エスエイピー・エスイー 有価証券報告書 第33期(令和2年1月1日－令和2年12月31日)
| 提出書類 | 有価証券報告書-第33期(令和2年1月1日－令和2年12月31日) |
|---|---|
| 提出日 | |
| 提出者 | エスエイピー・エスイー |
| カテゴリ | 有価証券報告書 |
EDINET提出書類
エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和3年6月 28 日
【事業年度】 自 2020年1月1日 至 2020年12月31日
【会社名】 エスエイピー・エスイー
(SAP SE)
【代表者の役職氏名】 ルカ・ムシッチ
最高財務責任者
(Luka Mucic, Chief Financial Officer)
ミヒャエル・プレートナー博士
コーポレート・カウンセル
(Dr. Michael Ploetner, Corporate Counsel)
【本店の所在の場所】 ドイツ連邦共和国 69190 ヴァルドルフ ディートマ・ホップ・アレー 16
(Dietmar-Hopp-Allee 16, 69190 Walldorf, Federal Republic of Germany)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 花水 康
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03(6775)1000
【事務連絡者氏名】 弁護士 原田 亮
弁護士 崎岡 優希
弁護士 山上 大貴
弁護士 大熊 弘将
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03(6775)1000
【縦覧に供する場所】 該当なし
( 注) 1. 本書において、別途記載がない限り、「SAP」、「当社」または「当グループ」とは、SAP SEおよび
その子会社を意味する。
2. 本書において、「ユーロ」および「€」とは、 別途記載がない限り、 欧州連合の法定通貨を意味す
る。文書中一部の財務データについては、便宜のためユーロから日本円（「円」）への換算がなさ
れている。この場合の換算は、別途記載がない限り、1ユーロ＝133.74円（株式会社三菱UFJ銀行が
2021年5月31日に提示した対顧客電信売買相場の仲値）により計算されている。
3. 文書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計欄に記載されている数値は計数の総和と必ずし
も一致しない場合がある。
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第一部【企業情報】
第１【本国における法制等の概要】
１【会社制度等の概要】
（１）【提出会社の属する国・州等における会社制度】
当社は、ドイツに登記上の住所を有する欧州会社（ Societas Europaea 、以下「SE」という。）であるため、ド
イツ法および欧州法、とりわけ欧州会社法に関する理事会規則（EC）No. 2157/2001（以下「SE規則」とい
う。）、欧州会社法に関する2001年10月8日付理事会規則No. 2157/2001の施行に関するドイツ法（以下「SE-AG」
という。）、ドイツ株式会社法（ Aktiengesetz 、以下「AktG」という。）、ドイツ証券取引法
（ Wertpapierhandelsgesetz 、以下「WpHG」という。）およびドイツ証券買収法（ Wertpapieruebernahmegesetz 、
以下「WpÜG」という。）の適用を受けるが、一部の規定は上場している会社のみに適用される。SEは独自の法人格
を有する。SEの会社財産のみが、会社債権者に対する債務の引当財産となる。SEの最低株式資本は120,000ユーロ
であり、株式に割り当てられる。当該株式は、（一般に）公証人の認証がなくとも譲渡可能であるが、譲渡の要件
は、株式の種類（特に、無記名式株式と記名式株式、預託株式と非預託株式）および通常定款によって追加される
可能性のある要件に応じて定まる。
以下の記述はドイツに登記上の住所を有する欧州会社の特徴について、さらに具体的に説明したものである。
設立および登記手続
SE の設立は、SE規則の規定およびSEがその登記上の事務所を設立するEU加盟国における株式会社に適用される法
律の規定の適用を受ける。そのため、ドイツに登記上の事務所を有するSEの設立は、通常、ドイツ株式会社法に基
づくドイツ株式会社の設立に適用される法律の適用を受ける。
ドイツを拠点とするSEは1名以上の株主によって設立される。SEの設立手続には、通常定款の公証人による認証
および設立時株主による当初株式の引受けが必要である。また、SEのコーポレート・ガバナンス体制については、
一層または二層の体制から選択することができる。二層体制においては二つの管理組織が存在し、一方は業務を運
営し、他方は運営を監督するのに対し、一層体制においては一つの管理組織のみが存在し、これは、会社を運営
し、その活動の基本方針を決定し、またそれらの実施を監督する。SAP SEは二層構造を有する。
SE が一層または二層のいずれの構造を有するかによって、設立時株主は、会社の当初監査役会または理事会およ
び当初監査役を任命する。当該任命は、公証人の認証を必要とする。二層構造における当初監査役会は、当初取締
役会を任命する。設立時株主は、SEの設立に関する一切の詳細な記載を含む設立報告書を書面により作成しなけれ
ばならない。取締役会および監査役会または理事会は設立手続を精査し、特定の状況においては（例えば、取締役
会または監査役会もしくは理事会の構成員が株式を引受ける場合、または株式が現物出資を対価として発行された
場合）、設立報告書は独立監査役の監査を必要とする。SEの設立は、管轄権のあるドイツの商業登記簿に登記され
なければならない。公証人の立会いの下、すべての設立時株主ならびに取締役会および監査役会または理事会の当
初の構成員が、場合に応じて登記申請に署名する必要がある。SEは登記によって独立した法人格を得る。登記まで
の間にSEのためにSEを代表する人物は、あらゆる債務の発生について、個人責任を負う。SEは、証券取引所に上場
することができる。
法的形態をSEに変更する転換を、設立時ドイツ事業体（例えば、SAP AGからSAP SEへの転換の場合のようなドイ
ツ株式会社）が行う場合、ドイツ株式会社法の設立規定（定款の採用、設立費用、設立報告、設立監査、会社の登
記申請、裁判所による審査、商業登記簿への登記等）は、SE規則の規定によって修正され、SE規則の規定が優先す
る。
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株主有限責任の原則
商業登記簿への登記によって、SEは、その債務について、株式資本を含むその資産のみによって責任を負うこと
となり、一方、株主の責任はその出資額に限定される。
定款の内容
ドイツを拠点とするSEの定款の必要的記載事項は、SE規則およびSEに適用されるドイツ株式会社法
（ Aktiengesetz 、AktG）に規定されており、制限なく、以下を含む。
・ 会社の名称および登記上の所在地
・ 会社の目的
・ 会社の株式資本の総額およびその構成
・ 株式の種類（無記名式株式または記名式株式）
・ 一層または二層の組織体制の選択
・ 取締役会の構成員の人数または当該人数を決定するための規則
定款はその他の事項についても規定することができるが、SE規則およびAktGの規定と異なる定めをすることは明
示的に許されている場合にのみ可能である。
最低株式資本、株式の種類
SE の最低株式資本は、120,000ユーロである。株式は、少なくとも1株当たり1.00ユーロもしくはその倍数額の額
面株式（ Nennbetragsaktien ）、または無額面株式（ Stueckaktien ）によって発行することができる。株主は、1株
以上の株式を保有することができる。ドイツに登記上の住所を有するSEに適用されるドイツ法および欧州法は、さ
らに無記名式株式（すなわち、氏名が記載された保有者ではなく持参人に対して発行され、SEが株式名簿に登録し
ていない株式―無記名式株式が圧倒的多数である。）および記名株式（すなわち、氏名が記載された保有者に対し
て発行され、保有者の氏名がSEの株式名簿に登録されている株式―記名式株式はまれである。）を区別している。
定款には、発行される株式の種類が明記されなければならない。無記名式株式は、払込みが完了しない限り発行す
ることができない。無記名式株式の譲渡性を制限することはできないが、記名式株式については、定款で、SEの承
諾がある場合にのみ譲渡され得る旨規定することができる。さらに、株式は、普通株式または優先株式として発行
することができる。後者は、議決権を付して、または議決権なしで発行することができる。複数の議決権を有する
株式は認められない。
資本の拠出および維持
株式資本への出資は、現金または定款もしくは株主総会の決議により認められる場合には現物出資によって行う
ことができる。
株式が金銭出資により発行される場合は、少なくとも各株式の額面価額の25％（もしあればプレミアムの全額を
加算したもの）が、SEまたは増資の実施を商業登記簿に登記するための届出前に支払われなければならない。未払
額の支払要求は、取締役会または理事会が場合に応じて行う。
SE に適用される法律は、とりわけ、株式資本が支払われ、維持されることを確実なものとすべく構成されてい
る。出資は、特にそれによってSEの純資産が登記済株式資本を下回るか否かにかかわらず、株主に対して払い戻す
ことはできない。
株式の譲渡
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SE の株式は比較的容易に譲渡できる。SEの株式の譲渡は、公証人によって認証された譲渡証書の締結を必要とし
ない。定款において、記名式株式の譲渡に関する制限を課すことができる（無記名式株式の譲渡については制限で
きない。）。
通知の要件
非上場のSEの登記済株式資本の25％を超える株式を直接または間接に保有した場合、当該株主は、SEに対し書面
で当該保有について通知しなければならない。株式保有が登記済株式資本または議決権の50％を超えた場合にも、
同様の通知を再び行う必要がある。適切な通知を行わない場合、当該株式に付される株主の権利は停止される。株
式保有が当該閾値を下回った場合、同様の通知を行う必要がある。上場SEの場合には、関連株主は、一切の直接的
または間接的な株式保有で、SEにおける議決権総数の3％、5％、10％、15％、20％、25％、30％、50％、もしくは
75％を超えた場合（または下回った場合）、SEおよびドイツ連邦金融監督庁（ Bundesanstalt fuer
Finanzdienstleistungsaufsicht 、以下「BaFin」という。）に通知しなければならない。
二層の組織構造を有するSEの取締役会
取締役会は、SEの経営について単独で責任を負う。株主総会も監査役会も、取締役会に対しSEの経営に関する拘
束力を有する指示を与えることはできない。3百万ユーロを超える資本を有するSEは、定款が別途規定する場合を
除き、少なくとも2名からなる取締役会を設置しなければならない。個人のみが取締役会の構成員に任命されるこ
とができる。取締役会の構成員のうち1名は、雇用および社会問題について責任を有する者として指定されなけれ
ばならない。
取締役会の構成員は、監査役会によって任命される。取締役会の役員は最長6年間の任期で任命される（ただ
し、任期は追加で6年を上限として延長することができる。）。当該任命後は、監査役会の決議により、正当な理
由によってのみ取消すことができる。
取締役会の構成員が法的にSEを代表する方法（個別、共同等）については、定款に明記しなければならない。取
締役会の能力は、SEの運営に関する特定の行為について、監査役会の合意を要する旨規定することにより、定款
で、および選択によっては監査役会で、内部的に制限されなければならない。ただし、当該制限は、第三者に対す
る取締役会の行為の有効性に影響しない。
取締役会の構成員は、会社の運営において、良識ある善良な管理者の注意を払わなければならず、また、自身の
行為について異議を述べられた場合には、かかる義務を尽くしたことの立証責任を負わなければならない。株主総
会の法的決議に従って行為したものでない限り、かかる義務に違反した取締役会の構成員は、連帯して、会社が
被った一切の損害について責任を負う可能性がある。
二層の組織構造を有するSEの監査役会
二層体制のSEは、取締役会の監督および取締役会への助言を行う監査役会を有する。SEの監査組織の構成員数ま
たは当該人数を決定するための規則は、定款で定められる。SEは、10,000,000ユーロを超える資本金を有する場
合、監査役会の規模は21名までに制限される。また、監査役会の従業員代表に対し、欧州会社における従業員の関
与に関するドイツ法（ Gesetz über die Beteiligung der Arbeitnehmer in einer Europäischen Gesellschaft –
SE-Beteiligungsgesetz ）によって求められる場合、構成員数は、3で割り切れる数でなければならない。
ドイツを拠点とするSEは、従業員の共同決定に関するドイツの法規制の適用を受けない。当該法規制では、とり
わけ、2,000名を超える従業員を有するドイツ法に基づく株式会社（以下「AG」という。）において、監査役会の
構成員数は、従業員の平等な参加の原則を遵守しなければならず、すなわち構成員の2分の1は株主により指名さ
れ、残りの半数はAGおよびその（ドイツの）子会社の従業員により指名されなければならない旨を定めている。た
だし、（SAP AGからSAP SEへの転換の場合のように、）法的形態をAGからSEに変更する転換の形でSEが設立される
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場合、SEにおける従業員参加は、転換前にAGにおいて存在した当該参加に関するすべての要素について、少なくと
も同等の方法が保証されなければならない。これは、従業員の平等な参加の原則が転換前のAGの監査役会に適用さ
れ た場合、当該原則は転換後のSEの監査役会にも適用されることを意味する。この場合、SEの監査役会の50％は、
SEおよびその欧州子会社の従業員代表により構成されなければならない。
SE-AG 第17条(2)に従い、株式が証券取引所に上場され、かつ監査役会において従業員が平等に代表となるSEの監
査役会は、男女各30％以上で構成されなければならない。かかる最低比率は、監査役会で新たに指名を行う際は常
に遵守されなければならない。
監査役会は、構成員の過半数の投票によって構成員の中から議長および1名または複数の副議長を選任する。法
律に別段の規定がない限り、監査役会は単純多数決によって運営される。賛否同数の場合は、議長が決定票を有す
る。
監査役会の構成員は、定款でより短い任期が定められる場合を除き、最長約6年間の任期で任命される。任期
は、監査役会が選任された年から5事業年度後の、監査役会および取締役会の行為を正式に承認する株主総会の終
了時に満了する。定款に別段の定めがない限り、再選も可能である。
株主総会で選出されたすべての監査役会構成員は、投票総数の4分の3をもって可決した株主決議により解任する
ことができる。法令に基づき、ドイツの従業員により選出されたすべての監査役会構成員は、SEおよびその（ドイ
ツの）子会社の従業員による投票総数の4分の3をもって解任することができ、ドイツ以外の従業員代表の解任につ
いては、当該従業員代表の出身国における規則の適用を受ける。
監査役会の主な役割は以下のとおりである。
・ 取締役会の構成員の任命と解任
・ 取締役会の行為の法的側面および業務上の側面の精査を含む、取締役会の監督
・ 取締役会構成員との取引においてSEを代表すること
・ 株主決議の有効性に関連する訴訟において（取締役会とともに）SEを代表すること
・ 定款または監査役会によって要求される場合、取締役会の特定の主要な業務上の決定を承諾すること
・ 法定監査役を雇用し、年次財務書類の精査および承諾を行うこと
監査役会の構成員は、取締役会の構成員と同様の注意を払わなければならず、かかる義務に違反した場合は、会
社が被った一切の損害について責任を負う可能性がある。とりわけ、監査役会の構成員は、会社およびその業務に
関する一切の機密情報を開示してはならない。かかる守秘義務は、任期終了後も継続する。
株主
SE の株主は、総会で株主決議を採択することで権能を行使する。一般的に、SEは経常的業務を行うために毎会計
年度末から数えて6ヶ月以内に総会を開催する。当該年次総会において、前会計年度の年次財務書類が株主に提出
され、株主は、とりわけ配当の支払を含む剰余金処分、ならびに、場合によっては、前会計年度における取締役会
および監査役会または理事会の構成員の行為の免責に関連した決議を採択する。
二層構造を有するSEにおける取締役会は、総会を招集する権利（特定の場合には義務）を有する。加えて、法令
または定款により、他の人物に総会招集権限を付与することができる。強行法規または定款において特別多数によ
ると定められている場合を除き、株主総会の決議は単純多数（投票総数の過半数）によって行うものとされてい
る。例えば、定款の一切の変更、株式資本の増加または減少、他社との間の支配的な契約（すなわち、会社が他社
の支配下に入る契約または会社の利益の譲渡を合意する契約）、全資産の譲渡および法的形態の変更に関する決議
は、投票総数の75％の多数票が必要である。
年次総会において、株主は、とりわけ、取締役会が作成し監査役会が承認した年次財務書類に記載された前事業
年度の利益処分について決定する。SEの株主は、決定を行う際に会社に対して忠実義務を負う。SEの株主は、同等
の状況においては平等に取り扱われなければならない。
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会計上の義務および開示規定
SE は、年次財務書類の様式および内容の詳細な要件を定めるドイツ商法の規定に従って会計帳簿を保存し、年次
財務書類を作成しなければならない。さらに、中規模企業および大企業は、その年次財務書類について監査を受け
なければならない。（監査済の）年次財務書類は、各会計年度の12ヶ月以内に連邦官報（ Bundesanzeiger ）に提出
され、公表されなければならない。
（２）【提出会社の定款等に規定する制度】
コーポレート・ガバナンス
二層取締役会制度を有する欧州会社であるSAP SEは、監査役会、取締役会および年次株主総会の3つの独立した
機関によって運営されている。その規則は、欧州法およびドイツ法、従業員によるSAP SEへの関与に関する合意
（以下「従業員関与合意」 または「EIA」 という。）、ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード、ならびに当
社の定款（ Satzung ）によって規定され、以下に要約される。
監査役会
監査役会は、取締役会の構成員を選任および解任し、会社の経営の監督および経営についての助言を行う。現在
の事業、事業展開および事業計画について協議するために、監査役会は定期的に会合を行う。当社取締役会は、取
締役会が策定した企業戦略に関して監査役会と協議を行うものとする。取締役会が監査役会の承認を得なければな
らない取引の種類は、定款に記載されている。また、監査役会は、その同意を要する取引の具体的な種類を指定す
る。それに応じて、監査役会は、取締役会が提出する当社の年度予算、および、事後的に発生した、承認された年
度予算に合致しない特定の事項についても承認しなければならない。監査役会はまた、SAP SEおよび取締役会の構
成員の間の取引においてSAP SEを代表する責任を負う。
監査役会は、年次株主総会において、監査委員会の推薦に基づき、独立外部監査役の選任議案を提出する。監査
役会は、連結非財務報告書に加え、SAP SEの財務書類、連結財務諸表および連結経営報告書を監査する責任を負
う。監査役会はまた、監査役の独立性および監査の質、監査委員会に委託した業務を監督する責任を負う。
SE 規則第40条(3)第一文に基づき、監査役会の構成員数および当該構成員数を決定するための規則を定款に定め
ることとなっている。また、SE-AG第17条(1)に基づき、株式資本が10,000,000ユーロを超えるSAP SEのような会社
の監査役会の規模は、21名までに制限される。これらの規定およびEIAに鑑み、SAP SEの定款では、監査役会を18
名で構成する旨定めている。また、EIAには、SAP SEの株主は、将来的に監査役会の規模を12名に縮小することが
可能である （すなわち、最も早くて2019年度年次株主総会にてかかる縮小が可能であり、その場合は2020年度年次
株主総会から効力が生じる。しかし、2019年度年次株主総会および2020年度年次株主総会のいずれにおいても、か
かる決定はなされていない。） 旨定められている。
SAP SE の現監査役会は18名で構成されている。このうち9名は年次株主総会において株主代表として選出され、
残る9名はSAP SE労使協議会ヨーロッパによってEIA（詳細は以下を参照のこと。）に基づき従業員代表 として 指名
された。SE-AG第17条(2)に従い、SAP SEの監査役会は男女各30％以上でなければならない。この監査役会の比率
は、監査役会で新たに指名を行う際は常に遵守されなければならない。20 20 年において、年初から20 20 年 12 月 9 日
までは4名の女性が監査役会の株主代表、 5 名の女性が従業員代表であり、20 20 年 12 月 10 日から20 20 年12月31日まで
は 3 名の女性が株主代表、5名の女性が従業員代表であった。したがって、20 20 年を通して監査役会の女性の割合は
最低比率である30％を上回った。
SAP SEの監査役会の従業員代表を指名する手続は、EIAに準拠する。EIAに従って、監査役会において従業員代表
のために確保されてい る 9議席 （以下「従業員議席」という。） は次のとおりに割り当てられ る 。すなわち、 従業
員議席のうち最初の7議席は、各国で雇用されている当社の従業員数に応じて割り当てられる（ d`Hondt 方式）。た
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だし、最初の6議席が一つの国によって占められる場合、7議席目は、当社の従業員数が二番目に多い国に割り当て
られる。8議席目は、SE労使協議会において最も多くの当社従業員を代表者として有する国に割り当てられる。9議
席 目は、監査役会での議席はまだ割り当てられていないものの、SE労使協議会に代表者を有する国に割り当てられ
る。2020年においては、 最初の6議席はドイツ、7議席目は英国、8議席目もドイツ、そして9議席目は、SAP SE労使
協議会ヨーロッパが決定する、最初の8議席を占めた国以外の欧州国に割り当てられた。ドイツに割り当てられた
最初の6議席の従業員代表は、主たる勤務地をドイツとする当社の全従業員により直接投票で決定された。EIAに従
い、英国に割り当てられた7議席目の従業員代表は通常、監査役会における従業員代表の選出または指名に関する
英国法の適用規則に従って決定される。8議席目および9議席目については、SE労使協議会により、ドイツおよびブ
ルガリア出身のSAP SE労使協議会ヨーロッパ構成員が従業員代表として指名された。
年次株主総会で株主によって選任された監査役会のすべての構成員は、年次株主総会における投票総数の4分の3
によって解任することができる。EIAに基づき指名された監査役会のすべての構成員は、SE労使協議会による指名
のために当該従業員代表を推薦した団体の申し出に基づきSAP SE労使協議会ヨーロッパによって、または 当該 従業
員代表が直接選任された場合は議決権を有する従業員の過半数によって、解任することができる。
監査役会は、投票総数の過半数によって構成員の中から議長および1～2名の副議長を選任する。監査役会議長と
して選出できるのは、株主代表のみである。監査役会議長を選任する場合、監査役会における株主代表としての年
数が最長である構成員は、その会議の議長を務め、賛否同数の場合に決定投票を行う。
法律または定款に別段の規定がない限り、監査役会の決議は投票総数の単純多数によって可決される。賛否同数
の場合は、議長の投票によって、議長が決議に参加しない場合は副議長（ただし、株主代表であることを条件とす
る。）の投票によって、決定される（決定投票）。
監査役会の構成員は、場合により、6年を超える期間にわたって選任または指名されることはできない。SAP SE
初の監査役会における従業員代表を除き、監査役会の構成員の任期は、監査役会の構成員の任期が開始された年度
の4事業年度後の、監査役会の行為を正式に承認する年次株主総会の終了時点で満了となる。再任は可能である。
当社の監査役会は、通常年に4回会議を行う。監査役会の構成員の報酬は、定款により定められる。
すべての株主代表は、当社および監査役会から独立しているものと見なされる。これは 、当社の監査役会の十分
な数の 株主代表 が独立性を有する 旨を定めているドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード（GCGC）に準拠して
いる 。監査役会の構成員として任命されるため、また在任中において、構成員は、独立性、利益相反、ならびに経
営、監督 機関 および他の統治機関上の地位の重複に関する特定の基準を遵守しなければならない。構成員は、その
業務において当社に対し忠実でなければならず、当社と競合する会社のいかなる地位をも引受けてはならない。構
成員は、インサイダー取引の禁止のほか、市場濫用に関する2014年4月16日付欧州議会および理事会規則（EU）No.
596/2014ならびにドイツ証券取引法における取締役の取引に関する各規則の適用を受ける。監査役会の構成員は、
当該構成員およびSAP SE間の特定の契約上の合意に関連する事項について投票することはできない。さらに、監査
役会の構成員の報酬が定款に規定されるため、監査役会の構成員は、自らの報酬について投票することができない
が、例外として、定款変更についての株主総会決議においては議決権を行使することができる。
監査役会は、その構成員の中から委員会の委員を任命し、法律で認められた範囲において、かかる委員会に監査
役会の代わりに決定する権限を委譲することができる。現在、監査役会には以下の委員会がある。
監査委員会
監査委員会（ Prüfungsausschuss ）の業務の中心は、当社の対外的な財務報告の監督、当社のリスク管理、内部
統制（財務報告プロセスの効果についての内部統制を含む。）、企業監査、 企業のセキュリティ（ サイバーセキュ
リティに関する事項 を含む。） および法令遵守に関する事項である。ドイツの法律に従い、監査委員会は、会計報
告または会計監査の分野の専門家を1名以上含んでいる。監査委員会の業務の中には、20 20 年度年次報告書Form
20-Fを含む、ドイツおよび米国の規制に基づき作成された当社の四半期 報告 および年度末の財務報告の議論が含ま
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れる。監査委員会は外部の独立監査役の任命を監査役会に勧告し、監査の焦点となる分野を決定し、重要な会計方
針を議論し、発行された監査報告書および監査役によって認識された監査上の問題に基づ き監査役とともに 予測お
よ び精査を行う。また、監査委員会は監査報酬についての交渉を監査役との間で行い、監査役の独立性および資質
の監督を行う。当社の企業監査オフィス、当社の倫理・コンプライアンス・オフィス、当社のグローバル・セキュ
リティ・オフィスおよび当社の グローバル リスク ・保証サービス・ オフィスは、要請があった場合または特定の事
項の発生があった場合や定期的に監査委員会に対して報告を行う。 企業監査オフィス、 倫理・コンプライアンス・
オフィス 、グローバル・セキュリティ・オフィスおよびグローバルリスク・保証サービス・オフィス は、CFOおよ
び監査委員会に対する定期的な報告に加え、取締役会に対して毎年報告を行う。
監査委員会は、当社の外部の独立監査役によって提供されるすべての監査業務および非監査業務についての、事
前承認に関する手続を定めた。
監査委員会は、年次財務書類の採択、年次連結財務書類および統合報告書の承認ならびに配当案に関して、監査
役会が行うすべての審議および決議のための準備作業も行う。また、監査委員会と金融投資委員会は共同で、監査
役会によるグループ年間計画承認決議をすべて作成する。
監査役会は、監査委員会会長のグンナー・ウィーデンフェルズ博士をサーベンス・オクスリー法407条に基づき
定められたSECの規則に定義される監査委員会の財務専門家、およびドイツ株式会社法に定義される独立財務専門
家とすることを決定した。
総務報酬委員会
総務報酬委員会（ Präsidial- und Personalausschuss ）は、監査役会の業務について調整および会議の準備を行
い、またコーポレート・ガバナンスに関する事項を扱う。また、本委員会は、とりわけ取締役会の構成員の報酬な
らびに取締役会の構成員の役員委任契約における決定、修正および終了に関する監査役会による人事決定につい
て、必要な準備業務を行う。
ドイツ株式会社法は、報酬委員会が監査役会に代わって取締役の報酬を決定することを禁止しており、監査役会
全体で取締役報酬を決定することを義務付けている。同法は、株主総会に対し、取締役の報酬システムについての
議決権を付与している。ただし、かかる投票は、監査役会に対する法的拘束力を有しない。
金融投資委員会
金融投資委員会（ Finanz- und Investitionsausschuss ）は、一般的な財務の問題を扱う。さらに、本委員会は
定期的に知的財産および会社の買収、ベンチャー・キャピタルに対する投資および他の投資について取締役会と協
議し、監査役会に当該投資について報告する。本委員会は、個別の投資金額が一定の上限額を上回る場合は当該投
資の承認について、また、監査役会によるグループ年間計画承認決議をすべて（監査委員会と共同で）作成するこ
とについて責任を負う。
技術戦略委員会
技術戦略委員会（ Technologie- und Strategieausschuss ）は、技術の取引を監視し、監査役会に詳細な技術的
な助言を提供する。
指名委員会
指名委員会（ Nominierungsausschuss ）は、株主の代表のみから構成され、年次株主総会に推薦する監査役会の
構成員に相応しい候補の認定に責任を負う。
人事組織委員会
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人事組織委員会（ Ausschuss für Mitarbeiter- und Organisationsangelegenheiten ）は、取締役会より下位の
経営陣レベルの主要人事および大規模組織改変につき審議し、取締役会および監査役会に対し助言を行う。人事組
織 委員会は、当社における女性の機会均等についても助言を行う。
監査役会およびその委員会の任務および手続は、SE規則およびドイツ株式会社法を含む欧州法およびドイツ法の
規定、定款、およびGCGCの勧告を反映した各手続規則（これがある場合）に明記されている。
サーベンス・オクスリー法の規定に従って、当社は取締役会または監査役会の構成員に対して融資を提供しな
い。
中国戦略委員会
中国戦略委員会は、取締役会が中国市場向けの優れた事業戦略を構築し評価する際に、取締役会を支援しこれに
助言を行うことを担当する。本委員会は2021年1月1日付で設立され、期間は6ヶ月間とする。
取締役会
取締役会は、当社の業務を運営し、その戦略の作成に責任を負い、第三者との取引において当社を代表する。取
締役会は、当社の運営および業務戦略について定期的に監査役会に報告し、要請により、特別報告書を作成する。
取締役会と監査役会に同時に属することはできない。
取締役会および監査役会は、当社の利益のために緊密に協力する。取締役会はSAPグループの事業の発展および
潜在的な業務上のリスクに影響を及ぼす一切の重要な事項について定期的に、迅速かつ包括的な情報を監査役会に
提供する必要がある。さらに、取締役会と監査役会の議長とは定期的にかつ相互に連絡を取り合わなければならな
い。取締役会は、当社の業務において重要な例外的事項について監査役会の議長に迅速に報告しなければならな
い。監査役会の議長は、それに応じて監査役会に報告を行い、必要に応じて臨時監査役会を招集する。
定款に従って、取締役会は少なくとも2名の構成員から構成されなければならない。20 20 年度年次報告書Form
20-Fの日付現在、SAP SEの取締役会は、 7 名の構成員から構成されている。取締役会のいずれかの2名の構成員が共
同で、または取締役会の1名の構成員および特別代理権者（Prokurist）が共同で、SAP SEを法的に代表することが
できる。監査役会は、取締役会の各構成員を最長5年間の任期で任命する（再任は可能である。）。特定の状況に
おいては、取締役会の構成員はその任期が満了する前に監査役会によって解任されることがある。取締役会の構成
員は、当該構成員とSAP SEの間の特定の契約上の合意に関する事項について投票することができず、当社および第
三者の間で締結された契約上の合意で、監査役会に事前に開示も承認もされていないものについて当該構成員が重
要な利害を有する場合、SAP SEに対し責任を負う可能性がある。さらに、取締役会の構成員の報酬は監査役会に
よって設定されるため、取締役会の構成員は、自らの報酬について投票することができないが、例外として、株主
総会における取締役の報酬システムに関する決議については、拘束力のない投票をする権利を有する。
ドイツ法に基づき、SAP SEの監査役会の構成員および取締役会の構成員は、SAP SEに対し忠実義務および注意義
務を有する。当該構成員は、善良かつ勤勉な実業家が有する水準の注意義務を尽くさなければならず、それに異議
が申し立てられた場合は、注意義務を尽くしたことにつき立証責任を負う。取締役会および監査役会は、SAP SEの
株主および当社従業員の利益を考慮し、一定程度は一般社会の利益を考慮する。その任務に違反した構成員は、年
次株主総会の適法な決議に従って行動した場合を除き、その結果生じた損害について連帯して責任を負う。
当社は、従業員向けの企業行動指針を導入した。従業員の行動指針は、マネージャーおよび取締役会の構成員に
も等しく適用される。当該指針の規則は監査役会の構成員にも適用され遵守される。
ドイツ法に基づき、SAP SEの取締役会は、SAPグループの一切の主要なリスクを評価しなければならない。さら
に、経営陣がリスクを軽減するため、またリスクに対処するために採用するすべての手段は記録されなければなら
ない。したがって、当社の経営陣は、会社の地位を危うくする不利な展開が合理的に見て早期に認識されるように
するため、企業規模のリスク監視システムの導入など適切な手段を採用してきた。
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倫理・コンプライアンス・オフィス は、2006年に当社の法務および規制方針の遵守を監督および調整するために
当社の取締役会によって設置された。 倫理・コンプライアンス・オフィス の長を務めるグローバル・コンプライア
ン ス最高責任者はCEO クリスチャン・クライン に直接報告を行い、また監査役会の監査委員会に対して直接的な連
絡手段を有し、報告義務を負う。 倫理・コンプライアンス・オフィス は、従業員向けの当社の企業行動指針に基づ
き、地域的な質問または問題の連絡窓口としての業務を行う100を超える地域の子会社のコンプライアンス担当者
のネットワークを管理する。 倫理・コンプライアンス・オフィス は、法務および規制遵守方針についての認識と理
解を高めるため、当社の従業員に対してトレーニングの提供および連絡を行う。従業員のヘルプラインも、報復を
恐れることなく、疑問を提起し、または問題となる行為を報告することができる各地域において支持されている。
年次株主総会
当社の株主は、株主総会で議決権を行使する。取締役会は、各事業年度の最初の6ヶ月間に開催される必要があ
る、年次株主総会を招集する。監査役会または取締役会は、株式会社の利益において必要な場合は、臨時株主総会
を招集することができる。さらに、総計でSAP SEの発行済株式資本の最低5％を有する株主は、臨時株主総会を招
集することができる。総会に出席する意図を適切な時期に通知した場合、基準日時点の株主は株主総会に出席およ
び参加する権利を有する。
年次株主総会において、株主は、とりわけ前事業年度の取締役会および監査役会の行為を正式に承認すること、
会社の分配可能な利益の割当の承認を行うこと、および独立外部監査役の任命を行うことが求められる。監査役会
の株主代表は、一般的に、最長約5年間の任期で年次株主総会において選任される。また株主は、自己株式の買戻
しについての承認、当社の増資または減資の手段に関する決議、および定款の変更の可決を求められることがあ
る。年次株主総会は、取締役会による要請がある場合のみ、経営に関する決定を行うことができる。
当社の株式に付される権利
有価証券を所有する権利（非居住者または外国の保有者が米国預託証券（以下「ADR」という。）または普通株
式を保有し、議決権を行使し、または配当もしくは当該株式に関する他の支払を受領する権利を含む。）に関し
て、ドイツ法またはSAP SEの定款によって課される制限はない。
ドイツ株式会社法によれば、株主の権利を株主の承諾なく変更することはできない。定款により、株主の権利の
変更に関して適用される欧州法およびドイツ法によって定められる条件より厳しい条件を設けることはできない。
議決権
各SAP SE普通株式は一票を有する。累積投票は、適用される欧州法およびドイツ法の下では認められない。法律
によって特定の過半数の可決要件が定められている場合を除き、会社の定款においては、株主決議について、法律
に規定されている過半数とは異なる可決要件を定めることができる。SAP SEの定款第21条(1)においては、法律ま
たは定款によって過半数以上の多数による可決が定められる場合を除き、決議は年次株主総会において有効投票総
数の過半数によって採択される旨定められている。SAP SEの定款ならびに適用される欧州法およびドイツ法の下で
は、特に以下の事項については、当該事項が提起された株主総会において、有効投票総数の75％以上によって承認
されなければならない。
・ 定款に定める当社の企業目的の変更
・ 増資および減資
・ 新株式または自己株式を購入するための株主の新株引受権の排除
・ 解散
・ 他社との合併または統合
・ 全資産または実質的な全資産の譲渡
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・ ドイツ株式会社への再転換を含む会社形態の変更
・ 他のEU加盟国への登記移転
・ その他の（定款第21条(2)第一文に基づく）定款に対するあらゆる修正。ただし、ドイツ法に基づき設立さ
れた株式会社に関する、単純多数による可決を要する定款の修正については、SAP SEの定款第21条(2)第二
文において、発行済資本の半分以上が表章されている場合は有効投票総数の単純多数を満たすこと、または
かかる定足数が存在しない場合は法律により定められる過半数（SE規則第59条によれば投票総数の3分の2）
を満たすことと定められている。
配当請求権
「第5 2 配当政策」を参照のこと。
新株引受権
株主は、発行済資本に占める持株の割合に応じて、株式の追加発行に応募する新株引受権（Bezugsrecht）を有
する。特定の状況においては、新株引受権は株主総会決議（株主総会における、有効投票総数の75％以上による承
認）または当該株主総会決議によって権限を付与された取締役会によって、監査役会の承認を得た上で排除される
ことがある。
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２【外国為替管理制度】
ユーロは完全に交換可能な通貨である。現在、ドイツは、国連および欧州連合によって採択された、適用のある
決議に定められた特定の分野への投資を除き、資本の輸出または輸入を制限していない。ただし、統計上の目的の
みのために、ドイツ在住の各個人または会社（以下「居住者」という。）は、特定の重要でない例外を除き、ドイ
ツ国外に居住する個人または会社（以下「非居住者」という。）から受領した一切の支払または非居住者に対して
行った一切の支払が12,500ユーロを超える場合（または同等の外貨）は、かかる支払をドイツ連邦銀行（ Deutsche
Bundesbank ）に報告しなければならない。さらに、ドイツ居住者（個人および特定の金融機関を除く。）は、非居
住者に対する債権または債務が総額で5百万ユーロ（または同等の外貨）を超える場合、各暦月の末日に当該債権
または債務について報告しなければならない。さらに、ドイツに拠点を置く会社で非居住者に対する債権または債
務が500百万ユーロを超えるものは、デリバティブ商品につき発生している非居住者に対する債権または債務につ
いて各暦四半期の末日に報告しなければならない。居住者はまた、全資産が3百万ユーロを超えるドイツ国外会社
のあらゆる株式または議決権の10％以上を直接的または間接的に保有する場合、当該株式または議決権について毎
年ドイツ連邦銀行に報告する義務を有する。3百万ユーロを超える資産を有するドイツに所在する会社は、あらゆ
る株式または議決権の10％以上が直接的または間接的に非居住者に保有されている場合、当該株式または議決権に
ついて毎年ドイツ連邦銀行に報告しなければならない。
３【課税上の取扱い】
日本に居住する個人に対する一般的な課税
ドイツに居住していない日本の居住者は、一般的に、ドイツ源泉所得に対してのみ課税される（ドイツ制限納税
義務）。ドイツ在住でない個人は、以下のすべての条件を満たした場合に、ドイツにおける制限的な納税義務のみ
を負う。
・ ドイツ国内に個人的な利用のための住居を有しないこと。
・ ドイツ国内に「主居住地」を有しないこと。これは、2暦年間に6ヶ月間連続でドイツに滞在したことがない
ことを意味する。
ドイツ所得税法は、農林業所得、給与所得、自由営業所得、事業所得、不動産所得、投資所得、およびキャピタ
ル・ゲインからの所得を含む複数の所得の分類の区別を設けている。日本の居住者で、ドイツの非居住者であり、
上記のいずれかの分類から生じるドイツ源泉所得を受領する場合、ドイツ所得税法の適用を受ける。
ドイツにおける制限納税義務者が受領する配当に対する課税
制限納税義務者が受領した配当は、ドイツ源泉とみなされる場合はドイツ所得税の課税対象となる。ドイツ所得
税法により、配当を支払う会社の所在地または企業経営の拠点がドイツ国内にある場合、配当はドイツ源泉とな
る。
2009 年より、課税対象の配当などの課税対象となる投資所得は、一律25％の課税となり、かかる税は支払者に
よって源泉徴収される。連帯付加税（固定源泉徴収税の5.5％）が付加される。一般的に、固定源泉徴収税は確定
税額である。一般的に、源泉徴収された配当は、ドイツの所得税申告において申告される必要はない。
一般的に、適用される二重課税防止条約に基づき、現在多くの非居住株主について税率が引き下げられている。
税率および手続は、適用される条約に従って異なる可能性がある。ドイツおよび日本間の二重課税防止条約は、ド
イツ会社の非居住株主について税率を15％（連帯付加税を含む。）まで減税している。二重課税防止条約に従って
実際に適用される税率に減税するためには、非居住株主は、支払った源泉徴収税の還付（配当の25％に連帯付加税
を加算したものと配当の15％の差額）を申請する必要がある。還付の申請がある場合は、特別なドイツ語の還付申
請 書 が ド イ ツ 連 邦 中 央 税 務 庁 （Bundeszentralamt für Steuern, D-53221 Bonn, Germany;
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http://www.bzst.bund.de）に提出されなければならない。該当する申請書は、ドイツ連邦中央税務庁またはドイ
ツ大使館および領事館で入手できる。詳細については、非居住株主は各自の税務顧問に相談することが望ましい。
ドイツにおける 制限納税義務者が受領する 株式売却益に対する課税
ドイツにおいて制限納税義務のみを有する日本居住者には、当該非居住株主が、当社の登録株式資本の1％以上
を占める株式を、株式の売却または処分の直前5年間のいかなる時点においても、直接・間接を問わず保有してい
る場合、ドイツの所得税のみが課される。さらに、ドイツと日本の間で締結された二重課税防止条約の規定も考慮
されなければならない。ドイツと日本の間の二重課税防止条約によれば、この点に関しては当該個人の居住する国
が課税の権利を有するとされることから、所得はドイツにおいて課税対象とはならない。
ドイツにおける贈与税および相続税
死亡または贈与による財産の譲渡は課税の対象となる。故人および贈与者は譲渡人とみなされ、受益者および受
贈者は譲受人とみなされる。
故人の死亡日または贈与日時点で譲渡人または譲受人のいずれか一方がドイツ居住者である場合、国際的な純資
産の譲渡は課税の対象となる。譲渡人または譲受人のいずれもドイツ居住者ではない場合、普通株式がドイツにお
ける恒久的施設または固定的拠点の事業資産の一部である場合、または、当該譲渡の対象となる普通株式が、当社
の登録株式資本の10％以上を占め、かつ故人または贈与者のそれぞれが、関係当事者と共同で、譲渡の際に、直
接・間接を問わず保有し、または保有するとみなされていたポートフォリオを形成する場合、ドイツに所在する財
産の譲渡のみが課税の対象となる。
譲渡人と譲受人の親族関係により、20,000ユーロ（親族関係がない場合）から500,000ユーロ（譲渡人の配偶者
の場合）までの人的控除が付与される。税率は、親族関係および譲渡された課税対象の財産の価額によって決まる
累進税である。例えば、20 20 年における税率は以下を含む。
・ 譲渡人の配偶者および子：30％まで
・ 父母および孫：43％まで
・ 親族関係がない場合：50％まで
二重課税を防ぐため、ドイツはデンマーク、ギリシャ、スウェーデン、スイスおよび米国との間で相続税に関す
る租税条約を締結した。ただし、日本との間では、相続税に関する租税条約は締結されていない。
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４【法律意見】
当社のコーポレート・カウンセルであるミヒャエル・プレートナー博士により、以下の趣旨の法律意見書が関東
財務局長宛に提出されている。
( ⅰ) 当社は、ドイツ連邦共和国法および欧州連合法に基づき適式に設立され、有効に存続している会社であ
る。
( ⅱ) 有価証券報告書におけるドイツ連邦共和国および欧州連合の現行法に関する記述は、あらゆる重要な点に
おいて真実かつ正確である。
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第２【企業の概況】
１【主要な経営指標等の推移】
2020 年度 2019 年度 2018 年度 2017 年度 2016 年度
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ
損益計算書データ：12月31日に終了する年度
クラウド収益
8,080 6,933 4,993 3,769 2,993
ソフトウェア・ライセンスおよびサポート収益
15,148 16,080 15,628 15,780 15,431
クラウドおよびソフトウェア収益
23,228 23,012 20,622 19,549 18,424
総収益
27,338 27,553 24,708 23,461 22,062
営業利益
6,623 4,473 5,703 4,877 5,135
税引後利益
5,283 3,370 4,088 4,046 3,629
親会社株主に帰属する利益
5,145 3,321 4,083 4,008 3,642
(1)
1 株当たり利益
基本(単位：ユーロ)
4.35 2.78 3.42 3.35 3.04
希薄化後(単位：ユーロ)
4.35 2.78 3.42 3.35 3.04
その他のデータ：
期中加重平均発行済株式数
基本
1,182 1,194 1,194 1,197 1,198
希薄化後
1,182 1,194 1,194 1,198 1,199
財政状態報告書データ：12月31日現在
現金および現金同等物
5,311 5,314 8,627 4,011 3,702
資産合計
58,472 60,212 51,502 42,484 44,262
(2)
流動金融負債
2,348 3,273 1,125 1,561 1,813
(2)
長期金融負債
13,605 12,923 10,553 5,034 6,481
発行済資本金
1,229 1,229 1,229 1,229 1,229
資本合計
29,928 30,822 28,877 25,515 26,382
(1) 1株当たり利益に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(C.6)を参照のこと。
(2) 残高には、主に債券、私募および銀行ローンが含まれる。当社の金融負債に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記
(E.3)を参照のこと。
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２【沿革】
当社の正式な会社名は、SAP SE である。SAP SE は、英語ではSAP European Company （ Societas Europaea または
「SE」 ）と訳される。SAP SE は、ドイツおよびヨーロッパの法律に基づきドイツ連邦共和国において設立された。
以下において文脈上必要な場合、SAP SE とは、当社の前身または旧法的形態および旧名称、すなわち
Systemanalyse und Programmentwicklung GbR（1972-1976)、SAP Systeme, Anwendungen, Produkte in der
Datenverarbeitung GmbH（1976-1988）、 「SAP Aktiengesellschaft Systeme, Anwendungen, Produkte in der
Datenverarbeitung 」（ 1988 –2005 ）および「SAP AG」（ 2005 –2014 ）をも指す。当社の本店、本社および登録事務
所は、ドイツの69190 ヴァルドルフ、ディートマ・ホップ・アレー16にある。当社の電話番号は、+49-6227-7-
47474である。
３【事業の内容】
当社の概要
1972 年に設立された当社は、ドイツのヴァルドルフに本社を置くグローバル企業である。当社の正式な会社名は
1)
SAP SEである。当社は、企業向けアプリケーション・ソフトウェア 市場の主導者であり、また、企業向けリソー
ス・プランニング、サプライチェーン管理、データの統合および質、ならびにマスターデータ管理の分野でも市場
を牽引している。SAPグループは世界的な存在感を示しており、100,000名超の従業員を雇用している。
当社の普通株式は、フランクフルト証券取引所に上場している。 SAP SE の普通株式を表章する米国預託証券
（ADR）は、ニューヨーク証券取引所（NYSE）に上場している 。当社は、ドイツDAXおよびTecDAXに加え、ダウ・
ジョーンズ・ユーロSTOXX50、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド指数およびダウ・ジョーンズ・サ
ステナビリティ・ヨーロッパ指数を構成する銘柄である。2020年12月31日現在、当社はDAXにおいて時価総額の点
で最も価値ある企業である。当社は、14年連続でダウ・ジョーンズ・サステナビリティ指数において最も持続可能
なソフトウェア会社であると評価された。
1) 企業向けアプリケーション・ソフトウェアとは、とりわけビジネス・プロセスをサポートし自動化することを目的として
開発されたコンピュータ・ソフトウェアである。
子会社
SAP SE は、SAPグループの親会社である。 2020 年12月31日現在、SAPグループ は、自社の製品、ソリューションお
よびサービスを開発、流通および提供する269 社によって構成されている 。当社の子会社、関係会社その他のエク
イティ投資の一覧表は、 連結財務諸表に対する注記( G.9 ) を参照のこと。
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４【関係会社の状況】
（1）親会社
当社に親会社は存在しない。
（2）子会社および関連会社
SAP SE は、SAPグループの親会社である。 2020 年12月31日現在、SAPグループは、自社の製品、ソリューションお
よびサービスを開発、流通および提供する269社によって構成されている。
以下の表は、 2020 年のSAPグループの総収益に基づき、当社の最も重要な子会社について示すものである。これ
らの子会社はすべて、 SAP SE によって 完全に所有または支配されている。
2020 年
2020 年度
12 月 31 日現在
(1)
総収益
当社との
(1)
資本合計
名称 所在地 事業内容 所有割合
関係
( 単位：
( 単位：
千ユーロ)
千ユーロ )
販売・マーケティング、コ
SAP Deutschland SE
ンサルティング、トレーニ
(*)
& Co. KG 、 商取引
ドイツ 100% 4,571,609 1,843,908
ング、顧客サポート、研究
(2)(3)
ヴァルドルフ
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP (Schweiz) AG 、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
スイス 100% 1,038,518 184,352
ング、顧客サポート、研究
ビール
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP ( UK ) Limited 、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
英国 100% 1,189,692 74,774
(4)
フェルサム
ング、顧客サポート、研究
開発、および管理
SAP España –
Sistemas,
販売・マーケティング、コ
Aplicaciones y
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
スペイン 100% 507,960 311,958
Productos en la
ング、顧客サポート、研究
Informática,
開発、および管理
S.A. 、
マドリード
販売・マーケティング、コ
SAP France S.A. 、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
フランス 100% 1,089,190 1,717,909
ング、顧客サポート、研究
ルヴァロワ・ペレ
開発、および管理
SAP Italia Sistemi
Applicazioni
販売・マーケティング、コ
Prodotti in Data ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
イタリア 100% 582,922 378,505
ング、顧客サポート、研究
Processing
開発、および管理
S.p.A. 、
ヴィメルカーテ
販売・マーケティング、コ
SAP Nederland
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
B.V. 、
オランダ 100% 701,572 262,769
ング、顧客サポート、研究
(5)
スヘルトヘンボス
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
Ariba, Inc. 、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
米国 100% 1,364,062 4,384,584
ング、顧客サポート、研究
パロアルト
開発、および管理
Concur
販売・マーケティング、コ
Technologies, ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
米国 100% 1,704,448 7,093,719
ング、顧客サポート、研究
Inc. 、
開発、および管理
ベルビュー
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販売・マーケティング、コ
SAP America, Inc.、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
米国 100% 6,038,852 18,092,145
ニュータウン・スク
ング、顧客サポート、研究
エア
開発、および管理
SAP Industries,
販売・マーケティング、コ
ンサルティング、トレーニ
Inc. 、
(*)
商取引
米国 100% 647,524 933,749
ング、顧客サポート、研究
ニュータウン・スク
開発、および管理
エア
SAP National
販売・マーケティング、コ
Security Services,
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
米国 100% 760,560 479,669
Inc.、
ング、顧客サポート、研究
ニュータウン・スク
開発、および管理
エア
SuccessFactors,
販売・マーケティング、コ
Inc. 、
(*)
商取引
米国 ンサルティング、研究開 100% 816,597 4,131,532
ニュータウン・スク
発、および管理
エア
販売・マーケティング、コ
Qualtrics, LLC 、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
米国 100% 687,972 5,490,095
ング、顧客サポート、研究
ウィルミントン
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP Canada, Inc.、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
カナダ 100% 957,871 525,856
ング、顧客サポート、研究
トロント
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP ジャパン株式会
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
社、 日本 100% 1,275,694 369,854
ング、顧客サポート、研究
東京
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP Australia Pty
オースト ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
100% 694,917 36,783
Ltd. 、
ラリア ング、顧客サポート、研究
シドニー
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP ( China) Co.,
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
Ltd. 、
中国 100% 948,426 –189,703
ング、顧客サポート、研究
(6)
上海
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP India Private
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
インド 100% 642,886 383,157
Limited 、
ング、顧客サポート、研究
バンガロール
開発、および管理
(*) 主にソフトウェア・ライセンスの売買。
(1) これらの数値は、連結消去仕訳前の当社の現地のIFRS財務書類に基づいており、そのため連結財務書類に含まれるこれら
の企業の貢献を反映していない。グループ通貨への換算は、資本金については期末最終為替レートに基づいており、収益
および純利益／損失については期中平均為替レートに基づいている。
(2) 事業体の 個人的責任を負うパートナーは SAP SE である。
(3) ドイツ商法（HGB）第264条(3)または第264b条に従い、子会社は法定の単体財務書類を作成するに当たり、財務諸表に対
する注記および事業の概況の記載、独立監査および開示等の一定の法的要件の適用が免除されている。
(4) 2006 年 英国会社法第 479A 条から第479C条に従い、この事業体は、2020年12月31日に終了する会計年度または2020年9月30
日に終了する会計年度それぞれに関してSAP SEが当該事業体の債務に対し保証を提供していることに基づき、財務書類の
監査が免除されている。
(5) オランダ民法第 2 編403条に従い、この事業体は、 2020 年12月31日に終了する会計年度または2020年9月30日に終了する会
計年度それぞれに関してSAP SEが当該事業体の債務に対し保証を提供していることに基づき、財務書類の作成、独立監査
および開示等、法定の単体財務書類の作成に関する一定の法的要件の適用が免除されている。
(6) SAP SE によって発行されたサポートレターを保有している事業体。
５【従業員の状況】
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以下の表 は、部門別、およびEMEA（ヨーロッパ、中東およびアフリカ）、南北アメリカ（北米およびラテンアメ
リカ）、APJ（アジア太平洋日本）からなる地域別の従業員数の概要を示したものである。
地域および部門別従業員数
正規職員相当
2020 年12月31日 2019 年12月31日 2018 年12月31日
南北 南北 南北
EMEA アメリカ APJ 合計 EMEA アメリカ APJ 合計 EMEA アメリカ APJ 合計
6,278 4,589 5,525 16,392 6,501 4,426 5,361 16,288 6,341 4,268 5,374 15,983
クラウドおよびソフトウェア
8,175 5,934 5,733 19,842 8,250 6,018 5,971 20,239 8,120 5,736 5,620 19,476
サービス
13,705 6,094 9,781 29,580 12,710 5,793 9,131 27,634 12,478 5,651 8,930 27,060
研究開発
10,348 10,485 5,000 25,834 10,205 10,368 5,209 25,781 9,843 9,452 4,918 24,213
販売・マーケティング
3,285 2,161 1,243 6,689 3,161 2,123 1,246 6,530 2,906 1,970 1,147 6,024
一般管理
2,291 1,107 696 4,094 2,220 984 654 3,859 2,160 951 631 3,742
インフラストラクチャー
44,082 30,369 27,979 102,430 43,048 29,712 27,571 100,330 41,848 28,029 26,620 96,498
SAP グループ(12月31日現在)
609 97 75 781 338 1,638 137 2,113 657 952 434 2,043
このうち買収によるもの
43,340 30,306 27,830 101,476 42,697 29,368 27,092 99,157 40,496 27,454 25,759 93,709
SAP グループ(月末平均)
従業員数および人件費
2020 年はCOVID-19が影を落とした一年間であった。当社の従業員数の伸びもパンデミックによる影響を受け、結
果として新規雇用の人数が減少した。2020 年12月31日現在、当社は世界において正規職員相当(full-time
equivalent、FTE)の従業員102,430名を雇用していた（ 2019 年度：100,330名)。これは、 2019 年度に比べて2,100名
の増加である（うち781名は買収によるものである。）。 2020 年度の平均従業員数は、101,476名であった（ 2019 年
度：99,157名）。
当社が定義するところのFTE数とは、人員配置率を考慮した、常勤雇用契約で雇用されている人数をいう。学
生、当社に雇用されているが出産育児休暇等の理由により現在労働していない者、および6ヶ月未満の有期契約の
派遣社員は、当社の従業員数から除外されている。除外されている派遣社員数は大きなものではない。
2020 年度における当社の従業員一人当たりの平均の人件費は減少し、約132,000ユーロとなった（ 2019 年度：約
150,000ユーロ）。かかる減少は、主にリストラクチャリング費用および株式報酬費用が減少したことに起因す
る。なお、従業員一人当たりの人件費は、人件費総額を平均従業員数で割った金額とする。リストラクチャリング
に関連した解雇は、2019年度の2,859件（2.9％）に対し、2020年度には1,037件（1％）行われた。
従業員報酬および人件費の構成の内訳に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(B.1)および( B.2 ) を参照のこ
と。
従業員および労使関係
世界的な規模において、当社の従業員および労使関係は極めて良好であると当社は考えている。
企業レベルでは、欧州連合加盟国（2025年5月までの移行期間中は英国を含む。）および欧州経済領域の協定国
の当社従業員は、全員が SAP SE 労使協議会（Works Council、WoC）（ヨーロッパ）によって代表される。法律およ
び当社との契約により、SAP SE WoC（ヨーロッパ）は国境を越えた一定の問題に関する情報を受領する権利および
取締役会またはその代表者に助言を求める権利を有する。 法人レベルでは、SAP SE労使協議会（ドイツ）がSAP SE
の従業員を代表する。SAP Deutschland SE & Co. KG（SAP Germany）、hybris GmbH（ドイツ）およびConcur
(Germany) GmbHの従業員は、それぞれ別の労使協議会によって代表される。その他の従業員代表には、団体労使協
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議会（SAP SE、SAP Germanyおよびhybris GmbHの労使協議会のメンバーにより構成される。）、すべての団体にお
けるグループレベルの重度障害者の代表者（ドイツ）、および役員の代表としての代表者委員会が含まれている。
SAP France 、SAP France Holding、SAP Labs France SASおよびSAP Concur Franceそれぞれの従業員は、同一の
団体協約「SYNTEC」に従っている。フランスでは、2019年12月31日付で、労使協議会、安全衛生委員会および従業
員代表が、「経済社会委員会」と名付けられた一つの団体となった。今日現在、SAP France／SAP France Holding
（同一の法人に属する。）、SAP Labs France SASおよびConcur (France) SASは、経済社会委員会により代表され
ている。代表される組合は、SAP France／SAP France HoldingおよびSAP Labs France SASの各社と契約の交渉を
行う。Concur (France) SASについては、 経済社会委員会と契約の交渉を行っている最中である。また、SAP
España – Sistemas, Aplicaciones y Productos en la Inform á tica, S.A. 、SAP Belgium NV/SA. 、SAP Israel、
SAP Nederland B.V.、SAP Italia Sistemi Applicazioni Prodotti in Data Processing S.p.A. 、SAP China
Beijing、チェコ共和国におけるすべての事業体（SAP R, spol. s r.o.、SAP Services s.r.o.、Ariba Czech
s.r.o.およびConcur Czech (s.r.o.)）、 SAP Brasil Ltda 、SAP Korea Ltd. （韓国）、SAP Slovensko s.r.o. （スロ
バキア）、SAP sistemi, aplikacije in produkti za obdelavo podatkov d.o.o. （スロベニア）、SAP Romania SRL 、
SAP Argentina S.A. 、SAP Svenska Aktiebolag （スウェーデン）、SAP UK Ltd.およびSAP Ireland Ltd. を含む他の
様々なSAP関連会社の従業員は、労使協議会、労働者代表、 従業員協議フォーラムおよび／または労働組合により
代表される。 また、これらの従業員の一部は、団体協約に従っている。
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第３【事業の状況】
１【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社の概要
上記「第2 3 事業の内容」を参照のこと。
当社の目的
当社の目的は、「世界がより良くなる支援を行い、人々の暮らしを豊かにする」ことである。技術およびデジタ
ル化は環境、経済および社会に関する課題の解決の助けになるとの確信に基づき、当社はこの包括的なテーマを、
革新に向けた努力を行う中で検討している。人口構成の変化、急速な技術の変化、気候変動およびCOVID-19パンデ
ミックを含む今日の課題によって、世界中であらゆる種類の分断が引き起こされている。当社は、顧客および当社
の双方にとってより複雑化した経済環境によって生じた要求に応えることを目指す。したがって、当社のビジョン
は、顧客にとって革新的かつ信頼できるパートナーになり、顧客が事業の運営方法を刷新するのを支援するという
普遍的な目標にまとめられる。当社の技術的な基礎を絶えず拡大させることで、順応性と収益性を備え、かつ持続
可能な事業結果を顧客のために創造するという包括的な目標を達成できる。さらに当社は、バリューチェーン全体
を通して、私たちが住む地球を尊重すると同時に人間としての尊厳を守る、インテリジェント・エンタープライズ
1)
へと自社を変化させること、また顧客がこのようなインテリジェント・エンタープライズになるのを支援するこ
とを望んでいる。
かかる目的に沿い、当社は、国連の持続可能な開発目標（UN SDGs）を支援することに取り組んでいる。テクノ
ロジー主導の革新は、UN SDGsの全17項目にわたって当社がその顧客およびパートナー・エコシステムとともにイ
ニシアティブを発揮する際の基盤となるものである。かかるイニシアティブの実践例には、デジタルスキルの確立
に社会的な投資を集中すること、および人工知能（AI）についての当社の方針が挙げられる。
1 ） 「インテリジェント・エンタープライズ」とは、機械学習、ロボットによる業務自動化、モノのインターネット、および
革新の評価を助ける分析能力等の技術を活用した、イベント駆動型のリアルタイム・ビジネスをいう。
当社の戦略－インテリジェント・エンタープライズ
当社の目的を達成し、変化する市況に対応するために、当社はスピードに加えて革新、統合および敏捷さを促進
するための主要な方針を強調し、インテリジェント・エンタープライズ戦略を考案してきた。当社の戦略の考案
は、すべての重要な事業の要素を繋げ互いに結び付けるという目的と緊密に連携している。当社が掲げるインテリ
ジェント・エンタープライズの構成要素を、以下に詳述する。
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・ 当社の ビジネス・ネットワーク は、会社間のビジネス・プロセスを結び付ける。このネットワークは、当社
のデジタルサプライチェーン、調達、ロジスティックス、資産管理、出張および経費、臨時の労働力、なら
びにプラットフォーム・ソリューションを基礎に成り立っている。
・ 当社による ビジネス・プロセス・インテリジェンス の提供は、企業が素早くかつ大規模に自社のビジネス・
プロセスを理解、改善、変革および管理できるようにすることを目指す。このことを通じて、ビジネス・プ
ロセスのセマンティックレイヤー向けに共通する一つの基礎がもたらされる。これには、プロセスを洞察し
改善するための能力が含まれる。
・ 当社の エクスペリエンス・マネジメント ・ソリューションは、エクスペリエンスデータを、インテリジェン
ト・エンタープライズ、接続ユーザー、顧客、ブランド、ならびにすべての決定および行動に対する従業員
の意見に活かす。
・ 当社の インテリジェント・スイート は、敏捷かつ統合されたエンドツーエンドのビジネス・プロセスを実行
するための基礎である。これは、従業員、顧客、製品、支出、財務およびITといった、事業に不可欠な組織
の要素の管理を支援する。
・ 当社の インダストリークラウド により、顧客は、当社および当社の提携先から階層的なソリューションを入
手し、これを活用することができる。当社は、産業のベストプラクティスを採用し、現在のビジネス・プロ
セスを拡大することを目指す。
・ 当社の 持続可能性マネジメント ・ ソリューションは、顧客が炭素排出量を最小限まで減らし、責任あるサプ
ライチェーン管理を通じて廃棄物を削減し、すべての事業プラクティスに多様性をもたらすことを支援す
る。
・ 当社の ビジネス・テクノロジー・プラットフォーム は、データの管理および分析を行い、アプリケーション
の統合および拡張の中心として機能する、基礎的な層である。また、これの働きにより顧客は、人工知能、
ロボットによる業務自動化、機械学習およびモノのインターネットなどを含む、組込みインテリジェント技
術を使用できるようになる。
・ 当社独自のテクノロジー・プロビジョニングを完了するため、当社は既存の顧客層を、SAPデータセンター
または ハイパースケーラー にて運用されている SAP集中クラウド を通じた最先端のクラウド提供へと引き上
げることで、バランスの取れたクラウドへのアプローチを追求する。
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事業の運営方法の再構築
この野心的な戦略を実現するため、当社は「 Reinvent How Businesses Run （事業の運営方法を再構築しよ
う）」というプログラムのもと、戦略的な行動を定めた。
目標の実現に向け、当社はそのアプリケーション・ポートフォリオを、特殊性のある能力の創造および当社が疑
いなく成功することのできる分野に集中させている。当社は、当社の核であるソフトウェアおよびテクノロジーを
さらに発展させ、働くことの将来に対処するための事業変革を促進することにより、新たな市場に革新をもたらす
ことに全力で取り組んでいる。当社はまた、強力な開発者およびパートナー・エコシステムに加え、世界規模のビ
ジネス・テクノロジー・プラットフォームを創出することで、敏捷性、スピードおよび統合を視覚化することを目
指している。当社は、事業の結果に着目することによって、顧客の成功と繋がっており、さらに、実行中のパート
ナー・エコシステムへの取組みも加速させている。
2021年1月、当社は、一つの契約を通じて顧客のインテリジェント・エンタープライズへの変革過程を支援す
る、 RISE with SAP （SAPと共に成長しよう）と呼ばれる新たな提案を打ち出した。RISE with SAPでは、どの能力
をどの時期に利用するべきかを素早く評価し柔軟に判断することを含めた、クラウド化への道筋を、高額の前払料
金なしで顧客に提供する。当社は、当社のエコシステムに加え、企業が全体的に事業を変革するために必要として
いるものの提供を目指す。これは、ビジネス・プロセスの再構築をはじめ、技術的な移行サービスおよび当社の
SAPビジネス・テクノロジー・プラットフォームに選択が任されるクラウド・インフラストラクチャー、ビジネ
ス・ネットワークへのアクセス、ならびにSAP S/4HANA Cloudにまで及ぶ。
当社の多様な従業員は顧客の変革を支援するための革新的サービスを提供する上で重要であり、当社の戦略を実
行するために不可欠である。
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当社の影響力
当社のビジネスモデル
このセクションでは当社のビジネスモデルについて述べる。ビジネスモデルは、国際統合報告フレームワーク
（International Integrated Reporting Framework）において、「事業活動を通してインプットを変換し、組織の
戦略上の目的の達成、ならびに短期的、中期的および長期的な価値の創出を目的としたアウトプットおよび結果を
生むための組織の仕組み」と定義されている。
当社は、顧客の業務上のニーズを特定した上で、かかるニーズに対処するソフトウェア・ソリューション、サー
ビスおよびサポートを開発および提供することにより、価値を生み出している。顧客からのフィードバックを得る
ことで、当社は、継続的に当社のソリューションを改良し、さらなる業務上のニーズを特定し、ライフサイクル全
体を通じて高い価値を顧客に提供できるよう励んでいる。
インプット
このプロセスは孤立した状態で生じるものではない。これは、内部および外部からのインプットによって有効と
なるものであり、中でも最も重要なのは、顧客の洞察、顧客エクスペリエンスおよびより幅広い利害関係者との対
話、金融資本、従業員の専門性、知的財産、パートナー・エコシステムの製品およびサービス、ならびに当社が依
拠するITインフラである。
影響
当社のソリューションは、当社の顧客に、そして顧客を通じて世界に影響を与える際の助けになる。
当社のソフトウェアおよびプログラムは、主に国連のSDGs 3（健康および福祉）、4（質の高い教育）、8（働き
がいのある人間らしい仕事および経済成長)、9（産業、革新およびインフラストラクチャー）、10（格差の是
正）、12（責任ある消費および生産）および13（気候変動対策）を支えている。例えば、当社のソフトウェアは以
下について支援を行う。
・ 企業が、経済的繁栄と適正な額の給料が支払われる仕事を世界中の人々にもたらすことに一層取り組むこ
と。
・ 組織が、廃棄物ゼロの世界を目指して資源利用を最適化すること。
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・ 当社の顧客がその全体的な資源生産性を向上させ、炭素排出量の削減を目的とした事業変革を行うことを支
援する。
当社は、世界の若者、さらなる教育を望む経験を積んだ人材、身体障害者および失業者に対しデジタル経済の中
で成功するための適正な技能を与えることにも全力で取り組んでいる。当社が提供するプログラムは、初期段階の
革新の着想を与えることから、成熟した社会的な企業の頂点を極めることにまで及ぶ。
さらに当社は、SDG 17（目標達成のためのパートナーシップ）に対処するに当たり、協力は有益であることを認
識しており、したがって幅広いパートナーシップに参加している。
トレードオフ
また、当社は自社の事業活動により生じうる悪影響についても認識しており、これらを軽減するべく努めてい
る。例えば、
・ デジタルデバイドの加速は、社会的な集団を経済のすべての分野から切り離し、雇用可能性に影響を与えか
ねない。したがって当社は、恵まれない人々にデジタルスキルを提供することに、社会的な投資活動を集中
させている。
・ 当社は、自社の成長および世界的なデジタル化の加速によるエネルギーの消費の増加を予測している。した
がって当社は、CO2の排出量を減らすためグリーンクラウドを提供している。
当社の成功の評価
当社は、当社を導くため、以下の財務目標および非財務目標を用いている。
・ 成長
・ 収益性
・ 顧客ロイヤルティ
・ 従業員エンゲージメント
・ カーボンインパクト
以下の表は、上記の目標に対する実績の評価に用いられる具体的な主要業績指標（KPI）の概要を示すととも
に、当該実績と当社の目標を比較したものである。
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2020年度の見通しおよび結果
2020 年度結果
2020 年度見通し
戦略目標 KPI （非IFRS、為替変動を
（非IFRS、為替変動を
考慮しない場合）
考慮しない場合）
80 億ユーロから
クラウド収益 82.4 億ユーロ
82 億ユーロ*
231 億ユーロから
成長 クラウドおよびソフトウェア収益 237.2 億ユーロ
236 億ユーロ*
272 億ユーロから
総収益 279.0 億ユーロ
278 億ユーロ*
81 億ユーロから
収益性 営業利益 85.0 億ユーロ
85 億ユーロ*
顧客ロイヤルティ 顧客ネット・プロモーター・スコア -3 から-1 4
従業員エンゲージメント 従業員エンゲージメント指数 84% から86% 86%
カーボンインパクト 温室効果ガス純排出量 150 キロトン** 135 キロトン
* これらの指標の見通しは2020年1月に発表され、COVID-19パンデミックが当社の業績にもたらすと見込まれる影響を反映する
ため、2020年4月および10月に更新された。上記の2020年度見通しの数値は、2020年10月に更新された見通しを反映してい
る。
** 温室効果ガス純排出量の見通しは2020年1月に発表され、COVID-19パンデミックが当社の温室効果ガス排出量にもたらすと
見込まれる影響を反映するため、2020年7月および10月に更新された。上記の2020年度見通しの数値は、2020年10月に更新さ
れた見通しを反映している。
2021年度の見通し
2021 年度見通し
2020 年度結果
戦略目標 KPI （非IFRS、為替変動を
（非IFRS）
考慮しない場合）
クラウド収益 80.9 億ユーロ 91 億ユーロから95億ユーロ
成長
クラウドおよびソフトウェア収益 232.3 億ユーロ 233 億ユーロから238億ユーロ
収益性 営業利益 82.8 億ユーロ 78 億ユーロから82億ユーロ
顧客ロイヤルティ 顧客ネット・プロモーター・スコア 4 5から10
従業員エンゲージメント 従業員エンゲージメント指数 86% 84% から86%
カーボンインパクト 温室効果ガス純排出量 135 キロトン 145 キロトン
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2025年度の目標
2025 年度目標
戦略目標 KPI
（非IFRS）
クラウド収益 220 億ユーロ超
成長
総収益 360 億ユーロ超
収益性 営業利益 115 億ユーロ超
顧客ロイヤルティ 顧客ネット・プロモーター・スコア 安定的に増加
従業員エンゲージメント 従業員エンゲージメント指数 84% から86%
カーボンインパクト 温室効果ガス純排出量 0キロトン（2023年以降）
「第3 2 事業等のリスク」、「第3 3 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」お
よび「第3 4 経営上の重要な契約等」も参照のこと。
２【事業等のリスク】
当社の運営および財務成績は、以下に記載するものを含む様々なリスクおよび不確実性にさらされ、これらは当
社の事業、財政状態、業績、キャッシュ・フローならびに当社のADRおよび普通株式の取引価格に悪影響を及ぼす
可能性がある。
経済、政治、社会および規制に関するリスク
世界の経済的および政治的環境：世界経済および金融市場における不確実性、ならびに、国家参加型紛争、テロ
攻撃、社会不安、戦争または国際的な対立による社会的および政治的な不安定要素は、当社の事業活動を阻害する
可能性がある。
グローバル企業である当社は多数の外部要因に影響を受けているが、これらは予測が難しく、当社の影響力も及
ばず、制御することができない。これらの要因のいずれも、世界経済および当社の事業に重大な悪影響を及ぼす可
能性がある。
当社は、とりわけ以下の分野のリスクおよびこれに関連する影響にさらされる。
・ 一般的な経済、政治、社会、環境、公衆衛生および市場の推移、ならびに一般的な不安感（米中間の安全保
障に基づくサプライチェーンへの制限、米国と北朝鮮の間の緊張、西欧諸国によるロシアへの圧力、英国が
EUから「合意なき」離脱を行うシナリオ、米国における政治的および社会的な混乱等）
・ 世界の経済状況の長引く悪化（正確な予測への影響）または各国政府の予算の制約
・ 長期間かつ広範囲にわたる経済減速によって示されている世界的な潜在的示唆を伴う、米中間をはじめとし
た外交上の衝突、軋轢、ならびに貿易または関税に関する紛争
・ 金融市場における不安定性の発生、世界経済危機および財政の慢性的不均衡、減速する経済状況または新興
市場における混乱
・ ソフトウェアを購入するための資金調達能力を低下させる、顧客に対する与信の高い障壁
・ 顧客、提携先および主要な供給業者の差押えおよび倒産の件数の増加
・ 当社の事業に影響を及ぼすテロ攻撃その他の暴力行為、市民の暴動、パンデミックまたは自然災害
・ 重要インフラストラクチャー資産であるデータセンターに影響を及ぼしうる、地域的な紛争
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かかる事象のいずれも、当社の事業活動、事業全般、財政状態、利益およびキャッシュ・フローに重大な悪影響
を及ぼす可能性があるため、当社の目標達成能力を制限するおそれがある。
COVID-19 パンデミック：2019年12月に中国・武漢で新型のコロナウイルス（COVID-19）が初めて見つかると、世
界各地へ感染が拡大し、その後、世界保健機関（WHO）はこれをパンデミックに相当するとした。世界各地のほぼ
すべての地域でこの大流行が表面化する中で、政府および企業は感染拡大を阻止しまたは抑制することを目的とし
た防止策の導入を促され、世界経済への悪影響は即効性および長期性のあるものとなった。
当該影響にはサプライチェーンの中断ならびに商品の製造および金銭の借入への影響も含まれ、観光およびレ
ジャー業界から贅沢品を扱う業界まで、ほぼすべての業界において影響がみられている。加えて、不確実性および
移動制限がビジネス、雇用および消費意欲に影響し、消費支出の減少につながった。同時に、企業は休暇の延長、
病欠による従業員の長期欠勤、オフィス勤務への復帰の遅れおよび追加的な健康チェックといった感染拡大の抑制
を目的とした対策により、コストの上昇に直面し、一方で公共部門の投資先は健康関連の支出に向けられるように
なった。景気後退を示す指標につき真っ先に懸念を抱いたのは各国の経済である。
当社はこのパンデミックおよびこれに伴う施策が、当社の顧客、当社の事業および当社の事業運営に対して、ど
の程度またどれ程の期間にわたり、とりわけ以下のようなリスクにつながるほど重大となり得る影響を与えるか予
測できない。
・ 世界的な景気後退、経済の悪化、失業率の上昇、または顧客による事業計画、優先事項およびITニーズの再
検討が、後にITへの投資の遅延、変更または削減を招くこととなるリスク
・ 経済的影響を被った顧客が契約上の義務の履行に奮闘することとなるリスク
・ デジタル化に関する条件がいっそう複雑化することによって、顧客とのスムーズなやりとりおよびそれによ
る顧客の満足が得難くなるリスク
・ 大きな影響を受けておらず実装作業を担うことのできる適格なパートナー企業が限られるリスク
・ 政府または当社によって課される移動制限により、従業員の移動が限られるリスク
・ 新たな働き方への適応により従業員の生産性に影響が及ぶリスク
・ 現場もしくは従業員が感染し、または移動制限により従業員による対応が不可能となった場合、当社の事業
に不可欠なデータセンターおよび当社のミッションに不可欠なサポート事業におけるビジネスの継続が困難
となるリスク
・ 当社のクラウド・サービス・インフラストラクチャーのメンテナンスが中断されまたはクラウド・サービス
のキャパシティーに係る信頼性および正確性が損なわれるリスク
・ ソフトウェアの販売数が減少し、その後メンテナンスおよびサービス事業の成長にも影響が及ぶリスク
・ 請求手続の中断および金融取引の締結遅延により、現金回収が遅れるリスク
・ 現場運営の強化を効果的に管理するための費用が増加するリスク
これらの事態が一つでも生じれば、当社の事業、事業運営、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは重大な
悪影響を受ける可能性がある。
国際法令：ドイツ、米国およびその他の地域における法律、規制上の要件および基準は依然極めて厳しいもので
ある。当社は、世界的な事業活動および事業プロセスにより、しばしば対立する多数の法律および規則、方針、基
準その他の要件ならびに時折対立する法規制上の要件に直面する。
SAPグループは世界的な存在感を示している。当社は、ドイツおよび米国で上場しており、ドイツに所在する欧
州会社として、欧州、ドイツ、米国およびその他の地域のガバナンスに関する法規制上の要件に従う。
当社の事業は、国際的事業固有のリスクにさらされている。当社は、とりわけ以下の分野のリスクおよびこれに
関連する影響にさらされる。
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・ 特定の国において業務の妨げとなり得る税務上の制約
・ 外部への報告基準および税法の改正（税制に関する対立および重複、ならびにデジタル・ビジネスモデルに
とって不利益となる新しい税構想の導入を含むがこれらに限定されない。）
・ 差別的、保護主義的または対立的な財政方針および税法（2017年末に成立した米国税制改革に含まれる特定
の保護貿易政策等）。また、コンプライアンスに関する指針を示す規則のうち、まだ確定していない規定が
あること
・ 法令改正、政治判断（例えば英国のEU離脱、政権選択選挙）または様々な国における労使協議会の必要な関
与、労働組合の承認および移民法によって生じた労働規制および移動の禁止
・ 保護貿易政策、輸出入規制ならびに貿易制裁（ロシアや中国等）、対抗的または敵対的な制裁（米国および
ロシア等）および貿易禁止（イラン等）（各国固有のソフトウェア認証要件を含むがこれに限定されな
い。）
・ 各国固有の制裁に対する違反（北朝鮮に対する国連の制裁またはイランその他の特定の国に対する米国の制
裁要求等）
・ 法律（EU一般データ保護規則（GDPR）または中華人民共和国サイバーセキュリティ法等）および規則（解釈
を含む。）、政権選択選挙の結果に関連する事項、改革の欠如、データ保護およびプライバシー規則、規制
上の要件および基準（PCIデータ・セキュリティ・スタンダード（PCI DSS）等）、その他のコンプライアン
ス要件（サービス組織規制（SOC）等）、または、場合によっては、特にクラウド・サービス・プロバイ
ダーまたはデータセンターの運営に対する、各国に固有の認定もしくは要件（シンガポール金融管理局が発
行した脅威および脆弱性に関するリスク評価等）の遵守および厳格な執行
・ 当社製品のローカライゼーションおよび現地の法規制上の要件の遵守に付随する費用
・ ある法域における知的財産権および契約上の権利の執行困難
2017年に制裁違反の可能性に関する調査が開始され、継続中である。かかる潜在的な制裁違反に関する詳細は、
連結財務諸表に対する注記(G.3)を参照のこと。
当社が新たな国々および市場に進出し、または新興・高リスク市場を含むこれらの市場で当社の事業活動を拡大
することにより、これらのリスクが強まる可能性がある。それぞれの現地の法規制を当社の事業に適用すること
は、当該法規制がいずれ改正される可能性があるために時折不確かであり、また法域間でしばしば対立が生じる可
能性がある。さらに、これらの法令および政府による執行の手法は、当社の製品およびサービスが継続的に進化す
るのと同じように、引き続き変化し、進展する。こうした変化する法規制を遵守するには多大な費用がかかり、製
品または事業慣行の変更を余儀なくさせる可能性がある。遵守しなければ、罰則が課されるか、または不遵守であ
るとされる行為を理由に差止命令が下される可能性がある。政府当局はこれらの法令を適用する上で相当程度の裁
量権を行使する可能性があり、当社に課される制裁は重大である可能性がある。
上記の事態のいずれも、世界的にまたは一つもしくは複数の国もしくは地域における当社の業務に重大な悪影響
を及ぼす可能性があり、ひいては当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローに重大な悪影響を及ぼす
可能性がある。
法務および知的財産：知的財産侵害または当社が第三者技術の十分なライセンスを取得もしくは維持できないこ
と等に関して当社に提起された申立および訴訟、または、当社が当社の知的財産を十分に保護または行使できない
ことにより、不利な結果がもたらされる可能性がある。
当社のソリューション・ポートフォリオが増加し、当社が企業買収を行うことによりオープンソース・コードを
含む第三者業者のコードの使用が増加し、当社がその製品・サービスをもって新たな業界に進出することにより製
品・サービスの機能上の範囲の重複が増加し、また、製品の考案、製造または販売を行わない特許不実施主体が知
的財産侵害請求を行っているため、当社が知的財産侵害請求を含む申立および訴訟を受ける可能性は過去に存在し
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今後も引き続き存在すると当社は考えている。また、当社が成功するためには、当社の知的財産を保護し擁護する
ことが極めて重要である。
訴訟その他の申立の結果は、本質的に不確実性を有している。
当社は、とりわけ以下の分野のリスクおよびこれに関連する影響にさらされる。
・ 顧客または当社が買収した事業に関するものを含む申立および訴訟が当社に対し提起されるおそれがある。
・ 当社は第三者技術（当社製品に組み入れ、または当社顧客に再販しているクラウドおよびウェブサービスを
含む。）に全体的に依存している場合がある。
・ 当社が第三者の知的財産権を侵害しているか、これらの技術に対するライセンスの範囲外使用または不正使
用をしている旨を当該第三者が主張してきており、また、今後主張してくる可能性がある。
・ 当社は、第三者からの一定のオープンソース・ソフトウェア・コンポーネントを当社のソフトウェアに統合
している。オープンソース・ライセンスにより、かかるコンポーネントまたはソフトウェアコードが統合さ
れるソフトウェアを、オープンソースの条件に基づき自由にアクセス可能な状態にするよう求められる場合
がある。
・ 当社の努力にかかわらず、当社が当社に帰属するとみなす技術および情報を、第三者が承認なしに取得、使
用または売却することを阻止できない可能性がある。また、当社の所有権は、異議の申立、無効化、法的強
制力の否定またはその他の方法により影響を受ける可能性がある。さらに、国によっては、法律および裁判
所は、当社の法的または知的財産権を行使するため効果的な方法を提供するものではない場合がある。最後
に、当社は法的手続において判決により確定した債務を全額回収することができない可能性がある。
・ 従業員、提携先またはその他の第三者による開示または不正利用を受ける知的財産も存在する。
第三者は、当社が所有しているとみなす技術や情報をリバース・エンジニアリングまたはその他取得および使用
する可能性がある。したがって、当社は、不正に模倣または利用を行う第三者から当社の所有権を保護することが
できない場合がある。当社に対して係属中の一部またはすべての申立および訴訟の不利な結果により、事業を行う
当社の能力を妨げる重大な損害賠償命令または侵害差止命令が当社に対してまたは将来的に当社に対してなされる
場合があり、当社の評判、ブランド、事業、競争上の地位または財政状態、財務成績、利益およびキャッシュ・フ
ローは重大な悪影響を受ける可能性がある。第三者により、当社にとって不利な条件によるロイヤルティおよびラ
イセンスに関する取決めの締結が求められ、製品の発送が遅延され、当社製品が差止命令の対象となり、製品の全
体的または部分的な再設計が求められ、顧客による投資判断が遅延され、また当社の評判が損なわれる可能性があ
る。第三者による請求により、当社製品の一部または当社が依存する第三者（当社以外）のソフトウェア製品を、
オープンソース条件に基づき自由に利用できるよう求められる可能性がある。
当社が所有権を行使するため実施する法的措置は、提携先またはその他第三者に対する執行を伴う場合があり、
当該提携先またはその他第三者の製品を利用する当社および当社の顧客の能力に悪影響を及ぼす可能性がある。
訴訟その他の申立の結果は、本質的に不確実性を有する。当該訴訟に対する経営陣の見解も今後変更される可能
性がある。訴訟その他の申立の実際の結果は、前期における経営陣の査定（IFRSに基づくかかる訴訟および申立に
関する会計は、この査定に基づいている。）と異なる場合がある。
データ保護およびプライバシー：ますます複雑化および厳格化し、場合によっては相反する、データ保護および
プライバシーに関する適用法に違反した場合、または当社の製品およびサービスに関して当社顧客の契約上の要求
を十分に満たすことができない場合、民事上の責任および罰金、ならびに顧客の喪失につながる可能性がある。
世界的なソフトウェアおよびサービスのプロバイダーとして、当社は、当社がどこで事業を行おうとも現地の法
律を遵守する義務がある。適用ある欧州のデータ保護に関する法の一つは、一般データ保護規則（GDPR）である。
適切な水準のデータ保護を定めていない第三国にデータを移転する際には、EUから第三国へのかかる移転を正当化
するための標準的な契約条項に基づく追加の保護措置が必要となる。
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さらに、データ保護およびプライバシーその他の基準に関する世界中の変わりゆく規則および法律（カリフォル
ニア消費者プライバシー法、ブラジル一般データ保護法およびEUのeプライバシー規則案等を指し、データ・ロー
カ ライゼーションに関する要件を含む。）は、マーケティング目的や個人のオンライン活動の追跡目的での個人
データの利用にますます焦点を当てているが、これらは当社の製品およびサービス（特にクラウド・サービス）の
使用および導入を制限する可能性のあるコンプライアンス基準の増加に起因して当社にさらなる負担を課すおそれ
があり、また、顧客の期待に応えることを一層困難かつ複雑にするおそれがある。ここでは、特に機械学習および
人工知能といった新しい技術を製品開発およびインテリジェント・アプリケーションの活用のために使用する際の
コンプライアンスを指す。
これは、当社にとってリスクの増加につながる可能性があり、ひいては当社の事業に損害を与え、当社の成長を
制限する可能性がある。
当社または当社が起用するいずれかの下請処理業者が、個人データの処理において適用データ保護およびプライ
バシー法を遵守しない場合、リスクにつながる可能性がある。当社は、とりわけ以下の分野のリスクおよびこれに
関連する影響にさらされる。
・ 影響を受ける個人、顧客およびデータ保護監督当局に対する、違反の強制開示
・ データ保護監督当局による調査および行政処分（不遵守となっているデータ処理行為を是正または停止する
旨の指示等で、これには不遵守下請処理業者の起用中止の指示が含まれる。）
・ 当社の年間グループ売上高の4％を上限とする罰金または無制限の罰金
・ 顧客および個人による損害賠償請求または契約の終了
・ 当社の評判の失墜
・ デジタル化時代における、クロスボーダーのデータ移転に関する法的要件およびデータ・ローカライゼー
ションに関する要件のさらなる複雑化
・ 機械学習または人工知能等の観点におけるデジタルの体制が不十分なために、個人のデータまたは情報がゆ
がめられる可能性
また、ドイツ連邦憲法擁護庁およびセキュリティ業界の専門家は、個人データを含む企業データの取得または侵
害を目的とした世界中で増加するサイバー攻撃に関連するリスクを警告し続けている。当社は、サイバー攻撃の手
法が引き続き進化し複雑性を増すと見込んでいる。これは、攻撃および侵入の予測、防止、発見、および軽減を困
難にする可能性があるため、とりわけ以下の分野のリスクをはじめとしたサイバーセキュリティおよびセキュリ
ティのセクションに記載のあるリスクにつながる。
・ 最近のサイバー攻撃の顕著な事例（ランサムウェアの使用が脅威アクターの好む手法であった。）に見られ
る、個人データを含む企業データの取得または侵害を目的とした世界中で増加する脅威アクター攻撃
かかる事象のいずれかが生じた場合、当社の評判、事業、財務成績、競争上の地位または財政状態、利益および
キャッシュ・フローは重大な悪影響を受ける可能性がある。
コーポレート・ガバナンスおよびコンプライアンス・リスク
情報の不正開示：機密情報の不正な開示を防止するための当社による統制および取組みは、効果的ではない可能
性がある。
当社の戦略、新技術、合併および買収、未発表の財務成績、顧客データまたは個人データ等の事項に関連する機
密情報および内部情報は、時期尚早にまたは不注意により開示される可能性があり、ひいては市場での誤解および
市場の不安定性を招く可能性がある。
当社は、とりわけ以下の分野のリスクおよびこれに関連する影響にさらされる。
・ 例えば従業員によるソーシャル・メディアの不適切な利用による、機密情報および知的財産の漏洩、欠陥製
品、生産停止、供給不足、データ（個人データを含む。）の漏洩
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・ 複数の規制当局に届け出て、適用される規制要件を遵守し、適切な場合にはデータ保有者に届け出る必要性
かかる事象のいずれかが生じた場合、当社の市場での地位に悪影響を及ぼし、罰金および罰則または株主による
訴訟（証券クラスアクションを含む。）につながるおそれがある。
さらに、当社の事業、評判、株価、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可能性がある。
当社に対してかかる訴訟が行われた場合、その結果にかかわらず、経営陣の注意および資源の分散ならびに高額
の費用につながり、結果として当社の業績および株価の下落を引き起こす可能性がある。
倫理的行動：当社は国際的な事業を行っているため、従業員、その他の個人、提携先、または当社と関連する法
人による非倫理的行動および当社の方針の不遵守に関するリスクにさらされている。
世界市場における当社の主導的地位は、世界各地の利害関係者からの長期的かつ持続可能な信頼の上に成り立っ
ている。企業の透明性、金融市場、規制機関および当局とのオープンなコミュニケーション、および一般に認めら
れている事業健全性基準の遵守等は、当社の包括的なアプローチである。かかる一般に認められている事業健全性
基準遵守の確約は、当社の企業行動規範（CoBC）および補足的な指針において明文化されている。
当社は、とりわけ以下の分野のリスクおよびこれに関連する影響にさらされる。
・ 当社の方針の不遵守、ならびに規則、規制および法的要件（ドイツの腐敗防止法、米国海外腐敗行為防止
法、英国贈収賄防止法および不正行為を禁止するその他の現地の法律を含むがこれらに限定されない。）に
関連する遵守違反
・ 刑事責任、罰金および被害者による請求を招くこととなる、個々の従業員、その他の個人、提携先、または
当社と関連する法人による非倫理的かつ詐欺的行動
・ 事業獲得のための支援をはじめとする外部の第三者との共謀
・ 特にトランスペアレンシー・インターナショナルの腐敗認識指数が低い国々および新興市場における、詐欺
および腐敗行為
・ 腐敗について高いリスクにさらされた地域における公共部門取引
・ 公共部門、医療、銀行業または保険事業等の、規制が厳しい業界におけて事業活動がさらされている危険お
よび事業活動への影響の増加
かかる事象のいずれかが生じた場合、当社の事業、評判、ブランド、競争上の地位または財政状態、株価、利益
およびキャッシュ・フローは重大な悪影響を受ける可能性がある。
当社は、当社の事業および評判に悪影響を及ぼす可能性のある、腐敗行動の観点での不遵守に対し、明確な声明
の発表および断固とした措置を行わなければならない事態に直面した。当社は公共部門との取引について引き続き
調査中である。かかる違反の疑いに関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(G.3)を参照のこと。
人的資本に関するリスク
人的労働力：各地に分散する従業員を勧誘し、育成し、雇用し続け、効率的に管理することができない場合、当
社は効率的かつ好調な事業および業務の運営ができず、素晴らしい新ソリューション、新サービスの開発が不可能
となる場合がある。
当社の成功は、高度な技術および専門知識を有する人員および指導者に関する計画プロセス、十分な資源配分、
ならびに当社の配置戦略を、当社の企業戦略と適切に同調させることに依拠している。特定の地域ならびに特定の
技術およびソリューション分野において当社は、インフラのニーズおよび現地の法規制または税務規制を考慮の
上、短期および長期の技能要件に応じた極めて高い成長目標を引き続き設定している。特定の戦略的分野における
労働者の確保および増員に成功することは、インテリジェント・エンタープライズ戦略の主要な成功要因である。
こうした人員およびビジネス専門家の利用可能性は限られているため、当社の業界における競争は激しい。
当社は、とりわけ以下の分野のリスクおよびこれに関連する影響にさらされる。
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・ 人員計画プロセス、十分な資源配分および配置戦略を、当社の企業戦略と同調させることができないこと
・ 対象の市場に規模を合わせるために有能かつ参加意識の高い人員を特定し、勧誘し、開発し、意欲を起こさ
せ、十分に補償し、雇用し続けることができないこと
・ 高度な技術および専門知識を有する人員を順調に雇用し続け、その技術を向上させ、増員することができな
いこと
・ 引き継ぎの管理が不十分であり、または適当な後任者を見つけられないこと
・ 買収事業の主要人員の喪失
・ 社内性別多様性目標の達成を含む短期および長期の人員および技能の要件を遵守できないこと
・ 適切な福利厚生プログラムがないまたはそれらの実施が不十分であること
・ ビジネス専門家およびコンサルタントの利用可能性および規模の拡張可能性の欠如
・ 従業員数およびインフラのニーズの変更および現地の法規制または税務規制の変更により、当社の費用と収
益に不釣合いが生じること
・ 第三者企業の大規模配信ネットワークを効果的に管理する際の課題
かかる事象のいずれかが生じた場合、各地に分散した従業員を勧誘し、育成し、雇用し続け、効率的に管理する
当社の能力は低下する可能性があり、これにより当社の事業、競争上の地位または財政状態、利益およびキャッ
シュ・フローは悪影響を受ける可能性がある。
オペレーショナル・ビジネス・リスク
販売およびサービス：クラウドを含む当社のソフトウェアおよびサービスの販売および実装は、当社の管理が及
ばないこともある多くの重大なリスクにさらされている。
ソフトウェアおよびサービスのソリューションを確実に実装することは、当社の事業の中核的な要素である。当
社のソフトウェアの実装およびクラウドベース・サービスの提供は、当社、提携先、顧客またはこれらの組み合わ
せにより先導される。
当社は、とりわけ以下の分野のリスクおよびこれに関連する影響にさらされる。
・ 実装が予定より長期にわたり、または当初予想していた程の利益を生み出せない等の実装リスク、スコープ
の逸脱、ソリューションの複雑性、速いペースで起こるエンジニアリングの革新、統合および移行に関する
個別のニーズもしくは機能要件の変更、または、スケジュールの遅延につながりもしくはスコープにおける
ソリューションの保守サイクルを超過する可能性のある不十分なマイルストーンの管理および追跡
・ 顧客により提供される不十分または不正確な情報であって、後に契約上の義務、要件、ソリューションの定
義、設計または技術の不適合につながるもの
・ スコープ、統合能力およびものの見方を含む顧客期待値マネジメントが不十分であること、ならびに当社ソ
リューションの目的をもった選択、実装および利用を行わないこと
・ 顧客のコミットメントおよび個々の参加意識の欠如（不十分な資源コミットメント、または最新の提供物へ
のソリューションの移行が欠如していることを含む。）が、遅延、または推奨される最良の慣行からの逸脱
につながること
・ 買収技術の効果的な実装における課題
・ 複雑な提供または実装の際に、円滑に統合され、十分に自動化および連携されたサービスの提供を成し遂げ
ることにおける課題。その原因の例として、特に当社のプロジェクトへの参加が限定されている場合におけ
る、理解の不足が挙げられる。
・ インストールの長期化または多額の第三者コンサルティング費用
・ 誤った計算または予測により、費用が定額契約で合意された料金を超過すること
・ 販売段階において確約したサービスを提供できないこと
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・ プロジェクトの成果／結果に対する認識の相違または顧客の支払における課題に起因する顧客の支払の遅延
・ サービス、サポートおよびアプリケーション管理に関して、サブスクリプション・モデルに基づく契約モデ
ルおよび消費モデルが不十分であること
・ リスク・エクスポージャーの増加につながる可能性のある標準条項からの逸脱
・ 顧客が、ソリューション開発に関する声明を将来のソフトウェアの機能について約束するものであると誤解
するおそれがあること
かかる事象のいずれかが生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける
可能性がある。
パートナー・エコシステム：当社は、効果的なパートナー・エコシステムを調整し、維持し、促進することがで
きない場合、収益は期待どおりに増加しない可能性がある。
活気あるオープンなパートナー・エコシステムは、当社の成功および成長戦略の基本的な柱となっている。当社
はパートナーシップ契約を締結しており、これにより当社のプラットフォームに関する共同革新を促進し、市場カ
バー率を最適化する市場ルートを有利に拡大し、クラウドの提供を最適化し、かつすべての市場セグメントにおい
て高品質のサービス能力を提供している。提携先は、当社のプラットフォームを共同革新し、当社の技術を組み込
み、当社のソフトウェアを転売または導入することにより、当社の全般的なソリューションのポートフォリオが市
場に浸透することを促進させる重要な役割を担っている。
当社は、とりわけ以下の分野のリスクおよびこれに関連する影響にさらされる。
・ 当社の規模拡大ニーズを支える正規提携先ネットワークを構築および実現できないこと
・ 当社の提携先から十分なコミットメントを得られないことにより、マーケット・リーチのスピードおよび影
響力が損なわれること
・ 当社の製品またはサービスのモデルが競合他社と比較して戦略的でないまたは魅力的でないこと
・ 提携先が、当社が受諾可能な条件でもしくは一切、当社との現行の契約を更新しないもしくは新規契約を締
結しない、または当社との競合を開始すること
・ 対象市場の規模に応じた販促、販売およびサポートを可能にし、そのための十分な提携先人材を育成するの
を怠ること
・ 提携先が、当社のプラットフォームに関する十分な数の新ソリューションおよびコンテンツを開発しないま
たは顧客の期待に沿う高品質の製品またはサービスを提供しないこと
・ 提携先が、製品の採用を有利に促進する当社のソリューションを特にSAP S/4HANA、SAP顧客エクスペリエン
ス・ポートフォリオ、ビジネス・プロセス・インテリジェンスおよびSAPビジネス・テクノロジー・プラッ
トフォーム（SAP BTP）での革新に十分組み込まないこと
・ 提携先が、適用される法務コンプライアンス規則を遵守しないこと
・ 提携先およびその製品が、当社の顧客または当社が期待する品質条件を遵守しないこと・ 提携先が、当社
のビジネスモデルの転換に従った速やかなビジネスモデルの転換を行わないこと
・ 提携先が、サービス・プロビジョニングに関して顧客の期待に応えられず、またはそのための能力を有しな
いこと
・ 提携先が、通商禁止対象の国またはリスクの高い国において契約条件を遵守しないこと
かかるリスクのいずれかが現実化した場合、当社の製品およびサービスに対する需要ならびに提携先のロイヤル
ティおよび提供能力は、悪影響を受ける可能性がある。その結果、当社は他のベンダーとの競争で優勢になるため
に事業規模を調整することができなくなり、ひいては当社の評判、事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フ
ローに悪影響が出る可能性がある。
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クラウドの運用：当社は、混乱時または業績低迷時に当社の重要な情報および資産、事業活動、クラウド製品・
サービスおよびポートフォリオの表示、ならびに関連インフラストラクチャーを適切に保護することができない可
能 性がある。
当社は、当社のインフラストラクチャーの利用可能性に非常に依存しており、当社のクラウドのポートフォリオ
において使用されるソフトウェアは本質的に複雑である。
当社は、とりわけ以下の分野のリスクおよびこれに関連する影響にさらされる。
・ 顧客が期待するまたは顧客に対して約束した速やかで効率的な方法により、クラウド・サービスを提供およ
び運用する能力の不足および欠如
・ 大企業の顧客のために運用規模を拡大する能力に対する顧客の懸念
・ 顧客の要望に完全に合致していない可能性があり、将来的に顧客の志向とずれが生じるおそれのある、不完
全なクラウド・ポートフォリオ表示またはクラウド運用の戦略的な指示
・ ハイパースケーラーまたはインフラストラクチャーの安定性および利用可能性が欠如していること、または
包括的な契約合意が不十分であることの結果、サービスレベル合意書（SLA）のコミットメントの達成にお
いて課題をもたらす可能性
・ ハイブリッド環境を提供し運用するために十分な「将来的スキル」の欠如
・ 顧客に途切れや欠陥がなく透明性の高いエンドツーエンドのエクスペリエンスを提供しつつ、運用およびイ
ンフラストラクチャーを管理し最適化するための自動化、標準化およびツールの不足
・ 現地の法的な要件またはデータの統治権の変化により、顧客が主要なまたは災害時回復用のランドスケープ
を異なるデータセンターに割り当て直すことを検討する可能性
・ データセンターの運用またはシステムの安定性・利用可能性に関する欠陥またはこれらの機能停止
・ 当社のクラウド・アプリケーション・ポートフォリオの利用可能性の中断により、顧客のサービスレベル合
意書に潜在的な影響を及ぼす可能性
・ システムの機能停止もしくは中断、人為的もしくはその他のエラーによる当社のネットワークの不具合、安
全性への違反、またはクラウド・アプリケーションに対するユーザーのアクセス数の変動
・ データの損失もしくは破損につながるハードウェアの不具合もしくはシステム・エラー、または収集データ
の不完全性
・ 第三者から購入またはリースしたハードウェアの使用権の喪失によるクラウド・アプリケーション提供能力
の停滞
・ インフラストラクチャーおよび運用の規模拡大の必要性により、コスト増およびマージンに影響が及ぶ可能
性
・ 提携先のデータセンターのコロケーションに関連する当社の品質基準の不遵守
・ 当社における総保有コスト（TCO）の増加
・ 当社のデータセンターの設備または管理への投資では対応できない、クラウド・サービスに対する顧客の需
要
・ PCIデータ・セキュリティ・スタンダード（PCI-DSS）等の適用認証要件の不遵守
これらの事象のいずれかが生じた場合、当社の評判、事業、競争上の地位または財政状態、利益およびキャッ
シュ・フローは重大な悪影響を受ける可能性がある。
サイバーセキュリティおよびセキュリティ：サイバーセキュリティ攻撃もしくは違反、当社製品、インフラスト
ラクチャーもしくはサービスにおけるサイバーセキュリティ脆弱性、または経済スパイは、重大な法的および経済
的リスクにつながる可能性がある。
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本業による成長および買収による成長を継続し、クラウドを通じたすべてのソリューション・ポートフォリオを
提供し、当社顧客の事業の要素をクラウドでホストまたは管理し、大容量のデータを処理し、より多くのモバイ
ル・ソリューションをユーザーに提供するにつれ（いずれの場合も、直接かまたは提携先およびその他の第三者を
介 して）、当社は、次第に複雑化し脅威を増すサイバーセキュリティ環境に直面する。当社が事業を行っている、
グローバル・サイバーセキュリティ脅威のある空間（当社が当社の製品およびサービスに統合する第三者のデー
タ、製品およびサービスを含む。）がますます巧妙さおよび悪意性を増し、概してIT製品およびIT企業を標的とし
た脅威アクターにより採用される手法が引き続き進歩し一層進化していることにより、こうしたサイバーセキュリ
ティ環境によって引き起こされる課題はますます厳しさを増している。かかる脅威アクターには、国家および犯罪
組織等の極めて高度な知識を有する者が含まれるが、これらに限定されない。大手クラウド企業であり、世界で最
大かつ最も知名度のある複数の顧客に対するサービス・プロバイダーでもある当社は、当然、サイバーセキュリ
ティ攻撃の目立つ標的である。当社は、当社の製品およびシステムに脅威を与える活動の増加を認めており、様々
な種類および程度のサイバーセキュリティ攻撃を日常的に経験している。当社が当社のシステムへの不正なアクセ
スを認知した場合、当社は、かかる侵入の出所および影響を特定し是正するための処置、ならびに関連のある必要
な通知および開示の義務を遵守するための処置をとる。現在にいたるまで、特定された侵入はいずれも、当社の事
業に重大な悪影響をもたらしてはいない。しかし、当社は、すべての不正な侵入を認識できているわけではなく、
当社のシステムは、当社が認識していない実行中の侵入を経験している可能性がある。さらに、当社はサイバーセ
キュリティに対する防御を強化するために継続的に処置をとっているが、当社のサイバーセキュリティ・インフラ
ストラクチャーが、進歩する産業の標準に確実に合致しまたは勝ることを時間をかけつつ確約するという当社の目
的を達成するためには、さらなる投資、協調、および資源が必要である。かかる目的を達成するためには、かかる
標準に合致するシステムについて進行中の開発およびその維持を支援するための金銭および管理資源の持続的な投
資を含む、継続的な努力および警戒が必要だと考えられる。その結果、当社は、とりわけ以下の分野におけるリス
クおよびこれに関連する影響にさらされる。
・ 特定のまたは未検出のサイバーセキュリティ上の欠陥および脆弱性
・ オープンソース・ソフトウェア・コンポーネントの利用を原因とした、複雑性、活用時のリスクおよび潜在
的な脆弱性の増加
・ ネットワーク上の攻撃、混乱、被害、不正アクセス、盗難、破壊、産業または経済スパイ、重大なまたは組
織的な犯罪、その他の違法行為ならびに暴力的な過激主義およびテロ行為を含む数多くの脅威により、当社
の事業運営およびサービス提供がリスクにさらされること
・ データの不正使用、ソーシャル・エンジニアリングもしくは当社の施設への侵入者、またはシステムが使用
不可能な状態にされること
・ 国家主導の経済スパイまたは競合会社主導の産業スパイ、および犯罪活動（クラウド・サービスおよびホス
ト型オンプレミス・ソフトウェア（当社または当社の顧客、提携先、またはその他の第三者のいずれに管理
されているかを問わない。）に対するサイバー攻撃および違反を含むがこれらに限定されない。）
・ バックアップ、災害復旧または事業継続性マネジメントに関するプロセスの停止
・ 当社のネットワークシステムが、当社の顧客のITシステムまたはクラウド・サービス・プロバイダーなどの
当社の事業活動を助ける第三者のシステムにおける欠陥および脆弱性を通して行われるサイバーセキュリ
ティ攻撃（当社のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャーおよびサイバーセキュリティ手順を超え
るものを含む。）にさらされることにより起こる混乱
・ クラウド・サービス・プロバイダーが安全かつ順調にクラウド・サービスを提供できない場合、クラウド・
ソリューションに対する顧客の信頼に悪影響を及ぼす可能性がある
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・ 特定されたサイバーセキュリティ問題に関してその複雑性、相互依存性またはその他の要因を原因としてレ
スポンスが遅れたためまたは不十分なために起こった、当社およびその顧客に対するサイバーセキュリティ
の脅威
・ 雑多な環境において、サイバーセキュリティを当社の様々な事業部門を超えて効果的に統一する際の課題
・ 安全な運用を危険にさらしうる、不十分または効果的でない資産管理
・ 脅威アクターが脆弱性を悪用することで損なわれる顧客システムまたは当社が運営するシステム
・ 破壊的なマルウェア、ランサムウェアまたはその他のサイバーセキュリティ攻撃の増加により引き起こされ
る、運用における混乱
・ サイバーセキュリティ措置の違反（例えば、従業員または関係者による過失もしくは不正行為、システムの
脆弱性、コードの欠陥、故障、または、従業員、ユーザー、提携先もしくは顧客を唆して当社のシステム、
データもしくは顧客データへのアクセスを入手しようとする第三者の試みに起因するものを含むが、これら
に限定されない。）
・ サイバーセキュリティ事項について、進化していく当社のサイバーセキュリティに関するニーズを支援する
ために必要であり、かつ、ますます複雑および巧妙になっていく脅威の状況に見合っている知識、経験、お
よび訓練を十分に有する人員を十分に維持できないこと
・ モノのインターネット（IoT）などの相互接続された技術、およびそのエントリポイントとエンドポイント
の増加を原因として拡大し変化する、サイバー攻撃サーフェスによる課題の増加
・ オペレーショナル・データの接続性が増したことによるサイバーセキュリティ攻撃サーフェスの拡大
・ 多額の復旧費用、ならびに顧客、提携先、当局（州、連邦および国家の当局を含む。）および第三者サービ
ス・プロバイダーによる多額の契約上および法律上の請求で、当社に多額の費用および責任を生じさせ、ま
たは当社にその事業慣行の是正を求める可能性のある命令、判決もしくは同意判決の発行につながるおそれ
のあるもの
・ 巧妙な攻撃を検知し、防止し、軽減しようとするための多額の費用（法律およびサイバーセキュリティに関
する第三者専門家およびコンサルタントの費用、保険料、追加の人員および技術、組織改革、ならびに顧客
および提携先に対する、損失を補償するためまたはその事業を維持するためのインセンティブを含むが、こ
れらに限定されない。）
・ サイバーセキュリティ攻撃のさらなる巧妙化、件数の急増、ならびに頻度、深刻さおよび影響の増加
・ サイバーセキュリティ違反または情報の喪失を、完全か、適時か、またはかかる違反後長い時間が経過した
後かを問わず発見することができず、または全く発見することができないこと
・ 攻撃の予測または十分な軽減措置の実施ができないこと
・ 当社のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャーが、進歩する産業の標準に確実に合致しまたは勝る
ことを時間をかけつつ確約し、かつ、絶えず進歩し拡大する脅威の状況からの防御を行うという当社の目的
を達成するための投資、協調、および資源が不足すること
・ 当社のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャーの強化に伴う多額の費用および時間。なお、かかる
費用および時間は、当社の製品およびサービスの開発および提供において実行中のペース、ならびに当社の
財務実績に影響を及ぼす可能性がある。
・ 当社のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャーおよびサイバーセキュリティ手順を、買収を通じて
取得した他のネットワークシステムと統合できないこと（取得したシステムにおけるサイバーセキュリティ
に対する欠陥および脆弱性への対処を含む。）
・ 当社から事業およびネットワークシステムを譲渡することに関連して、当社のサイバーセキュリティ・イン
フラストラクチャーおよびサイバーセキュリティ手順を維持できないこと、または、現状を踏まえて要求さ
れる透明性についての全体的な水準を達成できないこと
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・ 当社のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャーおよびサイバーセキュリティ手順の妥当性に関す
る、第三者または当社の不正確または不完全な監査の結果、証明または表示
・ クラウド・ソリューションを含む当社の製品およびサービスに関する現在または将来の安全性および信頼性
に係る顧客の懸念および信頼喪失、ならびにその結果としての顧客および提携先による主要な契約の終了
かかる事象のいずれかが生じた場合、当社の顧客、提携先、財政成績、利益、キャッシュ・フロー、活動、ブラ
ンド、評判、競争上の地位、当社の製品およびサービスに対する現在および将来の顧客の認識、および事業全般は
重大な悪影響を受ける可能性がある。
技術および製品：当社の技術および製品は、未検出の欠陥、コーディング・エラーまたは構成エラーに直面し、
期待どおりに統合できず、または顧客の期待に応えられない可能性がある。
当社は、とりわけ以下の分野のリスクおよびこれに関連する影響にさらされている。
・ ソフトウェア製品およびサービスが、市場ニーズまたは顧客の期待に十分に応えることができないこと
・ 買収した会社のソフトウェア製品およびサービスが、当社の品質基準を完全には遵守しないこと。
・ 当社は、当社のプラットフォームおよびソリューションを統合し、製品およびクラウド・サービスのポート
フォリオを完成させ、当社のユーザー・インターフェース・デザインと技術を調和させ、買収した技術およ
び製品を統合し、またはSAP BTPを基盤とするパッケージ、サービスもしくは新ソリューションを市場に提
供するに当たり、これらを期待どおりの速さで行うことができない可能性がある。
・ 新しい製品、サービスおよびクラウド・オファリング（第三者技術を含む。）は、当社が品質に関するあら
ゆる適正評価を行ったにもかかわらず、出荷後において、現地の基準および要件を遵守せず、欠陥を含み、
または顧客が考えるビジネスに不可欠なソリューションとして十分に成熟していない可能性がある。
・ すべての顧客セグメントに関して十分なソリューション・パッケージおよび範囲を定義および提供できない
こと
・ アルゴリズムが進化する環境に正しく適応できないために、人工知能関連の技術の面において有害な意思決
定プロセスがもたらされる可能性
・ 欠陥解決プロセスにおいて顧客が期待する期限および品質を満たすことができないこと
・ 新製品・サービスに関する顧客リファレンスの欠如
かかる事象のいずれかが生じた場合、当社の事業、ブランド、競争上の地位または財政状態、利益およびキャッ
シュ・フローは重大な悪影響を受ける可能性がある。
戦略上のリスク
市場シェアおよび利益：ソフトウェア業界における競争の激化、市場統合、技術革新および新規ビジネスモデル
により、当社の市場シェアおよび利益は減少する可能性がある。
クラウド・コンピューティング市場の競争は拡大しており、オンプレミス・ソリューション市場と比較して目覚
ましい成長を見せている。クラウド事業の業績を維持または改善するためには、顧客が当社との契約を当初の契約
期間満了時に更新し、追加のモジュールまたは追加の機能を購入すること、および当社が新規顧客を獲得すること
が重要である。また当社は、新たなデータ駆動型アプリケーションおよびインテリジェント・スイートの拡張を支
援するために、需要に応じて、かつ競合他社より前に、例えばSAP BTPといった新たなソリューションを市場に出
す必要がある。インテリジェント・エンタープライズ戦略をサポートする革新的アプリケーションには、SAP顧客
エクスペリエンス・ソリューション、ならびにモノのインターネット、機械学習、知性のあるロボットによる業務
自動化（インテリジェント・RPA）（ルールに基づく反復的な業務を自動化する。）、デジタル・アシスタント
（音声による認識およびインタラクションを含む。）およびブロックチェーン等の技術が含まれる。
当社は、とりわけ以下の分野のリスクおよびこれに関連する影響にさらされている。
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・ 完全に適したソリューションおよび移行サービスを用いて、オンプレミス顧客とともにクラウドへの移行過
程（クラウドのみの事例および混合の事例の双方を含む。）に適切に取り組むことができないこと
・ 多様なハイパースケーラーに係る当社の戦略を首尾よく実行できないこと
・ クラウド事業の拡大および既存の当社顧客によるオンプレミス・ライセンスからクラウド・サブスクリプ
ションへの移行に起因する収益への短期的な悪影響は、関連する保守およびサービス収益にも悪影響を及ぼ
す可能性があること
・ 複雑性が増すとともにソリューションおよびサービスの採用が不十分となること、また、当社のインテリ
ジェント・エンタープライズ戦略の遂行中に起こった当社のソリューションおよびサービスのポートフォリ
オに関する失敗により、大手クラウド企業としての当社の地位が失われ、顧客による採用が減少する可能性
・ 顧客および提携先が、クラウドへの移行および適応に消極的であること、または顧客が競合他社のクラウ
ド・オファリングを検討すること
・ 既存の顧客が、契約（保守またはクラウド・サブスクリプション等）を取消しもしくは更新しないことを決
定、または別の製品およびサービスを購入しないことを決定すること
・ クラウド事業における競合他社同士の戦略的提携またはその成長に連動した効率性の向上により、価格設定
およびソリューション統合能力の点で市場での競争が大幅に激化する可能性
・ 従来の競合会社、新興競合会社、そしてとりわけ協力関係にある競合会社およびハイパースケーラーとの競
争による価格圧力、費用の増加および市場シェアの喪失
・ 予定された時点までに計画通りに利益率の増加を達成できないこと
かかる事象のいずれかが生じた場合、当社の事業、ブランド、競争上の地位、財政状態、利益およびキャッ
シュ・フローは重大な悪影響を受ける可能性がある。
合併および買収：当社は、効率的または適切に企業を買収および統合することができない可能性がある。
当社は、事業を拡大するため、事業、製品および技術の買収を行っており、今後も買収を継続的に行うことを見
込んでいる。こうした買収の一部は徐々に規模が拡大し、当社にとっての戦略的重要性も増している。潜在的な買
収、および買収した事業、製品または技術の統合に関する経営交渉には、経営陣および従業員両方の時間、集中お
よび資金が必要となり、当社は予想外の事業上の困難にさらされる。
当社は、とりわけ以下の分野のリスクおよびこれに関連する影響にさらされている。
・ 買収のデュー・デリジェンス過程における誤った情報または推定（事業環境またはビジネスモデルおよびラ
イセンスモデルに関連する情報または推定を含む。）
・ 取得した技術またはソリューションを当社のソリューション・ポートフォリオおよび戦略と首尾よく有利に
統合することができないこと
・ 取得した事業体、事業、その文化または言語のすべてについて、適用される現地の法律の制約の範囲内でう
まく統合することができないこと
・ 被買収企業の顧客または提携先のニーズに応えられないこと
・ 認識されていなかった、買収企業の重大な債務（法律上、税務上、知的財産上のものを含む。）
・ 被買収企業における内部統制、開示統制・手続および方針の実施、復活または維持の失敗
・ 相反する慣行または方針（コンプライアンス要件）
・ 被買収企業の会計、人事およびその他事務システムの不十分な統合
・ 被買収企業の研究開発（R&D）、販売・マーケティング活動、ならびにセキュリティおよびサイバーセキュ
リティ手順を整理し、またはうまく統合することができないこと
・ 負債の発生または予期しない多額の資本支出
・ 既存の当社基準（当社のオープンソース製品基準等の適用製品基準を含む。）の不遵守
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・ 企業結合により取得したのれんその他の無形資産の減損
・ 被買収企業による規制要件（例えば、会計基準、輸出管理法および貿易制裁で、買収により当社が潜在的な
罰金および不遵守是正義務を含む責任および債務を負うこととなるもの）の不遵守
かかる事象のいずれかが生じた場合、当社の事業、ブランド、競争上の地位、財政状態、利益およびキャッ
シュ・フローは重大な悪影響を受ける可能性がある。
革新：当社がソリューション・ポートフォリオの戦略を効果的に立てられず、または技術および製品の急速な革
新、機能強化、新規ビジネスモデルならびに変化する市場の期待に対応することができない場合、当社は効果的に
競争することができない可能性がある。
当社の将来の成功は、当社が技術およびプロセス革新ならびに新規ビジネスモデルに対応する能力に加え、当社
が新製品および新サービスを開発し、当社の既存の製品およびサービスのポートフォリオを強化・拡大し、当社が
買収により取得した製品およびサービスを統合する能力に左右される。当社が成功するためには、当社の製品およ
び市場開拓（go-to-market）手法をクラウドベースの配信・消費モデルに適合させることによって、増加する顧客
の要求を満たし、製品の普及、顧客満足度および顧客の定着の点で適切な水準を確保する必要がある。
当社は、とりわけ以下の分野のリスクおよびこれに関連する影響にさらされている。
・ 競合会社より前にまたは競合他社と同程度に好条件で、新しいビジネスモデル、ソリューション、ソリュー
ションの性能向上、インテリジェント技術、統合およびインターフェースまたはサービスを市場に提供する
ことができないこと
・ 雑多な技術環境における複雑性のため、様々な組織にまたがる新たなクラウド製品を、予定された時に市場
の需要に沿って開発し販売できないこと
・ （特にインダストリークラウド、SAPビジネス・ネットワーク、およびSAP BTPにサポートされたビジネス・
プロセス・インテリジェンスの提供等の革新に関して、）技術改善の準備および展開、または、当社の製
品、サービス、プロセスおよびビジネスモデルを技術的変化、規制上の要件の変更、新たな業界基準、顧客
および提携先の要求の変化に適応させること（いずれもインテリジェント・エンタープライズ戦略を強化す
ることとなる。）ができないこと
・ 当社の新しいソリューション、技術およびビジネスモデルならびに提供・消費モデルに関する不確実性によ
り、当社の顧客が、リファレンス・カスタマーを通じた概念実証および全体的な統合シナリオを待ち、より
成熟したバージョンが出るのを待つ可能性
・ 当社の新ソリューション、技術、ビジネスモデルおよび柔軟な消費モデルの採用が鈍化し、または全く採用
されないこと
・ 当社の製品および技術に関する戦略は成功せず、当社の顧客および提携先は当社の技術プラットフォーム、
アプリケーションもしくはクラウド・サービスを十分迅速に取り入れることができず、もしくは市場にある
他の競合するソリューションの採用を検討し、または特に製品ポートフォリオをさらなる市場へと拡大する
際に当社の戦略が顧客の期待に沿うものでない可能性がある。
・ オープンソース・ソフトウェア・イニシアチブまたは類似モデルとの競争が激化し、競合会社が無料でまた
は当社に不利な条件のもとでソフトウェアおよび知的財産を提供する可能性
・ 顧客の使用事例および試用システムによるリファレンスの増加を促進できないこと
かかる事象のいずれかが生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは重大な悪影響を
受ける可能性がある。
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３【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
（1）業績等の概要
「第3 3 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
（2）生産、受注及び販売の状況
「第2 3 事業の内容」および「第3 3 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を
参照のこと。
（3）財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
概要
当社の主要な収益源および種類の異なる収益の損益計算書における分類方法に関する情報は、連結財務諸表に対
する注記(A.1)を参照のこと。
財務実績：検討および分析
経済および市場
世界の経済活動は、COVID-19パンデミックにより、2020年度上半期に急激に減少した。その後、第3四半期には
大幅に回復し、第4四半期には引き続き成長した。欧州中央銀行（ECB）は、2020年12月の経済報告においてこのよ
1)
うに当年度を総括している 。特に先進諸国は、第3四半期における景気回復を可能にした個人消費を支えるため、
パンデミックのピーク時に手厚い政策支援を展開した。一方、ECBによると、新興市場国は外需回復の恩恵を受け
た。
ECB によると、EMEA地域は第2四半期に未曽有の景気後退に見舞われたが、第3四半期における経済活動の回復は
予想以上に強かった。特にユーロ圏では、経済活動がパンデミック前の水準を大きく下回ったままだったにもかか
わらず、このような状況が続いている。しかし、2020年度第4四半期には、感染率の上昇ならびに社会的交流およ
び移動に対する新たな制限が、再びユーロ圏の経済を著しく抑制した。年間を通じて、工業セクターよりもサービ
スセクターの方が悪影響を受けており、各セクターの業績は不均等であった。中央・東ヨーロッパおよびロシアで
は、封じ込め対策の緩和により生産が正常化した第3四半期において、実質GDPが回復した。年度末にかけて、これ
らの国々に対するECBの指標が引き締められ、経済成長は再び鈍化した。
南北アメリカ地域に関して、ECBによると、米国の実質GDPも消費および投資の力強い回復に牽引されて第3四半
期に増加したが、パンデミック前の水準には達しなかった。しかし、COVID-19感染症の再拡大および財政刺激策の
後退は、その後の米国経済の発展を妨げた。ブラジルは封じ込め対策を制限することとし、代わりにラテンアメリ
カで最大級の強力な金融および財政支援策を打ち出した。このように、経済は年度半ばごろから回復したが、パン
デミック自体の厳しさはさらに強まった。
ECB によると、アジア太平洋日本（APJ）地域については、2020年度第3四半期の日本経済は、一時的に内外の需
要に支えられて回復したものの、全体的に拡大ペースは減速した。一方、中国の景気回復は急速に進み、サービス
セクターにまで拡大した。中国のGDPは、第2四半期に急激な回復を見せたあと、第3四半期と第4四半期において民
間投資および個人消費に牽引されて緩やかなペースで拡大した。ECBによると、2020年に経済成長を記録したのは
中国だけであった。
IT 市場
米国を拠点とする市場調査会社であるInternational Data Corporation （IDC）によると、2020年、COVID-19パン
2
デミックは世界中の事業環境を根本的に変え、デジタルへの移行を加速させた 。混乱に打ち勝つためには、企業
は回復力を大幅に高めることが不可欠であった。そのためには、企業はデジタル能力を拡大し、業務やプロセスを
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3
革新し、調整することが不可欠であることが判明した 。IDCによると、2020年度、全体的なIT支出は5.1％減少し
て2兆2500億ドルになったのに対し、デジタル変革テクノロジーおよびサービスに対する世界的な支出が10.4％増
3
加 して1兆3000億ドルに達したのは、これが理由である 。
IDC によると、変革を加速させる必要性に直面した多くの企業は、パンデミックの最中にデジタルソリューショ
2
ンを導入するため、ITに係る手続きを短縮させなければならなかったという 。同時に、この急速なイノベーショ
ンは、全体的な増加コストを発生させることなく実現させる必要があった。そのため、差し迫った問題を解決する
一方で、このアプローチは、ITソリューションと比較してインフラストラクチャーおよびシステムの強靭性、柔軟
性、拡張性が低くなるという技術的負債を生み出した。2020年度末の時点で、現在のパンデミック状況が終息した
後に、これらの暫定的な解決策を改善する必要があることは既に予測されていた。
しかし、2020年には、記録的な速さでデジタル事業の展開が、組織内で完結する従来の直線的なプロセスでは機
2
能しないことが明らかになった。IDCによると 、むしろデジタル事業は、特に長期的には、プラットフォームに基
づいたデータ重視型バリューチェーンに移行する必要があるという。端末からネットワークおよびコアに至るまで
のアプリケーションおよびデータ、モノのインターネット（IoT）、モバイル端末、人工知能（AI）ならびに機械
学習が、デジタル変革の重要な要素であることが判明した。IDCによると、このような未解決の状況で継続的に成
功を収めるには、企業は、過去のデータを企業システムからのデータや世界的な情報と組み合わせ、当該データを
外部パートナーとのエコシステムに結び付ける必要があるという。
このように、クラウドは、購入者がこれまで考えていたような代替的なITの購入モデルをはるかに超えるもので
あることが明らかになった。IDCの報告によると、クラウドは、2020年には、技術プラットフォームおよび運用モ
4
デルの両方として、ますます多くの事業に採用された 。クラウド中心の運用モデルは、多くの企業のIT環境に不
可欠な要素となった。パンデミックに直面した際の柔軟性と回復力が向上し、インフラストラクチャー、アプリ
ケーション、データリソースをエッジロケーションに提供し、企業は顧客やエンド・ユーザーの要求に迅速に対応
できるようになった。
さらに、社内で新しいアプリを開発するためにクラウド設定を利用する企業が増えた（IDCによると、2020年に
3
開発されたすべての新しいアプリのうち42％超） 。パンデミックによる問題を解決するために社内で開発したソ
フトウェアを商品化し、新たなビジネスチャンスを見出した企業も数多く出た。
出典：
1
欧州中央銀行、経済報告8/2020号、2021年1月7日発行
（https://www.ecb.europa.eu/pub/pdf/ecbu/eb202008.en.pdf）
2
IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2021 Predictions, Doc #US46942020, 2020 年10月付
3
IDC FutureScape: Worldwide Future of Digital Transformation 2021 Predictions, Doc #US46417320, 2020 年10月付
4
IDC FutureScape: Worldwide Cloud 2021 Predictions, Doc #US46420120, 2020 年10月付
当社への影響
COVID-19 パンデミックは変革を加速させた。顧客は、回復力および機敏性を高めるためクラウドへの移行をより
迅速に進めたいと考えており、当社はこれに対して、顧客が既存のIT環境をクラウドに移行し、その事業を徹底的
かつ真に変革するのを支援するための技術および専門知識を提供した。第1四半期および第2四半期の展開には期待
感があったものの、当社の第3四半期における業績にパンデミックの影響が初めて顕著に現れたことで影が薄く
なった。それでも、COVID-19の状況が続き、多くの地域でロックダウンが再開されたにもかかわらず、第4四半期
には業績が連続的に向上し、eコマース、SAP Business Technology Platform、Qualtricsの各ソリューションに対
する高い需要が続いたため、当社の当年度のクラウド事業は好調に終了した。また、RISE with SAPを提供してい
る当社の新しい総合的な事業変革は、試験的な顧客にいち早く受け入れられ、第4四半期のクラウドの業績に貢献
した。
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COVID-19 パンデミックの間、当社はバーチャル販売およびリモート実装戦略を組み込んで、顧客にサービスを提
供し続けてきた。当社は、旅費、施設関連費用の減少、および物理的開催ではなくバーチャルでのイベント開催な
ど による自然な費用削減を達成しつつ、雇用と裁量的支出に対して規律あるアプローチを継続した。これらの施策
により、厳しいマクロ環境にもかかわらず、好調な売上と相まって、営業利益（為替変動を考慮しない場合での
IFRSおよび非IFRS）および営業利益率は増加した。
全体的な経済状態
取締役会の評価
2020 年は、当社にとって類を見ない厳しい年となった。COVID-19パンデミックの結果、当社は年度中に見通しを
修正しなければならなかった。しかし、当社の業績は予想以上に好調に推移した。当社は修正後の2020年度の収益
目標を上回り、修正後の見通しにおける営業利益の目標に達した。
当社はまた、非財務指標においても好調な業績を示した。顧客ネット・プロモーター・スコアおよび従業員エン
ゲージメント指数の双方が増加した。同時に、温室効果ガスの排出量も前年比で減少した。
ワクチンプログラムが世界的に展開されるとともにCOVID-19パンデミックが収束し始めると仮定すると、2021年
度下半期には需要環境が徐々に改善され、当社は2021年度の財務および非財務見通しおよび2025年度中期目標の両
方を達成することができると確信している。当社のクラウドへの迅速な移行は、長期的かつ持続可能な成長を促進
すると同時に、当社の事業の回復力と予測可能性を大幅に向上させる。
2020 年度の見通しに対する実績（非IFRS）
過年度と同様に、当社の2020年度の営業利益関連目標および公表されている見通しは、為替変動を考慮しない場
合での当社の非IFRSの財務指標に基づいていた。そのため、次項では、IFRS指標から導かれる非IFRS数値（為替変
動を考慮しない場合）の観点からのみ、当社の見通しに対する実績について論じる。その次の項のIFRS経営成績で
は、国際財務報告基準（IFRS）の観点からのみ数値を論じる。したがって、当該項目の数字についてはIFRS数値で
ある旨を特に表記していない。
2020 年度の見通し（非IFRS）
2020 年4月21日に更新された2020年度の当初の見通し（ 詳細は、「2020年度の見通しと実績の比較」の表を参照
のこと。）は、COVID-19パンデミックによる需要の低迷を特徴とする厳しい市場環境が第2四半期に悪化し、その
後、各国の経済再開およびロックダウンの終了により第3四半期および第4四半期に徐々に改善するとの仮定に基づ
いている。このような中、当社は、非IFRSクラウド収益が83億ユーロから87億ユーロの範囲、クラウドおよびソフ
トウェア収益が234億ユーロから240億ユーロの範囲になると予想した。当社は、総収益が278億ユーロから285億
ユーロの間になり、このうちより予測可能な収益が72％を占めると予想した。さらに、当社は2020年度通年の営業
利益（非IFRS）が81億ユーロから87億ユーロの間になると予想した。
2020 年7月、当社は実効税率（IFRS）の見通しを28.5％から29.5％の間、実効税率（非IFRS）の見通しを27.5％
から28.5％の間に調整した。従来の見通しと比較して増加したのは、主に過年度の税金の変動によるものである。
2020 年10月25日に発表した当社の四半期計算書において、当社は、進行中のパンデミックの中で一般の生活およ
び経済生活に課された規制を反映するため、見通しを再度修正した。さらに、同様の理由で、SAP Concurの収益が
今年度の残りの数ヶ月で大幅に回復することはないと予想した。
そのため、2020年10月には、当社はクラウド収益の予想を80億ユーロから82億ユーロの範囲に下方修正した。こ
れは、為替変動を考慮しない場合で14％から17％の成長率に相当する。さらに当社は、クラウドおよびソフトウェ
ア収益を231億ユーロから236億ユーロの間になると予想した。この範囲は、0％から2％の成長率に相当する。ま
た、当社は総収益が272億ユーロから278億ユーロの間になると予測しており、これは為替変動を考慮しない場合で
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マイナス2％から1％の成長率に相当し、より予測可能な収益の割合は72％を想定している。当社はまた、営業利益
については81億ユーロから85億ユーロの目標範囲を設定しており、これは為替変動を考慮しない場合でマイナス
1％ から4％の成長率に相当する。当社は2020年度通年の実効税率（IFRS）が27.0％から28.0％、実効税率（非
IFRS）が26.5％から27.5％になると予想した。
2020 年度の 見通しと比較した収益および利益の実績（非IFRS）
収益面では、当社は2020年10月に調整した見通しを上回り、営業利益面では、当社は指針としていた範囲の上端
に達した。
2020 年度の見通しと実績の比較
改定後の 改定後の 改定後の
2019 年度実績 2020 年度見通し 2020 年度見通し 2020 年度見通し 2020 年度見通し 2020 年度実績
（2019年度統合報 （第1四半期 （半期報告書） （第3四半期
告書） 計算書） 計算書）
クラウド収益 70.1 億ユーロ 87 億ユーロ 83 億ユーロ 83 億ユーロ 80 億ユーロ 82.4 億ユーロ
(非IFRS、為替変動を考慮しな
から から から から
い場合)
90 億ユーロ 87 億ユーロ 87 億ユーロ 82 億ユーロ
クラウドおよびソフトウェア
230.9 億ユーロ 247 億ユーロ 234 億ユーロ 234 億ユーロ 231 億ユーロ 237.2 億ユーロ
収益
から から から から
(非IFRS、為替変動を考慮しな
251 億ユーロ 240 億ユーロ 240 億ユーロ 236 億ユーロ
い場合)
総収益 276.3 億ユーロ 292 億ユーロ 278 億ユーロ 278 億ユーロ 272 億ユーロ 279.0 億ユーロ
(非IFRS、為替変動を考慮しな から から から から
い場合) 297 億ユーロ 285 億ユーロ 285 億ユーロ 278 億ユーロ
営業利益 82.1 億ユーロ 89 億ユーロ 81 億ユーロ 81 億ユーロ 81 億ユーロ 85.0 億ユーロ
(非IFRS、為替変動を考慮しな
から から から から
い場合)
93 億ユーロ 87 億ユーロ 87 億ユーロ 85 億ユーロ
予測可能な収益の割合 67% 70% 72% 72% 72% 72%
実効税率(IFRS) 26.7% 27.0% から28.0% 27.0% から28.0% 28.5% から29.5% 27.0% から28.0% 26.8%
実効税率(非IFRS) 26.2% 26.5% から27.5% 26.5% から27.5% 27.5% から28.5% 26.5% から27.5% 26.5%
COVID-19 パンデミックにより世界的な経済状況が大きく変化している中、当社のソリューションおよびサービス
に対する需要は、2020年度中、予想を下回った。それにもかかわらず、新規顧客および既存顧客は当社とともに事
業の過程をデジタル化することに引き続き強い意欲を示し、この状況から抜け出すことに成功した。
当社の現在のクラウド・バックログ（当社が今後12ヶ月で計上する見込みの、契約に基づくクラウド収益）は、
為替変動を考慮しない場合で76.1億ユーロ（ 実際の為替に基づく場合で 71.5 億ユーロ、2019年度：66.8億ユーロ）
に達した。これは、為替変動を考慮しない場合で14％の増加であった。
その結果、2020年度の 非IFRSクラウド収益は、為替変動を考慮しない場合で2019年度の70.1億ユーロから82.4億
ユーロに増加した。したがって、指針としていた80億ユーロから82億ユーロの範囲を上回った。これは、為替変動
を考慮しない場合で18％の増加であった。
クラウドおよびソフトウェア収益（非IFRS）は、為替変動を考慮しない場合で3％増の237.2億ユーロとなり
（2019年度：230.9億ユーロ）、したがって2020年度に予想されていた231億ユーロから236億ユーロの範囲を上
回った。
上記のようなクラウド事業の大幅な成長の結果、当社はより予測可能な収益の割合を4.4パーセント・ポイント
増加させ、72％にすることができた（2019年度：67％）。このように、COVID-19パンデミックによりソフトウェ
ア・ライセンス事業が減少したものの、当社の総収益（非IFRS）はわずかに増加した。
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当社の2020年度の総収益（非IFRS）は、為替変動を考慮しない場合で1％増の279.0億ユーロとなり（2019年度：
276.3億ユーロ）、10月に修正された2020年度の指針を上回った（272億ユーロから278億ユーロ）。
2020 年度の営業費用（非IFRS）は、為替変動を考慮しない場合で引き続き193.9億ユーロとなった（2019年度：
194.3億ユーロ）。当社は、2020年度、裁量的支出および従業員の雇用に関して、費用に係る規律を示しただけで
なく、旅費、施設関連費用の減少および物理的開催ではなくバーチャルでのイベント開催により自然に費用を削減
した。これにより、当社は2020年度の営業費用について前年度の水準を維持することができた。
当社の2020年度の費用基盤は、当社の急成長するクラウド事業への移行による影響を受けた。2020年度の見通し
において、当社はクラウド売上総利益率の増加が見られるようになると予想した。2020年度のクラウド売上総利益
率は、為替変動を考慮しない場合で前年比1.4パーセント・ポイント増加し70％となった。売上総利益率の向上
は、当社がクラウドへの投資を継続した結果、当社の製品・サービスの運用効率が向上したことによるものであっ
た。
2020 年度の当社の様々なクラウド・オファリングに係るすべてのクラウド売上総利益率は、以下のとおりプラス
に転じた。
2020 年度の「インテリジェント・スぺンド」の製品・サービスのクラウド売上総利益率（非IFRS）は、わずかに
0.8パーセント・ポイント改善し（為替変動を考慮しない場合）、79％となった（2019年度：78％）。
「サービスとしてのインフラストラクチャー」（IaaS）のクラウド・オファリングに関する2020年度のクラウド
売上総利益率（非IFRS）は引き続き好調であり、為替変動を考慮しない場合で4.9パーセント・ポイント改善し、
クラウド売上総利益率（非IFRS）は通年で34％となった。
「サービスとしてのソフトウェア／サービスとしてのプラットフォーム」（SaaS/PaaS）のクラウド・オファリ
ングに関する2020年度の収益性は、為替変動を考慮しない場合で71％（非IFRS）であった。さらなる開発への継続
的な投資に加え、当社の様々なSaaS/PaaSの製品・サービスの運用を単一のプラットフォームに統合しているにも
かかわらず、当社は売上総利益率を2.3パーセント・ポイント増加させることができた。
当社のクラウド事業および従来のオンプレミス事業の双方において効率性が改善し、引き続き営業利益の拡大を
押し上げた。
2020 年度の非IFRS営業利益は、為替変動を考慮しない場合で4％増の85.0億ユーロとなった（2019年度：82.1億
ユーロ）。その結果、当社は当年度も事業変革への投資を継続したにもかかわらず、2018年度および2019年度の好
業績を上回ることができた。当社の営業利益が好調に推移したのは、主に顧客および製品に焦点を当てた投資判断
の影響によるものであり、これはとりわけ、研究開発の正規職員相当従業員またはFTEの2,100名の増員（そのうち
1,319名が本業）につながった。こうした人材資源の増加に加えて、当社は革新分野および成長市場に的を絞った
投資を行った。その結果、為替変動を考慮しない場合の非IFRS営業利益は85.0億ユーロとなり、当社が10月に修正
した目標範囲（81億ユーロから85億ユーロ）の上端であった。
当社の実効税率は26.8％（IFRS）および26.5％（非IFRS）であり、これは、修正後の見通しである27.0％から
28.0％（IFRS）をわずかに下回っており、26.5％から27.5％(非IFRS)の範囲の下端である。
営業成績（IFRS）
この営業成績（IFRS）の項は、IFRS指標による成績に限って議論する。そのため、IFRSの数値について特にその
旨を表記していない。
当社の事業地域は、ヨーロッパ、中東およびアフリカ（EMEA）地域、南北アメリカ地域、ならびにアジア太平洋
日本（APJ）地域の3つに分けられる。当社は、顧客の所在地に基づいて、収益額を各地域に配分する。地理的地域
ごとの収益に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(A.1)を参照のこと。
収益
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総収益
2020 年度の総収益は27,338百万ユーロであり、2019年度の27,553百万ユーロから1％（215百万ユーロ）減少し
た。
クラウドおよびソフトウェア収益は2020年度の総収益の85％を占めている（2019年度：84％）。2020年度のサー
ビス収益は、2019年度の4,541百万ユーロから9％減少し4,110百万ユーロとなり、これは総収益の15％であった
（2019年度：16％）。
収益類型ごとの収益
地域の実績に関する詳細は、「地域ごとの収益」の項を参照のこと。
クラウドおよびソフトウェア収益
クラウド収益とは、当社との契約期間中、当社がホストする特定のソフトウェア・ソリューションにアクセスす
ることを顧客に許可する契約から得られる収入をいう。ソフトウェア・ライセンス収益は、顧客に対するソフト
ウェアの販売またはライセンス供与から得られる手数料に起因する。サポート収益とは、顧客に対する技術的サ
ポート・サービスおよび不特定のソフトウェアのアップグレード、アップデート、拡張の提供から得られる手数料
を示している。当社の収益類型に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(A.1)を参照のこと。
2020 年度のクラウドおよびソフトウェア収益は、2019年度の23,012百万ユーロから1％増の23,228百万ユーロと
なった。
クラウドおよびソフトウェア
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2020 年度のクラウド収益は、2019年度の6,933百万ユーロから17％（1,148百万ユーロ）増加し、8,080百万ユー
ロとなった。特にSAP Concur事業における取引収益の低迷は、クラウドの成長に悪影響を与えた。
クラウド収益
当社の2020年度のソフトウェア・ライセンス収益は、2019年度の4,533百万ユーロから891百万ユーロ減少し、
3,642百万ユーロとなった。2020年度の当社の顧客基盤は引き続き拡大した。2020年度の（契約締結件数に基づ
く）ソフトウェア・ライセンス受注件数の11％は新規顧客からの受注である（2019年度：13％）。ソフトウェア・
ライセンス受注額合計は前年度から20％減少した。新しいソフトウェア・ライセンスに関して締結された契約総件
数は13％減少し45,616件となり（2019年度：52,584件）、2020年度の平均受注額は82千ユーロとなった（2019年
度：87千ユーロ）。当社が2020年度中に受けたすべてのソフトウェア・ライセンス受注のうち30％は5百万ユーロ
を超える取引に起因する一方（2019年度：32％）、36％は1百万ユーロを下回る取引に起因するものであった
（2019年度：35％）。
2020 年度および過年度を通じて当社の顧客基盤、当社のソフトウェアに対する需要が安定していたこと、当社顧
客のクラウドへの移行の加速、ならびに為替レートの変動における逆風から、2020年度のサポート収益は11,506百
万ユーロとなった（2019年度：11,547百万ユーロ）。SAP Enterprise Support の製品・サービスが当社のソフト
ウェア・サポート収益に最も貢献した。
2020 年度のソフトウェア・ライセンスおよびソフトウェア・サポート収益は、2019年度の16,080百万ユーロから
6％（932百万ユーロ）減の15,148百万ユーロとなった。
当社は、より予測可能な収益を、当社のクラウド収益とソフトウェア・サポート収益の合計と定義する。前年度
と比較すると、当社の2020年度におけるより予測可能な収益は2019年度の18,480百万ユーロから19,586百万ユーロ
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に増加した。これは6％の増加である。2020年度において、より予測可能な収益は総収益の72％を占めた（2019年
度：67％）。
より予測可能な収益
サービス収益
サービス収益とは、コンサルティング・サービス、プレミアム・サポート・サービスおよびその他のサービス
（トレーニング・サービス等）による収益を合わせたものである。コンサルティング・サービスは主に、当社のク
ラウドおよびオンプレミス・ソフトウェア製品の実装に関連する。当社のプレミアム・サポート製品・サービス
は、顧客の要望に合わせたハイエンドなサポート・サービスにより構成される。
2020 年度のサービス収益は4,110百万ユーロであり、2019年度の4,541百万ユーロから9％（431百万ユーロ）減少
した。収益の減少は、主に、複数の主要な顧客プロジェクトへの投資決定およびCOVID-19関連の個人間の接触に対
する規制によるものであった。
2020 年度のコンサルティング収益およびプレミアム・サポート収益は、2019年度の3,696百万ユーロから8％
（288百万ユーロ）減少し、3,408百万ユーロとなった。2020年度のコンサルティングおよびプレミアム・サポート
収益は、サービス収益合計の83％を占めており（2019年度：81％）、また、総収益の12％を占めている（2019年
度：13％）。
2020 年度のその他のサービス収益は17％（143百万ユーロ）減少し702百万ユーロであった（2019年度：845百万
ユーロ）。
サービス部門の推移に関する詳細は、「セグメント情報」 の項を参照のこと。
地域ごとの収益
（顧客の所在地ベース）
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EMEA 地域
2020 年度のEMEA地域からの収益は12,067百万ユーロであり（2019年度：12,105百万ユーロ）、総収益の44％を占
めている（2019年度：44％）。ドイツにおける収益は2％増の4,015百万ユーロとなった（2019年度：3,948百万
ユーロ）。ドイツはEMEA地域の総収益の33％を占めている（2019年度：33％）。その他のEMEA地域の収益は主とし
てフランス、イタリア、オランダ、スイスおよび英国から得られている。EMEA地域のクラウドおよびソフトウェア
収益は合計で10,364百万ユーロとなった（2019年度：10,211百万ユーロ）。これは当該地域における総収益の86％
を占めている（2019年度：84％）。
EMEA 地域：クラウドおよびソフトウェア収益
2020 年度のEMEA地域のクラウド収益は23％増の2,608百万ユーロとなった（2019年度：2,115百万ユーロ）。2020
年度のソフトウェア・ライセンスおよびソフトウェア・サポート収益は4％減の7,756百万ユーロとなった（2019年
度：8,096百万ユーロ）。
南北アメリカ地域
2020 年度の当社の総収益に占める南北アメリカ地域の収益の割合は41％である（2019年度：41％）。南北アメリ
カ地域の総収益は1％減の11,106百万ユーロとなった。米国における収益は9,110百万ユーロに増加した。南北アメ
リカ地域で得られた総収益に占める米国の割合は82％である（2019年度：81％）。南北アメリカ地域のその他の国
における収益は、5％減の1,996百万ユーロとなった。南北アメリカ地域のその他の国における収益は、主としてブ
ラジルカナダ、およびメキシコから得られている。南北アメリカ地域におけるクラウドおよびソフトウェア収益は
合計で9,239百万ユーロとなった（2019年度：9,172百万ユーロ）。これは当該地域における総収益の83％を占めて
いる（2019年度：82％）。
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南北アメリカ地域：クラウドおよびソフトウェア収益
2020 年度の南北アメリカ地域におけるクラウド収益は13％増の4,439百万ユーロとなった（2019年度：3,945百万
ユーロ）。2020年度のソフトウェア・ライセンスおよびソフトウェア・サポート収益は4,800百万ユーロであった
（2019年度：5,227百万ユーロ）。
APJ 地域
2020 年度の当社の総収益に占めるAPJ地域の収益の割合は15％であった（2019年度：15％）。APJ地域における総
収益は2％減の4,165百万ユーロとなった。日本における収益は11％増の1,305百万ユーロであった。日本における
収益はAPJ地域における収益全体の31％を占めている（2019年度：28％）。APJ地域のその他の国における収益は
7％減少した。APJ地域のその他の国における収益は主としてオーストラリア、中国およびインドから得られてい
る。APJ地域におけるクラウドおよびソフトウェア収益は合計で3,625百万ユーロとなった（2019年度：3,629百万
ユーロ）。これは当該地域における総収益の87％を占めている（2019年度：85％）。
APJ 地域：クラウドおよびソフトウェア収益
2020 年度のAPJ地域におけるクラウド収益は18％増の1,033百万ユーロとなった（2019年度：872百万ユーロ）。
2020年度のソフトウェア・ライセンスおよびソフトウェア・サポート収益は2019年度の2,757百万ユーロから2,592
百万ユーロに減少した。前年比減少率は6％となった。
営業利益および営業利益率
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厳しい経済状況にもかかわらず、2020年度も当社のクラウド収益は引き続き増加した。総収益はわずかに1％
（215百万ユーロ）減少し、27,338百万ユーロとなった（2019年度：27,553百万ユーロ）。
一方、当社の営業費用は10％（2,366百万ユーロ）減少し20,715百万ユーロであった（2019年度：23,081百万
ユーロ）。この減少の原因は主に、COVID-19関連の移動制限およびマーケティングイベントのオンライン開催への
変更であった。当社の従業員数（正規職員相当数、すなわちFTEとして表される。）は、前年度比2,100名増加し
102,430名となった。
これらの影響で、当社の営業利益は48％増加して6,623百万ユーロとなり（2019年度：4,473百万ユーロ）、当社
の営業利益率は8.0パーセント・ポイント増加して24.2％となった（2019年度：16.2％）。
営業利益
営業利益率
当社収益費用の各要素の変化は以下のとおりである。
クラウドおよびソフトウェア費用
クラウドおよびソフトウェア費用は、主にクラウド・ソリューションの展開・運用費用、顧客特有のビジネス要
件に対応したカスタム・ソリューションの開発費用および顧客サポート費用により構成されている。
2020 年度のクラウドおよびソフトウェア費用はわずかに増加し4,707百万ユーロとなり（2019年度：4,692百万
ユーロ）、2020年度の当社のクラウド利益率は、2019年度の63.5％から3.1パーセント・ポイント増加し66.6％と
なった。
主にソフトウェア収益の20％の減少によってソフトウェア・ライセンスおよびソフトウェア・サポート収益が
6％減少し15,148百万ユーロとなり（2019年度：16,080百万ユーロ）、またこれに伴ってソフトウェア・ライセン
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スおよびソフトウェア・サポート費用が7％減少し2,008百万ユーロとなった（2019年度：2,159百万ユーロ）こと
により、当社のソフトウェア・ライセンスおよびソフトウェア・サポート利益率は前年度の水準をわずかに上回
り、 86.7％となった（2019年度：86.6％）。2020年度のクラウドおよびソフトウェアの売上総利益率（クラウドお
よびソフトウェア収益に対するクラウドおよびソフトウェア利益の比率（パーセント表示））は、0.1パーセン
ト・ポイント増加し79.7％となった（2019年度：79.6％）。
サービス費用
サービス費用は、主にコンサルティング、プレミアム・サービスおよびトレーニング・コースに係る費用ならび
にコンサルティングおよびトレーニング資源の購入に係る費用により構成されている。
2020 年度のサービス収益は、前年度比9％減の4,110百万ユーロとなった（2019年度：4,541百万ユーロ）。サー
ビス費用は13％減の3,178百万ユーロとなった（2019年度：3,662百万ユーロ）。当社のサービスの売上総利益率
（サービス収益に対するサービス利益の比率（パーセント表示））は22.7％に増加した（2019年度：19.4％）。こ
れらの進展は、主にCOVID-19関連の個人顧客間の接触の制限およびこれに伴うコンサルティング・サービスのリ
モート配信割合の高さによるものである。現在の厳しい経済環境は、一部の大規模な顧客プロジェクトに係る投資
判断に影響を与えた。当社のサービス事業は、従来のソフトウェアのライセンス供与およびコンサルティング収益
からクラウド・ソリューションのサブスクリプション収益へ移行しているため、当社は需要増加への対応能力を拡
大することにより引き続き投資していく。
研究開発
当社の研究開発（R&D）費用は、主に研究開発要員の人件費、研究開発活動を支援するために当社が抱える独立
請負業者に対する費用、および研究開発活動のために当社が使用するコンピュータ・ハードウェアおよびソフト
ウェアの償却費により構成されている。
当社の研究開発の従業員数が前年度比で7％増加したことにより人件費が増加したため、および戦略的投資を継
続したため、2020年度の研究開発費用は2019年度の4,292百万ユーロから4％増加し4,454百万ユーロとなった。そ
のため、2020年度の総収益に占める研究開発費用の比率は16.3％に増加した（2019年度：15.6％）。詳細は、「第
3 5 研究開発活動」を参照のこと。
販売・マーケティング費用
販売・マーケティング費用は、主に人件費、直接販売費用および当社の製品・サービスのマーケティング費用に
より構成されている。
2020 年度の販売・マーケティング費用は7,106百万ユーロであり、2019年度の7,693百万ユーロから8％減少し
た。この現象は主に、SAPPHIRE NOWなどの対面マーケティングイベントの中止および販売関連費用の削減によるも
のである。
その結果、2020年度の総収益に占める販売・マーケティング費用の比率（パーセント表示）は1.9パーセント・
ポイント減少し26.0％であった（2019年度：27.9％）。
一般管理費
当社の一般管理費は、主に経理および事務部門、人事部門ならびにコーポレート部門の人件費により構成されて
いる。
2020 年度の一般管理費は1,356百万ユーロであり、慎重な費用管理にもかかわらず2019年度の1,629百万ユーロか
ら17％減少した。この減少は主に、慎重なコスト管理およびインフラストラクチャー費用の削減に起因する。総収
益に占める一般管理費の比率は前年度から1.0パーセント・ポイント減少し5.0％となった（2019年度：5.9％）。
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セグメント情報
2020 年度末において 当社は、アプリケーション、テクノロジーおよびサポート、Concur、Qualtricsならびに
サービスという4つの報告対象となるセグメントを有している。 当社のセグメント報告および当社の2020年度にお
ける報告対象となるセグメントの構成変更に関する詳細は、 連結財務諸表に対する注記(C.1)および(C.2)を参照の
こと。
アプリケーション、テクノロジーおよびサポート
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ
2019
( 非IFRS)
2020 年度 年度 変動(％)
変動(％)
実際の為 為替変動 実際の為 実際の為 為替変動
替に基づ を考慮し 替に基づ 替に基づ を考慮し
く場合 ない場合 く場合 く場合 ない場合
クラウド収益 6,254 6,379 5,259 19 21
クラウド売上総利益率(％) 65.4 65.2 62.5 2.9pp 2.7pp
セグメント収益 21,680 22,144 21,664 0 2
セグメント売上総利益率(％) 80.5 80.5 80.5 –0.1pp –0.1pp
セグメント利益 9,423 9,633 9,454 0 2
セグメント利益率(％) 43.5 43.5 43.6 –0.2pp –0.1pp
アプリケーション、テクノロジーおよびサポート部門において、クラウド収益は2020年度に19％（為替変動を考
慮しない場合、21％）増と堅調な増加を記録した。これにより、クラウド売上総利益率は2.9パーセント・ポイン
ト（為替変動を考慮しない場合、2.7パーセント・ポイント）増加して65.4％となった。ソフトウェア・サポート
収益は横ばいで、為替変動を考慮しない場合でわずかに1％増加し、2020年度は11,502百万ユーロとなった。
COVID-19パンデミックの影響およびクラウド収益への移行のために20％（為替変動を考慮しない場合、17％）減少
したソフトウェア・ライセンス収益を含む、当該セグメントにおけるソフトウェア・ライセンスおよびサポート収
益合計は、15,138百万ユーロに達した。しかし、セグメント収益合計は前年度の水準から変わらず、2020年度は
21,680百万ユーロと、為替変動を考慮しない場合で2％増加した。
全体として、2020年度のこのセグメントにおけるより予測可能な収益の割合は、2019年度の77.5％から4.4パー
セント・ポイント増加し81.9％となった。
セグメントの収益原価は前年度と比較して横ばいで、2020年度は、クラウド運用の効率化により、為替変動を考
慮しない場合で3％増加し4,230百万ユーロとなった。
セグメント収益は、為替変動を考慮しない場合で2％増加した。セグメント売上総利益率、セグメント利益率と
もに、為替変動を考慮しない場合でわずかに0.1パーセント・ポイント減少した。
Concur
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ
2019 変動 変動
( 非IFRS)
2020 年度 年度 ( ％) ( ％)
実際の為 為替変動 実際の為 実際の為 為替変動
替に基づ を考慮し 替に基づ 替に基づ を考慮し
く場合 ない場合 く場合 く場合 ない場合
クラウド収益 1,288 1,306 1,373 –6 –5
クラウド売上総利益率(％) 88.0 87.9 86.8 1.2pp 1.1pp
セグメント収益 1,505 1,526 1,609 –6 –5
セグメント売上総利益率(％) 78.8 78.7 78.3 0.5pp 0.4pp
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セグメント利益 564 569 620 –9 –8
セグメント利益率(％) 37.5 37.3 38.5 –1.0pp –1.2pp
当社の移動管理ソリューションからなるConcur部門は、2020年度、COVID-19パンデミックおよび関連する移動制
限の悪影響を受けた。それにもかかわらず、セグメントにおけるクラウド売上総利益率は1.2パーセント・ポイン
ト（為替変動を考慮しない場合、1.1パーセント・ポイント）改善し、88.0％となった。セグメント収益合計は、
6％（為替変動を考慮しない場合、5％）減の1,505百万ユーロ（2019年度：1,609百万ユーロ）となった一方で、
2020年度のセグメントの収益原価は、9％（為替変動を考慮しない場合、7％）減の319百万ユーロとなった。その
結果、Concur部門は、セグメント売上総利益率について0.5パーセント・ポイント（為替変動を考慮しない場合、
0.4パーセント・ポイント）増の78.8％（為替変動を考慮しない場合、78.7％）を達成した。
Qualtrics
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ
2019 変動 変動
( 非IFRS)
2020 年度 年度 ( ％) ( ％)
実際の為 為替変動 実際の為 実際の為 為替変動
替に基づ を考慮し 替に基づ 替に基づ を考慮し
く場合 ない場合 く場合 く場合 ない場合
クラウド収益 518 529 371 40 42
クラウド売上総利益率(％) 91.8 91.9 91.1 0.6pp 0.7pp
セグメント収益 681 696 508 34 37
セグメント売上総利益率(％) 77.6 77.7 78.3 –0.6pp –0.6pp
セグメント利益 19 20 8 >100 >100
セグメント利益率(％) 2.8 2.8 1.6 1.2pp 1.2pp
2020 年度、当社のエクスペリエンス管理ソリューションで構成されるQualtrics部門において、クラウド収益の
成長率は40％（為替変動を考慮しない場合、42％）を達成した。クラウド売上総利益率はわずかに0.6パーセン
ト・ポイント（為替変動を考慮しない場合、0.7パーセント・ポイント）改善し、91.8％となった。サービス収益
を含めると、合計のセグメント収益は34％（為替変動を考慮しない場合、37％）増加し、681百万ユーロとなっ
た。全体として、2020年度のQualtrics部門の利益は19百万ユーロで、前年度の倍以上（2019年度：8百万ユーロ）
だった。この結果、セグメント利益率は1.2パーセント・ポイント増加した。
Qualtrics International Inc. の新規株式公開に関する詳細は、 連結財務諸表に対する注記(G.8)を参照のこ
と。
サービス
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ
2019 変動 変動
( 非IFRS)
2020 年度 年度 ( ％) ( ％)
実際の為 為替変動 実際の為 実際の為 為替変動
替に基づ を考慮し 替に基づ 替に基づ を考慮し
く場合 ない場合 く場合 く場合 ない場合
サービス収益 3,153 3,203 3,442 –8 –7
サービス売上総利益率(％) 32.2 32.0 27.2 5.0pp 4.7pp
セグメント収益 3,157 3,208 3,447 –8 –7
セグメント売上総利益率(％) 29.1 28.8 24.1 5.0pp 4.7pp
セグメント利益 499 494 362 38 37
セグメント利益率(％) 15.8 15.4 10.5 5.3pp 4.9pp
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サービス部門は2020年度に導入され、当社のサービス事業の主要部分を構成している。2020年度の当該部門の
サービス収益は3,153百万ユーロで、8％（為替変動を考慮しない場合、7％）減少した。しかし、各サービス費用
は 15％（為替変動を考慮しない場合、13％）減少し、2,136百万ユーロとなった。その結果、2020年度のサービス
売上総利益率は5.0パーセント・ポイント（為替変動を考慮しない場合、4.7パーセント・ポイント）増加し、
32.2％となった。かかる利益率の改善は、主にCOVID-19関連の移動制限、顧客訪問ができないこと、およびこれに
伴うコンサルティング・サービスのリモート配信割合の増加により、当社のコンサルティングおよびプレミアム・
エンゲージメント事業が順調に進展したことによるものである。
全体として、セグメント利益およびセグメント利益率もかかる進展の恩恵を受け、当年度のセグメント利益は
499百万ユーロ、セグメント利益率は15.8％だった。
クラウド収益および利益率の調整
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ 2020 年度 2019 年度 変動(％) 変動(％)
(非IFRS)
実際の為替 為替変動を 実際の為替 実際の為替 為替変動を
に基づく 考慮しない に基づく に基づく 考慮しない
場合 場合 場合 場合 場合
インテリジェン 2,722 2,772 2,692 1 3
3
ト・スぺンド
このうちConcur 1,288 1,306 1,373 –6 –5
1
クラウド収益 – SaaS/PaaS
部門
4
その他 4,522 4,611 3,625 25 27
合計 7,244 7,383 6,317 15 17
2
クラウド収益 – IaaS
841 857 695 21 23
クラウド収益
8,085 8,241 7,013 15 18
インテリジェン 78.9 78.9 78.1 0.9pp 0.8pp
3
ト・スぺンド
このうちConcur 78.8 78.7 78.3 0.5pp 0.4pp
1
クラウド売上総利益率 – SaaS/PaaS (％)
部門
4
その他 70.7 70.7 68.5 2.2pp 2.3pp
合計 73.8 73.8 72.6 1.2pp 1.2pp
2
クラウド売上総利益率 – IaaS (％)
34.3 33.8 28.9 5.4pp 4.9pp
クラウド売上総利益率(％)
69.7 69.6 68.2 1.5pp 1.4pp
1 サービスとしてのソフトウェア／サービスとしてのプラットフォーム
2 サービスとしてのインフラストラクチャー。アプリケーション、テクノロジーおよびサポート部門に完全に含まれる。
3 「インテリジェント・スぺンド」にはConcur部門ならびに主にアプリケーション、テクノロジーおよびサポート部門におけるイ
ンテリジェント・スぺンド製品・サービスも含まれる。
4 その他にはインテリジェント・スペンドに属さないすべてのその他のSaaS/PaaS製品・サービスが含まれる。
注：各部門単独の収益および利益率の数値は、前のページにて開示されている。
純財務収益
純財務収益は776百万ユーロに変化した（2019年度：198百万ユーロ）。当社の財務収益は1,473百万ユーロであ
り（2019年度：787百万ユーロ）、財務費用は697百万ユーロとなった（2019年度：589百万ユーロ）。
財務収益は主に、株式売却益および主にSapphire Ventures による投資のIFRS第9号に関連する評価替え合計
1,360百万ユーロ（2019年度：596百万ユーロ）によって構成されている。
財務費用は、主として金融債務に係る支払利息合計179百万ユーロ（2019年度：207百万ユーロ）、デリバティブ
によるマイナスの影響額合計76百万ユーロ（2019年度：155百万ユーロ）、およびSapphire Venturesによる投資の
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売却に係る損失またはIFRS第9号に関連する評価替え合計345百万ユーロ（2019年度：152百万ユーロ）から構成さ
れている。資金調達手段に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(E.3)を参照のこと。
法人所得税
2020 年度の実効税率は26.8％であった（2019年度：26.7％）。法人所得税に関する詳細は、連結財務諸表に対す
る注記(C.5)を参照のこと。
税引後利益および1株当たり利益
2020 年度の税引後利益は5,283百万ユーロに増加した（2019年度：3,370百万ユーロ）。
税引後利益
基本的1株当たり利益は4.35ユーロに増加した（2019年度：2.78ユーロ）。2020年度の発行済株式総数は1,194百
万株のままであった（2019年度：1,194百万株）。
1 株当たり利益
配当
当社は、2020年度に当社が生み出した利益を株主が適切に享受すべきであると考える。当社の配当方針は、合計
で税引後利益の40％以上となる配当を支払うことである。
SAP SE の取締役会および監査役会は、配当金総額を17％引き上げ、1株当たり1.85ユーロ（2019年度：1.58ユー
ロ）とすることを2021年5月の年次株主総会において提案した。この提案に基づき、全体的な配当性向（利益に対
する配当総額の比率を意味する。）は41％となった（2019年度：55％）。
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株主が上記提案を承認したことにより、配当として分配された総額は2,182百万ユーロとなった。2020年度、当
社は2019年度の税引後利益から配当金として1,864百万ユーロを分配した。また、当社は2020年度に15億ユーロの
自 己株式の買戻しを完了した。これらの株式は配当の対象外である。
1 株当たり配当
財務（IFRS）
概要
世界的財務管理
当社は、流動資産の管理ならびに金利および為替エクスポージャーの監視のため、世界的かつ集中的な財務管理
を行っている。当社の財務管理の主たる目的は、グループの流動性を常にその金融債務に見合う適切な水準に維持
することにある。グループの方針に沿ってグループ全体の流動資産を統合し、監視し、投資することを可能とする
ため、SAPグループの企業の多くは、自社の流動性をグループの集中的な管理に委ねている。高水準の流動性資産
は、当社の柔軟性、安定性および独立性の維持を助けるものである。加えて、現在、必要があれば、追加的な流動
性のための種々の信用供与枠利用も可能となっている。上記信用枠の詳細については、「信用枠」の項を参照のこ
と。
当社は、信用、流動性、金利、株価および為替レートに係る各リスクを全グループベースで管理している。当社
は、投機目的（すなわち当社が対応する潜在取引を有しないデリバティブ取引を行うこと）でなく、上記目的のみ
のために厳選されたデリバティブを利用している。デリバティブの利用に関する取決めならびに財務リスクに関す
るその他の取決めおよび手続については、全世界においてグループ内の全企業に適用される当社の財務指針として
文書化されている。各財務リスク管理および当社のリスクエクスポージャーのより詳細な情報については、連結財
務諸表に対する注記(F.1)および(F.2)を参照のこと。
流動性管理
当社の現金、現金同等物および短期投資の主な源は、当社の事業の営業により生み出された資金である。過去数
年間において、当社の現金の主な使途は、当社の事業および当社の成長の結果必要となった資本的支出の支援、金
融債務の迅速な返済、事業買収、当社株式に係る配当の支払、ならびに公開市場における当社株式の買入れであっ
た。2020年12月31日現在、当社の現金、現金同等物および短期投資は、主にユーロおよび米ドルにより保有されて
いた。通常、投資に際して当社は、BBB以上の格付の発行体またはファンドの金融資産のみに投資しており、また
取引先を分散し、短期投資を中心とし、かつ標準的な投資商品を用いることにより幅広く分散されたポートフォリ
オを特徴とする、慎重な投資政策をとっている。2020年度におけるBBBを下回る信用格付の発行体の金融資産に対
する当社の投資は重要なものではない。
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当社は、当社の流動資産が未使用の信用枠と相まって、2021年度の事業上および財務上の需要を十分に満たすも
のであり、予想される営業キャッシュ・フローと併せて、債務の返済、現在予定されている必要な資本的支出、お
よび当社株主への資本還元を短期・中期的に支えるものと考えている。また、必要な追加資金すべてをフリー・
キャッ シュ・フローから調達できない場合、柔軟性の維持および／または返済リスクの限定のため、当社は資金調
達取引を締結する可能性がある。
したがって、当社は引き続き資本市場において利用可能な資金調達手段の選択肢、資金調達の可能性に関する動
向、およびこれら資金調達手段にかかる費用のモニタリングを行う。強固なフリー・キャッシュ・フローにより、
近年当社は短期間で追加債務を返済することができた。金融債務に関する詳細は、「キャッシュ・フローおよび流
動性」の項を参照のこと。
資本構成管理
当社の資本構成管理は、投資家、債権者、および顧客の信用のために強固な財務内容を維持し、当社事業の成長
を支えることを主たる目的としている。当社は、資本市場を通じて合理的な条件で必要資金を調達可能にする資本
構成を維持しつつ、高度の独立性、信用、財務柔軟性を確保することを目指している。
資本構成およびその分析に関する詳細は、連結財政状態計算書の分析および連結財務諸表に対する注記(E.1)を
参照のこと。
SAP SEの長期信用格付は、 Moody's が「A2」、 Standard&Poor's が「A」で、どちらも見通しは「安定的」であっ
た。
当社の通常の配当方針に加えて行われる資本還元については、毎年、当社の資本配分の優先順位、市況、企業業
績およびその他の要素に沿って決定される。
信用枠
当社は、必要があれば、各種の信用枠を通じて追加の資本源を利用することができる。
高い財務柔軟性を維持するため、当社は2024年11月に終了日を迎える25億ユーロのシンジケート回転信用枠を利
用している。将来可能な信用枠の利用は、いかなる財務制限条項にも服さない。信用枠に基づく借入には、各通貨
についてEURIBORまたはLIBORに0.17％のマージンを上乗せした利息が発生する。当社はまた、未使用の信用枠に関
して年利0.0595％のコミットメント・フィーを支払わなければならない。現在までのところ、当社はこの信用枠を
使用しておらず、また、現時点においてその予定もない。
2020 年12月31日現在、SAP SE は、上記に加えて合計433百万ユーロの追加の信用枠が利用可能であった。一部の
その他のSAPグループの企業は、市場の実勢金利での資金借入を可能とする信用枠を利用可能としている。
Qualtrics の買収の結果、2020年12月31日現在、12.5億ユーロのタームローンが未返済であった。残額は、当該
ローンの満期である2022年1月23日まで柔軟に返済可能である。
金融負債
「金融負債」とは融資、コマーシャルペーパー、私募債および社債の額面金額と定義される。
金融負債の満期日構成
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2020 年12月31日現在の金融負債の額面金額には、ユーロ建て（12,329百万ユーロ）と米ドル建て（955百万ユー
ロ）の金額が含まれる。2020年12月31日、金融債務の約58％は変動金利で保有され、その一部は金利スワップを使
用し固定金利から変動金利にスワップされたものである。
予定される返済に関する詳細は、「財務目標および展望」の項に記載する流動性目標および財政目標を参照のこ
と。
手段別の金融負債
金融負債に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(E.3)を参照のこと。
キャッシュ・フローおよび流動性
見通しに対する2020年度の実際のキャッシュ・フローおよび流動性成績
当社は、2020年10月に発表した2020年度にかかる修正後の見通しを達成しまたは上回った。
2019 年度成績 見通し（2019年度統
改定後の 見通し（四半期計算書） 2020 年度
合報告書）
成績
第1四半期 第2四半期 第3四半期
営業キャッシュ・フロー 35 億ユーロ 約60億ユーロ 約50億 50 億 約60億 72 億
ユーロ ユーロ超 ユーロ ユーロ
フリー・キャッシュ・フロー 23 億ユーロ 約45億ユーロ 約35億 約40億 45 億 60 億
ユーロ ユーロ ユーロ超 ユーロ
リストラクチャリングの支払 –9 億ユーロ 減少 –2 億
ユーロ
法人所得税の支払 –23 億ユーロ 大幅に減少 –12 億
ユーロ
純負債(–) –83 億ユーロ 約–70億ユーロ –65 億
ユーロ
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純負債を営業利益と減価償却費および減 1.3 < 0.9 0.8
損費の合計で割った比率
グループ流動性および純負債
単位：百万ユーロ 2020 年度 2019 年度 変動
現金および現金同等物 5,311 5,314 –4
短期定期預金および債券 1,470 67 1,402
グループ流動性 6,781 5,382 1,399
短期金融負債 –1,482 –2,529 1,046
長期金融負債 –11,801 –11,139 –662
金融負債 –13,283 –13,668 384
純負債(–) –6,503 –8,286 1,783
リース負債 –2,120 –2,203 83
リース負債を含めた純負債 –8,623 –10,489 1,866
当社の連結財務書類に記載のとおり、グループ流動性は、現金および現金同等物（銀行預金、マネーマーケット
ファンド、および当初の満期が3ヶ月以内である定期預金等）および短期投資（その他の金融資産に含まれる定期
預金および債務証券のうち、当初の満期が3ヶ月超であり満期までの残余期間が1年未満の投資等）から構成されて
いる。2020年12月31日現在のグループ流動性は、主にユーロ建てと米ドル建てで構成された。
グループ流動性が2019年度比で増加した原因は、主として当社の営業活動からの現金流入であった。
純負債は、金融負債からグループ流動性を除いたものである。当社の流動性に関する詳細は、連結財務諸表に対
する注記(E.3)を参照のこと。
当社の損益報告書における現金、現金同等物、短期投資および当社の金融負債の影響に関する詳細は、「営業成
績（IFRS）」の項に記載する純財務収益の分析を参照のこと。
純負債の変化
連結キャッシュ・フロー計算書の分析
単位：百万ユーロ 変動 (％)
2020 年度 2019 年度
営業活動による純キャッシュ・フロー 7,194 3,496 >100
投資活動による純キャッシュ・フロー –2,986 –7,021 –57
財務活動による純キャッシュ・フロー –3,997 102 <-100
2020 年度の営業活動からの現金流入額は、3,699百万ユーロ増の7,194百万ユーロであった（2019年度：3,496百
万ユーロ）。これは、特に顧客契約から回収した現金が増加したこと、法人所得税の支払が減少したこと（2020年
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度：12億ユーロ、2019年度：23億ユーロ）、リストラクチャリング関連の支払が減少したこと（2020年度：2億
ユーロ、2019年度：9億ユーロ）、および支払利息の純支払額が減少したこと（2020年度：1億ユーロ、2019年度：
2 億ユーロ）に起因する。2020年度の当社の売掛金に係る DSO （請求書を発行後、顧客から現金を受領するまでの平
均日数）は、78日間に増加した（2019年度：71日間）。
2020 年度の投資活動による現金支出は2,986百万ユーロであった（2019年度:7,021百万ユーロ）。2019年度は主
にQualtricsの買収に関して61億ユーロを支払ったのに対し、2020年度、当社は主にEmarsysの買収に関して受取現
金の純額で合計6億ユーロを支払った。無形資産および有形固定資産に係る資本支出は、比較可能な水準にとど
まった。現在および予定している資本支出の詳細は、「資産」および「投資目標」の項を参照のこと。
2020 年度、フリー・キャッシュ・フローは倍以上の6,000百万ユーロとなった（2019年度:2,276百万ユーロ）。
フリー・キャッシュ・フロー換算率（税引後利益に対するフリー・キャッシュ・フローの比率）は、2019年度の
68％から114％に増加した。
2020 年度の財務活動による現金支出純額は、2019年度の現金流入が102百万ユーロであったのに対し、3,997百万
ユーロとなった。これには、2020年度における15億ユーロの自己株式の買戻しが含まれている。2020年度における
現金支出は、当該自己株式の買戻しのほか、11.5億ユーロのユーロ債を返済したこと、2019年度に引き出された
Qualtricsに係る買収タームローンのうち7.5億ユーロを返済したこと、および2.9億米ドルの米国私募債を満期時
に返済したことに起因する。さらに、当社は2019年に開始したコマーシャルペーパー・プログラム（「コマーシャ
ルペーパー」）のうち1.7億ユーロを返済した。2020年度、当社は20億ユーロのユーロ債を発行した。2019年度の
現金支出は、7.5億ユーロのユーロ債を満期時に返済したことに起因する。
2020 年度の配当金支払額は1,864百万ユーロとなり、前年度に支払われた配当金額の1,790百万ユーロを上回っ
た。1株当たりの配当額は1.50ユーロから1.58ユーロに増加した。
資産（IFRS）
連結財政状態計算書の分析
総資産は前年度比3％減の58,472百万ユーロとなった。
資産
2020 年度の流動資産合計は15,213百万ユーロから1％とわずかに減少し15,069百万ユーロとなった。
のれん、無形資産および有形固定資産に対する投資
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2020 年度の非流動資産合計は24％減の€43,402百万ユーロとなった（前年度：44,999百万ユーロ）。当該変化の
主な要因として、主に外国為替関連の再評価が挙げられるが、主にEmarsysによるのれんおよび無形資産の約700百
万ユーロの追加計上により一部相殺された。
負債
2020 年度の流動負債は11％減少し12,842百万ユーロとなった（2019年度：14,462百万ユーロ）。これは、主に株
式報酬に係る負債、リストラクチャリング債務の減少、および短期金融負債の減少によるものである。2020年度の
当社の財務活動に関する詳細は、「財務（IFRS）」の項を参照のこと。
2020 年度の非流動負債合計は、5％増加し15,702百万ユーロとなった（前年度：14,929百万ユーロ）。これは、
主に長期金融負債の増加に起因する。2020年度の当社の財務活動に関する詳細は、「財務（IFRS）」の項を参照の
こと。
株主資本比率（総資産に占める株主資本の比率）は横ばいの51％であった（前年度：51％）。
株主資本比率
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現在進行中の主要な投資および売却
「第4 1 設備投資等の概要」を参照のこと。
競争力ある無形資産
現在および将来の当社の発展の基礎となる（無形）資産は、連結財務書類には表示されていない。これは、2020
年度末の（発行済株式総数に基づく）SAP SEの時価総額が1,317億ユーロであった（2019年度：1,478億ユーロ）の
に対し、連結財務書類上の当社株式の簿価が299億ユーロであったこと（2019年度：308億ユーロ）からも明らかで
ある。これは、当社株式の時価総額が簿価の4倍超であることを意味する。上記差額は主として、適用される会計
基準により、特定の内部創出無形資産を（全く、あるいは公正価値により）連結財務書類に記録することが認めら
れないために発生するものである。このような資産には、顧客資本（顧客基盤および顧客関係）、従業員ならびに
その知識および技術、当社のパートナーのエコシステム、社内で開発したソフトウェア、当社の革新力、当社が築
き上げたブランド（特にSAPブランドそのもの）、ならびに当社の組織が含まれる。
2020 年12月31日現在、当社は発行済株式総数に基づく時価総額においてドイツで最も高い価値を有する企業と
なっている。
2020 年度中、当社のブランド価値は2019年度と比較して向上した。Interbrandが発表する年次調査「Best
Global Brands 」によると、当社は世界で最も価値あるブランドの18位に位置付けられている（2019年：20位）。
ドイツのその他のブランドと比較すると、SAPブランドはメルセデスベンツとBMWに次いで第3位であり、企業向け
サービス業界の他のブランドとの比較においては世界第3位を占めている。Interbrandによれば、SAPブランドの価
値は前年度比12％増の280億米ドルと算定されている（2019年度：251億米ドル）。BrandZは、2020年度のBrandZに
よる最も価値のある世界的ブランドランキングトップ100において、当社を世界で最も価値のあるブランドの17位
と認めた。当該ランキングは当社のブランド価値を580億米ドルと見積もっている（2019年度：580億米ドル）。
SAP SEの経済状態に関する報告
SAP SEは269の企業からなるSAPグループの親会社であり、ドイツ連邦共和国ヴァルドルフに本拠地を置く。SAP
SEはグループ持株会社であり、グループの、ドイツを拠点とする開発、サービスおよびサポートに関する担当人員
の大部分を雇用している。
SAP SEは、SAPソフトウェアの知的財産の大部分を所有しており、ソフトウェア・ライセンス料を主な収益源と
しているほか、グループ全体の研究開発費用の大部分を負担している。
SAP SEの年次財務書類は、ドイツ商法およびドイツ株式会社法における報告基準に準拠して作成されている。
SAP SEの年次財務報告書の全文および非適格監査報告書は、公表およびドイツの企業登記簿
（Unternehmensregister）への記載のために、ドイツのオンライン連邦官報（Elektronischer Bundesanzeiger）
のオペレーターに提出される。これらの文書は、請求によりSAP SEから入手することができる。
利益
SAP SEの損益計算書は費用性質法に基づく分類を行っており、記載の単位は百万ユーロである。
SAP SE 損益計算書－ドイツ商法(縮約版)
単位：百万ユーロ 2019 年度 2018 年度
総収益 14,669 15,220
その他営業利益 1,385 1,028
サービスおよび原材料費用 –9,112 –9,328
人件費 –2,362 –2,463
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減価償却費および減損費 –606 –596
その他営業費用 –2,573 –2,755
営業利益 1,401 1,107
財務利益 1,724 729
税引前利益 3,125 1,836
法人所得税 –626 –492
税引後利益 2,500 1,343
その他諸税 –15 –12
純利益 2,485 1,332
2020 年度のSAP SEの総収益は4％減の14,669百万ユーロとなった（2019年度：15,220百万ユーロ）。製品収益は
6％減の11,943百万ユーロとなった（2019年度：12,715百万ユーロ）。過年度同様、製品収益は主としてSAP SEの
子会社から支払われたライセンス料から得られた。
2020 年度のサービス収益は2％減の453百万ユーロ（2019年度：462百万ユーロ）となり、その他収益は11％増の
2,273百万ユーロ（2019年度：2,043百万ユーロ）となった。
SAP SEの営業利益は、27％増加し1,401百万ユーロとなった（2019年度：1,107百万ユーロ）。その他営業利益は
358百万ユーロ増加して1,385百万ユーロとなった（2019年度：1,028百万ユーロ）。前年度比で増加した要因は、
主に為替の影響による利益の増加、および関連会社に対する売掛金評価額の増加が挙げられる。
SAP SEのサービスおよび原材料費用は2％減の9,112百万ユーロとなった（2019年度：9,328百万ユーロ）。主に
グループ内費用割当において受けたサービスが減少したことにより、提供を受けたサービスは219百万ユーロ減の
6,991百万ユーロ（2019年度：7,210百万ユーロ）となった。ライセンスおよび引当金費用は4百万ユーロ増加し
2,094百万ユーロとなった（2019年度：2,090百万ユーロ）。
SAP SEの人件費（主としてSAP SEが雇用するソフトウェア開発者、サービスおよびサポート従業員、ならびに事
務スタッフの人件費）は、4％減の2,362百万ユーロとなった（2019年度：2,463百万ユーロ）が、これは主に株式
報酬費用の減少によるものであった。
その他営業費用は、182百万ユーロ減の2,573百万ユーロとなった（2019年度：2,755百万ユーロ）。当該減少は
主に、598百万ユーロ減となったリストラクチャリング費用および51百万ユーロ減となった旅費に起因する。その
他営業費用の減少は、281百万ユーロ増となった為替差損および168百万ユーロ増となったその他のサービス費用に
一部相殺された。
財務利益は前年度比995百万ユーロ増の1,724百万ユーロとなった（2019年度：729百万ユーロ）。当該増加は主
に、662百万ユーロ増となった投資利益、150百万ユーロ増となった損益移転契約からの利益、133百万ユーロ減と
なった金融資産の評価損および58百万ユーロ増となった純受取利息に起因する。
SAP SEの税引前利益は1,289百万ユーロ増の3,125百万ユーロとなった（2019年度：1,836百万ユーロ）。法人所
得税は134百万ユーロ増加し626百万ユーロとなった（2019年度：492百万ユーロ）。税引後当期純利益は前年度比
1,153百万ユーロ増の2,485百万ユーロとなった（2019年度：1,332百万ユーロ）。
資産および財政状態
2020 年度のSAP SEの総資産は44,922百万ユーロとなった（2019年度：45,043百万ユーロ）。
12 月31日現在のSAP SE バランスシート －ドイツ商法(縮約版)
単位：百万ユーロ 2020 年度 2019 年度
資産
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無形資産 1,398 1,751
有形固定資産 1,417 1,512
金融資産 34,857 33,874
固定資産 37,672 37,136
棚卸資産 1 1
売掛金およびその他の資産 4,544 4,913
有価証券および流動資産 703 465
短期資産 5,248 5,379
前払費用および繰延費用 1,487 2,157
繰延税金 514 369
相殺による余剰金 1 2
資産合計 44,922 45,043
資本および負債
株主資本 15,122 15,993
引当金 2,046 1,968
負債 27,740 27,068
繰延利益 13 14
株主資本および負債合計 44,922 45,043
金融資産は、主にEmarsys eMarketing Systems AG, Austriaの買収および子会社への資本拠出に起因して、前年
度比983百万ユーロ増の34,857百万ユーロとなった（2019年度：33,874百万ユーロ）。
売掛金およびその他の資産が369百万ユーロ減少した主たる要因は、税金資産が241百万ユーロ減少したこと、お
よび関連会社に対する売掛金が109百万ユーロ減少したことにある。
有価証券および流動資産は238百万ユーロ増加して703百万ユーロとなった（2019年度：465百万ユーロ）。
SAP SEの株主資本は5％減の15,122百万ユーロとなった（2019年度：15,993百万ユーロ）。配当の支払に関連し
て1,864百万ユーロ、および自己株式の買戻しに係る1,492百万ユーロの支出があったのに対し、2020年度の純利益
により2,485百万ユーロ増加した。株主資本比率（総資産に対する株主資本の比率）は34％であった（2019年度：
36％）。
引当金は、78百万ユーロ増の2,046百万ユーロとなった（2019年度：1,968百万ユーロ）。
その他の引当金は、主に従業員に対するその他の債務が減少したことにより、159百万ユーロ減少し1,294百万
ユーロとなった（2019年度：1,453百万ユーロ）。対照的に、税金に対する引当金は235百万ユーロ増加し、739百
万ユーロとなった（2019年度：504百万ユーロ）。
負債は673百万ユーロ増加し27,740百万ユーロとなった（2019年度：27,068百万ユーロ）。この増加は、主にSAP
SEの資金調達および流動性の集中管理による子会社からの資金供与の増加を原因として、主に関連会社に対する負
債が797百万ユーロ増加したことによるものであった。
機会およびリスク
SAP SEは、実質的にSAPグループと同じ機会とリスクに直面している。詳細については、「第3 2 事業等のリス
ク」および「予想される動向」を参照のこと。
予測される動向
世界経済における将来の傾向
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1）
欧州中央銀行（ECB）が2020年12月の経済報告 の中で述べたところによると、多数の障害により世界経済の短
期的な見通しが不透明になっている。これらの中で最も重要なのはCOVID-19感染拡大に対する新たな封じ込め措置
であるが、これらの措置は、パンデミック初期の段階で実施された措置と比較してより的を絞ったものであり、経
済 活動への影響が少なくなると予想される。さらに、政府による支援の緩和は、特に先進国における2021年度の経
済成長に悪影響を及ぼす可能性があるとECBは予測している。
一方で、コロナウイルスに対するワクチン等の医療分野における効果的な解決策がますます行き渡り、封じ込め
措置を徐々に緩和することが可能となり、2021年度下半期には金融市場について楽観的な見方が広がる可能性があ
る。全体として、ECBは、2021年度には世界経済の成長が回復し、2022年度および2023年度には再び緩やかに成長
すると予想している。しかし、回復のペースは地域によって異なり、新興市場経済がこの点において最も貢献する
と予想される。
国やセクターによって経済発展にばらつきが残る可能性が最も高いのは、EMEA地域である。ユーロ圏では、企業
のバランスシート悪化や景気の先行き不透明感が設備投資を圧迫するとECBは予想している。しかし、中期的には
封じ込め措置は終了するものと思われる。良好な資金調達条件および財政に対する積極的な態度が、ユーロ圏の景
気回復を支える可能性がある。中央・東ヨーロッパでは、パンデミックの悪化により、2021年度初頭まで景気回復
が止まるとECBは予想している。その後、規制緩和および財政・金融措置によって経済成長が回復する可能性があ
るが、2022年度初頭までは2019年度末の水準を下回る可能性がある。ロシアでは、感染者数が増加し財政支援の余
地が縮小する中、2021年度の回復ペースはさらに鈍化する可能性があるとECBは述べている。
南北アメリカ地域では、COVID-19感染症の再拡大および財政刺激策の後退が、米国の短期的な見通しを悪化させ
ている。ECBによると、ブラジルでは、感染率の上昇および財政の逼迫が短期的にも中期的にも投資および消費に
歯止めをかけ、最終的には景気回復を減速させる可能性がある。
APJ 地域について、日本では2021年度も緩やかながら景気回復が続くとECBは予想している。2020年度第3次補正
予算により、今後数ヶ月のうちに追加的な支援が提供される。一方、ECBによると、パンデミック後の当該地域に
おける回復の約半分を中国が占めている可能性があり、世界に医療・技術製品を供給する上での同国の役割を反映
している。
成長率については、国際通貨基金（IMF）が2021年末までの中期的視点において経済動向を以下のとおり予測し
ている。
経済動向―GDP成長率前年比
単位：％ 2019 年 2020 年p 2021 年p
世界 2.8 –3.5 5.5
先進経済 1.6 –4.9 4.3
新興市場・発展途上経済 3.6 –2.4 6.3
地域（IMF分類による）
ユーロ圏 1.3 –7.2 4.2
ドイツ 0.6 –5.4 3.5
発展途上・新興ヨーロッパ 2.2 –2.8 4.0
中東および中央アジア 1.4 –3.2 3.0
サハラ砂漠以南のアフリカ 3.2 –2.6 3.2
米国 2.2 –3.4 5.1
カナダ 1.9 –5.5 3.6
中南米、カリブ海諸国 0.2 –7.4 4.1
日本 0.3 –5.1 3.1
発展途上・新興アジア 5.4 –1.1 8.3
中国 6.0 2.3 8.1
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p ＝計画（projection）
出典：International Monetary Fund (IMF), World Economic Outlook Update January 2021, Policy Support and Vaccines
Expected to Lift Activity
(https://www.imf.org/-/media/Files/Publications/WEO/2021/Update/January/English/text.ashx) 4頁
IT 市場：2021年度以降の見通し
近い将来の世界経済についてのECBの見通しはあまり楽観的ではない一方で、米国を拠点とする市場調査会社
Internatinal Data Corporation（IDC）は、世界的なIT市場についてより肯定的な見通しを示している。COVID-19
パンデミックの経験を受け、諸組織は、自分たちの将来がどのようになるか、そして変化した事業情勢で成功する
ために何が求められているかを再考している。IDCが進行中の研究によると、パンデミックをきっかけに新たな事
2)
業および運営モデルに注力する計画であると、60％の組織が報告している 。
これらの計画により、リモートでのアクセスおよびコミュニケーションのためのデジタル技術に非常に注目が集
まっている。なぜなら、これらの技術は、再びその必要が生じた際に、企業がロックダウン、移動制限、ソーシャ
ル・ディスタンスの確保および供給の断絶を無事に切り抜けるのを助けるからだ。パンデミックをきっかけに、製
品、サービスおよび人と人との関係性は、対面方式からデジタル方式に恒久的に移行する可能性がある。IDCによ
2)
ると、世界のGDPのうち65％が2022年までにデジタル化され 、それまでに企業は、事業の 敏捷性を得るため、 新た
なアプリケーションを導入するだけでなく、既にインストールしたアプリケーションの半数超を最新化させるとい
4)
う 。
かかる移行によりITは、サービス・プロバイダーから発展して、中核となるプロセスに巧みに統合された一要素
3)
に進化することを要求される 。IDCによれば、このことは組織が効率的にデータを洞察に変換するためにITを利用
し、学んだ教訓および予測を活かして意思決定および順応性を改善するようになることを意味するという。しか
し、IDCは人工知能（AI）およびデータの管理体制を通じた競争の発展における、倫理的な側面もまた認識してい
2)
る 。
今後数年間に関し、パンデミックがデジタル経済にもたらした新たな現実の結果として、IDCは主にプラット
フォーム思考およびクラウド移行という2つの長期的かつ持続可能な潮流を挙げている。したがって、2021年末ま
でに、多くの企業（80％）はクラウドを中心としたインフラストラクチャーおよびアプリケーションに、パンデ
ミック以前の戦略と比較して2倍の速さで移行すると予想される。2024年までに、中核となるビジネス・アプリ
2)
ケーションへのクラウド・ネイティブな構造の導入は、5倍に増加する可能性がある 。
IDC によると、同時期に組織の25％が、事業の敏捷性を高めるためにクラウド・プラットフォームをさらに拡張
4)
すると予想される 。また、端末のデータを統合するだけでなく、業界およびエコシステム規模でデータを共有す
るためにクラウド・アプリケーションを使用し、内部で開発されたソフトウェアの商品化への道を開くと予想され
3)
る 。その結果、業種ごとの共同企業体によって共同開発され所有されるソフトウェアが、2025年までに現在の企
2)
業向けアプリケーション市場の15％に取って代わる可能性があると、IDCは予測する 。
出典：
1)
欧州中央銀行、経済報告8/2020号、2021年1月7日発行
(http://www.ecb.europa.eu/pub/pdf/ecbu/eb202008.en.pdf)
2)
IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2021 Predictions, Doc #US46942020, 2020年10月付
3)
IDC FutureScape: Worldwide Future of Digital Transformation 2021 Predictions, Doc #US46417320, 2020 年10月付
4)
IDC FutureScape: Worldwide Cloud 2021 Predictions, Doc #US46420120, 2020年10月付
当社への影響
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当社は、顧客およびより広範な社会がCOVID-19パンデミックに伴う課題に対処するのを支援しており、かかる支
援に際して主要な技術面のパートナーであり続けている。パンデミックが現在のマクロ経済に引き起こした不確実
性 にかかわらず、当社の顧客の大多数は、ビジネスモデルを変革し、市場シェアを拡大し、効率性を高めるために
デジタル変革を上手に活用している。
当社は新たに RISE with SAP （SAPと共に成長しよう）という提案を行い、当社の 顧客のさらなる成功、敏捷性の
向上、および順応性の改善を助けることを目的として、顧客のクラウドへの事業変革を促進するための、戦略的な
一歩を踏み出した。さらに、新技術および革新の早期の導入は、当社の顧客がより効果的に差異化を図り、競争力
を高め、新たなビジネスモデルを確立するのを助ける。
かかる提案は、より強力なクラウドおよびプラットフォームの導入へと実際に市場が転換していることに沿った
ものである。加えて、技術的なリーダーとの戦略的な共同計画および専用の垂直的関係による業界内提携を行うこ
とで、当社のエコシステムを強化し、今後新たな市場機会を創造することを目指している。
財務目標および展望
収益および営業利益の目標および展望（非IFRS）
2021 年度の見通し
当社は、2021年度通年について以下の見通しを示している。これは、堅調な事業の推進力ならびにCOVID-19パン
デミックからの回復の時期およびペースについての最善の予測を反映している。以下の見通しは、ワクチンの計画
が世界的に始動するとともにパンデミックが終息し始め、結果として2021年度下半期に徐々に需要環境が改善する
ことを前提としている。
・非IFRSクラウド収益は、為替変動の影響を考慮しない場合、13％から18％増加し91億ユーロから95億ユーロの
範囲内になると、当社は予想する（2020年度：80.9億ユーロ）。
・非IFRSクラウドおよびソフトウェア収益は、為替変動の影響を考慮しない場合、2％の成長率を反映して233億
ユーロから238億ユーロの範囲内になると、当社は予想する（2020年度：232.3億ユーロ）。
・非IFRS営業利益は、為替変動の影響を考慮しない場合、1％から6％減少し78億ユーロから82億ユーロの範囲内
になると、当社は予想する（2020年度：82.8億ユーロ）。
・より予測可能な収益（クラウド収益およびソフトウェア・サポート収益の合計と定義される。）の割合は、約
75％に達すると予想される（2020年度：72％）。
当社は、顧客のクラウドへの移行が加速していることを反映し、進行中のクラウド・バックログが2021年度には
非IFRSクラウド収益よりもわずかに高い比率で成長すると予想している。非IFRSクラウド収益は、非IFRSソフト
ウェア・ライセンス収益の約3倍の金額に達すると予想される。
当社の2021年度通年の業績見通しが為替変動を考慮しないものであるのに対し、実際の為替に基づく数値は今年
度が過ぎる間に変動する為替の影響を受けるものと予想される。2021年度通年について予想される為替変動につい
ては、以下の表を参照のこと。2021年度通年に係るこれらの通貨予想は、2020年12月の水準に基づくものである。
単位：パーセント・ポイント 2021 年度
クラウド・サブスクリプションおよびサポート –3 パーセント・ポイントから-5パーセント・ポイント
クラウドおよびソフトウェア –2 パーセント・ポイントから-4パーセント・ポイント
営業利益 -2 パーセント・ポイントから-4パーセント・ポイント
以下の表は、当社の非IFRS財務指標とIFRS財務指標の差異の予測値を項目ごとに示している。
非IFRS指標
単位：百万ユーロ 2021 年度予測 2020 年度実績
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収益調整 0–30 5
株式報酬費用 2,000–2,500 1,084
買収関連費用 540–640 577
リストラクチャリング費用 150–200 –3
当社は2021年度通年の実効税率（IFRS）は27.5％から28.5％（2020年度：26.8％）、実効税率（非IFRS）は
24.5％から25.5％（2020年度：26.5％）になると予想する。実効税率（IFRS）および実効税率（非IFRS）の間の差
異は、税控除の認められない株式報酬費用（IFRSにおいてのみ認識される。）の税効果から生じるものである。
提案されている配当金
当社は、少なくともその合計が前年度の税引後利益の40％以上となるように配当を行うという当社の配当政策に
沿って、1株当たり1.85ユーロの配当を支払う予定である（ただし、2021年5月の年次株主総会において株主の承認
を得ることを前提とする。）。詳細については、「財務業績：検討および分析」の項を参照のこと。
中期見通し
このセクションにおける数値は、すべて非IFRS指標のみに基づくものである。
当社は、堅実に営業利益を増加させながら、より予測可能な収益を拡大させたいと考えている。当社の戦略目標
は、特に成長、収益性、顧客ロイヤルティおよび従業員エンゲージメントという主要な財務・非財務目標に重点を
置いている。
2020 年10月25日、当社は2019年4月24日に公表した前回の中期目標に代わる、新たな2025年度目標を発表した。
かかる中期目標は、以下の要因を反映している。
・為替レートの変動（2020年10月時点）により、収益および営業利益が2019年4月以降マイナス3％から4％の影
響を受けたこと
・少なくとも2021年度上半期を通じて、COVID-19パンデミックが、特に被害の大きかった業界における需要環境
に影響を与え、今後の1、2年間の非IFRSクラウド収益、総収益および営業利益等を含む主要な指標の達成を妨
げると見込まれること
・顧客のクラウドへの移行およびその後の事業変革が加速すること
・当社によるクラウド提供用インフラストラクチャーの統合が加速しており、これにより、2021年度および2022
年度にかけて、金額にして1億ユーロ台半ばまで投資を増加させる必要が見込まれていること
当社によるクラウド移行が加速している結果、当社は、ソフトウェア・ライセンス収益が2020年度の水準よりも
低い傾向にとどまり続けると見込んでいる。その他の利益率への影響に加えて、特にクラウド移行およびその後の
事業変革の加速が、2023年度の営業利益率に対し、前回の中期目標と比較して約4パーセント・ポイントから5パー
セント・ポイントの悪影響を与えることが予想されている。さらに、当社は、2021年度および2022年度にかけて、
非IFRSクラウド売上総利益率を適度に増加させることを見込んでおり、2023年度には、予想される効率性の向上に
よる大幅な増加を予想している。
また当社は、 RISE with SAP （SAPと共に成長しよう）の提供が、 非IFRSクラウド収益の成長に大きく寄与すると
予想する。2025年度を通じて、確立済みの保守の転換およびソフトウェア・ライセンス売上のクラウド・サブスク
リプションへの転換の双方が、非IFRSクラウド収益の成長率に約2パーセント・ポイントから3パーセント・ポイン
ト寄与すると当社は見込んでいる。当社のポートフォリオのうちRISE with SAP 以外の部分に係る非IFRSクラウド収
益の成長率は十代後半になると見込んでいる。
上記の要因が組み合わさった影響およびこれに伴うビジネスモデル転換の仕組みにより、緩やかな非IFRS総収益
の成長がもたらされ、今後2年間にわたり非IFRS営業利益は横ばいまたはわずかに減少することが見込まれる。こ
れに続き、2023年度以降は、非IFRS総収W益の促進および非IFRS営業利益の二桁の成長が予想される。
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このような道筋を経て、当社は2025年度までに以下の事項を達成すると予想している。
－非IFRSクラウド収益が220億ユーロを上回ること
－非IFRS総収益が360億ユーロを上回ること
－非IFRS営業利益が115億ユーロを上回ること
－非IFRSクラウド売上総利益率を約80％にすること
－当社のより予測可能な収益の割合を約85％にまで大幅に拡大すること
投資目標
2020 年度および2021年度の当社の投資支出（企業結合を除く。）は、主に「資産（IFRS）」の項に記載するITイ
ンフラストラクチャーの購入および建設事業からなる。当社は、2021年度について、ITインフラストラクチャーへ
の投資額は約480百万ユーロ、建設事業への投資額は約240百万ユーロになると予想する。2021年度の資本的支出の
合計額は、約950百万ユーロになると見込まれる。2022年度の資本的支出は、2021年度と同水準となると予想され
る。
流動性目標および財政目標
2020 年12月31日現在の純負債は6,503百万ユーロであった。当社は、未使用の信用枠を組み合わせた当社の流動
資産が2021年度も営業・資金調達のニーズを充分に満たし、また予想される営業キャッシュ・フローとともに債務
の返済ならびに現在計画している短期的および中期的な設備投資要件を支えると考えている。
2021 年度については、2020年度と比較し、利益のわずかな減少、所得税の納税額の増加および外国為替による悪
影響を要因として、営業キャッシュ・フローが72億ユーロからおよそ60億ユーロに減少すると当社は見込んでい
る。フリー・キャッシュ・フローは45億ユーロ超の水準に減少すると見込まれる。2025年度には、フリー・キャッ
シュ・フローが約80億ユーロになると当社は見込んでいる。
当社は、2021年度に500百万ユーロのユーロ債について払戻しを行う意向である。加えて、当社は現在未返済で
ある12.5億ユーロのQualtricsの買収に係るタームローンの全部または一部について、払戻しを行う予定である。
2020年12月31日現在の約65億ユーロの純負債を、営業利益（IFRS）と減価償却費および減損費の合計で割った比率
は、0.8であった。2022年度以降は、当社の現在の満期日構成に沿った総負債の減少を見込んでいる。
2021 年度の非財務目標および2025年度に向けた意欲的な目標
財務目標に加え、当社は、3つの非財務目標、すなわち顧客ロイヤルティ、従業員エンゲージメントおよびカー
ボンインパクトにも尽力している。
2021 年度から2025年度までの間、当社は従業員エンゲージメント指数にて測定される従業員エンゲージメント
を、84％から86％の間の高い水準で維持することを目標としている（2020年度：86％）。
当社は顧客ロイヤルティを顧客ネット・プロモーター・スコア（「顧客NPS」）を使用して評価している。当社
は、2021年度には顧客NPSを5から10増加させ、2025年度まで着実に顧客NPSを上昇させることを目標としている
（2020年度：4）。
当社は、2021年度には温室効果ガス純排出量を145キロトンまで削減し（2020年度：135キロトン）、その後も着
実に削減して2023年度までには0キロトンとし、その後も炭素排出量実質ゼロを維持することを目指している。
当社の見通しおよび展望の根拠となっている前提
当社の見通しおよび展望を作成するに当たり、当社は2020年度統合報告書の作成時点において既知であった、当
社の将来の事業に影響を及ぼしうるあらゆる事象を考慮した。
SAP SEに関する見通し
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SAP SEの主たる収益源は、子会社に対し、当社のソフトウェア・ソリューションを販売し保守する権利について
SAP SEが請求するライセンス料である。そのため、営業の観点から見たSAP SEの業績は、SAPグループのクラウド
お よびソフトウェア収益と密接に結びついている。とりわけ、COVID-19パンデミックがSAPグループの見通しにも
たらす状況に関する前提は、SAP SE の見通しにも同様に適用される。
2021 年度におけるSAPグループのクラウドおよびソフトウェア収益についての非IFRSの見通し（為替変動の影響
を考慮しない。）に基づき、2021年度のSAP SEの製品収益は2020年度と同程度にとどまると当社は見込んでいる。
2021 年度に買収その他の予測不可能な事由に係る重要な影響がないと仮定した場合、SAP SEの営業利益も2020年
度と同程度にとどまると当社は見込んでいる。
2022 年度から2025年度に係るSAPグループの財務目標は、収益および利益の今後の増加をもたらすものである。
当該増加によって、SAP SEにも同程度の収益および利益の増加がもたらされると当社は予想している。
当社は、SAP SEが今後も子会社からの利益移転および配当の形で投資利益を得続けるものと考えている。当社が
SAPグループに期待する成長は、SAP SEの投資収益にプラスの効果をもたらすはずである。
流動性、財政、投資および配当金に関するSAPグループについての見通しは、SAP SEにも同様に当てはまるもの
である。
この見通しの基礎となっている前提には、経済およびSAPグループの業績予測に関する前述の事項が含まれる。
外国為替変動に対するエクスポージャー
当社の報告通貨はユーロであるが、当社の事業の大部分はユーロ以外の通貨によって行われている。グループ企
業は通常その事業を各々の機能通貨で行っているため、進行中の通常業務における当社の為替相場変動リスクは、
重大なものではないと考えられている。ただし、当社は、時折、機能通貨以外の通貨で、外貨建債権、債務および
その他の貨幣項目を発生させることがある。関連する外国為替相場変動リスクを軽減するために、これらの取引の
大半は、当社の連結財務諸表に対する注記(F.1)に記載のとおりヘッジされている。外貨に関する追加情報につい
ても、注記(F.1)を参照のこと。
2020 年度の総収益の約72％（2019年度：73％）は、ユーロ非加盟諸国における営業に起因するものであった。財
務報告のために当社は当該収益をユーロに換算した。ユーロの為替相場の変動は当社の総収益に対し、2020年度は
554百万ユーロの悪影響を、2019年度は724百万ユーロの好影響を、2018年度は1,219百万ユーロの悪影響をもたら
した。
上記で述べた外国為替相場変動の影響は、現地通貨における当期の数値を前年同月の月平均の為替相場でユーロ
に換算することにより計算されている。「営業成績」の項に含まれる当社の収益に対する分析は、同様に計算され
た為替変動の影響につき折に触れて言及している。
オフバランスシート取引
当社は、既に開示されているものを除き、開示が求められる重要なオフバランスシート取引は存在しないと考え
ている。
約定債務
以下の表は、2020年12月31日現在の当社のオンバランスシートおよびオフバランスシートの約定債務を表してい
る。
期間別の支払期限
約定債務
単位：百万ユーロ 合計 1年未満 1年から3年 3年から5年 5年超
1)
リース債務 2,361 426 621 383 931
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1)
その他の金融負債 14,384 1,982 4,340 2,129 5,933
1)
デリバティブ金融負債 70 63 4 3 0
2)
購入債務 3,791 975 1,400 970 445
2)
出資債務 237 237 0 0 0
3)
その他の長期非金融負債 770 0 523 40 207
合計 21,613 3,683 6,888 3,526 7,516
(1) 連結財務諸表に対する注記(D.5)に記載のとおり、特定の少額リースおよび短期リースは除く。リース債務、その他の金
融負債およびデリバティブ金融負債に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(E.3)および(F.1)を参照のこと。
(2) 出資債務および購入債務については、連結財務諸表に対する注記(D.6)および(D.8)を参照のこと。上表には、当社の年金
およびその他の退職後給付制度に対する想定拠出額は含まれていない。かかる拠出に関する詳細は、連結財務諸表に対す
る注記(B.4)を参照のこと。
(3) その他の長期非金融負債に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(B.3)、(B.5)および(G.2)を参照のこと。
当社は、当社の既存の現金、当社の営業活動によるキャッシュ・フローおよび当社の資金調達活動により、これ
らの約定債務を返済する予定である。上記約定債務の返済時期は、支払が定められている当該債務の支払スケ
ジュールに基づく。支払スケジュールの定められていないその他の債務については、最も可能性の高い現金支払時
期の予測がなされている。これらの将来のキャッシュ・フローの最終的な支払時期は、当該予測と異なる場合があ
る。
補償および保証に基づく債務
一般的に、当社のソフトウェア・ライセンス契約およびクラウド・サブスクリプション契約には、当社のソフト
ウェア製品が第三者の知的財産権を侵害した場合に当該顧客の債務を補償する一定の条項が定められている。さら
に、当社は、所定のコンサルティング契約や開発に関する取引において、機能または性能保証を行う場合がある。
また、当社は、一般的に当社のソフトウェアに関し通常6ヶ月から12ヶ月間の保証を行っており、クラウド・サー
ビスについては90日間の請求期限を設け定額利用期間と同期間の保証を行っている。当社の製品保証債務は、その
他引当金に含まれる。その他引当金に関する詳細については、連結財務諸表に対する注記(A.4)、(B.5)および
(B.6)を参照のこと。債務および偶発債務に関する詳細については、連結財務諸表に対する注記(A.4)、(D.6)、
(D.8)および(G.3)を参照のこと。
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４【経営上の重要な契約等】
QualtricsのIPO
2020 年7月、当社は、米国での新規株式公開（「IPO」）を通じて、Qualtricsの株式を公開する意向を発表し
た。IPOの主な目的は、Qualtricsがエクスペリエンス・マネジメント分野において、自社の市場潜在力の上限を把
握する能力を高めることである。Qualtricsの株式は、2021年1月28日にニューヨーク市のNASDAQ証券取引所で、
30.00米ドルの開始価格にて取引が開始された。 QualtricsのIPOに関する詳細は、連結財務諸表に対する注記 (G.8)
後発事象 を参照のこと。
買収
当社はその短期、中期および長期目標に向かって進むため、当社のソリューション・ポートフォリオの持続可能
な成長を確保する技術革新という本業への投資に引き続き注力する。さらに、 当社は当社のソリューション提供を
補完し、主要な戦略的市場を一層網羅するために、的を絞った買収を行う場合がある。
2020年11月、当社は、オムニチャネルな顧客エンゲージメント・プラットフォームの主導的なプロバイダーであ
る Emarsys の買収を完了した。Emarsysのソリューションは、SAP顧客エクスペリエンス・ポートフォリオの強化を
通じて、ハイパーパーソナライゼーションされたオムニチャネルなエンゲージメントをリアルタイムで提供するた
め、商業のデジタルにおける管理方法を変える。買収に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(D.1)企業結合
および売却を参照のこと。
2021年1月、当社は、企業向けビジネス・プロセス・インテリジェンスおよびプロセス管理の分野の主導者であ
る Signavio の買収契約を締結したと発表した。詳細については、連結財務諸表に対する注記 (G.8) 後発事象 を参照
のこと。
売却
2020年5月5日、当社およびSinch AB（「Sinch」）は、Sinchが SAPデジタル・インターコネクト 部門を買収する
旨の契約を締結したことを発表した。売却される事業は、当社法人の一部から譲渡される当社の複数の子会社およ
び資産によって構成されている。取引は、2020年11月1日に完了した。
売却に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(D.1)企業結合および売却を参照のこと。
Sapphire Ventures
当社は、本業の成長および買収に対する投資に加え、 Sapphire Ventures が運用するベンチャー・キャピタル・
ファンドを通じて、業界トップの事業を築くことを目指す起業家を支援している。Sapphire Venturesは42億米ド
ル超を運用しており、170社を超える企業への投資実績がある。これらには、成長段階のテクノロジー企業および
初期段階のベンチャー・キャピタル・ファンド等が含まれる。Sapphire Venturesは、専門性、人脈、地理的にア
クセス可能な範囲および資本の強化を通じて、企業の成長を促進する力となる機会を追求している。Sapphire
Venturesは、ヨーロッパ、イスラエルおよび米国の企業に特に重点を置いている。
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５【研究開発活動】
研究開発への投資
当社のR&Dへの強いコミットメントは、当社の支出に反映されている（下図を参照のこと。）。
2020 年度について、当社の営業費用合計に占めるR&D費用の割合を反映したIFRS R&D比率は、2.9パーセント・ポ
イント増加し21.5％（2019年度：18.6％）となった。当社の非IFRS R&D比率は前年度（2019年度：19.8％）と比較
し2.0パーセント・ポイント増加し21.8％となった。2020年度末時点で、開発業務における当社の正規職員相当
（FTE）数は29,580名であった（2019年度：27,634名）。FTEで算出した場合、当社のR&Dの従業員数は総従業員数
の29％を占めた（2019年度：28％）。
R&D 総費用には、当社の従業員に係る人件費のほか、当社の製品を納品および強化するために当社が協力を受け
るプロバイダーおよび提携先の行う業務およびサービスに係る外部費用も含まれている。当社はさらに、下記事項
のための外部費用も負担している。
・ 製品の翻訳、ローカライゼーションおよび検査
・ 様々な市場における製品の認証の取得
・ 弁理士のサービスおよび報酬
・ 当社の製品戦略に関するコンサルティング
・ 当社のR&D従業員の専門能力開発
特許
当社は革新および機密情報等の知的財産の保護に積極的に取り組んでいる。当社のソフトウェアの革新により、
当社は引き続きビジネス・ソリューションおよびサービスにおけるリーダーとしての市場での地位を強化してい
る。当社はR&Dへの投資により、多数の特許を生み出してきた。2020年12月31日現在、当社は世界各地に合計
10,931件超の有効な特許を有している。そのうち897件は2020年度に取得し、有効となったものである。
当社の知的財産は当社の成功にとり重要なものであるが、当社は当社の事業全体が特定の特許またはその集合体
に依存しているとは考えていない。
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第４【設備の状況】
１【設備投資等の概要】
現在進行中の主要な投資および売却
当社は、2020年度中、様々な建設プロジェクトを完了し、また様々な場所で新たな建設活動を開始し継続した。
当社は、これらすべてのプロジェクトを営業キャッシュ・フローにより賄う予定である。このうち最も重要な当社
のプロジェクトは以下のとおりである。
建設プロジェクト
単位：百万ユーロ
国 施設所在地 概要 予定費用 2020 年12月 完成予定
総額 31 日までに
負担した費用
ドイツ ベルリン 約1,000名の従業員を収容する 2022 年12月
新たなオフィスビル 40 2
ドイツ ミュンヘン 約600名の従業員を収容する 2023 年6月
新たなオフィスビル 91 3
ブラジル サン・レオポルド 約700名の従業員を収容する 2021 年9月
新たなオフィスビル 33 6
ブルガリア ソフィア 約1,200名の従業員を収容する 2022 年5月
新たなオフィスビル 54 0
インド バンガロール 約4,000名の従業員を収容する 2024 年12月
新たなオフィスビル 84 0
日本 東京 約1,500名の従業員を収容する 2022 年8月
新たなオフィスビル 29 0
米国 シアトル 約1,850名の従業員を収容する 2021 年1月
新たなオフィスビル 52 37
予定している投資支出に関する詳細は、「投資目標」を参照のこと。報告年度中に重要な設備の売却はなかっ
た。
過去3年間の主要な投資および売却
2020年度の当社の有形固定資産に対する主な投資（企業結合を除く。）は合計1,006百万ユーロ（2019年度：
1,067百万ユーロ、2018年度：1,302百万ユーロ）となった。2020年度の有形固定資産に対する主な投資は、2019年
度と比較して減少した。かかる投資は、2018年度から2019年度にかけても減少した。2020年度および2019年度にお
ける投資は、主に情報技術施設の交換および購入、ならびにビルおよびデータセンターの建設および賃借に関連す
るものであった。
取得技術および顧客関係等の無形資産に対する当社の投資は、2019年度の1,954百万ユーロ（2018年度：791百万
ユーロ）から、2020年度は314百万ユーロになった。のれんに割り当てられた当社の投資は、2019年度の5,014百万
ユーロ（2018年度：1,620百万ユーロ）から、2020年度は417百万ユーロに減少した。2020年度における減少は、主
にEmarsysの買収が2019年度のQualtricsの買収と比較してかなり小規模であったことに起因するものである（追加
情報については、注記(D.1)を参照のこと。）。買収に関連する投資の詳細については、当社の連結財務諸表に対
する注記(D.2)および(D.3)を参照のこと。
当社が営業を行う主要な市場の詳細（最近3年間の総収益の業種別および地域別の内訳を含む。）については、
本書の「営業成績（IFRS）」の項を参照のこと。
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２【主要な設備の状況】
当社の本社は、ドイツ、ヴァルドルフに位置し、約500,000平方メートルのオフィスおよびデータセンター・ス
ペース（隣接するザンクト・レオン・ロットの当社の設備を含む。）を所有し、占有している。当社はまた、ドイ
ツのその他様々な場所にオフィススペースを所有・賃借しており、その合計は約110,000平方メートルになる。世
界約80ヶ国において、当社は、およそ 1,850,000平方メートルを占有している。ドイツの本社を除くほとんどの場
所は、賃借している。当社はまた、ニュータウン・スクエア、パロ・アルト（米国）およびコロラド・スプリング
ス（米国）、バンガロール（インド）、サン・レオポルド（ブラジル）、ロンドン（英国）、ラアナナ（イスラエ
ル）ならびにその他数ヶ所において不動産を所有している。
当社が占有するオフィスおよびデータセンター・スペースには、EMEA地域の約365,000平方メートル（ドイツを
除く。）、北およびラテンアメリカ地域の約470,000平方メートルならびにAPJ地域の約405,000平方メートルが含
まれる。
これらのスペースは、研究開発、当社のデータセンター、顧客支援、販売・マーケティング、コンサルティン
グ、研修および管理を含む様々な会社機能のために利用されている。COVID-19に起因する暫定的なオフィスの閉鎖
または解放制限を除き、当社のすべての設備は、実質的に十分に活用または転貸されている。地理的地域ごとの非
流動資産に関する説明は、当社の連結財務諸表に対する注記(D.7)を参照のこと。また、当社の地域ごとの作業空
間の生産能力を概算するには、機能エリアおよび地理的地域ごとの当社の正規職員相当従業員数を記載した「第
2 5 従業員の状況」を参照のこと。
当社は、当社の設備が良好な運営状態にあり、当社の現在の使用方法に適していると考える。当社の財産には何
らの重大な負担も付されていない。当社は、当社の重要な資産の使用に影響を及ぼしうるいかなる環境問題による
制限もないと考えている。当社は現在、将来の事業拡大能力を高めるため、様々な場所で建設活動に着手してい
る。また当社は、COVID-19に起因する部分的なロックダウンが終了した後のオフィススペースの需要およびCOVID-
19の後に生じうる反動に当社のポートフォリオが確実に対応できるよう、ポートフォリオの見直しを行っている。
当社の重要な建設活動は、上記「現在進行中の主要な投資および売却」に記載のとおりである。
３【設備の新設、除却等の計画】
「第4 1 設備投資等の概要」を参照のこと。
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第５【提出会社の状況】
１【株式等の状況】
（１）【株式の総数等】
①【株式の総数】
（2020年12月31日現在）
(*)
未発行株式数 ( 株 )
授権株数(株) 発行済株式総数 ( 株 )
1,728,504,232 1,228,504,232 500,000,000
(*) 定款に規定する授権資本IおよびIIの合計。この数値に、新株予約権は含まれていない。
②【発行済株式】
（2020年12月31日現在）
上場金融商品取引所名又は
記名・無記名の別及び額
種 類 発行数(株) 内 容
面・無額面の別
登録認可金融商品取引業協会名
シュトゥットガルト証券取引所
フランクフルト証券取引所
完全議決権株式であ
ハンブルグ証券取引所
り、権利内容に何ら
無記名式無額面株式 普通株式 1,228,504,232
ミュンヘン証券取引所
限定のない標準とな
デュッセルドルフ証券取引所
る株式
ベルリン証券取引所
ハノーバー証券取引所
計 － 1,228,504,232 － －
(1) 株式はすべて口座振替方式により記録および取引され、株券は発行されない。
(2) アメリカ合衆国では、当社の株式は、米国預託証券（ADR）の形式でニューヨーク証券取引所に上場されている。
（２）【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当なし。
（３）【発行済株式総数及び資本金の推移】
（2020年12月31日現在）
発行済株式総数 ( 株 ) 資本金(ユーロ)(括弧内は円)
商業登記年月日 摘 要
増減数 残高数 増減額 残 高
1,228,504,232
2015 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(164,300,155,988)
1,228,504,232
2016 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(164,300,155,988)
1,228,504,232
2017 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(164,300,155,988)
1,228,504,232
2018 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(164,300,155,988)
1,228,504,232
2019 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(164,300,155,988)
1,228,504,232
2020 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(164,300,155,988)
（４）【所有者別状況】
（2020年12月31日現在）
個人 法人、ブローカー、商会 その他 計
(*) (*) (*)
株主数(人) 該当なし 該当なし - 該当なし
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(*) (*)
所有株式数 該当なし 該当なし - 1,228,504,232
所有株式数の割合
(*) (*)
該当なし 該当なし - 100.0 ％
(％)
(*) 当社 の株式は無記名式であるため、株主数を把握することができない。
（５）【大株主の状況】
SAP SE の株式資本は、無記名の形でのみ発行される普通株式で構成される。そのため、SAP SEには原則として、
株主を特定し、または特定の株主の保有株式数を判断する手段がない。当社の普通株式は、米国においては、ADR
の形式で取引される。現在、各ADRは、SAP SEの普通株式1株に相当する。2021年2月12日現在、預託機関により提
供された情報によると、記録上、53,752,205個のADRが、753名の登録済保有者により保有されている。かかるADR
を基礎付ける普通株式は、当該時点における発行済普通株式（自己株式を含む。）の4.38％に相当した。当社は、
無記名式普通株式のみ発行しているため、米国に住所を有する個人が直接保有する普通株式数を判断することはで
きない。
以下の表には、(ⅰ)発行済普通株式の5％以上を実質的に保有していることをSAP SEが把握している各個人また
はグループ、ならびに(ⅱ)監査役会の現役構成員であるすべての個人および取締役会の全構成員が個人としてある
いはグループとして保有する普通株式の実質所有権について、2021年2月12日現在、当社が認識している範囲内の
情報が、いずれも当人からのSAP SEに対する報告に基づき記載されている。SAP SE株式の性質に鑑みて把握できる
範囲内では、過去3年間において、大株主が所有する所有権の割合に著しい変動はなかった。大株主は、いずれも
特別議決権を有しない。
（2021年2月12日現在）
発行済株式総数
所有株式数
氏名又は名称 住 所 に対する
( 株)
所有株式数の割合
ディートマ・ホップ(Dietmar
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
61,935,965 5.042 ％
(1)
Hopp)(合計)
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
監査役会議長、ハッソ・プ
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
ラットナー(Hasso Plattner)
74,278,676 6.046 ％
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
(2)
(合計)
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
取締役会構成員全体(6名) 18,475 0.002 ％
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
監査役会構成員全体(18名) 74,299,494 6.048 ％
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
取締役会構成員および監査役
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
74,317,969 6.049 ％
(3)
会構成員全体(24名)
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
(4)
BlackRock, Inc.
米国、デラウェア州、ウィルミントン 70,321,649 5.724 ％
合 計 － 206,575,583 16.815 ％
(1) 上記の情報は、ディートマ・ホップならびにその他の関係者および関連会社が2021年2月12日に提出したスケジュール13G
に基づいている。
(2) ハッソ・プラットナーが単独の議決権および処分権を行使するHP Endowment GmbH & Co. KGおよびHasso Plattner
Single Asset KGを含む。
(3) 当社は、ハッソ・プラトナーを除く監査役会および取締役会の各構成員は、2021年2月12日現在、いずれも SAP SE 普通株
式の1％未満を実質的に保有するのみであると考えている。
(4) ドイツ法の定めるところにより、BlackRock, Inc.は当社に対し、5％を超える当社の発行済株式を保有している旨通知し
た。BlackRock, Inc.は2021年2月12日現在の保有株式数を当社に通知する必要はなく、かかる情報を提供していない。上
記の情報は、BlackRock, Inc.が2021年2月1日に提出したスケジュール13Gに基づいている。
当社は現時点において、後日当社の支配権に変更を生ずるような合意の存在を一切認識していない。
２【配当政策】
配当金配当政策
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配当は、年次株主総会の承認を条件として、SAP SEの年度末単体財務書類に基づき、SAP SEの監査役会
（ Aufsichtsrat ）および取締役会（ Vorstand ）により共同で提示される。配当は、SAP SEの年次株主総会において
そ の前年度分が正式に公表される。SAP SEの年次株主総会は、通常、各年度の第2四半期に開催される。配当は、
企業活動の処理手続につき欧州市場内における統一的な基準の導入を目指し改正されたドイツ株式会社法の改正内
容に従い、2017年度に係る支払分以降、年次株主総会の3営業日後に株主のためにカストディアン銀行に送金され
るようになった。配当基準日におけるADRの登録所有者は、配当が公表された年度について、その公表された配当
に係る支払を受ける権利を有する。当該保有者に支払われるべき現金配当は、ユーロ建てで預託機関に支払われ、
一定の例外はあるものの、預託機関によって米ドルに転換される。
ADR の所有者に対して支払われる配当は、ドイツにおける源泉徴収税の対象となる可能性がある。
支払済の年間配当金
以下の 表は、各年度において普通株式 1 株当たりに対して支払われた年間配当金をユーロにて記載したものであ
る。現在、当社の各 ADR は、 SAP SE の普通株式 1 株に相当する。したがって、各 ADR の最終配当金は SAP SE の普通株
式 1 株当たりの配当金に相当し、ユーロ・米ドルの換算レートにより決定する。 以下の 表には、配当支払を受ける
ドイツの納税者が利用できる税額控除は反映されていない。
12 月31日に終了する年度 普通株式1株当たりに支払われた配当金(ユーロ)
2016 年度 1.25
2017 年度 1.40
2018 年度 1.50
2019 年度 1.58
(1)
2020 年度 1.85
(1) 配当支払は、2021年5月21日に開催されたSAP SEの年次株主総会において承認された。
普通株式に対する配当の額は、SAP SEにより分配される利益の金額に応じて決定されるが、その一部は当社の財
務業績にかかっている。加えて、ADRの保有者が受領する配当の金額は、換算レートの変動により影響を受ける可
能性がある。将来の配当の時期、宣言、金額および支払は、SAP SEの将来の収益、資金需要および他の関連のある
要素の影響を受けるが、いずれの場合もSAP SEの取締役会および監査役会により提案され、年次株主総会により承
認される。
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３【コーポレート・ガバナンスの状況等】
（１）【コーポレート・ガバナンスの概要】
「第1 1 (2) 提出会社の定款等に規定する制度」および「第5 3 (2) 役員の状況」を参照のこと。
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（２）【役員の状況】
(1) 当社の取締役および取締役会役員
取締役会 （本書日付現在）
取締役会は、男性5名および女性2名で構成されている（女性役員の比率は約29％である。）。
任期が
初めて
＊
氏 名
役職 生年月日 経歴
選任された年
満了する年
最高経営責任者 クリスチャン・クライン
1980 年
(1) 2018 2025
(Christian Klein)
6 月4日
( CEO )
最高人事責任者
サビーヌ・ベンディック
1966 年
(CPO) (2) 2021 2023
(Sabine Bendiek)
5 月19日
労使関係担当取締役
ルカ・ムシッチ
1971 年
最高財務責任者(CFO) (3) 2014 2026
(Luka Mucic)
9 月10日
＊
ユルゲン・ミュラー
1982 年
最高技術責任者(CTO) (4) 2019 2024
4 月22日
(Juergen Mueller)
スコット・ラッセル
1973 年
カスタマーサクセス (5) 2021 2024
(Scott Russell)
2 月5日
トーマス・ザウアーエッスィヒ
SAP 製品エンジニアリ 1985 年
(6) 2019 2022
(Thomas Saueressig)
ング 4 月9日
マーケティングおよ
ジュリア・ホワイト
1973 年
びソリューションズ (7) 2021 2024
(Julia White)
11 月29日
最高責任者
＊ 2021年2月24日に監査役会は、最高技術責任者であり当社取締役会の構成員であるユルゲン・ミュラーとの契約を3年延長
し2024年末までとした。
(1) CEO（Vorstandssprecher）であるクリスチャン・クラインは、41歳であり、ドイツのマンハイムに所在する産学協同教育
大学にて国際経営管理学の学位を取得している。1999年に当社に入社し、2018年に取締役会の構成員となった。同氏は
2019年10月10日付でジェニファー・モルガンとともに共同CEOに就任し、2020年4月20日付で単独CEOに任命された。クリ
スチャンは当社の最高執行責任者（COO）であり、経営企画および戦略、セキュリティーおよび秘密保持、ならびにコン
プライアンスを監督している。
(2) サビーヌ・ベンディックは、55歳であり、マサチューセッツ工科大学（MIT）において経営科学の学位を取得しており、
またドイツのマンハイム大学において経営管理学の学位も取得している。同氏は、2021年1月に取締役会の構成員として
当社に入社した。サビーヌは、最高人事責任者として、人事戦略、ビジネスの移行、リーダーシップ育成および人材育成
を含む人事のグローバル責任者を務めている。同氏は労使関係担当取締役も務めている。当社に入社する前、サビーヌは
ドイツ・マイクロソフトのマネージング・ディレクターを務めていた。
(3) ルカ・ムシッチは、49歳であり、ドイツのハイデルベルク大学において法学の学位を取得しており、またフランスの
ESSECおよびドイツのマンハイム・ビジネス・スクールにおいて共同エグゼクティブMBAを取得している。同氏は、1996年
に当社に入社し、2014年7月に最高財務責任者（CFO）および取締役会の構成員となった。同氏は、投資家向け広報活動、
内部監査、データ保護およびプライバシーを含む、財務および管理ならびにビジネス・プロセス・インテリジェンスの責
任者を務める。
(4) ユルゲン・ミュラーは、39歳であり、ドイツのポツダム大学にあるソフトウェア工学専門のハッソ・プラットナー・イン
スティテュート（HPI）においてITシステム・エンジニアリングの博士号を取得している。同氏は2013年に当社に入社
し、2019年に取締役会の構成員となった。ユルゲンは当社の最高技術責任者（CTO）であり、技術・革新委員会を率いて
いる。同氏は技術・革新戦略、HANAデータベース、SAPクラウド・プラットフォーム、アナリティクスおよびクラウド・
インフラストレクチャーの責任者を務めている。当社に入社する前、ユルゲンはHPIにおいてハッソ・プラットナーのリ
サーチ・チェアの共同代表を務めていた。
(5) スコット・ラッセルは、48歳であり、オーストラリアのディーキン大学の卒業生である。同氏は2010年に当社に入社し、
2021年に取締役会の構成員となった。同氏は当社のグローバル販売、パートナー・エンゲージメントおよび顧客エンゲー
ジメントに係る組織であるカスタマーサクセスを率いている。取締役会の構成員として指名される直前まで、同氏はSAP
アジア太平洋日本（APJ）の代表を務めていた。当社に入社する前、同氏はPwCのパートナーおよびIBMの上級幹部を務め
ていた。
(6) トーマス・ザウアーエッスィヒは、36歳であり、ドイツのマンハイムに所在する産学協同教育大学にてビジネス情報技術
の学位を取得しており、またフランスのESSECおよびドイツのマンハイム・ビジネス・スクールにおいて共同エグゼク
ティブMBAを取得している。同氏は2004年に当社に入社し、2019年に取締役会の構成員となった。トーマスはSAP製品エン
ジニアリング委員会を率いており、すべてのSAPアプリケーション、クラウド管理および商品サポート、クロス開発機
能、ならびに企業向けクラウド・サービスのグローバル責任者を務めている。
(7) ジュリア・ホワイトは、47歳であり、米国ボストンのハーバード・ビジネススクールにおいて経営管理学の修士号を取得
している。同氏は2021年3月に取締役会の構成員として当社に入社した。マーケティングおよびソリューションズの最高
責任者として、ジュリアは世界および地域別のマーケティング、グローバル企業行動、ならびに政府関連業務の責任者を
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務めている。当社に入社する前、ジュリアはマイクロソフトのコーポレート副社長として、Azure、Windowsサーバーおよ
びその他のクラウド商品の商品マーケティングを担当していた。
2020 年12月31日現在、ドイツその他の国において、当社以外の企業の他の監査役会または同等の統治機関のメン
バーを務めるSAP SEの取締役会の構成員は、当社の連結財務諸表に対する注記(G.4)に記載されている。SAP SE
は、年金、早期退職の場合に支払われる手当、および契約終了後の競業禁止期間に係る抑止報酬に関するものの他
には、取締役会の構成員との間で、構成員の業務雇用終了時の手当に関するいかなる契約も締結していない。
当社の知る限り、監査役会および取締役会の構成員の間に家族関係はない。
監査役会 （本書日付現在）
監査役会は、男性10名および女性8名で構成されている（女性役員の比率は約44％である。）。
初めて選任 任期が満了
役職 氏 名 生年月日
された年 する年
ハッソ・プラットナー博士、議長
(Prof. Dr. h.c. mult. Hasso
監査役会議長 1944 年1月21日 2003 2022
(1)(3)(6)(7)
Plattner)
マルグレート・クライン・メイ
従業員、副社長、SAP OB・OG関係
ガー、副議長
1964 年9月5日 2012 2024
担当代表
(2)(3)(4)
(Margret Klein-Magar)
従業員、SAP SE労使協議会および
パナギオティス・ビシリタス
SAP SE労使協議会(ヨーロッパ)会 1968 年8月31日 2007 2024
(2)(3)(4)(5)
(Panagiotis Bissiritsas)
員
アイチャ・エバンズ
Zoox, Inc.の最高経営責任者およ
1969 年3月2日 2017 2024
(1)(3)(6)(8)
(Aicha Evans)
び取締役会構成員
ゲッシェ・ユースト博士
ベルリン芸術大学デザイン・リ
1974 年11月30日 2015 2023
(1)(6)(8)
(Prof. Dr. Gesche Joost)
サーチ研究室教授および室長
モニカ・コヴァーチカ・ディミト
従業員、プロジェクト・エキス
ローヴァ
パート育成チーフ、SAP SE労使協
1975 年10月29日 2019 2024
(2)(6)
(Monika Kovachka-Dimitrova)
議会(ヨーロッパ)会員
(8)
ラース・ラマデ
従業員、欧州・アジアのスポン
1971 年4月6日 2002 2024
(2)(3)(6)
(Lars Lamadé)
サーシップ担当代表
ベルナルド・リオトー
Balderton Capitalのマネージン
1962 年6月17日 2008 2023
(1)(3)(6)(7)
(Bernard Liautaud)
グ・パートナー
チー・ルー博士
Miracle Plus Ltd.のCEO
1961 年9月3日 2020 2023
(10)
(Dr. Qi Lu)
ゲラルド・オズワルド
Oswald Consulting GmbHのマネー
1953 年6月20日 2019 2024
(1)(4)(5)(6)(7)
(Gerhard Oswald)
ジング・ディレクター
従業員、ユーザー・エクスペリエ
クリスティーネ・レギッツ
ンス担当副社長、製品専門家チー 1966 年3月15日 2015 2024
(2)(3)(5)(6)
(Christine Regitz)
フ
Merck KGaA のグループ一般理事会
フリーデリーケ・ローチュ博士
1972 年10月31日 2018 2024
構成員およびグループ法務・コン
(1)(3)(4)(5)
(Dr. Friederike Rotsch)
プライアンス責任者
従業員、シニア・オペレーショ
ハイケ・ステック
ン・マネージャー、SAP SE労使協
1961 年3月7日 2019 2024
(2)(6)(8)
(Heike Steck)
議会およびSAP SE労使協議会
(ヨーロッパ)会員
従業員、SAP SE労使協議会および
クリスタ・ヴェルジーン・クノップ
SAP SE労使協議会(ヨーロッパ)会 1961 年12月8日 2019 2024
(2)(6)(8)
(Christa Vergien-Knopf)
員
Hasso Plattner Foundationの取
ルーベン・ウェストファール博士
締役会構成員およびHPC Germany
1972 年9月14日 2021 2022
(10)
(Dr. Rouven Westphal)
GmbH & Co. KGのGeneral Partner
のマネージング・ディレクター
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グンナー・ウィーデンフェルス博士
Discovery, Inc.の最高財務責任
1977 年9月6日 2019 2022
(1)(4)(5)(9)
(Dr. Gunnar Wiedenfels)
者
ジェームズ・ライト
従業員、SAP SE労使協議会(ヨー
1962 年11月1日 2019 2024
(2)(4)(5)(6)
(James Wright)
ロッパ)議長
従業員、SAP SE労使協議会議長お
ラルフ・ザイガー
よびSAP SE労使協議会(ヨーロッ 1968 年3月16日 2019 2024
(2)(3)(8)
(Ralf Zeiger)
パ)会員
(1) 2019年5月15日にSAP SEの株主により選任された。
(2) 2019年4月3日にSAP SE労使協議会ヨーロッパにより指名された。
(3) 総務報酬委員会の委員
(4) 監査委員会の委員
(5) 金融投資委員会の委員
(6) 技術戦略委員会の委員
(7) 指名委員会の委員
(8) 人事組織委員会の委員
(9) 監査委員会財務専門家
(10) 2021 年5月12日にSAP SEの株主により選任された。
監査委員会および総務報酬委員会を含む、監査役会の委員会およびその任務の詳細については、コーポレート・
ガバナンスの項を参照のこと。
SAP SEの定款および従業員によるSAP SEへの関与に関する合意に基づき、SAP SEの監査役会の構成員は、9名の
株主代表および9名の欧州の従業員代表で構成される。現在の9名の従業員代表は、2019年4月3日にSAP SE労使協議
会ヨーロッパにより指名された。
SAP SE監査役会の現在の構成員の一部は、2020年12月31日時点において、ドイツその他の国のSAP SE以外の企業
の監査役会またはそれと同等の統治機関のメンバーを務めていた。詳細は、当社の連結財務諸表に対する注記
(G.4)を参照のこと。従業員の年金債務に関するものの他には、SAP SEは、監査役会のいずれの構成員との間にも
構成員の雇用または業務の終了時の手当に係る契約を締結していない。
(2) 当社の取締役および取締役会構成員への報酬
取締役会および監査役会構成員に対する報酬
報酬に関する本報告は、2つの報酬システムにつき説明し、2020年度の報酬に適用される基準を概説し、報酬額
を開示するものである。いずれの報酬システムも2020年5月20日の年次株主総会において承認された。
取締役会構成員に対する報酬
2020年度報酬システム
取締役会構成員の報酬は、急速に発展する業界に身を置くグローバル企業を率いる取締役会構成員の厳しい任務
を反映するよう意図されている。高度な技能を有する取締役をグローバル市場、とりわけ世界のソフトウェア業界
において当社が獲得する上での支えとなるように、報酬水準は他に引けを取らないことを目指したものとなってい
る。当社の取締役会の報酬が、ダイナミックなビジネス環境において成功を収める熱心な仕事ぶりに対する持続的
なインセンティブとなることを当社は目標としている。
各取締役会構成員の報酬は個別の役職および業績に応じて、総務報酬委員会の力添えの下、監査役会によって以
下の原則に基づき各会計年度の最初の定例会において決定される。
・ 事業戦略を前進させる働きを有する報酬であること。
・ 並外れた業績に対してはそれに見合った褒賞を与え、具体的な目標を達成できなかった場合には目に見える
かたちでの報酬の減額をもたらすことが確実な報酬であること。
・ 市場標準に沿った水準および構造を有し、当社の規模、複雑性および経済状況を反映した報酬であること。
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・ 当社全体の給与体系を考慮した報酬であること。その観点から、当社内における均衡の原則の遵守を確保す
るため、当該報酬と当社の役員および役員以外の当社の従業員に対する給与との比較が行われる。
報酬体系は、諸手当および／または年金契約に関するいくつかの規定を除き、既にほとんどの点において、現在
有効な報酬契約に沿ったものとなっている。将来、新たな構成員が任命されまたは既存の構成員が再任された場
合、監査役会は具体的な報酬総額が報酬体系に則したものとなるようにする。
以下に示すとおり、当該報酬には業績に基づく要素と業績に基づかない要素が含まれる。
業績に基づく報酬の金額は、主にあらかじめ設定された目標値（主要業績指標（KPI））に対する当社の業績お
よび当社の株価に依拠し、そこには一定のハードルおよび上限が設けられている。当該KPIならびにその目標値お
よび加重係数は、各年度につき監査役会が決定し、当該年度の当社予算または当社が外部に向け公表している財務
目標に基づき調整される。
監査役会は、各取締役会構成員について固定報酬要素および2つの業績ベース要素によって構成される個別の合
計目標報酬を設定する。当該目標報酬は、当社のグローバル戦略、市場での地位、事業の業績および経済の今後の
見通し、ならびに当社と同程度の国内および国際企業において支払われる報酬額を基準に設定される。当該設定
1
は、DAX30を構成する企業および米国を拠点とするITその他のテクノロジー企業 の報酬データを基準に2020年2月
に行われた。各業績ベース要素は、すべてのKPIの目標達成率を100％とした場合に対応する。監査役会は、各会計
年度の最初の会議（2020年度については2020年2月19日）において当該報酬目標を見直し、評価し、設定する。監
査役会は、当該アプローチによって報酬の適切性が確保されると考えている。
報酬体系は、当社の価値の長期的上昇を支えるために設計されている。そのため長期インセンティブ要素に圧倒
的な比重が置かれ、CEOについては報酬目標の約3分の2、各取締役会構成員の報酬目標については50％超を占め
る。
監査役会は、臨時的かつ予測不能な事態が生じた場合、当社の利益のため、その合理的裁量において支払前の業
績ベース報酬を増減させることができる。当該裁量による増減は、STIについては＋／－20％、LTIについては＋／
－10％以内に限定される。2020年5月に支払われた報酬額については、一切修正は行われなかった。
当社の取締役会報酬の個別要素に関する詳細は、以下に記載のとおりである。
1 次の米国企業が含まれる：Adobe、Amazon.com、Apple、Automatic Data Processing、Cisco Systems、Cognizant
Technology Solutions、Dell Technologies、DXC Technology、Facebook、Hewlett Packard Enterprise、
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International Business Machines、Microsoft、Netflix、Oracle、salesforce.com、ServiceNow、VMware、Western
Digital、Workday。
業績に基づかない報酬
固定報酬
2
固定報酬は、12回の均等分割払いにて、当該取締役会構成員の母国の通貨 において毎月支払われる。
2 母国の通貨とは、当該取締役会構成員の主たる居住地の通貨をいう。
諸手当
契約上保証されている諸手当は主に、保険負担、現物支給手当、住宅2軒の維持費、航空機の使用、および地域
別条件に基づく税金のグロスアップ等の追加手当によって構成される。通常の諸手当には上限額が設定されてお
り、一般の取締役会構成員については固定報酬の10％、CEOについては固定報酬の20％とされている。ドイツ国外
に永住する取締役会構成員は、税務アドバイスを受けるために要する費用の払い戻しを受けることができ、その上
限額は一般の取締役会構成員については固定報酬の15％、CEOについては固定報酬の30％である。ドイツ国外から
国内へ転居する場合、一般の取締役会構成員については固定報酬の15％、CEOについては固定報酬の30％を上限と
して、転居手当が付与される。
加えて、取締役会への異動前に得ていた報酬手当が当該異動により失われた場合に限り、固定報酬の200％を上
限とする一時金（サインオン・ボーナス）が付与される。
退職年金
当社において適用される退職年金制度は確定拠出型である。ドイツ国外に永住する取締役会構成員については、
SAPグループに属す現地企業の従業員に対して適用される退職年金制度を当社が指定する場合があるが、その上限
は固定報酬の30％とする。
業績に基づく報酬
短期インセンティブ
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1) 当社の2019年度通年に係る外部向け財務報告において定義され採用されている、当社の非IFRS測定基準に基づく
1年間の短期業績に基づく報酬（短期インセンティブ（STI））は、一連の財務目標（財務KPI）および持続可能
性目標（持続可能性KPI）に基づき決定される。
STI2020については、財務KPIが合計80％の割合を占め、当該財務KPIは為替変動を考慮しない2020年度の非IFRS
の当期クラウド受注残高、前年度と比較した為替変動を考慮しない2020年度の非IFRSのクラウドおよびソフトウェ
ア収益の成長、ならびに前年度と比較した為替変動を考慮しない2020年度の非IFRSの営業利益率の増加にて構成さ
れる。
持続可能性KPIは合計20％の割合を占め、当社の顧客ロイヤルティを測定する顧客ネット・プロモーター・スコ
ア、当社従業員のコミットメント、プライドおよびロイヤルティを測定する従業員エンゲージメント指数、ならび
に当社の温室効果ガス排出量を測定するカーボンインパクトにて構成される。
KPIおよびその各目標値は、各年度の当社の予算から導き出される。
目標達成率（加重されたもの）が75％未満であった場合、STIは支払われない。この場合、これらのKPIに関する
目標達成率は0となる。2021年度よりSTIの支払要件となる合計目標達成率は75％から50％に引下げられる。
2021年2月24日に監査役会は、合意された目標に対する当社実績の評価を行い、取締役会全体に係るSTI2020の金
額を決定した。目標達成率は、2020年2月に設定された目標に基づくものである。COVID-19が当社の業績に多大な
悪影響を与え、外部向けに公表している指針は年度中に引下げられてきたものの、当該目標の調整はなされなかっ
た。目標達成率は以下のとおりとなった。
・ クラウドおよびソフトウェア収益の成長については69.5％（目標達成率100％は＋7.0％に相当）
・ 営業利益率の増加については100％（目標達成率100％は＋60ベーシスポイントから＋92ベーシスポイントに
相当）
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・ 当期クラウド受注残高については、目標達成率のハードルである50％を超えなかったため0％（目標達成率
100％は8,215百万ユーロに相当）
・ 顧客ネット・プロモーター・スコアについては105.7％（目標達成率100％は－3ポイントから＋3ポイントの
変動に相当）
・ 従業員エンゲージメント指数については116％（目標達成率100％は84％に相当）
・ カーボンインパクトについては140％（目標達成率100％は238kt CO2に相当）
KPIに係る目標達成率（加重されたもの）は66.5％となり、ハードルである75％を下回ったため、STIは支払われ
ない
長期インセンティブ
監査役会は、2020年1月1日より有効となる、複数年度にまたがる長期業績ベースの新たな報酬プラン、SAP長期
インセンティブ・プログラム2020（LTI2020）を導入した。LTI2020は、毎年トランシェを付与するものであり、当
社の長期戦略が反映されるため、取締役会構成員が長期戦略に基づく主要目標を達成する上での一律のインセン
ティブとなる。またLTI2020は、市場の株価と比較した場合の当社の株価に係る長期業績についても取締役会構成
員を評価することで、株主の利益を守る役割も果たす。加えて、LTI2020には取締役会構成員の長期的な在任を確
保する要素も含まれる。
LTI2020プランは、それぞれ約4年間の期間が定められたトランシェが毎年付与される仮想株式プログラムであ
る。個別のトランシェが付与されると、当該取締役会構成員の契約に定められる付与額がその都度、仮想株式（単
元株式）に転換される。付与額は固定報酬（当該報酬決定時のユーロでの金額に基づく。）の700％を超えてはな
らない。転換に際して、当該付与額は、第4四半期および通年の業績速報の公表予定日後20取引日間の算術平均と
して算出される当社の株価（付与時の価格）によって除される。2020年度は、2020年1月28日に業績速報が公表さ
れた。このようにして割り当てられる単元株式は、財務業績単元株式（FSU）、市場業績単元株式（MSU）および残
留単元株式（RSU）がそれぞれ3分の1を占めるかたちで構成されている。単元株式の確定期間は、3種類とも約4年
間とされる。
LTIの付与手続
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RSUと異なり、FSUおよびMSUの数は変動する。さらに、FSU、MSUおよびRSUはその全部または一部が失効し得る。
これらについては、以下のとおりである。
FSUの数の変動
FSUの最終的な数は、等しく加重される3つの財務KPI目標を当社が3年間の業績期間全体を通じてどの程度達成で
きたかにより変わる。2020年度につき付与されるFSUトランシェに係る財務KPIは、当社が2019年4月に公表した
2023年度中期目標から導き出されたものである。クラウド収益および合計収益の目標達成率には120％の上限と
80％のハードルが設けられており、営業利益の目標達成率については110％の上限と90％のハードルが設けられて
いる。
1) 当社の2019年度通年に係る外部向け財務報告において定義され採用される、当社の非IFRS測定基準に基づく
FSUの計算に関する以下の例は、1,000のFSUが付与されたと仮定した場合に起こり得る結果を示すものである。
当社の財務業績が目標を上回った場合
合計収益に関する業績要因 100 ％
クラウド収益に関する業績要因 125 ％
営業利益に関する業績要因（上限値） 150 ％
(100 ％ + 125％ + 150%) / 3
財務業績要因 125 ％
125 ％ x 1,000
最終的なFSUの数 1,250
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当社の財務業績が目標を下回った場合
合計収益に関する業績要因は50％未満 0％
クラウド収益に関する業績要因 65 ％
営業利益に関する業績要因 100 ％
(0 ％ + 65％ + 100%) / 3
財務業績要因 55 ％
55 ％ x 1,000
最終的なFSUの数 550
MSUの数の変動
当初付与分のMSUの数に対しても、同様に業績要因が乗じられる。業績要因は、当社株式に係る株主総利益率
（TSR）に応じて決まる。TSRは、約3年間の業績期間全体につき測定され、ナスダック100指数（指数）の構成銘柄
のTSR業績との比較において評価される。TSRは、株価の値動きと付与された配当および再投資された配当とを組み
合わせて導き出す株式の業績である。市場業績要因については、75パーセンタイル（P-75）において150％の上限
が設けられ、25パーセンタイル（P-25）において50％のハードルが設けられており、ハードルを超えられなかった
場合MSUはないものとみなされる。
MSUの計算に関する以下の例は、1,000のMSUが付与されたと仮定した場合に起こり得る結果を示すものである。
当社のTSR業績がナスダック100指数の構成銘柄のTSR業績を上回った場合
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当社のTSR業績 +10 ％
業績要因 55 パーセンタイル 110 ％
110 ％ x 1,000
最終的なMSUの数 1,100
当社のTSR業績がナスダック100指数の構成銘柄のTSR業績を上回った場合：上限に到達するケース
当社のTSR業績 +18 ％
業績要因 80 パーセンタイル 160 ％
上限:75パーセンタイル 150 ％
150 ％ x 1,000
最終的なMSUの数 1,500
当社のTSR業績がナスダック100指数の構成銘柄のTSR業績を上回った場合：市場の動向が下向きのケース
当社のTSR業績 -5 ％
業績要因 60 パーセンタイル 120 ％
業績がプラスであるとの要件を満
100 ％
たさない場合の上限
100 ％ x 1,000
最終的なMSUの数 1,000
ナスダック100指数の構成銘柄のTSR業績が当社のTSR業績を上回った場合：最低ハードルを越えられないケース
当社のTSR業績 -5 ％
業績要因 20 パーセンタイル 40 ％
ハードル：25パーセンタイル 0％
0％ x 1,000
最終的なMSUの数 0
FSU、RSUおよびMSUの支払
当該時点において存在するFSU、MSUおよびRSUの価額は、当該単元株式の付与された事業年度の翌年から数えて3
年目の事業年度に係る財務書類を承認する当社の年次株主総会終了後に、ユーロにて支払われる。単元株式に係る
業績は、配当の支払額を含めた当社の株価の値動きと連動している。そのため、当該時点における当社の株価に、
単元株式が付与された年度の期首からその翌年度を1年目とした場合の3年目の年度末までの間に当社株式について
支払われた配当を加えた金額が、（下記詳細に従って）各単元株式につき支払われる。第4四半期および通年の業
績速報の公表予定日後20取引日間の当社の株価の算術平均が、決済時の支払額として使用される。
当該単元株式につき支払われる配当額を含めた、一単元株式当たりの支払額の上限は、付与時の価格の200％に
設定されている。FSUおよびMSUについてはその数が変動する可能性があるため、LTI2020につき毎年付与されるト
ランシェの支払額の上限はいずれも、算術平均に基づき、付与額の約267％となる。外国為替レートに係る潜在的
リスクについては、取締役会構成員自身が負うものとする。
ただし、いずれの種類の単元株式も特定の条件下においてトランシェの期間中いつでも失効する可能性がある。
LTIの失効規則
取締役会構成員のサービス契約が単元株式の付与年の翌年から3年以内に終了した場合、以下に掲げる当該退任
またはサービス契約の終了の状況に応じて、PSU（FSU、MSU）およびRSUの全部または一部が失効する。単元株式の
一部が失効した場合、失効割合は4年間の確定期間に係る各付与分に比例するものとする。これは確定期間中、構
成員が付与分の25％ずつを毎年取得する扱いとなることを意味する。未取得分は失効する。
LTI の失効規則
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1 4つのトランシェに基づく計算例（付与割当100％、付与から確定まで株価が一定、かつ業績条件を考慮しない場合）。取
締役会構成員の契約は4年目（2023年12月31日）より後に終了。
2 各取締役会構成員の個別契約に定めるとおりとする。
3 定義については、早期業務終了保証の項を参照のこと。
外国為替レートに関する上限
固定報酬およびSTIが取締役会構成員の母国の通貨にて支払われる場合、一事業年度の固定報酬とSTIによって生
じる合計支払額（支払総額）には、為替レートの変動に備えユーロでの上限額が設定されている。事業年度通年の
ユーロでの上限額は、ユーロに換算した固定報酬とSTI目標額の合計額およびLTI2020に基づくトランシェの付与額
の20％のそれぞれ120％に相当する。
目標報酬および最高報酬
報酬体系は、一般の取締役会構成員については最大6.0百万ユーロ、CEOについては最大13.6百万ユーロの合計目
標報酬額（諸手当、退職年金および外国為替レートに関する上限は考慮しない。）を設定している。
固定報酬、STIおよびLTI（諸手当および退職年金を除く。）によって構成される合計目標報酬額の比率は、以下
の範囲内でなければならない。
・ 固定報酬：10％から20％
・ STI：20％から30％
・ LTI：50％から70％
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最高報酬とは、各取締役会構成員に対して一事業年度につき支払うことのできる報酬総額の最高額である。最高
報酬額（諸手当、退職年金および外国為替レートに関する上限は考慮しない。）は、一般の取締役会構成員につい
て は13.2百万ユーロ、1名のCEOについては29.8百万ユーロとなっている。追加可能な諸手当を最高額にて含めた最
高報酬総額は、一般の取締役会構成員については15.0百万ユーロ、1名のCEOについては34.5百万ユーロとなってい
る。個別の取締役会構成員の報酬体系および目標報酬額の決定に当たり、監査役会は、STIおよびLTIの上限も考慮
の上、支払可能額が最高報酬額および最高報酬総額を超えないようにしなければならない。
最高報酬総額の図示に当たっては、LTIは規定範囲の最大比率、固定報酬は規定範囲の最小比率にて換算してい
る。本図に記載の経常的に生じる手当には、退職年金、外国為替レートに関する上限およびその他の諸手当が含ま
れる。
回収規定
虚偽の情報が提供されたことを原因として目標が全く達成されずまたは支払額の計算時に想定された範囲の目標
達成率に至らず、STIまたはLTIよりなされた支払の全部または一部が正当でなかったことが後に発覚した場合に、
取締役会構成員に対して当該支払の返却を要求する契約上の権利を、当社は有している。かかる場合、当該取締役
会構成員は、実際に支払われた金額のうち実際の目標達成率に基づき支払われるべき金額の超過分を当社に対して
返金する義務を負う。契約上合意された当該返金請求権は、ドイツ民法（BGB）第812条に基づく不当利得返還請求
権を補足するものである。
グループ内外において役職に就く場合の報酬の相殺
監査役会からの要請があった場合、取締役会構成員は別途報酬を受領することなく当社の関連会社の監査役会そ
の他同様の機関において役職に就く。例外的事例ではあるが、グループ内において就いた役職につき報酬をなくす
ことができない場合、当該報酬は当該取締役会構成員に対して支払われるその他の報酬によって相殺するものとす
る。取締役会構成員がグループ外の企業の監査役会その他同様の機関において役職に就く場合、監査役会による事
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前の承認が必要となり、監査役会は個別の事案につき当社の支払う報酬によって相殺すべき報酬があるか否かおよ
びどの程度相殺すべきかを判断する。
報酬の調整
年に一度実施される報酬見直しにおいて、監査役会は合計報酬または個別の報酬要素を削減することができる
が、これは適用法令により要求される範囲内に限られる。2020年度については、調整はなされなかった。
2月の会合において、監査役会は例外的状況において報酬体系上認められている追加報酬の付与および支払につ
き決議した。COVID-19パンデミック、関連する制約およびその結果としての経済危機によって前例のない課題が生
じている中、取締役会は驚異的な功績を上げた。当該功績は、当社が黒字および長期的かつ持続可能な成功を収め
ることのできる立場を維持し続けることを保証するものであった。
具体的には、取締役会構成員は、とりわけバーチャル販売およびリモート実装の体制を整えることで事業の継続
性を担保しながら、従業員、提携先および顧客の安全を確保し、ダイナミックな状況に対して迅速に対応した。従
業員のニーズに寄り添い、メンタルヘルス・イニシアチブ等を通じて従業員の福祉を守るため、パンデミック・タ
スクフォースが設けられた。顧客および従業員を重視するこうした動きは、顧客ネット・プロモーター・スコア
（NPS）の10ポイント上昇および従業員エンゲージメント・スコアの増加に反映されている。完全にバーチャルな
環境下で、取締役会は当社の移行を加速させた。QualtricsのIPOおよびMicrosoft Teamsとの戦略的パートナー
シップはそのうちの2例に過ぎない。取締役会は、従業員の勤務時間の短縮や一時解雇の検討などは行わず、政府
による大規模な包括的援助を受けることもしなかった。クラウドおよびソフトウェア収益の成長を確保し、適性に
応じてコスト削減策を適用することで、収益性を担保し、結果的に当社の営業利益を増加させたのである。COVID-
19危機が続く中でも、2020年度中、当社は改定後の2020年度収益目標をすべて達成し、営業利益については当社の
見通しの最高値に到達した。実際のところ、当社はクラウド収益以外については、2020年4月に決定したガイダン
スを最終的にクリアしたのである。クラウド収益は、為替変動を考慮しない場合18％増加したことになり、引き続
き成長の大きな原動力となっている。当該収益は、主に出張の減少に起因する、Intelligent Spend事業における
取引収益の減少の影響を受けた。これを除けば、当社のSoftware-as-a –ServiceおよびPlatform-as-a-Serviceク
ラウド・ソリューション全体のクラウド収益の成長は、為替変動を考慮しない場合27％であったことになる。
加えて、当社は営業キャッシュ・フロー106％増およびフリー・キャッシュ・フロー164％増という記録的な
キャッシュ・フロー業績を上げ、配当金を増額して支払い（配当率55％）、2020年度中に15億ユーロの株式買戻し
プログラムを完了した。監査役会は、追加報酬が現在および将来の取締役会構成員にとって前向きな兆しとなり、
当社に対するコミットメントをさらに強める機会を彼らに提示し、当社の長期的な成功の担保につながると考えて
いる。
監査役会は次のとおり追加報酬を決定した：クリスチャン・クライン（1,100,000ユーロ）、アデア・フォック
ス・マルティン（800,000ユーロ）、ルカ・ムシッチ（700,000ユーロ）、ユルゲン・ミュラー（700,000ユーロ）
およびトーマス・ザウアーエッスィヒ（700,000ユーロ）。追加報酬は、2021年5月の年次株主総会後に支払われ
る。すべての取締役会構成員が、適切な取引期間規制に基づき当社の株式を少なくとも報酬の支払純額分購入する
ことを義務付けられている。当該株式は3年間の保有が条件となっている。
業績ベース報酬の目標額と支払額の関係性の概要
STIの合計目標達成率は、目標額と支払額の関係を反映するものである。2016年度から2019年度のSTIは既に支払
済である。
STI の合計目標達成率
パーセント 2020 年度 2019 年度 2018 年度 2017 年度 2016 年度
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0 82.4 93.0 88.2 104.4
2017年度から2020年度トランシェのLTI目標額と理論上の支払額の関係は、年度末現在の当社の株価に基づくも
のである。2016年度トランシェは、各目標額と2020年5月の実際の支払額との関係性を示している。2016年度トラ
ンシェの支払時の価格は、2020年1月29日から2月25日までの平均株価に基づき算出されている。
LTI の目標額と支払額との関係
パーセント LTI2020 LTI2016 プラン
2020 年度 2019 年度 2018 年度 2017 年度 2016 年度
1 1 1 1
トランシェ トランシェ トランシェ トランシェ トランシェ
2020 年12月31日 45.5 100.9 48.0 49.9 79.2
2019 年12月31日 NA 156.6 126.4 110.5 138.7
1 年度末現在の当社の株価に基づく理論上の支払額を考慮
2020年度の報酬額
当社は、取締役会の報酬の開示をドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード（以下「GCGC」という。）が推奨
するところに従って行っている。また、以下の表はドイツ会計基準（以下「GAS 17」という。）の定めに従った、
ドイツ商法（ Handelsgesetzbuch または「HGB」 ）第314条および第315条の規定に基づく勘定調整表である。GCGCの
推奨に基づき、該当年度につき付与された報酬価額および該当年度につき支払われた金額に当たる獲得利益を、
GCGC（2017年版）において推奨される参照図表に基づき以下に開示する。ドイツHGBおよびGAS 17に規定される開
示規則とは対照的に、GCGCにおいては、IAS 19に基づくサービス費用に当たる年金費用が取締役会報酬に含まれて
おり、年間変動報酬の目標数値ならびに変動報酬要素に対し獲得可能な報酬の最大額および最小額を追加開示する
ことが求められている。
取締役会構成員の報酬
ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード
単位：千ユーロ クリスチャン・クライン(Christian Klein) アデア・フォックス・マルティン(Adaire Fox-Martin)
CEO 取締役会構成員
付与報酬 受領報酬 付与報酬
受領報酬
2020 年度 2020 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2020 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度
(最小) (最大) (最小) (最大)
固定報酬 1,100.0 1,100.0 1,100.0 789.9 1,100.0 789.9 800.0 800.0 800.0 700.0 800.0 700.0
2
諸手当 17.9 17.9 17.9 14.8 17.9 14.8 28.3 28.3 28.3 31.0 28.3 31.0
合計 1,117.9 1,117.9 1,117.9 804.7 1,117.9 804.7 828.3 828.3 828.3 731.0 828.3 731.0
追加報酬 1,100.0 1,100.0 1,100.0 800.0 800.0 800.0
年間変動報酬 1,900.0 0 2,660.0 1,301.8 1,072.7 1,046.9 1,200.0 0 1,680.0 1,125.8 927.6 1,046.9
複数年変動報酬
LTI2020 5,095.8 0 14,667.0 3,705.9 0 10,666.6
LTI2016 プラン 3,407.9 2,823.1
RSU マイルストーン・
プラン2015
合計 9,213.7 2,217.9 19,544.9 5,514.4 2,190.6 1,851.6 6,534.2 1,628.3 13,974.9 4,679.9 1,755.9 1,777.9
サービス費用
GCGC に基づく合計 9,213.7 2,217.9 19,544.9 5,514.4 2,190.6 1,851.6 6,534.2 1,628.3 13,974.9 4,679.9 1,755.9 1,777.9
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単位：千ユーロ ミヒャエル・クライネマイヤー(Michael Kleinemeier) ジェニファー・モルガン(Jennifer Morgan)
取締役会構成員 共同CEO 兼 取締役会構成員
(2020 年4月30日まで) (2020 年4月30日まで)
付与報酬 受領報酬 付与報酬
受領報酬
1 1 1 1
2020 年度 2020 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2020 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度
(最小) (最大) (最小) (最大)
固定報酬 233.3 233.3 233.3 700.0 233.3 700.0 353.1 353.1 353.1 762.1 353.1 762.1
2
諸手当 1.3 1.3 1.3 29.0 1.3 29.0 106.4 106.4 106.4 125.8 106.4 125.8
合計 234.6 234.6 234.6 729.0 234.6 729.0 459.5 459.5 459.5 887.9 459.5 887.9
追加報酬
年間変動報酬 1,125.8 0 1,576.1 1,125.8 927.6 1,046.9 1,703.2 0 2,384.5 1,251.5 1,031.2 978.4
複数年変動報酬
LTI2020 2,199.6 0 6,330.9 5,095.8 0 14,667.0
LTI2016 プラン 2,387.0 1,880.1 3,731.2
RSU マイルストーン・ 473.8
プラン2015
合計 3,560.0 234.6 8,141.6 4,241.7 3,042.3 2,249.7 7,258.5 459.5 17,511.0 5,870.5 1,490.7 1,866.2
サービス費用 1.1 1.1 1.1 104.6 1.1 104.6
GCGC に基づく合計 3,560.0 234.6 8,141.6 4,241.7 3,042.3 2,249.7 7,259.6 460.6 17,512.1 5,975.1 1,491.8 1,970.8
単位：千ユーロ ルカ・ムシッチ(Luka Mucic) ユルゲン・ミュラー(Juergen Mueller)
取締役会構成員 取締役会構成員
付与報酬 受領報酬 付与報酬
受領報酬
2020 年度 2020 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2020 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度
(最小) (最大) (最小) (最大)
固定報酬 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0
2
諸手当 15.7 15.7 15.7 12.0 15.7 12.0 18.7 18.7 18.7 13.5 18.7 13.5
合計 715.7 715.7 715.7 712.0 715.7 712.0 718.7 718.7 718.7 713.5 718.7 713.5
追加報酬 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0
年間変動報酬 1,125.8 0 1,576.1 1,125.8 927.6 1,046.9 1,125.8 0 1,576.1 1,125.8 927.6
複数年変動報酬
LTI2020 2,199.6 0 6,330.9 2,014.4 0 5,798.0
LTI2016 プラン 2,387.0 1,880.1 2,185.8
RSU マイルストーン・ 3,732.5
プラン2015
合計 4,741.1 1,415.7 9,322.7 4,224.7 3,523.4 5,491.4 4,558.9 1,418.7 8,792.8 4,025.1 1,646.3 713.5
サービス費用
GCGC に基づく合計 4,741.1 1,415.7 9,322.7 4,224.7 3,523.4 5,491.4 4,558.9 1,418.7 8,792.8 4,025.1 1,646.3 713.5
単位：千ユーロ ステファン・ライズ(Stefan Ries) トーマス・ザウアーエッスィヒ(Thomas Saueressig)
取締役会構成員 取締役会構成員
(2020年5月31日まで)
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付与報酬 受領報酬 付与報酬
受領報酬
2020 年度 2020 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2020 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度
(最小) (最大) (最小) (最大)
固定報酬 291.7 291.7 291.7 700.0 291.7 700.0 700.0 700.0 700.0 116.7 700.0 116.7
2
諸手当 10.4 10.4 10.4 21.8 10.4 21.8 17.6 17.6 17.6 2.1 17.6 2.1
合計 302.1 302.1 302.1 721.8 302.1 721.8 717.6 717.6 717.6 118.8 717.6 118.8
追加報酬 700.0 700.0 700.0
年間変動報酬 1,125.8 0 1,576.1 1,125.8 927.6 1,046.9 1,125.8 0 1,576.1 188.1 155.0
複数年変動報酬
LTI2020 769.5 0 2,214.8 2,014.4 0 5,798.0
LTI2016 プラン 2,010.7 1,190.0 515.2
RSU マイルストーン・
プラン2015
合計 2,197.3 302.1 4,093.0 3,858.3 2,419.7 1,768.7 4,557.8 1,417.6 8,791.7 822.1 872.6 118.8
サービス費用
GCGC に基づく合計 2,197.3 302.1 4,093.0 3,858.3 2,419.7 1,768.7 4,557.8 1,417.6 8,791.7 822.1 872.6 118.8
単位：千ユーロ 取締役会合計
付与報酬 受領報酬
2020 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度
固定報酬 4,878.1 5,168.6 4,878.1 5,168.6
2
諸手当 216.3 250.0 216.3 250.0
合計 5,094.4 5,418.5 5,094.4 5,418.6
追加報酬 4,000.0 0
年間変動報酬 10,432.0 8,370.2 6,896.9 6,213.1
複数年変動報酬
LTI2020 23,095.0
LTI2016 プラン 19,447.9 4,950.2
RSU マイルストーン・プラン2015 4,206.3
合計 42,621.4 33,236.6 16,941.5 15,838.0
サービス費用 1.1 104.6 1.1 104.6
GCGC に基づく合計 42,622.5 33,341.2 16,942.6 15,942.6
1 固定報酬および年間変動報酬は米ドルにて付与される。米ドルのユーロ換算においては、固定報酬については各期間の平
均為替レートが、年間変動報酬については各年度末の為替レートが適用される。
2 保険負担、社用車および航空機の私的利用、現物支給手当、未消化分の有給休暇に対する補償、住宅2軒の維持費、納税
申告書の作成ならびに該当地域の条件に即した税金のグロスアップ計算に係る費用の払戻。
GAS 17に関連するHGB第314条(1)(6a)に基づく、報酬合計の勘定調整表
単位：千ユーロ クリスチャン・クライン アデア・フォックス・マルティン ミヒャエル・クライネマイヤー
2020 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度
GCGC に基づく合計 9,213.7 5,514.4 6,534.2 4,679.9 3,560.0 4,241.7
年間変動報酬の付与に係る減額 –1,900.0 –1,301.8 –1,200.0 –1,125.8 –1,125.8 –1,125.8
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年間変動報酬の実際の割当に係る増 0 1,072.7 0 927.6 0 927.6
額
サービス費用の減額
報酬合計 7,313.7 5,285.3 5,334.2 4,481.7 2,434.2 4,043.6
単位：千ユーロ ジェニファー・モルガン ルカ・ムシッチ ユルゲン・ミュラー
2020 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度
GCGC に基づく合計 7,259.6 5,975.1 4,741.1 4,224.7 4,558.9 4,025.1
年間変動報酬の付与に係る減額 –1,703.2 –1,251.5 –1,125.8 –1,125.8 –1,125.8 –1,125.8
年間変動報酬の実際の割当に係る増 0 1,031.2 0 927.6 0 927.6
額
サービス費用の減額 –1.1 –104.6
報酬合計 5,555.3 5,650.2 3,615.3 4,026.6 3,433.1 3,826.9
単位：千ユーロ ステファン・ライズ トーマス・ザウアーエッスィヒ 取締役会合計
2020 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度
GCGC に基づく合計 2,197.3 3,858.3 4,557.8 822.1 42,622.5 33,341.2
年間変動報酬の付与に係る減額 –1,125.8 –1,125.8 –1,125.8 –188.1 –10,432.0 –8,370.2
年間変動報酬の実際の割当に係る増 0 927.6 0 155.0 0 6,896.9
額
サービス費用の減額 –1.1 –104.6
報酬合計 1,071.6 3,660.1 3,432.0 788.9 32,189.4 31,763.3
縦割り支払比率
縦割り支払比率は、CEOおよびCEOを除く取締役会構成員に対して付与された合計目標報酬と役員および年度末時
点において雇用されていた全従業員に対して付与された合計目標報酬とを比較するものである。比較可能性を担保
するため、固定報酬、年間変動報酬および複数年変動報酬のみがその対象とされる。役員とは、取締役会に次ぐ第
一および第二の経営幹部に当たるグローバル・エグゼクティブ・チーム（GET）およびシニア・エグゼクティブ・
チーム（SET）の構成員を指す。
2020 年度
比率 CEO
取締役会
(CEO を除く。)
平均年間報酬 8,095.8 4,352.9
(単位：千ユーロ)
役員 915 9 5
役員を含む従業員 103 78 42
2019 年度
1
比率 共同CEO 取締役会
1
(共同CEOを除く。)
平均年間報酬 8,604.5 4,196.4
(単位：千ユーロ)
役員 915 9 5
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役員を含む従業員 103 84 41
1 2019年度については年度途中に取締役会構成員の変更があったため、計算の便宜上、目標報酬は年率に換算されている。
2018 年度
比率 CEO
取締役会
(CEO を除く。)
平均年間報酬 10,384.3 3,942.3
(単位：千ユーロ)
役員 906 11 4
役員を含む従業員 99 105 40
2017 年度
比率 CEO
取締役会
(CEO を除く。)
平均年間報酬 11,209.2 3,880.0
(単位：千ユーロ)
役員 923 12 4
役員を含む従業員 101 111 39
2016 年度
比率 CEO
取締役会
(CEO を除く。)
平均年間報酬 11,785.4 4,090.8
(単位：千ユーロ)
役員 823 14 5
役員を含む従業員 99 119 41
長期インセンティブに関する株式報酬に係る情報
取締役会構成員は、LTI2020に基づき発行された単元株式を受領し、現在保有しまたは過去に保有しており、
LTI2016プランに基づき発行された単元株式を現在保有しまたは過去に保有していた。当該プログラムの条件およ
び詳細については、連結財務諸表に対する注記(B.3)を参照のこと。
LTI2020に基づく付与
付与年度 MSU FSU RSU 付与時点における
合計単元株式数
公正価値
(1/3) (1/3) (1/3)
数量 数量 数量 千ユーロ
数量
1
クリスチャン・クライン (CEO) 2020 年度 14,834 14,834 14,834 5,096
44,502
1
アデア・フォックス・マルティン 2020 年度 10,788 10,788 10,788 3,706
32,364
1
ミヒャエル・クライネマイヤー(2020年4月30日まで) 2020 年度 6,403 6,403 6,403 2,200
19,209
1
ジェニファー・モルガン(2020年4月30日まで) 2020 年度 14,834 14,834 14,834 5,096
44,502
1
ルカ・ムシッチ 2020 年度 6,403 6,403 6,403 2,200
19,209
1
ユルゲン・ミュラー 2020 年度 5,864 5,864 5,864 2,014
17,592
1
ステファン・ライズ(2020年5月31日まで) 2020 年度 2,240 2,240 2,240 770
6,720
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1
トーマス・ザウアーエッスィヒ 2020 年度 5,864 5,864 5,864 2,014
17,592
合計 2020 年度 67,230 67,230 67,230 23,095
201,690
1 付与時点における公正価値：MSU1口当たり122.22ユーロ、FSU/RSU1口当たり110.65ユーロ
LTI2016プランに基づく付与
付与年度 合計単元株式数 RSU PSU 付与時点における公正価値
(40 ％) (60 ％)
RSU1 口当たり PSU1 口当たり
数量 数量 数量 千ユーロ
(ユーロ) (ユーロ)
1
2019 年度 7,797 3,119 4,678 117.39 139.97 1,021
クリスチャン・クライン(CEO)
2019 年度 26,047 10,419 15,628 88.54 93.71 2,387
2
2019 年度 3,970 1,588 2,382 101.98 115.10 436
アデア・フォックス・マルティン
2019 年度 26,047 10,419 15,628 88.54 93.71 2,387
ミヒャエル・クライネマイヤー
2019 年度 26,047 10,419 15,628 88.54 93.71 2,387
(2020 年4月30日まで)
ジェニファー・モルガン
1
2019 年度 6,378 2,552 3,826 117.39 139.97 835
(2020 年4月30日まで)
2
2019 年度 4,634 1,853 2,781 101.98 115.10 509
2019 年度 26,047 10,419 15,628 88.54 93.71 2,387
ルカ・ムシッチ 2019 年度 26,047 10,419 15,628 88.54 93.71 2,387
ユルゲン・ミュラー 2019 年度 23,852 9,541 14,311 88.54 93.71 2,186
ステファン・ライズ
2019 年度 21,941 8,776 13,165 88.54 93.71 2,011
(2020 年5月31日まで)
トーマス・ザウアーエッスィヒ 2019 年度 3,986 1,594 2,392 114.67 138.96 515
合計 2019 年度 202,793 81,118 121,675 19,448
1 共同CEOに就任したことによる追加付与分
2 責任の増大に伴う追加付与分
取締役会構成員による保有
LTI2020
単元株式の数量 付与年度 2020 年1月1日現 付与 失効 2020 年12月31日現在
在の保有数 の保有数
MSU (⅓) FSU (⅓) RSU (⅓)
クリスチャン・クライン(CEO) 2020 年度 0 14,834 14,834 14,834 0 44,502
アデア・フォックス・マルティン 2020 年度 0 10,788 10,788 10,788 0 32,364
ミヒャエル・クライネマイヤー
2020 年度 0 6,403 6,403 6,403 0 19,209
1
(2020 年4月30日まで)
ジェニファー・モルガン
2020 年度 0 14,834 14,834 14,834 29,790 14,712
2
(2020 年4月30日まで)
ルカ・ムシッチ 2020 年度 0 6,403 6,403 6,403 0 19,209
ユルゲン・ミュラー 2020 年度 0 5,864 5,864 5,864 0 17,592
ステファン・ライズ
2020 年度 0 2,240 2,240 2,240 0 6,720
3
(2020 年5月31日まで)
トーマス・ザウアーエッスィヒ 2020 年度 0 5,864 5,864 5,864 0 17,592
合計 0 67,230 67,230 67,230 29,790 171,900
1 ミヒャエル・クライネマイヤーの契約延長を受け、確定期間を1年とすることで合意がなされている。2020年12月31日付で
の契約終了を前提とした失効
2 2025年4月30日付での契約終了を前提とした、退職者規則に基づく失効
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3 2024年3月31日付での契約終了を前提とした、退職者規則に基づく失効
2020年度に付与された単元株式は3.2年の残存期間を有する。
LTI2016プラン
1 2
単元株式の数量 付与年度 2020 年1月1日現 行使分 失効 目標達成率に基づく調整 均衡PSU 2020 年12月31日現
在の保有数 在の保有数
クリスチャン・クライン(CEO) 2019 年度 33,844 0 0 0 0 33,844
2018 年度 22,385 0 0 0 0 22,385
アデア・フォックス・マルティン 2019 年度 30,017 0 0 0 0 30,017
2018 年度 26,574 0 0 0 0 26,574
2017 年度 18,539 0 0 0 0 18,539
ミヒャエル・クライネマイヤー 2019 年度 26,047 0 13,015 0 12,556 25,588
3
(2020 年4月30日まで)
2018 年度 26,574 0 6,639 0 3,983 23,918
2017 年度 27,619 0 0 0 0 27,619
2016 年度 37,898 15,159 0 -22,739 0 0
ジェニファー・モルガン 2019 年度 37,059 0 0 0 0 37,059
4
(2020 年4月30日まで)
2018 年度 26,574 0 0 0 0 26,574
2017 年度 18,539 0 0 0 0 18,539
ルカ・ムシッチ 2019 年度 26,047 0 0 0 0 26,047
2018 年度 26,574 0 0 0 0 26,574
2017 年度 27,619 0 0 0 0 27,619
2016 年度 37,898 15,159 0 -22,739 0 0
ユルゲン・ミュラー 2019 年度 23,852 0 0 0 0 23,852
ステファン・ライズ 2019 年度 21,941 0 0 0 0 21,941
5
(2020 年5月31日まで)
2018 年度 22,385 0 0 0 0 22,385
2017 年度 23,265 0 0 0 0 23,265
2016 年度 23,987 9,595 0 -14,392 0 0
トーマス・ザウアーエッスィヒ 2019 年度 3,986 0 0 0 0 3,986
合計 569,223 39,913 19,654 -59,870 16,539 466,325
1 退職者規則に基づく失効
2 退職者規則が存在するために受けるLTI2016プラン上の不利益を相殺するためのもの
3 2020年12月31日付での契約終了を前提とした、退職者規則に基づく失効
4 2025年4月30日付での契約終了を前提とした、退職者規則に基づく失効
5 2024年3月31日付での契約終了を前提とした、退職者規則に基づく失効
2019年度に付与された単元株式は2.1年、2018年度に付与された単元株式は1.1年、2017年度に付与された単元株
式は0.1年の残存期間を有する。
株式報酬に係る総費用
単位：千ユーロ 2020 年度 2019 年度
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クリスチャン・クライン (CEO) 1,438.6 1,924.8
アデア・フォックス・マルティン 673.6 2,667.3
ミヒャエル・クライネマイヤー(2020年4月30日まで) 2,552.8 3,253.4
ジェニファー・モルガン(2020年4月30日まで) 3,597.2 2,893.9
ルカ・ムシッチ 44.3 3,390.6
ユルゲン・ミュラー 719.6 767.5
ステファン・ライズ(2020年5月31日まで) 1,738.5 2,645.5
トーマス・ザウアーエッスィヒ 408.4 128.3
合計 11,173.0 17,671.3
取締役会構成員の株式報酬プランに係る総費用は、IFRS第2号（株式報酬）に従って決定されており、取締役会
の活動により生じる債務のみによって構成される。
業務終了手当
通常の業務終了保証
退職年金制度
以下の退職年金制度はここに列挙する取締役会の構成員たる各個人に適用される。
・ アデア・フォックス・マルティン、クリスチャン・クライン、ミヒャエル・クライネマイヤー、ルカ・ム
シッチ、ユルゲン・ミュラー、ステファン・ライズおよびトーマス・ザウアーエッスィヒは、62歳の退職年
齢に達し取締役会の職を退任する場合には退職年金を、または通常の退職年齢に達する前に就業不能もしく
は永久的無能力となった場合には健康診断の結果に応じた障害年金を受領する権利を有する。生存している
扶養家族の年金は、取締役会の元構成員が死亡した場合に支払われる。障害年金は、確定済退職年金の給付
額の100％であり、退職年金に切り替わる受益者の62歳の誕生日まで支払われる。生存している扶養家族の
年金は、死亡時の退職年金または確定済障害年金の給付額の60％である。かかる権利は、SAP SEに対して履
行強制が可能である。現行の年金支払は調整のため年度ごとに精査され、該当する場合は年金負債保険の剰
余金に従って増額される。任期が62歳の退職年齢に達する前に終了した場合、年金給付は、最長在任可能期
間に対する実際の在任期間に比例して減少する。適用される退職年金制度は、拠出型である。拠出額は、適
用収入基準以下の適用報酬の4％に、適用収入基準を上回る適用報酬の14％を加算した額である。当該計算
において、適用報酬とは年間基本給与の180％を指す。適用収入基準は、随時改定される（西）ドイツの国
家年金制度における法定年収基準である。
・ 当社は、ジェニファー・モルガンの第三者年金制度に対する拠出を「ドイツ・コーポレート・ガバナンス・
コード」の表に記載のとおり行った。対応する当社の拠出額は、ジェニファー・モルガンが本年金制度のも
とに積み立てた金額に基づいている。
取締役会構成員に対する確定給付債務（DBO）の合計および確定給付負債（資産）の純額
アデア ミヒャエル
単位：千ユーロ クリスチャン ルカ ユルゲン ステファン トーマス 合計
・フォックス ・クライネマイ
1 1
・クライン ・ムシッチ ・ミュラー ・ライズ ・ザウアーエッ
1
・マルティン ヤー
1
1
(2020 年5月31日 スィヒ
(CEO)
(2020 年4月30日
1
まで)
1
まで)
2019 年1月1日現在のDBO 112.8 183.4 338.6 543.8 0 277.4 0 1,456.0
2019 年1月1日現在の 141.3 257.0 507.6 635.7 0 419.3 0 1,960.9
制度資産控除後市場価値
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2019 年1月1日現在の –28.5 –73.6 –169.0 –91.9 0 –141.9 0 –504.9
確定給付負債(資産)の純額
2019 年度のDBO変動 244.7 207.6 205.9 475.0 149.7 251.4 41.9 1,576.2
2019 年度の制度資産変動 145.9 160.6 171.2 147.2 0 144.9 0 769.8
2019 年12月31日現在のDBO 357.5 391.0 544.5 1,018.8 149.7 528.8 41.9 3,032.2
2019 年12月31日現在の 287.2 417.6 678.8 782.9 0 564.2 0 2,730.7
制度資産控除後市場価値
2019 年12月31日現在の 70.3 –26.6 –134.3 235.9 149.7 –35.4 41.9 301.5
確定給付負債(資産)の純額
2020 年度のDBO変動 410.6 174.9 –544.5 129.7 133.1 17.1 166.4 487.3
2020 年度の制度資産変動 147.9 163.7 –678.8 167.5 301.5 75.9 163.7 341.4
2020 年12月31日現在のDBO 768.1 565.9 0 1,148.5 282.8 545.9 208.3 3,519.5
2020 年12月31日現在の 435.1 581.3 0 950.4 301.5 640.1 163.7 3,072.1
制度資産控除後市場価値
2020 年12月31日現在の 333.0 –15.4 0 198.1 –18.7 –94.2 44.6 447.4
確定給付負債(資産)の純額
1 ここに示す値は、クリスチャン・クライン、アデア・フォックス・マルティン、ミヒャエル・クライネマイヤー、ルカ・
ムシッチ、ユルゲン・ミュラー、ステファン・ライズおよびトーマス・ザウアーエッスィヒが取締役会構成員向けの退職
年金制度により受け取る年金受給額のみを反映したものである。
以下の表は、業績主義および給与連動制度による当社からの手当に基づく、退職予定年齢である62歳に達した場
合の取締役会の各構成員の取締役会構成員在任時に係る年間年金受給額を示している。
年間年金受給額
単位：千ユーロ 2020 年12月31日に権利確定 2019 年12月31日に権利確定
14.7 8.2
クリスチャン・クライン(CEO)
17.2 11.8
アデア・フォックス・マルティン
- 20.0
ミヒャエル・クライネマイヤー(2020年4月30日まで)
33.0 27.6
ルカ・ムシッチ
9.7 4.8
ユルゲン・ミュラー
18.8 16.8
ステファン・ライズ(2020年5月31日まで)
4.9 0.2
トーマス・ザウアーエッスィヒ
これらは確定した権利である。取締役会構成員が引き続き取締役会にとどまった結果、当該構成員のための拠出
が増加した場合は、退職予定年齢時に実際に支払われるべき年金額は、表に示されている金額よりも高くなる。
契約後競業禁止条項
各取締役会構成員の契約には12ヶ月間の契約後競業禁止条項が含まれている。当該競業禁止期間中、取締役会構
成員は、構成員としての契約報酬平均の50％に相当する抑止支払金を受領する。当該平均は直前3年間の契約報酬
に基づき算出される。取締役会構成員につき発生したその他一切の業務上の収入は、当該構成員の報酬から控除さ
れる。GCGCに基づき、監査役会は当該抑止支払金と退職金を相殺する。
以下の表は、契約後競業禁止抑止支払金の理論上の純現在価値を表している。当該計算は以下を前提としてい
る。
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・ 取締役会構成員が現在の契約期間満了時に当社を退職すること。
・ 退職前の最終平均契約報酬額が2020年度報酬と同額であること。
契約後の競合禁止に係る実際の支払額は、退職時期ならびに退職時の報酬水準および目標達成度により、これら
とは異なる金額となる可能性が高い。
契約後競業禁止抑止支払金の純現在価値
単位：千ユーロ 契約期間満了日 契約後競業禁止抑止支払金の
純現在価値
1
クリスチャン・クライン(CEO) 2025 年4月30日 3,109
アデア・フォックス・マルティン 2021 年6月30日 2,270
ルカ・ムシッチ 2026 年3月31日 1,452
ユルゲン・ミュラー 2021 年12月31日 1,370
トーマス・ザウアーエッスィヒ 2022 年10月31日 1,372
合計 9,574
1 本金額の計算に当たり、次の割引率が適用されている：クリスチャン・クライン-0.02％、アデア・フォックス・マル
ティン-0.31％、ルカ・ムシッチ0.07％、ユルゲン・ミュラー-0.28％およびトーマス・ザウアーエッスィヒ-0.23％。
早期業務終了保証
退職金
全取締役会構成員との間の標準契約には、任期満了前に業務を終了した場合（例えば、取締役の選任が当社によ
り理由なく取消された場合、役員が就業不能になった場合、または支配権の変更に伴う場合）、SAP SEは当該構成
員に対し、残りの全任期に対する報酬目標の残部分を、早期支払に伴う適切な減額を行った上で支払う旨規定され
ている。GCGC第G.13条に基づき、早期業務終了の場合の取締役会構成員に対する支払額は、合計年間報酬の2倍を
超えてはならない。また支配権の変更に伴う早期業務終了の場合は、退職金上限の150％を超えてはならない。当
社における取締役会構成員としての役務の提供期間が1年未満である場合または自身の責任においてSAP SEを退職
する場合には、当該構成員は当該退職金の支払を受ける権利を有しない。
取締役会構成員の取締役会における任期が満了し、またはその任命が組織変更もしくは再編もしくは支配権の変
更のため、またはそれらの結果、存在しなくなった場合、SAP SEおよび各取締役会構成員は、当該事由の発生後8
週間以内に、6ヶ月前の通知を行うことにより任用契約を終了させる権利を有する。以下の場合、支配権の変更が
生じたとみなされる。
・ 第三者がドイツ有価証券取得および買収法に基づきSAP SE株主に対して強制的な買収の申入れを行わなけれ
ばならない場合
・ SAP SEが他の会社と合併し従属会社になる場合
・ SAP SEを従属会社として支配権移転契約または利益移転契約が締結された場合
取締役会構成員の契約は、支配権の変更に関連して当該構成員のSAP SE取締役会構成員としての選任が取消され
た場合も、任期満了を待たずして終了し得る。
契約後競業禁止条項
前述の契約後競業禁止期間に係る抑止報酬は、契約の早期終了の際も支払われる。
2020年度に辞任した取締役会構成員に対する支払
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ミヒャエル・クライネマイヤーは、2020年4月30日付にて当社との雇用関係を終了することにつき、監査役会と
合意した。STI2020はプラン規定に従って処理された。同氏の退職に関連し、2020年12月31日まで予定されていた
在任期間の残期間について以下の支払が行われた。
・ 報酬目標（基本給与に目標STIを加えたもの）を適切に減額した金額に相当する退職金、合計1,220,242ユー
ロ。
・ LTI2016プランに基づき付与された権利は、業績基準および支払スケジュールにつきプラン規定に従って処
理された。
・ LTI2020に基づき付与された権利は、プラン規定に従って処理された。退職者規則に従い、既に付与済の
2020年度トランシェは減らされていない。
・ 契約後競業禁止期間としての12ヶ月間、抑止報酬を毎月支払う。合計2,062,298ユーロ。
ジェニファー・モルガンは、2020年4月30日付にて当社との雇用関係を終了することにつき、監査役会と合意し
た。STI2020はプラン規定に従って処理された。同氏の退職に関連し、2025年4月30日まで予定されていた在任期間
の残期間について以下の支払が行われた。
・ 同氏は2025年4月30日まで予定されていた在任期間の残期間についての報酬目標（基本給与に目標STIを加え
たもの）に係る退職金、合計16,500,000米ドル（15,000,000ユーロに相当）を受領した。
・ LTI2016プランおよびLTI2020に基づき付与された権利は、業績基準および支払スケジュールにつきプラン規
定に従って処理された。2020年度トランシェは期間比例の考え方に基づき減らされた。
・ 契約後競業禁止義務が適用され、GCGC第G.13条に従い、抑止報酬は退職金と相殺された。
ステファン・ライズは、2020年5月31日付にて当社との雇用関係を終了することにつき、監査役会と合意した。
STI2020はプラン規定に従って処理された。同氏の退職に関連し、2024年3月31日まで予定されていた在任期間の残
期間について以下の支払が行われた。
・ 報酬目標（基本給与に目標STIを加えたもの）を適切に減額した金額に相当する退職金、合計6,998,708ユー
ロ。
・ LTI2016プランおよびLTI2020に基づき付与された権利は、業績基準および支払スケジュールにつきプラン規
定に従って処理された。
・ 契約後競業禁止期間としての12ヶ月間、抑止報酬を毎月支払う。合計1,828,155ユーロ。
恒久的な障害
取締役構成員が恒久的な障害を負った場合、当該取締役会構成員の契約は、恒久的に職務を行えないと判断され
た四半期の末日付で終了する。当該取締役会構成員は、上述の退職年金制度における障害年金に加えて、かかる恒
久的な障害があると判断された日からさらに12ヶ月間にわたり月額基本給与（固定報酬）を受領する。
元取締役会構成員に対する支払
2020 年度、当社は2020年1月1日より前に退職した取締役会構成員に対し、3,009,600ユーロ（2019年度：
2,081,100ユーロ）の年金給付を行った。2020年1月1日より前に退職しまたは当社を退社した元取締役会構成員の
2020年度末時点のDBOは44,042,900ユーロ（2019年度：44,306,300ユーロ）であった。これらの債務の支払に充て
るため、32,758,400ユーロ（2019年度：31,074,600ユーロ）の制度資産が利用可能である。
取締役会：その他の情報
当社は、2020年度またはその前年度において、当社の取締役会の構成員に対し報酬の前払または信用の供与を
行っておらず、また当該構成員のための融資契約も締結していない。
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SAP SEおよびドイツその他の場所に所在する関連会社は、第三者からの請求に関して、それぞれの取締役および
役員が損害を被らないよう、法律が許容する範囲においてこれらの者に対する補償を行っている。これを目的とし
て、当社は取締役および役員（D&O）グループ賠償責任保険を維持している。この保険は、年間契約であり、毎年
更 新される。当該保険は、経営上の作為および不作為に起因する金銭的損失について、被保険者グループの個人的
責任を補償する。現在のD&O保険には、AktG第93条(2)項により義務付けられているとおり、SAP SEの取締役会構成
員個人の免責金額が含まれている。
監査役会構成員の報酬
報酬システム
監査役会構成員の報酬は、当社の通常定款第16条に準拠する。
監査役会の各構成員は、当該構成員の支払った費用の償還に加え、年間基本報酬165,000ユーロを受領する。議
長に対しては年間275,000ユーロ、副議長に対しては年間220,000ユーロが支払われる。さらに、当社は監査役会構
成員がその報酬について支払う付加価値税も償還する。
監査役会構成員は、追加の年間固定報酬として、監査委員会の委員を務めた場合には16,500ユーロを、その他の
監査役会委員会の委員を務めた場合には当該年度中に同委員会が開催されることを条件として11,000ユーロを受領
する。監査委員会の委員長は27,500ユーロを、その他委員会の委員長は22,000ユーロを受領する。固定報酬は、年
度終了後に支払われる。
在任期間が1事業年度に満たない監査役会構成員は、役務の提供を開始した月から毎月、年間報酬の12分の1を受
領する。これは、議長および副議長について増額される報酬ならびに委員会の委員長および委員に対する報酬にも
適用される。
2020 年度の監査役会構成員の報酬
2020 年度
単位：千ユーロ 2019 年度
固定報酬 委員会の業務 合計
固定報酬 委員会の業務 合計
に対する報酬
に対する報酬
ハッソ・プラットナー博士
275.0 53.2 328.2
275.0 66.0 341.0
(Prof. Dr. h.c. mult. Hasso Plattner)(議長)
マルグレート・クライン・メイガー
220.0 26.6 246.6
220.0 27.5 247.5
(Margret Klein-Magar)(副議長)
ペッカ・アラ・ピエティラ
165.0 18.3 183.3
165.0 33.0 198.0
(Pekka Ala-Pietilä)
パナギオティス・ビシリタス
165.0 39.4 204.4
165.0 38.5 203.5
(Panagiotis Bissiritsas)
マルティン・デュフェック
68.8 16.0 84.8
NA NA NA
(Martin Duffek)(2019年5月15日まで)
アイチャ・エバンズ
165.0 33.0 198.0
165.0 33.0 198.0
(Aicha Evans)
ダイアン・グリーン
110.0 11.0 176.0
165.0 17.4 182.4
(Diane Greene)(2020年12月9日まで)
アンドレアス・ハーン
68.8 9.2 77.9
NA NA NA
(Andreas Hahn)(2019年5月15日まで)
ゲッシェ・ユースト博士
165.0 22.0 187.0
165.0 22.0 187.0
(Prof. Dr. Gesche Joost)
モニカ・コヴァーチカ・ディミトローヴァ
110.0 14.7 124.7
165.0 22.0 187.0
(Monika Kovachka-Dimitrova)(2019 年5月15日から)
ラース・ラマデ
165.0 22.9 187.9
165.0 22.0 187.0
(Lars Lamadé)
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ベルナルド・リオトー
165.0 22.0 187.0
165.0 33.0 198.0
(Bernard Liautaud)
チー・ルー博士
NA NA NA
13.8 NA 13.8
(Dr. Qi Lu)(2020 年12月21日から)
ゲラルド・オズワルド
165.0 52.3 217.3
165.0 66.0 231.0
(Gerhard Oswald)
クリスティーネ・レギッツ
165.0 30.3 195.3
165.0 33.0 198.0
(Christine Regitz)
フリーデリーケ・ローチュ博士
165.0 43.1 208.1
165.0 49.5 214.5
(Dr. Friederike Rotsch)
エアハード・シィポライト博士
68.8 20.6 89.4
NA NA NA
(Dr. Erhard Schipporeit)(2019年5月15日まで)
ローベルト・シュシュニック・ファウラー
68.8 9.2 77.9
NA NA NA
(Robert Schuschnig-Fowler)(2019年5月15日まで)
セバスティアン・ズィック博士
68.8 9.2 77.9
NA NA NA
(Dr. Sebastian Sick)(2019年5月15日まで)
ハイケ・ステック
110.0 14.7 124.7
165.0 22.0 187.0
(Heike Steck)(2019 年5月15日から)
ピエール・ティオレ
68.8 4.6 73.3
NA NA NA
(Pierre Thiollet)(2019年5月15日まで)
クリスタ・ヴェルジーン・クノップ
110.0 14.7 124.7
165.0 22.0 187.0
(Christa Vergien-Knopf)(2019 年5月15日から)
グンナー・ウィーデンフェルス博士
110.0 25.7 135.7
165.0 38.5 203.5
(Dr. Gunnar Wiedenfels)(2019 年5月15日から)
ジェームズ・ライト
110.0 25.7 135.7
165.0 38.5 203.5
(James Wright)(2019 年5月15日から)
ラルフ・ザイガー
110.0 14.7 124.7
165.0 22.0 187.0
(Ralf Zeiger)(2019 年5月15日から)
合計 3,217.5 552.7 3,770.2
3,148.8 605.9 3,754.7
当社は2020年度中、監査役会構成員より1,625,800ユーロ（2019年度：1,976,000ユーロ）に相当する役務の提供
を受けた（監査役会の従業員代表が、当社の従業員としての権限において提供した役務を含む。）。
監査役会の長期インセンティブ
当社は、監査役会の職務について、監査役会構成員に対し株式報酬を提供していない。従業員選任構成員が報奨
として受領した株式報酬は、当該構成員の当社従業員としての地位に基づくものであり、監査役会における職務に
基づくものではない。
監査役会：その他の情報
当社は、2020年度またはその前年度に、当社の監査役会の構成員に対して報酬の前払または信用の供与を行って
おらず、また当該構成員のための融資契約も締結していない。
監査役会の議長であるハッソ・プラットナーは、2003年5月に監査役会に加入した後、当社とコンサルティング
契約を締結した。この契約に報酬に関する規定はない。契約に基づき当社が負担する費用は、経費の償還に係るも
ののみである。
法律が許容する範囲内において、当社は、第三者からの請求に対し、監査役会構成員に対する補償を行い、かつ
彼らに損害を被らせない。これを目的として、当社は取締役および役員（D&O）グループ賠償責任保険を維持して
いる。当社定款に基づき、当該保険契約に係る保険料は当社が支払っている。
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（３）【監査の状況】
(1) 監査役会の活動状況
当事業年度中の監査役会の活動状況は以下のとおりである。監査役会の組織、人員および手続については「第
1 1 (2) 提出会社の定款等に規定する制度」および「第5 3 (2) 役員の状況」を参照のこと。
監査役会と取締役会との連携
当事業年度中、SAP SEの監査役会は当社の経営について取締役会に対し継続的にアドバイスを行い、法令の遵
守、適切な会計原則の遵守、事業の焦点および有用性について、取締役会による当社のグローバル・マネジメント
を常に監督および監視下に置いていた。また当社の根幹に関わる重要な決定を取締役会が行う際には、監査役会も
直接的に関与した。
監査役会は、取締役会構成員からの口頭での報告と文書形式の報告の両方にて、取締役会から定期的に完全かつ
タイムリーな報告を受けてきた。これにより、監査役会は会合の開催されていない期間中も、当社の戦略、計画、
業績、リスク、リスク管理、コンプライアンス（すなわち法令、当社の定款、および内部方針の遵守）、ならびに
当社にとって特に重要な取引について、常に最新情報を把握することができている。当該報告において、取締役会
は監査役会に対し、特に計画または目標どおりに進行していない事業とその原因についても知らせている。さら
に、監査役会構成員はSAPデジタル・ボードルームを活用して、いつでもあらゆる事業分野の包括的な指標をリア
ルタイムで検索し、必要に際して評価および分析を行うことができる。当該ソリューションは、監査役会が必要に
応じていつでも当社の業績に係る最新の見通しを確認できる環境を提供するものであり、最大限の透明性が確保さ
れる。
取締役会からの報告の内容および範囲は、監査役会の要求を十分に満たすものであった。協議事項について相談
するために、取締役会が監査役会の会合に参加することもあった。取締役会から提供された情報が妥当であると納
得するために、監査役会は取締役会に対して質問や追及を行った。監査役会は、取締役会とともに慎重に調査およ
び検討を行った後、法令、定款または監査役会の要承認取引一覧に基づき、監査役会の承認を必要とする取引をす
べて承認した。
2 名の共同CEOおよびその後単独となったCEOは、監査役会の議長と継続的に連絡を取っていた。これは監査役会
の議長が当社の状態および発展状況の分析、ならびに当社の経営およびガバナンスのために考慮すべき重大な事象
について、常に遅滞なく情報提供を受けていたことを意味する。さらに、監査役会の議長は、当社の戦略、業績、
リスク、リスク管理、コンプライアンスならびにその他の主要な議題および決定について、定期的にCEOと協議し
た。これにより、監査役会の議長は会合の開催されていない期間中にも監査役会構成員に対して最新情報を共有す
ることができていた。
監査役会の開催および決議
SAP SEの監査役会は、当社に関わるあらゆる問題につき慎重に検討し解決するため、当事業年度中に通常の全体
会を4回、臨時の全体会を3回開催した。コロナウィルス・パンデミックに伴う移動および接触に係る制限を受け、
監査役会は、通常は対面形式で実際に集まって開催される全体会および委員会のほとんどを2020年度はテレビ会議
形式または一部の構成員のみ対面形式で集まり残りの構成員はオンライン参加とするハイブリッド形式にて開催し
た。また10個の決議案については書面投票により採決された。次項に記載の表は、対象年度に開催された監査役会
の全体会および委員会に対する各構成員の個別の出席率を示している。
監査役会およびその各委員会は2020年度中、取締役会に関わる事項や監査役会構成員のみで内部的に検討する必
要のある事項について協議するため、必要に応じて取締役会とは別に全体または一部の者で集まった。特に7回の
全体会のうち2回および指名委員会の会合がこれに当たる。さらに、株主代表および従業員代表は、全体会での決
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議案の採決に先立ち、個別の協議事項につき独自に議論を行った。監査役会は当年度中、以下の主要議題について
検討した。
企業戦略の修正
コロナウィルス・パンデミックが経済に対して与えた影響および当社の顧客によるクラウドへの移行の加速とい
う2つの大きな要因が、取締役会による当社の企業戦略の修正およびそれに伴う中期目標の調整を促した。監査役
会は、変更予定の戦略につき取締役会とともに徹底した評価および検討を行った。監査役会の7月の会合に先立ち
2020年7月21日および22日に行われた戦略に係る特別会合において、監査役会は今後数年間の当社の戦略的方向性
の変更につき取締役会と協議し、予定される措置のアドバンテージ、リスクおよび実施につき詳細に検討した。そ
の後、2020年10月25日に行われた監査役会の臨時会合において、取締役会は予定される戦略変更（具体的には当社
のクラウドへの移行の加速）および進行中のコロナウィルス・パンデミックが当社の中期目標に与えると予想され
る財務上の影響を監査役会に対して報告した。顧客ニーズを念頭に、取締役会は一連の措置および投資を行うこと
を選択した。当該措置および投資は、当社のクラウド事業の調整を進め、本業のイノベーションを行うための余裕
を生み、最終的に顧客のクラウドへの移行を加速させるためのものである。監査役会は、当社の顧客、ひいては当
社自身の長期的な成功に焦点を当てるこの取締役会の決定を支持する。
2020 年度における当社監査役会構成員の会合出席状況
全体会 委員会 全会合
出席率
監査役会構成員 開催回数 出席回数 開催回数 出席回数 開催回数 出席回数
(％)
ハッソ・プラットナー博士
7 7 13 13 20 20 100 ％
(Prof. Dr. h.c. Hasso Plattner)
ペッカ・アラ・ピエティラ
7 7 14 14 21 21 100 ％
(Pekka Ala-Pietil ä)
パナギオティス・ビシリタス
7 7 26 25 33 32 97 ％
(Panagiotis Bissiritsas)
アイチャ・エバンズ
7 7 13 12 20 19 95 ％
(Aicha Evans)
ダイアン・グリーン
7 6 7 7 14 13 93 ％
(Diane Greene)(2020 年9月12日まで)
ゲッシェ・ユースト博士
7 7 7 7 14 14 100 ％
(Prof. Dr. Gesche Joost)
マルグレート・クライン・メイガー
7 7 18 18 25 25 100 ％
(Margret Klein-Magar)
モニカ・コヴァーチカ・ディミトローヴァ
7 7 7 7 14 14 100 ％
(Monika Kovachka-Dimitrova)
ラース・ラマデ
7 7 10 10 17 17 100 ％
(Lars Lamad é)
ベルナルド・リオトー
7 7 13 13 20 20 100 ％
(Bernard Liautaud)
ゲラルド・オズワルド
7 7 28 28 35 35 100 ％
(Gerhard Oswald)
クリスティーネ・レギッツ
7 7 19 19 26 26 100 ％
(Christine Regitz)
フリーデリーケ・ローチュ博士
7 7 27 27 34 34 100 ％
(Dr. Friederike Rotsch)
ハイケ・ステック
7 7 7 7 14 14 100 ％
(Heike Steck)
クリスタ・ヴェルジーン・クノップ
7 7 7 7 14 14 100 ％
(Christa Vergien-Knopf)
グンナー・ウィーデンフェルス博士
7 7 20 20 27 27 100 ％
(Dr. Gunnar Wiedenfels)
ジェームズ・ライト
7 7 23 23 30 30 100 ％
(James Wright)
ラルフ・ザイガー
7 6 7 7 14 13 93 ％
(Ralf Zeiger)
QualtricsのIPO
2019 年度に当社が買収したQualtrics International Inc.（以下「Qualtrics」という。）は、エクスペリエン
ス管理ソフトウェアを提供する代表的な企業の1つである。2020年7月26日に開催された監査役会の臨時会合におい
て、取締役会はQualtricsの株式を公開する計画を発表した。新規株式公開（IPO）の狙いは、買収先の財政を強化
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し市場におけるQualtricsの潜在的可能性をすべて解放するために必要な条件を整えることである。当該計画の詳
細を協議するため、全体会の直前に金融投資委員会が同じく臨時会合のかたちで招集された。同委員会は取締役会
に 対して本件に関する質問総覧を提出しており、これに基づきQualtricsの上場に係るメリットおよびデメリット
の分析および検討を取締役会とともに行った。取締役会は、IPO後も当社がQualtricsの過半数株主であり続け、
Qualtricsを完全な連結対象とし続けることを再確認した。金融投資委員会の勧めを受け、監査役会はQualtricsの
IPOに取組むことおよび取引の計画を開始することを原則的に承認した。取締役会がIPOの枠組み条件および詳細、
価格決定の基本原則、ならびにスケジュール案に係る選択肢を考案した後、監査役会は金融投資委員会による徹底
した下準備に続き10月の会合において本件の議論を再開した。取締役会は監査役会に対して、IPOに向けた準備、
想定スケジュールおよび価格表示に係る状況のアップデートを行った。監査役会は、これらの詳細を取締役会と協
議した後、金融投資委員会の勧めによって実施計画案を承認した。加えて、監査役会はIPOの一環として、
Qualtricsの取締役会における権能が当社の取締役会の特定の構成員に対して付与されることを事前に承認した。
Qualtricsの上場に係る準備は進行中かつ複雑であったことから、IPOの厳密なタイミング、価格決定、および企業
の内部構造に関する重要な問題について、不明点をなくし結論を出す必要がまだ残っていた。そこで監査役会は金
融投資委員会に対して、これらの問題を取締役会と協議し、最終的に合意されたアプローチを監査役会に代わり承
認するとのタスクを与えた。金融投資委員会は2020年12月16日の会合において、先述のIPOの詳細につき審議し、
取締役会と幅広く議論した後、監査役会に対して提示された情報およびデータに基づき上場を承認した。
コンプライアンスおよびサイバーセキュリティに関する事項
当社の倫理・コンプライアンス事務局（OEC）は、外部カウンセルの協力の下で進行中の、腐敗防止に係る法令
（米国の海外腐敗行為防止法（FCPA）を含む。）に対する潜在的な違反についての調査につき、当報告年度を通じ
て監査委員会に対して継続的に報告を行ってきた。これを受け、監査委員会は2020年2月、7月および10月の通常全
体会において、監査役会全体に対して当該コンプライアンス事項に係る状況報告を行った。当該アップデートに
は、地方当局、米国証券取引委員会（SEC）および米国司法省（DOJ）との当社の自発的な協力の状況、ならびに当
社が自発的に開示した輸出規制および経済制裁に対する違反に係る調査の状況が含まれる。監査委員会は、過年度
に取締役会によって導入されてきた改善策の有効性についても監視してきた。
2020 年2月19日の監査役会の会合において、取締役会は取締役会の着手した内部評価によって当社の一部のクラ
ウド商品につきサイバーセキュリティの潜在的な不足があることが判明したことを報告した。これに対して監査役
会は、今後の調査の経過、関係する顧客に提供される情報、ならびに取締役会が問題のある製品につき判明したセ
キュリティ課題を最小限に抑えるためにとる技術的措置およびその他の措置を監視するとのタスクを監査委員会に
課すことで対応した。監査役会は、本件に関する技術上および法律上の複雑な問題への対処につき協力を得るた
め、外部コンサルタントの支援を求めることも決議した。監査役会は、その後2020年4月9日の会合において当該調
査の状況に係る最新情報の報告を受けた。取締役会は、特に当該時点における当社のすべてのクラウド製品が契約
上合意されているITセキュリティ基準を1つ以上満たしていないことが発覚して以降、監査委員会に対して本件に
つき年度を通じて定期的に報告を行ってきた。監査役会は、実施された是正措置の有効性を慎重に監視した。2020
年7月23日および10月22日に開催された監査役会の通常会合において、監査委員会の委員長および内部上級役員
は、当該調査、判明したセキュリティ不足の是正、および影響を受けた顧客とのやりとりに係る進捗状況について
監査役会全体への報告を行った。また監査役会は、契約上合意されまたは法律上要求されるITセキュリティ基準か
らの上記逸脱は2020年7月末までに是正されたとの報告を受けた。
取締役会の再編
取締役会については、2020年度中に個人および組織の双方につき数多くの変更がなされた。2020年2月19日に行
われた監査役会の会合において、取締役会は当社の内部手続における顧客の重視を一層強化することを目的とした
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組織再編計画、ならびにこれに伴うグループ構成の調整および当該調整がセグメント報告に与える影響につき発表
した。当該再編の要は、アデア・フォックス・マルティンの率いるカスタマーサクセス部門の販売、サービスおよ
び サポート組織を一つに束ねること、トーマス・ザウアーエッスィヒの率いる製品管理、製品開発および製品サ
ポート組織を統合すること、ならびにユルゲン・ミュラーの率いる統合データ管理ソリューション開発およびSAP
プラットホーム・テクノロジー開発を集約することである。当該会合に先立ち、取締役会構成員のミヒャエル・ク
ライネマイヤーおよびステファン・ライズは当社との雇用契約を2020年4月30日付および2020年5月31日付にてそれ
ぞれ終了することにつき、監査役会と個別に合意していたため、監査役会は2月の招集時に彼らの取締役会構成員
としての契約終了に係る条件を承認することができた。監査役会に対して提示された組織再編は、その後2020年度
の残りの期間を通じて段階的に実施された。その結果生ずる取締役会構成員の担当替えについては、5月、8月およ
び10月の会合において、監査役会によりそれぞれ稟議形式にて承認された。監査役会は2020年4月20日に臨時会合
を開き、クリスチャン・クラインを取締役会の単独CEOに指名することおよびその結果同氏の担当業務が追加され
ることにつき、検討および承認を行った。同時に、監査役会は前共同CEOであるジェニファー・モルガンと、同氏
の取締役会構成員契約を2020年4月30日付で早期終了する上での条件につき相互に合意した。監査役会は、当社の
人事部門を率いていたステファン・ライズの後任候補の選定につき2020年4月9日の会合において既に対応済であっ
たため、その後7月23日に開かれた会合においてサビーヌ・ベンディックを新たな最高人事責任者兼労使関係担当
取締役として指名することを承認した。当該ポジションへの起用は、当初2021年3月1日から3年間とされた。さら
に監査役会は、ベンディック氏が取締役会構成員に就任後6ヶ月が経過した後にCOOも兼務することにつき合意し
た。同氏は当初の予定よりも早く取締役会に加入できる状態となったため、監査役会は10月の会合において、当初
の予定を早め同氏を2021年1月1日付にて取締役会構成員に指名することを決議することができた。2020年12月に監
査役会は、2021年2月1日を効力発生日としてスコット・ラッセルを新たな取締役会構成員に指名した。同氏は、自
らの意思により取締役会構成員を辞任し2021年1月31日付で退社したアデア・フォックス・マルティンの後任とし
て、カスタマーサクセス部門を担当することとなった。同じく12月に監査役会は、2021年3月1日を効力発生日とし
てジュリア・ホワイトも取締役会構成員に指名した。同氏は、マーケティングおよびソリューションズの最高責任
者として、新設のマーケティング・アンド・ソリューションズ部門を率いる。監査役会によるこれらの指名決議は
稟議形式にて行われた。
2020 年度の会合において検討されたその他の主要課題には、特に以下のものが含まれる：
2月の会合（財務書類の検討を目的とした会合）
2020 年2月19日の全体会において、取締役会は2019年度の従業員アンケートの結果および当社の2019年度財務業
績を報告した。その後監査役会は、取締役会より提示された2020年度の財務計画につき詳細な検討を行い、これを
承認した。次に監査役会は取締役会の報酬に議題を移した。監査役会は、まず短期インセンティブ（STI）2019プ
ランに基づき合計目標達成率および個別の取締役会構成員に対する支払額を決め、取締役会の2019年度報酬を決定
した。その後、監査役会は取締役会の2020年度報酬について慎重に検討した。STI2020の主要業績指数（KPI）を決
定し、各KPIの目標値および加重係数を設定した。加えて、長期インセンティブ・プログラム2020（LTI 2020）の
各KPIの具体的な目標値も設定した。監査役会は、必要に応じて各取締役会構成員の2020年度の報酬総額の妥当性
を評価し、各構成員の責任および任務に照らしてその金額、構造、客観的基準が妥当であると判断した。当該判断
に当たっては、外部の報酬コンサルティング事務所より事前に取得した妥当性証明を参照した。続けて、監査役会
は、新たな規制要件に従い取締役会への支払上限額を設定し、2019年秋より段階的に構築されてきた取締役会向け
の新たな報酬体系につき慎重に検討し、ついにこれを採決した。STI2020、LTI2020および取締役会構成員の報酬
パッケージに係るその他の要素については、「第5 3 (2) 役員の状況 (2) 当社の取締役および取締役会構成
員への報酬」を参照のこと。総務報酬委員会の勧めを受け、監査役会は取締役会構成員が今後グループ外の2社以
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上の企業において監査役会における権能を有してはならない旨も採決した。さらに、監査役会は、2019年度のSAP
SEの財務書類および連結財務書類、KPMG AG Wirtschaftsprüfungsgesellschaft（KPMG）により実施された監査、
な らびに2019年度の利益剰余金の処分に係る取締役会の決議案に議題を移した。監査役も当該会合に出席し、監査
の内容および監査役と監査委員会との間で合意された各重点分野の監査結果について詳細に報告した。監査役はま
た、先立って実施された監査委員会の会合においてそれらの事項につきどのような議論がなされたかについても説
明した。その後、監査役は監査結果につき監査役会と協議し、監査役会の質問に回答した。監査委員会は2019年度
の財務書類および連結財務書類に係る全議題を包括的に準備し、特に財務書類に関連する文書を監査委員会が確認
した際の方法および範囲について報告した上で、監査役会にその承認を求めた。監査役会は当該監査内容を承認し
た。監査役会の調査から判明したことは特になかったため、監査役会は2019年度のSAP SEの財務書類および連結財
務書類を承認した。続いて、監査役会は、利益剰余金の処分および2020年度中の当社株式の買戻しに係る取締役会
の提案を見直した。監査委員会の勧めに従い、監査役会は利益剰余金の処分に係る取締役会の提案を承認し、総額
15億ユーロの自己株式の購入を許可するかたちで取締役会により提案された2020年度中の資本の回収を認めた。次
に監査役会は、2020年5月20日の年次株主総会の議題として提示するその他の決議案を採決した。具体的には、
2020年度の監査役の選任に係る年次株主総会への提示案の承認が含まれていたが、当該提示案の承認は監査委員会
が監査役会に対して推奨したものであった。本会合において、監査役会は、取締役会が監査役会の承認を得る必要
のある取引・事業管理施策の一覧の更新作業も行い、また2019年度中の当社の株式投資および当社の寄付活動につ
いての報告も受けた。
4月の会合
2020 年4月9日に、監査役会は、ルカ・ムシッチの取締役会構成員契約をさらに5年延長し2026年5月31日までとす
ることを決議したが、一方で今後、取締役会構成員契約の延長は原則として3年までとすることも決議した。その
後、取締役会は監査役会に対して2020年度第1四半期の業績の概要を報告し、監査役会は取締役会より許可を要請
された最大25億ユーロに相当する外部金融取引の実施に同意した。監査役会は、コロナウィルス・パンデミックへ
の対応として制定され、2020年3月27日に連邦官報に掲載された法律を活用し、年次株主総会をバーチャル形式に
て実施することを取締役会とともに決定した。また2020年3月20日付で有効となった改正ドイツ・コーポレート・
ガバナンス・コード（コード）に基づき、監査役会は2020年7月1日付にてD&O賠償責任保険に加入する監査役会構
成員の免責金額を廃止することも決議した。さらに、監査役会は関連会社および関係者との事業取引を指す「関連
当事者との取引」の取扱いにつき、第2次EU株主権利指令の実施のための法律（ARUG II）の下に新たに設けられた
規則の検証も行い、これに関する記録および評価のための内部手続の内容に同意した。これにより監査役会は、該
当する関連当事者との取引に係る承認権限を金融投資委員会に委任したことになる。
6月および7月に書面により採決された決議案
監査役会は、6月には経営企画・戦略部門の新任マネージャーの任命ならびに7月にはラテンアメリカ・カリブ地
域の新任地区マネージャーおよびEMEA南部地域の新任地区マネージャーの任命をそれぞれ書面投票形式にて決議し
た。
7月の会合
7 月の会合に先立ち、監査役会は技術戦略委員会の会合に取って代わるものとして2日間にわたる特別戦略セッ
ションを開催した。加えて、7月の監査役会会合では、取締役会がコロナウィルス・パンデミックによりもたらさ
れた未曾有の状況につき強調しながら、2020年度第2四半期の事業状況および上半期の業績を監査役会に報告し
た。経営陣によるプレゼンテーションを念頭に、監査役会は当社の戦略的方向性を修正する可能性があることにつ
き取締役会と協議した。
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9月に書面により採決された決議案
金融投資委員会の勧めを受け、2020年9月に監査役会は、クラウド上のオムニチャネル顧客エンゲージメント・
プラットホームを提供する代表的企業の1つであるオーストリアのEmarsys eMarketing Systems AG社を買収するこ
とを承認した。
10月の会合
2020 年10月22日の会合においては、まず取締役会より第3四半期の業績が報告された。次にコロナウィルス・パ
ンデミックによるSTI2020への影響につき協議が行われ、STI2020プランの目標の調整は行わないとの結論に達し
た。加えて、監査役会は株主代表の独立性について、現行の2019年12月16日版のコードに規定されている新たな勧
告に基づき評価を行った。自身の行った調査により判明した事項に基づき、監査役会はすべての株主代表がコード
の定義に従った独立性を有しており、すなわちコーポレート・ガバナンス報告書に氏名を記載すべき対象であると
判断した。さらに監査役会は、株主代表を務める独立した構成員の妥当な人数に係る自身の見解についても決議
し、株主構造に照らしても、監査役会はコードの定義に基づく独立した構成員を適切な人数有していると判断し
た。取締役会との合意のもと、監査役会は毎年行っているコードの実行宣言の2020年10月定期公表分についても採
決し、監査役会のスキルおよび専門性に係るプロフィールも更新した。
12月に書面により採決された決議案
当社の中国における事業戦略の整備および実施に対応するため、監査役会は2021年1月1日付で新たな委員会を設
置することを2020年12月に書面により決議した。
(2) 内部監査の状況等
上記「(1) 監査役会の活動状況」および「第1 1 (2) 提出会社の定款等に規定する制度」を参照のこと。
(3) 独立監査役の選任および監査報酬
独立監査役の選任
2020 年5月20日に開催された年次株主総会において、当社の株主は、KPMG AG Wirtschaftsprüfungsgesellschaft
（KPMG）を、2020年度における当社の独立監査役に選任した。KPMGは2002年度より当社の主監査役を務めている。
KPMGは当社が独立監査役につき設けているすべての基準（独立性、監査の質の高さ、チーム、監査のアプロー
チ、業界に対する専門知識）を満たしている。独立監査役の選出に係る監査役会の推薦は、先行して行われる監査
役の独立性、適格性および業務の質の高さに対する審査に基づくものである。KPMGが当社の監査につき積み重ねて
きた経験が、監査の有効性および効率性を高めている。
独立監査役の評価
監査の質の高さに対する評価は、当社の監査委員会が行っている。監査委員会は、品質保証に係る内部基準につ
いて、ならびに品質に係る内部監査、同業者との比較を通じた外部からの品質管理、および独立監査役による監査
に対して政府または当局の実施する調査によって発覚した重要事項について、独立監査役から定期的に報告を受け
た。独立監査役は2月に監査委員会の会合に出席し、各注目分野に係る監査および指摘事項につき詳細な報告を行
う。その監査内容を監査役会が承認した。指摘事項はなかった。
監査報酬の内容等
外国監査公認会計士等に対する報酬の内容
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2020 年度 2019 年度
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
単位：百万ユーロ 関連する報酬 関連する報酬 関連する報酬 関連する報酬
3 0 3 0
提出会社
(401.22 百万円) (0 百万円) (401.22 百万円) (0 百万円)
10 0 8 0
連結子会社
(1,337.40 百万円) (0 百万円) (1,069.92 百万円) (0 百万円)
14 0 11 0
計
(1,872.36 百万円) (0 百万円) (1,471.14 百万円) (0 百万円)
その他重要な報酬の内容
KPMG および国際的なKPMGネットワーク内のその他の事務所は、当社に対し、2020年度および過年度に係る監査お
よびその他の専門サービスについて、下記の報酬を請求した。
単位：百万ユーロ 2020 年度 2019 年度 2018 年度
KPMG AG KPMG 合計 KPMG AG KPMG 合計 KPMG AG KPMG 合計
(ドイツ) 国外 (ドイツ) 国外 (ドイツ) 国外
ファーム ファーム ファーム
3 9 12 3 7 10 3 6 9
監査報酬
(401.22 (1,203.66 (1,604.88 (401.22 (936.18 (1,337.40 (401.22 (802.44 (1,203.66
百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円)
0 1 2 0 1 1 0 0 0
監査証明業務に関連
(0 百万円) (133.74 (267.48 (0 百万円) (133.74 (133.74 (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円)
する報酬
百万円) 百万円) 百万円) 百万円)
0 0 0 0 0 0 0 0 0
税務報酬
(0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円)
0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他すべての報酬
(0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円)
3 10 14 3 8 10 3 6 9
合計
(401.22 (1,337.40 (1,872.36 (401.22 (1,069.92 (1,337.40 (401.22 (802.44 (1,203.66
百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円)
監査報酬は、当社の連結財務書類とSAP SEおよびその子会社の法定財務書類の監査についてKPMGから請求された
報酬、ならびにQualtricsの新規株式公開に係る監査報酬の総額である。監査証明業務に関連する報酬は、監査の
実施に合理的に関係する保証その他関連業務、組織に係る証明手続業務、およびQualtricsの新規株式公開に係る
業務について、KPMGから請求された報酬である。
外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
上記「その他重要な報酬の内容」の項を参照のこと。
監査報酬の決定方針
当社は監査報酬につきKPMGと複数年契約を締結しており、その金額は監査対象範囲の大幅な変更およびインフレ
率の上昇に際してのみ上方修正または下方修正される。
（４）【役員の報酬等】
該当なし。
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（５）【株式の保有状況】
該当なし。
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第６【経理の状況】
1 本書記載の連結財務書類は、ドイツ商法の規定に従い国際財務報告基準に基づいて作成されている。なお、日本文の財務書
類はこれを翻訳したものであり、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」（昭和38年大蔵省令第59号、以下
「財務諸表等規則」）第131条第1項の規定の適用を受けている。
2 本書記載の連結財務書類は 、会計監査人であるKPMG AGの会計監査を受けており、添付のとおり監査報告書を受領している。
本書記載の連結財務書類は「金融商品取引法施行令」（昭和40年政令第321号）第35条の規定に基づく「財務諸表等の監査証明
に関する内閣府令」（昭和32年大蔵省令第12号）第1条の2の規定により、金融商品取引法第193条の2第１項の規定に基づく監
査は受けていない。
3 本書記載の連結財務書類の原文は、ユーロで表示されている。日本円への換算は2021年5月31日現在の株式会社三菱UFJ銀行
が公表した対顧客電信直物売・買相場の仲値である1ユーロ＝133.74円で換算され、端数は四捨五入されている。なお、円表示
額は単に便宜上の表示のためだけのものであり、ユーロ額が上記のレートで円換算されることを意味するものではない。円表
示額は、四捨五入のため合計欄の数値が総数と一致しない場合がある。
4 円換算額及び 「第6 経理の状況」の「2主な資産・負債及び収支の内容」から「4 日本とドイツ（国際財務報告基準）におけ
る会計原則及び会計慣行の相違」までにおける記載事項 は、原文の連結財務書類には含まれてはおらず、当該事項における連
結財務書類への参照事項を除き、会計監査の対象にもなっていない。
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１【財務書類】
IFRS 連結財務諸表
SAP グループ連結損益計算書
12月31日に終了した事業年度
2020 2019 2018
注記
百万 百万 百万
ユーロ 百万円 ユーロ 百万円 ユーロ 百万円
クラウド収益 8,080 1,080,619 6,933 927,219 4,993 667,764
ソフトウェアライ
センス収益 3,642 487,081 4,533 606,243 4,647 621,490
ソフトウェアサ
ポート収益 11,506 1,538,812 11,547 1,544,296 10,981 1,468,599
ソフトウェアライセ
ンス及びサポート収
益 15,148 2,025,894 16,080 2,150,539 15,628 2,090,089
クラウド収益及びソ
フトウェア収益 23,228 3,106,513 23,012 3,077,625 20,622 2,757,986
サービス収益 4,110 549,671 4,541 607,313 4,086 546,462
(A.1)
営業収益合計 (C.2) 27,338 3,656,184 27,553 3,684,938 24,708 3,304,448
クラウド原価 -2,699 -360,964 -2,534 -338,897 -2,068 -276,574
ソフトウェアライ
センス及びサポー
ト原価 -2,008 -268,550 -2,159 -288,745 -2,092 -279,784
クラウド及びソフ
トウェア原価 -4,707 -629,514 -4,692 -627,508 -4,160 -556,358
サービス原価 -3,178 -425,026 -3,662 -489,756 -3,302 -441,609
原価合計 -7,886 -1,054,674 -8,355 -1,117,398 -7,462 -997,968
売上総利益 19,453 2,601,644 19,199 2,567,674 17,246 2,306,480
研究開発費 -4,454 -595,678 -4,292 -574,012 -3,624 -484,674
販売費 -7,106 -950,356 -7,693 -1,028,862 -6,781 -906,891
一般管理費 -1,356 -181,351 -1,629 -217,862 -1,098 -146,847
リストラクチャリン
グ費用 (B.6) 3 401 -1,130 -151,126 -19 -2,541
その他の営業収益/
費用（純額） 84 11,234 18 2,407 -20 -2,675
営業費用合計 -20,715 -2,770,424 -23,081 -3,086,853 -19,005 -2,541,729
営業利益 6,623 885,760 4,473 598,219 5,703 762,719
その他の営業外収益/
費用（純額） (C.3) -179 -23,939 -74 -9,897 -56 -7,489
金融収益 1,473 196,999 787 105,253 371 49,618
金融費用 -697 -93,217 -589 -78,773 -418 -55,903
金融収益（純額） (C.4) 776 103,782 198 26,481 -47 -6,286
税引前利益 (C.2) 7,220 965,603 4,596 614,669 5,600 748,944
税金費用 (C.5) -1,938 -259,188 -1,226 -163,965 -1,511 -202,081
税引後利益 5,283 706,548 3,370 450,704 4,088 546,729
親会社株主持分 5,145 688,092 3,321 444,151 4,083 546,060
非支配持分 138 18,456 50 6,687 6 802
基本1株当たり利益
4.35 582.00 2.78 372.00 3.42 457.00
(ユーロ)
(C.6)
希薄化後1株当たり利
4.35 582.00 2.78 372.00 3.42 457.00
益(ユーロ)
(C.6)
添付の注記は、連結財務諸表に不可欠な一部分である。
選択したIFRS第16号の適用方法のもと、2018年度の修正再表示は行っていない。詳細は、注記(IN.1)参照。
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SAPグループ連結包括利益計算書
12月31日に終了した事業年度
2020 2019 2018
注記
百万 百万 百万
ユーロ 百万円 ユーロ 百万円 ユーロ 百万円
税引後利益 5,283 706,548 3,370 450,704 4,088 546,729
損益に組替調整されない項目
確定給付年金制度の再測
定(税引前)
39 5,216 -57 -7,623 12 1,605
確定給付年金制度の再測
定に関連する法人税等
-9 -1,204 5 669 -1 -134
確定給付年金制度の再測定
(税引後)
30 4,012 -52 -6,954 11 1,471
損益に組替調整されない項目
に対する税引後その他の包括
利益 30 4,012 -52 -6,954 11 1,471
後に損益に組替調整される項
目
為替換算差額(税引前)
-2,792 -373,402 537 71,818 910 121,703
為替換算差額に関連する
法人税等
1 134 0 0 0 0
為替換算差額(税引後)
(E.2) -2,791 -373,268 537 71,818 910 121,703
キャッシュ・フロー・
ヘッジ及びヘッジ費用
に係る利得（損失）
（税引前） 20 2,675 -24 -3,210 -10 -1,337
キャッシュ・フロー・
ヘッジに及びヘッジ費
用係る組替調整額（税
引前） -6 -802 22 2,942 -22 -2,942
キャッシュ・フロー・
ヘッジ及びヘッジ費用
（税引前） (F.1) 14 1,872 -2 -267 -32 -4,280
キャッシュ・フロー・
ヘッジ及びヘッジ費用に
関連する法人税等
-4 -535 0 0 9 1,204
キャッシュ・フロー・ヘッ
ジ及びヘッジ費用(税引後)
(E.2) 10 1,337 -1 -134 -23 -3,076
損益に組替調整される項目に
対する税引後その他の包括利
益 -2,781 -371,931 536 71,685 887 118,627
税引後その他の包括利益 -2,751 -367,919 483 64,596 898 120,099
包括利益合計 2,532 338,630 3,854 515,434 4,986 666,828
親会社株主持分 2,394 320,174 3,804 508,747 4,980 666,025
非支配持分
138 18,456 50 6,687 6 802
添付の注記は、連結財務諸表に不可欠の一部である。
選択したIFRS第16号の適用方法のもと、2018年度の修正再表示は行っていない。詳細は、注記(IN.1)参照。
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有価証券報告書
SAP グループ連結財政状態計算書
12月31日現在
2020 2019
注記
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
資産の部
現金及び現金同等物 (E.3) 5,311 710,293 5,314 710,694
その他の金融資産 (D.5),(E.3) 1,635 218,665 297 39,721
営業債権及びその他の債権 (A.2) 6,593 881,748 7,908 1,057,616
その他の非金融資産 (A.3),(G.1) 1,321 176,671 1,188 158,883
未収税金 210 28,085 506 67,672
流動資産 15,069 2,015,328 15,213 2,034,587
のれん (D.2) 27,560 3,685,874 29,159 3,899,725
無形資産 (D.3) 3,784 506,072 4,491 600,626
有形固定資産 (D.4),(D.8) 5,041 674,183 5,496 735,035
その他の金融資産 (D.5),(E.3) 3,512 469,695 2,336 312,417
営業債権及びその他の債権 (A.2) 137 18,322 129 17,252
その他の非金融資産 (A.3),(G.1) 1,926 257,583 1,701 227,492
未収税金 271 36,244 435 58,177
繰延税金資産 (C.5) 1,173 156,877 1,251 167,309
非流動資産 43,402 5,804,583 44,999 6,018,166
資産合計 58,472 7,820,045 60,212 8,052,753
負債及び資本の部
営業債務及びその他の債務 1,213 162,227 1,581 211,443
未払税金 414 55,368 255 34,104
金融負債 (E.3),(D.5) 2,348 314,022 3,273 437,731
(B.3),(B.5),
その他の非金融負債 (G.2) 4,643 620,955 4,839 647,168
(A.4),(B.4),
引当金 (B.5),(B.6) 73 9,763 247 33,034
契約負債 (A.1) 4,150 555,021 4,266 570,535
流動負債 12,842 1,717,489 14,462 1,934,148
営業債務及びその他の債務 98 13,107 8 1,070
未払税金 667 89,205 538 71,952
金融負債 (E.3),(D.5) 13,605 1,819,533 12,923 1,728,322
(B.3),(B.5),
その他の非金融負債 (G.2) 770 102,980 957 127,989
(A.4),(B.4),
引当金 (B.5),(B.6) 368 49,216 335 44,803
繰延税金負債 (C.5) 158 21,131 79 10,565
契約負債 (A.1) 36 4,815 89 11,903
15,702 2,099,985 14,929 1,996,604
非流動負債
28,544 3,817,475 29,390 3,930,619
負債合計
資本金 1,229 164,366 1,229 164,366
資本剰余金 545 72,888 545 72,888
利益剰余金 32,026 4,283,157 28,783 3,849,438
その他の資本の構成要素 -1,011 -135,211 1,770 236,720
自己株式 -3,072 -410,849 -1,580 -211,309
29,717 3,974,352 30,746 4,111,970
親会社株主持分
非支配持分 211 28,219 76 10,164
資本合計 (E.2) 29,928 4,002,571 30,822 4,122,134
負債及び資本合計 58,472 7,820,045 60,215 8,053,154
添付の注記は、連結財務諸表に不可欠な一部分である。
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
SAPグループ連結資本変動計算書
12月31日に終了した事業年度
百万ユーロ 非支配 資本
親会社株主持分
持分 合計
その他の
資本金 資本 利益 自己 合計
資本の構
剰余金 剰余金 株式
成要素
注記 (E.2) (E.2) (E.2) (E.2)
2018/1/1 1,229 570 24,987 347 -1,591 25,542 31 25,573
税引後利益 4,083 4,083 6 4,088
その他の
包括利益 11 887 898 898
包括利益 4,093 887 4,980 6 4,986
株式報酬 -40 -40 -40
配当 -1,671 -1,671 -13 -1,684
株式報酬による自
己株式の再発行 13 11 24 24
株式発行 7 7 7
ハイパーインフ
レーション -8 -8 -8
非支配株主持分の
変動 0 19 19
その他 -2 -2 3 1
2018/12/31 1,229 543 27,407 1,234 -1,580 28,832 45 28,877
IFRS16号の適用 -71 -71 -71
2019/1/1 1,229 543 27,336 1,234 -1,580 28,761 45 28,807
税引後利益 3,321 3,321 50 3,370
その他の
包括利益 -52 536 483 483
包括利益 3,268 536 3,804 50 3,854
株式報酬 2 2 2
配当 -1,790 -1,790 -19 -18,10
ハイパーインフ
レーション -29 -29 -29
その他 -2 -2 0 -2
1,229 545 28,783 1,770 -1,580 30,746 76 30,822
2019/12/31
税引後利益 5,145 5,145 138 5,283
その他の
包括利益 30 -2,781 -2,751 -2,751
包括利益 5,175 -2,781 2,394 138 2,532
株式報酬 1 1 1
配当 -1,864 -1,864 -2 -1,866
自己株式の購入 -1,492 -1,492 -1,492
非支配株主持分の
変動 -64 -64 -64
その他 -4 -4 0 -5
2020/12/31 1,229 545 32,026 -1,011 -3,072 29,717 211 29,928
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
SAPグループ連結資本変動計算書(続き)
12月31日に終了した事業年度
百万円 非支配 資本
親会社株主持分
持分 合計
その他の
資本金 資本 利益 自己 合計
資本の構
剰余金 剰余金 株式
成要素
注記 (E.2) (E.2) (E.2) (E.2)
2018/1/1 164,366 76,232 3,341,761 46,408 -212,780 3,415,987 4,146 3,420,133
税引後利益 546,060 546,060 802 546,729
その他の
包括利益 1,471 118,627 120,099 120,099
包括利益 547,398 118,627 666,025 802 666,828
株式報酬 -5,350 -5,350 -5,350
配当 -223,480 -223,480 -1,739 -225,218
株式報酬による
自己株式の再発
行 1,739 1,471 3,210 3,210
株式発行 936 936 936
ハイパーインフ
レーション -1,070 -1,070 -1,070
非支配株主持分
の変動 0 2,541 2,541
その他 -267 -267 401 134
2018/12/31 164,366 72,621 3,665,412 165,035 -211,309 3,855,992 6,018 3,862,010
IFRS16号の適
用 -9,496 -9,496
2019/1/1 164,366 72,621 3,655,917 165,035 -211,309 3,846,496 6,018 3,852,648
税引後利益 444,151 444,151 6,687 450,704
その他の
包括利益 -6,954 71,685 64,596 64,596
包括利益 437,062 71,685 508,747 6,687 515,434
株式報酬 267 267 267
配当 -239,395 -239,395 -2,541 -242,069
ハイパーインフ
レーション -3,878 -3,878 -3,878
その他 -267 -267 0 -267
2019/12/31 164,366 72,888 3,849,438 236,720 -211,309 4,111,970 10,164 4,122,134
税引後利益 688,092 688,092 18,456 706,548
その他の
包括利益 4,012 -371,931 -367,919 -367,919
包括利益 692,105 -371,931 320,174 18,456 338,630
株式報酬 134 134 134
配当 -249,291 -249,291 -267 -249,559
自己株式の取得 -199,540 -199,540 -199,540
非支配株主持分
の変動 -8,559 -8,559 -8,559
その他 -535 -535 0 -669
2020/12/31 164,366 72,888 4,283,157 -135,211 -410,849 3,974,352 28,219 4,002,571
添付の注記は、連結財務諸表に不可欠な一部分である。
選択したIFRS第16号の適用方法のもと、2018年度の修正再表示は行っていない。詳細は、注記(IN.1)参照。
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有価証券報告書
SAPグループ連結キャッシュ・フロー計算書
12 月31日に終了した事業年度
2020 2019 2018
注記
百万 百万 百万
ユーロ 百万円 ユーロ 百万円 ユーロ 百万円
税引後利益 5,283 706,548 3,370 450,704 4,088 546,729
税引後利益から営業活動によ
る正味キャッシュ・フローへ
の調整:
償却費 (D.2)-(D.4) 1,831 244,878 1,872 250,361 1,362 182,154
株式報酬費用 (B.3) 1,084 144,974 1,835 245,413 830 111,004
税金費用 (C.5) 1,938 259,188 1,226 163,965 1,511 202,081
金融収益（純額） (C.4) -776 -103,782 -198 -26,481 47 6,286
営業債権に対する貸倒引当
金の増減 68 9,094 14 1,872 -67 -8,961
その他の非貨幣取引の調整 -198 -26,481 -54 -7,222 3 401
営業及びその他債権の増減 821 109,801 -1,469 -196,464 136 18,189
その他の資産の増減 -651 -87,065 -583 -77,970 -477 -63,794
営業債務、引当金及びその
他の債務の増減 293 39,186 328 43,867 240 32,098
契約負債の増減 128 17,119 984 131,600 -561 -75,028
株式報酬 -1,310 -175,199 -1,257 -168,111 -971 -129,862
利息の支払額 -244 -32,633 -341 -45,605 -251 -33,569
利息の受取額 122 16,316 97 12,973 99 13,240
法人税の支払額
-159,686 -159,686 -311,480
(還付後の純額) -1,194
営業活動より生じたキャッ
シュ・フロー 7,194 962,126 3,496 467,555 4,303 575,483
企業結合に伴う支出合計（取
得現金及び現金同等物控除
後） (D.1) -662 -88,536 -6,215 -831,194 -2,140 -286,204
子会社、事業の売却による収
入 203 27,149 61 8,158 0 0
無形固定資産及び有形固定資
産の取得 -816 -109,132 -817 -109,266 -1,458 -194,993
無形固定資産及び有形固定資
産の売却による収入 88 11,769 71 9,496 57 7,623
他の会社の株式又は負債性金
融商品の取得による支出 -2,535 -339,031 -900 -120,366 -1,013 -135,479
株式又は負債性金融商品の売
却による収入 735 98,299 778 104,050 1,488 199,005
投資活動より生じたキャッ
シュ・フロー -2,986 -399,348 -7,021 -938,989 -3,066 -410,047
配当金の支払い (E.2) -1,864 -249,291 -1,790 -239,395 -1,671 -223,480
非支配株主への配当金の支払
い -2 -267 -17 -2,274 -7 -936
自己株式の取得による支出 (E.2) -1,492 -199,540 0 0 0 0
支配権の喪失をもたらさない
子会社の所有権の変更による
収入 95 12,705 0 0 0 0
借入による収入 (E.3) 2,132 285,134 3,622 484,406 6,368 851,656
借入金の返済 (E.3) -2,430 -324,988 -1,309 -175,066 -1,407 -188,172
リース負債の支払 -378 -50,554 -403 -53,897 0 0
非支配株主との取引 -59 -7,891 0 0 0 0
財務活動より生じたキャッ
シュ・フロー -3,997 -534,559 102 13,641 3,283 439,068
現金及び現金同等物に対する
為替レート変動の影響 -214 -28,620 110 14,711 97 12,973
現金及び現金同等物の
純増減 -4 -535 -3,313 -443,081 4,617 617,478
現金及び現金同等物
期首残高 (E.3) 5,314 710,694 8,627 1,153,775 4,011 536,431
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有価証券報告書
現金及び現金同等物
期末残高 (E.3) 5,311 710,293 5,314 710,694 8,627 1,153,775
添付の注記は、連結財務諸表に不可欠な一部分である。
選択したIFRS第16号の適用方法のもと、2018年度の修正再表示は行っていない。詳細は、注記(IN.1)参照。
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有価証券報告書
SAP SE及びその子会社
IFRS 連結財務諸表に対する注記
(IN.1) 前提
概要
SAP SEの登録所在地は、ドイツのヴァルドルフである（マンハイム下級裁判所の商業登記番号はHRB 719915）。
SAP SE及びその子会社（合わせて「我々」「SAP」「グループ」「会社」という）の2020年度の連結財務諸表は、 国際財務報
告基準 (以下、IFRS ) に準拠して作成されている 。
当社は、2020年12月31日時点で有効かつ欧州連合（以下、EU）が承認している全てのIFRS基準及び解釈指針を適用してい
る。なお、有効であるがEUが未承認の基準又は解釈指針で、2020年、2019年、2018年12月31日終了事業年度の連結財務諸表に
影響を与えるものはない。そのため、当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会（IASB）が公表し、EUの承認したIFRSに
従っている。
当社の役員会は当該連結財務諸表を2021年2月24日付で承認し、監査役会はその提出を受けた連結財務諸表を同日承認した。
連結財務諸表の全ての残高は、別途記載がない限り百万ユーロ単位で記載されている。なお、端数処理の影響により、当該
連結財務諸表内の数値の合計やパーセンテージは正確に一致しないことがある。
連結損益計算書又は 連結財政状態計算書から注記に直接引用している数値は、それぞれ 及び の記号が付されてい
る。
比較情報
2019年1月1日より、修正遡及適用アプローチを用いてIFRS第16号「リース」を適用している。基準を初めて適用することに
よる累積的影響額は、適用開始日における利益剰余金の期首残高の調整として認識され、2018年度に係る前期数値は調整され
ていない。
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
会計方針、経営者による判断、並びに見積りの不確実性に関する情報源
会計方針、判断、並びに見積りの開示方法
財務諸表の理解に資するため、各題目に、会計方針、経営者による判断、並びに見積りの不確実性に関する情報源（以下、
「会計方針、判断、並びに見積り」）について、その他の開示内容と共に記載している。当該題目とは関係しない会計方針、
判断、並びに見積りについては、後のセクションに記載している。
会計方針、判断、並びに見積りについての記載を特定しやすくするため、薄灰色のボックスで強調表示するとともに、当該
各記載には記号 を付している。これらは、現行のIFRSのフレームワーク内で行われた会計上の選択に焦点を当てており、注
記の内容を理解する上で特に重要でない限りは、基となる公布されているIFRSガイダンスの記載を繰り返すことは控えてい
る。
次表は、当社の会計方針、判断、並びに見積りが開示されている箇所の概要を示している。
注記
会計方針、判断、並びに見積り
(IN.1) 前提
(IN.2) COVID-19パンデミック関連事項
(A.1) 収益
(A.2) 営業債権及びその他の債権
(A.3) 資産計上された顧客との契約から生じるコスト
(A.4) 顧客関連引当金
(B.3) 株式報酬
(B.4) 年金制度及び類似の債務
(B.5) その他従業員関連債務
(B.6) リストラクチャリング
(C.1) セグメントの業績
(C.5) 法人所得税
(D.1) 企業結合
(D.2) のれん
(D.3) 無形資産
(D.4) 有形固定資産
(D.5) リース
(D.6) 持分投資
(E.3) 流動性
(F.1) 金融リスク要因及びリスク管理
(F.2) 金融商品に関する公正価値の追加開示
(G.1) 前払費用及びその他の税金資産
(G.3) 訴訟、損害賠償請求並びに法的偶発事象
(G.5) 取締役会及び監査役会報酬
一般的な会計方針
測定基準
本連結財務諸表は以下を除き、取得原価を基礎として作成されている。
- デリバティブ金融商品及び現金決済型株式報酬にかかる負債は、公正価値で測定されている。単に元本
又は利息の支払いだけではないキャッシュ・フローを伴う金融資産についても公正価値で測定されてい
る。
- 退職後給付は、年金資産の公正価値を控除した確定給付債務の現在価値で測定されている。
- 外貨建貨幣性資産及び負債は、期末為替相場で換算されている。
- 超インフレ会計を適用する子会社の財務諸表は、修正再表示されている。
外貨
ユーロ以外の機能通貨を用いる海外子会社の収益、費用及び営業キャッシュ・フロー項目は、月次の平均為替相場(FX)によ
り換算する。外貨建取引の換算差額は、その他の営業収益/費用（純額）に計上される。
会社に影響のある主要通貨の為替相場は、以下の通り。
為替相場
（1ユーロあたり） 期末為替相場 期中平均為替相場
2020 2019 2020 2019 2018
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有価証券報告書
アメリカドル
USD
1.2271 1.1234 1.1413 1.1196 1.1815
日本円 JPY 126.49 121.94 121.78 122.06 130.41
イギリスポンド GBP 0.8990 0.8508 0.8892 0.8773 0.8847
スイスフラン CHF 1.0802 1.0854 1.0703 1.1127 1.1549
カナダドル CAD 1.5633 1.4598 1.5294 1.4857 1.5302
オーストラリア
AUD 1.5896 1.5995 1.6554 1.6106 1.5799
ドル
原価分類
クラウド及びソフトウェアの原価
クラウド及びソフトウェアの原価は、クラウド及びソフトウェア収益を生み出すための製品の製造サービス
の提供により発生した費用を含んでいる。従って、当項目にはこれらのサービスに関連する人件費、取得し
た無形固定資産に係る償却費、外部へのライセンス料、有形固定資産に係る償却費（例えば、我々がクラウ
ドソリューションをホストするデータセンターの償却費）、及び外部のホスティングサービス費用を含んで
いる。顧客との契約から生じる費用の資産化についての詳細は、注記（A.3）を参照のこと。
サービスの原価
サービスの原価は、収益を獲得するためのサービスの提供により発生した費用を含んでいる。したがって、
当該項目には主として、人件費、関連するトレーニング、システム、システム管理費用、外部リソースコス
ト、モバイル情報及びモバイルコマースサービスを有効化するための費用が含まれている。
研究開発費
研究開発費は、システム開発に係る人的資源及びハードウェア費用を含む、ソフトウェアソリューション
(新製品、アップデート、機能拡張)の開発活動に関連した費用を含んでいる。開発により内部で生み出され
た無形資産についての詳細な情報は、注記(D.3)を参照のこと。
販売費
販売費には、当社のソフトウェア及びクラウドソリューションとサービス・ポートフォリオに関連する販売
活動(販売手数料及び資産化した販売手数料の償却など)及びマーケティング活動にかかった費用が含まれ
る。顧客との契約から生じる費用の資産化についての詳細は、注記（A.3）を参照のこと。
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有価証券報告書
一般管理費
一般管理費は、他の営業費用項目に直接的に帰属させることのできない、財務及び管理機能、人事並びに経
営全般に関する費用である。
経営者による判断及び見積りの不確実性に関する情報源
連結財務諸表の作成にあたっては、会計方針の適用や資産、負債、収益、費用の報告金額及び偶発債務の開
示に影響を与えるような判断、見積り及び仮定を経営者が実施する必要がある。
当社の判断、見積り、仮定は、過去及び将来の見込みの情報及び当社又は顧客が活動する地域や業界の経済
的状況を基にしている。これらの条件の変動は、見積りに不利な影響を与える可能性がある。当社は、対象
となっている不確実性について、その最終的な帰結を合理的に見積もっているものの、これらの事象の最終
的な結果が、資産、負債、収益、費用及び開示された偶発債務に反映されているものと一致することの保証
はできない。実際の結果は、当初の見積りと異なる場合がある。
当社が判断、見積り、仮定を行うことを最も頻繁に又は特に求められる、つまり、当社の経営成績を理解す
るのに最も重要な会計方針には以下が含まれる。
注記
重要な会計方針
(A.1) 収益認識
(A.2) 営業債権の評価
(A.4), (G.3)
法的偶発事象の会計処理
(B.3) 株式報酬の会計処理
(C.5) 法人所得税の会計処理
(D.1) 企業結合の会計処理
(D.2) のれんの会計処理
(D.3) 無形資産の会計処理（開発により内部で創設された無形資産の認識を含む）
当社の経営陣は、これらの重要な会計方針について、監査役会の監査委員会と定期的に議論している。
未適用の新会計基準
IASB は、SAPに関連があるがまだ有効でないIFRS基準（IAS第１号（負債の流動または非流動への分類）や
IAS第37号（引当金、偶発債務及び偶発資産）等）に対する種々の改正を公表している。当社は、現在SAPに
対する影響を評価中であるが、財政状態又は経営成績に重要な影響はないと見込んでいる。
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有価証券報告書
(IN.2) COVID-19 パンデミック関連事項
COVID-19パンデミックによる経営者の判断及び見積り
経営者の判断と見積りは、報告書日における資産及び負債の金額、そして報告期間における収益と費用の金
額に影響を与えうる。COVID-19のパンデミックによる現在の予測不能な世界的影響により、これら経営者の
判断及び見積りは不確実性が増している。実際の数値は経営者の判断及び見積りとは異なる場合があり、変
更は連結財務諸表へ重要な影響をもたらす可能性がある。経営者による判断及び見積りの変更には、予想さ
れる経済発展や各国の政府による緩和政策について利用可能なすべての情報を加味している。この情報は資
産及び債権の回収可能性の分析においても用いられている。
このパンデミックは進化し続けているため、資産、負債、業績、キャッシュ・フローに対する影響の期間や
大きさを予測することは困難である。財務諸表に関連する見積り及び仮定は、既存知識と入手可能な限り最
適の情報に基づいており、ワクチンの接種プログラムが世界的に展開されるにつれCOVID-19の状況は回復し
始め、2021年第2四半期には徐々に需要が改善される環境へとつながるだろうというシナリオを適用してい
る。
のれんに対する影響については、注記（D.2）を参照のこと。
また、個々の資産及び負債の測定に対する将来の起こりうる影響については引き続き分析中である。
SAPの顧客、特に大きな打撃を受けた産業界の顧客は、引き続きCOVID-19のパンデミックの経済的影響を受け続けている。特
定の国や地域でのロックダウンによる影響と回復の程度は様々であり、そのような会社はビジネスの不確実性に直面し続けて
いる。サービス収益としてのソフトウェア（注記（A.1）で定義される）は、主に2020年にSAPのConcur事業に影響を与えた世
界的な出張の減少による従量課金型の取引収益の減少の影響を受けた。
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セクションA – 顧客
このセクションは、当社の顧客との契約に関する開示について記載している。これらには、当社が収益を認識する方法、収
益の内訳、並びに当社の売掛金及び顧客関連債務に関する情報が含まれているが、これらに限定されない。
(A.1) 収益
顧客との契約から生じる収益の会計処理
収益の分類
当社は、当社が提供するクラウドサービスの使用、オンプレミス・ソフトウェア製品のライセンス、標準
化されたプレミアムサポートサービス、コンサルティング、顧客特有のソフトウェアの開発、トレーニン
グ及びその他のサービスにより、顧客に請求する報酬から収益を獲得している。
クラウド及びソフトウェア収益は、連結損益計算書に記載の通り、クラウド収益、ソフトウェアライセン
ス収益並びにソフトウェアサポート収益の合計である。
－ クラウド収益は、顧客に以下のいずれかを提供することにより得られる報酬を表す。
● サービスとしてのソフトウェア(SaaS）、すなわち、当社又は当社が契約した第三者が提供するク
ラウドベースのインフラストラクチャーにあるソフトウェア機能（標準機能、カスタムクラウド・
アプリケーション及び拡張機能を含む）を使用することができる権利を付与するサービス。この場
合、顧客は当社が提供するクラウドのホスティング契約を解約することはできず、また、ソフト
ウェアを所有して自身のITインフラストラクチャー上で使用したり、外部の第三者と契約してソフ
トウェアを提供、管理したりする権利を持たない。SaaSには、当社のネットワーク事業の顧客が当
社のクラウドベースの取引プラットフォーム上で実行する取引に対する取引手数料及び代行手数料
も含まれる。
● サービスとしてのプラットフォーム（PaaS）、すなわち、アプリケーションを開発、実行、管理す
るためのクラウドベースのインフラストラクチャーを使用することができる権利を付与するサービ
ス。
● サービスとしてのインフラストラクチャー(IaaS)、すなわち、当社又は当社が契約した第三者が提
供するソフトウェアのためのホスティング及び関連するアプリケーションの管理サービス。
● 基本的なクラウド・サブスクリプション料に含まれる標準サポートを超えたプレミアムクラウドサ
ポート。
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－ ソフトウェアライセンス収益とは、顧客の敷地内で使用するための顧客へのソフトウェアの販売又は
ライセンスから得られる報酬を表す。すなわち、顧客は顧客の敷地内又は外部の第三者が提供する
ハードウェアへインストールするために、ソフトウェアの所有権を有する（オンプレミス・ソフト
ウェア）。ソフトウェアライセンス収益は、標準ソフトウェアの販売及び顧客固有のオンプレミス・
ソフトウェア開発契約からの収益を含む。
－ ソフトウェアサポート収益は、不特定の将来におけるソフトウェアアップデート、アップグレード及
び拡張機能を含む標準化されたサポートサービス並びにオンプレミス・ソフトウェア製品に対する技
術製品サポートサービスを顧客に提供することから得られる報酬を表す。
サービス収益は主に専門的なコンサルティングサービス、プレミアムサポートサービス、トレーニング
サービス及びメッセージングサービスから得られる報酬を表す。
契約の識別
当社は、頻繁に同一の顧客と複数の契約を締結するが、会計上複数の契約がほぼ同時に締結され、経済的
に相互に関係していれば、会計上は一つの契約として扱う。締結日が3か月間以上離れた契約について
は、当該契約を同時期に締結したとみなせないため、結合しない。様々な契約が相互に関連しているかど
うかの評価にあたっては判断が必要となる。これらの判断には、複数の契約が単一の商業的目的を有する
パッケージとして交渉されているかどうか、ある契約の対価の額が他の契約の履行に依存するものかどう
か、契約上のいくつかまたはすべての商品が単一履行義務であるかどうかの検討を含む。
既存の顧客との新たな取り決めは、新たな契約か顧客との過去の契約の修正のいずれにもなり得る。当該
事項の決定の行う際には、新規合意と既存契約に関連性があるかどうか、新規合意における商品とサービ
スは、以前の契約における商品及びサービスと強く相互関連しているかどうか、どのように新規合意の商
品とサービスの価格が決められているか、といった事項を考慮する。取引価格の変更が、契約の変更また
は変動対価における変更のいずれに該当するかを決定する際には、取引価格の変更が、契約の変更による
ものか、もしくは既存契約の条項の適用によるものかどうかを検討する。
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履行義務の識別
当社の顧客との契約は、しばしば様々な製品とサービスを含む。 通常、「収益の分類」セクションで概
説されている製品及びサービスは別個の履行義務となり、製品とサービスに按分された取引手数料は、別
個に収益認識される。しかしながら、財又はサービスが別個の履行義務であるかどうかを決定する際に
は、判断が必要である。特に、当社の専門的なサービスと実装活動では、そのようなサービスが関連する
オンプレミス・ソフトウェア、またはクラウドサービスを著しく統合、カスタマイズもしくは変更してい
るかどうかを評価するために判断が必要である。このように、サービスの性質と、サービスが関連するオ
ンプレミス・ソフトウェアまたはクラウドサービスの量に対する相対的な割合を検討する。通常、当社の
クラウドサービスの実装サービスは、単純な設定作業を超えるものであり、別個の履行義務となるもので
ある。同様に、当社のオンプレミス実装サービスとカスタム開発サービスは通常別個の履行義務とみな
す。区分不能の財及びサービスは、単一の財及びサービスとして結合される（結合履行義務）。
財又はサービスを販売する際、当社は頻繁に顧客に追加的な財やサービス（例えば、更新可能なサービス
の更新や、購入したソフトウェアの追加）を獲得するオプションを付与する。当社は、このようなオプ
ションが、当該契約を締結しなかった場合には得られなかった重要な権利（重要な権利オプション）を顧
客に提供しているかどうかを判断する必要がある。この判断にあたり、販売された財又はサービスを個別
に販売する際に適用される割引を超過するような割引が、当該オプションと共に販売される際に顧客に付
与されるかどうかを判断する。
取引価格の決定
約束した財又はサービスの顧客への移転と交換に当社が権利を得ると見込まれる金額を決定する際には、
判断が必要となる。この判断には、事後的な値引きが顧客に許可されるかどうか、及びその程度、並び
に、顧客が契約上の対価を支払うと見込まれるかどうかについての見積りが含まれる。この判断にあたっ
ては、個々の顧客及び顧客層についての過去の経験又はポートフォリオを考慮している。
当社の典型的なクラウドサービスの場合、顧客はホスティング契約を解約することはできず、また、ソフ
トウェアの所有権を保持しないため、顧客にはソフトウェアライセンスを付与しない。そのため、取引量
に基づくクラウド使用料は、売上高に基づくライセンスロイヤリティとして会計処理されるのではなく、
見積りに基づいて取引価格が決定される。
ごく稀に、契約に重要な金融要素が含まれることがある。当社が顧客に約束した財又はサービスを移転し
た時点と顧客が対価を支払う時点が一年以内である場合には、金融要素を考慮しない。
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取引価格の配分
顧客契約の取引価格を契約内の履行義務に割り当てるために使用する独立販売価格（SSPｓ）を特定する
ため、当社は以下のヒエラルキーを設定している。
－ 独立販売価格が、観察可能で顧客間で合理的な一貫性を有する場合（つまり、著しい変動がない場
合）、独立販売価格はそれぞれの過去実績に基づいて見積もる。通常、標準サポート提供と専門的な
サービス提供は、このアプローチを適用する。
－ 販売価格が直接的に観察可能でない、または顧客によって著しく変動する場合、以下の見積り方法を
用いる。顧客によって非常に変動的な価格設定の更新可能サービスについては、価格が実質的である
場合に限り、個々の契約で予想される更新価格を考慮する。通常、当社のクラウドサービスは、この
アプローチを適用する。更新可能でないサービスについては、これらの見積りはコストプラスマージ
ンアプローチによる。
－ 更新がなく、価格が著しく変動し、コストプラスマージンアプローチに基づいて見積もるための実質
的な直接費用がない製品については、取引価格を残余アプローチにより配分する。当社は特に標準的
なオンプレミス・ソフトウェア製品にこの手法を用いる。
独立販売価格を見積もる際は、判断が必要となる。当社の製品又はサービスの過去の価格の実績が著しく
変動したかどうかについての判断にあたり、価格変動性についての基準値を設定している。また、契約上
の更新価格が実質的であるかどうかの判断にあたって、契約上の更新価格が一定の最低価格を下回る際に
独立販売価格として使用する基準価格を設定している。契約上の更新価格で契約が更新される見込みであ
るかどうかの判断にあたっては、個々の更新履歴に基づくことにしている。重要な権利オプションの独立
販売価格は、オプションを行使する確率に基づいて判断する。この確率を見積もる際には、当社は過去の
行使状況を考慮している。
当社は利用可能な最も客観的な入力パラメータを使用することを担保するため、定期的に、また、事実や
状況が変化する度に独立販売価格を見直している。
収益の認識
クラウド収益は、サービス提供期間にわたって認識される。当社の履行義務が、クラウドサービスに対
する継続的なアクセス権、及び利用権を一定期間付与することである場合、収益は時の経過に応じ、当該
サービス提供期間に対して比例的に認識される。
ソフトウェア収益は、標準的なソフトウェア、顧客固有のソフトウェア、又はソフトウェアの提供と将来
の不特定のソフトウェア製品を提供する義務を組み合わせたソフトウェアサブスクリプション契約を提供
するかどうかに応じて、一時点、もしくは一定期間にわたって認識される。
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－ 標準的なオンプレミス・ソフトウェア製品のライセンスは、通常、顧客にソフトウェアをダウンロー
ドするためのアクセス権を付与することにより提供され、アクセス権が付与されたときにライセンス
期間がスタートする。このようなオンプレミス・ライセンスの収益は、顧客がソフトウェアにアクセ
スし、それにより制御できるようになった時点で認識される。オンプレミス・ソフトウェア製品が、
顧客に対しアクセス権利ではなく、知的財産権を使用する権を付与しているかどうかの判断にあた
り、事後的なアップデートを含まない当該ソフトウェアの有用性に基づいて判断する。
－ 代表的な顧客固有のオンプレミス・ソフトウェアの開発契約は、以下のようなものである。
● 顧客ごとの特定の要求に応じて開発されたソフトウェアであり、これらの製品は代替的な利用
方法がない。
● 現時点までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利をもたらす。
そのような開発契約については、ソフトウェア開発の進捗率に応じて一定の期間にわたり収益を認識す
る。履行義務の完全な充足に向けての進捗率を測定する適切な方法を決定するには、判断が求められる。
通常、ソフトウェアの開発においてこれまでに発生した直接費が開発作業を完了させるために合理的に見
積もられる直接費の合計に占める割合として、開発契約の進捗率を測定する（工事進行基準）。開発費用
の実質的に全ての部分は、開発作業を実施しているエンジニアまたは第三者の開発作業の費用であるた
め、この進捗率の測定の方法は、顧客への開発サービスの移転状況を忠実に表している。開発作業の完了
までの総費用の見積りにあたっては、類似した過去のプロジェクトの実績を考慮する。
－ ソフトウェアの提供と将来の不特定のソフトウェア製品を提供する義務を組み合わせた契約について
は、顧客が直ちにアクセスできるようになったライセンスのある時点で収益を認識する。当社の履行
義務は不特定のソフトウェア製品をいつでも利用可能な状態を整えることであるため、それらの製品
に対するソフトウェアサブスクリプション契約の契約期間にわたって収益を認識する。
ソフトウェアサポート収益は通常、サポート契約期間にわたって収益認識される。標準化されたサポート
サービスに基づく当社の履行義務は、技術的な製品サポート及び不特定の更新、アップグレード、並び
に、機能の拡張をいつでも利用可能な状態を整えることにある。顧客はこれらのサポートサービスの便益
を当社が履行するのと同時に受けて消費する。
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通常、サービス収益は時の経過とともに認識される。サービスを提供する準備ができている場合（学習コ
ンテンツへのアクセス権など）、当社は時の経過に基づいて収益を認識するため、サービス期間にわたっ
て収益を認識している。消費に基づくサービス（個別に識別可能なコンサルティングサービス、プレミア
ムサポートサービス、メッセージサービス、及び集合形式のトレーニングサービスなど）はサービスが利
用されるにつれて、一定の比率で又は工事進行基準に基づいて認識される。工事進行基準を適用する際、
顧客固有のオンプレミス・ソフトウェア開発契約と同様の方法及び同様の論拠と判断に基づいて、履行義
務の充足の完了に向けた進捗率を測定する。あるサービスが提供準備の整っているサービスかサービスの
消費に基づくものかの区別については、判断を適用する。
結合された履行義務の収益は、結合された履行義務を構成するすべての契約のうち、最も長い期間にわ
たって認識される。
収益を一時点で認識するか、一定の期間にわたって認識するかを区別するにあたっても判断が必要とな
る。一定の期間にわたって充足される履行義務について、当社のパフォーマンスをもっとも適切に反映す
る方法で進捗率を測定する必要がある。一定の期間にわたって収益を認識するために発生原価を進捗率の
測定に使用する場合は、履行義務の充足に必要な総原価を見積もるために判断を適用する。
上述の判断と見積りは、いずれも認識される収益の金額及び時期に重要な影響を与える可能性がある。
契約残高
当社は履行義務が充足されていくにつれて、充足した履行義務に対応する債権を認識し、請求可能になっ
た時点で全額売上債権を認識する。この際、対価について無条件で受け取ることのできる権利であるかど
うか、すなわち債権の要件を満たしているかについて判断が必要となる。
契約負債は、主に収益認識前に期日の到来した請求又は顧客から受けた支払によって構成される。
通常、当社は標準的なオンプレミス・ソフトウェアに対する料金は、契約を締結し製品を提供した時点で
請求している。クラウド・サブスクリプションサービス、ソフトウェアサポートサービス、及びその他の
複数期間契約に対する期間定額料金は、通常、毎年または四半期毎に事前に請求される。当社の契約負債
残高の多くはこのような料金の前払い勘定である。クラウド・サブスクリプションの実際取引量に基づく
料金、及び非定期サービスに対して請求される料金は、サービスの提供に応じて請求している。契約タイ
プと地域によって支払条件と期間は変化するが、通常、30日～60日以内を支払期限としている。
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地域別情報
下表の地域別収益の額は、顧客の所在地を基礎としている。下表の地域は、EMEA（ヨーロッパ、中東及びアフリカ）、南北
アメリカ（北米及び中南米）、及びAPJ（アジア太平洋地域及び日本）である。
顧客所在地別総収益
2020 2019 2018
百万ユーロ
ドイツ 4,015 3,948 3,658
8,052 8,158 7,446
その他のEMEA地域
12,067 12,105 11,104
EMEA
米国 9,110 9,085 7,880
1,996 2,109 1,832
その他の南北アメリカ地域
11,106 11,194 9,713
南北アメリカ
日本 1,305 1,180 963
その他のAPJ地域 2,859 3,074 2,928
4,165 4,254 3,891
APJ
27,338 27,553 24,708
SAP グループ
地域別の主な収益分類
クラウド収益 クラウド及びソフトウェア収益
百万ユーロ
2020 2019 2018 2020 2019 2018
EMEA 2,608 2,115 1,441 10,364 10,211 9,339
南北アメリカ 4,439 3,945 2,941 9,239 9,172 7,973
1,033 872 611 3,625 3,629 3,310
アジア太平洋日本
8,080 6,933 4,993 23,228 23,012 20,622
SAP グループ
セグメント別収益及び地域別セグメント収益の内訳に関しては注記(C.1)を参照のこと。
残存履行義務
残存履行義務に配分した顧客契約の取引価格の金額は、未認識の契約収益を表している。それらには、契約負債として認識
されている金額、および契約されているが未だ期限が到来していない金額が含まれる。
2020年12月31日現在の未充足又は部分的に未充足の履行義務に配分した取引価格は、334億ユーロ（2019年12月31日：333億
ユーロ）である。この金額の大部分は、ソフトウェアサポート又はクラウド・サブスクリプションサービスの提供義務による
ものであり、これらのサービスの契約期間が通常1年又は複数年に渡っていることによる。サービスに関わる残存履行義務の一
5)
部は、事前に定義されたアウトプット を伴う契約から得られる解約不能な収益で構成されている。
この金額の大部分は、各貸借対照表日から翌12ヶ月間にわたり収益認識されると見込んでいるが、当該見積りには、将来の
契約変更の可能性についての見積りを考慮する必要があるため、当社の最善の判断に基づいている。残存履行義務に配分され
る取引価格の金額、及び時の経過による当該金額の変動は、とりわけ次の影響を受ける。
－ 通貨価値の変動
－ 貸借対照表日現在に残存するクラウド契約及びソフトウェアサポート契約の契約期間、及び、当該契約の更新時期
5)
過年度の数値は、この残存履行義務の定義に準じて改訂された。
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契約残高
2020年12月31日現在の契約負債は42億ユーロ （2019年12月31日: 44億ユーロ）である。
契約負債の増加は、主に請求及び請求書の期限が到来したこと（85億ユーロ）に起因する。契約負債の減少は、主に履行義
務の充足（84億ユーロ）によるものである。
当報告期間に認識した収益のうち報告期間の期首現在の契約負債残高に含まれていた金額は、35億ユーロ（2019年12月31
日：26億ユーロ）である。
(A.2) 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の会計処理
当社は、営業債権及び顧客との契約から生じる契約資産を償却原価から予想信用損失を差し引いた金額で
測定している。 当社はポートフォリオごとに貸倒引当金を計上することにより予想信用損失を計上して
いる。 当社は、債権の当初測定時に全期間にわたって発生すると予想される信用損失を考慮する減損の
簡便的アプローチを適用している。 これらの損失を見積もるためには、引当マトリクスを使用してい
る。
さらに、信用減損の客観的証拠がある場合、当社は個々の債権に対する引当金を認識する。
回復の可能性が非常に低いと判断した場合、債権残高は部分的に又は全額貸倒れ処理される。
営業債権に対するデフォルトリスクの分析及び管理方法、引当マトリクスの損失率の決定方法、信用減損
の決定方法及び当社の貸倒れ処理の基準については、注記(F.1) 信用リスクに関するセクションを参照。
連結損益計算書上、純損益には引当マトリクスの適用による予想信用損失引当金、信用が毀損している顧
客残高、及びその他の営業収益/費用（純額）に含まれる貸倒れ及び関連する戻し入れによる収益/費用が
含まれている。為替レートの変動による損益は、その他の営業外収益/費用（純額）に含まれている。
予想信用損失引当金の決定には、重要な判断が含まれる。 当社は、主に引当マトリクスのリスク分類に
おける信用損失に関する過去の経験及び滞留債権に関する現在のデータを考慮して判断している。 当社
の過去のデフォルト率は、将来の予想デフォルト率に対する合理的な近似値であると考えている。引当マ
トリクスの作成にあたり、過去のデータに加えて、合理的かつ裏付け可能な将来の情報（例えば、カント
リーリスク格付の変化、顧客が所在する国のクレジットデフォルトスワップの変動）を考慮している。
売掛金が回収可能かどうかの評価には、デフォルトに関する仮定を設定する必要があるが、当該仮定は大
幅に変わる可能性がある。
この判断に際し、当社は特定の顧客の財務状況に関する入手可能な情報を評価し、信用損失が発生したか
どうか及び発生すると判断した場合、損失が合理的に見積り可能かどうかを判断する。信用損失が発生し
ており、合理的に損失を見積り可能であるならば、当該特定の顧客に対する引当金計上が必要である。過
去の実績は将来の動向を示していない可能性があるため、残りの債権に対する予想信用損失を主に当社の
過去の損失実績に基づいて決定することも同様に判断を要する。また、予想信用損失引当金の損失率に合
理的かつ裏付け可能な将来見通しに関する情報を含めることは、将来の成長に対する信頼性のある予測と
なっていない可能性もあるため、判断を必要とする。
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営業債権及びその他の債権
2020 2019
百万ユーロ
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
営業債権（純額） 6,199 33 6,232 7,561 21 7,582
395 103 498 346 108 454
その他の債権
6,593 137 6,730 7,908 129 8,037
合計
2020年12月31日現在の契約資産は、295百万ユーロ （2019年12月31日: 234百万ユーロ）である。
営業債権に対する財務リスク、信用リスクの管理方法並びに営業債権及び契約資産に対する引当金の詳細については、注記
(F.1)を参照のこと。
(A.3) 顧客との契約から生じる資産化コスト
顧客契約獲得のためのコスト
顧客との契約から生じる資産化コストは、当社の財政状態計算書上、非金融資産として分類される。
資産計上された顧客契約獲得のための増分コストは、主に営業担当者に対する販売手数料からなる。特
に、当該手数料が累積的な目標値に基づく場合や、１つの顧客契約における複数の履行義務に関連する場
合、資産計上すべき金額の決定に判断が必要となる。当社は累積目標に数え入れられるすべての顧客契約
について、このような累積目標の販売手数料を資産計上しているが、これは顧客契約の獲得以外に累積目
標の達成に貢献できない場合に限る。複数の履行義務を有する契約又はその可能性のある更新に対する手
数料は、それぞれの独立販売価格に関連するこれらの履行義務及び可能性のある更新に配分される。
当社は通常、顧客契約更新のために販売手数料を支払うことはなく、支払ったとしても新しい契約に対す
る手数料と同一の基準ではない。それゆえ、更新可能な新規契約に対して支払われる手数料は、これらの
契約の予想される更新にも関連していると判断している。従って、当社は新規顧客契約に対して支払われ
た販売手数料を、契約更新を含む予想契約期間にわたり定額法で償却している。これらの契約期間の見積
りには判断が求められる。この判断にあたり、当社は個々の契約における更新履歴を基に、当該更新履歴
が将来の更新状況を適切に示すものではないと思われる兆候がある場合は、当該部分の調整を行ってい
る。償却期間は、提供するサービスの種類に応じて18ヶ月から8年の範囲であり、クラウド・サブスクリ
プションモデルに対する継続ライセンスとサポートのオンプレミスビジネスモデルからの顧客取引を促進
するために 2020年に伝達された戦略を反映している。顧客契約獲得に係る資産化費用の償却費は、販売
費に分類される。顧客契約を獲得するために発生した増分コストの償却が1年以内であると見込まれる場
合には、発生時に費用処理している。
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顧客契約を履行するためのコスト
顧客契約を履行するために発生した資産化コストは、IFRS第15号以外の基準の範囲に含まれていない限
り、主としてクラウド製品のセットアップや履行及びカスタム・クラウド開発契約の直接費用から構成さ
れる。これらの費用は、セットアップや履行又は開発の完了後から更新見込みを含むクラウド・サブスク
リプションの契約期間にわたり、それぞれ定額法で償却される。当社の過去の経験や将来を完全には反映
していない更新履歴の検討から、償却期間は通常7年から8年としている。さらに、資産化コストには契約
期間で償却される第三者のライセンス料も含まれる。費用が直接費用か間接費用かの見積りや、契約期間
の見積りには判断を要する。
カスタムクラウド・アプリケーション開発および拡張機能の契約を履行するための資産化コストの償却
は、クラウド費用に含まれる。
顧客との契約から生じた資産化コスト
2020 2019
百万ユーロ
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
資産計上された顧客契約獲得コスト 491 1,536 2,028 414 1,318 1,732
91 151 242 66 117 183
資産計上された顧客契約履行コスト
583 1,687 2,270 480 1,435 1,915
資産計上した契約コスト
その他非金融資産 1,321 1,926 3,247 1,188 1,701 2,889
資産計上された契約コストが その
他非金融資産に占める割合（％） 44 88 70 40 84 66
償却費用
百万ユーロ 2020 2019
資産計上された顧客契約獲得コスト 450 367
資産計上された顧客契約履行コスト 129 81
(A.4) 顧客関連引当金
予想契約損失
顧客関連引当金は、主に予想契約損失を含む。当社は情報が入手可能になり、状況が変化するにつれて、
これらの引当金を調整する。非流動引当金は、報告書日現在の予想決済額の現在価値によって測定されて
いる。
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顧客関連の訴訟及び損害賠償請求
さらに、これらの引当金には顧客関連の訴訟及び損害賠償請求から生じる債務も含まれている。当社は
SAPソフトウェアの使用に基づいて提起された訴訟に対して補償を要求する顧客に関する訴訟、及び当社
が提供した製品及びサービスに不満を抱く顧客に関する訴訟を含む、様々な損害賠償請求及び法的手続に
直面している。顧客関連の訴訟および損害賠償請求から生じる債務は、当社の製品が第三者の特許、著作
権、企業秘密、又はその他の所有権を侵害しているとの損害賠償請求から生じる負債に対して、当社が顧
客に補償する場合に生じる。
これらの事項には不確実性があるため、入手可能な最新の情報に基づいて引当金を計上している。 引当
金計上の要否、及び引当金の計上金額については、重要な判断が必要となる。 特に、以下の項目につい
ての判断が必要となる。
－ 債務が存在するかどうか
－ 経済的便益の流出の可能性
－ 債務金額について、信頼性をもった見積りが可能かどうか
－ 債務を決済するために必要な支出額の見積り
各報告期間の末日に、当社は係争中の損害賠償請求及び訴訟に関連する潜在的な債務を再評価し、現在の
最善の見積りを反映するように引当金の金額を調整する。また、当社は、各報告期間の末日後、連結財務
諸表の公表承認前に入手した新しい情報を検討、評価し、報告期間末日に存在した状況に対し、追加情報
を提供するかどうかを判断している。当社の法令等に関連する偶発債務の会計処理の基礎となる見積りや
仮定が変更する場合、又はこれらの見積り及び仮定と異なる結果が生じる場合は、計上された各引当金の
帳簿価額に重要な調整又は追加が必要となる可能性がある。これらの訴訟および損害賠償請求から生じる
経済的便益の流出の予想される時期又は金額は、一般的に訴訟及び損害賠償請求を解決するために必要な
訴訟手続及び和解交渉の期間並びに複数の管轄区域における法的紛争の結果の予測不可能性に左右される
ため、不確実で推定することができない。
引当金を識別していない顧客関連の訴訟及び損害賠償請求に関連する偶発債務が存在するが、上述した訴訟等に係る不確実
性のため、これらに係る財務上の影響を見積もることは合理的ではないと判断している。
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セクションB – 従業員
このセクションは、従業員給付の枠組みについての財務的情報を記載している。このセクションは、注記 (G.5) に記載の主要
経営幹部への報酬の開示、及び、当有価証券報告書内の3 ［ コーポレートガバナンスの状況等 ］ （２） ［ 役員の状況 ］ (2) 当社
の取締役および取締役会構成員への報酬と合わせて参照されたい。
(B.1) 従業員数
職能及び地域（EMEA（ヨーロッパ、中東及びアフリカ）、南北アメリカ（北米及びラテンアメリカ）、APJ（アジア太平洋日
本）ごとの従業員数は以下の通りである。
地域及び職能ごとの従業員数
2020 年12月31日 2019 年12月31日 2018 年12月31日
正規職員相当
南北 南北 南北
EMEA アメリカ APJ 合計 EMEA アメリカ APJ 合計 EMEA アメリカ APJ 合計
クラウド及びソフ
トウェア
6,278 4,589 5,525 16,392 6,501 4,426 5,361 16,288 6,341 4,268 5,374 15,983
サービス
8,175 5,934 5,733 19,842 8,250 6,018 5,971 20,239 8,120 5,736 5,620 19,476
研究開発
13,705 6,094 9,781 29,580 12,710 5,793 9,131 27,634 12,478 5,651 8,930 27,060
販売及びマーケ
ティング
10,348 10,485 5,000 25,834 10,205 10,368 5,209 25,781 9,843 9,452 4,918 24,213
一般管理
3,285 2,161 1,243 6,689 3,161 2,123 1,246 6,530 2,906 1,970 1,147 6,024
インフラ
2,291 1,107 696 4,094 2,220 984 654 3,859 2,160 951 631 3,742
SAP グループ
44,082 30,369 27,979 102,430 43,048 29,172 27,571 100,330 41,848 28,029 26,620 96,498
(12 月31日時点）
上記のうち取得に
609 97 75 781 338 1,638 137 2,113 657 952 434 2,043
よる増加人数
SAP グループ
43,340 30,306 27,830 101,476 42,697 29,368 27,092 99,157 40,496 27,454 25,759 93,709
（月次平均）
(B.2) 従業員給付費用
従業員給付費用の内訳
2020 2019 2018
（百万ユーロ）
給与 10,413 10,031 9,025
社会保障費用 1,439 1,477 1,339
1,084 1,835 830
株式報酬費用
年金費用 419 369 330
従業員関連リストラクチャリング費用 –7 1,111 19
72 47 52
リストラクチャリング計画に関連しない解雇給付
13,420 14,870 11,595
従業員給付費用
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(B.3) 株式報酬
株式報酬費用の会計処理
損益計算書上の分類
株式報酬費用には、従業員に交付される現金決済及び持分決済による報酬が含まれる。それらに関する費用
は、従業員給付として認識され、当連結損益計算書上、従業員が行う活動に従って分類されている。現金決
済による報酬について経済的にヘッジを行っている場合、ヘッジ手段の公正価値の変動も従業員給付費用と
して利益又は損失に認識されている。ヘッジ手段の公正価値は、現在の市場の推定値を反映した市場データ
に基づいている。株価リスクの詳細については、注記(F.1)を参照のこと。
評価、判断、及び見積りの不確実性の要因
当社は、株式報酬の公正価値を見積もる際に、予測される株価の変動性及び予測付与期間(株式報酬の行使
又は期限切れまでの平均残余期間の見積りを表している)等の一定の仮定を用いている。また、これらの報
酬の最終支払いは、業績指標の達成及び行使日の株価に依存する。これらの仮定に対する変更、あるいはこ
れらの仮定とは異なる実績により、株式報酬に対して認識した負債の帳簿価格への重要な修正を必要とする
場合がある。LTI2016プランのもと付与された株式の公正価格は、同業他社（ピアグループインデックス)と
比較した業績、変動性、及び指標価格と当社の株価の予想相関関係に依存する。LTI 2020のもと付与された
株式の公正価格は、NASDAQ-100企業の株主総利回り（TSR）に係る当社の業績、変動性、及びNASDAQ-100企
業のTRSと当社のTSRとの予想相関関係に依存する。
ストック・オプションの公正価値を見積もるにあたり、予測した価格変動が、最も感応度の高い仮定である
と考えている。現金決済型の将来支出額については、当社の株価が最も関連のある要素である。LTI 2016プ
ランについては、将来支出は、株価だけでなくピアグループインデックスに対する業績が大きく影響すると
考える。LTI 2020に関しては、将来支出額は株価だけでなく、NASDAQ-100企業と比較した当社の業績が大き
く影響すると考える。LTI 2020のもとでの将来支出額はまた、SAPの長期戦略を基礎とした非市場型の業績
状況を満たすことにも影響される。しかしながら、後者は公正価値の算定には関連しないものの、量的な調
整には影響を与える。これらの要素の変動は、評価モデルで計算される見積公正価値及び将来支出に大きく
影響を与えることがある。
一部のプロラムでは、従業員に対してSAP株式の割引購入権を付与している。それらの割引は、従業員によ
る将来の役務提供に依存しないことから、割引購入権が付与された際に費用として認識される。
キャッシュ・フロー計算書の表示
当社の株式報酬プランに係る支出は、キャッシュ・フロー計算書の営業活動から生じるキャッシュ・フロー
として個別に表示している。その結果、営業キャッシュ・フローの調整で表示されるその他の資産及びその
他の負債の変動は株式報酬関連の資産又は負債を含まないこととなった。
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損益計算書の営業費用は、下記の株式報酬費用を含んでいる。
機能領域別の株式報酬費用
2020 2019 2018
（百万ユーロ）
クラウド原価
40 56 27
ソフトウェア原価 55 82 51
サービス原価 175 246 142
研究開発費 296 429 210
販売費 360 562 312
157 461 88
一般管理費
株式報酬費用合計 1,084 1,835 830
内、現金決済型株式報酬に関するもの
893 1,664 674
191 171 156
内、持分決済型株式報酬に関するもの
2020 年において、2019年のリストラクチャリング計画に関連して、操業上の理由による解雇のため権利確定済の株式報酬46
百万ユーロ（2019年は79百万ユーロ）を支払った。これらの支払い、及び、将来の役務に当初割り当てられていた費用部分
は、リストラクチャリング費用ではなく株式報酬として分類された。
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a) 現金決済型株式報酬制度
当社の主な株式報酬プランは、以下の通りである。
SAP 長期インセンティブプログラム2020（LTI 2020）
LTI 2020 は、毎年トランシェが付与される、複数年の業績を基とした長期報酬要素である。LTI 2020はSAPの長期戦略を反映
したものであり、したがって取締役会メンバーが長期戦略計画の重要目標を達成するための統一されたインセンティブを設定
することになる。LTI 2020はまた、市場と比較した際のSAP株価の長期実績に係る取締役会メンバーへの報酬としての役目とも
なり、それゆえ株主の利益が守られることにもなる。さらに、LTI 2020は我々の取締役会メンバーの長期保有を想定した要素
も含む。
LTI 2020 は、約4年間を１タームとして毎年トランシェが付与される仮想株式報酬制度である。個々のトランシェが付与され
ると、取締役会メンバーの役務契約で規定された付与総額が仮想株式（単元株式）にそれぞれ転換される。このため、付与総
額は第４四半期と年間全体の予備的業績結果の公表予定日後、取引日20日間のSAP株価の算術平均に連動するSAPの株価で分割
される（付与価格）。そのように配分された単元株式は、財務業績連動型（FSUs）3分の１、市場業績連動型（MSUｓ）3分の
１、そしてリテンション型（RSUｓ）3分の１から構成される。それら３種類全ての単元株式は、約４年間の権利確定期間を持
つ。RSUｓと対照的に、FSUｓとMSUｓは数量の変化による影響を受ける。このような文脈から以下が適用される。
当初付与されたFSUｓの数量は、業績係数によって増加する。業績係数は、通貨の為替変動を考慮しない３つの非IFRS主要業
績評価指標（KPIｓ）、すなわち、総収益、クラウド収益、営業利益に関連した均等に加重した３つの要素から構成される。こ
れら３つのKPIｓに関する目標達成が測定される業績期間は、FSUｓが付与される事業年度の期首から開始となり、単元株式が
付与された年の翌年末に終結される。それぞれのKPIに対して１００％目標達成と等しい数的目標値が設定される。それぞれの
ケースでの数的目標値は、3年間の業績期間の累積価値を構成する。KPIｓはSAPの、長期戦略に由来する。
当初付与されたMSUｓの数量も、同様に業績係数により増加する。業績係数は、約3年間の全業績期間に測定された、NASDAQ-
100企業の株主総利回り（TSR）と比較したSAP株式のTSRに依存する。SAP株式のTSRが平均と一致する場合は、業績係数が100%
となる。しかしながら、業績期間におけるSAP株式のTSRがマイナスの場合は、業績係数の最大値は上記の要約からは逸脱して
100%となる。
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単元株式の業績は、配当支払を含むSAP株価の業績と関連している。したがって、SAP株価に、単元株式が付与された年の期
首から単元株式が付与された年の翌3年の年末までに支給されたSAP株式の配当金を加算したものと等しい金額が、各単元株式
に対して支払われる。第４四半期と年間全体の予備的業績結果の公表予定日後、取引日20日間のSAP株価の算術平均がSAP株価
と して使用される。各単元株式の配当金額を含む支給金額は、付与金額の200%を上限とする。トランシェは現金決済型であ
り、その年の年1回の株主総会後ユーロで支払われる。
単元株式が付与された年の翌3年の年末より前に取締役会メンバーの役務契約が終了した場合、RSUｓとPSUｓは、役職からの
辞任や役務契約の終了の状況によりその全て又は一部の権利が喪失する。
長期インセンティブ2016プラン（LTI 2016プラン）
LTI 2016 プランの目的は、年間営業利益(非IFRS、通貨の為替変動を非考慮)の達成に報いること、取締役会メンバーの長期
的な関与を確実とし、主要なピアグループと比較した長期的なSAPの株価の実績に報いることである。
LTI トランシェは毎年付与され、期間は4年である （2016-2019トランシェ）。毎年の付与は、 ユーロ建てでの付与総額を決定
することから開始された。付与総額は、取締役会メンバーの契約上のLTI目標値と前年度の営業利益目標達成度に基づいてい
る。監査役会が営業利益目標達成度を考慮して契約上の目標値の80％から120％の間のレベルで総額を設定する。この付与総額
は、付与価格で除すことにより株式ユニットという仮想の株式に転換される。付与価格は、当社の第4四半期決算発表後20取引
日における株価のXETRA終値の平均値として算出された。
このように付与されたすべての株式ユニットは 、60%の業績連動株式ユニット(PSUs)と40%のリテンション株式ユニット
(RSUs)により構成され、いずれも約4年間の権利確定期間がある。権利確定期間の終了後も、対応する株式ユニットは失効しな
い。権利確定期間の終了後には、SAP第4四半期の業績が公表されてから20取引日におけるSAP株式のXETRA終値の平均値として
算出された単価で決済される。支払価格は、付与価格の300％を上限としている。LTIトランシェは対応する年の株主総会後に
現金決済され、ユーロで支払われる。
最終的に支払がなされるPSUsの数は、当社株価の実績(ピアグループインデックスと絶対的そして相対的に比較して)に応じ
て変動する。対照的に、RSUsの最終的な数は固定されている。当社の絶対的な株価実績は、付与価格と支払価格を比較するこ
とによって測定される。同期間において当社の株価実績がピアグループインデックスと等しい場合、業績係数は100％に設定さ
れる。SAPの株価実績がピアグループインデックスよりも優れている場合(SAPの株価実績とピアグループインデックスの実績の
差として測定) 、 業績係数は、SAP株価が上回ったパーセンテージポイント分だけ上昇する。さらに、支払価格が付与価格より
も高い場合、パーセンテージポイントは倍となる。業績係数の上限は150％である。ピアグループインデックスがSAPの株価よ
りも優れている場合、業績係数はピアグループインデックスのパフォーマンスのパーセンテージポイント分だけ低下する。業
績係数が50％以下の場合、すべてのPSUsが失効する。
取締役会メンバーとの役務提供契約が、株式ユニットが付与された年度から3年以内に終了した場合、辞任の状況や役務提供
契約終了の状況に応じて、RSUsとPSUsいずれもその一部又は全部が失効となる。
Move SAP プランとGrow SAPプランを含む譲渡制限付株式報酬プラン (RSUプラン)
役員及び特定の従業員をつなぎとめ、モチベーションを向上させるため、当社株価及び最終的な権利確定後株数で決まる現
金受給の条件付き権利である仮想株式を付与している。2020年6月、Grow SAPプランのもと当社は株式ユニットを付与した。こ
の期間限定プランはMove SAPプランと概ね同じ条件で、SAPの成功のための全従業員の尽力を認め、将来の会社の業績への参加
を深める。
付与された株式ユニットは、トランシェごとに以下のいずれかの場合に権利確定される
- 半年以上の勤務期間を経た場合
- 1～3年以上の勤務期間を経た場合、若しくは、
- 3年以上の勤務期間を経ている場合かつ主要な業績達成指標（KPI）を達成している場合
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様々なトランシェの下で権利確定する業績連動株式ユニット（PSUs）の数は、付与された年の営業利益(非IFRS、継続した通
貨による)のKPI目標の達成状況に依存する。業績に応じ、権利確定するPSUｓの数は当初付与された数の0％から200％の範囲で
変動する。KPI目標に対する2020年の業績は100.4%(2019年は118.7％、2018年は106.7％)であった。すべての株式ユニットは、
権 利確定時に現金で払い出される。
買収前Qualtrics報酬に代わる現金決済型Qualtrics報酬（Qualtrics Rights）
2019 年のQualtrics買収に関連して、当社は買収契約の条件に基づきQualtricsの従業員が保有していた権利未確定の譲渡制
限付株式報酬(RSAｓ)、譲渡制限付株式ユニット(RSUs)、及び業績連動型株式報酬（PSUs）、並びにオプションをSAPの現金決
済型株式報酬（Qualtrics Rights）に交換した。
代替報酬は、以下を除いて、代替された報酬の条件を厳密に反映している。
－ 代替された報酬は株式商品の発行により決済される予定であったが、代替報酬は現金で決済される。
－ 2018年よりも前に付与されQualtricsの買収完了日時点で権利未確定のRSA、RSU、PSU及びオプションは当初合意された権
利確定日において権利確定日に保有されているRSA及びRSUの数に1株あたり35.00米ドルを乗じた金額と同等の現金を受け
取る権利に転換された。個々のオプション金額は、権利確定日に保有するオプション数に、1株あたり35.00米ドルを乗じ
た金額から当初合意された行使価格を差し引いた金額と等しい。
－ 2018年以降に付与されQualtricsの買収完了日時点で権利未確定のRSU、PSU及びオプションは次のようなSAPの株価を指標
とした報酬に転換された。SAP の 1 株当たりの対価（35.00 米ドル）を決算日の 5 取引日の SAP 株式の終値平均
（91.28 ユーロ）で除し、米ドル（103.75米ドル）に換算し、その結果（株式報酬交換比率 0.3373）に行使日又は権利確
定日前の 5 取引日の SAP 株式の終値平均を乗じる。
Qualtrics の買収完了日時点で24.7百万の権利未確定のRSA、RSU、PSU及びオプションがあり、付与日と残存権利確定期間に
応じた失効見込みを考慮した後の公正価値は793百万ユーロであった。公正価値合計のうち、237百万ユーロは譲渡対価に配分
され、556百万ユーロは将来提供されるサービスに配分された。買収後の報酬費用は、当初の権利確定期間の残余期間にわたっ
て権利が確定するのに従って認識されることになる。そのようなQualtrics Rightsの残余権利確定期間は完了日から5年以内で
ある。
権利未確定のRSUには、完了日時点における6.1百万の代替RSUの付与額が含まれている。これらのRSUのサービス期間は2年で
ある。
Qualtrics Rights に係る未認識費用は2020年12月31日時点で60百万ユーロ（2019年は225百万ユーロ）であり、最長3年
（2019年は4年）の残りの権利確定期間に渡って認識される。
未行使現金決済型株式報酬制度は、下記のパラメーターと仮定を用いて評価している。
現金決済型制度の2019年期末時点の公正価値と使用したパラメーター
LTI2016 プラン SOP 2010 RSU プラン Qualtrics
(2016-2019 (2016-2019 Rights
(2014-2015
トランシェ） トランシェ)
トランシェ)
特に記載のない限りユーロ
2019 年12月31日時点での
37.55
加重平均公正価値 94.06 49.51 118.72
測定日における公正価値の測定方法につい
ての情報
使用したオプション価格モデル モンテ・カルロ モンテ・カルロ その他*1 その他*1
120.32
株価 120.32 120.32 120.32
満期日に基づく無リスク利子率(％) -0.68 から-0.57 -0.25 から-0.08 -0.68 から-0.31 -0.55 から-0.35
予想変動率 (％) 27 から36 NA NA
20 から25
予想配当利回り (％)
1.26 1.26 1.26 1.26
2019 年12月31日時点で未行使報酬残高の加
1.7
重平均残存年数 (年)
1.9 0.3 1.0
1) これらの報酬における公正価値は、評価日時点での株価から、もしあれば、各報酬の満期日までの将来の配当支払額の現在
価値を控除して算定している。
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現金決済型制度の2020年期末時点の公正価値と使用したパラメーター
LTI2016 プラン LTI 2020 RSU プラン Qualtrics
(2017-2019 (2017-2020 Rights
(2020
トランシェ） トランシェ)
トランシェ)
特に記載のない限りユーロ
2020 年12月31日時点での
33.66
加重平均公正価値 72.94 94.75 105.52
測定日における公正価値の測定方法につい
ての情報
使用したオプション価格モデル モンテ・カルロ モンテ・カルロ その他*1 その他*1
107.22
株価 107.22 107.22 107.22
満期日に基づく無リスク利子率(％) –0.75 から–0.11 NA –0.77から–0.32 –0.77から–0.37
予想変動率 (％)
34 から42 30 NA NA
予想配当利回り (％)
1.54 NA 1.54 1.54
2020 年12月31日時点で未行使報酬残高の加
1.5
重平均残存年数 (年)
1.2 3.2 1.0
1) これらの報酬における公正価値は、評価日時点での株価から、もしあれば、各報酬の満期日までの将来の配当支払額の現
在価値を控除して算定している。LTI2016プランの評価において、2020年12月31日におけるピアグループのインデックス価格は
481.65米ドル(2019年：363.63米ドル)、このインデックスの期待配当利回りは1.14％(2019年：1.17％)、インデックスの期待
変動率は 26％から31％(2019年：18％から22％)、そして当社株価とこのインデックス価格の期待相関率は27％から30％
(2019：38％から40％)であり、これらは当社株価とインデックス価格の過去実績データに基づいている。
LTI 2020 の評価において、2020年12月31日のNASDAQ-100トータルリターン・インデックスは15,072.29米ドルであった。
NASDAQ-100企業の期待変動率は36％、またSAPとNASDAQ-100企業の期待相関率は31％であり、これらはSAPとNASDAQ-100企業の
TRS過去実績データに基づいている。
無リスク利子率は、類似期間のドイツ国債に由来する。配当利回りは、将来配当の予測に基づいている。
現金決済型制度の株式報酬数の変動
LTI2016 プラン LTI2020 SOP 2010 RSU プラン Qualtrics
（2016-2019 （2020 （2016-2020 Rights
(2013-2015
トランシェ） トランシェ） トランシェ）
（他に明記がない限り、単位: 千） トランシェ)
2018 年12月31日 926 NA 7,086 15,264 NA
付与 344 NA 0 9,339 24,666
KPI 目標達成による調整 NA NA NA 122 NA
行使 0 NA -3,904 -7,540 -7,776
失効 -160 NA -144 -1,057 -883
2019 年12月31日 1,110 0 3,039 16,128 16,007
付与 0 202 0 9,238 0
KPI 目標達成による調整 –211 NA NA -5 NA
行使 -129 0 -1,773 –7,204 –7,791
失効 –3 –30 –66 –1,164 –699
2020 年12月31日 767 172 1,200 16,993 7,518
1) 付与には企業結合にからの追加を含む
発行済み行使可能株式報酬数残高
2019 年 12 月 31 日 現在 0 NA 3,039 0 0
2020 年 12 月 31 日 現在 0 0 1,200 0 0
債務の帳簿価額合計（単位：百万ユーロ）
2019 年 12 月 31 日 現在 73 NA 150 1,100 377
2020 年 12 月 31 日 現在 49 6 42 1,027 193
権利確定した株式報酬の本源的価値合計（単位：百万
ユーロ）
2019 年 12 月 31 日 現在 51 NA 155 0 0
2020 年 12 月 31 日 現在 32 3 42 0 0
行使した株式報酬の加重平均株価（単位：ユーロ）
2019 年 NA NA 111.58 98.11 106.15
2020 年 124.03 NA 121.49 109.75 113.34
費用計上額（単位：百万ユーロ）
2018 年 8 NA 43 611 NA
2019 年 44 NA 66 1,087 461
2020 年 -9 6 2 760 132
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株式報酬関連残高
2020 2019
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
（百万ユーロ）
株式報酬費用関連負債 863 454 1,317 1,130 605 1,735
その他非金融負債 4,643 770 5,413 4,839 957 5,796
株式報酬費用関連負債が
その他非金融負債に
占める割合（％） 19 59 24 23 63 30
b) 持分決済型株式報酬制度
Own SAP プラン（Own）
Own SAP プラン（Own）では、従業員は月に一度、保有期間の要件なしに当社株式を購入する機会を有する。該当する従業員
の投資は、毎月の基本給の一定割合に制限されている。当社は従業員投資額と等価の株式を40%引きで提供し、非役員向けには
月額20ユーロの補助金を提供している。 当社の取締役会のメンバーはこの制度を利用出来ない。
購入された株式数
2020 2019 2018
（百万）
Own 5.5 5.2 5.3
持分決済型株式報酬取引の結果、当社は従業員に対し当社株式を付与することをコミットしている。当社は、自己株式の再
発行又は持分決済型プログラムの運営代理人による公開市場から株式を取得することを通じてこれらのコミットメントを果た
すこととしている。当社は、運営代理人を通じてOwnに関連する義務を果たしている。
持株決済型株式報酬関連費用
2020 2019 2018
（百万ユーロ）
Own 191 171 149
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(B.4) 年金制度及び類似の債務
確定拠出制度
国内および海外の確定拠出制度の金額は、従業員の給与の割合又は従業員による拠出額に基づいている。
ドイツおよびいくつかのその他の国では、国又は地方自治体又は類似の機関が運営する公的年金制度に拠出
している。そのような地方の年金制度の費用は、短期の従業員給付金、つまり社会保障費として認識され
る。
確定給付年金制度
退職後給付に係る資産及び負債の測定に用いる割引計算に使用される割引率は、予想する年金の支払タイミ
ングと金額が合致する優良社債や国債の利回りを基礎としている。利息費用(純額)及び確定給付制度に関す
るその他の費用は、制度を利用する従業員の活動に応じて、従業員給付費用として連結損益計算書において
認識される。我々の国内確定給付年金は、主に適格保険契約によって全て資金調達される従業員出資の年金
制度により構成されているため、当期の勤務費用は、確定給付債務の帳簿価額を適格年金資産の公正価値に
調整した結果として、収益側となる可能性がある。これら調整金額は勤務費用に計上される。確定給付制度
に係る費用の総額は、関連する当期及び過去勤務費用並びに利息収益及び利息費用で構成される。
年金制度の費用総額
2020 2019 2018
（百万ユーロ）
確定拠出制度 326 314 280
確定給付年金制度 93 55 50
年金費用 419 369 330
確定給付制度
確定給付債務（DBO）の現在価値及び年金資産の公正価値
（百万ユーロ）
その他の外国退職後
国内制度 外国制度 制度 合計
2020 2019 2020 2019 2020 2019 2020 2019
確定給付債務の
現在価値 1,127 1,026 616 533 189 156 1,932 1,715
年金資産の
1,112 1,009 506 411 73 65 1,691 1,485
公正価値
確定給付債務
15 17 110 122 116 91 241 230
（資産）の純額
確定給付債務(資産)の純
額が、以下の項目に占め
る割合
その他の非流動金融資
0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0%
産
4% 5% 31% 37% 32% 27% 66% 70%
非流動引当金
国内制度のDBOの現在価値のうち1,054百万ユーロ（2019年：951百万ユーロ）は、最終給与に基づかない一括支払の退職金制
度に関連しており、海外のDBOの現在価値のうち479百万ユーロ（2019年：459百万ユーロ）は、最終給与に基づかない年金支払
制度に関連している。
国内及び海外の年金債務、並びにその他退職後給付債務の評価にあたり、加重平均されたそれぞれの測定日おける重要な数
理計算上の仮定は以下のとおりである。
数理計算上の重要な仮定
（％） 国内制度 外国制度 その他の外国退職後制度
2020 2019 2018 2020 2019 2018 2020 2019 2018
割引率 0.9 0.8 2.3 0.4 0.3 1.0 3.0 3.7 4.2
下記の感応度分析表は、重要な数理計算上の仮定の合理的に起こり得る変動によって、全ての確定給付債務の現在価値がど
のように影響されるかを示している。感応度分析表は、割引率に関する仮定の変動を考慮しており、他の全ての数理計算上の
仮定は一定としている。
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感応度分析
（百万ユーロ）
国内制度 外国制度 その他の外国退職後制度 合計
2020 2019 2018 2020 2019 2018 2020 2019 2018 2020 2019 2018
以下の場合におけ
る、確定給付債務の
現在価値：
割引率が50ベーシス
ポイント増加した場
合 1,066 968 836 573 495 391 185 154 126 1,824 1,617 1,353
割引率が50ベーシス
ポイント減少した場
合 1,195 1,090 940 663 576 450 204 159 141 2,062 1,825 1,531
年金資産への投資
国内給付制度に関する投資戦略は、全ての拠出額を安定的な保険証券に投資することである。
外国給付制度における投資戦略は、それぞれの給付制度が置かれる国ごとの状況によって異なる。全ての主な外国給付制度
においては長期投資戦略を採用している。我々の投資方針は、種々の資産により構成されるリスク分散型ポートフォリオに投
資することであるが、確定給付債務及び年金資産は、時の経過に応じて変動し得るため、数理計算上のリスク及びマーケット
（投資）リスクにさらされることになる。各国の法令により、流動性資産を積み増しし、積立不足を減少させることが必要な
場合もある。
年金資産の配分
2020 年 2019 年
（百万ユーロ）
活発な市場において 活発な市場における 活発な市場において 活発な市場における
取引される資産 取引が無い資産 取引される資産 取引が無い資産
年金資産合計
485 1,207 445 1,040
資産区分:
株式投資 149 0 137 0
社債 151 0 156 0
保険契約 7 1,207 6 1,040
2021 年の国内及び外国の確定給付年金制度への拠出予定額は重要でない。確定給付制度の加重平均残存期間は、2020年12月
31日現在において12年、2019年12月31日現在において13年であった。
2020 年12月31日における当社の確定給付制度による将来支給総額は、1,969百万ユーロ（2019年: 1,831百万ユーロ）である
と見込まれている。このうちの77％(2019年：77％)は、満期が5年超であり、64％(2019年：61％)は 国内制度にかかるものであ
る。
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(B.5) その他従業員関連債務
会計方針
長期の従業員給付に関する引当金は、再保険によって担保されている範囲において関連する年金資産と相殺
される。
その他従業員関連債務
2020 2019
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
（百万ユーロ）
その他従業員関連債務 3,147 316 3,464 3,059 352 3,411
その他非金融負債 4,643 770 5,413 4,839 957 5,796
その他従業員関連債務が
その他非金融負債に占める
割合（%） 68 41 64 63 37 59
その他従業員関連債務は、主に、賞与及び販売手数料から生じる債務、有給休暇、労働時間勘定に蓄積されたタイムクレ
ジット、従業員関連の社会保障費用、リストラクチャリング・プログラム外の解雇手当、そしてJubilee給付費用に関連するも
のである。
主に労働時間勘定に蓄積されたタイムクレジット、リストラクチャリング・プログラム外の解雇手当、Jubilee給付費用から
構成される従業員関連の引当金は、その他の引当金からその他の非金融負債へ再分類された。前期末残高（2019年12月31日：
21百万ユーロ（流動）及び143百万ユーロ（非流動））がそれに応じて再分類されている。我々は、その他の非金融負債として
の分類がその他の引当金としての分類よりもより適切にこれらの負債の実態を反映していると考える。
(B.6) リストラクチャリング
リストラクチャリング引当金の認識
以下の事象が発生する場合に限り、リストラクチャリング引当金を計上する。
－ ある事業の範囲又は事業遂行の方法に重要な変化をもたらす計画を立案し、かつ
－ 詳細に文書化されたリストラクチャリング計画が、取締役会、取締役会の一員又は取締役会のメンバー
による直接の報告によって承認され、かつ
－ 当該計画が承認後直ちに開始される予定であり、計画の重要な変更が生じる可能性が低いタイムフレー
ムで完了することが予期され、かつ
－ 計画の影響を受ける当事者に当該計画が通知されるか、又は計画が開始した場合
事業における変化が重要であるかどうかは、当社全体に対する影響よりも事業単位に対する影響に基づき判
断を行う。ある事業単位がリストラクチャリングの対象となるかどうかを判断するにあたっては、事業単位
が固有の経営部門を設置しているかどうか、生産に必要な資源と過程が入手可能か、そして収益を生み出す
かあるいは生み出すと想定されるかどうかを考慮する。事業の変更の重要性は変更の規模と性質の両者に基
づいて評価されるため、必ずしも当社の財務諸表に重要な金額的影響を伴うわけではない。
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有価証券報告書
リストラクチャリング費用の主な構成要素は、以下の通りである。
リストラクチャリング費用
2020 2019 2018
（百万ユーロ）
従業員関連リストラクチャリング費用 7 -1,111 -19
不利な契約に関連したリストラクチャリング費用及び
-4 -19 0
リストラクチャリング関連減損損失
3 -1,130 -19
リストラクチャリング費用
リストラクチャリング引当金は主に短期的性格のものであり、主に従業員解雇給付から構成される。
リストラクチャリング引当金
リストラクチャリング引当金
（百万ユーロ）
2020 年1月1日現在残高 208
増加 8
使用 -181
戻入 -6
為替影響 -1
2020 年12月31日現在残高 28
引当金合計 441
リストラクチャリング引当金が引当金合計に占める割合 (%)
6
損益計算書上に個別に開示されていない場合、リストラクチャリング費用は、以下のとおり異なる費用項目に分類されてい
る。
機能領域別リストラクチャリング費用
2020 2019 2018
（百万ユーロ）
クラウド原価 0 -20 0
ソフトウェア・ライセンス＆サポート原価 1 -118 -2
サービス原価 -3 -154 -3
研究開発費 1 -467 -3
販売費 3 -299 -11
2 -71 0
一般管理費
3 -1,130 -19
リストラクチャリング費用
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セクションC – 業績
当セクションでは、以前のセクションに記載のない当社の報告セグメント及び全社の業績について記載しており、セグメン
トの業績、法人所得税及び一株当たり利益についての情報を含んでいるが、これらに限定されない。
(C.1) セグメントの業績
一般的情報
2020年度末時点において、当社は、最高経営意思決定機関（以下、CODM）として会社の業績を評価し資源配分を決定する責
任を有する取締役会によって定期的にレビューされている5つの事業セグメントを有している。これらの事業セグメントは、主
に提供する製品及びサービスに基づいて組織されたものであり、それぞれ管理されている。事業セグメントは主に、製品や
サービスの提供内容、特に製品やサービスが当社のサービス活動、出張管理サービス又はエクスペリエンス・マネジメント・
ソリューションに関連しているか、その他の事業活動をカバーしているかに応じて別々に編成および管理されている。
2020年初めに、従来のアプリケーション、テクノロジー&サービスセグメントは、アプリケーション、テクノロジー＆サポー
トと改名された一方、サービス機能は新設のサービスセグメントに集約された。アプリケーション、テクノロジー＆サポート
セグメントは主にソフトウェアライセンスの販売、サポート提供及びクラウド・アプリケーションのサブスクリプション(但し
その他のセグメントに含まれていないもの)によって収益を獲得している。
新設のサービスセグメントはSAPのサービス活動の大部分をカバーしている。これはサービスの提供とサービス販売機能を新
しいグローバルサービスユニットへ集約することで設立された。収益は主に、様々な専門サービス、プレミアムサポートサー
ビス、ソフトウェア製品のための導入サービス、そして当社製品の使用に関する教育サービス等の販売から成る。しかし、他
のセグメントにおいてもサービスを同様に提供しているため、新しいサービスセグメントが全サービス事業を反映しているわ
けではない。
2020年度において、従来のインテリジェント支出グループセグメントはConcurセグメントに改名された。これは、SAP Ariba
やSAP Fieldglassサービス及びConcurエンジニアリング機能の大部分をアプリケーション、テクノロジー＆サポートセグメン
トとサービスセグメントへ統合した結果である。Concurセグメントの収益は主に、SAPのクラウドベースのConcur出張管理サー
ビス及び関連するサービスの使用に係る取引手数料から獲得される。
Qualtricsセグメントの収益は主に、エクスペリエンスデータ全体でフロントオフィス機能を実行するエクスペリエンス管理
クラウドソリューション（Qualtricsサービス）の販売と、関連サービスの販売から得られる。Qualtrics International Inc.
の新規株式公開についての詳細は、注記(G.8)参照。
2020年11月4日付で、当社は既存のSAPカスタマーエクスペリエンスソリューションを補完し強化するために、革新的で使い
やすいクラウドベースのマーケティングプラットフォームであるEmarsys eMarketing Systems AG(以下、Emarsys) を取得し
た。その結果、Emarsysという新しい事業セグメントが誕生した。しかしながらその規模は小さいため、Emarsysは報告セグメ
ントではない。Emarsysセグメントの収益は主に、クラウドベースのカスタマーエクスペリエンスサービスと関連サービスの販
売から得られる。
更に2020年度の第4四半期に、当社は電話通信、ビデオチャット、及びルーティングサービスより主に収益を得ていた従来の
非報告セグメントであるデジタルインターコネクトセグメントを売却した。
2020年度と過年度比較期間のセグメント情報は、新しいセグメント構成に合わせて修正再表示されている。
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セグメントの報告方針
当社の経営者に対する報告システム、すなわちセグメントに対する報告システム上、セグメント間の役務提供は費
用の減少として計上しており、内部売上とはしていない。セグメント間の役務提供は、主にプロジェクト単位での
セグメント間人材活用である。セグメント間の役務提供に係るコストは、一定の間接費を含むが、利益は含まれて
いない内部チャージレートに基づいて計上されている。
セグメント営業利益に影響する減価償却費及び償却費用のほとんどは、より広範な基盤整備費用の一部として各セ
グメントに配分されるため、事業セグメントレベルでは個別に把握していない。各事業セグメントに直課される減
価償却費や償却費用は、いずれの事業セグメントにおいても重要性がない。
当社の経営者報告システムには、外貨建の取引及び業務の会計処理で使用する換算レート毎に異なる様々なレポー
トがあり、実際通貨及び恒常通貨の両方の数値がCODMに報告され、使用されている。実際通貨に基づくレポート
は、当財務諸表で使用されている換算レートと同じ換算レートを用いている。一方で、恒常通貨に基づくレポート
は、収益及び費用を前年同期の平均換算レートを使用して報告している。
当社は、営業利益指標を使用して事業セグメントの業績測定を行っている。ただし、事業セグメントの収益や利益
を測定するための会計方針は、損益計算書において営業利益を決定するためのIFRSに基づく会計方針とは以下の点
において異なる。
－ 事業セグメントの収益及び損益には、被買収企業が仮に買収されていなかったならば計上していたであろう継
続契約から得られる収益が含まれているが、IFRSでは買収時点で顧客契約の公正価値を算定するため、当該継
続契約から得られる収益は、収益として計上していない。
－ 事業セグメントの損益の測定にあたり、以下の費用を控除している。
・ 無形資産の除売却による損益と同様に、企業結合により取得した無形資産及び単独で取得した知的財産の
償却費用又は減損損失（買収した仕掛中の研究開発費を含む）、企業結合を契機とした既存の顧客関係に
係る清算費用、買収関連の外部費用といった買収関連費用
・ 株式報酬費用
・ リストラクチャリング費用
－ 財務、経理、法務、人材、グローバル事業運営及びグローバルマーケティングを含む一部の活動は、全社レベ
ルでのみ管理されている。それらの活動は、報告セグメントの結果には含まれていない。
報告対象ではない事業の収益及び費用並びに上述の全社レベルで管理されている一部の活動は、注記(C.2)のその
他の利益及びその他の費用の調整表に表示される。
セグメント資産・負債に関する情報、及びセグメントごと非流動資産の取得に関する情報は、取締役会に対する定
期的な報告に含まれていない。報告セグメント別ののれんについては注記(D.2)に記載。
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アプリケーション、テクノロジー＆サポート
2020 2019 2018
1) 1)
恒常通貨 恒常通貨
実際通貨 実際通貨 実際通貨
(百万ユーロ)
クラウド 6,254 6,379 5,259 5,098 3,905
ソフトウェアライセンス 3,637 3,765 4,523 4,422 4,645
ソフトウェアサポート 11,502 11,707 11,542 11,279 10,981
ソフトウェアライセンス及びサポート 15,138 15,472 16,064 15,700 15,626
クラウド及びソフトウェア 21,392 21,852 21,323 20,798 19,531
サービス 288 292 341 335 342
総セグメント収益合計 21,680 22,144 21,664 21,132 19,873
クラウド原価 -2,165 -2,218 -1,972 -1,913 -1,620
ソフトウェアライセンス及びサポート
原価 -1,756 -1,790 -1,910 -1,872 -1,835
クラウド及びソフトウェア原価 -3,922 -4,008 -3,882 -3,784 -3,455
サービス原価 -308 -313 -332 -326 -321
売上原価 -4,230 -4,321 -4,214 -4,111 -3,776
セグメント利益 17,450 17,823 17,450 17,022 16,096
その他セグメント費用合計 -8,026 -8,190 -7,996 -7,821 -7,513
セグメント利益 9,423 9,633 9,454 9,201 8,583
1)
2020年の恒常通貨の値は、2019年の実際通貨の値とのみ比較可能であり、また2019年の恒常通貨の値は、2018年の実際通貨
の値とのみ比較可能である。
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Concur
2020 2019 2018
1) 1)
恒常通貨 恒常通貨
実際通貨 実際通貨 実際通貨
(百万ユーロ)
クラウド 1,288 1,306 1,373 1,313 1,107
ソフトウェアライセンス 0 0 0 0 0
ソフトウェアサポート 0 0 0 0 0
ソフトウェアライセンス及びサポート 0 0 0 0 0
クラウド及びソフトウェア 1,288 1,306 1,373 1,313 1,107
サービス 217 221 236 226 231
総セグメント収益合計 1,505 1,526 1,609 1,539 1,338
クラウド原価 -154 -158 -181 -173 -160
ソフトウェアライセンス及びサポート
原価 0 0 0 0 0
クラウド及びソフトウェア原価 -154 -158 -181 -173 -160
サービス原価 -165 -167 -169 -162 -160
売上原価 -319 -325 -350 -335 -320
セグメント利益 1,186 1,201 1,260 1,204 1,019
その他セグメント費用合計 -622 -632 -640 -614 -537
セグメント利益 564 569 620 590 482
1)
2020年の恒常通貨の値は、2019年の実際通貨の値とのみ比較可能であり、また2019年の恒常通貨の値は、2018年の実際通貨
の値とのみ比較可能である。
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有価証券報告書
Qualtrics
)
2018 ²
2020 2019
1) 1)
恒常通貨 恒常通貨
実際通貨 実際通貨 実際通貨
(百万ユーロ)
クラウド 518 529 371 353 NA
ソフトウェアライセンス 0 0 0 0 NA
ソフトウェアサポート 0 0 0 0 NA
ソフトウェアライセンス及びサポート 0 0 0 0 NA
クラウド及びソフトウェア 518 529 371 353 NA
サービス 162 166 137 130 NA
総セグメント収益合計 681 696 508 483 NA
クラウド原価 -43 -43 -33 -31 NA
ソフトウェアライセンス及びサポート
原価 0 0 0 0 NA
クラウド及びソフトウェア原価 -43 -43 -33 -31 NA
サービス原価 -110 -112 -78 -74 NA
売上原価 -152 -155 -110 -106 NA
セグメント利益 528 541 398 377 NA
その他セグメント費用合計 -509 -521 -389 -368 NA
セグメント利益 19 20 8 9 NA
1)
2020年の恒常通貨の値は、2019年の実際通貨の値とのみ比較可能であり、また2019年の恒常通貨の値は、2018年の実際通貨
の値とのみ比較可能である。
2)
2019年にQualtricsを買収したため、2018 年度の値は存在しない。
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有価証券報告書
サービス
2020 2019 2018
1) 1)
恒常通貨 恒常通貨
実際通貨 実際通貨 実際通貨
(百万ユーロ)
クラウド 0 1 0 0 0
ソフトウェアライセンス 0 0 0 0 0
ソフトウェアサポート 4 4 5 5 3
ソフトウェアライセンス及びサポート 4 4 5 5 3
クラウド及びソフトウェア 5 5 5 5 4
サービス 3,153 3,203 3,442 3,354 3,161
総セグメント収益合計 3,157 3,208 3,447 3,359 3,165
クラウド 原価 -70 -72 -57 -56 -51
ソフトウェアライセンス及びサポート
原価 -33 -34 -55 -54 -77
クラウド及びソフトウェア原価 -103 -106 -112 -110 -128
サービス原価 -2,136 -2,179 -2,506 -2,453 -2,379
売上原価 -2,240 -2,285 -2,618 -2,562 -2,507
セグメント利益 918 923 829 796 658
その他セグメント費用合計 -419 -429 -467 -456 -409
セグメント利益 499 494 362 340 249
1)
2020年の恒常通貨の値は、2019年の実際通貨の値とのみ比較可能であり、また2019年の恒常通貨の値は、2018年の実際通貨
の値とのみ比較可能である。
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有価証券報告書
地域別収益
(百万ユーロ) EMEA 南北アメリカ APJ セグメント利益合計
2020 2019 2020 2019 2020 2019 2020 2019
実際 恒常 実際 実際 恒常 実際 実際 恒常 実際 実際 恒常 実際
通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨
アプリケー
ション、
テクノロ
ジー＆サポー
ト 10,249 10,356 10,083 7,964 8,245 8,056 3,467 3,542 3,525 21,680 22,144 21,664
Concur 228 232 260 1,103 1,117 1,176 175 177 174 1,505 1,526 1,609
Qualtrics
97 99 68 528 540 403 55 56 37 681 696 508
サービス 1,432 1,448 1,530 1,340 1,370 1,447 385 391 470 3,157 3,208 3,447
報告セグメン
ト合計 12,006 12,136 11,941 10,935 11,272 11,081 4,082 4,166 4,207 27,023 27,574 27,229
(百万ユーロ) EMEA 南北アメリカ APJ セグメント利益合計
2019 2018 2019 2018 2019 2018 2019 2018
実際 恒常 実際 実際 恒常 実際 実際 恒常 実際 実際 恒常 実際
通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨
アプリケー
ション、
テクノロ
ジー＆サポー
ト 10,083 10,015 9,416 8,056 7,699 7,226 3,525 3,419 3,231 21,664 21,132 19,873
Concur 260 246 152 1,176 1,125 1,061 174 168 125 1,609 1,539 1,338
Qualtrics 1)
68 65 NA 403 383 NA 37 36 NA 508 483 NA
サービス 1,530 1,473 1,471 1,447 1,441 1,227 470 444 467 3,447 3,359 3,165
報告セグメン
ト合計 11,941 11,798 11,038 11,081 10,648 9,515 4,207 4,067 3,823 27,229 26,513 24,376
1)
2019年にQualtricsを買収したため、2018 年度の値は存在しない。
SAPグループの地域別の収益の詳細は、注記(A.1)参照のこと。
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有価証券報告書
(C.2) セグメント情報と連結損益計算書の調整表
2020 2019 2018
1) 1)
恒常通貨 恒常通貨
実際通貨 実際通貨 実際通貨
(百万ユーロ)
アプリケーション、テクノロジー及びサポート 21,680 22,144 21,664 21,132 19,873
サービス 3,157 3,208 3,447 3,359 3,165
Qualtrics 681 696 508 483 NA
Concur 1,505 1,526 1,609 1,539 1,338
27,023 27,574 27,229 26,513 24,376
報告セグメントのセグメント収益合計
320 323 405 393 366
その他の収益
0 -554 0 728 0
為替換算の調整
-5 -5 -81 -81 -33
収益の公正価値調整
27,338 27,338 27,553 27,553 24,708
収益合計
アプリケーション、テクノロジー及びサポート 9,423 9,633 9,454 9,201 8,583
サービス 499 494 362 340 249
Qualtrics 19 20 8 9 NA
Concur 564 569 620 590 482
10,506 10,716 10,444 10,141 9,314
報告セグメントのセグメント利益合計
320 323 405 393 366
その他の収益
-2,538 -2,536 -2,642 -2,580 -2,517
その他の費用
0 -216 0 255 0
為替換算の調整
以下項目についての調整:
-5 -5 -81 -81 -33
収益の公正価値調整
-577 -577 -689 -689 -577
買収関連費用
-1,084 -1,084 -1,835 -1,835 -831
株式報酬
3 3 -1,130 -1,130 -19
リストラクチャリング
6,623 6,623 4,473 4,473 5,703
営業利益
-179 -179 -74 -74 -56
その他営業外収益・費用（純額）
776 776 198 198 -47
金融収益（純額）
7,220 7,220 4,596 4,596 5,600
税引前利益
1)
2020年の恒常通貨の値は、2019年の実際通貨の値とのみ比較可能であり、また2019年の恒常通貨の値は、2018年の実際通貨の
値とのみ比較可能である。
(C.3) その他の営業外収益/費用 (純額)
2020 2019 2018
（百万ユーロ）
外貨換算損益 (純額)
-154 -51 -31
内、損益を通じて公正価値で測定される金融資産 601 358 444
内、償却原価法で計上される金融資産 -134 194 148
内、損益を通じて公正価値で測定される金融負債 -487 -396 -415
内、償却原価法で計上される金融負債 -34 -176 -202
その他営業外収益/費用 (純額)
-25 -23 -25
その他の営業外収益/費用 (純額) -179 -74 -56
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(C.4) 金融収益 （純額)
2020 2019 2018
（百万ユーロ）
金融収益 1,473 787 371
内、損益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る利得 1,360 596 227
金融費用 -697 -589 -418
内、償却原価法で計上される金融負債の利息費用 -179 -207 -106
-76 -155 -206
内、損益を通じて公正価値で測定される金融負債に係る利息費用
776 198 -47
金融収益（純額）
(C.5) 法人所得税
判断及び見積り
我々は事業を運営する国々の多岐にわたる管轄の中で税法改正の影響を受ける。我々の通常の営業活動はSAPグルー
プ内での移転価格や関係会社取引など、最終的にどこで税負担するのかが不確実な取引を含んでいる。加えて、我々
が支払う法人所得税額は一般的に継続して行われている各国の税務署の調査に影響を受ける。その結果、我々のワー
ルドワイドでの法人所得税引当金を決定するのに判断を要する。その判断には、税負担の不確実な税取引を個別に又
は、他の税取引と合わせるのか、そして最善の見積もり、予測どちらに基づいて不確実性の影響を考慮するのかも含
まれている。これらの見積りの基礎となる仮定の変化及びこれらの仮定と異なる結果は、未払法人税の帳簿価額に重
要な修正をもたらす可能性がある。
繰延税金資産の価値が損なわれているかどうかの評価は、繰延税金資産の回収可能性が高いか決定するのに将来の課
税所得を見積る必要があるので、判断も必要とする。繰延税金資産の回収可能性を評価するのに、我々は過去の課税
所得の水準及び繰延税金資産の回収可能期間にわたる将来課税所得の予測を含む、入手可能な全ての有利、不利な証
拠を考慮する。将来の課税所得に関する判断は将来の市場状況及び将来のSAPの利益についての仮定に基づいてい
る。これらの前提の変更と当該前提とは異なる結果は繰延税金資産の帳簿価額に対して重要な修正をもたらす可能性
がある。
法人所得税に関連する利息又はペナルティが、法人所得税の定義に該当するか、もし該当しなければ財務的性質に該
当するかの評価には、判断が要求される。この判断にあたって、現地の税制及び、グループ財務報告書についての各
国基準設定主体によるIFRSへの解釈指針を、特に考慮する。
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地域別税金費用
2020 2019 2018
（百万ユーロ）
当期税金費用
ドイツ 895 625 733
1,001 1,153 1,019
海外
当期税金費用合計 1,896 1,778 1,752
繰延税金費用/収益
ドイツ -38 -3 57
80 -549 -298
海外
42 -522 -241
繰延税金費用/ 収益合計
1,938 1,226 1,511
税金費用合計
税金費用の主な内訳
2020 2019 2018
（百万ユーロ）
当期税金費用/収益
当期の税金費用 1,653 1,818 1,665
243 -40 87
過年度の税金
当期税金費用合計 1,896 1,778 1,752
繰延税金費用/収益
一時差異の発生及び消滅 47 -710 -501
-5 158 260
繰越欠損金、研究開発費及び外国税額控除
42 -552 -241
繰延税金費用/ 収益合計
1,938 1,226 1,511
税金費用合計
地域別税引前利益
2020 2019 2018
（百万ユーロ）
ドイツ 2,481 2,012 3,106
4,739 2,584 2,494
海外
7,220 4,596 5,600
合計
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以下は、ドイツ法人税率26.3% (2019年: 26.4%、2018年: 26.4%) によって計算した予測税金費用と実際税金費用の調整表で
ある。2020年ドイツ法人税率は、法人所得税率15.00% (2019年: 15.00%、2018年: 15.00%) とそれに課される5.5% (2019年:
5.5%、2018年:5.5%)の連帯付加税、営業税10.5% (2019年: 10.6%、2018年:10.6%)を含んでいる。
税金費用と会計上の税引前利益との関係
2020 2019 2018
（別途記載のない限り百万ユーロ）
税引前利益 7,220 4,596 5,600
合算税率26.3%による法人所得税費用（2019：26.4%、2018：
26.4%） 1,901 1,212 1,478
以下の税効果：
外国税率 -166 -171 -131
損金不算入の費用 254 116 106
課税対象とされない収益 -282 -131 -54
源泉課税 105 138 91
研究開発費及び外国税額控除 -100 -89 -33
過年度税金 128 80 -17
繰延税金資産、研究開発費控除及び外国税額控除の再評価 41 48 58
57 23 13
その他
1,938 1,226 1,511
税金費用合計
実効税率（%） 26.8 26.7 27.0
繰延税金資産及び負債
2020 2019
（百万ユーロ）
繰延税金資産
無形資産 455 504
有形固定資産 19 19
その他金融資産 11 11
営業債権及びその他の債権 115 61
年金引当金 194 135
株式報酬 197 268
その他引当金及び債務 1,155 1,330
契約負債/繰延収益 631 553
未使用の繰越欠損金 108 131
研究開発費及び外国税額控除 57 56
108 152
その他
繰延税金資産 3,050 3,220
繰延税金負債
無形資産 854 1,006
有形固定資産 529 544
その他金融資産 239 221
営業債権及びその他の債権 178 148
年金引当金 21 13
株式報酬費用 0 1
その他引当金及び債務 87 50
契約負債/繰延収益 4 6
123 59
その他
2,035 2,048
繰延税金負債
1,015 1,172
繰延税金資産 / 負債（純額）
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繰延税金資産として認識されていない項目
2020 2019 2018
（百万ユーロ）
未使用繰越欠損金
期限がないもの 572 688 575
翌年に期限が到来するもの 25 63 7
翌年以降期限が到来するもの 481 373 476
未使用の繰越欠損金合計額
1,078 1,124 1,058
将来減算一時差異
587 538 509
未使用の研究開発費及び外国税額控除
期限がないのもの 26 28 54
翌年以降期限が到来するもの 17 17 18
未使用の税額控除合計額
43 45 72
未使用の欠損金のうち、264百万ユーロ（2019年：187百万ユーロ、2018年：213百万ユーロ）はUSの州税法上の繰越欠損金で
ある。
海外子会社の未分配利益について、およそ183.7億ユーロ（2019年度: 174.1億ユーロ）の繰延税金負債を認識していない。
なぜなら当該一時差異の解消時期をコントロール出来る立場にあり、予測できる範囲内の近い将来に当該一時差異は解消しな
いと見込まれるためである。
非課税取引に関連する訴訟
国内及び海外の税務当局により継続的な税務調査が行われている。現在、主にドイツ及びいくつかの海外当局との間で係争
中である。ドイツでの係争は特定の資本投資に係るものであり、その他諸外国での係争は、支払ライセンス料及び関係会社間
サービス料の控除に係るものである。すべての係争において、我々にとって望ましい結果は訴訟によってのみ得られると考え
ている。我々は当局の主張に合理性がないと考えており、関連する引当金は計上していない。仮に我々の見解に反し、税務当
局の主張が議論の末に裁判において認められることがあれば、課徴金を合計でおよそ1,221百万ユーロ（2019年：2,013百万
ユーロ）が課されることが見込まれている（関連する利息費用及びペナルティ648百万ユーロを含む（2019年：982百万ユー
ロ））。2020年度の偶発債務が減少した主な要因は、係争中のいくつかの海外の為替レートが変動したことや、関係会社間の
財務取引の税務係争に関するドイツ連邦財政裁判所の判決によるものである。
(C.6) 1 株当たり利益
2020 2019 2018
（別途記載のない限り百万ユーロ）
親会社の株主に帰属する利益 5,145 3,321 4,083
発行済み普通株式数（百万株） 1,229 1,229 1,229
自己株式による影響（百万株） -46 -35 -35
加重平均普通株式数－希薄化前（百万株） 1,182 1,194 1,194
株式報酬制度による希薄化効果（百万株） 0 0 0
1,182 1,194 1,194
加重平均普通株式数－希薄化後（百万株)
4.35 2.78 3.42
SAPの出資者に帰属する希薄化前1株当たり利益（ユーロ）
4.35 2.78 3.42
SAPの出資者に帰属する希薄化後1株当たり利益（ユーロ）
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セクションD - 投下資本
このセクションは、当社の営業活動の基礎を形成する投資を含めた、非流動性資産について記載している。投下資本の増加
は、個々の資産取得又は企業結合を含んでいる。加えて購入義務及び資本拠出についての情報を本セクションにて開示する。
(D.1) 企業結合と事業の売却
非支配株主持分の測定及び移転対価の配分
当社は、企業結合ごとに被取得企業の非支配持分を公正価値で測定するか、又は、被取得企業の識別可能
純資産の非支配持分割合で測定するかを決定している。企業結合関連費用は、一般管理費として表示して
いる。
企業結合の会計処理において、無形資産が識別可能かどうか、また、のれんとは別に計上すべきかどうか
について判断が要求される。さらに、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日時点の公正価
値の見積りには多くの判断が含まれている。この公正価値の測定は、取得日における利用可能な情報及び
経営者が合理的とみなした見積り及び仮定に基づいている。これら判断、見積り、仮定は、以下のような
様々な理由により財政状態及び損益に重要な影響をもたらしうる。
－ 減価償却及び償却の対象となる資産に付された公正価値は、取得年度以降の営業損益に計上される減
価償却費及び償却費の金額に影響する。
－ 資産の見積り公正価値が事後にマイナス変動した場合、減損損失による追加費用が発生することがあ
る。
－ 見積もられた負債及び引当金の公正価値が事後に変動した場合、追加的な費用（見積り公正価値が増
加した場合）または収益（見積り公正価値が減少した場合）が生じうる。
当社は、製品及びサービスのポートフォリオを拡大する目的で、戦略的に重要と考える特定領域のビジネスを買収してい
る。
2020 年の買収について
当社は2020年11月4日付で、関連規制機関及びその他の承認を満たし、オーストリア・ウィーンのEmarsys eMarketing
System AG（以下、Emarsys）の株式100％の取得を完了した。
Emarsys社の営業成績及び資産並びに負債は、当社の2020年11月4日以降の連結財務諸表に反映されている。
企業買収が期末直前に行われたため、Emarsys社の企業結合の当初の会計処理が未完了であり、それゆえ税務関連資産及び負
債、並びにEmarsys社の無形資産等の認識と測定に必要な情報の入手を行っている。したがって、当財務諸表で認識されるこれ
らの金額は2020年12月31日現在の暫定であると見なされる。
概して、この買収から生じるのれんの大部分は、被取得事業の人員に係る相乗効果及びノウハウ並びにスキルから構成され
る。
Emarsysのれんは、特に以下の領域における買収から期待される相乗効果に起因する。
－ SAPの販売組織を利用した、全地域に渡る既存のSAP顧客に対する抱合せ販売の機会
－ 既存のSAPカスタマー・エクスペリエンス・ソリューションズを補完するEmarsys製品
－ Emarsysの売上と業績における収益性の向上
2020年度末において、Emarsysは非報告セグメントであり、企業結合から生じたのれんは、予備的にこのセグメントに配賦し
ている。詳細は、注記（D.2）を参照のこと。
当社のセグメント及びセグメント構成の変更については、注記（C.1）を参照のこと。
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2020 年の事業売却について
2020年5月5日付で、SAPとスウェーデン・ストックホルムのSinch AB（以下、Sinch）は、Sinch社がSAP Digital
Interconnectグループを買収する最終合意に至ったことを発表した。売却した事業（SAPの非報告セグメント）は複数のSAP子
会社及び一部のSAP事業体から移転された資産で構成されている。当初の現金購入価格は225百万ユーロ（デットフリー・
キャッシュフリーベース）であった。売却益194百万ユーロ（IFRS）と128百万ユーロ（非IFRS）は「その他の営業外収益/費用
（純額）」に含まれる。
関連規制機関及びその他の承認を満たした後、当該取引は2020年11月1日に終了した。
非重要であるため、当該事業を非継続事業として別掲しない。
2019 年の買収について
2019年1月23日付で、関連規制機関及びその他の承認を満たし、Qualtrics International Inc.（以下、「Qualtrics」とい
う。）の買収を完了した。
Qualtrics社はエクスペリエンス・マネジメント（XM）・ソリューションの大手プロバイダーである。Qualtrics 製品とSAP
製品の組み合わせにより、当社の顧客にエンド・ツー・エンドの体験と営業管理システムの提供を目指す。
当社は1株当たり約35米ドルでQualtrics株式の100%を取得し、現金で凡そ71億米ドルの対価を支払った。現金の支払に加え
て当社は、当社が引き受けた約9億米ドルに相当する株式報酬に関連する負債及び買収完了後の費用が生じた。
Qualtricsの営業成績及び資産並びに負債は2019年1月23日以降当社の連結財務諸表に反映されている。
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Qualtrics買収：移転対価
(百万ユーロ)
現金支払 6,212
負債の引受 237
6,449
移転された対価の総額
負債は、権利未確定の株式報酬の引き受けによるものである。これらの負債は取得時にQualtricsの従業員が保有していた持
分決済型株式報酬を現金決済型株式報酬(失効要件付の)と交換したことによるものである。それぞれの負債は、Qualtrics社の
従業員による買収前の役務提供相当額を置き換えた金額であり、IFRS第2号に従って決定された公正価値で測定されている。
（注記（B.3）も参照。）
2019年度及び2020年度に計上された測定期間の調整は重要なものではない。
Qualtrics社の取得日時点における、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の評価額の要約は下表のとおりである。
Qualtrics買収 ： 識別資産及び負債
Qualtricsの対価
（百万ユーロ）
現金及び現金同等物 138
その他の金融資産 1
営業債権及びその他の債権 37
その他の非金融資産 20
有形固定資産 74
無形資産 1,803
内、技術資産 575
1,226
内、顧客関係及びその他無形資産
2
内、ソフトウェア及びデータベースライセンス
識別可能資産計 2,074
営業債務及びその他の債務 97
金融負債 53
当期及び繰延税金負債 320
引当金及びその他の非金融負債 41
129
契約負債
640
識別可能負債計
1,434
識別可能純資産
5,015
のれん
6,449
移転された対価の総額
概して、この買収から生じるのれんは、主に被買収企業の従業員のスキルとノウハウ及び相乗効果によって構成されてい
る。
Qualtricsののれんは、特に以下の領域における買収から期待される相乗効果に起因する。
－ SAPの販売組織を利用した、全地域に渡る既存のSAP顧客に対する抱合せ販売の機会
－ 顧客へエンド・ツー・エンドの体験と営業管理システムを提供するための、Qualtrics製品とSAP製品の組み合わせによる
新たな製品の創造
－ Qualtricsの販売及び事業運営における収益性の向上
Qualtrics社の買収から生じたのれんの事業セグメントへの配分は、事業セグメントがQualtricsの企業結合の相乗効果から
実際にどのように利益を得るかに依存する。 詳細については、注記(D.2)を参照。
企業結合による、財務諸表への影響
2019年のQualtricsの買収日から報告日までの、Qualtricsの事業の連結財務諸表に含まれる売上高及び損益は以下の通りで
ある。
Qualtrics買収 ： SAPの財務的影響
（百万ユーロ） 2019年度 Qualtrics の金額
報告値
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27,553 429
売上高
3,370 -526
税引後当期純利益
Qualtricsが2019年1月1日付で連結されていたと仮定した場合の当社の売上及び税引後当期純利益に重要な差異はない。
2018 年の買収について
当社は2018年4月5日付で、関連規制機関及びその他の承認を満たし、カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)
ソリューションの事業に卓越したCallidus Software Inc.（以下、Callidus）（NSDQ:CALD）の株式の100%を取得した。SAPは1
株当たり36米ドル、すなわち、現金で約24億米ドルの対価を支払った。この買収は、セールス・パフォーマンス・マネジメン
ト(SPM)及びコンフィギュア・プライス・クオーテーション(CPQ)領域における当社の地位及びソリューションサービスを強化
し促進することを目的としている。
Callidus買収 ： 移転対価
(百万ユーロ)
現金支払 1,957
47
負債の引受
2,004
移転された対価の総額
負債は、権利未確定の株式報酬の引き受けによるものである。これは買収時にCallidusの従業員が保有していた持分対価型
株主報酬を金銭対価型株主報酬(失効要件付の)と交換したことによるものである。それぞれの負債は、Callidusの従業員によ
る買収前の役務提供相当額を置き換えた金額であり、IFRS2号に従って決定された公正価値で測定されている。
2018年度及び2019年度に計上された測定期間の調整は、重要なものではなかった。
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Callidusの取得日時点における、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の評価額の要約は下表のとおりである。
Callidus買収：認識された資産及び負債
（百万ユーロ）
現金及び現金同等物 63
その他の金融資産 64
営業債権及びその他の債権 32
その他の非金融資産 11
有形固定資産 26
無形資産 515
内、技術資産 121
内、顧客関係及びその他無形資産 390
内、ソフトウェア及びデータベースライセンス 4
識別可能資産計 711
営業債務及びその他の債務 59
当期及び繰延税金債務 71
引当金及びその他の非金融債務 15
契約負債/繰延収益 55
識別可能負債計 200
識別可能純資産 511
のれん 1,493
移転された対価の総額 2,004
この買収から生じるのれんの大部分は被買収事業の従業員のノウハウやスキル及び相乗効果から構成される。
Callidus社の買収については、相乗効果は特に以下の領域に関連する：
- SAPの販売組織を利用した、全地域に渡る既存のSAP顧客に対するCallidus製品の抱合せ販売の機会
- Callidusの製品をSAPカスタマー・エクスペリエンス・ポートフォリオに統合することによるSAPのカスタマー・エクスペリ
エンス・ソリューションズの強化
- Callidusの販売及び事業運営における収益性の向上
買収後、Callidusに係るのれん及び無形資産は、新たに設立されたカスタマー・エクスペリエンスのセグメントに配分し
た。配分後のセグメント情報及びセグメント構造の変更に関する詳細は、注記(C.1)参照。
企業結合による、財務諸表への影響
2018年のCallidusの買収日から報告日までの、Callidusの事業の2018年度連結財務諸表に含まれる売上高及び損益は以下の
とおり。
Callidus買収：SAPの財務的影響
2018年度 Callidusの金額
報告値
（百万ユーロ）
24,708 180
売上高
4,088 -60
税引後当期純利益
Callidusが2018年1月1日付で連結されていたと仮定した場合、2018年度の売上は24,766百万ユーロ、税引後当期純利益は
4,071百万ユーロであったと試算される。
これらの額は、当社の会計方針に従って計算した後、以下のような重要な影響を調整して算定されている。
－ 2018年1月1日に有形固定資産及び無形資産の公正価値を調整した場合に生じる、減価償却費及び償却費の追加計上
－ 累積ベースでの、契約負債/繰延収益に関する公正価値の調整による影響
－ 企業結合後のSAPの資金調達状況及び資産負債比率での借入コストの影響
－ 株主報酬費用などの従業員給付
－ 買収の過程で生じる取引コスト
－ 上記に関する税金の影響
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試算された金額は、比較情報を提供する目的にのみ用いられる。また、これらの収益及び利益の試算額は、必ずしも将来の
業績や、実際に該当事業年度の期首に買収が行われていた場合の業績を指し示すものではない。
(D.2) のれん
のれん及び無形資産の減損テスト
のれんの年次減損テストは、当社の内部管理目的でのれんをモニターする最小レベルである事業セグメン
トレベルにて実施している。通常、本テストは全ての事業セグメントで同時（第4四半期の期首）に行わ
れている。
のれん及び無形資産について減損の判定を行う場合、テスト結果は、将来キャッシュ・フローの予測や経
済リスクに関する経営陣の最新の仮定及び見積りによる影響を大きく受けるが、これらは将来の成長につ
いて重要な判断及び仮定を要する。それらは、以下を含む様々な要因により影響を受ける。
- 事業戦略の変更
- 社内の業績見通し
- 加重平均資本コストの見積り
のれん及びその他無形資産の減損テストの基礎となる仮定における変化は、認識されたのれん及びその他
無形資産の帳簿価額と損益計算書に計上される減損損失の計上額に重要な修正をもたらす可能性がある。
のれんの減損テストの結果は、事業セグメントへののれんの配分に依存している。この配分は、どの事業
セグメントが企業結合による相乗効果による恩恵を受けるかについての見積りに基づいていることから、
判断に基づくものである。
セグメント構造の変更により、のれんが再配分され、再配分されたのれんは相対値に基づいて計算される
（直接配分ができない場合）。
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のれん
（百万ユーロ）
取得原価
2019年1月1日 23,838
外国為替換算差額 417
企業結合による増加 5,014
処分 –9
2019年12月31日 29,260
替換算差額 –2,010
企業結合による増加 417
処分 –9
2020年12月31日 27,658
償却累計額
2019年1月1日 102
外国為替換算差額 –1
2019年12月31日 101
外国為替換算差額 –3
2020年12月31日 98
帳簿価額
2019年12月31日 29,159
2020年12月31日 27,560
2020年度の当社のセグメント及び変更についての詳細な情報は、注記(C.1)を参照のこと。
2020年度を通して（特にCOVID-19パンデミックとその展開の観点から）、我々は定性的及び定量的分析を用いて継続的に減
損の兆候をモニタリングしてきた。
当第4四半期にアップデートされた分析（当社の通常ののれんの減損テストの基礎となるものである）に基づき、我々は現在
のCOVID-19の状況による経済的影響が少なくとも2021年上半期までは継続するものの、世界中で展開されるワクチン接種プロ
グラムにより徐々に改善された需要環境もたらすだろうと想定している。詳細は、注記（IN.2）を参照のこと。
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下表のとおり、減損テストのために、のれんの帳簿価額はSAPの関連する事業セグメントに配分されている。
事業セグメントごとののれん
アプリケー
ション、テク
Concur（旧
ノロジー＆サ
インテリ
ポート（旧ア
1)
その他
サービス ジェント・ Qualtrics 合計
プリケーショ
スペンド・
ン、テクノロ
グループ）
ジー＆サービ
ス）
(百万ユーロ)
2019年12月31日 18,509 0 7,762 2,879 9 29,159
2020年12月31日 20,844 355 3,307 2,637 417 27,560
1) 非報告セグメントのDigital Interconnectセグメントは2020年度において売却された。詳細は、注記（D.1）を参照のこと。2020年度の残高はEmarsysに係る
ものである。
2020年度における当社のセグメントの変更により、インテリジェント・スペンド・グループに係るのれんの一部（4,173百万
ユーロ）が旧アプリケーション、テクノロジー＆サービスセグメントへ振り替えられた。当セグメントののれんの一部（368百
万ユーロ）は、その後新設されたサービスセグメントへ振り替えられた。
のれんの減損テスト
事業計画が対象としている期間の経営者によるキャッシュ・フロー予測の前提となる主要な仮定は、以下の通りである。
主要な仮定 主要な仮定となる数値の決定根拠
予算収益成長 当期に達成された収益成長率をベースにSAPの対象となるクラウド及びデータ
ベース市場の期待される増加、つまり確立されたアプリケーション及びアナリ
ティクス市場における期待成長率を織り込んだ値である。使用される数値には、
当社の過去の経験と対象となる市場の増加に関する期待値が反映されている。
予算営業利益率 ある一定の予算期間における予算営業利益率は、当期に達成された営業利益を期
待される効率向上分を加えた値に等しい。割り当てられた数値は、効率向上を除
いて、過去の実績値が反映されている。
割引率 当社の見積キャッシュ・フロー予測値は、割引率（税引後割引率）を用いて現在
価値に割り引いたものである。 割引率は、加重平均資本コスト（WACC)アプ
ローチに基づいている。
期間成長率 事業計画を超えた期間の当社の見積キャッシュ・フロー予測は、セグメント固有
の期間成長率を使用して計算されたものである。なお、この期間成長率は、当社
のセグメントが属している市場の長期平均成長率を超過するものではない。
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主要な仮定と詳細な計画期間
1)
（特に記載のない限 アプリケーション、テ サービス Concur Qualtrics
りは％で表示） クノロジー＆サポート
（旧インテリジェン
（旧アプリケーショ
ト・スペンド・グルー
ン、テクノロジー＆
プ）
サービス）
2020 2019 2020 2019 2020 2019 2020 2019
予算収益成長率
5.4 3.0 3.4 NA 16.7 13.3 20.6 22.6
（予算期間の平均）
税引後割引率 8.8 9.1 7.2 NA 9.3 10.4 9.7 11.1
永久成長率 3.0 3.0 3.0 NA 3.0 3.0 3.0 3.0
詳細な計画期間 5 5 5 NA 9 9 13 13
（年）
1) 2019年度の減損テストにおいて旧インテリジェント・スペンド・グループセグメントに用いられた仮定は、セグメント変更を考慮すると、前期との比較可能
性は限定的である。
2020年10月1日、当社は上記のセグメントについてのれんの減損テストを実施した。
アプリケーション、テクノロジー＆サポートセグメント及びサービスセグメント
2020年度のセグメント変更についての詳細は、注記（C.1）を参照のこと。
2019年度減損テスト実施日との近さ、及び大幅なヘッドルームを考慮して、セグメント分割実施日においては正式な減損テ
ストは実施しなかった。
これらセグメントの回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値に基づき決定された。評価に使用されたインプットに基づ
き、公正価値測定はレベル3の公正価値として分類された。キャッシュ・フロー予測は、実際の営業成績と、詳細な計画期間に
渡る特定の見積り、及びその後の期間成長率に基づいている。予測結果は経営管理者の見積りに基づいて決定され、かつ市場
参加者が行うであろう仮定と整合する（目標営業利益率32.4％（アプリケーション、テクノロジー＆サポート）（2019年：
35.9％）及び2.4％（サービス）が評価に使用された）。
上記の主要な仮定における合理的に生じ得るいかなる変化によっても、アプリケーション、テクノロジー＆サポートセグメ
ントの帳簿価格が回収可能価額を超えることはないと考えている。
サービスセグメントについては、回収可能価額が帳簿価額を1,416百万ユーロ超過した。
下表は、回収可能価額が帳簿価額と等しくなるために、主要な仮定が個別に（つまり、その他の主要な仮定の変動なしに）
どの程度変動する必要があるかを示している。
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仮定の変動に対する感応度
サービス
2020
（パーセンテージポイントの変化）
予算収益成長率
-0.6
予算期間終了時点における目標営業利益率 -2
Concurセグメント（旧インテリジェント・スペンド・グループセグメント）
2020年度のセグメント変更についての詳細は、注記（C.1）を参照のこと（Concurエンジニアリング機能の大部分が移転した
ため、それに応じた調整が減損テスト目的のためになされた）。2019年度減損テスト実施日との近さ、及び大幅なヘッドルー
ムを考慮して、移転日における正式な減損テストは実施しなかった。
減損テストの実施にあたっては、回収可能価額は処分費用控除後の公正価値に基づき決定された。評価に使用されたイン
プットに基づき、公正価値測定はレベル3の公正価値として分類された。キャッシュ・フロー予測は、実際の営業成績と、詳細
な計画期間に渡る特定の見積り、及びその後の期間成長率に基づいている。予測結果は経営管理者の見積りに基づいて決定さ
れ、かつ市場参加者が行うであろう仮定と整合する（目標営業利益率31.1％（2019年：30.6％ - 旧インテリジェント・スペン
ド・グループセグメントに係るもの）が評価に使用された）。
回収可能価額は帳簿価額を11,514百万ユーロ超過した（2019年度の数値は旧インテリジェント・スペンド・グループセグメ
ント用に計算されたものであるため比較可能ではない）。
下表は、減損テスト時点で、回収可能価額が最低でも帳簿価額と等しくなるために、主要な仮定が個別に（つまり、その他
の主要な仮定の変動なしに）どの程度変動する可能性があるかを示している。予算収益成長率の感応度については、コスト構
造が調整されていないため、期間営業利益率が変更された。
仮定の変動に対する感応度
1)
Concur
2020
（パーセンテージポイントの変化）
予算収益成長率
-4.1
予算期間終了時点における目標営業利益率 -26
1) セグメント変更と限定的な前期との比較可能性を考慮し、Concurにおいては2020年度の感応度に係る数値のみ記載してい
る。
Qualtricsセグメント
回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値に基づいて決定されている。公正価値測定は、評価に用いられるインプットに
基づき、レベル3の公正価値に分類されている。キャッシュ・フロー予測は実際の営業利益、詳細な計画期間に渡る特定の見積
り、及びその後の期間成長率に基づいている。予測結果は経営管理者の見積りに基づいて決定され、かつ市場参加者が行うで
あろう仮定と整合する（目標営業利益率22.4％（2019年：21.5％）が評価に使用された）。
Qualtricsセグメントは今後数年間において不均衡な成長が見込まれ、かつ、まだ安定的な状態には至っていないという事実
を踏まえ、当社はより成熟したセグメントに適用するよりも長く詳細な計画期間を使用した。
2020年10月1日時点において、回収可能価額は帳簿価額を複数倍上回る結果となった。その後、Qualtrics International
Inc.は2021年2月28日付で新規株式公開（IPO）を完了した。発行済み株式数約511百万株、及び取引初日の株価終値に基づく
と、暗示的時価総額は200憶ドル以上であった。
下表は、回収可能価額が帳簿価額と等しくなるために、主要な仮定が個別に（つまり、その他の主要な仮定の変動なしに）
どの程度変動する必要があるかを示している。予算収益成長率の感応度については、コスト構造が調整されていないため、期
間営業利益率が変更された。
仮定の変動に対する感応度
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Qualtrics
2020 2019
（パーセンテージポイントの変化）
予算収益成長率
-2.3 1.6
(D.3) 無形資産
無形資産の認識
一般的に、自己創設した無形資産は発生時に費用計上されるが、規格関連の顧客開発プロジェクト（IAS
38の基準に継続的に満たすもの）で発生した開発費は最長12年の見積耐用年数で償却される範囲で資産化
される。
開発に係る内部発生の無形資産を認識するかどうかの決定は、特に以下の点について重要な判断が必要と
なる。
－ 活動が研究局面であるか開発局面であるかの判断
－ 将来の市況、顧客の需要、その他の開発に関する仮定が必要となる無形資産の認識要件を満たしてい
るかどうかについての判断
－ 「技術上の実行可能性」の条件がIFRSで定義されていないため、資産の完成が技術的に実行可能かど
うかの決定について判断及び企業独自のアプローチが要求される
－ 開発により生じた無形資産を将来使用又は売却できるかについての判断、また使用または売却による
将来の経済的便益の可能性についての判断
－ 費用を無形資産に直接的または間接的に帰属させることが可能かどうか、及び費用が開発を完成させ
るために必要であったかどうかの判断
これらの判断は、財政状態計算書に計上する無形資産の総額とともに、開発費用を損益計算書に認識する
タイミングにも影響を及ぼす。
無形資産の測定
のれんを除くすべての購入した無形資産は、有限の耐用年数を有している。購入した無形資産は、取得原
価で計上され、予想される経済的便益の費消状況に基づき、2年から20年の範囲における見積耐用年数に
わたって償却される。
買収した仕掛中の研究開発プロジェクト資産は、通常5年から7年にわたって償却される（各プロジェクト
の完了時/マーケティング時から償却が開始する）。
以下の決定に際し、判断が要求される。
－ 無形資産の耐用年数 - 耐用年数は、無形資産が経済的便益をもたらすと期待される期間に係る当社
の見積りに基づくため
－ 償却方法 - IFRSは信頼性をもって企業による資産の将来の経済的便益の消費パターンを予想できる
場合以外は定額法を要求しているため
償却期間及び償却方法はいずれも毎期計上される償却費の額に影響する。
無形資産の分類
当社は、無形資産をその性質と使用用途に基づき分類している。ソフトウェア及びデータベースライセン
スは主に内部使用向けのもので構成されている一方、取得された技術資産は主に当社の製品に組み込まれ
る購入ソフトウェア及び仕掛中の研究開発(IPRD)で構成される。顧客関係やその他の無形資産は、主に顧
客関係及び取得した商標権である。無形資産の償却費用はその使途により、クラウド原価、サービス原
価、研究開発費、販売費、或いは一般管理費として分類される。
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無形資産
ソフトウェア及び
データベースライ 取得技術/仕掛中の 顧客関係及びその
センス 研究開発 他無形資産 合計
（百万ユーロ）
取得原価
2019年1月1日 996 2,178 5,212 8,386
外国為替換算差額 4 48 100 152
企業結合による増加 2 574 1,226 1,802
その他増加 84 0 68 152
除却又は処分 –182 –48 –166 –396
25 0 –25 0
移転
2019年12月31日 929 2,752 6,415 10,096
外国為替換算差額
–14 –224 –467 –705
企業結合による増加 1 59 184 244
その他増加 10 0 60 70
除却又は処分 –148 –22 –142 –312
15 0 –12 3
移転
2020年12月31日 793 2,565 6,038 9,396
償却累計額
2019年1月1日 679 1,775 2,705 5,159
外国為替換算差額 5 33 39 77
償却 94 271 395 760
–180 –48 –163 –391
除却又は処分
2019年12月31日 598 2,031 2,976 5,605
外国為替換算差額
–13 –180 –219 –412
償却 85 214 420 719
–147 –22 –131 –300
除却又は処分
2020年12月31日 523 2,043 3,046 5,612
帳簿価額
331 721 3,439 4,491
2019年12月31日
2020年12月31日
270 522 2,992 3,784
重要な無形資産
（特に記載のない限り百万ユーロ） 帳簿価額 残存耐用年数
2020 2019 （年）
SuccessFactors - 顧客関係
132 184 5
Ariba - 顧客関係 273
203 5～7
Concur - 顧客関係 955
786 10～14
Callidus - 顧客関係 336
262 8～12
Qualtrics – 取得技術 495
360 5
Qualtrics – 顧客関係 1,152
991 12～17
Emarsys – 顧客関係 174 NA 7～14
重要な無形資産合計 2,908 3,395
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(D.4) 有形固定資産
有形固定資産の減価償却
有形固定資産は通常定額法を用いて減価償却される。資産の耐用年数の見積りには判断が用いられてい
る。これらの見積もりにあたっては、同種資産についての過去の実績や現在及び将来における技術変化を
考慮している。
有形固定資産の耐用年数
建物 ： 主として25 - 50年
リース資産及び賃借設備改良 ： リース契約期間に基づく
情報技術機器 ： 2 - 6年
オフィス家具 ： 4 - 20年
車両 ： 2 - 5年
有形固定資産
その他リース
土地及び建 土地リース及 その他有形 有形 前渡金及び
物 び建物リース 固定資産 固定資産 建設仮勘定 合計
（百万ユーロ）
2019 年12月31日 1,537 1,929 1,956 38 36 5,496
2020 年12月31日 1,457 1,816 1,628 41 99 5,041
増加
2019 年度 85 360 586 19 17 1,067
2020 年度 404
66 424 25 87 1,006
有形固定資産の増加（企業結合による取得を除く）は、主にITインフラ設備（データセンター等）の交換及び購入によるも
の並びに新たな建物の建設、建物やデータセンターのリースによるものである。リースについての詳細は、注記(D.5)を参照。
(D.5) リース
会計方針、判断並びに見積り
IFRS 第16号では、契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間に渡り対価との交換により移転
する場合、その契約はリースであるか又はリースを含んでいるとされる。SAPは借手として、特定された
資産を使用する権利を表す使用権資産、及び、リース支払の義務を表すリース負債を認識している。使用
権資産は定額法により償却され、利息費用はリース負債として認識される。当社のリースの大部分は設備
とデータセンターのリースである。短期及び少額のリースに対する支払はリース期間に渡って費用化され
る。延長のオプションは、行使することが合理的に確実である場合にリース期間に含まれる。
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貸借対照表上のリース
2020 年 2019 年
（百万ユーロ） 12 月31日 12 月31日
使用権資産
使用権資産 - 土地及び建物 1,816 1,929
使用権資産 – その他の有形固定資産 41 38
1,857 1,967
使用権資産合計
43,402 44,999
固定資産
4 4
使用権資産が 固定資産に占める割合 (%)
リース負債
流動リース負債 380 389
2,348 3,273
流動金融負債
16 12
流動リース負債が 流動金融負債に占める割合 (%)
固定リース負債 1,740 1,814
13,605 12,923
固定金融負債
13 14
固定リース負債が 固定金融負債に占める割合 (%)
SAP は2020年12月31日現在、未開始の設備リースに係る、161百万ユーロの将来最低リース支払を契約している。データセン
ターについては、当社はサービスとIFRS第16号関連資産に係る217百万ユーロを支払う将来の契約がある。当該契約にはこれら
を区分するよう明記されていないため、注記（D.8）に報告されている購買債務に全額が含まれている。
損益計算書上のリース
（百万ユーロ） 2020 年 2019 年
営業利益に含まれるリース費用
使用権資産の減価償却費 396 396
使用権資産の増加に関する詳細は注記(D.4)、リース負債の満期分析は注記(F.1)を参照のこと。また、リース負債に関連し
たキャッシュ・フローの詳細は、注記(E.3)内の「財務活動によって生じる負債の調整表」参照のこと。
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(D.6) 持分投資
会計方針、判断並びに見積り
当社は金融資産を「損益を通じて公正価値で測定される金融資産」として指定しておらず、契約上の
キャッシュ・フローや、個々の資産を保有するビジネスモデルに基づき、金融資産を通常以下のカテゴリ
に分類する。「償却原価で測定される金融資産（AC）」、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定さ
れる金融資産（FVＯCI）」、「損益を通じて公正価値で測定される金融商品（FVTPL）」である。
元本及び利息以外のキャッシュ・フローの特性をもつような持分投資については、個々の投資ごとに
FVTPLかFVＯCIに分類するかを個別に判断する。特に非上場会社の持分証券の公正価値を見積もる際に判
断が必要となる。
FVTPL の持分証券に係る損益は、公正価値の変動による損益、処分による損益、並びに配当による損益を
含んでいる。一方で、FVOCIの持分証券に係る損益は配当のみが含まれ、金融収益にて純額表示されてい
る。通常の方法による持分証券の購入及び売却は、取引日に記録される。
持分投資
（百万ユーロ） 2020 年 2019 年
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
持分証券
0 3,113 3,113 0 1,996 1,996
関連会社に対する投資 0 14 14 0 16 16
持分投資 0 3,127 3,127 0 2,012 2,012
1,635 3,512 5,147 297 2,336 2,633
その他金融資産
その他金融資産に対する
0 89 61 0 86 76
割合（％）
その他の持分投資の名称一覧については、注記（G.9）を参照。
ベンチャーキャピタルファンドに対する財政上のコミットメント
2020 2019
（百万ユーロ）
237 206
ベンチャーキャピタルファンドへの投資
SAP は、ベンチャーキャピタルへの投資を管理する関連当事者ではない第三者に対して投資しており、持分を保有している。
2020年12月31日現在、これら投資を実行するコミットメントの合計額は607百万ユーロ（2019年：517百万ユーロ）にであり、
うち370百万ユーロ（2019年：312百万ユーロ）が実行された。このようなベンチャーキャピタルファンドに対する投資によ
り、これらの企業が属している市場固有のリスクにさらされている。発生しうる最大損失額は、投資した金額に約定した将来
拠出金額を加えた金額である。
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満期
（百万ユーロ） 2020 年12月31日
ベンチャーキャピタルファンドに対する
投資
満期 2021年 237
合計 237
(D.7) 地域別非流動資産
金融商品、繰延税金資産、退職給付資産、保険契約から生じる権利を除いた非流動資産は下表のとおりである。
地域別非流動資産
2020 2019
（百万ユーロ）
ドイツ 4,350 4,486
その他のEMEA地域 5,821 5,386
10,171 9,872
EMEA
米国 26,829 29,741
379 411
その他の南北アメリカ地域
27,208 30,151
南北アメリカ
1,216 1,276
APJ
38,595 41,299
SAP グループ
地域別人員数の内訳については、注記（B.1）を参照。また、地域別収益の内訳については、注記（A.1）参照。
(D.8) 購入義務
2020 2019
（百万ユーロ）
有形固定資産及び無形固定資産の取得に関する契約義務 106 342
3,685 2,251
その他購入義務
3,791 2,592
購入義務
有形固定資産及び無形固定資産の取得に関する契約義務は、主にハードウェア、ソフトウェア、特許、事務機器及び車両の
購入に関連するものである。 その他購入義務は主としてマーケティング、コンサルティング、保守、ライセンス契約、クラウ
ドサービス及びその他の第三者との契約に関するものである。購入義務の増加は、主にクラウドサービス関連の新規購入義務
によるものである。過去このような購入義務の大部分は履行されている。
満期
2020 年12月31日
（百万ユーロ）
購入義務
満期が2021年のもの 975
満期が2022年から2025年のもの 2,371
445
満期が上記以降に到来するもの
3,791
合計
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セクションE – 資本構成、財務及び流動性
このセクションは、当社の資本構成の管理方法について述べている。高い資本比率、緩やかな財務レバレッジ、バランスの
とれた満期構成並びに十分な資金借入枠を基に、資本構成を管理している。
(E.1) 資本構成管理
資本構成管理の主たる目的は、投資家、債権者及び顧客の信頼に足る強固な財政基盤を維持し、事業拡大をサポートするこ
とにある。資金需要に応じて、市場から合理的な条件で資金調達を可能とし、高い独立性と信頼性並びに財務的柔軟性を確実
なものとすることができるような資本構成を維持する。
当社に対する長期信用格付けは、ムーディーズによると「A2」、スタンダード&プアーズは「A」であり、いずれも安定した
見通しである。
2020年12月31日 2019年12月31日
変動（%）
百万ユーロ 資本及び負債合 百万ユーロ 資本及び負債合
計に占める割合 計に占める割合
（%） （%）
29,928 51 30,822 51 -3
資本
12,842 22 14,462 24 -11
流動負債
15,702 27 14,929 25 5
非流動負債
28,544 49 29,390 49 -3
負債
内、金融負債 13,283 23 13,668 23 -3
2,120 4 2,203 4 -4
内、リース負債
58,472 100 60,212 100 -3
資本及び負債合計
2020年に、当社は2,000百万ユーロのユーロ債の融資受けた。満期時には、ユーロ債により1,150百万ユーロ、私募債により
290百万米ドル、買収に関するユーロ債の750百万ユーロ及びコマーシャルペーパー（CP）により170百万ユーロの返済を行っ
た。その結果、資本及び負債合計に対する金融負債の額面金額合計の比率は安定している。
(E.2) 総資本
資本金
当社は無額面無記名にて株式を発行しており、想定額面は一株当たり1ユーロで計算される。全ての発行済株式は全額払込済
である。
発行済株式数
（百万株） 資本金 自己株式
2018年1月1日 1,228.5 –35.1
株式報酬制度による自己株式の再発行 0 0.2
2018年12月31日 1,228.5 –34.9
2019年12月31日 1,228.5 -34.9
自己株式の取得 0 –14.1
2020年12月31日 1,228.5 –48.9
授権株式
定款は、取締役会決議により資本金を増加させることができると定めている。
- 2025年5月19日まで、現金出資に対する無額面無記名株式の新規発行の上限を250百万ユーロとする（授権株式Ⅰ）。発行
は既存株主の法定の新株引受権に従う。
- 2025年5月19日まで、現金または現物出資に対する無額面無記名株式の新規発行の上限を250百万ユーロとする（授権株式
II）。監査役会の同意を条件に、取締役会は特定の場合において既存株主の法定の新株引受権を除外する権限がある。
条件付株式
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当社の株式資本は条件付資本の増加の影響を受ける。 特定の株式報酬制度に基づいて、当社又は直接的又は間接的に支配
されている子会社が発行、保証した転換社債又はストック・オプションの保有者が、それらの転換権及び引受権の範囲におい
て 権利行使可能であり、他にそのような権利が行使されることはない。2020年12月31日時点において、100百万ユーロ、株数に
して100百万株の株式発行が可能である（2019年：100百万ユーロ）。
その他の資本の構成要素
（百万ユーロ）
キャッシュ・フロー・
換算差額 ヘッジ/ヘッジ費用 合計
2018年1月1日 330 18 347
損益に組替調整される項目に対する 910 –23 887
その他の包括利益（税引後）
2018年12月31日 1,239 –5 1,234
損益に組替調整される項目に対する 537 –1 536
その他の包括利益（税引後）
2019年12月31日 1,776 –6 1,770
損益に組替調整される項目に対する –2,791 10 –2,781
その他の包括利益（税引後）
2020年12月31日 -1,015 4 -1,011
自己株式
2013年6月4日に開催された年次株主総会にて取締役会に付与された、自己株式取得に関する権限について、2018年5月17日に
開催されたSAP SEの年次株主総会の決議により、その時点で行使されていないものについては無効化され、2023年5月16日以前
であれば総額120百万ユーロを上限として、取締役会決議によって株主資本額に比例した金額で自己株式を取得可能とする権限
に更新された。なお、当該授権により取得される自己株式は、これまでにSAP SEが取得、保有している自己株式、又はSAP SE
に帰属するその他の自己株式と併せて、SAP SE社の発行済株式資本の10%を超過しないことを条件としている。自己株式は法的
には発行済株式とされるが、配当を受ける権利及び議決権を有さない。自己株式について消却するか売却することを選択でき
るほか、あるいは会社の株式報酬制度に基づくオプション及び転換権に供する目的で使用することができる。また、自己株式
を、他社の合併又は取得の対価としても利用することもできる。
2020年における自己株式の取得については、Annual Report内のItem 16E Purchase of Equity Securities by the Issuer
and Affiliated Purchasersを参照のこと。
配当方針
将来的な自己株の取得や、総額で税引後利益の40％以上の年度配当を通じて、株主に流動性を還元できる状態を保持するこ
とを基本方針とする。
2020年に、当社は2018年度に係る配当金1,864百万ユーロ （一株当たり1.58ユーロ）を実施した。2019年には2018年度に係
る配当金1,499百万ユーロ（一株当たり1.25ユーロ）、2018年には2017年度に係る配当金1,671百万ユーロ（一株当たり1.40
ユーロ）を支払った。配当に加え、2020年は、自己株式の買戻しを通じて1,492百万ユーロの支払を株主に対して行った。
当社の株主に対する配当可能金額は、ドイツ商法（Handelsgesetzbuch）によって規定される会計原則のもとで作成された法
定財務書類で報告される当社の利益に基づいている。2020年12月31日で終了する事業年度において、当社の取締役会は、当社
の利益から一株当たり1.85ユーロの配当（見積総額2,182百万ユーロ）を支払うことを提案する予定である。
(E.3) 流動性
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非デリバティブ金融商品の会計処理
非デリバティブ金融負債投資の分類と測定
当社の非デリバティブの負債性金融投資は、銀行預金及び現金同等物(満期3ヶ月以内の流動性の高い投資、
たとえば定期預金やマネーマーケットファンド)、貸付金及びその他金融債権、並びに取得債券投資で構成
されている。
当社は金融資産を「損益を通じて公正価値で測定される金融資産」として指定しておらず、契約上のキャッ
シュ・フローや、それぞれの資産を保有するビジネスモデルに基づき、金融資産を「償却原価（AC）」、
「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産（FVＯCI）」、「損益を通じて公正価値で測定
される金融商品（FVTPL）」に区分する。元本及び利息以外のキャッシュ・フローの特性を持つ金融資産、
たとえば、マネーマーケットファンド及びこれに類似するファンドは、FVTPLに分類される。元本と利息の
みからキャッシュ・フローが得られるその他すべての金融資産は通常ACに分類される。投資元本を維持する
ために流動性を保持するという保守的な投資方針をとっているからである。
FVTPLの非デリバティブの負債性金融投資に係る損益は、金融収益（純額）で報告され、公正価値の変動及
び処分から生じる損益を含むその他の損益とは別に、利息損益が表示される。ACの非デリバティブ負債性金
融投資に係る損益は、金融収益（純額）で報告され、処分の損益並びに予想及び発生信用損失を含むその他
の損益とは別に、利息損益が表示される。為替換算レートの変動による損益は、その他の営業外収益・費用
（純額）に含まれる。通常の方法による取得・売却は、取引日に認識される。
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非デリバティブ金融負債投資の減損
これらの金融資産について、減損アプローチを以下の通り適用しており、多くの判断が含まれる。
－ 銀行預金、定期預金、並びに社債やコマーシャルペーパー（CP）のような負債性証券には、低い信用リ
スクを適用する。当社は信用損失のリスクを最小限に抑えるため、信用格付けのグレードが高い発行体
の資産にのみ投資を行っているからである。したがって、これらの資産は通常、信用損失モデルの３つ
の段階のうち、ステージ１に分類され、１２か月以内に予想される信用損失に等しい金額で損失引当金
を計上する。当該引当はそれぞれの報告日時点の状況に基づいて計算されており、クレジットデフォル
トスワップスプレッドをもとに計算された債務不履行の可能性に基づいて発生する損失金額で計上して
いる。当社は最もリスクの低い資産に投資しているが、大幅な上昇の可能性のある信用リスクを評価
し、それが起こった場合の変化に適時に対応するため、市場参加者による信用度の尺度として、クレ
ジットデフォルトスワップスプレッドの動向を注意深く考慮している。とりわけ、相手方が負債を全額
返済できない可能性が高い場合、相手方に財政難の情報があるとき、又は全体的な市場環境がかなり安
定しているにもかかわらず、相手方のクレジットデフォルトスワップスプレッドが大幅な増加した場合
には、銀行預金、定期預金及び負債性証券が債務不履行となるかどうかを検討する。そのような金融資
産は、顧客の破産等、回収されるという合理的な予想を有していないと判断した場合には、その一部ま
たは全部を償却する。
－ 貸付金やその他の金融資産は、当初の認識から信用リスクの著しい増加があるかどうか決定するため、
借り手固有の内外の情報を考慮している。当社は、資産の支払期日を大幅に超過した場合、または借り
手が支払い義務を果たしそうにない場合には、債務不履行になるものとみなす。顧客の破産手続きが最
終化されるか、回収のための手続を全て実行した状況等、金融資産の回収可能性はほとんどないと判断
した場合には償却を行う。
非デリバティブ金融負債
非デリバティブ金融負債は、銀行借入金、社債、私募債並びにその他金融負債から構成される。その他の金
融負債には、顧客から資金を預かり、顧客の従業員に対するクレジットカードの支払いやベンダーに対する
支払い等の諸経費の精算を顧客に代わって行うものが含まれる。これらの資金は現金及び現金同等物として
表示しており、顧客の代理として経費の精算等のために支払を行う義務を負債計上している。
FVTPLと指定した金融負債はないため、通常、非デリバティブ金融負債をACに区分する。
ACの金融負債の費用及び利益・損失は、金融収益（純額）で表示される利息費用で構成される。為替換算
レートの変動による利益・損失は、その他の営業外収益・費用（純額）に含まれる。
グループの流動性、金融負債及び純負債
グループの流動性は、銀行預金、マネーマーケット及びその他ファンド、定期預金並びに負債証券（1年未
満の満期のもの）で構成されている。金融負債は、銀行借入金、CP、私募債及び社債の額面金額と定義して
いる。純負債は、金融負債をグループの流動性から差し引いたものである。
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グループ流動性及び純負債
2020 2019 △
（百万ユーロ）
5,311 5,314 –4
現金及び現金同等物
1,470 67 1,402
短期定期預金及び負債証券
グループ流動性 6,781 5,382 1,399
短期金融負債
–1,482 -2,529 1,046
長期金融負債 –11,801 -11,139 –662
-13,283 -13,668 384
金融負債
純流動性
–6,503 -8,286 1,783
当社は、資本構成の表中の比率を継続的にモニタリングすると同時に、グループの流動性及び純負債の比率に基づいて、流
動性と金融負債の構造を常に管理している。
現金及び現金同等物
2020 2019
（百万ユーロ）
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
銀行預金 2,732 0 2,732 2,877 0 2,877
定期預金 927 0 927 1,093 0 1,093
マネーマーケット及びその他ファ 1,655 0 1,655 1,347 0 1,347
ンド
予想貸倒引当金 -3 0 -3 -3 0 -3
5,311 0 5,311 5,314 0 5,314
現金及び現金同等物
非デリバティブ金融負債投資
2020 2019
（百万ユーロ）
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
定期預金 1,448 0 1,448 44 0 44
負債証券 24 0 24 27 0 27
退職給付制度に関する金融商品 0 162 162 0 183 183
貸付金及びその他金融債権 83 107 190 100 117 217
予想貸倒引当金 -3 0 -3 -3 0 -3
現金及び現金同等物 1,552 269 1,822 167 300 467
1,635 3,512 5,147 297 2,336 2,633
その他金融資産
95 8 35 56 13 18
非デリバティブ金融負債投資が
その他金融資産に占める割合(%)
当初の満期が3か月以内の定期預金は、現金及び現金同等物として表示され、当初の満期が3か月より長い（グループ流動性
において投資と考慮されている）定期預金及び負債証券は、その他金融資産として表示されている。負債証券は、主に金融及
び非金融の企業及び地方自治体の購入コマーシャルペーパー及び購入社債で構成されている。
金融リスク及びリスクの性質のより詳細な情報については、注記(F.1)を参照のこと。
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有利子負債
2020 2019
（百万ユーロ）
額面金額 帳簿価額 額面金額 帳簿価額
流動 非流動 流動 非流動 合計 流動 非流動 流動 非流動 合計
社債 500 9,844 500 9,868 10,369 1,150 8,367 1,150 8,283 9,433
私募取引 0 707 0 742 742 258 772 259 808 1,067
コマーシャ 930 0 931 0 931 1,100 0 1,100 0 1,100
ルペーパー
52 1,250 52 1,250 1,302 21 2,000 22 1,995 2,017
銀行借入
1,482 11,801 1,484 11,860 13,344 2,529 11,139 2,531 11,086 13,617
有利子負債
2,348 13,605 15,953 3,273 12,923 16,196
金融負債
有利子負債が 63 87 84 77 86 84
金融負債に
占める割合
(%)
金融負債は、所有権移転留保及び業界の慣行による同様の権利を除き、無担保である。（金利スワップの影響を加味した）
有利子負債の実効金利は、2020年が0.87%、2019年が1.09%、2018年が1.33%であった。
金融負債に関連するリスクの情報については注記(F.1)を参照。公正価値に関する情報については、注記(F.2)を参照のこ
と。
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社債
2019 年
2020年
残高 残高
額面金額
（百万 （百万
表面 実効 （百万。発行通
満期 発行価格 利子率 利子率 貨で表記） ユーロ） ユーロ）
ユーロ債
1.125%
2023 99.478% 1.24% 1,000ユーロ 998 997
8-2014 （固定）
ユーロ債 1.750%
2027 99.284% 1.87% 1,000ユーロ 1,006 985
9-2014 （固定）
ユーロ債 0.000%
2020 100.000% 0.07% 650ユーロ 0 650
11-2015 （変動）
ユーロ債 1.000%
2025 99.264% 1.13% 600ユーロ 597 596
12-2015 （固定）
ユーロ債 0.000%
2021 100.519% -0.15% 500ユーロ 500 501
14-2018 （変動）
ユーロ債 1.000%
2026 99.576% 1.06% 500ユーロ 498 498
15-2018 （固定）
ユーロ債 1.375%
2030 98.687% 1.50% 500ユーロ 510 491
16-2018 （固定）
ユーロ債 0.000%
2020 100.024% -0.01% 500ユーロ 0 500
17-2018 （変動）
ユーロ債 0.250%
2022 99.654% 0.36% 900ユーロ 899 898
18-2018 （固定）
ユーロ債 0.750%
2024 99.227% 0.89% 850ユーロ 845 844
19-2018 （固定）
ユーロ債 1.250%
2028 98.871% 1.38% 1,000ユーロ 1,009 982
20-2018 （固定）
ユーロ債 1.625%
2031 98.382% 1.78% 1,250ユーロ 1,224 1,229
21-2018 （固定）
ユーロ債 0.000%
2023 99.794% 0.07% 600ユーロ 599 0
22-2020 （固定）
ユーロ債 0.125%
2026 99.200% 0.26% 600ユーロ 596 0
23-2020 （固定）
ユーロ債 0.375%
2029 98.787% 0.51% 800ユーロ 789 0
24-2020 （固定）
ユーロ債合計 10,125 9,166
USドル債 0.721%
0.83%
2025 100.000% 300米ドル 243 267
2018 （変動）
社債合計 10,369 9,433
我々のユーロ債全ては、ルクセンブルグ証券取引所に上場されている。
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私募債
2020年 2019年
実効 額面金額 残高 残高
満期 表面利子率 利子率 （発行通貨で百万） （百万ユーロ） (百万ユーロ)
アメリカ私募債
トランシェ6-2012 2.82% (固定) 290 米ドル
2020 2.86% 0 259
トランシェ7-2012 3.18% (固定) 444.5 米ドル
2022 3.22% 373 406
トランシェ8-2012 3.33% (固定) 323 米ドル
2024 3.37% 281 305
トランシェ9-2012 3.53% (固定) 100 米ドル 88 97
2027 3.57%
私募債
742 1,067
アメリカ私募債は、アメリカドルを機能通貨とする子会社により発行された。
コマーシャルペーパー
コマーシャルペーパープログラム（コマーシャルペーパー）からの純収入は、配当及び株式の買戻しを含む一般的な企業目
的に使用されている。2020年12月31日時点で満期が通常6か月未満のコマーシャルペーパーは930百万ユーロであり、その帳簿
価額は931百万ユーロ（2019年12月31日：1,100.5百万ユーロ）である。当社のコマーシャルペーパーの加重平均利率は2020年
12月31日時点で-0.40％（2019年12月31日：-0.38%）であった。
財務活動によって生じる負債の調整表
金融負債の変動額は、財務活動によるキャッシュ・フローの借入によるキャッシュ・フローの金額と調整される。
2020 年 2020 年
キャッシュ・ 為替 公正価値
1月1日 12月31日
フロー 企業結合 換算差額 変動 その他
（百万ユーロ）
流動有利子負債 2,529 –2,282 2 –17 0 1,251 1,482
非流動有利子負債 11,139 2,000 1 –88 0 –1,251 11,801
有利子負債（額面） 13,668 –282 2 –105 0 0 13,283
ベーシス・アジャストメ 13 0 0 –4 117 0 126
ント
取引コスト –64 –16 0 0 0 14 –66
13,616 –298 2 –109 117 14 13,344
有利子負債(帳簿価額）
未払利息 67 0 0 0 0 –6 61
金利スワップ 7 0 0 2 –123 0 –114
1)
リース 2,204 –378 15 –125 0 404 2,120
財務活動による総負債 15,895 –675 17 –233 –5 413 15,411
1) その他には、新規リース負債が含まれる。
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2019 年 2019 年
キャッシュ・ 為替 公正価値
1月1日 12月31日
フロー 企業結合 換算差額 変動 その他
（百万ユーロ）
流動有利子負債 759 –188 0 –6 0 1,963 2,529
非流動有利子負債 10,572 2,500 0 30 0 –1,963 11,139
有利子負債（額面） 11,331 2,312 0 25 0 0 13,668
ベーシス・アジャストメ 42 0 0 1 –30 0 13
ント
取引コスト –70 0 0 0 0 5 –64
有利子負債(帳簿価額） 11,303 2,312 0 25 –30 5 13,616
未払利息 47 0 0 1 0 19 67
金利スワップ –7 0 0 0 14 0 7
1)
リース 2,168 –403 52 38 0 348 2,204
財務活動による総負債 13,512 1,910 52 64 –16 373 15,895
1) その他には、新規リース負債が含まれる。
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セクションF – 金融リスク要因の管理
このセクションは、金融リスク要因及び為替リスク、金利リスク、株価リスク、信用リスク及び流動性リスクに関するリス
ク管理について説明している。さらに、このセクションには金融商品に関する情報が含まれている。
(F.1) 金融リスク要因及びリスク管理
金融商品デリバティブの会計処理
当社は為替リスク又は金利リスクをヘッジするためにデリバティブを使用し、判断を伴うIFRS第9号に基
づくヘッジ会計の基準を満たす場合にそれらをキャッシュ・フロー又は公正価値ヘッジとして指定してい
る。
ヘッジ手段として指定されていないデリバティブ
多くの取引は経済的ヘッジを構成するため、金融リスクの固定に効果的に寄与しているが、IFRS第9号に
基づくヘッジ会計の要件は満たさない。外貨建て及び認識された貨幣性資産及び負債に内在する通貨リス
クをヘッジするために、基礎となる取引からの損益はデリバティブからの損益と同一期間に純損益に認識
されるため、当社はトレーディング目的のデリバティブ金融商品を会計ヘッジとして指定していない。
また、当社は時折、個別に会計処理することが要求される外貨組込デリバティブを含む契約を締結してい
る。
FVTPLにおけるそのようなデリバティブの直物部分の公正価値の変動は、その他の営業外収益/費用（純
額）に含まれ、先物要素は金融収益（純額）に表示されている。
ヘッジ手段として指定されているデリバティブ
a）キャッシュ・フロー・ヘッジ
概して、当社は発生可能性の高い予定取引の為替リスクに対してキャッシュ・フロー・ヘッジ会計を適用
している。為替リスクに関して、ヘッジ会計は、直物価格と、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定さ
れ適格なデリバティブの本源的価値に関連している。したがって、現在価値ベースで判断されたこれらの
構成要素の有効部分はその他の包括利益に計上される。ヘッジ関係から除外された先物要素及び時間的価
値並びに外国為替ベーシス・スプレッドは、ヘッジコストとしてその他の包括利益に分けて計上される。
当該金額は重要ではないため、ヘッジコストは当社の連結包括利益計算書及び連結資本変動計算書におい
てキャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分と共に表示されている。デリバティブのカウンターパーティー
の信用リスク調整及び無効部分を含むその他全ての要素は、直ちに損益計算書の金融収益（純額）に認識
される。その他の包括利益に累積された金額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与えるのと同一期間に、損
益計算書のその他の営業外収益／費用（純額）及び金融収益（純額）に振り替えられる。
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b）公正価値ヘッジ
当社は一定の固定金利金融負債について公正価値ヘッジ会計を適用し、公正価値変動を金融収益（純額）
に表示している。
c）有効性の評価とテスト
指定されたヘッジ関係の開始時に、当社は当社のリスク管理戦略及びヘッジ対象とヘッジ手段との間の経
済的関係を文書化している。通貨、満期及び金額はそれぞれ予定取引及び先物為替予約の直物要素又は通
貨オプションの本源的価値と密接に関連しているため、主要な条件が一致することをもって経済的関係の
存在及び将来に向かってテストされたヘッジ関係の有効性は実証される。金利スワップについては、独立
変数としてのヘッジ対象の価値の変動とデリバティブの公正価値の変動との間の関係の有効性及び範囲が
決定される回帰分析による統計的手法を用いて将来に向かって有効性がテストされる。
無効の主な原因は以下の通り。
－ カウンターパーティー及び当社自身の信用リスクが先物為替予約及び金利スワップの公正価値に与え
る影響（それぞれのヘッジ対象には反映されていない）
－ 当社のキャッシュ・フロー・ヘッジにおけるヘッジ対象及びヘッジ対象取引のタイミングの相違
IFRS第9号、IAS第39号及びIFRS第7号の改訂―金利指標改革
IASBは2019年9月26日に金利指標改革のフェーズ1として、IFRS第9号、IAS第39号及びIFRS第7号の改訂を
公表した。SAPはIBOR改革によって直接影響を受ける公正価値ヘッジ関係に指定される金利レシーバース
ワップを保有している。金利スワップは、それぞれユーロ短期金利と担保翌日物調達金利に改訂される予
定の、EONIAまたはUSDフェデラル・ファンド・レートのいずれかに指標づけられた変動レグを持つ。当社
は新しい金利指標への移行を管理するために、最新の動向をモニタリングしている。当社は金利指標の改
訂による重要な影響はないと考えている。2020年12月31日現在、ヘッジ関係に指定されるEONIAに対する
SAPのエクスポージャーの名目金額は37.5憶ユーロであり、これはヘッジ金利スワップの名目金額、及
び、2027年から2031年の間で満期を迎えるヘッジ済みのユーロ債の元本金額の両方を表すものである。
ヘッジ関係に指定されるUSDフェデラル・ファンド・レートに対するエクスポージャーは、322.25百万US
ドル(262.6百万ユーロ)であり、これはヘッジ金利スワップの名目金額、及び、2022年から2024年の間で
満期を迎えるヘッジ済みのU.S.私募の元本金額を表すものである。
当社は、市場リスク(すなわち、為替変動リスク、金利リスク及び株価リスク)、信用リスク及び流動性リスクといった様々
な金融リスクにさらされている。
当社は、グローバル財務部門、グローバルリスクマネジメント及びグローバルクレジットマネジメントを通じて、市場リス
ク、信用リスク、及び流動性リスクをグループ全体で管理している。リスク管理方針はリスクを識別し、適切なリスク限度を
設定し、そしてリスクを監視するために設けられている。 リスク管理方針及びヘッジ戦略は、当社の内部ガイドライン（例え
ば、財務ガイドライン及びその他の内部ガイドライン）に記載されており、市況及び当社の事業の変化を反映するための継続
的な内部レビュー及び分析の対象となる。
当社はリスクを軽減するためにのみデリバティブ金融商品を購入し、対応する基礎取引なしにデリバティブを開始すると
いった投機目的はない。
為替変動リスク
為替変動リスク要因
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当社はグローバル企業であるため、当社の事業活動は外貨変動リスクにさらされている。グループ内の各法人は主にそれぞ
れの機能通貨により業務を行っているため、継続的な通常業務における換算レートの変動に伴うリスクは重要であるとはみな
さ れない。しかし、機能通貨以外の通貨建ての取引により、外貨建ての営業債権、営業債務、及び、その他貨幣項目が発生す
る可能性がある。関連する為替変動リスクを緩和する為に、取引の大部分は以下の通り、ヘッジされている。
まれに、機能通貨以外の通貨での取引は組込外貨デリバティブをもたらすことがあり、当該デリバティブ部分は区分され、
損益を通じて公正価値が測定される。
加えて、SAPグループの知的財産所有会社は、外貨での関係会社間予測キャッシュ・フローに係るリスクにさらされている。
これらのキャッシュ・フローは子会社から各々の知的財産所有会社へのロイヤリティ支払いから生じるものである。当該ロイ
ヤリティは子会社の外部売上に連動している。ロイヤリティは殆どが子会社の現地通貨建てである一方、最大のロイヤリティ
のボリュームを持つ知的財産所有会社の機能通貨がユーロであるため、知的財産所有会社に為替変動リスクの集中をもたら
す。この種の最大の為替変動エクスポージャーは、例えばUSドル、イギリスポンド、日本円、スイスフラン及びオーストラリ
アドルのような重要な業務を行う子会社の通貨に関連している。
通常、投資及び財務活動に関して、当社は重要な為替換算リスクにはさらされていない。なぜならそれらの活動は通常、投
資又は借入を行う企業体の機能通貨で行われているからである。
為替変動リスク管理
当社は主に損益の変動を減少させる目的で、貨幣性項目及び予定取引に基づく通貨変動リスクに対するエクスポージャーを
継続的に監視し、必要に応じて、デリバティブ金融商品、主として先物為替予約を用いてグループ全体の為替リスク管理戦略
を追求している。ヘッジ手段の大部分はヘッジ会計に関連するものとして指定されていない。
ヘッジ手段として指定されている通貨ヘッジ（キャッシュ・フロー・ヘッジ）
外貨建ての海外子会社からの重要な予測キャッシュ・フロー（ロイヤリティ）をヘッジするため、1:1のヘッジ比率で、当社
が使用する為替デリバティブの中で最長満期である12ヶ月までのデリバティブ商品、主に先物為替予約を締結している。
表示されている全ての事業年度において、発生可能性が高いものとして外貨キャッシュ・フロー・ヘッジ関係のヘッジ対象
として指定された予定取引で、発生可能性が低下した取引はこれまで無かった。よって、当社はいかなるキャッシュ・フ
ロー・ヘッジ関係も中止していない。また、全ての報告年度において非有効なヘッジは重要でないか又は存在しなかった。一
般に、ヘッジされた予定取引のキャッシュ・フローは、財政状態計算書日から12ヶ月内に発生し、毎月純損益に認識されるこ
とが期待される。
ヘッジ対象として指定された項目に関連する2020年12月31日現在の金額は以下の通りである。
為替変動ヘッジにおける指定ヘッジ対象
予想ライセンス支払
2020
（百万ユーロ）
ヘッジ非有効部分の計算に使用され
5
る公正価値の変動
キャッシュ・フロー・ヘッジ 5
ヘッジコスト –1
ヘッジ会計が適用されなくなった 0
キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金
残高
ヘッジ手段として指定された2020年12月31日現在の金額は以下の通りである。
為替変動ヘッジにおける指定ヘッジ手段
予想ライセンス支払
2020
（百万ユーロ）
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名目金額 436
帳簿価額
その他の金融資産 7
その他の金融負債 -1
OCIに認識された公正価値の変動 5
金融収益（純額）に認識されたヘッジの非 0
有効部分
OCIに認識されたヘッジコスト 1
OCIのキャッシュ・フロー・ヘッジからそ 6
の他の営業外収益（純額）に組み替えられ
た金額
OCIのヘッジコストから金融収益（純額） –4
に組み替えられた金額
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2020年12月31日現在、当社は外貨の変動に対するエクスポージャーをヘッジするために以下のヘッジ手段を有している。
為替変動ヘッジにかかるヘッジ手段の詳細
満期
2020
1～6ヶ月 7～12ヶ月
先物為替予約
ネット・エクスポージャー（百万ユー 290 146
ロ）
EUR：GBP平均先物レート 0.90 0.91
EUR：JPY平均先物レート 122.33 125.06
EUR：CHF平均先物レート 1.07 1.07
EUR：AUD平均先物レート 1.69 0
為替レートエクスポージャー
リスクに対するエクスポージャーは以下の仮定に基づいている。
- SAP グループ内の各法人は、一般的にそれぞれの機能通貨により業務を行っている。例外的な場合や限られた経済環境下
においては、業務上の取引は機能通貨以外の通貨建てで行われ、関連する貨幣性商品の為替変動リスクをもたらす。それ
らの取引が、重要な場合には、為替変動リスクはヘッジされる。したがって、為替レートの変動は非デリバティブ貨幣性
金融商品及び関連収益又は費用に関して損益計算書上、及びその他の包括利益上重要な影響を与えない。
- 為替変動リスクをヘッジする目的で指定された単独のデリバティブはほぼ完全に、同期間の連結損益計算書上の為替レー
トの変動によるヘッジ対象の公正価値の変動と均衡している。結果として、ヘッジ対象とヘッジ手段は、為替変動リスク
にさらされず、利益に影響を与えない。
結果として、当社は以下に関連した外貨為替レートの変動にのみさらされている。
- その他の包括利益に影響を与える指定されたキャッシュ・フロー・ヘッジ関係にあるデリバティブの直物要素
- その他の営業外費用（純額）に影響を与える外貨組込デリバティブ
当社の2020年12月31日現在の外貨エクスポージャー（及び平均最大/最小エクスポージャー）は以下の通りである。
外貨エクスポージャー
（十億ユーロ） 2020 2019
全ての主要通貨に対しての期末時点でのエクスポージャー
0.9 1.0
平均エクスポージャー 0.9 0.7
最大エクスポージャー 1.0 1.0
最小エクスポージャー 0.9 0.6
為替レートの感応度
当社はユーロと全ての主要通貨間の為替レートの+/- 10％の変動について感応度を計算する（2019: ユーロとその他の主要
通貨間為替レートの+/- 10％の変動、2018年：ユーロとその他の主要通貨間為替レートの+/- 10％の変動及びユーロとその他
の主要通貨間為替レートの+/- 10％の変動）。2018年、2019年及び2020年12月31日において上述のように為替レートが増減し
た場合、その他の営業外費用（純額）及びその他の包括利益に次のような影響がある。
外貨の感応度
（百万ユーロ） その他営業外費用（純額）
への影響 その他包括利益への影響
2020 2019 2018 2020 2019 2018
指定されたキャッシュ・フロー・ヘッジ関係にあるデリ
バティブ
全ての主要通貨の変動-10% （2019:全ての主要通貨- 43 53 62
10%、2018:全ての主要通貨-10%）
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全ての主要通貨の変動+10% （2019:全ての主要通貨 -43 -53 -62
+10%、2018: 全ての主要通貨+10%）
組込デリバティブ
全ての通貨の変動-10% 40 53 11
全ての通貨の変動+10% -49 -53 -11
Qualtricsの買収に関連して開催されたFXオプション
0 0 -29
USDの変動-10%
USDの変動+10% 0 0 559
金利リスク
金利リスク要因
当社の投資の大部分は変動金利及び/又は短期(2020年：67％、2019年：80％)であり、当社の資金調達取引の大部分は固定金
利及び長期（2020年：85％、2019年：69％）であるため、主にユーロとドルでの投資及び財務活動の結果として、当社は金利
リスクにさらされている。
金利リスク管理
当社の金利リスク管理の目的は、固定及び変動キャッシュ・フローについてバランスのとれた仕組みを構築することによ
り、損益に与える影響を軽減させ、金利の効果を最大にすることである。そのため、当社は所与の投資及び有利子負債による
資金調達のポートフォリオに金利関連デリバティブ商品を加えることで金利リスクを管理している。当社の負債の純額の望ま
しい固定変動割合は、財務委員会により設定されている。
ヘッジ手段として指定されているデリバティブ（公正価値ヘッジ）
資金調達取引から生じる金利リスクを投資と整合させるため、当社は受取金利スワップを用い固定金利の金融負債を変動金
利へ変更しており、このようにして、スワップした資金調達取引の公正価値を1:1で固定している。金利スワップを含む2020年
12月31日時点における有利子金融負債の合計残高の48% （2019年：35%）が、固定金利であった。
ヘッジ対象として指定された項目に関する2020年12月31日現在の金額は以下の通りである。
金利ヘッジにおける指定されたヘッジ対象
2020
EUR建固定金利借入
（百万ユーロ） USD建固定金利借入
想定元本 4,550 263
帳簿価額 4,503 262
その他の金融負債における累積公正価値調整 –90 –36
非有効部分の測定に使用された公正価値の変 –90 –16
動
ヘッジ損益について調整されなくなったヘッ 0 –20
ジ対象にかかる公正価値ヘッジの調整累積金
額
ヘッジ手段として指定された2020年12月31日現在の金額は以下の通りである。
金利ヘッジにおける指定されたヘッジ手段
2020
EUR建借入に係る USD建借入に係る
（百万ユーロ） 金利スワップ 金利スワップ
想定元本 4,550 263
帳簿価額
その他の金融資産 99 15
その他の金融負債 0 0
非有効部分の測定に使用した公正価値の変動 99 15
2020年12月31日現在、当社は金利変動に対するエクスポージャーをヘッジするために以下のヘッジ手段を有している。
金利ヘッジにおけるヘッジ手段の詳細
2020
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満期
2022 2024 2027 2028 2029 2030 2031
（百万ユーロ）
EUR建金利スワップ
想定元本 1,000 1,000 800 500 1,250
平均変動金利 1.476% 0.900% 0.240% 0.875% 1.038%
USD建金利スワップ
想定元本 181 81
平均変動金利 1.031% 0.910%
全ての受取スワップの公正価値の調整、公正価値指定ヘッジ関係で保有されているヘッジ対象のベーシスの調整及び金融収
益（純額）で認識された両者の差は、開示されているいずれの年度においても重要でない。
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金利エクスポージャー
当社の12月31日時点での金利エクスポージャー（及び平均/最大/最小エクスポージャー）は次の通りである。
金利リスク・エクスポージャー
（十億ユーロ） 2020 2019
期末 平均 最大 最小 期末 平均 最大 最小
金利の公正価値リスク
投資 0.02 0.02 0.02 0.02 0.03 0.05 0.07 0.03
金利のキャッシュ・フロー・
リスク
投資(現金含む) 4.58 5.14 5.77 4.58 4.32 4.32 5.04 3.89
資金調達 1.99 3.18 3.93 1.99 3.92 4.25 4.43 3.92
金利スワップ 4.81 4.78 5.10 4.30 4.29 3.05 5.06 1.28
金利の感応度
IFRS7号に従って当社の金利リスクに対するエクスポージャーの損益及び資本に対する影響を示すため、以下を考慮して感応
度分析を実施している。
－ 非デリバティブ固定金利金融商品が公正価値で認識されている場合のみ、金利の変動は非デリバティブ固定金利金融商品
の会計処理に影響する。したがって、当社は非デリバティブ金融負債を償却原価で評価していることから、そのような金
利の変動は、当社の非デリバティブ固定金利金融負債の帳簿価額を変動させない。純資産を通じて公正価値として分類さ
れた固定金利金融資産への投資は、各報告年度末において重要性が無いため、資本関連の感応度分析において固定金利金
融商品を考慮していない。
－ 変動金利のある非デリバティブ金融商品からの損益は、もしそれらが有効なヘッジ関係によりヘッジされていない場合、
金利リスクの影響を受ける。そのため、変動金利による資金調達及び短期金融商品への投資活動に係る金利の変動を収益
関連の感度分析において考慮している。
－ 受取金利スワップを公正価値ヘッジとして指定することにより、金利の変動が金融収益（純額）に影響を与える。金利ス
ワップに関連する公正価値の変動は、ヘッジ対象の社債及び私募投信の固定金利の支払と相殺されることから感応度計算
に反映されていない。しかし、市場金利の変動は、金利スワップによる金利の支払額に影響を与える。結果として、利息
支払いに係る市場金利の影響は利益に関連した感応度計算に含まれている。
当社の感応度分析は、アメリカドルとユーロ圏では金利についての想定が異なるため、アメリカドル又はユーロ圏に対して
それぞれ+50又は+10ベーシス・ポイント(bps)のイールドカーブ上方シフト（2019年： アメリカドル/ユーロ圏に対してそれぞ
れ +50/+１0bps、2018年：アメリカドル/ユーロ圏に対してそれぞれ+100/+30bps、）、及びアメリカドル又はユーロ圏に対して
それぞれ-50又は-20bpsのイールドカーブ下方シフト（2019年：アメリカドル/ユーロ圏に対してそれぞれ-50/-20bps、2018
年：アメリカドル/ユーロ圏に対して-25/10bps）に基づいて感応度分析を行う。
2018年、2019年及び2020年12月31日時点での金利が上述以上に上昇又は下降したとしても、当該金利変動は、変動金利投資
による金融収益（純額）に対して重要な影響を及ぼさない。また、金融収益（純額）への影響は以下の通りである。
金利感応度分析
（百万ユーロ） 金融収益（純額）に対する影響
2020 2019 2018
指定された公正価値ヘッジ関係のあるデリバティブ
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金利 対アメリカドル+50 bps /対ユーロ圏+10 bps
（2019年：対アメリカドル+50 bps /対ユーロ圏+10
-41 –41 –20
bps、2018年：対アメリカドル+100 bps /対ユーロ圏
+30 bps）
金利 対アメリカドル-50bps /対ユーロ圏-20 bps
（2019年：対アメリカドル-50bps /対ユーロ圏-20
79 76 5
bps、2018年：対アメリカドル-25 bps /対ユーロ圏-
10 bps）
変動金利による資金調達
金利 対アメリカドル+50 bps /対ユーロ圏+10 bps
（2019年：対アメリカドル+50 bps /対ユーロ圏+10
–6 –8 –24
bps、2018年：対アメリカドル+100 bps /対ユーロ圏
+30 bps）
金利 対アメリカドル-50bps /対ユーロ圏-20 bps
（2019年：対アメリカドル-50bps /対ユーロ圏-20
6 8 4
bps、2018年：対アメリカドル-25 bps /対ユーロ圏-
10 bps）
株価リスク
株価リスク要因
当社は株式への投資及びに株式報酬制度に関連して株価リスクにさらされている。
株価リスク管理
当社の上場株式投資は、世界中の不安定な株式市場の変動により影響を受ける現在の市場価格に基づいてモニタリングされ
ている。非上場株式投資は、被投資会社により提供される詳細な財務情報に基づきモニタリングされている。当社の上場株式
投資の公正価値は株価に依存し、一方で非上場株式投資の公正価値は、様々な観察不能な要素に影響を受ける。
当社は株式報酬制度に関するエクスポージャーについてもまたモニタリングしている。結果として生じる損益の変動を減ら
すため、当社はデリバティブ商品を購入することによって株式に基づく報酬制度に関連するキャッシュ・フローのエクスポー
ジャーをヘッジしているが、指定されたヘッジ関係を構築してはいない。
株価エクスポージャー
2020年12月31日時点で株式への投資による当社のエクスポージャーは3,113百万ユーロ（2019年：1,996百万ユーロ、2018
年：1,248百万ユーロ）であった。
当社の株式報酬制度からのエクスポージャーについては、注記（B.3）参照のこと。
株価の感応度
IFRS第7号ではヘッジ手段の基礎となる株式報酬を対象外としているが、デリバティブ商品のみを考慮に入れると当社の株価
リスク・エクスポージャーが適切に反映されないため、当社の株式報酬制度の感応度分析にはヘッジ手段とその基礎となる株
式報酬が含まれている。
株価の変動に対する当社の感応度は以下の通りである。
株価感応度
（百万ユーロ） 2020 2019 2018
株式への投資
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株価の上昇及びそれぞれの観察不能なインプットの
259 156 65
10％増加 - 金融収益の増加（純額）
株価の下落及びそれぞれの観察不能なインプットの
–259 –156 –65
10％減少 - 金融収益の減少（純額）
株式報酬
株価の20％の上昇
- 株式報酬費用の増加
–272 –298 –279
- ヘッジ手段からの相殺利益の増加
24 48 57
株価の20％の下落
- 株式報酬費用の減少
271 307 262
- ヘッジ手段からの相殺利益の減少
–23 –46 –44
信用リスク
信用リスク要因
投資における信用リスクを軽減するため、当社は投資額の全額のうち特定の投資活動について取引先の債務不履行の場合に
のみ実行することができる担保権を受け取ることとなっている。信用リスクを軽減するためのその他重要な契約をしていない
場合においては、上述の契約を除く、現金及び現金同等物、短期投資、貸付金及びその他の金銭債権、並びにデリバティブ金
融資産として認識される金額の合計が信用リスクに対する最大のエクスポージャーを表している。
信用リスク管理
預金、定期預金及び負債証券
当社の投資活動及びデリバティブ金融資産に対する信用リスクを軽減するため、当社は内部財務ガイドラインの要求に基づ
き、全ての活動は、承認された主要な金融機関及び高い格付けを得ている発行者とのみ行っている。その諸規定のガイドライ
ンでは格付けが最低でもBBBフラットである発行者からの資産にのみ投資するよう求めている。より低い格付けの発行体への投
資は例外的な場合のみである。2020 年度及び2019年度においてそのような投資は重要ではない。当社の金融資産の加重平均格
－
付けはAからA の範囲にある。当社は、主に短期投資、標準的な投資商品、並びに様々な取引先と事業を行うことによる幅広い
ポートフォリオの多様化を特徴とする慎重な投資方針を追求している。
さらに信用リスクを軽減させるために、投資金額全額のうち特定の投資について、投資先が債務不履行となった場合に権利
行使できる担保を要求している。そのような担保として、当社は少なくとも投資適格の格付けを有する債券のみを受け入れて
いる。
加えて、取引先が商品、セクターあるいは地域ごとに類似の活動に従事している場合に存在する信用リスクの集中は、取引
先の世界的な分散及び各取引先に対する内部与信限度制度の順守によってさらに軽減される。この内部与信限度制度では、
個々の取引先との取引量を定義された限度額に制限すると規定しているが、当該限度額は、少なくとも1つの主要な格付機関、
各金融機関のTier 1資本、又はドイツ預金者保証基金や同様の保護スキームへ参加により入手可能な公式の長期信用格付け
よって決定される。当社は継続的にこれら取引先との取引限度額を厳格に遵守し続けている。クレジット・デフォルト・ス
ワップのプレミアムは、主に市場参加者による債務者の信用力の評価に左右されるため、当社はまた、市場のクレジット・デ
フォルト・スワップスプレッドの動きを注視して、発生しうるリスクの動きを評価し、これらが顕在化した場合には適宜に対
応する。
銀行預金、定期預金及び取得した債券やコマーシャルペーパーなどの債務証券については、一般的な減損アプローチを適用
する。信用損失のリスクを最小限に抑えるために、最低でも投資適格の最低格付けの発行体の高品質資産にのみ投資すること
が当社の方針であるため、当社は低い信用リスクの例外規定を適用する。したがって、これらの資産は常に3段階の信用損失モ
デルの第1段階に割り当てられ、12ヶ月の予想信用損失に等しい金額の損失引当金を計上する。当該損失引当金は書く報告書日
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における当社のエクスポージャー、このエクスポージャーに対する債務不履行によって与えられる損失、及びデフォルト確率
の尺度としてのクレジット・デフォルト・スワップ・スプレッドに基づいて算定される。当社の投資が存続期間中、常に投資
適 格の要件を満たすことを確かめるため、当社は公表されている外部の信用格付けをトラッキングすることにより信用リスク
の変化を監視している。取引相手の経済的困難に関する情報がある場合、又は全体的な市場環境がかなり安定しているにもか
かわらず、長期間にわたって取引相手のクレジット・デフォルト・スワップ・スプレッドが急激に増加した場合、特に、取引
先が債務を全額支払う可能性が低い場合には、銀行預金、定期預金及び債務証券は債務不履行に陥っていると判断する。その
ような金融資産は、例えば、金融資産の得意先の破産等の裏づけによって回復可能性が低いと考えられる場合、部分的に又は
全額が償却される。
営業債権
営業債権のデフォルトリスクは主に外部の格付けによる顧客の信用力の評価及び関係する顧客との過去の経験に基づいて、
別途管理されている。この評価に基づいて、各顧客に個別の与信限度額が設定され、与信限度額からの逸脱は経営管理者に
よって承認される必要がある。
当社は、すべての営業債権及び契約資産に対して、当初認識時に発生が予想される信用損失を考慮した引当マトリクスを利
用することにより、単純化された減損アプローチを適用する。引当金マトリクスの目的のために、各国におけるカントリーリ
スク評価といった市場情報に基づいて、顧客は様々なリスククラスに分類される。予想信用損失を反映するために使用される
損失率は、様々な滞留の段階を経て進行する債権の回収可能性及び過去数年間にわたる当社の信用損失実績に基づくロール
レート法を用いて決定される。これらの損失率は、過去のデータが収集された期間の経済状況、現在の状況、及び債権が存在
すると予想される期間にわたる経済状況の変化に係る差異を反映するための将来予測情報によって高められています。将来予
測情報は、カントリーリスクの格付けの変化又は当社が事業を行う顧客の国々のクレジット・デフォルト・スワップの変動に
基づいている。営業債権及び契約資産が信用減損しているという客観的な根拠があるかどうかを評価するために、当社は未払
債権を現地で継続的に観察している。営業債権及び契約資産が信用減損しているという根拠には、滞留債権の中でも、顧客の
重大な経済的困難に関する情報、又は支払計画の不履行が含まれる。取引先が債務を全額支払う可能性が低い場合、債権は債
務不履行に陥っているとみなすが、通常の業務の中で支払いが遅れる（例えば、90日を超えて延滞する）だけでは、必ずしも
顧客の債務不履行を示唆するわけではない。回復の可能性が低いと判断した場合、残高の一部又は全部を償却する。回収可能
性が低いことは、例えば、顧客の破産手続きが完了した時や全ての執行手続が完了した時に証明されることがある。
個人顧客からの営業債権に対する債務不履行の影響は、当社の大規模な顧客基盤及び世界中の様々な業界、企業規模、及び
国々へ分布していることによって軽減されている。 当社の営業債権の詳細については、注記（A.2）参照のこと。
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信用リスクのエクスポージャー
現金、定期預金及び負債証券
2020年12月31日現在、現金、定期預金及び債務証券による信用リスクに対する当社のエクスポージャーは以下の通りであっ
た。
現金、定期預金及び負債証券からの信用リスクへのエクスポージャー
（特に記載のない限り
2020
百万ユーロ）
相当する 加重平均損失 非信用減損分の 信用減損分の 予想信用損失
外部評価 率 総帳簿価額 総帳簿価額 引当金
AAAからBBB- -0.1% 4,846 0 -3
リスククラス1 - 低リスク
BBからD 0.0% 29 0 0
リスククラス2 – 高リスク
NA –11.3% 23 0 -3
リスククラス3 – 未評価
合計 –0.1% 4,898 0 -6
（特に記載のない限り
2019
百万ユーロ）
相当する 加重平均損失 非信用減損分の 信用減損分の 予想信用損失
外部評価 率 総帳簿価額 総帳簿価額 引当金
リスククラス1 - 低リスク AAAからBBB-
-0.1% 3,838 0 -3
BBからD
リスククラス2 – 高リスク
0.0% 23 0 0
NA
リスククラス3 – 未評価
–5.0% 52 0 -3
合計 –0.2% 3,913 0 -6
2020年12月31日現在、当社のその他の貸付金及びその他の金融債権の大部分はドイツに集中している。 期限が超過している
が減損していない貸付金、又はその他の金融債権はなく、その時点で期日が超過しておらず、減損していないそのような資産
の減損の兆候も見られなかった。
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営業債権及び契約資産
2020年12月31日現在、営業債権からの信用リスクに対する当社のエクスポージャーは以下の通りであった。
営業債権及び契約資産からの信用リスクへのエクスポージャー
（特に記載のない限り
2020
百万ユーロ）
非信用減損分の 信用減損分の 予想信用損失
加重平均損失率 総帳簿価額 総帳簿価額 引当金
期日前又は期日の営業債権 -0.2% 4,426 0 –10
期日後１～30日の営業債権 -0.9% 511 71 –5
期日後30～90日の営業債権 –1.8% 380 61 –8
期日後90日以上経過した営業
債権 –16.8% 695 273 –163
合計 –2.9% 6,012 405 –186
（特に記載のない限り
2019
百万ユーロ）
非信用減損分の総 信用減損分の 予想信用損失
加重平均損失率 帳簿価額 総帳簿価額 引当金
期日前又は期日の営業債権 –0.2% 5,226 0 –9
期日後１～30日の営業債権 –0.5% 733 36 –4
期日後30～90日の営業債権 –0.8% 668 23 –5
期日後90日以上経過した営業
債権 –11.1% 869 158 –114
合計 -1.7% 7,496 217 –131
2020年の、営業債権及び契約資産に係る予想信用損失引当金の変動は以下の通りである。
営業債権及び契約資産に係る予想信用損失引当金の変動
2020 2019
(百万ユーロ)
予想信用損失引当金 予想信用損失引当金
1月1日時点の残高
–131 –107
認識された信用損失純額 –97 –38
貸倒償却額 42 13
12月31日時点の残高 –186 –131
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流動性リスク
流動性リスク要因
我々は、サプライヤー、従業員及び金融機関への負債による流動性リスクに晒されている。
流動性リスク管理
グループの流動性は、主として財務的義務を履行するのに適当な水準を維持するために、グローバル財務部により管理され
ている。
通常、流動性の主な財源は我々の事業運営から発生する資金である。グローバル財務部は全ての子会社についてその流動性
をセントラルに管理している。可能である場合には、子会社の余剰資金をセントラルでプールしており、それを事業運営や、
子会社の資金需要、市場投資に使用することができる。上記の説明の通り、高い信用力のある相手先あるいは証券発行者にの
み投資し流動性を確保しつつ、利回りの最適化を目指している。これにより高い水準の流動性資産及び市場性のある証券は戦
略的な貯えとなりSAPが柔軟性、健全性、及び独立性を保持し続けることに貢献している。
効果的な運転資本及び資金管理に加えて、様々な金融機関との間で必要に応じて引き出し可能である適切な量の信用枠を手
配することにより日常の業務管理や財務責任履行のために固有の流動性リスクを軽減している。
高い財務柔軟性を維持するために、2017年にSAP SEは2024年までの期間で25億ユーロのシンジケート・クレジット・ファシ
リティ契約を締結した。ファシリティーの使用はいかなる財務制限条項からも制約を受けない。当該クレジットファシリ
ティーによる借入は、それぞれの通貨に対するEURIBORあるいはLIBORに17ベーシス・ポイントのマージンが加算された利息が
発生する。我々はまた未使用の信用枠について年間5.95ベーシス・ポイントのコミットメントフィーを支払うことが求められ
ている。当該信用枠は使用していない。
2019年9月、当社はコマーシャルペーパープログラム（コマーシャルペーパー）を開始した。2020年12月31日現在、コマー
シャルペーパーの発行残高は930百万ユーロで満期は通常6か月未満である。（2019年：1,099.5百万ユーロ）であった。
さらに、2019年及び2020年の12月31日時点でSAP SEはそれぞれ合計で372百万ユーロ及び430百万ユーロの使用可能な借入枠
があった。開示された全ての事業年度において、これら借入枠内での重要な借入はない。
流動性リスク・エクスポージャー
2020年12月31日現在における全ての金融負債の契約上の満期日までの分析について以下の表に記載する。契約上の相手方の
要求によりいつでも支払いが行われ得る金融負債についてはその可能性がある一番早い期間に区分している。変動金利の支払
いは、2020年12月31日時点で最新の固定された関連金利を用いて計算している。通常デリバティブ契約を総額で決済するた
め、全ての通貨及び金利デリバティブについて、そのデリバティブの公正価値がマイナスかどうかにかかわらず、受取額又は
支払額を個別に記載している。通貨デリバティブに関連するキャッシュ・アウト・フローは対応する直物レートを用いて換算
している。
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非デリバティブ金融負債の契約上の満期
帳簿価額 契約上のキャッシュ・フロー
（百万ユーロ）
12/31/2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026以降
非デリバティブ金融負債
営業債務 –1,014 –1,014 0 0 0 0 0
リース負債 –2,120 –426 –359 –262 –218 –165 –931
–13,770 –1,982 –2,640 –1,700 –1,211 –918 –5,933
その他の金融負債
–16,904 –3,422 –2,999 –1,962 –1,429 –1,083 –6,864
非デリバティブ金融負債合計
帳簿価額 契約上のキャッシュ・フロー
12/31/2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025以降
（百万ユーロ）
非デリバティブ金融負債
営業債務 –1,283 –1,283 0 0 0 0 0
金融負債 –2,203 –431 –363 –284 –224 –190 –1,019
–13,912 –2,888 –630 –3,414 –1,095 –1,231 –5,467
その他の金融負債
非デリバティブ金融負債合計 –17,398 –4,602 –993 –3,698 –1,319 –1,421 –6,486
デリバティブ金融負債及び金融資産の契約上の満期
契約上の 契約上の
帳簿価額 キャッシュ・フロー 帳簿価額 キャッシュ・フロー
12/31/2020 2021 2022以降 12/31/2019 2020 2021以降
（百万ユーロ）
デリバティブ金融負債及び資産
デリバティブ金融負債
ヘッジ手段として指定されてい
ない通貨デリバティブ –61 –55
キャッシュ・アウト・フロー –2,902 –7 –2,865 –3
キャッシュ・イン・フロー 2,842 0 2,816 0
ヘッジ手段として指定されてい
る通貨デリバティブ –1 –11
キャッシュ・アウト・フロー –141 –415 0
キャッシュ・イン・フロー 139 401 0
ヘッジ手段として指定されてい
る金利デリバティブ 0 –16
キャッシュ・アウト・フロー –28 –536
36 515
キャッシュ・イン・フロー
–63 –62 –7 –82 –55 –24
デリバティブ金融負債合計
デリバティブ金融資産
ヘッジ手段として指定されてい
ない通貨デリバティブ 38 33
キャッシュ・アウト・フロー –2,452 –3,442 0
キャッシュ・イン・フロー 2,493 3,468 0
ヘッジ手段として指定されてい
る通貨デリバティブ 7 3
キャッシュ・アウト・フロー –291 –114 0
キャッシュ・イン・フロー 297 117 0
ヘッジ手段として指定されてい
る金利デリバティブ 114 9
キャッシュ・アウト・フロー –48 –398 –14 –18
69 495 17 24
キャッシュ・イン・フロー
158 68 97 44 32 6
デリバティブ金融資産合計
デリバティブ金融負債
95 6 90 –37 –23 –18
及び資産 合計
(F.2) 金融商品に関する公正価値の開示
レベル振替
公正価値ヒエラルキーの異なるレベル間での振替については、振替をもたらした事象や状況の変化が発生
した期の期首時点に生じたものとみなして認識する。
金融商品の公正価値
当社は、通常の事業運営にあたり様々な金融商品を保有しており、それらは償却原価(AC)又は損益を通じて公正価値で測定
される金融商品(FVTPL)に分類される。金融商品を公正価値で測定するため、もしくはその公正価値を開示する必要があるた
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め、公正価値を決定する為に用いたインプット及びそれらの評価技法の重要性に基づき、金融商品を3つのレベルの公正価値ヒ
エラルキーに分類している。
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金融商品の公正価値及び公正価値ヒエラルキーの内訳
2020年12月31日
公正価値
測定分類
分類 帳簿価額
償却 公正
原価 価値 レベル１ レベル２ レベル３ 合計
（百万ユーロ）
資産
現金及び現金同等物 5,311
1)
銀行預金
AC 2,732 2,732
1)
定期預金
AC 924 924
マネーマーケット及び類似のファ
ンド FVTPL 1,655 1,655 1,655 1,655
営業債権及びその他債権 6,730
1)
営業債権
AC 6,232 6,232
2)
その他債権
- 498
その他金融資産 5,147
債務証券 AC 24 24 24 24
72
株式 FVTPL 3,113 3,113 536 2,505 3,113
2)
関係会社への投資
- 14
定期預金 AC 1,445 1,445 1,445 1,445
2)
退職給付制度に関する金融商品
- 162
貸付金及びその他金融債権 AC 190 190 190 190
デリバティブ資産
ヘッジ手段として指定
FX先物契約 - 7 7 7 7
金利スワップ - 114 114 114 114
ヘッジ手段として指定なし
FX先物契約 FVTPL 38 38 38 38
株式報酬費用コールオプショ
36
ン FVTPL 36 36 36
株式コールオプション FVTPL 4 4 4 4
負債
営業債務及びその他債務 –1,312
1)
営業債務
AC –1,014 –1,014
2)
その他債務
- –298
金融負債 –15,953
非デリバティブ金融負債
借入金 AC –1,301 –1,301 –1,301 –1,301
社債 AC –11,300 –11,300 –10,966 –931 –11,897
私募債 AC –742 –742 –771 –771
その他非デリバティブ金融負債
3)
AC –2,547 –2,547 –427 –427
デリバティブ
ヘッジ手段として指定
FX先物契約 - –1 –1 –1 –1
金利スワップ - 0 0 0 0
ヘッジ手段として指定なし
FX先物契約 FVTPL –61 –61 –61 –61
金融商
品合計 純額 –77 –5,357 4,904 –9,214 –1,128 2,509 –7,833
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金融商品の公正価値及び公正価値ヒエラルキーの内訳
2019年12月31日
公正価値
測定分類
分類 帳簿価額
償却 公正
原価 価値 レベル１ レベル２ レベル３ 合計
（百万ユーロ）
資産
現金及び現金同等物 5,314
1)
銀行預金
AC 2,877 2,877
1)
定期預金
AC 1,090 1,090
マネーマーケット及び類似のファ
ンド FVTPL 1,347 1,347 1,347 1,347
営業債権及びその他債権 8,037
1)
営業債権
AC 7,582 7,582
2)
その他債権
- 454
その他金融資産 2,633
債務証券 AC 27 27 27 27
株式 FVTPL 1,996 1,996 25 89 1,882 1,996
2)
関係会社への投資
- 16
定期預金 AC 41 41 41 41
退職給付制度に関する金融商品
2)
- 183
貸付金及びその他金融債権 AC 217 217 217 217
デリバティブ資産
ヘッジ手段として指定
FX先物契約 - 3 3 3 3
金利スワップ - 9 9 9 9
ヘッジ手段として指定なし
FX先物契約 FVTPL 33 33 33 33
株式報酬費用コールオプショ
ン FVTPL 95 95 95 95
株式コールオプション FVTPL 15 15 15 15
負債
営業債務及びその他債務 –1,589
1)
営業債務
AC –1,283 –1,283
2)
その他債務
- –306
金融負債 –16,196
非デリバティブ金融負債
借入金 AC –2,016 –2,016 –2,016 –2,016
社債 AC –10,533 –10,533 –10,003 –1,100 –11,103
私募債 AC –1,067 –1,067 –1,078 –1,078
その他非デリバティブ金融負債
3)
AC –2,498 –2,498 –296 –296
デリバティブ
ヘッジ手段として指定
FX先物契約 - –11 –11 –11 –11
金利スワップ - –16 –16 –16 –16
ヘッジ手段として指定なし
FX先物契約 FVTPL –55 –55 –55 –55
金融商
品合計 純額 –1,801 –5,564 3,416 –8,604 –4,086 1,896 –10,794
1) 現金及び現金同等物、営業債権、営業債務の簿価は公正価値に近似しているため公正価値の開示は行わない。
2) 営業債権、営業債務、その他金融資産は、金融及び非金融資産（負債）（例えば、その他税金、あるいは前払費用）を含んでいるため、
表示されている非金融資産あるいは負債の簿価は、連結財政状態計算書の内訳と一致する。
3) その他の非デリバティブ金融負債の項目に含まれるリース負債については、公正価値の個別の開示は要求されていない。
商品分類による金融商品の公正価値
2020年12月31日
（百万ユーロ）
帳簿 償却 公正
分類 価格 原価 価値
金融資産
損益を通じた公正価値 FVTPL 4,846 4,846
償却原価 AC 11,547 11,547
金融負債
損益を通じた公正価値 FVTPL –61 –61
償却原価 AC –16,904 –16,904
商品分類による金融商品の公正価値
2019年12月31日
（百万ユーロ）
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帳簿 償却 公正
分類 価格 原価 価値
金融資産
損益を通じた公正価値 FVTPL 3,486 3,486
償却原価 AC 11,834 11,834
金融負債
損益を通じた公正価値 FVTPL -55 -55
償却原価 AC -17,398 -17,398
公正価値の決定
公正価値測定に用いられた評価技法及びインプットに関しては下記の通りである。
継続的に公正価値で測定された金融資産
種類 公正価値ヒエ 公正価値の決定・評価技法 重要な観察不能なイ 重要な観察不能なイ
ラルキー ンプット ンプットと公正価値
測定の相互関係
その他の金融資産
マネーマーケット レベル1 活発な市場における市場価格 該当なし 該当なし
及び類似ファンド
債務証券への投資 レベル1 活発な市場における市場価格 該当なし 該当なし
上場株式投資 レベル1 活発な市場における市場価格 該当なし 該当なし
レベル2 活発な市場における市場価格 該当なし 該当なし
からそれぞれのプット・オプ
ションのプレミアムから派生
した譲渡制限部分の割引額を
控除したもの
継続的に公正価値で測定された金融資産（続き）
種類 公正価値ヒエ 公正価値の決定・評価技法 重要な観察不能なイ 重要な観察不能なイ
ラルキー ンプット ンプットと公正価値
測定の相互関係
その他の金融資産（続き）
非上場株式投資 レベル3 マーケットアプローチ。投資 -同等の企業 以下の場合、見積公
先会社と比較可能な会社の収 （収益乗数は1.3- 正価値は、増加（減
益乗数を用いた類似会社比較 21.4) 少）する
法。 -投資先の収益 -収益の乗数がより大
-販売可能性の不足に きい（小さい）
よる割引額 -投資先の収益がより
（10%-30%） 高い（低い）
-流動性がより低い
（高い）
マーケットアプローチ。予実 該当なし 該当なし
分析結果、現金持高、直近若
しくは予定している取引及び
市場の比較可能企業など様々
な質的、量的要素を評価する
ベンチャーキャピタルメソッ
ド。
最終ファイナンシング・ラウ 該当なし 該当なし
ンド評価
優先的分配権 該当なし 該当なし
純資産価値、それぞれのファ 該当なし 該当なし
ンドから報告された公正価格
株式報酬費用コー レベル2 モンテカルロモデル。 該当なし 該当なし
ルオプション リスクフリーレート、デリバ
ティブの残存期間、配当利回
り、株価及び株価の変動を考
慮して計算。
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株式コールオプ レベル3 マーケットアプローチ。予実 該当なし 該当なし
ション 分析結果、現金持高、直近若
しくは予定している取引及び
市場の比較可能企業など様々
な質的、量的要素を評価する
ベンチャーキャピタルメソッ
ド。
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継続的に公正価値で測定された金融資産（続き）
種類 公正価値ヒエ 公正価値の決定・評価技法 重要な観察不能なイ 重要な観察不能なイ
ラルキー ンプット ンプットと公正価値
測定の相互関係
その他の金融資産/金融負債
先物為替予約 レベル2 額面法を用いた割引キャッ 該当なし 該当なし
シュ・フロー。先物為替レー
トによる将来キャッシュ・フ
ローの見積額をそれぞれの契
約上の残存期間に渡り、それ
ぞれの預金金利及びスポット
レートにより割り引いてい
る。
金利スワップ レベル2 割引キャッシュ・フロー。見 該当なし 該当なし
積将来キャッシュ・フロー
は、観察可能なイールドカー
ブと約定金利を用いて見積
り、これを信用リスクを反映
した割引率により、現在価値
に割引いている。
公正価値で測定されない金融資産
種類 公正価値ヒエラルキー 公正価値の決定・評価技法
金融負債
固定金利債
レベル1 活発な市場における市場価格
（金融負債）
割引キャッシュ・フロー。
固定金利私募債・借入
固定金利及び元本の将来キャッシュ・アウ
レベル2
（金融負債） ト・フローは、契約毎の期間に渡り報告書日
時点の市場金利を用いて割り引かれている。
その他非デリバティブ金融資産（負債）及び変動金利金融負債については、取得原価が公正価値と概ね近似すると考えられ
る。
レベル１とレベル２の振替
処分の制限が解除され当該制限による割引が必要なくなったことによる株式投資のレベル2からレベル1への振替は2020年に
91百万ユーロであった(2019年は5百万ユーロ)。一方、レベル1からレベル2への移行は発生しなかった。
レベル３の公正価値の開示
以下の表は期首から期末における、非上場株式投資及びレベル3に分類される株式に対するコールオプションの公正価値の調
整を示す。
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レベル3の公正価値の調整
（百万ユーロ） 2020 2019
1月1日 1,896 1,202
振替
レベル３への振替 0 0
–201 -39
レベル３からの振替
取得 728 487
売却 –233 -183
損益
損益の金融収益（純額）に含まれる 501 411
その他包括利益の為替換算調整勘定に含まれる –183 18
12月31日 2,508 1,896
報告期間末に所有している投資の未実現損益の変動 376 318
レベル３からの振替は、投資先の株式公開によるものである。合理的に可能性がある代替的仮定を反映する観察不能なイン
プットの変更は、報告日時点でFVTPLとして保有される非上場株式の公正価値へ重要な影響を及ぼさない。
次へ
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セクションG - その他の開示項目
このセクションでは、取締役会、監査役会、関連当事者及びその他コーポレートガバナンスに関する事項を含む追加開示事
項及びその他の関連情報を記載している。
(G.1) 前払費用及びその他税金資産
2020 2019
（百万ユーロ）
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
前払費用 495 187 682 427 179 606
その他税金資産 209 52 261 225 87 312
合計 704 239 943 652 266 918
1,321 1,926 3,247 1,188 1,701 2,889
その他の非金融資産
前払費用及びその他税金資
53 12 29 55 16 32
産が その他の非金融資産
に占める割合(%)
前払費用は主に、オペレーティング・リース、サポートサービス、及びソフトウェアのロイヤルティにかかる前払で構成さ
れている。その他の税金資産は主に、付加価値税で構成されている。
(G.2) その他の税金負債
2020 2019
（百万ユーロ)
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
その他の税金負債 632 0 632 650 0 650
4,643 770 5,413 4,839 957 5,796
その他の非金融負債
その他の税金負債が その
14 0 12 13 0 11
他の非金融負債に占める割
合(%)
その他の税金負債は、主に付加価値税、給与税及び消費税で構成されている。
(G.3) 訴訟、損害賠償請求並びに法的偶発事象
この注記は、知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求、所得税に関する訴訟（注記（C.5）参照）を除く非課税取引に関連
する訴訟及び贈収賄禁止法、輸出管理に関する事項の開示である。
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法的事由に起因する不確実性
会計方針は注記(A.4)の訴訟、損害賠償請求を含む顧客に関連する引当金に示されており、その他の訴
訟、法的偶発事象についても同様に適用される。
訴訟及び損害賠償請求の結果は元来重要な不確実性にさらされている。経営者による訴訟に対する考え方
も将来変わる可能性がある。実際の訴訟及び損害賠償請求の結果は、過年度の経営陣による主張と異なる
可能性もあり、事業活動や財政状態、利益、キャッシュ・フロー、評判へ重要な影響を与える結果となり
得る。ほとんどの訴訟及び損害賠償請求には個々の性質があり、損害賠償請求は、 原告により定量化され
ていないか、定量化された請求額が、過去の経験から、その訴訟を解決するために必要な支出として妥当
でない場合のどちらかである。ほとんどの 損害賠償請求が帰属している管轄区分の特性により、さらに裁
判の結果を予測することは難しく、それゆえに、当社が費用を計上するとした場合においても、これらの
訴訟や損害賠償請求が引き起こすであろう財務的影響額について信頼性を持って見積もることは現実的で
はない。
加えて、これらの訴訟や損害賠償請求から生じる経済的便益の流出について、予測される時期は不確実で
あり見積もることが出来ない。なぜならそれらは通常、法的手続き及びそれらを解決するのに要求される
交渉の期間に依存するためである。
当社は通常の業務の過程からその時々に生じる様々な損害賠償請求及び訴訟にさらされており、それらには買収した会社に
関する訴訟手続及び損害賠償請求が含まれている。我々に対する損害賠償請求及び訴訟に対して、我々は積極的に正当性を主
張するつもりである。損害賠償請求及び訴訟について2020年12月31日現在計上されている引当金は、個別あるいは合計しても
SAPに重要な影響を与えるものではない。
この注記において開示されている損害賠償請求及び訴訟は、以下の通りである。
知的財産訴訟及び損害賠償請求
知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求には、第三者が保有する単一の又は複数の知的財産権をSAPが侵害したとして、第
三者からの訴訟の通告又は提起するケースがある。ここでいう知的財産権とは、特許権、著作権及びその他の類似する権利を
含む。
引当金を認識していない知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求に対して偶発債務が存在するが、通常、訴訟や損害賠償
請求は不確実性を有するため、関連する偶発債務の財務的影響額を見積もることは現実的ではない。原告より賠償請求額が明
示されている知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求の賠償請求額の合計額は、2020年及び2019年12月31日時点において重
要ではない。我々の過去の経験に基づくと、ほとんどの知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求は法廷で却下されるか、当
初の賠償請求額よりも著しく低い金額により法廷外で和解する傾向があり、我々の連結財務諸表に対して重要でない。2020年
12月31日現在係争中の知的財産関連の請求及び訴訟の解決は、個別にも全体としても当社の事業、財政状態、利益又はキャッ
シュ・フローに重大な悪影響を及ぼすものではないと我々は考えている。
個別の知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求は、以下の通りである。
2018 年6月、Teradata Corporation、Teradata US, Inc及びTeradata Operations, Inc（総称して、「Teradata」と呼ぶ）
は、SAP SE、SAP America, Inc及びSAP Labs, LLCに対する民事訴訟をカルフォルニアの連邦裁判所へ申し立てた。Teradataの
主張によると、SAPはTeradataの企業秘密を不正流用し、著作権を侵害し（現在、この申し立ては取り下げられている）、米国
の独占禁止法に違反していたとしている。Teradataは金銭未指定の損害賠償請求及び差し止めによる救済を要求している。
2019年にSAPはTeradataに対して特許権侵害に係る反訴を行い、金銭による損害賠償請求及び差し止めによる救済を求めてい
る。裁判は、2021年後半に予定されている。2020年、TeradataはSAPに対し2回目の民事訴訟を開始し、特許権侵害を主張し金
銭による損害賠償請求及び差し止めによる救済を求めている。2回目の訴訟による裁判は、2022年後半に予定されている。
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アメリカを本拠地とするTecSec, Inc.が、アメリカにおいてSAP（子会社のSybaseを含む）、及びその他多数の被告に対して
2010年に訴訟手続を起こし、不特定の金銭的損害賠償及び恒久的な使用差し止めの救済を求めた訴訟は、2020年に和解した。
非課税取引に関連する訴訟
我々は、引き続き国内及び海外の税務当局による調査を受けている。我々は関係会社とのロイヤリティーの支払やサービス
取引を非課税とすることについての評価や訴訟に関して、ごく少数の海外の税務当局との間で様々な訴訟手続に関与してい
る。全ての対象年度においてこれらの問題に関連して発生する可能性のある合計金額は約154百万ユーロ(2020年度：189百万
ユーロ)である。我々は、これらの問題について勝訴すると考えており、これらの問題に対して引当金を計上していない。
税金関連の訴訟については、注記（C.5）参照。
贈賄防止法及び輸出管理に関する事項
当社は米国（連邦海外腐敗行為防止法（FCPA）を含む）及びその他の国において贈収賄防止法に違反する可能性があるとい
う通知及び内部告発を受けている。これに対し、SAPのオフィス・オブ・エシックス・アンド・コンプライアンス（OEC）（旧
リーガル・コンプライアンス・アンド・インテグリティー・オフィス）は、米国証券取引委員会（U.S.SEC）、米国司法省
（U.S.DOJ）に加え、潜在的な違反の可能性のある地域の当局の協力を得て調査を実施している。潜在的な違反の可能性のある
地域の当局、U.S.SEC、U.S.DOJとの協議、調査は現在進行中である。
申し立てされている行為により、FCPA及びその他の贈賄防止法に基づく金銭的罰則又はその他の制裁を受ける可能性があ
る。さらに、特定の管轄下では、当社のビジネス遂行上、悪影響を受ける可能性がある。包括的かつ徹底した調査及び対応す
る是正活動は継続中である。南アフリカにおいて、SAPは進行中の調査に関連した係争中の民事訴訟の解決に努めている。個々
の要因の複雑性、及び多数の未解決問題が存在する現段階では財務に影響を与えるリスクを完全に評価することは不可能であ
る。
さらに、一部の独立したSAPパートナーが当社の契約条件に違反し、輸出禁止国及び制裁対象の事業体で、SAP製品とサービ
スの販売を行った件について引き続き調査している。これらのSAPパートナーは間接的事業活動に係る当社の厳格な手続きを遵
守していなかった。当社から独立した企業が当社のライセンス手続を遵守してないとしても、当社がそのような行為を阻止す
るには限界がある。当社は、そのような違反行為を防止し軽減するために相当のリソースを費やしている。我々はまた、輸出
禁止国における、我々から未承認の行為を行う顧客への直接販売に関する提起についても調査している。この調査は外部法律
事務所及びフォレンジックアドバイザーの協力の下、SAPのOECと輸出管理チームによって行っている。
この件に関連して、SAPは、2017年9月、U.S. DOJと米国財務省外国資産管理局（OFAC）に、潜在的な輸出管理と経済制裁違
反について自主的に自己開示した。2017年10月に、SAPは、輸出制限事項に関するSECからのコメントレターに回答し、U.S.SEC
に通知を提供した。SAPはまた、本件について米国商務省産業セキュリティー局（BIS）に開示を提供した。これにより、米国
の制裁や輸出管理法に基づき罰金などの制裁が科される可能性がある。SAPは現在、これらの問題の解決に関して、米国当局と
関与している。
当社は是正措置として、特定のエンドユーザーのSAP製品及びサービスに対するアクセス停止を行い、当社又はSAPパート
ナーとの今後の事業活動を停止している。当社は、新たな内部統制を含む輸出管理コンプライアンスプログラムの強化を実施
し、特に高リスク国に焦点を当てた輸出管理コンプライアンスチームを強化した。
また、当社は高リスクの地域に拠点を置くSAPパートナーへ独立した第三者によるデューデリジェンスを要求している。当社
は、イラン及びその他輸出禁止国における販売、輸出、SAPソフトウェア及びサービスを制限する法律を含む、経済制裁及び輸
出管理に関する全ての米国、EU、及びドイツの法律を遵守することをコミットしている。
包括的かつ徹底的な調査と対応する改善活動は継続中であり、個々の要因の複雑性、及び多数の未解決問題が存在する現段
階ではリスクを包括的に完全に評価することは不可能である。
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上記の理由により、この点に関して贈賄防止法違反、輸出制限違反による現時点での義務の有無、また義務がある場合の金
額を確実に見積もることは現段階では不可能である。当社は、2020年の連結財務諸表において、これらの潜在的な違反に対す
る重要な引当金を認識していない。また、潜在的な違反により生じるいかなる法的偶発事象について財務的な影響を見積もる
こ とは不可能である。
(G.4) 取締役会
2020 年12月31日時点でのSAPの子会社を除く監査役会
取締役会
及びその他のコーポレートガバナンスメンバー
Christian Klein （クリスチャン・クライン）
最高経営責任者（CEO） adidas AG, Herzogenaurach 、ドイツ 監査役会メン
企業開発・戦略、セキュリティ・秘密厳守、コンプ
バー(2020年8月11日就任)
ライアンス、グローバル企業業務、グローバル・
マーケティング
Sabine Bendiek （サビーネ・ベンディーク） (2021年1月1日就任)
最高人材活用責任者、労使関係監督、人事戦略、 Schaeffler AG, Herzogenaurach 、ドイツ、監査役会
経営革新、指導力育成、人材開発 メンバー
Luka Mucic （ルカ・ムシッチ）
最高財務責任者 (CFO) 、IRを含むグローバル財務管 HeidelbergCement AG, Heidelberg 、ドイツ 監査役
理、内部監査、データ保護及び個人情報対策、業務
メンバー
プロセス情報
Jürgen Müller （ユルゲン・ミュラー）
最高情報責任者 DFKI GmbH, Kaiserslautern 、ドイツ、監査役会メン
テクノロジーアンドイノベーション
バー
テクノロジーアンドイノベーションストラテジー、
SAP HANAデータベース、SAPビジネステクノロジープ
ラットフォーム、アナリティクス、クラウドインフ
ラストラクチャ
Scott Russell （スコット・ラッセル）(2021年2月1日就任)
カスタマーサクセス
販売、サービス、提携企業、顧客のエンゲージメン
トを含むグローバル領域の組織
Thomas Saueressig （トーマス・サウエレッシグ）
SAP プロダクトエンジニア
全てのSAPアプリケーションのグローバル責任者、
クラウドオペレーションと製品サポート、クロス開
発機能、エンタープライズクラウドサービス
2020 年から2021年に退任した取締役メンバー
Michael Kleinemeier （2020年4月30日退任）
Jennifer Morgan (2020 年4月30日退任)
Stefan Ries (2020年5月31日退任)
Adaire Fox-Martin(2021 年6月30日退任、取締役会メンバー2021年1月31日退任)
2020 年12月31日時点でのSAPの子会社を除く監査役会
監査役会
及びその他のコーポレートガバナンスメンバー
(2),(4),(6),
Prof. Dr. h.c. mult. Hasso Plattner （ハッソ・プラットナー博士、議長）
監査役会議長
(1),(2),( ３)
Margret Klein-Magar （マルグレート・クライン・メイガー）
副議長
SAP OB ・OG関係担当副社長、SAP SEシニアマネジャー
代表者委員会会長
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(2),(6),(7)
Dr. h. c. mult. Pekka Ala-Pietilä （ペッカ・アラ・ピエティラ博士）
Huhtam ä ki oyj （フィンランド、エスポー）取締役会 Sanoma Corporation （フィンランド、ヘルシンキ）取
議長 締役会長
(1),( ２),(３),(５)
Panagiotis Bissiritsas （パナギオティス・ビシリタス）
SAP SE 労使協議会会員
SAP SE 労使協議会会員（ヨーロッパ）
(2),(4),( ７)
Aicha Evans （アイシャ・エバンス）
Zoox, Inc. （フォスター・シティー、カリフォルニア、
米国）
最高経営責任者及び取締役会メンバー
Joby Aviation LLC （サンタクルーズ、カリフォルニ
ア、米国）
取締役会メンバー(2020年12月23日就任)
Prof. Dr. Gesche Joost （ゲッシェ・ユースト博士）
(4),(8)
ドイツ、ベルリン芸術大学デザイン・リサーチ研究室 Ottobock SE & Co. （KGaA 、ドゥーダーシュタット 、ド
教授及び室長
イツ）監査役会メンバー
ING-DiBa AG （フランクフルト、ドイツ）監査役会メン
バー
(1),( ４),(７)
Monka Kovachka-Dimitrova （モニカ・コヴァチカ・ディミトロワ）
チーフプロジェクトエキスパートディベロップメント
SAP SE 労使組合協議会会員（ヨーロッパ）
(1),(2),( ４)
Lars Lamadé （ラース・ラマデ）
スポンサーシップ担当代表(ヨーロッパ、アジア) Rhein-Neckar Lowen GmbH （クローナウ、ドイツ） 監査
役会メンバー
(2),(4),(6)
Bernard Liautaud （ベルナルド・リオトー）
Balderton Capital のマネージング・パートナー（ロ nlyte Software Ltd. （イギリス、ロンドン）取締役
ンドン、イギリス） Vestiaire Collective SA （ルヴァロア＝ペレ、フラ
ンス）取締役
Dashlane, Inc. （ニューヨーク、ニューヨーク、米
国）取締役
Qubit Digital Ltd. （ロンドン、イギリス）取締役
Aircall.io （ニューヨークシティ、ニューヨーク、
米国）取締役
Virtuo Technologies ( パリ、フランス)取締役
The Hut Group （マンチェスター、イギリス）取締役
( 2020年8月26日就任)
Peakon Aps （コペンハーゲン、デンマーク）取締役
Tim Talent SAS （パリ、フランス）取締役
Citymapper Ltd. （ロンドン、イギリス）取締役
Toucan Toco SAS （パリ、フランス）取締役
Traefik Labs SAS ( リヨン、フランス)取締役
Dr. Qi Lu （チー・ルー） （2020年12月21日就任）
CEO, MiraclePlus Ltd. （北京、中国） Pinduoduo Inc. （上海、中国）取締役
Pine Field Holding Limited （ケイマン諸島）取締役会
議長
Pine Field Holding Limited （香港、中国）取締役会議
長
Pine Field Ltd. （北京、中国）取締役会議長
(3),(4),
Gerhard Oswald （ゲルハルト・オズワルド）
(5), (6) (7)
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Osward Consulting GmbH （ヴァルドルフ、ドイツ）マ TSG 1899 Hoffenheim Fußball-Spielbetriebs GmbH （ジ
ネージングディレクター ンスハイム、ドイツ）顧問委員会メンバー
(1),
Christine Regitz （クリスティーネ・レギッツ）
(２),(４),(5)
ユーザー・エクスペリエンス担当副社長、製品専門家
チーフ
(2), (3),(5)
Dr. Friederike Rotsch （フリーデリーケ・ローチュ博士）
Merck KgaA のグループ一般理事会構成員およびグルー
プ法務・コンプライアンス責任者
(1),( ４),(７)
Heike Steck （ハイケ・ステック）
シニアオペレーティングマネージャー
SAP SE 労使組合協議会会員（ヨーロッパ）
(1),( ４),(７)
Christa Vergien-Knopf （クリスタ・ヴェルジエン・クノフ）
SAP SE 労使組合協議会会員（ヨーロッパ）
(3),(5)
Dr. Gunnar Wiedenfels
Discovery Inc （ニューヨーク、ニューヨーク、米 Motor Trend Group, LLC( エル・セグンド、カリフォル
国）最高財務責任者 ニア、米国)取締役
OWN LLC （ウェスト・ハリウッド、 カリフォルニア、米
国）取締役
Magnolia Discovery Ventures, LLC （ウェーコ, テキサ
ス, アメリカ）取締役
(1),(3),(4), (5)
James Wright （ジェームズ・ライト）
SAP SE 労使組合協議会（ヨーロッパ）議長
(1),( ２),(７)
Ralf Zeiger （ラルフ・ザイガー）
SAP SE 労使組合協議会議長
SAP SE 労使組合協議会会員（ヨーロッパ）
2020 年度に監査役会を退任したメンバー
Diane Greene (2020 年12月9日退任)
(1) SAP SE 労使組合協議会（ヨーロッパ）により選出された。
(2) 総務報酬委員会の委員
(3) 監査委員会の委員
(4) 技術戦略委員会の委員
(5) 金融投資委員会の委員
(6) 指名委員会の委員
(7) 人材組織委員会の委員
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（G.5） 取締役会及び監査役会報酬
会計方針
以下の「取締役会報酬」の表に記載されている株式報酬の金額は、確認状年度のシェア・ユニットの付与
日の公正価値に基づいている。2020年には、LTI2020に、2019年と2018年には、LTI2016の計画に基づい
て、取締役会メンバーにシェア・ユニットが発行された。
「取締役会メンバーに対する株式報酬」の表において、株式報酬費用は、それぞれの会計期間において
IFRS2号（株式に基づく報酬）に基づき利益又は損失に計上されている。
2020 年、2019年及び2018年における取締役会メンバーの総報酬額は以下の通りである。
取締役会報酬
（千ユーロ）
2020 2019 2018
短期従業員給付 5,094 17,378 18,652
(1)
株式報酬
23,095 32,393 23,646
(1)
小計
28,189 49,771 42,298
退職後給付 488 2,825 1,106
－ うち、確定給付
487 2,056 250
－ うち、確定拠出 1 769 856
(1)
合計
28,677 52,596 43,404
(1 ）役員報酬合計額の一部が各年に配分されている。
取締役会メンバーに対する株式報酬
2020 2019 2018
付与された単元株式数 201,690 344,047 295,178
費用総額（千ユーロ） 11,173 44,447 8,054
取締役会メンバーの年金に係る確定給付債務（DBO）と、業績ベースの給与連動プランからなる給付をもとにした62歳以上の
取締役会メンバーへの年間年金受給額は以下の通りである。
取締役会メンバーに対する退職年金制度
2020 2019 2018
( 千ユーロ)
12 月31日時点のDBO 3,520 5,497 3,441
年間年金受給額 98 215 192
監査役会のメンバーへの総報酬額は以下の通りである。
監査役会総報酬額
2020 2019 2018
( 千ユーロ)
報酬総額 3,755 3,770 3,702
内、固定報酬 3,149 3,218 3,162
内、委員会報酬 606 553 540
監査役会のメンバーは自身の業務に対していかなる株式報酬も受け取っていない。監査役会において従業員を代表している
メンバーは、株式報酬を受け取っているが、それら株式報酬は従業員としての勤務に対するもののみであり、且つ、監査役会
におけるメンバーとしての彼らの地位とは無関係である。
取締役会メンバーへの支払/DBO額
2020 2019 2018
( 千ユーロ)
支払 3,010 2,081 2,054
DBO （12月31日時点） 44,043 44,306 38,374
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当社は、2020年、2019年及び2018年の会計年度において、取締役会及び監査役会のメンバーに対して、いかなる報酬の事前
提供又は信用供与も便益に対するコミットメントも行っていない。
(G.6) 役員報酬以外の関連当事者間取引
SAP ＳＥの特定の監査役会のメンバーは、他の企業に対して重要な責任を負う地位にあるか、もしくは昨年度中にその地位
にあった。当社はこれらの企業のうち何社かと通常の取引条件にて事業をおこなっており、独立第三者間取引にて合理的と考
えられる金額と同様の金額で製品、資産並びにサービスを売買している。
SAP SE の監査役会長であり、SAPのチーフソフトウェア・アドバイザーであるハッソ・プラットナーにより支配されている会
社は、SAPへのコンサルティングサービスの提供、SAPよりスポーツスポンサー料の受取、SAP製品及びサービスの購入を行って
いる。
SAP SE の取締役会のメンバーは、SAPからサービス提供を受けた際に独立第三者間取引にて合理的と考えられる金額でその対
価を支払うことがある。
表示されている全ての期間において、上記取引に関連するすべての金額はSAPにとって金額的に重要でない。
当社が監査役会のメンバーが支配している会社への製品及びサービスの販売総額は、3百万ユーロ（2019年: 9百万ユー
ロ）、これらの会社からの製品及びサービスの購入額は、2百万ユーロ（2019年: 2百万ユーロ）、これらの会社へのスポン
サー及びその他の財務支援は4百万ユーロ（2019年: 4百万ユーロ）である。これらの会社との取引に伴う期末債権残高は0百万
ユーロ（2019年: 0百万ユーロ）、期末債務残高は0百万ユーロ（2019年: 0百万ユーロ）である。これら全ての残高は無担保、
無利息で、現金での精算が想定されている。これらの会社に対する我々の製品或いはサービス購入及びスポンサー及び財務支
援のコミットメント（最長4年）は、2020年12月31日現在で10百万ユーロ（2019年: 14百万ユーロ）である。
当社が取締役会及び監査役会のメンバーへのサービス提供金額は、0百万ユーロであった。（2019年: 0百万ユーロ） 監査
役会のメンバー（SAP従業員の監査役会における従業員代表としてのサービスを含む）から提供を受けているサービス総額は2
百万ユーロ（2019年:2百万ユーロ）である。これら取引による監査役会への2020年12月31日現在の未支払債務残高は0百万ユー
ロ（2019年: 0百万ユーロ）である。これら全ての残高は無担保、無利息で、現金での精算が想定されている。
我々の取締役会及び監査役会のメンバーに対する報酬の情報については、注記(G.5)を参照。
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(G.7) 主要な会計監査人に対する報酬及びサービス
2020 年5月20日に開催された年次株主総会において、SAPの株主はKPMG法人を2020年の当社の独立監査人として指名した。
KPMG法人は、2002年度より主要な監査人である。KPMG法人及びKPMGグローバルネットワークに属するその他の法人に対する、
2020年以前の監査及びその他専門家サービスについての報酬の状況は以下のとおりである。
監査及びその他専門家サービスに対する報酬
2020 2019 2018
（百万ユーロ）
KPMG 法人 海外の KPMG 法人 海外の KPMG 法人 海外の
（ドイ KPMG 合計 （ドイ KPMG 合計 （ドイ KPMG 合計
ツ） 法人 ツ） 法人 ツ） 法人
監査報酬 3 9 12 3 7 10 3 6 9
監査関連報酬 0 1 2 0 1 1 0 0 0
税務報酬 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他の報酬
3 10 14 3 8 10 3 6 9
合計
監査報酬は、KPMGが当社及びその子会社の法定財務書類の監査及び連結財務諸表の監査に対して請求した報酬、及び
Qualtricsの新規株式公開に関する監査報酬である。監査関連報酬は、我々の財務諸表の監査及びレビューの実施に合理的に関
連する、業務受託会社への保証手続に対してKPMGによって請求された報酬である。
(G.8) 後発事象
Qualtrics の新規株式公開（IPO）
2021年1月28日付で、Qualtrics International Inc. (以下Qualtrics)は、Nasdaq株式市場（以下NASDAQ）で株式の12％を発
行した。Qualtricsは、私募取引を含めた総発行額23億米ドルで、8,200万株の新株を発行した。SAPは、増資を行わなかったこ
とで、SAPの所有割合は83%に減少したが、SAPは継続して高比率議決権付き株式のB種類株式を保有していることで、現在の議
決権は98%超となっている。
IPOに関連してQualtricsは、Qualtricsの従業員の既存の株式報酬（Qualtrics RightsとMove SAP RSUs）を、QualtricsのA
種類株式のIPO価格に基づく交換比率で（交換比率は、入札されるQualtrics Rights及びMove SAP RSUの本質的価値を維持する
ように設計されている）、Qualtricsの基礎となる株式による報酬と交換する自発的な交換の申し出を実施した。交換の申し出
は、株式報酬の受給資格を持つ従業員に限定されており、Qualtricsが発行した交換申し出に関する目論見書に詳細に記載され
ている通り、様々な契約条件が適用される。
組織変更
2021 年の初めに、当社は簡素化及び統一化の推進のため組織構造を変更した。この組織変更は、当社のセグメント報告にも
影響を与えるものである。SAPは、新しい組織構造の下、当社の経営報告を再定義するプロセスを開始しており、セグメント報
告についてもこれに続くことになる。
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リストラクチャリング
当社のクラウドインフラの近代化を加速させ、プラットフォーム構造を調和させるために、当社はグローバル・クラウド・
サービスの領域でリストラクチャリング・プログラムを実施する。その実施は、2021年第1四半期に開始され、2022年末まで継
続される。リストラクチャリング費用の合計は、1億5,000万ユーロから2億ユーロになると予測されている。これらの費用の大
部分は、データセンター及び関連資産の減損である。
Signavio の買収
2021 年1月に、当社はエンタープライズ・ビジネスプロセスインテリジェンス及びプロセス管理分野のリーダーである
Signavio GmbHを買収する契約を締結したことを発表した。初期購入価格は、950百万ユーロである。この取引は、規制当局の
承認を受けて2021年の第1四半期に完了する予定である。
（G.９） 連結の範囲、子会社及びその他の持分投資
連結財務諸表に含まれる企業
合計
2018 年12月31日 265
追加取得
20
-21
処分
2019 年12月31日 264
追加取得
17
–12
処分
2020 年12月31日
269
追加取得は、買収や設立に関連して追加となった法人である。処分は主に法人の合併や清算によるものである。
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子会社
2020 年 2020 年 2020 年
2020 年 税引後 12 月31日 12 月31日
現在持分 現在従業員総 注記
1) 1) 1) 2)
収益総額 利益/損失 総額 数
2020 年12月31日現在 所有割合
% （千ユーロ） （千ユーロ） （千ユーロ）
会社の名称及び所在地
主要な子会社
Ariba Technologies India
Private Limited, バンガ
71,814
ロール,インド 100.0 5,856 27,694 1,163
Ariba Inc., パロアルト,カ
ルフォルニア,アメリカ 100.0 1,364,062 393,506 4,384,584 1,905
Concur Technologies,
Inc., ベルビュー,ワシント
ン,アメリカ 100.0 1,704,448 69,886 7,093,719 3,734
Qualtrics. LLC, ウィルミン
トン,デラウェア,アメリカ 100.0 687,972 –595,614 5,490,095 2,431
SAP (China) Co., Ltd., 上
海,中国 100.0 948,426 2,287 –189,703 5,750 16)
SAP(UK) Limited, フェルサ
ム, イギリス
100.0 1,189,692 81,641 74,774 1,738 10)
SAP America, Inc., ニュー
タウンスクェア, ペンシル
バニア, アメリカ
100.0 6,038,852 176,711 18,092,145 8,352
SAP Argentina S.A., ブエ
ノスアイレス, アルゼンチ
ン
955
100.0 160,724 –9,749 2,164 16)
SAP Asia Pte Limited, シ
ンガポール, シンガポール 100.0 499,457 80 –12,285 1,102 16)
SAP Australia Pty Ltd, シ
ドニー, オーストラリア
100.0 694,917 27,323 36,783 1,218
SAP Brasil Ltda, サンパウ
ロ, ブラジル
100.0 463,326 –43,524 –39,474 2,138 16)
SAP Canada, Inc., トロン
ト, カナダ
2,985
100.0 957,871 71,104 525,856
SAP Deutschland SE & Co.
KG, ヴァルドルフ, ドイツ
100.0 4,571,609 926,552 1,843,908 4,580 7),9)
SAP España – Sistemas,
Aplicaciones y Productos
en la Informática,
S.A., マドリード, スペイ
ン 100.0 507,960 40,841 311,958 740
SAP France, ルヴァロワ・
ペレ,フランス 100.0 1,089,190 220,940 1,717,909 1,482
221/352
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SAP Hungary Rendszerek,
Alkalmazások és Termékek
az Adatfeldolgozásban
Informatikai Kft., ブダペ
スト,ハンガリー 100.0 119,694 2,145 19,777 1,004
SAP India Private
Limited, バンガロール, イ
ンド 100.0 642,886 111,812 383,157 2,002
SAP Industries, Inc.,
ニュータウン スクェア, ペ
ンシルバニア, アメリカ
100.0 647,524 138,575 933,749 297
SAP Italia Sistemi
Applicazioni Prodotti in
Data Processing S.p.A.,
ヴィメルカーテ, イタリア 723
100.0 582,922 41,776 378,505
SAP Japan Co., Ltd., 東
京, 日本
100.0 1,275,694 139,717 369,854 1,306
SAP Labs India Private
Limited, バンガロール, イ
ンド 100.0 567,938 46,409 194,632 9,087
SAP Labs, LLC, パロアル
ト, カルフォルニア, アメ
リカ 100.0 562,386 22,091 414,651 1,921
SAP México S.A. de C.V.,
メキシコシティ,メキシコ 100.0 413,748 44,125 78,011 908 16)
SAP National Security
Services, Inc., ニュータ
ウン スクェア, ペンシルバ
ニア, アメリカ
100.0 760,560 149,624 479,669 536
SAP Nederland B.V., スヘ
ルトーヘンボス, オランダ
100.0 701,572 68,342 262,769 591 11)
SAP Service and Support
Centre (Ireland) Limited,
ダブリン, アイルランド 1,625 5
100.0 191,745 15,292 66,607
SAP Services s.r.o., プラ
ハ, チェコ
100.0 71,524 729 12,875 1,074
SuccessFactors, Inc.,
ニュータウン スクェア, ペ
ンシルバニア, アメリカ
100.0 816,597 317,427 4,131,532 931
222/352
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会社の名称及び所在
会社の名称及び所在 所有 所有 注記
注記 地
地
割合 割合
% %
3)
その他の子会社
“SAP Kazakhstan“ Concur (France)
LLP, アルマトイ, 100.0 SAS, パリ, フラン 100.0
カザフスタン ス
110405, Inc.,
Concur (Germany)
ニュータウン ス
GmbH, フランクフル
100.0 100.0 8),9)
クェア, ペンシルバ
ト・アム・マイン,
ニア, アメリカ
ドイツ
Abakus Ukraine
Concur (Japan)
Limited Liability
100.0 97.1
Ltd., 東京, 日本
Company, キエフ,
ウクライナ
Ambin Properties
Proprietary Concur (New
Limited, Zealand) Limited,
100.0 100.0 14)
Johannesburg, ヨハ ウェリントン,
ネスブルグ, 南アフ ニュージーランド
リカ共和国
Apex Expert Concur
Solutions LLC, (Philippines)
100.0 100.0
アーリントン, バー Inc., マカティシ
ジニア, アメリカ ティ, フィリピン
Concur
Ariba Czech
(Switzerland)
s.r.o., プラハ, 100.0 100.0 13)
GmbH, チューリッ
チェコ共和国
ヒ, スイス
Ariba India Concur Holdings
Private Limited, (France) SAS, パ
100.0 100.0
グルガオン, インド リ, フランス
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会社の名称及び所在 所有 会社の名称及び所在 所有
注記 注記
地 割合 地 割合
% %
Ariba
Concur Holdings
International
(Netherlands)
Holdings, Inc.,
100.0 100.0 11)
B.V., アムステルダ
ウィルミントン, デ
ム, オランダ
ラウェア, アメリカ
Ariba Concur
International Technologies
Singapore Pte Ltd, 100.0 (Australia) Pty. 100.0
シンガポール, シン Limited, シドニー,
ガポール オーストラリア
Ariba
Concur
International,
Technologies (Hong
Inc., ウィルミン 100.0 100.0
Kong) Limited, 香
トン, デラウェ
港, 中国
ア, アメリカ
Concur
Ariba Slovak
Technologies
Republic, s.r.o. ，
(India) Private
100.0 100.0
コシツェ，スロバキ
Limited, バンガ
ア
ロール, インド
Ariba Software
Concur
Technology
Technologies
Services
100.0 (Singapore) Pte 100.0 16)
(Shanghai) Co.,
Ltd, シンガポール,
Ltd., 上海, 中国
シンガポール
Concur
Ariba Technologies
Technologies (UK)
Netherlands B.V.,
100.0 11) 100.0 10)
Limited, ロンドン,
スヘルトーヘンボ
ス，オランダ イギリス
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所有 会社の名称及び所 所有
会社の名称及び所在地 注記 注記
割合 在地 割合
% %
ConTgo
Business Objects
Consulting
Holding B.V., スヘル
100.0 11) 100.0 10)
Limited, ロンド
トーヘンボス，オラン
ダ ン, イギリス
Business Objects
ConTgo Limited,
Option LLC, ウィルミ
100.0 ロンドン, イギリ 100.0 10)
ントン, デラウェア,
ス
アメリカ
Crystal
Business Objects
Decisions
Software Limited,
(Ireland)
(Trading as SAP 100.0 100.0 12)
Limited, ダブリ
Solutions), ダブリン,
ン, アイルランド
アイルランド
Crystal
Callidus Software
Decisions (UK)
Inc., ダブリン , カ
100.0 100.0 10)
Limited, ロンド
リフォルニア, アメリ
ン, イギリス
カ
Crystal
Callidus Software Decisions
Ltd., フェルサム, イ Holdings
100.0 10) 100.0 12)
ギリス Limited, ダブリ
ン, アイルランド
Datahug Limited,
Callidus Software
ダブリン, アイル
Pty. Ltd., シドニー, 100.0 100.0
ランド
オーストラリア
CallidusCloud
Delighted LLC.,
(India) Pvt. Ltd.,
ウィルミントン,
100.0 100.0
ハイデラバード, イン デラウエア,アメ
リカ
ド
225/352
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所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
CallidusCloud
Ebreez Egypt LLC, カ
(Malaysia) Sdn. Bhd.,
100.0 100.0
イロ, エジプト
クアラルンプール, マ
レーシア
CallidusCloud Holdings
Emarsys Beijing
Pty. Ltd., シドニー,
100.0 100.0 4)
Limited, 北京,中国
オーストラリア
CallidusCloud Pty. Emarsys eMarketing
Ltd., シドニー, オース Systems AG, ウィーン,
100.0 100.0 4)
トラリア オーストリア
Emarsys İ leti ş im
Christie Partners
Sistemleri Tic. Ltd
Holding C.V., スヘル
100.0 100.0 4)
Ş ti., イスタンブー
トーヘンボス, オランダ
ル, トルコ
Emarsys Interactive
C-Learning Pty. Ltd.,
Services GmbH, ベルリ
シドニー, オーストラリ 100.0 100.0 4)
ン, ドイツ
ア
ClearTrip Inc.
Emarsys Limited, 香
(Mauritius), エベー 100.0 100.0 4)
港, 中国
ヌ, モーリシャス
Emarsys North
ClearTrip Inc., ジョー America, Inc., イン
57.0 100.0 4)
ジタウン, ケイマン諸島 ディアナポリス, イン
ディアナ, アメリカ
ClearTrip MEA FZ LLC., Emarsys Pte Ltd, シン
ドバイ, アラブ首長国連 100.0 ガポール, シンガポー 100.0 4)
邦 ル
ClearTrip Packages and
Emarsys Pty Ltd, シド
Tours Private Limited,
100.0 100.0 4)
ニー, オーストラリア
ムンバイ, インド
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会社の名称及び所 所有 所有
注記 会社の名称及び所在地 注記
在地 割合 割合
% %
ClearTrip Private
Emarsys S.A.S., ルヴァ
Limited, ムンバ
100.0 100.0 4)
ロワ＝ペレ, フランス
イ, インド
ClearTrip Travel
Emarsys Schweiz GmbH,
& Holidays LLC.,
49.0 5) 100.0 4)
チューリッヒ, スイス
ドバイ, アラブ首
長国連邦
Clicktools
Emarsys UK Ltd, ロンド
Limited, フェルサ
100.0 10) 100.0 4)
ン, イギリス
ム, イギリス
CNQR Operations
EMARSYS-Technologies
Mexico S. de.
Informatikai
R.L. de. C.V., メ
100.0 100.0 4)
Szolgáltató Kft.,
キシコシティ, メ
ブダペスト, ハンガリー
キシコ
Ess Cubed Procurement
Concur (Canada),
Proprietary Limited,
Inc., トロント, 100.0 100.0
ヨハネスブルク, 南アフ
カナダ
リカ
Extended Systems,
Concur (Czech)
Inc., サンラモン, カリ
s.r.o., プラハ, 100.0 16) 100.0
フォルニア, アメリカ
チェコ
Financial Fusion,
Inc., サンラモン, カリ
100.0
フォルニア, アメリカ
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会社の名称及び所在 所有 会社の名称及び所 所有
注記 注記
地 割合 在地 割合
% %
Flyin Holding
Limited, ドバイ, 100.0
アラブ首長国連邦
Flyin Travel and
Tourism Private
100.0
Limited, ハイデ
ラード, インド
Flyin Travel
Limited, リマソー
100.0
ル, キプロス共和
国
228/352
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会社の名称及び所 所有 会社の名称及び所 所有
注記 注記
在地 割合 在地 割合
% %
Qualtrics
Flyin Travel
International
S.A.E, カイロ, エ
100.0 99.0 17)
Inc., ウィルミン
ジプト
トン,デラウエア,
アメリカ
FreeMarkets
Qualtrics Japan
Ltda., サンパウ
100.0 100.0
LLC., 東京,日本
ロ, ブラジル
Gigya UK Ltd, Qualtrics Sweden
フェルサム, イギ 100.0 10) AB. ストックホル 100.0
リス ム,スウェーデン
Qualtrics
Hipmunk, Inc., サ
Technologies
ンフランシスコ,
100.0 100.0
Spain, S.L.U., マ
カリフォルニア,
ドリード,スペイ
アメリカ
ン
hybris (US)
QUL Technologies
Corp., ウィルミン
100.0 Limited, ロンド 100.0 10)
トン, デラウェア,
ン,イギリス
アメリカ
SAP (Beijing)
hybris GmbH, ミュ Software System
100.0 8),9) 100.0
ンヘン, ドイツ Co., Ltd., 北京,
中国
Inxight Federal
SAP (China)
Systems Group,
Holding Co.,
Inc., ウィルミン 100.0 100.0
Ltd., 北京, 中国
トン, デラウェア,
アメリカ
229/352
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会社の名称及び所在 所有 会社の名称及び所在 所有
注記 注記
地 割合 地 割合
% %
IP Asset
SAP (Schweiz) AG,
Holdings.LLC, プロ 100.0 100.0
ビール, スイス
ボ,ユタ,アメリカ）
SAP Andina y
LeadFormix, Inc.,
del.Caribe C.A.,
ダブリン, カリフォ
100.0 100.0 16)
カラカス, ベネズエ
ルニア, アメリカ
ラ
Learning Heroes SAP AZ LLC, バ
Ltd., フェルサム, 100.0 10) クー, アゼルバイ 100.0 16)
イギリス ジャン
SAP Belgium –
Systems,
Learning Seat
Applications and
Borrowings Pty.
100.0 100.0
Products SA, ブ
Ltd., シドニー,
リュッセル, ベルリ
オーストラリア
ン
Learning Seat
SAP Beteiligungs
Group Pty. Ltd.,
GmbH, ヴァルドル
100.0 100.0
シドニー, オースト
フ, ドイツ
ラリア
Learning Seat
SAP Bulgaria EOOD,
Holdings Pty.
100.00 ソフィア, ブルガリ 100.0
Ltd., シドニー,
ア
オーストラリア
SAP Business
Learning Seat Pty. Services Center
Ltd., シドニー, 100.00 Nederland B.V., ス 100.0 11)
オーストラリア ヘルトーヘンボス,
オランダ
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会社の名称及び所 所有 所有
注記 会社の名称及び所在地 注記
在地 割合 割合
% %
SAP Chile Limitada,
LLC "Emarsys", モ
100.0 4) 100.0 16)
サンティアゴ・デ・チ
スクワ, ロシア
リ, チリ
LLC “SAP Labs“, SAP CIS, LLC, モスク
100.0 100.0
モスクワ, ロシア ワ, ロシア
LLC “SAP
SAP Colombia S.A.S.,
Ukraine”, キエ
100.0 16) 100.0 16)
ボゴタ, コロンビア
フ, ウクライナ
Loyalsys GmbH,
SAP Costa Rica, S.A.,
ウィーン, オース
100.0 4) 100.0 16)
サンノゼ, コスタリカ
トリア
Loyalsys
Technologies SAP Č R, spol. s
Israel Ltd., テル 100.0 4) r.o., プラハ, チェコ 100.0
アビブ, イスラエ 共和国
ル
SAP Cyprus Limited,
Nihon Ariba K.K.,
100.0 ニコシア, キプロス共 100.0
東京, 日本
和国
Noteshark, LLC,
SAP d.o.o., ザグレブ,
シャンティイー,
51.0 100.0
クロアチア
バージニア, アメ
リカ
SAP Danmark A/S, コペ
OrientDB Limited,
100.0 10) ンハーゲン, デンマー 100.0
フェルサム,イギリ
ス
ク
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有価証券報告書
会社の名称及び所 所有 所有
注記 会社の名称及び所在地 注記
在地 割合 割合
% %
SAP Dritte
Outerjoin, Inc.,
Beteiligungs- und
ダブリン, カリ
100.0 Vermögensverwaltungs 100.0
フォルニア, アメ
GmbH, ヴァルドルフ, ド
リカ
イツ
OutlookSoft
SAP East Africa
Deutschland
100.0 8),9) Limited, ナイロビ, ケ 100.0 16)
GmbH, ヴァルドル
ニア共和国
フ, ドイツ
Plat.One Inc.,
SAP Egypt LLC, カイロ,
ニュータウン・ス
100.0 100.0 16)
クエア, ペンシル
エジプト
バニア, アメリカ
SAP EMEA Inside Sales
Plat.One Lab
S.L., マドリード, スペ
Srl, ジェノヴァ, 100.0 100.0
イン
イタリア
SAP Erste
PT SAP
Beteiligungs- und
Indonesia, ジャ
99.0 Vermögensverwaltungs 100.0 8),9)
カルタ, インドネ
GmbH, ヴァルドルフ,
シア
ドイツ
Q(AGF2) Inc.
SAP Estonia OÜ, タリ
ウィルミントン,
100.00 100.0
ン, エストニア共和国
デラウエア,アメ
リカ
QAL Technologies
SAP Financial, Inc.,
Pty Ltd., シド
100.00 100.0
トロント, カナダ
ニー,オーストラ
リア
QCL Technologies
SAP Finland Oy, エス
100.00 100.0
Ltd., トロント,カ
ポー, フィンランド
ナダ
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所有 会社の名称及び 所有
会社の名称及び所在地 注記 注記
割合 所在地 割合
% %
SAP Foreign
QDL Technologies
Holdings GmbH,
100.0 100.0
GmbH., ミュンヘン,ドイ
ヴァルドルフ,
ツ
ドイツ
SAP France
QFL Technologies
Holding, S.A.,
100.0 100.0
S.A.R.L.,パリ,フラン
ルヴァロワ＝ペ
ス
レ, フランス
SAP Global
Marketing,
QIL Technologies
Inc., ニュー
100.0 100.0
Limited, ダブリン,アイ
ヨーク, ニュー
ルランド
ヨーク, アメリ
カ
SAP Hellas
QPL Technologies
Single Member
100.0 100.0
Z.o.o., クラクフ,ポー
S.A., アテネ,
ランド
ギリシャ
SAP Hong Kong
QSL Technologies
Co., Ltd., 香
100.0 100.0 16)
Pte., シンガポール,シ
ンガポール 港, 中国
SAP Hosting
Quadrem Africa Pty. Beteiligungs
Ltd., ヨハネスブルク, 100.0 GmbH, ザンク 100.0 8),9)
南アフリカ ト・レオン＝
ロート, ドイツ
SAP India
Quadrem Brazil Ltda., (Holding) Pte
リオデジャネイロ, ブ 100.0 Ltd, シンガポー 100.0
ラジル ル, シンガポー
ル
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所有 会社の名称及び所 所有
会社の名称及び所在地 注記 注記
割合 在地 割合
% %
SAP
International
Quadrem Chile Ltda.,
Panama, S.A., パ
サンティアゴ・デ・チ 100.0 100.0
レ, チリ
ナマシティ, パナ
マ
SAP
Quadrem International
International,
Ltd., ハミルトン, バ
100.0 Inc., マイアミ, 100.0
ミューダ
フロリダ, アメリ
カ
SAP Investments,
Quadrem Netherlands
Inc., ウィルミン
B.V., アムステルダム, 100.0 11) 100.0
トン, デラウェ
オランダ
ア, アメリカ
Quadrem Overseas
SAP Ireland
Cooperatief U.A., ア
Limited, ダブリ
100.0 11) 100.0 12)
ムステルダム, オラン
ン, アイルランド
ダ
Quadrem Peru S.A.C.,
100.0
リマ, ペルー
Qualtrics Holdings
Inc., ウィルミントン
100.0 4)
デラウェア, アメリカ
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会社の名称及び所 所有 所有
注記 会社の名称及び所在地 注記
在地 割合 割合
% %
SAP Ireland US -
SAP Systems,
Financial
Applications and
Services
Products in Data
Designated 100.0 100.0
Processing (Thailand)
Activity Company,
Ltd., バンコク, タイ
ダブリン, アイル
ランド
SAP Israel Ltd.,
SAP Taiwan Co., Ltd.,
ラアナナ, イスラ 100.0 16) 100.0
台北, 台湾
エル
SAP Technologies Inc.,
SAP Korea Ltd.,
パロアルト, カリフォル
100.0 100.0
ソウル, 韓国
ニア, アメリカ
SAP Training and
SAP Labs Bulgaria
Development Institute
EOOD, ソフィア, 100.0 100.0 16)
FZCO, ドバイ, アラブ首
ブルガリア
長国連邦
SAP Türkiye Yazilim
SAP Labs France
Üretim ve Ticaret A.
SAS, ムージャン, 100.0 100.0
Ş ., イスタンブール,
フランス
トルコ
SAP Labs Israel
SAP UAB, ヴィリニュ
Ltd., ラアナナ, 100.0 100.0
ス, リトアニア
イスラエル
SAP Ventures
SAP Labs Korea,
Investment GmbH, ヴァ
Inc., ソウル, 韓 100.0 100.0 8),9)
ルドルフ, ドイツ
国
SAP Vierte
SAP Latvia SIA,
Beteiligungs- und
リガ, ラトビア共
100.0 Vermögensverwaltungs 100.0
和国 100.0
GmbH, ヴァルドルフ,
ドイツ
235/352
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会社の名称及び所在 所有 所有
注記 会社の名称及び所在地 注記
地 割合 割合
% %
SAP Malaysia Sdn.
SAP Vietnam Company
Bhd., クアラルン
100.0 Limited, ホーチミン, 100.0
プール, マレーシア
ベトナム
SAP Middle East
SAP West Balkans
and North Africa
49.0 5),16) d.o.o., ベオグラード, 100.0
L.L.C., ドバイ, ア
セルビア共和国
ラブ首長国連邦
SAP Zweite
SAP Middle East FZ Beteiligungs- und
100.0
L.L.C, ドバイ, ア 16) Vermögensverwaltungs 100.0 8),9)
ラブ首長国連邦 GmbH, ヴァルドルフ,
ドイツ
SAP Nederland
SAP.io Fund, L.P., パ
Holding B.V., スヘ
ロアルト, カリフォルニ
100.0 11) 0 6)
ルトーヘンボス, オ
ア, アメリカ
ランダ
Sapphire Fund
SAP New Zealand
Investments II
Limited, オークラ
100.0 Holdings LLC., パロア 100.0 6)
ンド, ニュージーラ
ルト, カリフォルニア,
ンド
アメリカ
Sapphire Fund
SAP Norge AS, リ
Investments II, L.P.,
サーカー, ノル 100.0 0 6)
パロアルト, カリフォル
ウェー
ニア, アメリカ
Sapphire Fund
SAP North West
Investments III, L.P.,
Africa Ltd, カサブ
100.0 16) 0 6)
パロアルト, カリフォル
ランカ, モロッコ
ニア, アメリカ
236/352
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会社の名称及び所在 所有 会社の名称及び所 所有
注記 注記
地 割合 在地 割合
% %
Sapphire SAP HANA
SAP Österreich Fund of Funds,
GmbH, ウィーン, 100.0 L.P., パロアルト, 0 6)
オーストリア カリフォルニア,
アメリカ
Sapphire Ventures
Fund I, L.P., パ
SAP Perú S.A.C.,
100.0 16) ロアルト, カリ 0 6)
リマ, ペルー
フォルニア, アメ
リカ
Sapphire Ventures
SAP Philippines, Fund II, L.P., パ
Inc., タギッグ, 100.0 16) ロアルト, カリ 0 6)
フィリピン フォルニア, アメ
リカ
Sapphire Ventures
SAP Polska Sp. z Fund III, L.P.,
o.o., ワルシャワ, 100.0 パロアルト, カリ 0 6)
ポーランド フォルニア, アメ
リカ
Sapphire Ventures
SAP Portals Europe
Fund IV, L.P., パ
GmbH, ヴァルドル
100.0 ロアルト, カリ 0 6)
フ, ドイツ
フォルニア, アメ
リカ
SAP Portals
Sapphire Ventures
Holding
Fund V L.P., パロ
Beteiligungs 100.0 0 4),6)
アルト, カリフォ
GmbH, ヴァルドル
ルニア, アメリカ
フ, ドイツ
SAP Portals Israel SAPV (Mauritius),
Ltd., ラアナナ, イ 100.0 エベーヌ, モーリ 100.0 6)
スラエル シャス
237/352
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所有 会社の名称及び所 所有
会社の名称及び所在地 注記 注記
割合 在地 割合
% %
Saudi Ebreez
SAP Portugal – Sistemas,
Company for
Aplicações e Produtos
Electronic
Informáticos, Sociedade
100.0 100.0
Services LLC ,
Unipessoal, Lda., ポルト・
リヤド, サウジア
サルヴォ, ポルトガル
ラビア王国
Statwing. LLC.,
SAP Projektverwaltungs-
ウィルミントン,
und Beteiligungs GmbH,
100.0 100.0
デラウエア,アメ
ヴァルドルフ, ドイツ
リカ
SuccessFactors
SAP Public Services, Inc.,
(Philippines),
100.0 100.0 16)
ワシントンDC, アメリカ
Inc., パシッグ,
フィリピン
SuccessFactors
SAP Puerto Rico GmbH, ヴァ
Cayman, Ltd., グ
100.0 8),9),16) 100.0
ルドルフ, ドイツ
ランドケイマン,
ケイマン諸島
SAP Retail Solutions
Sybase Angola,
Beteiligungsgesellschaft
100.0 LDA, ルアンダ, 100.0 15)
mbH, ヴァルドルフ, ドイツ
アンゴラ共和国
Sybase Iberia
SAP Romania SRL, ブカレス
S.L., マドリー
100.0 100.0
ト, ルーマニア
ド, スペイン
Sybase India,
SAP Saudi Arabia Software
Ltd., ウィルミン
Services Ltd, リヤド, サウ 100.0 100.0
トン, デラウェ
ジアラビア王国
ア, アメリカ
238/352
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所有 会社の名称及び所 所有
会社の名称及び所在地 注記 注記
割合 在地 割合
% %
Sybase
International
SAP Saudi Arabia
Holdings
Software Trading Ltd,
75.0 16) Corporation, 100.0
リヤド, サウジアラビア
LLC, サンラモン,
王国
カリフォルニア,
アメリカ
SAP Sechste
Sybase
Beteiligungs- und
Philippines,
Vermögensverwaltungs 100.0 8),9) 100.0
Inc.,マカティシ
GmbH, ヴァルドルフ, ド
ティ, フィリピン
イツ
SAP Siebte
Sybase Software
Beteiligungs- und
(India) Private
Vermögensverwaltungs 100.0 8),9) 100.0
Ltd., バンガロー
GmbH, ヴァルドルフ, ド
ル , インド
イツ
SAP sistemi,
Sybase, Inc., サ
aplikacije in produkti
ンラモン, カリ
za obdelavo podatkov 100.0 100.0
フォルニア, アメ
d.o.o., リュブリャナ,
リカ
スロベニア
Systems
Applications
Products (Africa
SAP Slovensko s.r.o.,
Region)
ブラチスラヴァ, スロバ 100.0 100.0
Proprietary
キア
Limited, ヨハネ
スブルク, 南アフ
リカ
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会社の名称及び所 所有 会社の名称及び所 所有
注記 注記
在地 割合 在地 割合
% %
Systems
Applications
SAP Software and
Products (Africa)
Services LLC,
49.0 5),16) Proprietary 100.0
ドーハ, カタール
Limited, ヨハネス
ブルク, 南アフリ
カ
SAP Svenska
Aktiebolag, ス
100.0
トックホルム, ス
ウェーデン
SAP System
Application and
Products Asia
100.0
Myanmar Limited,
ヤンゴン, ミャン
マー
240/352
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会社の名称及び所 所有
注記
在地 割合
%
Systems
Applications
Products (South
Africa)
70.0 16)
Proprietary
Limited, ヨハネス
ブルク, 南アフリ
カ
Systems
Applications
Products Nigeria
100.0 16)
Limited, ヴィクト
リア島, ナイジェ
リア
Technology
Management
Associates Inc.,
100.0
シャンティリー,
バージニア, アメ
リカ
Temkin Group,LLC.
100.0
ウィルミントン,デ
ラウエア,アメリカ
TM Property
Holdings.LLC.ウィ
100.0
ルミントン,デラウ
エア,アメリカ
TomorrowNow,
Inc., ブライアン,
100.0
テキサス, アメリ
カ
TRX Europe
Limited, ロンド
100.0 10)
ン, イギリス
241/352
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会社の名称及び所 所有
注記
在地 割合
%
TRX Technologies
India Private
100.0
Limited, ラマン・
ナガー, インド
TRX UK Limited,
ロンドン, イギリ 100.0 10)
ス
TRX, Inc., ベル
ビュー, ワシント
100.0
ン, アメリカ
Volume
Integration,
Inc., レストン, 100.0
バージニア, アメ
リカ
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1) これらの数値は連結修正仕訳を計上する前の現地のIFRS財務諸表を基に算出されている為、連結財務諸表に含まれている
会社の貢献利益を反映していない。グループ通貨への換算にあたっては、資本については期末換算レートを使用してお
り。収益及び純収入/損失については期中平均レートを使用している。
2) 2020年12月31日現在のFTEの取締役の経営陣を含んでいる。
3) 税引き後の損益と、HGB, 285項及び313項に従って合計された資本の数値が、SAP S.E.の利益率、流動性、資本源泉及び財
務状態において、HGB, 313(2)項3行目の4及び286(3)1行目の１により、重要性が低いと判断される場合は、開示されな
い。
4) 2019年に初めて統合された。
5) 他の株主とSAP SEが全体を支配することで合意している。
6) SAP SEには以下の企業が含まれる（SAP.io Fund, L.P, Sapphire Fund Investments II, Holdins.LLC., Sapphire Fund
Investments II, L.P.,Sapphire Fund Investments III, L.P., Sapphire SAP HANA Fund of Funds, L.P., Sapphire
Ventures Fund I, L.P., Sapphire Ventures Fund II, L.P., Sapphire Ventures Fund III, L.P, Sapphire Ventures
Fund IV, L.P., Sapphire Ventures Fund V, L.P., SAPV (Mauritius）。これらの企業の事業結果はSAPのIFRS第10号（連
結財務諸表）に含まれている。
7) 事業体の個人的責任を負うパートナーはSAP SEである。
8) 損(益)移転契約がある事業会社。
9) HGB, 264(3)項又は264b項に従って、子会社は法令で定められた財務書類を作成するにあたり、注記の記載・管理体制のレ
ビュー・独立監査人の監査の受諾及び一般への情報公開等一定の法的要件の適用が免除されている。
10) イギリス2006年会社法の479Aから479Cに従って、子会社は2020年12月31日又は2020年9月30日それぞれに終了する会計年度
に関する子会社の負債に対するSAP SEの保証に基づいて財務諸表の会計監査を免除されている。
11) オランダ民法2;403に従って、当該子会社は2020年12月31日又は2020年9月30日それぞれに終了する会計年度に関する子会
社の負債に対するSAP SEの保障に基づき、法令で定められた財務書類を作成するにあたり、注記の記載・管理体制のレ
ビュー・独立監査人の監査の受諾及び一般への情報公開等一定の法的要件の適用が免除されている。
12) 2014 年アイルランド会社法第6部第16章第365条に従い、2020年12月31日に終了する会計年度に関して、休止企業の免除資
格があることから、財務諸表の会計監査が免除されている。
13) スイス債務法727条第2項に従い、2020年12月31日又は2020年9月30日それぞれに終了する会計年度について、財務諸表の会
計監査が免除されている。
14) 1993 年ニュージーランド会社法第211条 (3) 及び2013年財務報告法第45条 (2) に基づき、当該事業体は除外を承認してお
り、2020年12月31日に終了した事業年度に関する監査済み財務諸表を提出する必要はない。
15) 2013 年10月1日付アンゴラ税法及び大統領令第147/13号により、当該企業は高額納税者としての資格を有しないため、2020
年12月31日に終了した会計年度に関する財務諸表の監査が免除されている。
16) SAP SE によって発行されたサポートレターを保有している企業である。
17) 2020 年 12 月 31 日現在、自己株式取得契約の条件により、会計上の観点から非支配株主への影響は考慮されていない。
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その他の持分投資
ジョイント・アレンジメント及び関連会社に対する投資
所有
会社の名称及び所在地
割合
%
China DataCom Corporation Limited, 広州, 中国
28.30
Convercent, Inc., デンバー, コロラド, アメリカ
36.97
Procurement Negócios Eletrônicos S/A, リオデジャネイロ, ブラジル
17.00
持分投資 (5％以上の持分について)
会社の名称及び所在地
83North IV, L.P., ヘルツリーヤ, イスラエル
Adverity GmbH, ウィーン, オーストリア
Alation, Inc., レッドウッドシティ, カリフォルニア, アメリカ
Alchemist Accelerator Fund I LLC,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
All Tax Platform - Solucoes Tributarias S.A., サンパウロ, ブラジル
Amplify Partners II L.P., メンローパーク, カリフォルニア, アメリカ
Amplify Partners III, L.P., メンローパーク, カリフォルニア, アメリカ
Amplify Partners IV, L.P., メンローパーク, カリフォルニア, アメリカ
Amplify Partners Select Fund IV, L.P., メンローパーク, カリフォルニア, アメリカ
Amplify Partners, L.P., メンローパーク, カリフォルニア, アメリカ
Auth0, Inc., ベルビュー, ワシントン, アメリカ
BGS Holdings, Inc., オースティン, テキサス, アメリカ
Blue Yard Capital I GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Brightfield Holdings. Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
By Capital 2 GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Canvas Ventures 3, L.P., ポルトラバレー, カルフォルニア, アメリカ
Catchpoint Systems, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Chalfen Ventures Fund I L.P., ジャージー, イギリス
CircleCI, Inc., サンフランシスコ, カルフォルニア, アメリカ
Clari.Inc., Inc. サニーベール, カルフォルニア, アメリカ
Contentful GmbH, ベルリン, ドイツ
Coscreen, Inc., メンローパーク, カリフォルニア, アメリカ
持分投資 (5％以上の持分について)
会社の名称及び所在地
Costanoa Venture capital II L.P., パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
Costanoa Venture capital QZ, LLC, パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
Costanoa Venture capital III L.P., パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
244/352
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Culture Amp, Inc., サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
Data Collective II L.P., パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
Data Collective III L.P., パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
Data Collective IV, L.P., パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
DataRobot, Inc., ボストン, マサチューセッツ, アメリカ
Digital Hub Rhein-Neckar GmbH, ルートヴィヒスハーフェン・アム・ライン, ドイツ
Dremio Corporation, サンタクララ, カリフォルニア, アメリカ
FeedZai S.A., リスボン, ポルトガル
Felix Capital Fund III, ロンドン, イギリス
Felix Ventures II, L.P., ロンドン, イギリス
Finco Services, Inc. (dba Current), ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Follow Analytics, Inc., サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
Greater Pacific Capital (Cayman) L.P., グランドケイマン, ケイマン諸島
Haystack Ventures V. L.P., ミルバレー, カリフォルニア, アメリカ
IDG Ventures USA III, L.P.,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
IEX Group, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
InfluxData, Inc., サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
InnovationLab GmbH, ハイデルベルク, ドイツ
innoWerft Technologie- und Gründerzentrum Walldorf Stiftung GmbH, ヴァルドルフ, ドイツ
JFrog, Ltd., ネタニヤ, イスラエル
Jibe, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Kaltura, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Kavacha TopCo LLC, ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Landlog Limited, 東京, 日本
LeanData, Inc., サニーベール, カリフォルニア, アメリカ
LGVP F I LLC, ドーバー, デラウェア, アメリカ
Local Globe Opportunity Fund, L.P., セント・ピーター・ポート, ガーンジー, チャンネル諸島
Local Globe VII, L.P., セント・ピーター・ポート, ガーンジー, チャンネル諸島
持分投資 (5％以上の持分について)
会社の名称及び所在地
Local Globe VIII, L.P., セント・ピーター・ポート, ガーンジー, チャンネル諸島
Local Globe X, L.P., St., セント・ピーター・ポート, ガーンジー, チャンネル諸島
Local Globe XI, L.P., St., セント・ピーター・ポート, ガーンジー, チャンネル諸島
Mango Capital 2018, L.P., ロスアルトス,カリフォルニア,アメリカ
Mango Capital 2020, L.P., ロスアルトス,カリフォルニア,アメリカ
Matillion Ltd., オルトリンアム, イギリス
Medable Inc., パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
Mosaic Ventures I, L.P., ロンドン, イギリス
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Narrative Science, Inc., シカゴ, イリノイ, アメリカ
Notation Capital II, L.P., ブルックリン, ニューヨーク, アメリカ
Notation Capital III, L.P., ブルックリン, ニューヨーク, アメリカ
Notation Capital, L.P., ブルックリン, ニューヨーク, アメリカ
OpenX Software Limited, パサデナ, カリフォルニア, アメリカ
OpsRamp, Inc., サンノゼ, カリフォルニア, アメリカ
Outreach Corporation. シアトル,ワシントン,アメリカ
Pendo.io, Inc., ローリー, ノースカロライナ, アメリカ
PivotNorth Early Fund I. L.P., アザートン, カリフォルニア, アメリカ
Point Nine Annex GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Point Nine Capital Fund II GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Point Nine Capital Fund III GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Point Nine Capital Fund IV GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Point Nine Capital Fund V GmbH & Co. ベルリン, ドイツ
Project 44, Inc., シカゴ, イリノイ, アメリカ
PubNub, Inc., サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
Punchh, Inc., サンマテオ, カリフォルニア, アメリカ
Reltio, Inc., レッドウッドショア, カリフォルニア, アメリカ
Restream, Inc., オースティン, テキサス, アメリカ
Ridge Ventures IV, L.P.,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
Scryer, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Side, Inc., サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
Smart City Planning, Inc., 東京, 日本
持分投資 (5％以上の持分について)
会社の名称及び所在地
Splashtop, Inc., サンノゼ, カリフォルニア, アメリカ
SportsTech Fund, L.P., パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
SportsTech Parallel Fund, L.P., パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
Spring Mobile Solutions, Inc., ソルトレイクシティ, ユタ, アメリカ
StackHawk, Inc., デンバー, コロラド, アメリカ
Storm Ventures V, L.P., メンローパーク, カリフォルニア, アメリカ
SumoLogic, Inc., レッドウッドシティ, カリフォルニア, アメリカ
Sun Basket. Inc., サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
SV Angel IV, L.P.,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
The Currency Cloud Group Limited, ロンドン, イギリス
The SaaStr Fund II, L.P., パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
The SaaStr Fund, L.P., パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
Third Kind Venture Capital Ⅱ. L.P.,ニューヨーク,アメリカ
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Third Kind Venture Capital III, L.P., ニューヨーク,ニューヨーク,アメリカ
Tribe Capital LLC Series 3, レッドウッドシティ カリフォルニア, アメリカ
Tribe Capital LLC Series 8, レッドウッドシティ, カリフォルニア, アメリカ
UJET. Inc., サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
Upfront V, L.P., サンタモニカ, カリフォルニア, アメリカ
Uptycs, Inc., ウォルサム, マサチューセッツ, アメリカ
VerbIT, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Vistex, Inc., ホフマン エステーツ, イリノイ, アメリカ
Wandera, Inc., サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
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(G.10) ドイツ・コーポレートガバナンス・コード
ドイツ連邦政府は2002年2月にドイツ・コーポレートガバナンス・コード（以下、「コード」という。）を公布し、随時この
コードを修正する委員会を導入した。コードには法的要請及びいくつかの勧告及び提言が含まれている。法的要請だけがドイ
ツ企業に遵守義務を負わせている。勧告については、ドイツ株式会社法第161条にて、公開企業は毎年実施の程度を公表するこ
とを要求している。企業はいかなる公的声明も出さずに提言から逸脱することができる。
2020年及び2019年に、当社の取締役会及び監査役会は要請されている実行宣言を公表した。2020年の宣言は2020年10月末に
発行された。これらの声明は、我々のWebサイト(www.sap.com/corporate/en/investors/governance)にて入手可能である。
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２【主な資産・負債及び収支の内容】
前掲の連結財務書類を参照のこと。
３【その他】
後発事象については、前掲の連結財務諸表の注記(G.8)を参照のこと。
重要な訴訟事件については、前掲の連結財務諸表の注記(G.3)を参照のこと。
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４【日本とドイツ(国際財務報告基準)における会計原則及び会計慣行の相違】
SAP では、国際財務報告基準に準拠して連結財務書類を作成しており、日本において一般に公正妥当と認められた会計原則に
準拠して作成された財務書類とはいくつかの相違点がある。本考察はSAPにより適用される会計原則と日本の会計原則の間の全
ての相違を含むものではないが、相違のうち主要なものを以下に要約する。
(1) 財務書類
国際財務報告基準に従って作成されるSAPの財務書類は、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結
資本変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務書類に対する注記から構成されている。国際財務報告基準で
は、連結財務書類が主要財務書類とみなされる。
日本では、連結貸借対照表、連結損益計算及び連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー
計算書、連結附属明細表及び連結財務書類に対する注記の作成が求められており、IFRSと重要な相違は無い。
注記に関しては、国際財務報告基準においては、詳細な説明、特に連結貸借対照表及び連結損益計算書の詳細な説明を含ん
でおり、日本における連結貸借対照表注記、連結損益計算書注記及び連結附属明細表で開示が要求されている情報と、少なく
とも同等の内容を含んでいる。
(2) 会計方針の変更
国際財務報告基準に準拠したSAPの財務書類では、IAS第8号「会計方針、会計上の見積の変更及び誤謬」に従って、会計方針
の変更があった場合には、過年度の財務書類が遡及的に修正再表示される。なお、その場合、開示される最も古い比較年度の
期首財政状態計算書の作成が要求されている。
日本では、企業会計基準24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」に基づき、会計上の変更及び過去の誤謬の
訂正から遡及修正が必要となっている。その場合においても、開示される最も古い比較年度の期首財政状態計算書の作成は要
求されていない。
(3) 企業結合
国際財務報告基準に準拠したSAPの財務書類では、IFRS第3号「企業結合」に従い、全ての企業結合はパーチェス法を適用し
て会計処理される。企業結合で取得したのれんは償却されない。代わりに取得者は、IAS第36号「資産の減損」に従って、毎
年、又は減損の可能性を示す事象若しくはその状況の変化があった場合には、減損テストを実施する。
日本では、企業会計基準21号「企業結合に関する会計基準」に基づき、共同支配企業の形成及び共通支配下の取引以外の企
業結合は、取得とされ、パーチェス法が適用される。企業結合で取得したのれんは20年以内のその効果が及ぶ期間にわたっ
て、定額法その他合理的な方法により償却する。ただし、のれんの金額に重要性が乏しい場合には、当該のれんが生じた事業
年度の費用として処理することができる。
(4) 資産の減損
国際財務報告基準に準拠した財務書類では、無形資産及び有形固定資産の減損損失は、帳簿価額と回収可能価額を比較する
ことによって認識される。個別にテストできない資産については、他の資産又は他の資産グループから独立したキャッシュ・
フローを生み出す最小のグループ（資金生成単位）に基づき、回収可能価額を算定する。回収可能価額は、使用価値又は売却
費用控除後の公正価値としている。使用価値の見積にあたっては、割引キャッシュ・フロー法が用いられる。資産又は資金生
成単位の帳簿残高が回収可能価額を上回る場合は減損損失を認識する。減損損失を計上した当初の事由が消滅した場合、減損
損失の戻し入れが行われる。のれんにかかる減損損失は、戻し入れを行うことはできない。
日本では、長期性資産の割引前キャッシュ・フローが帳簿価額より低い場合に、当該帳簿価額と回収可能価額（正味売却価
額と使用価値のいずれか高い金額）の差額が減損損失として認識される。減損損失の戻し入れは禁止されている。
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(5) 株式報酬
国際財務報告基準に準拠したSAPの財務書類では、IFRS第2号「株式報酬」に基づき、持分決済型の株式報酬について及び現
金決済型の株式報酬について処理を行っている。持分決済型株式報酬において、権利不行使による失効が生じた場合には、新
株予約権として計上した額のうち、当該失効に対応する部分はそのまま資本項目とする。
日本では、現金決済型の株式報酬についての定めはない。持分決済型の株式報酬については、企業会計基準第8号「ストック
オプション等に関する会計基準」に基づき、2006年5月1日以降に付与されたストックオプションについては定めがあるが、
2006年5月1日より前に付与されたストックオプションについては特に規定がなかった。また、権利不行使による失効が生じた
場合には、新株予約権として計上した額のうち、当該失効に対応する部分を利益として計上する。
(6) 退職後給付
国際財務報告基準に準拠したSAPの財務書類では、IAS第19号「従業員給付」に基づき、給付算定方式を用いた保険数理計算
に基づき退職年金及びその他の退職後の給付債務を測定している。各制度に対する年金数理計算の結果として個別の制度の積
み立て超過または積み立て不足の状態に対し資産または負債を認識している。予測と実際の差異及び前提条件の変更からもた
らされる確定給付債務あるいは制度資産の金額の変動は保険数理計算上の差異となり、その他の包括利益に計上され、純損益
への振替は認められない。
日本では、2013年4月1日以後開始する事業年度末に係る連結財務諸表より、未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務債
務は、発生時に連結貸借対照表において即時認識されることとなった。また、当該差異は、その他の包括利益累計額に計上さ
れ、平均残存勤務期間内の一定の年数で按分した額を毎期費用処理することとなり、当期に費用化された部分については、そ
の他の包括利益の調整（組替調整）を行うことになっている。
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(7) 開発費用
国際財務報告基準で作成される財務書類では、IAS第38号「無形資産」における一定の要件を満たした場合には、開発費用の
資産計上が要求される。
日本では、開発段階で発生した費用は発生時に費用計上される。
(8) ヘッジ会計
国際財務報告基準で作成される財務書類では、IFRS第9号「金融商品」に従って、キャッシュ・フロー・ヘッジに関する会計
処理が定められている。SAP社では、IFRS第9号に従い、ヘッジ会計の指定を行ったヘッジ手段については公正価値で評価し、
有効なヘッジ部分に関する損益をその他の包括利益に計上する。その後ヘッジ対象取引が損益に影響した際に連結損益計算書
へ組み替える。ヘッジ関係が有効でなかった部分については、即時に連結損益計算書に計上される。
日本では、原則として、ヘッジ手段の公正価値の変動額は、純資産の部の「評価・換算差額等」として対応するヘッジ対象
に係る損益が実現されるまで繰り延べる(繰延ヘッジ)。ただし、想定元本、利息の受払条件及び契約期間がヘッジ対象となる
資産又は負債とほぼ同一である金利スワップについては、金利スワップを時価評価せず、その金銭の受払の純額等を当該資産
又は負債に係る利息に加減して処理すること（金利スワップの特例処理）が認められている。
(9) 借入費用の資産化
国際財務報告基準では、IASBが2007年3月にIAS第23号(改訂)「借入費用」を公表しており、2009年1月1日以降に開始する報
告期間に適用しなければならない。国際財務報告基準の下では、適格資産の取得、建設又は製造を直接の発生原因とする借入
費用は、資産の取得価額の一部として資産化しなければならない。適格資産とは、意図した使用又は販売が可能となるまでに
相当の期間を要する資産をいう。
日本では、借入費用を費用処理しなければならない。但し、自家建設の固定資産及び不動産開発事業支出金について支払利
子の資産化が容認されている。
(10) 特別損益の表示
国際財務報告基準では、損益計算書や包括利益計算書等において、いかなる収益又は費用のいかなる項目も、異常項目とし
て個別の勘定表示をすることは禁止されている。
日本では、特別損益に属するものはその内容を示す名称を付した科目をもって表示することと定められており、臨時かつ巨
額の項目は特別損益に計上される。従って、固定資産売却損益、投資有価証券売却損益及び災害損失等は特別項目とされる。
(11) 外貨関連事項
国際財務報告基準では、企業及びその在外事業体がそれぞれ機能通貨を決定し、機能通貨以外の通貨で表示されているか又
はそれによる決済を必要とする取引を外貨建取引として取り扱う。また、在外子会社か在外支店かに関わらず、在外事業体は
それぞれの機能通貨で記帳後、以下の手続により連結上の表示通貨へと換算する。
・資産と負債は、各報告期間の末日レートで換算する。
・収益と費用は、各取引日の為替レートで換算する。ただし、取引日レートに近似する場合には、期中平均レートが使用さ
れることも多い。
・換算差額については、資本の個別項目として認識される。
日本では、機能通貨に関する定めはなく、円以外の外国通貨で表示されている取引が外貨建取引となる。在外子会社の資産
と負債は決算日レートで、資本項目は取得日レートで、収益及び費用は原則として期中平均相場により換算する。在外支店に
おいては、外貨建取引は原則として本店と同様に処理（発生時の為替相場により換算）する。ただし、期中平均相場により換
算することもできる。在外子会社の換算差額は為替換算調整勘定に、在外支店の換算差額は当期の為替差損益に計上する。
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(12) 収益認識
国際財務報告基準では、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に従って、収益は、約束された財又はサービスの支配
が顧客に移転した時点で、これらの財又はサービスと交換に当社が受け取ると見込まれる対価を反映した金額により認識され
る。当社の顧客との契約には、複数の財又はサービスを顧客に移転する約束が含まれている。財又はサービスを、別々に会計
処理する別個の履行義務として扱うか、又は一括して会計処理するかを決定するには、重要な判断が要求される場合がある。
また、別個の履行義務ごとの独立販売価格を決定するには判断が要求される場合がある。
日本では、2018年3月30日に、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第30号「収益認
識に関する会計基準の適用指針」が企業会計基準委員会より公表されており、2021年4月1日以後開始する事業年度から適用さ
れ、2018年4月1日以後開始する事業年度から早期適用も認められている。当該基準はIFRS第15号の基本的な原則を取り入れる
ことを出発点とし、これまで日本で行われてきた実務等に配慮すべき項目がある場合には、比較可能性を損なわせない範囲で
代替的な取扱いを追加するものである。
(13) リース
国際財務報告基準では、IFRS第16号「リース」にて、借手が原資産をリース期間にわたり使用する権利を表す資産である使
用権資産、および対応するリース負債を認識することを借手に要求している。
日本では、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」が、リース取引を、「特定の物件の所有者たる貸手が、当
該物件の借手に対し、合意された期間にわたりこれを使用収益する権利を与え、借手は、合意された使用料を貸手に支払う取
引」と定義している。借手は、リース取引をファイナンス・リース取引とそれ以外の取引（オペレーティング・リース取引）
に区分し、オペレーティングリース取引については、通常賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことができる。
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第７【外国為替相場の推移】
日本円とユーロの為替相場は、国内において時事に関する事項を掲載する2紙以上の日刊新聞紙に最近5年間の事
業年度について掲載されているため、その記載を省略する。
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第８【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
1 ．日本における株式事務等の概要
(1) 日本における株式の名義書換取扱場所および株主名簿管理人
日本においては、株式の名義書換取扱場所および株主名簿管理人は存在しない。
(2) 株主に対する報償
該当なし。
(3) 株式の譲渡制限
一般的には該当なし。
(4) その他株式事務に関する事項
イ．決算期
12月31日
ロ．年次株主総会
年次株主総会は、毎年、SAP SEの取締役会および監査役会により決定された日時において開催される。
ハ．登録
当社に関しては、適用法および当社の定款に従って該当する株主総会の招集通知に定められた該当日ま
でに、株式保有の証明を当社に示した者のみが、株主総会に出席し、または当該総会における議決権を行
使するに当たって、株主とみなされる。株式保有の証明は、ドイツ語または英語による文書形式で預金機
関が発行する確認書を提出することにより行わなければならない。ドイツの強行法規に基づき、預金機関
が発行する確認書には、該当する株主総会の日の21日前の日が始まった時点（以下「基準日」という。）
の情報を記載しなければならない。
ニ．配当支払の基準日との無関係性
日本における株主を含む、当社から配当を受ける権利を有している株主は、利益の分配を決議する年次
株主総会の開催時点で当社株式を保有する者である。これは、基準日より後に株式を取得した株主にも配
当を受ける権利があることを意味する。ただし、当社株式は、利益の分配を決議する年次株主総会の当日
またはその前後に、「配当落ちの権利」として、株式市場において取引することができる。
個人株主は、カストディアン／名義人の関係において株式を所有する者と同様、配当を受ける資格を有
しているという点に留意されたい。
当社の配当政策については、「第5 2 配当政策」を参照のこと。
ホ．株券に関する手数料
該当なし。
2 ．日本における株主の権利行使に関する手続等
(1) 株主の議決権行使に関する手続
日本における当社の株主は、カストディアンに指示を与えることにより、議決権を行使することができる。
代理人による議決権行使の勧誘が行われる場合、カストディアンは、当社より十分な量の委任勧誘状を受け取り
次第、当該基準日現在における実質株主名簿に基づき、かかる委任勧誘状を実質株主に配布するものとする。
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(2) 配当請求等に関する手続
カストディアンは、当社より配当率、支払期日およびその他の関連情報の通知を受け取り次第、すべての受取配
当額を、配当支払日に当社株式を保有する株主の口座に振り込むものとする。配当の分配に係る上記手続上生じた
費用は、すべて当社が負担し、実質株主には一切これを請求しない。
「第5 2 配当政策」を参照のこと。
(3) 株式の譲渡に関する手続
当社株式に何ら制限が付されていない限り、当社株式の譲渡は、仲介人の口座については振替決済制度により効
力を発するものとする。
日本における株主は、その保護預り口座の振替により、当社株式に係る権限を譲渡することができる。
この場合、取引は、カストディアンに対して開設された口座間の帳簿振替により清算される。
(4) 配当金等に関する課税上の取扱い
イ．配当
実質株主に対する当社からの配当は、日本の税法上、配当所得として取り扱われる。
日本の居住者たる個人または日本の法人が支払を受ける配当金につき、当該配当の支払の際に徴収され
た連邦政府、州またはその他地方公共団体の源泉課税があるときは、この額を当該配当の支払額から控除
した残額に対して、日本の税法上、源泉徴収が行われる。源泉徴収税率は、当該配当を受ける期間に応
じ、以下の表に記載された税率となる。
配当課税の源泉徴収税率
配当を受けるべき期間 日本の法人 日本の居住者たる個人
2014 年1月1日～2037年12月31日 所得税15.315％ 所得税15.315％、住民税5％
2038 年1月1日～ 所得税15％ 所得税15％、住民税5％
日本の居住者たる個人の当社株主は、当社から支払われる配当については、日本において源泉徴収がな
された場合には確定申告をする必要はない。他方、日本において源泉徴収がなされなかった場合、日本の
居住者たる個人の当社株主は、収入および納税金額を報告するため、確定申告する義務を免れない。
2009年1月1日以降に当社から支払われる配当については、日本の居住者たる個人の当社株主は、申告分
離課税を選択することが可能である。
日本の居住者たる個人の当社株主が申告分離課税を選択した場合の確定申告の際の税率は、2014年1月1
日から2037年12月31日までに当社から当該個人株主に支払われる配当については20.315％（所得税
15.315％、住民税5％）、および2038年1月1日以降にSAP SEから当該個人株主に支払われる配当については
20％（所得税15％、住民税5％）である。
申告分離課税における配当所得の計算においては、2016年1月1日以降は上場株式や一定の公社債の売買
損等を控除することができる。
外国において課税された税額は、日本の税法上の規定に従い、二重課税を避けるため、外国税額控除の
対象となることがある（ただし、実質株主が源泉分離課税を選択した場合を除く。）。
ロ．売買損益
① 当社株式を保有する個人株主については、原則として、株式売買により生じる売買差益は、所得税課
税の対象となる。
納税者は、課税年度中に実現したすべての有価証券譲渡益（純額）の20％相当（2014年1月1日から
2037年12月31日までは20.315％）の税額を支払う。ただし、以下の条件を満たす者による当社株式の譲
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渡にかかる税率は、かかる譲渡が2014年1月1日から2037年12月31日までに行われた場合は20.315％、お
よび2038年1月1日以降に行われた場合は20％とする。
(a ）日本の居住者または非居住者のうち日本において恒久的施設を有する者であり、
かつ
(b ）当該譲渡が証券会社もしくは銀行を通じて行われるか、証券会社に対して行われるか、または適用
ある税法規制に定められたものである場合。
納税者は、税法規制に従い「特定口座制度」を使用した場合、納税申告書を提出しないことを選択
し、源泉課税を受けることを選択できる。
② 当社株式を保有する法人株主については、株式の売買損益は、課税所得の計算上会社の経常損益とし
て算入される。
③ 日本における当社株式の売買損益に係る上記の税務上の取扱いは、内国法人の株式の売買損益の取扱
いと同じである。
ハ．相続税
相続税は、故人の死亡に伴い相続または遺贈により財産を取得した個人に課せられる。ある人の死亡に
基づき財産を取得した時に日本に居住している相続人は、その国籍にかかわらず、無制限の相続税納付義
務を負う。無制限納税義務者は、その財産が日本の国内外にあるかを問わず、取得した全財産にかかる相
続税を負担する。
したがって、日本の居住者である実質株主が、ドイツにおいて発行された株式を相続または遺言により
取得した場合、日本の相続税法に基づき、当該株主には相続税が課せられる。
ただし、一定の状況下では、外国税額控除を受けられる場合がある。
(5) その他
該当なし。
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第９【提出会社の参考情報】
１【提出会社の親会社等の情報】
SAP SEの発行する有価証券は金融商品取引法第24条第1項第1号および第2号に該当しないため、該当事項はな
い。
２【その他の参考情報】
SAP SEは、当事業年度の開始日から本書提出日までの間において、下記の書類を関東財務局長に提出してい
る。
(1) 有価証券報告書およびその添付書類 令和2年6月26日提出
(2) 半期報告書およびその添付書類 令和2年9月28日提出
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第１【保証会社情報】
該当なし。
第２【保証会社以外の会社の情報】
該当なし。
第３【指標等の情報】
該当なし。
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（訳文）
独立監査人の報告書
SAP SE ( ヴァルドルフ) 御中
連結財務諸表及びグループ経営報告書に対する監査報告
監査意見
我々は、SAP SE(ヴァルドルフ)及びその子会社（以下、「SAP」若しくは「グループ」）により作成された、2020年12月31日
現在の連結財政状態計算書並びに、2020年1月1日から12月31日までの連結会計期間における連結損益計算書連結包括利益計算
書、連結資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び重要な会計方針の要約を含む連結財務諸表に関連する注記で
構成される連結財務諸表について監査を行った。
また、我々は2020年1月1日から12月31日までの会計年度にかかるSAPグループによる結合グループ経営報告書及び、ヴァルド
ルフのSAP SEによる2020年1月1日から12月31日までの会計年度の経営報告書（以下、グループ経営報告書）を監査している。
ドイツの法的要請に従い、我々は監査報告書の「その他の情報」セクションで指定されたグループ経営報告書のこれらの構成
要素を監査していない。
我々の意見は、監査により得た知見に基づき、
－ 附属の連結財務諸表はすべての重要な点において、EUにより採用された国際財務報告基準及びHGB(Handelsgesetzbuch-ド
イツ商法)第315e条第１項に従って適用されるドイツの商法による追加的要求事項並びに国際会計基準審議会が公表した
IFRSに準拠している。また、連結財務諸表は2020年12月31日時点のグループの資産、負債、財政状態及び2020年1月1日か
ら年12月31日までの会計年度の経営成績について真実かつ公平な概観を与えている。
－ さらに附属のグループ経営報告書は全体として、グループの状態に関する適切な視点を提供する。全ての重要な点におい
て、グループ経営報告書は連結財務諸表と整合性があり、ドイツの法的要件に準拠し、将来の発展の機会とリスクを適切
に表示している。グループ経営報告書に対する我々の意見は、 監査報告書の「その他の情報」セクションで指定されたグ
ループ経営報告書におけるこれらの構成要素を包含していない。
HGB 第322条第3項第1号に従って、我々の監査意見は、連結財務諸表及びグループ経営報告の適切性について、いかなる制約
も付していない。
連結財務諸表に対する意見の基礎
我々はドイツ商法第317条及びEU法定監査規則 ((EU) NO.537/2014。以下、「EU法定監査規則」)並びにドイツ公認会計士協
会(IDW)が公表したドイツにおける一般に公正妥当と認められた連結財務諸表監査基準に準拠し、さらに国際監査基(ISA)及び
米国公開会社会計監視委員会（米国）のガイドラインにも準拠して連結財務諸表及びグループ経営報告書の監査を行った。 こ
れらの基準に基づいた我々の責任についての詳細は「連結財務諸表及びグループ経営報告書の監査に対する監査人の責任」の
セクションに記載されている。我々はヨーロッパ法及びドイツの商法及び職業法に準拠して独立性を保持しており、我々はそ
の他ドイツにおいて適用される倫理規則を遵守している。また、我々はEU法定監査規則第10条(2)fに準拠し、EU法定監査規則
第5条(1)において禁止されている非監査業務を提供していない。
我々は、入手した監査証拠が、監査意見の合理的な基礎を得るために十分かつ適切であったと判断している。
連結財務諸表監査における監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項は2020年1月1日から12月31日における連結財務諸表監査の中で、我々の職業的判断において最も重
要なものである。これらの事項は我々の連結財務諸表全体にかかる監査の過程で検討されたが、我々はこれらの論点について
個別に意見を表明しない。
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ソフトウェアライセンス収益認識
注記(A.1)－収益、及びグループ経営報告のリスク管理及びリスクのセクションを参照。
財務諸表リスク
2020 会計年度において、SAPは273億ユーロの収益を獲得した。その内151億ユーロはソフトウェアライセンス売上とサポート
業務に関連する収益である。SAPのソフトウェアに係る顧客契約は複雑であるため、ソフトウェアライセンスの収益認識に誤謬
が生じる固有リスクを負っている。SAPは顧客との契約の会計処理を管理するため詳細な方針、手続、プロセスを定義してい
る。それらを適用する際には、特に以下の評価においてしばしば重要な判断を必要とする。
－ (1) 様々な契約が経済的に相互に関連しているかどうか、
－ (2) 製品とサービスが別個の履行義務として適格かどうか、及び
－ (3) 顧客契約の取引価格の、独立販売価格に基づく契約の履行義務への割り当て
財務諸表リスクとして、貸借対照表日現在のソフトウェアライセンス収益認識にかかるカットオフが不正確であり、収益の
期間帰属が正確にされないリスクがある。
我々の監査アプローチ
ソフトウェアの収益認識に関して、我々はIFRSフレームワーク及びIFRS第15号におけるSAPの会計方針の遵守性を評価した。
我々は、契約において経済的に相互関係を持つ契約及び個別の履行義務の識別、そして契約の履行義務への取引価格の割り
当てに関連する統制を含む収益プロセスに係る内部統制の整備状況を評価し運用状況の有効性をテストした。
統計的アプローチを使用して選定された顧客契約のサンプルについては、以下の手続も実施した。
－ 契約が経済的に相互に関連しているかどうか、識別した履行義務及び取引価格の割り当てについてのSAPの判断を評価する
ため、SAPの経理担当者や営業担当者への質問や契約上の基本合意やその他の関連文書の閲覧を行い、
－ 契約が経済的に相互関係を持つかをテストし、識別された履行義務を評価するため、主要な契約条件について各顧客から
外部確認書を入手し、査閲し、そして
－ 適用された方法論を評価し基礎となる計算の数学的正確性をテストすることにより、個別の履行義務として適格とされる
各成果物への取引価格の割り当てを評価した。
ソフトウェアサポート収益の大部分につき、我々は実際のサポート収益と、昨年度のサポート収益を基に予測されたサポー
ト収益、昨年度のサポート契約の損失率、及び追加のサポート収益をもたらすソフトウェアの今年度の売上高を比較した。
我々の所見
SAP は収益に係る会計処理を決定する適切なフレームワークを策定している。2020年度に締結されたソフトウェア契約の大部
分について、適用されるべきSAPの収益認識方針は明確であった。解釈の余地がある場合、SAPの判断は公平かつ適切であっ
た。
グループの不確実な税務処理の評価
注記(C.5)－税金費用、及びグループ経営報告書のリスク管理及びリスクのセクションを参照。
財務諸表リスク
SAP は、グループ企業間での収益の分配及び費用償還の約定、税法の変更や関係会社間での資金調達取引など、税法の解釈の
違いによる複雑で不確実な複数の税金管轄地域において事業活動を行っている。税金にかかる偶発債務に対する引当計上の見
積りには、税務上の問題及びタックスエクスポージャーに関する判断を要する。SAPは定期的に自社のリスク評価をサポートす
る税金意見書を提供する外部の専門家を利用している。連結財務諸表のリスクは不確実な税務処理に関する引当金の網羅性、
測定及び開示に関連している。2020年12月31日現在、SAPは12憶ユーロの税務上の不確実性に関連する偶発債務を開示してい
る。
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我々の監査アプローチ
グループによる税法の評価に対する統制及び関連するエクスポージャーを見積るプロセスを含む税務プロセスに係る特定の
内部統制について、整備状況を評価し運用状況の有効性をテストした。我々は外部の専門家の適格性、能力、客観性、及び関
連する専門家の意見を評価した。グループの税務部門に質問するとともに関連する税務当局とのやり取りを査閲した。我々
は、税務当局と裁判所による関連法令の適用に関する知識と経験に基づいて、税務上の不確実性の見積もりに関するSAPの結論
の評価を支援する専門スキルと知識を持つ税務専門家を関与させた。さらに、不確実な税務処理に係る注記の開示が網羅的で
適切であるかどうかを評価した。
我々の所見
2020 年12月31日における税務上の不確実性に係る引当金計上額についてのSAPの判断は適切である。連結財務諸表注記におけ
る開示内容は網羅的かつ適切である。
Concur セグメントののれんの帳簿価額の回収可能性
注記(D.2)のれんを参照。
財務諸表リスク
SAP は内部管理目的でのれんがモニタリングされているレベルより小さい単位がないため、事業セグメント単位で年次ののれ
んの減損テストを行っている。
2020 年12月31日現在、SAPは276憶ユーロののれんを計上しており、そのうち33憶ユーロがConcurセグメントへ配分された。
各減損テストは複雑かつ重要な判断を含んでいる。主要な仮定は予算収益成長、及び予算営業利益に関連する。これらの仮定
のわずかな変化においても、処分費用控除後の公正価値に重要な影響を与えた。SAPはのれんの減損テストを行うために外部の
評価専門家を使用した。
財務諸表上に必要な減損が十分に計上されていないリスクが存在する。さらに、当該事項に関する注記の開示が適切でない
リスクが存在する。
我々の監査アプローチ
我々は、Concurセグメントの予算収益成長率及び予算営業利益率の仮定を含む減損プロセスに係る内部統制の整備状況を評
価し、運用状況の有効性をテストした。我々は、処分費用控除後の公正価値の測定の評価を支援する、専門的能力と知識を持
つ評価専門家を関与させた。我々はSAPの予算収益成長率及び予算営業利益率の仮定を、比較可能な企業に係る公開された市場
データと比較することにより評価した。我々は上記に挙げられた個々の仮定について、外部ソースに基づいて作成した仮定を
用いて独自の感応度分析を行った。
使用された評価モデルの適切な活用と数学的正確性を提供するため、我々はリスクを考慮して選定された要素に基づき会社
の計算を再計算し、その偏差を分析した。
我々はSAPに起用された外部の評価専門家に係る能力、スキルそして客観性を評価した。
さらに、のれんの帳簿価額の回収可能性に係る注記の適切性についても評価した。これにはまた、評価の算定の基礎となる
主要な仮定について合理的に考え得る変更から生じる感応度に関するIAS第36号第134項(f)に準じた注記における開示の適切性
の評価も含む。
我々の所見
のれんの減損テストの基礎となるアプローチは妥当であり、適用される会計と評価の原則に準拠している。 SAP は、処分費用
控除後の公正価値の決定に際し公平な一連の仮定を適用した。当該事項に関する注記開示も適切である。
その他の情報
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SAP SE の取締役会及び監査役会は、その他の情報に対して責任を負う。その他の情報は SAP SE の次のグループ経営報告書の
未監査情報で構成されている。
－ 「当該経営報告書に関する一般情報」セクションに含まれる、統合非財務報告書
－ 「コーポレート・ガバナンスの基本」セクションに含まれる、コーポレート・ガバナンスに関する報告書、及び
－ グループ経営報告書に関係のない、未監査としてマークされた情報
その他の情報は Form 20-F のアニュアルレポート及びアニュアルレポートの残りの部分も含まれる。
その他の情報には連結財務諸表、グループ経営報告書情報及び監査報告書は含まれていない。
我々の連結財務諸表及びグループ経営報告書に対する監査意見はその他の情報をカバーしておらず、従って、我々はそれら
について意見やその他のいかなる形式の保証の結論も表明しない。
我々の監査に関連する、我々の責任はその他の情報を読み取り、その他の情報の以下への該当の有無を検討することにあ
る。
－ 内容について監査されたグループ経営報告書を含む連結財務諸表と我々が入手した監査証拠と著しく矛盾している
－ もしくは著しく誤っている
もし我々の実施した手続に基づいて、我々がその他の情報に重要な虚偽表示があると結論付けた場合は、我々はその事実を
報告することを求められる。その点において、報告事項はない。
加えて、 2020 年の統合報告書の選択された質的及び量的な持続可能性の開示について、我々は独立した保証業務を行うため
に従事した。この独立した保証契約の性質、程度及び結論に関しては、 2021 年 2 月 24 日付の独立保証報告書を参照するものとす
る。
連結財務諸表及びグループ経営報告書に対する取締役会及び監査役会の責任
SAP SE の取締役会は、すべての重要な点においてEUにより採用されたIFRS及びHGB (Handelsgesetzbuch- ドイツ商法 ) 第315e条
第１項に従って適用されるドイツの商法による追加的要求事項並びに国際会計基準審議会が公表したIFRSに準拠して、グルー
プの資産、負債、財政状態及び経営成績について真実かつ公正な概観を与える連結財務諸表を作成する責任を有している。ま
た、取締役会は、不正又は誤謬に起因する重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成することを可能とするために経営者が必
要と判断した内部統制に対する責任も負っている。
連結財務諸表の作成にあたって、取締役会は継続企業として存続するグループ能力 を評価する責任を有している。 取締役会
は該当する場合は継続企業の前提に関する事項を開示する責任も有している。さらに、取締役会はグループを清算又は事業活
動を停止する意思がある場合、又はそうする以外現実的な代替案が存在しない場合でない限り、継続企業の前提に基づいた財
務報告を行う責任を有している。
加えて、 取締役会は全体としてグループの状況について適切な見解を提供するグループ経営報告書を作成する責任がある。
当該報告書はすべての重要な点において連結財務諸表と一貫性があり、ドイツの法的要求に従い、将来の発展の機会とリスク
を適切に提示する 。さらに、 取締役会は、適用されるドイツの法的要件、ドイツ会計基準 17 号と 20 号 (GAS17,GAS20) 及び IFRS
実務記述書「経営者による説明」に準拠してグループ経営報告書を作成するために、またグループ経営報告書における主張に
十分かつ適切な証拠を提供できるようにするために必要と判断した 取決めと基準（システム） に責任を負っている。
監査役会は、連結財務諸表及びグループ経営報告書作成のためのグループの財務報告プロセスを監督する責任を有してい
る。
連結財務諸表及びグループ経営報告書に対する監査人の責任
我々の目的は、連結財務諸表に全体として不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうか、またグループ経営報告書が
全体としてグループの状況について適切な見解を提示し、すべての重要な点において連結財務諸表及び監査で得た知見と一貫
しており、 ドイツの法的要件を適用し、将来の発展の機会とリスクを適切に提示するかどうか の合理的な保証を得ること、及
び連結財務諸表及びグループ経営報告書について監査意見を含んだ監査報告書を発行することである。合理的な保証とは、高
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いレベルの保証であるが、 ドイツ商法第317条、EU法定監査規則及びドイツ公認会計士協会(IDW)が公表したドイツにおける一
般に公正妥当と認められた連結財務諸表監査基準に準拠した監査、さらに国際監査基準(ISA)及び米国公開会社会計監視委員会
（米 国）のガイドラインに従っ た監査が、常に重要な虚偽表示を発見できることを保証するものではない。不正又は誤謬によ
り発生し得る虚偽表示は、個別又は集計して、連結財務諸表及びグループ経営報告書に基づいた財務諸表利用者の経済的意思
決定に影響を及ぼすと合理的に予期されるときに、重要であるとみなされる。
我々は職業的専門家としての判断を行使し、監査の全過程を通じて職業的懐疑心を保持する。我々はさらに、
－ 不正又は誤謬による連結財務諸表 及びグループ経営報告書 の重要な虚偽表示のリスクの識別及び評価し、これらのリスク
に対応した監査手続の策定及び実施し、監査意見の基礎を提供する十分かつ適切な監査証拠を得る。不正は共謀、偽造、
恣意的な省略、詐称、内部統制の無効化を伴う可能性があるため、不正による重要な虚偽表示が発見されないリスクは、
誤謬による重要な虚偽表示が発見されないリスクより高い。
－ 状況に応じた適切な監査手続を策定するために、 連結財務諸表の監査に関連する内部統制 及びグループ経営報告書の取決
めと基準（システム）を理解する。
－ 取締役会に使用される会計方針の適切性、取締役会による会計上の見積りの合理性及び関連する開示を評価する。
－ 取締役会による、継続企業を前提とした会計処理の妥当性、及び継続企業として存続するグループの能力に重要な疑義を
生じさせる事象又は状況に関連する重要な不確実性が存在するかどうかについて、入手した監査証拠に基づいて結論づけ
る。もし重要な不確実性が存在すると結論する場合、監査報告書において連結財務諸表及びグループ経営報告書の関連す
る開示について強調するか、もしくは、開示が不適切な場合は、監査意見を修正することが要求されている。我々の結論
は監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいている。しかしながら、将来の事象もしくは状況がグループの継続企業
の前提を覆す可能性がある。
－ 連結財務諸表の開示を含め、全体的な表現、構造、内容を評価する。また、連結財務諸表がEUにより採用されたIFRS及び
ドイツ商法 (HGB) 第315e条第１項に従って適用されるドイツの商法による追加的要求事項並びに国際会計基準審議会が公表
したIFRSに準拠してグループの資産、負債、財政状態及び経営成績について真実かつ公正な外観を与えるような方法で基
礎となる取引及び事象を表示しているかどうかについて評価する。
－ 連結財務諸表及びグループ経営報告書の監査意見を表明するために、グループ内のビジネス活動及び企業の財務情報に関
して十分かつ適切な監査証拠を入手する。我々はグループ監査の方向性、監督、パフォーマンスに責任を有する。我々は
監査意見に対して単独で責任を負う。
－ グループ経営報告書の連結財務諸表との整合性、ドイツ法への準拠性、それが提供するグループの状況に関する見解を評
価する。
－ グループ経営報告書の中で取締役会によって提供される将来の情報に対して監査手続を実施する。十分かつ適切な監査証
拠に基づき、我々は特に将来の情報の基礎として取締役会によって使用された重要な仮定及び、これらの仮定からの将来
の情報の導出の適切性を評価する。我々は将来の情報及び基礎として用いられた仮定につき個別の意見を表明しない。将
来の事象が当該将来の情報と大きく乖離する重大な不可避のリスクが存在する。
我々は、とりわけ計画された監査の範囲及び時期、監査の期間中に発見された内部統制の重要な欠陥を含む重要な監査での
発見事項について、監査役会とコミュニケーションを取る。
我々は、さらに、独立性に関する倫理規則に準拠したこと及び独立性に影響を及ぼすと合理的に考えられる全ての関係や
他の事項、もし該当があれば、関連するセーフガードについてコミュニケーションを取ることについての陳述書を監査役会に
提出する。
監査役会と協議した事項から、我々は、当期の連結財務諸表の監査において最も重要であり、それゆえ監査上の主要な検討
事項となる事項を決定した。我々は、法や規制が情報開示を妨げない限り、これらの事項について監査報告書に記載する。
その他の法令規則に基づく要求事項
PCAOB に従った連結財務諸表の財務報告に係る内部統制システムに関する報告書
連結財務諸表の財務報告に係る内部統制システムに関する監査人の意見
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我々は、SAP SE ( ヴァルドルフ) とその子会社の2020年12月31日現在の連結財務諸表の財務報告に係る内部統制について監査
を行った。この統制システムは、トレッドウェイ委員会支援組織委員会（以下、「COSO」という）が公表した2013年改訂版内
部 統制の統合的フレームワークに定められた基準に基づいている。
我々は、SAPはすべての重要な点において、COSOが公表した2013年改訂版内部統制の統合的フレームワークに定められた基準
に基づき、2020年12月31日現在において連結財務諸表の財務報告に係る有効な内部統制を維持しているものと認める。
連結財務諸表に係る内部統制システムに関する取締役会及び監査役会の責任
SAP SE の取締役会は、連結財務諸表に係る内部統制に関する取締役会の報告書において記載されている様に、連結財務諸表
の財務報告に係る有効な内部統制システムを維持し、その有効性を評価する責任を有している。
会社の内部統制システムは、連結財務諸表に係る財務報告の信頼性及び一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠
した外部報告目的の財務書類作成に対して合理的な保証を提供するために整備されたプロセスである。連結財務諸表の財務報
告に係る内部統制システムには、(1)会社資産の取引及び処分を合理的な詳細さで正確かつ適正に反映した会計システムを保証
し、(2)一般に公正妥当と認められる会計原則の基準に準拠した財務書類の作成を可能にするために必要な取引が記録されるこ
とに関する合理的な保証を提供し、 (3)財務書類に重要な影響を及ぼす可能性のある未承認の資産の取得、使用又は処分を防
止又は適時に発見することについての合理的な保証を提供するための方針及び手続が含まれる。
財務報告に係る内部統制は、固有の限界があるため、重要な虚偽の表示を防止又は発見できない可能性がある。また、将来
の期間にわたる有効性の評価の予測には、状況の変化により内部統制が不適切となるリスク、又は方針や手続の遵守の程度が
低下するリスクを伴う。
監査役会は、連結財務諸表の財務報告に係るグループの内部統制システムを監督する責任を有している。
連結財務諸表の財務報告に係る内部統制に対する監査人の責任
我々の責任は、我々の監査に基づき、連結財務諸表の財務報告に係る内部統制についての意見を表明することにある。我々
は、公開会社会計監視委員会（米国）の基準に準拠して監査を行った。これらの監査の基準は、連結財務諸表の財務報告に係
る有効な内部統制がすべての重要な点において維持されているかどうかについて合理的な保証を得るために、我々が監査を計
画し実施することを求めている。連結財務諸表の財務報告に係る内部統制の監査は、財務報告に係る内部統制についての理
解、重要な欠陥が存在するリスクの評価、評価したリスクに基づく内部統制の整備及び運用状況の有効性についての検証及び
評価、並びに我々が状況に応じて必要と認めた手続きの実施を含んでいる。
我々は、我々が入手した監査証拠は、監査意見の合理的な基礎を得るために十分かつ適切であることを確信している。
公開目的で作成された連結財務諸表及びグループ経営報告書の電子複製に係るHGB第317条（3b）に準じた保証報告書
我々は、電子クライアントポータルから発行者によるアクセス保護付きでダウンロード可能なファイル「sap-2020-12-
31AR.zip」 (SHA256 hash value: 524a6c728259ec888fbcf7f40b8807a71777e3f475e49598987baafe5a335708）に含まれ、公開目
的で作成された連結財務諸表及びグループ経営報告書の電子複製（以下、ESEF文書）が、すべての重要な点において電子報告
形式（ESEF形式）についてのHGB第328条（1）の要求事項に従っているかどうかについて合理的な保証を得るためにHGB第317条
（3b）に準拠して監査を行った。ドイツの法的要求事項に従って、この保証契約は、連結財務諸表とグループ経営報告書に含
まれる情報のESEF形式への変換のみに及ぶものであり、従って、当該複製物に含まれる情報及び上述した電子ファイルに含ま
れるその他すべての情報にも関連しない。
我々は、上述した電子ファイルに含まれる公開目的で作成された連結財務諸表及びグループ経営報告書の複製が、すべての
重要な点において電子報告形式についてのHGB第328条（1）の要求事項に準拠していることを認める。この合理的な保証の結論
及び、附属の2020年1月1日から2020年12月31日までの会計年度に係る連結財務諸表及びグループ経営報告書に対する上記「連
結財務諸表及びグループ経営報告書に対する監査報告書」に含まれる我々の監査意見以外には、当該複製物に含まれる情報及
び上述した電子ファイルに含まれるその他すべての情報に対する意見も表明しない。
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我々は、HGB第317条（3b）及びIDW保証基準の公開草案：公開目的で作成された財務諸表及び経営報告書に係るHGB第317条
（3b）に準拠した保証（ED IDW AsS 410）に従って、上述した電子ファイルに含まれる連結財務諸表及びグループ経営報告書
の複製の評価を行った。従って、我々の責任は以下に記載されている。当監査法人は、品質管理1：監査法人における品質管理
の 要求事項に係るIDW基準（IDW QS 1）を適用している。
SAP SEの経営者は、連結財務諸表及びグループ経営報告書の電子複製を含むESEF文書をHGB第328条（1）第4項1号に従って作
成すること、及び連結財務諸表をHGB第328条（1）第4項2号に従ってタグ付けすることに責任がある。
さらにSAP SEの経営者は、電子報告形式についてのHGB第328条（1）の要求事項の不正又は誤謬による重大な違反のないESEF
文書の作成のために必要と考えられる内部統制にも責任がある。
SAP SEの経営者はまた、監査報告書及び附属の監査済連結財務諸表、監査済グループ経営報告書、並びにドイツのフェデラ
ル・ガゼット[Bundesanzeiger]のオペレーターへ公表するその他の文書と共にESEF文書を提出することにも責任がある。
SAP SEの監査役会は、財務報告プロセスの一環としてESEF文書の作成を監視することに責任がある。
我々の目的は、ESEF文書にHGB第328条（1）の要求事項の不正又は誤謬による重大な違反がないことについて合理的な保証を
得ることである。我々は保証業務の全段階を通して職業的判断を行使し職業的懐疑心を保持する。我々はまた：
－ 不正又は誤謬によるHGB第328条（1）の要求事項の重大な違反のリスクを識別評価し、これらのリスクに対応する保証手続
を立案実施し、我々の保証の結論の基礎を提供するために十分かつ適切な監査証拠を入手する。
－ 内部統制の有効性についての結論を表明する目的ではなく、状況に適した保証手続を立案するため、ESEF文書の評価に関
連する内部統制の理解を得る。
－ ESEF文書の技術的妥当性、つまりESEF文書を含む電子ファイルが、この電子ファイルの技術的仕様において欧州（EU）委
員会委任規則2019/815の要求事項を満たしているかどうかを評価する。
－ ESEF文書が、その内容が監査済連結財務諸表及び監査済グループ経営報告書と同様のままXHTML複製を可能にするかどうか
を評価する。
－ ESEF文書のインラインXBRL技術（iXBRL）へのタグ付けがXHTML複製の適切で網羅的な機械読み取り可能なXBRLコピーを提
供するかどうかを評価する。
EU 法定監査規則第10条に基づく詳細情報
我々は2020年5月20日に開催された定時株主総会でグループ監査人として選出された。2020年7月7日にSAP SEの監査役会の監
査委員会の委員長に任命され、2020年7月24日に追認された。2002年の会計年度から中断することなくグループ監査人を務めて
いる。我々はこの監査報告書で表明されている意見はEU監査規則第11条に基づく監査委員会への追加報告(長文式監査報告書)
と首尾一貫していると宣言する。
財務諸表監査に加えて、我々はグループ企業に対し、連結財務諸表及びグループ経営報告書上で開示されていない以下の
サービスを提供している。
連結財務諸表監査に加えて、我々はSAP SEの財務諸表を監査し様々な子会社で財務諸表監査を実施した。さらに、統合報告
書2020の選択された定性的及び定量的な持続可能性の開示に関する保証業務、ドイツ証券取引法第20条に基づくEMIR監査
[WpHG]、サービス受託会社の保証手続を実施した。
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業務執行社員
この独立監査人の報告書に関する業務執行社員は、ボードー・ラックヴィッツである。
マンハイム、2021年2月24日
KPMG AG
監査法人
( ラックヴィッツ) (コンラッド)
( ドイツ公認監査士) (ドイツ公認監査士)
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Independent Auditor's Report
For the consolidated financial statements and Group Management Report we have issued an unqualified auditor's report. The
English language text below is a translation of the independent auditor's report.
To SAP SE, Walldorf
Report on the Audit of the Consolidated Financial Statements and of the
Group Management Report
Opinions
We have audited the consolidated financial statements of SAP SE, Walldorf, and its subsidiaries (the
Group), which comprise the consolidated statements of financial position as at December 31, 2020,
consolidated income statements, consolidated statements of comprehensive income, consolidated statements of
changes in equity and consolidated statements of cash flows for the financial year from January 1 to
December 31, 2020 and notes to the consolidated financial statements, including a summary of significant
accounting policies.
In addition, we have audited the combined Group Management Report by the SAP Group and the management
report of SAP SE, Walldorf (“Group Management Report”) for the financial year from January 1 to December
31, 2020. In accordance with German legal requirements, we have not audited the content of those components
of the Group Management Report specified in the "Other Information" section of our auditor's report.
In our opinion, on the basis of the knowledge obtained in the audit,
－ the accompanying consolidated financial statements comply, in all material respects, with the IFRSs as
adopted by the EU and the additional requirements of German commercial law pursuant to Section 315e (1)
HGB [Handelsgesetzbuch: German Commercial Code], as well as the IFRSs as adopted by the International
Accounting Standards Board and, in compliance with these requirements, give a true and fair view of the
assets, liabilities and financial position of the Group as at December 31, 2020, and of its financial
performance for the financial year from January 1 to December 31, 2020 and
－ the accompanying Group Management Report as a whole provides an appropriate view of the Group's
position. In all material respects, this Group Management Report is consistent with the consolidated
financial statements, complies with German legal requirements and appropriately presents the
opportunities and risks of future development. Our opinion on the Group Management Report does not
cover the content of those components of the Group Management Report specified in the "Other
Information" section of the auditor's report.
Pursuant to Section 322 (3) sentence 1 HGB, we declare that our audit has not led to any reservations
relating to the legal compliance of the consolidated financial statements and of the Group Management
Report.
Basis for the Opinions
We conducted our audit of the consolidated financial statements and of the Group Management Report in
accordance with Section 317 HGB and the EU Audit Regulation No. 537/2014 (referred to subsequently as “EU
Audit Regulation”) and in compliance with German Generally Accepted Standards for Financial Statement
Audits promulgated by the Institut der Wirtschaftsprüfer [Institute of Public Auditors in Germany] (IDW) as
well as in supplementary compliance with the International Standards on Auditing (ISAs) and guidelines of
the Public Company Accounting Oversight Board (United States).
Our responsibilities under those requirements, principles and standards are further described in the
“Auditor's Responsibilities for the Audit of the Consolidated Financial Statements and of the Group
Management Report” section of our auditor's report. We are independent of the group entities in accordance
with the requirements of European law and German commercial and professional law, and we have fulfilled our
other German professional responsibilities in accordance with these requirements. In addition, in
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accordance with Article 10 (2) point (f) of the EU Audit Regulation, we declare that we have not provided
non-audit services prohibited under Article 5 (1) of the EU Audit Regulation. We believe that the evidence
we have obtained is sufficient and appropriate to provide a basis for our opinions on the consolidated
financial statements and on the Group Management Report.
Key Audit Matters in the Audit of Consolidated Financial Statements
Key audit matters are those matters that, in our professional judgment, were of most significance in our
audit of the consolidated financial statements for the financial year from January 1 to December 31, 2020.
These matters were addressed in the context of our audit of the consolidated financial statements as a
whole, and in forming our opinion thereon, we do not provide a separate opinion on these matters.
Software license revenue recognition
Refer to note (A.1) – Revenue and Group Management Report, section Risk Management and Risks.
THE FINANCIAL STATEMENT RISK
In the financial year 2020 SAP generated revenue of EUR 27.3 billion, of which EUR 15.1 billion relate to
revenues from sales of software licenses and support.
The evaluation of software licenses revenue recognition bears an inherent risk of errors as SAP's
software customer contracts are complex. SAP defined detailed policies, procedures and processes to manage
the accounting for its customer contracts, which are also described in the notes. Applying them often
requires significant judgments, in particular in the assessment of the following:
1. whether various contracts are economically interrelated,
2. whether products and services qualify as separate performance obligations, and
3. the allocation of the transaction price of a customer contract to the performance obligations in the
contract based on standalone-selling prices.
There is the financial statement risk that the recognition cut-off of software license revenue as at the
balance sheet date is incorrect and that revenues are allocated incorrectly.
OUR AUDIT APPROACH
On software revenue recognition, we evaluated the compliance of SAP's accounting policies with the IFRS
Framework and IFRS 15.
We evaluated the design and tested the operating effectiveness of certain internal controls related to
the revenue process including controls related to the identification of economically interrelated
contracts, separate performance obligations and allocation of the transaction price to the performance
obligations in the contract.
For a sample of customer contracts, which were selected using a statistical approach, we:
－ inspected the underlying contractual agreements and other related documents as well as inquired with
SAP's accounting and/or sales representatives to evaluate SAP's assessment of whether contracts were
economically interrelated as well as evaluate the identified performance obligations and allocation of
transaction price,
－ obtained and inspected external confirmations of the key terms and conditions from the respective
customers to test whether contracts were economically interrelated, as well as to evaluate the
identified performance obligations,
－ evaluated the allocation of the transaction price for each of the deliverables that qualified as a
separate performance obligation by assessing the methodology applied and testing mathematical accuracy
of the underlying calculations.
For the majority of software support revenue, we compared the actual support revenue with the support
revenue that is expected based on last year's support revenue, the loss rate of last year's support
contracts and the current year software sales that trigger additional support revenue.
OUR OBSERVATIONS
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SAP has developed an adequate framework for determining the accounting treatment for its revenue. For the
vast majority of the software arrangements entered into during 2020, it was clear which of SAP's revenue
recognition policies should be applied. Where there was room for interpretation, SAP's judgment was
balanced and appropriate.
Assessment of the Group's uncertain tax treatments
Refer to note (C.5) – Income Taxes, and Group Management Report section Risk Management and Risks.
THE FINANCIAL STATEMENT RISK
SAP operates in multiple tax jurisdictions with complexities and uncertainties due to different
interpretations of tax laws, such as those involving revenue sharing and cost reimbursement arrangements
between SAP Group entities, changing tax laws and intercompany financing transactions. The determination of
provisions for tax uncertainties requires SAP to make judgments on tax issues and develop estimates
regarding SAP's exposure to tax risks. SAP regularly engages external experts to provide tax opinions to
support their own risk assessment. The risk for the consolidated financial statements relates to the
completeness, measurement and disclosure of the provision for uncertain tax treatments. As of December 31,
2020 SAP disclosed contingent liabilities relating to tax uncertainties of EUR 1.2 billion.
OUR AUDIT APPROACH
We evaluated the design and tested the operating effectiveness of certain internal controls over the tax
process including controls over the Group's assessment of tax law and the process to estimate the related
exposures. We assessed the competency, skills and objectivity of the external experts and evaluated the
related expert opinions. We inquired of the Group's tax department and inspected correspondence with the
relevant tax authorities. We involved tax professionals with specialized skills and knowledge, who assisted
in evaluating SAP's conclusion's over the estimate of tax uncertainties based on their knowledge and
experience regarding the application of relevant legislation by tax authorities and the courts.
Finally, we assessed whether the disclosures in the notes with respect to uncertain tax treatments are
complete and appropriate.
OUR OBSERVATIONS
SAP's judgments as to the amounts recognized as tax provisions for tax uncertainties as of December 31,
2020 are appropriate. The disclosures in the notes to the consolidated financial statements are complete
and appropriate.
Recoverability of the carrying amount of goodwill for the Concur Segment
Refer to note (D.2) – Goodwill.
THE FINANCIAL STATEMENT RISK
SAP performs its annual goodwill impairment test at the level of its operating segments as there are no
lower levels within SAP at which goodwill is monitored for internal management purposes.
As of December 31, 2020, SAP reported goodwill of EUR 27.6 billion, of which EUR 3.3 billion was
allocated to the Concur segment.
The respective impairment test is complex and involves significant judgment. The key assumptions relate
to the budgeted revenue growth and budgeted operating margin. Minor changes to those assumptions had a
significant effect on the fair value less costs of disposal. SAP engaged an external valuation expert to
support SAP in performing the goodwill impairment test.
There is the risk for the financial statements that the required impairments were not sufficiently
recorded. In addition, there is the risk that the disclosures in the notes associated herewith are not
appropriate.
OUR AUDIT APPROACH
We evaluated the design and tested the operating effectiveness of certain internal controls over the
impairment process including budgeted revenue growth and budgeted operating margin assumptions for the
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Concur Segment. We involved our valuation professionals with specialized skills and knowledge, who assisted
in assessing the measurement of the fair value less costs of disposal. We evaluated SAP's budgeted revenue
growth and budgeted operating margin assumptions by comparing them to publicly available market data for
comparable companies. We performed an independent sensitivity analysis for each assumption listed above
using own assumptions that we have developed based on external sources.
To provide for the appropriate application and the mathematical accuracy of the valuation model utilized,
we recalculated the Company's calculations on the basis of elements selected in a riskorientated manner and
analyzed deviations.
We assessed the competency, skills and objectivity of the external valuation expert engaged by SAP.
Finally, we assessed whether the disclosures in the notes with respect to the recoverability of the
carrying amount of the goodwill are appropriate. This also included an assessment as to the appropriateness
of the disclosures in the notes pursuant to IAS 36.134(f) with respect to sensitivities resulting from
reasonably possible changes of key assumptions underlying the valuation.
OUR OBSERVATIONS
The approaches underlying the impairment testing of goodwill are appropriate and consistent with the
applicable accounting and valuation principles. SAP applied a balanced set of assumptions in determining
the fair value less costs of disposal. The disclosures in the notes associated herewith are appropriate.
Other Information
The Executive Board and the Supervisory Board, respectively, of SAP SE is responsible for the other
information. The other information comprises the following unaudited information in the Group Management
Report:
－ the combined non-financial report, included in section “General Information About This Management
Report” of the Group Management Report,
－ the corporate governance statement, included in section “Corporate Governance Fundamentals” of the
Group Management Report, and
－ Information extraneous to the Group Management Report and marked as unaudited.
The other information also includes the annual report on Form 20-F and remaining parts of the annual
report.
The other information does not include the consolidated financial statements, group management report
information and our auditor's report thereon.
Our opinions on the consolidated financial statements and on the Group Management Report do not cover the
other information and consequently we do not express an opinion or any other form of assurance conclusion
thereon.
In connection with our audit, our responsibility is to read the other information and, in so doing, to
consider whether the other information
－ is materially inconsistent with the consolidated financial statements, with the Group Management Report
information audited for content or our knowledge obtained in the audit, or
－ otherwise appears to be materially misstated.
If, based on the work we have performed, we conclude that there is a material misstatement of this other
information, we are required to report that fact. We have nothing to report in this regard.
In addition, we were engaged to perform an independent assurance engagement on selected qualitative and
quantitative sustainability disclosures of the integrated report 2020. In regard to the nature, extent and
conclusions of this independent assurance engagement we refer to our Independence Assurance Report dated on
February 24, 2021.
Responsibilities of the Executive Board and the Supervisory Board for the Consolidated
Financial Statements and the Group Management Report
The Executive Board of SAP SE is responsible for the preparation of the consolidated financial statements
that comply, in all material respects, with IFRSs as adopted by the EU and the additional requirements of
German commercial law pursuant to Section 315e (1) HGB as well as IFRS as adopted by the International
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Accounting Standards Board and that the consolidated financial statements, in compliance with these
requirements, give a true and fair view of the assets, liabilities, financial position, and financial
performance of the Group. In addition, the Executive Board is responsible for such internal control as the
Executive Board has determined necessary to enable the preparation of consolidated financial statements
that are free from material misstatement, whether due to fraud or error.
In preparing the consolidated financial statements, the Executive Board is responsible for assessing the
Group's ability to continue as a going concern. The Executive Board also has the responsibility for
disclosing, as applicable, matters related to going concern. In addition, the Executive Board is
responsible for financial reporting based on the going concern basis of accounting unless there is an
intention to liquidate the Group or to cease operations, or there is no realistic alternative but to do so.
Furthermore, the Executive Board is responsible for the preparation of the Group Management Report that,
as a whole, provides an appropriate view of the Group's position and is, in all material respects,
consistent with the consolidated financial statements, complies with the German legal requirements and
appropriately presents the opportunities and risks of future development. In addition, the Executive Board
is responsible for such arrangements and measures (systems) as the Executive Board has considered necessary
to enable the preparation of the Group Management Report that is in accordance with the applicable German
legal requirements, the German Accounting Standards number 17 and 20 (GAS 17, GAS 20) and the IFRS Practice
Statement Management Commentary and to be able to provide sufficient appropriate evidence for the
assertions in the Group Management Report.
The Supervisory Board is responsible for overseeing the Group's financial reporting process for the
preparation of the consolidated financial statements and of the Group Management Report.
Auditor's Responsibilities for the Audit of the Consolidated Financial Statements and of
the Group Management Report
Our objectives are to obtain reasonable assurance about whether the consolidated financial statements as
a whole are free from material misstatement, whether due to fraud or error, and whether the Group
Management Report as a whole provides an appropriate view of the Group's position and, in all material
respects, is consistent with the consolidated financial statements and the knowledge obtained in the audit,
complies with the German legal requirements and appropriately presents the opportunities and risks of
future development, as well as to issue an auditor's report that includes our opinions on the consolidated
financial statements and on the Group Management Report.
Reasonable assurance is a high level of assurance, but is not a guarantee that an audit conducted in
accordance with Section 317 HGB and the EU Audit Regulation and in compliance with German Generally
Accepted Standards for Financial Statement Audits promulgated by the Institut der Wirtschaftsprüfer (IDW)
as well as in supplementary compliance with ISAs and guidelines of the Public Company Accounting Oversight
Board (United States) will always detect a material misstatement. Misstatements can arise from fraud or
error and are considered material if, individually or in the aggregate, they could reasonably be expected
to influence the economic decisions of users taken on the basis of these consolidated financial statements
and this Group Management Report.
We exercise professional judgment and maintain professional scepticism throughout the audit. We also:
－ Identify and assess the risks of material misstatement of the consolidated financial statements and of
the Group Management Report, whether due to fraud or error, design and perform audit procedures
responsive to those risks, and obtain audit evidence that is sufficient and appropriate to provide a
basis for our opinions. The risk of not detecting a material misstatement resulting from fraud is
higher than for one resulting from error, as fraud may involve collusion, forgery, intentional
omissions, misrepresentations, or the override of internal control.
－ Obtain an understanding of internal control relevant to the audit of the consolidated financial
statements and of arrangements and measures (systems) relevant to the audit of the Group Management
Report in order to design audit procedures that are appropriate in the circumstances.
－ Evaluate the appropriateness of accounting policies used by the Executive Board and the reasonableness
of accounting estimates made by the Executive Board and related disclosures.
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－ Conclude on the appropriateness of the Executive Board's use of the going concern basis of accounting
and, based on the audit evidence obtained, whether a material uncertainty exists related to events or
conditions that may cast significant doubt on the Group's ability to continue as a going concern. If we
conclude that a material uncertainty exists, we are required to draw attention in the auditor's report
to the related disclosures in the consolidated financial statements and in the Group Management Report
or, if such disclosures are inadequate, to modify our respective opinions. Our conclusions are based on
the audit evidence obtained up to the date of our auditor's report. However, future events or
conditions may cause the Group to cease to be able to continue as a going concern.
－ Evaluate the overall presentation, structure and content of the consolidated financial statements,
including the disclosures, and whether the consolidated financial statements present the underlying
transactions and events in a manner that the consolidated financial statements give a true and fair
view of the assets, liabilities, financial position and financial performance of the Group in
compliance with IFRSs as adopted by the EU as well as with IFRSs as adopted by the International
Accounting Standards Board and the additional requirements of German commercial law pursuant to Section
315e (1) HGB.
－ Obtain sufficient appropriate audit evidence regarding the financial information of the entities or
business activities within the Group to express opinions on the consolidated financial statements and
on the Group Management Report. We are responsible for the direction, supervision and performance of
the group audit. We remain solely responsible for our opinions.
－ Evaluate the consistency of the Group Management Report with the consolidated financial statements, its
conformity with German law, and the view of the Group's position it provides.
－ Perform audit procedures on the prospective information presented by the Executive Board in the Group
Management Report. On the basis of sufficient appropriate audit evidence we evaluate, in particular,
the significant assumptions used by the Executive Board as a basis for the prospective information, and
evaluate the proper derivation of the prospective information from these assumptions. We do not express
a separate opinion on the prospective information and on the assumptions used as a basis. There is a
substantial unavoidable risk that future events will differ materially from the prospective
information.
We communicate with the Supervisory Board regarding, among other matters, the planned scope and timing of
the audit and significant audit findings, including any significant deficiencies in internal control that
we identify during our audit.
We also provide the Supervisory Board with a statement that we have complied with relevant independence
requirements, and communicate with them all relationships and other matters that may reasonably be thought
to bear on our independence, and where applicable the related safeguards.
From the matters communicated with the Supervisory Board, we determine those matters that were of most
significance in the audit of the consolidated financial statements of the current period and are therefore
the key audit matters. We describe these matters in our auditor's report, unless law or regulation
precludes public disclosure about the matter.
Other Legal and Regulatory Requirements
Report on Internal Control over Financial Reporting in the Consolidated
Financial Statements pursuant to PCAOB
Opinion on Internal Control over Financial Reporting in the Consolidated Financial
Statements
We have audited the internal control over financial reporting in the consolidated financial statements of
SAP SE, Walldorf, and its subsidiaries in place as at December 31, 2020. This control system is based on
criteria set out in the Internal Control – Integrated Framework (2013) issued by the Committee of
Sponsoring Organizations of the Treadway Commission (COSO).
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In our opinion, SAP maintained, in all material respects, effective internal control over financial
reporting in the consolidated financial statements as at December 31, 2020 based on the criteria set out in
the Internal Control – Integrated Framework (2013) issued by the COSO.
Executive Board's and Supervisory Board's Responsibility for the Internal Control over
Financial Reporting in the Consolidated Financial Statements
SAP SE's Executive Board is responsible for maintaining effective internal control over financial
reporting in the consolidated financial statements and assessing its effectiveness, which is included in
the Executive Board's report on the internal control over consolidated financial reporting.
A company's internal control over financial reporting in the consolidated financial statements is a
process designed to provide reasonable assurance regarding the reliability of financial reporting in the
consolidated financial statements and the preparation of financial statements for external purposes in
accordance with generally accepted accounting principles. A company's internal control over financial
reporting in the consolidated financial statements includes policies and procedures to (1) ensure an
accounting system that in reasonable detail accurately and fairly reflects the transactions and
dispositions of the company's assets, (2) provide reasonable assurance that transactions are recorded as
necessary to permit preparation of financial statements in accordance with generally accepted accounting
principles, and (3) provide reasonable assurance regarding prevention or timely detection of unauthorized
acquisition, use or disposition of the company's assets that could have a material effect on the financial
statements.
Because of its inherent limitations, internal control over financial reporting may not prevent or detect
material misstatements. Also, projections of any evaluation of effectiveness to future periods are subject
to the risk that controls may become inadequate because of changes in conditions, or that the degree of
compliance with the policies or procedures may deteriorate.
The Supervisory Board is responsible for overseeing the Group's internal control over financial reporting
in the consolidated financial statements.
Auditor's Responsibility for the Internal Control over Financial Reporting in the
Consolidated Financial Statements
Our responsibility is to express an opinion on the internal control over financial reporting in the
consolidated financial statements based on our audit. We conducted our audit in accordance with the
standards of the Public Company Accounting Oversight Board (United States). Those standards require that we
plan and perform the audits to obtain reasonable assurance about whether effective internal control over
financial reporting in the consolidated financial statements was maintained in all material respects. Our
audit of internal control over financial reporting in the consolidated financial statements included
obtaining an understanding of internal control over financial reporting, assessing the risk of material
deficiencies in internal control, testing and evaluating the design and operating effectiveness of internal
control based on this assessment, and performing such other procedures as we considered necessary in the
circumstances.
We believe that the audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to provide a basis for
our opinion.
Assurance Report in accordance with Section 317 (3b) HGB on the Electronic Reproduction of
the Consolidated Financial Statements and the Group Management Report Prepared for
Publication Purposes
We have performed an assurance engagement in accordance with Section 317 (3b) HGB to obtain reasonable
assurance about whether the electronic reproduction of the consolidated financial statements and the group
management report (hereinafter the “ESEF documents”) contained in the file that can be downloaded by the
issuer from the electronic client portal with access protection, “sap-2020-12-31AR.zip“ (SHA256 hash
value: 524a6c728259ec888fbcf7f40b8807a71777e3f475e49598987baafe5a335708) and prepared for publication
purposes complies in all material respects with the requirements of Section 328 (1) HGB for the electronic
reporting format (“ESEF format”). In accordance with German legal requirements, this assurance engagement
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only extends to the conversion of the information contained in the consolidated financial statements and
the group management report into the ESEF format and therefore relates neither to the information contained
in this reproduction nor any other information contained in the above-mentioned electronic file.
In our opinion, the reproduction of the consolidated financial statements and the group management report
contained in the above-mentioned electronic file and prepared for publication purposes complies in all
material respects with the requirements of Section 328 (1) HGB for the electronic reporting format. We do
not express any opinion on the information contained in this reproduction nor on any other information
contained in the abovementioned file beyond this reasonable assurance conclusion and our audit opinion on
the accompanying consolidated financial statements and the accompanying group management report for the
financial year from January 1, 2020 to December 31, 2020 contained in the “Report on the Audit of the
Consolidated Financial Statements and the Group Management Report” above.
We conducted our assessment of the reproduction of the consolidated financial statements and the group
management report contained in the above-mentioned electronic file in accordance with Section 317 (3b) HGB
and the Exposure Draft of the IDW Assurance Standard: Assurance in accordance with Section 317 (3b) HGB on
the Electronic Reproduction of Financial Statements and Management Reports Prepared for Publication
Purposes (ED IDW AsS 410). Accordingly, our responsibilities are further described below. Our audit firm
has applied the IDW Standard on Quality Management 1: Requirements for Quality Management in Audit Firms
(IDW QS 1).
The company's management is responsible for the preparation of the ESEF documents including the
electronic reproduction of the consolidated financial statements and the group management report in
accordance with Section 328 (1) sentence 4 item 1 HGB and for the tagging of the consolidated financial
statements in accordance with Section 328 (1) sentence 4 item 2 HGB.
In addition, the company's management is responsible for the internal controls they consider necessary to
enable the preparation of ESEF documents that are free from material non-compliance with the requirements
of Section 328 (1) HGB for the electronic reporting format, whether due to fraud or error.
The company's management is also responsible for the submission of the ESEF documents together with the
auditor's report and the attached audited consolidated financial statements and audited group management
report as well as other documents to be published to the operator of the German Federal Gazette
[Bundesanzeiger].
The Supervisory Board is responsible for overseeing the preparation of the ESEF documents as part of the
financial reporting process.
Our objective is to obtain reasonable assurance about whether the ESEF documents are free from material
non-compliance with the requirements of Section 328 (1) HGB, whether due to fraud or error. We exercise
professional judgement and maintain professional scepticism throughout the assurance engagement. We also:
－ Identify and assess the risks of material non-compliance with the requirements of Section 328 (1) HGB,
whether due to fraud or error, design and perform assurance procedures responsive to those risks, and
obtain assurance evidence that is sufficient and appropriate to provide a basis for our assurance
conclusion.
－ Obtain an understanding of internal control relevant to the assessment of the ESEF documents in order
to design assurance procedures that are appropriate in the circumstances, but not for the purpose of
expressing a conclusion on the effectiveness of these controls.
－ Evaluate the technical validity of the ESEF documents, i.e. whether the electronic file containing the
ESEF documents meets the requirements of Commission Delegated Regulation (EU) 2019/815 on the technical
specification for this electronic file.
－ Evaluate whether the ESEF documents enable an XHTML reproduction with content equivalent to the audited
consolidated financial statements and the audited group management report.
－ Evaluate whether tagging the ESEF documents with Inline XBRL technology (iXBRL) provides an appropriate
and complete machine-readable XBRL copy of the XHTML reproduction.
Further Information pursuant to Article 10 of the EU Audit Regulation
We were elected as group auditor at the annual general meeting on May 20, 2020. We were engaged by the
Chairman of the Audit Committee of the Supervisory Board of SAP SE on July 7, 2020, and this engagement was
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有価証券報告書
confirmed on July 24, 2020. We have been the group auditor of SAP SE without interruption since the
financial year 2002.
We declare that the opinions expressed in this auditor's report are consistent with the additional report
to the audit committee pursuant to Article 11 of the EU Audit Regulation (long-form audit report).
In addition to the financial statement audit, we have provided to group entities the following services
that are not disclosed in the consolidated financial statements or in the Group Management Report:
We audited the financial statements of SAP SE and performed various financial statement audits at
subsidiaries. Furthermore, other assurance services required by law or on a contractual basis were
performed, including an assurance engagement on selected qualitative and quantitative sustainability
disclosures of the Integrated Report 2020 and an EMIR assurance service pursuant to section 20 of German
Securities Trading Act [WpHG] and service organization attestation procedures.
German Public Auditor Responsible for the Engagement
The German Public Auditor responsible for the engagement is Bodo Rackwitz.
Mannheim, February 24, 2021
KPMG AG
Wirtschaftsprüfungsgesellschaft
[Original German version signed by:]
Rackwitz Conrad
Wirtschaftsprüfer Wirtschaftsprüfer
[German Public Auditor] [German Public Auditor]
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