フィリピン共和国 有価証券報告書
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フィリピン共和国(E34224)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
金融商品取引法第24条第1項
【根拠条文】
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和3年6月29日
【会計年度】 自 令和2年1月1日 至 令和2年12月31日
【発行者の名称】 フィリピン共和国
（Republic of the Philippines）
【代表者の役職氏名】 ロザリア・V・デ・レオン
（Rosalia V. De Leon）
フィリピン共和国財務省財務局長
（Treasurer of the Philippines）
【事務連絡者氏名】 弁護士 小馬瀬 篤 史
同 乙 黒 亮 祐
同 李 豪 俊
【住所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03-6775-1000
【縦覧に供する場所】 該当なし
（注）一定の定義語及び取決め
本書中の統計情報は、本書の日付現在、公的に入手可能な最新の公式データである。本書中の財務データは、共
和国の経済データの継続的な保守に伴い後日訂正される場合があるが、共和国は、その発行した証券の保有者に対
し、かかる訂正されたデータの配信を行わない。本書中の「該当なし」という語句は、該当する統計データ又は財
務データが得られないことを示す。
本書において、(a)「発行者」、「共和国」及び「フィリピン」はフィリピン共和国を指し、(b)「政府」はフィ
リピン共和国政府を指し、(c)「バンコ・セントラル」はフィリピンの中央銀行であるバンコ・セントラル・フィ
リピネスを指す。
「GOCC」とは、その資本金の51％以上を政府が政府関係機関を通じて直接的又は間接的に所有する法人をいう。
政府の会計年度は、毎年1月1日に開始し、同年の12月31日に終了する。
別段の記載がない限り、本書において、「フィリピン・ペソ」及び「ペソ」はフィリピンの法定通貨を指し、
「ドル」、「米ドル」及び「$」はアメリカ合衆国の法定通貨を指し、「ユーロ」は1999年1月1日に欧州経済通貨
同盟の第3段階の開始時に導入された通貨を指し、「日本円」及び「円」は日本の法定通貨を指す。「SDR」は、国
際通貨基金（以下「IMF」という。）の特別引出権を指す。株式会社三菱ＵＦＪ銀行が2021年6月 18 日現在（日本時
間）で提示した対顧客直物電信売買相場の仲値は、それぞれ1フィリピン・ペソ＝ 2.30 円（電信買相場（TTB）は参
考相場）及び1米ドル＝110.33円であった。本書におけるフィリピン・ペソ又は米ドルから日本円への換算額は、
読者の便宜のためにのみ記載するものであり、フィリピン・ペソ額又は米ドル額が上記レートで日本円に換算され
ることを示すものと解してはならない。
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本書において、ペソ金額の一部は、読者の便宜のため米ドル金額に換算されている。別段の記載がない限り、か
かる換算には、バンコ・セントラルの財務部（Treasury Department）により当該日に公表されるバンコ・セント
ラ ル参照為替レート速報（Reference Exchange Rate Bulletin）に掲載される為替レートを用いている。但し、当
該ペソ金額が実際に当該米ドル金額に相当すること、又は当該ペソ金額を表示レート若しくはある特定のレートで
米ドルに交換できたはずであること、あるいはともかくもかかる交換が可能なはずであったことを表明するもので
はない。
経済指標は、国内総生産（以下「GDP」という。）及び国民総所得（以下「GNI」という。）を名目市場価格ベー
スと実質市場価格ベースの両者で示す。名目市場価格ベースのGDP及びGNIでは、各年の実際の価格を用いて国内の
生産額が算出されるのに対し、実質市場価格ベースのGDP及びGNI（「実質」GDP及び「実質」GNIともいう。）で
は、基準年の価格を基にして生産額を算出し、インフレーション及びデフレーションによる歪みの影響を排除して
いる。2011年度第1四半期中、GDP及びGNI（2011年度の改定以前は国民総生産と称されていた。）の計算のための
フィリピンの国民経済計算システム（以下「PSNA」という。）に基づく基準が改定され、実質市場価格ベースでの
算出の基準年度が1985年から2000年に変更された。2020年4月、PSNAに基づく基準がさらに改定され、実質市場価
格ベースでのGDP及びGNIの算出の基準年度が2000年から2018年に変更された。下記「第３ 発行者の概況－１ 発
行者が国である場合－（２）経済－GDP及び主な財務指標」を参照のこと。別段の記載がない限り、本書中のデー
タは2011年度に改定されたPSNA基準に基づいて表示されている。
別段の記載がない限り、本書中のGDP及びGNIの成長率の数値は、それぞれ2000年12月31日に終了した年度を基準
年度として用いた実質GDP及び実質GNIの期間毎の比較であるが、 2020 年度の数値（及び2019年度の同期との比較数
値）は、2018 年12月31日に終了した年度を基準年度として表示されている。したがって、本書に表示されている
2020 年度に関するGDP及びGNIの数値は、2020年度より前の年度の年間GDP及びGNIの数値と同じ基準で表示されてい
るものではない。2020年3月、政府は、2000 年12月31日に終了した年度を基準とする GDP 及びGNIの数値の報告を中
止した。
バンコ・セントラルが発表する国際収支統計は、国家統計局（以下「NSO」という。）（現フィリピン統計局
（以下「PSA」という。））が集計した商品貿易の統計に基づいている。2013年3月、バンコ・セントラルは、国際
収支統計に関するIMFの国際収支マニュアル第6版（以下「BPM6」という。）の枠組みを2011年度以降分から採用
し、財産所得及び費用勘定の修正を行った。別段の記載がない限り、本書中の国際収支統計は、BPM6ベースで表示
されている。従って、これらの統計は、共和国が過去に報告したデータと異なる場合がある。
2013 年7月、バンコ・セントラルは、統計編纂において国際的に最良な慣行への準拠の一環として、標準報告様
式（以下「SRF」という。）フォーマットと称する金融統計の編纂及び報告の新たなシステムを採用した。SRFは、
金融・財務統計をIMFに報告するための国際的な統一された枠組みである。SRFの下では、バンコ・セントラルが報
告する国外及び国内の資産は、従前のように負債を控除した形で表示されるのではなく、負債は別途報告される。
但し、一般政府資産は引き続き、負債を控除した形で表示されている。SRFシステムの採用による総合国際収支の
変動は生じていない。しかしながら、バンコ・セントラルは、SRFの採用に関連して、無担保劣後債務及び未払利
息の算入に関するIMFからの一定の勧告を適用しているため、過去に報告した額について軽微な変動が生じてい
る。
本書の表中の数値とそれらの合計が一致しない場合は、四捨五入した数値を表示していることによるものであ
る。
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第１【募集（売出）債券の状況】
募集債券
上場金融商品取引
2020 会計年度に
2020 会計年度末の 所名又は登録認可
債券の名称 発行年月日 券面総額 おける
未償還額 金融商品
償還額
取引業協会名
第8回フィリピン共和国
2018 年8月15日 107,200,000,000 円 0円 107,200,000,000 円 該当なし
円貨債券（2018）
第9回フィリピン共和国
2018 年8月15日 6,200,000,000 円 0円 6,200,000,000 円 該当なし
円貨債券（2018）
第11回フィリピン共和国
2018 年8月15日 40,800,000,000 円 0円 40,800,000,000 円 該当なし
円貨債券（2018）
第12回フィリピン共和国円
2019 年8月15日 30,400,000,000 円 0円 30,400,000,000 円 該当なし
貨債券（2019）
第13回フィリピン共和国円
2019 年8月15日 21,000,000,000 円 0円 21,000,000,000 円 該当なし
貨債券（2019）
第14回フィリピン共和国円
2019 年8月15日 17,900,000,000 円 0円 17,900,000,000 円 該当なし
貨債券（2019）
第15回フィリピン共和国円
2019 年8月15日 22,700,000,000 円 0円 22,700,000,000 円 該当なし
貨債券（2019）
上記の債券の発行日から2020会計年度末までの期間中に、上記の債券の所有者の権利等に重要な影響を与える事
実は発生しなかった。
2021年1月1日以降本書提出日までに、日本において以下の債券の募集が行われた。
上場金融商品取引所名又は
債券の名称 発行年月日 券面総額
登録認可金融商品取引業協会名
第16回フィリピン共和国円貨債券（2021） 2021 年4月13日 55,000,000,000 円 該当なし
売出債券
該当事項なし
第２【外国為替相場の推移】
該当事項なし
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第３【発行者の概況】
１【発行者が国である場合】
（１）【概要】
歴史、国土及び国民
歴史
フィリピンは、1521年から1898年までスペインにより植民地として統治されていた。1898年6月12日、フィリピ
ン人らは米西戦争中に独立を宣言した。しかし、米国は、米西戦争を終結させた1898年パリ講和条約に基づきフィ
リピンの統治権を主張し、フィリピンがコモンウェルス（自治政府）となる1935年まで、フィリピンを植民地とし
て統治した。1946年7月4日、フィリピンは独立共和国となった。
地理及び一般情報
フィリピン諸島は東南アジアに位置し、7,000を超える島々で構成される。その総陸地面積は、約300,000平方キ
ロメートルである。共和国は、これらの島々を3つの地理的地域に区分している。各地域の総面積は、北部のルソ
ン地域が141,395平方キロメートル、中央部のビサヤ地域が56,606平方キロメートル及び南部のミンダナオ地域が
総面積101,999平方キロメートルである。また、共和国は、17の行政管区に分かれている。
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注：西フィリピン海のいくつかの島の領有権に関する紛争については、下記「西フィリピン海（南シナ海）をめぐる領海及び海事紛争」を参
照のこと。
2016 年度において、保全森林地の面積はフィリピン国土の約52.7％に当たる15.8百万ヘクタールで、国土の約
47.3％は農耕地であった。2021年1月現在、就業人口の24.8％が農業部門の被用者であった。2019年度及び2020年
度における共和国の輸出所得（農業ベースの製品の輸出を含む。）に占める農林水産業の輸出所得総額は、それぞ
れ約14.7％及び15.9％であった。共和国は一定の農作物の主要輸出国であるが、工業製品は共和国の輸出品中で最
も重要な品目であり、2020年度における共和国の輸出額の82.5％を占めていた。電子機器、機械製品、輸送機器、
衣料品及び木工製品は従来、共和国の主要な輸出工業品である。
2015 年度の人口及び住居に関する国勢調査（以下「2015年度国勢調査」という。）
2015 年度国勢調査によると、共和国の人口は101.0百万人であった。これは、2010年度の人口及び住居に関する
国勢調査時から9.4％（8.6百万人）の増加、また2000年度の人口及び住居に関する国勢調査時から32.0％（24.5百
万人）の増加に当たる。共和国の人口は、2010年から2015年にかけて年平均で1.7％増加したが、この率は、2000
年から2010年にかけての年平均増加率である1.9％を下回った。2015年において共和国の17行政管区のうち人口が
最大であったのは、人口14.4百万人の管区IV-A（カラバルソン）で、12.9百万人のマニラ首都圏及び11.2百万人の
管区III（中部ルソン）がこれに続いた。これら3管区の合計人口は、2015年における共和国の人口の約38.5％を占
めた。2010年から2015年にかけての人口増加率が最も高かったのは、イスラムミンダナオ・バンサモロ自治地域
（以下「BARMM」という。）（旧ムスリム・ミンダナオ自治地域（以下「ARMM」という。））で、年平均にして
2.9％の増加率であった。2015年において共和国の81州のうち人口が最大であったのは、人口3.7百万人のカビテ
で、3.3百万人のブラカン及び3.0百万人のラグナがこれに続いた。人口が1.0百万人を超えていたのは、計27州で
あった。共和国の人口構成は、比較的若年比率が高く、2015年度国勢調査によると、20歳未満の人口が全人口の約
40％を占め、中位年齢は24.3歳であった。
下表は、2015年度国勢調査に基づく共和国の年齢層別人口を示している。
2015年 度の年齢層別人口
年齢層別人口
年齢層 (人) 全人口に対する割合
1歳未満 2,075,441 2.1％
1－4歳 8,740,557 8.7％
5－9歳 10,838,875 10.8％
10－14歳 10,480,412 10.4％
15－19歳 10,120,312 10.1％
20－24歳 9,396,155 9.3％
25－29歳 8,304,461 8.3％
30－34歳 7,290,536 7.2％
35－39歳 6,704,923 6.7％
40－44歳 5,813,169 5.8％
45－49歳 5,262,005 5.2％
50－54歳 4,415,193 4.4％
55－59歳 3,597,370 3.6％
60－64歳 2,755,608 2.7％
65－69歳 1,912,908 1.9％
70－74歳 1,218,065 1.2％
75－79歳 857,534 0.9％
790,191 0.8％
80歳以上
合計 100,573,715 100.0％
中位年齢
24.3歳
出典：PSA 、2015年度国勢調査
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フィリピン国民の過半数は、マレー系民族である。フィリピン文化は、スペイン、中国及び米国の影響も強く受
けている。国語はフィリピノ語であるが、ビジネス、政府及び教育において主に用いられる言語は英語である。そ
の 他、国民によって80を超える方言及び言語が使用されており、中国語及びスペイン語もそれに含まれる。2015年
現在、共和国の識字率はアジアでもトップクラスの98.3％であった。
フィリピンにおいて優勢な宗教は、キリスト教で、中でもローマカトリックが大勢を占める。ミンダナオには、
相当数のムスリム少数派が居住している。
2020 年度の人口及び住居に関する国勢調査（以下「2020年度国勢調査」という。）
共和国の2020年度国勢調査は、 2020 年5月に開始の予定であったが、 新型コロナウイルス感染症（COVID-19）
（以下「新型コロナウイルス感染症」という。）の流行による制約のため何回か延期され、 2020 年9月1日にようや
く業務開始となった。 共和国の2020年度国勢調査では、 100,000 名超の国勢調査員及び22,000名超の国勢調査監督
官の動員が予定されている。 2020 年度 国勢調査の完了時期は、2021年5月が目標とされていたが、その結果は、 ロ
ドリゴ・R・ドゥテルテ大統領（以下「ドゥテルテ大統領」という。）の承認を得た後に公表される。
政府
政府機構
共和国は、1935年以来3つの憲法を制定している。共和国は、市民の暴動に端を発した、20年間続いたフェル
ディナンド・マルコス政権の崩壊とコラソン・アキノ（1986年の大統領選挙におけるマルコスの対立候補）の大統
領就任の翌1987年2月、国民投票による承認を得て現行憲法（以下「憲法」という。）を採択した。新しい憲法
は、行政、立法及び司法の3つの府からなる大統領制の政府を復活させた。
各府の特徴は以下のとおりである。
・ 行政－普通選挙により選出された任期6年（再選不可）の大統領が行政権を行使する。大統領の死亡、恒久
的障害、解任又は辞任の場合には、副大統領がその残りの任期の間、大統領の職務を代行する。副大統領が
任務を務めることができない場合は上院議長が、上院議長が任務を務めることができない場合は下院議長
が、新大統領又は副大統領の選出及び資格付与まで大統領の職務を代行する。前任大統領の残りの任期の間
の代行者が選出された場合は、同人は大統領として6年間の任期を務めることができる。ドゥテルテ大統領
の現在の6年間の任期は、2016年7月1日に開始しており、2022年6月30日に終了する。
・ 立法－上院及び下院で構成される議会は、共和国の立法権を行使する。憲法は、24人の議員からなる上院及
び250人以下（各派の代表者を除く。）の議員からなる下院に権限を付与している。議員はいずれも普通選
挙により選出される。上院議員の任期は6年間で、下院議員の任期は3年間である。上院議員及び下院議員は
再選可能であるが、それぞれ2期連続及び3期連続を上限とする。2019年5月、上院議員12人及び全下院議員
の選挙が行われた。この選挙で選出された議員と、改選対象外であった12人の上院議員が共和国第18回議会
を構成している。
・ 司法－最高裁判所、及び法律により設置される下級裁判所が共和国の司法権を行使する。共和国の裁判所
は、最高裁判所及び控訴裁判所等の一般的管轄権を有する裁判所の重層的システムである。その下位には、
地域裁判所、首都圏裁判所、自治体裁判所及び自治体巡回裁判所が置かれているが、これらはすべて第一審
裁判所である。
最近の国政選挙
2016 年5月9日、共和国大統領・副大統領選挙、及び上院議員のうち12人と全下院議員の選挙を含む国政選挙及び
地方選挙がフィリピン全土で行われた。フィリピン民主党－民衆の力（以下「PDP－ラバン党」という。）のドゥ
テルテ大統領及び自由党のマリア・レオノール・ロブレド副大統領がそれぞれ当選し、2016年7月1日に就任した。
その時点で、前大統領ベニグノ・S・アキノ3世の6年間の任期が終了した。
2019 年5月13日、フィリピンにおいて、上院議員12名及び全下院議員のほか、州・市・町レベルの全公職の選挙
が行われた。選挙後は、PDP－ラバン党が議席数83の下院第1党となり、次いでナショナリスタ党、民族主義者国民
連合及び国民統一党がそれぞれ42議席、36議席及び25議席を確保し、残りの議席はその他の政党が分け合った。
2019年7月22日、上院及び下院が共和国第18回議会の第1回通常会を開会した。
フィリピンにおける次回の国政選挙及び地方選挙は、2022年5月に予定されている。
腐敗の捜査その他の手続
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過去数年間に、アロヨ元大統領及びアキノ前大統領を始めとする現職又は過去の政府高官数名が不正利得、汚
職、不正蓄財、財物強要、贈収賄あるいは権限の不正行使により捜査対象となり、又は起訴されている。2016年7
月、最高裁判所は、アロヨ元大統領を不正蓄財について無罪とし、その後、同氏は2018年にフィリピン下院議長に
選 出された。それ以外にも、様々な政治家その他公人が同様の容疑で公判待ちとなっている。加えて、2名の大統
領（当時）及び1名の最高裁判所長官（当時）に対して弾劾手続が行われた。
汚職防止委員会の2020年10月の報告書によれば、2019年以降、合計9,356件の懸念及び苦情が処理され、対処さ
れた。この間、13の報告書と勧告が大統領府に届けられ、そのうちいくつかは行政部門における高位の役職に指名
された者に関わるものである。その他64件がオンブズマン事務所に照会された。
昨年終盤時点において、反マネーロンダリング評議会（AMLC）の協力の下、汚職防止委員会は17名の政府高官の
生活調査を実施していた。
政治的暴力
フィリピンでは、政治的暴力の実例が存在する。2021年3月現在、25名の市長・町長及び副市長・副町長が殺害
されている。2019年12月、特別法廷は、数十年間にわたってフィリピン南部のマギンダナオ州を支配したアンパ
トゥアン一族のうち8名及びその他の被告人20名に対し、2009年に選挙手続に向かう車列が待ち伏せされ、アンパ
トゥアン一族の政敵や30名のジャーナリストを含む58人が殺害された事件における複数の殺人の訴因について、各
被告人が果たした役割により有罪判決を下した。
違法薬物取引撲滅の努力
2016 年7月1日に就任して以来、ドゥテルテ大統領は、違法薬物取引との戦いを同政権の重点事項としている。
2020 年12月31日現在、フィリピン国家警察（以下「PNP」という。）は、2016年7月1日のドゥテルテ大統領就任以
来、PNPの麻薬取締作戦により273,014人が逮捕されていると推計している。（当時）42,045存在するバランガイの
うち、20,946のバランガイが違法薬物撲滅を宣言した。
いくつかの国際団体及び外国（国際連合人権高等弁務官事務所及び米国を含む。）の代表者が、これらの作戦に
関連する共和国における超法規的殺害に関する報道を受けて懸念を表明した。2020年1月、米国上院は、マグニツ
キー法により政府の違法薬物撲滅作戦の著名な批判者であったフィリピン上院議員デ・リマの収監や、複数の超法
規的殺害に関与したことが判明した当局者らに対して渡航制限及び金融制裁を課す決議を採択した。
行政組織
2021 年3月31日現在、共和国には17の行政管区及び43,761の地方自治体が存在した。地方自治体は、81の州、146
の市、1,488の町（州の下部組織）及び42,046のバランガイで構成されていた。高度に都市化された市は州から独
立して機能するが、その他の各市は、その位置する州の行政監督下に置かれている。
政府は、その多様なプログラム及びプロジェクトを実施する、行政部門の様々な省及び省同格機関を中心として
組織されている。省及び省同格機関は、次の5つの部門に分けられる。
部門 主な省庁
社会サービス 保健省、教育省、労働雇用省、社会福祉開発省
経済サービス 農業省、農地改革省、エネルギー省、環境天然資源省、観光省、貿易産業省、
公共事業道路省、運輸通信省、科学技術省
防衛 国防省
一般公共サービス 外務省、財務省、予算管理省、内務自治省、司法省、国家経済開発庁、広報業
務担当大臣官房、ムスリム・ミンダナオ自治地域、コルディリェラ行政管区
憲法に基づく諸機関 一般公共サービス（選挙管理委員会、監査委員会、人事委員会、公序安全委員
会、行政監察院）、社会サービス（人権委員会）
政府系企業（GOCC）
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政府は、経済の成長及び発展を促すため、必要不可欠な物品及びサービスを公衆に提供し、民間部門と協力する
多数の法人を所有又は支配している。GOCCの事業内容は、当初は基本的な公的サービス及び国家独占事業に限定さ
れており、1930年代には13社であったのが、1984年までに301社に増加した。
GOCC ガバナンス委員会（以下「ガバナンス委員会」という。）の2020年1月7日現在のデータベースによると、
GOCC数は、119社である。これらの企業は、26社の政府系金融機関（以下「GFI」という。その内訳は、銀行機関8
社、ノンバンク12社及び社会保障機関6社である。）と93社のその他の機関（ガバナンス委員会の業界分類に基づ
くと、貯蓄投資企業、不動産土地開発企業、エネルギー企業及びその他で構成される。）からなる。
現在のところ、公的部門の対内債務及び対外債務の相当部分がGFIを含むGOCCの債務で占められている。政府
は、公共政策を支援する形で企業に融資するGFI3社が公的部門の赤字／黒字やその他の財務指標にどれだけ寄与し
ているかを緊密にモニタリングしている。2019年12月31日現在、上記の緊密なモニタリングの対象であるGFI3社の
対内負債及び対外負債の合計額は2.62兆ペソで、全GOCCの負債合計の53.46％を占めていた。フィリピン土地銀行
（以下「LBP」という。）の負債額は1.89兆ペソで、全GFIの負債合計の 71.95 ％及び全GOCCの負債合計の 38.47 ％
と、それぞれの最大部分を占めていた。フィリピン開発銀行（以下「DBP」という。）の負債額は 701.42 十億ペソ
で、全GFIの負債合計の26.76％（構成率第2位）を、また全GOCCの負債合計の14.31％（構成率第2位）を占めてい
た。
政府はまた、様々な重要事業活動に携わっている一定のGOCC（以下「主要GOCC」という。）については、各社が
公的部門の赤字／黒字やその他の財務指標にどれだけ寄与しているかを記録することにより、緊密なモニタリング
を行っている。2019年12月31日現在、主要GOCCの対内債務及び対外債務は合計約1.39兆ペソで、全GOCCの負債合計
の 28.37 ％を占め、対GDP比では7.12％であった。電力部門資産負債管理公社（以下「PSALM」という。）の負債額
は 689.11 十億ペソで、主要GOCCの負債合計の 49.55 ％とその最大部分を占め、また全GOCCの負債合計の 14.06 ％（構
成率第3位）を占めていた。 2019 年には、主要GOCC数が14から16に増加した。
近年、政府は、その財政健全化への取組み、公正さ、公的サービスの効率的・効果的な提供、持続可能性、透明
性及び説明責任に対するGOCCの適切な貢献を奨励することにより、これらのGOCCのコーポレート・ガバナンス及び
財務成績を向上させるという一般政策を実施している。政府は、その民営化戦略のほか、GOCCを自立させるという
政策目標に沿って、他のGOCCの事業への介入を控える方針を採っている。但し、政府は一定の場合には、法により
許容される範囲で債務保証その他必要とみなす支援を行うことにより、これらの企業の取引を支援している。 2011
年以来、いくつかのGOCCは、政府により民営化若しくは廃止され、又は休眠状態／営業休止状態に分類され、ある
いはその他の措置を講じられている。
ドゥテルテ政権の政策
ドゥテルテ大統領は、2016年7月26日に行った初めての施政方針演説で、その6年間の任期における政策課題を発
表した。大統領は、徹底的かつ持続的に犯罪、違法薬物及び汚職と戦うとした就任演説での約束を繰り返し、
PNP、バランガイ議長、市長、知事及びその他の公人らに対し、ともに戦うよう呼びかけた。また、この取組みを
進めるにあたり、違法薬物との戦いに向けた努力の結集や政府各省庁の提携強化を支援すべく、違法薬物に関する
省庁をまたぐ委員会の創設を約束した。さらに、全国で治療・更生施設を増設し、違法薬物使用者の更生を優先す
ることを約束した。
ドゥテルテ大統領は、医療・保健、教育、適切な食と住、環境保護及び文化の尊重の各分野でフィリピン国民の
福祉を向上させる政策についても述べた。特に強調したのは、安全、開発、意思決定への公平なアクセス及びアイ
デンティティの受容に対する全フィリピン国民の基本的ニーズを充足することにより、テロリズムや無法行為と戦
うことの重要性であった。ドゥテルテ大統領は、高い経済成長率をより良い雇用の創出及び貧困削減につなげる一
助となるように、アキノ前大統領政権のマクロ経済政策、すなわち慎重な財政金融政策を継続したいと表明した。
インフラについては、ドゥテルテ大統領は、全体的な経済成長及び観光業の振興のため、また灌漑技術の改良
や、損失を最小限に抑える近代的な収穫施設及び収穫後施設による農業の近代化の促進のため、道路開発プロジェ
クトを増加させるという目標を掲げた。環境規制の面では、共和国の天然資源を荒廃させる違法伐採、違法採鉱そ
の他の破壊行為との戦いへの援護任務を強化するように軍に指示した。
最後に、ドゥテルテ大統領は、透明性が高く汚職のない政権運営を行うと約束し、とりわけPNPが責任を持って
その業務を遂行し、権限乱用を慎むよう訓令した。これに関連して、大統領は、警察官の不正行為に関する報告を
効率的に捜査し、裁定すること、またフィリピンにおける違法薬物取引とのドゥテルテ政権の戦いでの貴重な協力
者としてPNPを活用することを国家警察委員会に対して指示した。
近年の施政方針演説
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2016 年7月26日、ドゥテルテ大統領は、初めての施政方針演説を行い、その6年間の任期における政策課題を発表
した。大統領は、徹底的かつ持続的に犯罪、違法薬物及び汚職と戦うとした就任演説での約束を繰り返し、PNP、
バ ランガイ議長、市長、知事及びその他の公人らに対し、ともに戦うよう呼びかけた。また、この取組みを進める
にあたり、違法薬物との戦いに向けた努力の結集や政府各省庁の連携強化を支援すべく、違法薬物に関する省庁を
またぐ委員会の創設を約束した。さらに、全国で治療・更生施設を増設し、違法薬物使用者の更生を優先すること
を約束した。
2017 年7月24日、ドゥテルテ大統領は2回目の施政方針演説を行った。大統領は、前回同様、反違法薬物運動での
戦いを継続すると誓い、違法薬物、汚職及び犯罪に対する断固たる措置に加わるよう国民に訴えた。また違法薬物
取引をはじめとする凶悪犯罪に対する死刑を復活させるように議会に求め、フィリピン国軍（以下「AFP」とい
う。）の防衛能力を増強し、テロリズム、犯罪その他の脅威に対する抑止力とするため、より多くの資源をAFPに
提供することを宣言した。ドゥテルテ大統領は、環境問題への懸念も表明し、環境保護を優先課題とすると述べ
た。とりわけ、採鉱業者らが環境を破壊し、虚偽の所得税申告書を提出し、適正な税金の支払いを逃れているとし
て批判した。地理的な移動を容易にし、地点間の接続性を向上させるインフラ改善のため、2017年度においては対
GDP比5％であった政府のインフラ支出を2022年度までに7％に引き上げることで、全国レベルでの公平な発展及び
成長を促進することを目標としていると述べた。また、包括的税制改革プログラムの支持を上院に呼びかけ、2017
年12月19日、関連法案がドゥテルテ大統領の署名により共和国法第10963号として成立した。
2018 年7月23日、ドゥテルテ大統領は3回目の施政方針演説を行った。演説のテーマは、違法薬物や汚職との戦
い、バンサモロ自治地域、共和国の中国との関係や経済といった幅広いものであった。大統領は、国家として違法
薬物との戦いを継続するという決意を強調し、また汚職及び政府資源の浪費への反対を強く表明した。さらに、バ
ンサモロ自治地域の創設に触れ、共和国憲法の枠内で同地域の自治を保証することを誓約した。大統領は、共和国
が西フィリピン海における自国の利益の擁護に引き続き取り組みながらも、中国との関係を改善したことについて
も述べた。また、税制改革法（Tax Reform for Acceleration and Inclusion law）（以下「TRAIN法」という。）
の成立について議会を称賛し、その実施を支持する旨を表明した。そして最後に、現行憲法又は今後新たに採択さ
れうる憲法により認められる期間を超えて在任する意思はないことを述べた。
2019 年7月22日、ドゥテルテ大統領は4回目の施政方針演説を行った。また汚職反対を強調し、政府機関には市民
のニーズへのより良い対応を求めた。国家安全保障については、共和国憲法の枠内でのバンサモロ自治地域の自治
を保証する旨を再び誓約した。また、共和国が西フィリピン海における自国の利益の擁護に向けた取組みを継続す
ることを公約した。大統領は、経済及び市民生活の向上を目指すいくつかの取組みについても触れた。例えば、マ
ニラ首都圏外の複数の新興経済拠点における「Build Build Build」プログラム、貧困削減プログラムの資金を得
るための税制改革、第三の電気通信プロバイダーの市場参入並びにコメ関税化法及びコメ競争力増進基金の完全施
行等である 。
2020 年7月27日、 ドゥテルテ大統領は5回目の施政方針演説を行った。大統領は、 新型コロナウイルス感染症の流
行については、 まもなくワクチンが入手可能になるであろうと請け合い、 新型コロナウイルス感染症の流行中も国
家運営を維持し、必要不可欠なサービスを提供し、治安・秩序を維持したすべての国民、医療従事者及び政府組織
に対して感謝の意を表し、その流行抑制の取組みを評価した。 大統領は、国家として違法薬物との戦いを継続する
という決意をあらためて表明し、 また汚職反対を強調し た。 さらに、とりわけ新型コロナウイルス感染症の流行に
鑑み、景気と国民生活を上向かせるためのいくつかの取組みについて述べた。例えば、企業復興税優遇法（以下
「CREATE法」という。）、金融機関の不良債権戦略的移管法（以下「FIST法」という。）、 「Build Build
Build」プログラム、及び 民生・技能向上に関する無料オンライン・トレーニングの提供である。大統領は、新型
コロナウイルス感染症の流行によるサイバー空間の利用の高度化を踏まえたサイバーセキュリティーの重要性にも
言及し、フィリピンのサイバー空間のパトロールの実施及びオンライン消費者保護・データ保護・プライバシー法
の施行を約束した。
包括的税制改革プログラム
財務省は現在、その 包括的税制改革プログラムを実施する様々な法の可決を目指している。包括的税制改革プロ
グラムは、 貧困の削減を加速化し、フィリピン政府の歳入の流れをより簡潔、公正かつ効率的にすることを意図し
ている。想定されたとおり、財務省は、その 包括的税制改革プログラムの完了に向け、6つのパッケージを実施す
る諸法案の可決を意図している。パッケージのうち3つに関する法案は既に可決・成立しているが、残りのパッ
ケージに関する法案は 議会においていまだ審議中である。
包括的税制改革プログラムのパッケージ1である TRAIN 法案は、2017年12月19日に共和国法第10963号として成立
した。TRAIN法は、とりわけ個人所得税率の引下げを行い、引下げ後の税率の幅を15％から30％までとするもので
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（2023年までに完全施行）、課税所得が年額8百万ペソ超という最高税率適用層の個人納税者のみが32％から35％
への税率引上げの対象となった。同法は、小規模・零細の自営業者及び専門職である納税者に対して、従前の累進
所 得税の税率区分に応じた税率に代えて、総売上高に対して8％という一律の率による税の支払を認めている。ま
た同法は、相続税及び贈与税を簡素化し、付加価値税の税基盤を拡大し、石油製品及び自動車に対する物品税率を
引き上げた。
2019 年2月14日、包括的税制改革プログラムのパッケージ1Bの2019年タックス・アムネスティ（租税特赦）法案
が成立した。2019年タックス・アムネスティ法は、当初は、(1)あらゆる税に関する国税一般のアムネスティ、(2)
滞納されている相続税に関する相続税のアムネスティ、及び(3)既に確定し、支払期限が到来し、支払要求が可能
となっている租税債務の滞納に係るアムネスティの3つで構成されていた。ドゥテルテ大統領は、国税一般のアム
ネスティ条項については拒否権を行使したが、相続税のアムネスティ及び滞納に係るアムネスティを承認した。可
決された 2019 年 タックス・アムネスティ法は、相続税のアムネスティを利用する 遺産財団に対し、納税者が2017課
税年度以前の年度に係る相続税の納付を怠ったことにより生じたあらゆる相続税並びにその増価分及び追加分の支
払義務並びにそれに付随するあらゆる民事事件、刑事事件及び行政事件についての免責、並びに税法上の罰の免除
を申し立てることを認めるものである。
CREATE 法（旧称： 法人所得税・税制優遇適正化法案 又は 機会創出のための税制改革法案）として知られる包括的
税制改革プログラムのパッケージ 2 は、2021年3月26日に ドゥテルテ大統領によって署名され、共和国法第 11534 号
として成立した。CREATE法は、一定の条件の充足を要件として、 法人所得税率を 税法に基づく 元の 30 ％から25％又
は 20 ％に引き下げることにより、景気を刺激することを意図している。またCREATE法は、フィリピンの財政インセ
ンティブ政策の変更を規定しており、財政的インセンティブを財政インセンティブ審査委員会の管理下に置くこと
によって、そのガバナンスを改善しようとするものである。
包括的税制 改革 プログラムの パッケージ2プラスは、アルコール飲料、たばこ及び電子たばこに対する物品税並
びに鉱業税を対象として意図していた。アルコール飲料、たばこ及び電子たばこに対する物品税については、2つ
の法が既に成立している。すなわち、2019年7月25日に2019年たばこ税法としても知られる 共和国法第 11346 号が、
また2020年1月22日には共和国法第11467号が ドゥテルテ 大統領の署名により成立した。これら2つの法は、2020年
からたばこに対する物品税を10ペソ引き上げ、加熱式たばこ製品及びたばこベイパー製品に対して物品税を課し
た。アルコール飲料製品については、発酵酒に対するユニタリー・タックス（物品税）の1リットル当たり40ペソ
への引上げが2019年に実施されたが、2020年から2022年にかけて1リットル当たり5ペソがこれに上乗せされ、その
後は毎年10％の引上げが行われる。一方、蒸留酒については、1プルーフ・リッター当たり40ペソへの引上げが
2019年に実施されたが、その後、2020年から2022年にかけて1プルーフ・リッター当たり5ペソがこれに上乗せされ
る。ワインについては、その特定税の率が2019年から毎年10％引き上げられる。これらの増税は、 ユニバーサル・
ヘルスケア法を推進することを意図したものである 。これと同じパッケージ2プラスに基づき、がん、腎臓病、結
核及び精神疾患等の疾患の処方薬の販売及び輸入に対する12％の付加価値税は、2023年1月1日から免除される。 包
括的税制改革プログラムの パッケージ2プラスの鉱業トランシェについては 、現状では フィリピンの鉱業財政制度
は、鉱物資源生産分配協定（Mineral Production Sharing Agreements ）と資金・技術支援協定（Financial or
Technical Assistance Agreements ）に二分されており、各々の下で相当に異なる優遇措置及び優遇税制が定められ
ている ところ、審議中の 上院法案第1979号は、すべての鉱業契約に適用される単一の財務制度を創設することを意
図している。
包括的税制改革プログラムのパッケージ3、すなわち不動産鑑定評価改革法案は、公正、公平かつ効率的な不動
産評価システムの発展を促進するために不可欠な改革の導入を狙いとしている。これは、 中央政府及び地方政府の
不動産関連税において用いられている課税標準を拡大することにより、現在の税率の引上げ又は新たな税の賦課を
行うことなく政府の歳入を増加させることを目指すものである。 同法案は、2019年11月25日に下院を通過し、現在
のところ上院の歳入委員会、地方政府委員会及び財務委員会で審議されている。
包括的税制改革プログラムのパッケージ4、すなわち 受動的所得・金融仲介課税法案 は、受動的所得・金融仲介
税をより簡素、公正かつ効率的なものとすることに注力し、 利息、配当及びキャピタルゲインに適用される 税率と
金融仲介機関に適用される事業 税 率を調和のとれたものとすることにより、共和国 の地域的競争力を高めるもので
ある。同法案は、2019年9月9日に下院を通過し、現在のところ上院の歳入委員会において審議中である。
フィリピン開発計画
2016 年10月11日、ドゥテルテ大統領は、フィリピン国民の今後25年間の自身及び国家に関する展望を表した25年
間の長期ビジョン「 AmBisyon Natin 2040」を承認及び採択する2016年行政命令第5号に署名した。フィリピン開発
計画は、 AmBisyon Natin 2040 の達成に向けて、 計画立案に係る 政府の全体的な指針となっており、6年ごとに策定
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され、3年ごとに中間アップデートが行われる。 2017 －2022年度フィリピン開発計画（2017年2月20日、その最終版
が国家経済開発庁（以下「NEDA」という。）により承認された。）は、現政権の 0+10 項目の社会経済アジェンダ 及
び この長期的な国家ビジョンを基に立案された初めての中期計画に基づいている。2017－2022年度フィリピン開発
計画は、社会のあらゆる層を包摂した成長、信頼性の高い社会及び国際競争力のある知識経済のためのより強固な
基盤を築くことを目標とする。2017－2022年度公共投資プログラムの目標投資総額は、7.09兆ペソと見積もられ
た。
大統領は、2017－2022年度フィリピン開発計画の実行の一助となるように、2017年5月16日に行政命令第24号に
署名し、同計画に沿ったロードマップの作成を全閣僚クラスターに対して指示した。また大統領は、2017年6月1日
に行政命令第27号に署名し、すべての政府機関及び部局（地方自治体を含む。）に対して、その予算プログラム及
び部局あるいは法人としてのプログラムを、同フィリピン開発計画において特定された戦略及び活動と連携させる
ように指示した。
政策と各プログラムの整合性を確保し、また同フィリピン開発計画の実施にあたり省庁間調整が効率的に行われ
るようにするため、社会経済計画庁長官は2018年3月20日に通達第1号に署名し、改定された閣僚クラスター制度を
同フィリピン開発計画の調整メカニズムに組み込んだ。通達第1号は、同フィリピン開発計画の各章に明記された
同計画の成果の達成については、それを管轄する特定のNEDA理事会委員会、閣僚クラスター及びその他の省庁をま
たぐ委員会に第一義的な責任を負わせるものである。
NEDA は、同フィリピン開発計画に明記された結果及び成果に関する政府の達成度を評価するため、2017年度及び
2018年度の各々に係る社会経済報告書を作成した。これらの報告書には、当該年度中に行われた主な基礎作業、近
い将来に発生することが予想される問題並びに次年度以降2年間において優先的に実行されるべき推奨戦略が記載
されている。
2019 年5月、社会経済計画庁長官は、2019年通達第1号を発出し、2017－2022年度フィリピン開発計画の中間評価
を正式に開始した。改定フィリピン開発計画草案は、省庁をまたぐ会合、地域における協議及び公聴を重ねた末、
最終決定された。同案は、フィリピン開発計画運営委員会が検討の上、NEDA理事会に対してその承認を勧告するこ
とができるように、2020年3月に同委員会に対して提示される予定であった。しかしながら、新型コロナウイルス
感染症の流行により、予定されていたフィリピン開発計画運営委員会は延期された。改定フィリピン開発計画は、
その目標及び戦略を引き続き時宜にかなうものとすべく再検討された。その理由として、かかる計画は、新しい日
常（new normal）への順応を目指す政府のレジリエンシー計画にもなることが挙げられる。
必要とされる省庁間及び利害関係者間の協議を経て、 2021 年1月7日に 改定2017－2022年度フィリピン開発計画が
NEDA 理事会によって仮承認された。2021年2月4日には、この承認済みの計画がメディアに公開され、NEDAのウェブ
サイトに掲載された。2021年2月11日には、刊行前の原稿も閣僚に配布された。さらに2021年2月26日には、政府の
すべての省庁、部局及び機関（GOCC、国立大学及び地方自治体を含む。）に対し、 改定フィリピン開発計画を導入
して普及させ、 その完全実施に努めるように指示する内容のメモランダムが官房長官室から発出された。
フィリピン開発計画の中間アップデートでは、 経済回復を促進する一方で、 フィリピンを健全で回復力のある国
家とする戦略に焦点を当てている 。 改定2017－2022年度フィリピン開発計画は、 2021 －2022年度の数値目標を設定
している。これにはとりわけ、2021年度中に6.5％～7.5％のGDP成長率を達成し、貧困発生率を15.5％～17.5％に
引き下げることが含まれている。 これらの目標達成の指針となるように、同計画には介入のあり方や戦略も組み込
まれている。
本書の日付現在、NEDAは最終的な計画を作成しており、ハードコピーの印刷前の書類校正を継続している。
信用格付
2019 年4月、株式会社日本格付研究所（以下「JCR」という。）は、フィリピンの格付をBBB+に維持し、格付の見
通しを「安定的」から「ポジティブ」に修正し、堅調な内需を背景にした高水準かつ持続的な経済成長パフォーマ
ンス、GDP対比で低水準に抑制された対外債務や外貨準備の蓄積等にみられる対外ショックに対する耐性、堅固な
財政基盤に言及した。また、JCRは、ドゥテルテ政権の下で、公共投資プログラムに基づき支出が拡大し、また財
政改革によりもたらされた予算執行率が改善される中、インフラ開発が加速していることに言及した。しかしなが
ら、JCRは、インフラ改革及び包括的税制改革に関する進展を評価する必要性に鑑みて、格付を据え置いたことを
述べた。
2019 年4月、S&Pグローバル・レーティング（以下「スタンダード＆プアーズ」という。）は、世界平均を上回る
共和国の経済成長率、健全な対外ポジション及び持続可能な財政に言及し、共和国の格付をBBB+、アウトルックを
「安定的」に上方修正した。この格付の安定的なアウトルックは、抑制された財政赤字及び安定的な公的債務とと
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もに、共和国の経済がその勢いを中期的に維持するであろうというスタンダード＆プアーズの見解を反映したもの
である。
2019 年5月、フィッチ・レーティングス・リミテッド（以下「フィッチ」という。）は、フィリピンのBBBの格付
及び「安定的」アウトルックを据え置いた。同格付は、フィリピンの比較的低い国民1人当たり所得、ガバナンス
指標及び政府歳入にもかかわらず、力強く持続可能な成長の見通し及び高水準の外貨準備を考慮している。
2019 年11月、RAMレーティングスは、フィリピンのgBBB2(pi)の格付及び「安定的」アウトルックを据え置いた。
その格付行動は、フィリピンの底堅い内需及び強固な対外ポジション並びに継続的な改革の進展によるものであ
る。同格付機関は、ビジネス環境改善指数における同国のランキングを著しく改善している継続的な改革を強調
し、税制改革の進展について言及した。また、RAMは、失業率の低下、価格圧力の緩和、積極的な観光プロモー
ション及びインフラ支出の強化を強調した。
2020 年2月、フィッチは、フィリピンのBBBの格付を据置きとし、格付アウトルックを「安定的」から「ポジティ
ブ」に引き上げた。これは、高成長率及び緩やかなインフレを下支えする健全なマクロ経済政策の枠組みの継続的
な遵守、政府債務を管理可能な水準内に維持する財政改革の進展、並びにフィリピンの対外資金調達における継続
的な強靭性に対するフィッチの予想を反映している。
2020 年5月、 フィッチは、 共和国のBBBの格付を据置きと しつつ も、 新型コロナウイルス感染症の流行の中で 共和
国が景気後退に直面していることに言及して、アウトルックを「ポジティブ」から「安定的」に修正した 。しかし
ながら、 フィッチが格付を据え置いたことは、共和国の財政的バッファー・ 外的ショックに対する バッファー（ 政
府の 対GDP 債務比率が比較対象国の中位レベルを下回ることや、共和国が純対外債権国の立場にあることを含
む。 ）や、依然として力強い中期的な成長の見通しを反映している。
2020 年5月、 スタンダード＆プアーズ は、共和国のBBB+の格付及び「安定的」アウトルックを据え置き、この格
付は、共和国の経済が引き続き中期的に平均を上回る成長を達成し、その結果、建設的な開発の結果が促進され、
より広範なクレジット・メトリクスが強化されると同社が見込んでいることを反映したものであると述べた。
2020 年6月、JCRは、共和国の格付をA-、見通しを「安定的」に引き上げ、同国の堅調な内需を背景にした高水準
かつ持続的な経済成長パフォーマンス、GDP対比で低水準に抑制された対外債務や外貨準備の蓄積等にみられる対
外ショックに対する耐性、堅固な財政基盤、健全性の高い金融部門に言及した。また、JCRは、ドゥテルテ政権が
看板政策として推進してきたインフラ開発政策、及び開発財源の一部を確保する包括的税制改革が、JCRの前回レ
ビュー時から着実に進展していることに言及した。
2020 年7月、 ムーディーズ・インベスターズ・サービス（以下「ムーディーズ」という。）は、 共和国のBaa2の
格付及び「安定的」アウトルックを据え置いた。これは、近年の政府の財政状態の強化がコロナウイルスの世界的
な感染拡大等のショックによる公的債務の増大に対するバッファーとなるという ムーディーズの見解を反映してい
る 。繰り返しになるが、慎重な経済・財政運営の実績、及び強固な銀行システムは、低コストでの資金調達への安
定的なアクセスに貢献し、ショックが沈静化した後での財政再建及び債務安定化の見込みを下支えする。また、こ
の「安定的」アウトルックは、コロナウイルスの感染拡大による急性ショックからの回復によって、財政・債務メ
トリクスの安定化及び悪化の最終的な逆転により補完される形で、他国と比較して急速な経済成長が復活するとの
見解を反映している。
2021 年1月、フィッチは、共和国のBBBの格付及び「安定的」アウトルックを据え置いた。フィッチは、この据置
きは、共和国政府の債務が 比較対象国に比して低水準であること、外的ショックに対する堅固なバッファーがある
こと、及び新型コロナウイルス感染症の流行による景気後退にもかかわらず、比較的力強い中期的な成長の見込み
があることを反映したものであると述べた。
2021 年4月、株式会社格付投資情報センター（以下「R&I」という。）は、共和国のBBB+の格付を据え置いた。格
付の見通しは、引き続き「安定的」である。R&Iは、その格付行動において、経済成長刺激における財政・金融政
策の役割、経済回復を支援する積極的な公共投資、政府による財政規律の確約及び包括的税制改革の実施による債
務比率の低下基調の予想、経常収支の黒字、並びに対外ポジションに関連した限定されたリスク等の要素を考慮し
たことに言及した。
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反政府組織との国内紛争及び和平交渉
40 年以上にわたって、共和国における各種の反政府組織が定期的に政府軍と戦闘を繰り広げている。これらの反
政府組織の多くの目的は、ミンダナオの伝統的なイスラム地域を共和国から分離することを実現することとされて
いる。しかしながら、その他フィリピン共産党（以下「CPP」という。）等の組織は、表面上、領土的野心よりも
むしろイデオロギー上の目的に重点を置いている。
当初のイスラム分離主義組織であったモロ民族解放戦線（以下「MNLF」という。）は、少なくとも1970年代初頭
から存在し、2度の分裂により、1976年にはモロ・イスラム解放戦線（以下「MILF」という。）（本書の日付現
在、フィリピンにおいて最大のイスラム分離主義組織）、1991年にはアブ・サヤフが結成された。この分裂にもか
かわらず、当初のMNLFは、現在まで存続している。これらの組織は、フィリピンにおいて数多くのテロ攻撃を実行
しており、国の南部の都市を中心として複数の爆撃が発生している。さらに、これらの組織は、フィリピンでの誘
拐その他のテロ活動を引き起こしているものと特定されており、AFPとの散発的な紛争に関与している。
2014 年のバンサモロ包括的合意（フィリピン政府（GPH）とMILFとの間の和平協定）の調印、及び2018年のバン
サモロ組織法の可決を経て、MILF及び「ジキリ・グループ」すなわちMNLFの派閥は、分離主義ではなく、地方自治
強化の支持を表明している。2019年から2020年までに、バンサモロ和平プロセスの正常化プロセスの下で、12,000
人のMILF戦闘員が武装解除された。他方、ヌル・ミスアリにより指揮されたMNLFは、継続中の和平プロセスを遵守
する政策を維持しており、2019年に設置されたGPH-MNLF和平調整委員会を通じて、MNLF司令官に向けて、これに関
する指令を下した。
2017 年1月6日、AFPは、新たな開発支援・安全保障計画である「 Oplan Kapayapaan 」（「平和」を意味する。）
を発表した。また、AFPは、ドゥテルテ大統領により策定された和平プロセスへの支援に尽力している。 DSSP カパ
ヤパアンに基づき、MILF及びMNLFは、和平交渉に関する近年の支援行動に鑑みて、「和平傾向のある武装勢力」に
再分類された。その結果、新計画に基づき、AFPの優先事項は、共産主義反乱並びにアブ・サヤフ等の様々な地域
のテロ組織及び暴力的な過激派の能力の削減及び最終的な敗北となっている。現在、これには、バンサモロ・イス
ラム自由戦士及びダウラ・イスラミーヤが含まれている。全体として、AFPは、ミンダナオ島の現地テロ組織及び
暴力的な過激派の人的強度及び銃砲類を、2017年のマラウィの戦いでの武力衝突の水準と比較して、大幅に減少さ
せている。
DSSP カパヤパアンにより要求されているとおり、AFPは、政府により交渉されたすべての和平協定を遵守し、そ
の人員に対して和平プロセスの最重要性を周知徹底している。他方、AFPは、軍備の充実を通じて、いかなる武装
勢力も交渉の席での目的遂行の手段として社会及び政府に対する武力を利用し、かつ／又はこれを脅かすことがで
きないことを保証している。
2020 年7月、ドゥテルテ大統領は、2007年人類の安全保障法に代わる、「2020年反テロ法」（以下「反テロ法」
という。）につき署名して法律として成立させた。反テロ法の様々な規定の中でも、同法は、テロの予備行為の犯
罪化を規定し、反テロ評議会の書面による承認を条件として最大24日間の令状なしでの逮捕を認めており、反テロ
評議会は、反テロ法の目的において個人又は集団をテロリストに指定することができる。 2020 年10月14日、反テロ
評議会は、 反テロ法施行規則を承認する決議を可決した。同法は現在、最高裁判所において異議申立てを受けてお
り、2021年2月以降に申立人による口頭弁論が行われ、2021年4月27日に5回目の口頭弁論が行われた。本件につい
て、最高裁判所による最終決定は依然として出されていない。
モロ・イスラム解放戦線
2012 年10月7日、政府とMILFは、32回目の予備的な和平交渉を終結し、和平枠組み合意案（以下「枠組み合意」
という。）を発表した。枠組み合意は、ARMMに代えて、新たな自治的な政治組織であるBARMMを設立するための枠
組みを定めている。バンサモロは、ミンダナオの伝統的なイスラム地域の歴史的名称である。枠組み合意は、新組
織であるバンサモロの権限及び構造を定義しており、政府とバンサモロの関係を形成する原則、プロセス及びメカ
ニズムを定めている。枠組み合意は、新組織が、一定の制限を受けつつ、その管轄内において、徴税、外国及び国
内の貸付人からの借入れ並びに天然資源開発による収益の共有を行う権限を有することを定めている。枠組み合意
は、防衛及び安全保障、外交政策、金融政策及び貨幣鋳造、国籍及び帰化に関する権限については、その権限を政
府に留保している。政府とMILFは、2012年10月15日に枠組み合意に調印した。
2014 年3月27日、バンサモロ包括的合意（以下「包括的合意」という。）が、政府とMILFにより調印された。包
括的合意の完了後、移行委員会は、2014年4月に、同委員会が起草したバンサモロ基本法案を、正式に大統領府に
提出した。2017年7月17日、バンサモロ基本法の最終案がドゥテルテ大統領に正式に提出され、大統領は同法への
支持を確認した。バンサモロ基本法は、2018年7月にバンサモロ組織法（共和国法第11054号）として議会において
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可決され、2019年1月に承認された。その結果、ARMMが段階的に廃止され、BARMMの正式な創設のためのプロセスが
開始された。バンサモロ組織法の承認後、2019年3月にBARMMの除幕式が開催され、 アホッド・バラワッグ・ムラ
ド・ エブラヒムMILF議長が、BARMM の暫定首席大臣に任命された。バンサモロ移行局は、2022年の選挙まで、新た
に創設されたBARMMを統治する予定である。
2019 年6月、バンサモロ移行局は、バンサモロ移行計画を承認したが、同計画は、バンサモロ政府の枠組みとし
て役立ち、BARMMの様々な省庁及び事務所の組織図並びに廃止されたARMMの機関及び事務所の段階的な廃止の予定
表を含むものである。さらに、2019年9月にMILF戦闘員の武装解除が開始され、バンサモロ政府は、地域の森林の
保全及び保護を行う森林警備隊員として元MILF戦闘員を雇ったが、このことは、地域の平和及び秩序の促進に資す
るものである。
2021 年2月、ドゥテルテ大統領は、他の反政府組織の中でもMILF及びMNLFのメンバーに対して恩赦を与える大統
領布告を発した。この恩赦は、2007年人類の安全保障法若しくは反テロ法に基づきテロ行為で起訴された個人、反
テロ評議会によりテロリストとして指定された個人、又はフィリピン法に基づく特定の罪を犯したこと若しくは
1949年ジュネーヴ条約に違反したことがある者は除外される。この恩赦が効力を生じるためには、議会の承認が必
要であり、依然として議会において検討中である。
モロ民族解放戦線
また、包括的合意に基づき約束されたMILFとの正常化プロセス同様、かつ当該プロセスと同時に、政府は、MNLF
との正常化も追求している。政府は、特に、銃器類の供給を削減し、弾力的かつ経済的に発展した共同体を建設す
るために、戦略的なMNLF共同体において、バンサモロ内外を問わず、共同体安全保障運営を確立し、社会的保護
サービス（健康保険及び奨学金を含む。）を提供し、道路、橋梁、倉庫、給水設備、保健所、地域治安センター及
び灌漑システムを新設することにより、これらの取り組みを追求している。
2012 年以降、MNLFが関与したARMMにおける散発的な暴力が発生していたが、その多くは派閥闘争に限定されてい
た。これらの展開にもかかわらず、政府は、同地域での開発プログラムを引き続き実行した。
2016 年11月10日、MNLFがMILFとの和平プロセスとは別に、1996年最終和平合意に基づく残りの約束の完了に取り
組むように政府と協働するために、自ら5名で構成される委員会を設置することが発表された。2017年7月18日、
MNLF議長は、ドゥテルテ大統領と会談し、ARMMを強化させるための自らの改正法案をもはや提出するつもりはな
く、その代わりに連邦主義を推進することを宣言した。それ以降、MNLFは連邦主義を推進し続けている。
2017 年11月12日、MNLFメンバーが反政府組織のメンバーを銃撃・殺害後、MILF及びMNLFの戦闘員がマタラム村に
おいて衝突した。戦闘員4名が負傷した。衝突は、両組織のリーダーが介入し、停戦を宣言して終結した。2018年1
月、MNLF指導部は、反政府組織、テロ集団及び麻薬シンジケートとの戦闘において政府軍に加勢したことを発表し
た。2018年8月、MNLF議長ユソフ・ジキリは、死者を出したラミタン市での自動車爆弾攻撃を「非イスラム的」で
あるとして非難した。当該攻撃は外国人武装勢力により実行されたものと伝えられている。
MNLF 指導者ヌル・ミスアリは、2019年3月、ドゥテルテ大統領に対して、連邦政府が創設されない場合、MNLFは
戦争を開始することを伝達した。これに対して、ドゥテルテ大統領は、メディアに対して、潜在的な連邦政府の形
態について公に議論するための専門委員会を設置することを希望する旨を伝えた。2019年8月、ドゥテルテ大統領
は、ミンダナオに平和をもたらし、アブ・サヤフと戦うための努力を示すために、MNLFとの調整委員会の設立を命
令した。新設された政府・MNLF間の和平調整委員会が2019年12月に召集された。同委員会の会議中、政府とMNLF
は、特定の従前の確約（ バンサモロ開発支援基金の設立及び三者間実施監視委員会の設置を含む。） を実施するこ
とに合意した。2020年1月、ドゥテルテ大統領は、MNLF指導者であるヌル・ミスアリをイスラム協力機構に対する
イスラム問題に関する経済特使に任命した。
2020 年11月、MNLFは、MNLF中央委員会議長として、ヌル・ミスアリに代わりムスリミン・セマを選任した。セマ
は、ミンダナオ島のバンサモロ地域における永続的な平和を達成するために、MILF及び共和国と協力する確約を明
言する声明を発表している。
アブ・サヤフ
2002 年、米国及び欧州連合は、アブ・サヤフを「外国テロ組織」のリストに加えた。さらに、米国は、過去に、
アブ・サヤフとの戦闘においてAFPを支援するために軍隊及び軍事顧問を派遣している。2002年7月、米国と共和国
は、フィリピン及び米国の両国の兵士による年次訓練演習を定めた継続的軍事協力協定を締結した。
2002 年以降、アブ・サヤフに関連する暴力が継続している（様々な誘拐・人質事件、交戦・戦闘、傷害及び一般
市民・AFP双方の死者発生を含む。）。AFPは同時に、当該期間を通して、戦闘中におけるアブ・サヤフ戦闘員の逮
捕又は殺害に成功している。
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アブ・サヤフは、2019年及び2020年も暴力的な攻撃を続けている。2019年2月、スールー州ホロの大聖堂で2件の
爆破事件が発生し、23名が死亡、100名以上が負傷した。同月、アブ・サヤフは、誘拐した外国人3名の身代金を要
求 した。政府は要求を拒絶し、身代金の支払いに対するポリシーを引用した。2019年4月、スールー州パティクル
において、政府軍とアブ・サヤフのメンバー約80名との間で衝突が勃発し、7名が死亡、21名が負傷した。2019年5
月、アブ・サヤフと政府との銃撃戦において、オランダ人が死亡した。2019年6月、スールー州インダナンの軍営
において、爆弾攻撃が2件発生し、8名が死亡し22名が負傷した。イラクとシリアのイスラム国（以下「ISIS」とい
う。)は、当該攻撃がISISの現地関連組織であるアブ・サヤフにより実行されたものと主張している。2019年9月、
女性の自爆テロリスト（後にアブ・サヤフのメンバーと特定された。）が、スールー州インダナンにある軍の検問
所を攻撃した。2020年8月、共和国の南部の町ホロの人口が密集した地域において、自爆テロリストによる激しい
爆破事件が2件発生し、少なくとも14名が死亡、他75名が負傷した。
AFP 兵士とアブ・サヤフのメンバーとの衝突は2021年も継続している。2021年3月、AFPの軍隊は、タウイタウイ
州において、アブ・サヤフ指導者のマジャン・サヒジュアンの居所を特定、殺害し、インドネシア人の人質の一部
を救出した上でインドネシア政府に引き渡した。
マラウィの戦い
2017 年5月23日、アブ・サヤフのフィリピン人リーダーであり、東南アジアにおけるISISの指定司令官であるイ
スニロン・ハピロンを捕えるためのマラウィ市における軍事的進攻によって、同市をめぐる約6ヶ月間にわたる攻
囲があった。イスニロン・ハピロンが捕えられると、ISISへの忠誠を誓う現地のイスラム戦闘組織であるマウテ・
グループのメンバーからの援軍がマラウィ市に流れ込んだ。マラウィ市において、100名以上の殺害、建物の放
火、人質及び政府軍との路上での戦闘等、大規模な暴力行為が発生した。同市の大規模な避難が命じられ、同市全
体が閉鎖された。同日、ドゥテルテ大統領は、ミンダナオ全島における戒厳令を発令する宣言第216号に署名し、
戒厳令は当初、2017年7月22日まで続いた。2017年5月29日、ドゥテルテ大統領は、高齢者、女性、子供等がマラ
ウィ市の紛争地域から逃避するための安全かつ保証された経路として、共和国及びMILFにより共同実施される「平
和回廊」の設置を承認した。平和回廊は、2017年6月4日に開放された。
2017 年7月22日、上院と下院は、宣言第216号の2017年12月31日までの延長を承認するための合同会議を招集し、
公共の安全の維持並びにマラウィ市の復興、再建及び復旧に関する作業継続のために、延長が必要との主張がなさ
れた。
2017 年11月26日、軍は、スールー州における各地方自治体の参加を統合することにより、残りの人質をアブ・サ
ヤフから取り戻すことを目的とした作戦を強化した。2017年12月、議会は、武装組織との戦闘のために、ミンダナ
オ島の戒厳令をもう1年延長するというドゥテルテ大統領の要求を承認した。2017年5月から同年12月までに、マラ
ウィ市において1,200名以上が死亡し、ドゥテルテ大統領が2016年に就任して以来、共和国に対する最大の安全保
障上の脅威が発生していた。2019年12月31日、ミンダナオ島の戒厳令は終了し、2年半にわたる軍事的緊張の高ま
りに終止符を打った。しなしながら、ミンダナオ島の一部地域は依然として非常事態にあり、法執行グループは、
潜在的なテロの脅威に対する対策として厳重警備体制にある。
マラウィ対策本部事務所により提供された非公式データによれば、マラウィの戦いの被害総額は約11.5十億ペソ
であった。2018年以降、政府は、マラウィ市の再建に注力している。2018年8月、政府とMILFは、元々は攻囲中に
民間人の救出を目的として締結された協力合意を復活させた。復活した合意に基づき、MILFと政府は、マラウィ市
復旧のために協力する予定である。2020年において、マラウィ市復旧のために3.56十億ペソの予算が承認された。
2021年3月、マラウィ対策本部事務所は、マラウィ市復旧において良好な進展を報告し、取組みは2021年12月まで
に完了予定である。
共産党員及び関連組織
フィリピンは、52年間以上にわたり共産主義反乱を経験している。2002年、米国及び欧州連合は、CPP及びCPPの
軍事関連組織である新人民軍（以下「NPA」という。）を、その「外国テロ組織」のリストに加えた。その結果、
米国及び欧州各国の政府は、これらの組織に関連する金融口座を凍結し、米国及び欧州連合域内におけるCPP及び
NPAメンバーの移動を制限している。
共産党系組織との公式の和平会談は、2004年と2015年の間に停止され、その間にNPAとAFPの散発的な戦闘が続い
た。2016年8月22日、政府は、社会・経済・政治改革に根ざした政治的解決の案出を目指し、CPP及びNPAと密接な
協力関係にある政治組織である民族民主戦線（以下「NDF」という。）との和平を求めて公式の交渉を再開した。
しかしながら、NPAによる兵士3名の殺害後、ドゥテルテ大統領は、2017年2月6日に、CPP、NPA及びNPAをもはや共
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産主義組織ではなくテロ組織と考える旨を述べ、和平会談を停止した。2017年11月23日、政府は、布告第360号に
基づき、CPP-NPA-NDFとの和平交渉を公式に打ち切った。
国レベルでの公式の和平交渉が停止されているにもかかわらず、政府は、平和的降伏を妨げておらず、引き続き
現地の和平交渉に従事している。ドゥテルテ大統領は、2018年12月に大統領令第70号を発令し、現地の共産主義武
力紛争の終結に向けた「国家一体の」取組みを設定し、これに従って、全国各地で現地和平合意が実現されてい
る。ミンダナオでは、現地和平合意によって、現地のCPP-NPA支部のメンバーの大量投降が発生している。
2020 年4月21日、NPAの軍隊は、新型コロナウイルス感染症の人道的任務中にAFPの兵士を攻撃し、AFPの兵士2名
が死亡し3名が負傷した。2020年4月27日、ドゥテルテ大統領は、CPP-NPA-NDFとの和平交渉が永久的に終了したこ
とを発表した。2020年12月9日、反テロ評議会は、反テロ法に基づきCPP及びNPAをテロ組織に指定し、これによ
り、特に組織のメンバーの拘禁及び資産の凍結が可能となる。
2021 年2月、ドゥテルテ大統領は、MILF、MNLF及びフィリピン革命労働者党／革命的プロレタリア軍／アレック
ス・ボンカヤオ旅団－タバラ・パドゥアーノ・グループ（RPM-P/RPA/ABB-TPG）（改正刑法及び刑法の特別法に基
づき政治的信条を追求してなされる犯罪のために「カパティラン（兄弟愛）」と呼ばれている。）等の組織の中で
も特に、自主的に降伏したCPP-NPA-NDFの元反政府メンバーには恩赦を与えるという大統領布告第1090号乃至第
1093号に署名した。この恩赦が効力を生じるためには、議会の承認が必要であり、依然として議会において検討中
である。2021年4月14日現在、下院は、恩赦の付与に同意する委員会報告書を承認した。他方、元反政府勢力によ
る恩赦の申請を処理するために、国家恩赦委員会を設置するための準備が続けられている。
国際関係
フィリピンは、各国の政策目標と経済発展の水準を尊重する原則とルールの多国間の枠組みを通じて、世界貿易
の拡大を重視している。共和国は、世界貿易機関、IMF、世界銀行（以下「WB」という。）、アジア開発銀行（以
下「ADB」という。）等、様々な国際機関に参加することで、貿易及び投資の自由化を促進し、共和国の経済に影
響を及ぼす地球規模の課題について議論することができる。
以下の表は、主要な国際金融機関に対する共和国の資本参加及び当該機関からの融資額を示している。
国際金融機関への加盟
組織名 加盟日 出資額 出資持分 払込資本 融資残高
（単位：％を除き、百万単位）
(1)
国際通貨基金
1945年12月27日 SDR2,042.9 0.43% 1,636.1 －
(2) (3) (3) (3)
国際復興開発銀行 $990.3 $71.0 $8,067.7
1945年12月27日 0.40%
(2) (3) (3) (3)
アジア開発銀行 $3,640.0 $182.15 $10,651.4
1966年12月22日 2.38%
アジアインフラ投資銀行
(3) (3) (3)
（以下「AIIB」とい $979.1 $195.8 $757.1
2016年12月28日 1.01%
(2)
う。）
出典： IMF 、WB、ADB、AIIB及び財務省
注：
(1) 2021年2月28日現在。
(2) 2020年12月31日現在。
(3) 2021年1月4日のバンコ・セントラル参照為替レート速報（日次）に基づく外国為替レート。
また、フィリピンは、以下の地域機関への加盟を通じ、経済権益の増進にも努めている。
・ 東南アジア諸国連合（以下「ASEAN」という。）
・ ASEAN自由貿易地域
・ 東南アジア、ニュージーランド、オーストラリア中央銀行
・ 東南アジア中央銀行
・ アジア太平洋経済協力
・ 東アジア・オセアニア中央銀行役員会議
IMF との関係
IMF は、過去において、定期的なIMFプログラム監視アレンジメントとそれに続くプログラム後の監視アレンジメ
ントにおいて、共和国との関係を維持してきた。定期的なプログラム監視アレンジメントの下で、IMFは安定化プ
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ログラムと構造調整プログラムを通じて、共和国の財政政策に影響を及ぼすことが可能であった。これに対して、
プログラム後の監視アレンジメントでは、特定の定量目標の達成ではなく、経済発展や政策の定期的な見直しに基
づ くプログラム評価が行われ、資金調達の要素は含まれていない。
2015 年3月、IMF職員が共和国を訪問した。代表団は、政府職員及び民間セクターの代表者と一連の会合を行い、
最近の経済発展に焦点を当てた。この訪問の終了時に、IMF幹部は、2014年も実質GDPは引き続き活発に成長し、失
業率が低下したと指摘した。IMFは、フィリピンの今後の見通しに対するリスクとして、先進国における非同時的
な金融政策、先進国や主要新興国市場からの外需の減少等が挙げられると指摘した。最後に、IMFは共和国に対
し、GDPの2％という財政赤字目標に向けて前進することを奨励した。
2015 年8月、IMF理事会は共和国との第4条協議を終了した。この協議に関するIMFの報告書では、IMFは共和国の
賢明なマクロ経済運営を称賛した。IMFは、インフラ投資と社会支出を増加させ、GDPの2％という中期財政赤字目
標に戻るという政府の計画を歓迎した。IMFは、過熱を防ぐための継続的な警戒を奨励しつつ、インフレ率が低
く、信用成長が緩和され、バランスがとれたものとなり、経済活動が緩和されるという観点から、共和国の現行の
金融政策が適切であるとの見解を示した。IMFは、過度のボラティリティを平準化するため、為替レートの柔軟性
を持続することを強調した。最後に、IMFは、金融システムは依然として健全であるが、将来、システミック・リ
スクが発生した場合には、より厳格な規制が必要となる可能性があると指摘した。IMFは、共和国に対し、インフ
ラ支出を引き続き引き上げ、官民パートナーシップを促進し、ビジネス環境を改善し、貧困層のための人的資本及
び社会福祉を強化することを奨励した。
2016 年2月、IMF職員が共和国を訪問した。代表団は、バンコ・セントラル総裁、政府高官、民間セクター代表及
び金融界の代表と一連の会合を行った。IMFは、フィリピン経済は、2015年を通じて民間投資や公共建設が大幅に
増加したことを特に指摘し、2015年の外部環境の悪化と世界的な金融混乱に直面する中で、著しく好調であったと
指摘した。IMFは、2016年も堅調な内需が続き、純輸出の減少を相殺すると見込んでいる。また、IMFは、2015年の
ペソの対米ドル相場は、他の地域通貨と比べて下落幅が小さかったと指摘した。フィリピンについて、IMFは好調
な経済見通しを維持したが、中国と当該地域の成長率の低下、世界的な金融不安、資本流出、天候関連の混乱等の
リスクを挙げた。IMFは、共和国に対し、成長を支援するための構造改革を引き続き実施することを奨励した。
2016 年9月、IMF理事会は共和国との第4条協議を終了した。この協議に関するIMFの報告書において、IMFは、共
和国において、堅調な成長とインフレ率の低下を伴った強固なマクロ経済運営が続いていることを称賛した。IMF
は、フィリピン経済が引き続き堅調に推移していると指摘した。消費、投資ともに急速に伸びたが、純輸出は外需
の低迷により抑制された。また、IMFは、雇用創出は堅調であり、コモディティ価格の下落によりインフレは緩や
かなままであり、バンコ・セントラルの目標水準を下回っていると指摘した。共和国の対外・財政状況は依然とし
て堅調である。フィリピン経済の見通しは、国外からの逆風にもかかわらず、引き続き良好に推移した。共和国の
マクロ経済の好調が、それに応じた貧困削減、不平等及び失業の改善に結びついていないこと、及びドゥテルテ新
政権は、経済をより高く公平な成長軌道に乗せることに焦点を当てるべきであることが指摘された。IMFは、イン
フラ及び人的資本への投資を増加させ、社会支出の目標設定を改善し、競争力及び対外直接投資を強化し、金融シ
ステムをより深く包括的なものとするための努力を奨励した。
2017 年8月、IMF職員は2017年のフィリピンに対する第4条代表団派遣を完了した。2017年10月、IMF理事会はフィ
リピンとの第4条協議を終了し、会合を開催することなく職員による評価を検討し、承認した。評価では、急速な
経済成長と低インフレを背景に、同国経済の堅調なパフォーマンスが続いていると結論付けた。経済は堅調な内需
に支えられ、高成長が続く一方、インフレは目標圏の中心付近にとどまると予想される。評価では、信用の伸びが
加速しており、これまでほとんどの指標で信用拡張の兆候は見られなかったものの、一部の指標では、信用格差が
2017年から2018年にかけて早期警戒水準に近づく可能性が示唆されていることが指摘された。見通しに対するリス
クは、主に外部から発生する。同職員の評価によれば、対外セクターは、ファンダメンタルズや望ましい政策に
よって保証されるよりも、依然としてやや力強い。外貨準備は依然として大きいが、同職員は、同国の自然災害へ
のエクスポージャーと資本フローの不安定性によって、このことは概ね正当化されると考えている。この評価は、
生産的インフラを徐々に拡大し、対象を絞った社会支出を目指す一方、概ね中立的な財政政策を維持するという当
局の計画を支持した。同職員の評価は、追加的な財政余地を創出することを目的とした最初の税制改革案を歓迎
し、当局に対し、追加的な歳入措置の検討を奨励した。
同職員の評価によると、金融安定性に対する主要なシステミック・リスクは、高い信用成長と集中である。評価
によれば、金融安定性に対するシステミック・リスクに対処するために、マクロ・プルーデンス政策が用いられる
べきである。評価では、バンコ・セントラル憲章の改定が勧告された。その内容は、(i)金融安定化の権限の導
入、(ii)監督範囲の拡大、(iii)監督当局の法的保護の確立、(iv)バンコ・セントラルの資本増強、(v)バンコ・セ
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ントラルによる自己証券の発行の許可である。同職員は、貧困削減と人口配当の最大化を目指す継続的な改革を支
援した。最後に、評価では、カジノを含むマネーロンダリング防止法令の改正を歓迎した。
2018 年7月、IMF職員は、2018年のフィリピンに対する第4条代表団派遣を完了した。IMF職員の予備調査結果によ
れば、同国の経済は好調な消費と投資に支えられ、順調に推移している。しかしながら、予備調査結果において、
インフレやその他の短期的なリスク（急速な信用成長の継続、米国金利の上昇、ドル高、資本フローの不安定性、
貿易緊張等）の上昇が警告された。同職員の予備調査結果において、2018年及び2019年におけるほぼ横ばいの財政
赤字をGDPの約2.4％に維持すること、インフレ期待を固定するための金融政策をさらに引締めること、為替レート
の柔軟性を維持すること、急速な信用成長と企業債務の増加が続く中、金融の安定を守るための措置を追求するこ
と、並びに幅広い分野における政府の改革プログラムを維持・深化することが提案された。2018年9月、IMF職員は
これらの調査結果に基づく報告書を公表し、IMF理事会に提出して議論と決定を仰いだ。
2019 年11月、IMF職員は、2019年のフィリピンに対する第4条代表団派遣を完了した。IMF職員の予備調査結果に
よれば、目標に近い政府支出及び最近の金融緩和政策によって、2020年を通してGDP成長がもたらされることが予
想される。マクロ経済政策（最近におけるバンコ・セントラルの政策金利の引き下げを含む。）は、成長減速及び
インフレ圧力の緩和に対する適切な対策と言われた。予備調査結果において、社会的支出及びインフラを拡大し目
標をより高く設定する余地があることが示唆された。経済成長の回復が予想される中で、急激な信用成長が再興す
る可能性があり、マクロ・プルーデンス政策に関する対策が要求される可能性がある。また、当該調査結果によれ
ば、構造改革は好調であり、重要な法律が可決されている（コメの関税化、税制改革、国民デジタルID及びバン
コ・セントラル憲章の改正を含む。）。しかしながら、職員は、包括的な成長を促進するために、さらなる措置を
講じることができることを指摘した（税制改革の継続、外国投資に対する制限の緩和、貧困削減の取り組みの拡
大、銀行秘密保持法の緩和、及び行政の能力のアップグレードを含む。）。予備調査結果において、世界貿易の緊
張、世界財政状態の推移及び自然災害について警告されており、短期的な見通しに影響を与える。
世界銀行による融資及びプロジェクト
2016 年、世界銀行は、フィリピンにおいて、2016年から2019年にかけての保健・教育分野における共和国の資金
調達に貢献する、第2次社会福祉開発・改革プロジェクトと、災害リスクと自然災害の経済・財政的影響の管理に
おける技術的・財政的能力の向上を支援する、第2次災害リスク管理開発政策融資を含む総額約950百万ドルのプロ
ジェクト2件にコミットした。さらに、世界銀行は、6件の将来のパイプライン・プロジェクトにもコミットしてお
り、コミットメント総額は700百万ドルを超えている。コミットメント額は、主にマニラの洪水管理プロジェクト
と開発政策融資に関連している。
2017 年、世界銀行は、フィリピンにおいて、総額347.8百万ドルに及ぶ4件のプロジェクト、すなわち、(i)メト
ロ・マニラのプロジェクト回廊沿いの公共交通システムの効率性、有効性及び安全性を環境的に持続可能な方法で
改善することを目指すメトロ・マニラBRTライン1プロジェクトに関する40.7百万ドル、(ii)気候回復力のための
フィリピン・プログラム、すなわちリスク回復力・持続可能性プログラムに対する技術協力に関する0.2百万ド
ル、(iii)市場へのアクセスを改善し、対象とする農地改革コミュニティ・クラスターにおける小規模農家の競争
力を強化することを目的とした農業競争力のための包括的パートナーシップ・プログラムに関する99.3百万ドル、
並びに(iv)メトロ・マニラの特定地域における洪水管理の改善を目指すメトロ・マニラ洪水管理プロジェクトに関
する207.6百万ドルにコミットした。
2018 年、世界銀行は、フィリピンにおいて、2件（総額約173.2百万ドル）のプロジェクトにコミットした。その
内訳は(i)対象地域において地方所得を増大させ、農業及び漁業の生産性を向上させることを目指した地方開発プ
ロジェクトに対する追加融資170百万ドル、及び(ii)ミンダナオの紛争の影響を受けた地域における、対象とされ
た地域社会において時間、距離及び費用の面で社会経済的インフラへのリテラシー及びアクセスを改善することを
目指したミンダナオ信託基金復興開発プロジェクト・フェーズIIに対する3.2百万ドルである。
2019 年、世界銀行は、フィリピンにおいて、3件（総額1,150百万ドル）のプロジェクトにコミットした。すなわ
ち、(i)税政策の強化、公共財政の管理及び予算計画の向上、並びに公有資産の財政リスク管理の強化のための財
政管理の改善を目指した、財政管理改善開発政策融資プロジェクトのための450百万ドル、(ii)貧しい子供たちの
健康・教育サービスの利用を改善するための社会福祉・開発省の社会的保護のための国家プログラム支援を支援す
ることを目指した、第2次社会福祉開発・改革プロジェクトのための300百万ドル、並びに(iii)競争力の促進、財
政的持続可能性の向上並びに自然災害及び気候変動に対する財政的強靭性の強化を目指した、競争力の促進及び自
然災害に対する強靭性の向上に関するDPLサブプログラム1のための400百万ドルである。
2020 年、世界銀行は、フィリピンにおいて、8件（総額3,058.28百万ドル）のプロジェクトにコミットした。す
なわち、(i)災害リスクを軽減し、自然災害に対応し、そこから回復するための共和国の政策及び制度能力の強化
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を目指した、第3次災害リスク管理開発政策融資(DPL)のための500百万ドル、並びに(ii)新型コロナウイルス感染
症、及び公衆衛生上の準備のための国家制度から通知される脅威を予防、検知及びそれに対応するための共和国の
能 力の強化を目指した、フィリピン新型コロナウイルス感染症緊急対策プロジェクトのための100百万ドル、(iii)
貧しく脆弱な世帯への影響を緩和し、影響を受けた中小企業への財政的救済を提供することを目指した、新型コロ
ナウイルス感染症緊急対策DPLのための500百万ドル、(iv)土地保有の安定性の改善と農地改革受益者の財産権の安
定化を目指した、個人所有地の土地区画化支援プロジェクトのための370百万ドル、(v)低所得世帯の福祉に対する
新型コロナウイルス感染症の影響を緩和し、社会的保護提供システムを適応的かつ効率的なものにすべく強化する
ことを目指した、フィリピン受益者FIRST社会的保護プロジェクのための600百万ドル、(vi)フィリピン関税局の効
率を改善し、通商に関わるコストを削減することを目指した、フィリピン関税近代化プロジェクトのための88.28
百万ドル、(vii)共和国の競争力の促進と回復力の強化を目指した、DPLシリーズに基づく、自然災害に対する競争
力の促進及び回復力強化のサブプログラム2 DPLのための600百万ドル、並びに(viii)対象となる地方自治体のコ
ミュニティがサービスへのアクセスを改善し、より包括的な地方計画、予算編成及び実施に参加できるようにする
ことを目指した、KALAHI-CIDSS国家コミュニティ主導型開発プロジェクトのための追加融資300百万ドルである。
2021 年3月に、世界銀行は、新型コロナウイルス感染症ワクチンの購入及び配布、 国営 保健制度の強化並びに新
型コロナウイルス感染症 の拡大の影響を克服することを目的とする、 共和国のプログラムを支援するフィリピン新
型コロナウイルス感染症緊急対策プロジェクトのために、追加の500百万ドルを承認した。
アジア開発銀行による融資及びプロジェクト
2016 年、ADBは、総額1.4十億ドルを超える7件のプロジェクトにコミットした。その内訳は、(i)中等教育支援プ
ログラムに1.3百万ドル、(ii)教育、保健、公共セクター管理セクターに焦点を当てた社会保障支援プロジェクト
に対する約850百万ドルの追加融資、(iii)アンガット地区の送水改善プロジェクトに対する123百万ドルのプロ
ジェクト融資、(iv)マニラ首都圏以外の給水システムの拡張・修復のための63百万ドル、(v)住宅、保険、中小企
業金融・リースのための資金調達プロジェクトに対する600,000ドル、(vi)共和国における税務・財政政策開発に
対する2百万ドル、並びに(vii)地方自治体資金調達プログラムに対する400百万ドルである。
2017 年、ADBは、フィリピンにおいて、総額1.1十億ドルを超える7件のプロジェクトにコミットした。その内訳
は(i)学校から仕事へのトランジションプログラム円滑化のための300百万ドル、(ii)インフラ能力の強化及び包括
的な成長のためのイノベーション・プログラムのための5百万ドル、(iii)インフラ整備及びイノベーション促進の
ための100百万ドル、(iv)資本市場改革プログラムを通じた投資促進のための300百万ドル、(v)メトロ・マニラ交
通プロジェクトのための1.5百万ドル、(vi)ミンダナオ道路セクターにおける成長回廊の改善プロジェクトのため
の380百万ドル、(vii)フィリピンのためのイスラム金融プロジェクトのための0.6百万ドルである。フィリピンは
また、ADBが資金提供を行う様々な地域プロジェクトの対象地域でもある。学校から仕事へのトランジションプロ
グラム円滑化及びメトロ・マニラ交通プロジェクトは2018年2月に完了し、400百万ドルのサブプログラムのための
融資は2019年12月に承認された。
2018 年、ADBは、総額1.3十億ドルを超える6件のプロジェクトにコミットした。その内訳は(i)共和国における天
然ガス開発プロジェクトを支援するための2百万ドル、(ii)政府による洪水リスク軽減を支援するための1.3百万ド
ル、(iii)PPPプロジェクトを促進、開発し、効率的に実施するための479百万ドル、(iv)マニラ首都圏とクラーク
の地域センター及びクラーク国際空港とを接続する新たな鉄道路線の51キロメートル部分の建設を支援するための
2.9 百万ドル 、(v)金融包摂を促進するための474百万ドル、並びに(vi)マラウィ市復興・修復プログラムに含まれ
るプログラム、プロジェクト及び活動を 実施するための即時かつ柔軟な資金調達を政府に提供するための408百万
ドル である。
2019 年、ADBは、総額4.0十億ドルを超える6件のプロジェクトにコミットした。その内訳は、(i)（2019年に承認
された）インフラ整備及びイノベーション促進のための追加融資200百万ドル、(ii)地方ガバナンス改革プログラ
ムのための政策支援型融資300百万ドル、(iii)太平洋諸島の国々における再生可能電力プロジェクトに対する民間
セクター投資に関する制約を克服するための財政支援を提供する100百万ドル、(iv)不就学・不就労の若年フィリ
ピン人の数を減少させるための政策支援型融資400百万ドル、(v)労働市場の需要に対応した質の高い中等教育への
アクセスを改善することにより包摂的成長を達成するための300百万ドル、並びに(vi)マニラ北郊外のマロロスと
中部ルソン地方におけるクラーク経済圏及びクラーク国際空港とを接続する旅客鉄道の53.1キロメートル部分の建
設のための2.75十億ドルである。
2020 年、ADBは、総額約4.2十億ドルの11件のプロジェクトにコミットした。その内訳は、(i)新型コロナウイル
ス感染症の拡大によって引き起こされた深刻な健康、社会、経済への影響を共和国が軽減する上で極めて必要な支
援を提供する、新型コロナウイルス感染症積極的対策・支出支援 (CARES)プログラムのための1.5十億ドル、 (ii)
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新型コロナウイルス感染症の拡大とそれに伴うコミュニティ隔離措置によって悪影響を受けた貧しく脆弱な世帯に
対する無条件の緊急現金支援を目指した、社会的保護支援プロジェクトのための追加融資200百万ドル、 (iii) 投資
を 支援するための長期資金の提供を拡大するための国内資 本市場の強化を目指した、資本市場型融資支援サブプロ
グラム1のための400百万ドル、(iv)共和国の Pantawid Pamilyang Pilipino プログラムの支援を目指した、拡大社
会的支援プログラムのための500百万ドル、(v)地方公共サービスの提供を改善し、地方ガバナンスを強化するため
の地方政府の歳入動員を促進するための、地方ガバナンス改革プロジェクトのための26.53百万ドル、(vi)農業貿
易政策と規制改革を実施し、農業セクターにおける公共サービスと金融を強化し、改革の影響を受ける可能性のあ
る農村部の家族に対する社会的保護を強化することにより、同セクターの競争力と包摂性を高めることを目指し
た、競争的・包摂的農業開発プログラムのサブプログラム1のための400百万ドル、(vii)金融包摂性を高めるため
の、包摂的金融開発プログラムのサブプログラム2のための300百万ドル、(viii)パンデミック対策として公衆衛生
能力を増大することを目指した、新型コロナウイルス感染症に対処及び制限するための保険制度増強プロジェクト
のための125百万ドル、(ix)自然災害又は公衆衛生上の緊急事態により災害が発生し、その結果として非常事態が
宣言された場合に、緊急融資への迅速なアクセスを可能にするための、災害復旧改善プログラムのための500百万
ドル、(x)アンガット送水線の復旧を通じて原水供給を確保する、アンガット送水改善プロジェクトのための
126.02百万ドル、並びに(xi)主要な鉄道駅周辺の歩行者移動及びアクセスをEDSAに沿って改善し、安全、安定的、
効率的かつ環境に優しい公共スペースを提供することを目指した、EDSAグリーンウェイズ・プロジェクトのための
138百万ドル（ASEANインフラストラクチャー・ファンドからの15百万ドル を含む。） である。
さらに、2020年6月、AIIBは、政府の検査能力を向上させ、脆弱な部門（農業を含む。）を強化し、貧困世帯に
対する条件付きの現金送付、賃金補助金及び緊急支援を提供することにより、共和国における新型コロナウイルス
感染症パンデミックの公衆衛生上及び経済上の影響の一部を食い止めることを目的として、共和国に対する総額
750百万ドルを通じてCARESプログラムに対して協調融資を行うことに合意した。
2021 年3月、ADBは、AIIBとともに、世界保健機関の新型コロナウイルス感染症ワクチン・グローバル・アクセ
ス・ファシリティ（以下「COVAX」という。）及びその他適格な双務的なワクチン・サプライヤーからの約110百万
回分の新型コロナウイルス感染症ワクチンの調達のための資金調達を目的として、共和国に対する総額700百万ド
ルの協調融資に合意した。本プログラムに基づくADBのコミットメントは、総額700百万ドルのうち400百万ドルで
あり、残りの300百万ドルは、AIIBによって拠出される。
国際協力機構による融資及びプロジェクト
2018 年、独立行政法人国際協力機構（以下「JICA」という。）は、フィリピンにおいて様々なプロジェクトに取
り組んできた。例えば、(i)2018年初頭、JICA及びフィリピン沿岸警備隊は、フィリピンにおける海上保安を促進
するための進行中の開発協力の一環として、1.5十億円の船舶航行管理システムを開始し、(ii)2018年2月、JICA及
び財務省は、マニラ首都圏の北部郊外の都市における交通渋滞の緩和を支援するために、既存の迂回道路を2車線
道路から4車線道路にアップグレードし拡大する幹線道路バイパス・プロジェクト（フェーズIII）のため、9.399
十億円の融資契約を締結し、(iii)2018年3月、JICA及び財務省は、マニラ首都圏の交通問題の取り組みを支援する
ための同国初の地下鉄のフェーズIの建設を支援する104.53十億円の融資契約（ファースト・トランシェ）を締結
し、(iv)2018年5月、JICA及び財務省は、マラウィ市の復興及び再建を支援するための2十億円の政府開発援助無償
資金協力に関する協定を締結し、(v)2018年11月、JICAは、マニラ首都圏における深刻な交通渋滞を軽減するため
に、メトロ・レール・トランジット・ライン3の安全性及びサービス水準を改善するために、政府との間で38.1十
億円の政府開発援助融資契約を締結した。
JICA は引き続き、フィリピンにおける多数のプロジェクトに関与した。2019年1月、JICAは、マニラ首都圏にお
ける交通渋滞及び洪水被害を軽減することを目的とした南北通勤鉄道延伸事業（第一期）及び パッシグ・マリキナ
川河川改修事 業（フェーズIV）のため、205.1十億円を提供する融資契約を政府との間で締結した。2019年6月、都
市幹線道路へのアクセス道路の建設及び改善を通じて、交通・物流能力の開発及びミンダナオ島における紛争の影
響を受けた地域の接続性の向上をするために、最大202.04百万ドルの融資を提供する別の政府開発援助融資契約が
締結された。同月、JICAは、バンサモロのための能力開発プロジェクトと題したプロジェクトにおける技術協力を
記念して、政府との間で討議議事録に調印した。同プロジェクトは、バンサモロ移行局の人材及び組織力を強化
し、農業分野における生活状況の改善のための活動を強化することにより、政府の行政運営を向上することを目指
している。
2020 年、JICAは、(i)メトロ・マニラにおける交通網の強靭性を強化することを目的としたメトロ・マニラ主要
橋梁耐震補強プロジェクトのための補足的融資のための4.409十億円、(ii)ダバオ市の増大する交通需要に対応
し、交通渋滞を緩和し、物流を改善することを目指した、ダバオ市バイパス建設プロジェクトのための34.83十億
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円、(iii)セブ島及びマクタン島の間に長大橋を建設し、湾岸道路を結ぶことにより、メトロ・セブの増大する交
通需要に対応することを目指した、セブ-マクタン橋（第四橋）及び沿岸道路建設プロジェクトのための119.225十
億 円、(iv)新型コロナウイルス感染症のフィリピンにおける拡大を抑制することを目指した、新型コロナウイルス
感染症危機対策緊急支援融資のための50十億円、並びに(v)迅速な財政支援を行うことにより自然や健康を脅かす
災害からの迅速な回復を支援することを目指した、災害後スタンドバイ・ローン（フェーズII）のための50十億円
のプロジェクトを対象とする、総額258.464十億円にのぼる借款契約5件を締結した。
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西フィリピン海（南シナ海）をめぐる領海及び海事紛争
2011 年度の最初の8ヶ月間において、フィリピン、その他の東南アジア諸国（ベトナム、マレーシア及びブルネ
イを含む。）及び中国間の西フィリピン海（別名「南シナ海」）における特定の地勢をめぐる長期にわたる領海紛
争との関連で緊張が高まった。緊張の高まりは、一部の諸国が自国の領有権を主張してより積極的な措置を講じて
いるとの報告がきっかけであった。2011年7月にASEAN諸国と中国はインドネシアのバリで会談を行い、南シナ海に
おける行動規範をめぐる交渉の進め方について協議を行った。共和国は、南シナ海に対する同国の領有権は、
「1982年国連海洋法条約」（以下「UNCLOS」という。）等の国際法において確固たる根拠を有するものであると主
張している。
共和国は2011年11月に、中国、米国及びアジア数ヶ国の代表者らが出席した、インドネシアのバリで開催された
ASEAN及び東アジア首脳会議において自国の立場を繰り返し表明した。また、係争水域と非係争水域との分離を目
指す枠組みである「平和、自由、友好と協力地帯」を提案した。この構想は当該地勢とその周辺水域を区分けする
ことで領海紛争を棚上げし、紛争当事諸国間の協力について協議することを目指すものであった。係争区域外で
は、UNCLOS第9部に基づき半閉鎖性海の沿岸諸国も適切な協力活動に参加しつつ、そのそれぞれの海域に対する国
権を行使することができる。この計画の実行についてはいかなる合意も行われていない。
2012 年4月8日にフィリピン海軍の偵察機はその定期的な海上哨戒中に、中国籍の漁船8隻が共和国のザンバレス
州マジンロック市に所在するスカボロー礁の内側及び周辺部に停泊しているのを確認した。同地形はルソン島本土
の西側124カイリに位置し、共和国の200カイリ排他的経済水域及び大陸棚内に位置する。2012年4月10日にフィリ
ピンの政府船舶であるBRPグレゴリオ・デル・ピラールが調査チームを派遣したところ、中国漁船のコンパートメ
ント内に不法に収集された珊瑚礁、ハマグリ及び鮫が大量に発見された。中国がさらに同エリア内にその政府船舶
を配置したことで、膠着状態となった。
2013 年1月22日に共和国は、中国に対する仲裁手続（以下「本件裁判所」という。）を開始して西フィリピン海
における海洋権益に対するフィリピンの国権及び管轄権を明確に立証するため、UNCLOS第287条及び付属書類VIIに
従って「中国に対する通知及び要請書」を提出した。中国は同手続には参加しないことを決定した。2013年8月27
日に本件裁判所は、中国及び共和国による書面による主張の提出のための日程を定めた、「手続及び仲裁廷命令規
則第1号」を発表した。共和国は、同紛争の管轄権、許容性及び本案に関する事項に言及した書面による主張を
2014年3月30日に提出した。2015年3月16日に共和国は、本件裁判所のフィリピン領有権に対する管轄権及び同国の
本案に関する事項について本件裁判所が提起した質問に対する回答として補足書を提出した。2015年7月7日から13
日まで共和国は自らの中国に対する領有権をめぐる本件裁判所の管轄権及び許容性についての口頭審理に参加し
た。2015年7月23日に同審理で本件裁判所が提起した質問に対する回答書を提出した。2015年10月29日に本件裁判
所は、本件裁判所が共和国の領有権を検討するための管轄権を有し、かつ当該領有権について仲裁が認められると
する判決を満場一致で下した。また本件裁判所は、同手続に参加しないという決定は本件裁判所の管轄権を剥奪す
るものではなく、かつ仲裁を一方的に開始するという中国の決定はUNCLOSに基づく紛争解決手続の濫用とはならな
いとする判決を下した。
共和国は、行動規範の締結と、仲裁手続の補足的アプローチとしての2002年のASEAN－中国による「南シナ海に
関する関係国の行動宣言」の実施に向けた取組みを継続した。
仲裁手続が続く間も、中国は西フィリピン海（南シナ海）における自国の領有権を主張して一連の一方的措置を
講じた。2013年5月には、中国の海軍及び海上監視船が数多くの中国漁船を携えてアユンギン（セカンド・トーマ
ス）礁に到着し、巡回した。中国はさらに、アユンギン礁で新たな建設活動を行っているとしてフィリピンを非難
した。アユンギン礁のBRPシエラ・マドレに駐留するフィリピン海兵隊の分隊が、これらの中国船の接近状況を監
視し、報告した。フィリピンはこれらの活動に抗議し、中国に対してその船舶の撤収とフィリピンの海域の尊重を
求めた。
2013 年度上半期において中国海上監視及び漁業法執行機関の船舶はスカボロー礁への滞在を続け、同礁の礁湖へ
の入り口を暫定的に塞ぎ、フィリピンの船舶や漁師が礁内に入れないようにした。中国はさらに2013年7月に統一
沿岸警備機関（Unified Coast Guard Agency）を設立後、2013年8月から西フィリピン海に中国海警局の船舶の配
備を開始した。中国沿岸警備船は同地域内における中国の存在を維持する目的で中国海上監視及び漁業法執行機関
の船舶の業務を引き継いだ。
2013 年11月より中国は西フィリピン海における自国の領有権を主張するために一定の一方的な措置を講じた。こ
れらの措置には以下が含まれる。(i)年間漁業禁止の実施及び南沙諸島における漁業を許可する「南沙特別漁業許
可（Nansha Special Fishing Permits）」の発行、(ii)中国以外の漁船が南シナ海内で漁業又は調査を行う前に中
国政府当局から承認を取得するように要求する、新たな漁業規制の発行、(iii)南シナ海（フィリピンの排他的経
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済水域を含む。）における軍事演習及び巡回の頻繁な実施、(iv)セカンド・トーマス礁に駐留するフィリピン人員
に食糧の補給を行うフィリピン船舶の封鎖、(v)ベトナムの大陸棚沖における石油採掘装置の配備、並びに(vi)ス
ビ 礁、ミスチーフ礁、ジョンソン礁、クアテロン礁、マッケナン／ヒューズ礁、ガベン礁及びファイアリー・クロ
ス礁における大規模な干拓活動。
中国が西フィリピン海で行った上記の活動は、2014年3月30日にフィリピンが本件裁判所に提出した請願書に記
載された。本件裁判所は2014年12月15日を中国による答弁書提出の期限に設定した。2014年12月16日に中国外務省
のスポークスマンは中国は同仲裁には参加しないと発表した。また2014年4月4日にフィリピン外務省はこれらの措
置について中国に対して抗議を行った。共和国はさらに2014年5月にミャンマーで開催されたASEANサミットでこれ
らの問題を取り上げた。
2014 年8月に共和国は、西フィリピン海における緊張を高め得る措置に猶予を求める一方で、行動規範の早期締
結を求めるとともに国際法に基づく仲裁を通じた紛争の平和的解決を促進する、「トリプル・アクション・プラ
ン」を提案した。
2015 年度を通じて共和国はフィリピンの排他的経済水域内で探査等の活動を行う中国籍船（貨物船、中国海警局
の船舶及び石油掘削作業の意図を有する可能性のある船舶を含む。）を監視した。2015年5月28日に中国海軍は
フィリピン空軍の航空機に対して挑発行為を行った。
中国交通運輸部は西フィリピン海における干拓及び建設活動の一環として、紛争地域において灯台2基を完成し
たことを2015年10月9日に発表した。ファイアリー・クロス礁、ミスチーフ礁、スビ礁では中国により滑走路が建
設された。米国及び共和国は、中国の同地域における土地干拓プロジェクトはその他の領有権主張国を威嚇する目
的で軍用機及び海軍船を基地に配備するのに利用されるおそれがあるとの懸念を表明している。2015年10月27日に
米国は「航行の自由」作戦の巡回において、中国による西フィリピン海における干拓プロジェクトの一環として建
設された人工島の1つの周辺において、領海線から12カイリ内で、誘導ミサイル駆逐艦を航行した。この行為は中
国により批判された。米国はかかる巡回中に、ベトナム及び共和国が領有権を主張する諸島付近でこれに類似する
巡回を行った。2015年11月3日に米軍の太平洋司令部指揮官は、米国は南シナ海においてこのような行動を継続す
ると述べた。
2016 年7月12日に本件裁判所は、フィリピンが中国に対して提起した仲裁手続において満場一致の仲裁判断を下
した。
歴史上の権利に基づく主張に対する判断 本件裁判所は、UNCLOSは南シナ海における海洋権益の範囲を定めてお
り、当該権益はその中で課された制限を超える範囲に及ばないことを確認した。これに基づき本件裁判所は、南シ
ナ海の該当沿岸区域についての中国の歴史上の権利又はその他の国権若しくは管轄権に対する中国の主張はUNCLOS
に反するものであり、UNCLOSが定める中国の海洋権益の地理上の及び実質的な制限を超える場合は合法の効力を持
たないことを確認した。本件裁判所は、UNCLOSは、自らが課す制限を超える歴史上の権利又はその他の国権若しく
は管轄権に優先するという結論を下した。
南シナ海の地形の状況に対する判断 本件裁判所は、南沙諸島の高潮地形はその本来の天然の地形において、
UNCLOS第121条第3項が意味するところの人間の居住又は独自の経済的生活を維持することができないものであると
判断した。よって、南沙諸島のいずれの高潮地形も、排他的経済水域または大陸棚に対する権益を生じさせるもの
ではない。
• スカボロー礁、ジョンソン礁、クアテロン礁、ファイアリー・クロス礁、ガベン礁（北）及びマッケナン礁
は、UNCLOSに基づき排他的経済水域又は大陸棚に対する権益を生じさせることのない岩である。
• スビ礁、ガベン礁（南）、ヒューズ礁は、それ自体を領有したり海域を発生させたりすることのできない低
潮高地であるが、領海の幅を超えない距離に位置する高潮地形の領海幅を測定する際の基線として利用する
ことはできる。
• スビ礁は、ティトゥ島西方のサンディ・ケイの高潮地形から12カイリ内に位置している。
• ガベン礁（南）は、ガベン礁（北）及びナムイエット島の高潮地形から12カイリ内に位置している。
• ヒューズ礁は、マッケナン礁及びシンコウ島の高潮地形から12カイリ内に位置している。
• ミスチーフ礁及びセカンド・トーマス礁も領有することのできない低潮高地であり、フィリピンの排他的経
済水域及び大陸棚内にある。
本件裁判所は、中国は、リード礁における海上監視船の運航により、フィリピンの大陸棚に対する国権に関する
UNCLOS第77条に違反したことを確認した。また、南シナ海における漁業に関する猶予を2012年に公布することによ
り、フィリピンの排他的経済水域内に位置する南シナ海の区域について例外なく中国籍船舶の運航を制限しないこ
とにより、フィリピンの排他的経済水域の生物資源に対する国権に関するUNCLOS第56条に基づく義務に違反したこ
とを本件裁判所は確認した。同様に、本件裁判所は、中国は、2013年5月にミスチーフ礁及びセカンド・トーマス
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礁での中国籍船舶による漁業を阻止することができず、また、中国の漁業船がスカボロー礁、セカンド・トーマス
礁及び南沙諸島のその他のエリアにおいて捕獲活動に従事するのを阻止できなかったことにより、UNCLOS第58(3)
条、 第192条及び第194(5)条に定めるその義務に違反したと判断した。
スカボロー礁における従来の漁業権 本件裁判所は、スカボロー礁が様々な地域の漁師の漁場であると判断し、
中国が、2012年5月以降政府公船を運航させることにより、フィリピン人漁師がスカボロー礁で従来の漁業に従事
するのを違法に阻止したと宣言した。
土地の埋め立て及び人工島の建設 本件裁判所は、クアテロン礁、ファイアリー・クロス礁、ガベン礁（北）、
ジョンソン礁、ヒューズ礁、スビ礁及びミスチーフ礁での中国による土地の埋め立て並びに人工の島、設置物及び
建設物の建設によりサンゴ生態系に深刻かつ回復不能な被害が生じていると判断した。そのため、本件裁判所は、
中国は海洋環境の保護及び保全を怠ったとして、UNCLOS第192条、第194(1)条、第194(5)条、第197条、第123条及
び第206条に違反したと宣言した。さらに本件裁判所は、フィリピンの承認なくミスチーフ礁に軍事施設及び人工
島を建設する点について、中国は、フィリピンの排他的経済水域及び大陸棚に対する国権に関するUNCLOS第60条及
び第80条に違反したと判断した。
危険な方法による法執行船舶の運航 中国による法施行船舶のスカボロー礁付近での運航は、フィリピン船舶及
び人員に対して衝突及び危険の深刻なリスクを発生させた。本件裁判所は、中国は国際海上衝突予防規則に関する
条約第2条、第6条、第7条、第8条、第15条及び第16条に違反しており、その結果UNCLOS第94条に違反していると判
断した。
共和国は、同区域内における平和及び安定性を促進及び強化する目的のため、2016年仲裁判断後直ちに、平和的
解決及び紛争管理を追求しようという不変の確約を繰り返し表明した。2016年7月12日に発表した声明において、
中国は同仲裁判断が無効でありかつ拘束力を有さないとみなしていると宣言した。中国は、共和国が主導した仲裁
は、交渉を通じて南シナ海における関連の紛争を解決するという両国間の過去の合意に違反するものであり、かつ
本件裁判所は当該紛争につきいずれの管轄権も有さないという自国の立場を繰り返し表明した。
2016 年10月18日から同月21日までドゥテルテ大統領は中国を公式訪問した。訪問中には特に南シナ海の問題が協
議された。同訪問後に出された共同声明で、両国は、UNCLOSを含む世界中で認知されている国際法原則に従って西
フィリピン海における緊急の事件並びに人道上及び環境上の懸念に取り組むために、両国の沿岸警備間で協力を強
化することを約束した。両国は、議論の多い問題は比中の二国間関係の総体的結果ではないことを確認し、かつ威
嚇又は威力に訴えることなく、直接関わる領有権主張国家による友好的な協議及び交渉を通じて、南シナ海におけ
る及び同海上空における航行の平和、安定性、自由を維持及び促進し、平和的手段によりその領海及び管轄上の紛
争に取り組む重要性を再確認した。さらに両国は、「2002年南シナ海に関する関係国の行動宣言」の完全なるかつ
効果的な実施、並びに総意に基づき「南シナ海における行動規範」の早期終結に実質的に働きかけることを約束し
た。
第50回ASEAN外相会議による共同声明は、領有権主張国及びその他すべての国家によるあらゆる活動の実施にお
いて非軍事化及び自制の重要性を強調した。さらに行動規範の枠組みの採択を含む、ASEAN諸国及び中国間の協力
改善を奨励した。
2017 年11月にベトナムで開催された会談で、ドゥテルテ大統領及び中国の習近平国家主席は、南シナ海の対立
を、対話を通じて対応することに合意し、南シナ海における和平の重要性を再確認した。数日後、第31回ASEANサ
ミット及び第20回ASEAN・中国首脳会談にてASEAN加盟国及び中国は、2017年8月に採択した交渉の枠組みに基づい
て両当事者の行動に関する2002年ASEAN・中国宣言を実施するために、南シナ海における行動規範について協議を
開始することに合意したと発表した。
2018 年5月、中国の戦略爆撃機が南沙諸島における中国の占領する島基地に上陸したと伝えられ、緊張が高まっ
た。2018年7月には、両国が領有権を主張する西フィリピン海の要塞島及びその他の地物に近付かないように警告
する中国の無線メッセージをフィリピンの軍用機がより多く受信するようになっていることが報道された。
2018 年11月20日、テオドロ・ロキシン外務大臣及び王毅中国国務委員は、マニラでドゥテルテ大統領及び習近平
国家主席の立ち合いの下、フィリピン共和国及び中華人民共和国の政府間の石油及びガス開発における協力に関す
る覚書に署名した。当該覚書により、石油及びガスに関するフィリピン及び中国の政府間共同運営委員会の第1回
会合が2019年10月28日に中国北京で開催された。
2019 年6月には、中国籍船がフィリピンの漁船に衝突して沈没させ、フィリピン人乗組員22人を危険に晒しなが
らもその現場から去るという事態が発生し、両国間の緊張が高まった。
ドゥテルテ大統領は、2019年8月29日の習近平国家主席との会談において、仲裁判断が最終的かつ拘束力を有す
るものであり、不服を申し立てることができないというフィリピンの主張を繰り返し述べた。ドゥテルテ大統領
は、中国が仲裁判断を拒否しているという事実を考慮し、仲裁判断に関するフィリピン及び中国それぞれの見解に
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ついて、単に「不一致である」ことを強調する一方、このことにより、友好及び良好な関係の追求が妨げられるこ
とはないことを確認した。
2020 年3月6日、フィリピンは、中国による南シナ海における従来の権利を主張する通知を受けて、国連事務総長
に対し、南シナ海仲裁事案に対する2016年の判断を主張する書簡を提出した。当該書簡において、フィリピンは、
中国の見解が国連海洋法条約を含む国際法に違反している旨を述べた。書簡では、当該判断のうち、中国の主張に
反対する部分に言及している。
フィリピンに続いて、オーストラリア、フランス、インドネシア、ドイツ、英国、米国及びベトナムといった
国々も、国連事務総長に宛てたそれぞれの通知において、当該判断に言及し、当該判断に従った立場を取った。
2020 年、中国は引き続き南シナ海における自国の領有権及び地位を主張した（2020年4月における西沙諸島、中
沙群島及び南沙諸島を支配するとされる行政区の宣言を含む。）。フィリピンは、当該主張並びにその他自身の領
地及び国権の侵害、並びに挑発、威嚇又は抑圧となる中国の行為に対し抗議した。
2020 年、ドゥテルテ大統領は、第37回ASEANサミット及び関連首脳会合並びに第75回国連総会の2つの会合におい
て、それぞれ2016年7月12日に下された南シナ海仲裁事案に対する判断を強く主張した。ドゥテルテ大統領は、当
該判断に言及し、UNCLOS及び当該2016年仲裁判断に基づき、南シナ海における自国の深い関与を主張した。また、
当該判断が「今や国際法の一部であり、妥協及び政府がこれを疎んじることや、軽んじたりすること又は放置した
りすることはできない」と明確に主張し、これを無効化する試みを否定した。大統領は、仲裁判断の意義について
「いかに大きく強力な国であっても、軽んじたり無視したりすることはできない」と付け加えた。大統領は、同様
に、より多くの国々に当該判断及びその意義－「無分別に対する合理性の勝利、無秩序に対する法秩序の勝利、野
心に対する友好の勝利」－への支持を呼びかけた。
2021 年、フィリピンは、西フィリピン海への中国の侵入に対して、引き続き自国の権利を主張した。2021年1
月、フィリピンは、中国の沿岸警備隊が外国船に対して射撃を開始し、一部の諸島に建造された構築物を解体する
ことを認めるとする新たな中国の法律に対して、外交上の抗議を行った。2021年3月、フィリピンは、中国に対し
て、南沙諸島の一部であり、フィリピン共和国の排他的経済水域内の岩礁付近に特定された200隻を超える中国民
兵船を呼び戻すことを要求した。
これらの進展によって、フィリピン経済又は比中間の経済関係に直ちに影響は生じていない。
西フィリピン海における紛争が過熱化又は継続すると、共和国の漁業、貿易及び沖合における掘削の利権は悪影
響を受ける可能性がある。西フィリピン海の南沙諸島は海洋資源及びエネルギー資源が豊富であり、食糧、生計手
段及び外貨収入の重要な収入源である。同地域の商業区域に石油及び天然ガスが発見されたことも、共和国のエネ
ルギー需要を支える上で重要であった。
さらに、中国との緊張が西フィリピン海における紛争又はその他の事由により高まれば、両国間の取引量は悪影
響を受ける可能性がある。共和国は中国からの鉄鋼製品輸入に関しては相当量の輸入要件を満たしており、このた
め共和国が入手できる鉄鋼の供給量は減少する可能性があり、特に共和国のインフラ開発に影響が及ぶ可能性があ
る。比中の二国間貿易は2010年度から2014年度まで着実に増加した。2015年度には二国間貿易は若干減少したが、
2015年度から2019年度までに二国間の取引額は再び着実な増加に転じ、2019年度には比中の二国間貿易は約35.31
十億ドルに達したが、2020年度は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、比中の二国間貿易は16.5％減
少し、総額29.45十億ドルであった。2020年度、中国はフィリピンの第三位の輸出先となり、フィリピンの輸出額
全体の14.82％（9.45十億ドル）を占めた。2020年度も、中国はフィリピンの第一位の輸入先であり、同年度の中
国からの輸入額は、輸入額全体の23.19％を占め、総額19.85十億ドルであった。過去4年間において中国はフィリ
ピンの最大の貿易相手国であった。
共和国は、威嚇又は威力によらずに、外交的にかつ国際法、具体的にはUNCLOSに従い、平和的手段を通じて、西
フィリピン海における紛争解決に取り組んでいる。フィリピンは、引き続き南シナ海仲裁の裁定を遵守しており、
引き続き中国に対しても当該裁定を遵守することを要求している。オーストラリア、米国、ドイツ、フランス、英
国、インドネシア、ベトナム及び日本等の複数の国々が、仲裁裁定と同内容か又はその要点を反映し、中国に対し
仲裁判断を尊重しこれに拘束されることを要求する見解を公式に述べている。南シナ海における行動規範に関する
ASEANと中国の間における交渉は、新型コロナウイルス感染症パンデミックのため遅延している。当事国は、早急
な全面的な交渉再開を模索している。
米国相互防衛条約
フィリピン共和国とアメリカ合衆国との間の相互防衛条約（以下「米国相互防衛条約」という。）は、1951年8
月30日に調印された。米国相互防衛条約に基づき、米国は、フィリピンの首都圏が攻撃され又はAFPが太平洋地域
において攻撃された場合、フィリピンの支援に駆け付ける。
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訪問米軍に関する地位協定
訪問米軍に関する地位協定（以下「VFA」という。）は、フィリピンと米国との間における二国間協定であり、
米軍がフィリピンにおいて一時的に活動することを許可する条項を定めている。2020年2月11日、政府は、米国に
対して、VFAを終了する通知を送付した。VFAの終了は、終了通知のあった日から180日後に効力が発生する予定で
あった。しかしながら、2020年6月2日、政府はVFAの終了を停止した。
2021 年2月、フィリピンは、VFAに関する米国との協議を再開した。フィリピンは引き続き、その単独の相互防衛
条約の同盟国としての米国との数十年間にわたるパートナーシップを重視しており、引き続き米国との強力な関係
を維持している。
防衛協力強化に関する協定
2014 年4月28日にフィリピン及び米国は、米国相互防衛条約及びVFAの補足協定として、防衛協力強化に関する協
定に調印した。防衛協力強化に関する協定は、相互運用性の推進、AFPの近代化に向けた能力構築、対外防衛、海
上警備、海上領域認識並びに人道支援のためのAFPの強化及び災害対応を通じ米比相互防衛条約の実施を進めるこ
とを目的としている。2015年に米国は、軍事部隊、航空機及び船舶を交代させる目的で軍事基地8ヶ所へのアクセ
スを要求した。2018年4月、ルソン島北部パンパンガ州のバサ空軍基地において最初の施設の建設が開始され、
2019年1月に完成した。同施設は人道支援及び災害救助のための施設として使用される予定である。
自然災害
台風及び洪水
一部気候変動等による頻繁な局地的台風及び集中豪雨により共和国の各管区は鉄砲水や地滑りの影響を受けやす
くなっている。マニラ首都圏等の都市部においては、固形廃棄物の不適切な処理、障害物及び開放された水路沿い
の非公認居住区の存在が原因で発生する排水溝側面及び水路の目詰まり及び沈泥が洪水を発生させている。分水地
点又は河川流域内の雨水の排水ます（ごみため）として機能する、低海抜の都市及び農村地域も、無計画かつ無秩
序なその場しのぎの住宅政策及びインフラ・プロジェクト並びに水路の上流部にある工場の操業がもたらす諸問題
に悩まされている。洪水（2013年の台風「ヨランダ」の影響によるものを含む。）はフィリピンの何十万という世
帯に苦境を及ぼし、多くの命を奪った。さらに国内の洪水は米作及びその他の農業生産、インフラ及び民間財産に
も多大な損害をもたらしかつ今後ももたらす可能性がある。洪水及びその他の自然災害は今後も運輸及び衛生等そ
の他の産業、及び経済全般の脅威である。資金が既存のプログラムから救済及び再建支援に再配分されなければな
らなくなるため、自然災害はその直接的な損害以外にも、社会及び経済開発の阻害要因になる。
運輸業界は、道路や橋梁に被害を与える洪水及びその他の自然災害の影響を強く受ける。ある自然災害が決定的
な交通インフラを破壊すると、道路及び橋梁は、それ以外の災害による被害についての取り組みがなされるより前
に修復されなければならない。その結果、交通インフラへの被害は、洪水がそれ以外の産業に及ぼす影響をさらに
悪化させる可能性がある。たとえば、洪水及びその他の資源災害が医療／健康セクターに及ぼす影響はもっぱら医
療サービスの提供が中断されることにある。道路及び橋梁が損傷すると都市部において患者を病院及び医療施設に
効率良く搬送することが難しくなり、かつ農村部で影響を受けた人々に適時に医療サービスを届ける政府の能力も
低下する。
洪水も、穀物、家畜、家禽及び魚類に被害を及ぼし、漁船、農機具、在庫及び農業インフラ（用水路、放水路及
び農道等。）を破壊する等、農業生産性に悪影響を及ぼす。都市部では製造、建設、卸売り及び小売り並びに不動
産といった業界も洪水によって被害を受ける。
2013 年11月にフィリピン史上最大の台風「ヨランダ」（別名台風「ハイエン」）が東サマル州に上陸した。ヨラ
ンダは風速時速270－312キロメートルを保ちながらフィリピン上空を通過した。台風「ヨランダ」の影響は特に共
和国内の管区VI、VII及びVIIIに集中した。サマル、レイテ、セブ、イロイロ、カピス、アクラン及びパラワン各
州では国家災害宣言が出された。2014年4月17日時点において嵐による死者6,300人、行方不明者1,061人及び負傷
者28,689人が報告された。同日における推定被害額は89.6十億ペソに達し、嵐の影響を受けた管区の被害の推定額
の内訳は、社会部門が55.1十億ペソ、製造業が21.8十億ペソ、インフラが9.6十億ペソ及び複数の業界にまたがる
被害が3.1十億ペソであった。
2017 年12月31日時点においてヨランダ関連のプログラム及びプロジェクトについて実行する政府機関、国有・国
営企業及び地方自治体に合計146.2十億ペソが支出されている。台風「ヨランダ」の発生以来、フィリピンの運輸
機関はその再生プロジェクトの一環として少なくとも空港36ヶ所、海港23港を完成させている。
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台風「ヨランダ」以降も、フィリピンは、農業、インフラ及び財産に損害をもたらすとともに、行方不明者、負
傷者及び死者を出すさらにいくつもの台風や熱帯性低気圧に襲われたが、そのいずれも台風「ヨランダ」ほど深刻
なものではなかった。
2020 年10月から2020年11月までの間、フィリピンは、それぞれ深刻度の異なる8つの熱帯性低気圧に見舞われ
た。2020年11月1日、超大型台風「ロリー」（別名台風「コーニー」）は、カテゴリー5相当の超大型台風として、
フィリピンのカタンドゥアネス島に上陸し、中心付近の最大風速時速310キロメートルという記録上最大の熱帯低
気圧の上陸となった。2020年11月20日現在、予備的評価によれば、超大型台風「ロリー」によって、カタンドゥア
ネス島の数万世帯の住居が破壊され、30万人超が退去を余儀なくされ、少なくとも25人が死亡した。
2020 年11月11日、台風「ユリシース」（別名台風「ヴァムコー」）は、風速時速150キロメートル、カテゴリー1
のハリケーンに相当するピーク強度風により、ケソン州パトナヌンガンに上陸した。台風「ユリシース」によっ
て、324,000人超が退去を余儀なくされ、少なくとも73人が死亡した。2020年11月20日現在、予備的評価によれ
ば、台風「ユリシース」によって、カガヤン・バレーから首都圏、さらには北カマリネスまで広範囲に及ぶ洪水が
発生し、様々な地域において25,852世帯超が全壊又は一部損壊し、農業に対する損害は1.194十億ペソ、インフラ
に対する損害は469百万ペソと推定されている。
気候変動
フィリピン経済は、農業、観光業及びエネルギー等の気候に敏感な部門に依存しているため、気候変動はフィリ
ピン経済に対する脅威として認識されている。気候変動は、農業生産性の低下、沿岸インフラに対する損害、生態
系の脆弱化、健康及び生物多様性に対する影響、金融市場の混乱、GDPの低下及び移住問題の変容を含む、複数の
影響を及ぼす可能性がある。自然災害の頻度及び深刻度の増加によって、人的被害、農作物及び家畜の破壊、水系
感染症の大発生並びに道路及び橋等のインフラの破壊が生じる可能性がある。干ばつは、農産物の供給、食糧供給
全般及び水力発電に悪影響を及ぼす可能性がある。
地震及び火山噴火
フィリピンは「環太平洋火山帯」に位置し、地質学者らが「フィリピン造山帯」と呼ぶ複雑な断層線に沿ってい
る。このため1990年にルソン島で発生した地震（マグニチュード7.8）(フィリピンで発生した最大規模の地震)及
び1991年に発生したピナトゥボ山の噴火（20世紀最大規模の火山噴火）をはじめとして、火山噴火及び断続的な地
震活動の影響を受けやすい。直近では、2020年1月、タール火山は活発な火山活動期間に突入し、タール火山の主
火口内部の複数の地点における水蒸気又は蒸気駆動活動から始まり、マグマ性噴火に進行した。フィリピン火山地
震研究所（以下「PHILVOCS」という。）は、2020年1月12日に警戒レベルを警戒レベル4に引き上げたが、これは危
険な爆発性噴火が数時間から数日間で発生する可能性があることを意味した。これらの事由に基づき、PHILVOCS
は、ヴォルケイノ島及びタール火山の主火口から半径14キロメートル以内の高リスク地域の全面避難を命令した。
それ以降、PHILVOCSはタール火山を対象とした警戒レベルをレベル1に引き下げている。これらの自然災害は死
者、行方不明者及び財産の破壊をもたらした。
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（２）【経済】
フィリピン経済
新型コロナウイルス感染症
2019 年12月に新型コロナウイルス感染症が報告されて以来、その危機は世界経済に多大な影響を与えている。
フィリピン経済にも悪影響が及んでおり、危機が長期化すると、フィリピン経済への悪影響も続くことが予想され
る。
新型コロナウイルス感染症は、2019年後半に人への感染が初めて報告された感染症で、2020年にかけて世界的に
流行し、2020年3月には世界保健機関からパンデミックと宣言された。2020年1月30日、フィリピンは、初めて新型
コロナウイルス感染症の症例が確認されたと報告した。フィリピン保健省によると、2021年4月9日現在、同国で
は、その後の感染拡大により840,554人の感染者が確認され、14,520人が死亡している。政府は、新型コロナウイ
ルス感染症の拡大を阻止するため、国及び地方レベルで、ソーシャル・ディスタンシング（社会的距離の確保）、
自主隔離・コミュニティ隔離措置の実施、学校の閉鎖、大量公共交通機関の停止、集会の制限、不要業務の停止、
及び渡航制限等の措置を様々な規模で実施してきた。
2020 年3月12日、大統領府は、新型コロナウイルス感染症の急増を阻止するため、マニラ首都圏における厳格な
ソーシャル・ディスタンシング措置を課す覚書指令を発令し、同指令は2020年3月15日に施行された。2020年3月16
日、大統領府は2020年3月17日から半年間にわたる共和国全土に非常事態を宣言し、強化されたコミュニティ隔離
措置（以下「ECQ」という。）をルソン島全域に2020年4月12日まで課した。スーパーマーケット、食料品店、コン
ビニエンスストア、薬局・ドラッグストア、食品調理・配達サービス、水補給スタンド、基礎食品の製造・加工工
場等の基本的な生活必需品を提供する民間施設やその他の生活に不可欠な事業所は、ECQの期間中も営業を続ける
ことが認められてきた。また、フィリピンは、新型コロナウイルス感染症の急増に伴い、一部の感染国への渡航を
禁止した。
2020 年3月24日、大統領府は国家の非常事態宣言を発令した。2020年4月7日、大統領府は、2020年4月30日までル
ソン島全域でECQを延長する覚書を発表した。2020年4月24日、政府は、マニラ首都圏、中部ルソン地方（オーロラ
州を除く）、カラバルゾン、ベンガル州、パンガシナン州、イロイロ州、セブ州、バコロド市及びダバオ市におい
てECQを2020年5月15日まで延長し、ルソン島のリスクが低リスクから中リスクの地域については、一般的なコミュ
ニティ隔離措置（以下「GCQ」という。）を実施すると発表した。2020年5月1日、政府はさらに、マニラ首都圏を
含むルソン島の一部地域でECQを2020年5月15日まで延長した一方で、その他の地域では制限を緩和した。
2020 年5月11日、政府は、新型コロナウイルス感染症に関する省庁横断タスクフォース(以下「IATF」という。)
が、2020年5月16日から2020年5月31日まで、高リスクのLGUに修正されたECQ（以下「MECQ」という。）を実施し、
一般的な規制緩和を開始した。MECQが実施浚えた地域では、一部の産業は、その所在地の隔離レベル又は分類に応
じて、一定の安全基準及びプロトコルを厳格に遵守する上で営業することを許可された。その一環として、2020年
5月31日までに、マニラ首都圏、ラグナ、セブの各地域がMECQに移行された。
2020 年5月27日、IATFは様々な州、高度に都市化された都市、市をそれぞれのリスク水準に応じて再分類した。
その結果、政府は2020年5月28日、マニラ首都圏を2020年6月1日付でGCQの下に置き、一般的な移動を引き続き制限
しつつ、特定の事業や公共交通の一部再開を認め、その他の地域については、その地域のリスク分類に応じて、
MECQ、GCQ又は修正GCQのいずれかに置いた。
2020 年7月16日、政府は、マニラ首都圏を2020年7月31日までGCQの下に置くことを発表した。しかし、2020年8月
4日、新型コロナウイルス感染症の感染者数の増加を受けて、政府はマニラ首都圏及びラグナ、カビテ、リサール
州、ブラカン州を2020年8月18日まで再びMECQの下に置いた。政府は、2020年8月19日以降は再び制限を緩和し、マ
ニラ首都圏及びブラカン州、カビテ州、ラグナ州、リサール州をGCQの下に戻し、残りの地域については2020年8月
31日まで修正された一般的なコミュニティ隔離（MGCQ）に移行した。
2020 年8月31日、政府は、マニラ首都圏を2020年9月30日まで一般的なコミュニティ隔離（以下「GCQ」とい
う。）の下に置くことを発表し、2020年10月26日にはマニラ首都圏、バタンガス、イロイロ州、バコロド市、タク
ロバン市、イリガン市、及びラナオ・デル・スル州を2020年11月30日までGCQの下に置くことを発表した。
2020 年9月28日、バンコ・セントラル（中央銀行）は覚書第2020-074号を発表した。覚書第2020-074号は、
「 Bayanihan to Recover as One Act 」の規定に基づき、2020年12月31日かそれまでに期限が到来する既存、現在及
び未払いのすべての融資について、一回限りの強制的な60日間の猶予期間を実施するための、バンコ・セントラル
が監督する金融機関を対象とする規則について詳述している。覚書の記載によると、バンコ・セントラルが監督す
る金融機関は、一回限りの強制的な60日間の猶予期間の適用免除を顧客に要求することを禁止されている。また、
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先日付小切手、自動振替、又は自動引き落としに関する取決めの対象となる融資勘定に猶予期間が及ぼす影響、元
本及び経過利息の必要な処理、並びに複利、違約金、手数料及びその他の料金を課さないことに対する禁止の規則
に ついても詳しく説明している。
2020 年10月28日、労働雇用省は、新型コロナウイルス感染症調整対策プログラム（「以下CAMP」という。）の実
施に関する追加のガイドラインを発布した。CAMPは「一体として治療するバヤニハン法」に基づくセーフティネッ
ト・プログラムであり、新型コロナウイルス感染症の拡大中に柔軟な勤務形態や一時的な閉鎖を実施した民間運営
施設において影響を受けた労働者に対し、経済的支援を提供するものである。CAMPに基づいて、影響を受けた労働
者には、雇用状況にかかわらず、一時金（5,000ペソ）が無条件に支給され、影響を受けた労働者には、求人マッ
チング、紹介及び職業支援サービスを通じて、その適性に合った就業機会へのアクセスが提供される。
2020 年11月10日、FIST法が上院で可決された。次は両院議員で構成される二院協議会で取り上げられ、上下両院
での最終承認を目指す。FIST法案は、大統領によって緊急と認定されている。FIST法により、銀行を含むすべての
金融機関が、不良資産や不良債権をFIST法人と呼ばれる資産運用会社に売却することが認められるようになる。
FIST法は、銀行業界の資本の自由化、リスク負担能力の強化、投融資活動の支援を目的としており、金融機関の資
源が不良資産の管理に費やされることがないようにすることを目的としている。銀行を貸付けから解放することに
より、新型コロナウイルス感染症がフィリピン経済に及ぼす影響を緩和することも意図されている。
2020 年11月10日、NEDAはフィリピン経済が2020年第3四半期に11.5％縮小したと報告した。2020年10月のIMF世界
経済見通しでは、送金フローの減少が国内支出を圧迫することから、2020年に共和国のGDPは8.3％縮小するとの予
測がなされた。これは以前に予測されていた3.6％の縮小よりも大きな縮小である。
2021 年3月27日、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が急増したことを受け、政府は、マニラ首都圏とそ
の近郊のブラカン州、ラグナ州、リサール州、及び国内のその他の地域を3月29日から4月4日までMECQの下に置く
と発表し、その後少なくとも2021年5月14日まで延長した。
これらの施策は、企業や経済活動を混乱させ、経済への影響を引き続き拡大させている。政府は当初、新型コロ
ナウイルス感染症の急増の経済的影響に加え、それに伴う国内での一時休業、国境警備、観光の減少、貿易・金融
市場への波及効果により、共和国のGDPが2％減少して3.4％になると予想していた。しかし、NEDAは2021年1月28
日、共和国のGDPが2020年に9.5％減少したと報告した。これは主として2020年第2四半期におけるロックダウンの
結果であり、共和国の同四半期のGDPが16.9％減少したことによるものである。
2021 年4月のIMF世界経済見通しでは、2021年3月にフィリピンの一部地域でロックダウン措置が再び講じられた
にもかかわらず、2021年の共和国の経済成長率は6.9％と予測された。しかし、これらの予測は、特に現在進行中
の新型コロナウイルス感染症の拡大の影響とそれを封じ込めようとする政府の取組みを巡る多大な不確実性に左右
される。現在NEDAは、マニラ首都圏とその近隣州で実施される2週間の隔離が、共和国の予想GDP成長率を0.8パー
セント・ポイント引き下げると予測している。
フィリピン共和国は、新型コロナウイルス感染症によるフィリピン経済への悪影響を緩和し、フィリピンの金融
市場を安定させるために、社会経済戦略を4つの柱、すなわち脆弱な人々への緊急支援、新型コロナウイルス感染
症に打ち勝つための資源の動員、経済を破綻させないための緊急財政・金融措置、及び経済回復計画に基づいて採
択した。これにより、以下の措置等が講じられている。
(i) フィリピン財務省は27.1十億ペソの支出計画を発表し、その内訳は、新型コロナウイルス感染症試験
キットの購入に対して3.1十億ペソ、観光産業を支援するために14十億ペソ、離職者のための技術教
育・技能開発庁の奨学金プログラムに3十億ペソ、農業従事者の支援に2.8十億ペソ、離職者への支援と
してフィリピン労働雇用省に対して2十億ペソ、社会保障制度に基づく失業給付金に1.2十億ペソ、新型
コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業に融資するためにフィリピン貿易産業省に対して1十億
ペソであった。
(ii) フィリピン労働雇用省は省令第209号（CAMP）を発布した。これにより、柔軟な勤務調整を実施した
か、ECQ措置のため一時的な閉鎖を余儀なくされた企業の労働者に対して、5,000ペソの一時金が支給さ
れる。
(iii) ベンチマークとなるフィリピン証券取引所総合指数（以下「PSEi」という。）が急落したことを受け、
ドゥテルテ大統領は2020年3月17日に宣言第929号を発令し、フィリピンにおける株式、債券、通貨の取
引を停止した。取引は2020年3月19日に再開され、PSEiは2020年3月16日の終値に比べて13.3％低い
711.95ポイント安で引けた。PSEiの2020年10月15日の終値は5,938.33ポイントであった。
(iv) バンコ・セントラルは、主要政策金利の引き下げ（下記「（４）通貨・金融制度―通貨制度―金融規
制」を参照のこと。）、準銀行機能を有する銀行・ノンバンクのための要求払預金、「NOW」勘定、貯
蓄預金(基本となる預金勘定を除く)、定期預金、小切手振出機能付き譲渡性預金、長期の譲渡不可の小
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切手振出機能付き非課税預金、代用預金、外国銀行に対する預け金であるペソ預金及び海外銀行の本
店・支店・代理店等に対する預け金に対する、預金準備率の12％の引き下げ、並びに預金準備率の代替
的 な遵守としての中小零細企業等への融資の実施、段階的融資の提供、2021年3月31日までの単一の借
り手の限度額（以下「SBL」という。）の25％から30％への引き上げ、マーケットメーカーが保有する
債券のSBLからの除外、市場の流動性を創出するための流通市場での国債購入、並びに政府プログラム
用の資金を捻出するための300十億ペソのレポ契約に基づく財務省財務局（以下「BTr」という。）から
の国債の買戻しを含む、様々な措置を講じている。
(v) 2020年3月24日には、「 Bayanihan to Heal as One Act 」として知られる共和国法第11469号が成立し、
ドゥテルテ大統領に、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに対応するための暫定的な緊急措置を
実施する権限が追加された。この権限には、貧困層に支援を提供するために2020年のフィリピン予算の
資金を再配分する権限が含まれており、ドゥテルテ大統領は、新型コロナウイルス感染症のパンデミッ
クに対処するための政府の措置を詳細に記載した報告書を毎週議会に提出することを求められている。
この法律はまた、それ以外の権限として、(1)毎月一世帯当たり5,000ペソから8,000ペソまでの範囲で
2ヶ月間、約18百万の低所得世帯に緊急補助金を提供する権限、(2)公衆衛生従事者のためのマグナカル
タに基づく危険手当に加えて、すべての公衆衛生従事者に特別危険手当を支給する権限、(3)任務中に
新型コロナウイルス感染症の重症感染症に感染する可能性のある公共及び民間の保健医療従事者に
100,000ペソの補償を、新型コロナウイルス感染症のパンデミック期間中において任務中に死亡した保
健医療従事者に1,000,000ペソの補償を提供する権限を提供する権限、(4)自営業者及び本国に強制送還
された在外フィリピン人労働者（以下「在外労働者」という。）、並びにフリーランサーを含む経済の
その他のセクターの中でも特に、新型コロナウイルス感染症に起因する離職者又は従業員に対して、
5,000ペソから8,000ペソまでの範囲の失業又は不本意な離職に関わる支援を提供する権限、(5)金融機
関の実効貸出金利及び預金準備率を引き下げる等の政策を通じて、特に地方における経済の生産的セク
ターに対する信用の利用可能性を確保する権限、(6)公共・民間を問わず、陸路、海路又は空路による
輸送のすべての部門の運行を規制及び制限する権限、(7)すべての銀行、準銀行、金融会社、融資会社
及びその他の金融機関に対して、すべての貸付金の支払について30日間の支払猶予期間をを実施するよ
う指示する権限、並びに(8)強化されたコミュニティ隔離期間内に期限が到来する住宅の賃料につい
て、利息、違約金、手数料及びその他の料金を負担することなく、最低30日間の猶予期間を規定する権
限を付与している。同法に基づき、政府は低所得世帯、農業従事者及び漁業従事者を支援するために
200十億ペソの資金を割り当てることを発表した。但し、共和国法第11469号にはサンセット条項が含ま
れていた。その効力は2020年6月25日に失効した。
(vi) 2020年9月11日、「 Bayanihan to Recover as One Act 」として知られている共和国法第11494号が成立し
た。同法は、援助、補助金及びその他の形での社会経済的救済を提供することによって、新型コロナウ
イルス感染症がフィリピン人の社会経済的福祉に与える悪影響を低減することを目的としているほか、
フィリピン経済の回復を早める意図もある。同法では、共和国法第11469号のいくつかの条項を復活さ
せた。これには、局地的にロックダウンが実施されている地域の低所得世帯と本国に最近強制送還され
た在外労働者のいる世帯に、5,000ペソから8,000ペソの緊急補助金を支給する大統領の権限、共和国法
第11469号に基づくのと同一の金額及び補助金を、公務中に新型コロナウイルス感染症に感染した公共
及び民間の医療従事者に対して、2020年2月1日まで遡って補償を行う権限が含まれている。同法はま
た、フィリピン政府によって実施される対応及び回復のための介入に使用される歳出予算及び準備基金
を創設した。これには、(a)保健省病院の業務増強等、健康関連の対応ための13.5十億ペソ、(b)個人用
保護具の調達のための3十億ペソ、(c)重大な影響を受ける企業及び公共交通業界の推進者を支援するた
めの運輸省プログラムに融資するための9.5十億ペソ、(d)社会福祉開発省のプログラム（フィリピン経
済のインフォーマル・セクターのための持続可能な生活プログラムを含む。）に融資するための6十億
ペソが含まれる。加えて、同法は、フィリピンの銀行及びその他の対象機関に対し、2020年12月31日ま
でに返済期限が到来するすべての既存、現在及び未払いの融資又はその一部（給与、個人ローン、住宅
ローン、商業ローン、及び自動車ローン、償却費、金融リース支払い及び保険料支払い、並びにクレ
ジット・カード支払いを含むがこれらに限定されない。）の支払いについて、複利、違約金、手数料又
はその他の料金を負担することなく、一回限りの60日間の猶予期間を与え、それにより当該ローンの満
期を延長するよう指示している。
新型コロナウイルス感染症に対する法的取組み
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「Bayanihan to Recover as One Act」としても知られる共和国法第11494号に基づきドゥテルテ大統領に付与さ
れた緊急事態下の権限は、2020年12月19日に失効した。本書の日付現在、当該権限は更新されていない。
2020 年12月29日、ドゥテルテ大統領は共和国法第 11519 号及び第11520号に署名し、両法が成立した。 共和国法第
11519 号により、Bayanihan to Recover as One Act を通じて割り当てられた資金の利用期限が2021年6月30日まで延
長された。 共和国法 第11520号により、2020年度予算の執行期限が2021年12月31日まで延長され、同法がなければ
2020年の末日をもって失効していた2020年度予算の未使用分を、政府機関が2021年を通じて投入又は放出すること
が可能となった。
共和国法第11523号（FIST法）は、2021年2月16日に署名され成立し、2021年2月17日に施行された。FIST法は、
FIST法人と呼ばれる資産管理会社に対する不良資産や不良債権の売却を認めることで、銀行その他の金融機関を支
援することを目的としている。同法は、銀行業界のリスク許容能力を強化するとともに、資本を解放することで不
良債権の管理よりも経済の一環としてその生産的活用を図ることを目指している。
既に実施されている上記の措置のほか、現在、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に対処する政府の能力を
強化するための法案が、少なくとも2つ、議会に提出されている。
第一に、2021年2月4日、「Bayanihan to Arise As One Act」又は「Bayanihan 3 Act」としても知られる下院法
案第8628号が下院に提出された。Bayanihan 3 Actは、新型コロナウイルス感染症対策として420十億ペソの追加支
出と、経済的包括性及び集団的成長に基づく回復に向けた介入とを提案するものである。420十億ペソの使途とし
て、影響を受けた家計を対象とするさらなる社会的改善に108十億ペソ、影響を受けた分野を対象とする能力強化
に100十億ペソ、賃金補助に52十億ペソ、農業生産者向けの能力強化に70十億ペソ、学生及び教師へのインター
ネット支援に30十億ペソ、失職者支援に30十億ペソ、新型コロナウイルス感染症の治療及びワクチン接種に25十億
ペソ、そして最近の水害及び台風による影響を受けた地域の復興に5十億ペソが提案されている。同法案は、資金
の効果的な支出を確保するための行政・立法の合同機関「バヤニハン・カウンシル」の設立も提案している。2021
年5月3日、同法案は下院委員会に承認された。
第二に、経営不振企業の経済回復に向けた政府系金融機関の統一イニシアティブ（以下「GUIDE」という。）法
案も議会に提出されている。GUIDE法案は、経営破綻に直面している戦略上重要な企業に対し、厳しい条件の下で
資本を注入する特別持株会社を政府系金融機関が設立できるようにすることを目的とするものである。GUIDE法案
は、中小・零細企業に対してより多額の融資を行えるよう、フィリピン保証会社、フィリピン開発銀行及びフィリ
ピン土地銀行に対して55十億ペソの支出を提案している。下院は2021年2月9日に同法案を承認した。同法案の成立
には、さらに上院の承認と大統領の署名が必要である。
新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の取組み
2021 年1月、保健省は新型コロナウイルス感染症ワクチンのフィリピン国内展開及びワクチン接種計画を発表し
た。この計画の一環として、政府は、複数の製薬会社から初回接種分のワクチンを確保し、さらにフィリピンのワ
クチン供給へのアクセスを拡大するため、世界保健機関のCOVAXファシリティに参加した。
2021 年2月、IATFは、ワクチンの供給が限られていることを踏まえ、国内予防接種の効果的展開を推進するため
に暫定国家予防接種技術諮問グループが策定した予防接種優先構想を採用した。2021年2月26日、ドゥテルテ大統
領が2021年新型コロナウイルス感染症予防接種計画法に署名して同法が成立したが、これにより地方自治体が交渉
により新型コロナウイルス感染症ワクチンを調達すること、そして、フィリピン赤十字社等の民間団体が政府と連
携してワクチンを調達することが可能となった。
2021 年3月1日、政府は集団予防接種を開始し、まずは第一線の医療従事者、続いて適格高齢者がワクチンを接種
した。2021年4月10日現在、食品医薬品局は4つの新型コロナウイルス感染症ワクチンについて、緊急使用を許可し
ている。2021年5月15日現在、合計2,921,196回分の新型コロナウイルス感染症ワクチンが政府に納入され、このう
ち、フィリピン国内で2,245,397人が少なくとも1回目の接種を終え、675,799人が2回目の接種を終えている。
経済的影響
新型コロナウイルス感染症の大流行とそれに伴う国内の都市封鎖、出入国管理、観光客の減少、貿易や製造業の
混乱、金融市場への波及効果により、ビジネスと経済活動に混乱が生じ、経済への影響も依然として続いている。
2021年1月28日のNEDAの報告書によれば、フィリピンのGDPは、2020年第2四半期のロックダウン（都市封鎖）によ
り同四半期のGDPが16.9％低下したことを主に反映し、2020年は9.5％の低下となった（その後、9.6％の低下に下
方修正された。）。
IMF が2021年4月に公表した世界経済見通しによれば、2021年3月に国内の一部地域でロックダウン（都市封鎖）
が再度実施されたものの、フィリピンの2021年における経済成長率は6.9％と見込まれている。ただし、これらの
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予測は、特に進行中の新型コロナウイルス感染症の感染拡大と政府の封じ込め策の影響といった事項に関するもの
などを中心に、重大な不確実事項の影響を受けるものである。NEDAは、マニラ都市部とその周辺の州で2週間の隔
離 措置を実施すれば、フィリピンのGDP伸び率の予測は0.8パーセント・ポイント低下するだろうと現時点で見込ん
でいる。
新型コロナウイルス感染症は、今後も世界経済や金融市場に悪影響を与え、世界的・地域的な景気後退をもたら
すことが予測されている。しかしながら、新型コロナウイルス感染症がフィリピン経済に及ぼす影響の範囲や、景
気回復の速度及び確実性を予測することはできず、今後新たに感染が急増すれば、都市や市町村全体でより厳しい
隔離やロックダウン（都市封鎖）の措置が取られ、フィリピン経済のさらなる低迷、事業閉鎖及び失業率の上昇に
至る可能性がある。事態は進展し続けており、世界経済及びフィリピン経済への影響、並びにフィリピン政府及び
地方政府が採用する追加的措置を含む関連する政府の対応は、依然として不確実な将来の展開に依存する。
概要
第二次世界大戦後の多くの発展途上国と同様に、フィリピンは輸入関税及び割当てといった措置を通じて諸外国
による競争から現地産業を保護し、長期的には輸入に頼っている完成品を自国生産品に置き換えていくことを望ん
だ。一連の政権も、輸入数量制限、価格統制及び助成金を課すことにより、国内経済に介入を行った。経済は当初
急成長を遂げ、1970年から1980年までの期間におけるGNIの成長率は平均年5.7％であった。これはもっぱら輸出の
伸びと政府による投資によるものであった。インフラ支出が増大し、民間企業の国有化及び国営化が一般的となっ
た。但し、1980年代初頭までには財政赤字の拡大、対内及び対外債務の増大、インフレ率上昇、金利上昇、ペソ
安、投資資本の低下及び景気減速、又は時にGNIの縮小に直面するようになった。1983年に野党指導者のベニグ
ノ・アキノが暗殺される等、同時期における不安定な政情も経済問題を悪化させた。
1986 年に不人気だったマルコス政権が平和的に打倒されることにより楽観主義が広がり、経済回復につながっ
た。1986年にはGNIの成長率が3.4％を記録し、1988年には6.8％まで伸びたが、1991年には0.6％まで低下した。
1990年代初頭の景気縮小は主として、基本を成すマクロ経済の不均衡が、供給上の制約や自然災害、政情不安、世
界的な景気後退、及び1990年から1991年にかけての湾岸危機で一段と悪化したことによるものであった。
1986 年に政権についたコラソン・アキノ大統領による政権はインフレの高まりの防止、財政赤字の抑制、対外経
常収支の改善を目指した安定化プログラムに着手した。経済はこれらの措置にプラス反応を示し、1992年には
GNI、投資、民間消費及び輸入は増大した。コラソン・アキノ政権は、共和国の経済問題はもっぱら保護主義政策
が原因であるとも認識していた。この認識に基づいて同政権は経済を市場開放して、同国経済における政府の規模
と役割を縮小させた。1992年に大統領に就任したフィデル・ラモス大統領の政権はコラソン・アキノ政権が着手し
た改革をさらに加速化した。エストラーダ政権は、前政権が開始したいくつかの政策及びプログラムを見直しした
後、コラソン・アキノ及びラモス両政権が推進した金融政策及び市場主義改革の多くを継承した。
1997 年半ばにアジアの経済危機が発生すると、フィリピンは通貨安、銀行業の業績低下、金利の変動、現地株式
市場における株価急落及び外貨準備高の減少に特徴づけられる経済危機を経験した。これらの要因により1997年及
び1998年にフィリピン経済は景気減速に至った。これを受けて政府は、国の経済ファンダメンタルズ（基礎的諸条
件）の強化を図ることによりアジア経済危機の影響を軽減させることを狙った、いくつかの政策を採用した。
フィリピンはアジアにおける金融危機の影響を多くの隣国ほどに大きくは受けなかった。在外労働者からの送金
に助けられた側面もある。農産物の収穫が悪天候と干ばつの悪影響を受けた1998年を除いて、共和国はアジア金融
危機以来、毎年実質GDPが伸びていた。GDPは1998年には0.6％落ち込んだものの、1999年には3.1％、2000年には
4.4％まで増大した後、2001年には2.9％まで低下した。2000年代初めに政府は、インフラの改善、税制改革、経済
の規制緩和と民営化の支援、アジア圏内における貿易関係の強化を目的とする経済戦略を追求した。イラク戦争、
SARS（ 重症急性呼吸器症候群 ）、格下げの影響にもかかわらず、GDPの成長率は2002年には3.7％、2003年には
5.0％に増大した。GDPの成長率は2004年には6.7％に加速した後、2005年には4.8％、2006年には5.2％で横ばいと
なった。
2007 年下半期に開始した世界金融危機に直面する中で、フィリピンのサブプライム資産及び破綻した金融機関に
対するエクスポージャーは限定的であった。それにもかかわらず、2008年には成長率が減速し、株価は弱含み、対
主要通貨のペソ安及びインフレ上昇が発生した。2009年になると景気回復の兆しが現れ始めたものの、同国の経済
回復を目指した景気対策はまだプラス効果を生み出せなかった。2010年には世界の景気回復は各国によりまちまち
だったにもかかわらず、フィリピンの景気回復は持続した。
2012 年から2015年にかけて、 フィリピンは 欧州のソブリン債務危機に伴う景気低迷に関しては 、影響を受けた諸
国との貿易及び金融取引が少なかったことから多大な影響は免れた。フィリピンはそれでもなお、金融規制の枠組
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み及び金融政策を通じて、欧州のソブリン債務危機並びにそれに伴う欧州の景気減速が同国に及ぼす影響を軽減す
る取組みを行ってきた。
2020 年1月に更新されたIMF世界経済見通しによると、2020年のフィリピンの経済成長率は、政府支出の増加及び
近年の金融緩和に支えられ、 6.1 ％と見込まれている。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背
景に、2020年4月 に更新されたIMF世界経済見通しでは、フィリピンの予想経済成長率は 0.6 ％に下方修正された。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大とそれに伴う国内の都市封鎖、出入国管理、観光客の減少、貿易や製造業
の混乱、金融市場への波及効果による経済的影響により、政府は当初、フィリピンのGDPを 2 ％減の3.4％と予測し
ていた。しかしながら、 2021 年1月28日のNEDAの報告書によれば、フィリピンのGDPは、2020年第2四半期の都市封
鎖により同四半期のGDPが16.9％低下したことを主に反映し、2020年は9.6％の低下となった。
共和国は、国内の流動性は引き続き、同国の経済成長を支えるための資金調達需要を満たすのに十分であると考
えている。但し、新型コロナウイルス感染症の大流行、米中関係その他の事由による国際金融市場における流動性
縮小が同国又はフィリピン企業全般の財務状況に悪影響を及ぼさないという保証は何らない。
最近の経済指標
下表は、特定期間における共和国の主要な経済指標の一部の成績を示したものである。
2016 年－2021年
2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年
GDP 成長率（％）
7.1 6.9 6.3 6.1 (9.6) －
GNI 成長率（％）（その時点の市場価格
6.8 6.8 5.9 5.4 (11.4) －
ベース）
インフレ率（2012年CPIバスケット）
(1)
4.5
1.3 2.9 5.2 2.5 2.6
（％）
(2) (3)
8.7 8.8
失業率（％） 5.5 5.7 5.3 5.4
(4)
1.0
91 日物財務省証券利回り（％） 1.5 2.1 3.5 4.7 2.0
対外収支
(1)
(2,771)
国際収支（百万ドル） (1,038) (863) (2,306) 7,843 16,022
輸出成長率（％） (2.4) 19.7 0.9 4.9 (13.3) －
輸入成長率（％） 18.3 14.2 17.4 0.6 (24.5) －
対外債務（十億ドル） 74.8 73.1 79.0 83.6 98.5 －
国際通貨準備高
(5)
104.8
総準備高（十億ドル） 80.7 81.6 79.2 87.8 110.1
(5)
104.8
正味準備高（十億ドル） 81.0 81.6 79.2 87.8 110.1
(6)
留保輸入月数
8.8 7.8 6.9 7.6 12.6 12.0
(7) (4)
9.1 5.6
国内信用成長率（％） 17.0 13.9 14.9 10.7
出典： PSA 、バンコ・セントラル
注：
(1) 2021年2月28日に終了した2ヶ月間の暫定値。
(2) 労働力調査2020年予測の10月分に基づく2020年10月現在の暫定値。
(3) 労働力調査2021年予測の2月分に基づく2021年2月現在の暫定値。
(4) 2021年3月31日に終了した3ヶ月間の暫定値に基づく。
(5) 2021年3月31日現在の暫定値。
(6) 引当金から資金調達可能な商品の平均輸入額並びにサービスの支払い及び主要所得の月数。
(7) 数値は2020年度の各四半期の平均成長率。
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GDP 及び主な財務指標
フィリピン国民経済計算の定期修正
経済指標は、GDP及びGNIを名目市場価格ベースと実質市場価格ベースの両者で示す。名目市場価格ベースのGDP
及びGNIの表示では、各年の実際の価格を用いて国内の生産額が算出されるのに対し、実質市場価格ベースのGDP及
びGNI（「実質」GDP及び「実質」GNIともいう。）では、特定の基準年の価格を基にした価値を用いて生産額を算
出し、インフレーション及びデフレーションによる歪んだ影響を除去している。
PSA は、共和国の国民経済計算について四半期毎にデータを発表しており、これにはGDPとGNIのデータも含まれ
ている。PSAの方針により、各四半期のGDP及びGNIのデータは翌四半期に修正される。一方、年次のデータは第1四
半期のデータとともに発表され、その後毎年5月に修正される。GDP及びGNIの推計値は、3年後に「最終値」とみな
される。但し、PSAは、国民経済計算を全般的に修正する場合は、常に「最終値」とされた推計値も修正すること
ができる。
通常、共和国の国民経済計算が修正されるのは、新たな又はより詳細なデータが得られた場合、もともとの情報
源から修正されたデータを受領した場合、及び新興産業を追加又は閉鎖産業を除外した場合である。PSAは、かね
てより国連の1968年改訂国民経済計算体系に従っている。
2011 年第1四半期に、GDP及びGNI（2011年の改正まではGNP）の算出に関するPSNAに基づく基準が変更され、これ
らの算出に用いる基準年度が1985年から2000年に変更された。PSNAは、2020年4月に、PSNA基準をさらに変更し、
GDP算出の基準年度を2000年から2018年に変更した。その他別段の定めがある場合を除き、本書中のGDP及びGNIの
成長率の数値は、それぞれ2000年度を基準年度とした実質GDP及びGNIの期間毎の比較である。但し、2020年度の数
値及び2019年度の同期間との比較数値は、2018年度を基準年度として表示しているため、この限りではない。した
がって、本書中に表示される2020年度以降のGDP及びGNIの数値、並びに2019年度以降の同期間との比較数値は、
2020年度より前の年度に関する年間GDP及びGNIと同基準による表示ではない。政府は、2020年3月、2000年を基準
年度とするGDP及びGNIの数値の報告を停止した。
国内総生産
国内総生産、すなわちGDPは、一定期間に国内で生産されたすべての最終財及びサービスの市場価値を測定する
ものであり、当該期間中のその国の生産高の増減を知る指標となる。一方で国民総所得、すなわちGNIは、一定期
間に国民によって生産された最終財及びサービスの市場価値を測定するものであるが、この場合国内での生産であ
るか否かを問わない。
2016 年度のGDP成長率は、2015年度の6.1％増から6.9％増に拡大した。2016年度の成長率拡大に最も寄与したの
が、2015年度の5.7％増から2016年度に7.0％増となった製造業による伸長である。一般公共サービス・防衛・強制
的社会保障及び建設業といったサブセクターの伸率も2015年度の1.2％増、11.6％増から2016年度には7.2％増、
13.7％増と上昇し、2016年度の成長率拡大に貢献している。電気・ガス・水道業及び不動産・不動産賃貸・事業活
動のサブセクターの成長率もそれぞれ2015年度の5.7％増、7.1％増から2016年度には9.8％増、8.9％増に上昇し
た。これらサブセクターによる業績を一部押し下げたのが、それぞれ2015年度の8.0％増、8.3％増から2016年度に
5.9％増、7.3％増に後退した輸送・倉庫・通信及びその他サービスといったサブセクターの成長率鈍化である。農
業・狩猟・林業及び水産業もそれぞれ2015年度の0.6％増、1.8％減から2016年度には0.6％減、4.3％減に低下して
いる。GNI成長率は2015年度の5.8％増から2016年度に6.7％増に拡大した。GNIの成長率はGDPのそれを下回ってい
るが、これは2016年度における海外からの純要素所得伸率が5.8％増と、2016年度のGDP成長率に比べて相対的に低
迷したためである。2016年度の海外からの純要素所得成長率は5.8％増で、2015年度の4.6％増から25.1％増の拡大
である。
2017 年度のGDP成長率は、2016年度の6.9％増から6.7％増となった。2017年度の成長率縮小の最大の原因となっ
たのが、2016年度の12.1％増から2017年度の5.1％増に後退したサブセクターである建設業による伸率低迷であ
る。また、電気・ガス・水道業及び輸送・倉庫・通信業といったサブセクターがそれぞれ2016年度の9.0％増、
5.3％増から2017年度同期の3.4％増、4.0％増に後退したことも縮小の原因となった。これらのサブセクターの業
績不振を補ったのが、農業・林業及び製造業といったサブセクターであり、それぞれ2016年度の0.6％減、7.1％増
から2017年度に5.0％増、8.4％増の成長拡大となった。一般公共サービス・防衛・強制的社会保障及び水産業と
いったサブセクターもそれぞれ2016年度の7.1％増、4.0％減から2017年度の8.7％増、0.9％減に改善した。GNI成
長率は、2016年度の6.7％増から2017年度の6.6％増に縮小した。GNIの成長率はGDPのそれをわずかに下回っている
が、これは2017年度における海外からの純要素所得伸率が5.9％増と2017年度のGDP成長率と比べて相対的に低迷し
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たためである。2017年度の海外からの純要素所得成長率は5.9％増で、2016年度同期の5.8％増からわずかに拡大し
ている。
2018 年度のGDP成長率は、2017年度の6.7％増から6.2％増に縮小した。2018年度の成長率縮小の最大の原因と
なったのが、成長率が2017年度の8.4％増から2018年度の4.9％増に後退したサブセクターである製造業による伸率
低迷である。また、農業・狩猟・林業及び水産業並びに不動産・不動産賃貸・事業活動のサブセクターの成長率が
それぞれ2017年度の4.0％増、7.4％増から2018年度に0.9％増、4.7％増に後退したことも成長減速の原因となっ
た。これらのサブセクターの業績を一部補ったのが、それぞれ2017年度の5.1％増、3.4％増、8.7％増から2018年
度に14.9％増、5.5％増、15.2％増を記録した建設業、電気・ガス・水道業及び一般公共サービス・防衛・強制的
社会保障といったサブセクターの成長拡大であった。GNI成長率は、2017年度の6.5％増から2018年度の5.9％増に
縮小した。GNIの成長率は、GDPのそれを下回っているが、これは2018年度における海外からの純要素所得伸率が
4.3％増と、2018年度のGDP成長率に比べて相対的に低かったためである。2018年度の海外からの純要素所得伸率
4.3％増は、2017年度の5.9％増から縮小していた。
2019 年度のGDP成長率は、2018年度の6.2％増に対して、5.9％増であった。2019年度の低成長の最大の原因と
なったのが、成長率が2018年度の6.7％増から4.9％増に後退した工業部門による伸率低迷である。この業績を一部
補ったのが、それぞれ2018年度の0.9％増及び6.8％増から2019年度の1.5％増及び7.1％増を記録した農業・狩猟・
林業及び水産業、並びにサービスといったセクターの成長拡大であった。2019年度のGNI成長率は、2018年度の
5.9％増に対し、5.5％増と縮小した。GNIの成長率は、GDPのそれを下回っているが、これは2019年度の海外からの
純要素所得伸率が3.5％増と、2019年度のGDP成長率に比べて相対的に低かったためである。2019年度の海外からの
純要素所得伸率3.5％増は、2018年度の成長率の4.3％増から縮小していた。
2020 年度のGDP成長率は、2018年の実質市場価格ベースで、2019年度の6.1％増に対して、9.6％減へと縮小し
た。同年度の成長率低迷の最大の原因となったのが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響、並びにこれ
による国内の活動停止、出入国管理、観光客の減少、貿易及び製造業における混乱並びに金融市場への影響であっ
た。これにより、サービス部門は、2018年の実質市場価格ベースで、2019年度の6.8％増から2020年度には9.2％減
となり、工業部門は、2018年の実質市場価格ベースで、2019年度の5.2％増から2020年度には13.2％減となった。
2020年度のGNI成長率は、2018年の実質市場価格ベースで、2019年度の5.4％増から11.4％減へと縮小した。2020年
度の海外からの純要素所得伸率は、2018年の実質市場価格ベースで、2019年度の成長率の1.6％減に対して、
30.1％減であった。
フィリピンは、2020年度のGDP及びGNIが主に新型コロナウイルス感染症の世界的流行による悪影響を引き続き受
けると予想している。
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下表は、それぞれの表示期間における部門別のGDPと、純要素所得及びGNIを名目市場価格により示したものであ
る。
主要部門別国内総生産
（名目市場価格による。 ） GDP に占める割合
(1)
2020 年度
201 6年度 2017 年度 2018 年度 2019 年度 2020 年度 2016 年度
（単位：別途記載がある場合を除き、百万ペソ） （％）
農業・林業及び水産業 1,544,279 1,685,956 1,762,616 1,721,539 1,827,010 10.2 10. 2
工業部門 4,582,981 4,987,948 5,582,525 5,919,281 5,094,222 30.3 28.4
鉱業・採石業 125,898 148,094 163,322 161,656 136,039 0.8 0.8
製造業 2,964,479 3,228,580 3,488,331 3,614,016 3,170,117 19.6 17.7
電気・蒸気・水道及び廃棄物管理 466,222 505,119 557,030 607,881 610,953 3.1 3.4
建設業 1,026,382 1,106,154 1,373,841 1,535,727 1,177,114 6.8 6.6
サービス部門 9,005,122 9,882,747 10,920,048 11,877,043 11,017,351 59.5 61.4
卸売り及び小売り、自動車及びオート
2,668,596 2,926,502 3,237,304 3,517,653 3,321,007 17.6 18.5
バイの修理
輸送及び倉庫 580,079 637,191 697,839 757,661 548,973 3.8 3.1
宿泊及び食品サービス業 304,557 346,119 403,289 431,778 253,656 2.0 1.4
情報通信 473,142 490,330 515,925 562,834 592,818 3.1 3.3
金融及び保険業 1,193,651 1,326,583 1,498,147 1,681,870 1,822,568 7.9 10.2
不動産及び住居の保有 995,629 1,076,332 1,189,673 1,255,644 1,078,017 6.6 6.0
専門及び事業サービス 992,234 1,110,458 1,159,265 1,219,757 1,132,869 6.6 6.3
行政・防衛・強制的社会保障 562,254 642,127 767,706 890,688 950,763 3.7 5.3
教育 591,081 649,366 731,607 778,868 715,250 3.9 4.0
ヘルスケア及び社会福祉事業 269,554 289,060 308,268 329,862 329,708 1.8 1.8
374,345 388,679 411,025 450,429 271,720 2.5 1.5
その他サービス
GDP 合計 15,132,381 16,556,651 18,265,190 19,517,863 17,938,582 100.0 100.0
世界のその他の地域からの純要素所得
1,680,553 1,826,528 1,947,159 1,954,197 1,381,265
GNI 合計 16,812,934 18,383,179 20,212,349 21,472,060 19,319,848
(2)
GDP 合計（十憶ドル）
304.9 316.6 330.9 383.7 374.2
(2)
1人当たりGDP（購買力平価（ドル））
7,806 8,348 8,943 9,961 8,574
出典：PSA
注：
(1) 対象期間における平均為替レートを用いて計算している。下記「4．通貨・金融制度－通貨制度－金融規制」を参照のこと。
(2) 数値は、購買力平価による年換算した1人当たりGDPを示している。
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下表は、それぞれの表示期間における部門別のGDPと、純要素所得及びGNIを2000年度を基準とした実質市場価格
により示したものである。
主要部門別国内総生産
（2000年度の 実質 市場価格による。 ） GDP に占める割合
2015 年度 2016 年度 2017 年度 2018 年度 2019 年度 201 4年度 2019 年度
（単位：別途記載がある場合を除き、百万ペソ） （％）
農業・狩猟・林業及び水産業 719,742 711,001 739,195 745,781 756,960 10.0 7.8
農業・狩猟及び林業 591,269 587,654 616,963 623,765 631,870 8.2 6.5
水産業 128,473 123,347 122,232 122,016 125,090 1.8 1.3
工業部門 2,545,411 2,750,593 2,945,538 3,142,846 3,295,786 33.4 33.8
鉱業・採石業 80,500 83,665 84,795 85,864 90,941 1. 1 0.9
製造業 1,760,989 1,885,514 2,044,189 2,145,011 2,226,003 23.3 22.8
建設業 456,932 512,113 538,107 618,294 666,168 5.7 6.8
電気・ガス・水道 246,990 269,301 278,447 293,677 312,674 3.3 3.2
サービス部門 4,335,022 4,661,781 4,981,084 5,318,262 5,697,852 56.6 58.4
輸送及び倉庫 581,289 611,902 636,612 670,803 715,854 7. 5 7.3
卸売り及び小売り、自動車及びオー
1,270,526 1,367,438 1,467,006 1,554,868 1,679,977 16.5 17.2
トバイの修理
金融仲介業 546,714 590,112 635,139 681,005 751,626 7. 2 7.7
不動産・不動産賃貸・事業活動 854,747 930,685 999,420 1,046,693 1,085,570 11.1 11.1
行政・防衛・強制的社会保障 297,449 318,540 346,234 398,859 439,952 4.1 4.5
784,297 843,105 896,674 966,034 1,024,873 10.1 10.5
その他サービス
GDP 合計 7,600,175 8,123,375 8,665,818 9,206,889 9,750,598 100.0 100.0
世界のその他の地域からの純要素所得
1,542,980 1,632,345 1,728,528 1,803,363 1,866,384
GNI 合計 9,143,155 9,755,720 10,394,346 11,010,252 11,616,982
GDP の年間成長率（％） 6. 1 6.9 6.7 6.2 5.9
GNI の年間成長率（％） 5.8 6.7 6.5 5.9 5.5
出典：PSA
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下表は、共和国のGNIを2000年度を基準とした実質市場価格による支出別に百分比で示したものである。
支出別国民総所得の分配
（2000年度の実質市場価格による。）
2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
（単位：％）
家計最終消費支出 57.6 57.8 57.5 57.3 57.4
政府最終消費支出 8.6 8.8 8.7 9.3 9.8
総資本形成 20.1 23.5 24.1 25.8 24.3
総固定資本形成 19.7 23.3 23.9 25.5 24.5
建設 7.7 8.1 8.1 8.6 9.0
耐久設備 10.3 13.3 13.8 14.7 13.1
種畜・果樹開発 1.1 1.1 1.0 1.0 1.0
知的財産生産物 0.7 0.8 1.0 1.2 1.4
在庫変動 0.4 0.2 (0.2) 0.3 (0.3)
輸出 40.4 42.3 47.5 50.9 49.7
財貨の輸出 32.1 33.3 37.8 51.0 39.8
サービスの輸出 8.3 9.0 9.7 10.0 9.9
輸入 43.6 49.1 54.4 59.6 57.6
財貨の輸入 34.2 39.7 44.6 49.6 47.7
サービスの輸入 9.4 9.4 9.9 10.2 10.0
GNIに対するGDPの割合 83.1 83.3 83.4 83.6 83.6
世界のその他の地域からの純要素所
16.9 16.7 16.6 16.4 16.4
得
国民総所得 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
出典：PSA
下表は、それぞれの表示期間における部門別のGDPを2018年度を基準とした実質市場価格により示したものであ
る。
主要部門別国内総生産
（2018年度の 実質 市場価格による。 ） GDP に占める割合
201 6年度 2017 年度 2018 年度 2019 年度 2020 年度 2016 年度 2020 年度
（単位：別途記載がある場合を除き、百万ペソ） （％）
農業・林業及び水産業 1,672,085 1,743,134 1,762,616 1,783,855 1,780,544 10.4 10.2
工業部門 4,861,342 5,202,582 5,582,525 5,887,869 5,112,115 30.3 29.2
鉱業・採石業 156,807 160,065 163,322 168,857 136,940 1.0 0.8
製造業 3,070,939 3,317,641 3,488,331 3,620,456 3,266,648 19.1 18.6
電気・蒸気・水道及び廃棄物管理 500,472 523,161 557,030 591,312 589,089 3.1 3.4
建設業 1,133,124 1,201,714 1,373,841 1,507,244 1,119,438 7.1 6.4
サービス部門 9,529,249 10,230,262 10,920,048 11,711,027 10,634,575 59.3 60.7
卸売り及び小売り、自動車及びオート
2,861,060 3,057,552 3,237,304 3,489,299 3,279,285 17.8 18.7
バイの修理
輸送及び倉庫 604,328 648,153 697,839 742,347 512,769 3.8 2.9
宿泊及び食品サービス業 332,612 371,234 403,289 425,692 232,389 2.1 1.3
情報通信 462,876 483,683 515,925 557,007 584,981 2.9 3.3
金融及び保険業 1,275,687 1,382,521 1,498,147 1,676,448 1,768,604 7.9 10.1
不動産及び住居の保有 1,068,415 1,129,083 1,189,673 1,238,469 1,027,860 6.7 5.9
専門及び事業サービス 1,011,910 1,117,257 1,159,265 1,182,159 1,064,318 6.3 6.1
行政・防衛・強制的社会保障 610,575 666,393 767,706 871,564 911,354 3.8 5.2
教育 627,112 671,837 731,607 766,089 683,563 3.9 3.9
ヘルスケア及び社会福祉事業 290,083 309,316 308,268 323,261 310,930 1.8 1.8
384,590 393,233 411,025 438,691 258,523 2.4 1.5
その他サービス
GDP 合計 16,062,676 17,175,978 18,265,190 19,382,751 17,527,234 100.0 100.0
出典：PSA
経済の主要部門
農業・林業及び水産業部門
農業・林業及び水産業部門のGDPに占める割合は、2018年度の実質市場価格ベースで2016年度の約10.4％から
2020年度には約10.2％となった。
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フィリピン共和国の主要農作物には、米やトウモロコシといった国内での消費が主目的で栽培される穀物や、国
内市場と輸出に向けて生産されるココナッツや砂糖キビ、バナナといったその他作物がある。フィリピンの農業シ
ス テムは多彩であり、農業借地人と小作人が耕作を行う多数のココナッツ農園、労務管理に基づき又は借地人によ
り耕作される砂糖の大農園、及び主にバナナやパイナップル等の輸出用作物が栽培される大規模な「アグロビジネ
ス」のプランテーションがこれに含まれる。コメ、トウモロコシ及びココナッツは、それぞれ国内耕作地のおよそ
4分の1を占めている。漁業生産は、商業漁業、地方自治体漁業及び養殖業に分類されている。
フィリピンの森林は同国の主要な天然資源の1つであり、広葉樹が多く生立している。長年にわたる人口の増
加、移動耕作、違法な伐採や十分に行き渡らない植林活動により森林は荒廃しており、このため、政府主導の下、
原生林及び2次林の残存森林での伐採活動がほぼ全面的に禁止された。
2016 年度の農業・狩猟・林業及び水産業部門の生産成長率は、2015年度の0.1％増から1.2％減へと縮小した。同
年度の成長率の低迷は、主に水産業の生産低下によるもので、同産業の生産成長率は2015年度の1.8％減から4.0％
減に後退している。また、マンゴーの生産も前年度の4.5％増から反転し、2016年度は10.1％減となった。同期間
中は、家禽類の生産成長率も減速し、2015年度の5.7％増から2016年度は1.3％増となっている。こうした要因を一
部解消したのは畜産部門であり、前年度の3.8％増から2016年度は4.6％増を記録した。
2017 年度の農業・狩猟・林業及び水産業部門の生産成長率は、2016年度の1.2％減から4.0％増となった。同年度
の成長率拡大は、主にコメの生産増によるもので、成長率は2016年度の2.9％減から2017年度には9.4％増に上昇し
ている。また、トウモロコシの生産も前年度から反転して上昇し、2017年度は昨年度の4.0％減から9.8％増に拡大
した。同期間中は砂糖キビも増産され、2016年度の0.7％減から2017年度は30.2％増の成長率となった。こうした
要因を一部解消したのは畜産部門であり、前年度の4.6％増から2017年度は1.1％増を記録した。
2018 年度の農業・狩猟・林業及び水産業部門の生産成長率は、2017年度の4.0％増から0.9％増に縮小した。同年
度の成長率低迷は、ほとんどの部門での成長減速又は縮小によるものであり、特に、籾米、トウモロコシとサトウ
キビの生産成長率が、それぞれ前年度の9.4％増、9.8％増及び30.2％増から1.0％減、1.7％減及び16.6％減に低下
したことによるものである。
2019 年度の農業・狩猟・林業及び水産業部門の生産成長率は、2018年度の0.9％増から1.5％増へと上昇した。成
長率の上昇は、主にトウモロコシ、マンゴーの生産、水産業がそれぞれ2018年度の1.7％減、3.1％減及び0.2％減
から2019年度の3.3％増、4.3％増及び2.5％増へと反転したこと、並びにその他の穀物の生産が2018年度の0.6％増
から2019年の4.0％増に拡大したことによるものである。こうした要因を一部押し下げたのが、2018年度の1.0％減
から2019年度の1.2％減に低下した米の生産、2018年度の5.3％増から2019年度の1.0％増へと減少したコプラを含
むココナッツの生産、及び2018年度の2.1％増から2019年度の2.1％減へと反転したバナナの生産であった。
2020 年度の農業・狩猟・林業及び水産業部門の生産成長率は、2018年度の実質市場価格ベースで、2019年度の
1.2％増から0.2％減へと縮小した。同年度の成長率の低迷は新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響による
ものであり、これにより、その他の家畜部門並びに家禽類及び鶏卵の生産が2018年度の実質市場価格ベースで、そ
れぞれ2019年度の31.8％増及び5.8％増から3.2％減及び2.4％減へと反転し、2020年度の畜産部門の生産も2018年
度の実質市場価格ベースで、2019年度の0.8％減から6.9％減へと縮小した。こうした要因を一部解消したのは籾米
生産であり、2018年度の実質市場価格ベースで、前年度の5.9％減から2020年度は3.1％増へと反転した。
工業部門
工業部門は、鉱業・採石業、製造業、電気・蒸気・水道及び廃棄物管理業並びに建設業といったサブセクターで
構成される。工業部門のGDPに占める割合は、2018年度の実質市場価格ベースで2016年度の約30.3％から2020年度
には約29.2％に縮小している。
2016 年度、工業部門の成長率は、2015年度の6.4％増から8.4％増となった。この成長率拡大を支えたのは、主に
製造業の伸長で、成長率は2015年度の5.7％増から2016年度には7.0％増に上昇している。また、建設業も前年度の
11.6％増から2016年度には13.7％増へと成長幅が拡大した。同様に電気・ガス・水道業並びに鉱業・採石業といっ
たサブセクターの成長率も拡大し、それぞれ前年度の5.7％増、1.5％減から2016年度には9.8％増、3.2％増となっ
ている。
2017 年度、工業部門の成長率は、2016年度の8.1％増から7.1％増となった。この成長率縮小の原因となったの
は、主に建設業と電気・ガス・水道業といったサブセクターの後退であり、それぞれの成長率は2016年度の12.1％
増、9.0％増から2017年度には5.3％増、3.4％増に低下している。建設業のサブセクターにおける縮小は、主に公
共建設事業の減少であり、2016年度の26.8％増から2017年度には14.9％増となった。こうした要因を一部押し上げ
たのが製造業の成長率拡大であり、前年度の7.1％増から2017年度には8.4％増に上昇している。
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2018 年度、工業部門の成長率は、2017年度の7.1％増から6.7％増となった。2018年度の成長率縮小は、主にサブ
セクターである製造業の成長鈍化によるもので、2017年度の8.4％増から2018年度は4.9％増に低下している。こう
した低迷の要因を一部押し上げたのが建設業並びに電気・ガス・水道業といったサブセクターの成長率の拡大であ
り、 それぞれ2017年度の5.1％増及び3.4％増から2018年度は14.9％増及び5.5％増に上昇している。
2019 年度の工業部門の成長率は、2018年度の6.7％増から4.9％増となった。成長率の低下は、主に製造業及び建
設業のサブセクターの成長鈍化によるものであり、それぞれ2018年度の4.9％増及び14.9％増から2019年度の3.8％
増及び7.7％増に縮小した。こうした要因を一部補ったのが、鉱業・採石業及び電気・ガス・水道業のサブセク
ターであり、それぞれ2018年度の1.3％増及び5.5％増から2019年度の5.9％増及び6.5％増となった。
2020 年度の工業部門の成長率は、2018年度の実質市場価格ベースで、2019年度の5.2％増から13.2％減となっ
た。同年度の成長率低迷の最大の原因となったのが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響、並びにこれ
による国内の活動停止、出入国管理、観光客の減少、貿易及び製造業における混乱並びに金融市場への影響であっ
た。これにより、2020年度の建設業及び製造業といったサブセクターは、2018年度の実質市場価格ベースで、それ
ぞれ2019年度の8.9％増及び3.6％増から25.7％減及び9.8％減となった。
製造業の成長率について詳細は下記「製造業」を参照のこと。
製造業
フィリピンの製造業は、3種の主要産業グループで構成される。
・ 食品、履物及び服飾産業を含む消費財グループ
・ 石油、化学及び化学製品産業を含む中間財グループ
・ 電気機械及び電子産業を含む資本財グループ
2016 年度、製造業の成長率は2015年度の5.7％増から7.1％増に拡大し、主にこうした高成長を支えたのが8.2％
増の食品製造、43.0％増のオフィス、会計・計算機及び40.5％増の基金属産業であった。一方こうした拡大を一部
押し下げたのが、1.8％減のラジオ・テレビ・通信機器類、3.2％減の非金属製品及び8.2％減の織物製造であっ
た。
2017 年度、製造業の成長率は2016年度の7.1％増から8.4％増に拡大し、主にこうした高成長を支えたのが51.4％
増の組立金属製品、13.0％増のラジオ・テレビ・通信機器類、20.6％増の非金属鉱物製品及び16.8％増の家具・据
付品であった。一方こうした拡大を一部押し下げたのが、食品製造及及びオフィス・会計・計算機であり、それぞ
れ前年度の8.4％増及び44.1％増から5.0％増及び17.4％増となった。
2018 年度、製造業の成長率は、2017年度の8.4％増から2018年度の4.9％増へと縮小した。同年度の成長率の低迷
は、主にタバコ製品、基金属産業及び化学・化学製品のマイナス成長（それぞれ14.8％減、4.8％減及び3.9％減）
によるものであった。こうしたマイナス成長を一部補ったのが、石油・その他燃料製品、紙・紙製品及びゴム・プ
ラスチック製品の成長であり、それぞれ19.4％増、13.8％増及び13.4％増であった。
2019 年度の製造業の成長率は、2018年度の4.9％増に対して、3.8％増であった。成長率の低迷は、主にラジオ・
テレビ・通信機器類及び家具・据付品のサブセクターがそれぞれ2018年度の9.6％増及び6.4％増から2019年度の
2.0％減及び19.4％減に反転したこと並びにゴム・プラスチック製品、非金属鉱物製品及びオフィス・会計・計算
機の成長率が低迷し、それぞれ2018年度の13.4％増、11.9％増及び8.7％増から2019年度の4.0％増、1.6％増及び
1.5％増となったことによるものであった。これらを一部補ったのが、食品製造における2018年度の5.1％増から
2019年度の7.8％増への成長拡大及び化学・化学製品における2018年度の3.9％減から2019年度の10.7％増への反転
であった。
2020 年度の製造業の成長率は、2018年度の実質市場価格ベースで、2019年度の3.8％増に対して、9.8％減へと縮
小した。 同年度の成長率低迷の最大の原因となったのが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響、並びに
これによる国内の活動停止、出入国管理、観光客の減少、貿易及び製造業における混乱並びに金融市場への影響で
あった。これにより、2020年度の食品製造、化学・化学製品製造及びコークス・石油精製製品製造は、2018年度の
実質市場価格ベースで、それぞれ2019年度の3.7％増、13.3％増及び16.2％減から2.7％減、1.8％減及び48.1％減
となった。
電力産業
共和国の電力産業は、発電、送電、配電及び供給の4セクターから構成されている。
近年、政府は、より競争的な電力市場の確立を目的とした施策の実行を模索している。この施策には、NPCが保
有及び管理する発電施設の少なくとも70％を民営化する計画及び送電施設の運営許可の付与が含まれる。政府は、
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2001年電力産業改革法（以下「ERIPA」という。）により、電力産業のすべての側面の民営化を目的とした大規模
な改革に着手した。改革の主な内容には、（1）電力産業全体を再編し、発電セクターに競争を生じさせる、（2）
国 有から民営への移行、及び（3）電力セクターに関する安定した規制枠組みの導入、が含まれている。政府は、
PSALM及び国家送電公社（以下「送電公社」という。）を設立し、前者は現在NPCの残りの電力発電資産の民営化を
行っており、後者はPSALMの完全子会社であり、送電システムの民営化を担っている。
PSALM は、2003年第4四半期から公募によりNPCの発電資産の民営化を行っている。PSALMは、政府の送電事業を
2009年に民営化し、その運営及び経営を、2009年1月15日に落札者に売却した。2020年6月30日現在、31の発電所及
び5つの停止した発電所の合計36の発電資産が、民間の所有者に売却されており、これらの総発電容量は4,601MWで
あった。また、2020年6月30日現在、PSALMは、NPCの6つのIPP契約の対象となっている発電所の発電量（合計
3,355MW）に対する管理及びコントロールも民間事業者（いわゆるIPP管理者）に譲渡した。
2020 年6月30日現在、操業中及び停止中の発電所の民営化が成功したことにより、総額161.45十億ペソの収益と
なり、NPCの6つのIPP契約の譲渡が成功したことにより、482.50十億ペソの収益となった。また、営業権による送
電公社の民営化は、264.8十億ペソの収益となった。発電資産の民営化による総収益は、およそ911.98十億ペソで
あった。民営化による収益は、NPCの金融債務の履行に使用されており、引き続き同用途に使用される。PSALMは、
EPIRAの実施規則及び規制に基づき、共和国の発電資産の民営化を継続していくことを計画している。
2020 年6月30日現在、PSALMの負債は393.25十億ペソであり、PSALMは、2026年の存続期間の終了時点において、
およそ4.5十億米ドルの現金が不足すると予想されている。EPIRAに基づき、PSALMの負債は、その法令上の委任の
終了時に、政府が負担することとなる。
サービス部門
サービス部門には自動車・オートバイの卸売・小売取引と修理、輸送・倉庫、外泊及び外食サービス業、情報・
通信、金融・保険業、不動産・賃貸住宅業、専門職・事業サービス、一般公共サービス・防衛・強制的社会保障事
業、教育、保健・ソーシャルワーク業及びその他サービスといったサブセクターが含まれる。サービス部門のGDP
に占める割合は依然として最大であり、2018年度の実質市場価格ベースで2015年度の59.3％から2020年度には
60.7％に増加している。
2016 年度、サービス部門の成長率は、2015年度に記録された 6.9 ％増から 7.5 ％増に拡大した。同年度の成長率拡
大は、主に不動産・不動産賃貸・事業活動のサブセクターの成長率の拡大による結果であり、2015年度の 7.1 ％増
から2016年度の 8.9 ％増に上昇している。不動産・不動産賃貸・事業活動のサブセクターの成長率の拡大は、主に
賃貸及びその他事業活動の成長によるものであり、2015年度の9.6％から2016年度の14.8％に拡大している。ま
た、サービス部門における成長率の伸長には、一般公共サービス・防衛・強制的社会保障及び自動車・オートバ
イ・個人用品・家庭用品の貿易と修理も貢献しており、それぞれ2015年度の1.2％増及び7.1％増から2016年度には
7.1％増及び7.6％増となった。この成長拡大は、輸送・倉庫・通信が2015年度の8.0％増から2016年度の5.3％に縮
小したことにより部分的に相殺された。輸送・倉庫・通信の成長鈍化は、主に通信の成長が2015年度の7.8％増か
ら2016年度には3.1％増へと減速したことによるものである。また、その他サービスも、2015年度の8.3％増から
2016年度の7.5％増へと減速している。
2017 年度において、サービス部門の成長率は6.8％増となり、2016年度に記録した7.5％増を下回った。同期間中
の成長率縮小は、自動車・オートバイ・個人用品・家庭用品の貿易と修理及び不動産・不動産賃貸・事業活動と
いったサブセクターの減速によるもので、これらの成長率はそれぞれ2016年度の 7.6 ％ 増 及び8.9％ 増 から、2017年
度は7.3％ 増 及び7.4％ 増となっている。自動車・オートバイ・個人用品・家庭用品の貿易と修理の成長の減速は、
主に卸売業の成長鈍化であり、2016年度の10.3％増から2017年度は7.8％増となっている。不動産・不動産賃貸・
事業活動の成長の減速は、主に賃貸及びその他事業活動の成長率の低下であり、2016年度の14.8％増に対して2017
年度の9.3％増となっている。この成長減速は、一般公共サービス・防衛・強制的社会保障、のサブセクターによ
り部分的に相殺されており、かかるサブセクターは、2016年度の 7.1 ％増から2017年度には8.7％増へと拡大した。
2018 年度、サービス部門の成長率は 6.8 ％増であり、2017年度の 6.8 ％増から横ばいであった。 これは 、主に 一般
公共サービス・防衛・強制的社会保障、輸送・倉庫・通信及びその他サービス業といったサブセクターの成長率
が、2018年度において、2017年度の 8.7 ％増、4.0％増及び6.4％増から比較して、それぞれ15.2％増、5.4％増及び
7.7％増に成長した一方で、金融仲介業、 不動産・不動産賃貸・事業活動及び自動車・オートバイ・個人用品・家
庭用品の貿易と修理がそれぞれ2017年度の7.6％増、7.4％増及び7.3％増から2018年度に7.2％増、4.7％増及び
6.0％増へと縮小したことによるものである。
2019 年度のサービス部門の成長率は、2018年度の6.8％増に対し、7.1％増であった。こうした成長拡大は、主に
自動車・オートバイ・個人用品・家庭用品の貿易と修理及び金融仲介業といったサブセクターの成長率がそれぞれ
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2018年度の6.0％増及び7.2％増から2019年度に8.0％増及び10.4％増へと拡大したことによるものである。この成
長拡大は、不動産・不動産賃貸・事業活動、一般公共サービス・防衛・強制的社会保障及びその他サービス業と
いっ たサブセクターの成長が、それぞれ2018年度の4.7％増、15.2％増及び7.7％増から2019年度の3.7％増、
10.3％増及び6.1％増に減速したことにより部分的に相殺された。
2020 年度のサービス部門の成長率は、2018年度の実質市場価格ベースで、2019年度の6.8％増に対し、9.2％減で
あった。同年度の成長率低迷の最大の原因となったのが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響、並びに
これによる国内の活動停止、出入国管理、観光客の減少、貿易及び製造業における混乱並びに金融市場への影響で
あった。これにより、2020年度の自動車・オートバイの卸売・小売取引と修理、輸送・倉庫及び不動産・賃貸住宅
業のサブセクターは、2018年度の実質市場価格ベースで、それぞれ2019年度の7.2％増、6.0％増及び3.9％増から
6.0％減、30.9％減及び17.0％減となった。
輸送、倉庫及び通信業
フィリピンの地形は起伏に富んでおり、道路、空輸・海運体制を十分に整備することが重要である。政府は、民
間部門に対し基本的な運輸サービスの提供と、域内における地方と都市間の交通網強化を働きかけている。政府
は、インフラ開発を加速させることを優先する誓約を表明している。2020年8月19日現在、合計104の旗艦インフ
ラ・プロジェクトが確認され、そのうち、70のプロジェクトが輸送及び交通関連であった。
フィリピンの道路網は同国において最も重要な輸送システムである。マニラ首都圏では、交通管理や多種にわた
る技術対策の実施にもかかわらず、依然として交通渋滞が続いている。政府は、交通渋滞緩和のために既存の道路
網に代わる道路網や大規模な高速輸送鉄道の建設を行ってきたが、現在も引き続きこれらの進展に努めている。
鉄道施設の使用は、フィリピン国有鉄道の施設が劣化したこともあり大幅に後退している。鉄道施設の使用促進
を目的に、同国政府は2016年8月に複数の公共交通機関のプロジェクトを承認し、これにはマニラとロスバニョス
を結ぶ通勤鉄道となる、25.3キロメートルに及ぶマニラの地下鉄の建設及びその他2つの鉄道プロジェクトが含ま
れている。
電話回線はマニラ首都圏外を中心にかねてより不足状態にあり、長い間基本的な電話サービスの開通が待たれて
いた。これに対し政府は、電話回線数と相互接続の大幅増を目指して1993年に電気通信産業を自由化し、競争を活
発化させた。また同国政府は、電話サービス等が普及していない国内地域を対象に、電話及びモバイルサービスを
提供するプログラムを継続して実施している。
2020 年9月30日現在、同国には10ヶ所の国際空港及び75のその他施設があり、共和国内の空輸ニーズに対応して
いる。同国政府は、空港の建設、再建及び改良を進め、かつ共和国内の航空管制・通信体制の現代化を継続してお
り、より多くの地方空港に夜行便の就航が可能となった。ドゥテルテ政権の「Build Build Build」プログラムに
合わせて、建設、再建又は改良に関する28の空港プロジェクトが運輸省の重要課題に挙げられている。
オープンスカイ協定により、原則、航空機の定員、頻度及び種類に関する制限なく外国航空会社に就航及び航空
交通権の付与が可能となる。米国とフィリピン間に有効なオープンスカイ協定はない。2016年2月、フィリピン政
府は、他のASEAN諸国とのASEANオープンスカイ協定を批准した。マニラは、航空交通量の増加に対する管理問題を
含むインフラ関連の懸念により、ASEANオープンスカイ協定において参画を制限されていた。
2017 年、国際航空民間機関（以下「ICAO」という。）は、国際安全監査プログラムの枠組み内で安全性の監視監
査を実施し、共和国の安全性能力、並びにすべての安全性関連のICAO標準及び推奨技法、関連手続、指針資料並び
に最良の安全性実務の実施状況について判断した。2017年6月、フィリピン政府は、ICAOから航空安全規制に関す
る世界基準に準拠していることを示す承諾書を受領した。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行に対して、政府は、フィリピン発着の国際便を制限し、フィリピン国内
の航空会社が運行可能な国際便及び運行回数に制限を設けた。2021年4月10日現在、これらの制限の多くは継続し
ている。
海外からの純要素所得
海外からの純要素所得は、GNIの構成要素であるがGDPの算出対象には含まれていない。海外からの純要素所得
は、フィリピン経済の重要な要素であり、在外労働者による本国送金に大きく支えられている。海外からの純要素
所得には、在外労働者の報酬推計額や、在外労働者が所有する資産からの投資報酬が含まれている。PSAによる最
新データによると2016年度、2017年度、2018年度2019年度及び2020年度において、海外からの純要素所得がGNIに
占める割合は、2018年度の実質市場価格ベースで、それぞれ、10.1％、10.0％、9.6％、9.0％及び7.1％であっ
た。
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2016 年度、海外からの純要素所得成長率は、2015年度の4.6％増から5.8％増に拡大した。これは主に物件費が
8.2％減となったことに起因して2016年度の資金流出額が8.2％減少したことによるものである。一方でこれを一部
押し下げたのが資金流入額の伸幅縮小で、2016年度に物件収入の伸率が24.2％増と前年度の28.8％増から低下した
こ とが原因である。
2017 年度、海外からの純要素所得成長率は、2016年度の5.8％増から5.9％増に拡大した。これは主に報酬額の成
長率拡大に起因する資金流入額の増大によるもので、2016年度の3.8％増から2017年度の5.5％増に上昇した。これ
を一部押し下げたのが、物件費の上昇率の拡大に起因する資金流出額の反発であり、2016年度の7.6％減から2017
年度の9.3％増へと上昇した。
2018 年度、海外からの純要素所得は、2017年度の5.9％増から4.3％増に縮小した。成長率の縮小は、主に報酬額
からの資金流入額の減少によるもので、2017年度の5.5％増から2018年度の4.0％増に縮小した。こうした縮小要因
を一部押し留めたのが物件収入からの資金流入額の増加であり、2017年度の35.4％増から2018年度の42.3％増に拡
大した。
2019 年度の海外からの純要素所得は、2018年度の 4.3 ％増から 3.5 ％増へと縮小した。成長率の縮小は、主に報酬
額及び物件収入からの資金流入額の減少によるもので、それぞれ2018年度の 4.0 ％増及び42.3％増から2019年度の
1.7％増及び3.5％増に減少した。 これを一部押し上げたのが物件費の減少による資金流出額の反転であり、2018年
度の15.2％増から2019年度の11.6％減となった。
2020 年度の海外からの純要素所得は、2018年度の実質市場価格ベースで、2019年度の 1.6 ％減から 30.1 ％減へと
縮小した。成長率の縮小は、主に報酬額からの資金流入額の減少によるもので、2019年度の 2.4 ％増に対し、2020
年度は29.3％減となった。 これを一部押し上げたのが報酬額からの資金流出額の減少であり、2019年度の100.3％
増に対し、2020年度は38.3％減となった。
物価、雇用及び賃金
インフレーション
フィリピンでは、インフレーションを消費者物価指数（以下「CPI」という。）により年次のパーセンテージ変
化率で報告しており、これは一般的な消費者が使用する財及びサービスの標準的な「バスケット（消費構造）」を
定め、この平均価格を測定するものである。NSOは、家計調査を3年毎に全国的に実施している。最新の家計調査の
結果が公開されたのは2012年であり、CPIの基準年に指定されている。2018年3月に、2012年CPIバスケットが発表
された。2018年6月において、政府は2006年CPIバスケットに基づくインフレデータの報告を中止した。
下表は、2012年CPIバスケットの主な構成要素とその比重を示したものである。
2012 年CPIバスケットの主要構成要素
2012年
CPIバスケット
分類
食料品・ノンアルコール飲料合計
38.34%
コメ 9.59%
アルコール飲料・タバコ合計 1.58%
食料品以外合計 60.08%
衣類・履物 2.93%
住宅・水道・電気・ガスその他燃料 22.03%
据付品・家庭用設備・住宅用日常メンテナンス品 2.95%
健康 3.89%
輸送 8.06%
通信 2.93%
娯楽・文化 1.40%
教育 3.28%
レストランその他の財・サービス 12.59%
下表は、CPI及びインフレデータ（2012年CPIバスケットを基準とする。）並びに製造業部門のCPI相当指数であ
る生産者物価指数（以下「PPI」という。）（2000年PPIバスケットを基準とする。）、並びに各指数における年次
のパーセンテージ変化率を示したものである。
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消費者物価指数及び生産者物価指数の推移
(1)
2021年度
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
CPI（2012年CPIバス
108.4 111.5 117.3 120.2 123.3 128.1
ケット）
インフレ率（2012年CPI
1.3% 2.9% 5.2% 2.5% 2.6% 4.5%
バスケット）
製造業PPI（2000年PPI
134.1 132.9 133.8 136.0 129.8 該当なし
バスケット）
インフレ率（2000年PPI
(4.8)% (0.9)% 0.7% 1.6% (4.3)% 該当なし
バスケット）
出典：PSAによる数値を バンコ・セントラルのスタッフが計算したもの。
注：
(1) 2021年2月28日に終了した2ヶ月間の暫定的なデータに基づいている。
消費者物価指数
2016 年度の平均インフレ率は1.3％であり、2015年度の0.7％を上回った。同年度の年間平均インフレ率上昇は、
主にアルコール飲料・タバコが前年度の3.0％から4.6％に伸長したことによるものである。また、レストランその
他財・サービス分野の価格指数も前年度の1.4％から同年度は1.7％という平均インフレ率を記録した。一方でこう
した要因を一部押し下げたのが教育分野であり、平均インフレ率は前年度の3.8％から3.0％に低下している。
2017 年度の平均インフレ率は2.9％であり、2016年度の平均インフレ率1.3％を上回った。同年度のインフレ率の
上昇は、主に教育を除くコモディティすべての物価指数の成長率の拡大であった。
2018 年度の平均インフレ率は5.2％であり、2017年度の平均インフレ率2.9％を上回った。同年度のインフレ率の
上昇の要因は、衣類・履物及び教育を除く消費財グループ全般の物価指数成長率の拡大であった。衣類・履物の価
格指数は、前年度及び同年度の2.4％の平均インフレ率を記録した。教育の物価指数は、2017年度に2.5％の平均イ
ンフレ率及に対して2018年度に0.8％のデフレ率を記録した。
2019 年度の平均インフレ率は2.5％であり、2018年度の平均インフレ率5.2％を下回った。同年度のインフレ率の
低下は、主に食料品・ノンアルコール飲料、アルコール飲料・タバコ、住宅・水道・電気・ガスその他燃料、輸
送、レストランその他財・サービスの物価指数が低下したことによるものである。
2020 年度の平均インフレ率は2.6％であり、2019年度の平均インフレ率2.5％を上回った。同年度のインフレ率の
上昇は、主に食料品・ノンアルコール飲料の物価指数が2019年度の2.1％から2020年度は2.7％に成長したことに起
因する。この成長は、住宅・水道・電気・ガスその他燃料の物価指数が2019年度の2.4％から2020年度は0.9％に、
レストランその他財・サービスの物価指数が2019年度の3.4％から2020年度の2.4％に低下したことによって部分的
に相殺された。
2021 年度最初の2ヶ月間において、平均インフレ率は、2020年度最初の2ヶ月間における2.8％を上回り、4.5％を
記録した。同期間におけるインフレ率の成長は、主に食料品・ノンアルコール飲料の物価指数が2020年度最初の
2ヶ月間の2.1％から2021年度最初の2ヶ月間の6.4％へと成長したことに起因する。この成長は、住宅・水道・電
気・ガスその他燃料の物価指数が2020年度最初の2ヶ月間の2.1％から2021年度の最初の2ヶ月間の0.7％に低下した
ことによって部分的に相殺された。
生産者物価指数
2016 年度、PPIは平均デフレ率4.8％を記録し、2015年度に記録した6.7％を下回るデフレ率であった。石油製
品、木材・木材製品、電気機械及び家具・据付品といった分野の物価指数が、それぞれ前年度の21.0％減、18.7％
減、15.8％減、27.2％減から、同年度は9.2％減、2.7％減、4.0％減及び17.3％減となった。2016年度は、履物・
衣料品、革製品、出版・印刷、ゴム製品・プラスチック製品、基金属及び輸送設備といった分野の価格指数も低下
している。
2017 年 度 、PPIは平均デフレ率 0.9 ％を記録し、2016年 度 に記録した4.8％の平均デフレ率を下回るデフレ率で
あった。石油製品、鋼鉄、基金属、機械類（電気機械及び非鉄金属を除く。）の物価指数は、それぞれ2016年度の
デフレ率9.2％、4.8％、8.2％、16.3％、11.9％から2017年度のインフレ率15.4％、7.7％、3.7％及びデフレ率
2.6％、0.3％となった。組立金属、セメント、革製品及び 非金属鉱物製品の物価指数は、それぞれ2016年度のデフ
レ率6.3％、インフレ率1.8％、デフレ率3.8％、インフレ率2.6％から2017年度にはそれぞれ38.1％、15.3％、
16.3％、6.4％の縮小となった。食品製造、飲料、繊維、家具・据付品、紙・紙製品、化学製品（プラスチック製
品を除く。）、雑金属鉱物及び雑製造の物価指数は、2017年度も縮小が記録された。
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2018 年度のPPIは、2017年度に記録されたデフレ率0.9％から反転して0.7％の平均インフレ率を記録した。飲
料、タバコ及び非金属鉱物製品の物価指数は、それぞれ2017年度の1.1％の平均デフレ率、8.9％の平均インフレ
率、 6.4％の平均デフレ率から2018年度の14.7％、41.2％、7.7％の平均インフレ率となった。2018年の革製品、家
具・据付品及び組立金属の物価指数は、それぞれ2017年の16.3％、20.2％、38.1％の平均デフレ率に対して、
8.7％、4.6％、8.3％の平均デフレ率であった。
2019 年度のPPIは、2018年度の0.7％の平均インフレ率から上昇し、1.6％の平均インフレ率を記録した。これは
主に、家具・据付品 の生産者物価指数の上昇（2018年度の5.5％の平均デフレ率から、2019年度は58.0％の平均イ
ンフレ率となった。）によるものであった。ゴム・プラスチック製品及びゴム製品の生産者物価指数は同様に増加
し、それぞれ2018年度の4.5％及び0.9％の平均デフレ率から、2019年度は4.5％及び3.5％の平均インフレ率に転じ
た。
2020 年度のPPIは、2000年PPIバスケットに基づき、2019年度の1.6％の平均インフレ率と比較して、4.0％の平均
デフレ率を記録した。これは主に、2000年PPIバスケットに基づき、紙・紙製品のPPIが2019年度の0.1％未満の平
均インフレ率から、2020年度は9.6％の平均デフレ率に減少したことによるものであった。他の産業分野の大半の
生産者物価指数も、同期間においては同様に減少した。
2021 年1月に、2018年PPIバスケットが公表された。政府は、2021年1月から、2000年PPIバスケットに基づいたイ
ンフレ値の報告を停止した。
2021 年2月28日におけるPPI指数は、2018年PPIバスケットに基づき、2020年2月28日の96.2、2020年12月31日の
92.7と比較して、91.2を記録した。
2021 年最初の2ヶ月間におけるPPIは、2018年PPIバスケットに基づき、2020年度最初の2ヶ月間における3.3％の
平均デフレ率を上回り、5.3％の平均デフレ率を記録した。同期間におけるデフレ率の上昇は主に、コークス・石
油精製製品産業のPPIが2020年度最初の2ヶ月間における6.4％増と比較して、26.8％減となったことによるもので
あった。他の産業分野の大半の生産者物価指数も、同期間においては同様に減少した。
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雇用及び賃金
下表は、経済の各種部門の雇用に関する推定値の抜粋を示している。
雇用に関する抜粋情報
(1) (2) (3) (4)
2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
2016年度 2017年度
（単位：別途記載がある場合を除き、％）
(5)
雇用者数（単位：千人）
40,998 40,334 41,157 42,537 39,379 43,153
失業率 5.5 5.7 5.3 4.6 10.3 8.8
部門別雇用シェア：
農業・林業及び水産業部門 26.9 25.4 24.3 22.8 24.8 23.9
工業部門
鉱業及び採石業 0.5 0.5 0.5 0.4 0.5 0.3
製造業 8.3 8.6 8.8 8.5 8.1 7.6
建設業 8.3 8.8 9.4 9.8 9.4 9.5
上水道、下水道、廃水管理及び
0.2 0.2 0.1 0.1 0.1 0.2
浄化事業
電気、ガス、蒸気及び空調
0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.1
供給業
工業部門合計
17.5 18.3 19.1 19.1 18.3 17.7
サービス部門
運輸・保管業 7.4 7.8 7.8 8.2 7.4 7.15
卸売・小売業、自動車・
19.6 19.6 19.4 19.9 20.5 22.3
オートバイ修理業
(6)
金融業及び住宅供給業
7.1 7.7 8.0 8.5 8.4 7.9
(7)
その他のサービス
21.5 21.3 21.4 21.5 20.6 20.9
サービス部門合計 55.6 56.3 56.6 58.1 56.9 58.4
雇用合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
出典： PSA 、本年度の労働・雇用状況、労働力調査
注：
(1) 年間推定値は、2018年の労働力調査（LFS）の最終結果に基づいている。
(2) 年間推定値は、2019年の労働力調査（LFS）の最終結果に基づいている。
(3) 暫定値。
(4) 2021年2月に実施された働力調査の2021年年間推定値に基づいている。
(5) 在外労働者を含まない。
(6) 金融・保険業、不動産業並びに公務及び防衛、強制的社会保障事業の合計。
(7) 運輸・保管業、卸売・小売業、自動車・オートバイ修理業並びに金融業及び住宅供給業を除くその他すべてのサービス部門の合計。
政府の代表者、企業及び労働者の3者で構成される地域毎の団体は、地域や産業によって異なる最低賃金要件を
定めている。最低賃金要件は、フィリピン法に基づき、12ヶ月間に1度だけ増額することができる。国内で労働者
の最低賃金が最も高いのは、メトロ・マニラ及びその周辺地域である。2019年、メトロ・マニラを含む共和国の首
都圏における非農業従事者の最低賃金は、1日537ペソであるのに対し、農業従事者の最低賃金は1日500ペソであっ
た。共和国のその他の地域においては、非農業従事者の最低賃金は1日280ペソから400ペソであるのに対し、農業
従事者の最低賃金は1日270ペソから391ペソである。
政府は失業者を、求職中でありかつ直ちに就業可能な15歳以上のすべての無職の者（例えば、求職中であるが、
直ちに就業可能でない学生は除く。）と定義している。
共和国の2016年度の雇用者総数は、在外労働者を除き、41.0百万人と見積もられた。平均失業率は、2015年度に
記録された6.3％から低下して5.5％となった。2016年度の平均労働力率及び平均不完全雇用率は、それぞれ2015年
度の63.7％及び18.5％からともにわずかに低下してそれぞれ63.4％及び18.3％となった。過年度同様、共和国の労
働者は主にサービス部門で雇用されており、共和国の雇用人口合計の55.6％に相当した。その他のサービスの労働
者は、雇用合計の21.5％を構成し、卸売・小売業、自動車・オートバイ修理業の労働者は、雇用合計の19.6％を構
成した。2016年度において、農業・狩猟・林業及び水産業部門並びに工業部門は、それぞれ雇用合計の26.9％及び
17.5％を構成した。
共和国の2017年度の雇用者総数は、在外労働者を除き、40.3百万人と見積もられた。失業率は、2016年度末現在
記録された5.5％から上昇して5.7％となった。2017年度末現在の労働力率及び不完全雇用率は、それぞれ2016年度
末現在の63.4％及び18.3％からともに低下してそれぞれ61.2％及び16.1％となった。過年度同様、共和国の労働者
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は主にサービス部門で雇用されており、共和国の雇用人口合計の56.3％に相当した。その他のサービスの労働者
は、雇用合計の21.3％を構成し、卸売・小売業、自動車・オートバイ修理業の労働者は、雇用合計の19.6％を構成
し た。2017年度末現在、農業・林業及び水産業部門並びに工業部門は、それぞれ雇用合計の25.4％及び18.3％を構
成した。
共和国の2018年度の雇用者総数は、在外労働者を除き、41.2百万人と見積もられた。失業率は、2017年度末時点
の5.7％から低下し、5.3％であった。2018年度の平均労働力率は、2017年度の61.2％から60.9％に低下し、不完全
雇用率は、2017年度の16.1％から16.4％に上昇した。前年度同様に共和国の労働者は、主にサービス部門で雇用さ
れており、共和国の就業人口合計の56.6％を構成した。その他のサービス部門の労働者は雇用合計の21.4％、卸
売・小売業と自動車・オートバイ修理業部門の労働者は雇用合計の19.4％を構成した。2018年度において、農業・
林業及び水産業部門並びに工業部門は、それぞれ雇用合計の24.3％及び19.1％を構成した。
共和国の2019年度の雇用者総数は、在外労働者を除き、42.4百万人と見積もられた。失業率は、2018年度末時点
の5.3％から低下し、5.1％であった。2019年度の平均労働力率は、2018年度の60.9％から61.3％に上昇し、不完全
雇用率は、2018年度の16.4％から14.0％に低下した。前年度同様に共和国の労働者は、主にサービス部門で雇用さ
れており、共和国の就業人口合計の58.0％を構成した。卸売・小売業と自動車・オートバイ修理業部門の労働者は
雇用合計の19.9％を構成した。2019年度において、農業・狩猟・林業及び水産業部門及び工業部門は、それぞれ雇
用合計の22.8％及び19.1％を構成した。
共和国の2020年度の雇用者総数は、在外労働者を除き、 39.4 百万人と見積もられた。2020年度の暫定的な失業率
は、2019年度末の5.1％から上昇し、10.3％であった。2020年度の暫定的な平均労働力率は、2019年度の61.3％か
ら低下して、59.5％であった。2020年度において、共和国の労働者は、主にサービス部門で雇用されており、共和
国の就業人口合計の56.9％を構成し、 卸売・小売業と自動車・オートバイ修理業部門の労働者は、雇用合計の
20.5％を構成した。2020年度において、農業・狩猟・林業及び水産業部門及び工業部門の労働者は、それぞれ2019
年度の 22.8 ％及び19.1％と比較して、 雇用合計の 24.8 ％及び18.3％を構成した。
共和国の2021年2月の 雇用者総数は、在外労働者を除き、 43.2 百万人と見積もられた。2021年2月の失業率は、
2020年1月の5.3％から上昇し、8.8％であった。2021年2月の平均労働力率は、2020年1月の61.7％から上昇して、
63.5％であった。2021年2月において、共和国の労働者は、主にサービス部門で雇用されており、共和国の就業人
口合計の58.4％を構成し、 卸売・小売業と自動車・オートバイ修理業部門の労働者は、雇用合計の 22.3 ％を構成し
た。2 021 年2月において、農業・狩猟・林業及び水産業部門及び工業部門の労働者は、それぞれ2020年1月の 22.6 ％
及び18.8％と比較して、雇用合計の23.9％及び17.7％を構成した。
下表は、共和国の雇用に関する情報を年齢階級別に示している。
雇用状況別15歳以上世帯人口の構成比（性別・年齢階級別）
(1) (2)
2020年 2021年2月
2019年
年齢階級
失業 失業 失業
（単位：別途記載がある場合を除き、％）
15～24歳 45.2 34.0 33.4
25～34歳 30.8 31.7 32.6
35～44歳 11.9 15.8 15.7
45～54歳 7.2 11.1 9.8
55～64歳 4.0 6.1 6.7
0.9 1.3 1.8
65歳以上
全年齢合計
100.0 100.0 100.0
出典： PSA 、2019年、2020年及び2021年2月の労働力調査
注：
(1) 暫定値。
(2) 2021年2月28日に終了した2ヶ月間の暫定値。
20 20 年7月現在の失業人口合計に占める15歳から24歳までの若者の割合は、201 9 年 7 月現在記録された45.9％から
減少して38.0％となった。性別の観点から見ると、2020年7月現在の雇用労働人口及び失業労働人口に占める女性
の割合は、それぞれ 39.0 ％及び 38.9 ％であったのに対し、2020年7月現在の雇用労働人口及び失業労働人口に占め
る男性の割合は、それぞれ 61.0 ％及び 61.1 ％であった。
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PSA は、政府が決定した1人当たり貧困ライン（一世帯又は一個人が基礎的な食糧及び非食糧必要量を満たすのに
最低限必要な収入）及び1人当たり食糧貧困ライン（一世帯又は一個人が基礎的な食糧必要量を満たすのに最低限
必 要な収入）に関して測定された共和国の貧困に関する統計を発表している。PSAによると、1人当たり収入が1人
当たり貧困ラインを下回る世帯の割合は、2012年度の19.7％から2015年度には19.9％まで上昇したが、2018年度に
は14.7％に低下した。1人当たり収入が1人当たり食糧貧困ラインを下回る世帯の割合は、2012年度の7.5％から
2015年度には6.5％まで低下したが、2018年度には3.4％まで低下した。2015年度と比べ、2018年度において収入水
準が貧困ライン又は食糧貧困ラインを下回る共和国の世帯及び個人の割合が低下した要因には、経済成長及び包括
的な改革が含まれる。
海外における雇用
在外労働者からの送金は、フィリピン経済にとって重要な収入源である。共和国は、在外労働者の報酬及び在外
労働者がその財産から得た投資収益の見積額を海外からの純要素所得とみなしており、PSAが発表した最新の数値
によると、海外からの純要素所得は、2016年度、2017年度、2018年度、2019年度、2020年度及び2021年度の最初の
3ヶ月間において、2018年の実質市場価格ベースで、それぞれGNIの10.1％、10.0％、9.6％、9.0％、7.1％及び
2.6％を占めた。 暫定的なデータによると、2020年度の 海外の在外労働者からの現金の流入は、2019年度の 30.13 十
億ドルから0.8％減少して、29.9十億ドルとなった。
PSA による2019年の在外フィリピン人に関する調査によると、約2.2百万人の在外労働者がおり、その約44.0％が
男性であり、56.0％が女性であった。
下表は、在外労働者の地理的分布を示している。
在外労働者の地域別分布
2019年6月30日終了6ヶ月間
2019年度 2019年6月30日終了6ヶ月間
在外労働者1人当たり
(1) (2)
就労先別 現金送金額合計
(2)
平均現金送金額
（単位：％） （単位：百万ペソ） （単位：千ペソ）
アフリカ
1.0 1,988 102
アジア 81.1 115,925 73
(3)
東アジア
21.7 31,979 76
(4)
東南アジア・中南アジア
8.0 11,530 74
(5)
西アジア
51.4 72,415 71
オーストラリア 2.1 5,306 153
ヨーロッパ 7.7 20,749 138
8.1 13,972 102
北アメリカ・南アメリカ
合計／平均 100.0 273,864 788
出典： PSA －2019年の在外フィリピン人に関する調査
注：
(1) 見積もりは、直近5年の間に出国した在外フィリピン人及び現在海外で就労している又は2019年4月1日から2019年9月30日までの6ヶ月間
において海外で就労していた在外フィリピン人を対象とする。
(2) 見積もりは、2019年9月に終了した5年の間に出国した在外フィリピン人及び現在海外で就労している又は2019年4月1日から2019年9月30
日までの6ヶ月間において海外で就労していた在外フィリピン人からの調査前6ヶ月間における送金額を対象とする。
(3) 香港、日本、台湾、中華人民共和国及び韓国等を含む。
(4) マレーシア、シンガポール、ブルネイ、カンボジア及びインドネシア等を含む。
(5) クウェート、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、イスラエル、レバノン及びヨルダンを含む。
下表は、在外労働者の職業別分布をそれぞれ示している。
在外労働者の職業別分布
2019年9月30日終了6ヶ月間
2019年度 2019年9月30日終了6ヶ月間
在外労働者1人当たり
(1) (2)
就労先別 現金送金額合計
(2)
平均現金送金額
（単位：％） （単位：百万ペソ） （単位：千ペソ）
管理職 1.1 1,014 79
専門職 8.5 18,626 118
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技師及び准専門職 8.7 23,995 142
事務補助員 3.4 4,778 75
サービス・販売従事者 17.5 24,529 71
農林漁業従事者 0.8 1,148 63
技能工及び関連職業の従事
8.1 16,868 101
者
設備・機械の運転工及び組
12.2 24,175 104
立工
39.6 42,808 56
単純作業の従事者
合計／平均
100.0 157,939 809
出典： PSA －2019年の在外フィリピン人に関する調査
注：
(1) 見積もりは、2019年9月に終了した5年の間に出国した在外フィリピン人及び現在海外で就労している又は2019年4月1日から2019年9月30
日までの6ヶ月間において海外で就労していた在外フィリピン人を対象とする。
(2) 見積もりは、2019年9月に終了した5年の間に出国した在外フィリピン人及び現在海外で就労している又は2019年4月1日から2019年9月30
日までの6ヶ月間において海外で就労していた在外フィリピン人からの調査前6ヶ月間における送金額を対象とする。
下表は、在外労働者の性別及び年齢別分布を示している。
(1)
在外労働者の年齢別分布
男女計 男性 女性
（単位：％）
年齢階級
15 ～24歳 6.1 5.4 6.7
25 ～29歳 20.7 19.1 21.9
30 ～34歳 22.6 19.5 25.0
35 ～39歳 18.7 17.9 19.3
40 ～44歳 14.0 16.2 12.3
17.9 21.9 14.7
45 歳以上
全年齢合計 100.0 100.0 100.0
出典： PSA －2019年の在外フィリピン人に関する調査
注：
(1) 見積もりは、直近5年の間に出国した在外フィリピン人及び現在海外で就労している又は2019年4月1日から2019年9月30日までの6ヶ月間
において海外で就労していた在外フィリピン人を対象とする。
政府は、世界的な新型コロナウイルス感染症の流行がもたらした経済的影響により、2021年4月4日現在、
500 ,000 人超の在外労働者が帰国したと推定している。それに対して、政府は、Abot Kamay ang Pagtulong （AKAP）
を実施し、新型コロナウイルス感染症の経済的影響を緩和するため、在外労働者に対して10,000ペソ又は200ドル
の送金を受領する一度限りの権利を付与した。本プログラムは、国外において失業した、新型コロナウイルス感染
症に罹患した、又はロックダウン若しくは出入国制限により国外の雇用に復帰することができない在外労働者に適
用されるものである。2021年4月4日現在、労働雇用省のAKAPは、これまで 497,122 人の在外労働者に対し、5.043十
億ペソの補助を提供した。
新型コロナウイルス感染症の流行による最近の苦境にもかかわらず、フィリピン人労働者に対する国外の需要
は、特にヘルスケア及び情報テクノロジーセクターにおいて、中長期的に高いままと予測されている。特に、中長
期的に、医師、看護師、診療放射線技師、精神科医及び作業療法士については欧州における高い需要が予測され、
IT技術労働者及び建設業従事者については、欧州及びアメリカ、特にグアムにおける高い需要が予測されている。
社会保障機構及び公務員保険機構
共和国は、社会保障機構及び公務員保険機構以外による失業補償の給付又は一般的な福祉給付を行っていない。
社会保障機構は、民間部門の従業員（自営業者及びその家族を含む。）に対し、障害、疾病、老齢及び死亡による
収入の減少に対する保護を提供する。対象となる従業員及びその雇用主からの毎月の拠出金並びに社会保障機構の
投資収益が同機構の財源となっている。社会保障機構は、その資金を国債及び国内株式に投資している。
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公務員保険機構は、公務員に対する社会保障給付（退職給付、生命保険、医療及び疾病・障害給付を含む。）を
管理する。また、政府の建物や設備等の財産に関する自家保険プログラムも管理する。公務員保険機構はさらに、
公 務員向け住宅ローンを含む融資プログラムの監督も行う。対象となる従業員及びその雇用主からの毎月の拠出金
が同機構の財源となっている。各政府機関は、拠出金の分担分及び業務の危険性に基づき支払う割増保険料を賄う
のに必要な金額を年間歳出予算に含めなければならない。公務員保険機構は、その資金を社会保障機構と同様の方
法により投資している。
国民貯蓄
下表は、GDPに占める国総貯蓄及び国内総貯蓄の割合を示している。
国民貯蓄及び投資
項目 2017 年度 2018 年度 2019 年度
国民総貯蓄
35.5% 33.8% 31.6%
国内総貯蓄 16.5% 15.4% 14.3%
出典： 世界銀行国民勘定データ、OECD国民勘定データ
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（３）【貿易及び国際収支】
国際収支
概要
国際収支の数値は、国内及び国外への商品、サービス及び資本の相対的なフローを測定し、経常収支及び資本・
金融収支において表される。経常収支は、国の商品貿易、サービス貿易、収益及び経常移転取引を記録している。
資本・金融収支は、資本移転及び非製造・非金融資産の買収又は処分に関係するすべての取引をカバーする資本収
支、並びに、一定の経済圏における、海外金融資産及び負債の所有権の移転に関連するすべての取引をカバーする
金融収支を含んでいる。国際収支の黒字は外貨の純流入額を示しており、その結果、国内通貨に対する需要が増加
し、国内通貨を強くしている。国際収支の赤字は、外貨の純流出額を示しており、その結果、国内通貨に対する需
要が低下し、国内通貨を弱くしている。
修正
バンコ・セントラルが発表する国際収支統計（BOP）は、国家統計局が集計した商品貿易の統計に基づいてい
る。 但し、総合国際収支への算入の関係上、国家統計局が報告した商品貿易の統計は、バンコ・セントラルによっ
て調整されており、一時輸出入額及び返品額は除外されている。 2013 年3月、バンコ・セントラルは、国際収支統
計に関するBPM6の枠組みを2011年度以降分から採用しており、それに基づき、財産所得及び費用の収支は調整され
ている。バンコ・セントラルは、最新の国際収支の発表と同時に、各当局から受領した更新データや報告方法の変
更に合わせて、前回報告した国際収支のデータを調整した修正をしたことを発表することがある。下記に示す国際
収支のデータは、本書の日付現在の、バンコ・セントラルが発表した最新のデータを反映している。
下表は、指定された期間のフィリピンの国際収支を示している。
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国際収支
(1) (2)
2019年度 2020年度
2016年度 2017年度 2018年度
（単位：百万ドル）
(3)
経常収支
(1,199) (2,143) (8,877) (3,047) 12,979
輸出額
108,905 124,126 129,980 136,889 118,656
輸入額 110,104 126,269 138,857 139,936 105,678
商品、サービス、第一次所得 (25,926) (28,295) (35,695) (30,996) (14,403)
総輸出額 83,494 97,229 102,373 108,143 90,416
総輸入額 109,420 125,525 138,068 139,139 104,819
商品・サービス (28,506) (31,522) (39,364) (36,272) (18,759)
輸出額 73,938 86,646 90,374 94,741 78,882
輸入額 102,444 118,168 129,738 131,013 97,581
商品 (35,549) (40,215) (50,972) (49,312) (31,839)
輸出額 42,734 51,814 51,977 53,477 47,411
輸入額 78,283 92,029 102,949 102,788 79,250
サービス 7,043 8,693 11,608 13,039 13,080
輸出額 31,204 34,832 38,397 41,264 31,410
輸入額 24,160 26,139 26,789 28,225 18,331
第一次所得 2,579 3,226 3,669 5,276 4,356
収入額 9,556 10,583 11,999 13,402 11,594
支出額 6,977 7,357 8,330 8,125 7,238
第二次所得 24,728 26,153 26,818 27,949 27,381
収入額 25,411 26,897 27,607 28,746 28,240
684 745 788 797 859
支出額
(3)
資本収支
62 69 65 127 63
収入額 77 103 103 147 88
支出額 15 34 38 20 25
(4)
金融収支
175 2,798 (9,332) (8,034) (4,608)
(5)
金融資産の純増
5,658 6,717 7,522 7,297 12,319
(5)
負債の純増
5,483 9,515 16,855 15,331 16,928
直接投資 (5,883) (6,952) (5,833) (5,320) (3,017)
(5)
金融資産の純増
2,397 3,305 4,116 3,351 3,525
(5)
負債の純増
8,280 10,256 9,949 8,671 6,542
ポートフォリオ投資 1,480 2,454 1,448 (2,474) 502
(5)
金融資産の純増
1,216 1,658 4,740 2,402 5,787
(5)
負債の純増
4,876
(264) (796) 3,292 5,285
金融デリバティブ (32) (51) (53) (173) (239)
(5)
金融資産の純増
(701) (503) (679) (874) (840)
(5)
負債の純増
(669) (453) (626) (701) (602)
その他の投資 4,610 1,750 (4,894) (67) (1,855)
(5)
金融資産の純増
2,746 2,257 (654) 2,417 3,847
(5)
負債の純増
(1,864) 508 4,240 2,484 5,702
(6)
分類されない項目（純額）
274 (1,588) (2,826) 2,729 (1,629)
(7)
総合国際収支ポジション
(1,038) (863) (2,306) 7,843 16,022
出典： 経済統計部、バンコ・セントラル
注：
(1) 修正値。
(2) 暫定値。
(3) 経常収支及び資本収支は、貸方から借方を差し引いて勘定されている。
(4) 金融収支は、金融資産の純増から負債の純増を控除して勘定されている。
(5) 金融資産の純増のマイナス値は金融資産の回収又は処分を示し、負債の純増のマイナス値は負債の償却を示す。
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(6) 分類されない項目の純額は、総合国際収支に関連して記録された国際収支の項目の収入又は支出の過大表示若しくは過少表示に対する相
殺勘定である。
(7) 総合収支ポジションは、国の国際通貨準備高の変化から、非経済的取引（再評価、金の貨幣化／廃貨）を控除して計算される。また、経
常収支及び資本収支から、「金融収支＋分類されない項目の純額」を控除することによっても算出できる。
国際収支全体の動き
2016 年度のフィリピンの国際収支は全体で、2015年度の2.6十億ドルの黒字から転換し、1.0十億ドルの赤字を計
上した。この黒字から赤字への転換は主に経常収支の赤字によるが、これは金融収支の純流出額の減少によって部
分的に相殺された。2016年度の経常収支は、2015年度の7.3十億ドルの黒字から転換して、1.2十億ドルの赤字を計
上した。2016年度の金融収支は175百万ドルの純流出額を計上し、2015年度の2.3十億ドルの純流出額からの減少を
示した。
2017 年度のフィリピンの国際収支は全体で、2016年度の1.0十億ドルの赤字と比較して、863百万ドルの赤字を計
上した。これは主に経常収支の赤字の増加に起因するが、金融収支の純流出額が純流入額に転換したことにより、
部分的に相殺された。2017年度の経常収支は、2016年度の1.2十億ドルの赤字から78.7％増加した、2.1十億ドルの
赤字を計上した。2017年度の金融収支は、2016年度の175百万ドルの純流出額から転換して、2.8十億ドルの純流入
額を計上した。
2018 年度のフィリピンの国際収支は全体で、2017年度に計上した863百万ドルの赤字から増加して、2.3十億ドル
の赤字を計上した。この変化は、主に経常収支の赤字の増加に起因するが、金融収支の純流入額の増加によって部
分的に相殺された。2018年度の経常収支は、2017年度の2.1十億ドルの赤字から大幅に増加し、8.7十億ドルの赤字
を計上した。2018年度の金融収支は、2017年度の2.8十億ドルの純流入額から大幅に増加し、8.6十億ドルの純流入
額を計上した。
2019 年度において、フィリピンの国際収支は全体で、2018年度に計上された2.3十億ドルの赤字と比較して、7.8
十億ドルの黒字を計上した。この転換は主に経常収支の赤字の減少と金融収支の純流入額の減少に起因する。2019
年度において経常収支は3.4十億ドルの赤字を計上し、これは、2018年度に計上された8.9十億ドルの赤字から
61.9％の減少であった。 2019 年度の金融収支は、2018年度に計上した9.3十億ドルの純流入額から22.2％減少し
た、7.3十億ドルの純流入額を計上した。
2020 年度において、暫定値によると、フィリピンの国際収支は全体で、2019年度に計上された7.8十億ドルの黒
字と比較して、16.0十億ドルの黒字を計上した。この変化は、主に経常収支の純流入額が2019年度の 3.0 十億ドル
の赤字に対し、2020年度は13.0十億ドルの黒字を計上したことに起因する。これは、2020年度の金融収支の純流出
額が、2019年度の 8.0 十億ドルから減少した、 4.6 十億ドルの純流出額を計上したことによって、部分的に相殺され
た。
経常収支
2016 年度の経常収支は、2015年度の7.3十億ドルの黒字に対し、1.2十億ドルの赤字を計上した。この黒字から赤
字への転換は、主に商品貿易の赤字が2015年度の23.3十億ドルから2016年度の35.5十億ドルへと52.5％増加したこ
とに起因する。商品貿易の赤字の増加を部分的に相殺したのは、第二次所得の黒字の増加及びサービス貿易の黒字
の増加であった。2016年度の第二次所得の黒字は、2015年度の23.3十億ドルの黒字より6.3％高い24.7十億ドルに
増加した。2016年度のサービス貿易の黒字も、2015年度に計上した5.5十億ドルから29.1％高い7.0十億ドルに増加
した。全体として、2016年度の経常収支の輸出額は、2015年度の105.9十億ドルから2.9％増加した108.9十億ドル
となり、2016年度の経常収支の輸入額は、2015年度の98.6十億ドルから11.7％増加した110.1十億ドルとなった。
2017 年度、経常収支は、2016年度の1.2十億ドルの赤字と比較して、2.1十億ドルの赤字を計上した。この赤字の
増加は、主に商品貿易の赤字が2016年度の35.5十億ドルから2017年度の40.2十億ドルまで、13.1％増加したことに
主に起因する。この商品貿易の赤字の増加は、第二次所得の黒字及びサービス貿易の黒字の増加によって部分的に
相殺された。2017年度の第二次所得の黒字は、2016年度に計上された24.7十億ドルから5.8％増加し、26.2十億ド
ルを計上した。2017年度のサービス貿易の黒字も、2016年度に計上した7.0十億ドルから23.4％増加して、8.7十億
ドルを計上した。全体として、2017年度の経常収支の輸出額は、2016年度の108.9十億ドルから14.0％増加した
124.1十億ドルを計上し、2017年度の経常収支の輸入額は、2016年度の110.1十億ドルから14.7％増加した126.3十
億ドルを計上した。
2018 年度の経常収支は、2017年度に計上した2.1十億ドルの赤字と比較して、8.7十億ドルの赤字を計上した。こ
の経常収支の赤字の増加は、商品貿易の赤字が2017年度の40.2十億ドルから2018年度の51.0十億ドルに26.8％増加
したことに主に起因する。商品貿易の赤字の増加は、商品輸入額が2017年度の92.0十億ドルから2018年度の103.0
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十億ドルに11.9％増加したことに起因する。これは、輸入貿易の黒字が2017年度の8.7十億ドルから2018年度の
11.6十億ドルに33.7％増加したことによって部分的に相殺された。
2019 年度の経常収支は、2018年度における8.9十億ドルの赤字と比較して、3.4十億ドルの赤字を計上した。この
赤字の減少は、2019年度の商品貿易の赤字が、2018年度の51.0十億ドルから3.3％減少し、49.3十億ドルとなった
こと、2019年度のサービス貿易の黒字が、2018年度の11.6十億ドルから11.0％増加し、12.9十億ドルとなったこ
と、2019年度の第一次所得が、2018年度の3.7十億ドルから45.2％増加し、5.3十億ドルとなったこと、並びに2019
年度の第二次所得が、2018年度の26.8十億ドルから3.3％増加し、27.7十億ドルとなったことに主に起因する。
暫定値によると、2020年度の経常収支は、2019年度における 3.0 十億ドルの赤字と比較して、13.0十億ドルの黒
字を計上した。この黒字は主に、2020年度の商品貿易の赤字が、2019年度の49.3十億ドルから35.4％減少し、31.8
十億ドルとなったことに起因する。これは、2020年度の第一次所得が、2019年度の5.3十億ドルから17.4％減少
し、4.3十億ドルとなったこと、及び2020年度の第二次所得が、2019年度の28.0十億ドルから2.0％減少し、27.9十
億ドルとなったことによって部分的に相殺された。
商品貿易
商品の貿易は、フィリピンの経済に大きな影響を与える。輸出の大部分が、輸入原材料又はその他の投入資材に
依存しており、フィリピンの輸出は、ペソの下落がもたらす輸入の減少からも影響を受けやすい。下記の「（４）
通貨・金融制度－通貨制度－外国為替制度」を参照のこと。
2016 年度の商品貿易の赤字は、2015年度に計上した23.3十億ドルの赤字から52.5％増加し、35.5十億ドルであっ
た。この赤字の増加は、主に輸入額が、2015年度に計上した66.5十億ドルから2016年度の78.3十億ドルへと17.7％
増加した結果である。さらに、商品輸出額は、2015年度の43.2十億ドルから2016年度の42.7十億ドルへと1.0％減
少した。商品輸入額が増加した主な理由は、一般商品の輸入額が、2015年度に計上した66.5十億ドルから2016年度
の78.3十億ドルに17.7％増加したためである。
2017 年度における商品貿易の赤字は、2016年度に計上した35.5十億ドルの商品貿易の赤字と比較して13.1％増加
し、40.2十億ドルであった。商品貿易の赤字の増加は、主に輸入額が2016年度に計上した78.3十億ドルから、2017
年度に計上した92.0十億ドルへと17.6％増加したことに起因する。この輸入額の増加は、輸出額が2016年度に計上
した42.7十億ドルから2017年度の51.8十億ドルへと21.2％増加したことによって部分的に相殺された。商品輸入額
の増加額が商品輸出額の増加額より多かった主な理由は、一般商品の輸入額が、2016年度に計上した78.3十億ドル
から2017年度の92.0十億ドルへと17.6％増加したためである。
2018 年度の商品貿易の赤字は、2017年度に計上した40.2十億ドルから26.8％増加し、51.0十億ドルを計上した。
商品貿易の赤字の増加は、主に輸入額が、2017年度に計上された92.0十億ドルから2018年度の103.0十億ドルへと
11.9％増加したことに起因する。商品の輸出額の増加と比較して、商品の輸入額がより増加した主な理由は、一般
商品の輸入額が、2017年度に計上した92.0十億ドルから2018年度の103.0十億ドルへと11.9％増加したためであ
る。
2019 年度の商品貿易の赤字は、2018年度に計上された51.0十億ドルから3.3％減少して、49.3十億ドルとなっ
た。この赤字の減少は、2019年度の輸入額が、2018年度に計上された103.0十億ドルから0.2％減少して102.8十億
ドルとなったこと、及び2019年度の輸出額が、2018年度の52.0十億ドルから 2.9 ％増加して 53.5 十億ドルとなった
ことに主に起因する。輸出額の増加は、2019年度の製造品の輸出額が、2018年度の 58. 2 十億ドルから1.1％増加し
て 58.9 十億ドルとなったことに主に起因するが、これは、主に電子製品が2018年度の 38 .3 十億ドルから4.4 ％増加
して2019年度は40.0十億ドルとなったことによる。輸入額の減少は、原材料及び中間財の輸入が 9.4 ％減少したこ
とに主に起因する。同様に鉱物燃料及び鉱物油も 8.7 ％減少した。
暫定値によると、2020年度の商品貿易の赤字は、2019年度に計上された 49.3 十億ドルの赤字から35.4％減少し
て、31.8十億ドルとなった。商品貿易の赤字の減少は、2020年度の輸入額が、2019年度に計上された102.8十億ド
ルから22.9％減少して79.3十億ドルとなったことに主に起因する。2020年度の輸出額は、2019年度の53.5十億ドル
から11.3％減少して、47.4十億ドルとなった。輸入額及び輸出額の両方における減少は、主に現在も継続している
世界的な新型コロナウイルス感染症の流行並びにそれに伴う国内の都市封鎖、出入国制限、観光業の縮小、ビジネ
ス及び産業の一時停止、並びに金融市場への波及的効果によるものである。
商品の輸出額
下表は、PSAによって報告された、主要な商品グループ別の商品の輸出額を示している。
主要な商品グループ別輸出額
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輸出合計に占める
年間 成長率 割合
商品 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2019年度 2020年度 2016年度 2020年度
（単位：％を除き、百万ドル）
農業製品
ココナッツ製品
1,437 2,051 1,539 1,294 1,230 (15.9)% (5.0)% 2.5% 1.9%
砂糖及び砂糖製品
(11.7)%
105 217 76 67 66 (1.4)% 0.2% 0.1%
果実及び野菜
1,581 1,850 1,980 2,854 2,624 44.1% (8.0)% 2.8% 4.0%
(3.7)%
その他の農業製品 864 1,013 990 953 864 (9.4)% 1.5% 1.3%
農業製品合計 3,987 5,131 4,585 5,168 4,784 12.7% (7.4)% 6.9% 7.3%
林業製品
28 184 257 358 297 39.1% (16.9)% 0.0% 0.5%
鉱物製品
2,350 4,285 4,045 4,675 5,093 15.6% 8.9% 4.1% 7.8%
石油製品
(54.3)%
282 396 494 226 193 (14.6)% 0.5% 0.3%
製造品
電子製品
(5.2)%
29,418 36,536 38,327 40,022 37,951 4.4% 51.2% 58.2%
その他の電子製品
2,825 3,197 3,302 3,469 2,723 5.0% (21.5)% 4.9% 4.2%
衣類
(29.7)%
1,099 1,099 974 928 652 (4.8)% 1.9% 1.0%
織編用糸／織物
1.0%
189 235 215 217 313 44.7% 0.3% 0.5%
履物
49 80 103 132 114 28.1% (13.8)% 0.1% 0.2%
旅行用品及びハンドバッグ
472 485 597 745 420 24.6% (43.6)% 0.8% 0.6%
木製品
2,714 1,204 320 251 187 (21.6)% (25.5)% 4.7% 0.3%
家具及び備品
(15.4)%
265 337 353 299 344 15.2% 0.5% 0.5%
化学製品
1,722 1,786 1,572 1,508 1,339 (4.1)% (11.2)% 3.0% 2.1%
非金属鉱物製品
151 202 236 267 226 13.3% (15.4)% 0.3% 0.3%
機械及び輸送設備
4,276 5,093 4,813 4,128 2,248 (44.2)% (16.3)% 7.4% 3.4%
加工食品及び飲料
(0.2)%
1,076 1,395 1,333 1,330 1,245 (6.4)% 1.9% 1.9%
鉄及び鉄鋼
122 131 124 93 37 (24.8)% (59.8)% 0.2% 0.1%
ベビーカー、おもちゃ、
ゲーム及びスポーツ用品
235 214 222 269 237 20.8% (11.9)% 0.4% 0.4%
かご細工、小枝細工及びそ
の他の網細工製品
48 43 35 31 43 (13.1)% 38.6% 0.1% 0.1%
雑貨
746 729 1,042 963 819 (7.6)% (15.0)% 1.3% 1.3%
その他 4,296 4,571 4,639 5,671 4,881 (22.2)% (13.9)% 7.5% 7.5%
工業製品合計
1.2%
49,702 57,336 58,207 58,877 53,779 (8.7)% 86.6% 82.5%
特殊取扱品 1,057 1,382 1,720 1,623 1,068 (5.6)% (34.2)% 1.8% 1.6%
輸出合計 57,406 68,713 69,307 70,927 65,215 2.3% (8.1)% 100.0% 100.0%
出典：PSA、バンコ・セントラル
日本は、平均して、2016年度から2020年度にかけての輸出合計の16.1％を占めた。米国は、平均して、同期間の
輸出合計の15.3％を占めた。2016年度において、日本及び米国は、それぞれ輸出合計の 20.3 ％及び15.4％を占め
た。2020年度においては、日本への輸出は輸出合計の15.4％まで減少したのに対し、米国への輸出は輸出合計の
15.4％に留まった。2020年度においては、欧州連合は、2016年度の輸出合計に対する12.1％と比較して、輸出合計
の10.7％を占めた。2016年度から2020年度において、欧州連合は、平均して、輸出合計の12.3％を占めた。 フィリ
ピン は、その輸出市場を多様化し、特にASEAN諸国などの他の国々への輸出を増加することを目指している。 フィ
リピン は、 ASEAN 諸国間の関税の減免や、地域内の投資計画、産業の提携、銀行及び金融の統合について定めた
ASEAN自由貿易協定に加盟している。ASEAN内で、フィリピンは、中国、香港、インド、日本、韓国、オーストラリ
ア及びニュージーランドと特恵貿易協定を締結している。
2008 年、フィリピンと日本は日本・フィリピン経済連携協定を締結した。これは、フィリピンにとって唯一の二
国間自由貿易協定であり、商品貿易、サービス貿易、投資、自然人の移動、知的財産、関税手続、ビジネス環境の
改善、及び政府調達などを対象にしている。また、2016年、フィリピンは、フィリピンの輸出業者の欧州市場への
アクセスを改善するために、欧州自由貿易連合と契約を締結した。2017年11月、フィリピンは、対象地域の商品・
サービスの貿易を促進する目的において、ASEAN・香港・中国自由貿易協定を締結した。
下表はPSAによって報告された、輸出先別の商品の輸出額を示している。
輸出先別商品輸出額 輸出合計に占める割合
国 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2016年度 2020年度
（単位：％を除き、百万ドル）
米国 8,851 9,661 10,636 11,567 10,018 15.4% 15.4%
(1)
EU
6,970 9,607 8,908 8,285 6,950 12.1% 10.7%
日本 11,670 10,853 10,323 10,675 10,034 20.3% 15.4%
中華人民共和国 6,373 8,017 8,817 9,814 9,830 11.1% 15.1%
香港 6,617 9,024 9,564 9,625 9,226 11.5% 14.1%
韓国 2,182 4,334 2,608 3,241 2,855 3.8% 4.4%
シンガポール 3,824 3,973 4,316 3,832 3,775 6.7% 5.8%
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台湾 2,127 2,451 2,521 2,253 2,121 3.7% 3.3%
(2)
東南アジア
4,806 6,122 6,832 6,958 6,441 8.4% 9.9%
3,986 4,671 4,782 4,677 3,965 6.9% 5.9%
その他
合計 57,406 68,713 69,307 70,927 65,215 100.0% 100.0%
出典： PSA 、バンコ・セントラル
注：
(1) オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、フランス、ドイツ、フィンランド、
ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガ
ル、スロバキア、スロヴェニア、スペイン、スウェーデン、ルーマニア及び英国を含む。
(2) マレーシア、インドネシア、タイ、ブルネイ・ダルサラーム国、ベトナム、ミャンマー及びラオスのみを含む。
PSA のデータによると、2016年度の商品総輸出額は、2015年度に計上した58.8十億ドルから2.4％減少した、57.4
十億ドルであった。この減少は、主に製造品及び鉱物製品の輸出額の減少に起因する。輸出合計の86.6％を占める
製造品の2016年度の輸出額は、2015年度に計上した50.8十億ドルから2.2％減少し、49.7十億ドルとなった。輸出
合計の4.7％を占める鉱物製品の2016年度の輸出額は、2015年度に計上した2.9十億ドルから17.6％減少して、2.4
十億ドルとなった。これらの減少は、果物・野菜類の2016年度の輸出額が2015年度の1.4十億ドルから12.4％増加
して1.6十億ドルになったことによって、部分的に相殺された。
PSA のデータによると、2017年度において、商品総輸出額は、2016年度に計上した57.4十億ドルから19.7％増加
し、68.7十億ドルであった。この増加は、主に製造品及び鉱物製品の輸出額の増加によって引き起こされた。輸出
合計の83.4％を占める製造品の輸出額は、2017年度において、2016年度に計上した49.7十億ドルから15.4％増加
し、57.3十億ドルであった。輸出合計の6.2％を占める鉱物製品の輸出額は、2017年度において、2016年度に計上
した2.4十億ドルから82.3％増加し、4.3十億ドルであった。果物及び野菜の輸出額も、2017年度において、2016年
度の1.6十億ドルから17.0％増加し、1.9十億ドルであった。
PSA のデータによると、2018年度の商品輸出額の合計は、2017年度に計上した68.7十億ドルから0.9％わずかに増
加した、69.3十億ドルであった。この増加は、製造品の輸出額の増加が、鉱物製品及び農業製品の輸出額の減少に
よって大幅に相殺されたことに主に起因する。輸出合計の84.0％を占めた2018年度の製造品の輸出額は、2017年度
の57.3十億ドルから1.5％増加し、58.2十億ドルを計上した。輸出合計の5.8％を占めた2018年度の鉱物製品の輸出
額は、2017年度の4.3十億ドルから5.6％減少し、4.0十億ドルを計上した。輸出合計の6.6％を占めた2018年度の農
業製品の輸出額は、2017年度の5.1十億ドルから10.6％減少し、4.6十億ドルを計上した。
PSA のデータによると、2019年度の商品輸出額の合計は70.9十億ドルであり、これは、2018年度に計上された
69.3十億ドルと比較して2.3％高い金額であった。これは、主に製造品、農業製品及び鉱物製品の輸出額の増加に
起因する。輸出合計の83.0％を占めた2019年度の製造品の輸出額は、2018年度の58.2十億ドルから1.1％増加し
た、58.9十億ドルを計上した。輸出合計の7.3％を占めた2019年度の農業製品の輸出額は、2018年度の4.6十億ドル
から12.7％増加した、5.2十億ドルを計上した。輸出合計の6.6％を占めた2019年度の鉱物製品の輸出額は、2018年
度の4.0十億ドルから15.3％増加して、4.7十億ドルを計上した。
PSA のデータによると、2020年度の商品輸出額の合計は65.2十億ドルであり、これは、2019年度に計上された
70.9十億ドルと比較して8.1％減少した金額であった。これは、主に 現在も継続している世界的な新型コロナウイ
ルス感染症の流行並びに結果的な国内の 都市封鎖、 出入国制限、観光業の縮小、ビジネス及び産業の一時停止、並
びに金融市場への波及的効果によるものである。結果として、輸出合計の82.5％を占めた製造品の2020年度の輸出
額は、2019年度の58.9十億ドルから8.7％減少して、53.8十億ドルを計上した。輸出合計の7.3％を占めた農業製品
の2020年度の輸出額は、2019年度の5.2十億ドルから7.4％減少して、4.8十億ドルを計上した。これらは、輸出合
計の7.8％を占めた鉱物製品の2020年度の輸出額が、2019年度の4.7十億ドルから8.9％増加して、5.1十億ドルを計
上したことにより、部分的に相殺された。
商品の輸入額
下表は、商品グループ別の、フィリピンの商品の輸入元を示している。
商品グループ別商品輸入額
年間 成長率 輸入合計に占める割合
商品 2016 年度 2017 年度 2018 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度 2016 年度 2020 年度
（単位：％を除き、百万ドル）
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資本財 28,746 31,469 35,285 37,434 29,752 6.1% (20.5)% 34.2% 33.1%
原材料及び中間財
非加工原材料 2,727 4,276 4,851 3,576 3,265 (26.3)% (8.7)% 3.2% 3.6%
29,310 32,662 39,979 37,041 32,893 (7.3)% (11.2)% 34.8% 36.6%
半加工原材料
原材料及び中間財 32,038 36,938 44,830 40,617 36,158 (9.4)% (11.0)% 38.1% 40.3%
鉱物燃料及び鉱物
7,969 10,796 14,041 13,362 7,365 (4.8)% (42.9)% 9.5% 8.5%
油
消費財
耐久材 8,374 9,467 9,804 10,176 7,196 3.8% (29.3)% 10.0% 8.0%
6,448 6,931 8,202 9,084 8,251 10.8% (9.2)% 7.7% 9.2%
非耐久材
消費財合計
14,822 16,398 18,006 19,260 15,447 7.0% (19.8)% 17.6% 17.2%
(1)
特殊取扱品 533 493 680 920 820 35.2% (10.8)% 0.6% 0.9%
輸入合計 84,108 96,093 112,841 111,593 89,812 (1.1)% (19.5)% 100.0% 100.0%
出典： PSA 、バンコ・セントラル
注：
(1) 委託、返品／交換及び一時輸入等、所有権の変更が起こらない商品の価額は除外する。
下表は、国別の、フィリピンの商品の輸入元を示している。
輸入元別商品輸入額 輸入合計に占める割合
国 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2016年度 2020年度
（単位：％を除き、百万ドル）
日本 9,882 10,912 10,818 10,580 8,616 11.75% 9.59%
米国 7,576 7,784 8,062 8,072 6,922 9.01% 7.71%
(1)
東南アジア
16,577 19,616 22,250 22,465 18,153 19.71% 20.21%
中華人民共和国 15,565 17,464 22,015 25,496 20,868 18.51% 23.24%
香港 2,492 2,715 3,046 3,598 2,784 2.96% 3.10%
台湾 5,185 5,090 5,500 4,753 4,683 6.16% 5.21%
韓国 5,568 8,465 11,312 8,477 6,895 6.62% 7.68%
シンガポール 5,464 5,599 6,174 6,658 5,622 6.50% 6.26%
(2)
オセアニア
1,571 2,635 2,461 2,213 1,446 1.87% 1.61%
(3)
EU
6,743 6,644 8,587 9,338 6,591 8.02% 7.34%
(4)
中東
3,019 3,800 5,685 3,704 1,867 3.59% 2.08%
4,466 5,369 6,931 6,239 5,365 5.31% 5.97%
その他
合計 84,108 96,093 112,841 111,593 89,812 100.0% 100.0%
出典： PSA 、バンコ・セントラル
注：
(1) マレーシア、インドネシア、タイ、ブルネイ・ダルサラーム国、ベトナム、ミャンマー及びラオスのみを含む。
(2) オーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸島諸国（フィジー、パプア（ニューギニア）、ソロモン諸島、トンガ、バヌアツ（ニュー
へブリディーズ）及び西サモアを含む。）、並びにその他のオセアニア諸国を含む。
(3) オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、フランス、ドイツ、フィンランド、
ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガ
ル、スロバキア、スロヴェニア、スペイン、スウェーデン、ルーマニア及び英国を含む。
(4) イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、アラブ首長国連邦及びその他の中東諸国を含む。
PSA データによると、2016年度の商品の総輸入額は、2015年度に計上した71.1十億ドルの輸入額から18.3％増加
し、84.1十億ドルとなった。この増加は、主に資本財及び消費財の輸入額が増加したことによる。2016年度の資本
財の輸入額は、2015年度に計上した19.6十億ドルと比較して46.6％増加し、28.7十億ドルとなり、これは主に通信
機器及び電子機械の輸入額の増加の結果であった。2016年度の消費財の輸入額は、2015年度の11.4十億ドルと比較
して30.1％増加した14.8十億ドルとなり、これは主に耐久消費財の輸入額が増加したことの結果であった。2016年
度の商品の輸入額の増加は、鉱物燃料及び鉱物油が2015年度に計上した9.2十億ドルと比較して13.8％減少して8.0
十億ドルとなったことによって部分的に相殺された。
PSA データによると、2017年度の商品の総輸入額は、2016年度に計上した84.1十億ドルから14.2％増加し、96.1
十億ドルとなった。この増加は、主に原材料及び中間財の輸入額、並びに鉱物燃料及び鉱物油の輸入額の増加に起
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因する。2017年度の原材料及び中間財の輸入額は、2016年度に計上した32.0十億ドルから15.3％増加した、36.9十
億ドルであった。2017年度の鉱物燃料及び鉱物油の輸入額は、2016年度に計上した8.0十億ドルから35.5％増加し
た、 10.8十億ドルであった。資本財及び消費財の輸入額も、2017年度において増加した。2017年度の資本財の輸入
額は、2016年度の28.7十億ドルから9.5％増加して、31.5十億ドルであった。2017年度の消費財の輸入額は、2016
年度に計上した14.8十億ドルから10.6％増加した、16.4十億ドルであった。
PSA データ によると、2018年度の商品の総輸入額は、2017年度に計上した96.1十億ドルから17.4％増加し、112.8
十億ドルとなった。この増加は、主に 資本財、原材料及び中間財並びに鉱物燃料及び鉱物油 の輸入額が増加したこ
とに起因する。2018年度の資本財の輸入額は、2017年度の31.5十億ドルから12.1％増加して、35.3十億ドルを計上
した。2018年度の原材料及び中間財の輸入額は、2017年度の36.9十億ドルから21.4％増加して、44.8十億ドルを計
上した。2018年度の鉱物燃料及び鉱物油の輸入額は、2017年度の10.8十億ドルから30.1％増加して、14.0十億ドル
を計上した。また、2018年度における消費財の輸入額も増加し、2017年度に計上した16.4十億ドルから9.8％増加
して、18.0十億ドルとなった。
PSA データ によると、2019年度の総輸入額は、2018年度に計上した112.8十億ドルから 1.1 ％減少し、 111.6 十億ド
ルとなった。この減少は、主に原材料及び中間材、並びに鉱物燃料及び鉱物油の輸入額の減少に起因する。2019年
度の原材料及び中間材の輸入額は、2018年度の44.8十億ドルから 9.4 ％減少し、 40.6 十億ドルとなった。2019年度
の鉱物燃料及び鉱物油の輸入額は、2018年度の14.0十億ドルから4.8％減少し、13.4十億ドルとなった。これらの
減少は、2019年度の資本財の輸入額が、2018年度の35.3百万ドルから6.1％増加し、37.4百万ドルとなったことに
よって部分的に相殺された。
PSA によると、2020年度の総輸入額は、2019年度に計上した111.6十億ドルから 19.5 ％減少し、 89.8 十億ドルと
なった。この減少は、主に 現在も継続している世界的な新型コロナウイルス感染症の流行並びにそれに伴う国内の
都市封鎖、出入国制限、観光業の縮小、ビジネス及び産業の一時停止、並びに金融市場への波及的効果によるもの
である。その結果として、資本財、原材料及び中間財、鉱物燃料及び鉱物油、並びに消費財の2020年度の輸入額
は、それぞれ、2019年度の37.4十億ドル、40.6十億ドル、13.4十億ドル及び19.3十億ドルから、20.5％、11.0％、
42.9％及び19.8％減少し、29.8十億ドル、36.2十億ドル、7.4十億ドル及び15.4十億ドルを計上した。
対日本貿易における直近の大きな展開
日本は、フィリピンとの総輸出入額約 18.1 十億米ドルを計上し、総輸出入の 12.1 ％を占め、フィリピンの主要な
貿易相手国であり続けている。暫定値によると、2019年度における日本からフィリピンへの輸出額は約 9.9 十億米
ドルであった。2020年度における日本のフィリピンからの輸入額は 8.2 十億米ドルであった。
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サービス貿易
下表は、記載された期間について部門別の共和国のサービス貿易を示している。
サービス貿易
(1) (2)
2019年度 2020年度
2016年度 2017年度 2018年度
（単位：百万ドル）
7,043 8,693 11,608 13,039 13,080
サービス貿易合計
輸出
31,204 34,832 38,397 41,264 31,410
輸入 24,160 26,139 26,789 28,225 18,331
(61)
メンテナンス修理サービス (29) (51) (54) (28)
輸出 83 80 83 110 65
輸入 112 132 136 171 93
(2,280)
(2,441) (2,533) (2,653) (2,351)
輸送
輸出
1,897 2,485 2,703 2,883 1,678
輸入 4,338 5,018 5,356 5,164 4,030
うち旅客 600 768 865 787 456
輸出 1,146 1,361 1,475 1,674 759
輸入 546 592 611 887 304
うち貨物運送 (2,767) (3,188) (3,434) (3,046) (2,937)
輸出 427 687 764 763 547
輸入 3,195 3,875 4,197 3,809 3,484
うちその他 (274) (113) (84) (22) 129
輸出 323 438 464 446 372
輸入 598 550 548 468 242
(2,257)
(5,992) (4,861) (3,623) (2,558)
旅行
輸出
5,143 6,988 8,240 9,781 2,010
輸入 11,135 11,850 11,863 12,038 4,568
11 (6) (12) (5) (11)
建設サービス
輸出
71 57 61 66 85
輸入 60 63 73 71 97
(1,269) (1,417) (1,379) (1,554) (1,234)
保険・年金サービス
輸出
77 85 86 90 75
輸入 1,345 1,502 1,465 1,644 1,309
(164) (268) (287) (539) (351)
金融サービス
輸出
394 237 279 234 87
輸入 559 506 566 772 438
(537) (734) (873) (805) (504)
知的財産権使用料
輸出
9 17 44 28 15
輸入 546 751 917 833 519
通信・コンピュータ・
4,822 4,787 4,949 4,766 4,050
情報サービス
輸出
5,493 5,638 5,940 6,098 5,568
輸入 671 852 991 1,332 1,518
10,214 10,596 12,025 11,981 12,604
その他業務サービス
輸出
15,125 15,580 16,653 17,456 17,625
輸入 4,911 4,984 4,628 5,475 5,020
個人・文化・レクリエーション
43 3 (125) (26) (18)
サービス
輸出
169 191 149 161 136
輸入 126 188 274 187 154
(339) (275) (499) (520) (565)
政府サービス
輸出
17 19 19 19 19
輸入 357 294 518 539 584
出典： バンコ・セントラル。
注：
(1) 修正値。
(2) 暫定値。
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2016 年度のサービス貿易収支は、2015年度に計上した5.5十億ドルの黒字よりも29.1％高い、7.0十億ドルの黒字
を計上した。この黒字の増加は、主に通信・コンピュータ・情報サービス及び委託加工サービスが堅調であったこ
とに起因する。通信・コンピュータ・情報サービスは、主としてコンピュータサービスの輸出額が増加したことの
結果として、2015年度に計上した2.7十億ドルの黒字から2016年度の4.8十億ドルの黒字に79.4％増加した。この黒
字の増加は、委託加工サービスが、2015年度のゼロから2016年度の2.7十億ドルになったことにも起因する。これ
らの要素は、その他業務サービスの黒字が2015年度に計上した12.4十億ドルから2016年度の10.2十億ドルに、
17.9％減少したことによって部分的に相殺された。
2017 年度のサービス貿易収支は、2016年度に計上した7.0十億ドルの黒字よりも23.4％高い、8.7十億ドルの黒字
を計上した。この黒字の増加は、主にその他業務サービスが堅調であったこと、及び旅行サービスの赤字の減少に
起因する。その他業務サービスは、主として技術サービス、貿易関係サービス及びその他業務サービスの輸出額が
増加したことによって、2016年度に計上した10.2十億ドルの黒字から2017年度の10.6十億ドルの黒字に3.7％増加
した。この黒字の増加は、旅行サービスの赤字が、2016年度の6.0十億ドルから2017年度の4.9十億ドルに減少した
ことにも起因する。これらの要素は、知的財産権使用料の赤字が、2016年度に計上した537百万ドルから2017年度
の734百万ドルに36.7％増加したことによって、部分的に相殺された。
2018 年度のサービス貿易収支は、2017年度に計上した8.7十億ドルの黒字から33.7％増加した、11.6十億ドルの
黒字を計上した。この黒字の増加は、その他業務サービスが堅調であったこと、及び旅行サービスの赤字の減少に
主に起因しする。2018年度のその他の業務サービスの黒字は、2017年度に計上した10.6十億ドルから13.5％増加し
て、12.0十億ドルを計上した。この黒字の増加は、旅行サービスの赤字が減少し、2017年度の4.9十億ドルの赤字
に対して2018年度は3.6十億ドルの赤字を計上したことにも起因する。これらの要素は、2018年度の知的財産権使
用料の赤字が、2017年度に計上した734百万ドルから18.9％増加した、873百万ドルを計上したことによって部分的
に相殺された。
2019 年度におけるサービス貿易収支は、2018年度に計上した11.6十億ドルから1 2.3 ％増加した、13.0十億ドルの
黒字を計上した。この黒字の増加は、2019年度の旅行サービスの赤字が、2018年度の3.6十億ドルから37.7％減少
した、2.3十億ドルを計上したこと、及び2019年度の輸送サービスの赤字が2018年度の2.7十億ドルから14.1％減少
した、2.3十億ドルを計上したことに主に起因する。これは、2019年度の 通信・コンピュータ・情報サービスの黒
字が2018年度の 4.9 十億ドルから3.7％減少した、4.8十億ドルとなったことにより、部分的に相殺された。
2020 年度におけるサービス貿易収支は、2019年度に計上した13.0十億ドルの黒字から0.3％増加した、13.1十億
ドルの黒字を計上した。この黒字の増加は、主に2020年度のその他業務サービスの黒字が2019年度の12.0十億ドル
から5.2％増加し、12.6十億ドルを計上したこと、2020年度の保険・年金サービスの赤字が2019年度の1.6十億ドル
から20.6％減少し、1.2十億ドルを計上したこと、及び2020年度の知的財産権使用料の赤字が2019年度の805百万ド
ルから37.4％減少し、504百万ドルを計上したことに起因する。これらは、2020年度の通信・コンピュータ・情報
サービスの黒字が2019年度の4.8十億ドルから15.0％減少した、4.1十億ドルとなったことにより、部分的に相殺さ
れた。
次へ
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有価証券報告書
第一次所得
下表は、当該年度における共和国の第一次所得を記載したものである。収支が「ゼロ（0）」という旨の記載
は、当該年度中に該当する取引がなかったか、又は共和国が当該項目の計上及び記録を開始していないかのいずれ
かを意味する。国際収支のとりまとめにあたり、在外労働者等の越境労働者の居住地は、滞在国における滞在予定
期間の長さに応じて分類されている。海外就労予定期間が1年未満の在外労働者は、引き続き国内居住者として扱
われ、その収入総額は、第一次所得収支に計上されている。他方、就労契約期間が1年以上の在外労働者は非居住
者として分類され、その送金額は第二次所得収支における労働者の送金に反映されている。送金額には非公式な経
路を通じて行った現金の送金及び物資の見積りが含まれる。BPM6の算定方法上、滞在国における滞在予定期間に関
係なく全在外労働者の送金を総計した個人移転収支を公表している。これにより、フィリピン非居住者世帯から
フィリピン居住者世帯に対するすべての移転に関する分析を簡便に行うことができる。
第一次所得
(1) (2)
2019年度 2020年度
2016年度 2017年度 2018年度
（単位：百万ドル）
2,579 3,226 3,669 5,276 4,356
第一次所得合計
受取
9,556 10,583 11,999 13,402 11,594
支払 6,977 7,357 8,330 8,125 7,238
7,386 7,769 8,130 8,685 8,443
雇用者報酬
受取
7,518 7,926 8,288 8,827 8,579
支払 131 157 158 142 136
(4,461) (3,409)
(4,807) (4,542) (4,087)
投資収益
受取
2,038 2,658 3,711 4,575 3,015
支払 6,846 7,200 8,172 7,984 7,102
(3,619) (2,740)
直接投資収益 (2,929) (3,067) (2,985)
受取 782 960 1,471 2,033 1,181
支払 3,711 4,027 5,090 4,773 4,165
(3,994) (3,410)
配当金 (3,353) (3,490) (3,547)
受取 133 240 379 565 326
支払 3,486 3,730 4,373 3,975 3,872
配当金・支店からの収益 (2,627) (2,756) (3,170) (2,379) (2,682)
受取 149 111 306 464 212
支払 2,776 2,867 3,476 2,843 2,894
(1,031)
再投資収益 (726) (734) (824) (865)
受取 (16) 129 73 101 113
支払 710 863 897 1,132 978
利子所得等（利子） 424 423 375 670 562
受取 649 720 1,092 1,468 855
支払 224 297 717 798 293
証券投資収益 (2,458) (2,210) (2,041) (2,004) (1,895)
受取 188 394 427 377 456
支払 2,646 2,604 2,469 2,380 2,351
配当金 (910) (1,092) (1,003) (985) (825)
受取 0 2 11 1 10
支払 910 1,094 1,014 986 835
配当金（投資ファンド持
(910) (1,092) (1,003) (985) (825)
分を除く。）
受取 0 2 11 1 10
支払 910 1,094 1,014 986 835
債券利子 (1,548) (1,119) (1,038) (1,019) (1,070)
受取 188 391 416 375 446
支払 1,737 1,510 1,455 1,394 1,516
短期（短期債） (157) (44) (12) (5) (84)
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受取 14 18 9 8 118
支払 170 62 21 12 202
長期（中長期債） (1,392) (1,075) (1,026) (1,014) (986)
受取 175 373 408 367 328
支払 1,566 1,447 1,434 1,381 1,313
(18)
中央銀行 (19) (18) (13) (12)
中央銀行以外の預金
(64) (49) (65) (143) (122)
取扱機関
一般政府 (1,135) (1,080) (1,128) (1,100) (1,073)
その他部門 (174) 72 185 242 221
受取 175 373 408 367 328
支払 348 301 223 125 107
その他投資収益 (211) (214) (15) (192) (314)
受取 277 355 598 639 272
支払 488 569 613 831 585
中央銀行 0 (5) (10) (12) (3)
受取 0 0 0 0 0
支払 0 5 10 12 3
中央銀行以外の預金取扱機
121 160 283 275 115
関
受取 186 230 379 420 203
支払 65 70 96 145 88
一般政府 (242) (281) (347) (467) (359)
その他部門 (90) (88) 59 12 (67)
受取 91 125 219 219 68
支払 181 213 160 207 136
出典： バンコ・セントラル
注：
(1) 修正値。
(2) 暫定値。
2016 年度の第一次所得収支は、2015年度の1.9十億ドルの黒字から38.9％増加して2.6十億ドルの黒字を計上し
た。かかる黒字の増加は主に、投資収益収支の赤字が、2015年度の5.8十億ドルの赤字から2016年度の4.8十億ドル
の赤字へと17.7％縮小したことに起因する。2016年度の証券投資による第一次所得も、2015年度の2.8十億ドルの
赤字から2.5十億ドルの赤字へと赤字が12.6％縮小した。
2017 年度の第一次所得収支は、2016年度の2.6十億ドルの黒字から25.1％増加して3.2十億ドルの黒字を計上し
た。かかる黒字の増加は主に、2017年度の雇用者報酬収支の黒字が2016年度の7.4十億ドルから5.2％増の7.8十億
ドルへと増加したことに起因する。2017年度の証券投資による第一次所得の赤字も、2016年度の2.5十億ドルの赤
字から2.2十億ドルの赤字へと10.1％縮小した。
2018 年度の第一次所得収支は、2017年度の3.2十億ドルの黒字から13.7％増の3.7十億ドルの黒字を計上した。黒
字の増加は主に、2018年度の雇用者報酬収支が2017年度の7.8十億ドルの黒字から4.6％増の8.1十億ドルの黒字へ
と増加したことに起因する。2018年度の証券投資による第一次所得の赤字も、2017年度の2.2十億ドルの赤字から
2.0十億ドルの赤字へと7.6％縮小した。
2019 年度の第一次所得収支は、2018年度の3.7十億ドルの黒字から45.2％増の5.3十億ドルの黒字を計上した。か
かる増加は主に、2019年度の投資収益の支払純額が2018年度の4.5十億ドルから3.4十億ドルへと24.7％減少したこ
と、及び2019年度の雇用者報酬収支が2018年度の8.1十億ドルの黒字から6.8％増の8.7十億ドルの黒字へと増加し
たことに起因する。これらの増加は、2019年度の支払利息額の赤字が、2018年度の0.4ドルの赤字から0.7ドルの赤
字へと増加したことにより一部相殺された。
2020 年度の第一次所得収支は、暫定値によると、2019年度の5.3十億ドルの黒字から17.4％減の4.4十億ドルの黒
字を計上した。黒字の減少は主に、世界中で進行している新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響並びにそれ
に伴う国内封鎖、国境管理、観光事業の縮小、貿易及び製造業の中断並びに金融市場が煽りをうけたことに起因す
る。これにより、2020年度の雇用者報酬収支が、2019年度の8.7十億ドルの黒字から2.9％減の8.4十億ドルの黒字
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へと縮小し、2020年度の投資収益、直接投資及び配当金の赤字が、2019年度の3.4十億ドル、2.7十億ドル及び3.4
十億ドルの赤字から、それぞれ19.9％、8.9％及び1.4％増の4.1十億ドル、3.0十億ドル及び3.6十億ドルの赤字と
なっ た。これらの影響は、2020年度のポートフォリオ投資の赤字が、2019年度の2.0十億ドルの赤字から5.4％減の
1.9十億ドルの赤字へと縮小したことにより一部相殺された。
第二次所得
下表は、当該年度における共和国の第二次所得を記載したものである。第二次所得は主に、在外労働者送金、並
びに個人及び機関の贈与、寄付及び供与を含む。上記「第一次所得」に記載のとおり、BPM6の算定方法に基づき、
在外労働者等の季節性労働者の居住地は、滞在国における滞在予定期間の長さに応じて分類されている。BPM6の算
定方法上、在外労働者以外の海外永住移民からの送金を含むすべての送金を総計した個人間移転収支も補足的に追
加している。本書の数値には、BPM6に基づく財産所得及び費用の収支に関する取扱いの変更も反映されている。
第二次所得
(1) (2)
2019年度 2020年度
2016年度 2017年度 2018年度
（単位：百万ドル）
第二次所得合計 24,728 26,153 26,818 27,949 27,381
受取 25,411 26,897 27,607 28,746 28,240
支払 684 745 788 797 859
一般政府 560 569 554 631
846
受取 618 636 583 883 671
支払 58 67 29 37 39
金融会社・非金融会社・家
24,167 25,584 26,264 27,103 26,750
計・対家計非営利団体
受取 24,793 26,261 27,024 27,863 27,569
支払 626 677 759 760 819
個人間移転 23,559 24,795 25,421 26,256 26,259
受取 23,624 24,884 25,521 26,341 26,334
支払 65 89 100 84 75
その他移転 608 789 844 846 491
受取 1,169 1,377 1,502 1,523 1,236
支払 561 588 659 676 744
出典：バンコ・セントラル
注：
(1) 修正値。
(2) 暫定値。
2016 年度の第二次所得収支は、2015年度の23.3十億ドルの黒字から6.3％増の24.7十億ドルの黒字を計上した。
かかる黒字の増加は主に、2016年度の個人間移転収支として、2015年度の21.9十億ドルの黒字から7.3％増の23.6
十億ドルの黒字となったことによる。かかる増加は、2016年度のその他経常移転収支が、2015年度の688百万ドル
の黒字から11.6％減少して608百万ドルの黒字となったことにより一部相殺された。
2017 年度の第二次所得収支は、2016年度の24.7十億ドルの黒字から5.8％増の26.2十億ドルの黒字を計上した。
かかる黒字の増加は主に、2017年度の個人間移転収支として、2016年度の23.6十億ドルの黒字から5.2％増の24.8
十億ドルの黒字を計上したこと、及び2017年度の金融会社・非金融会社・家計・対家計非営利団体収支として2016
年度の24.2十億ドルの黒字から5.9％増の25.6十億ドルの黒字を計上したことによる。かかる増加は、2017年度の
一般政府収支が、2016年度の560百万ドルの黒字から1.6％増加して569百万ドルの黒字となったことにより一部相
殺された。
2018 年度の第二次所得収支は、2017年度の26.2十億ドルの黒字から2.6％増の26.8十億ドルの黒字を計上した。
かかる黒字の増加は主に、2018年度の個人間移転収支として、2017年度の24.8十億ドルの黒字から2.5％増の25.4
十億ドルの黒字を計上したこと、及び2018年度の金融会社・非金融会社・家計収支として2017年度の25.6十億ドル
の黒字から2.8％増の26.3十億ドルの黒字を計上したことによる。かかる増加は、2018年度の一般政府収支が、
2017年度の569百万ドルの黒字から3.2％減少して550百万ドルの黒字となったことにより一部相殺された。
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2019 年度の第二次所得収支は、2018年度の26.8十億ドルの黒字から3.3％増の27.7十億ドルの黒字を計上した。
かかる増加は主に、2019年度の個人間移転収支として、2018年度の25.4十億ドルの黒字から3.3％増の26.3十億ド
ル の黒字を計上したこと、及び2019年度の金融会社・非金融会社・家計・対家計非営利団体収支として2018年度の
26.3十億ドルの黒字から3.2％増の27.1十億ドルの黒字を計上したことによる。
暫定値によると、2020年度の第二次所得収支は、2019年度の28.0十億ドルの黒字から2.0％減の27.4十億ドルの
黒字を計上した。かかる黒字の減少は主に、2020年度の金融会社・非金融会社・家計・対家計非営利団体収支の黒
字及びその他移転の黒字が、2019年度の27.1十億ドル及び846百万ドルから、それぞれ1.3％及び42.0％減の26.8十
億ドル及び491百万ドルへと減少したことによる。
資本収支
暫定値によると、2020年度の資本収支は、2019年度の127百万ドルの修正された純受取額から減少して、63百万
ドルの純受取額を計上した。これは主に、2020年度の資本収支受取額が2019年度の147百万ドルから88百万ドルへ
と減少したことによるものである。
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金融収支
金融収支は、直接投資、証券投資、金融派生商品投資、その他投資の4つに分類されている。
下表は、当該年度における共和国の直接投資を記載したものである。
直接投資
(1) (2)
2019年度 2020年度
2016年度 2017年度 2018年度
（単位：百万ドル）
(5,320)
(5,883) (6,952) (5,833) (3,017)
直接投資合計
金融資産の純増 2,397 3,305 4,116 3,351 3,525
直接投資企業への直接投資家
737 1,758 1,029 926 125
実行 848 2,027 1,123 1,103 248
回収 112 270 94 178 123
収益の再投資 (16) 129 73 101 113
債券 1,676 1,419 3,014 2,325 3,287
子会社に係る債権 332 6 7 418 22
子会社に対する債務 1,344 1,413 3,007 1,907 3,265
8,280 10,256 9,949 8,671 6,542
負債の純増
株式資本
3,302 4,261 3,242 3,427 2,454
直接投資の直接投資家 2,592 3,398 2,346 2,295 1,476
実行 3,185 3,885 2,935 3,002 1,868
回収 593 487 590 706 392
収益の再投資 710 863 897 1,132 978
債券 4,977 5,996 6,706 5,244 4,089
直接投資家に係る債権 4,956 5,856 6,367 4,500 3,785
直接投資家に対する債務 21 140 339 744 304
出典： バンコ・セントラル
注：
(1) 修正値。
(2) 暫定値。
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下表は、当該年度における共和国の証券投資を記載したものである。
証券投資
(1) (2)
2019年度 2020年度
2016年度 2017年度 2018年度
（単位：百万ドル）
証券投資 1,480 2,454 1,448 (2,474) 502
金融資産の純増 1,216 1,658 4,740 2,402 5,787
株式 20 743 85 702 400
中央銀行 (6) 0 0 0 0
中央銀行以外の預金取扱機関 55 (9) (42) 81 2
その他部門 (30) 752 127 622 398
債券 1,196 915 4,655 1,700 5,387
中央銀行 0 32 (5) 95 1,378
中央銀行以外の預金取扱機関 188 445 3,190 1,983 1,985
その他部門 1,008 437 1,471 (379) 2,024
負債の純増 (264) (796) 3,292 4,876 5,285
株式 131 496 (1,031) 1,764 (2,541)
中央銀行以外の預金取扱機関 (236) 0 (487) (99) (739)
その他部門 367 495 (544) 1,863 (1,802)
債券 (395) (1,292) 4,324 3,112 7,826
中央銀行 － (15) 1 (6) 24
中央銀行以外の預金取扱機関 254 214 1,491 1,304 424
一般政府 (58) (299) 3,111 600 6,094
その他部門 (590) (1,192) (280) 1,214 1,333
出典： バンコ・セントラル
注：
(1) 修正値。
(2) 暫定値。
下表は、当該年度における共和国の金融派生商品投資を記載したものである。
金融派生商品投資
(1)
2020年度
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
（単位：百万ドル）
(32) (51) (53) (173) (239)
金融派生商品合計
資産 (701) (503) (679) (874) (840)
中央銀行以外の預金取扱機関
(460) (454) (666) (763) (796)
その他部門 (240) (49) (14) (111) (44)
(669) (453) (626) (701) (602)
負債
中央銀行以外の預金取扱機関
(462) (387) (587) (583) (554)
その他部門 (206) (66) (39) (118) (47)
出典： バンコ・セントラル
注：
(1) 暫定値。
2015 年から2020年まで、政府は、非居住者との間でヘッジ又は投機目的によるデリバティブ取引を実行しなかっ
た。しかしながら、バンコ・セントラルは、リスク管理及び利回りの向上のために、オプション、先物及びスワッ
プ等のデリバティブ派生商品取引を時に応じて実行している。
下表は、当該年度における共和国のその他投資を記載したものである。
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その他投資
(1) (2)
2019年度 2020年度
2016年度 2017年度 2018年度
（単位：百万ドル）
4,610 1,750 (4,894) (67) (1,855)
その他投資合計
金融資産の純増 2,746 2,257 (654) 2,417 3,847
現預金
1,014 1,542 (1,430) 1,019 2,567
中央銀行以外の預金取扱機
854 517 (891) 787 1,240
関
その他部門 160 1,025 (539) 232 1,328
貸付 1,468 629 425 1,210 1,174
中央銀行以外の預金取扱機
1,468 629 425 1,210 1,174
関
(3)
貿易信用・前払
215 90 344 188 118
その他資産 49 (4) 7 0 (12)
(1,864) 508 4,240 2,484 5,702
負債の純増
現預金
262 654 121 169 (333)
借入 (2,136) (676) 3,560 2,111 6,447
中央銀行以外の預金取扱機
(87) 37 1,722 267 (3,260)
関
長期 － － － － －
短期 (87) 37 1,722 267 (3,260)
一般政府 (20) 223 873 1,463 7,170
長期引出 1,130 1,382 2,065 2,627 8,352
長期返済 1,151 1,158 1,192 1,164 1,182
その他部門 (2,029) (937) 965 382 2,537
長期 (2,109) (558) 687 263 2,100
引出 1,233 2,386 3,049 2,219 3,385
返済 3,342 2,945 2,363 1,956 1,285
80 (378) 278 118 437
短期
貿易信用・前払
(18) 476 720 117 (789)
その他負債 29 55 (162) 87 378
出典： バンコ・セントラル
注：
(1) 修正値。
(2) 暫定値。
(3) すべての貿易信用は、非政府部門に係る短期債権である。
2016 年度の金融収支は、2015年度の2.3十億ドルの純流出額に対し、175百万ドルの純流出額を計上した。かかる
変動は主に、2016年度の直接投資収支の純流入額が、2015年度の100百万ドルの純流入額から大幅に増加して2016
年度では5.9十億ドルの純流入額を計上したこと、及び2016年度の証券投資収支が、2015年度では5.5十億ドルの純
流出額を計上したのに対し、72.9％減の1.5十億ドルの純流出額を計上したことによるものである。純流出額の減
少は、その他投資が2015年度では3.1十億ドルの純流入額を計上したのに対し、2016年度では4.6十億ドルの純流出
額を計上したことにより一部相殺された。
2017 年度の金融収支は、2016年度の175百万ドルの純流出額に対し、2.8十億ドルの純流入額を計上した。かかる
変動は主に、2017年度の直接投資収支の純流入額が、2016年度の5.9十億ドルの純流入額から増加して7.0十億ドル
の純流入額を計上したこと、及び2017年度のその他投資収支が、2016年度では4.6十億ドルの純流出額を計上した
のに対し、63.0％減の1.7十億ドルの純流出額を計上したことによるものである。純流入額の増加は、証券投資収
支が2016年度では1.5十億ドルの純流出額を計上したのに対し、2017年度では2.5十億ドルの純流出額を計上したこ
とにより一部相殺された。
2018 年度の金融収支は、2017年度の2.8十億ドルの純流入額に対し、8.6十億ドルの純流入額を計上した。かかる
変動は主に、その他投資が2017年度では1.8十億ドルの純流出額を計上したのに対し、2018年度では4.1十億ドルの
純流入額を計上したことによる。また、2018年度の証券投資収支の純流出額が、2017年度の2.5十億ドルから1.4十
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億ドルへと44.0％減少した。これらは、直接投資収支の純流入額が、2017年度では7.0十億ドルを計上したのに対
し、2018年度では15.4％減の5.9十億ドルを計上したことにより一部相殺された。
2019 年度の金融収支は、2018年度の9.3十億ドルの純流入額から22.2％減少して7.3十億ドルの純流入額を計上し
た。かかる減少は主に、2019年度の直接投資の流入額が、2018年度の5.8十億ドルから25.0％減少して4.4十億ドル
となったこと、及びその他投資が2018年度では4.9十億ドルの流入額であったのに対し、2019年度では774.7百万ド
ルの流出額へと転じたことによる。直接投資収支の減少は主に、2019年度の外国直接投資が、2018年度の9.9十億
ドルから23.2％減少して7.6十億ドルとなったことに起因する。その他投資の流入から流出への反転は主に、2019
年度の貸付収支の流入額が、2018年度の3.1十億ドルから84.0％減少して0.5十億ドルとなったことによるものであ
る。これらは、2019年度の証券投資が2018年度の1.4十億ドルの流出額から3.5十億ドルの流入額へと反転したこと
により一部相殺された。かかる反転は主に、2019年度の 金融資産の純増 が、2018年度の4.7十億ドルから16.1％減
少して4.0十億ドルとなったこと、及び2019年度の 負債の純増 が、2018年度の3.3十億ドルから126.8％増加して7.5
十億ドルとなったことに起因する。
2020 年度の金融収支は、2019年度の8.0十億ドルの純流入額から42.6％減少して4.6十億ドルの純流入額を計上し
た。かかる減少は主に、 金融資産の純増 が7.3十億ドルから68％増の12.3十億ドルとなったことによるものであ
る。かかる結果は、2020年度のその他投資の流出額が、2019年度の0.1十億ドルの純流出額から1.9十億ドルに増加
したことにより一部相殺された。
直接投資
暫定値によると、2020年度の直接投資収支は、2019年度の5.3十億ドルの純流入額から43.3％減少して3.0十億ド
ルの純流入額を計上した。かかる減少は主に、2020年度の外国直接投資が2019年度の8.7十億ドルから24.6％減少
して6.5十億ドルとなったことによるものである。かかる減少は、2020年度の金融資産の純増が、2019年度の3.4十
億ドルから5.2％増加して3.5十億ドルとなったことにより一部相殺された。
証券投資
暫定値によると、2020年度の証券投資収支は、2019年度の2.5十億ドルの純流入額から反転して502百万ドルの純
流出額を計上した。かかる反転は主に、2020年度の金融資産の純増が2019年度の2.4十億ドルから140.9％増加して
5.8十億ドルとなったこと、及び2020年度の負債の純増が2019年度の4.9十億ドルから8.4％増加して5.3十億ドルと
なったことによるものである。
その他投資
暫定値によると、2020年度のその他投資収支は、2019年度の67百万ドルの流入額から2,670.2％増加して1.9十億
ドルの流入額を計上した。かかる増加は主に、2020年度の貸付収支の流入額が2019年度の901百万ドルから485.3％
増加して5.3十億ドルとなったこと、及び2020年度の現預金収支の流出額が2019年度の849百万ドルから増加して
2.9十億ドルとなったことによるものである。
外国直接投資
国内のマクロ経済政策及び構造改革は、フィリピンに対する外国投資の投資フローに大幅な影響を及ぼした。
1991年外国投資法（その後の修正を含む。）（以下「外国投資法」という。）は、フィリピンへの投資環境をさら
に改善した。当該法は、憲法又は適用法上外国資本の投資・所有の規制が適用される、ネガティブリストに記載の
特定の分野を除き、フィリピン企業に対する外国資本の100％参入を認めている。ネガティブリストは、外国資本
の投資・所有が憲法及び特別法により規制又は禁止されている分野の一覧であるリストAと、安全保障、防衛、公
衆衛生及び公序良俗の脅威、並びに中小企業の保護の観点から外国資本の投資・所有が規制されている分野の一覧
であるリストBの2種類のリストから構成されている。
外国投資法第8条に基づき、特別法の変更を反映するためにリストAのネガティブリストを何時でも修正するこ
と、及び2年に1度以下の頻度でリストBのネガティブリストを変更することが認められており、それぞれ大統領告
示により発布される。2018年10月29日、（2018年）行政命令第65号に基づき、第11次通常外国資本ネガティブリス
トが発布された。下表は、第11次通常外国投資ネガティブリスト上、外国資本の投資・所有が規制されている分野
の概要を示したものである。
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リストB：安全保障、防衛、公衆衛生及び公序良俗の脅
リストA：外国資本による投資・所有が憲法及び特別法 威、並びに中小企業の保護の観点から外国資本の投
により規制されている分野 資・所有が規制されている分野
(1)
外国資本が40％以下に制限されている分野
外国資本が40％以下に制限されている分野
・ 適用ある規制上の枠組みに従った、国内で資金供 ・ PNPの許可を要する品目の製造、修理、保管、流通
与される公共事業の建設、修理契約。但し、共和 ・ 国家防衛省の許可を要する品目の製造、修理、保
国法第7718号に基づくインフラ・開発プロジェク 管、流通
ト、及び外国の資金供与・援助を受け、国際競争 ・ 危険薬物の製造、流通
入札を条件とするプロジェクトを除く。 ・ サウナ、スチーム風呂、マッサージクリニック
(2)
・ 天然資源の探査、開発、利用 等、公共の保健及び道徳に影響を及ぼす危険性が
あるため、法により規制されているもの。但し、
・ 私有地の所有
ウェルネス施設を除く。
・ 公益事業の管理、運営。但し、発電及び競合可能
・ すべての賭博行為。但し、フィリピン娯楽賭博公
市場への電力供給並びに公共事業の定義に含まれ
(3) (4)
社と投資契約が結ばれている事業を除く。
ていない類似事業又はサービスを除く。
・ 払込資本金額20万ドル未満の国内市場向け企業
・ 教育機関の所有、設立、運営。但し、宗教団体及
・ 先端技術を有するか、50人以上を直接雇用し、払
び布教団により設立されたもの、外交官及びその
込資本金額10万ドル未満の国内市場向け企業
扶養家族のためのもの、その他の外国人の一次的
な居住者のためのもの、又は1982年教育法第20条
に定義される正式な教育制度の一部を構成しない
(5)
短期高度技術開発のためのものを除く。
・ 米、とうもろこしの栽培、生産、製粉、加工、売
買（小売を除く。）、並びに米、とうもろこし、
(6)
副産物の物々交換、購入その他
・ GOCCへの材料、商品供給契約
・ 深海漁船の運営
・ ラジオ通信網
・ コンドミニアムユニットの所有
外国資本が30％以下に制限されている分野
・ 広告業
外国資本が25％以下に制限されている分野
・ 雇用斡旋（国内・国外のいずれかで雇用されるか
を問わない。）
・ 防衛関連施設の建設契約
注：
(1) 共和国法第10881号により改正後の貸付会社規制法（共和国法第9474号）に基づき、フィリピン証券取引委員会（以下「フィリピンSEC」
という。）の規制下にある貸付業者の場合、外国資本100％以下の参入が認められている。フィリピンSECの規制下にある金融会社及び投
資関連会社の場合、共和国法第10881号により改正後の金融会社法（共和国法第8556号）及び共和国法第10881号により改正後の投資関連
会社法、大統領令第129号に基づき、外国資本100％以下の参入が認められている。
(2) フィリピン大統領が承認する資金・技術援助契約に基づく場合、外国資本100％参入可。
(3) 公益事業会社の統治機関への外国投資家の参入は、その資本持分に比例した割合に規制されている。また、当該会社又は団体の執行役員
及び経営陣は全員、フィリピン国民でなければならない。
(4) 「公益事業」とは、電気、ガス、水道、輸送、電話又は電報サービス等の重大な商品サービスを定期的に一般公衆に供給する事業又は
サービスをいう。発電及び競合可能市場への電力供給は、公益事業には該当しない。
(5) 教育機関の管理責任は、フィリピン国民が負うものとする。
(6) 操業開始から30年以内に、資本の60％以上をフィリピン国民に譲渡する場合、外国資本100％参入可。
下表は、第11次通常外国投資ネガティブリストに基づき外国資本による投資・所有が禁止されている分野の概要
である。
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リストA：外国資本の参入が憲法及び特別法により禁止されている分野
・ レコーディングを除くマスメディア
・ 専門職：放射能・レントゲン技師、犯罪捜査、弁護士及び船舶甲板官並びに船舶エンジン官を含む。相互利
益を伴いかつ法人活動が認められている、フィリピン国内で外国人が従事可能な専門職一覧表に従うものと
(1)
する
(2)
・ 払込資本金額が250万ドル未満の小売業
・ 協同組合
・ 民間の探偵、警備員、警備保障会社の組織、運営
・ 小規模鉱業
・ 群島内・領海内・排他的経済海域内の海洋資源の利用、河川・湖・湾・潟での天然資源の小規模利用
・ 闘鶏場の所有、運営、経営
(3)
・ 核兵器の製造、修理、貯蔵、流通
(3)
・ 生物・化学・放射線兵器及び対人用地雷の製造、修理、貯蔵、流通
・ 爆竹その他花火製品の製造
注：
(1) 専門科目（政府関係委員会内又は司法試験を含む。）以外の教科である場合、外国人が高等教育機関で教職に就くことも可能である。
(2) (a)払込資本が250万ドル以上である（但し、1店舗の設立資金が83万ドル以上とする。）、又は(b)高級品若しくは贅沢品を専門とする
（但し、1店舗当たりの払込資本が25万ドル以上とする。）小売業者については、外国資本100％参入可。
(3) 国内投資も禁止されている。
2000 年3月、小売自由化法が制定された。当該法は、国内産業及び外国競業会社間の効率化及び競争を促進する
こと、並びに消費者に向上したサービス及び低価格を提供することを目的としている。当該法の制定前までは、
フィリピン国内の小売業者の所有は、フィリピン人及びフィリピン人が完全所有する法人に限定されていた。当該
法に基づき、フィリピンに7.5百万ドル以上を出資することを条件に、外国資本100％の小売業の所有が可能であ
る。外国資本による出資金額が2.5百万ドルから7.5百万ドルまでの範囲である場合、外国資本は、最初の2年間で
小売業の60％まで所有することが認められている。
フィリピンの投資委員会は、投資政策及び手続に関して官公庁及び地方政府と調整し、特定の産業に対して特別
な投資優遇措置を付与することによって特定の経済分野を推進する年次投資優先計画（invest priorities plan）
を策定及び管理する。投資委員会が作成した2017年版の投資優先計画は、2017年2月28日、ドゥテルテ大統領によ
り承認された。2017年版投資優先計画には、零細企業や中小企業に対する税制上の優遇措置、革新の推進、並びに
健康及び環境への配慮をさらに増した諸活動が含まれているほか、より多くの人口区分を対象とした雇用を拡大す
ること、及び国内外のバリューチェーンの中にさらに多くの企業を呼び込むことを目指している。2017年版投資優
先計画は、2017年度から2020年度までの3年間にわたって実施される。
2020 年5月、投資委員会は、同委員会が作成した2020年版投資優先計画を、同計画の承認を受けるためにドゥテ
ルテ大統領に提出した。2020年版投資優先計画は、新型コロナウイルス感染症関連の必需品及び個人用保護具の製
造など新型コロナウイルス感染症の感染拡大の緩和に向けた諸活動のほか、CREATE法案の施行への移行を定め、農
村地域の開発に向けた投資優遇措置（所得税免除期間及び資本設備の輸入にかかる税の免除を含む。）を組み込
む。2020年11月18日、ドゥテルテ大統領は、2020年版投資優先計画を承認する覚書第50号に署名した。2021年2月9
日、投資委員会は、2020年版投資優先計画を実施するためのガイドラインを発行した。
下表は、フィリピンにおける外国直接投資をセクター別及び国別にそれぞれ記載したものである。
(1)
セクター別外国直接投資（純額）
(2)
セクター名 2020年度
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
（単位：百万ドル）
株式資本（再投資以外）（純額） 2,592.1 3,397.9 2,345.6 2,295.2 1,475.7
農林水産業 0.3 20.0 0.9 0.4 0.0
鉱業及び採石業 50.4 8.9 5.0 1.4 0.6
製造業 334.3 1,181.8 1,094.9 303.2 745.4
電気、ガス、蒸気、空調供給 (83.1) 1,388.0 199.2 307.3 (38.3)
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上下水道、廃棄物管理・浄化業 0.1 1.3 0.4 5.8 0.1
建設 8.8 162.4 42.7 66.0 96.4
卸売・小売業、自動車・オートバイの修理 208.2 83.1 (18.0) (180.7) 83.5
輸送・貯蔵 7.8 49.5 11.2 104.8 19.3
宿泊・外食サービス業 168.2 (38.4) 6.7 20.6 7.8
情報通信 (2.6) 38.3 15.9 357.1 128.1
金融・保険業 1,126.1 141.5 454.2 949.7 111.3
不動産業 121.9 247.8 294.2 250.4 187.9
専門職、科学技術 17.6 66.0 15.0 8.1 25.2
事務管理サポート業 22.5 (5.6) 22.1 59.5 90.4
行政、防衛、強制社会保障 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
教育 0.5 1.4 0.3 1.5 0.8
保健、ソーシャルワーク 35.2 23.9 2.0 32.2 14.3
芸術、娯楽、レクリエーション 575.0 27.8 198.4 9.1 2.8
その他のサービス業 (0.0) 0.1 0.5 (1.0) 0.1
(3)
未分類
1.0 0.0 0.0 0.0 0.0
収益の再投資 710.2 862.6 896.6 1,132.0 978.0
4,977.3 5,995.9 6,706.4 5,244.2 4,088.6
負債性資本
合計 8,279.6 10,256.4 9,948.6 8,671.4 6,542.3
出典： 経済統計部、バンコ・セントラル
注：
(1) 2009年フィリピン標準産業分類を使用し、かつBPM6の枠組みに従って修正再表示されているデータ。BPM6に基づき、外国直接投資のフ
ロー純額は、非居住者の純株式資本（投資実行額から投資回収額を控除した上で、収益の再投資及び負債性資本（すなわち、企業間借入
純額）を加算して計算される。）をいう。
(2) 暫定値。
(3) クロスボーダー取引調査を出典とするノンバンクへの非居住者の投資及び地方銀行への投資を対象としている。セクター別又は産業別の
内訳統計データは作成されていない。
下表は、フィリピンにおける外国直接投資を国別に記載したものである。
(1)
国別外国直接投資（純額）
(2)
国別 2020年度
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
（単位：百万ドル）
株式資本（再投資以外）（純額） 2,592.1 3,397.9 2,345.6 2,295.2 1,475.7
日本 1,088.4 72.1 85.6 304.7 698.7
(3)
北米
79.1 467.7 177.3 292.8 158.6
英国 (203.4) 9.4 43.2 9.1 42.5
(4)
欧州連合
310.2 1,774.2 312.0 350.7 277.3
(5)
その他の欧州
5.3 14.1 6.8 22.0 3.2
(6)
アジア
22.9 110.0 210.4 283.6 63.6
(7)
アジア新興工業経済地域（ANIES）
918.2 203.8 490.2 288.2 97.4
(8)
ASEAN
269.4 725.5 1,070.2 662.2 98.0
オーストラリア及びニュージーランド 6.3 (2.8) (105.9) (1.9) (3.8)
(9)
中南米
77.9 7.4 37.4 5.6 2.2
その他 6.6 13.4 17.2 77.4 37.2
国際機関 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
(10)
収益の再投資
710.2 862.6 896.6 1,132.0 978.0
(10)
負債性資本 4,977.3 5,995.9 6,706.4 5,244.2 4,088.6
合計 8,279.6 10,256.4 9,948.6 8,671.4 6,542.3
出典： 経済統計部、バンコ・セントラル
注：
(1) 2009年フィリピン標準産業分類を使用し、かつBPM6の枠組みに従って修正再表示されているデータ。BPM6に基づき、外国直接投資のフ
ロー純額は、非居住者の純株式資本（投資実行額から投資回収額を控除の上、収益の再投資及び負債性資本（すなわち、企業間借入純
額）を加算して計算される。）をいう。
(2) 暫定値。
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(3) 米国及びカナダを含む。
(4) 英国は2021年1月1日付で欧州連合を離脱した。年度間の比較を可能にするため、2021年1月1日より前のデータは、英国の欧州連合からの
離脱を反映して修正された。
(5) アルバニア、ベラルーシ、クロアチア、ジブラルタル、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、ルーマニア、ロシア連邦、ス
イス及びウクライナを含む。
(6) 中国、インド、パキスタン、東南アジア、中央アジア及び西アジアを含む（韓国、香港、台湾及びASEAN諸国を除く。）。
(7) 韓国、香港及び台湾を含む。
(8) ブルネイ・ダルサラーム、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、シンガポール、タイ及びベトナムを含む。
(9) アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、パナマ及びその他の中南米諸国を含む。
(10) 負債性資本の国別データは作成されていない。
2016 年度の外国直接投資の純流入額は、2015年度の5.6十億ドルから46.8％増の8.3十億ドルであった。純流入額
の増加は主に、2016年度の負債性資本への純投資が2015年度の3.1十億ドルから61.8％増の5.0十億ドルへと増加し
たこと、並びに2016年度の金融・保険業における純投資が2015年度の522.5百万ドルから1.1十億ドルへと増加した
ことによる。かかる増加は、2016年度の製造業における投資の純流入額が、2015年度の772.7百万ドルから56.7％
減の334.3百万ドルとなったことにより一部相殺された。
2016 年度の外国直接投資の純流入額に対する新規株式投資の寄与分は、2015年度の1.8十億ドルから2.6十億ドル
へと増加した。かかる増加は主に、2016年度の日本からの純流入額が2015年度の394.1百万ドルから1.1十億ドルへ
と大幅に増加したこと、2016年度のANIESからの純流入額が2015年度の226.1百万ドルから918.2百万ドルへと大幅
に増加したことによるものである。なおこれは、2016年度の米国及びカナダからの純流入額が、2015年度の627.9
百万ドルから79.1百万ドルへと減少したことにより一部相殺された。2016年度における共和国の収益の再投資は
4.9％減となり、また2016年度の海外における負債性資本への投資実行は61.8％増加した。
2017 年度の外国直接投資の純流入額は、2016年度の8.3十億ドルから23.9％増加して10.3十億ドルであった。こ
の純流入額の増加は主に、負債性資本、製造業及び電気、ガス、蒸気、空調供給業の投資純額の増加によるもので
ある。2017年度の負債性資本の投資純額は、2016年度の5.0十億ドルから20.5％増の6.0十億ドルへと増加した。
2017年度の製造業の投資純額は、2016年度の334.3百万ドルから大幅に増加して1.2十億ドルとなった。2017年度の
電気、ガス、蒸気、空調供給業の投資純額は、2016年度の83.1百万ドルの純流出額から反転し、1.4十億ドルの純
流入額となった。かかる増加は、2017年度の金融・保険業の純流入額が2016年度の1.1十億ドルから87.4％減の
141.5百万ドルへと減少したことにより一部相殺された。
2017 年度の外国直接投資の純流入額に対する新規株式投資の寄与分は、2016年度の2.6十億ドルから3.4十億ドル
へと増加した。かかる増加は主に、2017年度の欧州連合からの純流入額が2016年度の106.8百万ドルから1.8十億ド
ルへと増加したこと、2017年度のASEAN諸国からの純流入額が2016年度の269.4百万ドルから725.5百万ドルへと増
加したこと、及び2017年度の米国及びカナダからの純流入額が2016年度の79.1百万ドルから467.7百万ドルへと増
加したことによるものである。かかる増加は、日本からの純流入額が2016年度の1.1十億ドルから2017年度の72.1
百万ドルへ減少したこと及びANIESからの純流入額が2016年度の918.2百万ドルから2017年度の203.8百万ドルへと
減少したことにより一部相殺された。2017年度、共和国における収益の再投資が21.5％増加し、また同じく2017年
度において海外における負債性資本への投資実行が20.5％増加した。
2018 年度の外国直接投資の純流入額は9.8十億ドルであり、これは2017年度の10.3十億ドルから4.1％減であっ
た。純流入額の減少は主に、製造業及び電気、ガス、蒸気、空調供給業の投資純額の減少によるものである。2018
年度の電気、ガス、蒸気、空調供給業の投資純流入額は、2017年度の1.4十億ドルから減少して192.8百万ドルと
なった。かかる減少は、負債性資本及び芸術、娯楽、レクリエーションの純流入額が増加したことにより一部相殺
された。2018年度の負債性資本の純流入額は、2017年度の6.0十億ドルから11.8％増の6.7十億ドルとなり、また
2018年度の芸術、娯楽、レクリエーションの純流入額は2017年度の27.8百万ドルから188.4百万ドルへと大幅に増
加した。
2018 年度における外国直接投資の純流入額に対する新規株式投資の寄与分は、2017年度の3.4十億ドルから2.3十
億ドルへと減少した。かかる減少は主に、2018年度の欧州からの純流入額が2017年度の1.8十億ドルから340.3百万
ドルへと減少したこと、並びに2018年度の米国及びカナダからの純流入額が2017年度の467.7百万ドルから153.1百
万ドルへと減少したことによるものである。これらの減少は、2018年度の日本からの純流入額が2017年度の72.1百
万ドルから218.9百万ドルへと増加したこと、及び2018年度のASEANからの純流入額が2017年度の725.5百万ドルか
ら989.7百万ドルへと増加したことにより一部相殺された。2018年度の共和国の収益の再投資は0.4％減少し、2018
年度の海外における負債性資本の投資実行は11.8％増加した。
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2019 年度の外国直接投資の純流入額は、2018年度の9.9十億ドルから12.8％減少して8.7十億ドルであった。純流
入額の減少は主に、2019年度の負債性資本が2018年度の6.7十億ドルから5.2十億ドルへと減少したこと、及び株式
投 資純額（収益の再投資を除く。）が減少したことによるものである。2019年度の製造業の投資純額は、2018年度
の1.1十億ドルの純流入額から減少して303.2百万ドルの純流入額となった。かかる減少は、2019年度の金融・保険
業の純流入額が、2018年度の454.2百万ドルの純流入額から949.7百万ドルの純流入額へと増加したことにより一部
相殺された。
2019 年度の外国直接投資の純流入額に対する新規株式投資の寄与分は、2018年度の2,346百万ドルから2,295百万
ドルへと減少した。かかる減少は主に、2019年度のASEAN諸国、中国及び香港並びにANIES諸国からの純流入額が、
2018年度の1.1十億ドル、470.6百万ドル及び460.2百万ドルから、それぞれ662.2百万ドル、326.16百万ドル及び
288.2百万ドルへと減少したことによるものである。これらは、2019年度の日本からの純流入額が、2018年度の
85.6百万ドルから304.7百万ドルへと増加したことにより一部相殺された。
暫定値によると、2020年度の外国直接投資の純流入額は、2019年度の8.7十億ドルから24.6％減少して6.5十億ド
ルであった。純流入額の減少は主に、2020年度の負債性資本純額が、2019年度の5.2十億ドルから4.1十億ドルへと
減少したこと、及び2020年度の株式投資純額（収益の再投資を除く。）が、2019年度の2.3十億ドルから1.5十億ド
ルへと減少したことによるものである。2020年度の金融・保険業の投資純額が、2019年度の949.7百万ドルの純流
入額から111.3百万ドルの純流出額へと減少した一方で、2020年度の製造業の投資純額は、2019年度の303.2百万ド
ルの純流入額から745.4百万ドルの純流入額へと増加した。
2020 年度の外国直接投資の純流入額に対する新規株式投資の寄与分は、2019年度の2.3十億ドルから1.5十億ドル
へと減少した。外国直接投資の減少は主に、2020年度のシンガポール及び中国からの新規株式投資が、2019年度の
545.1百万ドル及び276.4百万ドルの純流入額から、それぞれ71.1百万ドル及び52.2百万ドルの純流入額へと減少し
たことに起因する。これらは、2020年度の日本からの純流入額が、2019年度の304.7百万ドルの純流入額から698.7
百万ドルの純流入額へと増加したことにより一部相殺された。2020年度の共和国の収益の再投資は、2019年度の
1.1十億ドルから減少して978百万ドルとなった。
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国際通貨準備高
下表は、IMFの国際金融統計において公表された預金取扱機関調査における改訂された国際収支の枠組み及びIMF
の会計取扱いに準拠して編纂された、バンコ・セントラルの総国際通貨準備高を示したものである。
バンコ・セントラルの総国際通貨準備高
12月31日現在
(1)
2021年
部門
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
（単位：月数及び％を除き、百万ドル）
(2)
IMFにおける準備ポジション
442 424 474 590 813.1 794.1
金 7,259 8,337 8,154 8,016 11,605.3 9,113.5
特別引出権（SDR） 1,138 1,211 1,184 1,182 1,232.9 1,232.2
外国投資 68,290 65,815 66,733 75,304 93,644.5 89,994.9
(3)
外国為替
3,563 5,783 2,650 2,748 2,821.6 3,685.7
合計 80,692 81,570 79,193 87,840 110,117.4 104,820.4
商品及びサービスの輸入月数の合計（月)
8.8 7.8 6.9 7.6 10.3 12.0
(4)
合計に対する短期債務の比率（％）
当初満期 556 571 493 511 932 749
残余満期 418 419 369 402 542 527
出典： バンコ・セントラル
注：
(1) 2021年3月31日に終了した3ヶ月間の暫定値。
(2) IMFにおける準備ポジションは、当該国のIMFの一般準備金勘定向け信用をいう。これは政府が所有する資産であるものの、総国際通貨準
備高の一部として取り扱われる。
(3) 定期預金、政府又は国際機関が発行又は保証する有価証券に対する投資、及びレポ取引で構成される。
(4) 残余満期に基づく短期債務は、当初満期に基づく短期対外債務残高に、翌12ヶ月間に期限が到来する公的部門及び民間部門の中長期ロー
ンに係る元本支払額を加算した額をいう。
バンコ・セントラルにより管理される総国際通貨準備高は、実質的にフィリピンのすべての公的な国際通貨準備
高を構成している。バンコ・セントラルは、随時、利回り又は市場リスクを管理するため、金、外国為替及び外国
証券についてオプションを締結する。また、金準備高における利回りを最適化するため、金融スワップ契約も締結
する。
2016 年12月31日現在、総国際通貨準備高は、2015年12月31日現在の80.7十億ドルからわずかに増加して、80.7十
億ドルとなった。2016年度におけるこのわずかな増加は、外国為替が2015年度の613百万ドルから2016年度には3 .0
十億ドル増の3.6十億ドルとなったこと、及び金準備高が2015年度の6.7十億ドルから2016年度には556百万ドル増
の7.3十億ドルとなったことを主因とする。これらの増加は、外国投資が2015年度の71.7十億ドルから2016年度に
は3.4十億ドル減の68.3十億ドルとなったことにより部分的に相殺された。2016年12月31日現在の総国際通貨準備
高の水準は、約8.8ヶ月分の商品輸入並びにサービス及び収益の支払いを行うのに十分な金額であり、当初満期
ベースで共和国の短期債務額の5.6倍、残余満期ベースでは4.2倍に相当する金額であった。2016年度末現在の純国
際通貨準備高は、80.7十億ドルであった。
2017 年12月31日現在、総国際通貨準備高は、2016年12月31日現在の80.7十億ドルから増加して、81.6十億ドルと
なった。2017年度におけるこの増加は、外国為替が2016年度の3.6十億ドルから2017年度の5.8十億ドルに2.2十億
ドル増加したこと、及び金準備高が2016年度の7.3十億ドルから2017年度の8.3十億ドルに1.1十億ドル増加したこ
とを主因とする。これらの増加は、外国投資が2016年度の68.3十億ドルから2017年度の65.8十億ドルに2.5十億ド
ル減少したことにより部分的に相殺された。2017年12月31日現在の総国際通貨準備高の水準は、約7.7ヶ月分の商
品輸入並びにサービス及び収益の支払いを行うのに十分な金額であり、また、当初満期ベースで共和国の短期債務
額の5.7倍、残余満期ベースでは4.3倍に相当する金額であった。 2017 年度末現在の純国際通貨準備高は、81.6十億
ドルであった。
2018 年12月31日現在、総国際通貨準備高は、2017年12月31日現在の81.6十億ドルから減少して、79.2十億ドルと
なった。2018年度の準備高の減少は、主に、 外国為替が、2017年度の5.8十億ドルから2018年度の2.6十億ドルに
3.1十億ドル減少したこと、及び金準備高が、2017年度の8.3十億ドルから2018年度の8.2十億ドルに183百万ドル減
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少したこと によるものでもあった。2018年12月31日現在の総国際通貨準備高の水準は、約6.9ヶ月分の商品の輸入
額並びにサービス及び所得の支払いを行うのに十分な金額であり、また、当初満期ベースで共和国の短期債務額の
4.9 倍、残余満期ベースでは3.7倍に相当する金額であった。 2018 年度末現在の純国際通貨準備高は、79.2十億ドル
であった。
2019 年12月31日現在、総国際通貨準備高は、2018年12月31日現在の79.2十億ドルから10.9 ％ 増加して、87.8十億
ドルとなった。この増加は、主に、外国投資が、2018年12月31日現在の66.7十億ドルから2019年12月31日現在の
75.3十億ドルに12.8％増加したことによるものであった。これは、金準備高が、2018年12月31日現在の8.2十億ド
ルから2019年12月31日現在の8.0十億ドルに1.7％減少したことにより部分的に相殺された。2019 年12月31日現在の
総国際通貨準備高の水準は、約7.6ヶ月分の商品及びサービスの輸入額並びに第一次所得の支払いを行うのに十分
な金額であり、また、当初満期ベースで共和国の短期債務額の5.1倍、残余満期ベースでは4.0倍に相当する金額で
あった。2019年度末 現在の純国際通貨準備高は、87.8十億ドルであった。
2020 年12月31日現在、総国際通貨準備高は、2019年12月31日現在の87.8十億ドルから増加して、110.1十億ドル
となった。この増加は、主に、外国投資が、2019年12月31日現在の75.3十億ドルから2020年12月31日現在の93.6十
億ドルに 18.3 十億ドル 増加したことによるものであった。2020 年12月31日現在の総国際通貨準備高の水準は、約
12.6ヶ月分の商品の輸入額並びにサービス及び所得の支払いを行うのに十分な金額であり、また、当初満期ベース
で共和国の短期債務額の7.8倍、残余満期ベースでは4.8倍に相当する金額であった。2020年12月末 現在の純国際通
貨準備高は、110.1十億ドルであった。
暫定値によると、2021年3月31日現在、総国際通貨準備高は、2020年12月31日現在の110.1十億ドルから減少し
て、104.8十億ドルとなった。この減少は、主に、外国投資が、2020年12月31日現在の93.6十億ドルから2021年3月
31日現在の90.0十億ドルに 3.6 十億ドル減少 したことによるものであった。2021 年3月31日現在の総国際通貨準備高
の水準は、約12.0ヶ月分の商品の輸入額並びにサービス及び所得の支払いを行うのに十分な金額であり、また、当
初満期ベースで共和国の短期債務額の7.5倍、残余満期ベースでは5.3倍に相当する金額であった。2021年3月31日
現在 の純国際通貨準備高は、104.8十億ドルであった。
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（４）【通貨・金融制度】
通貨制度
金融政策
1993 年、政府は、新中央銀行法（New Central Bank Act）に従って共和国の中央銀行であるバンコ・セントラル
を設立した。バンコ・セントラルは、旧フィリピン中央銀行に代わるものである。バンコ・セントラルは、新中央
銀行法に基づき権限を付与されているとおり、通貨、銀行及び与信分野の政策に関して責任を負う独立中央金融機
関として機能している。新中央銀行法は、旧フィリピン中央銀行における多額の赤字の原因となったすべての準財
政行為、商業銀行業務、開発銀行業務又は開発融資にバンコ・セントラルが従事することを禁止している。
バンコ・セントラルの主たる目標は、物価の安定、通貨の安定及びペソの兌換性を維持することである。同行の
物価安定の目標を達成するために、バンコ・セントラルは、主として政策金利の調整、並びに政府証券の売買、再
割引取引及び預金準備率の調整を含む公開市場操作の実施を通じた通貨管理を実行する。
バンコ・セントラルの機能には以下が含まれる。
・ 通貨政策の実行
・ 国家通貨の発行
・ 外貨準備の管理
・ 政府、政府の下部行政組織・部局及びGOCCのための預託機関としての活動
・ フィリピン国内の銀行及び準銀行の規制
政府は、バンコ・セントラルの発行済株式のすべてを保有している。バンコ・セントラル総裁、大統領により任
命された内閣の閣僚1名及び民間部門の常勤代表者5名で構成される7名の委員による通貨理事会が、バンコ・セン
トラルを統治する。大統領は、内閣の代表者を除き、通貨理事会の7名それぞれの委員を6年の任期で任命する。
フィリピンの法律は、バンコ・セントラルに予見可能な純外貨需要を満たすのに十分な国際通貨準備高を維持す
ることを義務付けている。
2019 年2月14日、ドゥテルテ大統領は共和国法第11211号に署名した。同法はとりわけ、増資及びバンコ・セント
ラルの権限の拡大により新中央銀行法を改正するものである。同法の下で、バンコ・セントラルの資本金は50十億
ペソから200十億ペソに増加された。これは、損失の吸収又は投資のいずれかのためにより多くの資金を提供する
措置である。同法は、バンコ・セントラルの監督権限の対象も、より多くの種類の金融機関（マネーサービス事
業、信用供与事業及び決済システム事業を含む。）に拡大した。
また、バンコ・セントラルは、不正な金融取引の収益の没収を要求する権限のほか、追加の行政処分及び刑事処
分を課す権限を与えられている。最後に、バンコ・セントラルは、その金融操作の時期及び規模を決定する際の柔
軟性を高めるために、債務証券を発行する権限を与えられた。
2020 年12月31日現在、未監査の財務情報によれば、バンコ・セントラルは合計7,071.68十億ペソの資産を有して
おり、そのうち国際通貨準備高は5,242.89十億ペソであった。バンコ・セントラルの残りの資産は主に国内証券、
貸付及び前払貸付、銀行店舗並びにその他の固定資産及び資産で構成され、負債は主に流通通貨並びに銀行及び準
銀行からの預金で構成されていた。
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下表は、バンコ・セントラルの2020年12月31日終了会計年度の貸借対照表である。
バンコ・セントラル貸借対照表
表示期末現在
（単位：十億ペソ）
(p)
2020 年
2017 年 2018 年 2019 年
資産合計 4,666.89 4,851.63 5,084.20 7,071.68
年間増減率（％） 2.4 4.0 4.8 39.1
国際通貨準備高 4,056.60 4,140.17 4,434.08 5,249.89
国内有価証券 224.62 223.30 226.14 1,380.93
貸付及び前払貸付 187.42 277.51 200.17 130.89
レポ取引に基づき購入された国債
- - - 0.00
銀行店舗その他の固定資産 23.09 23.79 24.40 23.14
利益ポジションのデリバティブ派生商品 0.10 0.05 0.02 .
その他の資産 175.08 186.81 199.39 286.84
合計負債 4,586.20 4,735.14 4,938.64 6,900.79
年間増減率（％） 1.9 3.2 4.3 39.7
通貨発行 1,267.27 1,490.23 1,679.05 2,038.85
預金 2,531.38 2,304.09 2,411.19 3,732.17
(1)
その他の預金取扱機関 の準備預金
1,867.23 1,843.83 1,550.53 1,331.03
(2)
その他の金融会社 の準備預金
2.01 1.28 0.38 0.36
保証付き決算勘定 - 2.68 8.09 31.54
(3)
翌日物預金ファシリティ
85.47 58.64 266.15 1,119.27
(3)
定期預金ファシリティ
100.96 69.20 283.22 320.10
(4)
共和国財務省財務局長
326.82 170.16 159.90 798.60
外国金融機関 115.05 122.83 107.72 96.98
その他の外貨建預金 1.01 1.05 1.12 4.56
(5)
その他の預金
32.83 34.40 34.07 29.74
外国借入金 0.03 0.03 0.00 0.00
債券（純額） 24.99 26.29 25.41 24.01
特別引出権割当額 59.86 61.37 58.94 57.97
デリバティブ負債 0.10 0.00 0.00 0.00
(6)
外貨建勘定の再評価
381.54 534.98 425.94 478.42
(3)
リバースレポ・ファシリティ
305.06 300.99 305.13 305.03
支払手形（純額）－国内 - - - 219.87
その他の負債 15.98 17.17 32.98 44.47
純資産 80.69 116.49 145.56 170.89
資本金 50.00 50.00 50.00 50.00
剰余金／準備金 30.69 66.49 95.56 120.89
注：四捨五入のため、内訳の合計は必ずしも合計額に一致しない。
(1) その他の預金取扱機関とは、ユニバーサル・バンク及び商業銀行、専門政府銀行、貯蓄銀行、地方銀行並びに準銀行機能を有するノンバ
ンク等、バンコ・セントラル以外の預金勘定を計上する機関である。
(2) その他の金融会社とは、銀行の信託部門である。
(3) 2016年6月3日以降、リバースレポ取引及び特別預金勘定はそれぞれリバースレポ・ファシリティ及び翌日物預金ファシリティに引き継が
れ、金利コリドーシステムの実施に合わせて定期預金ファシリティが導入された。未払利息を含む。
(4) 外貨建預金を含む。
(5) 大半がGOCC預金。
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(6) 以前は、国際通貨準備高と称されていた。
(p) バンコ・セントラル財務書類（未監査）に基づく。
. 四捨五入して0。
- 該当なし。
出典：バンコ・セントラル
通貨供給量
下表は、フィリピンの通貨供給量に関する一定の情報を示したものである。2013年7月、バンコ・セントラル
は、統計編纂における国際的な最良の慣行への準拠の一環として、SRFフォーマットと称する金融統計の編纂及び
報告の新たなシステムを採用した。SRFシステムの採用による総合国際収支の変動は生じていない。しかしなが
ら、バンコ・セントラルは、SRFの採用に関連して、無担保劣後債務及び未払利息の算入に関するIMFからの一定の
勧告を適用しているため、過去に報告した額について軽微な変動が生じている。
通貨供給量（SRFベース）
12月31日現在
(1)
2021年
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
（単位：％を除き、十億ペソ）
(2)
M1
流通通貨 921.0 1,047.6 1,231.8 1,395.8 1,732.9 1,617.5
当座預金 2,148.5 2,503.3 2,657.2 3,104.5 3,723.7 3,759.5
合計 3,069.5 3,550.8 3,889.0 4,500.3 5,456.5 5,377.0
(3)
増加（％）
15.1% 15.7% 9.5% 15.7% 21.2% (1.5%)
(4)
M2
9,140.4 10,202.3 11,080.2 12,293.2 13,554.3 13,316.2
(3)
増加（％）
13.3% 11.6% 8.6% 10.9% 10.3% (1.7%)
(5)
M3
9,506.0 10,636.1 11,643.0 12,976.3 14,211.5 13,963.4
(3)
増加（％）
12.8% 11.9% 9.5% 11.5% 12.3% (1.7%)
出典： 経済統計部、バンコ・セントラル
注：
(1) 2021年2月28日現在の暫定値。
(2) 流通通貨及び要求払預金で構成される。
(3) 前期比。
(4) M1、貯蓄性預金及び定期預金で構成される。
(5) M2及び預金代替物で構成される。
2016 年12月31日現在、共和国の通貨供給量（M3）は、2015年12月31日現在の8.4兆ペソから12.8％増加して、9.5
兆ペソとなった。この通貨供給量の拡大は、主に国内信用が2015年12月31日現在の水準から17.0％増加したことに
よる。この増加は、同期間中、その他部門向け信用、特に民間部門向け信用（2015年12月31日現在の水準から
16.6％増）における15.1％の増加を主因とするものであった。2016年12月31日現在の政府向け信用（純額）も、
2015年12月31日現在の水準から27.1％増加した。同期間中、バンコ・セントラルの純外国資産ポジションは4.9％
増加し、他の預金取扱機関の純外国資産ポジションも53.6％増加した。
2017 年12月31日現在、共和国の通貨供給量（M3）は、2016年12月31日現在の9.5兆ペソから11.9％増加して、
10.6兆ペソとなった。この通貨供給量の拡大は、主に国内信用が2016年12月31日現在の水準から13.9％増加したこ
とによる。この増加は、同期間中、その他部門向け信用、特に民間部門向け信用（2016年12月31日現在の水準から
16.4％増）における16.4％の増加を主因とするものであった。2017年12月31日現在の政府向け信用（純額）も、
2016年12月31日現在の水準から2.0％増加した。同期間中、バンコ・セントラルの純外国資産ポジションは1.4％増
加し、他の預金取扱機関の純外国資産ポジションも10.3％増加した。
2018 年12月31日現在、共和国の通貨供給量（M3）は、2017年12月31日現在の10.6兆ペソから9.5％増加して、
11.6兆ペソとなった。この通貨供給量の拡大は、主に国内信用が2017年12月31日現在の水準から14.9％増加したこ
とによる。この増加は、同期間中、その他部門向け信用、特に民間部門向け信用（2017年12月31日現在の水準から
15.1％増）における14.5％の増加を主因とするものであった。2018年12月31日現在の政府向け信用（純額）も、
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2017年12月31日現在の水準から16.9％増加した。同期間中、バンコ・セントラルの純外国資産ポジションは1.3％
増加し、他の預金取扱機関の純外国資産ポジションは6.9％減少した。
2019 年12月31日現在、共和国の通貨供給量（M3）は、2018年12月31日現在の11.6兆ペソから11.3％増加して、
13.0兆ペソとなった。この通貨供給量の拡大は、主に国内信用が2018年12月31日現在の水準から10.6％増加したこ
とによる。国内信用の増加は、同期間中、とりわけ2018年12月31日現在の水準から7.7％増えた民間部門向け信用
を含む、その他部門向け信用における8.1％の増加を主因とするものであった。2019年12月31日現在の中央政府向
け信用（純額）も、2018年12月31日現在の水準から23.8％増加した。2018年12月31日から2019年12月31日までの期
間中、バンコ・セントラルの純外国資産ポジションは4.7兆ペソから8.9％増加して、4.9兆ペソとなり、他の預金
取扱機関の純外国資産ポジションは0.4兆ペソから23.3％増加して、0.5兆ペソとなった。
2020 年12月31日現在、共和国の通貨供給量（M3）は、2019年12月31日現在の13.0兆ペソから9.5％増加して、
14.2兆ペソとなった。この通貨供給量の拡大は、主に国内信用が2019年12月31日現在の水準から4.5％増加したこ
とによる。この増加は、同期間中、2019年12月31日現在の水準から31.1％増えた中央政府向け信用における増加を
主因とするものであった。2020年12月31日現在のバンコ・セントラルの純外国資産ポジションは20.5％増加して、
5.3兆ペソとなり、2020年12月31日現在の他の預金取扱機関の純外国資産ポジションも72.9％増加して、0.8兆ペソ
となった。
暫定値によると、2021年2月28日現在、共和国の通貨供給量（M3）は、2020年12月31日現在の14.2兆ペソから
1.7％減少して、14.0兆ペソとなった。この通貨供給量の縮小は、主に国内信用が2020年12月31日現在の水準から
1.2％減少したことによる。この減少は、同期間中、2020年12月31日現在の水準から2.1％減った中央政府以外の部
門向け信用における減少を主因とするものであった。2021年2月28日現在のバンコ・セントラルの純外国資産ポジ
ションは0.3％減少して、5.3兆ペソとなり、2021年2月28日現在の他の預金取扱機関の純外国資産ポジションは
6.8％増加して、0.8兆ペソとなった。
2021 年3月31日に終了した3ヶ月間において、平均91日物財務省証券利回りは、1.0％であった。
下表は、国内金利及び預金金利に関する情報を示したものである。
国内金利及び預金金利
(1)
2021年度
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
（期間当たりの加重平均）
(1)
1.0%
91日物財務省証券利回り 1.5% 2.1% 3.5% 4.7% 2.0%
銀行平均貸出金利 5.6% 5.6% 6.1% 7.1% 該当なし 該当なし
出典： バンコ・セントラル
注：
(1) 2021年3月31日に終了した3ヶ月間の暫定値。
金融規制
バンコ・セントラルは、2002年1月、金利政策の枠組みとしてインフレ目標を正式に採用した。この金融政策へ
の移行は、バンコ・セントラルの本来の目的である、物価の安定確保を追求するにあたって、より焦点を絞った積
極的なアプローチをバンコ・セントラルに提供することを目的としている。このアプローチには、バンコ・セント
ラルが一定の期間内の達成を図る明確なインフレ目標の発表が含まれている。目標インフレ率は、省庁をまたぐ機
関を通じて、バンコ・セントラル及び政府により共同で設定及び発表される。目標を達成する責任は主としてバン
コ・セントラルにあるが、この共同発表は、物価安定及びインフレ目標の達成への政府の積極的な参加を反映して
いる。また、バンコ・セントラルは、バンコ・セントラルが希望するインフレ目標を達成することを可能にする適
切な金融政策姿勢について、審議、協議及び通貨理事会に対する勧告を行う諮問委員会を設けた。
2016 年6月3日、バンコ・セントラルは、その金融操作において金利コリドーシステムを採用した。金利コリドー
システム採用の主たる目的は、金融政策の伝達を向上させることである。短期市場金利が通貨理事会の政策金利と
合理的に近い範囲内で推移するよう支援することで、金利コリドーシステムは、バンコ・セントラルの金融政策ス
タンスと金融市場との関連強化を支援し、これにより実体経済に影響を及ぼすことが期待されている。金利コリ
ドーシステムは、常設流動性ファシリティ（つまり、翌日物貸出ファシリティ及び翌日物預金ファシリティ）、翌
日物リバースレポ・ファシリティ、並びに入札方式による定期預金ファシリティで構成される。常設流動性ファシ
リティの金利はコリドーの上限と下限を形成するが、翌日物リバースレポの金利はコリドーの中間に設定する。翌
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日物貸出及びリバースレポ・ファシリティに適用される金利は、バンコ・セントラルの金融政策スタンスを示す一
方、定期預金ファシリティは、流動性吸収のための主要ツールの役割を果たす。
金利コリドーシステムの導入に伴い、通貨理事会は2016年6月3日に、翌日物貸出ファシリティ金利を新たに
3.5％（従前の翌日物貸出ファシリティ金利である6.0％からコリドーの上限金利に引き下げ）とし、リバースレポ
金利を3.0％（従前の4.0％から引き下げ）に修正し、翌日物預金ファシリティ金利を新たに2.5％（従前のSDA金利
と同率）とした。その際、通貨理事会は、金利コリドーシステムへの移行は、バンコ・セントラルの金融政策スタ
ンスの変更を意味するものではないと指摘した。金利コリドー改革は、主として実務的な性質を有するものであ
り、その実施によって現行の金融政策のあり方に重大な影響を及ぼしていない。特に、金融操作のための加重金利
は、金利コリドーシステム実施前とほぼ変わらない水準となる。さらに、コリドーの下限金利（バンコ・セントラ
ルによる市場の流動性吸収の大半が現在この下限金利で行われている。）は、金利コリドーシステムの立上げにお
いても据え置かれることになる。同時に、短期流動性の状況については、新たな金利コリドーシステムに基づく金
融操作により引き続き資金が吸収されたことから、ほぼ変わらなかった。
2017 年、バンコ・セントラルは、7回の金融政策会議を開催したが、その各会議において、翌日物リバースレ
ポ・ファシリティの主要な政策金利は3.0％に維持された。他の金融政策の手段に関する金利も据え置かれた。同
様に、預金準備率に変更はなかった。
2018 年5月、通貨理事会は、インフレ圧力の可能性及びインフレ予想の高まりがあるとして、リバースレポ金利
を3.25％、翌日物貸出ファシリティ金利を6.25％に引き上げることを決定した。2018年6月、通貨理事会は、イン
フレ予想の高まりがあるとして、リバースレポ金利を3.50％、翌日物貸出ファシリティ金利を6.50％に引き上げる
ことを決定した。2018年8月、通貨理事会は、インフレ率上昇を指摘した上で、リバースレポ金利を4.0％、翌日物
貸出ファシリティ金利を7.0％に引き上げることを決定した。2018年9月、通貨理事会は、継続的に拡大する物価上
昇圧力の兆候があるとして、リバースレポ金利を4.5％、翌日物貸出ファシリティ金利を7.5％に引き上げることを
決定した。2018年11月、通貨理事会は、インフレ予想が高止まりし、賃金上昇圧力が物価動向を牽引し続けている
として、リバースレポ金利を4.75％、翌日物貸出ファシリティ金利を7.75％に引き上げることを決定した。2018年
度の貸出金利の平均レンジは、2017年度の貸出金利の平均レンジが4.1％～6.5％であったのに対し、4.6％～7.1％
であった。
2019 年3月、通貨理事会は、インフレ環境の管理が容易になったとして、リバースレポ金利を4.75％、翌日物貸
出ファシリティ金利を7.75％に維持することを決定した。2019年5月、通貨理事会は、供給条件が改善される中、
食品価格が下落したことによる価格圧力の緩和に伴って、インフレの見通しが引き続き管理しやすいものであると
の評価に基づき、リバースレポ金利を4.5％、翌日物貸出ファシリティ金利を7.5％に引き下げることを決定した。
2019年8月、通貨理事会は、世帯当たりの消費支出が回復する見通し及び政府によるインフラ支出計画実施の加速
を背景に、国内の成長が引き続き堅調な見通しとなる中、インフレの勢いが緩和したとして、リバースレポ金利を
4.25％、翌日物貸出ファシリティ金利を4.75％に引き下げた。2019年9月、通貨理事会は、インフレの勢いが減速
し続け、インフレ期待が十分に裏付けられているとして、リバースレポ金利及び翌日物貸出ファシリティ金利をさ
らにそれぞれ4.0％及び4.5％に引き下げた。インフレの勢いが減速し続けた結果、2019年度末までこれらのリバー
スレポ金利及び翌日物貸出ファシリティ金利は維持された。過去5年間における平均貸出金利の平均レンジは、
2015年度は4.5％～6.9％、2016年度は4.3％～6.7％、2017年度は4.1％～6.5％、2018年度は4.6％～7.1％、2019年
度は5.5％～8.0％であった。
2020 年2月7日、通貨理事会は、バンコ・セントラルの翌日物リバースレポ・ファシリティを3.75％まで25ベーシ
ス・ポイント引き下げた。翌日物貸出ファシリティ及び預金ファシリティの金利はそれぞれ、4.25％及び3.25％ま
で引き下げられた。2020年3月20日、通貨理事会は、さらに、バンコ・セントラルの翌日物リバースレポ・ファシ
リティの金利を3.25％まで50ベーシス・ポイント引き下げた。翌日物貸出ファシリティ及び預金ファシリティの金
利はそれぞれ、3.75％及び2.75％まで引き下げられた。2020年4月17日、通貨理事会は、フィリピン経済に対する
新型コロナウイルス感染症の流行の影響を評価し、バンコ・セントラルの翌日物リバースレポ・ファシリティ金利
を2.75％まで50ベーシス・ポイント引き下げることを決定した。翌日物貸出ファシリティ及び預金ファシリティの
金利はそれぞれ、3.25％及び2.25％まで引き下げられた。2020年6月26日、通貨理事会は、バンコ・セントラルの
翌日物リバースレポ・ファシリティ金利を2.25％まで50ベーシス・ポイント引き下げることを決定した。翌日物預
金ファシリティ及び翌日物貸出ファシリティの金利はそれぞれ、1.75％及び2.75％まで引き下げられた。2020年8
月20日、通貨理事会は、バンコ・セントラルの翌日物リバースレポ・ファシリティ金利を2.25％に、翌日物預金
ファシリティ及び翌日物貸出ファシリティの金利をそれぞれ、1.75％及び2.75％に維持することを決定した。2020
年10月1日、通貨理事会は、バンコ・セントラルの翌日物リバースレポ・ファシリティ金利を2.25％に維持するこ
とを決定した。同様に、翌日物預金ファシリティ及び貸出ファシリティの金利はそれぞれ、1.75％及び2.75％に維
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持された。2020年11月19日、通貨理事会は、バンコ・セントラルの翌日物リバースレポ・ファシリティ金利を
2.0％まで25ベーシス・ポイント引き下げることを決定した。同様に、翌日物預金ファシリティ及び貸出ファシリ
ティ の金利はそれぞれ、1.5％及び2.5％まで引き下げられた。2020年12月17日、通貨理事会は、バンコ・セントラ
ルの翌日物リバースレポ・ファシリティ金利を2.0％に維持することを決定した。同様に、翌日物預金ファシリ
ティ及び貸出ファシリティの金利はそれぞれ、1.5％及び2.5％に維持された。
2021 年2月11日、通貨理事会は、バンコ・セントラルの翌日物リバースレポ・ファシリティ金利を2.0％に維持す
ることを決定した。同様に、翌日物預金ファシリティ及び貸出ファシリティの金利はそれぞれ、1.5％及び2.5％に
維持された。2021年3月24日、通貨理事会は、バンコ・セントラルの翌日物リバースレポ・ファシリティ金利を
2.0％に維持することを決定した。同様に、翌日物預金ファシリティ及び貸出ファシリティの金利はそれぞれ、
1.5％及び2.5％に維持された。
外国為替制度
共和国は、ペソに対する為替レートの決定を市場要因に委ねる変動為替相場制を維持しているが、バンコ・セン
トラルは、秩序ある市場環境を維持するため及び為替レートの急激な変動を抑えるために、市場介入を行うことが
できる。
下表は、ペソ・米ドル間の為替レートに関する情報を示したものである。
1ドル当たりの
ペソの為替レート
(1)
期中平均
年度
期末
2016年度 49.813 47.493
2017年度 49.923 50.403
2018年度 52.724 52.661
2019年度 50.744 51.796
2020年度 48.036 49.624
(2)
2021年度
48.466 48.280
出典：財務省、 バンコ・セントラル 参照為替レート公報
注：
(1) 該当する期間の各月の月間平均為替レートの平均。
(2) 2021年3月31日現在の暫定値。
外貨は、銀行システム外で自由に売却、購入及び外貨口座に預金することができる。居住者及び非居住者はいず
れも、フィリピン国内の公認銀行に外貨預金口座を保持することができ、居住者は、制限なく海外で預金を保持す
ることができる。但し、かかる海外の口座に預金するために、国内の銀行システムから外貨を購入することはでき
ない。
バンコ・セントラルに登録された外国貸付及びバンコ・セントラルによって承認された又はバンコ・セントラル
に登録された外国投資に関連した支払いは、フィリピン国内の公認外国為替銀行から購入した外貨で行うことがで
きる。バンコ・セントラルは、各投資家につき年間60百万ドルを超える居住者による外国投資のうちフィリピンの
銀行システムを通じて資金調達されたものについては必ず、その承認及び登録を行わなければならない。バンコ・
セントラルの貸付承認制度については、下記「フィリピンの金融システム－外貨建貸付」の記載を参照されたい。
政府は対外支払について何ら通貨規制を課していないが、輸出、サービス及び投資による為替収入はすべて、22
の指定通貨のいずれかにより取得されなければならない。公認外国為替銀行は、受入可能な通貨をペソに転換する
ことができる。
個人非居住者又は法人非居住者は、バンコ・セントラルの承認を得ることなくペソ建ての銀行口座を開設するこ
とができる。50,000ペソを超えるペソ金額をフィリピン国内から輸出又は電子振替する場合には、バンコ・セント
ラルの事前の承認を得なければならない。
1997 年7月11日にバンコ・セントラルがペソを変動相場にすることを認めて以降、バンコ・セントラルによる外
国為替市場への介入は最低限のものである。しかしながら、バンコ・セントラルは、為替投機の減少とマネーロン
ダリングへの対処を目的とした外国為替取引に関する措置を採用し、外国為替市場を支援するための規制を発令し
ている。
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2016 年度の平均為替レートは、2015年度の1米ドル当たり45.503ペソに対して、1米ドル当たり47.493ペソであっ
た。2016年度に対米ドルでペソ安となったのは、2016年12月に米国連邦準備制度理事会が金利を引き上げたこと及
びさらなる引上げに対する市場の期待、並びに国際的な政治力学の変化（英国のEU離脱、イタリアの国民投票及び
米 国の大統領選挙を含む。）に関連した投資家心理が主因であった。
2017 年度の平均為替レートは、2016年度の1米ドル当たり47.493ペソに対して、1米ドル当たり50.404ペソであっ
た。2017年度に対米ドルでペソ安となったのは、拡大する貿易赤字に対する市場の懸念及び年度中の米国連邦準備
制度理事会によるさらなる金利引上げに対する期待感の高まりが主因であった。また、政府は、同期間中に一部の
対外債務の返済及び期限前返済を行ったが、このこともペソ安に貢献した。
2018 年度の平均為替レートは、2017年度の1米ドル当たり50.404ペソに対して、1米ドル当たり52.661ペソであっ
た。2018年度に対米ドルでペソ安となったのは、同期間中の米国連邦準備制度理事会によるさらなる金利引上げに
対する市場の期待及び国内で拡大する貿易赤字に対する懸念並びに米国とその主要な貿易相手国（中国を含む。）
との間の貿易をめぐる緊張の高まりが主因であった。
2019 年度の平均為替レートは、2018年度の1米ドル当たり52.661ペソに対して、1米ドル当たり51.796ペソであっ
た。2019年度に対米ドルでペソ高となったのは、インフレの緩和、送金の堅調な流入、米国連邦準備制度理事会の
ハト派的なスタンス及び米国と中国との間の貿易交渉に対する市場心理の改善、並びに、2019年度後半の、米国連
邦準備制度理事会による金利の引下げへの市場の期待が主因であった。
2020 年度の平均為替レートは、2019年度の1米ドル当たり51.796ペソに対して、1米ドル当たり49.624ペソであっ
た。2020年度に対米ドルでペソ高となったのは、共和国の輸入額がその輸出額に比べ大幅に減少し、支払ポジショ
ンの残高が改善したことが要因の一部であった。共和国の外貨準備を増加させた有利な条件での外国貸付及び外国
債への共和国のアクセスも、ペソに対する信頼の維持に役立った。
2021 年5月31日に終了した5ヶ月間の平均為替レートは、2020年5月31日に終了した5ヶ月間の1米ドル当たり
50.756ペソに対して、1米ドル当たり48.251ペソであった。市場における楽観論の中、新型コロナウイルス感染症
ワクチンの入荷の増加及び米国のベンチマークの利回り低下が米国債の需要低下をもたらしたことにより、対米ド
ルでペソ高となった。
フィリピンの金融システム
組織
下表は、フィリピンの金融システムの総資産を金融機関のカテゴリー別に示したものである。
(1)
金融システムの総資産
12月31日現在
(2) (3) (4)
2017年 2020年 2021年
2016年 2018年 2019年
（単位：十億ペソ）
銀行
ユニバーサル・バンク／商業銀行 12,561 14,054 15,692 17,216 18,527 18,456
貯蓄銀行 1,122 1,214 1,293 1,204 1,192 1,181
232 257 274 291 308 該当なし
地方銀行
銀行合計 13,914 15,524 17,259 18,712 24,028 19,937
(5) (6)
ノンバンク金融機関 4,053
3,329 3,738 3,842 4,228 該当なし
資産合計 17,243 19,262 21,100 22,940 24,081 24,009
出典： バンコ・セントラル
注：
(1) バンコ・セントラルの資産を除く。ここでの表示金額には、予想損失引当金が含まれる。
(2) その他金融会社（OFC）のデータを含めるため、2017年3月末からデータは修正されている。
(3) 暫定値。
(4) 別段の指定のない限り、2021年2月28日現在の暫定値。
(5) 投資会社、金融会社、証券ディーラー／ブローカー、質店、貸付投資家、貯蓄貸付組合、（BSPの監督下にある）クレジットカード会
社、並びに国営及び民営保険会社（SSS及びGSIS等）を含む。
(6) 2020年9月30日現在の暫定値。
フィリピンの金融システムは、銀行及びノンバンク金融機関で構成されている。銀行には、主として預金及び預
金代替物の受入れを通じて公衆から獲得した資金を貸付けるすべての金融機関が含まれている。ノンバンクには、
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資金の貸付、投資若しくは募集を行う、又は自己若しくは他人の計算のいずれかで、負債性証書若しくは株式の預
託を受ける若しくはこれらを取得する銀行以外の金融機関が含まれる。ノンバンク金融機関は準銀行機能を有する
場 合がある。準銀行機能には、債務その他証書の発行、裏書若しくは引受による、又は一度に20名以上の貸手との
レポ取引の締結による債権の転貸若しくは購入その他の債務のための資金の借入が含まれる。
暫定値によれば、2020年12月31日現在、フィリピンの金融システムの総資産は、2019年12月31日現在の22,940十
億ペソから5.0％増加して、24,081十億ペソであった。この増加は、主に、ユニバーサル・バンク及び商業銀行の
総資産が、2019年12月31日現在の17,216十億ペソから7.6％増加して2020年12月31日現在の18,527十億ペソとなっ
たこと、及び地方銀行の資産が、2019年12月31日現在の291十億ペソから5.8％増加して2020年12月31日現在の308
十億ペソとなったことを原因とするものであったが、これは、ノンバンクの資産が、2019年12月31日現在の4,228
十億ペソから2020年9月30日現在の4,053十億ペソに4.1％減少したことによって部分的に相殺された。貯蓄銀行の
資産は、2019年12月31日現在の1,204十億ペソから減少して、2020年12月31日現在は1,192十億ペソであった。
バンコ・セントラルは、その監督調査部門を介して、すべての銀行及び準銀行機能を有するノンバンク又は投資
運用行為等の受託権限を有する者を監督する。これには、銀行及び関連する業務に従事する準銀行並びに特別法に
よりバンコ・セントラルの実質的な監督下に置かれているノンバンク金融機関（質店及び貯蓄貸付組合等）の子会
社及び関連会社が含まれる。通貨理事会は、主たる政策決定機関として機能し、最終的な監督権限を有する。
金融システムの構造
フィリピンの金融システムは、ユニバーサル・バンク、商業銀行、貯蓄銀行、地方銀行、共同組合銀行、イスラ
ム銀行及びノンバンク金融機関で構成されている。各種銀行は、区別された事業活動及び地理的市場に参加してい
る。
商業銀行は、以下を行うことができる。
・ 手形の引受け及び信用状の発行
・ 約束手形、手形、為替手形その他債務証書の割引及び譲渡
・ 要求払預金の引受け又は設定
・ その他の種類の預金及び預金代替物の受入れ
・ 外貨及び金地金又は銀地金の売買
・ 市場性債券その他負債証券の取得
・ 有担保又は無担保の金銭貸付
別名ユニバーサル・バンクとして知られている拡大商業銀行は、通常の商業銀行の業務に加え、投資銀行業務に
従事し、非系列企業に投資し、貯蓄銀行、地方銀行、系列金融企業又は系列非金融企業の株式を100％まで所有す
ることもできる。株式を公開しているユニバーサル・バンクの場合、他のユニバーサル・バンク又は商業銀行の1
行に限り、議決権株式を100％まで所有することもできる。
2020 年12月31日現在、ユニバーサル・バンク及び商業銀行の貸付残高合計は、9,442.2十億ペソとなったが、こ
れは、2019年12月31日現在の9,508.8十億ペソの0.7％の減少に相当した。貸付残高合計の減少は、主に非居住者へ
の貸し付けが2019年の328,010ペソから2020年の261,387ペソへ減少したことよるものである。
下表は、部門別に区分されたユニバーサル・バンク及び商業銀行の貸付残高を示したものである。
(1)
ユニバーサル・バンク及び商業銀行の部門別貸付残高
12月31日現在
(2)
2021年
2018年 2019年 2020年
（単位：％を除き、百万ペソ）
合計 8,584,051 100.0% 9,508,752 100.0% 9,442,155 100.0% 7,827,678 100.0%
農業、林業及び漁業 192,216 2.2% 221,873 2.3% 211,383 2.2% 199,508 5.5%
鉱業及び採石業 53,926 0.6% 47,974 0.5% 43,454 0.5% 42,737 0.6%
製造業 1,068,469 12.4% 1,048,724 11.5% 993,213 10.8% 974,304 12.6%
電気、ガス、蒸気及び空
929,456 10.8% 1,006,431 10.7% 1,043,966 10.5% 1,047,301 13.4%
調供給業
水供給、下水処理、廃棄
82,473 1.0% 106,010 1.0% 103,685 1.1% 105,006 1.3%
物管理及び浄化活動
建設業 298,704 3.5% 368,663 3.8% 375,630 4.0% 342,947 4.4%
卸売・小売業、自動車・
1,159,976 13.5% 1,193,922 12.6% 1,112,621 11.8% 1,054,767 13.5%
オートバイ修理業
宿泊及び飲食業 152,521 1.8% 153,708 1.6% 162,357 1.7% 158,399 2.0%
運輸及び保管業 271,363 3.2% 287,949 3.0% 302,212 3.2% 302,428 3.9%
情報通信業 316,403 3.7% 357,270 3.7% 376,132 3.9% 370,929 4.7%
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金融及び保険業 787,383 9.2% 923,805 9.5% 881,006 9.3% 812,196 10.4%
不動産業 1,402,372 16.3% 1,677,815 17.8% 1,768,134 18.7% 1,768,577 22.6%
専門、科学及び技術サー
71,392 0.8% 68,139 0.5% 54,574 0.6% 50,672 0.7%
ビス業
管理・支援サービス業 36,222 0.4% 41,558 0.4% 37,621 0.4% 32,989 0.4%
公務及び国防、強制社会
136,068 1.6% 142,380 1.5% 144,647 1.5% 142,700 1.8%
保障事業
教育 39,747 0.5% 42,850 0.5% 39,927 0.4% 38,388 0.5%
保険衛生及び社会事業 55,609 0.6% 59,890 0.6% 89,340 1.0% 87,847 1.1%
芸術、娯楽及びレクリ
132,183 1.5% 146,781 1.6% 150,136 1.6% 149,250 1.9%
エーション業
その他コミュニティ活
動、社会活動及び個人 127,994 1.5% 100,196 0.8% 65,011 0.7% 77,909 10.0%
活動
雇主としての世帯活動、
分別不能な財及びサー 85,646 1.0% 79,794 0.9% 86,262 0.9% 68,825 0.9%
ビス
(3)
その他
1,183,928 13.9% 1,433,021 15.2% 1,400,847 14.8% 1,379,125 17.6%
出典： バンコ・セントラル
注：
(1) 償却額控除後。
(2) 2021年2月28日に終了した2ヶ月間の暫定値。
(3) 世帯消費を目的とした個人に対する貸付、バンコ・セントラルのリバースレポ取引に基づく貸付及び非居住者に対する貸付を含む。
2020 年12月31日現在、地方銀行は441行、貯蓄銀行（マイクロファイナンスを中心業務とする銀行を含む。）は
48行、マイクロファイナンスを中心業務とする地方銀行は7行、マイクロファイナンスに従事している銀行は162行
であった。
地方銀行は、農業従事者、漁業従事者、協同組合、商人及び地方共同体の人々全般の通常の信用ニーズを満たす
ために、合理的な条件で地方において信用を供与している。
貯蓄銀行は、自己の資本及び預金者の貯蓄を以下に投資する。
・ 住宅建設及び住宅開発のための融資
・ 容易に売買可能な債務証券
・ コマーシャルペーパー及び商業取引から生じた売掛金、手形、為替手形、引受手形又は約束手形
・ 市場において農業、サービス、工業、住宅並びにその他の金融及び類似のサービスに従事している中小企
業及び個人に対する短期運転資本及び中長期貸付
マイクロファイナンスを中心業務とする銀行は、常に総貸付ポートフォリオの少なくとも50％をマイクロファイ
ナンス貸付とすることが義務付けられている。マイクロファイナンス貸付は、150,000ペソを上限とする元本額の
貸付である。貸付上限額は、成長中の零細企業に対する貸付、すなわち「マイクロファイナンス・プラス」及び住
宅向けのマイクロファイナンス貸付の場合、さらに300,000ペソに引き上げられる場合がある。
専門政府銀行とは、フィリピン・アルアマナ・イスラム投資銀行、DBP及びLBPである。アルアマナ・イスラム投
資銀行は、イスラムの銀行業務の原則及び決定に基づいて銀行、融資及び投資サービスを提供することで、ARMMの
発展を促す。LBPは、農地改革法（Agricultural Land Reform Code）の可決を受け、農業用地の分割取得・販売及
び小規模土地所有者への転売のための資金を融資するために、1963年に設立された。現在、同行は、辺境地開発及
び貧困緩和のために融資を行うことに注力しつつ、政府から予算支援を受けることなく持続可能な形で運営してい
くことを目指している。この目的を達成するために、LBPは商業銀行業務を維持しており、その収益は同行の開発
プログラム及びプロジェクトに再投資される。LBPの貸付ポートフォリオは、農業従事者・漁業従事者、中小企
業・零細企業及び生活支援ローン、農業関連産業、農業インフラその他農業・環境関連のプロジェクト、集団住
宅、学校並びに病院を優先している。
DBP は、当初1935年に国家貸付投資銀行（ National Loan and Investment Board ）として設立後、1958年にDBPに
組織変更されたが、現在では共和国内の主たる開発金融機関である。1998年に採択された最新の定款に基づき、
DBPは、開発銀行に分類され、貯蓄金融機関の他のすべての機能を果たすことができる。その使命は、持続可能な
成長のために共和国経済の競争力を高めること、また、インフラ開発、信頼できる起業家、効率的な社会サービス
及び環境保護を支援することである。DBPは、中小規模の産業を重視しつつ、共和国内の農企業及び工業企業の中
長期的な必要に応じた銀行サービスを提供する。
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ノンバンク金融機関は、他の金融機関に短期の融資を行うこともあるが、主として長期の融資を行う機関であ
る。2020年12月31日現在、バンコ・セントラルは、準銀行機能を有するノンバンク金融機関7社を規制していた。
また、バンコ・セントラルは、準銀行機能を有しないノンバンク金融機関1,247社を監督していた。
近時の金融制度の動向
2020 年12月31日現在、フィリピンの銀行システムは、2019年12月31日現在の数値と比べ、0.9％減の貸付ポート
フォリオ合計、8.9％増の預金負債及び4.8％増の資本収支を計上した。
フィリピンの銀行は、2020年12月31日現在、155.0十億ペソの純利益を計上した。これは、2019年12月31日に終
了した年度の純利益である230.7十億ペソから32.8％の減少であった。2020年12月31日現在の年率換算株主資本利
益率は、2019年12月31日現在の10.5％と比べ、6.5％であった。また、2020年12月31日現在の年率換算資産利益率
は、2019年12月31日現在の1.3％と比べ0.8％であった。
2020 年12月31日現在、ユニバーサル・バンク及び商業銀行の連結ベースの自己資本比率は、2019年12月31日現在
の16.0％から増加して、17.1％であった。
2020 年12月31日現在、ユニバーサル・バンク及び商業銀行の預金に占める流動資産の割合が2019年12月31日現在
の49.3％と比べ54.4％に増加したことから、流動性は増加した。
2021 年3月31日現在、ユニバーサル・バンク及び商業銀行の預金に占める流動資産の割合は、2020年3月31日現在
の47.9％と比べ、55.5％であった。
不良債権
新型コロナウィルス感染症の影響を考慮すると、フィリピンの銀行業界では、2019年12月31日から2020年12月31
日までの間に不良債権が大幅に増加した。今後、政府は、新型コロナウィルス感染症が終息し、経済が回復し始
め、銀行及びその他の金融機関の不良資産及び不良債権の処理を容易にする新たに制定されたFIST法の効果がフィ
リピンの銀行制度に現れるにつれ、2021年から2022年にかけて不良債権が緩和されると予測している。
下表は、表示日時現在におけるユニバーサル・バンク及び商業銀行に対する不良債権に関する情報を示したもの
である。
銀行の種類別貸付合計（総計）及び不良債権
12月31日現在
(2)
2021年
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
（単位：％を除き、十億ペソ）
拡大商業銀行／ユニバーサル・バン
ク
貸付合計 5,177.6 6,041.0 6,881.3 7,682.5
7,711.7 7,504.7
不良債権 68.2 72.0 84.1 111.9
244.6 278.2
貸付合計に占める不良債権の割合 1.3% 1.2% 1.2% 1.5%
3.2% 3.7%
(1)
非拡大／商業銀行
貸付合計 264.0 309.8 345.1 360.2
361.0 378.5
不良債権 9.1 8.7 9.5 11.0
17.6 18.7
貸付合計に占める不良債権の割合 3.5% 2.8% 2.8% 3.1%
4.9% 4.9%
(3)
政府銀行
貸付合計 760.6 968.3 1,196.4 1,305.9
1,321.3 1,272.0
不良債権 12.0 12.5 15.6 28.6
36.3 38.2
貸付に占める不良債権の割合 1.6% 1.3% 1.3% 2.2%
2.8% 3.0%
(4)
外国銀行
貸付合計 504.0 548.1 595.0 605.4
525.5 487.0
不良債権 4.5 4.3 4.3 5.0
10.2 8.5
貸付合計に占める不良債権の割合 0.9% 0.8% 0.7% 0.8%
2.0% 1.7%
貸付合計 6,706.3 7,867.1 9,017.8 9,954.0
9,919.5 9,642.1
不良債権合計 93.8 97.5 113.5 156.5
308.8 343.6
貸付合計に占める不良債権の割合 1.4% 1.2% 1.3% 1.6%
3.1% 3.6%
出典： バンコ・セントラル
注：
(1) 外国銀行の子会社2行で構成される。
(2) 2021年2月28日現在の暫定値。
(3) LBP、DBP及びフィリピン・アルアマナ・イスラム投資銀行で構成される。
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(4) 外国銀行24行で構成され、外国銀行の子会社2行を除く。
2016 年12月31日現在、貸付合計に占める不良債権の割合は、2015年12月31日現在の割合が1.6％であったのに対
し、1.4％となった。2016年12月31日現在の不良債権は、2015年12月31日現在の91.6十億ペソから2.4％増加して、
93.8十億ペソとなった。また、2016年12月31日現在の貸付ポートフォリオ合計は、2015年12月31日現在の5,719.7
十億ペソから17.2％増加して、6,706.3十億ペソとなった。
2017 年12月31日現在、総不良債権の割合は1.2％であった。これは、2016年12月31日現在の割合である1.4％を下
回るものであった。2017年12月31日現在の不良債権は、2016年12月31日現在の93.8十億ペソから3.9％増加して、
97.5十億ペソとなった。また、2017年12月31日現在の銀行システムの貸付ポートフィリオ合計は、2016年12月31日
現在の6,706.3十億ペソから17.3％増加して、7,867.1十億ペソとなった。
2018 年12月31日現在、総不良債権の割合は1.3％であった。これは、2017年12月31日現在の1.2％をわずかに上回
るものであった。不良債権は、2017年12月31日現在の97.5十億ペソから16.4％増加して、2018年12月31日現在では
113.5十億ペソとなった。2018年12月31日現在の銀行システムの貸付ポートフォリオ合計も、2017年12月31日現在
の7,867.1十億ペソから14.6％増加して、9,017.8十億ペソとなった。
2019 年12月31日現在、ユニバーサル・バンク及び商業銀行の総不良債権の割合は1.6％であった。これは、2018
年12月31日現在の割合である1.2％を上回るものであった。総不良債権は、主に資産の質の低下及び総貸付ポート
フォリオの増加により、2018年12月31日現在の113.5十億ペソから42.2％増加して、2019年12月31日現在では156.5
十億ペソとなった。2019年12月31日現在の銀行システムの貸付ポートフォリオ合計は、2018年12月31日現在の
9,017.8十億ペソから5.0％増加して、9,954.0十億ペソとなった。
2020 年12月31日現在、ユニバーサル・バンク及び商業銀行の総不良債権の割合は3.1％であった。これは、2019
年12月31日現在の割合である1.6％を上回るものであった。不良債権は、現在も世界的に猛威を振るう新型コロナ
ウィルス感染症の影響とそれに伴う国内閉鎖、国境管理、観光の減少、貿易・製造業の混乱、及び資産の質の低下
及び合計貸付ポートフォリオの増加をもたらした金融市場の波及効果を主な原因として、2019年12月31日現在の
156.5十億ペソから97.3％大幅に増加して、2020年12月31日現在では308.8十億ペソとなった。2020年12月31日現在
の銀行システムの貸付ポートフォリオ合計は、2019年12月31日現在の9,954.0十億ペソから0.4％減少して、
9,919.5十億ペソとなった。
2021 年2月28日現在、ユニバーサル・バンク及び商業銀行の総不良債権の割合は3.6％であった。これは、2020年
12月31日現在の割合である3.1％を上回るものであった。不良債権は、現在も世界的に猛威を振るうの新型コロナ
ウィルス感染症の影響とそれに伴う国内閉鎖、国境管理、観光の減少、貿易・製造業の混乱、及び資産の質の低下
及び合計貸付ポートフォリオの増加をもたらした金融市場の波及効果を主な原因として、2020年12月31日現在の
308.8十億ペソから11.3％増加して、2021年2月28日現在では343.6十億ペソとなった。2021年2月28日現在の銀行シ
ステムの貸付ポートフォリオ合計は、2020年12月31日現在の9,919.5十億ペソから2.8％増加して、9,642.1十億ペ
ソとなった。
金融部門の改革
政府は、銀行が保有する不良資産を引き下げ、銀行業界全般の健全性を改善するために、金融部門で複数の改革
を行ってきた。
バンコ・セントラルは、共和国の国内情勢を考慮しつつ、国際基準及びベスト・プラクティスに合致させるよ
う、引き続き既存の規制枠組みを発展させていく。
2016 年度のバンコ・セントラルによる主要な規制改革では、コーポレート・ガバナンス及びリスク管理、金融
サービス提供の自由化並びにバーゼルIIIの残りの部分（国内のシステム上重要な銀行、流動性カバレッジ比率、
信託制度、消費者保護その他健全性改革に関するものを含む。）の実施に重点が置かれていた。2017年4月、通貨
理事会は、年次報告書の開示内容（銀行の財務状況、業績、所有及びガバナンスに関する情報を含む。）を国際的
な慣行と合致させるために、銀行及び準銀行向けの年次報告書の表示に関する修正ガイドラインを承認した。2017
年6月、通貨理事会は、バンコ・セントラルに提出される報告書の要件を定める銀行規定マニュアルの変更を承認
した。
2017 年11月、バンコ・セントラルは、共和国の小売決済システムを近代化し、電子決済の導入を拡大し、共和国
を現金依存度の高い国から現金依存度の低い国に転換させるという戦略構想の一環として、フィリピンEFTシステ
ム及びオペレーション・ネットワーク（以下「PESOネット」という。）を立ち上げた。PESOネットとは、企業、政
府及び個人がバンコ・セントラル監督下の金融機関に維持されている口座から簡便に電子資金振替及び定期決済を
開始できるようにするための自動決済機関である。
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2019 年8月22日、共和国法第11439号（以下「イスラム金融法」という。）が成立した。イスラム金融法は、フィ
リピンに設立されるイスラム銀行の組織、規制、及び権限を規定している。2019年12月27日、バンコ・セントラル
は、 イスラム金融法に基づく暫定施行規則を発表した。同法は、(a)イスラム銀行及びイスラム銀行部門
（IB/IBU）の設立に関するガイドライン（回状（Circular）第1069号）、及び(b)シャリーア・ガバナンス・フ
レームワーク（回状（Circular）第1070号）で構成される。さらに、イスラム金融のバンコ・セントラル・タス
ク・フォースは、2021年まで引き続き、イスラム銀行向けの健全性報告、流動性及び自己資本比率規制、レバレッ
ジ比率規制及びカスタム化された研修モジュールに関する規定を実施するための政策研究を行っている。
新型コロナウィルス感染症が猛威を振るう中、バンコ・セントラルは、バンコ・セントラルの監督下にある金融
機関が新型コロナウィルス感染症の影響に耐えられるよう支援するとともに、家計や企業への支援を継続するた
め、金融・規制面での救済措置を発表した。これらの措置は、バンコ・セントラルが監督する金融機関に対し、借
り手への金融支援の拡大、消費者、特に零細・中小企業への信用供与、信用・金融サービスへの継続的なアクセス
の促進、消費者がECQ期間中に金融取引を完了できるようにする金融サービスの継続的提供の支援、国内流動性の
水準の支援といったインセンティブを与えるものである。
バンコ・セントラルは、「デジタル決済変革ロードマップ2020-2023」を通じて、効率的、包括的、安心かつ安
全なデジタル決済エコシステムの育成にも注力している。このロードマップでは、2つの主要な戦略的目標を定め
ている。すなわち、(1)小売決済の総額の50％をデジタル化し金融システムに関与する人々の数をフィリピンの成
人の70％に達するよう増加させること、及び(2)フィリピンの消費者のニーズに対応するよう設計された、より革
新的なデジタル金融商品及びサービスの利用可能性を高めることである。
外貨建貸付
バンコ・セントラルは、ペソ建以外のすべての貸付について一連の事前承認、登録及び報告要件を課している。
貸付体制は以下のとおりである。
貸付の種類 要件
・ 公的部門向け貸付、但し、(a)短期の銀行間借入、 事前承認及び報告要件
及び(b)バンコ・セントラルの報告要件の遵守を含
む一定の条件に従う商品・サービスの輸出業者及
び生産者／製造業者（すべての企業及び公益事業
会社を含む）を対象とした、フィリピンで業務を
行う銀行からの短期外貨建貸付を除く。
・ 政府系企業及び／若しくは政府系金融機関により
保証されている、又は公認外国為替銀行の発行し
た外為保証の対象となる民間部門向け貸付
・ 公認代理銀行又はその子会社・関連外国為替法人 事後登録及び報告要件
から購入した外国為替を利用してサービスを受け
る場合の、公的保証がなく、その他の点でバン
コ・セントラルの承認又は事後登録が免除されて
いない民間部門向け貸付
・ フィリピン国内で営業している銀行からの居住者 報告要件
である借入人の外国為替貸付、但し、債務は、
(ⅰ)公的に保証されておらず、及び(ⅱ)所定の用
紙を用いて、取引銀行からバンコ・セントラルに
報告される。
・ 居住者である輸出業者／借入人の海外バイヤーか
らの輸出前貸しの形での短期融資
・ 外国政府／公的輸出信用機関によって保証されて
いない、繰延信用状、引受渡し契約、又は1年超の
期間のオープン・アカウント契約に基づく居住者
の外国債務
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・ バンコ・セントラルで報告された融資プログラム
に基づくオフショア銀行部門の居住輸出者／輸入
者及び非居住者ノンバンク債権者の短期貿易ロー
ン
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フィリピンの証券市場
沿革
フィリピンの証券業界は、1927年にマニラ証券取引所が開設されたことに始まった。1936年、政府は業界の監督
及び投資家の保護を行うフィリピンSECを設立した。その後、マカティ証券取引所が1963年に開設され、1994年に
マニラ証券取引所と合併してフィリピン証券取引所となった。
1998 年6月、フィリピンSECは、フィリピン証券取引所に対して自主規制機関としての地位を付与し、会員の会計
帳簿の検査や監査等を行うことにより会員を監督・規律する権限を付与した。
フィリピン証券取引所は、上場適格証券の範囲を拡大するために、授権資本が20.0百万ペソから99.9百万ペソま
で（その25％以上が引受済みかつ全額払込済みでなければならない。）の中小企業向けの市場を設立した。
2001 年8月、フィリピン証券取引所は株式公開会社への転換を完了した。最初の株主として184の各会員たるブ
ローカーが50,000株を引き受け、その全額を払い込んだ。フィリピン証券取引所への株式の上場は2003年12月に実
施され、未発行株式の40％は、2004年2月に私募により売却された。
2020 年6月30日現在、フィリピン証券取引所は、上場投資信託を含む271の上場企業及び130の取引参加者を有す
る。
フィリピン総合指数の終値は、2020年12月29日の7,139.71に対し、2021年3月31日現在は6,443.09であった。
フィリピン総合指数の終値は、2018年12月29日の7,466.02、2017年12月29日の8,558.4、2016年12月30日の
6,840.6、2015年12月29日の6,952.1に対し、2019年12月27日現在は7,815.26であった。フィリピン総合指数の平均
値は、2019年の7,906、2018年の7,745、2017年の7,851、2016年の7,284及び2015年の7,433に対し、2020年は6,358
であった。
フィリピン証券取引所に加え、2006年には、主に外国為替及び債券の取引を扱うフィリピン債券取引所（以下
「PDEx」という。）が、2005年からフィリピンSEC認可の債券市場を運営し、またフィリピンSECにより自主規制機
関としての地位を付与された。2020年度には、流通市場での債券取引は15.85％増加し、2019年の5.30兆ペソから
2020年の6.14兆ペソに増加し、公衆衛生危機による悪条件にもかかわらず、年間取引高は過去最高を記録した。新
規債券の上場が2019年の375.6十億ペソから3％増加し2020年は387.8十億ペソであり、1年間の新規上場額としても
過去最高を記録したことから、発行市場でも同様に活動が活発だった。
2013 年5月、フィリピン証券取引所とPDExを所有する持株会社であるPhilippine Dealing System Holding
Corporation（以下「PDS」という。）の合併計画が公表された。当該合併は、統合された株式・債券取引プラット
フォームを構築することを目的とした。2016年3月28日にフィリピン証券取引所は提案された取引を否定した。
フィリピン証券取引所は、国営銀行であるLBPから、2018年4月中にPDSの株式を取得したいとの申し出を受けた。
2020年12月31日現在、合併・買収は実現していない。
国債市場
BTr は現在、91日、182日及び364日で満期が到来する財務省短期証券並びに3年から20年で満期が到来する財務省
長期証券の公募を毎週行っている。
2016 年12月31日現在、国債残高は3.9兆ペソであり、その54.0％は財務省短期証券及び固定金利付財務省長期証
券発行分であった。国債の残りの発行分は、個人向け財務省長期証券、プログレス証券、外国為替約束手形及び政
府保証付債務等で構成された。
2017 年12月31日現在、国債残高は4.4兆ペソであり、その50.2％は財務省短期証券及び固定金利付財務省長期証
券発行分であった。国債の残りの発行分は、個人向け財務省長期証券、プログレス証券、外国為替約束手形及び政
府保証付債務等で構成された。
2018 年12月31日現在、国債残高は4.8兆ペソであり、その51.2％は財務省短期証券及び固定金利付財務省長期証
券発行分であった。国債の残りの発行分は、個人向け財務省長期証券、プログレス証券、外国為替約束手形及び政
府保証付債務等で構成された。
2019 年12月31日現在、国債残高は5.1兆ペソであり、その49.9％は財務省短期証券及び固定金利付財務省長期証
券発行分であった。国債の残りの発行分は、個人向け財務省長期証券、ベンチマーク証券及びオンショアドル証券
等で構成された。
2020 年12月31日現在、国債残高は6.7兆ペソであり、その51.2％は財務省短期証券及び固定金利付財務省長期証
券発行分であった。国債の残りの発行分は、個人向け財務省長期証券、ベンチマーク証券及びオンショアドル証券
等で構成された。
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2021 年2月28日現在、国債残高は6.8兆ペソであり、その14.8％は財務省短期証券及び固定金利付財務省長期証券
発行分であった。国債の残りの発行分は、個人向け財務省長期証券、ベンチマーク証券及びオンショアドル証券等
で構成された。
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（５）【財政】
財政
連結財政状態
公共部門連結財政状態は、共和国の公共部門全体の財政状態を測定する。連結財政状態は、公共部門借入需要並
びに社会保証機構・公務員保険機構、バンコ・セントラル、GFI及び地方自治体の赤字又は黒字総額から構成され
る。公共部門借入需要は、政府、中央銀行清算委員会の勘定、石油価格安定基金及び主要GOCCの赤字又は黒字総額
を反映する。
下表は、表示期間に係る現金ベースでの連結財政状態を示している。
共和国公共部門連結財政状態
12月31日終了年度
(1)
2020年度
2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
（単位：％を除き、十億ペソ）
公共部門借入需要：
中央政府 (121.7) (353.4) (350.6) (558.3) (660.2) (879.2)
中央銀行再編 (3.8) (3.2) (4.8) (0.0) (0.0) 0.0
監視下にある政府所有
2.8 20.9 40.2 5.5 (0.7) 21.7
企業
純貸出及びGOCCに対す
8.9 15.3 (3.9) 5.4 20.5 24.3
る持分の調整
0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
その他の調整
公共部門借入需要合計 (113.8) (320.4) (319.1) (547.3) (640.4) (833.2)
GDPに対する割合
(0.8)% (2.1)% (1.9)% (3.0)% (3.3)% (6.5)%
その他の公共部門：
社会保証機構・公務員
60.6 72.1 58.3 63.2 53.9 33.3
保険機構
(2)
バンコ・セントラル
(3.7) 17.7 21.8 37.0 44.0 (17.0)
政府系金融機関 13.8 15.5 17.2 20.5 26.1 17.9
地方自治体 179.2 193.4 217.4 255.5 259.0 277.5
バンコ・セントラルに
対する利払時期の調 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
整
0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
その他の調整
その他の公共部門合計
250.0 298.7 314.6 376.3 382.9 311.7
136.2 (21.8) (4.6) (171.0) (257.5) (521.5)
公共部門連結財政状態
GDPに対する割合
1.0% (0.1)% (0.0)% (0.9)% (1.3)% (4.1)%
出典： 財務省財政政策計画室
注：
(1) 2020年9月30日までの9ヶ月間の速報値。
(2) 政府及び中央銀行清算委員会への利息割戻し、配当及びその他の送金額控除後の金額。
共和国の2015年度の公共部門連結財政状態は、2014年度に計上された165.8十億ペソの黒字から縮小し、政府の
2015年度の計画赤字153.5十億ペソを289.7十億ペソ上回る136.2十億ペソの黒字を計上した。黒字縮小の主因は、
2015年度の公共部門借入需要が2014年度の40.9十億ペソから大幅に増加して113.8十億ペソとなったことにあっ
た。2015年度の黒字額は、現行価格で測定された共和国の2015年度のGDPの1.0％に相当した。
共和国の2016年度の公共部門連結財政状態は、2015年度に計上された136.2十億ペソの黒字から転換し、政府の
2016年度の計画赤字129.8十億ペソを108.0十億ペソ上回る21.8十億ペソの赤字を計上した。赤字化の主因は、2016
年度の政府借入需要が2015年度の121.7十億ペソから大幅に増加して353.4十億ペソとなったことにあった。2016年
度の赤字額は、現行価格で測定された共和国の2016年度のGDPの0.1％に相当した。
共和国の2017年度の公共部門連結財政状態は、2016年度に計上された21.8十億ペソの赤字から79.0％減少し、政
府の2017年度の計画赤字310.7十億ペソを306.1十億ペソ下回る4.6十億ペソの赤字を計上した。赤字縮小の主因
は、2017年度の純貸出及びGOCCに対する持分の調整が減少し、2016年度の15.3十億ペソの借入需要から3.9十億ペ
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ソの流入に転換したことにあった。かかる転換は、2017年度の地方自治体の黒字額が2016年度の193.4十億ペソか
ら217.4十億ペソに増加したことにも起因する。2017年度の赤字額は、現行価格で測定された共和国の2017年度の
GDP の0.03％に相当した。
共和国の2018年度の公共部門連結財政状態は、2017年度に計上された4.6十億ペソの赤字から大幅に増加し、政
府の2019年度の計画赤字246.0十億ペソを74.9十億ペソ下回る171.0十億ペソの赤字を計上した。赤字増加の主因
は、政府の借入需要の増加したことにあり、2017年度の350.6十億ペソの赤字から、2018年度の558.3十億ペソにま
でさらに増加した。2018年度の赤字額は、現行価格で測定された共和国の2018年度のGDPの0.9％に相当した。共和
国の2019年度の公共部門連結財政状態は、2018年度に計上された171.0十億ペソの赤字から増加し、政府の2020年
度の改訂版計画赤字1,724.0十億ペソを1.5兆ペソ下回る257.5十億ペソの赤字を計上した。赤字増加の主因は、政
府の借入需要の増加したことにあり、2018年度の558.3十億ペソの赤字から、2019年度の660.2十億ペソにまでさら
に増加した。2019年度の赤字額は、現行価格で測定された共和国の2019年度のGDPの1.3％に相当した。
共和国の2020年9月30日までの9ヶ月間の公共部門連結財政状態は、2019年9月30日までの9ヶ月間に計上された
123.2十億ペソの黒字から転換し、521.5十億ペソの赤字を計上した。赤字の増加の主因は、現在進行中の新型コロ
ナウイルス感染症の世界的な蔓延がフィリピン経済に与える悪影響により、支出が大幅に増加し、税収が大幅に減
少したことによる。これにより政府の借入需要が増加し、2019年9月30日までの9ヶ月間の299.0十億ペソの赤字か
ら、2020年9月30日までの9ヶ月間の879.2十億ペソにまでさらに増加した。2020年の赤字額は、現行価格で測定さ
れた共和国の2020年のGDPの6.9％に相当した。
共和国は、2021年下半期の新型コロナウイルス感染症の流行後に経済活動が正常化し、経済が成長軌道に戻るな
か、2021年度について財政赤字が増加すると予想しているが、これは主に、現在進行中の新型コロナウイルス感染
症の世界的な蔓延がフィリピン経済に与える悪影響により、支出が大幅に増加し、税収が大幅に減少すると見込ま
れるためである。
政府の歳入及び歳出
下表は、表示期間に係る政府の歳入及び歳出を示している。
政府の歳入及び歳出
(1)
12 月31日終了年度の実績
予算
2016 年度 2017 年度 2018 年度 2019 年度 2020 年度 2019 年度 2020 年度
（単位：％を除き、十億ペソ）
現金収入
税収：
内国歳入局 1,567.2 1,772.3 1,951.9 2,175.5 1,951.0 2,271.4 1,685.7
関税局 396.4 458.2 593.1 630.3 537.7 661.0 506.2
(2)
その他役所
16.8 20.2 20.9 21.8 15.7 23.0 13.3
税収合計
1,980.4 2,250.7 2,565.8 2,827.7 2,504.4 2,955.4 2,205.2
GDP に対する割
合(現行市場価 13.1% 13.6% 14.0% 14.5% 14.0% 15.1% 12.3%
格)
税外収入：
BTr 収入 101.7 99.9 114.2 146.5 219.7 73.9 213.3
手数料及びそ
39.8 40.8 52.7 55.4 23.1 53.3 38.1
の他の費用
民営化 0.7 0.8 15.7 0.8 0.5 2.0 0.5
その他（国外
73.3 80.9 101.7 107.0 108.3 41.0 62.8
補助金を含
む。）
税外収入合計 215.4 222.4 284.3 309.6 351.3 194.2 314.6
歳入合計 2,195.9 2,473.1 2,850.2 3,137.5 2,856.0 3,149.7 2,519.8
歳出
地方自治体に対
449.8 530.2 575.7 618.0 804.5 469.5 621.6
する割当
支払利息
国外 99.0 100.1 106.0 110.6 101.4 120.2 122.0
205.4 210.5 243.2 250.3 279.1 279.4 299.3
国内
支払利息合計 304.5 310.5 349.2 360.9 380.4 399.6 421.3
税支出
15.8 8.3 21.6 27.3 33.1 14.5 14.7
助成金 103.2 131.1 136.7 201.5 230.4 158.7 244.1
株式及び純貸出 27.0 1.1 8.9 20.4 34.9 29.4 78.1
1,649.1 1,842.5 2,316.5 2,569.6 2,774.0 2,698.1 2,955.4
その他
歳出合計 2,549.3 2,823.8 3,408.4 3,797.7 4,227.4 3,769.7 4,335.2
黒字／（赤字）
(353.4) (350.6) (558.3) (660.2) (1,371.4) (620.1) (1,815.4)
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融資
国内純借入 355.1 731.4 591.5 691.5 1,898.4 902.6 2,134.8
国内総借入 357.5 733.6 594.5 693.8 1,998.7 906.2 2,137.7
控除:償却額 2.4 2.2 2.9 2.4 100.3 3.5 2.9
(24.1) 27.6 191.8 184.8 600.8 140.0 610.8
国外純借入
純融資需要合計 331.0 758.9 783.3 876.3 2,499.2 1,042.6 2,745.7
現金残高の増減 (257.7) 255.4 (52.7) (224.6) 701.7
出典： BTr 、財務省、予算行政管理省
注：
(1) GFSM2014のコンセプトに従い、債務償却の報告は、BSFから支払われたものを含む債権者への実際の元本返済を反映している一方、資金
調達には債券交換等の負債管理取引の総収入が含まれる。政府による予算・融資プログラムの定期的な見直しに基づき調整された。
(2) 環境天然資源省、入国管理局、陸運室その他の政府機関の税収を表す。
歳入財源
政府は、税源及び税外財源の双方から歳入を得ている。主な歳入源には、所得税、付加価値税、物品税及び関税
が含まれる。主な税外収入源は、預金利息、GOCCから受領した金額及び民営化による受領額から成る。
2016 年度の政府歳入総額は、2015年度に計上された2,109十億ペソから4.1％増加して2,195.9十億ペソとなっ
た。2016年度の歳入総額は、当年度の計画目標の2,696.8十億ペソを18.6％又は500.8十億ペソ下回った。かかる歳
入の未達は、主に内国歳入局及び関税局の実際の徴収額がそれぞれの計画目標に及ばなかったことによるもので
あった。内国歳入局の2016年度の徴収額は、2015年度に計上された1,433.3十億ペソから9.3％増加して1,567.2十
億ペソとなった。関税局は、2016年度において、2015年度に計上された367.5十億ペソから7.8％増加して396.4十
億ペソの徴収額を計上した。2016年度の税外収入は、2015年度に計上された293.3十億ペソから26.5％減少して
215.4十億ペソとなった。
2017 年度の政府歳入総額は、2016年度に計上された2,195.9十億ペソから12.6％増加して2,473.1十億ペソとなっ
た。2017年度の歳入総額は、当年度の計画目標の2,426.9十億ペソを1.9％又は46.3十億ペソ上回った。これは、主
に内国歳入局の実際の徴収額が計画目標を上回ったことによるものであった。内国歳入局の2017年度の徴収額は、
2016年度に計上された1,567.2十億ペソから13.1％増加して1,772.3十億ペソとなった。関税局は、2017年度におい
て、2016年度に計上された396.4十億ペソから15.6％増加して458.2十億ペソの徴収額を計上した。2017年度の税外
収入は、2016年度に計上された215.4十億ペソから3.2％増加して222.4十億ペソとなった。
2018 年度の政府歳入総額は、2017年度に計上された2,473.1十億ペソから15.2％増加して2,850.2十億ペソとなっ
た。2018年度の歳入総額は、当年度の計画目標の2,846.3十億ペソを0.14％又は3.9十億ペソ上回った。これは、主
に内国歳入局の実際の徴収額が計画目標を上回ったことによるものであった。内国歳入局の2018年度の徴収額は、
2017年度に計上された 1,772.3 十億ペソから10.1％増加して1,951.9十億ペソとなった。関税局は、2018年度におい
て、2017年度に計上された458.2十億ペソから29.4％増加して593.1十億ペソの徴収額を計上した。2018年度のBTr
収入を含む税外収入は、2017年度に計上された222.4十億ペソから27.8％増加して284.3十億ペソとなった。
2019 年度の政府歳入総額は、2018年度に計上された2,850.2十億ペソから10.1％増加して3,137.5十億ペソとなっ
た。これは、主に内国歳入局の実際の徴収額が計画目標を上回ったことによるものであった。内国歳入局の2019年
度の徴収額は、2018年度に計上された1,951.9十億ペソから11.5％増加して2,175.5十億ペソとなった。内国歳入局
は、2019年度において、2018年度の同時期に計上された593.1十億ペソから6.3％増加して630.3十億ペソの徴収額
を計上した。2019年度の税外収入は、2018年度に計上された284.3十億ペソから8.8％増加して309.3十億ペソと
なった。
2020 年度の政府歳入総額は、2019年度に計上された3,137.5十億ペソから9.0％減少して2,856.0十億ペソとなっ
た。これは、主に新型コロナウイルス感染症による経済的影響の結果、2020年に内国歳入局及び関税局による徴収
額が減少したことによるものであり、その影響は、2020年には2019年の同時期と比較して税外収入の徴収額が増加
したことにより一部相殺された。内国歳入局の2020年度の徴収額は、2019年度に計上された2,175.5十億ペソから
10.3％減少して1,951.0十億ペソとなった。関税局は、2020年度において、2019年度に計上された630.3十億ペソか
ら14.7％減少して537.7十億ペソの徴収額を計上した。2020年度の税外収入は、2019年度に計上された309.6十億ペ
ソから13.5％増加して351.3十億ペソとなった。
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歳出
2016 年度の政府歳出総額は、2015年度に計上された2,230.6十億ペソから14.3％増加して2,549.3十億ペソとなっ
たが、当年度の計画目標の2,995.4十億ペソを446十億ペソ又は14.9％下回った。歳出総額が計画目標を下回った主
な要因は、その他の資本支出が当年度の計画の2,096.5十億ペソを21.2％下回って1,652.7十億ペソであったことに
あった。また、支払利息が計画の392.8十億ペソを31.2％下回って304.5十億ペソであったことも、歳出総額が計画
目標を下回ることに寄与した。
2017 年度の政府歳出総額は、2016年度に計上された2,549.3十億ペソから10.8％増加して2,823.8十億ペソとなっ
たが、当年度の計画目標の2,909十億ペソを85.2十億ペソ又は2.9％下回った。歳出総額が計画目標を下回った主な
要因は、その他の中央政府歳出勘定が計画を9.9％下回って1,842.5十億ペソであったことにあった。
2018 年度の政府歳出総額は、2017年度に計上された 2,823.8 十億ペソから 20.7 ％増加して 3,408.4 十億ペソとなっ
たが、当年度の計画目標の3,370十億ペソを38.4十億ペソ又は1.1％下回った。歳出総額が計画目標を下回った主な
要因は、その他の中央政府歳出勘定が計画を4.0％下回って2,316.5十億ペソであったことにあった。
2019 年度の政府歳出総額は、2018年度に計上された3,408.4十億ペソから11.4％増加して3,797.7十億ペソとなっ
た。これは主に、地方自治体への補助金・交付金の支出額が増加したことに加え、その他の中央政府歳出勘定が増
加したことによるものである。2019年度の政府歳出総額は、同年度の計画目標である3,769.7十億ペソを0.7％上
回った。
2020 年度の政府歳出総額は、2019年度に計上された3,797.7十億ペソから11.3％増加して、4,227.4十億ペソと
なった。これは主に地方自治体への補助金・交付金の支出額が増加したことによるものである。この増加は主に、
主に新型コロナウイルス感染症の蔓延を防止するための政府の取り組みに関連する支出が増加したことによるもの
である。2020年度の政府歳出総額は、同年度の計画目標である4,335.2十億ペソを2.5％下回った。
政府予算
予算プロセス
1987 年行政法により、政府は国家予算を策定し実行することが義務づけられている。大統領は、毎年7月の第4月
曜日に会期が始まる通常国会の開会から30日以内に議会に予算を提出する。予算は下院で検討され、一般歳出予算
法案となる。次いで上院が予算を検討する。その後、両院の議員から構成される協議委員会が共通の法案を策定す
る。両院で予算が承認されると、法案は大統領に提出され、その署名によって一般歳出予算法となる。
2019 年度以前に、政府は負担ベースの支出制度を用いて予算を策定した。負担ベースの支出は、既存の有効な契
約が存在する限り、商品及びサービスの引渡し並びに債務の支払いを承認する。予算の支出や商品又はサービスを
提供しなければならない期限はない。その結果、政府は、たとえ予算の有効性を超えていても、納入の受入れ時に
供給者に支払うための資金を提供しなければならない。
2019 年度からは、タイムリーな事業の完了を促進するために、現金主義の予算制度が採用された。現金主義の予
算は、機関が契約上の義務を負い、会計年度内に納入された商品及び提供されたサービスを検査したもののみの支
払いを認めている。
2021 年度予算
2020 年12月28日、ドゥテルテ大統領は、共和国法第11518号（又は2021年度一般歳出予算法）に署名し、これを
成立させた。2021年度予算では、計画歳出が2020年度予算の4.1兆ペソよりも10％多い4.5兆ペソとした。
2021 年度予算は、新型コロナウイルス感染症の蔓延に対応した復興の青写真として策定された。社会事業部門は
予算総額の約37％に相当し、2021年度予算の中で最大の配分となる総額1.7兆ペソを割り当てられている。次に経
済事業部門が続き、これにはドゥテルテ政権のインフラ整備計画「Build Build Build」が含まれ、予算の約29％
に当たる1.3兆ペソが割り当てられている。最後に、一般公共事業部門には予算の約17％に相当する0.8兆ペソが割
り当てられた。
下表は、2021年度調整後割当額に基づき最も多い割当額を有する10の行政機関の割当額を、これに対応する2020
年度の割当額と比較して示している。下表に記載される金額は、各行政機関固有の予算及び特別目的基金からの割
当てから成る、各行政機関の「全部込み」の予算である。
2021年度
2021年度 2020年度
機関 2020年度比
割当額 割当額
増減
（単位：十億ペソ）
(1)
教育省
751.7 692.6 8.5%
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公共事業道路省 695.7 581.7 19.6%
内務自治省 249.3 241.6 3.2%
社会福祉開発省 176.9 200.5 (11.8)%
国防省 205.8 192.1 7.1%
(2)
保健省
210.2 175.9 19.5%
運輸省 87.9 100.6 (12.6)%
農業省 71.0 64.7 9.7%
司法 45.3 41.2 10.0%
労働雇用省 37.1 17.4 113.2%
注：
(1) 国立総合大学及び国立単科大学、フィリピン高等教育委員会並びにフィリピン労働雇用技術教育技能教育庁を含む。
(2) フィリピン健康保険公社を含む。
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（６）【公債】
債務
対外債務
民間部門の対外債務について、融資が(i)公的部門によって保証される場合又は(ii)フィリピンの金融制度によ
り外国為替によって行われる場合は、バンコ・セントラルの承認を要する。
下表は、バンコ・セントラルの承認及び登録されている対外債務残高合計をまとめたものである。
バンコ・セントラル承認済対外債務
12月31日現在
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
（単位：％を除き、百万ドル）
満期期限：
(1)
短期
14,526 14,275 16,068 17,208 14,209
60,237 58,823 62,892 66,410 84,279
中長期
合計 74,763 73,098 78,960 83,618 98,488
(2)
債務者:
金融制度 19,037 19,144 22,672 23,943 21,559
(3)
公的部門
55,726 53,954 56,287 59,675 76,929
合計 74,763 73,098 78,960 83,618 98,488
債権者分類:
銀行及び金融機関 25,790 22,539 26,529 26,478 24,006
供給者 2,520 3,071 3,015 4,187 3,136
多国間 11,971 12,501 13,746 14,428 21,407
二国間 10,916 11,260 10,931 10,964 12,752
長期債券／中期債券保
21,930 21,779 22,684 25,449 29,416
有者
1,636 1,949 2,054 2,112 2,160
その他
合計 74,763 73,098 78,960 83,618 98,488
割合：
財・サービスの輸出債
7.0% 6.2% 6.6% 6.7% 6.3%
務返済負担
対GNI債務返済負担 2.0% 2.0% 2.1% 2.1% 1.8%
対GNI対外債務 21.1% 20.0% 20.6% 20.2% 25.2%
出典： バンコ・セントラル
注：
(1) 当初満期1年又はそれ未満の債務。
(2) 債権者分類は、関連融資又は契約の更改に基づく主たる債務者による。
(3) 政府の保証があるか否かにかかわらず公的部門債務を含む。但し、公的銀行は含まれない。
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政府資金調達活動
下表は、2016年から2020年まで融資機関によって承認を受けた又は政府機関によって活用された主要なプログラ
ム融資及びプロジェクト融資をまとめたものである。
プログラム融資及びプロジェクト融資 債権者 金額 署名年月
災害繰延べ引出しオプション付き第二災害リスク管理の開
発政策融資 世界銀行 500百万ドル 2016年1月
社会保障支援プロジェクト、追加融資 ADB 400百万ドル 2016年4月
社会福祉の発展及び改革プロジェクト2 世界銀行 450百万ドル 2016年4月
災害リスク低減及び管理施設 フランス開発庁 50百万ユーロ 2016年4月
地方政府財政及び財政分権化改革プログラム、サブプログ
ラム2 ADB 250百万ドル 2016年12月
地方政府財政及び財政分権化改革プログラム、サブプログ
ラム2 フランス開発庁 100百万ユーロ 2017年10月
学校から仕事へのトランジションプログラムの円滑化、
サブプログラム1 ADB 300百万ドル 2017年11月
資本市場改革による投資の促進、サブプログラム2 ADB 300百万ドル 2017年12月
インフラ事業における民間部門算入の拡大プログラム、
サブプログラム2 ADB 300百万ドル 2018年8月
包括的金融開発プログラム、サブプログラム1 ADB 300百万ドル 2018年10月
マラウィ市の再建と回復のための緊急支援資金 ADB 300百万ドル 2018年12月
財政運営の改善開発政策融資 世界銀行 450百万ドル 2019年4月
中等教育支援プログラム ADB 300百万ドル 2019年6月
社会福祉の発展及び改革プロジェクトII(追加融資) 世界銀行 300百万ドル 2019年11月
地方ガバナンス改革セクター開発プログラム(サブプログ
ラム1) ADB 300百万ドル 2019年11月
青少年の学校から就職への移行促進プログラム(サブプロ
グラム2) ADB 400百万ドル 2019年12月
競争競争力及び自然災害に対する強靱性の強化サブプログ
ラム1 開発政策融資
世界銀行 400百万ドル 2019年12月
COVID-19積極的対応及び支出支援プログラム ADB 1,500百万ドル 2020年4月
社会保障支援プロジェクト、第二追加融資 ADB 200百万ドル 2020年4月
第三災害リスク管理の開発政策融資 世界銀行 500百万ドル 2020年4月
資本市場生成インフラ・ファイナンスへの支援サブプログ
ラム1 ADB 400百万ドル 2020年6月
緊急COVID-19対応開発政策融資 世界銀行 500百万ドル 2020年6月
COVID-19積極的対応及び支出プログラム AIIB 750百万ドル 2020年6月
インフラ事業における民間部門算入の拡大プログラム、
サブプログラム2 フランス開発庁 150百万ユーロ 2020年6月
包括的金融開発プログラム、サブプログラム2 フランス開発庁 100百万ユーロ 2020年6月
社会支援拡大プログラム ADB 500百万ドル 2020年6月
COVID-19危機対応緊急支援融資 JICA 50十億円 2020年7月
競争的及び包摂的農業開発プログラム サブプログラム1 ADB 400百万ドル 2020年8月
包括的金融開発プログラム、サブプログラム2 ADB 300百万ドル 2020年8月
耐災害性向上プログラム ADB 500百万ドル 2020年9月
災害後スタンバイローン(フェーズII) JICA 50十億円 2020年9月
フィリピン受益者優先社会保護プロジェクト 世界銀行 600百万ドル 2020年11月
競争力の促進及び自然災害に対する強靱性の強化サブプロ
グラム2 開発政策融資
世界銀行 600百万ドル 2020年12月
出典： 国際金融グループ、財務省
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フィリピン共和国(E34224)
有価証券報告書
公的部門債務
下表は、指定された日付現在の共和国の連結公的部門債務残高である。
(1)
連結公的部門債務残高
12 月31日現在
(2)
2020 年
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
（単位：％を除き、十億ペソ）
連結非金融公的部門の
総計
対内 3,069.3 3,141.2 3,812.9 4,000.6 4,280.4 5,322.7
2,173.6 2,248.7 2,311.2 2,618.4 2,728.9 2,992.9
対外
合計 5,242.9 5,389.9 6,124.1 6,619.0 7,009.3 8,315.6
金融公的企業
(3)
BSP
対内 3,650.0 3,343.1 3,576.1 3,746.3 3,868.3 4,487.6
117.7 192.1 200.9 211.6 193.2 185.2
対外
合計 3,767.7 3,535.2 3,777.0 3,957.8 4,061.5 4,672.8
対内
3,655.8 3,352.4 3,592.9 3,764.2 3,901.4 4,487.6
248.9 336.7 331.6 355.1 323.9 185.2
対外
合計 3,904.8 3,689.1 3,924.4 4,119.4 4,225.3 4,672.8
控除:セクター内保有
債券
対内
GFI及びBSPの保有
509.2 669.3 618.4 844.1 908.7 1,836.9
する国債
BSPにある政府預
415.2 136.9 326.8 170.2 159.9 825.5
金
BSPにあるGFI預金 430.0 445.8 385.4 422.3 502.7 640.5
BSPにあるGOCC預
0.1 0.1 0.0 0.5 0.2 3.26
金
GFIの保有する
GOCCの融資／その 117.2 114.9 123.7 134.6 161.2 48.4
他の債務
BSPの保有するGFI
の融資／その他の 56.0 53.1 53.0 53.3 53.6 53.6
債務
GFIの保有する地
60.3 67.2 67.7 74.6 87.8 87.3
方政府の債務
合計 1,599.7 1,487.3 1,575.1 1,699.5 1,874.1 3,495.4
対外
BSPの保有する政
82.3 78.0 80.3 81.7 85.9 93.9
府の債務
合計 1,682.0 1,565.3 1,655.4 1,781.3 1,960.0 3,589.4
公的部門の総計
(4)
6,248.4
対内 5,125.5 5,006.2 5,830.7 6,065.3 6,307.7
(4)
3,084.2
2,340.2 2,507.4 2,562.4 2,891.8 2,966.9
対外
(4)
9,332.6
合計 7,465.7 7,513.7 8,393.2 8,957.1 9,274.6
出典： 財政政策企画室、財務省
注：
(1) 連結公的部門は、セクター内保有債券を除く一般政府部門、公的非金融企業及び公的金融企業からなる。
(2) 2020年6月30日現在の暫定値を使用。
(3) 特別引出権の配分及び国際準備金の再評価を除くBSPのすべての負債を含む（通貨発行を含む）。
(4) 2020年6月30日現在の暫定値。
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下表は、指定された日付現在の共和国の連結非金融公的部門債務残高である。
(1)
公的部門債務残高
12 月31日現在
(2)
2020 年
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
（単位：％を除き、十億ペソ）
(3)
合計
5,242.9 5,389.9 6,124.1 6,619.0 7,009.3 7,918.4
対内 3,069.3 3,141.2 3,812.9 4,000.6 4,280.4 5,109.3
対外 2,173.6 2,248.7 2,311.2 2,618.4 2,728.9 2,809.2
中央政府 5,954.5 6,090.3 6,652.4 7,292.5 7,731.3 9,054.1
対内 3,884.4 3,934.1 4,441.3 4,776.9 5,127.6 6,190.0
対外 2,070.2 2,156.2 2,211.2 2,515.6 2,603.7 2,864.0
公的非金融企業
495.9 451.4 424.8 408.1 430.2 403.6
(4)
(GOCCs)
(4)
対内
304.7 283.6 256.4 233.5 236.7 215.0
(4)
対外
191.2 167.9 168.4 174.7 193.6 188.6
特別予算:NIA及びPNR 6.2 4.9 3.8 2.6 1.2 1.1
対内 4.6 2.9 2.3 1.1 0.1 0.0
対外 1.7 2.0 1.6 1.4 1.2 1.1
地方政府単位(LGU)
76.1 86.7 86.4 94.2 107.2 107.1
(5)
対内 76.1 86.7 86.4 94.2 107.2 107.1
対外 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
控除:社債減債基金
698.6 634.0 531.2 501.9 562.0 634.8
(6)
(BSF)
対内 613.8 561.5 466.1 433.7 497.4 578.9
対外 84.9 72.4 65.1 68.2 64.6 55.9
セクター内保有債券
503.2 526.0 428.9 604.2 623.4 609.1
(対内)
社会保障機関(SSI)
499.3 518.8 421.5 595.7 613.9 599.6
の保有する政府債務
LGU の保有する政府
0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
債務
地方自治体開発基金
局(MDFO)の保有する 3.8 7.2 7.4 8.4 9.5 9.5
LGU債権
GOCC の保有する政府
24.6 19.8 23.0 20.6 25.1 24.4
債務
政府からGOCCへの転
58.9 58.7 55.4 46.6 45.3 43.6
貸
セクター内保有債券
4.6 4.8 4.9 5.1 4.9 4.8
(対外)
政府の保有するGOCC
4.6 4.8 4.9 5.1 4.9 4.8
債務
(7)
49.6%
合計（GDPの割合） 53.5% 49.7% 50.7% 49.0% 47.5%
(7)
33.6%
対内（GDPの割合） 36.8% 35.9% 41.8% 43.5% 45.2%
(7)
16.6%
対外（GDPの割合） 16.8% 18.0% 18.4% 20.7% 21.3%
出典： 財政政策企画室、財務省
注：
(1) 連結非金融公的部門は、一般政府部門及び公的非金融企業からなる。連結非金融公的部門には、公的金融企業は含まれない。
(2) 2020年6月30日現在の値を使用。
(3) 改訂された方法論に基づく政府債務は偶発債務を除く。
(4) 特別予算の項目を除く（NIA及びPNR）。
(5) 2016年第4四半期以降、LGUが保証している民間銀行からの借入。
(6) 証券安定基金及び社債減債基金の保有する政府債務の調整を含む。
(7) 2020年6月30日現在の暫定値。
2015 年12月31日現在、2014年12月31日現在の公的部門債務残高の対GDP比の54.5％と比較して、連結公的部門債
務残高の総計は7.5兆ペソであり、共和国のGDPの53.5％に相当する。2015年12月31日現在、連結政府債務残高の総
計は6.0兆ペソであり、2014年12月31日現在に記録した5.7兆ペソから3.8％上昇した。中央政府の内国債の合計は
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2014年12月31日現在の3.8兆ペソから1.7％上昇し、2015年12月31日現在で3.9兆ペソであった。外債は、2014年12
月31日現在の1.9兆ペソから8.1％上昇し2015年12月31日現在で2.1兆ペソであった政府債務の全体的な増加は、
2014 年12月31日から2015年12月31日までの期間における政府の借入金の増加及び有価証券の発行によるものであっ
た。
2016 年12月31日現在、2015年12月31日現在の公的部門債務残高の対GDP比の53.5％と比較して、連結公的部門債
務残高は7.5兆ペソであり、共和国のGDPの49.7％に相当する。2016年12月31日現在、連結政府債務残高の総計は
5.0兆ペソであり、2015年12月31日現在に記録した4.8兆ペソから3.9％上昇した。内国債の総計は2015年12月31日
現在の2.8兆ペソから、2016年12月31日現在で2.9兆ペソにまで増加した。対外債務は、2015年12月31日現在の2.2
兆ペソを比較的安定して維持し、2016年12月31日現在で2.1兆ペソであった。政府債務の全体的な増加は、2015年
12月31日から2016年12月31日までの期間における政府の借入金の増加及び有価証券の発行によるものであった。
2017 年12月31日現在、2016年12月31日現在の公的部門債務残高の対GDP比の49.7％と比較して、連結公的部門債
務残高は8.4兆ペソであり、共和国のGDPの50.7％に相当する。2017年12月31日現在、連結政府債務残高の総計は
5.8兆ペソであり、2016年12月31日現在に記録した5.0兆ペソから15.2％上昇した。内国債の合計は2016年12月31日
現在の2.9兆ペソと比較して23.8％上昇し、2017年12月31日現在で3.6兆ペソであった。外債は、2016年12月31日現
在の2.1兆ペソから3.0％増加し、2017年12月31日現在で2.2兆ペソであった。政府債務の全体的な増加は、2016年
12月31日から2017年12月31日までの期間における政府の借入金の増加及び有価証券の発行によるものであった。
2018 年12月31日現在、2017年12月31日現在の公的部門債務残高の対GDP比の50.7％と比較して、連結公的部門債
務残高は9.0兆ペソであり、共和国のGDPの49.0％に相当する。2018年12月31日現在、連結政府債務残高の総計は
6.3兆ペソであり、2017年12月31日現在に記録した5.8兆ペソから8.7％上昇した。内国債の合計は2017年12月31日
現在の3.6兆ペソと比較して5.5％上昇し、2018年12月31日現在で3.8兆ペソであった。外債は、2017年12月31日現
在の2.1兆ペソから14.0％増加し、2018年12月31日現在で2.5兆ペソであった。政府債務の全体的な増加は、2017年
12月31日から2018年12月31日までの期間における政府の借入金の増加及び有価証券の発行によるものであった。
2019 年12月31日現在、2018年12月31日現在の公的部門債務残高の対GDP比の49.0％と比較して、連結公的部門債
務残高の総計は9.2兆ペソであり、共和国のGDPの47.5％に相当する。2019年12月31日現在、連結政府債務残高の総
計は6.7兆ペソであり、2018年12月31日現在に記録した6.3兆ペソから5.9％上昇した。内国債の合計は2018年12月
31日現在の3.8兆ペソと比較して7.3％上昇し、2019年12月31日現在で4.1兆ペソであった。外債は、2018年12月31
日現在の2.4兆ペソから3.7％増加し、2019年12月31日現在で2.5兆ペソであった。政府債務の全体的な増加は、
2018年12月31日から2019年12月31日までの期間における政府の借入金の増加及び有価証券の発行によるものであっ
た。
2020 年6月30日現在、2019年6月30日現在の公的部門債務残高の対GDP比の46.2％と比較して、連結公的部門債務
残高の暫定の総計は9.3兆ペソであり、共和国のGDPの49.6％に相当する。2020年6月30日現在、連結政府債務残高
の総計は7.9兆ペソであり、2019年6月30日現在に記録した6.8兆ペソから16.8％上昇した。内国債の合計は2019年6
月30日現在の4.3兆ペソと比較して19.8％上昇し、2020年6月30日現在で5.1兆ペソであった。外債は、2019年6月30
日現在の2.5兆ペソから11.8％増加し、2020年6月30日現在で2.8兆ペソであった。政府債務の全体的な増加は、
2019年6月30日から2020年6月30日までの期間における政府の借入金の増加及び有価証券の発行によるものであっ
た。
共和国の直接債務
下表は、指定された日付現在の共和国の直接債務残高をまとめたものである。
(1)(2)
共和国の直接債務残高
12月31日現在
(3)
2021年
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
（単位：別段の記載がない限り、百万ペソ）
(4)
中長期債務
5,801,727 6,337,111 6,797,270 7,240,159 8,838,966 8,851,837
対内 3,645,563 4,125,943 4,281,605 4,636,469 5,738,647 5,809,071
対外（米ドル） 43,324 44,261 47,860 51,252 64,562 62,540
(5)
短期債務
対内 287,936 314,369 494,306 491,131 956,040 1,553,997
債務合計 6,089,664 6,652,430 7,292,500 7,731,290 9,795,006 10,405,834
出典： BTr 、財務省
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注：
(1) GOCC及びその他の公的部門に対し転貸した政府債務を含む。政府によって保証された債務及びその他の公的部門により当初保証され、当
該保証が中央政府に引受けられた債務を除く。この表は政府債務のみを表したものであり、その他の公的部門債務を含まない。
(2) 各期間末のバンコ・セントラルの基準為替相場公報を用いて、該当する原通貨の金額を米ドル又はペソに換算した。
(3) 2021年2月28日現在の暫定値を使用。
(4) 当初満期1年又はそれ以降の債務。
(5) 当初満期1年未満の債務。
共和国の直接内国債
下表は、指定された日付現在の共和国の直接内国債残高をまとめたものである。
(1)(2)
直接内国債残高
12月31日現在
(3)
2021年
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
（単位：百万ペソ）
融資
直接 156 156 156 156 156 540,156
(4)
引受
442 792 792 792 792 792
合計融資 598 948 948 948 948 540,948
有価証券
短期国債 287,936 314,369 494,306 486,170 949,479 1,007,436
3,645,563 4,125,942 4,281,605 4,640,482 5,744,260 5,814,684
中期／長期国債
有価証券合計 3,933,499 4,440,312 4,775,911 5,126,652 6,693,739 6,822,120
合計債務 3,934,097 4,441,260 4,776,859 5,127,600 6,694,687 7,363,068
出典： BTr、財務省
注：
(1) GOCC及びその他の公的部門に対し転貸した政府債務を含む。政府によって保証された債務及びその他の公的部門により当初保証され、当
該保証が中央政府に引受けられた債務を除く。この表は政府債務のみを表したものであり、その他の公的部門債務を含まない。
(2) 各期間末のバンコ・セントラルの基準為替相場公報を用いて、原通貨の金額を米ドル又はペソに換算した。
(3) 2021年2月28日現在の暫定値を使用。
(4) フィリピン開発銀行、国家開発公社及びフィリピン・ナショナル・バンクによって引き受けられた融資。
下表は、指定された年の共和国の直接内国債返済金額を示したものである。
(1)
共和国の直接内国債返済金額
(2)
合計
年
元本返済 支払利子
（単位：百万ペソ） （単位：百万ペソ） （単位：百万ドル）
2016年 374,225 200,090 574,315 12,353
2017年 229,330 206,571 435,902 8,718
2018年 315,461 223,751 539,213 10,307
2019年 481,575 360,874 842,449 16,583
2020年 430,832 255,390 686,222 14,290
(3)
2021年
507,615 283,356 790,971 16,471
(3)
2022年
645,864 264,123 909,987 18,950
(3)
2023年
897,372 220,803 1,118,176 23,285
出典： BTr、財務省
注：
(1) 政府から保証されたGOCC及びその他の公的部門に転貸されている政府債務について、また、その他の公的部門による当初保証され当該保
証が政府によって継承された債務についての債務返済を除く。
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(2) 各期間の終了時にバンコ・セントラルの該当する基準為替相場を用いて、ペソ金額は米ドルに換算した。2020年及び2021年から2023年の
ペソ金額は2021年1月4日現在のバンコ・セントラルの基準為替相場を用いて米ドルに換算した。
(3) 2020年12月31日現在の未払残高に基づく見積もり額。
共和国の直接対外債務
下表は、指定された日付現在の共和国の直接対外債務残高をまとめたものである。
(1)(2)
共和国の直接対外債務残高
12月31日現在
(3)
2021年
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
（単位：百万ドル）
融資:
多国間 10,182 10,709 11,726 19,275 19,850
12,793
二国間 6,170 6,238 6,289 8,042 8,098
6,484
11 10 7 5 2 2
商業
融資合計
16,363 16,957 18,022 19,282 27,319 27,950
有価証券:
ユーロ建債 0 0 0 2,387 2,354
841
日本円建債 850 891 2,316 2,388 2,312
3,184
フィリピンペソ建債 2,606 2,596 2,467 2,700 1,759
2,553
中国元建債 － － 212 607 612
569
23,505 23,817 24,842 29,161 27,553
米ドル建債
24,823
有価証券合計 26,961 27,304 29,838 37,243 34,590
31,970
総計 43,324 44,261 47,860 64,562 62,540
51,252
出典： BTr、財務省
注：
(1) GOCC及びその他の公的部門に対し転貸した政府債務を含む。政府によって保証された債務及びその他の公的部門により当初保証され、当
該保証が政府に引受けられた債務を除く。この表は政府債務のみを表したものであり、その他の公的部門債務を含まない。
(2) 各期間の終了時のバンコ・セントラルの基準為替相場公報を用いて、該当する原通貨の金額を米ドルに換算した。
(3) 2021年2月28日現在の暫定値を使用。
下表は、記載の日付現在の共和国の直接対外債務残高を指定された通貨及び米ドルの同等額を示したものであ
る。
(1)
共和国の通貨別直接対外債務残高の概要
2020 年12月31日現在
(2)
米ドルの同等額
原通貨額 全体のパーセント値
（単位：％を除き、別段の記載がない限り、百万）
米ドル 47,660 47,660 73.8%
日本円 919,064 8,914 13.8%
ペソ 129,679 2,700 4.2%
ユーロ 3,437 4,207 6.5%
- 1,081 1.7%
その他の通貨
合計 - 64,562 100.0%
出典： BTr、財務省
注：
(1) GOCC及びその他の公的部門に対し転貸した政府債務を含む。政府によって保証された債務及びその他の公的部門により当初保証され、当
該保証が政府に引受けられた債務を除く。この表は政府債務のみを表したものであり、その他の公的部門債務を含まない。
(2) 記載の日付の翌営業日である2021年1月4日現在のバンコ・セントラルの基準為替相場を用いて、該当する原通貨の金額を米ドルに換算し
た。
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下表は、指定された年の共和国の直接対外債務返済金額を示したものである。
(1)
共和国の直接対外債務返済金額
年
元本返済 支払利子 合計
（単位：百万ドル）
(2)
2016 年
3,655 2,130 5,785
(2)
2017 年
2,813 2,003 4,816
(2)
2018 年
2,114 2,013 4,127
(2)
2019 年
2,637 2,108 4,746
(2)
2020年
2,832 1,987 4,819
(3)(4)
2021年
4,930 1,874 6,804
(3)(4)
2022年
2,619 1,786 4,405
(3)(4)
2023年
2,334 1,716 4,050
出典： BTr、財務省
注：
(1) GOCC及びその他の公的部門又は政府により保証された政府債務の転貸しについて、また、その他の公的部門により当初保証され、当該保
証が政府に引受けられた債務以外の債務返済を除く。
(2) 支払日のバンコ・セントラルの基準為替相場公報を用いて、該当する原通貨の金額を米ドルに換算した。
(3) 2021年1月4日現在のバンコ・セントラルの基準為替相場を用いて、該当する原通貨の金額を米ドルに換算した。
(4) 2020年12月31日現在の未払残高に基づく見積もり額。
政府保証付債務
下表は、指定された日付現在の共和国の政府による引受保証を含む債務保証を示したものである。
(1)(2)
共和国の保証残高の概要
12 月31日現在
(3)
2021 年
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年
（単位：十億ペソ）
545.1 513.7 478.1 487.6 488.8 458.3 446.7
合計（ペソ）
対内（ペソ）
245.6 233.4 197.5 197.5 260.8 254.4 244.1
対外（ペソ） 299.5 280.3 280.6 290.0 228.0 203.9 202.6
(4)
対外（十億米ドル）
6.3 5.6 5.6 5.5 4.5 4.2 4.2
出典： BTr、財務省
注：
(1) 政府により当初保証され、 その他の公的部門に保証され当該保証が政府によって継承された債務についての債務返済を含む。
(2) 各期間の終了時のバンコ・セントラルの基準為替相場公報を用いて、該当する原通貨の金額を米ドル又はペソに換算した。
(3) 2021年2月28日現在の暫定値を使用。
(4) 指定された日付現在のバンコ・セントラルの基準為替相場公報を用いて、該当する原通貨の金額を米ドルに換算した。
政府は、GOCCに発行された債務保証及び共和国の官民パートナーシップ・イニシアティブの下で規定されている
契約上の義務を広く含む契約上の偶発債務を監視及び管理している。政府は、BTrを通じて、財務書類において、
偶発債務に関し、政府直接保証及びGFI引受保証された債務残高のみを月単位で細分化して開示している。
プロジェクトに関する完全なデータがない場合、政府のエクスポージャーの範囲が確立されていないため、官民
パートナーシップ・イニシアティブに基づくプロジェクトに対応する偶発債務は、上記の開示から一部除外されて
いる。
上記に関連して、偶発債務の報告は、政府の様々なレベルにおいて存在する。例えば、官民パートナーシップ・
センターは、官民パートナーシップ・イニシアティブを通して政府が実施するプロジェクトに関連する負債を報告
している。様々な原因に由来するその他の偶発債務額は、その他の事業体によって開示されている。例えば、住宅
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保険保証公社は発行した保証額を開示し、フィリピン預金保険公社は、預金保険ファンドの負債を開示し、社会保
障期間は年金の未積み立て債務を開示している。
政府は偶発債務についてより詳細な記述を含む財政リスク書類（以下「FRS」という。）を毎年公表している。
これには、上記の保証に対する潜在的な支払い要求に起因する潜在的な財政リスクだけでなく、その他の原因によ
る偶発債務が生じる潜在的な請求、例えば、官民パートナーシップ契約等を含む。2020年のFRSによると、2019年
の官民パートナーシップ等から生じる偶発債務は、234十億ペソと推定され、2019年の潜在的予算流出は、およそ
22.8十億ペソと推定される。
2013 年の年次監査報告書（以下「2013年次報告書」という。）において、監査委員会は、政府の偶発債務の開示
に関する調査結果を報告したが、監査委員会は、約1,030.5十億ペソは含まれていないと述べた。そのうち約920.3
十億ペソは、建設・譲渡・運営／官民パートナーシップ・プロジェクトから生じる不確定偶発債務に関連してい
る。残りの約32.3十億ペソは政府及びDBPが発行した未払い保証に関連し、約77.9十億ペソは政府に保証された民
間部門債権者の対外借入に関連している。2013年次報告書において、監査委員会は、BTrに対し、政府が偶発債務
の報告を改訂するよう様々な勧告を行った。
以来、政府は、政府の偶発債務の監視と報告に関して透明性を向上させるための適切な措置を講じ、それらを継
続してきた。また、政府は偶発債務のより効果的な監視・管理を可能にするためのいくつかのイニシアティブを推
進してきた。さらに、BTrは、監査委員会及び様々な他の政府機関と協力し、偶発債務を有する政府機関とBTrとの
間の情報連携を確立することにより、監査委員会の採用している新会計基準に準拠して、偶発債務の報告及び開示
の改善に取り組んでいる。
対外債務の支払履歴
共和国は、過去に債務の再編、債務の買い戻し、債務の資本化、債務の借り換え、債務環境スワップ及びその他
の様々な債務削減手法を実施している。共和国は、債務ポートフォリオを管理して利回りと満期状況を改善するた
めの様々な試みを維持するつもりである。共和国は、債務調達による手取り金を、公開市場における買付けやオー
クションを含む様々な手法による債務有価証券の買い戻しに充当することができる。
過去数年間、二国間債権者に対しては共和国の債務再調整が複数回行われてきたものの、対外有価証券について
は過去20年間共和国は債務不履行を起こしておらず、元本又は利息の支払に対する再調整は行われていない。
1999 年6月30日現在、共和国の二国間債権者との債務再返済義務は2.2十億ドルで、最大のエクスポージャーは日
本が1.2十億ドル、米国が506百万ドルであった。
2010 年10月6日に、共和国は、以下の債券の交換オファーを完了した。(i)2011年満期の8.375％の国債、2013年
満期の9.0％の国債、2014年満期の8.25％の国債、2015年満期の8.875％の国債、2016年1月満期の8.0％の国債、
2016年10月満期の8.75％の国債及び2017年満期の9.375％の国債を、新たに起債された2021年満期のドル建て債券
（以下「新2021年国債」という。）又は再発行された2034年満期の6.375％のグローバル債券（以下「再発行2034
年国債」という。）に交換し、(ii)2019年1月満期の9.875％の国債、2019年6月満期の8.375％の国債、2024年9月
満期の7.5％の国債、2024年10月満期の9.5％の国債、2025年満期の10.625％の債券、2030年満期の9.5％の債券及
び2031年満期の7.75％の国債を再発行2034年国債に交換した。さらに、共和国は、新2021年国債を現金化するため
に200百万ドルを提供した。共和国が発行した新2021年国債は元本総額約1.9十億ドル、再発行2034年国債は元本総
額約947百万ドルを発行した。
下表は、指定された日付現在の共和国の発行済外貨建債残高を示したものである。
(1)
共和国の発行済外貨建債
発行日現在の 2019 年12月31日 2020 年12月31日
(2) (3) (4)
未払残高 現在の未払残高 現在の未払残高
（単位：百万ドル）
グローバル債 30,938 24,823 29,161
中国元建債 592 569 607
ユーロ建債 2,170 841 2,387
2,256 3,184 2,388
日本円建債
外貨建債合計 35,956 29,417 34,543
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出典： BTr、財務省
注：
(1) 発行日現在のバンコ・セントラルの基準為替相場公報を用いて、該当する原通貨の金額を米ドルに換算した。
(2) 2020年12月31日現在の外貨建債における発行日現在の未払残高の総額を表す。
(3) 2020年1月2日現在の該当するバンコ・セントラルの基準為替相場を用いて、米ドルに換算された。
(4) 2021年1月4日現在の該当するバンコ・セントラルの基準為替相場を用いて、米ドルに換算された。
減債基金制度
減債基金制度は、本書の日付現在利用していない。
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2020 年12月31日現在のフィリピン共和国の債務表
(1)
共和国の保証対外債務
2020 年12月31日現在
（単位：指定通貨の百万）
20 20 年12月31日現在
金利+
金利 約定日 満期日 約定当初額 未払残高
スプレッド/
手数料
(日・月・年の順に
(1) (1)
金利基準 スプレッド 金利 （年間） 記載している。 ) (原通貨) (米ドル) (原通貨) (米ドル)
総計 2,109,407,490.54 4,246,577,161.20
I. NG保証債務 2,023,841,727.19 4,161,011,397.85
A. 融資 185,964,727.19 2,365,194,397.85
ユーロ 185,964,727.19 107,797,901.36
固定 3.000 16.11.1990 30.06.2021 1,829,388.21 2,239,354.11 1,845.96 2,259.64
固定 3.000 16.11.1990 30.09.2021 2,768.76 3,389.24
固定 3.000 16.11.1990 31.03.2022 69,935.82 85,608.44
固定 3.000 16.11.1990 30.06.2022 13,928.85 17,050.31
固定 3.000 16.11.1990 31.12.2022 10,690.81 13,086.62
固定 3.000 16.11.1990 30.06.2023 14,467.49 17,709.65
固定 2.500 25.01.1991 31.12.2021 2,210,510.74 2,705,886.20 61,467.12 75,241.90
固定 2.500 25.01.1991 31.12.2022 98,116.07 120,103.88
固定 1.500 30.08.1996 31.12.2021 5,157,960.05 6,313,858.90 67,598.18 82,746.93
固定 1.500 30.08.1996 30.06.2022 53,680.68 65,710.52
固定 1.500 30.08.1996 31.03.2023 150,189.87 183,847.42
固定 1.500 30.08.1996 30.06.2023 209,849.25 256,876.47
固定 1.500 30.08.1996 31.03.2024 83,848.13 102,638.50
固定 0.400 04.10.2006 31.03.2032 10,498,800.00 12,851,581.08 2,550,539.00 3,122,114.79
固定 0.400 04.10.2006 31.03.2032 78,024.00 95,509.18
固定 0.400 04.10.2006 31.03.2033 726,700.00 889,553.47
固定 0.400 04.10.2006 30.06.2033 1,328,425.00 1,626,125.04
固定 0.400 04.10.2006 30.09.2033 1,415,414.00 1,732,608.28
固定 0.400 04.10.2006 31.12.2033 403,286.00 493,662.39
固定 0.400 04.10.2006 31.03.2034 780,246.00 955,099.13
固定 0.400 04.10.2006 30.06.2034 188,136.00 230,297.28
固定 0.400 04.10.2006 30.09.2034 305,340.00 373,766.69
固定 0.400 04.10.2006 30.12.2034 278,936.00 341,445.56
固定 0.400 04.10.2006 30.06.2035 780,071.00 954,884.91
固定 0.750 21.12.2005 30.12.2045 11,700,000.00 14,321,970.00 9,750,000.00 11,934,975.00
固定 0.750 27.12.1996 30.12.2036 4,703,885.31 5,758,026.01 2,513,510.83 3,076,788.61
固定 0.750 08.11.1999 30.12.2039 14,699,641.58 17,993,831.26 9,311,647.76 11,398,388.02
固定 0.750 17.09.1991 31.12.2031 8,819,784.95 10,796,298.76 507,548.68 621,290.34
固定 0.750 29.12.2005 30.12.2045 15,000,000.00 18,361,500.00 12,500,000.00 15,301,250.00
固定 0.750 15.03.2004 30.12.2043 7,500,000.00 9,180,750.00 5,750,000.00 7,038,575.00
固定 0.750 21.12.2004 30.12.2045 5,287,649.52 6,472,611.78 4,407,649.52 5,395,403.78
固定 0.750 07.0 4.2010 30.06.2050 7,000,000.00 8,568,700.00 6,713,000.00 8,217,383.30
固定 0.750 20.12.2007 30.12.2047 4,741,730.27 5,804,352.02 4,267,730.27 5,224,128.62
固定 0.750 30.06.2009 30.06.2049 10,200,000.00 12,485,820.00 3,284,765.31 4,020,881.22
固定 0.750 21.12.2004 30.12.2044 5,112,918.81 6,258,723.92 4,092,918.81 5,010,141.92
固定 0.750 30 .12. 2003 31.12.2039 25,564,594.06 31,293,619.59 8,101,931.21 9,917,573.99
固定 0.750 04.12.2000 30.12.2040 9,356,641.43 11,453,464.77 6,237,761.03 7,635,643.28
固定 2.991 31.01.2007 30.06.2025 2,536,050.00 3,104,378.81 951,018.75 1,164,142.05
日本円 1,803,861,285.17
LIBORベース 0.000 0.043 0.043 15.05.2002 15.08.2026 3,676,050,000.00 35,654,008.95 716,017,821.00 6,944,656.85
LIBORベース 0.000 0.202 0.202 16.12.2005 01.04.2024 2,746,625,000.00 26,639,515.88 389,238,626.00 3,775,225.43
LIBORベース 0.000 0.000 0.000 27.04.2009 15.09.2040 4,520,780,200.00 43,847,047.16 1,882,166,747.00 18,255,135.28
LIBORベース 0.500 0. 240 0. 740 29.0 6.200 6 15.0 6.20 26 11,710,000,000.00 113,575,290.00 3,186,702,299.00 30,907,825.60
固定 1.870 19.11.2001 01.08.2021 3,717,900,000.00 36,059,912.10 3,070,992.00 29,785.55
固定 1.750 19.11.2001 01.08.2021 4,599,183.00 44,607.48
固定 2.310 19.11.2001 01.08.2021 5,076,560.00 49,237.56
固定 1.760 19.11.2001 01.08.2021 5,455,118.00 52,909.19
固定 1.820 19.11.2001 01.08.2021 6,173,837.00 59,880.05
固定 1.980 19.11.2001 01.08.2021 2,310,391.00 22,408.48
固定 2.340 19.11.2001 01.08.2021 6,467,863.00 62,731.80
固定 2.080 19.11.2001 01.08.2021 4,979,414.00 48,295.34
固定 2.230 19.11.2001 01.08.2021 14,945,696.00 144,958.31
固定 1.820 19.11.2001 01.08.2021 10,361,560.00 100,496.77
固定 1.960 19.11.2001 01.08.2021 4,353,422.00 42,223.84
固定 1.450 19.11.2001 01.08.2021 1,513,473.00 14,679.17
固定 1.510 19.11.2001 01.08.2021 695,422.00 6,744.90
固定 2.410 08.12.2003 01.08.2023 1,188,200,000.00 11,524,351.80 2,963,378.00 28,741.80
固定 1.860 08.12.2003 01.08.2023 32,172,600.00 312,042.05
固定 2.420 08.12.2003 01.08.2023 22,085,678.00 214,208.99
固定 2.160 08.12.2003 01.08.2023 61,135,087.00 592,949.21
固定 2.300 08.12.2003 01.08.2023 75,237,831.00 729,731.72
固定 1.910 08.12.2003 01.08.2023 20,228,874.00 196,199.85
固定 2.010 08.12.2003 01.08.2023 40,988,879.00 397,551.14
固定 1.480 08.12.2003 01.08.2023 39,552,601.00 383,620.68
固定 1.590 08.12.2003 01.08.2023 1,972,170.00 19,128.08
LIBORベース 0.500 0.0 00 0.5 00 22.07.2005 15.04.2022 6,592,000,000.00 63,935,808.00 507,461,078.00 4,921,865.00
固定 1.543 22.08.2008 20.12.2021 10,000,000,000.00 96,990,000.00 750,000,000.00 7,274,250.00
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固定 2.500 10.06.1991 20.06.2021 30,084,000,000.00 291,784,716.00 733,756,000.00 7,116,699.44
固定 2.500 17.03.1992 20.03.2022 6,686,000,000.00 64,847,514.00 489,219,000.00 4,744,935.08
固定 3.000 20.12.1994 20.12.2024 22,499,999,999.00 218,227,499.99 4,390,232,000.00 42,580,860.17
固定 3.000 20.12.1994 20.12.2024 15,000,000,000.00 145,485,000.00 2,478,000,000.00 24,034,122.00
固定 2.500 30.08.1995 20.08.2025 6,131,000,000.00 59,464,569.00 335,740,000.00 3,256,342.26
固定 2.100 30.08.1995 20.08.2025 131,890,000.00 1,279,201.11
固定 2.500 30.08.1995 20.08.2025 1,352,000,000.00 13,113,048.00 249,190,000.00 2,416,893.81
固定 2.100 30.08.1995 20.08.2025 80,180,000.00 777,665.82
固定 2.700 30.08.1995 20.08.2025 12,315,000,000.00 119,443,185.00 2,654,060,000.00 25,741,727.94
固定 2.100 30.08.1995 20.08.2025 343,940,000.00 3,335,874.06
固定 2.700 29.03.1996 20.03.2026 24,712,000,000.00 239,681,688.00 3,925,834,000.00 38,076,663.97
固定 2.300 29.03.1996 20.03.2026 1,597,321,000.00 15,492,416.38
固定 2.700 29.05.1996 20.03.2026 10,494,000,000.00 101,781,306.00 2,747,316,000.00 26,646,217.88
固定 2.300 29.05.1996 20.03.2026 67,078,000.00 650,589.52
固定 2.500 29.03.1996 20.03.2026 5,158,000,000.00 50,027,442.00 1,314,753,000.00 12,751,789.35
固定 2.100 29.03.1996 20.03.2026 42,372,000.00 410,966.03
固定 2.300 18.03.1997 20.03.2027 876,000,000.00 8,496,324.00 159,432,000.00 1,546,330.97
固定 2.500 18.03.1997 20.03.2027 7,228,000,000.00 70,104,372.00 886,080,000.00 8,594,089.92
固定 2.100 18.03.1997 20.03.2027 452,777,000.00 4,391,484.12
固定 2.500 18.03.1997 20.03.2027 1,034,000,000.00 10,028,766.00 92,547,000.00 897,613.35
固定 2.100 18.03.1997 20.03.2027 160,407,000.00 1,555,787.49
固定 2.500 18.03.1997 20.03.2027 2,746,000,000.00 26,633,454.00 112,281,000.00 1,089,013.42
固定 2.100 18.03.1997 20.03.2027 57,252,000.00 555,287.15
固定 2.200 10.09.1998 20.09.2028 14,555,000,000.00 141,168,945.00 5,182,128,000.00 50,261,459.47
固定 0.750 10.09.1998 20.09.2038 602,388,000.00 5,842,561.21
固定 2.200 10.09.1998 20.09.2028 19,990,000,000.00 193,883,010.00 7,404,224,000.00 71,813,568.58
固定 0.750 10.09.1998 20.09.2038 241,992,000.00 2,347,080.41
固定 2.200 10.09.1998 20.09.2028 6,072,000,000.00 58,892,328.00 193,376,000.00 1,875,553.82
固定 1.700 10.09.1998 20.09.2028 1,370,480,000.00 13,292,285.52
固定 0.750 10.09.1998 20.09.2038 1,216,152,000.00 11,795,458.25
固定 0.750 28.12.1999 20.12.2039 35,350,000,000.00 342,859,650.00 21,965,368,000.00 213,042,104.23
固定 0.750 28.12.1999 20.12.2039 20,529,000,000.00 199,110,771.00 12,788,482,000.00 124,035,486.92
固定 0.950 31.08.2000 20.08.2040 16,450,000,000.00 159,548,550.00 9,316,200,000.00 90,357,823.80
固定 0.750 31.08.2000 20.08.2040 959,400,000.00 9,305,220.60
固定 0.950 14.09.2001 20.09.2041 59,037,000,000.00 572,599,863.00 37,715,286,000.00 365,800,558.91
固定 0.750 14.09.2001 20.09.2041 2,314,368,000.00 22,447,055.23
固定 1.400 30.09.2008 20.09.2038 24,846,000,000.00 240,981,354.00 6,673,140,000.00 64,722,784.86
固定 0.650 30.09.2008 20.09.2048 15,606,528,000.00 151,367,715.07
固定 0.010 30.09.2008 20.09.2048 196,672,000.00 1,907,521.73
固定 1.400 25.12.2009 20.11.2039 14,608,000,000.00 141,682,992.00 2,983,114,000.00 28,933,222.69
固定 0.650 25.12.2009 20.11.2049 6,722,838,000.00 65,204,805.76
固定 0.010 25.12.2009 20.11.2049 205,030,000.00 1,988,585.97
固定 1.400 09.11.2009 20.11.2039 30,380,000,000.00 294,655,620.00 17,901,496,000.00 173,626,609.70
固定 0.010 09.11.2009 20.11.2039 78,204,000.00 758,500.60
固定 1.400 12.01.2017 20.01.2042 4,928,000,000.00 47,796,672.00 2,615,000,000.00 25,362,885.00
固定 2.390 20.12.2007 30.12.2022 5,593,500,000.00 54,251,356.50 432,804,980.00 4,197,775.50
韓国ウォン 20,651,539.63
固定 2.500 07.05.2004 20.05.2034 33,189,000,000.00 30,600,258.00 22,398,633,000.00 20,651,539.63
米国ドル 432,883,671.69
LIBORベース 0.000 6.400 6.400 03.06.1997 01.09.2021 13,514,394.64 13,514,394.64 845,094.64 845,094.64
LIBORベース 0.000 2.133 2.133 12.12.2002 01.09.2021 36,485,605.36 36,485,605.36 1,838,428.65 1,838,428.65
LIBORベース 0.500 1.338 1.838 27.05.2016 15.03.2041 67,330,000.00 67,330,000.00 65,376,964.40 65,376,964.40
LIBORベース 0.500 2.137 2.637 19.05.2016 15.03.2041 60,000,000.00 60,000,000.00 6,642,260.07 6,642,260.07
固定 3.000 07.01.2010 21.01.2030 116,602,000.00 116,602,000.00 73,042,504.53 73,042,504.53
固定 2.000 20.11 .201 8 21.01.20 39 211,214,646.54 211,214,646.54 31,682,392.76 31,682,392.76
LIBORベース 0.500 2.790 3.290 31.05.2012 15.05.2037 275,000,000.00 275,000,000.00 253,456,026.64 253,456,026.64
B. 債券 1,837,877,000.00 1,795,817,000.00
日本円 358,863,000.00 358,863,000.00
固定 3.500 10.12.2002 13.12.2022 37,000,000,000.00 358,863,000.00 37,000,000,000.00 358,863,000.00
米国ドル 1,479,014,000.00 1,436,954,000.00
固定 9.625 05.05.1998 15.05.2028 300,000,000.00 300,000,000.00 300,000,000.00 300,000,000.00
固定 7.390 02.12.2009 02.12.2024 579,014,000.00 579,014,000.00 579,014,000.00 579,014,000.00
固定 7.390 23.11.2009 02.12.2024 600,000,000.00 600,000,000.00 557,940,000.00 557,940,000.00
II. 政府の引受 GFI 保証 85,565,763.35 85,565,763.35
カナダドル 210,606.37 210,606.37
無利子 30.06.1986 要求払い 267,807.00 210,606.37 267,807.00 210,606.37
ユーロ 398,119.91 398,119.91
無利子 30.06.1986 要求払い 325,234.79 398,119.91 325,234.79 398,119.91
英国ポンド 368.77 368.77
無利子 30.06.1986 要求払い 270.00 368.77 270.00 368.77
日本円 26,586.90 26,586.90
無利子 30.06.1986 要求払い 2,741,200.00 26,586.90 2,741,200.00 26,586.90
サウジリアル 7,288,511.43 7,288,511.43
無利子 30.06.1986 要求払い 5,918,966.00 1,578,179.82 5,918,966.00 1,578,179.82
無利子 30.06.1986 要求払い 18,456,608.00 4,921,103.85 18,456,608.00 4,921,103.85
無利子 30.06.1986 要求払い 2,960,000.00 789,227.76 2,960,000.00 789,227.76
米国ドル 77,641,569.98 77,641,569.98
無利子 30.06.1986 要求払い 8,333,333.32 8,333,333.32 8,333,333.32 8,333,333.32
無利子 30.06.1986 要求払い 5,215,433.52 5,215,433.52 5,215,433.52 5,215,433.52
無利子 30.06.1986 要求払い 33,088,000.00 33,088,000.00 33,088,000.00 33,088,000.00
無利子 30.06.1986 要求払い 7,511,546.63 7,511,546.63 7,511,546.63 7,511,546.63
無利子 30.06.1986 要求払い 18,598,000.00 18,598,000.00 18,598,000.00 18,598,000.00
無利子 30.06.1986 要求払い 509,091.00 509,091.00 509,091.00 509,091.00
無利子 30.06.1986 要求払い 514,525.51 514,525.51 514,525.51 514,525.51
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無利子 30.06.1986 要求払い 2,180,000.00 2,180,000.00 2,180,000.00 2,180,000.00
無利子 30.06.1986 要求払い 717,440.00 717,440.00 717,440.00 717,440.00
無利子 30.06.1986 要求払い 974,200.00 974,200.00 974,200.00 974,200.00
(1) 原通貨は、2021年1月4日のBSP参照レートを使用して換算されている。
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(1)
共和国の対外債務
2020 年12月31日現在
（単位：指定通貨の百万）
20 20 年12月31日現在
金利+
金利 約定日 満期日 約定当初額 未払残高
スプレッド/
手数料
(日・月・年の順に
(1) (1)
金利基準 スプレッド 金利 （年間） 記載している。 ) (原通貨) (米ドル) (原通貨) (米ドル)
総計 91,070,902,876.66 64,561,727,680.97
I. フィリピン共和国の直接債務 49,301,277,856.49 27,319,032,660.80
A. 政府機関によるもの 48,069,746,247.78 26,923,047,058.77
カナダドル 4,977,981.63 305,628.68
無利子 15.11.1974 30.09.2024 6,330,000.00 4,977,981.63 388,637.34 305,628.68
中国元 183,814,800.00 71,439,338.15
固定 2.000 11.05.2006 21.03.2026 400,000,000.00 61,271,600.00 146,378,146.85 22,422,058.16
固定 2.000 15.01.2007 21.09.2026 800,000,000.00 122,543,200.00 319,999,999.94 49,017,279.99
ユーロ 2,294,797,358.04 1,812,727,625.00
LIBORベース 0.500 0.000 0.500 23.04.2020 15.04.2030 231,632,000.00 283,540,731.20 231,632,000.00 283,540,731.20
LIBORベース 0.500 0.000 0.500 23.04.2020 15.04.2025 463,263,000.00 567,080,238.30 463,263,000.00 567,080,238.30
固定 0.750 14.02.2002 30.06.2042 6,828,167.68 8,358,360.06 4,816,167.68 5,895,470.86
固定 0.750 26.06.2002 30.06.2042 7,464,861.47 9,137,736.93 5,293,861.47 6,480,215.83
固定 0.750 20.12.2007 30.12.2047 10,000,000.00 12,241,000.00 8,842,536.60 10,824,149.05
固定 0.750 24.12.2008 30.12.2048 4,000,000.00 4,896,400.00 3,735,663.86 4,572,826.13
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LIBORベース 0.000 0.990 0.990 26.10.2015 01.11.2033 27,310,000.00 33,430,171.00 14,956,334.98 18,308,049.65
固定 4.500 23.07.1999 31.12.2022 72,672,834.17 88,958,816.31 11,179,022.36 13,684,241.27
固定 4.000 16.11.2000 30.06.2023 31,249,318.69 38,252,291.01 6,510,274.64 7,969,227.19
固定 4.400 11.12.2001 18.10.2024 23,986,986.00 29,362,469.56 7,995,662.00 9,787,489.85
固定 3.650 28.02.2002 31.10.2024 36,279,013.93 44,409,140.95 8,062,003.01 9,868,697.88
固定 3.450 28.02.2002 15.05.2025 18,168,208.54 22,239,704.07 6,813,078.18 8,339,889.00
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固定 2.500 09.02.1990 31.12.2022 273,910.61 335,293.98
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109/120
EDINET提出書類
フィリピン共和国(E34224)
有価証券報告書
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固定 2.700 16.07.1991 20.06.2021 1,795,000,000.00 17,409,705.00 30,688,000.00 297,642.91
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固定 2.700 16.07.1991 20.06.2021 20,020,000,000.00 194,173,980.00 488,291,000.00 4,735,934.41
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固定 2.300 30.08.1995 20.08.2025 138,740,000.00 1,345,639.26
110/120
EDINET提出書類
フィリピン共和国(E34224)
有価証券報告書
固定 2.700 30.08.1995 20.08.2025 6,386,000,000.00 61,937,814.00 1,283,330,000.00 12,447,017.67
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固定 1.800 28.12.1999 20.12.2029 5,068,000,000.00 49,154,532.00 1,377,522,000.00 13,360,585.88
固定 0.750 28.12.1999 20.12.2039 403,560,000.00 3,914,128.44
固定 0.750 28.12.1999 20.12.2039 4,714,000,000.00 45,721,086.00 156,522,000.00 1,518,106.88
固定 1.300 28.12.1999 20.12.2029 9,013,000,000.00 87,417,087.00 2,957,094,000.00 28,680,854.71
固定 0.750 28.12.1999 20.12.2039 558,942,000.00 5,421,178.46
固定 0.750 28.12.1999 20.12.2039 1,167,000,000.00 11,318,733.00 601,274,000.00 5,831,756.53
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固定 0.750 07.04.2000 20.04.2040 716,352,000.00 6,947,898.05
固定 0.950 31.08.2000 20.08.2040 14,724,000,000.00 142,808,076.00 8,445,440,000.00 81,912,322.56
固定 0.750 31.08.2000 20.08.2040 946,080,000.00 9,176,029.92
固定 0.950 31.08.2000 20.08.2040 3,549,000,000.00 34,421,751.00 1,932,400,000.00 18,742,347.60
固定 0.750 31.08.2000 20.08.2040 366,720,000.00 3,556,817.28
固定 2.200 30.05.2001 20.05.2031 8,294,000,000.00 80,443,506.00 3,207,141,000.00 31,106,060.56
固定 0.750 30.05.2001 20.05.2041 1,015,693,000.00 9,851,206.41
固定 0.750 30.05.2001 20.05.2041 5,543,000,000.00 53,761,557.00 193,028,000.00 1,872,178.57
固定 2.200 30.05.2001 20.05.2031 11,743,000,000.00 113,895,357.00 2,910,411,000.00 28,228,076.29
固定 0.750 30.05.2001 20.05.2041 407,786,000.00 3,955,116.41
固定 2.200 30.05.2001 20.05.2031 6,205,000,000.00 60,182,295.00 1,751,085,000.00 16,983,773.42
固定 0.750 30.05.2001 20.05.2041 696,590,000.00 6,756,226.41
固定 2.200 30.05.2001 20.05.2031 5,210,000,000.00 50,531,790.00 1,486,079,134.00 14,413,481.52
固定 0.750 30.05.2001 20.05.2041 600,486,000.00 5,824,113.71
固定 2.200 30.05.2001 20.05.2031 6,515,000,000.00 63,188,985.00 2,372,454,000.00 23,010,431.35
固定 0.750 30.05.2001 20.05.2041 662,601,000.00 6,426,567.10
固定 1.700 30.05.2001 20.05.2031 2,789,000,000.00 27,050,511.00 1,346,415,000.00 13,058,879.09
固定 0.750 30.05.2001 20.05.2041 99,261,000.00 962,732.44
固定 1.700 30.05.2001 20.05.2031 6,309,000,000.00 61,190,991.00 2,650,011,000.00 25,702,456.69
固定 0.750 30.05.2001 20.05.2041 754,154,000.00 7,314,539.65
固定 0.750 30.05.2001 20.05.2041 2,034,000,000.00 19,727,766.00 1,314,419,000.00 12,748,549.88
固定 2.200 28.03.2002 20.03.2032 6,723,000,000.00 65,206,377.00 3,268,070,000.00 31,697,010.93
固定 0.750 28.03.2002 20.03.2042 562,741,000.00 5,458,024.96
固定 1.700 28.03.2002 20.03.2032 6,790,000,000.00 65,856,210.00 3,020,912,000.00 29,299,825.49
固定 0.750 28.03.2002 20.03.2042 947,032,000.00 9,185,263.37
固定 0.950 28.03.2002 20.03.2042 18,488,000,000.00 179,315,112.00 11,493,255,000.00 111,473,080.25
固定 0.750 28.03.2002 20.03.2042 1,429,406,000.00 13,863,808.79
固定 2.200 28.03.2002 20.03.2032 22,049,000,000.00 213,853,251.00 6,463,398,742.00 62,688,504.40
固定 1.800 28.03.2002 20.03.2032 1,614,001,949.00 15,654,204.90
固定 2.200 28.03.2002 20.03.2032 3,224,000,000.00 31,269,576.00 1,291,611,000.00 12,527,335.09
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固定 0.750 28.03.2002 20.03.2042 484,481,000.00 4,698,981.22
固定 2.200 11.12.2003 20.12.2033 2,365,097,269.00 22,939,078.41 1,498,744,000.00 14,536,318.06
固定 2.200 30.03.2004 20.03.2034 6,223,000,000.00 60,356,877.00 2,719,629,000.00 26,377,681.67
固定 2.200 16.12.2003 20.12.2033 3,717,000,000.00 36,051,183.00 2,007,512,000.00 19,470,858.89
固定 0.750 27.02.2007 20.02.2047 8,529,000,000.00 82,722,771.00 7,919,525,000.00 76,811,472.98
固定 1.500 18.12.2007 20.12.2037 7,604,000,000.00 73,751,196.00 5,281,152,000.00 51,221,893.25
固定 0.010 18.12.2007 20.12.2037 898,348,000.00 8,713,077.25
固定 1.500 18.12.2007 20.12.2037 11,802,000,000.00 114,467,598.00 8,159,320,000.00 79,137,244.68
固定 0.750 18.12.2007 20.12.2047 271,620,000.00 2,634,442.38
固定 0.010 18.12.2007 20.12.2037 1,071,034,000.00 10,387,958.77
固定 1.400 20.03.2009 20.03.2039 9,293,000,000.00 90,132,807.00 8,386,346,000.00 81,339,169.85
固定 1.400 15.03.2010 20.03.2040 9,220,000,000.00 89,424,780.00 8,770,242,000.00 85,062,577.16
LIBORベース 0.000 0.01 0 0.01 0 15.03.2010 20.01.2025 13,830,000,000.00 134,137,170.00 4,978,800,000.00 48,289,381.20
固定 0.010 26.05.2010 20.05.2050 9,912,000,000.00 96,136,488.00 7,867,237,000.00 76,304,331.66
固定 1.400 31.03.2011 20.03.2036 40,847,000,000.00 396,175,053.00 27,353,101,015.00 265,297,726.74
固定 0.010 31.03.2011 20.03.2036 1,421,308,937.00 13,785,275.38
固定 0.300 30.03.2012 20.03.2052 9,244,000,000.00 89,657,556.00 4,573,653,948.00 44,359,869.64
固定 0.010 30.03.2012 20.03.2052 35,182,897.00 341,238.92
固定 1.400 30.03.2012 20.03.2042 22,796,000,000.00 221,098,404.00 19,146,364,071.00 185,700,585.12
固定 0.010 30.03.2012 20.03.2042 805,758,229.00 7,815,049.06
固定 1.400 30.03.2012 20.03.2042 4,591,000,000.00 44,528,109.00 3,965,938,016.00 38,465,632.82
固定 0.010 30.03.2012 20.03.2042 386,473,640.00 3,748,407.83
固定 1.400 30.03.2012 20.03.2042 6,063,000,000.00 58,805,037.00 5,177,630,021.00 50,217,833.57
固定 0.010 30.03.2012 20.03.2042 671,948,220.00 6,517,225.79
固定 0.200 30.03.2012 20.03.2052 11,836,000,000.00 114,797,364.00 10,762,585,550.00 104,386,317.25
固定 0.010 30.03.2012 20.03.2052 1,012,696,208.00 9,822,140.52
固定 1.400 30.03.2012 20.03.2042 7,546,000,000.00 73,188,654.00 6,227,965,808.00 60,405,040.37
固定 0.010 30.03.2012 20.03.2042 1,265,159,078.00 12,270,777.90
固定 1.400 30.03.2012 20.03.2042 6,187,000,000.00 60,007,713.00 3,095,177,363.00 30,020,125.24
固定 0.010 30.03.2012 20.03.2042 699,325,027.00 6,782,753.44
固定 1.400 10.10.2012 20.10.2042 7,775,000,000.00 75,409,725.00 7,775,000,000.00 75,409,725.00
固定 0.200 27.03.2013 20.03.2053 43,252,000,000.00 419,501,148.00 11,694,516,507.00 113,425,115.60
固定 0.010 27.03.2013 20.03.2053 2,465,326,759.00 23,911,204.24
固定 0.200 27.03.2013 20.03.2053 10,782,000,000.00 104,574,618.00 9,396,010,000.00 91,131,900.99
固定 0.010 27.03.2013 20.03.2053 1,385,990,000.00 13,442,717.01
固定 0.100 14.12.2013 20.12.2053 18,732,000,000.00 181,681,668.00 13,325,076,000.00 129,239,912.12
固定 0.010 14.12.2013 20.12.2053 238,785,334.00 2,315,978.95
固定 0.010 31.01.2014 20.03.2054 50,000,000,000.00 484,950,000.00 15,000,000,000.00 145,485,000.00
固定 0.010 31.01.2014 20.08.2054 10,000,000,000.00 96,990,000.00
固定 0.010 31.01.2014 20.02.2055 25,000,000,000.00 242,475,000.00
固定 0.010 26.03.2015 20.03.2055 7,929,000,000.00 76,903,371.00 90,210,029.00 874,947.07
固定 0.300 26.03.2015 20.03.2055 11,576,000,000.00 112,275,624.00 4,382,577,842.00 42,506,622.49
固定 0.010 26.03.2015 20.03.2055 532,120,448.00 5,161,036.23
固定 0.010 25.08.2015 20.08.2055 9,783,000,000.00 94,885,317.00 327,638,763.00 3,177,768.36
固定 0.010 25.08.2015 20.08.2055 23,906,000,000.00 231,864,294.00 423,824,767.00 4,110,676.42
固定 0.100 27.11.2015 20.11.2055 241,991,000,000.00 2,347,070,709.00 31,626,200,602.00 306,742,519.64
固定 0.010 27.11.2015 20.11.2055 4,422,316,285.00 42,892,045.65
固定 0.1 00 26.10.2016 20.10.2056 16,455,000,000.00 159,597,045.00 2,910,000,000.00 28,224,090.00
固定 0.010 26.10.2016 20.10.2056 180,263,759.00 1,748,378.20
固定 0.010 13.11.2017 20.11.2057 15,928,000,000.00 154,485,672.00 362,764,943.00 3,518,457.18
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20 20 年12月31日現在
金利+
金利 約定日 満期日 約定当初額 未払残高
スプレッド/
手数料
(日・月・年の順に
(1) (1)
金利基準 スプレッド 金利 （年間） 記載している。 ) (原通貨) (米ドル) (原通貨) (米ドル)
固定 1.500 28.02.2018 20.02.2048 9,399,000,000.00 91,160,901.00 1,511,716,516.00 14,662,138.49
固定 1.0 10 28.02.2018 20.02.2048 67,937,069.00 658,921.63
固定 0.100 16.03.2018 20.03.2058 104,530,000,000.00 1,013,836,470.00 33,343,876,397.00 323,402,257.17
固定 0.010 16.03.2018 20.03.2058 3,897,030,421.00 37,797,298.05
固定 0.100 08.10.2018 20.10.2058 4,376,000,000.00 42,442,824.00 1,038,247,798.00 10,069,965.39
固定 0.0 10 08.10.2018 20.10.2058 108,978,299.00 1,056,980.52
固定 0.100 08.11.2018 20.11.2058 38,101,000,000.00 369,541,599.00 18,508,652,364.00 179,515,419.28
固定 0.0 10 08.11.2018 20.11.2058 223,190,112.00 2,164,720.90
固定 0.010 21.01.2019 20.01.2059 167,199,000,000.00 1,621,663,101.00 5,281,410,336.00 51,224,398.85
固定 0.0 10 01.07.2020 20.07.2035 50,000,000,000.00 484,950,000.00 50,000,000,000.00 484,950,000.00
固定 0.0 10 15.09.2020 20.09.2060 50,000,000,000.00 484,950,000.00 10,000,000,000.00 96,990,000.00
固定 2.000 23.06.1997 15.05.2021 20,800,000,000.00 201,739,200.00 44,691,079.00 433,458.78
固定 2.000 23.06.1997 15.05.2021 23,038,029.00 223,445.84
固定 1.350 23.06.1997 15.05.2021 40,397,451.00 391,814.88
固定 1.500 23.06.1997 15.05.2021 15,092,524.00 146,382.39
固定 1.900 23.06.1997 15.05.2021 23,892,123.00 231,729.70
固定 1.750 23.06.1997 15.05.2021 19,677,404.00 190,851.14
固定 1.450 23.06.1997 15.05.2021 27,017,908.00 262,046.69
固定 1.300 23.06.1997 15.05.2021 28,174,437.00 273,263.86
固定 1.300 23.06.1997 15.05.2021 23,023,710.00 223,306.96
固定 1.500 23.06.1997 15.05.2021 18,865,468.00 182,976.17
固定 1.500 23.06.1997 15.05.2021 18,843,311.00 182,761.27
固定 1.800 23.06.1997 15.05.2021 25,416,024.00 246,510.02
固定 1.500 23.06.1997 15.05.2021 28,558,949.00 276,993.25
固定 1.500 23.06.1997 15.05.2021 20,775,707.00 201,503.58
固定 1.600 23.06.1997 15.05.2021 35,714,293.00 346,392.93
固定 2.300 23.06.1997 15.05.2021 36,607,461.00 355,055.76
固定 2.160 23.02.2007 15.11.2021 39,000,000,000.00 378,261,000.00 2,900,000,000.00 28,127,100.00
固定 2.490 04.09.2008 10.04.2022 23,407,764,508.00 227,031,907.96 2,257,501,388.00 21,895,505.96
固定 2.350 26.12.2008 19.09.202 2 33,963,312,331.00 329,410,166.30 4,553,196,541.00 44,161,453.25
固定 3.030 26.08.2009 24.06.2022 23,554,524,203.00 228,455,330.24 706,120,534.00 6,848,663.06
固定 1.430 26.08.2009 25.09.2029 9,116,271,478.00 88,418,717.07
固定 3.000 31.03.1993 20.03.2023 6,112,000,000.00 59,280,288.00 364,270,000.00 3,533,054.73
固定 2.700 16.07.1991 20.06.2021 3,516,000,000.00 34,101,684.00 85,038,000.00 824,783.56
固定 2.700 16.07.1991 20.06.2021 9,427,000,000.00 91,432,473.00 226,653,000.00 2,198,307.45
固定 2.700 16.07.1991 20.06.2021 8,283,000,000.00 80,336,817.00 180,829,000.00 1,753,860.47
固定 2.700 16.07.1991 20.06.2021 4,028,000,000.00 39,067,572.00 81,586,000.00 791,302.61
固定 3.000 29.01.1993 20.01.2023 3,653,000,000.00 35,430,447.00 384,845,000.00 3,732,611.66
固定 2.700 26.05.1992 20.05.2022 1,094,000,000.00 10,610,706.00 57,702,000.00 559,651.70
固定 3.000 12.08.1994 20.08.2024 11,433,000,000.00 110,888,667.00 1,900,440,000.00 18,432,367.56
固定 3.000 07.12.1994 20.12.2024 7,056,000,000.00 68,436,144.00 1,240,296,000.00 12,029,630.90
固定 3.000 07.12.1994 20.12.2024 6,630,000,000.00 64,304,370.00 1,086,152,000.00 10,534,588.25
固定 3.000 20.12.1994 20.12.2024 5,513,000,000.00 53,470,587.00 1,007,608,000.00 9,772,789.99
固定 3.000 20.12.1994 20.12.2024 10,756,000,000.00 104,322,444.00 62,456,000.00 605,760.74
固定 3.000 20.12.1994 20.12.2024 2,896,000,000.00 28,088,304.00 237,848,000.00 2,306,887.75
固定 3.000 20.12.1994 20.12.2024 457,000,000.00 4,432,443.00 41,728,000.00 404,719.87
韓国ウォン 770,616,899.89 259,625,309.47
固定 2.500 24.02.1998 20.12.2030 21,172,000,000.00 19,520,584.00 11,524,642,010.00 10,625,719.93
固定 1.500 15.12.2005 20.12.2035 23,041,000,000.00 21,243,802.00 16,960,380,000.00 15,637,470.36
無利子 13.07.2009 20.07.2049 14,953,000,000.00 13,786,666.00 1,349,022,000.00 1,243,798.28
固定 0.100 13.07.2009 20.07.2049 10,546,430,000.00 9,723,808.46
無利子 13.07.2009 20.07.2049 32,274,000,000.00 29,756,628.00 3,512,654,000.00 3,238,666.99
固定 0.100 13.07.2009 20.07.2049 17,504,980,000.00 16,139,591.56
固定 0.150 13.10.2011 20.10.2051 14,323,000,000.00 13,205,806.00 10,777,472,280.00 9,936,829.44
無利子 23.08.2012 20.08.2052 77,117,000,000.00 71,101,874.00 5,375,522,450.00 4,956,231.70
固定 0.100 23.08.2012 20.08.2052 71,540,845,570.00 65,960,659.62
無利子 09.08.2012 20.08.2052 235,988,000,000.00 217,580,936.00 7,277,878,430.00 6,710,203.91
固定 0.075 09.08.2012 20.0 8.205 2 52,797,805,490.00 48,679,576.66
無利子 19.08.2013 20.08.2053 22,424,000,000.00 20,674,928.00 1,886,666,940.00 1,739,506.92
固定 0.075 19.08.2013 20.08.2053 8,495,458,230.00 7,832,812.49
無利子 17.10.2013 20.10.2053 89,144,000,000.00 82,190,768.00 4,262,090,410.00 3,929,647.36
固定 0.075 17.10.2013 20.10.2053 35,033,971,390.00 32,301,321.62
無利子 28.04.2016 20.04.2056 120,536,000,000.00 111,134,192.00 1,768,626,490.00 1,630,673.62
固定 0.075 28.04.2016 20.04.2056 20,004,421,710.00 18,444,076.82
無利子 04.06.2018 20.06.2058 184,838,086,650.00 170,420,715.89 970,405,340.00 894,713.72
特別引出権（SDR） 523,029,188.80 142,625,378.61
固定 1.000 12.10.1981 01.09.2021 5,838,315.31 8,408,750.39 467,815.31 673,780.36
固定 1.000 24.04.1986 15.05.2026 39,807,621.26 57,333,722.67 12,510,021.26 18,017,808.32
固定 1.000 20.01.1995 15.10.2021 20,379,474.61 29,351,945.90 2,265,074.61 3,262,319.01
固定 1.000 20.01.1995 15.10.2021 6,487,928.05 9,344,368.13 721,528.05 1,039,195.20
固定 1.000 08.05.1996 15.09.2022 4,762,904.84 6,859,868.95 914,104.84 1,316,557.78
固定 1.000 27.11.1995 15.05.2022 8,512,850.57 12,260,803.29 1,283,650.57 1,848,803.41
固定 1.000 27.11.1995 15.04.2022 12,123,651.16 17,461,331.06 1,825,451.16 2,629,142.54
固定 1.000 03.06.1997 15.03.2023 6,765,191.11 9,743,701.80 1,555,391.11 2,240,183.15
固定 1.000 03.06.1997 15.05.2023 1,966,544.74 2,832,355.39 446,944.74 643,721.10
固定 1.000 21.01.1998 01.03.2024 9,269,975.84 13,351,268.10 3,129,575.84 4,507,434.20
固定 1.000 15.04.1998 15.05.2024 5,618,668.14 8,092,399.16 1,873,468.14 2,698,299.96
無利子 11.07.1991 15.02.2021 50,000,000.00 72,013,500.00 2,500,000.00 3,600,675.00
無利子 06.07.1992 01.12.2021 26,400,000.00 38,023,128.00 2,439,664.96 3,513,776.25
無利子 22.11.1993 01.06.2022 50,500,000.00 72,733,635.00 3,791,751.05 5,461,145.28
固定 0.750 06.03.1996 15.09.2035 6,150,000.00 8,857,660.50 1,967,648.96 2,833,945.77
固定 0.750 29.04.1998 15.03.2038 11,000,000.00 15,842,970.00 5,733,930.91 8,258,408.67
固定 0.750 08.04.2002 01.10.2041 11,600,000.00 16,707,132.00 6,493,831.68 9,352,870.95
固定 0.750 04.06.2008 15.04.2048 16,150,000.00 23,260,360.50 14,202,233.73 20,455,051.17
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113/120
EDINET提出書類
フィリピン共和国(E34224)
有価証券報告書
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114/120
EDINET提出書類
フィリピン共和国(E34224)
有価証券報告書
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固定 4.060 30.03.2007 15.11.2026 250,390.13 250,390.13
固定 3.290 30.03.2007 15.11.2026 316,239.58 316,239.58
固定 3.540 30.03.2007 15.11.2026 157,195.14 157,195.14
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固定 5.490 22.01.2003 15.10.2022 43,458.50 43,458.50
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固定 5.810 22.01.2003 15.10.2022 1,130,501.77 1,130,501.77
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フィリピン共和国(E34224)
有価証券報告書
固定 4.530 22.01.2003 15.10.2022 1,055,918.96 1,055,918.96
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固定 4.530 22.01.2003 15.10.2022 570,795.55 570,795.55
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固定 5.240 03.10.2006 15.06.2026 16,539,627.39 16,539,627.39
固定 3.240 03.10.2006 15.06.2026 11,139,503.97 11,139,503.97
固定 4.750 03.10.2006 15.06.2026 4,033,322.90 4,033,322.90
固定 4.170 03.10.2006 15.06.2026 13,054,284.85 13,054,284.85
固定 3.800 03.10.2006 15.06.2026 12,199,402.50 12,199,402.50
固定 3.730 03.10.2006 15.12.2026 8,452,088.62 8,452,088.62
固定 3.310 03.10.2006 15.06.2026 1,383,968.71 1,383,968.71
固定 2.460 03.10.2006 15.06.2026 13,246,009.45 13,246,009.45
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固定 2.440 03.10.2006 15.06.2026 1,575,083.00 1,575,083.00
固定 6.180 03.10.2006 15.06.2026 110,000,000.00 110,000,000.00 125,922.50 125,922.50
固定 5.200 03.10.2006 15.06.2026 2,934,984.94 2,934,984.94
固定 3.240 03.10.2006 15.12.2026 5,328,864.36 5,328,864.36
固定 4.170 03.10.2006 15.06.2026 8,998,817.49 8,998,817.49
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20 20 年12月31日現在
金利+
金利 約定日 満期日 約定当初額 未払残高
スプレッド/
手数料
(日・月・年の順に
(1) (1)
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固定 3.310 03.10.2006 15.06.2026 14,568,837.10 14,568,837.10
固定 2.110 03.10.2006 15.06.2026 14,156,647.70 14,156,647.70
固定 1.950 03.10.2006 15.06.2026 1,659,016.87 1,659,016.87
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LIBORベース 0.500 1.500 2.000 07.08.2009 01.05.2034 70,360,000.00 70,360,000.00 52,220,162.35 52,220,162.35
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LIBORベース 0.500 0.570 1.070 12.05.2011 01.01.2036 10,000,000.00 10,000,000.00 2,472,674.50 2,472,674.50
LIBORベース 0.500 1.280 1.780 15.06.2011 01.10.2036 250,000,000.00 250,000,000.00 250,000,000.00 250,000,000.00
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LIBORベース 0.500 1.420 1.920 23.09.2011 15.04.2037 497,500,000.00 497,500,000.00
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LIBORベース 0.500 0.870 1.370 20.04.2013 15.11.2037 300,000,000.00 300,000,000.00 300,000,000.00 300,000,000.00
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LIBORベース 0.500 0.870 1.370 14.10.2014 15.05.2039 116,000,000.00 116,000,000.00 17,703,907.10 17,703,907.10
LIBORベース 0.500 0.870 1.370 14.10.2014 15.05.2039 300,000,000.00 300,000,000.00 300,000,000.00 300,000,000.00
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LIBORベース 0.500 1.920 2.420 20.01.2016 15.04.2044 3,110.00 3,110.00
LIBORベース 0.500 1.920 2.420 20.01.2016 15.04.2044 1,240,640.00 1,240,640.00
LIBORベース 0.500 0.740 1.240 29.04.2016 15.01.2041 450,000,000.00 450,000,000.00 450,000,000.00 450,000,000.00
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LIBORベース 0.500 1.720 2.220 19.12.2017 15.04.2042 207,603,205.00 207,603,205.00 7,070,992.74 7,070,992.74
LIBORベース 0.500 0.680 1.180 14.02.2019 15.03.2042 40,700,000.00 40,700,000.00 101,750.00 101,750.00
LIBORベース 0.500 1.620 2.120 02.04.2019 15.10.2037 450,000,000.00 450,000,000.00 450,000,000.00 450,000,000.00
LIBORベース 0.500 1.220 1.720 28.11.2019 15.05.2044 300,000,000.00 300,000,000.00 300,000,000.00 300,000,000.00
LIBORベース 0.500 0.810 1.310 19.12.2019 15.12.2038 400,000,000.00 400,000,000.00 400,000,000.00 400,000,000.00
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LIBORベース 0.500 1.210 1.710 03.06.2020 15.05.2049 500,000,000.00 500,000,000.00 500,000,000.00 500,000,000.00
固定 3.000 24.12.1980 01.10.2021 5,700,000.00 5,700,000.00 239,319.30 239,319.30
固定 3.000 23.07.1982 15.04.2023 9,900,000.00 9,900,000.00 659,496.66 659,496.66
固定 3.000 03.04.1984 19.08.2021 3,200,000.00 3,200,000.00 2,080.83 2,080.83
固定 3.000 28.03.1980 05.03.2021 6,383,000.00 6,383,000.00 157,566.13 157,566.13
固定 3.000 15.02.1979 28.04.2021 4,400,000.00 4,400,000.00 102,252.11 102,252.11
固定 3.000 06.11.1981 06.11.2021 10,117,000.00 10,117,000.00 474,256.85 474,256.85
固定 3.000 28.05.1981 26.08.2022 1,000,000.00 1,000,000.00 87,807.33 87,807.33
固定 3.000 29.08.1980 01.06.2021 2,300,000.00 2,300,000.00 51,719.51 51,719.51
固定 3.000 04.12.1980 06.04.2021 2,700,000.00 2,700,000.00 58,261.22 58,261.22
固定 3.000 30.09.1981 17.08.2022 1,600,000.00 1,600,000.00 79,203.49 79,203.49
固定 3.000 31.08.1982 14.06.2023 4,500,000.00 4,500,000.00 97,817.05 97,817.05
固定 3.000 29.09.1982 28.04.2023 8,300,000.00 8,300,000.00 25,487.30 25,487.30
固定 3.000 23.05.1984 02.06.2023 7,000,000.00 7,000,000.00 5,182.82 5,182.82
固定 3.000 31.08.1983 16.11.2024 13,500,000.00 13,500,000.00 34,212.66 34,212.66
固定 3.000 24.08.1979 20.02.2021 2,500,000.00 2,500,000.00 25,950.62 25,950.62
固定 3.000 28.10.1980 16.12.2023 7,500,000.00 7,500,000.00 535,991.00 535,991.00
固定 3.000 04.12.1980 28.10.2023 9,200,000.00 9,200,000.00 73,939.02 73,939.02
固定 3.000 21.07.1982 12.09.2023 2,900,000.00 2,900,000.00 43,066.24 43,066.24
固定 3.000 30.07.1983 16.04.2025 7,800,000.00 7,800,000.00 206,858.37 206,858.37
固定 3.000 29.07.1983 01.10.2024 1,000,000.00 1,000,000.00 11,936.68 11,936.68
固定 3.000 26.03.1984 10.10.2024 2,300,000.00 2,300,000.00 66,660.67 66,660.67
固定 3.000 15.02.1979 22.11.2022 1,600,000.00 1,600,000.00 71,349.39 71,349.39
固定 3.000 30.06.1980 14.02.2023 3,300,000.00 3,300,000.00 276,238.48 276,238.48
固定 4.000 17.05.1991 01.10.2021 15,000,000.00 15,000,000.00 624,998.68 624,998.68
固定 4.000 03.02.1992 05.04.2022 20,000,000.00 20,000,000.00 1,666,619.08 1,666,619.08
固定 3.000 30.04.1993 26.11.2023 20,000,000.00 20,000,000.00 2,499,940.52 2,499,940.52
固定 2.000 12.07.2000 19.01.2021 40,000,000.00 40,000,000.00 1,040,298.13 1,040,298.13
固定 1.000 09.08.2001 31.12.2031 40,000,000.00 40,000,000.00 9,992,870.12 9,992,870.12
固定 1.000 09.08.2001 27.01.2032 7,433,906.02 7,433,906.02
固定 1.000 11.07.2002 27.12.2032 20,000,000.00 20,000,000.00 6,715,951.69 6,715,951.69
固定 1.000 11.07.2002 13.02.2033 2,715,969.29 2,715,969.29
固定 1.000 17.07.2003 31.12.2033 40,000,000.00 40,000,000.00 18,940,048.94 18,940,048.94
固定 1.000 17.07.2003 14.01.2034 1,141,401.39 1,141,401.39
固定 1.000 09.08.2004 31.12.2034 20,000,000.00 20,000,000.00 3,559,113.42 3,559,113.42
固定 1.000 09.08.2004 03.03.2035 7,722,366.41 7,722,366.41
固定 1.000 10.08.2005 21.03.2036 20,000,000.00 20,000,000.00 11,953,817.20 11,953,817.20
固定 1.000 14.07.2006 31.12.2037 20,000,000.00 20,000,000.00 6,220,367.08 6,220,367.08
固定 1.000 14.07.2006 14.01.2038 7,189,479.92 7,189,479.92
無利子 05.01.1973 01.09.2022 12,700,000.00 12,700,000.00 762,000.00 762,000.00
無利子 21.04.1978 15.12.2027 28,000,000.00 28,000,000.00 4,519,052.37 4,519,052.37
無利子 27.06.1979 01.06.2029 40,000,000.00 40,000,000.00 8,216,917.91 8,216,917.91
LIBORベース 0.000 1.370 1.370 11.10.2017 15.10.2035 10,333,000.00 10,333,000.00 9,408,929.05 9,408,929.05
固定 3.000 10.10.2001 15.04.2021 7,000,000.00 7,000,000.00 178,860.65 178,860.65
固定 4.000 17.12.2008 15.07.2028 30,000,000.00 30,000,000.00 1,019,976.93 1,019,976.93
固定 4.000 17.12.2008 15.07.2028 10,000,000.00 10,000,000.00 5,333,380.00 5,333,380.00
固定 4.200 20.07.2012 15.01.2032 30,000,000.00 30,000,000.00 21,342,329.90 21,342,329.90
LIBORベース 0.000 1.370 1.370 15.04.2019 15.04.2037 62,900,000.00 62,900,000.00 5,000,000.00 5,000,000.00
LIBORベース 0.000 0.313 0.313 06.02.1992 01.02.2022 20,000,000.00 20,000,000.00 1,500,000.00 1,500,000.00
LIBORベース 0.000 0.278 0.278 03.06.1994 01.06.2024 15,000,000.00 15,000,000.00 875,000.00 875,000.00
LIBORベース 0.000 0.278 0.278 03.06.1994 01.06.2024 1,750,000.00 1,750,000.00
固定 1.500 05.07.1996 17.03.2027 25,753,878.00 25,753,878.00 8,165,863.92 8,165,863.92
LIBORベース 2.000 0.425 2.425 28.12.2007 20.06.2022 62,750,000.00 62,750,000.00 2,398,896.86 2,398,896.86
LIBORベース 2.000 0.425 2.425 28.12.2007 20.06.2022 983,302.59 983,302.59
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フィリピン共和国(E34224)
有価証券報告書
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LIBORベース 2.000 0.425 2.425 28.12.2007 20.06.2022 514,103.63 514,103.63
LIBORベース 2.000 0.425 2.425 28.12.2007 20.06.2022 358,114.65 358,114.65
LIBORベース 2.000 0.425 2.425 28.12.2007 20.06.2022 436,450.99 436,450.99
LIBORベース 2.000 0.425 2.425 28.12.2007 20.06.2022 144,595.51 144,595.51
LIBORベース 2.000 0.425 2.425 28.12.2007 20.06.2022 144,972.61 144,972.61
LIBORベース 2.000 0.425 2.425 28.12.2007 20.06.2022 240,636.54 240,636.54
LIBORベース 2.000 0.425 2.425 28.12.2007 20.06.2022 92,199.31 92,199.31
LIBORベース 2.000 0.425 2.425 28.12.2007 20.06.2022 1,286,245.40 1,286,245.40
LIBORベース 2.000 0.425 2.425 28.12.2007 20.06.2022 272,492.49 272,492.49
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固定 0.300 28.05.2002 10.09.2032 6,779,174.50 6,779,174.50 3,968,297.43 3,968,297.43
固定 0.300 28.05.2002 10.09.2032 18,558,684.00 18,558,684.00 10,863,620.06 10,863,620.06
固定 0.300 12.12.2002 10.03.2033 12,937,310.99 12,937,310.99 7,888,604.27 7,888,604.27
固定 0.200 31.05.2006 15.09.2042 13,495,424.00 13,495,424.00 11,875,973.12 11,875,973.12
固定 3.000 09.11.2009 21.01.2030 89,153,766.00 89,153,766.00 56,267,249.67 56,267,249.67
LIBORベース 0.000 2.630 2.630 19.12.2017 15.04.2042 207,603,205.00 207,603,205.00 7,068,448.13 7,068,448.13
固定 2.000 10.04.2018 21.07.2038 62,086,837.82 62,086,837.82 25,070,371.38 25,070,371.38
LIBORベース 0.000 1.020 1.020 05.06.2020 15.05.2032 750,000,000.00 750,000,000.00 750,000,000.00 750,000,000.00
固定 1.500 29.10.2020 20.10.2050 100,000,000.00 100,000,000.00 100,000,000.00 100,000,000.00
固定 3.000 15.02.1978 15.05.2021 5,000,000.00 5,000,000.00 98,597.48 98,597.48
固定 3.000 01.08.1979 11.01.2022 2,617,000.00 2,617,000.00 60,581.71 60,581.71
固定 3.000 01.08.1978 06.01.2024 883,000.00 883,000.00 72,247.11 72,247.11
固定 3.000 29.08.1980 13.10.2021 1,500,000.00 1,500,000.00 19,304.23 19,304.23
固定 3.000 25.09.1981 15.03.2022 7,100,000.00 7,100,000.00 222,261.92 222,261.92
無利子 0.000 05.04.1974 15.04.2024 9,500,000.00 9,500,000.00 997,500.00 997,500.00
無利子 27.06.1979 15.02.2029 22,000,000.00 22,000,000.00 4,900,432.94 4,900,432.94
B. GOCC ／GFIに転貸したもの 1,231,531,608.71 395,985,602.03
ユーロ 16,275,263.80 7,119,452.71
無利子 30.10.1992 31.12.2022 3,718,402.88 4,551,696.97 371,841.62 455,171.33
無利子 11.03.1996 31.12.2025 3,264,014.04 3,995,479.59 828,460.14 1,014,118.06
無利子 04.08.2004 31.12.2038 6,313,280.98 7,728,087.25 4,615,769.40 5,650,163.32
日本円 1,205,240,415.60 388,415,432.60
固定 2.700 16.07.1991 20.06.2021 2,005,000,000.00 19,446,495.00 45,235,000.00 438,734.27
固定 2.700 16.07.1991 20.06.2021 5,788,000,000.00 56,137,812.00 134,073,000.00 1,300,374.03
固定 3.000 19.08.1993 20.08.2023 18,120,000,000.00 175,745,880.00 2,636,214,000.00 25,568,639.59
固定 3.000 19.08.1993 20.08.2023 1,259,000,000.00 12,211,041.00 174,996,000.00 1,697,286.20
固定 3.000 20.12.1994 20.12.2024 9,795,000,000.00 95,001,705.00 1,819,504,000.00 17,647,369.30
固定 3.000 20.12.1994 20.12.2024 6,212,000,000.00 60,250,188.00 454,152,000.00 4,404,820.25
固定 2.700 18.03.1997 20.03.2027 26,344,000,000.00 255,510,456.00 8,151,923,000.00 79,065,501.18
固定 2.300 18.03.1997 20.03.2027 125,944,000.00 1,221,530.86
固定 0.750 10.09.1998 20.09.2038 23,668,000,000.00 229,555,932.00 7,953,192,000.00 77,138,009.21
固定 1.000 07.04.2000 20.04.2040 22,262,000,000.00 215,919,138.00 11,960,793,000.00 116,007,731.31
固定 0.750 07.04.2000 20.04.2040 1,171,482,000.00 11,362,203.92
固定 1.000 07.04.2000 20.04.2040 8,266,000,000.00 80,171,934.00 4,753,359,000.00 46,102,828.94
固定 0.750 07.04.2000 20.04.2040 530,751,000.00 5,147,753.95
固定 3.000 16.08.1995 31.07.2025 545,400,000.00 5,289,834.60 135,338,655.00 1,312,649.61
米国ドル 10,015,929.31 450,716.73
無利子 03.04.1972 01.03.2022 10,015,929.31 10,015,929.31 450,716.73 450,716.73
II. NG 発効済債務 有価証券 41,769,625,020.17 37,242,695,020.17
中国元 606,588,840.00 606,588,840.00
固定 5.000 23.03.2018 23.03.2021 1,460,000,000.00 223,641,340.00 1,460,000,000.00 223,641,340.00
固定 3.580 20.05.2019 20.05.2022 2,500,000,000.00 382,947,500.00 2,500,000,000.00 382,947,500.00
ユーロ 2,386,995,000.00 2,386,995,000.00
固定 0.875 17.05.2019 17.05.2027 750,000,000.00 918,075,000.00 750,000,000.00 918,075,000.00
固定 0.700 03.02.2020 03.02.2029 600,000,000.00 734,460,000.00 600,000,000.00 734,460,000.00
無利子 03.02.2020 03.02.202 3 600,000,000.00 734,460,000.00 600,000,000.00 734,460,000.00
日本円 2,387,893,800.00 2,387,893,800.00
固定 0.380 15.08.2018 13.08.2021 107,200,000,000.00 1,039,732,800.00 107,200,000,000.00 1,039,732,800.00
固定 0.540 15.08.2018 15.08.2023 6,200,000,000.00 60,133,800.00 6,200,000,000.00 60,133,800.00
固定 0.990 15.08.2018 15.08.2028 40,800,000,000.00 395,719,200.00 40,800,000,000.00 395,719,200.00
固定 0.180 15.08.2019 15.08.2022 30,400,000,000.00 294,849,600.00 30,400,000,000.00 294,849,600.00
固定 0.280 15.08.2019 15.08.2024 21,000,000,000.00 203,679,000.00 21,000,000,000.00 203,679,000.00
固定 0.430 15.08.2019 14.08.2026 17,900,000,000.00 173,612,100.00 17,900,000,000.00 173,612,100.00
固定 0.590 15.08.2019 15.08.2029 22,700,000,000.00 220,167,300.00 22,700,000,000.00 220,167,300.00
フィリピンペソ 2,700,464,380.17 2,700,464,380.17
固定 4.950 17.09.2010 15.01.2021 44,109,000,000.00 918,535,640.66 44,109,000,000.00 918,535,640.66
固定 6.250 14.01.2011 14.01.2036 54,770,000,000.00 1,140,542,679.24 54,770,000,000.00 1,140,542,679.24
固定 3.900 26.11.2012 26.11.2022 30,800,000,000.00 641,386,060.27 30,800,000,000.00 641,386,060.27
米国ドル 33,687,683,000.00 29,160,753,000.00
固定 9.500 21.10.1999 21.10.2024 1,006,294,000.00 1,006,294,000.00 347,796,000.00 347,796,000.00
固定 10.625 16.03.2000 16.03.2025 1,000,000,000.00 1,000,000,000.00 480,463,000.00 480,463,000.00
固定 10.625 24.09.2003 16.03.2025 300,000,000.00 300,000,000.00 300,000,000.00 300,000,000.00
固定 10.625 16.09.2004 16.03.2025 700,000,000.00 700,000,000.00 700,000,000.00 700,000,000.00
固定 9.500 02.02.2005 02.02.2030 1,500,000,000.00 1,500,000,000.00 1,500,000,000.00 1,500,000,000.00
固定 9.500 16.05.2005 02.02.2030 500,000,000.00 500,000,000.00 500,000,000.00 500,000,000.00
固定 7.750 11.01.2006 14.01.2031 1,500,000,000.00 1,500,000,000.00 859,940,000.00 859,940,000.00
固定 7.750 14.07.2006 14.01.2031 450,000,000.00 450,000,000.00 450,000,000.00 450,000,000.00
固定 7.750 25.09.2006 14.01.2031 434,506,000.00 434,506,000.00 434,506,000.00 434,506,000.00
固定 7.500 25.09.2006 25.09.2024 774,204,000.00 774,204,000.00 577,589,000.00 577,589,000.00
固定 6.375 15.01.2007 15.01.2032 1,000,000,000.00 1,000,000,000.00 522,248,000.00 522,248,000.00
固定 6.375 05.02.2008 15.01.2032 500,000,000.00 500,000,000.00 500,000,000.00 500,000,000.00
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EDINET提出書類
フィリピン共和国(E34224)
有価証券報告書
固定 6.375 23.10.2009 23.10.2034 1,000,000,000.00 1,000,000,000.00 53,324,000.00 53,324,000.00
固定 6.375 13.01.2010 23.10.2034 850,000,000.00 850,000,000.00 850,000,000.00 850,000,000.00
固定 4.000 06.10.2010 15.01.2021 2,075,872,000.00 2,075,872,000.00 1,607,443,000.00 1,607,443,000.00
固定 6.375 06.10.2010 23.10.2034 946,807,000.00 946,807,000.00 946,807,000.00 946,807,000.00
固定 5.500 30.03.2011 30.03.2026 1,500,000,000.00 1,500,000,000.00 1,049,678,000.00 1,049,678,000.00
固定 6.375 23.10.2011 23.10.2034 50,000,000.00 50,000,000.00 50,000,000.00 50,000,000.00
固定 5.000 13.01.2012 13.01.2037 1,500,000,000.00 1,500,000,000.00 1,330,959,000.00 1,330,959,000.00
固定 4.200 21.01.2014 21.01.2024 1,500,000,000.00 1,500,000,000.00 1,500,000,000.00 1,500,000,000.00
固定 3.950 20.01.2015 20.01.2040 2,000,000,000.00 2,000,000,000.00 2,000,000,000.00 2,000,000,000.00
固定 3.700 01.03.2016 01.03.2041 2,000,000,000.00 2,000,000,000.00 2,000,000,000.00 2,000,000,000.00
固定 3.700 02.02.2017 02.02.2042 2,000,000,000.00 2,000,000,000.00 2,000,000,000.00 2,000,000,000.00
固定 3.000 01.02.2018 01.02.2028 2,000,000,000.00 2,000,000,000.00 2,000,000,000.00 2,000,000,000.00
固定 3.750 14.01.2019 14.01.2029 1,500,000,000.00 1,500,000,000.00 1,500,000,000.00 1,500,000,000.00
固定 2.457 05.05.2020 05.05.2030 1,000,000,000.00 1,000,000,000.00 1,000,000,000.00 1,000,000,000.00
固定 2.950 05.05.2020 05.05.20 45 1,350,000,000.00 1,350,000,000.00 1,350,000,000.00 1,350,000,000.00
固定 2.650 10.12.2020 10.12.2045 1,500,000,000.00 1,500,000,000.00 1,500,000,000.00 1,500,000,000.00
固定 1.648 10.12.2020 10.06.2031 1,250,000,000.00 1,250,000,000.00 1,250,000,000.00 1,250,000,000.00
(1) 原通貨は、2021年1月4日のBSP参照レートを使用して換算されている。
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フィリピン共和国(E34224)
有価証券報告書
（７）【その他】
該当事項なし
２【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
３【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
該当事項なし
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