フランス電力 半期報告書
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フランス電力(E05969)
半期報告書
【表紙】
【提出書類】 半期報告書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2021年９月30日
【中間会計期間】 自 2021年１月１日 至 2021年６月30日
【会社名】 フランス電力
(Electricité de France)
【代表者の役職氏名】 会長兼 最高 経営 責任者 ジャン・ベルナール・レヴィ
( Jean-Bernard Lévy , Chairman and Chief Executive Officer)
【本店の所在の場所】 フランス パリ市 75008 ワグラム通り 22番地30
(22-30, avenue de Wagram, 75008 Paris, France)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 柴 田 弘 典
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目１番１号
大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 東京(03)6775-1039
【事務連絡者氏名】 弁護士 金 村 直 弥
同 西 村 順 一 郎
同 塩 野 祐 輝
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目１番１号
大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 東京(03)6775-1323
【縦覧に供する場所】 該当なし
注(１) 本書中、別段の表示のない限り、すべて、「EDF」、「当社」および「会社」と表示されたものは、親会社であるフラ
ンス電力を意味し、「EDFグループ」、「当グループ」および「グループ」は、フランス電力ならびにその子会社および
株式保有会社を意味する。
( ２) 本書中、別段の表示のない限り、すべて、ユーロまたは€ と 表示されたものは欧州通貨ユーロを、ドル、米ドルまたは
＄と表示されたものはアメリカ合衆国ドルを意味する。
ユーロから日本円への換算は、2021年８月31日現在の株式会社三菱UFJ銀行によるユーロの日本円に対する対顧客電信
売買相場の仲値である１ユーロ＝129.69円により計算されている。
( ３) 本書における「AMF」への言及はすべて、フランス金融市場監督局（ Autorit é des Marchés Financiers ）を指す。
( ４) フランス電力の事業年度は暦年である。
( ５) 本書の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計算の総和と必ずしも一致しない。表中の「n.a.」は、「該当な
し」を意味する。
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第一部【企業情報】
第１【本国における法制等の概要】
(ⅰ)株式資本が1,549,961,789.50ユーロから1,578,916,053.50ユーロに増加したこと、および(ⅱ)株式数が
3,099,923,579.00株から3,157,832,107株に増加したことを反映するために、2021年６月30日に定款が改正された。
第２【企業の概況】
１【主要な経営指標等の推移】
連結損益計算書からの抜粋
(単位：百万ユーロ(十億円))
2019 年6月30日 2019 年6月30日
2019 年12月31日 2019 年12月31日
2021 年6月30日 2020 年6月30日
に終了した に終了した
2020 年12月31日
に終了した年度 に終了した年度
に終了した に終了した
6か月間 6か月間
に終了した年度
(5) (3)(4)
(再表示後) (再表示前)
6か月間 6か月間
(2) (1)
(再表示後) (再表示前)
69,031 71,347 71,317 39,621 34,710 36,484 36,469
売上高
(8,953) (9,253) (9,249) (5,138) (4,502) (4,732) (4,730)
減価償却費
および償却費控除
16,174 16,723 16,708 10,601 8,196 8,360 8,346
前 営 業 利 益
(2,098) (2,169) (2,167) (1,375) (1,063) (1,084) (1,082)
(EBITDA)
3,875 6,757 6,760 4,272 1,624 3,677 3,672
営業利益 (EBIT)
(503) (876) (877) (554) (211) (477) (476)
連結会社の税引前 1,293 6,393 6,399 5,133 △678 3,546 3,542
利益 (168) (829) (830) (666) (△88) (460) (459)
650 5,155 5,155 4,172 △701 2,498 2,498
EDF の純利益
(84) (669) (669) (541) (△91) (324) (324)
非経常項目を除く
1,969 3,871 3,871 3,740 1,267 1,402 1,402
(6)
純利益
(255) (502) (502) (485) (164) (182) (182)
(1) 2019年６月30日現在の財務書類は、2019年１月１日からIFRS第16号を適用している。新基準の経過措置の認めるところに従い、比較数値は再表示
されていない。
(2) 2019年度に関して公表された数値は、現在進行中の探鉱および生産事業の売却の範囲の変更による影響を反映するために再表示されている（2020
年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記2.2を参照。）。
(3) 2019年12月31日現在の財務書類は、2019年１月１日からIFRS第16号を適用している。新基準の経過措置の認めるところに従い、比較数値は再表示
されていない。
(4) 2020年に発行された2019事業年度のデータ。
(5) 2019年度に関して公表された数値（純負債額を除く。）は、探鉱および生産（E&P）事業の売却の範囲を変更したことの影響により再表示されてい
る（2020年度の連結財務書類の注記1.4.2を参照。）。
(6) 非経常項目を除く純利益は、IFRSに定義されていないため、当グループの連結損益計算書に直接的に表示されない。非経常項目を除く純利益は、
非経常項目、トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額ならびに負債商品および資本性金融
商品の公正価値の純変動額（税引後）を除く純利益の当グループ持分（EDFの純利益）に相当する。
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連結貸借対照表からの抜粋
(単位：百万ユーロ(十億円))
2019 年 2019 年
2020 年 2021 年 2020 年
(2) (1)
12 月31日 6月30日
12 月31日 6月30日 6月30日
237,232 229,465 243,506 228,997 219,786
非流動資産
(30,767) (29,759) (31,580) (29,699) (28,504)
66,363 70,157 72,327 77,664 68,384
流動資産
(8,607) (9,099) (9,380) (10,072) (8,869)
2,296 3,662 2,617 2,990 1,555
売却目的保有に分類された資産
(298) (475) (339) (388) (202)
305,891 303,284 318,450 309,651 289,725
資産合計
(39,671) (39,333) (41,300) (40,159) (37,574)
45,633 46,466 53,773 44,864 45,154
自己資本 (EDF持分)
(5,918) (6,026) (6,974) (5,818) (5,856)
9,593 9,324 10,279 8,990 8,422
自己資本 (非支配持分)
(1,244) (1,209) (1,333) (1,166) (1,092)
198,145 192,450 193,243 189,291 183,849
非流動負債
(25,697) (24,959) (25,062) (24,549) (23,843)
52,412 54,001 60,880 65,525 51,471
流動負債
(6,797) (7,003) (7,896) (8,498) (6,675)
売却目的保有に分類された 108 1,043 275 981 829
資産に関連する負債 (14) (135) (36) (127) (108)
305,891 303,284 318,450 309,651 289,725
自己資本および負債合計
(39,671) (39,333) (41,300) (40,159) (37,574)
(1) 2019年６月30日現在の財務書類は、2019年１月１日から（修正遡及法を使用する）IFRS第16号を適用している。新基準の経過措置の認めるところ
に従い、比較数値は再表示されていない（2019年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記2.1を参照。）。
(2) 2019年12月31日現在の財務書類は、2019年１月１日からIFRS第16号を適用している（2019年度の連結財務書類の注記2.1を参照。）。
連結キャッシュ・フロー計算書からの抜粋
(単位：百万ユーロ(十億円))
2019 年12月31日 2020 年6月30日 2019 年6月30日 2019 年6月30日
2020 年6月30日
2019 年12月31日
2021 年6月30日
に終了した年度 に終了した に終了した に終了した
2020 年12月31日 に終了した
に終了した年度
に終了した
(4)
(再表示前) 6か月間 6か月間 6か月間
に終了した年度 6か月間
(6)
(再表示後)
6か月間
(5) (3) (2) (1)
(再表示後) (再表示後) (再表示前)
(再表示前)
営業活動による
12,863 14,022 14,022 7,508 5,585 5,516 7,982 7,982
キャッシュ・フロー(純
(1,668) (1,819) (1,819) (974) (724) (715) (1,035) (1,035)
額)
投資活動による
△12,888 △15,650 △15,650 △4,958 △2,983 △2,914 △5,831 △5,831
キャッシュ・フロー(純
(△1,671) (△2,030) (△2,030) (△643) (△387) (△378) (△756) (△756)
額)
財務活動による
2,591 2,223 2,223 △3,304 9,166 9,166 △1,150 △1,150
キャッシュ・フロー(純
(336) (288) (288) (△428) (1,189) (1,189) (△149) (△149)
額)
現金および現金同等物の
2,566 595 595 △754 11,768 11,768 1,001 1,001
(333) (77) (77) (△98) (1,526) (1,526) (130) (130)
純増加/(減少)額
(1) 2019年６月30日現在の財務書類は、2019年１月１日から（修正遡及法を使用する）IFRS第16号を適用している。新基準の経過措置の認めるところ
に従い、比較数値は再表示されていない（2019年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記2.1を参照。）。
(2) 2019年度に関して公表された数値は、非継続事業として表示されている探鉱および生産事業の範囲の変更による影響を反映するために再表示され
た（2020年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記2.2を参照。）。
(3) 2020年度に関して公表された数値は、「金融費用支出（純額）」から「金融資産の変動」への組替え69百万ユーロが含まれている。
(4) 2019年12月31日現在の財務書類は、2019年１月１日から（修正遡及法を使用する）IFRS第16号を適用している。新基準の経過措置の認めるところ
に従い、比較数値は再表示されていない（2019年度の連結財務書類の注記2.1を参照。）。
(5) 2020年に発行された2019事業年度のデータ。
(6) 2019年度に関して公表された数値は、探鉱および生産（E&P）事業の範囲を変更したことの影響により再表示されている（2020年度の連結財務書類
の注記1.4.2を参照。）。
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純負債額に関する情報
(単位：百万ユーロ(十億円))
2020 年 2019 年 2021 年 2020 年 2019 年
12 月31日 12 月31日 6月30日 6月30日 6月30日
65,591 67,380 61,503 77,856 63,475
(1)
借入金およびその他の金融負債
(8,506) (8,739) (7,976) (10,097) (8,232)
負債のヘッジに使用された
△1,986 △3,387 △2,831 △5,912 △2,550
(△258) (△439) (△367) (△767) (△331)
デリバティブ
△6,270 △3,934 △5,928 △15,561 △4,345
現金および現金同等物
(△813) (△510) (△769) (△2,018) (△564)
負債証券および持分証券－流動性の高
△15,028 △18,900 △11,715 △14,386 △19,220
(2)
い資産
(△1,949) (△2,451) (△1,519) (△1,866) (△2,493)
- - - 5 14
非継続事業の純負債額
(-) (-) (-) (1) (2)
△17 △26 △22 - -
売却目的保有資産の純負債額
(△2) (△3) (△3) (-) (-)
42,290 41,133 41,007 42,002 37,374
(1)
純負債額
(5,485) (5,335) (5,318) (5,447) (4,847)
(1) 2019年１月１日現在、IFRS第16号の適用により、純負債額には4,492百万ユーロのリース負債（2019年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記
21.2を参照。）が含まれており、同日現在37,880百万ユーロであった。
(2) 2020年６月30日現在、流動性の高い資産には、レポ契約に基づき複数の銀行に譲渡された負債証券（これらの取引は2020年度上半期において6.5十
億ユーロであった。）が含まれている。EDFはこの対価として担保現金を受け取っており、借入金およびその他の金融負債として認識されている。
かかる取引は、純負債額に影響を及ぼさない。
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２【事業の内容】
当半期中において、2020年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
３【関係会社の状況】
( １ ) 親会社
当半期中において、2020年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
( ２) 子会社および関連会社
2021年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記3.1「連結範囲の変更」を参照のこと。
４【従業員の状況】
当半期中において、2020年度有価証券報告書の記載事項に変更はなかった。
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第３【事業の状況】
１【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
下記「第３ ３（３）財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
２【事業等のリスク】
EDF グループが晒されていると考える主要なリスク要因ならびにEDFグループのリスクの管理および統制に関する方針につい
ては、2020年度有価証券報告書「第一部 第３ ２ 事業等のリスク」に記載されている。
当グループは、引き続きその事業に固有の特定されたリスク要因の影響を受けるため、2020年度有価証券報告書に含まれる
主要リスクの記載は、当グループが2021年６月30日現在晒されているか、または当事業年度の下半期中に当グループに影響を
及ぼす可能性のある主要なリスクおよび不確定要素の評価につき、2021年７月29日現在引き続き有効である。
３【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
( １) 業績等の概要
下記「第３ ３（３）財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
( ２) 生産、受注及び販売の状況
当半期中において、2020年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
( ３) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
本項に含まれる将来に関する事項についての記載は、2021年６月30日現在における当社の判断に基づくものである。
① 重要な事象および主要なデータ
EBITDA の大幅な増加
再生可能エネルギー・プロジェクトのポートフォリオは10％成長の66GW
フランスにおける1,300MWの原子炉の減価償却期間を50年に延長
2021 年の目標の上方修正
・ 原子力
－フランス：
・既存の原子力：
－2021年の原子力の推定発電量を330TWhから360TWhまでの間から、345TWhから365TWhまでの間に引上げ
－900MWの原子炉の40年を超えた運転継続条件に関するASNの一般的決定
・フラマンビル３：
－すべての燃料集合体の現地搬入
－ASNの承認に基づき、遠隔制御ロボットを用いた主要二次回路における貫通溶接部の修理を開始
－主要一次回路における３つの分岐接続の処理についてのASNの決定保留
・新たな原子力
－EDFおよび原子力産業界が、フランスに３組の新たなEPR２原子炉を建設するプログラムへの出資について公的機関に
提出
－小型モジュラー炉プロジェクトであるNuwardに関して、産業組織を設立
－中国：
・台山原子力発電所の原子炉１号機における燃料集合体の異常（ 2021年６月14日付プレスリリースおよび2021年７月22日
付プレスリリースを参照。 ）
－英国：
・ヒンクリー・ポイントＣ：機器設置段階の開始および原子力アイランド建屋内の土木工事の段階的実施
・ヒンクリー・ポイントＢおよびハンターストンＢの最終閉鎖前の一時的な供給再開。サイズウェルＢの供給停止期間を
2021年８月まで３か月延長
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・ダンジェネスＢの閉鎖および燃料取出段階の開始
・７か所のAGR（ 改良型原子力ガス冷却原子炉 ）原子力発電所の廃炉に関する英国政府との合意
－インド：
・ジェイタプールにおける６基のEPR型原子炉の建設に関する拘束力のある技術的および商業的提案の提出（ EDFは投資を
行っておらず、建設も担当していない。 ）
・ 再生可能エネルギー
－プロジェクトのパイプライン（ 風力発電プロジェクトおよび太陽光発電プロジェクト ）－2021年６月末現在の総容量は
66GWとなり、2020年末と比較して10％増加
・米国：Atlantic Shoresによる1.5GWの洋上プロジェクト（50対50のジョイント・ベンチャーによる。）の受注、および
合計300MW超の３件の太陽光発電プロジェクトの受注
・フランス：ソーラー・プランの一環として、合計75MWとなる13件の地上設置型太陽光発電プロジェクト（ CREによる入
札 ）を受注
－2021年６月末現在で建設中の総容量は8.6GW（ 2020年末現在の８GWに対して、8.6GW（うち陸上風力発電1.7GW、洋上風力発
電2.1GWおよび太陽光発電4.8GW） ）となり、2020年末と比較して８％増加
・フランス：クルル・シュル・メール洋上風力発電所の建設開始（448MW）
・サウジアラビア：ジッダにおける300MWの太陽光発電所建設の受注および開始
－2020年度同期の0.6GWに対して、2021年度上半期には１GWを稼働開始（うち344MWはブラジルの風力発電所）
－水力：カメルーンのNachtigalプロジェクト（420MW）において、土木工事の40％超を達成
・ Enedis
－送電網接続の加速
－Linkyプログラムの完了：2021年６月末現在で約32.5百万個のLinkyスマート・メーターを設置し、プログラム達成率は
95％となった。
・ 顧客およびサービス
－商業パフォーマンス：
・フランスでの市場サービスにおける住宅用電力顧客は1.2百万近くとなり、2020年末から17.6％増加
・2021年６月末現在での顧客１人当たりの電気、サービスおよびガスの契約数は1.15件（2030年までの目標：1.5件（ EDF
による予測値：フランス、英国、イタリアおよびベルギー（住宅用顧客） ））
・Bouygues Telecom、SNCFおよびRATPとの間で、再生可能エネルギー電力購入契約（PPA）を締結
－充実したサービス：
・太陽光発電の自家消費に向けた20年間のリース・パーチェス事業の提供を開始
・Boschとのパートナーシップにより、企業用顧客向けの包括的なエネルギー効率化および脱炭素化のサービスを開始
・ イタリア－Edison
－2030年までに総計約４GWの再生可能エネルギー容量を達成することを目標として（ 水力発電を除く。風力発電または太陽
光発電に区分けされる。 ）、Edison内における当グループのイタリアの再生可能エネルギー資産を再編
－E&P事業（ 探鉱および生産事業（アルジェリアの事業を除く。） ）の売却の完了
・ イノベーション
－ドイツによる、産業用再生可能水素製造プロジェクト（300MW）のIPCEI（ 欧州共通利益に適合する重要プロジェクト ）へ
の事前選定
－フランスにおける「 Vert Electrique Auto 」サービスの一環として、トヨタとEDFが連携契約を締結
－2021年６月末現在で144,000か所超の充電ポイントを展開および管理（うちPod Point分は122,000か所（2020年末と比較し
て28％増加））
－ESO（ 100％再生可能エネルギーを使用するEnergy Superhub Oxford ）プロジェクトの一環として、英国において50MWの電
池を稼働
－ブロックチェーン：EDFの子会社であるExaionが開発したソリューションをベースに、イーサリアム（ イーサリアムは、
ユーザーがスマート・コントラクトを構築可能な分散型取引プロトコルである。 ）を介して実現されたEIB（欧州投資銀
行）による債券発行
・ 国外
－アフリカ西部最大のバイオマス発電所建設に係る融資契約の締結（コートジボワールのBiovea（46MW））
－ラオスのナム・テウン２貯水池における240MWのハイブリッド型浮体式太陽光発電プロジェクトの開発契約を締結
・ 欧州における石炭火力発電所からの脱却プロセス
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－フランス：2021年３月31日のル・アーブル石炭火力発電所の閉鎖（ ル・アーブル石炭火力発電所は、2021年３月末以降閉
鎖され、休止状態（複数年保証の閉鎖）になっており、2021年末には送電網から切り離される予定である。 ）
－英国：英国政府が設定した石炭火力発電所の閉鎖期限の２年前である、2022年９月に予定されているウェスト・バートン
Ａ発電所の閉鎖
・ ESG
－EDFは、社会的責任を果たしている40社を含む新たなユーロネクストの指数である「CAC 40 ESG」に組み入れられた。
テキサス州における異常寒波
2021年２月にテキサス州で発生した異常寒波の際には、電力価格の急上昇が数日間にわたって見られた。EDF Renewables
は、４か所の風力発電所を閉鎖し、契約上のコミットメントを守るために非常に高い価格でエネルギーを購入せざるを得な
かった。EDF Tradingは、コモディティ市場の高いボラティリティから利益を得た。これら２つの影響により、グループEBITDA
は推定49百万ユーロのプラスの影響を受けた。また、EDFの純利益は、風力発電所のうちの１つについて認識された減損による
影響を受けた。全体として、2021年度上半期のEDFの純利益に対するこの異常寒波による総合的な影響は、ほぼ中立的であっ
た。
コスト削減計画および売却計画
当グループの財務状況に対する健康危機の影響を軽減するために、2019年から2022年までの間に営業費用を500百万ユーロ削
減し、2020年から2022年までの期間にわたり売却（ 締結済みまたは完了した売却。当グループの実用的な債務の削減（スタン
ダード・アンド・プアーズによる定義）への影響。 ）によって約３十億ユーロを生み出すことを目標として、2020年半ばにコ
スト削減計画および売却計画が立ち上げられた（「第３ ３（３）⑥業績見通し」を参照。）。2021年６月末現在、当グループ
は251百万ユーロのコストを削減した。2021年７月29日現在における締結済みまたは完了した取引による売却は、純負債額に対
して約1.2十億ユーロ、当グループの実用的な債務（ スタンダード・アンド・プアーズによる定義による実用的な債務 ）に対し
て約1.9十億ユーロの有利な影響を与えている。
フランスにおける既存の原子力規制枠組みの改革の見通し
フランス政府は、ARENH改革、水力発電所の委託およびEDFの全体的な再編成に関する欧州委員会との協議は、現段階では完
全な合意に達することができず、全関係者にとって満足のいく結果を得るために、今後も協議を継続しなければならないとし
ている。
2021 年度上半期の当グループの主要なデータ
本書中の数値は、EDFグループの2021年６月30日現在の要約中間連結財務書類から抜粋している。
COVID-19パンデミックの影響：2020年度上半期にはCOVID-19パンデミックが発生し、2020年６月30日現在のEBITDAに対して
推定－1,010百万ユーロの影響を及ぼした。COVID-19危機は、2021年度上半期にわたり影響を及ぼし続けたが、（特に、一部の
原子炉の供給停止期間の終了が2021年に延期され、原子力発電量に影響を与えたことならびに電力およびサービス活動に対す
る需要が当該危機以前より減少したことにより）2021年６月30日現在のグループEBITDAに対するその影響は低く、広範囲に及
ぶため、容易には追跡できない。その結果、当該パンデミックが2021年度上半期における当グループの業績に与えた影響を評
価するための、具体的な措置を講じることは適切ではなかった（2021年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記1.6.1「新
型コロナウイルス感染症（Covid-19）パンデミックの影響」を参照。）。
フランスにおける1,300MWeの原子力炉の減価償却期間を50年に延長:当グループは、フランスにおける1,300MWe系列のPWR発
電所の減価償却期間を当グループの産業戦略に沿ったものにするために必要な技術的条件、経済的条件およびガバナンス面の
条件が、2021年度上半期にすべて充足されたと考えている。そのため、当グループは、2021年１月１日に、すべての1,300MWe
系列の発電所について、この会計上の見積りを変更した。EDFの純利益への影響は、＋194百万ユーロである（2021年６月30日
現在の要約中間連結財務書類の注記1.6.2を参照。）。
2021 年度 2020 年度 本業の変動率
変動 変動率(%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期 (%)
売上高 39,621 34,710 4,911 14.1 13.7
減価償却費および償却費控除前営業利益
10,601 8,196 2,405 29.3 29.8
(EBITDA)
営業利益 (EBIT)
4,272 1,624 2,648 163.1 165.1
連結会社の税引前利益 5,133 △678 5,811 n.a. n.a.
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EDF の純利益 4,172 △701 4,873 n.a. n.a.
(1)
非経常項目を除く純利益
3,740 1,267 2,473 n.a. n.a.
ハイブリッド債に係る支払調整後の非経常
3,452 981 2,471 n.a. n.a.
項目を除く純利益
(2)
当グループのキャッシュ・フロー
△240 △1,829 1,589 -86.9 n.a.
(3)
純負債額
41,007 42,002 △995 -2.4 n.a.
n.a. ＝該当事項なし。
(1) 非経常項目を除く純利益は、IFRSに定義されていないため、当グループの連結損益計算書に直接的に表示されない。非経
常項目を除く純利益は、非経常項目、トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価
値の純変動額ならびに負債商品および資本性金融商品の公正価値の純変動額（税引後）を除く当グループの純利益（EDF
の純利益）の当グループ持分（「第３ ３（３）④（ⅵ）非経常項目を除く純利益」を参照。）に相当する。
(2) 当グループのキャッシュ・フローはIFRSに定義された財務成績を測定するための総額ではなく、また、他社により同名で
発表される指標と比較できるものではない。当グループのキャッシュ・フローは、資産売却、法人所得税支払額、金融費
用支出（純額）、専用資産への純割当額、現金配当支払額、ヒンクリー・ポイント ＣおよびLinkyのプロジェクトへの投
資額 を除く営業キャッシュ・フローに相当する（「第３ ３（３）⑤純負債額、キャッシュ・フローおよび投資」を参
照。）。
(3) 純負債額は会計基準に定義されておらず、当グループの連結貸借対照表上には直接表示されていない（「第３ ３（３）
⑤（ⅰ）純負債額」を参照。）。
② 経済環境
( ⅰ) 電力および主要なエネルギー源の市場価格
緊密な欧州市場において、フランスの市場価格の分析は、近隣諸国における市場価格の分析に関連する必要がある。
2021年度上半期中、電力の平均スポット価格は、欧州全土で2020年度上半期より大幅に上昇した。
( イ) 欧州における電力スポット価格 （ フランス：EPEXSPOTにおける当日引渡向け前日の平均価格。ベルギー：Belpexにおけ
る当日引渡向け前日の平均価格。英国：EDF Tradingにおける当日引渡向け前日平均OTC価格。イタリア：GMEにおける当日引渡
向け前日平均価格。 ）
フランス 英国 イタリア ベルギー
2021 年度上半期のベースロード
58.5 79.0 67.2 56.6
平均価格 (ユーロ/MWh)
2021 年度上半期/2020年度上半期の
+146.6% +141.6% +108.8% +132.9%
ベースロード平均価格の変動率
2021 年度上半期のピークロード
67.1 91.9 74.5 63.9
平均価格 (ユーロ/MWh)
2021 年度上半期/2020年度上半期の
+139.4% +146.3% +108.6% +126.6%
ピークロード平均価格の変動率
以下の記載は、ベースロード価格に関するものである。
フランスの電力スポット価格は、2021年度上半期において平均58.5ユーロ／MWh（ベースロード）および67.1ユーロ／MWh
（ピークロード）となり、前年同期比でそれぞれ34.8ユーロ／MWhおよび39.1ユーロ／MWh上昇した。
この著しい上昇は、全期間にわたって見られたが、2021年度第２四半期に際立った。スポット価格は、平年を下回る気温と
風力発電量の減少が相まって、３月末まで押し上げられた。この圧力は、景気が回復し（そのため、需要が増加し）、４月お
よび５月の気温が平年より寒冷であった（それぞれ2020年同月より3.9℃および3.1℃低かった）ため、第２四半期中も続い
た。コモディティ価格の大幅な上昇およびとりわけ６月の風力発電量の減少により、この上昇傾向は５月および６月まで続い
た。
2021年度上半期のフランスにおける需要は、2020年度上半期から17.7TWh増加し、合計244.3TWhとなった。この需要の増加に
対応するため、フランスの発電量は合計8.2TWh増加した。
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発電量の増加は、原子力発電所（＋7.7TWh）、化石燃料火力発電所（＋2.6TWh）および太陽光発電所（＋0.4TWh）に関する
ものであり、それぞれの発電量は181.7TWh、19.9TWhおよび6.8TWhであった。かかる増加は、2021年度上半期にそれぞれ合計
19.2TWhおよび33.8TWhとなった、風力発電量（－1.4TWh）および水力発電量（－1.0TWh）の減少を補った。
当年度上半期におけるフランスの輸出バランスは、前年同期比で9.7TWh減少し、22.0TWhまで減少した。2021年度上半期にお
けるスペイン、スイスおよび欧州中西部への輸出量は2020年度同期より減少（合計－5.1TWh）したが、イタリアおよび英国へ
の輸出量は増加（合計＋4.5TWh）した。一方、輸入量はすべての国境で増加（合計＋9.2TWh）した。
輸入量の増加は、主に、2020年より気温が低く（2020年同期と比較して－1.9℃）、消費量が高かった（2020年同期と比較し
て１か月当たり平均＋3.1TWh）年初の４か月間に関係するものである。
英国における電力の平均スポット価格は、2020年度上半期と比較して46.3ユーロ／MWh上昇し、2021年度上半期は平均79.0
ユーロ／MWhとなった。この上昇は当該期間を通して見られたが、４月には需要が回復し、ガス火力発電の発電コストが増加
し、再生可能エネルギー発電量が西欧全土において減少したため、より顕著であった。
イタリアにおける平均スポット価格は、2020年度上半期と比較して35.0ユーロ／MWh上昇して、2021年度上半期は平均67.2
ユーロ／MWhとなった。この上昇は、需要の回復および2021年度上半期中にガス価格が大幅に上昇したため、イタリアの電力構
成におけるガスの重要性を反映している。
ベルギーにおける平均スポット価格は、前年同期比で32.3ユーロ／MWh上昇し、2021年度上半期の平均価格は56.6ユーロ／
MWhとなった。この上昇の要因として、ガス、石炭、二酸化炭素の価格の上昇、再生可能エネルギー発電量の減少、寒い冬季お
よびロックダウンによる需要への影響が挙げられる。
( ロ) 欧州における電力先物価格 （ フランス：１年先の平均EEX価格。ベルギーおよびイタリア：１年先の平均EDF取引価格。
英国：2020年４月から2021年４月までのICE平均年次契約価格（英国では、年次契約の引渡取引は４月１日から３月31日までの
間に行われる。）。 ）
フランス 英国 イタリア ベルギー
2022 年年次契約に基づく2021年度上半期の
58.5 67.3 63.9 54.8
ベースロード平均先物価格 ( ユーロ/MWh)
年次契約に基づく2021年度上半期/2020年度
+33.6% +48.3% +30.9% +37.6%
上半期のベースロード平均先物価格の変動率
2022 年年次契約に基づく2021年6月30日現在
73.7 77.7 80.7 69.8
のベースロード先物価格 (ユーロ/MWh)
2022 年年次契約に基づく2021年度上半期の
72.1 76.5 70.1 65.6
ピークロード平均先物価格 (ユーロ/MWh)
年次契約に基づく2021年度上半期/2020年度
+27.5% +48.0% +27.4% +26.0%
上半期のピークロード平均先物価格の変動率
2022 年年次契約に基づく2021年6月30日現在
88.2 89.0 87.1 80.0
のピークロード先物価格 (ユーロ/MWh)
2021 年度上半期の年次契約に基づく電力のベースロード平均価格およびピークロード平均価格は、（ガス、石炭および二酸
化炭素の）コモディティ価格が上昇したため、欧州全土において2020年度同期から上昇した。
フランスにおける翌年引渡予定の年次契約に基づくベースロード平均価格は、当年度上半期を通して常に上昇し、平均58.5
ユーロ／MWhとなり、2020年度上半期と比較して33.6％上昇した。かかる上昇は、年初の２か月間においては二酸化炭素価格に
ほぼ全面的に起因し、その後、短期的なガス市場の緊張によって冬季までに欧州の貯蔵量を満たすことができるか不透明にな
り、2021年度第２四半期に電力先物価格が押し上げられたため、最後の４か月間においては二酸化炭素、ガスおよび石炭の価
格が合計で大幅に上昇したことに起因する。
英国における年度（Ｙ）＋１年の４月１日から年度（Ｙ）＋２年の３月31日までの４月先物契約ベースロード価格は、前年
同期比で48.3％上昇し、2021年度上半期には平均67.3ユーロ／MWhとなった。フランスと同様に、英国の年次契約価格は、コモ
ディティ価格の上昇により、全期間にわたって上昇した。
また、イタリアにおける翌年引渡予定の年次契約に基づくベースロード価格も上昇し、2021年度上半期は平均63.9ユーロ／
MWhとなり、2020年度上半期と比較して30.9％上昇した。この大幅な上昇は、年初からのコモディティ価格の上昇に関係するも
のである。当該期間中に変動を続けた二酸化炭素価格は、イタリアの電力構成においてガスが大きな要素であることから上昇
傾向を辿り、これによって高い電力価格が維持された。
ベルギーにおける翌年引渡予定の年次契約に基づくベースロード価格は、前年同期比で37.6％上昇し、2021年度上半期は平
均54.8ユーロ／MWhとなった。かかる上昇は、燃料価格の上昇により、とりわけ第２四半期に顕著であった。
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( ハ) 二酸化炭素排出権価格 （ フェーズⅢ（2013年－2020年）およびフェーズIV（2021年－2030年）の年次契約に関する平均
ICE価格 ）
年度（Ｙ）＋１年の12月に引渡予定の二酸化炭素排出権価格は、2021年度上半期は平均44.3ユーロ／トン（前年同期比で＋
98.4％、すなわち＋22.0ユーロ／トン）であった。当該価格は大きく変動し続け、年初からは堅調な上昇傾向にあった。
2021 年初めは二酸化炭素排出権価格にとって有利な政治環境であった。１月には、米国がパリ協定に復帰し、通常は２月に
行われる無償割当量の割当てが延期されることが発表された。また、排出権価格は、投機的な投資家の市場への参入が増えた
ため、２月以降の有利な市況による恩恵も受けた。
４月は気温が平年を下回ったため、化石燃料火力発電所の使用の増加が必要であった。
最後に、７月半ばに公表された欧州委員会の「フィット・フォー55（Fit for 55）」の新たな気候変動対策パッケージを受
けて、欧州議会は欧州連合の温室効果ガスの排出量を2030年までに1990年の水準から（従来の40％ではなく）55％削減するた
めの提案を検討する予定である。欧州連合の炭素市場改革案では、無償割当量および流通している割当量が大幅に削減される
ため、将来的に二酸化炭素排出枠価格の上昇を促進する可能性がある。
( ニ) 化石燃料価格 （ 石炭：欧州での翌年の引渡取引に関する平均ICE価格（CIF ARA）（米ドル／トン）。石油：ブレント原
油バレルのICE価格（期近物）（米ドル／バレル）。天然ガス：フランスで翌年の10月以降開始する引渡取引に関するICEにお
ける平均OTC価格（PEG Nord－ユーロ／MWhg）。 ）
石炭 石油 天然ガス
( 米ドル/トン) ( 米ドル/バレル) ( ユーロ/MWhg)
2021 年度上半期の平均価格 73.8 65.2 19.6
2021 年度上半期/2020年度
+30.4% +54.9% +55.9%
上半期の平均価格変動率
2021 年度上半期の最高価格 87.2 76.2 28.2
2021 年度上半期の最低価格 64.2 51.1 15.8
2021 年6月30日現在の価格 87.2 75.1 28.2
2020 年6月30日現在の価格 57.7 41.2 11.6
欧州における翌年引渡予定の石炭価格は、2021年度上半期には平均73.8米ドル／トン（2020年度上半期と比較して＋
30.4％、すなわち＋17.2米ドル／トン）であり、2020年からの上昇傾向が続いた。年初からの（コロンビア、南アフリカ、ロ
シアおよびオーストラリアにおける）発電所の複数の異常気象および事故により、輸出量が数週間にわたり減少したため、供
給量が減少した。また、中国の景気回復、寒冷な冬季および特に低かった中国の貯蔵量がアジア市場の緊張を刺激した。アジ
アでの石炭価格の上昇は、寒波の影響を受け、COVID-19後の景気回復が見られた欧州市場にも波及した。
石油価格は、2021年度上半期には平均65.2米ドル／バレル（2020年度上同期と比較して＋54.9％、すなわち＋23.1米ドル／
バレル）となった。１バレル当たりの価格は、消費諸国の景気回復を見越してOPECプラス加盟国間で供給量を段階的に調整す
ることが合意されたことにより、全期間を通じて概ね前年同期比で上昇した。また、年初に米国で導入されたアメリカン・レ
スキュー・プランおよび世界各地でのワクチン接種計画の加速も、石油価格の上昇に寄与した。
PEG Nord区域における翌年引渡予定の年次ガス契約価格は、2021年度上半期には平均19.6ユーロ／MWhg（2020年度上半期と
比較して＋55.9％、すなわち＋7.0ユーロ／MWhg）であった。ガス先物価格は、アジアにおけるCOVID-19感染の終息を楽観視し
た経済環境の中、年初に上昇した。２月の気温が平年を下回ったため、欧州市場での需給が逼迫していた。３月には、さらに
平年を下回る気温が予想され、スエズ運河が数日間封鎖されたため、価格への圧力が続いた。
第２四半期には、世界的な景気回復および欧州におけるガスの貯蔵量が少ないことによる冬場の不安感により、価格は上昇
した。さらに、ウクライナまたはノルド・ストリーム２を経由したロシアからのガス供給量に対する不確実性によって、引き
続き欧州のガス市場に緊張がもたらされ、アジアでの暑い夏季の影響により、欧州市場とアジア市場の間でLNG輸送船の誘致競
争が激化した。
( ⅱ) 電力消費量および天然ガス消費量
( イ) フランスにおける電力消費量およびガス消費量
フランスにおける電力消費量は、2020年度上半期と比較して17.7TWh増加した。かかる増加は、主に比較的涼しかった天候
（2021年の上半期の平均気温は、2020年より1.6℃低かった。）に起因し、推定で約14TWh貢献した。
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また、COVID-19パンデミックを抑制するために政府が導入した行動制限は、推定で約５TWhと、小さいが、相対的にプラスに
貢献した。かかる制限は当該期間のすべての月に影響を及ぼしたが、2021年の制限は（３月17日付で有効となった）2020年の
ものよりも厳しくなかった。
2020年２月の閏日等、その他の要因も消費量に（上向きまたは下向きの）影響を及ぼしたが、その影響は軽微であった。
当年度上半期のフランスにおける天然ガスの消費量は、2020年度上半期と比較して31.9TWh増加した。かかる増加は、主に、
2020年より気温が低かったことにより需要が増加したことおよび政府による制限が緩和したことに起因する。寒い時期（２月
半ばおよび４月の最初の２週間）には住宅用顧客による消費量がピークに達し、一方、企業用顧客によるガス消費量は制限緩
和により平均的に増加した。最後に、コンバインド・サイクル・ガス（CCG）発電所のガスの必要量は全体的に増加し、とりわ
け寒波の期間中は電気による暖房の需要増加に対応するため増加した。
( ロ) イタリアにおける電力消費量およびガス消費量
イタリアにおける電力消費量（ イタリアに関するデータの出典：未調整データおよびイタリア国営の送電網事業者である
Ternaが提供し、Edisonが調整したデータ。 ）は、2020年のCOVID-19危機後の経済活動の再開により、2021年度上半期において
は合計154.9TWhとなり、2020年度上半期と比較して7.9％増加した。太陽光発電量および風力発電量の減少は、火力発電量の増
加によって十分に相殺された。純輸入量は56.9％増加した。
イタリアにおける天然ガスの国内需要（ イタリアに関するデータの出典：経済開発省（MSE）からのものであり、Snam Rete
Gasからのデータは１bcm＝10.76TWhのベースで、Edisonが調整している。 ）は合計39.8bcmとなり、前年同期比で11.0％増加
し、これはCOVID-19関連制限が解除され、一般的に経済活動が再開されたことを確認するものとなった。かかる需要は、すべ
てのセグメントで増加した。絶対値では、2021年度第１四半期の冬季が前年よりも寒かったことにより、住宅用顧客による消
費量が最も大きく増加した（2020年度上半期と比較して＋2.0十億立方メートル、すなわち＋12.8％）。
(ⅲ) 電力および天然ガスの販売料金
フランスの「青色」規制販売料金は、2021年２月１日付で、住宅用顧客については税抜きで1.93％（税込みで1.61％）、非
住宅用顧客については税抜きで3.23％（税込みで2.61％）引き上げられた。
英国では、住宅用顧客を対象とするガスおよび電力の変動料金の上限額が2019年１月１日に導入された。かかる上限額は、
コストの改定を考慮して、６か月ごとに更新される。2020年10月、英国政府は、かかる上限額が2021年末まで少なくともさら
に12か月間は継続される見込みであることを発表した。かかる上限額は、卸売市場価格、輸送および配電のコストならびに
（再生可能な）規制上の義務に関連するコストの変動を反映するために、2021年４月１日から９月30日までの期間に９％引き
上げられた。また、この新たな上限額は、パンデミックの影響で供給業者が抱える不良債権の推定増加額も考慮している。
(ⅳ) 天候：気温および降雨量
( イ) フランスの気温
2021 年度上半期のフランスの気温は極めて対照的であった。１月初めおよび２月には寒波が訪れ、過去25年間で最も寒かっ
た５月の１つとなり、冬季の数日間（１月後半、２月後半および３月後半）は春のような天候となった。６か月全体の平均気
温は平年を0.5℃下回り、2020年同期の平均気温より1.6℃低かった。したがって、2021年度上半期は2020年度上半期より著し
く寒く、４月および５月の月間気温差は－３℃超であった。
( ロ) 降雨量
2021 年度上半期の欧州の降雨量は、平年より乾燥していた欧州南部（スペイン、フランス南西部およびイタリア）と降雨量
が多かったフランスのその他の地域、スカンジナビアおよびドイツの間でわずかに差はあったものの、全体的に平年並みで
あった。
フランスでは、水利条件は平年をわずかに下回ったが、各月の差が2020年度上半期より顕著であった。１月および２月の水
量率は極めて高かったが、その後３月には平年を下回った。降雨量が不足し、雪解け水がなかったため、４月の水量率は過去
50年間で最も低かった。2021年度上半期の水量率の合計は平年をわずかに上回った。
③ 重要な事象
「第３ ３（３）①重要な事象および主要なデータ」に記載されている重要な事象に加えて、2021年度上半期中の重要な事象
の詳細は、2021年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記２「重要な事象の要約」に記載されている。
( ⅰ) 規制環境
規制変更に関する詳細は、2021年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記5.1.1および注記5.3に記載されている。
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( ⅱ) EDFの取締役の変更
2021 年５月６日の株主総会において、株主は、マリー・クリスティーヌ・ルプティ氏、コレット・ルウィネ氏、ミシェル・
ルソー氏およびフランソワ・ドラットル氏の取締役としての任命を、2024年12月31日に終了する事業年度の財務書類を承認す
るために招集される株主総会までの４年間に更新することを決議した。
2021 年６月15日の取締役会は、La Posteグループのデジタル・サービスおよびコミュニケーション担当の執行副社長である
ナタリー・コラン氏を、2024年12月31日に終了する事業年度の財務書類を承認するために招集される定時株主総会までの４年
任期で、EDFの新たな社外取締役に任命することを提案するために、2021年７月22日に定時株主総会を開催することを決定し
た。
ナタリー・コラン氏は、2021年５月６日の定時株主総会にて任期が終了した社外取締役のローランス・パリゾ氏の後任とな
る。
④ 2021年度上半期および2020年度上半期の事業および連結損益計算書の分析
2021 年度上半期および2020年度上半期の連結損益計算書の表示および分析は、売上高およびEBITDAを事業セグメント（フラ
ンス－発電と供給、フランス－規制業務、EDF Renewables、Dalkia、Framatome、英国、イタリア、その他国外およびその他事
業）別に分類している。EBIT（営業利益）および純利益は内訳なしで分析されている。
( 単位：百万ユーロ) 2021 年度上半期 2020 年度上半期
売上高 39,621 34,710
購入燃料およびエネルギー費用 △18,753 △16,550
(1)
その他の対外費用
△3,629 △3,469
人件費 △7,273 △7,020
法人所得税以外の税金 △2,509 △2,813
その他の営業収益および営業費用 3,144 3,338
減価償却費および償却費控除前営業利益
10,601 8,196
(EBITDA)
トレーディング業務以外のエネルギーおよび
コモディティ・デリバティブの公正価値の △541 △ 323
純変動額
(2)
減価償却費および償却費 (純額)
△5,194 △5,358
( 減損)/戻入 △502 △738
その他の収益および費用 △92 △153
4,272 1,624
営業利益 (EBIT)
△754 △868
総金融負債に係る費用
△ 1,016 △1,172
割引の影響
2,631 △262
その他の金融収益および費用
861 △2,302
金融損益
5,133 △ 678
連結会社の税引前利益
法人所得税 △1,458 42
関連会社およびジョイント・ベンチャーの
344 11
純利益に対する 持分
非継続事業の純利益 △3 △161
4,016 △786
グループの純利益
4,172 △701
EDF の純利益
4,175 △544
EDF の純利益 － 継続事業
△3 △157
EDF の純利益 － 非継続事業
非支配持分に帰属する純利益 △156 △85
非支配持分に帰属する純利益－継続事業 △156 △81
非支配持分に帰属する純利益－非継続事業 - △4
(1) その他の対外費用は、棚卸資産の変動および資本財控除後で計上されている。
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(2) 委譲運営有形固定資産取替引当金の純増加額を含む。
( ⅰ) 売上高
売上高は、前年同期比で4,911百万ユーロ増加（＋14.1％）し、2021年度上半期には39,621百万ユーロとなった。外国為替の
変動による影響（－82百万ユーロ）および連結範囲の変更による影響（＋247百万ユーロ）を除いて、売上高は13.7％の本業の
成長を計上した。
( イ) グループ売上高およびセグメントごとの売上高の増減
( 単位：百万ユーロ) 2021 年度上半期 2020 年度上半期 変動 変動率(%) 本業の成長率(%)
売上高 39,621 34,710 4,911 +14.1 +13.7
以下の表は、セグメント間消去を除くセグメントごとの売上高を示している。
2021 年度 2020 年度 本業の成長率
変動 変動率(%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期 (%)
(1)
フランス－発電と供給
16,001 14,449 1,552 +10.7 +9.5
(2)
フランス－規制業務
9,096 8,139 957 +11.8 +11.8
EDF Renewables
807 770 37 +4.8 +8.2
Dalkia 2,326 1,988 338 +17.0 +15.7
Framatome 1,634 1,490 144 +9.7 +11.0
英国 4,887 4,595 292 +6.4 +5.6
イタリア 3,911 2,909 1,002 +34.4 +34.9
その他国外 1,394 1,244 150 +12.1 +12.8
その他事業 1,887 1,200 687 +57.3 +58.3
△2,322 △2,074 △248 +12.0 +12.0
セグメント間消去
39,621 34,710 4,911 +14.1 +13.7
グループ売上高
(1) フランス本土における発電、供給および最適化、ならびにエンジニアリングおよびコンサルティングサービスの売上高。
(2) 規制業務は、Enedisによって行われるフランス本土における配電、EDFの島部業務およびÉlectricité de Strasbourg業務
で構成される。フランス本土において、配電網業務は、TURPE（公共送配電網使用料金）を介して規制されている。
Enedisとは、フランス・エネルギー法に定義されるEDFの独立子会社である。
( ａ) フランス－発電と供給
2021 年度上半期におけるフランス－発電と供給セグメントの売上高は、2020年度上半期と比較して1,552 百万ユーロの増加
（＋10.7％）または1,366百万ユーロの本業の成長（＋9.5％）となり、16,001百万ユーロとなった。
エネルギー売上高は、主に原子力発電量の7.7TWhの増加に起因する＋325百万ユーロの好調な販売量の影響を反映して、355
百万ユーロ増加した。
下流部門における市況は、売上高の変動に対して推定＋234百万ユーロの好影響をもたらした。かかる増加は、主として、最
終顧客への容量保証購入に係る再請求（＋290百万ユーロ）および市場シェアの喪失によるわずかなマイナス影響に起因する。
購入義務の対象である電力の再販売は、主として当年度上半期のスポット市場価格および先物市場価格の上昇に起因して、
463百万ユーロ増加したが、非常に風が強かった2020年に容量が減少したことにより一部相殺された（EBITDAへの影響は、CSPE
メカニズムが購入義務に関する費用を補填するため、軽微であった。）。
販売子会社およびアグリゲーターの業績等、その他の様々な要因も売上高の有利な変動に寄与した（連結範囲の変更を除い
て＋184百万ユーロ）。
発電
2021 年度上半期における原子力発電量は、フェッセンハイムにおける原子炉２基が閉鎖されたにもかかわらず（－５TWh）、
2020年度上半期から7.7TWh増加して、181.7TWhとなった。かかる増加は、主として、需要が高かったために発電量の調整があ
まり行われなかったことによるものである。より過密であった維持管理目的の供給停止計画は、予定外の供給停止、予期せぬ
問題および延長が少なかったことによって、相殺された。
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2021 年度上半期における総水力発電量は、前年同期比で5.4％減少（－1.4TWh）し、24.6TWhとなった（ 揚水発電量を差し引
いた水力発電量は、2021年度上半期には21.9TWh（2020年度上半期には22.7TWh）となった。 ）。かかる減少は、主として、
2021 年の水利条件が2020年の過去の平均値から改善されたものの、やや不利であったことによるものである（「第３ ３（３）
②（ⅳ）天候：気温および降雨量」を参照。）。
火力発電所の発電量は、2020年度上半期から1.7TWh増加して、5.2TWhとなった。
最終顧客（海外の事業者を除き、地方配電会社を含む市場セグメント）への販売量は、3.9TWh増加した（天候の影響に関す
る8.5TWhを含む。）。
EDF は、卸売市場において38.2TWhに及ぶ純売手となり、2020年度上半期と比較して横ばいであった。最終顧客への売上高の
増加、ARENH制度を条件とした容量の増加および市場における購入義務の減少は、原子力発電量および化石燃料火力発電量の増
加によって相殺された。
( ｂ) フランス－規制業務
フランス－規制業務セグメントの2021年度上半期の売上高は、前年同期比で957百万ユーロ（＋11.8％）増加して、9,096百
万ユーロとなった。Enedis（ Enedisは、フランス・エネルギー法において定義されるEDFの独立子会社である。 ）の売上高の増
加は、主として、2020年同期と比較して2021年度上半期の寒さが厳しかったこと（＋333百万ユーロ）、主にTURPE５配電料金
の指数調整（ 2020年８月１日付の＋2.75％のTURPE５配電料金の指数調整 ）の推移による有利な価格影響（＋355百万ユーロ）
および接続による収益の増加（＋174百万ユーロ）によるものである。
Électricité de Strasbourg およびSEIの売上高は、105百万ユーロ増加した。
( ｃ) EDF Renewables
EDF Renewables セグメントの売上高は、2020年度上半期と比較して63百万ユーロの本業の成長（＋8.2％）となり、合計807
百万ユーロとなった。
2021 年度上半期に生産された総容量は、稼働開始された電力容量の増加に起因して、2020年度上半期から10.6％の本業の成
長となり、8.8TWhとなった。
2020 年度下半期中および2021年度に新たな施設の稼働が開始されたにもかかわらず、エネルギー発電からの売上高は、2020
年度第１四半期にフランスおよび英国における風の条件が非常に良好であったことから、1.6％の緩やかな本業の成長を示し
た。テキサス州で異常寒波が続いたことは、EDF Renewablesの売上高に大きな影響を及ぼさなかったが、同社は契約上のコ
ミットメントを守るために非常に高い価格でエネルギーを購入しなければならなかった。
米国の分散型太陽光発電事業の売上高は、新たなMW単位の設備容量を反映して、本業の成長を記録した。EBITDAへの影響は
限定的であった。パートナー企業に対して再請求された開発費（持分法によって会計処理されている。）は、2020年度上半期
から増加した。
( ｄ) Dalkia
Dalkia の売上高は、2020年同期と比較して313百万ユーロの本業の成長（＋15.7％）となり、2021年度上半期には2,326百万
ユーロとなった。
かかる成長は、COVID-19パンデミックがDalkiaの取引高に与えた影響の反動（2020年度上半期中に業務が延期され、工業向
けおよび建物向けのサービスが大幅に縮小した。）、ガス価格の大幅な上昇（EBITDAへの影響はなかった。）、ならびにフラ
ンスにおける工業用冷凍サービスのビジネス展開および英国におけるビジネス展開を反映したものである。Dalkiaの売上高は
また、2020年度上半期の温暖な気候の後、2021年の気温が平年よりやや低かったことによる恩恵を受けた。
( ｅ) Framatome
Framatome の売上高は、2020年度上半期と比較して11.0％の本業の成長となり、2021年度上半期には1,634百万ユーロとなっ
た。売上高のほとんどは当グループ内によるものである。かかる大幅な増加は、「設置基盤」、「燃料」および「大規模プロ
ジェクト」の事業の成長に起因するものである。
( ｆ) 英国
英国のセグメントの売上高は、2020年度上半期から292百万ユーロ増加し、2021年度上半期には4,887百万ユーロとなった。
為替レートの変動による影響（＋30百万ユーロ）および連結範囲の変更による影響（＋５百万ユーロ）を除いた場合、売上高
は前年同期比で5.6％の本業の成長となった。
かかる増加は、2020年度第２四半期に実施された最初のロックダウンにより大きな影響を受けた、企業用顧客セグメントの
売上高および供給業務の回復ならびに住宅用顧客に対して販売した容量の増加に起因する。その他の要因は、寒波およびGreen
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Network Energy（GNE）の買収に伴って獲得した多数の顧客である。これらの好影響は、（とりわけサイズウェルＢの供給停止
期間の延長を反映した）原子力発電量の減少（－1.8TWh）および火力発電量の減少（－1.1TWh）ならびに高価格でエネルギー
購 入を行ったことによる原子力エネルギーの実現販売価格の引下げにより、一部相殺された。
( ｇ) イタリア
イタリアのセグメントの売上高は、2020年度上半期と比較して1,015百万ユーロの本業の成長（＋34.9％）となり、2021年度
上半期には合計3,911百万ユーロとなった。
ガス事業の売上高は、すべての市場における価格の上昇により増加した（ただし、マージンへの影響は限定的であっ
た。）。2020年に実施されたCOVID-19の措置後の企業用顧客への販売量の回復、前年よりも寒かった冬季および火力発電向け
のガスの売上高の増加も、販売量の増加に寄与した。
電力事業の売上高も、とりわけ電力価格の上昇により増加した。ポートフォリオの上層に対する売上高の減少は、住宅用顧
客セグメントに対する売上高の増加またはCOVID-19危機後の回復のいずれによっても、相殺されることはなかった。
( ｈ) その他国外
その他国外セグメントは、主にベルギー、米国、ブラジルおよびアジア（中国、ベトナムおよびラオス）における事業をカ
バーしている。このセグメントの売上高は、前年同期比で159百万ユーロの本業の成長（＋12.8％）となり、2021年度上半期に
は1,394百万ユーロとなった。
ベルギー（ LuminusおよびEDF Belgium ）における売上高は、企業用顧客および住宅用顧客向けの販売量の増加ならびに天候
による影響の恩恵を受けて、2020年度上半期と比較して33百万ユーロの本業の成長（＋3.7％）となった。住宅用顧客の市場
は、未だに競争が激しい。2021年度上半期中の売上高は、2020年の先物価格の下落による悪影響を受けた。年間を通じて段階
的に適用される契約（特に住宅顧客用）の年間指数調整は、卸売市場における最近のガス価格の上昇をまだ完全に反映してい
ていない。風力発電の開発は継続しており、2020年６月30日現在の純設備容量は557MWh（ Luminusの純容量。風力発電の総設備
容量は、600MW（2020年12月31日現在は588MW）であった。 ）に達した。
ブラジルにおける売上高は、主に市場における販売量の増加およびEDFのノルテ・フルミネンセ発電所に関連する電力購入契
約（PPA）の価格がICMS税（ ブラジルにおける商品流通サービス税 ）の変更に伴い2020年11月に＋28％の再評価を受けたこと
（EBITDAへの影響はなかった。）により、84百万ユーロの本業の成長（＋35.3％）となった。2021年度上半期の外国為替によ
る影響は、ユーロに対するブラジル・レアルの価値の下落により、不利に働いた。
ベトナムにおける売上高は、ガス価格の上昇を反映して、39百万ユーロの本業の成長（＋36％）となった（パススルー基準
のため、EBITDAヘの影響はなかった。）。
( ｉ) その他事業
その他事業は、とりわけEDF Trading および ガス事業 で構成される。
かかるセグメントの売上高は、2020年度上半期と比較して700百万ユーロの本業の成長 （＋58.3％） となり、2021年度上半期
においては1,887百万ユーロとなった。
・ ガス事業の売上高は、 前年同期比で 433 百万ユーロの本業の成長となり、859百万ユーロとなった。かかる成長は、主とし
て、ガスの卸売市場における価格上昇の好影響（＋323百万ユーロ）によるものである。
・ EDF Tradingの売上高は、2020年度上半期と比較して45.0％の本業の成長となり、合計781百万ユーロとなった。トレーディ
ング業務は、とりわけコモディティ市場における非常に高いボラティリティの結果として、欧州および米国において引き続
き好調な業績を上げた。
( ⅱ) EBITDA
2021 年度上半期の連結EBITDAは、2020年度上半期から29.3％上昇して、10,601百万ユーロとなった。外国為替の影響（－35
百万ユーロ）および連結範囲の変更による影響（－６百万ユーロ）を除いた場合、EBITDAは29.8％の本業の成長を計上した。
かかる成長は、主として、フランスにおける原子力発電量の増加、ならびに電力価格およびガス価格の引上げ後に気温が低下
したことによるものである。また、2020年度上半期と比較して、接続事業が成長したこともこの改善に寄与した。
また、2021年度上半期のEBITDAは、COVID-19の危機の影響を受けていない2019年度上半期と比較して26.8％増加した。この
成長は、主に電力価格およびガス価格の引上げならびに配電料金（TURPE）の引上げによるものであった。また、このパフォー
マンスは、トレーディング業務における優れたパフォーマンスおよび発電税の引下げの結果によるものでもある。フランスの
原子力発電量は、フェッセンハイムの閉鎖（－７TWh）、COVID-19パンデミックによる供給停止の延長（－6.4TWh）、および
「グラン・カレナージュ（ Grand Carénage ）」プログラムに基づく過密な維持管理スケジュールにより、2021年度上半期と
2019年度上半期との間で22TWh減少した。英国の原子力発電量は、依然として多数の供給停止の影響を受けている。
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2021 年度 2020 年度 本業の成長率
変動 変動率 (%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期 (%)
売上高 39,621 34,710 4,911 +14.1 +13.7
購入燃料およびエネルギー費用 △18,753 △16,550 △2,203 +13.3 +12.1
その他の対外費用 △3,629 △3,469 △160 +4.6 +4.6
人件費 △7,273 △7,020 △253 +3.6 +3.6
法人所得税 以外の 税金 △2,509 △2,813 304 -10.8 -10.3
その他の営業収益および営業費用 3,144 3,338 △194 -5.8 -5.3
EBITDA 10,601 8,196 2,405 +29.3 +29.8
( イ) 連結EBITDAの変動および分析
・2021年度上半期の当グループの購入燃料およびエネルギー費用は、前年同期比で2,203百万ユーロ増加（＋13.3％）し、また
1,999百万ユーロの本業の成長（＋12.1％）となり、18,753百万ユーロとなった。
－フランス－発電と供給セグメントにおける購入燃料およびエネルギー費用は、2020年度上半期と比較して52百万ユーロの
本業の成長（＋0.8％）となり、6,912百万ユーロとなった。
－英国の購入燃料およびエネルギー費用における380百万ユーロの本業の成長（＋12.5％）は、主に企業用顧客セグメントお
よび住宅用顧客セグメント向けの供給業務による電力の販売量が増加したことならびにエネルギー購入時の市場価格の上
昇による不利な影響に関連している。
－イタリアの購入燃料およびエネルギー費用における917百万ユーロの本業の成長（＋43.5％）は、主として（卸売市場にお
ける）ガス価格の上昇およびガス販売量の増加を反映したものである。
－EDF Renewablesは、購入燃料およびエネルギー費用について110百万ユーロの本業のマイナス成長（－42.6％）を計上し
た。かかるマイナス成長は、主に2021年度第１四半期にテキサス州で発生した天気事象の影響によるもので、その結果EDF
Renewablesは契約上のコミットメントを守るために非常に高い価格でエネルギーを購入することとなった。
・当グループのその他の対外費用は、2020年度上半期から158百万ユーロの本業の成長（＋4.6％）となり、3,629百万ユーロと
なった。
－フランス－発電と供給セグメントのその他の対外費用は、933百万ユーロとなった。111百万ユーロの本業の成長（＋
13.5％）は、主として、2020年度第２四半期のロックダウン期間からの経済的な回復および原子力発電所がより高い水準
で稼働していたことを反映している。
－フランス－規制業務セグメントのその他の対外費用は、2020年度上半期から13百万ユーロの本業のマイナス成長（－
1.9％）となり、683百万ユーロとなった。これは、ネットワーク接続事業の水準に合わせた資本財の増加を反映したもの
であるが、（2021年には厳格なロックダウンが行われなかったことに起因する）ビジネスの増加により一部相殺された。
－英国のその他の対外費用は、主に原子力発電所の維持管理目的の供給停止の頻度の増加に伴う資産化費用の増加により、
56百万ユーロの本業のマイナス成長（－13.7％）となった。
－EDF Renewablesのその他の対外費用は、主として米国の再生可能エネルギー事業の成長に起因して、35百万ユーロの本業
の成長（＋13.5％）を計上した。
－Dalkiaのその他の対外費用は、2020年度上半期にCOVID-19パンデミックによる多大な影響を受けたサービス業務および現
場作業の回復を反映して、92百万ユーロの増加（＋13.4％）となった。
・当グループの人件費は、2020年度上半期から253百万ユーロ増加（＋3.6％）して、合計7,273百万ユーロとなった。
－フランス－発電と供給セグメントにおける当年度上半期の人件費は、主に2020年のCOVID-19後のリカバリー契約（2021年
にはこれに匹敵するものはなかった。）の影響を反映して32百万ユーロ減少（－1.1％）し、合計2,987百万ユーロとなっ
た。給与の増加は、従業員数の減少により相殺された。
－フランス－規制業務セグメントにおける当年度上半期の人件費は、2020年同期と比較して実質的に横ばい（－0.4％）で、
合計1,626百万ユーロとなった。これは、給与および社会的費用への価格効果が2020年のCOVID-19後のリカバリー契約の終
了を補うものとなったためである。平均従業員数は、2020年よりわずかに減少した。
－EDF Renewablesの人件費は、とりわけ開発および建設の事業の成長に伴う従業員数の増加に主に起因して、21百万ユーロ
増加（＋10.8％）した。
－Dalkiaの人件費は、2020年度上半期のCOVID-19パンデミックに影響を受けたサービス業務（仕事の水準が後退し、フラン
スおよび英国では一時帰休制度が採用された。）の回復、事業の成長に伴う従業員の増加ならびに給与の増加により、50
百万ユーロ増加（＋9.4％）した。
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－英国における人件費は、108百万ユーロ増加（＋19.8％）した。これは主として、年金制度の変更（確定拠出年金への移
行）に伴う従業員への奨励給を６月30日に計上したことによるもので、その大部分は８月に支払われる。これにより、当
年度下半期には目に見える形で貯蓄が生み出されることが期待される。かかる増加のその他の要因としては、原子力発電
所 の供給停止回数の増加に伴う時間外勤務手当の増加や、Green Network Energy（GNE）の買収後の追加的な資源の使用が
挙げられる。
・2021年度上半期における法人所得税以外の税金は、2020年度上半期から304百万ユーロ減少（－10.8％）して、2,509百万
ユーロとなった。
－フランス－発電と供給セグメントにおける243百万ユーロの減少（－12.4％）は、主として、国の復興計画に基づく発電税
の引下げを規定するフランス予算法の草案に起因する。
－フランス－ 規制業務セグメントにおける84百万ユーロの減少 （－14.4％）もまた、発電税の引下げによって説明される。
・2021年度上半期におけるその他の営業収益および営業費用は、2020年度上半期と比較して194百万ユーロ減少（－5.8％）
し、3,144百万ユーロの純利益となった。
－フランス－発電と供給セグメントの その他の営業収益および営業費用 における377百万ユーロの収益の減少（－15.0％）
は、主にCSPEによる報酬の減少に起因する（EBITDAへの影響は軽微であった。）。
－フランス－規制業務セグメントの その他の営業収益および営業費用における62百万ユーロの収益の増加（＋9.1％）は、主
として、リスク引当金および回収不能な支払債務のクレジット・ノートの減少によるものである。
( ロ) セグメントごとの連結EBITDAの変動および分析
2021 年度 2020 年度 本業の成長率
変動 変動率(%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期 (%)
フランス－発電と供給 4,838 3,894 944 +24.2 +24.2
フランス－規制業務 3,210 2,460 750 +30.5 +30.5
EDF Renewables
294 418 △124 -29.7 -26.1
Dalkia 215 165 50 +30.3 +29.7
Framatome 183 98 85 +86.7 +94.9
英国 267 438 △171 -39.0 -39.7
イタリア 534 380 154 +40.5 +41.6
その他国外 206 208 △2 -1.0 +5.8
その他事業 854 135 719 n.a. n.a.
グループEBITDA 10,601 8,196 2,405 +29.3 +29.8
n.a. ＝該当事項なし。
( ａ) フランス－発電と供給
原子力発電量の増加（7.7TWh）および揚水量差引後の水力発電量の減少（0.8TWh）によるEBITDAに対する正味の影響は、推
定＋325百万ユーロである。
電力価格は、EBITDAに約30百万ユーロのプラスの効果をもたらした。2021年度上半期の価格の引上げは、市場でのエネル
ギー販売に有利な影響を与えたが、購入価格の上昇によってほぼ相殺された。2020年にはエネルギー購入は非常に低い価格で
行われたことに留意されたい。
下流市場では、6.6TWhの顧客損失の影響があったものの、顧客に請求された容量価格によるプラスの影響を考慮すると、有
利な変動は推定約234百万ユーロである。
また、EBITDAには、フランス・ルランス（フランス復興）の復興計画の一環として、発電税が257百万ユーロ減少したことも
寄与している。
( ｂ) フランス－規制業務
EBITDA の大幅な増加は、気温が低かったことの影響で配電量が10.8TWh増加したことによる204百万ユーロ、および送電網接
続の増加による推定174百万ユーロによるものである。
価格の変更は、主として、2020年８月１日に実施されたTURPE５の送配電料金の指数化（ 2020年８月１日付でTURPE５配電料
金については＋2.75％、送電料金については－1.08％の指数化 ）により、220百万ユーロの好影響をもたらした。
さらに、EBITDAは、フランス・ルランスの復興計画の一環として、発電税が74百万ユーロ削減されたことによる恩恵を受け
た。
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( ｃ) EDF Renewables
テキサス州における異常寒波は、発電からのEBITDAに対して推定94百万ユーロの大きな影響を与えた。実際に、EDF
Renewablesは、契約上のコミットメントを守るために非常に高い価格でエネルギーを購入せざるを得ず、また風力発電所のう
ちの１つについて減損を計上しなければならなかったため、純利益はマイナスの影響を受けた。
発電量は、稼働容量の増加により10.6％増加した。
米国における「ストラクチャード・アセットの開発および売却事業」取引のEBITDAへの貢献度は、2020年度上半期と比較し
て、2021年度上半期は減少した。
( ｄ) Dalkia
EBITDA の増加は、多数の顧客の現場が閉鎖され、建設工事が延期されたことによりマイナスの影響を受けた2020年度上半期
の後、サービスおよび工事が回復したことによるものである。
2021 年度上半期中の英国における気温の低下および商業活動は、EBITDAに好影響を与えた。例えば、Dalkiaの英国子会社で
あるBreatheが、エネルギー・リフィット・フレームワークの中で、カーボン・フットプリントを改善するための資金援助を受
ける４つの病院を100百万英ポンドで支援する契約を締結したことが挙げられる。
( ｅ) Framatome
EBITDA の大幅な増加は、部分的には健康危機後の事業回復も関連して、「燃料」工場および「部品製造」工場の生産水準が
向上したこと、ならびに主に米国において「大型プロジェクト」事業および「設置基盤」事業の売上高が増加したことによる
ものである。
構造的コストに関する活動計画は進展している。
( ｆ) 英国
EBITDA の変動は、主として、特にサイズウェルＢの供給停止の延長に関連して原子力発電量が1.8TWh減少したことによる影
響、および高価格で電力を買い戻す必要があったために原子力の実現価格が大幅に低下したことによるものである。
商業活動は、特に企業用顧客部門において健康危機の影響を受けた2020年度上半期に比較して成長した。
( ｇ) イタリア
EBITDA の大幅な増加は、主として、供給事業およびサービス事業の回復ならびに2021年の気温が低かったことによる。
Infrastrutture Distribuzione Gas の売却は、2021年度上半期のガス事業のEBITDAにプラスの影響を与えた。しかしなが
ら、一部のガス資産のマージンが縮小したことが、EBITDAに悪影響を及ぼした。
電力事業では、コンバインド・サイクル・ガス・タービン（CCGT）の稼働率向上および電力網サービスの最適化により、
EBITDAが増加した。再生可能エネルギー発電量による貢献度も増加した。
( ｈ) その他国外
ベルギー（ LuminusおよびEDF Belgium ）のEBITDAは、主として、2020年と比較して風力条件が良好でなかったことに関連し
て風力発電所の発電量が減少したことにより、減少した。風力発電の純設備容量は、557MW（ Luminusにおける純容量。風力発
電の総設備容量は、2021年６月末現在は合計600MW（＋２％）であった。 ）に増加（2020年末現在から＋1.6％）した。原子力
発電量も減少し、高価格での電力の買戻しが必要となった。
火力発電所の稼働率が向上したことで、発電量レベルが向上し、電力網への供給量が増加した。
健康危機により2020年に減速した後、サービス事業は成長を取り戻し、供給事業は非常に厳しい競争および社会的料金の拡
大が継続する状況にもかかわらず堅調に推移した。
ブラジルのEBITDAは、EDFのノルテ・フルミネンセ発電所に関連して2020年11月に電力購入契約（PPA）価格が28％上昇し、
スポット市場において高い価格でガスの販売が行われたことにより、本業において59.3％の成長となった。かかる好影響は、
ユーロに対するブラジル・レアルの下落によって、一部相殺された。
( ｉ) その他事業
ガス事業のEBITDAの増加は、米国と欧州の間の中長期的なスプレッドの大幅な改善によるものである。
EDF TradingのEBITDA（ 「第３ ３（３）①重要な事象および主要なデータ」中の「テキサス州における異常寒波」の項を参
照。 ）は、2020年度上半期から本業において56.3％の成長となり、608百万ユーロとなった。取引マージンの伸びは、当半期中
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のコモディティ市場における大きなボラティリティの恩恵を受けた欧州および米国でのトレーディング業務のパフォーマンス
が、非常に好調であったことによるものである。
( ⅲ) EBIT
2021 年度上半期における当グループの連結EBITは、2020年度上半期から2,648百万ユーロの増加（＋163.0％）または2,682百
万ユーロの本業の成長（＋165.1％）となり、4,272百万ユーロとなった。
2021 年度 2020 年度
変動 変動率(%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期
EBITDA 10,601 8,196 2,405 +29.3
トレーディング業務以外のエネルギーおよび
コモディティ・デリバティブの公正価値の △541 △323 △218 +67.5
純変動額
＊
減価償却費および償却費 (純額) △5,194 △5,358 164 -3.1
( 減損)/戻入 △502 △738 236 -32.0
その他の収益および費用 △92 △153 61 -39.9
EBIT 4,272 1,624 2,648 +163.1
＊ 委譲運営資産の取替引当金の純増を含む。
( イ) トレーディング業務以外の エネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額
2021 年度上半期のトレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額は、EDF
TradingがEDFの事業体に代わり実施している業務に伴い、2020年度上半期と比較して218百万ユーロ増加した。
( ロ) 減価償却費および償却費（純額）
減価償却費および償却費（純額）は、前年同期比で164百万ユーロ減少した。かかる減少は、主として、フランス－発電と供
給セグメント（166百万ユーロ）に関連し、主として、投資額の増加が1,300MWe系列の発電所の償却期間の延長による影響を上
回ったことによるものである。
( ハ) 減損／戻入
2021 年度上半期の減損額は502百万ユーロとなり、これは主として、ダンジェネスＢ発電所を早期に閉鎖する決定を踏まえた
英国における原子力事業の減損に関連するものである（ 2021年６月７日にEDFは、サウス・イースト・イングランドにおけるダ
ンジェネスＢ発電所のAGRを燃料取出フェーズに移行することを決定した。 ）。EDF Renewablesの太陽光発電所に関して計上さ
れた減損額は、2006年７月から2010年８月までの間に契約締結済みの太陽光発電所で発電された250kWp超の電力の購入料金を
2021年10月から引き下げることを提案する命令案に鑑みて、減少した。
( ニ) その他の収益および費用
2021 年度上半期のその他の収益および費用は、－92百万ユーロであった。フランス－発電と供給セグメントは、主にArevaか
らの和解金により（ 2017年に締結されたFramatomeの取得契約および取得前の商業関係に関するEDFとArevaとの間のすべての紛
争を解決するために、2021年12月31日までにArevaがEDFに563百万ユーロの支払いを行う和解契約が2021年６月29日に締結され
た。 ）、＋227百万ユーロとなったが、フラマンビル３の敷地における貫通溶接部の補修工事に関連する費用によって一部相殺
された。英国のセグメントは、ダンジェネスＢ発電所を早期に閉鎖する決定を反映して、－182百万ユーロとなった。イタリア
のセグメントは、主に旧Montedisonに関する訴訟に関連して、－125百万ユーロとなった。
( ⅳ) 金融損益
2021 年度 2020 年度
変動 変動率(%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期
総金融負債に係る費用 △754 △868 114 -13.1
割引の影響 △1,016 △1,172 156 -13.3
その他の金融収益および費用 2,631 △262 2,893 n.a.
金融損益 861 △2,302 3,163 n.a.
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n.a. ＝該当事項なし。
2021 年度上半期の金融損益は、2020年度上半期と比較して3,163百万ユーロ改善して、861百万ユーロの金融収益となった。
この変動は以下に起因する。
・その他の金融収益および費用の2,893百万ユーロの改善。これは主に、専用資産ポートフォリオの良好なパフォーマンス（＋
2,666百万ユーロ）によるものである（「第３ ３（３）⑦（ⅰ）(ヘ）EDF SAの専用資産ポートフォリオに対する金融リスク
の管理」を参照。）。
・時の経過による割引の戻入れの影響による、156百万ユーロの減少。これは主に、2019年末から2020年末までの間の雇用後給
付引当金の算出に用いられる割引率の引下げによるものである。
2021 年６月30日現在の原子力引当金の算出に用いられる実質割引率は、2020年12月31日現在と同じで、1.3％のインフレ率を
前提とした3.4％であった（2020年６月30日現在の実質割引率は、1.3％のインフレ率を前提とした3.6％であった。）。
・総金融負債に係る費用の＋114百万ユーロの改善。これは主に、2020年度上半期の債務水準よりも2021年度上半期の債務水準
の方が低かったこと、また借換えが低金利で実施されたことによるものである。
( ⅴ) 法人所得税
2021 年６月30日現在の法人所得税は、28.4％の実効税率に相当する－1,458百万ユーロであった（2020年６月30日現在は、
6.2％の実効税率に相当する42百万ユーロの法人所得税債権であった。）。
2021 年の当グループの法人所得税費用が1,500百万ユーロの増加したことは、税引前純利益が5,811百万ユーロ増加し、1,651
百万ユーロの追加の税金費用が発生したことを主に反映している。かかる税金費用はまた、フランスと英国の法人所得税率の
差異による複合的な好ましくない影響および（税率が17％から19％に引き上げられた2020年よりもさらに大きなマイナス影響
を生じさせ得る）2023年以降に予定されている英国の名目税率の19％から25％への引上げによる影響を受けている。かかる影
響は、2021年６月にイタリアで行われた税務上の資産再評価における有利な影響（COVID-19パンデミックに対応して導入され
た税制上の特例措置により、企業は特定の資産の税務上の価値を会計上の価値に合わせて再調整することが可能となった。）
にもかかわらず、税金費用に影響を及ぼした。命令第104/2020号第110条によって認められているかかる選択肢は、のれんを含
められるよう、イタリアの2021年予算法（法律第178/2020号）によって拡張された。これにより、当グループのイタリアにお
ける会社は、2021年６月30日現在、特定の有形固定資産およびのれんの税務上の価値の再調整を行うことを選択した。かかる
措置を適用した会社は、再調整後の価値に対して３％の納税を行う代わりに、再調整後の価値から税金相当分の減価償却費を
控除することができ、これによって将来的な節税効果が期待できる。
非経常項目（主に金融資産ポートフォリオにおける未実現損益の変動、減損、英国における法人所得税率の変更による影響
およびイタリアにおける税務上の資産の再評価）を除外すると、2021年６月30日現在の実効税率は、2020年６月30日現在は
24.3％であったのに対して、26.5％となった。
( ⅵ) 非経常項目を除く純利益
＊
2021 年６月30日現在の当グループの非経常項目を除く純利益 は、前年同期比で2,473百万ユーロ増加して、3,740百万ユーロ
となった（2021年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記18.1「非経常項目を除く純利益」を参照。）。
＊ 非経常項目、トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額ならびに負
債商品および資本性金融商品の公正価値の純変動額を除くEDFの純利益（税引後）。
非経常項目の金額、トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額なら
びに負債商品および資本性金融商品の公正価値の純変動額（税引後）の内訳は、以下のとおりである。
・2021年度上半期の減損およびその他の非経常項目は－571百万ユーロ（2020年度上半期は－1,032百万ユーロ）
・2021年度上半期のトレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額（税
引後）は－393百万ユーロ（2020年度上半期は－249百万ユーロ）
・2021年度上半期の負債商品および資本性金融商品の公正価値の純変動額は＋1,396百万ユーロ（2020年度上半期は－686
百万ユーロ）
( ⅶ) EDFの純利益
2021 年６月30日現在のEDFの純利益は、2020年度上半期から4,873百万ユーロ増加して、合計4,172百万ユーロとなった。かか
る増加は、非経常項目を除く純利益の増加によるものであり、とりわけ（金融資産およびデリバティブ・ヘッジ・コモディ
ティに係る）税引後＋1,003百万ユーロの公正価値の純変動額が含まれる。
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また、かかる純利益は、ダンジェネスＢ発電所の早期閉鎖に関連する費用、フラマンビル３の敷地におけるEPRの溶接部の補
修工事に関連する追加的な費用ならびに2021年６月29日にEDFとArevaとの間で締結された契約に基づき受領した和解補償金に
相当する370百万ユーロの税引後純利益によって構成される。
⑤ 純負債額、キャッシュ・フローおよび投資
2020 年度
2021 年度
変動 変動率(%)
(5)
上半期
上半期
( 単位：百万ユーロ)
減価償却費および償却費控除前営業利益
10,601 8,196 2,405 +29.3
(EBITDA)
EBITDA に含まれる非貨幣項目の消去 △391 △304
EBITDA ( 現金) 7,892
10,210
運転資本の変動 △1,896 △1,364
(1)
純投資 (2020 年－2022年の当グループによる売
△7,679 △6,988
却を除く。)
その他の項目 (関連会社およびジョイント・
△69 △56
ベンチャーからの受取配当金を含む。)
(2)
営業キャッシュ・フロー
566 △516 1,082 n.a.
資産売却 420 -
△343 △368
法人所得税支払額
△393 △591
金融費用支出 (純額)
△79 54
専用資産
△411 △408
現金支払配当金
(3)
当グループのキャッシュ・フロー
△240 △1,829
ハイブリッド債の発行 1,235 -
ハイブリッド債の償還 - -
その他の貨幣的変動 △293 △125
純負債額の(増加)/減少 (為替レート変動
702 △1,954
による影響を除く。)
為替レート変動による影響 △304 467
その他非貨幣的変動による影響 885 637
継続事業の純負債額の(増加)/減少 1,283 △850
(4)
非継続事業の純負債額の(増加)/減少
- △19
期首における純負債額 42,290 41,133
期末における純負債額 41,007 42,002
(1) 純投資は、成長のための営業投資および金融投資の純処分額である。また、純投資には、証券の取得時または処分時に取
得もしくは譲渡された純負債額、投資補助金受取額および非グループパートナー投資も含まれる。これには2020年－2022
年の当グループによる売却は含まれていない。
(2) 営業キャッシュ・フローはIFRSに定義された財務成績を測定するための総額ではなく、また、他社により同名で発表され
る指標とは直接比較できないものである。営業活動による資金（FFO）とも認識されているかかる指標は、営業活動によ
るキャッシュ・フロー（純額）、非経常効果の影響と関連する調整を行った運転資本の変動、純投資（2020年－2022年の
当グループによる売却を除き、ヒンクリー・ポイントＣおよびLinkyを含む。）およびその他の項目（関連会社および
ジョイント・ベンチャーからの受取配当金を含む。）に相当する。
(3) 当グループのキャッシュ・フローは、IFRSに定義された財務成績を測定するための総額ではなく、また他社により同名で
発表される指標と直接比較できるものではない。この値は、資産売却、法人所得税支払額、金融費用支出（純額）、専用
資産への純配分額および現金支払配当金を控除した後の注(2)で定義された営業キャッシュ・フローに相当する。
(4) これは、Edisonの探鉱および生産事業（非継続事業）の純負債額に相当する。
(5) 2020年度上半期に関して公表された数値は、 金融費用支出（純額）、専用資産およびその他の非貨幣的変動の間の69百万
ユーロの再分類が含まれる。
n.a. ＝該当事項なし。
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( ⅰ) 純負債額
純負債額は、現金および現金同等物ならびに流動性の高い資産を控除した後の借入金ならびに金融負債の合計からなる。流
動性の高い資産とは、当初の満期が３か月超で、容易に換金でき、流動性重視の方針に従って運用されるファンドまたは証券
からなる金融資産である。
当グループの純負債額は、2021年６月30日現在は41,007百万ユーロであった（2020年12月31日現在は42,290百万ユーロで
あった。）。
2020 年末以降に純負債額が1.3十億ユーロ減少したのは、主にEBITDA（現金）（＋10.2十億ユーロ）およびハイブリッド債の
発行（＋1.2十億ユーロ）（ ハイブリッド債の発行は、会計基準に従い、純負債額には含まれない。 ）に起因するが、純投資
（－7.7十億ユーロ）および運転資本の変動（－1.9百万ユーロ）によって一部相殺された。
( ⅱ) 営業キャッシュ・フロー （ 2020年－2022年の当グループによる売却を除く。 ）
2021 年度上半期における営業キャッシュ・フロー（ 2020年－2022年の当グループによる売却を除く。 ）は、2020年度上半期
における－516百万ユーロと比較して1,082百万ユーロ増加し、566百万ユーロとなった。
( イ) EBITDA（現金）
非貨幣性項目の調整後のEBITDAは2020年度上半期から2,318百万ユーロ増加し、10,210百万ユーロとなった。かかる増加の主
な要因は、以下のとおりである。
・ フランス－発電と供給セグメントにおける売上総利益の増加および 法人所得税以外の税金の減少
・Enedisの引渡サービスおよび非引渡サービスに係る売上総利益の増加
・EDF Tradingの金融商品の未実現ポジションの減少と組み合わさった取引マージンの増加
( ロ) 運転資本の変動
2021 年度上半期において運転資本は1,896百万ユーロ減少した。
この変動は、主として最適化／トレーディング業務の運転資本の減少（－1,101百万ユーロ）および営業債務の季節性（－
880百万ユーロ）によるものである。
運転資本の変動における前年同期との差異（－532百万ユーロ）は、基本的に最適化／トレーディング業務（－421百万ユー
ロ）に起因する。
( ハ) 純投資
2021 年度上半期の純投資（2020年－2022年の当グループによる売却を除き、ヒンクリー・ポイントＣおよびLinkyを含む。）
は、COVID-19パンデミックにより投資が後退した2020年度上半期から691百万ユーロ増加し、7,679百万ユーロとなった。
2021 年度 2020 年度
変動 変動率(%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期
フランス－発電と供給 2,655 2,812 △156 -6
フランス－規制業務 2,407 2,009 398 20
EDF Renewables 368 591 △222 -38
Dalkia 80 27 53 200
Framatome 74 83 △8 -10
英国 1,433 1,239 194 16
イタリア 486 166 320 193
その他国外 197 30 167 561
その他事業 △21 31 △52 -168
純投資 7,679 6,988 691 10
・フランス－発電と供給セグメントによる純投資は、フラマンビル３原子力発電所の維持管理費が減少したため、156百万ユー
ロ減少した。
・フランス－規制業務セグメントによる純投資（Linkyを含む。）は、接続が大幅に増加し、またCOVID-19パンデミックにより
2020年に一部業務が遅延した後、398百万ユーロ増加した。
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・EDF Renewablesによる純投資は、主に米国において受領した補助金の増加を反映し、222百万ユーロ減少した。
・英国における純投資は、 ヒンクリー・ポイントＣプロジェクトへの投資の増加（＋261百万ユーロ）により、194百万ユーロ
増加したが、2020年に電気モビリティ分野でPod Pointを買収したことにより一部相殺された（2021年にはかかる買収に匹敵
するものはなかった。）。
・イタリアにおける純投資は、とりわけ再生可能エネルギー分野における買収および火力発電所の開発プロジェクトにより、
320百万ユーロ増加した。
・その他国外セグメントの純投資の増加は、主にLuminusによるEssentの買収によるものである。
( ⅲ) 当グループのキャッシュ・フロー
2021 年６月30日現在の当グループのキャッシュ・フローは、2020年度上半期の－1,829百万ユーロから明らかに改善して、－
240百万ユーロとなった。
( イ) 資産売却
2021 年の資産売却は420百万ユーロを生み出した。これは、主として、ノルウェーにおけるEdisonの探鉱および生産事業の売
却ならびにイタリアにおけるIDG（ガス配給網会社）の売却に関するものである。
( ロ) 専用資産
放射性物質および放射性廃棄物の持続可能な管理に関する2006年６月28日付フランス法第2006—739号に基づき、EDFは、長期
原子力債務の資金調達を確実に行うために専用資産のポートフォリオを構築した（「第３ ３（３）⑦（ⅰ）(ヘ）EDF SAの専
用資産ポートフォリオに対する金融リスクの管理」を参照。）。
概して、専用資産の変動は以下の事項からなる。
・債務を完全に 填補 するための配分
・かかる資産から生じた金融収益（配当および利息）の再投資
・2006年６月28日付法律の範囲内での長期原子力債務の遵守期間に発生した費用に相当する資産の引出し
・ポートフォリオの価値が、資金調達責任額を超過した際に、専用資産を管理するガバナンス機関へ提案され、かつ、その組
織により正式に認可された例外的な引出し
2021 年度上半期における－79百万ユーロの専用資産の純変動は、上記の２つ目および３つ目の項目に対応するものである。
( ハ) 現金支払配当金
2021 年度上半期中の現金支払配当金は411百万ユーロとなり、内訳は以下のとおりである。
・EDF SAにより支払われた2020年に係る配当（36百万ユーロ）
・2013年１月および2014年１月に発行された「ハイブリッド債」の永久劣後債の保有者に対して2021年度上半期に行われた支
払い（288百万ユーロ）
・当グループの子会社からその少数株主に対して支払われた配当（87百万ユーロ）
( ⅳ) 為替レートの変動による影響
主にユーロに対する英ポンドおよび米ドルの上昇（ 英ポンドはユーロに対して4.8％上昇し、2020年12月31日現在の1.112
ユーロ／１英ポンドから2021年６月30日現在には1.165ユーロ／１英ポンドとなった。米ドルはユーロに対して3.2％上昇し、
2020年12月31日現在の0.815ユーロ／１米ドルから2021年６月30日現在には0.841ユーロ／１米ドルとなった。 ）による外国為
替の影響は、2021年６月30日現在の当グループの純負債額に304百万ユーロの不利な影響を与えた。
( ⅴ) その他非貨幣的変動
その他非貨幣的変動による影響は、2020年度上半期は637百万ユーロであったのに対して、2021年度上半期は885百万ユーロ
となった。これは主に、負債性金融商品および新規リースの公正価値の変動（IFRS第16号）により構成される。
( ⅵ) 財務比率
2021 年6月30日現在 2020 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
(1)
2.21
純負債/EBITDA 2.61 2.46
(2)
純負債/(純負債+自己資本)
39% 43% 42%
(1) 2021年６月30日現在の比率は、2020年度下半期および2021年度上半期の累積EBITDAに基づき計算された。
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(2) 非支配持分を含む自己資本。
⑥ 業績見通し
2021 年の目標は上方修正され、2022年の抱負が確認されたが、これらは強化された追加的な衛生上の制限による影響に服す
る。
2021 年の目標
・EBITDA（ 2021年１月１日現在の連結範囲および為替レートに基づく。EBITDAの目標は、2021年７月７日に上方修正され
た。 ）：17.7十億ユーロ超
・純負債／EBITDA倍率（ 2021年１月１日現在の連結範囲および為替レートに基づく。EBITDAの目標は、2021年７月７日に上方
修正された。 ）：2.8倍未満
2022 年の抱負
・ 営業費用 （ 人件費およびその他の対外費用の合計。一定の範囲、会計基準、為替レートおよび年金割引率に基づき、インフ
レーションを除く。エネルギー・サービス事業、Framatomeの原子力エンジニアリング・サービスおよびジェイタプールなど
の特定のプロジェクトにおける売上原価を除く。 ） の削減：2019年から2022年の間に 500 百万ユーロ
・ 2020 年から2022年までの当グループによる売却（ 締結済みまたは完了した売却。当グループの実用的な債務（スタンダー
ド・アンド・プアーズによる定義）の削減への影響 。 ) ：約３十億ユーロ
・純負債／EBITDA倍率（ 2021年１月１日現在の連結範囲および為替レートに基づく。EBITDAの目標は、2021年７月７日に上方
修正された。 ） ： 約３倍
配当
2021 年および2022年の非経常項目を除く純利益の目標配当性向（ 非経常項目を除く純利益に基づき、自己資本として計上さ
れたハイブリッド債に係る報酬について調整済みの目標配当性向 ） ：45％から50％
フランス政府は、2021事業年度の配当について、株式配当による支払いを選択することを表明した。
⑦ 市場リスクの管理および統制
( ⅰ) 金融リスクの管理および統制
本章では、戦略的財務管理フレームワークにおいて規定されている当グループの金融リスク（流動性リスク、金利リスク、
為替リスクおよび株式リスク）の管理に関する方針および指針ならびにEDFグループによって導入された当グループのカウン
ターパーティー・リスク管理方針について記載している。これらの指針はEDFおよび事業上の被支配子会社またはEnedisのよう
な法律によって独立経営の特別保証を受けていない子会社にのみ適用される。IFRS第７号に従い、以下の段落は、感応度およ
び信用（カウンターパーティー）リスクの分析に基づいた、金融商品から生じるリスクの性質について記載している。
2002 年以降、専門組織である金融リスク管理・投資部門（ Département Contrôle des Risques Financiers et
Investissements またはCRFI）は、主として戦略的財務管理フレームワーク（2015年７月）の指針の適切な適用を期することに
よって当グループ・レベルでの金融リスク管理を担っている。この部門は、2008年以降、当グループのリスク部門に報告を
行っている独立したユニットであり、EDFの事業体および当グループの事業上の被支配子会社（Enedisは除く。）の契約相手方
の債務不履行リスクの二次チェック（手順面および組織面）ならびにEDF SAの金融取引担当部署の資金調達活動の一次チェッ
クを行うという職務も担っている。またCRFI部門は、専用資産ポートフォリオに関する運用活動の二次チェックも実施してい
る。
CRFI 部門は、EDF SAの金融取引担当部署の活動に関連するリスク指標に関して日次および週刊の監視報告書を公表してい
る。
管理が実際に実施されていることを保証し、また、その効果を確実なものとするため、定期的な内部監査が行われている。
( イ) 流動性ポジションおよび流動性リスクの管理
( ａ) 流動性ポジション
2021 年６月30日現在、流動性の高い資産、現金および現金同等物により構成される当グループの流動資産は総額17,678百万
ユーロとなり、利用可能な与信枠は10,757百万ユーロであった。
2021 年における当グループの債務返済額（元本および利息）は、社債（ハイブリッド債を除く。）に係る791百万ユーロも含
めて、2021年12月31日現在4,761百万ユーロとなる見込みである。
2021 年６月30日現在、当グループの企業で、借入について債務不履行に陥っている企業はなかった。
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( ｂ) 流動性リスクの管理
EDF グループは保守的な流動性管理によりその資金調達上の要請に対応することができ、満足のいく条件で資金調達を行うこ
とができている。2021年５月26日、1.25十億ユーロのソーシャル・ハイブリッド債が2.625％の当初利率で発行された。
幅広い特有な手段が、当グループの流動性リスクを管理するために用いられている。
・被支配子会社の現金管理を集中化する当グループのキャッシュ・プーリング・システム。当グループの現金管理の最適化の
ため、また市場における資金調達条件と同等の条件が保証されるシステムを子会社に提供するため、子会社の現金残高は、
利息と引換えにEDF SAが利用できるようにされている。
・被支配子会社の資金調達を当グループの現金管理部門レベルで集中化。かかる部門は、子会社に供給するスタンドバイ・ク
レジット・ラインの形で、当グループからもリボルビング・クレジットを付与される可能性のある子会社の運転資本の変動
を供給している。EDF SAおよびNatixis Belgique Investissements銀行と共同で設立された投資子会社であるEDF
Investissements Groupe（EDF IG）も、EDFグループのフランス国外の事業に対して、EDF SAおよびEDF IGが完全に単独で手
配した中期的および長期的な融資を提供する。各企業は、アームズレングスの市場取引においてかかる子会社が設定したで
あろう条件と同等の条件を自らにも設定している。
・当グループが利用する資金調達源の積極的な管理および分散化。当グループは、フランスのコマーシャル・ペーパー
（ billets de trésorerie ）および米国のコマーシャル・ペーパーのためのプログラムを通じて、さまざまな市場において短
期資金を調達することができる。EDFの場合、これらのプログラムの上限は、フランスの譲渡可能欧州コマーシャル・ペー
パー（NEU CP）については６十億ユーロ、そして米国のコマーシャル・ペーパーについては10十億米ドルである。
・現金レポ契約に基づく銀行取引先への借入債務の譲渡。
2021 年６月30日現在、当グループの発行済みのフランスのコマーシャル・ペーパーは1,918百万ユーロで、米国のコマーシャ
ル・ペーパーについては360百万米ドルであった。EDFは、世界の主要な債券市場に参入している。ユーロ市場（特にユーロ債
および英ポンド債）については、現在上限が45十億ユーロのEMTNプログラムで参入しており、フランス国内市場では米ドル建
て（144Ａ債券）、円建て（サムライ債）およびスイス・フラン建てのスタンドアロン発行で参入している。
当グループの総負債の平均満期は、2020年12月31日現在における14.5年に対し、2021年６月30日現在においては15.3年で
あった。EDF SAの平均満期は、2020年12月31日現在における15.0年に対し、2021年６月30日現在においては16.0年となった。
2021 年６月30日現在、EDF SAは、総額9,952百万ユーロの利用可能な与信枠（シンジケート・ローンおよび相対与信枠）を有
する。
・シンジケート与信枠は、４十億ユーロであり、その期限は2025年12月である。2021年６月30日現在、かかるシンジケート与
信枠からの引出しは行われていない。
・相対与信枠は、利用可能額が5,952百万ユーロであり、その期限は2024年６月までに延長された。この利用可能与信枠のレベ
ルは、当グループが十分な予備の与信枠を確実に有することができるように、極めて頻繁に審査される。
・2021年６月30日現在、500百万ユーロ、225百万ユーロ、500百万ユーロおよび250百万ユーロ（これらの４つの与信枠は2020
年12月31日時点で既に全額引き出されている。）、ならびに400百万ユーロが全額引き出された。
Edison は、European Investment Bankに689百万ユーロの与信枠（利用可能額は400百万ユーロ）および130百万ユーロの与信
枠（2021年６月30日現在、100百万ユーロを限度に引き出されている。）を有している。
( ロ) 格付
2021 年６月30日現在、財務格付機関であるスタンダード・アンド・プアーズ、ムーディーズおよびフィッチ・レーティング
スは、EDFグループに以下の長期格付および短期格付を割り当てた。
会社 格付機関 長期格付 短期格付
スタンダード・アンド・プアーズ BBB+ 安定した見通し A-2
EDF ムーディーズ A3 ネガティブな見通し P-2
フィッチ・レーティングス A- ネガティブな見通し F2
EDF Trading
ムーディーズ Baa2 ネガティブな見通し n.a.
EDF Energy BB+ 安定した見通し
スタンダード・アンド・プアーズ B
BBB 安定した見通し
スタンダード・アンド・プアーズ A-2
Edison
ムーディーズ n.a.
Baa2 ネガティブな見通し
n.a. ＝該当事項なし。
( ハ) 為替リスクの管理
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当グループは、事業および事業地域の多様化により、貸借対照表項目ならびに当グループの金融費用、自己資本、純利益お
よびプロジェクトのIRRに影響を及ぼす換算差額に影響を与える可能性のある為替レートの変動リスクに晒されている。
当グループは、為替リスクに対するエクスポージャーを抑制するために、以下の経営方針を導入した。
・現地通貨による資金調達：各事業体は、現地の金融市場の機能に照らして可能な限り、事業資金をその現地の機能通貨で調
達する。資金がその他の通貨で調達されるべく契約された場合、為替リスクを抑制するためにデリバティブが使用される場
合がある。
・資産および負債のマッチング：当グループは、ユーロ圏外に所在する子会社の純資産により、為替リスクに晒される。連結
貸借対照表において、為替リスクは、金融デリバティブを用いた市場でのヘッジにより管理される。外国通貨建ての純資産
のヘッジはリスク／リターン目標に従い、ヘッジ比率は通貨によって異なり、主要なエクスポージャーの49％から51％の範
囲にある。ヘッジ手段が利用できない場合またはヘッジ費用が高額な場合、為替持高はオープンのままとなり、かかるオー
プン・ポジションに関するリスクは、感応度分析により監視される。
・外国通貨建ての営業キャッシュ・フローのヘッジ：一般的に、EDFおよびその子会社の営業キャッシュ・フローは、現地通貨
建てである。ただし、（主に米ドル建てで行われる）燃料購入に関するキャッシュ・フローおよびさほど多額ではない設備
購入に関する一部のキャッシュ・フローはこの限りではない。戦略的財務管理フレームワークにおいて規定される方針の
下、EDFおよび為替リスクの影響を受ける主要子会社（EDF Energy、EDF Trading、Edison、EDF Renewables）は、将来にお
けるこれらの営業キャッシュ・フローに関連して確実に生じるまたは高い可能性で生じるであろうコミットメントをヘッジ
することが要求される。
資金調達および為替リスクのヘッジ方針の結果として、2021年６月30日現在の当グループの総負債の通貨別内訳（ヘッジ
後）は以下のとおりである。
総負債の通貨別構造（ヘッジ前およびヘッジ後）
ヘッジ手段の
ヘッジ手段の
当初の 負債 構造 影響を反映後の 負債の割合(%)
2021 年6月30日
*
影響
( 単位：百万ユーロ) 負債構造
31,917 16,627 48,544 79%
ユーロ建て借入債務
16,432 △13,468 2,964 5%
米ドル建て借入債務
10,139 △1,255 8,884 14%
英ポンド建て借入債務
3,015 △1,904 1,111 2%
その他通貨建て借入債務
61,503 0 61,503 100%
負債合計
＊ 外国子会社の負債および純資産のヘッジ。
以下の表は、2021年６月30日現在、当グループの総負債における為替レートの変動が自己資本に対して与える影響を示して
いる。
当グループの総負債の為替リスク感応度
ユーロ換算された 為替レートの不利な 為替レートの不利な
2021 年6月30日
ヘッジ後の負債 変動10%の影響 変動10%後の負債
( 単位：百万ユーロ)
48,544 48,544
ユーロ建て借入債務 -
2,964 296 3,260
米ドル建て借入債務
8,884 888 9,772
英ポンド建て借入債務
1,111 111 1,222
その他通貨建て借入債務
61,503 1,295 62,798
負債合計
当グループの総負債に対する為替リスクに係るヘッジ方針により、当グループの支配する会社の損益計算書は、為替リスク
にわずかに晒される。
以下の表は、外貨建ての純資産に関する当グループの主要子会社の為替持高を示している。
純資産ポジション
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*
2021 年6月30日
純資産 債券 デリバティブ 管理後の純資産
( 各通貨の単位：百万)
6,578 1,450 1,784 3,344
米ドル
30 23 7
スイス・フラン (スイス)
279 153 126
ポーランド・ズロチ (ポーランド)
20,195 5,435 4,873 9,887
英ポンド (英国)
1,671 1,671
ブラジル・レアル (ブラジル)
11,116 11,116
人民元 (中国)
＊ 2021年６月30日現在の純資産。債券およびデリバティブは2021年６月30日現在のものである。表示された純資産ポジショ
ンからは、一定の重要ではないエクスポージャーが除外されている。
上記の表に記載された資産は、当グループの外国子会社の外貨建純資産であり、資本に計上されたキャッシュ・フロー・
ヘッジおよび負債証券ならびに持分証券の公正価値の変動、ならびに損益に計上された金融商品の公正価値の変動について調
整されている。
( ニ) 金利リスクの管理
当グループの純負債額の金利の変動に対するエクスポージャーには、２種類のリスクがある。１つは、変動金利付金融資産
および負債の金融費用（純額）が変動するリスクであり、もう１つは、固定金利で運用している金融資産の価値が変動するリ
スクである。これらのリスクは、金融費用（純額）に対するリスク・リターンを参考にして定義された純負債額の変動金利部
分を、予想される金利の変動を考慮しながら監視することにより管理されている。
一部の負債は変動性を有しており、当グループは、ヘッジ目的で金利デリバティブを使用する場合がある。固定金利と変動
金利の間のエクスポージャーの分配は、監視される。
2021 年６月30日現在の当グループの負債額（ヘッジ後）の内訳は、69％が固定金利負債、31％が変動金利負債であった。
2021 年６月30日現在のヘッジ後の変動金利総負債を基準とし、金利が年間一律１％上昇した場合、金融費用が約189百万ユー
ロ増加すると予測される。
当グループの負債の平均費用（残高の加重金利）は、2021年６月30日現在、2.27％であった。
以下の表は、2021年６月30日現在における当グループの負債構造および金利が１％変動した場合の影響を示している。
当グループの負債の構造および金利感応度
ヘッジ手段の
金利変動1%の
当初の負債構造 ヘッジ手段の影響 影響を反映後の
2021 年6月30日
純利益への影響
( 単位：百万ユーロ) 負債構造
56,614 △13,999 42,615 -
固定金利
4,889 13,999 18,888 189
変動金利
61,503 0 61,503 189
合計
( ホ) 株式リスクの管理
株式リスクは、主に以下の分野に集中している。
EDF の原子力債務の補填
株式リスクの分析は、「第３ ３（３）⑦（ⅰ）(ヘ）EDF SAの専用資産ポートフォリオに対する金融リスクの管理」に記載
される。
EDF SA、EDF EnergyおよびBritish Energyの従業員給付債務の補填
EDF の従業員給付債務に充てられた資産の一部は、国際株式市場および欧州株式市場において投資されている。したがって、
市場動向がこれらの資産の価値に影響を与え、株価が下落することにより、貸借対照表上の引当金が増加する。
EDF SA の従業員給付債務に充てられた資産の31.1％が、2021年６月30日現在、株式に投資されていた。これは4.1十億ユーロ
分の株式に相当した。
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2021 年６月30日現在、EDF Energyが設立した２つの年金基金（EDF Energy Pension SchemeおよびEDF Energy Group
Electricity Supply Pension Scheme）が、10％および12％をそれぞれ上限として株式および株式ファンド（分散型成長ファン
ドを除く。）に投資された。これは、279百万英ポンド分の株式に相当した。
2021 年６月30日現在、British Energyの年金ファンドは、12％を上限として株式および株式ファンド（分散型成長ファンド
を除く。）に投資された。これは、946百万英ポンド分の株式に相当する。
CENG ファンド
CENG は、原子力発電所の廃炉費用を補填するために設定されたファンドの管理において、株式のリスクに晒されている。
( ヘ) EDF SAの専用資産ポートフォリオに対する金融リスクの管理
EDF は、長期的な原子力債務の財源確保のため、1999年以来、漸次、専用資産を形成してきた。フランス環境法（第L.594-1
条から594-14条）において成文化されている2006年６月28日付法律およびその施行規則により運転サイクルに関連しない引当
金が定義され、したがって、かかる引当金は専用資産により賄われなければならない（2021年６月30日現在の要約中間連結財
務書類の注記14.1.2「EDFの専用資産」に記載される。）。
かかる専用資産ポートフォリオについては、取締役会ならびにその助言委員会（原子力監視委員会（CSEN）および監査委員
会）の監視の下で運用されている。
さらに、原子力財務専門委員会（CEFEN）は、資産および負債のマッチングならびに資産運用に関する問題について、当社お
よびその経営陣を補佐することを目的としている。この委員会の委員は、EDFからは独立した立場にある。
ガバナンスおよび管理原則
適用ある規制に準拠しながら原子力費用の資金調達を確実に行うための方針の一環として、EDFの取締役会によりその正当性
が立証されるガバナンスの指針は、専用資産に関する構造ならびに専用資産の運用に係る意思決定および統制プロセスについ
て規定している。また、かかる方針は資産ポートフォリオの仕組み、財務管理者の選定ならびにファンドの法制、会計制度お
よび税制についての原則についても定めている。
戦略的資産配分は、長期原子力費用の資金調達に最も適しているターゲット・ポートフォリオを特定するために行われる資
産および負債の精査に基づいている。戦略的配分は、EDFの取締役会により承認され、必要がない限り、原則として３年ごとに
見直される。2018年に、新規の戦略的配分が有効になった。対象の配分は収益性ポートフォリオ、成長性ポートフォリオおよ
び確定利付ポートフォリオで構成され、それぞれポートフォリオ全体の30％、40％および30％を占めている。収益性ポート
フォリオは、不動産資産およびインフラ資産で構成され、成長性ポートフォリオは株式および株式ファンド（上場および非上
場）で構成され、確定利付ポートフォリオは債券、デット・ファンド（上場および非上場）ならびに現金で構成されている。
これらのポートフォリオは、EDF Gestion（旧上場資産管理部門）およびEDF Investにより管理される。
確定利付ポートフォリオのうちの「現金」区分は、填補する資産の目的に関連する今後の支出の填補を確保するために存在
し、特に、保守的なアプローチを要する市場危機の際に戦略的に強化することができる。
成長性資産および確定利付資産の戦術的管理は、以下の複数の分野に焦点を当てている。
・成長性資産および確定利付資産の間で生じるエクスポージャーの監視
・各サブポートフォリオ内における「二次資産区分」による割当て
・多様化を目的とする投資ファンドの選定
・債券については、選定された証券を直接保有、仲介業者を通じての保有または多様化を考慮した投資ファンドを通じての保
有
成長性資産および確定利付資産の間の配分方針は、各々の市場および地域に関する経済および財政的な見通し、異なる市場
および市場セグメントにおける市場評価の見直し、ならびにCRFI部門により作成されたリスク分析に基づき、運用管理委員会
（ 専用資産の運用の分野に関して査定、協議および運用上の意思決定を行う常設の内部委員会 ）により構築された。
2021 年６月30日現在、ポートフォリオの価値の総額は、2020年12月31日現在の33,848百万ユーロに対し、35,903百万ユーロ
であった。また、ポートフォリオの内容については、2021年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記14.1.2.2においても
詳述されている。
EDF の専用資産ポートフォリオの内容および実績
2021 年6月30日 2020 年12月31日
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株式市場価額 株式市場価額
ポートフォリオ または ポートフォリオ または
( 単位：百万 2021 年度上半期
ユーロ) の割合 実現可能価額 の実績 の割合 実現可能価額 2020 年の実績
収益性資産 19.2% 6,898 7.5% 19.0% 6,420 2.3%
成長性資産 41.0% 14,705 14.4% 40.5% 13,692 10.3%
確定利付資産 39.8% 14,300 -0.5% 40.5% 13,736 4.1%
専用資産合計 100% 35,903 6.9% 100% 33,848 5.9%
2021 年度上半期におけるポートフォリオの変動
2021 年度上半期の専用資産の変動については、 2021 年６月30日現在の要約中間連結財務書類 の注記14.1.2.1に記載されてい
る。
2021 年度上半期に、専用資産の税引後の全体パフォーマンス（引当金および純利益に対する影響。）は、＋1,596百万ユーロ
となった。かかる内訳は、専用資産に割り当てられるCTE株式が＋116百万ユーロ、およびその他証券が＋1,480百万ユーロ（税
引前は＋1,970百万ユーロ）であった。
収益性資産、成長性資産および確定利付資産により構成される専用資産ポートフォリオの全体的なパフォーマンスは、＋
6.9％であった。
EDF Investにより運用される非上場資産は、収益性資産、成長性資産および確定利付資産に区分される。2021年６月30日現
在、CTEを含むこのポートフォリオは、7.5十億ユーロとなり、2021年度上半期の全体的なパフォーマンスは7.8％であった。
2021 年度上半期、EDF Investは英国のスマート・メーターへの投資を追加で行い、ドイツおよびフランスでは新たな不動産
への投資を行った。EDFは、2021年に専用資産ポートフォリオに追加する義務はなく、2020年度上半期には113百万ユーロ、
2020年には797百万ユーロの割当てを行ったのに対して、2021年度上半期中は割当てを行わなかった。
非上場の不動産およびインフラ資産によって構成される収益性資産の2021年６月30日現在の価値は6.9十億ユーロであり、受
取配当金および株式投資の実現可能価額の変動によって7.5％のパフォーマンスを生み出した。この堅調なパフォーマンスは、
セクターおよび地域の優れた分散化によって達成されたものである。
上場市場の好転により、成長性資産区分は全体で＋14.4％のパフォーマンスを記録した。これは、主として、上場資産につ
いて、すべての地域区分（アジア太平洋地域を除く。）で指数を上回るパフォーマンスが得られたこと、欧州ではわずかに指
数を上回るパフォーマンスであったこと（＋0.3％）、また新興国では大幅に上回るパフォーマンスであったこと（＋1.1％）
によるものである。「バリュー」ファンドの大部分は、米ドルの影響を受けるパフォーマンスに負荷を受けながらも、全体的
な価値を生み出した。
確定利付資産の業績は、絶対的には満足のいくものではなかった（－0.5％）が、相対的にはとても良好であった。国債ポー
トフォリオでは、ベンチマーク指標が3.0％下落したのに対し、ポートフォリオの低い感応度によって2.4％の下落にとどまっ
た。信用ポートフォリオは、0.4％の成長で上半期を終えた一方で、ベンチマーク指標は0.4％の下落となった。再び、低い感
応度によって損失は限定的となったが、銀行の劣後債へのエクスポージャーが非常に高かったことは大きくプラスに働いた。
専用資産のリスクへのエクスポージャー
EDF は、専用資産ポートフォリオを通じて、株式リスク、金利リスクおよび為替リスクに晒されている。
2021 年６月30日現在、EDFの専用資産ポートフォリオにおける上場株式の市場価額は、14,301百万ユーロとなった。同日にお
ける上場株式のボラティリティは、52週間分の実績に基づき、12.93％であり、2020年12月31日現在は26.6％であった。当グ
ループは、かかるボラティリティを2021年６月30日における上場株式の資産価額に適用した場合、専用資産の株式部分に関す
る年間ボラティリティを1,849百万ユーロと見積もった。
2021 年６月30日現在、上場債券（12,560百万ユーロ）の感応度は5.6となり、すなわち、金利が一律100ベーシス・ポイント
上昇した場合、市場価額が697百万ユーロ減少することとなる。2020年12月31日現在の感応度は5.5であった。
専用資産の予測収益率の評価
適用される規制に準拠して、また上記のとおり専用資産が目標とする配分に基づいて行われる、今後数年間、特に今後20年
間（原子力引当金の対応期間に近い期間）の予測収益率をシミュレーションする研究では、平均予測利益率が、2021年６月30
日現在の原子力引当金を算出するのに使用された3.4％の割引率を上回る確率が高いことを示している（2021年６月30日現在の
要約連結財務諸表に対する注記14.1.1を参照。）。
専用資産の価値が初めて１十億ユーロを超えた2004年以降の専用資産の年間平均パフォーマンスは、2021年６月30日現在
6.9％であった。
環境法第594-6条および第D.594-7条を適用して、行政当局から現在認められている適用免除
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EDF は、2018年５月31日に、専用資産における非上場資産部分を条件次第で10％から15％に増加させることにつき政府の許可
を受けた（これはCTE株式ないし不動産には適用されない。）。
( ト) カウンターパーティー／信用リスクの管理
カウンターパーティー・リスクは、契約相手方が将来債務不履行に陥った際にEDFグループが被る潜在的な損失である。
当グループのカウンターパーティー・リスク管理方針は、EDFおよびすべての事業上の被支配子会社に適用される。同方針
は、このタイプのリスクの監視に関する管理ならびにカウンターパーティー・リスク管理および監視の構成について定めてい
る。同方針には、当グループの四半期ごとのエクスポージャーの連結が含まれている。CRFI（金融リスク管理）部門は、当グ
ループの契約相手方に対する監視（日々の警戒態勢の見直し、特定の契約相手方に対する特別警戒基準の策定）を厳重にす
る。
下記の表は、格付により、EDFグループのカウンターパーティー・リスクに対する連結エクスポージャーの詳細を示してい
る。2021年３月31日現在、当グループのエクスポージャーの91％が「投資適格」である契約相手方に関するものである。これ
は、主として、短期投資の大部分が低リスク資産に関連するものであるため、現金および資産管理業務により生じたエクス
ポージャーが優勢であったことに起因する。
内部格付
投資適格 非投資適格 合計
なし
2020 年12月31日現在 91% 8 % 1% 100%
2021 年3月31日現在 91% 8% 1% 100%
業務の性質によるカウンターパーティー・リスクへのエクスポージャーの分布は、以下のとおりである。
燃料購入
配電および 現金および
購入 保険 および 合計
販売 資産管理
電力取引
2020 年12月31日現在 6% 1% 9% 78% 6% 100%
2021 年3月31日現在 6% 1% 9% 76% 8% 100%
電力取引事業におけるエクスポージャーは、EDF Tradingに集中しており、各契約相手方には、その財政上の頑強さに応じた
限度が指定されている。一連の手法（主にポジション・ネッティング契約、現金担保契約および銀行または関連会社の保証の
導入）は、EDF Tradingにおけるカウンターパーティー・リスクを軽減するために使われる。
EDF の金融取引担当部署の契約相手方に対して、CRFI部門は、契約相手方の承認手続を明確にする枠組みおよび割当制限の計
算に対する方法論を策定した。エクスポージャーのレベルは、随時助言を受け、日々体系的に監視される。制限の適切性につ
いては、契約相手方に影響する警告または不利な展開が生じた場合には遅滞なく再検討される。高い信用格付けを有する銀
行、ソブリンおよび企業の取引の相手方のみが一定限度の額および満期の限度で、保有が認められている。
( ⅱ) エネルギー市場リスクの管理および統制
本項は、2020年12月31日以降に当グループに影響を与えるエネルギー市場リスクの主要な変動を示している。エネルギー市
場リスクの管理の原則については、2020年度有価証券報告書「第３ ２（２）②金融および市場に関するリスク」のリスク要因
「２Ｃ：エネルギー市場リスク」に記載されている。かかる原則は、2020年12月31日以降、変更されていない。
当グループの事業上の被支配子会社に関しては、当グループの商事会社であるEDF Tradingが主としてエネルギー市場におけ
るポジションを担っている。EDF Tradingは、他のグループ企業を代表し、当グループの産業資産を裏付けとする自社のトレー
ディング業務のために、市場において取引を行っている。したがって、EDF Tradingは、厳格な企業統治および統制の枠組みに
服する。
2021 年に、EDF Tradingの市場に対するエクスポージャーは、35百万ユーロのバリュー・アット・リスク制限、それぞれ250
百万ユーロの長期的な契約に係るキャピタル・アット・リスク制限および非流動市場での運営に係るキャピタル・アット・リ
スク制限、ならびに180百万ユーロのストップ・ロス制限に従って管理されている。
2021 年度上半期中に、これらの制限は、超過されたことがなく、EDF Tradingは、常にEDFの負託の範囲内でリスクを管理し
ていた。ストップ・ロスは、その導入以来、一度も超過されたことはない。
⑧ 後発事象
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他の注記に記載されたものを除き、2021年６月30日以降の進展はなかった。
( ⅰ) 2021年７月29日－2021年度上半期の実績
EBITDA の大幅な増加
再生可能エネルギー・プロジェクトのポートフォリオは10％成長の66GW
フランスにおける1,300MWの原子炉の減価償却期間を50年に延長
2021 年の目標の上方修正
2021 年度上半期の財務実績
(1)
売上高 39.6 十億ユーロ 本業の変動 +13.7%
(1)
EBITDA 10.6 十億ユーロ 本業の変動 +29.8%
(2) (1)
非経常項目を除く純利益 3.7 十億ユーロ 3 倍
純利益－当グループ持分 4.2 十億ユーロ n.a.
(1) 2020年度上半期と比較した、 比較対象となる範囲、基準および為替レートに基づく本業における変動 。
(2) 非経常項目を除く純利益は、IFRSに定義されていないため、連結損益計算書に直接的に表示されない。非経常項目を除く
純利益は、トレーディング業務ならびに負債証券および持分証券の公正価値の純変動額（税引後）を除く、非経常項目以
外の純利益ならびにエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額に相当する。
ハイライト
原子力
・フランス：
－既存の原子力：
・2021年の原子力の推定発電量を330TWhから360TWhまでの間から、345TWhから365TWhまでの間に引上げ
・900MWの原子炉の40年を超えた運転継続条件に関するASNの一般的決定
－フラマンビル３：
・すべての燃料集合体の現地搬入
・ASNの承認に基づき、遠隔制御ロボットを用いた主要二次回路における貫通溶接部の修理を開始
・主要一次回路における３つの分岐接続の処理についてのASNの決定保留
－新たな原子力
・EDFおよび原子力産業界が、フランスに３組の新たなEPR２原子炉を建設するプログラムへの出資について公的機関に提
出
・小型モジュラー炉プロジェクトであるNuwardに関して、産業組織を設立
・ 中国 ：台山原子力発電所の原子炉１号機における燃料集合体の異常（ 2021年６月14日付プレスリリースおよび2021年７月22
日付プレスリリースを参照。 ）
・英国：
－ヒンクリー・ポイントＣ：機器設置段階の開始および原子力アイランド建屋内の土木工事の段階的実施
－ダンジェネスＢの閉鎖および燃料取出段階の開始
－７か所のAGR原子力発電所（ 改良型原子力ガス冷却原子炉 ）の廃炉に関する英国政府との合意
再生可能エネルギー
・プロジェクトのパイプライン－2021年６月末現在の総容量は66GW（ 風力発電プロジェクトおよび太陽光発電プロジェクト ）
となり、2020年末と比較して10％増加
－米国：Atlantic Shoresによる1.5GWの洋上プロジェクト（50対50のジョイント・ベンチャーによる。）の受注、および合
計300MW超の３件の太陽光発電プロジェクトの受注
－フランス：ソーラー・プランの一環として、合計75MWとなる13件の地上設置型太陽光発電プロジェクト（ CREによる入札 ）
を受注
・2021年６月末現在で建設中の総容量は8.6GW（ 2020年末現在の８GWに対して、8.6GW（うち陸上風力発電1.7GW、洋上風力発電
2.1GWおよび太陽光発電4.8GW） ）となり、2020年末と比較して８％増加
・2020年度同期の0.6GWに対して、2021年度上半期には１GWを稼働開始（うち344MWはブラジルの風力発電所）
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・水力：カメルーンのNachtigalプロジェクト（420MW）において、土木工事の40％超を達成
Enedis
・送電網接続の加速
・Linkyプログラムの完了：2021年６月末現在で約32.5百万個のLinkyスマート・メーターを設置し、プログラム達成率は95％
となった。
顧客およびサービス
・商業パフォーマンス：
－フランスでの市場サービスにおける住宅用電力顧客は1.2百万近くとなり、2020年末から17.6％増加
－2021年６月末現在での顧客１人当たりの電気、サービスおよびガスの契約数は1.15件（2030年までの目標：1.5件（ EDFに
よる予測値：フランス、英国、イタリアおよびベルギー（住宅用顧客） ））
－Bouygues Telecom、SNCFおよびRATPとの間で、再生可能エネルギー電力購入契約（PPA）を締結
・充実したサービス：
－太陽光発電の自家消費に向けた20年間のリース・パーチェス事業の提供を開始
－Boschとのパートナーシップにより、企業用顧客向けの包括的なエネルギー効率化および脱炭素化のサービスを開始
イタリア－Edison
・2030年までに総計約４GWの再生可能エネルギー容量を達成することを目標として（ 水力発電を除く。風力発電または太陽光
発電に区分けされる。 ）、Edison内における当グループのイタリアの再生可能エネルギー資産を再編
・E&P事業（ 探鉱および生産事業（アルジェリアの事業を除く。） ）の売却の完了
イノベーション
・ドイツによる、産業用再生可能水素製造プロジェクト（300MW）のIPCEI（ 欧州共通利益に適合する重要プロジェクト ）への
事前選定
・フランスにおける「 Vert Electrique Auto 」サービスの一環として、トヨタとEDFが連携契約を締結
・2021年６月末現在で144,000か所超の充電ポイントを展開および管理（うちPod Point分は122,000か所（2020年末と比較して
28％増加））
・ESOプロジェクト（ 100％再生可能エネルギーを使用するEnergy Superhub Oxford ）の一環として、英国において50MWの電池
を稼働
国外
・アフリカ西部最大のバイオマス発電所建設に係る融資契約の締結（コートジボワールのBiovea（46MW））
・ラオスのナム・テウン２貯水池における240MWのハイブリッド型浮体式太陽光発電プロジェクトの開発契約を締結
2021 年の指針の上方修正および2022年の抱負の確認 （ 強化された追加的な衛生上の制限による影響に服する。 ）
(1)
2021 年の目標 EBITDA 17.7 十億ユーロ超
(1)
純負債／EBITDA倍率 2.8 倍未満
(2)
2022 年の抱負 2019 年から2022年の間における営業費用 の削減 500 百万ユーロ
2020 年から2022年までの 約3十億ユーロ
(3)
当グループによる売却
(1)
純負債／EBITDA倍率 約3倍
配当 45% から50%
2021 年および2022年の非経常項目を除く純利益の目標配当性
(4)
向
フランス政府は、2021事業年度の配当について、株式配当による支払
いを選択することを表明した。
(1) 2021年１月１日現在の連結範囲および為替レートに基づく。EBITDAの目標は、2021年７月７日に上方修正された。
(2) 人件費およびその他の対外費用の合計。一定の範囲、会計基準、為替レートおよび年金割引率に基づき、インフレーショ
ンを除く。当グループのエネルギー・サービス事業の活動、Framatomeの原子力エンジニアリング・サービスおよびジェ
イタプールなどの特定のプロジェクトにおける売上原価を除く。
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(3) 締結済みまたは完了した売却。当グループの実用的な債務（スタンダード・アンド・プアーズによる定義）への影響。
(4) 非経常項目を除く純利益に基づき、自己資本として計上されたハイブリッド債に係る報酬について調整済みの目標配当性
向。
ジャン・ベルナール・レヴィ氏を議長として開催された2021年７月28日付の会議において、EDFの取締役会は、2021年６月30
日現在の連結財務書類を承認した。
EDF グループの実績における変動
2020 年度上半期 2021 年度上半期 変動(%) 本業の変動(%)
( 単位：百万ユーロ)
売上高 34,710 39,621 +14.1 +13.7
EBITDA 8,196 10,601 +29.3 +29.8
EBIT 1,624 4,272 2.6 倍
純利益－当グループ持分 △701 4,172 -
非経常項目を除く純利益 1,267 3,740 3 倍
フランスにおける既存の原子力規制枠組みの改革の見通し
フランス政府は、ARENH改革、水力発電所の委託およびEDFの全体的な再編成に関する欧州委員会との協議は、現段階では完
全な合意に達することができず、全関係者にとって満足のいく結果を得るために、今後も協議を継続しなければならないとし
ている。
EDF グループのEBITDAにおける変動
2020 年度上半期 2021 年度上半期 変動(%) 本業の変動(%)
( 単位：百万ユーロ)
フランス－発電と供給 3,894 4,838 24.2 24.2
フランス－規制業務 2,460 3,210 30.5 30.5
EDF Renewables 418 294 -29.7 -26.1
Dalkia 165 215 30.3 29.7
Framatome 98 183 86.7 94.9
英国 438 267 -39.0 -39.7
イタリア 380 534 40.5 41.6
その他国外 208 206 -1.0 5.8
その他事業 135 854 6 倍 6 倍
グループ合計 8,196 10,601 29.3 29.8
2021年度上半期のEBITDAが、2020年度上半期と比較して本業において29.8％の成長を遂げたのは、主として、フランスにお
ける原子力発電量の増加、ならびに電力価格およびガス価格の引上げ後に気温が低下したことによるものである。また、2020
年度上半期と比較して、接続事業が成長したこともこの改善に寄与した。
さらに、2021年度上半期のEBITDAは、COVID-19の危機の影響を受けていない2019年度上半期と比較して26.8％増加した。こ
の成長は、主に電力価格およびガス価格の引上げならびに配電料金（TURPE）の引上げによるものであった。また、このパ
フォーマンスは、トレーディング業務における優れたパフォーマンスおよび発電税の引下げの結果によるものでもある。フラ
ンスの原子力発電量の水準は、フェッセンハイムの閉鎖（－７TWh）、COVID-19による供給停止の延長（－6.4TWh）、および
「グラン・カレナージュ（ Grand Carénage ）」プログラムの一環としての集中的な維持管理スケジュールにより、2021年度上
半期と2019年度同期との間で22TWh減少した。英国の原子力発電量は、依然として多数の供給停止の影響を受けている。
パフォーマンス
原子力発電量は、2020年度同期と比較して7.7TWh増加し、181.7TWhとなった。この変動は、主として以下の要因を反映した
ものである。
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・需要の高まりによって、2021年に発電所の利用が増加したこと。2020年には、発電所はCOVID-19の健康危機による甚大な影
響を受けた。これにより高度な調整が必要となった。
・2021年には、より集中的な維持管理のための供給停止プログラムが実施されたこと
・2021年には、2020年度上半期に閉鎖されたフェッセンハイムの原子炉２基からの発電が行われていないこと
フランスにおける水力発電量は、2020年度上半期と比較して1.4TWh減少し、合計24.6TWhとなった（ 揚水量を差し引いた水力
発電量は、2021年度上半期において21.9TWh（2020年度上半期は22.7TWh）となった。 ）。
英国における原子力発電量は、2020年度上半期と比較して1.8TWh減少し、20.9TWhとなった。この減少は、供給停止の日程、
および特にサイズウェルＢにおける供給停止の延長によるものである。
ベルギーでは、原子力発電量および風力発電量が2020年度上半期と比較して減少した。
EDF Renewablesの発電量は、本業において10.6％の成長となり、8.8TWh（＋0.8TWh）となった。
テキサス州における異常寒波
2021年２月にテキサス州で発生した異常寒波の際には、電力価格のピークが数日間にわたって報告された。EDF Renewables
は、４か所の風力発電所を閉鎖し、契約上のコミットメントを守るために非常に高い価格でエネルギーを購入せざるを得な
かった。EDF Tradingは、コモディティ市場の高いボラティリティから利益を得た。これらの要因により、当グループのEBITDA
は49百万ユーロのプラスの影響を受けた。また、純利益－当グループ持分は、風力発電所のうちの１つを減損処理したことに
よる影響を受けた。全体として、当上半期の純利益－当グループ持分に対するこの異常寒波による影響は、ほぼ中立的であっ
た。
コスト削減計画および売却計画
当グループの財務状況に対する健康危機の影響を軽減するために、2019年から2022年までの間に営業費用（ 人件費およびそ
の他の対外費用の合計。一定の範囲、会計基準、為替レートおよび年金割引率に基づき、インフレーションを除く。エネル
ギー・サービス事業、Framatomeの原子力エンジニアリング・サービスおよびジェイタプールなどの特定のプロジェクトにおけ
る営業費用を除く。 ）を500百万ユーロ削減し、2020年から2022年までの期間にわたり売却（ 締結済みまたは完了した売却。当
グループの実用的な債務の削減（スタンダード・アンド・プアーズによる定義）への影響。 ）によって約３十億ユーロを生み
出すことを目標として、2020年半ばにコスト削減計画および売却計画が立ち上げられた。2021年６月末現在、当グループは251
百万ユーロのコストを削減した。2021年７月29日現在における締結済みまたは完了した取引による売却は、純負債額に対して
約1.2十億ユーロ、当グループの実用的な債務（ スタンダード・アンド・プアーズによる定義による実用的な債務 ）に対して約
1.9十億ユーロの有利な影響を与えている。
フランスにおける1,300MWの原子力発電所の減価償却期間の延長
当グループは、フランスにおける1,300MWのPWR発電所の減価償却期間を当グループの産業戦略に沿ったものにするために必
要な技術的条件、経済的条件およびガバナンス面の条件が、2021年度上半期にすべて充足されたと考えている。そのため、当
グループは、2021年１月１日に、すべての1,300MW系列の発電所について、この会計上の見積りを変更した。減価償却期間を50
年に延長することによる純利益－当グループ持分への影響は、＋194百万ユーロである。
純利益
2021年度上半期における財務実績は合計861百万ユーロとなり、2020年度上半期と比較して3,163百万ユーロ改善した。この
変動は、いくつかの要因によるものである。
・専用資産の好調なパフォーマンスにより、2020年度上半期と比較して2,666百万ユーロ増加したこと
・低金利環境下での借換取引により、金融負債コストが114百万ユーロ減少したこと
・2019年末から2020年末にかけて、主として退職後の従業員給付引当金の割引率が低下したことにより、引当金の割引額の割
戻しの影響が156百万ユーロ減少したこと
非経常項目に関する再表示後、経常金融損失は－993百万ユーロとなった。専用資産ポートフォリオの公正価値における変動
額1,859百万ユーロは、非経常項目を除く純利益の算定には組み込まれていない。
非経常項目を除く純利益は、2020年度上半期から2,473百万ユーロ増加し、2021年６月末現在において3,740百万ユーロと
なった。かかる変動は、主として、1,300MWの発電所の減価償却期間の延長に伴う減価償却費の減少に加え、EBITDAの増加およ
び経常金融損失の増加を反映したものである。
純利益－当グループ持分は、4,873百万ユーロ増加して、2021年６月末現在は4,172百万ユーロとなった。非経常項目を除く
純利益の大幅な増加以外に、当該合計額には以下の税引後項目が含まれている。
・金融商品の公正価値の変動額1,390百万ユーロ
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・2021年６月29日にEDFとAREVAとの間で締結された契約に基づき受領した和解補償金に対応する370百万ユーロの収益
・フラマンビル３のEPRにおける主要二次回路の溶接部の修理準備作業に関連する追加費用、合計199百万ユーロ（ 2019年10月
９日付プレスリリースにおいて発表された予算における見積額 ）
・ダンジェネスＢの早期閉鎖に関連して発生した費用で、発電所、燃料在庫および予備部品の減損、ならびに容量メカニズム
に基づく違約金に係る引当金を含む361百万ユーロ
キャッシュ・フローおよび純負債額
当グループのキャッシュ・フローは、2020年６月現在の－1,829百万ユーロから大幅に改善し、2021年６月末現在は－240百
万ユーロであった。この変動は、主としてEBITDAの大幅な増加によるものである。対照的に、2021年度上半期の運転資本要件
（WCR）は、1,896百万ユーロ低下した。WCRの変動は、主として、最適化業務および取引業務のWCRの低下、ならびに営業債務
の季節性に起因するものである。
純投資は7,679百万ユーロとなり、COVID-19により減少した2020年度上半期と比較して、691百万ユーロの増加となった。
営業キャッシュ・フロー（ 営業キャッシュ・フローはIFRSに定義された財務成績を測定するための総額ではなく、また、他
社により同名で発表される指標とは直接比較できないものである。営業活動による資金（FFO）とも認識されているかかる指標
は、非経常効果の影響と関連する調整を行った営業活動によるキャッシュ・フロー（純額）、純投資（2020年－2021年の売却
を除く。）ならびにその他の項目（関連会社およびジョイント・ベンチャーからの受取配当金を含む。）を組み込んでい
る。 ）は、2020年度上半期と比較して1,082百万ユーロ増加し、合計566百万ユーロとなった。
2020 年12月31日 2021 年6月30日
(1)
純負債額 (単位：十億ユーロ)
42.3 41.0
(2)
純負債/EBITDA倍率
2.61 倍 2.21 倍
(1) 純負債額は会計基準に定義されておらず、当グループの連結貸借対照表に直接表示されない。これは、借入金および金融
負債の合計から、現金および現金同等物ならびに流動性の高い資産を控除したものからなる。流動性の高い資産は、ファ
ンドまたは有価証券からなる、当初の満期３か月超で、容易に換金でき、流動性目標の枠組みに従って運用されている金
融資産である。
(2) 2021年６月30日現在の倍率は、2020年度下半期および2021年度上半期の累積EBITDAに基づいて計算されている。
1.25十億ユーロのソーシャル・ハイブリッド債の発行（ 会計基準に則り、総負債に計上されないハイブリッド債発行 ）を受
けて減少し、純負債額は41十億ユーロとなった。これは、EDFが2021年５月に完了した、電力会社による初のベンチマーク発行
となる。
当グループの主要なセグメント別業績
フランス－発電と供給
( 単位：百万ユーロ) 2020 年度上半期 2021 年度上半期 本業の変動(%)
(1)
売上高
14,449 16,001 9.5
EBITDA 3,894 4,838 24.2
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
原子力発電量の増加（7.7TWh）および揚水量差引後の水力発電量の減少（0.8TWh）によるEBITDAに対する正味の影響は、推
定＋325百万ユーロである。
電力価格は、EBITDAに約30百万ユーロのプラスの効果をもたらした。2021年度上半期の価格引上げは、市場でのエネルギー
販売に有利な影響を与えたが、購入価格の上昇によってほぼ相殺された。2020年にはエネルギー購入は非常に低い価格で行わ
れたことに留意されたい。
下流市場では、6.6TWhの顧客損失の影響があったものの、顧客に請求された容量価格によるプラスの影響を考慮すると、有
利な変動は推定約234百万ユーロである。
また、EBITDAには、フランス・ルランス（フランス復興）の復興計画の一環として、発電税が257百万ユーロ減少したことも
寄与している。
フランス－規制業務 （ 規制業務にはEnedis、Électricité de Strasbourgおよびフランス島部の電力業務が含まれる。 ）
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( 単位：百万ユーロ) 2020 年度上半期 2021 年度上半期 本業の変動(%)
(1)
売上高
8,139 9,096 11.8
EBITDA 2,460 3,210 30.5
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
EBITDAの大幅な増加は、気温が低かったことの影響で配電量が10.8TWh増加したことによる204百万ユーロ、および送電網接
続の増加による推定174百万ユーロによるものである。
価格の変更は、主として、2020年８月１日に実施されたTURPE５の送配電料金の指数化（ 2020年８月１日付でTURPE５配電料
金については＋2.75％、送電料金については－1.08％の指数化 ）により、220百万ユーロの好影響をもたらした。
さらに、EBITDAは、フランス・ルランスの復興計画の一環として、発電税が74百万ユーロ削減されたことによる恩恵を受け
た。
最後に、2021年６月末現在で約32.5百万個のLinkyスマート・メーターが設置されており、プログラムの95％が達成されてい
ることにも留意されたい。
再生可能エネルギー
EDF Renewables
(1)
本業の変動(%)
( 単位：百万ユーロ) 2020 年度上半期 2021 年度上半期
(2)
売上高
770
807 8.2
EBITDA 418 294 -26.1
うち発電からのEBITDA 471 359 -21.2
(1) グループ内の移動による名目の成長と本業の成長の差異。
(2) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
テキサス州における異常寒波は、発電からのEBITDAに対して推定94百万ユーロの大きな影響を与えた。実際に、EDF
Renewablesは、契約上のコミットメントを守るために非常に高い価格でエネルギーを購入せざるを得ず、また風力発電所のう
ちの１つについて減損を計上しなければならなかったため、純利益はマイナスの影響を受けた。
発電量は、稼働容量の増加により10.6％増加した。
米国における「ストラクチャード・アセットの開発および売却事業」取引のEBITDAへの貢献度は、2020年度上半期と比較し
て、2021年度上半期は減少した。
2021 年10月以降に適用される、2006年７月、2010年１月および2010年８月の料金決定を適用した購入義務契約に関する太陽
光発電電力250kWc超の購入価格が引き下げられたことにより、連結ベースで９百万ユーロの価値の減損および25百万ユーロの
関連会社に対する評価損が発生した。
当グループの再生可能エネルギー事業 （ より大きな規模の発電資産ポートフォリオの範囲内において最適化された再生可能エ
ネルギー発電、とりわけ揚水量を差し引いた後のフランスの水力発電所に関連するものに関する売上高およびEBITDAは、慣習
により、ヘッジによる影響を考慮に入れないスポット市場価格（または購入義務料金）で発電された発電量の評価額と見積も
られ、適用される場合は容量の評価も含まれる。 ）
(1)
本業の変動(%)
( 単位：百万ユーロ) 2020 年度上半期 2021 年度上半期 変動(%)
(2)
売上高 50.5
2,074
3,122 52.4
EBITDA 859 1,623 88.9 91.4
純投資 △783 △870 11 -
(1) グループ内の移動による名目の成長と本業の成長の差異。
(2) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
当グループのすべての再生可能エネルギー事業のEBITDAは、本業において91.4％の成長となった。このパフォーマンスは、
以下の２つの要因が重なったものである。
・第一に、水力発電量のスポット価格（ 揚水発電量の消費量を差し引いた後の発電量 ）が147％上昇（＋34.8ユーロ／MWh）し
たことによる好影響
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・EDF Renewablesが、テキサス州の異常寒波によるマイナスの影響を受けたこと
エネルギー・サービス
Dalkia
( 単位：百万ユーロ) 2020 年度上半期 2021 年度上半期 本業の変動(%)
(1)
売上高
1,988
2,326 15.7
EBITDA 165 215 29.7
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
EBITDAの増加は、多数の顧客の現場が閉鎖され、建設工事が延期されたことによりマイナスの影響を受けた2020年度上半期
の後、サービスおよび工事が回復したことによるものである。
2021年度上半期の英国における気温の低下および商業活動は、EBITDAに好影響を与えた。例えば、Dalkiaの英国子会社であ
るBreatheが、エネルギー・リフィット・フレームワークの中で、カーボン・フットプリントを改善するための資金援助を受け
る４つの病院を100百万英ポンドで支援する契約を締結したことが挙げられる。
また、Dalkiaは、子会社であるDalkia Wastenergyの売却を完了した。
当グループのエネルギー・サービス事業 （ 当グループのエネルギー・サービス事業には、Dalkia、CitelumおよびCHAMならびに
EDF Energy、Edison、LuminusおよびEDF SAのサービス業務が含まれる。当該事業には、とりわけ街灯、暖房ネットワーク、現
地資源に基づく分散型の低炭素発電、エネルギー消費量管理および電気モビリティが含まれる。 ）
( 単位：百万ユーロ) 2020 年度上半期 2021 年度上半期 変動(%) 本業の変動(%)
(1)
売上高 18.8
2,584
3,070 17.5
EBITDA 188 255 35.6 34.0
純投資 △181 △122 32.0
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
当グループレベルでエネルギー・サービスの本業の成長が34％となったのは、DalkiaおよびEdisonの事業が、2020年度上半
期の健康危機に関連する減速後に回復したこと、ならびにフランスの住宅用顧客向けサービスが勢いづいたことによるもので
ある。
純投資は、2020年度上半期のPod Pointの買収に相当する取引が2021年度上半期になかったため、32％減少した。
Framatome
( 単位：百万ユーロ) 2020 年度上半期 2021 年度上半期 本業の変動(%)
(1)
売上高
1,490
1,634 11.0
(2)
EBITDA
211
293 42.7
EDF グループのEBITDAへの貢献 98 183 94.9
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
(2) セグメント間消去前のセグメント全体のEBITDAの内訳。
EBITDAの大幅な増加は、部分的には健康危機後の事業回復も関連して、「燃料」工場および「部品製造」工場の生産水準が
向上したこと、ならびに主に米国において「大型プロジェクト」事業および「設置基盤」事業の売上高が増加したことによる
ものである。
構造的コストに関する活動計画は進展している。
さらに、2021年６月末時点の受注高は約２十億ユーロ（ Framatome内 ）となり、2020年と比較して顕著な改善を示した。
最後に、Framatomeは、原子力発電所の蒸気発生器用チューブの専門製造業者であるフランスのValinoxの取得を完了した。
英国
( 単位：百万ユーロ) 2020 年度上半期 2021 年度上半期 本業の変動(%)
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(1)
売上高
4,595
4,886 5.6
EBITDA 438 267 -39.7
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
EBITDAの変動は、主として、特にサイズウェルＢの供給停止の延長に関連して原子力発電量が1.8TWh減少したことによる影
響、および高価格で電力を買い戻す必要があったために原子力の実現価格が大幅に低下したことによるものである。
商業活動は、特に企業用顧客部門において健康危機の影響を受けた2020年度上半期に比較して成長した。
イタリア
(2)
本業の変動(%)
( 単位：百万ユーロ) 2020 年度上半期 2021 年度上半期
(1)
売上高
2,909 3,911 35.0
EBITDA 380 534 41.6
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
(2) グループ内の移動による名目の成長と本業の成長の差異。
EBITDAの大幅な増加は、主として、供給事業およびサービス事業の回復ならびに2021年の気温が低かったことによる。
Infrastrutture Distribuzione Gasの売却は、2021年度上半期のガス事業のEBITDAにプラスの影響を与えた。しかしなが
ら、一部のガス資産のマージンが縮小したことが、EBITDAに悪影響を及ぼした。
電力事業では、コンバインド・サイクル・ガス・タービン（CCGT）の稼働率向上および電力網サービスの最適化により、
EBITDAが増加した。再生可能エネルギー発電量による貢献度も増加した。
なお、S&Pは、Edisonの格付をBBB-／A-3からBBB／A-2に格上げしている。
その他国外
( 単位：百万ユーロ) 2020 年度上半期 2021 年度上半期 本業の変動(%)
(1)
売上高
1,244 1,394 12.8
EBITDA 208 206 5.8
うちベルギー 135 122 -7.4
うちブラジル 54 77 59.3
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
ベルギー（ LuminusおよびEDF Belgium ）のEBITDAは、主として、2020年と比較して風力条件が良好でなかったことに関連し
て風力発電所の発電量が減少したことにより、減少した。風力発電の純設備容量は、557MW（ Luminusにおける純容量。風力発
電の総設備容量は、2021年６月末現在は合計600MW（＋２％）であった。 ）に増加（2020年末現在から＋1.6％）した。原子力
発電量も減少し、高価格での電力の買戻しが必要となった。
火力発電所の稼働率が向上したことで、発電量レベルが向上し、電力網への供給量が増加した。
健康危機により2020年に減速した後、サービス事業は成長を取り戻し、供給事業は非常に厳しい競争および社会的料金の拡
大が継続する状況にもかかわらず堅調に推移した。
Luminus は、ベルギーのガスおよび電力の供給業者であるEssent Belgiumから、約330,000の顧客の獲得を完了した（ Luminus
の2021年５月３日付プレスリリースを参照。 ）。
ブラジルのEBITDAは、EDFのノルテ・フルミネンセ発電所に関連して2020年11月に電力購入契約（PPA）価格が28％上昇し、
スポット市場において高価格で販売されたことにより、本業において59.3％の成長となった。かかる好影響は、ユーロに対す
るブラジル・レアルの下落によって、一部相殺された。
EDF は、2022年から10年間の期間で、マリムアズールのコンバインド・サイクル・ガス発電所について、業務、運営および維
持管理に係る最初の契約を締結した。
その他事業
( 単位：百万ユーロ) 2020 年度上半期 2021 年度上半期 本業の変動(%)
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(1)
売上高
1,200 1,887 58.3
EBITDA 135 854 6 倍
うちガス事業 △296 188 -
うちEDF Trading
391 608 56.3
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
ガス事業のEBITDAの増加は、米国と欧州の間の中長期的なスプレッドの大幅な改善によるものである。
EDF TradingのEBITDA（ 「テキサス州における異常寒波」の項を参照。 ）は、2020年度上半期から本業において56.3％の成長
となり、608百万ユーロとなった。取引マージンの伸びは、当半期中のコモディティ市場における大きなボラティリティの恩恵
を受けた欧州および米国でのトレーディング業務のパフォーマンスが、非常に好調であったことによるものである。
2021 年度第１四半期業績の発表後における主な後発事象 （ 全プレスリリースの一覧は、当社のウェブサイト（www.edf.fr）で
入手可能である。 ）
原子力
・EDFによる台山原子力発電所の原子炉１号機に関する通知（2021年７月22日付プレスリリースを参照。）
・EDFは、EDFによるEPR原子炉４基から６基のポーランドへの誘致の準備のためにワルシャワに事務所を開設し、ティエリー・
デショー氏をマネージング・ディレクターに任命した（2021年７月12日付プレスリリースを参照。）。
・EDFは、2021年のフランスにおける原子力の推定発電量を上方修正した（2021年７月５日付プレスリリースを参照。）。
・EDFおよびAREVAは、和解契約を締結した（2021年６月30日付プレスリリースを参照。）。
・台山原子力発電所の原子炉１号機に関する情報（2021年６月14日付プレスリリースを参照。）
・原子炉３基における燃料棒保護材の非定型的な腐食の発見（ 2021年７月13日、EDFは、INES尺度における一般ESSレベル０の
申告（2021年７月７日付のASNに対する申告）に関連する情報通知を発行した。 ）
再生可能エネルギー （ EDF Renewables の全プレスリリースの一覧は、ウェブサイト （www.edf-renouvelables.com） で入手可能
である。 ）
・EDFグループは、米国ニュージャージー州における1.5GWの洋上風力プロジェクトを受注した（2021年７月１日付プレスリ
リースを参照。）。
・EDF Renewables North Americaは、オブライエン太陽光発電所の商業運転を発表した（2021年６月９日付プレスリリースを
参照。）。
・EDF Renewablesは、イスラエルのティムナ太陽光発電所を稼働した（2021年６月８日付プレスリリースを参照。）。
・Bouygues Telecomは、EDFグループとの間で、初の再生可能な風力発電による電力購入契約（PPA）を締結した（2021年５月
28日付プレスリリースを参照。）。
EDF Energy （ EDF Energyの 全プレスリリースの一覧は、ウェブサイト （www.edfenergy.com） で入手可能である。 ）
・EDFは、AGRの燃料取出および廃炉に係るプログラムに関する政府との合意完了を歓迎した（2021年６月23日付プレスリリー
スを参照。）。
・Pivot Power、WärtsiläおよびHabitat Energyは、オックスフォードシャー州のカウリーにおいて、50MWの送電網に接続され
た電池を起動した（2021年６月22日付プレスリリースを参照。）。
・EDFは、ダンジェネスＢについて燃料取出段階に移行することを決定した（2021年６月７日付プレスリリースを参照。）。
・EDF Renewables Irelandは、メイヨー県における100MWの風力発電所に関する計画を発表した（2021年５月27日付プレスリ
リースを参照。）。
持続可能な金融
・EDFは、額面金額1.25十億ユーロの初のソーシャル・ハイブリッド債発行の成功を発表した（2021年５月27日付プレスリリー
スを参照。）。
・2024年満期OCEANE債：EDF株主への１株当たり0.21ユーロの配当支払後の新たな転換／交換比率（2021年５月12日付プレスリ
リースを参照。）
国外
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・EDF、MeridiamおよびSIFCAが、アフリカ西部最大のバイオマス発電所に係る融資契約をProparcoおよびEAIFとの間で締結し
た（2021年６月11日付プレスリリースを参照。）。
Edison
・Edisonの戦略の中心となる再生可能エネルギー（2021年６月16日付プレスリリースを参照。）
・S&Pは、堅実な営業成績および好ましい成長見通しを評価し、EdisonをBBB／安定した見通しに格上げした（2021年５月21日
付プレスリリースを参照。）。
Dalkia
・Dalkiaは、子会社であるDalkia Wastenergyの売却完了を発表した（2021年７月28日付プレスリリースを参照。）。
その他
・EDFは、POWERHOUSE HABITATとの間で、住宅用不動産の一部を譲渡することで合意した（2021年７月28日付プレスリリースを
参照。）。
・2021年７月22日の株主総会：すべての決議事項が採択された（2021年７月22日付プレスリリースを参照。）。
・EDFは、新たなクラスＢの木質燃料を開発するプロジェクトであるエココンバストを終了した（2021年７月８日付プレスリ
リースを参照。）。
・EDFグループは、2021年のEBITDA目標を上方修正した（2021年７月７日付プレスリリースを参照。）。
・EDFおよびトヨタは、電気モビリティの普及およびカーボン・ニュートラルな未来の構築に向けて協力する（2021年７月１日
付プレスリリースを参照。）。
・新たな独立取締役の任命のため、2021年７月22日にEDF株主総会を非公開で開催した（2021年６月15日付プレスリリースを参
照。）。
・2020年の配当について株式ベースで受け取る選択の結果（2021年６月３日付プレスリリースを参照。）
( ⅱ) 2021年８月９日－EDFは、CENGにおける持分の売却を完了した
EDF は、2021年８月９日にConstellation Energy Nuclear Group LLC（CENG）の49.99％の持分を、そのジョイント・ベン
チャー・パートナーであるExelon Generation, LLC（Exelon）に売却完了したことを発表した。この売却は、EDFとExelonとの
間で2014年４月に締結されたプット・オプション契約に基づくものであり（ EDFの2014年４月１日付プレスリリース「EDFおよ
びExelonがCENGに係る契約を最終化」を参照。 ）、かかる契約において、ExelonはEDFに対し、EDFのCENGにおける持分を公正
な市場価格でExelonに売却する権利を付与している。EDFは、2020年１月にプット・オプションを行使した（ EDFの2019年11月
20日付プレスリリース「EDFが、CENGへの出資に関して、プット・オプションを行使することを通知」を参照。 ）。
EDF が保有するCENGの持分の購入価格は885百万米ドルであり、手取金は８月６日にEDFが受領している。
この取引は、EDFが以前に発表した売却計画の一部である。
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４【経営上の重要な契約等】
上記「第３ ３（３）財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
５【研究開発活動】
当半期中において、2020年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
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第４【設備の状況】
１【主要な設備の状況】
当半期中において、2020年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
２【設備の新設、除却等の計画】
当半期中において、2020年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
第５【提出会社の状況】
１【株式等の状況】
（１）【株式の総数等】
①【株式の総数】
(2021年6月30日現在)
＊ ＊
授 権 株 数(株) 未発行株式数(株)
種 類 発行済株式総数(株)
＊＊
219,579,139
－ 普通株式 3,157,832,107 株
＊
フランス法の下では、授権株式という概念はない。しかし、一定の範囲内で株主は、取締役会に対して株式またはエクイ
ティ証券の発行に際して、発行額および発行時期を決定する権限を与えることができる。
＊＊
当社は2020年９月８日に新株予約権および株式交換権付無担保上位債( obligations senior non garanties à option de
conversion et/ou d'échange en actions nouvelles et/ou existantes )（以下「本社債」という。）を発行した。上記の
株式数は、本社債の転換に際して発行される可能性のある新株の最大数である。
②【発行済株式】
(2021年6月30日現在)
記名・無記名の別及び 上場金融商品取引所名又は
種 類 発 行 数(株) 内容
額面・無額面の別 登録認可金融商品取引業協会名
記名式
普通株式 3,157,832,107株 ユーロネクスト・パリ －
(券面額0.5ユーロ)
（２）【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。
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（３）【発行済株式総数及び資本金の状況】
(2021年6月30日現在)
資本金
発行済株式 発行済株式総数 資本金残高
年月日 増減額 摘要
総数増減数(株) 残高(株) (ユーロ)
(ユーロ)
2004年 1,625,800,000株 1,625,800,000株 0 8,129,000,000 フランス政府か
11月20日 (増加) らの資本および
資本拠出の当社
株式資本への転
換
2005年 0株 1,625,800,000株 7,316,100,000 812,900,000 連結剰余金への
10月27日 (減少) 移転を通じた減
資
2005年 187,869,028株 1,813,669,028株 93,934,514 906,834,514 株式公開および
11月18日 (増加) (増加) 国際的公募に準
じた増資
2005年 8,502,062株 1,822,171,090株 4,251,031 911,085,545 引受業者による
12月20日 (増加) (増加) オーバーアロッ
トメント・オプ
ションの行使に
よる増資
2010年 26,695,572株 1,848,866,662株 13,347,786 924,433,331 株主の選択によ
1月21日 (増加) る現金または新
(増加)
株発行による中
間配当の支払
2011年 (増加) 1,860,812,110株 (増加) 930,406,055 EDF Énergies
6月24日
Nouvellesに関す
る公開買付けに
おいてEDFに出資
さ れ た EDF
Énergies
Nouvellesの株式
の対価としての
増資
2011年 (減少) 1,848,866,622株 (減少) 924,433,331 消却に関する株
9月28日 式買戻プログラ
ムの一環として
の株式の購入に
よる消却
2013年 (増加) 1,860,008,468株 (増加) 930,004,234 株主の選択によ
7月29日 る現金または新
株発行による配
当の支払
2015年 60,130,559株 1,920,139,027株 (増加) 960,069,513.50 株主の選択によ
12月18日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2016年 93,112,364株 2,013,251,391株 (増加) 1,006,625,695.50 株主の選択によ
6月30日 (増加) る現金または新
株発行による配
当の支払
2016年 95,885,292株 2,109,136,683株 (増加) 1,054,568,341.50 株主の選択によ
10月31日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2017年 632,741,004株 2,741,877,687株 (増加) 1,370,938,843.50 優先引受権によ
3月30日 (増加) る増資
2017年 145,476,587株 2,887,354,274株 (増加) 1,443,677,137 株主の選択によ
7月12日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2017年 40,084,530株 2,927,438,804株 (増加) 1,463,719,402 株主の選択によ
12月14日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
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2018年 82,828,872株 3,010,267,676株 (増加) 1,505,133,838 株主の選択によ
6月19日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2019年 40,701,950株 3,050,969,626株 (増加) 1,525,484,813 株主の選択によ
6月18日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2019年 52,651,460株 3,103,621,086株 (増加) 1,551,810,543 株主の選択によ
12月17日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2020年 3,697,507株 3,099,923,579株 (減少) 1,549,961,789.50 EDFの自己株式の
9月30日 (減少) 消却
2021年 57,908,528株 3,157,832,107株 (増加) 1,578,916,053.50 株主の選択によ
6月16日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
＊
当社は2020年９月８日に本社債を発行した。本社債の転換に際して発行される可能性のある最大株式数は、2021年６月30日
現在219,579,139株である。本社債の額面金額は１券面当たり10.93ユーロであり、１券面につき1.018株の割合で普通株式
に転換または交換される。１株当たりの資本組入額は、総額290,000,000ユーロの範囲内で、本社債の転換に際し当社によ
り決定される。
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（４）【大株主の状況】
(2021年6月30日現在)
発行済株式総数に
氏名又は名称 住 所 所有株式数(株) 対する所有株式数
の割合(%)
フランス政府
パリ市 75012 ベルシー通り139番地
(EPIC(商工業公益企
2,645,315,956株 83.77%
業体)である
(経済・財政・産業省の住所)
Bpifranceを含む。)
２【役員の状況】
以下の事項を除き、2021年６月28日提出の有価証券報告書に記載されている事項に変更はなかった。
取締役会
（2021年9月30日現在）
男性役員の数 女性役員の数 役員に占める女性の割合
9 9 50%
2021 年６月15日に開催された取締役会において、La Posteグループのデジタルサービス・コミュニケーション担当最高責任
者代理のナタリー・コラン氏を、2024年12月31日に終了する事業年度の財務書類を承認する株主総会までの４年の任期で、EDF
の新たな社外取締役に任命することを提案するために、2021年７月22日に株主総会を開催することを決定した。
ナタリー・コラン氏は、2021年５月６日に開催された株主総会に任期が終了した社外取締役のローランス・パリゾ氏の後任
となる。
ジャッキー・ショラン氏の当社の取締役としての任期は、2021年７月１日に満了した。
サンドリーヌ・レンリー氏は、2021年７月22日に従業員を代表する当社の取締役に選任された。
ナタリー・コラン （57歳）
当社における役職 パンテオン・アサス大学において商法および会計法の修士号を取得し、経済商科大学院
株主総会により任命され 大学（ESSEC）を卒業した ナタリー・コラン氏は、1987年から1990年まで、その後1992
た取締役 年から1993年までコンサルタントとしてArthur Andersenで勤務した。1990年から1992
年までCité Mondiale des Vins et Spiritueuxの最高財務責任者代理を務めた後、同氏
取締役会に任命された日
は1993年にInterleafのフランスの最高財務責任者に任命され、その後1995年には欧州
2021 年７月22日
の最高財務責任者および財務担当執行部長となった。同氏は1997年から2009年までEMI
Music Franceでいくつかの役職を担い、2002年には役員会の議長となった。同氏は、
任期満了日
2009年から2011年までLibérationの役員会の共同議長を務め、2011年から2014年までLe
2024 年12月31日に終了す
Nouvel Observateurのプレスグループの執行副社長を務めた。2014年に同氏は、デジタ
る事業年度の財務書類を
ル技術・コミュニケーション担当最高責任者代理としてLa Posteグループに入社し、
承認する株主総会
2021年３月に公共・デジタル技術担当最高責任者となった。ナタリー・コラン氏は、La
Banque PostaleおよびGeopostの取締役会の構成員である。同氏は、2021年７月からEDF
その他の役職
の取締役を務めている。
監査委員会の委員
国籍
フランス
サンドリーヌ・レンリー （53歳）
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当社における役職 フランス国立工芸院（CNAM）を卒業し、フランス国立経営大学院ネットワーク（IAE）
従業員により選任された のパリ・ソルボンヌ校においてHR＆CSRの修士号を取得している サンドリーヌ・レン
取締役 リー氏は、1999年に電力ガス産業（IEGまたは Industries Electriques et Gazières ）
におけるキャリアをEDF Gaz de France Distributionの顧客サービス部門で開始した。
取締役会に任命された日
2014年から2017年まで全国エネルギー鉱山FO（労働の力）同盟のマネジメント・チーム
2021 年７月22日
内におけるIEG支店との社会的対話を担当していた同氏は、その後2017年から2020年ま
でFO同盟の事務次長を務めた。同氏は現在、Enedisの コミュニケーション・CSR部門に
任期満了日
おいて企業の社会的責任事業を担当している。FO同盟が後援者となっている サンドリー
2024 年12月31日に終了す
ヌ・レンリー氏は、2021年７月からEDFの従業員により選任された取締役である。
る事業年度の財務書類を
承認する株主総会
2021 年における職務および役職
当社における 主要な役職
その他の役職
・Enedisのコミュニケーション・CSR部門における企業の社会的責任事業担当
監査委員会、戦略委員会
および企業責任委員会の
委員
国籍
フランス
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第６【経理の状況】
ａ. 本書記載のフランス電力 (以下「EDF」または「当社」という。)および連結子会社(以下合わせて「当グループ」とい
う。)の邦文の中間財務書類（以下「邦文の中間財務書類」という。）は、欧州連合により採択された国際財務報告基準（以
下「IFRS」という。）に準拠して作成された原文の中間財務書類(以下「原文の中間財務書類」という。)の翻訳に、下記の
円換算額を併記したものである。当グループの中間財務書類の日本における開示については、「中間財務諸表等の用語、様
式及び作成方法に関する規則」(昭和52年大蔵省令第38号。以下「中間財務諸表等規則」という。)第76条第１項の規定が適
用されている。
邦文の中間財務書類には、中間財務諸表等規則に基づき、原文の中間財務書類中のユーロ表示の金額のうち主要なものに
ついて円換算額が併記されている。日本円への換算には、2021年８月31日の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売買相場
の仲値、１ユーロ＝129.69円の為替レートが使用されている。
なお、中間財務諸表等規則に基づき、日本とIFRSの会計処理の原則および手続ならびに表示方法の主要な相違について
は、第６の「３ 日本の会計原則とIFRSとの相違」に記載されている。
円換算額および第６の「２ その他」および「３ 日本の会計原則とIFRSとの相違」の事項は原文の中間財務書類には記載
されていない。
ｂ. 原文の中間財務書類は、外国監査法人等(「公認会計士法」(昭和23年法律第103号)第１条の３第７項に規定されている外
国監査法人等をいう。)から、「金融商品取引法」(昭和23年法律第25号)第193条の２第１項第１号に規定されている監査証
明に相当すると認められる証明を受けていない。
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１【中間財務書類】
(1）連結損益計算書
2021 年度上半期 2020 年度上半期
注記 百万ユーロ 億円 百万ユーロ 億円
売上高 5.1 39,621 51,384 34,710 45,015
購入燃料およびエネルギー費用 5.2 (18,753) (24,321) (16,550) (21,464)
その他の対外費用(1) (3,629) (4,706) (3,469) (4,499)
人件費 (7,273) (9,432) (7,020) (9,104)
法人所得税を除く税金 (2,509) (3,254) (2,813) (3,648)
3,144 4,077 3,338 4,329
その他の営業収益および営業費用 5.3
10,601 13,748 8,196 10,629
減価償却費および償却費控除前営業利益 5
トレーディング業務以外のエネルギーおよ
びコモディティ・デリバティブの公正価値 6
(541) (702) (323) (419)
の純変動額
減価償却費および償却費（純額）(2) (5,194) (6,736) (5,358) (6,949)
(減損)/戻入 10.4 (502) (651) (738) (957)
(92) (119) (153) (198)
その他の収益および費用 7
4,272 5,540 1,624 2,106
営業利益
総金融負債に係る費用 (754) (978) (868) (1,126)
割引の影響 8.1 (1,016) (1,318) (1,172) (1,520)
2,631 3,412 (262) (340)
その他の金融収益および費用 8.2
861 1,117 (2,302) (2,985)
金融損益 8
5,133 6,657 (678) (879)
連結会社の税引前利益
法人所得税 9 (1,458) (1,891) 42 54
関連会社および共同支配企業の純利益に対する
344 446 11 14
持分 11
(3) (4) (161) (209)
非継続事業の純利益 3.2
4,016 5,208 (786) (1,019)
連結純利益
4,172 5,411 (701) (909)
EDF の純利益
EDFの純利益―継続事業 4,175 5,415 (544) (706)
(3) (4) (157) (204)
EDFの純利益―非継続事業
(156) (202) (85) (110)
非支配持分に帰属する純利益
非支配持分に帰属する純利益―継続事業 (156) (202) (81) (105)
- - (4) (5)
非支配持分に帰属する純利益―非継続事業
ユーロ 円 ユーロ 円
１株当たり純利益（EDF持分）：
基本的１株当たり純利益 1.25 162.11 (0.32) (41.50)
希薄化後１株当たり純利益 1.17 151.74 (0.32) (41.50)
継続事業の基本的１株当たり純利益 1.25 162.11 (0.27) (35.02)
1.17 151.74 (0.27) (35.02)
継続事業の希薄化後１株当たり純利益
(1 ）その他の対外費用は、資産計上された発電コストを控除後で報告されている。
(2 ）委譲運営有形固定資産更新引当金の純増加額を含む。
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(2) 連結包括利益計算書
2021 年度上半期 2020 年度上半期
非支配持分 非支配持分
EDF の EDF の
に帰属する に帰属する
注記 純利益 純利益 合計 純利益 純利益 合計
（単位：百万ユーロ）
4,172 (156) 4,016 (701) (85) (786)
連結純利益
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
797 5 802 895 (2) 893
―変動総額 17.5
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
(207) (2) (209) (234) - (234)
―税効果
純投資ヘッジの公正価値
純投資ヘッジの公正価値―変動総額 17.5 (666) - (666) 497 - 497
純投資ヘッジの公正価値―税効果 45 - 45 17 - 17
負債性金融商品の公正価値の変動
負債性金融商品の公正価値の変動総額 17.1.2 (216) - (216) (49) - (49)
関連する税効果 56 - 56 14 - 14
換算調整―被支配事業体 1,212 399 1,611 (1,476) (537) (2,013)
関連会社および共同支配企業持分―純損益に
470 - 470 (214) - (214)
リサイクルできる項目
1,491 402 1,893 (550) (539) (1,089)
リサイクルを伴う自己資本計上損益
資本性金融商品の公正価値の変動
資本性金融商品の公正価値の変動総額 17.1.2 15 - 15 6 - 6
関連する税効果 - - - - - -
雇用後給付に係る数理計算上の損益の変動
雇用後給付に係る数理計算上の損益の変動総額 15.1.2 2,528 97 2,625 (8) (3) (11)
関連する税効果 (725) (43) (768) (29) 1 (28)
関連会社および共同支配企業持分―純損益に
77 - 77 (16) - (16)
リサイクルできない項目
1,895 54 1,949 (47) (2) (49)
リサイクルを伴わない自己資本計上損益
3,386 456 3,842 (597) (541) (1,138)
自己資本計上損益合計
7,558 300 7,858 (1,298) (626) (1,924)
連結包括利益
継続事業の連結包括利益 7,561 300 7,861 (1,145) (622) (1,767)
(3) - (3) (153) (4) (157)
非継続事業の連結包括利益 3.2.2
2021 年度上半期 2020 年度上半期
非支配持分 非支配持分
EDF の EDF の
に帰属する に帰属する
注記 純利益 純利益 合計 純利益 純利益 合計
（単位：億円）
5,411 (202) 5,208 (909) (110) (1,019)
連結純利益
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
1,034 6 1,040 1,161 (3) 1,158
―変動総額 17.5
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
(268) (3) (271) (303) - (303)
―税効果
純投資ヘッジの公正価値
純投資ヘッジの公正価値―変動総額 17.5 (864) - (864) 645 - 645
純投資ヘッジの公正価値―税効果 58 - 58 22 - 22
負債性金融商品の公正価値の変動
負債性金融商品の公正価値の変動総額 17.1.2 (280) - (280) (64) - (64)
関連する税効果 73 - 73 18 - 18
換算調整―被支配事業体 1,572 517 2,089 (1,914) (696) (2,611)
関連会社および共同支配企業持分―純損益に
610 - 610 (278) - (278)
リサイクルできる項目
1,934 521 2,455 (713) (699) (1,412)
リサイクルを伴う自己資本計上損益
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資本性金融商品の公正価値の変動
資本性金融商品の公正価値の変動総額 17.1.2 19 - 19 8 - 8
関連する税効果 - - - - - -
雇用後給付に係る数理計算上の損益の変動
雇用後給付に係る数理計算上の損益の変動総額 15.1.2 3,279 126 3,404 (10) (4) (14)
関連する税効果 (940) (56) (996) (38) 1 (36)
関連会社および共同支配企業持分―純損益に
100 - 100 (21) - (21)
リサイクルできない項目
2,458 70 2,528 (61) (3) (64)
リサイクルを伴わない自己資本計上損益
4,391 591 4,983 (774) (702) (1,476)
自己資本計上損益合計
9,802 389 10,191 (1,683) (812) (2,495)
連結包括利益
継続事業の連結包括利益 9,806 389 10,195 (1,485) (807) (2,292)
(4) - (4) (198) 5 (204)
非継続事業の連結包括利益 3.2.2
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(3) 連結貸借対照表
2021 年６月30日現在 2020 年12月31日現在
注記
百万ユーロ 億円 百万ユーロ 億円
資 産
のれん 10.1 10,640 13,799 10,265 13,313
その他の無形資産 10 9,990 12,956 9,583 12,428
グループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産(使用権資産を
10.2 93,707 121,529 92,600 120,093
含む)
フランスの公共配電委譲運営有形固定資産 10 61,113 79,257 60,352 78,271
フランスの公共配電委譲以外の委譲運営有形固定資産 10 6,806 8,827 6,858 8,894
関連会社および共同支配企業に対する投資 11 7,486 9,709 6,794 8,811
非流動金融資産 17.1 50,636 65,670 47,615 61,752
その他の非流動債権 12.2 2,154 2,794 2,015 2,613
974 1,263 1,150 1,491
繰延税金資産
非流動資産 243,506 315,803 237,232 307,666
棚卸資産
14,680 19,038 14,738 19,114
営業債権 12.1 15,845 20,549 14,521 18,832
流動金融資産 17.1 26,915 34,906 23,532 30,519
当期税金資産 508 659 384 498
その他の流動債権 12.2 8,451 10,960 6,918 8,972
5,928 7,688 6,270 8,132
現金および現金同等物
流動資産 72,327 93,801 66,363 86,066
売却目的保有に分類された資産 3.2 2,617 3,394 2,296 2,978
資産合計 318,450 412,998 305,891 396,710
2021 年６月30日現在 2020 年12月31日現在
注記
百万ユーロ 億円 百万ユーロ 億円
自己資本および負債
資本金 13 1,579 2,048 1,550 2,010
52,194 67,690 44,083 57,171
EDF の純利益および連結剰余金
自己資本（EDF持分） 53,773 69,738 45,633 59,181
自己資本（非支配持分） 10,279 13,331 9,593 12,441
自己資本合計 13 64,052 83,069 55,226 71,623
原子力発電関連引当金―核サイクル終了、発電所廃炉および炉心核燃料 14
58,424 75,770 58,333 75,652
従業員給付引当金 15 19,783 25,657 22,130 28,700
5,467 7,090 5,374 6,970
その他の引当金 16
非流動引当金 83,674 108,517 85,837 111,322
フランスの公共配電特別委譲負債
48,501 62,901 48,420 62,796
非流動金融負債 17.2 52,777 68,446 55,899 72,495
その他の非流動負債 12.3 4,803 6,229 4,874 6,321
3,488 4,524 3,115 4,040
繰延税金負債
非流動負債 193,243 250,617 198,145 256,974
14 ，15
流動引当金
6,701 8,691 5,827 7,557
および16
営業債務 11,748 15,236 11,900 15,433
流動金融負債 17.2 23,136 30,005 17,609 22,837
当期税金負債 1,767 2,292 215 279
17,528 22,732 16,861 21,867
その他の流動負債 12.3
流動負債 60,880 78,955 52,412 67,973
売却目的保有に分類された資産に関連する負債 3.2 275 357 108 140
自己資本および負債合計 318,450 412,998 305,891 396,710
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(4) 連結キャッシュ・フロー計算書
(1)
2020 年度上半期
2021 年度上半期
百万ユーロ 億円 百万ユーロ
注記 億円
営業活動：
4,016 5,208 (786)
連結純利益 (1,019)
(3) (4) (161)
(209)
非継続事業の純利益
4,019 5,212 (625)
(811)
継続事業の純利益
減損/(戻入)
502 651 738
957
減価償却費および償却費、引当金繰入額ならびに公正価値の変動 4,526 5,870 7,166
9,294
金融収益および費用 (25) (32) 585
759
関連会社および共同支配企業からの受取配当金 112 145 112
145
資産譲渡損益 (108) (140) (74)
(96)
法人所得税 1,458 1,891 (42)
(54)
関連会社および共同支配企業の純利益に対する持分 (344) (446) (11)
(14)
(1,896) (2,459) (1,364)
運転資本の変動
(1,769)
営業によるキャッシュ・フロー（純額） 8,244 10,692 6,485
8,410
金融費用支出（純額）
(393) (510) (591)
(766)
(343) (445) (368)
法人所得税支払額 (477)
継続事業の営業活動によるキャッシュ・フロー（純額） 7,508 9,737 5,526
7,167
非継続事業に関連する営業活動によるキャッシュ・フロー（純額） - - 59
77
営業活動によるキャッシュ・フロー（純額） 7,508 9,737 5,585
7,243
投資活動：
持分投資の取得、取得現金控除後 14 18 (96)
(125)
持分投資の処分、譲渡現金控除後 401 520 117
152
無形資産および有形固定資産への投資 10.3 (8,518) (11,047) (7,475)
(9,694)
無形資産および有形固定資産の売却による収入（純額） 42 54 31
40
3,103 4,024 4,511
金融資産の変動
5,850
継続事業の投資活動によるキャッシュ・フロー（純額） (4, 958 ) (6,430) (2, 912 )
(3,777)
非継続事業に関連する投資活動によるキャッシュ・フロー（純額） - - (71)
(92)
投資活動によるキャッシュ・フロー（純額） (4, 958 ) (6,430) (2, 983 )
(3,869)
財務活動：
非支配株主との取引(2) 293 380 436
565
親会社の支払配当金 13.2 (36) (47) -
-
非支配株主に対する支払配当金 (87) (113) (122)
(158)
自己株式の買入/売却 (4) (5) -
-
166 215 314
株主とのキャッシュ・フロー
407
借入債務の発行 17.2.2.1
1,104 1,432 12,210
15,835
借入債務の返済 17.2.2.1 (5,962) (7,732) (3,136)
(4,067)
永久劣後債の発行 1,235 1,602 -
13.3 -
(288) (374) (286)
永久劣後債の持参人に対する支払額 13.3 (371)
委譲運営資産に対する受取拠出金および投資補助金 441 572 71
92
(3,470) (4,500) 8,859
財務活動によるその他のキャッシュ・フロー
11,489
継続事業の財務活動によるキャッシュ・フロー（純額） (3,304) (4,285) 9,173
11,896
非継続事業に関連する財務活動によるキャッシュ・フロー（純額） - - (7)
(9)
財務活動によるキャッシュ・フロー（純額） (3,304) (4,285) 9,166
11,887
継続事業によるキャッシュ・フロー（純額）
(754) (978) 11,787
15,287
非継続事業によるキャッシュ・フロー（純額）
- - (19)
(25)
現金および現金同等物の純増加／（減少）額 (754) (978) 11,768
15,262
現金および現金同等物の期首残高
6,270 8,132 3,934
5,102
現金および現金同等物の純増加（減少）額 (754) (978) 11,768
15,262
為替変動 116 150 (143)
(185)
現金および現金同等物に係る金融収益 25 32 19
25
271 351 (17)
その他の非資金変動(3) (22)
現金および現金同等物の期末残高 5,928 7,688 15,561
20,181
(1 ）2020年度の公表済数値は、「金融費用支出（純額）」から「金融資産の変動」への組替69百万ユーロを含む。
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(2) 被支配会社の増資または減資および持分の追加取得または処分によるものである。2021年度のこの項目は、NNB Holding Ltd.（ヒンク
リー・ポイントCプロジェクト向け）およびSizewell C Holding Co.の増資に対するCGNの払込みに関連する金額597百万ユーロならびに
E2i Energie Speciali の70％の取得に関連する金額(276)百万ユーロを含む。2020年度のこの項目は、NNB Holding Ltd.およびSizewell C
Holding Coの増資に対するCGNの払込みに関連する金額418百万ユーロを含んでいた。
(3 ）その他の非資金変動は、従来は相殺されてその他の金融負債に含まれていた、デリバティブに関連するマージンコールの借方ポジション
を2021年１月１日付で組み替えたことによる281百万ユーロを含む（注記17.2.2.1の「その他の変動」の科目を参照）。
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(5) 連結自己資本変動計算書
2021年１月１日から６月30日までの間の自己資本の変動の明細は以下の通りである。
その他の
金融商品の
連結剰余金
公正価値修正
および 自己資本 自己資本
換算調整 （リサイクルを 自己資本合
資本金 自己株式 (1) 伴うOCI）(2) 純利益(3) (EDF持分) (非支配持分) 計
（単位：百万ユーロ）
2020 年12月31日現在
1,550 (10) (871) (1,116) 46,080 45,633 9,593 55,226
自己資本
自己資本計上損益 - - 1,529 (38) 1,895 3,386 456 3,842
- - - - 4,172 4,172 (156) 4,016
純利益
- - 1,529 (38) 6,067 7,558 300 7,858
連結包括利益
永久劣後債に係る支払 - - - - (288) (288) - (288)
永久劣後債の発行（注記
- - - - 1,235 1,235 - 1,235
13.3参照）
支払配当金 - - - - (652) (652) (100) (752)
自己株式の買入/売却 - (4) - - - (4) - (4)
EDF の増資（注記13.1参
29 - - - 587 616 - 616
照）
- - - - (325) (325) 486 161
その他の変動(4)
2021 年６月30日現在
1,579 (14) 658 (1,154) 52,704 53,773 10,279 64,052
自己資本
その他の
金融商品の
連結剰余金
公正価値修正
および 自己資本 自己資本
換算調整 （リサイクルを 自己資本合
資本金 自己株式 (1) 伴うOCI）(2) 純利益(3) (EDF持分) (非支配持分) 計
（単位：億円）
2020 年12月31日現在
2,010 (13) (1,130) (1,447) 59,761 59,181 12,441 71,623
自己資本
自己資本計上損益 - - 1,983 (49) 2,458 4,391 591 4,983
- - - - 5,411 5,411 (202) 5,208
純利益
- - 1,983 (49) 7,868 9,802 389 10,191
連結包括利益
永久劣後債に係る支払 - - - - (374) (374) - (374)
永久劣後債の発行（注記
- - - - 1,602 1,602 - 1,602
13.3参照）
支払配当金 - - - - (846) (846) (130) (975)
自己株式の買入/売却 - (5) - - - (5) - (5)
EDF の増資（注記13.1参
38 - - - 761 799 - 799
照）
- - - - (421) (421) 630 209
その他の変動(4)
2021 年６月30日現在
2,048 (18) 853 (1,497) 68,352 69,738 13,331 83,069
自己資本
(1) 2021 年６月30日における換算調整の変動は1,529百万ユーロである。この変動は、ユーロに対する英ポンドの上昇に起因している（2020年
12月31日現在１英ポンド＝1.112ユーロおよび2021年６月30日現在１英ポンド＝1.165ユーロ）。
(2 ）リサイクルを伴うOCI（その他の包括利益）に計上された剰余金の変動は、包括利益計算書に表示されている。これらは、負債証券の公正
価値修正の影響、キャッシュ・フローおよび純外国投資をヘッジする金融商品の公正価値修正の影響、ならびに終了した契約および譲渡し
た負債性金融商品に関連して純損益にリサイクルされた金額に相当する。
(3) リサイクルを伴わないOCIに計上された公正価値の変動は、この項目に表示されている。
(4) 2021 年度上半期における自己資本（非支配持分）の「その他の変動」は、NNB Holding Ltd.およびSizewell C Holding Coの増資に対する
CGNの払込みによる影響597百万ユーロ、ならびに取得したE2i Energie Specialiの資本持分の振替(121)百万ユーロを含む。購入価格と取
得持分の差額(155)百万ユーロは、自己資本（EDF持分）からの控除として表示されている。
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2020年１月１日から６月30日までの間の自己資本の変動の明細は以下の通りである。
その他の
金融商品の
連結剰余金
公正価値修正
および 自己資本 自己資本
換算調整 （リサイクルを 自己資本合
資本金 自己株式 (1) 伴うOCI）(2) 純利益(3) (EDF持分) (非支配持分) 計
（単位：百万ユーロ）
2019 年12月31日現在
1,552 (64) 1,037 (1,198) 45,139 46,466 9,324 55,790
自己資本
自己資本計上損益 - - (1,604) 1,054 (47) (597) (541) (1,138)
- - - - (701) (701) (85) (786)
純利益
- - (1,604) 1,054 (748) (1,298) (626) (1,924)
連結包括利益
永久劣後債に係る支払 - - - - (286) (286) - (286)
支払配当金 - - - - - - (143) (143)
自己株式の買入/売却 - 1 - - - 1 - 1
- - - - (19) (19) 435 416
その他の変動(4)
2020 年６月30日現在
1,552 (63) (567) (144) 44,086 44,864 8,990 53,854
自己資本
その他の
金融商品の
連結剰余金
公正価値修正
および 自己資本 自己資本
換算調整 （リサイクルを 自己資本合
資本金 自己株式 (1) 伴うOCI）(2) 純利益(3) (EDF持分) (非支配持分) 計
（単位：億円）
2019 年12月31日現在
2,013 (83) 1,345 (1,554) 58,541 60,262 12,092 72,354
自己資本
自己資本計上損益 - - (2,080) 1,367 (61) (774) (702) (1,476)
- - - - (909) (909) (110) (1,019)
純利益
- - (2,080) 1,367 (970) (1,683) (812) (2,495)
連結包括利益
永久劣後債に係る支払 - - - - (371) (371) - (371)
支払配当金 - - - - - - (185) (185)
自己株式の買入/売却 - 1 - - - 1 - 1
- - - - (25) (25) 564 540
その他の変動(4)
2020 年６月30日現在
2,013 (82) (735) (187) 57,175 58,184 11,659 69,843
自己資本
(1) 2020 年６月30日における換算調整の変動(1,604)百万ユーロは、主に、ユーロに対する英ポンドの下落に関係している（2019年12月31日現
在１英ポンド＝1.175ユーロおよび2020年６月30日現在１英ポンド＝1.096ユーロ）。
(2 ）リサイクルを伴うOCI（その他の包括利益）に計上された剰余金の変動は、包括利益計算書に表示されている。これらは、負債証券の公正
価値修正の影響、キャッシュ・フローおよび純外国投資をヘッジする金融商品の公正価値修正の影響、ならびに終了した契約および譲渡し
た負債性金融商品に関連して純損益にリサイクルされた金額に相当する。
(3) リサイクルを伴わないOCIに計上された公正価値の変動は、この項目に表示されている。
(4) 2020 年度上半期における自己資本（非支配持分）の「その他の変動」はまた、NNB Holding Ltd.およびSizewell C Holding Coの増資に対
するCGNの払込みによる418百万ユーロを含む。
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連結財務諸表に対する 注記
フランス電力（以下「EDF」または「当社」という。）は、フランスの法律に準拠し、フランス（ワグラム通り22－30、パリ
75008）において登記されたフランスの株式会社（société anonyme）である。
本要約連結財務諸表（以下「連結財務諸表」という。）は、2021年６月30日に終了した半年間に係る当社およびその子会社
（合わせて「当グループ」を形成する。）ならびに、関連会社、共同支配事業として分類された共同支配の取決めおよび共同
支配企業に対する当グループの持分の会計上の状態を反映している。
当グループは発電（原子力、水力、風力および太陽光、火力等）、輸送、配送、供給、トレーディング、エネルギー・サー
ビス、設備および核燃料集合体の生産、ならびに原子炉サービスというエネルギー事業におけるあらゆる業務を営む総合エネ
ルギー事業者である。
当グループの2021年６月30日現在の連結財務諸表は取締役会の責任において作成され、2021年７月28日開催の取締役会にお
いて取締役によって承認された。
注記１．グループの会計方針
1.1 基準への準拠の宣言およびグループの会計方針
国際的な会計基準の適用に関する2002年７月19日付欧州規則1606/2002に準拠して、EDFグループの2021年６月30日現在の連
結財務諸表は、2021年６月30日現在において国際会計基準審議会（IASB）により公表され、欧州連合により適用の承認がなさ
れている国際的な会計基準において規定された表示、認識および測定の規則に準拠して作成されている。これらの国際的な会
計基準は、IAS（国際会計基準）、IFRS（国際財務報告基準）ならびにSICおよびIFRIC解釈指針である。
本中間連結財務諸表は、IAS第34号「期中財務報告」に従っている。そのためこれらの財務諸表は、完全な年次財務諸表に要
求される情報のすべてを含むものではなく、2020年12月31日現在の連結財務諸表とあわせて読まれるべきものである。
注記1.2に記載された会計基準の変更および注記1.4に記載された中間財務諸表に特有の評価方法を除き、会計処理の原則お
よび評価方法は2020年12月31日現在の連結財務諸表に適用されたもの（当該財務諸表に対する注記1.3および各注記に記載され
ている）と同一である。
1.2 会計基準の変更
1.2.1 金利指標改革―IFRS第９号、IAS第39号、IFRS第７号、IFRS第４号およびIFRS第16号の改訂（フェーズ２）
これらの改訂は2021年１月13日に採択され2021年１月１日から（遡及）適用されている。主要な点は以下の通りである。
・ Ibor改革による変更は、関連する金融資産および負債の実効金利を将来に向かって更新することにより認識しなければ
ならず、純損益には影響を与えない。
・ 当該改革に関連する商品に係るヘッジ関係の継続を可能とするために、いくつかの救済措置が設けられている。
これらの改訂は、Ibor改革の直接的な結果として契約上の変更が生じた金融資産および負債に対し、契約上のキャッシュ・
フローを決定する新しい基礎が従前の基礎と経済的に同等であることを条件に、適用される。
当グループが使用している当該改革に関係する主な金利は、Euribor、Eonia、Libor USDおよびLibor GBPである。
2020年度に、EDFグループは、当該改革の結果および導入される変更に関して最善の準備を行うために、すべてのステークホ
ルダーが参加するチームを立ち上げた。
実施した作業の結果、当該改革は当グループの2021年度の財務諸表に重要な影響を与えず、その影響は主に業務上のもので
あることが示された（契約の再交渉、フォールバック条項、情報システムのアップグレード）。当グループのエクスポー
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ジャーは本質的に、その固定金利借入のポジションに起因して、固定金利債務を変動金利に変換するために使用される金利デ
リバティブに集中している。
2020 年12月31日現在
2020年12月31日現在
当初の負債構造 ヘッジ手段の影響 ヘッジ後の負債構造
（単位：百万ユーロ）
金額 債務の割合(％) 金額 金額 債務の割合(％)
固定金利
60,667 92％ (15,217) 45,450 69％
変動金利 15,217
4,924 8％ 20,141 31％
借入金およびその他の金融負債
65,591 100 ％ - 65,591 100 ％
移行の一環として、デリバティブ取引に関する数件の担保契約（CSA：クレジット・サポート・アネックス）において、差入
担保のリターン計算およびデリバティブの評価に使用される基準金利曲線が、Eonia曲線からEster曲線に変更された。当グ
ループでは、この変更の具体的な結果として、デリバティブに対する価値調整を考慮した正味12百万ユーロの現金補償を受け
取った。
当グループは、2021年度下半期においてISDAフォールバック・プロトコルの批准当事者となる予定である。当該期間中、関
係するすべての金融商品について、GBP LiborはSoniaに置き換えられる。
USD Liborについては、USD Liborの公表終了日に合わせて、すなわち2023年６月30日までに移行作業が行われる。
最後に、Euriborについては、変更の可能性はあるが短期的な予定はないため、これまでのところ対応していない。
1.2.2 Covid-19に関連した賃料減免―IFRS第16号の改訂（欧州連合により未採択）
「Covid-19に関連した賃料減免」改訂の適用は１年間延長された（遅くとも2022年６月30日までの支払いについて）。当該
改訂は、Covid-19パンデミックの直接的な結果として現行のリースに対し「支払猶予」または一時的な賃料減額の形で貸手が
付与する救済について、借手により適用可能な会計処理を定めている。
この改訂は当グループの財務諸表に影響を与えない。
1.2.3 IFRICの決定：「給付の勤務期間への帰属」IAS第19号
2021年５月にIASBは、退職後給付制度下で稼得した給付の帰属に関するIFRICのアジェンダ決定を承認した。
EDFの進行中の分析によれば、この決定は主にフランスの退職一時金に影響を与えるものと考えられる。「フランス―発電と
供給」および「フランス―規制業務」の２つのセグメントに係る2021年６月30日現在の対応するコミットメントは911百万ユー
ロである。
フランスの特別IEG（電力およびガス部門）給付制度の特徴を考慮して、当該制度に基づく給付は実質的に同様の方法により
帰属させられるものと考えられる。
その結果、このIFRICの決定は、EDFの従業員給付コミットメントに重要な影響を与えないものと見込まれる。
1.3 経営者の判断および見積り
当財務諸表の作成に際しては、資産および負債の評価、当期に計上された収益および費用の決定に当たり、判断、最善の見
積りおよび仮定を使用し、期末に存在する有利および不利な偶発事象を考慮することが要求される。当グループの将来の財務
諸表上の数値は、これらの仮定または経済状況の変化により、現在の見積りと大きく異なる可能性がある。
金融市場のボラティリティを特徴とする状況において、見積りを行うために使用したパラメータは、当グループの資産の超
長期サイクルに適合するマクロ経済の前提に基づいている。
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見積りおよび判断の使用を伴う主要な会計処理方法は、2020年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記1.3.4に記載されて
いるものと同一である。
フランスの原子力発電所の減価償却期間に関する特定のケースでは、EDFグループの産業戦略は、40年を超える期間にわた
り、安全性および性能に関して最適な状態で、発電所の稼働を続けることである。
従って当グループは、数年間にわたり稼働期間の延長に向けて準備を進めてきており、2015年１月に取締役会により原則的
に承認された業界のグラン・カレナージュ改修計画に基づき、必要な投資を行っている。
2016年度に、技術上、経済上およびガバナンス上の条件がすべて充足されたことから、900MWeシリーズの発電所（2020年度
上半期に両原子炉とも永久に閉鎖されたフェッセンハイムを除く）の減価償却期間が40年から50年に延長された。その他のシ
リーズ（1,300MWeおよび1,450MWe）は比較的新しく、2020年12月31日までその減価償却期間は40年のまま変更されていなかっ
た。
2021年度上半期に1300MWeシリーズの発電所の減価償却期間を延長するための技術上、経済上およびガバナンス上の条件が充
足されたため、当グループは、すべての1300MWeシリーズの発電所について2021年１月１日付で対応する見積の変更を行った
（注記1.6.2「フランスにおける1300MWe PWRシリーズの減価償却期間の50年への延長」を参照）。
1450MWeシリーズ（ショーおよびシヴォーの原子炉４基）はこれより更に新しく、延長の条件がまだ充足されていないため、
現在その減価償却期間は40年のまま変更されていない。
1.4 中間財務諸表に特有の評価方法
中間財務諸表に特有の以下の評価方法が適用されている。
1.4.1 従業員給付
６月30日現在の雇用後給付およびその他長期給付に相当する債務の金額は、前年度の債務を半年間にわたり予測し、給付支
払額および制度資産の変動を考慮し、関連する場合には制度変更による調整を加味して計算されている。
会計期間中に改訂、縮小または清算が行われた場合には、数理計算上の仮定および債務の金額が当該変更日付で更新され
る。当期勤務費用および確定給付に係る利息費用純額は同日以後、これに従って調整される（注記15.1.1を参照）。
その他のすべての場合において、中間財務諸表のための従業員給付の計算に用いられた数理計算上の仮定は、特定の変数
（割引率など）に重要な変動が生じた場合に、前年度の年次財務諸表に用いられたものと異なっている。
1.4.2 法人所得税
中間財務諸表において、法人所得税（当期分および繰延分）は、原則として、連結会社の税引前利益にそれぞれの事業体ま
たは連結納税グループの当年度に係る直近の見積実効税率を適用して計算されている。
1.5 事業の季節性
中間期間の売上高ならびに減価償却費および償却費控除前営業利益は、主にフランスにおいて、暦年における重要な季節性
による影響を受ける。この観察された季節変動は、主に、各期間特有の気候条件および料金体系に関連する。
1.6 比較可能性（新型コロナウイルス感染症（Covid-19）パンデミックの影響を含む）
1.6.1 新型コロナウイルス感染症（Covid-19）パンデミックの影響
2020年度にCovid-19パンデミックによって引き起こされた経済的混乱により、2020年度において当グループの活動の多く、
特に原子力発電、作業現場およびサービスが著しい影響を受けた。
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当グループの財務諸表に対するパンデミックの影響額について信頼性のある見積りを作成するために、2020年６月30日に終
了した上半期、次いで2020年12月31日終了年度に係る特定の報告書に基づき、2020年度中間財務諸表（注記2.1を参照）および
2020年度年次財務諸表（注記1.4.1を参照）に記載された評価原則を用いて、当グループの各企業および中央において詳細な分
析が実施された。
Covid-19パンデミックが当グループの減価償却費および償却費控除前営業利益に与えた影響は、2020年６月30日現在で
(1,010)百万ユーロと見積られ、主に、原子力発電量の減少、需要の減少および営業債権の減損の認識に起因したフランス―発
電と供給セグメント（(482)百万ユーロ）、引渡量の減少および現場作業の中断ないし遅延による電力網接続業務の低迷を反映
したフランス―規制業務セグメント（(212)百万ユーロ）、ならびに主として需要の減少に起因した英国（(128)百万ユーロ）
に関係していた。2020年12月31日現在の通年の影響額は(1,479)百万ユーロと見積られ、フランス―発電と供給セグメント
（(872)百万ユーロ）、フランス―規制業務セグメント（(237)百万ユーロ）および英国（(182)百万ユーロ）に関係していた。
これらの数値は、2020年度下半期において上半期よりもフランスの原子力事業へのパンデミックの影響が大きかった事実を反
映している。それは、計画保守停止の延期および延長が主に2020年度下半期の原子力発電に影響を与え、大幅な景気回復によ
る電力網、販売およびサービス業務への影響が遥かに少なかったことに起因している。2020年度下半期中に当グループは、
2022年度までの営業費用削減計画を含む当該危機に対応した行動計画を発表し始動した。
このような状況を踏まえ、2021年度上半期中もCovid-19パンデミックの影響が続いているものの（特に一部の原子炉の計画
停止の終了が2021年度に延期されたこと、電力およびサービス業務に関する需要が危機以前の水準に回復していない事実によ
る、フランスの原子力発電量に対する影響の見積値は(６)TWhである）、当グループの2021年６月30日現在の減価償却費および
償却費控除前営業利益に対する影響は中程度で、分散されており、追跡は容易ではない。従って、2021年度上半期の当グルー
プの財務成績に対するパンデミックの影響を評価するために特定の措置を講じることは適切ではなかった。
減価償却費および償却費控除前営業利益に関する比較可能性に資するために、一部の項目の詳細を以下に記載する。
営業債権の減損
当グループは、信用損失の実績に基づく引当マトリクスを参照することにより、営業債権の減損を計算している（IFRS第９
号の単純化されたアプローチ）。
中央政府によって導入された支援策、および当グループが顧客のために実施した支援策にもかかわらず、2020年度において
はCovid-19パンデミックにより回収不能債権の額が増加する可能性が高いと考えられた。
その結果、2020年６月30日現在の要約連結中間財務諸表に対する注記2.1.2に記載された原則に基づいて計算された、パンデ
ミックによる営業債権の減損の増加144百万ユーロが、2020年６月30日現在、損益計算書のその他の営業収益および営業費用に
計上された（フランス―発電と供給セグメントに係る60百万ユーロ、フランス―規制業務セグメントに係る23百万ユーロ、英
国に係る39百万ユーロおよびベルギーに係る17百万ユーロ）。EDF Tradingのポートフォリオに係る信用リスクもまた、35百万
ユーロ増加し、売上高（トレーディング）に計上された。
2020年12月31日現在、さまざまなグループ企業が実施したリスク分析の結果、当該年度についてパンデミックによる営業債
権の減損の増加は223百万ユーロとなった。この金額は、2020年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記1.4.1.2に記載され
た原則に基づいて計算され、損益計算書のその他の営業収益および営業費用に計上された。その内訳は、フランス―発電と供
給セグメントに係る80百万ユーロ、フランス―規制業務セグメントに係る58百万ユーロ、英国に係る68百万ユーロおよびベル
ギーに係る13百万ユーロであった。EDF Tradingのポートフォリオに係る信用リスクもまた、22百万ユーロ増加し、売上高（ト
レーディング）に計上された。
このリスク分析は2021年６月30日現在で更新され、その結果、使用する手法の大幅な変更にも、2020年12月31日現在の財務
諸表で報告された見積値と比較して重要な金額の認識ないし回収にも至らなかった。
このため、当グループの減価償却費および償却費控除前営業利益の2021年６月30日現在と2020年６月30日現在との間の比較
可能性は、Covid-19パンデミックに起因して2020年６月30日現在で計上された営業債権の減損の水準により影響を受けてい
る。
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フランスにおけるインバランス決済の支払
EDFは、2020年度のフランスの原子力発電量予測の2020年度上半期における大幅な下方修正、および2020年６月25日に開催さ
れた直近の2020年６月30日現在の発電容量競売の結果に起因して、2020年６月30日現在の中間決算において、2020引渡年度に
つきインバランス決済の支払を要求される可能性が高いと判断し、この目的のために137百万ユーロの引当金を「その他の営業
収益および営業費用」に計上した（フランスの発電容量メカニズム運営の詳細については、2020年12月31日現在の財務諸表に
対する注記5.1を参照）。2020年度に達成された最終的な原子力発電量、特に当該年度下半期のピーク期間中におけるEDF発電
所の供給力を考慮して、この引当金は当該年度下半期において、EDFがフランスの発電容量メカニズムに関する義務を果たした
ことから取り崩された。
このため、当グループの減価償却費および償却費控除前営業利益の2021年６月30日現在と2020年６月30日現在との間の比較
可能性は、Covid-19パンデミックに起因する2020年６月30日現在の当該インバランス決済支払引当金の計上により影響を受け
ている。
1.6.2 フランスにおける1300MWe PWRシリーズの減価償却期間の50年への延長
当グループは、フランスにおける1300MWe PWR発電所の減価償却期間を産業戦略に沿ったものにするための技術上、経済上お
よびガバナンス上の条件が現在はすべて充足されたと考えている。
既に完了した調査研究、特に部品の取替と制御機器の経年劣化に関する調査研究によって、当グループは1300MWe発電所の技
術的能力に関し少なくとも50年の稼働について十分な確信を得た。このことは、国際的なベンチマークによっても支持されて
いる。
当グループはまた、原子力安全局（Autorité de Sûreté Nucléaire (ASN)）との間で、1300MWeシリーズの第４回10年検査
（グラン・カレナージュ・プログラムに含まれたプロジェクト）の内容に関する課題について進展させた。これらの検査で
は、900MWeシリーズの第４回10年検査と同様に、かつ同シリーズから得た教訓を取り入れた、特に安全性に重点を置くことを
意図した作業方法を採用する。2019年12月に、1300MWeシリーズ原子炉の第４回10年検査に関する再審査オリエンテーション・
ファイルへの回答においてASNは、当該検査につきEDFが選択したテーマおよび行ったコミットメントに対し全般的な承認を与
えた。
最後に、2021年２月に発表された、900MWe原子炉の第４回10年検査後10年間の稼働継続の一般的な側面についてのASNの承認
と、この種の原子炉で初の第４回10年検査の産業的成功（2019年12月のパイロット原子炉トリカスタン１号機の後、ビュジェ
２号機およびビュジェ４号機が稼働年数40年に達し、2021年度上半期中に第４回10年検査を成功させた後、再稼働に成功した)
は、1300MWeシリーズの検査内容が適切であり、十分に管理されているというEDFの確信を強化するものである。
従って、1300MWe PWR発電所は、その第４回10年検査が終了した時点で、EPRの安全性水準に近い安全性水準に達することと
なる。
また、1300MWeシリーズ発電所の稼働年数を40年超に延長することにより、長期的な低価格シナリオや広範な感応度シナリオ
においても高い収益性がもたらされる。
最後に、1300MWeシリーズ発電所を50年稼働することは、フランスの2019年11月８日付エネルギーおよび気候法（2035年まで
にフランスの発電量に占める原子力の割合を50％にするという目標を設定）、およびフランスの複数年エネルギー計画
（Programmation Pluriannuelle de l'Énergie (PPE)）に関する2020年４月21日付採択政令とも整合する。フランス政府の要
請を受けて、フランスの国営電力網事業者であるRTEはエネルギーの未来に関する調査研究「Futurs énergétiques 2050」を実
施しており、フランスで2050年までにカーボンニュートラルを達成するための電力構成シナリオを検証している。2021年６月
に発表された関連の進捗報告書では、カーボンフリーの発電容量の必要性が極めて高いことが指摘された。2035年以後の期間
に関連するすべてのシナリオについて、当該調査研究では、EDFの既存の原子力発電所が50年を超えて稼働を継続し、稼働年数
50年から60年の間に閉鎖されるという仮定を含んでいる。
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これらの要因をすべて考慮して、当グループは、1300MWeシリーズ発電所の減価償却期間に関する現時点での最善の見積りは
50年であると考えている。この会計上の見積りの変更は、ASNが将来行う稼働継続を認める決定を予定するものではない。これ
らは現在適用されかつ法律で要求されている通り、各10年検査後に各ユニットに個別に与えられる。
以上から、当グループは、1300MWeのすべての発電所について、2021年１月１日付で見積りを変更した。
この会計上の見積りの変更は将来に向かって適用され、当グループの2021年６月30日現在の連結財務諸表に以下の影響を与
える。
▪ 2021年１月１日現在で、支払スケジュールにおける時期の違いにより、原子力発電関連引当金は、専用資産により填補さ
れる848百万ユーロを含め、1,016百万ユーロ減少した（注記14を参照）。この引当金の戻入れは、IFRIC第１号に準拠して
主に資産の正味帳簿価額に配分され(1,031百万ユーロ、注記10.2を参照）、残額は純損益に配分される（(15)百万ユー
ロ）。この大部分は課税対象であり、当期税金負債184百万ユーロが生じる。
▪ 2021年度上半期において：
▪ 減価償却期間の10年延長と、原子力発電関連引当金の減少に伴う１月１日現在の資産価額の減少の結果、減価償却費が
減価償却期間40年の場合よりも減少し、当上半期について274百万ユーロと見積られる。
▪ 2021年１月１日現在の原子力引当金の減少により、時の経過による割引の戻入れに係る費用が17百万ユーロ減少した。
▪ 共同運営の発電所に係る受取拠出金の純損益振替額が12百万ユーロ減少した。
合計では、2021年度上半期の様々な影響により、税引前利益は264百万ユーロ増加し、EDFの純利益は194百万ユーロ増加し
た。
注記２．重要な事象の要約
2021 年度上半期 の当グループの主たる重要な事象および取引は以下の通りである。
・原子力開発：
・ EDFは、インドの原子力事業者であるNPCILに対し、EPR６基をジャイタプール用地に建設する旨のフランスの拘束力あ
る技術商業提案書を提出した（当グループの2021年４月23日付プレスリリースを参照）。
・ EDFは、ダンジェネスBを燃料除去フェーズに移行させることを決定した（EDF Energyの2021年６月７日付プレスリ
リースおよび注記７、10.4、14.2を参照)。
・売却：
・ Edisonは、Edison NorgeのSval Energiへの374百万ドルでの売却を完了した（Edisonの2021年３月25日付プレスリ
リースおよび注記3.1を参照）。
・ EDFは、ウエスト・バートンB CCGTガス発電所のEIGへの売却に関する拘束力ある契約に署名した（EDF Energyの2021
年４月９日付プレスリリースおよび注記3.2を参照）。
・ Edisonは、Infrastrutture Distribuzione Gas（IDG）の2I ReteGasへの150百万ユーロでの売却を完了した（Edison
の2021年４月30日付プレスリリースおよび注記3.1を参照）。
・ Dalkiaは、Paprecとの間で子会社であるDalkia Wastenergyの売却に関する拘束力ある契約に署名したことを発表した
（Dalkiaの2021年５月21日付プレスリリースおよび注記3.2を参照）。
・資金調達取引：
・ EDFは、2021年５月26日に額面総額12.5億ユーロのユーロ建て永久ソーシャル・ハイブリッド・ノートの発行を開始し
た（当グループの2021年５月27日付プレスリリースおよび注記13.3を参照）。
・再生可能エネルギー：
・ Edisonは、E2iの取得を完了した（Edisonの2021年２月16日付プレスリリースおよび注3.1を参照）。
・ EDF Renewables、Enbridgeおよびwpdは、カルヴァドス洋上風力発電所の建設を開始した（EDF Renewablesの2021年２
月22日付プレスリリースおよび注記11.2を参照）。
・ EDFグループは、米国ニュージャージー州で1.5GWの洋上風力発電プロジェクトを受注した（当グループの2021年７月
１日付プレスリリースおよび注記11.2を参照）。
・ EDFとArevaは、和解合意に達した（当グループの2021年６月30日付プレスリリースおよび注記７を参照）。
・ EDFは、新しいクラスBの木質燃料を開発するプロジェクトであるエココンバストを終了した（当グループの2021年７月８
日付プレスリリースおよび注記10.2を参照）。
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Covid-19パンデミック以外の、 2020年度 の当グループの主たる重要な事象および取引は以下の通りであった。
・原子力開発：
・ EDFは、ハンターストンB発電所を再開し、2022年１月までに廃炉フェーズに移行する計画を確認した。EDFはまた、サ
マセットのヒンクリー・ポイントB発電所が2022年７月15日までに燃料除去フェーズに入ることを発表した（EDF
Energyの2020年８月27日および2020年11月19日付プレスリリースならびに注記10.2を参照）。
・ 当グループは、安全性を高め、原子炉の耐用年数を40年超に延長するために、グラン・カレナージュ・プログラムの
費用を再調整した（2020年10月29日付プレスリリースおよび注記10.2を参照）。
・ ヒンクリー・ポイントCプロジェクトの更新（2021年１月27日付プレスリリースおよび注記10.2を参照）。
・売却：
・ Edisonは、Edison Exploration & Production SpAのEnergeanへの売却を完了した（Edisonの2020年12月17日付プレス
リリースおよび注記3.1を参照）。
注記３． 連結範囲
3.1 連結範囲の変更
3.1.1 2021年度上半期中の連結範囲の変更
2021年度上半期中に当グループの連結範囲に生じた主な変更は以下の通りであった。
・ 2021年３月25日におけるEdison Norgeの売却
・ 2021年４月30日におけるInfrastrutture Distribuzione Gas（IDG）の売却
・ 2021年２月16日におけるE2iの70％の取得
Edison Norge のSval Energiへの売却
2021年３月25日にEdisonは、2020年12月30日付でSval Energiとの間で署名したEdison Norge AS（ノルウェーにおける炭化
水素の探査および産出事業）の100％を売却する契約の完了を発表した。
Edison Norgeの全事業の貸借対照表科目は、2020年12月31日付で売却目的保有資産に組み替えられた（注記3.2を参照）。
この取引は、炭化水素の探査および産出事業からの当グループの撤退に関連し、2020年12月に完了したEdison Exploration
& ProductionによるEnergeanへの最初の売却に続くものである。価格は、企業価値374百万ドルを基礎とし、Dvalinガス田の操
業開始時に支払われる12.5百万ドルを含む。
Edison Norgeの売却により、EDFグループの純負債額は３億ユーロ減少したが、当グループの純利益には重要な影響はなかっ
た。
Infrastrutture Distribuzione Gas（IDG）の売却
2021年４月30日にEdisonは、2i Rete Gasとの間で署名したInfrastrutture Infrastrutture Distribuzione Gas (IDG)の
100％を150百万ユーロで売却する契約を、2021年１月14日付で署名された契約に基づいて完了した旨を発表した。
IDGは、アブルッツォ州、エミリア・ロマーニャ州、ラツィオ州、ロンバルディア州およびヴェネト州における58の自治体で
ガス配給網およびプラントを運営するとともに、17の最小限領地（Atem）に拠点を置き、152,000人の顧客を擁している。
IDGのすべての貸借対照表項目は、2020年12月31日付で売却目的保有資産に組み替えられた（注記3.2を参照）。
この取引により、当グループの純負債額は２億ユーロ減少したが、当グループの純利益には重要な影響はなかった。
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これら２件の売却（Edison NorgeとIDG）は、Edisonの戦略的事業分野（再生可能および低炭素エネルギーの生産、エネル
ギー効率、持続可能モビリティならびに顧客向け付加価値サービス）における成長計画を支援すると見込まれている。
E2i の70％の取得
2021年２月16日にEdisonは、2021年１月14日付でF2i Fondi Italiani per le Infrastruttureとの間で署名した、イタリア
の風力発電部門の主導的企業であるE2i Energie Specialiの70％を取得する契約が完了したことを発表した。E2i Energie
Specialiは、特定政府協定を適用して、残りの30％持分を保有するEdisonにより、財務上は既に連結されている。
この取得により、当グループの純負債額は３億ユーロ増加した。
この取得は少数持分に関するものであり、連結方法の変更はないため、購入価格と取得持分の差額155百万ユーロは自己資本
（EDF持分）に計上されている。
3.1.2 2020年度中の連結範囲の変更
2020年度中に当グループの連結範囲に生じた変更は以下の通りであった。
・ 2020年12月17日におけるEdison Exploration and Production S.p.A.（E＆P）の売却（2020年12月31日現在の連結財務
諸表に対する注記1.4.2および3.2を参照）
・ EDF Pulse Croissance、Agregio、Energy2Market（E2M）およびIZIVIAの連結
3.2 非継続事業
3.2.1 売却目的保有資産および関連する負債
2021年６月30日現在 2020年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
売却目的保有資産
2,617 2,296
275 108
売却目的保有資産に関連する負債
IFRS第５号の適用に基づく、売却目的保有資産および関連する負債の開示は、以下の通りである。
2021年６月30日現在 2020年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
非流動非金融資産(1)
436 316
非流動金融資産 1,978 1,811
流動非金融資産(2) 168 151
35 18
流動金融資産
売却目的保有資産合計 2,617 2,296
2021年６月30日現在 2020年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
非流動非金融負債(3)
124 86
非流動金融負債 13 1
流動非金融負債 138 21
- -
流動金融負債
売却目的保有資産に関連する負債合計 275 108
(1）非流動非金融資産は有形固定資産および無形資産から構成されている。
(2）流動非金融資産は運転資本の構成要素と繰延税金資産から構成されている。
(3）非流動非金融負債は引当金から構成されている。
2021年６月30日現在、売却目的保有資産および関連する負債は、以下に関係している。
・ Dalkia Wastenergyの進行中の売却
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2021年５月21日にDalkiaは、Paprecとの間で子会社であるDalkia Wastenergyの売却に関する拘束力ある契約に署名したこと
を発表した。
この取引は、適用されるすべての規制上の承認、特に関連する競争当局の許可を条件とし、もう間もなく完了する予定であ
る。
Dalkia Wastenergyの売却目的保有資産および負債は、2021年６月30日現在それぞれ175百万ユーロおよび187百万ユーロであ
る。
・ ウエスト・バートンBの進行中の売却
2021年４月９日にEDFは、EIGとの間で、ノッティンガムシャー州のウエスト・バートンBの1332MWeコンバインド・サイク
ル・ガス・タービン発電所および49MWバッテリー蓄電施設、ならびにウエスト・バートンCの開発プロジェクトを売却する拘束
力ある契約に署名したことを発表した。
この取引の完了は、必要なすべての規制上の承認の発行および３号機の運転再開を条件とし、2021年８月と見込まれてい
る。
ウエスト・バートンBの売却目的保有資産および関連する負債は、2021年６月30日現在それぞれ400百万ユーロおよび54百万
ユーロである。
・ CENGに対する投資の進行中の売却
CENGに対する保有持分は、2021年６月30日現在1,977百万ユーロの価額で売却目的保有資産に含まれている(2020年12月31日
現在1,811百万ユーロ)。
CENGは、ニューヨーク州およびメリーランド州に所在する３か所の原子力発電所に５基の原子炉を所有しており、総発電容
量は4,041MWeである(会社所有発電容量)。EDFは2014年度以後、CENGを支配するExelonと並んで、49.99％の持分を保有してい
る。
１
2014年度にExelonと締結した契約 に従って、2019年11月20日に、EDFはExelonに対し、CENG株式の49.99％に係るプット・オ
プションの行使を決議したことを通知した。
１ EDFの2014年４月１日付プレスリリース「EDFおよびExelonがCENGに係る契約を最終化」を参照。
このプット・オプションは、EDFにより2016年１月１日から2022年６月30日まで行使可能であった。CENG株式の売却価格は、
当該プット・オプション契約の契約条項に従って算定される公正価値を基礎とする。
現在、約定合意により求められるすべての規制上の承認は取得されており、特にFERC（連邦エネルギー規制委員会）による
認可は2020年７月30日に、ニューヨーク州PSC（公共サービス委員会）による認可は2021年４月15日に取得されている。
2020年度下半期に相互に評価額が提示されたが、最終価格については合意に至っていない。その結果、「野球仲裁」条項が
発動された。この条項は、ExelonとEDFのそれぞれの銀行が提示した当初価格案のうちいずれを適用すべきかの決定に当たり、
各当事者が第三の独立した銀行と合意することを求めている。2021年６月30日現在、この決定はまだ進行中である。2021年７
月19日以降は、プット・オプション行使日（2020年１月19日）から18か月以内に売却が完了しなかったことを理由に、EDFは
プット・オプションを撤回する権利を有する。
当グループは現在、契約に規定された売却プロセスを継続しており、当グループの貸借対照表におけるCENGの価額は、EDFグ
ループがプット・オプションの行使時に用いた評価に基づいている。
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上記により、売却目的保有資産および関連する負債は、2021年度上半期において、ウエスト・バートンBおよびDalkia
Wastenergyの進行中の売却により増加した。この増加は、以下に起因する減少により一部相殺された。
・ 2020年12月31日現在331百万ユーロの資産および42百万ユーロの負債に相当する、2021年３月におけるEdison Norgeの売
却（注記3.1を参照）
・ 2020年12月31日現在98百万ユーロの資産および７百万ユーロの負債に相当する、Edisonの完全子会社である
Infrastrutture Distribuzione Gas（IDG）の売却（注記3.1を参照）
3.2.2 非継続事業の純利益
2020年度の中間財務諸表において、「非継続事業の純利益」科目は、EdisonのE&P事業(アルジェリアおよびノルウェーの事
業を除く)およびこれらの資産について認識された減損から成っていた。
これらのE&P事業が2020年12月に売却されたことから、2021年度上半期については非継続事業の純利益は、当該売却取引に関
連する価格ないし保証の見積調整を除き、表示されていない（2020年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記1.4.2を参
照）。
2020年度上半期の当該E&P事業(アルジェリアおよびノルウェーの事業を除く)に係る主要な損益指標は、以下の通りである。
2021 年度上半期
(単位：百万ユーロ)
2020 年度上半期
売上高
- 129
減価償却費および償却費控除前営業利益 (3) 59
営業利益 (3) 4
金融損益 - (10)
法人所得税 - (27)
純利益 (3) (33)
非継続事業の減損、税引後
- (128)
非継続事業の純利益 (3) (161)
3.3 関連当事者
関連当事者との取引形態には、2020年12月31日以降、重要な変化はない。具体的には、当グループは、公共部門の企業との
間の重要な継続的関係、主にOranoグループとの間の核燃料の供給、輸送および再処理がある。
注記４．セグメント報告
セグメント報告の表示は、IFRS第８号「事業セグメント」に準拠している。
セグメント報告は、セグメント間消去前で決定されており、適用ある場合には、IFRS第３号に定義された支配の獲得による
資産および負債の再評価が純損益に与える影響を含む。
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2021 年６月30日現在
フランス
フランス
－規制 その他 EDF その他
－発電・ セグメント
(単位：百万
供給 業務 Framatome 英国 イタリア 国外 Renewables Dalkia 事業(1) 間消去 合計
ユーロ)
損益計算書：
対外売上高 15,248 9,067 923 4,886 3,894 1,301 551 2,026 1,725 - 39,621
セグメント間
753 29 711 1 17 93 256 300 162 (2,322) -
売上高
16,001 9,096 1,634 4,887 3,911 1,394 807 2,326 1,887 (2,322) 39,621
売上高合計
減価償却費お
よび償却費控 4,838 3,210 293 267 534 206 294 215 854 (110) 10,601
除前営業利益
(2)
501
2,712 1,591 153 (919) 190 54 34 66 (110) 4,272
営業利益
無形資産およ
び有形固定資 2,648 2,477 84 2,009 202 62 954 70 12 - 8,518
産への投資
2,217 2,271 105 2,120 222 62 811 75 10 - 7,893
―資産の購入
―資産の購入
に関連する負 431 206 (21) (111) (20) - 143 (5) 2 - 625
債の変動
(1) 「その他事業」セグメントの売上高はEDF Tradingが実現した781百万ユーロのトレーディングのマージンを含む。
(2) エネルギーおよびコモディ・デリバティブ（トレーディング業務以外）の公正価値の純変動額は主に「その他事業」セグメントに起因す
る。
2020 年６月30日現在
フランス
フランス
－規制 その他 EDF その他
－発電・ セグメント
(単位：百万
供給 業務 Framatome 英国 イタリア 国外 Renewables Dalkia 事業(1) 間消去 合計
ユーロ)
損益計算書：
対外売上高 13,860 8,113 879 4,593 2,895 1,134 506 1,705 1,025 - 34,710
セグメント間
589 26 611 2 14 110 264 283 175 (2,074) -
売上高
14,449 8,139 1,490 4,595 2,909 1,244 770 1,988 1,200 (2,074) 34,710
売上高合計
減価償却費お
よび償却費控 3,894 2,460 211 438 380 208 418 165 135 (113) 8,196
除前営業利益
(2)
(163)
1,393 819 95 (765) 91 64 188 15 (113) 1,624
営業利益
無形資産およ
び有形固定資 2,825 2,063 81 1,521 145 57 709 67 7 - 7,475
産への投資
2,195 1,690 94 1,613 146 52 878 74 7 - 6,749
―資産の購入
―資産の購入
に関連する負 630 373 (13) (92) (1) 5 (169) (7) - - 726
債の変動
(1) 「その他事業」セグメントの売上高はEDF Tradingが実現した545百万ユーロのトレーディングのマージンを含む。
(2) エネルギーおよびコモディ・デリバティブ（トレーディング業務以外）の公正価値の純変動額は主に「その他事業」セグメントに起因す
る。
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注記５．減価償却費および償却費控除前営業利益
注記 2021年６月30日現在 2020年６月30日現在
（単位：百万ユーロ）
売上高
5.1 39,621 34,710
購入燃料およびエネルギー費用 5.2 (18,753) (16,550)
対外サービス費用 (6,446) (5,675)
その他の購買費用（対外サービスならびに燃料およびエネル
(1,715) (1,533)
ギーを除く）
棚卸資産および資本財の変動 4,423 3,632
その他の対外費用に係る引当金の（増加）／減少 109 91
その他の対外費用(1) (3,629) (3,469)
人件費 (7,273) (7,020)
給与税 (162) (157)
エネルギー税 (1,332) (1,320)
その他の法人所得税以外の税金(2) (1,015) (1,332)
法人所得税以外の税金 (2,509) (2,813)
3,144 3,338
その他の営業収益および営業費用 5.3
減価償却費および償却費控除前営業利益 10,601 8,196
(1) 外国為替相場の変動および連結範囲の変更による影響を除くと、その他の対外費用は、2020年度上半期と比較して4.6％増
加した。
(2) その他の法人所得税以外の税金は、主にフランスに関連し、基本的に、土地税、土地および付加価値に係るフランス事業税
である。外国為替の変動および連結範囲の変更による影響を除くと、その他の法人所得税以外の税金は、主にフランスの経
済復興計画で導入された発電税の引き下げに起因して、2020年度上半期と比較して10.3％減少した。
当グループの2021年度上半期の連結ベースの減価償却費および償却費控除前営業利益は10,601百万ユーロであり、2020年度
上半期と比較して29.3％増加した。
当グループの2021年度上半期および2020年度上半期の減価償却費および償却費控除前営業利益の事業セグメント別の内訳
（百万ユーロ単位）は、以下の通りである（注記４を参照）。
外国為替相場の変動および連結範囲の変更による影響を除くと、当グループの減価償却費および償却費控除前営業利益は、
29.8％ないし2,446百万ユーロの成長を記録した。この増加は、主に、フランス―発電と供給セグメント（+24.2％ないし+944
百万ユーロ）、フランス―規制業務セグメント（+30.5％ないし+750百万ユーロ）、その他事業（+723百万ユーロ）、イタリア
（+41.6％ないし+158百万ユーロ）、英国（-39.7％ないし(174)百万ユーロ）、およびEDF Renewables（-26.1％ないし(109)百
万ユーロ）の貢献によるものである。
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減価償却費および償却費控除前営業利益の増加は、国の復興計画に関して発表された政府の施策に基づくフランスの発電税
の減少による349百万ユーロを含み、これはフランス―発電と供給セグメントに係る257百万ユーロおよびフランス―規制業務
セグメントに係る74百万ユーロを含む。
2020年上半期において、減価償却費および償却費控除前営業利益は、Covid-19パンデミックの影響を受けており、その見積
影響額は(1,010)百万ユーロであった。関連する主な事業セグメントは、フランス―発電と供給（(482)百万ユーロ）、フラン
ス―規制業務（(212)百万ユーロ）および英国（(128)百万ユーロ）であった。
フランス―発電と供給セグメントの減価償却費および償却費控除前営業利益の増加944百万ユーロは、基本的に、 原子力発
電量の7.7TWhの増加、顧客に請求する発電容量の有利な変動および（フランス政府の国の復興計画に基づく）発電税の減少に
よるものである。
フランス―規制業務の減価償却費および償却費控除前営業利益は、有利な天候の影響による引渡量の増加、TURPE 5料金の指
標の変更、ロックダウン措置の影響を受けた2020年度上半期後に設定された接続件数の上昇、ならびに発電税の減少に伴い、
750百万ユーロ増加した。
EDF Renewablesの減価償却費および償却費控除前営業利益の減少(109)百万ユーロは、主に、テキサス州の例外的な寒波の影
響と、それよりも程度は少ないが、米国における仕組資産の開発および売却量の減少に起因する。
イタリア・セグメントの減価償却費および償却費控除前営業利益は、主に、ガス・電力市場における事業顧客との取引再
開、寒波の影響、およびInfrastrutture Distribuzione Gas (IDG)の売却益を反映して、158百万ユーロ増加した。
英国においては、減価償却費および償却費控除前営業利益の減少(174)百万ユーロは、基本的に、2020年度上半期にCovid-19
パンデミックの不利な影響を受けた事業顧客との取引が回復したものの、原子力発電量の低迷および実現した原子力電力の価
格が下落したことの影響によるものである。
その他事業においては、減価償却費および償却費控除前営業利益の改善723百万ユーロのうち484百万ユーロは、主に、ガス
価格の上昇（2020年度上半期と2021年度上半期の間の不利契約引当金の変動を含む）を反映したガス事業に起因し、220百万
ユーロは、欧州および米国で観察された高い市場ボラティリティ（特にテキサス州の極寒期）を受けたEDF Tradingに起因す
る。
5.1 売上高
5.1.1 ． フランスにおける規制の変更
フランスの規制電力販売料金― 「青色」料金
2021年度上半期において、規制電力販売料金および公共送配電網使用料金に関する枠組みに変更はなかった。この規制上の
枠組みについては、2020年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記5.1.1に記載されている。
フランスのエネルギーおよび気候法を適用して、2021年１月１日から不適格な顧客（従業員10人超かつ年間の売上高、収益
ないし貸借対照表合計額が２百万ユーロ超の事業顧客）への規制販売料金の適用が廃止された。同日現在で市場レート契約に
申し込んでいなかった顧客は、現在の供給業者との市場レート契約に自動的に切り替えられた。
料金改定
フランスのエネルギー法第L.337-4条に準拠して、フランスのエネルギー規制委員会「CRE」（Commission de Régulation de
l’Énergie）は、規制電力販売料金に係る理由付き提案書を経済およびエネルギー担当大臣に提出する責任を負っている。３
か月以内に異議がなければ、当該提案は承認されたものと見なされる。
2020年７月２日付決定において、2020年８月１日から適用された「TURPE」送配電網接続料金の改定を考慮し、エネルギー法
を適用して、CREは、住宅顧客向け「青色」料金の税込み1.54％（税抜き1.82％）の引上げおよび非住宅顧客向け「青色」料金
の税込み1.58％（税抜き1.81％）の引上げを提案した。このCREの提案は、2020年７月31日付官報に公告された2020年７月29日
付の料金決定において確認され、2020年８月１日付で適用された。
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2021年１月14日付決定において、CREは、2021年２月１日からの住宅顧客向け「青色」料金の税込み1.61％（税抜き1.93％）
の引上げおよび非住宅顧客向け「青色」料金の税込み2.61％（税抜き3.23％）の引上げを提案した。この引上案は、エネル
ギー供給および発電容量保証のコスト上昇、2019年度および2020年度の規制販売料金に係る費用収益間の差額をカバーする
「キャッチアップ」調整、特にCovid-19パンデミックに関連して、2021年度に係る未回収債権予測に関する販売コストの変
動、ならびに、引き続き規制料金に適格な非住宅顧客に関する販売コストの調整を特に考慮に入れている。このCREの提案は、
2021年１月31日付官報に公告された2021年１月28日付の料金決定において確認され、2021年２月１日付で適用されている。
2021年７月８日付決定において、2021年８月1日からのTURPE料金の改定を考慮し、エネルギー法を適用して、CREは、住宅顧
客向け「青色」料金の税込み0.48％（税抜き1.08％）の引上げおよび非住宅顧客向け「青色」料金の税込み0.38％（税抜き
0.84％）の引上げを提案した。CREは、この改定を2021年８月１日付で適用することを提案している。
この料金引上げ案は、2021年８月１日からのTURPE送配電網使用料金の引上げ（税込み規制販売料金に対し+0.33％）、送配
電網管理者向け顧客代行管理サービスに対し供給業者が受け取る報酬（販売費から控除）の引上げ（税込み規制販売料金に対
し-0.07％）ならびに、CREが既に発表した通り2019年度にカバーされなかった金額に対する「キャッチアップ」調整の２年内
全額回収を意図した新たな更新（税込み規制販売料金に対し+0.21％）に起因する。
このため、期間ごとの比較可能性は、下表に記載する2020年１月１日以後に導入された料金改定により影響を受けている。
住宅顧客向け「青色」 非住宅顧客向け「青
料金の引上げ 色」料金の引上げ
CRE提案日 料金決定日 適用日
（税込み／税抜き） （税込み／税抜き）
16/01/2020 2.4％/ 3.0％ 2.4％/ 3.1％ 01/02/2020
29/01/2020
02/07/2020 1.54％/ 1.82％ 1.58％/ 1.81％ 01/08/2020
29/07/2020
14/01/2021 1.61％/ 1.93％ 2.61％/ 3.23％ 01/02/2021
28/01/2021
(1)
08/07/2021 0.48％/ 1.08％ 01/08/2021
0.38％/ 0.84％
近日中
(1) 承認を条件とする。
「TURPE」送配電網使用料金
「TURPE」送配電網使用料金に関する法制上および規制上の枠組みについては、2020年12月31日現在の連結財務諸表に対する
注記5.1.1に記載されており、2021年度上半期において変更はなかった。
第２のTURPE 5配電料金
2020年５月20日付決定によりCREは、中電圧および低電圧電力網に係る第２のTURPE 5料金の2020年８月１日付の+2.75％の引
上げを採択した。この引上げの内訳はインフレ+0.92％、CRCP均衡+1.85％および国務院の2018年３月９日付決定の適用-0.02％
である。
送電料金については、2020年５月14日にCREは、高電圧電力網に係るTURPE 5料金を、2020年８月１日から-1.08％引き下げる
１
決定を採択した。その内訳はインフレ+0.92%および収益費用調整勘定（CRCP ）の均衡に係る-２％であった。
1 料金の基礎となる予測値と実績値の主な差異を測定し相殺するメカニズムである。
TURPE 6 の配電料金
2021年１月27日にCREは、エネルギー高等評議会（Conseil supérieur de l’énergie）による承認後、TURPE 6の送電（高電
圧）およびTURPE 6の配電（中電圧–低電圧）に係る2021年１月21日付の２つの決定を公表した。これらの料金は2021年８月１
日から約４年間適用される。
2021年１月21日付決定2021-13において、CREは、資産に係るマージン2.5％（第２のTURPE 5から変更なし）および追加の規
制資本利益率2.3％（主に市場金利の低下および法人所得税率の低下の結果として、第２のTURPE 5の４％と比較して）を設定
した。2021年８月１日付の料金引上げは平均+0.91％であり、料金期間にわたる平均年間インフレ率を1.07％と仮定すると、料
金期間全体の平均は年間+1.39％となる。
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送電料金については、2021年１月21日付決定2021-12において、CREは、RTEの規制資産基盤に対する利益率について名目税引
前加重平均資本コスト（WACC）を、TURPE 5の6.125％に対し、4.6％に設定した。2021年８月１日付の料金引上げは平均
+1.09％であり、料金期間にわたる平均年間インフレ率を1.07％と仮定すると、料金期間全体の平均は年間+1.57％となる。
供給業者手数料
CREの2018年１月18日付決定を適用して、エネルギー供給業者は、単一契約顧客の代行管理サービスについて配電網管理者か
ら報酬を受け取る。
手数料の原則は、単一契約の市場価格を提示して販売を行うすべての供給業者について同一である。規制電力料金のみは、
わずかに低い手数料（2019年８月１日までは引渡ポイント当たり6.80ユーロに対し、4.50ユーロ）が提示され、この差額は
2022年８月１日までに段階的にゼロまで低減する。
過去の顧客管理費用（2018年１月１日の前日まで）に関する報酬について、CREの当該決定は、TURPEを通じて考慮され得る
上限と考える金額を設定していた。
ただし、2017年12月30日付法律2017-1839は、供給業者が過去の顧客管理サービスに対し電力網管理者から報酬を受け取る可
能性を排除することを意図した措置を導入した。2016年12月23日にEngieは、Enedisに対し、当該報酬の請求を申し立ててパリ
商事裁判所に訴訟を提起した。この法的手続の過程でEngieは、過去のサービスに対し供給業者手数料を得る可能性を排除した
フランスの「炭化水素」法にて導入された取決めに関し、合憲性に係る予備判決申請書を提出した。これらの取決めは、憲法
制定評議会により、その2019年４月19日付決定2019-776において正当であると確認された。当該手続はパリ商事裁判所にて係
属中である。
発電容量メカニズム
フランスの発電容量メカニズムは、2017年１月１日付で発効した。これは、フランスのエネルギー法により、国の電力の安
定供給を確保する目的で導入された。
2017年度から2021年度の引渡しに向けて引渡年度前に行われた発電容量入札の結果、平均市場価格は以下の通りであった。
引渡年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
価格（ユーロ/kW） 10 9.3 17.4 19.5 31.2
2022年度の引渡しに向けて2020年度に入札が開始され、その後７回の入札が開催され、そのうち３回は2021年度に行われ
た。これらの発電容量入札による価格は、以下の通りであった（時系列で表示）。
2020年度：４月16.6ユーロ/kW、６月38.9ユーロ/kW、10月18.1ユーロ/kW、12月18.2ユーロ/kW
2021年度：３月28.3ユーロ/kW、４月28.2ユーロ/kW、６月28.8ユーロ/kW
ARENH
ARENHメカニズムに関する法制上および規制上の枠組みについては、2020年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記5.1.1
に記載されている。
2021年度の引渡しに係る2020年11月の期間中のARENH申請は、合計146.2TWh（EDF子会社からの申請および電力網損失を補填
するための申請を除く）であった。CREは各供給業者の申請を削減した。このほかに、ARENHメカニズムを複製した契約を通じ
ておよび電力網損失を補填するためにEDFが子会社に対し販売した量があった（26.3TWh）。2021年５月の期間中にはこれらの
量の変更はなかった。
Covid-19パンデミックに関連して、CREは2020年３月26日付決定2020-071により、ARENHメカニズムに関し供給業者に有利な
１
措置を導入した。当該措置は、2020年度のARENH超過申請に対する「CP2 」ペナルティを取り消す措置、およびCREの2020年４
月９日付決定2020-076に詳述された通り、2020年３月25日付省令2020-316に定義された条件に基づいて供給業者の要請に応じ
ARENH請求書の決済を繰り延べる措置から構成されていた。
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１ ARENH超過申請に対するペナルティ
EDFはまた、不安定な状況にある小規模供給業者に対し特別な支払条件を提供した。当該条件の申請方法は、CREの2020年４
月９日付決定2020-076により定められた。
ARENHメカニズムに関連する訴訟もまた、Covid-19パンデミックに関連して、一部のエネルギー供給業者から提起されてい
る。詳細については注記16.2.2に記載されている。
2020年10月１日付決定2020-250および2020年12月17日付決定2020-315においてCREは、当事者が不可抗力を主張した場合の適
用ルールを明確にし、政令2020-1414により導入された改訂を織り込むためのARENH基本契約モデルの変更を提案した。ARENH基
本契約モデルは、エネルギー大臣が公布した2020年11月12日付および2021年２月12日付命令により当該CRE案に沿って変更され
た。
2019年１月25日に公表されたPPE案において発表された通り、2020年１月にフランス政府は、既存の原子力施設の経済的規制
ならびにその建設および運営原則の改革計画を推し進める基礎的な判断材料について貢献の要請を開始した。提案された新た
な規制は、ARENHシステムを置き換える予定である。
当該業界の他の多くの参加者と同様に、EDFグループは、2020年３月17日に終了したこの協議に参加した。
この関連で、フランスの環境連帯移行大臣および経済財政大臣は、既存の原子力施設について可能性ある政府の将来の規制
下で原子力事業者が負担する費用の査定を実施し、原子力活動に対する公正な報酬を決定するようCREに委託した。
既存の原子力発電に関する新たな規制の条件は、現在、フランス政府によって欧州委員会とともに検討されている最中であ
る。
5.1.2 売上高
売上高の内訳は以下の通りである。
2021 年度上半期 2020 年度上半期
(単位：百万ユーロ)
エネルギーおよびエネルギー関連サービス売上高 36,503 32,046
(1)
－エネルギー
25,882 22,543
(2)
－エネルギー関連サービス(引渡しを含む)
10,621 9,503
その他商品およびサービス売上高 2,337 2,114
781 550
トレーディング
39,621 34,710
売上高
(1 ） エネルギー売上高は、2021年度上半期のガスおよび電力卸売市場に係る最適化取引に関する売上高1,265百万ユーロ（2020年度上半期
1,007百万ユーロ）を含む。これらの取引は、一部のグループ企業により、需給をバランスさせるために、当グループのリスク管理方針に
準拠して実施されている。2021年度上半期において、当該市場でユーロ建て正味売りポジションにあった主な事業セグメントは、フラン
ス―発電と供給（ガスおよび電力）、イタリア（電力）および英国（電力）である。2020年度上半期の主な事業セグメントは同様であっ
た。
(2 ）この項目に含まれる引渡サービスは、非相互接続地域向け配電網運営者であるEnedis、Electricité de StrasbourgおよびEDF SAに関係し
ている。ただし、EDF EnergyおよびEdisonに関係する引渡サービスは、当該事業体がIFRS第15号に基づいて供給および引渡しの両方につい
て本人であると分類されることから、エネルギー売上高に含まれている。EDF EnergyおよびEdisonによる引渡サービスは、注記5.2の「送
電および引渡費用」に含まれることから、純利益には影響を与えない。
外国為替の変動および連結範囲の変更による影響を除くと、当グループの2021年度上半期の売上高は、13.7％ないし48億
ユーロ増加した。この売上高の増加に関連する主な事業セグメントは、フランス―発電と供給（+8.7％ないし+12億ユーロ）、
フランス―規制業務（+11.8％ないし10億ユーロ）、イタリア（+35％ないし10億ユーロ）、その他事業（+69.6％ないし７億
ユーロ）、Dalkia（+17.4％ないし３億ユーロ）および英国（+5.6％ないし+３億ユーロ）であった。
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2020年度上半期の売上高は、Covid-19パンデミックの影響を受け、その見積影響額は(1,299)百万ユーロであった。関連する
主な事業セグメントは、フランス―発電と供給（(417)百万ユーロ）、フランス―規制業務（(254)百万ユーロ）、英国（(293)
百万ユーロ）、イタリア（(64)百万ユーロ）およびDalkia（(129)百万ユーロ）であった。
フランス―発電と供給セグメントの売上高は、+12億ユーロ増加した。この増加は主に、購入義務に対する有利なエネルギー
市場価格効果、規制販売料金の引上げに伴う価格効果、および主にCovidパンデミックに起因して発電量が大幅に調節されてい
たために原子力発電量が2020年度上半期に比べて7.7TWh増加したことに伴うプラスの量的効果によるものである。
フランス―規制業務セグメントによる売上高の増加（+10億ユーロ）は、主に、引渡量増加（2020年度に比べて2021年度の気
候は寒冷であったため）および接続サービス増加（2020年度上半期におけるCovid-19パンデミックの不利な影響を含む）の状
況下で適用された、2020年度実施のTURPE 5配電料金の改定を反映している（上記の規制販売料金に係るセクションを参照）。
イタリア・セグメントは、2021年度上半期において前年同期比10億ユーロの売上高の増加を記録した。この推移は主に、全
市場におけるガス事業の有利な価格効果および、それより程度は少ないが量的効果によるものである。また、電力料金の上昇
も当上半期の売上高の増加に貢献した。
その他事業セグメントによる売上高の増加７億ユーロは、基本的に、卸売市場ガス価格の上昇によるガス事業（４億ユー
ロ）ならびに、欧州および米国のボラティリティの高いコモディティ市場（特に2021年度初頭のテキサス州の極寒期）におけ
るトレーディング実績によるEDF Tradingの売上高増加（３億ユーロ）に関連していた。
Dalkiaは、取引量の増加（2020年度上半期におけるCovid-19パンデミックの不利な影響を含む）、ガス価格の大幅な上昇、
および2021年度における有利な天候の影響の組み合わせに起因して、+３億ユーロの売上高の増加を記録した。
英国では、主に下流の電力価格効果により、売上高が+３億ユーロ増加した。
5.2 燃料およびエネルギー購入費用
燃料およびエネルギー購入費用の内訳は、以下の通りである。
2021 年度上半期 2020 年度上半期
（単位：百万ユーロ）
(1)
購入燃料使用分－発電
(5,692) (4,879)
(1)
エネルギー購入
(8,987) (7,679)
送電および引渡費用 (4,223) (3,950)
ヘッジ会計に係る利益／損失 (7) (86)
156 44
核燃料およびエネルギー購入に関連する引当金の（増加）／減少
燃料およびエネルギー購入費用 (18,753) (16,550)
(1 ）購入燃料使用分およびエネルギー購入は、2021年度上半期のガスおよび電力卸売市場に係る最適化取引に関するそれぞれ279百万ユーロお
よび1,088百万ユーロ（2020年度上半期204百万ユーロおよび943百万ユーロ）を含む。2021年度上半期において、当該市場でユーロ建て正
味買いポジションにあった主な事業セグメントは、英国（ガス）、その他国外（Luminus―ガスおよび電力）ならびにDalkia（ガス）であ
る。2020年度上半期も同じセグメントであった。
購入燃料使用分は、エネルギー生産のための原材料（核燃料、核分裂性物質、ガス、石炭、石油およびバイオマス）、核燃
料サイクルに関連するサービスの外注および環境計画（主に温室効果ガス排出権および再生可能エネルギー証書）に関連する
コストを含んでいる。
「エネルギー購入」は、フランスの購入義務メカニズムに基づいて行われた購入を含む。
5.3 その他の営業収益および営業費用
公共電力サービス費用の補償（CSPE）（フランス）
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公共エネルギー・サービス費用に関する補償メカニズムの法制上および規制上の枠組みについては、2020年12月31日現在の
連結財務諸表に対する注記5.4.1に記載されている。
2021年６月30日現在、対応する営業債権は「その他の債権」に含まれている（注記12.2を参照）。
フランスの省エネ証書
フランスの省エネ証書制度の第四期（2018-2021年）：
当初2018年から2020年の期間で計画されていたフランスの省エネ証書制度の第四期は、１年延長された（エネルギーおよび
気候に関する2019年11月８日付法律2019-1147）。この期は、省エネ義務水準を大幅に引き上げ（「標準」義務1,600TWhcおよ
びエネルギー貧困状況にある世帯に利することを意図した義務533TWhc）、省エネ証書に関する不正対抗措置に係る新たな章
（統制および制裁の数および有効性を増す）を追加している。
当該期間の終了時において提出済証書に不足がある場合には、義務対象参加者は不足分についてMWhc当たり15ユーロの制裁
金を支払う必要がある。
これらの義務を充足するために、当グループは、省エネ証書の獲得数を徐々に増やすべく、2019年度前半にフランスで導入
された「coups de pouce」の実施（断熱材に対する補助金、石油暖房からヒートポンプへの取替に対する財務的支援、ヒート
ポンプ利用者への省エネ補助金の50％追加、ヒートポンプ保守契約への特別な提案等）を活用して、あらゆる取組みを行って
いる。
当グループは、現在のところ、2021年度末までの獲得証書の増加見込み、第三者（受任者、義務対象参加者、取引業者等）か
らの購入証書、および第四期の延長の複合的効果により、当該期間の終了時における省エネ証書不足のリスクはないものと考
えている。
フランスの省エネ証書制度の第五期（2022-2025年）：
フランスの省エネ証書制度の第五期（2022-2025年）に関する政令2021-712が、2021年６月５日付官報にて公布された。この
政令は、当該制度の有効性を増し（例えば、特例措置を大幅に削減し、計算を実際の省エネに近づける）、非常に脆弱な世帯
向けの資金源を増やし（エネルギー貧困状況にある世帯に利することを意図した義務の引上げ、非常に脆弱な世帯に対する範
囲制限、この分類のペナルティを20ユーロ/MWhcに引上げ）、脱炭素エネルギーの開発を奨励している。
・ この期に係る全体の義務は、17.2％増加して2,500TWhcである（エネルギー貧困状況にある世帯に利することを意図した
義務は+37％増の730TWhc、「標準」義務は+11％増の1,770TWhc）。
・ 省エネ証書係数（販売エネルギー１MWh当たりの生産すべきMWhc）は、電力につき10.2％減少し、ガスにつき51.8％増加
している。
・ 電力およびガスについて、省エネ証書を要しない閾値を、現在の400GWh/年から、2022年度は300GWh、2023年度は
200GWh、2024年度以降は100GWh/年と段階的に引き下げる。
その他の営業収益および営業費用は、主に、CSPE（公共エネルギー・サービス拠出金－Contribution au Service Public de
l’Energie）制度に基づきEDFによって受取済または受取予定の金額を含んでおり、連結財務諸表上、2021年度上半期において
は3,865百万ユーロ（2020年度上半期においては4,461百万ユーロ）の営業収益が認識されている。CSPE収益の減少は主に、
2020年度上半期の観察された市場価格が2021年度に比べて低かったこと、および2021年度の購入義務量の減少によるものであ
る。
その他の営業収益および営業費用はまた、省エネ証書に関連するコストおよび、フランスの再生可能エネルギーからの電力
生産者に支払われる追加報酬（これはフランスのグリーン成長のためのエネルギー移行法により導入され、購入義務に加えて
適用される）を含む。
2021年６月30日現在、その他の営業収益および営業費用は、IDG（ガス配給網、注記3.1を参照）に係る売却益を含む。
2020年６月30日現在、Covid-19パンデミックの結果、その他の営業収益および営業費用はまた、営業債権の減損(144)百万
ユーロおよび発電容量メカニズムに関するリスクに対する引当金(137)百万ユーロも含んでいた（注記1.6.1を参照）。
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2020年度上半期からは、当該科目は、フェッセンハイム発電所の閉鎖に係る収益および費用も含んでいた（2020年12月31日
現在の連結財務諸表に対する注記5.4.3を参照）。
注記６．トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額
2021 年度上半期 2020 年度上半期
（単位：百万ユーロ）
トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・
(541) (323)
デリバティブの公正価値の純変動額
トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額は、2020年度上半期の(323)
百万ユーロから減少して、2021年度上半期は(541)百万ユーロであった。これは主に、コモディティ市場、特に電力市場におけ
る高いボラティリティに起因し、Edisonのガスのポジションとも整合している。
注記７．その他の収益および費用
2021年度上半期におけるその他の収益および費用は(92)百万ユーロであった。これらは主に以下からなる。
・ ArevaおよびEDFが2021年６月29日付で署名した契約を適用して、和解金支払額563百万ユーロから、主に第三者のために
回収した支払金および貸借対照表に従来計上されていた資産等の一定の額を控除した額として受取予定の金額505百万
ユーロ (注記２を参照）。
・ フラマンヴィル３EPRの主要な二次回路の接合部の予備的修理作業に関連する例外的な追加費用、2021年６月30日現在の
合計(278)百万ユーロからなる（これらは、IAS第16号第22項に基づいて異常コストと見なされ、建設中の資産のコスト
に含めることができない）。
・ ダンジェネスBの早期閉鎖に関連した費用(161)百万ユーロ。燃料在庫および予備部品の減損、ならびに発電容量メカニ
ズムに基づくペナルティに対する引当金を含む（注記２および10.4を参照）。
・ 2002年度にMontedisonがSolvayに売却したイタリアのAusimont（Bussi用地）に関する民事、行政および刑事裁判所にお
ける手続に関連する引当金（注記16.2.3を参照）。
2020年度上半期におけるその他の収益および費用は(153)百万ユーロであった。これらは主に、フラマンヴィル３EPRの主要
な二次回路の接合部の修理作業に関連する例外的な追加費用の合計(146)百万ユーロおよび一部のグループ企業における事業再
編費用からなっていた。
注記８．金融損益
8.1 割引の影響
時の経過による割引の戻入れに係る影響は、主に、核サイクル終了、廃炉および炉心核燃料ならびに長期および雇用後従業
員給付に係る引当金に関係している。
最終的な割引の影響の詳細は、以下の通りである。
(単位：百万ユーロ)
2021 年度上半期 2020 年度上半期
長期および雇用後従業員給付引当金(1)
(245) (325)
核サイクル終了、廃炉および炉心核燃料引当金(2) (731) (796)
その他の引当金および前払金 (40) (51)
割引の影響
(1,016) (1,172)
(1 ）注記15.1.2を参照。
(2 ）NLFからの払戻額に対応する債権の割引による影響を含む（注記17.1.3を参照）。
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2021年６月30日現在、長期および雇用後従業員給付引当金に係る時の経過による割引の戻入れの影響の減少は、2021年度上
半期に適用された割引率の低下（2020年度上半期の1.3％に対し0.9％）が、2021年１月１日現在のコミットメント量の増加に
より一部相殺されたことによるものである。
原子力引当金に係る時の経過による割引の戻入れの影響の減少は、主に1300MWeシリーズ原子力発電所の減価償却期間が50年
に延長されたことによるものである（注記1.6.2参照）。
8.2 その他の金融収益および費用
その他の金融収益および費用の内訳は、以下の通りである。
（単位：百万ユーロ）
2021年度上半期 2020年度上半期
金融資産に係る利益/(損失)
422 374
純損益を通じて公正価値で計上される金融商品の変動
1,841 (856)
その他 368 220
その他の金融収益および費用
2,631 (262)
金融資産に係る利益/(損失)は、現金および現金同等物に係る収益、負債証券および持分証券ならびにその他の金融資産に係
る収益および費用からなる。
2021年６月30日現在、金融商品の公正価値の変動には、専用資産に関連する1,836百万ユーロが含まれている。その他の項目
には、リサイクルを伴うOCIを通じて公正価値で測定する債券の売却損益42百万ユーロが含まれている（うち34百万ユーロが専
用資産に関連している）。
2020年度上半期の金融商品の変動には、専用資産に関連する(830)百万ユーロが含まれていた。リサイクルを伴うOCIを通じ
て公正価値で測定する債券の売却損益は79百万ユーロであり、うち70百万ユーロが専用資産に関連していた。
注記９．法人所得税
2021年６月30日現在、実効税率28.4％に基づき法人所得税費用は(1,458)百万ユーロである（これに対し2020年６月30日現在
は実効税率6.2％に基づき未収42百万ユーロ）。
2021年度の法人所得税費用の増加1,500百万ユーロは、基本的に、当グループの税引前利益の増加5,811百万ユーロを反映し
ており、1,651百万ユーロの追加の法人所得税費用が生じた。法人所得税費用はまた、フランスと英国の間の所得税率差異およ
び2023年度から英国の標準税率が19％から25％へ引き上げられることによる複合的な不利な影響も受けている（既に税率が
17％から19％へ引き上げられていた2020年度を上回る不利な影響が生じている）。この影響は、イタリアにおいて2021年６月
の税務上の資産再評価により有利な影響があったものの、法人所得税費用に影響を与えた。イタリアでは、Covid-19パンデ
ミックに対応して導入された特別租税措置により、企業が一定の資産の税務上の価額を会計上の価額に再調整することが可能
となった。政令法104/2020第110条により認められたこの選択肢は、イタリアの2021年度財政法（法律178/2020）によりのれん
も対象に含めるよう拡大され、当グループのイタリア企業は、2021年６月30日現在で一定の有形資産およびのれんについて税
務上の価額を再調整することを選択した。この措置を適用した企業は、再調整後の価額に対し３％の税金を支払う代わりに、
再調整後の価額から税務上の減価償却費を控除することが認められており、これにより将来税金の減額効果が生じると見込ま
れている。
非経常項目（主に金融資産の公正価値の変動および未実現利益、減損、英国における税率変更の影響、ならびにイタリアに
おける税務上の資産再評価）による影響を除くと、2021年６月30日現在の実効税率は、2020年度上半期の24.3％に対し、
26.5％である。
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注記10．有形固定資産
有形固定資産および無形資産の詳細は、以下の通りである。
2021年 建設中の 2020年 建設中の
（単位：百万ユーロ）
注記
６月30日現在 資産 12月31日現在 資産
のれん
10.1 10,640 n.a. 10,265 n.a.
その他の無形資産 9,990 1,778 9,583 1,581
グループ所有発電用有形固定資産および
10.2 93,707 42,554 92,600 39,460
その他の有形資産(使用権資産を含む)
－使用権資産 4,128 n.a. 4,116 n.a.
フランスの配電委譲を除く委譲運営有形
6,806 584 6,858 574
固定資産
フランスの公共配電委譲運営有形固定資
61,113 2,135 60,352 1,828
産
有形固定資産および無形資産合計
182,256 47,051 179,658 43,443
n.a. ＝該当なし。
10.1 のれん
2021年６月30日現在ののれんは主に、EDF Energy（7,929百万ユーロ）およびFramatome（1,332百万ユーロ）に関連してい
た。
2021年度上半期中ののれんの変動は主に、ユーロに対する英ポンドの上昇を主に反映した366百万ユーロの換算調整に関係し
ていた。
10.2 グループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産
グループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産に観察された変動は、ユーロに対する英ポンドの上昇に起因する
換算調整の影響1,268百万ユーロおよび2021年１月１日付で1300MWe PWR原子力発電所の減価償却期間が50年に延長されたこと
による影響(1,031)百万ユーロ（注記1.6.2を参照）を含む。
2021年６月30日現在、建設中のグループ所有発電用有形固定資産は、主に、以下からなる。
・ フラマンヴィル３EPRへの投資14,824百万ユーロ（資産計上された中間利息3,476百万ユーロを含む）（2020年12月31日
現在、資産計上された中間利息3,291百万ユーロを含む14,565百万ユーロ、即ち資産計上された中間利息を除き、当上半
期に74百万ユーロ増加）。2021年６月30日現在の財務諸表におけるフラマンヴィル３プロジェクトの資産計上額は
15,045百万ユーロであり、このうち、中間利息25百万ユーロを含む202百万ユーロは運転開始された資産に関連する。
資産計上された中間利息を含むこの資産計上額15,045百万ユーロには、建設費用の他、以下が含まれる。
・ 予備部品在庫および関連プロジェクト（特に初回総合検査および北部地域開発）の資産計上額、合計492百万ユー
ロ。
・ フラマンヴィル・プロジェクトに関連した開業前費用およびその他の有形固定資産733百万ユーロ。
・ フラマンヴィル３EPRプロジェクトに関連したFramatomeとEDF SAとの間の貸借対照表項目およびマージンの内部残
高の相殺消去（369百万ユーロ、基本的に前受金および未成業務受入金からなる）。
この結果、2021年６月30日現在の連結財務諸表において取得原価ベースで計上された建設費用は10,319百万ユーロで
あり、2019年10月９日付で発表された完成時の建設費用（借入コストを除く）は124億ユーロ（2015年のユーロ）であ
る。
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フランス電力(E05969)
半期報告書
フランス監査院 (Cour des Comptes )は、EPR技術に関する2020年７月の報告書において、同院の計算によると、EDFが
公表した建設費用124億ユーロ（2015年のユーロ）に加えて、利息費用42億ユーロを含む67億ユーロ(2015年のユーロ)に
のぼる可能性がある追加コストがかかる旨を発表した。上述のとおり、2021年６月30日現在、資産計上された利息は35
億 ユーロであり、その他の資産計上されたプロジェクト・コストは12億ユーロである。
主要な二次回路の接合部の必要な修理による非経常的な追加費用は、2021年度上半期に278百万ユーロ（2020年12月31
日現在397百万ユーロ）でその他の収益および費用に計上されている（注記７を参照）。
・ ヒンクリー・ポイントCに関連する投資16,139百万ユーロ（資産計上された中間利息675百万ユーロを含む）（2020年12
月31日現在、資産計上された中間利息518百万ユーロを含む13,586百万ユーロ）。2021年度上半期の当該プロジェクトへ
の投資は1,666百万ユーロである。
・ サイズウェルCに関係する420百万ユーロの調査(2020年度324百万ユーロ)。
建設中の有形固定資産（委譲運営資産を除く）の残高、すなわち11,171百万ユーロは、主にグラン・カレナージュ計画に
沿ったEDF SAの既存の原子力発電所（70％）（主要部品、特に蒸気発生器の取替、定期検査および10年検査に関連する作業）
に関連しており、それよりも少ない割合（約15％）でEDF Renewables（欧州、北米および新興国において開発中の発電所）に
関連している。
建設中の有形固定資産は、2021年度の投資水準が、当年度上半期中に事業供用された資産の額を大幅に上回ったことから、
3,094百万ユーロ増加した。
2021年６月30日現在のその他の無形資産はEPR２に関係する660百万ユーロの調査を含む(2020年12月31日現在577百万ユー
ロ)。
グループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産(使用権資産を含む)（純額）の内訳は、以下の通りである。
化石燃料
その他施設、
原子力 および
有形固定資 使用権 建設中の
土地・建物 発電所 水力発電所 産、その他 資産 資産 合 計
（単位：百万ユーロ）
2021 年６月30日現在純額 6,065 25,619 3,768 11,573 4,128 42,554 93,707
2020 年12月31日現在純額 6,248 26,976 4,716 11,084 4,116 39,460 92,600
フランスの原子力発電所の減価償却期間
注記1.3に記載した通り、フランスの現在稼働中の原子力発電所（900MWeの原子炉32基、1300MWeの原子炉20基、1450MWeの原
子炉４基）の減価償却期間は、900MWeシリーズ（2016年１月１日以後）および1300MWeシリーズ（2021年１月１日以後）につい
ては50年、減価償却期間の延長条件を満たしていないN4発電所については40年となっている。
2020年４月21日付政令2020-456により採択された2019年-2028年を対象とするフランスの複数年エネルギー計画
（ProgrammationsPluriannuellesdel'ÉnergieまたはPPE）に基づき、2020年度上半期のフェッセンハイムの原子炉２基の閉鎖
（同発電所の運営権の終了に係る2020年２月18日付政令2020-129に従ったもの）に加え、2035年までに原子炉12基を閉鎖する
予定である。従って、２基の900MWe原子炉については、第５回10年検査に先立って2027年および2028年に閉鎖される予定であ
る（電力価格および安全供給に関する一定の条件が満たされた場合には、さらに２基の原子炉もまた、2025年-2026年に早期閉
鎖される可能性がある）。当該２基の原子炉の選択に当たって優先度が高い事項は、経済的および社会的影響が最小限に抑え
られ、電力網に与える影響が最も低く、かつ用地全体の閉鎖を伴わない閉鎖とされる予定である。フランス政府の要請によ
り、これらの基準に基づいて、2020年１月20日にEDFは、ブレイエ、ビュジェ、シノン、クリュアス、ダンピエール、グラヴ
リーヌおよびトリカスタン用地における原子炉２基ずつの閉鎖の可能性を検証することを提案した。PPEはまた、原子炉の早期
閉鎖は、その実施の３年前に確認される予定であることを規定している。そのため、上記の減価償却期間にかかわらず、2020
年４月のPPE採択により、2027年および2028年の900MWe原子炉２基の早期閉鎖に関するさまざまなシナリオを参照して、原子力
引当金の再見積りが行われた。その主な結果として、2020年12月31日現在の原子力発電関連引当金（主に、支払期間が数年間
短縮されたことによる廃炉引当金）が32百万ユーロ増加した。加速減価償却期間もこれらのシナリオに基づいて見積もられ、
減価償却費が増加したが、当グループの連結財務諸表に重要な影響は与えなかった。
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フランスの石炭火力発電所の減価償却期間
2019年11月８日付エネルギーおよび気候法を考慮して、ルアーブルおよびコルドメ石炭発電所の減価償却期間の終了は2019
年６月１日に変更されており、ルアーブルの閉鎖を2021年４月１日とする一方で、コルドメは、エココンバスト・プロジェク
トの一部としてのバイオマスへの転換の可能性を考慮して、2026年まで操業を継続することとされた。
ルアーブル発電所は2021年３月31日付で永久閉鎖された。
2019年度に減価償却期間の終了時期が変更された結果、（従来の減価償却期間と比較して）加速された減価償却費72百万
ユーロが2021年度上半期に計上された（ルアーブル発電所は2021年３月31日に操業を停止したため、2020年度上半期は103百万
ユーロ）。
2021年７月８日に、EDFは、クラスB「廃棄物」である木材を石炭の代替燃料として開発するエココンバスト・プロジェクト
について、プロジェクト・コストが最終製品の有利な価格を保証できなかったことおよび産業パートナーが最近撤退したこと
など、プロジェクト継続の条件が充足されなかったため、終了を決定したことを発表した。
EDFは、2015年度にエココンバスト・プロジェクトを開始した。2018年度後半から当該プロジェクトは、コルドメ発電所をこ
の代替燃料の使用に適応させることおよび敷地内にペレット生産の専用施設を作ることから成っていた。EDFは、技術面および
環境面の実行可能性調査を実施し成功させた。
当該プロジェクトの経済性は、その極めて革新的な性質およびこの種の製品の経験がないことに加え、最近のコモディティ
価格の高騰により不利となった。また、EDFがペレット生産施設からの排水処理について協議していたパートナーが当該プロ
ジェクトからの撤退を決定した。コルドメ発電所は2022-2024年度の間は石炭以外の代替燃料による発電ができないことから、
このことは、工業用の運転開始日を2024年度まで延期せざるを得ないことを意味した。
コルドメは、コルドメ発電所に対し年間最大750時間までのフル稼働による使用を認めるエネルギーおよび気候法に準拠し
て、RTEが定義する電力システムの要件を満たすために、2024年度まで、さらに恐らくは2026年度まで、操業を継続する。結論
として、減価償却期間の終了時期は現在のところ2026年度で据え置き、2021年度下半期から、予想される新たな運営方法を考
慮して減価償却スケジュールを調整する予定である。エココンバスト・プロジェクトに係る投資支出（約10百万ユーロ）は、
2021年６月30日現在で全額償却された。
当上半期中の主要な進行中のプロジェクトおよび投資
グラン・カレナージュ・プログラム
2014年度以来、EDFは、原子炉の安全性を高め、40年を超えて原子力発電所の稼働年数を延長することを目的とした「グラ
ン・カレナージュ」プログラムを実施している。2014年度から2025年度の期間に係る当該プログラムの費用の最新の見積り
は、2020年10月29日現在のものであり、現在のユーロで494億ユーロである。
2021年２月23日にASNは、900MWe原子炉の第４回10年検査後10年間の稼働継続の一般的な側面について、EDFが実施および推
奨した措置すべてがこれを実行可能にしたことを考慮して、意見を公表した。
2021年２月のパリュエル１号機の非常用ディーゼル発電機の運転開始後、現在56台の非常用ディーゼル発電機が稼働してい
る。
また、2019年度後半のトリカスタン１号機の後、ビュジェ２号機およびビュジェ４号機が稼働年数40年の節目に達し、2021
年度上半期中に第４回10年検査を成功させた後、再稼働した。
フラマンヴィル３EPRプロジェクト
2020 年度の進展
2020年度におけるフラマンヴィル用地の主要な進展は以下の通りであった。
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ホット機能試験の第２フェーズが2019年９月21日に開始され、2020年２月に完了した。ホット機能試験はシミュレーション
された正常操業条件下における発電所の性能を点検するものである。
Covid-19パンデミックに関連して、マンシュ地域で感染クラスターが識別された後、フラマンヴィル用地における作業は、
３月中旬から安全、危機管理および環境監視作業のみに制限された。当該用地における通常業務は、2020年５月４日から段階
的に再開され、2020年７月にほぼ正常水準に戻った。
開放型原子炉容器の機能試験は、2020年５月21日から６月25日までの間に無事に完了した。
EPRの部分的な試運転を認可するASNの10月８日付決定を受けて、最初の燃料集合体は10月26日に現地に到着し、原子炉建屋
のプール内に保管されている。
並行して、品質上の欠陥ないしEDFが定める破断防止要件への準拠性違反があった主要二次回路の非溶け込み接合部の改善作
業が継続され、ASNによる最初の承認公表後、2020年８月に数か所の接合部が修理された。EDFはまた、主要二次回路に関する
修理の範囲に、蒸気発生器への給水回路上の接合部を含めることを決定した。これらの接合部の修理手順に関する適格性認定
は、2021年度下半期中の作業実施を目標に進行中であった。この段階では、修理は二次回路の接合部100か所に関係している。
フランスの最初のナショナル・ロックダウンがフラマンヴィル・プロジェクトに与えた影響に関し、2020年度にレビューが
実施された。その結果、2019年10月に公表された燃料装荷日ないし建設費用に変更はなかったが、当該プロジェクトの予定な
いし費用にもはや余裕がないことが示された。ただし、目標の達成は、多くの要因、特にEDFが提案した主要二次回路接合部の
修理方法、具体的には溶け込み接合部の修理に係る溶接ロボットの適格性に関するASNの検証に依存する。
これらの修理作業は、遠隔操作ロボットを含む全工程の承認についてASNが最終決定を下すまで開始できず、これは2021年度
第１四半期まで延期された。当該プロジェクトのこのフェーズは、中でもEPRの予定通りの完了に関しクリティカル・パスにあ
る。当該プロジェクトの更なるレビューは2021年度に実施される。
2021 年度の進展
遠隔操作ロボットを使用した主要二次回路溶け込み接合部の修理工程は、予定より数週間遅れて2021年３月19日にASNの承認
を受け、破断防止原則に準拠していなかった８か所の接合部の作業が開始された。最初に修理された接合部は、応力除去熱処
理前の６月８日に準拠宣言を受け、他の７か所の接合部の修理は完了済ないし進行中である。
品質上の欠陥があった主要二次回路の他の非溶け込み接合部については、ASNは４月に、第３バッチの６か所の接合部に対す
る修理を承認した。現在までに承認された３バッチのうち、12か所の接合部の品質改善が完了している。ASNは４月に、関連す
る規制上のチェックを承認し、これは現在進行中である。
2021年３月２日にEDFは、ASNに対し、主要一次回路に３つのノズルを取り付ける際に（これらのノズルは当該一次回路に補
助回路を接続する)2006年度の設計基準の適用が不完全であったことについて、重要事象を申告した。ASNの要請を受けて、EDF
とFramatomeのエンジニアリング・チームが３つのシナリオを検証した。2021年６月21日にASNに対し、EDFが選択した解決策は
格納容器へのカラーの設置であることを言明するとともに当該解決策に対するASNの見解を夏の終わりまでに発行し、すべての
設計および調達活動に着手可能とすることを要請するファイルが送付された。この解決策は、当該プロジェクトの基本スケ
ジュールに適合しており、関連コストについては現在見積が行われている。
初装荷に必要な燃料集合体は当上半期中に続々と到着し、初期炉心全体が現在フラマンヴィルEPRの原子炉建屋プールに保管
されている。
主要二次回路の溶け込み接合部の修理は引き続き当該プロジェクトのクリティカル・パスにある。現在、予定ないし費用に
は余裕がない。
ヒンクリー・ポイントC
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2021年度上半期においてヒンクリー・ポイントCプロジェクトでは、現場作業、設計実行計画および設備製造に関し、引き続
き進展が見られた。最初の低圧ロータのブレードが取り付けられた。取水路および放水路の壁の45,000個のセグメントがすべ
て製作され、７月中旬には放水路のボーリングが完了した。
ヒンクリー・ポイントCの管理者は、2022年度末までに１号機のドームを設置するという目標を設定した。
12か月遅れで１号機を追う２号機においても大きな進展が見られた。
2021年度上半期も引き続き、重要なCovid対策が適用された。
2020年度において、特にこれまでのパンデミックの影響を見積るために、予定表および費用の詳細なレビューが実施され
１
た。このレビューの結論は、2021年１月27日に公表されており、その内容は以下の通りである 。
・ １号機による発電開始は、2016年度当初に発表された2025年度末に対し、現在は2026年６月と見込まれている。
２
・ プロジェクト完成費用は現在、2015年の英ポンドで220億から230億英ポンドの範囲と見積られている 。
・ １号機および２号機の商業運転日（COD）の遅延リスクは、それぞれ15か月および９か月に維持されている。このリスク
は現実化する可能性が高く、現実化した場合には、2015年の英ポンドで約７億英ポンドの潜在的な追加費用が発生す
る。
1 2021年1月27日付プレスリリースを参照。当該情報は、2021年度第２四半期から正常な現場状況に回復して開始できるこ
とを前提としている。
2 2019年９月25日付プレスリリースにて以前発表された費用は、2015年の英ポンドで215億から225億英ポンドであった。
2015年度の英ポンドにより、中間利息を除き当該プロジェクト向け参照為替レートである１英ポンド＝1.23ユーロと比
較した外国為替の影響を除いた、運営活動計画分を控除後の費用。費用は、全新規作業に係る英国の建設産出価格指数
を使用して名目見積費用を割り引くことにより算定される。
サイズウェルC
当該プロジェクトの主な特徴は、2020年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記10.6に記載されている。基礎となる仮定
は、当該プロジェクトの過半数がグループ外の投資家により所有されるというものであり、EDFは、最終投資決定時に少数株主
となり、それに対応する制限された権利を有し、その時点で当該プロジェクトを連結から除外する予定である。
EDFにおける最終投資決定は、ヒンクリー・ポイントCプロジェクトの運営管理およびこの初期段階での反復により利益を得
る能力、規制上の枠組みの定義および適切な資金調達モデル、そして投資家や貸手の当該プロジェクトへの関心に依存する。
英国における新規原子力プロジェクトを規制する法律の導入は未確定であるが、これは当該プロジェクトの資金調達に不可
欠な要件である。
英国の計画監察官は2021年４月にサイズウェルCの計画申請の審査を開始し、2022年度第２四半期中に最終決定を下す見込み
である。
10.3 無形資産および有形固定資産への投資
キャッシュ・フロー計算書に表示された無形資産および有形固定資産への投資の内訳は、以下の通りである。
2021年６月30日現在 2020年６月30日現在
（単位：百万ユーロ）
無形資産の取得
(688) (583)
有形固定資産の取得 (7,205) (6,165)
(625) (727)
固定資産未払金の変動
無形 資産 および有形 固定 資産への投資 (8,518) (7,475)
2021年度上半期中の有形固定資産および無形資産に対する投資は、主に、以下に関係している。
・ フランス―発電と供給セグメント：2,648百万ユーロ、主に「グラン・カレナージュ」プログラムに基づく投資、フラマ
ンヴィル３に関する投資、および水力発電に関する投資。
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・ フランス―規制業務セグメント：2,477百万ユーロ、主に顧客および生産者の接続に関連する投資であるが、電力網の更
新、サービス品質および電力網の近代化に向けた投資も行っている。
・ 英国セグメント：2,009百万ユーロ、主に原子力発電に関連する投資。
・ EDF Renewablesセグメント：954百万ユーロ、主に米国、欧州および新興諸国の風力および太陽光発電容量。
10.4 減損/戻入
上半期の財務諸表に係る減損テストは、価値の喪失の兆候がある場合に実施している。
Covid-19パンデミックに起因する異例の状況の中で、2020年度上半期の決算時において、マクロ経済状況（割引率）、コモ
ディティおよび電力の市場価格の変動、中期計画の調整から生じる初期の方向性、ならびに一部のグループ企業の個別の状況
を考慮に入れるために、特定のアプローチが採用された。その結果、2020年６月30日付で合計(738)百万ユーロの減損が、主に
英国において認識された。2020年12月31日現在、当グループは減損テストに通常の方法を適用し、2020年６月30日付でテスト
されたものを含む、のれんおよび無形資産の年次テストを更新した。2020年12月に認識された減損の総額は、2020年度上半期
の財務諸表で報告された金額に近い(799)百万ユーロであった。
全般的に、2021年度の市場環境と当グループ企業の営業成績から、2021年６月30日現在では潜在的な減損の兆候はなかっ
た。ただし、減損テストを必要とするいくつかの個別の状況が識別され、その結果、単一の資産に関して2021年６月30日現在
で(502)百万ユーロの減損が認識された。これらの資産の大部分は、EDF Eneergyが運営する英国の原子力発電所およびEDF
Renewablesがフランスに所有する一定の太陽光発電施設に関連している。
英国―EDF Energy
2021年６月７日にEDFは、イングランド南東部にあるダンジェネスB AGR原子力発電所を、燃料除去フェーズに移行させるこ
とを決定した。2018年９月以来、この発電所は停止延長状態にあり、その間にEDFは広範にわたる固有かつ進行中の技術的課題
を扱ってきた。多くの困難は克服されたが、新たな詳細分析から、燃料集合体に使用される部品を含む一部の主要部品におい
て、当該発電所に固有の追加リスクが明らかになった。
その結果、EDFは、当該発電所を再稼働せず、直ちに燃焼除去フェーズに移行させることを決定した。
ダンジェネスBの資産価値は、2021年６月30日時点で(441)百万ユーロにて全額償却されている。また、この発電所の早期閉
鎖により、再利用不可能な棚卸資産（燃料および予備部品）の評価損ならびに、過去の競売によりダンジェネスに帰属させた
発電容量に関連して支払うべきペナルティに対する引当金、合わせて(161)百万ユーロが認識された（注記７を参照）。また、
原子力引当金も影響を受けた（注記14.2を参照）。
英国における当グループの既存の原子力発電所は、AGR発電所７基とPWR発電所１基（サイズウェルB）から構成されている。
2009年度のBritish Energy取得以来、ONR（原子力規制局）はEDF Energyに対し、AGR発電所の当初耐用年数を、関連する安全
性および品質改善プログラムを伴って、次のように延長する権限を付与している。ハートルプールおよびヘイシャム１号機に
ついては2010年度に５年延長が認められ、2016年度にさらに５年延長が認められて2024年度まで、ハンターストンおよびヒン
クリー・ポイントBについては2012年度に７年延長が認められて2023年度まで、ヘイシャム２号機およびトーネスについては
2016年度に７年延長が認められて2030年度まで、ダンジェネスBについては2015年度に10年延長が認められて2028年度まで。
2020年８月および11月に当グループはそれぞれ、ハンターストンを2022年１月までに、ヒンクリー・ポイントBを2022年７月ま
でに早期閉鎖することを発表した。前述の通り、当グループは2021年６月にダンジェネスB発電所の早期閉鎖を発表した。現在
稼働中の他の４基のAGR発電所については、現在予想されている耐用年数に疑義を呈するような既知の情報は存在していない。
さらに、売却を進めているウエスト・バートンB（WBB）発電所について限定的な額の減損（24百万ユーロ）が認識された。
WBBについては、2013年度の運転開始以来、主にスパーク・スプレッドの不利な変動および発電容量メカニズムの生み出す追加
収益の額が不十分であったことから、複数回の減損が計上されている。
EDF Renewables
2020年12月31日現在の連結財務諸表に記載された通り、2020年12月30日付官報にて公布された2021年度のフランス財政法
は、2006年7月、2010年１月および2010年８月の料金決定（第225条）を適用して署名された購入義務契約の対象とされる
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250kWp超の太陽光発電所で生産された電力について購入料金の引下げを導入している。EDF Renewablesは、この料金改定に関
係する正味発電容量合計145MWpの太陽光発電所の独占的ないし共同所有者である。これらの措置の申請に関する様式は、CREの
意 見表明後に公布される国務院の政令において規定される予定であり、さらなる情報が入手不可能であったことから、2020年
12月31日現在の財務諸表において減損リスクを見積もることはできなかった。
2021年６月２日にフランス政府は、特に「セーフガード条項」を含む改定原則の適用方法を定める政令案および、関係する
発電所に適用される料金の条件を定め、2021年10月から適用される改定後購入料金の生産者への通知を提案する命令案に関す
る２件の協議を開始した。この政令およびこの命令は、2021年７月22日にエネルギー高等評議会（Conseil supérieur de
l'énergie）により検証された。
CREから提供された料金仮定に基づく見積りの結果、完全連結された発電所について９百万ユーロ、持分法により会計処理さ
れた投資について25百万ユーロの減損が認識された（注記11.2を参照）。
注記11．関連会社および共同支配企業に対する投資
関連会社および共同支配企業に対する投資は、以下の通りである。
2020 年６月
2021 年６月30日現在 30日現在 2020 年12月31日現在
議決権 自己資本
純利益 純利益 自己資本 純利益
比率 （純額）
注記 （％） 持分 持分 持分 （純額）持分 持分
（単位：百万ユーロ）
主要な関連会社に対する投資
CTE(1) 50.10 1,444 116 56 1,378 237
Taishan(TNPJVC)(2) 11.1 30.00 n.c. n.c 3 1,123 (12)
EDF SA保有のその他の投資
11.2 1,924 66 (16) 1,742 -
EDF Renewablesの保有投資
11.2 1,391 (65) 42 1,198 70
その他関連会社および共同支配企業に
n.c. n.c. 39 1,353 67
11.2
対する投資
小計 7,486 239 124 6,794 362
CENG（売却目的保有資産に組替） 3.2 49.99 n.a. 105 (113) n.a. 63
小計 - 105 (113) - 63
合計 7,486 344 11 6,794 425
n.a. ＝該当なし。
n.c. ＝報告なし。
(1 ）CTEの関連会社、RTE（ Réseau de Transport d'Électricité ）は、高電圧および超高電圧の公共送電網の管理に責任を有する。Enedisは
RTEの電力網を使用して配電網へ送電している。
(2) CGN （Taishanの親会社）は当グループの後に連結財務諸表を公表するため、2021年６月30日現在のTaishanに係る財務データはこの表に
報告されていない。
11.1 TAISHAN
EDFは、中国広東省の台山におけるEPR原子炉２基の建設および操業のために設立されたTaishan Nuclear Power Joint
Venture Company Limited（TNPJVC）の30％を所有している。1,750MWのEPR原子炉２基から構成される台山原子力発電所は、エ
ネルギー業界における中国とフランスの最大の協力プロジェクトである。CGNが51％、Yudeanが19％の持分を保有している。
2018年12月13日に１号機が商業運転を開始した後、続いて２号機は2019年９月７日に商業運転を開始した。2020年度には、
2020年６月29日から９月24日まで、台山１号機について燃料再装荷のための最初の運転停止があった。
2019年３月20日に、NDRC（国家発展改革委員会）は、中国における最初の３件の第３世代原子力プロジェクトに規制料金を
割り当てた。その一つがTaishanである。Taishanに割り当てられた料金は、2021年度末までMWh当たり435中国人民元に設定さ
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れ、最初のユニットが運転を開始した日（2018年12月13日）まで遡って効力を有した。2021年の翌年以後の料金に関する連動
メカニズムは、この決定では設定されず、現在も発表されていない。減損テストは、2020年度の運用を受けて調整された料金
水 準および一定の運用上の仮定に関する不確実性を考慮に入れている。
2021年６月14日に、原子炉１号機の一次回路で貴ガスの蓄積が検出された。中国生態環境部は、これは非密封の燃料棒５本
に起因すると言明した。2021年７月22日に、台山発電所の操業責任者であるTNPJVCは取締役会を開催した。この会議でEDFは、
運営者からの提供データを分析した結果、台山原子炉１号機に係る見解を説明した。台山発電所の原子炉１号機で非密封の集
合体棒が検出された後、EDFのチームは専門知識と技術を駆使してTNPJVCからの提供データ、特に一次回路水の化学組成に関す
るデータを分析し、特に当該状況の進展性を考慮して結果を評価した。EDFが入手したデータによると、一次回路水の放射化学
パラメータは、台山発電所において適用される規制上の閾値を下回っており、これは国際的な慣行と整合している。燃料棒が
完全には密封されていない事実に関してEDFが入手したデータを分析した結果、当該状況は進展の可能性があり、運営者により
継続的に監視されていることが示された。
当グループの2021年７月22日付プレスリリースに記載されている通り、実施した分析に基づけば、フランスでは、フランス
の原子力発電所に関するEDFの運営手続により、状況を正確に査定し進行を防ぐために会社は原子炉を閉鎖することとなる。台
山では、関連する決定はTNPJVCに委ねられている。
11.2 その他関連会社および共同支配企業に対する投資
EDF SA保有のその他の投資は、専用資産に含まれている（注記14.1.2を参照）。
EDF Renewables保有のその他の投資は、主に米国、欧州、中国およびブラジルに所在する。
その他関連会社および共同支配企業に対する投資は主に、以下に関連している。
・ ブラジルにおけるCompagnie Énergétique de Sinop (CES) が所有するダムで、当グループが51％を所有。
・ カメルーンのNachtigalダムで、当グループが40％を所有：2019年３月に建設が開始され、2024年初頭の運転開始が期待
される。
・ 中国におけるJiangxi Datang International Fuzhou Power Generation Company Ltd.が所有する超臨界石炭火力発電所
で、当グループが49％を保有。
2021年度上半期に、減損(101)百万ユーロが関連会社および共同支配企業に対する投資について、主に2021年２月のテキサス
州における天候危機を受けたEDF Renewables所有の米国の風力発電所、および2021年度財政法により一定施設向けに導入され
た購入義務料金の改定を受けたEDF Renewables所有のフランスの太陽光発電所に関連して計上された（注記10.4を参照）。
2020年度上半期に、減損(122)百万ユーロが関連会社および共同支配企業について、個別の状況に起因する米国およびチリの
２件のEDF Renewables施設、中国の石炭火力発電所、ならびに専用資産に含まれたEDF SA（EDF Invest）保有の一定の非上場
資産（減損(97)百万ユーロ）に関連して計上された。注記14.1.2を参照のこと。
EDF Renewablesが所有する持分法適用投資における2021年度の進展
EDF Renewables、Enbridge、wpdがカルヴァドス洋上風力発電所の建設を開始
2021年２月22日に、EDF Renewables、北米のエネルギー・インフラ企業Enbridge Inc.の子会社であるEIH S.a.r.l、および
欧州の再生可能エネルギー企業であるwpdは、カルヴァドス洋上風力発電所(Courseulles-sur-Mer)の建設事業の開始を発表し
た。この発表は、コンソーシアムおよびその財務上のパートナーとの間の資金調達契約の最終決定を受けて行われたものであ
る。
448MWのカルヴァドス洋上風力発電プロジェクトは、ベッサン海岸沖10km超に位置する64基の風力タービンから構成され、総
面積は約45km²に及ぶ。2024年度に予定されている運転開始時には、これはカルヴァドス県の人口の90％超にあたる630,000人
の年間電力消費量に相当する電力を発電する予定である。
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プロジェクト費用は総額約20億ユーロと見積られ、その大部分は非遡及型プロジェクト・ファイナンス債務により賄われる
予定である。カルヴァドス洋上風力発電所は、2018年６月にフランス政府により付与された20年間の電力購入契約（PPA）を保
有している。
当該風力発電所を洋上変電所からノルマンディーの電力網へ接続する責任を負う RTE は、2021年度第１四半期に陸上工事を開
始した。コンソーシアムは、大手供給業者との主要供給契約に署名捺印している。
すべてのプロジェクト・パートナーは、洋上風力発電所および大規模な産業プロジェクトの提供において相当な経験を有し
ている。
・ EDF Renewables は、Éolien Maritime Franceを通じてプロジェクトの42.5％を所有しており、洋上風力部門を含む再生
可能エネルギー・プロジェクトの開発、建設および運営における専門知識を提供する。
・ EIH S.a.r.lは、Éolien Maritime Franceを通じてプロジェクトの42.5％を所有しており、北米各地で大規模な再生可能
エネルギー投資を行い欧州の主要洋上風力発電プロジェクト数件へも投資している、北米をリードするエネルギー・イ
ンフラ企業Enbridge Inc.の子会社である。
・ wpd は、プロジェクトの15％を所有しており、洋上風力発電業界のパイオニアであり大手である。
EDF グループによる米国ニュージャージー州で1.5GWの洋上風力発電プロジェクトの受注
2021年７月１日に、EDFグループは、子会社であるEDF RenewablesとShell New Energies US LLC.との折半出資による共同支
配企業Atlantic Shores Offshore Wind（Atlantic Shores）を通じて、米国ニュージャージー州沖の1.5GWの洋上風力発電プロ
ジェクトを受注したことを発表した。当該プロジェクトの受注者は、ニュージャージー州公共事業委員会が選定した。
将来の風力発電所は、ニュージャージー州の沖合15kmから30kmの間に位置する。この洋上風力発電所は、米国で最も強力な
風力発電所の一つとなり、毎年700,000世帯への十分な電力供給が可能となる予定である。建設開始は2024年度に予定されてい
る。
注記12.営業債権、その他の債権およびその他の負債
12.1 営業債権
営業債権（純額）の内訳は、以下の通りである。
2021 年６月30日現在 2020 年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
営業債権－総額（EDF Tradingを除く）
14,893 14,686
－契約資産(1) 421 389
営業債権－総額（EDF Trading）
2,174 1,036
(1,222) (1,201)
減損(2)
15,845 14,521
営業債権－純額
(1 ）2021年６月30日現在、契約資産は総額421百万ユーロ (2020年12月31日現在389百万ユーロ) であり、主にFramatome、
Dalkia、EDF Renewablesおよびその他国外の事業セグメントに関係している。
(2 ）注記1.6.1を参照。
営業債権の大部分は、１年以内に期限が到来する。
フランスにおいて毎月定額を支払う顧客から受け取った前受金、2021年６月30日現在7,152百万ユーロ（2020年12月31日現在
6,782百万ユーロ）は、営業債権から控除されている。
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12.1.1 期日到来および期日未到来の営業債権
2021年６月30日現在 2020年12月31日現在
総額 引当金 純額 総額 引当金 純額
（単位：百万ユーロ）
営業債権
17,067 (1,222) 15,845 15,722 (1,201) 14,521
- 期日経過後６か月以内
1,272 (287) 985 1,249 (242) 1,007
- 期日経過後６～12か月
395 (124) 271 465 (193) 272
- 期日経過後12か月超 814 (613) 201 851 (526) 325
2,481 (1,024) 1,457 2,565 (961) 1,604
期日到来営業債権
14,586 (198) 14,388 13,157 (240) 12,917
期日未到来営業債権
12.1.2 債権の譲渡
2021年６月30日現在 2020年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
譲渡済で貸借対照表上に全額留保している営業債権
164 84
譲渡済で貸借対照表上に一部留保している営業債権 40 60
844 792
譲渡済で貸借対照表上全額認識中止した営業債権
当グループは2021年６月30日現在、主にEdison、EDF SAおよびDalkiaに関連する合計844百万ユーロの営業債権の譲渡を行っ
ていた（2020年12月31日現在792百万ユーロ）。
譲渡のほとんどは反復的に、遡及権なしで行われており、対応する債権は以後、当グループの連結貸借対照表には計上され
ない。
12.2 その他の債権
2021年６月30日現在、その他の債権は、主に、税金債権1,806百万ユーロ（2020年12月31日現在2,236百万ユーロ）および前
払費用1,500百万ユーロ（2020年12月31日現在1,457百万ユーロ）を含んでいた。また、CSPE不足額に対応する債権2,218百万
ユーロも含んでいた（2020年12月31日現在1,993百万ユーロ）(注記5.3を参照)。
EDF SAの公共サービス費用
EDF SAへの補償対象費用の2021年度上半期の額は3,855百万ユーロである。
2021年１月１日から６月30日の間の受取額は合計3,990百万ユーロであった。2021年１月１日以後、このメカニズムは、2020
年度の当初財政法を適用して、国の一般予算で全額賄われている。
また、EDFは、旧CSPEメカニズムに関連する規制化のために、2021年度上半期に255百万ユーロの金額を支払った。
2020年12月31日現在の債権1,974百万ユーロに基づいて、政府がEDF SAに対して負う営業債権の残高は、2021年６月30日現
在、2,162百万ユーロである。
最後に、公共電力サービス費用の補償に関する2016年２月18日付政令2016-158に従い、2021年７月22日にCREは、EDFの公共
サービス費用の2022年度予測（7,620百万ユーロ）、2021年度の改訂費用予測（7,142百万ユーロ）および2020年度に計上され
た実績費用（8,034百万ユーロ）を明記した2021年７月15日付決定2021-230を公表した。
フランスにおける公共電力サービス費用補償メカニズムについては、2020年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記5.4.1
に記載されている。
12.3 その他の負債
その他の負債の明細は、以下の通りである。
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2021年６月30日現在 うち契約負債 2020年12月31日現在 うち契約負債
（単位：百万ユーロ）
前受金および未成業務受入金
1,854 1,383 1,788 1,344
有形固定資産関連負債 3,638 - 4,196 -
税金負債 4,868 - 4,532 -
社会保障費 4,798 - 4,712 -
長期契約に係る繰延収益 3,337 3,289 3,290 3,233
その他の繰延収益(1) 881 456 827 430
その他 2,955 - 2,390 -
その他の負債
22,331 5,128 21,735 5,007
非流動部分
4,803 3,208 4,874 3,092
流動部分 17,528 1,920 16,861 1,915
(1 ）2020年度に受け取ったフェッセンハイム補償協定にもとづく最初の支払額を含む（注記5.3を参照）。
12.3.1 前受金および未成業務受入金
2021年６月30日現在、前受金および未成業務受入金は、Framatomeの長期契約の顧客による支払額545百万ユーロから成る
（2020年12月31日現在518百万ユーロ）。
12.3.2 税金負債
2021年６月30日現在、税金負債には、主に、供給済であるが未請求のエネルギーについてEDFが集金するCSPE税から、月次定
額分割払を行う顧客からの前受金について集金したCSPE税を控除した610百万ユーロが含まれている（2020年12月31日現在502
百万ユーロ）。
12.3.3 長期契約に係る繰延収益
2021 年６月30日現在のEDFの長期契約に係る繰延収益には、原子力発電所資金調達計画に基づくEDFに対するパートナー前渡
金1,808百万ユーロ（2020年12月31日現在1,713百万ユーロ）が含まれている。
長期契約に係る繰延収益にはまた、Exeltiumコンソーシアムとの契約に基づき2010年度にEDFグループに支払われた前渡金17
億ユーロが含まれている。この前渡金は、契約期間（24年）にわたり段階的に損益計算書に振り替えられている。
12.3.4 その他
その他の負債の表の最終行には、2021年度上半期中に受け取った投資補助金376百万ユーロ（2020年度上半期21百万ユーロ）
が含まれている。
12.3.5 契約負債
契約負債は、顧客が既に支払済みであるかまたは支払期日が到来している場合に、当該顧客に財およびサービスを供給する
会社の義務を表す。
契約負債の変動は、以下の通りであった。
当期
時の経過
2020年 当期 2021年
取消額
当期
による割 連結範囲 外国為替
12月31日 売上高 ６月30日
（売上高
引の戻入 の変更 の影響
計上額
現在 振替額 に影響し 現在
れの影響
ない）
（単位：百万ユーロ）
前受金
1,344 557 (536) (11) - 6 23 1,383
長期契約に係る繰延収益 3,233 271 (247) - 28 - 3 3,289
430 347 (311) - - (1) 2 456
その他の繰延収益
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これらの負債は、大部分の前受金および未成業務受入金1,383百万ユーロ（主にFramatome、英国およびフランス―規制業務
セグメントに関連）ならびに、大部分の繰延収益（長期およびその他の契約に係るもの）3,745百万ユーロ（主にフランス―発
電 と供給セグメントに関連）から構成されている。従ってその2021年６月30日現在の合計額は、5,128百万ユーロである（2020
年12月31日現在5,007百万ユーロ）。
期限１年超の契約で報告日現在その義務が未履行または一部履行済みである契約は、約11,420百万ユーロの売上収益を生み
出すべきものであるが、これらは未認識である。これらの売上収益のうち1,139百万ユーロは、Exeltium契約に基づいて2034年
まで段階的に認識され、残額は共同運営発電所に関連する契約についてはその運営期間にわたり、また、その他の確定販売契
約（エネルギー販売を除く）についてはその契約期間にわたり、認識される。
注記13.自己資本
13.1 資本金
2021年６月30日現在のEDFの資本金は1,578,916,053.50ユーロであり、額面0.50ユーロの全額引受済・払込済株式
3,157,832,107株から成っている。資本金のうち83.77％はフランス政府、14.85％は民間（機関投資家および個人投資家）、
1.34％は在職中および退職後の当グループの従業員、ならびに、0.04％はEDFが自己株式として所有している。
2021年６月、2020年度に係る配当の一部を株式による配当の形態で支払ったことにより、57,908,528株の新株発行を受けて
資本金が29百万ユーロ増加し、発行プレミアムが587百万ユーロを計上した。当該取引の法律上の手続は、2021年６月に完了し
た。
フランスのエネルギー法第L.111-67条に基づいて、フランス政府は常にEDFの資本の70％超を保有していなければならない。
13.2 配当
2021年５月６日の株主総会において、2020年度について１株当たり0.21ユーロの普通配当分配が決議され、現金または株式
（株式による配当オプション）による支払のオプションが株主に提供された。
当社定款の第24条を適用して、期末日現在で少なくとも２年間継続して株式を保有し、配当分配日現在も保有していた株主
は、配当の10％を特別配当として受け取る。各株主について、特別配当の受領権を有する株式の数は、当社資本の0.5％を超え
ることはできない。特別配当は１株当たり0.231ユーロである。
フランス政府は、2020年度について、株式による配当を選択した。
2020年度について株式による配当を選択しなかった株主に支払われた現金による配当の額は36百万ユーロである。
13.3 永久劣後債
13.3 .1 2021年６月30日現在の永久劣後債残高
2021年６月30日現在、自己資本に計上されている永久劣後債は、12,525百万ユーロ（税引後の取引費用控除後）である
（2020年12月31日現在11,290百万ユーロ）。
永久劣後債の発行は、2021年６月30日現在の自己資本に正味合計額1,235百万ユーロで計上された（注記13.3.2を参照）。
発行された永久劣後債の持参人に対するEDFの利息支払額は、2020年度上半期286百万ユーロおよび2020年度501百万ユーロに
対し、2021年度上半期288百万ユーロであった。この結果としての現金支払額は、対応する当グループ自己資本の減額に反映さ
れている。
2021年度下半期にEDFは、永久劣後債の持参人に対して、2020年７月の149百万ユーロに対し2021年７月に152百万ユーロの利
息を支払った。
13.3 .2 2021年度上半期中の永久劣後債の変動
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ソーシャル・ハイブリッド債の発行
2021年５月26日にEDFは、額面総額12.5億ユーロ、当初クーポン2.625％でEDFのオプションによる最初の償還日を2028年６月
１日とするユーロ建永久ソーシャル・ハイブリッド債の発行を開始した。
EDFは、７年後（すなわち2028年度）に予定されている最初の金利再設定日前およびその後は毎クーポン支払日前の60日間で
あればいつでも、このソーシャル・ハイブリッド債を現金で償還できる。
ソーシャル・ハイブリッド債による調達資金は、欧州および英国のEDFグループの発電ないし配電資産の開発ないし保守に貢
献する中小企業と契約される、EDFグループが行う資本的支出を含む適格プロジェクトの資金に充当される。今回のソーシャ
ル・ハイブリッド債の発行は、ICMA（国際資本市場協会）のソーシャル・ボンド原則およびサステナビリティ・ボンド・ガイ
ドラインに準拠し、地域の責任ある発展と産業部門の発展に関する当グループのコミットメントおよびCSR（企業の社会的責
任）戦略に合致するものである。
決済日は2021年６月１日であり、このソーシャル・ハイブリッド債は、同日付けで、ユーロネクスト・パリの組織化された
市場での売買が認められている。
この発行は、入金時に正味合計額1,235百万ユーロで自己資本に計上された。
13.4 株式転換権付グリーンボンド （OCÉANES）
2020年９月８日に、EDFは、額面2,400百万ユーロ、発行価額2,569百万ユーロで、新株式への転換および/または既発行株式
との交換可能なグリーンボンド（OCÉANEs Vertes）を発行した（2020年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記14.5を参
照）。
この社債は、費用および税金を控除後の2,389百万ユーロの「借入金およびその他の金融負債」（注記17.2.2.1を参照）と
126百万ユーロの「自己資本」に計上されている。2021年６月30日現在、社債を新株式に転換および/または既発行株式と交換
する選択権を行使した引受人がいないため、当該取引は自己資本に影響を与えていない。
注記14．原子力発電関連引当金および専用資産
原子力発電関連引当金の流動および非流動の内訳は、以下の通りである。
2021 年６月30日現在 2020 年12月31日現在
（単位：百万ユーロ） 流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
核サイクル終了引当金
1,168 26,649 27,817 1,430 26,137 27,567
1,358 31,775 33,133 723 32,196 32,919
廃炉および炉心核燃料引当金
原子力発電関連引当金 2,526 58,424 60,950 2,153 58,333 60,486
核サイクル終了引当金、廃炉および炉心核燃料引当金の変動の詳細は以下の通りである。
割引の
2020 年 その他の 2021 年
増加 減少 換算調整
12 月31日現在 変動 ６月30日現在
(単位：百万ユーロ) 影響
使用済燃料管理引当金
12,608
261 (622) 234 61 (9) 12,533
廃棄物除去および調整引当金
546
2 - 16 26 - 590
放射性廃棄物長期管理引当金
14,413
45 (197) 255 52 126 14,694
核サイクル終了引当金
27,567
308 (819) 505 139 117 27,817
原子力発電所廃炉引当金
28,036 28
(116) 569 497 (271) 28,743
炉心核燃料引当金
4,883
- (338) 51 99 (305) 4,390
32,919
廃炉および炉心核燃料引当金 28 (454) 620 596 (576) 33,133
60,486
原子力発電関連引当金 336 (1,273) 1,125 735 (459) 60,950
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EDF SA
44,822 324 (814) 732 - (1,027) 44,037
―2006 年６月28日付法律の範
43,746 303 (796) 705 - (1,027) 42,931
囲内の引当金
英国 15,280 12 (459) 389 735 568 16,525
384 - - 4 - - 388
ベルギー
EDF SAの原子力発電関連引当金の2021年度上半期における変動は、主に1300MWeシリーズ発電所の減価償却期間の延長に起因
しており、その影響額は2021年１月１日現在(1,016)百万ユーロ（注記1.6.2を参照）であった。その内訳は、廃炉引当金(916)
百万ユーロ、炉心核燃料引当金(214)百万ユーロおよび放射性廃棄物長期管理引当金114百万ユーロであった。
原子力発電関連引当金への影響は、主に支払予定時期の差異（引当金の割引による影響）に起因し、また、特定年度に中間
貯蔵または最終貯蔵に送られる廃炉廃棄物の増加を反映した軽微な見積改定も含まれる。これは、廃棄物発送の流れを円滑化
するための工業的解決策を必要とする。
原子力発電関連引当金の減少(1,016)百万ユーロは、以下の通り表示されている。
・ 関連する原子力資産と見合いの引当金の変動として「その他の変動」に(1,031)百万ユーロ。
・ 純損益を通じて調整された引当金の「増加」および「減少」に15百万ユーロ。
14.1 フランスにおける原子力発電関連引当金および専用資産
14.1.1 原子力引当金
核サイクル終了、発電所廃炉および炉心核燃料引当金の測定は、技術的な工程、費用、インフレ率、長期割引率、現在稼働
中の発電所の減価償却期間および支出スケジュールに関する仮定の影響を受ける。最終的に当グループが負担するコストの最
善の見積額を引き当てることを確保するために、決算日毎に見積りの改定を行っている。
フランスにおける原子力引当金の規制および契約の枠組みならびに引当金の主要な計算方法は、2020年12月31日現在の連結
財務諸表に対する注記15.1.1に記載されている。
環境法第594-4条に基づく権限に従って、2020年６月に、DGECはEDFの永久に閉鎖される原子力施設の解体作業の評価につい
て外部監査を委託し、専門会社の共同体が実施した。この監査は2020年12月に開始して、2021年度上半期末に終了した。最終
の監査報告書は間もなく公表される予定である。監査対象の引当金について、2021年６月30日現在の引当金の調整を要するよ
うな重要な影響はないものと見込まれる。
割引率およびインフレ率
割引率およびインフレ率の計算方法は、2020年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記15.1.1.5に記載されている。
これらの方法を適用して、2021年６月30日現在の割引率は3.4％（2020年12月31日現在3.3％）、仮定したインフレ率は1.3％
（2020年12月31日現在1.2％）であり、従って、実質割引率は2.1％で変更されていない。
割引率の規制上の制限
原子力費用の資金確保に関する2020年７月１日付政令および2020年７月１日付省令は、２つの規制上の制限に従った割引率
を要求している。それは以下より低くなければならない。
・ 現在は実質値、即ちインフレ控除後で表示される規制上限。この値は、欧州保険・企業年金監督機構（EIOPA）が発表す
る該当日現在に適用される最終的フォワード・レート（UFR）の算定に使用された実質長期金利に関する予想を表す四捨
五入前の値に150ベーシス・ポイントを加算した値に相当する。この上限は2024年から適用される。2024年までは、当該
上限は2.3％と上記計算値の加重平均である。2.3％の率に適用される加重は、2020年50％、2021年25％、2022年12.5％
および2023年6.25％に設定されている。
・ 負債を填補する資産（専用資産）の予測収益率。
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UFRを参照して計算された上限割引率は、2021年６月30日現在2.8％（2020年12月31日現在2.66％を切り上げた2.7％）であ
る。
コスト、インフレ率、長期割引率および支出スケジュールに関する仮定に対する感応度は、年度末の経済状況に基づいて見
積られた総額とその金額の現在価値との比較により見積ることができる。
2006年６月28日付法律の範囲内の原子
2021年６月30日現在 2020年12月31日現在
力発電関連引当金
年度末の経済状況 引当金の 年度末の経済状況 引当金の
に基づく費用 現在価値 に基づく費用 現在価値
（単位：百万ユーロ）
使用済燃料管理
19,652 10,122 18,998 10,246
- 営業サイクルに関連しない金額 2,745 1,313 2,727 1,297
36,127 13,495 35,580 13,300
放射性廃棄物長期管理
核サイクル終了費用 55,779 23,617 54,578 23,546
現在稼働中の原子力発電所の廃炉
20,012 12,028 19,693 12,775
閉鎖された原子力発電所の廃炉 7,405 4,742 7,400 4,714
4,288 2,544 4,258 2,711
炉心核燃料
廃炉および炉心核燃料費用 31,705 19,314 31,351 20,200
2006 年６月28日付法律の範囲内の原
42,931 43,746
子力発電関連引当金
2021年１月１日付で1300MWeシリーズ発電所の減価償却期間を延長したことによる調整を除き、2021年度上半期には見積りに
目立った進展がなく実質割引率も安定していたことから、原子力引当金にはほとんど変動がなかった。
2020年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記15.1.1.5には、割引率が±20bp変動した場合の現在価値への影響が記載さ
れている。
14.1.2 EDFの専用資産
EDFは、長期の原子力関連債務（具体的には、原子力発電所の廃炉および放射性廃棄物の長期管理）の資金確保のための金融
資産ポートフォリオを構築した。
このポートフォリオの主な特徴、その管理原則および適用される法規は、2020年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記
15.1.2に記載されている。
14.1.2.1 2021年度上半期の専用資産の変動
専用資産による引当金の補填率が2020年12月31日現在100％超であったため（103.6％）、2021年度にはEDFは専用資産ポート
フォリオへの追加義務を課されず、2021年度上半期の配分はなかった（2020年度上半期は113百万ユーロ、2020年度は797百万
ユーロが配分された）。
2021年度の期首時点ではCovid-19の状況はまだ不安定であったが、欧米諸国におけるワクチン接種キャンペーンが経済活動
の力強い回復への期待を支え、急速な改善の見通しが市場を後押しした。その回復は、米国では既に始まっており、欧州でも
ロックダウンが解除されるにつれ顕在化している。当上半期において、株式市場は14.7％上昇し（MSCIオール・カントリー・
ワールド・インデックスが先進国の外国為替リスクの50％をヘッジした）、金利にも大きな圧力がかかった。
すべての株式市場で上昇が見られたが、米国および欧州の市場が他の市場、特に日本の市場を凌いだ。
債券市場では、ドイツの10年物金利が＋0.4％、米国の金利が＋0.5％上昇した。こうした金利上昇は景気循環のこの段階で
は自然であるが、緩和的な金融政策を維持したい中央銀行によって引き続き厳重に監視されている。インフレ数値の驚異的な
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上昇にもかかわらず、中央銀行の支援によって金利の上昇が抑えられている。中央銀行は、このインフレ率の上昇を一時的な
ものと考えている。
2021年度上半期中に、EDF Investは、英国のEnergy Assets Groupへの追加投資（持分所有比率には変更なし）を通じてス
マート・メーターに対し、また少数株主持分や多様な非上場投資ファンド持分の取得を通じてフランスおよびドイツの不動産
に対し、非上場資産ポートフォリオを引き続き拡大した。
専用資産ポートフォリオ（投資ファンドおよび株式）の公正価値における1,836百万ユーロの正の変動（2020年度上半期は
(830)百万ユーロの負の変動、2020年度は1,218百万ユーロの変動）は、2021年度上半期の金融損益に認識された（注記8.2を参
照）。
専用資産ポートフォリオ（債券）の公正価値における(182)百万ユーロの負の変動（2020年度上半期は９百万ユーロ、2020年
度は62百万ユーロの正の変動）は、2021年度上半期のOCIに認識された（注記17.1.2を参照）。
2021年度上半期の専用資産からの引出額は、填補すべき長期原子力債務に関連する2021年度上半期の支払額と同額の合計245
百万ユーロ（2020年度上半期261百万ユーロ、2020年度431百万ユーロ）であった。
14.1.2.2 EDFの専用資産の評価
EDFの専用資産は以下の価額で当グループの連結財務諸表に含まれている。
2021年６月30日現在 2020年12月31日現在
実現可能 実現可能
連結貸借対照表表示 帳簿価額 価額 帳簿価額 価額
（単位：百万ユーロ）
利回り資産（EDF Invest） 4,936 6,898 4,677 6,420
CTE 関連会社に対する投資(1)
1,444 3,045 1,378 2,788
その他の関連会社 関連会社に対する投資(2) 2,168 2,470 1,974 2,252
負債証券および持分証券な
その他の非上場資産 1,339 1,398 1,309 1,364
らびにその他の純資産(3)
(15) (15) 16 16
デリバティブ
デリバティブの公正価値
14,705 14,705 13,692 13,692
成長資産
投資ファンド中の株式 負債証券 14,340 14,340 13,174 13,174
非上場株式ファンド（EDF Invest）
404 404 330 330
負債証券
(39) (39) 188 188
デリバティブ
デリバティブの公正価値
14,300 14,300 13,736 13,736
固定収益資産
債券 負債証券
12,548 12,548 12,371 12,371
非上場債券ファンド（EDF Invest）
負債証券 166 166 155 155
現金ポートフォリオ 負債証券 1,575 1,575 1,185 1,185
11 11 25 25
デリバティブ
デリバティブの公正価値
33,941 35,903 32,105 33,848
専用資産合計
(1) RTE株式100％所有会社であるCTEの50.1％に関する当グループの投資。CTE株式は、その持分の価額が連結財務諸表に計上
されている（上表の帳簿価額）。上表のCTEの実現可能価額は、EDF Investの他の資産と同様の方法により、独立の査定
人により決定されている。
(2) これらの投資を所有する被支配会社の自己資本持分価額を含む。
(3) 負債証券および持分証券1,213百万ユーロならびにその他の被支配会社の自己資本持分価額を含む。
2021年度および2020年度上半期における専用資産ポートフォリオの構成は以下の通りである（実現可能価額）。
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14.1.3 EDFの長期原子力債務の填補率
原子力発電に関する専用資産の規則が関係するフランスにおける当グループの長期原子力債務は、以下の価額でEDFグループ
の連結財務諸表に含まれている。
（単位：百万ユーロ） 2021年６月30日現在 2020年12月31日現在
使用済燃料管理引当金－規制が定める営業サイクルに関係しない部分
1,313 1,297
放射性廃棄物長期管理引当金 13,495 13,300
原子力発電所廃炉引当金 16,770 17,489
炉心核燃料引当金－放射性廃棄物長期管理の将来費用部分 549 590
長期原子力債務の現在原価
32,127 32,676
専用資産の実現可能価額
35,903 33,848
規制上の填補率
111.8 ％ 103.6 ％
2021年６月30日現在、規制上の計算に基づき、引当金の111.8％が専用資産によって填補されていた。2021年６月30日現在、
環境法に定める一定の投資の実現可能価額に係る規制上の上限は遵守されていた。
2020年12月31日現在、規制上の計算に基づき、引当金の103.6％が専用資産によって填補されており、これらの実現可能価額
に係る規制上の上限も遵守されていた。
14 .2 EDF Energyの原子力引当金
EDF Energyの発電所の核サイクル終了および廃炉引当金に関連する規制および契約の枠組みは、2020年12月31日現在の連結
財務諸表に対する注記15.2に記載されている。
EDF Energyは2019年度以来、当該再編契約について、適格費用の効率的な回収を確実なものとし、かつAGR発電所を燃料除去
終了時点でその後の廃炉作業のため原子力廃止措置機関（NDA）に移転するための条件を明確化する、変更および明確化に合意
することを目的として、英国政府と協議を重ねている（2020年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記15.2を参照）。
2021年６月23日に、EDF Energyと英国政府は当該契約の更新に署名し、EDFが燃料除去業務を全面的に実施してすべての関連
適格費用を原子力負債基金（NLF）から回収することを確認し、燃料除去フェーズ後はAGR発電所の所有権および責任を英国政
府に移転してその後は英国政府が廃炉の責任を引き受け関連費用を負担する旨を正式に規定した。
これらの契約の署名の結果、廃炉引当金ないしNLFおよび英国政府からの払戻額を示す債権への即時の会計上の影響はない。
原子力廃炉負債および関連資産は、当該契約の運用開始フェーズ中に認識中止される。
さらに、2020年度初頭にEDF Energyは、燃料除去負債の更新である廃炉計画提出（DPS 20）のフェーズ１を実施した。DPS
20のこのフェーズは2021年６月にNDAの承認を受けた。フェーズ２は2021年度末までに実施される予定であり、その対象はAGR
発電所の廃炉業務およびサイズウェルBの廃炉、ならびに未契約責任解除計画の更新である。
最後に、2021年６月７日にダンジェネスB発電所を燃焼除去フェーズに移行させることを決定した後（注記10.4を参照）、原
子力引当金は以下の影響を受けた。
・ 炉心核燃料引当金の減少338百万ユーロ。原子炉内に残存する核燃料在庫について計上された減損に相当する（注記14の
表の「減少」の列）。
・ 当該発電所の早期閉鎖に伴う廃炉引当金の増加665百万ユーロ（ならびに対応するNLFおよび英国政府からの払戻額を示
す債権への調整）（注記14の表の「その他の変動」の列）。
EDF Energyの原子力引当金すべてに適用された全体の実質割引率は、2021年６月30日現在1.8％であり、2020年12月31日現在
から変更されていない。
注記15．従業員給付引当金
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15.1 当グループの従業員給付引当金
2021 年６月30日現在 2020 年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
従業員給付引当金－流動部分
843 879
従業員給付引当金－非流動部分 19,783 22,130
従業員給付引当金
20,626 23,009
15 .1.1 引当金の変動の内訳：債務、制度資産、純負債
債務 制度資産 純負債
（単位：百万ユーロ）
46,558 (25,274) 21,284
2020 年12月31日現在従業員給付純負債(1)
2021年度上半期純費用 783 (151) 632
数理計算上の損益 (2,842) 217 (2,625)
雇用主による拠出 - (153) (153)
4 -
(4)
従業員による拠出
給付支払額 (870) 207 (663)
換算調整 476 (544) (68)
(71) 2 (69)
その他の変動
44,038 (25,700) 18,338
2021 年６月30日現在従業員給付純負債
このうち：
従業員給付引当金 20,626
(2,288)
非流動金融資産
(1）2020年12月31日現在の純負債は従業員給付引当金23,009百万ユーロおよび非流動金融資産(1,725)百万ユーロから構成さ
れており、その純額は負債21,284百万ユーロであった。
2021年度上半期の債務に係る数理計算上の損益は(2,842)百万ユーロであり、以下のものを含んでいる。
・ 以下の結果であるフランスにおける(2,171)百万ユーロ
・ 割引率の変動（+40bp）による(2,848)百万ユーロ
・ インフレ率の変動(+10bp)による677百万ユーロ
・ 英国における(647)百万ユーロ。基本的に割引率とインフレ率の変動に関連する（注記15.2を参照）。
2021年度上半期の制度資産に係る数理計算上の損益は217百万ユーロである。これは主に、金利上昇に伴う債券市場の低迷の
結果、負債対応投資が不利な影響を受けたが成長資産の良好な運用成績により一部相殺されたことによる英国における変動105
百万ユーロおよびフランスにおける変動125百万ユーロによるものである。
英国での展開
EDF Energyは、確定給付年金制度であるEEGS、EEPSおよびBEGGを終了し、新たな確定拠出年金制度である「my Retirement
Plan」に置き換えることを決定した。
この決定は、保護された年金受給権を持つ従業員（引き続き既存の確定給付年金制度における将来の発生給付の恩恵を受け
る）を除くすべての従業員に適用される。
従業員との協議の結果、従業員は2021年７月１日または2022年１月１日のいずれかに新制度に加入する。
現行の年金制度は、その日までに権利が確定したものについては有効であり、対応する債務は割引率やインフレ率の変動に
ついて調整されるが、新規加入者や昇給による影響は受けない。
IAS第19号を適用して、2021年６月30日現在で当該新制度について再表示した結果、過去勤務費用の減少による債務の減少35
百万ユーロが、純損益に認識された。
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また、EDF Energyは、この変更に関連して、従業員に移行賞与を支給することを決定した。個々の賞与の額は、各従業員の
新制度加入日に依存する。2021年６月30日現在の財務諸表において、未払負債(82)百万ユーロが「人件費」に認識されてい
る。
15 .1.2 雇用後およびその他の長期従業員給付
2021 年度上半期 2020 年度上半期
（単位：百万ユーロ）
当期勤務費用
(569) (479)
過去勤務費用 35 -
数理計算上の損益－その他の長期給付 (1) (55)
制度の縮小または清算による影響 (3) -
(538) (534)
営業費用として計上された費用純額
利息費用（割引の影響）
(245) (325)
151 195
制度資産の運用収益
(94) (130)
金融損益に含まれた利息費用純額
損益計算書に計上された従業員給付費用 (632) (664)
数理計算上の損益－雇用後給付 2,842 (948)
制度資産に係る数理計算上の損益 (217) 937
数理計算上の損益 2,625 (11)
(63)
68
換算調整
2,693 (74)
自己資本に直入された従業員給付に係る損益
2021年度上半期中において、従業員給付純負債の地域ごとの内訳に重要な変動はなかった（2020年12月31日現在の連結財務
諸表に対する注記16.1.1を参照）。
15 .2 数理計算上の仮定
数理計算上の仮定の決定方法は、2020年12月31日現在から変更されていない。
従業員給付の評価に使用された主要な仮定は以下の通りである。
フランス 英国
2021 年 2020 年 2021 年 2020 年
（％）
６月30日現在 12月31日現在 ６月30日現在 12月31日現在
割引率／資産の運用収益率(1)
1.30％ 0.90％ 1.90％ 1.45％
インフレ率 1.30％ 1.20％ 2.84％ 2.53％
2.40％ 2.30％ 2.57％ 2.37％
昇給率(2)
(1) 資産から生じる受取利息は割引率を使用して計算されている。この受取利息と資産の運用収益との間の差額は自己資本に
計上されている。
(2) インフレおよび全勤務期間にわたる予測を含む平均昇給率。
注記16．その他の引当金および偶発債務
2020年12月31日現在
2021 年６月30日現在
（単位：百万ユーロ） 注記 流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
その他の施設廃止引当金
86 1,787 1,873 120 1,744 1,864
3,246 3,680 6,926 2,675 3,630 6,305
その他の引当金 16.1
その他の引当金合計 3,332 5,467 8,799 2,795 5,374 8,169
16.1 その他の引当金
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その他の引当金の変動は、以下の通りである。
2020年 減 少
2021年
範囲の その他の
12月31日 増 加
６月30日
変更 変動
使用 戻入
（単位：百万ユーロ）
現在
現在
子会社および投資関連リスク引当金
801 178 (16) - - (24) 939
税金負債引当金(法人所得税を除く) 166 - (23) - - 1 144
訴訟引当金 392 32 (26) (15) - (7) 376
不利契約および完成時損失引当金 1,890 10 (79) (184) 1 8 1,646
環境計画関連引当金 1,192 1,019 (445) (4) - 47 1,809
1,864 434 (235) (59) (7) 15 2,012
その他のリスクおよび負債引当金
合計 6,305 1,673 (824) (262) (6) 40 6,926
不利契約引当金
不利契約引当金は、主に当グループのLNG業務（長期LNG購入契約およびDunkerque LNGとの長期再ガス化契約）に起因してい
る。
2021年６月30日現在、米国からの長期LNG供給契約に係る引当金が認識された。これは、依然として非常にボラティリティの
高い市場において、米国/欧州の中期および長期のスプレッドが大幅に改善したことを受けたものである。
環境計画関連引当金
環境計画関連引当金には、該当ある場合に、温室効果ガス排出権、再生可能エネルギー証書および省エネ証書に関する引当
金が含まれている。この期間における引当金の増加は、主に英国における再生可能エネルギー証書の割当に対応している。再
生可能エネルギー証書制度に基づく義務の多くは、無形資産に計上される購入証書により賄われている。
その他のリスクおよび負債引当金
これらの引当金は事業に関係する多様な偶発事象および費用（従業員利益分配への雇用主のマッチング拠出、事業再編成、
約定保守義務等）を対象としている。個別の引当金には重要性はない。
非常に稀な状況では、情報開示によって当グループが著しい損害を受けることとなり得る場合、引当金が対象とする特定の
訴訟に関する記載を財務諸表注記に含めないことが認められる。
16.2 偶発債務
16.2.1 税務調査―EDF
2008年度から2017年度の期間について、EDFは、特に特定の長期負債の損金算入可能性に関する修正勧告の通知を受けた。
2019年度の財務諸表に記載した通り、この反復的な再査定は各年に適用され、2019年12月31日現在では、法人所得税における
約556百万ユーロの累積的財務リスクに相当した。2017年度に下された２件および2019年度に下された１件の判決において、モ
ントルイユ行政裁判所は、これらの負債の損金算入可能性を認め、当社の取った立場の正当性を追認した。当該大臣は当該２
件の判決に対して控訴した。2020年１月にヴェルサイユ行政裁判所は、2008年度についてEDFの立場を支持したが、当該大臣は
控訴した。2020年12月11日付決定において、国務院はヴェルサイユ裁判所の決定を覆し、同裁判所に当該訴訟を差し戻した。
2021年６月17日、同裁判所は当社に不利な判決を下し、それまで当社に有利であった一審判決を取り消した。この判決によ
り、７月に374百万ユーロが支払われた。当社は、国務院に上訴する可能性がある。
EDFは、この争議に関連して、2020年度の財務諸表において510百万ユーロの純税金負債を認識した。
2012年度から2017年度の期間について、フランスの税務当局は当社に対し、企業付加価値税（Cotisation sur la Valeur
ajoutée des Entreprises）に関する一定の反復的な税務再査定を通知し、長期引当金の損金算入可能性に疑義を唱えた。
16.2.2 ARENH争議―不可抗力事由
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Covid-19パンデミックおよび2020年３月17日からフランスの公的機関により導入された緊急措置により、非住宅顧客による
電力消費量が減少し、これがEDFを含むすべての市場関係者に影響を与えた。
この電力消費量の減少に直面して、一部の供給業者は、ARENHメカニズムの下で2019年11月にEDFから購入した電力量を削減
することの不可抗力事由を理由に、約定コミットメントの再検討を求めた。
フランスのエネルギー規制委員会（CRE）の３月26日付決定を確認し、４月17日にフランスの国務院は、関係するエネルギー
供給業者が被った損失は「数か月間にわたり事業の存続を（中略）脅かすようなものであった」こと、ないし「これらの損失
は、主務裁判官が当該請求につき判決を下すために必要な期間中に、かかる影響を与える可能性があった」ことが立証されな
かったことを考慮し、２つのエネルギー供給業者協会により提起された申立を却下した。
2020年５月20日、26日および27日に、略式手続の後、パリ商事裁判所は、Alpiq、GazelおよびTotal Direct Energieとの
ARENH契約について、フランス政府による緊急措置の導入は当該契約の一時停止を必然的に伴い、不可抗力事由を構成するとの
判決を下した。2020年７月28日、パリ控訴裁判所は、緊急申請裁判官の決定を支持した。EDFはこの判決に対し上訴した。
Total Direct Energieは当該進行中の手続において残存する唯一の当事者である。
1
2020年６月２日 にEDFは、エネルギー供給業者であるAlpiq、GazelおよびTotal Direct Energieに対し、当該契約が２か月を
超えて一時停止された場合に認められることとして、ARENH契約の終了を通知した。この決定は、EDFの権利を保護するための
予防措置として行われた。
1 2020年６月２日付プレスリリース「EDFがエネルギー供給業者３社にARENH契約の終了を通知」を参照。
この終了に対し緊急申請裁判官に異議が申し立てられ、同裁判官は、2020年７月１日にTotal Direct Energieに関して判決
を下し、EDFの契約終了通知の効力を一時的に差し止めた。2020年11月19日にパリ控訴裁判所はその判決を覆し、EDFが2020年
６月２日に通知した終了の効力を回復した。
その一方で、エネルギー供給業者３社は６月中旬に、EDFに対し不可抗力事由の終了を通知し、ARENH引渡しが再開された。
CREは、当期末のTotal Direct EnergieへのARENH引渡しを一時停止する旨のEDFの要請を、11月19日のパリ控訴裁判所の決定を
適用して認めなかったことから、2020年12月10日にEDFは、国務院に対し、CREの決定の取消しを求めて権力の濫用に関する訴
訟を提起した。
これらの供給業者３社に対する約15日間の引渡停止（略式手続にてパリ商事裁判所が下した判決から供給業者による不可抗
力事由終了通知まで）およびTotal Direct Energieへの引渡しの継続は、EDFにとって、2020年12月31日現在における数千万
ユーロの逸失利益に相当する（当該期間中にARENH価格ではなく市場価格で販売された電力量の価格の影響による）。
2020年９月下旬には、Ohm Energieによって、不可抗力により2020年４月から６月までのARENH引渡しの一時停止をEDFが要請
したことからEDFが違法に引渡しを継続したとの主張により、ARENH量に係る支払の猶予を求めるさらなる略式手続が開始され
た。2020年10月23日、パリ商事裁判所はOhm Energieの主張をすべて却下した。
これらの裁判所の判決は、略式手続において下されたものであり、暫定的である。これらは、根本的な問題を解決するもの
ではない。当事者それぞれの立場に十分な根拠があるかどうかについては、問題の本質に関する訴訟のみが最終判決を下すこ
とができる。
現在までに、一部の代替供給業者はEDFに対し、不可抗力条項に基づいてARENH引渡しの一時停止を拒否したことにより不利
益を被ったとして、EDFに損害賠償を求める訴訟をパリ商業裁判所に提起している。2021年４月13日、パリ商業裁判所は、EDF
に対し、代替供給業者１社に5.88百万ユーロの損害賠償を支払うよう命じる第一審判決を下した。同裁判所は、不可抗力の条
件が満たされていたと判断し、ARENH引渡しを継続することで、EDFは責任を負うべき契約違反を犯したと結論付けた。EDFはこ
の判決に対し、パリ控訴裁判所に控訴している。その他の訴訟は係属中である。
16.2.3 EDISON
AUSIMONT （BUSSI用地）の売却
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フランス電力(E05969)
半期報告書
2002年にEdisonがAusimont SpAコンビナートをSolvay Solexis SpAへ売却した後、民事、行政および刑事裁判所に対し、いく
つかの訴訟が提起された。以下の訴訟手続が依然として係属中である。
・ ２件の行政訴訟
・ 2018年２月28日に、ペスカーラ県は、Solvay Speciality Polymers Italy SpA (旧Solvay Solexis SpA)およびEdison
SpAに対し、売却したAusimont SpAの工業団地外の所有地の汚染に対する責任者を決定する行政手続の開始を通知し
た。同県はまた、Edisonに対し、該当する土地上の廃棄物の除去を命じた。Edisonは、この命令を不服として、最初
にペスカーラ地方行政裁判所に、次いでイタリア国務院に控訴を申し立てた。2020年４月に、国務院は当該請求を棄
却したが、Edisonは当該判決を不公正かつ違法であると考えて、破毀院、国務院および欧州人権裁判所にその取消申
請を提出した。国務院に対する申請は棄却された。その他の手続は係属中である。
その一方で、Edisonは、管轄行政と合意して当該用地を安全な状態にするための作業を開始した。具体的には、
Edisonは、汚染区域の防止策（カバー）を完了し、浅水域のポンプおよびストック・システムを再稼働させ、土壌の
更なる深部検査を行った。さらに、当社は最近、廃棄物の処理および管理に関連する環境修復のフェーズ１の計画を
環境省に提出した。
2021年６月11日に、国務院は、これらの地域の修復作業に係る統合契約のベルギー企業Dec Demeへの発注取消しに
関連したアブルッツォ州TARの決定に異を唱えた環境省の訴えを却下する判決を下した。
Edisonは、2020年４月の国務院の決定を受けて、これらの地域を安全かつ修復された状態にするために上述の作業
を既に開始していたが、関係行政がどのように進めるかを待っている。
・ 2019年12月18日付発表により、ペスカーラ県は、Edison SpAに対し、当該工業団地内に所在する土地の汚染除去を命
じた。Edisonはこの命令に対し、ペスカーラ地方行政裁判所に異議を申し立てており、当該手続は係属中である。
・ １件の仲裁訴訟：当該売却契約に含まれていたBussiおよびSpinetta Marengo用地に関する環境問題の表明および保証に
Edisonが違反したとして、2012年に、Solvay SAおよびSolvay Specialty Polymers Italy SpA（Ausimont購入者）により仲
裁手続が開始された。
2021年６月末に、国際商工会議所の国際仲裁裁判所事務局は、Edisonに対し、2001年に署名されたAusimont売却契約に
基づきMontedisonが行った環境保証に関連してSolvay Specialty Polymers Italyが主張した請求をほぼ認めた上で、2002
年５月（閉鎖日）から2016年12月までの期間について、Edisonに91百万ユーロの賠償金の支払を命じた仲裁裁判所による
部分裁定を通知した。
仲裁裁判所は、2016年12月後の期間にSolvay Specialty Polymers Italyが被った損害および当事者が負担した弁護士
費用の定量化については、当事者がこの点で合意に達した場合を除いて、今後の仲裁の段階へと持ち越した。本裁定に
は、仲裁裁判所メンバーの１人による反対意見が付されている。
・ １件の民事訴訟：2019年４月８日に、イタリアの環境大臣は、環境災害に関する損害賠償を求めて、Edisonを相手取って
民事訴訟を提起した。当該手続は係属中である。
マントヴァ―刑事および環境に関する手続
刑事手続
マントヴァの検察庁は、マントヴァ石油化学工場の特定の地域で発生したとされる環境犯罪を主張して、また2001年度政令
231にも立脚して、2015年度以降Edisonに勤務している、または勤務していた一部の執行取締役および一部のEdison代表者に対
して、刑事手続を開始することを決定した。このようなマントヴァ県の命令は、後述の通り、2020年４月の国務院の判決によ
り追認された。予備審問は2021年９月10日に予定されている。
マントヴァ石油化学工場は、1990年以降はEdisonが（Montedisonの後継者として）所有も管理もしていないが、環境浄化お
よび回復活動の大規模かつ複雑なプログラムの対象となっており、そのすべての地域が検察官の開始した手続の対象とも見な
されている。ENIグループがこれらの活動を開始した。当該浄化プロジェクトが昨年６月にEdisonに移管されてからは、上述の
国務院の判決を受けて、Edisonが当該活動の大部分を実施している。
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環境手続
過去数年間にわたり、イタリアのマントヴァ県は、Edisonに対し、ENIおよびイタリア環境省により署名された当該環境問題
に関する２本の和解契約にもかかわらず、1990年度にMontedisonがENIグループに売却した土地およびマントヴァの石油化学用
地全体を修復する旨の８本の命令を通知した。
Edisonは、これらの判決すべてを不服として、ロンバルディア地方行政裁判所のブレシア支部に上訴したが、2018年８月に
当該上訴は棄却された。その後、Edisonは当該問題をイタリア国務院に提起した。
国務院は2020年４月１日付判決においてEdisonの訴えを棄却したため、最初の決定が支持された。Edisonは破毀院および国
務院自体に控訴を追求した。ただし、上述の通り、Edisonは、以前の運営者から引き継いで一連の入札を進め、既に現地にて
浄化作業を開始している。
16.2.4 フランスの競争当局（「ADLC」）による調査
フランスの競争当局（ADLC）は現在、４件の個別事項に関連してEDFグループを調査している。
１件目は、エネルギー・サービス市場におけるEDFおよび一部の子会社の商慣行に関するもので、2016年10月17日にXélanが
提出した訴状を受けたものである。この訴状を受けてADLCは、2016年11月22日および23日にEDFおよび子会社数社の敷地内で捜
索および押収作業を行った。EDFおよび子会社は、当該捜索および押収手続に対し、ヴェルサイユ控訴裁判所に異議申立ての訴
えを提出した。2018年４月12日および2019年１月10日に下された命令において、ヴェルサイユ控訴裁判所長官は、当該捜索お
よび押収手続を認める命令およびその実施方法に対する訴えを棄却した。EDFおよび子会社によるフランス最高裁判所への更な
る上告は、2021年１月20日付決定により棄却された。
２件目の調査は、2017年６月19日にEngieが提出した訴状を受けたものであり、EDFの電力およびガスの小売販売に関する商
慣行、特に当該料金が廃止目前であった2015年度末から規制「緑色」および「黄色」料金を支払っている顧客のファイルへの
アクセスを、EDFが要求に応じて電力供給会社に提供した状況に関連している。2016年11月に行われた捜索および押収作業で集
められた文書がEngie訴訟において使用された。2021年５月27日に、EDF、Dalkia、Dalkia Smart Building、Citelumおよび
Chamは、電気およびガス小売の供給市場、マルチ技術管理/保守およびエネルギー最適化サービス、ならびに省エネ証書の発行
につながるエネルギー制御措置に関するADLCの異議について通知を受けた。この異議通知は、双方が主張を提示する手続の第
一段階であり、最終的な結果を示すものではない。
３件目の調査は、2019年11月４日のADLCへの職務上の照会を受けたもので、温熱ネットワーク運営のためのパートナーシッ
プ形成に関するものである。2021年５月３日に、EDF、Dalkia、Electricité de Strasbourg、ES Services Energétiquesおよ
びEDEVは、ADLCの異議通知を受けた。これは、双方が主張を提示する手続の第一段階であり、最終的な結果を示すものではな
い。
４件目の調査は、接続容量が36kVa未満の非住宅顧客に対するEDFの電力供給オファーの価格設定方針に関するもので、2020
年９月14日付のPlüm Energieによる訴状を受けたものである。この訴状には、ADLCに緊急措置を取らせることを意図した予防
的暫定措置の申請書が添付されていた。2021年２月18日、ADLCはPlümの暫定措置申請を棄却した。当該訴状の本案に関する調
査は継続中である。
ADLCがこれらの調査のいずれかにおいて、問題の本質を検証後に、反競争的行為が行われていたと結論づけた場合には、フ
ランス商法第464-2条を適用して、当グループの全世界の税引後売上高の10％までの制裁金が課される可能性がある。
上述の手続を除き、2021年度上半期中において、2020年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記17.3に記載された当グ
ループの偶発債務に他の重要な変更はなかった。
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注記17．金融資産および負債
17.1 金融資産
17.1.1 流動および非流動金融資産の内訳
流動および非流動金融資産の内訳は、以下の通りである。
2021年６月30日現在 2020年12月31日現在
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
（単位：百万ユーロ）
リサイクルを伴うOCIを通じて公正価値で
10,401 6,312 16,713 13,044 5,696 18,740
測定する商品
リサイクルを伴わないOCIを通じて公正価
33 240 273 34 228 262
値で測定する商品
1,518 24,425 25,943
純損益を通じて公正価値で測定する商品 2,556 22,807 25,363
負債証券または持分証券 11,952 30,977 42,929 15,634 28,731 44,365
トレーディング・デリバティブ－正の公
9,609 - 9,609 5,038 - 5,038
正価値
ヘッジ目的デリバティブ－正の公正価値 (1) 3,516 2,823 6,339
1,625 3,814 5,439
貸付金および金融債権 (2) 1,838 16,836 18,674 1,235 15,070 16,305
流動および非流動金融資産 26,915 50,636 77,551 23,532 47,615 71,147
(1 ）純負債額に含まれる負債をヘッジするデリバティブ 3,692 百万ユーロを含む(注記 18.2 を参照)。
(2) 2021 年６月30日現在(390)百万ユーロの減損を含む（2020年12月31日現在(432)百万ユーロ）。
17.1.2 負債証券および持分証券
負債証券および持分証券の詳細は以下の表の通りである。
2020年
2021年６月30日現在 12月31日現在
リサイクルを伴う リサイクルを伴わ
OCIを通じて ないOCIを通じて 純損益を通じて
公正価値で 公正価値で 公正価値で
（単位：百万ユーロ）
測定するもの 測定するもの 測定するもの 合計 合計
負債証券および持分証券
6,413 - 23,833 30,246 28,398
EDFの専用資産
10,233 - 1,482 11,715 15,028
流動性の高い資産
67 273 628 968 939
その他の資産(1)
16,713 273 25,943 42,929 44,365
合計
(1) 非連結会社に対する投資。
EDFの専用資産に関する詳細な情報は、注記14.1.2に記載されている。専用資産に関する全体的な管理方針は、2020年12月31
日現在の連結財務諸表に対する注記15.1.2に記載されている。
自己資本に計上された公正価値の変動
期中の負債証券および持分証券の公正価値の変動は、以下のように自己資本（EDF持分）に計上された。
2021年度上半期 2020年度上半期
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リサイクルを リサイクルを
リサイクルを
伴わないOCI 伴わないOCI
リサイクルを
伴うOCIを
を通じて測定 を通じて測定
伴うOCIを 純損益に 純損益に
通じて測定
するものに するものに
通じて測定 リサイクル リサイクル
するものに計
計上された 計上された
された公正 された公正
するものに計上 上された公正
公正価値の 価値の 公正価値の 価値の
された公正価値 価値の変動総
の変動総額(1) 変動総額(1) 変動総額(2) 額(1) 変動総額(1) 変動総額(2)
（単位：百万ユーロ）
(148) - 34 79 - 70
EDFの専用資産
(26) - 8 (49) - 9
流動性の高い資産
- 15 - - 6 -
その他の資産
(174) 15 42 30 6 79
負債証券および持分証券 (3)
(1) +/( ) ：自己資本（EDF持分）の増加/(減少)
(2) +/( ) ：純利益（EDF持分）の増加/(減少)
(3) 関連会社および共同支配企業を除く。
2021年度上半期におけるリサイクルを伴うOCIを通じて測定するものに計上された公正価値の変動総額（損益への組替前）
は、主にEDFに関係している（専用資産分(182)百万ユーロを含む、(216)百万ユーロ）。2020年度上半期におけるリサイクルを
伴うOCIを通じて測定するものに計上された公正価値の変動総額は、主にEDFに関係している（専用資産分９百万ユーロを含
む、(49)百万ユーロ）。
2021年度上半期に計上された重要な減損はなかった。
17.1.3 貸付金および金融債権
貸付金および金融債権は以下から構成されている。
2021年６月30日現在 2020年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
14,631
NLF向け債権
13,034
貸付金および金融債権－その他 4,043 3,271
貸付金および金融債権
18,674 16,305
2021年６月30日現在、貸付金および金融債権には、主に以下が含まれている。
・ 2021年６月30日現在総額14,631百万ユーロ（2020年12月31日現在総額13,034百万ユーロ）の原子力長期債務の填補の
ための原子力負債基金NLFおよび英国政府からの払戻債権を示す金額（対象となる引当金と同じ割引率による割引後）
（注記14.2を参照）。
・ その他の貸付金および金融債権には、特に以下のものが含まれている。
・ EDF EnergyのEEGSGおよびBEGG年金制度の積立超過額2021年６月30日現在2,288百万ユーロ（2020年12月31日現在
1,725百万ユーロ）。
・ 長期原子力債務の填補のためにLuminusがSynatomに支払った前払金に相当する276百万ユーロ（2020年12月31日現
在263百万ユーロ）。Luminusの財務諸表上、これらの金額は、積立対象である引当金と同じ割引率により割り引
かれている。この債権は、LuminusのためにSynatomが保有する基金資産の公正価値に相当する。
・ EDF Renewablesがプロジェクト開発業務の過程で、主にフランスおよび北米の風力発電所に関連しておこなった
貸付金2021年６月30日現在388百万ユーロ（2020年12月31日現在382百万ユーロ）。
17.2 金融負債
17.2.1 流動および非流動金融負債の内訳
流動および非流動金融負債の内訳は、以下の通りである。
2021年６月30日現在 2020年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
非流動 流動 合計 非流動 流動 合計
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借入金およびその他の金融負債
52,204 9,299 61,503 54,066 11,525 65,591
トレーディング・デリバティブ
- 10,888 10,888 - 5,125 5,125
-負の公正価値
ヘッジ・デリバティブ-負の公
573 2,949 3,522 1,833 959 2,792
正価値(1)
金融負債
52,777 23,136 75,913 55,899 17,609 73,508
(1 ）純負債額に含まれる負債をヘッジするために使用されたデリバティブ861百万ユーロを含む(注記18.2を参照)。
17.2 .2 借入金およびその他の金融負債
17.2 .2.1 借入金およびその他の金融負債の変動
金融機関
からの その他の
債券 借入金 金融負債 リース負債 未払利息 合計
(単位：百万ユーロ)
50,196 3,297 6,571 4,307 1,220 65,591
2020 年12月31日現在残高
増加 3 789 312 402 49 1,555
減少 (3,384) (469) (1,768) (365) (135) (6,121)
換算調整 338 46 81 28 1 494
連結範囲の変更 - 139 (9) (8) - 122
公正価値の変動 (362) - (17) - - (379)
- (2) 287 (38) (6) 241
その他の変動
46,791 3,800 5,457 4,326 1,129 61,503
2021 年６月30日現在残高
債券の変動は、2021年１月の(20)億ユーロおよび2021年４月の(14)億ユーロを含む、当年度中に行われた返済34億ユーロに
よるものである。
キャッシュ・フロー計算書に表示された借入債務の発行および返済の内訳は以下の通りである。
金融機関
ヘッジ・
2021 年
からの その他の
デリバティブ
債券 借入金 金融負債 リース負債 の終了 ６月30日現在
(単位：百万ユーロ)
借入債務の発行 3 789 312 - - 1,104
(3,384) (469) (1,768) (365) 24 (5,962)
借入債務の返済
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17.2 .2.2 借入金およびその他の金融負債の期日
金融機関
からの その他の
債券 借入金 金融負債 リース負債 未払利息 合計
(単位：百万ユーロ)
2,371 577 4,917 642 792 9,299
１年未満
9,745 1,484 218 2,279 114 13,840
１年から５年
34,675 1,739 322 1,405 223 38,364
５年超
借入金およびその他の金融
46,791 3,800 5,457 4,326 1,129 61,503
負債、2021年６月30日現在
17 .3 未使用与信枠
2021年６月30日現在、当グループは多様な銀行との間に、総額10,757百万ユーロ（2020年12月31日現在11,110百万ユー
ロ）の未使用与信枠を有している。この総額はESG基準に連動する与信枠6,400百万ユーロを含むが、この全額は2021年６月
30日現在未使用である（2020年12月31日現在5,650百万ユーロ）。
2020 年
2021 年６月30日現在 12月31日現在
期限
合計 合計
（単位：百万ユーロ） １年未満 １年－５年 ５年超
確認与信枠 10,757 2,954 7,453 350 11,110
17 .4 借入金およびその他の金融負債の公正価値
2021 年６月30日現在 2020 年12月31日現在
公正価値 貸借対照表価額 公正価値 貸借対照表価額
（単位：百万ユーロ）
71,061 61,503 75,680 65,591
借入金およびその他の金融負債
17.5 ヘッジ・デリバティブの公正価値
自己資本（EDF持分）および純損益に計上されたヘッジ・デリバティブの公正価値の変動は、以下の通りである。
2021年度上半期 2020 年度上半期
自己資本に 利益に振替ら 自己資本に 利益に振替ら
利益に振替ら 利益に振替ら
計上された れた公正価値 計上された れた公正価値
れた公正価値 れた公正価値
公正価値の の変動総額 - の変動総額 - 公正価値の の変動総額 - の変動総額 -
（単位：百万ユーロ）
変動総額(1) リサイクル(2) 非有効部分 変動総額(1) リサイクル(2) 非有効部分
金利ヘッジ
36 - - - - -
為替ヘッジ 1,441 248 (29) 885 (41) (3)
在外純投資ヘッジ (666) - - 497 - -
(65) 367 (5) 951 982 (3)
コモディティ・ヘッジ
ヘッジ・デリバティブ(3) 746 615 (34) 2,333 941 (6)
(1) +/( )：自己資本（EDF持分）の増加/(減少)。
(2) +/( )：純利益（EDF持分）の増加/(減少)。
(3) 関連会社および共同支配企業を除く。
2021年度上半期にコモディティ・ヘッジに関連して減価償却費および償却費控除前営業利益に振り替えられた金額は367百万
ユーロであり、以下のものから構成される。
・ 主にフランス―発電と供給セグメントに関する二酸化炭素ヘッジ契約521百万ユーロ
・ 主にフランス―発電と供給および英国セグメントに関する電力ヘッジ契約(120)百万ユーロ
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・ その他のヘッジ契約(34)百万ユーロ
注記18. 財務指標
財務指標は会計基準に定義されておらず、当グループの財務諸表上には直接表示されていない。主な財務指標は以下の通り
である。
18.1 非経常項目を除く純利益
非経常項目を除く純利益は、非経常項目を除く純利益に対する当グループの持分（EDFの純利益）、トレーディング業務を除
くエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動、ならびに負債性および資本性金融商品の公正価値の純
変動（税引後）に対応する。
以下の表は、EDFの純利益から非経常項目を除く純利益への経過を示している。
2021 年６月30日現在
2021年度上半期
注記 総額 法人所得税 非支配持分 EDFの純利益
（単位：百万ユーロ）
純利益
4,172
負債商品および資本性金融商品の公正価値の変動(1) 8.2 (1,917) 524 3 (1,390)
エネルギーおよびコモディティ・デリバティブの純変
6 541 (148) - 393
動（トレーディング業務を除く）
減損 603 (125) (66) 412
－固定資産の減損(2) 10.4 502 (125) (66) 311
－関連会社および共同支配企業に対する投資の減損 11.2 101 - - 101
その他の項目 160 20 (27) 153
－その他の営業収益および営業費用(3) 7 92 (1) (27) 64
－フランスの火力発電所の加速償却 10.2 72 (20) - 52
(4)
(4) 41 - 37
－その他
純利益－非経常的項目を除く 3,740
(1) 専用資産の公正価値ヘッジならびに関連会社および共同支配企業に対する投資に含まれる負債商品および資本性金融商品
の公正価値の変動を含む。
(2) 2021年度上半期における減損は、ダンジェネス発電所資産についての(441)百万ユーロを含む。
(3) 2021 年度上半期におけるその他の営業収益および費用は主に、ArevaとEDFとの間の支払補償契約を適用して受け取った505
百万ユーロ、ダンジェネスの早期閉鎖に関連する費用(161)百万ユーロ、フラマンヴィル３EPRの主要な二次回路の接合部
の修理作業に関連する例外的な追加費用総額(278)百万ユーロを含む。
(4) この金額は、イタリアの資産の税務上の再評価を受けて認識された税金利益（2023年度からの英国の税率引上げによる不
利な影響相殺後）を含む（注記９を参照）。
2021年６月30日現在の非経常項目を除く純利益は3,740百万ユーロであり、2020年度上半期と比較して2,473百万ユーロ増加
した。
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2020 年６月30日現在
2020年度上半期
注記 総額 法人所得税 非支配持分 EDFの純利益
（単位：百万ユーロ）
純利益
(701)
負債商品および資本性金融商品の公正価値の変動(1) 8.2 914 (248) (7) 659
エネルギーおよびコモディティ・デリバティブの純変
6 323 (74) - 249
動（トレーディング業務を除く）
減損 988 (141) (123) 724
－固定資産の減損 10.4 738 (141) (120) 477
－関連会社および共同支配企業に対する投資の減損 11.2 122 - - 122
－EdisonのE&P事業の減損(IFRS第5号の適用) 3.2.2 128 - (3) 125
その他の項目 290 44 2 336
－その他の営業収益および営業費用(2) 7 153 (43) 2 112
－フランスの火力発電所の加速償却 10.2 103 (29) - 74
－英国の法人所得税率の変更 - 122 - 122
－その他 34 (6) - 28
純利益－非経常的項目を除く 1,267
(1) 専用資産の公正価値ヘッジならびに関連会社および共同支配企業に対する投資に含まれる負債商品および資本性金融商品
の公正価値の変動を含む。
(2) 2020年度上半期におけるその他の収益および費用は特に、フラマンヴィル３EPRの主要な二次回路の接合部の修理作業に
関連する例外的な追加費用総額(146)百万ユーロを含む。
18.2 純負債額
純負債額は、借入金および金融負債の合計から、現金および現金同等物ならびに流動性の高い資産を控除したものから成
る。流動性の高い資産は、ファンドまたは利付証券からなる、当初の満期３か月超で、容易に換金でき、流動性重視の方針に
従って運用されている金融資産である。
純負債額は以下の通りである。
注記 2021年６月30日現在 2020年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
借入金およびその他の金融負債 61,503 65,591
17.2.2
17.1.1および
負債のヘッジに使用されたデリバティブ (2,831) (1,986)
17.2.1
現金および現金同等物 (5,928) (6,270)
負債証券および持分証券－流動性の高い資産 17.1.2 (11,715) (15,028)
(22) (17)
売却目的保有資産の純負債額
41,007 42,290
純負債額
当グループの純負債額は、2021年６月30日現在41,007百万ユーロ（2020年12月31日現在42,290百万ユーロ）である。2021年
６月30日現在の減価償却費および償却費控除前営業利益に対する純負債額の比率は2.21である（2020年12月31日現在2.61）。
2021年６月30日現在の比率は2020年度下半期と2021年度上半期の減価償却費および償却費控除前営業利益累計額に基づき計算
されている。
注記19．オフバランスシート・コミットメント
本注記は、2021年６月30日現在の当グループのオフバランスシート・コミットメント（付与および受取）を示している。コ
ミットメントの金額は割引前の契約価額に相当する。
19.1 コミットメント（付与）
注記 2021 年６月30日現在 2020 年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
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業務コミットメント（付与）(1)
19.1.1 17,881 17,151
投資コミットメント（付与） 19.1.2 17,166 16,494
資金供与コミットメント（付与） 6,021 5,536
19.1.3
コミットメント（付与）合計
41,068 39,181
(1 ）燃料およびエネルギー購入ならびに借手としてのリースを除く。
ほぼすべての場合、これらは双務契約であり、関連する第三者が、営業、投資、財務活動に関連して当グループに資産また
はサービスの供給を行う契約義務を負っている。
19.1.1 業務コミットメント（付与）
19.1.1.1 燃料およびエネルギー購入コミットメント
2020年12月31日現在におけるコモディティ、エネルギーおよび核燃料購入（ガス購入および関連サービスを除く）コミット
メントは24,715百万ユーロであり、2021年度上半期に重要な変動はなかった。
19.1.1.2 業務契約履行コミットメント（付与）
2021年６月30日現在、当該コミットメントの期限は以下のように到来する。
2020 年
2021 年６月30日現在 12月31日現在
期限
合計 合計
（単位：百万ユーロ） １年未満 １年－５年 ５年超
業務保証(付与)
9,483 2,347 2,479 4,657 9,185
業務購入コミットメント(1) 8,191 4,872 2,687 632 7,720
207 53 87 67 246
その他の業務コミットメント
業務契約履行コミットメント(付与)(2) 17,881 7,272 5,253 5,356 17,151
(1）燃料およびエネルギーは除外されている。
(2）被支配事業体から共同支配企業へ付与されたコミットメント、2021年６月30日現在1,826百万ユーロ（2020年12月31日現
在1,714百万ユーロ）を含む。
事業の過程で、当グループは、通常、銀行を仲介として、契約履行保証を行っている。
業務保証は、2021年６月30日現在、主に、EDF、Edison、EDF EnergyおよびEDF Renewablesによりその開発プロジェクトに関
連して付与された保証から成っている。これらの保証の変動は、基本的に、特に米国において開発中のEDF Renewableの新プロ
ジェクトによるものである。
19.1.1.3 リース・コミットメント（借手）
2020年12月31日現在、貸借対照表に認識されないリース・コミットメント(借手)は総額369百万ユーロであり、2021年度上半
期中に重要な変化はなかった。
19.1.2 投資コミットメント（付与）
2021年６月30日現在における投資コミットメントの詳細は、以下の通りである。
2020 年
2021 年６月30日現在 12月31日現在
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期限
合計 合計
（単位：百万ユーロ） １年未満 １年－５年 ５年超
有形および無形資産購入関連コミットメント 15,894 9,042 6,321 531 15,625
金融資産購入関連コミットメント 1,143 472 576 95 716
129 129 - - 153
投資に関連するその他のコミットメント
17,166 9,643 6,897 626 16,494
投資コミットメント（付与）合計(1)
(1）被支配事業体から共同支配企業へ付与されたコミットメント、2021年６月30日現在206百万ユーロ（2020年12月31日現在
212百万ユーロ）を含む。
有形および無形資産購入関連コミットメントの増加は、主としてユーロに対する英ポンドの上昇、および、より少ない程
度で、EDF SAの原子力発電所の保守契約に関連している。これらの増加はEDF Energy（ヒンクリー・ポイントCの建設の進捗に
よる）およびEnedis（リンキーのスマート・メーター展開の継続による）が付与したコミットメントの減少によって一部相殺
された。
金融資産購入関連コミットメントの増加は、主に、EDF InvestによるコンソーシアムでのOrange Concessionsの少数持分取
得コミットメントによるものである。Orange Concessionsは、電気通信運営業者であるOrangeが、同社の光ファイバー技術を
フランス農村部に届けるための光ファイバー投資を所有するために設立した会社である。この取引は2021年度下半期に完了す
る予定である。
19.1.3 資金供与コミットメント（付与）
2021年６月30日現在の当グループによる資金供与コミットメント（付与）は、以下のものから成る。
2020 年
2021 年６月30日現在 12月31日現在
期限
合計 合計
（単位：百万ユーロ） １年未満 １年－５年 ５年超
不動産担保権
4,264 361 2,169 1,734 4,179
借入金関連保証 1,277 44 516 717 949
その他資金供与コミットメント 480 393 35 52 408
資金供与コミットメント（付与）合計(1)
6,021 798 2,720 2,503 5,536
(1）被支配事業体から共同支配企業へ付与されたコミットメント、2021年６月30日現在1,488百万ユーロ（2020年12月31日現
在1,156百万ユーロ）を含む。共同支配企業に対するこれらの資金供与コミットメントは、主に、EDF Renewablesに関連
している。
担保権および保証として提供された資産は、主として、EDF Renewablesの有形資産の担保権または抵当権、および有形固定資
産を所有する連結子会社への投資を表す株式に関係する。資金供与コミットメント（付与）の増加は、主にEDF Renewablesに
関係し、フランス、米国およびブラジルにおける同社のプロジェクトの進展に関連するコミットメントに関係する。
19 .2 コミットメント（受取）
以下の表は評価されている当グループのオフバランスシート・コミットメント（受取）を示している。
2021 年６月30日現在 2020 年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
業務コミットメント（受取）(1)
7,995 7,397
投資/撤退コミットメント（受取） 1,004 132
資金供与コミットメント（受取） 37 31
コミットメント（受取）合計(2)
9,036 7,560
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(1 ）エネルギー供給および関連サービスに関連するコミットメントならびに貸手としてのオペレーティング・リース・コミッ
トメントを除く（2020年12月31日現在711百万ユーロ）。
(2 ）注記17.3に記載された与信枠に関連するコミットメントを除く。
業務販売コミットメント（受取）は、エネルギー引渡しを除き、基本的に、Framatomeで出来高基準により計上される契約を
通じて行われる確定注文（建設およびエンジニアリング契約）およびEDF Renewables（運営サービス、保守サービス、ならび
に、仕組資産の開発および売却契約）に関連している。
投資/撤退コミットメント（受取）の増加は、進行中のDalkia Wastenergyおよびウエスト・バートンBの売却によるものであ
る（注記3.1を参照）。この売却の完了は、前提条件とEDFが所有する有価証券の買戻契約に関連する受取保証の充足を条件と
する。
注記20．後発事象
他の注記に記載されたものを除き、2021年６月30日後の進展はなかった。
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２【その他】
( １) 後発事象
後発事象の詳細な記述については、本書「 第３ ３（３）⑧後発事象 」および 2021 年６月30日 現在の要約中間連結財務書類の
注記20 を参照。
( ２) 訴訟
EDFグループに関する主要な訴訟は、2020年度有価証券報告書の「第一部 第６ ３（２）訴訟」に記載されている（ 2021 年６
月30日 現在の要約中間連結財務書類の 注記16.2および注記5.1.1も 参照。 ）。
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３【日本の会計原則とIFRSとの相違】
EDFグループの2021年６月30日現在の連結財務諸表は、国際的な会計基準の適用に関する2002年７月19日付欧州規則
1606/2002に準拠して、2021年６月30日現在において国際会計基準審議会（IASB）により公表され、欧州連合により適用の承認
がなされている国際的な会計基準に準拠して作成されている。これらの国際的な会計基準は、IAS（国際会計基準）、IFRS（国
際財務報告基準）ならびに解釈指針（SICおよびIFRIC）である。本中間連結財務諸表は、IAS第34号「期中財務報告」に従って
いる。そのためこれらの財務諸表は、正式な年次財務諸表に要求される情報のすべてを含むものではなく、2020年12月31日現
在の連結財務諸表とあわせて読まれるべきものである。
これらの会計原則は日本において一般に公正妥当と認められる会計原則（以下「日本の会計原則」という。）とは、いくつ
かの点で異なる。本書記載の財務諸表に関する主な相違点は以下のとおりである。
(1) 連結財務諸表
(a) 連結財務諸表作成における在外子会社および関連会社の会計処理の統一
IFRSでは、連結財務諸表は、同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、統一的な会計方針を用いて作成され
る。
日本の会計原則では、連結財務諸表作成上、同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、親会社および子会社
が採用する会計方針は、原則として統一されなければならない。ただし、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成におけ
る在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」により、在外子会社の財務諸表がIFRSまたは米国で一般に公正妥当と
認められる会計原則に準拠して作成されている場合、および国内子会社が指定国際会計基準または修正国際基準に準拠し
た連結財務諸表を作成して有価証券報告書により開示している場合には、日本の現行の会計基準との整合性を維持するた
めに一定の項目について修正すること（のれんの償却、退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理、研究開発費
の支出時費用処理など）を条件として、これらの財務諸表を連結決算手続上利用できるとされている。
また、同一環境下で行われた同一の性質の取引等についての投資会社および持分法適用関連会社が採用する会計方針
は、企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」に従って統一することが要求されているが、その際には実務対応報
告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」に従って、在外関連会社の財務諸表がIFRSまたは米国
会計基準に準拠して作成されている場合、および国内関連会社が指定国際会計基準または修正国際基準に準拠した連結財
務諸表を作成して有価証券報告書により開示している場合については上記の実務対応報告第18号で規定される在外子会社
等に対する当面の取扱いを適用することができる。
(b) 連結方法
IFRSに基づき、当グループは、子会社、関連会社および共同支配企業に対する投資、ならびに共同支配事業に対する投
資について、以下の会計処理を行っている。
・ 被支配企業
子会社は、当グループが独占的支配を行使する会社であり、完全連結されている。当グループは、以下の３つの条件が
充足された場合に、当該企業を支配している。
- 当該企業に対するパワーを有している。
- 当該企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有している。
- 投資者のリターンの金額に影響するようにパワーを用いる能力を有している。
当グループは、支配の判定に際し、すべての事実および状況を考慮する。他の当事者による行使の場合も含め、すべて
の実質上潜在的に行使可能である議決権も考慮される。
・ 関連会社および共同支配企業に対する投資
関連会社は当グループが財務および営業の方針に重要な影響力を行使するが独占的支配または共同支配のいずれも有し
ていない企業である。当グループの投資が20％以上である場合には、重要な影響力が存在すると推定される。
共同支配企業は、当該企業に対して共同支配を行使する当事者（共同支配投資者）が、当該企業の純資産に対する権利
を有しているパートナーシップである。共同支配とは、少数のパートナーまたは株主によって共同で運営される企業の支
配を共有する契約上の合意であり、そのため、財務および営業の方針は当事者全員の同意による。
関連会社および共同支配企業に対する投資は持分法により会計処理されている。これらは、取得後に生じた純資産持分
に係る調整後、該当する場合には減損控除後の取得原価で貸借対照表に計上される。純利益に対する持分は、損益計算書
の「関連会社および共同支配企業の純利益に対する持分」に計上される。
・ 共同支配事業に対する投資
共同支配事業は、当該事業体に対して共同支配を行使する当事者（共同支配事業者）が、当該事業体の資産に対する直
接的な権利および負債に対する義務を有している共同支配の取り決めである。当グループは、共同支配事業の事業者とし
て、その投資に関連する資産および負債ならびに収益および費用を勘定科目ごとに報告する。
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日本の会計原則では、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、実質支配力基準により連結の
範囲が決定され、支配の及ぶ会社（子会社）は連結の範囲に含まれる。ただし、子会社のうち支配が一時的であると認め
ら れる企業、または連結することにより利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれのある企業については、連結の範囲に
含めないこととされている。また、非連結子会社および重要な影響力を与えることができる会社（関連会社）について
は、持分法の適用範囲に含める。なお、日本においても、IFRSの共同支配企業に該当するものには持分法が適用される。
共同支配事業を定義する会計基準はないが、IFRSの共同支配事業に該当しうる組合等への出資については、その持分に係
る資産および負債ならびに収益および費用を、原則として純額で計上することが定められている。
(c) 非支配持分および非支配持分に帰属する純利益の表示
IFRSでは、非支配持分は連結貸借対照表および連結自己資本変動計算書上、自己資本の一項目として表示される。連結
損益計算書上の「グループの純利益」および「純利益および自己資本直入損益計算書」の「純利益および自己資本直入損
益」には親会社の純利益および非支配持分に帰属する純利益の両方が含まれる。
日本の会計原則では、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、当期純損益には非支配株主に
帰属する当期純損益が含まれるが、非支配株主持分は子会社の資本のうち親会社に帰属しない部分であり、連結貸借対照
表および連結株主資本等変動計算書上では株主資本とは区別される。
(2) 企業結合
(a) 事業の定義
欧州連合により2020年４月21日に採択された「企業結合―IFRS第３号の改訂：事業の定義」は、2020年１月１日以後に
生じた企業結合に適用され、事業の取得と資産グループの取得との区別を明確化することを意図している。それらは、企
業が事業（または業務）ではなく単一の識別可能な資産または類似する識別可能な資産のグループを取得したのか否かに
ついて、取得した総資産の公正価値のほとんどすべてが単一の資産または類似する資産のグループに集中しているか否か
に基づいて決定する集中度テストの使用を認めている。
日本の会計原則においては、事業は、企業活動を行うために組織化され、有機的一体として機能する経営資源と定義さ
れているが、事業の取得と資産グループの取得との区別を明確化する基準は設定されていない。
(b) 子会社の資産および負債の評価ならびに非支配持分の算定
IFRSでは、IFRS第３号「企業結合」により、子会社の資産および負債は結合日時点の時価により評価され、非支配持分
は当該時価に非支配持分割合を乗じて算出される（全面時価評価法）。非支配持分は、公正価値（全部のれん方式）また
は被取得企業の純資産の公正価値の持分割合（部分のれん方式）のいずれかによる評価が認められる。この選択は取引毎
に行われる。
日本の会計原則においても、企業結合においては、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に従って、
全面時価評価法が適用されている。ただし、全部のれん方式を適用することは認められず、部分のれん（購入のれん）方
式により親会社持分に対応するのれんのみが計上される。
(c) 取得に直接起因する関連コスト
取得に直接起因する関連コストは、IAS第32号およびIFRS第９号に準拠して計上が求められる債券または資本性金融商品
の発行費を除き、発生した期間の費用として扱われる。
ただし、非支配持分の取得または処分で企業の支配の喪失とならないものに直接要した取引コストは、当該企業の期中
の活動による損益には含まれず、資本に計上される。
日本の会計原則においても、取得関連費用は発生した事業年度の費用として処理するが、社債発行費または株式交付費
（(13)を参照）については繰延資産として計上することもできる。
(d) のれんの償却
IFRSでは、のれんは償却されず、少なくとも年に１度、減損テストの対象とすることが要求される。
日本の会計原則では、のれんを20年以内に定額法その他合理的な方法で規則的に償却することが要求されている。のれ
んの未償却残高は、減損処理の対象となる。
(3) 異常損益項目の分類
IFRSでは「異常損益項目」という概念は存在しない。
日本の会計原則では、異常損益項目は、臨時的かつ金額的に重要な損益項目、すなわち、特別損益項目として定義されて
いる。かかる項目には、固定資産売却損益、売買目的以外に分類される投資有価証券の売却損益、前期損益修正損益、災害
による損失等が含まれるが、これに限らない。
(4) 売上高
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IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に基づき、売上高は、基本的に、エネルギー販売（最終顧客向けおよびトレー
ディング活動の一環としての）、送配電網の使用に関連した引渡しサービス、ならびに接続サービスによる収益から成る。こ
れらはまた、その他のサービスおよび財の引渡しによる収益、主にエンジニアリング、運営および保守サービス、エネルギー
販 売に関連したサービス、発電所またはその主要部品向けの設計、引渡しおよび試運転サービスによる収益を含む。エネル
ギー販売に係る収益は、顧客への引渡しが実行された時点で認識される。
供給済であるが未計測かつ未請求のエネルギーの量は、消費統計および販売価格見積りを用いて計算され、これに基づいて
売上高に認識される。
IFRS第15号の本人か代理人かの区別に係る規定に準拠して、エネルギー引渡しサービスは、以下のいずれかに該当する場合
に、売上高に認識される。
・ これらのサービスを、エネルギー供給サービスと区別できない場合、または
・ エネルギー供給サービスと区別でき、特にサービス実施のリスクを負担するかまたは最終顧客への引渡し料金を設定
できることを理由に、当該事業体が本人とされる場合。
一部のグループ企業がそのリスク管理方針の下で実施するエネルギー・トレーディング業務および最適化取引は、購入額差
引後の純額で認識される。
その他のサービスまたは財の引渡しによる売上収益は、契約の分析に基づき、以下の３つの場合に、時の経過に従って認識
される。
・ 当グループがサービスを実施した時点で、顧客が同時に、当該サービスにより生み出されるすべての便益を受け取
り、かつ費消する場合（特に運営および保守サービスの場合）。
・ 供給する財またはサービスを他の顧客に再配分できず、当グループがその時点までに実施した作業に対する支払いに
権利を有する場合（特に発電所または一顧客のために特別に設計された主要部品向けの一定の設計、引渡しおよび試
運転業務の場合）。
・ 当該サービスが資産（財またはサービス）を生み出すかまたは向上させ、顧客が当該サービスの実施が進むに従い、
その支配を獲得する場合。
日本の会計原則では、2018年３月30日に企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」およびその適用指針（合わせ
て「同基準等」）が公表され、2021年４月１日以後開始する年度の期首から適用されるが、早期適用も認められている。同
基準等は、IFRS第15号の基本的な原則を取り入れることを出発点とし、これまで日本で行われてきた実務等に配慮すべき項
目がある場合には、比較可能性を損なわせない範囲で代替的な取扱いを追加することを基本的な方針として開発が行われて
いる。同基準等に基づくと、約束した財またはサービスを顧客に移転することにより履行義務を充足した時に、または充足
するにつれて、充足した履行義務に配分された額で収益を認識するものとされ、供給済であるが未計測かつ未請求のエネル
ギーについてはIFRS第15号による会計処理と同様の会計処理が行われることとなる。
同基準等の適用前においては、売上高は実現主義の原則に従い、一般に商品等の販売または役務の給付によって実現した
ものについて計上されるが、電力料売上高は検針日基準（実現主義の一形態であり、電気・ガス・水道会社において適用さ
れる。）で収益計上され、期末日現在で供給済であるが未計測かつ未請求の電力料に係る売上高は計上されない。
(5) 研究開発費
IFRSでは、研究費は発生した期に費用として計上される。IAS第38号の下で資産計上に適格な開発費は無形資産に計上さ
れ、予測可能な有効期間にわたり定額法で償却される。
日本の「研究開発費等に係る会計基準」では、研究開発費はすべて発生時に費用として処理することを求めている。ただ
し、企業結合により被取得企業から受け入れた研究開発に係る資産は、その他の限られた項目と合わせて、その適用範囲か
ら除かれている。
(6) リース取引
(a) 契約にリースが含まれているか否かの判定
IFRS第16号に基づいて、契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合に
は、当該契約はリースであるかリースを含んでいるとされる。法形式上はリース契約ではないが、資産または特定の資産
グループの使用を支配する権利を購入者に与える識別された取決めは、当グループによりリースとして取り扱われ、IFRS
第16号を参照して分析される。
日本においては、法形式上はリース契約ではないがリースとして認識すべき契約に関する上記のような会計基準はな
い。
(b) 借手としてのリース契約の認識
IFRS第16号は、短期リースおよび少額資産リースを除くすべてのリースを、当該リース資産が利用可能となった時点
で、使用権資産（「グループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産」に表示）および当該リース・コミットメ
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ントに係る対応する金融負債（「流動および非流動金融負債」に表示）として、借手の貸借対照表に認識することを求め
ている。
リースの当初認識において、使用権資産およびリース負債は、関連するオプションが行使されることが合理的に確実で
ある場合にはリースの更新または解約に関する仮定を考慮に入れた上で、リース期間にわたる将来支払リース料を割り引
くことにより評価される。
一般に、リースの計算利子率を算定することは困難であることから、リース負債を割り引くために、借手の追加借入利
子率が使用される。この利子率は、EDFのゼロ・クーポン債金利を基礎とし、これを当該契約の当初認識日現在の通貨リス
ク、カントリー・リスク・プレミアム、リース契約期間および当該子会社の信用リスクについて調整したものである。一
定の場合には、子会社固有の追加借入利子率を基礎とする。
その後、使用権資産は予想リース期間にわたり償却され、リース負債は償却原価、すなわち金融損益に認識された利息
を加算し、支払ったリース料の額を減算した額をもって計上される。
当グループは、IFRS第16号により認められた２つの免除規定の適用を決定したため、期間が12か月以下のリースおよび
新規個別価額が5,000米ドル未満の資産のリースは、貸借対照表に認識しない。従って、これらのリースに係る支払は、
リース期間にわたり定額法により損益計算書に認識される。
日本では、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」により、リース取引は、「特定の物件の所有者たる貸
手が、当該物件の借手に対し、合意された期間にわたりこれを使用収益する権利を与え、借手は、合意された使用料を貸
手に支払う取引」と定義されている。借手は、リース取引をファイナンス・リース取引とそれ以外の取引（オペレーティ
ング・リース取引）に区分する。ファイナンス・リース取引とは、解約不能かつフルペイアウトの要件を満たすものをい
い、ファイナンス・リース取引に該当するかどうかについてはその経済的実質に基づいて判断すべきものであるとしてい
る。ただし、解約不能リース期間がリース物件の経済的耐用年数の概ね75％以上、または解約不能のリース期間中のリー
ス料総額の現在価値がリース物件を借手が現金で購入するものと仮定した場合の合理的見積金額の概ね90％以上のいずれ
かに該当する場合は、ファイナンス・リースと判定される。ファイナンス・リース取引については、リース資産および
リース債務を、原則として、リース契約締結時に合意されたリース料総額からこれに含まれている利息相当額の合理的な
見積額を控除する方法により計上する。当該利息相当額については、原則として、リース期間にわたり利息法により配分
する。オペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行う。なお、少額
（リース契約１件当たりのリース料総額が300万円以下の所有権移転外ファイナンス・リース）または短期（１年以内）の
ファイナンス・リースについては、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことができる。
(7) のれんおよび長期資産の減損
IFRSでは、資産に著しい減損が生じたかもしれない兆候がある場合で、かつ、資産の回収可能価額（資産または資金生成
単位の公正価値から処分費用を控除した金額とその使用価値のいずれか高い金額と定義されている）が帳簿価額より低い場
合に、資産の減損損失が認識される。
IFRSに基づく資産の使用価値は、日本の会計原則における割引後将来キャッシュ・フローと類似している。また、資産の
公正価値の最善の証拠は、i)拘束力のある販売契約における価格、ii)市場価格、iii)貸借対照表日現在、取引の知識がある
自発的な当事者の間で独立第三者間取引条件による資産の売却から得られる金額について、事業体が入手することのできる
最善の情報とされている。一度認識された減損損失は、その後当該資産（のれんを除く）の減損の理由が存在しなくなった
か減少した場合には、戻し入れられる。
日本の会計原則では、資産または資産グループの減損の兆候が認められ、かつ帳簿価額が当該資産または資産グループの
継続的使用およびその最終的な処分から生じると見込まれる割引前将来キャッシュ・フローの総額を超過する場合に、回収
可能価額（正味売却価額と使用価値のいずれか高い方）と帳簿価額の差額につき減損損失が認識される。また、一度認識さ
れた減損損失をその後の期間において戻し入れることは認められない。
(8) サービス委譲契約
IFRSでは、IFRIC第12号「サービス委譲契約」の対象となる委譲契約については、適用される報酬の方法に応じて、委譲契
約の運営者はインフラを無形資産または金融資産として計上する。
IFRIC第12号の適用範囲外にある契約については、契約内容に応じて、IAS第16号、IAS第17号およびIAS第18号を適用する
ことを求めている。
委譲の大部分について、当グループは、実質的に、委譲者はIFRIC第12号に定義されるインフラに対する支配という性質を
持たないと考えている。そのため、IFRIC第12号は、当グループの委譲契約の特性により、連結貸借対照表および損益計算書
に限定的な影響しか与えていない。
日本では、企業会計基準委員会の実務対応報告第35号「公共施設等運営事業における運営権者の会計処理等に関する実務
上の取扱い」において、公共施設等運営権の対価について合理的に見積もられた支出額の総額を無形固定資産として計上
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し、原則として、運営権設定期間を耐用年数として定額法、定率法等の減価償却を行うこと等の、公共施設等運営事業にお
ける運営権者の会計処理が定められている。
(9) 補助金
IFRSでは、補助金については、補助金を用いて取得した資産の直接減額を行うか、または受け取った補助金を負債に含
め、対応する資産の経済的便益の使用に応じて利益に振り替える。
日本の会計原則においては、補助金については、受け取った補助金を一時に損益計算書上の利益に計上するとともに、補
助金を用いて取得した資産に係る圧縮損の計上、または剰余金の処分として純資産の部の一項目の積立金により圧縮記帳を
行う。
(10) 金融商品
(a) 分類および測定
IFRS第９号「金融商品」では、金融資産及び金融負債を以下のように分類し、測定することが要求されている。
金融資産については、金融資産の管理に関する企業の事業モデル及び金融資産の契約上のキャッシュ・フロー上の特性
の両方に基づき、以下のように事後測定するものに分類しなければならない。
・ 償却原価で事後測定するもの： 契約上のキャッシュ・フローを回収することを保有目的とする事業モデルの中で保
有され、契約条件により元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる
場合。
・ その他の包括利益を通じて公正価値で事後測定するもの： 契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によっ
て目的が達成される事業モデルの中で保有され、契約条件により元本及び元本残高に対する利息の支払のみである
キャッシュ・フローが所定の日に生じる場合。
・ 純損益を通じて公正価値で事後測定するもの： 上記以外の場合。
ただし、企業は、当初認識時に、売買目的保有又は企業結合における取得者によって認識される条件付対価ではない資
本性金融商品の公正価値の事後変動をその他の包括利益に表示するという取消不能の選択を行うことができる。
金融負債（公正価値オプション及び負債であるデリバティブ等を除く）については、償却原価で事後測定するものに分
類しなければならない。
またIFRS第９号では、会計上のミスマッチを除去又は大幅に低減するなどの一定の要件を満たす場合、当初認識時に金
融資産及び金融負債を純損益を通じて公正価値で測定するものとして取消不能の指定をすることができる（公正価値オプ
ション）。
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従い、金融資産及び金融負債は以下のように測定され
る。
・ 売買目的有価証券は、時価で測定し、時価の変動は純損益に認識される。
・ 個別財務諸表においては、子会社株式及び関連会社株式は、取得原価で計上される。
・ 満期保有目的の債券は、取得原価又は償却原価で測定される。
・ 売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券（「その他有価証券」）
は、時価で測定し、時価の変動額は
a) 純資産に計上され、売却、減損あるいは回収時に損益計算書に計上されるか、又は
b) 個々の証券について、時価が原価を上回る場合には純資産に計上し、下回る場合には損益計算書に計上する。
・ 時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券については、それぞれ次の方法による。
a) 社債その他の債券の貸借対照表価額は、債権の貸借対照表価額に準ずる（即ち、取得原価又は償却原価で測定さ
れる）。
b) 社債その他の債券以外の有価証券は、取得原価をもって貸借対照表価額とする。
なお、時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券についての会計基準における取り扱いは、企業会計
基準第30号「時価の算定に関する会計基準」等（下記(b)参照）の適用開始に合わせて削除される。同会計基準等の
適用開始以降は、市場価格のない株式等について、取得原価をもって貸借対照表価額とすることが求められる。
・ 貸付金及び債権は、取得原価又は償却原価で測定される。
・ 金融負債は債務額で測定される。但し、社債については、社債金額よりも低い価格又は高い価格で発行した場合な
ど、収入に基づく金額と債務額とが異なる場合には、償却原価法に基づいて算定された価額で評価しなければなら
ない。
IFRSで認められている公正価値オプションに関する規定はない。
(b) 公正価値測定
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IFRSでは、IFRS第13号「公正価値測定」は、一定の場合を除き、他のIFRSが公正価値測定または公正価値測定に関する
開示（および、売却費用控除後の公正価値のような、公正価値を基礎とする測定または当該測定に関する開示）を要求ま
たは許容している場合に適用される。同基準では、公正価値を「測定日時点で、市場参加者間の秩序ある取引において、
資 産を売却するために受け取るであろう価格または負債を移転するために支払うであろう価格」と定義している。
また、IFRSでは、評価に用いるデータの重要性を反映した公正価値ヒエラルキーは、以下のレベルからなる。
・ レベル１（無調整の相場価格）：企業が測定日現在でアクセスできる同一の資産または負債に関する活発な市場にお
ける価格。
・ レベル２（観察可能なデータ）：レベル１のインプットに含まれる市場価格以外の当該資産または負債に関するデー
タで、直接観察可能（価格等）または間接的に観察可能（すなわち観察可能な価格から推定される）なもの。
・ レベル３（観察不能なデータ）：市場において観察可能でないデータ。観察可能なデータに重大な調整を加えたもの
（例えば、観察不能な長期の期間にわたる金利曲線の推定）を含む。
日本では、2019年７月４日に企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」およびその適用指針である企業会計
基準適用指針第31号「時価の算定に関する会計基準の適用指針」ならびに関連する基準および適用指針の改正（合わせて
「本会計基準等」）が公表され、2021年４月１日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首からの適用が求められ
ており、早期適用も認められている。本会計基準等はIFRS第13号「公正価値測定」の定めを基本的にすべて取り入れてい
るが、適用範囲を金融商品およびトレーディング目的で保有する棚卸資産とし、これまで日本で行われてきた実務等に配
慮し、財務諸表間の比較可能性を大きく損なわせない範囲で、個別項目に対するその他の取扱いを定めている。
本会計基準等が公表されるまでは、時価の算定（公正価値測定）について包括的に規定する会計基準はなく、各会計基
準において時価の算定方法が個別に定められていた。金融商品の時価については、企業会計基準第10号「金融商品に関す
る会計基準」において、時価とは公正な評価額をいい、市場価格に基づく価額、市場価格がない場合には合理的に算定さ
れた価額と定義されていた。また、評価技法に用いるインプットのレベルに基づき時価を分類することは求められていな
かった。
(c) ヘッジ
IFRS第９号「金融商品」が定義する適格要件を採用し、当グループは、ヘッジ会計の対象となる取引を以下のとおり識
別している。
・ ヘッジ関係は、適格なヘッジ手段およびヘッジ対象のみで構成されていなければならない。
・ ヘッジ関係は、公式に指定され、その開始時から文書化されていなければならない。
・ ヘッジ関係は、特にヘッジ比率に関し、ヘッジ有効性の要件を満たさなければならない。
キャッシュ・フロー・ヘッジの場合、ヘッジ対象である予定取引の発生可能性がかなり高くなければならない。ヘッジ
関係は、上記の適格要件を満たさなくなった場合に終了する。これには、ヘッジ手段が消滅、売却、終了もしくは行使と
なった場合、または当初文書化されたリスク管理目的に該当しなくなった場合が含まれる。当グループの外部デリバティ
ブおよび当グループの同様の外部取引とマッチングされた内部デリバティブのみが、ヘッジ会計に適格となる。
当グループは、ヘッジに以下の分類を使用している。
・ 公正価値ヘッジ
これらの金融商品は、貸借対照表に計上されている資産もしくは負債の公正価値の変動、または資産の購入・売却に関
する確定契約の公正価値変動のエクスポージャーをヘッジする。ヘッジ対象の公正価値変動額のうち当該項目のヘッジ対
象要素に起因するものは損益計算書に計上され、対応するヘッジ手段の公正価値変動額により相殺される。ヘッジの非有
効部分だけが、利益に影響する。
借入金および金融負債は、公正価値ヘッジの対象である債券を含む。ヘッジ会計を適用して、その貸借対照表価額は、
ヘッジ対象リスク（外国為替および金利リスク）に起因する公正価値変動額について調整される。
・ キャッシュ・フロー・ヘッジ
これらの金融商品は、発生可能性がかなり高い予定取引をヘッジする。ヘッジ対象取引により生ずるキャッシュ・フ
ローの変動は、ヘッジ手段の価額の変動により相殺される。
ヘッジの公正価値変動累計額のうちの有効部分は自己資本に計上され、非有効部分（すなわち、ヘッジ対象の公正価値
変動額を上回るヘッジ手段の公正価値変動額）は、損益計算書に計上される。
ヘッジ対象のキャッシュ・フローが現実に発生した時、それまで自己資本に計上された金額は、ヘッジ対象と同様に、
純損益にリサイクルされるかまたは、資産取得価額の修正として処理される。
・ 純投資のヘッジ
これらの金融商品は、当グループと機能通貨が異なる事業体への純投資に関わる外国為替リスクのエクスポージャーを
ヘッジする。ヘッジの公正価値変動累計額のうち有効部分は、当該純投資の売却または清算時まで自己資本に計上され、
売却の時点で売却損益に含めて計上される。非有効部分（キャッシュ・フロー・ヘッジに関するものと同様に定義され
る。）は、直接、損益計算書に計上される。
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日本の会計原則では、ヘッジ会計の方法は、原則として、時価評価されているヘッジ手段に係る損益または評価差額を
繰延ヘッジ損益（その他の包括利益）として計上し、ヘッジ対象（相場変動等による損失の可能性がある資産または負債
で、 予定取引により発生が見込まれる資産または負債も含まれる）に係る損益が認識されるまで純資産の部において繰り
延べる方法（繰延ヘッジ）による。ただし、現時点ではその他有価証券のみを適用対象として、ヘッジ対象に係る相場変
動等を損益に反映させることにより、その損益とヘッジ手段に係る損益とを同一の会計期間に認識する方法（時価ヘッ
ジ）の適用も認められている。在外営業活動体 に対する純投資に対するヘッジに関しては、IFRSと概ね同様の会計処理を
適用することが認められている。
また、ヘッジ全体が有効と判定され、ヘッジ会計の要件が満たされている場合には、ヘッジ手段に生じた損益のうち結
果的に非有効となった部分についても、ヘッジ会計の対象として繰延処理を行うことができる（なお、合理的に区分でき
る非有効部分については当期の純損益に計上することができる）。
金利スワップや為替予約を使用したヘッジ会計については、一定の総合的な処理が認められている。
(d) その他の包括利益を通じて公正価値または償却原価で測定する金融資産の減損
IFRS第９号「金融商品」は予想信用損失（ECL）に基づく減損モデルを規定している。債券ポートフォリオの有価証券に
ついては、当グループは、信用リスクが低い相手先に対し、格付に基づくアプローチを適用している。リスク管理方針を
適用して、当グループの債券ポートフォリオはほぼ全て、「投資適格」である信用リスクの低い相手先の発行商品から構
成されている。この状況において、ECLは決算日後12か月の期間にわたり見積られている。信用リスクの著しい増大を示す
閾値に至るのは、相手先が「投資適格」の格付けから外れた時である。その場合は、債務不履行リスクの著しい増大の結
果、当該商品の残存期間にわたりECLが再評価される可能性がある。
貸付金および債権については、当グループは、相手先ごとのデフォルト確率および信用リスクの変動の評価に基づくア
プローチを選択している。
日本の会計原則では、その他有価証券のうち、時価を把握することが極めて困難と認められる金融商品以外のもの（企
業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」等の適用開始以降は、その他有価証券のうち、市場価格のない株式等
以外のもの）について時価が著しく下落したときは、回復する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対
照表価額とし、評価差額は当期の損失として処理（減損処理）しなければならない。時価が50％程度以上下落した場合は
著しく下落したときに該当する。また、回復する見込みがあると認められるときとは、株式の場合は期末日後おおむね１
年以内に時価が取得原価にほぼ近い水準まで回復する見込みがあることをいう。債券の場合は市場金利や信用リスク等の
要因を考慮して回復する見込みについて判断する必要がある。減損の戻入れは認められない。
(e) 金融資産および負債の認識中止
IFRSでは、以下のいずれかの場合に金融資産の認識を中止する。
・ その資産が生み出すキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する場合
・ 資産の所有に付随する実質的にすべてのリスクと経済価値を移転することにより、その金融資産に関連する契約上
のキャッシュ・フローを受け取る権利を譲渡する場合。
譲渡した金融資産に生じた持分または当グループが留保する持分は、別の資産または負債として計上される。
当グループは、金融負債に係る契約上の義務が消滅、取消または満了したときに、認識を中止する。債務が貸手との間
で実質的に異なる条件で再交渉された場合には、新たな負債が認識される。
日本の会計原則では、譲渡金融資産の財務構成要素ごとに、支配が第三者に移転しているかどうかの判断に基づいて、
当該金融資産の認識の中止がなされる。
(f) 負債と資本の区分（金融商品の発行者における分類）
IFRSでは、IAS第32号「金融商品：表示」に基づき、金融商品の発行者は、当初認識時に、契約の実質、並びに金融負
債、金融資産および資本性金融商品の定義に従って、金融負債、金融資産または資本性金融商品に分類する。
日本では、会社法上の株式として発行された金融商品は、純資産の部に計上される。
(11) その他の包括利益の項目の表示
IFRSでは、包括利益計算書において、以下の項目を区別することが求められている。
・ リサイクルを伴う自己資本計上損益の構成項目。
・ リサイクルを伴わない自己資本計上損益の構成項目（これは雇用後給付に係る数理計算上の損益の変動についての
み関係する）。
・ これらの自己資本計上損益の種類毎の関連会社持分。
日本の会計原則では、その他の包括利益の項目について上記の区別を行うことは求められていない。
(12) 借入コスト
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IFRSでは、改訂後IAS第23号「借入コスト」により、適格資産の取得、建設または製造に直接的に起因する借入コストの即
時費用処理を認める選択肢が廃止され、これらの費用を当該資産の原価の一部として資産計上することが求められている。
適格資産とは、使用または販売に供されるまでに相当な期間を要する資産をいう。
日本の会計原則では、支払利息の取得原価算入は限定的な場合のみ認められるが、要求されてはいない。原則として、支
払利息は発生した期の費用として処理される。
(13) 新株発行費
IFRSでは、新株発行費は、増資に明示的に関係する対外費用のみを含み、当該費用は、税引後の金額で、発行プレミアム
（資本剰余金）から控除される。その他の費用はすべて、当期の費用となる。
日本の会計原則においては、株式交付費（新株の発行または自己株式の処分に係る費用）は、原則として、支出時に費用
として処理する。ただし、企業規模の拡大のための資金調達などの財務活動に係る株式交付費については、繰延資産に計上
することができ、この場合には、３年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法により償却しなければならない。
(14) 引当金
IFRSでは、以下の３つの条件を満たす場合に引当金を計上する。
・ 決算日前までに過去の事象から生じた第三者に対する現在の債務（法的または解釈上の）がある場合。
・ その債務を支払うために、経済的便益を具現化した資源の流出が必要になる可能性が高い場合。
・ 債務額につき、信頼に足る見積りが可能な場合。
日本の会計原則では、将来の特定の費用または損失について、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高
く、その金額を合理的に見積もることができる場合に、当期の負担に属する金額を当期の費用または損失として引当金に繰
り入れる。また、引当金の現在価値への割引に関する包括的な定めは存在しない。
(15) 従業員給付
(a) 雇用後給付に係る確定給付費用
IAS第19号「従業員給付」では、確定給付費用の内訳を次のように認識することが求められている。
・ 勤務費用を純損益に認識する。
・ 確定給付負債（資産）の純額に係る利息純額を純損益に認識する。
・ 確定給付負債（資産）の純額の再測定をその他の包括利益に認識する。
その他の包括利益に認識した、確定給付負債（資産）の純額の再測定は、その後の期間において純損益に振り替えては
ならない。
同基準に基づき、EDFグループの従業員給付引当金は以下のように評価および認識されている。
・ 権利未確定の過去勤務費用の即時認識。
・ 従業員給付制度の管理および金融費用の当期勤務費用への算入ならびに当該費用のために過年度に設定された引当金
からの相当額の戻入。
・ 制度資産からの収益控除後の債務にかかる利息費用に相当する「純利息費用」の金融損益への算入。制度資産は、現
在、債務の測定に適用される割引率と同じ率を使用して評価されている。債務の割引率と制度資産の実際運用収益率
との間の差額は自己資本に直入される。
当グループは、数理計算上の差異を「SoRIE」方式によって全額認識している。
日本の会計原則では、確定給付型年金制度について、過去勤務債務および数理計算上の差異の遅延認識が認められてお
り、原則として各期の発生額について平均残存勤務期間内の一定の年数で按分した額を毎期費用処理する。数理計算上の
差異の当期発生額のうち費用処理されない部分（未認識数理計算上の差異）および過去勤務費用の当期発生額のうち費用
処理されない部分（未認識過去勤務費用）についてはいずれも、その他の包括利益に計上する。また、その他の包括利益
累計額に計上された未認識数理計算上の差異および未認識過去勤務費用のうち、当期に費用処理された部分については、
その他の包括利益の調整（組替調整）を行う。割引率を含めた基礎率等の計算基礎に重要な変動が生じない場合には計算
基礎を変更しない等、計算基礎の決定にあたっては合理的な範囲で重要性による判断を認める方法（重要性基準）が定め
られている。また、制度資産については、日本では、期首の年金資産の額に合理的に予想される収益率（長期期待運用収
益率）を乗じて算定する。
(b) 有給休暇に対する引当て
IFRSでは有給休暇に対する引当てを認識しなければならないが、日本の会計基準ではこうした引当ては要求されていな
い。
(16) 売却目的で保有する資産および負債ならびに非継続事業
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IFRSでは、売却目的で保有する資産および負債は、貸借対照表上、他の資産および負債とは区別して表示される。非継続
事業からの利益は、損益計算書上、単一の科目として税引後の純額で表示される。キャッシュ・フロー計算書においてもま
た、 非継続事業の現金および現金同等物の純変動額は別科目として区分して報告される。
日本においては、売却目的で保有する資産および負債ならびに非継続事業に関する上記のような会計基準はない。ただ
し、売却または廃棄予定の固定資産は「固定資産の減損に係る会計基準」等に従って会計処理される。
(17) 賦課金
IFRSでは、IFRIC解釈指針第21号において賦課金（公課および法人所得税以外の税金）に係る負債計上の契機となる事象が
明確にされている。同解釈指針は、税金負債計上の契機となる事象を、関連法規の適用下で賦課金の支払義務を生じさせる
活動と定義している。
この解釈指針は、企業がある特定の日現在で営業を行っているか、またはその活動においてある最低閾値に達した場合に
支払義務が生じる年次税の会計処理について取り扱っている。一定の税金は、通年にわたり配分されることなく契機となる
事象が生じた時点で一括計上され、多くの場合は上半期中に起こる。
日本においては、賦課金（公課および法人所得税以外の税金）に係る負債計上の契機となる事象について明確に規定した
会計基準はない。
(18) 財務活動から生じた負債の変動
IAS第７号「キャッシュ・フロー計算書」では、キャッシュ・フロー計算書の「財務活動によるキャッシュ・フロー」区分
に記載された貸借対照表上の負債および金融資産の変動の調整表に利用可能な情報を、資金変動と非資金変動に区分して開
示することを会社に求めている。
日本の会計原則においては、このような財務活動から生じた負債の変動の開示について定める会計基準はない。
(19) 法人所得税の税務処理に関する不確実性
IFRSでは、IFRIC第23号を適用して、法人所得税の取扱いに不確実性が伴う場合には、税金資産または負債が認識される。
選択した取扱いを税務当局が認容しない可能性が高いと当グループが考える場合には税金負債を認識し、既に支払済みの税
金を税務当局が還付する可能性が高いと考える場合には税金資産を認識する。これらの不確実性に関連する税金資産および
負債は、ケースごとに見積られ、実現可能性が最も高い金額ないし想定される様々な結果の加重平均により計上される。こ
れらの税金資産および負債は、繰延税金に含まれる。
日本では、企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」において、過年度の所得等に対する法
人税、住民税及び事業税等の更正等による追徴および還付の場合の当該追徴税額及び還付税額、または、更正等により追徴
税額を納付したが当該追徴の内容を不服として法的手段を取る場合の還付税額の認識の閾値が定められている。同基準に基
づき、当該追徴税額または当該還付税額を合理的に見積もることができる場合には、誤謬に該当する場合を除き、追徴され
る可能性が高い場合及び還付されることが確実に見込まれる場合に、それぞれ当該追徴税額および還付税額を損益に計上す
ることが求められている。そのため、認識の閾値は、追徴の場合と還付の場合とで異なっている。更正等による追徴税額及
び還付税額は、法人税、地方法人税、住民税及び事業税（所得割）を表示した科目の次に、その内容を示す科目をもって表
示する。
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第７【外国為替相場の推移】
表示に用いられた通貨ユーロと日本円との間の為替相場が、２つ以上の日刊新聞紙に最近５年間において掲載されているた
め、記載を省略する。
第８【提出会社の参考情報】
書類名 提出年月日
( イ) 有価証券報告書
有価証券報告書およびその添付書類 2021 年６月28日関東財務局長に提出
( 自 2020年１月１日 至 2020年12月31日)
( ロ) 発行登録書
発行登録書およびその添付書類 2021 年６月28日関東財務局長に提出
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第１【保証会社情報】
該当事項なし。
第２【保証会社以外の会社の情報】
該当事項なし。
第３【指数等の情報】
該当事項なし。
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