北欧投資銀行 有価証券報告書
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北欧投資銀行(E06042)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2021 年6月29日
【会計年度(又は事業年度)】 自 2020年1月1日 至 2020年12月31日
北欧投資銀行 (Nordic Investment Bank)
【発行者の名称】
【代表者の役職氏名】 アンドレ・クースベック(総裁兼最高経営責任者)
André Küüsvek
(President and Chief Executive Officer)
弁護士 島崎 文彰
【事務連絡者氏名】
【住所】 東京都千代田区神田小川町一丁目7番地
小川町メセナビル4階
島崎法律事務所
【電話番号】 (03)5843-9631
【縦覧に供する場所】 該当なし
注 (1) 本書中、別段の記載がない限り、すべての金額はユーロで表示されている。「ユーロ」とは、欧州共
同体の設立条約(その後の改正を含む。)に従って単一通貨を採用した欧州連合加盟国の法定通貨を
指すものとする。2021年5月19日現在のユーロの日本円に対する対顧客電信直物売買相場の仲値は1
ユーロにつき、133.30円であった。
(2) 北欧投資銀行の会計年度は暦年である。
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第1【募集(売出)債券の状況】
募集債券
該当なし。
売出債券
上場金融商品取引
会計年度末の 所名または登録認
債券の名称 発行年月 券面総額 償還額
未償還額 可金融商品取引業
協会名
北欧投資銀行2020年4月満期
1,449,800,000 1,449,800,000
インドルピー建債券 2015年4月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨売買型)(1)
北欧投資銀行2020年7月満期
765,600,000 765,600,000
インドルピー建債券 2015年7月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型)(2)
北欧投資銀行2020年1月満期 95,230,000 95,230,000
2017年1月 - 該当なし
トルコリラ建債券(3) トルコリラ トルコリラ
北欧投資銀行2020年1月満期 163,060,000 163,060,000
ブラジルレアル建債券 2017年1月 ブラジル ブラジル - 該当なし
(円貨決済型)(4) レアル レアル
北欧投資銀行2020年1月満期
1,020,100,000 1,020,100,000
インドルピー建債券 2017年1月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型)(5)
北欧投資銀行2021年2月24日
5,500,000 5,500,000
満期ブラジルレアル建債券
2017年2月 ブラジル - ブラジル 該当なし
(円貨決済型)(環境債)
レアル レアル
(6)
北欧投資銀行2020年5月29日
170,000,000 170,000,000
満期インド・ルピー建債券
2017年5月 - 該当なし
インド・ルピー インド・ルピー
(円貨決済型)(環境債)
(7)
北欧投資銀行2020年7月満期 373,220,000 373,220,000
2017年7月 - 該当なし
トルコリラ建債券(8) トルコリラ トルコリラ
北欧投資銀行2020年7月満期 290,900,000 290,900,000
2017年7月 - 該当なし
メキシコペソ建債券(9) メキシコペソ メキシコペソ
北欧投資銀行2020年7月満期 161,310,000 161,310,000
ブラジルレアル建債券 2017年7月 ブラジル ブラジル - 該当なし
(円貨決済型)(10) レアル レアル
北欧投資銀行2020年7月満期
1,480,800,000 1,480,800,000
インドルピー建債券 2017年7月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型)(11)
北欧投資銀行2020年11月満期 409,430,000 409,430,000
2017年11月 - 該当なし
トルコリラ建債券(12) トルコリラ トルコリラ
北欧投資銀行2020年11月満期 79,610,000 79,610,000
ブラジルレアル建債券(13) 2017年11月 ブラジル ブラジル - 該当なし
(円貨決済型) レアル レアル
北欧投資銀行2020年11月満期
1,032,400,000 1,032,400,000
インドルピー建債券(14) 2017年11月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型)
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北欧投資銀行2020年2月満期 288,210,000 288,210,000
2018年2月 - 該当なし
トルコリラ建債券(15) トルコリラ トルコリラ
北欧投資銀行2021年2月満期 88,200,000 88,200,000
2018年2月 - 該当なし
メキシコペソ建債券(16) メキシコペソ メキシコペソ
北欧投資銀行2021年2月満期 54,660,000 54,660,000
ブラジルレアル建債券 2018年2月 ブラジル - ブラジル 該当なし
(円貨決済型)(17) レアル レアル
北欧投資銀行2021年2月満期
1,000,000,000 1,000,000,000
インドルピー建債券(18) 2018年2月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型)
北欧投資銀行2021年9月満期 87,010,000 87,010,000
ブラジルレアル建債券 2018年9月 ブラジル - ブラジル 該当なし
(円貨決済型) レアル レアル
北欧投資銀行2021年9月満期
1,031,300,000 1,031,300,000
インドルピー建債券 2018年9月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型)
北欧投資銀行2022年3月満期 36,010,000 36,010,000
ブラジルレアル建債券 2019年3月 ブラジル - ブラジル 該当なし
(円貨決済型) レアル レアル
北欧投資銀行2022年3月満期
1,303,400,000 1,303,400,000
インドルピー建債券 2019年3月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型)
北欧投資銀行2022年12月満期 156,700,000 156,700,000
2019年12月 - 該当なし
メキシコペソ建債券 メキシコペソ メキシコペソ
北欧投資銀行2022年12月満期 27,570,000 27,570,000
ブラジルレアル建債券 2019年12月 ブラジル - ブラジル 該当なし
(円貨決済型) レアル レアル
北欧投資銀行2022年12月満期
2,120,500,000 2,120,500,000
インドルピー建債券 2019年12月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型)
北欧投資銀行2023年7月満期 14,110,000 14,110,000
ブラジルレアル建債券 2020年7月 ブラジル - ブラジル 該当なし
(円貨決済型) レアル レアル
北欧投資銀行2023年7月満期
370,200,000 370,200,000
インドルピー建債券 2020年7月 - 該当なし
インドルピー インドルピー
(円貨決済型)
注 (1) この債券は2020年4月15日に満期一括償還された。
(2) この債券は2020年7月30日に満期一括償還された。
(3) この債券は2020年1月30日に満期一括償還された。
(4) この債券は2020年1月30日に満期一括償還された。
(5) この債券は2020年1月30日に満期一括償還された。
(6) 当該会計年度終了後、この債券は2021年2月24日に満期一括償還された。
(7) この債券は2020年5月29日に満期一括償還された。
(8) この債券は2020年7月30日に満期一括償還された。
(9) この債券は2020年7月30日に満期一括償還された。
(10) この債券は2020年7月30日に満期一括償還された。
(11) この債券は2020年7月30日に満期一括償還された。
(12) この債券は2020年11月27日に満期一括償還された。
(13) この債券は2020年11月27日に満期一括償還された。
(14) この債券は2020年11月27日に満期一括償還された。
(15) この債券は2020年2月26日に満期一括償還された。
(16) 当該会計年度終了後、この債券は2021年2月26日に満期一括償還された。
(17) 当該会計年度終了後、この債券は2021年2月26日に満期一括償還された。
(18) 当該会計年度終了後、この債券は2021年2月26日に満期一括償還された。
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当該会計年度中に、各債券の所有者の権利等に重要な影響を与える事実は発生しなかった。
当該会計年度末以降、日本において債券の募集または売出しは行われていない。
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第2【外国為替相場の推移】
本邦において売出しが行われた債券の表示通貨であるインドルピー、トルコリラ、ブラジルレアルおよび
メキシコペソと本邦通貨との間の為替相場が、国内において時事に関する事項を掲載する2以上の日刊新聞
紙に北欧投資銀行の最近5年間の会計年度において掲載されているため、記載を省略。
(1) 【最近5年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
該当事項なし。
(2) 【当会計年度(又は事業年度)中最近6月間の月別為替相場の推移】
該当事項なし。
(3) 【最近日の為替相場】
該当事項なし。
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第3【発行者の概況】
1【発行者が国である場合】
該当事項なし
2【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
3【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1) 【設立】
① 設立の目的・根拠および設立年月日
1975 年12月4日、北欧投資銀行(以下「NIB」または「当行」という。)は、中期および長期の貸出お
よび債務保証を行う国際金融機関として、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェーおよび
スウェーデン(以下「北欧諸国」という。)の間の国際協定によって設立された。当行は、1976年8月2
日に業務を開始した。2005年1月1日に効力を生じた北欧諸国、エストニア、ラトビアおよびリトアニア
(以下「加盟国」という。)の間の契約(以下「2004年契約」という。)を通じて、エストニア、ラトビ
アおよびリトアニアは同等の条件で当行の加盟国となった。
当行は、その設立文書に準拠している。現在有効な設立文書は以下のとおりである。
・2004年契約および関連する定款(2020年7月29日付で効力を生じた、2020年2月28日付の加盟国間の
改正契約(以下「改正契約」という。)により補足されたもの);ならびに
・2011年2月16日付で効力を生じた、フィンランド政府と当行の間の2010年10月20日付の受入国協定
(以下「受入国協定」という。)
当行は、豊かで持続可能な加盟国地域をサポートするため、北欧諸国およびバルト海諸国のために生産
性の向上および環境面の利益を促進するプロジェクトに対して融資を行う。当行の貸出金の内訳について
は、「(4)-① 貸出業務」を参照。当行がその貸出業務において従っている与信方針を含む当行の使命お
よび負託については、「(4)-① 貸出業務」を参照。
2004 年契約は、当行にその施設の不可侵性、不動産および資産の捜索・押収からの免責、判決前の保全
執行からの保護ならびに広範な免税など、国際金融機関(以下「IFI」という。)に共通の特権および免
責を規定している。詳細については、下記「③ 法的地位と特権」を参照。
当行の本店は、フィンランド、ヘルシンキ00100、ファビアニンカツ34に所在する(宛先:P.O.Box
249, FI-00171 Helsinki, Finland)。電話番号は、+358-10-618001、インターネット上のアドレス
は、https://www.nib.int/である(かかるURLは、情報提供のみを目的とした文言の参照として言及され
ている。当ウェブサイト上の情報が引用によって本報告書に組み込まれることはない。)。
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法律上の目的
2004 年契約および定款によると、当行の目的は、サウンド・バンキング原則に従って社会経済的な配
慮をしたうえで利用可能な融資を行い、加盟国および当行から融資を受けるその他の諸国の利益となる
投資プロジェクトを実現させることである。当行は、準備金の積立てと払込済資本金に対する合理的収
益を得るため、その業務活動から利益を上げることを義務づけられているが、利益の最大化を目指す主
体ではない。当行の業務上の資金は、加盟国による払込済資本金、利益剰余金および国際資本市場にお
ける借入により賄われる。詳細については、「(2)-① 資本構成」、「(2)-④ 準備金」、「(4)-⑤ 長期
負債」および「(4)-⑥ 財務活動」を参照。
② 沿革
加盟国の協力
組織化された北欧協力
北欧諸国間の協力は、経済政策、工業技術開発、情報伝達および法制の調和を含む多岐にわたる活動
からなっている。
北欧協力の最も重要かつ正式な根拠となっているのは、1962年ヘルシンキ条約である。この条約には
北欧諸国の協力の目的が述べられており、北欧評議会に関する規定、およびその後改正され北欧閣僚評
議会に関する規定が掲げられている。
北欧評議会は、北欧諸国が共通の利害を有する問題について議会レベルで協議と議論を行う場となっ
ている。北欧閣僚評議会には、北欧諸国政府に対して拘束力を有するとみなされる協力案件に関して決
定を行う権限が与えられている。
1992 年以降、エストニア、ラトビアおよびリトアニアのバルト3国は、北欧バルト8カ国(以下
「NB8」という。)の枠組みの下で、北欧諸国と緊密に協力してきた。NB8の下で、地域の関心事および
国際問題について協議するため、北欧諸国とバルト諸国の首相および外相の間で定期的な会合がもたれ
ている。
EFTA およびEU
北欧諸国は、相互の商業取引関係を着実に広げてきた。こうした進展は、1960年の欧州自由貿易連合
(以下「EFTA」という。)の創設により促進されたもので、これにより、1960年代から1970年代にかけ
て北欧諸国間の貿易の発展の枠組みが確立された。
1973 年にデンマークが欧州共同体(欧州連合の前身)に加盟したのに続いて、他の北欧4カ国が、北
欧地域内での自由貿易の促進を目的として欧州共同体と相互自由貿易協定を結んだ。
スイスを除くEFTA加盟国および欧州連合(以下「EU」という。)は、1994年1月1日付で欧州におけ
る自由貿易圏である欧州経済領域(EEA)を創設した。
フィンランドおよびスウェーデンは1995年1月1日付でEUに加盟した。北欧諸国で現在EFTAに加盟し
ているのは、ノルウェーとアイスランドのみとなっている。1999年1月1日のユーロ導入時、北欧では
フィンランドがEUの経済通貨同盟(以下「EMU」という。)に参加した唯一の国であった。
2004 年5月1日、エストニア、ラトビアおよびリトアニアがEU加盟国となり、その後EMUの加盟国と
なった。エストニアは2011年1月1日付、ラトビアは2014年1月1日付、リトアニアは2015年1月1日
付で、それぞれEMUに加盟した。
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その他の協力形態
北欧バルト諸国の協力には、国際機関における政策上の意見調整も含まれている。国連および国連貿
易開発会議で発生する問題について定期的に協議がなされている。加盟国は、国際通貨基金、国際復興
開発銀行およびその他の国際機関へ共同で代表者を送っている。
北欧投資銀行の設立
北欧評議会および北欧閣僚評議会での長年にわたる議論が、北欧投資銀行の設立につながった。NIBの
法的基礎をなすのが、1975年12月4日に締結された「設立契約」である。設立契約の締結国は、デン
マーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェーおよびスウェーデンであった。
設立契約およびNIBの定款は1976年6月1日に発効し、当行は同年8月2日に業務を開始した。
1981 年9月15日に、北欧閣僚評議会は、開発途上国向けを主とするプロジェクト輸出における北欧協
力の促進計画を承認した。1982年2月28日に修正されたこの決定には、この計画の重要な要素のひとつ
として、貸出および債務保証を行う共同融資(以下「プロジェクト投資貸出」という。)ファシリティ
の創設が含まれている。このファシリティは1982年7月1日に発効し、加盟国以外における当行の貸出
業務の主要な部分を形成してきた。「(5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の注12を参照。
1996 年8月、北欧諸国の首脳は、北欧諸国に隣接する地域における環境投資に対する融資を行う特別
環境貸出ファシリティ(以下「環境投資貸出ファシリティ」という。)の設定を決定した。このファシ
リティは1997年1月25日に北欧閣僚評議会で承認され、1997年8月28日に効力を生じた。このファシリ
ティは、当行の貸出業務の一部をなすもので、加盟国に隣接する地域における環境の保護および国境を
越えた公害の減少を目指す投資に対する融資を行う目的で、公共・民間両部門に対する貸出および債務
保証を行っていきた。「(5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の注12を参照。
プロジェクト投資貸出および環境投資貸出のプログラムは、2020年7月29日に効力を生じた定款改正
(以下に記載する。)の一環として当行の通常の貸出業務に組込まれた。
1997 年11月、北欧閣僚評議会は、当行ならびにその姉妹機関であるNEFCOおよびNDF(それぞれ以下に
定義する。)の法的枠組みを、その国際機関としての地位を反映させるため、改訂すべきであるとの決
定を行った。NIBに関しては、これにより1998年10月23日に1998年契約が締結される運びとなった。
1998 年10月23日、北欧諸国は新設立契約(以下「1998年契約」という。)を締結した。この1998年契
約は1999年7月18日に発効し、設立契約は同日失効した。
2003 年6月の北欧諸国の首脳による政策決定を受けて、2005年1月1日付で、エストニア、ラトビア
およびリトアニアは、原加盟国と同等の条件で当行の加盟国となった。新規加盟国は、原加盟国と同一
の権利および義務を有する。
2004 年契約は、当行を統治するための新しい組織を規定しており、これは2005年1月1日付で完全に
実施された。当行はまったく新しい機関である統治委員会を取り入れた。統治委員会は、当行のそれま
での法的枠組みにおける北欧閣僚評議会に代るもので、その役割を継承した。2004年契約は、当行の業
務を変更するものではなかった。
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統治委員会は、2019年5月24日のその年次会議において、定款の大幅な改正および2004年契約の改正
(以下「改正契約」という。)を承認し、改正契約は2020年2月28日に締結された。
この改正契約および定款の改正は2020年7月29日付で効力を生じた。改正の内容は以下のとおりであ
る:
・サウンド・バンキング原則に従って、現行の法定ギアリング制限を資本および流動性管理のリスクに
基づく包括的な枠組みに代えること、ならびに資本、流動性およびレバレッジについて最低要件を
導入すること。
・プロジェクト投資貸出(PIL)および環境投資貸出(MIL)のための特別貸出ファシリティを廃止する
こと。PILおよびMILファシリティに基づく貸出金は、当行の通常貸出の一部となり、この種の新た
な貸出も今後通常貸出を構成することとなる。また、PILのための特別信用リスク基金は払込済資本
金に、また加盟国のPIL保証は払込請求可能資本に、転換されている。MILは転換されていない。
・組織統治を改善し、監査委員会および外部監査人の役割を明確化し、当行監査委員会の委員長の役割
を強化すること。
・理事会の全会一致の承認により、貸出および保証に加えて、限定的な資本参加を当行による資金援助
の新たな形態として認めること。
当行の関連当事者/姉妹機関について
1988 年5月19日、北欧閣僚評議会は、優遇的な条件で開発途上国における北欧の利益になるプロジェ
クト向けに融資するために、国際金融機関である北欧開発基金(以下「NDF」という。)の設立を決定し
た。NDFの設立に関する契約は、1988年11月3日に北欧諸国(以下「NDF加盟国」という。)によって署
名され、同基金は1989年2月1日にその業務を開始した。NDFは、独自の理事会を持ち、NDF加盟国に
よって資本基盤を供与されている独立した法人である。
1990 年3月2日に北欧閣僚評議会は、北欧諸国の環境面で利益になる東欧および中欧での投資の促進
を目的として、国際金融機関である北欧環境金融公社(以下「NEFCO」という。)の設立を決定した。
NEFCOは、独自の理事会を持ち、NEFCOの加盟国によって資本基盤を供与されている独立した法人であ
る。
NDF およびNEFCOの設立文書によると、それらの主たる事務所は当行の主たる事務所に置かれている。
さらに、NDFおよびNEFCOの定款は、北欧評議会により任命されたそれらの監査委員は同評議会が任命し
た当行の監査委員と同じメンバーとすることを規定している。また、NDFおよびNEFCOの定款は、それぞ
れの理事会に与えられる権限を、適宜、各組織の総裁および/または当行に委ねることができる旨を規定
している。当行は、NDFおよびNEFCOに対して管理運営サービスを提供しており、その報酬は「(5) 経理
の状況」の財務書類に対する注記の注8において開示されている。
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③ 法的地位と特権
2004 年契約の下で、 当行は完全な法主体性を有する国際法人格の地位を有している。とりわけ当行は、
契約締結、動産および不動産の取得および処分、ならびに裁判所および他の機関における法的手続きの当
事者となる権利を有する。2004年契約はさらに、当行が加盟国に共通の国際金融機関として、加盟国の内
外で同様の業務を行っている他の法人と同じ地位を有することを規定している。
2004 年契約はまた、とりわけ一定の免責特権に関する条項も規定している。これらの条項によると、加
盟国は、当行が事務所を設置しているか、もしくは送達受領の目的で代理人を指名している国の領域内の
管轄権ある裁判所において、または当行が明示的に管轄権を承認した場合のみ、当行に対して訴えを提起
することができる ことにつき、加盟国は同意している。ただし、訴えは、加盟国、加盟国の代理人または
加盟国に由来する請求権を有する者により、当行がこれに対して明示的同意を表明した場合のみ、提起す
ることができる。
さらに、2004年契約は、当行の財産および資産(所在地または所有者を問わない。)は、これらに対す
る司法機関または行政機関による判決または命令が確定するまで、その執行を免除される旨を規定してい
る。当行の財産および資産(所在地または所有者を問わない。)はさらに、行政または立法行為による捜
索、徴用、没収および収用を免除される。当行、その財産および資産はまた、差押のような手続的制約を
も免除される。
2004 年契約は、当行の土地建物および公文書ならびに当行に帰属しまたは当行が保管するすべての文書
が不可侵である旨を規定している。
2004 年契約はまた、 当行がその義務の履行をいかなる方法でも制限しまたは妨げるような支払制限や信
用政策措置の適用も受けないこと、ならびに当行、その収益、資産および財産が関連条項に規定されてい
るすべての課税を免除されていることも規定している。したがって、当行は、当行の正式業務に関連した
不動産および有価証券の購入および譲渡ならびに財・サービスの調達に対する課税を免除されている。当
行による貸出および借入も、一切の課税および類似の性質の賦課金を免除されている。
2010 年10月20日、 当行とフィンランド政府との間の改訂受入国協定が締結された。この協定は、国際機
関としての当行の地位を確認し、当行およびその職員に関する一定の特権および免責ならびに職員の社会
保障についてさらに規制するものである。この協定はフィンランドにおいて制定され、2011年1月16日付
で施行された。
④ 日本との関係
該当事項なし。
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(2) 【資本構成】
① 資本構成
次の表は、2020年および2019年の12月31日現在の 当行の資本構成を示す。この表は、「(5) 経理の状
況」に記載されている2020年12月31日終了年度の財務書類およびその注記とともに読まれなければならな
い。
2020年12月31日現在の残高 2019年12月31日現在の残高
(百万ユーロ)
資本:
授権・応募済資本金 8,369 6,142
(7,523)
うち払込請求可能資本金 (5,723)
払込済資本金 846 419
利益準備金 686 686
一般信用リスク基金 2,140 2,003
PIL特別信用リスク基金 - 427
ヘッジ準備金 28 19
公正価値による負債に係る
自己信用リスクの変動 (3) -
165 182
当期利益
3,861 3,735
資本合計
29,072 26,674
証券負債
32,932 30,409
長期負債および資本合計
② 授権資本金
統治委員会は、 当行の理事会の提案に基づき、当行の授権資本金の増額を決定することができる。かか
る決定が効力を生じるには、通常、加盟国の議会による批准を要する。
当行の授権資本金は設立時に約510百万ユーロであったが、数回にわたって増額されており、最近では
当行が定款を改正した2020年に増額された。当行は、これまで通常貸出および特別プログラムに基づく貸
出という主に2つの貸出分類を有していた。特別プログラムに基づく貸出は、プロジェクト投資貸出
(PIL)および環境投資貸出(MIL)で構成されていた。2020年に効力を生じた新しい定款の下で、これら
2つの特別プログラムは廃止された。PILおよびMILファシリティに基づく貸出金は当行の通常貸出の一部
となった。1,800百万ユーロのPIL貸出に関連した所有者である諸国の保証は、払込請求可能資本金に転換
され、PILに割当てられていた資本準備金は払込済資本金に転換された。その結果、当行の授権資本金は
8,369百万ユーロとなった。当行の授権資本金のうち、払込済部分と払込請求可能部分の内訳について
は、下記「③ 払込済資本金および払込請求可能資本金」に記載される。
当行の定款に規定するとおり、授権資本金の増額は、統治委員会が随時定める市場価格による国民総所
得(以下「GNI」という。)に基づいて加盟国間に割当てられる。1975年の当行の設立から、バルト諸国
が当行に加盟した2005年1月1日まで、GNIは、入手可能な直近2年間のデータの平均として北欧諸国の
要素価格で計算されていた。2005年1月1日以降、GNI統計はIMFの国際金融統計の公刊物を出典としてい
る。加盟国間での新たな応募済資本金の割当ては増額の都度固定され、すでに応募済の資本金に関して調
整または均等化のための支払が行われたことはない。したがって、加盟国間のGNIが数年間で変化したた
め、加盟国の授権資本金と払込済部分は同一ではない。
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2016 年、 当行の統治委員会は、払込済資本金および払込請求可能資本金における各加盟国の比率が授権
資本金の各加盟国の比率と等しくなるように、当行の授権資本金を調整および変更することを決定した。
各加盟国における承認手続きの完了を経て、かかる変更は効力を生じ、実施されている。
2020 年および2019年12月31日現在、授権資本金の加盟国別内訳は以下のとおりであった。
2020 年 2019 年
加盟国 ( 百万ユーロ) 比率(%) ( 百万ユーロ) 比率(%)
デンマーク 21.1% 21.1%
1,763 1,294
エストニア 77 0.9% 56 0.9%
フィンランド 1,483 17.7% 1,088 17.7%
アイスランド 79 0.9% 58 0.9%
ラトビア 112 1.3% 82 1.3%
リトアニア 163 2.0% 120 2.0%
ノルウェー 1,800 21.5% 1,321 21.5%
スウェーデン 2,893 34.6% 2,123 34.6%
合 計 8,369 100.0 % 6,142 100.0 %
③ 払込済資本金および払込請求可能資本金
定款は、 当行の授権資本金は払込済分と払込請求可能分からなることを規定している。当行の現在の総
授権資本金8,369百万ユーロのうち、払込済分は、当行の授権資本金総額の約10%に相当する846百万ユー
ロであった。応募済資本金のうちの未払込分はすべて、当行の債務の返済のため理事会が必要と認めた限
りにおいて、理事会により払込請求することができることになっている。このような払込請求が按分比例
してなされなければならないとする定款の規定はないが、払込請求を行うときはまず按分比例により行わ
れることが予想される。払込請求に対し、加盟国のいずれかが払込を怠った場合でも他の加盟国はそれぞ
れの払込義務を免れることはできない。かかる払込請求に際して、いかなる加盟国も、法的には応募済資
本金のうちの払込請求可能額以上の払込をなすことを要しない。これまでそのような払込請求は行われて
いない。
当行が地域協力機関としての使命を帯びていることから、さらに加盟国を追加することを認める条項は
2004年契約には存在しない。加盟国が2004年契約の規定に定める通知を行うことによって脱退することは
可能であるが、2004年契約は、脱退しようとする国が脱退のときに効力を有している当行の債務について
引続き脱退直前までと同じ範囲で責任を負うことも規定している。
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2020 年および2019年12月31日現在、払込済資本金の加盟国別内訳 は以下のとおりである。
2020 年 2019 年
加盟国 ( 百万ユーロ) 比率(%) ( 百万ユーロ) 比率(%)
デンマーク 178 21.1% 88 21.1%
エストニア 8 0.9% 4 0.9%
フィンランド 150 17.7% 74 17.7%
アイスランド 8 0.9% 4 0.9%
ラトビア 11 1.3% 6 1.3%
リトアニア 17 2.0% 8 2.0%
ノルウェー 182 21.5% 90 21.5%
スウェーデン 293 34.6% 145 34.6%
合 計 846 100.0 % 419 100.0 %
④ 準備金・基金
当行の年間純利益は、定款のもとで、利益準備金(以下「利益準備金」という。)が当行の授権資本金
の10%に達するまで同準備金へ繰入れられることになっている。その後、統治委員会は当行の理事会の提
案を受けて利益準備金および一般信用リスク基金への追加繰入れと加盟国に対する配当支払との間での純
利益の配分を決定する。
2020 年12月31日現在、 当行の利益準備金は、当行の授権資本金の8.2%に相当する686百万ユーロであっ
た。当行は、その業務における特定できないリスクのために各年度の利益の一部を一般信用リスク基金
(以下「一般信用リスク基金」という。)として毎年積立てている。2020年12月31日現在の一般信用リス
ク基金は2,140百万ユーロであった。一般信用リスク基金は、当行の貸出ポートフォリオから発生する損
失ならびに当行がその財務部の業務などの事業活動において引受けるその他のリスクをカバーするために
利用することができる。財務活動に関連するリスクには、市場リスクのほか、取引相手リスクが含まれ
る。これについてのさらなる情報は、 「(5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の「注 2:リスク管
理」 を参照。
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(3) 【組織】
当行の統治構造は、改正契約により補足された2004年契約および定款に規定されている。定款は、当行
の統治機関である統治委員会、理事会および監査委員会の任務の関係を定めている。定款に従って、当行
は総裁および業務遂行のために必要な職員を有している。
当行は、良好な統治を強化および促進する一般原則として、高潔性、透明性、予測可能性、説明責任、
責任および開示を促進している。当行は、企業統治の分野における最善の慣行に従うことを目的としてい
る。
統治委員会は、定款第13項において付与された権限を有する。統治委員会は、8名の統治委員をもって
構成される。統治委員として指名された大臣は、各加盟国を代表する。統治委員会は、その採択した交替
制に従って1年の任期で委員長を任命する。統治委員会は、年次会議およびその他適宜会議を開催する。
2020 年5月31日までは、アイスランドの統治委員であるビャルニ・ベネディクトソン同国財務経済大臣
であるが委員長を務めた。2021年5月31日までは、リトアニアの統治委員が議長を務めている。この役割
は2021年1月12日までは同国財務大臣のヴィリュス・シャポカが担っていたが、その後リトアニアの新し
い財務大臣であるギンターレ・スカイステが任命された。
統治委員会は、2020年5月26日に書面手続きにより年次会議を開催した。
2020 年12月31日現在の当行の統治委員は次のとおりであった。
統治委員
デンマーク シモン・コレラップ 産業・ビジネス・金融大臣
エストニア ケイト・ペントゥス=ロシマヌス 財務大臣
フィンランド マッティ・ヴァンハネン 財務大臣
アイスランド ビャルニ・ベネディクトソン 財務経済大臣
ラトビア ヤニス・レイルス 財務大臣
リトアニア ギンターレ・スカイステ 財務大臣
ノルウェー ヤン・トーレ・サンネル 財務大臣
スウェーデン マグダレナ・アンデショーン 財務大臣
統治委員会に付与されていない 当行のすべての権限は理事会に属する。理事会は、当行の融資対象とな
るプロジェクトを承認し、当行の業務、とりわけ資金調達、借入および財務活動のための一般的な枠組み
ならびにその管理についての政策決定を採択する。理事会は、その権限を適切と考える範囲で総裁に委ね
ることができる。理事会は各加盟国が任命する8名の理事と8名の理事代理をもって構成される。理事会
は、統治委員会が採択した交替制に従って、2年の任期で理事会の会長および副会長を互選する。
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2020 年12月31日現在の 当行の理事および理事代理は次のとおりであった。
理事
デンマーク ジュリー・ゾンネ 産業・ビジネス・金融省局長
エストニア マディス・ウーリケ 財務省顧問
フィンランド ペッカ・モレン 財務省局長
アイスランド エスター・フィンボガドッティール 財務経済省局長
(理事会会長)
ラトビア リーガ・クラヴィーナ 財務省金融政策問題担当国務副長官
リトアニア ユルギッタ・ウジエリエネ 財務省EU国際関係局副局長
ノルウェー オーレ・K. ホブラン 財務省上席顧問
(理事会副会長)
スウェーデン スヴェン・ヘーゲロン 前国務長官
理事代理
デンマーク ヘッレ・ダム-ソレンセン 産業・ビジネス・金融省首席特別顧
問
エストニア メルレ・ウィルキンソン 財務省国庫局顧問
フィンランド ペトリ・ペルトネン 経済雇用省政務次官
アイスランド ヨン・グンナール・ヴィルヘルムソン 財務経済省局長
ラトビア イネッサ・スダレ 財務省金融資源局副局長
リトアニア ドヴィール・ヤサイティエンネ 財務省国際関係局部長
ノルウェー クリスティン・ランゲラント・エルヴィッ ノルウェー財務省局次長代行
ク
スウェーデン カミラ・カシュテングレン 財務省長官
上述の各理事の業務上の住所は、フィンランド、ヘルシンキ、FI-00171、私書箱249番、ファビアニン
カツ34である。
総裁は、当行の現在の業務遂行について責任を負い、1期5年の任期をもって理事会により任命され
る。
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2020 年12月31日現在の当行の上級経営陣およびその役職は次のとおりであった。
氏名
当行 における役職
ヘンリック・ノーマン* 総裁兼最高経営責任者
ヘイッキ・カンテル 法律顧問、法務部長
ヒルデ・キェルスベルグ 筆頭副総裁、リスクおよびコンプライアンス部長
ソレン・モルテンセン 副総裁、貸出部長代行
グンナール・オック 副総裁、ITおよびビジネス・サービス部長
ビョルン・オーデル 筆頭副総裁、副最高経営責任者、最高財務責任者兼財務・金融部長
* 2021年4月1日付でアンドレ・クーシュベックが総裁兼最高経営責任者に就任した。
監査委員会は、当行の業務がその定款に従って確実に運営されることを確実にするために設置された監
督機関である。監査委員会は、10名以上12名以内の委員をもって構成される。北欧評議会ならびにエスト
ニア、ラトビアおよびリトアニアの各国会が、各国から1名の委員を任命し、統治委員会が正副委員長を
含む2名ないし4名の委員を任命する。統治委員会が任命した委員は委員長職とされ、委員会全体の責任
および職務を管理し、当行の財政状態、リスク水準、資本および流動性ポジションを監視し、外部監査人
によって行われた当行の財務書類の監査の実施を監督する。委員会全体は、当行の目的およびとりわけ負
託と使命の遂行の監視に注力している。委員会全体と委員長職は、それぞれ手続き規則に定めるその監視
任務について毎年統治委員会に報告書を提出する。監査委員会は、当行の財務書類の監査を行う外部監査
人を任命する。
統治を強化するため、監査委員会は財務および監査事項について委員長職を補佐する外部の専門家を任
命することができる。
2020 年12月31日現在、当行の監査委員会の構成員は次のとおりであった。
監査委員会委員
ピーター・エングベルグ・イェンセン -
監査委員会委員長
トマス・ヴァッパー 財務省起業家・会計政策局長
監査委員会副委員長
デンマーク シュウルル・スカーレ 国会議員
エストニア アイヴァル・コック 国会議員
フィンランド ヴィレ・リードマン 国会議員
アイスランド ヴィリャルムール・アルナソン 国会議員
ラトビア イルゼ・インドリクソン 国会議員
リトアニア *
ノルウェー マイケル・テツシュナー 国会議員
スウェーデン ヨハン・アンデルソン 国会議員
* 2020年12月21日付で前任のシギタ・スカジュヴィエーネ氏の任命が解かれたため、2020年12月31日現在監査委員
は任命されていなかった。
2020 年12月31日現在、当行の正規の従業員および期間契約従業員は合計222名であった。
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(4) 【業務の概況】
① 貸出業務
使命および負託
現在の定義によるNIBの使命は、生産性を高め、環境を改善するプロジェクトに対して、サウンド・バ
ンキング原則に基づいて長期的な補完的融資を提供することにより、加盟国の持続可能な成長を促進する
ことである。NIBは、NIBが価値を付加し、他の資金源を補完することができる事業活動に対して、貸出お
よび債務保証の形で資金を提供することにより、この負託を果たしている。さらに、NIBは、あらゆる融
資の環境的側面の評価を行っている。
加盟国外におけるNIBの貸出に関しては、受入国がNIBを国際公法に基づく法人として、また当該国の法
律に基づく権利能力を有しているものとして認識し、かつIFIとしてのNIBの地位を認識していることにつ
いての合意が一般に必要となる。当行は、借手の債務返済義務について他の国際金融機関のそれと類似し
た方針を採っている。よって、当行は、いかなるソブリン債務のリスケジュールにも関与していない。
貸出は、公的部門および民間のプロジェクトの双方を対象として行われる。関係するプロジェクトが立
地する国の政府の反対があれば、貸出もしくは債務保証は行われない。当行は、プロジェクトの適格性を
査定するためにいくつかのプロセスを利用している。当行は、負託の評価ツールならびに当行の融資が当
行の目的および使命を果たすことを保証するためのサステナビリティ方針を適用している。また、当行
は、貸出の承認に関連して顧客デューディリジェンス手続きを有している。
貸出の分類
当行は、これまで通常貸出および特別プログラムに基づく貸出という主に2つの貸出分類を有してい
た。特別プログラムに基づく貸出は、プロジェクト投資貸出(PIL)および環境投資貸出(MIL)で構成さ
れていた。2020年に効力を生じた新定款の下で、これらの特別プログラムは廃止された。PILおよびMIL
ファシリティに基づく貸出金は当行の通常貸出の一部となり、今後この種の新規貸出も通常貸出を構成す
ることになる。
当行は、次の貸出枠を設定した。すなわち、北極圏地域におけるプロジェクト向け貸出として500百万
ユーロを上限とする枠組みをもつ北極圏融資枠、中小資本会社(SMC)を含む中小企業(SME)向けの250
百万ユーロの融資枠、SME/SMCと従来から当行の顧客であった大企業との間の市場セグメントに存在する
中資本企業(MCC)向けの500百万ユーロの貸出枠ならびに500百万ユーロのグリーンボンド貸出枠であ
る。2020年末現在、当行は172百万ユーロ(前年:132百万ユーロ)のグリーンボンドを債務証券において
公正価値で保有していた。
当行はこれまで、「(5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の「注3:セグメント情報」および「注
12:貸出金および保証約定」に詳述したとおり、通常貸出とプロジェクト投資貸出(PIL)および環境投
資貸出(MIL)からなる特別プログラムに基づく貸出という2つの貸出のカテゴリーを有していた。 当行
の定款変更に伴い、プロジェクト投資貸出(PIL)および環境投資貸出(MIL)のための特別貸出ファシリ
ティは廃止された。PILおよびMILファシリティに基づく貸出金は当行の通常貸出の一部となり、今後この
種の新規貸出も通常貸出を構成することになる。定款が効力を生じた日現在、PIL貸出金の合計は333百万
ユーロ、MIL貸出金の合計は7百万ユーロであった。
2020 年12月31日現在、21,555百万ユーロ(前年:18,799百万ユーロ)に上る553件(前年:581件)の貸
出金が残存しており、これには0百万ユーロ(前年:10百万ユーロ)のミディアム・ターム・ノート
(MTN)が含まれていた。これらは、ヘッジ会計上の関係においてデリバティブとの適格なヘッジ関係の
一部を構成する場合を除き償却原価で計上されており、MTNは公正価値で認識される。
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② 貸出金
2020 年12月31日現在、減損およびヘッジ会計調整前の変動利付の貸出金は、16,625百万ユーロ(前年:
14,666百万ユーロ)で、固定利付は4,846百万ユーロ(前年:4,047百万ユーロ)であった。一般に、固定
利付の貸出金は、デリバティブ商品の利用を通じて変動利付に転換される。
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年
期首残高 18,799 19,065
貸出実行 4,819 2,545
償却 -1,457 -1,564
期限前償還 -410 -1,001
予想信用損失の増減 -57 -2
換算差額 -187 6
公正価値調整 1 -2
ヘッジ会計調整 47 51
その他の増減 0 -299
期末残高 21,555 18,799
下表は、12月31日現在の当行の貸出金および発行済保証の事業分野別内訳を示したものである。
2020 年 2019 年
(百万ユーロ) 金額 比率(%) 金額 比率(%)
エネルギーおよび水 6,535 30.4% 5,337 28.5%
インフラ、運輸および通信 7,112 33.1% 5,773 30.8%
工業およびサービス 5,840 27.2% 5,253 28.1%
金融機関および中小企業 1,983 9.2% 2,350 12.6%
減損およびヘッジ会計調整前合計 21,471 100.0 % 18,713 100.0 %
ECLのステージ3 -71 -78
ECLのステージ1および2 -98 -41
公正価値調整 -1 -1
ヘッジ会計調整 254 207
合計 21,555 18,799
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下表は、12月31日現在の貸出金の償還スケジュールを示したものである。
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年
2020年 - 1,691
2021年 1,640 1,619
2022年 2,268 2,197
2023年 2,513 2,411
2024年 2,443 2,220
2025年 2,097 1,782
2026年以降 10,509 6,794
減損およびヘッジ会計調整前合計 21,471 18,713
ECLのステージ3 -71 -78
ECLのステージ1および2 -98 -41
公正価値調整 -1 -1
ヘッジ会計調整 254 207
合計 21,555 18,799
2020 年12月31日現在の貸出金の満期/価格再設定までの平均残存期間は、当行が次の金利もしくは表示
通貨の条件を調整する権利を有する日までの期間で計算すると4年3カ月(前年:4年4カ月)で、貸出
の最初の実行日からの実際の満期は2年から30年(前年:3年から30年)にわたっている。
貸出金の通貨別分布
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年
ユーロ 9,535 7,862
米ドル 1,635 1,937
北欧通貨 10,031 8,686
その他の通貨 269 228
減損およびヘッジ会計調整前合計 21,471 18,713
ECLのステージ3 -71 -78
ECLのステージ1および2 -98 -41
公正価値調整 -1 -1
ヘッジ会計調整 254 207
合計 21,555 18,799
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貸出金および保証の担保の種類別分布
下表は、保証約定を含む貸出金を担保の種類別に示したものである。
2020 年 2019 年
金額 金額
比率
(百万ユーロ) 比率(%) (百万ユーロ) (%)
政府に対するまたは政府が保証する貸出金
加盟国に対するまたは加盟国が保証する貸
出金 1,681 265
その他諸国に対するまたはその他諸国が保
証する貸出金 435 542
政府に対するまたは政府が保証する貸出金合計 2,116 9.9% 807 4.3%
加盟国の地方自治体に対するまたは加盟国の地
方自治体が保証する貸出金 4,177 19.5% 3,657 19.6%
加盟国もしくは加盟国の地方自治体が50%以上
を有する企業に対するまたはかかる企業が保証
する貸出金 4,384 20.5% 3,728 20.0%
銀行に対するまたは銀行が保証する貸出金 1,810 8.5% 2,073 11.1%
リーエンまたはその他の不動産担保付貸出金 1,804 8.4% 1,588 8.5%
親会社保証およびその他の保証付貸出金 1,008 4.7% 879 4.7%
担保設定制限条項およびその他の条項付貸出金 6,101 28.5% 5,903 31.7%
正式な担保が付されていない貸出金 - 0.0% - 0.0%
グリーンボンド貸出金 - 0.0% - 0.0%
個別評価される減損後の貸出金合計 21,400 100.0 % 18,635 100.0 %
ECLのステージ1および2 -98 -41
ヘッジ会計調整 254 207
公正価値調整 -1 -1
貸出金合計 21,555 18,799
12 月31日現在、約定済であるが未実行の貸出金の内訳は下表のとおりである。
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年
通常貸出 3,522 2,708
プロジェクト投資貸出 - 518
環境投資貸出 - 16
約定済であるが未実行の貸出金合計 3,522 3,242
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下表は、リスク所有者のグループ本部の所在地によって国別に割当てられた、12月31日現在の投資貸
出、地域貸出およびグリーンボンド投資からなる通常貸出ならびに発行済保証の元本総額および分布比率
を示したものである。
2020 年 2019 年
(百万ユーロ) 貸出金 約定合計額 貸出金 約定合計額
デンマーク 1,350 635 1,185 110
エストニア 943 91 225 25
フィンランド 4,264 763 3,717 1,025
アイスランド 532 39 600 -
ラトビア 419 345 159 130
リトアニア 1,064 432 572 264
ノルウェー 5,228 191 4,866 393
スウェーデン 6,828 524 6,178 670
ベラルーシ 8 14 - 16
フランス - - 166 -
ドイツ 40 25 29 16
ポーランド 351 - 396 -
ロシア 3 - 9 -
トルコ 8 - 13 -
その他のヨーロッパ諸国 1 - 12 -
多国籍 156 272 160 289
ボツワナ 13 - 17 -
ブラジル 37 - 80 -
中国 84 150 119 150
インド 82 - 111 20
ラオス 5 - 8 -
メキシコ - 41 - 45
フィリピン 18 - 23 -
南アフリカ - - - 89
チュニジア 11 - 17 -
米国 6 - 13 -
ベトナム 16 - 30 -
その他の非ヨーロッパ諸国 4 - 8 -
貸出金合計 21,471 3,522 18,713 3,242
ECLのステージ3 -71 - -78 -
ECLのステージ1および2 -98 -1 -41 -1
公正価値調整 -1 - -1 -
ヘッジ会計調整 254 - 207 -
合計 21,555 3,521 18,799 3,241
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③ 与信方針
信用リスクの監視
当行は、当行の貸出および財務活動における信用リスクの推移を継続的に監視することを非常に重視し
ている。信用リスクは、取引相手レベルおよびポートフォリオ・レベルの双方で監視される。信用リスク
の監視に関する主な責任は、顧客との関係を担当する部門(すなわち、貸出部、財務部および/または特
別与信ユニット)にある。リスク・コンプライアンス委員会は、ポートフォリオ・レベルでの監視を行
う。
すべての貸出エクスポージャーは、契約上のコンプライアンス、およびリスクに重大な変化をもたらす
可能性があるまたはリスクの重大な変化を示す事象/兆候について継続的な監視を受ける。また、貸出
ポートフォリオ全体のフォローアップが毎年行われる。毎年のフォローアップ結果はマンデート・与信・
コンプライアンス委員会に提出され、理事会に報告される。
財務エクスポージャーは、リスクに重大な変化をもたらす可能性があるかまたはリスクの重大な変化を
示す事象および市場のシグナルについて継続的な監視を受ける。取引相手の分析およびリスク等級の検証
は、少なくとも年に1回行われる。フォローアップ結果はマンデート・与信・コンプライアンス委員会に
提出される。
取引相手について債務返済能力の深刻な低下および/または財政状態の深刻な悪化があったと認定され
た場合には、取引相手はウォッチ・リストに掲載され、具体的なウォッチ・リスト監視を受ける。ウォッ
チ・リストに掲載された取引相手は、合意された間隔でマンデート・与信・コンプライアンス委員会の審
査を受け、理事会に報告がなされる。信用エクスポージャーが債務免除および再編の専門知識を必要とす
る場合、信用エクスポージャーは特別与信ユニットに移転される。同ユニットの主な目的は、不良債権に
対する責任を貸出部から引継ぎ、当行が不良債権残高を全額または可能な限り多く回収できるよう個々の
ケースに十分な時間と労力を費やすことである。
ポートフォリオ・レベルでの信用リスクの監視には、とりわけ総信用リスク・エクスポージャー、信用
リスクの集中およびリスク特性の変化の分析が含まれる。その推移は、執行委員会、資産・負債委員会お
よび理事会に報告される。
限度額の遵守は定期的に監視される。財務取引相手の限度額の遵守は日次ベースで監視される。上限を
超過するエクスポージャーは、例えば取引相手の格付の引下げによって発生する可能性がある。限度額の
超過は、上級経営陣、関連する委員会および理事会に報告される。
詳細については、「(5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の注2を参照。
④ その他の活動
当行の加盟国、北部欧州環境パートナーシップおよび北部欧州輸送流通パートナーシップは、当行が運
用する信託基金を通じて技術的支援および投資補助金を加盟国に隣接する地域におけるプロジェクトに割
当てるためのチャネルとして当行を利用している。
当行は、バレンツ海および白海を含む北極圏および亜北極圏からバルト海の南岸までのヨーロッパ北東
部をカバーする北部地域における優先順位の高い環境プロジェクトに共同で融資するため、欧州連合およ
びロシアを含む資金提供国政府からプールされた交付資金を提供する北部欧州環境パートナーシップ(以
下「NDEP」という。)に参加している。NDEPは、核および非核という環境問題に特化しているが、当行の
NDEP活動は、非核部門のみに限定されている。核の問題は、全額交付金で賄われ、旧ソビエト北方艦隊が
生み出した有害廃棄物を取扱う。核以外の面では、NDEPの目的は、融資がなければ財政的に成り立ち得な
いようなプロジェクトに対するIFIからの長期貸出をてこ入れするために、資金提供者からの交付資金を
活用することである。環境プロジェクトは、いずれも主な国際的汚染源である上下水処理の改良、地方自
治体および農業固形廃棄物の管理ならびにエネルギー効率に主に関わっている。NDEPの活動は、プロジェ
クトを選別し、各プロジェクトについての主要実施代理機関を欧州復興開発銀行(以下「EBRD」とい
う。)、欧州投資銀行(以下「EIB」という。)、当行、世界銀行、NEFCOまたはドイツ復興金融公庫
(KfW)の中から任命する運営グループが主導している。パートナーシップは、プロジェクトへの十分な
融資を確保するため、資金提供国からの約束を取付ける支援基金を有している。2020年末現在、かかる基
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金には、EU、ロシア連邦および11カ国の資金提供国政府からの拠出金からなる352.9百万ユーロの資金が
利用可能であった。拠出金のうち181.7百万ユーロは、非核関係プロジェクトに特に指定される。2009年
に は、ベラルーシが同国北部における上下水処理施設再建への投資を募る1.0百万ユーロの約束をもって
NDEP支援基金に参加した。このことは、バルト海の生態系に好影響を及ぼすであろう。NDEPの環境プロ
ジェクトには、目下ロシア北西部およびベラルーシにおいてさまざまな実施段階にある26件のプロジェク
トが含まれており、これらのための見積投資所要額は3.3十億ユーロである。当行は現在、25百万ユーロ
のNIB融資により、ベラルーシにおける2件のNDEPプロジェクトの実施機関となっている。現在ロシア共
和国に制裁が課されているため、当行はロシアにおいて新規の貸出業務を行っていない。
北部欧州輸送および物流パートナーシップ(以下「NDPTL」という。)は、地域の輸送インフラおよび
物流プロジェクトにかかる協力および実施を促進することを目的として、2009年に設立された。NDPTLの
事務局は、当行がホスト役を務めている。プロジェクトの準備、開発および実施のための補助金を付与す
るため、2012年後半にNDPTLの支援基金が設立され、2013年に運用が開始された。この基金は、資金提供
国3カ国の政府およびEUから拠出金を受取っている。
2006 年5月30日、 当行は、プロジェクト融資に関連した環境原則、実務および基準の一層の調和推進に
呼応して出された構想である、欧州環境原則に署名した。同原則は、プロジェクト融資に関連した環境管
理への共通のアプローチを確立することを目的としている。その文書は、EU、欧州経済領域およびEU加盟
候補国内のプロジェクトの基準となっている。当行のほかに、NEFCO、EIB、EBRDおよび欧州評議会開発銀
行がこの原則を採用している。
バルト海海洋環境保護委員会(Helcom)の加盟国により、2007年にバルト海行動計画(以下「BSAP」と
いう。)が採択された。BSAPは、2021年までにバルト海の海洋環境の良好な生態系を復活させることを目
的としている。この計画の実施を加速させるため、技術援助のために使用されるスウェーデンおよびフィ
ンランドからの助成金により、2009年にBSAP基金が設立された。当行およびNEFCOは、BSAP基金の共同管
理者である。
2001 年以降、当行はファンド・オブ・ファンズの貸出人としてメザニン・ファンドを通じて資金を提供
してきた。2020年12月31日現在、当行は3つのかかるファンドに参加していた。
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⑤ 長期負債
当行の借入取引は、多くの場合、国際財務報告基準(IFRS)第9号に従って償却原価で認識されてい
る。当行はヘッジ会計も適用しており、この場合金利リスクは公正価値で評価される。当行の長期負債残
高に関する詳細情報については、「(5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の「注16:証券負債および
関連スワップ」を参照。
いかなる債務についてもその元利金の支払において当行による債務不履行が発生したことはない。
年末現在の当行の証券負債の通貨別内訳は以下のとおりである。下表はまた、関連スワップ後の名目
ベースの借入の通貨別内訳をも示している。
スワップ契約
負債 債務/債権 正味残高
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年 2020 年 2019 年 2020 年 2019 年
通貨
米ドル 9,631 9,417 1,370 1,755 11,001 11,173
ユーロ 5,689 4,203 6,059 6,497 11,748 10,700
英ポンド 3,165 3,128 -3,165 -3,128 - -
ノルウェー・クローネ 2,580 2,456 116 124 2,696 2,580
豪ドル 1,772 1,971 -1,772 -1,971 - -
スウェーデン・クロー
ナ 2,821 1,751 67 63 2,888 1,815
ニュージーランド・ド
ル 1,133 1,306 -1,133 -1,306 - -
香港ドル 426 408 -426 -408 - -
トルコ・リラ 173 388 -173 -388 - -
メキシコ・ペソ 112 237 -112 -237 - -
ブラジル・レアル 45 149 -45 -149 - -
インド・ルピー 65 142 -65 -142 - -
デンマーク・クローネ 133 133 1 1 134 134
日本円 93 113 -93 -113 - -
その他の通貨 212 175 -212 -175 - -
小 計 28,051 25,977 417 424 28,468 26,401
公正価値調整 78 77 -81 -80 -3 -4
ヘッジ会計調整 943 620 -1,029 -621 -86 -1
合計 29,072 26,674 -692 -277 28,380 26,396
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⑥ 財務活動
資産負債管理
流動性管理
当行の流動性方針は、ストレス・テストに基づいており、バーゼルⅢの勧告(バーゼル銀行監督委員会
が公表したもの)、EU指令および格付機関が用いる格付の手法が盛り込まれている。この方針には、当行
が、厳しいストレス・シナリオにおいて、継続中の事業活動から生じるすべての支払債務をどのくらいの
期間にわたって履行することができるかを測定するサバイバル・ホライズンが含まれる。目標は、サバイ
バル・ホライズンを少なくとも12カ月に維持することである。2020年末現在、当行はそのサバイバル・ホ
ライズンを418日(前年:397日)と計算していた。
流動性リスクを軽減するため、当行は、流動性バッファーを維持している。流動性バッファーは、主と
してユーロに投資されているが、米ドルおよび北欧通貨にも投資されている。2020年末現在、取引相手の
信用リスクを軽減するためにスワップの取引相手から受領した現金および有価証券をも含む流動性バッ
ファーは、11,317百万ユーロ(前年:11,707百万ユーロ)であった。このうち、3,701百万ユーロ(前
年:4,666百万ユーロ)は現金および短期金融市場商品として保有され(33%(前年:40%))、7,616百
万ユーロ(前年:7,041百万ユーロ)は有価証券により保有されていた(67%(前年:60%))。厳しい
市場環境において市場価値のボラティリティおよび流動性リスクを最小限にするため、流動性バッファー
は流動性方針に定められた質の要件を満たしていなければならない。2020年末現在、流動性バッファーの
85%(前年:83%)は質の高い流動性資産(HQLA)に投資されており、87%(前年:90%)は一または複
数の中央銀行において有価証券買戻取引(レポ)の担保として適格であり、資産の89%(前年:94%)は
当行の内部格付において上位4つのカテゴリーに属していた。また、当行は、欧州連合の資本要件規制で
規定されている流動性カバレッジ比率(LCR)要件および安定調達比率(NSFR)要件を満たしている。追
加収益を実現するという目的のもとで、流動性の一部は、より長期の質の高い有価証券に投資されてい
る。詳細については、「(5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の「注2:リスク管理」および「注
3:セグメント情報」を参照。
担保管理
当行は、デリバティブ取引から生じる取引相手リスクを軽減するため、取引相手から担保を受取ってい
る。当行は、スワップの取引相手に主としてユーロの現金保有による担保を差入れる必要があるため、そ
のデリバティブの取引相手とのクレジット・サポート・アグリーメントを一方向から双方向に移行した。
この双方向のアグリーメントでは、より高い流動性バッファーが求められる。これに関する詳細について
は、「(5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の「注2:リスク管理」を参照。2020年末現在保有して
いた現金担保の金額は724百万ユーロ(前年:957百万ユーロ)、差入れられた現金担保の金額は523百万
ユーロ(前年:319百万ユーロ)であった。年度末現在の受取り担保にかかる情報については「(5) 経理
の状況」の財務書類に対する注記の「注19:担保および契約義務」を参照。
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資金調達業務
当行の主な資金調達源は、世界の主要な金融市場における債券発行であり、当行の顧客のために好条件
の資金を調達することを目的としている。当行は、有利な市場条件を利用し、その借入業務を通貨、満
期、流動性および仕組みの面で投資家の選好に合わせることを目指している。この戦略に沿って、多様な
資金調達基盤ならびに個別の取引の仕組みおよび複雑さにかかわるリスクを考慮しつつ、可能な限り低コ
ストで資金を調達することを目的としている。
さらに、資金調達と貸出取引の条件が合わない可能性も考慮する。この限りにおいて、当行の為替、金
利および借換えのリスクの管理を最もうまく行うために、発行手取金はデリバティブ市場において交換さ
れる。
NIB の中長期借入の大部分は、その借入プログラムのもとで行われている。2020年末現在、当行は以下
のプログラムを活用していた。
・20十億ユーロを上限とするユーロ・ミディアム・ターム・ノート・プログラム(以下「EMTNプログラ
ム」という。)
・20十億米ドルを上限とし、米国証券取引委員会に登録されたUSミディアム・ターム・ノート・シリー
ズDプログラム(以下「米国MTNプログラム」という。)
・8十億豪ドルを現在の上限とする豪ドル・ニュージーランドドル国内ミディアム・ターム・ノート・
プログラム。
2020 年、NIBは38件の取引において、12の異なる通貨建で7,540百万ユーロ(前年:4,909百万ユーロ)
の借入を行った。この総額のうち、4,555百万ユーロ(前年:2,967百万ユーロ)は、EMTNプログラムの下
で行われた33件の取引によるものである。米国MTNプログラムのもとでは、NIBは2本の発行を行い、これ
ら2本はそれぞれ1.5十億米ドルのグローバル指標銘柄債であった。2019年には、EMTNプログラムの下で
38件、米国MTNプログラムの下で2本の取引(いずれも1.0十億米ドルのグローバル指標銘柄債の発行)を
行った。
2020 年におけるNIBの借入取引の加重平均償還年数は、2019年の4.7年に対し3.6年であった。債務証券
残高のうち、1,302百万ユーロ(前年:1,854百万ユーロ)は変動利付、26,749百万ユーロ(前年:24,123
百万ユーロ)は固定利付であり、これは主に変動利付にスワップされる。
2020 年、当行は、NIBレスポンス・ボンド・フレームワークを立ち上げた。このフレームワークの下
で、当行はレスポンス・ボンドを発行することができ、その手取金はCOVID-19のパンデミックの社会経済
的影響を軽減するプロジェクトへの融資に使用される。対象となるプロジェクトは、主にヘルスケア・シ
ステムの効率的な運用、ならびにパンデミックがサプライチェーンにもたらす社会的影響および摩擦を軽
減するための財政支援および労働市場のソリューションを促進する予定である。2020年末現在、当行は総
額1,399百万ユーロのNIBレスポンス・ボンド残高を有していた。
当行は、NIBの環境債(以下「NEB」という。)プログラムの一環として債券を発行することができる。
NIBは、NEBの発行を通じて調達された資金がNIBの加盟国およびEU諸国における環境貸出に向けられるよ
うな内部の枠組みを構築した。貸出プロジェクトは、内部の厳格な環境基準を満たした場合に、この枠組
みに基づいて適格となる。かかる債券の元利金の支払は、単一機関としてのNIBの信用状況に基づいての
み行われ、環境貸出プロジェクトの実施状況に直接連動することはない。したがって、かかる債券は「ア
セットバック」証券を構成することも、NIBの環境貸出プロジェクトのいずれかにクレジット・リンクす
ることもない。NIBの環境債は、NIBのいずれかの債券発行プログラムの下で発行することができる。
2020 年末現在、当行のNIB環境債の発行残高は合計4,455百万ユーロ(前年:3,906百万ユーロ)であっ
た。2020年、当行はその環境枠組みの下で総額643百万ユーロの2本のNIB環境債を発行した。その内訳
は、500百万ユーロの環境債1本と1.5十億スウェーデン・クローナの北欧バルト・ブルーボンド1本であ
る。2019年、当行はその環境枠組みの下で総額693百万ユーロの2本のNIB環境債を発行した。その内訳
は、500百万ユーロの環境債1本と初の北欧バルト・ブルーボンド1本である。5年満期2十億スウェー
デン・クローナの北欧バルト・ブルーボンドは、水の管理および保護の分野のみにおける融資プロジェク
トである。
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2020 年および2019年については、当行理事会は、当行がそれぞれ総額8.0十億ユーロおよび7.5十億ユー
ロを上限とする中期および長期借入を行うことを承認した。
2008 年、NIBは、ユーロ・コマーシャル・ペーパー・プログラム(以下「ECPプログラム」という。)に
代えて、上限2十億ユーロの新STEP適格ECPプログラムを導入した。このプログラムに基づく借入および
EMTNプログラムに基づく短期取引による借入のほか、NIBは、マネー・マーケット・ローンおよびレポ取
引を通じて銀行間市場において短期資金を調達することができる。これらの取引は、「(5) 経理の状況」
の財務書類に対する注記の「注16:証券負債およびスワップ」に記載のほとんどの通貨により行われてい
る。
理事会は2020年および2019年について、当行が短期資金調達を行うことを認めたが、残高は各年のいか
なる時点においても3.0十億ユーロを超えないものとされている。
NIB は、2020年および2019年の年末現在、ECPプログラムに基づくコマーシャル・ペーパーの残高はな
かった。詳細については、「(5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の「注3:セグメント情報」を参
照。
ポートフォリオ管理
当行のポートフォリオ管理は、当行の流動性のうち、より長期の有価証券に投資されている部分の管理
を扱っている。2つのポートフォリオ、すなわち、(1)高格付の発行体が発行した償却原価で測定される
証券投資ポートフォリオおよび(2)公正価値で測定される活発に運用されるポートフォリオが設定されて
いる。流動性リスクを軽減することが主な目的であるが、環境、社会およびガバナンスの側面の一部が投
資判断に組込まれる。ポートフォリオからのリターンは引続き当行の業績全体に貢献しているが、利回り
が極めて低い環境にあるため貢献度は低下しつつある。当行は、国連の責任投資原則(PRI)に署名して
おり、これにおいて当行は環境、社会およびガバナンスのファクターをその投資および保有の意思決定に
組込むことを約束している。当行は、責任投資フレームワークを展開しており、これにおいて、内部の
ESGスコアを財務投資に割当てるために、外部のESG(環境、社会、ガバナンス)格付データが用いられ
る。
活発に運用されるポートフォリオは、固定利付デリバティブを利用したアクティブなイールドカーブお
よびデュレーションの管理戦略ならびに証券投資を通じて当行の業績に貢献している。戦略の実施は、当
行内外のマネージャーにより行われている。当行は、資金を伴わない任務を帯びて業務を行う外部マネー
ジャー1社と契約を結んでいる。2020年末現在、外部マネージャーは、総額100百万米ドル(81百万ユー
ロ相当)を上限としてポジションをとることを認められていた。外部マネージャーには具体的なリスク限
度が設定されており、そのリスク・エクスポージャーも全体的な市場リスク限度によって把握され、制限
されている。「(5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の「注2:リスク管理」を参照。
2020 年12月31日現在の当行の金融投資の会計処理および数量にかかる情報については「(5) 経理の状
況」の財務書類に対する注記の「注11:債務証券」を参照。2020年12月31日現在のデリバティブ残高の数
量については「(5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の「注15:その他の資産」に記載する。
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⑦ リスク管理の枠組み
当行は、リスク管理の分野において国際金融部門の関連する規制および最善の慣行に従うことを目指し
ている。当行は、定款および資本流動性管理原則に高水準の法定要件を定めて、リスク、資本および流動
性を管理する枠組みを設定した。この枠組みは、リスク・アペタイト・ステートメント(以下「RAS」と
いう。)および内部自己資本充実度評価プロセス(以下「ICAAP」という。)によってサポートされてい
る。
リスク・アペタイト・ステートメントは、当行のリスクテイク、リスク軽減およびリスク回避にかかる
原則を定めている。RASは、当行のリスクテイク意欲を当行の法定要件、戦略的事業目標および資本計画
に整合させることを目指している。また、RASは組織全体においてリスクへの意識を高めることにも役
立っている。リスク・アペタイト・ステートメントは、具体的な方針および手続き、監視のメトリクス、
制限システムおよび内部統制を通じて運用される。リスク・アペタイト・ステートメントの遵守は継続的
に監視され、定期的に上級経営陣に報告される。リスクテイクがリスク負担能力の範囲内に留まるように
するため、RASは少なくとも年に1回、上級経営陣および理事会によって検討される。RASに記載のとお
り、当行は、強固な資本および流動性のポジションならびに安定した収益と業務効率によって支えられ、
可能な限り最高の水準でその発行体格付を維持するよう努めている。
定款は、当行がリスク、資本および流動性の評価に関する健全かつ有効な戦略を備えることを義務づけ
ており、かかる評価は年1回以上実施され、定期的に見直されるものとされている。当行は、当行が現に
晒されている、またはその可能性があるリスクをカバーするために必要とされる資本の額および流動性を
評価するために、ICAAPを利用している。ICAAPは年次ベースで実施される。当行は、あらゆる重大なリス
クをカバーし、著しく困難な状況下であっても中断することなく事業を継続することができることを確保
するため、十分な額の資本と流動性を維持している。ICAAPはまた、マクロ・プルーデンス的な要素を考
慮し、資本バッファーを適宜割当てている。当行のリスク・エクスポージャーに対する将来見通しを提供
するためにストレス・テストが利用されている。
主なリスクである信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスクおよびコンプラ
イアンス・リスクは、財務健全性を維持し、当行の評価を脅かす可能性のある活動を避けることを全体目
標として慎重に管理されている。その他のリスクは、実施された重要性評価に基づいて管理されている。
当行のリスク管理の枠組みは、該当する市場基準および最善慣行として当行が特定するものを実質的に遵
守することを目的として、定期的に見直しが行われ、変化する状況に適応している。
当行のリスク管理の枠組みは、計測可能なリスクへのエクスポージャーを管理するための包括的な制限
システムを含む、リスクの特定、測定、監視および報告のために策定されたリスク方針および手続きで構
成される。当行では、効果的なリスク管理は健全なリスク・カルチャーに基づくものであることを認識し
ている。健全なリスク・カルチャーとは、とりわけ組織におけるリスクおよびリスク管理の認識水準が高
いことが特徴である。リスク関連事項に関する定期的な従業員研修は、当行のリスク管理慣行の一部であ
る。
リスク管理に関する詳細な情報については、「(5) 経理の状況」の財務書類に対する注記の「注2:リ
スク管理」を参照。
⑩ 日本との関係
該当事項なし。
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(5) 【経理の状況】
NIBの会計年度は暦年である。当行理事会の年次報告書および監査済財務書類は統治委員会に提出され、そ
の承認を求める。
NIBの財務書類は、国際会計基準審議会(IASB)が設定した国際財務報告基準(IFRS)に準拠して作成され
ている。1999年1月1日以降、NIBの勘定はユーロで表示されている。監査人は、国際会計士連盟が設定する
国際監査基準に従って監査を行っている。
2020年12月31日に終了した年度に関する監査報告書は本報告書に添付されている。
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包括利益計算書
(千ユーロ) 注 2020 年 2019 年
償却原価で保有する金融資産からの受取利息 254,355 315,241
公正価値で保有する金融資産からの受取利息 18,160 25,768
支払利息 -66,973 -129,280
利息収入純額 (3)(4) 205,543 211,729
受取手数料 (5) 12,485 9,462
支払手数料 -3,145 -1,859
手数料収入純額 9,340 7,603
金融取引純利益/損失 (6) 58,810 14,272
為替差損益 183 111
営業収益合計 273,876 233,715
費用
一般管理費
人件費 (7) -31,327 -30,496
その他の一般管理費 (8) -13,563 -13,872
減価償却費 (14) -7,546 -6,841
営業費用合計 -52,437 -51,209
貸倒損失控除前利益 221,439 182,506
正味貸倒損失 (9) -56,744 -524
当期純利益 164,695 181,982
その他の包括利益
後に損益に振替えられない項目
公正価値ヘッジ
-クロスカレンシー・ベーシス・スプレッドの評価額 9,120 15,786
公正価値により計上された負債にかかる
自己の信用リスクの変動 -3,376 -
その他の包括利益合計 5,744 15,786
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包括利益合計 170,439 197,768
添付の注記は、本財務書類の不可分の一部である。
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財政状態計算書
(千ユーロ) 注 2020 年12月31日 2019 年12月31日
資 産
現金および現金同等物 (26) 2,270,386 1,428,432
金融投資
金融機関投資 1,968,836 3,588,987
債務証券 (11) 7,912,255 7,079,053
その他 8,907 7,585
9,889,998 10,675,625
貸出金 (12) 21,554,808 18,798,979
無形資産 (13) 12,018 11,753
有形固定資産 (13) 37,256 35,899
その他の資産
デリバティブ (15)(24) 1,405,770 1,423,391
その他の資産 (15) 19,614 4,175
1,425,384 1,427,566
未収利息・手数料 232,197 274,826
資産合計 35,422,047 32,653,078
(千ユーロ) 注 2020 年12月31日 2019 年12月31日
負債および資本
負 債
金融機関債務
短期金融機関債務 (19)(26) 723,795 956,732
長期金融機関債務 - 8,435
723,795 965,166
証券負債 (16) 29,071,696 26,673,647
その他の負債
デリバティブ (17)(24) 1,362,269 1,042,227
その他の負債 (17) 227,905 14,911
1,590,174 1,057,138
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有価証券報告書
未払利息・手数料 175,620 221,805
負債合計 31,561,285 28,917,756
資本 (18) 3,860,761 3,735,323
負債および資本合計 35,422,047 32,653,078
添付の注記は、本財務書類の不可分の一部である。
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持分変動計算書
公正価値により
計上された
負債にかかる
一般信用 PIL 特別信用 利益処分可能 自己の信用
(千ユーロ)
払込済資本金 利益準備金 リスク基金 リスク基金 資金 リスクの変動 ヘッジ準備金 合計
2018 年12月31日現在の資本 418,602 686,325 1,869,553 426,941 173,009 0 3,124 3,577,554
当期利益 - - - - 181,982 - - 181,982
その他の包括利益 - - - - - - 15,786 15,786
包括利益合計 0 0 0 0 181,982 0 15,786 197,768
所有者の資格における所有者と
の取引
利益処分 - - 133,009 - -133,009 - - 0
配当金 - - - - -40,000 - - -40,000
2019 年12月31日現在の資本 418,602 686,325 2,002,562 426,941 181,982 0 18,910 3,735,323
当期利益 - - - - 164,695 - - 164,695
その他の包括利益 - - - - - -3,376 9,120 5,744
包括利益合計 0 0 0 0 164,695 -3,376 9,120 170,439
所有者の資格における所有者と
の取引
利益処分 - - 136,982 - -136,982 - - 0
配当金 - - - - -45,000 - - -45,000
定款改正(注18) 426,941 - - -426,941 - - - 0
2020 年12月31日現在の資本 845,543 686,325 2,139,544 0 164,695 -3,376 28,030 3,860,761
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キャッシュフロー計算書
(千ユーロ) 注 2020 年 2019 年
営業活動からのキャッシュフロー
当期純利益 164,695 181,982
調整:
公正価値で保有する金融資産にかかる未実現利益/損
失 -12,900 3,226
予想信用損失(ECL)非貸出業務 301 50
有形資産および無形資産の減価償却費および評価減 7,546 6,841
未収利息・手数料(資産)の増減 42,646 19,631
未払利息・手数料(負債)の増減 -46,184 -14,830
正味貸倒損失(ECL貸出業務) 56,744 524
ヘッジ会計調整 -51,157 -9,243
当期利益に対するその他の調整 3,023 -3,826
調整合計 18 2,373
貸出金
貸出実行 -4,818,897 -2,545,287
貸出金の回収 1,867,353 2,814,863
グリーンボンド貸出の債務証券への振替 - 48,149
資本化、通貨単位の変更、指標調整等 430 -9,271
貸出金合計 -2,951,115 308,454
営業活動からのキャッシュフロー合計 -2,786,402 492,809
投資活動からのキャッシュフロー
投資および債務証券
債務証券の購入 -1,090,285 -2,246,940
貸出からグリーンボンド貸出への振替 - -48,149
債務証券の売却および/または満期到来 786,599 1,708,959
金融機関投資 1,335,090 -3,580,102
その他の金融投資 5,379 7,910
投資および債務証券合計 1,036,783 -4,158,321
その他の項目
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無形資産の取得 -4,872 -2,941
有形資産の取得 -4,296 -7,192
その他の資産の増減 1,684 293
その他の項目合計 -7,484 -9,839
投資活動からのキャッシュフロー合計 1,029,299 -4,168,161
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財務活動からのキャッシュフロー
証券負債
債券の新規発行 7,540,409 4,908,757
償還 -4,142,020 -4,588,630
証券負債合計 3,398,389 320,127
その他の項目
長期金融機関債務 -8,435 -1,051
スワップ債権の増減(公正価値の増減を除く。) -274,019 -136,802
スワップ債務の増減(公正価値の増減を除く。) -248,028 -493,868
その他の負債の増減 -3,808 -1,549
配当金の支払額 -45,000 -40,000
その他の項目合計 -579,290 -673,270
財務活動からのキャッシュフロー合計 (26) 2,819,099 -353,143
現金および現金同等物の増減(純額) (26) 1,061,996 -4,028,495
現金および現金同等物の期首残高(純額) 471,700 4,182,512
為替レート調整 12,895 317,683
現金および現金同等物の期末残高(純額) 1,546,591 471,700
キャッシュフロー計算書に関する追加情報
受取利息 315,144 360,603
支払利息 -113,157 -144,104
添付の注記は、本財務書類の不可分の一部である。
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注1:会計方針
報告主体 - NIBの沿革
加盟国の協力
組織化された北欧協力
北欧諸国間の協力は、経済政策、工業技術開発、情報伝達および法制の調和を含む多岐にわたる活動に及
んでいる。
北欧協力の最も重要かつ正式な根拠となっているのは、1962年ヘルシンキ条約である。この条約には北欧
諸国の協力の目的が述べられており、北欧評議会に関する規定、およびその後改正され北欧閣僚評議会に関
する規定が掲げられている。
北欧評議会は、北欧諸国が共通の利害を有する問題について議会レベルで協議と議論を行う場となってい
る。北欧閣僚評議会には、北欧諸国政府に対して拘束力を有するとみなされる協力案件に関して決定を行う
権限が与えられている。
1992年以降、エストニア、ラトビアおよびリトアニアのバルト3国は、北欧バルト8カ国(NB8)の枠組み
の下で、北欧諸国と緊密に協力してきた。NB8の下で、地域の関心事および国際問題について協議するため、
北欧諸国とバルト諸国の首相および外相の間で定期的な会合がもたれている。
EFTA およびEU
北欧諸国は、相互の商業取引関係を着実に広げてきた。この進展は、1960年の欧州自由貿易連合(以下
「EFTA」という。)の創設により促進されたもので、これにより、1960年代から1970年代にかけて北欧諸国
間の貿易の発展の枠組みが確立された。
1973年にデンマークが欧州共同体(欧州連合の前身)に加盟したのに続いて、他の北欧4カ国が、北欧地
域内での自由貿易の促進を目的として欧州共同体と二国間の自由貿易協定を結んだ。
スイスを除くEFTA加盟国および欧州連合(以下「EU」という。)は、1994年1月1日付で欧州における自
由貿易圏である欧州経済領域(EEA)を創設した。
フィンランドおよびスウェーデンは1995年1月1日付でEUに加盟した。北欧諸国で現在EFTAに加盟してい
るのは、ノルウェーとアイスランドのみとなっている。1999年1月1日のユーロ導入時、北欧ではフィンラ
ンドがEUの経済通貨同盟(以下「EMU」という。)に参加した唯一の国であった。
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2004年5月1日付で、エストニア、ラトビアおよびリトアニアがEU加盟国となり、その後EMUの加盟国と
なった。エストニアは2011年1月1日付、ラトビアは2014年1月1日付、リトアニアは2015年1月1日付
で、 それぞれEMUに加盟した。
その他の協力形態
北欧バルト諸国の協力には、国際機関における政策上の意見調整も含まれている。国連および国連貿易開
発会議で発生する問題について定期的に協議されている。加盟国は、国際通貨基金、国際復興開発銀行およ
びその他の国際機関へ共同で代表者を送っている。
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北欧投資銀行の設立
北欧評議会および北欧閣僚評議会での長年にわたる議論が、北欧投資銀行の設立につながった。NIBの法的
基礎をなすのが、1975年12月4日に締結された「設立契約」である。設立契約の締結国は、デンマーク、
フィンランド、アイスランド、ノルウェーおよびスウェーデンであった。
設立契約およびNIBの定款は1976年6月1日に発効し、NIBは同年8月2日に業務を開始した。
1981年9月15日に、北欧閣僚評議会は、開発途上国向けを主とするプロジェクト輸出における加盟国協力
の促進計画を承認した。1982年2月28日に修正されたこの決定には、この計画の重要な要素のひとつとし
て、貸出および債務保証を行う共同融資(以下「プロジェクト投資貸出」という。)ファシリティの創設が
含まれていた。このファシリティは1982年7月1日に発効し、加盟国以外におけるNIBの貸出業務の主要な部
分を形成してきた。注12を参照のこと。
1996年8月、北欧諸国首脳は、北欧諸国に隣接する地域における環境投資に対する融資を行う特別環境貸
出ファシリティ(以下「環境投資貸出ファシリティ」という。)の設定を決定した。このファシリティは
1997年1月25日に北欧閣僚評議会で承認され、1997年8月28日に効力を生じた。このファシリティは、NIBの
貸出業務の一部をなすもので、加盟国に隣接する地域における環境の保護および国境を越えた公害の減少を
目的とする投資に対する融資を行う目的で、公的・民間両部門に対する貸出および債務保証を行ってきた。
注12を参照のこと。
プロジェクト投資貸出および環境投資貸出のプログラムは、2020年7月29日に効力を生じた定款改正(以
下に記載する。)の一環として当行の通常の貸出業務に組込まれた。
1997年11月、北欧閣僚評議会は、NIBならびにその姉妹機関であるNEFCOおよびNDF(それぞれ以下に定義す
る。)の法的枠組みを、その国際機関としての地位を反映させるため、改訂すべきであるとの決定を行っ
た。NIBに関しては、これにより1998年10月23日に1998年契約が締結される運びとなった。
1998年10月23日、北欧諸国は新設立契約(以下「1998年契約」という。)を締結した。この1998年契約は
1999年7月18日に発効し、設立契約は同日をもって失効した。
2003年6月の北欧諸国首脳による政策決定を受けて、2005年1月1日付で、エストニア、ラトビアおよび
リトアニアは、原加盟国と同等の条件でNIBの加盟国となった。新規加盟国は、原加盟国と同一の権利および
義務を有する。
2004年契約は、当行を統治するための新しい組織を規定しており、これは2005年1月1日付で完全に実施
された。NIBはまったく新しい機関である統治委員会を取り入れた。統治委員会は、当行のそれまでの法的枠
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組みにおける北欧閣僚評議会に代るもので、その役割を継承した。2004年契約は、NIBの業務を変更するもの
ではなかった。
統治委員会は、2019年5月24日のその年次会議において、定款の大幅な改正を承認し、加盟国間の契約の
改正については2020年2月28日に合意され、締結された。この改正契約および定款の改正は2020年7月29日
付で効力を生じた。改正の内容は以下のとおりである:
・サウンド・バンキング原則に従って、現行の法定ギアリング制限を資本および流動性管理のリスクに基
づく包括的な枠組みに代えること、ならびに資本、流動性およびレバレッジについて最低要件を導入す
ること。
・プロジェクト投資貸出(PIL)および環境投資貸出(MIL)のための特別貸出ファシリティを廃止するこ
と。PILおよびMILファシリティに基づく貸出金残高は、当行の通常貸出の一部となり、この種の新たな
貸出も今後通常貸出を構成することとなる。また、PILのための特別信用リスク基金は払込済資本金に、
また加盟国のPIL保証は払込請求可能資本に、転換されている。MILは転換されていない。
・組織統治を改善し、監査委員会および外部監査人の役割を明確化し、当行監査委員会の委員長の役割を
強化すること。
・理事会の全会一致の承認により、貸出および保証に加えて、限定的な資本参加を当行による資金援助の
新たな形態として認めること。
NIB の関連当事者/姉妹機関について
1988年5月19日、北欧閣僚評議会は、優遇的な条件での開発途上国における北欧の利益になるプロジェク
ト向けに融資するために、国際金融機関である北欧開発基金(以下「NDF」という。)の設立を決定した。
NDFの設立に関する契約は、1988年11月3日に北欧5カ国(以下「NDF加盟国」という。)によって署名さ
れ、同基金は1989年2月1日にその業務を開始した。NDFは、独自の理事会を持ち、NDF加盟国によって資本
基盤を供与されている独立した法人である。
1990年3月2日、北欧閣僚評議会は、北欧の環境面で利益になる東欧および中欧での投資の促進を目的と
して、国際金融機関である北欧環境金融公社(以下「NEFCO」という。)の設立を決定した。NEFCOは、独自
の理事会を持ち、NEFCOの加盟国によって資本基盤を供与されている独立した法人である。
NDFおよびNEFCOの設立文書によると、それらの主たる事務所はNIBの主たる事務所に置かれている。さら
に、NDFおよびNEFCOの定款は、北欧評議会により任命されたそれらの監査委員は同評議会が任命したNIBの監
査委員と同じメンバーとすることを規定している。また、NDFおよびNEFCOの定款は、それぞれの理事会に与
えられる権限を、適宜、各組織の総裁および/またはNIBに委ねることができる旨を規定している。NIBは、
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NDFおよびNEFCOに対して管理運営サービスを提供しており、その報酬は財務書類に対する注8において開示
されている。
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法律上の目的
2004年契約および定款によると、NIBの目的は、サウンド・バンキング原則に従って社会経済的な配慮をし
たうえで利用可能な融資を行い、加盟国および当該融資を受けるその他の諸国の利益となる投資プロジェク
トを実現させることである。NIBは、準備金の積立てと払込済資本金に対する合理的収益を得るため、業務活
動から利益を上げることを義務づけられているが、利益の最大化を目指す主体ではない。
NIBは、その業務資金を加盟国による払込済資本金、利益剰余金および国際資本市場における借入で賄って
いる。
法的地位
2004年契約の下で、NIBは完全な法主体性を有する国際法人格の地位を有している。とりわけNIBは、契約
締結、不動産および動産の取得および処分、ならびに裁判所および他の機関における法的手続きの当事者と
なる権利を有している。2004年契約はさらに、NIBが加盟国に共通の国際金融機関として、加盟国の内外で同
様の業務を行っている他の法人と同じ地位を有することを規定している。
2004年契約はまた、とりわけ一定の免責特権に関する条項も規定している。これらの条項によると、NIBが
事務所を設置しているか、もしくは送達受領の目的で代理人を指名している国の領域内の管轄権ある裁判所
において、またはNIBが明示的に管轄権を承認した場合のみ、NIBに対して訴えを提起することができること
につき、加盟国は同意している。ただし、訴えは、加盟国、加盟国の代理人または加盟国に由来する請求権
を有する者により、NIBがこれに対して明示的同意を表明した場合のみ、提起することができる。
さらに、2004年契約は、NIBの財産および資産(所在地または所有者を問わない。)は、これらに対する司
法機関または行政機関による判決または命令が確定するまで、その執行を免除される旨を規定している。当
行の財産および資産(所在地または所有者を問わない。)はさらに、行政または立法行為による捜索、徴
用、没収および収用を免除される。当行、その財産および資産は、差押のような手続的制約をも免除され
る。
2004年契約は、NIBの土地建物および公文書ならびに当行に帰属しまたはNIBが保管するすべての文書が不
可侵である旨を規定している。
2004年契約はまた、NIBがその義務の履行をいかなる方法でも制限しまたは妨げるような支払制限や信用政
策措置の適用も受けないこと、ならびにNIB、その収益、資産および財産が関連条項に規定されているすべて
の課税を免除されていることも規定している。したがって、NIBは、NIBの正式業務に関連した不動産および
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有価証券の購入および譲渡ならびに財・サービスの調達に対する課税を免除される。NIBによる貸出および借
入も、一切の課税および類似の性質の賦課金を免除されている。
2010年10月20日、NIBとフィンランド政府との間の改訂受入国協定が締結された。この協定は、国際機関と
してのNIBの地位を確認し、NIBおよびその職員に関する一定の特権および免責ならびに職員の社会保障につ
いてさらに規制するものである。この協定はフィンランドにおいて制定され、2011年1月16日付で施行され
た。
当行の本店はフィンランドのヘルシンキ、ファビアニンカツ34に置かれている。
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会計基準
当行の財務書類は、国際会計基準審議会(以下「IASB」という。)が発表する国際財務報告基準(以下
「IFRS」という。)に基づいて作成されている。財務書類は、以下の会計方針に記載されている例外を除
き、歴史的原価主義に基づいて作成されている。
キャッシュフロー計算書は、公正な評価、減価償却および貸倒損失といった非現金取引の影響について当
期純利益が調整される間接法を用いて作成されている。キャッシュフローは、営業活動からのキャッシュフ
ロー、投資活動からのキャッシュフローおよび財務活動からのキャッシュフローに分類される。キャッシュ
フロー項目は、財政状態計算書から直接決定することはできない。
2021年2月11日、理事会は、財務書類の公表を承認した。本財務書類は2021年5月末までに開催される予
定の年次統治委員会に承認のために提出される。
2020 年に適用された新しい会計基準
当行は、2021年1月1日以降に開始する事業年度について効力を生じ、早期適用が認められている「金利
指標改革-フェーズ2 IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号およびIFRS第16号の修正」(金利
指標改革フェーズ2)の要求事項を早期適用した。当行は、公表済でまだ効力を生じていない金利指標改革
フェーズ2以外の基準、解釈指針または修正を早期適用していない。その他の修正および解釈指針は2020年
に初度適用されているが、当行の財務書類に影響を及ぼしていない。金利指標改革フェーズ2にはいくつか
の救済措置が盛り込まれている。救済措置は、金融商品をIBOR(銀行間オファード・レート)からリスクフ
リー・レート(以下「RFR」という。)に移行するときに適用される。金利指標改革フェーズ2は、現行の金
利指標をRFRに置き換えるときに当行のヘッジ関係が継続することを認める一時的な救済措置を定めている。
救済措置は、当行に対してヘッジ指定およびヘッジ文書の改訂を義務づけている。当行は、注記2に記載す
るとおり一部のIBOR金利を新しいリスクフリー・レートに移行しているが、重大な影響は計上されていな
い。
2021 年1月1日以降に開始する会計年度にかかる新基準
まだ効力を生じていないIFRSの基準または解釈指針で、当行に重大な影響を及ぼすことが予想されるもの
はない。
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機能通貨および表示通貨
当行の機能通貨および表示通貨はユーロであり、財務書類は別段の表示がない限り、千ユーロで表示され
ている。勘定科目の数値はすべて四捨五入されているため、個々の数値の合計は記載されている合計数値と
異なる可能性がある。また、すべての百分率は、四捨五入による誤差が生じる可能性がある。
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重要な会計上の判断および見積り
IFRSに準拠した財務書類作成過程の一環として、当行の経営陣は、当行の利益、財政状態および年次報告
書に記載されたその他の情報に影響を及ぼす可能性のある一定の判断、見積りおよび仮定を行うことを求め
られる。かかる見積りは、入手可能な情報および当行経営陣の判断に基づくものである。実際の財務成績
は、評価から逸脱する可能性があり、時には大きく逸脱することがある。
当行は、資産および負債の公正価値を見積るために様々な評価モデルおよび技術を利用している。とりわ
け、借入および貸出の双方に関連するヘッジ活動のために用いられるデリバティブ商品等の複雑な金融商品
の設計に見積りが関わる場合は、かかる見積りに関する不確実性は相当高くなる。
見積りは、金利水準、為替レートおよびその他の要素等の市場データに大きく依存する。これらの見積り
に関する不確実性は、主に財政状態計算書に反映されている。NIBは、商品設計および市場データの双方に関
する公正価値の見積基準を改良するために継続的に開発を行っている。仮定および手法の改良により生じた
見積りの変更は、かかる改良が初度適用された期間に反映されている。
重要な判断および見積りは、IFRS第9号に基づく貸出金の減損テストにも適用される。
外貨換算
外国通貨で表示されている貨幣性資産および負債は決算日の実勢為替レートにより計上される。非貨幣性
資産および負債については、取引日の実勢ユーロ・レートにより計上される。ユーロ以外の通貨により計上
されている収入および費用は当該日の実勢為替レートにより日毎にユーロに換算される。
実現および未実現の為替差損益は包括利益計算書に計上される。
注27に記載のとおり、当行は、国際通貨基金(IMF)が公表するレートに基づく特別引出権(SDR)を除
き、12月31日13時(グリニッジ標準時)現在の実勢レートに基づいて有力な市場データ提供業者から得られ
た為替レートを用いている。
金融商品の認識および認識中止
金融商品は、決済日に認識される貸出を除き、取引日ベースで財政状態計算書に認識される。
金融資産は、金融資産からのキャッシュフローに対する契約上の権利が終了した時にその認識を中止す
る。
金融負債は、契約上特定された義務が履行、解除または終了した時に財政状態計算書から認識が中止され
る。
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分類および測定の基準
当行は金融資産を償却原価で測定されるものと公正価値で測定されるものに分類している。この分類は、
資産の契約上の特性およびその運用について採用されるビジネス・モデルの双方に依拠する。
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償却原価による金融資産
投資は、以下の基準が両方とも満たされた場合にのみ「償却原価」で分類される。すなわち、契約上の
キャッシュフローを回収するために資産を保有することが当行のビジネス・モデルの目的であること、およ
び金融資産の契約上の条件により、未償還額面金額にかかる元利金の支払のみによるキャッシュフローが特
定の日に発生しなければならないこと。
公正価値による金融資産
上記2つの基準のうちいずれかが満たされない場合、資産を償却原価のカテゴリーに分類することはでき
ず、損益を通じた公正価値(FVTPL)またはその他の包括利益を通じた公正価値(FVOCI)で分類しなければ
ならない。FVOCIは、元利金の支払および売却のために保有される資産の分類に使用される。その他すべての
金融資産はFVTPLとして分類される。
適格な公正価値ヘッジ関係においてヘッジ対象項目として指定されるこれらの金融資産および金融負債に
ついては、下記のヘッジ方針を参照のこと。
公正価値の決定
流通市場で取引されるデリバティブ商品を含む金融商品の公正価値は、貸借対照表日におけるビッドまた
はオファーの価格の終値である。公正価値が活発な市場で取得できない場合、公正価値は数学的モデルの利
用を含む様々な評価手法を用いて決定される。これらモデルへのインプットは、可能な場合は観察可能な市
場データから取得される。組込みデリバティブ商品による当行の借入取引等の当行の金融商品の多くは、流
通市場で取引されていない。これらは、異なる評価モデルと技術を利用して公正価値で測定されている。こ
のプロセスには将来の期待キャッシュフローの決定が含まれ、これは貸借対照表日現在の価値に割引くこと
ができる。これら商品の将来キャッシュフローの見積りは、市場データに関する仮定および場合によっては
(特にオプションが関係する場合)当行の取引相手の行動に関する仮定に依拠する。したがって、公正価値
の見積りは変数の影響を受ける可能性があり、市場において実現可能とはならない可能性がある。異なる市
場仮定の下でも価値は大幅に異なる可能性がある。
当行は、測定に使用されるインプットの重要性を反映した以下の公正価値ヒエラルキーを用いて、公正価
値を測定している:
レベル1 :同一の商品にかかる活発な市場における市場相場価格(未調整)。
レベル2 :観察可能なインプットに基づく評価手法(直接的には価格に基づき、間接的には価格から導か
れる。)。このカテゴリーには、次のいずれかを用いて評価される商品が含まれる。すなわち、類似の商
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品にかかる活発な市場における市場相場価格、さほど活発でないと考えられる市場における同一の商品も
しくは類似の商品にかかる相場価格、またはすべての重要なインプットが市場データから直接もしくは間
接 的に観察可能な場合にはその他の評価手法。
レベル3 :重要な観察不能のインプットを用いた評価手法。このカテゴリーには、評価手法が観察可能な
データに基づかないインプットを含む場合および観察不能なインプットが商品の評価に重大な影響を及ぼ
す場合のすべての商品が含まれる。このカテゴリーには、商品間の差異を反映するために重要な観察不能
の調整または仮定が必要とされる場合に類似の商品にかかる相場価格に基づいて評価される商品が含まれ
る。
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当行は、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を、変動が生じた報告期間の末現在において認識してい
る。レベル2の評価はすべてNIBが開発したモデルを用いた外部の情報源から得られた市場データに基づいて
いる。詳細については注20を参照のこと。
相殺
金融資産および金融負債は、相殺する法的な権利があり、純額ベースで決済する意図がある場合にのみ相
殺され、純額が認識される。
現金および現金同等物
「現金および現金同等物」は、取得および投資の日から計算される当初満期が3カ月以内の貨幣性資産お
よび投資からなる。
キャッシュフロー計算書における現金および現金同等物は、取引の契約締結時から計算される当初満期が
3カ月以内の貨幣性資産、投資および負債の純額をいう。
金融投資
財政状態計算書において金融投資として認識される項目には、金融機関投資、ボンドおよびその他の負債
証券といった債務証券への投資ならびに資本の特性を有する商品への一定の投資が含まれる。かかる投資
は、当初は取引日付で計上される。その後の会計上の処理は、投資運用のための当行のビジネス・モデルお
よびその契約上のキャッシュフローの特性の双方に依拠する。
貸出金
当行の貸出取引は、資金が借手に移転した時点で財政状態計算書に計上される。貸出金は、当初は、取引
費用を含む移転された資金に対応する公正価値で計上される。貸出金は、償却原価の分類基準を満たさず、
よって公正価値で計上される一部の仕組み貸出を除き、その後は償却原価で計上される。貸出金が金利の変
動により生じる公正価値の変動に対してヘッジされている場合、ヘッジされた貸出金の帳簿価額は、ヘッジ
対象リスクの公正価値により調整される。
貸出金の減損
当行は、潜在的減損に対する引当金を見積もるため、予想信用損失(ECL)モデルを利用している。当行
は、償却原価で、または包括利益を通じた公正価値で、測定された金融資産にかかるECLおよび貸出約定につ
いて損失引当金を認識している。ECLは、当初認識時からの信用の質の変化に基づいて3段階(ステージ)の
モデルで構成される。減損は、金融資産のステージ分類に応じて、12カ月または残存期間のいずれかの予想
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信用損失に基づいて報告される。ステージ分類はまた、金融資産にかかる受取利息がステージ1およびス
テージ2の資産については総額ベースの帳簿価額に基づいて、またステージ3の資産については減損引当金
控 除後の帳簿価額に基づいて報告されているかどうかを判定する。
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ステージ1には、当初認識以降信用の質が著しく悪化していないか、または報告日現在のリスクが低い金
融資産が含まれる。これらの資産については、ECLは報告日から12カ月以内に発生しうるデフォルト事由の確
率加重結果である。
ステージ2には、当初認識時から信用の質が著しく悪化しているが、減損の客観的証拠がない金融資産が
含まれる。これらの資産については、残存期間ECLはデフォルト確率で加重された予想残存期間にわたるすべ
ての可能性のあるデフォルト事由から生じる。
ステージ1およびステージ2の資産は履行資産として分類され、モデル計算は各報告日に更新される。
ステージ3には、当行の信用格付のプロセスにおいて不良資産として分類された資産が含まれる。不良資
産については、ステージ1およびステージ2の資産にかかる一般的な計算ルールに対して、個別ベースで査
定が行われる。不履行クラスに対するエクスポージャーは不良債権に分類される。以下のいずれかまたは双
方が発生した場合は、債務者に関して債務不履行が生じる:
(a) 当行が担保の実行等の措置を取ることなく、債務者がその金銭債務全額を支払う見込みがないと当行
が判断する場合。
(b) 加盟国に対するソブリン貸出エクスポージャーの場合は90日を超えて、また当行が既存の枠組み契約
を締結している国に対するソブリン向け貸出エクスポージャーについては180日を超えて、債務者が延
滞する場合。
上記(a)の基準に該当する債務者は不履行クラスD1となり、上記(b)の基準に該当する債務者は不履行クラ
スD2となる。(a)および(b)の双方の基準に該当する場合は、債務者は不履行クラスD2となる。
当行は、減損引当金を包括利益計算書に計上すべきかどうかについて査定するため、各報告日において不
良債権について見直しを行う。とりわけ、必要な引当金の水準を決定する際には、将来のキャッシュフロー
の金額および時期の見積りに経営陣の判断を要する。かかる見積りはいくつかの要因についての仮定に基づ
いて行われ、実際の結果は異なる場合があるため、結果として引当金に将来変動が生じることがある。
ECLモデル、関連するインプットおよびガバナンスの詳細については注2に、またその結果については注10
に記載がある。
無形資産
無形資産は、主としてソフトウェア、ソフトウェア・ライセンス、および2019年にはリース取決めから生
じる使用権資産に対する投資からなる。費用を超える経済的便益を1年以上もたらす取得は、無形資産とし
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て認識される。かかる投資は歴史的原価で計上され、通常3年ないし5年の見積耐用年数にわたって償却さ
れる。償却は定額法でなされる。
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有形資産
財政状態計算書の有形資産に含まれているのは、土地、建物、事務所設備および当行が有するその他の有
形資産である。かかる資産は、資産の見積耐用年数に基づく減価償却費累計額を差引いた歴史的原価で計上
される。土地については減価償却はなされない。ヘルシンキに所在の当行の事務所建物は、40年にわたり定
額法で減価償却される。当行のその他の建物は、30年にわたり減価償却される。事務所設備およびその他の
有形資産の減価償却期間は、個別に評価され、決定される。減価償却期間は通常3年ないし5年である。減
価償却は定額法で計算される。
無形・有形資産の評価減および減損
当行の資産は、毎年、減損について見直しが行われている。減損の客観的証拠が存在する場合には、資産
の回収可能価額に基づいて減損損失が決定される。
デリバティブ商品およびヘッジ会計
金利リスクおよび為替リスクを管理するために使用される当行のデリバティブ商品は、取引日ベースで、
財政状態計算書に「その他の資産」または「その他の負債」として公正価値で計上される。当行は、IFRS第
9号に定められた条件を満たす場合に、当該基準に基づきヘッジ会計を適用している。ヘッジ会計は、ヘッ
ジ対象とヘッジ手段との間の明確に文書化された関係に基づいている。ヘッジ手段と、ヘッジ対象または
ヘッジ対象により発生したキャッシュフローの価値変動との間に高い(逆)相関関係がある場合に、ヘッジ
は有効とみなされる。ヘッジ関係は、ヘッジ取引が開始された時点で文書化され、ヘッジの効果は継続的に
評価される。
ヘッジ会計が適用されないデリバティブは、損益を通じた公正価値で認識される。
公正価値ヘッジ
デリバティブが、認識された資産もしくは負債または損益に影響を及ぼしうる確定約定の公正価値の変動
をヘッジするヘッジ手段として指定される場合、そのデリバティブの公正価値の変動は直ちに損益におい
て、ヘッジ対象の公正価値の変動と同一項目に認識される。現在、当行の公正価値ヘッジは、主に借入取引
および貸出取引における固定金利から変動金利へのスワップに関連している。
外貨ベーシス・スプレッド
当行はヘッジに使用された金融商品から外貨ベーシス・スプレッドを区分しており、こうして区分された
金額は「その他の包括利益」(以下「OCI」という。)に計上される。外貨ベーシス・スプレッドは満期時に
ゼロになるため、OCIに計上された金額が後に損益に振替えられることはない。
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キャッシュフロー・ヘッジ
当行は現在、キャッシュフロー・ヘッジ会計を適用していない。
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ヘッジ会計の中止
ヘッジ手段のデリバティブが失効し、売却され、終了しもしくは行使された場合、ヘッジが公正価値ヘッ
ジ会計の基準を満たさなくなった場合、またはヘッジの指定が取り消された場合は、ヘッジ会計は将来に向
かって中止される。実効金利法が用いられたヘッジ対象に対する中止時点までの調整は、かかるヘッジ対象
の再計算された実効金利の一部として残存期間にわたって損益に償却される。ヘッジ対象が認識中止となっ
た場合、未償却の公正価値は直ちに損益において認識される。
証券負債
当行の借入取引は、取引日付で財政状態計算書に計上される。借入取引は、当初は、移転した資金の公正
価値から取引費用を控除した原価で計上される。当行は、事実上すべての借入取引の公正価値をヘッジする
ためにデリバティブ商品を利用している。これらの場合、借入取引は、その後財政状態計算書に公正価値で
計上され、評価差額があるときは、包括利益計算書に計上される。損益を通じて公正価値で計上された金融
負債については、それ自体の信用スプレッドの変動による評価差額は「その他の包括利益」に計上される。
買戻契約に基づき引渡された有価証券は財政状態計算書において認識を中止しない。買戻契約に基づき受
領した現金は、財政状態計算書において「金融機関債務」として認識される。
利息
当行の利息収入純額には、貸出、債務証券および投資にかかる未収利息ならびに金融商品の額面超過金ま
たは割引金の期間配分が含まれる。利息収入純額には、債務にかかる利息費用、スワップ手数料および実効
金利法を用いて測定される借入費用も含まれる。
手数料
貸出の実行時に受取る手数料は、貸出の実行時に収益として計上され、これは、費用発生と同時に手数料
が収益として計上されることを意味する。約定手数料は、約定済であるが未実行の貸出について請求され、
契約期間にわたり包括利益計算書に計上される。
金融取引
当行は、債務証券およびその他金融商品にかかる実現および未実現の損益の両方を「金融取引純利益」の
項目に計上する。ヘッジ会計調整も同項目に含まれている。
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リース契約
2018年には、すべてのリース契約は、リース資産の所有に伴う経済価値およびリスクが貸手に属するた
め、オペレーティング・リースとして分類されていた。オペレーティング・リースに基づくリース支払は、
リース期間にわたり定額法で計上されていた。
2019年1月1日発効のIFRS第16号の適用を受けて、当行は、短期リースおよび少額資産のリースを除き、
すべてのリースについて単一の認識および測定アプローチを適用している。当行は、リース支払を行うリー
ス負債および原資産を使用する権利を示す使用権資産を認識している。負債および資産は、認識日現在では
同額である。短期リースおよび少額資産のリースは、リース期間にわたって定額法で認識される。
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使用権資産
当行は、リース開始日(すなわち、原資産が使用可能となった日)に使用権資産を計上している。使用権
資産は、減価償却費累計額および減損損失を差し引いた原価で測定され、リース負債の再測定について調整
される。使用権資産の原価には、計上されたリース負債の金額、当初発生した直接費用、ならびにリース開
始日以前になされたリース支払から受取りリース・インセンティブを差し引いた金額が含まれる。使用権資
産は、リース期間にわたって定額法で減価償却される。使用権資産は、注13において無形資産の一部として
表示されている。
リース負債
リースの開始日に、当行は、リース期間にわたって支払うことになるリース料の現在価値で測定される
リース負債を認識する。
従業員給付
確定拠出制度
当行は、従業員の年金保障について責任を負っている。当行とフィンランド政府との受入国協定に従い、
かつ当行の年金制度の一環として、当行は、フィンランドの国家年金制度の採用を決定した。フィンランド
国家年金基金に支払われる年金制度への拠出額は、給与の百分比として計算される。フィンランド財務省は
拠出額の算出根拠を決定し、地方政府の年金機関であるKevaと協力して実際の拠出比率を決定する。注7を
参照のこと。当行の年金債務は完全に手当てされている。
当行は、正規従業員に対して民間の年金保険会社が作成した補足的な年金保険制度も提供している。この
制度は、確定拠出制度に基づいたグループ年金保険制度である。
確定拠出制度への拠出義務は、関連サービスが提供されたときに費用計上され、損益において人件費とし
て認識される。
短期従業員給付
短期従業員給付は、関連サービスが提供されたときに費用計上される。
セグメント情報
事業セグメントは、資源の分配および事業セグメントの業績の評価に対して責任を負う最高業務意思決定
者(以下「CODM」という。)への内部報告に沿った方法で報告がなされている。経営陣に報告されるセグメ
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ント業績には、当該セグメントに直接帰属するものと、合理的な基準に基づいて割当てられるその他の項目
が含まれる。当行は、1カ所に所在する単一の主体であるため、割当てがなされない項目はない。
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注2:リスク管理
リスク管理の枠組み
当行は、リスク管理の分野において国際金融部門の関連する規制および最善の慣行に従うことを目指して
いる。当行は、定款および資本流動性管理原則に高水準の法定要件を定めて、リスク、資本および流動性を
管理する枠組みを設定した。この枠組みは、リスク・アペタイト・ステートメント(以下「RAS」という。)
および内部自己資本充実度評価プロセス(以下「ICAAP」という。)によってサポートされている。
リスク・アペタイト・ステートメントは、当行のリスクテイク、リスク軽減およびリスク回避にかかる原
則を定めている。RASは、当行のリスクテイク 意欲を 当行 の法定要件、戦略的事業目標および資本計画に整合
させることを目指している。また、RASは組織全体においてリスクへの意識を高めることにも役立っている。
リスク・アペタイト・ステートメントは、具体的な方針および手続き、監視のメトリクス、制限システムお
よび内部統制を通じて運用される。リスク・アペタイト・ステートメントの遵守は継続的に監視され、定期
的に上級経営陣に報告される。リスクテイクがリスク負担能力の範囲内に留まるようにするため、RASは少な
くとも年に1回、上級経営陣および理事会によって検討される。 RAS に記載のとおり、当行は、強固な資本お
よび流動性の ポジション ならびに安定した収益と業務効率によって支えられ、可能な限り最高の水準でその
発行体格付を維持するよう努めている。
定款は、当行が リスク、資本および流動性の評価に関する健全かつ有効な戦略を備えることを義務づけて
おり、かかる評価は年1回以上実施され、定期的に見直されるものとされている。当行は、当行が現に晒さ
れている、またはその可能性があるリスクをカバーするために必要とされる資本の額および流動性を評価す
るために、ICAAPを利用している。ICAAPは年次ベースで実施される。当行は、あらゆる重大なリスクをカ
バーし、著しく困難な状況下であっても中断することなく事業を継続することができることを確保するた
め、十分な額の資本と流動性を維持している。ICAAPはまた、マクロ・プルーデンス的な要素を考慮し、資本
バッファーを適宜割当てている。当行のリスク・エクスポージャーに対する将来見通しを提供するためにス
トレス・テストが利用されている。
主なリスクである信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスクおよびコンプライ
アンス・リスクは、財務健全性を維持し、当行の評価を脅かす可能性のある活動を避けることを全体目標と
して慎重に管理されている。その他のリスクは、実施された重要性評価に基づいて管理されている。当行の
リスク管理の枠組みは、該当する市場基準および最善慣行として当行が特定するものを実質的に遵守するこ
とを目的として、定期的に見直しが行われ、変化する状況に適応している。
当行のリスク管理の枠組みは、計測可能なリスクへのエクスポージャーを管理するための包括的な制限シ
ステムを含む、リスクの特定、測定、監視および報告のために策定された方針および手続きで構成される。
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当行では、効果的なリスク管理は健全なリスク・カルチャーに基づくものであることを認識している。健全
なリスク・カルチャーとは、とりわけ組織におけるリスクおよびリスク管理の認識水準が高いことが特徴で
あ る。リスク関連事項に関する定期的な従業員研修は、当行のリスク管理慣行の一部である。
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リスク統治
3つのディフェンスライン・モデルは、当行のリスク統治の基礎を提供している。このモデルは、顧客と
の間で事業取引を行うかもしくはその他により当行をリスクに晒す部門と、リスク評価、リスク測定、リス
ク監視およびリスク統制を担当する部門の間で職務を明確に分離することを目的としている。
意思決定機関の役割および責任を含むリスク統治モデルについては、当行のガバナンス・ステートメント
およびリスク管理方針において詳細に記載している。
信用リスク
信用リスクは当行の主たる財務リスクである。信用リスクは、当行の借手およびその他の取引相手が契約
上の義務を履行できず、提供された担保では当行の請求権をカバーできないことによる損失リスクと定義さ
れる。当行の使命によると、ほとんどの信用リスクは当行の貸出業務から生じる。当行は財務活動において
も信用リスクに晒されており、財務活動においては、信用リスクは固定利付証券や銀行間預金など当行が流
動性の投資に利用する金融資産、ならびに通貨リスクや金利リスクおよび仕組み金融取引に関連するその他
の市場リスクを管理するために用いるデリバティブ商品から生じる。
信用リスク管理
当行の信用リスク管理は、(1)使命の範囲内の適切なリスク分散、(2)信用評価段階における徹底的
なリスク評価、(3)リスクに基づいた価格設定およびリスクの軽減、(4)個々の取引相手レベルおよび
ポートフォリオ・レベルでの継続的なリスクの監視、ならびに(5)好ましくないリスクの可能な範囲での
回避の原則に基づいている。
信用リスクの限度額
当行が許容できる最大信用エクスポージャー額は、理事会が設定するエクスポージャー限度額によって示
されている。信用エクスポージャー額は、貸出エクスポージャーおよび財務エクスポージャーの合計額であ
る。取引相手レベルの限度額は、当行の資本および取引相手の資本に基づいて決定される。大口エクスポー
ジャーおよび産業/セクターにかかる集中の限度額は、当行の資本および/または経済資本に関連して定義さ
れる。
取引相手の限度額は、債務不履行の可能性および予想損失額に基づいて決定される。当行は、単一の取引
相手を、法的におよび/もしくは財務上連結されるまたはリスクの観点から相互に依存している取引相手また
は取引相手グループとして定義する。エクスポージャーを制限する目的上、当行は、リスクが所在する企業
(すなわち、リスク所有者)を取引相手をとみなしている。リスク所有者は、当行の請求権に対して最終的
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に責任を負う企業であり、リスクが保証契約を通じて移転する場合には債務者とは異なる場合がある。保証
をリスク移転に適格とするためには、保証がエクスポージャー全体を補填し、借手の債務を「自己の債務と
し て」担保する保証の約束でなければならない。これは、すなわち借手が期日に支払を怠った直後に、当行
が保証に基づく請求を行うことができることを意味する。
当行は、リスクの過度の集中を回避するため、大口の取引相手のエクスポージャーならびに産業および国
別のエクスポージャーに対してポートフォリオ・レベルでの限度額を適用している。当行は、加盟国におけ
る総貸出エクスポージャーに関しては限度額を設定していない。非加盟国における貸出は、国別の限度額に
従う。当行の財務活動については、すべての国におけるエクスポージャーに国別の限度額が適用される。
原則として、当行は単一のプロジェクトに対して融資または保証として付与される最大額をプロジェクト
費用総額の50%に制限している。当行の加盟国における中小企業、中小資本会社および中資本会社への融資
は、プロジェクト費用総額または当行の任務に適格な融資所要額の75%を限度として行うことができる。
信用リスク評価
取引相手の債務返済能力は、与信承認の重要な検討事項である。取引相手の信用力評価は、取引相手に関
連する主な財務リスクおよび事業リスクを特定することに重点を置いている。この評価に基づき、デフォル
ト確率(PD)を示すリスク格付が取引相手に付与される。信用リスク評価には、定量的リスク手法およびモ
デルならびに専門家判断に基づく定性的評価の使用が含まれる。取引相手に対するPD格付の提案プロセス
は、関連する各事業分野における第1のディフェンスライン(貸出および/または財務)において実施され
る。
個々の予想損失(EL)格付は、取引レベルで付与される。EL格付は、デフォルト時損失率(LGD)(すなわ
ち、取引相手が債務不履行に陥った場合の損失の大きさ)を考慮している。LGDの割当てプロセスは、取引相
手の種類ならびに請求権の順位、保証、担保および取引の信用を補完するその他の要素等の取引の性質に基
づいてLGD推計値を算出するモデルに依拠する。
第2のディフェンスラインである与信の機能は、リスク格付の提案を検討し、セカンド・オピニオン(統
制の役割)を提供する。信用リスク格付(PD、LGDおよびEL)は、最終的にマンデート・与信・コンプライア
ンス委員会により承認される。
当行のリスク格付システムは20等級で構成され、取引相手の債務不履行(PD)リスクおよび取引の予想損
失(EL)を識別する。また、不良債権となった取引には、D等級が個別に適用される。外部格付を参照して、
内部等級区分は、1から10の区分が投資適格グレードに相当する外部格付(それぞれAAAからBBB-およびAaa
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からBaa3)に対応するように、スタンダード・アンド・プアーズおよびムーディーズの格付とそれぞれ関連
付けられている。
取引相手レベルおよび取引レベルでのディリジェンスならびに信用リスク評価に加えて、当行は予想信用
損失(ECL)を見積るためにIFRS第9号の基準を適用し、これにより、ECL見積りの範囲内に該当するすべて
の金融資産について将来を見越した引当金を適用する。資産をステージ1~3に分類することを含むECLの方
法論は「注10:予想信用損失」において詳述されている。
信用リスクの軽減
当行の定款に従って、当行の貸出における信用リスクを軽減するため、十分な信用補完が要求される。当
行による貸出は、無担保または有担保のいずれかとなる。当行は、様々な制限条項、約束、繰上返済事由お
よび債務不履行事由を貸出の文書に盛り込むことにより、無担保貸出に関連する信用リスクの軽減を模索し
ている。借手の種類ならびに貸出の期間および返済の構成によって、要件は変わってくる。
当行の貸出の一部は、担保を付されるか、または借手の親会社もしくは第三者により保証される。担保の
価値は、借手の信用力と相関関係がないことが望ましく、かかる資産に関して機能する市場が存在しなけれ
ばならない。
2020年末現在の当行の信用補完種類別の貸出ポートフォリオの分布は以下に示すとおりで、詳細情報は
「注3:セグメント情報」および「注12:貸出金および保証約定」に示されている。
貸出金の担保の種類別内訳
2020 年12月31日現在
百万ユーロ
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担保設定制限条項およびその他の条項付貸出金
親会社保証およびその他の保証付貸出金
リーエンまたはその他の不動産担保付貸出金
銀行に対するまたは銀行が保証する貸出金
加盟国もしくは加盟国の地方自治体が50%以上を有する
企業に対するまたはかかる企業が保証する貸出金
加盟国の地方自治体に対するまたは
加盟国の地方自治体が保証する貸出金
政府に対するまたは政府が保証する貸出金
財務活動においては、当行は、デリバティブおよび担保付投資に関連する取引相手の信用リスクを軽減す
るために、ネッティングおよび担保化を適用している。当行は、取引相手信用格付の最低要件を満たしてお
り、かつ国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)マスター契約およびクレジット・サポート・アネックス
(CSA)を締結している取引相手に限り、スワップ取引を行っている。リバース・レポ取引の形での担保付投
資は、グローバル・マスター買戻契約(GMRA)の条件に基づき行われる。
ISDAマスター契約は、取引相手の債務不履行または取引の早期解約時において契約対象となっているすべ
てのスワップ取引の単一の純額決済を認めている。ネッティングは、関係する法域において法的に有効かつ
強制履行可能とみなされる場合にのみ、当行の信用エクスポージャーの測定に適用される。2020年末現在、
市場価値総額は、1,547百万ユーロから737百万ユーロ(2019年末現在:それぞれ1,536百万ユーロおよび889
百万ユーロ)となり、ネッティングによりスワップ・エクスポージャーは810百万ユーロ減少した。
CSAは、スワップ関連の信用リスクをさらに軽減する。スワップ・ポジションは、日々時価評価され、その
結果、合意された基準を超えるプラスのエクスポージャー(債権)が得られた場合は、現金により、または
特定の取引相手の場合は質の高い政府有価証券により担保が手当てされる。2016年以降、当行は、双方向の
CSAを締結しており、このことはスワップ・ポジションの市場価値がマイナスである(負債)場合には当行が
担保を差入れることを意味している。2020年末現在、名目価値で測定された当行のスワップの約99.5%は、
双方向のCSAに基づくものであった。0.4%近くは一方向のCSAに基づくものであり、すなわち、当行はそのス
ワップ債務について担保の差入れを要求されない。名目スワップ・エクスポージャー合計のうち残りのわず
か0.1%は、CSAが締結されていない取引相手とのものであった。
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2020年末現在、当行はスワップにかかる受入れ担保として総額723百万ユーロ(2019年:911百万ユーロ)
を保有しており、うち723百万ユーロ(2019年:902百万ユーロ)は現金、0百万ユーロ(2019年:9百万
ユー ロ)は有価証券であった(「注19:担保および契約義務」を参照のこと)。当行は、523百万ユーロ
(2019年:319百万ユーロ)の担保を差入れていた。
信用リスクの監視
当行は、当行の貸出および財務活動における信用リスクの推移を継続的に監視することを非常に重視して
いる。信用リスクは、取引相手レベルおよびポートフォリオ・レベルの双方で監視される。信用リスクの監
視に関する主な責任は、顧客との関係を担当する部門(すなわち、貸出部、財務部および/または特別与信ユ
ニット)にある。リスク・コンプライアンス委員会は、ポートフォリオ・レベルでの監視を行う。
すべての貸出エクスポージャーは、契約上のコンプライアンス、およびリスクに重大な変化をもたらす可
能性があるまたはリスクの重大な変化を示す事象/兆候について継続的な監視を受ける。また、貸出ポート
フォリオ全体のフォローアップが毎年行われる。毎年のフォローアップ結果はマンデート・与信・コンプラ
イアンス委員会に提出され、理事会に報告される。
財務エクスポージャーは、リスクに重大な変化をもたらす可能性があるかまたはリスクの重大な変化を示
す事象および市場のシグナルについて継続的な監視を受ける。取引相手の分析およびリスク等級の検証は、
少なくとも年に1回行われる。フォローアップ結果はマンデート・与信・コンプライアンス委員会に提出さ
れる。
取引相手について債務返済能力の深刻な低下および/または財政状態の深刻な悪化があったと認定された
場合には、取引相手はウォッチ・リストに掲載され、具体的なウォッチ・リスト監視を受ける。ウォッチ・
リストに掲載された取引相手は、合意された間隔でマンデート・与信・コンプライアンス委員会の審査を受
け、理事会に報告がなされる。信用エクスポージャーが債務免除および再編の専門知識を必要とする場合、
信用エクスポージャーは特別与信ユニットに移転される。同ユニットの主な目的は、不良債権に対する責任
を貸出部から引継ぎ、当行が不良債権残高を全額または可能な限り多く回収できるよう個々のケースに十分
な時間と労力を費やすことである。
ポートフォリオ・レベルでの信用リスクの監視には、とりわけ総信用リスク・エクスポージャー、信用リ
スクの集中およびリスク特性の変化の分析が含まれる。その推移は、執行委員会、資産・負債委員会および
理事会に報告される。
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限度額の遵守は定期的に監視される。財務取引相手の限度額の遵守は日次ベースで監視される。上限を超
過するエクスポージャーは、例えば取引相手の格付の引下げによって発生する可能性がある。限度額の超過
は、上級経営陣、関連する委員会および理事会に報告される。
リスクベースの価格設定
定款は、当行がサウンド・バンキング原則に従って業務を行い、準備金の積立および合理的な資本利益率
を可能にする収益を追求することを規定している。貸出および保証は、当行の資金調達費用、管理費、取引
関連リスクに係る費用および投下資本に係る費用をカバーするように価格設定される。貸出の価格設定の目
的上、当行は、貸出関連費用全額および引受けたリスク水準に見合う収益をカバーするために、貸出に係る
必要最低限の収益の計算を可能にする価格決定ツールを用いている。内部の信用リスク格付および関連する
リスク要因ならびに取引の仕組みは、価格決定ツールの主なインプット要素である。
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信用リスク・エクスポージャー
以下の表1から3は、2020年末現在の当行の総信用リスク・エクスポージャーの予想損失(EL)格付によ
る分布の概要を示している。総信用エクスポージャーは、貸出エクスポージャーと財務エクスポージャーか
らなる。貸出エクスポージャーには、貸出金および貸出約定が含まれ、担保またはその他の信用補完を考慮
していない。財務エクスポージャーについては、資本市場への投資は名目価値で計上され、一方デリバティ
ブは担保を除いた市場価値で計上される。リバース・レポ取引に対するエクスポージャーは、取引の名目価
値の一定の割合として計算されるため、これら投資の担保付特性を反映している。
表1 予想損失(EL)に基づく内部格付別信用リスク・エクスポージャー (百万ユーロ)
2020 年12月31日 2019 年12月31日
リスク等級 S&P 相当 貸出 財務 合計 貸出 財務 合計
1-2 AAA/AA+ 6,320 6,749 13,069 5,155 4,874 10,029
3-4 AA/AA- 2,319 1,384 3,703 1,175 2,027 3,202
5-6 A+/A 2,229 1,055 3,285 2,171 730 2,901
7-8 A-/BBB+ 6,529 233 6,763 5,903 207 6,110
9-10 BBB/BBB- 4,864 71 4,935 4,368 2 4,370
11-12 BB+/BB 1,331 0 1,331 1,220 - 1,220
13-14 BB/BB- 671 0 671 720 - 720
15-16 BB-/B+ 57 0 57 170 - 170
17-18 B/B- 41 0 41 31 - 31
19-20 B-/CCC 0 0 0 5 - 5
D 0 0 0 0 0 0
合計 24,362 9,493 33,855 20,917 7,840 28,757
等級D
総額 71 0 71 78 0 78
減損 71 0 71 78 0 78
純額 71 0 71 0 0 0
当行の総信用エクスポージャーの質は2020年も引続き健全であった。貸出エクスポージャーは、2019年と
比較して約16%増加した。貸出実行額の97%近くは、投資適格リスク等級(EL 1-10)の取引相手に対するも
のであった。このことは、公的部門、公益事業および金融部門に対する貸出によりおおむね説明される。財
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務エクスポージャーは、主に債券投資が増加したことにより約21%増加した。2020年末現在、貸出エクス
ポージャーの91%(2019年:90%)および財務エクスポージャーの100%(2019年:100%)は投資適格グ
レー ドに相当するEL 1-10のリスク等級に該当した。リスク等級D(不良債権)のエクスポージャーには基本
的に変化はなかった。
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表2 信用リスク・エクスポージャーの地理的分布 (百万ユーロ)
総信用リスク・エクスポージャーの地理的分布を下表に示す。当該分布はリスク所有者の居住国に基づい
ている。
2020 年12月31日 2019 年12月31日
国/地域 貸出 財務 合計 貸出 財務 合計
デンマーク 1,985 1,994 3,979 1,295 1,350 2,644
エストニア 1,028 0 1,028 249 - 249
フィンランド 4,817 1,440 6,257 4,332 1,055 5,387
アイスランド 571 35 606 600 20 620
ラトビア 764 105 869 289 48 337
リトアニア 1,410 50 1,460 806 - 806
ノルウェー 5,340 913 6,253 5,151 793 5,943
スウェーデン 7,172 908 8,080 6,441 1,177 7,618
アフリカおよび中東 33 0 33 140 - 140
南北アメリカ 78 839 917 128 896 1,024
アジア太平洋 287 128 415 388 133 521
ヨーロッパ 451 2,446 2,896 652 1,862 2,514
多国間機関 428 635 1,063 449 506 954
合計 24,362 9,493 33,855 20,917 7,840 28,757
当行の使命に照らして、信用リスク・エクスポージャーは地理的分布の面では引続き非常に良くバランス
が取れていた。2020年末現在、加盟国は当行の貸出エクスポージャーの95%(2019年:92%)を占めてお
り、2020年にはエストニア(+312%)、ラトビア(+164%)およびリトアニア(+75%)に対するエクスポー
ジャーが最大の増加を示した。加盟国以外に対する最大貸出エクスポージャーは、多国間機関、ポーランド
および中国に対するものであった。財務エクスポージャーのうち、57%(2019年:57%)は加盟国に対する
ものであり、多国間機関を除くヨーロッパの他の地域は26%(2019年:24%)であり、ドイツおよびフラン
スがその大半を占めた。ヨーロッパ以外に対する財務エクスポージャーの大部分は、カナダに対するもので
あった。
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表3 産業部門別信用リスク・エクスポージャー (百万ユーロ)
信用リスク・エクスポージャーの部門別分布は、リスク所有者の産業部門に基づいている。これらの部門
は当行が貸出業務を編成する4事業部門とは異なっている。
2020 年12月31日 2019 年12月31日
産業部門 貸出 財務 合計 貸出 財務 合計
石油・ガス 0 0 0 44 - 44
原材料 1,349 0 1,349 1,020 - 1,020
工業 3,693 20 3,713 3,104 - 3,104
一般消費財 547 0 547 557 - 557
生活必需品 1,196 16 1,213 1,244 - 1,244
ヘルスケア 761 25 786 663 - 663
金融 3,731 5,103 8,833 3,422 4,885 8,306
情報技術 552 14 566 579 - 579
電気通信サービス 337 24 361 332 - 332
公益事業 3,996 48 4,044 3,686 20 3,706
公的部門 8,200 4,242 12,442 6,264 2,935 9,199
合計 24,362 9,493 33,855 20,917 7,840 28,757
2020年の貸出エクスポージャーの産業部門別分布は前年度と比較して引続き安定的であり、総エクスポー
ジャーのうち81%(2019年:79%)を公的部門、公益事業、金融部門および工業部門が占めた。当行は、経
済的資本要件および当行の資本に関連する総信用リスク・エクスポージャーにより測定される単一の産業部
門に対する最大エクスポージャーの上限を定めている。2020年末現在、当行はこれらの上限を遵守してい
た。
表4 最大取引相手エクスポージャー(総信用リスク・エクスポージャーに対する割合)
取引相手エクスポージャーとは、連結されたグループのエクスポージャーとして定義される。すなわち所
有またはその他リスクの観点から相互に依存していることから相互に関連づけられた個々の取引相手は、1
つの取引相手とみなされる。
2020 年12月31日 2019 年12月31日
上位5取引相手 11% 10%
上位10取引相手 19% 16%
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上位20取引相手 30% 26%
大口の単独取引相手に対するエクスポージャーおよびかかる大口エクスポージャー全体に対する限度額
は、当行の資本に応じて決定される。所定の限度額からの逸脱がある場合には、理事会の承認を得なければ
ならない。2020年末現在、当行は、大口エクスポージャーについて設定された限度額を遵守していた。
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市場リスク
当行は、市場リスクを、為替レート、金利、信用スプレッドおよびクロスカレンシー・ベーシス・スプ
レッドの不利な変動による評価損または期待収益減少のリスクとして定義している。
市場リスクは、主に当行の中核事業活動およびかかる事業活動のサポートに必要な流動性ポートフォリオ
から生じる。当行の戦略は、多様な資金調達源から低コストで資金調達を行い、顧客のニーズに合った貸出
を行うことである。これにより、通貨構成、満期構成および金利特性の面での当行の資産と負債のミスマッ
チにより、為替リスクおよび金利リスクが生じる。クロスカレンシー・ベーシス・リスクは、異なる通貨で
の資金調達および貸出から生じる為替リスクを軽減するために当行が用いるヘッジ手法から生じる。かかる
リスクは、将来のある時点の為替取引にかかる流動性チャージを反映している。
当行の証券ポートフォリオは、金利リスクおよび信用スプレッド・リスクに晒されている。信用スプレッ
ド・リスクとは、ポートフォリオにおいて保有する有価証券の発行体の信用の質に変化が認められたことに
よる市場価値の潜在的な低下をいう。
市場リスクの管理
当行は、当行の収益ならびに資産および負債の経済価値を保護する目的で、為替リスクおよび金利リスク
をヘッジすることにより市場リスクを管理している。為替リスクは、ほぼ完全にヘッジされている。資金調
達と貸出のミスマッチから生じる金利リスクは、適度な水準に保たれている。金利リスクおよび信用スプ
レッド・リスクに対する当行のリスク許容度は、流動性ポートフォリオの規模、質およびこれについて設定
された収益予測に関連する。仕組み金融取引の一環として、当行は、上記以外の他の市場リスク要因に関連
する金融商品を用いることができる。これには、かかる取引がデリバティブによって完全にヘッジされてい
ること、ならびに当行がこれらの取引を評価し、当該デリバティブに伴うリスクを測定することができるこ
とが必要条件である。当行の市場リスクは、財務部により管理される。リスク・コンプライアンス委員会
は、すべての重要な市場リスクを独立して監視し、リスクの測定、分析、日々の監視および報告に関して、
財務委員会、資産・負債委員会および財務部をサポートする。
為替リスク
表5 為替リスク (百万ユーロ)
正味オープン・ポジション 限度額合計 2020 年12月31日 2019 年12月31日
米ドル 6.00 0.49 -0.81
デンマーク・クローネ 3.00 -0.08 0.35
ノルウェー・クローネ 3.00 0.38 0.44
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スウェーデン・クローナ 3.00 0.50 0.39
その他の通貨、合計 4.00 1.43 2.10
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定款は、当行は実務上可能な限り為替損失のリスクから自らを保護しなければならないと定めている。
為替リスクは、通貨ごとの正味のオープン・ポジションに基づいて測定されている。オーバーナイト・ポ
ジションを制限するために設定された限度額および2020年末現在の実際のエクスポージャーは、上表に示さ
れている。「注23:為替リスク」には、2020年末現在の主要通貨建の公正価値による通貨ポジションの純額
が表示されている。
当行は、クロスカレンシー・ベーシス・スワップにより為替リスクをヘッジしているが、これにより通貨
ベーシス・リスクが発生する。通貨ベーシスの変動は、当行のスワップ・ポートフォリオの時価評価に影響
を及ぼす。すべての通貨のベーシス・カーブが1ベーシス・ポイント変動したことによる全体の評価感応度
は、2020年末現在0.5百万ユーロ(2019年:1.1百万ユーロ)であった。純感応度は、資金調達通貨(そのほ
とんどがユーロ/米ドル・ベーシス、ユーロ/豪ドル・ベーシスおよびユーロ/英ポンド・ベーシス)とユーロ
以外の貸出通貨(主にユーロ/ノルウェー・クローネ、ユーロ/スウェーデン・クローナおよびユーロ/デン
マーク・クローネ)に対する正味エクスポージャーに由来している。
当行は、外貨建の将来の利息収入純額をヘッジしていない。貸出は主にユーロ、北欧通貨および米ドル建
で行われている。ユーロ以外の通貨建の利息収入が当行の将来におけるユーロ建の純利益に何らかの変動を
もたらす可能性がある。しかしながら、現在のところ、当行は、その現在のポートフォリオからの将来の
キャッシュフローの潜在的変動は、当行の資産合計および資本との関係では重要性がないと予測している。
金利リスク
表6 金利リスク (百万ユーロ)
限度額合計 2020 年12月31日 2019 年12月31日
金利が1ベーシス・ポイント変動した場合の感応度 1.80 0.95 0.97
金利リスクの推移
(ユーロ)
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BPV 合計
BPV 流動性
ポートフォリオ
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当行は、固定金利による調達資金を変動利付負債に転換するために、デリバティブを用いて金利リスクを
管理している。調達資金と条件面で一致しない固定利付貸出は、変動利付の債権に転換される。かかるヘッ
ジ手法により、各通貨による貸出と資金調達の間の金利リスクは確実に低く維持される。したがって、当行
の金利リスクの大部分は、流動資産ポートフォリオから生じている。
当行は、金利ショックに対する当行のバランスシートの経済価値の感応度を見積ることにより金利リスク
を測定し、管理している。感応度は、金利が1ベーシス・ポイント変動した場合の利付資産と有利子負債の
現在価値への影響を定量化するベーシス・ポイント・バリュー(BPV)法を用いて測定されている。
バランスシートの合計レベルおよびポートフォリオ・レベルの双方における金利リスクに対する許容可能
なエクスポージャーについて、最大限度額が設定されている。すべての通貨を対象とする1.8百万ユーロ相当
の総限度額により、BPVによる金利リスクは当行資本の約0.05%に制限されている。さらに、ユーロ、米ドル
および北欧通貨の金利リスクに対して、個別のBPV限度額が設定されており、その他すべての通貨に対しては
一括した限度額が適用される。
信用スプレッド・リスク
表7 信用スプレッド・リスク (百万ユーロ)
限度額合計 2020 年12月31日 2019 年12月31日
信用スプレッドが1ベーシス・ポイント
変動した場合の感応度 3.00 2.15 2.00
信用スプレッド・リスクの推移
(ユーロ)
その他
金融機関
カバード・ボンド
その他の公的部門
ソブリン
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当行は、信用スプレッドの変動に対する市場性有価証券ポートフォリオの感応度を測定することにより、
信用スプレッド・リスクに対するエクスポージャーを管理している。感応度は、信用スプレッドが1ベーシ
ス・ ポイント上昇した場合の資産の現在価値への影響を定量化する信用スプレッド・ベーシス・ポイント・
バリュー(スプレッドBPV)により測定される。
限度額は、当行の流動性ポートフォリオおよびグリーンボンド投資ポートフォリオにおける リスクテイク
意欲に従い、資産価値の低下を許容可能な水準に抑えるために規定されている。当行は、信用スプレッド・
リスクに対して、全体で3.0百万ユーロの限度額を設定しており、様々な資産の分類に対して個別の限度額を
定めている。流動性ポートフォリオが、厳しい市場環境においてもその市場価値および流動性を確実に維持
できるよう、ポートフォリオ中の資産は格付の最低要件およびその他の質の基準を満たしていなければなら
ない。
流動性リスク
流動性リスクは、支払期日の到来した支払債務を適時に履行できないことによる損失の発生リスクとして
定義される。当行は、流動性リスクを資金流動性リスクと市場流動性リスクとに分類している。資金流動性
リスクは、新規の資金調達が獲得できないことを理由にその支払債務を履行できないときに発生するもの
で、市場流動性リスクは、当行が、大きな損失なく流動性バッファーの資産を売却または現金に転換するこ
とができないときに発生する。
流動性リスク管理
当行のビジネス・モデルは、主に資産(貸出および金融投資)と負債(借入および資本)の満期のミス
マッチにより、流動性リスクを発生させる。流動性ポジションおよびエクスポージャー限度額の遵守は、
日々財務部により管理され、リスク・コンプライアンス委員会により監視されている。
財務委員会および資産・負債委員会は、当行の資金調達および流動性ポジションの推移を監視し、それぞ
れの任務に従い、流動性リスクに関連する事項を決定する。理事会は、当行の資金調達および流動性状況に
ついて定期的に報告を受けている。
流動性リスク管理に適用される主要な測定基準は、サバイバル・ホライズンである。サバイバル・ホライ
ズンは、厳しいストレス・シナリオにおいて、当行がどのくらいの期間にわたって支払債務を履行すること
ができるかを測定する。この測定基準の目標値は12カ月であり、理事会の最低許容値は9カ月であるが、当
行の定款は最低6カ月を義務づけている。ストレス・シナリオには、特に、貸出ポートフォリオにおける支
払の中断、市場における資金調達の利用不能、解約可能な資金取引すべての早期解約、スワップ・エクス
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ポージャーについて提供された担保および流動性バッファーにおける資産価値の 大幅な低下の想定が含まれ
る。 2020年末現在、サバイバル・ホライズンは418日(2019年:397日)であった。
また、当行は、S&Pおよびムーディーズによる可能な限り高い発行体格付(それぞれAAAおよびAaa)を維持
し、EUの資本要件規制(LCR)に定める流動性カバレッジ比率(LCR)要件および安定調達比率(NSFR)要件
を満たすために、十分に健全な流動性ポジションを義務づけている。2020年末現在、LCRは4,407%(2019
年:2,336%)であり、NSFRは165%(2019年:160%)であった。規制対象銀行にかかるNSFRおよびLCRの最
低要件は100%である。
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サバイバル・ホライズンの推移
(日数)
当行の流動性バッファーは、主にユーロ、米ドルおよび北欧通貨建の使途制限のない現金、預金および有
価証券で構成されている。厳しい市場環境においてバッファーの市場価値および流動性を確実に保全にする
ため、当行は、バッファーの構成について厳格な規則を設定している。したがって、バッファーには、EUの
資本要件規制(CRR)で規定された最低水準の適格流動資産(HQLA)、ならびに内部格付のカテゴリーにおい
て、少なくともS&PのAA-およびムーディーズのAa3に相当する最低水準の資産が含まれなければならない。さ
らに、バッファーは、中央銀行においてレポ担保として適格な一定水準の資産で構成されなければならな
い。当行は、中央銀行のレポ・ファシリティを直接利用していないが、中継銀行を介して有価証券を回収す
ることができる。
流動性バッファーの満期構成は、今後3カ月間の予想される正味キャッシュ・アウトフローが満期を迎え
た流動性バッファーへの投資によって賄われなければならないという当行の要件を満たすように構築され
る。
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表8 流動性バッファーの構成
2020 年12月31日 2019 年12月31日
百万ユーロ % 百万ユーロ %
現金および現金同等物 835 7% 489 4%
ソブリン、公的部門法人お
よび国際機関により発行ま
3,850 34% 2,771 24%
たは保証された有価証券
カバード・ボンド 3,132 28% 2,660 23%
金融機関により発行された
有価証券(カバード・ボン
1,238 11% 1,655 14%
ドを除く。)
企業により発行された有価 178 2% 46 0%
証券
担保として受領した有価証 2,084 18% 4,085 35%
券
流動性バッファー合計 11,317 100 % 11,707 100 %
当行の資金調達および流動性管理の主な目的は分散化である。当行は、個々の市場および資金調達源への
過度の依存を避けるために、通貨、満期、金融商品および投資家の種類の観点から、その借入を分散するこ
とに努めている。当行は、通常の指標銘柄発行を通じて、広い市場アクセスを確保することを目指してい
る。毎年の資金計画は、12カ月の予測所要流動性および流動性バッファーの予想規模に基づいている。資金
計画は、所要流動性の変動を反映するよう定期的に調整される。
以下のグラフは、流動資産の満期構成および当行の資金調達に係る支払額と比較した貸出金に係る毎年の
支払予定額を表している。貸出金に係る支払額は、貸出の契約上の満期まで表示される。資金調達に係る返
済額は、最初の期限前返済可能日まで表示され、関連するスワップからのキャッシュフローが考慮されてい
る。短期金融機関債務は主にスワップ取引相手から受取った現金担保で構成され、差入れ担保はスワップ取
引相手に差入れた現金担保を示している。2020年末現在の当行の金融資産および金融負債の満期別内訳は
「注21:金融資産および負債の満期構成」に示されている。
資金調達、貸出金および流動資産の満期構成
2020年12月31日現在
(百万ユーロ)
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当行は、当行が緊急事態に直面した場合に講じるべき対策を定めたコンティンジェンシー・プランを構築
している。総裁は、コンティンジェンシー・プランの発動を決定し、その後理事会に通知する。
オペレーショナル・リスク
当行は、オペレーショナル・リスクを、技術、従業員、プロセス、業務手順または物理的配置に起因する
不具合により直接もしくは間接に損失を被るかまたはレピュテーションが損なわれるリスク(外的事象およ
び法的リスクを含む。)として定義している。
オペレーショナル・リスク管理
当行のオペレーショナル・リスク管理は、オペレーショナル・レジリエンス、オペレーショナル・リスク
の特定および軽減、内部で利用され外部に報告される情報の正確性、有能で知識の豊富な職員、定められた
規則および手続きの遵守を確保するほか、当行の物理的および情報通信技術のインフラを保護するためのセ
キュリティ・アレンジメントを主な目的としている。
当行のオペレーショナル・リスク管理の方針は理事会が定める。かかる方針は、当行が直面しているかま
たは直面する可能性のあるオペレーショナル・リスクの特定、評価、監視および制御についての指針となる
原則からなるオペレーショナル・リスク管理の枠組みによって補完されている。日々の業務においては、3
つのディフェンスライン・モデルによって、説明責任が確保され、組織全体にわたるすべてのプロセスにつ
いてのオペレーショナル・リスク管理の役割と責任が定義される。プロセス・オーナーは、そのプロセスに
関わるオペレーショナル・リスクを管理しなければならず、当行職員のリスク認識を高めることに重点が置
かれる。
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リスクは特定され、その影響は、リスクおよび統制の自己評価のプロセスといったリスク評価のそれぞれ
の専門分野についての様々な機能により評価される。当行がその方針およびガイドラインを確実に遵守する
ために、主要リスクの特定ならびにリスク検知の質およびリスクの軽減の評価に重きが置かれている。オペ
レー ショナル・リスクは、当行の事象報告システムから得られた結果の分析を通じても特定される。当期中
にオペレーショナル・リスクにより発生した重大な財務損失はなかった。
オペレーショナル・リスク管理の優先分野には、当行の中核的な業務処理におけるリスクならびに重大な
オペレーショナル・リスクおよびトレンドにかかる報告の展開に焦点をより一層合わせることが含まれてい
る。
2020年に、情報分類の方針およびガイドラインが導入された。また、新たな商品および開発にかかるリス
クの特定と承認のプロセスは、現在の要件をよりよく満たすように更新された。2020年に実施された組織改
革を受けて、当行の事業継続性およびセキュリティの機能は、オペレーショナル・リスクおよび情報セキュ
リティの機能と統合され、オペレーショナル・リスクおよびセキュリティ統制ユニットが形成された。
2020年におけるCOVID-19の状況により、当行の業務を確保することに重きが置かれている。
コンプライアンス・リスク
当行では、誠実性リスクを法的もしくは規制上の制裁、重大な財務損失、またはこれらの法律、規制、規
則、自主規制組織の基準、市場行動および透明性基準に関する行動規範の遵守、利益相反の管理、ならびに
マネーロンダリング、テロ資金供与、市場における不正行為、 市場の乱用、汚職および不正の防止を 怠った
ことにより当行が蒙ることのあるレピュテーション喪失のリスクであると定義している。
当行は、説明責任、ガバナンス、企業の社会的責任、透明性およびビジネス倫理の分野において、国際的
なベスト・プラクティスおよび市場の基準に従うことに努めている。したがって、当行の方針は、関連する
市場基準、とりわけ当行が支持している、国際金融機関の「不正・汚職の防止及び撲滅に関する統一的枠組
み」に基づいている。
当行自体の業務および当行職員の誠実性は、職員に期待される価値および倫理基準を定めた当行の行動規
範を通じて管理されている。行動規範は、利益相反、 贈答品、ホスピタリティ、取引制限および役職特権と
いったトピックを対象としている。
さらに当行は、汚職、不正、マネーロンダリングもしくはテロ資金供与に関連する、または潜在的にこれ
らに関連しうる当事者およびプロジェクトと取引を行うリスクを軽減することに特に力を入れており、これ
は顧客および取引相手を対象とした誠実性デューディリジェンス(IDD)に大きな努力を傾けることにより実
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現される。IDDは、違法もしくは非倫理的な行動に関与しているとの評判のある団体の誠実性リスクまたはレ
ピュテーション・リスクの指標を特定することを目的としている。
当行のプロジェクトに関連する不正、汚職、 談合またはその他の禁止行為の申立ては、申立ての予備評価
に続いて調査される。 インテグリティおよびコンプライアンス・オフィス(ICO)が調査を行い、ICOは総裁
(職員に関連する事案の場合)または制裁委員会(取引相手に関連する事案の場合)に対して決定のために
提出される調査結果報告書を発行する。
ICOは、誠実性リスクおよびレピュテーション・リスクに関する事項を監視および調整し、誠実性関連事項
について職員、経営陣および理事会に独立した専門的な助言を行う。
チーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)はチーフ・リスク・オフィサーに直属し、総裁に対しては
副次的な命令系統下にあるほか、理事会会長および監査委員会委員長に無制限に面会することができる。CCO
は、理事会および監査委員会に定期的に報告を行う。
ICOは、年に1回誠実性報告書を公表しており、これは当行のウェブサイトにおいて入手可能である。
金利指標改革
金融危機の後、さまざまな規制当局は、金融市場におけるIBOR(銀行間取引金利)への依存を減らし、代
わりに基礎となる翌日物取引に基づくレートを支持することを表明した。IBORの置換えプロセスは、複数の
主要通貨において、その段階も進捗のスピードもまちまちである。したがって、移行の根拠、方法および時
期ならびに金融市場参加者に対するその影響については不確実である。例えば、EONIA(ユーロについて)お
よびLIBOR(英ポンドおよびスイス・フラン等について)ならびに1週間物および2カ月物の米ドルLIBOR
は、2021年以降は廃止される予定であるが、現在のEURIBORおよび北欧IBORは2021年の後は改訂されたフォー
マットで公表される見込みである。米ドルLIBORは、2023年6月までにすべての期間について廃止される見込
みである。当行は、かかる移行の潜在的なリスクおよび影響を精査するためのワーキング・グループを置い
ている。当行はまた、廃止予定となっているLIBOR参照レートを参照している変動利付貸出にかかるフォール
バック・レートについて顧客との間で協議を開始した。
ユーロ・リスクフリー・レートに関するワーキング・グループの提言を受けて、リスクフリーのユーロ圏
無担保翌日物平均金利(EONIA)は、ユーロ短期金利(€STR)に基づくように改革された。ヨーロッパを拠点
とする決済機関がユーロ建で決済される商品の価格調整利息(PAI)をEONIAからユーロ短期金利に変更した
ため、これがきっかけとなってEONIAに代わってユーロ短期金利をリスクフリーカーブとして使用する市場慣
行に変わったというのが当行の見解である。当行は、2020年第4四半期に評価にかかるディスカウントにつ
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いてEONIAベースからユーロ短期金利ベースへの切換えを実施した。ディスカウント切換えの損益に対する影
響は重大ではない。
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注3:セグメント情報
事業セグメント
事業セグメントは、資源の分配および事業セグメントの業績の評価に対して責任を負う最高経営意思
決定者(以下「CODM」という。)への内部報告方法に沿って報告がなされている。当行のCODMは総裁で
ある。経営陣に報告されるセグメント業績には、当該セグメントに直接帰属するものと、合理的な基準
に基づいて割当てられるその他の項目が含まれる。セグメント別報告にあたり、当行は、当行の業務を
貸出業務と財務活動の2つの主要セグメントに分類している。財務活動は、資産負債管理(流動性管
理、担保管理、資金調達業務)およびポートフォリオ管理からなる。
2020 年
ポートフォリオ
(千ユーロ) 貸出合計 資産・負債管理 管理 財務合計 合計
利息収入純額 155,362 27,068 23,113 50,181 205,543
受取手数料 12,338 147 0 147 12,485
支払手数料 -130 -2,790 -225 -3,015 -3,145
金融取引純収入 2,492 47,621 8,698 56,319 58,810
為替差損益 0 183 0 183 183
一般管理費 -28,903 -11,192 -4,796 -15,988 -44,891
減価償却費 -4,574 -2,081 -892 -2,972 -7,546
正味貸倒損失 -56,744 - - - -56,744
当期利益/損失 79,840 58,957 25,897 84,855 164,695
2019 年
ポートフォリオ
(千ユーロ) 貸出合計 資産・負債管理 管理 財務合計 合計
利息収入純額 153,144 29,863 28,723 58,585 211,729
受取手数料 7,405 2,057 - 2,057 9,462
支払手数料 -78 -1,563 -218 -1,781 -1,859
金融取引純収入 541 6,748 6,983 13,731 14,272
為替差損益 - 111 - 111 111
一般管理費 -28,637 -11,012 -4,719 -15,731 -44,368
減価償却費 -4,376 -1,725 -739 -2,465 -6,841
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正味貸倒損失 -524 - - - -524
当期利益/損失 127,475 24,478 30,029 54,507 181,982
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地域別セグメント
下表は、借手のグループ本社所在地による借手の居住地域に基づいている。
2020 年 2019 年
(千ユーロ) 利息収入純額 利息収入純額
加盟国
デンマーク 12,375 12,689
エストニア 2,833 1,834
フィンランド 34,277 31,573
アイスランド 6,973 7,730
ラトビア 1,653 1,394
リトアニア 6,191 5,147
ノルウェー 28,511 27,696
スウェーデン 54,829 51,954
加盟国合計 147,642 140,018
加盟国以外
アフリカ 223 318
アジア 1,728 2,597
ヨーロッパおよびユーラシア 3,591 7,141
南北アメリカ 2,040 2,860
中東 138 208
加盟国以外合計 7,720 13,125
貸出からの利息収入純額の合計 155,362 153,144
貸出業務
使命および負託
現在の定義によるNIBの使命は、生産性を高め、環境を改善するプロジェクトに対して、サウンド・バ
ンキング原則に基づいて長期的な補完的融資を提供することにより、加盟国の持続可能な成長を促進す
ることである。NIBは、NIBが価値を付加し、他の資金源を補完することができる事業活動に対して、貸
出および債務保証の形で資金を提供することにより、この負託を果たしている。さらに、NIBは、あらゆ
る融資の環境的側面の評価を行っている。
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加盟国外におけるNIBの貸出に関しては、受入国がNIBを国際公法に基づく法人として、また当該国の
法律に基づく権利能力を有しているものとして認識し、かつ国際金融機関(IFI)としてのNIBの地位を
認 識していることについての合意が一般に必要となる。当行は、借手の債務返済義務について他の国際
金融機関のそれと類似した方針を採っている。よって、当行は、いかなるソブリン債務のリスケジュー
ルにも関与していない。
貸出は、公的部門および民間のプロジェクトの双方を対象として行われる。関係するプロジェクトが
立地する国の政府の反対があれば、貸出もしくは債務保証は行われない。当行は、プロジェクトの適格
性を査定するためにいくつかのプロセスを利用している。当行は、負託の評価ツールならびに当行の融
資が当行の目的および使命を果たすことを保証するためのサステナビリティ方針を適用している。ま
た、当行は、貸出の承認に関連して顧客デューディリジェンス手続きを有している。
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貸出の分類
当行は、これまで通常貸出および特別プログラムに基づく貸出という主に2つの貸出分類を有してい
た。特別プログラムに基づく貸出は、プロジェクト投資貸出(PIL)および環境投資貸出(MIL)で構成
されていた。2020年に効力を生じた新定款の下で、これらの特別プログラムは廃止された。PILおよび
MILファシリティに基づく貸出金は当行の通常貸出の一部となり、今後この種の新規貸出も通常貸出を
構成することになる。
当行は、次の貸出枠を設定した。すなわち、北極圏地域におけるプロジェクト向け貸出として500百万
ユーロを上限とする枠組みをもつ北極圏融資枠、中小資本会社(SMC)を含む中小企業(SME)向けの
250百万ユーロの融資枠、SME/SMCと従来から当行の顧客であった大企業との間の市場セグメントに存在
する中資本企業(MCC)向けの500百万ユーロの貸出枠ならびに500百万ユーロのグリーンボンド貸出枠
である。2020年末現在、当行は172百万ユーロ(前年:132百万ユーロ)のグリーンボンドを債務証券に
おいて公正価値で保有していた。
詳細情報については「注12:貸出金および保証約定」を参照のこと。
財務活動
資産負債管理
流動性管理
当行の流動性方針は、ストレス・テストに基づいており、バーゼルⅢの勧告(バーゼル銀行監督委員
会が公表したもの)、EU指令および格付機関が用いる格付の手法が盛り込まれている。この方針には、
当行が、厳しいストレス・シナリオにおいて、継続中の事業活動から生じるすべての支払債務をどのく
らいの期間にわたって履行することができるかを測定するサバイバル・ホライズンが含まれる。目標
は、サバイバル・ホライズンを少なくとも12カ月に維持することである。2020年末現在、当行はそのサ
バイバル・ホライズンを418日(前年:397日)と計算していた。
流動性リスクを軽減するため、当行は流動性バッファーを維持している。流動性バッファーは、主と
してユーロに投資されているが、米ドルおよび北欧通貨にも投資されている。2020年末現在、取引相手
の信用リスクを軽減するためにスワップの取引相手から受領した現金および有価証券をも含む流動性
バッファーは、11,317百万ユーロ(前年:11,707百万ユーロ)であった。このうち、3,701百万ユーロ
(前年:4,666百万ユーロ)は現金および短期金融市場商品として保有され(33%(前年:40%))、
7,616百万ユーロ(前年:7,041百万ユーロ)は有価証券により保有されていた(67%(前年:
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60%))。厳しい市場環境において市場価値のボラティリティおよび流動性リスクを最小限にするた
め、流動性バッファーは流動性方針に定められた質の要件を満たしていなければならない。2020年末現
在、 流動性バッファーの85%(前年:83%)は質の高い流動性資産(HQLA)に投資されており、87%
(前年:90%)は一または複数の中央銀行において有価証券買戻取引(レポ)の担保として適格であ
り、資産の89%(前年:94%)は当行の内部格付において上位4つのカテゴリーに属していた。また、
当行は、欧州連合の資本要件規制で規定されている流動性カバレッジ比率(LCR)要件および安定調達比
率(NSFR)要件を満たしている。追加収益を実現するという目的のもとで、流動性の一部は、より長期
の質の高い有価証券に投資されている。詳細については「注2:リスク管理」を参照のこと。
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担保管理
当行は、デリバティブ取引から生じる取引相手リスクを軽減するため、取引相手から担保を受取って
いる。当行は、スワップの取引相手に主としてユーロの現金保有による担保を差入れる必要があるた
め、そのデリバティブの取引相手とのクレジット・サポート・アグリーメントを一方向から双方向に移
行した。この双方向のアグリーメントでは、より高い流動性バッファーが求められる。これに関する詳
細については「注2:リスク管理」を参照のこと。2020年末現在保有していた現金担保の金額は724百万
ユーロ(前年:957百万ユーロ)、差入れられた現金担保の金額は523百万ユーロ(前年:319百万ユー
ロ)であった。年度末現在の受取り担保にかかる情報については「注19:担保および契約義務」を参照
のこと。
資金調達業務
当行の主な資金調達源は、世界の主要な金融市場における債券発行であり、当行の顧客のために好条
件の資金を調達することを目的としている。当行は、有利な市場条件を利用し、その借入業務を通貨、
満期、流動性および仕組みの面で投資家の選好に合わせることを目指している。この戦略に沿って、多
様な資金調達基盤ならびに個別の取引の仕組みおよび複雑さにかかわるリスクを考慮しつつ、可能な限
り低コストで資金を調達することを目的としている。
さらに、資金調達と貸出取引の条件が合わない可能性も考慮する。この限りにおいて、当行の為替、
金利および借換えのリスクの管理を最もうまく行うために、発行手取金はデリバティブ市場において交
換される。
NIBの中長期借入の大部分は、その借入プログラムのもとで行われている。2020年末現在、当行は以下
のプログラムを活用していた。
・20十億ユーロを上限とするユーロ・ミディアム・ターム・ノート・プログラム(以下「EMTNプログ
ラム」という。)
・20十億米ドルを上限とし、米国証券取引委員会に登録されたUSミディアム・ターム・ノート・シ
リーズDプログラム(以下「米国MTNプログラム」という。)
・8十億豪ドルを現在の上限とする豪ドル・ニュージーランドドル国内ミディアム・ターム・ノー
ト・プログラム。
2020年、NIBは38件の取引において、12の異なる通貨建で7,540百万ユーロ(前年:4,909百万ユーロ)
の借入を行った。この総額のうち、4,555百万ユーロ(前年:2,967百万ユーロ)は、EMTNプログラムの
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下で行われた33件の取引によるものである。米国MTNプログラムのもとでは、NIBは2本の取引を行い、
これら2本はそれぞれ1.5十億米ドルのグローバル指標銘柄債であった。2019年には、EMTNプログラム
の 下で38件、米国MTNプログラムの下で2本の取引(いずれも1.0十億米ドルのグローバル指標銘柄債の
発行)を行った。
2020年におけるNIBの借入取引の加重平均償還年数は、2019年の4.7年に対し3.6年であった。債務証券
残高のうち、1,302百万ユーロ(前年:1,854百万ユーロ)は変動利付、26,749百万ユーロ(前年:
24,123百万ユーロ)は固定利付であり、これは主に変動利付にスワップされる。
2020年、当行は、NIBレスポンス・ボンド・フレームワークを立ち上げた。このフレームワークの下
で、当行はレスポンス・ボンドを発行することができ、その手取金はCOVID-19のパンデミックの社会経
済的影響を軽減するプロジェクトへの融資に使用される。対象となるプロジェクトは、主にヘルスケ
ア・システムの効率的な運用、ならびにパンデミックがサプライチェーンにもたらす社会的影響および
摩擦を軽減するための財政支援および労働市場のソリューションを促進する予定である。2020年末現
在、当行は総額1,399百万ユーロのNIBレスポンス・ボンド残高を有していた。
NIBは、NIBの環境債(以下「NEB」という。)プログラムの一環として債券を発行することができる。
NIBは、NEBの発行を通じて調達された資金がNIBの加盟国およびEU諸国における環境貸出に向けられる
ような内部の枠組みを構築した。貸出プロジェクトは、内部の厳格な環境基準を満たした場合に、この
枠組みに基づいて適格となる。かかる債券の元利金の支払は、単一機関としてのNIBの信用状況に基づ
いてのみ行われ、環境貸出プロジェクトの実施状況に直接連動することはない。したがって、かかる債
券は「アセットバック」証券を構成することも、NIBの環境貸出プロジェクトのいずれかにクレジッ
ト・リンクすることもない。NIBの環境債は、NIBのいずれかの債券発行プログラムの下で発行すること
ができる。
2020年末現在、当行のNIB環境債の発行残高は合計4,455百万ユーロ(前年:3,906百万ユーロ)であっ
た。2020年、NIBはその環境債の枠組みの下で総額643百万ユーロの2本のNIB環境債を発行した。その
内訳は、500百万ユーロの環境債1本と1.5十億スウェーデン・クローナの北欧バルト・ブルーボンド1
本である。2019年には、NIBはその環境債の枠組みの下で総額693百万ユーロの2本のNIB環境債を発行
した。その内訳は、500百万ユーロの環境債1本と初の北欧バルト・ブルーボンド1本であった。5年
満期2十億スウェーデン・クローナの北欧バルト・ブルーボンドは、水の管理および保護の分野のみに
おける融資プロジェクトである。
2020年および2019年については、当行理事会は、当行がそれぞれ総額8.0十億ユーロおよび7.5十億
ユーロを上限とする中期および長期借入を行うことを承認した。
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2008年、NIBは、ユーロ・コマーシャル・ペーパー・プログラム(以下「ECPプログラム」という。)
に代えて、上限2十億ユーロの新STEP適格ECPプログラムを導入した。このプログラムに基づく借入お
よ びEMTNプログラムに基づく短期取引による借入のほか、NIBは、マネー・マーケット・ローンおよび
レポ取引を通じて銀行間市場において短期資金を調達することができる。これらの取引は「注16:証券
負債およびスワップ」に記載のほとんどの通貨により行われている。
理事会は、2020年および2019年について、当行が短期資金調達を行うことを認めたが、残高は各年の
いかなる時点においても3.0十億ユーロを超えないものとされている。
NIBは、2020年および2019年の年末現在、ECPプログラムに基づくコマーシャル・ペーパーの残高はな
かった。
ポートフォリオ管理
当行のポートフォリオ管理は、当行の流動性のうち、より長期の有価証券に投資されている部分の管
理を扱っている。2つのポートフォリオ、すなわち、(1)高格付の発行体が発行した償却原価で測定され
る証券投資ポートフォリオおよび(2)公正価値で測定される活発に運用されるポートフォリオが設定され
ている。流動性リスクを軽減することが主な目的であるが、環境、社会およびガバナンスの側面の一部
が投資判断に組込まれる。ポートフォリオからのリターンは引続き当行の業績全体に貢献しているが、
利回りが極めて低い環境にあるため貢献度は低下しつつある。当行は、国連の責任投資原則(PRI)に署
名しており、これにおいて当行は環境、社会およびガバナンスのファクターをその投資および保有の意
思決定に組込むことを約束している。当行は、責任投資フレームワークを展開しており、これにおい
て、内部のESGスコアを財務投資に割当てるために、外部のESG(環境、社会、ガバナンス)格付データ
が用いられる。
活発に運用されるポートフォリオは、固定利付デリバティブを利用したアクティブなイールドカーブ
およびデュレーションの管理戦略ならびに証券投資を通じて当行の業績に貢献している。戦略の実施
は、当行内外のマネージャーにより行われている。当行は、資金を伴わない任務を帯びて業務を行う外
部マネージャー1社と契約を結んでいる。2020年末現在、外部マネージャーは、総額100百万米ドル(81
百万ユーロ相当)を上限としてポジションをとることを認められていた。外部マネージャーには具体的
なリスク限度が設定されており、そのリスク・エクスポージャーも全体的な市場リスク限度によって把
握され、制限されている。「注2:リスク管理」を参照のこと。
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2020年12月31日現在の当行の金融投資の会計処理および数量にかかる情報については「注11:債務証
券」を参照のこと。2020年12月31日現在のデリバティブ残高の数量については「注15:その他の資産」
に記載する。
注4:利息収入純額
(千ユーロ) 2020 年 2019 年
受取利息
現金および現金同等物 -10,735 -2,725
長期金融機関投資 -14,505 -12,872
債務証券 47,747 60,757
貸出金 249,853 295,726
その他の受取利息 155 123
受取利息合計 272,515 341,009
うち、償却原価で測定される金融資産からの受取利息 254,355 315,241
支払利息
短期金融機関債務 4,999 3,199
長期金融機関債務 21 50
短期買戻契約 25 -
証券負債 -448,733 -558,100
スワップ契約およびその他の支払利息(純額) 376,714 425,572
支払利息合計 -66,973 -129,280
うち、償却原価で測定される金融負債からの支払利息 -121,316 -312,116
利息収入純額 205,543 211,729
受取利息および支払利息には、「注25:関連当事者の開示」に記載のとおり、関連当事者に関する金
額が含まれている。
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注5:受取手数料
(千ユーロ) 2020 年 2019 年
約定手数料 3,008 2,278
貸出実行手数料 8,584 4,298
期限前返済手数料 745 2,683
証券貸出手数料 147 203
合計 12,485 9,462
注6:金融取引純利益
(千ユーロ) 2020 年 2019 年
公正価値で測定される金融商品(実現損益) -4,985 2,715
公正価値で測定される金融商品(未実現損益) 12,959 2,250
償却原価で測定される金融商品(実現損益) -21 73
金融投資にかかる予想信用損失 -301 -10
ヘッジ会計調整(公正価値ヘッジの未実現損益) 51,157 9,243
金融取引純利益 58,810 14,272
注7:人件費、報酬および給付金
正味人件費
(千ユーロ) 2020 年 2019 年
給与およびその他の報酬 28,112 27,062
社会保障費および従業員保険 2,790 2,448
年金 8,799 8,830
理事会および監査委員会報酬 155 144
その他の人件費 2,157 2,500
総人件費 42,013 40,984
フィンランド政府との協定に基づく受入国払戻金(下記参照) -10,686 -10,487
正味人件費 31,327 30,496
従業員
2020 年 2019 年
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12月31日現在の従業員数 222 229
従業員の平均年齢 46 46
平均勤続期間(年) 11 11
12 月31日現在の性別による内訳
女性 93 99
男性 129 130
上表の従業員数には、すべての契約職員が含まれる。正規雇用者および4年以上の期間契約雇用者は
193名(2019年:202名)であった。交替契約、4年未満の期間契約および臨時契約による雇用者は29名
(2019年:27名)であった。
理事会、監査委員会、総裁および執行委員会の報酬
理事会および監査委員会の報酬は、統治委員会で決定される。報酬は、固定年次報酬および会議出席
手当からなる。理事会および監査委員会のメンバーはまた、当行の出張規定に基づいて旅費および宿泊
費の払戻しならびに日当を受領する権利を有する。
理事会は、当行総裁の任命および報酬に関する決定を行う。原則として、総裁は1回につき5年の固
定期間契約で任命されるが、現行契約を延長することもできる。現在の総裁の契約は、2012年4月1日
に開始し、2回にわたる延長を経て2021年3月31日まで延長されている。2020年12月、理事会は新しい
総裁を任命し、かかる契約は連続する5年間を任期として2021年4月1日に開始する。
総裁は、執行委員会の委員の雇用について決定する。執行委員会の委員は、通常任期を特定せずに雇
用され、通知期間は6カ月である。総裁は、理事会から、就業規則および毎年承認される財務計画の範
囲内で報酬に関する決定を行うことを授権されている。執行委員の報酬には、固定基本給および通常の
課税付加給付(原則として管理職の職員すべてに対して一律)が含まれる。
当行は、優秀かつ特別な業績については給与の3カ月分を上限として総裁、執行委員会の委員および
職員に対して業績賞与を支払うことができる。業績賞与(職員を除く。)が付与された場合は、下表に
表示される。当行の業績賞与の最大金額は、合計で従業員給与費用の3%である。
下表には、理事会および監査委員会に支払われた報酬ならびに総裁および執行委員会の課税所得が含
まれている。
(千ユーロ) 2020 年 2019 年
理事会(報酬および出席手当)
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会長 17 17
その他の理事および理事代理(15名) 111 103
監査委員会
委員長 9 5
その他の委員(9名) 18 19
総裁 855 820
執行委員会の委員および準委員(*) 3,404 2,769
(*) ヘイッキ・カンテル、ヒルデ・キェルスベルグ、グンナール・オックおよびビョルン・オーデルは、2019年
および2020年通期。ラーシュ・エイベホルムは2019年と2020年6月30日まで。トマス・ラングダールは2019
年と2020年8月31日まで。ルカ・デ・ロレンツォ、ソレン・モルテンセン、ヴェラ・マリア・リートネンお
よびユッカ・アホネンは2020年9月1日以降。
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12 月31日現在の性別による内訳 2020 年 2019 年
理事会
女性 4 4
男性 4 4
監査委員会
女性 2 2
男性 8 8
執行委員会の委員および準委員(総裁を含む。)
女性 2 1
男性 7 6
当行と、監査委員会委員、理事会メンバー、総裁または執行委員会の委員との間には、前払金、信用
供与またはいかなる債務の取決めもなく、また種類を問わず債務保証の形で当行が当該者のために締結
した約定はなかった。
給付
年金給付
当行は、従業員のために年金保障を手配する責任を負っている。フィンランドの公的部門年金制度
(以下「JuEL年金」という。)が年金給付の基礎となっている。JuEL年金は、従業員の年間課税所得お
よび適用ある年齢連動型年金増加率に基づいて計算される。雇用主による2020年の年金拠出金は年金保
険料支払対象所得の15.91%であった。従業員による年金拠出金は従業員の年齢に応じて7.15%または
8.65%であった。当行は正規職員のためにかかる拠出金を支払っており、この部分は従業員給付として
課税されている。この年金は、確定拠出制度として会計処理されている。当行は、JuEL年金の他に、す
べての正規職員のために補足的団体年金保険に加入している。保険料(6.5%)は従業員の課税所得を
基準として計算され、65歳を上限としてJuEL年金に基づく個人の退職年齢まで支払われる。補足的年金
についても、確定拠出制度として会計処理されている。総裁にかかる雇用主年金拠出金は197,175ユー
ロ(前年:200,051ユーロ)であった。執行委員会委員に関してこれに対応する金額は982,665ユーロ
(前年:964,083ユーロ)で、このうち295,339ユーロ(前年:294,398ユーロ)は補足的年金保険料で
あった。理事会および監査委員会のメンバーは、NIBの年金制度に適格ではない。
保険
当行は、その職員のために複数の(法定および任意の)保険を掛けている。すなわち、失業保険、団
体傷害保険、団体生命保険、医療保険および就業不能保険である。すべての 個人保険契約は、雇用期間
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全体にわたって有効である(別途の代替的保険について別段の定めがない場合に限る。)。長期に及ぶ
欠勤 の場合は一時的に保険のカバレッジが中断することがある。一部の保険は、より長期の固定期間契
約 職員および正規雇用者のみが利用可能である。理事会および監査委員会のメンバーは上記の保険の対
象とはならない。
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ヘルスケア
当行はまた、フィンランドにおける民間の医療センターを通じて職員のために職場の健康管理を提供
している。当行の医療保険は、必要に応じて他のヘルスケア・サービス・プロバイダーの利用をカバー
し、より深刻または複雑な治療を要する場合には公的部門のヘルスケア・サービスをカバーする。職場
の健康管理給付には、職員のための予防的ヘルスケアおよび福利活動ならびに医療の双方が含まれる。
理事会および監査委員会のメンバーはヘルスケア給付の対象とはならない。
海外派遣者に対する付加給付
当行に雇用されることのみを目的としてフィンランドに移住する専門職員(執行委員会委員を含
む。)は、海外派遣手当および配偶者/家族手当等の一定の海外派遣給付を受給する権利を有する。さ
らに当行は、通常は一軒家または集合住宅を当行名義で賃借することにより、住宅を見つけることなど
について海外派遣者を支援する。当該従業員は、賃料の一部(少なくともフィンランド国税委員会が年
毎に定める住宅給付の課税額に相当する金額)を当行に払戻す。
課税および受入国払戻し
当行の加盟国間の協定に従って、職員および執行委員会委員の給与および課税対象給付ならびに総裁
報酬に係る課税は適用あるフィンランドの税制に従って受入国であるフィンランドにおいて課税され
る。
フィンランド共和国政府と当行との受入国協定に従い、当行職員の給与に係る前納源泉所得税額およ
び給与に係る徴収後の確定税額は、当行に返戻されるものとする。返戻金は、当行が加盟国間で分配す
ることができる剰余金に寄与する。
注8:その他の一般管理費
(千ユーロ) 2020 年 2019 年
情報技術および購入データ 10,584 9,282
事務所費用 2,552 2,478
旅費 188 980
通信およびマーケティング 352 452
その他の一般管理費 2,279 2,515
費用償還(NDF、NEFCO)(注25) -1,904 -1,530
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賃貸料およびその他の収入 -488 -304
合計 13,563 13,872
監査人報酬 2020 年 2019 年
監査報酬 179 201
その他の監査関連サービス報酬 177 129
非監査関連サービス報酬 81 62
報酬合計 436 391
注9:正味貸倒損失
(千ユーロ) 2020 年 2019 年
正常債権にかかる予想信用損失の増減 -57,504 -2,179
不良債権にかかる予想信用損失の増減 759 1,655
実現損失をカバーする引当金の減少 - -
実現貸倒損失 - -
正味貸倒損失 -56,744 -524
注12「貸出金および保証約定」も参照のこと。
注10:予想信用損失
減損の手法
導入およびガバナンス
当行は、予想信用損失(ECL)に基づいて減損を計算し、報告している。ECLの枠組みは、国際会計基
準審議会(IASB)が2014年に公表し、2018年1月1日付で効力を生じた国際財務報告基準の要件(IFRS
第9号「金融商品」)に基づいている。また、適用ある場合には、バーゼル銀行監督委員会およびグ
ローバル・パブリック・ポリシー委員会のガイダンスに従う。ECLの枠組みは、当行のリスク管理方針に
準拠している。執行委員会は、ECLの枠組みを検討し、総裁がこれを承認する。マンデート・与信・コン
プライアンス委員会は、減損引当金およびECLモデルに基づく計算結果を承認する。
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3段階のモデル
当行は、償却原価または包括利益を通じた公正価値で測定された金融資産および貸出約定についてECL
損失引当金を認識している。ECLは、当初認識時からの信用の質の変化に基づいて3段階(ステージ)の
モデルで構成される。減損は、金融資産のステージ分類に応じて、12カ月または残存期間のいずれかの
予 想信用損失に基づいて報告される。ステージ分類はまた、金融資産にかかる受取利息が帳簿価額総額
または減損引当金控除後の帳簿価額のいずれに基づいて報告されるかを判断する。
ステージ1には、当初認識以降信用リスクの著しい増大がないか、または報告日現在のリスクが低い
金融資産が含まれる。これらの資産については、引当金額は今後12カ月に基づいて計算される。
ステージ2には、当初認識時から信用リスクの著しい増大があるが、減損の客観的証拠がない金融資
産が含まれる。これらの資産については、引当金額は資産の予想残存期間に基づいて計算される。信用
リスクの著しい増大とは、残存期間デフォルト確率(PD)が当初認識時と比較して100%増大した場合に
発生したとみなされる。資産の大幅な格下げまたはウォッチ・リスト入りといったことも、追加的トリ
ガー事由とみなされる。
ステージ1およびステージ2の資産は、履行資産として分類される。
ステージ3には、当行の信用格付プロセスにおいて不良資産として分類された資産が含まれる。ス
テージ1およびステージ2の資産については一括モデルが使用されるのに対して、不良資産については
個別ベースで査定が行われる。不履行クラスに対するエクスポージャーは不良債権に分類される。以下
のいずれかまたは双方が発生した場合に、債務者に関して債務不履行が生じる。
ⅰ) 当行が担保権の実行等の措置を取らなければ、債務者がその金銭債務全額を支払う見込みがない
と当行が判断する場合。
ⅱ) 債務者が期限を徒過するときで、これが90日を超える、またはソブリン向け貸出については180日
を超える場合。
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インプット
ECLの計算は、個々の金融資産レベルで行われ、その主な構成要素はデフォルト確率(PD)、デフォル
ト時損失率(LDG)、デフォルト時貸出残高(EAD)およびディスカウント・ファクターである。モデル
は将来を考慮したものであり、マクロ金融シナリオを通じて、現在および将来のマクロ経済状況がモデ
ルに盛り込まれる。
当行のポートフォリオにおける各取引は、それに関連した内部PD格付を有している。この格付は、基
本的に長期的な最善の予想格付であり、保守主義の明示的なバッファーのない中立的な見積りをもたら
す。ECLの目的上、PDは、観察されたデフォルト・データに対するマクロ経済変数の回帰モデルに基づい
て見積もられる。PDの期間構成は、マクロ金融シナリオを反映した各格付等級について設定されてい
る。PDの期間構成(最長3年)の最短期間は、マクロ金融シナリオを反映しているが、PDの期間構成の
最長期間は、長期間の平均的行動に基づく。期間構成の構築においては、あからさまなデフォルトの確
率と格付遷移行動の双方が考慮される。
デフォルト時損失率(以下「LGD」という。)は、デフォルトが発生した場合に予想される損失の大き
さである。当行はLGDの格付枠組みを設定しており、これに従って当行のエクスポージャーすべてについ
てLGDの見積りが行われる。見積りは、異なる取引相手の種類(すなわち、企業、金融機関、ソブリンな
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らびに地方および地域政府)ならびにプロジェクト・ファイナンスについて個別に導かれる。信用補完
(担保、保証)およびその他の取引特性は、LGDの見積りに影響を及ぼす。取引相手の種類によって、異
な るデータセットおよびモデル化のアプローチが用いられる。
デフォルト時貸出残高(EAD)は、デフォルト時における予想エクスポージャーを示し、割引かれた
契約上のキャッシュフローから測定される。貸出約定は、与信相当掛目(CCF)モデルを用いて含まれ
る。ディスカウント・ファクターは、契約の実効金利(EIR)に基づいて計算される。
マクロ金融シナリオ - IFRS第9号に取って代わられた発生損失モデルとは異なり、ECLは将来を考
慮している。現在および将来のマクロ経済状況ならびに信用環境に関する当行の見解が出発点となる。
同じ全体的なマクロ経済的見方が当行内の他のすべてのマクロ経済予測ニーズ(例えば事業・資金計画
ならびにICAAPおよびストレス・テストなど)の基礎としても使用されることに留意すべきである。当行
は、一連の結果を確率加重方式で検討する。その目的は、ECLが経済状況に依存している状況において潜
在的な非線形挙動を捉えることである。マクロ金融シナリオは、ベースライン、上方および下方という
3つのシナリオで構成されている。各シナリオには、一般的に認識されているリスクの分布を反映する
ことを目的として、専門家の判断に基づいて発生確率が割当てられている。
マンデート・与信・コンプライアンス委員会は、とりわけECLのモデル化もしくは信用リスク格付に明
示的に組み込まれない重大な事象などの追加的なファクターを反映するため、必要に応じてモデルに基
づくECL見積りにモデル化後の調整をすることができる。
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貸出金の減損会計処理方針については「注1:会計方針」に、またECLの結果については以下に、それ
ぞれ記載がある。
予想信用損失引当金
(百万ユーロ) ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
2018 年12月31日現在の残高 26 14 80 120
ステージ1への振替 -5 0
5 -
ステージ2への振替 - - - 0
ステージ3への振替 - - - 0
組成または購入された新たな資産 7 2 - 10
償却および返済 -5 -4 - -9
既存資産に対する再測定の影響 -4 6 -2 0
為替調整およびその他の増減 - - 2 2
損益計算書上の変動の純額
2 0 0 2
実現損失 - - - 0
2019 年12月31日現在の残高
29 14 80 122
ステージ1への振替 - - - 0
ステージ2への振替 -5 5 - 0
ステージ3への振替 - - 0
組成または購入された新たな資産 8 1 - 10
償却および返済 -4 -2 -1 -7
既存資産に対する再測定の影響 24 30 - 54
為替調整およびその他の増減 - - -7 -7
損益計算書上の変動の純額 23 35 -7 50
実現損失 - - - 0
2020 年12月31日現在の残高 52 48 73 173
予想信用損失 2020 年 2019 年
(百万ユーロ) 12月31日 12月31日
貸出金 169 119
その他の債権 2 2
貸出の約定 1 1
金融投資 1 0
合計 173 122
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損益計算書上の予想信用損失 2020 年 2019 年
(百万ユーロ) 12月31日 12月31日
財務活動の業績純額 0 0
貸倒損失純額(注9) -57 -1
為替差損益 7 -2
損益計算書において認識された
金額合計 -50 -2
当行は、「フォーベアランス(条件緩和)」を財務上の困難を理由として取引相手に供与する譲歩
(すなわち、そうでなければ貸手が考えないような譲歩)と定義している。フォーベアランスの承認
は、貸手に損失をもたらす方法に限定されるものではない。契約上の条項・条件の変更には、例えば、
金利、元本もしくは未収利息の減免または元本および/もしくは利息の支払日の再設定が含まれること
があり、将来のキャッシュフローに実際の影響を及ぼす。貸出金のフォーベアランスは、当行の回収機
会に有利となるよう取引相手の債務不履行を回避するために選別的かつ意図的に付与される。フォーベ
アランスが認められた貸出は自動的にウォッチ・リストに掲載され、当行の減損方針の対象となる。
2020年12月31日現在、3件の不良債権(ステージ3)の貸出があり、その総額は71百万ユーロ(前年:
78百万ユーロ)であった。当行の貸出金および「その他の資産」の貸出債権から合計171百万ユーロ
(前年:121百万ユーロ)が控除されている。個別減損損失引当金は71百万ユーロ(前年:78百万ユー
ロ)であり、ECLのステージ1およびステージ2に分類される資産は、100百万ユーロ(前年:42百万
ユーロ)であった。2020年または2019年において、「その他の資産」の項目の債権に転換された貸出取
引はなかった。
予想信用損失の対象となる資産
(百万ユーロ) ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
2018 年12月31日現在の
エクスポージャー 23,353 531 80 23,964
ステージ1への振替 -212 0
212 -
ステージ2への振替 -67 67 - 0
ステージ3への振替 - - - 0
組成または購入された新たな資
産 7,290 21 - 7,311
償却および返済 -6,789 -201 - -6,990
為替調整およびその他の増減 -5 2 - -3
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2019 年12月31日現在の
エクスポージャー 23,994 208 80 24,282
ステージ1への振替 - - - 0
ステージ2への振替 -1,324 1,324 - 0
ステージ3への振替 - - - 0
組成または購入された新たな資 7,465 361 - 7,825
産
償却および返済 -4,401 -130 - -4,531
為替調整およびその他の増減 -185 -23 -7 -215
2020 年12月31日現在の
エクスポージャー 25,548 1,740 73 27,360
2020 年 2019 年
12月31日 12月31日
貸出金 21,465 18,705
貸出の約定 3,522 3,242
償却原価で保有する資金運用資
産 2,373 2,335
エクスポージャー合計 27,360 24,282
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注11:債務証券
債務証券は以下の取引相手により発行されたものである。
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年
政府 794 819
公的機関 2,217 1,896
その他 4,901 4,365
合計 7,912 7,079
当行の債務証券ポートフォリオの内訳は以下のとおりである。
帳簿価額 公正価値
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年 2020 年 2019 年
公正価値で保有 6,032 5,126 6,032 5,126
償却原価で保有 1,880 1,953 1,944 2,009
合計 7,912 7,079 7,976 7,135
これらの債務証券のうち、6,051百万ユーロ(前年:5,038百万ユーロ)は固定利付で、1,861百万ユー
ロ(前年:2,041百万ユーロ)は変動利付である。2020年12月31日現在、債務証券合計のうち172百万
ユーロ(前年:132百万ユーロ)はグリーンボンド貸出であった。公正価値は「注20:金融商品の公正
価値」に開示されている。
注12:貸出金および保証約定
当行はこれまで、「注3:セグメント情報」に詳述したとおり、通常貸出とプロジェクト投資貸出
(PIL)および環境投資貸出(MIL)からなる特別プログラムに基づく貸出という2つの貸出のカテゴ
リーを有していた。 当行の定款変更に伴い、プロジェクト投資貸出(PIL)および環境投資貸出(MIL)
のための特別貸出ファシリティは廃止された。PILおよびMILファシリティに基づく貸出金は当行の通常
貸出の一部となり、今後この種の新規貸出も通常貸出を構成することになる。定款が効力を生じた日現
在、PIL貸出金の合計は333百万ユーロ、MIL貸出金の合計は7百万ユーロであった。
2020年12月31日現在、21,555百万ユーロ(前年:18,799百万ユーロ)に上る553件(前年:581件)の
貸出金が残存しており、これには0百万ユーロ(前年:10百万ユーロ)のミディアム・ターム・ノート
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(MTN)が含まれていた。これらは、ヘッジ会計上の関係においてデリバティブとの適格なヘッジ関係の
一部を構成する場合を除き償却原価で計上されており、MTNは公正価値で認識される。
2020年12月31日現在、減損およびヘッジ会計調整前の変動利付の貸出金は、16,625百万ユーロ(前
年:14,666百万ユーロ)で、固定利付は4,846百万ユーロ(前年:4,047百万ユーロ)であった。一般
に、固定利付の貸出金は、デリバティブ商品の利用を通じて変動利付に転換される。
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(百万ユーロ) 2020 年 2019 年
期首残高 18,799 19,065
貸出実行 4,819 2,545
償却 -1,457 -1,564
期限前償還 -410 -1,001
予想信用損失の増減 -57 -2
換算差額 -187 6
公正価値調整 1 -2
ヘッジ会計調整 47 51
その他の増減 0 -299
期末残高 21,555 18,799
下表は、12月31日現在の当行の貸出金および発行済保証の事業分野別内訳を示したものである。
2020 年 2019 年
(百万ユーロ) 金額 比率(%) 金額 比率(%)
エネルギーおよび水 6,535 30.4% 5,337 28.5%
インフラ、運輸および通信 7,112 33.1% 5,773 30.8%
工業およびサービス 5,840 27.2% 5,253 28.1%
金融機関および中小企業 1,983 9.2% 2,350 12.6%
減損およびヘッジ会計調整前合
計 21,471 100.0 % 18,713 100.0 %
ECLのステージ3 -71 -78
ECLのステージ1および2 -98 -41
公正価値調整 -1 -1
ヘッジ会計調整 254 207
合計 21,555 18,799
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下表は、12月31日現在の貸出金の償還スケジュールを示したものである。
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年
2020年 - 1,691
2021年 1,640 1,619
2022年 2,268 2,197
2023年 2,513 2,411
2024年 2,443 2,220
2025年 2,097 1,782
2026年以降 10,509 6,794
減損およびヘッジ会計調整前合計 21,471 18,713
ECLのステージ3 -71 -78
ECLのステージ1および2 -98 -41
公正価値調整 -1 -1
ヘッジ会計調整 254 207
合計 21,555 18,799
2020年12月31日現在の貸出金の満期/価格再設定までの平均残存期間は、当行が次の金利もしくは表示
通貨の条件を調整する権利を有する日までの期間で計算すると4年3カ月(前年:4年4カ月)で、貸
出の最初の実行日からの実際の満期は2年から30年(前年:3年から30年)にわたっている。
貸出金の通貨別分布
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年
ユーロ 9,535 7,862
米ドル 1,635 1,937
北欧通貨 10,031 8,686
その他の通貨 269 228
減損およびヘッジ会計調整前合計 21,471 18,713
ECLのステージ3 -71 -78
ECLのステージ1および2 -98 -41
公正価値調整 -1 -1
ヘッジ会計調整 254 207
合計 21,555 18,799
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貸出金および保証の担保の種類別分布
下表は、保証約定を含む貸出金を担保の種類別に示したものである。
2020 年 2019 年
金額 金額
比率
(百万ユーロ) 比率(%) (百万ユーロ) (%)
政府に対するまたは政府が保証する貸出金
加盟国に対するまたは加盟国が保証する貸
出金 1,681 265
その他諸国に対するまたはその他諸国が保
証する貸出金 435 542
政府に対するまたは政府が保証する貸出金合
計 2,116 9.9% 807 4.3%
加盟国の地方自治体に対するまたは加盟国の
地方自治体が保証する貸出金 4,177 19.5% 3,657 19.6%
加盟国もしくは加盟国の地方自治体が50%以
上を有する企業に対するまたはかかる企業が
保証する貸出金 4,384 20.5% 3,728 20.0%
銀行に対するまたは銀行が保証する貸出金 1,810 8.5% 2,073 11.1%
リーエンまたはその他の不動産担保付貸出金 1,804 8.4% 1,588 8.5%
親会社保証およびその他の保証付貸出金 1,008 4.7% 879 4.7%
担保設定制限条項およびその他の条項付貸出
金 6,101 28.5% 5,903 31.7%
正式な担保が付されていない貸出金 - 0.0% - 0.0%
グリーンボンド貸出金 - 0.0% - 0.0%
個別評価される減損後の貸出金合計 21,400 100.0 % 18,635 100.0 %
ECLのステージ1および2 -98 -41
ヘッジ会計調整 254 207
公正価値調整 -1 -1
貸出金合計 21,555 18,799
12月31日現在、約定済であるが未実行の貸出金の内訳は下表のとおりである。
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年
通常貸出 3,522 2,708
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プロジェクト投資貸出 - 518
環境投資貸出 - 16
約定済であるが未実行の貸出金合計 3,522 3,242
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下表は、リスク所有者のグループ本部の所在地によって国別に割当てられた、12月31日現在の貸出金
ならびに発行済保証の元本総額および分布比率を示したものである。
2020 年 2019 年
(百万ユーロ) 貸出金 約定合計額 貸出金 約定合計額
デンマーク 1,350 635 1,185 110
エストニア 943 91 225 25
フィンランド 4,264 763 3,717 1,025
アイスランド 532 39 600 -
ラトビア 419 345 159 130
リトアニア 1,064 432 572 264
ノルウェー 5,228 191 4,866 393
スウェーデン 6,828 524 6,178 670
ベラルーシ 8 14 - 16
フランス - - 166 -
ドイツ 40 25 29 16
ポーランド 351 - 396 -
ロシア 3 - 9 -
トルコ 8 - 13 -
その他のヨーロッパ諸国 1 - 12 -
多国籍 156 272 160 289
ボツワナ 13 - 17 -
ブラジル 37 - 80 -
中国 84 150 119 150
インド 82 - 111 20
ラオス 5 - 8 -
メキシコ - 41 - 45
フィリピン 18 - 23 -
南アフリカ - - - 89
チュニジア 11 - 17 -
米国 6 - 13 -
ベトナム 16 - 30 -
その他の非ヨーロッパ諸国 4 - 8 -
貸出金合計 21,471 3,522 18,713 3,242
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ECLのステージ3 -71 - -78 -
ECLのステージ1および2 -98 -1 -41 -1
公正価値調整 -1 - -1 -
ヘッジ会計調整 254 - 207 -
合計 21,555 3,521 18,799 3,241
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注13:有形資産および無形資産
無形資産 無形資産
(百万ユーロ) 2020年 2019年
期首取得価額 26 19
当期中の取得 5 7
当期中の売却/処分 - -
期末取得価額 31 26
期首償却費累計額 14 9
当期償却費 5 5
当期中の売却/処分に係る償却費累計額 - -
期末償却費累計額 19 14
正味帳簿価額 12 12
無形資産はソフトウェアの開発費からなり、2019年からはIFRS第16号の採用により生じた使用権資産
も含まれている。
2020 年
事務所設備
およびその他の
(百万ユーロ) 建物 有形資産 合計
有形資産
期首取得価額 40 30 70
当期中の取得 4 1 5
当期中の売却/処分 0 0 0
期末取得価額 43 30 74
期首減価償却費累計額 15 19 34
当期減価償却費 2 1 3
当期中の売却/処分に係る減価償却費累計額 0 0 0
期末減価償却費累計額 17 19 36
正味帳簿価額 26 11 37
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各期末日において、当行の資産は資産の減損の兆候があるかどうかを判断するための査定を受ける。
2020年12月31日現在、無形資産または有形資産の減損を示す兆候はなかった。
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2019 年
事務所設備
およびその他の
(百万ユーロ) 建物 有形資産 合計
有形資産
期首取得価額 34 29 62
当期中の取得 6 1 7
当期中の売却/処分 - - 0
期末取得価額 40 30 70
期首減価償却費累計額 13 18 32
当期減価償却費 2 1 2
当期中の売却/処分に係る減価償却費累計額 - - 0
期末減価償却費累計額 15 19 34
正味帳簿価額 25 11 36
注14:減価償却費
(千ユーロ) 2020 年 2019 年
無形資産(注13) 4,606 4,753
有形資産(注13) 2,940 2,088
建物 2,319 1,586
事務所設備 620 502
合計 7,546 6,841
注15:その他の資産
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年
変動金利での金利スワップ 9,100 7,902
固定金利での金利スワップ 20,162 17,184
変動金利での通貨スワップ 10,925 10,720
固定金利での通貨スワップ 6,732 7,127
合計(名目金額) 46,919 42,934
デリバティブ毎の名目金額のネッティング -46,455 -42,145
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デリバティブ債権(純額) 463 789
ヘッジ会計調整およびヘッジ手段でない
デリバティブの公正価値の変動 942 635
デリバティブ商品 1,406 1,423
その他 20 4
合計 1,425 1,428
デリバティブは、契約毎に財政状態計算書に公正価値で計上される。よって、正味公正価値がプラス
のスワップ契約は、財政状態計算書上「その他の資産」の項目に計上され、正味公正価値がマイナスの
スワップ契約は「その他の負債」の項目に計上される。
下表は、12月31日現在の担保受入れ後のデリバティブ商品に対するエクスポージャー(純額)を示す
ものである。
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年
財政状態計算書上のデリバティブ商品 1,406 1,423
取引相手によるネッティング -707 -657
取引相手毎のデリバティブ商品(純額) 699 766
取引相手毎の未収利息(純額) 107 128
担保受入れ前のエクスポージャー(純額) 806 894
受入れ担保 -736 -847
エクスポージャー(純額) 70 47
「リスク管理-信用リスク、デリバティブ」も参照のこと。
注16: 証券負債および関連スワップ
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年
期首残高 26,674 25,651
新規発行 7,540 4,909
償還 -3,980 -4,240
コールおよび買戻し -164 -520
為替変動 -1,325 340
FVTPLによる債務にかかる公正価値調整 1 2
ヘッジ会計調整 323 528
その他 1 2
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期末残高 29,072 26,674
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年末現在の当行の証券負債の通貨別内訳は以下のとおりである。下表はまた、関連スワップ後の名目
ベースの借入の通貨別内訳をも示している。
スワップ契約
負債 債務/債権 正味残高
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年 2020 年 2019 年 2020 年 2019 年
通貨
米ドル 9,631 9,417 1,370 1,755 11,001 11,173
ユーロ 5,689 4,203 6,059 6,497 11,748 10,700
英ポンド 3,165 3,128 -3,165 -3,128 - -
ノルウェー・クローネ 2,580 2,456 116 124 2,696 2,580
豪ドル 1,772 1,971 -1,772 -1,971 - -
スウェーデン・クロー
ナ 2,821 1,751 67 63 2,888 1,815
ニュージーランド・ド
ル 1,133 1,306 -1,133 -1,306 - -
香港ドル 426 408 -426 -408 - -
トルコ・リラ 173 388 -173 -388 - -
メキシコ・ペソ 112 237 -112 -237 - -
ブラジル・レアル 45 149 -45 -149 - -
インド・ルピー 65 142 -65 -142 - -
デンマーク・クローネ 133 133 1 1 134 134
日本円 93 113 -93 -113 - -
その他の通貨 212 175 -212 -175 - -
小 計 28,051 25,977 417 424 28,468 26,401
公正価値調整 78 77 -81 -80 -3 -4
ヘッジ会計調整 943 620 -1,029 -621 -86 -1
合計 29,072 26,674 -692 -277 28,380 26,396
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注17:その他の負債
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年
変動金利での金利スワップ 21,658 18,756
固定金利での金利スワップ 7,604 6,320
変動金利での通貨スワップ 16,816 17,064
固定金利での通貨スワップ 1,595 891
合計(名目金額) 47,672 43,032
デリバティブ毎の名目金額のネッティング -46,455 -42,145
デリバティブ債務(純額) 1,217 887
ヘッジ会計調整およびヘッジ手段でない
デリバティブの公正価値の変動 145 155
デリバティブ商品 1,362 1,042
その他 228 15
合計 1,590 1,057
デリバティブは、契約毎に財政状態計算書に公正価値で計上される。よって、正味公正価値がプラス
のスワップ契約は財政状態計算書上「その他の資産」の項目に計上され、正味公正価値がマイナスのス
ワップ契約は「その他の負債」の項目に計上される。
担保差入れ後のデリバティブ商品に対するエクスポージャー(純額)
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年
財政状態計算書上のデリバティブ商品 1,362 1,042
取引相手によるネッティング -707 -657
取引相手毎のデリバティブ商品(純額) 655 385
取引相手毎の未払利息(純額) -52 -48
担保差入れ前のエクスポージャー(純額) 603 337
差入れ担保 -593 -302
エクスポージャー(純額) 10 35
「リスク管理-信用リスク、デリバティブ」も参照のこと。
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注18:資本および準備金
下表は、12月31日現在の当行の資本構成を示すものである。
(百万ユーロ) 2020 年12月31日現在残高 2019 年12月31日現在残高
資本:
授権・応募済資本金
8,369 6,142
-7,523 -5,723
うち払込請求可能資本金
払込済資本金
846 419
利益準備金 686 686
一般信用リスク基金 2,140 2,003
PIL特別信用リスク基金 - 427
ヘッジ準備金 28 19
公正価値による負債に係る
自己信用リスクの変動 -3 -
当期利益 165 182
資本合計
3,861 3,735
証券負債 29,072 26,674
負債および資本合計 32,932 30,409
授権資本金の加盟国別内訳は以下のとおりである。
(百万ユーロ) 2020 年 比率(%) 2019 年 比率(%)
加盟国
デンマーク 21.1% 21.1%
1,763 1,294
エストニア 77 0.9% 56 0.9%
フィンランド 1,483 17.7% 1,088 17.7%
アイスランド 79 0.9% 58 0.9%
ラトビア 112 1.3% 82 1.3%
リトアニア 163 2.0% 120 2.0%
ノルウェー 1,800 21.5% 1,321 21.5%
スウェーデン 2,893 34.6% 2,123 34.6%
合 計 8,369 100.0 % 6,142 100.0 %
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払込済資本金の加盟国別内訳 は以下のとおりである。
(百万ユーロ) 2020 年 比率(%) 2019 年 比率(%)
加盟国
デンマーク 178 21.1% 88 21.1%
エストニア 8 0.9% 4 0.9%
フィンランド 150 17.7% 74 17.7%
アイスランド 8 0.9% 4 0.9%
ラトビア 11 1.3% 6 1.3%
リトアニア 17 2.0% 8 2.0%
ノルウェー 182 21.5% 90 21.5%
スウェーデン 293 34.6% 145 34.6%
合 計 846 100.0 % 419 100.0 %
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授権資本金
統治委員会は、NIBの理事会の提案に基づき、当行の授権資本金の増額を決定することができる。かか
る決定が効力を生じるには、通常、加盟国の議会による批准を要する。
当行の授権資本金は設立時に約510百万ユーロであったが、数回にわたって増額されており、最近では
当行が定款を改正した2020年に増額された。当行は、これまで通常貸出および特別プログラムに基づく貸
出という主に2つの貸出分類を有していた。特別プログラムに基づく貸出は、プロジェクト投資貸出
(PIL)および環境投資貸出(MIL)で構成されていた。2020年に効力を生じた新しい定款の下で、これら
2つの特別プログラムは廃止された。PILおよびMILファシリティに基づく貸出金は当行の通常貸出の一部
となった。1,800百万ユーロのPIL貸出に関連した所有者である諸国の保証は、払込請求可能資本金に転換
され、PILに割当てられていた資本準備金は払込済資本金に転換された。その結果、当行の授権資本金は
8,369百万ユーロとなった。NIBの授権資本金のうち、払込済部分と払込請求可能部分の内訳については、
下記「払込済資本金および払込請求可能資本金」に記載される。
NIBの定款に規定するとおり、授権資本金の増額は、統治委員会が随時定める市場価格による国民総所
得(GNI)に基づいて加盟国間に割当てられる。1975年のNIBの設立からバルト諸国がNIBに加盟した2005
年1月1日まで、国民総所得(GNI)は、入手可能な直近2年間のデータの平均として北欧諸国の要素価
格で計算されていた。2005年1月1日以降、GNI統計は国際通貨基金の国際金融統計の公刊物を出典とし
ている。加盟国間での新たな応募済資本金の割当ては増額の都度固定され、すでに応募済の資本金に関し
て調整または均等化のための支払が行われたことはない。したがって、加盟国間のGNIが数年間で変化し
たため、加盟国の授権資本金と払込済部分は同一ではない。2016年、当行の統治委員会は、払込済資本金
および払込請求可能資本金における各加盟国の比率が授権資本金の各加盟国の比率と等しくなるように、
当行の授権資本金を調整および変更することを決定した。各加盟国における承認手続きの完了を経て、か
かる変更は効力を生じ、実施されている。
払込済資本金および払込請求可能資本金
定款は、NIBの授権資本金は払込済分と払込請求可能分からなることを規定している。NIBの現在の総授
権資本金8,369百万ユーロのうち、払込済分は、当行の授権資本金総額の約10%に相当する846百万ユーロ
であった。応募済資本金のうちの未払込分はすべて、当行の債務の返済のため理事会が必要と認めた限り
において、理事会により払込請求することができることになっている。このような払込請求が按分比例し
てなされなければならないとする定款の規定はないが、払込請求を行うときはまず按分比例により行われ
ることが予想される。払込請求に対し、加盟国のいずれかが払込を怠った場合でも他の加盟国はそれぞれ
の払込義務を免れることはできない。かかる払込請求に際して、いかなる加盟国も、法的には応募済資本
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金のうちの払込請求可能額以上の払込をなすことを要しない。これまでそのような払込請求は行われてい
ない。
NIBが地域協力機関としての使命を帯びていることから、さらに加盟国を追加することを認める条項は
2004年契約に存在しない。加盟国が2004年契約の規定に定める通知を行うことによって脱退することは可
能であるが、2004年契約は、脱退しようとする国が脱退のときに効力を有しているNIBの債務について引
続き脱退直前までと同じ範囲で責任を負うことも規定している。
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準備金
NIB の年間純利益は、定款のもとで、利益準備金(以下「利益準備金」という。)が当行の授権資本金
の10%に達するまで同準備金に繰入れられることになっている。その後、統治委員会はNIBの理事会の提
案を受けて利益準備金および一般信用リスク基金への追加繰入れと加盟国に対する配当支払との間での純
利益の配分を決定する。
2020年12月31日現在、NIBの利益準備金は、当行の授権資本金の8.2%に相当する686百万ユーロであっ
た。NIBは、その業務における特定できないリスクのために各年度の利益の一部を一般信用リスク基金
(以下「一般信用リスク基金」という。)として毎年積立てている。2020年12月31日現在の一般信用リス
ク基金は2,140百万ユーロであった。一般信用リスク基金は、NIBの貸出ポートフォリオから発生する損失
ならびにNIBがその財務部の業務などの事業活動において引受けるその他のリスクをカバーするために利
用することができる。財務活動に関連するリスクには、市場リスクのほか、取引相手リスクが含まれる。
これについてのさらなる情報は、注2の「リスク管理」を参照のこと。
注19:担保および契約義務
(百万ユーロ) 2020 年 2019 年
保証状発行(名目金額)(注12) - -
約定済であるが未実行の貸出(注12) 3,522 3,242
借入約定 - -
(1)
従業員融資にかかる差入れ担保 - -
(1)
買戻契約にかかる担保差入れ証券 - -
金融投資における償還請求可能な契約義務 2 2
(2)(3)
担保付投資にかかる受入れ担保 2,074 4,072
(1)(4)
担保付投資にかかる差入れ担保 - 26
デリバティブ・エクスポージャーに関連した担保総額
(2)(5)
受入れ担保 723 911
(1)(4)
差入れ担保 523 319
(1) 帳簿価額
(2) 公正価値
(3) 現金2百万ユーロ(前年:18百万ユーロ)および有価証券2,072百万ユーロ(前年:4,053百万ユーロ)の受
入れを含む。
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(4) 現金担保
(5) 現金723百万ユーロ(前年:902百万ユーロ)および有価証券0百万ユーロ(前年:9百万ユーロ)の受入れ
を含む。
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借手としての当行
12月31日現在、解約不能リースの将来最低リース料支払額は以下のとおりである。
(千ユーロ) 2020 年 2019 年
1年以内 1,074 1,106
1年超2年以内 874 999
2年超3年以内 654 671
3年超4年以内 651 646
4年超5年以内 325 646
5年超 - 323
合計 3,578 4,391
貸手としての当行
12月31日現在、解約不能リースの将来最低リース料受取額は以下のとおりである。
(千ユーロ) 2020 年 2019 年
1年以内 633 622
1年超2年以内 421 410
2年超3年以内 421 410
3年超4年以内 421 410
4年超5年以内 210 410
5年超 - 205
合計 2,105 2,466
当行は、注25に記載のとおり関連当事者に事務所スペースを転貸している。
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注20:金融商品の公正価値
金融商品の分類
損益を通じた
ヘッジ目的の
公正価値
(百万ユーロ) 償却原価(AC) (FVTPL) デリバティブ 合計
金融資産
現金および現金同等物 1,372 898 - 2,270
金融機関金融投資 7 1,961 - 1,969
債務証券 1,880 6,032 - 7,912
その他の金融投資 - 9 - 9
貸出金 21,540 15 - 21,555
デリバティブ - 451 954 1,406
2020 年12月31日現在 24,800 9,367 954 35,121
金融負債
短期金融機関債務 724 - - 724
長期金融機関債務 - - - -
証券負債 28,613 459 - 29,072
デリバティブ - 651 711 1,362
2020 年12月31日現在 29,336 1,110 711 31,158
損益を通じた
ヘッジ目的の
公正価値
(百万ユーロ) 償却原価(AC) (FVTPL) デリバティブ 合計
金融資産
現金および現金同等物 835 594 - 1,428
金融機関金融投資 9 3,580 - 3,589
債務証券 1,953 5,126 - 7,079
その他の金融投資 - 8 - 8
貸出金 18,772 27 - 18,799
デリバティブ - 708 715 1,423
2019 年12月31日現在 21,569 10,042 715 32,326
金融負債
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短期金融機関債務 957 - - 957
長期金融機関債務 8 - - 8
証券負債 25,842 831 26,674
デリバティブ - 172 870 1,042
2019 年12月31日現在 26,807 1,003 870 28,681
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金融商品の公正価値
2020 年 2019 年
(百万ユーロ) 帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
金融資産
現金および現金同等物 2,270 2,270 1,428 1,428
金融機関金融投資 1,969 1,969 3,589 3,589
債務証券 7,912 7,976 7,079 7,135
その他の金融投資 9 9 8 8
貸出金 21,555 21,848 18,799 18,985
デリバティブ 1,406 1,406 1,423 1,423
合計 35,121 35,478 32,326 32,568
金融負債
短期金融機関債務 724 724 957 957
長期金融機関債務 - - 8 8
証券負債 29,072 29,137 26,674 26,670
デリバティブ 1,362 1,362 1,042 1,042
合計 31,158 31,223 28,681 28,678
期末現在の金融商品に係る公正価値測定水準
下表は、期末現在の金融商品の公正価値を、公正価値測定の分類先である公正価値ヒエラルキーのレ
ベル別に分析している。「会計方針-公正価値の決定」を参照のこと。
2020 年 2019 年
(百万ユーロ) レベル1 レベル2 レベル3 レベル1 レベル2 レベル3
金融資産
現金および現金同等
物 2,270 - - 953 476 -
金融機関金融投資 - 1,969 - - 3,589 -
債務証券 7,959 - 17 7,114 - 21
その他の金融投資 - - 9 - - 8
貸出金 - 21,834 15 - 18,957 27
デリバティブ - 1,337 69 - 1,359 64
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合計 10,230 25,140 109 8,067 24,381 119
金融負債
短期金融機関債務 - 724 - - 957 -
長期金融機関債務 - - - - 8 -
買戻し契約 - - - - - -
証券負債 - 28,452 685 - 25,470 1,200
デリバティブ - 1,081 281 - 749 294
合計 - 30,257 966 - 27,184 1,494
2020年12月31日現在の計上された信用評価調整(以下「CVA」という。)は-2百万ユーロであった
が、債務評価調整(以下「DVA」という。)は0百万ユーロであった。2019年12月31日現在の計上され
たCVAは-2百万ユーロであったが、DVAは1百万ユーロであった。破綻した財務取引相手に対する債権
は公正価値で測定される。破綻した貸出取引相手に対する債権は取得原価で測定され、減損損失が差し
引かれる。
レベル3に区分される公正価値の変動
金融資産
公正価値で
公正価値で 保有する
保有する その他の デリバティブ レベル3
(百万ユーロ) 債務証券 金融投資 貸出金 資産 資産合計
2018 年12月31日 12 16 - - 28
レベル3に振替えられ
た金融商品 12 - 27 64 103
償却 -3 - - - -3
売却済取引 - -8 - - -8
公正価値の変動 - - - - 0
2019 年12月31日 21 8 27 64 119
レベル3に振替えられ
た金融商品 - - - - -
新規取引 - - - 1 1
満期到来取引、買戻し
およびコール - -5 - -10 -16
償却 -3 - -5 -15 -22
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資本組入れ - - - 34 34
売却済取引 - - - - -
インフレ調整 - - 2 4 6
公正価値の変動 -1 7 1 2 7
為替調整 - - -10 -10 -20
2020 年12月31日 17 9 15 69 109
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金融負債
(百万ユーロ) 証券負債 デリバティブ負債 レベル3負債合計
2018 年12月31日 - - -
レベル3に振替えられた
金融商品 1,200 294 1,494
償却 - - 0
売却済取引 - - 0
公正価値の変動
2019 年12月31日 1,200 294 1,494
レベル3に振替えられた
金融商品 32 32
新規取引 101 1 102
満期到来取引、買戻しお
よびコール -468 -115 -583
償却 - -14 -14
資本組入れ - 35 35
売却済取引 - - -
インフレ調整 6 - 6
公正価値の変動 -2 -1 -3
為替調整 -153 49 -103
2020 年12月31日 685 281 966
レベル3に分類される債務証券は活発に取引されていない債務証券からなり、その評価は計上される
公正価値を調整するために経営陣がオーバーレイを用いた国際市場相場に基づいてなされる。その他の
金融投資はメザニン投資からなり、その評価は外部のファンド管理者から得られる。貸出金、デリバ
ティブ資産、発行済証券およびデリバティブ負債は、複雑な仕組み商品、および流動性が限定的でその
為替レートが有力な市場データ提供業者から得られる通貨建商品からなる。これらの仕組み商品および
流動性の低い商品は、バック・ツー・バック・スワップが行われる。
レベル3のデリバティブは基礎となる商品および価格設定モデルに基づいて2つのカテゴリーに分類
される:
・仕組み金利スワップ
・クロスカレンシー・スワップおよび為替連動スワップ
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仕組み金利スワップは、基礎となる金利指標が1つだけの場合はハル・ホワイト1ファクター・モデ
ルを用い、また基礎となる金利指標が複数ある場合はハル・ホワイト2ファクター・モデルを用いて、
価 格設定される。これらのモデルは、スワプションのボラティリティに合わせて測定される。クロスカ
レンシー・スワップおよび為替連動商品は、金利設計についてはハル・ホワイト1ファクター・モデル
を、また為替レートについてはブラック・ショールズ・モデルを用いて評価される。このモデルは、金
利、スワプションのボラティリティ、為替レート、為替レートのボラティリティおよび為替レートと金
利の相関関係に合わせて測定される。
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下表は、金利水準と為替のボラティリティの表面的な変化率に対するレベル3のスワップ取引の公正
価値の感応度を示している。例えば、ボラティリティが25%上昇した場合、仕組み金利スワップの公正
価値合計に対する影響は2.1百万ユーロであり、25%下落した場合の影響は-1.8百万ユーロである。ク
ロスカレンシー・スワップおよび為替連動スワップにかかる対応する感応度は、-0.7百万ユーロおよび
0.7百万ユーロである。
バミューダン/為替の
ボラティリティの変動
(%) -75 % -50 % -25 % 25 % 50 % 75 % 100 %
仕組み金利スワップ
(百万ユーロ) -5.1 -3.5 -1.8 2.1 4.6 7.6 10.9
クロスカレンシー・スワッ
プ
および為替連動スワップ
(百万ユーロ) 1.0 1.0 0.7 -0.7 -1.5 -2.4 -3.2
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注21:金融資産および負債の満期構成
下表は、元利金のフローを含む金融資産および負債の満期分析を示している。貸出金に関しては、契
約上の最終満期までの割引前キャッシュフローが表示されている。借入金残高およびコール・オプショ
ン付デリバティブに関しては、発生しうる最初の解除日までのキャッシュフローが表示されている。
キャッシュフローは、金利スワップについては純額ベースで、その他すべてのスワップについては総額
ベースで表示されている。金利キャッシュフローは、決算日の実勢金利に基づき予測されている。注15
および注17ならびに「リスク管理-流動性リスク」を参照のこと。
2020 年
契約上の 3カ月超
キャッシュ 3カ月 6カ月 6カ月超 1年超
(百万ユーロ)
帳簿価額 フロー 以内 以内 1年以内 5年以内 5年超
資産
現金および現金同等物 2,270 2,270 2,270 - - - -
金融投資
金融機関投資 1,961 1,957 1,884 73 - - -
債務証券 7,912 7,976 256 432 654 5,977 657
その他 9 7 - - - - 7
貸出金 21,555 22,594 350 447 1,003 9,896 10,897
その他の資産
デリバティブ債権 8,723 9,307 775 290 1,030 5,049 2,163
デリバティブ債務 -7,317 -7,587 -619 -210 -841 -4,144 -1,773
資産合計 35,113 36,524 4,915 1,032 1,847 16,779 11,952
負債
金融機関債務
短期 724 724 724 - - - -
- - - - - - -
長期
724 724 724 0 0 0 0
証券負債 29,072 29,595 1,468 734 3,107 20,220 4,066
その他の負債
デリバティブ債権 -14,211 -14,754 -4,613 -1,682 -1,334 -6,640 -486
デリバティブ債務 15,573 15,970 4,706 1,740 1,346 7,534 644
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負債合計 31,158 31,534 2,284 792 3,119 21,115 4,225
当期純額 2,631 239 -1,272 -4,336 7,727
約定済であるが
未実行の貸出 3,522
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2019 年
契約上の 3カ月超
キャッシュ 3カ月 6カ月 6カ月超 1年超
(百万ユーロ)
帳簿価額 フロー 以内 以内 1年以内 5年以内 5年超
資産
現金および現金同等物 1,428 1,427 1,427 - - - -
金融投資
金融機関投資 3,580 3,571 3,230 342 - - -
債務証券 7,079 7,262 294 396 554 5,534 483
その他 8 7 - - - - 7
貸出金 18,799 20,366 563 444 938 9,296 9,125
その他の資産
デリバティブ債権 12,951 14,879 1,517 632 424 10,097 2,209
デリバティブ債務 -11,528 -12,942 -1,398 -512 -279 -8,914 -1,840
資産合計 32,317 34,572 5,634 1,302 1,638 16,013 9,985
負債
金融機関債務
短期 957 957 957 - - - -
8 8 - 8 - - -
長期
965 965 957 8 0 0 0
証券負債 26,674 27,983 1,208 1,033 2,578 18,368 4,796
その他の負債
デリバティブ債権 -8,137 -9,073 -3,342 -177 -778 -3,644 -1,133
デリバティブ債務 9,179 9,826 3,501 162 820 4,061 1,282
負債合計 28,681 29,701 2,324 1,027 2,619 18,786
4,945
当期純額 3,310 276 -982 -2,773 5,039
約定済であるが
未実行の貸出 3,242
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注22:金利リスク
金利リスクは、市場金利の変動が当行の利付資産および有利子負債の価値ならびに包括利益計算書に
計上される受取利息に与え得る影響である。下表は、当行の金利エクスポージャーの度合いに関する情
報を示している。資産および負債は、満期または金利調整日までの期間により決められた区分で分類さ
れている。各期間区分における資産と負債の間に差異(ギャップ)があると、当行は金利の変動に敏感
になる。「注2:リスク管理」を参照のこと。
2020 年
3カ月超
3カ月 6カ月 6カ月超 1年超 5年超
(百万ユーロ) 以内 以内 1年以内 5年以内 10年以内 10 年超 未定 合計
資産
現金および現金同等物 2,270 - - - - - - 2,270
金融投資
金融機関投資 708 1,253 - - - - 7 1,969
債務証券 2,069 276 281 4,610 618 - 58 7,912
- - - - - - 9 9
その他
2,778 1,529 281 4,610 618 - 75 9,890
貸出金 9,473 7,283 395 2,370 1,239 633 162 21,555
無形資産 - - - - - - 12 12
有形資産 - - - - - - 37 37
その他の資産
(1)
デリバティブ債権 18,508 2,845 2,794 19,259 2,600 908 1,033 47,948
その他の資産 - - - - - - 20 20
未収利息・手数料 - - - - - - 232 232
資産合計 33,029 11,657 3,470 26,239 4,457 1,540 1,571 81,964
負債および資本
負債
金融機関債務
短期 724 - - - - - - 724
- - - - - - - -
長期
724 - - - - - - 724
証券負債 2,229 357 2,779 19,165 2,615 907 1,021 29,072
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その他の負債
(1)
デリバティブ債務 32,866 4,383 698 5,490 2,358 1,778 331 47,904
その他の負債 - - - - - - 228 228
未払利息・手数料 - - - - - - 176 176
負債合計 35,818 4,741 3,477 24,654 4,972 2,685 1,756 78,103
資本 - - - - - - 3,861 3,861
負債および資本合計 35,818 4,741 3,477 24,654 4,972 2,685 5,616 81,964
当期純額 -2,789 6,916 -7 1,585 -515 -1,145 -4,045 0
当期累積純額 -2,789 4,127 4,120 5,705 5,190 4,045 0 -
保証約定 - - - - - - - -
( 1) スワップはネッティングされていない。
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2019 年
3カ月超
3カ月 6カ月 6カ月超 1年超 5年超
(百万ユーロ) 以内 以内 1年以内 5年以内 10年以内 10 年超 未定 合計
資産
現金および現金同等物 1,428 - - - - - - 1,428
金融投資
金融機関投資 - 3,580 - - - - 9 3,589
債務証券 2,200 230 265 3,923 434 - 27 7,079
- - - - - - 8 8
その他
2,200 3,810 265 3,923 434 0 44 10,676
貸出金 8,445 6,195 137 2,295 1,110 443 174 18,799
無形資産 - - - - - - 12 12
有形資産 - - - - - - 36 36
その他の資産
(1)
デリバティブ債権 17,082 3,018 2,375 16,384 3,139 926 678 43,602
その他の資産 - - - - - - 4 4
未収利息・手数料 - - - - - - 275 275
資産合計 29,156 13,023 2,777 22,601 4,683 1,369 1,223 74,832
負債および資本
負債
金融機関債務
短期 957 - - - - - - 957
- 8 - - - - - 8
長期
957 8 0 0 0 0 0 965
証券負債 2,139 1,025 2,375 16,360 3,153 925 696 26,674
その他の負債
(1)
デリバティブ債務 31,162 3,002 60 5,102 2,205 1,463 226 43,221
その他の負債 - - - - - - 15 15
未払利息・手数料 - - - - - - 222 222
負債合計 34,258 4,035 2,435 21,463 5,358 2,388 1,159 71,097
資本 - - - - - - 3,735 3,735
負債および資本合計 34,258 4,035 2,435 21,463 5,358 2,388 4,895 74,832
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当期純額 -5,102 8,988 342 1,139 -675 -1,019 -3,672 0
当期累積純額 -5,102 3,886 4,228 5,366 4,691 3,672 0
保証約定 - - - - - - - -
( 1) スワップはネッティングされていない。
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有価証券報告書
注23:為替リスク
当行の業務は、ほとんどがユーロ建および米ドル建である。下表は、主要通貨建の資産と負債の差額
を示している。「注2:リスク管理」も参照のこと。
2020 年12月31日現在の通貨ポジションの純額:
公正価値
調整およ
スウェー ノル デンマー
びスワッ
デン・ ウェー・ ク・ その他の
プのネッ
ユーロ 米ドル クローナ クローネ クローネ 通貨 ティング 合計
(百万ユーロ)
資産
現金および現金同等物 1,774 34 - - 460 2 - 2,270
金融投資
金融機関投資 1,211 - - - 757 - 1 1,969
債務証券 4,065 1,076 446 850 1,417 - 59 7,912
9 - - - - - - 9
その他の金融投資
5,285 1,076 446 850 2,174 0 60 9,890
貸出金 9,437 1,564 4,510 4,502 1,019 269 253 21,555
無形資産 12 - - - - - - 12
有形固定資産 37 - - - - - - 37
その他の資産
デリバティブ -6,379 7,229 -2,139 -2,776 -3,605 6,926 2,150 1,406
-265 - - - 285 - - 20
その他の資産
-6,644 7,229 -2,139 -2,776 -3,321 6,926 2,150 1,425
未収利息・手数料 57 56 16 30 12 61 0 232
資産合計 9,958 9,960 2,834 2,607 345 7,257 2,462 35,422
負債および資本
負債
金融機関債務
短期金融機関債務 717 7 - - - - - 724
- - - - - - - -
長期金融機関債務
717 7 0 0 0 0 0 724
証券負債 5,689 9,631 2,821 2,580 133 7,196 1,021 29,072
その他の負債
デリバティブ - - - - - - 1,362 1,362
-253 268 - - 213 - - 228
その他の負債
-253 268 0 0 213 0 1,362 1,590
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有価証券報告書
未払利息・手数料 26 52 12 26 -1 60 -0 176
負債合計 6,179 9,959 2,833 2,606 345 7,256 2,383 31,561
資本 3,671 0 0 0 0 0 25 3,696
負債および資本
合計 9,851 9,959 2,833 2,606 345 7,256 2,408 35,257
2020 年12月31日現在の
資産と負債の差額 107 0 1 0 0 1 55 165
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有価証券報告書
2019 年12月31日現在の通貨ポジションの純額:
公正価値
調整およ
スウェー ノル デンマー
びスワッ
デン・ ウェー・ ク・ その他の
プのネッ
ユーロ 米ドル クローナ クローネ クローネ 通貨 ティング 合計
(百万ユーロ)
資産
現金および現金同等物 1,205 19 - - 202 2 - 1,428
金融投資
金融機関投資 2,909 - - - 680 - - 3,589
債務証券 4,056 1,138 342 714 802 - 27 7,079
8 - - - - - - 8
その他の金融投資
6,973 1,138 342 714 1,482 0 27 10,676
貸出金 7,821 1,858 3,889 4,005 793 228 205 18,799
無形資産 12 - - - - - - 12
有形固定資産 36 - - - - - - 36
その他の資産
デリバティブ -7,181 6,455 -2,483 -2,265 -2,412 7,788 1,521 1,423
-56 - - - 60 - - 4
その他の資産
-7,237 6,455 -2,483 -2,265 -2,352 7,788 1,521 1,428
未収利息・手数料 63 74 14 29 8 87 - 275
資産合計 8,873 9,544 1,762 2,483 132 8,105 1,754 32,653
負債および資本
負債
金融機関債務
短期金融機関債務 957 - - - - - - 957
8 - - - - - - 8
長期金融機関債務
965 0 0 0 0 0 0 965
証券負債 4,203 9,417 1,751 2,456 133 8,016 696 26,674
その他の負債
デリバティブ - - - - - - 1,042 1,042
-45 60 - - - - - 15
その他の負債
-45 60 0 0 0 0 1,042 1,057
未払利息・手数料 32 68 11 26 -1 87 0 222
負債合計 5,155 9,545 1,762 2,482 132 8,103 1,739 28,918
資本 3,534 0 0 0 0 0 19 3,553
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負債および資本
合計 8,690 9,545 1,762 2,482 132 8,103 1,757 32,471
2019 年12月31日現在の
資産と負債の差額 183 -1 0 0 0 2 -3 182
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注24:リスク管理目的で保有するデリバティブおよびヘッジ会計
デリバティブ
2020 年12月31日 2019 年12月31日
公正価値 公正価値
(百万ユーロ) 名目金額 プラス マイナス 名目金額 プラス マイナス
金利スワップ 4,194 26 46 3,847 36 47
クロスカレンシー・
スワップ 10,672 421 505 10,406 672 89
4,347 4 100 3,321 1 36
通貨スワップ
ヘッジ会計に使用され
ないデリバティブ 19,213 451 651 17,574 708 172
公正価値ヘッジ 32,048 954 711 28,671 715 870
デリバティブ合計 51,261 1,406 1,362 46,245 1,423 1,042
公正価値ヘッジ
ヘッジ対象
帳簿価額に含まれる
帳簿価額 ヘッジ調整の累積額
2020 年
ヘッジの非
有効性を認
識するため
に使用され
る公正価値
(百万ユーロ) 名目金額 資産 負債 の変動 資産 負債
貸出金 4,850 5,104 - 47 254 -
証券負債 27,127 - 28,080 -323 - 943
合計 31,977 5,104 28,080 -276 254 943
帳簿価額に含まれる
帳簿価額 ヘッジ調整の累積額
2019 年
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ヘッジの非
有効性を認
識するため
に使用され
る公正価値
(百万ユーロ) 名目金額 資産 負債 の変動 資産 負債
貸出金 4,038 4,245 - 51 207 -
証券負債 24,634 - 25,253 -528 - 620
合計 28,672 4,245 25,253 -477 207 620
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ヘッジ会計に使用されるデリバティブ
帳簿価額
2020 年
ヘッジの非
有効性を認 その他の包
損益にお
識するため 括利益にお
いて認識
に使用され いて認識さ
される
る公正価値 れるヘッジ
(百万ユーロ) 名目金額 資産 負債 の変動 非有効性 の費用
貸出金をヘッジする
スワップ 4,921 1 274 -71 -24 0
証券負債をヘッジする
スワップ 27,127 954 437 398 75 9
合計 32,048 954 711 327 51 9
帳簿価額
2019 年
ヘッジの非
有効性を認 その他の包
損益にお
識するため 括利益にお
いて認識
に使用され いて認識さ
される
る公正価値 れるヘッジ
(百万ユーロ) 名目金額 資産 負債 の変動 非有効性 の費用
貸出金をヘッジする
スワップ 4,037 13 215 -48 3 1
証券負債をヘッジする
スワップ 24,634 703 656 535 7 15
合計 28,671 715 870 486 9 16
当行は、為替相場、金利、信用スプレッドおよびクロスカレンシー・ベーシス・スプレッドの変動か
ら生じる市場リスクに晒されている。当行は、「注2:リスク管理」に記載したように、こうしたリス
クを軽減するため、多くのヘッジ戦略をとっているが、以下に記載するようにいくつかの戦略について
のみヘッジ会計を適用している。
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ヘッジ会計
当行は、固定利付の資金調達および貸出取引の公正価値の変動に対するエクスポージャーをヘッジす
るため、金利スワップおよびクロスカレンシー・スワップを利用している。当行は、そのリスク管理方
針の下でオープン・ポジションを持つことを認められておらず、よってすべての固定利付取引について
バッ ク・ツー・バック・スワップが行われる。
その結果、ヘッジ対象項目およびヘッジ手段である商品の重要な条件は厳密に一致しており、ヘッジ
手段である商品の満期は基礎をなすヘッジ対象項目の満期と一致している。金融資産および負債の満期
にかかる詳細情報については「注21:金融資産および負債の満期構成」を参照のこと。重要な条件の定
性的評価に加えて、当行は、ヘッジ対象リスクの公正価値の変動を関連するヘッジ手段の公正価値の変
動と比較することによって、ヘッジの有効性を評価する。非有効部分は、包括利益計算書において「金
融取引純利益/損失」の科目に計上される。
注25:関連当事者の開示
北欧開発基金および北欧環境金融公社
北欧開発基金(NDF)および北欧環境金融公社(NEFCO)の設立文書によると、それらの主たる事務所
は北欧投資銀行(NIB)の主たる事務所に置かれている。さらに、NDFおよびNEFCOの定款は、北欧評議
会により任命されるこれらの監査委員が同評議会が任命したNIBの監査委員と同じメンバーであること
を規定している。また、NDFおよびNEFCOの定款は、それぞれの理事会に与えられる権限を、適宜、各組
織の総裁および/またはNIBに委ねることができることを規定している。
当行は、NDFおよびNEFCOに管理サービスを提供しており、その報酬は注8において開示されている。
下表は、NDFおよびNEFCOならびにこれらが管理する信託基金に対する債務残高ならびに当年度中に支払
われた利息を示している。これらの機関に対する支払利息は、通常の商業レートによる。2020年12月31
日現在、NIBは、NEFCOに対して約定済であるが未実行の貸出が55百万ユーロあった。
関連当事者 関連当事者
関連当事者からの 関連当事者への に対する債権 に対する債務
(千ユーロ) 貸出手数料 支払利息 12月31日現在 12月31日現在
2020 年 125 -21 26 74
2019 年 127 -50 11 8,511
賃貸収入(NDF、NEFCO)
(千ユーロ) NDF NEFCO
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2020 年 155 272
2019 年 148 270
主要経営陣
当行は、理事会、監査委員会および執行委員会のメンバーを主要経営陣と認識している。当行と主要
経営陣の間の取引はない。関連する報告期間の主要経営陣に対する報酬に関する情報については、注7
に記載されている。
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注26:キャッシュフロー計算書
12月31日現在の現金および現金同等物(純額)の変動の詳細:
(千ユーロ) 2020 年 2019 年
(1)
現金および銀行預け金 588,760 350,921
(2)
短期金融機関投資 771,348 575,804
(3)
910,279 501,707
有担保投資
2,270,386 1,428,432
現金および現金同等物
(4)
短期金融機関債務 -723,795 -956,732
(5)
買戻契約 - -
短期債務 - -
1,546,591 471,700
現金および現金同等物(純額)
現金および現金同等物(純額)の変動 1,074,891 -3,710,812
(1) 12月31日現在先物契約に必要な当初委託証拠金281千ユーロ(前年:188千ユーロ)を含む。
(2) うち、523,348千ユーロ(前年:335,580千ユーロ)は担保として差入れた現金。
(3) 有担保投資に対する担保6,144千ユーロ(前年:3,235千ユーロ)差引後のエクスポージャー(純額)
(4) うち、723,795千ユーロ(前年:956,732千ユーロ)は担保として受領した現金。
(5) 買戻契約にかかる担保0千ユーロ(前年:0千ユーロ)差引後のエクスポージャー(純額)。
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注27:換算レート
2020 年12月31日現在の 2019 年12月31日現在の
ユーロ・レート ユーロ・レート
DKK デンマーク・クローネ 7.44088 7.47168
ISK アイスランド・クローナ 156.0581 135.9166
NOK ノルウェー・クローネ 10.47062 9.86548
SEK スウェーデン・クローナ 10.02819 10.4486
ARS アルゼンチン・ペソ 103.169 67.2591
AUD 豪ドル 1.5888 1.60055
BRL ブラジル・レアル 6.3736 4.51487
CAD カナダ・ドル 1.56428 1.46065
CHF スイス・フラン 1.08048 1.08476
CZK チェコ・コルナ 26.2443 25.408
GBP 英ポンド 0.89809 0.85118
HKD 香港ドル 9.51385 8.74545
INR インド・ルピー 89.6357 80.0878
JPY 日本円 126.4695 121.915
MXN メキシコ・ペソ 24.43707 21.2228
NZD ニュージーランド・ドル 1.69793 1.66584
PLN ポーランド・ズロチ 4.55903 4.2564
RON ルーマニア・レウ 4.86804 4.7824
RUB ロシア・ルーブル 91.4603 69.9658
SDR 特別引出権 0.84875 0.8091
SGD シンガポール・ドル 1.62235 1.5111
TRY トルコ・リラ 9.12288 6.68259
TWD 新台湾ドル 34.47926 33.64388
USD 米ドル 1.22706 1.12319
ZAR 南アフリカ・ランド 18.02085 15.79295
当行は、国際通貨基金(IMF)が公表するレートに基づく特別引出権(SDR)を除き、12月31日13時
(グリニッジ標準時)現在の実勢レートに基づいて有力な市場データ提供業者から得られた為替レート
を用いている。
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注28:貸借対照表日後の事象
開示または本財務書類の調整を要する貸借対照表日後の重要な事象はなかった。
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(6) 【その他】
NIB の債務の元利金支払に関して債務不履行が発生したことはない。
(7) 【発行者の属する国等の概況】
該当事項なし
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Auditor's report
To the Control Committee of Nordic Investment Bank
Report on the Audit of the Financial Statements
Opinion
We have audited the financial statements of Nordic Investment We are independent of the Bank in accordance with the
Bank (the Bank) which comprise the statement of financial International Ethics Standards Board of Accountants' Code of
position as at 31 December 2020, and the statement of Ethics for Professional Accountants (IESBA Code) together with
comprehensive income, statement of changes in equity and the ethical requirements that are relevant to our audit of the
statement of cash flows for the year then ended, and notes to financial statements, and we have fulfilled our other ethical
the financial statements, including a su mmary of significant responsibilities in accordance with these requirements and the
accounting policies. IESBA code.
In our opinion the financial statements present fairly, in all We believe that the audit evidence we have obtained is
material respects, the Nordic Investment Bank's financial sufficient and appropriate to provide a basis for our opinion.
position as at 31 December 2020 and its financial performance
and its cash flows for the year then ended in accordance with
International Financial Reporting Standards (IFRS).
Basis for Opinion
We conducted our audit in accordance with International
Standards on Auditing (ISAs). Our responsibilities under those
standards are further described in the Auditor's Responsibilities
for the Audit of Financial Statements section of our report.
Key Audit Matters
We have fulfilled the responsibilities described in the Auditor's
Key audit matters are those matters that. in our professional
responsibilities for the audit of the financial statements section of
judgment, were of most significance in our audit of the financial
our report. including in relation to these matters . Accordingly, our
statements of the current period. These matters were addressed
audit included the performance of procedures designed to
in the context of our audit of the financial statements as a whole
respond to our assessment of the risks of material misstatement
and in forming our opinion thereon, and we do not provide a
of the financial statements. The results of our audit procedures,
separate opinion on these matters. For each matter below, our
including the procedures performed to address the matters
description of how our audit addressed the matter is provided in
below, provide the basis for our audit opinion on the
that context.
accompanying financial statements
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Fair value measurement of fin a ncial Inst ruments
Description How our audit addressed this key audit matter
We refer to the Bank's accounting policies in Note 1 Our audit procedures over financial instruments included,
"Determination of fair value" and, "Significant accounting among others:
judgements and estimates" and the notes 11, 15, 17 and 20
• gaining on understanding of the processes and controls put in
As a result of the Bank's business model, a significant portion of
pla ce by the Bank to identify, measure and recognize
the Bank's balance sheet comprise of financial instruments
valued at fair value, these financial instruments consist of bonds
financial instruments
and derivatives.
• testing the general IT controls, including the handling of
The Bank has financial instruments where no market price is
authorisation and user access regarding the most significant
available, and in these cases, fair value is determined using
valuation models based on market data . These financial
systems used for valuing financial instruments at year end
instruments are categorised as level 2 in the IFRS fair value
valuation hierarchy. The Bank also has financial instruments for
which the fair value measurement has been determined using
• testing the valuation of financial instruments at fair value by
valuation models where the value Is affected by Input data that
comparing the values recorded to independently obtained
cannot be verified by external market data. These financial
market prices on input data on a sample basis
instruments are categorised as level 3 in the IFRS fair value
valuation hierarchy.
• including valuation specialists in our audit team to carry out
The Bank has financial assets and financial liabilities
independent valuations on a sample basis for various types
categorised as level 2 totalling EUR 25 140 million and EUR 30
257 million respectively. Financial assets and liabilities
of financial instruments across the entire fair value hierarchy
categorised as level 3 totalled EUR 109 million and EUR 966
of financial assets and liabilities
million respectively.
• examining the assumptions, methodologies and models
The measurement of financial instruments includes
assessments made by the Bank, since valuation models are
used by the Bank to estimate value of complex derivative
used. The valuation of these financial instruments is therefore
financial instruments using internal models and/or
deemed to be a key audit matter.
unobservable data.
• compared the assumptions made with appropriate
benchmarks and price sources and examined any
• significant deviations
• assessing the Bank's disclosures with presentation
requirements in applicable accounting standards.
Hedge accounting
Description How our audit addressed this key audit matter
We refer to the Bank's accounting policies in Note 1 "Derivative Our audit procedures over hedge accounting included, among
others :
instruments and hedge accounting" and the notes 2, 20 and 24
The Bank enters into derivative financial instruments to manage
• gaining on understanding of the processes and controls put in
its exposure to interest rate and foreign currency risk. Interest
place by the Bank to identify, measure and recognize hedge
rate related derivatives are identified as hedging instruments in
fair value hedge accounting relationships. Since hedge
accounting relationships
accounting is applied, such gains and losses arising from fair
value changes on the derivatives are recognized in profit and
• inspecting, on a sample basis, the Bank's hedge
loss . Derivatives to which hedge accounting is not applied is
recorded at fair value through profit and loss. The hedged
documentation and contracts
interest rate risk of the borrowing and lending transactions that
are identified as hedged item is valued at fair value. At
December 31, 2020 the Bank has EUR 5 104 million of loans
• including specialists in our audit team to carry out
identified as hedged instruments, and EUR 28 080 million of
independent valuations on a sample basis for fair value
borrowing . The hedging derivatives have fair values of EUR ·
hedges
273 million for assets of which EUR 0 million is recognized in
OCI and EUR 516 million for liabilities of which EUR 9 million is
recognized in OCI.
• assessing the Bank 's disclosures with presentation
requirements in applicable accounting standards.
The application of hedge accounting is deemed to be a key
audit matter as the large number of contracts necessitates a
system to record and track each contract and consideration of
hedge effectiveness can involve a significant degree of both
complexity and management judgement and are subject to an
inherent risk of error .
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Granting of loans and provisioning for loan losses
Description How our audit addressed this key audit matter
We refer to the Bank's accounting policies in Note 1 Our audit procedures on granting of loans and provisioning for
"Impairment of loans" and "Significant accounting judgements loan losses included among others :
and estimates" and the notes 9, 10 and 12
• gaining on understanding of the processes and controls put
Loans outstanding represent EUR 21 555 million (61 %) of total
in plac e by the Bank to grant new loans and to identify,
assets of the Bank and impairment of loans EUR 173 million.
measure and recognize impairment of loans
The impairment requirements are based on an expected credit
loss (ECL) mod el. The Bank is required to recognise an
• testing the design and efficiency of key controls in both the
allowance for either 12-month or lifetime ECLs, depending on
credit process and credit decisions, credit review rating
whether there has been a significant increase in credit risk since
initial recognition.
classification as well as identifying and determining credits for
which provisions should be made
The calcul a tion of expected cred it loss is a comp lex process
which included calculations reflecting a probability-weighted
• testing the general IT controls, including the handling of
outcome, the time value of money and the best available
authorisation and uses access regarding these systems
forward-looking information. Further, the model incorporates
forward-looking information through the inclusion of
• evaluating the key input variables and assumptions in the
macroeconomic factors and can include management
ECL model including management judgment and estimates
judgement and estimates.
and where relevant, compared data and assumptions to
Since the outstanding loans are material and the credit risk
represents the largest risk for the Bank and the related
external benchmark
impairment are subject to judgement and estimates, we have
assessed the granting of loans and provisioning of loan losses
• testing the mathematical accuracy of the model
as a key audit matter.
• inspecting the key governance meetings including Credit
Committee and Board to ensure that there are governance
controls in place and
• assessing the Bank's disclosures with presentation
requirements in applicable accounting standards.
Other Information than the annual accounts Responsibilities of the Board of Directors and the President for
the Financial Statements
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The Board of Directors and the President are responsible for they determine is necessary to enable the preparation of
the other information . The other information comprises financial statements that are free from material misstatement,
information included in the Report of the Board of Directors, in whether due to fraud or error.
the Operating and financial review, in the Capital and liquidity
In preparing the financial statements, the Board of Directors and
management, in the Governance statement and in the Annual
the President are responsible for assessing the Bank's ability to
Report, but does not include the financial statements and our
continue as going concern, disclosing, as applicable, matters
auditor's report thereon. We have obtained the report of the
relating to going concern and using the going concern basis of
Board of Directors, the Operating and financial review, the
accounting unless management either intends to liquidate the
Capital and liquidity management and the Governance
Bank or to cease operations, or has no realistic alternative but to
statement prior to the date of this auditor's report, and the
do so.
Annual Report is expected to be made available to us after that
date.
Those charged with governance are responsible for overseeing
the Bank's financial reporting proce ss.
Our opinion on the financial statements does not cover the
other information.
Auditor's responsibility for the Audit of the Financial Statements
In connection with our audit of the financial statements, our
Our objectives are to obtain reasonable assurance on whether
responsibility is to read the other information identified above
the financial statements as a whole are free from material
and, in doing so, consider whether the other information is
misstatement, whether due to fraud or error, and to issue an
materially inconsistent with the financial statements or our
auditor's report that includes our opinion. Reasonable assurance
knowledge obtained in the audit, or otherwise appears to be
is a high level of assurance but is not a guarantee that an audit
materially misstated.
conducted in accordance with ISA's will always detect a material
misstatement when it exists. Misstatements can arise from fraud
In our opinion, the information in the report of the Board of
or error and are considered material if, individually or in
Directors, in the Operating and financial review, in the Capital
aggregate, they could reasonably be expected to influence the
and liquidity management and in the Governance statement is
economic decisions of users taken on the basis of the financial
consistent with the information in the financial statements.
statements.
If, based on the work we have performed on the other
As part of an audit in accordance with ISA's, we exercise
information that we obtained prior to the date of this auditor's
professional judgment and maintain professional skepticism
report, we conclude that there is a material misstatement of this
throughout the audit. We also:
other information, we are required to report that fact. We have
nothing to report in this regard.
• Identify and assess the risks of material misstatement of the
Responsibilities of the Board of Directors and the President for
financial statements, whether due to fraud or error, design
the Financial Statements
and perform audit procedures responsive to those risks, and
The Board of Directors and the President are responsible for
obtain audit evidence that is sufficient and appropriate to
the preparation and fair presentation of the financial statements
provide a basis for our opinion. The risk of not detecting a
in accordance with International Financial Reporting Standards
(IFRSs), and for such internal control as material misstatement resulting from fraud is higher than for
one resulting from error, as fraud may involve collusion,
forgery, intentional omissions, misrepresentations, or the
override of internal control.
transactions and events so in a manner that achieves fair
• Obtain an understanding of internal control relevant to the audit
presentation.
in order to design audit procedu res that are appropriate in the
We communicate with those charged with governance
circumstances, but not for the purpose of expressing an opinion
regarding, among other matters, the planned scope and timing
of the audit and significant audit findings, including any
on the effectiveness of the Bank's internal control.
significant deficiencies in internal control that we identify during
our audit.
• Evaluate the appropriateness of accounting policies used and
We also provide those charged with governance with a
the reasonableness of accounting estimates and related
statement that we have complied with relevant ethical
disclosures made by management.
requirements regarding independence, and to communicate with
them all relationships and other matters that may reasonably be
• Conclude on the appropriateness of the Board of Directors' and
thought to bear on our independence, and where applicable,
the President's use of the going concern basis of accounting and
relate d safeguards.
based on the audit evidence obtained, whether a material
From the matte rs communicated with those charged with
governance, we determine those matters that were of most
uncertainty exists related to events or conditions that may cast
significance in the audit of the financial statements of the current
significant doubt on the Bank's ability to continue as a going
period and are therefore the key audit matters. We describe
concern. If we conclude that a material uncertainty exists, we are
these matters in our auditor's report unless law or regulation
precludes public disclosure about the matter or when, in
required to draw attention in our auditor's report to the related
extremely rare circumstances, we determine that a matter
disclosures in the financial statements or, if such disclosures are
should not be communicated in our report because the adverse
inadequate, to modify our opinion. Our conclusions are based on
consequences of doing so would reasonably be expected to
outweigh the public interest benefits of such communication.
the audit evidence obtained up to the date of our auditor's report.
However, future events or conditions may cause the Bank to
cease to continue as a going concern.
• Evaluate the overall presentation, structure and content of the
financial statements , including the disclosures, and whether the
financial statements represent the underlying
Report on other requirements
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Reasonable assurance is a high level of assurance but is not a
Opinion
guarantee that an audit conducted in accordance with International
In addition to our audit of the financial statements, we have
Standards on Auditing will always detect actions or omissions that
also audited the administrat ion of the Board of Directors and
can give rise to liability to the Bank.
the President of Nordic Investment Bank for the year 2020 in
As part of an audit in accordance with International Standards on
accordance with the Terms of the Engagement. In our opinion
Auditing, we exercise professional judgment and maintain
the administration of the Board of Directors and the President,
professional skepticism throughout the audit. The examination of
in all material aspects, complied with the Statutes of the Bank.
the administration is based primarily on the audit of the accounts.
Additional audit procedures performed are based on our
Basis for opinion
professional judgment with starting point in risk and materiality.
We conducted the audit in accordance with generally
This means that we focus the examination on such actions, areas
accepted auditing standards. Our responsibilities under those
and relationships that are material for the operations and where
standards are further described in the Auditor's
deviations and violations would have particular importance for the
Responsibilities section. We are independent of the Bank in
Bank's situation . We examine and test decisions undertaken,
acco rdance with professional ethics for accountants and have
support for decisions, actions taken and other circumstances that
otherwise fulfilled our ethical responsibilities in accordance with
are relevant to our opinion.
these requirements.
Auditor's appointment
We bel ieve that the audit evidence we have obtained is
sufficient and appropriate to provide a basis for our opinions.
Ernst & Young Oy and Ernst & Young AB have been appointed
auditors by the Control Committee since the financial year 2018.
Responsibilities of the Board of Directors and the President
The undersigned auditors have acted as responsible auditors
since financial year 2018.
All the powers of th e Bank are vested in the Board of
Directors except as what is vested in the Board of Governors
provided for in Section 13 of the Statutes. The B oard of
Directors may delegate these powers to the President to the
exten t considered appropriate.
The President is responsible for the conduct of the current
Helsinki, 12 February 2021
operations of the bank and shall follow the guidelines and
instructions given by the Board of Directors.
Ernst & Young ABAuthorized
Ernst & Young Oy
PublicAccountant Firm
Authorized Public
Account Firm
Auditor's responsibility
Our objective concerning the audit of whether the Board of
Mona Alfredsson
Director's and the President's administration have complied
Authorized Public Accountant
Terhi Mäkinen
with the Statutes of the bank, is to obtain audit evidence to
Authorized Public Accountant
assess with a reasonable degree of assurance whether any
member of the Board of Directors or the P resident in any
material respect has acted in contravention of the Statutes.
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北欧投資銀行(E06042)
有価証券報告書
独立監査人の報告書
北欧投資銀行監査委員会御中
財務書類の監査に係る報告書
意見
私どもは、 2020 年 12 月 31 日現在の財政状態計算書、同日に終了した年度の包括利益計算書、持分変動計算書および
キャッシュフロー計算書ならびに重要な会計方針の要約を含む注記により構成される、北欧投資銀行(以下「当行」とい
う。)の財務書類について監査を行った。
私どもの意見によれば、財務書類は、 2020 年 12 月 31 日現在の北欧投資銀行の財政状態ならびに同日に終了した年度にお
ける財務実績およびキャッシュフローを、国際財務報告基準(以下「 IFRS 」という。)に準拠して、すべての重要な点に
おいて適正に表示している。
意見の基礎
私どもは、国際監査基準(以下「 ISA 」という。)に準拠して監査を行った。かかる基準に基づく私どもの責任につい
ては、本報告書の「 財務書類の監査にかかる監査人の責任 」の項に詳述されている。
私どもは、国際会計士倫理基準審議会の定める職業会計士の倫理規程(以下「 IESBA 規程」という。)ならびに私ども
による財務書類の監査に関連する倫理要件に従って、当行から独立しており、私どもは、かかる要件および IESBA 規程に
従って私どものその他の倫理的責任を果たしている。
私どもは、私どもの入手した監査証拠が私どもの意見に関する基礎を与えるために十分かつ適切であると確信してい
る。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、私どもの専門家としての判断において、当期の財務書類の監査において最も重要である
と判断された事項をいう。かかる事項は、財務書類全体の監査において、またこれにかかる監査意見の形成において対処
されており、私どもは当該事項に対して個別の意見を表明するものではない。以下の各事項について、私どもの監査がか
かる事項にどのように対処したかについての説明は、その文脈において示される。
私どもは、かかる事項に関するものを含め、私どもの報告書の「 財務書類の監査にかかる監査人の責任 」の項に記載の
責任を果たした。したがって、私どもの監査には、財務書類の重大な虚偽表示のリスクに関する私どもの評価に対応する
ように設計された手順の実行が含まれていた。以下の事項に対処するために実施された手続きを含む私どもの監査手続き
の結果は、添付の財務書類に対する私どもの監査意見の基礎を提供している。
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有価証券報告書
金融商品の公正価値測定
内容
注記1の「公正価値の決定」および「重要な会計上の判断および見積り」に記載の当行の会計方針ならびに注記 11 、
15 、 17 および 20 について
当行のビジネス・モデルによって、当行のバランス・シートの大部分は公正価値で評価される金融商品からなってお
り、かかる金融商品は債券およびデリバティブにより構成される。
当行は、市場価格が得られない金融商品を有しており、その場合、市場データに基づく評価モデルを用いて公正価値
が決定される。これらの金融商品は、 IFRS の公正価値評価ヒエラルキーのレベル2として分類される。当行はまた、公
正価値測定が評価モデルを用いて決定されるいくつかの金融商品を有しており、この場合評価額が外部の市場データに
よって検証することができない入力データの影響を受ける。これらの金融商品は、 IFRS の公正価値評価ヒエラルキーの
レベル3として分類される。
当行は、それぞれ総額 25,140 百万ユーロおよび 30,257 百万ユーロの、レベル2に分類される金融資産および金融負債
を有している。レベル3に分類される金融資産および金融負債は、それぞれ合計 109 百万ユーロおよび 966 百万ユーロで
あった。
評価モデルが用いられるため、金融商品の測定には当行による評価が含まれる。したがって、これらの金融商品の評
価は監査上の主要な検討事項とみなされる。
かかる監査上の主要な検討事項の対処方法
金融商品にかかる私どもの監査手続きは、とりわけ、以下を含んでいる。
・金融商品を特定し、測定し、認識するために当行が実施しているプロセスおよび統制を理解すること。
・年度末現在の金融商品を評価するために用いられる最も重要なシステムについてその承認の取扱いおよびアクセ
スの使用を含む全般的な IT 統制をテストすること。
・入力データについて独立して得られた市場価格に記録された値をサンプルベースで比較することにより、公正価
値による金融商品の評価をテストすること。
・金融資産および金融負債の公正価値ヒエラルキー全体にわたって、様々な種類の金融商品についてサンプルベー
スで独立した評価を実施するために、私どもの監査チームに評価専門家を含めること。
・内部モデルおよび/または観察不能なデータを用いて複雑なデリバティブ金融商品の価値を見積るために当行が
使用している仮定、方法論およびモデルを検討すること。
・適切なベンチマークを使用して行われた仮定と価格情報源を比較し、大幅な乖離がないかを検討すること。
・適用ある会計基準における表示要件を用いて当行の開示を評価すること。
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ヘッジ会計
内容
注記1の「デリバティブ商品およびヘッジ会計」に記載の当行の会計方針ならびに注記2、 20 および 24 について
当行は、金利および為替リスクに対するエクスポージャーを管理するためにデリバティブ金融商品を締結している。
金利関連デリバティブは、公正価値ヘッジ会計関係においてヘッジ手段として識別されている。ヘッジ会計が適用され
ているため、デリバティブの公正価値の変動から生じる損益は損益において認識される。ヘッジ会計が適用されないデ
リバティブは、損益を通じて公正価値で計上される。ヘッジ対象として識別されている借入および貸付取引のヘッジさ
れた金利リスクは公正価値で評価される。 2020 年 12 月 31 日現在、当行は、ヘッジ手段として識別された 5,104 百万ユー
ロの貸出金および 28,080 百万ユーロの借入金を有している。ヘッジ・デリバティブの公正価値は、資産については -273
百万ユーロで、このうち0百万ユーロは OCI において認識されており、デリバティブ負債については 516 百万ユーロで、
このうち9百万ユーロが OCI において認識されている。
数多くの契約が各契約を記録し、追跡するためのシステムを必要とし、ヘッジの有効性の検討には相当な複雑さと経
営陣の判断の双方を伴う可能性があり、かつ誤謬という固有リスクがあるため、ヘッジ会計の適用は監査上の主要な検
討事項とみなされる。
かかる監査上の主要な検討事項の対処方法
ヘッジ会計にかかる私どもの監査手続きは、とりわけ、以下を含んでいる。
・ヘッジ会計関係を特定し、測定し、認識するために当行が実施しているプロセスおよび統制を理解すること。
・サンプルベースで、当行のヘッジ文書および契約を精査すること。
・公正価値ヘッジについてサンプルベースで独立した評価を実施するために、私どもの監査チームに専門家を含む
こと。
・適用ある会計基準における表示要件を用いて当行の開示を評価すること。
貸出の付与および貸倒引当金
内容
注記1の「貸出の減損」および「重要な会計上の判断および見積り」に記載の当行の会計方針ならびに注記9、 10 およ
び 12 について
貸出金は、当行の資産合計の 61 %に相当する 21,555 百万ユーロであり、貸出の減損は 173 百万ユーロである。
減損要件は、予想信用損失( ECL )モデルに基づいている。当行は、当初の認識以降信用リスクが大きく拡大したか
どうかによって、 12 カ月または残存期間の ECL のいずれかについて引当金を認識することを義務づけられている。
予想信用損失の計算は、確率加重成果、貨幣の時間価値および入手可能な将来に関する最善の情報を反映する計算を
含む複雑なプロセスである。また、このモデルには、マクロ経済ファクターを含めることにより将来に関する情報が盛
り込まれ、経営陣の判断および見積りが含まれることがある。
貸出金は多額であり、信用リスクは当行にとって最大のリスクを示しており、関連する減損は判断および見積りの対
象であるため、私どもは貸出の付与および貸倒引当金を監査上の主要な検討事項として評価した。
かかる監査上の主要な検討事項の対処方法
貸出の付与および貸倒引当金にかかる私どもの監査手続きは、とりわけ、以下を含んでいる。
・新規の貸出を付与し、貸出の減損を特定し、測定し、認識するために当行が実施しているプロセスおよび統制を
理解すること。
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有価証券報告書
・与信のプロセスおよび与信の決定の双方、与信の審査格付分類、ならびに引当金を設定すべき与信の識別および
決定における主要な統制の設計および効率性をテストすること。
・これらのシステムについてその承認の取扱いおよびアクセスの使用を含む全般的な IT 統制をテストすること。
・ ECL モデルにおける主要な入力変数および仮定(経営陣の判断および見積りを含む。)を評価し、適宜データおよ
び仮定を外部のベンチマークと比較すること。
・モデルの数学的精度をテストすること。
・ガバナンス統制が実施されていることを確認するため、与信委員会および理事会を含む主要なガバナンス会議を
視察すること。
・適用ある会計基準における表示要件を用いて当行の開示を評価すること。
年次会計以外の情報
理事会および総裁は、その他の情報について責任を負う。その他の情報とは、理事会報告書、営業および財務レ
ビュー、資本および流動性の管理、ガバナンス報告書ならびに年次報告書に記載される情報からなるが、財務書類および
それに関する私どもの報告書は含まない。私どもは、監査報告書の日付に先立って理事会報告書、営業および財務レ
ビュー、資本および流動性の管理ならびにガバナンス報告書を入手したが、年次報告書については当該日以降に入手でき
る見込みである。
財務書類にかかる私どもの意見は、その他の情報を対象としていない。
財務書類に関する私どもの監査については、上記で特定されたその他の情報を読むこと、またそれにおいてその他の情
報が財務書類または監査において得られた私どもの知識と著しく整合性を欠いているか、またはその他重大な虚偽記載が
あるかどうかについて検討することが私どもの責任である。
私どもの意見では、理事会報告書、営業および財務レビュー、資本および流動性の管理ならびにガバナンス報告書にお
ける情報は、財務書類中の情報と整合している。
仮に、私どもが本監査報告書の日付より前に入手したその他の情報について行った作業に基づいて、かかるその他の情
報に重大な虚偽記載があると判断する場合には、私どもはかかる事実の報告を求められる。私どもがこれに関して報告す
べき事項はない。
財務書類に対する理事会および総裁の責任
理事会および総裁は、国際財務報告基準( IFRS )に従って財務書類の作成および公正な表示について、また不正または
過失によるかに拘わらず、重大な虚偽記載のない財務書類の作成を可能にするために彼らが必要と判断する内部統制につ
いて責任を負っている。
財務書類の作成において、理事会および総裁は、当行を清算する意図もしくは業務を停止する意図が経営陣になく、ま
たはそうせざるを得ない代替手段が現に存在しない限り、継続企業として存続する当行の能力の評価、(適用ある場合)
継続企業の前提にかかる事項の開示、ならびに会計の継続企業基準の適用について、責任を負う。
統治責任者は、当行の財務報告プロセスの監視について責任を負う。
財務書類の監査にかかる監査人の責任
私どもは、不正または過失によるかに拘わらず、財務書類全体に重大な虚偽記載がないかどうかについての合理的な確
証を得ること、ならびに私どもの意見を含む監査報告書を発行することを目的としている。合理的な確証とは、確度の高
い保証であるが、 ISA に従って実施された監査が存在する重大な虚偽記載を常に発見できることを保証するものではな
い。虚偽記載は、不正または過失から生じる可能性があり、個別にまたは全体として、財務書類を基礎として行われる利
用者の経済的判断に影響を及ぼすことが合理的に予想されうる場合は、重大であるとみなされる。
ISA に従った監査の一環として、私どもは、監査全体を通じて職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持
している。私どもはまた、
・ 不正または過失によるかに拘わらず、財務書類の重大な虚偽記載に関するリスクを特定し、評価し、かかるリスク
に対応した監査手続きを計画し、実行し、私どもの意見に関する基礎を与えるために十分かつ適切な監査証拠を得
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る。不正には、共謀、偽造、意図的な省略、虚偽表示または内部統制の無視が絡むことがあるため、不正の結果と
しての重大な虚偽記載が発見されないリスクは、過失によるものより高い。
・ 状況に応じて適切な監査手続きを計画するために、監査に関連する内部統制について理解する。ただし、当行の内
部統制の有効性について意見を述べることを目的とするものではない。
・ 用いられた会計方針の適正性および経営陣による会計上の見積りおよび関連する開示の妥当性を評価する。
・ 理事会および総裁による会計の継続企業基準の利用の適正性、ならびに得られた監査証拠に基づいて、継続企業と
して存続する当行の能力について重大な疑いを掛けうる事象または状況に関連して重大な不確実性があるか否かに
ついて、結論付ける。私どもが重大な不確実性があると判断した場合、私どもは、その監査報告書において財務書
類中の関連する開示事項に注意喚起することを求められ、かかる開示が十分でない場合には、意見の修正を求めら
れる。私どもの結論は、監査報告書の日付までに得られた監査証拠に基づくものである。ただし、将来の事象また
は状況によって当行が継続企業として存続しなくなる可能性がある。
・ 公正な表示を実現する方法で、開示事項を含む財務書類の全体の表示、構成および内容、ならびに財務書類が基礎
となる取引および事象を表示しているかどうかを評価する。
私どもは、とりわけ計画された監査の範囲および時期ならびに私どもが監査中に特定した内部統制の重大な不備を含む
重要な監査上の発見について、統治責任者に報告を行っている。
私どもはまた、独立性に関する関連する倫理要件を私どもが遵守している旨を統治責任者に表明し、私どもの独立性を
損なうと合理的に考えられるすべての関係およびその他の事項ならびに適用ある場合には関連するセーフガードについて
統治責任者に報告している。
統治責任者への報告事項から、私どもは当期の財務書類の監査において最も重要であり、よって監査上の主要な検討事
項となる事項を決定する。私どもは、当該事項についての公表が法令により禁止されない限り、または極めて稀なケース
ではあるが、開示することの悪影響が当該報告の公益性を上回ると合理的に考えられるために私どもが当該事項を報告書
に記載すべきでないと判断する場合を除き、かかる事項を監査報告書に記載する。
その他の要件にかかる報告
意見
財務書類の監査のほか、私どもは、契約条件に従って、 2020 年にかかる北欧投資銀行の理事会および総裁による業務の
執行についても監査を行った。私どもの意見では、理事会および総裁による業務の執行はすべての重要な点において当行
の定款に準拠して行われていた。
意見の基礎
私どもは、一般に認められた監査基準に従って監査を実施した。かかる基準に基づく私どもの責任については、本報告
書の「 監査人の責任 」の項に詳述されている。私どもは、会計士の職業倫理に従って、当行から独立しており、かかる要
件に従って私どものその他の倫理的責任を果たしている。
私どもは、私どもの入手した監査証拠が私どもの意見に関する基礎を与えるために十分かつ適切であると確信してい
る。
理事会および総裁の責任
当行のすべての権限は、定款第 13 条に定める統治委員会に付与されているものを除き、理事会に付与されている。理事
会は、適切とみなされる範囲で、これらの権限を総裁に委任することができる。
総裁は、当行の現在の業務遂行について責任を負い、理事会から与えられた指針および指示に従うものとする。
監査人の責任
理事会および総裁による業務執行が当行の定款を遵守しているかどうかの監査に関する私どもの目的は、重要な点で理
事会の構成員または総裁が定款に違反して行動したかどうかを合理的な範囲の確証をもって評価するための監査証拠を入
手することである。
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合理的な確証とは、確度の高い保証であるが、国際監査基準に従って実施された監査が当行に対する責任を生じさせう
る行為または不作為を常に発見できることを保証するものではない。
国際監査基準に従った監査の一環として、私どもは、監査全体を通じて職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑
心を保持している。業務執行の審査は主に会計監査に基づいている。実施された追加の監査手続きは、リスクおよび重要
性を出発点とした私どもの専門家としての判断に基づいている。これは、業務にとって重要であり、その乖離および違反
が当行の状況にとって特に重要となりうる行為、分野および関係性についての精査に私どもが重点を置いていることを意
味している。私どもは、行われた決定、決定に対する支持、取られた行動、および私どもの意見に関連したその他の状況
について精査・検証する。
監査人の任命
アーンスト・アンド・ヤング Oy およびアーンスト・アンド・ヤング AB は、 2018 会計年度以降監査委員会により監査人
として任命されている。下記に署名する監査人は、 2018 会計年度以降担当監査人として行為してきた。
2021 年2月 12 日、ヘルシンキ
アーンスト・アンド・ヤング Oy アーンスト・アンド・ヤング AB
公認会計士事務所 公認会計士事務所
(署 名) (署 名)
Terhi M äkinen Mona Alfredsson
公認会計士
公認会計士
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Auditor's report
To the Control Committee of Nordic Investment Bank
Report on the Audit of the Financial Statements
Opinion
We have audited the financial statements of Nordic Investment We are independent of the Bank in accordance with the
Bank (the Bank) which comprise the statement of financial International Ethics Standards Board of Accountants' Code of
position as at 31 December 2019, and the statement of Ethics for Professional Accountants (IESBA Code) together with
comprehensive income, statement of changes in equity and the ethical requirements that are relevant to our audit of the
statement of cash flows for the year then ended, and notes to financial statements, and we have fulfilled our other ethical
the financial statements, including a summary of significant responsibilities in accordance with these requirements and the
accounting policies and excluding economic capital IESBA code.
requirements.
We believe that the audit evidence we have obtained is
In our opinion the financial statements present fairly, in all
sufficient and appropriate to provide a basis for our opinion
material respects, the Nordic Investment Bank's financial
position as at 31 December 2019 and its financial performance
and its cash flows for the year then ended in accordance with
International Financial Reporting Standards (IFRS).
Basis for Opinion
We conducted our audit in accordance with International
Standards on Auditing (ISAs). Our responsibilities under those
standards are further described in the Auditor's Responsibilities
for the Audit of Financial Statements section of our report.
Key Audit Matters
designed to respond to our assessment of the risks of material
Key audit matters are those matters that, in our professional
misstatement of the financial statements. The results of our audit
judgment, were of most significance in our audit of the financial
procedures, including the procedures performed to address the
statements of the current period. These matters were addressed
matters below, provide the basis for our audit opinion on the
in the context of our audit of the financial statements as a whole,
accompanying financial statements.
and in forming our opinion thereon, and we do not provide a
separate opinion on these matters.
We have fulfilled the responsibilities described in the Auditor's
responsibilities for the audit of the financial statements section
of our report, including in relation to these matters. Accordingly,
our audit included the performance of procedures
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Fair value measurement of fin a ncial Inst ruments
Description How our audit addressed this key audit matter
Our audit procedures over financial instruments included,
We refer to the Bank's accounting policies in Note 1
among others:
"Determination of fair value" and, "Significant accounting
judgements and estimates" and the notes 11, 15, 17 and 20.
• gaining on understanding of the processes and controls put
As a result of the Bank's business model, a significant portion of
in place by the Bank to identify, measure and recognize
the Bank's balance sheet comprise of financial instruments
financial instruments
valued at fair value, these financial instruments consist of bonds
and derivatives.
• testing the general IT controls, including the handling of
The Bank has financial instruments where no market price is
authorisation and uses access regarding the most significant
available, and in these cases, fair value is determined using
valuation models based on market data. These financial
systems u sed for valuing financial instruments at year end
instruments are categorised as level 2 in the IFRS fair value
valuation hierarchy. The Bank also has financial instruments for
• testing the valuation of financial instruments at fair value by
which the fair value measurement has been determined using
comparing the values recorded to independently obtained
valuation models where the value is affected by input data that
market prices on input data on a sample basis
cannot be verified by external market data. These financial
instruments are categorised as level 3 in the IFRS fair value
• including valuation specialists in our audit team to carry out
valuation hierarchy.
independent valuations on a sample basis for various types
The Bank has financial assets and financial liabilities
categorised as level 2 totalling EUR 24 381 million and EUR 27
of financial instruments across the entire fair value hierarchy
184 million respectively. Financial assets and liabilities
of financial assets and liabilities
categorised as level 3 totalled EUR 119 million and EUR 1 494
million respectively.
• examining the assumptions, methodologies and models used
The measurement of financial instruments includes
by the Bank to estimate value of complex derivative
assessments made by the Ban k, since valuation models are
used. The valuation of these financial instruments is therefore
• financial instruments using internal models and/or
deemed to be a key audit matter.
unobservable data.
• compared the assumptions made with appropriate
benchmarks and price sources and examined any significant
deviations
• assessing the Bank's disclosures with presentation
requirements in applicable accounting standards.
Hedge accounting
Description How our audit addressed this key audit matter
We refer to the Bank's accounting policies in Note 1 "Derivative Our audit procedures over hedge accounting included, among
others:
instruments and hedge accounting" and the notes 2, 20, and 24
The Bank enters into derivative financial instruments to manage
• gaining on understanding of the processes and controls put
its exposure to interest rate and foreign currency risk. Interest
in place by the Bank to identify, measure and recognize
rate related derivatives are identified as hedging instruments in
fair value hedge accounting relationships. Since hedge
hedge accounting relationships
accounting is applied, such gains and losses arising from fair
value changes on the derivatives are recognized in profit and • inspecting, on a sample basis, the Bank's hedge
loss. Derivatives to which hedge accounting is not applied is
documentation and contracts
recorded at fair value through profit and loss. The hedged
interest rate risk of the borrowing and lending transactions that
• including specialists in our audit team to carry out
are identified as hedged item is valued at fair value. At
independent valuations on a sample basis for fair value
December 31, 2019 the Bank has EUR 4 245 million of loans
identified as hedged instruments, and EUR 25 253 million of
hedges
borrowing. The hedging derivatives have fair values of EUR 202
million for assets of which EUR 1 million is recognized in OCI
• assessing the Bank' disclosures with presentation
and EUR 47 million for liabilities of which EUR 15 million is
requirements in applicable accounting standards.
recognized in OCI.
The application of hedge accounting is deemed to be a key
audit matter as the large number of contracts necessitates a
system to record and track each contract and consideration of
hedge effectiveness can involve a significant degree of both
complexity and management judgement and are subject to an
inherent risk of error.
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Granting of loans and provisioning for loan losses
Description How our audit addressed this key audit matter
We refer to the Bank's accounting policies in Note 1 Our audit procedures on granting of loans and provisioning for
"Impairment of loans" and "Significant accounting judgements loan losses included among others :
and estimates" and the notes 9, 10 and12.
• gaining on understanding of the processes and controls put
Loans outstanding represent EUR 18 799 million (58%) of total
in place by the Bank to grant new loans and to identify,
assets of the Bank and impairment of loans EUR 122 million.
measure and recognize impairment of loans
The impairment requirements are based on an expected credit
loss (ECL) model. The Bank is required to recognise an
• testing the design and efficiency of key controls in both the
allowance for either 12-month or lifetime ECLs, depending on
credit process and credit decisio ns, credit review rating
whether there has been a significant increase in credit risk since
initial recognition.
classification as well as identifying and determining credits for
The calculation of expected credit loss is a complex process
which provisions should be made
which included calculations reflecting a probability-weighted
outcome, the time value of money and the best available
• testing the general IT controls, including the handling of
forward-looking information. Further, the model incorporates
authorisation and uses access regarding these systems
forward-looking information through the inclusion of
macroeconomic factors and can include management
• evaluating the key input variables and assumptions in the
judgement and estimates.
ECL model and where relevant, compared data and
Since the outstanding loans are material and the credit risk
assumptions to external benchmark
represents the largest risk for the Bank and the related
impairment are subject to judgement and estimates, we have
• testing the mathematical accuracy of the model
assessed the granting of loans and provisioning of loan losses
as a key audit matter.
• inspecting the key governance meetings including Credit
Committee and Board to ensure that there are governance
controls in place and
• assessing the Bank' disclosures with presentation
requirements in applicable accounting standards.
Other Information than the annual accounts Responsibilities of the Board of Directors and the President for
the Financial Statements
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Th e Board of Directors and the President are responsible for The Board of Directors and the President are responsible for the
the other information. The other information comprises preparation and fair presentation of the financial statements
information included in the report of the Board of Directors, in accordance with International Financial Reporting
economic capital requirements on page 49 in the financial Standards (IFRSs), and for such internal control as they
statements, in the Operating and financial review and in the determine is necessary to enable the preparation of financial
Annual Report, but does not include the financial statements statements that are free from material misstatement, whether
and our auditor's report thereon. We have obtained the report of due to fraud or error.
the Board of Directors and the Operating and financial review
In preparing the financial statements, the Board of Directors
prior to the date of this auditor's report, and the Annual Report is
and the President are responsible for assessing the Bank's
expected to be made available to us after that date.
ability to continue as going concern, disclosing, as applicable,
Our opinion on the financial statements does not cover the matters relating to going concern and using the going concern
other information. basis of accounting unless management either intends to
liquidate the Bank or to cease operations, or has no realistic
In connection with our audit of the financial statements, our
alternative but to do so.
responsibility is to read the other information identified above
and, in doing so, consider whether the other information is Those charged with governance are responsible for overseeing
materially inconsistent with the financial statements or our the Bank's financial reporting process.
knowledge obtained in the audit, or otherwise appears to be
Auditor's responsibility for the Audit of Financial Statements
materially misstated.
In our opinion, the information in the report of the Board of
Our objectives are to obtain reasonable assurance on whether
Directors and in the Operating and financial review is consistent
the financial statements as a whole are free from material
with the information in the financial statements.
misstatement, whether due to fraud or error, and to issue an
auditor's report that includes our opinion. Reasonable assurance
If, based on the work we have performed on the other
is a high level of assurance, but is not a guarantee that an audit
information that we obtained prior to the date of this auditor's
conducted in accordance with ISA's will always detect a material
report, we conclude that there is a material misstatement of this
misstatement when it exists. Misstatements can arise from fraud
other information, we are required to report that fact. We have
or error and are considered material if, individually or in
nothing to report in this regard.
aggregate, they could reasonably be expected
based on the audit evidence obtained up to the date of our
auditor's report. However, future events or conditions may
to influence the economic decisions of users taken on the basis
cause the Bank to cease to continue as a going concern.
of the financial statements.
As part of an audit in accordance with ISA's, we exercise
• Evaluate the overall presentation, structure and content of
professional judgment and maintain professional skepticism
the financial statements, including the disclosures, and
throughout the audit. We also:
whether the financial statements represent the underlying
• Identify and assess the risks of material misstatement of the
transactions and events so in a manner that achieves fair
financial statements, whether due to fraud or error, design
presentation.
and perform audit procedures responsive to those risks, and
We communicate with those charged with governance
obtain audit evidence that is sufficient and appropriate to
regarding, among other matters, the planned scope and timing
provide a basis for our opinion. The risk of not detecting a
of the audit and significant audit findings, including any
significant deficiencies in internal control that we identif y during
material misstatement resulting from fraud is higher than for
our audit.
one resulting from error, as fraud may involve collusion,
We also provide those charged with governance with a
forgery, intentional omissions, misrepresentations, or the
statement that we have complied with relevant ethical
override of internal control.
requirements regarding independence, and to communicate
with them all relationships and other matters that may
• Obtain an understanding of internal control relevant to the
reasonably be thought to bear on our independence, and
where applicable, related safeguards.
audit in order to design audit procedures that are appropriate
From the matters communicated with those charged with
in the circumstances, but not for the purpose of expressing
governanc e, we determine those matters that were of most
an opinion on the effectiveness of the Bank's internal control.
significance in the audit of the financial statements of the
current period and are therefore the key audit matters. We
• Evaluate the appropriateness of accounting policies used and
describe these matters in our auditor's report unless law or
the reasonableness of accounting estimates and related
regulation precludes public disclosure about the matter or
when, in extremely rare circumstances, we determine that a
disclosures made by management.
matter should not be communicated in our report because the
adverse consequences of doing so would reasonably be
• Conclude on the appropriateness of the Board of Directors'
expected to outweigh the public interest benefits of such
and the President's use of the going concern basis of
communication.
accounting and based on the audit evidence obtained,
whether a material uncertainty exists related to events or
conditions that may cast significant doubt on the Bank's
ability to continue as a going concern. If we conclude that a
material uncertainty exists, we are required to draw attention
in our auditor's report to the related disclosures in the
financial statements or, if such disclosures are inadequate, to
modify our opinion. Our conclusions are
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Report on other requirements
Helsinki, 14 February 2020
Opinion
Ernst & Young ABAuthorized
Ernst & Young Oy
In addition to our audit of the financial statements, we have
PublicAccountant Firm
Authorized Public
also audited the administration of the Board of Directors and
Account Firm
the President of Nordic Investment Bank for the year 2019 in
accordance with the Terms of the Engagement. In our opinion
the administration of the Board of Directors and the President,
in all material aspects, complied with the Statutes of the Bank.
Mona Alfredsson
Basis for opinion
Authorized Public Accountant
Terhi Mäkinen
Authorized Public Accountant
We conducted the audit in accordance with generally
accepted auditing standards. Our responsibilities under those
standards are further described in the Auditor's
Responsibilities section. We are independent of the Bank in
accordance w ith professional ethics for accountants and have
otherwise fulfilled our ethical responsibilities in accordance
with these requirements.
We believe that the audit evidence we have obtained is
sufficient and appropriate to provide a basis for our opinions.
Responsibilities of the Board of Directors and the President
All the powers of the Bank are vested in the Board of Directors
except as what is vested in the Board of Governors provid ed
for in Section 14 of the Statutes. The Board of Directors may
delegate these powers to the President to the extent
considered appropriate.
The President is responsible for the conduct of the current
operations of the bank and shall follow the guidelines and
instructions given by the Board of Directors.
Auditor's responsibility
Our objective concerning the audit of whether the Board of
Director's and the President's administration have complied
with the Statutes of the bank, is to obtain audit evidence to
assess with a reasonable degree of assurance whether any
member of the Board of Directors or the President in any
material respect has acted in contravention of the Statutes.
Reasonable assurance is a high level of assurance but is not
a guarantee that an audit conducted in accordance with
International Standards on Auditing will always detect actions
or omissions that can give rise to liability to the Bank.
As part of an audit in accordance with International Standards
on Auditing, we exercise professional judgment and maintain
professional skepticism throughout the audit. The examination
of the administration is based primarily on the audit of the
accounts. Additional audit procedures performed are based on
our professional judgment with starting point in risk and
materiality. This means that we focus the examination on such
actions, areas and relationships that are material for the
operations and where deviations and violations would have
particular importance for the Bank's situation. We examine
and test decisions undertaken, support for decisions, actions
taken and other circumstances that are relevant to our
opinion.
Auditor's appointment
Ernst & Young Oy and Ernst & Young AB have been
appointed auditors by the Control Committee since the
financial year 2018. The undersigned auditors have acted as
responsible auditors since financial year 2018.
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独立監査人の報告書
北欧投資銀行監査委員会御中
財務書類の監査に係る報告書
意見
私どもは、 2019 年 12 月 31 日現在の財政状態計算書、同日に終了した年度の包括利益計算書、持分変動計算書および
キャッシュフロー計算書ならびに重要な会計方針の要約を含み、経済資本要件を除いた注記により構成される、北欧投資
銀行(以下「当行」という。)の財務書類について監査を行った。
私どもの意見によれば、財務書類は、 2019 年 12 月 31 日現在の北欧投資銀行の財政状態ならびに同日に終了した年度にお
ける財務実績およびキャッシュフローを、国際財務報告基準( IFRS )に準拠して、すべての重要な点において適正に表示
している。
意見の基礎
私どもは、国際監査基準( ISA )に準拠して監査を行った。かかる基準に基づく私どもの責任については、本報告書の
「 財務書類の監査にかかる監査人の責任 」の項に詳述されている。
私どもは、国際会計士倫理基準審議会の定める職業会計士の倫理規程( IESBA 規程)ならびに私どもによる財務書類の
監査に関連する倫理要件に従って、当行から独立しており、私どもは、かかる要件および IESBA 規程に従って私どものそ
の他の倫理的責任を果たしている。
私どもは、私どもの入手した監査証拠が私どもの意見に関する基礎を与えるために十分かつ適切であると確信してい
る。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、私どもの専門家としての判断において、当期の財務書類の監査において最も重要である
と判断された事項をいう。かかる事項は、財務書類全体の監査において、またこれにかかる監査意見の形成において対処
されており、私どもは当該事項に対して個別の意見を表明するものではない。
私どもは、かかる事項に関するものを含め、私どもの報告書の「 財務書類の監査にかかる監査人の責任 」の項に記載の
責任を果たした。したがって、私どもの監査には、財務書類の重大な虚偽表示のリスクに関する私どもの評価に対応する
ように設計された手順の実行が含まれていた。以下の事項に対処するために実施された手続きを含む私どもの監査手続き
の結果は、添付の財務書類に対する私どもの監査意見の基礎を提供している。
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金融商品の公正価値測定
内容
注記1の「公正価値の決定」および「重要な会計上の判断および見積り」に記載の当行の会計方針ならびに注記 11 、
15 、 17 および 20 について
当行のビジネス・モデルによって、当行のバランス・シートの大部分は公正価値で評価される金融商品からなってお
り、かかる金融商品は、債券およびデリバティブにより構成される。
当行は、市場価格が得られない金融商品を有しており、その場合、市場データに基づく評価モデルを用いて公正価値
が決定される。これらの金融商品は、 IFRS の公正価値評価ヒエラルキーのレベル2として分類される。当行はまた、公
正価値測定が評価モデルを用いて決定されるいくつかの金融商品を有しており、この場合評価額が外部の市場データに
よって検証することができない入力データの影響を受ける。これらの金融商品は、 IFRS の公正価値評価ヒエラルキーの
レベル3として分類される。
当行は、それぞれ総額 24,381 百万ユーロおよび 27,184 百万ユーロの、レベル2に分類される金融資産および金融負債
を有している。レベル3に分類される金融資産は、それぞれ合計 119 百万ユーロおよび 1,494 百万ユーロであった。
評価モデルが用いられるため、金融商品の測定には当行による評価が含まれる。したがって、これらの金融商品の評
価は監査上の主要な検討事項とみなされる。
かかる監査上の主要な検討事項の対処方法
金融商品にかかる私どもの監査手続きは、とりわけ、以下を含んでいる。
・金融商品を特定し、測定し、認識するために当行が実施しているプロセスおよび統制を理解すること。
・年度末現在の金融商品を評価するために用いられる最も重要なシステムについてその承認の取扱いおよびアクセ
スの使用を含む IT 全般統制をテストすること。
・入力データについて独立して得られた市場価格に記録された値をサンプルベースで比較することにより、公正価
値による金融商品の評価をテストすること。
・金融資産および金融負債の公正価値ヒエラルキー全体にわたって、様々な種類の金融商品についてサンプルベー
スで独立した評価を実施するために、私どもの監査チームに評価専門家を含めること。
・内部モデルおよび/または観察不能なデータを用いて複雑なデリバティブ金融商品の価値を見積るために当行が
使用している仮定、方法論およびモデルを検討すること。
・適切なベンチマークを使用して行われた仮定と価格情報源を比較し、大幅な乖離がないかを検討すること。
・適用ある会計基準における表示要件を用いて当行の開示を評価すること。
ヘッジ会計
内容
注記1の「デリバティブ商品およびヘッジ会計」に記載の当行の会計方針ならびに注記2、 20 および 24 について
当行は、金利および為替リスクに対するエクスポージャーを管理するためにデリバティブ金融商品を締結している。
金利関連デリバティブは、公正価値ヘッジ会計関係においてヘッジ手段として識別されている。ヘッジ会計が適用され
ているため、デリバティブの公正価値の変動から生じる損益は損益において認識される。ヘッジ会計が適用されないデ
リバティブは、損益を通じて公正価値で計上される。ヘッジ対象として識別されている借入および貸付取引のヘッジさ
れた金利リスクは公正価値で評価される。 2019 年 12 月 31 日現在、当行は、ヘッジ手段として識別された 4,245 百万ユー
ロの貸出金および 25,253 ユーロの借入金を有している。ヘッジ・デリバティブの公正価値は、資産については 202 百万
ユーロで、このうち1百万ユーロは OCI において認識されており、デリバティブ負債については 47 百万ユーロで、この
うち 15 百万ユーロが OCI において認識されている。
数多くの契約が各契約を記録し、追跡するためのシステムを必要とし、ヘッジの有効性の検討には相当な複雑さと経
営陣の判断の双方を伴う可能性があり、かつ誤謬という固有リスクがあるため、ヘッジ会計の適用は監査上の主要な検
討事項とみなされる。
かかる監査上の主要な検討事項の対処方法
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有価証券報告書
ヘッジ会計にかかる私どもの監査手続きは、とりわけ、以下を含んでいる。
・ヘッジ会計関係を特定し、測定し、認識するために当行が実施しているプロセスおよび統制を理解すること。
・サンプルベースで、当行のヘッジ文書および契約を精査すること。
・公正価値ヘッジのためにサンプルベースで独立した評価を実施するために、私どもの監査チームに専門家を含む
こと。
・適用ある会計基準における表示要件を用いて当行の開示を評価すること。
貸出の付与および貸倒引当金
内容
注記1の「貸出の減損」および「重要な会計上の判断および見積り」に記載の当行の会計方針ならびに注記9、 10 およ
び 12 について
貸出金は、当行の資産合計の 58 %に相当する 18,799 百万ユーロであり、貸出の減損は 122 百万ユーロである。
減損要件は、予想信用損失( ECL )モデルに基づいている。当行は、当初の認識以降信用リスクが大きく拡大したか
どうかによって、 12 カ月または残存期間の ECL のいずれかについて引当金を認識することを義務づけられる。
予想信用損失の計算は、確率加重成果、貨幣の時間価値および入手可能な将来に関する最善の情報を反映する計算を
含む複雑なプロセスである。また、このモデルには、マクロ経済ファクターを含めることにより将来に関する情報が盛
り込まれ、経営陣の判断および見積りが含まれることがある。
貸出金は多額であり、信用リスクは当行にとって最大のリスクを示しており、関連する減損は判断および見積りの対
象であるため、私どもは貸出の付与および貸倒引当金を監査上の主要な検討事項として評価した。
かかる監査上の主要な検討事項の対処方法
貸出の付与および貸倒引当金にかかる私どもの監査手続きは、とりわけ、以下を含んでいる。
・新規の貸出を付与し、貸出の減損を特定し、測定し、認識するために当行が実施しているプロセスおよび統制を
理解すること。
・与信のプロセスおよび与信の決定の双方、与信の審査格付分類、ならびに引当金を設定すべき与信の識別および
決定における主要な統制の設計および効率性をテストすること。
・これらのシステムについてその承認の取扱いおよびアクセスの使用を含む IT 全般統制をテストすること。
・ ECL モデルにおける主要な入力変数および仮定を評価し、適宜データおよび仮定を外部のベンチマークと比較する
こと。
・モデルの数学的精度をテストすること。
・ガバナンス統制が実施されていることを確認するため、与信委員会および理事会を含む主要なガバナンス会議を
視察すること。
・適用ある会計基準における表示要件を用いて当行の開示を評価すること。
年次会計以外の情報
理事会および総裁は、その他の情報について責任を負う。その他の情報とは、理事会報告書、財務書類の 49 ページに記
載の経済資本要件、営業および財務レビューならびに年次報告書に記載される情報からなるが、財務書類およびそれに関
する私どもの報告書は含まない。私どもは、監査報告書の日付に先立って理事会報告書ならびに営業および財務レビュー
を入手したが、年次報告書については当該日以降に入手できる見込みである。
財務書類にかかる私どもの意見は、その他の情報を対象としていない。
財務書類に関する私どもの監査については、上記で特定されたその他の情報を読むこと、またそれにおいてその他の情
報が財務書類または監査において得られた私どもの知識と著しく整合性を欠いているか、またはその他重大な虚偽記載が
あるかどうかについて検討することが私どもの責任である。
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私どもの意見では、理事会報告書ならびに営業および財務レビューにおける情報は、財務書類中の情報と合致してい
る。
仮に、私どもが本監査報告書の日付より前に入手したその他の情報について行った作業に基づいて、かかるその他の情
報に重大な虚偽記載があると判断する場合には、私どもはかかる事実の報告を求められる。私どもがこれに関して報告す
べき事項はない。
財務書類に対する理事会および総裁の責任
理事会および総裁は、国際財務報告基準( IFRS )に従って財務書類の作成および公正な表示について、また不正または
過失によるかに拘わらず、重大な虚偽記載がない財務書類の作成を可能にするために彼らが必要と判断する内部統制につ
いて責任を負っている。
財務書類の作成において、理事会および総裁は、当行を清算する意図もしくは業務を停止する意図がなく、またはそう
せざるを得ない代替手段が現に存在しない限り、継続企業として存続する当行の能力の評価、(適用ある場合)継続企業
の前提にかかる事項の開示、ならびに会計の継続企業基準の適用について、責任を負う。
統治責任者は、当行の財務報告プロセスの監視について責任を負う。
財務書類の監査にかかる監査人の責任
私どもは、不正または過失によるかに拘わらず、財務書類全体に重大な虚偽記載がないかどうかについての合理的な確
証を得ること、ならびに私どもの意見を含む監査報告書を発行することを目的としている。合理的な確証とは、確度の高
い保証であるが、 ISA に従って実施された監査が存在する重大な虚偽記載を常に発見できることを保証するものではな
い。虚偽記載は、不正または過失から生じる可能性があり、個別にまたは全体として、財務書類の基礎として利用者が用
いる経済的判断に影響を及ぼすことが合理的に予想されうる場合は、重大であるとみなされる。
ISA に従った監査の一環として、私どもは、監査全体を通じて職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持
している。私どもはまた、
・ 不正または過失によるかに拘わらず、財務書類の重大な虚偽記載に関するリスクを特定し、評価し、かかるリスク
に対応した監査手続きを計画し、実行し、私どもの意見に関する基礎を与えるために十分かつ適切な監査証拠を得
る。不正には、共謀、偽造、意図的な省略、虚偽表示または内部統制の無視が絡むことがあるため、不正の結果と
しての重大な虚偽記載が発見されないリスクは、過失によるものより高い。
・ 状況に応じて適切な監査手続きを計画するために、監査に関連する内部統制について理解する。ただし、当行の内
部統制の有効性にかかる意見を述べることを目的とするものではない。
・ 用いられた会計方針の適正性および経営陣による会計上の見積りおよび関連する開示の妥当性を評価する。
・ 理事会および総裁による会計の継続企業基準の利用の適正性、ならびに得られた監査証拠に基づいて、継続企業と
して存続する当行の能力について重大な疑いを掛けうる事象または状況に関連して重大な不確実性があるか否かに
ついて、結論付ける。私どもが重大な不確実性があると判断した場合、私どもは、その監査報告書において財務書
類中の関連する開示事項に注意喚起することを求められ、かかる開示が十分でない場合には、意見の修正を求めら
れる。私どもの判断は、監査報告書の日付までに得られた監査証拠に基づくものである。ただし、将来の事象また
は状況によって当行が継続企業として存続しなくなる可能性がある。
・ 公正な表示を実現する方法で、開示事項を含む財務書類の全体の表示、構成および内容、ならびに財務書類が基礎
となる取引および事象を表示しているかどうかを評価する。
私どもは、とりわけ計画された監査の範囲および時期ならびに私どもが監査中に特定した内部統制の重大な不備を含む
重要な監査上の発見について、統治責任者に報告を行っている。
私どもはまた、独立性に関する関連する倫理要件を私どもが遵守している旨を統治責任者に表明し、私どもの独立性を
損なうと合理的に考えられるすべての関係およびその他の事項ならびに適用ある場合には関連するセーフガードについて
統治責任者に報告している。
統治責任者への報告事項から、私どもは当期の財務書類の監査において最も重要であり、よって監査上の主要な検討事
項となる事項を決定する。私どもは、当該事項についての公表が法令により禁止されない限り、または極めて稀なケース
ではあるが、開示することの悪影響が当該報告の公益性を上回ると合理的に考えられるために私どもが当該事項を報告書
にすべきでないと判断する場合を除き、かかる事項を監査報告書に記載する。
その他の要件にかかる報告
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意見
財務書類の監査のほか、私どもは、契約条件に従って、 2019 年にかかる北欧投資銀行の理事会および総裁による業務の
執行についても監査を行った。私どもの意見では、理事会および総裁による業務の執行はすべての重要な点において当行
の定款に準拠して行われていた。
意見の基礎
私どもは、一般に認められた監査基準に従って監査を実施した。かかる基準に基づく私どもの責任については、本報告
書の「 監査人の責任 」の項に詳述されている。私どもは、会計士の職業倫理に従って、当行から独立しており、かかる要
件に従って私どものその他の倫理的責任を果たしている。
私どもは、私どもの入手した監査証拠が私どもの意見に関する基礎を与えるために十分かつ適切であると確信してい
る。
理事会および総裁の責任
当行のすべての権限は、定款第 14 条に定める統治委員会に付与されているものを除き、理事会に付与されている。理事
会は、適切とみなされる範囲で、これらの権限を総裁に委任することができる。
総裁は、当行の現在の業務遂行について責任を有し、理事会から与えられた指針および指示に従うものとする。
監査人の責任
理事会および総裁による業務執行が当行の定款を遵守しているかどうかの監査に関する私どもの目的は、重要な点で理
事会の構成員または総裁が定款に違反して行動したかどうかを合理的な範囲の確証をもって評価するための監査証拠を入
手することである。
合理的な確証とは、確度の高い保証であるが、国際監査基準に従って実施された監査が当行に対する責任を生じさせう
る行為または不作為を常に発見できることを保証するものではない。
国際監査基準に従った監査の一環として、私どもは、監査全体を通じて職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑
心を保持している。業務執行の審査は主に会計監査に基づいている。実施された追加の監査手続きは、リスクおよび重要
性を出発点とした私どもの専門家としての判断に基づいている。これは、業務にとって重要であり、その乖離および違反
が当行の状況にとって特に重要となりうる行為、分野および関係性についての精査に私どもが重点を置いていることを意
味している。私どもは、行われた決定、決定に対する支持、取られた行動、および私どもの意見に関連したその他の状況
について精査・検証する。
監査人の任命
アーンスト・アンド・ヤング OY およびアーンスト・アンド・ヤング AB は、 2018 会計年度以降監査委員会により監査人
として任命されてきた。下記に署名する監査人は、 2018 会計年度以降担当監査人として行為してきた。
2020 年2月 14 日、ヘルシンキ
アーンスト・アンド・ヤング Oy アーンスト・アンド・ヤング AB
公認会計士事務所 公認会計士事務所
(署 名) (署 名)
Terhi M äkinen Mona Alfredsson
公認会計士
公認会計士
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