欧州投資銀行 有価証券報告書 第63期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和3年6月30日
【事業年度】 第63期(自 令和2年1月1日 至 令和2年12月31日)
【発行者の名称】 欧州投資銀行
(European Investment Bank)
【代表者の役職氏名】 Richard Teichmeister
( 資本市場部ヘッド・オブ・ディビジョン)
Xavier Leroy
( 資本市場部キャピタル・マーケッツ・オフィサー)
【事務連絡者氏名】 弁護士 黒 丸 博 善
【住所】 東京都港区六本木六丁目10番1号
六本木ヒルズ森タワー23階
TMI総合法律事務所
【電話番号】 (03) 6438-5511
【縦覧に供する場所】 該当なし
(注)1. 本書中、「発行者」「 EIB 」または「当行」とは、欧州投資銀行を意味する。
2.本書中、「ユーロ」または「EUR」と表示される金額は、欧州単一通貨を意味する。2021年5月31日現在、株
式会社三菱UFJ銀行により公表されたユーロに対する日本円の対顧客電信直物売買相場の中値は1ユーロに
つき133.74円であった。
3.EIBの会計年度は暦年である。
4.本書の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
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第1 【募集(売出)債券の状況】
会計年度末の 上場証券取引所名又
募集債券の名称 発行年月 券面総額 償還額
未償還額 は登録証券業協会名
60,000,000,000
第16回 欧州投資銀行
60,000,000,000
(1)
2010 年6月 該当なし
0 円
円
円
円貨債券(2010)
第12回 欧州投資銀行
米ドル・円金利差額型 20,000,000,000
20,000,000,000
(2)
2010 年6月 該当なし
0 円
円
円
変動利付(当初固定利付)
円貨債券(2010)
第17回 欧州投資銀行 40,000,000,000
40,000,000,000
(3)
2010 年7月 該当なし
0 円
円
円
円貨債券(2010)
第1回 欧州投資銀行
豪ドル・円金利差額型
5,000,000,000 5,000,000,000
0 円
2014 年3月 該当なし
円 円
変動利付(当初固定利付)
円貨債券(2014)
注(1) 本債券は満期日の2020年6月5日に全額償還された。
注(2) 本債券は満期日の2040年6月29日に先立ち、2020年6月29日に全額償還された。
注(3) 本債券は満期日の2020年7月15日に全額償還された。
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会計年度末の 上場証券取引所名又
売出債券の名称 発行年月 券面総額 償還額
未償還額 は登録証券業協会名
欧州投資銀行
2027年9月21日満期
1,082,000,000 1,082,000,000
0 円
2007 年9月 該当なし
期限前償還条項付
円 円
円建・円/ユーロ為替連
動債券
欧州投資銀行
24,850,000 24,850,000
(1)
2020年12月18日満期 2008 年12月 該当なし
0 豪ドル
豪ドル 豪ドル
豪ドル建債券
欧州投資銀行
2023年3月満期 40,500,000 40,500,000
0 メキシコペソ
2020 年3月 該当なし
メキシコペソ メキシコペソ
メキシコペソ建債券
(環境貢献債)
欧州投資銀行
2023年3月満期
20,360,000 20,360,000
0 ブラジルレアル
ブラジルレアル建債券 2020 年3月 該当なし
ブラジルレアル ブラジルレアル
(円貨決済型)
(環境貢献債)
欧州投資銀行
2023年3月満期
1,078,400,000 1,078,400,000
0 インドルピー
インドルピー建債券
2020 年3月 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型)
(環境貢献債)
欧州投資銀行
2023年10月満期
21,650,000 21,650,000
0 ブラジルレアル
ブラジルレアル建債券 2020 年10月 該当なし
ブラジルレアル ブラジルレアル
(円貨決済型)
(環境貢献債)
欧州投資銀行
2023年10月満期
342,000,000 342,000,000
0 インドルピー
インドルピー建債券
2020 年10月 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型)
(環境貢献債)
注(1) 本債券は満期日の2020年12月18日に全額償還された。
2020 年度中、EIBの経済的健全性およびEIBが業務を行う法的枠組みについて、本債券所有者の権利に重
要かつ悪影響を与えるような変更はなかった。
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第2 【外国為替相場の推移】
米ドル、豪ドル、ユーロ、ブラジルレアル、メキシコペソおよびインドルピーについては、そのそれぞ
れと円との間の為替相場が、日本国内において時事に関する事項を掲載する2以上の日刊新聞紙に最近5
年間の会計年度において掲載されているため、記載を省略する。
(1) 【最近5年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
該当なし
(2) 【当会計年度(又は事業年度)中最近6月間の月別為替相場の推移】
該当なし
(3) 【最近日の為替相場】
該当なし
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第3 【発行者の概況】
1 【発行者が国である場合】
該当事項なし
2 【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
3 【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1) 【設立】
① 設立の根拠、設立年月日および沿革
欧州投資銀行(「EIB」)は、欧州連合(「EU」)の機関として設立され、EU機能条約(随時改正、
補足済)(「TFEU」)第308条により完全な法人格を与えられている。EIBは独自の統治機関、収益源
および金融業務を擁する。EIBは自己の債務についてのみ責任を負う。
EIB のガバナンスは、EU条約(「TEU」)およびTFEU(合わせて「両条約」)の第5付属議定書であ
り両条約の不可欠な一部であるEIB定款により定められる。EIBは両条約、EIB定款ならびにEUの特権お
よび免責に係る第7議定書(「PPI」)をはじめとする両条約のその他すべての関連議定書の規定によ
り統治される。
TFEU 第308条および定款の規定に従い、EIBの構成員はEU加盟国(「加盟国」)である。EIBの資本金
は、EIB定款第4.1条が定めるとおり、各加盟国によって応募される。EIBはこれまでEIBが発行した証
券のいかなる元利金の支払も怠ったことがない。TFEU第309条および定款第16条に従い、EIBは、自身
の資金源および資本市場からの借入を利用し、投資に対して特に貸付金および保証の形で資金を供給
する。EIBは、98-100, boulevard Konrad Adenauer, L-2950 Luxembourg, Grand Duchy of
Luxembourg に所在する。
EIB は欧州投資基金(「EIF」)の過半数の株式を所有し、EIFはEIB、欧州委員会および金融機関の
三者による株式所有構成となっている。EIBグループはEIBおよびEIFで構成され、それぞれが法人格お
よび法的自立性を備えた別個の法人を形成している。
② 目的
TFEU 第309条に基づき、EIBは、主に資本市場にアクセスを有することにより、加盟国間の共同市場
における安定的かつ均衡のとれた発展に貢献することを目的としている。その実現に向け、EIBは非営
利で営業し、EU内の発展が充分でない地域を開発するプロジェクト、および、以下のプロジェクトが
個々の加盟国内で利用可能な財源からの資金提供ではすべてが賄えない規模と性質のものである場合
は、事業を現代化もしくは開発するまたは新たな活動を開発するプロジェクト、または複数の加盟国
に共通の利益となるプロジェクトに貸付および保証を行うことを要求されている。さらに、定款の規
定に従い、EIBはEU域外のプロジェクトに対しても通常、EUと非加盟国との合意の枠内において、貸付
および保証を行う。
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③ 法的地位、特権および免責特権
EIB は法人格を有し、各加盟国内においては当該各加盟国の法律のもとで法人に与えられる最も広範
な法的資格を有する。EIBは自らの名において財産の取得および譲渡を行うことができ、また訴訟当事
者能力を有する。
PPI に従い、EIBならびにその資産、収入およびその他の財産は、加盟国のあらゆる直接税を免除さ
れる。EIBはまた、EIBが所在する加盟国内における、応募済資本金および払込済資本金の増額に伴う
あらゆる課税その他の賦課ならびに当該増額に伴うあらゆる法的手続を免除される。定款に基づき行
われるEIBの活動は、加盟国内におけるいかなる取引高税の対象にもならない。
定款に基づく加盟国の義務の履行ならびに総務会および理事会によって採られた措置の法的有効性
に関する一定の訴訟については、TFEUにより、欧州連合司法裁判所(「司法裁判所」)が専属的管轄
権を有する。当該専属的管轄権に属するものを除き、加盟国の行なった保証に基づく請求を含む、EIB
とその債権者または債務者との間の訴訟については、その基礎をなす契約関係の定めに従いそれぞれ
の国内管轄裁判所において行うことができる。PPIに基づき、加盟国内のEIBの財産および資産は、裁
判所の判決を受けかつ司法裁判所がそれを承認した場合を除き、強制執行による差押えまたは押収の
対象とはならない。
また、EIBの活動に参加するEIBの機関の構成員、職員および加盟国の代表は、その公的な立場で自
ら行った行為に関し、一部の例外を除いて法的手続を免除される。
④ 日本との関係
該当なし
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(2) 【資本構成】
① 資本構成および準備金
表示日現在のEIBの資本構成および準備金は次のとおりである。
2020 年
12 月31日現在
( 単位:千ユーロ)
資本金:
-応募済資本金(2)(3) 248,795,607
-226,604,892
-払込未請求資本金(2)(3)
-払込請求済資本金
22,190,715
-442,423
-払込請求済だが払込未済の応募済資本金(3)
-払込請求済資本金および
21,748,292
払込請求済だが払込未済の応募済資本金
準備金および当期利益:
準備基金:
-期首残高 24,328,415
-期末残高 24,328,415
その他準備金:
-期首残高
12,349,294
-払込請求済資本金への振替え:均衡的資本差替え(2)
-3,495,904
-払込請求済だが払込未済の準備金:
1,106,917
ポーランドおよびルーマニアの拠出金(3)
-前年度利益処分(1)
1,438,651
-期末残高
11,398,958
-払込請求済だが払込未済の準備金(3)
-996,225
-その他準備金および払込請求済だが払込未済の準備金
10,402,733
特別活動準備金:
-期首残高 10,777,675
959,221
-前年度利益処分(1)
-期末残高
11,736,896
一般貸倒準備金:
-期首残高 2,170,177
-34,286
-前年度利益処分(1)
-期末残高
2,135,891
当期利益 1,712,323
自己資本合計 72,064,550
注(1) 2020年4月24日、総務会は、2019年12月31日終了年度のEIBの当期純利益2,363,586,000ユーロをその他
準備金、特別活動準備金および一般貸倒準備金に繰り入れることを決定した。一般貸倒準備金または特
別活動準備金からの取崩し/への繰入れが 生じているが、これは基礎的業務のリスクの動きに伴うもの
である 。
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注(2) 2017年3月29日、英国は、TEU第50条に従ってEUから離脱する決定を欧州理事会に通知した。2020年2
月1日をもって、英国は、TEU第50条および「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国の欧州
連合および欧州原子力共同体からの離脱協定」(「離脱協定」)に基づきEU加盟国でなくなった(「ブ
レ グジット」)。
EUからの離脱により、英国は自動的にEIBの構成員でなくなり、応募済資本金の分担も終了した。
2020年2月1日より、EIBの応募済資本金における英国の分担金は、その全額につき、残りの加盟国が
按分負担する増資をもって差し替えられた。この資本の差替え(均衡的資本差替え)は、EIBにおける
英国の応募済資本金の払込請求済みの部分に加え、払込未請求部分も対象とするものであった。払込請
求済みの部分の差替えは、EIBの準備金を応募済資本金に振り替えることで賄われた。増資の結果、残
りの加盟国において、EIBの応募済資本金のうち払込未請求の(請求可能な)持分が按分で増加した。
注(3) 以下「第3 発行者の概況-(5) 経理の状況-③ EU会計指令に基づく個別財務書類」に収載の法定財務
書類の注H.3を参照のこと。
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② 応募済資本金
2020 年12月31日現在、EIBの構成員は、加盟国27か国である。
下表は2020年12月31日のEIBの応募済資本金に関する各加盟国の分担である。
金 額
加 盟 国
( 単位: ユーロ )
ドイツ 46,722,369,149
フランス 46,722,369,149
イタリア 46,722,369,149
スペイン 28,033,421,847
ベルギー 12,951,115,777
オランダ 12,951,115,777
ポーランド 11,366,679,827
スウェーデン 8,591,781,713
デンマーク 6,557,521,657
オーストリア 6,428,994,386
フィンランド 3,693,702,498
ギリシャ 3,512,961,713
ポルトガル 2,263,904,037
チェコ共和国 2,206,922,328
ハンガリー 2,087,849,195
アイルランド 1,639,379,073
ルーマニア 1,639,379,073
クロアチア 1,062,312,542
スロバキア 751,236,149
スロベニア 697,455,090
ブルガリア 510,041,217
リトアニア 437,633,208
ルクセンブルク 327,878,318
キプロス 321,508,011
ラトビア 267,076,094
エストニア 206,248,240
マルタ 122,381,664
計 248,795,606,881
EIB の理事会は、EIBの債務を賄うためにEIBが必要とする限度において、応募済資本金の残額の払込
を要求することができる。各加盟国はそれぞれの応募済資本金の分担に比例して、かかる払込を行
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う。EIB定款にEIBからの脱退について明確な規定はないが、TFEU第308条は、EIBの構成員は加盟国で
(1)
ある旨を明記している 。
注(1) したがって、2020年2月1日の英国のEUからの離脱に伴い英国はEIBの構成員ではなくなった。離脱
の手順は、離脱協定において合意および記載されている。
(3) 【組織】
EIB は、総務会、理事会および経営委員会によって指揮および管理される。総務会は各加盟国より任命
された国務大臣(通常は財務大臣)をもって構成される。2020年12月31日現在、理事会は、加盟国およ
び欧州委員会の指名に基づき、総務会により選任された理事28名および理事代理31名をもって構成され
ている。理事会にはさらに6名の議決権のない専門家が選任される。経営委員会は、理事会の提案に基
づき総務会により6年任期で選任される総裁および副総裁をもって構成されている。
① 総務会
総務会は、各加盟国より1名ずつ任命された国務大臣(通常は財務大臣)をもって構成され、定款
に規定された特定の機能を有している。これらの機能は、理事会および経営委員の任免、経営委員の
定数の変更、ならびに理事会の年次報告書、年次貸借対照表および損益計算書の承認を含む。年次報
告書が承認されない場合、定款に従い、理事会は全員辞任しなければならない。EIB定款に別段の記載
がない限り、総務会の決議は応募済資本金の少なくとも50%を代表する多数決をもって行われる。特
別多数決では18票および応募済資本金の68%の賛成が必要となる。
② 理事会
2020 年12月31日現在、理事会は、加盟国および欧州委員会の指名に基づき、5年任期で総務会によ
り選任された理事28名および理事代理31名をもって構成する。
また、理事会は、理事会構成員として3名、理事代理として3名の、6名の議決権のない専門家を
選任する。
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以下は別段の表示のない限り、2021年6月25日現在のEIBの理事、理事代理、および議決権のない専
門家の一覧表である。
理 事
Marc DESCHEEMAECKER Marinela PETROVA
Petr PAVELEK Julie SONNE
Thomas WESTPHAL Andres KUNINGAS
Des CARVILLE Konstantin J. ANDREOPOULOS
Enrique RUIZ de VILLA SAIZ Anne BLONDY-TOURET
Silvija BELAJEC Gelsomina VIGLIOTTI
Kyriacos KAKOURIS Armands EBERHARDS
Migl ė TUSKIEN Ė Arsène JACOBY
László BARANYAY Paul DEBATTISTA
Mickie SCHOCH Karin RYSAVY
Filipe CARTAXO Attila GYÖRGY
Nina MARIN Ivan LESAY
Kristina SARJO Anna BJÖRNERMARK
Markus SCHULTE
(1つの理事席が空席である。)
議決権のない専門家
Giorgio GOBBI Laurence BRETON
Joes LEOPOLD
理事代理
Ludivine HALBRECQ Gergana BEREMSKA
Radek H Ř EB ĺ K Morten KLINGE
Susanne BLOMENHOFER Hendrik KAELBLE
Riina LAIGO Des O’LEARY
Nikos MANTZOUFAS Isabel GARAYO
Stéphane TABARIÉ Ana ZORI Ć
Francesca MERCUSA Stefano SCALERA
Eleni PITTA Aija ZITCERE
Darius TRAKELIS Miguel MARQUES
Paulanne MAMO Lisette F.H. STEINS
Christian REININGER Maciej TABACZAR
Rosa CAETANO Boni Florinela CUCU
Urška GRMEK Martin POLÓNYI
Anne af URSIN Theresia LINDBERG
Saila VALTONEN
(2つの理事代理席が空席である。)
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議決権のない代理専門家
Ingrid HENGSTER Kristin de PEYRON
Antonio OPORTO
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理事会は、EIBが適切に運営され、両条約(随時改正、補足済)および定款の規定ならびに総務会の
一般的指示に従って管理されることを確保する責任を負う。理事会は、融資の供与、特に貸付金およ
び保証の形によるものに関し、その貸付金利および保証手数料の設定およびEIBによる借入の承認を決
定する(加盟国域外投資への融資の場合は、当該対象事業の承認にあたり総務会の事前の意思決定を
要する。)。また特定多数の決定に基づき、その権限を一部経営委員会に委任することができる。
定款は、理事会の構成員はEIBに対してのみ責任を負う旨を規定している。各理事は、1議決権を有
し、いつでも、EIBの手続規定に従ってその議決権を委任することができる。定款に別段の定めある場
合を除き、理事会の決定は、少なくとも応募済資本金の50%以上を代表する議決権を有する3分の1
以上の構成員によりなされなければならない。特別多数決は、賛成が18票以上入り、かつそれが応募
済資本金の68%を代表していることを要する。
③ 経営委員会
EIB の経営委員会は、現在のところ、理事会の推薦に基づき総務会により6年任期で選任されるEIB
の総裁1名および副総裁8名をもって構成されている。2021年6月25日現在の経営委員およびそのEIB
における役職は、次のとおりである。
経営委員 EIB での役職
Werner HOYER
総裁
Ambroise FAYOLLE
副総裁
Lilyana PAVLOVA
副総裁
Thomas ÖSTROS
副総裁
Teresa Tatiana CZERWI Ń SKA 副総裁
Christian Kettel THOMSEN 副総裁
Ricardo MOURINHO FÉLIX 副総裁
Kris PEETERS 副総裁
(1つの経営委員席が空席である。)
経営委員会は、総裁の権限および理事会の監督のもとEIBの現行事業の管理につき責任を負う。経営
委員会は、多数決により、貸付および保証の供与ならびに借入につき理事会に対し提案を行う。総
裁、または総裁が不在の場合は副総裁のうち1名が、議決権を持たない理事会の議長となる。総裁、
もしくは総裁に支障のある場合には副総裁1名が、裁判その他の事項についてEIBを代表する。定款
は、経営委員会およびEIBの職員は、EIBに対してのみ責任を負い、その職務の遂行について完全に独
立であるべき旨を規定している。
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④ 監査委員会
監査委員会は、総務会により選任される6名の委員からなる。監査委員会は毎年、EIBの業務が適切
に管理され、かつ帳簿が適切に記録されている旨を検査する。また監査委員会は、理事会によって作
成された財務書類および年次報告に含まれるその他の財務情報が、当該事業年度の資産および負債に
関するEIBの財務状況、ならびにその業績およびキャッシュ・フローについて正確かつ公正に表示して
いる旨の確認を行う。
2021 年6月25日現在の監査委員は次のとおりである。
Audrius LINARTAS
議長
Christos G. TRIANTOPOULOS
委員
Pierre KRIER
委員
Nuno GRACIAS FERNANDES
委員
Katja PLUTO
委員
(1つの監査委員席が空席である。)
オブサーバー
John SUTHERLAND Beatrice DEVILLON-COHEN
Vasile IUGA
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(4) 【業務の概況】
① 業 務
イ) EU域内における貸付政策
EIB は、加盟国において実施される投資について、加盟国ならびに官・民の事業に対し、これらの
借手が他の方法によっては資金を妥当な条件で調達できない範囲で、特に貸付金および保証の形で
資金を供給する。定款は、このような事業が経済一般の生産性を高めることに寄与し、共同市場の
実現を促進するものでなければならない旨を規定している。
加盟国以外の企業または団体に対して貸付を行う場合には、EIBは、投資の実施予定地を領土とす
る加盟国による保証もしくはその他の適切な担保、または債務者自体の財務信用力のいずれかが得
られることをかかる貸付の条件としなければならない。さらに借手が生産部門に従事する者である
場合は、定款は、貸付に関する利息および分割償還金の支払が当該事業の予想営業利益によって賄
いうる場合についてのみ、EIBが貸付および保証を供与することを認めている。
EIB により給付される貸付金および保証の残高の合計は、いかなる時点においても、応募済資本
金、準備金、未割当引当金、および損益計算書の当期純利益の250%を超えることができない。EIB
による資本参加の場合、後者の合計額から(払込済みか否かにかかわらず)応募済金額相当額が控
除される。これは連結および非連結ベースにおいて適用される。EIBによる貸付および保証は対象プ
ロジェクトの費用の一部のみを賄うもので、これは当該借手の自己資金や当該借手が他から調達し
た資金を補完するものでしかない。すなわち、一般的にEIBは対象プロジェクトの総費用の50%を上
回る額の貸付は行わない。
EIB の貸付内容は多様化されており、1つの産業、経済部門もしくは国に偏在していない。EIBの
貸付金は加盟国のすべてを通じて広範囲な企業の資金調達に供せられている。
ロ) EU域外への貸付
1960 年代から、EIBはおよそ150の国々においてEUが推進している協力政策に積極的に参加してい
る。EIBによる協力活動の付託条件は、通常、複数年のマンデートとなっており、EUによりEIBに割
当てられる。
定款第16条第1項第2号に従い、総務会は理事会の提案に基づき、特別多数決により、加盟国の
域外において全体または一部が実施される予定の投資についての融資も決定することができる。か
かる貸付は、その他の点においては、上述した加盟国内部の貸付に関する定款の各規定に沿って行
われる。
EIB は、このような貸付を、多くの場合EUと他国家間の協力協定の融資関係議定書に基づき行って
きた。域外貸付においてほとんどの場合、EIBは、他の担保に加えて加盟国またはEUの保証を得てい
る。
ハ) 資金借入
EIB は、いかなる通貨であれ、EIBにとって最も有利と思われる通貨で、またEIBが活動する資本市
場においてその時の最も有利な条件で借入を行う。
EIB はいかなる借入金の元利金の支払に関しても、その履行を怠ったことはない。
ニ) 業績
2020 年の動向ハイライト
(1)
概 要
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注(1) このセクションでは欧州投資銀行の活動および財務情報に触れる。表示される数額は、(別段の記載が
ない限り)EU会計指令に準拠して作成されたEIBの法定財務書類(以下「第3 発行者の概況-(5) 経理
の 状況-③ EU会計指令に基づく個別財務書類」に収載される。)とあわせて読まれる必要がある。
2020 年は、3月のコロナウィルス感染症(COVID-19)の世界的流行、ならびに社会、医療体制お
よび世界経済への継続的な影響に見るように、前例のない年であった。これによりEIBの業務環境は
大きく変化したが、財務上の重大な悪影響はなく、同時にEIBは、追加的な事業支援を提供して欧州
連合(EU)の目標に一層の貢献をするための相当の尽力を要請された。
欧州連合の金融機関として、EIBは、すべての加盟国の実体経済に対して金融支援や助言サービス
を提供することで景気循環の抑制に大きな役割を果たしている。こうした来歴やCOVID-19から生じ
た経済危機に対処するための最近のかつてない支援活動を背景として、EIBは、EUのパンデミック対
応における重要な一員として活動し、また持続可能でグリーンな復興を促進している。そうするこ
とで、現世代および将来世代の健康を守ると同時に、気候非常事態の喫緊かつ相互関連的な課題に
立ち向かっている。
EIB は、COVID-19の危機に欧州連合の最前線で取り組み、特に危機の影響を最も受けた顧客および
部門に重点を置く迅速支援プログラムを担っており、後に汎ヨーロッパ保証基金(EGF)を設立し
た。EIBは、パンデミックの社会・経済的な影響の克服に向けて設定した手段や商品の一部として、
疾病対策のためワクチンの研究や治療・診断法の開発を行う欧州企業をはじめとする医療部門への
投資に資金を融通している。またEIBは、欧州連合域外における相当のパンデミック対応を表明して
いる。
COVID-19 のパンデミックの発生に伴い、グリーンで公正な移行とともに「ビルド・バック・ベ
ター(より良い復興)」が強調されEIBおよびEUの政策優先課題が変更される中、EIBは引き続き野
心的な気候・環境アジェンダに取り組んでいる。EIBは、気候行動および環境サステナビリティに特
化した資金供給の比率を継続的に引き上げており、2025年までに業務活動の50%に乗せることを目
標としている。2020年には気候活動が当初目標の28%に対して37.4%を占めるに至り、過去最高水
準となった。
EIB は、カーボンニュートラル(炭素中立的)で気候変動に強い経済への2050年までの移行を加速
させるにあたり、欧州グリーンディールの目標および欧州連合域外の持続可能な開発をEIBグループ
がいかに支援していくかを詳細に定めた「気候銀行ロードマップ(CBR)」という事業計画を設定し
た。EUの気候銀行として、および気候関連融資のリーダーとして、EIBグループは、気候変動に誘発
される金融リスクに対応できるように業務プロセスを整備する意向である。2020年にEIBグループ
は、当該プロセスの第一の礎として、初の相手先気候リスク評価システム(気候リスク審査ツー
ル)を開発した。
EIB のサステナブル・ファイナンス支援のアプローチは、この分野におけるEUや国際レベルの取組
みの重要部分、とりわけ欧州委員会の「持続可能な成長へのファイナンス」行動計画を反映してお
り、最近採択されたEUタクソノミ(事業分類)規制に合わせて気候行動や環境サステナビリティの
ファイナンスを検証したり、気候に関する開示を導入したりしている。
2020 年にEIBは、その定款上の使命、すなわちCOVID-19の経済危機のため現在深刻化している加盟
国間の根強い構造的差異に対処するため結束を支えることに注力し続けた。EIBは、さらなる追加性
をもたらし結束と競争力に欠かせない持続可能な成長および雇用に向けた追加投資をEU全域にわ
たって実施し、かかる投資により7月には5,000億ユーロというEFSIの投資目標額を超過達成した。
2020 年1月31日付の英国の欧州連合離脱を受け、英国の資本分担金のうち払込請求済みの部分
(35億ユーロ)はEIBが自らの準備金から捻出して差し替え、払込未請求資本金(357億ユーロ)は
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残留株主の27か国が按分負担した。また、ポーランドとルーマニアは応募済資本金をそれぞれ約54
億ユーロおよび約1億ユーロ増資し、またその比率に応じてEIBの準備金への拠出が生じた。その結
果、 EIBの払込請求済資本は5億ユーロ増加し、払込未請求資本はブレグジット前の状態と比較して
増加した。
COVID-19 の感染拡大にもかかわらず、EIBグループはすべての事業を維持し、通常業務で活動を続
(2)
けている。2020年、EIBの貸付契約は661億ユーロ (このうち646億ユーロはEIBの自己資金源)で
(3)
2020年の業務計画 の設定目標(2020年に復活した変動許容額を反映して630億ユーロから660億
ユーロ)に即したものとなり、2019年の貸付高(633億ユーロ、このうち619億ユーロはEIBの自己資
(4)
金源)を上回った。2020年の実行済総額は583億ユーロ (このうち568億ユーロはEIBの自己資本
源)であり、パンデミックの危機発生に伴い、2020年上半期中にはEIBの既存顧客の需要に応えて多
額(前年比)の実行が前倒しされた。2019年の実行済額は481億ユーロ(このうち475億ユーロはEIB
の自己資本源)であった。
注(2) 貸付金、株式および保証のすべての財源を含む。
注(3) 年次業務計画は業績指針を含み、またEIBグループの翌3年間にわたる主な優先課題および活動を詳細
に記述する。
注(4) 貸付金、株式および保証のすべての財源を含む。
パンデミックの影響およびEFSIにおけるEIBの役割ゆえの高リスク貸付にもかかわらず、EIBの貸
付金ポートフォリオの質は高く維持されているが、これはEIBが十分な水準の担保および保証に基づ
くリスク管理戦略や貸付金契約に含まれる標準的な保護条項に依拠しているためである。EFSIの体
制に基づき、欧州委員会が信用補完を提供しており、これらの対象事業の残余リスクを大幅に軽減
(5)
することができている。貸付金ポートフォリオ は引き続き全体的に良好な成果をあげており、減
損が生じている貸付金は2020年末で0.4%(2019年末:0.4%)にすぎなかった。90日を超える支払
延滞額は僅少に維持され、2020年末現在で1億1,710万ユーロ(2019年末:1億4,600万ユーロ)で
あり、リスク・ポートフォリオの0.03%を占めるにすぎない。貸付金に係る引当金は2019年末現在
の4億8,690万ユーロから6億6,210万ユーロに増加した。保守的なリスク管理方針により、また対
象プロジェクトのデュー・デリジェンスを通じて、EIBの高い信用状態が支えられている。
注(5) 本「概要」で提供される貸付金ポートフォリオの情報は、(別段の記載がない限り)自己資金源による
貸付金ポートフォリオに対応しており、これには「リスク・ポートフォリオ」およびEUまたは加盟国か
らのグローバル保証により利益を受けるEU域外のポートフォリオ部分が含まれる(詳細は、以下「第3
発行者の概況-(5) 経理の状況-③ EU会計指令に基づく個別財務書類」に収載の法定財務書類の注記U
を参照のこと。)。
危機にあっても、EIBは、2019年の24億ユーロに対して2020年は17億ユーロの当期純利益を計上
し、プラスの財務実績を確保した(詳細は以下「-1.EIBの財務業績は危機下での強靭性を保持」
を参照のこと。)。当期純利益は全額留保され、これがEIBの自己資金を形成し長期的な資金供給能
力を支えている。ブレグジットのマイナスの影響にもかかわらず、CET1(コア資本Tier1)比率は
(6)
2019年末の32.9%から2020年末には33.1%に上昇した。レバレッジ比率 は、ブレグジットを受け
てEIBの自己資金への正味の影響がマイナスだったことを主因として2020年中に増加し、634%
(2019年末:627%)となった。EIBは引き続き資本市場への良好なアクセスによる利益を享受して
おり、2020年10月には公表借入目標額を達成した。 EIBの2020年資金調達プログラムの先進性に鑑
み、翌暦年分の資金を事前に調達する機会を確保するため、9月に借入承認対象額が700億ユーロに
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引き上げられた。 当年を通じてEIBは、貸付業務およびその他のキャッシュ・フロー需要に資金を充
当するため、国際資本市場で700億ユーロを調達した。サステナブル投資への強固な需要を背景に、
全 体に占めるサステナビリティ・ファンディングの比率を7%から15%に伸ばすことができた。当
年において調達資金の増加額と予定された償還額が同じであったことから、2020年の純発行額はゼ
ロであった。純発行額は、2019年のマイナス110億ユーロを除き、2014年から1桁前半で安定してい
る。借入およびコマーシャル・ペーパーの合計残高は、2019年末現在の4,493億ユーロから140億
ユーロ(3.1%)減少して2020年末現在は4,353億ユーロであった。
注(6) レバレッジ比率は、(長期および短期の)債務総額を、調整後の株主持分(自己資金からEIFの資本金
に対するEIBの参加分を控除したもの)で除することにより算出される。
EIB は、流動的かつきわめて質の高い投資に集中することで、流動性管理に対して慎重な姿勢を
とっている。自己勘定取引資産は2020年末現在で総額856億ユーロ(2019年末:809億ユーロ)で
あった。EIBの総流動性比率は内部限度の範囲内で良好に維持されており、流動性資産が2021年の予
想純キャッシュ・アウトフローに占める比率は(2019年の88.6%に対して)78.1%である。極端な
流動性ストレス状況において、EIBのユーロシステム再融資枠へのアクセスが補完的な保護を提供す
る点は重要である。
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1. EIB の財務業績は危機下での強靭性を保持
E IB は低いマージンで多額の貸付金を供与することにより収益を生み出しており、設立以降は毎
(7)
年、年次の法定 財務書類に当期純利益を計上している。 2020 事業年度の当期純利益は 17 億 1,230
万ユーロであり、 2019 年の当期純利益( 23 億 6,360 万ユーロ)から減少した。 2020 年の財務実績に影
響を与えた主な要素は次のとおりである。
(8)
・ EIB により計上された正味受取利息 が、 2019 年の 30 億 3,170 万ユーロに対して 30 億 6,150
万ユーロとなった。この差額は主に金融市場で見受けられるマイナス金利環境によって説明
される。受取利息および支払利息のさらなる詳細は、以下「第3 発行者の概況- (5) 経理の
状況-③ EU 会計指令に基づく個別財務書類」に収載の法定財務書類の注 N に記載されてい
る。
・ 金融業務の純損益は前年比で2億 7,820 万ユーロ減少した。この減少は主に株式およびその
他の変動利付証券の純損益に起因する。
・ 一般管理費が前年比で1億 1,050 万ユーロ増加した。この変動は主に、年金制度および健康
保険制度に適用される割引率などの保険数理基礎計算の修正の影響による福利厚生拠出金お
よびその他の職員費用の増加により生じた。さらなる詳細は、以下「第3 発行者の概況-
(5) 経理の状況-③ EU 会計指令に基づく個別財務書類」に収載の法定財務書類の注 L および
注 R に記載されている。
・ 貸付金および保証に係る引当金純額の推移において、前年比で2億 5,500 万ユーロのマイナ
スの影響が出た。以下「第3 発行者の概況- (5) 経理の状況-③ EU 会計指令に基づく個別
財務書類」に収載の法定財務書類に計上された引当金の純額が、個々の対象事業に関する個
別引当金および COVID-19 の潜在的影響の評価を反映した集合的引当金を含む点には留意すべ
きである。
EIB の貸借 対照表 総額は、 2019 年末現在の 5,536 億ユーロに対して 2020 年末現在は 5,543 億ユーロ
(7億ユーロの増加)であった。
注 (7) EU 会計指令に従って作成されている。
注 (8) 受取利息および類似収益から支払利息および類似費用を差し引いたもの。
純損益および総資産の推移 ( 単位:百万ユーロ)
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1.1. 強固な資本構成
純利益は EIB の業務を支えるために留保されることから、 EIB の着実な収益性は、長年にわたり十
分な準備金の積上げをもたらしてきた。自己資金は、当期純利益の充当および 2020 年1月 31 日付の
英国の欧州連合からの離脱を受けて僅かに減少し、 2019 年末現在の 737 億ユーロから 2020 年末現在の
735 億ユーロとなった。
2020 年 12 月 31 日現在の自己資金構成
自己資金
2020 年 2019 年
12 月 31 日 12 月 31 日
(単位:千ユーロ)
資本金
248,795 607
‐応募済 243,284,155
-226,604,892 -221,585,020
‐払込未請求
22,190,715 21,699,135
準備金
a) 準備基金
24,328,415 24,328,415
b) その他準備金
11,398,958 12,349,294
c) 特別活動準備金
11,736,896 10,777,675
d) 一般貸倒準備金
2,135,891 2,170,177
49,600,160 49,625,561
1,712,323 2,363,586
当期純利益
自己資金合計 73,503,198 73,688,282
当期純利益については、以下の処理が提案された。
( ⅰ ) 準 備 基 金: 5億 5,110 万ユーロ
( ⅱ ) その他準備金: 8億 5,960 万ユーロ
( ⅲ ) 特別活動準備金: 4億 1,610 万ユーロ
( ⅳ ) 一般貸倒準備金: -1億 1,450 万ユーロ
1.2. EIB の払込未請求資本金は十分な緩衝(バッファー)を提供
EIB は EU 加盟国により所有されている。ブレグジットに伴う 2020 年第1四半期の資本金の差替えな
らびにポーランドおよびルーマニアの増資を受けて、 EIB の払込請求済資本金は 222 億ユーロとな
り、応募済だが払込みが未了の資本金、すなわち払込未請求資本金は 2,266 億ユーロとなった。 EIB
の加盟国には、 EIB がその債務を履行するために必要とする場合、必要な払込未請求資本金の各々の
(9)
分担割合分を、 EIB の定款の規定 に従い、 EIB の理事会の請求により払い込むべき法的な義務があ
る。この法的義務は国法に優先する EU の条約に由来しており、このことは EIB の際立った特徴となっ
ている。払込未請求資本金(自己資金の勘定に含まれず、また CRR/CRD IV (第4次自己資本規制・
指令)の自己資本充足目的にもならない。)は、 EIB の借入金の概ね半分に相当するバッファーを構
成する。
注 (9) EIB の定款第5条 (3) :「理事会は、 EIB の債務を履行するために EIB が必要とする限度において、応募済
資本金の残額の払込みを求めることができる。」
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世界的な COVID-19 のパンデミックの発生により、 EU 経済を安定させ危機の長期的影響を軽減する
ための断固たる措置の必要性が強く説かれている。 2021-2027 年の多年次財政枠組み( MFF )および
復興支援商品(「ネクスト・ジェネレーション EU 」)に関する協議を受けて、欧州理事会は7月
に、 特に気候変動への対処および欧州経済のデジタル化における EU の構想に貢献できるように EIB の
能力を強化することを狙いとして、 EIB 総務会に対して EIB の必要資本の検討を要請した。
英国と EIB の関係
英国は、 TEU 第 50 条および離脱協定に基づき、 2020 年2月1日をもって加盟国でなくなった。 EU か
らの離脱により、英国は自動的に EIB の構成員でなくなり、応募済資本金の分担も終了した。 2020 年
2月1日付で、 EIB の応募済資本金における英国の分担金は、その全額につき、残りの EU 加盟国が按
分負担する増資をもって差し替えられた。また 2020 年3月1日付で、ポーランドおよびルーマニア
の EIB に対する応募済資本金が、それぞれ 5,386,000,000 ユーロおよび 125,452,381 ユーロ引き上げら
れた。 EIB は、離脱協定第 150 条に従い 2020 年 10 月 15 日に英国の払込資本金の払戻しを開始し、 12 年
をかけて返済していく。払込未請求資本金に関して、離脱協定は、英国がブレグジット日現在の事
業資本金残高について引き続き責任を負い、融資対象事業に関する払込請求に応じなければならな
い旨を規定している。英国の払込未請求資本金に係る債務は、事実上、ブレグジット前のすべての
承認済み融資対象事業資本金がブレグジット時点の応募済資本金総額を下回った場合に限り、減少
し始める。英国の払込未請求資本金に係る債務は、ブレグジット前の事業資本金がブレグジット時
点の払込済資本金に達した場合に限り消滅する。また英国は、払込済資本金につき、ブレグジット
前の承認済対象事業の資本金が全額返金されるまでの間は引き続きその分担部分に対して責任を負
う。
英国の EU の離脱、およびその結果としての EIB の構成員でなくなること、ならびに当該離脱および
EIB の構成員でなくなるための準備は、上記の資本金の差替えを考慮しても、 2020 年 12 月 31 日現在の
EIB の自己資金に重要な正味の影響を与えなかった。
1.3. 将来の見通し
(10)
2021 年の業務計画 が EIB の理事会により 2020 年 12 月 16 日に承認され、 2021 年1月 20 日に公表さ
れた。 COVID-19 のパンデミックに伴い EIB および EU の政策優先課題は順位の再調整が行われたが、
EIB は引き続き、気候行動および環境サステナビリティの支援に特化した融資の比率を継続的に引き
上げるよう取り組んでいく。同計画に基づき、 EIB は、経済・社会的な結束の支援するため、またイ
ノベーション、デジタル化投資および EU の競争力に貢献するための精力的な取組みを維持してい
く。
注 (10) 年次業務計画は業績指針を含み、また EIB グループの主な優先課題および活動を詳細に記述する。
EIB は 2021 年の契約組成額を 630 億ユーロと目算している。 EIB は、 COVID-19 の危機の拡大、政治環
境の不透明性および市場の需要動向を考慮するため、また資源の最適な調整および実体経済に与え
うるインパクトの最大化を確保するために、財務および信用の長期的な強度を維持することに引き
続き注意を払いつつ、通年で貸出および関連業務の見直しを続けていく。 2021 年の業務計画はま
た、 2022 年および 2023 年の暫定的な指標を提供しているが、これは 2020 年以降の MFF (多年次財政枠
組み)への移行、同 MFF の実施および同 MFF による EU マンデートの新規取得まで確定するものではな
い。
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EIB の貸付は、 EU の社会経済的な結束ならびに気候行動および環境サステナビリティに関する2つ
の包括的政策目標に加え、 EU の政治的優先課題に準じた EIB の公共政策上の目標、とりわけ持続可能
な都市および地域づくり、持続可能なエネルギーおよび天然資源、イノベーション、デジタル資本
お よび人的資本、ならびに SME および mid-cap 向け金融に重点を置き続けている。目標の修正を主導
したのは、新規の MFF および EU 復興計画、 EU の気候対策銀行として地位強化を図る EIB の構想、追加
性および影響評価の枠組み、ならびに国連の持続可能な開発目標( SDGs )に対する EIB の貢献のさら
なる見える化の推進に関連して生じた新たな優先課題であった。これらの目標に沿って、 EIB は、雇
用創出およびグローバル競争力に貢献し、気候、安全保障および技術トランスフォーメーションの
課題に取り組み、欧州の価値を向上させ、ならびに EU 全域における生活水準および繁栄の格差を継
続的に縮小させるようなプロジェクトのために利用可能な長期金融を実施している。
業務計画における資金調達プログラムの予測は、業務目標を達成するために必要と想定される借
入を反映している。理事会は 2021 年について、グローバル借入承認案件の上限を 700 億ユーロとする
ことを承認し、また EIB は 600 億ユーロの資金調達プログラムを想定している旨を公表した。
EIB の良好な信用格付は、そのビジネス・モデルの要諦である。そのため EIB は、そのリスク選好
および公的使命に合致する信用リスク、市場リスクおよび流動性リスクのみを受け入れることとし
ている。健全な財務方針を追求することで、 EIB は長期的な成長のための資金を自給できるよう努め
ている。
2021-2027 年の多年次財政枠組み( MFF )、ネクスト・ジェネレーション EU およびインベスト EU
2020 年7月、 EU 首脳は、 2021-2027 年の MFF およびネクスト・ジェネレーション EU の取組みに関し
て、 COVID-19 の危機からの EU の復興を支援するため、 EU に対して今後7年間で1兆 8,000 億ユーロと
いう前例のない圧倒的な財政投入を行うことで歴史的な合意に至った。この復興計画の一環とし
て、欧州委員会は、 EU のプログラムへの資金供給および支援商品群の新設を目的として、最大 7,500
億ユーロを金融市場から借り入れることができる。 EIB グループは、景気回復局面において EU 経済に
活気を与えるだけでなく、気候、デジタル化および結束に重点を置く EU の主要優先課題に基づき持
続可能な長期成長の道を固める形でも貢献する準備ができている。
EIB グループは、欧州委員会との協力関係のもといくつかのマンデートの実施にあたっており、主
なものとしては EFSI の後継機関であるインベスト EU 、 EU グリーンディールの要素であり低炭素経済
への移行で最も大きな影響を受ける EU 地域の支援を目的とする公 正な移行メカニズム の第2および
第3の柱、ならびに EU 域外の対象事業のための近隣・開発・国際協力機構( NDICI )がある。 EIB グ
ループはインベスト EU の主要な実施パートナーであり、マンデートの予算枠全体の 75 %について管
理責任を負っている。特に EIF は、実施に拠出するために3億 7,500 万ユーロを追加調達する。 EFSI
の成功モデルに基づき、 EU 長期予算の翌期間において持続可能なインフラ、研究、イノベーショ
ン、デジタル化、 SME 、社会的投資および技能に着目した約 4,000 億ユーロの民・官の対欧州追加投
資を呼び込むため、約 260 億ユーロの EU 保証が予定されている。さらに、欧州議会の議員は、 2027 年
までに EU 資金の 30 %以上を気候目的の支出に充てるという目標の達成に向けてインベスト EU が貢献
していることを確認した。
2.貸付業務 - プロジェクト評価を通じた安定的な貸付高
EU の銀行としての EIB の使命は、 TFEU 第 309 条に規定されているとおり、 EU の政策目的を実施する
ための実現可能なプロジェクトに投資することである。資金供与先のプロジェクトは、厳格な経
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済、技術、環境および社会的基準をみたす必要があり、入念なデュー・デリジェンスおよびリスク
管理の実施対象となる。
(11)
2020 年 12 月 31 日現在、契約済貸付金の残高は 5,587 億ユーロ ( 2019 年末: 5,603 億ユーロ)と
(12)
僅かに減少し、このうち 82.2 %( 2019 年: 81.4 %) が EU 域内プロジェクト向けであった。 EIB の
(13)
実行済貸付金のポートフォリオは 4,446 億ユーロ であり、これに対して 2019 年末は 4,475 億ユー
ロであった。 COVID-19 の感染拡大により 2020 年の EIB の実行プロファイルは大きく変わり、 EIB が顧
客の流動性需要を支えるために既存の実行見込み案件の処理を迅速化して優先順位を調整したこと
で、目標額の 50 %以上が当年の上半期中に達成された。実行の加速傾向は下半期も続き、第3四半
期末には目標額の約 80 %を達成し、 2020 年 12 月末現在で 583 億ユーロ(うち 568 億ユーロは EIB の自己
資金源によるもの)となった。
注 (11) 自己資金源、貸付金および代替貸付金を含む。
注 (12) 2020 年1月 31 日の英国の EU 離脱を受けて、比較数値の組換えが行われている。
注 (13) 自己資金源、貸付金および代替貸付金を含む。
2.1. 新規契約
(14)
2020 年の新規契約のフローは 661 億ユーロ であり、このうち 646 億ユーロが EIB の自己資金源に
よるものであった( 2019 年: 633 億ユーロ、うち 619 億ユーロが EIB の自己資金源によるもの)。新規
契約の 85.9 %( 2019 年: 86.8 %)が EU 加盟国のプロジェクトを資金供与先とするものである(地理
的分布の詳細は以下の表を参照のこと。)。
注 (14) 自己資金源、貸付金および代替貸付金を含む。
国別または地域別の契約実績
2020 年 合計比 2019 年 合計比
契約先
( 百万ユーロ ) ( % ) ( 百万ユーロ ) ( % )
イタリア 10,856 16% 9,696 15%
フランス 8,938 14% 6,929 11%
スペイン 7,625 12% 8,094 13%
ドイツ 5,946 9% 5,339 9%
ポーランド 4,615 7% 4,394 7%
ギリシャ 2,391 4% 2,031 3%
スウェーデン 2,106 3% 1,871 3%
オランダ 2,037 3% 2,477 4%
オーストリア 1,636 2% 1,554 2%
ポルトガル 1,614 2% 1,379 2%
ベルギー 1,279 2% 1,730 3%
チェコ共和国 1,195 2% 1,308 2%
リトアニア 1,026 2% 47 0%
アイルランド 902 1% 960 2%
ハンガリー 758 1% 702 1%
フィンランド 652 1% 1,713 3%
(
注 )
EFTA 68 0% 113 0%
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*
他の EU 加盟国 3,187 5% 4,670 7%
候補国および
潜在的候補国 873 1% 649 1%
**
8,385 7,594
その他諸国 13% 12%
66,089 63,250
(*) ブルガリア1億 1,500 万ユーロ、クロアチア3億 4,200 万ユーロ、キプロス2億 4,500 万ユーロ、デンマー
ク5億 4,700 万ユーロ、エストニア2億 8,000 万ユーロ、ラトビア1億 1,900 万ユーロ、ルクセンブルク
3,700 万ユーロ、マルタ 2,300 万ユーロ、ルーマニア4億 6,000 万ユーロ、スロバキア1億 7,200 万ユー
ロ、スロベニア2億 2,100 万ユーロ、多国間契約6億 2,600 万ユーロ。
(**) 2020 年1月 31 日の英国の EU 離脱を受けて、他の EU 加盟国からその他諸国までの比較数値が修正再表示さ
れている。
( 注 ) EFTA :欧州自由貿易連合
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2.2. COVID-19 への EIB の対応策
2020 年3月に EIB グループは、欧州委員会の保証を得て、目標動員額を最大 280 億ユーロとする支
援行動計画を設定した。この計画の目的は COVID-19 の感染拡大で打撃を受けた中小企業の流動性お
よび運転資本上の制約を軽減する点にあり、計画には加盟国銀行向けの保証や流動性枠、さらに資
産担保証券の購入プログラムなど長年培われた EIB グループの商品が含まれている。
パンデミックの発生から当年末にかけて、 EIB は、(総額 828 億ユーロの全承認案件の一部とし
て) COVID-19 の危機への直接対応を目的とした総額 339 億ユーロの 172 件の個別対象事業を承認し
た。また、 68 の既存信用枠について総額 46 億ユーロの上乗せを実施した。
パンデミックの深刻さを認識し、 2020 年5月に EIB 理事会は、最大 250 億ユーロ規模の汎ヨーロッ
パ保証基金( EGF )の設立を承認した。 EGF は、欧州連合の COVID-19 対策総合パッケージの一部とし
て欧州理事会により承認され、これにより EIB グループは、主に欧州の中小企業向けに最大 2,000 億
ユーロの資金を追加供給できるようになる。
その参加者である EU 加盟国は EIB の資本拠出金に比例して保証を提供し、 EGF の計算で EIB グループ
が実施する EGF 事業から生じうる損失はこの保証によりカバーされる。 EGF に基づく事業は当初 2021
年 12 月 31 日までの期間で承認され、 EGF の計算で EIB グループにより実施される。 EGF は参加加盟国の
事業に資金を供給していくが、拠出金は特定加盟国の事業支援のために色分けされるものではな
く、資金の特定的な集中は制限される。
EGF は、その参加者である EU 加盟国および EIB との間で法文書が交わされ 2020 年8月 24 日に正式に
設立された。 2020 年 12 月 31 日現在の EIB の承認額は 27 億ユーロであり、資金提供総額で 278 億ユーロ
の動員を目指す。
また、 COVID-19 のパンデミックによる経済的影響への対策の一環として、 EIB は、特定の状況下に
ある顧客が利用できる多くの支援措置を講じることを決定し、これには (i) 財務コベナンツおよび
その他の重要条項の暫定的な条件緩和(権利放棄を含む。)、 (ii) 新たな返済スケジュールの設定
または返済義務の一時凍結によるキャッシュ・フローの再構築、ならびに (iii) 新規契約の締結、
ローンの実行前倒しおよび顧客貸付の増額など、その他の一定の補完的支援策が含まれる。 EIB は、
具体的状況における制約の下で、かかる措置の申請を案件ごとに評価している。これらの措置は、
COVID-19 のパンデミックの経済的な影響から一時的な影響を受けながらも構造的財政困難や支払能
力の懸念を生じておらず、かつかかる措置を与える時点で継続企業と認められる顧客に対して提供
していく。
用意されたその他の返済猶予措置の詳細は、以下「第3 発行者の概況- (5) 経理の状況-③ EU
会計指令に基づく個別財務書類」に収載の法定財務書類の注 U に記載されている。
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これと並行して、医療インフラ投資、研究の推進、その他ワクチンや治療法に関する資金の手当
てといった医療投資のために、医療部門の総額 60 億ユーロのプロジェクトに係る現在の起債見込み
に 基づき、緊急時インフラおよび治療法・ワクチン開発のための医療部門向け追加資金が利用可能
となった。 EIB は、この重大な疾病に対する治療法および診断法ならびに COVID-19 ワクチンを開発す
る欧州の革新的なバイオ医薬品・医療技術会社を直接支援している。
2020 年 12 月 31 日現在、 EIB の医療系の起債見込み案件の契約は 52 億ユーロとなり、このうち1億
7,500 万ユーロが COVID-19 ワクチンの応用研究に関するものであった。
さらに EIB グループは、 EU 域外諸国に対する 65 億ユーロの支援の確約により、 EU と全面的に連携し
た「チーム・ヨーロッパ」としての対応に貢献しており、これには欧州委員会が発表した 33 億ユー
ロの地域向け金融支援パッケージの一部であり COVID-19 のパンデミックからの西バルカン諸国の社
会・経済的復興を支援するための 17 億ユーロが含まれる。
EU タクソノミ規則の流れを受けた上記の活動と資本市場を直接関連付ける取組みとして、 EIB は、
持続可能性への意識を高めるための債券( SAB )の適格対象を拡張して、 COVID-19 のパンデミックの
克服に直接関係する EIB の資金供給を含めるようにした。
2.3. EFSI は投資目標を超過達成
2020 年7月に、 EFSI は COVID-19 の欧州経済への影響緩和に取り組む中で、 5,000 億ユーロの投資支
援という第2の目標を予定より早く超過達成した。 EFSI は EU 経済に明確な影響を与えており、また
コロナウィルスのパンデミックへの対応に多様性を与えている。 2020 年末現在、 EIB グループは総額
(15)
1,028 億ユーロ にのぼる 1,549 件の対象事業を抱え、実施する投資は目標の 5,000 億ユーロを超え
る 5,466 億ユーロと見込んでいる。
注 (15) この金額は、グローバル承認案件や全部解約された事業を除いたアクティブな事業を参照している。
2020 年 12 月 31 日現在、総額 698 億ユーロの資金供給を伴うインフラストラクチャーおよびイノ
ベーション・ウィンドウ( IIW )の 733 件の対象事業が承認されており、 574 億ユーロはすでに契約済
みである。このうち 375 億ユーロは実行済みであり、その内訳は 346 億ユーロがデット・タイプ・オ
ペレーション(負債型取引)および 29 億ユーロがエクイティ・タイプ・オペレーション(持分型取
引)であった。
SME ウィンドウ( SMEW )のもとで、 205 億ユーロにのぼる 461 件の金融保証取引が承認された。
2020 年末現在、 EFSI の支援の恩恵を受ける保証取引について 155 億ユーロが契約済みであった。 EIF
はまた、 SMEW の持分およびリスク資金源受託業務を通じて、 125 億ユーロ相当の投資基金を用いた
355 件の取引を承認しており、 2020 年 12 月 31 日現在における契約額は 106 億ユーロとなった。
インフラストラクチャーおよびイ
(*)
合計 2020 事業年度
ノベーション・ウィンドウ( IIW )
承認済事業件数
733 162
2020 年 12 月 31 日現在の
承認済事業( 100 万ユーロ) 69,770 13,020
うち持分型取引 7,608 1,456
うち負債型取引 62,162 11,564
契約済事業件数 630 135
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2020 年 12 月 31 日現在の
契約済事業( 100 万ユーロ) 57,361 9,562
うち持分型取引 6,868 987
うち負債型取引 50,493 8,575
2020 年 12 月 31 日現在の
実行済事業( 100 万ユーロ) 37,460 9,623
うち持分型取引 2,905 1,037
うち負債型取引 34,555 8,586
(*) 前年と同様、金額は 2020 年中に解約された事業を控除している。
SME ウィンドウ( SMEW ) 合計 2020 事業年度
承認済プロジェクト件数
816 150
2020 年 12 月 31 日現在の
承認済事業(百万ユーロ) 33,049 9,251
契約済プロジェクト件数 759 143
2020 年 12 月 31 日現在の
契約済事業(百万ユーロ) 26,054 6,073
2.4. EU 域外の事業
EU 域外に貸付金を供給することにより、 EIB は約 60 年にわたり EU の対外的政策目標を積極的に推進
してきた。 EIB は、 EU にとって戦略上の重要性が最も高い EU 近圏(東部近隣諸国、西バルカン諸国、
中東および北アフリカを含む。)における最大の国際貸付機関である。また EIB は、アフリカ、ラテ
ンアメリカおよびアジアに置かれた約 30 の在外事務所により EU 域外での業務を実施している。
2020 年は EU 域外での需要が引き続き大きく、 2020 年末現在で 994 億ユーロ(うち 2020 年に契約した
ものは 93 億ユーロ)の貸付金を 102 か国に付与してきた。 EU 外の活動の大部分は、 EU からの保証(対
外貸付マンデート)または EIB の構成員からの保証(コトヌゥー協定)により、包括保証または政治
リスク保証の形でカバーされている。次世代のマンデートに関する MFF の協議の中で、 EIB はすで
に、政策的一貫性をさらに高め EU の外部パートナーと対話するという EU のプロセスに重要な一員と
して関与している。この点では、 NDICI の枠組みが来年以降の EIB の EU 域外業務における継続性を基
礎付けることになる。
EIB は、欧州の開発金融アーキテクチャに関して 2019 年 10 月に賢人会幹部グループから出された報
告書の事後調査プロセスにおいて、 EU の開発金融アーキテクチャを充実させ、またグローバルな課
題への取組みの中でその役割を高めるために尽力している。
ロシア
EIB は、欧州理事会により 2014 年に採択された対ロシア制裁措置を引き続き適用している。ロシア
連邦内の借手に対する EIB の実行済エクスポージャーの総額は、 2020 年末現在で 1,780 万ユーロ
( 2019 年: 2,260 万ユーロ)であり、このうち EIB の自己リスクによるものはなかった。
ウクライナ
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ウクライナにおける実行済エクスポージャーの総額は、 2020 年末現在で 14 億 8,610 万ユーロ( 2019
年: 12 億 8,430 万ユーロ)であった。このうち 12 億 3,670 万ユーロ( 2019 年: 10 億 6,330 万ユーロ)は
EU 域外貸付マンデートの保証でカバーされるが、それ以外は EIB の自己リスクによる。さらに、未実
行 であるが契約済みの事業において 45 億 90 万ユーロが確約されており、このうち1億 7,010 万ユーロ
について EIB が自己リスクを負うと見込まれている。
トルコ
トルコにおける実行済エクスポージャーの総額は、 2020 年末現在で 104 億ユーロ( 2019 年: 123 億
ユーロ)であった。このうち 62 億ユーロ( 2019 年: 65 億ユーロ)は EU 域外貸付マンデートの保証で
カバーされるが、 42 億ユーロ( 2019 年: 58 億ユーロ)は EIB の自己リスクによる。さらに、未実行で
あるが契約済みの事業において5億ユーロが確約されており、このうち1億ユーロについて EIB が自
己リスクを負うと見込まれている。
レバノン
レバノンのカウンターパーティーの信用状態は、同国の政治経済の混乱による影響が生じてい
る。レバノンにおける実行済エクスポージャーの総額は、 2020 年末現在で4億 5,840 万ユーロであ
り、このうち3億 9,190 万ユーロ( 85 %)は EU 域外 貸付 マンデートにより保証されている。さらに、
未実行であるが契約済みの事業において8億 8,810 万ユーロが確約されており、このうち 450 万ユー
ロに限り EIB が自己リスクを負うと見込まれている。健全性を理由に、実行済事業のリスク・ポート
フォリオについては特別規定が整備されている。
ベラルーシ
ベラルーシにおける EIB の実行済エクスポージャーはかなり限定的であり( 2020 年末現在で1億
9,000 万ユーロ ) 、その 95 %は EU 域外貸付マンデートにより保証されている。さらに、未実行である
が契約済みの事業において3億 6,000 万ユーロが確約されており、このうち 1,000 万ユーロに限り EIB
が自己リスクを負うと見込まれているが、これは域外貸付マンデートに基づく EU 政治リスク保証で
カバーされている。
2.5. 綿密なデュー・デリジェンスおよび厳格な選別基準
EIB のデュー・デリジェンス手続( EFSI の対象事業を含め、すべての事業に適用される。)は、す
べてのプロジェクトに厳格な適格基準を適用することで貸付金の優良性を確保している。プロジェ
クトの評価手続には、貸付担当役員、エコノミスト、エンジニアおよびその他の分野の専門家、リ
スク管理者および法律家による査定が含まれる。プロジェクトの実現可能性は、4つの角度(経
済、技術、環境/社会および財務)から検討される。
プロジェクトの選定時から、プロジェクトの残存期間を通じてリスク方針が適用される。 EIB は、
早期介入を可能とするため契約後の監視を行っており、当初の状態からの悪化または契約条項への
違背の有無を注意深く捕捉している。プロジェクトの審査および事前評価の厳守は、定期的な事後
検証と相まって、 EIB の貸付金ポートフォリオの質を支えている。
気候の観点は、全プロジェクトの調査およびモニタリングを通じて考慮される。 EIB は、直接に資
金供給を行ったプロジェクトで重大な排出を伴うものすべてに関し、二酸化炭素排出量を絶対値と
相対値で計算および報告する。さらに、二酸化炭素の経済的価値を環境外部経済性の会計処理に含
めている。
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2.6. 高度 に担保された優良な貸付金ポートフォリオ
COVID-19 の危機が EIB の貸付金ポートフォリオの質に与える影響は限定的である。 EIB が従う保守
的な貸付方針は、融資対象プロジェクトの性質および強固な担保の設定と相まって、 EIB がよりリス
ク の高い貸付に傾斜する中にあっても優良な貸付金ポートフォリオを支えている。貸付金ポート
フォリオが高格付であることは、 EIB の減損率の低さおよび債務不履行が現在に至るまで低水準で
あったことに反映されている。
・ EIB の貸付金ポートフォリオの圧倒的多数は、信用補完もしくは EU へのリコースまたは EU 加盟
国の保証により手当てされている。信用補完の多くは、 EU ソブリン保証、欧州連合予算による
保証、投資適格を有する銀行および企業による保証、ならびに質の高い金融担保および権利ま
たは質権の設定という形をとっている。銀行および企業に対する無担保の貸付金は、合計で
(16)
1,358 億ユーロ ( 2019 年末: 1,367 億ユーロ)であり、 2020 年 12 月 31 日現在のリスク・ポー
トフォリオ全体の 26.7 %( 2019 年末: 26.6 %)を占めた。
注 (16) 自己資金源、貸付金および代替貸付金を含む。
・ 貸付エクスポージャーに関する予想損失は、専用の一般貸倒準備金( GLR )に割り当てられ
る。
・ EIB のリスク・ポートフォリオの資産の質は極めて優良な水準で維持されている。 2020 年末現
(17)
在の EIB のリスク・ポートフォリオのうち、内部格付上の投資適格水準 をみたす最善の借手
または保証人を相手先とするものが 83.2 %( 2019 年: 84.4 %)を占めた。
注 (17) Baa3 を上回る格付。
(18)
・ 2020 年末の EIB の実行済ソブリン・エクスポージャー は 465 億ユーロ( 2019 年: 452 億ユー
(19)
ロ)であり、ソブリンによる保証が付された契約済エクスポージャー は 780 億ユーロ( 2019
年: 797 億ユーロ)であった。 EIB は保有する EU ソブリン・エクスポージャーおよび EU ソブリン
保証エクスポージャーに関していかなる減損も計上しなかった。 EIB の優先債権者としての地位
および定款に基づいて与えられる保護により、 EIB のソブリン資産の全額回復が保証されると考
えられている。
注 (18) 自己資金源による貸付金および代替貸付金を含む。
注 (19) 自己資金源による貸付金および代替貸付金を含む。
・ 2020 年末現在、実行済エクスポージャーの総額において、 19 億ユーロ( 2019 年: 16 億ユー
ロ)の 61 件の貸付契約( 2019 年: 57 件の貸付契約)が特別条項の対象となり減損が生じた。こ
のような取引は貸付金ポートフォリオ全体の 0.4 %( 2019 年: 0.4 %)であり、そのために EIB は
エクスポージャーの総額(実行済エクスポージャー、経過利息および延滞エクスポージャー)
に対して総額5億 8,730 万ユーロ( 2019 年:4億 8,690 万ユーロ)の個別引当金を計上してい
る。
・ 2020 年初頭の COVID-19 の感染拡大を受け、 EIB は、クライアントおよび経済環境全般に対する
危機の潜在的影響を評価した。これに関連して、 2020 年末に集合的引当金として 7,480 万ユーロ
の追加引当金が EIB の財務書類に計上された。
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(20)
・ 欧州連合または加盟国のグローバル/包括保証により担保されていない貸付金 で、 90 日
を超えて延滞しているものは、 2020 年末現在で1億 1,710 万ユーロ( 2019 年:1億 4,600 万ユー
ロ)であった。
注 (20) 貸付金ポートフォリオのうち 90 日を超えて延滞しているものの詳細は、以下「第3 発行者の概況
- (5) 経理の状況- ③ EU 会計指令に基づく個別財務書類」に収載の法定財務書類の注 U を参照のこ
と。
・ EIB の通常の活動よりも高いリスクを伴う事業は、「特別活動」と呼ばれる。 2020 年に締結さ
(21)
れた新規の特別活動の規模 は 111 億ユーロ( 2019 年: 150 億ユーロ)で、そのうち8億ユー
ロ( 2019 年: 15 億ユーロ)は EIB の自己リスクで実行されており、残りの 103 億ユーロ( 2019
年: 135 億ユーロ)はポートフォリオの信用リスク低減措置の対象となっている。自己資金源に
(22)
よる特別活動 の累積残高は 196 億ユーロ( 2019 年: 199 億ユーロ)と前年並みであった。
注 (21) 自己資金源による貸付金および代替貸付金を含むが、 EIB の EIF に対するマンデートは除く。
注 (22) 自己資金源による貸付金および代替貸付金を含むが、 EIB の EIF に対するマンデートは除く。
・ EU または加盟国の包括保証が付されていない自己資金源による特別活動は現在、リスク・
ポートフォリオ全体の約 3.6 %( 2019 年: 3.9 %)を占めている。
・ EIB の自己リスクによる特別活動に関する偶発損失は、専用の特別活動準備金( SAR )に配分
され、その額は 2020 年末現在で 64 億ユーロ( 2019 年: 61 億ユーロ)であった。さらに、 EIB に代
わって EIF が運営する活動に関連して SAR に 57 億ユーロ( 2019 年: 56 億ユーロ)が配分されてい
る。 2020 年の損益処理案を加味した特別活動準備金は 121 億ユーロとなる。
・ 貸付金格付に基づく要注意リストには、まだ一般的に債務は履行されているが、入念なモニ
タリングが必要な貸付取引が含まれる。こうした取引は、内部貸付金格付の引下げを受けて、
または重大な信用事象が発生した後に要注意リストに入れられる。把握されるリスクが増えた
ことから、要注意リストの金額は 74 億ユーロ( 2019 年: 60 億ユーロ)に増加し、リスク・ポー
トフォリオの 1.3 %( 2019 年: 1.1 %)を占めた。
3. 資金調達業務
EIB は、国際資本市場での債券発行を通じて長期資金を調達することにより、貸付の需要に対応し
ている。資金調達活動は、決められた目標額を、 EIB の資産負債管理に適した満期設定により達成
し、コストを持続可能な範囲で最適化することを目指す。このような枠組みの中で、 EIB の気候戦略
はグリーンボンド市場を量的および質的に支えるという追加目標を掲げ、そのための活動分野は欧
州グリーンディールと関連付けて EIB の気候銀行ロードマップに規定されている。
EIB の資金調達戦略は、大規模かつ流動性が高い主要通貨建のベンチマーク起債に依拠している。
これを補完するものとして、通常は発行の打診に応じて行う対象限定型の発行(普通債および仕組
債)があり、これによって通貨や市場を分散しているが、 EU タクソノミ規則への EIB の適合(気候銀
行ロードマップに明記されている。)の流れを受けてサステナビリティ・ファンディングの中でも
次第に目立つ要素となってきている。資金調達の源泉および期間の分散は、 EIB の資金調達の柔軟性
を支えている。
EIB は、 600 億ユーロの資金調達プログラムおよび 650 億ユーロの借入承認を発表して当年をスター
トさせた 。 2020 年の資金調達目標額が 2019 年( 503 億ユーロ)と比べて高いのは、 EIB の貸付目標、
債務の返済および堅実な所要流動性額を考慮したためである。 EIB の 2020 年資金調達プログラムの先
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進性に鑑み、また COVID-19 の危機拡大に対して翌暦年分の資金を事前に調達する機会を確保するな
ど一層の柔軟性を備えるため、 EIB の理事会は9月、借入承認対象額を 50 億ユーロ増額して上限を
700 億ユーロとすることを承認した。 2020 年に、 EIB は 19 通貨(そのうち4つは合成通貨)建で 700 億
(23)
ユーロ相当 の債券を発行した。 2020 年はまた、 EIB 史上最高の 105 億ユーロ相当のサステナビリ
ティ負債商品の発行という功績を残し、資金使途がグリーンでソーシャルな債券について EIB が最大
の国際機関発行体であること、および欧州グリーンディールや EU タクソノミ規則の流れを受けてこ
うした発行へのサステナブル投資家の関心が高まっていることが確認され た。
注 (2 3) ユーロ相当額は、取引日の実勢為替レートで換算されている。
3.1. EIB の資金調達の満期構成
・ 2020 年の資金調達の平均満期は、 2019 年( 7.2 年)から微減して 6.9 年となった。
・ 通貨別では、通常、ユーロ建の発行において、 EIB の主要通貨の中で最も長い平均満期が設け
られる。 2020 年のユーロ建資金調達の平均満期は 8.9 年( 2019 年: 10.1 年)であった。これを支
えたのは、 30 億ユーロ(長期)および 50 億ユーロ( 10 年物)のユーロ・エリア・リファレン
ス・ノート( EARN 債)、 10 億ユーロの新規 CAB ( 2035 年満期、発行残高は 18 億ユーロに増額)お
よび CAB ( 2042 年満期)のタップ発行(総額 12 億 5,000 万ユーロ)、 11 億ユーロの新規ユーロコ
オペレーション債( ECoop 債)( 20 年物)、ならびに 2036 年9月満期の Ecoop 債の3度の増枠で
あった。
・ その他の通貨(ユーロ、英ポンドおよび米ドル以外)建の発行全般の平均満期は 5.2 年で、昨
年から僅かに短縮した。
平均満期 ( 単位:年 )
通貨 2020 年 2019 年
ユーロ
8.9 10.1
英ポンド 4.8 4.8
米ドル 5.1 4.5
その他 5.2 5.9
全体
6.9 7.2
・ 商品別では、サステナビリティ・ファンディング(気候変動および持続可能性への意識を高
めるための債券である CAB および SAB )、すなわちサステナブル志向の長期投資家と EIB との相互
理解を趣旨とする商品において、主要商品の中で最も長い 11.1 年の平均満期が設けられてお
り、前年の 9.8 年から伸長した。
・ その他の商品分野の発行全般の平均満期は 6.1 年で、 2019 年( 7.0 年)から短縮した。
3.2. 地理別ハイライト
・ 2020 年の全体的な投資家の分布は 2019 年と比べて大きな変化はなかった。欧州は、引き続き
投資家需要の主要な源泉と位置付けられており、その比率は昨年と比べて微増の 69 %( 2019
年: 67 %)であった。
・ アジアの投資家の関心は、すべての通貨建の発行で微減となり、その比率は 2019 年の 21 %か
ら 2020 年は 17 %となった。米州の投資家の比率は、 2019 年の 10 %から微増の 12 %となり、特に
ユーロ建の発行で増加した。
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・ 通貨間の地理的な偏差は依然として大きく、欧州域外の需要の大部分が米ドル建債に集中し
ている。
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3.3. 投資家の種別
・ 銀行の自己勘定取引が引き続き需要の大部分を占め、その比率は前年から不変の 37 %であっ
た。ユーロ建債については銀行の自己勘定取引の比率は 2019 年と同水準( 35 %)を維持した一
方、米ドル建の発行で微増傾向およびその他の通貨でより明白な増加傾向が見られた。英ポン
ド建債は銀行の自己勘定取引が6%ポイント減って 59 %を占めたが、その支配的な勢力を保っ
た。
・ EIB の債券で最も大きい投資家区分は依然として銀行の自己勘定取引であるが、ここ数年は投
資元が中央銀行および政府系機関に若干シフトしている。この変化は主に、 (i) 米ドル建およ
びユーロ建のベンチマーク債の発行に対する中央銀行(大半がヨーロッパ以外)の関心の高ま
り、 (ii) 銀行の自己勘定取引に係る適格流動資産( HQLA )のバッファー構築圧力の緩和、およ
び (iii) ノンバンクのサステナブル投資に対する注目の急増( EIB の発行合計に占める CAB およ
び SAB の比率の増加から明白である。)が牽引した。
・ その他の投資家(法人およびリテール投資家を含む。)から生じる需要の比率は、 EIB の非中
核通貨建の発行を中心に微減し、 2020 年は4%( 2019 年:6%)となった。
・ CAB と SAB の両債券に対する投資家需要の伸びは、サステナブル投資に寄せるノンバンクの注
目の急速な高まりを浮き彫りにしている。これまで保険会社、年金基金、その他のファンドマ
ネジャーが牽引してきた需要は、今や銀行や中央銀行の間でも高まっている。これらの2つの
重要な投資家セグメントに特化した投資アプローチの発達は、 EU タクソノミ規則が設定する枠
組みの明確性と法的安定性の向上により促されており、 EIB が貸付および資金調達活動でその先
導役を担っていることを特記しておく。
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3.4. EIB の主要発行通貨による資金調達パターンおよび商品タイプ
ユーロ、米ドルおよび英ポンドの主要通貨建の発行は、合わせて 2020 年の調達総額の 90 %( 2019
年: 85 %)を占めた。商品別では、資金調達プログラム全体に対して前年と同率の 59 %が英ポンド
建および米ドル建ベンチマーク債のフォーマットで発行され、また 15 %が CAB/SAB のフォーマットで
発行され 2019 年(8%)から大幅に増加した。
2020 年に EIB は、 EARN 債のフォーマットによるユーロ建ベンチマーク債(典型的に 30 億- 50 億ユー
ロの範囲内で設定)で 330 億ユーロを調達し、これは調達総額の 47.1 %を占めた( 2019 年: 227 億
ユーロ、 45.1 %)。パンデミックが EU を襲った3月に EIB は、 COVID-19 の感染拡大以降で初の国際機
関ベンチマーク債となる 30 億ユーロの5年物ベンチマーク債を発行し、市場の再開にあたりリー
ダーシップを示した。
EIB は 2020 年に、米ドル建で 226 億ユーロ( 2019 年: 138 億ユーロ)相当および英ポンド建で 64 億英
ポンド( 74 億ユーロ相当)の資金を調達し、米ドル建債および英ポンド建債の発行体としての主導
的な地位を確認した。 EIB の資金調達活動の一般的な前倒しを要因として、 2019 年実績の 55 億英ポン
ド( 62 億ユーロ)から明確な増加となり、かかる前倒しがパンデミックの打撃に対して成果をあげ
たことは実証済みである。
ユーロ相当額 (単位:十億ユーロ)
通貨 2020 年 2019 年
ユーロ 33.0 22.7
米ドル 22.6 13.8
英ポンド 7.4 6.2
その他 7.0 7.6
合計
70.0 50.3
3.5. その他の通貨による資金調達パターン
EIB の通貨多角化の方針は資金調達の柔軟性を強化するものであり、 EIB が費用優位性を獲得し、
現地通貨による実行の需要に応え、資金調達の満期プロファイルを細かく調整することを可能にし
ている。 2020 年に、 EIB はユーロ、米ドルおよび英ポンド以外の 16 の通貨(そのうち4つ(ブラジ
ル・レアル、エジプト・ポンド、インドネシア・ルピアおよびインド・ルピー)は合成通貨)建で
債券を発行した( 2019 年: 14 の非主要通貨、そのうち4つは合成通貨)。その他の通貨建の発行額
は 76 億ユーロから 2020 年には 70 億ユーロへとやや減少し、当期の調達総額の 10 %( 2019 年: 15 %)
を占めた。その他の通貨建の発行については、パンデミックの発生に起因する当該通貨圏のボラ
ティリティを主な理由として、当年中のほとんどの期間で好機が減少した。
EIB は引き続き国際 機関 として世界最大のポーランド・ズロチ建債の発行体であり、 EIB で3番手
の実行通貨である同通貨の実行需要に応えて、年間発行高は過去最高の 80 億ポーランド・ズロチ
( 10 億ユーロ)となった。 2020 年、 EIB のスカンジナビア市場での活動が際立ち、スウェーデン・ク
ローナ建で過去最高の 176 億スウェーデン・クローナ( 16 億ユーロ相当)を発行し、またノル
ウェー・クローネ建で 108 億ノルウェー・クローネ( 10 億ユーロ)を発行した。これにはノル
ウェー・クローネ建で初のグリーンボンドとなる 20 億ノルウェー・クローネの3年物 CAB (同通貨建
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の当年の発行全体の 19 %)が含まれ、社会的責任投資( SRI )の国内投資家から力強い支持を受けて
いる。
ユーロ相当額
(単位:十億ユーロ)
通貨 2020 年
1.79
ポーランド・ズロチ
1.64
スウェーデン・クローナ
1.03
ノルウェー・クローネ
0.73
カナダ・ドル
0.55
オーストラリア・ドル
0.31
南アフリカ・ランド
0.28
メキシコ・ペソ
0.26
デンマーク・クローネ
0.14
人民元
0.10
ブラジル・レアル
0.07
トルコ・リラ
0.04
香港ドル
0.03
ロシア・ルーブル
0.02
エジプト・ポンド
0.02
インド・ルピー
0.01
インドネシア・ルピア
合計
7.02
3.6. 無リスク金利
EIB は引き続き、新しい無リスク金利債券市場でリーダーシップと専門性を発揮している。 EIB
は、3つのすべての主要通貨建でユーロ STR 債、 SOFR 債および SONIA 債をアクティブに扱う唯一の発
行体であり、萌芽期市場の困難をきわめる環境にあっても、これら商品の発行高は前年( 2019 年:
49 億ユーロ)を上回り 2020 年は 61 億ユーロとなった。
(24)
・ SONIA : 2020 年に EIB は、総額 25 億英ポンドの SONIA 連動商品を発行した。 2020 年8月に
EIB は、英国中央銀行(イングランド銀行)が8月3日から公表している新たな SONIA 複利指数
を参照した初のベンチマーク債である 10 億英ポンド(増枠なし)( 11 億ユーロ)の5年物 SONIA
債を発売した。これらの金利の関連指数に連動させた EIB のベンチマーク債の発行はこれで2例
目であり、新しい無リスク金利の発展に対する EIB の関与を世界に顕示するものである。
(25)
・ SOFR : EIB は 2020 年も引き続き SOFR 債についてアクティブであり、1月に発行して成功
を収めた 10 億米ドル(9億ユーロ)の3年物、および米国連邦準備銀行が 2020 年3月から公表
している SOFR の指数を使った初の起債となる 10 億米ドル(9億ユーロ)の4年物の、2本の新
規ベンチマーク起債を実施した。 2020 年 10 月に EIB は別途5億米ドルのタップ発行を実施して同
商品の総残高を 15 億米ドルとしたが、これは市場で SOFR 指数連動債の増額が行われた初めての
ケースとなった。
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(26)
・ ユーロ STR : EIB はユーロ STR 市場の発展を継続的に促進する取組みを続けており、 2020
年1月に 10 億ユーロの3年物ユーロ STR 連動債を発行したことで、このフォーマットで2本のベ
ン チマーク債を出した唯一の発行体となった。
注 (24) SONIA :英ポンド翌日物平均金利
注 (25) SOFR :担保付き翌日物資金調達金利
注 (26) ユーロ STR :ユーロ短期金利
3.7. EU のサステナビリティ・アジェンダに関連付けたサステナビリティ・ファンディング
3.7.1. サステナブル投資を促す EU タクソノミ規則
EU の気候対策銀行としての役割を踏まえ、 EIB の持続可能性に対する戦略的アプローチでは、一方
で EU タクソノミ規則が設定する枠組みの EU 政策目標と EIB の貸付業務を整合させることを目指し、他
方で気候変動および持続可能性への意識を高めるための債券( CAB および SAB )の発行手取金を EU グ
リーンボンド基準が設定する枠組みに則した EIB の貸付実行に配分することを目指している。
3.7.2 2020 年のサステナビリティ・ファンディング
EIB は、策定中の EU サステナビリティ・タクソノミに合わせて CAB および SAB の文書を作成した最初
の発行体である。これらの商品の発行手取金は、 EU の持続可能性目標(すなわち、 CAB では気候変動
の緩和、および SAB ではその他の環境や社会の持続可能性目標)への貢献度が高い貸付業務に対して
配分される。
2020 年に EIB は、これらの商品の資金調達プログラム全体に占める比率を( 2019 年の8%から 15 %
へと)大幅に伸ばし、 CAB および SAB の発行高は過去最高の 105 億ユーロ( 2019 年: 41 億ユーロ)相当
となった。これは、 12 通貨にわたる 32 件の起債により達成され、そのうち当年中にこのフォーマッ
トに初採用された通貨は3通貨( 2019 年:7通貨)であった。
サステナブル投資への需要の急増に支えられるこの大幅な成長は、 CAB および SAB の適格対象の拡
張により可能となった。 これら の拡張は EU タクソノミ規則および気候銀行ロードマップを受けて実
施されたものであり、 CAB/SAB の債券文書にも記載されている。
2020 年6月に EIB は、気候に関する技術専門家グループの 2020 年3月のタクソノミ案に沿って CAB
の適格対象を初めて拡張することを発表し、その範囲は再生可能エネルギーおよびエネルギー効率
から、 EIB の気候変動緩和活動のその他の分野(すなわち (i) 革新的な低炭素技術の研究、開発お
よび展開、ならびに (ii) 電鉄インフラ、鉄道車両および電動バス)にまで広がった。同様の趣旨
で、 SAB の適格対象も当年中に拡張され、 COVID-19 のパンデミックの克服に直接関係する資金供給を
含むようになり、こうした拡張は国の保健当局および医療緊急事態に直面する病院、検査施設、
ネットワークに対する EIB の支援、ならびに対応能力の整備に向けた EIB の貢献の一環としてなされ
た。医療危機を受けて医療緊急事態の影響が教育分野に大きく及んだことに照らし、教育分野の SAB
(27)
の適格対象も同様に高等教育にまで拡張された 。
注 (27) EU サステナビリティ・タクソノミで未対応の社会的目標について、 EIB は EU サステナビリティ・タ
クソノミの精神と論理の枠内で独自の定義を用いる。
3.7.3 サステナビリティ・ファンディングの通貨構成
ユーロ建のサステナビリティ・ファンディングの主なハイライトには、 EIB の COVID-19 パンデミッ
ク対応の重要性を浮き彫りにした 2028 年満期 SAB 、および EU タクソノミ規則のまさに採択当日に発行
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され、また EIB による同時期の CAB 適格対象の拡張が市場で注目された 2035 年満期 CAB の、それぞれ 10
億ユーロ規模の2つの 商品 が含まれる。 EIB はまた、米ドル建のサステナビリティ・フォーマットに
つ いてもアクティブであり、初発行となる 10 億米ドルの7年物および 10 年物の新規グローバル SAB 2
件および 15 億米ドルの 2030 年満期グローバル CAB が、強固な投資家需要を呼び込み大幅な応募超過と
なった。
また、 2020 年はノルウェー・クローネ、香港ドル、メキシコ・ペソ市場への初展開でも注目さ
れ、それぞれ 20 億ノルウェー・ クローネ の 2023 年満期 CAB 、3億香港ドルの 2022 年満期 CAB および
4,100 万メキシコ・ペソの 2023 年満期 CAB を発行した。
2016 年以降、年次 CAB フレームワークの中で CAB の配分および影響評価報告が公表されており、こ
れには KPMG による合理的な保証が 付されて いる。 2018 年9月に初設定された SAB について、これと同
じアプローチが当年に拡張され、また 2018-2019 年期の SAB フレームワークが初めて公表された。
CAB SAB
(28) (29)
2020 年中に EIB は 70 億ユーロ の CAB を発行 2020 年中に EIB は 38 億ユーロ の SAB を発行
した。当年中に、 88 億ユーロの実行が CAB の発 した。当年中に、 39 億ユーロの実行が SAB の
行手取金からの配分適格をみたすと認定さ 発行手取金からの配分適格をみたすと認定さ
れ、 86 億ユーロの CAB の発行手取金が EIB の配 れ、 39 億ユーロの SAB の発行手取金が EIB の配
分手続を経てかかる実行に配分された。自己 分手続を経てかかる実行に配分された。自己
保有 CAB の未使用の CAB 手取金残高は、年初で 保有 SAB ポートフォリオの未使用の SAB 手取金
19 億ユーロおよび年末で3億ユーロであっ 残高は、年初で2億ユーロおよび年末で1億
た。 ユーロであった。
注 (28) CAB からの発行手取金純額を基準とする。
注 (29) SAB からの発行手取金純額を基準とする。
4. EIB のサステナビリティ・アジェンダ
2020 年中に EIB は、気候非常事態の克服を主導するという EU の気候対策銀行としての役割を確認し
た。 EIB グループは引き続き、昨年発表した野心的な気候対策目標を達成すること、および 2030 年ま
での危機の 10 年にわたり気候対策戦略を実施することに取り組んでいる。
2020 年に EIB は、気候非常事態を克服するため 2016 年から 2020 年の5年間で 1,000 億米ドルの資金
を供給するという、 2015 年にパリ気候会議( COP21 )で発表された目標を達成した。 2020 年だけでも
EIB は、同年の EIB の貸付全体の 37.4 %を占める約 242 億ユーロ( 2019 年: 193 億ユーロ)を気候行動
に投資して、 EIB が最大の国際気候行動金融機関であることを確認した。
4.1. EIB の 2021-2025 年気候銀行ロードマップ
2020 年 11 月、 EIB の理事会は、今後5年間の気候行動と環境サステナビリティを支援するための
EIB グループの資金供給および助言業務について「気候銀行ロードマップ( CBR )」という事業展開
計画を承認した。 CBR は、公正な移行メカニズムを含む欧州グリーンディールを通じて COVID-19 の危
機からのグリーンな復興を支援し、窮状にある EU 域外国への支援を継続し、また持続可能な開発目
標の達成に貢献するために機能する。
CBR では特に以下の枠組みが用意されている。
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・ 低炭素で持続可能で強靱な開発への支援を世界中の脆弱地域およびコミュニティに提供するた
めの、欧州グリーンディールで策定された重点分野における移行の加速。 EU 加盟国、開発途上
国および新興国との対話の強化、および事業開発や商品イノベーションの具体化に際して活用
さ れる。
・ 結束を支え、また気候中立的な EU 経済に向けた 2050 年までの移行の道筋において取り残される
人や場所が出ないようにする、漏れのない公正な移行の保証。 EIB グループは、 EU グリーン
ディールの基礎である公正な移行メカニズムにおいて中心的な役割を担い、その具体的な範囲
は、移行対象地域を絞りインベスト EU が管理する公正な移行スキームに注力する第2の柱、お
よび公共部門向けの貸付ファシリティに重点を置く第3の柱である。
・ パリ協定の目標および原則(特に重要なものとして、気温上昇幅を 1.5 度に抑える目標など)に
対する EIB の業務の適合化支援、クリーンで低炭素なプロジェクトへの集中の促進、ならびに排
出を削減しデジタル化を促進するための革新的技術の後援。
・ (1) サステナブル・ファイナンスや環境・社会サステナビリティの大枠における気候関連活動
の位置づけ(サステナブル・ファイナンスに関する EU タクソノミへの適合を含む。)、 (2) 透
明性、説明責任および質の保証、ならびに (3) EIB グループの活動に対する組織的な支援とい
う3分野の横断的見地からの戦略的一貫性と説明責任の構築。
さらに CBR は、 EIB の活動における気候リスクの設定、管理および報告を行うこと、ならびにグ
リーン金融商品の開発や資本市場でリーダーシップを維持することを目指している。
EIB は先陣を切って手本を示しており、 EU のサステナブル・ファイナンスに関する技術専門家グ
ループ( TEG )を承継した EU サステナブル・ファイナンス・プラットフォームを積極的に支援するた
め現場の専門知識を活用している。最後に、 EIB はより多くの協力が世界中で育まれるよう全力で取
り組んでおり、その表れとして、 EIB はサステナブル・ファイナンスに関する国際連携プラット
フォーム、金融システムのグリーン化ネットワーク、および気候行動に取り組む財務大臣連合にオ
ブザーバー/パートナーとして関与している。
5. 自己勘定取引活動
5.1. 高品質の資産
自己勘定取引管理は、財務コミットメントを継続的に履行する能力を EIB に確実に備えさせ、およ
び EIB の資産負債方針を実践するという2つの役割を果たしている。資金は、多様化における低リス
ク戦略に基づく所定の基準に従って定まるポートフォリオに投資される。 EIB のポートフォリオ管理
は常に、 EIB の統治機関が設定したガイドライン、健全性に係る制限および指標に準拠していなけれ
ばならない。
2020 年末現在、自己勘定取引の対象には以下のポートフォリオが含まれる。
・ 短期自己勘定取引ポーオフォリオ( TMP ):日々の流動性管理のために設定される。
・ 証券流動性ポートフォリオ( SLP ):ユーロ、英ポンドおよび米ドルの通貨に投資して自己勘
定取引資産のリターンを向上させるとともに、多様性を提供することを目指す。欧州中央銀行
( ECB )の適格担保資産の 75 %保有が課される中での運用となり、 SLP もまた流動性の補完ルー
トとして機能する。
・ 長期ヘッジ・ポートフォリオ( LTHP ):高品質ユーロ建資産を対象とした資産負債管理
( ALM )ツールとして機能する。
当期末現在、これらの資産の大部分( 93 %)は満期1年未満の短期商品に投資される自己勘定取
引金融ポートフォリオとして保有されていた。自己勘定取引ポートフォリオの信用エクスポー
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ジャーの内訳については、以下「第3 発行者の概況- (5) 経理の状況- ③ EU 会計指令に基づく個
別財務書類」に収載の EIB の法定財務書類の注記を参照のこと。
5.2. 慎重 な流動性管理
自己勘定取引活動は、投資される資本を保護し、かつ EIB が確実に全額について期限弁済できるこ
とを第一目標に据えて実施されている。流動性は一貫して、 EIB の業務環境に対応して設定される健
全性に係る限度内で維持されている。
COVID-19 のパンデミックに伴いグローバル金融市場の情勢全般が不確実であるにもかかわらず、
EIB は、流動性管理に対する慎重なアプローチの結果として、引き続き強固な流動性ポジションおよ
び必要な流動性リソースへの柔軟なアクセスを維持している。すべての流動性リスク指標は各限度
値を十分に上回る水準で安定的に維持されている。
2020 年末現在の総自己勘定取引資産は 856 億ユーロ( 2019 年: 809 億ユーロ)であり、また EIB の総
(30)
流動性比率は 78.1 %( 2019 年: 88.6 %)と、最低流動性要件の 25 % を十分に上回った。流動性
カバレッジ比率は当期末現在で 366.7 %( 2019 年: 483.4 %)であった。
注 (28) 最低流動性比率は、翌 12 か月に関する予想純キャッシュ・アウトフローの 25 %である。
ユーロシステムの金融政策オペレーションの適格取引当事者として、 EIB は欧州中央銀行の金融政
策オペレーションへのアクセスも有している。このアクセスは、その恒常的なオペレーションの維
持を確保するために、たとえ低水準であっても定期的に活用されている。オペレーションは、 EIB が
最低準備金要件をカバーするための預け金をルクセンブルク中央銀行に維持している場合は、ルク
センブルク中央銀行を通じて遂行される。欧州中央銀行適格担保をレポする能力は、 EIB の流動性
バッファーを大幅に増加させる。 2020 年末現在、 EIB がルクセンブルク中央銀行に在庫保有するユー
ロシステム上のリユース適格を備えた有価証券の総額は 260 億ユーロであり、その内訳は EIB の所有
資産が 140 億ユーロおよびリユース適格受取担保が 120 億ユーロであった。ルクセンブルク中央銀行
に預け置く現金の総額は 346 億ユーロであった。
2020 年6月8日に EIB は、中央清算機関の最大手の1つである LCH SA に加盟した。この加盟は、
ディーラーが証券担保の流動性を売り買いして LCH が中央清算を行うレポ取引市場へのアクセスを自
己勘定取引に与えるものであり、また、有担保レポ市場で巨額の短期流動性プールが形成される際
には EIB の流動性リスクへの強靭性の向上にも寄与する。
5.3. 2020 年の自己勘定取引金融損益
ユーロの中短期のマイナス金利が依然として市場環境を規定しており、すなわち、期間、信用の
質および流動性の要件をみたす投資機会を見出すことは困難であった。 ECB の姿勢が招いた超短期
ユーロ金利の一層の引下げという特徴的な市場環境において、当期の自己勘定取引ポートフォリオ
からの金融実績はマイナス 1,600 万ユーロ( 2019 年:2億 7,400 万ユーロ)となり、 EIB の自己勘定に
係る総合平均リターン率は 0.0 %( 2019 年: 0.4 %)であった。
5.4. 資産 負債管理
EIB の資産および負債に係る金利、為替および基礎的リスクのポジションは、所定の制限の範囲内
で管理されている。この中で、管理対象リスク・ファクターの対象エクスポージャーを実現するた
めに、標準的なデリバティブ商品を用いて多様なリスクプロファイルを調整している。金利リスク
戦略は、 EIB の事業の自立的な持続可能性および自己資金の増強を確保することを目標としている。
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6.最良の銀行業の慣行に従った保守的なリスク管理
EIB はそのリスク管理を最良の銀行業の慣行(ベスト・バンキング・プラクティス)に合わせるよ
う心掛けており、こうした慣行の厳守は、総務会に直接に報告を行う独立機関たる監査委員会によ
り監視されている。年次の業務目標および方向性を決定するための手法は、堅固な信用状態、貸付
事業の長期性向およびポートフォリオの粒度を維持するという EIB の目的を考慮に入れている。 EIB
は、その活動に付随する信用リスク、流動性リスク、市場リスクおよびオペレーショナル・リスク
を監視する一式の指標を定めている。この指標には、最低自己資本要件、 EIB の貸付金ポートフォリ
オの信用状態の分布、リスク集中措置および流動性措置が特に含まれる。
EIB の貸付方針は、貸付対象事業に係る債務者および保証人の双方に最低信用水準を設定してお
り、受入れ可能とみなされる証券の種類を特定している。リスク分析において、 EIB は貸付に関して
内部格付制度を適用しており、カウンターパーティーに内部格付を付与している。さらに、カウン
ターパーティーおよび部門に係る制限の制度を通じて、信用方針は貸付金ポートフォリオの十分な
分散を確保している。 EIB はその 10 の主要産業に関して部門ごとの制限を設定し、またその他の関連
産業についてエクスポージャーの総額をモニタリングしている。制限は、ストレス下の資金需要、
すなわちある産業が低迷に陥った場合のエクスポージャーの総額に基づき設定される。
EIB グループの事業活動から生じる主なリスク・カテゴリーは次のとおりである。
・ 信用リスク : 決済リスク等のあらゆる形式の信用エクスポージャーに基づき、顧客またはカ
ウンターパーティーのデフォルトから生じる損失のリスク。
・ 市場リスク : 金利、為替および株価のような市場変数に対するエクスポージャーから生じる
リスク。
・ 流動性および資金調達リスク : EIB グループが合理的な価格により、あるいは極端な状況下
ではいかなる価格によっても、資産調達の資金繰りおよび義務の履行ができなくなるリスク。
・ オペレーショナル・リスク : 内部プロセス、人員およびシステムの不備または過誤、あるい
は外部事象の結果として生じるおそれのある損失。
財務リスク管理の詳細については、以下「第3 発行者の概況- (5) 経理の状況- ③ EU 会計指令
に基づく個別財務書類」に収載の法定財務書類の注 U および EIB のウェブサイト上のリスク管理開示
報告書(英文)を参照のこと。
2018 年 10 月3日に EIB は、 EIB の総務会の事前承認を経て、「欧州投資銀行のベスト・バンキン
グ・プラクティス( BBP )の指針的原則」 ( 英文 ) をウェブサイト上で公表した。 BBP の指針的原則は
上級経営陣向けの文書であり、原則の全体像および銀行業規則の一般的範囲ならびに BBP として EIB
に適用される指針を定めている。同文書はさらに、関連する規則を特定するための評価基準を定
め、また一般的調整を通じて EIB のビジネス・モデルの特殊性を考慮している。同文書は EIB の統治
機関により定期的に見直される。
7.企業の社会的責任
サステナビリティは EIB グループの活動および手続に織り込まれている。業務をパリ協定に適合さ
せるための EIB の取組みを示す形で、 2020 年 11 月に EIB 理事会は、カーボン・ニュートラルな経済へ
の移行の加速を支援し欧州グリーンディールに貢献するために 2021-2025 年気候銀行ロードマップを
承認した。 EIB の野心的な持続可能性への取組みは、 EIB の業務および内部手続の両面に反映されて
いる。資金供給の観点から、 EIB は、財務、経済および技術、さらにサステナビリティの適格性を基
準にプロジェクトを選定している。適格プロジェクトは、 EIB の環境・社会( E&S )規範および基準
を遵守している必要がある。これに加えて、 EIB は、社会に対するプロジェクトの予測コストおよび
貢献を全体的に評価するための経済的評価を実施する。全体として社会にプラスの影響をもたら
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し、かつ EIB の環境・社会に係る規範および基準に則ったプロジェクトに対してのみ資金が提供され
うる。
知的で持続可能で包摂的な成長を支援する EIB の活動についての概要を提供するため、 EIB グルー
プはサステナビリティ報告書を毎年発行しており、外部監査人による限定的保証を受けている。こ
の報告書は、グローバル・レポーティング・イニシアチブ( GRI )の付属資料およびサステナビリ
ティ会計基準機構( SASB )の開示資料と併せて読まれるべきである。どちらの書類(英文)とも EIB
のウェブサイトで入手可能である。
(31)
8. EIB グループの財務実績
EIB グループは EIB と EIF で構成される。
注 (31) このセクションでは、 EU 会計指令および国際会計基準( IFRS )に基づいて作成された EIB グループの連
結財務書類に触れる。
8.1 EU 会計指令に基づく EIB の連結財務書類
EU 会計指令に基づく 2020 年の連結当期損益は 17 億 4,990 万ユーロで、これに対して 2019 年の当期純
利益は 24 億 1,880 万ユーロであった(すなわち、前期比の差額はマイナス6億 6,890 万ユーロまたは
マイナス 27.7 %)。 EU 会計指令に基づく連結損益はそのほぼすべてが EIB 単体の損益からなるため、
この結果は法定財務書類の当期純利益と密接に連動する。
2020 年 12 月 31 日現在の EIB グループの貸借対照表金額は、 2019 年 12 月 31 日現在に対して9億ユーロ
の増加を示し、 5,561 億ユーロとなった。
8.2 IFRS (国際会計基準)に基づく EIB の連結財務書類
IFRS に基づく 2020 年の連結当期損益は、 2019 年に確認された同損益が 29 億 5,760 万ユーロであった
のに対して 26 億 3,740 万ユーロであった(すなわち、前期比の差額はマイナス3億 2,020 万ユー
ロ)。 IFRS に基づく同損益に関するその他の情報は、 EIB グループの IFRS に基づく連結財務書類の注
記で提供される。
② 業務上の重要な協約
該当なし
③ 日本との関係
日本の資本市場における EIB の活動は 1970 年代まで遡り、その中には1兆円を上回る規模の 60 を超え
る案件(シンジケートローン、公募および私募債券発行)が含まれる。
EIB は日本および日本の居住者に対して貸付を行ったことがない。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
(5) 【経理の状況】
以下の和文財務書類は、英文財務書類を原本として作成されている。英文財務書類はそれぞれEIBの監
査人であるKPMGルクセンブルクによる監査を受けている。
①【IFRSに基づく連結財務書類】
当有価証券報告書の本項に記載されているEIBグループの 2020 年12月31日現在の連結貸借対照表な
らびに同日に終了した事業年度の連結損益計算書、連結純損益およびその他の包括利益計算書、連
結持分変動計算書および連結キャッシュ・フロー計算書( 「IFRSに基づく連結財務書類」)は、欧
州連合によって採用された 国際財務報告基準(「IFRS」)に 準拠して作成されている。
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有価証券報告書
連結貸借対照表
2020年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
資産 2020 年12月31日 2019 年12月31日
1. 現金、中央銀行および郵便局預け金
(注B.1) 835,163 947,155
2. 中央銀行担保適格国庫証券およびその他短
期証券 (注B.2) 32,194,810 34,569,333
3. 金融機関貸付金および預け金
a )要求払 613,764 544,317
b )その他の貸付金および預け金(注C) 60,268,922 53,854,954
c )貸付金(注D.1) 106,066,078 111,858,695
d )貸付金および預け金の減損(戻入れ控除
-125,922 -159,046
後)(注D.2)
166,822,842 166,098,920
4. 対顧客貸付金および預け金
a )その他の貸付金および預け金(注C) 900,604 964,239
b )貸付金(注D.1) 344,965,282 339,352,049
c )貸付金および預け金の減損
-482,180 -597,140
(戻入れ控除後)(注D.2)
345,383,706 339,719,148
5. 確定利付証券を含む負債証券 (注B.2)
a )公共機関による発行 5,200,497 3,921,585
7,720,588 8,598,121
b )その他による発行
12,921,085 12,519,706
6. 株式およびその他の変動利付証券
(注B.3) 13,323,450 11,599,562
7. デリバティブ資産 (注Q) 53,285,964 49,788,848
8. 有形固定資産 (注E) 371,854 403,863
9. 無形資産 (注E) 39,279 25,655
10. その他の資産 (注G.1)
81,132 82,267
11. 払込請求済だが払込未済の応募済資本金お
よび準備金(注W.1) 1,454,535 0
12. 前払金
319,762 261,206
13. 売却目的保有資産 11,000 0
627,044,582 616,015,663
資産合計
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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有価証券報告書
連結貸借対照表(続き)
2020 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
負債および資本 2020 年12月31日 2019 年12月31日
負債
1. 金融機関に対する債務 (注H.1)
a )要求払 4,197,199 6,284,469
12,302,079 1,184,732
b )期日払または通知払
16,499,278 7,469,201
2. 顧客に対する債務 (注H.2)
a )要求払 1,680,511 1,594,508
20,951 15,540
b )期日払または通知払
1,701,462 1,610,048
3. 債務証書借入 (注I)
a )負債証券 471,636,014 476,380,419
13,260,959 16,946,697
b )その他
484,896,973 493,327,116
4. デリバティブ負債 (注Q) 38,355,226 32,525,648
5. その他の負債 (注G.2) 5,487,842 2,098,163
6. 繰延収益 (注F) 434,583 373,072
7. 引当金
a )年金制度および健康保険制度(注J) 9,569,495 7,892,289
61,084 74,091
b )保証および契約債務引当金(注D)
9,630,579 7,966,380
557,005,943 545,369,628
負債合計
資本
8. 資本金 (注W)
a )応募済資本金 248,795,607 243,284,155
-226,604,892 -221,585,020
b)払込未請求資本金
22,190,715 21,699,135
9. 連結準備金
a )準備基金 24,328,415 24,328,415
b )その他準備金 6,486,767 8,000,597
c )公正価値準備金 522,532 712,446
d )特別活動準備金 11,736,896 10,777,675
2,135,891 2,170,177
e )一般貸倒準備金
45,210,501 45,989,310
2,637,423 2,957,590
10. 当期純利益 (注K)
70,038,639 70,646,035
EIB 株主に帰属する資本合計
70,038,639 70,646,035
資本合計
627,044,582 616,015,663
負債および資本合計
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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有価証券報告書
連結損益計算書
2020年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
(1)
1. 受取利息および類似収益 (注L) 17,823,932 24,469,730
2. 支払利息および類似費用 (注L) -14,901,098 -21,550,415
3. 株式およびその他の変動利付証券からの収益 275,473 278,533
4. 受取手数料 (注O) 497,687 440,593
5. 支払手数料 (注O) -327,649 -252,282
(2)
6. 金融業務損益 (注M) 649,410 701,493
7. その他の業務収益 (注N) 5,557 5,925
8. 貸付金および預け金の減損ならびに保証引当
金の変動(戻入れ控除後) (注D.2、D.4) -26,464 95,472
9. 固定金融資産として保有される
譲渡可能有価証券、株式およびその他の変動
利付証券の減損の変動(戻入れ控除後) 835 -1,193
10. 一般管理費 (注J、P)
a)人件費(注J) -1,049,435 -899,305
-223,575 -247,821
b)その他の管理費
-1,273,010 -1,147,126
11. 減価償却費および償却費:有形固定資産お
よび無形資産 (注E)
a)有形固定資産 -69,240 -67,543
-18,010 -15,597
b)無形資産
-87,250 -83,140
2,637,423 2,957,590
12. 当期純利益
帰属先:
0 0
非支配持分
2,637,423 2,957,590
EIB株主
(1) 2020年12月31日終了年度の受取利息および類似収益には、償却原価で保有される資産について実効金利法を用いて計
算された6,260,630千ユーロ(2019年:7,390,859千ユーロ)が含まれる。
(2) 2020年12月31日終了年度の金融業務損益には、償却原価で測定される金融資産の認識中止による純利益6,610千ユー
ロ(2019年:8,327千ユーロ)が含まれる。
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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有価証券報告書
連結純損益およびその他の包括利益計算書
2020 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
当期純利益 2,637,423 2,957,590
その他包括損益
その後に純損益に振替えられることのない項目:
確定給付債務の再測定(注J) -1,157,082 -1,736,097
FVO に指定された金融負債の自己信用リスクの変
動に起因する公正価値の変動-公正価値準備金
(注R) -109,852 -215,857
FVOCI での測定に指定された資本性金融商品に対
する投資の純利益/損失(注B.3) 22,122 3,163
その後に純損益に振替えられる項目:
ヘッジ・デリバティブの通貨ベーシス・スプレッ
ドに起因する公正価値の変動-公正価値準備金
(注Q) -102,184 153,190
-1,346,996 -1,795,601
その他包括損益合計
1,290,427 1,161,989
包括損益合計
帰属先:
0 0
非支配持分
1,290,427 1,161,989
EIB株主
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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有価証券報告書
連結持分変動計算書
2020年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
応募済 払込未請求 準備 その他 公正価値
資本金 資本金 基金 準備金 準備金
243,284,155 -221,585,020 24,328,415 6,964,454 771,949
2019年1月1日現在の残高
包括損益
当期純利益/損失 0 0 0 0 0
その他包括損益 0 0 0 -1,736,097 -59,504
包括損益合計 0 0 0 -1,736,097 -59,504
前年度利益処分額 0 0 0 2,775,249 0
その他 0 0 0 -3,009 1
0 0 0 0 0
株主との取引合計
243,284,155 -221,585,020 24,328,415 8,000,597 712,446
2019年12月31日現在の残高
包括損益
当期純利益/損失 0 0 0 0 0
その他包括損益 0 0 0 -1,157,082 -189,914
包括損益合計 0 0 0 -1,157,082 -189,914
前年度利益処分額 0 0 0 2,032,655 0
その他 0 0 0 -416 0
株主との取引
2020年2月1日より英国に支払
われる資本金(*) -39,195,022 35,699,118 0 0 0
2020年3月1日付の均衡的資本
差替え(*) 39,195,022 -35,699,118 0 -3,495,904 0
2020年3月1日付のポーランド
およびルーマニアからの非均衡
的増資(*) 5,511,452 -5,019,872 0 1,106,917 0
5,511,452 -5,019,872 0 -2,388,987 0
株主との取引合計
248,795,607 -226,604,892 24,328,415 6,486,767 522,532
2020年12月31日現在の残高
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有価証券報告書
連結持分変動計算書(続き)
2020年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
特別活動 一般貸倒 利益処分前 連結自己
準備金 準備金 当期純利益 合計 資本合計
9,626,707 2,736,047 3,360,347 69,487,054 69,487,054
2019年1月1日現在の残高
包括損益
当期純利益/損失 0 0 2,957,590 2,957,590 2,957,590
その他包括損益 0 0 0 -1,795,601 -1,795,601
包括損益合計 0 0 2,957,590 1,161,989 1,161,989
前年度利益処分額 1,150,968 -565,870 -3,360,347 0 0
その他 0 0 0 -3,008 -3,008
0 0 0 0 0
株主との取引合計
10,777,675 2,170,177 2,957,590 70,646,035 70,646,035
2019年12月31日現在の残高
包括損益
当期純利益/損失 0 0 2,637,423 2,637,423 2,637,423
その他包括損益 0 0 0 -1,346,996 -1,346,996
包括損益合計 0 0 2,637,423 1,290,427 1,290,427
前年度利益処分額 959,221 -34,286 -2,957,590 0 0
その他 0 0 0 -416 -416
株主との取引
2020年2月1日より英国に支払
われる資本金(*) 0 0 0 -3,495,904 -3,495,904
2020年3月1日付の均衡的資本
差替え(*) 0 0 0 0 0
2020年3月1日付のポーランド
およびルーマニアからの非均衡
的増資(*) 0 0 0 1,598,497 1,598,497
0 0 0 -1,897,407 -1,897,407
株主との取引合計
11,736,896 2,135,891 2,637,423 70,038,639 70,038,639
2020年12月31日現在の残高
(*) 注A.1.3を参照
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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有価証券報告書
連結キャッシュ・フロー計算書
2020 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
A. 営業活動によるキャッシュ・フロー:
当期純利益 2,637,423 2,957,590
調整額:
貸付金および預け金の減損ならびに保証引当金の変動(注D.2、D.4) 26,464 -95,472
有形固定資産および無形資産の減価償却費および償却費ならびに償却(注
E) 87,300 83,870
固定金融資産として保有される譲渡可能有価証券、株式および
その他の変動利付証券の減損の変動 -835 1,193
負債証券の公正価値調整の変動額 -82,783 -135,173
貸付金および関連するスワップのIFRSに基づく調整(注M.1) -36,174 -2,233
借入金および関連するスワップのIFRSに基づく調整(注M.1) -267,844 -129,812
その他デリバティブのIFRSに基づく調整(注M.1) 540,944 579,069
正味受取利息(注L.1) -2,922,834 -2,919,315
10,530 -1,615
為替調整額
-7,809 338,102
営業活動による利益/損失
金融機関および対顧客貸付金および預け金の実行額 -51,605,321 -40,819,872
金融機関および対顧客貸付金および預け金の返済額 48,874,685 46,502,444
その他の貸付金および預け金の変動額 12,798,500 -12,939,990
中央銀行預け金の変動額(注B.1) 1,621 30,808
財務運用ポートフォリオの変動額 593,177 6,134,232
金融機関および顧客に対する債務の変動額(注H) 9,134,010 3,064,416
年金制度および健康保険制度の引当金の変動額 602,440 550,344
保証および契約債務引当金の変動額(注D.4) 2,825 -10,199
現金および現金同等物に係る経過利息の変動額 30,054 22,554
その他の資産およびその他の負債の変動額 -64,392 188,761
利息受取額 14,298,798 22,872,120
-14,262,269 -20,379,662
利息支払額
20,396,319 5,554,058
営業活動による/(で使用した)正味現金
2020 年 2019 年
B. 投資活動によるキャッシュ・フロー:
期中に購入した長期ヘッジ・ポートフォリオの有価証券 0 -720,000
期中に満期が到来した長期ヘッジ・ポートフォリオの有価証券 61,000 139,600
負債証券ポートフォリオに含まれる代替貸付金およびEIFの
ABSポートフォリオの購入 -3,109,456 -3,889,925
負債証券ポートフォリオに含まれる代替貸付金およびEIFの
ABSポートフォリオの償還額 3,307,500 3,830,869
株式およびその他の変動利付証券取得額(注B.3) -2,185,459 -2,350,011
株式およびその他の変動利付証券売却額(注B.3) 1,194,465 680,031
-62,285 -37,999
有形固定資産および無形資産購入額(注E)
-794,235 -2,347,435
投資活動による/(で使用した)正味現金
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連結キャッシュ・フロー計算書(続き)
2020 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
C. 財務活動によるキャッシュ・フロー:
債務証書借入の発行 150,299,236 141,610,413
債務証書借入の償還 -150,160,396 -152,891,158
加盟国の拠出 159,850 0
EIF 株式購入 -13,267 0
EIF 株式売却 7,510 2,201
非支配持分に対する配当金の支払 0 -4,331
-40,697 -39,150
リース負債の返済
252,236 -11,322,025
財務活動による/(で使用した)正味現金
2020 年 2019 年
キャッシュ・フローの要約表:
現金および現金同等物期首残高 29,709,759 37,246,503
以下による正味現金:
営業活動 20,396,319 5,554,058
投資活動 -794,235 -2,347,435
財務活動 252,236 -11,322,025
-1,489,426 578,658
保有現金に係る為替調整
48,074,653 29,709,759
現金および現金同等物期末残高
現金および現金同等物の内訳:
現金、中央銀行および郵便局預け金(ルクセンブルク中央銀行の最低預金
準備率を充足するための預け金を除く)(注B.1) 725,794 836,165
短期金融市場証券(注B.2) 2,801,772 3,551,379
金融機関および対顧客貸付金および預け金:
要求払 613,764 544,317
43,933,323 24,777,898
その他の貸付金および預け金(注C)
48,074,653 29,709,759
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連結キャッシュ・フロー計算書(続き)
2020 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
現金を伴わない変動
金融負債の
公正価値
キャッシュ・ その他の
2019 年 2020 年
為替差額
フロー
調整および
変動額
未払利息
長期借入 482,229,122 -66,087 -13,185,535 5,627,641 0 474,605,141
リース負債 156,512 -40,697 1,398 431 6,631 124,275
11,097,994 204,927 -1,011,089 0 0 10,291,832
短期借入
493,483,628 98,143 -14,195,226 5,628,072 6,631 485,021,248
財務活動による負債合計
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
欧州投資銀行グループ
連結財務書類に対する注記
2020 年12月31日現在
欧州投資銀行(「EIB」)は、1958年にローマ条約により、欧州連合(「EU」)の長期貸付銀行として設立
された。EIBの任務は、EU加盟国の統合、均衡の取れた発展、経済的および社会的な結束に貢献することであ
る。EIBは、資本市場で多額の資金を調達し、それらの資金をEU政策目標を促進するプロジェクトに有利な条
件で貸し付けている。EIBは継続的に、その業務をEU政策の展開に適合させている。
登記上の事務所所在地は、 98-100, boulevard Konrad Adenauer, L-2950 Luxembourg である。
EIB と子会社を合わせて「グループ」と総称する。
EIB の子会社については、注B.4.1に開示されている。
注A: 重要な会計方針
A.1. 作成基準
A.1.1. 基準等への準拠
欧州投資銀行グループの連結財務書類(「本財務書類」)は、欧州連合により採択された国際財務
報告基準(「IFRS」)に準拠して継続企業を前提として作成されている。
経営委員会の提案を受け、理事会は2021年3月11日に本財務書類を採択し、2021年4月23日までに
これを総務会に提出して承認を求めることを承認した。
A.1.2. 測定基準
本連結財務書類は、デリバティブ金融商品、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融
資産、純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融資産および金融負債、強制的に純損益を通
じた公正価値で測定される金融商品ならびに、当初認識額からIFRS第15号に基づく償却額(該当する
場合)を控除した金額とIFRS第9号に準拠して決定された損失引当金のいずれか高い金額で測定され
ている金融保証を除き、償却原価に基づいて作成されている。受取レグは、IFRS第9号に従い、将来
キャッシュ・フローを割り引くことによって、純損益を通じて公正価値で測定されている。
適格公正価値ヘッジ関係におけるヘッジ対象に指定された金融資産および金融負債の償却原価
(「AC」)は、ヘッジ損益に関して調整されている。
確定給付債務に関する負債は、同債務の現在価値に未認識の保険数理利益を加算した値から未認識
過去勤務費用または未認識の保険数理損失を差し引いた金額で認識される。
また、別途明記されていない限り、本財務書類は千ユーロ単位に四捨五入して表示されている。
A.1.3. EIBの英国に対するエクスポージャー
2017年3月29日、英国は、欧州連合条約(「TEU」)第50条に従って欧州連合(「EU」)から離脱す
る決定を欧州理事会に通知した。英国は、TEU第50条および「グレートブリテンおよび北アイルランド
連合王国の欧州連合および欧州原子力共同体からの離脱協定」(「離脱協定」)に基づき、2020年2
月1日をもってEU加盟国でなくなった。英国のEUからの離脱により、英国は自動的に欧州投資銀行
(「EIB」)の構成員でなくなり、応募済資本金の分担も終了した。
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2020年2月1日より、EIBの応募済資本金における英国の分担金は、その全額につき、残りのEU加盟
国が按分負担する増資をもって差し替えられた。この資本の差替えは、EIBにおける英国の応募済資本
金の払込請求済部分に加え、払込未請求部分も対象とするものであった。払込請求済部分の差替え
は、 EIBの準備金を払込請求済の応募済資本金に振り替えることで賄われた。増資の結果、残りの各EU
加盟国において、EIBの応募済資本金の払込未請求(請求可能)持分が按分で増加した。
また、ポーランドおよびルーマニアのEIBに対する応募済資本金が、それぞれ5,386,000,000ユーロ
および125,452,381ユーロ引き上げられた。この増資(非均衡的増資)は、英国のEU離脱から1ヵ月後
の2020年3月1日に効力を生じた。ポーランドとルーマニアは、EIBの応募済資本金の増加分の払込請
求済部分につき支払いを行うものとし、10回の均等分割により半年ごとにEIBの準備金に拠出を行って
いく。
なお、英国のEU離脱に伴うEIB定款の数多くの変更がすでに効力を生じた。EIB定款変更の第一群
は、2020年2月1日に効力を生じた。英国がEIBの構成員でなくなったことを反映するこれらの法定の
変更には、EIB定款における英国への言及の削除が含まれた。ガバナンス条項のいくつかの変更も同時
に効力を生じ、かかる変更には、EIB理事会の代理メンバーの増員、ならびにEIBの業務計画、手続規
則および経営委員会の委員の任命の承認に係る特定多数決方式の導入が含まれた。EIB定款変更の第二
群は、ポーランドおよびルーマニアからの増資ならびに関連するガバナンスの変更に関するものであ
り、2020年3月1日に効力を生じた。
英国がEIBの構成員でなくなった結果として、離脱協定には、EIBに関する財務決済を定めるいくつ
かの規定が盛り込まれている。離脱協定第150条に定める条項に従い、英国は、EIBに対する応募済資
本金の従前の分担に従い、EU離脱前のEIBのエクスポージャーについて引き続き責任を負う。これに関
連して、2020年12月31日現在で、EU離脱前のEIBのエクスポージャーは573,420百万ユーロとなり、一
方、英国の負債の限度額は39,195百万ユーロとなった。
英国は、EIBのその他のリスクについても、それが離脱後の融資に関するものでない限り引き続き責
任を負う。また、EIBは、離脱協定第150条に定める条項に従い、EUに代わって、EIBの払込請求済資本
金に対する英国の分担金相当額を12回の分割により毎年英国に支払う。英国の払込請求済資本金の払
戻しを除き、EIBは、英国がEIBの構成員でなくなることに関連して、または離脱協定の関連条項に定
める英国の一部債務の留保を理由として、英国に対してその他の弁済、返金または報酬を支払う義務
を負わないものとする。
英国のEU離脱およびその結果としてのEIBの構成員でなくなること、ならびに当該離脱およびEIBの
構成員でなくなるための準備は、上記のEIBの自己資本に対する影響を除き、2020年12月31日現在およ
び同日に終了した事業年度の連結財務書類に重要な影響は与えなかった。
A.2. 重要な会計上の判断および見積り
本連結財務書類を作成するにあたり、経営委員会は報告されている収益、費用、資産、負債ならび
に偶発資産および偶発債務の開示に影響する見積りおよび仮定を立てることが求められている。入手
可能な情報の使用、および判断の適用は、見積りに特有のものである。将来の実際の結果は、これら
の見積りとは異なる場合があり、これらの差異は本財務書類に対して重要なものとなる可能性があ
る。
最も重要な判断および見積りは、次のとおりである。
金融商品の公正価値
連結貸借対照表に計上する金融商品の公正価値は、活発な市場から入手できない場合は、数学的モ
デルの使用も含め、様々な評価技法を用いて算定する。これらのモデルに使用するデータは、可能で
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あれば観察可能な市場から入手するが、不可能な場合は、時価の設定に際しある程度の判断を要す
る。こうした判断には、流動性や長期デリバティブの相関性やボラティリティ等のモデルへの入力
デー タの検討が含まれる(注A.4.6)。
金融商品の減損
予想信用損失(「ECL」)の測定には、特に当初認識時からの大幅な信用リスクの増加の評価、将来
を考慮した情報の組入れ、さらに、減損損失の算定の際の将来キャッシュ・フローの金額と発生時期
および担保価値の予測において、経営陣は重要な判断を下すことが求められる。これらの見積りは多
くの要因によって決定され、その要因は認識される貸倒引当金の発生時期と金額を著しく変動させる
結果をもたらし得る(注A.4.4)。COVID-19による減損への影響に関連する仮定は注A.4.4および注Sに
詳述されている。
非上場持分投資の評価
非上場持分投資の評価は、通常、次のいずれかに基づいて行われる。
- 最近の第三者間市場取引
- 実質的に同様な他の金融商品の時価
- 予想キャッシュ・フローを、条件とリスク特性が類似した項目に適用される現行の割引率で割
り引いた値、または
- その他の評価モデル
非上場持分投資のキャッシュ・フローおよび割引係数を決定するにあたっては、重要な見積りを要
する。グループでは評価技法を定期的に調整しており、同じ金融商品で観察可能な現行の市場取引の
価格か、入手および観察可能な他の市場データの価格のどちらかを用いて、妥当性をテストしている
(注A.4.6)。
年金および他の退職給付
確定給付年金制度および他の退職後医療費給付に係る費用は、数理計算上の評価を用いて算定す
る。数理計算上の評価に際しては、割引率、死亡率、ならびに将来の給与および年金の増加に関する
仮定を行う。これらの制度は長期にわたるため、こうした見積りは重要な不確実性を伴う(注
A.4.14)。
グループが持分を保有する事業体の連結
グループは、グループが持分を保有する事業体で、個別の事業体に対する経済的持分総額(キャ
リード・インタレストと予想管理報酬で構成される)および意思決定機関を解任する権限に基づき、
当年度末現在でグループが支配している事業体はない(欧州投資基金(「EIF」)を除く)という重要
な判断を行った。
すべての場合において、上記の要因の評価に基づき、グループはゼネラル・パートナーとファン
ド・マネージャーのいずれも、また当該投資先の活動および業務の管理および統制の責任を単独で担
い、当該投資先の目的および目標を遂行するために必要なすべての事項を実行する権限を有している
理事会を個別に支配することはできない(注B.4)。
A.3. 会計方針の変更
下記の変更を除き、グループは注A.4に記載した会計方針を、本連結財務書類において表示されてい
る期間について継続的に適用している。グループは、以下の新基準および基準の改訂を適用した。
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適用された基準
以下の解釈指針ならびに既存の基準の改訂および修正が、2020年1月1日付でグループの連結財務
書類に対して有効となった。
金利指標改革フェーズ1-IFRS第9号、IAS第39号およびIFRS第7号の修正
2019年9月、IASBは、IFRS第9号、IAS第39号およびIFRS第7号の修正を公表した。これらの修正
は、既存の金利指標を実質的にリスクフリーの代替的金利(「RFR」)に置き換えるまでの不確実性の
期間中にヘッジ会計の継続を可能にする一時的な救済を提供する。
IFRS第9号の修正はいくつかの救済措置が含まれており、これらは金利指標改革によって直接的に
影響を受けるすべてのヘッジ関係に適用される。最初の3つの救済措置は以下を規定している。
- 予定取引(またはその構成要素)の発生する可能性が非常に高いかどうかの評価
- キャッシュフロー・ヘッジ剰余金の金額をいつ純損益に振り替えるかの評価
- ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の評価
これらの救済措置のそれぞれについて、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが基づいている指標が
IBOR改革の結果として変更されないことが想定されている。
4番目の救済措置は、契約により規定されていないリスク要素は、継続的ではなく、当初のヘッジ
指定時のみ独立して識別可能である必要がある旨を規定している。
救済措置の適用は強制的であり、救済措置はこの修正で記述されているいずれかの事象が発生して
いない場合は、無期限に継続する。
この修正はまた、救済措置が適用されたヘッジ関係について特定の開示要件を導入している。
この修正は、遡及的に適用されなければならない。しかし、以前に指定が解除されたヘッジ関係
は、適用時に再指定することはできず、また、いかなるヘッジ関係も事後的判断の恩恵を受けて指定
することはできない。
グループはこれらの修正を2020年1月1日より適用したが、この適用はグループの2020年12月31日
現在の連結財務書類に重大な影響を及ぼさなかった(注A.4.5および注Qを参照)。
「重要性がある」の定義-IAS第1号「財務諸表の表示」およびIAS第8号「会計方針、会計上の見
積りの変更および誤謬」の修正
この修正は、「重要性がある」の定義を明確化し、概念フレームワークと基準そのもので使用され
ている定義を合致させている。修正された定義では、「情報は、それを省略したり誤表示したり覆い
隠したりしたときに、特定の報告企業の財務情報を提供する一般目的財務諸表の主要な利用者が当該
財務諸表に基づいて行う意思決定に影響を与えると合理的に予想し得る場合には、重要性がある。」
とされている。 この修正はまた、財務諸表における「一般目的財務諸表の主要な利用者」の意味を、
必要とする財務情報の多くを一般目的財務諸表に依拠しなければならない「既存および潜在的な投資
家、融資者およびその他の債権者」として定義することによって明確化している。
この修正は、グループの連結財務書類に重要な影響を与えなかった。
IFRS基準における概念フレームワークへの参照の改訂
改訂後の財務報告のための概念フレームワークは基準ではなく、いずれの概念も会計基準または会
計基準における要求事項に優先するものではなく、主として国際会計基準審議会による基準の策定を
支援すること、適用する会計基準がない場合に作成者による首尾一貫した会計方針の策定を支援する
こと、ならびにすべての関係者による基準の理解および解釈を支援することを目的としている。
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概念フレームワークは、いくつかの新しい概念を含み、資産および負債の最新の定義および認識基
準を提供し、いくつかの重要な概念を明確化している。
グループは、この改訂後の概念フレームワークを2020年1月1日より適用した。この改訂後の概念
フレームワークは、グループの連結財務書類に重要な影響を与えなかった。
COVID-19に関連した賃料減免-IFRS第16号の修正
2020年5月、IASBはIFRS第16号「リース」を修正し、借手に対し、COVID-19のパンデミックの直接
的影響として発生する賃料減免について、IFRS第16号のリースの条件変更に関する指針の適用を免除
する救済措置を提供した。
このIFRS第16号の修正は、COVID-19のパンデミックから発生した場合に限り、賃料減免の会計処理
に対して借手に救済措置を提供している。実務上の便法の適用を選択する借手は、減免がリースの条
件変更に相当するかを評価する必要はないが、与えられた減免の条件は多様である可能性があるた
め、借手は依然として各減免について適切な会計処理を評価する必要がある。
この修正は2020年10月9日にEUによって承認されており、2020年6月1日以降に開始する年次会計
期間から効力を有している。グループは、この修正を早期適用したが、この修正はグループの連結財
務書類に影響を与えなかった。
公表済みではあるものの未適用の基準でEIBに影響を与えるもの
金利指標改革フェーズ2-IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号およびIFRS第16号の修
正
2020年8月27日、IASBは金利指標改革フェーズ2-IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4
号およびIFRS第16号の修正を公表した。フェーズ2の修正の公表により、IASBはIBOR改革に対応した
作業を完了した。
この修正は、銀行間金利(IBOR)が実質的にリスクフリーの代替的金利(RFR)に置き換えられる際
の財務報告への影響に対応した暫定的な救済措置を提供する。
この修正は2021年1月13日にEUによって承認されており、2021年1月1日以降に開始する年次会計
期間から効力を有している。グループは、これらの修正を早期適用せず、影響を評価し、移行を管理
するために組織横断的なIBOR作業グループを設置している(注S.4.2)。
A.4. 重要な会計方針の要旨
A.4.1. 連結基準
子会社
子会社とは、グループによって直接的または間接的に支配されているすべての企業である。グルー
プが企業を支配するとは、グループが当該企業への関与から生じる変動リターンにさらされている
か、または変動リターンに対する権利を有しており、かつ、こうしたリターンに対して当該企業への
権限を通じて影響を及ぼす能力を有している場合である。
すべての重要な子会社はIFRSに基づき連結財務書類に含まれているが、グループにとって重要性の
ない企業は連結の範囲から除外されている。あらゆる子会社の財務書類は、支配を開始した日から、
支配を停止した日まで、連結財務書類に含められている。
本連結財務書類は、欧州投資銀行(「EIB」)ならびにその子会社である欧州投資基金(「EIF」)
の財務書類により構成される。子会社の財務書類は、EIBと同じ報告年度について作成され、EIBと一
貫した会計方針に基づいている。
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EIBは、EIFに対する支配を行使しているため、連結財務書類を作成するにあたり、IFRS第10号で規
定されている会計原則を適用した。したがってグループは、資産、負債、資本、収益、費用の類似項
目 を合算し、EIBおよびEIFの財務書類を科目ごとに連結している。
第三者投資家が保有するEIF株式に係るコミットメント
EIFの非支配株主が保有する株式に関するリプレースメント・シェア・パーチェス・アンダーテイキ
ング(「RSPU」)の条件に従い、EIBはこれらの株式の買付けの募集を毎年行っている。権利行使価格
はEIFの監査済年次財務書類に基づいて算定されるが、これはEIF払込請求済資本金に資本剰余金勘
定、法定準備金、留保利益、公正価値準備金、当期純利益を加えて、EIF株主総会で決議された配当を
差し引いた値における各株式相当分に対応する(注Gも参照のこと)。
IFRSの下では、RSPUは少数株主からEIF株式を購入するために将来現金を支払う契約上の義務を反映
した、非支配持分に対する売建プットオプションとみなされる。IAS第32号に従い、たとえその現金支
払が所有者によるオプションの行使を条件とするものであっても、かかる取決めは償還金額の現在価
値について金融負債を生じさせる。
したがって、IFRSの下では、このコミットメントは非支配持分から組み替えられ、対応する金融負
債がオプションの行使価格(年毎に設定される合意価格に相当する)の公正価値で「その他負債」に
認識され、親会社の株主に帰属する。その後、この金融負債はIFRS第9号に従って測定され、すなわ
ち、取得日後に金融負債の公正価値に生じた変動は、連結損益計算書の「支払利息および類似費用」
に計上される。非支配持分の合意価格に対する超過額または不足額は、「連結準備金」に組み替えら
れる。
関連会社および共同支配企業における持分
グループの被投資会社における持分は、関連会社および共同支配企業における持分で構成される。
関連会社は、グループが財務および業務上の方針に対して重要な影響力を持つが、支配力または共同
支配力は持たない企業である。共同支配企業は、グループが共同支配力を持ち、それによってグルー
プが当該事業体の資産に対する権利および負債に対する債務ではなく、純資産に対する権利を有する
事業体である。
関連会社および共同支配企業に係る会計上の取扱いは注A.4.8.6で詳述されている。
連結上消去される取引
貸借対照表および損益計算書上の勘定を合算した後、グループ内取引から生じたグループ内の残高
ならびに取引、収益および費用をすべて相殺消去している。
A.4.2. 外国通貨の換算
本連結財務書類は、グループの機能通貨、ならびに構成員の資本勘定の測定単位とされているユー
ロ(「EUR」)建てで、表示されている。
グループは、ユーロ、欧州連合加盟国の他の通貨および非EU通貨で業務を運営している。EIBの財源
は様々な通貨建ての出資、借入および利益剰余金によって調達される。
外貨建取引は、取引日の実勢為替レートで換算される。
ユーロ以外の通貨建ての貨幣性資産および負債は、貸借対照表日の実勢換算レートに基づきユーロ
に換算される。これらの換算から生じた損益は、連結損益計算書に計上される。
外貨建ての取得原価で測定される非貨幣性項目は、当初の取引日の為替レートで換算されている。
外貨建ての公正価値で測定される非貨幣性項目は、公正価値算定日の為替レートで換算されている。
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非貨幣性金融資産の為替差損益は、公正価値変動に含まれる。非貨幣性金融資産の分類に応じて、
為替差損益は連結損益計算書か連結貸借対照表の資本の中の準備金のどちらかで認識される。
取引日の為替レートと決済日の為替レートの差異により発生する為替差損益、および未決済の外貨
建貨幣性資産および負債に関する未実現為替差損益は、連結損益計算書で認識されている。
A.4.3. 分類および測定
金融資産および金融負債
当初測定時に、グループは金融資産または金融負債を、純損益を通じた公正価値(「FVTPL」)で測
定する項目以外については、公正価値にその取得または発行に直接的に起因する取引費用を加算また
は減算して測定する。当初認識時の公正価値は、通常取得原価である。
金融資産は、当初認識時に償却原価(「AC」)での測定、その他の包括利益を通じた公正価値
(「FVOCI」)での測定、またはFVTPLでの測定に分類され、金融負債はACまたはFVTPLでの測定に分類
される。
IFRS 第9号の下では、分類は、当該金融資産が負債性金融商品または資本性金融商品とみなされる
かの判定から開始される。IFRS第9号「金融商品」は、IAS第32号「金融商品:表示」における定義を
参照している。
負債性金融商品は、貸付金、政府債、社債など、IAS第32号に従って、発行体の観点から金融負債の
定義に適合する金融商品である。
負債性金融商品は、以下の両方の条件を満たし、純損益を通じた公正価値での測定に指定されてい
ない場合に、償却原価での測定に分類される。
- 当該資産が、契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的として
いるビジネスモデルで保有されている。
- 金融資産の契約条件により、元本と元本残高に対する利息のみの支払(SPPI基準)である
キャッシュ・フローが特定の日に発生する。
負債性金融商品は、以下の両方の条件を満たし、純損益を通じた公正価値での測定に指定されてい
ない場合にのみ、その他の包括利益を通じた公正価値での測定に分類される。
- 当該資産が、契約上のキャッシュ・フローの回収と金融資産の売却の両方により目的が達成さ
れるビジネスモデルで保有されている。
- 金融資産の契約条件により、SPPI基準に適合するキャッシュ・フローが特定の日に発生する。
上記要件は、たとえ金融資産に組込デリバティブが含まれている場合でも、金融資産全体に適用さ
れる。
資本性金融商品は、IAS第32号に従って、発行体の観点から持分の定義に適合する金融商品、すなわ
ち、契約上の支払義務を含まず、発行体の純資産の残存持分の証拠となる金融商品である。
売買目的保有ではない持分投資の当初認識時に、グループはその後の変動をその他包括損益に表示
することを取消不能で選択することができる。この選択は、投資ごとに行われる。
他のすべての金融資産は、純損益を通じた公正価値での測定に分類される。
金融負債は、以下のものを除き、償却原価で測定される。
- 売買目的保有の定義に適合する(例えば、デリバティブ負債)。
- 純損益を通じた公正価値での測定に指定されている。
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また、当初認識時に、グループは償却原価測定の要件に適合する金融資産または金融負債を、純損
益を通じた公正価値での測定に指定することによって、指定しない場合に発生する会計上のミスマッ
チが解消されるまたは大幅に削減される場合、または当該金融資産および金融負債が公正価値で管理
さ れ、その運用成績が公正価値に基づいて評価される場合に、純損益を通じた公正価値での測定に取
消不能で指定することができる(いわゆる「公正価値オプション」、「FVO」)。FVOに指定されてい
る主な金融商品は、ヘッジ対象貸付金およびヘッジ会計適格ではない証書によって表される債務であ
る。
開示要件目的上、グループは特性の類似性に基づいて金融商品の区分を定義している。
ビジネスモデル評価
EIB グループは、負債性金融商品が保有されるビジネスモデルの目的の評価をポートフォリオ・レベ
ルで行う。これは、事業が管理され、経営陣に情報が提供される方法を最も良く反映しているためで
ある。検討される情報には以下が含まれる。
- ポートフォリオの定められた方針および目的、ならびに実際におけるその方針の運用。特に、
経営陣の戦略が、契約上の金利収益の稼得、特定の金利プロファイルの維持、金融資産のデュ
レーションとその資産向けの資金調達のための負債のデュレーションの一致、または資産の売
却を通じてのキャッシュ・フローの実現に焦点を当てているか。
- ポートフォリオの運用成績がどのように評価され、グループの経営陣に報告されているか。
- ビジネスモデル(およびそのビジネスモデルで保有されている金融資産)の運用成績に影響を
及ぼすリスク、ならびにそれらのリスクがどのように管理されているか。
- 過去の期間における売却の頻度、金額および時期、その売却の理由ならびに将来の売却活動に
ついての見込。
しかし、売却活動に関する情報は切り離して考慮されるのではなく、グループの金融資産の管理の
定められた目的がどのように達成され、キャッシュ・フローがどのように実現しているかについての
全体的な評価の一環として検討される。
元本と利息のみの支払(「SPPI」)基準
この評価の目的上、「元本」とは、負債性金融商品の当初認識時の公正価値と定義される。「利
息」とは、貨幣の時間価値および特定の期間中の元本金額に伴う信用リスク、その他の基本的な貸付
リスクおよびコスト(例えば、流動性リスクおよび管理費用)の対価、ならびに利益マージンと定義
される。
契約上のキャッシュ・フローが元本と利息のみの支払であるかを評価する際に、EIBグループは当該
商品の契約条件を検討する。これには、当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローの発生時期ま
たは金額を変更する契約条件を含んでおり、この基準を満たさなくなる可能性があるか否かの評価が
含まれる。
認識中止
グループは、金融資産からのキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利が失効した場合、または
金融資産の所有に伴うリスクと経済価値を実質的にすべて移転する取引、もしくはグループが所有に
伴う実質的にすべてのリスクと経済価値を移転も留保もせず、当該金融資産に対する支配を留保しな
い取引で契約上のキャッシュ・フローを受け取る権利を譲渡した場合、同金融資産の認識を中止す
る。
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グループは、契約上の義務が履行された場合、取り消された場合、または失効した場合に金融負債
の認識を中止している。
金融資産または金融負債の認識中止時に、資産または負債の帳簿価額(または認識が中止された資
産または負債の部分に配分された帳簿価額)と、(i) 受け払いされた対価および(ii) その他の包括利
益で認識された累積利益または損失の合計額の差異は、純損益で認識されるが、処分時に損益計算書
ではなくその他準備金に振り替えられる、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される持分投資
についてその他の包括利益で認識された累積利益または損失を除く。
組替
金融資産は、当初認識後は、グループが金融資産を管理するビジネスモデルを変更した後の期間を
除き、組み替えられない。
条件変更
償却原価で測定される金融資産は、その契約上のキャッシュ・フローが再交渉またはその他の方法
で修正された場合、条件変更されたとみなされる。再交渉または条件変更は、既存の金融商品の認識
を中止し、新たな金融商品を認識することに至る場合も至らない場合もあり得る。
償却原価で測定される金融資産のキャッシュ・フローの重要な契約上の条件変更の結果、当該金融
資産が認識中止となる場合は、新たな金融資産を公正価値で認識し、条件変更に係る損益の影響額を
連結損益計算書上の「金融業務損益」で計上する。
契約上の条件変更は、新たな条件によるキャッシュ・フローの割引現在価値(当初の実効金利を使
用して割り引いたもの)が、当初の金融資産の残りのキャッシュ・フローの割引現在価値と、少なく
とも10%異なる場合に大幅な変更とみなされる。金融資産の通貨の変更や転換機能などの定性要因
も、考慮される。
相殺
グループは、金融資産と金融負債が、IAS第32号の下での対応する基準を満たす場合、それらをグ
ループの連結貸借対照表上で相殺している。また、金融資産および金融負債は、グループの連結貸借
対照表上で相殺されているか否かを問わず、法的に強制力のあるマスター・ネッティング契約または
類似した金融商品を対象とした類似契約の適用を受ける場合がある。類似契約にはグローバル・マス
ター・リパーチェス契約が含まれる。類似した金融商品には、リパーチェス契約およびリバース・リ
パーチェス契約が含まれる。
A.4.4. 減損
IFRS 第9号は、将来を見越した「予想信用損失」(「ECL」)モデルに基づいている。これは、経済
的要因の変化が予想信用損失にどのように影響するかについての判断を要求するものであり、この判
断は確率加重に基づいて行われている。
グループ内では、このIFRS第9号の減損モデルは償却原価で測定される金融資産だけでなく、オ
フ・バランスシートのコミットメントにも適用されている。
IFRS 第9号の下では、損失引当金は次の何れかに基づいて測定されている。
- 12ヵ月ECL:これらは、報告日後12ヵ月以内に発生する可能性のあるデフォルト事象によるECL
である。
- 全期間ECL:これらは、金融商品の全期間にわたって発生する可能性のあるデフォルト事象によ
るECLである。
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IFRS 第9号は、減損について、当初認識以来の信用度の変動に基づいた「3ステージ」モデルを提
示している。金融商品は、当初認識以降に信用リスクの著しい増加(「SICR」)が特定された金融商
品を除き、ステージ1に分類される。これには、将来を考慮した情報を含む定量的および定性的の両
方の情報、ならびにグループの専門知識に基づいた分析が含まれる。信用リスク方針に関する詳細
は、注S.2で詳述されている。
グループによる信用リスクの著しい増加の評価は、カウンターパーティーまたは商品に固有の情報
を用いた段階的アプローチに基づいており、これは特に早期警戒トリガー、内部格付、延滞(延滞30
日)および要注意先リスト(「WL」)をカバーする信用リスク・ガイドライン(「CRG」)ならびに財
務モニタリング・ガイドラインおよび手続き(「FMGP」)に記載された方針と整合している。
基準設定母体が発行した指針および市場慣行に沿って、グループは、COVID-19のパンデミックのシ
ステミックな経済的悪影響に対処することを目的とした、正常債権カウンターパーティーに対する
COVID-19に関連する短期返済猶予措置の適用は、それ自体のみではSICRが発生したと結論付けるため
の自動的なトリガーとはみなすべきではないと考えている。注S.2.3.3.3で開示されているように、グ
ループは、このようなカウンターパーティーの信用リスクを評価する際に専門家の判断を利用する。
グループは、COVID-19のパンデミックの影響は既存の将来予測的なECLモデルに反映されており、こ
のモデルはかかる極端な事象を織り込めるほど十分に堅固であるとみなしている。特に、それぞれの
影響はマクロ経済予測とPDの期間構造を通じて直接的に把握されている。
信用リスクの著しい増加が発生した場合、当該金融商品はステージ2に移動されるが、まだ信用毀
損があるとはみなされない。金融商品に信用毀損がある場合は、当該金融商品はステージ3に移動さ
れる。
ステージ3のエクスポージャーを特定するために、EIBは不良債権エクスポージャーの客観的証拠が
存在するか否かを判定する。この目的のために、グループは、グループが償還請求を行うことなく、
借手によるグループに対する信用債務の完済の可能性が低い場合、または借手がグループに対する重
要な信用債務で90日超延滞している場合に、金融資産がデフォルト状態にあるとみなしている。
この点において、グループが原契約条件に従って全額または同等額を回収することができない可能
性が高いとEIBが判断したときは、金融資産は信用減損したものとみなされる。個々の相手先に対する
与信エクスポージャーは、借手の性質、総括的な財政および資金状況、返済履歴、財政的に信用でき
る保証人からの援助の可能性、また該当する場合は担保の実現可能価額に基づき評価される。
すべての減損された債権は最低半期ごとに検討および分析される。それまでの見積りと比較した将
来の予想キャッシュ・フローの金額や時期にその後生じた変化は貸倒引当金に反映され、連結損益計
算書に費用計上または貸方計上される。信用の質が改善し債権契約書の原契約条件どおり元本および
利息が適時に回収されるという合理的保証が得られた場合のみ、貸倒引当金は戻入される。債権の全
部または一部について、回収不能と認めるか、または債権を放棄する場合は、貸倒損失として処理さ
れる。貸倒損失は、以前に設定された貸倒引当金を取崩す形で、または当該債権元本を減額し直接連
結損益計算書に費用計上される。貸倒償却処理された債権の一部または全部の回収については、連結
損益計算書上で貸方計上される。
ECL の測定-インプット、仮定および技法
全期間ECLの測定は、ステージ2およびステージ3の資産に適用され、12ヵ月ECLはステージ1の資
産に適用される。
予想信用損失の測定は、次の信用リスク・パラメーターに基づいて実施された。
- デフォルト確率(「PD」)
- デフォルト時損失率(「LGD」)
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- デフォルト時エクスポージャー(「EAD」)
デフォルト確率は、カウンターパーティーが、今後12ヵ月間または当該債務の残りの全期間のいず
れかでデフォルトする確率を表す。PDは、特定の日における見積りであり、統計的格付モデルに基づ
いて算出され、様々なカテゴリーのカウンターパーティーおよびエクスポージャーに合わせた格付
ツールを使用して評価される。
格付は、エクスポージャーに関するデフォルト確率の期間構造の決定のための主たるインプットで
ある。グループは、グループの信用リスク・エクスポージャーについて、履行とデフォルトに関する
情報を収集している。収集されたデータは業種別、地域別に分類される。信用状況およびマクロ経済
環境の変動に同質の方法で反応する異なる業種および地域は、合わせて分析される。
グループは、複数期間にわたるデフォルト確率を見積るために、マクロ経済予測を組み込んだ統計
モデルを採用している。
デフォルト時損失率は、カウンターパーティーのデフォルトによるエクスポージャーに係る損失
の、デフォルト時の残高に対する比率についての予想を表す。デフォルト時損失率は、「1-回収
率」としても定義される。LGDの見積値は、主に地域別、そしてソブリン、公共機関、金融機関、企業
およびプロジェクト・ファイナンスの5つの主要なクラスのカウンターパーティーの種類別に決定さ
れる。LGDの値は、エクスポージャーの商品および契約固有の特徴に基づいて、さらに調整される可能
性がある。
グループは、商品の当初認識時から信用リスクが大幅に増加したかの評価、および予想信用損失の
測定の両方に将来を考慮した情報を組み入れている。
ECL の測定については、グループは以下を含めたPDの期間構造を計算するために条件付きモデル化手
法を開発した。
- 経済的に合理的な信用サイクルとマクロ経済変数の間のリンク関数の定義
- 複数年のGDPの潜在的な達成およびそれらに関連する確率を備えた3種のマクロ経済シナリオ
(1つのベースライン・シナリオおよび景気の拡大と後退を反映した2つのシナリオ)
マクロ経済シナリオを作成するために、EIBは国別ブロックと共に世界経済のマクロ的な半構造的複
数国かつ高次方程式モデルを使用している。セントラル/ベースライン・シナリオは、最新の欧州委
員会(「EC」)予測と整合するよう設計されている。楽観的および悲観的シナリオは、セントラル・
シナリオに関して、複数国/高次方程式モデルの展開により設計されている。これらのシナリオは、
経済活動の主要尺度であるGDPにショックを与えることで得られる。実質GDPに対するショックは、過
去の変数のボラティリティを複製するためにその水準が調整される。また、GDPに対するショックの規
模および持続期間を精緻化するために、適切な場合は専門家による判断が適用される。その結果、
ショックは減衰関数と共に決定され、経時的なショックの影響が決定される。各シナリオに割り当て
られる確率は、市場(ボラティリティ)指標および不確実性を捕捉するために長期にわたって一貫し
て使用された内部開発の指標/トラッカーを反映して決められる。
EAD は、デフォルト時の予想エクスポージャーを表し、現在の当該カウンターパーティーに対するエ
クスポージャーおよび現在契約で認められている金額の、分割返済を含む潜在的な変動に基づく。金
融資産のEADは、帳簿価額総額である。貸付コミットメントおよび金融保証については、EADには使用
済金額に加えて、契約下で引き出される可能性がある潜在的な将来の金額が含まれる。
2020年に、進行中のモデルの検証と維持に伴い、EIBはECLの見積りを計算するために使用されるポ
イント・イン・タイム(「PIT」)PDおよびLGDモデルを更新した。この更新の本質は、主にデータ・
インプットの情報源、具体的にはPIT ECL(全期間および12ヵ月)の計算を裏付けるための信用サイク
ルのモデル化に使用される信用およびマクロ経済データの変更に関連している。信用サイクルは現
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在、外部格付機関による格下げおよびデフォルト率データから構築され、実質GDPの年成長率および長
期金利と短期金利の間のスプレッド、すなわち金利期間プレミアムを用いて予測されている一方、以
前 の版のモデルは信用サイクルを、外部のデータ・プロバイダーが提供するPIT PD指標から抽出し、
1種類のマクロ経済変数、すなわち実質GDPの四半期成長率のみを含めていた。
モデルの更新はいくつかの改善点、すなわち新しい信用サイクルの定義は業界および地域全体にわ
たる識別能力の向上をもたらし、マクロ経済変数との関連性が強化されている。さらに、2つ目の外
部説明変数(期間プレミアム)の組込みを可能にするとともに、この新しい信用サイクルは、モデル
化のためにより大規模なデータベースを提供する外部格付機関と概ね同調しているEIBの内部信用力評
価の代用となっている。
このモデルのバージョンのアップグレードにより、ECLは合計で27.8百万ユーロ変動した。「金融機
関貸付金および預け金」および「対顧客貸付金および預け金」に起因する変動は24.6百万ユーロとな
り、貸付コミットメントに起因する変動は3.2百万ユーロであった。
優先債権者の地位(「PCS」)
EU 一次法優位の原則および、EIB定款に定められているEIBの財産があらゆる形の接収および収用か
ら免除されるものとする旨の原則は、満期時における欧州連合加盟国のソブリン・エクスポージャー
の全額回収を保証するとみなされる。この財務保護および優先債権者としての地位により、欧州連合
加盟国のソブリン・エクスポージャーまたは欧州連合加盟国の保証についての信用リスクも減損も発
生しない。しかし、他の債権者と同様に、EIBは欧州連合加盟国ソブリン発行体の負債性金融商品に含
まれる集団行動条項(「CAC」)に基づいた多数による決定事項に拘束される。
A.4.5. デリバティブおよびヘッジ活動
グループは主に借入・貸付取引に係る市場のエクスポージャーをヘッジするため、またその資産お
よび負債の管理活動の一環としてデリバティブ商品を利用しており、それにより、予定取引に伴うエ
クスポージャーを含む、金利および為替リスクを管理している。
グループのすべてのデリバティブ商品は純損益を通じた公正価値で測定され、デリバティブ資産ま
たは負債として計上される。デリバティブに伴い発生する未収利息は、計上される公正価値の一部と
なる。公正価値は、市場インプット、ディスカウント・キャッシュ・フロー・モデルおよびオプショ
ン・モデルにより入手される。オプション・モデルでは、現在の市況および原資産の契約価額と同様
に、時間的価値、イールドカーブおよび原資産のボラティリティが考慮される。デリバティブの公正
価値変動は、「金融業務損益」に含まれている。
グループのヘッジ活動は、資産および負債の両方について、金利リスク・プロファイルを標準的な
変動金利リスクに変換するスワップを用いて金利リスクおよび通貨リスクを軽減することを目的とし
ている。グループがミクロ・ヘッジを締結する場合、各ヘッジ関係には、全部または部分的にヘッジ
される、1つまたは複数のヘッジ対象が含まれる。
ヘッジ手段次第で、ヘッジ対象のヘッジ対象リスクは以下のように決定される。
- 金利スワップを使用する場合、ヘッジ対象のベンチマーク金利カーブに関する金利リスクのみ
がヘッジされる。
- 通貨スワップを使用する場合、ヘッジ対象のベンチマーク金利カーブに関する金利リスクおよ
びベンチマーク通貨に関連する通貨リスクがヘッジされる。
IFRS 第9号で認識されている3種類のヘッジ関係のうち、グループは現在公正価値ヘッジ会計のみ
を適用している。公正価値ヘッジは、認識された資産もしくは負債、または未認識の確定契約債務、
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またはこうした項目の一構成部分の、特定のリスクに起因し、損益に影響を及ぼす可能性がある公正
価値の変動に関連するリスクを軽減するヘッジの取決めである。ヘッジ会計の目的は、損益に影響を
及 ぼすおそれのある特定のリスクから発生するエクスポージャーを管理するために、ミクロベースで
金融商品を使用したグループのリスク管理活動の効果を財務書類において表すことである。
グループはまた、金利リスクおよびベーシスリスクを資産負債管理の一環として、ヘッジ会計を適
用せずにマクロベースでヘッジしている。
ヘッジ会計適格であるためには、ヘッジ関係は適格ヘッジ手段と適格ヘッジ対象で構成されていな
ければならない。
純損益を通じた公正価値で測定されるデリバティブは、ヘッジ手段として指定することができる。
グループは次の適格ヘッジ手段とその組み合わせを用いている。
- 金利スワップ
- 通貨スワップ
適格ヘッジ手段は、ヘッジ指定から分離し除外されている通貨スワップの場合の外貨ベーシス・ス
プレッドを除き、そのすべてがヘッジ手段に指定されている。
ヘッジ対象は、認識されている資産もしくは負債、または未認識の確定契約債務がなり得る。ヘッ
ジ対象は、単一の項目もしくは項目のグループがなり得、またそのような単一の項目もしくは項目の
グループの構成部分がなり得る。次の適格ヘッジ対象がグループによって指定されている。
- 借入金
- 代替貸付金
- 貸付金
グループはまた、前述の適格金融資産および金融負債の額面金額の構成部分をヘッジ対象または
ヘッジ手段として指定する場合がある。
ヘッジ関係の当初指定時に、グループはヘッジ手段とヘッジ対象の間の関係を文書化し、これに
は、リスク管理目的およびヘッジの実行戦略に加えて、ヘッジ関係の有効性を継続的に評価するため
に使用される方法が含まれる。
ヘッジ関係が以下の有効性要件のすべてを満たしている場合に、ヘッジ会計適格となる。
- ヘッジ対象とヘッジ手段の間に経済的関係がある。
- 信用リスクの影響が、当該経済的関係から発生する価値変動を支配していない。
- ヘッジ関係のヘッジ比率が、グループが実際にヘッジしているヘッジ対象の数量と、当該ヘッ
ジ対象の数量をヘッジするためにグループが実際に用いるヘッジ手段の数量による比率と同一
である。
ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係を示すために、グループはヘッジ手段とヘッジ対象の重
要な条件が一致しているまたは密接に整合されており、その場合ヘッジ関係の有効性が高いとみなす
ことができるかを評価することによって、定性分析を実施している。ヘッジ関係の有効性が高いと見
込まれるかを評価する目的上、グループは指標金利がIBOR改革の結果として変更されていないとみな
している。
信用リスクによる公正価値変動が、公正価値変動全体に対して支配していないことを示すために、
グループはヘッジ対象とヘッジ手段両方にとってのすべての環境を検討して、信用度を総合的に評価
している。
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経済的ヘッジ関係がIFRS第9号に従ったヘッジ関係として適格ではない場合、グループは、潜在的
な会計上のミスマッチを低減するために、取引開始日にヘッジ対象を取消不能で公正価値オプション
(「FVO」)に指定する。すなわち、ヘッジ対象はその後に純損益を通じた公正価値(「FVTPL」)で
測 定される。
グループが金融負債を公正価値オプション(「FVO」)に指定する際、「自行信用リスク調整」
(「OCA」)と呼ばれる信用リスクの変動に起因する公正価値の変動額は、その他の包括利益の「公正
価値準備金」に表示される(注R)。
公正価値ヘッジが上記適格基準を満たしている限り、ヘッジ関係は以下のように会計処理されるも
のされる。
- ヘッジ手段に係る公正価値損益は、連結貸借対照表および連結損益計算書で認識される。
- ヘッジ対象に係る公正価値損益は、(該当する場合)ヘッジ対象の帳簿価額を修正し、連結損
益計算書で認識される(いわゆる、「ベーシス調整」)。ヘッジ対象が未認識の確定契約債務
の場合、指定後のヘッジ対象の公正価値の累積的変動は、資産または負債として認識され(対
顧客貸付金および預け金などのそれぞれの連結貸借対照表科目で認識される)、対応する利益
または損失は連結損益計算書で認識される。ヘッジ関係の指定およびヘッジ対象の公正価値の
計算は、取引日に開始される。
IFRS 第9号で認められているように、グループは外貨ベーシス・スプレッド(「CBS」)をヘッジ手
段(「CCIRS」)から分離し、ヘッジ対象と相互関係を持つ範囲で、ヘッジコスト・アプローチとして
知られている特別な取扱いを適用する。指定日に測定され繰り延べられたヘッジ手段の当初CBSは、
ヘッジの残りの全期間にわたり直線的に償却される。CBSのその後の公正価値の変動は、その他の包括
利益の独立科目で直接的に認識される。CBSの公正価値は、満期日でゼロに収束し、したがってその他
の包括利益に計上された金額が連結損益計算書に振り替えられる必要はなくなる。
ヘッジ関係の(部分的な)指定解除の代表的な理由は、ヘッジの有効性基準の違反をもたらすヘッ
ジ対象のおよび/またはヘッジ手段の契約条件の変更、部分的な期限前償還/買戻し/早期期限満
了、ならびにヘッジ対象またはヘッジ手段の信用リスクに起因する部分が支配的となる信用リスクの
増加である。ヘッジ対象の全額の期限前償還/全額の買戻し、またはヘッジ対象の連結貸借対照表か
らの除外を引き起こすその他の事象の場合に、ヘッジ関係の中止が起こり得る。
COVID-19のパンデミックに対応するために、特にヘッジの指定解除プロセスおよびヘッジ非有効性
の源泉の開示という分野において、ヘッジ会計の方針および手続きを更新する必要性はなかった。
ヘッジの非有効性は、ヘッジ手段とヘッジ対象のヘッジ利益またはヘッジ損失の差異と定義され
る。非有効性の考え得る源泉は以下のとおりである。
- スワップのCVA/DVA/CollVAが金利変動に起因するヘッジ対象の公正価値に反映されていな
い。
- ヘッジ手段とヘッジ対象の評価に異なった割引率およびフォワードカーブが使用されている。
- 重要な条件の重要性のない乖離(許容される閾値の範囲内)。
ヘッジ会計の損益実績は連結損益計算書の「金融業務損益」で認識されているが、これは、ヘッジ
コスト・アプローチによる当初CBSの償却による影響も受けている。連結損益計算書のこの科目には、
グループがマクロベースでの金利リスクのヘッジに使用しているが、ヘッジ会計を適用していないデ
リバティブに起因する損益も含まれる。
A.4.6. 金融商品の公正価値
デリバティブ金融商品は、取引日基準により計上される。
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金融商品の公正価値
公正価値は、グループが測定日時点で利用することができる主要な市場、またはその市場が存在し
ない場合は最も有利な市場における、測定日の市場参加者間の秩序だった取引において、資産の売却
により受領する、あるいは負債の移転で支払う価格である。負債の公正価値には、不履行リスクが反
映されている。
該当する場合には、グループは商品の公正価値を当該商品の活発な市場における公表価格を使用し
て測定する。当該資産または負債について、継続的に価格情報を提供するために十分な頻度と量の取
引が行われる場合、市場は活発とみなされる。
連結貸借対照表に計上する金融資産および金融負債の公正価値は、活発な市場から入手できない場
合は、数学的モデルの使用も含め、評価技法を用いて算定する。これらのモデルに使用するデータ
は、可能であれば観察可能な市場から入手するが、不可能な場合は、時価の設定に際しある程度の判
断を要する。選択された評価技法には、市場参加者が取引の価格決定の際に考慮すると考えられるす
べての要素が組み込まれる。
グループがその市場リスクまたは信用リスクのいずれかについて正味エクスポージャー・ベースで
管理している市場リスクまたは信用リスクのある金融資産または金融負債のポートフォリオは、特定
のリスク・エクスポージャーについてその正味ロング・ポジションを売却する際に受け取る価格また
は正味ショート・ポジションを移転するために支払う価格に基づいて測定される。これらのポート
フォリオ・レベルでの調整は、個別の資産および負債にポートフォリオ内の個別の商品それぞれの相
対的リスク調整に基づいて配分される。
グループは公正価値での測定に使用されるインプットの重要性を反映した以下のヒエラルキーを用
いて公正価値を測定する。
- レベル1:グループが利用可能な同一の商品の活発な市場における未修正の公表市場価格であ
るインプット
- レベル2:レベル1に含まれる公表市場価格以外の、直接的(価格等)あるいは間接的(価格
から導出された値等)に観察可能なインプット。このカテゴリーには、類似した商品について
の活発な市場における公表市場価格、同一または類似した商品についての活発ではない市場に
おける公表市場価格、またはすべての重要なインプットが直接的または間接的に市場データか
ら観察可能なその他の評価技法を使用して評価される商品が含まれる。
- レベル3:観察不能なインプット。このカテゴリーには、評価技法に観察可能なデータに基づ
いていないインプットが含まれ、観察不能なデータが当該商品の評価額に重要な影響を持つす
べての商品が含まれる。このカテゴリーには、類似した商品の公表市場価格に基づいて評価さ
れ、商品間の相違を反映するために重要な観察不能な修正または仮定が必要とされる商品が含
まれる。
グループは、公正価値ヒエラルキーのレベル間の移動を、変更が起きた報告期間の期末時点で認識
している。
A.4.7. 受取手数料
グループは様々な種類のサービスを顧客に提供することにより、受取手数料を得ており、これらの
受取手数料はIFRS第15号に従って会計処理されている。グループは、約束されたサービスの支配を顧
客に移転することによって履行義務が充足された際に、収益を認識する。原則として、顧客はその
サービスを直接利用する能力、またはそのサービスからの実質的にすべての利益を得る能力を得た時
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点で支配を獲得する。一部の状況では、支配が移転した時点を判定するために、判断が必要となり得
る。
受取手数料は、以下に基づいて大きく2種類に分けられる。
- 一定期間:一定期間にわたって、グループが履行義務を充足し、その結果、支配を移転する。
- 一時点(ポイント・イン・タイム):グループが履行義務を充足し、一定時点で顧客に支配を
移転する。
グループは様々な種類のサービスを顧客に提供することにより、受取手数料を得ており、これらの
受取手数料はIFRS第15号に従って会計処理されている。受取手数料の主要な源泉は、保証、貸付金お
よび第三者マンデートによるサービスである。
受け取った受取手数料の金額は、確約されたEUの拠出のパーセンテージなどの様々な構成要素に応
じた、または単一の履行義務に関連付けられた特定の基準に基づいて、固定されている場合もあれば
変動する場合もある。対価が変動金額を含む場合、グループは顧客へのサービスの移転と引き換えに
受け取る権利を有する対価の金額を見積る。
変動対価は、契約開始時に見積られ、変動対価に関する不確実性が後に解消された際に、認識した
収益の累計額において重要な収益の戻入れが発生しない可能性が非常に高い範囲に制限される。
一定期間にわたって充足される収益による受取手数料は、サービスの提供期間にわたって発生主義
により計上される。一時点でのサービスの提供または履行からの受取手数料は、サービスの提供が完
了した際に計上される。
一定期間にわたって充足される履行義務に関して、グループは、当該履行義務の充足に対するグ
ループの努力またはインプットを基準として収益を認識するために、「インプット法」を使用し、手
数料を時間の経過と共に認識している。
履行義務に関しては、管理手数料の最大金額または「キャップ」が特定のマンデートに適用され
る。これが適用される場合、通常は15年から25年のマンデートが終了する前に管理手数料を受け取ら
なくなる可能性が高く、管理手数料はマンデートの最初の数年など、限られた期間に支払われること
になり、したがって、履行したサービスおよびグループで発生する費用と相関しなくなる。
この事項に対処するために、グループは繰延収益方針(「契約負債メカニズム」とも呼ばれる)を
使用している。契約負債メカニズムは、マンデートに関連してグループで発生する総費用に基づいて
おり、すべての新しいマンデートについてその承認プロセスの一環として事前金融モデルを使用す
る。この繰延方針は、持続可能な業務および契約の進捗度に基づいた収益認識を確実にする。それぞ
れの調整は、連結貸借対照表の「繰延収益」に計上される。
A.4.8. 中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券、確定利付証券を含む負債証券、ならびに株
式およびその他の変動利付証券
連結貸借対照表科目「中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券」および「確定利付証券を
含む負債証券」には以下が含まれる。
- 償却原価で測定される負債証券
- 強制的に純損益を通じた公正価値で測定される負債証券
- 純損益を通じた公正価値での測定に指定された負債証券
A.4.8.1. 短期財務ポートフォリオ
グループの短期財務ポートフォリオ(「TMP」)は、以下の目的で保有されている。
- EIBの主たる流動性バッファーとして、EIBが資金活動を実施したあらゆる通貨で、必要とされ
る現金を適時に提供する。
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- 金融市場の状況およびグループにおける適切な水準の流動性維持という以前の包括的な目的と
矛盾なく、適切な振替価格を取り扱い、また、短期国庫証券および公共機関や金融機関が発行
し た譲渡可能負債証券等の、満期が12ヵ月以下の短期金融市場商品によって構成されている。
これらの有価証券は、当初、公正価値に直接帰属する取引費用を加えた値で計上される。有価証券
の帳簿価額と償還金額との差額は、保有する有価証券の残存期間にわたり実効金利法により償却され
る。
このポートフォリオにおける有価証券は、契約上のキャッシュ・フローを回収する目的で保有され
ており、償却原価での測定に分類されている。このビジネスモデルの一環として、売却の頻度は低
い、あるいは売却額には重要性がないとみなされる。
A.4.8.2. 有価証券流動性ポートフォリオ(「SLP」)
有価証券流動性ポートフォリオ(「SLP」)は、政府、国際機関、金融機関および企業が発行または
保証した上場負債証券で構成されている。このポートフォリオのビジネスモデルは、資産クラスの配
分を変更することによるデュレーションの迅速な再調整および信用リスクの軽減を可能にするために
デリバティブを使用し、長期資産を売却するグループの能動的な運用により動かされているため、こ
のポートフォリオにおける有価証券は強制的に純損益を通じた公正価値で測定されている。
売却または償還により実現された損益および公正価値変動による未実現損益は、「金融業務損益」
として計上される。SLPの資産からの受取利息は、「受取利息および類似収益」に含められている。
「有価証券流動性ポートフォリオ」の時価は、第一情報源としての活発な市場における公表相場価
格に基づいている。入手できる公表相場価格がない金融商品については、市場参加者からの提示価格
を入手し、および/または評価手法もしくはモデルを使用して、時価を決定している。評価手法もし
くはモデルは貸借対照表日現在の観察可能な実勢市場データに基づくことが可能である場合に用いら
れる。
A.4.8.3. 長期ヘッジ・ポートフォリオ
長期ヘッジ・ポートフォリオ(「LTHP」)は、2つの主要な目的を果たす。
- 適用される資産負債管理(「ALM」)戦略に沿って、EIBの金利リスクのポジションを管理す
る。
- EIBのための流動性準備金であるために、高格付の流動性の高い債券で構成される。
このポートフォリオは、下記の機関が発行または保証している有価証券で構成されている。
- 欧州連合加盟国政府
- 欧州連合、欧州安定メカニズム、欧州金融安定基金
- ドイツ復興金融公庫グループ
これらの有価証券は、満期まで保有して契約上のキャッシュ・フローを回収する目的で保有されて
おり、そのため、償却原価での測定に分類されている。このビジネスモデルの一環として、売却の頻
度は低い、あるいは売却額には重要性がないとみなされる。
A.4.8.4. EIF運用ポートフォリオ
EIF 運用ポートフォリオは、以下の2つの目的を持つ。
- 投資の長期的性質に見合ったリターンを提供する。
- 副次的な流動性としての役割を果たす。
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債券、ノート、その他の債務などの長期負債性金融商品に対する投資で構成される。
このポートフォリオにおける有価証券は、満期まで保有して契約上のキャッシュ・フローを回収す
る目的で保有されており、そのため、償却原価での測定に分類されている。このビジネスモデルの一
環として、売却の頻度は低い、あるいは売却額には重要性がないとみなされる。
A.4.8.5. 代替貸付金ポートフォリオおよびABSポートフォリオ・EIF
代替貸付金ポートフォリオおよびABSポートフォリオ・EIFは、満期まで保有して契約上のキャッ
シュ・フローを回収する目的の、主に特別目的事業体(「SPV」)または信託事業体が発行した債券、
ノートあるいは証書の形の債務で構成されている。
代替貸付金は、契約上関連している商品または単一トランシェの商品の形をとり得る。このポート
フォリオへの投資がSPPI基準に適合する場合、償却原価での測定に分類される。ただし、投資が代替
固定金利貸付金の性質を持ち、ヘッジ会計適格であるため(注A.4.5)、ヘッジ関係に指定され、償却
原価がヘッジ対象のリスクに起因する公正価値について調整される場合は除く。
ヘッジの公正価値測定は、割引キャッシュ・フロー技法に基づく。
経済的にヘッジされたがヘッジ会計に含めることができない代替貸付金は、ヘッジ手段が純損益を
通じた公正価値での測定に分類されることから生じる会計上のミスマッチを低減するために、取消不
能で公正価値オプションに指定される。
代替貸付金ポートフォリオに含まれる、SPPI基準を満たさない契約上関連しているまたは単一トラ
ンシェの商品は、強制的に純損益を通じて公正価値で測定される。
代替貸付金のフロントエンド・フィーは繰り延べられ、実効利回りの調整として認識されて、関連
する代替貸付金の実行から返済までの期間にわたって連結損益計算書に計上される。フロントエン
ド・フィーは繰り延べられ、原代替貸付金の残存期間にわたり、損益計算書上の「受取利息および類
似収益」で認識される。
代替貸付金の未実行部分は、名目値でオフ・バランスシートに記録される。
負債証券の減損
グループは、財務ポートフォリオに係る信用リスクは、その固有の信用リスクの低さから、当初認
識時から大幅に増加していないとみなしている。財務ポートフォリオの負債証券(債券、割引証券
等)に関連する信用リスクは、内部方針に従って、当初の最低格付を投資適格以上として、健全なカ
ウンターパーティーおよび発行体を選択することにより管理されている。また、各財務報告日時点
で、財務ポートフォリオの資産が低信用リスク基準に適合することを確実にするために、定期的な評
価が実施されている(注S.2.4を参照)。
その結果、償却原価で測定される財務ポートフォリオ資産に関連する貸倒引当金は、12ヵ月ECLに相
当する金額で算定される。
代替貸付金については、貸付金および預け金に適用されるECLの減損モデルが代替貸付金ポートフォ
リオ内の償却原価で測定される商品に加え、関連する未実行のコミットメントにも同様に適用され
る。
IFRS 第9号に基づくそれぞれの貸倒引当金は、注A.4.4で説明されている減損モデルに従って、12ヵ
月ECLまたは全期間ECLのいずれかに基づいて算出される。
A.4.8.6. 株式およびその他の変動利付証券
この連結貸借対照表科目には、以下が含まれる。
- 強制的に純損益を通じて公正価値で測定される金融商品
- その他の包括利益を通じた公正価値での測定に指定された金融商品
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グループの株式ポートフォリオは、主にベンチャー・キャピタル事業、投資基金および欧州復興開
発銀行(「EBRD」)参加持分で構成され、公正価値で計上されている。
ベンチャー・キャピタルおよび投資基金
ベンチャー・キャピタル(「VC」)事業および投資基金は、強制的に損益を通じた公正価値で測定
されており、公正価値の変動は「金融業務損益」に計上される。
これらの投資の未実行だが確約した部分は、名目値で連結オフバランスシート・コミットメントに
計上される。
公正価値は、合計純資産価額(「NAV」)法を適用して測定される(可読性が確認可能な市場価値は
欠如しているが、NAVが公正価値の最良見積とみなす)。
この評価方法では、組み入れられたファンドのNAV(年度末のファンド・マネージャーの報告書より
前の最新の利用可能な情報に基づく)がIFRS第13号に準拠して算定された公正価値の最良見積と考え
られる場合には、全ファンドのNAV合計も同じように算定された公正価値に相当すると暗黙的に仮定し
ている。公正価値は、最新の報告書に反映されたキャッシュ・フローについて調整済みの純資産価額
に対する当該事業体におけるグループの所有持分比率、または入手可能な場合は各ファンド・マネー
ジャーが提出した同日の正確な受益証券価値を適用することにより算定される。
最新の利用可能なNAVと年度末報告時のNAVとの間隔を埋めるために、後発事象のレビュー手続きが
実施され、差異に重要性がある場合、報告されたNAVは調整される。
NAVが容易には決定できない特定の投資に関しては、他の指針(例えば欧州プライベート・エクイ
ティ・ベンチャー・キャピタル協会(「EVCA」)が公表したインターナショナル・プライベート・エ
クイティ・ベンチャー・キャピタル評価(「IPEV」)ガイドライン等)が使用されることもあり、そ
の場合はより綿密な監視と検証が必要とされる。この方法に従い、ファンドは内部的に次の3種類に
分類される。
- カテゴリーI IFRS第13号またはIPEVガイドラインの公正価値要件を適用しており、NAVが信頼性
の高い公正価値の見積りであることを確認するため特定の検証が実施されているファンド。
- カテゴリーII IFRS第13号に沿ったものと考えることができる他の評価ガイドライン(旧EVCAの
2001年版ガイドライン等)または評価基準を適用しており、NAVが信頼性の高い公正価値の見積
りであることを確認するために特定の検証が実施されているファンド。
- カテゴリーIII IFRS第13号またはそれに沿った他の評価ガイドラインの公正価値要件を適用し
ていないファンド。
セカンダリーセール
ベンチャー・キャピタル・ファンドおよび投資ファンドに係るセカンダリーセール取引により、原
資産の認識が中止される。
セカンダリーセールからの損益は「金融業務損益」に計上され、売却手取額と正味帳簿価額の差異
として算出される。
共同支配企業および関連会社における持分
グループはIFRS第11号およびIAS第28号に含まれるベンチャー・キャピタル企業および同様の事業体
の測定の適用除外を使用するために必要な条件を充足しており、その結果、かかる投資に関して持分
法会計や比例連結を使用しないことを決定している。当初の認識時に、共同支配企業や関連会社に対
する持分は純損益を通じた公正価値での測定の区分に指定されており、以後はIFRS第9号に従って公
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正価値で測定されて、公正価値の変動はその変動があった年度の連結損益計算書上で認識されてい
る。
共同支配企業は、グループと他の当事者が共同支配の対象となる経済活動の実施を約束した契約合
意である。共同支配とは契約により合意された経済活動に対する支配の共有で、活動に関する戦略
上、財務上または業務上の決定が支配を共有する当事者(合弁参加者)全員の同意を必要とする時に
のみ存在する。一般的に、グループが自己勘定で、または委任者に代わって取得する参加権は、プラ
イベート・エクイティまたはベンチャー・キャピタル・ファンドへの投資である。業界の慣行によれ
ば、そのような投資は概して多数の投資家が共同で応募する投資であり、どの投資家も当該ファンド
の日々の運営および投資活動に対し、個人的に影響力を行使することはできない。結果として、ある
投資家がそのようなファンドの統治機関のメンバーになったとしても、原則的には、それにより当該
投資家がそのファンドの日々の運営に影響を与える権利を手にするものではない。さらに、プライ
ベート・エクイティやベンチャー・キャピタル・ファンドに対する個別投資家は、配当その他の分配
に関する方針等、ファンドの方針を決定することがない。一般的にそのような決定は、ファンドの経
営陣と全株主の権利および義務を規定した株主契約に基づき、ファンドの経営陣が行っている。また
一般的に株主間の合意は、個別投資家がファンドとの間で実質的な取引を行ったり、役員を相互に交
換したり、重要な専門情報にアクセスする特権を得たりすることも防止している。グループが自己勘
定で、または委任者に代わって行う投資は、上記の業界慣行に沿って執行される。加えて、グループ
はこれらの投資からのリターンの変動性にさらされている。したがって、支配を有しているかどうか
を検討する際に、グループはこれらの投資リターンに最も著しく影響を及ぼす主要な決定を管理して
いるかどうかを評価する。その結果、そしてIFRS第10号に従って、グループはこれらの事業体を支配
していないと結論した。関連会社は、グループが財務および業務上の方針に対して重要な影響力を持
つが、支配力または共同支配力を持たない企業である。
EBRD 参加持分
グループはまた、EBRDへの参加持分を保有しているが、この投資は長期戦略的目的で行われたた
め、取消不能でその他の包括利益を通じた公正価値での測定に指定することをグループの経営陣は選
択した。
当初認識時に、グループはこの参加持分を公正価値に取引費用を加算した値で測定している。その
後、外貨換算損益を含む公正価値変動による損益はその他の包括利益で認識され、当該損益はたとえ
処分時であっても純損益に組み替えられることはない。
グループにより応募済であるがEBRDへの投資について払込未請求の資本は、連結オフ・バランス
シートのコミットメントとして記録されている。
A.4.9. 金融機関および対顧客貸付金および預け金
金融機関および対顧客貸付金および預け金には、主に直接借手に資金が提供される貸付金が含まれ
る。
貸付金および預け金は、現金が借手に渡った時に認識される。それらは当初原価(正味実行額)、
すなわち貸付金の公正価値に付随費用を含めたもので計上され、その後は実効金利法により償却され
る。貸付金の未実行部分は、名目値で連結オフ・バランスシートのコミットメントに記録される。
貸付金がヘッジ会計の適格性基準(注A.4.5)に適合する場合、当該貸付金に係る公正価値ヘッジ損
益は、貸付金の帳簿価額を修正し、連結損益計算書の「金融業務損益」で認識される。
貸付金が公正価値オプションの基準に適合するか、あるいは償却原価もしくはその他の包括利益を
通じて公正価値で測定に分類される基準(注A.4.3)に適合しない場合、当該貸付金は、当初の認識時
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に連結損益計算書を通じた公正価値での測定に指定され、その公正価値で測定される。この場合、割
引キャッシュ・フローを公正価値の見積り方法として採用する。公正価値評価に指定された貸付金
は、 連結貸借対照表に公正価値で計上される。公正価値の変動は「金融業務損益」に計上される。
A.4.9.1. 貸付金利息
グループによる貸付金の利息は、実効金利法によって連結損益計算書では「受取利息および類似収
益」に、連結貸借対照表では「貸付金および預け金」に計上される。
A.4.9.2. リバース・リパーチェス取引(リバース・レポ)
リバース・リパーチェス取引は、担保有価証券を提供する金融機関に対してグループが流動資金を
貸出す取引である。双方の当事者は、確定日に確定金額で取引を行うという取消不能の契約を結ぶこ
とになる。
この取引は、支払引替渡しの原則に基づき行われる。すなわち流動資金の借手は、契約価額での決
済と引き換えに、グループの保管業者に有価証券を引き渡すのである。これによってグループに金融
市場と連動したリターンが発生する。
こうした種類の業務は、グループの目的から、保証された金利が付加された貸付とみなされる。こ
れらの取引は一般的に有担保金融取引として取り扱われるため、提供または受領した現金額に未収
(経過)利息を加えた金額で計上されている。リバース・レポは、連結貸借対照表の資産側の「金融
機関貸付金および預け金: b) その他の貸付金および預け金」に計上される。
リバース・リパーチェス契約に基づいて受け取った有価証券は、有価証券に含まれる契約上の権利
を支配できない限り、連結貸借対照表において認識されない。グループは、これらの受け取った有価
証券の市場価格を日々管理しており、原契約に従い追加担保を要求する。
A.4.9.2.1. リバース・リパーチェス契約に係る利息
リバース・リパーチェス契約に係る利息は、それぞれの契約の期間にわたり受取利息または支払利
息として計上される。
A.4.9.3. 貸付金手数料
貸付金のフロントエンド・フィーは、融資枠の発生および維持に関連する直接費用と共に繰り延べ
られ、実効利回りの調整として関連する貸付金の実行から返済までの期間にわたり連結損益計算書に
計上される。融資が実行されることなく融資枠の期間が満了した場合の手数料は、満了時に一括して
認識される。フロントエンド・フィーは繰り延べられ、原貸付金の残存期間にわたり、損益計算書上
の「受取利息および類似収益」で認識される。
A.4.9.4. 利子補助金
前受利子補助金(注F)は繰り延べられ、実効利回りの調整として認識されて、補助金支給対象貸付
金の実行から返済までの期間にわたって連結損益計算書の「受取利息および類似収益」に計上され
る。
A.4.10. 貸付金および預け金の減損
グループ内では、予想信用損失減損モデルは償却原価で測定される貸付金および預け金だけでな
く、連結オフ・バランスシートのコミットメントにも適用されている。IFRS第9号に基づく貸倒引当
金は、注A.4.4で分析されている減損モデルに従って、12ヵ月ECLまたは全期間ECLのいずれかに基づい
て測定される。
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A.4.11. 金融保証
金融保証契約は、特定の債務者が、負債性金融商品の条件に従って支払期日に支払いを履行できな
い場合に、グループに、その商品の保有者に損失を補填するための所定の支払いを義務付ける。
発行済の金融保証は通常、オフ・バランスシート項目として会計処理され開示される。
金融保証は当初総額アプローチを使用して会計処理され、受取レッグと支払レッグは相殺されて連
結貸借対照表に公正価値で認識される。
EIB グループの金融保証契約は単独の独立企業間取引として非関連当事者に対して発行されるため、
契約開始時におけるその公正価値は受取プレミアムと同額とみなされる。当初認識時において、支払
義務は、予想プレミアムの正味現在価値(「NPV」)または当初予想損失に対応する。
その後、金融保証は総額アプローチを使用して会計処理され、将来の受取プレミアムは金融資産と
して独立して計上され公正価値で測定される一方で、金融負債は、以下のうち高いほうの金額で測定
される。
- IFRS第9号の下で算定される損失引当金の額。
- 当初認識額、すなわち、NPVから、適切な場合に、IFRS第15号の原則に従って認識された累積償
却額を控除した金額。
適合する場合、予想プレミアムの正味現在価値(「NPV」)および予想支払義務の金額は相殺され
る。
企業は、IAS第32号に従って、以下の場合に限り、金融資産と金融負債とを相殺し(純額表示)、純
額を財政状態計算書に表示しなければならない。
- 認識している金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有している。
- 純額で決済するかまたは資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している。
金融保証契約の測定の結果として正味資産ポジションとなった場合、それぞれの保証は「その他の
資産」として連結貸借対照表に表示される。
金融保証契約の測定の結果として正味負債ポジションとなった場合、それぞれの業務は連結貸借対
照表に以下のように表示される。
- 償却後の当初NPVが12ヵ月ECLまたは全期間ECLよりも高い契約については、「その他の負債」
- 信用減損があり、したがって全期間ECLに基づいた損失引当金が認識されている契約について
は、「保証および契約債務引当金」
金融保証が純額表示の対象ではない場合、資産サイドと負債サイドはグループの貸借対照表上で、
別々に表示される。
金融保証に関連する「その他の資産」または「その他の負債」の増加または減少は、連結損益計算
書の「金融業務損益」に認識される。
保証履行請求に対する決済以外の金融保証に伴う「保証および契約債務引当金」の増加または減少
は、連結損益計算書の「貸付金および預け金の減損ならびに保証引当金の変動(戻入れ控除後)」に
認識される。
受取プレミアムは、連結損益計算書の「受取手数料」で認識される。前受手数料は連結貸借対照表
の「繰延収益」で認識され、金融保証期間にわたって定額法で連結損益計算書において償却される。
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A.4.12. 有形固定資産
有形固定資産には、土地、グループが使用している不動産ならびにその他機械および設備が含まれ
る。
有形固定資産については、定期的に減損の検討が行われている。
土地は、取得原価で計上されており、建物は、取得原価から減価償却累計額を控除した金額で計上
されている。ルクセンブルクのキルヒベルクに所在する本店の建物、ならびに同国のワイマールショ
フの建物の取得原価は、以下のように定額法で減価償却されている。
恒久使用の設備および備品、家具、事務機器ならびに自動車は、取得価額から減価償却累計額を控
除した金額で連結貸借対照表に計上される。
減価償却費は購入品目ごとに、以下に示されている見積耐用年数の期間にわたって定額法で計算さ
れている。
- キルヒベルクおよびワイマールショフの建物:30年
- 恒久使用の設備および備品:10年
- 家具:5年
- 事務機器および自動車:3年
建設仮勘定資産は、工事が完了し、当該資産が意図された目的のための使用に供されることが可能
となるまで、その減価償却累計額は計上されない。
A.4.13. 無形資産
無形資産には、コンピューター・ソフトウェアが含まれている。ソフトウェア開発費は、識別可能
性、企業への将来の経済的便益の流入可能性、取得原価測定の信頼性に関する特定の基準を満たした
場合に資産計上される。
無形資産は資産として認識され、見積経済耐用年数にわたり定額法で償却される。無形資産は、連
結貸借対照表日ごとに減損または将来の予測便益の変化の兆候について検討されている。もし、その
ような兆候が存在する場合は、帳簿価額が全額回収可能かどうかを評価する分析が行われる。帳簿価
額が回収可能額を超える場合は、減損を行う。
これらの基準に適合する自社開発のソフトウェアは、償却累計額(完成から3年にわたり定額法で
計算)控除後の取得原価で計上されている。
建設仮勘定資産は、作業が完了し、当該資産が意図された目的のための使用に供されることが可能
となるまで、その償却累計額は計上されない。
A.4.14 年金制度および健康保険制度
グループは、すべての職員に退職給付を提供するため、確定給付年金制度を運営している。また、
グループはEIBの元職員に対して、特定の追加的な退職後医療費給付も行っている。これらの退職給付
はIAS第19号の定義による非積立型の年金制度である。年金給付に要するそれぞれの年金制度の費用
は、予測単位積立数理評価方式により決定される。確定給付年金制度に関する連結損益計算書上の費
用は、資格を有する外部の保険数理士により確定された当期の勤務費用および利息費用に基づき計上
される。
A.4.14.1. 職員年金制度
EIB の主な年金制度は職員とEIBの拠出金を原資とする確定給付年金制度で、全EIB職員が対象とされ
ている。
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退職給付債務は、適正な債務水準となるように予測単位積立方式を用いて、少なくとも年に1度は
評価を受ける。最新の評価は、2020年9月30日現在の加入者データおよび2020年12月31日までの
キャッシュ・フローに基づき、2020年12月31日現在で実施された。保険数理士が用いた主な仮定につ
い ては、注Jを参照。
数理計算上の積立過不足累計額は、全額が「その他包括損益」で認識される。純利息費用は、連結
損益計算書の「支払利息および類似費用」で認識される。
EIF の主要な年金制度は、職員とEIFの拠出金を原資とする確定給付年金制度で、全EIF職員が対象と
されている。この制度は、従来の確定拠出年金制度に代わり、2003年3月に実施された。
A.4.14.2. 健康保険制度
EIB は職員のため、EIBおよび職員の拠出金を原資とする独自の健康保険制度を設けている。これ
は、確定給付制度として会計処理される非積立型の制度である。定年退職年齢にある職員について
は、特定の引当金が連結貸借対照表の負債側に計上される。EIFは定年退職年齢に達した職員の福利厚
生のため保険会社の健康保険制度に加入しており、EIFとその職員からの拠出金を原資としている。
これらの給付の受給資格は、定年退職年齢まで職員が勤めあげること、および最低勤続年数を満た
していることである。この給付の見積給付費用は、確定給付年金制度と同じような方法を用いて、雇
用期間にわたり発生する。健康保険債務は、年金制度と同日に行われる保険数理計算に基づいて算定
される。
A.4.14.3. 経営委員会委員年金制度
グループ連結貸借対照表の「負債」に表示されている関連する引当金は、すべての制度がそうであ
るように、IAS第19号に準拠して算定されたものである。給付額は、勤続年数と当該制度で定義されて
いる最終年の総基本給に対する一定の比率に基づいて決定される。経営委員会委員に対する年金制度
は、職員に対する年金制度と同じ方針によって管理され、会計処理されている(注A.4.14.1)。
A.4.14.4. 任意補足年金制度
任意補足年金制度とは、職員の任意拠出金および使用者の拠出金を原資とする確定拠出年金制度で
ある。これは職員および使用者の拠出金に基づいて会計処理され、対応する負債は「その他の負債」
に計上されている。
A.4.15. 金融機関および顧客に対する債務
金融機関および顧客に対する債務は、当初の時点においては原価で計上され、連結財務書類におい
て償却原価で表示される。金融機関および顧客に対する債務の利息は、実効金利法を用いて「支払利
息および類似費用」または金利がマイナスの場合には「受取利息および類似収益」として連結損益計
算書に計上される。
EIBによるECBの金融政策オペレーションへの参加に関連して、BCLから借り入れた金額は当初原価で
計上され、中央銀行からの借入金として、連結財務書類において「金融機関に対する債務-b) 期日払
または通知払」に償却原価で計上されている。この点で、グループは金利に関連してそれぞれの取引
の契約条件を評価したが、市場における同様の取引で利用可能な資金調達条件と比較して、著しい利
益を特定していない。したがって、グループは当該取引を独立当事者間取引とみなしている。
この取引の借入利率は、所定の貸付実績の基準値を達成することを条件として引き下げられる可能
性があるが、この取引は後払いでのみ、とりわけ当該金融政策オペレーションの満期時または早期返
済時に決済される。グループにおけるこのリベート部分の重要性の観点、および年度末時点において
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適格性の判定基準を信頼性をもって見積もることができないという事実を考慮し、グループはこのリ
ベート部分を当該取引の実効金利の計算から除外することが適切であるとみなしている。結果とし
て、 借入金利のこの部分はIFRS第9号の要件を満たさないが、IFRS第15号の適用範囲に基づき会計処
理されている。取引の性格により、またグループの会計方針に沿って、発生する可能性のある将来の
リベートは、一時点で認識される。
A.4.15.1. リパーチェス取引(レポ)
リパーチェス取引は、金融機関からグループが流動資金を借り入れ、代わりに担保有価証券を提供
する取引である。双方の当事者は、確定日に確定金額で取引を行うという取消不能の契約を結ぶこと
になる。この取引は 支払引替渡し の原則に基づいており、これは注A.4.9.2に記載されている。
こうした種類の業務は、グループの目的から、合意された金利が付加された借入とみなされる。こ
れらの取引は一般的に有担保金融取引として取り扱われるため、借入金額に経過利息を加えた金額で
計上されている。レポは連結貸借対照表上、「金融機関に対する債務-b) 期日払または通知払」の下
で負債側に計上される。
A.4.15.1.1. リパーチェス契約に係る利息
リパーチェス契約に係る利息は、それぞれの契約の期間にわたり支払利息または受取利息として計
上される。
A.4.15.2. 担保払込勘定
片務的担保サポート・アネックスに基づき、グループはデリバティブ、貸付および財務ポートフォ
リオに係るカウンターパーティー信用エクスポージャーを低減するために担保として現金を受領す
る。受け取った現金担保は、名目金額で計上され、翌日物預金として、連結財務書類において「金融
機関に対する債務-a) 要求払」に表示される。
A.4.16. 債務証書借入
債務証書借入は、当初、受取額の公正価値である原価で測定される。取引費用および正味のプレミ
アム(ディスカウント)は当初測定額に含まれる。その後は、償却原価で測定され、純受取額と償還
額との差額は借入期間にわたって実効金利法を用いて償却される。
借入金は、IFRS第9号の下でヘッジ会計適格の場合にヘッジ関係に指定され(注A.4.5)、その償却
原価はその後にヘッジ対象のリスクに起因する公正価値について調整される。
決済日が将来の借入金における確定契約債務も、ヘッジされヘッジ会計に指定することができる。
借入金のヘッジの公正価値は、割引キャッシュ・フロー法に基づいて算出される。借入金がヘッジ
会計に含まれず、公正価値オプションの適格基準を満たし、当初の認識時にそのように指定された場
合、当該借入金は純損益を通じた公正価値で測定される。流動市場価格が無い場合、採用される公正
価値測定手法は、カレント・イールドカーブを用いた割引キャッシュ・フローである。
グループが借入金を純損益を通じた公正価値での測定に指定する際、「自行信用リスク調整」
(「OCA」)と呼ばれる信用リスクの変動に起因する公正価値の変動額は、その他の包括利益に表示さ
れる。金融負債の当初認識時に、グループは自行信用リスク調整の変動額をその他の包括利益に表示
することにより、損益における会計上のミスマッチを発生させる、または拡大することになるかを評
価する。
この評価は、以下を比較することによって行われる。
- 自行信用リスク調整の変動に関連する借入金の公正価値の予想変動額
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- 関連する金融商品の公正価値の予想変動額の損益影響額
その他の包括利益に表示される金額は、その後も純損益に振り替えられない。これらの金融商品の
認識が中止される際、関連するその他の包括利益での累積額はグループのその他準備金に振り替えら
れる。組込デリバティブを含む、外国為替レートおよび指数に関連する仕組債商品については、グ
ループは当該エクスポージャーを完全にヘッジするために、スワップ契約を締結している。
負債性金融商品の支払利息は、原負債性金融商品が計上されている連結貸借対照表の負債項目に計
上されている。
A.4.17. 前払金-繰延収益
これらの項目は、以下のものから構成される。
- 前払金:当期の支出であるが翌期に関連する費用
- 繰延収益:貸借対照日以前に支払いを受けるが翌期に関連する収益
A.4.18. リース
契約開始時に、グループは契約がリースであるか、すなわち、契約が特定された資産の使用を支配
する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転するかを評価する。開始日後に、グループは使用権資
産とリース負債を認識する。
リース負債は、契約上の将来の固定および変動リース料、残価保証に基づく支払い、購入オプショ
ンの行使価格、ならびに解約ペナルティで構成されるリース料の現在価値で測定される。リース負債
はグループの追加借入利子率を使用して割り引かれる。その後、リース負債は実効金利法を使用して
償却原価で測定され、リース料およびリース負債に係る割引の巻戻しによる利息を反映して修正さ
れ、再評価またはリースの条件変更を反映するために再測定が行われる。
使用権資産は、上記のリース負債の当初測定の金額、借手に発生した当初直接コスト、リース開始
日以前に支払ったリース料から受け取ったリース・インセンティブを控除したものおよび解体費用
(該当する場合、リース終了日時点で)で測定される。EIBグループは、原資産のクラスごとに、非
リース構成部分をリース構成部分と区別せずに、各リース構成部分と関連する非リース構成部分を単
一のリース構成部分として会計処理することを選択した。
その後、グループは使用権資産を、原価モデルを適用して計上して、使用権資産をリース開始日か
らリース契約の終了まで減価償却し、IAS第36号に準拠して年次で減損の評価を行っている。
借手として、グループはIFRS第16号のリース会計の範囲でリース資産を、a)不動産(商業用建物と
住宅の両方)とb)車両の2つの資産クラスにグループ分けを行った。このグループ分けは、特性、性
質およびEIBのグループ業務における用途に類似性を持つ原資産に基づいて行われた。
グループは、財政状態計算書において、使用権資産を「有形固定資産」そして対応するリース負債
を「その他の負債」で表示している。
短期リースおよび少額資産のリース
グループは少額資産のリースおよび短期リース(例えば、IT機器および事務機器)について、使用
権資産およびリース負債を認識しないことを選択した。グループは、これらのリースに伴う支払リー
ス料をリース期間にわたって定額法で費用として認識している。
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A.4.19. 準備金
A.4.19.1. 準備基金
定款第22(-1)条で規定されているように、EIBの留保利益より「応募済資本金の10%を上限に、準備
基金に段階的に組み入れるものとする」。
A.4.19.2. その他準備金
その他準備金には、グループの残りの留保利益が含まれている。
A.4.19.3. 公正価値準備金
公正価値準備金には公正価値オプションに指定された金融負債の自行信用リスク調整の変動に起因
する公正価値、通貨ベーシス・スプレッドの公正価値、およびその他の包括利益を通じた公正価値評
価に指定された持分投資に起因する公正価値変動が含まれる。
A.4.19.4. 特別活動準備金
定款第16(-5)条で規定されているように、「EIBの特別活動(中略)には個別に準備金を配分する」。
特別活動準備金は、EIBが一般的に受け入れているものよりもリスクの高い活動によって生じる予想外
の損失をカバーするために割り当てられた専用準備金であり、ベンチャー・キャピタル業務がこれに
含まれる。この準備金は各業務の資本配分に基づき、EIBの法定利益の処分を通じて年次で調整され
る。
A.4.19.5. 一般貸倒準備金
2009年、EIBの方針ガイドラインにより、EIBの貸付金および保証ポートフォリオの予想損失に対
し、「一般貸倒準備金」が導入された。この準備金は原資産の推移に応じて、EIBの法定利益の処分を
通じて年次で調整される。また、IFRS第9号の導入により、予想信用損失引当金はグループの償却原
価で測定される金融資産だけでなく、グループの連結オフ・バランスシートのコミットメントについ
ても会計処理される。後者は、連結損益計算書に影響し、自己資本の中での想定配分であり、EIBが供
与する貸付および保証業務に関連する一般貸倒準備金とは区別されなければならない。
A.4.20. 租税
欧州連合に関する条約および欧州連合の機能に関する条約に付属する欧州連合の特権および免除に
関する議定書は、欧州連合機関の資産、収益およびその他の財産について、あらゆる直接税を免除す
ると定めている。
A.4.21. 受取利息および支払利息
受取利息および支払利息は、すべての利付商品に関して、実際の購入価額(直接取引費用を含む)
に基づき、実効金利法により発生主義で連結損益計算書に認識される。これは、金融商品の償却原価
を計算し、当該期間にわたり受取利息を配分するという方法である。実効利率は、当該金融商品の見
積保有期間を通して将来受け取る金額の見積りを同金融商品の純帳簿価額に割り引く際の割引率にあ
たる。マイナス金利が計算される場合、対応する金利は受取利息から支払利息に組み替えられ、また
その逆のこともある。
この科目には、貸付金・預け金利息および手数料、有価証券ポートフォリオからのその他の収益の
他、貸付金の期限前返済に関してグループが受け取った債務者による補償金支払いが含まれている。
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貸付金の期限前返済に関して受け取った補償金は、同貸付金の認識中止時に直ちに連結損益計算書
に計上される。
IAS 第32号「金融商品:表示」に準拠して、リプレースメント・シェア・パーチェス・アンダーテイ
キング(注A.4.1参照)の結果取得したEIFのプットオプションの公正価値の変動は、「支払利息およ
び類似費用」に表示される。
A.4.22. 株式およびその他の変動利付証券からの収益
「株式およびその他の変動利付証券からの収益」は、主に元本を超える当期売却額で構成されてい
る。
A.4.23. 現金および現金同等物
現金および現金同等物は連結キャッシュ・フロー計算書で開示されており、手許現金、非拘束性の
中央銀行預け金残高、要求払い預金、流動性の高い短期金融市場証券または価値の変動リスクに重要
性がなく、容易に現金化が可能でグループが短期コミットメントの管理に用いている定期預金で構成
される。現金および現金同等物に属する項目は、連結財務書類において償却原価で計上されている。
2020年に、現金および現金同等物の定義と市場慣行との整合性を向上させるために、グループは方
針を変更し、適格商品の現金および現金同等物を、当初満期日が取得日から3ヵ月以内のものに限定
することを決定した。この変更により、現金および現金同等物は2018年度末現在で210億ユーロ減少し
た。また、2019年度末現在では305億ユーロ減少し、うち「短期金融市場証券」が73億ユーロ減少し、
「その他の貸付金および預け金」が232億ユーロ減少した。2019年度については、上記の変更は「 財務
運用ポートフォリオの変動額 」に7億ユーロ、「その他の貸付金および預け金の変動額」にマイナス
102億ユーロの影響も及ぼした。
A.4.24. 売却目的保有資産
IFRS第5号で定義された売却目的保有非流動資産は、現時点では、セカンダリーセール対象の金融
商品のみで構成されている。こうした金融資産は引き続きIFRS第9号およびグループの会計方針に
従って測定される。これらの資産は、帳簿価額が、継続使用を通じてではなく主に売却取引を通じて
回収される場合に売却目的保有として分類される。以下の場合に、この条件は充足されているとみな
される。
- 売却の可能性が非常に高い。
- 資産が現状のまま即時に売却が可能である。
- 経営委員会の決定を通じて経営陣が売却を確約している。
- 売却目的保有に 分類した日から1年以内に売却が完了すると見込まれる。
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注B: 現金、中央銀行および郵便局預け金、負債証券ポートフォリオ、株式およびその他の変動利付証
券ならびに他の事業体に対する持分(単位:千ユーロ)
B.1. 現金、中央銀行および郵便局預け金
現金、中央銀行および郵便局預け金は、2020年12月31日現在835,163千ユーロ(2019年:947,155千
ユーロ)である。
EIBは、ユーロ・システムの金融政策オペレーションにおける適格カウンターパーティーであること
から、EIBも欧州中央銀行の金融政策オペレーションに参加するようになった。EIBは、最低預金準備
率を充足するために預け金を置いているルクセンブルク中央銀行を通じて金融政策オペレーションを
実施する。この預け金残高は、2020年12月31日現在109,369千ユーロ(2019年:110,990千ユーロ)で
ある。
B.2. 負債証券ポートフォリオ
各ポートフォリオの2020年12月31日および2019年12月31日現在の詳細は、以下のとおりである。
2020 年12月31日 2019 年12月31日
中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券
32,194,810 34,569,333
12,921,085 12,519,706
確定利付証券を含む負債証券
(*)
45,115,895 47,089,039
負債証券合計
(*) うち非上場分は、2020年12月31日現在9,791,997千ユーロ(2019年:8,768,486千ユーロ)であった。
分類 帳簿価額 公正価値
2020 年12月31日現在
LTHP
AC 1,646,354 1,764,984
TMP AC 17,602,091 17,605,081
SLP 強制的にFVTPL 4,179,891 4,179,891
運用ポートフォリオ-EIF
AC 1,191,786 1,208,204
資産担保証券ポートフォリオEIF
322,971 322,971
強制的にFVTPL
代替貸付金ポートフォリオ (注D)
AC 18,956,929 19,159,729
代替貸付金ポートフォリオ (注D) 強制的にFVTPL 1,002,525 1,002,525
代替貸付金ポートフォリオ (注D) 213,348 213,348
FVTPL に指定
(1)
負債証券合計
45,115,895 45,456,733
(1) うち現金および現金同等物2,801,772千ユーロ
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分類 帳簿価額 公正価値
2019 年12月31日現在
LTHP AC 1,736,672 1,847,092
TMP
AC 19,323,516 19,322,597
SLP
強制的にFVTPL 3,926,064 3,926,064
運用ポートフォリオ-EIF
AC 1,237,900 1,251,369
資産担保証券ポートフォリオEIF
252,106 252,106
強制的にFVTPL
代替貸付金ポートフォリオ (注D)
AC 19,883,269 20,095,884
代替貸付金ポートフォリオ (注D)
強制的にFVTPL 528,927 528,927
代替貸付金ポートフォリオ (注D)
200,585 200,585
FVTPL に指定
(1)
負債証券合計
47,089,039 47,424,624
(1) うち現金および現金同等物3,551,379千ユーロ
代替貸付金は、証券化取引に関連する貸付金または債権のプールにおける持分の取得を表してお
り、貸付金総額(注D)の一部とみなされる。こうした取引の一部は、与信またはプロジェクト関連の
救済措置を付加した上で組成されているため、追加的な償還請求手段が備わっている。このポート
フォリオにおける代替貸付金の1つは、再構築の一環として2019年に組成されたものである。
欧州連合加盟国ソブリン債に対するエクスポージャー
EIBおよびEIFの優先債権者の地位およびEIB定款による保護を考慮し、また公正価値修正要件の詳細
な見直しの結果、グループは、期末現在の満期保有目的EU加盟国ソブリン債およびEU加盟国ソブリン
保証債のエクスポージャーに関して、2020年度および2019年度には減損を計上しなかった。
次の表は、2020年12月31日および2019年12月31日現在のグループの負債証券ポートフォリオにおけ
る、EU加盟国またはその政府機関が発行または保証する負債証券に対するエクスポージャーを示した
ものである。
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(1)
帳簿価額 公正価値
2020 年12月31日現在
EU 加盟国ソブリン債
オーストリア 287,401 287,604
ベルギー 180,300 180,353
チェコ共和国 621,137 625,415
デンマーク 16,284 16,284
エストニア 10,010 10,010
フィンランド 41,066 41,066
フランス 527,304 532,619
ドイツ 2,346,829 2,410,491
ハンガリー 10,547 10,585
アイルランド 568,012 568,278
イタリア 97,341 126,731
ラトビア 14,985 15,206
リトアニア 16,993 17,822
ルクセンブルク 92,471 92,471
オランダ 770,356 783,634
ポーランド 185,180 186,022
ポルトガル 40,050 40,095
ルーマニア 10,127 10,123
スロバキア 113,160 113,514
スロベニア 14,929 15,467
スペイン 3,660,683 3,663,202
62,794 62,794
スウェーデン
9,687,959 9,809,786
35,427,936 35,646,947
EU 加盟国以外のソブリン債およびその他の債券
45,115,895 45,456,733
合計
(1) 経過利息を含めた公正価値
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(1)
2019 年12月31日現在
帳簿価額 公正価値
EU 加盟国ソブリン債
オーストリア
210,870 211,646
ベルギー
51,169 51,232
チェコ共和国
557,918 568,163
23,442 23,445
クロアチア
キプロス
2,092 2,092
エストニア
15,016 15,008
フィンランド
40,652 40,652
フランス
2,340,127 2,344,992
ドイツ
917,581 981,242
ハンガリー
160,210 160,525
アイルランド
411,275 411,154
イタリア
155,606 181,834
9,917 9,905
ラトビア
リトアニア
98,520 98,752
ルクセンブルク
5,111 5,176
オランダ
396,393 408,430
ポーランド
102,126 102,282
ポルトガル
287,603 287,508
ルーマニア
52,895 52,872
スロバキア
14,559 14,905
スロベニア
5,192 5,204
スペイン
2,111,612 2,112,324
スウェーデン
54,777 54,777
8,024,663 8,144,120
EU 加盟国以外のソブリン債およびその他の債券
39,064,376 39,280,504
合計
47,089,039 47,424,624
(1) 経過利息を含めた公正価値
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負債証券ポートフォリオ-貸倒引当金
次の表は、IFRS第9号のECLモデルに基づく、負債証券ポートフォリオの貸倒引当金の期首残高と期
末残高の間の調整を示している。
2020 年
信用減損のない 信用減損のある
12 ヵ月ECL 合計
全期間ECL 全期間ECL
(単位:千ユーロ)
AC で測定される負債証券
1月1日現在の残高 2,298 11,797 0 14,095
12 ヵ月ECLへの振替 13 -117 0 -104
信用減損のない全期間ECLへの振替 0 24 0 24
貸倒引当金の純額の再測定 421 -228 0 193
組成または購入された新規金融資産 637 22 0 659
-1,561 -30 0 -1,591
認識が中止された金融資産
1,808 11,468 0 13,276
12 月31日現在の残高
2019 年
信用減損のない 信用減損のある
12 ヵ月ECL 合計
全期間ECL 全期間ECL
(単位:千ユーロ)
AC で測定される負債証券
1月1日現在の残高 3,494 14,364 0 17,858
12 ヵ月ECLへの振替 2 -17 0 -15
信用減損のない全期間ECLへの振替 -298 4,667 0 4,369
貸倒引当金の純額の再測定 -327 -1,908 0 -2,235
組成または購入された新規金融資産 1,652 0 0 1,652
-2,225 -5,309 0 -7,534
認識が中止された金融資産
2,298 11,797 0 14,095
12 月31日現在の残高
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B.3. 株式およびその他の変動利付証券
残高の内訳は以下のとおりである。
株式およびその他の変動利付証券
ベンチャー・
その他の
キャピタル
EBRD 持分 投資基金 合計
持分投資
事業
取得原価:
2020 年1月1日現在 6,494,566 157,500 2,059,386 266 8,711,718
取得/振替 1,395,226 0 790,233 0 2,185,459
-913,757 0 -280,708 -22 -1,194,487
売却/満期
(1)
6,976,035 157,500 2,568,911 244 9,702,690
2020 年12月31日現在
未実現利益/損失
2020 年1月1日現在 2,331,678 335,257 220,347 562 2,887,844
未実現利益 1,132,303 22,122 108,659 0 1,263,084
-502,084 0 -27,790 -294 -530,168
未実現損失
2,961,897 357,379 301,216 268 3,620,760
2020 年12月31日現在
純帳簿価額:
9,937,932 514,879 2,870,127 512 13,323,450
2020 年12月31日現在
8,826,244 492,757 2,279,733 828 11,599,562
2019 年12月31日現在
(1) 157,500千ユーロ(2019年:157,500千ユーロ)は、欧州復興開発銀行(「EBRD」)の資本金に対するグループの応
募額900,440千ユーロに係る2020年12月31日現在のグループの払込資本である。2020年12月31日現在、グループは、
EBRDの応募済資本金の3.03%(2019年:3.03%)を所有している。
グループがEBRDへの投資をその他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとしての指定した理
由は、この投資が戦略的目的で長期間の保有が見込まれ、短期的にも中期的にもこの投資を処分する
計画がないためである。2020年12月31日現在の公正価値は、計上されている正味帳簿価額に対応す
る。2020年度中に認識された配当金はなく、また、この投資に関連して資本の部の中で振り替えられ
た累積損益もなかった。
B.4. 他の事業体に対する持分
B.4.1. グループの構成
欧州投資基金(「EIF」)は、1994年6月14日にルクセンブルクで国際金融機関として設立された。
登記上の事務所所在地は、37B, avenue J.F. Kennedy, L-2968 Luxembourgである。EIFは現在、EIBの
唯一の子会社である。
EIBは、EIFの応募済資本金45億ユーロ(2019年:45億ユーロ)の58.82%(2019年:58.53%)を保
有している。
EIF の主要任務は、適切なレベルの資本利益を創出しつつ、以下を通じて欧州連合の目的の追求に貢
献することである。
- 金融機関に対する中小企業(「SME」)向け融資保証の提供
- 持分投資の取得、保有、運用および処分
- 第三者から受託した特別財源の管理
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- 関連業務
EIF の株式資本は普通株式のみで構成され、EIBはEIFの普通株式を直接的に保有しており、保有する
所有持分割合は、EIBが保有する議決権に等しい。EIFの設立国または登記国は、主たる事業所の所在
地でもある。
2021年2月のEIFによる増資をEIF株主総会が承認した結果、EIFの授権資本は1株当たり額面
1,000,000ユーロの新株2,870株の発行を通じて、45億ユーロから74億ユーロに増加する。
新株の発行は、以下に詳述するように1応募期間で可能な応募について1回の応募で行われる。応
募済みの新規授権株式は、その額面金額の20%について払込が行われる。残りの80%は、EIF株主総会
の決定を受けて払込請求を行うことができる。この増資において応募された新規授権株式の申込価格
は、外部監査人のレビューを受けた2020年9月30日現在のEIFの財務データに基づいて実施された、リ
プレースメント・シェア・パーチェス・アンダーテイキング(「RSPU」)の算式による新たな計算に
対応し、新規発行株式の払込部分を含んだ435,970.88ユーロとされる。EIF定款第5条に沿って、EIF
の各株主は、当該増資前における当該株主の応募済株数とEIFの全応募済株数との間の比率に応じて、
増資の一部に応募する権利を有する。その結果として、EIBは約736百万ユーロで、その比例配分した
1,689株について応募した。
B.4.2. 非連結ストラクチャード・エンティティへの関与
ストラクチャード・エンティティの定義
ストラクチャード・エンティティは、議決権または類似した権利が、誰が事業体を支配しているか
を決定する際の支配的な要因とならないように設計された事業体である。IFRS第12号では、ストラク
チャード・エンティティが次の特徴の一部または全部を備えていることが多いとしている。
- 制限された活動
- 限定され、明確に定義された目的。例えば、節税効果のあるリースの実行、研究開発活動の実
施、企業への資本もしくは資金源の提供、または当該ストラクチャード・エンティティの資産
に付随するリスクおよび利益を投資家に移転することによる投資家への投資機会の提供等
- 不十分な資本。ストラクチャード・エンティティが業務活動資金の調達を可能にするためには
劣後的な財務支援が必要
- トランシェ。信用リスクまたはその他のリスクの集中を発生させる、複数の契約上関連してい
る投資家向け商品の資金調達
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非連結ストラクチャード・エンティティ
「非連結ストラクチャード・エンティティ」という用語は、グループによって支配されていないす
べてのストラクチャード・エンティティを指し、連結されていないストラクチャード・エンティティ
における持分を含む。
ストラクチャード・エンティティにおける持分の定義
IFRS 第12号は、「持分」を広義に定義しており、エンティティの業績から生じるリターンの変動に
報告企業がさらされるような、契約上または契約に拠らない関与を含むものとしている。このような
持分の例には、株式持分または資金の提供、流動性支援、信用補完、他のエンティティに対するコ
ミットメントおよび保証等のその他の形での関与が含まれる。IFRS第12号は、通常の顧客・サプライ
ヤーの関係だけでは、報告企業が他のエンティティの持分を持つことにはならないと述べている。
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ストラクチャード・ グループが保有する持
性質および目的
エンティティの種類 分
プロジェクト・ プロジェクト・ファイナンス取引(「PF業務」)は、債務者から 正味実行済金額
の債務の返済が、当該債務者の唯一または主要な収益源に依存す
ファイナンス:
受取利息
る取引であり、その収益源は、当該借入によって資金調達された
特別目的事業体
資産または当該プロジェクトに契約によって関係づけられたその
(「SPV」)への
他の既存の資産などの単一または限定的な数の資産から生じる。
貸付
PF業務はSPVを通じて資金調達されることが多い。
ベンチャー・ グループは、ベンチャー・キャピタルおよび投資基金に資金提供 ベンチャー・キャピタ
している。ベンチャー・キャピタルおよび投資基金は、優れた成 ルおよび投資基金が発
キャピタルおよび
長潜在性を備えた中小企業におけるプライベート・エクイティ持 行する受益証券/株式
投資基金
分やインフラストラクチャー・プロジェクトへの投資を望む投資 への投資
家からの資金をプールし、管理する。
受取配当として受領し
た配当金
SPV が発行する SPV が発行する債券へのグループによる投資は、プロジェクトの SPV が発行した債券への
プロモーターまたは仲介者への資金提供の代替的な手段である。 投資
資産担保証券
資産担保証券は、分離されたSPVによって発行され、金融機関ま
受取利息
たはその他の機関によって組成された資産プールによって裏付け
られる。グループは、かかるSPVのスポンサー/プロモーターと
しての機能は果たさないことに留意するべきである。
第三者SPVが供与 グループは、金融機関、公共団体またはSPVに供与されうる保証 保証エクスポージャー
および資金を拠出しない証券取引を行う。
した貸付金に対する
保証料
保証の付与
マンデート管理 グループは、第三者の代理でマンデートの管理を行い、外部資金 サービスに対する管理
の管理を受託し、関連する事務管理および会計サービスを提供す 報酬
る。
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以下の表は、グループが報告日現在で持分を有する非連結ストラクチャード・エンティティの帳簿
価額、およびこれらのエンティティに関する信用リスクの最大エクスポージャーを示している。信用
リスクの最大エクスポージャーには、帳簿価額および関連する未実行コミットメントが含まれる。
2020 年12月31日 2019 年12月31日
信用リスクの 信用リスクの
( 単位:百万ユーロ) 項目
最大エクス 最大エクス
帳簿価額 帳簿価額
ポージャー ポージャー
対顧客貸付金
プロジェクト・ファイナン
ス:SPVへの貸付
および預け金 8,744 9,418 14,104 14,649
ベンチャー・キャピタルおよ 株式およびその他
び投資基金(注B.3参照) の変動利付証券 12,808 21,472 11,106 20,105
代替貸付金:SPVおよび
その他のストラクチャード・
エンティティが発行する 確定利付証券を
資産担保証券への投資 含む負債証券 4,881 4,881 5,907 6,082
第三者SPVが供与した
貸付金に対する保証の付与
(注S.2.5.3参照) 保証引当金 23 5,822 20 10,889
合計 26,456 41,593 31,137 51,725
EIB グループから仕組事業体に対しては、それぞれへの資金供与以上の支援は提供されていない。
注C: 金融機関および対顧客貸付金および預け金-その他の貸付金および預け金(単位:千ユーロ)
2020 年12月31日 2019 年12月31日
定期預金 44,562,537 29,003,153
要求払預金 239,935 238,000
リバース・レポ 15,466,450 24,613,801
その他の金融機関貸付金および預け金 60,268,922 53,854,954
900,604 964,239
その他の対顧客貸付金および預け金
61,169,526 54,819,193
その他の貸付金および預け金合計
うち現金および現金同等物 43,933,323 24,777,898
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注D: 貸付金明細表(単位:千ユーロ)
D.1. 貸付金総額
貸付金総額は貸付金の実行済金額と未実行金額で構成されている。分析は以下のとおりである。
金融仲介機関に 最終受益者に
2020年 2019年
対して実行され 直接実行され
12月31日 12月31日
る貸付金 る貸付金
実行済金額 106,055,178 344,815,129 450,870,307 451,039,227
32,365,353 81,697,777 114,063,130 112,570,978
未実行金額
138,420,531 426,512,906 564,933,437 563,610,205
貸付金総額
10,900 150,153 161,053 171,517
分割貸付債権
(1)
20,172,802 20,788,129
代替貸付金ポートフォリオ
585,267,292 584,569,851
代替貸付金ポートフォリオを含む貸付金総額
(1) 2020年度に未実行金額として計上された金額はなかった(2019年:175,348千ユーロ)。2020年度に「保証および契
約債務引当金」に計上された対応する損失引当金はゼロであった(2019年:14千ユーロ)。
D.2. 貸付金および預け金の減損-貸倒引当金
次の表は、IFRS第9号のECLモデルに基づく、実行済貸付金および預け金ならびに未実行貸付金(貸
付コミットメント)の貸倒引当金の期首残高と期末残高の間の調整を示している。
2020 年
信用減損の 信用減損の
12 ヵ月ECL 合計
ない全期間ECL ある全期間ECL
AC で測定される金融機関貸付金
および預け金
2020 年1月1日現在の残高 17,863 68,514 72,669 159,046
12 ヵ月ECLへの振替 302 -8,074 0 -7,772
信用減損のない全期間ECLへの振替 -435 6,518 -37,579 -31,496
信用減損のある全期間ECLへの振替 0 -686 0 -686
貸倒引当金の純額の測定 -818 -17,254 40,396 22,324
組成または購入された新規金融資産 3,028 10,537 0 13,565
認識が中止された金融資産 -5,035 -9,561 -14,463 -29,059
貸倒償却 0 0 0 0
0 0 0 0
貸倒償却処理された債権の回収
14,905 49,994 61,023 125,922
2020 年12月31日現在の残高
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金融機関貸付金および預け金に係る貸倒引当金の変動は、主に次の理由による。
- 12ヵ月ECL、信用減損のない全期間ECLおよび信用減損のある全期間ECLの純変動による減少
39,954千ユーロ
- 組成または購入された新規金融資産による増加13,565千ユーロ
- 同一ステージレベル内での既存の事業の貸倒引当金の純額の測定による増加22,324千ユーロ
- 金融資産の認識中止による減少29,059千ユーロ
2019 年
信用減損の 信用減損の
12 ヵ月ECL 合計
ない全期間ECL ある全期間ECL
AC で測定される金融機関貸付金
および預け金
2019 年1月1日現在の残高 26,794 88,099 91,380 206,273
12 ヵ月ECLへの振替 239 -2,155 0 -1,916
信用減損のない全期間ECLへの振替 -1,557 10,119 0 8,562
信用減損のある全期間ECLへの振替 -3,294 -162 21,107 17,651
貸倒引当金の純額の測定 -5,722 -29,712 -18,950 -54,384
組成または購入された新規金融資産 5,946 3,922 0 9,868
認識が中止された金融資産 -4,543 -1,597 -13,442 -19,582
貸倒償却 0 0 -7,426 -7,426
0 0 0 0
貸倒償却処理された債権の回収
17,863 68,514 72,669 159,046
2019 年12月31日現在の残高
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2020 年
信用減損の 信用減損の
12 ヵ月ECL 合計
ない全期間ECL ある全期間ECL
AC で測定される対顧客貸付金
および預け金
2020 年1月1日現在の残高 49,238 162,346 385,556 597,140
12 ヵ月ECLへの振替 2,346 -46,162 -6,150 -49,966
信用減損のない全期間ECLへの振替 -4,580 75,226 -6,376 64,270
信用減損のある全期間ECLへの振替 -153 -13,740 84,415 70,522
(1)
貸倒引当金の純額の測定 4,701 -20,951 -186,125 -202,375
組成または購入された新規金融資産 9,435 22,950 12,144 44,529
認識が中止された金融資産 -3,240 -2,873 -35,827 -41,940
貸倒償却 0 0 0 0
0 0 0 0
貸倒償却処理された債権の回収
57,747 176,796 247,637 482,180
2020 年12月31日現在の残高
(1) この金額には、条件変更の結果として、対応する資産の認識が中止されたことによるECLの使用に関連する79,144千
ユーロが含まれる。また、20,417千ユーロは、対応する資産が「売却目的保有資産」に組み替えられた結果として
のECLの組替に関連している。
対顧客貸付金および預け金に係る貸倒引当金の変動は、主に次の理由による。
- 12ヵ月ECL、信用減損のない全期間ECLおよび信用減損のある全期間ECLの純変動による増加
84,826千ユーロ
- 組成または購入された新規金融資産による増加44,529千ユーロ
- 金融資産の認識中止による減少41,940千ユーロ
- 同一ステージレベル内での既存の事業の貸倒引当金の純額の測定による減少202,375千ユーロ
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2019 年
信用減損の 信用減損の
12 ヵ月ECL 合計
ない全期間ECL ある全期間ECL
AC で測定される対顧客貸付金
および預け金
2019 年1月1日現在の残高 57,413 157,752 446,645 661,810
12 ヵ月ECLへの振替 1,054 -37,025 0 -35,971
信用減損のない全期間ECLへの振替 -3,661 24,018 -2,720 17,637
信用減損のある全期間ECLへの振替 -216 0 52,618 52,402
貸倒引当金の純額の測定 -7,051 -3,973 -89,207 -100,231
組成または購入された新規金融資産 6,835 21,796 240 28,871
認識が中止された金融資産 -5,136 -222 -22,020 -27,378
貸倒償却 0 0 0 0
0 0 0 0
貸倒償却処理された債権の回収
49,238 162,346 385,556 597,140
2019 年12月31日現在の残高
2020 年
信用減損の 信用減損の
12 ヵ月ECL 合計
ない全期間ECL ある全期間ECL
AC で測定される貸付コミットメント
2020 年1月1日現在の残高 9,175 52,553 0 61,728
12 ヵ月ECLへの振替 234 -2,622 0 -2,388
信用減損のない全期間ECLへの振替 -647 15,722 0 15,075
信用減損のある全期間ECLへの振替 -61 -7,057 3,101 -4,017
貸倒引当金の純額の測定 241 -6,327 0 -6,086
組成または購入された新規金融資産 5,299 1,151 0 6,450
認識が中止された金融資産 -4,586 -15,902 0 -20,488
貸倒償却 0 0 0 0
0 0 0 0
貸倒償却処理された債権の回収
9,655 37,518 3,101 50,274
2020 年12月31日現在の残高
貸付コミットメントに係る貸倒引当金の変動は、主に次の理由による。
- 12ヵ月ECL、信用減損のない全期間ECLおよび信用減損のある全期間ECLの純変動による増加
8,670千ユーロ
- 組成または購入された新規金融資産による増加6,450千ユーロ
- 金融資産の認識中止による減少20,488千ユーロ
- 同一ステージレベル内での既存の事業の貸倒引当金の純額の測定による減少6,086千ユーロ
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2019 年
信用減損の 信用減損の
12 ヵ月ECL 合計
ない全期間ECL ある全期間ECL
AC で測定される貸付コミットメント
2019 年1月1日現在の残高 12,301 46,174 2,778 61,253
12 ヵ月ECLへの振替 65 -8,236 0 -8,171
信用減損のない全期間ECLへの振替 -2,309 17,299 0 14,990
信用減損のある全期間ECLへの振替 0 0 0 0
貸倒引当金の純額の測定 -609 -7,566 0 -8,175
組成または購入された新規金融資産 5,108 11,083 0 16,191
認識が中止された金融資産 -5,381 -6,201 -2,778 -14,360
貸倒償却 0 0 0 0
0 0 0 0
貸倒償却処理された債権の回収
9,175 52,553 0 61,728
2019 年12月31日現在の残高
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D.3. プロジェクトが実施されている国別に表示した貸付金の地域別内訳
欧州連合内のプロジェクトに対する貸付金:
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが
実施されている 貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
スペイン 88,514,504 82,894,472 5,620,032 15.13% 15.64%
イタリア 66,923,890 52,762,759 14,161,131 11.44% 11.04%
フランス 62,377,619 47,174,158 15,203,461 10.66% 10.09%
ドイツ 46,483,529 36,422,982 10,060,547 7.94% 7.83%
ポーランド 44,484,808 36,423,379 8,061,429 7.60% 7.53%
ギリシャ 21,821,689 18,553,161 3,268,528 3.73% 3.57%
オランダ 16,595,755 12,963,850 3,631,905 2.84% 2.81%
オーストリア 16,374,761 15,006,096 1,368,665 2.80% 2.77%
ポルトガル 15,467,472 13,459,598 2,007,874 2.64% 3.02%
ベルギー 14,650,939 11,431,305 3,219,634 2.50% 2.49%
スウェーデン 12,538,143 8,439,024 4,099,119 2.14% 2.01%
フィンランド 11,099,965 9,243,060 1,856,905 1.90% 1.94%
ハンガリー 9,961,020 8,171,068 1,789,952 1.70% 1.73%
アイルランド 7,560,384 6,165,962 1,394,422 1.29% 1.26%
チェコ共和国 7,058,942 5,382,773 1,676,169 1.21% 1.23%
ルーマニア 6,713,171 4,230,436 2,482,735 1.15% 1.16%
スロバキア 5,258,309 4,338,001 920,308 0.90% 0.90%
クロアチア 4,479,419 3,199,835 1,279,584 0.76% 0.78%
スロベニア 3,334,063 2,591,670 742,393 0.57% 0.59%
デンマーク 3,149,376 2,707,456 441,920 0.54% 0.53%
リトアニア 2,864,390 2,628,486 235,904 0.49% 0.34%
キプロス 2,739,618 1,940,001 799,617 0.47% 0.46%
ブルガリア 2,361,549 2,042,872 318,677 0.40% 0.40%
エストニア 1,505,876 1,094,387 411,489 0.26% 0.24%
ラトビア 1,233,573 746,886 486,687 0.21% 0.21%
ルクセンブルク 866,567 405,847 460,720 0.15% 0.16%
マルタ 483,270 313,203 170,067 0.08% 0.08%
小計 476,902,601 390,732,727 86,169,874 81.50% 80.81%
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欧州連合域外のプロジェクトに対する貸付金:
プロジェクトが 2020 年貸付金 2019 年貸付金
実施されている 貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域 対する割合 対する割合
(*)
英国 41,013,219 39,845,102 1,168,117 7.01% 7.94%
地中海沿岸諸国 19,181,122 11,295,153 7,885,969 3.28% 2.99%
候補国 16,514,781 14,791,863 1,722,918 2.82% 3.25%
ロシア、東欧諸国、南
コーカサス諸国 9,286,251 3,054,484 6,231,767 1.59% 1.43%
アジア 7,538,254 3,164,366 4,373,888 1.29% 1.25%
アフリカ、カリブ海およ
び太平洋(ACP)諸国 5,238,018 1,858,980 3,379,038 0.90% 0.76%
ラテンアメリカ諸国 4,593,028 2,561,154 2,031,874 0.78% 0.80%
潜在的候補国 2,136,359 1,180,402 955,957 0.37% 0.29%
欧州自由貿易連合
(EFTA)加盟国 1,657,341 1,657,341 0 0.28% 0.30%
南アフリカ 950,513 878,513 72,000 0.16% 0.17%
加盟国の属国および属領
(OCT) 94,752 23,024 71,728 0.02% 0.01%
小計 108,203,638 80,310,382 27,893,256 18.50% 19.19%
(**)
2020 年の合計 585,106,239 471,043,109 114,063,130 100.00%
(**)
2019 年の合計 584,398,334 471,652,008 112,746,326 100.00%
(*) 2020年1月31日付の英国の欧州連合からの離脱の結果、2019年における比較対象数値は、欧州連合から欧州連合域外
に組み替えられている。
(**) 代替貸付金を含み、分割貸付債権(2020年:161百万ユーロ、2019年:172百万ユーロ)を除く貸付金総額
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D.4. 保証業務における変動
次の表は、金融保証の期首残高と期末残高の間の調整を示している。2019年の比較対象金額は下に
開示されている。
2020 年
その他の負債 引当金
信用減損の 信用減損の
12 ヵ月ECL 合計
ない全期間ECL ある全期間ECL
金融保証
1月1日現在の残高 6,467 999 12,349 19,815
12 ヵ月ECLへの振替 155 -515 0 -360
信用減損のない全期間ECLへの振替 -82 -201 309 26
信用減損のある全期間ECLへの振替 0 14 -14 0
再測定純額 6,470 34 -1,001 5,503
引当金の使用 0 0 -833 -833
供与または購入された新規保証 4,123 0 0 4,123
-5,453 -182 0 -5,635
認識が中止された保証
11,680 149 10,810 22,639
12 月31日現在の残高
2019 年
その他の負債 引当金
信用減損の 信用減損の
12 ヵ月ECL 合計
ない全期間ECL ある全期間ECL
金融保証
1月1日現在の残高 11,552 3,803 14,659 30,014
12 ヵ月ECLへの振替 482 -1,364 0 -882
信用減損のない全期間ECLへの振替 0 -153 0 -153
信用減損のある全期間ECLへの振替 0 0 74 74
再測定純額 -346 -859 -3,256 -4,461
引当金の使用 0 0 1,022 1,022
供与または購入された新規保証 -517 282 0 -235
-4,704 -710 -150 -5,564
認識が中止された保証
6,467 999 12,349 19,815
12 月31日現在の残高
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注E: 有形固定資産および無形資産(単位:千ユーロ)
ルクセン
家具備品 有形資産 無形資産
(2)
ブルクの
土地
使用権資産
および設備 合計 合計
(1)
建物
2020 年1月1日現在取
得原価 20,145 397,882 72,126 194,911 685,064 43,366
当期取得額 0 8,217 22,384 8,825 39,426 31,684
0 0 -23,593 -2,645 -26,238 -18,411
当期除却額
20,145 406,099 70,917 201,091 698,252 56,639
2020 年12月31日現在
減価償却/償却累計額
2020 年1月1日現在 0 -196,550 -46,205 -38,446 -281,201 -17,711
減価償却/償却 0 -9,792 -19,448 -40,000 -69,240 -18,010
0 0 23,593 450 24,043 18,361
当期除却額
0 -206,342 -42,060 -77,996 -326,398 -17,360
2020 年12月31日現在
純帳簿価額:
20,145 199,757 28,857 123,095 371,854 39,279
2020 年12月31日現在
20,145 201,332 25,921 156,465 403,863 25,655
2019 年12月31日現在
(1) 土地および建物はすべて、グループが自身の活動のために使用している。グループは事後測定用には、IAS第16号の
「原価モデル」を採用している。ルクセンブルクの建物には、新棟の建設に係る原価63,370千ユーロ(2019年:
55,153千ユーロ)が含まれており、新棟は、2024年に完成予定である。
(2) 使用権資産は、不動産(商業用不動産および住宅用不動産)および車両の2つの資産クラスで構成される。
不動産 車両 合計
2020 年度の減価償却費 39,911 89 40,000
122,909 186 123,095
2020 年12月31日現在の帳簿価額
注F: 繰延収益(単位:千ユーロ)
2020 年12月31日 2019 年12月31日
前受利子補助金 89,027 99,890
前受および繰延運用報酬 284,252 203,750
貸付金および保証に係る繰延収益 51,533 58,567
9,771 10,865
その他
434,583 373,072
合計
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注G: その他の資産およびその他の負債(単位:千ユーロ)
G.1. その他の資産
2020 年12月31日 2019 年12月31日
金融保証契約による資産純額 44,786 27,181
未収金およびその他債権 18,611 24,325
保証履行請求債権 12,986 25,633
前払給与および手当 2,780 2,580
1,969 2,548
その他
81,132 82,267
合計
G.2. その他の負債
2020 年12月31日 2019 年12月31日
(*)
英国への資本の未払払戻金
3,195,904 0
(**)
EIF の非支配持分の購入コミットメント
819,467 821,272
任意補足年金制度
721,903 643,232
ファースト・ロス一部負担金
204,070 132,676
リース負債
124,275 156,512
未払人件費
100,020 105,706
未払金およびその他債務
75,598 48,674
繰延収益
33,981 37,316
(***)
重債務貧困国(HIPC)イニシアチブに係る未払費用
13,596 13,596
金融保証契約による負債純額(注D.4)
11,829 7,466
西バルカン諸国のインフラ基金
393 393
その他
186,806 131,320
合計
5,487,842 2,098,163
(*) グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国の欧州連合および欧州原子力共同体からの離脱協定の第150(4)条
および2020年6月10日付理事会決定(EU)2020/769による修正に従い、EIBは払込請求済資本金の35億ユーロを2020年
10月15日より開始する12回の分割により毎年英国に支払う(最初の11回の分割払いは各300,000,000ユーロで最終回
の支払いは195,903,950ユーロ)。支払期日が2020年10月15日の分割金は全額が支払済である。
(**) 2020年12月31日現在、連結貸借対照表上のEIFの非支配持分は819百万ユーロ(2019年:821百万ユーロ)、連結純損
益(注L)の非支配持分はマイナス53百万ユーロ(2019年:マイナス67百万ユーロ)であった。
(***) 重債務貧困国(「HIPC」)イニシアチブ(注Vを参照)
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注H: 金融機関および顧客に対する債務(単位:千ユーロ)
H.1. 金融機関に対する債務
2020 年12月31日 2019 年12月31日
要求払 4,197,199 6,284,469
-翌日物預金 4,197,199 6,284,469
期日払または通知払 12,302,079 1,184,732
-短期預かり金 1,559 2,761
-金融機関とのレポ取引 4,310,742 1,181,971
(1)
7,989,778 0
- 中央銀行からの借入金
16,499,278 7,469,201
合計
(1) この金額は、ECBの金融政策オペレーションへのEIBの参加を表す。
H.2. 顧客に対する債務
2020 年12月31日 2019 年12月31日
要求払 1,680,511 1,594,508
-翌日物預金 2,962 4,013
-欧州連合および加盟国口座
-特別部門業務および関連未決済金額に係るもの 398,386 397,313
-預金口座 1,279,163 1,193,182
期日払または通知払 20,951 15,540
20,951 15,540
-短期預かり金
1,701,462 1,610,048
合計
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注I: 債務証書借入(単位:千ユーロ)
財務活動におけるグループの目標の1つとして、その資金調達戦略を貸付金供与に要する資金と合
致させることが挙げられる。「債務証書借入」の項には、「負債証券」(一般投資家に対して公募し
た有価証券)および「その他」(私募)が含まれる。次の表は、2020年12月31日および2019年12月31
日現在の債務残高の通貨別内訳、ならびに平均利率と満期日をまとめたものである。
債務証書借入(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
平均利率 平均利率
支払通貨 12月31日現在 満期日 12月31日現在
(*) (*)
2020年 2019年
残高 残高
ユーロ 245,471,198 1.52 2021/2060 242,241,423 1.73
米ドル 102,980,060 1.79 2021/2058 111,884,458 2.20
英ポンド 42,714,537 2.41 2021/2054 45,613,342 2.61
オーストラリア・ドル 8,097,915 3.33 2021/2042 9,947,726 3.77
スウェーデン・クローナ 6,625,774 1.51 2021/2040 5,873,569 2.28
ポーランド・ズロチ 6,417,089 2.15 2021/2029 4,994,362 2.48
ノルウェー・クローネ 5,092,022 1.80 2021/2037 5,739,674 1.98
カナダ・ドル 4,251,495 2.24 2021/2045 5,313,621 2.02
スイス・フラン 4,089,335 2.01 2021/2036 5,430,993 2.09
南アフリカ・ランド 2,529,078 8.02 2021/2035 2,774,494 8.16
日本円 2,191,824 1.12 2021/2053 3,282,503 1.12
トルコ・リラ 1,407,381 10.14 2021/2027 2,266,647 8.76
メキシコ・ペソ 1,359,375 6.09 2021/2027 1,887,353 5.66
デンマーク・クローネ 782,722 0.71 2024/2031 525,216 0.82
チェコ・コルナ 338,599 1.94 2021/2034 347,462 2.45
人民元 298,909 2.50 2022/2023 230,164 2.80
ニュージーランド・ドル 264,955 2.12 2021/2023 388,435 2.49
ハンガリー・フォリント 165,436 0.82 2021/2021 272,895 0.22
香港ドル 131,380 1.56 2021/2022 105,175 2.14
ロシア・ルーブル 54,665 5.85 2022/2024 164,388 6.16
0 0 - 37,633 2.87
ルーマニア・レイ
435,263,749 449,321,533
合計
2020 年
2019 年
12月31日現在
12月31日現在
残高
残高
(**)
435,263,749 449,321,533
合計(名目値)
49,633,224 44,005,583
借入金のIFRSに基づく調整
484,896,973 493,327,116
債務証書借入の合計
(*) 貸借対照表日現在の加重平均利率
(**) 2020年12月31日現在、ヘッジ会計目的で保有されている債務証書借入の名目値は3,362億ユーロ(2019年:3,571億
ユーロ)、純損益を通じた公正価値で測定される債務証書借入の名目値は268億ユーロ(2019年:262億ユーロ)、
償却原価で評価される債務証書借入の名目値は723億ユーロ(2019年:660億ユーロ)である。
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注J: 年金制度および健康保険制度(単位:千ユーロ)
グループは3種類の確定給付年金制度を運営している。また、グループはEIBの元職員に対して、特
定の退職後の医療費給付も行っている。これらの給付は、IAS第19号の定義による非積立型の年金制度
であり、制度は規制対象外である。年金給付に要するそれぞれの年金制度の費用は、予測単位積立数
理評価方式により決定される。保険数理評価は2020年12月31日現在で実施された。
これらの制度により、概してグループは金利リスク、長寿リスク、インフレリスクおよび昇給リス
クなどの保険数理リスクを負う。もう一つのリスクは、制度加入者の扶養家族(遺族配偶者および遺
児給付)に対する支払に伴うリスクである。
金利リスク 確定給付債務の現在価値は、高格付の社債利回りを参照して決定される割引率を使用して算
出される。社債利率が低下することにより、年金債務は増加する。
長寿リスク 確定給付制度債務の現在価値は、制度加入者の雇用期間中および退職後の両方の死亡率の最
善見積りを参照して算出される。制度加入者の平均寿命が延びることにより、制度の債務は
増加する。
インフレリスク 確定給付制度債務の現在価値は、ルクセンブルクのインフレ率に連動した将来の年金の増加
を参照して算出される。ルクセンブルクのインフレ率の上昇は、制度の債務を増加させる。
昇給リスク 確定給付制度債務の現在価値は、制度加入者の将来の給与を参照して算出される。制度加入
者の昇給により、制度債務は増加する。
次の表には、追加的制度である任意補足年金制度(確定拠出年金制度)は算入されていない。それ
に対応する債務722百万ユーロ(2019年:643百万ユーロ)は、「その他の負債」(注G)に分類されて
いる。
グループの制度における年金および退職給付債務の決定に当たって使用された主要な仮定は以下の
とおりである。
2020 年 2019 年
(単位:%)
年金制度の割引率 0.75 1.30
健康保険制度の割引率 0.75 1.30
将来昇給率(インフレーションを含む) 3.50 3.50
将来年金給付上昇率 1.75 1.75
医療費上昇率 3.75 3.75
現受給者の60歳時の平均余命(年) 26.80 26.70
現従業員の60歳時の平均余命(年) 29.30 29.20
ICSLT 2018 - ICSLT 2018 -
Static 2020 Static 2019
保険数理表
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感応度分析:
確定給付債務の算定のための重要な保険数理上の仮定は、割引率、予想昇給率および死亡率であ
る。以下の感応度分析は、それぞれの仮定の合理的に可能性のある変動が報告期間末において発生
し、他のすべての仮定は変動しないとの前提に基づいて算定された。
EIB 年金:
- 割引率が0.5%上昇(低下)した場合、確定給付債務は11%減少(13%増加)する。
- 予想昇給率が1%上昇(低下)した場合、確定給付債務は6%増加(5%減少)する。
- 男女について平均寿命が1年延伸(短縮)した場合、確定給付債務は4%増加(4%減少)す
る。
- インフレにより将来の予想年金が1%増加(減少)した場合、確定給付債務は22%増加(17%
減少)する。
EIF 年金:
- 割引率が0.5%上昇(低下)した場合、確定給付債務は15%減少(18%増加)する。
- 予想昇給率が1%上昇(低下)した場合、確定給付債務は11%増加(9%減少)する。
- 男女について平均寿命が1年延伸(短縮)した場合、確定給付債務は4%増加(4%減少)す
る。
- インフレにより将来の予想年金が1%増加(減少)した場合、確定給付債務は26%増加(19%
減少)する。
経営委員会年金:
- 割引率が0.5%上昇(低下)した場合、確定給付債務は8%減少(9%増加)する。
- 予想昇給率が1%上昇(低下)した場合、確定給付債務は2%増加(1%減少)する。
- 男女について平均寿命が1年延伸(短縮)した場合、確定給付債務は5%増加(4%減少)す
る。
- インフレにより将来の予想年金が1%増加(減少)した場合、確定給付債務は18%増加(14%
減少)する。
EIB の健康保険制度:
- 割引率が0.5%上昇(低下)した場合、確定給付債務は14%減少(17%増加)する。
- 男女について平均寿命が1年延伸(短縮)した場合、確定給付債務は6%増加(6%減少)す
る。
- インフレにより将来の予想医療費が1%増加(減少)した場合、確定給付債務は40%増加
(28%減少)する。
EIF の健康保険制度:
- 割引率が0.5%上昇(低下)した場合、確定給付債務は17%減少(21%増加)する。
- 男女について平均寿命が1年延伸(短縮)した場合、確定給付債務は6%増加(5%減少)す
る。
- インフレにより将来の予想医療費が1%増加(減少)した場合、確定給付債務は51%増加
(34%減少)する。
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一部の仮定は相関している可能性があり、仮定の変動が互いに独立して発生する可能性は少ないた
め、上記で示された感応度分析は、確定給付債務の実際の増減を示さない場合がある。
さらに、上記の感応度分析の表示において、確定給付債務の現在価値は、報告期間末時点において
予測単位積立方式を使用して算出されており、連結貸借対照表における確定給付債務に関する負債の
計算に適用された方式と同一である。
感応度分析の作成に使用された方法および仮定において、前年からの変更はなかった。
次の表は、各種制度の保険数理(利益)/損失実績および確定給付債務の合計を示している。
経営委員会 確定給付
EIB 年金 EIF年金 健康保険 合計
年金 債務合計
2020年 25,397 1,754 19,479 -97,605 -50,975 9,569,495
2019年 -3,987 -2,545 1,420 -29,060 -34,172 7,892,289
2018年 81,333 5,268 13,494 -14,616 85,479 5,703,104
267,349 2,409 24,013 -39,610 254,161 5,565,841
2017年
次の表は、確定給付債務の2020年および2019年中の変動の内訳を示している(単位:千ユーロ)。
2020 年の
経営委員会
EIB 年金 EIF 年金 健康保険
年金
合計
期首債務 6,392,057 75,501 525,432 899,299 7,892,289
a) 当期勤務費用
270,405 2,344 37,160 88,797 398,706
b) 利息費用
82,525 968 6,850 11,656 101,999
c) 過去勤務費用 5,130 0 0 0 5,130
358,060 3,312 44,010 100,453 505,835
純損益合計
a) 保険数理(利益)/損失実績
25,397 1,754 19,479 -97,605 -50,975
b) 人口統計上の仮定の変更
28,057 374 2,279 5,980 36,690
947,204 7,523 112,087 162,179 1,228,993
c) 財務上の仮定の変更
(*)
1,000,658 9,651 133,845 70,554 1,214,708
OCI 合計
a) 従業員による拠出金
41,860 0 5,305 -772 46,393
b) 支払給付金 -88,038 -2,147 2,911 -2,456 -89,730
-46,178 -2,147 8,216 -3,228 -43,337
その他合計
7,704,597 86,317 711,503 1,067,078 9,569,495
2020 年12月31日現在の給付債務
(*) EIB株主帰属(1,157,082千ユーロ)および非支配持分帰属(57,626千ユーロ)。
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2019 年の
経営委員会
EIB 年金 EIF 年金 健康保険
年金
合計
期首債務 4,697,008 62,755 342,571 600,770 5,703,104
a) 当期勤務費用
190,537 2,146 24,048 60,453 277,184
b) 利息費用
101,735 1,344 7,487 13,030 123,596
c) 過去勤務費用 3,082 0 50 0 3,132
295,354 3,490 31,585 73,483 403,912
純損益合計
a) 保険数理(利益)/損失実績
-3,987 -2,545 1,420 -29,060 -34,172
b) 人口統計上の仮定の変更
279,541 4,296 20,938 35,449 340,224
c) 財務上の仮定の変更 1,144,047 9,658 122,292 222,948 1,498,945
(*)
1,419,601 11,409 144,650 229,337 1,804,997
OCI 合計
a) 従業員による拠出金
40,578 0 4,849 1,807 47,234
b) 支払給付金 -60,484 -2,153 1,777 -6,098 -66,958
-19,906 -2,153 6,626 -4,291 -19,724
その他合計
6,392,057 75,501 525,432 899,299 7,892,289
2019 年12月31日現在の給付債務
(*) EIB株主帰属(1,736,097千ユーロ)および非支配持分帰属(68,900千ユーロ)。
EIBの従業員は一定の比率の拠出金を支払い、その比率は5年ごとに見直される。2019年1月1日か
ら2023年12月31日までの期間の従業員の拠出金は年金算定基礎給与の11.3%である。残りの拠出金
(バックサービス支払を含む)はグループによって支払われる。グループおよびその職員の全拠出額
がグループの資産へ投資されている。積立要件は、現地の保険数理測定の枠組みに基づいている。こ
の枠組みにおいては、割引率は無リスク金利に設定されている。さらに、プレミアムが現在の給与に
基づいて算定される。グループは確定給付制度から生じるすべての年金支払に対して責任を負う。
2020 年12月31日現在の給付債務の平均デュレーションは、以下のとおりに分かれている。
EIB年金:
- 現従業員:29.27年(2019年:27.59年)
(*)
- 待機者 :30.27年(2019年:27.85年)
- 受給者:14.70年(2019年:13.64年)
EIF年金:
- 現従業員:32.94年(2019年:31.43年)
(*)
- 待機者 :30.21年(2019年:29.13年)
- 受給者:19.61年(2019年:18.46年)
経営委員会年金:
- 現従業員:24.10年(2019年:23.03年)
(*)
- 待機者 :21.58年(2019年:19.59年)
- 受給者:12.67年(2019年:11.85年)
EIB の健康保険制度:
- 現従業員:34.26年(2019年:32.17年)
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(*)
- 待機者 :31.32年(2019年:15.51年)
- 受給者:18.36年(2019年:16.96年)
EIF の健康保険制度:
- 現従業員:38.61年(2019年:36.45年)
(*)
- 待機者 :29.09年(2019年:28.67年)
- 受給者:25.87年(2019年:21.24年)
グループが確定給付制度について翌事業年度に純損益に認識すると見込んでいる金額は、571,713千
ユーロ(2019年:500,976千ユーロ)である。
(*) 通常退職年齢前にグループを離職し、繰延年金に対する権利を有する元職員。
注K: 当期損益
2020年12月31日終了事業年度のEIB個別財務書類(欧州連合会計指令に基づいて作成)に計上された
当期純利益1,712,323千ユーロの処分案は、承認を受けるため2021年4月23日までに総務会に提出され
る。当事業年度のEIB剰余金の処分案の詳細については、EIBの財務書類の前書き(訳注:本報告書の
「第3 発行者の概況-(4) 業務の概況-①業務-ニ)業績」に抜粋されている。)を参照のこと。
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注L: 受取利息および類似収益ならびに支払利息および類似費用(単位:千ユーロ)
L.1. 正味受取利息
2020 年 2019 年
受取利息および類似収益:
デリバティブ 10,567,897 16,428,008
金融機関および対顧客貸付金および預け金 6,890,425 7,455,310
中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券ならびに
確定利付証券を含む負債証券 269,747 548,132
有利子負債に係るマイナス金利 57,650 12,854
EU からの利子補助金 17,405 20,146
20,808 5,280
その他
17,823,932 24,469,730
合計
支払利息および類似費用:
債務証書借入 -8,873,958 -10,050,267
デリバティブ -5,563,091 -10,882,496
利付資産に係るマイナス金利 -245,197 -371,024
給付債務に係る利息費用(注J) -101,999 -123,596
EIF の非支配持分の購入コミットメント(注G.2) -52,530 -67,017
第三者委託に係る利息 -35,850 -25,191
金融機関および顧客に対する債務 -4,828 -8,063
(1)
-23,645 -22,761
その他
-14,901,098 -21,550,415
合計
2,922,834 2,919,315
正味受取利息
(1) リース負債に係る支払利息431千ユーロ(2019年:530千ユーロ)を含む。
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次の表は、各種類の金融資産および金融負債に関する正味受取利息を示したものである。
2020 年 2019 年
受取利息および類似収益:
リスク管理のために保有するデリバティブ 10,567,897 16,428,008
AC で測定される金融資産 6,260,630 7,390,859
FVTPL での測定に指定された金融商品 872,386 551,212
強制的にFVTPLで測定される金融商品 44,552 81,513
78,467 18,138
その他
17,823,932 24,469,730
合計
支払利息および類似費用:
AC で測定される金融負債 -8,328,508 -9,466,936
リスク管理のために保有するデリバティブ -5,563,091 -10,882,496
FVTPL での測定に指定された金融商品 -586,129 -616,585
非金融負債 -177,741 -212,844
-245,629 -371,554
その他
-14,901,098 -21,550,415
合計
2,922,834 2,919,315
正味受取利息
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L.2. 受取利息および類似収益の国別分析
2020 年 2019 年
欧州連合加盟国:
スペイン 860,833 933,249
ポーランド 529,331 584,905
フランス 477,566 522,544
ギリシャ 474,384 501,055
イタリア 473,379 566,620
ドイツ 320,589 327,105
オーストリア 261,080 272,891
ポルトガル 215,481 215,908
オランダ 173,972 172,525
ベルギー 170,751 163,215
ハンガリー 137,575 160,942
スウェーデン 110,274 128,531
アイルランド 87,940 89,693
ルーマニア 76,102 84,679
スロバキア 66,768 65,248
フィンランド 65,087 71,528
クロアチア 52,333 59,335
スロベニア 43,224 45,894
チェコ共和国 42,977 69,263
ブルガリア 40,572 42,119
リトアニア 26,359 33,812
デンマーク 22,149 26,505
ラトビア 14,848 15,077
キプロス 11,582 12,699
マルタ 9,585 9,960
エストニア 4,639 4,165
2,821 2,887
ルクセンブルク
4,772,201 5,182,354
欧州連合加盟国の合計
(*)
2,046,324 2,099,309
欧州連合域外
6,818,525 7,281,663
合計
(1)
11,005,407 17,188,067
国別分析の対象外の収益
17,823,932 24,469,730
受取利息および類似収益合計
(*) 2020年1月31日付の英国の欧州連合からの離脱の結果、2019年における比較対象数値は、EU諸国から欧州連合域外に
組み替えられている。
(1) 国別分析の対象外の収益は以下のとおり:
-長期有価証券ポートフォリオ、代替貸付金およびEIFのABSポート
フォリオからの収益 168,181 207,740
-有価証券流動性ポートフォリオおよびEIF運用ポートフォリオからの
収益 52,090 83,495
- 短期金融市場証券からの収益 49,458 256,883
- その他有価証券からの収益 18 14
- 短期金融市場オペレーションからの収益 146,955 206,647
- デリバティブからの収益 10,567,897 16,428,008
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-払込請求済資本金および払込予定準備金の現在価値調整額による
受取利息の戻入れ 15,887 0
4,921 5,280
- その他
11,005,407 17,188,067
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注M: 金融業務損益(単位:千ユーロ)
M.1. 損益の性質別
2020 年 2019 年
(1)
デリバティブの純損益 -540,944 -579,069
(2)
FVO に基づく貸付金および関連するスワップの純損益 126,458 66,413
(3)
FVO に基づく借入金および関連するスワップの純損益 -29,315 -27,629
(4)
貸付金および関連するスワップのヘッジ会計による純損益 -90,284 -64,180
(5)
297,159 157,441
借入金および関連するスワップのヘッジ会計による純損益
-236,926 -447,024
外国為替損益 -16,813 3,917
スワップの解消に係る損益 -22,039 11,215
(6)
株式および変動利付証券に係る純損益 712,189 971,274
負債証券ポートフォリオの純損益(有価証券のみ) 27,149 12,054
金融保証に係る純損益 2,573 10,298
FVTPL に基づく貸付金および代替貸付金の純損益 1,154 36,996
AC に基づく貸付金および代替貸付金の純損益 6,144 9,175
175,979 93,588
当初CBSの償却
649,410 701,493
金融業務損益
(1) デリバティブの純損益の大部分は、マクロ・ヘッジのスワップおよび財務資産スワップの公正価値修正であった。
これらのスワップの効果は、2019年12月31日現在が579,069千ユーロのマイナスであったのに対し、2020年12月31日
現在は540,944千ユーロのマイナスであった。
(2) デリバティブでヘッジする貸付金および代替貸付金はヘッジ会計適格ではなく、公正価値オプションを適用してい
る。公正価値での測定に指定されている貸付金および代替貸付金の帳簿価額は、2020年12月31日現在、180億ユーロ
(2019年:200億ユーロ)であった。貸付金および代替貸付金への公正価値オプションの適用による複合効果とし
て、2020年12月31日現在で連結損益計算書に126,458千ユーロの増加(2019年:66,413千ユーロの増加)が計上され
ている。
(3) デリバティブでヘッジする借入金はヘッジ会計適格ではなく、公正価値オプションを適用している。公正価値での
測定に指定されている借入金の帳簿価額は、2020年12月31日現在、300億ユーロ(2019年:300億ユーロ)であっ
た。借入金への公正価値オプションの適用による複合効果として、2020年12月31日現在で、連結損益計算書におい
て29,315千ユーロの損益悪化が生じている(2019年:27,629千ユーロの損益悪化)。
(4) IFRS第9号に基づくヘッジ会計基準に適合する適格貸付金および代替貸付金に対しては、ヘッジ会計が適用されて
いる。ヘッジ会計に指定されている貸付金および代替貸付金の帳簿価額は、2020年12月31日現在、1,430億ユーロ
(2019年:1,500億ユーロ)であった。貸付金および代替貸付金ならびに関連するスワップへのヘッジ会計の適用に
よる複合効果として、2020年12月31日現在で連結損益計算書において90,284千ユーロの損益悪化(2019年:64,180
千ユーロの損益悪化)が生じている。
(5) IFRS第9号に基づくヘッジ会計基準に適合する適格借入金に対しては、ヘッジ会計が適用されている。ヘッジ会計
に指定されている借入金の帳簿価額は、2020年12月31日現在、3,810億ユーロ(2019年:3,970億ユーロ)であっ
た。借入金および関連するスワップへのヘッジ会計の適用による複合効果として、2020年12月31日現在で連結損益
計算書において297,159千ユーロの損益改善(2019年:157,441千ユーロの損益改善)が生じている。
(6) この項目は、主に資本性金融商品に係る未実現損益および実現損益で構成されている。損益改善712,189千ユーロ
は、主に2020年度に計上されたベンチャー・キャピタル事業および投資ファンドに係る未実現利益によるものであ
る(2019年:損益改善971,274千ユーロ)。
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M.2. 資産および負債の分類別
2020 年 2019 年
強制的にFVTPLで測定される金融資産(デリバティブ資産を除く) 694,075 978,131
FVTPL での測定に指定された金融資産(FVO) 25,801 528,885
FVTPL での測定に指定された金融負債(FVO) 401,921 -522,920
AC で測定される金融資産 2,634,030 4,211,608
AC で測定される金融負債 -5,487,569 -8,539,246
ヘッジ手段として指定されたデリバティブ 3,037,469 4,443,582
ヘッジ会計目的以外で、リスク管理目的のために保有するデリバティブ -819,914 -505,414
(1)
163,597 106,867
その他
649,410 701,493
金融業務損益
(1) 当初CBSの償却を含む。
注N: その他の業務収益(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
過年度未使用引当金の戻入れ 3,309 3,209
賃貸料収益 78 91
2,170 2,625
その他
5,557 5,925
その他の業務収益合計
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注O: 受取手数料および支払手数料(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
受取手数料:
保証手数料 173,812 151,031
インベストメント・ファシリティ「コトヌー」の手数料 61,215 52,748
InnovFin の手数料 44,008 21,754
EFSI の手数料 40,987 29,892
Jaspers の手数料 30,499 33,538
Jeremie/ESIF の手数料 12,824 12,022
貸付金手数料収益 12,020 13,542
Jessica の手数料 8,348 8,878
コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティの手数料 7,927 5,412
近隣インベストメント・ファシリティの手数料 4,395 5,128
ヤウンデ/ロメ協定の手数料 1,646 1,888
100,006 104,760
その他の委託に係る手数料
受取手数料合計
497,687 440,593
2020 年 2019 年
支払手数料:
保証人へのリスク報酬 -302,635 -235,805
その他の支払手数料 -25,014 -16,477
支払手数料合計
-327,649 -252,282
注P: 一般管理費(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
(1)
給与および手当 -509,975 -492,631
福利厚生費およびその他人件費 -539,460 -406,674
人件費
-1,049,435 -899,305
その他の一般管理費 -223,575 -247,821
一般管理費合計
-1,273,010 -1,147,126
(1) このうち経営委員会委員に対する金額は、2020年12月31日現在が3,113千ユーロ、2019年12月31日現在は2,706千
ユーロである(注Y.2)。
グループの職員数は、2020年12月31日現在、4,092名(2019年12月31日現在は3,964名)であった。
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注Q: デリバティブおよびヘッジ活動
Q.1. デリバティブ金融商品の利用
グループの資金調達活動において
グループは、主として調達資金の通貨・金利といった属性を貸付金のそれに一致させるため、およ
び資金調達費用を削減するために、資金調達戦略の一環としてデリバティブを利用している。また特
定の財務取引をヘッジするため、および資産負債管理のため、長期スワップを利用している。
長期デリバティブは、資金調達、貸付金および財務取引のヘッジ、ならびに市場リスク・エクス
ポージャーの低減に関連して利用される。
最も一般的に利用されているデリバティブは、以下のものである。
通貨スワップ
通貨スワップは、2つのカテゴリーの金融商品で構成されている。
(i) クロス・カレンシー・スワップは、ある通貨の資金を別の通貨に交換することを合意し、それ
と同時に調達された資金を期日に返済できるよう、両通貨を将来において再度交換するための
先渡為替予約を締結する契約である。
(ii) クロス・カレンシー金利スワップは、外貨で変動金利を固定金利に交換するか、その逆を行う
ことを合意する契約である。
金利スワップ
金利スワップは一般的に、変動金利を固定金利に交換するか、その逆を行うことを合意する契約で
ある。
金利および通貨スワップの利用により、グループは、顧客からの要求に応えて借入ポートフォリオ
と他のポートフォリオの金利および通貨を変えることができるとともに、グループのある特定の資本
市場への有利なアクセス条件をスワップ・カウンターパーティーと交換することにより、資金調達コ
ストを削減することも可能となる。
グループの流動性管理において
グループは、基本通貨であるユーロに関連してその運用財務ポートフォリオの通貨ポジションを調
整するため、また貸付実行に伴う通貨需要を満たすために、短期の通貨スワップおよび為替予約を
行っている(短期外国為替契約の想定元本および公正価値の開示については、注Q.3を参照)。
グループの資産負債管理(「ALM」)において
グループのALM方針は、グループの経済的価値のボラティリティを制限するだけでなく、高収益、安
定収益を維持することを目的としている。
したがってグループは、
- 安定した高収益を確保する自己資金投資プロファイルを採用し、
- この投資プロファイルに関連する残余金利リスクを管理している。
残余金利リスクを管理する目的で、グループは貸付金と借入金に関するナチュラル・ヘッジ、を活
用し、またはグローバル・ヘッジ・オペレーション(金利スワップ)を行っている。
資産負債管理の一環として用いるマクロ・ヘッジのスワップは、IFRS第9号に従い公正価値で評価
される。
リスク管理の詳細については、注Sを参照のこと。
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Q.2. ヘッジ活動
金利リスクの公正価値ヘッジ
ヘッジ手段として指定された項目に関連する金額は、次の通りである(単位:百万ユーロ)。
2020 年
(**)
ヘッジの
IBOR改革 によって
帳簿価額
非有効性の計算
直接的に影響を受ける想定元本
想定元本
に使用された
米ドル 英ポンド
その他 合計
資産 負債
公正価値の変動
LIBOR LIBOR
金利スワップ
446,320 39,117 19,687 2,749 45,502 38,770 2,754 87,026
(*)
38,989 5,101 2,946 318 14,323 0 181 14,504
通貨スワップ
合計 485,309 44,218 22,633 3,067 59,825 38,770 2,935 101,530
(*) ヘッジされている主要な通貨は、米ドル、オーストラリア・ドルおよびカナダ・ドルである。
(**) 通貨スワップについて、グループはスワップの受取レグの想定元本を使用した。
予期される2021年のLIBOR置換日(米ドルLIBORの場合は2023年6月)の前に満期となる取引は含ま
れていない。
上表で示された金利スワップおよび通貨スワップは、連結貸借対照表上、「デリバティブ資産」お
よび「デリバティブ負債」で表示されている。
2019 年
ヘッジの
帳簿価額
非有効性の計算
想定元本
に使用された
資産 負債
公正価値の変動
金利スワップ
466,114 33,991 17,477 3,782
(*)
62,142 6,962 4,202 648
通貨スワップ
合計 528,256 40,953 21,679 4,430
(*) ヘッジされている主要な通貨は、米ドル、オーストラリア・ドルおよびカナダ・ドルである。
上表で示された金利スワップおよび通貨スワップは、連結貸借対照表上、「デリバティブ資産」お
よび「デリバティブ負債」で表示されている。
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ヘッジ対象として指定された項目に関連する金額は、次の通りである(単位:百万ユーロ)。
2020 年
ヘッジ損益調整が
ヘッジの
中止されたヘッジ対象
帳簿価額
公正価値
連結貸借対照表に について連結貸借
非有効性の計算
ヘッジ調整
に使用された
おける科目 対照表に残存する
の累計額
価値の変動
公正価値ヘッジ調整の
資産 負債
累計額
金融機関貸付金
貸付金および預け金
24,692 0 2,186 367 5
および預け金
対顧客貸付金
118,162 0 17,767 2,216 41
および預け金
中央銀行担保適格
代替貸付金 2,425 0 82 国庫証券および 20 0
その他短期証券
負債証券-a) 公共
618 0 38 7 0
機関による発行
負債証券-b) その他
513 0 19 18 0
の借手による発行
債務証書借入
債務証書借入 0 373,779 -38,288 -5,350 -34
-a) 負債証券
債務証書借入
0 7,548 -1,880 -138 0
-b) その他
合計 146,410 381,327 -20,076 -2,860 12
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2019 年
ヘッジ損益調整が
ヘッジの
中止されたヘッジ対象
帳簿価額
公正価値
連結貸借対照表に について連結貸借
非有効性の計算
ヘッジ調整
に使用された
おける科目 対照表に残存する
の累計額
価値の変動
公正価値ヘッジ調整の
資産 負債
累計額
金融機関貸付金
貸付金および預け金
24,483 0 1,819 623 0
および預け金
対顧客貸付金
121,817 0 15,551 3,510 37
および預け金
中央銀行担保適格
代替貸付金 1,904 0 62 国庫証券および 43 0
その他短期証券
負債証券-a) 公共
522 0 31 -14 0
機関による発行
負債証券-b) その他
1,098 0 1 40 0
の借手による発行
債務証書借入
債務証書借入 0 388,663 -32,938 -8,204 -36
-a) 負債証券
債務証書借入
0 8,234 -1,742 -335 0
-b) その他
合計 149,824 396,897 -17,216 -4,337 1
2020年度の連結損益計算書において認識されたヘッジの非有効性、すなわちヘッジ手段とヘッジ対
象のヘッジに係る利得または損失の差額は207百万ユーロ(2019年:93百万ユーロ)であり、「金融業
務損益」に含まれている。
次の表は、ヘッジ会計に関連して、資本の各構成部分の調整とその他の包括利益の内訳を示してい
る(単位:百万ユーロ)。
公正価値準備金-ヘッジコスト
2020 年 2019 年
1月1日現在の残高 -247 -94
クロス・カレンシー・ベーシス・スプレッドの再評価 94 -156
8 3
純損益に振替えられた金額
-145 -247
12 月31日現在の残高
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Q.3. デリバティブ金融商品の公正価値
公正価値で測定されている金融資産については、以下の公正価値測定値ヒエラルキーのレベル別に
公正価値での測定を開示することが必要である。
・ レベル1 - 活発な市場における同一資産または負債の(未修正の)時価。
・ レベル2 - レベル1に含まれる時価以外の、当該資産または負債に関して直接的(価格等)ある
いは間接的(価格から導出された値等)に観察可能なインプットを組入れた評価技
法。
・ レベル3 - 観察可能な市場データに依拠していない当該資産または負債のインプット(観察不能
なインプット)を用いた評価技法。これらの金融商品の公正価値は、内部評価モデル
を用いて算定する。
評価技法には、正味現在価値・割引キャッシュ・フロー・モデル、金利モデルのハル・ホワイト・
モデルおよびLiborマーケット・モデル(LMM)、確率的ボラティリティを用いたLMM、ならびにオプ
ション・モデルのブラック・ショールズ・モデルが含まれる。評価技法で用いる仮定およびインプッ
トとしては、無リスク金利、ベーシス・スワップ・スプレッド、通貨ベーシス・スワップ・スプレッ
ド、為替レートおよび先渡レート、株価および株価指数ならびにそれらの予想ボラティリティおよび
予想相関性、消費者物価指数ならびにその予想ボラティリティおよび予想相関性が挙げられる。評価
技法の目的は、独立第三者として行動する市場参加者が決定したであろう報告日現在の当該金融商品
の価格を反映した公正価値を算定することである。適用した評価モデルは、金融商品の価格設定向け
に一般に認められている経済学的手法と整合しており、市場参加者が価格設定時に考慮する諸要因も
盛り込んでいる。デリバティブ取引の一部に関して市場インプットを直接入手できない場合に、主に
ある種の金利およびクロス・カレンシー・モデルにおける相関性の推定ならびに長期株価連動取引、
長期金利連動取引または長期物価連動取引のボラティリティの推定に、グループ内の見積りや仮定が
評価方法に取り入れられることがある。
次の表は、資産または負債として計上されているデリバティブ金融商品の公正価値(市場価格に基
づく公正価値、評価モデルへのインプットがすべて市場で観察可能な評価技法に基づく公正価値、お
よび市場で観察不能なインプットを用いた評価技法に基づく公正価値)と想定元本をまとめたもので
ある。想定元本の値は期末時点で未決済の取引高を示すものであって、市場リスクや信用リスクを示
すものではない。
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評価方法別に示した2020年12月31日現在のデリバティブ(単位:百万ユーロ)
レベル1 レベル2 レベル3
デリバティブ資産
市場で観察可能な 市場で観察できな
2020 年の合計
いインプットを
公表市場価格
インプットを用いた
評価技法 用いた評価技法
想定 公正 想定 公正 想定 公正 想定 公正
元本 価値 元本 価値 元本 価値 元本 価値
金利スワップ 0 0 352,813 43,788 2,940 241 355,753 44,029
通貨スワップ 0 0 94,819 8,964 596 130 95,415 9,094
短期為替契約 0 0 8,508 163 0 0 8,508 163
合計 0 0 456,140 52,915 3,536 371 459,676 53,286
レベル1 レベル2 レベル3
デリバティブ負債
市場で観察可能な 市場で観察できな
2020 年の合計
いインプットを
公表市場価格
インプットを用いた
評価技法 用いた評価技法
想定 公正 想定 公正 想定 公正 想定 公正
元本 価値 元本 価値 元本 価値 元本 価値
金利スワップ
0 0 182,713 28,978 529 70 183,242 29,048
通貨スワップ
0 0 127,638 8,882 203 35 127,841 8,917
短期為替契約
0 0 14,418 253 0 0 14,418 253
その他
0 0 0 0 0 137 0 137
合計
0 0 324,769 38,113 732 242 325,501 38,355
評価方法別に示した2019年12月31日現在のデリバティブ(単位:百万ユーロ)
レベル1 レベル2 レベル3
デリバティブ資産
市場で観察可能な 市場で観察できな
2019 年の合計
いインプットを
公表市場価格
インプットを用いた
評価技法 用いた評価技法
想定 公正 想定 公正 想定 公正 想定 公正
元本 価値 元本 価値 元本 価値 元本 価値
金利スワップ
0 0 336,835 38,104 1,834 106 338,669 38,210
通貨スワップ
0 0 115,297 10,868 474 109 115,771 10,977
短期為替契約
0 0 23,444 602 0 0 23,444 602
合計
0 0 475,576 49,574 2,308 215 477,884 49,789
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レベル1 レベル2 レベル3
デリバティブ負債
市場で観察可能な 市場で観察できな
2019 年の合計
いインプットを
公表市場価格
インプットを用いた
評価技法 用いた評価技法
想定 公正 想定 公正 想定 公正 想定 公正
元本 価値 元本 価値 元本 価値 元本 価値
金利スワップ
0 0 201,638 25,820 372 8 202,010 25,828
通貨スワップ
0 0 103,561 6,331 408 68 103,969 6,399
短期為替契約
0 0 12,717 194 0 0 12,717 194
その他
0 0 0 0 0 105 0 105
合計
0 0 317,916 32,345 780 181 318,696 32,526
EIB が行ったデリバティブ取引の大部分の時価は、市場では入手できない。そのような金融商品に関
しては、可能な限り貸借対照表日現在の観察可能な実勢市場データに基づき、評価技法や評価モデル
を用いて公正価値が見積られる。
スワップ取引の公正価値は、将来のキャッシュ・フローから割引後現在価値を導出する評価技法を
適用する収益還元法により算出される。公正価値の見積りは将来価値に対する市場の期待値に基づい
ている。評価技法は、既知のキャッシュ・フローを割り引く単純なものから複雑なオプション・モデ
ルに至るまで、多岐にわたる。適用した評価モデルは、金融商品の価格設定向けに一般に認められて
いる経済学的手法と整合しており、市場参加者が価格設定時に考慮する諸要因を盛り込んでいる。
デリバティブ取引の一部に関しては、市場インプットを直接入手できない場合には、内部見積りや
仮定が評価技法に取り入れられることもある。
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次の表は、年度末において公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類されるデリバティブ金融商品の
測定に使用された市場で観察できない重要なインプットについての情報を示している(単位:百万
ユーロ)。
レベル3の
2020 年12月31 観察不能な
スワップの
重要な観察不能な
日現在の
金融商品の種類 2020年12月31 評価技法
インプットについて
インプット
日現在の
公正価値 の見積りの範囲
公正価値
平均回帰またはボラ
ボラティリティのボ
ティリティのボラ
確率論的金利
ラティリティまたは
金利スワップ 14,951 141 ティリティなどの確
平均回帰スピードの
モデル
率論的ボラティリ
20%増減
ティ
異なった相関観察窓
の使用およびより多
ボラティリティスマ
確率論的クロス・
くのボラティリティ
イルを使用したイー
カレンシー・
通貨スワップ 177 95 行使価格を捕捉する
ルドカーブとFXレー
ための局所ボラティ
モデル
ト間の相関
リティ・モデルの使
用
異なる配当利回りお
エクイティ・ス 確率論的エクイ 配当利回りおよびボ よびボラティリティ
30 30
ワップ ティ・モデル ラティリティ の使用(相対的+/-
20%)
レベル3の
2019 年12月31 観察不能な
スワップの
重要な観察不能な
日現在の
金融商品の種類 2019年12月31 評価技法
インプットについて
インプット
日現在の
公正価値 の見積りの範囲
公正価値
平均回帰またはボラ
ボラティリティのボ
ティリティのボラ
確率論的金利モデ ラティリティまたは
金利スワップ 12,365 81 ティリティなどの確
ル 平均回帰スピードの
率論的ボラティリ
10%増減
ティ
異なった相関観察窓
の使用およびより多
ボラティリティスマ
確率論的クロス・ くのボラティリティ
イルを使用したイー
通貨スワップ 4,578 41 カレンシー・モデ 行使価格を捕捉する
ルドカーブとFXレー
ル ための局所ボラティ
ト間の相関
リティ・モデルの使
用
異なる配当利回りお
確率論的エクイ 配当利回りおよびボ よびボラティリティ
エクイティ・ス
17 17
ワップ
ティ・モデル ラティリティ の使用(相対的+/-
10%)
重要な観察不能なインプットは、次のように策定される。
- 相関およびボラティリティは、観察可能なボラティリティ、最近の取引価格、他の市場参加者
による指値、コンセンサス価格サービスからのデータおよび最新の状況を反映して調整した過
去のデータより推計される。
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- リスク調整後スプレッドは、利用可能な場合にはCDS市場、ならびに最新の状況を反映して調整
した過去のデフォルトおよび期限前返済の推移から導出される。
IFRS第13号の適用により、2020年12月31日現在のデリバティブの公正価値評価には次の評価調整が
含まれている。
- カウンターパーティーのデリバティブ取引に係る信用リスクを反映した信用評価調整(CVA)マ
イナス105.4百万ユーロ(2019年:マイナス102.3百万ユーロ)が以下のとおり計上されてい
る。
・ 貸付金および代替貸付金をヘッジしているスワップにマイナス30.0百万ユーロ(2019年:
マイナス33.9百万ユーロ)
・ 借入をヘッジしているスワップにマイナス35.6百万ユーロ(2019年:マイナス37.3百万
ユーロ)
・ ALMスワップにマイナス39.7百万ユーロ(2019年:マイナス31.0百万ユーロ)
・ 長期財務スワップに0百万ユーロ(2019年:0百万ユーロ)
・ 短期財務スワップ(通貨スワップおよび為替予約)にマイナス0.1百万ユーロ(2019年:マ
イナス0.1百万ユーロ)
- デリバティブ取引に係る自行の信用リスクを反映した債務評価調整(DVA)132.6百万ユーロ
(2019年:189.1百万ユーロ)が以下のとおり計上されている。
・ 貸付金および代替貸付金をヘッジしているスワップに55.5百万ユーロ(2019年:76.2百万
ユーロ)
・ 借入をヘッジしているスワップに49.5百万ユーロ(2019年:72.9百万ユーロ)
・ ALMスワップにマイナス27.2百万ユーロ(2019年:39.6百万ユーロ)
・ 長期財務スワップに0.3百万ユーロ(2019年:0.1百万ユーロ)
・ 短期財務スワップ(通貨スワップおよび為替予約)に0.1百万ユーロ(2019年:0.3百万
ユーロ)
- 上記のCVAおよびDVAに加えて、2020年12月31日現在で、EIBのカウンターパーティーがデリバ
ティブ取引に関して差し入れた担保に関連した特定のわずかな調整を反映した担保評価調整
(CollVA)がマイナス18.3百万ユーロ(2019年:マイナス33.8百万ユーロ)あった。
デリバティブの大半については、EIBのカウンターパーティーが差し入れた担保はすでにCVAの額に
含まれている。しかし、一部の僅かな場合においては、担保は直接的に考慮されず(特定のCSA、現金
担保)、そのため、個別のCollVA調整に分離される。
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Q.4. レベル3の商品の公正価値の感応度
グループは、公正価値の見積りは適切であると確信しているが、異なる手法または仮定を使用する
ことにより公正価値の測定が異なる可能性がある。
観察不能なインプットにより、レベル3の商品の評価額にある程度の不確実性と変動が加わる可能
性がある。
EIB は、それを評価し定量化するために、観察不能なインプットに関する合理的に可能な仮定の範囲
を用いて、代替的な評価を実施している。
代替的な仮定は評価モデルに特化したものであり、個別に適用することができる。
レベル3のデリバティブは、原資産および評価モデルによって次の3種類のスワップにグループ分
けすることができる。
a. 仕組金利スワップ
b. クロス・カレンシー・スワップおよび為替連動スワップ
c. エクイティ・スワップ
a. 仕組金利スワップは、多因子のLibor市場モデル(LMM)のダイナミクスを使用してモデル化
されており、ボラティリティのボラティリティのパラメーターがモデルのサブセットについ
て外部によって指定されている場合には、スワップションおよびスプレッド・オプションを
使用して微調整されている。これらのモデルには、外部によって設定されたボラティリティ
の平均回帰のスピードも組み込まれている。このカテゴリー(a)について、ボラティリティの
ボラティリティと平均回帰の両シナリオについて2019年における10%に対して、ボラティリ
ティのボラティリティを20%増減させること、および平均回帰を20%増減させる(1%を下
限)ことによって、代替的な評価額が得られる。両シナリオとも、評価額の増加に寄与す
る。このカテゴリー(a)について、最初のシナリオは2.7百万ユーロの増加を生み出し、2番
目のシナリオは0.9百万ユーロの増加を生み出した。
b. クロス・カレンシー・スワップおよび為替連動スワップは、金利についてはハル・ホワイト
の1ファクターモデル、為替レートについてはブラック・ショールズ・モデルに従って評価
されている。モデルは、金利、スワップションのボラティリティ、為替レート、為替オプ
ションのボラティリティならびに金利と為替レート間の相関関係を考慮して調整されてい
る。金利と為替レートの間の相関は、時系列から見積られる。これらのカテゴリーについ
て、代替的な評価額は、最初のシナリオよりも短期間(半分)からの相関を算出し、第2の
シナリオにおけるボラティリティスマイルの考慮を行うことによって算定される。このカテ
ゴリー(b)については、最初のシナリオは悪影響をもたらすことが判明して、評価額は0.3百
万ユーロ減少し、他方のシナリオは好影響を及ぼし、7.2百万ユーロの増加をもたらした。
c. エクイティ・スワップは、ブラック・ショールズ・モデルを使用してモデル化され、ボラ
ティリティを市場から捕捉している。金利および配当も、市場相場から捕捉される。長期ス
ワップについては、ボラティリティと配当は長期の満期にわたって推定される。このシナリ
オはボラティリティと配当金の仮定の相対的な20%増減で構成される(2019年:10%)。有
利なシナリオは5.6百万ユーロの増加をもたらし、不利なシナリオは3.2百万ユーロの減少を
もたらした。
以下の表は、レベル3のデリバティブを金融商品の種類ごとに要約したものであり、代替的な仮定
により公正価値が変動する(単位:百万ユーロ)。
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2020年12月31日現在 有利な影響 不利な影響 評価技法 重要な観察不能なインプット
ボラティリティのパラメーター
確率論的金利
の平均回帰およびボラティリ
仕組金利スワップ(OTC) 2.7 0
モデル
ティのボラティリティの変更
クロス・カレンシー・
金利と為替レートの相関関係
確率論的クロス・
スワップおよび為替連動 7.2 -0.3
およびボラティリティスマイル
カレンシー・モデル
の考慮
スワップ
確率論的
エクイティ・スワップ 5.6 -3.2 ボラティリティと配当の変動
エクイティ・モデル
2019年12月31日現在 有利な影響 不利な影響 評価技法 重要な観察不能なインプット
確率論的ボラティリティ・
仕組金利スワップ(OTC) 0.4 -1.2 確率論的金利モデル
パラメーターの変更
クロス・カレンシー・
金利と為替レートの相関関係
確率論的クロス・
スワップおよび為替連動 2.3 -0.6
およびボラティリティスマイル
カレンシー・モデル
の考慮
スワップ
確率論的
エクイティ・スワップ 0.5 -0.5 ボラティリティと配当の変動
エクイティ・モデル
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注R: 金融資産および金融負債の公正価値(単位:百万ユーロ)
次の表は、連結財務書類に計上されているグループの金融資産および金融負債の公正価値ヒエラル
キー別の公正価値と帳簿価額を比較したものである。ただし、金融資産以外および金融負債以外の公
正価値は記載していない。
公正価値
2020 年12月31日現在
帳簿価額
レベル1 レベル2 レベル3 合計
公正価値で計上される資産:
FVTPL での測定に
指定された金融資産 0 7,227 11,040 18,267 18,267
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 0 7,014 10,464 17,478 17,478
株式およびその他の変動利付証券 0 0 576 576 576
代替貸付金ポートフォリオ 0 213 0 213 213
強制的にFVTPLで測定される
金融資産 4,088 92 15,366 19,546 19,546
SLP 4,088 92 0 4,180 4,180
株式およびその他の変動利付証券 0 0 12,232 12,232 12,232
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 0 0 1,808 1,808 1,808
代替貸付金ポートフォリオ 0 0 1,003 1,003 1,003
資産担保証券ポートフォリオEIF 0 0 323 323 323
FVOCI で測定される金融資産
(リサイクルなし) 0 0 515 515 515
株式およびその他の変動利付証券 0 0 515 515 515
デリバティブ資産 0 52,915 371 53,286 53,286
合計 4,088 60,234 27,292 91,614 91,614
AC で計上される資産:
回収目的保有 14,551 480,025 55,727 550,303 534,619
LTHP 1,760 5 0 1,765 1,646
TMP 10,254 7,351 0 17,605 17,602
運用ポートフォリオ・EIF 1,180 28 0 1,208 1,192
代替貸付金ポートフォリオ 511 11,906 6,743 19,160 18,957
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 0 459,280 48,984 508,264 492,921
現金、中央銀行および郵便局預け金 835 0 0 835 835
応募済払込請求済払込未了資本金お
よび準備金 0 1,455 0 1,455 1,455
売却目的保有資産 11 0 0 11 11
合計 14,551 480,025 55,727 550,303 534,619
金融資産合計 18,639 540,259 83,019 641,917 626,233
公正価値で計上される負債
デリバティブ負債 0 38,113 242 38,355 38,355
FVTPL での測定に
指定された金融負債 18,578 8,103 3,182 29,863 29,863
債務証書借入 18,578 8,103 3,182 29,863 29,863
合計 18,578 46,216 3,424 68,218 68,218
AC で計上される負債
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公正価値
2020 年12月31日現在
帳簿価額
レベル1 レベル2 レベル3 合計
AC で測定される負債 433,856 49,522 0 483,378 476,555
金融機関および顧客に対する債務 0 18,201 0 18,201 18,201
債務証書借入 433,856 28,001 0 461,857 455,034
英国への資本の未払払戻金 0 3,196 0 3,196 3,196
リース負債 0 124 0 124 124
合計 433,856 49,522 0 483,378 476,555
金融負債合計 452,434 95,738 3,424 551,596 544,773
公正価値
2019 年12月31日
帳簿価額
レベル1 レベル2 レベル3 合計
公正価値で計上される資産:
FVTPL での測定に
指定された金融資産 0 7,669 12,853 20,522 20,522
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 0 7,468 12,358 19,826 19,826
株式およびその他の変動利付証券 0 0 495 495 495
代替貸付金ポートフォリオ 0 201 0 201 201
強制的にFVTPLで測定される
金融資産 3,635 291 12,793 16,719 16,719
SLP 3,635 291 0 3,926 3,926
株式およびその他の変動利付証券 0 0 10,612 10,612 10,612
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 0 0 1,400 1,400 1,400
代替貸付金ポートフォリオ 0 0 529 529 529
資産担保証券ポートフォリオEIF 0 0 252 252 252
FVOCI で測定される金融資産
(リサイクルなし) 0 0 493 493 493
株式およびその他の変動利付証券 0 0 493 493 493
デリバティブ資産 0 49,574 215 49,789 49,789
合計 3,635 57,534 26,354 87,523 87,523
AC で計上される資産:
回収目的保有 13,350 469,717 54,966 538,033 527,720
LTHP 1,847 0 0 1,847 1,737
TMP 8,812 10,511 0 19,323 19,323
運用ポートフォリオ・EIF 1,213 38 0 1,251 1,238
代替貸付金ポートフォリオ 531 11,150 8,415 20,096 19,883
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 0 448,018 46,551 494,569 484,592
現金、中央銀行および郵便局預け金 947 0 0 947 947
合計 13,350 469,717 54,966 538,033 527,720
金融資産合計 16,985 527,251 81,320 625,556 615,243
公正価値で計上される負債
デリバティブ負債 0 32,345 181 32,526 32,526
FVTPL での測定に
指定された金融負債 14,888 12,275 2,366 29,529 29,529
債務証書借入 14,888 12,275 2,366 29,529 29,529
合計 14,888 44,620 2,547 62,055 62,055
126/416
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公正価値
2019 年12月31日
帳簿価額
レベル1 レベル2 レベル3 合計
AC で計上される負債
AC で測定される負債 438,517 38,566 0 477,083 473,034
金融機関および顧客に対する債務 0 9,079 0 9,079 9,079
債務証書借入 438,517 29,330 0 467,847 463,798
リース負債 0 157 0 157 157
合計 438,517 38,566 0 477,083 473,034
金融負債合計 453,405 83,186 2,547 539,138 535,089
以下、金融資産および金融負債の公正価値算定に用いる方法と仮定を記載する。
帳簿価額が公正価値に近似する資産
流動性が高い、あるいは満期が短い(3ヵ月未満)金融資産および金融負債の場合、帳簿価額と公
正価値は近似していると仮定される。
公正価値で計上される資産および負債
金融商品の公正価値の算定に当たっては、まず、活発な市場の公表気配値が第一の情報源とされ
る。入手できる市場価格がない金融商品の場合は、可能な限り貸借対照表日現在の観察可能な実勢市
場データに基づき、評価技法や評価モデルを用いて公正価値が見積られる。
こうした金融商品の公正価値は、将来のキャッシュ・フローから割引現在価値を導出する評価技法
を用いて算定される。公正価値の見積りは将来価値に対する市場の期待値に基づいている。評価技法
は、既知のキャッシュ・フローを割り引く単純なものから複雑なオプション・モデルに至るまで、多
岐にわたる。適用した評価モデルは、金融商品の価格設定向けに一般に認められている経済学的手法
と整合しており、市場参加者が価格設定時に考慮する諸要因を盛り込んでいる。市場情報が直接入手
可能でない場合には、内部的な見積りおよび仮定が評価技法に用いられることもある。
IFRS第13号の適用による、純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融負債に係るグループ
自体の信用リスクを反映した自己信用調整(「OCA」)は、2020年12月31日現在で19.8百万ユーロ
(2019年:129.7百万ユーロ)であった。
2020年には、次の項目が公正価値ヒエラルキーのレベル1からレベル2に振替えられた。
- 26.8百万ユーロの強制的にFVTPLで測定される金融資産(2019年: 65.9百万ユーロ)
- 5.0百万ユーロの償却原価で評価される金融資産(2019年: 37.5百万ユーロ)
- 934.9百万ユーロの純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融負債(2019年:134.7百
万ユーロ)
当事業年度中、特定の有価証券についての市場環境の変化により、これらの有価証券の活発な市場
における公表価格は入手不可能になった。もっとも、これらの有価証券の公正価値を観察可能な市場
インプットに基づいて測定するために十分な情報は入手可能であり、その結果、レベル1からレベル
2へ振替えられた。
次の項目は、公正価値ヒエラルキーのレベル2からレベル1に振替えられた。
- 30.7百万ユーロの強制的にFVTPLで測定される金融資産(2019年: 10.5百万ユーロ)
- 36百万ユーロの償却原価で評価される金融資産(2019年: 0百万ユーロ)
- 2,182.0百万ユーロの純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融負債(2019年:483.6
百万ユーロ)
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当事業年度中、これらの有価証券の活発な市場における公表価格が入手可能となり、その結果、レ
ベル2からレベル1へ振替えられた。
次の表は、2020年12月31日終了事業年度におけるレベル3の金融商品の変動を示したものである
(単位:百万ユーロ)。
強制的にFVTPL 強制的にFVTPL
FVOCI で
FVTPL での測定
FVTPL での測定
で測定される金 で測定される金
に指定された金 測定される
に指定された金
(*) (*)
融資産
融負債
金融資産
融資産 融負債
2020 年1月1日現在の残高 13,008 12,853 493 181 2,366
損益合計
- 純損益に計上
862 -616 0 24 -1
- その他包括損益に計上
0 0 22 0 13
買付 3,254 105 0 11 0
売却 0 0 0 0 0
発行 0 0 0 0 337
決済 -1,504 -1,302 0 -30 -289
レベル3への移動合計 151 0 0 56 1,105
レベル3からの移動合計 -34 0 0 0 -349
2020 年12月31日現在の残高 15,737 11,040 515 242 3,182
(*) デリバティブ残高は強制的にFVTPLで測定される金融資産または負債に含まれる。
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次の表は、2019年12月31日終了事業年度におけるレベル3の金融商品の変動を示したものである
(単位:百万ユーロ)。
強制的にFVTPL 強制的にFVTPL
FVOCI で
FVTPL での測定 FVTPL での測定
で測定される で測定される
に指定された 測定される に指定された
(*) (*)
金融資産 金融負債
金融資産
金融資産 金融負債
2019 年1月1日現在の残高 9,565 12,681 490 147 1,923
損益合計
- 純損益に計上
1,184 323 0 42 100
- その他包括損益に計上
0 0 3 0 17
買付 3,143 96 0 0 0
売却 -133 0 0 0 0
発行 0 0 0 0 65
決済 -712 -247 0 -5 -192
レベル3への移動合計 0 0 0 0 831
レベル3からの移動合計 -39 0 0 -3 -378
2019 年12月31日現在の残高 13,008 12,853 493 181 2,366
(*) デリバティブ残高は強制的にFVTPLで測定される金融資産または負債に含まれる。
次の表におけるレベル3の商品に係る損益合計は、2020年12月31日終了事業年度の連結包括利益計
算書に以下のとおりに表示されている(単位:百万ユーロ)。
強制的にFVTPL 強制的にFVTPL
FVOCI で
FVTPL での測定 FVTPL での測定
で測定される金 で測定される金
に指定された金 測定される に指定された金
(*) (*)
融資産 融負債
金融資産
融資産 融負債
当期純損益に含まれた損益合計:
- 金融業務損益
862 -616 0 24 -1
その他包括損益に認識された
損益合計
- FVOCI で測定される金融資産および
OCA 0 0 22 0 13
2020 年12月31日現在に保有する資産
および負債に係る未実現損益の変動
に起因する純損益に含まれる当期損
益合計
- 金融業務損益
862 -616 0 24 -1
(*) デリバティブ残高は強制的にFVTPLで測定される金融資産または負債に含まれる。
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次の表におけるレベル3の商品に係る損益合計は、2019年12月31日終了事業年度の連結包括利益計
算書に以下のとおりに表示されている(単位:百万ユーロ)。
強制的にFVTPL 強制的にFVTPL
FVOCI で
FVTPL での測定 FVTPL での測定
で測定される金 で測定される金
に指定された金 測定される に指定された金
(*) (*)
融資産 融負債
金融資産
融資産 融負債
当期純損益に含まれた損益合計:
- 金融業務損益
1,184 323 0 42 100
その他包括損益に認識された
損益合計
- FVOCI で測定される金融資産および
OCA 0 0 3 0 17
2019 年12月31日現在に保有する資産
および負債に係る未実現損益の変動
に起因する純損益に含まれる当期損
益合計
- 金融業務損益
1,184 323 0 42 100
(*) デリバティブ残高は強制的にFVTPLで測定される金融資産または負債に含まれる。
市場で観察不能なインプットに基づく評価技法を用いた場合において、代替的な仮定を用いること
により、純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融商品の公正価値に生じる変化
グループは、公正価値の見積りは適切であると確信しているが、異なる手法または仮定を使用する
ことにより公正価値の測定が異なる可能性がある。
市場で観察不能な仮定について合理的に代替可能なものを評価技法へのインプットとして使用し、
それに基づき損益を通じて公正価値で評価されるものに指定された金融商品の公正価値を算定した場
合の潜在的影響としては、2020年12月31日現在の公正価値は、最も不利となる仮定を用いた場合は約
3.5百万ユーロ低くなり、最も有利となる仮定を用いた場合は約15.5百万ユーロ高くなるものと定量化
された。2019年12月31日現在の公正価値は、最も不利となる仮定を用いた場合は約2.3百万ユーロ低く
なり、最も有利となる仮定を用いた場合は約3.3百万ユーロ高くなるものと定量化された。
レベル3評価カテゴリーに属する借入金および貸付金の公正価値算出には、代替的な仮定が使用さ
れる。レベル3の借入金および貸付金の公正価値は、それらの借入金および貸付金をヘッジするデリ
バティブの価値から導出される。したがって代替的な仮定がまずレベル3デリバティブの評価に適用
され、次にその影響がレベル3の借入金および貸付金に適用される。レベル3のデリバティブは、原
資産および/または評価モデルによって次の3種類のスワップにグループ分けすることができる。
a. 仕組金利スワップ
b. クロス・カレンシー・スワップおよび為替連動スワップ
c. エクイティ・スワップ
仕組金利スワップは、多因子のLibor市場モデル(LMM)のダイナミクスを使用してモデル化されて
おり、ボラティリティのボラティリティのパラメーターが外部によって指定されている場合には、ス
ワップションおよびスプレッド・オプションを使用して微調整されている。クロス・カレンシー・ス
ワップおよび為替連動スワップは、金利についてはハル・ホワイトの1ファクターモデル、為替レー
トについてはブラック・ショールズ・モデルに従って評価されている。モデルは、金利、スワップ
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ションのボラティリティ、為替レート、為替オプションのボラティリティならびに金利と為替レート
間の相関関係を考慮して調整されている。カテゴリー(c) は、エクイティ・スワップの金額の大きな
1 ポジションで構成され、このエクイティ・スワップにはアジア型コール・オプションが埋め込まれ
ている。オプショナリティの価値は、配当とボラティリティに大きく影響され、代用指標を用いる必
要がある。
純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融資産
金利スワップや通貨スワップでヘッジされ、ヘッジ会計適格ではない貸付金および代替貸付金ポー
トフォリオは、純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融資産に含まれる。
純損益を通じた公正価値での測定に指定された実行済の金融機関および対顧客貸付金および預け金
(代替貸付金を含む)の最大信用エクスポージャーは、12,621百万ユーロ(2019年:15,022百万ユー
ロ)であった。グループのカウンターパーティーの信用リスクの変動に起因する貸付金および代替貸
付金の公正価値の累積変動は、164.2百万ユーロの評価損(2019年:191.0百万ユーロの評価損)で
あった。純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融資産の公正価値の変動のうち、信用リス
クの変動に起因する部分は、かかる貸付金および代替貸付金の見積貸倒損失の変動を算定して計算さ
れている。
純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融資産の信用リスクヘッジのために締結されたク
レジット・デリバティブはない。
純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融負債
純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融負債はグループが発行した債務証書借入で、金
利スワップおよび通貨スワップでヘッジされているもので構成されている。
FVTPL での測定に指定された金融負債については、グループは当該負債の信用リスクの変動影響を、
その他の包括利益に表示するよう義務付けられている。
次の表は、2020年12月31日終了事業年度におけるかかる金融負債について要求される情報を示した
ものである。
信用リスクの
帳簿価額と、
変動に起因する 当期中の
当期中の認識中止に
( 単位:百万ユーロ) 約定の満期支払額と
よる実現額
公正価値の 資本科目間振替
の差額
累積的変動
FVTPL での測定に指定された
金融負債 20 0 -12 -2,493
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次の表は、2019年12月31日終了事業年度におけるかかる金融負債について要求される情報を示した
ものである。
信用リスクの
帳簿価額と、
変動に起因する 当期中の
当期中の認識中止に
( 単位:百万ユーロ) 約定の満期支払額と
よる実現額
公正価値の 資本科目間振替
の差額
累積的変動
FVTPL での測定に指定された
金融負債 130 0 0 -2,584
グループは、FVOに指定された借入金の信用リスク特性とヘッジ手段との間に直接の経済的関連性は
存在しないことから、自己信用リスクの変動額をOCIで表示することにより純損益における会計上のミ
スマッチを減らすことにした。
金融資産と金融負債の相殺
下の表で表示されている開示には、以下の金融資産および金融負債が含まれている。
- EIBグループの会計方針に従ってグループの連結貸借対照表上で相殺されているもの。
- 法的強制力を持ったマスター・ネッティング契約または類似した金融商品を対象とした類似契
約の適用を受けるもので、グループの連結貸借対照表上で相殺されているか否かは問わない。
類似契約にはグローバル・マスター・リパーチェス契約が含まれる。類似した金融商品には、リ
パーチェス契約およびリバース・リパーチェス契約が含まれる。貸付金および預金などの金融商品
は、連結貸借対照表上で相殺されていない限り、下表では表示されていない。
取引所で取引されていないグループのデリバティブ取引は、国際スワップ・デリバティブ協会
(ISDA)のマスター契約の下で行われている。通常、このような契約の下では、いずれの日において
も各当事者の同一の取引および同一の通貨に関する支払債務の金額は合算されて、一方の当事者から
他方の当事者に支払われるべき単一の純額となる。例えばデフォルトが発生するなどの特定の状況下
では、契約下のすべての未決済取引は解約され、解約価値が査定され、すべての取引の決済として単
一の純額が支払われるべき金額とされる。
グループのリパーチェス契約およびリバース・リパーチェス契約は、ISDAマスター契約の相殺条項
と類似した相殺条項を備えたマスター契約による。
上記のISDAおよび類似したマスター・ネッティングの取決めは、連結貸借対照表における相殺基準
を満たさない。これは、これらの契約によって発生する(認識された金額に対する)相殺権が、いず
れかの当事者の支払不能または破産を含むデフォルトを受けての未決済取引の解約後のみ強制可能と
なるためである。
グループは、次の取引に関連して現金または市場性のある有価証券の形で担保を受領し、預け入れ
ている。
- デリバティブ
- リパーチェス契約およびリバース・リパーチェス契約
デリバティブに関連して受領する担保は、ISDAクレジット・サポート・アネックスの業界の標準的
条件の適用を受ける。このことは、担保として受領した有価証券は取引期間中に質権を設定しまたは
売却を行うことができるが、取引の満了時には返却しなければならないことを意味する。また、これ
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らの条件により、カウンターパーティーが担保の差入れを怠った場合に、グループは関連する取引を
終了する権利を与えられている。
相殺、法的に強制可能なマスター・ネッティング契約または類似した契約の適用を受ける金融資産
(単位:百万ユーロ)
認識された
貸借対照表上で相殺されて
金融負債の
貸借対照表上
いない関連金額
認識された
うち貸借
で表示されて
金融資産の 純額
いる金融資産
対照表上で
総額
の純額
相殺されて
債券 受取現金担保
2020 年12月31日現在 いる総額
金融資産:
リスク管理のために保有する
デリバティブ資産 53,796 -510 53,286 13,300 4,198 35,788
リバース・レポ 15,466 0 15,466 13,496 2 1,968
713 -668 45 0 0 45
金融保証
69,975 -1,178 68,797 26,796 4,200 37,801
合計
認識された
貸借対照表上で相殺されて
金融負債の
貸借対照表上
いない関連金額
認識された
うち貸借
で表示されて
金融資産の 純額
いる金融資産
対照表上で
総額
の純額
相殺されて
債券 受取現金担保
2019 年12月31日 いる総額
金融資産:
リスク管理のために保有する
デリバティブ資産 50,290 -501 49,789 14,817 6,287 28,685
リバース・レポ 24,614 0 24,614 18,544 0 6,070
657 -630 27 0 0 27
金融保証
75,561 -1,131 74,430 33,361 6,287 34,782
合計
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相殺、法的に強制可能なマスター・ネッティング契約または類似した契約の適用を受ける金融負債
(単位:百万ユーロ)
認識された
貸借対照表上で相殺されて
金融資産の
貸借対照表上
いない関連金額
うち貸借
認識された金 で表示されて
純額
融負債の総額 いる金融負債
対照表上で
の純額
相殺されて
金融商品 差入現金担保
2020 年12月31日現在 いる総額
金融負債:
リスク管理のために保有する
デリバティブ負債 38,386 -31 38,355 0 0 38,355
レポ契約 4,311 0 4,311 4,315 0 -4
債務証書借入 461 -461 0 0 0 0
172 -149 23 0 0 23
金融保証
43,330 -641 42,689 4,315 0 38,374
合計
認識された
貸借対照表上で相殺されて
金融資産の
貸借対照表上
いない関連金額
うち貸借
認識された金 で表示されて
純額
融負債の総額 いる金融負債
対照表上で
の純額
相殺されて
金融担保 差入現金担保
2019 年12月31日 いる総額
金融負債:
リスク管理のために保有する
デリバティブ負債 32,555 -29 32,526 0 0 32,526
レポ契約 1,182 0 1,182 1,182 0 0
債務証書借入 449 -449 0 0 0 0
128 -108 20 0 0 20
金融保証
34,314 -586 33,728 1,182 0 32,546
合計
上表で開示されている貸借対照表に表示された金融資産および金融負債の総額および純額は、貸借
対照表上で以下に基づいて測定されている。
- デリバティブ資産および負債-公正価値
- セール・アンド・リパーチェス契約、リバース・セール・アンド・リパーチェス契約および証
券貸借により発生した資産および負債-償却原価または公正価値
- 対顧客貸付金および預け金-償却原価または公正価値
- 顧客に対する債務-償却原価
- 金融保証契約(注A.4.11.)
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上の表における貸借対照表上で相殺されている金額は、金融保証契約(注A.4.11.)を除き、同じ基
準で測定されている。下の表は、上の表で表示された「貸借対照表上で表示されている金融資産およ
び金融負債の純額」と、貸借対照表または注Gのそれぞれの見出しで表示された科目との調整を示して
いる(単位:百万ユーロ)。
連結貸借対照表上 相殺の開示の対象
連結貸借対照表上
純額
2020 年12月31日現在
の金額
の科目 範囲外の金融資産
金融資産:
リスク管理のために保有する
53,286 デリバティブ資産 53,286 0
デリバティブ資産
金融機関貸付金
リバース・レポ 15,466 166,823 151,357
および預け金
金融保証 45 その他の資産 (注G) 45 0
連結貸借対照表上 相殺の開示の対象
連結貸借対照表上
純額
の金額
2020 年12月31日現在 の科目 範囲外の金融負債
金融負債:
リスク管理のために保有する
38,355 デリバティブ負債 38,355 0
デリバティブ負債
金融機関に
レポ契約 4,311 16,499 12,188
対する債務
債務証書借入 0 債務証書借入 484,897 484,897
保証および契約債務
金融保証 23 23 0
引当金/その他の負債
(注D.4)
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連結貸借対照表上 相殺の開示の対象
連結貸借対照表上
純額
の金額
2019 年12月31日 の科目 範囲外の金融資産
金融資産:
リスク管理のために保有する
49,789 デリバティブ資産 49,789 0
デリバティブ資産
金融機関貸付金
リバース・レポ 24,614 166,099 141,485
および預け金
金融保証 27 その他の資産(注G) 27 0
連結貸借対照表上 相殺の開示の対象
連結貸借対照表上
純額
の金額
2019 年12月31日 の科目 範囲外の金融負債
金融負債:
リスク管理のために保有する
32,526 デリバティブ負債 32,526 0
デリバティブ負債
金融機関に
レポ契約 1,182 7,469 6,287
対する債務
債務証書借入 0 債務証書借入 493,327 493,327
保証および契約債務引当
金融保証 20 金/その他の負債(注 20 0
D.4)
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注S: リスク管理
本注記は、グループのリスクに対するエクスポージャーならびにその管理および統制についての情
報を、特に金融商品の使用に関連した主なリスクについて記載している。それらは以下のとおりであ
る。
- 信用リスク-顧客またはカウンターパーティーのデフォルトにより発生する損失のリスクで、
あらゆる形式の信用エクスポージャーから発生する。
- 金利リスク-金利感応商品に影響を及ぼす金利の不利な変動から生じるグループの投資の利益
および経済価値の両方に対するリスクで、ギャップリスク、ベーシスリスクおよびオプション
リスクを含む。
- 流動性および資金調達リスク-グループが合理的な価格により、あるいは、極端な状況下では
いかなる価格によっても、資金調達または義務の履行ができないリスク。
- 為替レートリスク-為替レートの不利な変動が原因で、グループのポジションから得られる経
済価値または収益の変動性から生じるリスク。
- オペレーショナル・リスク-不適切もしくは機能不全のプロセスもしくはシステム、人的要因
から発生する、外部事象による損失リスクで、法務リスクを含むが、戦略リスクおよび風評リ
スクは除かれる。
2020年には、リスクの管理とモニタリング専任のチームを含む職員の大半がテレワークで勤務して
いた。このような業務に関連して、ポジション管理システムは、通常の状況下と同一の機能性で、フ
ロント・オフィス、ミドル・オフィスおよびバック・オフィスの職員に加えて、リスク管理の職員も
リモートモードで利用が可能であった。
S.1. リスク管理組織
リスクの管理および統制は、グループ内の事業体がそれぞれ個別に遂行している。よって、本注記
に記載するリスク管理情報は、EIBとEIFに分けることにする。
また、EIBはリスク管理部門の中に、グループ全体のリスク管理を強化するために、規制およびEIB
グループ・リスク部を設置した。規制およびEIBグループ・リスク部は主に、リスク報告、健全性規制
の遵守および健全性あるベスト・バンキング・プラクティス(リスク選好の枠組み、自己資本充実度
評価プロセス(「ICAAP」)およびストレス・テストの枠組みを含む)ならびに内部モデル作成および
検証を担当する。EIBの連結レベルでのリスク管理の概括的な原則は、グループ・リスク管理憲章に示
されている。グループ・リスク管理憲章は、グループのリスクのグループ全体からの見方およびリス
ク管理の統合的なアプローチを確保することを目指している。
グループは、グループ最高リスク責任者(「GCRO」)が率いるグループ・リスク担当部署を設置し
ている。総裁およびEIB経営委員会のそれぞれの法定責任が影響を受けることなく、GCROはグループ・
リスクについて、リスク担当の経営委員会委員の監督の下、EIB経営委員会に報告する。グループ・リ
スクに関連した主要なリスク方針の事項に関して、GCROはEIB経営委員会および他のEIBの統治機関の
関連するすべての会議に参加し、EIF理事会の関連する会議およびEIF経営陣との協議に招待される。
EIFは、GCROを通じてグループ・リスク事項をEIBに報告する。
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S.1.1. EIBのリスク管理組織
EIB の目的は、その資産、財務的業績、ひいては自己資本を可能な限り最大限に守るため、リスクを
分析・管理することにある。EIBは一般にEUの機関、機構および局によって発令または採択される商業
銀行に適用される法や指針(「EU法および指針」)の適用を受けないが、EIBは公表しているとおり、
そ の任意の決定により、そのベスト・バンキング・プラクティスの指針的原則で特定されるEU法およ
び指針を遵守することとしている。
EIB内では、リスク管理部門(「RM」)は、EIBがさらされている信用リスク、市場リスク、流動性
および資金調達リスク、オペレーショナル・リスクを独立した立場から特定、評価、モニタリングお
よび報告する。職務分掌を維持するために、RMは、フロント・オフィスから独立した組織となってお
り、リスクに関するすべての提案に対して、セカンド・オピニオンを提供する。
契約締結後の貸付金の管理およびモニタリングは、ポートフォリオの重要な部分に関しては、RMか
ら独立している部門である取引管理・再編部門(「TMR」)が担当する。TMRは、よりリスクが高いカ
ウンターパーティー、および特定の形の担保のモニタリングに注力するとともに、特に注意を要する
取引の管理も行う。信用リスクの兆候に係るTMRの提言は、すべてRMによる独立した立場からのセカン
ド・オピニオンの対象となる。
以下の項では、EIBが自己のリスク負担において実施する活動の中でさらされる信用リスク、市場リ
スク、流動性および資金調達リスク、オペレーショナル・リスクについて開示している。詳細につい
ては、EIBグループ・リスク管理開示報告書を参照のこと。
S.1.1.1. リスクの測定および報告システム
EIB は、変化する経済情勢や進化する規制当局の基準に合わせて、リスク管理システムを調整してい
る。市場慣行が発達するにつれ、EIBも継続的にそれらを適応させている。EIBの業務に内在する主な
リスク、すなわち、信用リスク、市場リスク、流動性および資金調達リスク、オペレーショナル・リ
スクを統制し、報告するため、管理システムを導入している。
リスクは、EIBの支払能力、流動性、利益および業務への影響を定量化することを目的として、通常
の環境下および起こり得るストレス状態下で、評価・測定される。リスク測定では、資本構成、利
益、流動性、市場に対するエクスポージャーおよびオペレーショナル・リスクの指標を組み合わせ
る。
信用リスク、ALMリスク、流動性リスク、財務リスクおよびオペレーショナル・リスクに関する詳細
な情報は、経営委員会および理事会に対して毎月報告される。かかる情報は、経営委員会および理事
会のリスク方針委員会に対して定期的に報告・説明される。
S.1.1.2. EIBのリスク許容度
EIBは、リスク許容度を定めており、事業戦略の追求によって生じるリスクに関して慎重な限度額を
設定している。高水準の限度額を設定するにあたり、EIBは、EIBのリスク特性を事業戦略および利害
関係者の期待に適合させるようにしている。さらに、EIBの戦略の長期的な資本の持続可能性は、これ
らの限度額との比較で評価および監視され、利用可能な資本が現在および大局的な事業目的および政
策目的を支えるために十分であることを確実にする。
EIB は公的金融機関として、リスクに対する投機的エクスポージャーにより収益を獲得することを目
指していない。その結果、それぞれに業績目標が定められていても、EIBは財務活動や資金調達・提供
活動を利益の最大化を図る中心的業務とみなしていない。投資活動は、投資資本の保護という主目的
の範囲内で行われる。よって、EIBの貸付業務や借入業務で生じるエクスポージャーに関しては、すべ
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ての重要な市場リスクのヘッジを確保することが、EIBの財務リスク管理方針の主要原則とされてい
る。
EIBは、金利(「IR」)リスク(ギャップリスクおよびクロス・カレンシー・ベーシスリスク)なら
びにFXリスクを管理するための枠組みを整備している。EIBはIRおよびFXのポジションを日次でモニ
ターし、適用される限度内で管理している。COVID-19危機にもかかわらず、2020年度中にこの業務は
変化することなく継続された。加えて、2020年3月にこの衛生危機が始まった際に、EIBは不利に作用
する潜在的な市場動向に迅速に対処することを可能にするために、関連する市場指標の日次でのモニ
タリングを導入した。
オペレーショナル・リスクや財務リスクを招く新しい種類の取引はすべて、新商品委員会の承認を
受けた上で改めて経営委員会の承認を取得することが義務付けられており、その承認を受けた限度枠
の範囲内で管理されている。
S.1.1.3. 収益の持続可能性および自己資金力
EIBの金利リスク戦略は、EIBの全体的な財務リスク管理で不可欠な部分を占めている。この方針
は、利益の安定性、自己資本の経済価値の保持、EIBの長期成長資金の自力調達に関する、EIBの主要
利害関係者の期待を反映した内容になっている。
これらの目標を達成するため、金利リスク戦略では、一段の収益安定と全体的なリターンの拡大を
目指して、自己資本投資に中・長期物価スライド方式を採用している。この物価スライドの方針は、
中・長期利回りに対するエクスポージャーを意味しており、金利の趨勢に関する短期的な見方に左右
されることはない。
EIBの自己資本の目標投資期間を現在は4.5年から5.5年の間に設定することで、この方針は達成され
ている。
資産負債委員会(「ALCO」)は、EIBの金利リスク戦略、貸出金利設定原則およびEIBの活動から生
じる財務リスクを検討するために上級経営陣による会議を開催する。
S.1.2. EIFのリスク管理組織
EIFの使命は、基本的に欧州連合内で起業、成長および発展をするためのリスク・ファイナンスへの
アクセスを中小企業(「SME」)に提供することである。グループの両事業体のプライベート・エクイ
ティ(「PE」)業務、ベンチャー・キャピタル事業ならびにポートフォリオ保証、証券化およびマイ
クロファイナンス(「GSM」)業務の大半は、EIFが管理・運営している。
EIF も、変化する経済情勢に合わせて、リスク管理システムを調整している。EIFの業務に内在する
主なリスクを統制し、報告するため、信用リスク、市場リスク、オペレーショナル・リスクの管理シ
ステムを導入している。
リスク管理は、EIFの企業文化に組み込まれており、EIFのすべての事業担当部署およびプロセスに
浸透した、(i) フロント・オフィス、(ii) 独立したリスクおよびコンプライアンス担当部署および、
(iii) 監査および保証の3つの防衛線モデルに基づいている。事務総局の長が委員長を務める投資お
よびリスク委員会(「IRC」)は、CEOおよび副CEOにあらゆる取引に関して助言を行う。最高リスク責
任者が議長を務めるIRCの四半期ごとの会議はまた、EIFポートフォリオのリスクおよび投資関連の
面、特に取引格付の承認、減損および引当についての措置、関連する市場リスク事象および潜在的な
ストレスのテストを監視する。最後に、IRCは、ファンド・マネージャーとしてのEIFの役割から生じ
る全社的リスクも監視する。リスクおよびポートフォリオ管理の措置は、EIFの監査役会が統括する保
証プロセスの一部を構成する。
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さらに、EIBグループとの関連で見た場合、EIFのリスク管理部門は、特に、グループ・リスク管理
憲章、ならびに保証・証券化業務、EIBのリスク資本財源マンデート(「RCR」)に基づくPE業務、EIB
グループ・リスク補完マンデート(「EREM」)に基づくEIBの様々な機会、およびEIFの方針に関する
一 般的な問題に関連するグループのリスク・エクスポージャーについて、EIBのリスク管理部門と定期
的に連絡を取りながら業務を運営している。
EIF の財務管理は、両当事者が署名し、取引の選定、執行、決済および監視の実行をEIBの担当サー
ビス部署に委託する財務管理契約に基づき、全面的にEIBに委託されている。この管理は、契約に付属
する財務ガイドラインに従って行われるが、当該ガイドラインはEIB自身の財務ガイドラインの関連箇
所を密接に反映するものになっている。
S.1.2.1. リスク評価 プライベート・エクイティ
プライベート・エクイティ業務では、EIFは、ファンド・オブ・ファンズの手法を採っており、広範
囲の投資家からの出資契約を促すため、主として独立した立場のチームが運用するビジネス・エン
ジェル、ベンチャー・キャピタル、プライベート・エクイティ・ファンドおよびメザニン・ファンド
への少数持分参加を行っている。EIFのPE業務には、シード・キャピタル投資やアーリーステージ・
キャピタル投資だけでなく、低いリスク特性を有すると一般的に言われているミッドステージ投資、
レイターステージ投資、またはメザニン投資を運用対象とする安定したファンドへの投資も含まれて
いる。
EIFは、PE市場の動きに応じたPEファンド・ポートフォリオを設計し、運用し、モニタリングするた
めの一連のツールを、過去数年間かけて開発した。これらのツールはグループ内のモデルであるグ
レーディング・ベースト・エコノミック・モデル(「GEM」:格付に基づく経済モデル)に基づいてお
り、これを使用することにより、EIFは各ファンドおよび各ファンド・ポートフォリオの評価、リス
ク、予想される将来のキャッシュ・フローとパフォーマンスの査定ならびに妥当性検査を改善するこ
とができる。EIFでは、取引チームが実施しリスク管理チームが審査した広範囲にわたるデューデリ
ジェンスの結果に基づき、リスク・スコアを割り当ててから、PEファンドと出資契約を交わしてい
る。このリスク・スコアは、リスク水準に応じた頻度と厳格さで、ファンド残存期間にわたって定期
的に審査される。
独自のITシステムと(フロント・オフィスからバック・オフィスに至るまでの)統合ソフトウェア
の開発に下支えされたこうした取り組みによって、投資判断プロセスならびにポートフォリオの財務
リスクと流動性の管理も改善され、特に将来を見据えた、およびストレス・テストに基づいた意思決
定が可能となる。
S.1.2.2. リスク評価 保証
EIF は、中小企業向け融資に従事する金融仲介機関に対し、ポートフォリオ保証を提供し、中小企業
の証券化取引の信用補完を行っている。このようなリスクを取ることにより、EIFは資金へのアクセス
を容易にすることで、中小企業の資金調達を支援している。
保証・証券化業務に関しても、EIFは過去数年間をかけて一連のツールを開発した。これは、市場の
ベスト・プラクティスに従って、ポートフォリオ保証と仕組金融取引を分析するためのものである。
EIFは、信用リスク管理方針およびモデル審査指針に準拠して、自らリスクを負担する新規の保証取引
それぞれに内部格付を割り当ててから、法律上正式に保証取引を行っている。この格付は、定量パラ
メーターだけでなく定性面も考慮して、取引の信用の質(予想損失概念)を分析し集約するグループ
内のモデルに基づく。このプロセスではその全領域において、フロント・オフィスがアクションを起
こしリスク管理担当部署がレビューを行うという、「4つの目」の原則が適用されている。その際、
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委員会は、業績次第で、率先して内部格付を見直すことがある。保証取引は、定期的に(少なくとも
四半期ごとに)モニターし、その状況は、EIFのIRCが定期的に見直している。後者のプロセスはRMに
よっ て開始され、フロント・オフィスがレビューを行う。
保証ポートフォリオは、IFRS原則に基づき、「モデルに基づいた価格」手法によって評価される。
ポートフォリオの取引の評価に対する主な影響は、付与された格付(内部格付の場合もあれば、外部
格付の場合もある)とその後起こりうる格付の変更により生じる。
EIF のモニタリングは、潜在的な格付の悪化を監視し、適切な取引の管理の基礎を提供する。EIFの
ストレス・テスト方法、すなわちポートフォリオの格下げおよび債務不履行、ならびにそれに伴う資
本配分、予想損失および損益計算書への影響に関するシナリオ分析は、取引の開始時およびポート
フォリオの期間全体にわたって適用される。
S.2. 信用リスク
S.2.1. 信用リスク管理方針
信用リスクは主にグループの貸付業務に関するものであるが、程度の差はあるものの、投資ポート
フォリオや運用ポートフォリオで保有している確定利付証券、譲渡性預金、銀行間の定期預金等の財
務商品、ならびにグループのデリバティブ取引、および自己資金を原資とするEIFの保証取引に関する
ものも含まれている。
信用リスクは、統治機関の承認を受けた詳細な行内指針に沿って管理されている。こうした指針の
目的は、信用リスクの慎重な管理が確実に行われるようにする点にある。EU加盟国業務と非EU加盟国
業務ではリスク・プロファイルが異なる場合があり、EU加盟国の活動と非EU加盟国の活動には別々の
指針が設けられている。ある事業体がEIBの貸付業務のカウンターパーティーとして認められるか否か
は、定量的および定性的指標を用いた当該事業体の注意深い分析および評価に基づくだけでなく、経
験および専門家の判断にも依拠して決定される。同指針は、貸付業務の債務者、保証人双方について
最低限の信用の質の水準を定めており、許容範囲内とみなされる担保種類も特定している。また、EIB
の地位が十分に保護されるように、主要な法的条項や他の契約条件の点で貸付契約が満たしていなけ
ればならない最低基準も、細かく定めている。加えて、カウンターパーティー別と業種別に限度枠を
設けるシステムを通じて、これらの指針は、グループが保有する貸付金ポートフォリオの許容可能な
分散の実現を図っている。複雑な貸付取引または仕組貸付取引に含まれる追加的なリスクの十分な分
析、計量および軽減が確実になされるように、特定の種類の業務に関して具体的で詳細な指針が策定
され、これが一般指針を補完している。また同指針は、デリバティブ取引および財務取引の相手の信
用の質に関する最低限の基準、ならびに取引種類ごとの契約の枠組みも規定している。
EIF は、法に基づく規定、およびEIF理事会の承認を受けた信用リスク運用指針、またはマンデート
に基づき定められた指針を受けた、保守的な方針の枠組み内で、エクスポージャーとリスクを管理し
ている。
信用リスク管理指針は、進化している業務環境を盛り込み、グループが受領する新たなマンデート
に対応できるよう、定期的に調整されている。
信用リスクの管理は、カウンターパーティーに関する信用リスクの水準およびカウンターパー
ティーの支払不能に備えてEIBに供された担保の水準の評価に基づいている。
S.2.2. 最大信用リスク・エクスポージャー(担保およびその他の信用補完を考慮しない場合)
次の表は、デリバティブを含め、連結貸借対照表構成要素の最大信用リスク・エクスポージャーを
示したものである。最大エクスポージャーの値は、担保設定契約によってリスクを軽減した影響を考
慮する前の総額で表示している(注S.2.3.4)。
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2020 年12月31日 2019 年12月31日
最大エクスポージャー(単位:百万ユーロ)
金融資産:
AC で測定される金融資産 534,619 527,720
強制的にFVTPLで測定される金融資産 19,546 16,719
リスク管理のために保有するデリバティブ資産 53,286 49,789
FVTPL での測定に指定された金融資産 18,267 20,522
515 493
FVOCI での測定に指定された金融資産
626,233 615,243
合計
オフ・バランスシート項目:
偶発債務および保証 21,982 20,546
契約債務
- 未実行金額
114,063 112,571
- ベンチャー・キャピタル事業への未実行額
5,391 5,412
4,210 4,597
- その他
145,646 143,126
合計
771,879 758,369
信用リスク・エクスポージャー合計
S.2.3. 貸付金の信用リスク
S.2.3.1. 金融機関および対顧客貸付金および預け金に関する信用リスクの測定
貸付業務に関しては、(予想損失法に基づく)内部貸付金格付システムが導入されている。同シス
テムは、貸付査定プロセスおよび信用リスク監視の重要な部分を占めており、それが適切な場合に
は、信用リスク価格決定の基準点でもある。
貸付金格付(「LG」)システムは、貸付業務の信用リスク評価と予想損失見積りの計量をサポート
する方法、プロセス、データベースおよびITシステムで構成されている。同システムは、貸付金の信
用リスクの相対的順位を決定するため、大量の情報を集約している。LGは、存続期間における「予想
損失」見積りレベルの現在価値を反映しており、デフォルト確率、リスク対象貸付金エクスポー
ジャーおよびデフォルト時損失率の積の正味現在価値として計算される。LGは、次の目的で用いられ
ている。
- 貸付金のリスク評価をより精密かつより定量化するための支援ツールとして
- モニタリングの取組みに優先順位付けをするための信用リスク変動の指標として
- 特定の日付における貸付金ポートフォリオの質を示すツールとして
- 一般貸倒準備金の年間追加分を算出するベンチマークとして
- リスク・プライシングの決定におけるインプットとして
LG の決定に当たっては、次の要素が使用される。
i) 債務者の信用度:RMが独自で債務者を審査し、グループ内の方法と外部データに基づきその
信用度を評価する。選択したバーゼルIIIの内部格付に基づく手法に従い、EIBは債務者と保
証人の内部格付を決定する内部格付方法(「IRM」)を開発した。これは、定義されたカウン
ターパーティーの種類に応じた一連のスコア・シートに基づくものである。
ii) デフォルトの相関性:債務者と保証人の双方が、同時に資金繰りが苦しくなる可能性を計量
する。債務者と保証人のデフォルトの相関性が高いほど、保証の価値が減ずるため、LGも低
くなる(悪化する)。
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iii) 保証手段および有価証券の価値:これらの価値は、発行体の信用度と保証手段の種類とを考
え合わせて評価される。
iv) 適用される回収率:関連する取引相手ごとのデフォルト後の回収見込み額を、関連する貸付
金エクスポージャーに対する割合で表す。
v) 契約の枠組み:貸付金の質が高い上に、契約の枠組みが盤石であるならば、LGも高くなる。
vi) 貸付期間または、より一般的には、貸付金のキャッシュ・フロー:他の要素がすべて等しい
ならば、貸付期間が長いほど、貸付金の返済で問題が生じるリスクが高くなる。
貸付金の予想損失は上述した6要素を組み合わせて計算され、改訂公正価値オプションの適格基準
に合致する貸付金で、当初損益を通じた公正価値評価に指定されたものの公正価値を算定する。この
予想損失の水準に応じて、貸付金は下に記載されたLG種類のいずれかに割り当てられる。
「A0」はEU加盟国への貸付金またはEU加盟国による保証が付加されている貸付金で構成され、予想
損失率は0%である(満期時にEIBの資産の全額の回収を保証しているとみなされるEIBの優先債
権者ステータスおよび法定の保護に基づく)。
「A」は、貸付期間にわたり信用度が悪化しない、または悪化は限定的と予想されるEU加盟国を除く
事業体に供与される貸付金(またはかかる事業体による保証が付加されている貸付金)で構成さ
れる。
「B」高い質の貸付金:将来若干悪化する可能性は排除できないものの、EIBが不安はないと判断し
た資産クラスを示す。「B+」および「B-」はそのような悪化が生じる可能性の大小を示すのに用
いられる。
「C」良好な質の貸付金:一例が、手堅い銀行や企業への無担保貸付金であって、満期の期間が合理
的であり、十分な保護条項が定められているものである。
「D」容認可能な信用力の貸付金(D+として指定)と、これよりも劣るリスク特性を伴う貸付金(D-
として指定)との間の境界。LGがD-以下の貸付は特別活動(後述のセクションを参照)に分類さ
れ、具体的な規模の制限、準備金の割当ておよびリスク値付け規則を含む固有の規則の適用を受
ける。
「E」は、高リスク特別活動貸付として明示的に承認された貸付金、または信用度が大幅に悪化し
て、これよりも高い貸付金格付カテゴリーと比べ、損失が発生しない可能性が低い貸付金で構成
される。下位区分である「E+」と「E-」は、貸付金のリスク特性をさらに識別するものであり、
E-格の貸付業務は、期日どおりの債務返済を維持することができないために何らかの形での債務
再構築を要する可能性があり、減損損失が生じるおそれのあるものである。
「F」(失格)は、許容範囲以上のリスクを伴う貸付金を示す。「F」格の貸付金が発生するのは、
完済されていない貸付取引が契約後に不測の異例で劇的な悪状況に見舞われた場合に限られる。
「F」格の取引には、固有の引当金が設定されている。
一般的に、内部格付が「D-」格以下の貸付金は、内部貸付金格付に基づく要注意リストに掲載され
る。しかしながら、貸付金が当初「D-」格以下のリスク特性で承認されていた場合、当該貸付金は、
重大な信用事象により承認時のものを下回るLG区分への悪化がもたらされた場合にのみ、要注意リス
トに入れられる。
グループによるIFRS第9号のステージ評価は、カウンターパーティーまたは商品に固有の情報を用
いた段階的アプローチに基づいており、これは特に貸付金格付に基づく要注意先リスト、内部格付お
よび延滞をカバーする信用リスク・ガイドライン(「CRG」)ならびに財務モニタリング・ガイドライ
ンおよび手続き(「FMG」)に記載された方針と整合している。
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各貸付金の案件ごとの分析に加えて、EIBはEIBの経済資本の枠組みを用いて信用エクスポージャー
をポートフォリオ・レベルで閲覧できる機能を開発した。ここでは、様々な債務者が共通のリスク・
パ ラメーターに依存していることによって生じる集中と相関の影響が統合して表示される。ポート
フォリオの信用リスクの側面を付け加え、不測の損失(すなわち、一定の信頼レベルまでの範囲で予
想される損失を超えて発生する可能性のある損失)に焦点を当てることにより、LGの取引ごとのアプ
ローチを補完することができ、その結果、EIBの貸付残高の中の信用リスクをさらに厳密かつ総合的に
査定することが可能になる。
いずれの時点においても、EIBが供与する貸付金および保証の総額は、定款で定められたギアリング
比率(定款第16.5条)で制限されている。この比率を算出するために、EIBは欧州連合会計指令
(「AD」)の枠組みによるデータを使用している。2020年度末時点で、EIBの定款で定められたギアリ
ング比率は、EU指令に基づくEIB単独の財務書類に基づくと203.0%(2019年:204.5%)、EU指令に基
づく連結財務書類に基づくと205.8%(2019年:208.9%)であった(定款第16.5条に基づく上限は
250%)。
S.2.3.2. 欧州連合または加盟国による保証で担保されている貸付金
欧州連合域外への貸付金(EIBの自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラスト
(*)
ラクチャー・パッケージ保証 に基づくものを除く)は、最終的には、欧州連合予算や加盟国(ACP
諸国およびOCTへの貸付金の場合)の保証により担保されている。こうした保証は、包括型(すべての
リスクが対象)か、または定義された政治リスク(送金の停止、収用、戦争または市民暴動、契約違
反時の裁判拒否)に限定されているかのいずれかである。
欧州連合および加盟国は、保証条件に従い、各ポートフォリオに組み入れられている一連の契約済
(1)
貸付業務の最大65%、70%、75%および100%まで信用補完を提供している。グループは、個別貸
付金それぞれに伴う信用リスクが完全に保証されていると考えており、そのためこれらを注S.2.3(貸
(2)
付業務に係る信用リスク) の値に算入していない。
(*) EIBの自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保
証は、総務会によって決定された地理別またはテーマ別の貸付フレームワークである。EIBの自己の
リスク負担のファシリティ群に基づく貸付およびコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保
証は、EIBの自己資金での取引であり、EIBは全額の自己リスクまたは信用補完による残余リスクを負
担する。
欧州連合または加盟国の保証により担保されている実行済貸付金の帳簿価額は2020年12月31日現在
30,633百万ユーロ(2019年:29,859百万ユーロ)、2020年12月31日現在の未実行分は21,536百万ユー
ロ(2019年:20,223百万ユーロ)である。これらの値には、欧州連合加盟前に供与され、欧州連合ま
たは加盟国による保証が付されている欧州連合の現加盟国への貸付金も算入されている。
(1) 2007年8月1日および29日に欧州委員会との間で締結した保証契約の下で、2007年4月17日以降に締
結された欧州連合保証の貸付は、「融資実行総額」の最大65%を対象とするものとされる。信用補完
は、ファースト・ロス補償の形態で提供される。貸付に関連してグループが負担する残余リスクは、
グループの基礎的与信規則および手続きに従って管理される。
(2) 信用リスクが全額カバーされているとみなされる欧州連合または加盟国の保証に基づき契約されたエ
クスポージャーは、48,755百万ユーロ(2019年:46,113百万ユーロ)であった。
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S.2.3.3. 貸付金による信用リスク・エクスポージャーの分析
次の表は、グループがリスクを負担するすべてのエクスポージャーについて、契約済・実行済貸付
金(金融機関貸付金および預け金の要求払とその他の貸付金および預け金は除く)の最大信用リス
ク・エクスポージャーと、一部の契約済であるものの未実行分の内訳を示したものである。よって、
欧 州連合予算または加盟国により担保されている欧州連合予算域外の貸付金は、算入されていない
(注S.2.3.2参照)。
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保証人
2020 年 実行済分 契約済
(1)
無保証
( 単位:百万ユーロ) 合計 未実行分
企業 銀行 公共機関 国
企業 33,209 9,892 4,476 10,153 89,356 147,086 23,108
銀行 15,104 16,852 17,049 27,947 23,785 100,737 29,384
債務者
公共機関 180 187 20,835 31,392 73,165 125,759 27,004
0 0 0 0 49,651 49,651 13,449
国
(2)(3)(4)(5)
48,493 26,931 42,360 69,492 235,957 423,233
実行済合計
(2)(3)(4)
契約済未実行分
7,066 2,689 8,910 14,588 59,692 92,945
(5)
保証人
2019 年
実行済分 契約済
(1)
無保証
( 単位:百万ユーロ) 合計 未実行分
企業 銀行 公共機関 国
企業 31,590 10,677 4,859 10,397 88,453 145,976 25,621
銀行 17,414 18,454 18,928 28,832 23,731 107,359 27,329
債務者
公共機関 190 210 20,801 31,662 69,804 122,667 27,610
0 0 0 0 48,148 48,148 12,787
国
(2)(3)(4)(5)
49,194 29,341 44,588 70,891 230,136 424,150
実行済合計
(2)(3)(4)
契約済未実行分
7,168 4,630 9,077 14,106 58,366 93,347
(5)
(1) これらの金額には、債務者の支払能力自体が妥当な担保となっているため、債務者および貸付金自体以外の正式な
保証が不要な貸付金も含まれている。所定の事由が発生した場合には、適切な契約条項により、EIBが独立した担保
を請求できる権利が確保されている。
(2) 2020年12月31日現在のリスク・シェアリング業務(加盟国または政治リスク保証の形でのEU予算により信用補完さ
れている)における貸付金は、3,414百万ユーロ(2019年:3,969百万ユーロ)であった。
(3) これらの金額には、代替貸付金(2020年:20,173百万ユーロ、2019年:20,788百万ユーロ)は算入されていない。
(4) これらの金額は、欧州連合への加盟前に供与され、欧州連合予算または加盟国の保証が付されている欧州連合の現
加盟国への貸付金を除いている。
(5) グループは、EFSI SMEウィンドウ契約に関連して、コミットメント総額が3,300百万ユーロ(2019年:3,300百万
ユーロ)を超えない資金供与枠を締結した。グループは、確定的なコミットメントがそれぞれの基礎的リスク込み
で締結され、資金供与枠の引出が予期される場合に、未実行エクスポージャーを認識する。
貸付業務に関しては、2020年12月末現在の銀行セクターに対するグループの直接的エクスポー
(3)
ジャー は計130,121 百万ユーロ(2019年:134,688百万ユーロ)であり、2020年12月31日現在の実
行済貸付金および未実行貸付金の合計516,178百万ユーロ(2019年:517,497百万ユーロ)の25.2%
(2019年:26.0%)に相当する。
(3) 契約済未実行金額を含む。
2020年12月末現在の企業への無担保貸付金は107,657百万ユーロである(2019年:108,247百万ユー
ロ)。法人顧客に対する無担保エクスポージャーは相対的な限度枠で統制されており、一般的には個
別エクスポージャーの上限はグループの自己資本の5%相当とされている。グループは、様々な業種
別限度枠も導入している。
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EIB は、その貸付金エクスポージャーに対して提供される担保や保証に加え、リスク・シェアリン
グ・マンデートを対象に金融保証の形で欧州連合により提供される追加的な信用補完も享受してい
る。
S.2.3.3.1. 貸付金の信用の質
(4)
内部格付 が「A」から「D+」の貸付金は、2020年12月31日現在の貸付金ポートフォリオの97.8%
を占めた。この比率は、2019年12月31日現在では97.9%であった。内部格付が「D-」以下の貸付金
(特別活動準備金の割当対象となるもの)の割合は、貸付金ポートフォリオのうちの2.2%(2019年:
2.1%)で、金額では112億ユーロ(2019年:108億ユーロ)であった。
(4) 貸付金格付には、外部保証人によってポートフォリオ・ベースで提供された信用補完が反映されてい
る。
当年度中、貸付金ポートフォリオの信用の質は僅かに悪化し、高度のモニタリングの対象となる内
部貸付金格付に基づく要注意リストの貸付金(契約時にD+以上であったもののD-以下に格付されたす
べての貸付金、および契約時にD-以下であったものの重大な信用事象が判明しLGが引き下げられた他
のすべての貸付金)は7,448百万ユーロとなった(2019年:5,942百万ユーロ)。
全般的に不透明な状況にもかかわらず、グループが十分な水準の担保および保証に基づくリスク管
理戦略や貸付金契約に含まれる標準的な保護条項に依拠していることから、グループの貸付金ポート
フォリオの信用度は引き続き高水準で維持されている。
信用リスクを軽減するため、グループは次の手段等を用いている。
- 許容範囲内の信用の質に対する第三者による保証
- 金融担保
- 抵当、収益請求権等
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債務者の種類別の信用の質の分析
以下の表は、契約済貸付金(実行済および未実行の貸付金)のエクスポージャーに基づき、2020年
12月31日および2019年12月31日現在のグループの貸付金ポートフォリオの信用の質的分析を貸付金格
付別に分析したものである。
最低限
エクイティの
標準的
2020 年
種類に基づく
ソブリン 高格付 許容可能な 高リスク
格付
合計 ECL
リスク
リスク
( 単位:百万ユーロ)
A0 A からB- C D+ D- 以下
実行済
ステージ1
貸付金 97,002 222,865 27,550 10,931 2,723 該当なし 361,071 73
ステージ2 10,241 19,619 3,403 3,902 3,710 該当なし 40,875 227
ステージ3 39 617 302 9 1,252 該当なし 2,219 308
1,818 10,829 2,374 1,146 1,124 1,777 19,068 該当なし
FVTPL 指定
2020 年の合計 109,100 253,930 33,629 15,988 8,809 1,777 423,233 608
最低限
エクイティの
標準的
2020 年
種類に基づく
ソブリン 高格付 許容可能な 高リスク
格付
合計 ECL
リスク
リスク
( 単位:百万ユーロ)
A0 A からB- C D+ D- 以下
未実行 ステージ1
25,290 39,638 13,250 8,305 1,491 該当なし 87,974 10
金額 ステージ2
76 1,266 300 53 792 該当なし 2,487 37
ステージ3
0 0 0 0 67 該当なし 67 3
FVTPL 指定
0 139 89 0 0 2,189 2,417 該当なし
2020 年の合計 25,366 41,043 13,639 8,358 2,350 2,189 92,945 50
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最低限
エクイティの
標準的
2019 年
種類に基づく
ソブリン 高格付 許容可能な 高リスク
格付
合計 ECL
リスク
リスク
( 単位:百万ユーロ)
A0 A からB- C D+ D- 以下
実行済
ステージ1
貸付金 99,584 230,703 28,693 8,731 3,069 該当なし 370,780 63
ステージ2 8,655 13,215 3,825 1,684 2,982 該当なし 30,361 231
ステージ3 0 55 368 10 1,565 該当なし 1,998 458
3,281 10,360 3,766 1,187 1,148 1,269 21,011 該当なし
FVTPL 指定
2019 年の合計 111,520 254,333 36,652 11,612 8,764 1,269 424,150 752
最低限
エクイティの
標準的
2019 年
種類に基づく
ソブリン 高格付 許容可能な 高リスク
格付
合計 ECL
リスク
リスク
( 単位:百万ユーロ)
A0 A からB- C D+ D- 以下
未実行 ステージ1
24,257 42,351 15,764 5,334 1,363 該当なし 89,069 9
金額 ステージ2
1,039 253 3 225 721 該当なし 2,241 53
ステージ3
0 10 0 0 0 該当なし 10 0
FVTPL 指定
0 225 94 0 0 1,708 2,027 該当なし
2019 年の合計 25,296 42,839 15,861 5,559 2,084 1,708 93,347 62
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各内部リスク格付の信用リスク・エクスポージャー
グループはバーゼル規制の基準に従った内部格付手法に沿った内部格付法を使用している。グルー
プの大部分のカウンターパーティーには、この方法により内部格付が割り当てられている。次の表
は、グループの貸付金ポートフォリオの内訳を、債務者と保証人のいずれか内部格付の高い方の格付
別に示したものである。内部格付が決まっていない場合は、ここでの分析に外部の格付を用いた。
次の表は、限度枠管理に用いているグループ内の方法に基づき、契約済貸付金(実行済および未実
行の貸付金)の両方のエクスポージャーを示したものである。
( 単位:百万ユーロ) 2020 年
信用減損の 信用減損の
12 ヵ月ECL FVTPL 合計
ない全期間 ある全期間
ECL ECL
償却原価で測定される金融機関および
対顧客貸付金および預け金
内部格付 1-最小信用リスク 4,339 290 81 0 4,710
内部格付 2-非常に低い信用リスク 59,039 1,554 56 2,122 62,771
内部格付 3-低信用リスク 129,363 5,830 250 4,253 139,696
内部格付 4-中程度の信用リスク 135,167 6,573 58 6,985 148,783
内部格付 5-財務的に脆弱な貸付先 30,784 19,590 0 2,456 52,830
内部格付 6-高信用リスク 2,357 6,699 37 1,322 10,415
内部格付 7-非常に高い信用リスク 22 339 39 0 400
内部格付 8-デフォルト状態の貸付先 0 0 1,698 153 1,851
FVTPL で測定される金融機関および
該当なし 該当なし 該当なし 1,777 1,777
対顧客貸付金および預け金
361,071 40,875 2,219 19,068 423,233
帳簿価額
-73 -227 -308 該当なし -608
貸倒引当金
貸付コミットメント
内部格付 1-最小信用リスク 1,077 0 0 0 1,077
内部格付 2-非常に低い信用リスク 15,479 0 0 0 15,479
内部格付 3-低信用リスク 25,170 351 0 0 25,521
内部格付 4-中程度の信用リスク 32,636 640 0 89 33,365
内部格付 5-財務的に脆弱な貸付先 11,806 1,323 0 139 13,268
内部格付 6-高信用リスク 1,608 164 0 0 1,772
内部格付 7-非常に高い信用リスク 198 9 0 0 207
内部格付 8-デフォルト状態の貸付先 0 0 67 0 67
該当なし 該当なし 該当なし 2,189 2,189
FVTPL
87,974 2,487 67 2,417 92,945
帳簿価額
-10 -37 -3 該当なし -50
貸倒引当金
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( 単位:百万ユーロ) 2019 年
信用減損の 信用減損の
12 ヵ月ECL FVTPL 合計
ない全期間 ある全期間
ECL ECL
償却原価で測定される金融機関および
対顧客貸付金および預け金
内部格付 1-最小信用リスク 4,696 17 0 9 4,722
内部格付 2-非常に低い信用リスク 65,591 498 66 2,415 68,570
内部格付 3-低信用リスク 134,295 1,209 270 4,458 140,232
内部格付 4-中程度の信用リスク 136,326 1,497 0 9,097 146,920
内部格付 5-財務的に脆弱な貸付先 27,431 19,047 12 2,266 48,756
内部格付 6-高信用リスク 2,441 7,611 80 1,292 11,424
内部格付 7-非常に高い信用リスク 0 482 0 0 482
内部格付 8-デフォルト状態の貸付先 0 0 1,570 205 1,775
FVTPL で測定される金融機関および
該当なし 該当なし 該当なし 1,269 1,269
対顧客貸付金および預け金
370,780 30,361 1,998 21,011 424,150
帳簿価額
-63 -231 -458 該当なし -752
貸倒引当金
貸付コミットメント
内部格付 1-最小信用リスク 797 0 0 0 797
内部格付 2-非常に低い信用リスク 15,094 0 0 0 15,094
内部格付 3-低信用リスク 28,904 0 0 0 28,904
内部格付 4-中程度の信用リスク 30,920 114 0 94 31,128
内部格付 5-財務的に脆弱な貸付先 12,115 1,173 0 178 13,466
内部格付 6-高信用リスク 1,202 832 0 47 2,081
内部格付 7-非常に高い信用リスク 37 122 0 0 159
内部格付 8-デフォルト状態の貸付先 0 0 10 0 10
該当なし 該当なし 該当なし 1,708 1,708
FVTPL
89,069 2,241 10 2,027 93,347
帳簿価額
-9 -53 0 該当なし -62
貸倒引当金
グループは債務者と保証人、特に銀行に影響を及ぼす事象を継続的に監視している。中でもグルー
プは、格下げされた場合の契約上の権利を個別に評価し、影響軽減策を模索している。また貸付金に
供与されている銀行保証の更新状況も綿密に追跡調査し、必要な場合には適時に保証が差し替えられ
ていること、あるいは措置が講じられていることを確認している。
EIBおよびEIFの優先債権者の地位およびEIB定款による保護は、満期時におけるグループ資産の全額
回収を保証すると思われるため、グループは期末現在、欧州連合加盟国ソブリン債および欧州連合加
盟国ソブリン保証債のエクスポージャーに関して、減損を計上しなかった。
保証を含むグループの貸付業務を通じた英国に所在している債務者に対する実行済のエクスポー
ジャーは、2020年12月31日現在、324億ユーロ(2019年:378億ユーロ)であり、英国の保証人が存在
する外国の債務者に対するエクスポージャーは、10億ユーロ(2019年:13億ユーロ)であった。2020
年12月31日および2019年12月31日のいずれの時点でも、グループは、英国を債務者とする直接的なエ
クスポージャーを有しておらず、また英国が保証する実行済の貸付金は、2020年12月31日現在で21億
ユーロ(2019年:22億ユーロ)であった。
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以下の表は、EIBの自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・
パッケージ保証およびリスク・シェアリング業務に基づいて欧州連合域内および欧州連合域外で供与
された貸付金に係るソブリン信用リスクに関する情報を開示している。
2020 年 2019 年
( 単位:百万ユーロ)
保証人と 保証人と
債務者となっているもの 債務者となっているもの
なっている なっている
もの もの
国名 実行済金額 未実行金額 契約済金額 実行済金額 未実行金額 契約済金額
オーストリア 0 0 33 0 0 39
ベルギー 0 0 68 0 0 83
ブルガリア 1,241 0 110 966 300 110
クロアチア 694 210 3,174 630 300 3,077
キプロス 899 222 1,466 938 242 1,423
チェコ共和国 1,257 743 0 1,512 453 16
デンマーク 0 0 240 0 0 244
エストニア 525 0 99 597 0 106
フィンランド 6 0 59 11 0 70
フランス 0 0 3,049 0 0 3,005
ドイツ 0 0 1,394 0 0 1,415
ギリシャ 9,344 695 9,648 9,151 769 8,544
ハンガリー 6,265 985 1,133 6,062 1,381 977
アイルランド 1,478 225 1,138 1,318 370 1,330
イタリア 4,045 1,720 6,715 3,263 1,100 4,619
ラトビア 395 400 21 410 400 30
リトアニア 2,216 0 51 1,536 0 53
ルクセンブルク 302 0 245 302 0 254
マルタ 0 72 333 0 72 339
オランダ 0 0 74 0 0 80
ポーランド 7,373 1,380 18,458 8,263 540 18,819
ポルトガル 1,319 400 4,561 1,359 400 4,223
ルーマニア 1,944 1,647 0 1,600 2,130 0
スロバキア 2,675 641 50 2,306 989 50
スロベニア 613 400 1,750 618 400 1,850
スペイン 5,421 0 24,435 5,777 400 26,127
スウェーデン 0 0 52 0 0 45
(1)
(*)
1,639 3,709 5,724 1,529 2,541 8,069
非EU加盟国
49,651 13,449 84,080 48,148 12,787 84,997
合計
(1) うち、1,423百万ユーロは、欧州連合域内業務に係る欧州連合加盟国政府債の担保である。
(*) 2020年1月31日付の英国の離脱の結果、2019年における比較対象数値は、EU諸国から非EU諸国に組み替えられてい
る。
さらに注S.2.3.2に記載したとおり、欧州連合域外への貸付金(EIBの自己のリスク負担のファシリ
ティ群に基づく貸付またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保証に基づくものを除
く)は、最終的には、欧州連合や加盟国(アフリカ、カリブ海および太平洋諸国ならびに海外の属国
および属領への貸付金の場合)の保証により担保されている。このカテゴリーに該当する貸付金の
2020年12月31日現在の契約済エクスポージャーは、計52,169百万ユーロ(2019年:50,082百万ユーロ
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(5)
)である。この52,169百万ユーロのうち、47,965百万ユーロ(2019年:45,813百万ユーロ)は欧州
連合の保証が付され、4,204百万ユーロ(2019年:4,269百万ユーロ)は加盟国により保証が付されて
い る。
(5) このうち3,414百万ユーロ(2019年:3,969百万ユーロ)は、リスク・シェアリング業務(加盟国保証
または政治リスク保証の形でのEU予算により信用補完されている)による。
S.2.3.3.2. 貸付金の最大信用リスク・エクスポージャーにおけるリスク集中度
グループの貸付金ポートフォリオは、次の地域別に分析することができる(債務者の所在国に基づ
く)。
2020 年 2019 年
( 単位:百万ユーロ)
契約済貸付金の 契約済貸付金の
エクスポージャー エクスポージャー
(1)
EU 499,909 499,596
そのうち
- ドイツ
44,174 43,468
- スペイン
77,108 78,673
- イタリア
62,289 59,665
- フランス
61,158 58,385
- イギリス
41,324 47,017
(2)
拡大国 5,109 6,702
(3)
11,160 11,199
パートナーシップ参加国
516,178 517,497
合計
(1) EIB定款第16条(旧第18条)に従い総務会の承認を受けた欧州連合域外の貸付金、ならびにEFTA諸国および英国の貸
付金を含む。
(2) 2020年末時点の拡大国は、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、北マケドニア、モンテネグロ、セル
ビア、トルコである。
(3) パートナーシップ参加国の貸付金は、地中海パートナーシップ・ファシリティ、加盟候補国向ファシリティ、リス
ク・シェアリングでの貸付金を含む。
リスク管理の重大な要素は、十分な信用エクスポージャー分散を徹底することである。グループ
は、景気サイクルに敏感に反応しうる業種、変動が激しくなりうる業種、または重大な変化に直面し
ている可能性がある業種に特に注意を払いながら、業種のリスクセクター別のグローバル・エクス
ポージャー(次の表に表示)を追跡調査している。
(債務者の業種に基づく)グループの貸付金ポートフォリオの業種別分析は、次のとおりである。
2020 年 2019 年
( 単位:百万ユーロ)
契約済貸付金の 契約済貸付金の
エクスポージャー エクスポージャー
(1)
サービス 320,698 322,788
運輸 71,941 72,522
エネルギー 49,519 50,196
工業 28,461 27,708
上下水道施設 17,618 17,936
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医療・教育 13,069 12,133
電気通信 9,542 11,004
その他インフラ 4,964 3,025
366 185
農業・漁業・林業
516,178 517,497
合計
(1) 「サービス」には、銀行セクターの信用エクスポージャーも算入されている。2020年末現在、銀行セクターの貸付
先に対する直接的なエクスポージャーは、計130,121百万ユーロ(2019年末:134,688百万ユーロ)であった。貸付
先の銀行に対するエクスポージャーには、経営委員会の承認を受けた限度枠が設けられている。特定の場合には、
限度枠を一時的に停止、制限、あるいは取消した。グループは公表されるニュース、特に外部格付の変更を日々追
跡調査している。
グループでは、単一の債務者、債務者群または業種への貸付可能額に上限を設けている。加えて、
期待ショートフォールの概念に基づき、信用リスク集中度の動向を追跡調査している。この追跡調査
は、債務者の信用の質的変化に伴う債務価額の変動に起因するポートフォリオ・リスクの評価ツール
を用いて行っている。この方法はポートフォリオ全体のリスクを評価すると同時に、債務者間の信用
の質の変化の相関性も監視していることが重要である。これにより、グループはポートフォリオの分
散のメリットまたは過度の集中の可能性を直接算定できる。
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次の表は、グループが追跡調査している集中度指標の2020年12月31日および2019年12月31日現在の
値を示したものである。
2019 年
2020 年
(1)
額面ベースのグループ・エクスポージャー上位
(4)
12月31日
12月31日
額面ベースのエクスポージャー
(グループの貸付金ポートフォリオに対する割合)
上位3件 4.2% 4.5%
上位5件 6.4% 6.5%
上位10件 10.9% 10.8%
(2)
エクスポージャー件数
(グループの自己資本に対する割合)
10 %超 3 3
15 %超 0 0
20 %超 0 0
グループの自己資本の5%を超えるSSSRの
2 2
(3)
エクスポージャー件数
(1) このエクスポージャーの定義は、ソブリンおよび準ソブリンを除く債務者/保証人に適用され、全額が明示的なソ
ブリン保証の対象である貸付金を除外する。
(2) 財務業務の市場エクスポージャー純額も含む。
(3) 契約書の署名数に関係なく、グループが独立した第三者または他の形の自律的担保に対する実質的な請求権を持っ
ていない場合の貸付業務を示すため、「シングル・シグネチャー」かつ「シングル・リスク」(端的には「無担
保」あるいは「SSSR」)の貸付金という表現が用いられる。
(4) 当年度の計算方法に準拠するために、比較対象数値は調整されている。
S.2.3.3.3. 貸付金に係る延滞
延滞額の特定、監視、報告は、全行的な「財務的監視ガイドラインおよび手続き」に定義される手
続きに従って行われている。こうした手続きは、銀行業務のベストプラクティスに沿っており、EIBが
管理するすべての貸付金について適用される。
1. 欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証により担保されていない貸付金の延滞:
2020年12月31日現在、自己資金源からの貸付金で90日を超える延滞が生じ、欧州連合または加盟国
の包括保証により担保されていないものは、117.1百万ユーロ(2019年:146.0百万ユーロ)である。
2020年12月31日現在のこれらの延滞が生じている貸付金に関連する元本額面金額は、187.8百万ユー
ロ(2019年:200.0百万ユーロ)である。これらの延滞が生じている貸付金契約は、減損引当金136.9
百万ユーロ(2019年:164.9百万ユーロ)によりカバーされている。
2020年中、請求払民間保証に基づく保証の履行請求は行われなかった(2019年:88.6百万ユー
ロ)。
2a. 欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証(請求可能)により担保されている貸付金
の延滞:
このような貸付金については、期限を超過した場合に、該当する場合はまず第一次保証の履行の請
求が行われ、それ以外の場合は加盟国または欧州連合による保証の履行が正式に請求される。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
2020年12月31日現在、こうした90日超の延滞が生じている額は4.0百万ユーロ(2019年:2.3百万
ユーロ)であった。
2b. 欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証により担保されている貸付金の延滞につい
ての保証請求:
2020年中、52.4百万ユーロの欧州連合による保証の履行の請求が行われ、加盟国保証の履行の請求
はなかった。2019年における対応する金額は、それぞれ54.8百万ユーロおよびゼロであった。
2020年中、以前に欧州連合または加盟国による保証に基づく請求が行われた金額のうち、0.7百万
ユーロが返金された。2019年における対応する金額は、0.1百万ユーロであった。
(6)
2020年12月31日現在、欧州連合または加盟国から受けている信用補完 の額面金額合計は、
28,261.4百万ユーロ(2019年:28,083.9百万ユーロ)である。
(6) 最終的に欧州連合予算や加盟国の保証により担保されている欧州連合域外への貸付金を除く。
貸付金の再交渉と支払猶予
グループは、支払猶予措置がとられた貸付金を、支払猶予貸付金(すなわち、貸付金、負債証券お
よびローン・コミットメント)とみなしている。支払猶予措置はグループの「譲歩」によるもので、
財務困難により契約上の債務返済条項を遵守できないとみなされる債務者に対して、債務返済または
契約の全部もしくは一部の借換えができるようにするために、グループが決定するものである。エク
スポージャーは、延滞の有無、または当該エクスポージャーが債務不履行に分類されているか否かに
関わらず、譲歩が行われた場合には支払猶予として取り扱う。債務者が財務困難に陥っていない場合
には、当該エクスポージャーは支払猶予として取り扱わない。
通常の事業の過程においては、再交渉の前に問題が生じている貸付金の貸付金格付(LG)は低下し
ており、貸付金は要注意リストに入れられ、減損の「3ステージ」モデルでステージ1からステージ
2に変更される。再交渉後に、EIBは、当該貸付金を厳格に監視し続け、当該金融資産は信用減損があ
るとされ、ステージ3に変更される。その後に貸付金格付が十分に回復した場合には、EIBの手続きに
沿って、当該貸付金はその段階で要注意リストから除かれる。
また、COVID-19のパンデミックによる経済的影響への対策の一環として、グループは、特定の状況
下にある債務者が利用できる多くの支援措置を講じることを決定し、これには (i) 財務制限条項およ
びその他の重要条項の暫定的な条件緩和(権利放棄を含む)、(ii) 新たな返済スケジュールの設定ま
たは返済義務の一時凍結によるキャッシュ・フローの再構築、ならびに (iii) 新規契約の締結、ロー
ンの実行前倒しおよび債務者貸付の増額など、その他の一定の補完的支援策が含まれる。グループ
は、具体的状況における制約の下で、かかる措置の申請を案件ごとに評価している。これらの措置
は、COVID-19のパンデミックの経済的影響から一時的な影響を受けながらも構造的財政困難や支払能
力の懸念を生じておらず、かつかかる措置を与える時点で継続企業と認められる債務者に対して提供
していく。 評価の結果として、債務者がこれらの要件を満たさない場合、またはグループが債務者の
ビジネスモデルの長期的持続可能性についてリスクを特定した場合に、グループは他の適切な措置を
検討し、必要な場合にはグループの標準的な条件変更のプロセスに従う。
グループが報告期間中に着手した支払猶予措置および手続きには、返済期限の延期、元本返済のみ
の繰延、元利返済の繰延、重大な財務制限条項の破棄および延滞金の元本算入が含まれるが、これら
に限定されるわけではない。
支払猶予措置の対象である貸付金は、以下の表のとおりである。
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有価証券報告書
2020 年12月31日 2019 年12月31日
( 単位:百万ユーロ)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
支払猶予措置の対象となった契約件数
81 64 35 39
帳簿価額(金利および延滞金額を含む) 5,025 2,332 1,776 1,940
認識されたECL引当金 17 242 23 327
支払猶予された契約に係る受取利息 139 59 58 58
認識中止されたエクスポージャー
0 28 0 28
(償却/貸付金売却後)
支払猶予措置
契約上の
重大な財務
2019 年 2020 年
返済期限の 元本および
(2)
返済および
( 単位:百万ユーロ)
制限条項の
その他
12月31日 延期 利息の繰延 12月31日
(1)
破棄
契約終了
公共機関 857 0 0 69 2,228 -130 3,024
銀行 300 0 0 1 11 -236 76
2,559 81 226 58 1,769 -437 4,256
企業
合計 3,716 81 226 128 4,008 -803 7,356
(1) 減少は、(i)元本、利息および延滞金額の返済、(ii)2019年12月31日現在で支払猶予貸付金とみなされていた取引に
関して当年度中に発生した償却、ならびに(iii)当期中の契約終了による。
(2) その他は、COVID-19のパンデミックの経済的影響を一時的に被った債務者に供与された、2020年12月31日現在の帳
簿価額合計3,578百万ユーロの支払猶予措置が含まれる。
支払猶予措置
契約上の
重大な財務
2018 年 2019 年
返済期限の 元本および
( 単位:百万ユーロ)
制限条項の その他
返済および
12月31日 延期 利息の繰延 12月31日
破棄
契約終了
公共機関 791 0 0 11 142 -87 857
銀行 135 0 0 179 6 -20 300
2,128 10 37 571 115 -302 2,559
企業
合計 3,054 10 37 761 263 -409 3,716
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S.2.3.4. 貸付金に付する担保
グループは、その貸付金エクスポージャーに関して受領した保証(注S.2.3.3に記載)に加え、金融
有価証券質権も使用する。これらの質権は、関連する法域で執行可能な質権設定契約によって設定さ
れる。質権設定契約により受け取った担保のポートフォリオは、2020年末現在16,193百万ユーロ
(2019年:19,298百万ユーロ)である。
グループが売却するまたは再担保とすることが認められている質権設定契約に基づき、グループが
受け取った担保のポートフォリオの公正価値は、5,149百万ユーロ(2019年:10,189百万ユーロ)であ
る。これらの担保のうち、第三者に売却された、または再担保として差し入れられたものはない。
実行済貸付金に対する保管担保の公正価値は、次のとおりである。
2020 年
保管担保
エクスポー エクスポー
( 単位:百万ユーロ) ECL
ジャー総額 ジャー純額
債券 現金 合計
ステージ1 381,768 11,450 73 11,523 370,245 73
ステージ2 46,830 4,067 387 4,454 42,376 227
ステージ3 3,010 157 0 157 2,853 308
FVTPL 指定 19,262 59 0 59 19,203 0
(*)
450,870 15,733 460 16,193 434,677 608
2020 年の合計
(*) 2020年中にグループが上記の担保権を行使して所有権を取得したものはなかった。
2019 年
保管担保
エクスポー エクスポー
( 単位:百万ユーロ) ECL
ジャー総額 ジャー純額
債券 現金 合計
ステージ1 390,531 13,740 77 13,817 376,714 63
ステージ2 36,469 4,694 177 4,871 31,598 231
ステージ3 2,814 221 0 221 2,593 458
FVTPL 指定 21,225 297 92 389 20,836 0
(*)
451,039 18,952 346 19,298 431,741 752
2019 年の合計
(*) 2019年中にグループが上記の担保権を行使して所有権を取得したものはなかった。
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S.2.3.5. 将来の経済状況に対するECLの感応度
ECL は、将来を見越したシナリオの形成に関しての判断および仮定に対する感応度が高い。グループ
は、重要な資産クラスについて認識されたECLの感応度分析を実施している。
将来の経済状況の予測(マクロ経済シナリオを介して)は、損失引当金の計算へのインプットであ
る条件付リスク・パラメーターを作成する予測モデルへのインプットである。
シナリオは、経済活動の主要尺度であるGDPにショックを与えることで得られる。実質GDPに対する
ショックは、過去の変数のボラティリティを複製するためにその水準が調整される。加えて、規模の
水準を調整するために、専門家の判断が適宜適用され、長短金利もマクロ経済シナリオの一環として
モデル化されて含められる。各シナリオに割り当てられる確率は、市場(ボラティリティ)指標、お
よび不確実性を捕捉するために長期にわたって一貫して使用された内部開発の指標を反映して決めら
れる。プラスおよびマイナスのショックの加重は、経済におけるリスクのバランスに左右される。マ
イナスおよびプラスショックの確率はそれぞれ35%および15%であり、最後に行われた計算において
四半期ごとの予測で適用された。
以下の表は、金融機関および対顧客貸付金および預け金に係る損失引当金を示している。将来を見
越したシナリオのそれぞれ(例えば、ベースライン、楽観的、悲観的)は、3シナリオ全体にシナリ
オ確率加重を適用するのではなく、100%加重される。
2020 年12月31日現在
楽観的 ベースライン 悲観的
(単位:百万ユーロ)
エクスポージャー総額
金融機関 103,397 103,397 103,397
308,620 308,620 308,620
対顧客
貸倒引当金
金融機関 99 118 148
410 463 540
対顧客
2019 年12月31日現在
楽観的 ベースライン 悲観的
(単位:百万ユーロ)
エクスポージャー総額
金融機関 109,346 109,346 109,346
303,460 303,460 303,460
対顧客
貸倒引当金
金融機関 153 155 157
590 596 602
対顧客
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S.2.4. 財務取引および代替貸付金の信用リスク
S.2.4.1. 財務取引および代替貸付金の信用リスクの測定
財務投資は、(i)流動性維持を主な目的とした短期金融市場の財務資産、(ii)第二の流動性供給源と
しての有価証券流動性ポートフォリオ、(iii)欧州連合のソブリン債で構成する長期ヘッジ・ポート
フォリオ(以前の投資ポートフォリオ)、の3つに分かれる。
代替貸付金ポートフォリオは、カバード・ボンドと資産担保証券(「ABS」)で構成されている。カ
バード・ボンドは発行体に対する全面的遡及権があるのに対して、ABSは、原証券を裏付けに、特別目
的事業体が発行する。カバード・ボンドは大部分が住宅抵当のプールで裏付けられている一方、大半
のABSの仕組ではSME向け貸付金またはリースによって証券化されている。
こうした取引の一部は、与信またはプロジェクト関連の救済措置を付け加えて組成されており、追
加的な回収手段を提供する。
財務取引に関する信用リスク管理方針の遵守状況は、カウンターパーティーに対して設定されてい
る資金取引および債券取引の与信限度枠を通じて監視されている。各カウンターパーティーの加重エ
クスポージャーが承認を受けている限度枠を超えることは禁じられている。
代替貸付金について、規制や格付会社によって組み込まれた信用リスク軽減手段および要件は、発
行体に信用事象が生じた場合に発動される一次的な救済策となる。上記のとおり一部のABS取引では、
与信またはプロジェクト関連の救済策が用意されており二次的な救済策となる。3件の代替貸付金取
引は、EIBの要注意リストに入れられている(2019年:2件の代替貸付金取引)。
財務ポートフォリオ(有価証券、コマーシャル・ペーパー、定期預金等)関連の信用リスクは、健
全なカウンターパーティーおよび発行体を選択することにより管理されている。
有価証券ポートフォリオの構成割合および財務商品残高の限度額は、主として、内部格付および格
付会社がカウンターパーティーに付与した格付を基にして、経営陣が設定している(この限度枠は、
リスク管理部門により定期的に見直しが行われる)。
グループは、取引のカウンターパーティーが契約債務を履行できなかった場合に信用リスクにさら
される可能性のある有担保リバース・リパーチェスおよびリパーチェス契約取引を行っている。グ
ループは、カウンターパーティーの信用エクスポージャーおよび担保価値を日次でモニターし、必要
に応じて、グループに追加担保を差し入れるよう要求することで、これらの業務に関連した信用リス
クを統制している。
三者間リバース・レポは、第三者保管機関と共同で行われる。第三者保管機関は、枠組み契約に
従って特に以下に関する契約条件の遵守を保証する。
- 支払引替渡し
- 担保の検証
- 貸手が要求する担保マージン。これは常に充分かつ充当可能であることが必要であり、保管機
関は、当該有価証券の時価を日々検証しなければならない。
- 契約要件をすべて満たす代替担保の組成
財務投資総額は、様々なポートフォリオおよび分散化された商品(預け金、有価証券およびデリバ
ティブ商品)に配分される。
同等のムーディーズ格付別の信用リスク・エクスポージャー(帳簿価額総額に基づく。)
2020 年
信用減損の 信用減損の
12 ヵ月ECL 合計
ない全期間ECL ある全期間ECL
( 単位:百万ユーロ)
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償却原価で測定される資金運用資産
および代替貸付金
Aaa 40,224 0 0 40,224
Aa1 からAa3 32,629 500 0 33,129
A1 からA3 23,099 0 0 23,099
Baa1 からBaa3 2,337 121 0 2,458
Baa3 未満 517 728 0 1,245
172 0 0 172
格付なし
98,978 1,349 0 100,327
償却原価での帳簿価額総額
-2 -11 0 -13
貸倒引当金
98,976 1,338 0 100,314
償却原価での正味帳簿価額
2019 年
信用減損の 信用減損の
12 ヵ月ECL 合計
ない全期間ECL ある全期間ECL
( 単位:百万ユーロ)
償却原価で測定される資金運用資産
および代替貸付金
Aaa 4,635 0 0 4,635
Aa1 からAa3 50,992 471 0 51,463
A1 からA3 36,795 0 0 36,795
Baa1 からBaa3 1,670 736 0 2,406
1,002 463 0 1,465
Baa3 未満
95,094 1,670 0 96,764
償却原価での帳簿価額総額
-7 -12 0 -19
貸倒引当金
95,087 1,658 0 96,745
償却原価での正味帳簿価額
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2020 年 2019 年
( 単位:百万ユーロ)
FVTPL で測定される資金運用資産
および代替貸付金
Aaa 1,622 1,424
Aa1 からAa3 1,897 1,477
A1 からA3 942 1,181
Baa1 からBaa3 441 304
Baa3 未満 733 498
84 23
格付なし
5,719 4,907
FVTPL での帳簿価額
S.2.4.2. 財務取引に供する担保
受取担保
2020年12月31日現在の名目残高15,474百万ユーロ(2019年:24,622百万ユーロ)の二者間および三
者間リバース・リパーチェス契約は財務取引に係る受取担保が伴う取引であり、グループはこのうち
13,173百万ユーロ(2019年:18,008百万ユーロ)について財務担保、2,301百万ユーロ(2019年:
6,614百万ユーロ)についてコモディティを受領している。エクスポージャーは、全額が担保されてお
り、追加担保請求は日々行われる。担保ポートフォリオの市場価格は監視されており、原契約に準拠
して、必要に応じて追加担保が請求される。金融担保ポートフォリオの時価は、2020年12月31日現
在、13,498百万ユーロ(2019年:18,544百万ユーロ)であった。
これらの受取担保のうち、2020年度および2019年度末時点で、グループが担保権を行使して所有権
を取得したものはなかった。グループが受領した担保は、当年度中、資金調達業務のために再利用さ
れた。
預託担保
二者間および三者間リパーチェス契約は、財務取引に係る担保差入れが伴う取引であり、その名目
残高は2020年12月31日現在4,315百万ユーロ(2019年:1,182百万ユーロ)であった。二者間および三
者間リパーチェス契約の下で差し入れられている担保(ルクセンブルク中央銀行への差入れを除く)
の時価は、2020年12月31日現在、4,315百万ユーロ(2019年:1,182百万ユーロ)であった。
グループは、2020年12月31日現在、時価121億ユーロ(2019年:31億ユーロ)の有価証券をルクセン
ブルク中央銀行に預託しており、そのうち83億ユーロは処分の制約を受けている。2020年12月31日現
在、先物取引について差し入れられている現金担保はなかった(2019年:ゼロ)。
S.2.4.3. 貸借対照表日現在で認識の中止がなかった譲渡資産
グループの資産のうち、貸借対照表日現在で譲渡されている資産はなかった。
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S.2.5. デリバティブの信用リスク
S.2.5.1. デリバティブの信用リスク管理方針
デリバティブ取引の信用リスク管理方針は、スワップ・カウンターパーティーの資格条件と格付制
限の定義に基づいている。信用エクスポージャーを削減するため、グループはほとんどの現行契約下
にあるスワップ・カウンターパーティーとクレジット・サポート・アネックスを交わしており、エク
スポージャーが契約で定義されている所定の信用極度額を上回った場合に担保を受け取る。
デリバティブに関する信用リスクは、カウンターパーティーが契約債務を履行できない場合にグ
ループが被りうる損失に関連する。
デリバティブ取引の特殊な性質および複雑さを考慮し、当該金融商品の利用から生ずる損失に対し
てグループを保護するための一連の手続きが整備されている。
取引契約の枠組み
グループの長期デリバティブ取引はすべて、スワップ取引のマスター契約と、該当する場合にはエ
クスポージャーに対する担保差入条件が明記されているクレジット・サポート・アネックスの枠組み
の中で行われる。これらは一般的に採用され、実施されている契約の様式である。
カウンターパーティーの選択
取引開始時の格付は、A3以上と定められている。格付がある一定のレベルを下回った場合にはEIBは
期限前に契約を解除する権利を有する。
担保設定
- (限度枠を超過した)エクスポージャーに対しては、現金や債券の担保が差入れられるため、
スワップに係る信用リスクは一般的に軽減されている。
- 複雑で流動性の低い取引の場合は、現在の時価以上の担保が要求される。
- 個々のカウンターパーティーとのデリバティブ・ポートフォリオと受取担保は毎日モニターさ
れて評価され、それを受けて追加担保が請求されるか、担保の引出しが行われる。
担保所要額は、カウンターパーティーの信用リスクの評価によって決まる。担保および評価パラ
メーターの許容範囲に関する指針が、定められている。
ISDA契約の一環として、グループは、売却または再担保とすることが認められている有価証券や現
金を受け取っている。そのような条件の下で受け取った有価証券の公正価値は、2020年12月31日現
在、17,498百万ユーロ(2019年:21,104百万ユーロ)で、担保の性質および格付に基づいた詳細は、
以下のとおりであった。
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スワップ担保(単位:百万ユーロ)
債券 現金
政府機関債、
2020 年の
同等のムーディーズ格付
国際機関債、
合計
政府債
ファンド
ブリーフ債
Aaa 1,526 1,007 0 2,533
Aa1 からAa3 4,439 0 0 4,439
A1 からA3 14 0 0 14
Baa1 からBaa3 6,310 0 0 6,310
Baa3 未満 4 0 0 4
0 0 4,198 4,198
格付なし
12,293 1,007 4,198 17,498
2020 年の合計
スワップ担保(単位:百万ユーロ)
債券 現金
政府機関債、
2019 年の
同等のムーディーズ格付
国際機関債、
合計
政府債
ファンド
ブリーフ債
Aaa 1,509 2,765 0 4,274
Aa1 からAa3 4,643 0 0 4,643
A1 からA3 674 0 0 674
Baa1 からBaa3 4,605 0 0 4,605
Baa3 未満 621 0 0 621
0 0 6,287 6,287
格付なし
12,052 2,765 6,287 21,104
2019 年の合計
EIBは、ITシステムである担保管理システム(「CMS」)の使用を開始した。CMSの主な目的は、EIB
がレポ目的で資産と有担保市場の受入担保のリアルタイムの一覧を確実に利用できるようにする点に
ある。貸付金、デリバティブ、リバース・レポおよびレポに対する担保として受け入れた有価証券
は、市場価格サービス・プロバイダー(すなわち、ブルームバーグ)から提供された活発な市場の相
場価格を用いて、または相場価格が入手不可能な場合は市場ベースの評価額を使用して、CMSで日次評
価される。
S.2.5.2. デリバティブの信用リスクの測定
デリバティブ関連の信用リスクは様々なパラメーターにより変化し(例えば金利や為替レート)、
一般的に想定元本のごく一部に相当するに過ぎない。BISのバーゼル銀行監督委員会(「BCBS」)の勧
告に従い、EIBは、財務報告と限度枠のモニタリングにはカレント無担保エクスポージャーとポテン
シャル・フューチャー・エクスポージャーを使用し、資本配分には信用リスク相当額を使用して、ス
ワップ取引およびデリバティブ取引に関する信用リスク・エクスポージャーを測定している。
EIBは、カレント無担保エクスポージャーを、ゼロと、カウンターパーティーとのネッティング・
セットに含まれている取引ポートフォリオの時価から受入担保の価値を差し引いた数値のいずれか大
きな方の値で測定している。これは、カウンターパーティーが不履行を起こした場合に生ずる損失に
相当する金額で、受領した担保を相殺に充当し、取引の回収価値をゼロとした上で、すべての取引に
つき直ちにスワップ・カウンターパーティーの代替を行うことを想定している。2020年12月31日現在
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のカレント無担保エクスポージャーは1,389百万ユーロ(2019年12月31日現在:816百万ユーロ)で
あった。
さらにEIBは、リスクのマージン期間中(取引ポートフォリオにより10日間から20日間)にネッティ
ング・セットに生ずる可能性のあるエクスポージャーの増加を考慮した、ポテンシャル・フュー
チャー・エクスポージャーを計算している。EIBは、保守的な見積りを出すため、ストレス下の市場パ
ラメーターに基づき、また信頼区間を90%として、ポテンシャル・フューチャー・エクスポージャー
を計算している。これは、重要な市場参加者の不履行があった場合に生じるであろう状況を考慮する
ための規制当局の勧告に沿ったものである。 2020年12月31日現在の初期ポテンシャル・フュー
チャー・エクスポージャーは12,225百万ユーロ(2019年12月31日現在:10,354百万ユーロ)であっ
た。
限度枠
銀行向け限度枠システムは、ポテンシャル・フューチャー・エクスポージャーを3種の期間グルー
プ(1年未満、1年以上5年以下および5年超)と2種の格付シナリオ(現状維持およびA3格未満へ
の格下げ)でカバーする。
デリバティブ・ポートフォリオは毎日評価され、限度枠との比較が行われる。2020年に導入された
この新しいポテンシャル・フューチャー・エクスポージャーは、2019年まで報告されていたトータル
無担保エクスポージャーと起源を同じくする。
下表にあるように、デリバティブ・ポートフォリオの大部分は、A3格以上に格付されたカウンター
パーティーに集中している。
カレント無担保 無担保
エクスポージャー エクスポージャー総額
額面価額割合
格付グループ
( 単位:百万ユーロ) ( 単位:百万ユーロ)
同等のムーディーズ格付 2020 年 2019 年 2020 年 2019 年 2020 年 2019 年
Aaa
0.49% 0.48% 816 448 1,434 994
Aa1 からAa3 24.34% 25.47% 373 204 2,480 2,696
A1 からA3 66.87% 65.94% 192 113 7,916 6,364
8.30% 8.11% 8 51 395 300
A3 未満
合計 100.00% 100.00% 1,389 816 12,225 10,354
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次の表は、2020年および2019年12月31日現在の主要デリバティブ・カウンターパーティーに対する
集中度を示したものである。
2020 年 2019 年
額面ベースのエクスポージャー
(グループのデリバティブ・ポートフォリオに対する割合):
上位3件 31.3% 33.2%
上位10件 68.5% 68.0%
上位25件 96.2% 96.2%
カレント無担保エクスポージャー:
上位3件 73.2% 68.2%
上位10件 94.6% 95.6%
上位25件 100.0% 100.0%
ポテンシャル・フューチャー・エクスポージャー:
上位3件 36.4% 33.9%
上位10件 68.3% 66.6%
上位25件 94.5% 96.1%
以下の表は、想定元本および公正価値に基づいて分類した通貨スワップ(ストラクチャード・ス
ワップを含み、短期通貨スワップを除く)の満期を示している。
1年超 5年超 2020 年の
2020 年12月31日現在の通貨スワップ
1年以内 10 年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
想定元本
34,590 125,732 36,450 26,484 223,256
公正価値(すなわち、CVA、DVAおよび
-691 -2,858 2,114 1,612 177
(*)
CollVAを含む割引価値(純額))
1年超 5年超 2019 年の
2019 年12月31日現在の通貨スワップ
1年以内 10 年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
想定元本
40,347 116,134 39,584 23,675 219,740
公正価値(すなわち、CVA、DVAおよび
-197 1,537 1,990 1,248 4,578
(*)
CollVAを含む割引価値(純額))
(*) 2020年12月31日現在マイナス2,548百万ユーロ(2019年:1,350百万ユーロ)となっているマクロ・ヘッジ通貨ス
ワップの公正価値を含む。
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以下の表は、想定元本および公正価値に基づいて分類した金利スワップ(ストラクチャード・ス
ワップを含む)の満期を示している。
1年超 5年超 2020 年の
2020 年12月31日現在の金利スワップ
1年以内 10 年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
想定元本
61,603 227,767 126,884 122,741 538,995
公正価値(すなわち、CVA、DVAおよび
917 8,021 5,954 89 14,981
(*)
CollVAを含む割引価値(純額))
1年超 5年超 2019 年の
2019 年12月31日現在の金利スワップ
1年以内 10 年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
想定元本
65,329 215,856 125,751 133,743 540,679
公正価値(すなわち、CVA、DVAおよび
231 5,260 5,683 1,208 12,382
(*)
CollVAを含む割引価値(純額))
(*) 2020年12月31日現在マイナス1,237百万ユーロ(2019年:マイナス803百万ユーロ)となっているマクロ・ヘッジ金
利スワップの公正価値を含む。
グループは、通常そのリスクヘッジ方針に関連してオプション取引を行っていない。ただし、金融
市場でより低いコストで資金を調達するという戦略の一環として、EIBは、その価額が各種の金利、為
替レート、インフレ率、株価指数、およびIRボラティリティ等により変動する借入契約および貸付を
締結している。このようなストラクチャード借入金および貸付金は、関連する市場リスクをヘッジす
るためのスワップ契約により完全にカバーされている。組込オプション契約は、すべて店頭取引で行
われる。
上の表は、ストラクチャード・スワップの想定元本および公正価値を、クロス・カレンシー要素を
含んでいるか否かに基づいて示している。以下の表は、ストラクチャード・スワップの取引件数、公
正価値および想定元本の詳細を示している。
2020 年12月31日現在のストラク
特別なストラクチャーに
期限前解約が
チャード・スワップ
株価指数 基づくクーポンまたは
組み込まれているもの
類似するもの
(単位:百万ユーロ)
2020 年 2019 年 2020 年 2019 年 2020 年 2019 年
取引件数 131 138 1 1 164 264
想定元本(単位:百万ユーロ) 4,421 5,049 500 500 12,529 19,770
公正価値(すなわち、CVA、DVAお
よびCollVAを含む割引価値(純
額))(単位:百万ユーロ) 801 681 30 17 -2,479 -2,627
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スワップ取引の公正価値は、将来のキャッシュ・フローから割引後現在価値を導出する評価技法を
適用する収益還元法により算出される。公正価値の見積りは将来価値に対する市場の期待値に基づい
ている。評価技法は、既知のキャッシュ・フローを割り引く単純なものから複雑なオプション・モデ
ルに至るまで、多岐にわたる。適用した評価モデルは、金融商品の価格設定向けに一般に認められて
いる経済学的手法と整合しており、市場参加者が価格設定時に考慮する諸要因を盛り込んでいる。デ
リバティブ取引の一部に関しては、市場インプットを直接入手できない場合には、内部見積りや仮定
が評価技法に取り入れられることもある。一般的に、これらのスワップ取引に関する信用リスクは定
期的に監視されている担保により保全されていることから低減されている。
2020 年12月31日現在、未決済の先物契約も金利先渡契約もなかった(2019年も同じ)。
S.2.5.3. 保証の信用リスク
自己資金を原資とするグループの保証取引から生じる信用リスクは、統治機関の承認を受けた詳細
な行内指針に従って管理されている。
2020年12月31日現在、契約済エクスポージャーは計220億ユーロ(2019年:205億ユーロ)であっ
た。グループにより保証された実行済貸付金に係るエクスポージャーは124億ユーロ(2019年:87億
ユーロ)であり、かかる保証について計上された負債および引当金は22.6百万ユーロ(2019年:19.8
百万ユーロ)であった(注D.4)。
統治機関の承認を受けた詳細な行内指針により、グループが、商品範囲、対象地域、カウンター
パーティー別のエクスポージャー、債務者別のエクスポージャー、業種別の集中度という点で分散し
ている保証ポートフォリオを引き続き展開するよう徹底されている他、エクスポージャーの格付に基
づく資本配分規則も規定されている。
グループの取引が細分化していることから、集中リスクは限定的である。通常、組入れているポー
トフォリオは、単一の債務者への集中度、業種セクター、地域の多様化という点において高度に分散
化している。集中リスクに対処するため、グループは(資本配分に基づき)取引ごとに原債権者レベ
ルで厳格な限度額(原債権者(群)に対するエクスポージャー合計の上限)を設けている。
グループ自らリスクを負担する保証業務においては、当初から案件ごとに信用リスクを追跡管理す
る一方、組入れられているポートフォリオのグラニュラリティ(分散度)や同質度に応じて、異なる
モデル分析法を採用している。業種セクター別エクスポージャーは、グループが各取引または各トラ
ンシェに付与した格付に及ぼす影響を通じて、案件ごとに分析される。例えば、取引分析に使用され
る財務モデルによって、業種別エクスポージャーは黙示的な相関として反映され、あるいはモデルに
入力する主要変数としてのデフォルト率の変動性の仮定を通して間接的に捕捉することができる。
さらに、ポートフォリオ内で集中度が高い業種セクターの現状や予想等の定性指標を用いて、それ
ぞれの案件ごとに集中度に対するエクスポージャーを分析している。例外的に、一部の案件では、同
一の(広義の)業種セクターにエクスポージャーが集中している。その場合は、通常、グループに有
益な信用補完の強化(優先劣後構造設定等)によって対処する。信用補完という特性を有する案件
は、通常、単一の債務者に対するエクスポージャーの上限、債務者上位5者に対する合計エクスポー
ジャーの上限、業種別集中度の上限等、ポートフォリオ基準を設けている。グループ全体のポート
フォリオ分析の一環として、業種セクター別のエクスポージャーも検討している。
カウンターパーティー・リスクに関しては、グループのカウンターパーティー(通常は主要市場参
加者)の質に注意を払うことによって、リスクを軽減している。残存期間中の手続きやプロセスの遵
守状況を確認するため、監視目的の現地調査を別途行っている。また極端な場合の仮定を含めた保証
ポートフォリオ・ストレス・テストのシナリオで定期的にテストを実施し、悪影響に耐えうる資本基
盤であるかを判定している。
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各内部格付の信用リスク・エクスポージャー(単位:百万ユーロ)
2020 年
信用減損のない 信用減損のある
12 ヵ月ECL 合計
全期間ECL 全期間ECL
金融保証
内部格付 1-最小信用リスク 43 0 0 43
内部格付 2-非常に低い信用リスク 3,946 0 0 3,946
内部格付 3-低信用リスク 2,071 0 0 2,071
内部格付 4-中程度の信用リスク 9,493 69 0 9,562
内部格付 5-財務的に脆弱な貸付先 3,563 157 0 3,720
内部格付 6-高信用リスク 2,200 281 0 2,481
内部格付 7-非常に高い信用リスク 0 0 153 153
0 0 6 6
内部格付 8-デフォルト状態の貸付先
信用リスク・エクスポージャー合計 21,316 507 159 21,982
帳簿価額 12 0 11 23
2019 年
信用減損のない 信用減損のある
12 ヵ月ECL 合計
全期間ECL 全期間ECL
金融保証
内部格付 1-最小信用リスク 51 0 0 51
内部格付 2-非常に低い信用リスク 4,508 0 0 4,508
内部格付 3-低信用リスク 1,673 0 0 1,673
内部格付 4-中程度の信用リスク 9,701 0 0 9,701
内部格付 5-財務的に脆弱な貸付先 2,591 182 0 2,773
内部格付 6-高信用リスク 1,635 3 0 1,638
内部格付 7-非常に高い信用リスク 6 145 51 202
0 0 0 0
内部格付 8-デフォルト状態の貸付先
信用リスク・エクスポージャー合計 20,165 330 51 20,546
帳簿価額 6 1 12 19
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S.3. 流動性リスク
流動性リスクは、資産の増加に対応して資金を調達し、期限の到来時に債務を弁済することを、受
入不能な損失を負担することなしに行うグループの能力に関するリスクである。それは、さらに資金
流動性リスクと市場流動性リスクに分けることができる。
資金流動性リスクとは、連結貸借対照表の資産を支え、容易に利用できる流動性リソースから期限
どおりに債務を全額返済することができなくなるリスクに関するものである。資金流動性リスクは、
支払義務の履行に関する差し迫ったリスクおよびこれに伴う不利な条件での借入を増加させうるた
め、グループのポジションの経済価値あるいはグループのポジションから生み出される収益の変動性
に影響を与える可能性がある。
市場流動性リスクとは、ポジション残高を相殺、解消、または削減するための取引を合理的な市場
価格で執行できないかもしれないという理由で、グループのポジションの経済価値の変動、または同
ポジションによる収益の変動が激しくなることを指す。取引を執行できないことにより、清算を避け
た方が良いと思われる場合でも好ましくない価格で早い段階に当該資産を清算せざるを得なくなるお
それがある。このリスクは、取引される証券の流動性と比較したポジションの規模、ならびに市場の
アベイラビリティおよび効率性の悪化と密接に関係している。
S.3.1. 流動性リスク管理
EIB の流動性リスク管理
EIB の中核業務活動を妥当なコストで正常に機能させるため、流動性リスクは慎重に管理されてい
る。流動性リスク管理方針の主な目的は、EIBが常に期限内に支払債務を満額履行できることの確保に
ある。商業銀行とは対照的に、EIBは個人預金を保有しておらず、顧客に貸し付ける資金の調達を資本
市場に依存している。
EIB は慎重に流動性バッファーを維持するため、新規発行予定を管理している。流動性維持計画で
は、EIBの債務の元利払いおよび貸付金の実行によるキャッシュ・アウトフローならびに貸付金ポート
フォリオからのキャッシュ・インフローを考慮している。また、流動性維持計画では、一般的に債務
者の要請に応じて実行される多額の契約済未実行貸付金も考慮している。
EIBは、短期流動資産を十分な水準に保つこと、および資金需要予測に応じて自行の募集有価証券の
償還日を分散することによって、流動性リスクの管理を一層確実にしている。流動性リスク方針には
財務ポートフォリオの水準の下限が組み込まれており、EIBの全体的な流動性比率(見積年間ネット・
キャッシュ・フローに対する目標比率と定義)は、常に翌年の見積年間ネット・キャッシュ・フロー
の25%を上回っていることが、義務付けられている。
グループは非常時資金調達計画(CFP)を定めており、そこでは適切な意思決定手続とそれに対応す
る責任分担が定められている。CFPは定期的にバーゼル銀行監督委員会の原則およびその他の適切なベ
スト・プラクティスを基準にテストおよび評価されている。CFPは理事会によって毎年承認される。
定期的なストレス・テスト分析は、流動性リスク・モニタリングの一環として実施され、EIBおよび
EIFの流動性バッファーの規模を決定する。
2009年7月8日にユーロ・システムの金融政策オペレーションにおける適格カウンターパーティー
となったことから、EIBも欧州中央銀行の金融政策オペレーションに参加できることとなった。EIB
は、最低預金準備率およびその他の業務ニーズを充足するために預け金を置いているルクセンブルク
中央銀行を通じて金融政策オペレーションを実施する。
EIBは日次で流動性カバレッジ比率(「LCR」)を欧州連合CRR要件に沿って、機能通貨(ユーロ)だ
けでなく、他の重要な通貨についても計算している。過度の通貨のミスマッチを防止するために、流
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動性資産の通貨と正味流動性の流出の通貨の整合性を継続的にとることが確実にされている。2020年
末現在、流動性カバレッジ比率は366.7%(2019年末は483.4%)であった。
流動性諸比率の計算、資金および流動性の限度額の監視、ならびに関連する報告業務の頻度は、パ
ンデミックの発生前から変更されていない。
COVID-19のパンデミックに伴いグローバル金融市場の一般的情勢が不確実であるにもかかわらず、
グループは、主にグループの流動性管理に対する慎重なアプローチの結果として、現在も引き続き強
固な流動性ポジションおよび必要な流動性リソースへの柔軟なアクセスを維持している。
EIF の流動性リスク管理
払込資本金の価値を損なうことなく、今後生じうる保証請求、プライベート・エクイティ・コミッ
トメント、および一般管理費の支出に対応する適切な水準の流動性を確保し、かつリスク最小化に配
慮しながら投資資産で合理的な収益を獲得できるような方法で、流動性リスクは管理されている。
S.3.2. 流動性リスクの測定
以下の表は、貸借対照表日から契約上の満期日(契約で定められている割引前キャッシュ・フロー
に基づく)までの残存期間別の、グループ金融負債残高を示している。契約によって定められた満期
日のない負債は、「満期日未確定」に区分されている。表の値は、利札を含めた割引前キャッシュ・
フローを示しているため、連結貸借対照表計上の数値と一致していない。
元本のキャッシュ・フローと利息は、契約上生じうる最初の返済日に対応する欄に算入されてい
る。したがってこれは予想シナリオではなくむしろ理論上のシナリオを表している。
借入金および関連するスワップの一部は、ヘッジ・スワップの契約相手に期限前解約条項もしくは
コール・オプションを認めており、グループにも関連債券を期限前償還する権利を与えている。その
場合、キャッシュ・フローは可能性のある最初の償還可能日に対応する欄に表示されている。しかし
ながらこれは保守的措置であって、グループは契約により関連する任意償還条項付債券の期限前償還
を強制されておらず、現実的なシナリオとしては、そのようなすべての債券を最初の償還可能日に償
還する理由はない。
契約済未実行貸付金に関する流出額は、グループ内部の流動性ストレス・テスト法に従って表示さ
れている。大きなストレスがかかった場合に繰り上げて実行されうる最大貸付額は、初回満期日が該
当する欄に表示されている。
金利スワップおよび金利先渡契約については、キャッシュ・フロー純額で表示されている。他方、
総額で決済される金利デリバティブ(本質的にはクロス・カレンシー金利スワップ)および為替デリ
バティブ(為替先渡、為替スワップ等)は、満期分析ではキャッシュ・フロー総額で表示されてい
る。
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非デリバティブ金融負債の満期特性
(2020年12月31日現在、 3ヵ月超 1年超 満期日未
流出総額
3ヵ月以内 5年超 帳簿価額
(名目値)
単位:百万ユーロ) 1年以内 5年以内 確定
金融機関および顧客に対す
る債務 10,219 8,000 0 0 0 18,219 18,201
コマーシャル・ペーパー 7,253 3,039 0 0 0 10,292 29,863
債務証書借入-初回償還日
の場合 18,992 53,364 226,314 180,493 0 479,163 455,034
リース負債 10 29 85 0 0 124 124
英国への資本の未払払戻金 0 300 1,200 1,696 0 3,196 3,196
その他(供与済保証、株式
引受契約等) 0 819 0 0 31,360 32,179 0
契約済未実行貸付金に関す
12,962 1,714 5,663 560 93,164 114,063 0
る流出額
49,436 67,265 233,262 182,749 124,524 657,236 506,418
合計
非デリバティブ金融負債の満期特性
(2019年12月31日現在、 3ヵ月超 1年超 満期日
流出総額
3ヵ月以内 5年超 帳簿価額
(名目値)
単位:百万ユーロ) 1年以内 5年以内 未確定
金融機関および顧客に対す
る債務 9,083 0 0 0 0 9,083 9,079
コマーシャル・ペーパー 7,048 4,094 0 0 0 11,142 11,098
債務証書借入-初回償還日
の場合 26,514 53,973 233,002 187,757 0 501,246 482,229
リース負債 10 29 117 2 0 158 157
その他(供与済保証、株式
引受契約等) 0 821 0 0 30,267 31,088 0
契約済未実行貸付金に関す
13,698 1,975 6,412 683 89,978 112,746 0
る流出額
56,353 60,892 239,531 188,442 120,245 665,463 502,563
合計
デリバティブ金融負債の満期特性
3ヵ月超 1年超
流入/流出総
(2020年12月31日現在、単位:百万ユーロ) 3ヵ月以内 5年超
額(名目値)
1年以内 5年以内
差金決済される金利デリバティブ 616 2,727 6,122 5,598 15,063
総額で決済される金利デリバティブ-流入額 12,290 22,085 128,643 68,735 231,753
総額で決済される金利デリバティブ-流出額 -12,959 -21,713 -128,963 -64,980 -228,615
為替デリバティブ-流入額 18,365 4,294 266 0 22,925
-18,400 -4,355 -255 0 -23,010
為替デリバティブ-流出額
-88 3,038 5,813 9,353 18,116
合計
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デリバティブ金融負債の満期特性
3ヵ月超 1年超
流入/流出総
(2019年12月31日現在、単位:百万ユーロ) 3ヵ月以内 5年超
額(名目値)
1年以内 5年以内
差金決済される金利デリバティブ 203 2,059 5,396 5,072 12,730
総額で決済される金利デリバティブ-流入額 12,320 30,246 123,092 71,100 236,758
総額で決済される金利デリバティブ-流出額 -11,924 -29,411 -117,622 -67,643 -226,600
為替デリバティブ-流入額 30,395 5,514 252 0 36,161
-29,937 -5,523 -270 0 -35,730
為替デリバティブ-流出額
1,057 2,885 10,848 8,529 23,319
合計
S.4. 市場リスク
市場リスクとは、金利、為替レート、株価等の市場の変動要因の変化が原因で金融商品の将来
キャッシュ・フローの正味現在価値が変動するリスクを指す。
S.4.1. 市場リスクの管理
EIB の市場リスク
グループの信用リスク管理方針を通じて貸付業務で適用されている「4つの目」の原則と同様に、
グループの市場リスク管理方針も、リスク管理部門が、重大な市場リスクを伴うグループの全金融業
務、および財務ヘッジやデリバティブ取引業務等の信用リスクが生じうるすべての金融取引を監視す
るよう定めている。
市場リスクは、定期的に更新される「財務リスク・ガイドライン」(「FRG」)と呼ばれる一連の方
針と手続きに従って、特定され、測定され、管理され、報告される。これらの方針を下支えする一般
原則については、後述する。
ストレス・テストは、特に過去の市場動向を分析しても将来のリスクを評価するには不十分と思わ
れる場合に、将来実現しうるシナリオがEIBの利益や自己資金の経済価値に及ぼす影響を分析するため
に広く用いられている方法である。適用するシナリオは、市場レート(金利、為替レート、スプレッ
ド、株価等)の変動、流動性の状況、またはこれらに影響しうる最悪の場合、例えば突然マクロ経済
が悪化する、大口の債務者が一斉にデフォルトに陥る、広範囲にわたってシステムが故障する等の事
象に関係したシナリオのこともある。
ストレス・テストは定期的に実施されており、EIBの経済価値や利益特性が変化した場合のテスト結
果は、EIBの市場リスク測定プロセスの中で報告される。
EIF の市場リスク
EIFのプライベート・エクイティ(「PE」)ポートフォリオに影響を及ぼしている市場リスクの主要
な種類は、株価リスクおよび外貨リスクである。当該ポートフォリオにおける大部分の基金はレバ
レッジをほとんどまたは全く使用していない。そのため、金利リスクはEIFのPEポートフォリオに直接
的には影響を与えない。確定利付商品の金利リスクは、EIFの負債証券投資および自己のリスクのG&S
エクスポージャーから発生する。現在、これらの保有資産のすべての平均期間またはWALは限定的で、
証券化エクスポージャーのみが公正価値評価され(財務部門(FI)が自己保有する財務ポートフォリ
オは償却原価で計上され)、そのため、EIFの損益の変動を限定している。
S.4.2. 金利リスク
金利リスクとは、市場利回りや金利の期間構造の不利な動きによる、グループのポジションの経済
価値または同ポジションによる収益の予想変動率(ボラティリティ)を指す。異なる資産、負債、
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ヘッジ商品の間で金利更改特性や満期特性に差異があると、金利リスク・エクスポージャーが生じ
る。
グループの金利リスクの管理
金利リスクの測定および管理にあたり、グループはバーゼル銀行監督委員会(「BCBS」)および欧
州銀行監督機構(「EBA」)の関連する主要原則を参考にしている。金利リスクの主要な源泉は、
ギャップリスク、ベーシスリスクおよびオプションリスクである。ギャップリスクとは、グループに
とって最も関係が深い金利リスクであり、グループの金利感応商品の金利変動のタイミングの差異に
よる、当該金利感応商品の期間構造の経済価値または同商品からの収益の予想変動率(ボラティリ
ティ)と定義される。
金利リスクは、グループのリスク選好の枠組みで取り扱われている。グローバルの構造的金利ポジ
ションは、グループが負担する用意がある、リスク選好で定められているリスク水準に従って管理さ
れる。
IBOR 改革:
ロンドン銀行間金利(「LIBOR」)などの指標金利は金融契約で広く用いられている。近年、指標金
利の信用性や安定性に対する信頼は低下してきており、世界中の規制当局は金利指標改革を推進して
きている。代替指標金利への世界的な移行は、金融市場において着手されるべきである最も困難な課
題を含んだ改革の一つであり、2021年末までには完了すると見込まれている。
資産負債委員会(「ALCO」)の下で、EIBは2018年度第1四半期よりこの分野の動向を積極的に観察
してきており、中央銀行が設置した各種の作業グループに参加している。確立した作業計画の実施に
おける進捗は定期的に監視され、ALCOで討議され、定期的にEIBの上級経営陣に報告されている。
貸付活動および資金調達活動の一環として、EIBは主に顧客への変動金利貸付金およびEIBの活動に
資金提供するための発行債券に関して、IBORへのエクスポージャーを有している。変動利付資産およ
び負債は、通常、EIBの財務書類上、償却原価で報告されている。また、EIBは固定金利貸付金および
借入取引のマイクロヘッジのため、ならびにグローバルの金利および外国為替のポジションの監視の
ためにデリバティブ商品を使用している。
IBORによって影響を受けると見込まれるEIBの貸付業務の大半はユーロで行われているため、
EURIBORがユーロ圏における参照金利として残る限り、金利指標改革はEIBの貸付業務に重要な影響を
与えるとは見込まれていない。しかし、一部の貸付通貨、特に米ドルおよび英ポンドについては、基
礎となる金利としての新たなRFRが出現しているため、EIBはこれらの取引には一定の影響が及ぶと見
込んでいる。
資金調達面では、EIBは2018年より貸借対照表で新たなRFRを参照する債券商品を発行しており、新
たな構成について関連する自己開発システムの適応が進行中である。加えて、優先市場構成の設定に
基づき、EIBは必要な流動性を備えた関連するRFR市場の支援に重点を置いている。
スワップ業務に関連して、EIBはRFR連動の借入金および単体OISについてヘッジを実行した。IBOR
カーブはユーロおよび米ドルについて決済機関によって実施される担保設定の変動に対する調整が行
われており、このことによって関連するモデルにおける調整が必要となる。
他の銀行と同様、EIBのIBORに対するエクスポージャーには重要性がある。かかる指標金利の潜在的
な中止は、これらの金利に連動している契約(基本的に、スワップ、貸付金および債券)がどのよう
に影響を受けるかに関する問題を引き起こす。市場基準で各種IBORの中止が整合的な方法で実施され
ない場合、EIBはIBORのさまざまな後継指標間のベーシスリスクにさらされる可能性がある。ベーシス
リスクへのエクスポージャーはEIBに固有のものではなく、2018年6月に最大の業界団体によって出版
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されたIBORグローバル・ベンチマーク・トランジション・レポートの中で、金利指標改革における最
大の課題の一つとして認識されている。
加えて、ECBがすでに強調しているように、契約の修正およびフォールバック条項の導入に伴う業務
上の困難は、業務上の負荷、記録インフラへの影響、決済および支払インフラの修正、改革後の金利
指標および対応する評価手法に基づいた新商品の評価および記録に関連したIT関連の制約を伴う可能
性があり、銀行業界はこうしたリスクにさらされている。
リスクならびに必要とされる準備および開発を効率的に管理および調整するために、EIBのALCOは影
響を受けるEIBの数多くのサービスを含めた、IBORに関する横断的な専任作業グループを2018年2月に
設置した。一連の取組みは開始され、重要な開発が着手された。加えて、EIBの事業およびリスクの方
針は、事業およびリスクの管理慣行の変更を反映するために、必要に応じて更新されている。最後
に、EIBの上級経営陣には、最新情報と進捗状況が定期的に報告されている。
S.4.2.1. グループの自己資金の経済価値に対する金利リスク
グループの金利リスク戦略は、グループの経済価値のボラティリティを抑制しながら、バランスが
良く持続可能な収益特性を維持することを目指している。またグループ成長資金の自力調達という目
標を踏まえて、こうした収益特性に明確な選好が定められている。かかる全体目標は、中長期投資特
性に沿ったグループの自己資金投資によって達成されており、これは現在4.5~5.5年の範囲内での自
己資金の投資を意味する。
自己資金の期間目標とは別に、グループの連結貸借対照表上、通貨および金利特性に応じた資金調
達が図られるべきだとされている。しかし、運用上の理由から若干の逸脱は承認されており、このこ
とはグループをベーシスリスクにさらす可能性がある。このような若干の逸脱が残ることによって生
じる残余ベーシスリスク・ポジション純額は、市場リスクを最低限の水準に維持するべく、既定の限
度枠内に収めて管理されている。
運用されている金利リスク限度額の枠組みに加えて、金利の深刻な変動がグループの自己資金に及
(7)
ぼす潜在的な悪影響を特定するために、EBAにより標準化されたショック・シナリオ に基づいてグ
ループレベルでの定期的なストレス・テストが実施されている。2020年12月31日現在、EBAの監督上の
異常値テストシナリオの最悪の影響は、自己資金の経済価値を49.3億ユーロ(2019年:78.8億ユー
(8)
ロ)減少させる 。
(7) EBA/GL/2018/02。
(8) ストレス・テストは、保険数理プロバイダーの計算による年金および医療保険債務(「DBO」)を含
む、すべてのリスク感応度の高い銀行勘定商品について実施されている。
グループは、金利(IR)リスク(ギャップリスクおよびクロス・カレンシー・ベーシスリスク)な
らびにFXリスクを管理するための枠組みを整備している。グループはIRおよびFXのポジションを日次
でモニターし、適用される限度内で管理している。COVID-19危機にもかかわらず、2020年度中にこの
業務は変化することなく継続された。加えて、2020年3月にこの衛生危機が始まった際に、グループ
は不利に作用する潜在的な市場動向に迅速に対処することを可能にするために、関連する市場指標の
日次でのモニタリングを導入した。
グループのポートフォリオに組入れられている金融商品のうち、一部の業務(借入れおよび関連す
るスワップ)には償還オプションが規定されており、満期前に償還される場合があるため、最終満期
日については不確実性が組み込まれている。
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キャッシュ・フロー・レベルでは、こうした借入金はすべてスワップで十分にヘッジされているた
め、LiborまたはEuriborに連動する合成変動利付債とみなすことができる。
以下は、2020年12月31日現在および2019年12月31日現在のグループの任意償還条項付ポートフォリ
オの特性をまとめ、想定元本合計、平均の契約上の満期日、平均予想償還日(双方とも、当該取引の
想定元本で加重)を資金調達通貨別と関係する主要リスク・パラメーター別に表示したものである。
資金調達通貨別(スワップの影響考慮後):
支払通貨
2020 年12月31日
合計
(*)
( 単位:百万ユーロ)
ユーロ 米ドル
英ポンド
ユーロ建想定元本 -2,213 0 -1,606 -3,819
平均満期日 2047 年1月26日 - 2037 年3月16日 2042 年12月3日
平均予想償還日 2028 年12月25日 - 2023 年7月28日 2026 年9月16日
(*) 2020年に英ポンドはゼロであった。
支払通貨
2019 年12月31日
合計
( 単位:百万ユーロ)
ユーロ 日本円 米ドル
ユーロ建想定元本 -2,263 -59 -2,360 -4,682
平均満期日 2046 年10月21日 2022 年6月20日 2037 年8月4日 2041 年11月8日
平均予想償還日 2028 年8月25日 2021 年1月8日 2024 年10月6日 2026 年8月6日
関係するリスク・パラメーター別:
リスク・パラメーター
2020 年12月31日
合計
( 単位:百万ユーロ) 為替レートの水準 金利カーブの水準 金利カーブの勾配
ユーロ建想定元本
-452 -3,367 0 -3,819
平均満期日 2033 年12月4日 2044 年2月17日 - 2042 年12月3日
平均予想償還日 2027 年12月21日 2026 年7月16日 - 2026 年9月16日
(*) 償還可能カーブ・スティープナーは、2020年度中に償還された。
リスク・パラメーター
2019 年12月31日
合計
( 単位:百万ユーロ) 為替レートの水準 金利カーブの水準 金利カーブの勾配
ユーロ建想定元本
-533 -4,088 -61 -4,682
平均満期日 2037 年5月21日 2042 年8月10日 2030 年9月16日 2041 年11月8日
平均予想償還日 2027 年2月20日 2026 年8月12日 2020 年9月16日 2026 年8月6日
S.4.2.2. グループの金利リスク管理(利益面)
利益の感応度は、金利カーブ全体が1パーセンテージ・ポイント上昇する場合、あるいは低下する
場合の向こう12ヵ月間にわたるグループの正味受取利息の変動により定量化する。このようなエクス
ポージャーは、承認を受けた限度枠内でグループが容認する、資産と負債の間の金利更改期間、金額
または利率の不一致により生じる。
2020年12月31日現在のポジションでは、金利が100ベーシス・ポイント上昇すると、利益が83.4百万
ユーロ(2019年:76.4百万ユーロ)増加し、金利が100ベーシス・ポイント低下すると、利益が78.5百
万ユーロ(2019年:82.3百万ユーロ)減少する計算である。
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グループは、案件ごとに利益のシミュレーションを実行する専用のソフトウェアで感応度指標を計
算している。利益の感応度は発生主義で測定され、分析対象期間にわたり、グループは業務計画の中
で予想されている新規貸付業務を実現し、承認を受けた限度枠内にエクスポージャーを維持し、資金
不 足の補充または余剰現金の投資を目的とする短期金融市場取引を執行するという「現行」の仮定に
基づいて算出される。利益に関して月次で行われるシミュレーションは、固定利付項目の場合には、
すべて契約で定められた利率が維持され、変動利付項目の場合には、すべて、シミュレーションで適
用された金利シナリオに応じて金利が更改されるという仮定に基づいて実施されている。資金不足の
補充または余剰現金の投資を目的とする短期金融市場取引の利率は、シミュレーションで適用された
金利シナリオに応じた短期金融市場の実勢利率に等しいとされる。グループの現行実務に従い、モデ
ルでは、シミュレーション上の利益は株主には配分されず、グループ業務の資金補充に当てられると
仮定している。管理費は、業務計画の予想に応じて見積られる。
EIFの感応度は、グループが運用するEIFの財務および貸付金ポートフォリオに組入れられている全
ポジションの表面利率更改を考慮して、案件ごとに算出される。各固定利付財務資産は、その満期日
に、年度末における残存期間が従前資産と同じである新規資産に再投資されると仮定している。変動
利付財務資産のポジションの場合、四半期ごとに利率が更改されるとの仮定に基づいている。
S.4.3. 為替リスク
為替(「FX」)リスクは、為替レートの不利な変動が原因で、グループのポジションの経済価値の
変動、または同ポジションによる収益の変動が激しくなることを指す。資産と負債の間で通貨のミス
マッチがある場合に、グループは為替リスクにさらされる。
EIB は定款を遵守して、貸付業務を遂行するため、またはEIBが供与する貸付金もしくは保証から発
生するコミットメントを履行するために、直接必要でない為替業務には従事しない。
グループの資産・負債構造における通貨のミスマッチは、厳しい限度額内に維持されている。
S.4.3.1. 為替ポジション
ポジション(純額)(単位:百万ユーロ) 2020 年 2019 年
ユーロ(EUR) -103 -139
英ポンド(GBP) 25 74
米ドル(USD) 43 19
35 46
その他の通貨
103 139
ユーロ以外の通貨の合計
S.4.3.2. 為替リスク管理
定款に従い、EIBは積極的に為替リスク・エクスポージャーをヘッジしている。
グループの為替リスク管理方針の主な目的は、為替ポジションを経営委員会の承認を受けた限度枠
内に維持し、為替レートの変動が連結損益計算書に及ぼす影響を最小限に抑えることにある。
S.4.4. 株価リスク
株価リスクは、株価指数の水準および個々の持分投資価値が低下した結果、持分の公正価値も低下
するリスクである。
2020年12月31日現在の株価リスクは、主に理事会の承認を受けた戦略的業務(EIFがEIBに代わって
自身の財源で行うベンチャー・キャピタル投資、インフラストラクチャー・ファンド、特別活動とし
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て行う株式類似商品への投資、EBRDへの出資)に限られていた。これらの業務は特別な監視体制のも
とに置かれ、当該エクスポージャーは十分な資本で裏付けされる。
継続的に監視し統制するために非上場持分ポジションの価額を入手するのは、容易ではない。この
ようなポジションの場合、入手できる最良の指標としては、類似資産の価格、該当する評価技法によ
る評価の結果が挙げられる。
他の変動要因がいずれも変わらない場合に、合理的に可能性のある株価指数の変動が原因で(2020
年12月31日および2019年12月31日現在の持分投資の公正価値が増減した結果)グループの自己資本が
受ける影響は、次のとおりである。
2020 年 2019 年
自己資本が受ける 自己資本が受ける
株価の変動 株価の変動
影響 影響
( 単位:%) ( 単位:千ユーロ) ( 単位:%) ( 単位:千ユーロ)
(1)
ベンチャー・キャピタル事業 -10 -932,505 -7 -528,299
EBRD 持分 -10 -51,488 -10 -49,276
投資基金 -10 -287,013 -10 -227,973
(1) ベンチャー・キャピタル事業の感応度は、公開市場のポジションの市場リスクに基づき、EIFが計算する。
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S.5. オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクとは、不適切もしくは機能不全の内部プロセス、人員およびシステム、
または外部事象に起因する損失リスクを意味し、法務リスクを含む。
オペレーショナル・リスクはグループのすべての活動に影響を与え、人的要因、不適切な従業員の
行動、サイバーおよびテクノロジー関連事象、不適切もしくは機能不全のプロセス、事業の中断もし
くは保全措置、情報システムの障害、第三者外部委託での障害または不正行為を含む様々な態様で現
れる可能性がある。グループの目標は、グループの財務強度、事業の性格および事業を遂行する市場
の観点から、オペレーショナル・リスク・エクスポージャーを最低水準に維持するために、オペレー
ショナル・リスクを体系的に特定、評価、モニターし、十分な統制およびリスク軽減措置を確保する
ことである。
グループのオペレーショナル・リスク担当部署(「OPR」)である、EIBおよびEIFのリスク管理、な
らびにEIBの財務統制における内部統制およびアサーション担当部署(「FC/-/ICA」)が、オペレー
ショナル・リスクの枠組みおよび関連する方針を決定する責任を有し、その枠組みの実施責任はグ
ループのすべての部署が担う。グループは、オペレーショナル・リスク管理業務を、関連し、適用さ
れるEIBのベスト・バンキング・プラクティス(「BBP」)およびEIFのベスト・マーケット・プラク
ティス(「BMP」)に準拠して編成している。
グループでは、特に、オペレーショナル・リスク・エクスポージャーを監視するために使用される
一連の重要リスク指標(「KRI」)を通じて、内部損害履歴、シナリオ分析ならびに事業・統制環境
等、入手可能なあらゆる情報を考慮する評価方法を採用している。リスク水準に違反があった場合に
は、適切な措置が講じられる。特に、オペレーショナル・リスク担当部署は、オペレーショナル・リ
スクに係る現実の損害につながるまたはつながりうる重要なオペレーショナル・リスク事象および現
れつつあるリスク分野を分析する。
データ収集プロセスを自動化するために、新たなガバナンス、リスクおよびコンプライアンス
(「GRC」)ツールの2022年末までのEIBでの導入が計画されている。一方、オペレーショナル・リス
ク担当部署は、健全なオペレーショナル・リスク管理のすべてのBBP要件に対応するために、新しい部
分的に自動化された事象および損害のデータベースを開発し、このデータベースは後に新システムに
移行する予定である。
オペレーショナル・リスク管理はグループのあらゆるレベルで実施され、すべての部署の職責とさ
れる。
EIBにおける報告については、月次オペレーショナル・リスク報告書が、グループレベルでオペレー
ショナル・リスクの管理とモニタリングのすべての側面について責任を有するグループ最高リスク責
任者(「GCRO」)によって承認され、経営委員会(「MC」)、監査委員会(「AC」)およびディレク
ター・ジェネラル(「DG」)に提出される。加えて、0.1百万ユーロを超える損失/利益は、即座に総
裁に報告される。EIFでは、オペレーショナル・リスク担当部署は監査役会(「AB」)および上級経営
陣に定期的な報告を行う。
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注T: 資産および負債の会計上の分類および公正価値(単位:百万ユーロ)
次の表は、グループの各種類、各区分の資産および負債の分類を示したものである。
FVOCI -
FVTPL での
強制的に 金融資産/ 帳簿価額
注 AC 資本性金融
測定に指定
FVTPLで測定 負債以外 合計
(FVO)
2020 年12月31日現在 商品
現金、中央銀行および
郵便局預け金 B.1 835
0 0 0 0 835
短期国庫証券・負債証券
ポートフォリオ B.2 39,397
213 5,506 0 0 45,116
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 C/D 492,921
17,478 1,808 0 0 512,207
株式およびその他の変動利付証券 B.3 0
576 12,232 515 0 13,323
デリバティブ資産 Q 0
0 53,286 0 0 53,286
有形固定資産 E 0
0 0 0 372 372
無形資産 E 0
0 0 0 39 39
その他の資産/応募済払込請求済
払込未了資本金および準備金 G.1/W.1 1,455
0 0 0 81 1,536
前払金 0
0 0 0 320 320
売却目的保有資産 11
0 0 0 0 11
合計
534,619 18,267 72,832 515 812 627,045
金融機関および顧客に対する債務 H 18,201
0 0 0 0 18,201
債務証書借入 I 455,034
29,863 0 0 0 484,897
デリバティブ負債 Q 0
0 38,355 0 0 38,355
その他の負債 G.2 3,320
0 0 0 2,168 5,488
繰延収益 F 0
0 0 0 435 435
引当金 J/D.4 0
0 0 0 9,630 9,630
合計
476,555 29,863 38,355 0 12,233 557,006
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FVTPL での
強制的に 金融資産/ 帳簿価額
注 AC 資本性金融
測定に指定
FVTPLで測定 負債以外 合計
(FVO)
2019 年12月31日現在 商品
現金、中央銀行および
郵便局預け金 B.1 947
0 0 0 0 947
短期国庫証券・負債証券
ポートフォリオ B.2 42,181
201 4,707 0 0 47,089
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 C/D 484,592
19,826 1,400 0 0 505,818
株式およびその他の変動利付証券 B.3 0
495 10,612 493 0 11,600
デリバティブ資産 Q 0
0 49,789 0 0 49,789
有形固定資産 E 0
0 0 0 404 404
無形資産 E 0
0 0 0 26 26
その他の資産 G.1 0
0 0 0 82 82
前払金 0
0 0 0 261 261
合計
527,720 20,522 66,508 493 773 616,016
金融機関および顧客に対する債務 H 9,079
0 0 0 0 9,079
債務証書借入 I 463,798
29,529 0 0 0 493,327
デリバティブ負債 Q 0
0 32,526 0 0 32,526
その他の負債 G.2 157
0 0 0 1,942 2,099
繰延収益 F 0
0 0 0 373 373
J / D.4
引当金 0
0 0 0 7,966 7,966
合計
473,034 29,529 32,526 0 10,281 545,370
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次の表は、グループの各種類、各区分の資産および負債の公正価値を示したものである。
金融資産以外および金融負債以外の場合、帳簿価額を公正価値としている。
FVTPL での FVOCI -
強制的に 金融資産/ 帳簿価額
AC 測定に指定 資本性金融
FVTPLで測定 負債以外 合計
(FVO) 商品
2020 年12月31日現在
現金、中央銀行および
郵便局預け金 835 0 0 0 0 835
短期国庫証券・負債証券
ポートフォリオ 39,738 213 5,506 0 0 45,457
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 508,264 17,478 1,808 0 0 527,550
株式およびその他の変動
利付証券 0 576 12,232 515 0 13,323
デリバティブ資産 0 0 53,286 0 0 53,286
有形固定資産 0 0 0 0 372 372
無形資産 0 0 0 0 39 39
その他の資産/応募済払込請求
済払込未了資本金および準備金 1,455 0 0 0 81 1,536
前払金 0 0 0 0 320 320
売却目的保有資産 11 0 0 0 0 11
合計 550,303 18,267 72,832 515 812 642,729
金融機関および顧客に
対する債務 18,201 0 0 0 0 18,201
債務証書借入 461,857 29,863 0 0 0 491,720
デリバティブ負債 0 0 38,355 0 0 38,355
その他の負債 3,320 0 0 0 2,168 5,488
繰延収益 0 0 0 0 435 435
引当金 0 0 0 0 9,631 9,631
合計 483,378 29,863 38,355 0 12,234 563,830
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FVTPL での FVOCI -
強制的に 金融資産/ 帳簿価額
AC 測定に指定 資本性金融
FVTPLで測定 負債以外 合計
(FVO) 商品
2019 年12月31日現在
現金、中央銀行および
郵便局預け金 947 0 0 0 0 947
短期国庫証券・負債証券
ポートフォリオ 42,517 201 4,707 0 0 47,425
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 494,569 19,826 1,400 0 0 515,795
株式およびその他の変動
利付証券 0 495 10,612 493 0 11,600
デリバティブ資産 0 0 49,789 0 0 49,789
有形固定資産 0 0 0 0 404 404
無形資産 0 0 0 0 26 26
その他の資産 0 0 0 0 82 82
前払金 0 0 0 0 261 261
合計 538,033 20,522 66,508 493 773 626,329
金融機関および顧客に
対する債務 9,079 0 0 0 0 9,079
債務証書借入 467,847 29,529 0 0 0 497,376
デリバティブ負債 0 0 32,526 0 0 32,526
その他の負債 157 0 0 0 1,942 2,099
繰延収益 0 0 0 0 373 373
引当金 0 0 0 0 7,966 7,966
合計 477,083 29,529 32,526 0 10,281 549,419
注U: セグメント報告(単位:百万ユーロ)
この注記で開示するセグメント情報はIFRS第8号により適用される「マネジメント・アプローチ」
に準拠して作成されたものであり、セグメントの定義とセグメント報告に用いる情報の作成は、いず
れもグループ内の経営判断用に作成された情報に基づいている。
EIBグループの報告セグメントは1つのみである。すなわち、欧州内外の貸付業務、借入業務、およ
び財務業務で構成される長期資金提供活動である。EIBのベンチャー・キャピタル投資は、単独では
2020年度に報告セグメントの決定のための量的基準のいずれも満たさず、そのため、EIBの長期資金提
供活動と共に報告されている。経営委員会は、事業運営に関するグループの最高意思決定機関とし
て、EIBの長期資金提供活動の業績を記した内部経営報告書を少なくとも四半期に1回検証する。
ベンチャー・キャピタル投資と保証供与を通じてEIFが行っている中小企業(SME)向け金融支援
は、2020年、2019年ともに報告セグメントの決定に係る量的基準のいずれも満たしておらず、報告セ
グメントの収益、損益ならびに資産および負債の調整では「その他」として開示されている。
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長期貸付業務
報告セグメントの情報
2020 年 2019 年
対外収益:
正味受取利息 2,971 2,978
正味株式収益 257 256
正味受取手数料 -3 32
金融業務損益 600 643
6 5
その他の業務収益
セグメント収益合計
3,831 3,914
その他の重要な非現金項目:
-27 81
貸付金および株式の減損損失
-27 81
報告セグメントの利益 2,599 2,895
報告セグメントの資産 624,084 613,323
報告セグメントの負債 555,751 544,417
報告セグメントの収益、利益ならびに資産および負債の調整
2020 年 2019 年
収益:
報告セグメントの収益合計 3,831 3,914
192 180
その他の収益
連結収益
4,023 4,094
利益
報告セグメントの利益合計 2,599 2,895
38 63
その他の利益
連結損益
2,637 2,958
資産:
報告セグメントの資産合計 624,084 613,323
2,961 2,693
その他の資産
連結資産合計
627,045 616,016
負債:
報告セグメントの負債合計 555,751 544,417
1,255 953
その他の負債
連結負債合計 557,006 545,370
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注V: 契約債務、偶発債務、担保差入資産およびその他の注記事項(単位:千ユーロ)
グループは顧客の財務上のニーズを満たすために貸付に関連する様々な金融商品を使用している。
グループは、融資枠、スタンドバイおよびその他の信用状、保証、レポ取引枠、ノート発行ファシリ
ティならびにリボルビング・アンダーライティング・ファシリティを提供している。保証は、一定条
件を満たすことを条件として、顧客が第三者に対して債務不履行を起こした場合にグループが弁済を
行うという取消不能の保証である。
これらの商品の契約額は、顧客が債務不履行を起こした場合におけるグループにとってのリスクの
最高額である。このリスクは、融資ファシリティを提供する際に伴うリスクに類似しており、同等の
リスク管理プロセスおよび特定の与信リスク管理方針により管理されている。
2020年12月31日および2019年12月31日現在の契約債務、偶発債務、およびその他の注記事項は以下
のとおりである(額面価格、単位:千ユーロ)。
2020 年 2019 年
12月31日 12月31日
契約債務:
- EBRD払込未請求資本
712,630 712,630
- 未実行貸付金(注D.1)
金融機関 32,365,353 29,652,661
対顧客 81,697,777 82,918,317
114,063,130 112,570,978
- ベンチャー・キャピタル事業への未実行額
5,390,859 5,411,987
- 未実行投資基金
3,273,437 3,587,184
- 決済未了のローンチ済借入
223,950 223,950
- 未実行代替貸付金
0 175,348
- 受取有価証券
0 122,000
偶発債務および保証:
- 第三者からの貸付金に係るもの
21,982,164 20,546,097
第三者に代わって保有している資産(*):
- インベストメント・ファシリティ・コトヌー
3,578,669 3,407,481
- ギャランティー・ファンド
2,854,866 2,829,065
- NER300
1,953,380 2,004,715
- イノベーターのためのEU資金提供(InnovFin)
1,836,483 1,310,055
- ファンド・オブ・ファンズ(「JESSICA II」)
851,994 652,115
- コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(CEF)
803,348 707,189
- COSME借入保証ファシリティ(LGF)および成長株式投
資ファシリティ(EFG) 610,789 415,718
- JESSICA(保有基金)
544,833 585,587
- EUアフリカ・インフラ信託基金
523,196 534,457
- 欧州構造投資基金(ESIF)
444,895 401,579
- 中小企業向け欧州共同財源(JEREMIE)
311,157 320,546
- ルーマニア向けSMEイニシアチブ
240,293 241,870
- 特別部門
182,785 203,512
- NPI証券化イニシアチブ(ENSI)
171,248 72,872
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2020 年 2019 年
12月31日 12月31日
- イタリア向けSMEイニシアチブ
165,539 171,409
- GF ギリシャ
162,062 161,243
- REG
159,057 81,877
- 資金パートナーシップ・プラットフォーム
137,152 105,351
- 雇用および社会イノベーション・プログラム(EaSI)
116,387 65,408
- リスク・シェアリング・ファイナンス・ファシリティ
(RSFF)(リスク・シェアリング・インスツルメント
(RSI)を含む) 105,778 607,413
- 深化した包括的自由貿易協定地域(DCFTA)
100,929 102,840
- 欧州近隣パートナーシップ枠組み(ENPI)
94,188 120,824
- ブルガリア向けSMEイニシアチブ
93,965 96,678
- InnovFin中小企業保証
75,964 132,006
- フィンランド向けSMEイニシアチブ
67,943 71,093
- GIF 2007
67,375 76,246
- SMEG 2007
64,996 70,735
- ドイツ・コロナ・マッチング・ファシリティ(CMF)
62,423 0
- 国際開発協力機構(AECID)
61,327 66,951
- InnovFin エクイティ
60,177 92,692
- マルチ・アニュアル・プログラム(MAP)エクイティ
53,751 133,582
- エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス商品
53,745 43,528
- 西バルカン諸国企業開発および新規事業育成ファシリ
ティ(WB EDIF)
48,560 49,330
- 文化・クリエイティブ部門保証ファシリティ
43,435 36,134
- 近隣インベストメント・ファシリティ(NIF)信託
基金 42,483 44,025
- 加盟候補国向け支援制度(IPA)II
36,137 31,682
- 欧州地中海投資パートナーシップ制度(FEMIP)信託
基金 34,663 37,713
- グレーター・アナトリア・ギャランティー・ファシリ
ティ(GAGF) 30,781 31,694
- マルチ・アニュアル・プログラム(MAP)ギャラン
ティー 30,445 32,323
- 近隣インベストメント・ファシリティ(NIF)リスク
資本ファシリティ 28,066 23,923
- マルタ向けSMEイニシアチブ
20,779 21,157
- EPTA信託基金
18,962 20,870
- 連邦経済技術省
18,031 3,896
- 多地域保証プラットフォーム・イタリア(AGRI)
17,400 17,506
- 欧州戦略投資基金(EFSI)-欧州投資アドバイザ
リー・ハブ(EIAH) 16,633 20,029
- NPI
13,349 14,763
- 自然環境保護資金調達ファシリティ
10,731 11,318
- 技術移転アクセラレーター(TTA)トルコ
5,938 1,425
- バルト諸国新規事業育成基金(BIF)
4,623 3,293
- 学生ローン保証ファシリティ
4,550 14,141
- グローバル・エネルギー効率・再生可能エネルギー
基金(GEEREF) 3,548 3,918
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2020 年 2019 年
12月31日 12月31日
- ポーランド・グロース・ファンド・オブ・ファンズ
(PGFF) 2,575 5,227
- ドイツのためのメザニン・ダッハ・ファンド(MDD)
2,157 356
- スペイン向けSMEイニシアチブ
2,018 944
- LfA-EIFファシリティ
1,826 369
- アルプス地域成長投資プラットフォーム(AlpGIP)
1,521 2,913
- 中央ヨーロッパ・ファンド・オブ・ファンズ
1,409 1,999
- 欧州技術ファシリティ
1,068 966
- EU貿易振興・競争力向上プログラム
1,056 0
- GEEREF技術支援ファシリティ
727 727
- 技術移転パイロット・プロジェクト(TTP)
471 246
- G43信託基金
284 31
- 欧州議会準備行動(EPPA)
11 3,320
- グリーン・フォー・グロース・ファンド(GGF)
7 12
- 重債務貧困国(HIPC)イニシアチブ 0 35,348
17,054,938 16,358,235
その他の項目:
- 金利スワップの想定元本(注S.2.5.2)
538,995,110 540,678,886
- 通貨スワップ契約(支払)の想定元本
226,957,983 218,941,502
- 通貨スワップ契約(受取)の想定元本(注S.2.5.2)
223,256,109 219,739,726
- 短期通貨スワップ契約(支払)の想定元本
22,471,884 35,156,452
- 短期通貨スワップ契約(受取)の想定元本(注Q.3)
22,374,714 35,632,792
- 為替予約取引(注Q.3)
551,359 528,280
- 借入債務支払に係る特別預け金(**)
810 9,035
(*) 運用下の資産は、利用可能な最新の数値に基づいて、オフ・バランスシート項目として開示されている。比較対象
数値は、利用可能な最新の情報を反映して修正再表示されることがあり得る。
(**) この項目は、グループが支払代理人に支払ったが、グループが発行した債券の保有者による支払いのための提示が
なされていない、期日到来済みのクーポンおよび債券の金額に相当する。
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V.1. インベストメント・ファシリティ・コトヌー
EIB が管理するインベストメント・ファシリティは、アフリカ・カリブ海および太平洋地域諸国と欧
州連合および加盟国との間における協力・開発に関する2000年6月23日付(その後改正済)のコト
ヌー協定に基づき設立されたものである。EIBは、インベストメント・ファシリティの個別財務書類を
作成している。
V.2. ギャランティー・ファンド
域外活動のためのギャランティー・ファンドは、非加盟国に供与された貸付および貸付保証の債務
不履行をカバーするため、または非加盟国におけるプロジェクトのために、1994年に設立された。欧
州委員会(EC)は、1994年11月に二者間で締結された契約およびその後の当該契約の改訂に基づき、
ギャランティー・ファンドの財務管理をEIBに委託している。EIBは、ギャランティー・ファンドの個
別財務書類を作成している。
V.3. NER300
EIB は、NER300イニシアチブ(炭素回収・貯蔵実証プロジェクト、および革新的再生可能エネルギー
技術のための資金調達プログラム)を遂行する際、エージェントとしてECをサポートする。当該ファ
シリティには、i) EU の割当量単位(EUA)の収益化、ii)EUA収益化活動を通じて受け取る資金の管
理および支出、といった2つの活動が含まれる。EIBは、NER300のために個別財務書類を作成してい
る。
V.4. イノベーターのためのEU資金提供(InnovFin)
InnovFinまたは「InnovFin-イノベーターのためのEU資金提供」は、EUの新規の2014年-2020年の
研究プログラムである「ホライズン2020」に基づくEIB、EIFおよび欧州委員会の共同の取組みであ
る。2013年12月11日、研究およびイノベーションのための包括プログラム(2014年-2020年)である
ホライズン2020を確立し、決定事項N1982/2006/ECを廃止する欧州議会および理事会規則(EU)
N1291/2013(「ホライズン2020規則」)が採択された。2014年6月12日、欧州委員会、EIBおよびEIF
は、金融商品であるInnovFinを設定する委任契約を締結した。InnovFinは、EIBグループによって提供
される一連の統合され、かつ補完的な金融ツールおよびアドバイザリー・サービスで構成され、零細
企業から巨大企業までの企業による投資を支援するために研究およびイノベーション(「R&I」)のバ
リュー・チェーン全体を対象としている。EIBは、InnovFinの個別財務書類を作成している。
V.5. ファンド・オブ・ファンズ(「JESSICA II」)
ファンド・オブ・ファンズ(「FoF」)は、欧州構造投資基金(「ESIF」)が、2014年から2020年ま
での間に加盟国運用プログラムにより資金供給した地域金融商品(「DFI」)で構成されている。FoF
は、選定された金融仲介機関と協力して、貸付、出資および保証の実行を通じて、最終受領者の資金
調達を促進している。
EIBは、ファンド・マネージャーとして、関係運営当局から資金供給(拠出)の取りまとめを行い、
拠出者と合意した投資戦略に従って、金融仲介機関を介して当該資金を投資している。
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V.6. コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(「CEF」)
コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(「CEF」)は、運輸、電気通信およびエネルギーのイ
ンフラストラクチャー・セクターにおける共益プロジェクトを支援するために、欧州横断的なネット
ワークに欧州連合の財政支援を提供することを目的とした、EIBと欧州委員会の間の共同協定である。
欧 州委員会は、CEFに基づく負債性金融商品の業務および管理をEIBに委託しており、これにより、欧
州横断交通網プロジェクト融資保証手段(「LGTT」)およびプロジェクト債券イニシアチブ
(「PBI」)の試験段階への連続性が確保される。LGTTとPBIは、CEFの下で2016年1月1日に統合され
た。CEF委任契約は、最新かつ共通のリスク・シェアリングの取決めを定めている。EIBは、CEFの個別
財務書類を作成している。
V.7. COSME借入保証ファシリティ(LGF)および成長株式投資ファシリティ(EFG)
中小企業の資金調達の困難に対処するため、COSMEは、借入保証ファシリティ(「LGF」)および成
長株式投資ファシリティ(「EFG」)を設立している。LGFおよびEFGは、中小企業が借入またはエクイ
ティの形での資金調達の利用可能性を向上させることを目的としている。当該金融商品にも、SMEイニ
シアチブに基づくEUの拠出制度が含まれている。EFGは、域内企業の成長および研究・イノベーション
を支援する持分金融商品の形で組成されている。LGFは、直接的または間接的な保証金融商品の形で組
成されている。LGFの目的は、中小企業向けの資金調達市場の構造的な欠陥の軽減に貢献し、中小企業
向けのより多様な資金調達市場の創生を支援することである。直接的または間接的な保証を通じて、
LGFは、成長力のある中小企業が資金調達の際に直面するとりわけ困難な状況に対処するため、借入に
よる資金調達時に保証を行うことを目的としている。さらに、適格かつ透明性の高い証券化取引のメ
ザニン・トランシェを保証することによって、LGFは中小企業の資金調達に新たな手段を提供すること
を目指している。EIFは、COSME LGFおよびEFGの個別財務書類を作成している。
V.8. JESSICA(「保有基金」)
JESSICA (都市部への持続可能な投資に対する欧州共同支援)は、欧州委員会とEIBが欧州評議会開
発銀行と共同で策定したイニシアチブである。
JESSICA 保有基金はJESSICAイニシアチブに関連して使用される。新しい手続きに基づき、関係運営
当局は、持続可能な総合都市開発計画の一部を形成するプロジェクトへの有償投資を行うために、自
身のEU助成金の一部を使用する選択権を付与される。EIBは、運用者として、関係運営当局から受領し
た資金を取りまとめ、拠出者と合意した投資ガイドラインに従って都市開発基金に投資している。EIB
は、JESSICAの個別財務書類を作成している。
V.9. EU-アフリカ・インフラ(「EUAI」)信託基金
EUAI 信託基金は、創設・援助組織としての欧州連合を代表するECと、運用者としてのEIBとの間の、
信託基金協定に基づき創設され、創設後は、欧州連合加盟国もこの協定に資金提供者として参加でき
る。2006年2月9日、ECとEIBは、EU-アフリカ・インフラ・パートナーシップを共同で推進し、特に
それを支援するEU-アフリカ・インフラ信託基金を設立する旨の覚書を交わした。EIBは、EUAI信託基
金の個別財務書類を作成している。
V.10. 欧州構造投資基金(「ESIF」)
欧州構造投資基金(「ESIF」)の下、EIFは、加盟国により2015年11月以降の保有基金管理運営者と
して任命され、ESIFファンドの管理・運営を行っている。ESIFイニシアチブは、中小企業の資金調
達、ならびにプライベート・エクイティ・ファンド、ギャランティー・ファンドおよびローン・ファ
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ンドなどの金融工学商品の利用を促進することを目的としている。EIFは、現在、加盟国・地域(バス
=ノルマンディー地域圏およびラングドック=ルシヨン地域圏)との間で締結した2件のESIF資金供
与 契約を管理している。EIFは、ESIFの個別財務書類を作成している。
V.11. 中小企業向け欧州共同財源(JEREMIE)
JEREMIE (中小企業向け欧州共同財源)は、欧州委員会の地域政策総局(DG Regio)とEIBグループ
によるイニシアチブである。EIFは、JEREMIEの個別財務書類を作成している。
V.12. ルーマニア向けSMEイニシアチブ
2016 年中に、SMEイニシアチブに関連して、EIFとフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、H2020金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGFとの関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらのSMEイニシアチブは、各国の
適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、H2020に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。EIFは、ルーマニア向けSMEイニシアチブの個別財務書類を作
成している。
V.13. 特別部門
特別部門は、総務会によって1963年5月27日に設定された。1977年8月4日の決議に基づき、その
目的は見直され、第三者の勘定で第三者の委託に基づいてEIBが実行した金融業務を記録するためとさ
れた。特別部門には、FED、MED/FEMIPおよび欧州開発金融機関民間部門開発ファシリティの保証部分
が含まれる。
V.14. NPI証券化イニシアチブ(「ENSI」)
EIFならびにKfW、フランス公的投資銀行(bpifrance)、CDP、マルタ開発銀行ワーキンググルー
プ、IFD、ICOおよびBBBを含めたいくつかの国家開発機関(「NPI」)は、中小企業(「SME」)への資
本市場を通じた資金提供の増加を目的とした協力およびリスク・シェアリング・プラットフォームで
あるEIF-NPI証券化イニシアチブ(「ENSI」)を開始した。このSME証券化取引における相互協力の目
的は、民間セクターからの資金を触媒としてSME証券化市場を活性化することによって、欧州のSME向
けファイナンスの利用可能性を高める点にある。これは、より広範囲にSMEの支援を行き渡らせようと
する欧州戦略投資基金の考えを反映したものである。
V.15. イタリア向けSMEイニシアチブ
2016 年中に、SMEイニシアチブに関連して、EIFとフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、H2020金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGFとの関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらのSMEイニシアチブは、各国の
適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、H2020に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。EIFは、イタリア向けSMEイニシアチブの個別財務書類を作成
している。
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V.16. GF ギリシャ
ファンドは、ギリシャ共和国、ECおよびEIBによる共同イニシアチブで、設立の目的は、ギリシャの
中小企業に対する融資を支援することである。ファンドは、ギリシャのために用意された構造基金の
未 使用部分を使って設立されており、ギリシャのパートナー銀行経由で、EIBの中小企業向けローンの
保証を行う。EIBは、GF ギリシャの個別財務書類を作成している。
V.17. REG
これは、2つの地域マンデートであるマルタにおけるスマートビルディング向けスマートファイナ
ンス(「SFSB」)およびアイルランド経済構造安定性投資プラットフォーム(「アイルランドSME」)
に対応している。アイルランドSMEは、アイルランド政府とEIFの間で締結された、アイルランドの国
立産業振興銀行との間で、主に中期貸付およびすべてのSME向けに注力し、SMEイニシアチブと類似し
た構造によって裏付けられた上限を設けない当事者間債務・権利共通保証契約を結ぶためのマンデー
トである。国家資金がファースト・ロスを担当し、EIBグループが中位リスク(EFSIを通じたEIB)お
よび優先リスク(EIBおよび潜在的にEIF)を担当する。
スマートビルディング向けスマートファイナンス(「SFSB」)は、世帯向けおよび事業向け両方の
建物に関連したエネルギー効率向上手段への投資を育成することを目的とした欧州委員会とEIBの共同
イニシアチブである。しかし、マルタの市場規模により、このマンデートの範囲は厳格には建物に関
連しないエネルギー効率向上手段、すなわちSFSBにおける焦点以外にも拡大される可能性がある。
V.18. 資金パートナーシップ・プラットフォーム(「PPF」)
PPFはEIBが運用する複数地域、複数拠出者、かつ複数セクターの、複数のファンドを組み込んだプ
ラットフォームであり、持続可能な発展のために金融の流れを増加させる必要性を考慮し、また欧州
投資銀行の成功体験を基礎として設立された。PPFに基づく基金は、プラットフォーム規則に従って導
入された。EIBは、PPFの個別ベースの合算財務報告を作成している。
V.19. 雇用および社会イノベーション・プログラム(「EaSI」)
EaSI保証金融商品は、欧州プログレス・マイクロファイナンス・ファシリティ(「プログレス・マ
イクロファイナンス」)に基づくマイクロクレジット保証の後継制度であるEaSIマイクロファイナン
ス保証を中心に構成されている。プログレス・マイクロファイナンスに基づきマイクロクレジット提
供者に対する支援が拡大される予定である。
また、EaSI保証金融商品は、EaSIソーシャル・アントレプレナーシップ保証で構成される。これは
新しい商品であり、社会的企業の資金調達を促進し、社会的投資市場の発展を支援していくものであ
る。EIFは、EaSIの個別財務書類を作成している。
V.20 リスク・シェアリング・ファイナンス・ファシリティ(「RSFF」)
RSFFは、欧州連合を代表するECとEIBとの間で締結され、2007年6月5日付で発効した協力協定に基
づき設立された。RSFFは、研究、技術開発と実証プロジェクトおよび技術革新への投資を育成するこ
とを目的としている。RSFFの一環として、EIFは、技術革新および研究を中心とする中小企業(SME)
および中堅企業のためのリスク・シェアリング・インスツルメント(「RSI」)を用意した。RSIは、
研究を推進する中小企業(「SME」)や中堅企業の借入やファイナンス・リースのため、銀行やリース
会社に保証を提供している。EIBは、RSIを含めたRSFFの連結財務書類を個別に作成している。
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V.21. 深化した包括的自由貿易協定地域(「DCFTA」)
欧州投資銀行および欧州連合は、2016年12月19日に、深化した包括的自由貿易協定地域
(「DCFTA」)の委任契約に署名した。東部DCFTAイニシアチブは、EUと協力協定を締結した国である
ジョー ジア、モルドバおよびウクライナに対し、的を絞った金融および技術的支援を中小企業
(「SME」)向けに提供することによって、これら3国の経済発展を強化することを目的としている。
DCFTAの一環として、EIFは保証枠ウィンドウの実行および管理を行う。EIFが実行および展開する保証
枠ウィンドウは、各国の仲介銀行がより多くのリスクを取り、各国経済で十分なサービスを受けてい
ないセグメントに支援を差し伸べる動機を与えるための、SMEポートフォリオ・ファースト・ロス保証
で構成される。EIBは、保証枠ウィンドウを含めたDCFTAの連結財務書類を個別に作成している。
V.22. 欧州近隣パートナーシップ枠組み(「ENPI」)
欧州近隣政策の対象国における欧州連合の一般予算から資金調達される事業の実施について定めた
欧州連合とEIBとの間の枠組み協定は、ENPIを通じて実施される。EIBは、ENPIの個別財務書類を作成
している。
V.23. ブルガリア向けSMEイニシアチブ
2016年中に、SMEイニシアチブに関連して、EIFとフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、H2020金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGFとの関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらのSMEイニシアチブは、各国の
適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、H2020に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。EIFは、ブルガリア向けSMEイニシアチブの個別財務書類を作
成している。
V.24. InnovFin中小企業保証
ホライズン2020の「リスク・ファイナンスへのアクセス・プログラム」との関連で、このプログラ
ムは負債性金融商品および持分金融商品の設定を規定している。InnovFin 中小企業保証と呼ばれるリ
スク・シェアリング・ファシリティは、保証の形で組成され、EUの拠出金を一次的に不履行金額の補
てんに使用し、EIFのリスク・テイク能力を二次的に不履行金額の補てんに使用する。この制度の目的
は、研究・開発およびイノベーションにおいて顕著な活動を行っている中小企業および中堅企業に、
金融仲介機関が貸付またはファイナンス・リースを提供する動機を与えることである。EIFは、
InnovFin中小企業保証の個別財務書類を作成している。
V.25. フィンランド向けSMEイニシアチブ
2016年中に、SMEイニシアチブに関連して、EIFとフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、H2020金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGFとの関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらのSMEイニシアチブは、各国の
適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、H2020に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。EIFは、フィンランド向けSMEイニシアチブの個別財務書類を
作成している。
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V.26. GIF 2007
競争力および革新枠組みプログラムと技術移転パイロット・プロジェクトに基づくGIF 2007
(CIP/GIF 2007)において、EIFは、自己の名義で、ただし欧州委員会に代わり欧州委員会のリスクに
おいて、投資の取得、管理および処分を行う権限を与えられている。EIFは、GIF 2007の個別財務書類
を作成している。
V.27. SMEG 2007
競争力および革新枠組みプログラムに基づくSMEG 2007(CIP/SMEG 2007)において、EIFは、自己の
名義で、ただし欧州委員会に代わり欧州委員会のリスクにおいて、保証を付与する権限を与えられて
いる。EIFは、SMEG 2007の個別財務書類を作成している。
V.28. ドイツ・コロナ・マッチング・ファシリティ(CMF)
ドイツ政府は、ドイツ経済向けのCOVID-19危機対策の一環として、当面2020年12月31日までベン
チャー・キャピタル・ファンドに、すべてのドイツのポートフォリオの企業についてすべての資金調
達時において自動的かつ標準化された公平な共同投資を提供することを目的としている。
V.29. 国際開発協力機構(「AECID」)
このパートナーシップ契約は、スペイン王国(スペインの国際開発協力機構(「AECID」))とEIBと
の間で調印されたもので、モーリタニアおよびFEMIPによってカバーされる諸国(「南地中海沿岸地
域」)の活動に投資するために設立された。地域の零細企業や中小企業に関してリスク資本を提供す
ること、および民間セクターの幅広い発展に従事することを主目的としている。EIBは、AECIDの個別
財務書類を作成している。
V.30. InnovFinプライベート・エクイティ
ホライズン2020金融商品は、対象となる研究およびイノベーションを支援するために、最終受領者
がリスクを伴う資金調達を活用しやすくすることを目的としている。当該金融商品には、貸付、保
証、株式その他のリスク・ファイナンスの形が含まれる。また、ホライズン2020金融商品は、アー
リーステージ投資ならびに既存および新規のベンチャー・キャピタル・ファンドの発展の促進、知的
財産に係る知識移転および市場の改善、ベンチャー・キャピタル市場への資金の呼び込み、ならびに
全体として、新しい製品およびサービスの構想、開発およびデモンストレーションから商品化につな
げるための支援も目的としている。ホライズン2020負債性金融商品にも、SMEイニシアチブに基づくEU
の拠出実施制度が含まれている。
アーリーステージ向けInnovFinエクイティ・ファシリティは、革新的な企業に対し、特にアーリー
ステージのベンチャー・キャピタルまたはメザニン・キャピタルの形によるエクイティ・ファイナン
スを提供することにより、アーリーステージ投資ならびに既存および新規のベンチャー・キャピタ
ル・ファンドの発展を促進することを目的としている。EIFは、InnovFinプライベート・エクイティの
個別財務書類を作成している。
V.31. マルチ・アニュアル・プログラム(MAP)エクイティ
企業および起業のためのマルチ・アニュアル・プログラム(MAP)に基づき、EIFは欧州委員会に代
わり欧州委員会のリスクにおいてリソースの管理を行っている。EIFは、MAPエクイティの個別財務書
類を作成している。
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V.32. エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス(「PF4EE」)商品
エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス(「PF4EE」)商品は、エネルギー効率関連投資向
けの十分かつ低価格の商業金融の利用可能性が限定的であることに対処することを目的とした、EIBと
欧州委員会の協定である。この商品は、EU加盟国の国別エネルギー効率行動計画、またはその他のエ
ネルギー効率プログラムの実施を支援するプロジェクトを対象としている。2014年12月、欧州委員会
およびEIBは、金融商品であるPF4EEを設定する委任契約を締結した。EIBは、PF4EEの個別財務書類を
作成している。EIFは、PF4EEの個別財務書類を作成している。
V.33. 西バルカン諸国企業開発および新規事業育成ファシリティ(WB EDIF)
西バルカン諸国企業開発および新規事業育成ファシリティ(「WB EDIF」)は、2012年12月にEC拡大
総局(「DG ELARG」)、EIBグループおよび欧州復興開発銀行(「EBRD」)の間で締結された共同イニ
シアチブである。同イニシアチブは、加盟候補国向け支援制度(「IPA」)基金の展開を通じて、西バ
ルカン諸国の中小企業の資金へのアクセスの改善および同地域の経済発展を育成することを目的とし
ている。WB EDIFにおいて、EIFはプラットフォーム・コーディネーター、企業拡大基金(「ENEF」)
におけるECのトラスティー、企業育成基金(「ENIF」)におけるECのトラスティーおよびギャラン
ティー・ファシリティの管理者としての役割を果たす。EIFは、WB EDIFの個別財務書類を作成してい
る。
V.34. 文化・クリエイティブ部門保証ファシリティ
この金融商品は、文化・クリエイティブ部門向けに力を注ぐ欧州連合の主要プログラムであるクリ
エイティブ・ヨーロッパの下で設定され、欧州連合に代わってEIFにより運用される。このイニシアチ
ブは、EIFが保証や念書を選定金融仲介機関に提供することを認め、これにより金融仲介機関が文化・
クリエイティブ分野の企業家に対するデット・ファイナンスの提供を増やすことを可能とする。生成
された貸付金により、10,000社を超えるオーディオビジュアル(映画、テレビ、アニメーション、ビ
デオゲーム、マルチメディアを含む)、フェスティバル、音楽、文学、建築、記録資料、図書館、博
物館、美術工芸、文化遺産、デザイン、芸能、出版、ラジオ、視覚芸術など、広範囲のセクターのSME
が支援を受けると予想される。EIFは、文化・クリエイティブ部門保証ファシリティの個別財務書類を
作成している。
V.35. 近隣インベストメント・ファシリティ(「NIF」)信託基金
EIBが管理するNIF信託基金は、欧州近隣政策(「ENP」)の戦略的目標を達成するために設立され
た。当基金は、SME向け、人的資源育成を含む社会セクター向け、および地方自治体のインフラストラ
クチャー開発向けの支援を通じて、より適切で持続可能性の高いエネルギーおよび輸送の相互接続性
を確立し、エネルギー効率の向上および再生可能エネルギー資源の利用促進を進め、気候変動および
より広い意味での環境への脅威に対処し、スマートで持続可能かつ包括的な成長を促進することに重
点を置いている。EIBは、NIF信託基金の個別財務書類を作成している。
V.36. 加盟候補国向け支援制度II(「IPA II」)
加盟候補国向け支援制度(「IPA」)に係る協定は、EUが「拡大国」の改革を財政面および技術面で
援助する支援措置である。加盟候補国向け支援ファンドも、持続性のある経済回復、エネルギー供
給、運輸、自然環境および気候変動などに関する目標をEUが達成できるよう支援する。IPA Iの後継制
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度IPA IIは、すでに達成された成果を土台とし、2014年から2020年までの期間に117億ユーロを充当し
て構築される予定である。IPA IIの最も重要な革新性は、戦略的焦点にある。フレームワーク・パー
ト ナーシップ契約は、2015年末に締結され、EIBにより履行される。様々な「特別供与契約」の締結に
より、DG NEARからの財源が配分される。EIBは、IPA IIの個別財務書類を作成している。
V.37. 欧州地中海投資パートナーシップ制度(「FEMIP」)信託基金
EIBが管理するFEMIP(ユーロ地中海投資パートナーシップ・ファシリティ)信託基金は、多数の援
助国の支援を得て、地中海パートナーシップ・ファシリティ参加国におけるEIBの既存業務を強化する
ために設立された。当基金は、技術援助とリスク資本の提供を通じて、特定の優先分野の事業に資源
を投入することを目指している。EIBは、FEMIP信託基金の個別財務書類を作成している。
V.38. グレーター・アナトリア・ギャランティー・ファシリティ(「GAGF」)
2010 年5月に調印されたGAGFに基づき、EIFは欧州連合およびトルコによって地域競争力戦略プログ
ラムに割り当てられた加盟候補国向け支援制度(IPA)の資金管理をしている。このファシリティは、
トルコで最も開発が遅れている地域の中小企業および零細企業に対し、トルコの大手銀行と連携して
実態に合わせた金融支援を提供するものである。EIFは、GAGFの個別財務書類を作成している。
V.39. マルチ・アニュアル・プログラム(MAP)ギャランティー
この原資は、プライベート・エクイティと保証商品に等分されている。ESU 1998 (「G&E」)およ
びESU 2001 (「MAP」)と呼ばれるエクイティ部門は、ETFの起業投資を取り扱っている。SMEG 1998
G&EおよびSMEG 2001 MAPと呼ばれる保証部門は、受益者の事業に対して保証を提供する。EIFは、MAP
ギャランティーの個別財務書類を作成している。
V.40. 近隣インベストメント・ファシリティ(「NIF」)リスク資本ファシリティ
近隣インベストメント・ファシリティ(「NIF」)リスク資本ファシリティは、欧州連合の一般予算
を財源とする。主な目標として、民間セクターの開発、包括的な成長および民間セクターの雇用創出
を支援するため、南方の近隣地域のSMEにエクイティ・ファイナンスおよびデット・ファイナンスへの
アクセスを提供することに注力している。このファシリティは、エクイティ・ファイナンスおよび
デット・ファイナンスの手段から成る金融商品ウィンドウと、技術支援サービスから成る付加的任務
ウィンドウで構成される。EIBは、金融商品ウィンドウの個別財務書類を作成している。
V.41. マルタ向けSMEイニシアチブ
2015 年1月19日、欧州委員会、EIBおよびEIFは、SMEイニシアチブに対応する専用ウィンドウの一部
の条項に適用される諸条件およびH2020金融商品の当該専用ウィンドウに対する欧州連合の拠出につい
て定めたホライズン2020委任契約の修正に調印した。スペインおよびマルタ向けのSMEイニシアチブ
は、前年に開始された。EIFは、マルタ向けSMEイニシアチブの個別財務書類を作成している。
V.42. EPTA信託基金
EPTA (東方パートナーシップ技術支援)信託基金は、技術支援のための多分野向けの多目的融資枠
を提供し、EIB東方パートナーシップ事業の質を高め、かつ開発効果を増幅させることに重点的に取り
組んでいる。同基金は、近隣インベストメント・ファシリティを補完する。EIBは、EPTA信託基金の個
別財務書類を作成している。
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V.43. 連邦経済技術省
EIFは、ドイツ連邦経済技術省および欧州復興計画のために資金を管理している。
V.44. 多地域保証プラットフォーム・イタリア(「AGRI」)
イタリアの農業プラットフォームは、EIFとイタリアの6地域(ヴェネト、エミリア・ロマーニャ、
ウンブリア、カンパニア、カラブリア、プーリア)との間の資金提供契約の締結で正式に開始され
た。イタリアにおける農業プラットフォームは、欧州農業農村振興基金(「EARFD」)からの構造基金
を使用して、各加盟農村開発プログラム(「RDP」)の財源を使用してファースト・ロスをカバーする
金融商品を展開している。このプラットフォームの目的は、地域レベルで新規事業を育成し、同時に
農民および農業関連事業への新規貸付けを支援するために、地域実行官庁を標準的商品の方向に導く
ことである。
V.45. 欧州戦略投資基金(「EFSI」)
適用されるEFSI規則に基づき、欧州委員会およびEIBは、EFSIの管理・運営、EUの保証提供に関する
契約(EFSI契約)、および欧州投資アドバイザリー・ハブ(「EIAH」)の実施に関する契約(「EIAH
契約」)を締結した。
EFSI契約に基づき、ECは、EFSIが支援するプロジェクトに関して、EIBにEUの保証を提供した。EUの
保証に充当する資産は、欧州委員会が直接管理する。EFSIが支援するプロジェクトは、通常のEIBのプ
ロジェクトのサイクルおよびガバナンスに従う。また、EFSIは自己専用のガバナンス構造を有してい
る。当該構造は、EFSIの下で行う投資において、欧州に対する投資の妨げとなる市場のリスク負担の
失敗に対処するという特別の目的に、確実に重点が置かれ続けるようにするために設置されている。
EIAH は、プロジェクトおよび投資に対し、財務以外の支援を拡充することを目的としている。EIAH
は3つの補完的な構成要素であるa) 公共受益者および民間受益者向けの広範なアドバイザリー技術支
援プログラムおよびイニシアチブへの足掛かり、b) パートナー機関の間での専門知識の活用、交換お
よび普及を目的とした協同プラットフォーム、およびc) 既存のアドバイザリー・サービスの強化もし
くは拡大または未対処のニーズに対応する新規のサービスの創出、で構成される。EIBは、EIAHの個別
財務書類を作成している。
V.46. 国家開発機関(「NPI」)
これは、EIFとイタリアの預託貸付公庫(CDP)の間のパートナーシップの枠組みにおけるCDPの社会
インパクト投資の2つ目のプログラムである。2017年11月29日に署名されたこのプログラムの焦点
は、イタリアにおける社会融資の領域である。これは仲介者への持分投資、直接の持分投資および負
債投資を含むそれぞれの条件に適合した複数商品の投資プログラムである。
V.47. 自然環境保護資金調達ファシリティ(「NCFF」)
自然環境保護資金調達ファシリティ(「NCFF」)は、EIBと欧州委員会との共同契約であり、自然環
境保護資金の保全のための収益創出またはコスト削減プロジェクト(気候変動適応プロジェクトを含
む)に係る市場の格差および障壁に対処することにより、生物多様性分野および気候変動への適応に
関するEUおよび加盟国の目標の達成に貢献することを目的としている。EIBは、NCFFの個別財務書類を
作成している。
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V.48. 技術移転アクセラレーター(TTA)トルコ
TTA トルコは、EIFが科学産業技術省(「MoSIT」)、トルコ科学研究審議会(「TUBITAK」)、駐ト
ルコ欧州連合代表部および欧州委員会地域政策ディレクター・ジェネラルと協力して計画したイニシ
アチブである。TTAトルコは、加盟候補国向け支援制度(「IPA」)の資金に係る協定書の地域開発項
目に基づき、EUとトルコ共和国が共同融資し、EIFが管理している。TTAトルコは、2つの目的を達成
すること、すなわち、大学および研究センターに限定されている科学的な研究開発(「R&D」)の事業
化の促進による、財務的に持続可能なファンドの設立、ならびに特にトルコの後進地域および発展途
上地域への波及効果に重点を置いた、トルコにおける技術移転市場の発展を促進することを目指して
いる。
V.49. バルト諸国新規事業育成基金(「BIF」)
2012 年9月に署名されたバルト諸国新規事業育成基金(「BIF」)は、パートナーシップとして組成
されたファンド・オブ・ファンズであり、バルト海沿岸地域に重点を置いてベンチャー・キャピタル
およびプライベート・エクイティ・ファンドに投資する。この基金は、EIBグループならびにエストニ
アのFund KredEx、ラトビアのLatvijas Garantiju Agentiiraおよびリトアニアのlnvesticiju ir
verslo garantijosinというバルト諸国の国家機関から共同出資を受けている。EIFは、BIFの個別財務
書類を作成している。
V.50. 学生ローン保証ファシリティ(エラスムス計画)
欧州構造投資基金(「ESIF」)の下、EIFは、加盟国により2015年11月以降の保有基金管理運営者と
して任命され、ESIFファンドの管理・運営を行っている。ESIFイニシアチブは、中小企業の資金調
達、ならびにプライベート・エクイティ・ファンド、ギャランティー・ファンドおよびローン・ファ
ンドなどの金融工学商品の利用を促進することを目的としている。EIFは、現在、加盟国・地域(バス
=ノルマンディー地域圏およびラングドック=ルシヨン地域圏)との間で締結した2件のESIF資金供
与契約を管理している。EIFは、学生ローン保証の個別財務書類を作成している。
V.51. GEEREF(「基金および技術支援ファシリティ」)
GEEREF (グローバル・エネルギー効率・再生可能エネルギー基金)は、ECのイニシアチブで設定さ
れたファンド・オブ・ファンズである。その目的は、新興市場(ACP、ALAおよび欧州近隣諸国)にお
ける再生可能エネルギーおよびエネルギー効率の分野を重点とするプライベート・エクイティ・ファ
ンドに投資することである。EIFも、GEEREFフロント・オフィスが実施する関連業務の対象となる技術
援助の提供を委任されている。
V.52. ポーランド・グロース・ファンド・オブ・ファンズ(「PGFF」)
2013 年4月に署名されたポーランド・グロース・ファンド・オブ・ファンズ(「PGFF」)は、パー
トナーシップとして組成されたファンド・オブ・ファンズであり、ポーランドに重点を置いてベン
チャー・キャピタルおよびプライベート・エクイティ・ファンドに投資する。同ファンドは、EIBグ
ループとBank Gospodarstwa Krajowegoが共同出資している。EIFは、PGFFの個別財務書類を作成して
いる。
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V.53. ドイツのためのメザニン・ダッハ・ファンド(「MDD」)
MDD は2013年6月に調印された投資プログラムであり、ドイツの中堅企業に投資するハイブリッド債
および株式ファンドを引き受けるために、ドイツ連邦経済技術省(「BMWi」)および州の様々な機関
が資金を供出している。
V.54. スペイン向けSMEイニシアチブ
2015 年1月26日、スペイン王国と欧州投資基金との間で委任契約が締結された。EIFは、適格な中小
企業向けデット・ファイナンスの新規ポートフォリオ、ならびに中小企業および従業員が500名未満の
その他の企業向けの既存のデット・ファイナンスの証券化および/または中小企業向けデット・ファ
イナンスの新規ポートフォリオの証券化に対して、上限を設けず保証を提供する予定である。スペイ
ン向けSMEイニシアチブに対するEUの拠出は、EIFが受領し、EIBが実施する国庫資産運用の対象とな
る。当該運用については、欧州投資基金と欧州投資銀行との間で締結された資産運用サイド・レター
に準拠する。EIFは、スペイン向けSMEイニシアチブの個別財務書類を作成している。
V.55. LfA-EIFファシリティ
LfA-EIFファシリティは、2009年に調印されたもので、ドイツ・ババリア地方における技術志向の初
期および拡大段階にある企業を支援するために投資を提供するEIFおよびLfAフォルダーバンク・バイ
エルンの共同ベンチャーである。
V.56. アルプス地域成長投資プラットフォーム(「AlpGIP」)
2017年9月、EIFは革新的な、EUのアルプス・マクロ・リージョンにおける最近のベンチャー・キャ
ピタルおよび成長セグメントを対象とした、地域持分投資プラットフォーム(非法人構造)を立ち上
げた。イタリアのロンバルディア、ピエモンテ、ヴァッレ・ダオスタ、アルト・アディジェ(ボル
ツァーノ地域)の各州は、すでにこのプラットフォームに投資しており、他の地域も後の段階での参
加が見込まれている。
V.57. 中央ヨーロッパ・ファンド・オブ・ファンズ(「CEFoF」)
中央ヨーロッパ・ファンド・オブ・ファンズ(「CEFoF」)は、オーストリア、チェコ共和国、スロ
バキア、ハンガリーおよびスロベニア(CE諸国)の政府および国家機関との緊密な協力の下で欧州投
資基金(「EIF」)によって創設されたファンド・オブ・ファンズ・イニシアチブであり、これらの地
域全体にわたって中小企業(「SME」)へのエクイティ投資を促進し、健全な市場に基づくリスク資金
調達インフラストラクチャーを確立し、事業投資における最良市場標準を導入し、中央ヨーロッパに
機関投資家および投資マネージャーを呼び込むことを目的としている。
V.58. 欧州技術ファシリティ(「ETF」)
ETF スタートアップ・ファシリティでは、EIFは自己の名義で、ただし欧州委員会に代わり欧州委員
会のリスクにおいて、ETFスタートアップ投資を取得、運用、処分する権限を与えられている。
V.59. EU貿易振興・競争力向上プログラム(「EUTCP」)
経済成長を加速させ、民間セクターの発展を支援し、地域統合ならびに気候変動の軽減および適応
を強化するというEUの政策目的に沿って、EIBはEUTCPを展開するためにECと協力している。EUTCPは以
下を合わせたものである。(i)バリュー・チェーン向けのEIBの長期貸付金、(ii)保証手段(リスク・
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シェリング・ファシリティ)および(iii)選別された国における市場の機能不全に対処するための技術
的支援(専門家支援ファシリティ)。EUTCPはまた、EIBにとってそれぞれの国におけるポジショニン
グ について戦略的に重要な取組みを表す。このプログラムは、EIBの伝統的な商品を補完する新たな保
証商品を可能にするため、対象国における選択されたバリュー・チェーンに沿ってSMEに対する多額の
投資をもたらすことが見込まれる。EIBは、EUTCPのリスク・シェアリング・ファシリティの個別財務
書類を作成している。
V.60 グローバル・エネルギー効率・再生可能エネルギー基金(GEEREF)
グローバル・エネルギー効率・再生可能エネルギー基金(「GEEREF」)の下で、EIFは2007年12月よ
り投資アドバイザーの機能を果たしている。GEEREFは、EC、ドイツ連邦政府およびノルウェー王国の
支援を受けており、その目的は主に、エネルギー効率および再生可能エネルギーに関与し、開発途上
国および市場経済移行国におけるクリーン・エネルギーの利用可能性を高めるプロジェクトおよび企
業を資産に持つ、地域のファンドに投資することである。GEEREF事業の開拓は、サブアドバイザリー
契約の下で、正式にEIBに委任されている。
V.61. 技術移転パイロット・プロジェクト(「TTP」)
欧州委員会の資金提供を受けて2008年11月に調印されたTTPに基づき、EIFはシード前およびシード
段階における資金提供を通じて技術移転体制を支援している。EIFは、TTPの個別財務書類を作成して
いる。
V.62. G43信託基金
EIF は、2012年8月に署名されたG43アナトリア・ベンチャー・キャピタル・ファンドの下で、トル
コ・セントラル・ファイナンス・ユニット(「CFCU」)から委託を受けている。このファンドは、ト
ルコの南東アナトリア地方の中小企業への投資を専門にしている。EIFは、G43の個別財務書類を作成
している。
V.63. 欧州議会準備行動(「EPPA」)
2010年、EIFは、DG RegioとEPPAに調印した。EIFは、幾つかの選別されたマイクロファイナンス金
融機関が有意な規模に達し、事業継続の見通しを改善することができるよう支援するため、キャパシ
ティ・ビルディングのためのリスク資本と金融支援を提供している。EIFは、EPPAの個別財務書類を作
成している。
V.64. グリーン・フォー・グロース・ファンド(「GGF」)
グリーン・フォー・グロース・ファンドはEIFによって2009年12月に設立され、トルコを含む欧州東
南部諸国のエネルギー効率改善に特化して資金提供を行っている。
V.65. 重債務貧困国(「HIPC」)イニシアチブ
HIPCイニシアチブ(「イニシアチブ」)とは、世界の最貧国に特別支援を供与する国際的な債務救
済制度である。世界銀行と国際通貨基金からの申入れを受けて、1996年に設立された。主な目的は、
貧困国の債務負担を維持可能な水準にまで削減することにある。
2020年7月30日付のECからの閉鎖通知に基づき、ECとEIB HIPC間の管理契約は2020年8月31日付で
解除された。EIBは、2020年8月31日現在の同イニシアチブの最後の財務書類を作成した。
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(1)
特別部門計算書
2020年12月31日および2019年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
2020 年12月31日 2019 年12月31日
資産
地中海沿岸諸国
欧州連合の財源によるもの
実行済貸付残高 8,333 13,073
リスク資本業務
- 未実行金額
21,747 21,614
- 実行済金額
30,465 32,978
52,212 54,592
(2)
60,545 67,665
合計
アフリカ、カリブ海および太平洋地域諸国ならびに加盟国の
属国および属領
欧州連合の財源によるもの
- ヤウンデ協定
実行済貸付金 0 71
リスク資本による業務
- 実行済金額 419 419
(3)
419 490
合計
- ロメ協定
リスク資本による業務
121,821 135,357
- 実行済金額
(4)
121,821 135,357
合計
182,785 203,512
合計
200/416
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(1)
特別部門計算書 (続き)
2020年12月31日および2019年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
2020 年12月31日 2019 年12月31日
負債
受託管理資金
欧州連合の委託によるもの
- 地中海沿岸諸国金融議定書
38,798 46,051
- ヤウンデ協定
419 490
121,821 135,357
- ロメ協定
161,038 181,898
受託管理資金の合計
未実行金額
21,747 21,614
地中海沿岸諸国における貸付業務およびリスク資本業務
21,747 21,614
未実行金額の合計
182,785 203,512
合計
付記:
欧州連合の委託に基づきEIBが元利回収を引き受けた、欧州委員会提供の特別条件付貸付金の実行済・未返済残高合
計:
a) 2020年12月31日現在における第1次、第2次および第3次ロメ協定に基づくもの:232,416千ユーロ(2019
年:256,081千ユーロ)
b) 2020年12月31日現在における地中海沿岸諸国との間で署名した金融議定書に基づくもの:35,417千ユーロ
(2019年:41,578千ユーロ)
欧州連合-欧州開発金融機関民間部門開発ファシリティとの関連において、保証部分の導入契約が2014年8月20日
に締結された。2019年に受けた履行請求後の、2020年12月31日現在に発行済EU保証はゼロ(2019年:ゼロ)であっ
た。EU保証の総額は、2020年12月31日現在で38,920千ユーロ(2019年:38,920千ユーロ)である。
注(1): 特別部門は、総務会によって1963年5月27日に設定された。1977年8月4日の決議に基づき、その目的が見直さ
れ、第三者の勘定で第三者の委託に基づいて欧州投資銀行が実行した金融業務を記録するためとされた。ただ
し、コトヌー協定、欧州連合-アフリカ・インフラ信託基金、近隣インベストメント・ファシリティ信託基金
(「NIF」)およびFEMIP信託基金に基づくインベストメント・ファシリティについては、個別財務書類に表示
されている。また、EIBは2005年より他の委託について異なる種類の財務書類を作成している。
特別部門計算書は、欧州連合および加盟国の委託に基づく実行済金額もしくは未実行金額から解約額および
返済額を控除した金額を示している。実行済金額および未実行金額ならびに受取済および受取予定資金は、額
面価額で計上されている。特別部門計算書では、これらの業務に付随するリスクを補填するために必要となり
うる引当金もしくは評価調整は、確定的な償却を除き、考慮されていない。外貨建ての金額は、12月31日現在
の実勢為替レートで換算されている。
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注(2): 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、マグレブおよびマシュレク諸
国、マルタ、キプロス、トルコならびにギリシャにおけるプロジェクト資金(1981年1月1日の欧州共同体加
盟前に10百万ユーロ融資)のため締結された契約の実行時の金額:
実行時の金額: 840,457
減算: 為替差額 56,989
解約額 178,046
544,877
返済額
-779,912
60,545
注(3): 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、連合アフリカ諸国、マダガスカ
ルおよびモーリシャスならびに加盟国の属国、属領および地区(AASMM-OCTD)におけるプロジェクト資金のた
め締結された契約の実行時の金額:
特別条件付貸付金 139,483
2,503
リスク資本形成拠出金
実行時の金額: 141,986
加算: 資産計上された利息 1,178
9,823
為替差額
11,001
減算: 解約額 3,310
149,258
返済額
-152,568
419
注(4):欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、アフリカ・カリブ海および太平
洋諸国ならびに加盟国の属国および属領(ACP-OCT)におけるプロジェクト資金のため締結された契約の実行時
の金額:
リスク資本による貸付金:
条件付劣後貸付金 3,116,097
121,002
出資
実行時の金額: 3,237,099
加算: 資産計上された利息 9,548
減算: 解約額 741,842
返済額 2,326,706
56,278
為替差額
-3,124,826
121,821
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注W: 資本金および準備金
W.1. 資本金および準備金
欧州連合の金融機関であるEIBは、1957年3月25日付のローマ条約に基づいて設立された。EIB構成
員は欧州連合加盟国であり、いずれもグループの資本金に対し応募済みである。EIBの応募済資本金
は、248,795,606,881ユーロ(2019年12月31日現在では243,284,154,500ユーロ)であり、払込未請求
資本金は、2020年12月31日現在、226,604,891,420ユーロ(2019年12月31日現在では221,585,019,550
ユーロ)である。
新規加盟国、またはEIB応募済資本金分担分を増額する加盟国は、払込請求を受けた資本金分担分に
準備金、準備金に相当する引当金および同様金額の分担分を加算した金額を、通常は数年間にわたり
均等に分割して払い込む。EIB資本金の新規加盟国分担金の算定(通常、欧州委員会統計局
(Eurostat)が公式に発表した各国のGDPに基づいて行われる)を含めた払込みの具体的な方法は、加
盟条約および/または総務会のEIB増資決議により設定される。
2017年3月29日、英国は、 欧州連合条約(「TEU」)第50条に従って欧州連合(「EU」)から離脱す
る決定を欧州理事会に通知した。英国は、TEU第50条および「グレートブリテンおよび北アイルランド
連合王国の欧州連合および欧州原子力共同体からの離脱協定」(「離脱協定」)に基づき、2020年2
月1日をもってEU加盟国でなくなった。英国のEUからの離脱により、英国は自動的に欧州投資銀行
(「EIB」)の構成員でなくなり、応募済資本金の分担も終了した。
2020年2月1日より、EIBの応募済資本金における英国の分担金は、その全額につき、残りのEU加盟
国が按分負担する増資をもって差し替えられた。この資本の差替え(均衡的資本差替え)は、EIBにお
ける英国の応募済資本金の払込請求済部分に加え、払込未請求部分も対象とするものであった。払込
請求済部分の差替えは、EIBの準備金を払込込請求済の応募済資本金に振り替えることで賄われた。増
資の結果、残りの各EU加盟国において、EIBの応募済資本金の払込未請求(請求可能)持分が按分で増
加した。
2020年3月1日、応募済資本金はポーランドおよびルーマニアからの拠出(それぞれ、
5,386,000,000ユーロおよび125,452,381ユーロ)により、243,284,154,500ユーロから
248,795,606,881ユーロへと増加した(非均衡的増資)。払込請求済の応募済資本金および準備金への
拠出は、それぞれ0.5百万ユーロおよび1.1百万ユーロであった。当該加盟国から支払われる総額は、
10回の均等分割により半年ごとに支払われ、2020年12月31日、2021年6月30日、2021年12月31日、
2022年6月30日、2022年12月31日、2023年6月30日、2023年12月31日、2024年6月30日、2024年12月
31日および2025年6月30日に支払期日を迎える。
2020年12月31日に期日を迎えた分割分は全額が決済された。
払込請求済だが払込未済の応募済資本金および準備金として貸借対照表に表示されている1,454,535
千ユーロは、2020年3月1日の非均衡的増資の結果の、加盟国であるポーランドおよびルーマニアか
らのディスカウント適用後の未収額(1,438,648千ユーロ)を含んでいる。
EIB の総務会および理事会における議決権は、各加盟国の応募済資本金分担金だけでなく、EIB定款
の第8条と第10条で定められている別の基準にも一部基づいて設定されているが、その適用は、具体
的な議決手続に応じて双方に基づく場合もあれば一方だけに基づく場合もある。
W.2. 自己資本管理
強固な自己資本ポジションの維持は、グループの主要な目的の一つである。自己資本の十分性確保
のためのグループの自己資金は、予想損失および引当金控除後の請求済資本および準備金で構成され
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ている。グループの自己資本はすべて、コア資本Tier1の金融商品で構成されている。加えて、グ
ループは、必要が生じたときにEIBが払込請求できる引受済未請求自己資本から恩恵を受けている。グ
ルー プは、法人業務計画およびリスク許容度に従い、将来の見通しに基づき、自己資本について計画
している。
規制当局の監督下に置かれていないものの、関連する銀行業に関する欧州連合指令および銀行業の
ベスト・プラクティスに従うことを目指している。特に、このことはバーゼルIIIの枠組みをEU法に変
換した自己資本要件指令(2013年6月26日、575/2013/EP)に該当する。グループは、規制上および経
済上の自己資本所要額の双方をモニタリングするとともに、ストレス・テストを実施して、マクロ経
済環境およびグループの業務の変化に対する自己資本所要額の感応度を評価している。
自己資本要件規則に従い、欧州連合会計指令に基づくEIBグループの連結財務書類に基づいて算出さ
れたグループのコア資本Tier1比率は、2020年12月31日現在で32.7%(2019年末は32.5%)であっ
た。2020年12月31日現在、法定財務書類に基づくEIBのコア資本Tier1比率は、33.1%(2019年末現在
32.9%)であった。
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注X: 換算レート
2020 年12月31日現在および2019年12月31日現在の連結貸借対照表の作成にあたり使用されている換
算レートは、以下のとおりである。
2020 年12月31日 2019 年12月31日
欧州連合加盟国のユーロ以外の通貨
ブルガリア・レフ(BGN) 1.9558 1.9558
チェコ・コルナ(CZK) 26.2420 25.4080
デンマーク・クローネ(DKK) 7.4409 7.4715
クロアチア・クーナ(HRK) 7.5519 7.4395
ハンガリー・フォリント(HUF) 363.8900 330.5300
ポーランド・ズロチ(PLN) 4.5597 4.2568
ルーマニア・レウ(RON) 4.8683 4.7830
スウェーデン・クローナ(SEK) 10.0343 10.4468
欧州連合加盟国以外の通貨
オーストラリア・ドル(AUD) 1.5896 1.5995
アゼルバイジャン・マナト(AZN) 2.0758 1.9004
カナダ・ドル(CAD) 1.5633 1.4598
スイス・フラン(CHF) 1.0802 1.0854
中国人民元(CNY) 8.0225 7.8205
ドミニカ・ペソ(DOP) 71.2661 59.3644
エジプト・ポンド(EGP) 19.2469 17.9584
エチオピア・ブル(ETB) 48.0400 35.6810
英ポンド(GBP) 0.8990 0.8508
ジョージア・ラリ(GEL) 4.0070 3.1927
香港ドル(HKD) 9.5142 8.7473
アイスランド・クローナ(ISK) 156.1000 135.8000
日本円(JPY) 126.4900 121.9400
ケニア・シリング(KES) 133.8000 113.6300
カザフスタン・テンゲ(KZT) 516.7300 429.7200
モロッコ・ディルハム(MAD) 10.9017 10.7263
モルドバ・レウ(MDL) 20.9200 19.2000
メキシコ・ペソ(MXN) 24.4160 21.2202
ノルウェー・クローネ(NOK) 10.4703 9.8638
ニュージーランド・ドル(NZD) 1.6984 1.6653
セルビア・ディナール(RSD) 117.5300 117.4700
ロシア・ルーブル(RUB) 91.4671 69.9563
チュニジア・ディナール(TND) 3.2919 3.1122
トルコ・リラ(TRY) 9.1131 6.6843
台湾ドル(TWD) 34.4399 33.5463
ウクライナ・グリブナ(UAH) 34.7156 26.5849
米ドル(USD) 1.2271 1.1234
中央アフリカCFAフラン(XAF) 655.9570 655.9570
西アフリカCFAフラン(XOF) 655.9570 655.9570
南アフリカ・ランド(ZAR) 18.0219 15.7773
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注Y: 関連当事者取引
Y.1. 関連会社
以下に、連結財務書類に含まれる関連会社に関連する金額を表示している。
(単位:千ユーロ) 2020 年12月31日 2019 年12月31日
株式およびその他の変動利付証券 575,615 494,813
金融業務損益 46,334 43,164
ベンチャー・キャピタル事業への未実行額 611,372 657,168
Y.2. 関連会社
グループは、理事会、監査委員会、経営委員会の委員およびEIBの各種組織部門の責任者であるディ
レクター・ジェネラル、ならびに内部統制独立部署の責任者を主要経営陣とみなしている。
一般管理費(注P)に算入されている主要経営者の当該報告期間の報酬は、次の表のとおりである。
(単位:千ユーロ) 2020 年 2019 年
(1)
短期給付 9,404 9,574
(2)
退職後給付 962 915
(3)
552 -1,504
退職手当
合計 10,918 8,985
(1) 短期従業員給付は、経営委員会委員、ディレクター・ジェネラルおよびその他ディレクターの給与および手当、賞
与、社会保障負担金、ならびに理事会および監査委員会の委員に支払われた給付である。
(2) 退職後給付は、経営委員会委員、ディレクター・ジェネラル、およびその他ディレクターに支払われた年金および
退職後健康保険費である。
(3) 2019年度について、グループは過年度に関連する退職手当引当金の取り崩しを計上したことにより、純利益を計上
した。2019年度に費用計上された手当は744千ユーロであった。
主要経営陣に対して前渡金も信用供与行っておらず、またいかなる種類の保証の形態でも主要経営
陣の利益のための契約を締結していない。
2020 年12月31日現在の主要経営陣との間の未決済残高は、強制および任意の補足年金制度および健
康保険制度に関する負債、ならびに期末現在の未払残高で構成されている。
(単位:千ユーロ) 2020 年12月31日 2019 年12月31日
年金制度および健康保険(注J) 122,927 110,113
その他の負債(注G) 16,508 16,095
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注Z: 後発事象
2020年12月31日現在の本財務書類の調整または本財務書類における開示を要する、決算日後に発生
した重要な事象はない。
COVID-19のパンデミックという状況下で、グループは特に後発事象のレビューの一環として引き続
き状況を注視している。その点に関して、2020年12月31日現在の本財務書類の調整または本財務書類
における開示を要する、決算日後に発生した重要な事象はないと考えられる。
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②【EU会計指令に基づく連結財務書類】
当有価証券報告書の本項に記載されているEIBグループの 2020 年12月31日現在の連結貸借対照表お
よび連結オフ・バランスシート、ならびに同日に終了した事業年度の連結損益計算書および連結
キャッシュ・フロー計算書( 以下「EU会計指令に基づく連結財務書類」という。)は、 銀行および
その他の金融機関の年次財務書類および連結財務書類に関する1986年12月8日付 欧州経済共同体理事
会 指令(86/635/EEC)の一般原則 (一部の銀行およびその他の金融機関の年次財務書類および連結
財務書類に関して、 2001年9月27日付欧州共同体指令2001/65/EC、2003年6月18日付欧州共同体指
令2003/51/ECおよび2006年6月14日付欧州共同体指令2006/46/ECにより改正済み) に 準拠して作成
されている。
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連結貸借対照表
2020年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
資産 2020年12月31日 2019年12月31日
1. 現金、中央銀行および郵便局預け金 (注B.1) 835,163 947,155
2. 中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期
証券 (注B.2) 32,073,906 34,436,433
3. 金融機関貸付金および預け金
a )要求払 613,764 544,317
b )その他の貸付金および預け金(注C) 60,275,644 53,854,679
c )貸 付金(注D.1) 103,720,205 109,830,697
d)評価損益(注D.2) -80,237 -64,413
164,529,376 164,165,280
4. 対顧客貸付金および預け金
a )その他の貸付金および預け金(注C) 900,604 964,644
b)貸付金(注D.1) 321,119,208 317,404,048
c)評価損益(注D.2) -567,532 -415,346
321,452,280 317,953,346
5. 確定利付証券を含む負債証券 (注B.2)
a )公共機関による発行 5,150,059 3,873,908
b )その他による発行 7,658,631 8,563,375
12,808,690 12,437,283
6. 株式およびその他の変動利付証券 (注E.2) 8,745,640 7,939,126
7. 参加持分 (注E.2) 363,188 336,845
8. 無形資産 (注F) 39,279 25,655
9. 有形資産 (注F) 248,759 247,398
10. その他の資産 (注G) 37,312 56,726
11. 払込請求済だが払込未済の応募済資本金および
準備金 (注H.2) 1,438,648 0
12. 前払金および未収収益 (注I) 13,544,357 16,661,609
資産合計
556,116,598 555,206,856
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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連結貸借対照表(続き)
2020 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
負債 2020年12月31日 2019年12月31日
1. 金融機関に対する債務 (注J)
a)要求払 4,199,057 6,287,270
b )期日払または通知払 12,316,334 1,185,511
16,515,391 7,472,781
2. 顧客に対する債務 (注J)
a)要求払 1,680,511 1,594,508
b )期日払または通知払 20,951 15,554
1,701,462 1,610,062
3. 債務証書借入 (注K)
a)負債証券 425,622,598 435,684,081
b)その他 9,641,151 13,637,452
435,263,749 449,321,533
4. その他の負債 (注G) 4,449,751 1,031,324
5. 未払金および繰延収益 (注I) 19,382,783 17,244,752
6. 引当金
a )年金制度および健康保険制度(注L) 3,818,049 3,409,064
b )保証業務に係る引当金(注D.4) 22,640 19,815
3,840,689 3,428,879
7. 応募済資本金 (注H)
a)応募済資本金 248,795,607 243,284,155
b)払込未請求資本金 -226,604,892 -221,585,020
22,190,715 21,699,135
8. 準備金 (注H)
a)準備基金 24,328,415 24,328,415
b)その他準備金 11,888,087 12,792,307
c)特別活動準備金 11,736,896 10,777,675
d)一般貸倒準備金 2,135,891 2,170,177
50,089,289 50,068,574
9. 当期純利益 1,749,853 2,418,836
10. 少数株主に帰属する持分 (注H) 932,916 910,980
負債合計
556,116,598 555,206,856
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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連結オフ・バランスシート
2020 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
2020年12月31日 2019年12月31日
契約債務:
- 未実行貸付金(注D.1)
- 金融機関
32,365,353 29,652,661
- 対顧客 81,697,777 82,918,317
114,063,130 112,570,978
- 株式およびその他の変動利付証券への未実行額
- ベンチャー・キャピタル事業への未実行額
(注E.2) 4,779,487 4,754,819
- 未実行投資基金(注E.2)
3,273,437 3,587,184
712,630 712,630
- EBRD払込未請求資本
8,765,554 9,054,633
- 参加 持分未実行額
- ベンチャー・キャピタル事業への未実行額
611,372 657,168
(注E.2)
611,372 657,168
- 未実行代替貸付金
223,950 223,950
- 受取有価証券
0 175,348
- 決済未了のローンチ済借入
0 122,000
偶発債務および保証:
- 第三者からの貸付金に係るもの
21,982,164 20,546,097
(*)
第三者に代わって保有している資産 (注Z) :
- インベストメント・ファシリティ・コトヌー
3,578,669 3,407,481
- ギャランティー・ファンド
2,854,866 2,829,065
- NER 300
1,953,380 2,004,715
- イノベーターのためのEU資金提供(InnovFin)
1,836,483 1,310,055
- ファンド・オブ・ファンズ(JESSICA II)
851,994 652,115
- コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ
(CEF) 803,348 707,189
- COSME 借入保証ファシリティ(LGF)および
成長株式投資ファシリティ(EFG) 610,789 415,718
- JESSICA (保有基金)
544,833 585,587
- EU アフリカ・インフラ信託基金
523,196 534,457
- 欧州構造投資基金(ESIF)
444,895 401,5 79
- 中小企業向け欧州共同財源(JEREMIE)
311,157 320,546
- ルーマニア向けSMEイニシアチブ
240,293 241,870
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
連結オフ・バランスシート(続き)
2020 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
2020年12月31日 2019年12月31日
- 特別部門
182,785 203,512
- NPI 証券化イニシアチブ(ENSI)
171,248 72,872
- イタリア向けSMEイニシアチブ
165,539 171,409
- GF ギリシャ
162,062 161,243
- REG
159,057 81,877
- 資金パートナーシップ・プラットフォーム
137,152 105,351
- 雇用および社会イノベーション・プログラム
(EaSI) 116,387 65,408
- リスク・シェアリング・ファイナンス・
ファシリティ(RSFF)(リスク・シェアリング・
インスツルメント(RSI)を含む) 105,778 607,413
- 深化した包括的自由貿易協定地域(DCFTA)
100,929 102,840
- 欧州近隣パートナーシップ枠組み(ENPI)
94,188 120,824
- ブルガリア向けSMEイニシアチブ
93,965 96,678
- InnovFin 中小企業保証
75,964 132,006
- フィンランド向けSMEイニシアチブ
67,943 71,093
- GIF 2007
67,375 76,246
- SMEG 2007
64,996 70,735
- ドイツ・コロナ・マッチング・ファシリティ
(CMF) 62,423 0
- 国際開発協力機構(AECID)
61,327 66,951
- InnovFin エクイティ
60,177 92,692
- マルチ・アニュアル・プログラム(MAP)
エクイティ 53,751 133,58 2
- エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス
商品 53,745 43,528
- 西バルカン諸国企業開発および新規事業育成ファ
シリティ(WB EDIF)
48,560 49,330
- 文化・クリエイティブ部門保証ファシリティ
43,435 36,134
- 近隣インベストメント・ファシリティ(NIF)
信託基金 42,483 44,025
- 加盟候補国向け支援制度(IPA)II
36,137 31,682
- 欧州地中海投資パートナーシップ制度(FEMIP)
信託基金 34,663 37,713
- グレーター・アナトリア・ギャランティー・
ファシリティ(GAGF) 30,781 31,694
- マルチ・アニュアル・プログラム(MAP)
ギャランティー 30,445 32,323
- 近隣インベストメント・ファシリティ(NIF)
リスク資本ファシリティ 28,066 23,923
- マルタ向けSMEイニシアチブ
20,779 21,157
- EPTA 信託基金
18,962 20,870
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有価証券報告書
連結オフ・バランスシート(続き)
2020 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
2020年12月31日 2019年12月31日
- 連邦経済技術省
18,031 3,896
- 多地域保証プラットフォーム・イタリア(AGRI)
17,400 17,506
- 欧州戦略投資基金(EFSI)-欧州投資アドバイ
ザリー・ハブ(EIAH) 16,633 20,029
- NPI
13,349 14,763
- 自然環境保護資金調達ファシリティ
10,731 11,318
- 技術移転アクセラレーター(TTA)トルコ
5,938 1,425
- BIF
4,6 23 3,293
- 学生ローン保証ファシリティ
4,550 14,141
- グローバル・エネルギー効率・再生可能
エネルギー基金(GEEREF) 3,548 3,918
- ポーランド・グロース・ファンド・オブ・
ファンズ(PGFF) 2,575 5,227
- ドイツのためのメザニン・ダッハ・ファンド
(MDD) 2,157 356
- スペイン向けSMEイニシアチブ
2,0 18 944
- LfA-EIF ファシリティ
1,826 369
- アルプス地域成長投資プラットフォーム
(AlpGIP) 1,521 2,913
- 中央ヨーロッパ・ファンド・オブ・ファンズ
1,409 1,999
- 欧州技術ファシリティ
1,068 966
- EU貿易振興・競争力向上プログラム
1,056 0
- GEEREF 技術支援ファシリティ
727 727
- 技術移転パイロット・プロジェクト(TTP)
471 246
- G43信託基金
284 31
- 欧州議会準備行動(EPPA)
11 3,320
- グリーン・フォー・グロース・ファンド(GGF)
7 12
- 重債務貧困国(HIPC)イニシアチブ 0 35,348
17,054,938 16,358,235
その他の項目:
- 金利スワップ契約の想定元本(注V.1.2)
538,995,110 540,678,886
- 通貨スワップ契約(支払)の想定元本
226,957,983 218,941,502
- 通貨スワップ契約(受取)の想定元本(注V.1.1)
223,256,109 219,739,726
- 短期通貨スワップ契約(支払)の想定元本
22,471,884 35,156,452
- 短期通貨スワップ契約(受取)の想定元本
(注V.2) 22,374,714 35,632,792
- EIF の少数株主に付与されたプット・オプション
819,467 821,272
- 為替予約取引(注 V.2 )
551,359 528,280
810 9,035
- 借入債務支払に係る特別預け金(注S)
(*) 運用資産は、利用可能な最新の数値に基づいて、オフ・バランスシート項目として開示されている。比較対象数値
は、利用可能な最新の情報を反映するために修正再表示されることがあり得る。
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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有価証券報告書
連結損益計算書
2020年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2020年 2019年
1. 受取利息および類似収益 (注N) 18,049,312 24,519,884
2. 支払利息および類似費用 (注N) -14,980,625 -21,476,544
3. 証券からの収益 275,473 278,533
4. 受取手数料 (注O) 484,530 429,475
5. 支払手数料 (注O) -327,649 -252,282
6. 金融業務損益 (注P) -176,808 112,550
7. その他の業務収益 (注Q) 5,557 5,925
8. 一般管理費 (注R)
a)人件費(注L) -1,013,949 -860,217
b)その他の管理費 -264,271 -286,971
-1,278,220 -1,147,188
9. 有形・無形資産に係る評価損益 (注F)
a)有形資産 -29,240 -28,985
b)無形資産 -18,010 -15,597
-47,250 -44,582
10. 固定金融資産として保有される譲渡可能有価証
券および参加持分に係る(再)評価損益 -8,350 -1,778
11. 貸付金および預け金ならびに偶発債務引当金に
係る(再)評価損益 -222,137 33,781
12. 当期純利益 1,773,833 2,457,774
13. 少数株主に帰属する当期利益 23,980 38,938
14. EIB 株主に帰属する当期利益
1,749,853 2,418,836
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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有価証券報告書
連結キャッシュ・フロー計算書
2020 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2020年 2019年
A. 営業活動によるキャッシュ・フロー:
当期純利益 1,773,833 2,457,774
調整額:
貸付金および預け金ならびに偶発債務引当金に係る(再)評価損益 222,137 -33,781
固定金融資産として保有される譲渡可能有価証券および参加持分に
係る評価損益 8,350 1,778
有形・無形資産に係る評価損益および償却 (注F) 47,300 45,312
株式およびその他の変動利付証券に係る(再)評価損益 (注E.2) 158,115 -65,546
正味受取利息 (注N) -3,068,68 7 -3,043,340
10,530 -1,615
為替調整額
-848,422 -639,418
営業活動による損失
金融機関および対顧客貸付金および預け金の実行額 -51,605,321 -40,819,872
金融機関および対顧客貸付金および預け金の返済額 48,874,685 46,502,444
その他の貸付金および預け金の変動額 12,798,500 -12,939,990
中央銀行預け金の変動額 (注B.1) 1,621 30,808
財務運用ポートフォリオの変動額 510,394 5,999,059
金融機関および顧客に対する債務の変動額(注J) 9,134,010 3,064,416
年金制度および健康保険制度の引当金の変動額(注L) 408,985 327,335
保証業務に係る引当金の変動額(注D.4) 2,825 -10,199
その他の資産およびその他の負債の変動額(注G) -58,063 185,636
前払金および未収収益ならびに未払金および繰延収益の変動額 -2,176,485 776,163
利息受取額 17,575,162 23,418,188
-14,262,269 -20,379,662
利息支払額
20,355,622 5,514,908
営業活動による/(で使用した)正味現金
B. 投資活動によるキャッシュ・フロー:
期中に購入した長期ヘッジ・ポートフォリオの有価証券 0 -720,000
期中に満期が到来した長期ヘッジ・ポートフォリオの有価証券 61,000 139,600
負債証券ポートフォリオに含まれる代替貸付金およびEIFの
ABSポートフォリオの購入 -3,109,456 -3,889,925
負債証券ポートフォリオに含まれる代替貸付金およびEIFの
ABSポートフォリオの償還 3,307,500 3,830,869
株式およびその他の変動利付証券取得額 (注E.1) -2,116,091 -2,254,446
株式およびその他の変動利付証券売却額 (注E.1) 1,159,662 650,836
参加持分取得額 (注E.1) -69,368 -95,565
参加持分売却額 (注E.1) 34,803 29,195
-62,285 -37,999
有形・無形資産の購入 (注F)
-794,235 -2,347,435
投資活動による/(で使用した)正味現金
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有価証券報告書
連結キャッシュ・フロー計算書(続き)
2020 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2020年 2019年
C. 財務活動によるキャッシュ・フロー:
債務証書借入の発行 (注K) 150,299,236 141,610,413
債務証書借入の償還 (注K) -150,160,396 -152,891,158
加盟国の拠出 159,850 0
EIF株式購入 -13,267 0
EIF株式売却 7,510 2,201
0 -4,331
EIF の少数株主に支払われた配当金
292,933 -11,282,875
財務活動による/(で使用した)正味現金
キャッシュ・フローの要約表:
29,709,759 37,246,503
現金および現金同等物期首残高
以下による正味現金:
営業活動 20,355,622 5,514,908
投資活動 -794,235 -2,347,435
財務活動 292,933 -11,282,875
-1,489,426 578,658
保有現金に係る為替調整
48,074,653 29,709,759
現金および現金同等物期末残高
現金および現金同等物の内訳:
現金、中央銀行および郵便局預け金(ルクセンブルク中央銀行の
最低預金準備率を充足するための預け金を除く)(注B.1) 725,794 836,165
短期金融市場証券(注B.2) 2,801,772 3,551,379
金融機関および対顧客貸付金および預け金:
要求払 613,764 544,317
43, 933,323 24,777,898
その他の貸付金および預け金(注C)
48,074,653 29,709,759
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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有価証券報告書
欧州投資銀行グループ
連結財務書類に対する注記
2020 年12月31日現在
欧州投資銀行(「EIB」)は、1958年にローマ条約により、欧州連合(「EU」)の長期貸付銀行として設立
された。EIBの任務は、EU加盟国の統合、均衡の取れた発展、経済的および社会的な結束に貢献することであ
る。EIBは、資本市場で多額の資金を調達し、それらの資金をEU政策目標を促進するプロジェクトに有利な条
件で貸し付けている。EIBは継続的に、その業務をEU政策の展開に適合させている。
登記上の事務所所在地は、98-100, boulevard Konrad Adenauer, L-2950 Luxembourgである。
EIBと子会社を合わせて「グループ」または「EIBグループ」と総称する。
EIBの子会社については、注E.1に開示されている。
注A: 重要な会計方針
A.1. 作成基準
A.1.1. 会計原則
欧州投資銀行の連結財務書類(「本財務書類」)は、銀行およびその他の金融機関の年次財務書類
および連結財務書類に関する1986年12月8日付欧州共同体理事会86/635/EEC指令書(特定の業種の会
社、銀行およびその他の金融機関の年次財務書類および連結財務書類に関する2001年9月27日付
2001/65/EC指令書、2003年6月18日付2003/51/EC指令書および2006年6月14日付2006/46/EC指令書に
より改正済)(以下、「指令書」と総称する)の一般原則に準拠し、継続企業の前提に基づいて作成
されている。
経営委員会の提案を受け、理事会は2021年3月11日に本財務書類を採択し、2021年4月23日までに
これを総務会に提出して承認を求めることを承認した。
グループは、欧州連合が承認した国際財務報告基準(IFRS)に従って作成した連結財務書類も公表
している。
A.1.2. 重要な会計上の判断および見積り
本財務書類を作成するにあたり、経営委員会は報告されている収益、費用、資産、負債ならびに偶
発資産および偶発債務の開示に影響する見積りおよび仮定を立てることが求められている。入手可能
な情報の使用、および判断の適用は、見積りに特有のものである。将来の実際の結果は、これらの見
積りとは異なる場合があり、これらの差異は本財務書類に対して重要なものとなる可能性がある。
最も重要な判断および見積りは、次のとおりである。
貸付金および預け金ならびに代替貸付金に係る評価損益
グループでは、報告日ごとに貸付金および預け金ならびに代替貸付金を検証し、評価調整に係る引
当金を計上すべきか否かを評価している。特に、引当金所要額を算定するにあたっては、将来キャッ
シュ・フローの金額と発生時期の見積りにおいて経営陣の判断を要する。こうした見積りは多くの要
素に関する仮定に基づいており、実際の結果は見積りと異なることがあり、結果として、将来、引当
金が変動する場合もある。個別に重要な貸付金および預け金ならびに代替貸付金に対する個別引当金
の他に、個別引当金を計上する必要があると具体的に特定されていないものの、貸付金および預け金
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有価証券報告書
ならびに代替貸付金のデフォルト・リスクが付与された当初よりも高まっているエクスポージャーに
対して、グループは集合的引当金を計上するためのテストも実施している(注A.2.7を参照)。
保証業務に係る引当金
グループは、金融保証契約を、予想プレミアムの正味現在価値(「NPV」)または当初予想損失に対
応する公正価値で当初認識している。その後金融保証は、対応する損失引当金と、当初認識時の受取
プレミアムから認識済収益を控除した額のいずれか高い方の金額により、将来の予想プレミアムの正
味現在価値の不足額として測定される(注A.2.14を参照)。
年金および他の退職給付
確定給付年金制度および他の退職後医療費給付に係る費用は、数理計算上の評価を用いて算定す
る。数理計算上の評価に際しては、割引率、死亡率、ならびに将来の給与および年金の増加に関する
仮定を行う。これらの制度は長期にわたるため、こうした見積りは重要な不確実性を伴う(注A.2.11
を参照)。
A.1.3. EIBの英国に対するエクスポージャー
2017年3月29日、英国は、欧州連合条約(「TEU」)第50条に従って欧州連合(「EU」)から離脱す
る決定を欧州理事会に通知した。英国は、TEU第50条および「グレートブリテンおよび北アイルランド
連合王国の欧州連合および欧州原子力共同体からの離脱協定」(「離脱協定」)に基づき、2020年2
月1日をもってEU加盟国でなくなった。英国のEUからの離脱により、英国は自動的に欧州投資銀行
(「EIB」)の構成員でなくなり、応募済資本金の分担も終了した。
2020年2月1日より、EIBの応募済資本金における英国の分担金は、その全額につき、残りのEU加盟
国が按分負担する増資をもって差し替えられた。この資本の差替え(均衡的資本差替え)は、EIBにお
ける英国の応募済資本金の請求済部分に加え、未請求部分も対象とするものであった。請求済部分の
差替えは、EIBの準備金を請求済の応募済資本金に振り替えることで賄われた。増資の結果、残りの各
EU加盟国において、EIBの応募済資本金の未請求(請求可能)持分が按分で増加した。
また、ポーランドおよびルーマニアのEIBに対する応募済資本金が、それぞれ5,386,000,000ユーロ
および125,452,381ユーロ引き上げられた。この増資(非均衡的増資)は、英国のEU離脱から1ヵ月後
の2020年3月1日に効力を生じた。ポーランドとルーマニアは、EIBの応募済資本金の増加分の請求済
部分につき支払いを行うものとし、10回の均等分割により半年ごとにEIBの準備金に拠出を行ってい
く。
なお、英国のEU離脱に伴うEIB定款の数多くの変更がすでに効力を生じた。EIB定款変更の第一群
は、2020年2月1日に効力を生じた。 英国がEIBの構成員でなくなったことを反映する これらの法定の
変更には、EIB定款における英国への言及の削除が含まれた。 ガバナンス条項のいくつかの変更も同時
に効力を生じ、かかる変更には、 EIB 理事会の代理 メンバーの増員 、ならびにEIBの業務計画、手続規
則および経営委員会の委員の任命の承認に係る特定多数決方式の導入が含まれた。 EIB 定款変更の第二
群は、 ポーランドおよびルーマニアからの増資 ならびに関連するガバナンスの変更 に関するものであ
り、2020年3月1日に効力を生じた。
英国がEIBの構成員でなくなった結果として、離脱協定には、EIBに関する財務決済を定めるいくつ
かの規定が盛り込まれている。離脱協定第150条に定める条項に従い、英国は、EIBに対する応募済資
本金の従前の分担に従い、EU離脱前のEIBのエクスポージャーについて引き続き責任を負う。これに関
連して、2020年12月31日現在で、EU離脱前のEIBのエクスポージャーは573,420百万ユーロとなり、一
方、英国の負債の限度額は39,195百万ユーロとなった。
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英国は、EIBのその他のリスクについても、それが離脱後の融資に関するものでない限り引き続き責
任を負う。また、EIBは、離脱協定第150条に定める条項に従い、EUに代わって、EIBの請求済資本金に
対 する英国の分担金相当額を12回の分割により毎年英国に支払う。英国の請求済資本金の払戻しを除
き、EIBは、英国がEIBの構成員でなくなることに関連して、または離脱協定の関連条項に定める英国
の一部債務の留保を理由として、英国に対してその他の弁済、返金または報酬を支払う義務を負わな
いものとする。
英国のEU離脱およびその結果としてのEIBの構成員でなくなること、ならびに当該離脱およびEIBの
構成員でなくなるための準備は、上記のEIBの自己資本に対する影響を除き、2020年12月31日現在およ
び同日に終了した事業年度の連結財務書類に重要な影響は与えなかった。
A.2. 重要な会計方針の要旨
A.2.1. 外国通貨の換算
グループは、加盟国の資本勘定の測定単位として、そしてグループの財務書類の表示にユーロ
(「EUR」)を使用している。
グループは、各欧州連合加盟国の通貨、ユーロおよび非欧州連合通貨で業務を行っている。EIBの財
源は様々な通貨建ての出資、借入および利益剰余金によって調達される。
外貨建取引は、取引日の実勢為替レートで換算される。グループのユーロ以外の通貨建ての貨幣性
資産および負債は、貸借対照表日の実勢為替レート(終値)に基づきユーロに換算される。これらの
換算から生じた損益は損益計算書の「金融業務損益」に計上される。
A.2.2. 連結基準
子会社
子会社とは、グループによって直接的または間接的に支配されているすべての企業である。EIBグ
ループは、グループが企業への関与から生じる変動リターンにさらされているか、または変動リター
ンに対する権利を有しており、かつ、こうしたリターンに対して当該企業への権限を通じて影響を及
ぼす能力を有している、その支配下の企業を連結することが義務付けられている。
すべての重要な子会社は連結財務書類に含まれているが、グループにとって重要性のない企業は連
結の範囲から除外されている。あらゆる子会社の財務書類は、支配を開始した日から、支配を停止し
た日まで、連結財務書類に含められている。
EIB グループの財務書類は、欧州投資銀行(「EIB」)およびその子会社である欧州投資基金
(「EIF」)の財務書類により構成される。子会社の財務書類は、EIBと同じ報告年度について作成さ
れ、EIBと一貫した会計方針に基づいている。
少数株主持分
EIB の子会社における少数株主持分は、グループが直接的にも間接的にも所有していない損益および
純資産の部分を表し、連結貸借対照表上の「少数株主に帰属する持分」および連結損益計算書上の
「少数株主に帰属する当期利益」で、それぞれ表示されている。
EIFの少数株主が保有する株式に関して、プットオプションの形態で提供しているコミットメント
は、行使価格でオフ・バランスシートに計上されている。
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連結上消去される取引
貸借対照表および損益計算書上の勘定を合算した後、グループ内取引から生じたグループ内の残
高、取引、収益および費用をすべて相殺消去している。
代理人または受託者の資格で保有されている資産はグループの資産ではなく、注Zに記載されてい
る。
A.2.3. デリバティブ
グループは、金利リスクおよび外貨リスクのエクスポージャーを管理するため、デリバティブ商品
(主に通貨スワップおよび金利スワップ)を資産負債管理(「ALM」)活動の一環として使用してい
る。すべてのデリバティブ取引は、想定元本により、取引日にオフ・バランス項目として計上されて
いる。
グループのスワップの大部分は、債券発行をヘッジする目的で締結されている。グループは、金利
スワップに加えて通貨スワップを締結し、これにより借入資金を当初別の通貨に交換し、満期時には
借入返済に必要な資金を元の通貨で入手する。
またグループは、貸付金のヘッジの一環として、またはグローバルなALMポジションのために通貨ス
ワップ、金利スワップおよびオーバーナイト・インデックス・スワップを行っている。これに関する
利息は、関連期間に対する比例配分で計上されている。
グループは、財務オペレーションの一部としての為替スワップを主とした短期デリバティブ金融商
品を使用するほか、アクティブ運用ポートフォリオ(有価証券流動性ポートフォリオ)をヘッジする
手段としてのデリバティブも利用している。
A.2.3.1. 有価証券流動性ポートフォリオのデリバティブ
有価証券流動性ポートフォリオ(「SLP」)の一部として、デリバティブが締結され、貸借対照表に
時価で計上される。すなわち、その時価が正の値の場合には、「その他の資産」に、負の値の場合に
は、「その他の負債」に計上される。時価の変動は、「金融業務損益」に含まれている。時価は、市
場の公表価格、ディスカウント・キャッシュ・フロー・モデルおよびオプション価格モデルにより入
手している。オプション価格モデルには、現在の市況および原資産の契約価額と同様に、時間的価
値、イールドカーブおよび原資産のボラティリティが考慮される。
デリバティブ金融商品の金利は、関連期間に対する比例配分で「前払金および未収収益」または
「未払金および繰延収益」の勘定科目に計上される。
通貨スワップ
通貨スワップ契約は、通貨ポジションを調整するために締結される。通貨スワップの直物レッグの
再評価は、「未払金および繰延収益」または「前払金および未収収益」で相殺されている。金利ス
ワップにおける受取利息および支払利息は関連期間に対する比例配分で計上され、損益計算書では
「受取利息および類似収益」または「支払利息および類似費用」に計上される。通貨スワップの時価
が正の値の場合には、「その他の資産」に、負の値の場合には、「その他の負債」に計上される。時
価の変動は、「金融業務損益」に含まれている。
金利スワップ
金利スワップは、金利ポジションを修正するために締結される。金利スワップにおける受取利息お
よび支払利息は関連期間に対する比例配分で計上され、損益計算書では「受取利息および類似収益」
または「支払利息および類似費用」に計上される。金利スワップの時価が正の値の場合には、「その
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他の資産」に、負の値の場合には、「その他の負債」に計上される。時価の変動は、「金融業務損
益」に含まれている。
先物契約
先物契約(先物)は、政府債およびその他の債券への投資から発生するエクスポージャーをヘッジ
するために締結される。先物は高度に標準化されたデリバティブ契約であり、規制対象市場で取引さ
れ、日次での証拠金要件が適用される。先物の時価が正の値の場合には、「その他の資産」に、負の
値の場合には、「その他の負債」に計上される。時価の変動は、「金融業務損益」に含まれている。
A.2.3.2. その他のデリバティブ
通貨スワップ
通貨スワップ契約は、通貨ポジションを調整するために締結される。通貨スワップの直物レッグの
再評価は、「未払金および繰延収益」または「前払金および未収収益」で相殺されている。通貨ス
ワップの先渡レッグは決済金額でオフ・バランスシート処理されており再評価されていない。直物金
額と先渡金額の決済差額として生ずるプレミアム/ディスカウントは、損益計算書の「受取利息およ
び類似収益」または「支払利息および類似費用」を通じ、関連期間に対する比例配分で償却される。
金利スワップ
金利スワップは、金利ポジションを修正するために締結される。ヘッジ金利スワップは、再評価し
ていない。金利スワップにおける受取利息および支払利息は関連期間に対する比例配分で計上され、
損益計算書では「受取利息および類似収益」または「支払利息および類似費用」に計上される。
為替予約取引
為替予約取引は、将来の通貨ポジションを調整するために締結される。先渡レッグは、決済金額で
オフ・バランスシート処理されており再評価されていない。直物金額と先渡金額の差額は、損益計算
書の「受取利息および類似収益」または「支払利息および類似費用」を通じ、関連期間に対する比例
配分で償却される。
デリバティブ金融商品の金利は、関連期間に対する比例配分で「前払金および未収収益」または
「未払金および繰延収益」の勘定科目に計上される。
A.2.4. 金融資産および金融負債
金融資産および金融負債は決済日基準で計上されている。
A.2.5. 現金および現金同等物
現金および現金同等物は連結キャッシュ・フロー計算書で開示されており、手許現金、非拘束性の
中央銀行預け金残高、要求払い預金、流動性の高い短期金融市場証券または価値の変動リスクに重要
性がなく、容易に現金化が可能でグループが短期コミットメントの管理に用いている定期預金で構成
される。
2020年に、現金および現金同等物の定義と市場慣行との整合性を向上させるために、グループは方
針を変更し、適格商品の現金および現金同等物を、当初満期日が取得日から3ヵ月以内のものに限定
することを決定した。この変更により、現金および現金同等物は2018年度末現在で210億ユーロ減少し
た。また、2019年度末現在では305億ユーロ減少し、うち「短期金融市場証券」が73億ユーロ減少し、
「その他の貸付金および預け金」が232億ユーロ減少した。2019年度については、上記の変更は「財務
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運用ポートフォリオの変動額」に7億ユーロ、「その他の貸付金および預け金の変動額」にマイナス
102億ドルの影響も及ぼした。
A.2.6. 中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券ならびに確定利付証券を含む負債証券
A.2.6.1. 長期ヘッジ・ポートフォリオ(「LTHP」)
長期ヘッジ・ポートフォリオ(「LTHP」)は、満期日まで保有する目的で購入した有価証券で構成
されている。これらの有価証券は、下記の機関が発行または保証している。
- 欧州連合加盟国政府
- 欧州連合、欧州安定メカニズム、欧州金融安定基金
- ドイツ復興金融公庫グループ
これらの有価証券は、当初、購入価額で計上される。一時的でない評価損益は計上されている。購
入価格と償還価額との差額は、有価証券の残存期間にわたり、関連期間に対する比例配分で「受取利
息および類似収益」または「支払利息および類似費用」として計上される。
A.2.6.2. 運用ポートフォリオ
短期財務ポートフォリオ(「TMP」)
適切な水準の流動性を維持するため、EIBは満期が12ヵ月以内の短期金融商品、特に短期国庫証券お
よび公共機関や金融機関が発行した譲渡可能負債証券を購入している。短期財務ポートフォリオの有
価証券は、最終満期日まで保有されるもので、当初は購入価格で計上され、償却原価で本財務書類に
計上される。購入価格と償還価額との差額は、有価証券の残存期間にわたり、関連期間に対する比例
配分で「受取利息および類似収益」または「支払利息および類似費用」として計上される。評価損益
は、一時的ではない場合、「固定金融資産として保有される譲渡可能有価証券および参加持分に係る
(再)評価損益」に計上される。
有価証券流動性ポートフォリオ(「SLP」)
SLPは、政府、国際機関、金融機関および企業が発行または保証した上場負債証券で構成されてい
る。このポートフォリオは主にアクティブ運用され、ポートフォリオ内の有価証券は取得原価で当初
認識された後、財務書類上は時価で表示される。時価の変動は、損益計算書の「金融業務損益」に計
上される。
SLPの時価は、第一情報源としての活発な市場における公表相場価格に基づいている。入手できる公
表相場価格がない金融商品については、市場参加者からの提示価格、および/または評価手法もしく
はモデルを使用して、時価を決定している。評価手法もしくはモデルは観察可能な貸借対照表日現在
の実勢市場データに基づくことが可能である場合に用いられる。
EIF 運用ポートフォリオ
EIF 運用ポートフォリオは、残存期間が10年以内の上場負債証券で構成されている。これらの有価証
券は償却原価で測定されている。
A.2.6.3. 代替貸付金およびABSポートフォリオ・EIF
代替貸付金およびABSポートフォリオ・EIFは、主に特別目的事業体(「SPV」)、信託事業体または
金融機関が発行した債券、ノートあるいは証書の形の債務で構成されている。これらの有価証券は満
期保有目的として分類されており、当初購入価格で計上された上、償却原価で評価されている。購入
価格と償還価額との差額は、有価証券の残存期間にわたり、関連期間に対する比例配分で「受取利息
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および類似収益」として計上される。一時的でない評価損益は、個別に計上されている。減損してい
るが、そのように認識されていない契約を捕捉するために、発生はしているが報告されていない損失
に ついて、集合的な評価損益が計上されている。個別および集合的な評価損益は、損益計算書に「固
定金融資産として保有される譲渡可能有価証券および参加持分に係る(再)評価損益」として計上さ
れ、貸借対照表上は対応する資産項目から減算されている。
代替貸付金の未実行部分は、名目値でオフ・バランスシートに記録される。
A.2.6.4. 優先債権者の地位(「PCS」)
EU 一次法優位の原則および、EIB定款に定められているEIBの財産があらゆる形の接収および収用か
ら免除されるものとする旨の原則は、満期時における欧州連合加盟国のソブリン・エクスポージャー
の全額回収を保証するとみなされる。この財務保護および優先債権者としての地位により、欧州連合
加盟国のソブリン・エクスポージャーまたは欧州連合加盟国の保証についての信用リスクも減損も発
生しない。しかし、他の債権者と同様に、EIBは欧州連合加盟国ソブリン発行体の負債 性金融 商品に含
まれる集団行動条項(「CAC」)に基づいた多数による決定事項に拘束される。
A.2.7. 金融機関および対顧客貸付金および預け金
A.2.7.1. 貸付金および預け金
貸付金および預け金は、正味実行額をもってグループの資産に計上される。期末における貸付金残
高について、その全額または一部の金額につき回収不能のリスクがある場合、個別の評価損益が計上
されている。減損しているが、そのように認識されていないポートフォリオの貸付金を捕捉するため
に、または発生しているがまだ報告されていない損失について、集合的な評価損益が計上されてい
る。これらの評価損益は、関連資産と同じ通貨で把握される。
評価損益は「貸付金および預け金ならびに偶発債務引当金に係る(再)評価損益」として損益計算
書に計上されており、貸借対照表の対応する資産項目から減算されている。
貸付金および預け金の未実行部分は、名目値でオフ・バランスシートに記録される。
A.2.7.2. 貸付金利息
貸付金利息は、発生主義で、すなわち貸付期間にわたって、損益計算書に計上される。未収利息
は、貸借対照表の資産の「前払金および未収収益」勘定に計上される。これらの貸付金利息の評価損
益は、グループの経営陣が個別に決定し、貸借対照表の適当な資産項目から控除される。
不良債権に関しては、評価損益が生じた場合、当初の契約条件に基づく未収利息の計上は停止され
る可能性がある。
A.2.7.3. リバース・リパーチェス取引(リバース・レポ)
リバース・リパーチェス取引は、担保有価証券を提供する金融機関に対してグループが流動資金を
貸し出す取引である。双方の当事者は、確定日に確定金額で取引を行うという取消不能の契約を結ぶ
ことになる。
この取引は、支払引替渡しの原則に基づき行われる。すなわち流動資金の借手は、契約価額での決
済と引き換えに、グループの保管業者に有価証券を引き渡すのである。これによってグループに金融
市場と連動したリターンが発生する。
こうした種類の業務は、グループの目的から、保証された金利が付加された貸付とみなされる。こ
れらの取引は一般的に有担保金融取引として取り扱われるため、提供または受領した現金額に未収
(経過)利息を加えた金額で計上されている。リバース・レポは、連結貸借対照表の資産側の「金融
機関貸付金および預け金: b) その他の貸付金および預け金」に計上される。
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リバース・リパーチェス契約に基づいて受け取った有価証券は、有価証券に含まれる契約上の権利
を支配できない限り、連結貸借対照表において認識されない。グループは、これらの受け取った有価
証 券の市場価格を日々管理しており、原契約に従い追加担保を要求する。
リバース・リパーチェス契約に係る利息は、それぞれの契約の期間にわたり受取利息または支払利
息として計上される。
A.2.7.4. 利子補助金
前受利子補助金(注Iを参照)は繰り延べられ、補助金支給対象貸付金の実行から返済までの期間に
わたって、損益計算書で認識される。
A.2.8. 株式、その他の変動利付証券および参加持分
グループは、ベンチャー・キャピタル事業開始、インフラ基金設定、投資基金設定または直接資本
の形態での資本参加時に、株式、その他の変動利付証券および参加持分を保有する。これらの投資は
当初は取得原価で記録され、返済による資金の還流額が減額される。それらの帳簿価額は、その後の
貸借対照表日における測定で、取得原価と時価のいずれか低い方に調整される。
ファンド・マネージャーから受けた報告に基づき、投資ポートフォリオは、取得原価もしくはEIBに
帰属する分の純資産価額(「NAV」)のどちらか低い方の値で個々に評価されるため、ポートフォリオ
に含まれている可能性があるEIB帰属分の未実現利益は除外される。グループ帰属分のNAVは、年度末
前の最新の報告で示されたNAVに当該事業体におけるグループの所有持分比率を乗じた値、もしくは入
手可能な場合は各ファンド・マネージャーが提出した同日の1株当たり価値に基づいて、算定され
る。また、入手可能な直近のNAVの日付から貸借対照表日の間に発生した事象について調整することが
重要と思われる場合に限り、EIB帰属分のNAVに対してかかる調整を行う。
これらの投資の未実行だが確約した部分は、名目値でオフバランスシート・コミットメントに計上
される。
セカンダリーセール
ベンチャー・キャピタル・ファンドおよび投資ファンドに係るセカンダリーセール取引により、原
資産の認識が中止される。セカンダリーセールからの損益は「金融業務損益」に計上され、売却手取
額と正味帳簿価額の差異として算出される。
参加持分
EIB グループが自己勘定で取得した株式は、通常ベンチャー・キャピタル事業、インフラ基金および
投資基金への投資である。業界の慣行によれば、そのような投資は概して多数の投資家が応募する投
資であり、どの投資家も当該基金の日々の運営および投資活動に対し、個人的に影響力を行使するこ
とはできない。結果として、ある投資家がそのような基金の統治機関のメンバーになったとしても、
原則的には、それにより当該投資家がその基金の日々の運営に影響を与える権利を手にするものでは
ない。さらに、ベンチャー・キャピタル事業、インフラ基金または投資基金の個別投資家は、資本の
払戻しまたはその他の分配に関する分配方針等、基金の方針を決定することがない。一般的にそのよ
うな決定は、基金の経営陣と全株主の権利および義務を規定した株主契約に基づき、基金の経営陣が
行っている。また一般的に株主間の合意は、個別投資家が基金との間で実質的な取引を行ったり、役
員を相互に交換したり、重要な専門情報にアクセスする特権を得たりすることも防止している。EIB
は、株式を取得したこうした事業体に対して重要な影響力または共同支配を有しているかを判定する
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ために、判断を伴う包括的な分析を通じて上記の判定基準を評価している。当該事業体に対する重要
な影響力または共同支配が存在する場合、当該投資は、「参加持分」として開示される。
グループにより応募済であるがEBRDへの投資について払込未請求の資本は、オフ・バランスシート
項目として記録されている。
A.2.9. 有形資産
有形資産には、土地、グループが使用している不動産、その他機械および設備が含まれる。
土地は、取得原価で計上されており、建物は、取得原価から減価償却累計額を控除した金額で計上
されている。ルクセンブルクのキルヒベルクに所在する本店の建物、ならびに同国のワイマールショ
フの建物の取得原価は、以下のように定額法で減価償却されている。
恒久使用の設備および備品、家具事務機器ならびに自動車は、取得原価から減価償却累計額を控除
した金額で貸借対照表に計上されている。
減価償却費は購入品目ごとに、以下に示されている見積耐用年数の期間にわたって定額法で計算さ
れている。
- キルヒベルクおよびワイマールショフの建物:30年
- 恒久使用の設備および備品:10年
- 家具:5年
- 事務機器および自動車:3年
建設仮勘定資産は、工事が完了し、当該資産が意図された目的のための使用に供されることが可能
となるまで、その減価償却累計額は計上されない。
A.2.10. 無形資産
無形資産には、コンピューター・ソフトウェアが含まれている。ソフトウェア開発費は、識別可能
性、企業への将来の経済的便益の流入可能性、取得原価測定の信頼性に関する特定の基準を満たした
場合に資産計上される。
これらの基準に適合する自社開発のソフトウェアは、償却累計額(完成から3年にわたり定額法で
計算)控除後の取得原価で計上されている。
建設仮勘定資産は、作業が完了し、当該資産が意図された目的のための使用に供されることが可能
となるまで、その償却累計額は計上されない。
A.2.11. 年金制度および健康保険制度
A.2.11.1. 職員年金制度
グループは、ほぼすべての職員に退職給付を提供するため、確定給付年金制度を運営している。
EIB の主な年金制度は職員とEIBの拠出金を原資とする確定給付年金制度で、全職員が対象とされて
いる。EIBおよびその職員の全拠出額がEIBの資産へ投資されている。
EIF の主要な年金制度は、職員とEIFの拠出金を原資とする確定給付年金制度で、全職員が対象とさ
れている。この制度は、従来の確定拠出年金制度に代わり、2003年3月に実施された。
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退職給付債務は、適正な引当水準となるように予測単位積立方式を用いて、少なくとも年に1度は
評価を受ける。最新の評価は、2020年9月30日現在の加入者データおよび2020年12月31日までの
キャッシュ・フローに基づき、2020年12月31日現在で実施された。保険数理士が用いた主な仮定につ
いては、注Lを参照。
退職給付債務の10%を超過する過年度の数理計算上の積立過不足累計額は、制度加入者の予想平均
残存勤続年数にわたって定額法で認識される。
A.2.11.2. 健康保険制度
グループは職員のため、グループおよび職員の拠出金を原資とする独自の健康保険制度を設けてい
る。この健康保険制度は、注A.2.11.1に記載された職員に対する年金制度と同じ方針によって管理さ
れ、会計処理されている。最新の評価は、2020年9月30日現在の加入者データおよび2020年12月31日
までのキャッシュ・フローに基づき、2020年12月31日現在で実施された。
A.2.11.3. 経営委員会年金制度
経営委員会年金制度は確定給付年金制度で、グループのみからの拠出金を原資とし、経営委員会委
員全員を対象としている。グループからの拠出金は全額グループの資産に投資される。この経営委員
会年金制度は、注A.2.11.1に記載された職員に対する年金制度と同じ方針によって管理され、会計処
理されている。
A.2.11.4. 任意補足年金制度
任意補足年金制度とは、職員の任意拠出金および使用者の拠出金を原資とする確定拠出年金制度で
ある。対応する負債は「その他の負債」に計上されている。
A.2.12. 金融機関および顧客に対する債務
金融機関および顧客に対する債務は、財務書類において償還額で表示される。金融機関および顧客
に対する負債の利息は、発生主義により、「支払利息および類似費用」または金利がマイナスの場合
には「受取利息および類似収益」として損益計算書に計上される。経過利息は、負債勘定の「未払金
および繰延収益」に含まれる。
グループによるECBの金融政策オペレーションへの参加に関連して、BCLから借り入れた金額は額面
金額で計上され、中央銀行からの借入金として、連結財務書類において「金融機関に対する債務-b)
期日払または通知払」に計上されている。
A.2.12.1. リパーチェス取引(レポ)
リパーチェス取引は、金融機関からグループが流動資金を借り入れ、担保有価証券を提供する取引
である。双方の当事者は、確定日に確定金額で取引を行うという取消不能の契約を結ぶことになる。
この取引は支払引替渡しの原則に基づいており、これは注A.2.7.3に記載されている。
こうした種類の業務は、グループの目的から、合意された金利が付加された借入とみなされる。こ
れらの取引は一般的に有担保金融取引として取り扱われるため、借入金額に経過利息を加えた金額で
計上されている。レポは連結貸借対照表上、「金融機関に対する債務-b) 期日払または通知払」の下
で負債側に計上される。
リパーチェス契約に係る利息は、それぞれの契約の期間にわたり支払利息または受取利息として計
上される。
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A.2.12.2. 担保払込勘定
片務的担保サポート・アネックスに基づき、EIBはデリバティブ、貸付および財務ポートフォリオに
係るカウンターパーティー信用エクスポージャーを低減するために担保として現金を受領する。受け
取っ た現金担保は、名目金額で計上され、翌日物預金として、連結財務書類において「金融機関に対
する債務-a) 要求払」に表示される。
A.2.13. 債務証書借入
債務証書借入は、償却原価で表示されるゼロ・クーポン債を除き、償還金額で表示されている。取
引費用およびプレミアム/ディスカウントは、「未払金および繰延収益」または「前払金および未収
収益」を通じて債務の残存期間にわたって定額法により損益計算書で償却される。負債性金融商品の
支払利息は、連結損益計算書の「支払利息および類似費用」に計上されている。
A.2.14. 金融保証
金融保証契約は、特定の債務者が、負債性金融商品の当初条件または修正後条件に基づいて期日に
支払いを履行できない場合に、発行者に、その商品の保有者に発生した損失を補償するための所定の
支払を行うことを義務付ける契約である。
発行済の金融保証は通常、オフ・バランスシート項目として会計処理され開示される。
金融保証による負債純額は、貸借対照表上で「保証業務に係る引当金」に表示されている。保証引
当金は、金融仲介機関に対するグループの保証業務または第三者が供与した貸付金に関する保証に内
在するリスクに対応するためのものである。
金融保証は、予想プレミアムの正味現在価値(「NPV」)または当初予想損失に対応する公正価値で
当初認識される。
当初認識後、金融保証は以下のうちの高い方の金額に対する、将来の予想プレミアムの正味現在価
値の不足額として測定される。
- 予想信用損失の額
- 当初認識された公正価値から、認識された収益/償却累計額を控除した額
将来の予想プレミアムの正味現在価値が予想支払義務を超過する額を表す未実現利益は、引き続き
認識されていない。
金融保証に関連する純負債の増加または減少は、損益計算書上、「貸付金および預け金ならびに偶
発債務引当金に係る(再)評価損益」で認識される。
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受取プレミアムは、損益計算書の「受取手数料」で認識される。前受手数料は貸借対照表の「未払
金および繰延収益」で認識され、金融保証期間にわたって定額法で損益計算書において償却される。
A.2.15. 契約債務引当金
この引当金は、貸付金、投資基金およびベンチャー・キャピタル事業に対するグループの契約済・
未実行契約債務に内在するリスクに対応するためのものである。
A.2.16. 準備金
A.2.16.1. 準備基金
定款第22(-1)条で規定されているように、EIBの留保利益より「応募済資本金の10%を上限に、準備
基金に段階的に組み入れるものとする」。
A.2.16.2. その他準備金
その他準備金には、グループの残りの留保利益が含まれている。
A.2.16.3. 特別活動準備金
定款第16(-5)条で規定されているように、「EIBの特別活動(中略)には個別に準備金を配分す
る」。特別活動準備金は、EIBが一般的に受け入れているものよりもリスクの高い活動によって生じる
予想外の損失をカバーするために割り当てられた専用準備金であり、ベンチャー・キャピタル業務が
これに含まれる。この準備金は各業務の資本配分に基づき、原資産の推移に応じて月次で計算され
る。
A.2.16.4. 一般貸倒準備金
2009 年、EIBの方針ガイドラインにより、EIBの貸付金および保証ポートフォリオから生じる可能性
のある損失に対し、「一般貸倒準備金」が導入された。この準備金は、原資産の推移に応じて月次で
計算される。
A.2.17. 前払金および未収収益
当期の支出であるが翌期に関わる費用、および原商品の満期日まで支払いがなされない収益。
A.2.18. 未払金および繰延収益
貸借対照表日以前に支払いを受けるが翌期に帰属する収益、および当期に関連するが翌期に支払う
費用。
A.2.19. 受取利息および類似収益
「受取利息および類似収益」には、主に金融機関および対顧客貸付金および預け金、財務項目およ
びデリバティブに係る利息が含まれる。
A.2.20. 支払利息および類似費用
「支払利息および類似費用」には、主に金融機関および顧客に対する負債の利息、ならびに負債性
金融商品およびデリバティブに係る支払利息が含まれる。
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A.2.21. 証券からの収益
「証券からの収益」は、主に元本を超える当期売却額で構成されている。
A.2.22. 租税
欧州連合に関する条約および欧州連合の機能に関する条約に付属する欧州連合の特権および免除に
関する議定書は、欧州連合機関の資産、収益およびその他の財産について、あらゆる直接税を免除す
ると定めている。
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注B: 現金、中央銀行および郵便局預け金ならびに負債証券ポートフォリオ(単位:千ユーロ)
B.1. 現金、中央銀行および郵便局預け金
現金、中央銀行および郵便局預け金は、2020年12月31日現在835,163千ユーロ(2019年:947,155千
ユーロ)である。
EIBは、ユーロ・システムの金融政策オペレーションにおける適格カウンターパーティーであること
から、EIBも欧州中央銀行の金融政策オペレーションに参加するようになった。EIBは、最低預金準備
率を充足するために預け金を置いているルクセンブルク中央銀行を通じて金融政策オペレーションを
実施する。この預け金残高は、2020年12月31日現在109,369千ユーロ(2019年:110,990千ユーロ)で
ある。
B.2. 負債証券ポートフォリオ(単位:千ユーロ)
負債証券ポートフォリオは、長期ヘッジ・ポートフォリオ(「LTHP」)、短期財務ポートフォリオ
(「TMP」)、有価証券流動性ポートフォリオ(「SLP」)、代替貸付金ポートフォリオならびにEIFの
ABSポートフォリオおよび運用ポートフォリオにより構成されている。
これらポートフォリオの2020年および2019年12月31日現在の内訳と分類は、以下のとおりである。
2020年12月31日 2019年12月31日
中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券 32,073,906 34,436,433
12,808,690 12,437,283
確定利付証券を含む負債証券
(*)
44,882,596 46,873,716
負債証券合計
(*) うち非上場分は、2020年12月31日現在9,766,074千ユーロ(2019年:8,763,906千ユーロ)であった。
未償却
プレミア
(**)
2020年12月31日現在 購入価額 帳簿価額 評価損益 償還価値
時価
ム/ディス
カウント
LTHP 1,685,874 1,624,791 0 -64,803 1,559,988 1,743,413
TMP 17,611,913 17,580,727 0 -22,545 17,558,182 17,583,528
SLP 4,143,518 4,167,007 0 0 4,111,766 4,167,007
運用ポートフォリオ-EIF
1,194,317 1,187,076 0 -17,619 1,169,457 1,203,251
ABS ポートフォリオ-EIF 413,594 321,642 0 0 321,642 322,417
代替貸付金(注D)
20,044,919 20,001,353 1,266 -9,990 19,992,629 20,368,520
(*)
45,094,135 44,882,596 1,266 -114,957 44,713,664 45,388,136
負債証券合計
(*) うち現金および現金同等物2,801,772千ユーロ
(**) 時価には経過利息は含まれない。
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未償却
プレミア
(**)
2019年12月31日現在 購入価額 帳簿価額 評価損益 償還価値
時価
ム/ディス
カウント
LTHP 1,744,425 1,713,229 0 -92,241 1,620,988 1,823,635
TMP 19,311,479 19,280,195 0 -24,916 19,255,279 19,277,771
3,915,275 3,909,410 0 0 3,889,812 3,909,410
SLP
運用ポートフォリオ-EIF 1,244,522 1,230,307 0 -12,960 1,217,347 1,243,614
364,284 251,567 0 0 251,567 251,958
ABS ポートフォリオ-EIF
20,529,156 20,489,008 1,142 -15,152 20,474,998 20,812,673
代替貸付金(注D)
(*)
47,109,141 46,873,716 1,142 -145,269 46,709,991 47,319,061
負債証券合計
(*) うち現金および現金同等物3,551,379千ユーロ
(**) 時価には経過利息は含まれない。
代替貸付金は、証券化取引に関連する貸付金または債権のプールにおける持分の取得を表してお
り、貸付金総額(注D)の一部とみなされる。こうした取引の一部は、与信またはプロジェクト関連の
救済措置を付加した上で組成されているため、追加的な償還請求手段が備わっている。2020年12月31
日現在で、1件の取引(2019年:1件の取引)について個別の評価損益1,224千ユーロ(2019年:
1,142千ユーロ)が計上された。2020年度に、代替貸付金ポートフォリオに対するCOVID-19の影響を捕
捉するために計上された集合的な評価損益は42千ユーロであった。
債券保有における欧州連合加盟国ソブリン債に対するエクスポージャー
EIBおよびEIFの優先債権者の地位ならびにEIB定款による保護を考慮し、また評価調整要件の詳細な
見直しの結果、グループは、期末現在の満期保有目的EU加盟国ソブリン債およびEU加盟国ソブリン保
証債のエクスポージャーに関して、2020年度および2019年度に評価損益を計上しなかった。
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次の表は、2020年および2019年12月31日現在のグループの負債証券ポートフォリオ(代替貸付金お
よびEIFのABSポートフォリオを含む)における、EU加盟国またはその政府機関が発行または保証する
負債証券に対するエクスポージャーを示したものである。
購入価額 帳簿価額 償還価値 時価
2020年12月31日現在
EU 加盟国ソブリン債
オーストリア 288,335 286,399 282,408 286,602
ベルギー 180,634 180,300 180,000 180,353
チェコ共和国 614,184 571,803 560,111 615,434
デンマーク 16,259 16,280 16,299 16,280
エストニア 10,026 10,010 10,000 10,010
フィンランド 41,510 41,066 40,000 41,066
フランス 537,815 523,359 516,192 528,678
ドイツ 2,345,313 2,337,531 2,307,758 2,401,193
ハンガリー 10,495 10,471 10,000 10,510
アイルランド 567,651 568,013 567,861 568,279
イタリア 101,745 96,613 95,150 126,003
ラトビア 14,962 14,971 15,000 15,192
リトアニア 17,022 16,940 16,700 17,769
ルクセンブルク 90,837 92,471 95,000 92,471
オランダ 783,954 765,999 754,000 779,276
ポーランド 184,587 184,071 180,671 185,498
ポルトガル 40,130 40,050 40,000 40,095
ルーマニア 10,041 10,022 10,000 10,017
スロバキア 113,208 112,993 113,000 113,348
スロベニア 14,902 14,818 14,000 15,356
スペイン 3,662,501 3,655,147 3,644,290 3,657,666
62,017 62,377 61,120 62,377
スウェーデン
9,708,128 9,611,704 9,529,560 9,773,473
35,386,007 35,270,892 35,184,104 35,614,663
EU 加盟国以外のソブリン債およびその他の債券
45,094,135 44,882,596 44,713,664 45,388,136
合計
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購入価額 帳簿価額 償還価値 時価
2019年12月31日現在
EU 加盟国ソブリン債
オーストリア 212,258 209,854 206,600 210,632
ベルギー 51,202 50,938 50,873 51,000
チェコ共和国 552,405 513,116 496,193 556,695
クロアチア 23,011 22,762 22,254 22,765
キプロス 2,085 2,009 2,000 2,008
エストニア 15,034 15,016 15,000 15,008
フィンランド 41,510 40,652 40,000 40,652
フランス 2,340,660 2,332,787 2,319,329 2,337,655
ドイツ 912,098 908,248 876,259 971,908
ハンガリー 158,293 155,907 155,513 156,222
アイルランド 412,339 410,643 409,900 410,522
イタリア 159,705 154,017 152,050 180,244
ラトビア 9,770 9,791 9,792 9,778
リトアニア 99,294 95,954 95,161 96,185
ルクセンブルク 5,161 5,006 5,000 5,071
オランダ 402,096 391,972 374,023 404,009
ポーランド 101,743 99,685 96,531 99,842
ポルトガル 288,130 287,603 287,000 287,508
ルーマニア 52,861 52,232 50,463 52,209
スロバキア 13,919 14,159 14,120 14,504
スロベニア 4,994 5,000 5,000 5,012
スペイン 2,107,127 2,096,592 2,086,123 2,097,304
54,420 54,324 53,409 54,324
スウェーデン
8,020,115 7,928,267 7,822,593 8,081,057
39,089,026 38,945,449 38,887,398 39,238,004
EU 加盟国以外のソブリン債およびその他の債券
47,109,141 46,873,716 46,709,991 47,319,061
合計
注C: 金融機関および対顧客貸付金および預け金-その他の貸付金および預け金(単位:千ユーロ)
2020年12月31日 2019年12月31日
(*)
定期預金 44,562,150 28,994,453
要求払預金 239,935 238,000
リバース・レポ 15,473,559 24,622,226
その他の金融機関貸付金および預け金 60,275,644 53,854,679
900,604 964,644
その他の対顧客貸付金および預け金
61,176,248 54,819,323
その他の貸付金および預け金合計
うち現金および現金同等物 43,933,323 24,777,898
(*) 2020年度は、ルクセンブルク中央銀行(「BCL」)への預け金346億ユーロ(2019年:55億ユーロ)を含む。
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注D: 貸付金明細表
D.1. 貸付金総額(単位:千ユーロ)
貸付金総額は貸付金の実行済金額と未実行金額で構成されている。分析は以下のとおりである。
最終受益者に
金融仲介機関に
対して実行される 2020年12月31日 2019年12月31日
直接実行される
貸付金
貸付金
実行済金額 103,709,305 320,937,638 424,646,943 427,063,228
32,365,353 81,697,777 114,063,130 112,570,978
未実行金額
136,074,658 402,635,415 538,710,073 539,634,206
貸付金総額
分割貸付債権 10,900 181,570 192,470 171,517
(1)
20,002,619 20,665,498
代替貸付金ポートフォリオ
558,905,162 560,471,221
代替貸付金ポートフォリオを含む貸付金総額 (注D.3)
(1) 2020年度に未実行金額として計上された金額はなかった(2019年:175,348千ユーロ)。
D.2. 貸付金に係る評価損益(単位:千ユーロ)
評価損益の推移の詳細は、以下のとおりである。
2020年 2019年
1月1日現在 479,759 530,174
当期取崩額 -95,695 -148,421
(1)
当期目的使用額 -27,833 -31,212
(2)
当期繰入額 307,234 123,213
-15,696 6,005
為替調整額
(3)
647,769 479,759
12月31日現在
(1) 2020年度に、グループは貸付金事業1件について、一部が引当済のリストラクチャリングを完了した。このリスト
ラクチャリングの結果、1,317千ユーロ(2019年:1件の貸付金事業において7,426千ユーロ)が既存の引当金から
目的使用された。また、グループは全額について引当金が設定されている不良債権事業の売却取引を完了した。こ
の結果、資産売却損25,336千ユーロ(2019年:1件の貸付金事業において20,206千ユーロ)に既存の引当金が充当
された。最後に、グループは貸付金事業1件におけるエクスポージャーを償却し、この結果、1,180千ユーロ(2019
年:1件の貸付金事業において3,580千ユーロ)が既存の引当金から目的使用された。
(2) COVID-19の流行を受けて、グループは貸付金ポートフォリオに対するこのパンデミックの影響の定性評価を実施し
た。この関連で、カウンターパーティー・レベルで脆弱性評価が行われ、COVID-19危機に関連するエクスポー
ジャーの感応度を評価した。この分析の結果に基づき、それぞれの貸付金の残存期間にわたっての予想信用損失に
基づいた集合的引当金が認識された。
この評価の結果、グループは2020年度に74,740千ユーロ(2019年:なし)の集合的引当金を計上した。
(3) 評価損益は、延滞を含む実行済貸付金のみに関連している。また、グループは追加的に「前払金および未収収益」
に計上されている未収利息について、総額14,291千ユーロ(2019年:7,189千ユーロ)の評価損益を計上している。
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D.3. プロジェクトが行われている国別に表示した貸付金の地域別内訳(単位:千ユーロ)
D.3.1. 欧州連合内のプロジェクトに対する貸付金
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
スペイン 84,512,768 78,892,736 5,620,032 15.13% 15.67%
イタリア 65,528,892 51,367,761 14,161,131 11.73% 11.28%
フランス 60,613,744 45,410,283 15,203,461 10.85% 10.27%
ドイツ 45,362,891 35,302,344 10,060,547 8.12% 7.98%
ポーランド 42,144,654 34,083,225 8,061,429 7.54% 7.49%
ギリシャ 19,688,027 16,419,499 3,268,528 3.52% 3.35%
オランダ 16,238,251 12,606,346 3,631,905 2.91% 2.86%
ポルトガル 15,176,635 13,168,761 2,007,874 2.72% 3.08%
オーストリア 14,852,411 13,483,746 1,368,665 2.66% 2.64%
ベルギー 13,959,082 10,739,448 3,219,634 2.50% 2.48%
スウェーデン 12,293,918 8,194,799 4,099,119 2.20% 2.06%
フィンランド 11,035,787 9,178,882 1,856,905 1.98% 2.01%
ハンガリー 9,670,919 7,880,967 1,789,952 1.73% 1.74%
アイルランド 7,352,875 5,958,453 1,394,422 1.32% 1.28%
チェコ共和国 6,982,003 5,305,834 1,676,169 1.25% 1.28%
ルーマニア 6,606,901 4,124,166 2,482,735 1.18% 1.20%
スロバキア 4,767,346 3,847,038 920,308 0.85% 0.87%
クロアチア 4,429,565 3,149,981 1,279,584 0.79% 0.80%
スロベニア 3,174,658 2,432,265 742,393 0.57% 0.59%
デンマーク 3,115,181 2,673,261 441,920 0.56% 0.55%
リトアニア 2,818,421 2,582,517 235,904 0.50% 0.35%
キプロス 2,730,566 1,930,949 799,617 0.49% 0.48%
ブルガリア 2,239,433 1,920,756 318,677 0.40% 0.40%
エストニア 1,501,170 1,089,681 411,489 0.27% 0.25%
ラトビア 1,178,544 691,857 486,687 0.21% 0.21%
ルクセンブルク 858,312 397,592 460,720 0.15% 0.16%
462,535 292,468 170,067 0.08% 0.08%
マルタ
459,295,489 373,125,615 86,169,874 82.21% 81.44%
小計
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D.3.2. 欧州連合域外のプロジェクトに対する貸付金
D.3.2.1. 候補国
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
11,365,128 10,872,492 492,636
トルコ
3,181,076 2,272,881 908,195
セルビア
697,710 507,963 189,747
モンテネグロ
375,604 278,764 96,840
北マケドニア
300,499 264,999 35,500
アルバニア
15,920,017 14,197,099 1,722,918 2.85% 3.29%
小計
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D.3.2.2. アフリカ、カリブ海および太平洋地域(「ACP」)諸国
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
セネガル 447,746 152,624 295,122
マダガスカル 430,003 253,912 176,091
ザンビア 417,393 108,186 309,207
ケニア 398,498 166,100 232,398
ギニア 254,232 59,366 194,866
マラウイ 220,389 52,304 168,085
ガーナ 211,614 29,114 182,500
タンザニア連合共和国 191,206 67,232 123,974
モザンビーク 181,664 78,440 103,224
ナイジェリア 175,000 0 175,000
ベナン 174,872 49,801 125,071
レソト 159,935 77,935 82,000
コートジボワール 152,700 58,724 93,976
ニジェール 152,370 26,370 126,000
ドミニカ共和国 149,984 45,999 103,985
アフリカ地域 130,000 0 130,000
ルワンダ 125,000 0 125,000
ウガンダ 117,040 109,833 7,207
ブルキナファソ 111,024 58,024 53,000
アンゴラ 100,000 789 99,211
マリ 92,353 39,203 53,150
西アフリカ地域 80,449 80,449 0
ブルンジ 70,000 36,500 33,500
カメルーン 66,157 49,787 16,370
ガンビア 65,000 0 65,000
リベリア 63,230 43,230 20,000
フィジー 61,120 0 61,120
カーボベルデ 57,801 50,863 6,938
パプア・ニューギニア 52,378 8,149 44,229
モーリタニア 42,912 2,912 40,000
エチオピア 40,000 15,000 25,000
エスワティニ王国 39,458 11,593 27,865
セーシェル 39,084 26,584 12,500
コンゴ民主共和国 31,631 31,631 0
サントメ・プリンシペ 24,500 0 24,500
チャド 15,000 0 15,000
トーゴ 13,575 13,575 0
ナミビア 12,646 12,646 0
ハイチ 12,000 0 12,000
モーリシャス 10,190 10,190 0
コンゴ 9,940 9,940 0
バルバドス 9,755 0 9,755
カリブ海地域 8,456 8,456 0
ベリーズ 7,213 1,019 6,194
ドミニカ 2,355 2,355 0
ボツワナ 1,105 1,105 0
374 374 0
セント・ヴィンセント・グレナディン
5,229,352 1,850,314 3,379,038 0.94% 0.79%
小計
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D.3.2.3. アジア
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
2,733,091 1,437,240 1,295,851
インド
2,511,625 1,045,547 1,466,078
中国
385,000 123,349 261,651
バングラデシュ
281,493 0 281,493
ウズベキスタン
277,355 27,432 249,923
ネパール
230,064 44,068 185,996
カンボジア
215,393 159,893 55,500
ベトナム
173,828 37,529 136,299
ラオス人民民主共和国
166,959 116,959 50,000
スリランカ
124,589 8,290 116,299
カザフスタン
112,000 30,000 82,000
キルギス
107,546 26,218 81,328
タジキスタン
84,369 59,022 25,347
モンゴル
64,195 28,072 36,123
モルディブ
50,000 0 50,000
パキスタン
7,517,507 3,143,619 4,373,888 1.34% 1.30%
小計
D.3.2.4. 潜在的候補国
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
1,990,199 1,160,242 829,957
ボスニア・ヘルツェゴビナ
143,000 17,000 126,000
コソボ
2,133,199 1,177,242 955,957 0.38% 0.30%
小計
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有価証券報告書
D.3.2.5. ラテンアメリカ諸国
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
1,395,019 710,689 684,330
ブラジル
637,518 373,268 264,250
エクアドル
426,231 369,784 56,447
パナマ
399,070 130,288 268,782
ニカラグア
262,876 262,876 0
メキシコ
260,730 102,941 157,789
アルゼンチン
259,889 137,389 122,500
中央アメリカ地域
200,473 118,980 81,493
ペルー
172,927 71,092 101,835
ボリビア
171,872 102,142 69,730
パラグアイ
167,875 0 167,875
コロンビア
72,692 59,855 12,837
ホンジュラス
53,846 53,846 0
コスタリカ
48,896 4,890 44,006
ラテンアメリカ地域
4,529,914 2,498,040 2,031,874 0.81% 0.83%
小計
D.3.2.6. 欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
1,035,865 1,035,865 0
ノルウェー
557,332 557,332 0
アイスランド
24,719 24,719 0
スイス
1,617,916 1,617,916 0 0.29% 0.31%
小計
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D.3.2.7. 地中海沿岸諸国
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
6,804,743 3,466,642 3,338,101
エジプト
5,142,728 3,375,409 1,767,319
モロッコ
2,959,667 1,961,829 997,838
チュニジア
1,399,278 511,172 888,106
レバノン
946,391 403,414 542,977
ヨルダン
918,682 801,502 117,180
イスラエル
325,850 325,850 0
アルジェリア
198,571 73,642 124,929
ガザ・西岸地区
111,183 111,183 0
シリア・アラブ共和国
111,149 1,630 109,519
地中海沿岸地域
18,918,242 11,032,273 7,885,969 3.38% 3.06%
小計
D.3.2.8. 海外の属国および属領(OCT)
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
35,556 15,556 20,000
ニューカレドニア
44,228 0 44,228
シント・マールテン
14,985 7,485 7,500
仏領ポリネシア
94,769 23,041 71,728 0.02% 0.01%
小計
D.3.2.9. 東欧諸国、南コーカサス諸国およびロシア
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
5,986,942 1,486,090 4,500,852
ウクライナ
1,666,204 728,832 937,372
ジョージア
689,527 373,394 316,133
モルドバ共和国
550,000 190,000 360,000
ベラルーシ
319,495 202,085 117,410
アルメニア
60,629 60,629 0
ロシア連邦
5,027 5,027 0
アゼルバイジャン
9,277,824 3,046,057 6,231,767 1.66% 1.49%
小計
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D.3.2.10. 英国
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
(*)
33,239,326 32,071,209 1,168,117
英国
33,239,326 32,071,209 1,168,117 5.95% 7.00%
小計
D.3.2.11. 南アフリカ
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
939,137 867,137 72,000
南アフリカ
939,137 867,137 72,000 0.17% 0.18%
小計
欧州連合域外のプロジェクトに
99,417,203 71,523,947 27,893,256 17.79% 18.56%
対する貸付金合計
(1)
558,712,692 444,649,562 114,063,130 100.00%
2020年貸付金合計
(1)
560,299,704 447,553,378 112,746,326 100.00%
2019年貸付金合計
(1) 代替貸付金(注B.2およびD.1)を含み、分割貸付債権(2020年:192百万ユーロ、2019年:172百万ユーロ)を除
く。
(*) 2020年1月31日付の英国の欧州連合からの離脱の結果、2019年における比較対象数値は、欧州連合から英国に組み
替えられている。
D.4. 保証業務に係る引当金
グループが付与した保証に係る引当金は、受益者に対して支払義務を負うと見込まれる損失に対応
して認識されている。2020年12月31日現在、こうした引当金は22,640千ユーロにのぼる(2019年:
19,815千ユーロ)。
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注E: グループの構成、株式、その他の変動利付証券および参加持分
E.1. グループの構成
E.1.1. 欧州投資基金
欧州投資基金(「EIF」)は、1994年6月14日にルクセンブルクで国際金融機関として設立された。
登記上の事務所所在地は、37B, avenue J.F. Kennedy, L-2968 Luxembourgである。
EIF の主要任務は、十分な自己資本利益率を提供しつつ、以下を通じて欧州連合の目的追求に貢献す
ることである。
- 金融機関に対する中小企業(「SME」)向け融資保証の提供
- 持分投資の取得、保有、運用および処分
- 第三者から受託した特別財源の管理
- 関連業務
EIBは、EIFの応募済資本金45億ユーロ(2019年:45億ユーロ)の58.82%(2019年:58.53%)を保
有している。
EIF株主総会におけるEIFの2021年2月の増資の承認の結果、EIFの授権資本は額面百万ユーロの新株
2,870株の発行を通じて、45億ユーロから74億ユーロに増加する。
新株の発行は、以下に詳述するように1応募期間で応募が可能な1回の応募で行われる。応募され
た新授権株式は、その額面金額の20%について払込が行われるものとされる。残りの80%は、EIF株主
総会の決定を受けて払込請求を行うことができる。この増資において応募された新授権株式について
の申込価格は、外部監査人のレビューを受けた2020年9月30日現在のEIFの財務データに基づいて実施
された、リプレースメント・シェア・パーチェス・アンダーテイキング(「RSPU」)の算式に基づい
た新たな計算に対応し、新規発行株式の払込部分を含んだ435,970.88ユーロとされる。EIF定款第5条
に沿って、EIFの各株主は、当該増資前で当該株主が出資した株数とEIFの全応募済株数との間の比率
に対応して、増資の一部に対して応募する資格を持つものとされる。その結果として、EIBは約736百
万ユーロで、その比例配分部分である1,689株について応募した。
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E.2. 株式、その他の変動利付証券および参加持分(単位:千ユーロ)
参加持分 株式およびその他の変動利付証券
ベンチャー・ ベンチャー・
その他の持
(2) (1) (3)
キャピタル キャピタル
EBRD持分 投資基金 合計
分投資
(1) (1)
事業 事業
取得原価:
365,150 6,129,416 157,500 2,059,386 266 8,346,568
2020年1月1日現在
69,368 1,325,858 0 790,233 0 2,116,091
取得/振替
-34,803 -878,954 0 -280,708 -22 -1,159,684
売却/満期
399,715 6,576,320 157,500 2,568,911 244 9,302,975
2020年12月31日現在
評価損益:
-28,305 -355,177 0 -52,265 0 -407,442
2020年1月1日現在
-10,499 -143,554 0 -48,782 0 -192,336
当期取得額
2,277 34,658 0 7,785 0 42,443
当期減少額
-36,527 -464,073 0 -93,262 0 -557,335
2020年12月31日現在
純帳簿価額:
363,188 6,112,247 157,500 2,475,649 244 8,745,640
2020年12月31日現在
336,845 5,774,239 157,500 2,007,121 266 7,939,126
2019年12月31日現在
(1) オフ・バランスシートで開示されている契約済の未実行額は、それぞれ次のとおりである。
株式およびその他の変動利付証券に関連して:
・ ベンチャー・キャピタル事業:4,779,487千ユーロ(2019年:4,754,819千ユーロ)
・ 投資基金:3,273,437千ユーロ(2019年:3,587,184千ユーロ)
参加持分に関連して:
・ ベンチャー・キャピタル事業:611,372千ユーロ(2019年:657,168千ユーロ)
(2) 157,500千ユーロ(2019年:157,500千ユーロ)は、欧州復興開発銀行(「EBRD」)の資本金に対するEIBの応募額
900,440千ユーロに係る2020年12月31日現在のEIBの払込資本である。
(3) 合計額は、株式およびその他の変動利付証券のみを含む。
2020年12月31日現在、 EIBは、EBRDの応募済資本金の3.03%(2019年:3.03%)を所有している。
国際財務報告基準に準拠して作成されたEBRDの監査済2019年度財務書類に基づいた、EBRDにおけるEIB
の正味資本持分は540百万ユーロ(2019年:493百万ユーロ)である。
持分比率(%) 自己資本合計 純損益合計 資産合計
(単位:百万ユーロ)
(*)
3.03 17,830 1,315 68,201
EBRD (2019年12月31日)
(*) データはEBRDの最新の監査済財務書類に基づいている。
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注F: 無形・有形資産(単位:千ユーロ)
ルクセン 家具備品
土地 有形資産合計 無形資産合計
ブルクの建物 および設備
取得原価:
2020年1月1日現在 20,145 397,882 72,126 490,153 43,366
当期取得額 0 8,217 22,384 30,601 31,684
0 0 -23,593 -23,593 -18,411
当期除却額
20,145 406,099 70,917 497,161 56,639
2020年12月31日現在
減価償却/償却累計額
2020 年1月1日現在 0 -196,550 -46,205 -242,755 -17,711
当期減価償却/償却額 0 -9,792 -19,448 -29,240 -18,010
0 0 23,593 23,593 18,361
当期除却額
0 -206,342 -42,060 -248,402 -17,360
2020年12月31日現在
純帳簿価額:
20,145 199,757 28,857 248,759 39,279
2020年12月31日現在
20,145 201,332 25,921 247,398 25,655
2019年12月31日現在
ルクセンブルクの建物には、新棟の建設に係る原価63,370千ユーロ(2019年:55,153千ユーロ)が
含まれており、新棟は、2024年に完成予定である。
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注G: その他の資産およびその他の負債(単位:千ユーロ)
その他の資産 2020年12月31日 2019年12月31日
未収金およびその他債権 18,611 24,325
保証履行請求債権 12,986 25,633
前払給与および手当 2,780 2,580
デリバティブの公正価値 967 1,638
保証に係る受取手数料 70 112
1,898 2,438
その他
37,312 56,726
合計
その他の負債 2020年12月31日 2019年12月31日
(*)
英国への資本の未払払戻金 3,195,904 0
任意補足年金制度(注L) 721,903 643,232
ファースト・ロス一部負担金 204,070 132,676
未払人件費 100,020 105,707
未払金およびその他債務 75,598 48,674
貸付金の未達勘定 43,289 15,105
デリバティブの公正価値 36,686 8,094
繰延収益 33,981 37,316
(**)
重債務貧困国(HIPC)イニシアチブに係る未払費用 13,596 13,596
西バルカン諸国のインフラ基金 393 393
24,311 26,531
その他
4,449,751 1,031,324
合計
(*) グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国の欧州連合および欧州原子力共同体からの離脱協定の第150(4)条
および2020年6月10日付理事会決定(EU)2020/769による修正に従い、EIBは払込請求済資本金の35億ユーロを2020年
10月15日より開始する12回の分割により毎年英国に支払う(最初の11回の分割払いは各300,000,000ユーロで最終回
の支払いは195,903,950ユーロ)。支払期日が2020年10月15日の分割金は全額が支払済である。
(**) 重債務貧困国(「HIPC」)イニシアチブ(注Zを参照)
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注H: 応募済資本金、グループ自己資本および前年度利益の処分
H.1. 連結自己資本および前年度利益の処分
連結自己資本変動計算書(単位:千ユーロ) 2020年 2019年
資本金:
(2 )( 3)
- 応募済資本金
248,795,607 243,284,155
(2 )( 3)
- 払込未請求資本金 -226,604,892 -221,585,020
- 払込請求済資本金
22,190,715 21,699,135
(3)
- 払込請求済だが払込未済の応募済資本金
-442,423 0
21,748,292 21,699,135
- 払込請求済資本金および払込請求済だが払込未済の応募済資本金
準備金および当期純利益:
準備基金:
- 期首残高 24,328,415 24,328,415
- 期末残高
24,328,415 24,328,415
その他準備金:
- 期首残高
12,792,307 10,995,618
(2)
- 払込請求済資本金への振替え:均衡的資本差替え
-3,495,904 0
- 払込請求済だが払込未済の準備金:ポーランドおよびルーマニア
(3)
の拠出金 1,106,917 0
(1 )( 4)
- 前年度利益処分額
1,493,901 1,807,726
(5)
- 所有持分の変動 -9,134 -11,037
- 期末残高
11,888,087 12,792,307
(3)
- 払込請求済だが払込未済の準備金 -996,225 0
- その他準備金および払込請求済だが払込未済の準備金
10,891,862 12,792,307
特別活動準備金:
- 期首残高
10,777,675 9,626,707
(1)
- 前年度利益処分額 959,221 1,150,968
- 期末残高
11,736,896 10,777,675
一般貸倒準備金:
- 期首残高
2,170,177 2,736,047
(1)
- 前年度利益処分額 -34,286 -565,870
- 期末残高
2,135,891 2,170,177
1,749,853 2,418,836
EIB 株主に帰属する当期純利益
72,591,209 74,186,545
EIB 株主に帰属する連結自己資本合計
少数株主に帰属する持分(単位:千ユーロ) 2020年 2019年
- 1月1日現在の残高
910,980 857,685
- 準備金の変動
-2,044 18,688
- 少数持分に対する配当金の支払
0 -4,331
- 当期損益処分 23,980 38,938
932,916 910,980
12 月31日現在の少数株主に帰属する持分合計
(1) 2020年4月24日、総務会は、2019年12月31日終了年度のEIBの当期純利益2,363,586千ユーロをその他準備金、特別
活動準備金および一般貸倒準備金に繰り入れることを決定した。一般貸倒準備金または特別活動準備金からの取崩
し/への繰入れが生じているが、これは基礎的業務のリスクの動きに伴うものである。
(2) 2017年3月29日、英国は、欧州連合条約(「TEU」)第50条に従って欧州連合(「EU」)から離脱する決定を欧州理
事会に通知した。英国は、TEU第50条および「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国の欧州連合および欧
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州原子力共同体からの離脱協定」(「離脱協定」)に基づき、2020年2月1日をもってEU加盟国でなくなった。英
国のEUからの離脱により、英国は自動的に欧州投資銀行(「EIB」)の構成員でなくなり、応募済資本金の分担も終
了 した。
2020年2月1日より、EIBの応募済資本金における英国の分担金は、その全額につき、残りのEU加盟国が按分負担す
る増資をもって差し替えられた。この資本の差替え(均衡的資本差替え)は、EIBにおける英国の応募済資本金の払
込請求済部分に加え、払込未請求部分も対象とするものであった。払込請求済部分の差替えは、EIBの準備金を応募
済資本金に振り替えることで賄われた。増資の結果、残りの各EU加盟国において、EIBの応募済資本金の払込未請求
(請求可能)持分が按分で増加した。
(3) 注H.2を参照のこと。
(4) EIBの法定利益とグループの連結当期純利益との差額(55,250千ユーロ)は、「EIB株主に帰属するその他準備金」
に配分された。
(5) この残高は、EIF株式の購入および売却に関連するものであった。
H.2. 払込請求済だが払込未済の応募済資本金および準備金
払込請求済だが払込未済の資本金および準備金として貸借対照表に表示されている1,438,648千ユー
ロは、2020年3月1日の非均衡的増資の結果の、加盟国であるポーランドおよびルーマニアからの未
収額を含んでいる。払込請求済の応募済資本金および準備金への拠出は、それぞれ0.5百万ユーロおよ
び1.1百万ユーロであった。当該加盟国から支払われる総額は、10回の均等分割により半年ごとに支払
われ、2020年12月31日、2021年6月30日、2021年12月31日、2022年6月30日、2022年12月31日、2023
年6月30日、2023年12月31日、2024年6月30日、2024年12月31日および2025年6月30日に支払期日を
迎える。
2020年12月31日に期日を迎えた分割分は全額が決済された。
(単位:千ユーロ) 2020年12月31日 2019年12月31日
払込請求済だが払込未済の応募済資本金(ポーランドおよびルーマニ
ア)
442,423 0
払込請求済だが払込未済の準備金(ポーランドおよびルーマニア) 996,225 0
合計 1,438,648 0
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注I: 前払金および未収収益ならびに未払金および繰延収益(単位:千ユーロ)
2020年12月31日 2019年12月31日
前払金および未収収益
未収利息および手数料 6,930,359 7,638,811
通貨スワップ契約に係る外国為替 5,940,603 8,262,158
繰延借入費用 361,691 394,304
委託の受取手数料 270,828 208,495
(*)
スワップに係る未収償還プレミアム 38,380 154,804
2,496 3,037
その他
13,544,357 16,661,609
合計
2020年12月31日 2019年12月31日
未払金および繰延収益
通貨スワップ契約に係る外国為替 9,761,152 7,127,931
未払利息および手数料 7,477,145 8,107,194
繰延借入収益 1,170,651 686,322
(*)
スワップに係る未払償還プレミアム 372,209 816,284
貸付金および保証に係る繰延収益 283,893 268,236
前受運用報酬 223,723 130,088
前受利子補助金 89,027 101,457
4,983 7,240
その他
19,382,783 17,244,752
合計
(*) スワップの未収および未払に係る償還プレミアムは、そのような特性が盛り込まれた契約に係る原スワップ契約の
最終支払額を示す。
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注J: 金融機関および顧客に対する債務(単位:千ユーロ)
J.1. 金融機関に対する債務
2020年12月31日 2019年12月31日
要求払 4,199,057 6,287,270
-翌日物預金 4,199,057 6,287,270
期日払または通知払 12,316,334 1,185,511
- 短期預かり金 1,560 2,761
- 金融機関とのレポ取引 4,314,774 1,182,750
(1)
8,000,000 0
-中央銀行からの借入金
16,515,391 7,472,781
合計
(1) この金額は、ECBの金融政策オペレーションへのEIBの参加を表す。
J.2. 顧客に対する債務
2020年12月31日 2019年12月31日
要求払 1,680,511 1,594,508
- 翌日物預金 2,962 4,013
- 欧州連合および加盟国口座
- 特別部門業務および関連未決済金額に係るもの 398,386 397,313
- 預金口座 1,279,163 1,193,182
期日払または通知払 20,951 15,554
20,951 15,554
- 短期預かり金
1,701,462 1,610,062
合計
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注K: 債務証書借入(単位:千ユーロ)
財務活動におけるグループの目標の1つとして、特に通貨に関し、その資金調達戦略を貸付金供与
に要する資金と合致させることが挙げられる。「債務証書借入」の項には、「負債証券」(一般投資
家に対して公募した有価証券)および「その他」(私募)が含まれる。次の表は、2020年12月31日お
よび2019年12月31日現在の債務残高の通貨別内訳、ならびに平均利率と満期日をまとめたものであ
る。
2020年 2019年
平均利率 平均利率
12月31日 満期日 12月31日現在
支払通貨
(*) (*)
2020年 2019年
現在残高 残高
ユーロ 245,471,198 1.52 2021/2060 242,241,423 1.73
米ドル 102,980,060 1.79 2021/2058 111,884,458 2.20
英ポンド 42,714,537 2.41 2021/2054 45,613,342 2.61
オーストラリア・ドル 8,097,915 3.33 2021/2042 9,947,726 3.77
スウェーデン・クローナ 6,625,774 1.51 2021/2040 5,873,569 2.28
ポーランド・ズロチ 6,417,089 2.15 2021/2029 4,994,362 2.48
ノルウェー・クローネ 5,092,022 1.80 2021/2037 5,739,674 1.98
カナダ・ドル 4,251,495 2.24 2021/2045 5,313,621 2.02
スイス・フラン 4,089,335 2.01 2021/2036 5,430,993 2.09
南アフリカ・ランド 2,529,078 8.02 2021/2035 2,774,494 8.16
日本円 2,191,824 1.12 2021/2053 3,282,503 1.12
トルコ・リラ 1,407,381 10.14 2021/2027 2,266,647 8.76
メキシコ・ペソ 1,359,375 6.09 2021/2027 1,887,353 5.66
デンマーク・クローネ 782,722 0.71 2024/2031 525,216 0.82
チェコ・コルナ 338,599 1.94 2021/2034 347,462 2.45
人民元 298,909 2.50 2022/2023 230,164 2.80
ニュージーランド・ドル 264,955 2.12 2021/2023 388,435 2.49
ハンガリー・フォリント 165,436 0.82 2021/2021 272,895 0.22
香港ドル 131,380 1.56 2021/2022 105,175 2.14
ロシア・ルーブル 54,665 5.85 2022/2024 164,388 6.16
0 0 - 37,633 2.87
ルーマニア・レイ
435,263,749 449,321,533
合計
(*) 貸借対照表日現在の加重平均利率
仕組借入の中には、その元本および利息が株価指数に連動しているものもある(実行時の価額:
2020年は500百万ユーロ、2019年は500百万ユーロ)。借入金はすべて、仕組スワップ・オペレーショ
ンにより十分にヘッジされている。
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次の表は、2020年度および2019年度の債務証書借入(短期コマーシャル・ペーパーを含む)の変動
を示したものである。
2020年 2019年
(単位:百万ユーロ)
1月1日現在の残高 449,322 455,384
当期発行額 150,299 141,610
契約に基づく償還 -148,992 -151,818
期限前償還および買戻し -1,168 -1,073
-14,197 5,219
為替差額
435,264 449,322
12月31日現在の残高
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注L: 引当金-年金制度および健康保険制度(単位:千ユーロ)
グループの主な年金制度は職員とグループからの拠出金を原資とする確定給付年金制度で、全職員
が対象とされている。グループおよびその職員の全拠出額がグループの資産へ投資されている。
年金制度および健康保険制度の引当金は、以下のとおりである。(単位:千ユーロ)
2020年 2019年
職員年金制度:
1月1日現在の引当額 2,967,608 2,676,508
期中支給額 -84,729 -87,460
保険数理損失の認識 217,942 122,809
214,298 255,751
年間の拠出金および利息
3,315,119 2,967,608
職員年金制度小計
経営委員会年金制度
経営委員会年金制度 35,510 35,652
保険数理損失の認識 3,009 1,913
2,541 0
年間の拠出金
41,060 37,565
経営委員会年金制度小計
健康保険制度:
1月1日現在の引当額 403,891 366,530
期中支給額 -18,580 -22,254
保険数理損失の認識 27,238 11,589
49,321 48,026
年間の拠出金および利息
461,870 403,891
健康保険制度小計
3,818,049 3,409,064
12月31日現在引当金合計
上記金額は、任意補足年金制度(確定拠出年金制度)加入者への債務を含んでいない。それに対応
する債務722百万ユーロ(2019年:643百万ユーロ)は、「その他の負債」(注G)に分類されている。
将来の退職給付および健康保険給付に対する引当金は、9月30日現在の加入者データおよび12月31
日までのキャッシュ・フローに基づいて、2020年12月31日付で、独立した保険数理士により、予測単
位積立方式を用いて評価された。この保険数理評価は、2020年12月31日現在の実勢市場金利および以
下の(職員年金制度および健康保険制度に関する)仮定に基づいて2020年12月31日付で更新された。
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・ 26.3年(2019年:23.8年)の期間に対応する年金制度および健康保険制度 0.75 %(2019年:1.30%)
における未払給付の保険数理上の現在価値を算定するための割引率
・ 過去の経験を踏まえて、EIBでは、退職給付積立金からの予想支給総額は
「上記割引率1.5%(2019年:1.5%)」に設定されると見積っている。
・ 退職年齢 55 ~65歳での段階的退職
(2019年と同じ)
・ 物価および賃金の平均的上昇率 3.5 %(2019年:3.5%)
・ 予想退職率の変動 30 %~0%で変動し、年齢と
ともに低下(2019年と同じ)
・ 年金調整率(年) 1.75 %(2019年と同じ)
・ ICSLT生命表 2018 年度版を使用
(2019年:ICSLT生命表2018年
度版)
・ 医療費上昇率(年) 3.75 %(2019年:3.75%)
・ 年齢ごとの医療費プロファイルは、2020年に過去の実績に加えて
2021年1月1日より適用される新しい払戻基準を反映して修正された。
このようなスキームのための引当金は、上記の表のとおり、保険数理評価に従って、必要に応じて
調整される(注A.2.11)。退職給付債務の10%を超過する過年度の数理計算上の積立過不足累計額は、
加入者の予想平均残存勤続年数にわたり定額法で認識される。
2019年、年金制度および健康保険制度に関する保険数理評価は、4,483,224千ユーロの未認識損失で
あった。10%の回廊部分を超過した金額は 3,693,994千ユーロで、2020年1月1日から制度加入者の
予想平均残存勤続年数にわたり定額法で認識された。これにより、2020年度に認識された純損失は、
248,189千ユーロである。
2020年、年金制度および健康保険制度に関する保険数理評価は、5,751,446千ユーロの未認識損失で
あった。10%の回廊部分を超過した金額は4,794,497千ユーロで、2021年度に認識される純損失は
329,652千ユーロとなる。
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注M: 当期純利益
2020年12月31日終了年度の法定損益計算書に計上された当期純利益1,712,323千ユーロの処分案は、
承認を受けるため2021年4月23日までに総務会に提出される。当事業年度のEIB剰余金の処分案の詳細
については、EIBの財務書類の前書き(訳注:本報告書の「第3 発行者の概況-(4) 業務の概況-①
業務-ニ)業績」に抜粋されている。)を参照のこと。
注N: 受取利息および類似収益ならびに支払利息および類似費用
N.1. 正味受取利息(単位:千ユーロ)
2020年 2019年
受取利息および類似収益:
中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券ならびに負債証券
(確定利付証券を含む) 270,367 548,378
金融機関および対顧客貸付金および預け金 6,917,317 7,474,587
デリバティブ 10,799,057 16,478,785
有利子負債に係るマイナス金利 57,650 12,854
4,921 5,280
その他
18,049,312 24,519,884
合計
支払利息および類似費用:
金融機関および顧客に対する債務 -4,828 -8,063
債務証書借入 -8,548,961 -10,042,103
デリバティブ -6,038,607 -10,902,103
利付資産に係るマイナス金利 -245,197 -371,024
-143,032 -153,251
その他
-14,980,625 -21,476,544
合計
3,068,687 3,043,340
正味受取利息
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N.2. 受取利息および類似収益の国別分析(単位:千ユーロ)
2020年 2019年
欧州連合加盟国
スペイン 860,839 933,252
ポーランド 529,331 584,905
フランス 477,584 522,539
ギリシャ 474,384 501,055
イタリア 473,371 566,622
ドイツ 318,367 325,439
オーストリア 261,081 272,891
ポルトガル 215,698 216,107
オランダ 173,982 172,535
ベルギー 170,796 163,252
ハンガリー 137,575 160,942
スウェーデン 110,276 128,533
アイルランド 87,940 89,693
ルーマニア 76,111 84,679
スロバキア 66,897 65,378
フィンランド 65,090 71,528
クロアチア 52,333 59,335
スロベニア 43,224 45,894
チェコ共和国 42,979 69,263
ブルガリア 40,572 42,119
リトアニア 26,359 33,812
デンマーク 22,149 26,505
ラトビア 14,848 15,077
キプロス 11,582 12,699
マルタ 9,585 9,960
エストニア 4,639 4,165
2,821 2,887
ルクセンブルク
4,770,413 5,181,066
欧州連合加盟国の合計
(*)
2,057,599 2,099,728
欧州連合域外
6,828,012 7,280,794
合計
(1)
11,221,300 17,239,090
国別分析の対象外の収益
18,049,312 24,519,884
受取利息および類似収益の合計
(*) 2020年1月31日付の英国の欧州連合からの離脱の結果、2019年における比較対象数値は、EU諸国から欧州連合域外
に組み替えられている。
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(1) 国別分析の対象外の収益
・ 長期有価証券ポートフォリオ、代替貸付金およびEIFのABSポー
トフォリオからの収益 168,801 207,986
・ 有価証券流動性ポートフォリオおよびEIF運用ポートフォリオ
からの収益 52,090 83,495
・ 短期金融市場証券からの収益 49,458 256,883
・ その他有価証券からの収益 18 14
・ 短期投資およびその他の事業からの収益 146,955 206,647
・ デリバティブからの収益 10,799,057 16,478,785
4,921 5,280
・ その他
11,221,300 17,239,090
注O: 受取手数料および支払手数料(単位:千ユーロ)
2020年 2019年
受取手数料:
保証手数料 173,812 146,693
インベストメント・ファシリティ「コトヌー」の手数料 61,215 52,748
EFSIの手数料 40,987 29,892
InnovFinの手数料 38,626 16,330
Jaspers手数料 30,499 33,538
Jeremie/ESIFの手数料 12,800 11,999
貸付金手数料収益 12,020 13,542
Jessica の手数料 8,348 8,878
コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティの手数料 7,927 5,412
近隣インベストメント・ファシリティの手数料 4,395 5,128
ヤウンデ/ロメ協定の手数料 1,646 1,888
92,255 103,427
その他の委託に係る手数料
(*)
484,530 429,475
受取手数料合計
2020年 2019年
支払手数料:
保証人へのリスク報酬 -302,635 -235,805
-25,014 -16,477
その他の支払手数料
-327,649 -252,282
支払手数料合計
(*) 一定の委託について、グループは繰延収益のメカニズムを改正し、その結果、手数料の当年度の収益認識にマイナ
ス13,157千ユーロ(2019年:マイナス11,118千ユーロ)の影響があった。
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注P: 金融業務損益(単位:千ユーロ)
2020年 2019年
(*)
株式およびその他の変動利付証券に係る純損益 -144,939 100,346
貸借対照表上のポジションの換算に係る純損益 -13,557 3,090
デリバティブの純損益 -43,112 6,164
負債証券ポートフォリオの純損益(有価証券のみ) 24,800 2,950
-176,808 112,550
金融業務損益合計
(*) 2019年、グループは投資基金3件における参加持分の流通市場における売却を完了した。この売却の結果、グルー
プは2020年に510千ユーロの利益を計上した。一方、2019年度の売却による利益は102,576千ユーロであった。
注Q: その他の業務収益(単位:千ユーロ)
2020年 2019年
過年度未使用引当金の戻入れ 3,309 3,209
賃貸料収益 78 91
2,170 2,625
その他
5,557 5,925
合計
注R: 一般管理費(単位:千ユーロ)
2020年 2019年
(*)
給与および手当 -509,975 -492,631
福利厚生費およびその他人件費 -503,974 -367,586
人件費 -1,013,949 -860,217
-264,271 -286,971
その他の一般管理費
-1,278,220 -1,147,188
一般管理費合計
(*) このうち経営委員会委員に対する金額は、2020年12月31日現在が3,113千ユーロ、2019年12月31日現在は2,706千
ユーロである。
グループの職員数は、2020年12月31日現在、4,092名(2019年12月31日現在は3,964名)であった。
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注S: オフ・バランスシートの借入債務支払に係る特別預け金
この項目は、グループが支払代理人に支払ったが、グループが発行した債券の保有者による支払い
のための提示がなされていない、期日到来済みのクーポンおよび債券の金額に相当する。
(*)
注T: 金融商品の公正価値
グループは貸借対照表日において、(有価証券流動性ポートフォリオを除き)負債の場合は受領
額、資産の場合は取得のための支払額を示す外貨建ての取得原価に基づき、貸借対照表の金融商品を
計上している。次の表は、資産または負債に計上されている金融商品(主として貸付金、財務、有価
証券、借入)の公正価値と帳簿価額とを比較したものである。
(**)
帳簿価額
2020 年12月31日現在(単位:百万ユーロ)
公正価値
金融資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 835 835
金融機関および対顧客貸付金および預け金(代替貸付金を除く) 485,983 527,550
短期国庫証券および負債証券ポートフォリオ(代替貸付金を含む) 44,883 45,457
9,109 13,323
株式、その他の変動利付証券および参加持分
540,810 587,165
金融資産合計
金融負債:
金融機関および顧客に対する債務 18,217 18,201
435,264 491,720
債務証書借入
453,481 509,921
金融負債合計
(*) デリバティブはこの表には含まれていない。注V.を参照のこと。
(**) 経過利息を含めた公正価値
(**)
帳簿価額
2019 年12月31日現在(単位:百万ユーロ)
公正価値
金融資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 947 947
金融機関および対顧客貸付金および預け金(代替貸付金を除く) 482,119 515,795
短期国庫証券および負債証券ポートフォリオ(代替貸付金を含む) 46,874 47,425
株式、その他の変動利付証券および参加持分 8,276 11,600
金融資産合計
538,216 575,767
金融負債:
金融機関および顧客に対する債務 9,083 9,079
債務証書借入 449,322 497,376
金融負債合計
458,405 506,455
(*) デリバティブはこの表には含まれていない。注V.を参照のこと。
(**) 経過利息を含めた公正価値
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注U: リスク管理
本注記は、グループのリスクに対するエクスポージャーならびにその管理および統制についての情
報を、特に金融商品の使用に関連した主なリスクについて記載している。それらは以下のとおりであ
る。
- 信用リスク-決済リスク等、顧客またはカウンターパーティーのデフォルトにより発生する損
失のリスクで、あらゆる形式の信用エクスポージャーから発生する。
- 金利リスク-金利感応商品に影響を及ぼす金利の不利な変動から生じるグループの投資の利益
および経済価値の両方に対するリスクで、ギャップリスク、ベーシスリスクおよびオプション
リスクを含む。
- 流動性および資金調達リスク-グループが合理的な価格により、あるいは、極端な状況下では
いかなる価格によっても、資金調達または義務の履行ができないリスク。
- 為替レートリスク-為替レートの不利な変動が原因で、グループのポジションから得られる経
済価値または収益の変動性から生じるリスク。
- オペレーショナル・リスク-不適切もしくは機能不全のプロセスもしくはシステム、人的要因
から発生する、外部事象による損失リスクで、法務リスクを含むが、戦略リスクおよび風評リ
スクは除かれる。
2020年には、リスクの管理とモニタリング専任のチームを含む職員の大半がテレワークで勤務して
いた。このような業務に関連して、ポジション管理システムは、通常の状況下と同一の機能性で、フ
ロント・オフィス、ミドル・オフィスおよびバック・オフィスの職員に加えて、リスク管理の職員も
リモートモードで利用が可能であった。
U.1. リスク管理組織
グループ内の各事業体は、独自のリスクの管理および統制を実行している。本注記に記載するリス
ク管理情報はEIBとEIFを分けて表示する。
また、EIBはリスク管理部門の中に、グループ全体のリスク管理を強化するために、規制およびEIB
グループ・リスク部を設置した。EIBの連結レベルでのリスク管理の概括的な原則は、グループ・リス
ク管理憲章に示されている。グループ・リスク管理憲章は、グループのリスクのグループ全体からの
見方およびリスク管理の統合的なアプローチを規定することを目的としている。
グループは、グループ最高リスク責任者(「GCRO」)が率いるグループ・リスク担当部署を設置し
ている。総裁およびEIB経営委員会のそれぞれの法定責任が影響を受けることなく、GCROはグループ・
リスクについて、リスク担当の経営委員会委員の監督の下、EIB経営委員会に報告する。GCROは、GCRO
の権限内の事項に関して、EIB経営委員会および他のEIBの統治機関の関連するすべての会議に参加
し、EIF取締役会の関連する会議およびEIF経営陣との協議に招待される。EIFは、GCROを通じてグルー
プ・リスク事項をEIBに報告する。
U.1.1. EIBのリスク管理組織
EIB の目的は、その資産、財務的業績、ひいては自己資本を可能な限り最大限に守るため、リスクを
分析・管理することにある。EIBは一般にEUの機関、機構および局によって発令または採択される商業
銀行に適用される法や指針(「EU法および指針」)の適用を受けないが、EIBは公表しているとおり、
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その任意の決定により、そのベスト・バンキング・プラクティスの指針的原則で特定されるEU法およ
び指針を遵守することとしている。
EIB内では、リスク管理部門(「RM」)は、EIBがさらされている信用リスク、市場リスク、流動性
および資金調達リスク、オペレーショナル・リスクを独立した立場から特定、評価、モニタリングお
よび報告する。職務分掌を維持するために、RMは、フロント・オフィスから独立した組織となってお
り、リスクに関するすべての提案に対して、セカンド・オピニオンを提供する。
契約締結後の貸付金の管理およびモニタリングは、ポートフォリオの重要な部分に関しては、RMか
ら独立している部門である取引管理・再編部門(「TMR」)が担当する。TMRは、よりリスクが高いカ
ウンターパーティー、および特定の形の担保のモニタリングに注力するとともに、特に注意を要する
取引の管理も行う。信用リスクの兆候に係るTMRの提言は、すべてRMによる独立した立場からのセカン
ド・オピニオンの対象となる。
以下の項では、EIBが自己のリスク負担において実施する活動の中でさらされる信用リスク、市場リ
スク、流動性および資金調達リスク、オペレーショナル・リスクについて開示している。詳細につい
ては、EIBグループ・リスク管理開示報告書を参照のこと。
U.1.1.1. リスクの測定および報告システム
EIB は、変化する経済情勢や進化する規制当局の基準に合わせて、リスク管理システムを調整してい
る。市場慣行が発達するにつれ、EIBも継続的にそれらを適応させている。EIBの業務に内在する主な
リスク、すなわち、信用リスク、金利リスク、流動性および資金調達リスク、為替レートリスクなら
びにオペレーショナル・リスクを統制し、報告するため、管理システムを導入している。
リスクは、EIBの支払能力、流動性、利益および業務への影響を定量化することを目的として、通常
の環境下および起こり得るストレス状態下で、評価・測定される。リスク測定では、資本構成、利
益、流動性、市場に対するエクスポージャーおよびオペレーショナル・リスクの指標を組み合わせ
る。
信用リスク、ALMリスク、流動性リスク、財務リスクおよびオペレーショナル・リスクに関する詳細
な情報は、経営委員会および理事会に対して毎月報告される。かかる情報は、経営委員会および理事
会のリスク方針委員会に対して定期的に報告・説明される。
U.1.1.2. EIBのリスク許容度
EIB は、リスク許容度を定めており、事業戦略の追求によって生じるリスクに関して慎重な限度額を
設定している。限度額を設定するにあたり、EIBは、EIBのリスク特性を事業戦略および利害関係者の
期待に適合させるようにしている。さらに、EIBの戦略の長期的な資本の持続可能性は、これらの限度
額との比較で評価および監視され、利用可能な資本が現在および大局的な事業目的および政策目的を
支えるために十分であることを確実にする。
EIBは公的金融機関として、リスクに対する投機的エクスポージャーにより収益を獲得することを目
指していない。その結果、それぞれに業績目標が定められていても、EIBは財務活動や資金調達・提供
活動を利益の最大化を図る中心的業務とみなしていない。投資活動は、投資資本の保護という主目的
の範囲内で行われる。よって、EIBの貸付業務や借入業務で生じるエクスポージャーに関しては、すべ
ての重要な市場リスクのヘッジを確保することが、EIBの財務リスク管理方針の主要原則とされてい
る。
EIBは、金利(IR)リスク(ギャップリスクおよびクロス・カレンシー・ベーシスリスク)ならびに
FXリスクを管理するための枠組みを整備している。EIBはIRおよびFXのポジションを日次でモニター
し、適用される限度内で管理している。COVID-19危機にもかかわらず、2020年度中にこの業務は変化
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することなく継続された。加えて、2020年3月にこの衛生危機が始まった際に、EIBは不利に作用する
潜在的な市場動向に迅速に対処することを可能にするために、関連する市場指標の日次でのモニタリ
ン グを導入した。
オペレーショナル・リスクや財務リスクを招く新しい種類の取引はすべて、新商品委員会の承認を
受けた上で改めて経営委員会の承認を取得することが義務付けられており、その承認を受けた限度枠
の範囲内で管理されている。
U.1.1.3. 収益の持続可能性および自己資金力
EIBの金利リスク戦略方針は、EIBの全体的な財務リスク管理で不可欠な部分を占めている。この方
針は、利益の安定性、自己資本の経済価値の保持、EIBの長期成長資金の自力調達に関する、EIBの主
要利害関係者の期待を反映した内容になっている。
これらの目標を達成するため、金利リスク戦略方針では、一段の収益安定と全体的なリターンの拡
大を目指して、自己資本投資に中・長期物価スライド方式を採用している。この物価スライドの方針
は、中・長期利回りに対するエクスポージャーを意味しており、金利の趨勢に関する短期的な見方に
左右されることはない。
EIBの自己資本の目標投資期間を現在は4.5年から5.5年の間に設定することで、この方針は達成され
ている。
資産負債委員会(「ALCO」)は、EIBの金利リスク戦略、貸出金利設定原則およびEIBの活動から生
じる財務リスクを検討するために上級経営陣による会議を開催する。
U.1.2. EIFのリスク管理組織
EIF の使命は、基本的に欧州連合内で設立、成長および発展をするためのリスク・ファイナンスへの
アクセスを中小企業(「SME」)に提供することである。グループの両事業体のプライベート・エクイ
ティ(「PE」)業務、ベンチャー・キャピタル事業ならびにポートフォリオ保証、証券化およびマイ
クロファイナンス(「GSM」)業務の大半は、EIFが管理・運営している。
EIFも、変化する経済情勢に合わせて、リスク管理システムを調整している。EIFの業務に内在する
主なリスクを統制し、報告するため、信用リスク、市場リスク、オペレーショナル・リスクの管理シ
ステムを導入している。
リスク管理は、EIFの企業文化に組み込まれており、EIFのすべての事業機能およびプロセスに浸透
した、(i) フロント・オフィス、(ii) 独立した立場の部門および、(iii) 監査および保証の3つの防
衛線モデルに基づいている。事務総局の長が委員長を務める投資およびリスク委員会(「IRC」)は、
CEOおよび副CEOにあらゆる取引に関して助言を行う。IRCの四半期ごとの会議はまた、EIFポートフォ
リオのリスクおよび投資関連の面、特に取引格付の承認、減損および引当についての措置、関連する
市場リスク事象および潜在的なストレスのテストを監視する。最後に、IRCは、ファンド・マネー
ジャーとしてのEIFの役割から生じる全社的リスクも監視する。リスクおよびポートフォリオ管理の措
置は、EIFの監査役会が統括する保証プロセスの一部を構成する。
さらに、EIBグループとの関連で見た場合、EIFのリスク管理部門は、特に、グループ・リスク管理
憲章、ならびに保証・証券化業務、EIBのリスク資本財源マンデート(「RCR」)に基づくPE業務、EIB
グループ・リスク補完マンデート(「EREM」)に基づくEIBの様々な機会、およびEIFの方針に関する
一般的な問題に関連するグループのリスク・エクスポージャーについて、EIBのリスク管理部門と定期
的に連絡を取りながら業務を運営している。
EIFの財務管理は、両当事者が署名し、取引の選定、執行、決済および監視の実行をEIBの担当サー
ビス部署に委託する財務管理契約に基づき、全面的にEIBに委託されている。この管理は、契約に付属
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する財務ガイドラインに従って行われるが、当該ガイドラインはEIB自身の財務ガイドラインの関連箇
所を密接に反映するものになっている。
U.1.2.1. リスク評価 プライベート・エクイティ
プライベート・エクイティ業務では、EIFは、ファンド・オブ・ファンズの手法を採っており、広範
囲の投資家からの出資契約を促すため、主として独立した立場のチームが運用するビジネス・エン
ジェル、ベンチャー・キャピタル、プライベート・エクイティ・ファンドおよびメザニン・ファンド
への少数持分参加を行っている。EIFのPE業務には、シード・キャピタル投資やアーリーステージ・
キャピタル投資だけでなく、低いリスク特性を有すると一般的に言われているミッドステージ投資、
レイターステージ投資、またはメザニン投資を運用対象とする安定したファンドへの投資も含まれて
いる。
EIFは、PE市場の動きに応じたPEファンド・ポートフォリオを設計し、運用し、モニタリングするた
めの一連のツールを、過去数年間かけて開発した。これらのツールはグループ内のモデルであるグ
レーディング・ベースト・エコノミック・モデル(「GEM」:格付に基づく経済モデル)に基づいてお
り、これを使用することにより、EIFは各ファンドおよび各ファンド・ポートフォリオの評価、リス
ク、予想される将来のキャッシュ・フローとパフォーマンスの査定ならびに妥当性検査を改善するこ
とができる。EIFでは、取引チームが実施しリスク管理チームが審査した広範囲にわたるデューデリ
ジェンスの結果に基づき、リスク・スコアを割り当ててから、PEファンドと出資契約を交わしてい
る。このスコアは、リスク水準に応じた頻度と厳格さで、ファンド残存期間にわたって定期的に審査
される。
独自のITシステムと(フロント・オフィスからバック・オフィスに至るまでの)統合ソフトウェア
の開発に下支えされたこうした取り組みによって、投資判断プロセスならびにポートフォリオの財務
リスクと流動性の管理も改善され、特に将来を見据えた、およびストレス・テストに基づいた意思決
定が可能となる。
U.1.2.2. リスク評価 保証
EIF は、中小企業向け融資に従事する金融仲介機関に対し、ポートフォリオ保証を提供し、中小企業
の証券化取引の信用補完を行っている。このようなリスクを取ることにより、EIFは資金へのアクセス
を容易にすることで、中小企業の資金調達を支援している。
保証・証券化業務に関しても、EIFは過去数年間をかけて一連のツールを開発した。これは、市場の
ベスト・プラクティスに従って、ポートフォリオ保証と仕組金融取引を分析するためのものである。
EIFは、信用リスク管理方針およびモデル審査指針に準拠して、自らリスクを負担する新規の保証取引
それぞれに内部格付を割り当ててから、法律上正式に保証取引を行っている。この格付は、定量パラ
メーターだけでなく定性面も考慮して、取引の信用の質(予想損失概念)を分析し集約するグループ
内のモデルに基づく。このプロセスではその全領域において、フロント・オフィスがアクションを起
こしリスク管理部門がレビューを行うという、「4つの目」の原則が適用されている。
保証取引は、定期的に(少なくとも四半期ごとに)モニターし、その状況は、EIFのIRCが定期的に
見直している。その際、委員会は、業績次第で、内部格付の見直しをもたらすことがある。この後者
のプロセスはRMによって開始され、フロント・オフィスが見直しを行う。
保証ポートフォリオは、関連する会計原則に基づき、「モデルに基づいた価格」手法によって評価
される。ポートフォリオの取引の評価に対する主な影響は、付与された格付(内部格付の場合もあれ
ば、外部格付の場合もある)とその後起こりうる格付の変更により生じる。
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EIFのモニタリングは、潜在的な格付の悪化を監視し、適切な取引の管理の基礎を提供する。EIFの
ストレス・テスト方法、すなわちポートフォリオの格下げおよび債務不履行、ならびにそれに伴う資
本配分、予想損失および損益計算書への影響に関するシナリオ分析は、取引の開始時およびポート
フォ リオの期間全体にわたって適用される。
U.2. 信用リスク
信用リスクは主にグループの貸付業務に関するものであるが、程度の差はあるものの、負債証券、
譲渡性預金、銀行間の定期預金等の財務商品ならびにグループのデリバティブおよび保証取引に関す
るものも含まれている。
デリバティブの使用に関する信用リスクについては、「デリバティブ」のセクション(注V)で分析
する。
信用リスクは、統治機関の承認を受けた詳細な行内指針に沿って管理されている。こうした指針の
目的は、信用リスクの慎重な管理が確実に行われるようにする点にある。EU加盟国業務と非EU加盟国
業務ではリスク・プロファイルが異なる場合があり、EU加盟国の活動と非EU加盟国の活動には別々の
指針が設けられている。ある事業体がEIBの貸付業務のカウンターパーティーとして認められるか否か
は、定量的および定性的指標を用いた当該事業体の注意深い分析および評価に基づくだけでなく、経
験および専門家の判断にも依拠して決定される。同指針は、貸付業務の債務者、保証人双方について
最低限の信用の質の水準を定めており、許容範囲内とみなされる担保種類も特定している。また、EIB
の地位が十分に保護されるように、主要な法的条項や他の契約条件の点で貸付契約が満たしていなけ
ればならない最低基準も、細かく定めている。加えて、カウンターパーティー別と業種別に限度枠を
設けるシステムを通じて、信用リスク管理指針は、貸付金ポートフォリオの許容可能な分散の実現を
図っている。複雑な貸付取引または仕組貸付取引に含まれる追加的なリスクの十分な分析、計量およ
び軽減が確実になされるように、特定の種類の業務に関して具体的で詳細な指針が策定され、これが
一般指針を補完している。また同指針は、デリバティブ取引および財務取引の相手の信用の質に関す
る最低限の基準、ならびに取引種類ごとの契約の枠組みも規定している。
EIF は、法に基づく規定、およびEIF理事会の承認を受けた信用リスク運用指針、またはマンデート
に基づき定められた指針を受けた、保守的な方針の枠組み内で、エクスポージャーとリスクを管理し
ている。
信用リスク管理指針は、進化している業務環境を盛り込み、グループが受領する新たなマンデート
に対応できるよう、定期的に調整されている。
信用リスクの管理は、カウンターパーティーに関する信用リスクの水準およびカウンターパー
ティーの支払不能に備えてグループに供された担保の水準の評価に基づいている。
グループが十分な水準の担保および保証に基づくリスク管理戦略や貸付金契約に含まれる標準的な
保護条項に依拠していることから、グループの貸付金ポートフォリオの質は現在も高くされている。
いずれの時点においても、EIBが供与する貸付金および保証の総額は、定款で定められたギアリング
比率(定款第16.5条)で制限されている。この比率を算出するために、EIBは欧州連合会計指令
(「AD」)の枠組みによるデータを使用している。2020年度末時点で、EIBの定款で定められたギアリ
ング比率は、EU会計指令準拠の単独財務書類に基づくと203.0%、EU会計指令準拠の連結財務書類に基
づくと205.8%であった(定款第16.5条に基づく上限は250%)。
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U.2.1. 貸付金
貸付金に関する信用リスクを測定・管理するために、グループは一般に認められた基準に基づい
て、債務者および適当な場合は差し入れられた担保の質に応じて貸付業務の格付を行っている。
次の表は、未実行分も含め、2020年12月31日現在の貸付金ポートフォリオの債務者と保証人の構成
を分析したものである。
欧州連合域外への貸付金(EIBの自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラスト
(*)
ラクチャー・パッケージ保証 に基づくものを除く)は、最終的には、欧州連合予算や加盟国(ACP
諸国およびOCTへの貸付金の場合)の保証により担保されている。こうした保証は、包括型(すべての
リスクが対象)か、または定義された政治リスク(送金の停止、収用、戦争または市民暴動、契約違
反時の裁判拒否)に限定されているかのいずれかである。
(*) EIBの自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保
証は、総務会によって決定された地理別またはテーマ別の貸付フレームワークである。EIBの自己の
リスク負担のファシリティ群に基づく貸付およびコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保
証は、EIBの自己資金での取引であり、EIBは全額の自己リスクまたは信用補完による残余リスクを負
担する。
以下の表は、自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッ
ケージ保証およびリスク・シェアリング業務に基づいて供与された欧州連合域内および域外のプロ
ジェクトに対する契約済貸付金を示している(単位:百万ユーロ)。
保証人
2020年の 2019年の
(1)
国 公共機関 銀行 企業
無保証
合計 合計
債務者
国 0 0 0 0 59,522 59,522 57,489
公共機関 31,693 22,893 250 218 86,625 141,679 140,660
銀行 36,975 21,706 18,910 18,404 31,817 127,812 132,688
9,246 4,000 9,082 35,600 103,920 161,848 163,529
企業
(2)(3)(4)(5)
77,914 48,599 28,242 54,222 281,884 490,861
2020年の合計
(2)(3)(4)(5)
79,692 51,207 32,595 54,736 276,136 494,366
2019年の合計
(1) これらの金額には、債務者の支払能力自体が妥当な担保となっているため、債務者および貸付金自体以外の正式な
保証が不要な貸付金も含まれている。所定の事由が発生した場合には、適切な契約条項により、グループが独立し
た担保を請求できる権利が確保されている。
(2) 2020年12月31日現在のリスク・シェアリング業務(加盟国保証または政治リスク保証の形でのEU予算により信用補
完されている)における貸付金は、3,408百万ユーロ(2019年:3,965百万ユーロ)であった。
(3) この金額に、契約済代替貸付金(2020年:20,003百万ユーロ、2019年:20,665百万ユーロ)は算入されていない。
(4) これらの金額は、現在の欧州連合加盟国が欧州連合への加盟を認定される前に供与された貸付金であって、欧州連
合予算または加盟国により保証されているものを除いている。
(5) グループは、EFSI SMEウィンドウに関連して、コミットメント総額が3,300百万ユーロを超えない資金供与枠を締結
した。グループは、確定的なコミットメントがそれぞれの基礎的リスク込みで締結され、資金供与枠の引出が予期
される場合に、未実行エクスポージャーを認識する。
EIBおよびEIFの優先債権者の地位およびEIB定款による保護は、満期時におけるグループ資産の全額
回収を保証すると思われるため、グループは期末現在の欧州連合加盟国ソブリン債および欧州連合加
盟国ソブリン保証債のエクスポージャーに関して、2020年においても、2019年においても、評価損益
を計上しなかった。
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保証を含むグループの貸付業務を通じた英国に所在している債務者に対する実行済のエクスポー
ジャーは、2020年12月31日現在、324億ユーロ(2019年:378億ユーロ)であり、英国の保証人が存在
す る外国の債務者に対する実行済のエクスポージャーは、10億ユーロ(2019年13億ユーロ)であっ
た。2020年12月31日および2019年12月31日のいずれの時点でも、グループは、英国を債務者とする直
接的なエクスポージャーを有しておらず、またイギリスが保証する実行済の貸付金は、2020年12月31
日現在で21億ユーロ(2019年:22億ユーロ)であった。
以下の表は、EIBの自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・
パッケージ保証およびリスク・シェアリング業務に基づいて欧州連合域内外で供与された貸付金に係
るソブリン信用リスクに関する情報を開示している。
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2020年 2019年
(単位:百万ユーロ)
保証人となっ 保証人となっ
債務者となっているもの 債務者となっているもの
ているもの ているもの
国名 実行済金額 未実行金額 契約済金額 実行済金額 未実行金額 契約済金額
オーストリア 0 0 33 0 0 39
ベルギー 0 0 61 0 0 75
ブルガリア 1,145 0 110 878 300 110
クロアチア 662 210 3,158 599 300 3,058
キプロス 890 222 1,465 931 242 1,423
チェコ共和国 1,247 743 0 1,515 453 16
デンマーク 0 0 240 0 0 244
エストニア 525 0 99 597 0 106
フィンランド 6 0 59 11 0 70
フランス 0 0 2,927 0 0 2,930
ドイツ 0 0 1,377 0 0 1,395
ギリシャ 7,790 695 9,060 7,640 769 7,978
ハンガリー 5,990 985 1,118 5,726 1,381 958
アイルランド 1,440 225 1,105 1,295 370 1,291
イタリア 3,756 1,720 6,516 2,957 1,100 4,543
ラトビア 341 400 21 345 400 30
リトアニア 2,170 0 51 1,529 0 53
ルクセンブルク 300 0 240 300 0 248
マルタ 0 72 313 0 72 319
オランダ 0 0 75 0 0 80
ポーランド 7,167 1,380 16,562 8,073 540 17,140
ポルトガル 1,196 400 4,484 1,229 400 4,129
ルーマニア 1,853 1,647 0 1,526 2,130 0
スロバキア 2,299 641 50 1,951 989 50
スロベニア 549 400 1,662 569 400 1,769
スペイン 5,110 0 22,278 5,506 400 24,302
スウェーデン 0 0 52 0 0 45
(1)
(*)
1,637 3,709 4,798 1,525 2,541 7,291
非EU加盟国
46,073 13,449 77,914 44,702 12,787 79,692
合計
(*) 2020年1月31日付の英国の離脱の結果、2019年における比較対象数値は、EU諸国から非EU加盟国に組み替えられて
いる。
(1) うち、1,419百万ユーロは、欧州連合域内業務に係る欧州連合加盟国政府債の担保である。
以下の表は、欧州連合域外のプロジェクトに対する契約済貸付金を示している(EIBの自己のリスク
負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保証に基づいて供与さ
れた物を除く)(単位:百万ユーロ)。
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2020年12月31日 2019年12月31日
以下による保証:
加盟国 4,195 4,267
(1)
47,062 44,966
欧州連合予算
(2)(3)
51,257 49,233
合計
(1) このうち3,408百万ユーロ(2019年:3,965百万ユーロ)は、上記で説明したリスク・シェアリング業務(加盟国保
証または政治リスク保証の形でのEU予算により信用補完されている)による。
(2) 現在の欧州連合加盟国が欧州連合への加盟を認定される前に供与された貸付金であって、欧州連合予算または加盟
国により保証されている貸付金を含む。
(3) グループが供与した総額423.8百万ユーロ(2019年:462.9百万ユーロ)の金融保証は、加盟国または欧州連合予算
によって保証されている。上記の保証は上記の表に示されている内訳には含まれていない。
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欧州連合域外のプロジェクトに対する貸付金 (単位:百万ユーロ)
(新規加盟国で加盟以前に実行された貸付金を含む。)
契約済貸付金の保証形態別内訳
2020年12月31日 2019年12月31日
協定
加盟国による75%グローバル保証
- ACP/OCT第4次ロメ協定-第2次財務議定書 21 36
21 36
加盟国による75%グローバル保証合計
加盟国による75%保証
- コトヌー・パートナーシップ協定
314 355
- 第2次コトヌー・パートナーシップ協定
1,302 1,419
- コトヌー議定書3 -OR/ACP
2,478 2,396
- コトヌー議定書3 -OR/OCT 80 61
4,174 4,231
加盟国による75%保証合計
4,195 4,267
加盟国による保証合計
欧州連合予算による100%保証
- ロシア-100百万・2001年-2005年
18 22
147 163
- ロシア-500百万・2004年-2007年
165 185
欧州連合予算による100%保証合計
欧州連合予算による75%保証
- 地中海議定書 0 14
0 14
欧州連合予算による75%保証合計
欧州連合予算による70%保証
- 南アフリカ-375百万・1997年1月29日決定
16 20
- ボスニア・ヘルツェゴビナ-100百万・1999年/2001年
19 25
- ユーロメッド(EIB)-2,310百万・1997年1月29日決定
25 36
- 北マケドニア-150百万・1998年/2000年
12 16
- CEEC-3,520百万-1997年1月29日決定 120 167
192 264
欧州連合予算による70%保証合計
欧州連合予算による65%保証
- 南アフリカ-825百万・2000年7月-2007年1月
98 125
- 南アフリカ-2007年2月-2013年12月決定
311 396
- ALA III-2,480百万・2000年2月-2007年7月
100 139
- ALA デシジョン-2007年2月-2013年12月
1,536 1,929
- ユーロメッド II-6,520百万・2000年2月-2007年1月
1,246 1,541
- 南東近隣諸国-9,185百万・2000年2月-2007年7月
2,836 3,172
- トルコ・スペシャル・アクション-450百万・2001年-2006年
105 111
- トルコ-TERRA-600百万・1999年11月-2002年11月
264 282
- PEV EE/CAS/RUS 2007年2月1日-2013年12月31日
1,983 2,096
- PEV MED 2007年2月1日-2013年12月31日
5,831 6,347
- 加盟候補国-9,048百万・2007年-2013年
5,529 6,123
- 気候変動マンデート・2011年-2013年
1,163 1,210
- ELMアジア2014年-2020年
1,238 1,046
- ELM 中央アジア2014年-2020年
304 224
- ELM 東ロシア2014年-2020年
6,876 5,853
- ELM ラテンアメリカ諸国2014年-2020年
2,537 2,192
- ELM MED2014年-2020年
8,139 5,847
- ELM加盟候補国201 4 年-2020年
3,682 3,219
- ELM RSA2014年-2020年
440 373
- ELM ERI 民間マンデート
1,211 1,077
- ELM ERI 公共機関マンデート 1,276 1,201
46,705 44,503
欧州連合予算による65%保証合計
47,062 44,966
欧州連合予算による保証合計
(1)
51,257 49,233
合計
(1) グループが供与した総額423.8百万ユーロ(2019年:462.9百万ユーロ)の金融保証は、加盟国または欧州連合予算
によって保証されている。上記の保証は上記の表に示されている内訳には含まれていない。
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貸付金に付する担保 (単位:百万ユーロ)
その他の信用リスク軽減手段の中のひとつとして、グループは、金融有価証券に質権を設定する手
法を使用している。これらの質権は、関連する法域で執行可能な質権設定契約によって設定される。
質権設定契約により受け取った担保のポートフォリオは17,943百万ユーロ(2019年:20,110百万ユー
ロ)であり、その内訳は以下の通りである。
貸付金融担保(単位:百万ユーロ)
2020年12月31日現在
債券
銀行債
担保付債券
同等のムーディーズ格付
現金 合計
国際 政府 資産担保
政府債 および
(カバード・
機関債 機関債 証券
ボンド)
社債
Aaa 327 79 0 68 87 0 0 561
Aa1からAa3 1,044 20 38 917 217 0 0 2,236
A1 17 0 0 31 57 0 0 105
A1未満 11,683 0 170 1,005 832 0 0 13,690
41 0 0 0 722 0 588 1,351
格付なし
13,112 99 208 2,021 1,915 0 588 17,943
合計
貸付金融担保(単位:百万ユーロ)
2019年12月31日現在
債券
銀行債
担保付債券
同等のムーディーズ格付
現金 合計
国際 政府 資産担保
政府債 および
(カバード・
機関債 機関債 証券
ボンド)
社債
Aaa 450 5 1 136 303 0 0 895
Aa1からAa3 1,180 83 30 891 206 0 0 2,390
A1 81 0 0 1,121 51 0 0 1,253
A1未満 11,683 0 385 1,351 973 0 0 14,392
40 0 0 0 757 0 383 1,180
格付なし
13,434 88 416 3,499 2,290 0 383 20,110
合計
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12 月31日現在の実行済貸付残高の債務者の契約業種別明細(単位:百万ユーロ)は以下のとおりで
ある。
2020年 2019年
業種
運輸 129,299 128,786
(1)
グローバル・ローン 74,889 81,412
エネルギー 63,790 64,540
医療・教育 35,787 34,512
その他インフラ 30,768 29,425
工業 28,301 26,501
上下水道施設 28,061 28,986
サービス 18,332 17,491
電気通信 11,208 11,750
4,212 3,660
農業・漁業・林業
(2)
424,647 427,063
合計
(1) グローバル・ローンとは、金融仲介機関または銀行に提供する融資枠で、その後にそれらの機関または銀行が、自
らリスクを負担してその資金を官民が請け負う中小規模のプロジェクトに転貸するというものである。
(2) この金額に、実行済代替貸付金(2020年:20,003百万ユーロ、2019年:20,490百万ユーロ)は算入されていない。
貸付金に係る延滞
延滞額の特定、監視、報告は、全行的な「財務的監視ガイドラインおよび手続き」に定義される手
続きに従って行われている。こうした手続きは、銀行業務のベストプラクティスに沿っており、EIBが
管理するすべての貸付金について適用される。
1 . 欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証により担保されていない貸付金の延滞:
2020年12月31日現在、自己資金源からの貸付金で90日を超える延滞が生じ、欧州連合または加盟国
の包括保証により担保されていないものは、117.1百万ユーロ(2019年:146.0百万ユーロ)である。
2020年12月31日現在のこれらの延滞が生じている貸付金に関連する元本金額は、187.8百万ユーロ
(2019年:200.0百万ユーロ)である。これらの延滞が生じている貸付金契約は、貸倒引当金136.9百
万ユーロ(2019年:164.9百万ユーロ)によりカバーされている。
2a. 欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証(請求可能)により担保されている貸付金
の延滞:
このような貸付金については、期限が経過した場合に、可能であればまず第一次保証の履行の請求
が行われ、それ以外の場合は加盟国または欧州連合による保証の履行が正式に請求される。
2020年12月31日現在、こうした90日超の延滞が生じている額は4.0百万ユーロ(2019年:2.3百万
ユーロ)であった。
2b. 欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証により担保されている貸付金の延滞について
の保証請求:
2020年中、52.4百万ユーロの欧州連合による保証の履行の請求が行われ、加盟国保証の履行の請求
はなかった。2019年における対応する金額は、それぞれ54.8百万ユーロおよびゼロであった。
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2020年中、以前に欧州連合または加盟国による保証に基づく請求が行われた金額のうち、0.7百万
ユーロが返金された。2019年における対応する金額は、0.1百万ユーロであった。
貸付金の再交渉と支払猶予
グループは、支払猶予措置がとられた貸付金を、支払猶予貸付金(すなわち、貸付金、負債証券お
よびローン・コミットメント)とみなしている。支払猶予措置はグループの「譲歩」によるもので、
財務困難により契約上の債務返済条項を遵守できないとみなされる債務者に対して、債務返済または
契約の全部もしくは一部の借換えができるようにするために、グループが決定するものである。エク
スポージャーは、延滞の有無、または当該エクスポージャーが債務不履行に分類されているか否かに
関わらず、譲歩が行われた場合には支払猶予として取り扱う。債務者が財務困難に陥っていない場合
には、当該エクスポージャーは支払猶予として取り扱わない。
通常の事業の過程においては、再交渉の前に問題が生じている貸付金の貸付金格付(LG)は低下し
ており、貸付金は要注意リストに入れられている。再交渉された場合、EIBは、当該貸付金を厳格に監
視し続けることとなる。再交渉による支払条件では当初の簿価が回収できない場合、EIBは損益計算書
に評価調整額を計上することを検討する。LGが「E-」まで低下した貸付金はすべて、定期的に評価損
計上の必要性が検討され、LGが「F」の貸付金は、すべて評価損計上の対象とされる。貸付金のLGが十
分に回復した場合には、EIBの手続きに沿って、当該貸付金はその段階で要注意リストから除かれる。
また、COVID-19のパンデミックによる経済的影響への対策の一環として、グループは、特定の状況
下にある債務者が利用できる多くの支援措置を講じることを決定し、これには (i) 財務制限条項およ
びその他の重要条項の暫定的な条件緩和(権利放棄を含む)、(ii) 新たな返済スケジュールの設定ま
たは返済義務の一時凍結によるキャッシュ・フローの再構築、ならびに (iii) 新規契約の締結、ロー
ンの実行前倒しおよび債務者貸付の増額など、その他の一定の補完的支援策が含まれる。グループ
は、具体的状況における制約の下で、かかる措置の申請を案件ごとに評価している。これらの措置
は、COVID-19のパンデミックの経済的影響から一時的な影響を受けながらも構造的財政困難や支払能
力の懸念を生じておらず、かつかかる措置を与える時点で継続企業と認められる債務者に対して提供
していく。 評価の結果として、債務者がこれらの要件を満たさない場合、またはグループが債務者の
ビジネスモデルの長期的持続可能性についてリスクを特定した場合に、グループは他の適切な措置を
検討し、必要な場合には、グループの標準的な条件変更のプロセスに従う。
グループが報告期間中に着手した支払猶予措置および手続きには、返済期限の延期、元本返済のみ
の繰延、元利返済の繰延、重大な財務制限条項の破棄および延滞金の元本算入が含まれるが、これら
に限定されるわけではない。
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支払猶予措置の対象である貸付金は、以下の表のとおりである。
2020年12月31日 2019年12月31日
(単位:百万ユーロ)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
支払猶予措置の対象となった契約件数 81 64 35 39
帳簿価額(金利および延滞金額を含む) 4,641 2,489 1,618 1,952
うち評価調整の対象となった貸付金 0 1,634 0 1,218
認識された評価損益 0 473 0 379
支払猶予された契約に係る受取利息 139 70 58 61
認識中止されたエクスポージャー(リストラクチャリング、償
却/貸付金売却後) 0 28 0 28
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支払猶予措置
契約上の
重大な
2019年 2020年
返済期限の 元本および
(2)
返済および
(単位:百万ユーロ)
財務制限
その他
12月31日 12月31日
延期 利息の繰延
(1)
条項の破棄
契約終了
公共機関 1,011 0 0 63 1,836 -107 2,803
銀行 308 0 0 1 6 -236 79
2,251 96 227 57 1,971 -354 4,248
企業
3,570 96 227 121 3,813 -697 7,130
合計
(1) 減少は、2019年12月31日現在で支払猶予貸付金とみなされていた取引に関して当年度中に発生した元本、利息およ
び延滞金額の返済ならびに償却、ならびに当期中の契約終了による。
(2) その他は、COVID-19のパンデミックの経済的影響を一時的に被った債務者に供与された、2020年12月31日現在の帳
簿価額合計3,376百万ユーロの支払猶予措置が含まれる。
U.2.2. 財務ポートフォリオ
財務ポートフォリオ(有価証券、コマーシャル・ペーパー、定期預金等)関連の信用リスクは、健
全なカウンターパーティーおよび発行体を選択することにより管理されている。
有価証券ポートフォリオの構成および財務商品残高に適用される限度枠は、経営陣が設定してい
る。この限度枠は、リスク管理部門により定期的に見直しが行われる。
グループは、取引のカウンターパーティーが契約債務を履行できなかった場合に信用リスクにさら
される可能性のある有担保リバース・リパーチェスおよびリパーチェス契約取引を行っている。グ
ループは、カウンターパーティーの信用リスクおよび担保の価値を日次でモニターし、必要とみなさ
れる場合には、グループに追加担保を差し入れるよう要求することで、これらの業務に関連した信用
リスクを統制している。
三者間レポおよびリバース・レポ取引は、第三者保管機関と共同で行われる。第三者保管機関は、
枠組み契約に従って特に以下に関する契約条件の遵守を保証する。
- 支払引替渡し
- 担保の検証
- 貸手が要求する担保マージン。これは常に充分かつ充当可能であることが必要であり、保管機
関は、当該有価証券の時価を日々検証しなければならない。
- 契約要件をすべて満たす代替担保の組成
以下の表は、財務ポートフォリオの有価証券および短期金融市場商品(預金およびリバース・レ
ポ)に係る信用リスク構成比を、適宜、カウンターパーティーの信用格付別、最終的な債務者格付別
または発行体格付別に示したものである。
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有価証券ポートフォリオ 短期金融市場商品
同等のムーディーズ格付
(単位:%) (単位:%)
2019年
2020年 2020年 2019年
(*)
12月31日 12月31日 12月31日
12月31日
Aaa 28 20 57 12
Aa1からAa3 31 36 17 34
A1からA3 40 41 25 54
1 3 1 0
A3未満
100 100 100 100
合計
(*) グループの信用リスク報告手法を反映して、比較対象数値は変更されている。
財務取引に供する担保
受取担保
財務取引には、15,474百万ユーロ(2019年:24,622百万ユーロ)の二者間および三者間リバース・
リパーチェス契約が含まれており、グループはこのうち13,173百万ユーロ(2019年:18,008百万ユー
ロ)について財務担保、2,301百万ユーロ(2019年:6,614百万ユーロ)についてコモディティを受領
している。二者間および三者間リパーチェス契約は、2020年12月31日現在4,315百万ユーロ(2019年:
1,183百万ユーロ)であった。この残高は全額について担保が供されており、原契約に従い、その後に
追加担保の請求または担保の返還が行われる。財務担保ポートフォリオの時価は、2020年12月31日現
在、13,498百万ユーロ(2019年:18,544百万ユーロ)であり、以下のように分類される。
リバース・リパーチェス契約財務担保(単位:百万ユーロ)
2020年12月31日現在 債券
(*)
担保付債券
合計
現金
同等のムーディーズ 国際 政府 銀行債 資産担保
政府債
(カバード・
格付
機関債 機関債 および社債 証券
ボンド)
Aaa 1,453 734 293 4,075 460 226 0 7,241
Aa1からAa3 2,393 133 123 94 830 0 0 3,573
A1 0 0 0 0 0 0 0 0
A1未満 1,260 0 66 0 1,356 0 0 2,682
0 0 0 0 0 0 2 2
格付なし
5,106 867 482 4,169 2,646 226 2 13,498
合計
(*) 2020年から開始された新しい担保のカテゴリー
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リバース・リパーチェス契約財務担保(単位:百万ユーロ)
2019年12月31日現在 債券
担保付債券
合計
国際 政府 銀行債 資産担保
同等のムーディーズ格付
政府債 (カバード・
機関債 機関債 および社債 証券
ボンド)
Aaa 995 136 267 5,879 1,851 417 9,545
Aa1からAa3 573 100 277 226 877 0 2,053
A1 419 0 44 0 329 0 792
5,029 0 4 36 913 0 5,982
A1未満
53 0 14 0 105 0 172
格付なし
7,069 236 606 6,141 4,075 417 18,544
合計
預託有価証券
ユーロ制度の通貨政策の運用との関連で、グループは、2020年12月31日現在、時価121億ユーロの有
価証券をルクセンブルク中央銀行に預託している(2019年:31億ユーロ)。
二者間および三者間リパーチェス契約の下で差し入れられている担保(ルクセンブルク中央銀行へ
の差入れを除く)の時価は、2020年12月31日現在、4,315百万ユーロ(2019年:1,182百万ユーロ)で
あった。
U.2.3. 第三者が供与した貸付金に関してグループが付与した保証
自己資金を原資とするグループの保証取引および証券化取引から生じる信用リスクは、統治機関の
承認を受けた詳細な行内指針に従って管理されている。
2020年末現在、グループにより保証された契約済エクスポージャーは220億ユーロ(2019年:205億
ユーロ)であり、このうち124億ユーロ(2019年:87億ユーロ)は保証された実行済貸付金に係るエク
スポージャーで、その保証引当金は22.6百万ユーロ(2019年:19.8百万ユーロ)であった。
統治機関の承認を受けた行内指針により、グループが、商品範囲、対象地域、カウンターパー
ティー別のエクスポージャー、債務者別のエクスポージャー、業種別の集中度という点で分散してい
る保証ポートフォリオを引き続き展開するよう徹底されている他、エクスポージャーの格付に基づく
資本配分規則も規定されている。
グループの取引が細分化していることから、集中リスクは限定的である。通常、組入れているポー
トフォリオは、単一の債務者への集中度、業種セクター、地域の多様化という点において高度に分散
化している。集中リスクに対処するため、グループは(資本配分に基づき)取引ごとに原債権者レベ
ルで厳格な限度額(原債権者(群)に対するエクスポージャー合計の上限)を設けている。
グループの保証業務においては、当初から案件ごとに信用リスクを追跡管理する一方、組入れられ
ているポートフォリオのグラニュラリティ(分散度)や同質度に応じて、異なるモデル分析法を採用
している。業種セクター別エクスポージャーは、グループが各取引または各トランシェに付与した格
付に及ぼす影響を通じて、案件ごとに分析される。例えば、取引分析用の財務モデルによって、業種
別エクスポージャーは黙示的な相関として反映され、あるいはモデルに入力する主要変数としてのデ
フォルト率の変動性の仮定を通して間接的に捕捉することができる。
さらに、ポートフォリオ内で集中度が高い業種セクターの現状や予想等の定性指標を用いて、それ
ぞれの案件ごとに集中度に対するエクスポージャーを分析している。例外的に、一部の案件では、同
一の(広義の)業種セクターにエクスポージャーが集中している。その場合は、通常、グループに有
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益な信用補完の強化(優先劣後構造設定等)によって対処する。信用補完という特性を有する案件
は、通常、単一の債務者に対するエクスポージャーの上限、債務者上位5者に対する合計エクスポー
ジャー の上限、業種別集中度の上限等、ポートフォリオ基準を設けている。グループ全体のポート
フォリオ分析の一環として、業種セクター別のエクスポージャーも検討している。
カウンターパーティー・リスクに関しては、グループのカウンターパーティー(通常は主要市場参
加者)の質に注意を払うことによって、リスクを軽減している。残存期間中の手続きやプロセスの遵
守状況を確認するため、監視目的の現地調査を別途行っている。また極端な場合の仮定を含めた保証
ポートフォリオ・ストレステストのシナリオで定期的にテストを実施し、悪影響に耐えうる資本基盤
であるかを判定している。
U.3. 金利リスク
金利リスクとは、市場利回りや金利の期間構造の不利な動きによる、グループのポジションの経済
価値または同ポジションによる収益の予想変動率(ボラティリティ)を指す。異なる資産、負債、
ヘッジ商品の間で金利更改特性や満期特性に差異があると、金利リスク・エクスポージャーが生じ
る。
金利リスクの測定および管理にあたり、グループはバーゼル銀行監督委員会(「BCBS」)および欧
州銀行監督機構(「EBA」)の関連する主要原則を参考にしている。金利リスクの主要な源泉は、
ギャップリスク、ベーシスリスクおよびオプションリスクである。ギャップリスクとは、グループに
とって最も関係が深い金利リスクであり、グループの金利感応商品の金利変動のタイミングの差異に
よる、当該金利感応商品の期間構造の経済価値または同商品からの収益の予想変動率(ボラティリ
ティ)と定義される。
金利リスクは、グループのリスク選好の枠組みで取り扱われている。グローバルの構造的金利ポジ
ションは、グループが負担する用意がある、リスク選好で定められているリスク水準に従って管理さ
れる。
ロンドン銀行間金利(LIBOR)などの指標金利は金融契約で広く用いられている。近年、指標金利の
信用性や安定性に対する信頼は低下してきており、世界中の規制当局は金利指標改革を推進してきて
いる。代替指標金利への世界的な移行は、金融市場において着手されるべきである最も困難な課題を
含んだ改革の一つであり、2021年末までには完了すると見込まれている。
資産負債委員会(ALCO)の下で、EIBは2018年度第1四半期よりこの分野の動向を積極的に観察して
きており、中央銀行が設置した各種の作業グループに参加している。確立した作業計画の実施におけ
る進捗は定期的に監視され、ALCOで討議され、定期的にEIBの経営幹部に報告されている。
貸付活動および資金調達活動の一環として、EIBは主に顧客への変動金利貸付金およびEIBの活動に
資金提供するための発行債券に関して、IBORへのエクスポージャーを有している。変動利付資産およ
び負債は、通常、EIBの財務書類上、償却原価で報告されている。また、EIBは固定金利の貸付業務お
よび借入業務のミクロ・ヘッジのため、ならびにグローバルの金利および外国為替のポジションの監
視のためにデリバティブ商品を使用している。
IBORによって影響を受けると見込まれるEIBの貸付業務の大半はユーロで行われているため、
EURIBORがユーロ圏における参照金利として残る限り、金利指標改革はEIBの貸付業務に重要な影響を
与えるとは見込まれていない。しかし、一部の貸付通貨、特に米ドルおよび英ポンドについては、基
礎となる金利としての新たなRFRが出現しているため、EIBはこれらの取引には一定の影響が及ぶと見
込んでいる。
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資金調達面では、EIBは2018年より貸借対照表で新たなRFRを参照する債券商品を発行しており、新
たな構成について関連する自己開発システムの適応が進行中である。加えて、優先市場構成の設定に
基づいて、EIBは必要な流動性を備えた関連するRFR市場の支援に重点を置いている。
スワップ業務に関連して、EIBはRFR連動の借入金および単体OISについてヘッジを実行した。IBOR
カーブはユーロおよび米ドルについて決済機関によって実施される担保設定の変動に対する調整が行
われており、このことによって関連するモデルにおける調整が必要となる。
他の銀行と同様、EIBのIBORに対するエクスポージャーには重要性がある。かかる指標金利の潜在的
な中止は、これらの金利に連動している契約(基本的に、スワップ、貸付金および債券)がどのよう
に影響を受けるかに関する問題を引き起こす。市場基準で各種IBORの中止が整合的な方法で実施され
ない場合、このことによりEIBはIBORのさまざまな後継指標間のベーシスリスクにさらされる可能性が
ある。ベーシスリスクへのエクスポージャーはEIBに固有のものではなく、このことは2018年6月に最
大の業界団体によって出版されたIBORグローバル・ベンチマーク・トランジション・レポートの中
で、金利指標改革における最大の課題の一つとして認識されている。
加えて、ECBがすでに強調しているように、契約の修正およびフォールバック条項の導入に伴う業務
上の困難は、業務上の負荷、記録インフラへの影響、決済および支払インフラの修正、改革後の金利
指標および対応する評価手法に基づいた新商品の評価および記録に関連したIT関連の制約を伴う可能
性があり、銀行業界はこうしたリスクにさらされている。
リスクならびに必要とされる準備および開発を管理および調整するために、EIBのALCOは2018年2月
に影響を受けるEIBの数多くのサービスを含めた、IBORに関する横断的な専任作業グループを設置し
た。一連の取組みは開始され、重要な開発が着手された。加えて、EIBの事業およびリスクの方針は、
事業およびリスクの管理慣行の変更を反映するために、必要に応じて更新されている。最後に、EIBの
上級経営陣には、最新情報と進捗状況が定期的に報告されている。
U.3.1. グループの自己資金の経済価値に対する金利リスク
グループの金利リスク戦略は、グループの経済価値のボラティリティを抑制しながら、バランスが
良く持続可能な収益特性を維持することを目指している。またグループ成長資金の自力調達という目
標を踏まえて、こうした収益特性に明確な選好が定められている。かかる全体目標は、中長期投資特
性に沿ったグループの自己資金投資によって達成されており、これは現在4.5~5.5年の範囲の自己資
金の目標投資期間を意味する。
自己資金の期間目標とは別に、グループの連結貸借対照表上、通貨および金利特性に応じた資金調
達が図られるべきだとされている。しかし、業務上の理由から小幅の逸脱は承認されており、このこ
とはグループをベーシスリスクにさらす可能性がある。このような若干の逸脱が残ることによって生
じる残余ベーシスリスク・ポジション純額は、市場リスクを最低限の水準に維持するべく、既定の限
度枠内に収めて管理されている。
運用されている金利リスク限度額の枠組みに加えて、金利の深刻な変動がグループの自己資金に及
(1)
ぼす潜在的な悪影響を特定するために、EBAにより標準化されたショック・シナリオ に基づいてグ
ループレベルでの定期的なストレステストが実施されている。2020年12月31日現在、EBAの監督上の異
常値テストシナリオの最悪の影響は、自己資金の経済価値を49.3億ユーロ(2019年:78.8億ユーロ)
(2)
減少させる 。
(1) EBA/GL/2018/02。
(2) ストレステストは、保険数理プロバイダーの計算による年金および医療保険債務(DBO)を含む、す
べてのリスク感応度の高い銀行勘定商品について実施されている。
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グループのポートフォリオに組入れられている金融商品のうち、一部の業務(借入れおよび関連す
るスワップ)には償還オプションが規定されており、満期前に償還される場合があるため、最終満期
日については不確実性が組み込まれている。
キャッシュ・フロー・レベルでは、こうした借入金はすべてスワップで十分にヘッジされているた
め、LiborまたはEuriborに連動する合成変動利付債とみなすことができる。
以下の表は、2020年12月31日現在および2019年12月31日現在のグループの任意償還条項付ポート
フォリオの特性をまとめ、想定元本合計、平均の契約上の満期日、平均予想償還日(双方とも、当該
取引の想定元本で加重)を資金調達通貨別と関係する主要リスク・パラメーター別に表示したもので
ある。
資金調達通貨別(スワップの影響考慮後):
2020年12月31日
(*)
ユーロ 英ポンド 米ドル 合計
(単位:百万ユーロ)
ユーロ建想定元本 -2,213 0 -1,606 -3,819
平均満期日 2047年1月26日 - 2037年3月16日 2042年12月3日
平均予想償還日 2028年12月25日 - 2023年7月28日 2026年9月16日
(*) 2020年に英ポンドはゼロであった。
2019年12月31日
ユーロ 英ポンド 米ドル 合計
(単位:百万ユーロ)
ユーロ建想定元本 -2,263 -59 -2,360 -4,682
平均満期日 2046年10月21日 2022年6月20日 2037年8月4日 2041年11月8日
平均予想償還日 2028年8月25日 2021年1月8日 2024年10月6日 2026年8月6日
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関係するリスク・パラメーター別:
2020 年12月31日 リスク・パラメーター
金利カーブの
為替レートの 金利カーブの
(*)
水準 水準 勾配 合計
( 単位:百万ユーロ)
ユーロ建想定元本 -452 -3,367 0 -3,819
平均満期日 2033年12月4日 2044年2月17日 - 2042年12月3日
平均予想償還日 2027年12月21日 2026年7月16日 - 2026年9月16日
(*) 償還可能カーブ・スティープナーは、2020年度中に償還された。
2019 年12月31日 リスク・パラメーター
為替レートの 金利カーブの 金利カーブの
水準 水準 勾配 合計
( 単位:百万ユーロ)
ユーロ建想定元本 -533 -4,088 -61 -4,682
平均満期日 2037年5月21日 2042年8月10日 2030年9月16日 2041年11月8日
平均予想償還日 2027年2月20日 2026年8月12日 2020年9月16日 2026年8月6日
U.3.2. グループの金利リスク管理(利益面)
利益の感応度は、金利カーブ全体が1パーセンテージ・ポイント上昇した場合、あるいは低下した
場合の向こう12ヵ月間で変動しうる正味受取利息の金額を定量化する。このようなエクスポージャー
は、承認を受けた限度枠内でグループが容認する、資産と負債の間の金利更改期間、金額または利率
の不一致により生じる。
2020年12月31日現在のポジションでは、金利が100ベーシス・ポイント上昇すると、利益が83.4百万
ユーロ(2019年:76.4百万ユーロ)増加し、金利が100ベーシス・ポイント低下すると、利益が78.5百
万ユーロ(2019年:82.3百万ユーロ)減少する計算である。
グループは、案件ごとに利益のシミュレーションを実行する専用のソフトウェアで感応度指標を計
算している。利益の感応度は発生主義で測定され、分析対象期間にわたり、グループは業務計画の中
で予想されている新規貸付業務を実現し、承認を受けた限度枠内にエクスポージャーを維持し、資金
不足の補充または余剰現金の投資を目的とする短期金融市場取引を執行するという「現行」の仮定に
基づいて算出される。利益に関して月次で行われるシミュレーションは、固定利付項目の場合には、
すべて契約で定められた利率が維持され、変動利付項目の場合には、すべて、シミュレーションで適
用された金利シナリオに応じて金利が更改されるという仮定に基づいて実施されている。資金不足の
補充または余剰現金の投資を目的とする短期金融市場取引の利率は、シミュレーションで適用された
金利シナリオに応じた短期金融市場の実勢利率に等しいとされる。現行実務に従い、モデルでは、シ
ミュレーション上の利益は株主には配分されず、グループ業務の資金補充に当てられると仮定してい
る。管理費は、業務計画の予想に応じて見積られる。
EIF の感応度は、グループが運用するEIFの財務および貸付金ポートフォリオに組入れられている全
ポジションを考慮して、案件ごとに算出される。各固定利付財務資産は、その満期日に、年度末にお
ける残存期間が従前資産と同じである新規資産に再投資されると仮定している。変動利付財務資産の
ポジションの場合、四半期ごとに利率が更改されるとの仮定に基づいている。
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U.4. 流動性および資金調達リスク
流動性リスクは、資産の増加に対応して資金を調達し、期限の到来した債務を弁済することを、受
入不能な損失を負担することなしに行うグループの能力に関するリスクである。それは、さらに資金
流 動性リスクと市場流動性リスクに分けることができる。
資金流動性リスクとは、貸借対照表の資産を支え、容易に利用できる流動リソースから期限どおり
に債務を全額返済することができなくなるリスクに関するものである。資金流動性リスクは、支払義
務の履行に関する差し迫ったリスクおよびこれに伴う不利な条件での借入を増加させうるため、グ
ループのポジションの経済価値あるいはグループのポジションから生み出される収益の変動性に影響
を与える可能性がある。
市場流動性リスクとは、ポジション残高を相殺、解消、または削減するための取引を合理的な市場
価格で執行できないかもしれないという理由で、グループのポジションの経済価値の変動、または同
ポジションによる収益の変動が激しくなることを指す。取引を執行できないことにより、清算を避け
た方が良いと思われる場合でも好ましくない価格で早い段階に当該資産を清算せざるを得なくなるお
それがある。このリスクは、取引される証券の流動性と比較したポジションの規模、ならびに市場の
アベイラビリティおよび効率性の悪化と密接に関係している。
EIB の流動性リスク管理
EIB の中核業務活動を妥当なコストで正常に機能させるため、流動性リスクの管理が行われている。
流動性リスク管理方針の主な目的は、EIBが常に期限内に支払債務を満額履行できることの確保にあ
る。商業銀行とは対照的に、EIBは個人預金を保有しておらず、顧客に貸し付ける資金の調達を資本市
場に依存している。
EIBは慎重に流動性バッファーを維持するため、新規発行予定を管理している。流動性維持計画で
は、EIBの債務返済上のニーズ、貸付金の実行、および貸付金ポートフォリオからのキャッシュ・イン
フローを考慮している。また、流動性維持計画では、一般的に債務者の要請に応じて実行される多額
の契約済未実行貸付金も考慮している。
EIBは、短期流動資産を十分な水準に保つこと、および資金需要予測に応じて自行の募集有価証券の
償還日を分散することによって、流動性リスクの管理を一層確実にしている。流動性リスク方針には
財務ポートフォリオの水準の下限が組み込まれており、EIBの全体的な流動性比率(翌12ヵ月間の見積
ネット・キャッシュ・フローに対する比率としての流動性)は、常に25%を上回っていることが、義
務付けられている。
グループは非常時資金調達計画(「CFP」)を定めており、そこでは適切な意思決定手続とそれに対
応する責任分担が定められている。CFPは定期的にバーゼル銀行監督委員会の原則およびその他の適切
なベスト・プラクティスを基準にテストおよび評価されている。CFPは理事会によって毎年承認され
る。
定期的なストレステスト分析は、流動性リスク・モニタリングの一環として実施され、EIBおよび
EIFの流動性バッファーの規模を決定する。
2009年7月8日にユーロ・システムの金融政策オペレーションにおける適格カウンターパーティー
となったことから、EIBも欧州中央銀行の金融政策オペレーションに参加できることとなった。EIB
は、最低預金準備率およびその他の業務ニーズを充足するために預け金を置いているルクセンブルク
中央銀行を通じて金融政策オペレーションを実施する。
EIBは日次で流動性カバレッジ比率(「LCR」)を欧州連合CRR要件に沿って、機能通貨(ユーロ)だ
けでなく、他の重要な通貨についても計算している。過度の通貨のミスマッチを防止するために、流
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動性資産の通貨と正味流動性の流出の通貨の整合性を継続的にとることが確実にされている。2020年
末現在、流動性カバレッジ比率は366.7%(2019年:483.4%)であった。
流動性諸比率の計算、資金および流動性の限度額の監視、ならびに関連する報告業務の頻度は、パ
ンデミックの発生前から変更されていない。
COVID-19のパンデミックに伴いグローバル金融市場の一般的情勢が不確実であるにもかかわらず、
グループは、主にグループの流動性管理に対する慎重なアプローチの結果として、引き続き強固な流
動性ポジションおよび必要な流動性リソースへの柔軟なアクセスを維持している。
EIF の流動性リスク管理
払込資本金の価値を損なうことなく、今後生じうる保証請求、プライベート・エクイティ・コミッ
トメント、および一般管理費の支出に対応する適切な水準のEIFの流動性を確保し、かつリスク最小化
に配慮しながら投資資産で合理的な収益を獲得できるような方法で、流動性リスクは管理されてい
る。
流動性リスクの測定
以下の表は、貸借対照表日から契約上の満期日までの残存期間別にグループの資産および負債を示
している。契約によって定められた満期日のない資産および負債は、「満期日未確定」に区分されて
いる。
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流動性リスク(単位:百万ユーロ)
3ヵ月 3ヵ月超 1年超 満期日 2020年の
2020 年12月31日時点における満期 5年超
以内 1年以内 5年以内 未確定 合計
資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 835 0 0 0 0 835
中央銀行担保適格国庫証券およびそ
の他短期証券 7,175 6,782 12,115 6,002 0 32,074
その他の貸付金および預け金:
- 当座預金
614 0 0 0 0 614
- 金融機関
55,394 4,882 0 0 0 60,276
- 対顧客 583 318 0 0 0 901
56,591 5,200 0 0 0 61,791
貸付金:
- 金融機関
2,705 13,329 50,439 37,161 6 103,640
- 対顧客 4,872 18,750 105,413 191,428 89 320,552
7,577 32,079 155,852 228,589 95 424,192
確定利付証券を含む負債証券 5,818 1,186 2,851 2,954 0 12,809
株式、その他の変動利付証券
および参加持分 0 0 0 0 9,109 9,109
442 1,235 3,574 2,244 7,812 15,307
その他の資産
78,438 46,482 174,392 239,789 17,016 556,117
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 8,515 8,000 0 0 0 16,515
顧客に対する債務 1,701 0 0 0 0 1,701
債務証書借入 24,379 49,607 205,107 156,171 0 435,264
資本金、準備金、利益および
少数株主持分 0 0 0 0 74,963 74,963
716 1,828 7,404 3,382 14,344 27,674
その他の負債
35,311 59,435 212,511 159,553 89,307 556,117
負債合計
借入金および関連するスワップの一部は、投資家あるいはヘッジ・スワップの契約相手に期限前解
約条項もしくはコール・オプションを認めており、EIBにも関連債券を期限前償還する権利を与えてい
る。グループが債券に係るすべてのコール・オプションを契約で定められた次回権利行使日に行使し
た場合、2021年から2023年の期限前償還累計額は23億ユーロとなる。
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流動性リスク(単位:百万ユーロ)
3ヵ月 3ヵ月超 1年超 満期日 2019年の
2019 年12月31日時点における満期 5年超
以内 1年以内 5年以内 未確定 合計
資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 947 0 0 0 0 947
中央銀行担保適格国庫証券およびそ
の他短期証券 7,118 9,159 11,361 6,799 0 34,437
その他の貸付金および預け金:
- 当座預金
544 0 0 0 0 544
- 金融機関
47,073 6,782 0 0 0 53,855
- 対顧客 965 0 0 0 0 965
48,582 6,782 0 0 0 55,364
貸付金:
- 金融機関
3,341 12,123 53,884 40,415 3 109,766
- 対顧客 5,393 20,108 101,149 190,294 45 316,989
8,734 32,231 155,033 230,709 48 426,755
確定利付証券を含む負債証券 4,515 2,409 2,436 3,077 0 12,437
株式、その他の変動利付証券
および参加持分 0 0 0 0 8,276 8,276
1,092 1,436 4,290 1,657 8,516 16,991
その他の資産
70,988 52,017 173,120 242,242 16,840 555,207
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 7,473 0 0 0 0 7,473
顧客に対する債務 1,610 0 0 0 0 1,610
債務証書借入 31,215 49,549 207,844 160,714 0 449,322
資本金、準備金、利益および
少数株主持分 0 0 0 0 75,098 75,098
566 2,425 3,392 1,561 13,760 21,704
その他の負債
40,864 51,974 211,236 162,275 88,858 555,207
負債合計
U.5. 為替リスク
為替(「FX」)リスクは、為替レートの不利な変動が原因で、グループのポジションの経済価値の
変動、または同ポジションによる収益の変動が激しくなることを指す。資産、負債およびヘッジ手段
の間で通貨のミスマッチがある場合に、グループは為替リスクにさらされる。
EIB は定款を遵守して、貸付業務を遂行するため、またはEIBが供与する貸付金もしくは保証から発
生するコミットメントを履行するために、直接必要でない為替業務には従事しない。
グループの資産・負債構造における通貨のミスマッチは、厳しい限度額内に維持されている。
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為替ポジション(単位:百万ユーロ)
その他の ユーロ以外 2020年の
2020年12月31日現在の通貨 ユーロ 英ポンド 米ドル
通貨 の通貨合計 合計
資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 835 0 0 0 0 835
中央銀行担保適格国庫証券およびその
他短期証券 25,785 623 5,666 0 6,289 32,074
その他の貸付金および預け金:
- 当座預金
415 48 34 117 199 614
- 金融機関
50,128 3,672 884 5,592 10,148 60,276
- 対顧客 160 0 0 741 741 901
50,703 3,720 918 6,450 11,088 61,791
貸付金:
- 金融機関
82,737 1,640 11,699 7,564 20,903 103,640
- 対顧客 261,675 30,774 7,737 20,366 58,877 320,552
344,412 32,414 19,436 27,930 79,780 424,192
確定利付証券を含む負債証券 3,740 465 1,410 7,194 9,069 12,809
株式、その他の変動利付証券
および参加持分 7,245 854 699 311 1,864 9,109
12,208 1,179 1,084 836 3,099 15,307
その他の資産
444,928 39,255 29,213 42,721 111,189 556,117
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 16,509 0 6 0 6 16,515
顧客に対する債務 1,428 8 81 184 273 1,701
債務証書借入:
- 負債証券
239,351 42,653 102,508 41,111 186,272 425,623
- その他 6,118 62 472 2,989 3,523 9,641
245,469 42,715 102,980 44,100 189,795 435,264
資本金、準備金、利益および
少数株主持分 74,963 0 0 0 0 74,963
24,039 1,513 1,163 959 3,635 27,674
その他の負債
362,408 44,236 104,230 45,243 193,709 556,117
負債合計
-82,623 5,006 75,060 2,557 82,623
オフ・バランスシートの通貨スワップ
-103 25 43 35 103
ポジション(純額)
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為替ポジション(単位:百万ユーロ)
その他の ユーロ以外 2019年の
2019年12月31日現在の通貨 ユーロ 英ポンド 米ドル
通貨 の通貨合計 合計
資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 947 0 0 0 0 947
中央銀行担保適格国庫証券およびその
他短期証券 26,830 3,227 4,380 0 7,607 34,437
その他の貸付金および預け金:
- 当座預金
420 33 8 83 124 544
- 金融機関
37,311 2,606 5,139 8,799 16,544 53,855
- 対顧客 375 0 0 590 590 965
38,106 2,639 5,147 9,472 17,258 55,364
貸付金:
- 金融機関
87,637 1,972 12,979 7,178 22,129 109,766
251,875 35,218 9,430 20,466 65,114 316,989
- 対顧客
339,512 37,190 22,409 27,644 87,243 426,755
確定利付証券を含む負債証券 4,914 253 1,726 5,544 7,523 12,437
株式、その他の変動利付証券
および参加持分 6,458 914 626 278 1,818 8,276
13,277 1,373 1,316 1,025 3,714 16,991
その他の資産
430,044 45,596 35,604 43,963 125,163 555,207
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 7,355 0 118 0 118 7,473
顧客に対する債務 1,474 2 58 76 136 1,610
債務証書借入:
- 負債証券
233,518 45,599 111,047 45,520 202,166 435,684
8,725 15 838 4,060 4,913 13,638
- その他
242,243 45,614 111,885 49,580 207,079 449,322
資本金、準備金、利益および
少数株主持分 75,098 0 0 0 0 75,098
17,244 1,912 1,362 1,186 4,460 21,704
その他の負債
343,414 47,528 113,423 50,842 211,793 555,207
負債合計
-86,769 2,006 77,838 6,925 86,769
オフ・バランスシートの通貨スワップ
-139 74 19 46 139
ポジション(純額)
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U.6. オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクとは、不十分もしくは機能不全の内部プロセス、人員もしくはシステ
ム、または外部事象に起因する損失リスクを意味し、法務リスクを含む。
オペレーショナル・リスクはグループのすべての活動に影響を与え、人的要因、不適切な従業員の
行動、サイバーおよびテクノロジー関連事象、不適切もしくは機能不全のプロセス、事業の中断もし
くは保全措置、情報システムの障害、第三者外部委託での障害または不正行為を含む様々な態様で現
れる可能性がある。グループの目標は、グループの財務強度、事業の性格および事業を遂行する市場
の観点から、オペレーショナル・リスク・エクスポージャーを最低水準に維持するために、オペレー
ショナル・リスクを体系的に特定、評価、モニターし、十分な統制およびリスク軽減措置を確保する
ことである。
グループのオペレーショナル・リスク部門(「OPR」)である、EIBおよびEIFのリスク管理、ならび
にEIBの財務統制における内部統制およびアサーション部門(「FC/-/ICA」)が、オペレーショナル・
リスクの枠組みおよび関連する方針を決定する責任を有し、その枠組みの実施責任はグループのすべ
ての部署が担う。グループは、オペレーショナル・リスク管理業務を、関連し、適用されるEIBのベス
ト・バンキング・プラクティス(「BBP」)およびEIFのベスト・マーケット・プラクティス
(「BMP」)に準拠して編成している。
グループでは、特に、オペレーショナル・リスク・エクスポージャーを監視するために使用される
一連の重要リスク指標(「KRI」)を通じて、内部損害履歴、シナリオ分析ならびに事業・統制環境
等、入手可能なあらゆる情報を考慮する評価方法を採用している。リスク水準に違反があった場合に
は、適切な措置が講じられる。特に、オペレーショナル・リスク部門は、オペレーショナル・リスク
に係る現実の損害につながるまたはつながりうる重要なオペレーショナル・リスク事象および現れつ
つあるリスク分野を分析する。
データ収集プロセスを自動化するために、新たなガバナンス、リスクおよびコンプライアンス
(「GRC」)ツールの2022年末までの導入が計画されている。一方、オペレーショナル・リスク部門
は、健全なオペレーショナル・リスク管理のすべてのBBP要件に対応するために、新しい部分的に自動
化された事象および損害のデータベースを開発し、このデータベースは後に新システムに移行する予
定である。
オペレーショナル・リスク管理はグループのあらゆるレベルで実施され、すべての部署の職責とさ
れる。
EIBにおける報告については、月次オペレーショナル・リスク報告書が、グループレベルでオペレー
ショナル・リスクの管理とモニタリングのすべての側面について責任を有するグループ最高リスク責
任者(「GCRO」)によって承認され、経営委員会(「MC」)、監査委員会(「AC」)およびディレク
ター・ジェネラル(「DG」)に提出される。加えて、0.1百万ユーロを超える損失/利益は、即座に総
裁に報告される。EIFでは、オペレーショナル・リスク部門は監査役会(「AB」)および上級経営陣に
定期的な報告を行う。
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注V: デリバティブ
グループは、予定取引から発生するエクスポージャーを含む金利リスクおよび為替リスクへのエク
スポージャーを管理するため、デリバティブ商品を主に資産負債管理活動の一環として使用してい
る。デリバティブは契約金融商品であり、その価値は、原資産、利率、為替そして種々のインデック
ス動向により変動する。デリバティブ取引は売買目的で利用されるのではなく、資金調達関連の場合
および市場リスク・エクスポージャーを低減するためのみに限られている。
グループのスワップの大部分は、資金調達オペレーション(資金調達活動)の一環として、債券発
行をヘッジする目的で締結されている。借入ポートフォリオに関連したすべてのスワップは満期が関
連借入債務に対応しており、このため長期の性質を持つ(注V.1を参照)。
またグループは、貸付金や財務のヘッジ・オペレーションの一環として、またはグローバルな資産
負債管理(「ALM」)ポジションのヘッジ(ALMヘッジ活動)のために、スワップを行っている(注V.1
を参照)。
グループは、基本通貨であるユーロに関連してその運用財務の通貨ポジションを調整するため、ま
た貸付実行に伴う通貨需要を満たすために、短期通貨スワップも行っている(注V.2を参照)。
先物契約(先物)は、一部の政府債投資から生ずるエクスポージャーをヘッジするため、財務活動
の一環として使用することができる。先物は、規制市場において取引される標準化されたデリバティ
ブであり、カウンターパーティー・リスクの測定と統制に関する一般方針の対象外となっている。
V.1. 資金調達およびALMデリバティブ
資金調達およびALMヘッジとの関連で使用されるデリバティブには以下のものがある。
通貨スワップ
金利スワップ
ストラクチャード・スワップ
V.1.1. 通貨スワップ
通貨スワップとは、調達されたある通貨の資金を別の通貨に交換することを合意し、それと同時に
調達された資金を期日に返済できるよう、両通貨を将来において再度交換するための為替予約を締結
する契約である。
グループは、主に資金調達業務の一環として、開始時に借入資金を別の通貨に交換し、その後借入
返済に必要な資金を元の通貨でグループが入手することとなる、通貨スワップを締結している。
以下の表は、想定元本および公正価値に基づいて分類した通貨スワップ(ストラクチャード・ス
ワップ(注V.1.3を参照)を含み、短期通貨スワップ(注V.2.を参照)を除く)の満期を示している。
想定元本はオフ・バランスシートにて開示されている。
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2020 年12月31日現在の通貨スワップ 1年超 5年超 2020年の
1年以内 10年超
(単位:百万ユーロ) 5年以内 10年以内 合計
想定元本(受取) 34,590 125,732 36,450 26,484 223,256
公正価値(すなわち、CVA、DVAおよび
(*)
COLVA)を含む割引価値(純額)) -691 -2,858 2,114 1,612 177
2019 年12月31日現在の通貨スワップ 1年超 5年超 2019年の
1年以内 10年超
(単位:百万ユーロ) 5年以内 10年以内 合計
想定元本(受取) 40,347 116,134 39,584 23,675 219,740
公正価値(すなわち、CVA、DVAおよび
(*)
COLVA)を含む割引価値(純額)) -197 1,537 1,990 1,248 4,578
(*) 2020年12月31日現在マイナス2,548百万ユーロ(2019年:1,350百万ユーロ)となっているマクロ・ヘッジ通貨ス
ワップの公正価値を含む。
V.1.2. 金利スワップ
金利スワップは一般的に、変動金利を固定金利に交換するか、その逆を行うことを合意する契約で
ある。
金利スワップの利用により、グループは、顧客からの要求に応えて借入ポートフォリオと他のポー
トフォリオの金利構造を変えることができるとともに、グループのある特定の資本市場への有利なア
クセス条件をカウンターパーティーと交換することにより、資金調達コストを削減することも可能と
なる。
以下の表は、金利スワップ(ストラクチャード・スワップ(注V.1.3を参照)を含み、外貨建てで計
算された利息を合成的にユーロ建てに交換するシンセティック・スワップを含む)の満期を想定元本
および公正価値に細分して示したものである。想定元本はオフ・バランスシートにて開示されてい
る。
2020 年12月31日現在の金利スワップ 1年超 5年超 2020年の
1年以内 10年超
(単位:百万ユーロ) 5年以内 10年以内 合計
想定元本 61,603 227,767 126,884 122,741 538,995
公正価値(すなわち、CVA、DVAおよび
(*)
COLVA)を含む割引価値(純額)) 917 8,021 5,954 89 14,981
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2019 年12月31日現在の通貨スワップ 1年超 5年超 2019年の
1年以内 10年超
(単位:百万ユーロ) 5年以内 10年以内 合計
想定元本 65,329 215,856 125,751 133,743 540,679
公正価値(すなわち、CVA、DVAおよび
(*)
COLVA)を含む割引価値(純額)) 231 5,260 5,683 1,208 12,382
(*) 2020年12月31日現在マイナス1,237百万ユーロ(2019年:マイナス803百万ユーロ)となっているマクロ・ヘッジ金
利スワップの公正価値を含む。
V.1.3. ストラクチャード・スワップ
グループは、通常そのリスクヘッジ方針に関連してオプション取引を行っていない。ただし、金融
市場で、より低いコストで資金を調達するという戦略の一環として、グループは、主に金利オプショ
ンまたは株価指数オプションを含む借入契約および貸付を行う。このようなストラクチャード借入金
および貸付金は、関連する市場リスクをヘッジするためのスワップ契約により完全にカバーされてい
る。
以下の表は、ストラクチャード・スワップの取引件数、価額および想定元本の詳細を示している。
特別なストラクチャーに
期限前解約が
株価指数 基づくクーポンまたは
組み込まれているもの
類似するもの
2019年
2020年 2019年 2020年 2019年 2020年
取引件数 131 138 1 1 164 264
想定元本
(単位:百万ユーロ) 4,421 5,049 500 500 12,529 19,770
公正価値(すなわち、CVA、DVA
およびCOLVA)を含む割引価値(純
額))(単位:百万ユーロ) 801 681 30 17 -2,479 -2,627
スワップ取引の公正価値は、将来のキャッシュ・フローから割引後現在価値を導出する評価技法を
適用する収益還元法により算出される。公正価値の見積りは将来価値に対する市場の期待値に基づい
ている。評価技法は、既知のキャッシュ・フローを割り引く単純なものから複雑なオプション・モデ
ルに至るまで、多岐にわたる。適用した評価モデルは、金融商品の価格設定向けに一般に認められて
いる経済学的手法と整合しており、市場参加者が価格設定時に考慮する諸要因を盛り込んでいる。デ
リバティブ取引の一部に関しては、市場インプットを直接入手できない場合には、内部見積りや仮定
が評価技法に取り入れられることもある。
借入れに組込まれている、もしくは借入れに関連するオプション契約は、すべて店頭取引で行われ
る。ストラクチャード・ディールとしては、金利、為替レート、インフレ率、株価指数、および金利
のボラティリティに左右される様々な取引がある。
V.1.4. デリバティブ取引における信用リスクの軽減方針
デリバティブに関する信用リスクは、カウンターパーティーが契約債務を履行できない場合にグ
ループが被りうる損失に関連する。
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デリバティブ取引の特殊な性質および複雑さを考慮し、当該金融商品の利用から生ずる損失に対し
てグループを保護するための一連の手続きが整備されている。
・ 取引契約の枠組み
グループのデリバティブ取引はすべて、ISDAスワップ取引契約と、該当する場合にはエクスポー
ジャーに対する担保差入条件が明記されているクレジット・サポート・アネックスの取引契約の枠組
みの中で行われる。これらは一般的に採用され、実施されている契約の様式である。
・ カウンターパーティーの選択
取引開始時の格付は、A3以上と定められている。格付がある一定のレベルを下回った場合にはEIBは
期限前に契約を解除する権利を有する。
・ 担保設定
- (限度枠を超過した)エクスポージャーに対しては、現金および債券による担保が差入れられ
る。
- 複雑で流動性の低い取引の場合は、現在の時価以上の担保が要求される。
- 個々のカウンターパーティーとのデリバティブ・ポートフォリオと受取担保は定期的にモニ
ターされて評価され、それを受けて追加担保が請求されるか、担保の引出しが行われる。
スワップについて受け取った担保の時価は、2020年12月31日現在、17,498百万ユーロ(2019年:
21,104百万ユーロ)で、担保の性質および同等のムーディーズの格付に基づいた詳細は、以下のとお
りであった。
スワップ担保(単位:百万ユーロ)
債券
政府機関債、
同等のムーディーズ格付
現金 2020年の合計
国際機関債、
政府債
カバード・
ボンド
Aaa 1,526 1,007 0 2,533
Aa1からAa3 4,439 0 0 4,439
A1からA3 14 0 0 14
Baa1からBaa3 6,310 0 0 6,310
Baa3未満 4 0 0 4
0 0 4,198 4,198
格付なし
12,293 1,007 4,198 17,498
2020年の合計
スワップ担保(単位:百万ユーロ)
債券
政府機関債、
同等のムーディーズ格付
現金 2019年の合計
国際機関債、
政府債
カバード・
ボンド
Aaa 1,509 2,765 0 4,274
Aa1からAa3 4,643 0 0 4,643
A1からA3 674 0 0 674
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Baa1からBaa3 4,605 0 0 4,605
Baa3未満 621 0 0 621
0 0 6,287 6,287
格付なし
12,052 2,765 6,287 21,104
2019年の合計
・ デリバティブの信用リスクの測定
デリバティブ関連の信用リスクは様々なパラメーターにより変化し(例えば金利や為替レート)、
一般的に想定元本のごく一部に相当するに過ぎない。
BIS のバーゼル銀行監督委員会(「BCBS」)の勧告に従い、グループは、財務報告と限度枠のモニタ
リングにはカレント無担保エクスポージャーとポテンシャル・フューチャー・エクスポージャーを使
用し、資本配分には信用リスク相当額を使用して、スワップ取引およびデリバティブ取引に関する信
用リスク・エクスポージャーを測定している。
グループは、カレント無担保エクスポージャーを、ゼロと、カウンターパーティーとのネッティン
グ・セットに含まれている取引ポートフォリオの時価から受入担保の価値を差し引いた数値のいずれ
か大きな方の値で測定している。これは、カウンターパーティーが不履行を起こした場合に生ずる損
失に相当する金額で、受領した担保を相殺に充当し、破綻取引の回収価値をゼロとした上で、すべて
の取引につき直ちにスワップ・カウンターパーティーの代替を行うことを想定している。2020年12月
31日現在のカレント無担保エクスポージャーは1,389百万ユーロ(2019年12月31日現在:816百万ユー
ロ)であった。
さらにグループは、リスクのマージン期間中(取引ポートフォリオにより10日間から20日間)に
ネッティング・セットに生ずる可能性のあるエクスポージャーの増加を考慮した、ポテンシャル・
フューチャー・エクスポージャーを計算している。EIBは、保守的な見積りを出すため、ストレス下の
市場パラメーターに基づき、また信頼区間を90%として、ポテンシャル・フューチャー・エクスポー
ジャーを計算している。これは、重要な市場参加者の不履行があった場合に生じるであろう状況を考
慮するための規制当局の勧告に沿ったものである。2020年12月31日現在の初期ポテンシャル・フュー
チャー・エクスポージャーは12,225百万ユーロ(2019年12月31日現在:10,354百万ユーロ)であっ
た。
・ 限度枠
銀行向け限度枠システムは、ポテンシャル・フューチャー・エクスポージャーを3種の期間グルー
プ(1年未満、1年以上5年以下および5年超)と2種の格付シナリオ(現状維持およびA3格未満へ
の格下げ)でカバーする。
デリバティブ・ポートフォリオは毎日評価され、限度枠との比較が行われる。
下記の表は、カウンターパーティーの内部格付別内訳を示している。
ポテンシャル・
カレント無担保
フューチャー・
エクスポージャー
格付グループ 額面価額割合
エクスポージャー
(単位:百万ユーロ) (単位:百万ユーロ)
同等のムーディーズ格付 2020年 2019年 2020年 2019年 2020年 2019年
Aaa 0.49% 0.48% 816 448 1,434 994
Aa1からAa3 24.34% 25.47% 373 204 2,480 2,696
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A1からA3 66.87% 65.94% 192 113 7,916 6,364
8.30% 8.11% 8 51 395 300
A3未満
100.00% 100.00% 1,389 816 12,225 10,354
合計
V.2. 流動性管理の一環として
グループはまた、基本通貨であるユーロに関連してその運用財務ポートフォリオの通貨ポジション
を調整するため、また貸付実行に伴う通貨需要を満たすために、短期通貨スワップを行っている。
短期通貨スワップ(受取)の想定元本は、2020年12月31日現在で22,375百万ユーロであり、これに
対して2019年12月31日現在は35,633百万ユーロであった。短期通貨スワップ(受取)の公正価値は、
2020年12月31日現在マイナス107百万ユーロ(2019年:445百万ユーロ)であった。
短期為替予約取引の想定元本は、2020年12月31日現在551百万ユーロ(2019年:528百万ユーロ)で
あった。短期為替予約取引の公正価値は、2020年12月31日現在17百万ユーロ(2019年:マイナス37百
万ユーロ)であった。
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注W: 換算レート
2020 年12月31日現在および2019年12月31日現在の貸借対照表の作成にあたり使用されている換算
レートは、以下のとおりである。
2020年12月31日 2019年12月31日
欧州連合加盟国のユーロ以外の通貨
ブルガリア・レフ(BGN) 1.9558 1.9558
チェコ・コルナ(CZK) 26.2420 25.4080
デンマーク・クローネ(DKK) 7.4409 7.4715
クロアチア・クーナ(HRK) 7.5519 7.4395
ハンガリー・フォリント(HUF) 363.8900 330.5300
ポーランド・ズロチ(PLN) 4.5597 4.2568
ルーマニア・レウ(RON) 4.8683 4.7830
スウェーデン・クローナ(SEK) 10.0343 10.4468
欧州連合加盟国以外の通貨
オーストラリア・ドル(AUD) 1.5896 1.5995
アゼルバイジャン・マナト(AZN) 2.0758 1.9004
カナダ・ドル(CAD) 1.5633 1.4598
スイス・フラン(CHF) 1.0802 1.0854
中国人民元(CNY) 8.0225 7.8205
ドミニカ・ペソ(DOP) 71.2661 59.3644
エジプト・ポンド(EGP) 19.2469 17.9584
エチオピア・ブル(ETB) 48.0400 35.6810
英ポンド(GBP) 0.8990 0.8508
ジョージア・ラリ(GEL) 4.0070 3.1927
香港ドル(HKD) 9.5142 8.7473
アイスランド・クローナ(ISK) 156.1000 135.8000
日本円(JPY) 126.4900 121.9400
ケニア・シリング(KES) 133.8000 113.6300
カザフスタン・テンゲ(KZT) 516.7300 429.7200
モロッコ・ディルハム(MAD) 10.9017 10.7263
モルドバ・レウ(MDL) 20.9200 19.2000
メキシコ・ペソ(MXN) 24.4160 21.2202
ノルウェー・クローネ(NOK) 10.4703 9.8638
ニュージーランド・ドル(NZD) 1.6984 1.6653
セルビア・ディナール(RSD) 117.5300 117.4700
ロシア・ルーブル(RUB) 91.4671 69.9563
チュニジア・ディナール(TND) 3.2919 3.1122
トルコ・リラ(TRY) 9.1131 6.6843
台湾ドル(TWD) 34.4399 33.5463
ウクライナ・グリブナ(UAH) 34.7156 26.5849
米ドル(USD) 1.2271 1.1234
中央アフリカCFAフラン(XAF) 655.9570 655.9570
西アフリカCFAフラン(XOF) 655.9570 655.9570
南アフリカ・ランド(ZAR) 18.0219 15.7773
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注X: 関連当事者取引
X.1. 参加持分
以下に、連結財務書類に含まれる参加持分に関連する金額を表示している。
2020年12月31日 2019年12月31日
(単位:千ユーロ)
参加持分 363,188 336,845
固定金融資産として保有される譲渡可能有価証券および参加持分に係
る(再)評価損益 -8,226 -636
払込未請求参加持分 611,372 657,168
X.2. 主要経営陣
グループは、理事会、監査委員会、経営委員会の委員およびEIBの各種組織部門の責任者であるディ
レクター・ジェネラル、ならびに内部統制独立部署の責任者を主要経営陣とみなしている。
一般管理費(注R)に算入されている主要経営陣の当該報告期間の報酬は、次の表のとおりである。
2020年 2019年
(単位:千ユーロ)
(1)
短期給付 9,404 9,574
(2)
退職後給付 962 915
(3)
552 -1,504
退職手当
10,918 8,985
合計
(1) 短期従業員給付は、経営委員会委員、ディレクター・ジェネラルおよびその他ディレクターの給与および手当、賞
与、社会保障負担金、ならびに理事会および監査委員会の委員に支払われた給付である。
(2) 退職後給付は、経営委員会委員、ディレクター・ジェネラル、およびその他ディレクターに支払われた年金および
退職後健康保険費である。
(3) 2019年度について、グループは過年度に関連する退職手当引当金の取り崩しを計上したことにより、純利益を計上
した。2019年度に費用計上された手当は744千ユーロであった。
主要経営陣に対して前渡金も信用供与行っておらず、またいかなる種類の保証の形態でも主要経営
陣の利益のための契約を締結していない。
2020 年12月31日現在の主要経営陣との間の未決済残高は、強制および任意の補足年金制度および健
康保険制度に関する負債、ならびに期末現在の未払残高で構成されている。
2020年12月31日 2019年12月31日
(単位:千ユーロ)
年金制度および健康保険制度(注L) 61,952 60,727
その他の負債(注G) 16,508 16,095
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注Y: 後発事象
2020年12月31日現在の本財務書類の調整または本財務書類における開示を要する、決算日後に発生
した重要な事象はない。
COVID-19のパンデミックという状況下で、グループは特に後発事象のレビューの一環として引き続
き状況を注視している。その点に関して、2020年12月31日現在の本財務書類の調整または本財務書類
における開示を要する、決算日後に発生した重要な事象はないと考えられる。
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注Z: 第三者資金の管理
Z.1. インベストメント・ファシリティ・コトヌー
EIBが管理するインベストメント・ファシリティは、アフリカ・カリブ海および太平洋地域諸国と欧
州連合および加盟国との間における協力・開発に関する2000年6月23日付(その後改正済)のコト
ヌー協定に基づき設立されたものである。EIBは、インベストメント・ファシリティの個別財務書類を
作成している。
Z.2. ギャランティー・ファンド
域外活動のためのギャランティー・ファンドは、非加盟国に供与された貸付および貸付保証の債務
不履行をカバーするため、または非加盟国におけるプロジェクトのために、1994年に設立された。欧
州委員会(EC)は、1994年11月に二者間で締結された契約およびその後の当該契約の改訂に基づき、
ギャランティー・ファンドの財務管理をEIBに委託している。EIBは、ギャランティー・ファンドの個
別財務書類を作成している。
Z.3. NER300
EIB は、NER300イニシアチブ(炭素回収・貯蔵実証プロジェクト、および革新的再生可能エネルギー
技術のための資金調達プログラム)を遂行する際、エージェントとしてECをサポートする。当該ファ
シリティには、i) EU の割当量単位(EUA)の収益化、ii)EUA収益化活動を通じて受け取る資金の管
理および支出、といった2つの活動が含まれる。EIBは、NER300のために個別財務書類を作成してい
る。
Z.4. イノベーターのためのEU資金提供(InnovFin)
InnovFin または「InnovFin-イノベーターのためのEU資金提供」は、EUの新規の2014年-2020年の
研究プログラムである「ホライズン2020」に基づくEIB、EIFおよび欧州委員会の共同の取組みであ
る。2013年12月11日、研究およびイノベーションのための包括プログラム(2014年-2020年)である
ホライズン2020を確立し、決定事項N1982/2006/ECを廃止する欧州議会および理事会規則(EU)
N1291/2013(「ホライズン2020規則」)が採択された。2014年6月12日、欧州委員会、EIBおよびEIF
は、金融商品であるInnovFinを設定する委任契約を締結した。InnovFinは、EIBグループによって提供
される一連の統合され、かつ補完的な金融ツールおよびアドバイザリー・サービスで構成され、零細
企業から巨大企業までの企業による投資を支援するために研究およびイノベーション(「R&I」)のバ
リュー・チェーン全体を対象としている。EIBは、InnovFinの個別財務書類を作成している。
EIB は、CEFの個別財務書類を作成している。
Z.5. ファンド・オブ・ファンズ(「JESSICA II」)
ファンド・オブ・ファンズ(「FoF」)は、欧州構造投資基金(「ESIF」)が、2014年から2020年ま
での間に加盟国運用プログラムにより資金供給した地域金融商品(「DFI」)で構成されている。FoF
は、選定された金融仲介機関と協力して、貸付、出資および保証の実行を通じて、最終受領者の資金
調達を促進している。
EIB は、ファンド・マネージャーとして、関係運営当局から資金供給(拠出)の取りまとめを行い、
拠出者と合意した投資戦略に従って、金融仲介機関を介して当該資金を投資している。EIBは、各ファ
ンド・オブ・ファンズの個別財務書類を作成している。
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Z.6. コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(「CEF」)
コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(「CEF」)は、運輸、電気通信およびエネルギーのイ
ンフラストラクチャー・セクターにおける共益プロジェクトを支援するために、欧州横断的なネット
ワークに欧州連合の財政支援を提供することを目的とした、EIBと欧州委員会の間の共同協定である。
欧州委員会は、CEFに基づく負債性金融商品の業務および管理をEIBに委託しており、これにより、欧
州横断交通網プロジェクト融資保証手段(「LGTT」)およびプロジェクト債券イニシアチブ
(「PBI」)の試験段階への連続性が確保される。LGTTとPBIは、CEFの下で2016年1月1日に統合され
た。CEF委任契約は、最新かつ共通のリスク・シェアリングの取決めを定めている。EIBは、CEFの個別
財務書類を作成している。
Z.7. COSME借入保証ファシリティ(LGF)および成長株式投資ファシリティ(EFG)
中小企業の資金調達の困難に対処するため、COSMEは、借入保証ファシリティ(「LGF」)および成
長株式投資ファシリティ(「EFG」)を設立している。LGFおよびEFGは、中小企業が借入またはエクイ
ティの形での資金調達の利用可能性を向上させることを目的としている。当該金融商品にも、SMEイニ
シアチブに基づくEUの拠出制度が含まれている。EFGは、域内企業の成長および研究・イノベーション
を支援する持分金融商品の形で組成されている。LGFは、直接的または間接的な保証金融商品の形で組
成されている。LGFの目的は、中小企業向けの資金調達市場の構造的な欠陥の軽減に貢献し、中小企業
向けのより多様な資金調達市場の創生を支援することである。直接的または間接的な保証を通じて、
LGFは、成長力のある中小企業が資金調達の際に直面するとりわけ困難な状況に対処するため、借入に
よる資金調達時に保証を行うことを目的としている。さらに、適格かつ透明性の高い証券化取引のメ
ザニン・トランシェを保証することによって、LGFは中小企業の資金調達に新たな手段を提供すること
を目指している。EIFは、COSME LGFおよびEFGの個別財務書類を作成している。
Z.8. JESSICA(「保有基金」)
JESSICA (都市部への持続可能な投資に対する欧州共同支援)は、欧州委員会とEIBが欧州評議会開
発銀行と共同で策定したイニシアチブである。
JESSICA 保有基金はJESSICAイニシアチブに関連して使用される。新しい手続きに基づき、関係運営
当局は、持続可能な総合都市開発計画の一部を形成するプロジェクトへの有償投資を行うために、自
身のEU助成金の一部を使用する選択権を付与される。EIBは、運用者として、関係運営当局から受領し
た資金を取りまとめ、拠出者と合意した投資ガイドラインに従って都市開発基金に投資している。EIB
は、JESSICAの個別財務書類を作成している。
Z.9. EU-アフリカ・インフラ(「EUAI」)信託基金
EUAI 信託基金は、創設・援助組織としての欧州連合を代表するECと、運用者としてのEIBとの間の、
信託基金協定に基づき創設され、創設後は、欧州連合加盟国もこの協定に資金提供者として参加でき
る。2006年2月9日、ECとEIBは、EU-アフリカ・インフラ・パートナーシップを共同で推進し、特に
それを支援するEU-アフリカ・インフラ信託基金を設立する旨の覚書を交わした。EIBは、EUAI信託基
金の個別財務書類を作成している。
Z.10. 欧州構造投資基金(「ESIF」)
欧州構造投資基金(「ESIF」)の下、EIFは、加盟国により2015年11月以降の保有基金管理運営者と
して任命され、ESIFファンドの管理・運営を行っている。ESIFイニシアチブは、中小企業の資金調
達、ならびにプライベート・エクイティ・ファンド、ギャランティー・ファンドおよびローン・ファ
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ンドなどの金融工学商品の利用を促進することを目的としている。EIFは、現在、加盟国・地域(バス
=ノルマンディー地域圏およびラングドック=ルシヨン地域圏)との間で締結した2件のESIF資金供
与 契約を管理している。EIFは、ESIFの個別財務書類を作成している。
Z.11. 中小企業向け欧州共同財源(JEREMIE)
JEREMIE (中小企業向け欧州共同財源)は、欧州委員会の地域政策総局(DG Regio)とEIBグループ
によるイニシアチブである。EIFは、JEREMIEの個別財務書類を作成している。
Z.12. ルーマニア向けSMEイニシアチブ
2016 年中に、SMEイニシアチブに関連して、EIFとフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、H2020金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGFとの関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらのSMEイニシアチブは、各国の
適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、H2020に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。EIFは、ルーマニア向けSMEイニシアチブの個別財務書類を作
成している。
Z.13. 特別部門
特別部門は、総務会によって1963年5月27日に設定された。1977年8月4日の決議に基づき、その
目的は見直され、第三者の勘定で第三者の委託に基づいてEIBが実行した金融業務を記録するためとさ
れた。特別部門には、FED、MED/FEMIPおよび欧州開発金融機関民間部門開発ファシリティの保証部分
が含まれる。
Z.14. NPI証券化イニシアチブ(「ENSI」)
EIF ならびにKfW、フランス公的投資銀行(bpifrance)、CDP、マルタ開発銀行ワーキンググルー
プ、IFD、ICOおよびBBBを含めたいくつかの国家開発機関(「NPI」)は、中小企業(「SME」)への資
本市場を通じた資金提供の増加を目的とした協力およびリスク・シェアリング・プラットフォームで
あるEIF-NPI証券化イニシアチブ(「ENSI」)を開始した。このSME証券化取引における相互協力の目
的は、民間セクターからの資金を触媒としてSME証券化市場を活性化することによって、欧州のSME向
けファイナンスの利用可能性を高める点にある。これは、より広範囲にSMEの支援を行き渡らせようと
する欧州戦略投資基金の考えを反映したものである。
Z.15. イタリア向けSMEイニシアチブ
2016 年中に、SMEイニシアチブに関連して、EIFとフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、H2020金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGFとの関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらのSMEイニシアチブは、各国の
適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、H2020に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。EIFは、イタリア向けSMEイニシアチブの個別財務書類を作成
している。
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Z.16. GF ギリシャ
ファンドは、ギリシャ共和国、ECおよびEIBによる共同イニシアチブで、設立の目的は、ギリシャの
中小企業に対する融資を支援することである。ファンドは、ギリシャのために用意された構造基金の
未使用部分を使って設立されており、ギリシャのパートナー銀行経由で、EIBの中小企業向けローンの
保 証を行う。EIBは、GF ギリシャの個別財務書類を作成している。
Z.17. REG
これは、2つの地域マンデートであるマルタにおけるスマートビルディング向けスマートファイナ
ンス(「SFSB」)およびアイルランド経済構造安定性投資プラットフォーム(「アイルランドSME」)
に対応している。アイルランドSMEは、アイルランド政府とEIFの間で締結された、アイルランドの国
立産業振興銀行との間で、主に中期貸付およびすべてのSME向けに注力し、SMEイニシアチブと類似し
た構造によって裏付けられた上限を設けない当事者間債務・権利共通保証契約を結ぶためのマンデー
トである。国家資金がファースト・ロスを担当し、EIBグループが中位リスク(EFSIを通じたEIB)お
よび優先リスク(EIBおよび潜在的にEIF)を担当する。
スマートビルディング向けスマートファイナンス(「SFSB」)は、世帯向けおよび事業向け両方の
建物に関連したエネルギー効率向上手段への投資を育成することを目的とした欧州委員会とEIBの共同
イニシアチブである。しかし、マルタの市場規模により、このマンデートの範囲は厳格には建物に関
連しないエネルギー効率向上手段、すなわちSFSBにおける焦点以外にも拡大される可能性がある。
Z.18. 資金パートナーシップ・プラットフォーム(「PPF」)
PPF はEIBが運用する複数地域、複数拠出者、かつ複数セクターの、複数のファンドを組み込んだプ
ラットフォームであり、持続可能な発展のために金融の流れを増加させる必要性を考慮し、また欧州
投資銀行の成功体験を基礎として設立された。PPFに基づく基金は、プラットフォーム規則に従って導
入された。EIBは、PPFの個別ベースの合算財務報告を作成している。
Z.19. 雇用および社会イノベーション・プログラム(「EaSI」)
EaSI 保証金融商品は、欧州プログレス・マイクロファイナンス・ファシリティ(「プログレス・マ
イクロファイナンス」)に基づくマイクロクレジット保証の後継制度であるEaSIマイクロファイナン
ス保証を中心に構成されている。プログレス・マイクロファイナンスに基づきマイクロクレジット提
供者に対する支援が拡大される予定である。
また、EaSI保証金融商品は、EaSIソーシャル・アントレプレナーシップ保証で構成される。これは
新しい商品であり、社会的企業の資金調達を促進し、社会的投資市場の発展を支援していくものであ
る。EIFは、EaSIの個別財務書類を作成している。
Z.20. リスク・シェアリング・ファイナンス・ファシリティ(「RSFF」)
RSFF は、欧州連合を代表するECとEIBとの間で締結され、2007年6月5日付で発効した協力協定に基
づき設立された。RSFFは、研究、技術開発と実証プロジェクトおよび技術革新への投資を育成するこ
とを目的としている。RSFFの一環として、EIFは、技術革新および研究を中心とする中小企業(SME)
および中堅企業のためのリスク・シェアリング・インスツルメント(「RSI」)を用意した。RSIは、
研究を推進する中小企業(「SME」)や中堅企業の借入やファイナンス・リースのため、銀行やリース
会社に保証を提供している。EIBは、RSIを含めたRSFFの連結財務書類を個別に作成している。
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Z.21. 深化した包括的自由貿易協定地域(「DCFTA」)
欧州投資銀行および欧州連合は、2016年12月19日に、深化した包括的自由貿易協定地域
(「DCFTA」)の委任契約に署名した。東部DCFTAイニシアチブは、EUと協力協定を締結した国である
ジョー ジア、モルドバおよびウクライナに対し、的を絞った金融および技術的支援を中小企業
(「SME」)向けに提供することによって、これら3国の経済発展を強化することを目的としている。
DCFTAの一環として、EIFは保証枠ウィンドウの実行および管理を行う。EIFが実行および展開する保証
枠ウィンドウは、各国の仲介銀行がより多くのリスクを取り、各国経済で十分なサービスを受けてい
ないセグメントに支援を差し伸べる動機を与えるための、SMEポートフォリオ・ファースト・ロス保証
で構成される。EIBは、保証枠ウィンドウを含めたDCFTAの連結財務書類を個別に作成している。
Z.22. 欧州近隣パートナーシップ枠組み(「ENPI」)
欧州近隣政策の対象国における欧州連合の一般予算から資金調達される事業の実施について定めた
欧州連合とEIBとの間の枠組み協定は、ENPIを通じて実施される。EIBは、ENPIの個別財務書類を作成
している。
Z.23. ブルガリア向けSMEイニシアチブ
2016 年中に、SMEイニシアチブに関連して、EIFとフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、H2020金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGFとの関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらのSMEイニシアチブは、各国の
適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、H2020に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。EIFは、ブルガリア向けSMEイニシアチブの個別財務書類を作
成している。
Z.24. InnovFin中小企業保証
ホライズン2020の「リスク・ファイナンスへのアクセス・プログラム」との関連で、このプログラ
ムは負債性金融商品および持分金融商品の設定を規定している。InnovFin 中小企業保証と呼ばれるリ
スク・シェアリング・ファシリティは、保証の形で組成され、EUの拠出金を一次的に不履行金額の補
てんに使用し、EIFのリスク・テイク能力を二次的に不履行金額の補てんに使用する。この制度の目的
は、研究・開発およびイノベーションにおいて顕著な活動を行っている中小企業および中堅企業に、
金融仲介機関が貸付またはファイナンス・リースを提供する動機を与えることである。EIFは、
InnovFin中小企業保証の個別財務書類を作成している。
Z.25. フィンランド向けSMEイニシアチブ
2016 年中に、SMEイニシアチブに関連して、EIFとフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、H2020金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGFとの関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらのSMEイニシアチブは、各国の
適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、H2020に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。EIFは、フィンランド向けSMEイニシアチブの個別財務書類を
作成している。
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Z.26. GIF 2007
競争力および革新枠組みプログラムと技術移転パイロット・プロジェクトに基づくGIF 2007
(CIP/GIF 2007)において、EIFは、自己の名義で、ただし欧州委員会に代わり欧州委員会のリスクに
お いて、投資の取得、管理および処分を行う権限を与えられている。EIFは、GIF 2007の個別財務書類
を作成している。
Z.27. SMEG 2007
競争力および革新枠組みプログラムに基づくSMEG 2007(CIP/SMEG 2007)において、EIFは、自己の
名義で、ただし欧州委員会に代わり欧州委員会のリスクにおいて、保証を付与する権限を与えられて
いる。EIFは、SMEG 2007の個別財務書類を作成している。
Z.28. ドイツ・コロナ・マッチング・ファシリティ(CMF)
ドイツ政府は、ドイツ経済向けのCOVID-19危機対策の一環として、当面2020年12月31日までベン
チャー・キャピタル・ファンドに、すべてのドイツのポートフォリオの企業についてすべての資金調
達時において自動的かつ公平な共同投資を提供することを目的としている。
Z.29. 国際開発協力機構(「AECID」)
このパートナーシップ契約は、スペイン王国(スペインの国際開発協力機構(「AECID」))とEIB
との間で調印されたもので、モーリタニアおよびFEMIPによってカバーされる諸国(「南地中海沿岸地
域」)の活動に投資するために設立された。地域の零細企業や中小企業に関してリスク資本を提供す
ること、および民間セクターの幅広い発展に従事することを主目的としている。EIBは、AECIDの個別
財務書類を作成している。
Z.30. InnovFinプライベート・エクイティ
ホライズン2020金融商品は、対象となる研究およびイノベーションを支援するために、最終受領者
がリスクを伴う資金調達を活用しやすくすることを目的としている。当該金融商品には、貸付、保
証、株式その他のリスク・ファイナンスの形が含まれる。また、ホライズン2020金融商品は、アー
リーステージ投資ならびに既存および新規のベンチャー・キャピタル・ファンドの発展の促進、知的
財産に係る知識移転および市場の改善、ベンチャー・キャピタル市場への資金の呼び込み、ならびに
全体として、新しい製品およびサービスの構想、開発およびデモンストレーションから商品化につな
げるための支援も目的としている。ホライズン2020負債性金融商品にも、SMEイニシアチブに基づくEU
の拠出実施制度が含まれている。
アーリーステージ向けInnovFinエクイティ・ファシリティは、革新的な企業に対し、特にアーリー
ステージのベンチャー・キャピタルまたはメザニン・キャピタルの形によるエクイティ・ファイナン
スを提供することにより、アーリーステージ投資ならびに既存および新規のベンチャー・キャピタ
ル・ファンドの発展を促進することを目的としている。EIFは、InnovFinプライベート・エクイティの
個別財務書類を作成している。
Z.31. マルチ・アニュアル・プログラム(MAP)エクイティ
企業および起業のためのマルチ・アニュアル・プログラム(MAP)に基づき、EIFは欧州委員会に代
わり欧州委員会のリスクにおいてリソースの管理を行っている。EIFは、MAPエクイティの個別財務書
類を作成している。
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Z.32. エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス(「PF4EE」)商品
エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス(「PF4EE」)商品は、エネルギー効率関連投資向
けの十分かつ低価格の商業金融の利用可能性が限定的であることに対処することを目的とした、EIBと
欧州委員会の協定である。この商品は、EU加盟国の国別エネルギー効率行動計画、またはその他のエ
ネルギー効率プログラムの実施を支援するプロジェクトを対象としている。2014年12月、欧州委員会
およびEIBは、金融商品であるPF4EEを設定する委任契約を締結した。EIBは、PF4EEの個別財務書類を
作成している。EIFは、PF4EEの個別財務書類を作成している。
Z.33. 西バルカン諸国企業開発および新規事業育成ファシリティ(WB EDIF)
西バルカン諸国企業開発および新規事業育成ファシリティ(「WB EDIF」)は、2012年12月にEC拡大
総局(「DG ELARG」)、EIBグループおよび欧州復興開発銀行(「EBRD」)の間で締結された共同イニ
シアチブである。同イニシアチブは、加盟候補国向け支援制度(「IPA」)基金の展開を通じて、西バ
ルカン諸国の中小企業の資金へのアクセスの改善および同地域の経済発展を育成することを目的とし
ている。WB EDIFにおいて、EIFはプラットフォーム・コーディネーター、企業拡大基金(「ENEF」)
におけるECのトラスティー、企業育成基金(「ENIF」)におけるECのトラスティーおよびギャラン
ティー・ファシリティの管理者としての役割を果たす。EIFは、WB EDIFの個別財務書類を作成してい
る。
Z.34. 文化・クリエイティブ部門保証ファシリティ
この金融商品は、文化・クリエイティブ部門向けに力を注ぐ欧州連合の主要プログラムであるクリ
エイティブ・ヨーロッパの下で設定され、欧州連合に代わってEIFにより運用される。このイニシアチ
ブは、EIFが保証や念書を選定金融仲介機関に提供することを認め、これにより金融仲介機関が文化・
クリエイティブ分野の企業家に対するデット・ファイナンスの提供を増やすことを可能とする。生成
された貸付金により、10,000社を超えるオーディオビジュアル(映画、テレビ、アニメーション、ビ
デオゲーム、マルチメディアを含む)、フェスティバル、音楽、文学、建築、記録資料、図書館、博
物館、美術工芸、文化遺産、デザイン、芸能、出版、ラジオ、視覚芸術など、広範囲のセクターのSME
が支援を受けると予想される。EIFは、文化・クリエイティブ部門保証ファシリティの個別財務書類を
作成している。
Z.35. 近隣インベストメント・ファシリティ(「NIF」)信託基金
EIB が管理するNIF信託基金は、欧州近隣政策(「ENP」)の戦略的目標を達成するために設立され
た。当基金は、SME向け、人的資源育成を含む社会セクター向け、および地方自治体のインフラストラ
クチャー開発向けの支援を通じて、より適切で持続可能性の高いエネルギーおよび輸送の相互接続性
を確立し、エネルギー効率の向上および再生可能エネルギー資源の利用促進を進め、気候変動および
より広い意味での環境への脅威に対処し、スマートで持続可能かつ包括的な成長を促進することに重
点を置いている。EIBは、NIF信託基金の個別財務書類を作成している。
Z.36. 加盟候補国向け支援制度II(「IPA II」)
加盟候補国向け支援制度(「IPA」)に係る協定は、EUが「拡大国」の改革を財政面および技術面で
援助する支援措置である。加盟候補国向け支援ファンドも、持続性のある経済回復、エネルギー供
給、運輸、自然環境および気候変動などに関する目標をEUが達成できるよう支援する。IPA Iの後継制
度IPA IIは、すでに達成された成果を土台とし、2014年から2020年までの期間に117億ユーロを充当し
て構築される予定である。IPA IIの最も重要な革新性は、戦略的焦点にある。フレームワーク・パー
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トナーシップ契約は、2015年末に締結され、EIBにより履行される。様々な「特別供与契約」の締結に
より、DG NEARからの財源が配分される。EIBは、IPA IIの個別財務書類を作成している。
Z.37. 欧州地中海投資パートナーシップ制度(「FEMIP」)信託基金
EIB が管理するFEMIP(ユーロ地中海投資パートナーシップ・ファシリティ)信託基金は、多数の援
助国の支援を得て、地中海パートナーシップ・ファシリティ参加国におけるEIBの既存業務を強化する
ために設立された。当基金は、技術援助とリスク資本の提供を通じて、特定の優先分野の事業に資源
を投入することを目指している。EIBは、FEMIP信託基金の個別財務書類を作成している。
Z.38. グレーター・アナトリア・ギャランティー・ファシリティ(「GAGF」)
2010 年5月に調印されたGAGFに基づき、EIFは欧州連合およびトルコによって地域競争力戦略プログ
ラムに割り当てられた加盟候補国向け支援制度(IPA)の資金管理をしている。このファシリティは、
トルコで最も開発が遅れている地域の中小企業および零細企業に対し、トルコの大手銀行と連携して
実態に合わせた金融支援を提供するものである。EIFは、GAGFの個別財務書類を作成している。
Z.39. マルチ・アニュアル・プログラム(MAP)ギャランティー
この原資は、プライベート・エクイティと保証商品に等分されている。ESU 1998 (「G&E」)およ
びESU 2001 (「MAP」)と呼ばれるエクイティ部門は、ETFの起業投資を取り扱っている。SMEG 1998
G&EおよびSMEG 2001 MAPと呼ばれる保証部門は、受益者の事業に対して保証を提供する。EIFは、MAP
ギャランティーの個別財務書類を作成している。
Z.40. 近隣インベストメント・ファシリティ(「NIF」)リスク資本ファシリティ
近隣インベストメント・ファシリティ(「NIF」)リスク資本ファシリティは、欧州連合の一般予算
を財源とする。主な目標として、民間セクターの開発、包括的な成長および民間セクターの雇用創出
を支援するため、南方の近隣地域のSMEにエクイティ・ファイナンスおよびデット・ファイナンスへの
アクセスを提供することに注力している。このファシリティは、エクイティ・ファイナンスおよび
デット・ファイナンスの手段から成る金融商品ウィンドウと、技術支援サービスから成る付加的任務
ウィンドウで構成される。EIBは、金融商品ウィンドウの個別財務書類を作成している。
Z.41. マルタ向けSMEイニシアチブ
2015 年1月19日、欧州委員会、EIBおよびEIFは、SMEイニシアチブに対応する専用ウィンドウの一部
の条項に適用される諸条件およびH2020金融商品の当該専用ウィンドウに対する欧州連合の拠出につい
て定めたホライズン2020委任契約の修正に調印した。スペインおよびマルタ向けのSMEイニシアチブ
は、前年に開始された。EIFは、マルタ向けSMEイニシアチブの個別財務書類を作成している。
Z.42. EPTA信託基金
EPTA (東方パートナーシップ技術支援)信託基金は、技術支援のための多分野向けの多目的融資枠
を提供し、EIB東方パートナーシップ事業の質を高め、かつ開発効果を増幅させることに重点的に取り
組んでいる。同基金は、近隣インベストメント・ファシリティを補完する。EIBは、EPTA信託基金の個
別財務書類を作成している。
Z.43. 連邦経済技術省
EIF は、ドイツ連邦経済技術省および欧州復興計画のために資金を管理している。
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Z.44. 多地域保証プラットフォーム・イタリア(「AGRI」)
イタリアの農業プラットフォームは、EIFとイタリアの6地域(ヴェネト、エミリア・ロマーニャ、
ウンブリア、カンパニア、カラブリア、プーリア)との間の資金提供契約の締結で正式に開始され
た。イタリアにおける農業プラットフォームは、欧州農業農村振興基金(「EARFD」)からの構造基金
を使用して、各加盟農村開発プログラム(「RDP」)の財源を使用してファースト・ロスをカバーする
金融商品を展開している。このプラットフォームの目的は、地域レベルで新規事業を育成し、同時に
農民および農業関連事業への新規貸付けを支援するために、地域実行官庁を標準的商品の方向に導く
ことである。
Z.45. 欧州戦略投資基金(「EFSI」)
適用されるEFSI規則に基づき、欧州委員会およびEIBは、EFSIの管理・運営、EUの保証提供に関する
契約(「EFSI契約」)、および欧州投資アドバイザリー・ハブ(「EIAH」)の実施に関する契約
(「EIAH契約」)を締結した。
EFSI契約に基づき、ECは、EFSIが支援するプロジェクトに関して、EIBにEUの保証を提供した。EUの
保証に充当する資産は、欧州委員会が直接管理する。EFSIが支援するプロジェクトは、通常のEIBのプ
ロジェクトのサイクルおよびガバナンスに従う。また、EFSIは自己専用のガバナンス構造を有してい
る。当該構造は、EFSIの下で行う投資において、欧州に対する投資の妨げとなる市場のリスク負担の
失敗に対処するという特別の目的に、確実に重点が置かれ続けるようにするために設置されている。
EIAH は、プロジェクトおよび投資に対し、財務以外の支援を拡充することを目的としている。EIAH
は3つの補完的な構成要素であるa) 公共受益者および民間受益者向けの広範なアドバイザリー技術支
援プログラムおよびイニシアチブへの足掛かり、b) パートナー機関の間での専門知識の活用、交換お
よび普及を目的とした協同プラットフォーム、およびc) 既存のアドバイザリー・サービスの強化もし
くは拡大または未対処のニーズに対応する新規のサービスの創出、で構成される。EIBは、EIAHの個別
財務書類を作成している。
Z.46. 国家開発機関(「NPI」)
これは、EIFとイタリアの預託貸付公庫(CDP)の間のパートナーシップの枠組みにおけるCDPの社会
インパクト投資の2つ目のプログラムである。2017年11月29日に署名されたこのプログラムの焦点
は、イタリアにおける社会融資の領域である。これは仲介者への持分投資、直接の持分投資および負
債投資を含むそれぞれの条件に適合した複数商品の投資プログラムである。
Z.47. 自然環境保護資金調達ファシリティ(「NCFF」)
自然環境保護資金調達ファシリティ(「NCFF」)は、EIBと欧州委員会との共同契約であり、自然環
境保護資金の保全のための収益創出またはコスト削減プロジェクト(気候変動適応プロジェクトを含
む)に係る市場の格差および障壁に対処することにより、生物多様性分野および気候変動への適応に
関するEUおよび加盟国の目標の達成に貢献することを目的としている。EIBは、NCFFの個別財務書類を
作成している。
Z.48. 技術移転アクセラレーター(TTA)トルコ
TTA トルコは、EIFが科学産業技術省(「MoSIT」)、トルコ科学研究審議会(「TUBITAK」)、駐ト
ルコ欧州連合代表部および欧州委員会地域政策ディレクター・ジェネラルと協力して計画したイニシ
アチブである。TTAトルコは、加盟候補国向け支援制度(「IPA」)の資金に係る協定書の地域開発項
目に基づき、EUとトルコ共和国が共同融資し、EIFが管理している。TTAトルコは、2つの目的を達成
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すること、すなわち、大学および研究センターに限定されている科学的な研究開発(「R&D」)の事業
化の促進による、財務的に持続可能なファンドの設立、ならびに特にトルコの後進地域および発展途
上 地域への波及効果に重点を置いた、トルコにおける技術移転市場の発展を促進することを目指して
いる。
Z.49. バルト諸国新規事業育成基金(「BIF」)
2012 年9月に署名されたバルト諸国新規事業育成基金(「BIF」)は、パートナーシップとして組成
されたファンド・オブ・ファンズであり、バルト海沿岸地域に重点を置いてベンチャー・キャピタル
およびプライベート・エクイティ・ファンドに投資する。この基金は、EIBグループならびにエストニ
アのFund KredEx、ラトビアのLatvijas Garantiju Agentiiraおよびリトアニアのlnvesticiju ir
verslo garantijosinというバルト諸国の国家機関から共同出資を受けている。EIFは、BIFの個別財務
書類を作成している。
Z.50. 学生ローン保証ファシリティ(エラスムス計画)
欧州構造投資基金(「ESIF」)の下、EIFは、加盟国により2015年11月以降の保有基金管理運営者と
して任命され、ESIFファンドの管理・運営を行っている。ESIFイニシアチブは、中小企業の資金調
達、ならびにプライベート・エクイティ・ファンド、ギャランティー・ファンドおよびローン・ファ
ンドなどの金融工学商品の利用を促進することを目的としている。EIFは、現在、加盟国・地域(バス
=ノルマンディー地域圏およびラングドック=ルシヨン地域圏)との間で締結した2件のESIF資金供
与契約を管理している。EIFは、学生ローン保証の個別財務書類を作成している。
Z.51. GEEREF(「基金および技術支援ファシリティ」)
GEEREF (グローバル・エネルギー効率・再生可能エネルギー基金)は、ECのイニシアチブで設定さ
れたファンド・オブ・ファンズである。その目的は、新興市場(ACP、ALAおよび欧州近隣諸国)にお
ける再生可能エネルギーおよびエネルギー効率の分野を重点とするプライベート・エクイティ・ファ
ンドに投資することである。EIFも、GEEREFフロント・オフィスが実施する関連業務の対象となる技術
援助の提供を委任されている。
Z.52. ポーランド・グロース・ファンド・オブ・ファンズ(「PGFF」)
2013 年4月に署名されたポーランド・グロース・ファンド・オブ・ファンズ(「PGFF」)は、パー
トナーシップとして組成されたファンド・オブ・ファンズであり、ポーランドに重点を置いてベン
チャー・キャピタルおよびプライベート・エクイティ・ファンドに投資する。同ファンドは、EIBグ
ループとBank Gospodarstwa Krajowegoが共同出資している。EIFは、PGFFの個別財務書類を作成して
いる。
Z.53. ドイツのためのメザニン・ダッハ・ファンド(「MDD」)
MDD は2013年6月に調印された投資プログラムであり、ドイツの中堅企業に投資するハイブリッド債
および株式ファンドを引き受けるために、ドイツ連邦経済技術省(「BMWi」)および州の様々な機関
が資金を供出している。
Z.54. スペイン向けSMEイニシアチブ
2015 年1月26日、スペイン王国と欧州投資基金との間で委任契約が締結された。EIFは、適格な中小
企業向けデット・ファイナンスの新規ポートフォリオ、ならびに中小企業および従業員が500名未満の
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その他の企業向けの既存のデット・ファイナンスの証券化および/または中小企業向けデット・ファ
イナンスの新規ポートフォリオの証券化に対して、上限を設けず保証を提供する予定である。スペイ
ン 向けSMEイニシアチブに対するEUの拠出は、EIFが受領し、EIBが実施する国庫資産運用の対象とな
る。当該運用については、欧州投資基金と欧州投資銀行との間で締結された資産運用サイド・レター
に準拠する。EIFは、スペイン向けSMEイニシアチブの個別財務書類を作成している。
Z.55. LfA-EIFファシリティ
LfA-EIF ファシリティは、2009年に調印されたもので、ドイツ・ババリア地方における技術志向の初
期および拡大段階にある企業を支援するために投資を提供するEIFおよびLfAフォルダーバンク・バイ
エルンの共同ベンチャーである。
Z.56. アルプス地域成長投資プラットフォーム(「AlpGIP」)
2017 年9月、EIFは革新的な、EUのアルプス・マクロ・リージョンにおける最近のベンチャー・キャ
ピタルおよび成長セグメントを対象とした、地域持分投資プラットフォーム(非法人構造)を立ち上
げた。イタリアのロンバルディア、ピエモンテ、ヴァッレ・ダオスタ、アルト・アディジェ(ボル
ツァーノ地域)の各州は、すでにこのプラットフォームに投資しており、他の地域も後の段階での参
加が見込まれている。
Z.57. 中央ヨーロッパ・ファンド・オブ・ファンズ(「CEFoF」)
中央ヨーロッパ・ファンド・オブ・ファンズ(「CEFoF」)は、オーストリア、チェコ共和国、スロ
バキア、ハンガリーおよびスロベニア(CE諸国)の政府および国家機関との緊密な協力の下で欧州投
資基金(「EIF」)によって創設されたファンド・オブ・ファンズ・イニシアチブであり、これらの地
域全体にわたって中小企業(「SME」)へのエクイティ投資を促進し、健全な市場に基づくリスク資金
調達インフラストラクチャーを確立し、事業投資における最良市場標準を導入し、中央ヨーロッパに
機関投資家および投資マネージャーを呼び込むことを目的としている。
Z.58. 欧州技術ファシリティ(「ETF」)
ETF スタートアップ・ファシリティでは、EIFは自己の名義で、ただし欧州委員会に代わり欧州委員
会のリスクにおいて、ETFスタートアップ投資を取得、運用、処分する権限を与えられている。
Z.59. EU貿易振興・競争力向上プログラム(「EUTCP」)
経済成長を加速させ、民間セクターの発展を支援し、地域統合ならびに気候変動の軽減および適応
を強化するというEUの政策目的に沿って、EIBはEUTCPを展開するためにECと協力している。EUTCPは以
下を合わせたものである。(i) バリュー・チェーン向けのEIBの長期貸付金、(ii) 保証手段(リス
ク・シェリング・ファシリティ)および (iii) 選別された国における市場の機能不全に対処するため
の技術的支援(専門家支援ファシリティ)。EUTCPはまた、EIBにとってそれぞれの国におけるポジ
ショニングについて戦略的に重要な取組みを表す。このプログラムは、EIBの伝統的な商品を補完する
新たな保証商品を可能にするため、選択された対象国におけるバリュー・チェーンに沿ってSMEに対す
る多額の投資をもたらすことが見込まれる。EIBは、EUTCPのリスク・シェアリング・ファシリティの
個別財務書類を作成している。
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Z.60. グローバル・エネルギー効率・再生可能エネルギー基金(GEEREF)
グローバル・エネルギー効率・再生可能エネルギー基金(「GEEREF」)の下で、EIFは2007年12月よ
り投資アドバイザーの機能を果たしている。GEEREFは、EC、ドイツ連邦政府およびノルウェー王国の
支援を受けており、その目的は主に、エネルギー効率および再生可能エネルギーに関与し、開発途上
国 および市場経済移行国におけるクリーン・エネルギーの利用可能性を高めるプロジェクトおよび企
業を資産に持つ、地域のファンドに投資することである。GEEREF事業の開拓は、サブアドバイザリー
契約の下で、正式にEIBに委任されている。
Z.61. 技術移転パイロット・プロジェクト(「TTP」)
欧州委員会の資金提供を受けて2008年11月に調印されたTTPに基づき、EIFはシード前およびシード
段階における資金提供を通じて技術移転体制を支援している。EIFは、TTPの個別財務書類を作成して
いる。
Z.62. G43信託基金
EIF は、2012年8月に署名されたG43アナトリア・ベンチャー・キャピタル・ファンドの下で、トル
コ・セントラル・ファイナンス・ユニット(「CFCU」)から委託を受けている。このファンドは、ト
ルコの南東アナトリア地方の中小企業への投資を専門にしている。EIFは、G43の個別財務書類を作成
している。
Z.63. 欧州議会準備行動(「EPPA」)
2010 年、EIFは、DG RegioとEPPAに調印した。EIFは、幾つかの選別されたマイクロファイナンス金
融機関が有意な規模に達し、事業継続の見通しを改善することができるよう支援するため、キャパシ
ティ・ビルディングのためのリスク資本と金融支援を提供している。EIFは、EPPAの個別財務書類を作
成している。
Z.64. グリーン・フォー・グロース・ファンド(「GGF」)
グリーン・フォー・グロース・ファンドはEIFによって2009年12月に設立され、トルコを含む欧州東
南部諸国のエネルギー効率改善に特化して資金提供を行っている。
Z.65. 重債務貧困国(「HIPC」)イニシアチブ
HIPCイニシアチブ(「イニシアチブ」)とは、世界の最貧国に特別支援を供与する国際的な債務救
済制度である。世界銀行と国際通貨基金からの申入れを受けて、1996年に設立された。主な目的は、
貧困国の債務負担を維持可能な水準にまで削減することにある。2020年7月30日付けのECからの閉鎖
通知に基づき、ECとEIB HIPC間の管理契約は2020年8月31日付で解除された。EIBは、2020年8月31日
現在の同イニシアチブの最後の財務書類を作成している。
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有価証券報告書
(1)
特別部門計算書
2020年12月31日および2019年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
資産 2020年12月31日 2019年12月31日
地中海沿岸諸国
欧州連合の財源によるもの
実行済貸付残高 8,333 13,073
リスク資本業務
- 未実行金額
21,747 21,614
- 実行済金額 30,465 32,978
52,212 54,592
(2)
60,545 67,665
合計
アフリカ、カリブ海および太平洋地域諸国ならびに加盟国の属
国および属領
欧州連合の財源によるもの
- ヤウンデ協定
実行済貸付金 0 71
リスク資本による業務
- 実行済金額 419 419
(3)
419 490
合計
- ロメ協定
リスク資本による業務
- 実行済金額 121,821 135,357
(4)
121,821 135,357
合計
182,785 203,512
合計
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有価証券報告書
(1)
特別部門計算書 (続き)
2020年12月31日および2019年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
負債 2020年12月31日 2019年12月31日
受託管理資金
欧州連合の委託によるもの
- 地中海沿岸諸国金融議定書
38,798 46,051
- ヤウンデ協定
419 490
- ロメ協定 121,821 135,357
161,038 181,898
受託管理資金の合計
未実行金額
21,747 21,614
地中海沿岸諸国における貸付業務およびリスク資本業務
21,747 21,614
未実行金額の合計
182,785 203,512
合計
付記:
欧州連合の委託に基づきEIBが元利回収を引き受けた、欧州委員会提供の特別条件付貸付金の実行済・未返
済残高合計:
a) 2020年12月31日現在における第1次、第2次および第3次ロメ協定に基づくもの:232,416千ユーロ
(2019年:256,081千ユーロ)
b) 2020年12月31日現在における地中海沿岸諸国との間で署名した金融議定書に基づくもの:35,417千
ユーロ(2019年:41,578千ユーロ)
欧州連合-欧州開発金融機関民間部門開発ファシリティとの関連において、保証部分の導入契約が2014年
8月20日に締結された。2019年に受けた履行請求後の、2020年12月31日現在に発行済EU保証はゼロ(2019
年:ゼロ)であった。EU保証の総額は、2020年12月31日現在で38,920千ユーロ(2019年:38,920千ユーロ)
である。
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有価証券報告書
注(1): 特別部門は、総務会によって1963年5月27日に設定された。1977年8月4日の決議に基づき、その目的が
見直され、第三者の勘定で第三者の委託に基づいて欧州投資銀行が実行した金融業務を記録するためとさ
れた。ただし、コトヌー協定、欧州連合-アフリカ・インフラ信託基金、近隣インベストメント・ファシリ
ティ信託基金(「NIF」)およびFEMIP信託基金に基づくインベストメント・ファシリティについては、個
別財務書類に表示されている。また、EIBは2005年より他の委託について異なる種類の財務書類を作成して
いる。
特別部門計算書は、欧州連合および加盟国の委託に基づく実行済金額もしくは未実行金額から解約額お
よび返済額を控除した金額を示している。実行済金額および未実行金額ならびに受取済および受取予定資
金は、額面価額で計上されている。特別部門計算書では、これらの業務に付随するリスクを補填するため
に必要となりうる引当金もしくは評価損益は、確定的な償却を除き、考慮されていない。外貨建ての金額
は、12月31日現在の実勢為替レートで換算されている。
注(2): 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、マグレブおよびマシュレ
ク諸国、マルタ、キプロス、トルコならびにギリシャにおけるプロジェクト資金(1981年1月1日の欧州
共同体加盟前に10百万ユーロ融資)のため締結された契約の実行時の金額:
実行時の金額: 840,457
減算: 為替差額 56,989
解約額 178,046
544,877
返済額
-779,912
60,545
注(3): 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、連合アフリカ諸国、マダ
ガスカルおよびモーリシャスならびに加盟国の属国、属領および地区(AASMM-OCTD)におけるプロジェク
ト資金のため締結された契約の実行時の金額:
特別条件付貸付金 139,483
2,503
リスク資本形成拠出金
実行時の金額: 141,986
加算: 資産計上された利息 1,178
9,823
為替差額
11,001
減算: 解約額 3,310
149,258
返済額
-152,568
419
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注(4): 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、アフリカ・カリブ海およ
び太平洋諸国ならびに加盟国の属国および属領(ACP-OCT)におけるプロジェクト資金のため締結された契
約の実行時の金額:
リスク資本による貸付金:
条件付劣後貸付金 3,116,097
121,002
出資
実行時の金額: 3,237,099
加算: 資産計上された利息 9,548
減算: 解約額 741,842
返済額 2,326,706
56,278
為替差額
-3,124,826
121,821
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有価証券報告書
③【EU会計指令に基づく個別財務書類】
当有価証券報告書の本項に記載されているEIBの 2020 年12月31日現在の貸借対照表およびオフ・バ
ランスシート、ならびに同日に終了した事業年度の損益計算書およびキャッシュ・フロー計算書
( 以下「個別財務書類」という。)は、銀行およびその他の金融機関の年次財務書類および連結財
務書類に関する1986年12月8日付 欧州経済共同体理事会 指令(86/635/EEC) の一般原則 (一部の銀行
およびその他の金融機関の年次財務書類および連結財務書類に関して、 2001年9月27日付欧州共同
体指令2001/65/EC、2003年6月18日付欧州共同体指令2003/51/ECおよび2006年6月14日付欧州共同
体指令2006/46/ECにより改正済み) に 準拠して作成されている。
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貸借対照表
2020 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
資産
2020 年12月31日 2019 年12月31日
1. 現金、中央銀行および郵便局預け金 (注
B.1)
835,163 947,155
2. 中央銀行担保適格国庫証券およびその他
短期証券 (注B.2)
31,180,452 33,367,671
3. 金融機関貸付金および預け金
a) 要求払
463,568 361,613
b) その他の貸付金および預け金(注C)
60,182,631 53,795,817
c) 貸付金(注D.1)
103,714,971 109,824,530
d) 評価損益(注D.2)
-80,237 -64,413
164,280,933 163,917,547
4. 対顧客貸付金および預け金
a) その他の貸付金および預け金(注C)
900,604 964,644
b) 貸付金(注D.1)
321,119,208 317,404,048
c) 評価損益(注D.2)
-567,532 -415,346
321,452,280 317,953,346
5. 確定利付証券を含む負債証券 (注B.2)
a) 公共機関による発行
5,148,031 3,873,908
b) その他による発行
7,045,395 8,150,263
12,193,426 12,024,171
6. 株式およびその他の変動利付証券 (注E.1)
8,063,429 7,399,276
7. 参加持分 (注E.1)
334,410 312,191
8. 関係会社株式 (注E.2)
813,089 805,044
9. 無形資産 (注F)
38,698 25,655
10. 有形資産 (注F)
248,471 247,064
11. その他の資産 (注G)
40,490 65,000
12. 払込請求済だが払込未済の応募済資本金およ
び準備金 (注H.3)
1,438,648 0
13. 前払金および未収収益 (注I)
13,371,184 16,496,940
資産合計
554,290,673 553,561,060
添付の注記は本財務書類に不可欠の部分である。
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貸借対照表(続き)
2020 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
負債
2020 年12月31日 2019 年12月31日
1. 金融機関に対する債務 (注J)
a) 要求払
4,199,057 6,287,270
b) 期日払または通知払
12,316,334 1,185,511
16,515,391 7,472,781
2. 顧客に対する債務 (注J)
a) 要求払
1,682,533 1,595,557
b) 期日払または通知払
20,951 15,554
1,703,484 1,611,111
3. 債務証書借入 (注K)
a) 負債証券
425,622,598 435,684,081
b) その他
9,641,151 13,637,452
435,263,749 449,321,533
4. その他の負債 (注G)
4,581,947 1,143,167
5. 未払金および繰延収益 (注I)
19,165,727 17,124,002
6. 引当金
a) 年金制度および健康保険制度(注L)
3,546,431 3,192,066
b) 保証業務に係る引当金(注D.4)
10,746 8,118
3,557,177 3,200,184
7. 応募済資本金 (注H)
a) 応募済資本金
248,795,607 243,284,155
b) 払込未請求資本金
-226,604,892 -221,585,020
22,190,715 21,699,135
8. 準備金 (注H)
a) 準備基金
24,328,415 24,328,415
b) その他準備金
11,398,958 12,349,294
c) 特別活動準備金
11,736,896 10,777,675
d) 一般貸倒準備金
2,135,891 2,170,177
49,600,160 49,625,561
1,712,323 2,363,586
9. 当期純利益 (注M)
負債合計
554,290,673 553,561,060
添付の注記は本財務書類に不可欠の部分である。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
オフ・バランスシート
2020 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
2020 年12月31日 2019 年12月31日
契約債務:
- EIF 払込未請求資本(注E.2およびX.1)
2,117,600 2,107,200
- 未実行貸付金(注D.1)
- 金融機関
32,342,353 29,629,661
- 対顧客
81,697,777 82,918,317
114,040,130 112,547,978
- 株式およびその他の変動利付証券への未実行
額
- ベンチャー・キャピタル事業への未実行額
(注E.1)
4,041,038 4,162,444
- 未実行投資基金(注E.1)
3,273,437 3,587,184
- EBRD 払込未請求資本
712,630 712,630
8,027,105 8,462,258
- 参加持分未実行額
- ベンチャー・キャピタル事業への未実行額
549,016 605,346
(注E.1)
549,016 605,346
- 決済未了のローンチ済借入
223,950 223,950
- 未実行代替貸付金
0 175,348
- 受取有価証券
0 122,000
偶発債務および保証:
- 第三者からの貸付金に係るもの
16,454,275 9,998,967
(*)
第三者に代わって保有している資産 (注Z) :
- インベストメント・ファシリティ・コトヌー
3,578,669 3,407,481
- ギャランティー・ファンド
2,854,866 2,828,738
- NER300
1,953,380 2,009,533
- イノベーターのためのEU資金提供
(InnovFin)
1,836,483 1,314,410
- EIF
1,193,139 1,238,605
- ファンド・オブ・ファンズ(JESSICA II)
851,994 652,115
- コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ
(CEF)
803,348 707,919
- JESSICA(保有基金)
544,833 585,244
- EUアフリカ・インフラ信託基金
523,196 538,382
- 特別部門
182,785 203,512
- GF ギリシャ
162,062 161,355
- 資金パートナーシップ・プラットフォーム
137,152 104,738
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
オフ・バランスシート(続き)
2020 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
2020 年12月31日 2019 年12月31日
- リスク・シェアリング・ファイナンス・
ファシリティ(RSFF)(リスク・シェア
リング・インスツルメント(RSI)を含む)
105,778 608,597
- 欧州近隣パートナーシップ枠組み(ENPI)
94,188 123,771
- 国際開発協力機構(AECID)
61,327 71,377
- エネルギー効率関連プライベート・
ファイナンス商品
53,745 43,563
- 深化した包括的自由貿易協定地域(DCFTA)
51,874 52,883
- 近隣インベストメント・ファシリティ
(NIF)信託基金
42,483 44,025
- 加盟候補国向け支援制度(IPA)II
36,137 31,682
- 欧州地中海投資パートナーシップ制度
(FEMIP)信託基金
34,663 32,946
- 近隣インベストメント・ファシリティ
(NIF)リスク資本ファシリティ
28,066 25,007
- EPTA信託基金
18,962 21,060
- 欧州戦略投資基金(EFSI)-欧州投資
アドバイザリー・ハブ(EIAH)
16,633 20,029
- 自然環境保護資金調達ファシリティ
10,731 11,318
- EU貿易振興・競争力向上プログラム
1,056 0
- 重債務貧困国(HIPC)イニシアチブ
0 35,348
15,177,550 14,873,638
その他の項目:
- 金利スワップの想定元本(注V.1.2)
538,995,110 540,678,886
- 通貨スワップ契約(支払)の想定元本
226,957,983 218,941,502
- 通貨スワップ契約(受取)の想定元本
(注V.1.1)
223,256,109 219,739,726
- 短期通貨スワップ契約(支払)の想定元本
22,471,884 35,156,452
- 短期通貨スワップ契約(受取)の想定元本
(注V.2)
22,374,714 35,632,792
- EIF の少数株主に付与されたプット・
オプション(注E.2)
819,467 821,272
- 為替予約取引(注V.2)
551,359 528,280
- 借入債務支払に係る特別預け金(注S)
810 9,035
(*) 運用資産は、利用可能な最新の数値に基づいて、オフ・バランスシート項目として開示されている。比較対象数値
は、利用可能な最新の情報を反映するために修正再表示されることがあり得る。
添付の注記は本財務書類に不可欠の部分である。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
損益計算書
2020年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
1. 受取利息および類似収益 (注N)
18,033,106 24,500,030
2. 支払利息および類似費用 (注N)
-14,971,606 -21,468,309
3. 証券からの収益
a) 株式およびその他の変動利付証券からの収益
257,960 256,415
b) 関係会社株式からの収益
0 6,140
257,960 262,555
4. 受取手数料 (注O)
329,160 284,624
5. 支払手数料 (注O)
-383,772 -317,840
6. 金融業務損益 ( 注P)
-160,514 117,699
7. その他の業務収益 ( 注Q)
15,909 18,355
8. 一般管理費 (注R)
a) 人件費(注L)
-893,890 -763,656
b) その他の管理費
-236,740 -256,518
-1,130,630 -1,020,174
9. 有形・無形資産に係る評価損益 (注F)
a) 有形資産
-29,194 -28,940
b) 無形資産
-17,998 -15,597
-47,192 -44,537
10. 固定金融資産として保有される譲渡可能有価
-7,933 -1,671
証券、参加持分および関係会社株式に係る
(再)評価損益
11. 貸付金および預け金ならびに偶発債務引当金
-222,165 32,854
に係る(再)評価損益
12. 当期純利益 (注M)
1,712,323 2,363,586
添付の注記は本財務書類に不可欠の部分である。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
キャッシュ・フロー計算書
2020 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
A. 営業活動によるキャッシュ・フロー:
当期純利益 (注M)
1,712,323 2,363,586
調整額:
貸付金および預け金ならびに偶発債務引当金に係る(再)評価損益
222,165 -32,854
有形・無形資産に係る評価損益および償却 (注F)
47,242 45,267
固定金融資産として保有される譲渡可能有価証券、株式、その他の
変動利付証券および参加持分に係る(再)評価損益 (注E.1)
148,413 -56,846
正味受取利息 (注N)
-3,061,500 -3,031,721
-58,831 -1,862
為替調整額
-990,188 -714,430
営業活動による利益/(損失)
金融機関および対顧客貸付金および預け金の実行額
-51,605,321 -40,824,613
金融機関および対顧客貸付金および預け金の返済額
48,873,751 46,502,444
その他の貸付金および預け金の変動額
12,813,500 -12,955,882
中央銀行預け金の変動額(注B.1)
1,621 30,808
財務運用ポートフォリオの変動額
467,163 5,991,203
金融機関および顧客に対する債務の変動額(注J)
9,134,983 3,065,547
年金制度および健康保険制度の引当金の変動額(注L)
354,365 288,456
保証業務に係る引当金の変動額(注D.4)
2,628 -9,025
その他の資産およびその他の負債の変動額 (注G)
-32,614 179,249
前払金および未収収益ならびに未払金および繰延収益の変動額
-2,176,485 776,163
利息受取額
17,559,625 23,433,552
-14,260,904 -20,379,119
利息支払額
20,142,124 5,384,353
営業活動による/(で使用した)正味現金
B. 投資活動によるキャッシュ・フロー:
EIF 株式購入
-13,267 0
EIF 株式売却
7,510 2,201
期中に購入した長期ヘッジ・ポートフォリオの有価証券
0 -720,000
期中に満期が到来した長期ヘッジ・ポートフォリオの有価証券
61,000 139,600
負債証券ポートフォリオに含まれる代替貸付金の購入
-2,961,456 -3,775,031
負債証券ポートフォリオに含まれる代替貸付金の償還
3,229,575 3,767,452
株式およびその他の変動利付証券取得額 (注E.1)
-1,890,666 -2,034,051
株式およびその他の変動利付証券売却額 (注E.1)
1,085,887 566,173
参加持分取得額 (注E.1)
-61,625 -90,319
参加持分売却額 (注E.1)
31,597 26,517
-61,692 -37,999
有形・無形資産の購入 (注F)
-573,137 -2,155,457
投資活動による/(で使用した)正味現金
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
キャッシュ・フロー計算書(続き)
2020 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
C. 財務活動によるキャッシュ・フロー:
債務証書借入の発行 (注K)
150,299,236 141,610,413
債務証書借入の償還 (注K)
-150,160,396 -152,891,158
159,850 0
加盟国の拠出
298,690 -11,280,745
財務活動による/(で使用した)正味現金
キャッシュ・フローの要約表:
29,468,193 36,941,384
現金および現金同等物期首残高
以下による正味現金:
営業活動
20,142,124 5,384,353
投資活動
-573,137 -2,155,457
財務活動
298,690 -11,280,745
-1,489,426 578,658
保有現金に係る為替調整
47,846,444 29,468,193
現金および現金同等物期末残高
現金および現金同等物の内訳:
現金、中央銀行および郵便局預け金(ルクセンブルク中央銀行の
最低預金準備率を充足するための預け金を除く)(注B.1)
725,794 836,165
短期金融市場証券(注B.2)
2,801,772 3,551,379
金融機関および対顧客貸付金および預け金:
要求払
463,568 361,613
43,855,310 24,719,036
その他の貸付金および預け金(注C)
47,846,444 29,468,193
添付の注記は本財務書類に不可欠の部分である。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
欧州投資銀行
財務書類に対する注記
2020 年12月31日現在
欧州投資銀行(「EIB」)は、1958年にローマ条約により、欧州連合(「EU」)の長期貸付銀行として設立
された。EIBの任務は、EU加盟国の統合、均衡の取れた発展、経済的および社会的な結束に貢献することであ
る。EIBは、資本市場で多額の資金を調達し、それらの資金をEU政策目標を促進するプロジェクトに有利な条
件で貸し付けている。EIBは継続的に、その業務をEU政策の展開に適合させている。
登記上の事務所所在地は、 98-100, boulevard Konrad Adenauer, L-2950 Luxembourg である。
注A: 重要な会計方針
A.1. 作成基準
A.1.1. 会計原則
欧州投資銀行の非連結財務書類(「本財務書類」)は、銀行およびその他の金融機関の年次財務書
類および連結財務書類に関する1986年12月8日付欧州共同体理事会86/635/EEC指令書(特定の業種の
会社、銀行およびその他の金融機関の年次財務書類および連結財務書類に関する2001年9月27日付
2001/65/EC指令書、2003年6月18日付2003/51/EC指令書および2006年6月14日付2006/46/EC指令書に
より改正済)(以下、「指令書」と総称する)の一般原則に準拠し、継続企業の前提に基づいて作成
されている。
経営委員会の提案を受け、理事会は2021年3月11日に本財務書類を採択し、2021年4月23日までに
これを総務会に提出して承認を求めることを承認した。
EIB は、本年次財務書類と同日付の連結財務書類も公表している。
A.1.2. 重要な会計上の判断および見積り
本財務書類を作成するにあたり、経営委員会は報告されている収益、費用、資産、負債ならびに偶
発資産および偶発債務の開示に影響する見積りおよび仮定を立てることが求められている。入手可能
な情報の使用、および判断の適用は、見積りに特有のものである。将来の実際の結果は、これらの見
積りとは異なる場合があり、これらの差異は本財務書類に対して重要なものとなる可能性がある。
最も重要な判断および見積りは、次のとおりである。
貸付金および預け金ならびに代替貸付金に係る評価損益
EIBでは、報告日ごとに貸付金および預け金ならびに代替貸付金を検証し、評価調整に係る引当金を
計上すべきか否かを評価している。特に、引当金所要額を算定するにあたっては、将来キャッシュ・
フローの金額と発生時期の見積りにおいて経営陣の判断を要する。こうした見積りは多くの要素に関
する仮定に基づいており、実際の結果は見積りと異なることがあり、結果として、将来、引当金が変
動する場合もある。個別に重要な貸付金および預け金ならびに代替貸付金に対する個別引当金の他
に、個別引当金を計上する必要があると具体的に特定されていないものの、貸付金および預け金なら
びに代替貸付金のデフォルト・リスクが付与された当初よりも高まっているエクスポージャーに対し
て、EIBは集合的引当金を計上するためのテストも実施している(注A.2.6を参照)。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
保証業務に係る引当金
EIB は、金融保証契約を、予想プレミアムの正味現在価値(「NPV」)または当初予想損失に対応す
る公正価値で当初認識している。その後金融保証は、対応する損失引当金と、当初認識時の受取プレ
ミアムから認識済収益を控除した額のいずれか高い方の金額により、将来の予想プレミアムの正味現
在価値の不足額として測定される(注A.2.13を参照)。
年金および他の退職給付
確定給付年金制度および他の退職後医療費給付に係る費用は、数理計算上の評価を用いて算定す
る。数理計算上の評価に際しては、割引率、死亡率、ならびに将来の給与および年金の増加に関する
仮定を行う。これらの制度は長期にわたるため、こうした見積りは重要な不確実性を伴う(注A.2.10
を参照)。
A.1.3. EIBの英国に対するエクスポージャー
2017年3月29日、英国は、欧州連合条約(「TEU」)第50条に従って欧州連合(「EU」)から離脱す
る決定を欧州理事会に通知した。英国は、TEU第50条および「グレートブリテンおよび北アイルランド
連合王国の欧州連合および欧州原子力共同体からの離脱協定」(「離脱協定」)に基づき、2020年2
月1日をもってEU加盟国でなくなった。英国のEUからの離脱により、英国は自動的に欧州投資銀行
(「EIB」)の構成員でなくなり、応募済資本金の分担も終了した。
2020年2月1日より、EIBの応募済資本金における英国の分担金は、その全額につき、残りのEU加盟
国が按分負担する増資をもって差し替えられた。この資本の差替え(均衡的資本の差替え)は、EIBに
おける英国の応募済資本金の払込請求済部分に加え、払込未請求部分も対象とするものであった。払
込請求済部分の差替えは、EIBの準備金を払込請求済の応募済資本金に振り替えることで賄われた。増
資の結果、残りの各EU加盟国において、EIBの応募済資本金の払込未請求(請求可能)持分が按分で増
加した。
また、ポーランドおよびルーマニアのEIBに対する応募済資本金が、それぞれ5,386,000,000ユーロ
および125,452,381ユーロ引き上げられた。この増資(非均衡的増資)は、英国のEU離脱から1ヵ月後
の2020年3月1日に効力を生じた。ポーランドとルーマニアは、EIBの応募済資本金の増加分の払込請
求済部分につき支払いを行うものとし、10回の均等分割により半年ごとにEIBの準備金に拠出を行って
いく。
なお、英国のEU離脱に伴うEIB定款の数多くの変更がすでに効力を生じた。EIB定款変更の第一群
は、2020年2月1日に効力を生じた。 英国がEIBの構成員でなくなったことを反映する これらの法定の
変更には、EIB定款における英国への言及の削除が含まれた。 ガバナンス条項のいくつかの変更も同時
に効力を生じ、かかる変更には、 EIB 理事会の代理 メンバーの増員 、ならびにEIBの業務計画、手続規
則および経営委員会の委員の任命の承認に係る特定多数決方式の導入が含まれた。 EIB 定款変更の第二
群は、 ポーランドおよびルーマニアからの増資 ならびに関連するガバナンスの変更 に関するものであ
り、2020年3月1日に効力を生じた。
英国がEIBの構成員でなくなった結果として、離脱協定には、EIBに関する財務決済を定めるいくつ
かの規定が盛り込まれている。離脱協定第150条に定める条項に従い、英国は、EIBに対する応募済資
本金の従前の分担に従い、EU離脱前のEIBのエクスポージャーについて引き続き責任を負う。これに関
連して、2020年12月31日現在で、EU離脱前のEIBのエクスポージャーは573,420百万ユーロとなり、一
方、英国の負債の限度額は39,195百万ユーロとなった。
英国は、EIBのその他のリスクについても、それが離脱後の融資に関するものでない限り引き続き責
任を負う。また、EIBは、離脱協定第150条に定める条項に従い、EUに代わって、EIBの払込請求済資本
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
金に対する英国の分担金相当額を12回の分割により毎年英国に支払う。英国の払込請求済資本金の払
戻しを除き、EIBは、英国がEIBの構成員でなくなることに関連して、または離脱協定の関連条項に定
め る英国の一部債務の留保を理由として、英国に対してその他の弁済、返金または報酬を支払う義務
を負わないものとする。
英国のEU離脱およびその結果としてのEIBの構成員でなくなること、ならびに当該離脱およびEIBの
構成員でなくなるための準備は、上記のEIBの自己資本に対する影響を除き、2020年12月31日現在およ
び同日に終了した事業年度の非連結財務書類に重要な影響は与えなかった。
A.2. 重要な会計方針の要旨
A.2.1. 外国通貨の換算
EIB は、加盟国の資本勘定の測定単位として、そしてグループの財務書類の表示にユーロ
(「EUR」)を使用している。
EIB は、各欧州連合加盟国の通貨、ユーロおよび非欧州連合通貨で業務を行っている。
EIB の財源は様々な通貨建ての出資、借入および利益剰余金によって調達される。
外貨建取引は、取引日の実勢為替レートで換算される。EIBのユーロ以外の通貨建ての貨幣性資産お
よび負債は、貸借対照表日の実勢為替レート(終値)に基づきユーロに換算される。これらの換算か
ら生じた損益は損益計算書の「金融業務損益」に計上される。
A.2.2. デリバティブ
EIBは、金利リスクおよび外貨リスクのエクスポージャーを管理するため、デリバティブ商品(主に
通貨スワップおよび金利スワップ)を資産負債管理(「ALM」)活動の一環として使用している。すべ
てのデリバティブ取引は、想定元本により、取引日にオフ・バランス項目として計上されている。
EIB のスワップの大部分は、債券発行をヘッジする目的で締結されている。EIBは、金利スワップに
加えて通貨スワップを締結し、これにより借入資金を当初別の通貨に交換し、満期時には借入返済に
必要な資金を元の通貨で入手する。
またEIBは、貸付金のヘッジの一環として、またはグローバルなALMポジションのために通貨スワッ
プ、金利スワップおよびオーバーナイト・インデックス・スワップを行っている。これに関する利息
は、関連期間に対する比例配分で計上されている。
EIBは、財務オペレーションの一部としての為替スワップを主とした短期デリバティブ金融商品を使
用するほか、アクティブ運用ポートフォリオ(有価証券流動性ポートフォリオ)をヘッジする手段と
してのデリバティブも利用している。
A.2.2.1. 有価証券流動性ポートフォリオのデリバティブ
有価証券流動性ポートフォリオ(「SLP」)の一部として、デリバティブが締結され、貸借対照表に
時価で計上される。すなわち、その時価が正の値の場合には、「その他の資産」に、負の値の場合に
は、「その他の負債」に計上される。時価の変動は、「金融業務損益」に含まれている。時価は、市
場の公表価格、ディスカウント・キャッシュ・フロー・モデルおよびオプション価格モデルにより入
手している。オプション価格モデルには、現在の市況および原資産の契約価額と同様に、時間的価
値、イールドカーブおよび原資産のボラティリティが考慮される。
デリバティブ金融商品の金利は、関連期間に対する比例配分で「前払金および未収収益」または
「未払金および繰延収益」の勘定科目に計上される。
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通貨スワップ
通貨スワップ契約は、通貨ポジションを調整するために締結される。通貨スワップの直物レッグの
再評価は、「未払金および繰延収益」または「前払金および未収収益」で相殺されている。金利ス
ワップにおける受取利息および支払利息は関連期間に対する比例配分で計上され、損益計算書では
「受取利息および類似収益」または「支払利息および類似費用」に計上される。通貨スワップの時価
が正の値の場合には、「その他の資産」に、負の値の場合には、「その他の負債」に計上される。時
価の変動は、「金融業務損益」に含まれている。
金利スワップ
金利スワップは、金利ポジションを修正するために締結される。金利スワップにおける受取利息お
よび支払利息は関連期間に対する比例配分で計上され、損益計算書では「受取利息および類似収益」
または「支払利息および類似費用」に計上される。金利スワップの時価が正の値の場合には、「その
他の資産」に、負の値の場合には、「その他の負債」に計上される。時価の変動は、「金融業務損
益」に含まれている。
先物契約
先物契約(先物)は、政府債およびその他の債券への投資から発生するエクスポージャーをヘッジ
するために締結される。先物は高度に標準化されたデリバティブ契約であり、規制対象市場で取引さ
れ、日次での証拠金要件が適用される。先物の時価が正の値の場合には、「その他の資産」に、負の
値の場合には、「その他の負債」に計上される。時価の変動は、「金融業務損益」に含まれている。
A.2.2.2. その他のデリバティブ
通貨スワップ
通貨スワップ契約は、通貨ポジションを調整するために締結される。通貨スワップの直物レッグの
再評価は、「未払金および繰延収益」または「前払金および未収収益」で相殺されている。通貨ス
ワップの先渡レッグは決済金額でオフ・バランスシート処理されており再評価されていない。直物金
額と先渡金額の決済差額として生ずるプレミアム/ディスカウントは、損益計算書の「受取利息およ
び類似収益」または「支払利息および類似費用」を通じ、関連期間に対する比例配分で償却される。
金利スワップ
金利スワップは、金利ポジションを修正するために締結される。ヘッジ金利スワップは、再評価し
ていない。金利スワップにおける受取利息および支払利息は関連期間に対する比例配分で計上され、
損益計算書では「受取利息および類似収益」または「支払利息および類似費用」に計上される。
為替予約取引
為替予約取引は、将来の通貨ポジションを調整するために締結される。先渡レッグは、決済金額で
オフ・バランスシート処理されており再評価されていない。直物金額と先渡金額の差額は、損益計算
書の「受取利息および類似収益」または「支払利息および類似費用」を通じ、関連期間に対する比例
配分で償却される。
デリバティブ金融商品の金利は、関連期間に対する比例配分で「前払金および未収収益」または
「未払金および繰延収益」の勘定科目に計上される。
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A.2.3. 金融資産および金融負債
金融資産および金融負債は決済日基準で計上されている。
A.2.4. 現金および現金同等物
現金および現金同等物はキャッシュ・フロー計算書で開示されており、手許現金、非拘束性の中央
銀行預け金残高、要求払い預金、流動性の高い短期金融市場証券または価値の変動リスクに重要性が
なく、容易に現金化が可能でEIBが短期コミットメントの管理に用いている定期預金で構成される。
2020年に、現金および現金同等物の定義と市場慣行との整合性を向上させるために、EIBは方針を変
更し、適格商品の現金および現金同等物を、当初満期日が取得日から3ヵ月以内のものに限定するこ
とを決定した。この変更により、現金および現金同等物は2018年度末現在で210億ユーロ減少した。ま
た、2019年度末現在では305億ユーロ減少し、うち「短期金融市場証券」が72億ユーロ減少し、「その
他の貸付金および預け金」が233億ユーロ減少した。2019年度については、上記の変更は「財務運用
ポートフォリオの変動額」に7億ユーロ、「その他の貸付金および預け金の変動額」にマイナス102億
ドルの影響も及ぼした。
A.2.5. 中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券ならびに確定利付証券を含む負債証券
A.2.5.1. 長期ヘッジ・ポートフォリオ(「LTHP」)
長期ヘッジ・ポートフォリオ(「LTHP」)は、満期日まで保有する目的で購入した有価証券で構成
されている。これらの有価証券は、下記の機関が発行または保証している。
- 欧州連合加盟国政府
- 欧州連合、欧州安定メカニズム、欧州金融安定基金
- ドイツ復興金融公庫グループ
これらの有価証券は、当初、購入価額で計上される。一時的でない評価損益は計上されている。購
入価格と償還価額との差額は、有価証券の残存期間にわたり、関連期間に対する比例配分で「受取利
息および類似収益」または「支払利息および類似費用」として計上される。
A.2.5.2. 運用ポートフォリオ
短期財務ポートフォリオ「TMP」
適切な水準の流動性を維持するため、EIBは満期が12ヵ月以内の短期金融商品、特に短期国庫証券お
よび公共機関や金融機関が発行した譲渡可能負債証券を購入している。短期財務ポートフォリオの有
価証券は、最終満期日まで保有されるもので、当初は購入価格で計上され、償却原価で本財務書類に
計上される。購入価格と償還価額との差額は、有価証券の残存期間にわたり、関連期間に対する比例
配分で「受取利息および類似収益」または「支払利息および類似費用」として計上される。評価損益
は、一時的ではない場合、「固定金融資産として保有される譲渡可能有価証券、参加持分および関係
会社株式に係る(再)評価損益」に計上される。
有価証券流動性ポートフォリオ(「SLP」)
SLPは、政府、国際機関、金融機関および企業が発行または保証した上場負債証券で構成されてい
る。このポートフォリオは主にアクティブ運用され、ポートフォリオ内の有価証券は取得原価で当初
認識された後、財務書類上は時価で表示される。時価の変動は、損益計算書の「金融業務損益」に計
上される。
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SLPの時価は、第一情報源としての活発な市場における公表相場価格に基づいている。入手できる公
表相場価格がない金融商品については、市場参加者からの提示価格、および/または評価手法もしく
はモデルを使用して、時価を決定している。評価手法もしくはモデルは観察可能な貸借対照表日現在
の 実勢市場データに基づくことが可能である場合に用いられる。
A.2.5.3. 代替貸付金
代替貸付金ポートフォリオは、主に特別目的事業体(「SPV」)、信託事業体または金融機関が発行
した債券、ノートあるいは証書の形の債務で構成されている。これらの有価証券は満期保有目的とし
て分類されており、当初購入価格で計上された上、償却原価で評価されている。購入価格と償還価額
との差額は、有価証券の残存期間にわたり、関連期間に対する比例配分で「受取利息および類似収
益」として計上される。一時的でない評価損益は、個別に計上されている。減損しているが、そのよ
うに認識されていない契約を捕捉するために、発生はしているが報告されていない損失について、集
合的な評価損益が計上されている。個別および集合的な評価損益は、損益計算書に「固定金融資産と
して保有される譲渡可能有価証券、参加持分および関係会社株式に係る(再)評価損益」として計上
され、貸借対照表上は対応する資産項目から減算されている。
代替貸付金の未実行部分は、名目値でオフ・バランスシートに記録される。
A.2.5.4. 優先債権者の地位(「PCS」)
EU 一次法優位の原則および、EIB定款に定められているEIBの財産があらゆる形の接収および収用か
ら免除されるものとする旨の原則は、満期時における欧州連合加盟国のソブリン・エクスポージャー
の全額回収を保証するとみなされる。この財務保護および優先債権者としての地位により、欧州連合
加盟国のソブリン・エクスポージャーまたは欧州連合加盟国の保証についての信用リスクも減損も発
生しない。しかし、他の債権者と同様に、EIBは欧州連合加盟国ソブリン発行体の負債性金融商品に含
まれる集団行動条項(「CAC」)に基づいた多数による決定事項に拘束される。
A.2.6. 金融機関および対顧客貸付金および預け金
A.2.6.1. 貸付金および預け金
貸付金および預け金は、正味実行額をもってEIBの資産に計上される。期末における貸付金残高につ
いて、その全額または一部の金額につき回収不能のリスクがある場合、個別の評価損益が計上されて
いる。減損しているが、そのように認識されていないポートフォリオの貸付金を捕捉するために、ま
たは発生しているがまだ報告されていない損失について、集合的な評価損益が計上されている。これ
らの評価損益は、関連資産と同じ通貨で把握される。
評価損益は「貸付金および預け金ならびに偶発債務引当金に係る(再)評価損益」として損益計算
書に計上されており、貸借対照表の対応する資産項目から減算されている。
貸付金および預け金の未実行部分は、名目値でオフ・バランスシートに記録される。
A.2.6.2. 貸付金利息
貸付金利息は、発生主義で、すなわち貸付期間にわたって、損益計算書に計上される。未収利息
は、貸借対照表の資産の「前払金および未収収益」勘定に計上される。これらの貸付金利息の評価損
益は、EIBの経営陣が個別に決定し、貸借対照表の適当な資産項目から控除される。
不良債権に関しては、評価損益が生じた場合、当初の契約条件に基づく未収利息の計上は停止され
る可能性がある。
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A.2.6.3. リバース・リパーチェス取引(リバース・レポ)
リバース・リパーチェス取引は、担保有価証券を提供する金融機関に対してEIBが流動資金を貸し出
す取引である。双方の当事者は、確定日に確定金額で取引を行うという取消不能の契約を結ぶことに
なる。
この取引は、支払引替渡しの原則に基づき行われる。すなわち流動資金の借手は、契約価額での決
済と引き換えに、EIBの保管業者に有価証券を引き渡すのである。これによってEIBに金融市場と連動
したリターンが発生する。
こうした種類の業務は、EIBの目的から、保証された金利が付加された貸付とみなされる。これらの
取引は一般的に有担保金融取引として取り扱われるため、提供または受領した現金額に未収(経過)
利息を加えた金額で計上されている。リバース・レポは、法定貸借対照表の資産側の「金融機関貸付
金および預け金: b) その他の貸付金および預け金」に計上される。
リバース・リパーチェス契約に基づいて受け取った有価証券は、有価証券に含まれる契約上の権利
を支配できない限り、法定貸借対照表において認識されない。EIBは、これらの受け取った有価証券の
市場価格を日々管理しており、原契約に従い追加担保を要求する。
リバース・リパーチェス契約に係る利息は、それぞれの契約の期間にわたり受取利息または支払利
息として計上される。
A.2.6.4. 利子補助金
前受利子補助金(注Iを参照)は繰り延べられ、補助金支給対象貸付金の実行から返済までの期間に
わたって、損益計算書で認識される。
A.2.7. 株式、その他の変動利付証券、参加持分および関係会社株式
A.2.7.1. 株式、その他の変動利付証券および参加持分
EIBは、ベンチャー・キャピタル事業開始、インフラ基金設定、投資基金設定または直接資本の形態
での資本参加時に、株式、その他の変動利付証券および参加持分を保有する。これらの投資は当初は
取得原価で記録され、返済による資金の還流額が減額される。それらの帳簿価額は、その後の貸借対
照表日における測定で、取得原価と時価のいずれか低い方に調整される。
ファンド・マネージャーから受けた報告に基づき、投資ポートフォリオは、取得原価もしくはEIBに
帰属する分の純資産価額(「NAV」)のどちらか低い方の値で個々に評価されるため、ポートフォリオ
に含まれている可能性があるEIB帰属分の未実現利益は除外される。EIB帰属分のNAVは、年度末前の最
新の報告で示されたNAVに当該事業体におけるEIBの所有持分比率を乗じた値、もしくは入手可能な場
合は各ファンド・マネージャーが提出した同日の1株当たり価値に基づいて、算定される。また、入
手可能な直近のNAVの日付から貸借対照表日の間に発生した事象について調整することが重要と思われ
る場合に限り、EIB帰属分のNAVに対してかかる調整を行う。
これらの投資の未実行だが確約した部分は、名目値でオフバランスシート・コミットメントに計上
される。
セカンダリーセール
ベンチャー・キャピタル・ファンドおよび投資ファンドに係るセカンダリーセール取引により、原
資産の認識が中止 される。セカンダリーセールからの損益は「金融業務損益」に計上され、売却手取
額と正味帳簿価額の差異として算出される。
参加持分
EIB が自己勘定で取得した株式は、通常ベンチャー・キャピタル事業、インフラ基金および投資基金
への投資である。業界の慣行によれば、そのような投資は概して多数の投資家が応募する投資であ
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り、どの投資家も当該基金の日々の運営および投資活動に対し、個人的に影響力を行使することはで
きない。結果として、ある投資家がそのような基金の統治機関のメンバーになったとしても、原則的
に は、それにより当該投資家がその基金の日々の運営に影響を与える権利を手にするものではない。
さらに、ベンチャー・キャピタル事業、インフラ基金または投資基金の個別投資家は、資本の払戻し
またはその他の分配に関する分配方針等、基金の方針を決定することがない。一般的にそのような決
定は、基金の経営陣と全株主の権利および義務を規定した株主契約に基づき、基金の経営陣が行って
いる。また一般的に株主間の合意は、個別投資家が基金との間で実質的な取引を行ったり、役員を相
互に交換したり、重要な専門情報にアクセスする特権を得たりすることも防止している。EIBは、株式
を取得したこうした事業体に対して重要な影響力または共同支配を有しているかを判定するために、
判断を伴う包括的な分析を通じて上記の判定基準を評価している。当該事業体に対する重要な影響力
または共同支配が存在する場合、当該投資は、「参加持分」として開示される。
EIB により応募済であるがEBRDへの投資について払込未請求の資本は、オフ・バランスシート項目と
して記録されている。
A.2.7.2. 関係会社株式
関係会社株式は、中長期投資に相当し、取得原価で計上されている。一時的でない評価損益は計上
されている。
少数株主が保有する株式に関して、プット・オプションの形態で提供しているコミットメントは、
行使価格でオフ・バランスシートに計上されている。
A.2.8. 有形資産
有形資産には、土地、EIBが使用している不動産、その他機械および設備が含まれる。
土地は、取得原価で計上されており、建物は、取得原価から減価償却累計額を控除した金額で計上
されている。ルクセンブルクのキルヒベルクに所在する本店の建物、ならびに同国のワイマールショ
フの建物の取得原価は、以下のように定額法で減価償却されている。
恒久使用の設備および備品、家具事務機器ならびに自動車は、取得原価から減価償却累計額を控除
した金額で貸借対照表に計上されている。
減価償却費は購入品目ごとに、以下に示されている見積耐用年数の期間にわたって定額法で計算さ
れている。
- キルヒベルクおよびワイマールショフの建物:30年
- 恒久使用の設備および備品:10年
- 家具:5年
- 事務機器および自動車:3年
建設仮勘定資産は、工事が完了し、当該資産が意図された目的のための使用に供されることが可能
となるまで、その減価償却累計額は計上されない。
A.2.9. 無形資産
無形資産には、コンピューター・ソフトウェアが含まれている。ソフトウェア開発費は、識別可能
性、企業への将来の経済的便益の流入可能性、取得原価測定の信頼性に関する特定の基準を満たした
場合に資産計上される。
これらの基準に適合する自社開発のソフトウェアは、償却累計額(完成から3年にわたり定額法で
計算)控除後の取得原価で計上されている。
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建設仮勘定資産は、作業が完了し、当該資産が意図された目的のための使用に供されることが可能
となるまで、その償却累計額は計上されない。
A.2.10. 年金制度および健康保険制度
A.2.10.1. 職員年金制度
EIB は、ほぼすべての職員に退職給付を提供するため、確定給付年金制度を運営している。
EIB の主な年金制度は職員とEIBの拠出金を原資とする確定給付年金制度で、全職員が対象とされて
いる。EIBおよびその職員の全拠出額がEIBの資産へ投資されている。
退職給付債務は、適正な引当水準となるように予測単位積立方式を用いて、少なくとも年に1度は
評価を受ける。最新の評価は、2020年9月30日現在の加入者データおよび2020年12月31日までの
キャッシュ・フローに基づき、2020年12月31日現在で実施された。保険数理士が用いた主な仮定につ
いては、注Lを参照。
退職給付債務の10%を超過する過年度の数理計算上の積立過不足累計額は、制度加入者の予想平均
残存勤続年数にわたって定額法で認識される。
A.2.10.2. 健康保険制度
EIBは職員のため、EIBおよび職員の拠出金を原資とする独自の健康保険制度を設けている。この健
康保険制度は、注A.2.10.1に記載された職員に対する年金制度と同じ方針によって管理され、会計処
理されている。最新の評価は、2020年9月30日現在の加入者データおよび2020年12月31日までの
キャッシュ・フローに基づき、2020年12月31日現在で実施された。
A.2.10.3. 経営委員会年金制度
経営委員会年金制度は確定給付年金制度で、EIBのみからの拠出金を原資とし、経営委員会委員全員
を対象としている。EIBからの拠出金は全額EIBの資産に投資される。この経営委員会年金制度は、注
A.2.10.1に記載された職員に対する年金制度と同じ方針によって管理され、会計処理されている。
A.2.10.4. 任意補足年金制度
任意補足年金制度とは、職員の任意拠出金および使用者の拠出金を原資とする確定拠出年金制度で
ある。対応する負債は「その他の負債」に計上されている。
A.2.11. 金融機関および顧客に対する債務
金融機関および顧客に対する債務は、財務書類において償還額で表示される。金融機関および顧客
に対する負債の利息は、発生主義により、「支払利息および類似費用」または金利がマイナスの場合
には「受取利息および類似収益」として損益計算書に計上される。経過利息は、負債勘定の「未払金
および繰延収益」に含まれる。
EIBによるECBの金融政策オペレーションへの参加に関連して、BCLから借り入れた金額は額面金額で
計上され、中央銀行からの借入金として、法定財務書類において「金融機関に対する債務-b) 期日払
または通知払」に計上されている。
A.2.11.1. リパーチェス取引(レポ)
リパーチェス取引は、金融機関からEIBが流動資金を借り入れ、担保有価証券を提供する取引であ
る。双方の当事者は、確定日に確定金額で取引を行うという取消不能の契約を結ぶことになる。この
取引は支払引替渡しの原則に基づいており、これは注A.2.6.3に記載されている。
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こうした種類の業務は、EIBの目的から、合意された金利が付加された借入とみなされる。これらの
取引は一般的に有担保金融取引として取り扱われるため、借入金額に経過利息を加えた金額で計上さ
れている。レポは貸借対照表上、「金融機関に対する債務-b) 期日払または通知払」の下で負債側に
計 上される。
リパーチェス契約に係る利息は、それぞれの契約の期間にわたり支払利息または受取利息として計
上される。
A.2.11.2. 担保払込勘定
片務的担保サポート・アネックスに基づき、EIBはデリバティブ、貸付および財務ポートフォリオに
係るカウンターパーティー信用エクスポージャーを低減するために担保として現金を受領する。受け
取った現金担保は、名目金額で計上され、翌日物預金として、法定財務書類において「金融機関に対
する債務-a) 要求払」に表示される。
A.2.12. 債務証書借入
債務証書借入は、償却原価で表示されるゼロ・クーポン債を除き、償還金額で表示されている。取
引費用およびプレミアム/ディスカウントは、「未払金および繰延収益」または「前払金および未収
収益」を通じて債務の残存期間にわたって定額法により損益計算書で償却される。 負債性金融商品 の
支払利息は、損益計算書の「支払利息および類似費用」に計上されている。
A.2.13. 金融保証
金融保証契約は、特定の債務者が、負債性金融商品の当初条件または修正後条件に基づいて期日に
支払いを履行できない場合に、発行者に、その商品の保有者に発生した損失を補償するための所定の
支払を行うことを義務付ける契約である。
発行済の金融保証は通常、オフ・バランスシート項目として会計処理され開示される。
金融保証による負債純額は、貸借対照表上で「保証業務に係る引当金」に表示されている。保証引
当金は、金融仲介機関に対するEIBの保証業務または第三者が供与した貸付金に関する保証に内在する
リスクに対応するためのものである。
金融保証は、予想プレミアムの正味現在価値(「NPV」)または当初予想損失に対応する公正価値で
当初認識される。
当初認識後、金融保証は以下のうちの高い方の金額に対する、将来の予想プレミアムの正味現在価
値の不足額として測定される。
- 予想信用損失の額
- 当初認識された公正価値から、認識された収益/償却累計額を控除した額
将来の予想プレミアムの正味現在価値が予想支払義務を超過する額を表す未実現利益は、引き続き
認識されていない。
金融保証に関連する純負債の増加または減少は、損益計算書上、「貸付金および預け金ならびに偶
発債務引当金に係る(再)評価損益」で認識される。
受取プレミアムは、損益計算書の「受取手数料」で認識される。前受手数料は貸借対照表の「未払
金および繰延収益」で認識され、金融保証期間にわたって定額法で損益計算書において償却される。
A.2.14. 契約債務引当金
この引当金は、貸付金、投資基金およびベンチャー・キャピタル事業に対するEIBの契約済・未実行
契約債務に内在するリスクに対応するためのものである。
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A.2.15. 準備金
A.2.15.1. 準備基金
定款第22(-1)条で規定されているように、EIBの留保利益より「応募済資本金の10%を上限に、準備
基金に段階的に組み入れるものとする」。
A.2.15.2. その他準備金
その他準備金には、EIBの残りの留保利益が含まれている。
A.2.15.3. 特別活動準備金
定款第16(-5)条で規定されているように、「EIBの特別活動(中略)には個別に準備金を配分す
る」。特別活動準備金は、EIBが一般的に受け入れているものよりもリスクの高い活動によって生じる
予想外の損失をカバーするために割り当てられた専用準備金であり、ベンチャー・キャピタル業務が
これに含まれる。この準備金は各業務の資本配分に基づき、原資産の推移に応じて月次で計算され
る。
A.2.15.4. 一般貸倒準備金
2009 年、EIBの方針ガイドラインにより、EIBの貸付金および保証ポートフォリオから生じる可能性
のある損失に対し、「一般貸倒準備金」が導入された。この準備金は、原資産の推移に応じて月次で
計算される。
A.2.16. 前払金および未収収益
当期の支出であるが翌期に関わる費用、および原商品の満期日まで支払いがなされない収益。
A.2.17. 未払金および繰延収益
貸借対照表日以前に支払いを受けるが翌期に帰属する収益、および当期に関連するが翌期に支払う
費用。
A.2.18. 受取利息および類似収益
「受取利息および類似収益」には、主に金融機関および対顧客貸付金および預け金、財務項目およ
びデリバティブに係る利息が含まれる。
A.2.19. 支払利息および類似費用
「支払利息および類似費用」には、主に金融機関および顧客に対する負債の利息、ならびに負債性
金融商品およびデリバティブに係る支払利息が含まれる。
A.2.20. 証券からの収益
「証券からの収益」は、主に元本を超える当期売却額で構成されている。
A.2.21. 租税
欧州連合に関する条約および欧州連合の機能に関する条約に付属する欧州連合の特権および免除に
関する議定書は、欧州連合機関の資産、収益およびその他の財産について、あらゆる直接税を免除す
ると定めている。
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注B: 現金、中央銀行および郵便局預け金ならびに負債証券ポートフォリオ(単位:千ユーロ)
B.1. 現金、中央銀行および郵便局預け金
現金、中央銀行および郵便局預け金は、2020年12月31日現在835,163千ユーロ(2019年:947,155千
ユーロ)である。
EIBは、ユーロ・システムの金融政策オペレーションにおける適格カウンターパーティーであること
から、EIBも欧州中央銀行の金融政策オペレーションに参加するようになった。EIBは、最低預金準備
率を充足するために預け金を置いているルクセンブルク中央銀行を通じて金融政策オペレーションを
実施する。この預け金残高は、2020年12月31日現在109,369千ユーロ(2019年:110,990千ユーロ)で
ある。
B.2. 負債証券ポートフォリオ
負債証券ポートフォリオは、長期ヘッジ・ポートフォリオ(「LTHP」)、短期財務ポートフォリオ
(「TMP」)、有価証券流動性ポートフォリオ(「SLP」)および代替貸付金ポートフォリオにより構
成されている。
これらの負債証券ポートフォリオの2020年12月31日および2019年12月31日現在の内訳は、以下のと
おりである。
2020 年12月31日 2019 年12月31日
中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券
31,180,452 33,367,671
確定利付証券を含む負債証券
12,193,426 12,024,171
(*)
負債証券合計
43,373,878 45,391,842
(*) うち非上場分は、2020年12月31日現在9,766,074千ユーロ(2019年:8,763,906千ユーロ)であった。
未償却
プレミア
(**)
購入価額 帳簿価額 評価損益 償還価値
時価
ム/ディス
カウント
2020 年12月31日現在
LTHP 1,685,874 1,624,791 0 -64,803 1,559,988 1,743,413
TMP 17,611,913 17,580,727 0 -22,545 17,558,182 17,583,528
SLP 4,143,518 4,167,007 0 0 4,111,766 4,167,007
20,044,919 20,001,353 1,266 -9,990 19,992,629 20,368,520
代替貸付金(注D)
(*)
43,486,224 43,373,878 1,266 -97,338 43,222,565 43,862,468
負債証券合計
(*) うち現金および現金同等物2,801,772千ユーロ
(**) 時価には経過利息は含まれない。
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未償却
プレミア
(**)
購入価額 帳簿価額 評価損益 償還価値
時価
ム/ディス
カウント
2019 年12月31日現在
LTHP 1,744,425 1,713,229 0 -92,241 1,620,988 1,823,635
TMP 19,311,479 19,280,195 0 -24,916 19,255,279 19,277,771
SLP 3,915,275 3,909,410 0 0 3,889,812 3,909,410
20,529,156 20,489,008 1,142 -15,152 20,474,998 20,812,673
代替貸付金(注D)
(*)
45,500,335 45,391,842 1,142 -132,309 45,241,077 45,823,489
負債証券合計
(*) うち現金および現金同等物3,551,379千ユーロ
(**) 時価には経過利息は含まれない。
代替貸付金は、証券化取引に関連する貸付金または債権のプールにおける持分の取得を表してお
り、貸付金総額(注D)の一部とみなされる。こうした取引の一部は、与信またはプロジェクト関連の
救済措置を付加した上で組成されているため、追加的な償還請求手段が備わっている。2020年12月31
日現在で、1件の取引(2019年:1件の取引)について個別の評価損益1,224千ユーロ(2019年:
1,142千ユーロ)が計上された。2020年度に、代替貸付金ポートフォリオに対するCOVID-19の影響を捕
捉するために計上された集合的な評価損益は42千ユーロであった。
債券保有における欧州連合加盟国ソブリン債に対するエクスポージャー
EIBの優先債権者の地位およびEIB定款による保護を考慮し、また評価調整要件の詳細な見直しの結
果、EIBは、期末現在の満期保有目的EU加盟国ソブリン債およびEU加盟国ソブリン保証債のエクスポー
ジャーに関して、2020年度および2019年度に評価損益を計上しなかった。
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次の表は、2020年12月31日および2019年12月31日現在のEIBの負債証券ポートフォリオ(代替貸付金
を含む)における、EU加盟国またはその政府機関が発行または保証する負債証券に対するエクスポー
ジャーを示したものである。
2020 年12月31日現在
購入価額 帳簿価額 償還価値 時価
EU 加盟国ソブリン債
オーストリア
277,685 276,362 272,408 276,385
ベルギー
180,634 180,300 180,000 180,353
チェコ共和国
614,184 571,803 560,111 615,434
デンマーク
16,259 16,280 16,299 16,280
エストニア
10,026 10,010 10,000 10,010
フィンランド
41,510 41,066 40,000 41,066
フランス
519,865 505,391 498,192 510,241
ドイツ
2,326,692 2,318,539 2,288,758 2,381,993
アイルランド
567,650 568,012 567,860 568,278
イタリア
77,849 73,857 72,500 103,169
ルクセンブルク
90,837 92,471 90,000 92,471
オランダ
783,954 765,999 754,000 779,276
ポーランド
143,463 143,499 143,171 144,945
ポルトガル
40,130 40,050 40,000 40,095
ルーマニア
10,041 10,022 10,000 10,017
スロバキア
105,248 105,028 105,000 105,073
スペイン
3,621,357 3,614,175 3,604,290 3,615,992
スウェーデン
62,017 62,377 61,120 62,377
9,489,401 9,395,241 9,313,709 9,553,455
EU 加盟国以外のソブリン債およびその他の債券
33,996,823 33,978,637 33,908,856 34,309,013
合計
43,486,224 43,373,878 43,222,565 43,862,468
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2019 年12月31日現在
購入価額 帳簿価額 償還価値 時価
EU 加盟国ソブリン債
オーストリア
186,004 184,668 181,600 184,754
ベルギー
51,202 50,938 50,873 51,000
チェコ共和国
552,405 513,116 496,193 556,695
クロアチア
23,011 22,762 22,254 22,765
キプロス
2,085 2,009 2,000 2,008
エストニア
15,034 15,016 15,000 15,008
フィンランド
41,510 40,652 40,000 40,652
フランス
2,322,708 2,314,826 2,301,329 2,319,312
ドイツ
884,561 880,296 848,259 943,353
ハンガリー
158,293 155,907 155,513 156,222
アイルランド
412,339 410,643 409,900 410,522
イタリア
77,849 74,041 72,500 99,155
ラトビア
9,770 9,791 9,792 9,778
リトアニア
93,206 89,900 89,461 90,057
オランダ
402,096 391,972 374,023 404,009
ポーランド
64,164 63,556 63,031 63,923
ポルトガル
288,130 287,603 287,000 287,508
ルーマニア
52,861 52,232 50,463 52,209
スロバキア
9,159 9,168 9,120 9,452
スペイン
2,056,000 2,045,500 2,036,123 2,045,427
スウェーデン
54,420 54,324 53,409 54,324
7,756,807 7,668,920 7,567,843 7,818,133
EU 加盟国以外のソブリン債およびその他の債券
37,743,528 37,722,922 37,673,234 38,005,356
合計
45,500,335 45,391,842 45,241,077 45,823,489
注C: 金融機関および対顧客貸付金および預け金-その他の貸付金および預け金(単位:千ユーロ)
2020 年12月31日 2019 年12月31日
(*)
定期預金 44,469,137 28,935,591
要求払預金 239,935 238,000
リバース・レポ 15,473,559 24,622,226
その他の金融機関貸付金および預け金 60,182,631 53,795,817
900,604 964,644
その他の対顧客貸付金および預け金
61,083,235 54,760,461
その他の貸付金および預け金合計
うち現金および現金同等物 43,855,310 24,719,036
(*) 2020年度は、ルクセンブルク中央銀行(「BCL」)への預け金346億ユーロ(2019年:55億ユーロ)を含む。
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注D: 貸付金明細表
D.1. 貸付金総額(単位:千ユーロ)
貸付金総額は貸付金の実行済金額と未実行金額で構成されている。分析は以下のとおりである。
金融仲介機関に対し 最終受益者に直接実
2020 年12月31日 2019 年12月31日
て実行される貸付金 行される貸付金
実行済金額
103,704,071 320,937,638 424,641,709 427,057,085
未実行金額
32,342,353 81,697,777 114,040,130 112,547,978
貸付金総額
136,046,424 402,635,415 538,681,839 539,605,063
分割貸付債権
10,900 181,570 192,470 171,493
(1)
代替貸付金ポートフォリオ
20,002,619 20,665,498
代替貸付金ポートフォリオを含む貸付金総額 (注D.3)
558,876,928 560,442,054
(1) 2020年度に未実行金額として計上された金額はなかった(2019年:175,348千ユーロ)。
D.2. 貸付金に係る評価損益(単位:千ユーロ)
評価損益の推移の詳細は、以下のとおりである。
2020 年 2019 年
1月1日現在
479,759 530,174
当期取崩額
-95,695 -148,421
(1)
当期目的使用額
-27,833 -31,212
(2)
当期繰入額
307,234 123,213
為替調整額
-15,696 6,005
(3)
12 月31日現在
647,769 479,759
(1) 2020年度に、EIBは貸付金事業1件について、一部が引当済のリストラクチャリングを完了した。このリストラク
チャリングの結果、1,317千ユーロ(2019年:1件の貸付金事業において7,426千ユーロ)が既存の引当金から目的
使用された。また、EIBは全額について引当金が設定されている不良債権事業の売却取引を完了した。この結果、資
産売却損25,336千ユーロ(2019年:1件の貸付金事業において20,206千ユーロ)に既存の引当金が充当された。最
後に、EIBは貸付金事業1件におけるエクスポージャーを償却し、この結果、1,180千ユーロ(2019年:1件の貸付
金事業において3,580千ユーロ)が既存の引当金から目的使用された。
(2) COVID-19の流行を受けて、EIBは貸付金ポートフォリオに対するこのパンデミックの影響の定性評価を実施した。こ
の関連で、カウンターパーティー・レベルで脆弱性評価が行われ、COVID-19危機に関連するエクスポージャーの感
応度を評価した。この分析の結果に基づき、それぞれの貸付金の残存期間にわたっての予想信用損失に基づいた集
合的引当金が認識された。
この評価の結果、EIBは2020年度に74,740千ユーロ(2019年:なし)の集合的引当金を計上した。
(3) 評価損益は、延滞を含む実行済貸付金のみに関連している。また、EIBは追加的に「前払金および未収収益」に計上
されている未収利息について、総額14,291千ユーロ(2019年:7,189千ユーロ)の評価損益を計上している。
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D.3. プロジェクトが行われている国別に表示した貸付金の地域別内訳(単位:千ユーロ)
D.3.1. 欧州連合内のプロジェクトに対する貸付金
2020 年 2019 年
プロジェクトが実施されて 貸付金 貸付金
貸付金総額 実行済金額 未実行金額
いる国および地域 合計額に 合計額に
対する割合 対する割合
スペイン 84,512,768 78,892,736 5,620,032 15.13% 15.68%
イタリア 65,527,667 51,366,536 14,161,131 11.73% 11.29%
フランス 60,613,744 45,410,283 15,203,461 10.85% 10.27%
ドイツ 45,362,450 35,301,903 10,060,547 8.12% 7.99%
ポーランド 42,144,654 34,083,225 8,061,429 7.54% 7.49%
ギリシャ 19,688,027 16,419,499 3,268,528 3.52% 3.35%
オランダ 16,238,251 12,606,346 3,631,905 2.91% 2.86%
ポルトガル 15,176,635 13,168,761 2,007,874 2.72% 3.08%
オーストリア 14,851,896 13,483,231 1,368,665 2.66% 2.64%
ベルギー 13,959,082 10,739,448 3,219,634 2.50% 2.48%
スウェーデン 12,293,403 8,194,284 4,099,119 2.20% 2.06%
フィンランド 11,035,787 9,178,882 1,856,905 1.98% 2.01%
ハンガリー 9,670,919 7,880,967 1,789,952 1.73% 1.74%
アイルランド 7,352,875 5,958,453 1,394,422 1.32% 1.28%
チェコ共和国 6,982,003 5,305,834 1,676,169 1.25% 1.28%
ルーマニア 6,606,052 4,123,317 2,482,735 1.18% 1.20%
スロバキア 4,767,346 3,847,038 920,308 0.85% 0.87%
クロアチア 4,429,565 3,149,981 1,279,584 0.79% 0.80%
スロベニア 3,174,658 2,432,265 742,393 0.57% 0.59%
デンマーク 3,115,181 2,673,261 441,920 0.56% 0.55%
リトアニア 2,817,959 2,582,055 235,904 0.50% 0.35%
キプロス 2,730,566 1,930,949 799,617 0.49% 0.48%
ブルガリア 2,239,433 1,920,756 318,677 0.40% 0.40%
エストニア 1,500,408 1,088,919 411,489 0.27% 0.25%
ラトビア 1,178,544 691,857 486,687 0.21% 0.21%
ルクセンブルク 835,312 397,592 437,720 0.15% 0.16%
462,070 292,003 170,067 0.08% 0.08%
マルタ
459,267,255 373,120,381 86,146,874 82.21% 81.44%
小計
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D.3.2. 欧州連合域外のプロジェクトに対する貸付金
D.3.2.1. 候補国
2020 年 2019 年
プロジェクトが実施されて 貸付金 貸付金
貸付金総額 実行済金額 未実行金額
いる国および地域 合計額に 合計額に
対する割合 対する割合
トルコ
11,365,128 10,872,492 492,636
セルビア
3,181,076 2,272,881 908,195
モンテネグロ
697,710 507,963 189,747
北マケドニア
375,604 278,764 96,840
アルバニア
300,499 264,999 35,500
小計
15,920,017 14,197,099 1,722,918 2.85% 3.29%
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D.3.2.2. アフリカ、カリブ海および太平洋地域(「ACP」)諸国
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
セネガル 447,746 152,624 295,122
マダガスカル 430,003 253,912 176,091
ザンビア 417,393 108,186 309,207
ケニア 398,498 166,100 232,398
ギニア 254,232 59,366 194,866
マラウイ 220,389 52,304 168,085
ガーナ 211,614 29,114 182,500
タンザニア連合共和国 191,206 67,232 123,974
モザンビーク 181,664 78,440 103,224
ナイジェリア 175,000 0 175,000
ベナン 174,872 49,801 125,071
レソト 159,935 77,935 82,000
コートジボワール 152,700 58,724 93,976
ニジェール 152,370 26,370 126,000
ドミニカ共和国 149,984 45,999 103,985
アフリカ地域 130,000 0 130,000
ルワンダ 125,000 0 125,000
ウガンダ 117,040 109,833 7,207
ブルキナファソ 111,024 58,024 53,000
アンゴラ 100,000 789 99,211
マリ 92,353 39,203 53,150
西アフリカ地域 80,449 80,449 0
ブルンジ 70,000 36,500 33,500
カメルーン 66,157 49,787 16,370
ガンビア 65,000 0 65,000
リベリア 63,230 43,230 20,000
フィジー 61,120 0 61,120
カーボベルデ 57,801 50,863 6,938
パプア・ニューギニア 52,378 8,149 44,229
モーリタニア 42,912 2,912 40,000
エチオピア 40,000 15,000 25,000
エスワティニ王国 39,458 11,593 27,865
セーシェル 39,084 26,584 12,500
コンゴ民主共和国 31,631 31,631 0
サントメ・プリンシペ 24,500 0 24,500
チャド 15,000 0 15,000
トーゴ 13,575 13,575 0
ナミビア 12,646 12,646 0
ハイチ 12,000 0 12,000
モーリシャス 10,190 10,190 0
コンゴ 9,940 9,940 0
バルバドス 9,755 0 9,755
カリブ海地域 8,456 8,456 0
ベリーズ 7,213 1,019 6,194
ドミニカ 2,355 2,355 0
ボツワナ 1,105 1,105 0
セント・ヴィンセント・
374 374 0
グレナディン
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有価証券報告書
5,229,352 1,850,314 3,379,038 0.94% 0.79%
小計
D.3.2.3. アジア
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
2,733,091 1,437,240 1,295,851
インド
2,511,625 1,045,547 1,466,078
中国
385,000 123,349 261,651
バングラデシュ
281,493 0 281,493
ウズベキスタン
277,355 27,432 249,923
ネパール
230,064 44,068 185,996
カンボジア
215,393 159,893 55,500
ベトナム
173,828 37,529 136,299
ラオス人民民主共和国
166,959 116,959 50,000
スリランカ
124,589 8,290 116,299
カザフスタン
112,000 30,000 82,000
キルギス
107,546 26,218 81,328
タジキスタン
84,369 59,022 25,347
モンゴル
64,195 28,072 36,123
モルディブ
50,000 0 50,000
パキスタン
7,517,507 3,143,619 4,373,888 1.34% 1.30%
小計
D.3.2.4. 潜在的候補国
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
1,990,199 1,160,242 829,957
ボスニア・ヘルツェゴビナ
143,000 17,000 126,000
コソボ
2,133,199 1,177,242 955,957 0.38% 0.30%
小計
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D.3.2.5. ラテンアメリカ諸国
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
1,395,019 710,689 684,330
ブラジル
637,518 373,268 264,250
エクアドル
426,231 369,784 56,447
パナマ
399,070 130,288 268,782
ニカラグア
262,876 262,876 0
メキシコ
260,730 102,941 157,789
アルゼンチン
259,889 137,389 122,500
中央アメリカ地域
200,473 118,980 81,493
ペルー
172,927 71,092 101,835
ボリビア
171,872 102,142 69,730
パラグアイ
167,875 0 167,875
コロンビア
72,692 59,855 12,837
ホンジュラス
53,846 53,846 0
コスタリカ
48,896 4,890 44,006
ラテンアメリカ地域
4,529,914 2,498,040 2,031,874 0.81% 0.83%
小計
D.3.2.6. 欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
1,035,865 1,035,865 0
ノルウェー
557,332 557,332 0
アイスランド
24,719 24,719 0
スイス
1,617,916 1,617,916 0 0.29% 0.31%
小計
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D.3.2.7. 地中海沿岸諸国
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
6,804,743 3,466,642 3,338,101
エジプト
5,142,728 3,375,409 1,767,319
モロッコ
2,959,667 1,961,829 997,838
チュニジア
1,399,278 511,172 888,106
レバノン
946,391 403,414 542,977
ヨルダン
918,682 801,502 117,180
イスラエル
325,850 325,850 0
アルジェリア
198,571 73,642 124,929
ガザ・西岸地区
111,183 111,183 0
シリア・アラブ共和国
111,149 1,630 109,519
地中海沿岸地域
18,918,242 11,032,273 7,885,969 3.38% 3.06%
小計
D.3.2.8. 海外の属国および属領(OCT)
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
35,556 15,556 20,000
ニューカレドニア
44,228 0 44,228
シント・マールテン
14,985 7,485 7,500
仏領ポリネシア
94,769 23,041 71,728 0.02% 0.01%
小計
D.3.2.9. 東欧諸国、南コーカサス諸国およびロシア
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
5,986,942 1,486,090 4,500,852
ウクライナ
1,666,204 728,832 937,372
ジョージア
689,527 373,394 316,133
モルドバ共和国
550,000 190,000 360,000
ベラルーシ
319,495 202,085 117,410
アルメニア
60,629 60,629 0
ロシア連邦
5,027 5,027 0
アゼルバイジャン
9,277,824 3,046,057 6,231,767 1.66% 1.49%
小計
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D.3.2.10. 英国
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
(*)
33,239,326 32,071,209 1,168,117
英国
33,239,326 32,071,209 1,168,117 5.95% 7.00%
小計
D.3.2.11. 南アフリカ
2020 年貸付金 2019 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
939,137 867,137 72,000
南アフリカ
939,137 867,137 72,000 0.17% 0.18%
小計
欧州連合域外のプロジェクト
99,417,203 71,523,947 27,893,256 17.79% 18.56%
に対する貸付金合計
(1)
558,684,458 444,644,328 114,040,130 100.00%
2020 年貸付金合計
(1)
560,270,561 447,547,235 112,723,326 100.00%
2019 年貸付金合計
(1) 代替貸付金(注B.2およびD.1)を含み、分割貸付債権(2020年:192百万ユーロ、2019年:171百万ユーロ)を除
く。
(*) 2020年1月31日付の英国の欧州連合からの離脱の結果、2019年における比較対象数値は、欧州連合から英国に組み
替えられている。
D.4. 保証業務に係る引当金
EIBが付与した保証に係る引当金は、受益者に対して支払義務を負うと見込まれる損失に対応して認
識されている。2020年12月31日現在、こうした引当金は10,746千ユーロにのぼる(2019年:8,118千
ユーロ)。
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注E: 株式およびその他の変動利付証券、参加持分ならびに関係会社株式(単位:千ユーロ)
E.1. 株式、その他の変動利付証券および参加持分
参加持分 株式およびその他の変動利付証券
ベンチャー・ ベンチャー・
投資基金
その他の
(2) (3)
キャピタル キャピタル
EBRD 持分 合計
(1)
持分投資
(1) (1)
事業 事業
取得原価:
2020 年1月1日現在 338,939 5,559,907 157,500 2,059,386 266 7,777,059
当期取得額 61,625 1,100,433 0 790,233 0 1,890,666
-31,597 -805,179 0 -280,708 -22 -1,085,909
売却/満期
368,967 5,855,161 157,500 2,568,911 244 8,581,816
2020 年12月31日現在
評価損益:
2020 年1月1日現在 -26,748 -325,518 0 -52,265 0 -377,783
当期取得額 -9,941 -132,012 0 -48,782 0 -180,794
2,132 32,405 0 7,785 0 40,190
当期減少額
-34,557 -425,125 0 -93,262 0 -518,387
2020 年12月31日現在
純帳簿価額:
334,410 5,430,036 157,500 2,475,649 244 8,063,429
2020 年12月31日現在
312,191 5,234,389 157,500 2,007,121 266 7,399,276
2019 年12月31日現在
(1) オフ・バランスシートで開示されている契約済の未実行額は、それぞれ次のとおりである。
株式およびその他の変動利付証券に関連して:
・ ベンチャー・キャピタル事業:4,041,038千ユーロ(2019年:4,162,444千ユーロ)
・ 投資基金:3,273,437千ユーロ(2019年:3,587,184千ユーロ)
参加持分に関連して:
・ ベンチャー・キャピタル事業:549,016千ユーロ(2019年:605,346千ユーロ)
(2) 157,500千ユーロ(2019年:157,500千ユーロ)は、欧州復興開発銀行(「EBRD」)の資本金に対するEIBの応募額
900,440千ユーロに係る2020年12月31日現在のEIBの払込資本である。
(3) 合計額は、株式およびその他の変動利付証券のみを含む。
2020年12月31日現在、 EIBは、EBRDの応募済資本金の3.03%(2019年:3.03%)を所有している。国際財務報告基
準に準拠して作成されたEBRDの監査済2019年度財務書類に基づいた、EBRDにおけるEIBの正味資本持分は540百万ユーロ
(2019年:493百万ユーロ)である。
(単位:百万ユーロ)
持分比率(%) 自己資本合計 純損益合計 資産合計
(*)
EBRD (2019年12月31日) 3.03 17,830 1,315 68,201
(*) データはEBRDの最新の監査済財務書類に基づいている。
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E.2. 関係会社株式
欧州投資基金
残高813,089千ユーロ(2019年:805,044千ユーロ)は、登記上の事務所所在地がルクセンブルクに
ある欧州投資基金(「EIF」または「ファンド」)の資本金に対するEIBの応募額2,647,000千ユーロ
(2019年:2,634,000千ユーロ)に係るEIBの払込済額に相当する。
EIBは、EIFの応募済資本金45億ユーロ(2019年:45億ユーロ)の58.82%(2019年:58.53%)を保
有している。
他のEIF投資家が引き受けたEIF株式1,853株について、EIBは、株式交換購入保証(「RSPU」)に基
づき、これらの株式を1株当たり442,238.01ユーロで随時買い取る旨申し入れている。この価格は、
EIF払込請求済資本金に、資本剰余金勘定、法定準備金、留保利益、公正価値準備金および当期純利益
を加えた値に当期配当金を調整した値の1株当たり金額に相当する。合意された算式が、オプション
が行使される会計年度のEIFの承認済かつ監査済年次財務書類に適用されている。
2020年12月31日現在のEIFの応募済資本金は、45億ユーロである。2020年度に、EIBは30株を他の投
資家から購入し、17株を他の投資家に売却した。この結果、EIBが保有するEIFの株数は2020年1月1
日時点の2,634株から、2020年12月31日時点では2,647株へと増加した。
当年度に、EIBはファンドに一時的な資本の救済を提供するために、EIFを受益者として再保証を発
行した。この保証契約に基づき、EIBはEIFのある金融保証ポートフォリオの優先トランシェに伴う信
用リスクの一定の部分に対して保証を提供し、保証期間中にEIFが被った対応する損失を補填する。
2020年12月31日現在、この再保証に関連するエクスポージャーは70億ユーロであった。この手段は、
予定されたEIFの増資へのつなぎ資本を提供することを目的とした一時的な手段とみなされ、対応する
拠出の全額が払い込まれた後には終了すると見込まれる。
EIF株主総会におけるEIFの2021年2月の増資の承認の結果、EIFの授権資本は額面百万ユーロの新株
2,870株の発行を通じて、45億ユーロから74億ユーロに増加する。
新株の発行は、以下に詳述するように1応募期間で応募が可能な1回の応募で行われる。応募され
た新授権株式は、その額面金額の20%について払込が行われるものとされる。残りの80%は、EIF株主
総会の決定を受けて払込請求を行うことができる。この増資において応募された新授権株式について
の申込価格は、外部監査人のレビューを受けた2020年9月30日現在のEIFの財務データに基づいて実施
された、RSPUの算式に基づいた新たな計算に対応し、新規発行株式の払込部分を含んだ435,970.88
ユーロとされる。EIF定款第5条に沿って、EIFの各株主は、当該増資前で当該株主が出資した株数と
EIFの全応募済株数との間の比率に対応して、増資の一部に対して応募する資格を持つものとされる。
その結果として、EIBは約736百万ユーロで、その比例配分部分である1,689株について応募した。
オフ・バランスシートに表示されているEIFの少数株主に付与されたプット・オプションの名目金額
819,467千ユーロ(2019年:821,272千ユーロ)は、国際財務報告基準に準拠して作成された2019年度
のEIFに監査済法定決算書に基づいて計算されている。
(単位:千ユーロ)
持分比率(%) 自己資本合計 純損益合計 資産合計
(*)
EIF (2019年12月31日) 58.53 1,990,071 175,668 2,965,238
(**)
EIF (2020年12月31日) 58.82 1,977,700 127,570 3,254,990
(*) データはEIFの最新の監査済財務書類に基づいている。
(**) データはEIFの未監査財務書類の速報に基づいている。
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注F: 無形・有形資産(単位:千ユーロ)
ルクセン 家具備品 有形資産 無形資産
土地
ブルクの建物 および設備 合計 合計
取得原価:
2020 年1月1日現在
20,145 397,882 64,671 482,698 43,366
当期取得額
0 8,217 22,384 30,601 31,091
当期除却額
0 0 -23,593 -23,593 -18,411
2020 年12月31日現在
20,145 406,099 63,462 489,706 56,046
減価償却/償却累計額
2020 年1月1日現在
0 -196,550 -39,084 -235,634 -17,711
当期減価償却/償却額
0 -9,792 -19,402 -29,194 -17,998
当期除却額
0 0 23,593 23,593 18,361
2020 年12月31日現在
0 -206,342 -34,893 -241,235 -17,348
純帳簿価額:
2020 年12月31日現在
20,145 199,757 28,569 248,471 38,698
2019 年12月31日現在
20,145 201,332 25,587 247,064 25,655
ルクセンブルクの建物には、新棟の建設に係る原価63,370千ユーロ(2019年:55,153千ユーロ)が
含まれており、新棟は、2024年に完成予定である。
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注G: その他の資産およびその他の負債(単位:千ユーロ)
その他の資産 2020 年12月31日 2019 年12月31日
未収金およびその他債権 22,911 33,627
保証履行請求債権 12,986 25,633
前払給与および手当 1,093 1,077
デリバティブの公正価値 967 1,638
保証に係る受取手数料 70 112
2,463 2,913
その他
40,490 65,000
合計
その他の負債 2020 年12月31日 2019 年12月31日
(*)
英国への資本の未払払戻金 3,195,904 0
任意補足年金制度(注L) 646,071 580,741
EIF 年金制度 225,947 193,135
ファースト・ロス一部負担金 204,070 132,676
未払人件費 76,306 82,978
未払金およびその他債務 60,544 56,284
貸付金の未達勘定 43,289 15,093
(**)
デリバティブの公正価値 36,686 8,094
重債務貧困国(HIPC)イニシアチブに係る未払費用 13,596 13,596
西バルカン諸国のインフラ基金 393 393
79,141 60,177
その他
4,581,947 1,143,167
合計
(*) グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国の欧州連合および欧州原子力共同体からの離脱協定の第150(4)条
および2020年6月10日付理事会決定(EU)2020/769による修正に従い、EIBは払込請求済資本金の35億ユーロを2020年
10月15日より開始する12回の分割により毎年英国に支払う(最初の11回の分割払いは各300,000,000ユーロで最終回
の支払いは195,903,950ユーロ)。支払期日が2020年10月15日の分割金は全額が支払済である。
(**) 重債務貧困国(「HIPC」)イニシアチブ(注Zを参照)
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注H: EIB応募済資本金、自己資本および前年度利益の処分
H.1. EIB応募済資本金明細表
2020年12月31日および2019年12月31日現在
(単位:ユーロ)
2020年12月31日現在の
(**) (*)
応募済資本金 払込未請求資本金
加盟国
払込請求済資本金
ドイツ
46,722,369,149 42,555,081,742 4,167,287,407
フランス
46,722,369,149 42,555,081,742 4,167,287,407
イタリア
46,722,369,149 42,555,081,742 4,167,287,407
スペイン
28,033,421,847 25,533,049,371 2,500,372,476
ベルギー
12,951,115,777 11,795,972,691 1,155,143,086
オランダ
12,951,115,777 11,795,972,691 1,155,143,086
ポーランド
11,366,679,827 10,352,856,629 1,013,823,198
スウェーデン
8,591,781,713 7,825,458,763 766,322,950
デンマーク
6,557,521,657 5,972,639,556 584,882,101
オーストリア
6,428,994,386 5,855,575,961 573,418,425
フィンランド
3,693,702,498 3,364,251,741 329,450,757
ギリシャ
3,512,961,713 3,199,631,688 313,330,025
ポルトガル
2,263,904,037 2,061,980,655 201,923,382
チェコ共和国
2,206,922,328 2,010,081,290 196,841,038
ハンガリー
2,087,849,195 1,901,628,594 186,220,601
アイルランド
1,639,379,073 1,493,158,667 146,220,406
ルーマニア
1,639,379,073 1,493,158,667 146,220,406
クロアチア
1,062,312,542 967,562,174 94,750,368
スロバキア
751,236,149 684,231,479 67,004,670
スロベニア
697,455,090 635,247,290 62,207,800
ブルガリア
510,041,217 464,549,338 45,491,879
リトアニア
437,633,208 398,599,585 39,033,623
ルクセンブルク
327,878,318 298,634,014 29,244,304
キプロス
321,508,011 292,831,891 28,676,120
ラトビア
267,076,094 243,254,895 23,821,199
エストニア
206,248,240 187,852,433 18,395,807
マルタ
122,381,664 111,466,131 10,915,533
合計
248,795,606,881 226,604,891,420 22,190,715,461
(*) 理事会の決議により、EIBの債務弁済に必要な金額の範囲内で 、請求が行われうる。
(**) 注A.1.3を参照のこと。
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2020年12月31日および2019年12月31日現在
(単位:ユーロ)
2019年12月31日現在の
(*)
応募済資本金
払込未請求資本金
加盟国
払込請求済資本金
ドイツ
39,195,022,000 35,699,118,050 3,495,903,950
フランス
39,195,022,000 35,699,118,050 3,495,903,950
イタリア
39,195,022,000 35,699,118,050 3,495,903,950
英国
39,195,022,000 35,699,118,050 3,495,903,950
スペイン
23,517,013,500 21,419,470,925 2,097,542,575
オランダ
10,864,587,500 9,895,547,225 969,040,275
ベルギー
10,864,587,500 9,895,547,225 969,040,275
スウェーデン
7,207,577,000 6,564,714,700 642,862,300
デンマーク
5,501,052,500 5,010,399,750 490,652,750
オーストリア
5,393,232,000 4,912,195,875 481,036,125
ポーランド
5,017,144,500 4,569,652,475 447,492,025
フィンランド
3,098,617,500 2,822,243,850 276,373,650
ギリシャ
2,946,995,500 2,684,145,675 262,849,825
ポルトガル
1,899,171,000 1,729,779,000 169,392,000
チェコ共和国
1,851,369,500 1,686,240,975 165,128,525
ハンガリー
1,751,480,000 1,595,260,900 156,219,100
アイルランド
1,375,262,000 1,252,598,750 122,663,250
ルーマニア
1,270,021,000 1,156,744,700 113,276,300
クロアチア
891,165,500 811,680,000 79,485,500
スロバキア
630,206,000 573,996,175 56,209,825
スロベニア
585,089,500 532,903,925 52,185,575
ブルガリア
427,869,500 389,706,625 38,162,875
リトアニア
367,127,000 334,381,950 32,745,050
ルクセンブルク
275,054,500 250,521,650 24,532,850
キプロス
269,710,500 245,654,325 24,056,175
ラトビア
224,048,000 204,064,750 19,983,250
エストニア
173,020,000 157,587,900 15,432,100
マルタ
102,665,000 93,508,025 9,156,975
合計
243,284,154,500 221,585,019,550 21,699,134,950
(*) 理事会の決議により、EIBの債務弁済に必要な金額の範囲内で、請求が行われうる。
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H.2. 自己資本および前年度利益の処分
自己資本変動計算書(単位:千ユーロ) 2020年 2019年
資本金:
(2)(3)
- 応募済資本金
248,795,607 243,284,155
(2)(3)
- 払込未請求分 -226,604,892 -221,585,020
- 払込請求済資本金
22,190,715 21,699,135
(3)
- 払込請求済だが払込未済の応募済資本金
-442,423 0
- 払込請求済資本金および払込請求済だが払込未済の応募済資本
金 21,748,292 21,699,135
準備金および当期純利益:
準備基金:
24,328,415 24,328,415
- 期首残高
- 期末残高
24,328,415 24,328,415
その他準備金:
- 期首残高
12,349,294 10,595,340
(2)
- 払込請求済資本金への振替え:均衡的資本差替え
-3,495,904 0
- 払込請求済だが払込未済の準備金:ポーランドおよびルーマニ
(3)
アの拠出金 1,106,917 0
(1)
1,438,651 1,753,954
- 前年度利益処分額
- 期末残高
11,398,958 12,349,294
(3)
- 払込請求済だが払込未済の準備金 -996,225 0
- その他準備金および払込請求だが済払込未済の準備金
10,402,733 12,349,294
特別活動準備金:
- 期首残高
10,777,675 9,626,707
(1)
- 前年度利益処分額 959,221 1,150,968
- 期末残高
11,736,896 10,777,675
一般貸倒準備金:
- 期首残高
2,170,177 2,736,047
(1)
- 前年度利益処分額 -34,286 -565,870
- 期末残高
2,135,891 2,170,177
1,712,323 2,363,586
当期純利益
72,064,550 73,688,282
自己資本合計
(1) 2020年4月24日、総務会は、2019年12月31日終了年度のEIBの当期純利益2,363,586千ユーロをその他準備金、特別
活動準備金および一般貸倒準備金に繰り入れることを決定した。一般貸倒準備金または特別活動準備金からの取崩
し/への繰入れが生じているが、これは基礎的業務のリスクの動きに伴うものである。
(2) 2017年3月29日、英国は、欧州連合条約(「TEU」)第50条に従って欧州連合(「EU」)から離脱する決定を欧州理
事会に通知した。英国は、TEU第50条および「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国の欧州連合および欧
州原子力共同体からの離脱協定」(「離脱協定」)に基づき、2020年2月1日をもってEU加盟国でなくなった。英
国のEUからの離脱により、英国は自動的に欧州投資銀行(「EIB」)の構成員でなくなり、応募済資本金の分担も終
了した。
2020年2月1日より、EIBの応募済資本金における英国の分担金は、その全額につき、残りのEU加盟国が按分負担す
る増資をもって差し替えられた。この資本の差替え(均衡的資本差替え)は、EIBにおける英国の応募済資本金の払
込請求済部分に加え、払込未請求部分も対象とするものであった。払込請求済部分の差替えは、EIBの準備金を応募
済資本金に振り替えることで賄われた。増資の結果、残りの各EU加盟国において、EIBの応募済資本金の払込未請求
(請求可能)持分が按分で増加した。
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(3) 注H.3を参照のこと。
H.3. 払込請求済だが払込未済の応募済資本金および準備金
2020年3月1日、応募済資本金はポーランドおよびルーマニアからの拠出(それぞれ、
5,386,000,000ユーロおよび125,452,381ユーロ)により、243,284,154,500ユーロから
248,795,606,881ユーロへと増加した(非均衡的増資)。払込請求済の応募済資本金および準備金への
拠出は、それぞれ0.5百万ユーロおよび1.1百万ユーロであった。当該加盟国から支払われる総額は、
10回の均等分割により半年ごとに支払われ、2020年12月31日、2021年6月30日、2021年12月31日、
2022年6月30日、2022年12月31日、2023年6月30日、2023年12月31日、2024年6月30日、2024年12月
31日および2025年6月30日に支払期日を迎える。
2020年12月31日に期日を迎えた分割分は全額が決済された。
2020 年12月31日 2019 年12月31日
(単位:千ユーロ)
払込請求済だが払込未済の応募済資本金(ポーランドおよび
ルーマニア) 442,423 0
払込請求済だが払込未済の準備金(ポーランドおよびルーマニ
996,225 0
ア)
1,438,648 0
合計
注I: 前払金および未収収益ならびに未払金および繰延収益(単位:千ユーロ)
2020 年12月31日 2019 年12月31日
前払金および未収収益
未収利息および手数料 6,907,958 7,602,672
通貨スワップ契約に係る外国為替 5,940,603 8,262,158
繰延借入費用 361,691 394,304
委託の受取手数料 120,056 79,962
(*)
スワップに係る未収償還プレミアム 38,380 154,804
2,496 3,040
その他
13,371,184 16,496,940
合計
2020 年12月31日 2019 年12月31日
未払金および繰延収益
通貨スワップ契約に係る外国為替 9,761,152 7,127,931
未払利息および手数料 7,477,145 8,107,194
繰延借入収益 1,170,651 686,322
(*)
スワップに係る未払償還プレミアム 372,209 816,284
貸付金および保証に係る繰延収益 283,893 268,236
前受利子補助金 89,027 101,457
前受運用報酬 6,667 9,338
4,983 7,240
その他
19,165,727 17,124,002
合計
(*) スワップの未収および未払に係る償還プレミアムは、そのような特性が盛り込まれた契約に係る原スワップ契約の
最終支払額を示す。
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注J: 金融機関および顧客に対する債務(単位:千ユーロ)
J.1. 金融機関に対する債務
2020 年12月31日 2019 年12月31日
要求払 4,199,057 6,287,270
-翌日物預金 4,199,057 6,287,270
期日払または通知払 12,316,334 1,185,511
-短期預かり金 1,560 2,761
-金融機関とのレポ取引 4,314,774 1,182,750
(1)
8,000,000 0
-中央銀行からの借入金
16,515,391 7,472,781
合計
(1) この金額は、ECBの金融政策オペレーションへのEIBの参加を表す。
J.2. 顧客に対する債務
2020 年12月31日 2019 年12月31日
要求払
1,682,533 1,595,557
- 翌日物預金 2,962 4,013
- 欧州連合および加盟国口座
398,386 397,313
-特別部門業務および関連未決済金額に係るもの
1,281,185 1,194,231
-預金口座
期日払または通知払 20,951 15,554
20,951 15,554
- 短期預かり金
1,703,484 1,611,111
合計
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注K: 債務証書借入(単位:千ユーロ)
財務活動におけるEIBの目標の1つとして、特に通貨に関し、その資金調達戦略を貸付金供与に要す
る資金と合致させることが挙げられる。「債務証書借入」の項には、「負債証券」(一般投資家に対
して公募した有価証券)および「その他」(私募)が含まれる。次の表は、2020年12月31日および
2019年12月31日現在の債務残高の通貨別内訳、ならびに平均利率と満期日をまとめたものである。
2020 年 2019 年
平均利率 平均利率
支払通貨 12月31日 満期日 12月31日
(*) (*)
2020年 2019年
現在残高 現在残高
ユーロ
245,471,198 1.52 2021/2060 242,241,423 1.73
米ドル
102,980,060 1.79 2021/2058 111,884,458 2.20
英ポンド
42,714,537 2.41 2021/2054 45,613,342 2.61
オーストラリア・ドル
8,097,915 3.33 2021/2042 9,947,726 3.77
スウェーデン・クローナ
6,625,774 1.51 2021/2040 5,873,569 2.28
ポーランド・ズロチ
6,417,089 2.15 2021/2029 4,994,362 2.48
ノルウェー・クローネ
5,092,022 1.80 2021/2037 5,739,674 1.98
カナダ・ドル
4,251,495 2.24 2021/2045 5,313,621 2.02
スイス・フラン
4,089,335 2.01 2021/2036 5,430,993 2.09
南アフリカ・ランド
2,529,078 8.02 2021/2035 2,774,494 8.16
日本円
2,191,824 1.12 2021/2053 3,282,503 1.12
トルコ・リラ
1,407,381 10.14 2021/2027 2,266,647 8.76
メキシコ・ペソ
1,359,375 6.09 2021/2027 1,887,353 5.66
デンマーク・クローネ
782,722 0.71 2024/2031 525,216 0.82
チェコ・コルナ
338,599 1.94 2021/2034 347,462 2.45
人民元
298,909 2.50 2022/2023 230,164 2.80
ニュージーランド・ドル
264,955 2.12 2021/2023 388,435 2.49
ハンガリー・フォリント
165,436 0.82 2021/2021 272,895 0.22
香港ドル
131,380 1.56 2021/2022 105,175 2.14
ロシア・ルーブル
54,665 5.85 2022/2024 164,388 6.16
ルーマニア・レイ
0 0 - 37,633 2.87
合計
435,263,749 449,321,533
(*) 貸借対照表日現在の加重平均利率
仕組借入の中には、その元本および利息が株価指数に連動しているものもある(実行時の価額:
2020年は500百万ユーロ、2019年は500百万ユーロ)。借入金はすべて、仕組スワップ・オペレーショ
ンにより十分にヘッジされている。
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次の表は、2020年度および2019年度の債務証書借入(短期コマーシャル・ペーパーを含む)の変動
を示したものである。
2020 年 2019 年
(単位:百万ユーロ)
1月1日現在の残高
449,322 455,384
当期発行額
150,299 141,610
契約に基づく償還
-148,992 -151,818
期限前償還および買戻し
-1,168 -1,073
為替差額
-14,197 5,219
435,264 449,322
12 月31日現在の残高
注L: 引当金-年金制度および健康保険制度(単位:千ユーロ)
EIB の主な年金制度は職員とEIBからの拠出金を原資とする確定給付年金制度で、全職員が対象とさ
れている。EIBおよびその職員の全拠出額がEIBの資産へ投資されている。
年金制度および健康保険制度の引当金は、以下のとおりである。(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
職員年金制度:
1月1日現在の引当額
2,795,328 2,534,865
期中支給額
-88,037 -90,303
保険数理損失の認識
199,833 112,829
年間の拠出金および利息
194,965 237,937
職員年金制度小計 3,102,089 2,795,328
経営委員会年金制度
経営委員会年金制度
35,510 35,652
保険数理損失の認識
3,009 1,913
年間の拠出金
2,541 0
経営委員会年金制度小計 41,060 37,565
健康保険制度
1月1日現在の引当額
359,173 330,054
期中支給額
-21,452 -22,238
保険数理損失の認識
25,938 11,396
年間の拠出金および利息
39,623 39,961
403,282 359,173
健康保険制度小計
3,546,431 3,192,066
12 月31日現在引当金合計
上記金額は、任意補足年金制度(確定拠出年金制度)加入者への債務を含んでいない。それに対応
する債務646百万ユーロ(2019年:581百万ユーロ)は、「その他の負債」(注G)に分類されている。
将来の退職給付および健康保険給付に対する引当金は、9月30日現在の加入者データおよび12月31
日までのキャッシュ・フローに基づいて、2020年12月31日付で、独立した保険数理士により、予測単
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位積立方式を用いて評価された。この保険数理評価は、2020年12月31日現在の実勢市場金利および以
下の(職員年金制度および健康保険制度に関する)仮定に基づいて2020年12月31日付で更新された。
0.75 %(2019年:1.30%)
・ 26.3 年(2019年:23.8年)の期間に対応する年金制度および健
康保険制度における未払給付の保険数理上の現在価値を算定す
るための割引率
・ 過去の経験を踏まえて、EIBでは、退職給付積立金からの予想
支給総額は「上記割引率1.5%(2019年:1.5%)」に設定され
ると見積っている。
55 ~65歳での段階的退職
・ 退職年齢
(2019年と同じ)
3.5 %(2019年:3.5%)
・ 物価および賃金の平均的上昇率
26%~0%(2019年:26%~0%)
・ 予想退職率の変動
で、年齢と共に減少
1.75 %(2019年と同じ)
・ 年金調整率(年)
2018 年度版を使用(2019年:ICSLT
・ ICSLT 生命表
生命表2018年度版)
3.75 %(2019年:3.75%)
・ 医療費上昇率(年)
・ 年齢ごとの医療費プロファイルは、2020年に過去の実績に加え
て2021年1月1日より適用される新しい払戻基準を反映して修
正された。
このようなスキームのための引当金は、上記の表のとおり、保険数理評価に従って、必要に応じて
調整される(注A.2.10.1)。退職給付債務の10%を超過する過年度の数理計算上の積立過不足累計額
は、加入者の予想平均残存勤続年数にわたり定額法で認識される。
2019年、年金制度および健康保険制度に関する保険数理評価は、4,101,107千ユーロの未認識損失で
あった。10%の回廊部分を超過した金額は 3,371,789千ユーロで、2020年1月1日から制度加入者の
予想平均残存勤続年数にわたり定額法で認識された。これにより、2020年度に認識された純損失は、
228,779千ユーロである。
2020年、年金制度および健康保険制度に関する保険数理評価は、5,219,205千ユーロの未認識損失で
あった。10%の回廊部分を超過した金額は4,342,642千ユーロで、2021年度に認識される純損失は
302,267千ユーロとなる。
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注M: 当期純利益
2020年12月31日終了年度の当期純利益1,712,323千ユーロの処分案は、承認を受けるため2021年4月
23日までに総務会に提出される。当事業年度の剰余金の処分案は以下のとおりである。
- 準備基金 551.1百万ユーロ
- その他準備金 859.6百万ユーロ
- 特別活動準備金 416.1百万ユーロ
- 一般貸倒準備金 -114.5百万ユーロ
注N: 受取利息および類似収益ならびに支払利息および類似費用
N.1. 正味受取利息(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
受取利息および類似収益:
中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券ならびに負債証券
(確定利付証券を含む)
259,304 534,941
金融機関および対顧客貸付金および預け金
6,917,085 7,473,450
デリバティブ
10,799,057 16,478,785
有利子負債に係るマイナス金利
57,660 12,854
合計
18,033,106 24,500,030
支払利息および類似費用:
金融機関および顧客に対する債務
-4,828 -8,063
債務証書借入
-8,548,961 -10,042,103
デリバティブ
-6,038,607 -10,902,103
利付資産に係るマイナス金利
-244,014 -370,732
その他
-135,196 -145,308
合計
-14,971,606 -21,468,309
正味受取利息
3,061,500 3,031,721
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N.2. 「受取利息および類似収益」の国別分析(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
欧州連合加盟国
スペイン
860,839 933,252
ポーランド
529,331 584,905
フランス
477,584 522,539
ギリシャ
474,384 501,055
イタリア
473,357 566,604
ドイツ
318,365 325,436
オーストリア
261,079 272,889
ポルトガル
215,698 216,107
オランダ
173,982 172,535
ベルギー
170,796 163,252
ハンガリー
137,575 160,942
スウェーデン
110,274 128,531
アイルランド
87,940 89,693
ルーマニア
76,096 84,662
スロバキア
66,897 65,378
フィンランド
65,090 71,528
クロアチア
52,333 59,335
スロベニア
43,224 45,894
チェコ共和国
42,979 69,263
ブルガリア
40,572 42,119
リトアニア
26,356 33,808
デンマーク
22,149 26,505
ラトビア
14,848 15,077
キプロス
11,582 12,699
マルタ
9,582 9,956
エストニア
4,633 4,159
ルクセンブルク
2,821 2,887
欧州連合加盟国の合計
4,770,366 5,181,010
(1)
欧州連合域外
2,057,599 2,099,728
合計
6,827,965 7,280,738
(2)
国別分析の対象外の収益
11,205,141 17,219,292
受取利息および類似収益の合計
18,033,106 24,500,030
(1) 2020年1月31日付の英国の欧州連合からの離脱の結果、2019年における比較対象数値は、EU諸国から欧州連合域外
に組み替えられている。
(2) 国別分析の対象外の収益
・ 長期ヘッジ・ポートフォリオおよび代替貸付金
ポートフォリオからの収益 165,276 206,131
・ 有価証券流動性ポートフォリオからの収益 44,552 71,913
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・ 短期金融市場証券からの収益 49,458 256,883
・ その他有価証券からの収益 18 14
・ 短期投資およびその他の事業からの収益 146,780 205,566
10,799,057 16,478,785
・ デリバティブからの収益
11,205,141 17,219,292
注O: 受取手数料および支払手数料(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
受取手数料:
保証手数料 111,497 90,080
インベストメント・ファシリティ「コトヌー」の手数料 61,215 52,748
Jaspers 手数料 30,499 33,538
EFSI の手数料 14,306 14,461
InnovFin の手数料 33,383 13,725
貸付金手数料収益 12,020 13,542
Jessica の手数料 8,348 8,878
コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティの手数料 7,927 5,412
近隣インベストメント・ファシリティの手数料 4,395 5,128
ヤウンデ/ロメ協定の手数料 1,646 1,888
グループ内サービスからの受取手数料 4,507 724
39,417 44,500
その他の委託に係る手数料
329,160 284,624
受取手数料合計
2020 年 2019 年
支払手数料
保証人へのリスク報酬 -302,635 -235,805
グループ内サービスからの支払手数料 -56,123 -65,557
-25,014 -16,478
その他の支払手数料
-383,772 -317,840
支払手数料合計
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注P: 金融業務損益(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
(*)
株式およびその他の変動利付証券に係る純損益 -138,540 109,582
貸借対照表上のポジションの換算に係る純損益 -3,551 -997
デリバティブの純損益 -43,112 6,164
24,689 2,950
負債証券ポートフォリオの純損益(有価証券のみ)
-160,514 117,699
金融業務損益合計
(*) 2019年、EIBは投資基金3件における参加持分の流通市場における売却を完了した。この売却の結果、EIBは2020年
に510千ユーロの利益を計上した。一方、2019年度の売却による利益は102,576千ユーロであった。
注Q: その他の業務収益(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
賃貸料収益 8,168 12,591
過年度未使用引当金の戻入れ 3,309 3,209
EIF 株式売却 2,288 672
2,144 1,883
その他
15,909 18,355
合計
注R: 一般管理費(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
(*)
給与および手当 -452,484 -441,465
福利厚生費およびその他人件費 -441,406 -322,191
人件費
-893,890 -763,656
その他の一般管理費
-236,740 -256,518
一般管理費合計
-1,130,630 -1,020,174
(*) このうち経営委員会委員に対する金額は、2020年12月31日現在が3,113千ユーロ、2019年12月31日現在は2,706千
ユーロである。
EIBの職員数は、2020年12月31日現在、3,542名(2019年12月31日現在は3,439名)であった。
注S: オフ・バランスシートの借入債務支払に係る特別預け金
この項目は、EIBが支払代理人に支払ったが、EIBが発行した債券の保有者による支払いのための呈
示がなされていない期日の到来したクーポンおよび債券の金額に相当する。
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(*)
注T: 金融商品の公正価値
EIBは貸借対照表日において、(有価証券流動性ポートフォリオを除き)負債の場合は受領額、資産
の場合は取得のための支払額を示す外貨建ての取得原価に基づき、貸借対照表の金融商品を計上して
いる。次の表は、資産または負債に計上されている金融商品(主として貸付金、財務、有価証券、借
入)の公正価値と帳簿価額とを比較したものである。
(**)
帳簿価額
公正価値
2020 年12月31日現在(単位:百万ユーロ)
金融資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 835 835
金融機関および対顧客貸付金および預け金(代替貸付金を除く) 485,733 527,302
短期国庫証券および負債証券ポートフォリオ
(代替貸付金を含む) 43,374 43,926
8,398 12,258
株式、その他の変動利付証券および参加持分
538,340 584,321
金融資産合計
金融負債:
金融機関および顧客に対する債務 18,219 18,202
435,264 491,720
債務証書借入
453,483 509,922
金融負債合計
(*) デリバティブはこの表には含まれていない。注Vを参照のこと。
(**) 経過利息を含めた公正価値
(**)
帳簿価額
公正価値
2019 年12月31日現在(単位:百万ユーロ)
金融資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 947 947
金融機関および対顧客貸付金および預け金(代替貸付金を除く) 481,871 515,548
短期国庫証券および負債証券ポートフォリオ
(代替貸付金を含む) 45,392 45,921
7,711 10,826
株式、その他の変動利付証券および参加持分
535,921 573,242
金融資産合計
金融負債:
金融機関および顧客に対する債務 9,084 9,080
449,322 497,376
債務証書借入
458,406 506,456
金融負債合計
(*) デリバティブはこの表には含まれていない。注Vを参照のこと。
(**) 経過利息を含めた公正価値
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注U: リスク管理
本注記は、EIBのリスクに対するエクスポージャーならびにその管理および統制についての情報を、
特に金融商品の使用に関連した主なリスクについて記載している。それらは以下のとおりである。
- 信用リスク-決済リスク等、顧客またはカウンターパーティーのデフォルトにより発生する損
失のリスクで、あらゆる形式の信用エクスポージャーから発生する。
- 金利リスク-金利感応商品に影響を及ぼす金利の不利な変動から生じるEIBの投資の利益および
経済価値の両方に対するリスクで、ギャップリスク、ベーシスリスクおよびオプションリスク
を含む。
- 流動性および資金調達リスク-EIBが合理的な価格により、あるいは、極端な状況下ではいかな
る価格によっても、資金調達または義務の履行ができないリスク。
- 為替レートリスク-為替レートの不利な変動が原因で、EIBのポジションから得られる経済価値
または収益の変動性から生じるリスク。
- オペレーショナル・リスク-不適切もしくは機能不全のプロセスもしくはシステム、人的要因
から発生する、または外部事象による損失リスクで、法務リスクを含むが、戦略リスクおよび
風評リスクは除かれる。
2020年には、リスクの管理とモニタリング専任のチームを含む職員の大半がテレワークで勤務して
いた。このような業務に関連して、ポジション管理システムは、通常の状況下と同一の機能性で、フ
ロント・オフィス、ミドル・オフィスおよびバック・オフィスの職員に加えて、リスク管理の職員も
リモートモードで利用が可能であった。
リスク管理組織
EIBの目的は、その資産、財務的業績、ひいては自己資本を可能な限り最大限に守るため、リスクを
分析・管理することにある。EIBは一般にEUの機関、機構および局によって発令または採択される商業
銀行に適用される法や指針(「EU法および指針」)の適用を受けないが、EIBは公表しているとおり、
その任意の決定により、そのベスト・バンキング・プラクティスの指針的原則で特定されるEU法およ
び指針を遵守することとしている。
リスク管理部門(「RM」)は、EIBがさらされている信用リスク、市場リスク、流動性および資金調
達リスクならびにオペレーショナル・リスクを独立した立場から特定、評価、モニタリングおよび報
告する。職務分掌を維持するために、RMは、フロント・オフィスから独立した組織となっており、リ
スクに関するすべての提案に対して、セカンド・オピニオンを提供する。グループは、グループ最高
リスク責任者(「GCRO」)が率いるグループ・リスク担当部署を設置している。総裁およびEIB経営委
員会のそれぞれの法定責任が影響を受けることなく、GCROはグループ・リスクについて、リスク担当
の経営委員会委員の監督の下、EIB経営委員会に報告する。GCROは、GCROの権限内の事項に関して、
EIB経営委員会および他のEIBの統治機関の関連するすべての会議に参加する。
契約締結後の貸付金の管理およびモニタリングは、ポートフォリオの重要な部分に関しては、RMか
ら独立している部門である取引管理・再編部門(「TMR」)が担当する。TMRは、よりリスクが高いカ
ウンターパーティー、および特定の形の担保のモニタリングに注力するとともに、特に注意を要する
取引の管理も行う。信用リスクの兆候に係るTMRの提言は、すべてRMによる独立した立場からのセカン
ド・オピニオンの対象となる。
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リスクの測定および報告システム
EIB は、変化する経済情勢や進化する規制当局の基準に合わせて、リスク管理システムを調整してい
る。市場慣行が発達するにつれ、EIBも継続的にそれらを適応させている。EIBの業務に内在する主な
リスク、すなわち、信用リスク、金利リスク、流動性および資金調達リスク、為替レートリスクなら
び にオペレーショナル・リスクを統制し、報告するため、管理システムを導入している。
リスクは、EIBの支払能力、流動性、利益および業務への影響を定量化することを目的として、通常
の環境下および起こり得るストレス状態下で、評価・測定される。リスク測定では、資本構成、利
益、流動性、市場に対するエクスポージャーおよびオペレーショナル・リスクの指標を組み合わせ
る。
信用リスク、ALMリスク、流動性リスク、財務リスクおよびオペレーショナル・リスクに関する詳細
な情報は、経営委員会および理事会に対して毎月報告される。かかる情報は、経営委員会および理事
会のリスク方針委員会に対して定期的に報告・説明される。
EIB のリスク許容度
EIB は、リスク許容度を定めており、事業戦略の追求によって生じるリスクに関して慎重な限度額を
設定している。限度額を設定するにあたり、EIBは、EIBのリスク特性を事業戦略および利害関係者の
期待に適合させるようにしている。さらに、EIBの戦略の長期的な資本の持続可能性は、これらの限度
額との比較で評価および監視され、利用可能な資本が現在および大局的な事業目的および政策目的を
支えるために十分であることを確実にする。
EIB は公的金融機関として、リスクに対する投機的エクスポージャーにより収益を獲得することを目
指していない。その結果、それぞれに業績目標が定められていても、EIBは財務活動や資金調達・提供
活動を利益の最大化を図る中心的業務とみなしていない。投資活動は、投資資本の保護という主目的
の範囲内で行われる。よって、EIBの貸付業務や借入業務で生じるエクスポージャーに関しては、すべ
ての重要な市場リスクのヘッジを確保することが、EIBの財務リスク管理方針の主要原則とされてい
る。
EIBは、金利(IR)リスク(ギャップリスクおよびクロス・カレンシー・ベーシスリスク)ならびに
FXリスクを管理するための枠組みを整備している。EIBはIRおよびFXのポジションを日次でモニター
し、適用される限度内で管理している。COVID-19危機にもかかわらず、2020年度中にこの業務は変化
することなく継続された。加えて、2020年3月にこの衛生危機が始まった際に、EIBは不利に作用する
潜在的な市場動向に迅速に対処することを可能にするために、関連する市場指標の日次でのモニタリ
ングを導入した。
オペレーショナル・リスクや財務リスクを招く新しい種類の取引はすべて、新商品委員会の承認を
受けた上で改めて経営委員会の承認を取得することが義務付けられており、その承認を受けた限度枠
の範囲内で管理されている。
収益の持続可能性および自己資金力
EIBの金利リスク戦略方針は、EIBの全体的な財務リスク管理で不可欠な部分を占めている。この方
針は、利益の安定性、自己資本の経済価値の保持、EIBの長期成長資金の自力調達に関する、EIBの主
要利害関係者の期待を反映した内容になっている。
これらの目標を達成するため、金利リスク戦略方針では、一段の収益安定と全体的なリターンの拡
大を目指して、自己資本投資に中・長期物価スライド方式を採用している。この物価スライドの方針
は、中・長期利回りに対するエクスポージャーを意味しており、金利の趨勢に関する短期的な見方に
左右されることはない。
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EIBの自己資本の目標投資期間を現在は4.5年から5.5年の間に設定することで、この方針は達成され
ている。
資産負債委員会(「ALCO」)は、EIBの金利リスク戦略、貸出金利設定原則およびEIBの活動から生
じる財務リスクを検討するために上級経営陣による会議を開催する。
U.1. 信用リスク
信用リスクは主にEIBの貸付業務に関するものであるが、程度の差はあるものの、負債証券、譲渡性
預金、銀行間の定期預金等の財務商品ならびにデリバティブおよび保証取引に関するものも含まれて
いる。デリバティブの使用に関する信用リスクについては、注Vで分析する。
信用リスクは、統治機関の承認を受けた詳細な行内指針に沿って管理されている。こうした指針の
目的は、信用リスクの慎重な管理が確実に行われるようにする点にある。EU加盟国業務と非EU加盟国
業務ではリスク・プロファイルが異なる場合があり、EU加盟国の活動と非EU加盟国の活動には別々の
指針が設けられている。ある事業体がEIBの貸付業務のカウンターパーティーとして認められるか否か
は、定量的および定性的指標を用いた当該事業体の注意深い分析および評価に基づくだけでなく、経
験および専門家の判断にも依拠して決定される。同指針は、貸付業務の債務者、保証人双方について
最低限の信用の質の水準を定めており、許容範囲内とみなされる担保種類も特定している。また、EIB
の地位が十分に保護されるように、主要な法的条項や他の契約条件の点で貸付契約が満たしていなけ
ればならない最低基準も、細かく定めている。加えて、カウンターパーティー別と業種別に限度枠を
設けるシステムを通じて、信用リスク管理指針は、貸付金ポートフォリオの許容可能な分散の実現を
図っている。複雑な貸付取引または仕組貸付取引に含まれる追加的なリスクの十分な分析、計量およ
び軽減が確実になされるように、特定の種類の業務に関して具体的で詳細な指針が策定され、これが
一般指針を補完している。また同指針は、デリバティブ取引および財務取引の相手の信用の質に関す
る最低限の基準、ならびに取引種類ごとの契約の枠組みも規定している。
信用リスク管理指針は、進化している業務環境を盛り込み、EIBが受領する新たなマンデートに対応
できるよう、定期的に調整されている。
信用リスクの管理は、カウンターパーティーに関する信用リスクの水準およびカウンターパー
ティーの支払不能に備えてEIBに供された担保の水準の評価に基づいている。
EIBが十分な水準の担保および保証に基づくリスク管理戦略や貸付金契約に含まれる標準的な保護条
項に依拠していることから、EIBの貸付金ポートフォリオの質は現在も高くされている。
いずれの時点においても、EIBが供与する貸付金および保証の総額は、定款で定められたギアリング
比率(定款第16.5条)で制限されている。この比率を算出するために、EIBは欧州連合会計指令
(「AD」)の枠組みによるデータを使用している。2020年度末時点で、EIBの定款で定められたギアリ
ング比率は、EU会計指令準拠の単独財務書類に基づくと203.0%、EU会計指令準拠の連結財務書類に基
づくと205.8%であった(定款第16.5条に基づく上限は250%)。
U.1.1. 貸付金
貸付金に関する信用リスクを測定・管理するために、EIBは一般に認められた基準に基づいて、債務
者および適当な場合は提供された担保の質に応じて貸付業務の格付を行っている。
次の表は、未実行分も含め、2020年12月31日現在の貸付金ポートフォリオの債務者と保証人の構成
を分析したものである。
欧州連合域外への貸付金(EIBの自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラスト
(*)
ラクチャー・パッケージ保証 に基づくものを除く)は、最終的には、欧州連合予算や加盟国(ACP
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諸国およびOCTへの貸付金の場合)の保証により担保されている。こうした保証は、包括型(すべての
リスクが対象)か、または定義された政治リスク(送金の停止、収用、戦争または市民暴動、契約違
反 時の裁判拒否)に限定されているかのいずれかである。
(*) EIBの自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保
証は、総務会によって決定された地理別またはテーマ別の貸付フレームワークである。EIBの自己の
リスク負担のファシリティ群に基づく貸付およびコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保
証は、EIBの自己資金での取引であり、EIBは全額の自己リスクまたは信用補完による残余リスクを負
担する。
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以下の表は、自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッ
ケージ保証およびリスク・シェアリング業務に基づいて供与された欧州連合域内および域外のプロ
ジェクトに対する契約済貸付金を示している(単位:百万ユーロ)。
保証人 2020 年の 2019 年の
(1)
国 公共機関 銀行 企業
無保証
債務者
合計 合計
国 0 0 0 0 59,522 59,522 57,489
公共機関 31,693 22,893 250 218 86,625 141,679 140,660
銀行 36,975 21,706 18,910 18,404 31,788 127,783 132,659
9,246 4,000 9,082 35,600 103,920 161,848 163,529
企業
(2)(3)(4)(5)
77,914 48,599 28,242 54,222 281,855 490,832
2020 年の合計
(2)(3)(4)(5)
79,692 51,207 32,595 54,736 276,107 494,337
2019 年の合計
(1) これらの金額には、債務者の支払能力自体が妥当な担保となっているため、債務者および貸付金自体以外の正式な
保証が不要な貸付金も含まれている。所定の事由が発生した場合には、適切な契約条項により、EIBが独立した担保
を請求できる権利が確保されている。
(2) 2020年12月31日現在のリスク・シェアリング業務(加盟国保証または政治リスク保証の形でのEU予算により信用補
完されている)における貸付金は、3,408百万ユーロ(2019年:3,965百万ユーロ)であった。
(3) この金額に、契約済代替貸付金(2020年:20,003百万ユーロ、2019年:20,665百万ユーロ)は算入されていない。
(4) これらの金額は、現在の欧州連合加盟国が欧州連合への加盟を認定される前に供与された貸付金であって、欧州連
合予算または加盟国により保証されているものを除いている。
(5) EIBは、EFSI SMEウィンドウに関連して、コミットメント総額が3,300百万ユーロを超えない資金供与枠を締結し
た。EIBは、確定的なコミットメントがそれぞれの基礎的リスク込みで締結され、資金供与枠の引出が予期される場
合に、未実行エクスポージャーを認識する。
EIBの優先債権者の地位およびEIB定款による保護は、満期時におけるEIB資産の全額回収を保証する
と思われるため、EIBは、期末現在の欧州連合加盟国ソブリン債および欧州連合加盟国ソブリン保証債
のエクスポージャーに関して、2019年においても、2020年においても、評価損益を計上しなかった。
保証を含むEIBの貸付業務を通じた英国に所在している債務者に対する実行済のエクスポージャー
は、2020年12月31日現在、324億ユーロ(2019年:377億ユーロ)であり、英国の保証人が存在する外
国の債務者に対する実行済のエクスポージャーは、10億ユーロ(2019年13億ユーロ)であった。2020
年12月31日および2019年12月31日のいずれの時点でも、EIBは、英国を債務者とする直接的なエクス
ポージャーを有しておらず、また英国が保証する実行済の貸付金は、2020年12月31日現在で21億ユー
ロ(2019年:22億ユーロ)であった。
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以下の表は、EIBの自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・
パッケージ保証およびリスク・シェアリング業務に基づいて欧州連合域内外で供与された貸付金に係
るソブリン信用リスクに関する情報を開示している。
( 単位:百万ユーロ)
2020 年 2019 年
保証人となって 保証人となって
債務者となっているもの 債務者となっているもの
いるもの いるもの
国名
実行済金額 未実行金額 契約済金額 実行済金額 未実行金額 契約済金額
オーストリア
0 0 33 0 0 39
ベルギー
0 0 61 0 0 75
ブルガリア
1,145 0 110 878 300 110
クロアチア
662 210 3,158 599 300 3,058
キプロス
890 222 1,465 931 242 1,423
チェコ共和国
1,247 743 0 1,515 453 16
デンマーク
0 0 240 0 0 244
エストニア
525 0 99 597 0 106
フィンランド
6 0 59 11 0 70
フランス
0 0 2,927 0 0 2,930
ドイツ
0 0 1,377 0 0 1,395
ギリシャ
7,790 695 9,060 7,640 769 7,978
ハンガリー
5,990 985 1,118 5,726 1,381 958
アイルランド
1,440 225 1,105 1,295 370 1,291
イタリア
3,756 1,720 6,516 2,957 1,100 4,543
ラトビア
341 400 21 345 400 30
リトアニア
2,170 0 51 1,529 0 53
ルクセンブルク
300 0 240 300 0 248
マルタ
0 72 313 0 72 319
オランダ
0 0 75 0 0 80
ポーランド
7,167 1,380 16,562 8,073 540 17,140
ポルトガル
1,196 400 4,484 1,229 400 4,129
ルーマニア
1,853 1,647 0 1,526 2,130 0
スロバキア
2,299 641 50 1,951 989 50
スロベニア
549 400 1,662 569 400 1,769
スペイン
5,110 0 22,278 5,506 400 24,302
スウェーデン
0 0 52 0 0 45
(*)
(1)
非EU加盟国
1,637 3,709 4,798 1,525 2,541 7,291
合計
46,073 13,449 77,914 44,702 12,787 79,692
(*) 2020年1月31日付の英国の離脱の結果、2019年における比較対象数値は、EU諸国から非EU加盟国に組み替えられて
いる。
(1) うち、1,419百万ユーロは、欧州連合域内業務に係る欧州連合加盟国政府債の担保である。
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有価証券報告書
以下の表は、欧州連合域外のプロジェクトに対する契約済貸付金を示している(EIBの自己のリスク
負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保証に基づいて供与さ
れた物を除く)(単位:百万ユーロ)。
2020 年12月31日 2019 年12月31日
以下による保証:
加盟国
4,195 4,267
(1)
欧州連合予算
47,062 44,966
(2)(3)
合計
51,257 49,233
(1) このうち3,408百万ユーロ(2019年:3,965百万ユーロ)は、上記で説明したリスク・シェアリング業務(加盟国保
証または政治リスク保証の形でのEU予算により信用補完されている)による。
(2) 現在の欧州連合加盟国が欧州連合への加盟を認定される前に供与された貸付金であって、欧州連合予算または加盟
国により保証されている貸付金を含む。
(3) EIBが供与した総額423.8百万ユーロ(2019年:462.9百万ユーロ)の金融保証は、加盟国または欧州連合予算によっ
て保証されている。上記の保証は上記の表に示されている内訳には含まれていない。
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欧州連合域外のプロジェクトに対する貸付金 (単位:百万ユーロ)
(新規加盟国で加盟以前に実行された貸付金を含む。)
契約済貸付金の保証形態別内訳
2020 年12月31日 2019 年12月31日
協定
加盟国による75%グローバル保証
21 36
- ACP/OCT 第4次ロメ協定-第2次財務議定書
21 36
加盟国による75%グローバル保証合計
加盟国による75%保証
- コトヌー・パートナーシップ協定
314 355
- 第2次コトヌー・パートナーシップ協定
1,302 1,419
- コトヌー議定書3 -OR/ACP
2,478 2,396
80 61
- コトヌー議定書3 -OR/OCT
4,174 4,231
加盟国による75%保証合計
4,195 4,267
加盟国による保証合計
欧州連合予算による100%保証
- ロシア-100百万・2001年-2005年
18 22
- ロシア-500百万・2004年-2007年 147 163
165 185
欧州連合予算による100%保証合計
欧州連合予算による75%保証
0 14
- 地中海議定書
0 14
欧州連合予算による75%保証合計
欧州連合予算による70%保証
- 南アフリカ-375百万・1997年1月29日決定
16 20
- ボスニア・ヘルツェゴビナ-100百万・1999年/2001年
19 25
- ユーロメッド(EIB)-2,310百万・1997年1月29日決定
25 36
- 北マケドニア-150百万・1998年/2000年
12 16
120 167
- CEEC -3,520百万-1997年1月29日決定
192 264
欧州連合予算による70%保証合計
欧州連合予算による65%保証
- 南アフリカ-825百万・2000年7月-2007年1月
98 125
- 南アフリカ-2007年2月-2013年12月決定
311 396
- ALA III -2,480百万・2000年2月-2007年7月
100 139
- ALA デシジョン-2007年2月-2013年12月
1,536 1,929
- ユーロメッド II-6,520百万・2000年2月-2007年1月
1,246 1,541
- 南東近隣諸国-9,185百万・2000年2月-2007年7月
2,836 3,172
- トルコ・スペシャル・アクション-450百万・2001年-2006年
105 111
- トルコ-TERRA-600百万・1999年11月-2002年11月
264 282
- PEV EE/CAS/RUS 2007 年2月1日-2013年12月31日
1,983 2,096
- PEV MED 2007 年2月1日-2013年12月31日
5,831 6,347
- 加盟候補国-9,048百万・2007年-2013年
5,529 6,123
- 気候変動マンデート・2011年-2013年
1,163 1,210
- ELM アジア2014年-2020年
1,238 1,046
- ELM 中央アジア2014年-2020年
304 224
- ELM 東ロシア2014年-2020年
6,876 5,853
- ELM ラテンアメリカ諸国2014年-2020年
2,537 2,192
- ELM MED2014 年-2020年
8,139 5,847
- ELM 加盟候補国2014年-2020年
3,682 3,219
- ELM RSA 2014 年-2020年
440 373
- ELM ERI 民間マンデート
1,211 1,077
1,276 1,201
- ELM ERI 公共機関マンデート
46,705 44,503
欧州連合予算による65%保証合計
47,062 44,966
欧州連合予算による保証合計
(1)
51,257 49,233
合計
(1) EIBが供与した総額423.8百万ユーロ(2019年:462.9百万ユーロ)の金融保証は、加盟国または欧州連合予算によっ
て保証されている。上記の保証は上記の表に示されている内訳には含まれていない。
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有価証券報告書
貸付金に付する担保 (単位:百万ユーロ)
その他の信用リスク軽減手段の中のひとつとして、EIBは、金融有価証券に質権を設定する手法を使
用している。これらの質権は、関連する法域で執行可能な質権設定契約によって設定される。質権設
定契約により受け取った担保のポートフォリオは17,943百万ユーロ(2019年:20,110百万ユーロ)で
あり、その内訳は以下の通りである。
貸付金融担保(単位:百万ユーロ)
2020 年12月31日現在
債券
担保付債券
同等の ムーディーズ 格付
現金 合計
国際 政府 銀行債 資産担保
政府債 (カバード・
機関債 機関債 および社債 証券
ボンド)
Aaa 327 79 0 68 87 0 0 561
Aa1 からAa3 1,044 20 38 917 217 0 0 2,236
A1 17 0 0 31 57 0 0 105
A1 未満 11,683 0 170 1,005 832 0 0 13,690
41 0 0 0 722 0 588 1,351
格付なし
13,112 99 208 2,021 1,915 0 588 17,943
合計
貸付金融担保(単位:百万ユーロ)
2019 年12月31日現在
債券
担保付債券
同等のムーディーズ格付
現金 合計
国際 政府 銀行債 資産担保
政府債 (カバード・
機関債 機関債 および社債 証券
ボンド)
Aaa 450 5 1 136 303 0 0 895
Aa1 からAa3 1,180 83 30 891 206 0 0 2,390
A1 81 0 0 1,121 51 0 0 1,253
A1 未満 11,683 0 385 1,351 973 0 0 14,392
40 0 0 0 757 0 383 1,180
格付なし
13,434 88 416 3,499 2,290 0 383 20,110
合計
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有価証券報告書
12 月31日現在の実行済貸付残高の債務者の契約業種別明細(単位:百万ユーロ)は以下のとおりで
ある。
2020 年 2019 年
業種
運輸
129,299 128,786
(1)
グローバル・ローン
74,884 81,406
エネルギー
63,790 64,540
医療・教育
35,787 34,512
その他インフラ
30,768 29,425
工業
28,301 26,501
上下水道施設
28,061 28,986
サービス
18,332 17,491
電気通信
11,208 11,750
農業・漁業・林業
4,212 3,660
(2)
合計
424,642 427,057
(1) グローバル・ローンとは、金融仲介機関または銀行に提供する融資枠で、その後にそれらの機関または銀行が、自
らリスクを負担してその資金を官民が請け負う中小規模のプロジェクトに転貸するというものである。
(2) この金額に、実行済代替貸付金(2020年:20,003百万ユーロ、2019年:20,490百万ユーロ)は算入されていない。
貸付金に係る延滞
延滞額の特定、監視、報告は、全行的な「財務的監視ガイドラインおよび手続き」に定義される手
続きに従って行われている。こうした手続きは、銀行業務のベストプラクティスに沿っており、EIBが
管理するすべての貸付金について適用される。
1.欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証により担保されていない貸付金の延滞:
2020年12月31日現在、自己資金源からの貸付金で90日を超える延滞が生じ、欧州連合または加盟国
の包括保証により担保されていないものは、117.1百万ユーロ(2019年:146.0百万ユーロ)である。
2020年12月31日現在のこれらの延滞が生じている貸付金に関連する元本金額は、187.8百万ユーロ
(2019年:200.0百万ユーロ)である。これらの延滞が生じている貸付金契約は、貸倒引当金136.9百
万ユーロ(2019年:164.9百万ユーロ)によりカバーされている。
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有価証券報告書
2a. 欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証(請求可能)により担保されている貸付金
の延滞:
このような貸付金については、期限が経過した場合に、可能であればまず第一次保証の履行の請求
が行われ、それ以外の場合は加盟国または欧州連合による保証の履行が正式に請求される。
2020年12月31日現在、こうした90日超の延滞が生じている額は4.0百万ユーロ(2019年:2.3百万
ユーロ)であった。
2b. 欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証により担保されている貸付金の延滞につい
ての保証請求:
2020年中、52.4百万ユーロの欧州連合による保証の履行の請求が行われ、加盟国保証の履行の請求
はなかった。2019年における対応する金額は、それぞれ54.8百万ユーロおよびゼロであった。
2020年中、以前に欧州連合または加盟国による保証に基づく請求が行われた金額のうち、0.7百万
ユーロが返金された。2019年における対応する金額は、0.1百万ユーロであった。
貸付金の再交渉と支払猶予
EIBは、支払猶予措置がとられた貸付金を、支払猶予貸付金(すなわち、貸付金、負債証券および
ローン・コミットメント)とみなしている。支払猶予措置はEIBの「譲歩」によるもので、財務困難に
より契約上の債務返済条項を遵守できないとみなされる債務者に対して、債務返済または契約の全部
もしくは一部の借換えができるようにするために、EIBが決定するものである。エクスポージャーは、
延滞の有無、または当該エクスポージャーが債務不履行に分類されているか否かに関わらず、譲歩が
行われた場合には支払猶予として取り扱う。債務者が財務困難に陥っていない場合には、当該エクス
ポージャーは支払猶予として取り扱わない。
通常の事業の過程においては、再交渉の前に問題が生じている貸付金の貸付金格付(LG)は低下し
ており、貸付金は要注意リストに入れられている。再交渉された場合、EIBは、当該貸付金を厳格に監
視し続けることとなる。再交渉による支払条件では当初の簿価が回収できない場合、EIBは損益計算書
に評価調整額を計上することを検討する。LGが「E-」まで低下した貸付金はすべて、定期的に評価損
計上の必要性が検討され、LGが「F」の貸付金は、すべて評価損計上の対象とされる。貸付金のLGが十
分に回復した場合には、EIBの手続きに沿って、当該貸付金はその段階で要注意リストから除かれる。
また、COVID-19のパンデミックによる経済的影響への対策の一環として、EIBは、特定の状況下にあ
る債務者が利用できる多くの支援措置を講じることを決定し、これには (i) 財務制限条項およびその
他の重要条項の暫定的な条件緩和(権利放棄を含む)、(ii) 新たな返済スケジュールの設定または返
済義務の一時凍結によるキャッシュ・フローの再構築、ならびに (iii) 新規契約の締結、ローンの実
行前倒しおよび債務者貸付の増額など、その他の一定の補完的支援策が含まれる。EIBは、具体的状況
における制約の下で、かかる措置の申請を案件ごとに評価している。これらの措置は、COVID-19のパ
ンデミックの経済的影響から一時的な影響を受けながらも構造的財政困難や支払能力の懸念を生じて
おらず、かつかかる措置を与える時点で継続企業と認められる債務者に対して提供していく。 評価の
結果として、債務者がこれらの要件を満たさない場合、またはEIBが債務者のビジネスモデルの長期的
持続可能性についてリスクを特定した場合に、EIBは他の適切な措置を検討し、必要な場合には、EIB
の標準的な条件変更のプロセスに従う。
EIBの再編チームが報告期間中に着手した支払猶予措置および手続きには、返済期限の延期、元本返
済のみの繰延、元利返済の繰延、重大な財務制限条項の破棄および延滞金の元本算入が含まれるが、
これらに限定されるわけではない。
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有価証券報告書
支払猶予措置の対象である貸付金は、以下の表のとおりである。
2020 年12月31日 2019 年12月31日
( 単位:百万ユーロ)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
支払猶予措置の対象となった契約件数 81 64 35 39
帳簿価額(金利および延滞金額を含む) 4,641 2,489 1,618 1,952
うち評価調整の対象となった貸付金 0 1,634 0 1,218
認識された評価損益 0 473 0 379
支払猶予された契約に係る受取利息 139 70 58 61
認識中止されたエクスポージャー(リストラクチャリン
グ、償却/貸付金売却後) 0 28 0 28
支払猶予措置
契約上の
重大な財務
2019 年 2020 年
返済期限の 元本および
(2)
返済および
( 単位:百万ユーロ)
制限条項の
その他
12月31日 延期 利息の繰延 12月31日
(1)
破棄
契約終了
公共機関 1,011 0 0 63 1,836 -107 2,803
銀行 308 0 0 1 6 -236 79
2,251 96 227 57 1,971 -354 4,248
企業
3,570 96 227 121 3,813 -697 7,130
合計
(1) 減少は、2019年12月31日現在で支払猶予貸付金とみなされていた取引に関して当年度中に発生した元本、利息およ
び延滞金額の返済ならびに償却、ならびに当期中の契約終了による。
(2) その他は、COVID-19のパンデミックの経済的影響を一時的に被った債務者に供与された、2020年12月31日現在の帳
簿価額合計3,376百万ユーロの支払猶予措置が含まれる。
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U.1.2. 財務ポートフォリオ
財務ポートフォリオ(有価証券、コマーシャル・ペーパー、定期預金等)関連の信用リスクは、健
全なカウンターパーティーおよび発行体を選択することにより管理されている。
有価証券ポートフォリオの構成および財務商品残高に適用される限度枠は、経営陣が設定してい
る。この限度枠は、リスク管理部門により定期的に見直しが行われる。
EIB は、取引のカウンターパーティーが契約債務を履行できなかった場合に信用リスクにさらされる
可能性のある有担保リバース・リパーチェスおよびリパーチェス契約取引を行っている。EIBは、カウ
ンターパーティーの信用リスクおよび担保の価値を日次でモニターし、必要とみなされる場合には、
EIBに追加担保を差し入れるよう要求することで、これらの業務に関連した信用リスクを統制してい
る。
三者間レポおよびリバース・レポ取引は、第三者保管機関と共同で行われる。第三者保管機関は、
枠組み契約に従って特に以下に関する契約条件の遵守を保証する。
- 支払引替渡し
- 担保の検証
- 貸手が要求する担保マージン。これは常に充分かつ充当可能であることが必要であり、保管機
関は、当該有価証券の時価を日々検証しなければならない。
- 契約要件をすべて満たす代替担保の組成
以下の表は、財務ポートフォリオの有価証券および短期金融市場商品(預金およびリバース・レ
ポ)に係る信用リスク構成比を、適宜、カウンターパーティーの信用格付別、最終的な債務者格付別
または発行体格付別に示したものである。
有価証券ポートフォリオ 短期金融市場商品
同等のムーディーズ格付
(単位:%) (単位:%)
2019 年
2020 年 2020 年 2019 年
(*)
12月31日 12月31日 12月31日
12月31日
Aaa 28 20 57 12
Aa1 からAa3 31 36 17 34
A1 からA3 40 41 25 54
1 3 1 0
A3 未満
100 100 100 100
合計
(*) EIBの信用リスク報告手法を反映して、比較対象数値は変更されている。
財務取引に供する担保
受取担保
財務取引には、15,474百万ユーロ(2019年:24,622百万ユーロ)の二者間および三者間リバース・
リパーチェス契約が含まれており、EIBはこのうち13,173百万ユーロ(2019年:18,008百万ユーロ)に
ついて財務担保、2,301百万ユーロ(2019年:6,614百万ユーロ)についてコモディティを受領してい
る。二者間および三者間リパーチェス契約は、2020年12月31日現在4,315百万ユーロ(2019年:1,183
百万ユーロ)であった。この残高は全額について担保が供されており、原契約に従い、その後に追加
担保の請求または担保の返還が行われる。財務担保ポートフォリオの時価は、2020年12月31日現在、
13,498百万ユーロ(2019年:18,544百万ユーロ)であり、以下のように分類される。
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リバース・リパーチェス契約財務担保 (単位:百万ユーロ)
(*)
債券
現金
2020 年12月31日現在
担保付債券 銀行債
合計
政府
同等のムーディーズ 国際 資産担保
政府債 (カバード・ および
(*)
格付
機関債 証券
機関債
ボンド) 社債
Aaa 1,453 734 293 4,075 460 226 0 7,241
Aa1 からAa3 2,393 133 123 94 830 0 0 3,573
A1 0 0 0 0 0 0 0 0
A1 未満 1,260 0 66 0 1,356 0 0 2,682
0 0 0 0 0 0 2 2
格付なし
5,106 867 482 4,169 2,646 226 2 13,498
合計
(*) 2020年から開始された新しい担保のカテゴリー
リバース・リパーチェス契約財務担保(単位:百万ユーロ)
2019 年12月31日現在 債券
担保付債券 銀行債
合計
資産担保
同等のムーディーズ格付
政府債 国際機関債 政府機関債 (カバード・ および
証券
ボンド) 社債
Aaa 995 136 267 5,879 1,851 417 9,545
Aa1 からAa3 573 100 277 226 877 0 2,053
A1 419 0 44 0 329 0 792
A1 未満 5,029 0 4 36 913 0 5,982
53 0 14 0 105 0 172
Non Rated
7,069 236 606 6,141 4,075 417 18,544
合計
預託有価証券
ユーロ制度の通貨政策の運用との関連で、EIBは、2020年12月31日現在、時価121億ユーロの有価証
券をルクセンブルク中央銀行に預託している(2019年:31億ユーロ)。
二者間および三者間リパーチェス契約の下で差し入れられている担保(ルクセンブルク中央銀行へ
の差入れを除く)の時価は、2020年12月31日現在、4,315百万ユーロ(2019年:1,182百万ユーロ)で
あった。
U.1.3. 第三者が供与した貸付金に関してEIBが付与した保証
自己資金を原資とするEIBの保証取引および証券化取引から生じる信用リスクは、統治機関の承認を
受けた詳細な行内指針に従って管理されている。
2020年末現在、EIBにより保証された契約済エクスポージャーは165億ユーロ(2019年:100億ユー
ロ)であり、このうち80億ユーロ(2019年:51億ユーロ)は保証された実行済貸付金に係るエクス
ポージャーで、その保証引当金は10.7百万ユーロ(2019年:8.1百万ユーロ)であった。
統治機関の承認を受けた行内指針により、EIBが、商品範囲、対象地域、カウンターパーティー別の
エクスポージャー、債務者別のエクスポージャー、業種別の集中度という点で分散している保証ポー
トフォリオを引き続き展開するよう徹底されている他、エクスポージャーの格付に基づく資本配分規
則も規定されている。
EIB の取引が細分化していることから、集中リスクは限定的である。通常、組入れているポートフォ
リオは、単一の債務者への集中度、業種セクター、地域の多様化という点において高度に分散化して
いる。集中リスクに対処するため、EIBは(資本配分に基づき)取引ごとに原債権者レベルで厳格な限
度額(原債権者および原債権者銀行に対するエクスポージャー合計の上限)を設けている。
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EIB の保証業務においては、当初から案件ごとに信用リスクを追跡管理する一方、組入れられている
ポートフォリオのグラニュラリティ(分散度)や同質度に応じて、異なるモデル分析法を採用してい
る。 業種セクター別エクスポージャーは、EIBが各取引または各トランシェに付与した格付に及ぼす影
響を通じて、案件ごとに分析される。例えば、取引分析用の財務モデルによって、業種別エクスポー
ジャーは黙示的な相関として反映され、あるいはモデルに入力する主要変数としてのデフォルト率の
変動性の仮定を通して間接的に捕捉することができる。
さらに、ポートフォリオ内で集中度が高い業種セクターの現状や予想等の定性指標を用いて、それ
ぞれの案件ごとに集中度に対するエクスポージャーを分析している。例外的に、一部の案件では、同
一の(広義の)業種セクターにエクスポージャーが集中している。その場合は、通常、EIBに有益な信
用補完の強化(優先劣後構造設定等)によって対処する。信用補完という特性を有する案件は、通
常、単一の債務者に対するエクスポージャーの上限、債務者上位5者に対する合計エクスポージャー
の上限、業種別集中度の上限等、ポートフォリオ基準を設けている。EIB全体のポートフォリオ分析の
一環として、業種セクター別のエクスポージャーも検討している。
カウンターパーティー・リスクに関しては、EIBのカウンターパーティー(通常は主要市場参加者)
の質に注意を払うことによって、リスクを軽減している。残存期間中の手続きやプロセスの遵守状況
を確認するため、監視目的の現地調査を別途行っている。また極端な場合の仮定を含めた保証ポート
フォリオ・ストレステストのシナリオで定期的にテストを実施し、悪影響に耐えうる資本基盤である
かを判定している。
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U.2. 金利リスク
金利リスクとは、市場利回りや金利の期間構造の不利な動きによる、EIBのポジションの経済価値ま
たは同ポジションによる収益の予想変動率(ボラティリティ)を指す。異なる資産、負債、ヘッジ商
品の間で金利更改特性や満期特性に差異があると、金利リスク・エクスポージャーが生じる。
金利リスクの測定および管理にあたり、EIBはバーゼル銀行監督委員会(「BCBS」)および欧州銀行
監督機構(「EBA」)の関連する主要原則を参考にしている。金利リスクの主要な源泉は、ギャップリ
スク、ベーシスリスクおよびオプションリスクである。ギャップリスクとは、EIBにとって最も関係が
深い金利リスクであり、EIBの金利感応商品の金利変動のタイミングの差異による、当該金利感応商品
の期間構造の経済価値または同商品からの収益の予想変動率(ボラティリティ)と定義される。
金利リスクは、EIBのリスク選好の枠組みで取り扱われている。規制当局の指針に従い、EIBは金利
リスクに対する選好を、経済的価値および利益の両方に対するリスクの観点から明文化している。EIB
の自己資金に関する投資戦略である「金利リスク戦略」は、EIBが取る用意がある金利リスクの水準と
密接に関連し、この戦略の有効性は望ましい目標デュレーションを備えた比較可能なベンチマークと
なる想定ポートフォリオとの比較において測定される。
ロンドン銀行間金利(「LIBOR」)などの指標金利は金融契約で広く用いられている。近年、指標金
利の信用性や安定性に対する信頼は低下してきており、世界中の規制当局は金利指標改革を推進して
きている。代替指標金利への世界的な移行は、金融市場において着手されるべきである最も困難な課
題を含んだ改革の一つであり、2021年末までには完了すると見込まれている。
資産負債委員会(「ALCO」)の下で、EIBは2018年度第1四半期よりこの分野の動向を積極的に観察
してきており、中央銀行が設置した各種の作業グループに参加している。確立した作業計画の実施に
おける進捗は定期的に監視され、ALCOで討議され、定期的にEIBの経営幹部に報告されている。
貸付活動および資金調達活動の一環として、EIBは主に顧客への変動金利貸付金およびEIBの活動に
資金提供するための発行債券に関して、IBORへのエクスポージャーを有している。変動利付資産およ
び負債は、通常、EIBの財務書類上、償却原価で報告されている。また、EIBは固定金利の貸付業務お
よび借入業務のミクロ・ヘッジのため、ならびにグローバルの金利および外国為替のポジションの監
視のためにデリバティブ商品を使用している。
IBORによって影響を受けると見込まれるEIBの貸付業務の大半はユーロで行われているため、
EURIBORがユーロ圏における参照金利として残る限り、金利指標改革はEIBの貸付業務に重要な影響を
与えるとは見込まれていない。しかし、一部の貸付通貨、特に米ドルおよび英ポンドについては、基
礎となる金利としての新たなRFRが出現しているため、EIBはこれらの取引には一定の影響が及ぶと見
込んでいる。
資金調達面では、EIBは2018年より貸借対照表で新たなRFRを参照する債券商品を発行しており、新
たな構成について関連する自己開発システムの適応が進行中である。加えて、優先市場構成の設定に
基づき、EIBは必要な流動性を備えた関連するRFR市場の支援に重点を置いている。
スワップ業務に関連して、EIBはRFR連動の借入金および単体OISについてヘッジを実行した。IBOR
カーブはユーロおよび米ドルについて決済機関によって実施される担保設定の変動に対する調整が行
われており、このことによって関連するモデルにおける調整が必要となる。
他の銀行と同様、EIBのIBORに対するエクスポージャーには重要性がある。かかる指標金利の潜在的
な中止は、これらの金利に連動している契約(基本的に、スワップ、貸付金および債券)がどのよう
に影響を受けるかに関する問題を引き起こす。市場基準で各種IBORの中止が整合的な方法で実施され
ない場合、このことによりEIBはIBORのさまざまな後継指標間のベーシスリスクにさらされる可能性が
ある。ベーシスリスクへのエクスポージャーはEIBに固有のものではなく、このことは2018年6月に最
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大の業界団体によって出版されたIBORグローバル・ベンチマーク・トランジション・レポートの中
で、金利指標改革における最大の課題の一つとして認識されている。
加えて、ECBがすでに強調しているように、契約の修正およびフォールバック条項の導入に伴う業務
上の困難は、業務上の負荷、記録インフラへの影響、決済および支払インフラの修正、改革後の金利
指標および対応する評価手法に基づいた新商品の評価および記録に関連したIT関連の制約を伴う可能
性があり、銀行業界はこうしたリスクにさらされている。
リスクならびに必要とされる準備および開発を管理および調整するために、EIBのALCOは2018年2月
に影響を受けるEIBの数多くのサービスを含めた、IBORに関する横断的な専任作業グループを設置し
た。一連の取組みは開始され、重要な開発が着手された。加えて、EIBの事業およびリスクの方針は、
事業およびリスクの管理慣行の変更を反映するために、必要に応じて更新されている。最後に、EIBの
上級経営陣には、最新情報と進捗状況が定期的に報告されている。
U.2.1. 自己資金の経済価値に対する金利リスク
EIBの金利リスク戦略は、EIBの経済価値のボラティリティを抑制しながら、バランスが良く持続可
能な収益特性を維持することを目指している。また、EIB成長資金の自力調達という目標を踏まえて、
こうした収益特性に明確な選好が定められている。かかる全体目標は、中長期投資特性に沿ったEIBの
自己資金投資によって達成されており、これは現在4.5~5.5年の範囲の自己資金の目標投資期間を意
味する。
自己資金の期間目標とは別に、EIBの貸借対照表上、通貨および金利特性に応じた資金調達が図られ
るべきだとされている。しかし、業務上の理由から小幅の逸脱は承認されており、このことはEIBを
ベーシスリスクにさらす可能性がある。このような若干の逸脱が残ることによって生じる残余ベーシ
スリスク・ポジション純額は、市場リスクを最低限の水準に維持するべく、既定の限度枠内に収めて
管理されている。
EIBは、金利リスク限度額の枠組みに加えて、金利の深刻な変動がEIBの自己資金に及ぼす潜在的な
(1)
悪影響を特定するために、EBAにより標準化されたショック・シナリオ に基づいて定期的なストレ
ステストを実施している。2020年12月31日現在、EBAの監督上の異常値テストシナリオの最悪の影響
(2)
は、自己資金の経済価値を52.4億ユーロ(2019年:79.8億ユーロ)減少させる 。
(1) EBA/GL/2018/02。
(2) ストレステストは、保険数理プロバイダーの計算による年金および医療保険債務(DBO)を含む、す
べてのリスク感応度の高い銀行勘定商品について実施されている。
EIBのポートフォリオに組入れられている金融商品のうち、一部の業務(借入れおよび関連するス
ワップ)には償還オプションが規定されており、満期前に償還される場合があるため、最終満期日に
ついては不確実性が組み込まれている。
キャッシュ・フロー・レベルでは、こうした借入金はすべてスワップで十分にヘッジされているた
め、LiborまたはEuriborに連動する合成変動利付債とみなすことができる。
以下は、2020年12月31日現在および2019年12月31日現在のEIBの任意償還条項付ポートフォリオの特
性をまとめ、想定元本合計、平均の契約上の満期日、平均予想償還日(双方とも、当該取引の想定元
本で加重)を資金調達通貨別と関係する主要リスク・パラメーター別に表示したものである。
資金調達通貨別(スワップの影響考慮後):
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2020 年12月31日
(*)
ユーロ 英ポンド 米ドル 合計
(単位:百万ユーロ)
ユーロ建想定元本 -2,213 0 -1,606 -3,819
平均満期日 2047 年1月26日 - 2037 年3月16日 2042 年12月3日
平均予想償還日 2028 年12月25日 - 2023 年7月28日 2026 年9月16日
(*) 2020年に英ポンドはゼロであった。
2019 年12月31日
ユーロ 英ポンド 米ドル 合計
(単位:百万ユーロ)
ユーロ建想定元本 -2,263 -59 -2,360 -4,682
平均満期日 2046 年10月21日 2022 年6月20日 2037 年8月4日 2041 年11月8日
平均予想償還日 2028 年8月25日 2021 年1月8日 2024 年10月6日 2026 年8月6日
関係するリスク・パラメーター別:
2020 年12月31日 リスク・パラメーター
金利カーブの
為替レートの 金利カーブの
(*)
水準 水準 勾配 合計
( 単位:百万ユーロ)
ユーロ建想定元本 -452 -3,367 0 -3,819
平均満期日 2033 年12月4日 2044 年2月17日 - 2042 年12月3日
平均予想償還日 2027 年12月21日 2026 年7月16日 - 2026 年9月16日
(*) 2020年に英ポンドはゼロであった。
2019 年12月31日 リスク・パラメーター
為替レートの 金利カーブの 金利カーブの
水準 水準 勾配 合計
( 単位:百万ユーロ)
ユーロ建想定元本 -533 -4,088 -61 -4,682
平均満期日 2037 年5月21日 2042 年8月10日 2030 年9月16日 2041 年11月8日
平均予想償還日 2027 年2月20日 2026 年8月12日 2020 年9月16日 2026 年8月6日
U.2.2. 金利リスク管理(利益面)
利益の感応度は、金利カーブ全体が1パーセンテージ・ポイント上昇した場合、あるいは低下した
場合の向こう12ヵ月間で変動しうる正味受取利息の金額を定量化する。このようなエクスポージャー
は、承認を受けた限度枠内でEIBが容認する、資産と負債の間の金利更改期間、金額または利率の不一
致により生じる。
2020年12月31日現在のポジションでは、金利が100ベーシス・ポイント上昇すると、利益が82.2百万
ユーロ(2019年:75.1百万ユーロ)増加し、金利が100ベーシス・ポイント低下すると、利益が77.2百
万ユーロ(2019年:81.0百万ユーロ)減少する計算である。
EIBは、案件ごとに利益のシミュレーションを実行する専用のソフトウェアで感応度指標を計算して
いる。利益の感応度は発生主義で測定され、分析対象期間にわたり、EIBは業務計画の中で予想されて
いる新規貸付業務を実現し、承認を受けた限度枠内にエクスポージャーを維持し、資金不足の補充ま
たは余剰現金の投資を目的とする短期金融市場取引を執行するという「現行」の仮定に基づいて算出
される。利益に関して月次で行われるシミュレーションは、固定利付項目の場合には、すべて契約で
定められた利率が維持され、変動利付項目の場合には、すべて、シミュレーションで適用された金利
シナリオに応じて金利が更改されるという仮定に基づいて実施されている。資金不足の補充または余
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剰現金の投資を目的とする短期金融市場取引の利率は、シミュレーションで適用された金利シナリオ
に応じた短期金融市場の実勢利率に等しいとされる。EIBの現行実務に従い、モデルでは、シミュレー
ショ ン上の利益は株主には配分されず、EIB業務の資金補充に当てられると仮定している。管理費は、
業務計画の予想に応じて見積られる。
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U.3. 流動性および資金調達リスク
流動性リスクは、資産の増加に対応して資金を調達し、期限の到来した債務を弁済することを、受
入不能な損失を負担することなしに行うEIBの能力に関するリスクである。それは、さらに資金流動性
リスクと市場流動性リスクに分けることができる。
資金流動性リスクとは、貸借対照表の資産を支え、容易に利用できる流動リソースから期限どおり
に債務を全額返済することができなくなるリスクに関するものである。資金流動性リスクは、支払義
務の履行に関する差し迫ったリスクおよびそれに伴う不利な条件での借入を増加させうるため、EIBの
ポジションの経済価値あるいはEIBのポジションから生み出される収益の変動性に影響を与える可能性
がある。
市場流動性リスクとは、ポジション残高を相殺、解消、または削減するための取引を合理的な市場
価格で執行できないかもしれないという理由で、EIBのポジションの経済価値の変動、または同ポジ
ションによる収益の変動が激しくなることを指す。取引を執行できないことにより、清算を避けた方
が良いと思われる場合でも好ましくない価格で早い段階に当該資産を清算せざるを得なくなるおそれ
がある。このリスクは、取引される証券の流動性と比較したポジションの規模、ならびに市場のアベ
イラビリティおよび効率性の悪化と密接に関係している。
EIB の中核業務活動を妥当なコストで正常に機能させるため、流動性リスクの管理が行われている。
流動性リスク管理方針の主な目的は、EIBが常に期限内に支払債務を満額履行できることの確保にあ
る。商業銀行とは対照的に、EIBは個人預金を保有しておらず、顧客に貸し付ける資金の調達を資本市
場に依存している。
EIBは慎重に流動性バッファーを維持するため、新規発行予定を管理している。流動性維持計画で
は、EIBの債務返済上のニーズ、貸付金の実行、および貸付金ポートフォリオからのキャッシュ・イン
フローを考慮している。また、流動性維持計画では、一般的に債務者の要請に応じて実行される多額
の契約済未実行貸付金も考慮している。
EIBは、短期流動資産を十分な水準に保つこと、および資金需要予測に応じて自行の募集有価証券の
償還日を分散することによって、流動性リスクの管理を一層確実にしている。流動性リスク方針には
財務ポートフォリオの水準の下限が組み込まれており、EIBの全体的な流動性比率(翌12ヵ月間の見積
ネット・キャッシュ・フローに対する比率としての流動性)は、常に25%を上回っていることが、義
務付けられている。
EIB は非常時資金調達計画(CFP)を定めており、そこでは適切な意思決定手続とそれに対応する責
任分担が定められている。CFPは定期的にバーゼル銀行監督委員会の原則およびその他の適切なベス
ト・プラクティスを基準にテストおよび評価されている。CFPは理事会によって毎年承認される。
定期的なストレステスト分析は、流動性リスク・モニタリングの一環として実施され、EIBの流動性
バッファーの規模を決定する。
2009年7月8日にユーロ・システムの金融政策オペレーションにおける適格カウンターパーティー
となったことから、EIBも欧州中央銀行の金融政策オペレーションに参加できることとなった。EIB
は、最低預金準備率およびその他の業務ニーズを充足するために預け金を置いているルクセンブルク
中央銀行を通じて金融政策オペレーションを実施する。
EIBは日次で流動性カバレッジ比率(「LCR」)を欧州連合CRR要件に沿って、機能通貨(ユーロ)だ
けでなく、他の重要な通貨についても計算している。EIBは、過度の通貨のミスマッチを防止するため
に、流動性資産の通貨と正味流動性の流出の通貨の整合性を継続的にとることを確実にしている。
2020年末現在、流動性カバレッジ比率は366.7%(2019年末は483.4%)であった。
流動性諸比率の計算、資金および流動性の限度額の監視、ならびに関連する報告業務の頻度は、パ
ンデミックの発生前から変更されていない。
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COVID-19のパンデミックに伴いグローバル金融市場の一般的情勢が不確実であるにもかかわらず、
EIBは、主にEIBの流動性管理に対する慎重なアプローチの結果として、引き続き強固な流動性ポジ
ショ ンおよび必要な流動性リソースへの柔軟なアクセスを維持している。
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以下の表は、貸借対照表日から契約上の満期日までの残存期間別にEIBの資産および負債を示してい
る。契約によって定められた満期日のない資産および負債は、「満期日未確定」に区分されている。
流動性リスク(単位:百万ユーロ)
3ヵ月超 1年超 満期日 2020 年の
2020 年12月31日時点におけ
3ヵ月以内 5年超
る満期
1年以内 5年以内 未確定 合計
資産:
現金、中央銀行および
郵便局預け金 835 0 0 0 0 835
中央銀行担保適格国庫証券
およびその他短期証券 7,146 6,624 11,637 5,773 0 31,180
その他の貸付金および
預け金:
- 当座預金
464 0 0 0 0 464
- 金融機関
55,301 4,882 0 0 0 60,183
583 318 0 0 0 901
- 対顧客
56,348 5,200 0 0 0 61,548
貸付金:
- 金融機関
2,704 13,328 50,436 37,161 6 103,635
- 対顧客 4,872 18,750 105,413 191,428 89 320,552
7,576 32,078 155,849 228,589 95 424,187
確定利付証券を含む
負債証券 5,818 1,109 2,586 2,680 0 12,193
株式、その他の変動利回
証券および参加持分 0 0 0 0 8,397 8,397
関係会社株式 0 0 0 0 813 813
442 1,235 3,574 2,244 7,643 15,138
その他の資産
78,165 46,246 173,646 239,286 16,948 554,291
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 8,515 8,000 0 0 0 16,515
顧客に対する債務 1,703 0 0 0 0 1,703
債務証書借入 24,379 49,607 205,107 156,171 0 435,264
資本金、準備金および利益 0 0 0 0 73,503 73,503
716 1,828 7,404 3,382 13,976 27,306
その他の負債
35,313 59,435 212,511 159,553 87,479 554,291
負債合計
借入金および関連するスワップの一部は、投資家あるいはヘッジ・スワップの契約相手に期限前解
約条項もしくはコール・オプションを認めており、EIBにも関連債券を期限前償還する権利を与えてい
る。EIBが債券に係るすべてのコール・オプションを契約で定められた次回権利行使日に行使した場
合、2021年から2023年の期限前償還累計額は23億ユーロとなる。
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3ヵ月超 1年超 満期日 2019 年の
2019 年12月31日時点におけ
3ヵ月以内 5年超
る満期 1年以内 5年以内 未確定 合計
資産:
現金、中央銀行および
郵便局預け金 947 0 0 0 0 947
中央銀行担保適格国庫証券
およびその他短期証券 7,048 8,936 10,794 6,590 0 33,368
その他の貸付金および
預け金:
- 当座預金
362 0 0 0 0 362
- 金融機関
47,014 6,782 0 0 0 53,796
965 0 0 0 0 965
- 対顧客
48,341 6,782 0 0 0 55,123
貸付金:
- 金融機関
3,341 12,123 53,880 40,413 3 109,760
5,393 20,108 101,149 190,294 45 316,989
- 対顧客
8,734 32,231 155,029 230,707 48 426,749
確定利付証券を含む
負債証券 4,513 2,384 2,209 2,918 0 12,024
株式、その他の変動利回
証券および参加持分 0 0 0 0 7,711 7,711
関係会社株式 0 0 0 0 805 805
1,092 1,436 4,290 1,657 8,359 16,834
その他の資産
70,675 51,769 172,322 241,872 16,923 553,561
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 7,473 0 0 0 0 7,473
顧客に対する債務 1,611 0 0 0 0 1,611
債務証書借入 31,215 49,549 207,844 160,714 0 449,322
資本金、準備金および利益 0 0 0 0 73,689 73,689
566 2,425 3,392 1,561 13,522 21,466
その他の負債
40,865 51,974 211,236 162,275 87,211 553,561
負債合計
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U.4. 為替リスク
為替(「FX」)リスクは、為替レートの不利な変動が原因で、EIBのポジションの経済価値の変動、
または同ポジションによる収益の変動が激しくなることを指す。資産、負債およびヘッジ手段の間で
通貨のミスマッチがある場合に、EIBは為替リスクにさらされる。
EIB は定款を遵守して、貸付業務を遂行するため、またはEIBが供与する貸付金もしくは保証から発
生するコミットメントを履行するために、直接必要でない為替業務には従事しない。
EIB の資産・負債構造における通貨のミスマッチは、厳しい限度額内に維持されている。
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為替ポジション(単位:百万ユーロ)
その他の 2020 年の
2020 年12月31日現在の通 ユーロ以外
ユーロ 英ポンド 米ドル
貨 の通貨合計
通貨 合計
資産:
現金、中央銀行および
郵便局預け金 835 0 0 0 0 835
中央銀行担保適格国庫証
券およびその他短期証券 24,891 623 5,666 0 6,289 31,180
その他の貸付金および
預け金:
- 当座預金
276 41 31 116 188 464
- 金融機関
50,035 3,672 884 5,592 10,148 60,183
- 対顧客 160 0 0 741 741 901
50,471 3,713 915 6,449 11,077 61,548
貸付金:
- 金融機関
82,732 1,640 11,699 7,564 20,903 103,635
- 対顧客 261,675 30,774 7,737 20,366 58,877 320,552
344,407 32,414 19,436 27,930 79,780 424,187
確定利付証券を含む
負債証券 3,124 465 1,410 7,194 9,069 12,193
株式、その他の変動利付
証券および参加持分 6,647 808 649 293 1,750 8,397
関係会社株式 813 0 0 0 0 813
12,041 1,179 1,084 834 3,097 15,138
その他の資産
443,229 39,202 29,160 42,700 111,062 554,291
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 16,509 0 6 0 6 16,515
顧客に対する債務 1,430 8 81 184 273 1,703
債務証書借入:
- 負債証券
239,351 42,653 102,508 41,111 186,272 425,623
6,118 62 472 2,989 3,523 9,641
- その他
245,469 42,715 102,980 44,100 189,795 435,264
資本金、準備金および
利益 73,503 0 0 0 0 73,503
23,671 1,513 1,163 959 3,635 27,306
その他の負債
360,582 44,236 104,230 45,243 193,709 554,291
負債合計
オフ・バランスシートの
-82,623 5,006 75,060 2,557 82,623
通貨スワップ
24 -28 -10 14 -24
ポジション(純額)
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為替ポジション(単位:百万ユーロ)
その他の 2019 年の
2019 年12月31日現在の通 ユーロ以外
ユーロ 英ポンド 米ドル
貨 の通貨合計
通貨 合計
資産:
現金、中央銀行および
郵便局預け金 947 0 0 0 0 947
中央銀行担保適格国庫証
券およびその他短期証券 25,761 3,227 4,380 0 7,607 33,368
その他の貸付金および
預け金:
- 当座預金
246 30 7 79 116 362
- 金融機関
37,257 2,606 5,134 8,799 16,539 53,796
- 対顧客 375 0 0 590 590 965
37,878 2,636 5,141 9,468 17,245 55,123
貸付金:
- 金融機関
87,631 1,972 12,979 7,178 22,129 109,760
- 対顧客 251,875 35,218 9,430 20,466 65,114 316,989
339,506 37,190 22,409 27,644 87,243 426,749
確定利付証券を含む
負債証券 4,501 253 1,726 5,544 7,523 12,024
株式、その他の変動利付
証券および参加持分 6,008 864 586 253 1,703 7,711
関係会社株式 805 0 0 0 0 805
13,120 1,373 1,316 1,025 3,714 16,834
その他の資産
428,526 45,543 35,558 43,934 125,035 553,561
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 7,355 0 118 0 118 7,473
顧客に対する債務 1,475 2 58 76 136 1,611
債務証書借入:
- 負債証券
233,518 45,599 111,047 45,520 202,166 435,684
8,725 15 838 4,060 4,913 13,638
- その他
242,243 45,614 111,885 49,580 207,079 449,322
資本金、準備金および
利益 73,689 0 0 0 0 73,689
17,006 1,912 1,362 1,186 4,460 21,466
その他の負債
341,768 47,528 113,423 50,842 211,793 553,561
負債合計
オフ・バランスシートの
-86,769 2,006 77,838 6,925 86,769
通貨スワップ
-11 21 -27 17 11
ポジション(純額)
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U.5. オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクとは、不適切もしくは機能不全の内部プロセス、人員もしくはシステ
ム、または外部事象に起因する損失リスクを意味し、法務リスクを含む。
オペレーショナル・リスクはEIBのすべての活動に影響を与え、人的要因、不適切な従業員の行動、
サイバーおよびテクノロジー関連事象、不適切もしくは機能不全のプロセス、事業の中断もしくは保
全措置、情報システムの障害、第三者外部委託での障害または不正行為を含む様々な態様で現れる可
能性がある。EIBの目標は、EIBの財務強度、事業の性格および事業を遂行する市場の観点から、オペ
レーショナル・リスク・エクスポージャーを最低水準に維持するために、オペレーショナル・リスク
を体系的に特定、評価、モニターし、十分な統制およびリスク軽減措置を確保することである。
オペレーショナル・リスク担当部署(「OPR」)および財務統制における内部統制およびアサーショ
ン担当部署(「FC/-/ICA」)が、オペレーショナル・リスクの枠組みおよび関連する方針を決定する
責任を有し、その枠組みの実施責任はEIBの部署が担う。EIBは、オペレーショナル・リスク管理業務
を、関連し、適用されるベスト・バンキング・プラクティス(「BBP」)に準拠して編成している。
EIBでは、特に、オペレーショナル・リスク・エクスポージャーを監視するために使用される一連の
重要リスク指標(「KRI」)を通じて、内部損害履歴、シナリオ分析ならびに事業・統制環境を含む入
手可能なあらゆる情報を考慮する評価方法を採用している。リスク水準に違反があった場合には、適
切な措置が講じられる。特に、オペレーショナル・リスク担当部署は、オペレーショナル・リスクに
係る現実の損害につながるまたはつながりうる重要なオペレーショナル・リスク事象および現れつつ
あるリスク分野の監視を提供する。
EIBのオペレーショナル・リスク担当部署は最近、オペレーショナル・リスク・エクスポージャーお
よび損害事象の監視に使用されていた、統計的分析システム(「SAS」)を廃止した。データ収集プロ
セスを自動化するために、新たなガバナンス、リスクおよびコンプライアンス(「GRC」)ツールの
2022年末までの導入が計画されている。一方、オペレーショナル・リスク担当部署は、健全なオペ
レーショナル・リスク管理のすべてのBBP要件に対応するために、新しい部分的に自動化された事象お
よび損害のデータベースを開発し、このデータベースは後に新システムに移行する予定である。
オペレーショナル・リスク管理は組織のあらゆるレベルで実施され、EIBの部署すべての職責とされ
る。
EIBにおける報告については、月次オペレーショナル・リスク報告書が、オペレーショナル・リスク
の管理とモニタリングのすべての側面について責任を有するグループ最高リスク責任者(「GCRO」)
によって承認され、経営委員会(「MC」)、監査委員会(「AC」)およびディレクター・ジェネラル
(「DG」)に提出される。加えて、0.1百万ユーロを超える損失/利益は、即座に総裁に報告される。
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注V: デリバティブ
EIB は、予定取引から発生するエクスポージャーを含む金利リスクおよび為替リスクへのエクスポー
ジャーを管理するため、デリバティブ商品を主に資産負債管理活動の一環として使用している。デリ
バティブは契約金融商品であり、その価値は、原資産、利率、為替そして種々のインデックス動向に
より変動する。デリバティブ取引は売買目的で利用されるのではなく、資金調達関連の場合および市
場リスク・エクスポージャーを低減するためのみに限られている。
EIBのスワップの大部分は、資金調達オペレーション(資金調達活動)の一環として、債券発行を
ヘッジする目的で締結されている。借入ポートフォリオに関連したすべてのスワップは満期が関連借
入債務に対応しており、このため長期の性質を持つ(注V.1を参照)。
またEIBは、貸付金や財務のヘッジ・オペレーションの一環として、またはグローバルな資産負債管
理(「ALM」)ポジションのヘッジ(ALMヘッジ活動)のために、スワップを行っている(注V.1を参
照)。
EIB は、基本通貨であるユーロに関連してその運用財務の通貨ポジションを調整するため、また貸付
実行に伴う通貨需要を満たすために、短期通貨スワップも行っている(注V.2を参照)。
先物契約(先物)は、一部の政府債投資から生ずるエクスポージャーをヘッジするため、財務活動
の一環として使用することができる。先物は、規制市場において取引される標準化されたデリバティ
ブであり、カウンターパーティー・リスクの測定と統制に関する一般方針の対象外となっている。
V.1. 資金調達および資産負債管理(「ALM」)デリバティブ
資金調達およびALMヘッジとの関連で使用されるデリバティブには以下のものがある。
- 通貨スワップ
- 金利スワップ
- ストラクチャード・スワップ
V.1.1. 通貨スワップ
通貨スワップとは、調達されたある通貨の資金を別の通貨に交換することを合意し、それと同時に
調達された資金を期日に返済できるよう、両通貨を将来において再度交換するための為替予約を締結
する契約である。
EIB は、主に資金調達業務の一環として、開始時に借入資金を別の通貨に交換し、その後借入返済に
必要な資金を元の通貨でEIBが入手することとなる、通貨スワップを締結している。
以下の表は、想定元本および公正価値に基づいて分類した通貨スワップ(ストラクチャード・ス
ワップ(注V.1.3を参照)を含み、短期通貨スワップ(注V.2を参照)を除く)の満期を示している。
想定元本はオフ・バランスシートにて開示されている。
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2020 年12月31日現在の
1年超 5年超 2020 年の
通貨スワップ 1年以内 10 年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
34,590 125,732 36,450 26,484 223,256
想定元本(受取)
公正価値
(すなわち、CVA、DVAおよびCOLVA
(*)
を含む割引価値(純額)) -691 -2,858 2,114 1,612 177
2019 年12月31日現在の
1年超 5年超 2019 年の
通貨スワップ 1年以内 10 年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
40,347 116,134 39,584 23,675 219,740
想定元本(受取)
公正価値
(すなわち、CVA、DVAおよびCOLVA
(*)
を含む割引価値(純額)) -197 1,537 1,990 1,248 4,578
(*) 2020年12月31日現在マイナス2,548百万ユーロ(2019年:1,350百万ユーロ)となっているマクロ・ヘッジ通貨ス
ワップの公正価値を含む。
V.1.2. 金利スワップ
金利スワップは一般的に、変動金利を固定金利に交換するか、その逆を行うことを合意する契約で
ある。
金利スワップの利用により、EIBは、顧客からの要求に応えて借入ポートフォリオと他のポートフォ
リオの金利構造を変えることができるとともに、グループのある特定の資本市場への有利なアクセス
条件をカウンターパーティーと交換することにより、資金調達コストを削減することも可能となる。
以下の表は、金利スワップ(ストラクチャード・スワップ(注V.1.3を参照)を含み、外貨建てで計
算された利息を合成的にユーロ建てに交換するシンセティック・スワップを含む)の満期を想定元本
および公正価値に細分して示したものである。想定元本はオフ・バランスシートにて開示されてい
る。
2020 年12月31日現在の
1年超 5年超 2020 年の
金利スワップ 1年以内 10 年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
想定元本 61,603 227,767 126,884 122,741 538,995
公正価値
917
(すなわち、CVA、DVAおよびCOLVA
(*)
を含む割引価値(純額)) 8,021 5,954 89 14,981
2019 年12月31日現在の
1年超 5年超 2019 年の
通貨スワップ 1年以内 10 年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
65,329 215,856 125,751 133,743 540,679
想定元本
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公正価値
(すなわち、CVA、DVAおよびCOLVA
(*)
を含む割引価値(純額)) 231 5,260 5,683 1,208 12,382
(*) 2020年12月31日現在マイナス1,237百万ユーロ(2019年:マイナス803百万ユーロ)となっているマクロ・ヘッジ金
利スワップの公正価値を含む。
V.1.3. ストラクチャード・スワップ
EIB は、通常そのリスクヘッジ方針に関連してオプション取引を行っていない。ただし、金融市場
で、より低いコストで資金を調達するという戦略の一環として、EIBは主に金利オプションまたは株価
指数オプションを含む借入契約および貸付を行う。このようなストラクチャード借入金および貸付金
は、関連する市場リスクをヘッジするためのスワップ契約により完全にカバーされている。
以下の表は、ストラクチャード・スワップの取引件数、価額および想定元本の詳細を示している。
特別なストラクチャーに
期限前解約が組み込まれて
株価指数 基づくクーポンまたは
いるもの
類似するもの
2020 年 2019 年 2020 年 2019 年 2020 年 2019 年
取引件数 131 138 1 1 164 264
想定元本
(単位:百万ユーロ) 4,421 5,049 500 500 12,529 19,770
公正価値(すなわち、CVA、
DVAおよびCOLVAを含む割引
価値(純額))
(単位:百万ユーロ) 801 681 30 17 -2,479 -2,627
スワップ取引の公正価値は、将来のキャッシュ・フローから割引後現在価値を導出する評価技法を
適用する収益還元法により算出される。公正価値の見積りは将来価値に対する市場の期待値に基づい
ている。評価技法は、既知のキャッシュ・フローを割り引く単純なものから複雑なオプション・モデ
ルに至るまで、多岐にわたる。適用した評価モデルは、金融商品の価格設定向けに一般に認められて
いる経済学的手法と整合しており、市場参加者が価格設定時に考慮する諸要因を盛り込んでいる。デ
リバティブ取引の一部に関しては、市場インプットを直接入手できない場合には、内部見積りや仮定
が評価技法に取り入れられることもある。
借入れに組込まれている、もしくは借入れに関連するオプション契約は、すべて店頭取引で行われ
る。ストラクチャード・ディールとしては、金利、為替レート、インフレ率、株価指数、および金利
のボラティリティに左右される様々な取引がある。
V.1.4. デリバティブ取引における信用リスクの軽減方針
デリバティブに関する信用リスクは、カウンターパーティーが契約債務を履行できない場合にEIBが
被りうる損失に関連する。
デリバティブ取引の特殊な性質および複雑さを考慮し、当該金融商品の利用から生ずる損失に対し
てEIBを保護するための一連の手続きが整備されている。
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・ 取引契約の枠組み
EIB のデリバティブ取引はすべて、ISDAスワップ取引契約と、該当する場合にはエクスポージャーに
対する担保差入条件が明記されているクレジット・サポート・アネックスの取引契約の枠組みの中で
行 われる。これらは一般的に採用され、実施されている契約の様式である。
・ カウンターパーティーの選択
取引開始時の格付は、A3以上と定められている。格付がある一定のレベルを下回った場合にはEIBは
期限前に契約を解除する権利を有する。
・ 担保設定
- (限度枠を超過した)エクスポージャーに対しては、現金および債券による担保が差入れられ
る。
- 複雑で流動性の低い取引の場合は、現在の時価以上の担保が要求される。
- 個々のカウンターパーティーとのデリバティブ・ポートフォリオと受取担保は定期的にモニ
ターされて評価され、それを受けて追加担保が請求されるか、担保の引出しが行われる。
スワップについて受け取った担保の時価は、2020年12月31日現在、17,498百万ユーロ(2019年:
21,104百万ユーロ)で、担保の性質および同等のムーディーズの格付に基づいた詳細は、以下のとお
りであった。
スワップ担保(単位:百万ユーロ)
債券
政府機関債、
2020 年の
同等のムーディーズ格付
現金
国際機関債、
合計
政府債
カバード・
ボンド
Aaa 1,526 1,007 0 2,533
Aa1 からAa3 4,439 0 0 4,439
A1 からA3 14 0 0 14
Baa1 からBaa3 6,310 0 0 6,310
Baa3 未満 4 0 0 4
0 0 4,198 4,198
格付なし
12,293 1,007 4,198 17,498
2020 年の合計
スワップ担保(単位:百万ユーロ)
債券
政府機関債、
2019 年の
同等のムーディーズ格付
現金
国際機関債、
合計
政府債
カバード・
ボンド
Aaa 1,509 2,765 0 4,274
Aa1 からAa3 4,643 0 0 4,643
A1 からA3 674 0 0 674
Baa1 からBaa3 4,605 0 0 4,605
Baa3 未満 621 0 0 621
0 0 6,287 6,287
格付なし
12,052 2,765 6,287 21,104
2019 年の合計
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・ デリバティブの信用リスクの測定
デリバティブ関連の信用リスクは様々なパラメーターにより変化し(例えば金利や為替レート)、
一般的に想定元本のごく一部に相当するに過ぎない。
BIS のバーゼル銀行監督委員会(「BCBS」)の勧告に従い、EIBは、財務報告と限度枠のモニタリン
グにはカレント無担保エクスポージャーとポテンシャル・フューチャー・エクスポージャーを使用
し、資本配分には信用リスク相当額を使用して、スワップ取引およびデリバティブ取引に関する信用
リスク・エクスポージャーを測定している。
EIBは、カレント無担保エクスポージャーを、ゼロと、カウンターパーティーとのネッティング・
セットに含まれている取引ポートフォリオの時価から受入担保の価値を差し引いた数値のいずれか大
きな方の値で測定している。これは、カウンターパーティーが不履行を起こした場合に生ずる損失に
相当する金額で、受領した担保を相殺に充当し、破綻取引の回収価値をゼロとした上で、すべての取
引につき直ちにスワップ・カウンターパーティーの代替を行うことを想定している。2020年12月31日
現在のカレント無担保エクスポージャーは1,389百万ユーロ(2019年12月31日現在:816百万ユーロ)
であった。
さらにEIBは、リスクのマージン期間中(取引ポートフォリオにより10日間から20日間)にネッティ
ング・セットに生ずる可能性のあるエクスポージャーの増加を考慮した、ポテンシャル・フュー
チャー・エクスポージャーを計算している。EIBは、保守的な見積りを出すため、ストレス下の市場パ
ラメーターに基づき、また信頼区間を90%として、ポテンシャル・フューチャー・エクスポージャー
を計算している。これは、重要な市場参加者の不履行があった場合に生じるであろう状況を考慮する
ための規制当局の勧告に沿ったものである。2020年12月31日現在の初期ポテンシャル・フュー
チャー・エクスポージャーは12,225百万ユーロ(2019年12月31日現在:10,354百万ユーロ)であっ
た。
・ 限度枠
銀行向け限度枠システムは、ポテンシャル・フューチャー・エクスポージャーを3種の期間グルー
プ(1年未満、1年以上5年以下および5年超)と2種の格付シナリオ(現状維持およびA3格未満へ
の格下げ)でカバーする。
デリバティブ・ポートフォリオは毎日評価され、限度枠との比較が行われる。
下記の表は、カウンターパーティーの内部格付別内訳を示している。
ポテンシャル・
カレント無担保
フューチャー・
エクスポージャー
格付グループ 額面価額割合
エクスポージャー
( 単位:百万ユーロ) ( 単位:百万ユーロ)
同等のムーディーズ格付 2020 年 2019 年 2020 年 2019 年 2020 年 2019 年
Aaa 0.49% 0.48% 816 448 1,434 994
Aa1 からAa3 24.34% 25.47% 373 204 2,480 2,696
A1 からA3 66.87% 65.94% 192 113 7,916 6,364
8.30% 8.11% 8 51 395 300
A3 未満
100.00% 100.00% 1,389 816 12,225 10,354
合計
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V.2. 流動性管理の一環として
EIB はまた、基本通貨であるユーロに関連してその運用財務ポートフォリオの通貨ポジションを調整
するため、また貸付実行に伴う通貨需要を満たすために、短期通貨スワップを行っている。
短期通貨スワップ(受取)の想定元本は、2020年12月31日現在で22,375百万ユーロであり、これに
対して2019年12月31日現在は35,633百万ユーロであった。短期通貨スワップ(受取)の公正価値は、
2020年12月31日現在マイナス107百万ユーロ(2019年:445百万ユーロ)であった。
短期為替予約取引の想定元本は、2020年12月31日現在551百万ユーロ(2019年:528百万ユーロ)で
あった。短期為替予約取引の公正価値は、2020年12月31日現在17百万ユーロ(2019年:マイナス37百
万ユーロ)であった。
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注W: 換算レート
2020 年12月31日現在および2019年12月31日現在の貸借対照表の作成にあたり使用されている換算
レートは、以下のとおりである。
2020 年12月31日 2019 年12月31日
欧州連合加盟国のユーロ以外の通貨
ブルガリア・レフ(BGN)
1.9558 1.9558
チェコ・コルナ(CZK)
26.2420 25.4080
デンマーク・クローネ(DKK)
7.4409 7.4715
クロアチア・クーナ(HRK)
7.5519 7.4395
ハンガリー・フォリント(HUF)
363.8900 330.5300
ポーランド・ズロチ(PLN)
4.5597 4.2568
ルーマニア・レイ (RON)
4.8683 4.7830
スウェーデン・クローナ(SEK)
10.0343 10.4468
欧州連合加盟国以外の通貨
オーストラリア・ドル(AUD)
1.5896 1.5995
アゼルバイジャン・マナト(AZN)
2.0758 1.9004
カナダ・ドル(CAD)
1.5633 1.4598
スイス・フラン(CHF)
1.0802 1.0854
中国人民元(CNY)
8.0225 7.8205
ドミニカ・ペソ(DOP)
71.2661 59.3644
エジプト・ポンド(EGP)
19.2469 17.9584
エチオピア・ブル(ETB)
48.0400 35.6810
英ポンド (GBP)
0.8990 0.8508
ジョージア・ラリ(GEL)
4.0070 3.1927
香港ドル(HKD)
9.5142 8.7473
アイスランド・クローナ(ISK)
156.1000 135.8000
日本円(JPY)
126.4900 121.9400
ケニア・シリング(KES)
133.8000 113.6300
カザフスタン・テンゲ(KZT)
516.7300 429.7200
モロッコ・ディルハム(MAD)
10.9017 10.7263
モルドバ・レウ(MDL)
20.9200 19.2000
メキシコ・ペソ(MXN)
24.4160 21.2202
ノルウェー・クローネ(NOK)
10.4703 9.8638
ニュージーランド・ドル(NZD)
1.6984 1.6653
セルビア・ディナール(RSD)
117.5300 117.4700
ロシア・ルーブル(RUB)
91.4671 69.9563
チュニジア・ディナール(TND)
3.2919 3.1122
トルコ・リラ(TRY)
9.1131 6.6843
台湾ドル(TWD)
34.4399 33.5463
ウクライナ・グリブナ(UAH)
34.7156 26.5849
米ドル(USD)
1.2271 1.1234
中央アフリカCFAフラン(XAF)
655.9570 655.9570
西アフリカCFAフラン(XOF)
655.9570 655.9570
南アフリカ・ランド(ZAR)
18.0219 15.7773
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注X: 関連当事者取引
X.1. 関係会社株式および参加持分
欧州投資基金(「EIF」)との関連当事者取引は、主として、EIBによるEIFの株式保有、EIFの財
務、IT、EIFの年金基金の管理・運営、およびEIFのために提供するその他のサービスに関する取引で
ある。また、EIFはEIBのベンチャー・キャピタル業務(参加持分を含む)を管理し、EIBの保証および
証券化ポートフォリオの一部についてフロンティングおよびモニタリング・サービスを提供してい
る。
EIB の関連当事者取引に関連して、本財務書類に計上されている金額は、次のとおりである。
( 単位:千ユーロ)
2020 年12月31日 2019 年12月31日
資産:
関係会社株式 813,089 805,044
参加持分 334,410 312,191
前払金および未収収益 10,627 5,212
6,429 12,076
その他の資産
1,164,555 1,134,523
資産合計
負債:
顧客に対する債務 -2,022 -1,049
-293,579 -258,739
その他の負債
-295,601 -259,788
負債合計
損益計算書:
関係会社株式からの収益 0 6,140
固定金融資産として保有される譲渡可能有価証券
および参加持分に係る(再)評価損益 -7,809 -529
受取手数料 4,508 725
支払手数料 -56,123 -65,558
その他の業務収益 8,091 12,478
743 219
一般管理費
-50,590 -46,525
損益計算書計上額合計
オフ・バランスシート:
EIF払込未請求資本 2,117,600 2,107,200
EIF 資金の管理 1,193,139 1,238,605
EIF の少数株主に付与されたプット・オプション 819,467 821,272
払込未請求参加持分 549,016 605,346
11,798,069 4,982,193
EIF に供与された保証
16,477,291 9,754,616
オフ・バランスシート項目合計
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X.2. 主要経営陣
EIB は、理事会、監査委員会、経営委員会の委員およびEIBの各種組織部門の責任者であるディレク
ター・ジェネラル、ならびに内部統制独立部署の責任者を主要経営陣とみなしている。
一般管理費(注R)に算入されている主要経営陣の当該報告期間の報酬は、次の表のとおりである。
(単位:千ユーロ)
2020 年 2019 年
(1)
短期給付 9,404 9,574
(2)
退職後給付 962 915
(3)
552 -1,504
退職手当
10,918 8,985
合計
(1) 短期従業員給付は、経営委員会委員、ディレクター・ジェネラルおよびその他ディレクターの給与および手当、賞
与、社会保障負担金、ならびに理事会および監査委員会の委員に支払われた給付である。
(2) 退職後給付は、経営委員会委員、ディレクター・ジェネラル、およびその他ディレクターに支払われた年金および
退職後健康保険費である。
(3) 2019年度について、EIBは過年度に関連する退職手当引当金の取り崩しを計上したことにより、純利益を計上した。
2019年度に費用計上された手当は744千ユーロであった。
主要経営陣に対して前渡金も信用供与行っておらず、またいかなる種類の保証の形態でも主要経営
陣の利益のための契約を締結していない。
2020 年12月31日現在の主要経営陣との間の未決済残高は、強制および任意の補足年金制度および健
康保険制度に関する負債、ならびに期末現在の未払残高で構成されている。
(単位:千ユーロ)
2020 年12月31日 2019 年12月31日
年金制度および健康保険制度(注L) 61,952 60,727
その他の負債(注G) 16,508 16,095
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注Y: 後発事象
2020年12月31日現在の本財務書類の調整または本財務書類における開示を要する、決算日後に発生
した重要な事象はない。
COVID-19のパンデミックという状況下で、EIBは特に後発事象のレビューの一環として引き続き状況
を注視している。その点に関して、2020年12月31日現在の本財務書類の調整または本財務書類におけ
る開示を要する、決算日後に発生した重要な事象はないと考えられる。
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注Z: 第三者資金の管理
Z.1. インベストメント・ファシリティ・コトヌー
EIBが管理するインベストメント・ファシリティは、アフリカ・カリブ海および太平洋地域諸国と欧
州連合および加盟国との間における協力・開発に関する2000年6月23日付(その後改正済)のコト
ヌー協定に基づき設立されたものである。EIBは、インベストメント・ファシリティの個別財務書類を
作成している。
Z.2. ギャランティー・ファンド
域外活動のためのギャランティー・ファンドは、非加盟国に供与された貸付および貸付保証の債務
不履行をカバーするため、または非加盟国におけるプロジェクトのために、1994年に設立された。欧
州委員会(EC)は、1994年11月に二者間で締結された契約およびその後の当該契約の改訂に基づき、
ギャランティー・ファンドの財務管理をEIBに委託している。EIBは、ギャランティー・ファンドの個
別財務書類を作成している。
Z.3. NER300
EIB は、NER300イニシアチブ(炭素回収・貯蔵実証プロジェクト、および革新的再生可能エネルギー
技術のための資金調達プログラム)を遂行する際、エージェントとしてECをサポートする。当該ファ
シリティには、i) EU の割当量単位(EUA)の収益化、ii)EUA収益化活動を通じて受け取る資金の管
理および支出、といった2つの活動が含まれる。EIBは、NER300のために個別財務書類を作成してい
る。
Z.4. イノベーターのためのEU資金提供(InnovFin)
InnovFin または「InnovFin-イノベーターのためのEU資金提供」は、EUの新規の2014年-2020年の
研究プログラムである「ホライズン2020」に基づくEIB、EIFおよび欧州委員会の共同の取組みであ
る。2013年12月11日、研究およびイノベーションのための包括プログラム(2014年-2020年)である
ホライズン2020を確立し、決定事項N1982/2006/ECを廃止する欧州議会および理事会規則(EU)
N1291/2013(「ホライズン2020規則」)が採択された。2014年6月12日、欧州委員会、EIBおよびEIF
は、金融商品であるInnovFinを設定する委任契約を締結した。InnovFinは、EIBグループによって提供
される一連の統合され、かつ補完的な金融ツールおよびアドバイザリー・サービスで構成され、零細
企業から巨大企業までの企業による投資を支援するために研究およびイノベーション(「R&I」)のバ
リュー・チェーン全体を対象としている。EIBは、InnovFinの個別財務書類を作成している。
Z.5. EIF資金
EIF 資金は、EIBとEIFとの間で2000年12月に締結された資金管理契約に従い、EIBによって管理され
ている。
Z.6. ファンド・オブ・ファンズ(「JESSICA II」)
ファンド・オブ・ファンズ(「FoF」)は、欧州構造投資基金(「ESIF」)が、2014年から2020年ま
での間に加盟国運用プログラムにより資金供給した地域金融商品(「DFI」)で構成されている。FoF
は、選定された金融仲介機関と協力して、貸付、出資および保証の実行を通じて、最終受領者の資金
調達を促進している。
EIBは、ファンド・マネージャーとして、関係運営当局から資金供給(拠出)の取りまとめを行い、
拠出者と合意した投資戦略に従って、金融仲介機関を介して当該資金を投資している。
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Z.7. コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(「CEF」)
コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(「CEF」)は、運輸、電気通信およびエネルギーのイ
ンフラストラクチャー・セクターにおける共益プロジェクトを支援するために、欧州横断的なネット
ワークに欧州連合の財政支援を提供することを目的とした、EIBと欧州委員会の間の共同協定である。
欧州委員会は、CEFに基づく負債性金融商品の業務および管理をEIBに委託しており、これにより、欧
州横断交通網プロジェクト融資保証手段(「LGTT」)およびプロジェクト債券イニシアチブ
(「PBI」)の試験段階への連続性が確保される。LGTTとPBIは、CEFの下で2016年1月1日に統合され
た。CEF委任契約は、最新かつ共通のリスク・シェアリングの取決めを定めている。EIBは、CEFの個別
財務書類を作成している。
Z.8. JESSICA(保有基金)
JESSICA (都市部への持続可能な投資に対する欧州共同支援)は、欧州委員会とEIBが欧州評議会開
発銀行と共同で策定したイニシアチブである。
JESSICA 保有基金はJESSICAイニシアチブに関連して使用される。新しい手続きに基づき、関係運営
当局は、持続可能な総合都市開発計画の一部を形成するプロジェクトへの有償投資を行うために、自
身のEU助成金の一部を使用する選択権を付与される。EIBは、運用者として、関係運営当局から受領し
た資金を取りまとめ、拠出者と合意した投資ガイドラインに従って都市開発基金に投資している。
EIB は、JESSICAの個別財務書類を作成している。
Z.9. EU - アフリカ・インフラ(「EUAI」)信託基金
EUAI 信託基金は、創設・援助組織としての欧州連合を代表するECと、運用者としてのEIBとの間の、
信託基金協定に基づき創設され、創設後は、欧州連合加盟国もこの協定に資金提供者として参加でき
る。2006年2月9日、ECとEIBは、EU - アフリカ・インフラ・パートナーシップを共同で推進し、特に
それを支援するEU-アフリカ・インフラ信託基金を設立する旨の覚書を交わした。EIBは、EUAI信託基
金の個別財務書類を作成している。
Z.10. 特別部門
特別部門は、総務会によって1963年5月27日に設定された。1977年8月4日の決議に基づき、その
目的は見直され、第三者の勘定で第三者の委託に基づいてEIBが実行した金融業務を記録するためとさ
れた。特別部門には、FED、MED/FEMIPおよび欧州開発金融機関民間部門開発ファシリティの保証部分
が含まれる。
Z.11. GF ギリシャ
ファンドは、ギリシャ共和国、ECおよびEIBによる共同イニシアチブで、設立の目的は、ギリシャの
中小企業に対する融資を支援することである。ファンドは、ギリシャのために用意された構造基金の
未使用部分を使って設立されており、ギリシャのパートナー銀行経由で、EIBの中小企業向けローンの
保証を行う。EIBは、GF ギリシャの個別財務書類を作成している。
Z.12. 資金パートナーシップ・プラットフォーム(「PPF」)
PPF はEIBが運用する複数地域、複数拠出者、かつ複数セクターの、複数のファンドを組み込んだプ
ラットフォームであり、持続可能な発展のために金融の流れを増加させる必要性を考慮し、また欧州
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投資銀行の成功体験を基礎として設立された。PPFに基づく基金は、プラットフォーム規則に従って導
入された。EIBは、PPFの個別ベースの合算財務報告を作成している。
Z.13. リスク・シェアリング・ファイナンス・ファシリティ(「RSFF」)
RSFF は、欧州連合を代表するECとEIBとの間で締結され、2007年6月5日付で発効した協力協定に基
づき設立された。RSFFは、研究、技術開発と実証プロジェクトおよび技術革新への投資を育成するこ
とを目的としている。RSFFの一環として、EIFは、技術革新および研究を中心とする中小企業(SME)
および中堅企業のためのリスク・シェアリング・インスツルメント(「RSI」)を用意した。RSIは、
研究を推進する中小企業(「SME」)や中堅企業の借入やファイナンス・リースのため、銀行やリース
会社に保証を提供している。EIBは、RSIを含めたRSFFの連結財務書類を個別に作成している。
Z.14. 欧州近隣パートナーシップ枠組み(「ENPI」)
欧州近隣政策の対象国における欧州連合の一般予算から資金調達される事業の実施について定めた
欧州連合とEIBとの間の枠組み協定は、ENPIを通じて実施される。EIBは、ENPIの個別財務書類を作成
している。
Z.15. 国際開発協力機構(「AECID」)
このパートナーシップ契約は、スペイン王国(スペインの国際開発協力機構(「AECID」))とEIB
との間で調印されたもので、モーリタニアおよびFEMIPによってカバーされる諸国(「南地中海沿岸地
域」)の活動に投資するために設立された。地域の零細企業や中小企業に関してリスク資本を提供す
ること、および民間セクターの幅広い発展に従事することを主目的としている。EIBは、AECIDの個別
財務書類を作成している。
Z.16. エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス(「PF4EE」)商品
エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス(「PF4EE」)商品は、エネルギー効率関連投資向
けの十分かつ低価格の商業金融の利用可能性が限定的であることに対処することを目的とした、EIBと
欧州委員会の協定である。この商品は、EU加盟国の国別エネルギー効率行動計画、またはその他のエ
ネルギー効率プログラムの実施を支援するプロジェクトを対象としている。2014年12月、欧州委員会
およびEIBは、金融商品であるPF4EEを設定する委任契約を締結した。EIBは、PF4EEの個別財務書類を
作成している。
Z.17. 深化した包括的自由貿易協定地域(「DCFTA」)
欧州投資銀行および欧州連合は、2016年12月19日に、深化した包括的自由貿易協定地域
(「DCFTA」)の委任契約に署名した。東部DCFTAイニシアチブは、EUと協力協定を締結した国である
ジョージア、モルドバおよびウクライナに対し、的を絞った金融および技術的支援を中小企業
(「SME」)向けに提供することによって、これら3国の経済発展を強化することを目的としている。
DCFTAの一環として、EIFは保証枠ウィンドウの実行および管理を行う。EIBは、保証枠ウィンドウを含
めたDCFTAの連結財務書類を個別に作成している。
Z.18. 近隣インベストメント・ファシリティ(「NIF」)信託基金
EIB が管理するNIF信託基金は、欧州近隣政策(「ENP」)の戦略的目標を達成するために設立され
た。当基金は、SME向け、人的資源育成を含む社会セクター向け、および地方自治体のインフラストラ
クチャー開発向けの支援を通じて、より適切で持続可能性の高いエネルギーおよび輸送の相互接続性
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を確立し、エネルギー効率の向上および再生可能エネルギー資源の利用促進を進め、気候変動および
より広い意味での環境への脅威に対処し、スマートで持続可能かつ包括的な成長を促進することに重
点 を置いている。EIBは、NIF信託基金の個別財務書類を作成している。
Z.19. 加盟候補国向け支援制度II(「IPA II」)
加盟候補国向け支援制度(「IPA」)に係る協定は、EUが「拡大国」の改革を財政面および技術面で
援助する支援措置である。加盟候補国向け支援ファンドも、持続性のある経済回復、エネルギー供
給、運輸、自然環境および気候変動などに関する目標をEUが達成できるよう支援する。IPA Iの後継制
度IPA IIは、すでに達成された成果を土台とし、2014年から2020年までの期間に117億ユーロを充当し
て構築される予定である。IPA IIの最も重要な革新性は、戦略的焦点にある。フレームワーク・パー
トナーシップ契約は、2015年末に締結され、EIBにより履行される。様々な「特別供与契約」の締結に
より、DG NEARからの財源が配分される。EIBは、IPA IIの個別財務書類を作成している。
Z.20. 欧州地中海投資パートナーシップ制度(「FEMIP」)信託基金
EIB が管理するFEMIP(ユーロ地中海投資パートナーシップ・ファシリティ)信託基金は、多数の援
助国の支援を得て、地中海パートナーシップ・ファシリティ参加国におけるEIBの既存業務を強化する
ために設立された。当基金は、技術援助とリスク資本の提供を通じて、特定の優先分野の事業に資源
を投入することを目指している。EIBは、FEMIP信託基金の個別財務書類を作成している。
Z.21. 近隣インベストメント・ファシリティ(「NIF」)リスク資本ファシリティ
近隣インベストメント・ファシリティ(「NIF」)リスク資本ファシリティは、欧州連合の一般予算
を財源とする。主な目標として、民間セクターの開発、包括的な成長および民間セクターの雇用創出
を支援するため、南方の近隣地域のSMEにエクイティ・ファイナンスおよびデット・ファイナンスへの
アクセスを提供することに注力している。このファシリティは、エクイティ・ファイナンスおよび
デット・ファイナンスの手段から成る金融商品ウィンドウと、技術支援サービスから成る付加的任務
ウィンドウで構成される。EIBは、金融商品ウィンドウの個別財務書類を作成している。
Z.22. EPTA信託基金
EPTA (東方パートナーシップ技術支援)信託基金は、技術支援のための多分野向けの多目的融資枠
を提供し、EIB東方パートナーシップ事業の質を高め、かつ開発効果を増幅させることに重点的に取り
組んでいる。同基金は、近隣インベストメント・ファシリティを補完する。EIBは、EPTA信託基金の個
別財務書類を作成している。
Z.23. 欧州戦略投資基金(「EFSI」)
適用されるEFSI規則に基づき、欧州委員会およびEIBは、EFSIの管理・運営、EUの保証提供に関する
契約(「EFSI契約」)、および欧州投資アドバイザリー・ハブ(「EIAH」)の実施に関する契約
(「EIAH契約」)を締結した。
EFSI 契約に基づき、ECは、EFSIが支援するプロジェクトに関して、EIBにEUの保証を提供した。EUの
保証に充当する資産は、欧州委員会が直接管理する。EFSIが支援するプロジェクトは、通常のEIBのプ
ロジェクトのサイクルおよびガバナンスに従う。また、EFSIは自己専用のガバナンス構造を有してい
る。当該構造は、EFSIの下で行う投資において、欧州に対する投資の妨げとなる市場のリスク負担の
失敗に対処するという特別の目的に、確実に重点が置かれ続けるようにするために設置されている。
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承認を受けたプロジェクトおよびEIBのエクスポージャーに関する詳細な情報については、注D.1を参
照のこと。
EIAH は、プロジェクトおよび投資に対し、財務以外の支援を拡充することを目的としている。EIAH
は3つの補完的な構成要素であるa) 公共受益者および民間受益者向けの広範なアドバイザリー技術支
援プログラムおよびイニシアチブへの足掛かり、b) パートナー機関の間での専門知識の活用、交換お
よび普及を目的とした協同プラットフォーム、およびc) 既存のアドバイザリー・サービスの強化もし
くは拡大または未対処のニーズに対応する新規のサービスの創出、で構成される。EIBは、EIAHの個別
財務書類を作成している。
Z.24. 自然環境保護資金調達ファシリティ(「NCFF」)
自然環境保護資金調達ファシリティ(「NCFF」)は、EIBと欧州委員会との共同契約であり、自然環
境保護資金の保全のための収益創出またはコスト削減プロジェクト(気候変動適応プロジェクトを含
む)に係る市場の格差および障壁に対処することにより、生物多様性分野および気候変動への適応に
関するEUおよび加盟国の目標の達成に貢献することを目的としている。EIBは、NCFFの個別財務書類を
作成している。
Z.25. EU貿易振興・競争力向上プログラム(「EUTCP」)
経済成長を加速させ、民間セクターの発展を支援し、地域統合ならびに気候変動の軽減および適応
を強化するというEUの政策目的に沿って、EIBはEUTCPを展開するためにECと協力している。EUTCPは以
下を合わせたものである。(i) バリュー・チェーン向けのEIBの長期貸付金、(ii) 保証手段(リス
ク・シェリング・ファシリティ)および (iii) 選別された国における市場の機能不全に対処するため
の技術的支援(専門家支援ファシリティ)。EUTCPはまた、EIBにとってそれぞれの国におけるポジ
ショニングについて戦略的に重要な取組みを表す。このプログラムは、EIBの伝統的な商品を補完する
新たな保証商品を可能にするため、選択された対象国におけるバリュー・チェーンに沿ってSMEに対す
る多額の投資をもたらすことが見込まれる。EIBは、EUTCPのリスク・シェアリング・ファシリティの
個別財務書類を作成している。
Z.26. 重債務貧困国(「HIPC」)イニシアチブ
HIPCイニシアチブ(「イニシアチブ」)とは、世界の最貧国に特別支援を供与する国際的な債務救
済制度である。世界銀行と国際通貨基金からの申入れを受けて、1996年に設立された。主な目的は、
貧困国の債務負担を維持可能な水準にまで削減することにある。
2020年7月30日付けのECからの閉鎖通知に基づき、ECとEIB HIPC間の管理契約は2020年8月31日付
で解除された。EIBは、2020年8月31日現在の同イニシアチブの最後の財務書類を作成している。
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(1)
特別部門計算書
2020年12月31日および2019年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
資産 2020 年12月31日 2019 年12月31日
地中海沿岸諸国
欧州連合の財源によるもの
実行済貸付残高 8,333 13,073
リスク資本業務
- 未実行金額
21,747 21,614
- 実行済金額 30,465 32,978
52,212 54,592
(2)
60,545 67,665
合計
アフリカ、カリブ海および太平洋地域諸国ならびに加盟国の
属国および属領
欧州連合の財源によるもの
- ヤウンデ協定
実行済貸付金 0 71
リスク資本による業務
- 実行済金額 419 419
(3)
419 490
合計
- ロメ協定
リスク資本による業務
- 実行済金額 121,821 135,357
(4)
121,821 135,357
合計
182,785 203,512
合計
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(1)
特別部門計算書 (続き)
2020年12月31日および2019年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
負債 2020 年12月31日 2019 年12月31日
受託管理資金
欧州連合の委託によるもの
- 地中海沿岸諸国金融議定書
38,798 46,051
- ヤウンデ協定
419 490
- ロメ協定 121,821 135,357
161,038 181,898
受託管理資金の合計
未実行金額
21,747 21,614
地中海沿岸諸国における貸付業務およびリスク資本業務
21,747 21,614
未実行金額の合計
182,785 203,512
合計
付記:
欧州連合の委託に基づきEIBが元利回収を引き受けた、欧州委員会提供の特別条件付貸付金の実行済・未返
済残高合計:
a ) 2020年12月31日現在における第1次、第2次および第3次ロメ協定に基づくもの:232,416千ユーロ
(2019年:256,081千ユーロ)
b ) 2020年12月31日現在における地中海沿岸諸国との間で署名した金融議定書に基づくもの:35,417千
ユーロ(2019年:41,578千ユーロ)
欧州連合-欧州開発金融機関民間部門開発ファシリティとの関連において、保証部分の導入契約が2014年
8月20日に締結された。2019年に受けた履行請求後の、2020年12月31日現在に発行済EU保証はゼロ(2019
年:ゼロ)であった。EU保証の総額は、2020年12月31日現在で38,920千ユーロ(2019年:38,920千ユーロ)
である。
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注(1) 特別部門は、総務会によって1963年5月27日に設定された。1977年8月4日の決議に基づき、その目的が見
直され、第三者の勘定で第三者の委託に基づいて欧州投資銀行が実行した金融業務を記録するためとされ
た。ただし、コトヌー協定、欧州連合-アフリカ・インフラ信託基金、近隣インベストメント・ファシリ
ティ信託基金(「NIF」)およびFEMIP信託基金に基づくインベストメント・ファシリティについては、個別
財務書類に表示されている。また、EIBは2005年より他の委託について異なる種類の財務書類を作成してい
る。
特別部門計算書は、欧州連合および加盟国の委託に基づく実行済金額もしくは未実行金額から解約額およ
び返済額を控除した金額を示している。実行済金額および未実行金額ならびに受取済および受取予定資金
は、額面価額で計上されている。特別部門計算書では、これらの業務に付随するリスクを補填するために必
要となりうる引当金もしくは評価損益は、確定的な償却を除き、考慮されていない。外貨建ての金額は、12
月31日現在の実勢為替レートで換算されている。
注(2) 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、マグレブおよびマシュレク
諸国、マルタ、キプロス、トルコならびにギリシャにおけるプロジェクト資金(1981年1月1日の欧州共同
体加盟前に10百万ユーロ融資)のため締結された契約の実行時の金額:
実行時の金額: 840,457
減算: 為替差額 56,989
解約額 178,046
544,877
返済額
-779,912
60,545
注(3) 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、連合アフリカ諸国、マダガ
スカルおよびモーリシャスならびに加盟国の属国、属領および地区(AASMM-OCTD)におけるプロジェクト資
金のため締結された契約の実行時の金額:
特別条件付貸付金 139,483
2,503
リスク資本形成拠出金
実行時の金額: 141,986
加算: 資産計上された利息 1,178
9,823
為替差額
11,001
減算: 解約額 3,310
149,258
返済額
-152,568
419
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注(4) 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、アフリカ・カリブ海および
太平洋諸国ならびに加盟国の属国および属領(「ACP-OCT」)におけるプロジェクト資金のため締結された
契約の実行時の金額:
リスク資本による貸付金:
条件付劣後貸付金 3,116,097
121,002
出資
実行時の金額: 3,237,099
加算: 資産計上された利息 9,548
減算: 解約額 741,842
返済額 2,326,706
56,278
為替差額
-3,124,826
121,821
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④【EU会計指令に基づく連結財務書類とIFRSに基づくものとの差異】
EU 会計指令に基づき作成されたEIBグループの2020年12月31日現在の連結貸借対照表および2020年12月31日終
了年度の損益計算書ならびにIFRSに基づき作成されたそれらとの間における差異
連結 貸借対照表
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:千 ユーロ )
EU 会計指令 調整 IFRS
影響 参照
資産
835,163 0 835,163
1 現金、中央銀行および郵便局預け金
2 中央銀行担保適格国庫証券およびそ
A.1, B.1, C
の他短期証券 32,073,906 120,904 32,194,810
3 金融機関貸付金および預け金
a)要求払 613,764 0 613,764
A.2, B.4
b)その他の貸付金および預け金 60,275,644 -6,722 60,268,922
A.2, B.4
c)貸付金 103,720,205 2,345,873 106,066,078
d)貸付金 および預け金の減損(戻
-80,237 -125,922
入れ控除後) -45,685 C
164,529,376 166,822,842
4 対顧客貸付金および預け金
A.2, B.4
a) その他の貸付金および 預け 金 900,604 0 900,604
A.2, A.5, B.4
b)貸付金 321,119,208 23,846,074 344,965,282
c)貸付金および 預け 金の減損(戻
-567,532 -482,180
入れ控除後) 85,352 C
321,452,280 345,383,706
5 確定利付証券を含む負債証券
A.1, B.1, C
a)公共機関による発行 5,150,059 50,438 5,200,497
7,658,631 A.1, B.1, C 7,720,588
b)その他による発行 61,957
12,808,690 12,921,085
B.2, B.3
6 株式およびその他の変動利付証券 8,745,640 4,577,810 13,323,450
7 参加持分 363,188 -363,188 B.3 0
8 デリバティブ資産 0 53,285,964 B.5 53,285,964
9 有形固定資産 248,759 123,095 G 371,854
10 無形資産 39,279 0 39,279
B.5, H
11 その他の資産 37,312 43,820 81,132
12 応募済資本金および準備金(払込請
求済払込未了分) 1,438,648 15,887 I 1,454,535
A.1, A.2, A.4,
B.1, B.4, B.5
13 前払金 13,544,357 -13,224,595 319,762
0 11,000
14 売却目的保有資産 11,000 A.5
556,116,598 627,044,582
資産合計
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連結 貸借対照表
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:千ユーロ)
EU 会計指令 調整 IFRS
影響 参照
負債および資本
1 金融機関に対する債務
a)要求払 4,199,057 -1,858 A.3 4,197,199
12,316,334 12,302,079
b)期日払または通知払 -14,255 A.3
16,515,391 16,499,278
2 顧客に対する債務
a)要求払 1,680,511 0 1,680,511
20,951 20,951
b)期日払または通知払 0
1,701,462 1,701,462
3 債務証書借入
a)負債証券 425,622,598 46,013,416 A.4 471,636,014
9,641,151 13,260,959
b)その他 3,619,808 A.4
435,263,749 484,896,973
4 デリバティブ負債 0 38,355,226 B.5 38,355,226
A.2, B.5, E, G,
5 その他の負債 4,449,751 1,038,091 H 5,487,842
A.1, A.2, A.3,
A.4, B.1, B.4,
B.5, F
6 繰延収益 19,382,783 -18,948,200 434,583
7 引当金
a)年金制度および健康保険制度 3,818,049 5,751,446 D 9,569,495
22,640 61,084
b)保証引当金 38,444 C
3,840,689 9,630,579
負債合計 481,153,825 557,005,943
8 資本金
a)応募済資本金 248,795,607 0 248,795,607
-226,604,892 -226,604,892
b)払込未請求資本金 0
22,190,715 22,190,715
9 連結準備金
a)準備基金 24,328,415 0 24,328,415
b)その他準備金 11,888,087 -5,401,320 A-H 6,486,767
A.4 B.2, B.5
c)公正価値準備金 0 522,532 522,532
d) 特別活動準備金 11,736,896 0 11,736,896
2,135,891 2,135,891
e)一般貸倒準備金 0
50,089,289 45,210,501
10 当期純利益 1,749,853 887,570 A-I 2,63,423
932,916 0
11 非支配持分に帰属する資本
-932,916 E
74,962,773 70,038,639
資本合計
556,116,598 627,044,582
負債および資本合計
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連結 損益計算書
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:千 ユーロ )
EU 会計指令 調整 IFRS
影響 参照
A.1, A.2,
B.1, B.4,
B.5, I
1 受取利息および類似収益 18,049,312 -225,380 17,823,932
A.4, B.5, D,
E, G
2 支払利息および類似費用 -14,980,625 79,527 -14,901,098
3 株式およびその他の変動利付証券からの収益 275,473 0 275,473
4 受取手数料 484,530 13,157 F 497,687
5 支払手数料 -327,649 0 -327,649
A.1, A.2,
A.4, B.1,
B.2, B.3,
B.4, B.5, G,
6 金融業務損益 -176,808 826,218 H 649,410
7 その他の業務収益 5,557 0 5,557
8 貸付金および預け金の減損ならびに保証引当
C, H
金の変動(戻入れ控除後) -222,137 195,673 -26,464
9 固定金融資産として保有される譲渡可能有価
証券、株式およびその他の変動利付証券の減
C, B.3
損の変動(戻入れ控除後) -8,350 9,185 835
10 一般管理費
a) 人件費 -1,013,949 -35,486 D -1,049,435
-264,271 -223,575
b) その他の管理費 40,696 G
-1,278,220 -1,273,010
11 減価償却費および償却費:有形固定資産およ
び無形資産
a) 有形固定資産 -29,240 -40,000 G -69,240
-18,010 -18,010
b) 無形資産 0
-47,250 -87,250
12 当期純利益 1,773,833 2,637,423
23,980 0
少数株主に帰属する当期利益 -23,980 E
1,749,853 2,637,423
EIB 株主に帰属する当期利益
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評価および収益認識におけるIFRSおよびEU会計指令の間の差異
A 損益を通じて公正価値で測定するものとして指定されたまたは償却原価で計上される金融資産および負債
(ヘッジ会計を含む。)
1 負債証券ポートフォリオ
EU 会計指令において、負債証券ポートフォリオは、購入価格で計上され償却原価で測定される(有価
証券流動性ポートフォリオを除く)。経過利息は、連結貸借対照表の「前払金および未収収益」の項目
に計上される。未収割戻金およびアップフロント・フィーは、連結貸借対照表の「未払金および繰延収
益」の項目に計上される。
IFRS に基づき、グループは、適格なヘッジ対象の負債証券にヘッジ会計を適用している。これらの有
価証券の帳簿価額は、ヘッジの対象となるリスクに起因する公正価値について調整される。ヘッジ会計
に含めることのできない経済的ヘッジ対象の負債証券は、当初認識時に取消不能で公正価値オプション
に指定され、損益を通じて公正価値で測定される。
経過利息(未収割戻金控除後)および未償却のアップフロント・フィーは、連結貸借対照表上で関連
する金融商品の残高として報告される。
ヘッジ対象負債証券の公正価値変動およびヘッジの公正価値は、連結損益計算書の「金融業務損益」
に認識される。
2 貸付金および預け金
EU 会計指令において、すべての貸付金および預け金は、償却原価で計上されている。経過利息は連結
貸借対照表の「前払金および未収収益」または「未払金および繰延収益」の項目に計上される。貸付金
に係るアップフロント・フィーは償却され、連結損益計算書の「受取利息および類似収益」に認識され
る。
IFRS においては、グループは、適格なヘッジ対象の貸付金にヘッジ会計を適用している。これらの貸
付金の帳簿価額は、ヘッジの対象となるリスクに起因する公正価値について調整される。ヘッジ会計に
含めることのできない経済的ヘッジ対象の貸付金は、当初認識時に取消不能で公正価値オプションに指
定され、損益を通じて公正価値で測定される。
貸付金の公正価値変動およびヘッジの公正価値は、連結損益計算書の「金融業務損益」に認識され
る。
経過利息は、連結貸借対照表上で関連する資産の残高として報告される。
信用減損している貸付金および預け金に係る経過利息は、「受取利息および類似収益」に戻入れがな
される。
IFRS においては、貸付金に係るアップフロント・フィーは、
・ 公正価値オプションに指定された貸付金に関して連結損益計算書上の「金融業務損益」の項目で
即時認識される。
・ 貸付金の満期までの期間にわたり償却され、ヘッジ会計および/または償却原価で測定に指定さ
れた貸付金については、連結貸借対照表の「金融機関および対顧客貸付金および預け金」の項目
で認識される。
IFRS においては、償却原価で測定される金融資産のキャッシュ・フローについて大幅な契約の変更が
なされた場合、新たな金融資産をその公正価値で計上し、条件変更に係る損益の影響額を連結損益計算
書の「金融業務損益」に計上する。
貸付金の仮勘定は、「その他の負債」から当該貸付金仮勘定が関連する貸付金残高に再分類される。
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3 金融機関に対する債務
EU 会計指令において、「金融機関に対する債務」は、連結貸借対照表において償還額で表示される。
金融機関に対する債務の利息は、発生主義により、連結損益計算書の「支払利息および類似費用」ま
たは利息がマイナスの場合には「受取利息および類似収益」に計上される。経過利息は、「未払金およ
び繰延収益」に含められる。
IFRS においては、「金融機関に対する債務」は、当初は取得原価で計上され、連結貸借対照表では償
却原価で表示される。
金融機関に対する債務の利息は、実効金利法を用いて連結損益計算書の「支払利息および類似費用」
または「受取利息および類似収益」に計上される。
経過利息は、連結貸借対照表上で関連する金融商品の残高として報告される。
4 債務証書借入
EU 会計指令において、債務証書借入は償却原価で計上される。経過利息は連結貸借対照表の「未払金
および繰延収益」の項目に計上される。「前払金および未収収益」または「未払金および繰延収益」に
計上される発行手数料および償還プレミアムまたはディスカウントは定額法で償却され、その後連結損
益計算書の「支払利息および類似費用」の項目に認識される。
IFRS においては、グループは、適格である場合は常にそのヘッジ対象の発行債務の大部分にヘッジ会
計を適用する。これらの債務証書借入の帳簿価額は、ヘッジの対象となるリスクに起因する公正価値に
ついて調整される。ヘッジ会計に含めることのできない経済的ヘッジ対象の債務証書借入は、当初認識
時に取消不能で公正価値オプションに指定され、損益を通じて公正価値で測定される。
債務証書借入の公正価値変動およびヘッジの公正価値は、連結損益計算書の「金融業務損益」に認識
される。
経過利息は、連結貸借対照表上で関連する負債性金融商品の残高として報告される。
発行手数料および償還プレミアムまたはディスカウントは、連結貸借対照表で関連する金融商品の項
目において報告され、実効金利法を用いて関連する債務証書借入の満期までの期間にわたって償却され
る。ただし、債務証書借入が損益を通じて公正価値で測定され、発行手数料、プレミアム/ディスカウ
ントおよび償還プレミアムが連結損益計算書の「金融業務損益」に即時認識される場合を除く。
公正価値オプションに指定された債務証書借入については、IFRS第13号に従い自己信用リスクを反映
した自己信用調整(「OCA」)が計算され、それぞれの変動額が「公正価値準備金」として「その他の包
括利益(「OCI」)に計上される。
IFRS において、グループは金融資産および金融負債の相殺基準を充たす1件の取引を有している。
5 売却目的保有資産
EU 会計指令において、売却目的保有資産は、原資産の性質に応じて表示され測定される。
IFRS においては、グループは、セカンダリーセールの対象となる金融資産を売却目的保有資産として
表示する。当該金融資産は、引き続きIFRS第9号およびグループの会計方針に従って測定される。その
帳簿価額が、継続使用を通じてではなく主に売却取引を通じて回収される場合に売却目的保有に分類さ
れる。
B 強制的に損益を通じて公正価値で分類されるまたはその他の包括利益を通じて公正価値で測定するものと
して指定された金融資産および金融負債
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1 負債証券ポートフォリオ
EU 会計指令においては、有価証券流動性ポートフォリオを除く負債証券ポートフォリオは、購入価格で
計上され、償却原価で測定される。有価証券流動性ポートフォリオの負債証券は、公正価値で計上され
る。公正価値変動は、連結損益計算書の「金融業務損益」に直接反映される。経過利息は、連結貸借対照
表の「前払金および未収収益」および「未払金および繰延収益」の項目に計上される。
IFRS においては、一部の負債証券は償却原価で測定することができないため公正価値で計上しなければ
ならず、公正価値変動は直接損益に反映される。
これらの負債証券の公正価値変動は、連結損益計算書の「金融業務損益」に認識される。
経過利息は、連結貸借対照表上で関連する金融商品の残高として報告されるが、関連手数料は、連結損
益計算書の「金融業務損益」に即時認識される。
2 株式およびその他の変動利付証券
EU 会計指令においては、株式およびその他の変動利付証券は、当初は取得原価で計上され、返済による
資金の還流額が減額される。これらの帳簿価額は、その後取得原価または各連結貸借対照表日現在の時価
のいずれか低い方の額に調整される。
個々の評価損益は「金融業務損益」に計上される。
IFRS においては、株式およびその他の変動利付証券は公正価値で計上され、公正価値変動は連結損益計
算書の「金融業務損益」に直接反映される。ただし、公正価値変動が「公正価値準備金」としてOCIに反映
されている欧州復興開発銀行(「EBRD」)に対する投資を除く。
3 参加持分
EU 会計指令においては、「参加持分」は、グループの会計方針と一致した手法に基づき、EU会計指令に
定める持分法を用いて会計処理されている。個々の評価損益は、「固定金融資産として保有される譲渡可
能有価証券および参加持分に係る(再)評価損益」に計上される。
IFRS においては、参加持分は「株式およびその他の変動利付証券」に含められ、個々の公正価値調整は
「金融業務損益」に計上される。
4 貸付金および預け金
EU 会計指令においては、すべての貸付金および預け金は償却原価で計上される。経過利息は、連結貸借
対照表の「前払金および未収収益」または「未払金および繰延収益」の項目に計上される。貸付金に係る
アップフロント・フィーは償却され、連結損益計算書の「受取利息および類似収益」に認識される。
IFRS においては、償却原価での測定に適格でない貸付金は、損益を通じて公正価値で測定に分類され
る。これらの貸付金に係るアップフロント・フィーは、契約時に連結損益計算書の「金融業務損益」に認
識される。
貸付金の公正価値変動は、連結損益計算書の「金融業務損益」に認識される。
5 デリバティブ資産および負債
a 財務デリバティブ
EU 会計指令において、有価証券流動性ポートフォリオに含まれるデリバティブ金融商品は、時価で
評価され、「その他の資産」または「その他の負債」に計上される。
IFRS においては、すべてのデリバティブ資産および負債は連結貸借対照表で認識され、損益を通じ
て公正価値で測定される。
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経過利息は、連結貸借対照表上で関連する金融商品の残高として報告される。
信用評価調整(「CVA」)、債務評価調整(「DVA」)および担保評価調整(「CollVA」)は、デリ
バティブの公正価値評価に含まれている。
デリバティブの公正価値変動は連結損益計算書の「金融業務損益」に認識される。
b デリバティブおよびヘッジ活動
EU 会計指令において、ヘッジ・デリバティブ金融商品は貸借対照表で認識されない。これらはオ
フ・バランスシートにおいて額面価額で報告される。
デリバティブ金融商品について発生する利息は、「前払金および未収収益」または「未払金および
繰延収益」に表示される。
アップフロント・フィー、償還プレミアムまたはプレミアム/ディスカウントは、「支払利息およ
び類似費用」として、関連するデリバティブの満期までの期間にわたり償却される。
IFRS においては、すべてのデリバティブ資産および負債は貸借対照表で認識され、損益を通じて公
正価値で測定される。
経過利息は、連結貸借対照表上で関連する金融商品の残高として報告される。
CVA 、DVAおよびCollVAは、デリバティブの公正価値評価に含まれている。
デリバティブの公正価値変動は、連結損益計算書の「金融業務損益」に認識される。
為替スワップおよび外国為替予約のプレミアムおよびディスカウントの償却は、「金融業務損益」
に計上される。
ヘッジ会計におけるデリバティブについては、ヘッジ手段に指定された部分の利得または損失が連
結損益計算書に認識される。加えて、グループは、通貨ベーシス・スプレッド(「CBS」)の公正価値
をヘッジ手段指定から分離し、特定の会計処理を適用している。当初ヘッジ手段の指定日に測定され
たCBSの金額はOCIに計上され、連結損益計算書においてヘッジ期間にわたり定額法で償却される。CBS
のその後の公正価値変動は、OCIに直接認識される。
ヘッジ会計におけるデリバティブのアップフロント・フィーまたは償却プレミアムは、実効金利法
を用いて関連するデリバティブの満期までの期間にわたり償却される。ただし、これらのデリバティ
ブがヘッジ会計に指定されておらず、「金融業務損益」に即時認識される場合を除く。
IFRS により、グループは、金融資産および金融負債の相殺基準を充たす2件の取引を有している。
C 償却原価で測定される金融資産および貸付コミットメントの減損
EU 会計指令において、貸付金および預け金の評価損益は、(ⅰ)それらの金額のすべてもしくは一部が回
収できないリスクが存在する場合、または(ⅱ)減損しているがそのように認識されていないポートフォリ
オの貸付金もしくは発生しているが報告されていない損失を捕捉するために計上される。これらの評価損
益は、連結損益計算書の「貸付金および預け金ならびに偶発債務引当金に係る(再)評価損益」として会
計処理され、連結貸借対照表上の適切な資産項目から控除される。
負債証券の評価損益は、それが一時的でない場合に、または減損しているがそのように認識されていな
い負債証券もしくは発生しているが報告されていない損失を捕捉するために計上される。これらの評価損
益は、連結損益計算書の「固定金融資産として保有される譲渡可能有価証券および参加持分に係る(再)
評価損益」として会計処理され、連結貸借対照表上の適切な資産項目から控除される
IFRS により、グループは、償却原価で測定されるすべての貸付金および負債証券の損失引当金に加え、
オフ・バランスシートの貸付コミットメントの損失引当金を認識することが要求されている。この引当金
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は、当初認識以降に信用リスクが著しく増大した場合、または当該金融商品が信用減損していると判断さ
れた場合は全期間予想信用損失(「ECL」)に基づき、そうでない場合は12ヵ月ECLに基づき計上される。
金融商品の性質に応じて、ECL引当金は、連結貸借対照表の適切な資産項目から控除される。オフ・バラ
ンスシート項目については、貸倒引当金は「引当金 b) 保証および契約債務引当金 」の項目で報告され
る。
ECL 引当金の変動は、連結損益計算書の以下のいずれかの項目に計上される。
・ 貸付金および貸付コミットメントについては、「貸付金および預け金の減損ならびに保証引当金
の変動(戻入れ控除後)」
・ 負債証券については、「固定金融資産として保有される譲渡可能有価証券、株式およびその他の
変動利付証券の減損の変動(戻入れ控除後)」
D 年金基金
EU 会計指令においては、10%回廊方式が採用されており、退職給付債務の10%を超過する過年度の数理
計算上の差異の累積額は、制度加入者の予想平均残存勤続年数にわたり定額法で「一般管理費 a)人件費
」に認識される。
IFRS において、グループは、退職後確定給付制度に関連する収益または費用を決定するために改訂され
たIAS第19号を適用している。
数理計算上の差異の累積額は、全額が「その他準備金」としてOCIで認識される。人件費の調整は、連結
損益計算書の「一般管理費 a)人件費」で、利息費用の調整は「支払利息および類似費用」で認識される。
E 非支配持分の調整
EIB 」および欧州投資基金(「EIF」)は総称して「グループ」と定義されている。
EIB はその子会社の1つであるEIFの少数株主の全所有株式を対象としてプット・オプションを付与し
た。
EU 会計指令において、非支配持分は連結貸借対照表上、「非支配持分に帰属する資本」として別に計上
される。プット・オプションは、グループの連結オフ・バランスシートに計上される。
IFRS においては、非支配持分は組み替えられ、対応する金融負債がオプションの行使価格の公正価値に
より「その他の負債」に認識されて親会社の株主に帰属する。その後、当該金融負債はIFRS第9号に従っ
て測定される。すなわち、取得日後の金融負債の公正価値変動は、連結損益計算書の「支払利息および類
似費用」に認識される。非支配持分の合意価格に対する超過額または不足額は「連結準備金」に戻入れが
なされる。
F 受取手数料
グループは、EU会計指令およびIFRSに基づき、一定期間にわたり履行義務が充足される収益からの受取
手数料を、サービス期間にわたり発生主義で認識している。一時点でのサービスの提供またはその履行に
より稼得した受取手数料(例えば業績連動)は、サービスが完了した時点で認識される。
グループは、一定のマンデートについて、収入を受領する時期と各マンデートの全期間にグループにお
いてサービス/コストが発生する時期との間のずれに対応するために、繰延収益方針を確立している。対
応する調整が「受取手数料」に対して連結貸借対照表の「繰延収益」に計上される。
EU 会計指令において、一定の期間にわたりこの繰延メカニズムを将来に向かって適用し当会計年度の繰
延収益を認識したが、IFRSにおいては、グループは修正遡及アプローチを使用し、IFRS第15号への移行時
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
に累積的影響額を資本に認識した。この結果、繰延収益とそれに対応する個々の年度に計上される収益に
差異が生じた。
G リース
EU 会計指令に基づき、賃借料は「一般管理費 b)その他の管理費」に計上される。
IFRS 第16号に従って、グループは、契約がリースに該当するかを評価する。リースに該当する場合、グ
ループは使用権資産およびリース負債を認識する。ただし、免除規定の対象となるもの(短期リース資産
および新規の取得原価を基準とした少額リース)を除く。上記の使用権資産は「有形固定資産」に認識さ
れ、対応するリース負債は「その他の負債」に認識される。
その後、グループは、原価モデルを適用して使用権資産を計上し、使用権資産を開始日からリース契約
終了時まで減価償却するとともに毎年減損評価を行う。使用権資産の減価償却は、「減価償却費および償
却費:有形固定資産および無形資産 a)有形固定資産」に計上される。リース負債の帳簿価額は、リース料
およびリース負債に係る割引の巻戻しによる利息を反映して調整され、再評価またはリースの条件変更を
反映するため再測定が行われる。リース負債に係る割引の巻戻しによる利息は、連結損益計算書の「支払
利息および類似費用」に計上される。再評価の金額は、連結損益計算書の「金融業務損益」に計上され
る。
H 金融保証契約
EU 会計指令に基づき、金融保証による負債純額は、連結貸借対照表の「引当金 b)保証業務に係る引当
金」に表示されている。将来の予想プレミアムの正味現在価値が予想支払義務を超過する額を表す未実現
利益は、引き続き認識されていない。
純負債の増加または減少は、連結損益計算書の「貸付金および預け金ならびに偶発債務引当金に係る
(再)評価損益」で認識される。
IFRS において、金融保証による未実現利益は、金融保証契約の測定の結果として正味資産ポジションと
なった場合、連結貸借対照表の「その他の資産」に計上される。金融保証契約の測定の結果として正味負
債ポジションとなった場合、償却後の当初NPVが12ヵ月ECLまたは全期間ECLよりも高い契約については、
「その他の負債」に表示される。信用減損があり、全期間ECLに基づいた損失引当金が認識されている保証
契約については、「保証および契約債務引当金」に表示される。金融保証に関連する「その他の資産」ま
たは「その他の負債」の増加または減少は、連結損益計算書の「金融業務損益」に認識される。保証履行
請求に対する決済以外の金融保証に伴う「保証および契約債務引当金」の増加または減少は、連結損益計
算書の「貸付金および預け金の減損ならびに保証引当金の変動(戻入れ控除後)」に認識される。
I 応募済資本金および準備金(払込請求済払込未了分)
EU 会計指令に基づき、「応募済資本金および準備金(払込請求済払込未了分)」の項目には、2020年3
月1日のポーランドおよびルーマニアの増資に伴う両国からの将来の支払額が含まれる。
IFRS において、当該支払額は、割引キャッシュ・フロー法を用いて割り引かれる。
割引の影響は「受取利息および類似収益」として計上され、その償却額は「支払利息および類似費用」
に計上される。
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(6) 【その他】
当会計年度の末日後、本有価証券報告書提出日までに生じた重要な事実はない。
(7) 【発行者の属する国等の概況】
該当なし
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