インド輸出入銀行 有価証券報告書
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インド輸出入銀行(E06110)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第１項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2021年９月28日
【事業年度】 自 2020年４月１日 至 2021年３月31日
【発行者の名称】 インド輸出入銀行
（Export-Import Bank of India）
【代表者の役職氏名】 マネージング・ディレクター
Harsha Bangari
【事務連絡者氏名】 弁護士 池田 成史
【住所】 東京都港区六本木一丁目９番10号
アークヒルズ仙石山森タワー
ベーカー＆マッケンジー法律事務所
（外国法共同事業）
【電話番号】 (03)6271-9900
【縦覧に供する場所】 該当なし
注 (1) 「発行者」、「輸出入銀行」または「当行」とは、インド輸出入銀行を意味する。
(2) 別段の記載がない限り、本書において「ルピー」または「Rs」と表示される金額は、インド共和国の通貨を指す。
2021年９月７日現在、株式会社三菱UFJ銀行により公表されたルピーに対する日本円の外国為替の電信売買相場の中値は１ル
ピーにつき1.51円であった。
(3) インド輸出入銀行およびインド共和国の事業年度／会計年度は４月１日から翌年３月31日までである。2021年３月31日に終了
した事業年度／会計年度は、本書中2020/21年度と表示されており、他の事業年度／会計年度についても同様である。2020年
12月31日に終了した暦年は、2020年と表示されており、他の暦年についても同様である。
(4) 本書中の表において、計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがある。
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第１【募集（売出）債券の状況】
募集債券の名称 発行年月 券面総額 償還額 事業年度末の 上場金融商品取
未償還額 引所名又は登録
認可金融商品取
引業協会名
第３回インド輸出入銀行 2019年９月 250億円 ０ 250億円 該当なし
円貨債券（2019）
０
第４回インド輸出入銀行 2019年９月 70億円 70億円 該当なし
円貨債券（2019）
売出債券の名称 発行年月 券面総額 償還額 事業年度末の 上場金融商品取引
未償還額 所名又は登録認可
金融商品取引業協
会名
インド輸出入銀行 2015年11月 １億6,450万 １億6,450万 ０ 該当なし
2020年11月６日満期 豪ドル 豪ドル
豪ドル建債券
インド輸出入銀行 2015年11月 4,280万 4,280万 ０ 該当なし
2020年11月６日満期 米ドル 米ドル
米ドル建債券
当事業年度において、上記債券の所有者の権利等に重要な悪影響を与える事実は発生しなかった。
第２【外国為替相場の推移】
(1)【最近５年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
豪ドル及び米ドルと日本円との間の為替相場は、日本国内において時事に関する事項を掲載する２以上の
日刊新聞紙に最近５年間の事業年度において掲載されているため、記載を省略する。
(2)【当会計年度(又は事業年度)中最近６月間の月別為替相場の推移】
省略
(3)【最近日の為替相場】
省略
第３【発行者の概況】
１【発行者が国である場合】
該当事項なし
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２【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
３【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1)【設立】
① 設立の目的及び根拠並びに沿革
設 立
輸出入銀行は、インドの外国貿易への融資、促進及び振興を目的として、1981年インド輸出入銀行法（以下
「輸出入銀行法」という。）に基づき設立され、1982年１月１日に業務を開始した。輸出入銀行法は、とりわ
け、インドの輸出入業者に対して金融支援を提供し、また、財及びサービスの輸出入への融資を行う機関の業
務を調整する主たる金融機関としての機能を果たす役割を輸出入銀行に与えている。輸出入銀行は、インドの
国際貿易の振興を目的として、これらの機能を果たすことに責任を負っている。
目 的
輸出入銀行の業務は、輸出入銀行法第10条に規定されており、その詳細は以下のとおりである。
(1) 輸出入銀行はインドの内外において、自ら又はインドの内外の銀行若しくは金融機関の参加を得て、輸
出若しくは輸入のための貸付若しくは前払金の供与を行うことができ、また、自らが適切であると考える
方法により、輸出及び輸入に対する融資に携わる機関の活動を調整するための主たる金融機関として機能
するものとする。
(2) 輸出入銀行はまた、以下の事業のすべて若しくはそのいずれかを遂行し、処理することができる。
(a) 官報において中央政府によりそのために通知される別掲銀行（その時において1934年インド準備
銀行法の別表２に記載された銀行を指す。）又はその他の銀行若しくは金融機関に対して、かかる
機関が輸出若しくは輸入のために行った貸付若しくは前払金の再融資という形で貸付若しくは前払
金の供与を行うこと、
(b) 輸出若しくは輸入に従事する会社の発行する株式、債務証書若しくは社債を引受けること、
(c) インドの国内外において、輸出入銀行自ら又はインドの国内外の政府、銀行若しくは金融機関の
参加を得て、入札保証状若しくは保証状を発行すること、
(d) インドの国内外において、輸出若しくは輸入に関する取引から発生する為替手形若しくは約束手
形の引受、取立、割引、再割引、売買若しくは譲渡をなし、また、インドの国内外においてかかる
為替手形若しくは約束手形を担保として貸付及び前払金の供与を行うこと、
(e) 信用状の承諾、開設、発行、確認若しくは裏書をなし、また、これに基づき振出された手形及び
その他の書面を譲渡し若しくは取立てること、
(f) 輸出若しくは輸入を目的とした政府信用から政府及び民間信用に至る組合せを伴う取引を行うこ
と、
(g) 輸出若しくは輸入を目的として、外国政府又はインド国外の金融機関若しくは者に対して信用供
与枠を付与すること、
(h) インドの合弁事業のためにインド国外において貸付及び前払金の供与を行うこと、
(i) インドの居住者に対して、インド以外の国における合弁事業に対するその者の資本参加に関連す
る貸付及び前払金の供与を行うこと、
(j) リース取引による機械装置の輸出若しくは輸入に対し融資を行うこと、
(k) インド以外の国の開発銀行若しくは輸出入銀行の株式、債務証書若しくは債券の引受、投資若し
くは買取を行うこと、
(l) 輸出入銀行の権能を遂行するために必要である外国為替の売買又はその他の取引を実行するこ
と、
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(m) インド国内外において銀行の口座を開設し、又はインド国内外の銀行若しくはその他機関と代理
契約を締結し、又は代理人若しくはコルレス先として行為すること、
(n) 輸出入銀行が付与した貸付及び前払金に関する証書を有償で譲渡すること、
(o) 参加証書を発行すること、
(p) 先取特権、質権若しくはその他の契約上の権利の実行に必要な範囲で、株式、債務証書若しくは
債券の引受、投資若しくは買取を行うこと、
(q) 国際貿易の推進及び発展に関する調査、測定、技術－経済若しくはその他の研究の実施及び資金
援助を行うこと、
(r) 輸出若しくは輸入のためにあらゆる種類の技術的、運営的及び財政的支援を提供すること、
(s) 輸出関連企業の計画、推進、開発及び資金調達を行うこと、
(t) 輸出入銀行の権能を遂行するため、子会社を設立若しくは経営すること、
(u) 中央政府、州政府、インド準備銀行（以下「準備銀行」という。）、開発銀行若しくは中央政府
が承認するその他一切の者の代理人として行為すること、
(v) 国際貿易に関する市場及び信用情報を収集し、編集し、普及させること、
(w) 中央政府が承認するその他一切の事業を行うこと、及び
(x) 輸出入銀行のいずれかの資産の売却若しくは譲渡を含め、輸出入銀行法若しくはその時点におい
て効力を有するその他の法律に基づく自己の権限の行使若しくは任務の遂行に付随若しくは起因す
るその他行為及び事項全般を行うこと。
② 法的地位及び特別権限
輸出入銀行は、輸出入銀行法に基づき設立された法人で、その設立時よりインド政府により全額保有されて
いる。輸出入銀行は、1956年会社法第４A条に基づき認められるものとして2013年会社法第２条(72)項に規定さ
れている公的金融機関である。かかる公的機関として、輸出入銀行は、インド証券取引委員会の（資本の発行
及び開示要件についての）2009年規則に基づく適格機関買主である。政府は定期的に輸出入銀行に対し戦略上
の助言を与え、輸出入銀行の理事会構成員の一部は政府における役職も兼任しているが、輸出入銀行はその業
務及び運営方針（主に市場重視型である。）の策定において完全な独立性を与えられている。
輸出入銀行法第38条に基づき、会社若しくは法人の清算に関する法律のいかなる規定も輸出入銀行に対して
は適用されないものとし、輸出入銀行は中央政府の命令による場合及び中央政府が指定する方法による場合を
除き、清算されないものとする。
輸出入銀行法第36条に従い、1949年銀行業規制法の規定（「秘密保持を要する書類の作成」に関する第34A条
及び「銀行に関する特定の活動に対する処罰」に関する第36AD条を除く。）は、輸出入銀行には適用されな
い。ただし、輸出入銀行は、金融機関として準備銀行の規制上の監督を受ける。輸出入銀行は、また、1961年
所得税法第２条（36A）における「公的部門会社」である。
輸出入銀行法第35条に基づき、1891年銀行帳簿証拠法は、輸出入銀行が同法第２条において定義されている
銀行として、輸出入銀行に関して適用されるものとする。
準備銀行による預金準備率及び法定流動性比率の維持の要件は、商業銀行には適用されるが、輸出入銀行に
は適用されない。
公的金融機関として、輸出入銀行は、銀行及び金融機関に対して裁判所又は裁決機関の介入なしで担保につ
いて強制執行を行う権限を与えている2002年金融資産の証券化及び再構築・担保権の強制執行法の規定の発動
により、又は、銀行及び金融機関の債権についての迅速な決定及び回収のために専属的に設立された債権回収
裁判所への提訴により、その債権を回収することができる。輸出入銀行はまた、2016年倒産・破産法の規定に
より、法的措置を開始する権限がある。
③ 日本との関係
設立に関して、日本との関係はない。
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(2)【資本構成】
① 資本構成
2021年３月31日現在の（監査済の）輸出入銀行の資本構成及び債務を以下に示す。
2021年３月31日現在
（単位：百万ルピー）
(1)(2)
短期債務 ：
短期債務（ルピー） 194,035.18
短期債務（外貨） 90,955.98
短期債務合計 (a)
284,991.16
長期債務：
長期債務（ルピー） 256,130.60
長期債務（外貨） 555,048.30
長期債務合計 (b)
811,178.90
(3)
債務合計
1,096,170.06
(c)=(a)+(b)
資本金及び準備金：
払込資本金 151,593.66
準備基金 9,008.63
一般準備金 -
(4)
3,894.62
その他準備金
特別準備金 13,640.00
資本金及び準備金合計 (d) 178,136.91
(5)
=(b)+(d)
989,315.81
資本合計
注 (1) ルピー建借入の場合は、短期債務は当初の満期を１年以内として調達された債務に関連している。
(2) 外貨建借入の場合は、短期債務は当初の満期を３年以内として調達された債務と定義されている。
(3) 2021年３月31日現在、輸出入銀行の借入合計は１兆961億7,006万ルピーであった。
(4) 投資変動準備金及び減債基金（クレジット・ライン）を含む。
(5) 資本合計は短期債務を含まない。
② 株 主
輸出入銀行法第４条(2)項に従い、輸出入銀行の発行済株式資本は政府により全額引受けられる。
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(3)【組織】
輸出入銀行は、インド政府により全額保有されており、とりわけ、政府、準備銀行、IDBI、インド輸出信用
保証会社（ECGC）、他の銀行及び領域専門家からの代表による理事会で運営されている。輸出入銀行の業務
は、以下の事業部門に組織されている。すなわち、プロジェクト輸出、クレジット・ライン（信用供与枠）、
コーポレート・バンキング及びマーケティング・アドバイザリー・サービスの各グループで、これらは研究・
分析、財務・会計、情報技術及び法人向けサービスの各グループにより支援されている。
① 主要な経営陣
2021年３月31日現在
氏 名 職 務
David Rasquinha 輸出入銀行の様々な部門の運営及び活動の総監督
マネージング・ディレクター
Harsha Bangari 輸出入銀行の様々な部門の運営及び活動の総監督
副マネージング・ディレクター
N. Ramesh 輸出入銀行の様々な部門の運営及び活動の総監督
副マネージング・ディレクター
Mukul Sarkar 輸出入銀行のリスク管理部門の総監督
チーフ・ジェネラル・マネージャー
David Sinate 輸出入銀行の研究・分析、コーポレート・コミュニ
ケーション部門、草の根事業政策及び開発部門並び
チーフ・ジェネラル・マネージャー
にマーケティング・アドバイザリー・サービス部
門、ナレッジ・センター並びに特別プロジェクト
（サステナビリティ及びポータル）部門の総監督
Sudatta Mandal 輸出入銀行の財務・会計部門の総監督
チーフ・ジェネラル・マネージャー
Prahalathan Iyer 輸出入銀行の研究・分析並部門の総監督
チーフ・ジェネラル・マネージャー
Rima Marphatia 輸出入銀行の内部監査部門の総監督
チーフ・ジェネラル・マネージャー
Manjiri Bhalerao 輸出入銀行のコンプライアンス部門の総監督
チーフ・ジェネラル・マネージャー
Deepali Agrawal 輸出入銀行の人材管理部門の総監督
チーフ・ジェネラル・マネージャー
Tarun Sharma 輸出入銀行の情報技術部門の総監督
チーフ・ジェネラル・マネージャー
Utpal Gokhale 輸出入銀行の企業貸付部門運用部門の総監督
チーフ・ジェネラル・マネージャー
Gaurav Bhandari 輸出入銀行のクレジット・ライン部門の総監督
チーフ・ジェネラル・マネージャー
Sriram Subramaniam グローバル・プロキュアメント・コンサルタントLtd
へ派遣中
ジェネラル・マネージャー
T.D. Sivakumar 輸出入銀行のコーポレート・ビジネス開発部門の
ジェネラル・マネージャー 総監督
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Meena Verma 輸出入銀行の企業貸付監視部門の総監督
ジェネラル・マネージャー
Vikramaditya Ugra 輸出入銀行の信用評価（I）部門の総監督
ジェネラル・マネージャー
Sujeet Bhale 輸出入銀行の信用評価（II）部門の総監督
ジェネラル・マネージャー
Dharmendra Sachan 輸出入銀行の国の言語部門の総監督
ジェネラル・マネージャー
Shilpa Waghmare 輸出入銀行のプロジェクト輸出部門の総監督
ジェネラル・マネージャー
Uday Shinde 輸出入銀行の管理部門の総監督
ジェネラル・マネージャー
Lokesh Kumar 輸出入銀行の特殊状況部門の総監督
ジェネラル・マネージャー
Saroj Khuntia 輸出入銀行のクレジット・ライン部門の総監督
ジェネラル・マネージャー
Rikesh Chand 輸出入銀行の特殊状況部門の総監督
ジェネラル・マネージャー
Nirmit Ved 輸出入銀行のニューデリー地域事務所、クレジッ
ト・ライン部門及び政府業務部門の総監督
ジェネラル・マネージャー
Dayanand Shetty 輸出入銀行の管理部門の総監督
ジェネラル・マネージャー
Meghana Joglekar 輸出入銀行の持続可能な企業開発及び輸出開発部門
の総監督
ジェネラル・マネージャー
Priti Thomas 輸出入銀行の法務部門の総監督
ジェネラル・マネージャー
2021年３月31日以降の変更は下記のとおりである。
役職又は職務の変更：
Harsha Bangari 輸出入銀行の様々な部門の運営及び活動の総監督
変更前：副マネージング・ディレクター
変更後：マネージング・ディレクター
（2021年９月８日より）
Mukul Sarkar 変更前：輸出入銀行のリスク管理部門の総監督
変更後：輸出入銀行のリスク管理及び戦略部門の
チーフ・ジェネラル・マネージャー
総監督
（2021年５月３日より）
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David Sinate 変更前：輸出入銀行の研究・分析、コーポレート・
コミュニケーション部門、草の根事業政策及び開発
チーフ・ジェネラル・マネージャー
部門並びにマーケティング・アドバイザリー・サー
ビス部門、ナレッジ・センター並びに特別プロジェ
クト（サステナビリティ及びポータル）部門の総監
督
変更後：輸出入銀行の輸出入銀行の研究・分析及び
管理部門部門の総監督
（2021年５月３日より）
Deepali Agrawal 変更前：輸出入銀行の人材管理部門の総監督
変更後：輸出入銀行の特殊状況部門の総監督
チーフ・ジェネラル・マネージャー
（2021年５月３日より）
Tarun Sharma 変更前：輸出入銀行の情報技術部門の総監督
変更後：輸出入銀行の財務・会計部門及び情報技術
チーフ・ジェネラル・マネージャー
部門の総監督
（2021年５月１日より）
Dharmendra Sachan 変更前：輸出入銀行の国の言語部門の総監督
変更後：輸出入銀行の草の根事業政策及び開発部門
ジェネラル・マネージャー
並びにマーケティング・アドバイザリー・サービス
部門、ナレッジ・センター並びに特別プロジェクト
（サステナビリティ及びポータル）部門の総監督
（2021年５月３日より）
Uday Shinde 変更前：輸出入銀行の管理部門の総監督
変更後：輸出入銀行のコーポレート・コミュニケー
ジェネラル・マネージャー
ション部門及び国の言語部門の総監督
（2021年５月３日より）
Lokesh Kumar 変更前：輸出入銀行の特殊状況部門の総監督
変更後：輸出入銀行の人材管理部門の総監督
ジェネラル・マネージャー
（2021年５月３日より）
退任：
David Rasquinha マネージング・ディレクター
(2021年６月１日付)
Sudatta Mandal チーフ・ジェネラル・マネージャー
(2021年４月30日付)
② 理事会
2021年３月31日現在、理事会は14名のメンバーで構成されていた。
輸出入銀行法第５条(1)項に基づき、輸出入銀行の事務及び業務の全般的な監督、指示及び管理の権限は理事
会に属し、理事会は輸出入銀行が行使又は行為し得る全ての権限を行使し、かつ、一切の行為及び事項を行う
ことができる。輸出入銀行法第６条(1)に基づき、輸出入銀行の理事会は、インド中央政府により任命される総
裁１名及びマネージング・ディレクター１名（ただし、同一人物を輸出入銀行の総裁兼マネージング・ディレ
クターとして任命することができる。）、インド中央政府により任命される常勤理事２名、準備銀行により指
名される理事１名、IDBIにより指名される理事１名、ECGC Limitedにより指名される理事１名、インド中央政
府により指名される理事12名以内（中央政府の職員である理事５名、別掲銀行からの理事３名以内並びに輸出
若しくは輸入又は融資について特別な知識若しくは専門的な経験を有する４名以内の理事）により構成され
る。
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理 事
2021年３月31日現在
氏 名 肩 書
Rahul Chhabra インド政府外務省次官（経済関係）
Rajat Sachar インド政府商工省産業国内取引促進局主席アドバイザー
Kalyanaraman Rajaraman インド政府財務省副次官（投資）
Pankaj Jain インド政府財務省副次官
Amitabh Kumar インド政府商工省共同次官
Ramanathan Subramanian インド準備銀行執行理事
M. Senthilnathan インド輸出信用保証会社（ECGC Limited）
総裁兼マネージング・ディレクター
Dinesh Khara インドステイト銀行総裁
Rakesh Sharma インド産業開発銀行（IDBI Bank Limited）
マネージング・ディレクター兼CEO
Rajkiran Rai Gundyadka ユニオンバンク・ オブ・インディア
マネージング・ディレクター兼CEO
A.S. Rajeev マハラシュトラ銀行
マネージング・ディレクター兼CEO
David Rasquinha インド輸出入銀行
マネージング・ディレクター
Harsha Bangari インド輸出入銀行
副マネージング・ディレクター
N. Ramesh インド輸出入銀行
副マネージング・ディレクター
2021年３月31日以降の変更は下記のとおりである。
退任：
David Rasquinha インド輸出入銀行
マネージング・ディレクター
(2021年６月１日付)
Rahul Chhabra インド政府外務省次官（経済関係）
(2021年８月１日付)
Rajat Sachar インド政府商工省産業国内取引促進局主席アドバイザー
(2021年７月１日付)
③ 委員会
輸出入銀行法に基づき、理事会は、適切と考える目的のために委員会を設置することができる。輸出入銀行
の主要な委員会としては、監査委員会、経営委員会、リスク管理委員会、オペレーショナル・リスク管理委員
会、資産・負債管理委員会、資金管理委員会及び信用リスク管理委員会がある。理事会の経営委員会は、輸出
入銀行の総裁及びマネージング・ディレクター並びに７名以内の理事で構成され、輸出入銀行法又はそれに基
づく規則により完全に理事会の検討の管理下に置かれている特定の業務を除く信用判断などの輸出入銀行の通
常の業務を運営する。輸出入銀行の監査委員会を通じてコーポレート・ガバナンス（企業統治）が運営され
る。理事会の監査委員会は、輸出入銀行の内部統制及びシステムの全体的な監督に責任を有し、輸出入銀行の
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組織、業務、内部監査の質的管理及び輸出入銀行の法定監査のフォローアップ並びにRBIの査察など、輸出入銀
行における全体的な監査機能の運営を監督し、指示を与える。リスク管理の監督は、理事会のリスク管理委員
会 を通じて行われる。理事会は、また、業務上及びその他の提案の承認についての権限を委任された副マネー
ジング・ディレクター、チーフ・ジェネラル・マネージャー及びジェネラル・マネージャーで構成される執行
委員会を設置している。効果的かつタイムリーな業務上及びその他の提案の評価を容易にし、部門により分か
れたグループ間及び地域事務所間での協調的な意思決定プロセスを達成するため、輸出入銀行は、貸付評価委
員会及びプロジェクト評価委員会などの異なる機能を併せ持つ複合的なグループを設けている。
④ 組織及び従業員
本店がムンバイに所在する輸出入銀行は、アーマダバード、バンガロール、チャンディーガル、チェンナ
イ、グワハティ、ハイデラーバード、コルカタ、ムンバイ、ニューデリー及びプネに国内地域事務所を有し、
アビジャン、アジスアベバ、ダッカ、ドバイ、ヨハネスブルグ、シンガポール、ワシントンD.C.及びヤンゴン
に海外駐在員事務所を、さらにロンドンに海外支店を有している。
2021年６月７日現在、輸出入銀行は合計342名の正規雇用従業員を有していた。輸出入銀行の専門家スタッフ
には、主に、技術者、エコノミスト、銀行家、勅許会計士、経営大学院卒業生、人事の専門家、法律の専門
家、言語学者及び情報技術の専門家が含まれている。輸出入銀行は、従業員と良好な関係を保っており、その
職場環境は習得及び成長をもたらすものであると考えている。輸出入銀行には労働組合がなく、従業員と団体
協約は締結していない。輸出入銀行ではストライキが行われたことはない。
⑤ 法定監査人
輸出入銀行の法定監査人は、輸出入銀行法第24条(1)項に基づき中央政府により任命される。輸出入銀行の法
定監査人の任命は、中央政府が決定する任期及び報酬による。2021年３月31日に終了した事業年度において、
輸出入銀行の法定監査人はムンバイの勅許会計士であるJCR & Co.であった。
⑥ 準備銀行による規制
輸出入銀行法第36条に従い、1949年銀行業規制法の規定（「秘密保持を要する書類の作成」に関する第34A条
及び「銀行に関する特定の活動に対する処罰」に関する第36AD条を除く。）は、輸出入銀行には適用されな
い。
輸出入銀行は、金融機関として準備銀行の規制上の監督を受ける。
1934年インド準備銀行法（随時改正される。）第45L条により、準備銀行は、いかなる金融機関に対してもそ
の事業に関する情報の提供を要求し、事業の遂行に関して金融機関に指示する権限を与えられている。金融機
関から準備銀行に対して提供される陳述、情報又は内容は、払込済資本、準備金若しくはその他の負債、政府
証券その他への投資、資金提供される者、目的及び期間並びに利率を含むそれらが提供される条件などの事項
に関するものである。
1994年11月に準備銀行は、1994年金融監督委員会に関する規則に基づく、インド準備銀行の中央理事会が構
成する委員会として、準備銀行総裁を委員長とする金融監督委員会を設立した。金融監督委員会の指針に基づ
き、準備銀行の銀行監督部門は、金融機関及び商業銀行を監督する。また、銀行監督部門は、銀行及び金融機
関の実地外（オフサイト）での監督及び実地（オンサイト）での検査を行う。上記の監視の一環として、準備
銀行は定期的に輸出入銀行の検査を行う。
準備銀行は、輸出入銀行を含む金融機関に対して、資産区分、収益認識及び引当金設定、自己資本適正性並
びに資産・負債管理に関する詳細なガイドライン（随時改正される。）を出している。また、詳細なガイドラ
インに基づき、準備銀行は特定の産業部門に対するエクスポージャーについての内部限度の採用を含めた信用
エクスポージャーについての限度を定めている。輸出入銀行は、これらすべてのガイドラインを遵守し、ガイ
ドラインに従い準備銀行に必要な情報を提出する。
輸出入銀行を含む金融機関に適用される現在の準備銀行のガイドラインに基づき、利息及び元本が定期的に
受領されており、かつ、利息及び／又は元本の遅延（もしあれば）が90日を超えない資産は、稼働資産（正常
資産）に分類される。
準備銀行による預金準備率及び法定流動性比率の維持の要件は、商業銀行には適用されるが、輸出入銀行に
は適用されない。
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(4)【業務の概況】
① 概 要
輸出入銀行の主たる目標は、対象となる輸出関連の企業の海外市場への参入及び同市場での地位の強化への
取組みを支援することを目的とした幅広い商品及びサービスの提供により、これらの企業と商業的に存続可能
な関係を築くことである。輸出入銀行は、主として輸出金融及び輸出能力の創出に重点を置いている。輸出入
銀行は、その輸出信用業務を通じて、インドの機械、製造品、コンサルタント業及び技術サービスの輸出に対
して延払い条件で融資を行う。輸出入銀行は、インド企業の輸出への融資及びその促進を目的として、海外の
金融機関、地域開発銀行、主権政府及びその他の海外機関に対してクレジット・ライン（信用供与枠）（以下
「LOC」という。）を供与する。大部分のLOCは、政府が輸出入銀行を通じて与えるが、その場合政府は、元利
金の支払いを保証し、かかるLOCに関して利息を平準化する支援をする。また、輸出入銀行は国家輸出保険勘定
に基づくバイヤーズ・クレジット（BC-NEIA）を供与している。BC-NEIAは、発展途上国の伝統的な市場や新興
の市場に対するインドからのプロジェクト輸出を促進するための固有の手段であり、中期又は長期の延払い条
件に基づく。このファシリティに基づき、輸出入銀行は、延払い条件によりインドから財及びサービスを輸入
する海外政府及び海外の国有企業に対して信用を供与することにより、インドからのプロジェクト輸出を促進
している。輸出入銀行は、国家輸出保険勘定（NEIA）に基づきインド輸出信用保証会社（ECGC Ltd.）を通じて
信用保険の保護を受けている。NEIAは、商工省により設定され、ECGC Ltd.により管理されている信託勘定であ
る。
輸出入銀行は、輸出品の生産、その開発、輸出マーケティング及び対外投資などの様々なビジネス・サイク
ルの段階における輸出関連企業の資金需要を充たすため、その貸付業務の多様化を図っている。輸出入銀行
は、輸出能力創出のための融資（FECC）業務を通じて、プロジェクト・ファイナンス、設備向け融資、運転資
金需要及びその他の顧客のコーポレート・ファイナンス需要のための貸付プログラムを含め、輸出関連のイン
ド企業に対して資金を提供し（FECCローン）、また海外のベンチャー企業に投資するインド企業に対して対外
投資融資を提供する。輸出入銀行は、また、輸出発展のためのインフラ・プロジェクトの融資も行っている。
2019年、2020年及び2021年３月31日現在、輸出入銀行の貸付残高総額は、それぞれ１兆300億7,000万ル
ピー、１兆705億2,000万ルピー及び１兆1,073億1,000万ルピー（これには8,043億1,000万ルピーの輸出信用貸
付残高及び3,030億ルピーの輸出能力創出のための融資残高が含まれる。）であった。2019年、2020年及び2021
年３月31日現在、輸出入銀行の資金の流出を伴わないポートフォリオの総額は、それぞれ1,409億6,000万ル
ピー、1,586億9,000万ルピー及び1,422億9,000万ルピーであり、2021年３月31日現在における輸出入銀行が発
行した保証残高総額／資金の流出を伴わないファシリティは1,422億9,000万ルピーであった。
融資に加え、輸出入銀行は、インドの輸出業者が国際的リスクと輸出機会を見極め、自身の競争力を評価す
ることを可能にする情報及びアドバイザリー・サービスを提供している。これらのサービスには、国家につい
ての調査、マーチャント・バンク・サービス、国際マーケティングについての助言及び多国間機関が資金提供
するプロジェクトへの効果的な参加に必要なデータが含まれる。さらに、海外駐在員事務所のネットワーク並
びに世界中の金融機関、貿易振興機関及び情報提供者との戦略的提携を通じて、輸出入銀行は、海外市場への
参入又は同市場での地位の強化について輸出関連のインド企業を支援する。これらのサービスには、貿易及び
投資に関する情報提供、技術提供者の認定、コーポレート・ファイナンス、カウンセリング及び商業コンサル
ティング・サービスの提供並びにジョイント・ベンチャーの振興が含まれる。
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② 戦 略
1981年の設立以来、輸出入銀行の長期戦略は、輸出信用に焦点を絞ったものから、インドの国際貿易の振興
を目指した幅広い金融商品の利用の提供に重点が移行してきた。輸出入銀行は当初自らを伝統的な輸出信用機
関と位置付けていたが、その後、様々な輸出サイクルの段階において競争力のある融資を提供する仕組みを通
じて輸出能力の創出を促進することに目標を広げた。現在の輸出入銀行の長期戦略のビジョンは、対象となる
輸出関連企業の国際化への取組みの促進を目的とした幅広い商品及びサービスの提供により、これらの企業と
商業的に存続可能な関係を築くことにある。したがって、輸出入銀行は、インドの輸出品の生産及び流通の支
援のための海外投資を含む融資を提供し、付加価値のある情報及びアドバイザリー・サービスによりこれらの
活動を補完することを目的としている。
輸出入銀行の中期事業戦略
輸出入銀行の中期事業計画は、それらの実行のための短期的なイニシアチブとともに、中期事業戦略（以下
「MTBS」という。）に示されている。
MTBSは、長期のマクロ目標及びミクロ・レベルの戦術目標の概要をまとめている。輸出入銀行は、中・長期
輸出信用の伝統的な分野及び短期輸出信用の双方において貿易金融における国内最大の資金元となることを目
指している。さらに、貸付以外の収入を生み出し、その収益性を向上させるために、投資及び自己取引を増加
させる意向である。より幅広いアドバイザリー・サービス及び手数料ベースのサービスを取り入れることによ
り、手数料収入の増加も目指している。
MTBSは、とりわけ以下の戦略的目標を掲げている。
● 利益率に対する圧迫の点から見た輸出入銀行の利益率を強化するために、輸出信用業務と輸出能力創出
のための信用供与業務との計画的な分離の割合を全体的な純利子収入に基づき決定する。
● インド政府が支援するLOC、BC-NEIA及び譲許的金融スキーム（CFS）により構成される政策事業を重視す
ること。
● 資金の流出を伴う及び伴わない製品を組み合わせることで、インドのプロジェクト輸出業者が価値の高
い海外契約を確保できるための支援に焦点を当てること。
● 輸出可能性の高い分野で将来台頭する可能性のある中小企業（SMEs）に注目すること。これは、2020/21
年度に開始された輸出入銀行の「希望の星（Ubharte Sitaare）」プログラムを通じて進められる。
● 新製品開発及び輸出金融の不足分に対する融資に引き続き重点を置くこと。
● 輸出入銀行の資金の流出を伴わない業務、ローン/企業/プロジェクト・アドバイザリー・サービス、輸
出マーケティング・サービスを通じた手数料収入の増加を達成するための取組みに焦点を当てること。
輸出入銀行は、また、MTBSの質的な目標を達成するための計画及び戦略を実施している。これには、とりわ
け、(ⅰ)高い格付けの企業の比率を増やすことにより貸付ポートフォリオの改善を図ること、(ⅱ)信用基準の
強化を通じた新規顧客の注意深い選択、(ⅲ)不稼働資産からの現金回収に重点を置くこと、(ⅳ)貸付における
正常資産の非正常資産への低下を防ぐこと、(ⅴ)より高い収益を生み出すために貸付資産の回転を増やすこ
と、(ⅵ)医療品、化学製品、エンジニアリング、自動車・自動車関連製品、食品加工及び電子などの将来性の
ある高成長の部門における地位の強化、(ⅶ)直接及び再融資又はLOCを通じてSME部門に重点を置き、財務及び
非財務支援を提供すること及び(ⅷ)インドの輸出業者が直面する資金ギャップを解消するための新商品の開発
及び導入、などが含まれる。
輸出入銀行は、輸出入銀行の中期事業戦略に関する提言を受けるために、2019年４月に外部コンサルタント
を雇用した。コンサルタントの提言は、2019/20年度中に理事会に上程された。その後、コンサルタントが特定
した主要行動事項の実施戦略を提言するために、経営陣で構成される対話型分析グループ（IAG）が構成され
た。IAGの推奨事項は理事会に提示され、理事会はその推奨事項を広く受け入れ、追加的な情報の包含を提案し
た。理事会の情報とともに、事業戦略に関するIAGの推奨事項が実施されている。理事会の提案により、外部の
専門家が、組織構造、人員計画、リーダーシップ開発及び輸出入銀行の主要業績評価指標の特定など、業務以
外の行動事項に関する実施戦略の提案に従事している。外部コンサルタント及びIAGの推奨事項を反映し更新さ
れた中期事業戦略は、当会計年度上半期中に理事会の承認を得るために理事会に上程される。
③ 2020/21年度の業績及び財務実績
貸付資産
輸出入銀行は、種々の貸付プログラムに基づき、2019/20年度の総額4,025億5,000万ルピーに対し、2020/21
年度中には総額3,652億1,000万ルピーの貸付を承認した。2020/21年度の貸付実行額は、2019/20年度の3,373億
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5,000万ルピーに対し、3,412億2,000万ルピーとなったが、一方、貸付返済額は、2019/20年度の3,348億7,000
万ルピーに対し、2020/21年度は2,485億4,000万ルピーであった。2021年３月31日現在の貸付資産純額は、１兆
385 億1,000万ルピーで、前年度と比較し4.43％増加した。ルピー建の貸付及び前払金は、2021年３月31日現在
において貸付資産純額の20％を占め、一方、外貨建が残りの80％を占めた。2021年３月31日現在において短期
貸付は貸付及び前払金純額の14％を占めた。
資金の流出を伴わないファシリティ
2020/21年度中に輸出入銀行は、2019/20年度の713億9,000万ルピーに対して、総額642億2,000万ルピーの資
金の流出を伴わないファシリティを承認したが、これはプロジェクト保証、金融保証及び信用状により構成さ
れた。輸出入銀行の資金の流出を伴わないポートフォリオ（保証、信用状及びスタンドバイ信用状により構
成）の総額は、2021年３月31日現在は1,422億9,000万ルピーであったが、これに対して2020年３月31日現在は
1,587億ルピーであり、10.34％減少した。2020/21年度の保証の発行総額は307億1,000万ルピーであったが、こ
れに対して2019/20年度は503億ルピーであった。2020/21年度において発行された信用状の金額は37億ルピーで
あったが、これに対して2019/20年度は176億4,000万ルピーであった。2021年３月31日現在の輸出入銀行の帳簿
上の保証残高は1,396億7,000万ルピーであったが、これに対して2020年３月31日現在は1,504億ルピーであっ
た。2021年３月31日現在の信用状の金額は26億2,000万ルピーであったが、これに対して2020年３月31日現在は
83億ルピーであった。
収入/支出
2020/21年度中、輸出入銀行は、一般基金会計において35億6,000万ルピーの税引前利益を計上したが、これ
に対して2019/20年度には24億4,000万ルピーの税引前利益が計上された。10億2,000万ルピーの法人税控除後の
税引後利益は、2020/21年度において25億4,000万ルピーとなったが、2019/20年度には12億4,000万ルピーの税
引後利益が計上された。かかる利益のうち、17億5,000万ルピーは投資変動準備金に繰り入れられ、５億4,000
万ルピーは準備基金に繰り入れられた。残りの２億5,000万ルピーは、輸出入銀行法に規定されるとおりインド
政府に移転された。
2020/21年度における輸出開発基金の税引前利益及び税引後利益はいずれも9,365万ルピーであったが、これ
に対して2019/20年度の税引前利益は１億879万ルピー、税引後利益は7,098万ルピーであった。9,365万ルピー
の利益は翌年に繰り越された。
貸付に対する利息、為替、歩合、仲介料及び手数料等を含む営業収入は、2019/20年度には563億5,000万ル
ピーであったのに対し、2020/21年度は460億9,000万ルピーとなった。投資収入、銀行預金の利息等は、
2019/20年度は301億8,000万ルピーであったのに対し、2020/21年度は396億8,000万ルピーとなった。2020/21年
度の支払利息は、借入金の増加にも関わらず、2019/20年度より81億8,000万ルピー減少して549億2,000万ル
ピーとなった。費用合計（偶発債務引当金を除く。）に占める一般管理費の割合は、2019/20年度は4.72％で
あったが、2020/21年度中は4.54％となった。
借入
2021年３月31日現在の輸出入銀行の借入総額は１兆961億7,000万ルピーで、2020年３月31日現在の借入総額
１兆516億6,000万ルピーと比べて4.23％増加した。
資金
2020/21年度中、輸出入銀行は、予算の割当により、インド政府より130億ルピーの資本を受けた。2021年３
月31日現在の輸出入銀行の資金総額は、払込済資本金1,515億9,000万ルピー及び準備金242億6,000万ルピーを
含む合計1兆2,720億2,000万ルピーであった。
輸出入銀行の資金源の基盤は、特にルピー建債券、譲渡性預金証書、コマーシャル・ペーパー、定期預金、
外貨建て債券、外貨建てローン及び長期スワップを含む。2020/21年度中、輸出入銀行は、1,944億5,000万ル
ピーのルピー建資金及び20億3,000万米ドル相当の外貨資金からなる、合計3,430億8,000万ルピーにのぼる種々
の満期を有する借入（当年度中に調達され、かつ返済された資金を除く。）を行った。10億米ドルの外貨資金
が債券を通じて、６億4,300万米ドルの外貨資金が相対／クラブ／シンジケート・ローンを通じて、また３億
8,691万米ドル相当がスワップを通じて調達された。2021年３月31日現在、輸出入銀行は120億8,000万米ドル相
当の外貨資金を保有しており、ルピー建資金の残高は4,501億7,000万ルピーであった。2021年３月31日現在の
市場調達額は借入金総額の100％であり、輸出入銀行の資金総額の86％を占めた。
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外貨資金
2020/21年度において、輸出入銀行は、総額20億3,000万米ドル相当にのぼる外貨資金を様々な商品により調
達した。輸出入銀行は、2021年１月に、米国証券法規則144A/RegSによる期間10年間、年率2.25％の債券を通じ
て10億米ドルを調達した。この取引は、インドの発行体による10年満期の米ドル建債券の発行において最も低
い利率を記録した。この発行に対しては、クロージング時点で合計35億米ドル超の買い注文を集め、質の高い
投資家から発行額の3.5倍を超える応募があった。当該取引は、当初の価格指標のCT10+185bpsの範囲に十分収
まる公正価値ベースでCT10+145bpsで値付けされ、スプレッドは40bpsも縮小し、新規発行にプレミアムが必要
ないことを示した。債券のおよそ55％がアジアにおいて、29％が米国において、及び16％が欧州、中東及びア
フリカ地域において販売された。
2020/21年度において、輸出入銀行はまた、二国間貸付により銀行／金融機関から資金を調達した。これま
で、輸出入銀行は、豪ドル、ユーロ、英ポンド、日本円、メキシコ・ペソ、オフショア人民元、シンガポー
ル・ドル、南アフリカ・ランド、スイス・フラン、トルコ・リラ及び米ドルを含む様々な通貨により外貨資金
を調達している。
国際及び国内格付
輸出入銀行は、ムーディーズより「Baa3」（ネガティブ）、S&Pグローバル・レーティングスより「BBB-」
（安定的）、フィッチ・レーティングスより「BBB-」（ネガティブ）及び株式会社日本格付研究所より
「BBB+」（安定的）の格付を受けている。上記の格付の全てが投資適格レベル又はそれ以上に相当し、インド
政府のソブリン格付と同等であった。輸出入銀行の国内負債証券は、格付機関であるクレジット・レーティン
グ・インフォメーション・サービシズ・オブ・インディア・リミテッド（CRISIL）及びインベストメント・イ
ンフォメーション・アンド・クレジット・レーティング・エージェンシー・オブ・インディア（ICRA）より、
長期証券について最高位の「AAA」（安定的）を、短期証券についてこれらの格付機関より「A1+」を引続き獲
得している。輸出入銀行が発行する追加的なTier 1債券は、CRISILにより「AA+」（安定的）及びICRAにより
「AA+（Hyb）」（安定的）の格付を受けている。
資産内容
準備銀行による金融機関のための適正基準により、利息及び/又は元金が90日超期限超過した信用又は貸付
は、不稼働資産とみなされる。輸出入銀行の不稼働資産総額は741億3,000万ルピーで、2021年３月31日現在の
貸付及び前払金の合計の6.69％を占めた。輸出入銀行の不稼働資産純額（引当金控除後の純額）は53億3,000万
ルピーで、2021年３月31日現在、貸付及び前払金純額（引当金控除後の純額）の0.51％を占めた。2021年３月
31日現在の不稼働資産の引当率は96.74％であった。
資産分類
「非正常資産」とは、利息及び/又は元金が90日超期限超過した資産をいう。非正常資産が12か月を超える期
間にわたり不稼働資産に分類される場合、当該資産は「不良資産」に分類される。「損失資産」とは回収不能
とみなされる資産をいう。2021年３月31日現在、不稼働資産総額のうち、非正常資産は1.00％、不良資産は
5.70％であった。2021年３月31日現在、不稼働資産の純額の0.51％のみが非正常資産であった。2020/21年度に
おいて不良資産に対する引当金が全額計上されていた。2021年３月31日現在において、輸出入銀行は損失資産
を有していなかった。
自己資本比率
輸出入銀行の対自己資本リスク資産比率（CRAR）は、準備銀行によって規定された最低基準値が９％である
のに対し、2021年３月31日現在には25.89％（これに対し2020年３月31日現在は20.13％）となった。輸出入銀
行の負債・自己資本比率は2020年３月31日現在6.46％であったのに対し、2021年３月31日現在では6.15％と
なった。
エクスポージャー基準
2002年３月31日から、準備銀行は、インドの全ての中・長期融資機関に対して信用エクスポージャーの限度
を定めており、個別の借主についてのエクスポージャーは金融機関の資本金総額の15％、借主グループについ
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ては資本金総額の40％とされている。特別の場合において、理事会の事前の承認を得て、さらに資本金総額の
５％までのエクスポージャーの上乗せ（すなわち、エクスポージャーの合計は、個別の借主について金融機関
の 資本金総額の20％まで、及び借主グループについては資本金総額の45％まで）が行える。個別の借主及びグ
ループ借主のエクスポージャー限度はさらに（上限の20％及び45％に加えて）それぞれ５パーセンテージ・ポ
イント（すなわち資本金総額の５％）及び10パーセンテージ・ポイント（すなわち資本金総額の10％）上乗せ
することができるが、かかる追加の信用エクスポージャーはインドのインフラ・プロジェクトのためのもので
あることを条件とする。2021年３月31日現在の個別の借主及び借主グループに対する輸出入銀行の信用エクス
ポージャーは、準備銀行によって規定された限度の範囲内であった。2021年３月31日現在、理事会の承認によ
り資本金の15％を超えるエクスポージャーを割当てられた借主が１名いた。
準備銀行は金融機関に対し、エクスポージャーが様々な分野にわたりより偏りなく分散することを確実にす
るために特定の産業分野に対するエクスポージャーを制限する内部限度の採用を勧告している。輸出入銀行が
採用している各産業部門に対するエクスポージャー限度は全ての産業部門についての総信用エクスポージャー
の15％である。2021年３月31日現在の個別の産業部門に対する輸出入銀行のエクスポージャーのうち、産業エ
クスポージャー全体の15％を上回るものはなかった。
以下の表は、2019年、2020年及び2021年３月31日に終了した事業年度において輸出入銀行が承認した貸付総
額を信用の種類別に示している。
３月31日に終了した事業年度
総額に対する
割合（2021年）
2019年 2020年 2021年 （％）
(単位：十億ルピー)
輸出信用
クレジット・ライン（信用供与枠）（譲許的
融資スキームに基づき提供されるものを含
160.07 104.90 113.95 31.20
む。）
2.71 58.92 18.58 5.09
バイヤーズ・クレジット（BC-NEIAを含む。）
プロジェクト輸出への融資／中期サプライヤー
2.76 2.69 3.09 0.85
ズ・クレジット
8.44 10.98 8.68 2.38
短期信用（出荷前）
45.12 19.88 96.89 26.53
商業銀行に対する輸出信用の再融資
(1)
77.25 86.72 47.68 13.05
その他のプログラム
296.35 284.09 288.87 79.10
輸出信用合計
輸出能力創出のための融資
25.75 33.94 7.04 1.93
輸出関連企業に対する貸付
17.45 9.00 28.07 7.69
輸入金融
1.00 0.00 5.38 1.47
輸出促進プログラム
9.17 28.37 7.42 2.03
対外投資融資
(2)
30.28 47.16 28.43 7.78
その他のプログラム
83.65 118.47 76.34 20.90
輸出能力創出のための融資合計
380.00 402.55 365.21 100.00
輸出信用及び輸出能力創出のための融資合計
44.99 71.40 64.22
資金の流出を伴わないファシリティ
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出所：輸出入銀行
注（１）再割引枠に基づく前払金及び短期運転資本を含む。
（２）生産設備融資プログラム、長期運転資金貸付、輸出製品開発及び従業員ローン制度等に基づく前払金を含む。
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以下の表は、2019年、2020年及び2021年３月31日に終了した事業年度における輸出入銀行の貸付実行額を信
用の種類別に示している。
３月31日に終了した事業年度
総額に対する
割合（2021年）
2019年 2020年 2021年 （％）
(単位：十億ルピー)
輸出信用
クレジット・ライン（信用供与枠）（譲許的融
51.29 75.91 67.09 19.66
資スキームに基づき提供されるものを含む。）
43.76 34.40 34.45 10.10
バイヤーズ・クレジット（BC-NEIAを含む。）
プロジェクト輸出への融資／中期サプライヤー
2.07 2.76 4.98 1.46
ズ・クレジット
10.05 10.55 9.01 2.64
短期信用（出荷前）
43.66 18.72 96.82 28.37
商業銀行に対する輸出信用の再融資
(1)
77.25 86.72 42.66 12.50
その他のプログラム
228.08 229.07 255.01 74.73
輸出信用合計
輸出能力創出のための融資
19.82 23.10 9.80 2.87
輸出関連企業に対する貸付
31.27 16.40 21.67 6.35
輸入金融
4.17 3.77 4.92 1.44
輸出促進プログラム
20.44 17.55 5.01 1.47
対外投資融資
(2)
62.82 47.46 44.80 13.14
その他のプログラム
138.52 108.29 86.20 25.27
輸出能力創出のための融資合計
366.60 337.35 341.21 100.00
輸出信用及び輸出能力創出のための融資合計
40.65 67.94 34.41
資金の流出を伴わないファシリティ
出所：輸出入銀行
注（１）再割引枠に基づく前払金及び短期運転資本を含む。
（２）生産設備融資プログラム、長期運転資金貸付及び従業員ローン制度等に基づく前払金を含む。
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以下の表は、2019年、2020年及び2021年３月31日現在における輸出入銀行の貸付資産残高を信用の種類別に
示している。
３月31日現在
総額に対する
割合（2021年）
2019年 2020年 2021年 （％）
(単位：十億ルピー)
輸出信用
クレジット・ライン（信用供与枠）（譲許的融
408.05 496.06 525.11 47.42
資スキームに基づき提供されるものを含む。）
96.80 123.57 131.25 11.85
バイヤーズ・クレジット（BC-NEIAを含む。）
プロジェクト輸出への融資／中期サプライヤー
13.10 14.41 14.74 1.33
ズ・クレジット
12.68 10.08 7.76 0.70
短期信用（出荷前）
36.55 18.00 103.47 9.35
商業銀行に対する輸出信用の再融資
(1)
11.97 19.97 21.98 1.99
その他のプログラム
579.15 682.09 804.31 72.64
輸出信用合計
輸出能力創出のための融資
159.57 148.32 116.20 10.49
輸出関連企業に対する貸付
53.61 42.23 32.21 2.91
輸入金融
23.34 26.36 27.59 2.49
輸出促進プログラム
136.21 112.17 72.01 6.50
対外投資融資
(2)
78.19 59.35 54.99 4.97
その他のプログラム
450.92 388.42 303.00 27.36
輸出能力創出のための融資合計
1,030.07 1,070.52 1,107.31 100.00
輸出信用及び輸出能力創出のための融資合計
140.96 158.70 142.29
資金の流出を伴わないファシリティ
出所：輸出入銀行
注（１）再割引枠に基づく前払金及び短期運転資本を含む。
（２）生産設備融資プログラム、長期運転資金貸付及び従業員ローン制度等に基づく前払金を含む。
④ 輸出金融
プロジェクト、商品及びサービスの輸出
輸出入銀行は、プロジェクト輸出及びコンサルタント業務に対する融資、資本設備融資、輸出プロジェクト
におけるキャッシュフロー不足に関する融資及び保証など、幅広い輸出信用商品を提供している。輸出入銀行
は、インドのプロジェクト輸出業者に対して資金提供を伴う支援及び資金の流出を伴わない支援を含む包括的
な融資パッケージを提供している。
輸出契約
2020/21年度において輸出入銀行は、アジア太平洋、アフリカおよびCIS地域の29カ国における25超のインド
企業により保証される36億米ドルに値する38のプロジェクト輸出契約を支援した。2020/21年度中、輸出入銀行
が支援した大型プロジェクト輸出契約には、以下が含まれる。
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・KEC International Ltd.が実行した、バングラデシュにおける一括請負での1320MWの発電所に対する400kV
の送電線の設計、供給、設置、試験及び試運転。
・Sterling & Wilson Pvt. Ltd.の海外子会社が実行した、オーストラリアのランバート岬での、20のドル
フィンデッキ、２つの船舶アクセスプラットフォーム及び横断歩道並びにアクセス階段の供給及び設置。
・オーストラリアのWestern Downs Green Power Hub Pty Ltd.により保証され、 Sterling ＆ Wilson Solar
Ltd.が実行したオーストラリアのクイーンズ州における460MWの太陽光プロジェクト。
・KEC International Ltd.が実行した、タイにおける230/115kV変電所の供給及び建設並びに３つの変電所の
拡張。
輸出信用及び保証
2020/21年度中、輸出入銀行は、インドのプロジェクト輸出業者に対し、バイヤーズ・クレジット及び支出を
伴う／伴わない支援による総額770億5,000万ルピーの輸出信用及び保証を承認した。2020/21年度中の貸付実行
額は459億7,000万ルピーであり、総額307億1,000万ルピーの保証が発行された。これらの保証は、主にEPCサー
ビス、エンジニアリング商品、資本財、農業製品及び食品、建設、発電、採鉱及び鉱物等の部門における海外
プロジェクトに関するものである。商業バイヤーズ・クレジット・プログラムに基づく貸付実行額は、ウズベ
キスタン、オランダ、UAE、カタール、タイ、エジプト等含む国々への輸出に対して総額40億8,000万ルピーに
達した。2020/21年度中、輸出入銀行はまた、インドからの商品及びサービスの輸出を促進するために、アジア
及びアフリカの銀行に対し総額約３億米ドルのクレジット・ラインを供与した。
国家輸出保険勘定に基づくバイヤーズ・クレジット
輸出入銀行は、2021年３月31日現在、BC-NEIAにに基づく31億5,000万米ドル相当の32件のプロジェクトにつ
いて総額28億8,000万米ドルを承認していた。輸出入銀行が支援したプロジェクトには、スリランカ、ウガンダ
及びカメルーンにおける水道プロジェクト、コートジボワール、セネガル及びタンザニアに対する車両の供
給、カメルーン、モーリタニア、セネガル、ザンビア及びケニアにおける送電線プロジェクト、スリナムにお
ける灌漑プロジェクト並びにモルジブ、ザンビア及びガーナにおける接続プロジェクトが含まれる。
さらに、輸出入銀行は、BC-NEIAに基づき、いくつかのインドの主要なプロジェクト輸出企業の要請を受け
て、総額17億8,000万米ドル相当の16件のプロジェクトの支援について、15億8,000万米ドルの大筋でのコミッ
トメントを与えている。
クレジット・ライン（信用供与枠）
輸出入銀行は、インド政府を代理し、かつその支援を得て、提携先国の発展を促すために、主権政府、地域
開発銀行及び海外の機関に対してクレジット・ライン（信用供与枠）（LOC）を供与する。2020/21年度中、輸
出入銀行は、インドからのプロジェクト、財及びサービスの輸出の支援のために、総額22億3,000万米ドルにの
ぼる20件のLOCを供与した。2020/21年度中、アンゴラ、エスワティニ（スワジランド）、ギニア、ケニア、モ
ルディブ、モーリシャス、ナイジェリア、ニカラグア、シエラ・レオネ、スリナム、スリランカ、シリア、ウ
ズベキスタン及びベトナムの各政府に対し、LOCが供与された
これらのLOCは、防衛、太陽光及び風力などの再生可能エネルギー、道路、住宅及び社会インフラ、送電線及
び変電、医療システムの修復及び改善並びに水給設備制度の構築などのプロジェクトへの融資により、輸出を
促進する。輸出入銀行は、総額267億6,000万米ドルにのぼる信用契約による272件のインド政府により支援され
るLOCのポートフォリオを有しており、これらは様々な実施段階にある。LOCはアフリカ、アジア、ラテンアメ
リカ、オセアニア及びCIS地域の64か国にわたり、経済成長の促進における躍進を遂げ、その範囲は拡大を続け
ている。
譲許的融資スキーム
輸出入銀行は、バングラデシュのバゲルハート区のランパルにおける一括請負での1,320メガワット（２基の
出力660メガワット）の超々臨界圧発電所のための戦略的なマイトリー巨大火力発電プロジェクトの資金を賄う
ために、バングラデシュのバングラデシュ電力開発委員会とインドのNTPCリミテッドの折半出資の合弁事業で
あるバングラデシュ・インディア・フレンドシップ・パワー・カンパニー・Pvt・リミテッドに対して16億米ド
ルの中・長期貸付を行った。かかる契約は、国際競争入札手続きを通じてバーラト・ヘビー・エレクトリカル
ズ・リミテッドが請負うこととなった。環境に配慮するため、このプロジェクトには最先端技術が厳選されて
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いる。マイトリー巨大火力発電プロジェクトは、稼働するとバングラデシュ最大の発電所のひとつとなると予
測される。発電所は、バングラデシュ政府による発電能力を増強し、現在の電力不足を解消するための国内イ
ン フラ開発計画の一部である。2021年３月31日現在、かかるスキームに基づく貸付の実行額は総額10億9,000万
米ドルであった。
輸出競争力の確立
輸出入銀行は、インド企業の輸出競争力を増進することを目的とした一連の融資プログラムを実施してい
る。2020/21年度中、輸出入銀行は輸出競争力を増進するためのプログラムに基づき、総額で763億4,000万ル
ピーの貸付を承認した。これらのプログラムに基づき総額で563億4,000万ルピーの貸付が実行されている。
輸出関連企業（EOU）への貸付
2020/21年度中、輸出入銀行はEOUに対して、70億4,000万ルピーのターム・ローンを承認し、その貸付実行額
は98億ルピーだった。生産設備融資プログラムに基づき、生産設備取得のための融資として、９の輸出企業に
対して82億8,000万ルピーが承認され、かかるプログラムに基づく貸付実行額は57億7,000万ルピーとなった。
22の企業に対し総額138億8,000万ルピーの長期運転資金融資が承認され、貸付実行額は22億1,000万ルピーで
あった。
テクノロジー向上の資金制度（TUFS）
輸出入銀行は、テクノロジー向上の資金制度（TUFS）に基づくプロジェクトの対象資格を定め、承認を与
え、承認されたプロジェクトに対し直接補助金の交付を行うことについてインド繊維省から指定された中心的
機関の１つとなっている。これまでに、輸出入銀行は、総額1,857億7,000万ルピーに及ぶ233件のプロジェクト
に承認を与えていた。TUFSに基づき承認及び実行された貸付はそれぞれ総額678億9,000万ルピー及び507億
7,000万ルピーであった。TUFSに基づく輸出入銀行の繊維産業への支援は、繊維の製造における様々な部門にわ
たり、インドの数州に及んでいる。
対外投融資プログラム
輸出入銀行は、インドの対外投資を支援するためのエクイティ・ファイナンス、貸付、保証及びアドバイザ
リー・サービスに関する包括的な制度を有している。2020/21年度中、３か国への対外投資の融資の資金の一部
として、総額74億2,000万ルピーにのぼる支出を伴う若しくは伴わない支援が５の企業に対して承認された。輸
出入銀行は今まで、78か国において476の企業が設立した640のベンチャー企業に対して資金を提供してきた。
2020/21年度中に支援された対外投資には、とりわけ、米国におけるパイプ製造設備に対する短期運転資金融
資、インドの繊維会社の米国完全子会社に対する持分のための一部資金調達のための融資、インド製薬会社の
完全子会社を通じた米国における新規設備設立のための投資に対する一部融資、ソフトウェア会社の米国子会
社に対する投資のための一部融資が含まれた。輸出入銀行が対外投資に対し行った支援は総額6,203億6,000万
ルピーに上り、とりわけ医薬品、家具、既製服、建設、紙、紙製品、繊維、衣類、化学薬品、染料、コン
ピュータ・ソフトウェア及び情報技術（IT）、工業製品、医療、天然資源（石炭及び森林）、金属及び金属加
工、採鉱及び鉱物、農業、農業関連製品、鉄鋼、石油及びガスを含む様々な部門を対象とした。
スタンドバイ信用状（SBLC）/信用状（LC）
EOUの取引を円滑化するために、輸出入銀行は、主として自身が資金提供する輸入について信用状を発行す
る。輸出入銀行はまた、EOUが有利な利率で海外事業のための資金を調達できるようするために保証又はスタン
ドバイ信用状（SBLC）による金融保証を与える。2020/21年度において、輸出入銀行は、２億3,000万ルピーの
金融保証を行った。輸出入銀行の金融保証のポートフォリオは2021年３月31日現在において136億2,000万ル
ピーであったが、これに対して2020年３月31日現在では173億1,000万ルピーであった。2020/21年度中、輸出入
銀行は、総額37億ルピーの17件のLCを開設した。輸出入銀行はまた、輸出文書の交渉／回収も取扱う。輸出入
銀行は、661億7,000万ルピーに値する1,083の輸出文書を取扱った。
希望の星（Ubharte Sitaare）プログラム
希望の星プログラム（USP）は、輸出の可能性とともに、技術、製品又は処理において潜在的な優位性を有す
るものの、現在、業績が低迷しているか、潜在的な成長の可能性を活用することができていないインド企業を
特定することを目的としている。USPに基づく支援の性質には、インド企業に対する株式／株式に似た商品に対
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する投資を通じた財務支援及び助言サービス、負債（資金の流出を伴う／伴わないファシリティ）並びに技術
支援（助言サービス、補助金及びソフトローンを含む。）の組合わせによる構造化された支援が含まれる。
輸出入銀行は、新たに組織された持続可能な企業開発と輸出開発という職能横断型チームを通じて、このイ
ニシアチブを実施している。輸出入銀行は、銀行、業界団体、学界及び企業などの利害関係者との協議を組織
することにより、広範囲にわたる市場への働きかけを行っている。広範な机上調査及び支援活動に基づき、製
薬、自動車部品、エンジニアリングソリューション、農業、ソフトウェアなどの様々な部門にわたって、100社
を超える可能性のある企業によるパイプラインが開発されている。USPに基づく適合性を判断するために、選ば
れた企業と集中的な議論が行われており、輸出入銀行は、負債、株式又は準持分の方法で、これらの企業を支
援する体制を構築中である。2021年３月31日現在、輸出入銀行は、資金の流出を伴う及び伴わない５つのファ
シリティに対する総額９億6,000万ルピーの融資を承認していた。輸出入銀行は、プログラムに基づく活動につ
いて、適格企業の選定並びに実施活動の見直し及び監視を含む必要な指針を規定するため、社内外の有識者か
らなる諮問委員会を設置している。輸出入銀行はまた「希望の星（Ubharte Sitaare）」という明確なブラン
ド・アイデンティティを創造し、その支援活動を推進している。
⑤ ジョイント・ベンチャー
1996年に輸出入銀行により民間部門会社として構想され、立ち上げられたGPCLリミテッドは、輸出入銀行と
他の９の高評価を得ている民間部門及び公的部門の企業とのジョイント・ベンチャーである。GPCLリミテッド
は、農業、エネルギー、工業、鉱業、運輸、水資源などの部門における産業リーダー間のパートナーシップに
よるシナジー効果を通じて先駆的なコンセプトを実現した。2020/21年度においてGPCLリミテッドは、調達機能
を中心に、入札に関する助言、調達トレーニング、電子調達ソリューション、プロジェクトの認定、予備的実
現可能性調査、報告書の作成及びレビューなどの分野を対象にサービスの幅を広げており、貸手の立案者とし
て機能し、プロジェクトについてのデュー・デリジェンス、プロジェクトの監視、評価、能力開発並びに二国
間及び多国間の貸付機関に対する様々な支援サービスを実施している。2020/21年度において、同社は4,771万
ルピーの総収入を記録し、税引前利益は1,126万ルピーとなった。
モーリシャスのククザ・プロジェクト・デベロップメント・カンパニー（KPDC）は、アフリカにおけるイン
ドによるインフラ・プロジェクトへの参画を促進するため、輸出入銀行がアフリカ開発銀行(AfDB）、SBI及び
インフラストラクチャー・リーシング・アンド・ファイナンシャル・サービス（IL&FS）グループとともに共同
でプロモーションを行っているもうひとつのジョイント・ベンチャー企業である。KPDCの合計授権資本は2,500
万米ドルであり、IL&FSから41％、AfDBから20％、SBIから19.5％及び輸出入銀行から19.5％が拠出された。
IL&FSが資本金を払込むことがとができなかったため、輸出入銀行は理事会の承認を得てIL&FSの株式の一部を
引受け、2021年３月31日現在、その持分を40.0％まで増加させた。KPDCは2020/21年度において98万米ドルの損
失を計上したが、2022/23年度以降においては利益を見込んでいる。
⑥ 輸出のファシリテーター
輸出入銀行 － 北東部地域の中小零細企業の能力開発に関するUNDPの協力
輸出入銀行及び国連開発計画（UNDP）は、「輸出競争力のための北東インドの中小零細企業の能力開発」プ
ロジェクトを共同で実施している。かかるイニシアチブは、北東部地域においてより強固な中小零細企業を生
み出し、輸出を拡大することを目指している。かかるプログラムの主要な戦略は、インド政府の「東方政策」
に基づく新たな機会を特定することである。かかるプロジェクトはアッサム州及びミゾラム州に焦点を当てて
いる。
かかるプロジェクトに基づき2020/21年度に実施された主なイニシアチブには、COVID-19により中小零細企業
が直面した問題を特定するためのスコーピング調査の実施、バイヤー・セラー・ミーティングの開催、有機農
業、織物、手織物及び手工芸部門における能力開発及び技術トレーニング・プログラムの企画並びに様々な政
府部門が提供する便益を理解するための起業家向けの「AgroLoomCraft」データベースに基づく知識プラット
フォームの設定などが含まれる。かかるプロジェクトにおける能力開発プログラムの顕著な例は、アイザウル
の織物工のための製品多様化を目指して組織化されたスキルアップ研修プログラムであり、特にPPEキットの生
産に関しては、かかる地域の様々な政府機関に供給されている。さらに、2020年10月には、輸出入銀行及び
UNDPの協力メカニズムの支援のもと、中小零細企業が直面する課題に関する知識や経験を交換し、機会を探る
ことを目的とした「北東インドの中小零細企業部門におけるCOVID-19の影響：課題と機会」に関するウェブセ
ミナーも開催された。このプロジェクトでは、アッサム州、ミゾラム州及びナガランド州から選ばれた起業家
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のインパクトのあるストーリーをまとめたコーヒーテーブルブックが、ウェブセミナーの期間中に立ち上げら
れた。
Exim Mitra
輸出入銀行のExim Mitraポータルは、輸出入業者に対し幅広い貿易情報サービスを提供している。かかる
ポータルは、中小零細企業の起業家間における情報及び貿易金融及び信用保険制度の利用可能性の非対称性を
軽減することに貢献している。かかるプラットフォームはまた、貿易関連のデータ及び情報を網羅的に提供
し、利用者がその国際化努力のために情報に基づく意思決定を行うことを可能にするものである。これには特
に、製品及び市場全体の需要の評価、市場基準、衛生／植物検疫上の要件に関する情報、米国及びEUのような
主要市場における規則及び規制、さまざまな部門にわたる政府の奨励金、支援機関の関連連絡先情報、世界中
からの出荷のコスト及び期間並びに国の格付けなどが含まれる。
輸出入銀行はまた、商業銀行及び信用保険機関と緊密に連携し、輸出業者に対し情報及び指導を提供してい
る。輸出入銀行は、このポータルを通じて金融サービスを促進するため、16の銀行／金融機関と提携してい
る。
かかるポータルには、輸出業者及び輸入業者の特定の問い合わせに対応するヘルプライン部門もある。2021
年３月31日現在、Exim Mitraはさまざまな産業部門の輸出業者からの1,050を超える問い合わせに対応してい
た。質問の大半は農業製品及び食品並びに繊維及び衣料品などの労働集約部門の中小零細輸出業者からのもの
であった。
また、2020/21年に輸出入銀行は、「Exim Connect」という月刊電子ニュースレターによる輸出関連情報の発
信を開始した。電子ニュースレターは、焦点を当てた部門に関する情報、最新の貿易に関する通達、海外貿易
ニュースのハイライト、FAQ、今後のイベント並びにSPS及びTBTアラートから構成されている。
ビジネス・エクセレンス賞
輸出入銀行及びインド産業連盟（CII）は1994年に、インド企業が採用する総合的品質管理のベストプラク
ティスのための「CII及び輸出入銀行のビジネス・エクセレンス賞（CII-Exim Bank Award for Business
Excellence）」を通じてインド企業の「エクセレンス」を促進するために提携した。かかる賞は、欧州品質管
理財団のモデルに基づいている。2020年には、８の企業が様々なレベルの評価。Godrej & Boyce Mfg. Co.
Ltd.のゴドレジ・プレシジョン・エンジニアリング部門がCII及び輸出入銀行のビジネス・エクセレンス賞を受
賞した。
国際経済研究アニュアル・アワード
国際経済研究アニュアル・アワード（International Economic Research Annual Award）は、1989年に輸出
入銀行が創設した賞である。かかる賞の目的は、インド国内外の大学及び学術機関に所属するインド国民によ
る、国際経済学、貿易、開発及び関連融資に関する研究を推進し、博士号取得につなげることである。かかる
賞は35万ルピー及び表彰状から成る。2019年は、Shoumitro Chatterjee博士の「貿易及び経済開発に関する論
文」と題する博士論文が受賞した。Chatterjee博士は、2018年に米国プリンストン大学の学位を取得した。
インド輸出入銀行BRICS経済研究アニュアル・アワード
2016年にBRICS銀行間協力メカニズムの議長を務める間、輸出入銀行は、国際経済、貿易、開発及び関連融資
の分野において、BRICS加盟国にとって現代的に関連性のあるテーマに関する先進的な博士研究を奨励及び活性
化することを目的とし、BRICS経済研究アニュアル・アワードを創設した。150万ルピー及び表彰状から成るこ
の賞は輸出入銀行により支援される。かかる賞は、５のBRICSメンバー国のいずれかに所属する国民及び優れた
博士研究活動を対象にしている。2020年は、Adam Yao Liu博士による「権威主義的制度における市場の構築：
中国の銀行発展の政治経済」と題する博士論文が受賞した。Liu博士は、2018年に米国スタンフォード大学の学
位号を取得した。
草の根事業政策及び開発（GRID）
輸出入銀行は、その草の根事業政策を通じて、通常インドの地方に拠点を置く小企業及び零細企業のグロー
バル化を支援する予定である。このプログラムは、インドの伝統工芸家、職人及び地方の起業家のために幅広
い機会を創出することで、社会の恵まれない部門の社会経済的ニーズに対処することを主要な目的としてい
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る。これを推進するために、輸出入銀行は、貸付及び与信供与双方の形式で、能力開発訓練のための金融支援
を提供している。
ワークショップ及びトレーニング・プログラム
2020/21年度において様々なワークショップ及びトレーニング・プログラムが輸出入銀行により実施された。
⑦ 輸出のプロモーター
研究及び分析
輸出入銀行の研究及び分析グループは、定性的及び定量的な研究手法を通じて世界の経済、貿易、投資につ
いての様々な見識を示している。地域、部門及び政策に関連した研究における広範な分類に基づいて行われた
かかるグループの研究活動は、オケージョナル・ペーパー、ワーキング・ペーパー、特別出版物及び書物など
の形で公表される。当年度中、19の研究調査が公表された。これらは以下を含む：
1. CLMVにおけるインフラ整備：インドの機会
2. インドと日本の貿易関係強化の展望
3. BRICS：貿易、投資及び事業協力の促進
4. インドとバングラデシュのパートナーシップの強化：地域開発の道筋の開拓
5. バリューチェーンの構築：インド及びASEANの機会
6. インドとアフリカの医療：展望及び機会
7. インドのレアアース元素の確保
8. インドにおけるデジタル・マニュファクチュアリング
9. インドのアパレル部門の概要と今後の方向性
10. インドからの農産物輸出の促進
11. WTO：世界貿易とインド
12. 中国における銀行普及の政治的起源と企業レベルの結果
13. カウンタートレード戦略：国際比較とインドの視点
14. インドの国際貿易に対するCovid-19の影響：戦略と政策展望
15. 自立したインド：注力すべきアプローチと戦略部門
16. マンディ：インドにおける競争及び農民所得
17. ケララからの輸出促進：洞察と政策的視点
18. 東北インドの中小零細企業：輸出競争力のための能力開発
19. カルナタカからの輸出強化
輸出先行指数
輸出入銀行は、インドの輸出動向を追跡及び予測するために、インドの輸出先行指数(ELI)を生成するための
モデルを組織内で開発した。ELIは、インドの輸出の見通しを測るものであり、インドの輸出に影響を与える可
能性のある複数の外的及び国内要因に基づきインドの四半期ごとの総商品及び石油以外の輸出の成長を予測す
るものである。
輸出入銀行の予測は、対応する四半期の６月、９月、12月及び３月の第１週に公表され、モデルは継続的に
改善されている。それにより示される結果は、とりわけ政策立案者、研究者及び輸出業者などにとって興味深
いものとなる可能性がある。
情報提供及びアドバイザリー・サービス
輸出入銀行は金融プログラムを補完する幅広い情報提供サービス、アドバイザリー・サービス、サポート
サービスを提供する一方で、政策銀行としての役割も担っている。これらのサービスは、州政府、インドの公
営及び民間部門並びに海外の企業を含む輸出入銀行の利害関係者へ提供される。サービスの対象には、州政府
に対する政策投入及び政策文書、インド国内及び海外におけるマーケットに関連する情報、部門及び実現可能
性の調査、テクノロジーサプライヤー認定、パートナー検索、能力開発訓練、投資促進及びジョイント・ベン
チャー開発を含む。
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輸出入銀行はまた、密接な助言サービス及びコンサルティング・サービスを通じて、発展途上世界における
数多くの機関に支援を提供している。2020/21年度中、サウジ輸出入銀行は、過去の任務に続いて、製品マニュ
アル及び評価方針の見直しに対する輸出銀行の支援を要請した。業務の範囲には、前回の任務の一環としてサ
ウ ジ輸出入銀行向けに輸出入銀行が開発した製品及び他の機関が開発した商品の見直しが含まれていた。サウ
ジ輸出入銀行は、輸出入銀行による推奨事項の大半を受け入れ、その製品マニュアルにも適切な修正が加えら
れている。
輸出の促進のための支援
輸出入銀行は州政府と協力し、州レベルの輸出実績及び潜在能力を評価し、それらの貿易競争力を開発する
ための戦略を説明してきた。
2020/21年度中、輸出入銀行は２つの州レベルの輸出調査を実施した。最新のものは「カルナタカからの輸出
の強化」であった。「カルナタカからの輸出の促進：洞察及び政策の視点」と題された研究は、ケーララ州政
府のNORKA、工業商務省のプリンシパル・セクレタリーであるK. Ellangovan博士（IAS）により発表された。
輸出入銀行はまた、2020年８月に公表された輸出準備指数（EPI）の作成に向けて、Niti Aayog（政策委員
会）にも情報を提供した。EPIは、インド諸国の輸出準備度及び実績を調査し、課題及び機会を特定し、政府の
政策の有効性を高め、州レベルでの円滑な規制の枠組みを強化することを意図している。
機関の連携
輸出入銀行は、多国間機関、輸出信用機関、銀行及び金融機関、貿易振興団体、投資促進理事会との間で、
貿易及び投資を支援しうる環境の創出を容易にするために、協調関係及び機関の連携を築いてきた。
BRICS銀行間協力メカニズム
輸出入銀行は、BRICS銀行間協力メカニズムに基づき、インドから指名された加盟開発銀行である。輸出入
銀行は、BRICS諸国の開発銀行との間に、責任融資原則に関する覚書を締結した。覚書の枠組に基づき、加盟開
発銀行は、責任ある融資の一般原則の採択の可能性を探ることに合意した。輸出入銀行はまた、2020年11月16
日にロシア開発対外経済銀行（VEB.RF）によりオンラインで開催されたBRICS銀行間協力メカニズムの年次会合
及び金融フォーラム並びに関連会合に参加した。
アジア輸出入銀行フォーラム
1996年、インド輸出入銀行は、アジア輸出入銀行フォーラム（AEBF）の立ち上げにおいて主導的役割を果た
した。同フォーラムは、加盟機関の間における経済協力の強化及び強固な関係の構築を目的としており、それ
によりアジアの輸出入銀行のコミュニティにおける長期的な関係を育成している。
2020/21年度中、AEBFの第26回年次会合は、パンデミックにより開催ができなかった。しかしながら、トルコ
輸出入銀行は2020年６月にバーチャル・テクニカル・ワーキング・グループ・ミーティングを主催し、全ての
加盟機関が参加した。
AEBFは、研修プログラムを通じて知識共有のための健全な基盤を提供しており、加盟機関のスタッフが、と
りわけプロジェクト・ファイナンス、資本市場、船舶融資、中小企業向け融資、コモディティ・ファイナン
ス、カントリー・リスク及びクロスボーダー投資の多岐にわたる分野における最善慣行を学ぶ支援を行ってい
る。パンデミックにより課された移動制限により、AEBFの指導に基づく研修プログラムはオンライン・モード
を通じて組織されている。最初のオンライン研修プログラムは、2020年７月に韓国輸出入銀行により「環境及
び社会的配慮と取るべき行動」をテーマに開催された。
輸出入銀行・開発金融機関間グローバル・ネットワーク(G-NEXID)
G-NEXID（輸出入銀行・開発金融機関間グローバル・ネットワーク）は、国連貿易開発会議（UNCTAD）の後援
の下、インド輸出入銀行及びその他の公的開発銀行が主導して2006年にジュネーブにおいて立ち上げられた。
同ネットワークは南南貿易、投資及び協力の強化の促進に努めている。
同ネットワークは、国連のMSME Day（中小企業の日）と同時に2019年６月にジュネーブにおいて直近の物理
的な年次総会を開催し、それに続き2019年10月にカイロにおいて、第４回交換プラグラムが、アフリカ輸出入
銀行（Afeximbank）の主催で行われた。しかし、パンデミックの進行により、2020年９月23日の年次総会はオ
ンラインで開催された。また、昨年ガーナで開催される予定であった第５回交換プログラムも延期された。
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それにもかかわらず、同ネットワークは、2020年９月から11月にかけて「ブロックチェーン技術」に関する
初級のオンラインプログラムを提供する機会を利用し、かかるプログラムには、世界中のG-NEXID加盟者の中か
ら13の機関と44名の参加者が出席した。
⑧ 組織の基盤
人事管理
輸出入銀行の職員は、経営学部卒、公認会計士、銀行員、エコノミスト、法律、図書館及び文書の専門家、
エンジニア、言語学者、人事、マーケティング並びにITの専門家で構成され、2021年３月31日現在で345名と
なっている。輸出入銀行は様々なグループ研修プログラムを企画し、職員のスキルを継続的に向上させてい
る。また、役員は、高度に専門化されたポートフォリオを取扱うためのスキルセットを強化することを目的と
して、イーラーニングを含むカスタマイズされた研修プログラム及びセミナーに選抜されている。
2020/21年度中、信用格付、インドの財務市場、不良資産の処理、調達政策の枠組み、オペレーショナルリス
ク管理、債券の数学理論、クラウドセキュリティ及び監査並びにマネーロンダリング対策など、輸出入銀行の
業務に関連する様々なテーマの研修プログラム及びセミナーに224名の役員が参加した。また、ストレス管理、
ワークライフ・バランス、時間管理及び個人の有効性についての研修も実施された。2020/21年度中、輸出入銀
行の役員の65％が、評判の高い機関及び組織内のトレーナーが実施する58の研修プログラムに選抜された。
指定カースト、指定部族及びその他の後進諸階級の代表
2021年３月31日現在、輸出入銀行の業務に従事する345名の職員のうち、38名が指定カースト、24名が指定部
族及び58名がその他の後進諸階級出身であった。指定カースト、指定部族及び後進諸階級に属する職員に対し
ては、平等の機会及び研修が提供される。
「2013年職場における女性に対するセクシャル・ハラスメント（予防・禁止及び救済）法」に基づく内部委員
会
輸出入銀行では、職場におけるセクシャル・ハラスメントを一切認めておらず、2013年職場における女性に
対するセクシャル・ハラスメント（予防・禁止及び救済）法（以下「同法」という。）並びに同法に基づき作
られた規則に沿って、職場における女性に対するセクシャル・ハラスメントの予防、禁止及び救済に関する方
針を採用している。輸出入銀行の従業員は全員、輸出入銀行が実施する方針を学習し、理解している。
同法に従い、輸出入銀行は、同法において定義される職場における女性へのセクシャル・ハラスメントの告
発を検討するための内部告発委員会を設立した。委員会は定例会議を開催し、また輸出入銀行の全てのオフィ
スの従業員に向けたオンラインの啓発セッションも発足させた。2020/21年度中、内部告発委員会に寄せられた
告発はなかった。
財務
輸出入銀行の総合的な財務体制により、剰余資金の投資、金融市場操作、外国為替操作及び証券取引を含む
資金管理機能が働いている。輸出入銀行は、フロント／ミドル／バック・オフィスを区分しており、最先端の
ディーリングルームを設けている。輸出入銀行の財務活動によって借主に提供される商品の種類には、外国為
替取引、輸出書類の回収/譲渡、国内及び海外の信用状/保証状発行並びに仕組ローン等が含まれる。輸出入銀
行は、市場リスク軽減の目的で、費用効率の高い資金調達及びバランス・シート上のエクスポージャーのヘッ
ジのために金融派生商品取引を利用している。輸出入銀行はインド金融ネットワークに加盟しており、証明機
関であるインスティテュート・フォー・デベロップメント・リサーチ・イン・バンキング・テクノロジーから
登録を受ける資格を与えられている。輸出入銀行は、インド政府証券を取引するための電子取引プラット
フォームを提供している準備銀行のネゴシエイテッド・ディーリング・システム・オーダー・マッチング部門
を通じて取引を行うための電子証明を所有している。輸出入銀行の証券取引又は外国為替取引は、クリアリン
グ・コーポレーション・オブ・インディア・リミテッド（以下「CCIL」という。）によって提供される保証付
決済制度を通して行われている。輸出入銀行は、トライ・パーティ・レポ・ディーリング・システム（TREPS）
のメンバーであり、CCILのレポ・ディーリング・システムである、クリアコープ・オーダー・マッチング・シ
ステム（CROMS）のメンバーである。TREPS及びCROMSとは、全ての種類の政府証券のT+0又はT+1ベースでの市場
レポ取引を促進するため、CCILが導入した匿名のオーダー・マッチング・プラットフォームを利用可能にす
る、ストレート・スルー・プロセシングである。
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CCILは、全てのTREPS／CROMS取引の中心的なカウンターパーティとしての機能を果たしており、決済はCCIL
により保証されている。輸出入銀行はまた、CCILの外国為替取引システムであるFX-クリア部門のメンバーでも
ある。輸出入銀行は、複数の銀行識別コードを取扱うことができる集中SWIFT（国際銀行間金融通信協会）機能
（ロ ンドン支店と接続）を有している。
環境、社会及びガバナンス（ESG）フレームワーク
輸出入銀行は、理事会が承認した持続可能な開発／責任ある融資に対するESG指針を構築している。かかる
指針は、ESGを標榜している各国の規制の遵守を確保することを目的としており、コンソーシアムのすべての貸
手にとって共通の方針によるアプローチの進展を想定している。輸出入銀行はまた、インド銀行協会（IBA）が
主導する銀行の持続可能性フレームワークについての協議にも参加している。
グリーン投資
輸出入銀行は、インド及び海外において様々なプログラムを通じて持続可能な融資を促進している。輸出入
銀行は、再生エネルギー、エネルギー効率、廃棄物管理、水管理、大量輸送及び高エネルギー効率輸送などの
分野におけるプロジェクトに資金拠出している。
プロセスを重視したイニシアチブ
輸出入銀行は、ESG関連パラメータに関する社内オペレーションを見直している。輸出入銀行は、エネルギー
消費を最適化するために、エネルギー監査及び関連手法を採用している。ムンバイにある輸出入銀行の職員宿
舎には、ソーラーパネル及びソーラー電池の街灯が設置されている。輸出入銀行は、本店の作業エリアにLED照
明を設置し、洗面所には人感センサーライトを設置することで、エネルギー消費を大幅に削減している。また
水の無駄を削減するために人感センサー水栓が採用されている。
さらに輸出入銀行は、会議の議題に関する書類の回覧、電子挨拶状、様々な場面や機能における電子案内状
など、ワークフローのデジタル化により紙使用の削減を目指している。ビデオ会議の利用により二酸化炭素排
出量が削減されている。輸出入銀行におけるイベントで花束を贈呈する代わりに、SOS児童村などの社会的大義
に対する募金を受賞者の名前で行う証明書が送られるようになった。輸出入銀行はまた、贈答品などに手工芸
品を調達することで、職人のコミュニティや集団を支援し、かかる工芸品をグローバルな組織ネットワークに
アピールしている。
オフィス内の紙コップ及び使い捨てのペットボトルは、輸出入銀行のすべての施設において、再利用可能な
ガラスのマグカップやガラスのボトルに置き換えられた。日々の業務の中でのプラスチックボールペンの使用
量削減のため、リサイクル可能な素材から作られた鉛筆が社員に配布されている。輸出入銀行の本店にあった
人工植物は、手入れが簡単な自然植物に置き換えられた。
人を重視したイニシアチブ
輸出入銀行は、苗栽培の推進を組織し「ゴーグリーン」のイニシアチブを展開した。苗木はプーナ郊外にお
いて輸出入銀行の職員によって植えられた。輸出入銀行の職員はまた、ムンバイのタタ・メモリアル・ホスピ
タルと提携して、オフィス施設で開催された献血キャンプにも参加した。
輸出入銀行はCOVID-19のパンデミック時に、従業員の安全を確保するために「ワーク・フロム・ホーム」指
針を実施した。オンライン医療相談、ビタミンサプリメント、消毒剤、マスク等の配布、メンタルヘルスや予
防措置に関する話し合いなど、いくつかのイニシアチブが輸出入銀行によって行われた。輸出入銀行は、パン
デミックの間に課されたロックダウンの間、すべての請負業者、ベンダー及び供給業者を支援した。COVID-19
の影響を緩和するため、輸出入銀行のソーシャルメディア・プラットフォームを通じて認知度を高めるための
措置が講じられた。
草の根事業政策及び開発
輸出入銀行は草の根事業政策及び開発（GRID）プログラムを通じて、インドの地方を拠点とする小規模及び
零細企業のグローバル化に向けた取り組みを支援している。輸出入銀行は補助金の提供及びさまざまな能力開
発プログラムの企画を通じて支援を行っている。
輸出入銀行は、ブーバネシュワールのAnwesha Tribal Arts & Craftsの20人の部族女性職工を対象としたオ
ンラインのデザイン開発研修プログラムを１か月間にわたって支援した。かかる研修プログラムは、市場のト
レンドに沿った、部族宝飾品の新しいデザインや試作品の開発を目的としたものであった。開発された200の試
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作品は、デリーのDastkarが主催する工芸品展示会「Basant 2021」に出展された。輸出入銀行はまた、10人の
熟練の職工を対象に、ラジャスタン州ファローディのウル・マルストハリ・ブンカー・ヴィカス・サミティの
製 品及びデザイン開発に関する45日間の研修プログラムを開催し、品質、織物技術及び素材に関する知識を深
めることで、所得創出の余地を拡大した。
輸出入銀行は、ナシク及びその近隣の村の250人超の農民を対象に、高品質の新鮮なフルーツの輸出業者であ
るKamdhenu Foodsと共同で、地域原産のブドウの品種を改良及び支援するための一連の14の研修プログラムを
支援した。かかる研修は、国際基準に適合した品質のブドウを輸出するために、限界農家に対し無残留ブドウ
栽培、肥料の適正な混合及び土壌保全に関する知識を提供することを目的としたものである。かかる研修は農
家が新たな輸出市場を見つける手助けとなり、その結果、Kamdhenu Foodsの輸出は40％増加し、小規模農家の
所得及び生活が向上した。
ドゥルガー・プージャーのフェスティバル中に開催された文化イベントSaradotsavフェスティバルでは、輸
出入銀行の支援により、15人の職人が製品の販売促進行った。パンデミックのため、職人が自らの製品を世界
中の視聴者に向けて宣伝するためのオンライン・プラットフォームが組織者によって作られた。ムンバイの世
界貿易センターが主催するバーチャルHandloomフェスティバルに参加するため、40人以上の職人が輸出入銀行
の支援を受けた。輸出入銀行はまた、Kala Ghoda アートフェスティバル2021と提携し、45人の職人がバーチャ
ルフェスティバルに製品を出展するための店舗スペースを支援した。
輸出入銀行は、海外における潜在顧客の特定に対する支援を求める石油採掘、プラスチック成形部品、織物
及び自動車部品に関与する４つの小規模企業と契約を締結した。
輸出入銀行は、レーの後進地域出身の女性に対し現地で入手可能な原材料を利用し、持続可能な雇用を提供
することに貢献したことでラダック女性の織機協同組合（Looms of Ladakh Women's Cooperative）を支援した
として、アジア太平洋開発金融機関協会（ADFIAP）から、「現地経済開発」功労賞を受賞した。
企業の社会的責任
2020年６月、理事会は輸出入銀行の企業の社会的責任（CSR）に関する方針を承認した。2020/21年度におい
て、輸出入銀行のCSR委員会は、６の州と１の連邦直轄領でCovid-19の救済、教育、ヘルスケア並びにスキル開
発及び生活に関する12のプロジェクト/プログラムを承認した。これらの介入のいくつかは、インドの野心的な
地区を対象としたものであった。
教育イニシアチブの下、輸出入銀行は受刑者の子ども、深刻な犯罪の犠牲者、貧困者及びタミル・ナードゥ
州カンチプラム地区の津波被害者を対象とした宿泊設備のある高校内の学校区の建設資金を融資した。かかる
建物は、敷地内に居住し、職業訓練を受ける約100人の学生のニーズに応じていく。輸出入銀行はまた、ニュー
デリーのKendriya Sainik Boardを通じて、41人の退役軍人の女児の教育に対し資金援助を行った。
医療及び衛生イニシアチブの下、輸出入銀行は、マハラシュトラ州サングリ地区において、Covid-19のパン
デミックの救済に向けた医療機材（人工呼吸器）の調達を支援するとともに、ムンバイの地方自治体や政府の
病院の医療従事者に対し保護具を提供した。マハラシュトラ州のライガッド地区では、３か月間にわたり、100
世帯に衛生資材及び基本的な衛生キットが提供された。
輸出入銀行はラ－ジャスタ－ン州シロヒ地区の病院で、救命救急診療のための医療機器の調達に対する融資
を行った。かかる機器により、医学的緊急事態の間、年間約2,500人の患者に対し救援を提供できる。アッサム
州のバルペタ及びジャールカンド州のランチといった野心的な地区のがん治療病院向け放射線検査装置の調達
は、医療イニシアチブの下で支援された。この２つの病院は、毎年3,000人近いがん患者のニーズに対応できる
ようになり、それにより都市部の病院に対する圧力減らすことができる。マハラシュトラ州パルガール地区の
病院における新生児集中治療室（NICU）の改築のための資金も、CSRイニシアチブの下で調達されたものであ
る。NICUは、ダハヌとタラサリ地域の部族コミュニティにおいて、年間200人の新生児に医療を提供し、乳児死
亡率を低下させることができる。輸出入銀行はラダックのレー地区の女性組合の全天候型トイレの建設及び研
修ホールの改修を支援した。
輸出入銀行は、マハラシュトラ州の口や足を使う芸術家を対象とした研修プログラムを通じて、技能開発及
び生計支援に貢献した。ムンバイ首都圏では日常生活が厳しい状況にあるにもかかわらず、コロナ戦争に耐
え、私心なく働き続けているムンバイの女性警察官を手助けするための「保護者の保護」と題したもう一つの
イニシアチブが行われた。これらの女性警察官には、古代のアーユルヴェーダにより免疫を高めるとされてい
る有機蜂蜜が贈られた。かかる蜂蜜は、養蜂を行う部族コミュニティ及び有機蜂蜜市場において、その多くが
女性の小規模農家を訓練することで貧困の削減に焦点を当てている社会的事業から調達された。
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公共苦情の是正及び監視システム（CPGRAMS）
CPGRAMSは、インド政府の省庁/部局/組織による苦情の迅速な是正及び効果的な監視を目的として開発された
オンラインウェブ対応システムである。輸出入銀行は、苦情の是正メカニズムを導入しており、借主に対する
苦情是正担当役員及び借主の苦情の是正に関する上訴機関の詳細は輸出入銀行のウェブサイトで提供されてい
る。2020/21年度中、輸出入銀行はCPGRAMSポータル上で２件の苦情を受け、規定された30日以内に回答した。
公用語政策の実施における進展状況
2020/21年度において輸出入銀行はインド政府の公用語政策の実施の強化に向けた取組みを続けた。
情報技術
輸出入銀行は、オフィス、データセンター、コンピューター及びその他の重要な機器にまたがるビジネス並
びにアップグレードされたネットワークに対して高まるーズを支援するため、ITインフラへの投資を継続す
る。輸出入銀行の基幹銀行システムと決済チャンネル(RTGS / NEFT及びSWIFT）との間のシームレスな統合によ
り、資金管理の改善と資金の即時配分が支えられる。輸出入銀行は、インドの銀行業界におけるブロック
チェーン基盤の技術の実現可能性を探求するために結成されたインドの銀行によるフォーラムであるバンク
チェーンの初期メンバーのひとつとなった。
輸出入銀行は、ムンバイに所在するプライマリー・データセンター（DC）に対し、最先端の技術プラット
フォーム及びソリューションを採用している。輸出入銀行はベンガルールに完全自動及び遠隔監視機能を備え
た災害復旧（DR）サイトを有しており、これによりDRの維持における人的介入が軽減された。プライマリー・
データセンター及びDRデータセンターの両方がISO 27001の認証を受けている。
COVID-19のパンデミックの間には安全なリモートアクセス技術インフラが導入され、従業員は在宅勤務が可
能となった。2020/21年度中、クラウド及び機器ベースの音声・ビデオ会議設備により、利害関係者間のシーム
レスなビジネスコミュニケーションが可能になった。
E-ガバナンス及びE-ペイメント
業務運営、MIS、ビジネス・インテリジェンス、文書管理、ワークフロー、ネットワーク及びセキュリティの
ためのシステムが整備されている。輸出入銀行は、ペーパーワークを最小限に抑え、最小限の手作業でシーム
レスな処理を可能にする技術対応処理を開発してきた。輸出入銀行は、ナショナル・イーガバナンス・サービ
ス・リミテッド（NeSL）のメンバーである。NeSLはクレジット・レポジトリであり、債権者から提出された認
証済みの財務情報を受理し、保管し、すぐに利用できるようにする。輸出入銀行は、ネガティブリスト及び中
央経済情報局から入手した情報に関する社内のオンライン・データベースを作成しており、これらの情報は貸
付審査サイクルにおいて参照されている。輸出入銀行は、SWIFTアライアンス・アクセス・ソフトウェア・プ
ラットフォームを利用して、財務及び非財務の連絡事項を各国間で安全に送信している。メッセージはフィナ
クル・アプリケーション (コア及びトレジャリー)で作成され、ストレート・スルー・プロセスによりSWIFTア
プリケーションに送信される。
コーポレート・ガバナンス
輸出入銀行は、輸出入銀行に関連するコーポレート・ガバナンスの最善慣行を確実に遵守するよう注力し、
引き続き努めている。輸出入銀行は、戦略的コントロールの枠組みを設定し、その有効性を継続的に見直して
いる。業務及び/又は財務成績に関する事項、分析的データ及び/又は情報は、検討のため理事会及び/又は理事
会の経営委員会（MC）に定期的に報告されている。輸出入銀行は理事会が承認したコンプライアンス方針を取
り入れ、上級職員は、全ての適用ある法律、規則及びその他の手続き、インド政府及び/又は準備銀行並びにそ
の他の規制当局並びに理事会が決定する政策に関するコンプライアンス事項並びに逸脱（ある場合）の理事会
監査委員会（AC）への報告に対する責任を負う。2020/21年度中、輸出入銀行の理事会は会合を５回開催し、MC
は会合を６回開催した。
監査委員会
輸出入銀行の理事会の監査委員会（AC）は、管理手段としての実効性を高め、法定、外部、内部又は同等の
監査報告及び準備銀行検査報告において提起された問題を再調査するために輸出入銀行の全体的な監査機能部
門に指示を与えている。ACは四半期及び年次の財務書類を理事会に提出する前に見直しを行う。監査委員会
は、2020/21年度中に６回開催された。
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資産・負債管理（ALM）
輸出入銀行の資産・負債管理委員会（ALCO）は、リスク管理グループの支援とともに市場リスクの監視及び
管理についての監督を行う。流動性／金利リスクは、理事会により承認された包括的なALM／流動性方針に基づ
き、ALCOにより管理される。ALCOの役割には、とりわけ、準備銀行又は理事会により定められた適正限度に照
らしてみた輸出入銀行の通貨に関連した構造的な流動性及び金利の感応度の検討、キャッシュフローの定期的
なストレス・テストの結果の監視、並びに（a）受取利息純額の感応度評価及び（b）デュレーション・ギャッ
プ分析を用いた金利動向に対する経済価値の感度を通じて測定される金利リスクの定量に基づく適切なALM戦略
を特定することが含まれる。通貨に関連した流動性ポジションの定期的なストレステストが実施され、各通貨
について資金が最も不足した場合を推定して臨時資金調達計画が定期的に策定されている。バリュー・アッ
ト・リスク（予想最大損失額）は、輸出入銀行が保有するインド政府証券の売買目的及び売却可能投資ポート
フォリオについて算出される。資金管理委員会は、投資及び投資の中止並びに各年度の初頭に理事会により承
認され当該年度中に見直される資金管理/資金計画に従い資金調達の決定を行う。
リスク管理
理事会のリスク管理委員会（RMC）は、全行にわたるリスクの監視及び管理並びに信用リスク、市場リスク及
びオペレーショナル・リスクに関する総合リスク管理の方針及び戦略の監督に対する責任を負う。
RMCは、多様なリスク（ポートフォリオ、流動性、金利、オフバランスシート及びオペレーショナル・リス
ク）に関する輸出入銀行の状況を検討し、機能横断的な部門であるALCO、FMC及び信用リスク管理委員会
（CRMC）及びオペレーショナル・リスク管理委員会（ORMC）業務を監督する。ALCOはALM政策に関連する事項を
扱い、輸出入銀行の全体的な市場リスク（流動性リスク、金利リスク及び為替リスク）を処理及び分析してい
るのに対し、CRMCは全行ベースでの信用リスクの管理及び統制を行っている。
輸出入銀行は、（様々な量的パラメータ/指標とともに質的パラメータ/指標を組込むことにより）広範囲に
わたる信用判断を補助し、信用リスクに応じた借主の内部信用格付を可能とする、高度な信用リスクモデル
（CRM）を実施している。このモデルは、ファシリティの基礎となる担保に応じて、ファシリティレベルのみな
らず、企業レベルでも借主のリスクを評価するのに役立つ。格付委員会は、それぞれの案件に対するスポン
サー担当の役員による信用格付の審査を独立して行う。ORMCは、輸出入銀行におけるオペレーショナル・リス
ク事象の発生状況を検討し、再発防止のための是正措置を勧告する。これには、輸出入銀行のIT資産に関し／
から生じるオペレーショナル・リスクの特定、評価及び／又は計測、監視及び統制／軽減も含まれる。輸出入
銀行はまた、オフィスにおける事業継続性及び障害回復計画の年次検査を実施している。各々の計画は、重大
な事業継続性リスク事由及びその影響を緩和するための適切な保護措置の完全性について厳しく吟味される。
特殊状況グループ
輸出入銀行では、不良資産になるおそれのある貸付勘定の監視に重点を置き、不稼働資産の回収策を強化す
るため、特殊状況グループ（SSG）を設置している。かかるグループは、理事会が承認した貸付モニタリング・
回収政策に基づく貸付の回収及び存続可能な不稼働資産の再生に向けた積極的な措置を講じるとともに、法的
措置がとられる場合における不稼働資産勘定からの回収に重点を置いている。不稼働資産の毎月の見直しは、
SSG内の委員会により行われる。輸出入銀行は、金融資産の証券化及び再建並びに担保権の実行法
（Securitisation and Reconstruction of Financial Assets and Enforcement of Security Interest Act）
の規定に基づく、又は破産及び倒産法（Insolvency and Bankruptcy Code）による会社法審議会（National
Company Law Tribunal）への委託を通じてなされる不稼働資産の再構築、法的措置、裁判所指名の管財人を通
じた資産の売却、交渉、一括決済、不稼働資産の移転及び/又は譲渡、資産の占有及び転売などによる多面的な
戦略並びに不稼働資産の回収を最優先事項としている。
KYC、AML及びCFT対策
輸出入銀行は、「Know Your Customer (KYC)（顧客確認）規範、Anti Money Laundering (AML)（アンチ・マ
ネーロンダリング）スタンダード及びCombating Financing of Terrorims (CFT)（テロ資金供与対策）」につ
いて理事会において承認された方針を有している。かかる方針は、この事項に関する準備銀行のガイドライン
に準拠している。KYC、AML及びCFTの方針は、以下を対象としている。
(a) 顧客受入れ方針、
(b) リスク管理、
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(c) 顧客認証手続き及び
(d) 取引のモニタリング。
輸出入銀行は、リード・エルゼビア・グループである世界的な主要ビジネス関連出版社の一つ、リード・ビ
ジネス・インフォメーションの製品で、オンライン・データベース・サービスであるバンカーズ・アキュイ
ティ・データベースを利用している。アキュイティの改良されたグローバル・ウォッチ・リストは、世界中の
すべての主要な統括組織、法執行機関及び金融規制機関から集めた包括的な警戒リストである。輸出入銀行の
すべての顧客は、KYC基準に通され、自然人又は法人としての身元確認及び実質所有者としての身元確認が行わ
れる。
KYC方針及び手順の実施は、法人借主、定期預金者、コルレス銀行及び新スタッフの採用における身元確認に
及んでいる。輸出入銀行は、国際市場慣行に倣い、ウォルフスバーグ・グループのAML質問状を通じて、KYC規
範の取引相手の銀行の遵守を確実にするために必要な情報を取得する。また、輸出入銀行は、場合によってそ
の時々に、特定の取引に関して、準備銀行とインド証券取引委員会が定める手続きと方法に従って情報を保持
する。かかる記録は取引関係の終了日から最低５年間（取引の性質によって異なる。）にわたり保管される。
チーフ・ジェネラル・マネージャーの地位にある役員が、輸出入銀行のKYC、AML及びCFT対策に責任を負う主た
る役員に任命されている。KYC、AML及びCFT方針の抜粋は輸出入銀行のウェブサイトに掲載されている。
貸手の公正慣習規則
輸出入銀行は、準備銀行のガイドラインに沿って定められた貸手の公正慣習規則について理事会が承認した
政策を実施している。輸出入銀行のウェブサイトに掲載されている。
情報開示の請求権
輸出入銀行は、2005年情報公開（RTI）法に定義された公的機関として同法に準拠する。インド市民は、輸出
入銀行のウェブサイト上に記載のとおり、輸出入銀行のムンバイの本店における中央情報公開役員又は輸出入
銀行のインドの地域事務所における副情報公開役員に連絡することにより、同法の規定に基づき情報を求める
ことができる。輸出入銀行は、その時々に政府機関により発行されるガイドラインを遵守している。2020/21年
度中、輸出入銀行は、合計166件のRTI請求（他の公的機関から輸出入銀行に移管された事案を含む。）を受領
し、RTI法に基づき許容が規定される30日以内に回答した。2020/21年度中、輸出入銀行は、四半期ごとにポー
タルサイトであるwww.dsscic.nic.inにRTIの回答を提出した。
⑨ 日本との関係
サムライ債の発行及び日本における債券の売出し
2006年２月、輸出入銀行は、初のサムライ債の発行により230億円を日本市場で調達した。この発行はインド
の発行者としては15年ぶりのものであった。この債券は2011年２月に全額満期償還された。
2006年10月27日、輸出入銀行は東京において第２回サムライ債の募集を行った。これは、2006年２月の第１
回債の発行に続く輸出入銀行によるサムライ市場での２回目の発行であった。この５年満期の260億円の発行の
価格は、円Liborより70ベーシスポイント高く、第１回債の流通市場での水準を上回った。この募集に対する機
関投資家からの強い反応により、発行額は当初発表された200億円から260億円に引き上げられた。この債券は
2011年11月に全額満期償還された。
輸出入銀行は、2011年３月に国際協力銀行（JBIC）の新規サムライ債発行支援ファシリティ（GATE）及びサ
ムライ債発行支援ファシリティ（MASF）に基づき、期間10年の200億円（２億4,200万米ドルに相当）のサムラ
イ債の発行を当該ファシリティの下で最も良い条件で行った。この債券は2021年３月に全額満期償還された。
輸出入銀行は、売出債券の発行により、日本の売出市場に参入した初のインドの機関となった。2012年４
月、輸出入銀行は、３つの異なる通貨、すなわち、豪ドル、日本円及び南アフリカ・ランドにより総額１億
2,400万米ドル相当の債券を発行し、これにより投資家基盤の多様化を実現した。
2013年４月、輸出入銀行は、３つの異なる通貨、すなわち、日本円、メキシコ・ペソ及びトルコ・リラによ
る１億7,000万米ドル相当の売出債券（外貨建で日本の一般投資家に直接売付ける債券）の発行を行い、これに
より投資家基盤の多様化を実現した。さらに、2013年７月、輸出入銀行は１億5,000万米ドル相当の日本円建の
売出債券を発行した。輸出入銀行は、売出市場において受け入れられたインドで唯一の機関である。
さらに、2014年11月において、輸出入銀行は、国際協力銀行（JBIC）による部分保証が付されたサムライ債
（日本の投資家に対して発行される円建債券）の発行により１億7,200万米ドル相当を調達した。輸出入銀行は
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これまでにサムライ債市場を４回利用している。輸出入銀行は、新規サムライ債発行支援ファシリティ
（GATE）史上において最もタイトなスプレッドと、初の１％を下回る最も低い利率を実現することができた。
さらに、2015年11月に、１億6,450万豪ドル及び4,280万米ドルの２本立てによる（外貨建てで日本の一般投
資家に直接売り付ける）売出債券を発行した。この発行は、輸出入銀行にとり売出市場における４回目の売出
しであり、日本市場を繰返し利用する発行体として輸出入銀行の名をさらに定着させた。これらの債券は2020
年11月に全額満期償還された。
2016年２月において、輸出入銀行は、１億2,000万米ドルのニンジャローン（外国企業又は機関が日本におい
て取り決めを行うシンジケート・ローン）により日本市場を再び利用した。
輸出入銀行は、2019年９月にサムライ債市場への回帰に成功し、３年債及び５年債の固定利付トランシェで
構成される320億円のデュアルトランシェを発行した。
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(5)【経理の状況】
輸出入銀行の貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書は、インドにおいて認められている会計
原則に基づき作成されており、当該原則は概ね国際会計基準にも合致している。貸借対照表及び損益計算書が
作成される様式及び方法は、インド輸出入銀行法第39条(2)項により政府の事前承認を受けて理事会が作成し
た、2020年インド輸出入銀行一般規則（随時改正される。）に規定されている。
輸出入銀行法第24条(5)項に基づき、輸出入銀行は決算日から４か月以内に政府に対し、事業年度の貸借対照
表及び財務書類を監査報告書の写し及び輸出入銀行の業務報告書と共に提出し、これらは政府により議会の各
院に提出される。
輸出入銀行の法定監査人は、輸出入銀行法第24条(1)項に基づき中央政府により任命される。2021年３月31日
に終了する事業年度における輸出入銀行の法定監査人として勅許会計士であるJCR & Co.が任命された。
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インド輸出入銀行(E06110)
有価証券報告書
独立監査人の監査報告書
インド大統領 殿
財務書類に関する監査報告書
意見
私共は、「インド輸出入銀行」（以下「当行」という。）の添付の一般基金の財務書類、すなわち、2021年３
月31日現在の貸借対照表、同日をもって終了した事業年度の損益計算書、キャッシュフロー計算書並びに重要
な会計方針の要約及びその他の説明情報を含んだ財務書類注記から構成される財務書類について監査を行っ
た。
私共の意見によれば、また私共の知り得る限り、かつ私共に対してなされた説明に従い、添付の財務書類は、
2020年インド輸出入銀行一般規則第14条（i）及びインドにおいて一般に公正妥当と認められる会計原則に従
い、2021年３月31日現在の当行の財務状態並びに同日をもって終了した事業年度の財務実績及びキャッシュフ
ローについて、真実かつ公正な概観を提供している。
意見の基礎
私共は、インド勅許会計士協会（ICAI）が公表した監査基準に準拠して監査を行った。これらの基準に基づく
私共の責任は、本報告書の「財務書類の監査における監査人の責任」の項目においてさらに記載されている。
私共は、ICAIが公表した倫理規範に従い、当行から独立している。私共は、私共が入手した監査証拠は、意見
の基礎を提供する上で十分かつ適切であると判断している。
追記情報
私共は、COVID-19のパンデミックの影響に関する財務書類注記29に注意を喚起する。依然として不透明な状況
が続いており、輸出入銀行は直面している課題について、その状況を継続的に評価している。こうした不確実
性を踏まえると、輸出入銀行の財務書類に対する影響は、今後の動向に大きく左右される。
私共の意見は、当該事項に関して修正されていない。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当期の財務書類の監査における私共の専門的判断において最も重要な事項をい
う。これらの事項は、財務書類全体に対する私共の監査において、また、私共の意見を形成するにあたり扱わ
れるものであり、私共はこれらの事項について別途意見を述べるものではない。
私共は、以下の事項を本報告書において伝達すべき監査上の主要な検討事項と決定した。
連続
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項への対応
番号
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有価証券報告書
1 不稼働前払金の特定及び前払金の引当て: 私共は、とりわけ以下を含む監査手続きを実施し
前払金は当行の資産の大部分を占めており、これ た:
らの前払金の質は当行の総前払金に対する不稼働 ・輸出入銀行の不良債権特定及び引当てに関する
前払金（以下「NPA」という。）の比率で測定され 方針の検討並びにIRAC基準の遵守状況の評価
ている。2021年３月31日現在、貸付金及び前払金 ・NPAの特定及び引当てに関する当行の方針を検討
は、当行の総資産の77％を構成し、当行のNPA総額 し、IRAC基準の遵守についての評価を行った。
の割合は6.69％であった。 ・IRACにおける既存のガイドラインに基づき減損
インド準備銀行（以下「準備銀行」という。）の を認識した勘定科目の特定をめぐる主要な統制
所得認識及び資産分類に関するガイドライン（以 （アプリケーションコントロールを含む。）の
下「IRAC」という。）では、NPAの特定及び分類に 設計及び運用の有効性を理解し、評価し、検証
関する厳格な基準及びかかる資産に必要な最低限 した。
の引当金を規定している。また、当行は、定量的 ・実質的な手続きの性質、時期及び範囲の決定に
及び定性的な要因を用いた判断によりNPAの特定及 対する様々な内部統制並びに当行及びRBI検査の
び引当てを決定しなければならない。NPAの特定 監視メカニズムに従って実施された各種監査の
は、一定の部門におけるストレス及び流動性に関 結果の遵守の有効性を検証した。
する懸念などの要因による影響を受ける。 ・定量的及び定性的なリスク要因に基づき選定さ
特定されたNPAに対する引当金は、NPAの経年変化 れた借入人の勘定書及びその他の関連情報を検
及び分類、回収率の見積り、安全性の価値並びに 討した。
その他の定性的な要因に基づいて推定され、準備 ・ストレスのかかった貸付金勘定を特定するため
銀行が定めた最低引当基準に従う。 に当行が作成した早期警戒報告を検証した。
さらに、当行は、一定の部門における前払金及び ・信用リスクが存在すると認められる場合に、か
NPAとなる可能性がある特定の前払金又は前払金の かるリスクを軽減するための措置に関して当行
グループを含むNPAに分類されないエクスポー の経営者と具体的な協議を行った。
ジャーについても引当てを行っている。これら
は、偶発債務引当金に分類される。 前払金に対する引当てについては、以下の手続き
この点について、当行は、重要な会計方針及び財 を実施した:
務書類の注記における注記I（ⅲ）「資産の分類及
び引当て」において、その会計方針を詳細に説明 ・前払金の引当てに関する当行のプロセスを理解
している。 した。
NPAの特定及び前払金に対する引当ては、大幅な見 ・準備銀行規制を遵守するために経営者が実施し
積りが必要であり、全体的な監査に対する重要性 た計算及び内部で定められた引当てに関する方
を考慮した上で、私共は、NPAの特定及び引当てが 針を検査した。
監査上の主要な検討事項であることを確認した。 ・貸付金勘定について、NPAに分類されない貸付金
勘定について当行が引当てを行った場合には、
かかる引当てに対する当行の評価を検討した。
2 所得税にかかる偶発債務: ・税金負債及び税引当金の決定に関する当行のプ
当行には、係争中の訴訟を含む重要な未解決の税 ロセスを理解した。
務訴訟があり、これらの係争の結果を決定するた ・報告日現在未解決の税務ポジションに関する判
めに重要な判断が必要となる。 例、その他の判決及び新たな情報を考慮した後
これらの未解決の税務訴訟の評価には、大幅な判 の重要な税務リスクの可能性及び負債の水準の
断が必要であることから、私共はこれを監査上の 評価を理解するために、外部の税務専門家を関
主要な検討事項に含めた。 与させた。
・税務当局との通信を含む根拠資料を参照し、税
務書類を検討した。
・この点について、財務書類における開示を評価
した。
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有価証券報告書
3 COVID-19の発生に照らして実施された変更済監査 移動制限により物理的なアクセスが不可能であっ
手順： たため、私共は必要な記録／報告書／書類／証明
COVID-19のパンデミック、全国的なロックダウン 書を、デジタル媒体、電子メール又は関連するそ
及び中央政府／州政府／地方当局によって私共の の他アプリケーションソフトウェアへの遠隔アク
監査期間中に課された移動制限、並びに物理的な セスを通じて入手し、当期の監査及び報告を実施
アクセスが不可能な場合に遠隔での監査を促進す するための監査証拠としてそれらに依拠した。
るためのRBIからの輸出入銀行に対する指示によ したがって、私共は、監査手続を次のとおり変更
り、金融機関の本店及び特定の国内事務所の施設 した:
を訪問して監査を行うことはできなかった。国内 a. 物理的なアクセスが不可能な場合は、遠隔アク
事務所／総務部門／コーポレート・オフィスの担
セス／電子メールを通じて、必要な記録／文書
当者との協議及び個人的な交流を通じて、対面し
及びその他のアプリケーションソフトウェアの
て物理的に監査証拠を収集することができなかっ
検証を電子的に実施した。
たことから、私共は、かかる変更済監査手続きを
b. 輸出入銀行の安全なネットワークを通じて電子
監査上の主要な検討事項として特定した。
メール又は遠隔アクセスを通じて私共に提供さ
したがって、私共の監査手続は遠隔で監査を実施
れている書類、証書、証明書及び関連記録のス
するために変更された。
キャンされた写しの検証を実施した。
c. ビデオ会議、電話／電話会議、電子メール及び
類似のコミュニケーション経路を通じた対話及
び協議を通じて質問を行い、必要な監査証拠を
収集した。
d.特定の担当者との対面での交流の代わりに、監
査観察事項を、電話や電子メールを通じて解決
した。
その他の情報
その他の情報については、当行の理事会がその責任を負っている。その他の情報は、理事会報告書、事業活動
全般、経営及びコーポレート・ガバナンスに記載されている情報で構成されるが、財務書類及び財務書類に関
する私共の監査報告書は含まれていない。
財務書類に関する私共の意見は、その他の情報を対象にしておらず、また、私共はそれらに対する保証又は結
論を表明するものではない。財務書類の監査に関連して、私共の責任は、上記に特定されたその他の情報を読
むことであり、それにより、その他の情報が財務書類と著しく矛盾していないか、また監査において私共が入
手した情報に重要な虚偽表示がないかどうかを検討することである。
私共は、本監査報告書の日付より前に入手したその他の情報について実施した作業に基づき、その他の情報に
重要な虚偽表示があると結論づけた場合には、その事実の報告しなければならない。この点について、私共が
報告すべきことはない。
私共が年次報告書を読んだ結果、重要な虚偽表示があると判断した場合には、私共はガバナンスの責任者に報
告する。
その他の事項
当行は、９の国内事務所、８の国外事務所及び海外に１の支店を有している。当行の国内事務所及び国外事務
所の財務会計システムは一元化されている。私共は、COVID-19パンデミックのために４の国内事務所のみしか
訪問することができず、その他の国内事務所及び海外の支店を訪問することができず、支店／国内事務所から
受領した財務書類に記載されている会計報告書及び統計資料に依拠した。
私共の意見は、当該事項に関して修正されていない。
財務書類に対する経営者の責任
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当行の経営者は、輸出入銀行法及び同法に基づき定められた規則に従って財務書類を作成し適正に表示し、不
正又は誤謬であるかを問わず、重要な虚偽表示のない財務書類を作成するために経営者が必要と判断した内部
統 制に対する責任を負う。
財務書類を作成するにあたり、経営者は、継続企業として存続する当行の能力を評価し、適用ある場合に継続
企業に関する事項を開示し、また、経営者が当行を清算する若しくは業務を停止する意図がある又はそうする
以外に現実的な代替案がないと判断しない限り、継続企業の前提を用いた会計処理を行う責任を負う。ガバナ
ンスの責任者は、当行の財務報告プロセスを監督する責任を負う。
財務書類の監査に対する監査人の責任
私共の目的は、財務書類全体に不正又は誤謬であるかを問わず、重要な虚偽表示がないかどうかの合理的な保
証を得ることにあり、私共の意見を含む監査報告書を発行することにある。合理的な保証とは高い水準の保証
であるが、監査基準に従って実施される監査が、重要な虚偽表示が存在する場合に常にそれを発見するという
保証ではない。虚偽表示は、不正又は誤謬から生じる可能性があり、これらの財務書類を基礎とした利用者の
経済的意思決定に影響を与えることが、個別に又は全体として合理的に予想される場合に、重要であると判断
される。監査基準に基づく監査の一環として、私共は専門的な判断を行い、監査を通じて専門家としての懐疑
心を保持している。私共はさらに：
・不正又は誤謬であるかを問わず、財務書類の重要な虚偽表示のリスクを特定し、評価し、それらのリスクに
対応した監査手続を設計し、実施し、私共の意見の基礎を提供する上で十分かつ適切な監査証拠を入手す
る。不正は、談合、偽造、意図的な漏れ、誤表記又は内部統制の無視に関わる可能性があることから、不正
により生じる重要な虚偽表示を検出しないリスクは、誤謬により生じる重要な虚偽表示を検出しないリスク
よりも高い。
・状況に応じた適切な監査手続きを設計するために、監査に関連する内部統制を理解する。
・経営者が採用した会計方針の適切性及び会計上の見積り及び関連する開示の合理性を評価する。
・継続企業の前提を用いた経営者の会計処理の適切性、並びに入手した監査証拠に基づき、継続企業としての
当行の能力に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関連する重要な不確実性が存在するかどうかを
結論付ける。重要な不確実性が存在すると私共が結論づけた場合には、財務書類における関連する開示につ
いて、私共の監査報告書において注意を喚起し、あるいは、かかる開示が不十分である場合には、私共の意
見を修正しなければならない。私共の結論は、私共の監査報告書の日付までに入手した監査証拠に基づいて
いる。しかしながら、将来の事象又は状況によっては、当行が継続企業としての地位を継続できなくなる可
能性がある。
・開示を含む財務書類全体の表示、構成及び内容並びに財務書類が基礎となる取引及び事象を公正な表示を達
成する方法で表示しているかどうかを評価する。
私共は、とりわけ計画された監査の範囲及び時期並びに監査中に私共が特定した内部統制における重要な欠陥
を含む重要な監査所見に関して、ガバナンスの責任者と意思疎通を図る。
私共はまた、ガバナンスの責任者に対して、私共が独立性に関する倫理的要件を遵守している旨の報告書を提
供し、また私共の独立性に合理的に影響を与えると考えられるすべての関係及びその他の事項並びに該当する
場合には関連する予防策について、情報を提供している。
その他の法的及び規制上の要件に関する報告
貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書は、2020年インド輸出入銀行一般規則の明細表Ⅰ、Ⅱ及
びⅢに基づき作成されている。
私共は、さらに以下のとおり報告する：
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有価証券報告書
ⅰ. 私共は、私共の監査の目的上、私共が知り、信じる限りにおいて必要なすべての情報及び説明を求め、入
手し、それらが満足できるものであることを確認した。
ⅱ. 本報告書で取扱う貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書は、会計帳簿と一致している。
ⅲ. 私共の知る当行の取引は、当行の権限の範囲内にあった。
ⅳ. 私共の監査の目的上、当行の事務所及び海外支店から受領した会計報告書、情報及び統計資料は適切であ
ると判断された。
ⅴ. 私共の意見において、本報告書が取扱う上記の財務書類は、適用ある会計基準に準拠している。
JCR & CO.
勅許会計士
会計事務所登録番号 105270W
CA Mitesh Chheda
パートナー
会員番号 - 160688
UDIN: 21160688AAAAEU2953
ムンバイ
2021年５月18日
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独立監査人の監査報告書
インド大統領 殿
監査済財務書類に関する報告書
意見
私共は、「インド輸出入銀行」（以下「当行」という。）の添付の輸出開発基金の財務書類、すなわち、2021
年３月31日現在の貸借対照表及び同日をもって終了した事業年度の損益計算書並びに重要な会計方針の要約及
びその他の説明情報を含んだ財務書類注記から構成される財務書類について監査を行った。
私共の意見によれば、また私共の知り得る限り、かつ私共に対してなされた説明に従い、添付の財務書類は、
2020年インド輸出入銀行一般規則第14条（ⅱ）及びインドにおいて一般に公正妥当と認められる会計原則に従
い、2021年３月31日現在の当行の財務状態並びに同日をもって終了した事業年度の財務実績ついて、真実かつ
公正な概観を提供している。
意見の基礎
私共は、インド勅許会計士協会（ICAI）が公表した監査基準に準拠して監査を行った。これらの基準に基づく
私共の責任は、本報告書の「財務書類の監査における監査人の責任」の項目においてさらに記載されている。
私共は、ICAIが公表した倫理規範に従い、当行から独立している。私共は、私共が入手した監査証拠は、意見
の基礎を提供する上で十分かつ適切であると判断している。
その他の情報
その他の情報については、当行の理事会がその責任を負っている。その他の情報は、理事会報告書、事業活動
全般、経営及びコーポレート・ガバナンスに記載されている情報で構成されるが、財務書類及び財務書類に関
する私共の監査報告書は含まれていない。
財務書類に関する私共の意見は、その他の情報を対象にしておらず、また、私共はそれらに対する保証又は結
論を表明するものではない。財務書類の監査に関連して、私共の責任は、上記に特定されたその他の情報を読
むことであり、それにより、その他の情報が財務書類と著しく矛盾していないか、また監査において私共が入
手した情報に重要な虚偽表示がないかどうかを検討することである。
私共は、本監査報告書の日付より前に入手したその他の情報について実施した作業に基づき、その他の情報に
重要な虚偽表示があると結論づけた場合には、その事実の報告しなければならない。この点について、私共が
報告すべきことはない。
私共が年次報告書を読んだ結果、重要な虚偽表示があると判断した場合には、私共はガバナンスの責任者に報
告する。
その他の事項
本報告書に記載された意見には、COVID-19により引起こされた物理的移動に対する制約のために、当行の経営
者が電子的手段で私共に提供し、私共が依拠した情報、事実及びデータが含まれている。
私共の意見は、当該事項に関して修正されていない。
財務書類に対する経営者の責任
当行の経営者は、輸出入銀行法及び同法に基づき定められた規則に従って財務書類を作成し適正に表示し、不
正又は誤謬であるかを問わず、重要な虚偽表示のない財務書類を作成するために経営者が必要と判断した内部
統制に対する責任を負う。
財務書類を作成するにあたり、経営者は、継続企業として存続する当行の能力を評価し、適用ある場合に継続
企業に関する事項を開示し、また、インド政府が当行を清算する若しくは業務を停止する意図がある又はそう
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インド輸出入銀行(E06110)
有価証券報告書
する以外に現実的な代替案がないと判断しない限り、継続企業の前提を用いた会計処理を行う責任を負う。ガ
バナンスの責任者は、当行の財務報告プロセスを監督する責任を負う。
財務書類の監査に対する監査人の責任
私共の目的は、財務書類全体に不正又は誤謬であるかを問わず、重要な虚偽表示がないかどうかの合理的な保
証を得ることにあり、私共の意見を含む監査報告書を発行することにある。合理的な保証とは高い水準の保証
であるが、監査基準に従って実施される監査が、重要な虚偽表示が存在する場合に常にそれを発見するという
保証ではない。虚偽表示は、不正又は誤謬から生じる可能性があり、これらの財務書類を基礎とした利用者の
経済的意思決定に影響を与えることが、個別に又は全体として合理的に予想される場合に、重要であると判断
される。監査基準に基づく監査の一環として、私共は専門的な判断を行い、監査を通じて専門家としての懐疑
心を保持している。私共はさらに：
・不正又は誤謬であるかを問わず、財務書類の重要な虚偽表示のリスクを特定し、評価し、それらのリスクに
対応した監査手続を設計し、実施し、私共の意見の基礎を提供する上で十分かつ適切な監査証拠を入手す
る。不正は、談合、偽造、意図的な漏れ、誤表記又は内部統制の無視に関わる可能性があることから、不正
により生じる重要な虚偽表示を検出しないリスクは、誤謬により生じる重要な虚偽表示を検出しないリスク
よりも高い。
・状況に応じた適切な監査手続きを設計するために、監査に関連する内部統制を理解する。
・経営者が採用した会計方針の適切性及び会計上の見積り及び関連する開示の合理性を評価する。
・継続企業の前提を用いた経営者の会計処理の適切性、並びに入手した監査証拠に基づき、継続企業としての
当行の能力に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関連する重要な不確実性が存在するかどうかを
結論付ける。重要な不確実性が存在すると私共が結論づけた場合には、財務書類における関連する開示につ
いて、私共の監査報告書において注意を喚起し、あるいは、かかる開示が不十分である場合には、私共の意
見を修正しなければならない。私共の結論は、私共の監査報告書の日付までに入手した監査証拠に基づいて
いる。しかしながら、将来の事象又は状況によっては、当基金が継続企業としての地位を継続できなくなる
可能性がある。
・開示を含む財務書類全体の表示、構成及び内容並びに財務書類が基礎となる取引及び事象を公正な表示を達
成する方法で表示しているかどうかを評価する。
私共は、とりわけ計画された監査の範囲及び時期並びに監査中に私共が特定した内部統制における重要な欠陥
を含む重要な監査所見に関して、ガバナンスの責任者と意思疎通を図る。
私共はまた、ガバナンスの責任者に対して、私共が独立性に関する倫理的要件を遵守している旨の報告書を提
供し、また私共の独立性に合理的に影響を与えると考えられるすべての関係及びその他の事項並びに該当する
場合には関連する予防策について、情報を提供している。
その他の法的及び規制上の要件に関する報告
貸借対照表及び損益計算書は、2020年インド輸出入銀行一般規則の明細表ⅠA及びⅡAに基づき作成されてい
る。
私共は、さらに以下のとおり報告する：
ⅰ. 私共は、私共の監査の目的上、私共が知り、信じる限りにおいて必要なすべての情報及び説明を求め、入
手し、それらが満足できるものであることを確認した。
ⅱ. 私共の意見において、本報告書で取扱う貸借対照表及び損益計算書は、会計帳簿と一致している。
39/106
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インド輸出入銀行(E06110)
有価証券報告書
ⅲ. 私共の知る当行の取引は、当行の権限の範囲内にあった。
ⅳ. 私共の意見において、本報告書が取扱う上記の財務書類は、適用ある会計基準に準拠している。
JCR & CO.
勅許会計士
会計事務所登録番号 105270W
CA Mitesh Chheda
パートナー
会員番号 - 160688
UDIN: 21160688AAAAEV7577
ムンバイ
2021年５月18日
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有価証券報告書
2021年３月31日現在の貸借対照表並びに2020/21年度の損益計算書及びキャッシュフロー計算書
一般基金
2021年３月31日現在の貸借対照表
当期 前期
(2021年3月31日現在) (2020年3月31日現在)
負債の部 明細表
（単位：ルピー）
1. 資本金 Ⅰ 151,593,663,881 138,593,663,881
2. 準備金 Ⅱ 26,543,243,671 24,257,259,181
3. 損益勘定 Ⅲ 253,900,000 123,900,000
4. 債券 965,345,341,400 906,280,902,600
5. 支払手形 - -
6. 預り金 Ⅳ 2,051,739,943 2,348,776,136
7. 借入金 Ⅴ 128,772,977,903 143,067,005,089
8. 流動負債及び偶発債務引当金 33,014,055,544 31,337,589,965
9. その他の負債 40,441,231,470 62,398,347,751
合 計
1,348,016,153,812 1,308,407,444,603
資産の部
1. 現金及び銀行預金 Ⅵ
144,922,665,318 128,790,544,979
2. 投資 Ⅶ 100,172,242,817 108,370,660,101
3. 貸付及び前払金 Ⅷ 1,024,413,455,089 980,515,012,545
4. 割引/再割引された為替手形及び約束手形 Ⅸ 14,100,000,000 13,950,000,000
5. 固定資産 Ⅹ 3,959,149,600 3,729,129,019
Ⅺ
6. その他の資産 60,448,640,988 73,052,097,959
合 計
1,348,016,153,812 1,308,407,444,603
偶発債務
（ⅰ）引受、保証、裏書及びその他の債務 136,925,745,884 145,486,078,032
（ⅱ）未決済先渡為替取引 1,504,006,991 4,925,978,657
（ⅲ）引受額 - -
（ⅳ）一部払込済投資の未請求債務 180,035,910 178,542,365
（ⅴ）債務として認識されていない当行に対する請求権 7,752,500,000 9,408,600,000
（ⅵ）取立手形 - -
（ⅶ）参加証書 - -
（ⅷ）割引／再割引手形 - -
（ⅸ）当行が偶発債務を負担するその他金銭 5,580,808,626 11,049,905,466
合 計
151,943,097,411 171,049,104,520
「財務書類の注記」が添付されている。
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有価証券報告書
一般基金
2021年３月31日に終了した事業年度の損益計算書
当期 前期
(2020/21年度) (2019/20年度)
支出 明細表
（単位：ルピー）
1. 利子 54,181,896,186 62,519,630,086
2. 信用保険、手数料及び料金 736,601,198 573,869,341
3. 職員俸給、手当等及び退職金 946,231,917 855,494,692
4. 理事及び委員会構成員報酬及び費用 - -
5. 監査費用 1,198,100 1,198,100
6. 賃料、税、電力及び保険料 233,717,376 224,564,022
7. 通信費 50,891,039 51,215,211
8. 訴訟費用 50,210,455 77,237,262
9. その他の費用 ⅩⅡ 926,601,821 1,563,917,056
10.減価償却費 401,966,573 350,003,968
11.貸倒引当金/偶発債務引当金、投資の減損引当金 24,671,675,118 17,875,849,648
12.繰延利益 3,563,241,717 2,437,432,706
合 計
85,764,231,500 86,530,412,092
法人税引当金（776,148,307ルピーの繰延税金を控除
（前期：1,429,270,589ルピーの繰延税金を含む。）) 1,023,357,227 1,198,945,128
貸借対照表繰入利益額 2,539,884,490 1,238,487,578
3,563,241,717 2,437,432,706
収入
1. 受取利息及び割引料 ⅩⅢ 79,798,063,740 82,463,660,553
2. 為替、歩合、仲介料及び手数料 2,501,882,725 2,321,411,488
3. その他の収入 ⅩⅣ 3,464,285,035 1,745,340,051
合 計
85,764,231,500 86,530,412,092
繰延利益 3,563,241,717 2,437,432,706
過年度超過所得／利子税引当金戻入れ - -
3,563,241,717 2,437,432,706
「財務書類の注記」が添付されている。
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インド輸出入銀行(E06110)
有価証券報告書
一般基金
2021年３月31日に終了した事業年度のキャッシュフロー計算書
当期 前期
（2020/21年度） (2019/20年度)
（監査済） （監査済）
内容
(単位：百万ルピー)
営業活動からのキャッシュフロー
税引前及び特別項目前当期利益/(損失) 3,563.2 2,437.4
調整
－ 固定資産の売却による(利益)/損失(純額) 0.1 (1.4)
－ 投資の売却による(利益)/損失(純額) (2,715.9) (1,364.2)
－ 減価償却費 402.0 350.0
－ 債券発行の割引料/発行費の償却 224.0 180.9
－ 投資変動準備金からの移転 - -
－ 貸付/投資の引当金/償却並びにその他の引当金 24,671.7 17,875.8
－ その他 - -
26,145.1 19,478.8
調整
－ その他の資産 (41,656.5) (587.4)
－ 流動負債 (45,233.8) (2,677.3)
営業活動からの現金
(60,745.3) 16,213.9
法人税/利子税の支払 53,991.7 1,089.8
営業活動からのキャッシュフロー（純額）(A)
(6,753.6) 17,303.6
投資活動からのキャッシュフロー
－ 固定資産の購入（純額） (632.1) (1,800.3)
－ 投資の変動（純額） 10,914.3 (13,732.6)
投資活動に使用された/からのキャッシュフロー（純額）(B)
10,282.3 (15,532.9)
財務活動からのキャッシュフロー
－ 資本注入 13,000.0 15,000.0
－ 借入金（返済済みを控除後の純額） 43,775.8 128,275.5
－ 貸付金、割引及び再割引された手形 (44,048.4) (58,293.5)
（返済済みを控除後の純額）
－ 株式配当及び配当税 (123.9) (81.7)
（中央政府に移転された当期利益残高）
財務活動に使用された/からのキャッシュフロー（純額）(C)
12,603.5 84,900.3
現金及び現金等価物の純増/(純減) (A+B+C) 16,132.1 86,671.0
期首現在の現金及び現金等価物 128,790.5 42,119.5
期末現在の現金及び現金等価物 144,922.7 128,790.5
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有価証券報告書
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有価証券報告書
理事会を代表して
Shri N. Ramesh
Ms. Harsha Bangari Shri David Rasquinha
副マネージング・
副マネージング・ マネージング・ディレクター
ディレクター
ディレクター
Shri Rajat Sachar
Shri Amitabh Kumar
Shri Pankaj Jain
Shri K. Rajaraman
Shri R. Subramanian
Shri Rajkiran Rai G.
Shri M. Senthilnathan
Shri Dinesh Kumar Khara
Shri A. S. Rajeev
同日の添付報告書の通り
JCR & Co.
場所：ムンバイ
勅許会計士
日付：2021年５月18日
会計事務所登録番号
105270W
(CA Mitesh Chheda)
パートナー
M. No. 160688
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インド輸出入銀行(E06110)
有価証券報告書
一般基金
2021年３月31日現在の貸借対照表の明細表
当期 前期
（2021年3月31日現在） （2020年3月31日現在）
（単位：ルピー）
明細表Ⅰ: 資本金：
１．授権資本 200,000,000,000 200,000,000,000
２．発行済かつ払込済資本
（全額中央政府の引受） 151,593,663,881 138,593,663,881
明細表Ⅱ: 準備金：
１．準備基金 9,008,628,207 8,470,943,717
２．一般準備金 - -
３．その他の準備金：
投資変動準備金 1,939,296,400 190,996,400
減債基金（クレジット・ライン） 1,955,319,064 1,955,319,064
４．1961年所得税法第36条(1)(ⅷ)に基づく
13,640,000,000 13,640,000,000
特別準備金
26,543,243,671 24,257,259,181
明細表Ⅲ: 損益勘定：
１．添付損益計算書の残高 2,539,884,490 1,238,487,578
２．差引：処分
－ 準備基金への繰入 537,684,490 923,591,178
－ 投資変動準備金への繰入 1,748,300,000 190,996,400
－ 減債基金への繰入 - -
－ 1961年所得税法第36条(1)(ⅷ)に
基づく特別準備金への繰入 - -
３．当期利益残高（1981年インド輸出入銀行
- -
法第23条(2)により中央政府に移転可能）
253,900,000 123,900,000
明細表Ⅳ: 預り金：
(a) インド国内 2,051,739,943 2,348,776,136
(b) インド国外 - -
2,051,739,943 2,348,776,136
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インド輸出入銀行(E06110)
有価証券報告書
当期 前期
（2021年3月31日現在） （2020年3月31日現在）
（単位：ルピー）
明細表Ⅴ: 借入金：
１．インド準備銀行からの借入
(a) 受託証券を担保とするもの - -
(b) 為替手形の振出しによるもの - -
(c) 国家産業信用（長期信用業務）
基金からの借入 - -
２．インド政府からの借入 - -
３．その他の提供者からの借入:
(a) インド国内 - 33,499,037,358
(b) インド国外 128,772,977,903 109,567,967,731
128,772,977,903 143,067,005,089
明細表Ⅵ: 現金及び銀行預金：
１．手元現金 1,482,382 609,591
２．インド準備銀行における預金残高 191,813,444 3,008,861,307
３．その他の銀行における預金残高
(a) インド国内
(ⅰ) 当座勘定 6,743,703,578 4,916,751,451
(ⅱ) その他の預金勘定 21,000,000,000 30,000,000,000
(b) インド国外 111,088,386,576 90,864,322,630
４．コールマネー及び短期通知貸
5,897,279,338 -
/CBLO/TREPSに基づく貸付
144,922,665,318 128,790,544,979
明細表Ⅶ: 投資：
(価値の減少(もしあれば)を控除後の純額)
１．中央政府及び州政府の証券 93,573,740,000 88,161,170,750
２．株式 1,734,555,661 1,395,373,789
３．優先株式 - -
４．債券、社債 4,863,947,156 6,284,092,933
５．その他 - 12,530,022,629
100,172,242,817 108,370,660,101
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有価証券報告書
当期 前期
（2021年3月31日現在） （2020年3月31日現在）
（単位：ルピー）
明細表Ⅷ: 貸付及び前払金：
１．外国政府 478,222,803,060 466,728,007,276
２．銀行
(a)インド国内 93,159,800,000 33,844,251,000
(b)インド国外 1,090,304,683 907,980,000
３．金融機関
(a)インド国内 - -
(b)インド国外 50,921,812,932 50,754,924,226
４．その他 401,018,734,414 428,279,850,043
1,024,413,455,089 980,515,012,545
明細表Ⅸ: 割引/再割引された為替手形及び約束手形：
(a) インド国内 14,100,000,000 13,950,000,000
(b) インド国外 - -
14,100,000,000 13,950,000,000
明細表Ⅹ: 固定資産：
（減価償却額控除後の原価）
１．不動産
グロス・ベース 4,767,405,894 3,115,385,721
当期中の追加 352,677,924 1,652,020,173
当期中の処分 - -
期末現在のグロス・ベース額
5,120,083,818 4,767,405,894
減価償却累計額 1,477,013,450 1,245,139,947
正味ベース
3,643,070,368 3,522,265,947
２．その他
グロス・ベース 1,185,896,824 1,051,414,176
当期中の追加 281,394,653 151,634,962
当期中の処分 34,830,444 17,152,408
期末現在のグロス・ベース額
1,432,461,033 1,185,896,730
減価償却累計額 1,116,381,801 979,033,658
正味ベース
316,079,232 206,863,072
3,959,149,600 3,729,129,019
明細表Ⅺ: その他の資産：
１．未収利息
(a) 投資/銀行預金 11,377,940,070 8,654,668,858
(b) 貸付及び前払金 6,026,583,840 21,960,025,806
２．その他の預金 57,572,733 57,806,538
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有価証券報告書
３．前払法人税（純額） 4,588,507,286 7,200,365,035
４．その他（30,557,999,846ルピーの繰延税
金資産を含む。（前期： 31,334,148,153
38,398,037,059 35,179,231,722
ルピー））
60,448,640,988 73,052,097,959
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有価証券報告書
当期 前期
（2021年3月31日現在） （2020年3月31日現在）
（単位：ルピー）
明細表ⅩⅡ: その他の費用：
１．輸出促進費用 4,885,349 19,712,035
２．データ処理費用及び関連費用 4,967,419 1,282,721
３．修繕維持費 300,311,862 239,923,903
４．印刷及び事務用品 6,612,095 10,105,161
５．その他 609,825,096 1,292,893,236
926,601,821 1,563,917,056
明細表ⅩⅢ: 受取利息及び割引料：
１．貸付及び前払金/割引及び再割引手形に
対する受取利息及び割引料 43,788,660,137 54,506,029,521
２．投資及び銀行預金に対する受取利息 36,009,403,603 27,957,631,032
79,798,063,740 82,463,660,553
明細表ⅩⅣ: その他の収入：
１．投資の売却/再評価による純利益 2,715,922,640 1,364,165,845
２．土地、建物及びその他資産の売却
による純利益 (81,867) 1,425,973
３．その他 748,444,262 379,748,233
3,464,285,035 1,745,340,051
注： 「負債の部」の「預り金」（明細表Ⅳ(a)を参照。）は、取引相手の銀行/機関によりそれと対応関係にあるルピー建の預り金/債券
に対応して当行に預けられている「オンショア」の外貨建の預り金である総額1,876万米ドル（前期:2,450万米ドル）を含む。
「資産の部」の「投資」（明細表Ⅶ4を参照。）は、スワップによる総額８億6,000万ルピー（前期:11億2,000万ルピー）の債券を
含む。
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有価証券報告書
重要な会計方針及び財務書類の注記
Ⅰ 重要な会計方針
（ⅰ）財務書類
a）作成の基礎
インド輸出入銀行（一般基金及び輸出開発基金）の貸借対照表及び損益計算書は、インドにおいて認め
られている会計原則に従って作成されている。財務書類は、別段の記載がない限り、発生主義による取
得原価主義に基づき作成されている。輸出入銀行により採用されている会計方針は、前年度に採用され
たものと合致している。輸出入銀行の貸借対照表及び損益計算書が作成される様式及び方法は1981年イ
ンド輸出入銀行法（1981年法律第28号）第39条(2)に基づきインド政府の事前承認を得て、理事会が承認
した2020年インド輸出入銀行一般規則において規定されている。一定の重要な財務上の比率／データ
は、2016年６月23日付のインド準備銀行（以下「準備銀行」という。）基本指示
DBR.FID.No.108/01.02.000/2015-16により「財務書類の注記」の一部として開示される。
b）見積りの利用
一般に認められている会計原則に準拠した財務書類の作成にあたり、経営陣には、財務書類の日付現在
の（偶発債務を含む）資産及び負債並びに引当金の報告金額並びに報告期間中の報告された収入及び支
出において考慮される見積り及び仮定を用いることが求められる。経営陣は、財務書類の作成にあたり
用いられた見積りは、慎重かつ合理的なものであると確信している。
（ⅱ）収入の認識
収入／支出は発生主義により認識される。ただし、不稼動資産（NPA）、不稼働投資及び不良資産全体に
おける利息、戦略的債務再編に基づく貸付に係る利子、手数料収入、コミッション、約定料及び配当金
はこの限りでなく、これらは現金主義により計上される。NPAは全インドの金融機関に対して発布された
準備銀行指針により定められる。輸出入銀行債券に対して提供されるディスカウント／プレミアムは当
該債券の存続期間にわたって償却され、支払利息に含まれる。
（ⅲ）資産の分類及び引当て
貸借対照表に計上される貸付及び前払金は、不稼動資産（NPA）に対する引当金控除後の残存している元
本のみで構成される。受取利息債権は「その他の資産」に分類されている。
貸付資産は、信用力の程度及び債権資金化のための担保依存度を考慮して、正常資産、非正常資産、不
良資産及び損失資産に分類されている。貸付資産の分類及び引当ては全インドの金融機関に対して発布
された準備銀行指針により行われている。
（ⅳ）投資
すべての投資ポートフォリオは以下の３つのカテゴリーに分類されている。
(a) 「満期保有目的」（満期まで保有することを意図して取得した有価証券）、
(b) 「売買目的」（短期の価格／金利の変動等の利点を利用して売買することを意図して取得した有価証
券）、及び
(c) 「売却可能」（その他の投資）。
投資はさらに以下のように分類される。
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有価証券報告書
ⅰ）政府有価証券、
ⅱ）その他の承認を受けた有価証券、
ⅲ）株式、
ⅳ）社債及び債務証書、
ⅴ）子会社／合弁事業、
ⅵ）その他（コマーシャル・ペーパー、投資信託口等）
種々の投資商品の分類、カテゴリー化、カテゴリーの変更並びに投資の評価及び引当ては、準備銀行が
全インドの金融機関に対して定めた基準に従って行われている。
（ⅴ）固定資産及び減価償却費
(a) 固定資産は取得原価から減価償却累計額を控除して表示される。
(b) 減価償却費は定額法により、以下の減価償却率で計上される。
資産 減価償却率
所有建物 5％
什器備品 25％
オフィス設備 25％
その他の電気設備 25％
コンピュータ及びコンピュータ・ソフトウェア 25％
自動車 25％
携帯電話及びその他の電子機器
33.33％
（技術的陳腐化の速度が速いもの）
(c) 事業年度中において取得した資産については、減価償却費は購入した当該年度の全期間にわたり計上
され、事業年度中において売却した資産については、減価償却費は売却した年度においては計上され
ない。
(d) 減価償却資産が処分、放棄、解体若しくは廃棄される場合は、剰余分若しくは不足分の純額は損益計
算書において調整される。
（ⅵ）減損
資産の帳簿価格は、内部／外部の要因に基づき、資産価値の減損処理を行い、又は（場合により）過年
度に認識された減損損失を戻入れるため、各貸借対照表日付現在で見直される。減損損失は、資産の帳
簿価格が回収可能な金額を上回った場合に認識される。
（ⅶ）外貨建取引の会計
(a) 外貨建資産及び負債は期末においてインド外国為替取引業協会（FEDAI）により通知される為替レー
トにより換算される。
(b) 収入及び支出項目は事業年度中における平均為替レートにより換算される。
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有価証券報告書
(c) 未決済為替契約は特定の満期時にFEDAIにより通知される為替レートにより再評価され、その結果生
ずる利益／損失は損益計算書に計上される。
(d) 保証、引受、裏書及びその他の債務に関する偶発債務は期末においてFEDAIにより通知される為替
レートにより表示される。
（ⅷ）保証
保証に対する引当てはプロジェクトの完成までにおける損失の見込みを考慮して、インド輸出信用保証
会社（ECGC）の保険によりカバーされていない部分について計上されている。
（ⅸ）デリバティブ
当行は現在、金利スワップ、通貨スワップ、クロスカレンシー金利スワップ及び金利先渡契約等、当行
の資産及び負債をヘッジするためのデリバティブ契約を扱っている。準備銀行の指針に基づき、ヘッジ
目的で行われた上記のデリバティブは、発生主義で計上されている。、残存しているデリバティブ契約
に関する定性的及び定量的開示は、準備銀行の基本指示「全インドの金融機関の表示、開示及び報告基
準」に従って、貸借対照表日付現在で「財務書類の注記」にて報告されている。
（ⅹ）職員給付引当金
(a) 準備基金、給与基金及び年金基金は、当行によって管理される確定給付制度であり、これらの基金に
対する当行の拠出金は、当該年度の損益計算書に繰入れられる。
(b) 給与及び年金は、確定給付債務である。これらの債務は、予測単位積増方式で、各会計年度末に保険
数理評価基準により引き当てられる。
(c) 有給休暇の現金化給付債務は保険数理評価基準により期末に引き当てられる。
（ⅺ）法人税の会計
(a) 法人税引当金は関連法律に基づき納付すべき税金に基づき、留保されている。
(b) 課税所得と会計所得との一時差異に基づく繰延税金は、貸借対照表日付現在に制定若しくは実質的に
制定されている税率及び税法を用いて計上される。繰延税金資産は実現が事実上確実である範囲に限
り認識されている。
（ⅻ）引当金、偶発債務及び偶発資産
インド公認会計士協会（ICAI）により公表されているAS-29「引当金、偶発債務及び偶発資産」により、
当行は、過去の事象の結果として現時点で当行が債務を負っており、債務の決済のためには経済的便益
を有する資源が流出する可能性が高く、かつ、債務額を信頼しうる方法で見積もることができる場合に
のみ引当金を認識する。
偶発債務は、経済的便益を有する資源が流出する可能性がほとんどない場合でない限り、開示される。
偶発資産は、財務書類で認識されることも、開示されることもない。
（xⅲ）インド会計基準（インドAS）実施の延期
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有価証券報告書
2016年８月４日付の準備銀行の通達により、インド会計基準（インドAS）が、2018年４月１日に開始す
る会計期間より、2018年３月31日に終了する期間にかかる比較情報と共に、全ての銀行、ノンバンク金
融事業会社（NBFC）及び全インド金融機関（AIFI）に適用された。準備銀行は、輸出入銀行に宛てた
2019 年５月15日付の書簡により、今後の通知までAIFIによるインドASの実施の延期を伝えた。
Ⅱ 財務書類の注記 ― 一般基金
１．代理人勘定
輸出入銀行は、インドの請負業者に関してイラクにおける一定の取引を円滑にするため、代理人の資格にお
いてのみ活動しているため、インド政府（GOI）に譲渡された金額454億ルピー（前期: 469億9,000万ルピー）
を含め、当行に通知済の代理人勘定に保管された502億5,000万ルピー（前期520億ルピー）に相当する外貨建債
権は上記の貸借対照表には含まれていない。
２．所得税
当行の資本は全額中央政府により引受けられており、当行自身はいかなる株式資本も保有しない。1981年イ
ンド輸出入銀行法第23条(2)により中央政府に移転可能な当期利益残高は配当金と定められていない。この結
果、2006年12月18日付のITA No.2025/Mum/2000号事件において国税上訴裁判所（ITAT）により下された判決に
より配当税は納付不要とされ、それ以降配当税に対して引当金は計上されていない。
３．(a) 偶発債務
保証は帳簿上消去されていない期限経過済み保証額６億7,000万ルピー（前期:12億ルピー）を含む。
(b) 債務として認識されていない請求権
「債務として認識されていない当行に対する請求権」として偶発債務に記載されている金額77億5,000万ルピー
（前期:94億1,000万ルピー）は、当行が当行の債務不履行借主に対して提起した訴訟に対応して、かかる借主
が当行に対して提起した請求／反対請求に関連するものがほとんどである。かかる請求／反対請求のいずれも
当行の弁護人の見解によれば維持できないものと考えられ、かかる請求／反対請求のいずれも最終審理の段階
に至っていない。専門家の助言に基づき、いかなる引当ても必要とは考えられない。
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(c) 先渡為替取引、通貨／金利スワップ
(ⅰ) 2021年３月31日現在の未決済先渡為替取引は全額ヘッジされている。輸出入銀行は、1999年７月７日付
及びその後の通達MPD.BC.187/07.01.279/1999-2000により発布された準備銀行の指針に従い資産・負債
管理を目的として、デリバティブ取引（金利スワップ、金利先渡契約及び通貨金利スワップ）を行って
いる。また、輸出入銀行は、要求がある場合又は市場の状態に基づきそれらの取引の解消及び再開を行
う。未決済のデリバティブ取引は、資産・負債管理委員会（ALCO）により監視され、理事会により審査
される金利感応度の状態により捕捉される。デリバティブの信用リスク相当額は、準備銀行により規定
された「カレント・エクスポージャー」方式に従い算出される。デリバティブの公正価額及び１ベーシ
ス・ポイントの変化に対する価格価値への影響（PV01）は、準備銀行により規定されるとおり、「財務
書類の注記」中に個別に開示されている。先渡為替取引の開始日に発生するプレミアム又はディスカウ
ントは、取引期間にわたって償却される。先渡為替取引の解約において発生した利益又は損失は、当該
年度の収入又は支出として認識される。
(ⅱ) 当行は、顧客及び非顧客に対する外貨とルピー間の長期スワップの提供における「マーケット・メー
カー（値付け業者）」となることを認められている。
(d) 為替変動による利益/損失
外貨建の資産又は負債は、期末においてインド外国為替取引業協会（FEDAI）により通知される為替レートによ
り換算される。収入及び支出項目は事業年度における平均為替レートにより換算される。当期の外貨建て取引
における利益剰余金の上記の換算による想定利益は8,000万ルピー（前期は５億3,000万ルピーの想定損失）で
あった。
４．2006年零細・中小企業法に基づく零細・中小企業に関する開示：零細・中小企業に対する支払遅延の報告
例は存在していない。
５．インド準備銀行により要求される追加情報
5.1．資本金
(a)
（単位：十億ルピー）
内容 2021年3月31日現在 2020年3月31日現在
(ⅰ) 株主資本 139.58 126.86
その他Tier 1資本
(ⅱ) 5.00 5.00
Tier 1資本合計(ⅰ+ⅱ)
(ⅲ) 144.58 131.86
Tier 2資本
(ⅳ) 11.42 10.10
資本合計(Tier 1 + Tier 2)
(ⅴ) 156.00 141.96
(ⅵ) リスク資産合計(RWAs) 602.47 705.18
株主資本比率(RWAsに対する株主資本の
(ⅶ) 23.17％ 17.99％
比率)
Tier 1比率(RWAsに対するTier 1資本の
(ⅷ) 24.00％ 18.70％
比率)
自己資本比率（CRAR）(RWAsに対する資本
(ⅸ) 25.89％ 20.13％
合計の比率)
(ⅹ) インド政府による当行の株式所有比率 100％ 100％
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(ⅺ) インド政府により注入された株主資本 13.00 15.00
Tier 1資本調達額：内訳
(ⅻ) なし なし
a)非累積永久優先株式（PNCPS）
なし なし
b)永久債券（PDI）
(xⅲ) Tier 2資本調達額：内訳
なし なし
a)負債性資本証券
なし なし
b)非累積永久優先株式（PNCPS）
なし なし
c)非累積償還可能優先株式（RNCPS）
なし なし
d)累積償還可能優先株式（RCPS）
(b) Tier２資本として2021年３月31日現在未償還で残存する劣後債務の金額はなし（前期: なし）である。
(c) リスク加重資産
（単位：十億ルピー）
内容 2021年3月31日現在 2020年3月31日現在
(ⅰ) 「オン」・バランス・シート項目 461.85 544.47
(ⅱ) 「オフ」・バランス・シート項目 140.62 160.71
(d) 貸借対照表日付現在の株式保有形態： 全額インド政府による引受け
・ CRAR及びその他の関連指標は金融機関（FI）のために準備銀行が定める現行の自己資本基準により定
められている。
・ 準備銀行により指示される修正枠組み（バーゼルⅢ基準を含む。）はまだ草案の段階である。当行
は、バーゼルⅢ基準の発効日からCRAR決定のためにバーゼルⅢ基準を実施する予定であるが、準備銀
行による最終的な通知はまだである。
5.2 任意準備金及び引当金
(a) 正常資産に対する引当金
（単位：十億ルピー）
内容 （2020/21年度） （2019/20年度）
(ⅰ) 正常資産に対する引当金 0.87 1.10
(b) COVID-19規制パッケージに関する準備銀行通達に基づき引当金が計上された勘定に関する開示
「COVID-19規制パッケージ－資産の分類及び引当て」に関する2020年３月27日付の準備銀行通達
DOR.No.BP.BC.47/21.04.048/2019-20(以下「規制パッケージ」という。)、2020年４月17日付の
DOR.No.BP.BC.63/21.04.048/2019-20及び2020年５月８日付のDOR. FID.No.8140/01.02.000/2019-20に関し、貸
付機関は、支払猶予が与えられ、資産の分類による便益を与えられた勘定に関し計上した引当金を開示するこ
とを求められている。かかる引当金の詳細は以下の通りである。
（単位：十億ルピー）
内容 （2020/21年度） （2019/20年度）
借主の数 3 7
2021年３月31日現在の貸付金残高 0.5 2.84
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支払期限を過ぎた金額 0.001 0.075
資産の分類による便益を与えられた金額 0.5 2.84
引当金 0.05 0.14
(c) 変動引当金
（単位：十億ルピー）
内容 （2020/21年度） （2019/20年度）
(a) 期首の変動準備金勘定 - -
(b) 期中の変動準備金への割当て - -
(c) 期中の引出し額 - -
(d) 期末の変動準備金勘定 - -
5.3．資産の質及び個別引当金
(a) 不稼働前払金
（単位：十億ルピー）
内容 （2020/21年度） （2019/20年度）
(ⅰ) NPA（純額）の前払金（純額）に 0.51％ 1.77％
対する割合(％)
(ⅱ) NPA（総額）の変動
(a) 期首 93.62 116.78
(b) 期中の増加 14.92 21.06
(c) 期中の減少 34.41 44.22
(d) 期末 74.13 93.62
(ⅲ) NPA（純額）の変動
(a) 期首 17.57 22.88
(b) 期中の増加 5.33 9.03
(c) 期中の減少 17.57 14.34
(d) 期末 5.33 17.57
(ⅳ) NPA引当金の変動 (正常資産に係る
引当金を除く。)
(a) 期首 76.05 93.90
(b) 期中の引当金の積立て 24.71 20.88
(c) 超過引当金の償却/戻入れ 31.96 38.73
(d) 期末 68.80 76.05
(b) 不稼働投資（NPI）
（単位：十億ルピー）
内容 （2020/21年度） （2019/20年度）
(ⅰ) NPI（純額）の投資（純額）に 0.31％ 0.15％
対する割合(％)
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(ⅱ) NPI（総額）の変動
(a) 期首 6.02 5.55
(b) 期中の増加 1.69 0.67
(c) 期中の減少 0.66 0.20
(d) 期末 7.05 6.02
(ⅲ) NPI（純額）の変動
(a) 期首 0.17 0.34
(b) 期中の増加 0.19 0.05
(c) 期中の減少 0.05 0.22
(d) 期末 0.31 0.17
(ⅳ) NPI引当金の変動 (正常資産に係る
引当金を除く。)
(a) 期首 5.86 5.21
(b) 期中の引当金の積立て 0.99 0.84
(c) 超過引当金の償却/戻入れ 0.11 0.19
(d) 期末 6.74 5.86
(c) 不稼働資産(a+b)
（単位：十億ルピー）
内容 （2020/21年度） （2019/20年度）
(ⅰ) NPA（純額）の純資産（前払金 +
投資）に対する割合(％) 0.50％ 1.61％
(ⅱ) NPA（前払金（総額）+ 投資
（総額））の変動
(a) 期首 99.64 122.33
(b) 期中の増加 16.61 21.73
(c) 期中の減少 35.07 44.42
(d) 期末 81.18 99.64
(ⅲ) NPA（純額）の変動
(a) 期首 17.74 23.22
(b) 期中の増加 5.52 9.08
(c) 期中の減少 17.62 14.56
(d) 期末 5.64 17.74
(ⅳ) NPA引当金の変動 (正常資産に係る
引当金を除く。)
(a) 期首 81.91 99.11
(b) 期中の引当金の積立て 25.70 21.72
(c) 超過引当金の償却/戻入れ 32.07 38.92
(d) 期末 75.54 81.91
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5.4 再編された勘定の内容：当期
（単位：十億ルピー）
連
再編の種類 CDRメカニズムに基づく 中小企業（SME）債務再編メカニズムに基づく その他
続
細目 合計
番
資産の分類 正常 非正常 不良 損失 合計 正常 非正常 不良 損失 合計 正常 非正常 不良 損失 合計
号
1 当期初日現在の再編勘定(期首の金額) 借主の数 3 - 8 - 11 - - 2 - 2 3 - 9 - 12 25
残高 0.14 - 2.48 - 2.62 - - 0.01 - 0.01 2.45 - 8.60 - 11.05 13.68
引当金 0.07 - 2.48 - 2.55 - - 0.01 - 0.01 2.18 - 7.77 - 9.95 12.51
2 期中の新規再編/追加 借主の数 - - 1 - 1 - - - - - - - 3 - 3 4
残高 - - 0.06 - 0.06 - - - - - - - 2.13 - 2.13 2.19
引当金 - - 0.06 - 0.06 - - - - - - - 2.13 - 2.13 2.19
3 期中に再編正常分類に改善 借主の数 - - - - - - - - - - - - - - - -
残高 - - - - - - - - - - - - - - - -
引当金 - - - - - - - - - - - - - - - -
4 期末現在、引当金増額及び/又はリスク 借主の数 - - - - - - - - - - - - - - - -
加重の追加を中止した再編正常前貸
残高 - - - - - - - - - - - - - - - -
し。したがって、次期の期首に再編正
常前貸しとして表示の必要がないもの
引当金 - - - - - - - - - - - - - - - -
5 期中の再編勘定のダウングレード 借主の数 1 - 1 - 2 - - - - - 2 - - - 2 4
/減少
残高 0.07 - 1.20 - 1.27 - - - - - 2.22 - 1.52 - 3.74 5.01
引当金 0.03 - 1.20 - 1.23 - - - - - 2.15 - 0.69 - 2.84 4.08
6 期中の再編勘定の償却 借主の数 - - 3 - 3 - - 1 - 1 - - 2 - 2.00 6
残高 - - 0.31 - 0.31 - - - - - - - 0.75 - 0.75 1.06
引当金 - - 0.31 - 0.31 - - - - - - - 0.75 - 0.75 1.06
7 期末日現在の再編勘定 (期末の金額) 借主の数 2 - 5 - 7 - - 1 - 1 1 - 10 - 11 19
残高 0.08 - 1.02 - 1.10 - - 0.01 - 0.01 0.24 - 8.45 - 8.69 9.79
引当金 0.04 - 1.02 - 1.06 - - 0.01 - 0.01 0.03 - 8.45 - 8.49 9.55
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前期：
（単位：十億ルピー）
連
再編の種類 CDRメカニズムに基づく 中小企業（SME）債務再編メカニズムに基づく その他
続
細目 合計
番
資産の分類 正常 非正常 不良 損失 合計 正常 非正常 不良 損失 合計 正常 非正常 不良 損失 合計
号
1 当期初日現在の再編勘定(期首の金額) 借主の数 5 - 8 - 13 1 - 2 - 3 4 1 10 - 15 31
残高 1.41 - 2.81 - 4.22 0.01 - 0.02 - 0.03 2.55 1.14 7.87 - 11.56 15.81
引当金 0.34 - 2.74 - 3.08 0.002 - 0.02 - 0.02 0.40 0.22 5.64 - 6.26 9.36
2 期中の新規再編/追加 借主の数 - - 1 - 1 - - - - - - - 1 - 1 2
残高 - - 1.15 - 1.15 - - - - - - - 1.53 - 1.53 2.68
引当金 - - 1.15 - 1.15 - - - - - 1.80 - 2.80 - 4.60 5.75
3 期中に再編正常分類に改善 借主の数 - - - - - - - - - - - - - - - -
残高 - - - - - - - - - - - - - - - -
引当金 - - - - - - - - - - - - - - - -
4 期末現在、引当金増額及び/又はリス 借主の数 - - - - - - - - - - - - - - - -
ク加重の追加を中止した再編正常前貸
残高 - - - - - - - - - - - - - - - -
し。したがって、次期の期首に再編正
常前貸しとして表示の必要がないもの
引当金 - - - - - - - - - - - - - - - -
5 期中の再編勘定のダウングレード 借主の数 2 - 1 - 3 1 - - - 1 1 1 2 - 4 8
/減少
残高 1.26 - 1.48 - 2.74 0.01 - - - 0.01 0.10 1.14 0.82 - 2.06 4.81
引当金 0.27 - 1.41 - 1.68 0.002 - - - 0.002 0.03 0.22 0.68 - 0.93 2.61
6 期中の再編勘定の償却 借主の数 - - - - - - - - - - - - - - - -
残高 - - - - - - - - - - - - - - - -
引当金 - - - - - - - - - - - - - - - -
7 期末日現在の再編勘定 (期末の金額) 借主の数 3 - 8 - 11 - - 2 - 2 3 - 9 - 12 25
残高 0.15 - 2.48 - 2.63 - - 0.02 - 0.02 2.45 - 8.58 - 11.03 13.68
引当金 0.07 - 2.48 - 2.55 - - 0.02 - 0.02 2.17 - 7.76 - 9.93 12.50
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5.5．不稼働資産の変動
（単位：十億ルピー）
内容 2020/21年度 2019/20年度
４月１日現在のNPA総額（期首残高）
93.62 116.78
期中の新規NPA
14.88 17.72
金利
0.04 0.11
為替変動
(1.34) 3.24
小計（A）
107.20 137.85
減少：
（ⅰ）改善
- 1.47
（ⅱ）回収（改善された勘定からの回収分を除く。）
4.03 9.67
（ⅲ）技術的/規制上の償却
28.13 28.10
（ⅳ）上記（ⅲ）以外の償却
0.91 4.99
（ⅴ）為替変動
- -
小計（B）
33.07 44.23
３月31日現在のNPA総額（期末残高）（A-B）
74.13 93.62
NPA総額は、2015年７月１日付の準備銀行基本通達DBR.No.BP.BC.2/21.04.048/2015-16の別紙第C-2部に基づ
く。
5.6．償却及び回収
（単位：十億ルピー）
内容 2020/21年度 2019/20年度
４月１日現在の技術的/規制上の償却勘定（期首残高） 62.68 32.92
増加:期中の技術的/規制上の償却 28.13 28.10
増加:為替変動 0.71 1.80
小計(A) 90.10 62.82
減少:以前の技術的/規制上の償却勘定の期中の回収(B) 0.91 0.13
３月31日現在の期末残高 (A-B)
89.19 62.69
5.7．海外における資産、NPA及び収入
（単位：十億ルピー）
内容 2020/21年度 2019/20年度
資産総額
42.74 49.85
NPA総額
2.62 2.96
収入総額
2.08 3.34
上記の数値は、2010年10月に事業を開始した当行のロンドン支店に関するものである。
5.8．投資の減損及び引当金
（単位：十億ルピー）
内容 2020/21年度 2019/20年度
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(1) 投資
(ⅰ) 投資総額 122.61 129.14
(a) インド国内 121.66 128.30
(b) インド国外 0.95 0.84
(ⅱ) 減損引当金 22.43 20.77
(a) インド国内 21.80 20.18
(b) インド国外 0.63 0.59
(ⅲ) 投資純額 100.18 108.37
(a) インド国内 99.86 108.12
(b) インド国外 0.32 0.25
(2) 投資の減損引当金の変動
(ⅰ) 期首 20.77 20.12
(ⅱ) 増加:期中に積立てられた引当金 2.94 2.57
(ⅲ) 期中における投資変動準備金勘定からの充当
（もしあれば） - -
(ⅳ) 減少:期中の超過引当金の償却/戻入れ 1.28 1.92
(ⅴ) 減少:投資変動準備金勘定への繰入れ（もしあれば） - -
(ⅵ) 期末残高 22.43 20.77
5.9．引当金及び偶発債務
（単位：十億ルピー）
損益計算書中の「支出」項目下の「引当金及び偶発債務」の
2020/21年度 2019/20年度
内訳
投資の減損引当金 0.24 (1.54)
NPA引当金 (7.46) (17.95)
法人税引当金 1.02 1.20
その他引当金及び偶発債務* 2.31 1.48
* 銀行保証のための引当金による20億3,000万ルピー（前期：11億9,000万ルピー）、カントリーリスク引当金による
1,000万ルピー（前期：２億9,000万ルピー）及びヘッジされていない外国為替エクスポージャーを有する法人に対す
るエクスポージャーによる２億6,000万ルピー（前期：なし）を含む。
5.10．引当率
内容 2020/21年度 2019/20年度
引当率
96.74％ 88.76％
5.11．期中に報告された詐欺行為及び計上された引当金
13件による140億8,000万ルピー（前期：６件による37億6,000万ルピー）は、2020/21年度中に詐欺行為として
申告された前払金を示している。2020/21年度に報告された詐欺行為に関して、2021年３月31日現在の残高に対
して全額引当金が計上されている。
６．投資ポートフォリオ：構成及び運用
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6.1．レポ取引
当期：
（単位：十億ルピー）
期中の１日の 2021年3月31日
内容 期中最低残高 期中最高残高
残高平均 現在の残高
レポに基づく売却証券
ⅰ）政府証券 － － － －
ⅱ）社債 － － － －
リバース・レポに基づく買取証券
ⅰ）政府証券 － － － －
ⅱ）社債 － － － －
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前期：
（単位：十億ルピー）
期中の１日の 2020年3月31日
内容 期中最低残高 期中最高残高
残高平均 現在の残高
レポに基づく売却証券
ⅰ）政府証券 － － － －
ⅱ）社債 － － － －
リバース・レポに基づく買取証券
ⅰ）政府証券 － － － －
ⅱ）社債 － － － －
6.2．債券投資の発行者別内訳の開示
当期：
（単位：十億ルピー）
金額
連続
発行者 金額
私募により行 保有する「投機 保有する「無格 保有する「非上
番号
われた投資 的格付」証券 付」証券 場」証券
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7)
1 PSU - - - - -
2 FI 1.27 1.27 - 0.06 1.27
3 銀行 0.002 0.002 - - -
4 民間企業 27.45* 27.39 0.44 5.38 24.28
5 子会社／合弁事業 0.003 0.003 - 0.003 0.003
6 その他 0.02 0.02 - - 0.02
7 積立てられた減損引当金＃ 22.43 - - - -
合 計 28.74 28.69 0.44 5.44 25.57
＃ 積立てられた引当金は総額のみを(3)の列で開示している。
* このうち、202億ルピーは資産整理会社（ARC）発行の担保証書に対する投資であり、67億9,000万ルピーは貸付金再編
の一環として取得した株式／債券に対する投資である。
上掲 (4)、(5)、(6)及び(7)の列に計上されている金額は相互排他的ではない。
前期：
（単位：十億ルピー）
金額
連続
発行者 金額
私募により行 保有する「投機 保有する「無格 保有する「非上
番号
われた投資 的格付」証券 付」証券 場」証券
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7)
1 PSU - - - - -
2 FI 1.52 1.52 - 0.06 1.52**
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3 銀行 0.002 0.002 - - -
4 民間企業 39.43 39.25 - 17.26 36.09*
5 子会社／合弁事業 0.003 0.003 - 0.003 0.003
6 その他 0.02 0.02 - - 0.02
7 積立てられた減損引当金＃ 20.77 - - - -
合 計 40.98 40.80 - 17.33 37.64
＃ 積立てられた引当金は総額のみを(3)の列で開示している。
* このうち、204億2,000万ルピーは資産整理会社（ARC）発行の担保証書に対する投資であり、27億7,000万ルピーは貸
付金再編の一環として取得した株式／債券に対する投資である。
** このうち、11億2,000万ルピーは準備銀行の承認を得て行われた米ドル/ルピー間のスワップによるものである。
上掲 (4)、(5)、(6)及び(7)の列に計上されている金額は相互排他的ではない。
6.3．満期保有（HTM）分類の売却及び振替
2021年３月31日終了年度において、輸出入銀行は、簿価総額97億8,000万ルピー（前期：なし）の政府証券を、
満期保有（HTM）分類から売却可能（AFS）分類に振替えた。これは、準備銀行により認められる有価証券の振
替であり、期首時点（2020年４月１日現在）のHTM分類におけるポートフォリオの16％に値した。2021年３月31
日現在、HTMの分類において保有される政府証券の時価は162億3,000万ルピー（前期：101億3,000万ルピー）で
あり、同日現在の簿価を上回っていた。
７．購入/売却された金融資産の詳細
7.1．資産整理のために証券化会社/整理会社に売却された金融資産の詳細
A. 売却の詳細
（単位：十億ルピー）
連続
内容
2020/21年度 2019/20年度
番号
(ⅰ) 勘定の数（件） 3
なし
(ⅱ) SC/RCに売却された勘定の総価額（引当金控除後） 0.70
なし
(ⅲ) 対価総額 2.25
なし
(ⅳ) 過年度譲渡勘定に対して実現した追加対価 1.97
なし
(ⅴ) 簿価純額に対する利益/（損失）総額 3.51
なし
・ 「整理会社に売却された資産」は2006年７月１日付及びその後の準備銀行基本通達DBOD
No.FID.FIC.2/01.02.00/2006-07における定義に従って計上されている。
・ 前期において、上記の３件の勘定に加え、34億2,000万ルピーの純資産価値を有する１件の勘定が、29
億5,000万ルピーでM/s Varde Investment Partners L.P.に売却され、結果として４億7,000万ルピー
の損失をもたらした。
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B. 証券投資の簿価の詳細
（単位：十億ルピー）
証券投資の簿価
連続
内容
番号
2020/21年度 2019/20年度
(ⅰ) 当行が原資産として売却したNPAにより担保 2.72 4.09
(ⅱ) 銀行/その他金融機関/非銀行金融会社が原資産として売却した - -
NPAにより担保
合計 2.72 4.09
7.2．購入/売却された不稼働金融資産の詳細
A) 購入された不稼働金融資産の詳細
（単位：十億ルピー）
連続
内容 2020/21年度 2019/20年度
番号
1) a) 期中購入勘定数 - -
b) 残高合計 - -
2) a) うち、期中再編勘定の数 - -
b) 残高合計 - -
B) 売却された不稼働金融資産の詳細
（単位：十億ルピー）
連続
内容 2020/21年度 2019/20年度
番号
1) 売却勘定数 - -
2) 残高合計 - -
3) 受領対価合計 - -
８．業績
連続
内容 2020/21年度 2019/20年度
番号
(ⅰ) 平均運転資金に対する受取利息の割合（％） 6.35 7.16
(ⅱ) 平均運転資金に対する非利息収入の割合（％） 0.47 0.35
(ⅲ) 平均運転資金に対する営業利益の割合（％） 2.25 1.76
(ⅳ) 平均資産利益率（％） 0.19 0.10
(ⅴ) 職員（正職員）1人あたりの当期利益/(損失)（十億ルピー） 0.007 0.003
・ 業績について、運転資金及び総資産は前事業年度末日及び当事業年度末日の数値の平均でとらえられてい
る。（「運転資金」とは総資産を指す。）
・ すべての階層におけるすべての常勤の正規の職員が職員1人あたりの当期利益の計算のために算入されてい
る。
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９．信用集中リスク
9.1．資本市場エクスポージャー
連続
内容 2020/21年度 2019/20年度
番号
(ⅰ) 株式、転換社債、転換債券及び元本の投資対象が社債に限らない投資 - -
信託のエクイティユニットへの直接投資
(ⅱ) 株式/社債/債券若しくはその他証券に対する前払金又は株式 - -
（IPO/ESOPを含む。）、転換社債、転換債券及び投資信託のエクイ
ティユニットへの投資のための個人へのクリーン・ベースの前払金
(ⅲ) 株式、転換社債、転換債券又は投資信託のエクイティユニットが本源 - -
的証券とされるその他の目的への前払金
(ⅳ) 株式、転換社債、転換債券又は投資信託のエクイティユニットの担保 - -
付証券により担保される範囲内（すなわち株式/転換社債/転換債券/投
資信託のエクイティユニット以外の本源的証券は前払金を十分にカ
バーしない場合）におけるその他の目的の前払金
(ⅴ) 株式ブローカーに対する担保付及び無担保の前払金並びに株式ブロー - -
カー及びマーケット・メーカーを代理して発行された保証
(ⅵ) 株式/社債/債券若しくはその他証券の担保に対して会社に認められた - -
貸付、又は資金調達を目的とした設立発起人による新会社の資本金の
拠出を満たすためのクリーン・ベースの貸付
(ⅶ) エクイティのフロー/発行を予定する会社へのつなぎ融資 - -
(ⅷ) 株式、転換社債、転換債券又は投資信託のエクイティユニットへの当 - -
初発行に関して当行が負うコミットメントの引受け
(ⅸ) 信用取引を目的とした株式ブローカーへの融資 - -
(ⅹ) ベンチャー・キャピタル・ファンド（登録及び未登録の両方）に対す - -
る全てのエクスポージャー
資本市場エクスポージャー合計 - -
9.2．カントリー・リスク・エクスポージャー
（単位：十億ルピー）
2021年３月現在の 2020年３月現在の
2021年３月現在の 2020年３月現在の
リスク分類 エクスポージャー エクスポージャー
引当金 引当金
（純額） （純額）
重要でない 66.75 0.26 80.50 0.35
低い 334.72 443.74 0.03
中程度 510.83 - 378.41 -
高い 40.45 - 73.26 -
非常に高い 65.57 - 65.76 -
制限 - - - -
オフ・クレジット - - - -
合計 1,018.32 0.26 1,041.67 0.38
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9.3．戦略的債務再編 (SDR) スキーム
（単位：十億ルピー）
2020/21年度 2019/20年度
内容
勘定の数 1 1
残高合計 - -
エクイティに転換された
0.08 0.08
エクスポージャーの金額
9.4．不良資産の持続可能な構造化スキーム(S4A)に関するエクスポージャー
（単位：十億ルピー）
内容 2020/21年度 2019/20年度
S4Aが適用されたもののうち標準と分類された勘定の数 2 2
残高合計 0.01 0.01
A部 2.94 2.94
残高
B部 2.59 2.59
保有引当金 1.11 1.11
9.5．健全性エクスポージャー限度 - 単独借主の限度額(SBL)/グループ借主の限度額(GBL)の超過先
A. 期中の健全性エクスポージャーを超過するエクスポージャーの数及び金額
（単位：十億ルピー）
資本金に対
するエクス
連続 産業
PAN 番号
借主名称 業種名 部門 拠出額 未拠出額 ポージャー
番号 コード
の割合
（％）
アフリカ輸出入
1. - 65102 金融業 金融 25.13 0.00 17.70
銀行
（前期：なし）
B. 信用エクスポージャーの資本金及び総資産に対する割合
当期：
総信用エクスポージャー
資本金に対する 総資産に対する
内容 （TCE）に対する割合
割合（％）* 割合（％）
（％）＠
ⅰ) 最大の単独借主 17.70 1.44 1.86
ⅱ) 最大の借主グループ 25.25 2.05 2.66
ⅲ) 上位20位まで単独の借主 158.33 12.86 16.67
ⅳ) 上位20位までの借主グループ 180.01 14.62 18.96
* 2020年３月31日現在の資本金
＠ TCE：貸付 ＋ 前払金 ＋ 未使用承認 ＋ 保証 ＋ 信用状（LC） ＋ デリバティブによる信用エクスポー
ジャー
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1) インド政府による保証が付された/インド政府の要請により引受けた銀行及び海外金融機関の信用エクス
ポージャーは単独／グループ借主のエクスポージャーとは考えられていない。
2) 2021年３月31日現在、信用エクスポージャーが基本上限である資本金合計の15％を超えることが理事会に
より事前に認められた単独借主が１名存在した。また、信用エクスポージャーが基本上限である資本金の
40％を超えた借主グループは存在しなかった。詳細は上記9.5Aに開示されている。
前期：
総信用エクスポージャー
資本金に対する 総資産に対する
内容 （TCE）に対する割合
割合（％）* 割合（％）
（％）＠
ⅰ) 最大の単独借主 14.99 1.04 1.42
ⅱ) 最大の借主グループ 29.85 2.07 2.82
ⅲ) 上位20位まで単独の借主 194.62 13.50 18.38
ⅳ) 上位20位までの借主グループ 236.31 16.39 22.31
* 2019年３月31日現在の資本金
＠ TCE：貸付 ＋ 前払金 ＋ 未使用承認 ＋ 保証 ＋ 信用状（LC） ＋ デリバティブによる信用エクスポー
ジャー
3) インド政府による保証が付された/インド政府の要請により引受けた銀行及び海外金融機関の信用エクス
ポージャーは単独／グループ借主のエクスポージャーとは考えられていない。
4) 2020年３月31日現在において、信用エクスポージャーが基本上限である資本金の15％及び資本金の40％を
それぞれ超えた単独借主及び借主グループは存在しなかった。
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C. 産業の信用エクスポージャーの上位５部門：
当期：
総信用エクスポージャー
貸付資産に対する
部門 （TCE）に対する割合
割合（％）
（％）
ⅰ） 設計・調達・建設サービス 5.50 8.68
ⅱ） 建設 3.29 5.20
ⅲ） 石油製品 3.15 4.97
ⅳ） 化学・染料 2.22 3.51
ⅴ） 鉄類・金属加工 2.13 3.36
前期：
総信用エクスポージャー
貸付資産に対する
部門 （TCE）に対する割合
割合（％）
（％）
ⅰ） 設計・調達・建設サービス 13.07 9.18
ⅱ） 建設 8.36 5.88
ⅲ） 石油製品 7.52 5.29
ⅳ） 化学・染料 6.85 4.81
ⅴ） 鉄類・金属加工 6.47 4.55
・「信用エクスポージャー」は準備銀行による定義に従って計上されている。
・インド政府による保証が付された/インド政府の要請により引受けた、銀行及び海外金融機関の信用エクス
ポージャーは、産業エクスポージャーの算定において除外されている。
D. 無担保前払金
（単位：十億ルピー）
内容 2021年３月31日現在 2020年３月31日現在
48.49 53.44
無担保前払金合計
ⅰ）うち、法人／個人保証、約束手形、輸入担保荷物保管証等の
5.61 12.40
無形有価証券に対する前払金残高
ⅱ）上記(i)の無形有価証券の推計価額
0.01 0.19
E. ファクタリングのエクスポージャー
輸出入銀行は、ファクタリング取決めに基づくエクスポージャーを有していない（前期：なし）。
F. 当期中にFIが健全性エクスポージャー限度を超過したエクスポージャー
（単位：十億ルピー）
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資本金に対
するエクス
連続 産業
PAN番号 借主名称 業種名 部門 拠出額 未拠出額 ポージャー
番号 コード
の割合
（％）
アフリカ輸出入
1. - 65102 金融業 金融 25.13 0.00 17.70
銀行
（前期：なし）
2021年３月31日現在、信用エクスポージャーが基本上限である資本金合計の15％を超えることが理事会により
事前に認められた単独借主が１名存在した。また、信用エクスポージャーが基本上限である資本金の40％を超
えた借主グループは存在しなかった。詳細は上記9.5Aに開示されている。
10．借入金/クレジットライン、信用エクスポージャー及びNPAの集中
(a) 借入金及びクレジットラインの集中
（単位：十億ルピー）
内容 2020/21年度 2019/20年度
128.77 109.57
上位20位までの借入先からの借入金の合計
当行の借入金合計に占める上位20位までの借入先からの
11.75％ 10.42％
借入金の割合
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(b) 信用エクスポージャーの集中
（単位：十億ルピー）
内容 2020/21年度 2019/20年度
224.76 240.51
上位20位までの借主に関するエクスポージャー合計
20.30％ 22.47％
当行の前払金合計に占める上位20位までの借主に関するエクスポージャーの割合
224.76 240.51
上位20位までの借主/顧客に関するエクスポージャー合計
借主/顧客に関するエクスポージャー合計に占める上位20位までの借主/
12.86％ 13.50％
顧客に関するエクスポージャーの割合
輸出入銀行について、エクスポージャー合計に占める上位10か国のエクスポー
35.97％ 34.37％
ジャーの割合
エクスポージャーは、2015年７月１日付の金融機関のエクスポージャー基準に関する準備銀行基本通達
DBR.FID.FIC.No.4/01.02.00/2015-16に規定された信用及び投資エクスポージャーに基づき計算されている。
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(c) エクスポージャー及びNPAの部門別集中
（単位：十億ルピー）
2020/21年度 2019/20年度
当該部門の前 当該部門の前
連続
部門
前払金合計 NPA 払金合計に対 前払金合計 NPA 払金合計に対
番号
残高 （総額） するNPA（総 残高 （総額） するNPA（総
額）の割合 額）の割合
A
国内部門 355.91 39.48 11% 298.00 46.11 15%
輸出金融合計
1 323.68 32.73 10% 255.96 39.11 15%
農業部門 － － － － － －
工業部門 186.28 25.02 13% 201.72 30.06 15%
鉄類・金属加工 13.35 2.56 19% 18.17 2.56 14%
石油・ガス － － － 4.65 0.70 15%
繊維・衣料品 27.03 5.28 20% － － －
化学・染料 10.67 － 0% 12.89 － －
石油化学 30.69 4.89 16% － － －
その他 104.54 12.29 12% 166.01 26.80 16%
サービス部門 137.40 7.71 6% 54.24 9.05 17%
航空サービス － － － 2.29 － －
設計・調達・建設サービス － － － 10.92 8.37 77%
船舶輸送サービス － － － 11.35 － －
金融サービス 103.47 － 0% － － －
その他 33.93 7.71 23% 29.68 0.68 2%
2 輸入金融合計 32.23 6.75 21% 42.04 7.00 17%
農業部門 － － － － － －
工業部門 28.50 5.36 19% 38.47 5.59 15%
鉄類・金属加工 0.15 0.15 100% 0.33 0.33 100%
石油・ガス － － － 6.38 － －
化学・染料 18.26 2.11 12% 18.38 2.16 12%
その他 10.09 3.10 31% 13.38 3.10 23%
サービス部門 3.73 1.39 37% 3.57 1.41 39%
設計・調達・建設サービス － － － 0.32 － －
船舶輸送サービス － － － 2.39 0.63 26%
その他 3.73 1.39 37% 0.86 0.78 91%
(A)のうち、インド政府により
3 － － － － － －
保証されたエクスポージャー
B 海外部門 104.50 34.65 33% 144.48 47.51 33%
輸出金融合計
1 104.50 34.65 33% 144.48 47.51 33%
農業部門 － － － － － －
工業部門 79.65 31.69 40% 120.29 44.36 37%
鉄類・金属加工 18.89 1.06 6% 26.42 1.06 4%
石油・ガス － － － 26.99 22.34 83%
繊維・衣料品 2.60 1.20 46% － － －
化学・染料 5.89 5.08 86% 6.56 － －
その他 52.27 24.36 47% 60.32 20.96 35%
サービス部門 24.85 2.96 12% 24.19 3.15 13%
航空サービス － － － 4.36 － －
設計・調達・建設サービス － － － － － －
金融サービス 15.48 － 0% 13.30 － －
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船舶輸送サービス － － － 1.49 0.59 40%
その他 9.37 2.96 32% 5.04 2.56 51%
2 輸入金融合計 － － － － － －
農業部門 － － － － － －
工業部門 － － － － － －
サービス部門 － － － － － －
(B)のうち、インド政府により
3 － － － － － －
保証されたエクスポージャー
#
C 646.90 － － 628.04 － －
その他のエクスポージャー
エクスポージャー合計 (A+B+C)
D 1,107.31 74.13 6.69% 1,070.52 93.62 8.75%
# クレジットラインに基づく前払金、国家輸出保険勘定に基づくバイヤーズ・クレジット、譲許的金融スキーム、商業銀行へのリファイ
ナンス及び銀行による見返り保証の前払金を含む。
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(d) ヘッジされていない外国為替エクスポージャー
輸出入銀行は、2016年６月23日付準備銀行基本指示DBR.FID.No.108/01.02.000/2015-16.に従い、ヘッジされて
いない外貨建てエクスポージャー（UFCE）を有する法人に対するエクスポージャーに関し、資本金引当要件及
び追加的な引当についての内部方針を設定している。2021年３月31日現在、２億6,000万ルピーが通貨誘発信用
リスクについて保有されており（前期：なし）、通貨誘発信用リスクに対し割当てられる資本金は72億9,000万
ルピーであった（前期：なし）。
11．デリバティブ
11.1．金利先渡契約/金利スワップ
（単位：十億ルピー）
2020/21年度 2019/20年度
連続
内容
番号
ヘッジ目的 売買目的 ヘッジ目的 売買目的
１ スワップ契約の想定元本 490.16 － 511.96 －
２ カウンターパーティーの契約上の債務不履行の
1.40 － 0.05 －
場合に被る可能性のある損失
３ スワップ締結時に当行が必要な担保 － － － －
４ スワップから生じる信用リスクの集中 全取引が承認さ 全取引が承認さ
れた信用エクス れた信用エクス
－ －
ポージャー限度 ポージャー限度
内にある。* 内にある。
５ スワップ・ポジションの公正価額 9.91 － 28.80 －
* 全ての金利スワップは銀行により行われている。
スワップの性質及び条件：全ての取引は、原資産/原負債を有し、当行の資産・負債のポジションをヘッジする
目的で行われている。
（単位：十億ルピー）
金融商品 特質 件数 名目元本 ベンチマーク 条件
金利スワップ ヘッジ 31 431.32 LIBOR 受取固定利息対
支払変動利息
金利スワップ ヘッジ 1 2.18 LIBOR 受取変動利息対
支払固定利息
金利スワップ ヘッジ 4 56.65 LIBOR 受取変動利息対
支払変動利息
合計 36 490.16
11.2．取引所で取引される金利デリバティブ
（単位：十億ルピー）
連続
内容 金額
番号
１ 当期において行われた取引所で取引される金利デリバティブの想定元本額
-
２ 2021年３月31日現在の取引所で取引される金利デリバティブ残高の想定元本額
-
３ 「非常に有効」ではない、取引所で取引される金利デリバティブ残高の想定元本額
-
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４ 「非常に有効」ではない、取引所で取引される金利デリバティブ残高の値洗い価値
-
11.3．デリバティブのリスク・エクスポージャーの開示
A. 定性的開示
1) 当行は、市場リスク軽減の目的で、主に費用効率の高い資金調達及びバランス・シート上のエクスポー
ジャーのヘッジのために金融派生商品取引を利用している。当行は現在、準備銀行に許可されている種類の
店頭取引による金利及び通貨デリバティブのみを扱っている。
2) デリバティブ取引は、(ⅰ)市場リスク、すなわち金利又は為替相場の不利な変動の結果、当行が被る可能性
がある損失及び(ⅱ)信用リスク、すなわち相手方の債務の不履行の場合に当行が被る可能性がある損失を伴
う。当行は、理事会により承認されたデリバティブ方針を実施しており、これは各取引段階でのリスク管理
目標を全体的な資産・負債管理と合致させることを目的としている。上記の方針は、当行の事業目標と一致
する利用を許容されるデリバティブ商品を定め、管理及び監視システムを設置し、規制上、書類上及び会計
上の問題を取扱っている。同方針はまた、自己勘定でのデリバティブ取引に関する市場リスクの統制及び管
理のための適切なリスク・パラメーター（ストップ・ロス限度、オープンポジション限度、期間限度、決済
リスク及び決済前リスク限度並びにPV01限度）を定めている。
3) 当行の資産・負債管理委員会（ALCO）は、デリバティブ取引に関連した市場リスクの測定、監視及び報告を
行う当行のミッドオフィス（経営管理部門）からの支援を受けて市場リスク管理を監督している。
4) 2021年３月31日現在において当行の帳簿上に残存しているデリバティブ取引の全てがヘッジ目的のものであ
り、これらは資産・負債管理簿に記録されている。上記のデリバティブ取引における収益は発生主義で計上
されている。
5) 金利スワップ及び通貨スワップは、デリバティブ方針に沿って偶発債務中の未決済先渡為替取引には含まれ
ない。
B. 定量的開示
（単位：十億ルピー）
2020/21年度 2019/20年度
連続
内容
通貨 金利 通貨 金利
番号
デリバティブ デリバティブ デリバティブ デリバティブ
１ デリバティブ（想定元本額）
a) ヘッジ目的 355.21 490.16 319.89 511.96
b) 売買目的 － － － －
２ 値洗いポジション
a) 資産(+) 9.91 28.80
b) 負債(-) (24.95) (45.41)
３ 信用エクスポージャー 17.45 16.84 13.72 31.23
金利の１％の変動における影響の可能性
４
(100*PV01)
a) ヘッジ目的のデリバティブ 10.05 18.65 11.68 21.14
b) 売買目的のデリバティブ － － － －
５ 当期における100*PV01の最高値及び最低値
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a) ヘッジ目的
(ⅰ) 最高 11.75 20.58 11.78 21.21
(ⅱ) 最低 11.12 18.66 10.45 13.89
b) 売買目的
(ⅰ) 最高 － － － －
(ⅱ) 最低 － － － －
12．輸出入銀行が発行するレター・オブ・コンフォート
当期中、輸出入銀行はレター・オブ・コンフォートを発行しておらず（前期：なし）、未履行のコミットメン
トによるいかなる金融債務も発生していない。2021年３月31日現在、レター・オブ・コンフォートに対するエ
クスポージャーの残高はなかった（前期：なし）。
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13．資産・負債管理
当期:
（単位：十億ルピー）
1日から 15日から 29日から 3か月超 6か月超 1年超 3年超5年
内容 5年超 合計
14日 28日 3か月 6か月以内 1年以内 3年以内 以内
ルピー建前払金 15.42 0.60 2.73 26.11 76.94 29.87 21.58 (1.81)* 171.44
ルピー建投資 0.00 0.00 0.09 0.05 0.14 0.57 17.82 81.52 100.17
ルピー建その他の
35.57 24.44 125.17 32.19 64.02 173.04 131.52 274.43 860.39
資産
ルピー建預金 0.02 9.47 9.75 0.03 18.54 8.78 0.14 0.00 46.74
ルピー建借入金 0.00 14.87 114.44 37.39 13.00 93.74 59.73 70.25 403.43
ルピー建その他の
5.43 4.69 29.85 26.72 32.71 114.98 18.11 229.03 461.54
負債
外貨建資産 42.17 25.74 64.65 57.65 82.77 270.45 230.30 498.63 1,272.36
外貨建負債 24.53 22.55 79.22 61.08 93.92 355.19 120.41 383.38 1,140.27
＊貸付引当金純額
前期:
（単位：十億ルピー）
1日から 15日から 29日から 3か月超 6か月超 1年超 3年超5年
内容 5年超 合計
14日 28日 3か月 6か月以内 1年以内 3年以内 以内
ルピー建前払金 10.26 7.27 9.86 24.88 12.16 28.17 30.17 6.33 129.11
ルピー建投資 12.50 0.06 0.08 0.04 0.13 0.73 0.58 94.25 108.37
ルピー建その他の
14.37 1.57 59.10 44.55 51.15 127.54 111.09 254.61 663.98
資産
ルピー建預金 0.01 0.00 7.22 0.02 28.92 0.17 0.06 0.00 36.41
ルピー建借入金 33.50 0.00 44.66 12.30 24.23 72.67 65.41 88.45 341.21
ルピー建その他の
5.24 5.29 14.35 21.24 29.70 78.36 21.46 215.72 391.37
負債
外貨建資産 82.40 2.70 25.67 40.95 73.01 256.96 214.30 515.15 1,211.14
外貨建負債 48.52 2.87 47.09 72.76 79.56 349.37 172.12 367.70 1,139.99
14．準備金からの引出し
当行は準備金からの引出しを行わなかった。
15．経営比率
内容 2020/21年度 2019/20年度
1.70％ 0.94％
自己資本利益率
0.19％ 0.10％
総資産利益率
0.007 0.003
従業員1人当たり純利益/(損失)(単位：十億ルピー)
16．準備銀行が課す罰金の開示
1934年インド準備銀行法のいずれかの規定の違反又は同法のその他の要件、準備銀行が定める命令、規則若し
くは条件の不順守のために、同法に基づき準備銀行により課された罰金はない。
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17．苦情申立ての開示
連続
内容 2020/21年度 2019/20年度
番号
(a) 期首に係属中の苦情申立て数 － －
(b) 期中に受領した苦情申立て数 2 4
(c) 期中に補償された苦情申立て数 2 4
(d) 期末に係属中の苦情申立て数 － －
18.（会計基準に従い連結が要求されている）オフ・バランス・シート上の出資した特別目的事業体（SPV）
出資した特別目的事業体の名称
国内 海外
－ －
個別の会計基準に従った開示。
19．固定資産の明細
固定資産の明細をICAIにより公表されているAS-10「固定資産の計上」の規定に従い以下に示す。
(単位：十億ルピー)
内容 不動産 その他 合計
グロス・ベース
2020年３月31日現在の原価 4.76 1.19 5.95
追加 0.36 0.28 0.64
処分 - 0.03 0.03
2021年３月31日現在の原価（A） 5.12 1.44 6.56
減価償却費
2020年３月31日現在の累計額 1.25 0.97 2.22
当期中の積立額 0.23 0.17 0.40
処分による消去 - 0.02 0.02
2021年３月31日現在の累計額（B） 1.48 1.12 2.60
正味ベース（A-B） 3.64 0.32 3.96
前期：
(単位：十億ルピー)
内容 不動産 その他 合計
グロス・ベース
2019年３月31日現在の原価 3.11 1.06 4.17
追加 1.65 0.15 1.80
処分 0.00 0.02 0.02
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2020年３月31日現在の原価（A） 4.76 1.19 5.95
減価償却費
2019年３月31日現在の累計額 1.03 0.86 1.89
当期中の積立額 0.22 0.13 0.35
処分による消去 0.00 0.02 0.02
2020年３月31日現在の累計額（B） 1.25 0.97 2.22
正味ベース（A-B） 3.51 0.22 3.73
20．政府補助の計上
インド政府は当行が外国政府、海外の銀行／機関に与える特定のクレジットラインのために当行に対して利子
平準化のための金額を支払うことに同意し、かかる金額は発生主義により計上されている。
21．会計基準－５ 当期純利益（損失）、過年度の項目及び会計方針の変更
当期における受取利息には、前期の調整額11億1,000万ルピーが含まれている。2021年３月31日終了年度におい
て採用された重要な会計方針について、2019/20年度に採用されたものと比較して変更はない。
22．セグメント報告
当行の業務は大部分が一つの事業セグメント、すなわち金融活動のみで構成されていることから、単一の事業
セグメントで表されるとみなされている。
当行の地理的セグメントは国内事業と海外事業に分類される。国内又は海外の事業の分類は主に取引場所に関
連したリスクとリターンに基づき行われる。
（単位：十億ルピー）
国内事業 海外事業 合計
内容
2020/21年度 2019/20年度 2020/21年度 2019/20年度 2020/21年度 2019/20年度
収入 83.69 83.19 2.08 3.34 85.76 86.53
資産 1,305.24 1,258.52 42.78 49.89 1,348.02 1,308.41
23．関連当事者開示
ICAIにより公表されているAS-18「関連当事者開示」により、当行の関連当事者は以下のとおり開示される。
・ 関係
（Ⅰ）合弁事業：
－ GPCLコンサルティング・サービシズ・リミテッド
－ ククザ・プロジェクト・デベロップメント・カンパニー
（Ⅱ）主要経営責任者：
－ Shri David Rasquinha（マネージング・ディレクター）
－ Ms. Harsha Bangari（副マネージング・ディレクター）
－ Shri N. Ramesh（副マネージング・ディレクター）
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・ 当行の関連当事者収支及び取引は要約すると以下のようになる。
（単位：百万ルピー）
合弁事業 主要経営責任者
内容
2020/21年度 2019/20年度 2020/21年度 2019/20年度
貸付金 － － － －
保証の付与 － 3.94 － －
受取利息 － － － －
保証料受領 0.02 － － －
提供サービスに対する受取金 － － － －
定期預金の受入れ － － 3.00 －
定期預金に支払われる利息 － － 0.18 0.19
償却/戻入れ額 － － － －
定期預金残高 － － 9.24 1.50
期末貸付金残高 － － － －
期末保証残高 － 3.94 － －
期末投資残高 3.23 3.23 － －
受取配当金 0.42 0.42 － －
期中の投資最大額 － － － －
期中の保証最大額 3.94 3.94 － －
給与（手当を含む。） － － 13.68 7.30
支払賃借料 － － 0.48 0.30
費用の払戻し 4.49 － － －
理事が受領した手数料 0.03 － － －
コンサルタント手数料 11.66 － － －
24．所得に対する租税の計上
（単位：十億ルピー）
(a) 当期における法人税引当金の詳細：
内容 2020/21年度 2019/20年度
所得税 0.24 (0.23)
追加：繰延税金負債（純額） 0.78 1.43
合計 1.02 1.20
(b) 繰延税金資産：
繰延税金資産及び負債の構成の主な項目を以下に示す。
（単位：十億ルピー）
内容 2020/21年度 2019/20年度
繰延税金資産
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1. 引当金否認（純額） 35.73 37.13
差引：繰延税金負債
1. 固定資産減価償却費 0.02 0.60
2. 社債発行費用の償却 0.57 0.62
3. 1961年所得税法第36条(1)(ⅷ)に基づく特別準備金 4.58 4.58
繰延税金資産（純額）[貸借対照表において「その他の資産」に分類される] 30.56 31.33
25．合弁事業持分の財務報告
Ⅰ
持分割合（％）
共同支配団体 国
当期 前期
A GPCLコンサルティング・サービシズ・リミテッド インド 28％ 28％
B ククザ・プロジェクト・デベロップメント・カンパニー モーリシャス 40％ 33％
Ⅱ 会計基準第27号「合弁事業の持分の会計報告」に基づく比例連結法を用いた、共同支配団体の持分に関す
る資産、負債、収入及び費用の総額は次のとおりである。
(単位：百万ルピー)
負債 2020/21年度 2019/20年度 資産 2020/21年度 2019/20年度
資本金及び準備金 43.41 41.06 固定資産 0.05 0.06
借入金 - - 投資 17.31 21.39
その他の負債 7.82 10.84 その他の資産 33.88 30.45
合計 51.23 51.90 合計 51.23 51.90
偶発債務：なし（前期:なし）
(単位：百万ルピー)
費用 2020/21年度 2019/20度 収入 2020/21年度 2019/20年度
その他の費用 98.22 100.17 コンサルタント収入 15.42 18.04
引当金 0.81 1.19 受取利息及び投資収入 1.53 1.60
その他の収入 0.15 0.21
損失 81.93 81.51
合計 99.03 101.36 合計 99.03 101.36
注：2020/21年度におけるGPCLに対する数値は監査済であるが、理事会の承認は得ていない。2020/21年度におけるククザ・プロジェク
ト・デベロップメント・カンパニーに対する数値は未監査であり暫定的数値である。
26．資産の減損
当行の資産の大部分は、会計基準第28号「資産の減損」が適用されない「金融資産」で構成されている。当行
の意見では、2021年３月31日現在において、上記の会計基準に関して認識が要求される（当該基準が適用され
る）資産の減損は存在しなかった。
27．職員給付
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当行は、ICAIが発した2007年４月１日より有効となった会計基準第15号「従業員給付」を採用している。当行
は、職員給付より生じる負債を、貸借対照表日付現在の制度資産の公正価額を差し引いた債務の現在価値で帳
簿 上において認識している。
A) 貸借対照表において認識される金額
(単位：十億ルピー)
内容 年金基金 給与基金
当期末現在の制度資産の公正価値 1.354 0.209
当期末現在の給付債務の現在価値 (1.389) (0.295)
積立状況 (0.035) (0.085)
当期末現在の未認識の過去勤務債務 - -
当期末現在の未認識の移行時負債 - -
貸借対照表において認識された負債（純額） (0.035) (0.085)
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B) 損益計算書において認識される費用
(単位：十億ルピー)
内容 年金基金 給与基金
当期勤務費用 0.030 0.016
利息費用 0.017 0.002
保険数理上の損失/（利益） 0.017 0.067
過去勤務債務－受給権非確定給付 - -
過去勤務債務－受給権確定給付 - 0.002
移行時負債 - -
損益計算書において認識された費用 0.063 0.087
雇用主による拠出 0.273 0.033
制度資産の期待収益 0.071 0.012
C) 保険数理上の仮定の要約
内容 年金基金 給与基金
割引率（年率） 6.97％ 6.93％
資産の期待収益率（年率） 6.97％ 6.93％
給与上昇率（年率） 7.00％ 7.00％
上記に加えて、2020/21年度における有給休暇の確定給付債務額は3,330万ルピーであったが、全額引当計上さ
れている。
28．インド証券取引員会（SEBI）の2013年10月29日付通達に関して、インド輸出入銀行が発行した様々な債券
の債務受託者の詳細な連絡先は以下の通りである。
債務受託者
AXIS Trustee Services Ltd.
指名された者： Mr. Anil Grover、事業部長
Mr. Sanjay Sinha、マネージング・ディレクター兼最高経営責任者
住 所：
登録事務所： Axis House,
Bombay Dyeing Mills Compound,
Pandhurang Budhkar Marg,
Worli Mumbai - 400 025
会社事務所： The Ruby, 2nd floor, SW
29 Senapati Bapat Marg,
Dadar West, Mumbai 400 028
電話: (022) 62300451
Eメール: debenturetrustee@axistrustee.com
ウエブサイト: www.axistrustee.com
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29．2020年度第４四半期以降、COVID-19のパンデミックが継続的に拡散したことにより、金融市場の変動性が
大幅に高まり、世界的な景気後退が懸念されるなど、世界経済の不確実性が高まっている。同様にインド
経 済も、未曽有のパンデミックによる2020年１月以降の需給ショックにより、来年度は縮小すると見込ま
れている。輸出入銀行はその持続可能性に自信を持っており、今後もこのパンデミックの進展を注視し、
輸出入銀行の財政状態及び経営成績に与える影響を判断し、積極的に評価し、対応していく。
COVID-19規制パッケージに関する準備銀行の指針に従い、輸出入銀行は、商業貸付ポートフォリオにおけ
るすべての借主に対し支払猶予パッケージを提供してきた。準備銀行の第１次支払猶予パッケージ（2020
年３月１日から2020年５月31日まで）では、954億5,000万ルピーの貸付ポートフォリオにおいて、元本繰
延額は56億5,000万ルピーであった。かかる繰延額は、2020年２月29日現在の稼働資産（PA）商業貸付の残
高総額の29％に相当した。準備銀行による第２次支払猶予パッケージ（2020年６月１日から2020年８月31
日まで）では、総額1,126億8,000万ルピーの貸付において元本繰延額は97億ルピーであった。かかる繰延
額は、2020年５月31日現在のPA商業貸付の残高総額の33％に相当した。さらに、輸出入銀行は、（a）商業
貸付ポートフォリオにおける適格借主のためのCOVID-19関連ストレスに対処するための解決策枠組みの実
施、及び（b）中小・零細企業向けの既存貸付に対する一回限りのリストラクチャリングに関する方針を承
認した。2020年８月６日付の準備銀行の通達に基づき、輸出入銀行は、2021年３月31日現在、現在貸付が
実行されている74億8,000万ルピーの資金の流出を伴う／伴わない支援を受けた借主10名からリストラク
チャリングの要請を受けていた。2021年４月７日付の準備銀行の通達DOR.STR.REC.4/21.04.048/2021-22に
関し、COVID-19規制パッケージの満了後の資産分類及び所得認識に関する2021年３月23日付最高裁判所命
令に準拠して、すべての貸付機関は、支払猶予期間中、すなわち2020年３月1日から2020年８月31日までに
借主に請求された「利息に対する利息」の返還／調整を義務付けられている。返済猶予期間中に借主に請
求された「利息に対する利息」に関する返還／調整額は1.5億ルピー以内である。従って、2020/21年度の
財務書類においては適切な引当金が計上されている。
輸出入銀行はまた、緊急クレジットライン保証スキーム1.0（ECLGS 1.0）に基づき、総額9,687万ルピーの
貸付残高を有する既存顧客を支援した。かかるスキームは、COVID-19のパンデミックによる経済的困難を
踏まえ、インド財務省が中小・零細企業（MSME）部門を支援するために発表した20兆ルピーの包括パッ
ケージの一環として導入された。輸出入銀行はさらに、借入残高が５億ルピー超50億ルピー以内の借入に
対し導入されたスキームの第２版（ECLGS 2.0）に基づき既存顧客を支援した。ECLGS 2.0スキームに基づ
き、発行残高が1億1,075万ルピーに値する借主が支援された。2021年３月31日現在、ECLGSスキームにおけ
る貸付実行額及び残高の合計は２億762万ルピーであり、かかるスキームに基づく承認額の合計は11億
9,360万ルピーであった。
30．前期の数値は必要に応じて再分類されている。
理事会を代表して
Shri N. Ramesh
Ms. Harsha Bangari Shri David Rasquinha
副マネージング・
副マネージング・ マネージング・ディレクター
ディレクター
ディレクター
Shri Rajat Sachar
Shri Amitabh Kumar
Shri Pankaj Jain
Shri K. Rajaraman
Shri R. Subramanian
Shri Rajkiran Rai G.
Shri M. Senthilnathan
Shri Dinesh Kumar Khara
Shri A. S. Rajeev
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同日の添付報告書の通り
JCR & Co.
場所：ムンバイ
勅許会計士
日付：2021年５月18日
会計事務所登録番号 105270W
(CA Mitesh Chheda)
パートナー
M. No. 160688
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輸出開発基金
2021年３月31日現在の貸借対照表
当期 前期
(2021年3月31日現在) (2020年3月31日現在)
負債の部
（単位：ルピー）
１．借入金：
(a) 政府 － －
(b) その他の提供者 5,094,360,835 5,596,223,297
２．補助金：
(a) 政府 128,307,787 128,307,787
(b) その他の提供者 － －
３．贈与、寄付、慈善：
(a) 政府 － －
(b) その他の提供者 － －
４．その他の負債 417,953,894 447,745,509
５．損益勘定 795,697,548 702,042,832
合 計
6,436,320,064 6,874,319,425
資産の部
１．銀行預金：
(a) 当座勘定 1,500,000 97,252,892
(b) その他の預金勘定 － －
２．投資 － －
３．貸付及び前払金：
(a) インド国内 － －
(b) インド国外 5,731,575,847 6,208,576,873
４．割引/再割引された為替手形及び約束手形：
(a) インド国内 － －
(b) インド国外 － －
５．その他の資産：
(a) 未収利息
ⅰ) 貸付及び前払金 174,728,992 209,672,100
ⅱ) 投資/銀行預金 － －
(b) 前払法人税 242,415,703 242,415,703
(c) その他 286,099,522 116,401,857
合 計
6,436,320,064 6,874,319,425
偶発債務
（ⅰ）引受、保証、裏書及びその他の債務 － －
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（ⅱ）未決済先渡為替取引 － －
（ⅲ）引受額 － －
（ⅳ）一部払込済投資の未請求債務 － －
（ⅴ）債務として認識されていない当行に対する請求権 － －
（ⅵ）取立手形 － －
（ⅶ）参加証書 － －
（ⅷ）割引／再割引手形 － －
（ⅸ）当行が偶発債務を負担するその他金銭 － －
注：輸出入銀行は、1981年インド輸出入銀行法（以下「輸出入銀行法」という。）第15条により輸出開発基金を設定した。輸出入銀行
法第17条により、貸付若しくは前払金の承認又はそれらの契約の締結の前に、中央政府の事前の承認を得る必要がある。
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輸出開発基金
2021年３月31日に終了した事業年度の損益計算書
当期 前期
(2020/21年度) (2019/20年度)
支出
（単位：ルピー）
１．利子 456,095,562 541,441,588
２．その他の費用 26,110 594,674
３．繰延利益 93,654,717 108,787,035
合 計
549,776,389 650,823,297
法人税引当金 - 37,809,541
貸借対照表繰入利益額 93,654,717 70,977,494
93,654,717 108,787,035
収入
１．受取利息及び割引料：
(a) 貸付及び前払金 549,776,389 650,823,297
(b) 投資/銀行預金 － －
２．為替、歩合、仲介料及び手数料 － －
３．その他の収入 － －
４．貸借対照表繰入損失 － －
合 計
549,776,389 650,823,297
繰延利益
93,654,717 108,787,035
過年度超過所得／利子税引当金戻入れ － －
93,654,717 108,787,035
理事会を代表して
Shri N. Ramesh
Ms. Harsha Bangari Shri David Rasquinha
副マネージング・
副マネージング・ マネージング・ディレクター
ディレクター
ディレクター
Shri Rajat Sachar
Shri Amitabh Kumar
Shri Pankaj Jain
Shri K. Rajaraman
Shri R. Subramanian
Shri Rajkiran Rai G.
Shri M. Senthilnathan
Shri Dinesh Kumar Khara
Shri A. S. Rajeev
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同日の添付報告書の通り
JCR & Co.
場所：ムンバイ
勅許会計士
日付：2021年５月18日
会計事務所登録番号 105270W
(CA Mitesh Chheda)
パートナー
M. No. 160688
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(6)【その他】
① 債務不履行
設立以来、輸出入銀行は債務の不履行はない。
② 訴訟
輸出入銀行は、通常の業務の中で、いくつかの訴訟に関わっている。しかしながら、下記に述べる訴訟を除
いて、輸出入銀行は訴訟の当事者となっておらず、政府の当局または第三者によって予定されている訴訟で、
仮に不利な判断が下されたならば輸出入銀行の財務状態または業績に重大な悪影響を及ぼすような訴訟につい
ては、輸出入銀行の知る限りは存在しない。
2021年３月31日現在、輸出入銀行に対する申立てに関連し、輸出入銀行に対する総額で１億600万米ドル相当
となる９つの訴訟が提起されている。輸出入銀行の法律顧問との協議に基づき、輸出入銀行の経営陣は、これ
らの訴訟における輸出入銀行に対する申立てには根拠がなく、理由のないものであり、それらの最終的解決が
輸出入銀行の業績、財務状態または流動性に重大な悪影響を及ぼすものではないと信じている。
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(7)【発行者の属する国等の概況】
１ 概要
（１）領土及び人口
インドは、南アジアにあって330万平方キロメートルの面積を有する。南北は、北のヒマラヤ山脈及び南のイ
ンド洋の間に位置し、東西は、東のベンガル湾及び西のアラビア海の間に位置する。インドはアフガニスタ
ン、中華人民共和国、ネパール、ブータン、パキスタン、ミャンマー、バングラデシュ及びスリランカと国境
を接している。インドの人口は、12億1,000万人（2011年の国勢調査による）で、世界第２位の人口を有する。
（２）政府及び政治体制
インドは、1947年８月15日に独立を達成した、28の州及び８つの連邦直轄地から成る、主権を有する社会主
義の、政教分離された民主主義共和国である。政府形態は、1950年１月26日に発効した憲法により定められ
た。憲法は、行政権、立法権及び司法権の分立を定めている。中央政府の立法権は、Lok Sabha（人民議会）
（下院）及びRajya Sabha（国家評議会）（上院）から成る二院制となっている。現在、下院は540名の議員か
ら成る。憲法で想定される下院の最大議員数は552名であり、これは、選挙により選出される州を代表する530
名までの議員、連邦直轄地を代表する20名までの議員及び（大統領の意見において、その地域が下院で十分に
代表されていない場合）大統領により指名される英印地域社会の２名以内の議員で構成される。下院のその他
の議員は、人民投票に基づき５年間の任期で直接、選出される。
現インド首相はナレンドラ・モディ氏である。モディ首相は連立政権（国民民主同盟）を率いており、連立
政権最大派のインド人民党に所属する。
上院の最大議員数は250名であり、そのうち12名が大統領によって指名され、238名は州及び２つの連邦直轄
地の代表者である。ただし、現在の上院の議員数は245名であり、そのうち233名が州及びデリー及びポンディ
シェリの連邦直轄地の代表者であり、12名は大統領に指名されている。これらの12名は文学、科学、芸術及び
社会福祉の分野において特別な知識又は実務経験のある者の中から、大統領により指名される。上院の選挙は
間接選挙であり、解散されることはない。議員の３分の１は２年の任期満了時に退任する。
インド大統領は、政府の行政機関の憲法上の長であり、憲法及び首相率いる大臣評議会（内閣）の助言に基
づき権能を行使する。行政権は、基本的に、下院に責任を負う首相及び内閣にある。首相は大統領により任命
され、大統領は首相の助言によりその他の大臣を任命する。現インド大統領はラーム・ナート・コーヴィンド
氏である。
インド最高裁判所は、大統領が任命する長官及び最大34名の判事から成る。
州政府の体制は、中央政府の体制に非常に似ており、各州は立法府、知事、州首相及び内閣を有する。連邦
直轄地は大統領により統治されている。インドには、広範な地方政府体制があり、主に、地元企業又は自治体
を通じて支配されている。地方自治体制は、村レベルにまで拡大されている。
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（３）国際機関への加盟
インドの国際機関への加盟は以下の通りである。
・ 国際連合及びその関連機関の創立国
・ 国際通貨基金の創立国（IMF）
・ 国際復興開発銀行（世界銀行）の創立国
・ アジア開発銀行の加盟国
・ アフリカ開発銀行の加盟国
・ 英連邦の加盟国
・ 世界貿易機関（WTO）の創立国
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２ 経済
（１）経済の概要
インド経済
2020年の国際通貨基金(IMF)のデータに基づけば、インド経済は、米ドル建国内総生産（GDP）でみると、世
界第６位であった。しかし、購買力平価で見ると、2020年においてインド経済は世界第３位であった。経済政
策は、計画委員会により一連の５か年計画においてすでに策定されている。第12次の５か年計画（2012年から
2017年）が、インド経済に関する最新の５か年計画であった。その後、インドの経済政策に関する幅広い計画
を提供するために、インド変革委員会（NITI）が設立された。NITIは、人的及び経済的開発の重要分野におけ
る国家の優先事項及び戦略について共有されたビジョンの策定において、国家、市民社会及びその他のシンク
タンクの積極的な関与とともに統合的な役割を果たしている。
（２）過去５年間の経済動向
（a）国内総生産（GDP）及び国民所得（NI）
インド経済の主要指標
（成長率（％））
３月31日に終了した会計年度
指標
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年 2020/21年
GDP成長率（要素費用表示、
(1) (2)
固定価格による） 8.3 6.8 6.5 4.0 (7.3)
(1) (2)
農業及び関連サービス部門伸び率 6.8 6.6 2.6 4.3 3.6
(2)
工業部門伸び率
7.7 5.9 5.3 (1.2) (7.0)
(1) (2)
サービス部門伸び率 8.5 6.3 7.2 7.2 (8.4)
卸売物価指数伸び率（2011/12年度を100
(3)
とする２時点間における伸び率） 1.7 2.9 4.3 1.7 1.3
(1)
鉱工業生産指数伸び率 4.6 4.4 3.8 (0.8) (8.5)
注：括弧内の数値はマイナスを意味する。
（１）2011/12年度を基準年とするデータ
（２）暫定推定値
（３）月間指数の年間平均値で算出された伸び率
資料出所：中央統計局（CSO）、経済顧問局
GDPの成長率は、2017年、2018年、2019年及び2020年３月31日終了年度において、それぞれ8.3％、6.8％、
6.5％及び4.0％であった。2021年３月31日終了年度について、インドのGDPは7.3％縮小した。
（b）部門構成
インド経済は、３つの部門に分けられる。
・ 農業及び関連事業部門
・ 製造業及び公益（電気及びガス供給等）を含む工業部門
・ 運輸、通信、金融、情報技術（IT）、政府及びその他サービスを含むサービス部門
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GDPの部門別構成比
（2011/12年度を基準年とする。）
（％）
３月31日に終了した会計年度
(1)
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年 2020/21年
農業及び関連事業部門 18.0 18.3 17.6 18.4 20.2
29.0
工業部門 29.3 29.2 26.7 25.9
サービス部門 52.6 52.5 53.4 55.0 53.9
注：
（１）暫定推定値
資料出所：中央統計局（CSO）
インド経済動向
インドの経済成長は2012/13年度以降増加傾向にあり、2016/17年度に8.3％に達した。インドは、マクロ経済
の安定性を回復させたことによる利益を引続き統合した。
2017/18年度において、インド経済の成長は、6.8％に弱まった。当該年度中において、複数の主要な改革が
実施された。税制改革とされる物品サービス税（GST）が2017年７月１日より導入された。また、企業がその貸
借対照表を整理し債務を削減するための解決策を提供する新たなインド破産法（IBC）とともに、双子のバラン
スシート問題（Twin Balance Sheet challenge）に対処するための措置も講じられた。これらの前向きな改革
及び世界経済の回復により、2017/18年度下半期における成長は目覚ましく、同年度上半期における新たなGST
導入、実質金利の上昇及び双子のバランスシート問題などの初期段階の問題による成長の減速を相殺する手助
けをした。
2018/19年度において、インド経済の成長率は、農業、林業及び漁業、鉱業及び採石業、貿易、ホテル、運
輸、通信及び放送関連のサービス並びに行政、防衛及びその他サービス等の一部の部門の減速のため、6.5％で
あった。成長は主に、製造業、建設業並びに金融、不動産及び専門サービス等の事業の回復により支えられ
た。
インドの2019/20年度の実質GDP成長率は、国内外の需要の低迷による工業及びサービス活動の鈍化を反映し
4.0％に低下した。
COVID-19のパンデミックは2020年初めにインドを巻き込んだ。2020年３月以降、最も厳しい全国的なロック
ダウンを経験したインドは、2020/21年度第１四半期には２桁の縮小を記録した。しかしながら、第２四半期以
降のロックダウンの段階的な緩和とともに、抑圧された需要が徐々に解放され、改革策と並行して経済活動は
勢いを強めた。国家統計局による2020/21年度の推定値では、インド経済は7.3％縮小するとの見込みを示して
いる。
2021/22年度のインドの輸出は、2021年３月、４月、５月及び６月において２桁の成長を示した。通常のモン
スーンを背景に、農村部の需要も引き続き堅調に推移すると予想される。従って、インド準備銀行（RBI）の推
計によると、2021/22年度の実質GDP成長率は9.5％となる見込みである。
農業
2020/21年度においてインド経済は、農業部門を除くさまざまな部門で成長が緩やかになった。農業部門は、
前年の4.3％の成長率と比較して2021年度には3.6％の成長率となった。農業部門の健全な業績は、パンデミッ
ク中のインド経済の持続を助けただけでなく、COVID-19によるロックダウン後の都市部からの過剰労働も許容
することができた。
インドのGDPに対する農業部門の貢献度は、過去５年間において17％から18％の範囲内にあったのに対し、
2020/21年度においては20.2％に上昇した。2017/18年度中、農業部門の貢献度は18.3％に上昇したが、2018/19
年度には17.6％に低下した。2019/20年度において、農業部門及び関係活動の貢献度は18.4％であった。
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GDPに占める同部門の割合が年々低下しているにもかかわらず、2019年に労働人口の約43％を雇用している
（世界銀行データーベースによる）ことからその役割は依然として重要である。
事前推定値（第４回）によると、食用穀物総生産は2020/21年度において３億865万トンになると予測されて
いる。これは前年度の生産高を3.7％上回っていた。2020/21年度における食用穀物生産は、過去５年間
（2015/16年度から2019/20年度）の生産平均に比べ2,977万トン高かった。
2020/21年度中の米の総生産は１億2,227万トンを記録するものと予測されている。米の生産は、過去５年間
の生産平均である１億1,244万トンに比べ983万トン高かった。小麦生産は１億952万トンと予測されており、過
去５年間（2015/16年度から2019/20年度）の小麦生産平均である１億42万トンに比べ910万トン高かった。
雑穀生産は、2020/21年度の推定値で7.1％と増加して5,120万トンになると予測されている。2020/21年度に
おける豆類の総生産は、約17％増加して2,572万トンになると予測されている。
事前推定値によると、油糧種子の生産は2020/21年度に8.7％増加して3,610万トンになると予測されている。
綿生産量は3,538万バレルと推定され、これは平均の綿生産量より349万バレル高い。ジュート及びメスタの
生産量は956万バレルと推定される。
インドは生果実生産において世界第１位である（国際連合食糧農業機関の2019年のデータによる）。インド
の果実生産には、マンゴー、バナナ、サポタ、ザクロ等が含まれる。インドはまた、2019年において野菜生産
において中国に次いで世界第２位の生産国であった。インドは、エンドウマメ及びオクラ等の野菜の生産にお
いて世界一である。インドはまた、香辛料及び香辛料製品の世界一の生産国である。また、牛乳の生産におい
ても世界一であり、魚類の生産においては世界第２位である。また、畜牛の個体数においても世界一である。
COVID-19関連の経済危機に対応して、インド政府は、20兆ルピー（インドのGDPの10％）の特別な経済的及び
包括的パッケージである「Atmanirbhar Bharat Abhiyaan（自立したインド）」の下で、部門横断的な改革及び
インセンティブを発表した。かかるパッケージに基づき、農業部門に対するいくつかの発表があった。これら
には、とりわけ出荷及び集荷場などにおけるインフラプロジェクトの資金調達のための１兆ルピーの融資枠、
零細食品企業（MFE）の形式化のための1,000億ルピーのスキーム並びに農家にとってより良い価格実現を可能
にするための重要物資法の改正などが含まれる。
「2018年農業輸出政策」は、2022年までに農家の輸出を600億米ドルに倍増させることを目指している。これ
はインド初の農業輸出政策であり、農業輸出を倍増させ、インドの農家と農産物をグローバルなバリュー
チェーンへと統合させることを目指している。
2020年９月、今後の農家の所得向上の一歩として、農産物流通促進法、農民保護・支援・価格保障及び農業
サービス法並びに改正基礎物資法の３つの農業改革法案が政府によって導入された。
2021年４月、インド政府は2022年度から６年間にわたり食品加工部門向けに1,090億ルピー（14億8,400万米
ドル）のインセンティブ支出を行うPLI制度を承認した。
インドの農業部門は、潅漑施設、倉庫及び冷蔵倉庫などの農業インフラへの投資が増加するため、今後数年
間はより大きな勢いを生むと予想される。さらに、遺伝子組換作物の使用の増加により、インドの農家の生産
量が改善される可能性が高い。インドは、豆類の早期成熟品種を獲得するための科学者との協力及び最低支持
価格の上昇により、今後数年間で豆類を自給自足できるようになると予想されている。食品加工産業によるISO
9000、ISO 22000、危害分析に基づく重要管理点（HACCP）、製造管理及び品質管理に関する基準 (GMP)及び適
正衛生規範 (GHP)を含む総合的品質管理 (TQM)などの食品安全及び品質保証の構造の採用は今後、複数の利益
をもたらすだろう。インドからの農産物輸出は、2022年までに600億米ドルという目標に達する可能性が高い
（インドブランドエクイティファンデーション（IBEF）によるデータ）。
工業
パンデミック及びそれに伴うロックダウンは、当初は供給サイドの制約に直面し、その後需要サイドの制約
に直面することで工業部門に重大な影響を与え、工業部門は2019/20年の1.2％縮小に対し2020/21年には7.0％
縮小した。建設、採鉱及び採石並びに製造業は7.0％から9.0％の範囲で縮小した。したがって、工業部門のGDP
への貢献度は、前年度の26.7％から2020/21年度には25.9％に低下した。
工業部門の総資本形成（GCF）は、固定価格（2011/12年度）でみた場合、前年度の14兆6,000億ルピーに対
し、2019/20年度には15兆2,000億ルピーになると予測されている。工業部門におけるGCFの伸び率は、2018/19
年度の12.4％から低下し、2019/20年度には3.7％の伸びとなった。
鉱工業生産指数（IIP）は季節調整を考慮しない主要工業部門の業績の速報値である。同指数によると、鉱工
業生産の伸び率は2020/21年度に8.5％低下した。かかる低下は主に、製造業部門における低下（2020/21年度は
9.6％の縮小）によるものであった。用途別分類でみると、すべての下位部門が2020/21年に縮小を記録してい
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る。資本財、消費財、中間財、インフラ／建設財は、それぞれ18.7％、9.4％、8.7％及び7.3％のマイナス成長
となった。政府は、経済成長の勢いを強めて持続させるために、工業部門の成長を加速させるいくつかの政策
を 講じた。これらの政策では、投資を促進するための手続き及び手順の簡素化及び合理化、より開かれた海外
からの直接投資のための政策の採用並びに良い結果を生み出す事業環境の創出に主に焦点が当てられている。
インド政府は、メイク・イン・インディア政策に基づき、製造部門の強化を目指している。メイク・イン・
インディア政策は、その公表から目覚ましい達成を遂げており、現在メイク・イン・インディア2.0において27
の部門に焦点を当てている。さらに、政府はまた、デジタル・インフラの創出、デジタルなサービス提供及び
デジタル・リテラシーの増加の３つの主要な要素に焦点を当てたデジタル・インディア・イニシアチブを考案
した。さらに、政府は、製造業を強化し、世界の製造業を呼び寄せる地域としてインドを印象付けるために、
インド内全土にわたり地理的に５角形に位置する産業・経済回廊を構築中である。国家インフラ投資基金が、
グリーンフィールド及びブラウンフィールドの双方で商業的に実現可能なプロジェクトへのインフラ投資向け
の出資支援を行っている。非課税のインフラ債券の発行が、鉄道、道路及び灌漑プログラムについて許可され
ている。
環境森林気候変動省は、環境、沿岸規制区域及び森林の情報利用許可のオンラインでの提出及び申請許可向
けの手順を完成させた。石炭鉱区の入札システムが整備され、現在では透明性の高い枠組みの中で入札が行わ
れている。州配電会社（discom）の財政的実行可能性を向上させる目的で、これらの会社に対する包括的な財
務のリストラクチャリングが配電会社救済プログラムを通じて行われた。このスキームは、政府及び関連する
州政府との３者間で合意を結んだ配電会社が負担する金利負担、発電コスト及び技術的・商業的損失（AT&C）
を削減することを企図したものであった。一部の州により開始された労働市場改革は、中央政府によっても取
り上げられた。民間投資を呼び寄せるために、インフラへの公共投資の増強に力が注がれた。
また、GST改革も実行された。これにより関税障壁が取り除かれ、国内に単独の共同市場を創出することがで
き、累積税を廃絶することにより製造品の生産費用を削減し、さらに複雑な税制に関連する取引費用を削減す
ることにより事業を遂行しやすくした。以前は、すべての物品には中央政府による物品税及び州政府による付
加価値税（VAT）が課せられた。少なくとも８から10のレートによる物品税及び３から４のレートによるVATが
課せられ、VATは州によって異なっていた。GSTの導入に伴い、複数レートの構造は、５層のレートによる構造
に変わった。さらに、州間の物品の輸送については、e-Way Billが2018年６月に義務化された。
事業の行いやすさを改善するため、インド政府は、既存の規則の簡素化及び合理化並びに情報技術の導入に
よりガバナンスをより効率的かつ効果的なものとすることに重点を置いている。上記の政策により、インドの
工業部門は成長し、事業環境の改善と海外からの直接投資の流入の増加につながり、さらにインド全体の見通
しを改善させた。世界銀行の2020年ビジネス環境報告書において、インドは2015年の142位から2020年には63位
に上昇した。
経済成長及びメイク・イン・インディア・プログラムを促進するために、政府は、2019/20年度連合予算にお
いて、半導体製造（FAB）、太陽光発電ボルタ電池、リチウム蓄電池、太陽電池充電インフラ、コンピュータ・
サーバー、ラップトップ等の新興及び先進技術分野における巨大製造工場を設立するために、透明性のある競
争入札を通じてグローバルな企業を誘致し、投資関連の所得税免除を提供するためのスキームを発足させるこ
とを提案した。
2020/21年度の連邦予算では、2023/24年度までに工業用繊維製品の製造ユニットを設置するための国家工業
用繊維ミッションが提案された。保険対象範囲の拡大、小規模輸出業者の保険料の引下げ及び請求処理手続き
の簡素化を目的とした、輸出信用支出の増加を達成するための新たなスキームであるNIRVIKが開始された。輸
出業者に対する関税及び税金の電子還付が承認された。物品サービス税の申告は、各GSTR様式に詳細を自動入
力することができる物品サービス税ネットワーク (GSTN)が提供するソフトウェア又はアプリを使ってオンライ
ンで行うことができる。新たな簡易化された物品サービス税還付制度の導入は、2020年10月１日に予定されて
いる（予算では2020年４月１日に発表されたが後に延期された。）。予算においては、国内の製造を増やすた
めに、医療機器、スキムミルク、履物、特定の化学品、電子機器、電気自動車、ヤシ原油、太陽電池などに対
する関税が発表された。
2019年８月、インド政府は自動ルートを通じた受託製造における100％海外からの直接投資を許可した。2020
年５月、インド政府は自動ルートを通じた国防製造における海外からの直接投資を49％から74％に引上げた。
外国貿易政策（2015年-2020年）の中間レビューに基づき、インド政府は、労働集約型のMSME部門に対して利用
可能な輸出インセンティブを２％増加させた。MEISは2021年９月まで延長された。8,555のタリフラインを対象
とした製品輸出の税に関する減免（RoDTEP）は、2021年８月17日に政府により通知された。海洋、農業、皮
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革、宝石及び宝飾品、自動車、プラスチック、電機／電子並びに機械などの部門がこの制度の恩恵を受けると
考えられる。
インド政府は、2006年MSME開発法を改正し、MSMEの定義を変更した。新たな定義において、MSMEは、投資額
が1,000万ルピー未満であり売上高が5,000万ルピー未満の製造及びサービス企業を零細企業、投資額が１億ル
ピー未満であり売上高が５億ルピー未満の企業を小規模企業、投資額が５億ルピー未満であり売上高が25億ル
ピー未満の企業を中規模企業と定義された。その他の発表には、とりわけ、３兆ルピーの担保無償運転資本
ファシリティ、圧力下にあるMSME向けの2,000億ルピーの劣後債、MSME基金を通じた5,000億ルピーの資本注入
及び20億ルピーを上限とする政府入札に対する国際入札を禁止する一般財務規則（GFR）の改正が含まれる。
州配電会社のための9,000億ルピーの資金注入が発表され、これにより、州配電会社は、未処理の電力購入請
求書を清算することが可能になる。連邦直轄地の配電会社が民営化されることにより、政府の財政が改善され
ることが期待される。
自立したインド・パッケージの他の発表には、収益分配構造を通じた石炭の商業採掘、石炭のガス化／液化
の奨励及び石炭排出のための輸送インフラ整備のための5,000億ルピーの投資及び簡素化された方法による自由
化された競売制度などが含まれる。鉱物に関しては、複合された探査／採鉱／生産のシームレスな体制の導入
及び鉱区の競売などが発表された。これらとは別に、キャプティブ鉱山及び非キャプティブ鉱山とを区別しな
い政策改革並びに印紙税の軽減も発表された。また、国防生産における自立性の強化も推進される。電力、社
会インフラ、宇宙及び原子力部門におけるその他の改革では、民間部門の参加の増加が奨励されている。
2020年３月、連邦内閣は電子製造クラスター（EMC）を通じた共通の施設及び設備とともに、世界レベルのイ
ンフラを構築するための変更された電子製造クラスター計画（EMC 2.0）に対する財政支援を承認した。インド
は、（i）大規模電子製造のための生産連動型インセンティブスキーム（PLI）、（ii）電子部品及び半導体製
造促進スキーム（SPECS）並びに（iii）変更された電子製造クラスター計画（EMC 2.0）の３つのスキームに
よって、バリューチェーン全体に強力なエコシステムを展開し、それをグローバルなバリューチェーンと統合
することを計画している。インド政府は2020年６月、インドにおける電子生産を強化するための、国際企業及
び現地企業に対する70億米ドルのインセンティブスキームを明らかにした。
生産連動型インセンティブ（PLI）スキームは、インド政府が製造業部門に対する投資を誘致するために講じ
る重要なステップであり、インドをグローバル・バリューチェーンの主要な担い手として位置づけている。PLI
スキームは、国内ユニットで製造された製品の増分販売に対するインセンティブを提供することを目的として
いる。かかるスキームにより、主要重点分野への大規模な海外投資が生まれ、グローバル・バリューチェーン
におけるインドの地位が深まることが期待されている。さらに、かかるスキームは、現地企業による製造ユ
ニットの設立又は拡大を促すことも目的としている、13部門に関する向こう５年間におけるインドの最低生産
量は約37兆5,000億ルピーとなり、向こう５年間における最低雇用は約1,000万件となる見込みである。
PLIスキームは当初モバイル関連機器、医薬品原料及び医療機器製造に対して導入されたが、現在では、高度
化学電池製造、電子機器（通信製品、ITハードウェア、電子部品を含む）、自動車及び自動車部品、バルク薬
剤及び医薬品、医療機器、繊維及び関連部門（技術繊維、化学繊維及び化学繊維の既製服などの部門）、食品
加工、太陽光発電、白物家電（AC、LED）並びに鉄鋼製品など、幅広いスキル及び技術を集約した部門を対象と
している。
2021年８月、中央政府の中核資産を通して、2022年度から2025年度の４年間で６兆ルピーを収益化すること
を目的とした国家収益化パイプラインが発表された。収益化を通じた創造の理念に基づき、資産の収益化は、
新たなインフラの創造に対する民間部門の投資を引き出すことを目的としている。
サービス
インドのGDPはサービス部門が支配しており、2020/21年度には53.9％を占めた。サービス部門は、貿易、ホ
テル及びレストラン、輸送、保管及び通信、金融、保険、不動産、ビジネスサービス、コミュニティ、社会及
び個人サービスからなる。2020/21年度には、特にサービス産業では接触が欠かせないため、パンデミックの影
響を最も受けた。サービス部門は、前年度における7.2％の成長に比べ、2020/21年度の成長は8.4％の縮小に直
面した。
サービス部門が総資本形成合計に占める割合は、前年の60.9％から2019/20年度には61.4％に増加した。
2019/20年度におけるサービス部門の総資本形成（2011/12年度の一定価格による）の伸び率は6.2％であり、前
年度の8.8％から低下した。サービス部門はまた、インドの輸出においても大きく貢献している。サービス部門
がインドの輸出全体に占める割合は、前年度の40.5％から2020/21年度には41.5％に増加した。インドのサービ
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ス部門はまた、最も高い外国直接投資（FDI）を呼び込み、2000年４月から2021年３月までの累積投資額は871
億米ドルに達した。
サービス部門への投資をさらに促進するために、eコマースに関連する海外からの直接投資の規則が改正さ
れ、eコマースの市場ベースモデルにおいて100％の海外からの直接投資が認められた。2018年９月、2018年国
家デジタル通信政策も公表され、電気通信部門における海外からの直接投資の流入を2022年までに1,000億米ド
ルへと増加させる枠組みが敷かれた。
2019年12月、インド政府はデジタル部門において26％の海外からの直接投資を認めた。2020年２月、保険仲
介業において100％の海外からの直接投資が認められた。2020年において、保険会社に対する海外からの直接投
資の限度は49％から74％に、保険仲介業者に対する海外からの直接投資の限度は100％に引き上げられた。
インフラ（経済顧問局によるデータ）
８つの中核産業、すなわち、石炭、原油、天然ガス、石油精製品、肥料、鉄鋼、セメント及び電力の指標
は、IIPの品目別指数の加重平均の40.3％を占め、経済活動全体への影響を測定するものとなっている。
パンデミック及びそれに伴うロックダウンは、2020/21年度において製造及びサービス部門に最も影響を及ぼ
した。８つの中核産業の伸びは、2019/20年度における0.4％の伸びと比較し、2020/21年度においては6.4％の
低下を示した。2020/21年度において、石油精製品は最も高い割合を占め、前年度の0.3％の伸びに対して
11.2％の低下を示した。発電は、2019/20年度の0.9％の伸びに対して、2020/21年度においては0.5％の反成長
を示した。鉄鋼生産は、前年度に記録した3.4％の伸びから、2020/21年度において8.7％の縮小となった。石炭
生産は、前年度における0.4％の縮小に対して1.9％縮小した。原油生産は、９年連続で減少し、前年度の5.9％
の減少と比較し2020/21年度には5.2％の減少であった。天然ガス生産の累積伸び率は、2019/20年度に記録した
5.7％の縮小と比較して、2020/21年度において8.2％の縮小を記録した。セメント生産は、2019/20年度におい
て0.9％の反成長を記録した後、2020/21年度には10.8％縮小した。肥料生産は、2019/20年度の2.7％の伸びに
対して、農業部門におけるプラスの成長を反映し、2020/21年度において1.7％の伸びを記録した。
資本市場（インド証券取引委員会による年次データ）
インドのエクイティ市場は、パンデミックによる混乱及び懸念にもかかわらず、2020/21年度中、好調であっ
た。
インドのベンチマークのブルーチップ指数であるS&P BSE センセックス指数（センセックス）及びNifty 50
指数（Nifty）は、2020/21年度中、成長の勢いを継続し、当年度中それぞれ68％及び70.8％上昇した。かかる
成長に影響を与えた要因のひとつは、経済及びマクロ要因を軌道に乗せるための政府及びRBIの支援である。
2020/21年度中、インドにおける海外からのポートフォリオ投資（FPI）は、前年度と比較して増加した。
2019/20年度の純投資739億4,700万ルピーに対して、2020/21年度中のFPIの純流入額は、２兆6,647億4,200万ル
ピー相当のインドの株式及び債券であった。米ドル建てでは、2019/20年度の純投資14億米ドルと比較し、
2020/21年度における純流入額は361億米ドルであった。
FPIの純投資はいくらか変動性を示しているものの、ミューチュアル・ファンド投資は近年一貫して増加して
おり、当該投資はミューチュアル・ファンドによりさらに株式及び債券へ投資されてきた。
発行株式市場において、新規株式公開（IPO）市場では、インド経済における変動性及び不確実性にもかかわ
らず2020/21年度中の取引は増加した。2020/21年度には、前年度の7,705億2,000万ルピー（うち2,134億5,000
万ルピーがIPO、３億7,000万ルピーが後発公募（FPO）及び5,567億ルピーが新株予約権無償割当によるもので
あった。）と比較して、合計１兆1,011億8,000万ルピー（3,103億ルピーがIPO、1,503億ルピーがFPO及び6,405
億9,000万ルピーが新株予約権無償割当によるものであった。）が、公募発行及び新株予約権無償割当を通じて
資金移動された。さらに、2019/20年度において適格機関向け発行(QIP)を通じて5,438億9,000万ルピーが調達
されたのに対し、2020/21年度においては7,873億8,000万ルピーが調達された。同期間において、2019/20年度
において優先発行を通じて１兆7,488億6,000万ルピーが調達されたのに対し、2020/21年度においては4,093億
ルピーが調達された。
中小企業（SME）プラットフォームは、利用企業数及びSME IPOを通じて調達された資金額の双方で、2019/20
年度に対して2020/21年度には減少した。2020/21年度には、26の企業がSMEプラットフォームに上場されてお
り、2019/20年度の46件の公募発行を通じて調達された51億7,600万ルピーに対して、総額21億5,700万ルピーを
調達した。
セクター別では、75の民間部門の企業及び３の公共部門の企業が、2020/21年度に発行市場を通じて資金を移
動した。これに対して、2019/20年度は、77の民間部門の企業及び２の共同（官民）部門の企業が発行市場を通
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じて資金を移動した。2020/21年度、民間部門の企業は１兆422億2,000万ルピーを移動し、これは2020/21年度
における資金移動総額のうち94.6％を占めたのに対して、2019/20年度は98.5％であった。
産業別に見ると、2020/21年度において資金移動が最も多いのは「石油及び天然ガス」分野であり、全体の
48.3％を占め、次いで銀行／金融機関が13.8％並びに金融が13.6％の順となっている。前年度において「石油
及び天然ガス」分野における資金移動はなかったのに対し、金融部門では当年度及び前年度のいずれにおいて
も、総額の13.6％を占める資金移動があった。
（c）インフレ
卸売物価指数（2011/12年度を100とする。）に基づく年間のインフレ率は、2019/20年度の1.7％から緩和さ
れ2020/21年度においては1.3％であった。
消費者物価指数(CPI)に基づく平均総合インフレ率は、前年同期の4.8％に対し、2020/21年度は6.2％であっ
た。2020/21年度におけるCPIインフレ率は、主に供給側の混乱の結果であり、その後、同年度を通して需要側
の混乱が続いた。
（d）労働市場
2019年７月から2020年６月に全国標本調査室（NSSO）が実施した定期労働力調査(PLFS)によると、農村部で
は、男性労働者の約55.4％、女性労働者の75.7％が農業部門に従事していた。「建設」部門に従事する農村部
の男性労働者及び女性労働者の割合は、それぞれ15.0％及び5.6％であった。「製造業」部門に従事する農村部
の男性労働者及び女性労働者の割合は、いずれも7.3％であった。
インドの都市部では、2019/20年度に、男性労働者のうち、「貿易、ホテル及びレストラン」部門が約28.9％
を占める一方で、「製造業」部門が約20.3％、「建設業」が12.0％及び「運輸、倉庫及び通信業」が12.1％を
それぞれ占めた。都市部の女性労働者では、「貿易、ホテル及びレストラン」が最も多く（27.4％）、次いで
「製造業」(20.8％)、「建設業」(10.3％)及び「運輸、倉庫及び通信業」(10.2％)の順であった。
インドの失業率は2019/20年度において通常の状況と一致して4.8％（参照期間１年）であった。
2019年７月から2020年６月までに全国標本調査室により実施された定期労働力調査（PLFS）によると、イン
ドの全労働者の45.6％は農業部門に所属している。残り30.7％はサービス部門に従事しているのに対し、
23.7％は工業部門に従事している。インドの全労働者の53.2％は自営業であるのに対し、残りの46.8％は賃金
労働者である。農業では、過半数が自営業であるのに対し、工業及びサービス部門では、労働者のほとんどが
賃金労働者である。
（e）社会保障制度
インドの社会保障の概念は、病気、出産、業務上負傷、職業上の困難、失業、傷病及び高齢の結果、収入が
なくなったり、大幅に減少したりすることにより引き起こされる経済的かつ社会的な困窮に対して一連の公的
介入を行うことにより、安全のメカニズムを提供するというものである。
現在、インドには、拠出型社会保障法と非拠出型社会保障法がある。拠出法は、労働者と雇用者からの拠出
金により、また、場合によってはそれに政府からの拠出金や補助金が補填されて、社会保障プログラムに資金
供与する旨規定した法律である。重要な拠出計画には、1948年被雇用者州保険法、準備基金、被雇用者準備基
金に基づいて枠組みが作られた保険計画とリンクした年金及び預金並びに1952年雑則法がある。主要な非拠出
型社会保障政策は、1923年労働者補償法、1961年出産給付金法及び1972年退職金支払法に基づいて規定されて
いる。
組織化されたセクターには、主に、1948年工場法、州の店舗及び組織法、1946年産業雇用服務規程法などの
適用を受ける組織を含む。このセクターは、既に、それを通じて社会保障給付金が労働者に与えられるような
構造を有している。準備基金、年金、保険、医療及び疾病手当といった社会保障給付金の幾つかは拠出型であ
る（労働者のみ、又は、労働者と雇用者、また、時には、州による援助がある。）一方で、業務上負傷給付
金、退職金、出産給付金のような他の社会保障給付金は、純粋に非拠出型であり、雇用者のみにより支払われ
ている。組織化されたセクターのほとんどの労働者は、被雇用者準備基金組織(EPFO)及び被雇用者州保険会社
(ESIC)を通じて提供される制度化された社会保障の適用を受けている。組織化されていないセクターが利用で
きる社会保険計画は、社会保障集団保険計画のようなLIC（インド生命保険公社）を通じて運営される。
インドにおける最近の重要な社会保障スキームのいくつかは、すべての世帯のための包括的な金融包摂を目
的としたプラダン・マントリ・ジャン・ダン・ヨジャナ(PMJDY)、住宅建設のための財政支援であるプラダン・
マントリ・グラミン・アワス・ヨジャナ（PMGAY）、銀行口座を持つ人に生命保険を提供するプラダン・マント
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リ・ジーヴァン・ジョティ・ビマ・ヨジャナ(PMJJBY)、偶発的死亡及び部分的障害補償を提供するプラダン・
マントリ・スラックシャ・ビマ・ヨジャナ(PMSBY)、国内の低所得者に対し無料の医療サービスを提供するイン
ド 政府のスキームであるアユシュマン・バーラト・ヨジャナ（別名プラダン・マントリ・ジャン・アロギャ・
ヨジャナ（PMJAY））、加入者に月次年金を提供するアタル・ペンション・ヨジャナ(APY)、並びに女性及び指
定カースト又は指定部族による製造業、サービス業又は貿易業におけるグリーンフィールド企業を設立するス
タンド・アップ・インディア・スキームを通じたものである。
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３ 対外貿易及び国際収支
（１）対外貿易及び国際収支の概要
対外貿易及び国際収支
３月31日に終了した会計年度
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年 2020/21年
輸出（伸び率、％）(1) 5.2 10.0 8.8 (5.1) (7.1)
輸入（伸び率、％）(1) 0.9 21.1 10.4 (7.7) (17.1)
GDPに占める貿易赤字の
比率（％）(2) (4.7) (6.2) (6.7) (5.6) (3.9)
GDPに占める経常収支の
比率（％）(2) (0.6) (1.9) (2.1) (0.9) 0.9
注：括弧内の数値はマイナスを意味する。
資料出所：（１）商工省・通商情報統計局（DGCI&S）、（２）インド準備銀行
2020/21年度において、インドの輸出は2,911億米ドルであり、20019/20年度から7.1％の減少を記録した。輸
入は3,936億米ドルとなり、2019/20年度から17.1％の減少を示した。結果として、商品貿易による貿易赤字は
前年度の1,613億米ドルと比較し、2020/21年度において1,025億米ドルとなった。2020/21年度において石油
（原油及び石油製品）の輸入は827億米ドルとなり、前年度の1,306億米ドルから36.7％減少した。2020/21年度
において石油以外の輸入は3,109億米ドルとなり、前年度の3,442億米ドルから9.7％の減少となった。
2020/21年度（４月から６月まで）におけるインドの輸出は954億米ドル（前年比85.9％増）であり、輸入は
1,262億米ドル（前年比108.7％増）であった。その結果、貿易赤字は2019/20年度（４月から６月まで）の91億
ドルから2020/21年度（４月から６月まで））には308億米ドルに増加した。2020/21年度（４月から６月まで）
における石油の輸入は131億米ドルとなり、前年度同期の輸入に比べて62.8％減少した。2020/21年度（４月か
ら６月まで）における石油以外の輸入は473億米ドルとなり、2019/20年度（４月から６月まで）の輸入額を
50.1％下回った。2020/21年度（４月から６月まで）の輸入合計は、前年度同期の輸入に比べて53.6％減少し
604億米ドルとなった。2020/21年度（４月から６月まで）における輸出は514億米ドルで、前年度同期より
36.5％減少した。
2020/21年度における経常収支の状況
インドの経常収支赤字は、赤字が続いた後、2020/21年度に黒字に転換した。経常収支は、2019/20年度には
246億米ドルの赤字であったのに対し、2020/21年度には240億米ドルの黒字となった。GDPに対する割合でみて
も、経常収支黒字は、2019/20年度の対GDP比0.9％の赤字から2020/21年度には0.9％の黒字に転換した。経常収
支赤字は2012/13年度にGDPの4.8％とピークとなったが、その後貿易赤字の削減により制御されていた。
インドのサービス輸出は、2019/20年度の2,132億米ドルに対して、2020/21年度に2,061億米ドルへと減少し
た。ソフトウェア・サービス輸出は、前年度の961億米ドルに対して、2020/21年度には1,000億米ドルと増加し
た。
2020/21年度の海外からの直接投資のインドへの流入額（総額）は、2019/20年度の744億米ドルから817億米
ドルの最高値となった。
概 括
経常収支赤字は、2011/12年度及び2012/13年度において高止まりとなった後、その後の４年度において大幅
に減少した。これは主に、金などの非必需品の輸入抑制の政策、石油価格の低下並びに金以外及び石油以外の
輸入が比較的少なかったことによるものであった。経常収支赤字は2017/18年度及び2018/19年度において拡大
した。原油価格の高騰及びルピー安は、インドの輸入額に圧力をかける可能性がある。2019/20年度において、
貿易収支の改善、目覚ましい海外からの直接投資、ポートフォリオ・フローの回復及び外貨準備高の増加を背
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景に、インドの経常収支赤字はさらに安定したものとなった。2020/21年度において、経常収支赤字は黒字に転
換した。
2015年から2020年の外国貿易政策
外国貿易政策（FTP）2015年-2020年では、新しいスキームが２つ導入されている。つまり、特定の物品を特
定の市場に輸出するための「インドからの商品輸出スキーム（MEIS）」及び通知されたサービスの輸出増を図
る「インドからのサービス輸出スキーム(SEIS)」である。これらは、これまで適格性及び利用面で様々な条件
があった過剰なスキームに代わるものである。これらのスキームに基づき発行された証書には、いかなる条件
制限も付されない。政府の輸出促進スキームに基づき与えられた税控除証書（duty credit scrip）は許可書で
あり、これにより保有者は、記載金額に相当する関税を支払うことなく、輸出物品の製造に用いる投入財又は
かかる物品の生産に用いる機械を輸入することができる。MEIS及びSEISに基づき発行された税控除証書並びに
これらの証書に対応する輸入された物品は、完全に譲渡可能である。MEISに基づく報奨付与のために、各国は
３つのグループに区分けされており、当該グループのMEISに基づく報奨レートは２％から５％までの範囲であ
る。SEISに基づき、選ばれたサービスについて３％及び５％のレートで報奨が与えられる。FTP 2015年-20年の
中期見直しでは、既製衣料及び既製品のMEISインセンティブを２％引上げ、SEISインセンティブを２％引上
げ、税控除証書の有効性を18か月から24か月に延長することで、これらのスキームの範囲を強化した。
輸出促進資本財（EPCG）スキームに基づき、特定の輸出義務を通常の輸出義務の75％に引き下げることによ
り、地元の製造者からの資本財調達を促進する複数の措置が取られた。これにより、国内の資本財の製造業が
促進される。このような柔軟さが、輸出者による地域及び世界双方の消費に向けた生産能力の開発を助けるこ
ととなる。防衛及びハイテク関連品目の輸出を増加する措置が取られた。同時に、手織り商品、書籍／雑誌、
革履物、玩具及びカスタムメイドの流行服の宅配便や外国郵便局を通じた電子商取引（eコマース）による輸出
でも、MEISの恩恵（25,000ルピーを上限とする金額について）を受けることができる。これらの措置は、これ
らの分野でインドの強みを十分に活用し、輸出を増加させるだけでなく、雇用も創出する。
経済特区（SEZ）からの輸出を増加させるため、政府は、双方の報奨スキーム（MEIS及びSEIS）の報奨を経済
特区に所在する企業にも拡大適用することを決定した。この措置は、国内の経済特区の発展及び成長への新た
な起爆剤となることが期待されている。
この新しい外国貿易政策において、貿易促進と事業のしやすさの改善は、もう一つの主な注力分野である。
新しい外国貿易政策の主要な目的の一つは、年中（24時間週７日）ペーパーレス化された労働環境に向けて前
進することである。最近、政府は輸出入に要求される必須文書の数を３つに削減したが、これは国際的な基準
と同水準である。現在では、輸出者／輸入者の登録情報（プロフィール）に文書をアップロードする設備がで
き、輸出者が何度も文書を提出する必要が無くなった。様々な様式の簡略化にも注意が向けられ、様々な規定
が明瞭化され、曖昧さが払拭され、かつ、電子ガバナンスが向上した。
許認可取得者でもある製造業者は、様々な形態の二国間及び地域貿易協定に基づく優遇措置の資格取得を視
野に入れ、自社製造の物品をインド原産であると自ら証明することができるようになる。当該スキームは、こ
のスキームを貿易提携先との特定契約に組み込むかどうかに応じて、段階的に実施される。この「認証輸出者
システム」は、これらの製造輸出業者が迅速に国際市場を利用する上で役立つこととなる。
100％輸出指向型企業（EOU）、エレクトロニクス・ハードウエア・テクノロジー・パーク内企業（EHTP）、
ソフトウエア・テクノロジー・パーク内企業（STPI）及びバイオテクノロジー・パーク内企業（BTP）のスキー
ムに基づく製造及び輸出を促進するために、数々の措置が取られた。これらの措置には、当該企業に対する許
認可の早期化、インフラ設備の共用許可、企業間での商品及びサービス移転許可並びに輸出港近辺での倉庫設
置及び研修目的の非課税での設備利用の許可が含まれる。
製造部門において、また雇用創出の面で中小規模企業が戦略的に重要であることを考慮した結果、「零細・
中小企業群（MSMEクラスター）」に焦点を絞って介入することにより、輸出を増加することができると確認さ
れた。これに応じて、「スキル・インディア」（職能開発を目的とする国家政策）の目的を達成するため、
「ニルヤット・ボンドゥ・スキーム」（零細・中小企業向けの輸出相談制度）が活性化及び再配置された。こ
れらの企業群について、輸出促進協会（EPC）及びその他の意欲的な産業パートナー及びナレッジ・パートナー
らの支援のもと、積極的な支援活動が体系的に組織された。
外国貿易政策（2015年-2020年）の中間レビューに基づき、インド政府は、労働集約型のMSME部門に対して利
用可能な輸出インセンティブを２％増加させた。MEISは2020年12月まで延長され、割当総額の上限は900億ル
ピーとなっている。製品輸出の税に関する減免（RoDTEP）は、2021年１月からMEISを代替する。2020年４月、
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インド政府はFTPをさらに１年間延長し、2021年３月31日までとした。さらにその後2021年９月30日まで延長さ
れた。
FTPとは別に、輸出生産のための原材料及び資本財の無税輸入を可能にするため、事前承認スキーム及び輸出
促進資本財（EPCG）スキームなどのスキームが実施されている。船積前後のルピー建て輸出信用を提供する利
子均等化スキームは、2021年９月30日まで延長された。輸出品に対する輸出品税減免（RoDTEP）スキームは運
用が開始され、衣料品及び既製品に対する州及び中央の租税及び課徴金の割戻し（RoSCTL）スキームは、2024
年３月まで延長された。
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（２）対印投資
対印投資及び外貨準備高
３月31日に終了した会計年度
2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年 2020/21年
対印投資（純額）（十億米ドル） 43.2 52.4 30.1 44.4 80.1
直接投資（対印直接投資）（純額）
（十億米ドル） 35.6 30.3 30.7 43.0 44.0
ポートフォリオ投資（純額）
（海外機関投資家）（十億米ドル） 7.6 22.1 (0.6) 1.4 36.1
外貨準備高（十億米ドル） 370.0 424.5 412.9 477.8 579.3
注：括弧内の数値はマイナスを意味する。
資料出所：インド準備銀行公報
対印投資（純額）は、2020/21年度には前年度の444億米ドルから増加して801億米ドルとなった。2021年３月
末現在の総外貨準備高は5,793億米ドルとなった。
インドの総対外債務は、2020年３月末の5,584億米ドル（GDPの20.6％に相当）から2021年３月末には5,700億
米ドル（GDPの21.1％に相当）に増加した。
（３）為替レート
1993年３月より、ルピーの為替レートは市場で決定されており、貿易収支上の取引は完全に交換が可能と
なっている。1994年２月、準備銀行は、多くの貿易外取引における支払規制の緩和を発表し、1994年８月に
は、貿易外取引の支払いのさらなる自由化により、経常収支の交換性に向けた最終措置が取られた。準備銀行
の基準レートによると、ルピーの為替レートは2017年３月31日には１米ドル＝64.8ルピーであり、2018年３月
31日現在では１米ドル＝65.0ルピーにさらに減価し、2019年３月31日現在ではさらに１米ドル＝69.2ルピーに
減価し、2020年３月31日現在で１米ドル＝75.4ルピーとなった。ルピーの為替レートは上昇し、2021年３月31
日現在では１米ドル＝73.5ルピーとなった。
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