺されない金
融資産および負債（金融商品Ⅱ）
ネッティング 契約について、当行は取引相手方と基本契約（ 1992 年 ISDA マスター・アグリーメント（マルチカ
レンシー・クロスボーダー）および金融先物に関するジャーマン・マスター・アグリーメント等を締結している。
これらのネッティング契約により、基本契約の対象であるデリバティブ契約の正と負の公正価値を相互に相殺する
ことが可能である。かかるネッティング・プロセスは信用リスクを契約当事者に対する単一の正味債権に限定する
（クローズアウト・ネッティング）。
当行はネッティングを、期日が同じである場合、中央決済機関との、および二当事者間の真正の買戻特約付売買
契約（リバース・レポおよびレポ）による債権および債務に適用する。顧客の店頭デリバティブおよび自己の決済
済ポートフォリオは、同様に相殺される。
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日
資産 （百万ユーロ）
デリバティブ デリバティブ
リバース・ リバース・
金融商品の 金融商品の
レポ レポ
正の公正価値 正の公正価値
56,229 112,168 39,826 174,699
金融商品の総額
17,160 3,099 10,335 4,172
ネッティングに適格でない簿価
39,070 109,068 29,491 170,527
a) 金融商品ⅠおよびⅡの総額
b) 金融商品Ⅰについて貸借対照表で相殺される
25,033 71,902 16,379 125,221
1 ）
注
額
14,037 37,167 13,113 45,306
c) 金融商品ⅠおよびⅡの純額＝ a) － b)
d) b) において相殺表示されていない基本契約
IAS 第 32 号第 42 項に基づく基準を満たさないまた
2,024 21,693 1,544 27,131
2 ）
注
は一部のみ満たす金融商品Ⅱの額
b) において相殺表示されない金融商品Ⅰおよび
3 ）
注
Ⅱに関する金融担保の公正価値
4 ）
注
7,402 4 7,008 -
現物担保
44 6,280 2,481 8,241
現金担保
4,567 9,189 2,081 9,934
e) 金融商品ⅠおよびⅡの純額＝ c) － d)
f) 金融商品に関する中央決済機関の金融担保の公正
1,175 17 1,827 88
価値
3,392 9,172 254 9,846
g) 金融商品ⅠおよびⅡの純額＝ e) － f)
注 1 ） 内、正の公正価値 4,908 百万ユーロ（ 2020 年： 5,931 百万ユーロ）は、証拠金に起因する。
注 2 ）資産と負債の内より少ない額。
注 3 ）有価証券の移転から生じる返却する権利または義務を除く。
注 4 ）貸借対照表に報告されない金融商品を含む（レポ取引において担保として提供される証券等）。
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2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日
負債 （百万ユーロ）
デリバティブ デリバティブ
レポ 金融商品の レポ 金融商品の
負の公正価値 負の公正価値
56,608 111,556 33,171 173,333
金融商品の総額
13,164 1,238 6,941 1,844
ネッティングに適格でない簿価
43,444 110,318 26,230 171,489
a) 金融商品ⅠおよびⅡの総額
b) 金融商品Ⅰについて貸借対照表で相殺される
25,033 70,585 16,379 123,039
1 ）
注
額
18,411 39,733 9,852 48,450
c) 金融商品ⅠおよびⅡの純額＝ a) － b)
d) b) において相殺表示されていない基本契約
IAS 第 32 号第 42 項に基づく基準を満たさないま
2,024 21,693 1,544 27,131
2 ）
注
た は一部のみ満たす金融商品Ⅱの額
b) において相殺表示されない金融商品Ⅰおよび
3 ）
注
Ⅱに関する金融担保の公正価値
4 ）
注
3,212 8 1,940 7
現物担保
7,044 8,988 3,871 10,776
現金担保
6,131 9,044 2,497 10,536
e) 金融商品ⅠおよびⅡの純額＝ c) － d)
f) 金融商品Ⅰに関する中央決済機関の金融担保の
5,115 0 2,493 27
公正価値
1,016 9,044 4 10,509
g) 金融商品ⅠおよびⅡの純額＝ e) － f)
注 1 ） 内、負の公正価値 6,225 百万ユーロ（ 2020 年： 8,112 百万ユーロ）は、証拠金に起因する。
注 2 ）資産と負債の内より少ない額。
注 3 ）有価証券の移転から生じる返却する権利または義務を除く。
注 4 ）貸借対照表に報告されない金融商品を含む（レポ取引において担保として提供される証券等）。
(30) デリバティブ
2021 年 6 月 30 日現在、ネッティングの効果合計は 76,810 百万ユーロ（ 2020 年 ： 131,151 百万ユーロ）であった。 資
産の部では当該効果の 71,902 百万ユーロ（ 2020 年 ： 125,220 百万ユーロ）が正の公正価値に帰属し、 4,908 百万ユー
ロ（ 2020 年 ： 5,931 百万ユーロ）が変動証拠金の請求に帰属していた。負債の部のネッティングには、 70,585 百万
ユーロの負の公正価値（ 2020 年 ： 123,039 百万ユーロ）と、 6,225 百万ユーロの変動証拠金支払のための債務（ 2020
年 ： 8,112 百万ユーロ）が含まれていた。
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貸借対照表の注記（非金融商品）
(31) 無形資産
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日 変動率 (%)
百万ユーロ
- - .
のれん
1,211 1,420 -14.7
その他の無形資産
12 13 -5.8
顧客関係
758 952 -20.3
自社開発ソフトウェア
440 455 -3.2
購入ソフトウェアおよびその他の無形資産
1,211 1,420 -14.7
合 計
当会計年度における自社開発ソフトウェアの減少は、合計 200 百万ユーロ の資産の認識中止に起因している（注
記 15 参照）。
(32) 固定資産
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日 変動率 (%)
百万ユーロ
270 304 -11.0
土地および建物
1,787 1,923 -7.1
使用権（リース）
1,755 1,906 -7.9
土地および建物
33 18 84.4
什器および備品
401 406 -1.1
什器および備品
558 575 -3.0
リース機器
3,017 3,208 -6.0
合 計
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半期報告書
(33) 中止事業部門
前年、当行は、コーポレート顧客セグメントの旧株式市場・商品（ EMC ） 部門の利益および費用を 中止事業に係
る連結損益の項目に計上していた。当該事業部門の ソシエテ・ジェネラル・グループ（フランス、パリ）への 経済
的 移転は、前年に完了している。
また、 一部の資産と負債の法的な移転は、貸借対照表の認識を中止することも必要になるが、取引の後半段階で
部分的に実施され、 2021 年 に完了する予定である。当行は、当該資産および負債を、貸借対照表の項目である売却
目的で保有する固定資産および処分対象グループと処分対象グループの負債に分けて計上している。
2021 年 6 月 30 日現在、中止事業の残余の資産は、 18 億ユーロ（ 2020 年 ： 20 億ユーロ）、同負債は 18 億ユーロ
（ 2020 年 ： 21 億ユーロ）であった。ほとんどの資産と負債は公正価値で測定される。
中止事業部門にかかる詳細な情報は、以下に記載する。
2020 年 1 月 1 日 －
2021 年 1 月 1 日 －
変動率 (％ )
百万ユーロ
2021 年 6 月 30 日 2020 年 6 月 30 日
- 98 .
利益
- 47 .
費用
- 50 .
税引前損益
- 0 .
所得税
- 50 .
中止事業に係る連結損益
- 50 .
コメルツ銀行株主に帰属する中止事業に係る連結損益
コメルツ銀行株主に帰属する継続事業からの利益は、 -394 百万ユーロ（ 2020 年 ： -157 百万ユーロ）であった（注
記３参照）。
2020 年 1 月 1 日 －
2021 年 1 月 1 日 －
変動率 (％ )
ユーロ
2021 年 6 月 30 日 2020 年 6 月 30 日
- 0.04 .
中止事業に係る１株当たり利益
2021 年 2020 年 変動率 (％ )
百万ユーロ
- 50 .
営業活動に係る純現金額
- - .
投資活動に係る純現金額
- - .
財務活動に係る純現金額
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(34) 売却目的で保有する固定資産および処分対象グループの資産
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日 変動率 (％ )
百万ユーロ
21 21 1.2
金融資産－償却原価
21 21 1.2
貸付金
- - .
債務証券
- - .
金融資産－ その他の包括利益を通した公正価値
- - .
貸付金
- - .
債務証券
- - .
持分金融商品
0 7 -96.8
金融資産－ 損益を通した（強制的）公正価値
0 7 -99.7
貸付金
- - .
債務証券
0 0 -
持分金融商品
1,864 2,088 -10.7
金融資産－ 売買目的保有
- - .
貸付金
3 11 -70.1
債務証券
1 1 -0.4
持分金融商品
1,860 2,076 -10.4
デリバティブ
- - .
無形資産
- - .
固定資産
-77 -76 0.8
その他の資産
1,809 2,040 -11.3
合計
前年の処分対象グループの資産は、主に株式市場・商品（ EMC ） 部門の中止事業（注記 32 参照）に関連してい
る。
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(35) 処分対象グループの負債
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日 変動率 (%)
百万ユーロ
21 20 5.2
金融負債－ 償却原価
21 20 5.2
預金
- - .
発行済債務証券
36 50 -27.8
金融負債－公正価値オプション
36 50 -27.8
預金
- - .
発行済債務証券
1,789 1,981 -9.7
金融負債－売買目的保有
- 8 .
証書およびその他の発行済債券
0 -0 .
証券の空売りから生じる引渡コミットメント
1,789 1,972 -9.3
デリバティブ
1 1 3.3
その他の負債項目
1,847 2,051 -9.9
合 計
前年の処分対象グループの負債は、主に株式市場・商品（ EMC ） 部門の中止事業（注記 32 参照）に関連してい
る。
(36) その他の資産
注
2020 年 12 月 31 日
2021 年 6 月 30 日 変動率 (%)
百万ユーロ
1 ）
72 82 -12.1
貴金属
331 275 20.4
未収項目および繰延項目
423 95 .
認識された確定給付資産
1,944 1,398 39.0
その他の資産
2,771 1,851 49.7
合 計
注 1）修正再表示により前年の数値は調整された（注記３参照）。
(37) その他の債務
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日 変動 率 (%)
百万ユーロ
320 320 -
フィルム・ファンドに起因する債務
57 56 3.0
非支配持分に帰属する債務
292 273 6.8
未払項目および繰延項目
1,934 2,054 -5.8
リース負債
2,484 1,732 43.4
その他の債務
5,088 4,434 14.7
合 計
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(38) 引当金
注
2020 年 12 月 31 日
2021 年 6 月 30 日 変動 率 (%)
百万ユーロ
1 ）
201 513 -60.9
年金および類似のコミットメントに対する引当金
3,752 2,606 44.0
その他の引当金
3,952 3,119 26.7
合 計
注 1）修正再表示により前年の数値は調整された（注記３参照）。
年金および類似のコミットメントに対する引当金は、主にドイツ国内の直接的年金コミットメントに関係してい
る（ 2020 年 英文年次報告書の 254 ページ以下参照）。 2021 年 6 月 30 日 現在の当該債務の基礎となる保険数理上の想定
は、割引率 1.3 ％（ 2020 年 ： 0.5 ％ ）および予想年金調整 1.4 ％（ 2020 年 ： 1.4 ％）であった。
その他の引当金は、主に事業再編引当金および人事関連の引当金から構成される。 その他の引当金の増加は、主
に 事業再編引当金 の計上に関連しており、当該 事業再編引当金 は、 主に人事に関連している。 2021 年 上半期の当該
引当金の増加は主に、ドイツ国内のコメルツ銀行の約 1,700 名のフルタイム従業員を削減するための自発的早期退
職プログラムと、ドイツ国内での人員削減を可能な限り社会的に責任を有するものにすることを保証するための戦
略 2024 プログラムの実施のために 2021 年 5 月 に従業員代表委員会と締結した利益調整の枠組みおよび社会計画の枠
組みに関連するものである。
法的紛争
341 百万ユーロ（ 2020 年 ： 196 百万ユーロ）の引当金がその他の引当金に認識された法的手続および見込みリコー
スの請求に関しては、引当金の認識日の時点では法的手続期間も引当金を利用する程度のいずれも確実に予測する
ことはできない。引当金は、報告日現在当行グループの判断に従って予想される将来の費用に関して計上される。
各種の法的手続の結果に影響を与えないよう、当行グループは各引当金の額および感応度を個別に記載していな
い。
・ コメルツ銀行とその子会社は、多くの管轄地において、各種の異なる法制度に準拠して営業している。過去の
個別案件では、法令違反が明らかとなり政府当局や機関によって訴追されたことがあった。当行グループ内の
一部の会社は、現在もなお、多数のかかる案件に関与している。
・ コメルツ銀行とその子会社は、特に個人顧客および小規模事業顧客セグメントの投資助言分野で積極的に営業
活動している。投資家向け助言サービスや投資指向型助言サービスの法的規制は、特に近年、一段と厳格さを
増した。結果として、コメルツ銀行とその子会社は、多数の法的紛争に関与することになった。投資家が不十
分なあるいは不適切な投資助言を受けたと主張し、手数料に関する情報が欠如していた投資取引（例えば、ク
ローズドエンド型ファンドなど）の損害賠償請求または取引の取消を請求している一部の案件では未だに係争
中のものもある。
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・ コメルツ銀行は、「解約ジョーカー（ “Widerrufsjoker” ）」問題によって顧客からの苦情の申し立てを受けてい
る。法律の改正により、 2002 年 から 2010 年 の間に締結されたローン契約はいずれも 2016 年 6 月 21 日以降解約す
る権利が失効するとされたことに伴い、多数の借り手がローン契約を解約し、契約締結時に提供された解約に
関する情報が不十分であったと主張した。一部には、固定金利期間の期間の終了前に、早期返済によって当行
が被る損失を補填することなく前倒しで融資を返済しようとしたが、当該解約を当行が受理しなかったことに
より、当行に法的措置を取った顧客もいる。 2010 年 以降に締結されたローン契約に関して、ローン契約を満期
前に解約するため解約ジョーカーを使用する試みも行われている。当行は当該請求に関して争っている。
欧州司法裁判所は、 2020 年 3 月 26 日付の判決において、消費者ローン契約の解約に関する（法定）約款情報
に含まれているその他の法律の規定への参照言及は、顧客にとって不明瞭であると決定し、当該不明瞭性を欧
州消費者信用指令の義務違反とみなした。消費者ローン契約では、当行は、ドイツ連邦裁判所が既に複数の判
決において適切であるとみなした法的モデルを使用している。連邦裁判所は、ドイツの裁判所が当該文言と意
味が明瞭な国家基準を無視できないと主張することにより、当該判決が説得力を有すると正当化した。連邦裁
判所は最近、 2020 年 ３月 31 日の判決でその立場を確認した。このような理由により、当行は、消費者ローンの
現在の約款に関する欧州司法裁判所の判決の結果、当行が増大するリスクにさらされるとは考えていない。
・ コメルツ銀行のある子会社は、現在は清算手続が終了している南米の１つの銀行に深く関与していた。当該銀
行の多数の投資家と債権者は、当該子会社（一部ではコメルツ銀行も）に対してウルグアイとアルゼンチンで
様々な訴訟を提起し、破産会社の株主としての債務と銀行の監査役として当該子会社が任命した人物の職務違
反を主張している。さらに、当該子会社は、投資家から資金を募り、第三者が運用していた２つのファンドに
も関与していたが、当該ファンドの清算人は、同ファンドから当該子会社が受け取った金銭の返還を求めて米
国で訴訟を提起した。
・ 2014 年 5 月 にある顧客が、デリバティブ取引を不正に販売したと主張してコメルツ銀行のある子会社に補償を
求める訴訟を提起した。当該子会社は、この訴訟に関して争っている。
・ 2017 年 5 月 、ポーランドの裁判所は、スイス・フラン建てローン契約における指数条項の無効を主張するコメ
ルツ銀行のある子会社に対する集団訴訟の申立てを認容した。集団訴訟には合計 1,731 名の原告が参加してい
る。 控訴審では、集団訴訟を全面的に棄却した第一審裁判所の判決を一部破棄し、下級裁判所に差し戻した。
最高裁判所が原則的な判断が下すことが予想されるため、第一審の審理の日程はまだ決まっていない。
これとは別に、多数の借り手も同じ理由で訴訟を提起している。集団訴訟に加え、 2021 年 6 月 30 日現在、
10,072 件（ 2020 年 12 月 31 日現在、 6,870 件）のその他の個別訴訟が係争中である。当該子会社は、これらのすべ
ての請求に関して争っている。
指数条項付ローンに関するポーランドの裁判所の判例は、これまでのところ全体的な一貫性がない。 2021 年
6 月 30 日現在、 当該子会社に対する個別訴訟の最終判決は 229 件あり、そのうち当該子会社に有利な判決が 79
件、不利な判決が 150 件であった。ポーランド最高裁判所および欧州司法裁判所（ ECJ ）で検討されている法
的問題のために、第二審裁判所での合計 367 件の訴訟手続きが中止されている。
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2021 年 5 月 7 日に開催された非公開法廷において、ポーランド最高裁判所（ 7 人の裁判官による合議体）は、
当事者の相互の請求の性質と制限に関連するポーランドの銀行規制当局のオンブズマンからの照会事項につい
て判決を下した。当行の見解では、当該判決は現在のリスク評価を変えるものではない。
2021 年 5 月 11 日に予定されていたポーランド最高裁判所民事部の非公開法廷が延期された。審理は 2021 年 9 月
2 日に予定されている。当行は、これらの訴訟の結果について、特に、さらなる判例法や債権の引当／測定へ
の影響について分析する。
2021 年 4 月 29 日、欧州司法裁判所（ ECJ ）は、ポーランドの裁判所が別の銀行に対する訴訟手続きで予備判
決を求めた５件の問題について判決（ C-19/20 ）を下した。当行の見解では、当該判決は現在のリスク評価を
変えるものではない。欧州司法裁判所では、他にも指数条項付きのローンに関する予備判決手続きが継続中で
あり、そのうち２件は当該子会社に対する訴訟に関するものである。決定は 2022 年 年初になる見込みである。
これまでの一貫性のない判例、最終的な判決の数の少なさ、最高裁判所や ECJ の原則的な判断の未決などを
背景に、これらの一連の問題に対する引当金の額は、非常に裁量的なものとなっている。 2020 年 12 月 31 日まで
は、指数条項付スイス・フラン建てローン契約に関連する法的リスクは、 IAS 第 37 号に基づいて全額計上され
ていた。会計方針は、既に完全に返済された貸付金および関連する訴訟費用については調整されておらず、こ
れらは依然として IAS 第 37 号に基づいて会計処理されている。完全に返済されていないスイス・フラン建て貸
付金および関連する訴訟費用については、 IAS 第 8 号第 14 項に規定された要件を用いて、会計処理方法を IFRS
第 9 号に基づいて遡及的に調整した。法的リスクは、キャッシュ・フローを見積もる際に、貸付金の総簿価に
直接考慮される。 IFRS 第 9 号に準拠した認識は、当該子会社の国内市場における標準的な市場慣行に準拠して
いるため、他の市場参加者の財務書類との比較可能性や、ポーランドの規制当局にとっての比較可能性を高め
る。そのため、 IAS 第 37 号ではなく IFRS 第 9 号を適用することにより、より適切な情報を提供している。当該
ローンから発生すると予想されるキャッシュ・フローへの影響を見積もるために用いた測定方法は、従来の測
定方法と比較してほとんど変更はない。
指数条項付スイス・フラン建てローン契約に関連する全ての費用は、引き続き全額を損益計算書の「その他
の営業費用」項目に計上している。
2021 年 6 月 30 日現在の既存ポートフォリオ（簿価 110 億ポーランド・ズロチ）に対する IFRS 第 9 号に基づく再
測定の影響は、 325 百万ユーロ であった。返済済みのポートフォリオは、支出時点で 70 億ポーランド・ズロチ
であった。返済済みのポートフォリオに対する 2021 年 6 月 30 日現在の引当金は、 49 百万ユーロ であった。これ
らの問題により発生したリスクが当行グループの会計に与えた全体的な影響は、 374 百万ユーロ であった。
引当金の計算方法または 再測定の影響 は、変動する裁量的な変数に基づいており、場合によってはかなりの
不確実性を伴う。主要な変数は、原告の推定数、最終審で敗訴する可能性、損失額、為替レートの推移であ
る。変数の変動と変数間の相互依存性は、引当金の額または測定を将来大幅に調整する必要があることを意味
する可能性がある。
報告日現在、当該子会社は敗訴のリスクを当行の専門家による評価に基づいて予測しており、当該評価は将
来の判例動向に関する法律専門家の意見によって裏付けられている。
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その他の変数に変更がないと仮定した場合、引当金の認識または 再測定の影響 の基礎となる主な変数の感応
度は以下のとおりである。
- 将 来の原告数が借り手の数の 1 ％ 増加した場合：引当金の変動額は、 +13 百万ユーロ。
- 最終 審裁判所が当該子会社に不利な判決を下す確率が± 1 ％ポイント変動した場合：引当金の変動額は、
± 7 百万ユーロ。
- 想 定される加重平均損失が± 1 ％ ポイント変動した場合：引当金の変動額は、± 6 百万ユーロ。
2020 年 12 月 、現地の監督官庁により、外貨建てローンを現地通貨建てローンへ転換する旨の提案が発表され
た。 影響を受けた銀行間および関連当局とのさらなる分析および協議は、係争中の最高裁判所の裁判の結果に
左右されるが、当該裁判では 2021 年 9 月 2 日に新たな審理が予定されている。
・ コメルツ銀行のある子会社は他の銀行と共に、決済手数料の徴収に関連した不公正な価格談合があったとの申
立を受け、 2018 年 5 月 に損害賠償請求訴訟を提起された。当該子会社はこの訴訟に関して争っている。
・ ある顧客が、違法に担保を売却したと主張してコメルツ銀行のある子会社に補償を求める訴訟を提起した。当
該子会社は、この訴訟に関して争っている。
・ 2020 年 7 月 、コメルツ銀行は、信用状取引に関連した弁済許可に基づく支払いに関して、インドの裁判所から
有罪の判決を受けた。原告は 2021 年 年初に訴状を取り下げた。
・ 特定の個人向け住宅ローン契約に関する訴訟において、裁判所は下級審の認定を覆し、期限前償還違約金の算
出に関する契約条項が不十分であり、当行が受領した期限前償還違約金を返還すべきであるとの判決を下し
た。 当該判決は最終的なものである。当行は、同様のケースで返金が必要になる可能性があるため、対応する
引当金を計上した。
・ 2021 年 4 月 、ドイツ連邦司法裁判所は、他の銀行に対する訴訟において、銀行の一般取引条件の変更の仕組み
（ AGB Banken ） について判決を下し、一般取引条件の関連条項を無効とした。この仕組みでは、顧客が異議
を唱えなかった場合、一定期間後に契約内容の一定の変更に対する顧客の同意があったこととする旨が定めら
れていた。銀行の一般取引条件の変更の仕組みを利用して消費者に導入・増額された料金は無効となる可能性
があるため、当行はこの判例法が当行の事業ユニットや商品に与える影響を検討している。当行は、当該判決
で生じた問題を連結ベースで処理するためのタスク・フォースを設置した。
これは、過去に関連した顧客からの返済請求の処理と、既存および新規顧客事業における契約関係の将来的
な再交渉の両方に関係するものである。また、現在、業界団体の委員会を通じて、業界全体の基準が策定され
ているが、これらの委員会では、連邦司法裁判所の判決を受けて、仕組の修正が許容され得るか否か、また、
どのような方法で許容され得るかという問題に特に関心を寄せている。
当該判決により、当行は顧客から不当に徴収された手数料の返還を請求される可能性がある。現在、当該判
決に関連する法的紛争はない。
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・ 2017 年 にドイツ連邦財務省（ BMF ）が公表した cum-cum 取引に関する通達に基づき、税務監査人が監査覚書の
形式で当該取引の取り扱いについてコメントした。税務署は当該コメントに応じて、キャピタルゲイン税の控
除額を減額した。これに対応して、コメルツ銀行は、リスク状況の変化を完全かつ適切に反映させるために、
貸借対照表に表示されている税額控除の評価調整を行い、可能性がある返済請求に備えて追加の引当金を設定
した。 BMF は、 2021 年 7 月 9 日に cum-cum 取引に関する通達の改訂版を公表した。この BMF 通達の潜在的な影響
を考慮して、 2021 年 第２四半期に引当金を調整した。
・ 当行は、終了契約を締結するか、または、該当する場合、業務委託契約で認められている特別な解除権を行使
することにより、業務委託プロジェクトを早期に終了する。当該解約権が行使された場合、契約条項に基づ
き、契約書に明記された変数に基づいて算出される補償金を契約当事者に支払わなければならない。
(39) 偶発債務および貸付コミットメント
本項目は主に、保証および補償契約から生じる偶発債務ならびに取消不能貸付コミットメントを額面金額で表示
している。
偶発債務および貸付コミットメントに関するリスク引当金は、貸倒引当金の項目に含まれている。
偶発債務には、銀行税の一部の支払のための担保に対する当行の要求の承認後にドイツ連邦共和国財務機構によ
り提供された取消不能の支払義務が含まれている。
下記の表に示される数値は、担保を考慮に入れておらず、全ての顧客がそのファシリティを完全に利用し、その
後デフォルトに陥った（かつ担保がなかった）場合にのみ消却を要することになる。実際には、これらのファシリ
ティの大部分は利用されずに失効する。そのため、当該額は、リスクの査定、実際の将来の貸付エクスポージャー
またはその結果必要となる流動性について表示するものではない。
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日 変動率 (％ )
百万ユーロ
42,631 41,731 2.2
偶発債務
7,866 6,425 22.4
銀行
31,554 32,081 -1.6
法人顧客
184 185 -0.7
個人顧客
2,894 2,968 -2.5
その他の金融会社
132 71 86.0
一般政府
86,270 85,476 0.9
貸付コミットメント
1,352 1,339 1.0
銀行
66,160 65,853 0.5
法人顧客
14,136 12,291 15.0
個人顧客
4,197 5,367 -21.8
その他の金融会社
425 625 -32.1
一般政府
128,901 127,207 1.3
合計
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上記の信用枠に加え、コメルツ銀行グループは、損失発生の可能性が低く、引当金が認識されていない法的リス
クおよび税務リスクに起因する損失を被ることもある。しかしながら、損失発生の可能性は低いながらも存在する
ため、当該損失は偶発債務の項目に計上されている。信頼性をもってかかるリスクの実現日や潜在的な補償を推定
することは不可能である。当行の損失リスクの推定額は、訴訟および財務的手続の結果によっては低すぎたり高す
ぎたりしたことが判明する場合があるが、大部分の訴訟については、法的リスクに係る偶発債務が実現することは
決してなく、このため、金額は実際の将来の損失を表示するものではない。 2021 年 6 月 30 日現在、法的リスクの偶
発債務は 400 百万ユーロ（ 2020 年 ： 398 万ユーロ）であり、以下の重要な事項に関連している。
・ コメルツ銀行のある子会社に対し、以前当該子会社に銀行口座を保有していたが現在は破産している旧法人顧
客から複数の訴訟が提起された。訴訟の目的は、破産した当該法人顧客の経営陣の決算に関する不正な処理を
当該子会社が支援した疑いにより、当該子会社に損害賠償を請求するものである。その後ある企業が様々な顧
客の訴えをとりまとめ、現在は集団訴訟を起こしている。当該損害賠償請求訴訟は 2021 年 1 月 に 棄却された
が、原告はまだ控訴 する機会がある 。
・ 旧ドレスナー銀行は、いわゆるレバレッジド・バイアウトの形式で売却された米国の企業の株式を保有してい
たが、同社の支払不能手続において、ドレスナー銀行の法的継承法人であるコメルツ銀行を含む複数の銀行に
対し、その持分売却の受取代金の返還を求める多数の訴訟が米国において提起された。破産管財人によって提
訴された訴訟は、第一審裁判所によって棄却されたが、判決に対する控訴の申立は、控訴裁判所において現在
審理中である。当該会社の年金受給者および社債権者によって提訴された訴訟は、控訴裁判所によって棄却さ
れ、当行も含めて勝訴したが、 原告はこの判決を不服として上告している 。
・ 2016 年 4 月 に、顧客が金銭の回収に関してコメルツ銀行に対し訴訟を提起した。原告は、コメルツ銀行に対し
原告が不当に支払ったと考えている利息の返還を請求しており、また原告に対する債権担保としてコメルツ銀
行が保有している担保の放棄も請求している。コメルツ銀行と原告は、コメルツ銀行の担保付債権の法的有効
性に関して係争中であり、コメルツ銀行は、訴訟に関して争っている。
・ 2019 年 5 月 に提起された訴訟において、コメルツ銀行の顧客が、スワップ契約の形態でのデリバティブ取引に
関して誤った助言によって多額の損失を被ったと主張し、当行が原告に対し損害を賠償すべきであるとの判決
を求めた。コメルツ銀行は当該訴訟は根拠がないと考えており、争っている。
・ コメルツ銀行のある子会社は他の銀行とともに、決済手数料の徴収に関連した不公正な価格談合があったとの
申立を受け、 2020 年 ２月に損害賠償請求を提起された。当該子会社はこの訴訟に関して争っている。
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税務リスクにかかる偶発債務は、以下の重要事項に関係する。
cum-cum 取引 に関する 2021 年 7 月 9 日付の ドイツ連邦財務省（ BMF ） 改訂済 通達 により 、 当行が認識している貸倒
引当金（注記 38 参照）を超過する追加費用が発生する可能性を完全に排除することはできない。
cum-cum 証券貸付取引に関して、コメルツ銀行は、名義変更が拒否された第三者から補償請求を提訴されてい
る。コメルツ銀行は、分析の実施の結果、かかる補償請求が執行される可能性はかなり低いとみなしているが、執
行の可能性はゼロではないため、本件については、事後的な金利支払いを含め、 50 百万ユーロ以上、 100 百万ユー
ロ未満の財務的影響が出る可能性があると予測している。今後の展開（例えば、税務当局による査定や財政裁判
所 /民事裁判所の判断等）により、当該結論が変更される可能性を完全に排除することはできない。
フランクフルトの検察庁は、コメルツ銀行と旧ドレスナー銀行が配当基準日前後に行った株式取引（ cum-ex 取
引）を捜査している。コメルツ銀行は、既に 2015 年 末に cum-ex 取引のフォレンジック分析を開始しており、コメル
ツ銀行の株式取引に関しては 2018 年 年初に、旧ドレスナー銀行の株式取引に関しては 2019 年 9 月 に分析を終了し
た。税務当局により請求された追徴税は、全額支払われた。
ケルンの検察庁は、 cum-ex 取引 に関する別の事件に関連して、 2019 年 9 月 からコメルツ銀行で捜査を行ってい
る。ケルンの検察庁は、銀行（ドレスナー銀行を含む。）が、空売りの売り手として行為していたと申し立てられ
た第三者に株式を提供するなど、 cum-ex 取引のさまざまな役割に関与していた疑惑について捜査している。現在理
解されているところでは、これらの検察の手続きには、配当に対するキャピタルゲイン税と連帯付加税に関するコ
メルツ銀行自身の税額控除請求は含まれていない。
当行は、当局の cum-ex 取引 の捜査に全面的に協力している。現在、当該捜査の結果、負担が発生するか否か、ま
たは発生する負担の額を予測することはできない。
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セグメント情報
(40) セグメント情報
セグメント情報は、コメルツ銀行グループの各事業セグメントの業績を反映している。下記のセグメント情報
は、 IFRS 第 8 号の事業セグメントに基づいており、経営アプローチを適用している。セグメント情報は、最高事業
意思決定者が事業セグメントの業務遂行を査定し、事業セグメントに対する経営資源の配分に関する決定を行うた
めに利用する内部管理報告に基づき作成されている。コメルツ銀行グループにおいて、最高事業意思決定者の機能
は、取締役会により行使されている。
当行のセグメント情報は、「個人顧客および 小規模事業顧客」、「コーポレート顧客」ならびに 「その他・連
結」セグメントから成るセグメント構成を対象としている。これは、コメルツ銀行グループの組織構成を反映し、
また内部管理報告の基盤となっている。事業セグメントは、商品、サービスおよび／または対象顧客グループの分
別に基づき決められている。 コーポレート顧客セグメントと当行グループの収益および費用は、中止事業部門を除
いて表示されている（注記 32 参照）。
2020 年 第３四半期にコメルツ銀行の動産リース事業のセグメントの区分が再検討され、その結果、 個人顧客およ
び 小規模事業顧客セグメントとコーポレート顧客セグメント間で移転が行われた。 クレジット・ソリューション部
門は、 2021 年 第２四半期に コーポレート 顧客セグメントからその他・連結セグメントに移管された。 これに伴い、
前年の数値は修正再表示された。
各セグメントについての詳細情報は 、 英文中間報告書の中間経営者報告の項に記載されている。リスク加重資産
に対する各営業セグメントの資本要件は 12 ％であった。
各セグメントの業績は、営業損益、税引前損益、営業株主資本利益率および費用／収益率の数値により測定され
る。 営業損益は、純利息収益、配当収益、リスク損益、純手数料収益、 損益を通して公正価値で測定される金融資
産および負債に係る純利益、 ヘッジ会計に係る純利益 、 金融商品に係るその他の純利益、持分法適用会社の当期純
利益ならびにその他の純利益の合計から営業費用および強制拠出金を控除した額と定義される。のれん または その
他の無形資産の減損または 事業再編費用 は、 営業利益に含まれない。 税引前利益の計上にあたり、非支配持分は損
益および平均投下資本の両方の数値に含まれる。従って、各セグメントに属する全ての収益は税引前利益に反映さ
れる。セグメント情報におけるグループ内取引からのグループ内収益の控除を表示する場合、移転するセグメント
は当該取引がグループ外で行われた場合と同様に取扱われる。従って、グループ内の利益および損失は、 その他・
連結セグメントに おいて 控除 される。
営業株主資本利益率は、営業利益の平均投下資本に対する比率として計算され、当該セグメントにおける投下資
本に対する利益率を表示する。営業業務の費用／収益率は、各セグメントのコスト効率を反映し、リスク損益控除
前の収益に対する営業費用および強制拠出金の合計の比率により、算出される。強制拠出金を除いた営業業務の費
用／収益率も、価額または周期性のいずれの点からも影響を受けないという事実を考慮して、表示される。
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半期報告書
収益および費用は、発生した部門毎に各セグメントに金利業務に使用される市場金利の方法を使用して市場価格
で表示される。各セグメントの事業別保有持分の実際の調達コストは、純利息収益に表示されている。当行グルー
プの投下資本利益率は、セグメントの平均投下資本に比例して各セグメントの純利息収益に配分される。使用され
た金利は、資本市場のリスクのない長期金利である。 純利息収益には流動性費用も含まれている。当該費用には、
外部に支払われた資金調達費用と、流動性費用にかかる行内の価格転嫁制度に基づき各事業部門とセグメントに割
り当てられた流動性費用の両方が含まれる。このシステムは、外部からの資金調達にかかる支払利息を、個々の取
引と各セグメントのポートフォリオに割り当てるためのシステムである。この割当ては、中央流動性プライスカー
ブに基づき、費用の発生原因に従って決定される。 各セグメントの平均投下資本は、セグメントに配分されたリス
ク加重資産の平均額に基づき計算される。 コーポレート 顧客セグメントについては、 同セグメントの平均投下資本
は、中止事業部門を除いて計算される。普通株式等ティア１（ CET1 ） 資本はグループ・レベルで表示され、営業
株主資本利益率の算出に使用される。 当行グループの CET1 資本に対する各セグメントの平均投下資本の調整が、
「その他・連結」セグメントにおいて 行われた。また、各セグメントについての資産および負債ならびに 持分法適
用会社の簿価 も表示している。当行グループのビジネス・モデル に基づいて、 各セグメントの貸借対照表はグルー
プ・レベルでのみ借方貸方の差引勘定をしている。
営業損益に表示される営業費用は、人件費、管理費用（強制拠出金を除く。）ならびに固定資産およびその他の
無形資産の償却費、減価償却費および評価減を含む。事業再編費用、のれんおよびその他の無形資産の減損は、税
引前損益中の営業利益の項目に表示されている。営業費用および強制拠出金は、費用発生理由に基づき個々のセグ
メントに割当てられる。内部サービスに関連して生じる間接費用は、当該サービスの利用者に費用計上され、当該
サービスを行ったセグメントに貸方計上される。当行グループ内サービスの引当金は、全部原価または時価で計上
される。
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2021 年 1 月 1 日 － 6 月 30 日
個人顧客 および コーポレート その他・
グループ
小規模事業顧客 顧客 連結
百万ユーロ
1,229 838 360 2,427
純利息収益
5 3 -1 7
配当収益
-126 -39 -70 -235
リスク損益
1,228 601 -25 1,803
純手数料収益
損益を通して公正価値で測定
128 178 180 485
される金融資産 および負債に
係る純利益
-1 -5 -46 -52
ヘッジ会計に係る純利益
金融商品に係るその他の純利
20 -5 2 17
益
0 2 -0 2
持分法適用会社の当期純利益
-150 -16 -170 -335
その他の純利益
2,458 1,596 300 4,353
リスク損益控除前の収益
2,332 1,556 230 4,118
リスク損益控除後の収益
1,717 1,121 335 3,173
営業費用
227 95 53 375
強制拠出金
388 340 -158 570
営業損益
- -0 976 976
事業再編費用
388 340 -1,133 -406
継続事業に係る 税引前損益
161,641 152,251 229,751 543,643
資産
- 1,809 - 1,809
内、中止資産
202,069 179,527 162,047 543,643
負債
- 1,847 - 1,847
内、中止負債
29 141 1 170
持分法適用会社の簿価
（ CET 1 に基づく） （ 継続事
5,994 10,126 7,590 23,710
注1）
業に係る） 平均投下資本
注2）
12.9 6.7 4.8
営業株主資本利益率(％)
営業業務の費用/収益率
69.9 70.3 72.9
（強制拠出金を除く）（％)
営業業務の費用/収益率
79.1 76.2 81.5
（強制拠出金を含む）（％)
注 1） 完全適用ベースの平均 CET1 資本。調整が「その他・連結」セグメントにおいて行われた。
注 2） 年次ベース。
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注 1）
2020 年 1 月 1 日 － 6 月 30 日
個人顧客 および コーポレート その他・
グループ
小規模事業顧客 顧客 連結
百万ユーロ
1,310 874 413 2,597
純利息収益
12 3 -2 13
配当収益
-313 -455 -27 -795
リスク損益
1,088 599 -19 1,668
純手数料収益
損益を通して公正価値で測定
98 38 -277 -141
される金融資産 および負債に
係る純利益
1 9 54 64
ヘッジ会計に係る純利益
金融商品に係るその他の純利
11 -3 7 15
益
0 5 -0 5
持分法適用会社の当期純利益
-30 -1 -66 -97
その他の純利益
2,492 1,524 109 4,125
リスク損益控除前の収益
2,178 1,069 82 3,329
リスク損益控除後の収益
1,723 1,158 148 3,030
営業費用
201 106 67 374
強制拠出金
254 -196 -132 -74
営業損益
- - - -
事業再編費用
254 -196 -132 -74
継続事業に係る 税引前損益
158,780 179,681 211,905 550,366
資産
- 2,179 - 2,179
内、中止資産
194,287 185,377 170,702 550,366
負債
- 3,878 - 3,878
内、中止負債
30 149 1 180
持分法適用会社の簿価
（ CET 1 に基づく） （ 継続事
5,661 11,488 7,305 24,453
注2）
業に係る） 平均投下資本
注3）
9.0 -3.4 -0.6
営業株主資本利益率(％)
営業業務の費用/収益率
69.2 76.0 73.5
（強制拠出金を除く）（％)
営業業務の費用/収益率
77.2 83.0 82.5
（強制拠出金を含む）（％)
注 1） IFRS 第 8号第 29 項により前年の数値は調整された。
注 2） 完全適用ベースの平均 CET1 資本。調整が「その他・連結」セグメントにおいて行われた。
注 3） 年次ベース。
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「その他・連結」の内訳
2021 年 1 月 1 日 － 6 月 30 日
百万ユーロ
その他 連結 その他・連結
362 -2 360
純利息収益
-1 - -1
配当収益
-70 - -70
リスク損益
-20 -5 -25
純手数料収益
損益を通して公正価値で測定される金融資産 および
188 -8 180
負債に係る純利益
-46 - -46
ヘッジ会計に係る 純利益
-1 3 2
金融商品に係るその他の純利益
- -0 -0
持分法適用会社の当期純利益
-162 -8 -170
その他の純利益
345 -10 335
営業費用
53 0 53
強制拠出金
-149 -9 -158
営業損益
976 - 976
事業再編費用
-1,124 -9 -1,133
継続事業に係る税引前損益
229,617 134 229,751
資産
161,959 88 162,047
負債
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注 1 ）
百万ユーロ
2020 年 1 月 1 日 － 6 月 30 日
その他 連結 その他・連結
415 -3 413
純利息収益
-2 0 -2
配当収益
-27 - -27
リスク損益
-15 -4 -19
純手数料収益
損益を通して公正価値で測定される金融資産 および
-285 8 -277
負債に係る純利益
54 - 54
ヘッジ会計に係る 純利益
5 2 7
金融商品に係るその他の純利益
- -0 -0
持分法適用会社の当期純利益
-64 -3 -66
その他の純利益
154 -6 148
営業費用
67 0 67
強制拠出金
-139 7 -132
営業損益
- - -
事業再編費用
-139 7 -132
継続事業に係る税引前損益
211,750 155 211,905
資産
170,566 136 170,702
負債
注 1） IFRS 第 8号第 29 項により前年の数値は調整された。
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「連結」の項目には、連結項目および、グループ財務書類に影響を及ぼす各セグメントと「その他」の分類の損
益に係る調整項目が計上されている。これにはとりわけ以下の項目が含まれている。
・ 各セグメントで発生した自己債券の測定純損益の控除
・ セグメント間でのグループ内取引の連結による影響
・ 費用および収益の連結による影響
・ 収益ならびに（セグメントおよび「その他」に費用計上される）スタッフおよび経営陣の営業費用
セグメント情報中の、 主に支店またはグループ会社の所在地を基準とした地域別業績の内訳は、以下のとおりで
あった。
ヨーロッパ
2021 年 1 月 1 日 － 6 月 30 日
ドイツ アメリカ アジア その他 合計
(ドイツを
（百万ユーロ）
除く )
3,195 1,014 41 104 0 4,353
リスク損益控除前の収益
信用リスク加重資産（移行規定
90,699 47,822 5,592 4,070 - 148,183
ベース）
以下は、前年同期の地域別業績である。
ヨーロッパ
注 1）
ドイツ アメリカ アジア その他 合計
2020 年 1 月 1 日 － 6 月 30 日
(ドイツを
（百万ユーロ） 除く )
2,999 918 117 90 0 4,125
リスク損益控除前の収益
信用リスク加重資産（移行規定
96,245 49,513 6,618 5,110 - 157,486
ベース）
注 1） 修正 再表示により前年の数値は調整された（注記３参照）。
地域別区分では、固定資産ではなく信用リスク加重資産を表示している。 IFRS 第 8 号 第 32 項に従い、コメルツ銀
行は、コメルツ銀行グループの利益総額の商品およびサービス別の内訳を表示しないことを決定した。当行は、当
該データが内部経営活動にも経営者報告にも利用されないことから、効率上の理由により当該データを収集しない
ことを決定した。
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その他の注記
(41) 重要な規制上の開示情報
以下の表は、適用される移行規定を含む 資本規制規則（ CRR ） に 基づくコメルツ銀行グループの自己資本および
リスク加重資産の構成ならびに自己資本比率を示したものである。
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日 変動 率 (%)
注1）
23,709 23,611 0.4
普通株式ティア１ （百万ユーロ）
27,187 26,790 1.5
ティア１資本（百万ユーロ）
注1）
31,806 31,603
資本金 （百万ユーロ）
177,588 178,581
リスク加重資産（百万ユーロ）
13.4 13.2
普通株式ティア１比率（％）
15.3 15.0 2.1
株式ティア１比率（％）
17.9 17.7 1.2
総資本比率（％）
注 1） 本情報は、規制上の目的のためにコメルツ銀行株主に帰属する連結利益を含む。
レバレッジ比率は、 CRR （ 移行規定を含む。）に基づくティア１資本の、レバレッジ比率エクスポージャー（非
リスク加重資産および 簿外 ポジションから成る。）に対する比率 を 表している 。
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日 変動 率 (%)
589,160 541,412 8.8
レバレッジ比率エクスポージャー（百万ユーロ）
4.6 4.9 -6.1
レバレッジ比率 （％）
NPE 比率とは、 欧州銀行監督局（ EBA ） の リスク・ダッシュボードに基づく総エクスポージャーに対する不良エ
クスポージャーの比率である。
2021 年 6 月 30 日 2020 年 12 月 31 日 変動 率 (%)
0.8 1.0 -20.0
NPE 比率 （ ％）
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(42) 関連当事者取引
コメルツ銀行お よび／またはその連結会社 は、 通常の事業活動の一環として、関連 する企業および個人 との取引
を行っている。これら関連 企業および関連当事者 には、以下が含まれる。
・ 支配さ れているが重要性の観点から連結されない子会社
・ ジョイントベンチャー
・ 関連会社
・ 出資会社
・ コメルツ銀行従業員に企業年金を支払う外部の年金提供会社
・ 主要経営陣およびその家族、ならびに
・ これらの 関連当事者／企業が 支配する会社
関連当事者との 銀行取引は、通常の市場条件で行われる。
主要経営陣とは、 会計年度中の コメルツ銀行の現取締役および現監査役のみをいう。
ドイツ連邦政府が保有する持分 以外に、コメルツ銀行に対して将来重要な影響力を行使することを可能とするそ
の他の要素（監査役 であること等 ）も考慮 に入れる 必要がある。その結果、ドイツ連邦政府および政府が支配する
企業は、 IAS 第 24 号 に定める関係団体および関係者に分類される。
非連結会社との取引
2021 年 6 月 30 日現在、 249 百万ユーロ（ 2020 年 ： 274 百万ユーロ）の 非連結子会社に関連する資産には、主に貸付
金が含まれていた。 197 百万ユーロ（ 2020 年 ： 202 百万ユーロ）の 負債は、大部分が預金であった。
15 百万ユーロ（ 2020 年 上半期：８百万ユーロ）の収益 は、 利息収 益および 31 百万ユーロ（ 2020 年 上半期： 36 百万
ユーロ）の 費用であった。費用の 大部分は営業費用であった。
通常の銀行業務の一環として、当行は合計 80 百万ユーロ（ 2020 年 ： 79 百万ユーロ）の 保証および担保を供与し
た 。
関連会社との取引
2021 年 6 月 30 日現在、 13 百万ユーロ（ 2020 年 ： 15 百万ユーロ）の 関連 会社に関連する資産には、主に 貸付金 が含
まれていた。 26 百万ユーロ（ 2020 年 ： 29 百万ユーロ）の 負債は、大部分が預金であった。
２ 百万ユーロ（ 2020 年 上半期：７百万ユーロ）の収益 は、 主に受取手数料および持分法適用会社の当期純利益か
ら生じた。
通常の銀行業務の一環として、当行は合計５ 百万ユーロ（ 2020 年 ： 12 百万ユーロ）の保証および担保を供与し
た 。
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その他の関係団体／関係者との取引
その他の関係団体／関係者 に関連する資産は、 2021 年 6 月 30 日現在、 ０ 百万ユーロ（ 2020 年 ：０百万ユーロ） で
あった。 543 百万ユーロ（ 2020 年 ： 208 百万ユーロ）の 負債は、主に預金であった。預金の大部分は企業年金の外部
提供者に帰属した。
2021 年 6 月 30 日現在、 収益は１ 百万ユーロ（ 2020 年 上半期：０百万ユーロ）、 費用は 19 百万ユーロ（ 2020 年 上半
期：４百万ユーロ）であった。
通常の銀行業務の一環として供与された 保証および担保はなかった（ 2020 年 ：０百万ユーロ） 。
主要経営陣との取引
2021 年 6 月 30 日現在、 主要経営陣に関連する資産は０ 百万ユーロ（ 2020 年 ：４百万ユーロ） であり、また対応す
る負債は１ 百万ユーロ（ 2020 年 ：６百万ユーロ） であった。
費用は 10 百万ユーロ（ 2020 年 上半期：８百万ユーロ）の人件費を表し、費用には、主要経営陣への報酬およびコ
メルツ銀行グループの従業員を代表する監査役の給与が含まれている。
ドイツ連邦政府が支配する諸団体との取引
2021 年 6 月 30 日現在、 84,271 百万ユーロ（ 2020 年 ： 56,576 百万ユーロ）のドイツ連邦政府が支配する諸団体 に関連
する資産は、 主に合計 79,820 百万ユーロ（ 2020 年 ： 53,546 百万ユーロ）のドイツ連邦銀行への預金 であった。
14,024 百万ユーロ（ 2020 年 ： 13,755 百万ユーロ）のドイツ連邦政府が支配する諸団体 に関連する負債の内、 14,010
百万ユーロ（ 2020 年 ： 13,748 百万ユーロ）が 預金であった。 2021 年 6 月 30 日現在、 当行は合計 238 百万ユーロ（ 2020
年 ： 255 百万ユーロ）の 保証および担保をドイツ連邦政府が支配する諸団体に供与した 。
2021 年 6 月 30 日現在、 収益は 19 百万ユーロ（ 2020 年 上半期： 38 百万ユーロ）、 費用は 13 百万ユーロ（ 2020 年 上半
期： 12 百万ユーロ）であった。
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コメルツ 銀行の役員会
監査役会
ヘルムート・ゴットシャルク（監査役会会長）（ 2021 年 4 月 14 日就任）
ハンス・ヨルグ・ヴェッター（監査役会会長）（ 2021 年 3 月 16 日退任）
1 ）
注
ウーヴェ・チェーゲ （監査役会副会長）
注 1 ）
ハイケ・アンシャイト
注 1 ）
アレクサンダー・ブルザノフ
注 1 ）
グンナール・デ・ビュール
注 1 ）
ステファン・ブルグハルト
ドクター・フランク・チコウスキー
ザビーネ U.ディートリッヒ
ドクター・ユッタ A.デンゲス
1 ）
注
モニカ・フィンク
ドクター・トビアス・グルディマン （ 2021 年 5 月 18 日退任）
ドクター・ライナー・ヒルレブラント （ 2021 年 5 月 18 日退任）
1 ）
注
クリスチャン・ヘーン
1 ）
注
ケルスティン・イエルケル
ブルクハルト・キース （ 2021 年 5 月 18 日就任）
1 ）
注
アレクサンドラ・クリーガー
ダニエラ・マシュウス（ 2021 年 5 月 18 日就任）
ドクター・ヴィクトリア・オサドニク （ 2021 年 5 月 18 日退任）
アンドレアス・シュミッツ （ 2021 年 1 月 1 日就任、 2021 年 3 月 24 日退任）
カロリーネ・ゼイフェルト （ 2021 年 5 月 18 日就任）
ロビンJ.ストーカー
ドクター・ゲルトルード・タンペル・グーゲレル
フランク・ヴェストホフ （ 2021 年 5 月 18 日就任）
注 1 ）
ステファン・ヴィットマン
クラウス・ペーター・ミュラー（監査役会名誉会長）
注 1 ） 当行従業員による選任
取締役会
ドクター・マンフレッド・ クノッフ （ 取締役会会長） ( 2021 年 1 月 1 日就任 )
ヨルグ・ヘッセンミューラー
ドクター・ベッティナ・オルロップ（取締役会副会長）
ミヒャエル・コッツバウアー （ 2021 年 1 月 14 日就任 ）
ドクター・マルクス・クロミク
ザビーネ・シュミットロス
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取締役会による責任表明
我々の知る限りにおいて、中間財務報告に適用される報告基準に従って、本中間連結財務書類は当行グルー
プの資産、負債、財政状態および財務成績について真実かつ公正な概観を示しており、当行グループの中間経
営者報告書は、当行グループの事業展開、業績および状況について真実かつ公正な概観を提供すると共に当行
グループの当会計年度の残存期間に予想される展開にかかわる主要な機会とリスクが記載されている。
2021 年 8 月 2 日
フランクフルト・アム・マイン
取締役会
マンフレッド・ クノッフ ベッティナ・オルロップ マルクス・クロミク
ヨルグ・ヘッセンミューラー ミヒャエル・コッツバウアー ザビーネ・シュミットロス
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独文レビュー報告書からの翻訳
コメルツ銀行(フランクフルト・アム・マイン) 御中
我々は、コメルツ銀行株式会社(フランクフルト・アム・マイン)の2021年１月１日から6月30日までの期間の、
WpHG（ドイツ証券取引法）第115条に基づく半年間の財務報告書の一部である要約連結中間財務書類（包括利益計
算書、貸借対照表、資本金変動計算書、要約キャッシュ・フロー計算書および重要な注記から構成される。）およ
び中間グループ経営者報告書のレビューを行った。執行取締役は、EUが中間財務報告に適用すべく採用した国際財
務報告基準（IFRS）に従った要約連結中間財務書類、中間グループ経営者報告書に適用されるドイツ証券取引法の
要件に従った中間グループ経営者報告書の作成に責任を負っている。我々の責任は、我々のレビューに基づき、要
約連結中間財務書類および中間グループ経営者報告書について報告書を発行することである。
我々はドイツ経済監査士協会（IDW）が発布した、ドイツで一般に公正妥当と認められる、財務書類のレビュー
に対する基準に従い、補足的に国際レビュー業務基準（ISRE）2410「事業体の独立監査人が実施する中間財務情報
のレビュー」に従って、要約連結中間財務書類および中間グループ経営者報告書のレビューを行った。これらの基
準は、我々のレビューが、厳格な評価により、要約連結中間財務書類が、全ての重要な点において、EUが中間財務
報告に適用すべく採用したIFRSに従って作成されているか、また中間グループ経営者報告書が、全ての重要な点に
おいて、中間グループ経営者報告書に適用されるドイツ証券取引法の条項に従って作成されているかを一定の水準
の保証を得られるように計画し、実施することを要求している。レビューは主として会社職員への質問および分析
的手続に限定されるので、財務書類監査により得られる保証を提供するものではない。契約に従い、我々は財務書
類監査を行わなかったので、監査人報告書を発行することはできない。
我々の行ったレビューの結果、要約連結中間財務書類が、EUが中間財務報告に適用すべく採用したIFRSに従って
作成されていないと我々に確信させる事項は全ての重要な点において認められず、また中間グループ経営者報告書
が、中間グループ経営者報告書に適用されるドイツ証券取引法の条項に従って作成されていないと我々に確信させ
る事項は全ての重要な点において認められなかった。
エッシュボルン／フランクフルト・アム・マイン、2021年8月3日
アーンスト・アンド・ヤングGmbH
ヴィルトシャフツプリュフングスゲゼルシャフト
署名
署名
マルクス・ビンダー
クラウス・ペーター・ヴァーグナー
経済監査士 経済監査士
( ドイツ公認会計士) ( ドイツ公認会計士)
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２【その他】
（1）後発事象に関する報告
2021年7月22日、コメルツ銀行の取締役会は、技術導入のリスクと市場環境の変化のため、HSBCトランザクショ
ン・サービスGmbHへの証券決済を委託するプロジェクトを直ちに終了することを決定した。当該プロジェクトの終
了により、2021年第2四半期に無形資産の認識中止に伴う200百万ユーロの費用が発生した。当該認識の中止は当行
の流動性や普通株式ティア１比率へ影響は及ぼさない。また、億単位ユーロの引当金も計上された。今回の決定に
より、コメルツ銀行は変革の複雑さを軽減し、当面は自行のシステム環境のさらなる近代化に注力することにな
る。2年前に発足したコメルツ銀行のITデリバリー組織内に、「戦略2024」プログラムの一環として、証券・仲介
業務専用の重要な領域を設置することにより、当該システム環境の近代化に重要な貢献をすることになる。2017年
に外部委託プロジェクトを開始して以来、市場環境や技術的な可能性は大きく変化している。取引量の大幅な増加
と継続的な技術開発により、コメルツ銀行は現在では、証券決済の収益性を高く継続することができるようになっ
ている。
2017 年にドイツ連邦財務省（BMF）が公表したcum-cum取引に関する通達に基づき、税務監査人は監査覚書の形式で
当該取引の取り扱いについてコメントした。税務署は当該コメントに応じて、キャピタルゲイン税の控除額を減額
した。これに対応して、コメルツ銀行は、リスク状況の変化を完全かつ適切に反映させるために、貸借対照表に表
示されている税額控除の評価調整を行い、可能性がある返済請求に備えて追加の引当金を設定した。BMFは、2021
年7月9日に、cum-cum取引に関する通達の改訂版を発表した。このBMFの通達による潜在的な影響を考慮して、2021
年第2四半期に引当金を調整した。BMFの通達が改訂されたことにより、当行が認識している引当金を超過する追加
費用が発生する可能性は完全には排除できない。cum-cum証券貸付取引に関して、コメルツ銀行は、税金控除の権
利が否定されたことに対する第三者からの補償請求にさらされている。実施した分析により、コメルツ銀行は当該
補償請求が執行される可能性はかなり低いと考えているが、執行の可能性を否定することはできない。このような
状況下で、コメルツ銀行は、潜在的な財務上の影響を5億ユーロから10億ユーロに延滞利息を加えた額と見積もっ
ている。しかしこの結論は、税務当局や財政・民事裁判所の評価などの進展に応じて変化する可能性を完全には排
除できない。
（2）訴訟
コメルツ銀行グループの中間財務書類に関する注記の注記38中の「訴訟」参照。
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（3）国際財務報告基準と日本の会計原則との相違
当行グループは、ドイツ商法（HGB）第315条の定めるところに従い、年次連結財務書類および中間連結財務書
類を、国際会計基準審議会（IASB）が公表し、欧州連合（EU）が承認した国際財務報告基準（「IFRS」）に準拠
して作成することが要求されている。IFRSと日本において一般に公正妥当と認められる会計原則（Japan GAAP）
との主要な相違は、以下のとおりである。
会計方針
コメルツ銀行グループの連結財務書類（連結財務書類および連結財務書類に関する注記）は、ドイツ商法
（HGB）第315条および第340条以下ならびに欧州議会および欧州理事会による2002年7月19日付け規則（EC）
No.1606/2002（国際会計基準（IAS）規則）に従って作成されなければならない。国際会計基準審議会（IASB）
により承認かつ公表された国際財務報告基準（IFRS）に基づく一定の国際会計基準を採用するためのその他の規
則およびIFRS委員会によるそれらの規則の解釈も適用されている。
ドイツの銀行は、銀行会計指令法の規則（HGB第340条以下、銀行会計に関する法定規則（RechKredV））、ド
イツ公認会計士協会（IDW）の意見、特にHGBに基づく金融機関の基本的な会計原則を表す銀行専門家委員会
（BFA）の規則に準拠して財務書類を作成しなければならない。
日本では、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、連結財務書類を作成する場合、
同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、親会社および子会社が採用する会計処理の原則および手続
は、原則として統一しなければならない。ただし、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社
等の会計処理に関する当面の取扱い」により、在外子会社等の財務諸表がIFRSまたは米国会計基準に準拠して作
成されている場合には、一定の項目（のれんの償却、退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理、研究
開発費の支出時費用処理など）の修正を条件に、これを連結決算手続上利用することができる。
当行グループの財務書類が準拠しているIAS／IFRSと日本において公正妥当と認められている会計原則（Japan
GAAP）との主要な相違は、以下のとおりである。
前記「第６ 経理の状況、1. 中間財務書類、 重要な注記、一般情報、（ 1 ）会計方針 」を参照。
貸借対照表
ドイツにおいて、コメルツ銀行グループは、2018年1月1日からIFRS第9号「金融商品」（2014年7月にIASBが公
表した版）を適用している。当該基準は、EUにおいて2018年1月1日以降に開始する会計年度から適用が義務化さ
れている。
IFRS 第9号の適用により、報告企業は、IAS第32号に基づき金融商品として定義されたすべての資産および負債
を分類することを要求されている。基本的に、すべての金融商品は取得日の公正価値で認識されなければならな
い。この取得原則は、金融商品の分類に関係なく適用される。
IFRS 第9号は、各ビジネス・モデルおよびSPPI要件（元本と利息の支払のみからなる）の達成に依拠する以下
の４つのタイプの金融資産の事後測定を規定している。
・償却原価（ AC ）での測定
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・損益調整額（リサイクリング）ありとその他の包括利益（ OCI ）を通した公正価値（ FVOCImR ）での測定
・損益調整額（リサイクリング）なしのその他の包括利益（ OCI ）を通した公正価値（ FVOCIoR ）での測定
・損益を通した公正価値（ mFVPL ）と売買目的保有（ HFT ）に細分類された損益を通した公正価値（ FVPL ）
での測定
経営陣は、キャッシュ・フローを発生させるため、金融資産がどのように管理されているかに基づいて、以
下のビジネス・モデルに金融資産を分類している。
・「回収目的保有」ビジネス・モデル：ほとんど売却を行わない保有からの契約上のキャッシュ・フローの受
領。
・「回収目的保有および売却」ビジネス・モデル：保有および売却を通したキャッシュ・フローの受領。
・残存ビジネス・モデル：「回収目的保有」または「回収目的保有および売却」ビジネス・モデルに分類され
ていないすべてのポートフォリオ。当該ビジネス・モデルには、主としてトレーディング・ポートフォリオお
よび公正価値ベースで管理されているポートフォリオが含まれている。契約上合意したキャッシュ・フローの
受領は重要ではない。主たる目的は、購入および売却を通じてキャッシュ・フローを最大化することである。
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金融資産を分類するための第２の要件は、キャッシュ・フローの特性である。キャッシュ・フローを評価す
る場合、重要な考慮事項は、キャッシュ・フローが既発の金融商品の元本およびそのレバレッジがない利息のみ
の支払（即ち、SPPI要件）であるか否かである。原則として、金融商品は、契約上のキャッシュ・フローが単純
なローンと同等である場合に限り、SPPI要件に準拠している。
ビジネス・モデルの分類は、ポートフォリオ単位で行うことができるが、SPPI要件は、常に「回収目的保有」
または「回収目的保有および売却」ビジネス・モデルに分類された個別の金融商品毎に査定する必要がある。
原則として、金融負債は、償却原価で測定されるものとする。さらに、公正価値オプションが適用される可能
性がある。自己信用スプレッドから生じる公正価値オプションの指定する金融負債の再測定効果は、収益に影響
を及ぼすことなく、その他の包括利益に計上される。売買目的保有の金融負債および全てのデリバティブは、貸
借対照表の別項目において報告され、また損益を通して公正価値で測定されるものとする。
プレミアムおよびディスカウントは、債権の全存続期間にわたって純利息収益の項目に計上される。対応する
評価調整は、貸倒引当金の項目に表示される。信託による取引は、貸借対照表に表示されなくてもよい。無形お
よび固定資産の減価償却の方法は、定額法である。買収により生じるのれんは、資産として認識され、無形資産
の項目に表示される。少数株主持分は、資本金の一部として表示される。
損益計算書
ドイツにおいて、収入と支出は、発生主義に基づき計上され、経済的条件に従って対応する期間に損益計算書
に表示される。損益計算書に表示される利益は、連結剰余金、即ち税金控除後の半期の利益である。満期前に返
済された債権の違約金は、発生時に回収されなくてはならず、かつ収益として計上される。
損益を通して公正価値で測定される金融資産または金融負債から生じた純利益が含まれている。
売買目的保有カテゴリーの金融商品からの純損益は、当行のトレーディング純利益であり、費用を控除した後
の正味の収益額を表示している。
従って、当該項目には以下が含まれている。
・売買目的保有の金融商品からの受取利息と支払利息
・売買目的保有の有価証券、債権、外貨および貴金属の売却からの実現損益
・売買目的保有の金融商品から受け取った配当金
・公正価値での再測定による再測定損益の純額
・デリバティブ金融商品からの純損益
・公正価値調整（信用評価調整／ CVA 、債務評価調整／ DVA 、資金調達評価調整／ FVA ）からの純損益
・売買目的保有の金融商品の取得または処分に関連して発生した支払手数料および受取手数料
その他の純利益は、主に引当金への繰入および引当金の戻入ならびにオペレーティング・リースからの収益お
よび費用により構成される。
当該項目には、関連会社および共同支配企業の実現損益および再測定純損益も含まれている。
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(1) 企業結合およびのれんの償却（ IFRS 第 3 号、別紙 A ）
IFRS では、 IFRS 第 3 号「企業結合」に基づき、すべての企業結合（共同支配企業の設立、共通支配下の企業ま
たは事業の結合等を除く。）に取得法が適用されている。取得法では、取得日において、取得企業は識別可能な
取得した資産および引き受けた負債を、原則として、取得日時点の公正価値で認識する。
日本でも、企業会計基準第 21 号「企業結合に関する会計基準」に基づき、すべての企業結合（共同支配企業の
形成および共通支配下の取引を除く。）はパーチェス法（取得法に類似する方法）で会計処理されている。
日本基準と IFRS の間には、主に以下の差異が存在する。
a) 取得関連コスト（企業結合に直接起因する費用）の処理
IFRS では、IAS第32号およびIFRS第9号にそれぞれ準拠して認識される負債性証券または持分証券の発行コスト
を除き、当該費用が発生してサービスの提供を受けた期間の費用として処理する。
日本では、取得関連費用は発生した事業年度の費用として処理される。
b) 条件付対価の処理
IFRS では、取得企業は条件付対価を、被取得企業との交換で移転した対価に含め、取得日時点の公正価値で認
識しなければならない。また、条件付対価の公正価値に事後的な変動があった場合でも、一定の場合を除き、
のれんの修正は行わない。
日本では、条件付取得対価の交付または引渡しが確実となり、その時価が合理的に決定可能となった時点で、
支払対価を取得原価として追加的に認識するとともに、のれんの修正を行う。
c) のれんの当初認識および非支配持分の測定
IFRS では、企業結合ごとに以下のいずれかの方法を選択できる。
・ 非支配持分も含めた被取得企業全体を公正価値で測定し、のれんは非支配持分に帰属する部分も含めて測
定する方法（全部のれん方式）
・ 非支配持分のうち、現在の所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な取り分を保有者に与
えているものは、被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する比例持分相当額として測定し、のれんは取
得企業の持分相当額についてのみ認識する方法（購入のれん方式）
日本では、非支配持分自体を時価評価する処理（全部のれん方式）は認められておらず、のれんは、取得原価
が、取得した資産および引き受けた負債に配分された純額を超過する額として算定される（購入のれん方
式）。
d) のれんの償却
IFRS 第 3号の改正に従い、のれんの定期償却は、2005年1月1日以降は行われない。しかし、のれんは、IAS第36
号第90項（資産の減損）に基づき、少なくとも年一回減損テストを受けなければならない。
日本では原則として、のれんは20年を超えない期間で定率法またはその他の合理的な方法で償却され、のれん
が減損した場合、減損損失が認識されなければならない。
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(2) 有形固定資産の測定（ IAS 第 16 号第 6 項）
有形固定資産として計上される土地および建物、什器および備品は、取得原価から原価償却累計額および減損
損失累計額（償却原価）を控除した価額で計上される。
日本では、「固定資産の減損に係る会計基準」に従い、資産または資産グループの減損の兆候が認められ、か
つ割引前将来キャッシュ・フローの総額（20年以内の合理的な期間に基づく）が帳簿価額を下回ると見積られた
場合、当該資産または資産グループの回収可能価額（正味売却価額と使用価値（資産または資産グループの継続
的使用と使用後の処分によって生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値）のいずれか高い方の金
額）と帳簿価額の差額につき減損損失を認識する。減損損失の戻入は認められない。
(3) 会計方針の変更に基づく財務書類の遡及的調整（ IAS 第 8 号）
会計方針の変更は遡及的に適用される。ただし、当該変更が特定の会計期間のみに影響するか、公表済の 1 会
計期間または複数の会計期間に累積的に影響するか否か判断ができない場合、当行は、遡及的適用が実務的に可
能な最も早期の会計期間の期首現在の資産および負債の簿価に新しい会計方針を適用する。
会計の見積りの変更の影響は損益に予測的に計上するが、会計の見積りの変更が資産および負債の変更に関連
するか、または資本項目に関連する場合、変更にかかる会計期間の関連する資産、負債または資本項目の簿価の
調整として計上する。
過年度の会計期間の重大な誤謬は、当該誤謬の発見後に最初に公表を承認された財務書類において遡及的に訂
正されなければならない。ただし、かかる誤謬に関連する公表済の 1 会計期間または複数の会計期間の情報が特
定の会計期間に影響するか否か判断できない場合、当行は、遡及的な修正再表示が実務的に可能な最も早期の会
計期間の期首現在の資産、負債および資本を修正再表示する。
日本では、かかる遡及的な調整は必要とされない。
(4) リース会計（ IFRS 第 16 号）
リースとは、特定の資産（原資産）を使用する権利を一定期間にわたり、対価と交換に移転する契約または契
約の一部である。民法上、契約の適格性あるいは名称がリース、レンタル、資産の保有などとされていること
は、重要ではない。
IFRS 第 16 号は、原則として下記の４つの中核要素により、全ての形態のリース（仕組みリースを含む。）を判
定する。
● 対象資産の特定
○ 明示的特定
○ 黙示的特定
● 使用を支配する権利
○ 使用期間を通して使用から生じる経済的利益のほとんど全てを取得する権利
○ 資産の使用を指図する権利
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● 契約の構成要素
● リースの期間
基本的に、リース資産は有形または無形である。無形資産のリース会計に関しては、オプションが存在する
（ IFRS 第 16 号第 4 項） 。コメルツ銀行グループにおいては、ソフトウエアやライセンスのような無形資産の使用
料は、リースとして計上されない。
当行グループが賃貸人として
賃貸人は、リース開始日において、リースをファイナンス・リースまたはオペレーティング・リースのいず
れかに分類しなければならない（ IFRS 第 16 号 61 項） 。
当該分類は、特定のリース資産の所有に伴う経済価値とリスクのほとんど全てを本質的に享受する者を基準
としている（ IFRS 第 16 号第 62 項） 。ほとんど全ての経済的価値とリスクが賃借人に移転される場合、ファイナ
ンス・リースとなり、賃借人が経済的な所有者となる。その他の場合には、純粋な賃貸借関係に相当するオペ
レーティング・リースとなる。
分類の変更（ファイナンス・リースまたはオペレーティング・リース）は、リース期間中、契約条項の修正
により契約の範囲の変更が発生した場合に限り、実施されるものとする（ IFRS 第 16 号第 79 項および IFRS 第 16
号第 87 項によるリースの条件変更、例えば、リース対象の追加あるいは対価の額（ IFRS 第 16 号第 66 項） ）。
・ オペレーティング・リース
オペレーティング・リースに関しては、経済的所有権が賃貸人に留保される。従って、リース物件は貸借対照
表の原資産として認識される。資産は、それぞれの種類の資産の引当金に従って認識される（例えば、 IAS 第 16
号 による有形固定資産または IAS 第 40 号 による投資不動産）。当初直接コストは資産計上される（ IFRS 第 16 号第
83 項） 。
リース料の支払は、リース期間にわたり、定額法により認識されるものとする。異なる系統的な支払がより適
切な場合にのみ、定額法以外の方法によることができる（ IFRS 第 16 号第 81 項） 。
類似の資産の標準的な取扱に従って、リース資産はその経済的耐用年数にわたって定額法ベースにより償却
（ IAS 第 16 号 、 IAS 第 38 号） され、また減損（ IAS 第 36 号） の査定がされるものとする。
リースの条件変更が有効となった時から、リースは常に新たなリースとして会計処理されるものとする。この
過程において、当初のリースにかかる全ての前払リース料または未払リース料は、新たなリースにかかるリース
料とみなすものとする（ IFRS 第 16 号第 87 項） 。
オペレーティング・リースの場合には、受領されたリース料は損益計算書の「その他の利益」として開示され
る。
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・ ファイナンス・リース
経済的な所有権が賃借人に移転されたため、原資産はもはや賃貸人の貸借対照表に開示されない。代わりに、
賃貸人は賃借人からのリース債権として認識する。
リース債権は、契約開始日において、当初正味リース投資額に等しい金額として認識されるものとする（ IFRS
第 16 号第 67 項）。
投資純額は、リースの総投資額からリースの計算利子率を割引くことにより決定される。リースの総投資額
は、賃貸人が受け取るべきリース料および賃貸人に発生している無保証残存価値（推定残存価値）の合計額であ
る（ IFRS 第 16 号、別紙 A ） 。
当初直接コストは、リース料／リースの投資純額が考慮されるものとするが、区分して報告されない（ IFRS 第
16 号第 69 項）。
金融収益（利息収益）は、リース期間にわたり適切かつ規則的に配分されるものとする。配分のパターンは、
純投資額に対して一定かつ期間対応の返還率の達成を保証するものとする（ IFRS 第 16 号第 75 項） 。
受領した全てのリース料は、毎年、リースの総投資額から控除されるものとする。純投資額にかかる複利から
生じる会計期間からの金融収益が未収金融収益から控除される。即ち、リースの総投資額と純投資額との差額で
ある。これは、リースの純投資額がリース料と毎会計期間の利息により調整されることとなる。（ IFRS 第 16 号第
76 項） 。
契約上合意されない残存価値（無保証残存価値）の見積りは、定期的に査定されなければならない。見積り無
保証残存価値が減少した場合、賃貸人はリース期間にわたる収益の配分を直ちに改定し、かつ未払金の減額を直
ちに認識するものとする（ IFRS 第 16 号第 77 項）
ファイナンス・リースの場合、受領したリース料は「金融資産」として貸借対照表の資産の部において認識さ
れるものとする。
受領したリース料にかかる複利からの利息は、「利息収益」として報告されるものとする。
当行グループが賃借人として
賃借人は、常に全てのリースの使用権資産および対応するリース負債を認識するものとする（ IFRS 第 16 号第 22
項）。
使用権資産は、「土地および建物」と「事務所用什器備品」とに区分され、貸借対照表の資産の部に「投資不
動産」として開示されている。
リース負債もまた「土地および建物」と「事務所用什器備品」とに区分され、「その他の債務」として報告さ
れている。
使用権資産の償却は「一般管理費」として開示されている。リース負債の複利に割り当てられたリース料の部
分は「利息費用」とされ、返済に割り当てられたリース料の部分はリース負債を減少させ、収益に影響しない。
日本では、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」に従い、ファイナンス・リース取引とは、解
約不能かつフルペイアウトの要件を満たすものをいい、ファイナンス・リース取引に該当するかどうかについて
は、その経済的実質に基づいて判断すべきであるとしている。
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(5) 退職給付会計の数理計算上の差異の会計処理（ IAS 第 19 号）
IAS 第 19 号 によれば、早期退職および死亡給付のための支払は、「貸借対照表アプローチ」を使用して表示さ
れるものとする。即ち、数理計算上の利益または損失は、当該利益または損失が発生した会計期間の損益に直ち
に計上される。
(6) 有給休暇
企業は従業員の短期の給付金である有給休暇の予想される費用を、 (a) 累積有給休暇の場合は、従業員が将来の
有給休暇の権利を拡大する労務を提供した場合、 (b) 非累積有給休暇の場合は、休暇を取得した時、それぞれ計上
する。
日本の会計処理では、有給休暇引当金は計上されない。
(7) 関係会社およびジョイント・アレンジメントに対する投資（ IAS 第 28 号 および IFRS 第 11 号）
IAS 第 28 号 および IFRS 第 11 号に基づく関係会社およびジョイント・ベンチャーの連結に関しては、持分法
（一行連結／ワン・ライン・コンソリデーション）が適用される。コメルツ銀行グループに関して、ジョイン
ト・オペレーションは該当しない。
(8) 減損会計（ IAS 第 36 号）
各貸借対照表日現在、すべての資産は減損の兆候があるか否か見直さなくてはならない。資産の減損は、資産
の簿価が当該資産の正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の価額を超過した場合、減損として認識される。
IAS 第 36 号 には、減損の外部的兆候および内部的兆候が列記されている。資産の減損の可能性がある場合、資産
の回収可能額を算出する必要がある。耐用年数の定められていない無形資産や企業結合により取得したのれんの
回収可能額は、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年測定しなければならない。
回収可能額は、資産の公正価値から当該資産の売却費用を控除した額と使用価値のいずれか高い方の価額であ
る。公正価値は契約に基づき、時価または資産の売却価格の最高見積額から処分費用を控除した額とされる。使
用価値の算出は、独立当事者間の自由かつ公正な取引から企業が当該資産から得られると予想される見積将来
キャッシュ・フローが反映されるものとされる。
減損は、資産が別の会計基準（ IAS 第 16 号等）に基づき再評価されて計上されない限り、損益に直ちに反映さ
れなければならない。直近の減損の計上以降、資産の回収可能額の算出に使用された見積りに変化があった場
合、かかる減損は戻し入れられる。簿価は回収可能額を上限として増加されるが、過年度にかかる資産に減損が
計上されなかった場合の簿価を上回らないものとする。
日本では、「固定資産の減損に係る会計基準」に従い、資産または資産グループの減損の兆候が認められ、か
つ割引前将来キャッシュ・フローの総額（20年以内の合理的な期間に基づく）が簿価を下回ると見積られた場
合、当該資産または資産グループの回収可能価額（正味売却価額と使用価値（資産または資産グループの継続的
使用と使用後の処分によって生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値）のいずれか高い方の金
額）と簿価の差額につき減損損失を認識する。減損損失の戻入は認められない。
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(9) 研究開発費（ IAS 第 38 号）
研究は、科学的あるいは技術的に新しい知識や理解を得ることを目的に独自に計画された調査である。研究費
は、発生時に費用として計上される。
開発は、商業生産または商業使用の開始前の新規のまたは大幅に改良された材料、機器、製品、過程、システ
ム、サービスの生産のための計画あるいは設計にかかる研究による発見やその他の知識の適用である。開発費
は、資産の販売または使用の技術的および商業的な実現可能性が確立した時点で初めて資本化される。それまで
当行は無形資産を完成させる意思と能力を有していなければならない。さらに、当行はかかる無形資産を使用ま
たは売却し、かつ資産が将来経済的価値を産出することを示さなければならない。
当行が無形資産を創出する内部プロジェクトの研究段階と開発段階とを区別できない場合、当行はかかるプロ
ジェクトの費用が研究段階のみに発生したとみなして取り扱う。
一旦費用計上された費用は後に無形資産の費用の一部として付け替えることはできない。
日本では開発段階で発生した費用は発生時に費用計上される。
(10) 金融資産の認識の中止（ IFRS 第 9 号第 3.2.3 項）
下記の場合、企業は金融資産の認識の中止を計上しなければならない。
a. 金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合。
b. 企業が金融資産のキャッシュ・フローを受領する契約上の権利を移転する、あるいは金融資産のキャッ
シュ・フローを受領する権利を保持するが、一定の条件による取り決めにより他の受取人にキャッシュ・
フローを支払う契約上の義務を負った場合、および企業が金融資産の所有権の実質的に全てのリスクと利
益を移転したか、あるいは金融資産の所有権にかかる実質的に全てのリスクと利益を移転も保持もせず、
支配権を保持しなくなった場合。
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従い、譲渡金融資産の財務構成要素ごとに、
支配が第三者に移転しているかどうかの判断に基づいて、当該金融資産の認識の中止がなされる。
(11) ヘッジ会計（ IAS 第 39 号）
IFRS 第 9 号第 7.2.21 項に従った権利を行使する場合、コメルツ銀行は IAS 第 39 号の規定に従ったヘッジ会計を継
続的に行うものとする。
IAS 第 39 号 に基づくヘッジ会計の適用は、下記の要件に従っていなければならない。
a. ヘッジ開始時にヘッジ関係の正式な指定と文書による明確化があること
b. ヘッジ・リスクに起因する公正価値またはキャッシュ・フローの変化を相殺する高い効果がヘッジに期待
できること
c. ヘッジ効果の測定が確実に行われること
d. ヘッジは継続的に測定され、実際に非常に効率的に決定されるものであること
e. キャッシュ・フロー・ヘッジの場合、ヘッジされた予測取引は実現性が高く、また損益に影響するキャッ
シュ・フローの変動が発生すること
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・公正価値ヘッジ会計：
公正価値ヘッジ会計の規定に従って、ヘッジ目的で使用されるデリバティブ金融商品はヘッジ・デリバティブ
商品に起因する公正価値で計上される。再評価による変動は損益計算書のヘッジ会計からの純利益の項目に利益
または損失として表示される。ヘッジ・リスクから生じるヘッジ資産またはヘッジ負債の公正価値の変動も同様
に、損益計算書のトレーディング利益内のヘッジ会計にかかる純利益の項目に認識される必要がある。
日本では、公正価値ヘッジは、ヘッジ対象の時価を貸借対照表の価額とすることが認められているその他有価
証券（売却可能証券 )のみに適用される。
・キャッシュ・フロー・ヘッジ会計：
キャッシュ・フロー・ヘッジ会計に使用されるデリバティブ金融商品は、ヘッジ・デリバティブ商品に起因す
る公正価値で表示される。損益の報告は、有効部分と非有効部分に分離される必要がある。有効部分は、ヘッジ
対象取引から生じたキャッシュ・フロー・リスクに有効なヘッジを表わす部分である。これは繰延税が考慮され
た後、資本に別個の項目で直接認識される （ キャッシュ・フロー・ヘッジの評価 )。対照的に、非有効部分は、
損益計算書上に表示される。
Japan GAAPでは，公正価値ヘッジおよびキャッシュ・フロー・ヘッジともに繰延ヘッジ処理が採用されている
(純資産の部で開示)。しかし，IFRSでは，公正価値ヘッジは，損益計算書でヘッジ対象・手段とも公正価値にて
処理し，キャッシュ・フロー・ヘッジは純資産の部で繰 延処理するというように処理の方法がヘッジの種類に
より区別されている。
また，ヘッジの非有効性部分の処理ですが，Japan GAAPの場合，例外的にそれを繰り延べることも容認されて
いるが，IFRSでは，厳格に発生時に損益処理することが要求されている。さらに，日本で多く採用されている金
利スワップの特例処理に関しては，IFRSでは認められていない。
(12) 投資不動産の公正価値の測定（ IAS 第 40 号）
投資不動産は、製品やサービスの製造や供給のための使用または管理目的での所有あるいは通常の業務におけ
る短期の売却ではなく、賃料の取得や値上がり益を目的として所有する不動産（土地または建物（建物の一部）
あるいは土地・建物の両方）である。企業は投資不動産の計上を公正価値評価法または原価法のいずれを適用す
るか選択できる。コメルツ銀行は公正価値評価法による計上を選択している。
日本にはこのような会計基準は存在しない。
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第７ 【外国為替相場の推移】
１【当該半期中における月別為替相場の推移】
本項目の記載は、最近６か月間の日本円とユーロの為替レートが日本において２以上の日刊新聞紙に掲載されて
いるので、記載を省略する。
２【最近日の為替相場】
１ユーロ＝129.69円（2021年８月31日）
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第８ 【提出会社の参考情報】
以下の書類が 2021 年１月１日から半期報告書の提出日までに提出された。
提出書類 提出年月日
有価証券報告書 2021 年 6 月 30 日
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第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
第１【保証会社情報】
該当事項なし。
第２【保証会社以外の会社の情報】
該当事項なし。
第３【指数等の情報】
該当事項なし。
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